欲の皮が突っ張り金に目が眩んでコンタクト目医者になった
欲皮張蔵のフィクション小説の開幕でーす。
好物:金
嫌いな物:眼科専門医、保健所
ああ、今日も退屈だなー。スリットで角膜に光当てるだけの単純作業。
ま、これでン百万円もらえるなら幾らでもやるけどね。
こないだ倒像鏡で眼底が偶然見えたんだよねぇ。感動感動。
そういえばあれ上下左右が逆に見えるんだってねぇ。初めて聞いたよ。プ。
一応診察室の机の引き出しにアンチョコ入れてあるんだよ。
めやに→タリビット
いたい→ヒアレイン
かゆい→インタール
その他→「近くの眼科で見てもらって下さーい」
これで完璧だな。
エコリシンの混ぜ方、ボクうまいよ。
張蔵の友人の「二瀬眼太郎」の独り言&検査員への助言
考えてみれば、医者の家に生まれたのが悲劇の始まりだ。
金持ちだってことはいい事なんだけど、当然、親は医者になれって思う。しかし、物心付いた時
から、俺の知能は明らかに人より劣っていた。
親父が医者になった時は、医学部は一番簡単だったんだ。しかし、俺の時は、死ぬほど難しい。
俺も医者になるまでは謙虚だったんだ。埼玉にある医大の学生をやっている時は、みんな馬鹿だ
って顔で見ているのが分かった。同じ埼玉にある跡○女子大の女の子を好きになったことがあっ
た。服とかバッグとか言われるままに結構貢いだよ。それで、5回もデートしたんだ。しかし、その
子の友達から聞いたんだが、その子が本命の東京にある国立の医学部の学生に「埼○医大の
人って良い人達ばっかりなのよ。頼めば、何でも買ってくれるの。」って喋っていたらしい。やっぱり、
馬鹿は辛いなって思った。
高三の時には、千葉にある医学部の家庭教師に家庭教師してもらってた。俺のことを完全に馬鹿
だと思っていたみたいだ。でも、地理は得意だったんだぜ。子供の頃から海外だけは言ってたから
な。でも、アメリカの首都がニューヨークだって知った時はショックだった。ラスベガスかと思ってたか
らな。英語は得意だと思ってたんだ。「ハウ・マッチ」とか、「アイム・ホーニー」とか、「カミング、カミ
ング」とか、色んな英語を知ってたんだ。ところが、その先生が出したのは、難問だった。「私は中学
校の先生です。」
俺は、「私は」からつまづいた。「me?」って言ったら、違うって。「my?」って次に言ったら、「お前はそ
ういう難しい事を覚えなくてもいい。私はアイとだけ覚えろ。」って教えてくれた。教えるの、上手だっ
たぜ。頭にスーッと入ったもん。でも、二週間後、「私はアイ」っていうのを忘れてた時、随分、辛そう
な顔をしてたな。スーッと入ってきたんだけど、スーッと出て行っちゃうんだよね。三鷹の方にある医
学部の人だったら、この感覚、分かるよな?弟がいってるけど。俺も、他の大学は一応受けたんだぜ。
最難関は聖マリアンナ医大だった。落ちたんじゃないんだ。朝、起きたら、もう12時だったんだ。「しよう
がないな」って家庭教師の先生も言ってくれた。
そういう俺でもさあ、医者になって、親父のコネで、東京の信濃町にある大学病院の内科に勤める
ようになったら、それからは、K大卒になったんだ。
それから、自分でも急に頭が良くなるのが分かったよ。でもさあ、やっぱ血液検査の結果とか見るの難しいだろ。
風邪の時は白血球というのが多くなるんだ。だから、それだけ覚えてたんだ。でもK大卒の奴より点
滴入れるのは上手いよ。これだけは負けない。毎日練習したもの。始めの半年は朝から晩まで点滴
の入れてたな。それで半年経ってやっと患者を受け持たせてもらえたんだ。うれしかったな。でもさ、
今ではこうしてコンタクトレンズの医者の仕事させてもらっているんだからありがたいよな。乱視は
ハードというのだけ覚えたんだ。乱視ってどこ見るかしってっか?Cという数字があるからその後ろをみ
るんだ。覚えとけよ。これが2より大きいと「ハード」っていうんだ。患者は俺のことみて感心するね。
これが今、俺が医者やっててよかったと思う瞬間だ。
もうこの仕事はじめて1年経つんだが、眼底ってずっと黒いもんだと思ってたんだ。何で真っ暗なのに、
視神経っていうんだろうと不思議だった。自分は眼が悪いのかと悩んだね。でも、最近10回に1回くら
いは、何か橙っぽいのがほんの一瞬だけだけど見えるような気がするんだ。あれが視神経乳頭という
ものだと思っている。これが見えるようになるのが今年の課題だ。お前らも自分にあった仕事見つけるんだな。
やれやれ、暇だなー。
さっき右の耳掃除したから、今度は左でもやるか。
待てよ、さっき左の鼻ほじくったから、今度は右にするか。
耳と鼻、どちらを優先させよーかなー。
悩むなー。いい暇つぶしだ。
アンチョコに
その他→「近くの眼科で見てもらって下さーい」
って書いてたんだけど、この4月から、日曜日に代診立てたんだ。
この先生が何と眼科医。といっても
2年目の研修医らしいけど、「眼圧が高いからアプラで測ったら正常でした」
とか、「Discにnotch、NFLDがあり、C/Dが大きいです」とか書いてある。よく勉強している。
何のことだか分からないけど、自分よりははるかに詳しそうだから
マニュアルを変えた。
その他→「日曜にもう一度来てください」
毎週何人も、このセリフ使っている。どうも日曜の先生も
自分がニセ目医者だと分かったらしく、きちんと日曜に処理してくれているようだ。
よかったよかった。
目が赤いといってきたから、流行り目かと思ってこのセリフつかったら
どうも虹彩炎というやつだったそうだ。
「前房にセルがあります」と書いてあったが、セルって今まで見たことないからまだ分からない。
一度見てみたいとは思っている。
もっとよく調べてみたら、木曜の代診は泌尿器科のやつらしい。
こりゃ儲けられるかな…。儲け話には鼻が効く欲皮だった。
それ以来、包茎っぽい顔をした若い男が来ると木曜に来るよう指示している。
紹介料くんないかなー。でへへ。
お、患者が来たらしい。カーテンから覗くとイケてる女だ。
うっしっし。これくらいしか楽しみないんだもんね。
いつもは2分診療。若いお嬢さんは無制限。
目だけじゃなくて聴診器も使ってみようかな。でへへ。
,一-、
/ ̄ l| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
▼▼-っ < 秀吉のほうはどうするんや
´∀`/ \__________
__/|Y/\.
Ё|__ | / |
| У.. |
/⌒⌒γ⌒ 、
/ γ ヽ
l γ ヽ
l i"´  ̄`^´ ̄`゛i |
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ヽ / ,へ ,へ ヽ./
!、/ 一 一 V
|6| | .|
ヽl /( 、, )\ ) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヽ ヽ二フ ) / < 検査員バカにするネタ切れたんやろ。
丶 .ノ \______
| \ ヽ、_,ノ
. | ー-イ
/  ̄ ̄ ̄ ヽ
/ \
/ /⌒''''''ヽ、 ヽ
| / \ )
| /-━ ━- ヽ、 /
.i (i ━ )( ━ )- i |
i |、 i i_ ノ __________
\i '.・.・.'、 iノノ /
i.i.、 ▼ ノ/ < おほほ、楽しいお話しですこと。
ヽ`.、___.ノ / \__________
張蔵の店は
月曜 ★張蔵★
火曜 ★張蔵★
水曜 ★張蔵★
木曜 代診
金曜 ★張蔵★
土曜 ★張蔵★
日曜 代診
となっている。張蔵が出るのは月、火、水、金、土だ。
週5日で客の人数は関係なく、月200万円の契約制だ。
管理医師になっている分、このくらいもらわないとなあと張蔵は思っている。
DQN私大出の自分としては、医師免許なかったら、飲み屋の店員とか
やってたんだから、ありがたいなと張蔵は私大医学部にコネを使って
行かせてくれた親に感謝している。でも、やはり内科は難しくついていけなかった。
コンタクト医者があってありがたいなと張蔵は自分の運のよさに感心している。
最近、張蔵は遠視だと疲れやすいというのを知った。理由はわからんが、
どうも、近くが見にくいらしく、遠くも遠視なのに見えにくいと聞いた。
遠視って2.0のことだと思うのだが、どうも理解できないと
張蔵は少し悩んだが、遠視が疲れやすいのは本当らしい。
マニュアルに一つ追加した。
「疲れやすい→サンコバ」
これで俺も目医者に近づいたかなと思う。
と、そこまで思って張蔵は気づいた。
結膜炎で何もしないのはマズイが、眼精疲労に目薬出さずに
誰が文句を言うのだろうか。所詮はビタミンじゃないか。
サンコバと書き間違えて変な知らない薬を出してしまってもまずい。
俺って天才、と思いつつ張蔵は「疲れやすい→サンコバ」を消した。
たまに診察していると「ここって普通の眼科の診察もしているんですかぁ?」と聞かれる。
それでバカにされたと怒っているようでは、まだまだコンタクト偽眼科医になりきっていない。
結膜炎くらいならアンチョコ見て目薬出しときゃ治る。それで眼科医扱いしてもらえるのだから、
安いもんだ。
断ってしまうと患者は引く。それは全ての状況に疑心暗鬼を駆り立ててヨロしくない。
■今日の偽眼科医アンチョコ■
「ここの眼科は普通の眼科の診察もしているんですか?」
→「はい」
そのうえで少しでも厄介そうなものは「精密検査が必要ですから」と
言って近所の病院に紹介状書いて290点ゲット!!
やれやれ、今日はひまだなぁ。平日の午前中は張蔵の眼科は閑古鳥が鳴いている。
店に付き合わされて、休診日を設定できないコンタクト眼科医はつらい。
「休むなら代診を立てて下さい」と言われるが、きょうび高くてバカにならない。
ケチると来てがいなくなるので元も子もなくなる。
高い時給払っているのにn.p.しか書かずに、後で保健所から文句言われる身もつらい。
さっき右の耳掃除したから、今度は左でもやるか。
待てよ、さっき左の鼻ほじくったから、今度は右にするか。
耳と鼻、どちらを優先させよーかなー。
また悩んでいたら昼休みになった。時が経つのは早いもんだ。
実は月曜日は、私は出勤していないのだ。
でも
>>13 では月曜日は私の出勤日だ。
な〜んでだ?
答えはまたいずれ。
実は私はロボット工学を研究していて、
代診ロボット「にせ眼科クン」を発明したのだ。
「モンダイアリマセーン」と、カルテに書かれた症状用語に反応して
タリビット、ヒアレイン、インタールなど決まった目薬の処方箋を
発行するのだ。ピービーも垂れ流しなのでリテイラーにはお薦めだ。
午後もぼちぼちしか来ない。
来たと思ったら隣の押瓜コンタクトの営業部長の原黒だ。
「先生、もうちょっとわが社のピービーにご協力いただけませんか?
このままだと粗利率が低くて当社も苦しいんです…」
既存ブランドを安くし過ぎて粗利率を悪くして、人気の無いピービーを
代わりに押し売ろうという魂胆が浅知恵なのだ。ほんとにアポーンな連中だ。
診療報酬点数の明細が届いた。今月も変わり映えしない。
やれやれ、ここからまた上納金払わなくちゃいけないなぁ。
そうすると代診に払う分引けば、そこそこしか残らない。
ま、やってることは大したことじゃないからいいけど、ピンハネされると気分が悪いのは事実。
原黒はピービーの売上が悪いと慇懃な調子で圧力をかけてくる。
「一ヶ月で交換するタイプのレンズですけど、ケアすればもっと長く
使えますよぉ。いま安いですよぉ」
なんて言って売ってるレンズをアレルギーの人が使うにはリスクが
ある。専門家は擬似定期交換ソフトコンタクトなんて断罪している。
■今日の偽眼科医アンチョコ■
「先生、もうちょっとわが社のピービーにご協力いただけませんか? 」
→「はい、わかりました」
そう言って放置しとけばよい。
患者のことを考えないとトラブルになった時に責任とるのは俺だからな。
さてさて、原黒も帰ってまたヒマになったなぁ。
2チャンにでもカキコするか。ふむふむ。
張蔵は高校時代、文芸部だったので小説は得意だった。
「さて、次郎は・・・」今日は原黒にあって鬱憤が溜っていたので
次郎の小説も憂さ晴らしで下ネタだらけの最悪な展開だが、清々した。
欲蔵にとってデブシステムも困った問題だったが、さらに凄いことが!
しばらくして現れた原黒が口を開いた。
「実は先生、今度ディスポを通販で売ることになったんですよ。それによって顧客の
囲い込みをより完全なものにします。」
それが眼科の診療報酬にどういう影響を与えるかは、鈍い欲蔵にも容易に理解できた。
張蔵は、欺かれたのはこれが始めてではなかった。
何かと言えば眼科から金をせびり取ろうとする眼鏡屋の寄生虫根性には
うんざりだった。
診療報酬は医師免許をもつ者に対する正当な国庫からの「報酬」だ。
ピービーの撒き餌にNBをわざとらしく載せたチラシの資金に流用されては迷惑だ。
ばかばかしいスレゆえsage
どうかんがえても医者になりたくてもなれない社員のやつが
書いているとしか思えない。
今から医学部行くって選択肢も可能だと思う!
>>29
無理無理
頭も金も無い
>30
でも、ここで文句や皮肉なんてやるより
なんぼかいいんじゃないのか?
一念発起で再受験してさ
やれやれ。張蔵は寄生虫相手に悩みが尽きない。
ところが更に問題が生じてきた。
さっき右の耳掃除したから、今度は左でもやるか。
待てよ、さっき左の鼻ほじくったから、今度は右にするか。
耳と鼻、どちらを優先させよーかなー。
また悩んでいたら夕方になった。時が経つのは早いもんだ。
まだ一時間近くあったが、張蔵は帰り支度を始めた。
今日もフィリピンパブのイボンヌが待っているからだ。
>>2 スリットは、ちゃんと教えれば「素人にもある程度は検査できる」
レベルだったりする??...。
>33
見えるだけなら。
でも皮膚だって、肉眼で見えるけど、素人が皮膚科医の変わりはできんでしょ。
見えたって、知識と経験ないと、何かあっても見逃すだけ。
見えているといっているのは経験不足の勘違い。
面白いのでage
あげ
age
面白いよせ●び師。
だからage.
福祉職員が女子高生目隠ししスカートの中を盗撮、逮捕
神奈川県警中原署は30日までに、川崎市中原区下新城2、
社会福祉法人職員阿部秀一容疑者(35)を県青少年保護育成
条例違反の疑いで逮捕した。
調べによると、阿部容疑者は8月11日午後、同区内の病院の
研修室で、同市内の高校2年の女子生徒(17)に、視力障害者の
疑似体験と称して、アイマスクで目隠しさせたうえ、床に落ちて
いる物を前かがみに拾わせ、後ろからスカートの中をビデオカメラで
撮影した疑い。
阿部容疑者は7月下旬ごろ、視力障害者の疑似体験講座開催の
チラシ数枚を作り、同病院で開かれた高齢者向けの介護講座に来ていた
女子高生数人に配布して参加を募集。参加した2人には撮影直前に、
あらかじめ用意したミニスカートとタンクトップに着替えさせていた。
阿部容疑者は「若い女の子に興味があった」と供述している。(読売新聞)
[9月30日22時30分更新]
張蔵の眼科に、コンタクト量販店の幹部の禿黒が来た。
「先生、今度ここの近くに診察無しでもレンズ買えちゃう
デブって店出すからよろしくね」
「何だよそれ、そんなの認められるか!」
「え、もう作っちゃってるから来月オープンだよ。
ウチも苦しいからねぇ。これが生命線なんだよ。
先生の出した処方箋の有効期限内なんだから問題ないでしょ?」
まるで事後承諾だ。困った奴等だ。
そこで、張蔵は考えた。コンタクトレンズ処方箋も
薬の処方箋も処方箋に違いない。
だったら、コンタクトレンズ処方箋の有効期限を
4日にしてしまおう。これ院長権限だもんね。
おいらは某メガネ店店員だけど、CLドクターって偽って
出会い系掲示板で女の子をだまして、もう10人くらい
やっちゃった。しかも全員生で中出し。
やっぱ医者には弱いのかね。バカだねこいつら。
お手当て払う約束の1ヶ月後にはサヨナラでした。
それもう少し教えろ。
お手当って、一ヵ月後に払う
約束か。
>>41 その日から、店の連中は連日押しかけて来て圧力をかけ始めた。
禿黒は口臭のきつい口で処方箋の有効期限を延ばせと言ってくる。
さらには暗にチラシの枚数を減らすと言ってきた。
これじゃあ患者数は激減だ。
張蔵もバカではなかったので、対抗してPBの処方を一切停止した。
利幅がとれずに店は大赤字になるはずだ。
張蔵は泥沼戦争も辞さない覚悟だった。無資格者にナメられて堪るか。
上とモメ始めてから、明らかに検査員の態度が変わってきた。
蛋白除去をさぼってアレルギーがボコボコに出てる患者に、PB禁止の
指示を出すと、露骨にブスーッと不満げな顔をする。ま、もともとブスなのだが。
中には陰口叩いたり、舌打ちしたり、カーテンを乱暴に閉めたりして
イチイチこっちの神経を逆撫でするようなことをしてくる。
ここで負けたら守銭奴の名がすたる。張蔵は徹底抗戦を決意した。
店のほうも大赤字。営業部長の禿黒もお手上げらしい。
私が「辞めたい」と言うのを待っているようだ。
そんなこと口が裂けても言うものか。ここは俺のニセ眼科だ。
客を集めれば集めるほど赤字が膨らむ店にして兵糧攻めだ。
粘着質の張蔵にはお得意の展開だった。
しばらくして開発部の死汰野がやって来た。
「役員会でもう先生とは一緒にやっていけないとの結論になりました。
後任にアルツハイマー病の老女医を探しましたので、そいつに名義貸ししてもらい、
PBを売りまくりたいと思います。つきましては先生・・・」
「俺は辞めないよ。俺の眼科だからね。
俺と組めないって言うんならソッチが出てくのが筋だろう。
保健所に相談したっていいんだぜ」みるみる奴等の顔は青ざめてきた。
そりゃそうだ。引っ越す手間だけ考えても大損失だ。眼科や販売店の造作を
壊して現状回復するだけでも何百万と飛ぶ。
「まぁセンセイ穏便に…上司と相談してきますんで…」舌野は早々に退散した。
引けてから張蔵は行きつけのフィリピンパブ「スモーキーマウンテン」に
行った。なじみのイボンヌが出てきた。
「ハーイ、先生ナンカキョウハ、オトコラシイ感ジネェ」
「そうかい、男は闘うとフェロモンが出てくるからな…」
張蔵はそっとイボンヌの太腿に手を置いてさすった。
イボンヌはちょっと目を伏せたが満更でもない様子だ。
明日からも奴等と戦うぞ…張蔵は闘志を新たにしてスコッチを飲み干した。
四五日経ってから禿黒がきた。見慣れない風采の上がらない男が一緒にいた。
「先生、話が混がらがると良くないんでね。
こちら、ウチの顧問弁護士の矢里手先生」
弁護士を連れてきたかぁ、本気なんだなと張蔵は身構えた。
「こちらの貪欲コンタクトさんと欲皮眼科さんとの契約関係は
何ら法律的に問題はありませんし、医販分離はしっかり先生が
管理されていることと存じますから問題ないですね」
矢里手は実態を知らないはずがない。眼科の検査を無資格の検査員が
「業務委託」と称してやっていることを逆手にとってコッチを
牽制する気らしい。したたかな奴だ。
「そういうことだからさぁ、先生も変な気起こさずに冷静に
話しようよ。保健所だとか税務署だとか困るのは先生でしょ?
お医者さんが人生に泥塗るようなことするのはこっちも本意じゃない」
これじゃーその筋並みの脅しだ。どうにかして特損を避けたい様子だ。
薄々魂胆が読めてきた張蔵は、逆に痛いところを突いている自信が
湧いてきた。笑いを噛みしめるのに苦労した。
「いやいや。正邪をはっきりさせるのは大歓迎だよ。
その結果俺に責任が出てきたらしょうがない話だ。
甘んじて受けるよ。ただ色々出てきて、他の店でも同じような
ことしてるって話が出てきたら、行政も考えるだろうけどね。
業務委託、機器使用、什器備品使用契約、どれもこれも
医院をがんじがらめにする契約だからねぇ」
「がんじがらめって・・・、正当な契約ですよ」禿黒はいきり立った。
「そりゃおたくの言い分だ。行政がどう判断するかだよ、重要なのは。
あと俺は何言われても辞めたり立ち退いたりしないから。
それを強要される筋合いもないしね。院長は俺だから」
禿黒は萎えた顔で退いた。
現在、利益追求のための会社の医療経営参入は認められていない。
従ってこうした契約が全て同じ特定の会社と契約されていて、
なおかつ料率その他が不当に会社に利益するものであれば、
行政は実質的に経営に参入していると判断して
保険医療機関として適正かどうか審査してくることになる。
その結果保険指定取消しなどがあれば、確かに医者のダメージになるが、
保険請求に巣食うコンタクトにとっても死活問題だ。
次の日は日曜日だった。張蔵は泌尿器科の印保先生に代診を頼んで、
近所の猫額不動産に足を運んだ。
「どう?それらしいの来た?」張蔵は加えタバコで聞いた。
「来ましたよ先生。先生のおっしゃった次の日に、冴えない風体の男と
浅黒でハゲのきつい男が来て、この近くに空きフロアはないかってね。
そうそう名刺も置いてきましたよ…どこだっけか」
店主の猫額が散らかった机の上から名刺を探そうと立ち上がった。
「探さなくてもいいよ。もう分かったから誰だか。有難う。
とりあえず大家に聞いてみるとか何とか言って話引き伸ばしてよ。
半年くらいだったら俺が家賃出すからさ」
「先生にはお世話になってますから融通しますよ」
不動産屋も不景気で話に乗ってきた。
油断も隙も無い。もう引越し先の物件を物色し始めているようだ。
張蔵が押さえた物件は、欲皮眼科から歩いて5分の通りに面した小さいビルの
一階だった。こんなところに引っ越されたら堪ったもんじゃない。
患者がほとんど流出してしまう。
あとは自分で医師系コンタクトをやるとしたらスタッフだ。
馬鹿にやらせたらこっちのストレスが大きい。慎重な人選が必要だ。
押瓜コンタクトで、仕事をソツなくこなしてはいるが、愛人に子供を
堕ろさせて消費者金融で金を借りて困っている水弧という男がいる。
コイツを引き抜いて急場しのぎに使うか。後でカワイコちゃんでも見つかったら
使い捨てればいい。ま、一ヶ月交換レンズみたいなもんか。ハハハ。
水弧のアパートに行ってみた。ボーナスも半月分だったと聞いたし
想像はしていたが、畳にコケが生えてそうなひどいアパートだった。
「菊川荘」の4号室が水弧の部屋だったが、すぐ解った。
と言うのもそこの部屋のドアに「金返せ押売り野郎」「腎臓売れ」などと
サラ金業者が貼っていったであろう張り紙がびっしり付いていたからだ。
まるで1980年代の光景だ。相当やばい筋から借りたのだろう。
あげ
聞くところでは、水弧は社員持株会のわずかな株まで担保に取られているとか。
しかし、それすらも押瓜コンタクトの株価低迷で借金返済には焼け石に水だ。
面白いよ、この小説
カンカンカン、階段を上がる靴音がした。「先生!どうしたんですか?」
水弧は驚いたが、すぐさまドアの張り紙を見られたことを悟り顔を真っ赤にした。
「大変みたいだなぁ。ストレスは仕事の押売りだけじやないみたいじゃないか…
ま、立ち話も何だし、喫茶店でも行くか?」「はい」
苔だかカビだか生えてそうなアパートは勘弁なので、張蔵は水弧と一緒に
近所のカネトールコーヒーに入った。
「単刀直入に聞くが、借金どれくらいなんだ?」
「二百万です。子供堕ろすのに…」
「それだけじゃないんだろ?あのビラは高利貸しだろ?」
「はい、薄給でボーナスも半月しか出ず苦しくて…。ギャンブルとかでは
全くありませんから、会社には御内密にお願いします」
ウソではなさそうだった。これなら利用価値がありそうだ。
「分かった。君の仕事振りには私も一目置いているんだよ。
何枚嫌がる客にPB売っても薄給は変わらないじゃ人生面白くないだろ?
