特に確証は無いが……
○バール神群(バールから枝分かれした)
ソロモン72柱の一体、バール
バール・アリヤン(アスタロト?)
バール・アル(ベリアル)
バール・エシュモン(カルタゴの太陽/治癒神)
バール・カルナイム(二本の角の主)
バール・サフォン(サフォン山の主)
バール・シドン(シドンの主)
バール・シャミン(アラム語で『天主』:モレク(シャマシュ)の半身)
バール・シャメム(天空の支配者)
バール・ゼブブ(館/ハエの主:ベルゼブブ)
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バール・タルフス
バール・ティルス(ティルスの主)
バール・ハダド(雷神;バール・サフォン?)
バール・ハラン(ハラン市の主)
バール・????(バアルの恵み:ハンニバル)
バール・ハンモン(燃え盛る炭火の主人)
バール・ビブロス()
バール・ヘルモン(ヘルモン山の主)
バール・ペオル(ペオル山の主:ベルフェゴール)
バール・ベリテ(立法・契約の主)
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バール・ハダド(豊穣含む全ての植物の主)
ベール・マルドゥク(我が主、マルドゥク)
バール・マルフェ(病気を治すバール)
バール・レプ(死霊達の主)
669 :
天之御名無主:04/07/29 22:58
木曜洋画劇場「エクソシスト」、おもしろかったよ。
最後はあっさり風味だね。
670 :
天之御名無主:04/07/30 01:37
>>668 おお、よく調べたなw
じゃあ乗っかって一部補足させてもらおうかな。
アッカド語碑文のb`lsmyn(バアルシャマイン)はフェニキア語碑文にみられる
b`lsmm(バアルシャミム)と同一の存在と思われますが、785B.C.のザキル碑文には
sms(シャマシュ:太陽神)と併記されています。
すなわちこの時代にはバアルシャマインとシャマシュは別の神として信仰されており、
起源としては「太陽」を意味するsmsの神格に雨の神として知られていたb`lへの信仰が習合、
天候全てを司る神へと変化したものと思われます。
上記のバアル・シャメムとバアル・シャミンは全く同一の神でしょう。
b`l `smn(バアル・エシュムン)はもともとシドンの守護神で地下世界をすべるとされた
`smn(エシュムン)神が起源で、災いをもたらす神とされていました。
しかしギリシア・ローマ時代に医神アスクレピオスが信仰されるようになると同一視されて
逆に破壊や死を追いやる神として祀られるようになり、治癒神として広まったものです。
カルタゴで信仰されていた神はむしろmlqrt(メルカルト)であり、この神格はギリシアで
ヘラクレスとして信仰されました。
バール・ティルス(ティルスの主)と言われるのは一般にb`l mlqrt(バアル・メルカルト)の
ことで、元々ティルス(ティール、ツロ)の守護神であったメルカルトがティルスの植民市である
カルタゴに持ち込まれたことがうかがわれます。
また上記リストでバアル・ビュブロスと書かれている神は、ビュブロスの古地名gbl(ゲバル)の名を受け
b`lt gbl(バアラト・ゲバル)の名で呼ばれるのが一般的でした。
なおリストから外れた神名の例として、キラムワ碑文に記された
b`l. smd(バアルツェメド)、b`l hmn(バアルハムマン)、
qrthdsh(カルタゴ)から寄進された青銅皿に刻まれたb`l lbnn(バアルレバノン)などがあります。
さらに、バアルの名には b`l bn’ ○○の形で「○○の面で(能力的・社会的に)地位のあるもの」という
用法もあり、棟梁や長官などを表す称号にもなっていたそうです。
もうちょい補足。
バアル・ハダドは神名で用法があるかどうかは知りません。
が、br hdd(バル・ハダド)の名は神名でなく人名として碑文中に出てきます。
古期アラム語で記された860B.C頃のメルカルト像碑文には建造者の名としてバル・ハダド
の名が記されており、「雨音、雷鳴、叫び、反響」などを意味するhdd(ハダド)が神格化し、
さらにはその神のbr(息子)という意味を持つ王名とされています。
聖書列王記に出てくるダマスカス王ベン・ハダドはこれのヘブライ語読みです。
これでおしまい。
まあどうでもいいことなんですが・・・
バアルの名は元来信仰していたのがフェニキア人であったために
主としてフェニキア文字碑文に見られますが、
発音としてフェニキア語・フェニキア文字は子音しか表さず、
かつb`lの`(アレフ)は祖語喉音と呼ばれる喉の奥から発せられる音のため、
あえてカタカナで表記するなら「バール」ではなく「バアル」のほうが近いです。