能力はあるんだから、それを正当に評価されて、給与にも反映される
生活に興味はないかい?ボーナス先払いしてやってもいいんだよ。」
水弧は張蔵が云わんとする内容をすべて把握した。店と揉めているのも
先刻承知だったからだ。
「分かりました。宜しくお願いします。
私も患者さんの眼の安全を第一に考えていらっしゃる先生の下で
医療器具の販売に専心できるのは理想そのものです」
大義名分はともかく、高利貸しの借金は返すのが延びればそれだけ利子が
嵩む。水弧にもそれくらいの計算はできた。
「そうか、有難う。欲皮コンタクトの店長にしてやるから、一緒に頑張ろう!」
一見すると美しい起業の瞬間だった…。
「ところで、社内マル秘資料はいろいろあるんだろぅ…?」
その次の週に、張蔵は押瓜コンタクトのライバル店である
婦渡コンタクトの部長と面会した。
婦渡コンタクトは関東に以前から展開するチェーン店であったが、
地方出身の押瓜コンタクトに競合店を各地に建てられ、
価格競争力が貧弱なために苦戦を強いられていた。
欲皮眼科の近くには偶然出店がなかった。
警戒した様子で婦渡コンタクトの部長の小佐樫は名刺を出した。
「うちは今度押瓜とは手を切ることにしてねぇ。
売上もそこそこだったみたいだから、販売営業のほうを婦渡サンのほうで
引き継いでもらえないかどうか伺おうと思ってね…」
欲皮眼科だけで月の診療報酬点数は100万点近くあるから、悪くない話だ。
「社に帰って十分検討させて戴きますので、しばらくお時間を…」
小佐樫は驚いた様子でそそくさと後にした。
張蔵にその気は全くなかった。寄生虫はもう押瓜でこりごりだ。
どうせ似たり寄ったりの連中だろう。
奴等に良心や道徳を説いても馬の耳に念仏だ。所詮は商売第一だからな。
しかし張蔵はしっかりと「目的」を達成したのだった。
次の日に禿黒がまた眼科に来た。
張蔵は診察中だから院長室で待っていろ、と奥に通した。
禿黒は腰掛けて待っていた。ふと院長室の机の上の名刺に目が行った。
「婦渡コンタクト 部長 小佐樫・・・」
禿黒は残りの毛が全て抜け落ちるかと思うくらい驚いた。
張蔵は婦渡とも接触しているのか…。乗っ取りを企んでいるのだろうか。
疑心暗鬼に駆られているうちに、診察を終えた張蔵が入ってきた。
わざとらしく名刺を隠すふりをして、張蔵は言った。
「何度来てもらっても同じだな。とにかく俺は立ち退かない。
廃院する気も無い。これ以上押売りには協力できない。
携帯の通販にお墨付きの処方箋を垂れ流すこともしない。
あ、あと最近おたくの社員態度が悪いんで、自前の検査員雇うから
引き取ってもらっていいよ。あてはあるから」
「ま、そんなことおっしゃらずに。先生とわが社は共同経営者みたいな
ものですから…」
「そんな都合がいい時だけおだてて、影でナメた真似されるのにはもう飽き飽きだよ。
ともかく早く引き払ってくれ。販売は俺がやるから」
「ウチが出て行く時は眼科の造作を一度全て入居前の状態に戻しますよ」
「構わないよ。ウチは一銭も出さないよ。お宅から借りてるだけだからね」
空脅しも無駄と分かり、禿黒は早々に退散した。
しばらくして、張蔵は猫額に電話した。
「そろそろ貸してやってもいいよ。調べたんだけど他にこのへんで
適当な物件はないみたいだから、思いっきり家賃ふっかけてやんな。
おそらく呑んでくるよ。」
「わかりました。先生には感謝感謝です」
四、五日経って賃貸契約が成立したと猫額から連絡がきた。
家賃は百万で押し通したらしい。オンボロビルで吹っかけたもんだ。
次の日からそそくさと造作を準備しはじめていた。
何も知らないふりをして張蔵は向こうの出方を待った。
オンボロビルで眼科の体裁が整ったころ、禿黒が来た。
「先生の考えも踏まえてね、今回ウチが引っ越すことにするから。
造作は壊してくつもりだったんだけど、先生ここで続けるなら
売ってあげてもいいですよ。あと引っ越し移転のビラは貼らして
もらうからね」強気な態度に張蔵はムカッ腹がたった。
「いやいや、壊してってもらわないと困るよ。
何か押瓜の思い出臭さが残ったところで仕事したくないからね。
眼科は移転するわけじゃないから、そんな掲示はお断りだね」
俺が渡りに舟と話しに乗ると思っていたらしい禿黒は、焦って顔を
紅潮させた。「え、本当にいいの?冗談で言ってるんじゃないよ?」
「こっちも冗談じゃないよ」
「ま、壊すのも金がかかるからさ…先生が引き取ってくれれば話は
早いんだよ…。お願いしますよ」
「うーん。困ったねぇ。金額によるよ」
思いっきり買い叩いてやるつもりだ。
押瓜コンタクトにとって、こうしたケースは初めてではない。
短野県では、眼科の内装を会社の費用でぶっ壊し、店舗では糞メガネを
売って、医者が出て行くのを待った。医者が出て行ったあとで、開発部が
だまして連れて来た医者を後釜に据えるつもりだったが、なかなか出て行かなかったので
店舗を移転せざるを得ず、二重の特損という苦い過去があった
水弧の借金は全て精算してやった。
「有難うございましたっ!!これで夜、枕を高くしてゆっくり眠れます!!」
ボーナス先払いと最初は言ったが、後でバカバカしくなり借金という
形にして、月々給与から天引きすることにした。これなら安全だ。
水弧に手を回させ、今いる準社員も引き抜きに成功した。
使えない態度の悪い社員だけ、押瓜コンタクトに返した形になった。
返品見切り品といったところだ。
あとは検査員だが、求人誌で募集してみることにした。
しばらくすると電話がかかってきた。
「求人誌見ました。眼鏡屋で働いてたんですが続かず、
こないだまでフランチャイズのコンタクト店で働いていたんですが、
どうもそこの社長の矮小さに嫌気がさしまして…
検査は一通りできますよ。38歳でカミサン一人です。
趣味はカラオケです。レパートリーは・・・」
最後まで聞く気がせず、とりあえず電話を切っておいた次第だ。
電話を切ったら、すぐにまた応募の電話がかかってきた。女だった。
「今コンタクトのチェーン店で働いているんですけど、そこのやり方についていけなくって。」
「どこがいやなの?」
「ケア用品まとめ売りとか、一ヶ月使い捨てレンズの押し売りとか」
「若しかして、キョんシーていうレンズ?」
「どうして知ってるんですかあ」
やれやれ
「ああ死にたいなー」
「6月に戻れたらなー」
「あの頃は楽しくて綺麗だったなー」
ここ面白いね 名前には意味があるんだね
たぶん
電話を切ったら、すぐにまた応募の電話がかかってきた。太郎だった
死んだはずの太郎が帰ってきたのだ。
75みたいな脊髄反射レスをみると
ここの株だけは絶対手を出しちゃいかんと思う
そう、あのハート太郎だ
ウチのおこぼれ頂戴乞食のくせに
85 :
せらび様万々歳:02/10/18 22:56
そろそろバラすかな
やれやれ
>>71 募集をかけたがロクな奴がいなかった。張蔵は今更ながらこの業界の
お下劣な水準に閉口した。
しかしそうも言っていられないので、辛抱強く求人誌に掲載を続けた。
ある日、ひとりの女性から電話がかかってきた。色っぽい声だったので
経歴もろくに聞かずに、とりあえず履歴書を持って眼科に来るように
話した。
張蔵の読みは大正解だった。人妻の色っぽさがつつましさで隠されたような
美女だった。「黒本瞳といいます。眼科で看護婦をしておりました」
無資格者だけでは何かと不都合なので、看護婦の採用も考えていたこともあり
大歓迎だった。夫は海外単身赴任で、子供もいないというのが余計魅力的だった。
張蔵は内緒で押瓜コンタクト崩れの検査員の倍額の給与を提示した。
黒本も了解し、明後日から来てもらうこととなった。
張蔵は早くも黒本にお手当てを払っているような気分だった。
「見返り」を妄想しながらひとり笑うのだった。
検査員は水弧と、押瓜コンタクトから引き抜いた四里軽という女性、
そしていま雇った看護婦黒本、
あとは受付には引抜き組の元準社員の大絵留。これで十分だろう。
とりあえず体裁は保てる準備ができたわけだ。
あとはレンズメーカーの海千山千だ。
とりあえずししの担当を呼びつけた。
話をしたら、ししもPBの餌としてチラシで利用されていることに
相当不満を感じ苦りきっていたらしく、話はとんとん拍子だった。
前の押瓜コンタクトとべったりの房総も、一応扱うことにしたが、
あまりいい条件ではなかったので適当にすることにした。
これで準備万端だ。
「やれやれ、これである程度のメドはついたな。」張蔵は少し安堵した。
しかし悩みが完全に解消されたわけでもなく、あれこれ考えながら家路についた。
時計を見ると午前1時を過ぎていた。
今日に限って自宅への帰り道は、いつもと違うコースをたどっていた。
そのコースには、木が鬱蒼と生い茂る意外と大きな公園があった。
その公園に面した細い道路には人通りもなく、フロントにGMCと書かれた
大きな左ハンドルのワゴン車が駐車していた。
しかし、その車は小刻みに揺れている。張蔵は中を覗こうと近づいた。窓には
黒いフィルムが貼られていて中の様子がわからない。ステップに足を掛け、中を
覗こうとした瞬間、スライドドアが開いた。中には男数人と身包みを剥がされた女性が居た。
暗くてよくわからない。
「先生!助けて!」 その声で張蔵は気付いた。押瓜コンタクトから引き抜いた四里軽であった。
「先生!助けて!
おい、すごい展開になってきたぞ
じゃもう一度!「先生!助けて! 快楽死させて、いきなり現実は無理」
「生き返りたくないよ」
とわけのわからんことを逝っていたこんな男に
できるんだろうか?
>>92 面倒事は嫌だったので、張蔵は見て見ぬふりをして立ち小便だけ済ませ、
公園から離れ家路に着いた。
それにしても蓼食う虫も好き好きだ。あんな化粧の厚い押売り女のどこがいいのかな。
押瓜コンタクトの本社は、地方のとある街に建つ不釣合いな近代ビルの一フロアにあった。
「なんだ、たかが医者一人にナメられてノコノコと社長の前に顔出したんかぁ?
この穀ツブシが!」社長の羽芝の目の前で、禿黒は常務の駒須里に怒鳴りつけられた。
「すいません。すいません」普段の傲慢な態度は鳴りを潜め、禿黒はひたすら土下座した。
「まぁええ。それぐらいにしときゃー。ハゲも分かっとるみゃー。
おい、今度ヘタ打ったらお客様苦情相談室室長に異動だがや。
命懸けてそのフザけた医者と交渉せい」
羽芝は健康にいい豆をボリボリ食いながら冷たく言い放った。
禿黒もこうした経緯で左遷させられた社員はたくさん見てきたので、
本気で言っていることは骨の髄まで分かっていた。
「ありがとうございます。必ず潰します」
「もういい加減真実をしゃべってくれよ」
「取り返しがつかなかろうが、いくとっこまでいくよ」
とは言っても何の策もない。禿黒は途方に暮れた。
造作も思いっきり買い叩かれるのだろう。逆に買ってもらえなかったら
ウチの会社の特別損失をン百万と計上しなくてはならない。
まさに前門の虎、後門の狼だった。
憂さ晴らしに普段行きつけない飲み屋に足を踏み入れた。
「ハーイ、イラッシャイ。アラ、男ラシイカタネ♪」
それが例のイボンヌだとは禿黒は知る由もなかった。
100 :
名無しさん:02/10/19 23:46
気がつくと次の日の朝になっていた。禿黒は知らない公園のベンチに寝かされていた。
ふと胸ポケットに手をやると、財布がなくなっていた。
二日酔いで頭痛がひどかったが、クレジットカードが気になった。
急いでカード会社に照会した。「お客様は今日の朝、現金のお引き落としが
ございます。限度枠いっぱいの200万円ですね。あとデパートで貴金属も
購入されています」
誕生日をそのまま暗証番号にしていたことも不幸のはじまりだった。
禿黒は多大な借金を背負わされてしまったのだ…。
101 :
名無しさん:02/10/20 00:11
張蔵のもとに沈んだ面持ちで禿黒が来た。今度は泣き落としかと思ったが、
そんなことで動揺する張蔵ではなかった。
「色々査定したんだけどね、もう使い古してる部分もあるから、
ざっと300万円かな。それ以上はビタ一文も出せないね」
「そんな先生、冗談はやめて下さいよ」
「冗談なんか言ってるつもりはないよ。とにかくその額だ。
不満なら打ち壊してもらって結構。こないだ行った通り俺はそのほうが
気持ちもリニューアルできて有難いんだよ。誤解しないでくれ。
あくまで俺の好意なんだからな。早急に本社で羽芝と話し合ってくれ。
他の高いリース料払ってきた備品や検査器具は今月中にひきとってくれ。
それから店舗のほうは大家と話し合って俺が引き続き借りることになったから、
今月中に出てってくれないかな」
もはや全てが張蔵ペースだった。
102 :
名無しさん:02/10/20 00:14
103 :
名無しさん:02/10/20 06:09
そうしたら漏れもあきらめる。
早く貞子スレマジレスちょうだい。
コロシテクレ
頼む、もうネガいはそれだけ、
そうすれば、荒らさない。
104 :
名無しさん:02/10/20 21:48
「先生、冗談はやめて下さいよ」
禿黒がこんなに哀願しているにもかかわらず
張蔵にとりつく島もなかった。
禿黒に怒りがこみ上げてくる・・・・
「すいません、車に書類を置いてあるので取りに行きます」と禿黒は言う。
禿黒が立ち上がると思うと、隠し持っていた、刃渡り20cmはあろう、
肉切り包丁で、張蔵の首を切りつけた。
あたり一面に血飛沫が飛び、禿黒も返り血を浴びながら、ソファーに
伏せる張蔵をなおもメッタ刺しにした。
張蔵は救急隊が来た時には、すでに死亡した。
禿黒は近くのビルの非常階段から飛び降り自殺した。
なんとも痛ましい終焉である。
------------------------- 完 -----------------------------
105 :
名無しさん:02/10/20 21:57
なんだ、もうおわりかよ
106 :
名無しさん:02/10/22 10:16
悪い夢だったなぁ…張蔵は醜い脂体にしみ出た冷や汗をタオルで拭いた。
奴等も必死だろうが、俺も生活がかかっているんだ。
母校の浦口医科大学を卒業するまでにいくらかかったと思っているんだ。
ここで元を取り返さなければ一生負け犬人生だ。
張蔵は決意新たに眠りに就いた。
107 :
カートラン:02/10/22 10:18
>>106 俺もそうしてくれ。
まだ5月だったんかー
盗ったもの全部返してくれ。
108 :
名無しさん:02/10/22 13:25
>>106 羽芝社長のサルの一声で、押瓜コンタクトは300万円で欲皮眼科の造作を
張蔵に売却することになった。
「ええか、どんなことしても客を渡すな。完全につぶすんだがや!」
マネージャーは更迭され、やり手の土喫井(ドギツイ)が着任した。
禿黒は職を解かれ、健康イイ豆の訪問販売員に格下げされた。
いっそのこと辞めてやろうかと思ったが、貧乏人の子沢山で、分不相応な
住宅ローンも残っており、路頭に迷うわけにいかず黙って職に就いた。
土喫井の指示で眼科からは一切の機器の運び出しが完了した。
109 :
名無しさん:02/10/22 13:37
「ところで店側のほうはいつ退去するんだい?
もう大家さんとは話済んでるから困るんだよね」張蔵は土喫井に聞いた。
土喫井は黒縁メガネの奥から目つきの悪い目を光らせて応えた。
「そうですねぇ。患者の誘導がありますんでしばらくは」
「そんなことは聞いてない。誘導なんてされちゃ困るんだよ。
ウチの眼科は別に越すわけじゃないんだし、さっさと出てってくれ」
「上と相談します」ササッとゴキブリのように消えた。
110 :
名無しさん:02/10/22 13:47
新しい店舗のほうはもう既に出来上がっていた。
眼科も看板がかかっていた。「印保クリニック」・・・あの印保だった。
泌尿器科専門だから眼科と看板出せないのだろう。クリニックと誤魔化しといて。
そう思って見ると何だかイカ臭い医院だった。
代診だけで何も知らずに都合のいい話だけ聞かされてホイホイと担がれたのだろう。
店も移転祝いの花輪など置かれていた。張蔵はだんだん腹が立ってきた。
111 :
名無しさん:02/10/22 13:58
店はいつまで経っても退去しようとしなかった。
そのうち新店のほうも賑々しく開店した。
その地域一帯で割引ビラのついた広告をドカドカ配ったためか
客が殺到していた。まさに身銭を切っての客集めだ。
たまに間違って旧店に来る客がいたが、店で新店に誘導してしまうので
欲皮眼科の患者は激減した。
これは少し荒っぽいことをしても・・・張蔵は憎しみをたぎらせた。
112 :
名無しさん:02/10/22 14:03
眼科を密閉してから、入り口で張蔵はクサヤを焼き始めた。
「ゴホッゴホッ、何してるんですか?」店から土喫井が飛び出してきた。
「いや、美味い季節だからね。これから毎日焼くよ」
煙は全て店のほうに流れていった。
「キャ〜、クサ〜イ」店に残っていた社員は悲鳴をあげた。
113 :
名無しさん:02/10/22 15:53
114 :
名無しさん:02/10/22 16:00
しばらくして禿黒が来た。
田舎で豆売りの行商をしてたらしいが、本社の人間がみな張蔵との
交渉を嫌がり急遽呼び戻されたらしい。禿がよけい黒光りしていた。
「先生のおかげで豆売りから解放されたよ」
「たぶんまた逆戻りだろうけどねぇ」
「先生、クサヤはもう勘弁して下さい。
店舗側は撤退しますから、眼科の敷地として使って戴いて
構いません。ただし転居の看板だけは貼ってきますんで。
先生とウチは一切係わり合いなく、お互い頑張りましょう、と
言うことで」
どうやら商売で勝つ相当な自信があるようだ。
「それなら問題はないよ。分かった」張蔵は頷いてみせた。
115 :
名無しさん:02/10/22 16:08
翌日、店舗側は引っ越していった。これで押瓜コンタクトとは縁切れだ。
さっそく自宅待機していた水子を呼び寄せて、店長に任じた。
名前は草屋コンタクトとした。命名は安易でいいのだ(笑)。
さっそく登記を済ませ、眼科の横で営業を始めた。
目ヤニ困やしし等、押瓜と相性の悪いメーカーが総結集して花を贈ってきた。
「花もいいけど仕入れも頼むよ」
「わっかりましたぁ」どこまで当てになるか分からん連中だが、
張蔵はとりあえずおべっかを使っておいた。
116 :
名無しさん:02/10/22 16:13
12 名前:名無しさん :02/10/22 15:10
信じてますよ快楽、気持ちよくコロしてください。
呼吸がとまる瞬間の恐怖無くして、
死ぬ前にあたしの鼻づまりを最大限にしてみてください。
13 名前:名無しさん :02/10/22 15:22
できるだけ早く望み適えてチョ。
精神の時間、ムダにしたくない。
氏ねヒマジソ。
117 :
名無しさん:02/10/22 16:14
店舗には「移転のお知らせ」が貼ってあったが、とりあえずビリビリに
破いて捨てておいた。酔っ払いがやったことにしておこう。
押瓜と間違えた患者が来たので、それを相手に営業を開始した。
「あら、ちょっと魚臭いけど安いわねぇ。また来るわよ!」
ナース黒本の丁寧なフォローや、水子その他スタッフの押売りがない
謙虚な営業姿勢が好感され、ビラをまだ撒いていないのに順調な
滑り出しだった。
118 :
俺は厨房だよ:02/10/22 16:15
精神の時間、ムダにしたくない。
氏ねヒマジソ。
119 :
**忠告**:02/10/22 16:19
荒らしがあった時は普段の倍、筆を進ませます。
120 :
俺は厨房だよ:02/10/22 16:20
すいませんでした。
僕の方をよろしく頼みます。
121 :
名無しさん:02/10/22 16:22
ここ非常に面白い。
豆売りコンタク・・じゃなかった押瓜コンタクトと医院の喧嘩別れの
ケーススタディと言えなくもない。
122 :
名無しさん:02/10/22 17:14
CL眼科院長が量販店と対立して決別する場合、
同様な事例経験を知ることも無く、保護してくれる団体もなく
五里霧中で泣き寝入り、損な取引をさせられているのが実情だ。
このスレはそうした暗部を照らす逸作だ。
本当にこれがセラビという人の作品だとするなら、彼こそ師と呼ぶに値する。
123 :
名無しさん:02/10/22 17:19
>>119 早く続きを読みたいときは荒らせばいいんだな
125 :
名無しさん:02/10/23 00:09
本社では羽芝以下、苦々しい顔をした面々が集まっていた。
末席に欲皮眼科の横にあった藻芽琴店の新店長・土喫井が青い顔をして座っていた。
「なんだ?全然客が増えるどころか減ってるじゃにゃーか?
あんなにPB安売りさせてやってるのに、どういうことだがや?」
羽芝は張蔵に煮え湯を飲まされた復讐を遂げるどころか、返り討ちに遭っているのに
我慢がならなかった。
「うちもそれなりに頑張っているのですが、移転の看板も剥がされてしまい…」
「おみゃーの努力が足りんからだがや!」
「スイマセン、スイマセン」
「もっと藻芽琴店だけ安売りしろっ!下代割ってもええ。
赤出してもええから、とにかく客を掴め!欲皮の草屋コンタクトに
人っこ一人行かせるでにゃー!」社長は怒鳴り散らした。
126 :
名無しさん:02/10/23 00:16
その日から大安売りが始まった。駅前でウグイス嬢にチラシを配らせて
半額優待券を撒き散らした。
PBだけでなく、使い捨てのNBも破格の値をつけた。
客は殺到したがみなNB希望者だったので、PBの押売りトークは
激烈を極めた。それがさらに患者の印象を悪くした。
メーカーからも苦情がきた。それが自然と張蔵の耳にも達した。
張蔵は着々と準備を進めていた。その時を虎視眈々と待っていたのだった。
127 :
名無しさん:02/10/23 00:21
水子や他の眼鏡屋・レンズ屋崩れの新たに雇い入れた店員、黒本にも
応援を頼んで、全患者のダイレクトメールを準備していた。
草屋コンタクトの強みは、最近初診していれば再診で受けることが
できるので、診察代が少なくて済む点だ。印保の眼科に行けば開業から
なので、初診扱いで2〜3千円はかかってしまう。
ダイレクトメールは実は眼科の名前で出す予定なのだ。
「コンタクトの定期健診のお知らせ」だ。これでさりげなく患者を誘うのだ。
そして間をおかず、草屋コンタクトの安売りも仕掛ける算段だ。
あとはタイミングだけだった。
128 :
名無しさん:02/10/23 00:27
そしてついにその時が来た。
新店開始から二ヵ月後、累積赤字とメーカーの苦情に耐え切れなくなって、
押瓜コンタクトは一斉に価格を元に戻した。
PBだけ安めに、とは言っても原価が安いのだから当然なのだが、
設定して使い捨てを安売り期間に買い込んだ患者への誘導トークを
激しく展開しはじめた。
「そんなわけ分からないレンズいらないわよっ!
こないだは使い捨てが安かったから買っただけなのよ!
何でこんなにすぐ値上げするのよ!」話を聞いて怒って帰る患者が
押瓜コンタクトでは後を絶たなかった。
「今だ!」張蔵は全患者へのダイレクトメールを送った。
価格は下代ギリギリで、押瓜よりも安めに設定した。
「ウチは価格をコロコロ変えません。保障します」
患者は草屋コンタクトに殺到した。完全に流れは一変した。
129 :
名無しさん:02/10/23 00:43
時を同じくして、とんでもないことが起きた。
印保が前に勤めていた包茎手術専門クリニックで自由診療をいいことに
勝手放題やっていたのがバレて、脱税で捕まってしまったのだ。
ついでに性器への執着からだろうか、少女ワイセツビデオまで見つかり
医師免許を取り消されてしまったのだ・・・。
院長不在となり押瓜コンタクト藻芽琴店は営業できなくなってしまった。
その間、張蔵はバーゲンを続け、客の囲い込みに余念がなかった。
久しぶりに気分のいい日が続いた。
131 :
名無しさん:02/10/23 21:32
押瓜コンタクトは整形外科の尻紺を院長に引っ張ってきたが、
相当な時間休業を余儀なくされた。客はその間に草屋コンタクトに流れた。
押売りのないトークと安定した価格が好評で、
逆に必死になって使い捨てからPBへの転換を押売りする強引さと
猫の目変わりの価格、怪しげな診察技術が倦厭され、押瓜コンタクトは
閑古鳥だった。
「仕方にゃーで、奥の手を使え!」羽芝がさらなる投資を許可した。
132 :
名無しさん:02/10/23 21:39
急に押瓜コンタクトは内装工事を始めた。張蔵はピーンと来た。
「さてはメガネを始めるな…」
押瓜コンタクトは最近メガネの併売を始めて好評だった。
安い製品を仕入れてきて、眼科の診察を通さずに売ることができるのでデブ店でも
導入していた。
張蔵はさっそく近所の曽野筋メガネに電話した。
「今度あそこで安いメガネの販売始めるらしいですよ・・・」
「何だと!ぶっ潰してやるっ!」
ガラの悪さでは定評のある眼鏡屋だった。張蔵は楽しみだった。
133 :
名無しさん:02/10/23 21:45
その日から曽野筋メガネのハッピを着た目つきの悪い兄ちゃんが
押瓜コンタクトの入り口前で、メガネの安売りビラを配り始めた。
怖くて店に入れない客まで出てくる始末だ。
眼科にも目つきの悪い兄ちゃんが来て、尻紺の診察にイチャモンをつけ始めた。
「おい!こないだもらった目薬差したら充血が強くなったじゃねぇか!」
「おい!こないだ割れたレンズ探したくせに、まだ破片が残っとったやないか?
失明したらどないするんや?」
もともと自信なく診察していた尻紺は、スゴまれて金を掴ませるしかない始末だった。
張蔵がやりたかったことを眼鏡屋がやってくれた次第だ。
134 :
名無しさん:02/10/23 21:58
眼鏡屋と話をつけたのか、その後すぐに工事は中断された。
張蔵には羽芝の歯ぎしりする姿が目に浮かんだ。
メガネも併売できず、これ以上の安売りもできず、PB率も上がらず、
まさに押瓜コンタクト側は追い詰められていた。
わずかにPB交換システムだけの患者が細々と来る始末だ。
それも診察無しでレンズが買えるデブ店や携帯通販に流れてしまうので、
一年に一回きりの七夕患者だ。日の浅い藻芽琴店には酷な構造だ。
135 :
ま、しかし:02/10/23 22:17
押瓜がメガネを始められなかったのは結果的によかったわけで。
今じゃメガネ最大の不採算セクション。
136 :
名無しさん:02/10/23 22:59
■■社会派小説・ニセ目医者欲皮張蔵■■
■■衝撃の結末近し!!乞うご期待!■■
137 :
名無しさん:02/10/23 23:13
それから一年後・・・
押瓜コンタクト藻芽琴店は、完全に低落した。
価格競争で負け、信頼で負け、接客で負け、月の診療報酬点数は20万点そこそこ。
会社も無駄なテコ入れを止め、有能なスタッフは他店の戦力とした。
店長は風采の上がらぬ五味という男で、女性社員も揃いも揃ったブスばかりだった。
みなリストラ対象で持て余している人材だ。
院長の尻紺も会社の担当を呼びつけ文句をつける毎日だ。
最近では呼びつけても何だかんだ理由をつけて無視されていた。
138 :
名無しさん:02/10/23 23:19
かといって張蔵の草屋コンタクトも全盛を極めたわけではなかった。
低価格のPBにつけこまれ、あるいは診察無し販売デブや携帯通販に流れる客は
依然として存在した。
何駅か先には新しく医師系の蜜柑コンタクトが開業し、驚異的な低価格で
メーカーを敵に回しつつシェアを伸ばしていた。
元はといえば押瓜コンタクト一店舗で十分な商圏市場だったのだ。
そこが押瓜と張蔵に二分された訳で、決して旨味のある結果には双方とも
なり得ないのは明白だ。
事実張蔵のところも安定してはいるものの、ある意味頭打ちの様相を
呈してきた。このうえ蜜柑コンタクトが調子に乗ってこれば食われるのは
今度はこっちだ。張蔵は焦りを感じていた。
この閉塞した状況を打開するにはどうしたらいいのだろうか・・・。
139 :
名無しさん:02/10/23 23:27
「どうぞ」
張蔵は社長応接室に通された。
五円玉を重ねた五重塔や、鷹の剥製、大理石の時計が並べられ、
金のスマートな使い方を知らない田舎者のセンスが見て取れた。
「色々先生とは以前あったがねぇ、元々はパートニャーじゃったんやし、
腹割って話せば通じることもあるだがや」
羽芝は、張蔵の来訪の目的を訝しく思いながら、とりあえず取り繕った。
「毀誉褒貶はいいよ。単刀直入に言おう。
おたくの藻芽琴店を売ってくれないか?」
羽芝は絶句した。
140 :
名無しさん:02/10/23 23:55
「金を出すから、藻芽琴店を閉鎖してくれ。
このままじゃオタクも赤字の垂れ流しで耐え切れないだろ。
ウチも頭打ちの状態だ。あの商圏にコンタクト店は一つで十分なんだよ。
無駄な争いはやめて、オタクはもっと未開の市場を開拓する力があるんだから、
下らない見栄を張らずに、実利的な選択をしてほしい」
張蔵はハッタリをかまさずに率直な意見をぶつけた。
141 :
名無しさん:02/10/24 00:05
並みの経営者なら「ふざけるな」と追い返しただろうが、羽芝は身ひとつで
海千山千の業界を成り上がってきた男だけに、話を本能と商売勘で理解した。
「わかった。アンタに譲ろう。額は2000万だ。
それできれいさっぱり藻芽琴からは撤退しよう。
尻紺院長はずっと辞めたいと言ってたから問題にゃーだろう。
先生は商売上手だがや。医者にしとくんはもったーにゃーで。ハハハ」
張蔵は少し額が張ると思ったが、思い立ったが吉日だ、
用意してきた覚書を羽芝に見せ、双方調印した。
俺は勝った。張蔵は確信した…。
142 :
名無しさん:02/10/24 00:15
押瓜コンタクトは確かに藻芽琴の街から消えた。
その後、地方の県庁所在地のショッピングモールなどに新しく進出したが、
競合が激しく、一敗地に塗れている。
程なくして携帯通販による眼障害が社会問題化し、一部の外資系メーカーが
卸しを止めたため、通販も診察無し販売も頓挫した。
次の点数改正でコンタクト処方がマルメになれば終焉だろう。
今では苦し紛れの健康食品やサプリにまた熱心だ。
張蔵の草屋コンタクトは一時独占店舗として隆盛を極めたが、
医師系の蜜柑コンタクトの勢いがすさまじく、今では苦戦を強いられている。
医療ミスが医者という職業のの大きなリスク要因として台頭してきて、
気楽な眼科は志望者が増え、張蔵の周辺にもたくさん眼科の開業が相次いだ。
それらが商売の一助にコンタクトを扱うケースが増え、眼科医会も追随したので、
量販店でまともに買う客は激減した。
そうなると、張蔵も一眼科に過ぎなくなり、何の旨みもなくなってくるのだった。
結局は張蔵も押瓜も痛み分けといったところだったのだろうか。
■■the END■■
143 :
名無しさん:02/10/24 00:16
■■the END■■
144 :
名無しさん:02/10/24 08:47
お疲れ様でした。次回作期待してます。
145 :
名無しさん:02/10/24 20:34
この小説はセラビ師の傑作として、
医者とコンタクト量販店が揉めた際の永遠のバイブルとなるでしょう。
ありがとう!!セラビ師!!プロバイ法にだけは気をつけてね♪
146 :
名無しさん:02/10/26 00:02
コンタクト不況で共倒れか!
147 :
名無しさん:02/10/28 23:10
セラビちゃん御苦労さん!
またメール出しますね!
148 :
名無しさん:02/10/29 00:06
セラビのhotmailに出したバカ、ハケ〜ン!!
149 :
名無しさん:02/11/01 23:36
おもろいな
150 :
名無しさん:02/11/02 00:55
■■ふたたび健筆近く復活、乞うご期待!■■
151 :
名無しさん:02/11/07 21:27
ノーベル文学賞に推薦しまーす。
152 :
名無しさん:02/11/07 21:39
セラビがオナニーage
153 :
■■張蔵リターンズ■■:02/11/07 23:58
張蔵は藻芽琴に見切りをつけ、新興医師系の蜜柑コンタクトに身売りをした。
いまが旬なだけあり、そこそこな値で売れた。
張蔵は経営のイロハを学ぶために、あえて身元を伏せて老舗医師系の縄文コンタクトの
総帥・円元と手を組み、都心に殴りこみをかけることにした。
当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。
目をつけたのは若者の町、渋谷だった。
154 :
名無しさん:02/11/08 00:10
新橋の気の利いた飲み屋「除虫菊」で、張蔵は女将相手に杯を重ねていた。
「あら、張サン今日は上機嫌じゃないの?」
イボンヌより、趣のある和服の似合う女の方が落ち着くほどに張蔵は齢を重ねてきた。
明日から渋谷に開店だ。ま、円元は癖のある男だがリテイラーよりは信用できる
だろう。同じ医者だし。変なPBの押売りなども気にしなくていいのは、
張蔵にとっては精神衛生上大切なことだった。もうアノ手の田舎量販店は勘弁だった。
155 :
名無しさん:02/11/08 00:16
最近はどこの量販店も医者との契約をコロコロ変えてきて信用できない。
「俺たちがチラシ撒いて客集めてきてやってる」と公言する勘違いもいる。
店の赤字を診療報酬に手をつけて穴埋めしようとするのは、今ではどこも常套手段だ。
他にも検査機器をむりやりレンタル契約で借りさせて、法外なレンタル料を
半永久的に取ったり、酷いところでは医者の手取りがどんどん減らされたり、
変な保険に入らされたり、代診の紹介で手数料とられたり、もうありとあらゆる
ことで金をむしり取られるのだ。
医師免許がなければ堂々と一枚たりともコンタクトレンズを売れないことが
全然分かっていない連中なのだ。全く盗人猛々しい。
156 :
名無しさん:02/11/08 00:20
ま、その点医師系はある程度マシだ。
価格競争力があるので経営に余裕があるから、医者をだますようなことは
しないし、卑しい商売もしない。通販などもっての他だ。
ただ基本的にコンタクトの粗利が抑えられる分は、診察代で元を稼ぐ方法
だから、酷いところだと一ヶ月で初診扱いに戻る。
検査もいろいろさせられる羽目になるわけだ。
157 :
名無しさん:02/11/25 12:07
ネタ切れ…
ネタきれてんじゃん!もっとたのしいの聞かしてよ。
159 :
名無しさん:02/11/30 23:08
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
業界騒然!?ここまで書いちゃっていいの…!!
ついにあの「張蔵」がパワーアップして戻ってくる!!
題して「帰ってきた張蔵〜地獄の沙汰も金次第??〜」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
160 :
名無しさん:02/11/30 23:12
あらすじ
押瓜コンタクトとの抗争にピリオドを打った張蔵は、紆余曲折のすえ
母校の浦口医科大学の眼科医局に戻るが、元の業界の甘い汁が懐かしく
なり数ヶ月で退職。視力の測り方だけは一人前になり、元の業界に
逆戻り。しばらく眼鏡屋のコンタクトバイトでヤクザに食いつなぐ
毎日だった。
161 :
名無しさん:02/11/30 23:13
もう 終わりですか
162 :
名無しさん:02/11/30 23:15
今日も夕方から眼鏡屋のコンタクトバイトだなぁ。
張蔵は開店から粘ったパチンコ屋を出て、支度をして向かった。
財布は空っぽ。最近は景気が悪いのか玉の出も悪い次第。
電車を乗り継いで向かった先は和姦メガネのとある店舗だった。
やれやれ、数時間の辛抱とはいえ疲れるなぁ。
163 :
名無しさん:02/11/30 23:18
眼鏡屋の一角の狭い一畳あるかないかのスペースが「診察室」だった。
レンズの処方に口出しなど許されぬ雰囲気。
患者も診察してもらおう、などという殊勝な雰囲気はなく、面倒な様子。
スリットも異様に旧い骨董品並みのもので、明かりすら満足に照らせぬ
代物。さすがにアングラな張蔵でも虚しさを感じずにはいられない
瞬間だ。
164 :
名無しさん:02/11/30 23:21
夕方3時間だけの診療で時給12000円。
今はフリーター状態の張蔵にはそれでも垂涎のバイトだ。
押瓜コンタクトでふんぞり返ってリテイラーを奴隷のようにこき使っていた
あの頃が懐かしいなぁ。張蔵は郷愁にふけった。
ふと診察机の上を見ると「医痔珍宝」の最新号が置いてあった。
こんなケチな眼科にも院長はいるわけで、そいつも同じ事を考えたの
だろうか。張蔵はおかしくなって噴き出した。和姦の店員が訝しく見た。
165 :
名無しさん:02/11/30 23:25
医師系、量販店系、怪しい一般眼科、霊シックなど入り乱れる中、
張蔵はある記事に目が止まった。
医療法人の名前で募集を出しているが、おそらくは量販店だろう。
「医療法人劣勢会 コンタクト眼科外来募集
関東近県 高収入保証 バイト可」
166 :
名無しさん:02/11/30 23:30
電話してみると、妙な関西訛りの男が出てきた。
「大東亜オプタルの屑本と申しますぅ」何か信用しづらい雰囲気だ。
いろいろ話してみると、とりあえずお会いしてから、とのこと。
暇はいくらでもある張蔵だったので約束をしてみた。
167 :
名無しさん:02/11/30 23:34
どうせ向こうの奢りだろうからと思い、張蔵は帝国ホテルのロビーの
喫茶店で待ち合わせた。
時間の5分前に、金縁のメガネを掛けた安っぽいサラリーマン風の男が
やってきた。「どーもぉ、屑本と申しますぅ」
おそらく会社を転々としてきてこの業界の泥水を飲んで暮らしているの
だろうが。リテイラー特有の胡散臭さのにじみ出た感じの男だ。
168 :
名無しさん:02/12/01 16:55
会社の説明を延々とされたが、張蔵にとってはどうでもいい話だったので、
右から左に抜けさせていた。
社長がビジネス雑誌に載せた広告記事のコピーなんぞを自慢げに見せられたが
他に金の使い道はなかったのだろうか。
「とりあえず代診にお入りになりませんか?」
張蔵にとっては願ってもない話だ「そうだね。近場がいいが」
「ございますぅ。時給は先生は専門医じゃないですから11000円で
ご勘弁願いますぅ」今まで聞いた中で一番低い時給だったが、
怒りを抑えてとりあえず引き受けてみることにした。
もちろん、それに1000円上乗せして眼科から紹介手数料をとっていたことが
分かったのは後日だったが。
169 :
名無しさん:02/12/01 20:51
それから数日後、張蔵は神無川県のとある眼科にバイトに行った。
大東亜オプタルは軽態コンタクトという名前で地域展開している。
診察に入ったもののfittingにも通さず適当な次第。
堂々とケア用品4年分の販売トーク、診察抜きで買えちゃうDebシステム、
箱売り同然の携帯通販などの紹介が眼科内で行われており、聞き耳をたてていた
張蔵はゲンナリしてきた。
170 :
名無しさん:02/12/01 20:56
一ヶ月交換のPB(private brand:その会社独自の商品。
コンタクトの場合は原価が安く粗利の高い商品の場合が多く、
販売員はこれを優先的に売るように指示されている。
当然品質は安かろう●かろうのものが多い)の受取がやはり多い。
蛋白除去をしていない患者が多く、花粉症の時期でもないのに
アレルギー結膜炎のやつが多い。どうも院長は上眼瞼を反転していない
(できない?)らしく、見逃しが多い。困ったことだ。
171 :
名無しさん:02/12/01 21:03
検査員はケバケバしい女が多い。男性社員よりも人件費が安上がりだから
だろうか。態度は横柄だし、コンタクト中止にして処方を延期すると
露骨にイヤな顔をする。何か勘違いした連中だ。
2週間のdispoの患者が来ると早速お得意のトーク炸裂だ。
「一ヶ月の交換レンズのほうがお得ですよぉ。
次回からはデータら目カードを発行しますから、お近くのDebや
携帯から診察なしで買えちゃいますよぉ。」
価格に弱い連中はこのへんでイチコロだ。検診なんかまず来ないだろう。
こんなシステムよく院長連中は認めたなぁ、と張蔵は変に感心した。
172 :
名無しさん:02/12/04 00:38
本棚には飾りじみた眼科の本、まるで研修医レベルだ。
あとは漫画。サラリーマン桃太郎、ボルボ13、課長島B作・・・
おおよその知的レベルは推して量られる。
隅の方に札束医科大の卒業名簿があった。ここの出身なのだろうか。
カルテはほとんどn.p.だけ。たまに結膜炎やアレルギーの記載がある
程度。いちいち医者に診てもらわなくても分かりそうな病気だけ。
173 :
名無しさん:02/12/04 00:48
それでも午前中で15人ほど来院。まぁ及第点だろう。
でもここは駅ビルの万引百貨店の中に入っているから地代が高いだろうし、
経営がうまくいっているかどうかは微妙なラインだ。
「お昼です。お疲れ様」厚化粧のマネージャーが声をかけてきた。
昼を食いに百貨店を出るとびっくり。目の前に安売りで有名な虫王コンタクトが
あり、派手に展開している。これでは厳しいだろう。
174 :
名無しさん:02/12/05 19:50
ぶらぶら散歩していると、ベースコンタクトなんてのもあった。
ものすごい激戦区だ。
元はベースコンタクトだけだったが、今年に入ってから軽態と虫王が参戦したらしい。
175 :
名無しさん:02/12/21 15:52
それで
176 :
名無しさん:02/12/21 19:30
欲の皮が突っ張り金に目が眩んで医者になった
欲皮張蔵のフィクション小説の閉幕でーす。
好物:金、お世辞
嫌いな物:赤ひげのような医者
177 :
名無しさん:02/12/23 10:38
コンタクトレンズ業者に医者がいいなりにならざるおえない
理由は業務委託契約(実質診療報酬の入ってい預金通帳 の取り上げ)
と医院開業物件の押え(すなわち ビル所有者との賃貸契約は、
業者のほうで契約し 医師に転貸するといううもの)である。
医院は 開設管理者が、本来法的には所有者と契約しなければ
ならないのだが、若い医者はそのことをしらないまま
口車に乗り、開設届を違法な転貸物件で出してしまう。
気が付くと悪質業者が多額の負債を勝手に帳簿操作して付け
負債何千万円となり抜けるに抜けなくなるといううわけ。
また従業員も業者の息のかかった者ばかりが配属され
本来的には開設管理者の診療報酬より給与がでている
にもかかわらず、医師の指示に従わず勝手にレンズ
を処方し、医学的責任は医師になすりつけるといううわけ。
会社のなかには、医販分離なる言葉を使いそれがあたかも
厚生労働省の国是のごとき(厚生労働省はただ単に医院内での
コンタクトレンズの販売を認めていないだけ)
主張しそれら従業員を洗脳しているである。
法律に疎い若い医者をだまし開業させ
その上経営はうちだといって、診療報酬
の入っている預金通帳を取り上げ(コンタクト屋
は預かって経営の委託管理をするといううが)
経費使い放題、負債つけ放題するのはよくあることだ。
178 :
名無しさん:02/12/23 18:09
179 :
名無しさん:02/12/27 23:26
あげ
180 :
名無しさん:02/12/27 23:31
あげさげ
182 :
名無しさん:02/12/29 00:03
コンタクトレンズ業者に医者がいいなりなる必要はない。
理由は業務委託契約を結び預金通帳 をあづけることはあるが、当然通帳は
医師のものである。かって医院開業物件の押え(すなわち ビル所有者との賃貸契約は、
業者のほうで契約し 医師に転貸するといううもの)をした業者はあったが、今
まともな会社はそんなことはしていない。もしあれば、違法であり、その責任は医師の無知にもある.
気が付くと業者が多額の負債を勝手に帳簿操作して付け
負債何千万円となり抜けるに抜けなくなるというのは昔のはなし。いま そんな馬鹿な医者はいない。
また業者がその従業員の息のかかった者ばかりを配属するのは当たり前で、自分の職員でもないのに
勝手なことを言う医者もいない。
本来的には開設管理者の診療報酬より給与がでているとかんがえるなら、
自分で雇えばよい。
医師の指示に従わず勝手にレンズを処方し、医学的責任は医師になすりつけるといううわけ。
会社とは協力しなければよい。医販分離なる言葉を使いそれがあたかも
厚生労働省の国是のごとき(厚生労働省はただ単に医院内での
コンタクトレンズの販売を認めていないだけ)
主張しそれら従業員を洗脳しているとは被害者意識が強すぎである。
法律に疎い若い医者をだまし開業させ
その上経営はうちだといって、診療報酬
の入っている預金通帳を取り上げ(コンタクト屋
は預かって経営の委託管理をするといううが)
経費使い放題、負債つけ放題するのはよくあることだとゆうのは
実際をしらない者の言葉である。もっと社会的に大人になりたまえ
183 :
名無しさん:02/12/29 14:26
以前この業界に勤めていたが、
>>177はかなり信ぴょう性が高い。
これは業界人だと思うが
>>182はムリして反論しているちころがあり。
184 :
名無しさん:02/12/29 14:29
医者と揉めてる業者はこの業界でなんと多いことか。
裁判事例もあるようよ。(忠魂、鳩、凶輪etc)
185 :
名無しさん:02/12/29 23:02
張蔵のモデルになった医者が、関東にいるらしい。
186 :
名無しさん:02/12/29 23:28
ふーん
(^^)
188 :
名無しさん:03/01/13 19:26
直木賞候補?
(^^;
[-.-]
191 :
名無しさん:03/02/01 04:37
コンタクトレンズ業者に医者がいいなりなる必要はない。
理由は業務委託契約を結び預金通帳 をあづけることはあるが、当然通帳は
医師のものである。かって医院開業物件の押え(すなわち ビル所有者との賃貸契約は、
業者のほうで契約し 医師に転貸するといううもの)をした業者はあったが、今
まともな会社はそんなことはしていない。もしあれば、違法であり、その責任は医師の無知にもある.
気が付くと業者が多額の負債を勝手に帳簿操作して付け
負債何千万円となり抜けるに抜けなくなるというのは昔のはなし。いま そんな馬鹿な医者はいない。
また業者がその従業員の息のかかった者ばかりを配属するのは当たり前で、自分の職員でもないのに
勝手なことを言う医者もいない。本来的には開設管理者の診療報酬より給与がでているとかんがえるなら、
自分で雇えばよい。医師の指示に従わず勝手にレンズを処方し、医学的責任は医師になすりつけるといううわけ。
会社とは協力しなければよい。医販分離なる言葉を使いそれがあたかも
厚生労働省の国是のごとき(厚生労働省はただ単に医院内でのコンタクトレンズの販売を認めていないだけ)
主張しそれら従業員を洗脳しているとは被害者意識が強すぎである。
法律に疎い若い医者をだまし開業させその上経営はうちだといって、診療報酬
の入っている預金通帳を取り上げ(コンタクト屋は預かって経営の委託管理をするといううが)
経費使い放題、負債つけ放題するのはよくあることだとゆうのは
実際をしらない者の言葉である。もっと社会的に大人になりたまえ
192 :
名無しさん:03/02/05 01:32
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 張蔵先生に出演できるなんて光栄ですぅぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
193 :
名無しさん:03/02/05 01:33
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 張蔵先生に出演できるなんて光栄ですぅぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ 大東亜オプタル
| У.. |
194 :
名無しさん:03/02/10 23:33
名作保全age
195 :
名無しさん:03/02/12 21:29
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
|∵∵/ ○ \|
,,....-─'''''''''''''二.= -─- ,,,, |∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,..-'''~ ~'ヽ,, /⌒|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
,/ i,___,.-''~ \| \_/ / \_____
./ :::.....:,;;;,,,,,,,,,,,,, ,,/ \____/
/ ;;;:::::... ~ '''-,, ~'\
/ →...米;/ \ ヽ
i ,..- ,'' ' ヽ,,,,;;;;;,,,,, i
i ./,,. / .ヽ ~''-,,i
.l / / i ~\
ヽ i :/: i ~''ヽ
ヽ ,,,,__,ヽ :: i i
ヽ_ i i
ヽ i ./
ヽ ,.. - i
\ / .i
ヽ .,_ ___,... -'''~ .i
` ──--─''~~''''~~''''' | i
196 :
某全国チェーン眼鏡店:03/02/12 23:11
保健所に申請した先生は普段いなくてバイトの若い先生達で切り盛りしてますが何か?
197 :
名無しさん:03/02/22 02:01
_
'´ ヽ
! iノノノ)))〉 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
i从!^ヮ゚ノ! < きゃはは!ちーび。立ちバック届かないじゃん
(くγ ゝ ソヘ \____________
) ; |ゝ )
/_∧__ヽ<
<巛川||ヾゞミ
| / /
`y /
| |
.| ̄ト.、
,ξ 彡ゝ^〉
ζ__.ソ,ヘ;|
∠_ノL
198 :
名無しさん:03/03/07 05:36
age
199 :
名無しさん:03/03/07 05:56
200 :
名無しさん:03/03/10 12:09
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
業界騒然!?ここまで書いちゃっていいの…!!事情通も戦々恐々!!
3ヶ月の充電期間を経てふたたび健筆が業界を震撼させる!!
題して「張蔵先生パートV〜業界妖怪大戦争!〜」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
押瓜コンタクトとの死闘にピリオドを打った張蔵は、
胡散臭い業界に嫌気がさし、一時期足を洗って内科のインターン研修に殊勝に
勤めていたが、もとのお気楽生活が忘れられずに一年足らずでケツを割り、
再び懲りずにCL眼科の院長ポストが空くのを待ちながら、悠悠自適の
日々を送っていた…。
いやぁー、球の出が悪い日は酒が不味い…。張蔵は近所の居酒屋で一人杯を重ねていた。
今日は朝からパチンコ屋に出ずっぱりだったのだが、出が悪く最悪だった。
となりの呑気なオバサンが箱を積み重ねていただけに、余計腹がたっていた。
内科の医局に辞表を叩きつけてから数ヶ月、まだCL眼科の院長職は見つからない。
昔は金の亡者がやる仕事で医者仲間から蔑視されていたが、最近は専門医でも
やることが多く、なり手も意外と多く見つかりにくい。
張蔵のように他の科の仕事がつらくてケツを割る医者も多かった。
帰りに本屋に寄り、遺児信奉という雑誌を買って帰った。
求人欄を見ると医師系が目立つが、生来怠け者の張蔵は一日百人、二百人と診て
なんぼの世界に関わる気にはなれなかった。首吊るほど借金でもあれば別だが。
相変わらず押瓜コンタクトも医者を募集している。また揉めたり造反されたりでも
したのだろうか。辞めたあとも悪評だけは風の噂に聞いていた。
ぼーっと雑誌を見ていると、携帯が鳴った。
「あ、欲皮先生ですか?メヤニコの愛知です。御無沙汰してますー」
CLメーカーの奴だった。医局にいたときに何回かバイトを紹介してもらっていた。
ダブルブッキングなども多く適当な奴だったので、あまり親しくはしていなかった。
「いまちょっとバイトを探してまして…如何ですか?」
「ああ、忙しいんだけどイイよ。日によるけどね」
プータローの張蔵は見栄張って応えた。
翌日、張蔵はメヤニコの愛知に紹介されたバイト先に向かった。
玉袋駅から埼凶線で30分くらいの、小さなコンタクト店だった。
「あ、どうも先生。お世話になります」社長、と刷り込まれた名刺を持って
店長らしき中年男が挨拶に来た。「佐菜田と申します」まさに寄生虫そのものと
いった名前だ。
(^^)
207 :
名無しさん:03/03/14 12:44
続きは?
208 :
名無しさん:03/03/14 15:19
午前中はあまり客が来ない様子で、しばらくすると佐奈田がコーヒーを
片手に世間話をしに来た。コーヒーに凝っているのかと思いきや、さにあらず。
安っぽいアクドナルドのコーヒーで、不味くて飲めた代物ではなかった。
それを美味しそうに飲みつつ、佐奈田は話しかけてきた。
胃が悪いのか口臭がひどく、話の内容よりもそっちのほうが張蔵には
気になって仕方なかった。
209 :
名無しさん:03/03/14 15:26
「先生は開業なんて御興味ありませんか?実はいまこちらの眼科で
院長先生を捜しておりまして…」
「前の先生はどうなさったんですか?」
「いやー、急に辞められることになりましてねぇ…正直急なお話だった
んでこちらも迷惑してるんですけど」佐奈田はオーナー気取りで話してきた。
「おかげさまで商売のほうは順調ですから、こちらの眼科も、あ、
墓場クリニックというんですけどね、まぁ点数のほうはそこそこ出てますから
先生には条件的にご満足戴けると思いますよ」
何やら人の懐具合を見透かしたような言い方に不快を感じたが、悪くない話だ。
どうせ揉め事が何かあったんだろうが、この男に百万遍聞いても真実は言うまい。
それをこちらで突き止めてやろうと、張蔵は金田一になった気分だった。
210 :
名無しさん:03/03/14 15:32
何回か代診に伺ってから考えたいと返答して、張蔵はその場を逃れた。
数人しか診ないうちに昼休みとなり、近くの蕎麦屋へ向かう途中で検査員の
ひとりとたまたま一緒になった。
「どうですか?食事でも一緒に?」張蔵は声をかけた。
「え、宜しいんですか?ボーナスも雀の涙程度で苦しくて、ぶっちゃけ
助かりますっ!!」
いつのまにか奢ることになっていて張蔵は不愉快だったが、押し殺して一緒に
蕎麦屋に向かった。蕎麦分の情報は口を割ってもらうつもりだった。
211 :
名無しさん:03/03/14 15:49
近所の蕎麦屋に入り、ざるそばを頼んだら、その検査員は天ざるを頼んでいた。
図々しい奴だが、よほど困窮生活なのだろうか。内情に興味が湧いた。
名前は奥山というらしい。最近妻を娶っていっぱしにやることだけはやり
一児の父らしい。貧乏モノの子持ちの典型だった。
「墓場クリニックは患者の入りはいいの?」
「そうですねぇ。先月は70万点でしたよ。」伸び気味の蕎麦をうまそうに
ズルズルとすすりながら奥山は答えた。
張蔵は正直驚いた。「そんなに!!よく前の院長は辞める気になったなー」
「色々あるんですよ。色々」なかなか素直に口を割りそうになかったが、
天ざる分は情報を聞き取るまで、意地でも帰さぬつもりの張蔵だった。
212 :
名無しさん:03/03/14 16:03
「前の院長先生はどんな人だったの?」
「女医さんでしたよ。忍譜先生っておっしゃいます。
金満医科大のご出身でしたね。こないだ御結婚されたばかりで」
「それじゃー寿退職かな?」
「いやー、それともまた違うんですよ…」妙にじらしてきて気になる奴
だったが、丁度悪いことに昼休みが終わる寸前だった。
213 :
名無しさん:03/03/14 16:29
「どーも御馳走様でしたー」完全に張蔵の負けだ。聞き足りないことがたくさん
残っていた。「また話を聞かせてよ」「わっかりましたー」
ケチの張蔵には天ざるは気になって仕方がなかったが、それより墓場
クリニックの内情を奥山から詳しく聞きださなくてはならない。
午後はそこそこ患者が来て、夕方頃にはカルテが溜まった。
終了の六時半にもまだカルテが溜まっていて帰れない状態。さらに
わんこそばのように受付がどんどんカルテを足してゆく。
「おい、そろそろ受付終わらせてくれよ!」少し語気を荒げて受付に
カルテの打ち切りを命じた。「わかりましたー、これで最後ですー」
ドサッとカルテを4枚置いて去っていった。
結局、張蔵が墓場クリニックを出たのは七時をゆうに回っていた。
「お疲れ様でしたー」奥山がニヤニヤしながら挨拶してきた。
絶対元を取ってやると心に誓う張蔵であった。
214 :
名無しさん:03/03/14 16:33
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
山崎渉氏も立ち寄る!?業界唯一のバイブル小説「欲皮張蔵」
3ヶ月の充電期間を経てふたたび健筆が業界を震撼させる!!
眼科専門医もニセ目医者も、ニセ医者も必見だね!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
215 :
名無しさん:03/03/14 17:33
次に張蔵が墓場クリニックを訪れたのは、一ヵ月後だった。
忘れかけていたころ、例の佐奈田から電話がかかってきた。電話だと口臭も
気にならないから話しやすい。
検査員を見たらこないだの奥山はいなかった。
「あれ、こないだの30過ぎのいかつい顔した検査員さんは?」張蔵は
受付の女に聞いた。「あ、奥山さん辞めましたよー」そっけない答えが
帰ってきた。「え?突然だねぇ」受付の女となんか話したくもなかったが、
奥山におごった天ざるが悔しくて事情を知りたかった。
「ウチはよく入れ替わりますから…あ、これは社長には黙ってて下さいね」
「分かってるよ。美人との約束は必ず守るから」
「やーだ先生ったら!」世辞を言われて満更でもないオカチメンコだった。
216 :
名無しさん:03/03/14 17:41
辞められてしまっては天ざるの回収もできない。張蔵は一生の不覚に感じた。
あいつにはまだ色々と聞きたいことがあったが…。
また昼前に佐奈田が来た。今度は手ぶらだった。
「どうですか先生、こないだのお話はご検討いただけましたか?」
「まだ代診に来て二回目だしねぇ。即答は難しいけど興味はあるよ」
「有難うございます。ま、そうですよね。突然はご無理でしょうけど、
なにぶんウチも色々事情がございまして、早急に院長を探さないと
大変なことになってしまいますから。何卒宜しくご検討下さい」
「わかりました」しつこい佐奈田のトークにウンザリしていた張蔵だった。
点数は確かに前回の混み具合を見ていると奥山の言っていた通りなようだが、
いまいち信用しづらい裏がありそうな気がする。
217 :
名無しさん:03/03/14 17:54
また不思議と夕方になると混み始め、こないだ語調を荒げて注意したにも関わらず
やはり六時半を過ぎてもカルテが溜まってきて、帰路に着いたのは七時を
過ぎていた。
最寄の釜口駅のホームに立つと、通勤ラッシュに巻き込まれて難渋した。
駅のホームから駅ビルの安い喫茶店の様子が窓越しに見えた。張蔵は
スポーツ新聞にも飽きてその窓に目をやった。
すると、そこに佐奈田と奥山の姿が見えた。
何か奥山が強く主張し、佐奈田が聞き入っている様子だったが、内容は憶測
しづらかった。明らかに奥山は怒っているようだった。
しばらく見ていると奥山が捨て台詞を残すように席を立ち、佐奈田が
引き止めるそぶりだったが、構わずに去っていった。残された佐奈田は
頭を抱えてうな垂れていた。
もう少し見ていたいな、と思った矢先にホームに電車が入ってきて視界が
妨げられた。喫茶店の佐奈田の様子は窺うことができなくなった。張蔵はあきらめて電車に乗った。
218 :
名無しさん:03/03/14 18:08
荒川の河川敷は埼玉県民の格好の散歩コースになっている。
老人は、犬を放して河川敷を散歩させていた。
朝もやのかかる清々しい一日の始まりを満喫していた。
突然、飼い犬が藪のほうに入って出てこなくなった。何かに気をとられているらしい。
「おーい、タロウ!戻ってきなさーい!」
犬の消えた方向に老人は藪を分け入った。しばらく歩くうちにモヤがかかり
視界が利かなくなってきた。
突然、何かにつまづいて老人はバランスを崩した。つまづいた物を見て老人は
仰天した。人の死体だった。
変わり果てた奥山の姿だった。
219 :
名無しさん:03/03/15 13:38
警察で司法解剖したところ、死因は後頭部の強打による失血死だった。死体が発見された場所は崖になっていて、そこから転落したと推定された。
またアルコールも検出されたので酔った上で千鳥足で崖の上から転落した、という
見方が強まった。
ただ奥山の自宅からは離れていたので不審な点もあったが、それ以上は捜査は進まず事故として処理された。
事件は新聞の片隅を飾ったが、地方紙しか載らず張蔵の目にも止まらなかった。
220 :
名無しさん:03/03/15 13:43
それからまた数日して張蔵に佐奈田から連絡がきた。
「先生すいません。こないだお話ししていた院長の件ですが、別な先生に
お願いすることが急に決まってしまいまして…恐縮ですがその先生に
決めさせて戴きました…」始めから二股かけていたのだろう。
張蔵は怒鳴りちらしてやろうかと考えたが、最近は少ないバイト先を探す
のも大変なので、その紹介口として確保していくほうが賢いと思い、
「またバイトのお話があったらお願いしますよ」と穏便に片付けておいた。
しかし返すがえす失礼な奴だ。奥山に奢った天ざるの件も思い出すと胸糞が
悪かった。
221 :
名無しさん:03/03/15 13:50
張蔵は暇だったので、母校浦口医科大の同窓会に顔を出すことにした。
プータローなので気が引けたが、こうした因果な業界に身をおいていると
何かと昔の、芥子粒ほどにでも向学心や理想に燃えた学生時代を思い出す。
こんなことしていていいのかな、という自問自答は限りない。
ま、金に困ることはなくても名誉や地位には縁遠くなってしまった。
同期では内科部長や講師、助教授になっている奴もいて気が引けたが、
懐かしさに我を忘れて歓談することができた。
突然、後ろから肩を叩かれた「おーい、懐かしいなぁ、欲皮じゃないか?」
同期で法医学に入った保戸毛だった。
222 :
名無しさん:03/03/15 14:03
「相変わらずケチ臭いなぁ、エビのしっぽまで食って…」
張蔵は昔からクセでエビのしっぽまで丸ごと食ってしまうのだった。
「そういえばこないだ、荒川の土手で中年男の死体があがって俺が
剖検したんだけど、胃にエビのしっぽが残ってたなぁ。消化が悪い
みたいだぞ。おおかた天ざるでも食ったのかもしれんが…」
張蔵はそれだけでピンにきた。第六感だけは研ぎ澄まされていた。
背格好を聞くと間違いない、奥山だった…。死体が発見された日は例の
釜口駅から佐奈田と話しているのを見かけた次の日だった。
「他殺じゃないのかい?」張蔵は思わず尋ねた。
「まぁ事故死として片付けられてるけど、突き落とされた可能性がまったく
ない訳じゃないけどねぇ」保戸毛は自分の検屍結果が覆されては迷惑と考えた
のか、他の友達を見つけてそそくさと張蔵から離れていった。
223 :
名無しさん:03/03/15 15:11
酒が入ったら急に本能がムクムクしてきて、張蔵は久しぶりに西川口のソープに
行ってみることにした。駅を降りると客引きが沢山張蔵の周りを囲ってきた。
「社長さん、ウチ安いしサービスいいよー、新顔の娘もいるしねー」
業界入りたてのウブなタイプを困らせるのが張蔵の趣味だったので、その店に行く
ことにした。「よろしくお願いしますー、新人なんで優しくして下さーい」
バニーガールの格好をした女が部屋に入ってきた。
張蔵は勃起が萎えるほど驚いた。墓場クリニックにいた受付の女だった。
「あ、先生…」向こうもようやく気づいたらしく顔を紅潮させた。
驚いた直後だったが、張蔵には奥山のことを聞き出す絶好の機会が到来したと
すぐ悟ることができた。
224 :
名無しさん:03/03/15 15:57
「君、名前は何て言うんだい?」
「うさ子、あ、すいませんそれは源氏名でした…白塗です」
確かに名前どおり厚化粧な女だった。これじゃヌリカベだ。
「奥山君が亡くなったのは知ってるのかい?」
「はい、警察の方とかが見えて…社長が奥山さんともめていたのは
警察も知らないと思います。事故死だって思い込んでたみたいだし。
あ、またイラナイことおしゃべりしちゃって…」
「おいおい、サービス満点だって言うから高い金出して入ったんだぜ。
しゃべらないんなら早速…」ズボンを下ろそうとすると流石に慌てた。
「ちょ、ちょっと待って下さい。今日はいろいろおしゃべりでサービスさせて
下さいよぉ」
「まー、それでも構わないがねぇ、デヘヘ」
「先生も人が悪いわねぇー」
225 :
名無しさん:03/03/15 17:26
白塗が話すには、奥山は佐奈田から退職金がもらえずに不満を募らせていて、
内情を保健所にバラしてもいいのか、と脅しに近いような話をしていたらしい。
しかしあんなコンタクト眼科で医販分離がどーの、無資格者がどーのといった
話は珍しいケースではないし、それだけで殺人までいくとは到底思えない。
奥山が掴んだネタとは一体何だったのだろうか。張蔵は興味津々だった。
「そういえばあの眼科、院長はどんな人だったの?」
「院長先生?あー忍不先生ね。見たことないんで、どんな人かって言われても…」
「え?見たことないってどーいうことだい?」
その言葉が終わった時点で、ソープの兄ちゃんが入ってきた。
「お客さん、時間でーす。延長されますかぁ?」
「いや、いいよ。また来るから」張蔵は悔しくて堪らなかったが、仕方なく
ソープを後にした。
226 :
名無しさん:03/03/16 01:07
次の日もヌキそこねたこともあり、張蔵は例のソープに逝ってみた。
兄ちゃんにウサ子ちゃん指名で、と伝えると「今日は欠勤ですねぇ。
いつもは出てくる日なんですけど、無断欠勤で連絡もつかないんっすよ。
他にもカワイイ子なら沢山いますから、どーですか?」と言われた。
張蔵は何やら胸騒ぎを覚えたが、欲求には勝てず、アイドル系の子を選んで
満点サービスを存分に受けた。払った金以上のことはして帰り元を取る性格の
張蔵であった。
227 :
名無しさん:03/03/16 01:14
それから二、三日後、久しぶりに佐奈田からバイトの電話があり張蔵は
墓場クリニックに代診に入った。佐奈田は現れなかった。
目薬の処方箋の院長名が、以前の忍不という女医から寓鱈という男の医師名に
替わっていた。新しい院長はこいつだろうか。
こないだウサ子こと白塗が言っていたことが気になり、張蔵は運ばれてくる患者の
カルテの以前の記入を注意深く見てみた。するとどれも筆跡はバラバラで
どう考えても女の文字とは思えない字が多かった。中には代診と思われる医師の
サインも入っているものがあったが、忍不という名前は見当たらなかった。
張蔵にはだんだん真相が見えてきた。墓場クリニックは幽霊院長を擁した診療所
だったのだろう。
228 :
名無しさん:03/03/16 01:19
幽霊院長自体は、昔はこの業界では珍しいことではなかった。
特に入りのいいコンタクト眼科では「代診を立てる余裕」があるだけ代診を
立てて院長はめったに診察に顔を出さずに別なことに精を出しているケースが
多々見られた。
現在でも眼鏡屋がコンタクトを売るために付属して作っている眼科の院長なども
ほとんどが「名義貸し」の「幽霊院長」だ。
こうした形態は自由診療ならほとんど問題にならないが、保険診療となれば話は
別だ。保健所に開設管理医師として届けを出している以上、院長が全く診療に
従事していない、あるいはできない状況では許可がおりない。
229 :
名無しさん:03/03/16 01:26
70万点出ていたという奥山の話が本当であれば、幽霊院長に何十万円かの
「名義料」を払い、代診医師に一日10万足らずの給与を払い、経費を引いたら
十分お釣りが来るだろう。おそらくそれに色々な名目をつけて佐奈田が店の
店の経費や赤字補填に使い込んでいたに違いない。
そうした眼科口座のカラクリの証拠を奥山に掴まれて、退職金もケチったせいで
脅しのネタに使われたのだろうか。
現実的にそうした乱脈経営や幽霊院長であることが保健所に知れれば、おそらく
墓場クリニックは閉院措置を受け、色々と調べられることになるだろう。
医療法やその他の問題にもなってくる。閉院になれば隣の店も自動的に開店できなく
なってしまう。店にとっては死活問題だ。
230 :
名無しさん:03/03/16 14:28
しかしこれだけで殺人の動機になるだろうか。ま、しかし死に方も事故に近いし、
本当に事故だったかもしれない。偶発的に殺してしまったかもしれないし。
奥山には怨みこそあれ義理はないので、これ以上弔いじみた詮索はやめることにした。
ただ佐奈田に突付かれると痛い部分があることだけは確かなようだ。
金と他人の弱みには敏感な鼻が効く張蔵は、70万点のオコボレを働かずに楽して
イタダクことができないか、一応医大出の脳細胞を駆使して考え始めた。
231 :
名無しさん:03/03/16 15:02
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < お世話になりましたー。後は知りませんー。
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
232 :
名無しさん:03/03/16 16:59
名作に顔だすなフ●モト!!
234 :
名無しさん:03/03/19 16:57
何も知らないくせに
235 :
名無しさん:03/03/24 14:31
続きは?
236 :
名無しさん:03/03/24 14:35
237 :
名無しさん:03/03/25 13:26
「先生、一般の方です」どうやらCL処方以外の患者が来たようだ。
カーテンを開けて入ってきた患者は、張蔵がこないだ代診に来た時に診た患者だった。
「こないだの目薬挿したらだいぶ痒みも取れました。有難うございました。
違う先生に出してもらった目薬はあまり効かんかったけど…」
結膜乳頭ボコボコのGPCに前医はタリビットを出してお茶を濁していた。
名医扱いされて張蔵は少し気を良くした。「ああそー。良かったねぇ」
238 :
名無しさん:03/03/25 13:33
患者が去ったあとに、何気なく張蔵はカルテの点数を見た。
すると点数がやけに多い。気になって詳しく調べてみたら、眼処置やら生体染色やら
張蔵が検査・処置した記憶の無い点数まで勝手に記入して請求されていたのだ。
確かにGPCで眼処置は、その場で点眼薬を点眼すれば保険請求できるが、
点眼用の目薬は置いてあるが誰も使っていない状態のこの墓場クリニックで、
そんなことをしている訳が無い。
しかも染色はcornea n.p.と張蔵が診断しているのだから、張蔵は自分でしなかったと
確実に断定できた。
239 :
名無しさん:03/03/25 13:36
「何だこれは、架空請求じゃないか!」張蔵は驚いた。
それと気付いて他のカルテも見てみると、怪しい点数が色々計上されていた。
これが墓場クリニックの実態なのだろうか?張蔵は空恐ろしくなった。
自分が代診に入った時にこれが行われていれば、張蔵にも責任が及ぶ可能性が
ある。全く無関係であったと誰が証明してくれるというのか。
240 :
名無しさん:03/03/25 13:40
241 :
名無しさん:03/03/25 17:41
>239
副院長とか、常勤医じゃあるまいし代診(バイト医師)には
責任無いと思う。
242 :
名無しさん:03/03/26 01:49
もしこれが墓場クリニックの開院時から何代もの院長にわたって行われて
きたとしたら相当な額の不正請求になるだろう。返納でも求められたりしたら
莫大な額になるに違いない。塵も積もれば、リテイラーも集まれば、だ。
張蔵はやっと宝物に出会えたような気分になった。
そんな張蔵を様子をカーテンの隙間から覗き見ていた男がいた。
墓場クリニックのもう一人の検査員、堂亭だった。
堂亭はいつも佐奈田からアゴで使われ、押売りの手伝いをさせられ、
同僚からはバカにされ軽んじられていたために、何かドデカイことをしでかして
復讐してやろうと手ぐすねを引いていたのだった。
メガネにカルピスをカケタイゼ
244 :
アルバイト:03/03/26 12:01
>241
病院に届けてなければ、別の問題が生じる。
245 :
名無しさん:03/03/26 14:59
ばれなきゃ大丈夫だよ。
だからバイトの時は、遠くのCL店にいくといいよ。
246 :
名無しさん:03/03/26 23:03
「先生、午前中は終りになりまーす」受付が声をかけてきた。
張蔵は墓場クリニックを出て近所の蕎麦屋に食いに出かけた。
その道の途中に古本屋があるのだが、その前を通るとオタク系の少女漫画を
食い入るようにして読んでいる男がいた。あれ、検査員のやつじゃないか。
またタカられては堪らないので張蔵は気づかれぬようにこっそりと通ろうとした。
「あれ、先生じゃないですか?」堂亭は見逃さないようにして声をかけた。
わざと待ち伏せしていたのだった。「宜しかったらお昼ご案内しましょうか?」
「そうだね、頼もうかな。このへんは不案内だし」張蔵は警戒しながら堂亭の
誘いに乗ることにした。
247 :
名無しさん:03/03/26 23:09
注文を終えたから張蔵はオシボリで脂ぎった顔を拭いていた。
「先生、さきほどカルテの点数表を熱心に御覧になっておいででしたよね?」
張蔵はたじろいだ「え、そうだったかな。勘違いじゃないかな」とりあえず誤魔化した。
「隠さなくてもいいですよ。私は先生の味方ですから。ボーナスもろくに
寄越さない佐奈田に義理立てするつもりもありませんし、先生次第では
いろいろご協力できると思うんですよ」堂亭はアニメキャラの時計を見ながら
卑屈にならない程度に張蔵に協力の姿勢を見せた。
248 :
名無しさん:03/03/26 23:13
張蔵は堂亭の真意を掴みかねていたが、何か使い勝手がありそうなことだけは感じ取った。
流石にだてに海千山千の業界を渡ってきた男ではなかった。
「いやいや、佐奈田さんには色々お世話になっているし、何も物騒なことなんて
考えてないんだよ。いい人じゃないか。コーヒーもくれるしね」皮肉も込めて
張蔵は佐奈田を持ち上げてみた。
「そんなことないですよ!先生はご存じないだけです!」案の定、堂亭は
紅潮してきた。張蔵の思い通りだった。
249 :
名無しさん:03/03/26 23:19
「まずウチの眼科の院長の忍不という先生ですが、ここ数年診察には一度たりとも
顔を出していません。名義貸しの幽霊院長です。診察は代診医師のたらいまわしなので
それをいいことに佐奈田はやりたい放題ですよ。医販分離なんてあったもんじゃ
ありません」堂亭は張蔵の挑発に乗ってベラベラと勝手にしゃべり始めた。
「ふーん。でもそんなことは眼鏡屋の眼科でもよくあることだよ。
ま、一度も来たことないってのはひどいけどね。程度の問題としては」
薄っぺらい親子丼をほお張りながら張蔵はまたけしかけてみた。
250 :
名無しさん:03/03/26 23:26
「こないだ所轄の節穴保健所にチクリが入って幽霊がバレたんです。
佐奈田が保健所に呼ばれて閉院するように言い渡されたんですが、忍不先生は
産休だったから止むを得なかった。すぐ代わりの院長を探すから勘弁してほしいと
土下座同然に頼み込んでようやく事なきを得たんですよ」
役人の自尊心をくすぐるような卑屈な言い回しを駆使して謝る佐奈田の
姿は、張蔵にもすぐ想像できて笑いが込み上げてきたが、神妙に聞き入るふりを
した。「へーっ、そんなことがあったのかい。それにしても長い産休だねー」
251 :
名無しさん:03/03/26 23:34
「産休なんて嘘八百ですよ。仮に本当だとしても最初から分かっていて幽霊だから
問題ないとかなんとか言い含めたに違いありませんよ。とにかく管理する立場が
いないもんだから、現場は佐奈田のやりたい放題です。点数だけ御覧になっても
点眼処置もしていないのに眼処置のコストはとるわ、近点計もないのに40才以上の
患者に受付で勝手に老眼の病名をつけて調節検査のコストをとるわ、もういい加減
三昧です。そんなことは点眼薬の仕入れと照らし合わせてみればすぐ分かることですが」
オタクの恨みは怖い。堂亭はベラベラと続けた。
252 :
名無しさん:03/03/26 23:45
張蔵は堂亭と店を出た。ずいぶん適当なことをしているようだ。
さっきの話のあとに堂亭は途方もないことを言ってきた。
「先生、私は自分の店を持ちたいんです。いまこの地区はウチの店しか
ありませんから高値で売れて佐奈田はホクホクですけど、駅の反対側に医師
系でも作ってやればひとたまりもないでしょう。ましてやスネに傷のある
ことですし。私が従業員をまとめて引き抜き工作しますから、先生、私と
提携して一旗挙げませんか?」
たかが寄生虫の手下のくせにずいぶん荒唐無稽な奴だ。身の程知らずというか。
ただ立地としては面白い気がしたが、こんな訳の分からない検査員ふぜいと
組む気などさらさらない張蔵であった。
「そーだねぇ。考えておくよ」気のない返事で返しておいた。
253 :
名無しさん:03/03/26 23:59
「それにしても気の毒だったねぇ奥山君は。経験あるいい検査員だったけど」
心にもないことを張蔵は言って見せた。舌が裏っ返る気がした。
「あー、奥山さんはそんなに経験ないですよ。前はスーパーの中のしがない
メガネ屋で働いてたみたいですし。私は餃子メガネの玉袋店でバリバリ
働いてましたから経験は豊富ですよ」何だかバカにしたような口調だった。
張蔵に言わせれば目くそ鼻くその世界だったが。
254 :
名無しさん:03/03/27 00:07
「それにしてもスーパーのメガネ屋からずいぶんな転身だったんだねぇ。
求人誌ででも募集していたのかな?」張蔵は何気なく聞いた。
「いや、そのスーパーの中にゴルフ用品店があって、社長がよく買いに行ってた
らしいんですよ。それで知りあったみたいです」
「へー、佐奈田さんはゴルフもやるのかい?」張蔵は驚いた。「練習場行くのにも
金かかるからなぁ」ケチな張蔵の率直な感想だった。
「よく車で出かけて河川敷で練習してるらしいですよ。あそこなら無料ですから
ねぇ」堂亭は何気なく答えた。
255 :
名無しさん:03/03/27 00:11
河川敷…張蔵は奥山の死んだ荒川の河川敷を思い浮かべた。
ひょっとして佐奈田に河川敷の土地勘があって、崖っぷちになって人目のつかない場所を
熟知していたとしたら…考えすぎかもしれないが、可能性は皆無ではないだろう。
喫茶店で佐奈田ともめていた次の日の河川敷での「変死」。
佐奈田をとりまく黒い影の数々。墓場クリニックの乱脈経営。幽霊院長。
張蔵にはそれが点と線で結びついてきた気がした。
256 :
名無しさん:03/03/27 14:09
* * * * *
店が引けたあと、堂亭は女の家に向かった。眼科の受付をしている岡目という女だった。
つかの間のぎこちない情事を済ませてから、堂亭は張蔵との一部始終を女に話した。
「へーっ、そーなんだぁ。面白そうね。私昔からアイドル志望だったから歌のレッスン
受けたかったんだぁ。社長になったら資金援助してよー」気色悪い声を出して岡目は
おねだりしてみた。堂亭は経営者になったらこんなブス女とはすぐに別れるつもりだったが、
張蔵にスタッフを引き抜くと豪語してみせた手前、利用価値があるかもしれず邪険には
できなかった。「そんなの訳ないさ。医者並みに儲かるはずなんだから」
「えー、すごーい!やっぱりアタシが見込んだだけある!」
はた目から見ると、二人のノロケは蛙の交尾のように見えた。
257 :
名無しさん:03/03/27 14:35
堂亭がそそくさと家に帰ると、岡目はシャワーに向かった。
彼の艶技はねちっこく稚拙なもので、とても満足できるしろものではなかった。
いやらしい唾液が残らぬように禊ぎのつもりで熱心に体を洗い流すと、バスローブに
体を包んで部屋に戻った。顔のわりには豊満な肉体であった。
ソファーにひとりの男が座っていた。
「あら、来てたの?電話くれればいいのに」岡目は事も無げに言った。
「堂亭のやつが出たらどうするんだよ。ま、それも楽しいかもしれんがなー」
佐奈田は安タバコをくゆらせながら、女をどう弄ぼうか色々と考えていた。
258 :
名無しさん:03/03/27 15:35
女から一部始終を聞かされて、佐奈田は高笑いした。「いやー、あのデクノボウに
そこまで大志があるとはなー。意外だったよ。でも欲皮先生は相手にしてないだろうなー」
「でも色んなこと知ってるからヤバイんじゃないの?特にあーいうタイプは自尊心が
強いから、失敗すると破れかぶれで怪しいことするかもよ。奥山さんみたいに」
女は茶化すように言って見せた。
「奥山は下らんこと考えるから天罰が下ったんだろうよ。堂亭もお前の体を貪るだけにしとけば
いい暮らしもできただろうに、分を過ぎたこと考えるから良くないんだ」
「ずいぶん自信あるんですね、社長。男らしいわー!」
岡目は節操もなく佐奈田に媚びてみせた。最初は金目当ての援助交際と割り切っていたが、
佐奈田の年期の入った艶技が癖になってきていた。この業界を悪運だけで遊泳してきただけ
あって、艶技のほうもアクロバティックな佐奈田だった。
259 :
名無しさん:03/03/27 15:40
「 いやーぁ、ぽくは
261 :
名無しさん:03/03/28 00:33
翌日、佐奈田は社長室に堂亭を呼びつけた。
ワンフロアをCL店と眼科で占め、眼科は特に視力をはかるためにある程度の敷地面積を
必要とするため、割を食った社長室は歪な三角形をしていた。先が行き詰まった店を象徴
しているかのような形だった。
「キミ、欲皮先生にお昼をご馳走になったのかい?」
佐奈田の口臭に顔を背けたいのを我慢しながら堂亭は答えた。「はい、たまたまですが」
「困るねぇ。代診の先生は友達じゃないんだから。院長の代行をお願いしているんだから
キミの上司だよ。気安くつきあってもらっちゃ困るよ」
「軽率でした。すいません」堂亭はとりあえず謝っておいた。
「本来なら厳罰も考えなくちゃいかんが、奥山君亡き後いろいろ頑張ってくれてきた
こともあるし、とりあえずボーナス減額ということで納めておくからそのつもりでね」
堂亭はあっけにとられて呆然となった。ただでさえ雀の涙のボーナスが減額されては
アニメのフィギュアも買えやしない。文句を言おうとすると佐奈田が先を制した。
「もし納得が行かないなら仕方ないからね。自由にしてくれていいよ」
262 :
名無しさん:03/03/28 00:43
堂亭は悔しさでハラワタが煮えくり返っていた。仕事が終わってから真っ先に今日は非番だった
岡目の家に行った。ブスを抱きに行った訳ではなく相談できる相手が他にいなかっただけの話である。
「まー、ひどいわね。裏で色んなことしてるくせにね」佐奈田と二股をかけているとはおくびにも出さず、
岡目は精一杯同情してみせた。
「もうあんな店辞めてやるよ。薄給でこき使われて、粗利の高いクラーリのCLばっかり
売れ売れってどなられて、もう最悪だよあの口臭野郎」
「でもタダで辞めるさもりもないんでしょ。それじゃ泣き寝入りになっちゃうものねぇ?」
けしかけられた堂亭は憤った「もちろんだよ。節穴保健所にタレこんでやる。
俺は奥山サンみたいなヘマはしないし、泣き寝入りもする気はないからな」
263 :
名無しさん:03/03/28 15:21
女の手前強がっては見せたものの、堂亭にこれといったネタがある訳ではなかった。
確かに佐奈田がしていることは程度がひどいものの、他のCL眼科もしていることだった。
何かあるはずだ。それを掴んで脅したから奥山は…。堂亭がアニメ以外のことで頭を使った
のは久しぶりのことだった。
翌日、堂亭はそのまま何事もなかったように出勤した。佐奈田は休みだった。どうせまた
河川敷でゴルフの練習でもしているのだろう。コースに出る金もないくせに。
何かネタになるものはないか捜して見たが、これといったものは見つからなかった。
診察は新しく院長になった寓鱈だった。いつもカーテンを開けると寝ているか漫画を読んで
いるかのどちらかだ。何でも以前は外科にいたらしいが、こんな調子だったので手術ミスを
やらかして多額の慰謝料を支払わなくてはならず、借金を返すためにこの稼業に入ったらしい。
また眼科で何かやらかさなければいいのだが。
264 :
名無しさん:03/03/28 15:29
控え室の奥山のロッカーを漁ってみることにした。
むさ苦しい奥山の体臭が染み付いていてそれが故人だけあって気色悪かった。
白衣の上着を見るとマッチが出てきた。奥山の家の近くのバーのものだった。
最近金がなくて酒も飲んでいない堂亭は、奥山の遺したボトルでも横取りしに
行ってみることにして、ポケットにそのマッチをねじ込んだ。
265 :
名無しさん:03/03/28 15:36
そのバーはすぐ見つかった。駅の裏通りを入った貧乏くさいバーだった。
「ペンペン草」と赤い看板が出ていた。まだ時間が早かったが他の客に絡まれると
面倒なので、堂亭はさっと帰るつもりでわざと早めに入ることにした。
「いらっしゃーい。あらお初かしら?」熟年のマダムがもさーっとした顔をして出てきた。
「奥山さんの同僚なんですが、こちらによくいらしていたと聞いていたもんですから、
ボトルでも見て偲ばせてもらおうかと思いまして」
「あーらそーでしたか…奥チャンは残念なことでしたよね。
いつも歌をリクエストすると『わっかりました!』って下手糞に歌ってくれたもんだけど。
あら悪口言ったら祟られるかしら、いやだいやだ」
祟られる前に幽霊も怖がって逃げるほどの厚化粧だった。
266 :
名無しさん:03/03/28 15:52
マダムが棚から出してきたのはJINROだった。奥山らしい酒だがもらうことにした。
ふと見るとボトルの先に布製の袋がぶら下がっていた。
「あーそれね、中に鍵が入っているんだけど、どこのだか分からないし
御遺族に渡して変なものが入ってたら奥チャンに悪いから、そのままにしてるの。
何だかいっつもそれ見て『今度大金が入るから、そうしたらドンペリでも』って
言ってたけど、死んじゃったら元も子もないわよね。ツケも払わずにさー」
袋から鍵を出してみて堂亭にはすぐ分かった。眼科の患者用の荷物ロッカーの鍵だった。
267 :
名無しさん:03/03/28 22:21
その後酔いつぶれた堂亭はママの家に泊めてもらうことに。
部屋に入るとママが覆いかぶさってきた。股間に硬いものがふれた。ママは男だったのだ!
ひぇーっ、堂亭は逃げようとしたがママの力は強く、オカマにオカマを掘られてしまった。
終。
268 :
名無しさん:03/03/29 22:20
>>266 翌日、堂亭は何事もなかったかのように仕事についた。
相変わらず佐奈田は店と眼科をウロチョロして、美人の患者が来た時だけ
しゃしゃり出て来てろくに出来ない検査をして話し込んでいた。
また金のありそうな客が来ると、したり顔でクラーリの良さを熱心に教え込んで
売りつけていた。
患者は検査を受けるあいだ自分の荷物を入り口近くのロッカーに入れている。鍵はかけられるのだが
たまに子供が悪戯したり、患者が忘れて持ち帰ったりして、開かずになったままのロッカーが何箇所か
あった。スペアキーを作っておけばよいのだが、目先のケチにこだわる佐奈田はそれを作っていなかった。
奥山の鍵は13番の鍵だった。何とも不吉な番号だが。
269 :
名無しさん:03/03/29 22:32
仕事がひけると女子社員はそそくさと消え、佐奈田もじきに消えた。
最後に残った堂亭は、一人になったのを確認してから13番の鍵を開けた。
中からこぎたない本が出てきた。「金持ち倒産貧乏倒産」という下らないビジネス書だった。
「何だこりゃ?これが金になるっていうのか??」堂亭は失望した。
パラパラとめくると一枚の紙がはさんであった。取り上げてみると領収書のようだ。
「有限会社アクトク様 御品代××××円 鞄K当医療」
適当医療は医薬品の卸会社だ。墓場クリニックの目薬や医療品を卸している会社だ。
有限会社アクトクは佐奈田のCL店を経営する会社で、佐奈田が社長をしている。
これはどーいう意味があるのだろう?堂亭にはその意味が分からなかった。
270 :
名無しさん:03/03/29 23:34
その後何日間か堂亭は考えたが、何をこの領収書が意味するのかさっぱり
分からなかった。何てことない目薬か何かの領収書一枚ではないか。
ただ本にはさんであったのはそれだけで、本自体に何も書き込みはなかった。
どう考えてもこの紙に何かありそうなのだが。アニメに毒された堂亭のオツムが及ぶのは
ここまでだった。悔しいがタカラの持ち腐れになっては困るので、張蔵に相談してみることにした。
271 :
名無しさん:03/03/29 23:46
その前に友達もいない堂亭は、この隠し事を誰かにしゃべらずにはいられず、岡目の家に
向かった。怠惰で陳腐な情交を済ませたあと、煙草を吸いながら岡目に事の顛末を話した。
「ふーん、でもそんな領収書ならいくらでも事務所にあるけどね」
岡目は無関心なそぶりをみせた。探偵気取りだった堂亭は失望した。
堂亭が帰った後、岡目は風呂に浸かりながら考えた。
13番のロッカーが佐奈田の不正な領収書の隠し場所で、その鍵をなくして困っていると佐奈田から
聞いていたのをぼんやりと思い出していた。
おそらくその鍵を奥山が見つけ、中を確認してその存在を知り、佐奈田を脅迫したのだろう。
何かアタシのためにこの話を使えないかしら…岡目は分不相応な野望を抱いていた。
オールドミスになっても困らないくらいの金を準備しておきたい…そんな衝動からだった。
272 :
名無しさん:03/03/29 23:56
佐奈田は、眼科の経費で買った物の領収書を、ちょくちょく自分の会社名義で切らせていた。
その一枚がそれだったのだ。今まで何年間もその不正な行為で架空経費を計上していたのだった。
これを所轄の粘着税務署に出されたらオシマイである。奥山は偶然ロッカーキーを拾い、その隠し場所を
見つけてそれを開かないままにして、佐奈田に退職金を出すよう脅迫していたのだった。
273 :
名無しさん:03/03/31 14:49
* * * * *
しばらくして、張蔵にまた墓場クリニックから代診の依頼が入った。
おそらく条件も環境も悪いので、他の代診の先生にすぐ断られるのだろう。
張蔵も嫌だったが、プーのままでは収入もないので渋々行くことにした。
墓場クリニックはその日も有線がガンガン流れていた。だいたいいつも流行歌のチャンネルで
非常にうるさい。張蔵もさすがに医療機関として如何なものかと思っていたが、代診でそれを
言うのも差し出がましい気がして黙っていた。
それだけでも嫌なのに、たまに受付で盛り上がって一緒に歌うバカな検査員がいたり、
話のはずみなのか、色々なチャンネルを回し聞きしている時があり、張蔵はイライラさせられていた。
274 :
名無しさん:03/03/31 14:58
患者が途切れたときに、診察室にコソコソとゴキブリのように佐奈田が入ってきた。
「先生お疲れ様です。いやー桜が綺麗ですねー」手にはドロール珈琲のアメリカンを抱えていて
張蔵に勧めた。んなマズい珈琲は飲みたくなかったが、丁度イライラしてのどが渇いていたので
飲むことにした。
「ウチもなかなか代診の先生を集めるのに苦労してまして、先生の御学友なんぞ
ご紹介いただけると非常に助かるのですが…」佐奈田は図々しく頼んできた。相変わらずの口の臭さが
鼻についた。業者から紹介を受ければ何%かの手数料が発生するし、メーカー筋に頼めば何かと
恩を着せられるので嫌なのだろう。それにしても図々しい話だ。でも無下に断る訳にもいかない。
「わかりました。心がけておきますよ」無愛想に張蔵は頼んでおいた。
「宜しくお願いします。欲皮先生は最優先に御紹介しますから」
紹介先を捜す前に、職員の教育など徹底して環境を改善するのが先決だろう、と張蔵は喉の先まで出掛った。
275 :
名無しさん:03/03/31 15:51
昼休みに外に出ると、後をコソコソとつけてくる奴がいる。だいたい張蔵には想像がついたが無視
していた。案の定、近くの喫茶店でスパゲチーを頼んでいると、さも偶然に会ったかのように
堂亭が近づいてきた。「あ、先生。こないだはどうも。お隣失礼して宜しいですか?」
「あ、お疲れさん。開業の話はうまくいってるかい?」冷やかし気味に張蔵は尋ねた。
「そーですね。実はちょっと見てもらいたいものがあるんですが…」
堂亭は持て余していた領収書を張蔵に見せた。張蔵は見てすぐにその意味を知ったが、堂亭が
全く分かっていないと悟ると知らぬふりをした。
「こんなもの何の役にも立たないねぇ。奥山君もたまたま栞代わりに挟んでおいただけじゃ
ないかな?まー死んでからも人騒がせな奴だな、ははは」
「やっぱりダメですか…金になるかと思ったんですがね」堂亭はボーナスを削られた分を何倍にもして
佐奈田からせしめてやろうと想像を勝手に膨らませていただけに落胆した。
「まー役に立たないだろうけど、ちょっと調べてみてあげるよ。この卸会社に知り合いがいるから
聞いてみてあげよう。この紙は預かっとくよ」
276 :
名無しさん:03/03/31 16:05
ま、こんなケチな領収書一枚で税務署が動くとも思えないが、調べれば色々ボロが出て
きそうだ。針の穴から堤は崩れる、というし、何かの役に立つかもしれない。
しかし奥山はこんな紙切れ一枚で殺されたというのか?たかだかリテイラーとはいえ、
流石にそれも考えにくい。
午後の診察でもやたら患者だけは多く、張蔵は心底疲れきった。自分が働かされて佐奈田が
ボロ儲けしているのかと思うと余計イライラしてきた。
そんな時にオバサンが一人入ってきた。検査は佐奈田が御自ら担当したらしい。どう見ても
美人ではなかったので、おおよそ金になりそうだと思って吸い付いたのだろう。
「ずーっとハードを使ってきたんで、またハードがいいんだけどねぇ」オバサンは勝手に
注文してきた。
「わかりました。目を診ますから」張蔵はスリットに向かった。
277 :
名無しさん:03/03/31 16:09
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278 :
名無しさん:03/03/31 16:47
案の定、結膜はGPCがボコボコだった。ろくに手入れもしないでハードを長く
使っていたのだろう。田舎に行くとたまにいるクチだ。
「アレルギーが出ているのでしばらくレンズは中止してて下さい」張蔵は患者に言った。
「あらー、困るのよねぇ。そんなこと突然言われてもー。
いまメガネ度があってないし。全然かゆくもないし、大丈夫なんじゃないですかぁ?」
患者が不満げに言い返してきた。非常に厄介なタイプだ。
「私が言えるのは中止したほうがいい、と言う事です。あとは自己責任ですが、
私の責任でコンタクトの処方箋を出すことはできません。目薬を出しますから、
それつけて一週間後にもう一度見せて下さい」忙しくてイライラしている時に常識外れな
ことを言われて張蔵はキレる寸前だった。カルシウム不足気味の張蔵であった。
279 :
名無しさん:03/03/31 16:53
「そー言われても今日レンズ買うつもりで来てるし、アタシ忙しいからなかなか
来れないのよねぇ。何とか融通してくれないかしらー?ホントに何ともないんだし…」
張蔵は閉口していた。すると診察室のカーテンが開いて佐奈田がヌルッと顔を出した。
持て余していた患者を片付けてくれるのだと思い、張蔵は初めて佐奈田に感謝した。
ところがとんでもなかった。
「先生、もう買われるレンズも決まっているんで、なるべく使わないってことで
今日処方箋出しますけど、それでいいですかねぇ?」張蔵は開いた口が塞がらなかった。
「ダメなものはダメだ。そのための診察だろっ!」張蔵はついにブチ切れた。
佐奈田は追い立てられたハエのように驚いてカーテンの外に引っ込んだ。患者は明らかに不満顔で
痰でも吐かんばかりの勢いで診察室を後にした。
280 :
名無しさん:03/03/31 17:24
しばらくして診察の間があくと、堂亭がコソコソと忍び寄ってきた。
「社長が検査に入ると、ホントに強引なんですよ。さっきもお気に入りのクラーリの
スーパー王が久しぶりに売れたんで押し通そうとしてたんですよ」
まったく眼の安全云々を標榜する資格のひとかけらもない奴だ。あんな奴が眼科を
うろちょろして医販分離もクソもあったもんじゃない。
終わり頃にバツが悪そうに佐奈田が来た。「先ほどは出過ぎた事を申しまして失礼しました」
どうせ面倒事になっても困るし、数少ない代診のクチが減るのが嫌だったのだろう。
「コンタクトは医療用具ですから、商売よりも患者さんのことを考えてもらわないと
困りますよ。仮にも白衣着て仕事してるんだったらそれくらいのこと心してもらわないと」
張蔵は久しぶりに説教ができてストレスが発散された。
「申し訳ありません。今後肝に銘じます」
肝まで腐ってそうな佐奈田だが、ここで仲たがいするのも損なので、計算高い張蔵は矛を納めることにした。
281 :
名無しさん:03/04/05 12:38
まったく佐奈田のような寄生虫にしてみりゃ、診察なんぞ形だけのもので
十分であって、あとは適当なことして保険点数だけ取れれば関係ないのであろう。
下手に眼科の知識のある医者がしゃしゃり出てきてあれこれ指図されれば自分の
商売にも影響するし迷惑千万なんだろう。
そういう意味では幽霊院長なんて最高なシチュエーションだったに違いない。
眼科医でもさすがに代診なら院長に遠慮して偉そうなことは言ってこないし。
282 :
名無しさん:03/04/05 12:44
ただ幽霊にするからには、代診を呼べるだけの収入がなくてはとてもやっていけない。
常勤のメリットは給与を月額にして安く叩けることにある。代診も最近は下がってきたとはいえ
時給12000円が相場だ。ましてや墓場クリニックは患者も多いし時間が過ぎてしまうこともあるから
条件が悪いと代診が見つからなかったり、わざとドタキャンされて意地悪されたりしてしまう。
最悪見つからないとケア用品しか売れないことになってしまうし、何より客の信頼を失う。
そこが代診で回すデメリットだが、いざ見つかればこれほどオイシイことはない。
283 :
名無しさん:03/04/05 12:50
かと言って何も眼科のことを知らなさ過ぎる医者に来てもらっても困りものである。
コンタクトの破片を結膜嚢から取り漏らして、患者に凄まれて金を掴ませて示談にした
K県の例もあれば、キズがあるのにコンタクト中止にしなかったら角膜潰瘍になって
白濁が残ってしまい、視力が出なくなってしまったという最悪な話もある。
商売の邪魔はしてほしくないが、揉め事にならぬよううまく立ち回って欲しい、という
身勝手なリテイラーの都合が見え隠れする仕事なのである。
284 :
名無しさん:03/04/05 13:02
色々神経を使った張蔵は疲れきって墓場クリニックを後にした。
駅に向かおうとしたところ、物陰から男が突然声をかけてきた。
「欲皮先生でいらっしゃいますね」
「そ、そうだけど、誰だね」張蔵は物乞いにしては自分の名前を知っていたので
訝しく思いつつも立ち止まった。
「こーいう者ですが…」その男は小汚い名刺を差し出してきた。「エビスコンタクト・
事業部部長 図類」と書かれていた。エビスコンタクトは首都圏で店舗展開している
中規模なコンタクト量販店だった。最近はこの不況下での積極的な出店攻勢が業界でも
話題になっていた。
285 :
名無しさん:03/04/05 15:11
「もしお時間が許すようでしたら、お食事でも如何でしょうか?」
図類はにこやかに話しつつも、目は真剣だった。
「そうだねぇ。少しなら大丈夫だが…」今日もパチンコ屋に出張る予定しかなかった
張蔵だったが、見栄を張って忙しい振りをした。タダ飯にありつけそうなのは
ケチな張蔵には有難かった。
「そうですか、有難うございます!知った店がございますのでこちらへ…」
そそくさと図類は張蔵を誘導した。その様子を堂亭がジーッと店のほうから眺めていた。
286 :
名無しさん:03/04/05 15:15
287 :
名無しさん:03/04/05 15:20
連れて行かれたのは何てことのない居酒屋だった。張蔵は少し不快だった。
中では大学生か何かのコンパ連中が騒がしく、会話もままならなかった。
「エビスさんにはバイトでも伺ったことないですねぇ」張蔵は探りを入れた。
「先生、墓場クリニックさんの横のアイアイタウン佐奈田はウチのフランチャイズなんですよ」
それで合点がいったが、なぜコソコソと店の外で挨拶してきたのかが不可解だった。
「先生は開業のほうは御興味ありませんか?」図類は反応を確かめるように澱んだ視線を鋭く
張蔵に向けてきた。
「いやいや、突然そんなこと仰られても何てお返事していいんだか」
288 :
名無しさん:03/04/05 15:32
「場所にもよりますしねー。何処か候補でもあるんですか?」
「実は御内密に願いたいんですが、この埼凶線と同じ沿線の年増駅に出店したいと
考えています。そこで先生にお力を戴けたら、と存じまして」
「佐奈田さんの釜口駅から近いですねぇ、だいぶ」張蔵は佐奈田の狼狽する顔が小気味よく
想像できたが、冷静な様子を演じていた。
「近い分、チラシを撒くにも効率がいいですし、相乗効果で新たなお客様の開拓にも前向きに
寄与できると思います。今は若干佐奈田さんのところに集中し過ぎていて、患者さんにも混雑で
ご迷惑をおかけしてしまっていますから」ずいぶん都合のいい論理だが、張蔵は愉快だった。
289 :
名無しさん:03/04/05 15:41
エビスコンタクトは埼凶線沿いだと起点の玉袋駅のほかに、ニュータウン造成の
進む川声や朝葉蚊に出店していたが、釜口からはある程度離れていたので商圏の重なりは
なかったはずだ。しかし年増に本当に作るとしたら、明らかに釜口に来ていた客は減少する
だろう。直営店を優先させるエビスの戦略が手に取るように分かった。
「いやー、佐奈田さんに悪いなー。そんなところに開業しちゃったら」張蔵は誤魔化すために
おどけてみせた。
「そんなことないですよ。今日も先生に失礼があったみたいじゃないですか」
張蔵は図類の耳の速さに驚いた。なかなか抜け目のない奴だ。
290 :
名無しさん:03/04/05 15:57
「うちのエビコンでしたら社員教育は完璧ですから、先生に失礼があるような
ことは全く考えられません。医販分離も徹底しておりますし」美辞麗句を図類は並べた。
「そうですねぇ…前向きに考えておきますよ」張蔵は気のない返事をした。
「宜しくお願いします」
同じ沿線にこういくつも店舗があれば、相乗より相殺効果のほうが大きいだろう。各店舗が
中小規模にまとまってしまえば、市場を独占する形で隆盛を極めている佐奈田も年貢の納め時
だろう。何より収入があるからこそできた幽霊院長のシステムが崩壊してしまい、粗利の高い
種類の「優先」販売は難しくなってくるだろう。
張蔵は高みの見物を楽しみたかった。佐奈田に逆恨みでもされてはつまらない。
居酒屋の安い鳥の唐揚げを頬張りながら張蔵はざまーみろ、といった気分だった。
291 :
名無しさん:03/04/05 17:49
* * * * *
ほろ酔い気分の張蔵に深々と頭を下げて見送った図類は、すぐさま電話をかけた。
「ああ、堂亭君かい。いやーっ、やっと終わったよ。金ならあるだろうに次から次へと
色々注文しやがって、人の金だと思って遠慮なく飲み食いされて参ったよ」
「大変でしたね。まーあのセンセイが院長になってくれれば、会社にそんなもん消し飛ぶ
ほど利益を運んできてくれるでしょうから、初期投資だと思われることですね」
「ほんとに大丈夫なんだろうな。捨て銭は困るよ」
「開業するのには色気あると思いますよ。大丈夫です」
図類は堂亭と内通して欲皮眼科を年増店にくっつけて開業させて、それと同時に
堂亭も佐奈田の店から引き抜いて、アイアイタウン佐奈田を一挙に崩壊させる手はずを
整えていたのだった。しかしいざとなれば堂亭はていよく追い払い、自社社員で新店は
固めるつもりだった。堂亭だけが内通者気取りで偉そうにしているピエロだった。
292 :
名無しさん:03/04/07 13:16
アイアイタウン佐奈田の内部情報は堂亭を通じて筒抜けだった。
「君も技術は餃子メガネで鍛えられたものがあるんだから、佐奈田さんの押売り部隊の
ひとりよりも、上場を目指して拡大機運にあるウチの新店店長のほうが相応だね」
「恐れ入ります」堂亭はふだん虫けら扱いされているだけに、ヨイショにはほとほと弱かった。
「検査員のモチベはどうだい?」
「最悪です。佐奈田社長のやり方にみな閉口しています。薄給なんでできるだけ仕事を
したくない空気が漂ってます」
「そりゃひどいね」
293 :
名無しさん:03/04/07 13:20
「例の院長はどうだい?寓鱈先生は」
「ほとんど寝てるか、マンガ読んでるだけなんで害は無いですね。ただ眼をちゃんと診てるか
って言われると相当疑問ですけど」
「ま、佐奈田さんのところはそれで十分だろ。忍不先生の時は一般診療は『眼科に行って
下さい』って案内してたくらいだから。お前の所は何なんだって話さ」
「ホントに呆れますね」
294 :
名無しさん:03/04/10 11:06
堂亭は餃子メガネの頃から眼科の専門書を図書館で借りて、オタク並みの知識を
つけていた。患者に眼内レンズの話をして通ぶったりすることでニセ医者欲を
自慰的に満足させていた。
そんな堂亭にとって、金だけ払って医大を出てふざけた態度で横柄にしている寓鱈
みたいな人種は到底認められない存在であった。表向きは慇懃にしていたが、心中では
軽蔑しきっていた。
295 :
名無しさん:03/04/10 11:20
エビスコンタクトでは、佐奈田に土下座同然に頼み込まれてアイアイタウン佐奈田を
フランチャイズに組み入れ、近くに作った自社の釜口店をわざわざ閉店させたことを
今更ながら後悔する声が強かった。他の店舗がコンタクトの値段を下げられずに低迷
するなか、佐奈田の店が異様に繁盛していることに対する嫉妬もあった。
佐奈田はエビコンの社員をほとんど迎え入れずにメガネ屋崩れを求人誌で拾ってきて
独自に社員として採用し、エビコンの意向を無視してクラーリなど粗利のいいレンズを
強引なトークで押し売りしていた。エビコンには雀の涙ほどのフランチャイズ料を
支払うだけで利益はほとんど佐奈田の手取りとなっていた。
296 :
名無しさん:03/04/10 11:34
社内では本部の意向を無視して自分の商売ばかりに邁進する佐奈田を煙たがる声が
強かった。何度かエビスの社員を検査員として雇い、メガネ屋崩れのゴロツキを
辞めさせるよう役員会で佐奈田に要求したが、佐奈田はのらりくらりと逃げるばかり
だった。
エビスも背に腹は変えられない状況となり、ついに佐奈田潰しに動くことになった。
手始めに内情を逐一探り、同時に近隣の年増駅に店を出して顧客を横取りする作戦に出た。
その担当チームの責任者が図類だったのだ。
297 :
名無しさん:03/04/10 15:31
図類は社に帰り、取締役の保藻野に報告した。
「まーどんな手段を使っても構わん。とにかく高笑いの佐奈田からオイシイとこだけ
根こそぎ取り上げるんだ。ウチは甘くないところを見せ付けてやれ」
高い家賃を払って無理して玉袋の四社員ビルに本社を置き、まるで自社ビルのように
チラシに載せている姿は滑稽ですらあった。本社費用がかさみコンタクトの価格競争に
追いついていけない現実は、まるで金食い虫の妻がいるために借家住まいをしている
情けないサラリーマンのようであった。
あぼーん
______
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302 :
名無しさん:03/04/10 15:39
保藻野はおもむろに首都圏の地図を取り出した。
「埼凶線沿線だと玉袋・年増・朝墓・釜口・川声でネットワークになるな。
どんどん作れるだけ作って、駄目そうなら潰せばいい話だ。積極出店なんて聞こえがいい」
「やはり中核店は釜口ですね」図類はお追従気味に話を合わせた。
「そーだな。川声は虫王コンタクトができてから不振だし、玉袋は医師系の
縄文コンタクトやゼェイコンタクトがあるから市場的に難しい。やはり独占している釜口の
強みは生かさないといかん。そこであんなサナダ虫みたいな男に粗利を貪られては困るんだよ」
「仰せの通りです。こないだ年増にぶつけるのに都合が良さそうな医者をゲットしましたから、
うまくいきそうです」
「頼むで」
303 :
名無しさん:03/04/10 15:56
図類はデスクに帰り、おもむろにワープロで文書を打ち出した。
「釜口保健所様・・・」
堂亭から聞いた墓場クリニックの問題点を保健所に告発するつもりだった。
とりあえずは幽霊院長のことで大騒動になったようだったから、次は医販分離、
無資格者の検査について、でも書いてみるつもりだった。これはどこのコンタクト
眼科でも公然の秘密になっているが、現実的にはボーダーライン上の微妙な
問題だ。架空請求についてはまだ先に取っておくつもりだった。原爆級を先に
落としては親会社としてのエビスコンタクトの責任問題にもなりかねない。あくまで
被爆は佐奈田だけで十分なのだ。
304 :
名無しさん:03/04/11 11:07
305 :
名無しさん:03/04/11 11:59
306 :
名無しさん:03/04/11 17:02
所詮は目くそ鼻くその世界だが、エビスコンタクトの社内では佐奈田はマガイモノ扱いだった。
営業成績に非協力的だし、本部の意向はほとんど無視。それでいて契約をたてにして粗利はほとんど
独占して、医販分離や検査員の技術レベルなどはまさに系列の面汚しのレベルだったから当然ではある。
何度も本部では社員を店長にするよう佐奈田に申し入れていたが、蛙の面に何とやらで全く聞く耳を
持たない様子でやりたい放題だったので、みな嫉妬も入り混じった辟易した感情を抱いていた。
エビスコンタクトは首都圏に出店を積極化する方針を打ち出したが、それは一つの店舗が巨大化して
例えば院長が造反独立してその店舗の採算が考えられなくなるような非常事態になった場合のリスクを
分散化させる意味合いもあった。
そういう趣旨からも、佐奈田のアイアイタウンは格好のターゲットにされた。
307 :
名無しさん:03/04/11 17:14
佐奈田も業界のヘドロを泳ぎ渡ってきたので、そういう社内の雰囲気を
薄々察知していた。奥山が死んでから店長が空席になったが、本部からは
社員を入れたいと矢のような催促だった。
しかしここで社員を入れたらアイアイタウンの実態が知れてしまうばかりか、
佐奈田の打ち出の小槌になっているクラーリの誘導トークができなくなって
しまう。そうなれば一大事だ。
新しい店長に堂亭では薄気味悪いし、何やらコソコソと動いている様子も感じて
いた。佐奈田は悩んでいた。
308 :
名無しさん:03/04/11 17:19
* * * * *
佐奈田はいつも重役出勤で昼過ぎに出社してくるのだが、その日は珍しく朝礼を
すると言い出していた。検査員は面倒がりつつも「社長」命令なので早めに出て
きていた。
「何か新しい店長を発表するらしいわよ」岡目が堂亭に耳打ちしてきた。
堂亭は俺だ、と確信した。他に男性店員はいないし、餃子メガネ玉袋店で鍛え上げた
眼科の知識は医者並みだと自負している。張蔵はじめ代診の医者受けもいい、と勝手に
思い込んでいた。本部の図類に協力して潰してやるつもりでも、店長になれれば気分の
悪いことはない。どうせ佐奈田のことだからたかが知れているが、手取りも少しはマシ
になるかもしれない。買いたいフィギュアはいくらでもある堂亭だった。
309 :
名無しさん:03/04/11 17:30
佐奈田が眠そうな目をこすりながら出社してきて、狭苦しい従業員部屋に
やってきた。薄暗いトイレの横の部屋で、社員は裏で「ムショ」と呼んでいた。
「朝からご苦労さん。奥山君があんなことになってからアイアイタウン佐奈田の
店長がずっと空席になってたんだが・・・」
堂亭は久しぶりにドキドキしていた。こんな気持ちは中学生の時に好きな子に告白した
以来だった。もちろんその時は振られたが。
「今度新しく店長になる元板さんだ。前にエビスコンタクトに勤めていらして今まで
家事手伝いをなさっていたが、求人誌のうちの広告を見て応募してきてくれた」
ドアが開いて紹介された元板が入ってきた。ハキハキした感じの30くらいの女だった。
やる気満々らしくもう検査員の服に着替えていた。
「元板です。よろしくお願いします。経験はありますから大丈夫です」
堂亭はヨソ者女に仕えることになったと悟り、頭を殴られたような衝撃をうけ呆然とした。
「家事手伝いっていっても火付けじやないからなー、デヘヘ」
「ヤダーッ、社長ったら親父ギャク!」
佐奈田の下らない冗談も堂亭には遠く聞こえた。
310 :
名無しさん:03/04/11 19:37
堂亭のプライドはズタズタにされた。佐奈田に対する怒りと、新店長・元板に
対する反駁心が強く芽生えた。堂亭は事あるごとに元板に逆らって衝突した。
悔しいことに元板は、以前エビスコンタクトに勤めていただけあって仕事ぶりは
手際が良かった。眼鏡屋よりもコンタクト業務に小慣れていたせいか堂亭よりも
混雑時は患者を捌くことができた。適当にクラーリも売っていたので佐奈田も御機嫌
だった。他の店員も次第に元板に従うようになり、奥山亡き後暫定的に店長のような
業務をしていた堂亭は孤立感を覚えた。元板の欠点を探して突き上げるようなことも
してみたが、みな周りは元板を支持し、かえって堂亭の浮きっぷりは目立つように
なっていった。堂亭は焦った。
311 :
名無しさん:03/04/11 21:53
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
これまでのあらすじ
ニセ目医者・欲皮張蔵は代診バイトで食いつないでいたが、バイト
先の墓場クリニックは幽霊院長のおかしなCL眼科。販売店の佐奈
田はエビスコンタクトのフランチャイズに入りながらアイアイタウ
ン佐奈田でやりたい放題で本社から疎んじられていた。ある日店長
格の奥山が謎の死を遂げ、堂亭は遺品から佐奈田の乱脈ぶりを裏づ
ける資料を手に入れ本部の図類と結託して佐奈田ツブシのための近
隣出店に手を貸そうとしていた。その院長には張蔵が狙われていた
が、張蔵にはその気がなかった。佐奈田もこうした動きを察知して
新店長に元エビスコンタクトの元板を雇い、本部からの干渉を避け
るのに必死だった。奥山の死に疑問を持つ張蔵は墓場クリニックの
内情を注意深く見守っていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
312 :
名無しさん:03/04/12 00:56
堂亭は何かと元板に反発するようになっていた。
「もっと患者さんのことを考えた販売じゃないとマズイんじゃないの?」
クラーリの押売りが目立つと揶揄すると、元板は反論してきた。
「価格も手頃なんだし、商品を理解して戴いて患者さんが選択されるんだから、無理に押売り
してる訳じゃないわよ?何か他のメーカーの製品と明らかに違う点でもあるの?」
堂亭のメガネ屋仕込みの粗い知識では反論できず、ますます元板へのストレスは増幅していった。
ただ堂亭の救いは、エビスコンタクト自体が元板の店長就任を快く思っていない点だった。自社を退職
した人間を再雇用されたので、あからさまに技術のなさや販売姿勢を、今までの眼鏡屋崩れの店員
に対してのようにケチをつけることもできず、かといって今更味方に引き釣りこむこともできず、苦々しく
本部では受け取られていた。肩入れしていた堂亭が店で浮き始めたのも、元板がさらにクラーリ他、佐奈田
御用達のコンタクトの販売に拍車をかけてきたことも、本部にとっては痛手であった。
313 :
名無しさん:03/04/12 01:07
「図類さん、あの女店長何とかして下さいよー」
密会場所の居酒屋で、堂亭は図類に頼み込んだ。
「まー本部も退職者だからケチつけにくいしね。あくまでフランチャイズだから
任免権は佐奈田さんにあるし、ほとほと困ってるんだよ。ウチのコンタクト販売優先
順位も元板は知ってるはずだが、わざと無視してクラーリばっかりお薦めだからね」
安酒を呑みながら苦りきったように図類はこぼした。堂亭はもうお役御免と行きたい
ところだったが、こうなると堂亭を使ってどうにかするしか残っていなかった。
「ウチが主体的に動く訳に行かんから、堂亭君が頑張って何とかしてくれないか…」
「無理っすよー。内部からはどうしようもないですし、社長もお気に入りですから」
「患者は増えてるんだが、なにぶん粗利はぜんぶこのままじゃ佐奈田さんに流れるからね…。
ウチはていよく広告費だけ垂れ流しさせられてるようなもんだよ。冗談じゃない」
図類の意見はエビコンの総意そのものだった。
314 :
名無しさん:03/04/12 14:29
「早いとこ年増駅に出店して佐奈田んとこなんかぶっ潰してやりましょーよ」堂亭は息巻いた。
図類は内心、堂亭が店長になれずにヨソ者女の元板に頭を抑えられて憤慨しているのが
よく分かりニヤけるのを我慢するのに懸命だった。
「分かってるよ。本部も本腰入れてるから君ももうすぐ新店の店長だ。忠節を尽くしてくれ」
「そりゃもー私にできることでしたら何でも」
「とりあえず、欲皮先生をその気にさせないと何とも動けないからなー。いちおうお飾りの
院長でもいないとコンタクトは売れないから。面倒くさいが」
「私が何とかしてみます。張蔵先生とはツーカーの仲ですから」
堂亭は虚勢を張ってみせた。ここで手柄を上げないと本部からも軽く見られてしまう、という
危機感もあった。
315 :
名無しさん:03/04/12 14:42
* * * * *
しばらくぶりに張蔵に佐奈田から代診の依頼があった。寓鱈に法事があったらしい。
常勤の医師が見つかってから声がかかることはあまりなくなっていた。
張蔵はこないだ図類に酒席で聞いた話はほとんど忘れていた。業界筋からエビスコンタクト
の経営に関する噂も聞いたし、過度な出店攻勢も怪しく感じられた。まー話だけは聞いてやって
タダ飯だけ奢らせてもいいかな、くらいに思っていた。
朝、墓場クリニックに入ると、地味なカーディガンを着た三十路女が挨拶してきた。
「欲皮先生、このたび店長に就任しました元板と申します。宜しく願います」
「あ、どーも。代診の欲皮です」
受付のガメツイ連中とは違った、素とした印象に張蔵は好感を抱いた。
「へー、新顔なのに店長さんなんですか?」
「前にエビスコンタクトの川声店で働いてましたので、経験を社長に評価して
戴きました」元板は訳もなく当然といった口調で答えた。
「そう。宜しく」張蔵はわざとそっけなく答えた。興味は津々だった。
316 :
名無しさん:03/04/12 15:10
診察室からカーテン越しに聞き耳を立てていると、張蔵の想像した通り
堂亭と元板は仲が悪いようだった。
「堂亭君、これ向こうに片付けといてくれる?」
「…」
「堂亭君!」
「聞こえてますって。分かりましたよ」
こんな感じの刺々しい会話が続いていた。張蔵は他人の揉め事が大好きだったので
診察そっちのけでワクワクしていた。
こないだの図類に店のことをチクっているのは堂亭しかいるまい。こんな状況なら
ますます墓場クリニックの内情が図類に流れていくに違いない。
317 :
名無しさん:03/04/12 17:09
昼飯を食いに出た張蔵は、堂亭が近づきやすいようにわざと吉田屋の牛丼に
入った。案の定、偶然を装って堂亭が近づいてきた。
「先生、よく会いますねぇ。お隣宜しいですか?」
「どうせ断っても座るんだろ?」
「先生もお口が悪いですねぇ。失礼します」
とめどなく堂亭は元板の悪口を言い始めた。あんな女に何ができる、俺のほうが店長に
なるべきだったんだ、佐奈田は見る目がない、というのが論旨だった。張蔵はほとんど
うわの空で聞いていた。そんな目くそ鼻くそ話は聞きたくもなかった。
「図類さんとは親しいの、君は?」張蔵はジッと観察した。
「まぁ本部の社員とフランチャイズの検査員ですから、仕事上の関係はあまりないですね。
ただ私の技術や人間性は買っていただいているようです。色々お話しも戴いてますから」
何か勘違いをしながら堂亭はまんざらでもないような顔をしていた。
318 :
名無しさん:03/04/13 14:21
コンタクト屋の医者は、独特のすえた臭いを持ってるな。
この小説で理由がわかったわ
319 :
名無しさん:03/04/13 16:49
コンタクト屋の検査員は、独特の卑しい臭いを持ってるな。
この小説で理由がわかったわ
320 :
名無しさん:03/04/14 11:41
>>317 必要以上に店のカウンターの紅生姜をつまみ喰いしながら、張蔵は続けた。
「こないだの話だけどね、あんな話には乗れないよ。佐奈田さんへのアテ馬みたいで
不愉快だしね」
「え、そんなことないですよ。エビスがついてるんですから安心できるはずですし…」
堂亭は焦った。ここで張蔵に逃げられては図類への面目を失い、年増店の話も立ち消えて
しまう、そうすれば自分は一生元板の召使だ…。
「いやー、俺は遠慮しとくよ。あ、ここの牛丼は割り勘でね」
張蔵は自分の分だけ払うとそそくさと店を出て行ってしまった。
321 :
名無しさん:03/04/14 11:56
堂亭は茫然自失としていた。図類に張蔵の年増店院長就任は任せてくれと大見得をきって
いただけに、信用を失い相手にされなくなることは目に見えていた。
ここで図類に見放されたらお終いだった。何か打つ手が必要だった。堂亭は眠れる脳細胞で
懸命に考えた。張蔵を翻意させることは難しそうだが、年増店はもともと佐奈田潰しが目的
なのだから、他の方法で佐奈田とアイアイタウン佐奈田を崩壊させれば手間が省けてエビス
本部も喜んでくれるだろう…。
堂亭は危険な発想に向かっていた。
322 :
名無しさん:03/04/14 12:08
* * * * *
ある日、墓場クリニックに電話がかかってきた。院長の寓鱈に名指しであった。
「こちらは節穴保健所医務課の江羅曾と申しますが、御宅の眼科さんで検査もせずに
保険点数を計上して請求をかけていると投書がきたものですから、これから伺って
事情を聞かせて戴いて宜しいでしょうか?」
寓鱈はマンガを読んでる場合ではなく、驚いてただアタフタするばかりであった。
「佐奈田さん、どういうことなんだよ!大丈夫だと思って任せてたのに!」
くってかかられた佐奈田はムッと思いながらも寓鱈をなだめて、眼科の中にあった
クラーリのチラシなどを急いで片付けた。内部情報を誰かがチクッたに違いない。
佐奈田には凡そ見当がついたが黙っていた。堂亭は何食わぬ顔で片付けを手伝っていた。
323 :
名無しさん:03/04/14 12:15
墓場クリニックでは先述した通り、点眼薬を常備していたが診察中に患者に点眼することは
稀であった。しかし点眼したものとして眼処置25点を保険請求していた。これは立派な架空
請求である。
保健所の江羅曾が来た頃には、眼科はどうにか片付いていた。
「投書が来たもんですからねぇ、一応私どもも調査しないといかんもんですから」
江羅曾はかったるそうに事情を聞いて逐一記録していった。カルテを確認して眼処置を実際
行っていたのかどうか寓鱈に質問していたが、寓鱈の診察した患者のケースは少なかったので、
代診の先生に聞かないと何とも言えない、と逃げ失せていた。
「ま、実際に何人か患者さんにも確認してみますんで。また御連絡します」
くたびれた鼠色のスーツを着た江羅曾は、どこまでコンタクト眼科の実態を知っているのか
悟りにくい表情で帰っていった。
324 :
名無しさん:03/04/14 14:17
問題は、それからだった。
この騒動があってから寓鱈が騒ぎ始めた。ようやく自分の知らぬところで佐奈田が
やりたい放題であることを理解したのだ。
「俺はおまえみたいな寄生虫に手を貸すために医者やってるんじゃねぇんだよ!」
何とかなだめようとする佐奈田に唾でも吐かんばかりの勢いで、寓鱈は罵り続けた。
ついに佐奈田もキレた。
「あんただってマンガ読んでるか寝てるかだけの生活で大金もらってるんだから、含む
ところがあるくらいのこと医大出てりゃわかるだろう!」
「何だと!この寄生虫め!もうこの眼科も明日から閉院する!」
そう言い残して寓鱈は二度と眼科には戻らなかった。
325 :
名無しさん:03/04/15 00:04
翌日イヤな予感のした佐奈田は、節穴保健所に行ってみた。
何と午前中に廃院届が出され、既に受理されていた。ガビーン!
326 :
名無しさん:03/04/16 19:35
院長が辞めたと嗅ぎつけた図類が、アイアイタウン佐奈田に乗り込んできた。
「エビスのほうで院長は手配しますから」図類は有無を言わさぬ口調で言い放った。
「何言ってるんだい?もう後任は見つけてあるからイラナイよ」佐奈田は先手を打って
いたのだった。院長とセットに自社社員の店長もねじ込んで実権を取り戻そうとしていた
図類の目論みは崩れた。
「適当なことしているから保健所に注意されるんじゃないですか?本部でも問題になって
いますよ」
「医販分離だの点数云々だのはどこも変わらないだろ。変に医者を持ち上げて優等生ぶるのは
医者の前だけで十分だよ。俺は知ってるんだから」佐奈田は強気に出た。
327 :
名無しさん:03/04/16 20:26
確かにエビスも褒められた代物ではなかった。コンタクトの販売で粗利がとれず
医院からの上納金率の値上げにとりかかり、院長達から総反発を食らっていた。
一部の店では院長が造反して近所に医師系コンタクトを作ってしまった。それだけなら
よくある話だが、店長以下社員がゴッソリとその医師系に引き抜かれてしまったのは
業界のいい恥さらしだった。よほど給与が悪いのか、待遇が悪いのか、居心地が悪い
のかとしばらく後ろ指を指されていた。
328 :
名無しさん:03/04/16 20:38
佐奈田が見つけてきたのは公家のような真っ白い顔をしたデブの袋小路秀麿という
産婦人科出身の医者だった。
「アタシで良ければお役に立ちますけど高くつきますよ、ほほほ」女のような声で
袋小路は高笑いした。
「そりゃもう、先生のお力を貸して戴けるんでしたら用意するものは用意させて
戴きますから、その方面でご不便はおかけ致しません」佐奈田は断言した。
佐奈田は禍転じて福と為す、ではないがこの機会に店と隣接眼科を移転させようと
目論んでいた。駅前のサラ金ビルの上が空いているのを知っていた。
329 :
名無しさん:03/04/16 22:51
ところが寸前になって袋小路は逃げ出してしまった。
「ごめんなさいね。アイシテで優良店に空きが出来たからやらないかって言われ
ちゃって…そっちのほうがいいかなと思って」
今更図類に頼むわけにもいかず、ダメもとで佐奈田は張蔵に頼んでみることにした。
「考えてみます」張蔵は受ける気はサラサラなかったが、期間限定で引き受けて
相手の足元見て暴利を貪るのもありかな、と貪欲に考えていた。
しかしエビスのこともよく知らなかったので、レンズメーカーのメヤニコの社員に
事情を聞いてみることにした。
330 :
名無しさん:03/04/16 22:57
小料理屋にメヤニコの担当を呼びつけて話を聞いてみた。
「そうですねー。最近は出店が目立ちますがあまりパッとしない所もある
みたいですし、こないだの上納金率騒動で優良店を三つも失ってますからねー。
動かせる資金が少ないと思うんですけど、無理してないといいんですけどね」
「ふーん」
「まぁこんなご時世ですから何の心配もないところなんて無いと思いますけど、
眼科側と販売店側の資金の流れが昔ながらの馴れ合いっぽい形なんで、
何か問題が起きた時にそのあたり保健所に突付かれるとマズいことに
なりやすいかもしれませんね…」
331 :
名無しさん:03/04/16 23:04
昔はコンタクトの眼科を開業する際に、眼科の敷金や初期の運転資金を全て店側が
負担していた。明らかに医販分離に反するので最近は院長が準備したり、院長に店側が
貸し付ける形をわざわざ用意したりして会計上分けているところが多い。
仮に眼科の敷金を店側が出していることが分かれば、非常にマズイ。
ましてやその事実を隠すために文書を偽造していたりしたら、もっとマズイ。
しかし敷金や初期の運転資金を医者が出せば、店側と喧嘩したときに医者は何も躊躇う
ことなく眼科を「独立」させることができる。「俺の眼科だ」と堂々と主張できる
訳だ。しかしこうした資金をオンブにダッコだと、なかなか医者は独立造反するのが
難しい。するとしても同じ敷地でなく、近隣に越す形で独立、となるのでそれなりの
リスクを伴う。それが皮肉にも抑止力となっているのだ。
332 :
名無しさん:03/04/16 23:08
張蔵は店を出た。勘定はもちろん割り勘。自分のために色々な情報を寄せてもらっても
決してメシを奢ったりしないのがケチな張蔵の流儀だった。
困っている佐奈田に高い契約を結んで手を貸して暴利を貪るのもひとつの手だが、
アイアイタウン佐奈田やエビスコンタクトに関わるとろくなことがなさそうだ。
張蔵は別な道を探すことにした。
(^^)
334 :
名無しさん:03/04/17 11:07
良スレage
335 :
名無しさん:03/04/17 11:12
映画化期待!
336 :
名無しさん:03/04/18 16:01
面白い展開になってきたぞ
337 :
名無しさん:03/04/18 22:10
荒川の河川敷は、ついこないだの奥山の死体発見などなかったかのように、
豊かな川の流れだけが悠久に続いていた。
近所の脳味噌筋肉大学のボート部がボート競技の練習のためにカヌーを漕いでいた。
「あれ、ビニール袋が流れてくるぞ?桃太郎じゃねぇか?」
「死体が入ってたりして。拾い上げてみろよ!」
他愛なく彼らは袋を取り上げた。袋を開けるとあたりに腐臭が漂い、バラバラになった死体が
中から出てきた。
変わり果てた堂亭の姿であった。
338 :
名無しさん:03/04/18 22:13
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
業界の闇を鋭くえぐる力作「欲皮張蔵」
思わせぶりな結末ながら、とりあえずこれでジ・エンドとなります
業界関係者の皆様のご愛読に感謝申し上げます
なおこの物語はあくまでフィクションです
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
339 :
名無しさん:03/04/19 16:20
お疲れ様でした。
次回作に期待しています。
340 :
名無しさん:03/04/19 21:33
圧力がかかったのか?
341 :
名無しさん:03/04/19 23:33
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
次回作予告…何も知らないダメ医者が医児金報を見て、因果な
コンタクト眼科医に大変身!!
ホメ殺しで煽てて金を騙し取る悪辣量販店との泥仕合!!
「ニセ目医者 面皮厚男」近日健筆がめがね板で復活する!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
342 :
名無しさん:03/04/19 23:46
期待あげ
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
344 :
名無しさん:03/04/23 22:32
もう 危ないよ
345 :
名無しさん:03/04/26 00:15
これって内容古いよ
346 :
名無しさん:03/04/30 00:06
本部にバレたでしょ
そりゃそ〜だよ
本部内部で暴露しているんだから…
ここは どんな会社なんだ?DANGER
347 :
名無しさん:03/05/01 13:20
見ての通りの会社だ
20代OLです毎日上司のセクハラや通勤電車での痴漢でストレスがたまっていた
そのときにネットで見つけたアダルトDVDショップ以前からオナニー用にDVD
が欲しかったのですぐ注文しました、とても安くてびっくりしましたが次の日には
もう届きました私が買ったのは、オナニー、レズ、レイプです毎日オナニーしてま
す。
http://www.net-de-dvd.com/
349 :
名無しさん:03/05/01 16:58
よそのコンタクト店の入り口付近で、CL患者をキャッチする
ところもでてきたようです。
あまりにも品位を汚すので、キャッチはやめた方がいい。
350 :
名無しさん:03/05/03 23:38
>349
品位はともかくとしても、客にまとわりつくのは
よくないんじゃないか?!
/\ ____
/ \ / (。A。)ミ; \
/ \ / |
/ \ | / __ ゴー
キタ─´ \__\ / ≡ヽ゚∀゚) !!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
354 :
名無しさん:03/06/08 19:35
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
これまでのあらすじ
ニセ目医者・欲皮張蔵は代診バイトで食いつないでいたが、バイト
先の墓場クリニックは幽霊院長のおかしなCL眼科。販売店の佐奈
田はエビスコンタクトのフランチャイズに入りながらアイアイタウ
ン佐奈田でやりたい放題で本社から疎んじられていた。ある日店長
格の奥山が謎の死を遂げ、堂亭は遺品から佐奈田の乱脈ぶりを裏づ
ける資料を手に入れ本部の図類と結託して佐奈田ツブシのための近
隣出店に手を貸そうとしていた。その院長には張蔵が狙われていた
が、張蔵にはその気がなかった。佐奈田もこうした動きを察知して
新店長に元エビスコンタクトの元板を雇い、本部からの干渉を避け
るのに必死だった。そして堂亭もなぞの死を遂げ、佐奈田はわが世
の春を能天気に謳歌していた…。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
355 :
名無しさん:03/06/08 19:38
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
量販店とニセ目医者の因縁を細かく描く業界大河小説「欲皮張蔵」
なんと業界の渦巻く続編期待の声に押されて期間限定で復活!
我らが張蔵と欲得業者・佐奈田の丁丁発止のやりとりに乞う御期待
なおこの物語はあくまでフィクションのつもりです
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
356 :
名無しさん:03/06/08 19:42
張蔵はアドレナリン全開でパチンコ台に向かっていた。久々の確変だった。
このところパッとしない張蔵もパチンコ台の前だけでは勝者の気分だった。
「いやー今日はよく出たよく出た」張蔵は満足そうに景品のタバコを抱えて
家路につくのだった。
携帯の着メロが鳴った。「天城越え」だったので通り過ぎた女子高生が笑いながら
振り返った。
「はい、欲皮ですが」恥ずかしい思いをさせられて張蔵は少々不快な思いで電話に出た。
357 :
名無しさん:03/06/08 19:47
「どうもセンセイ、佐奈田です。お世話になってます」頼み事がある時だけ調子よく
猫なで声を出してくるのですぐに内容が分かった。「代診ですかね?」
「はいー、院長が急に風邪をひいてしまいまして…お願いできませんでしょうか?」
張蔵はパチンコで稼いだのでその分バイトを削って安楽して暮らそうと考えていたのだが、
最近のアイアイタウン佐奈田の様子も気になるので引き受けることにした。
「しょーがないねぇ、他ならぬ佐奈田さんのお声がかりだから行くことにするよ」
恩着せがましく張蔵は引き受けた。「いつもご無理申し上げて申し訳ございません。
助かります。よろしくお願いします」佐奈田は殊勝に応えた。
358 :
名無しさん:03/06/08 19:51
次の水曜日、張蔵は久しぶりに佐奈田のところに代診に入った。
いつの間にか眼科の名義が「比代子クリニック」に変わっていた。
「どーもセンセイこの度は。これ宜しかったらお口汚しに…」佐奈田は近所の
ドブールコーヒーの安っぽそうなテイクアウトを手にしていた。これじゃ本当に
文字通りのお口汚しだ。「すいませんね気遣っていただいて」後でこそーり捨てる
つもりで張蔵は受け取った。
「院長替わったんですか?」
「ええ、比代子先生とおっしゃる若い先生にご協力頂いております」
359 :
名無しさん:03/06/08 19:56
カルテを見ているうちに張蔵に疑念がふくらんだ。
比代子の記載と思われるカルテを見ると、全然所見が取れていなかった。
何でもかんでもn.p.の連続。これじゃn.p.の安売りニセ目医者だな、と張蔵は直感した。
案の定、トラブルらしい話も聞こえてきた。
「こないだここの先生に診てもらってレンズしてたら痛くなってきて、近くの眼科で
診てもらったら角膜潰瘍ができてるって言われたわよ!どうなってるのよ!」
やれやれだ。
360 :
名無しさん:03/06/08 20:03
それでも相変わらず競合がないので盛況だった。昼前だけで30人近く来て張蔵は
疲れきった。これで他所と時給が同じなんてやってられない、と心底佐奈田が恨めしく思えた。
「センセイ、午前中の診療終わりでーす」受付のケバケバしい女が昼を告げた頃には一時を
回っていた。疲れきった張蔵はフラフラと駅前のうどん屋に入った。
そんな張蔵の行動をワンブロック先の電信柱の影から見ている男がいた。
張蔵には知る由もなかった…。
■つづく■
((_)))
ピュ.ー ( ・・ ) <これからも死期を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ オ●ニ●
362 :
名無しさん:03/06/09 15:51
張蔵を遠くから見ていた男は、すぐさま携帯で連絡をとり始めた。
「もしもし本部ですか?三針です」
「ああ三針君か。ご苦労だね。奴さんどうだい?」
「先週末の売上もウハウハ状態だったのでゴキゲンです。やっと眼鏡屋出身の店員のリストラ話も
まとまったらしく…向こうも相当ゴネてきたみたいですが…」
「ま、ホジくれば痛いところはいくらでもあるからな、あの社長さんは…。
ところでどうだ?欲皮大先生は?」
「いまうどん屋で昼をとってます。特段変わった様子もありませんが」
「ご苦労だね。引き続き監視してくれたまえ」
363 :
名無しさん:03/06/09 15:56
三針はエビスコンタクトの本部から佐奈田を監視する名目で派遣された「スパイ」だった。
佐奈田はスタッフを極力自前で済ませて本部の意向を無視しようとしていたが、こないだの幽霊
院長騒ぎで本部につけいる隙を与えてしまい、止む得ずエビスの人間を入れることを受け入れた
のだった。
佐奈田の売りたいクラリを売らないばかりか、何かといえば本部の御意向を笠に着て佐奈田を
蔑ろにしようとするので、機会があれば佐奈田も難癖つけて追い出すつもりで神経戦を展開していた。
365 :
名無しさん:03/06/11 21:29
はやく続きをお願いします。張蔵はどうなるのか?
366 :
名無しさん:03/06/11 21:38
そんな渦中に置かれて見張られているとも知らず、張蔵はかき揚げウドンをたらふく
食ってゲップをしながら店を出た。時計は一時半を回ろうとしていた。
「やれやれ、あと三十分しか休みないな。また佐奈田の為にクソ働きか…」
並びのビルのドブールコーヒーで一息入れようかと思ったが、佐奈田が朝持参してきた
マズそうなコーヒーが思い出され、胃がむかついて入る気にもなれなかった。
かといって早めに戻ると時間前に患者を診させられそうな気がして鬱だった。
逡巡していると、コソコソと忍び寄る者がいた。
368 :
名無しさん:03/06/12 12:05
「お願いしまーす」サラ金の苔富士のティッシュを渡された。
張蔵は自分が貧乏臭く見えたのかと思い苦笑いした。
もらってからしばらく歩くと、さっきのティッシュをまた別の奴に配る声が聞こえてきた。
「お願いしまーす」
「あ、おれ花粉症だから何個か頂戴よ。今度利用してやるからさ」
困惑する苔富士の社員からガメつく何個もティッシュをガサ取りしていた。
どんな図々しい奴かと思い面を見てやろうと張蔵が振り返ると、他でもない佐奈田だった…。
369 :
名無しさん:03/06/12 17:48
俺は眼科医だけど、従業員の所得税の計算から労働保険の申請まで
一人でやってるよ。
仕事より大変です。
370 :
名無しさん:03/06/12 17:57
371 :
名無しさん:03/06/12 22:04
Cl眼科医の日常の心理描写がよいね。もっと読みたい。
372 :
名無しさん:03/06/12 23:40
「あ、先生お疲れ様です」恥じ入る様子もなく佐奈田は張蔵に気づいて会釈した。
「佐奈田さんなら苔富士の鼻紙より絹のハンカチでも使って鼻かめるでしょう」
皮肉っぽく張蔵は返した。
「いやですよ先生。儲けといったって雀の涙。ほとんど税金とエビコンの本部に
掠め取られてますからね。苔富士で融通してもらいたいくらいですよ。ハハハ」
笑ったときに趣味の悪い不動産屋でもしなさそうな金歯が奥にチラッと見えた。
この分じゃムスコに真珠でも埋めかねないな、と張蔵は金遣いにセンスのない佐奈田を
軽蔑した。
373 :
名無しさん:03/06/12 23:45
「そうそう先生、私体調が優れなかったものですから、近所の木安目内科で診てもらい
ましたらね、胃にポリープがあるっていうんですよ。全く。」
「へー、早期発見で結構でしたね」まったく悪運の強い男だ。
「それで今度、被告医科大で入院して取っちまうことにしましてね。全く嫌ですよ」
「まー早期でしたら大丈夫でしょう」張蔵はニセ目医者に事欠いてニセ胃腸科医を演じて
適当に答えた。
「そうだといいんですけどね」
エビコンにしてみりゃやりたい放題の佐奈田こそがポリープなんだろうけどね、と張蔵は思った。
374 :
名無しさん:03/06/13 20:11
369さんへ あなたは ヒマかケチかです。
375 :
名無しさん:03/06/13 22:56
結局佐奈田の病気話で昼休みは終わってしまい、張蔵のクソ働きが始まった。
はっきり言ってこれは「診察」とは言えないだろう。「点検」もどうだか。
角膜がキズだらけでコンタクトの装用中止を患者に指示すると、カーテンの向こうで
聞き耳を立てている検査員がすっ飛んでくる。
「先生、なるべく短めだったら構わないですよね?」
「…」
「患者さん、メガネ持ってないらしいんで、コンタクト中止すると生活できない
らしいんですよー。今日どうしてもお持ち帰りしたいとおっしゃってて」
殆ど圧力というか恫喝というか、医者の見解に横車を通してどうにかコンタクトの
売り付けを成立させたい考えなのだ。そのつもりなら最初から診察なんていらない
じゃないか。何か起きたら医者がイイって言ったとか責任を擦り付けるくせに。張蔵は
大声で叫びたい気持ちだったが、だんだんとバイトを続けるうちに張蔵の良心もすれっ
枯らしてくるのだった。
376 :
名無しさん:03/06/13 23:00
検査員受けが悪いと奴らはある事ない事でっち上げて院長に報告するのだ。
「こないだの代診の××先生、診察室でイビキかいて寝てるんですよぉ」
「患者さんに結膜炎の説明もしてくれないんで、私たちがしなくちゃならないんですよぉ」
おおかたこうした報告を受けると院長は激昂する。高い時給でバイトさせてやってる
くせにろくに診察もせんとは…そしてその代診は出入り禁止になる。
コンタクトの処方に口出ししてきたり、やたら装用中止が多かったり、診察時間が
長かったりすると検査員連中には嫌われる。
377 :
名無しさん:03/06/13 23:04
要は「ちゃんと」診察すると奴らには都合が悪いのだ。
奴らにとってイイ先生とはn.p.とカルテに書いてあとは大人しくしている羊みたいに
従順な医者だけだ。
張蔵もバイトで生活している以上、業者に嫌われたらコトだ。それを意識すると
何も言えなくなってしまう。
「仕方ないですねぇ。必要な時間以外はすぐ外すように。あと人工涙液も使って…」
「わっかりましたぁ。患者さんにムンテラしておきます」
カルテから盗み覚えたのか、ニセ医者気分で意味も知らない専門用語を振り回す奴ほど
要注意だ。
378 :
名無しさん:03/06/13 23:12
それでもそんな半分悪魔に魂を売り渡したような張蔵でも、さすがに頭に来ることが
ある。検査員と険悪になると、佐奈田がすっ飛んでくる。
「どーもセンセイ、検査員に失礼があったみたいで。よく言っときますんで…」
と言いつつ、おそらく何も説教もしていないのだろう。「うまくやれよ」くらいは言ってる
かもしれないが。
下手に医者を怒らせると、カルテを専門的な知識を持って見ているだけに、痛いところを
保犬所に通報されかねない。特に保犬所の連中は医者からの告発ともなれば動かざるを得ない。
うまく飼いならしてこそのバイト医なのである。
379 :
名無しさん:03/06/16 15:18
午後も比代子眼科は大盛況であった。このぶんなら月60万点は行っているだろう。佐奈田の品の無い
ホクホク顔が目に付いた。
次から次へと患者が入ってくる。近くに競合がないので市場を独占している強みだろう。
コンタクトの値段も都内に比べて相当に高い。値下げする必要がないから当然なのだが。
ま、おそらく他の量販店や石系ができたらオジャンだろう。
そう思うとこの賑わいも張蔵には彼岸花のように思えて滑稽だった。
380 :
名無しさん:03/06/16 15:23
診察の終了は六時半だが、カルテが溜まっていて張蔵はその時間に帰れたためしがなかった。
たいてい七時頃になっていたが、指摘するまで残業代はついていなかった。
文句を言わないとわんこそばのようにカルテが運ばれてきて患者が切れない。
張蔵も何度か時間を守って帰してくれるよう婉曲にいったがムダだった。
他の代診でキレた医者がいたらしいが、そうすると流石に縁が切れてしまうので、
プー太郎の張蔵にはそこまでできなかった。
「先生終わりました。お疲れ様でした」
能面のような女が挨拶にきた時には七時を過ぎていた。張蔵は疲れ果てた表情で
店を出た。
381 :
名無しさん:03/06/16 15:27
エレベーターを降りて駅に向かう途中で、一人のくたびれたスーツを着た男が
張蔵を待ち構えていた。
「欲皮先生でいらっしゃいますよね?」
疲れきっていた時に不意に声をかけられて張蔵は狼狽した。
「人違いじゃないかな?」
「いえいえ。私はこういう者でして…」
『エビスコンタクト 店舗開発担当 死神』と書かれていた。またこの手の話か、と
張蔵はうんざりしたが、タダ飯にありつけそうなので立ち止まって話を聞くことにした。
382 :
医師であればいいよ:03/06/16 21:44
専門医の資格がなくても、自分で眼科を勉強して
きちんと毎日診療してれば問題はないと思う.
>382
本じゃ無理。できたつもりだけ。
本じゃ見につかないことも多い。
スリーミラーすら使えないから、隅角診るの必要でも見れない。
discの所見も取れない。
偽樹枝状角膜炎と樹枝状角膜炎の区別もつかないくらいだから
ステロイド出して悪化したりする。
少なくとも2年の研修施設での研修が必要。最低限だけど。
子供の斜視も分からないから、ACT、CTもせずに問題なしで放置。
Hirshbergすらやらないのは詐欺同然。
384 :
名無しさん:03/06/17 00:47
専門医試験を全ての眼科医(自称も含めて)に毎年受験させて
試験の成績(全国順位)を医院に表示することを義務化すればいいね。
これだったら、転科眼科医も文句ないだろう。
彼らにも試験を受けてもらおう。
中には、かなり優秀な転科眼科医もいるかもね。
ようは、実力のあるものだけが生き残る。
そういう世界が本当に平等な世界。
医師定年制にして、名義だけ貸して働かない老医師?を
引退させればコンタクト診療もレベルアップすると思う。
386 :
名無しさん:03/06/17 12:27
おいおいスレ違いだよ。
ここは名作・欲皮張蔵のスレだよ。
どっちにしろ、眼科専門医持ってないと話にならない。
持ってるだけじゃ不十分だが。
そのうち、眼科専門医以外は、眼底、眼圧は不可になるだろう。
10年くらいの移行期限設けて、眼科専門医以外は
CL処方不可にする動きもある。
388 :
名無しさん:03/06/20 16:34
>387
根拠を示せよ。まあ根拠ないのに書き子か?
389 :
名無しさん:03/06/20 17:31
他科で専門医資格をもつ者しか認めない医療行為なんて精神と麻酔くらいだろ。
たかが眼科でそこまで細分化されるとも思えないが。
それより専門医がCL処方を「毒占」するようになったら眼科に人が溢れ返って
診察どころじゃなくなると思うが。
それに今の「規制緩和」の方向性とも逆行するよね。
憤りは分かるが、一般論と自分の欲望を混同して話さないでくれよ。
バカが勘違いするから。
390 :
名無しさん:03/06/20 17:38
基本的に専門医は「手術ができる眼科医」のための資格だろ。
コンタクト医はそんなことするつもりも無いし、できないんだから
専門医でなくとも可能だろう。
もし知識を一定レベル以上に保つ必要があるなら、専門医とは別な形で
検定すればいいんだろうけど(コンタクト専門医、とか)そんな話は聞かないな。
コンビニで売るだとか、通販では既に売っているような現状で、もっと他に
コンタクト販売の問題点で直さなくちゃいけないことは山ほどあるだろう。
391 :
名無しさん:03/06/20 17:39
まあ、少なくとも「移行措置専門医」が死滅するまでは、眼科専門医にメリット絶対でてこないね。
移行措置専門医って若いのは45歳くらいだろうから後4-50年は無理だね。
392 :
名無しさん:03/06/20 17:45
>>391 あまり関係ない気がするんだが、教えてくれないかい?その訳を。
393 :
名無しさん:03/06/20 19:58
専門医の点数を非専門医より高くすればいいよ。
アメリカでは専門医は高いので
患者がつきにくいようだが。
394 :
名無しさん:03/06/20 20:25
笑えるね。
396 :
名無しさん:03/06/20 21:00
続き読みたいです。こっちも圧力かかったのですか?
397 :
名無しさん:03/06/20 21:48
張蔵先生の話の続きが読みたいす。はやく出てきてください。お願いします。
398 :
名無しさん:03/06/20 22:48
>>393 ドクターフィーに差をつけるのは
思ったより難しい。一部叫ぶ先生が
いるけど三者懇でも否定的だ。
391の4-50年でも無理かもしれん。
400 :
名無しさん:03/06/20 22:58
401 :
名無しさん:03/06/20 23:24
名医が自由診療部分として診察料に上乗せするという
なら将来的にはありうる話だ。
ただ、ほっとくと患者があふれてしまうような
よほどの名医でないと上乗せしないだろうね。
402 :
名無しさん:03/06/21 00:43
CL処方は医師免許あれば可能だけど、眼底、眼圧は
眼科専門医だけにすればいいんじゃないのかな。
眼科専門医じゃないと眼底所見はちゃんとわからないわけだから。
でも、無試験の移行措置がいるから無理か?
CL処方は、屈折とか角膜が分かればいいから、何科でもいいよ。
本当は、眼科専門医と偽目医者の間に、CL処方も含めた
経験2年くらいの眼科認定医があればいいんだが。
403 :
名無しさん:03/06/21 00:46
2年くらいの眼科研修やればいいと思うけど、
それもない偽目医者はまずいね。
そういう医者に眼科研修する機会を与えるべきだろうけど。
404 :
名無しさん:03/06/21 01:44
>>403 余計なお世話だね。そんなことしなくても本読めば分かるよ。
目医者歯医者は医者に入らないって言われるくらいの科なくせに、
偉そうな口ぶりは辞めてもらいたいな。
405 :
名無しさん:03/06/21 02:37
本読んだだけでは研修は無理だよ。
もっともときどきいるけど何も読まず
いつも教えてクンはもっと困るけどね。
一生懸命自分で研究しようとする意欲に加えて
最低限の症例は必要だ。どの科でも同じだろうけど。
医会はどっちかというと転科医に対して
閉鎖的だ。だから、何でも専門医限定と
叫びたくなるんだろうね。
しかし、最近では403の言うような
研修に積極的な施設もできている。
いい傾向だね。
406 :
名無しさん:03/06/21 07:11
いくら本読んでもダメ。
スポーツと一緒で、本読んで自己流でいったらどんでもない
勘違いしたまま診察し続けることになる。
本で大丈夫と思っているのは勘違いも甚だしいままということ。
>404
眼科医が医者に入らないとすると、偽目医者は蛆虫くらいだね。
ちゃんと研修施設で研修して、せめて人間である目医者になろうね。
ちゃんと転科医を受け入れて、研修できる施設がないと、
今の転科医がやっているのは、医学生がやっているのと
同じ程度のレベルだから、被害が大きくなる。
一律に排除するんじゃなくて、専門医まで目指さなくても
2〜3年くらいのプライマリ外来中心の施設と制度を作ってもいいと
思うけどね。
407 :
名無しさん:03/06/21 10:06
たまにいるよね。実地訓練しないでいきなりコンタクト開設ひきうけちゃう
中途半端なやつ。最低限どっかで訓練してこいって感じだよね。検査員にサイ劇
の使い方聞くなっちゅ〜の。これうちの院長の話。
408 :
名無しさん:03/06/21 10:06
眼科研修システムの議論はもういいから、悪魔に魂売った医者の張蔵出てこい!!!
成仏はしたいようだな。
409 :
名無しさん:03/06/21 13:19
410 :
名無しさん:03/06/21 13:21
>>406 眼科だけのプライマリー診療だけができる医者を作るなんて非能率なこと
誰が引き受けるんだい?量販店かな(笑)?
ニセ目医者ってバカにするけど、医局に帰れば立派な内科医だったりするわけで、
それをdropoutした冥者なんかにバカにされる筋合いはないぜ。
411 :
名無しさん:03/06/21 13:35
立派な内科医は患者を騙す偽目医者なんて詐欺まがいのことは、やりません。
眼科医は内科をドロップアウトした転科医は1割もいないし。
412 :
名無しさん:03/06/21 13:57
もっといるし、ドロップアウトする以前に忌避して眼科に入った奴は
数知れずだろ。
悔しけりゃ総合病院のメインフロア取って見ろよ。
いつも隅っこのリネン室の隣あたりのくせに(笑)。
413 :
名無しさん:03/06/21 13:58
414 :
名無しさん:03/06/21 14:00
偽目医者は目医者未満のウジ虫
415 :
名無しさん:03/06/21 14:06
内科医>眼医者>ニセ眼医者=内科医>眼医者>ニセ眼医者=…
このスレこれじゃあ全くだめボ
しばらく沈静化するまで
カキコ中止に
100ペソ
417 :
名無しさん:03/06/21 14:07
だいたい自分のところが流行ってないセンセイほどコンタクトがどうの
眼科専門医じゃないとどーのって他に原因を探して八つ当たるんだよね。
418 :
名無しさん:03/06/21 14:08
欲の皮が突っ張った、ある意味張蔵だらけ…
420 :
名無しさん:03/06/21 14:17
422 :
名無しさん:03/06/21 14:24
医者にトライアルレンズの選択を義務づければいいんだよ。フッイティングも医者のみ。
スリットは医師以外不可を徹底。
423 :
名無しさん:03/06/21 14:27
>>422 それは今でも当たり前だろ。
寄生虫リテイラーに任せてるところは保犬所に通報!
424 :
名無しさん:03/06/21 14:54
張蔵センセイと佐奈田がウジャウジャ
425 :
名無しさん:03/06/21 15:15
眼科専門医もORTもOMAなんかも法的拘束力はない?!
426 :
名無しさん:03/06/21 15:23
はよサロンに逝け!
張蔵センセイどーなったかなぁ・・・
427 :
停止 kutm2191029563.gemini.broba.cc書けませんよ:03/07/17 20:27
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ
何やってんだよ
429 :
名無しさん:03/07/17 21:33
/
笑った。最高。
腹が痛くなった。しかも現実に結構ありそうな。。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
432 :
名無しさん:03/09/27 14:41
寂れage
433 :
名無しさん:03/10/31 01:20
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
業界騒然、あの伝説のコンタクト偽眼科医・欲皮張蔵が蘇える!!
内情苦しく貧すれば貪ずのえげつない量販店とのせめぎあい…
フィクションとは思えない実に迫る健筆に期待高まる!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
434 :
名無しさん:03/10/31 21:06
楽しみやな。
435 :
名無しさん:04/01/24 13:39
やれやれ。今日も終わりか。
薄暗い夕闇を窓から眺めながら、張蔵はため息をついた。
色々あった張蔵だったが、結局行きついた先はまたしてもコンタクト眼科だった。医事珍宝を見て
ドリアンコンタクトという安売りコンタクト店の隣接眼科を引き受けた次第。
「どぉもぉ、先生お疲れ様ですぅぅぅ」
「やー、恥元さんじゃないですか?」
恥元はドリアンコンタクトのメディカルプロモートサポートコントロール部の課長代理をしている男で、
雑務や医者からの要望を一手に引き受けている便利屋みたいな香具師だった。
「いやー、しかしドリアンコンタクトは安いねぇ…こんなに安いところは見たことないよ」
「精一杯勉強させてもらってますぅぅ」
436 :
名無しさん:04/01/24 14:57
「いやぁ、俺だってズブの素人とは違う。これじゃー勉強どころか原価切ってるくらいのことは
分かるよ。医師系ならまだしも、量販店のドリアンでこんなに安くできるのは不思議だなぁ…」
恥元は答えず、お茶を濁して座を外した。
ドリアンなんて名前のコンタクト量販店は、張蔵も聞いたことがなかった。突然、新宿駅の南口のど真ん中に建ち、
医師系顔負けの安売りをガンガン始めていた。
しかし商品のラインアップを見ると、キョソシーなど大東亜オプタルのPBを取り扱っており、どうやら
その系列で作られたようだった。しかしそのキョソシーにしても大東亜の店頭価格と比べるとバカ安だった。
437 :
名無しさん:04/01/24 15:21
帰り際、近所の医師系のチラシを若いアンチャンが配っていた。
受け取って見てみるとやはりドリアンのほうが格段に安かった。特にキョソシーは千円を切っていた。
ドリアンに来る客も安さに釣られてキョソシーを求める客が大半だった。
他の二週間や一日の使い捨てを希望する患者にも、必ず院内で宣伝トークが話されていた。
「こちらは使い捨てと違って一ヶ月使えちゃうからお得ですよぉ。今安いですし。データを登録してもらえれば
次回からは診察なしで携帯なんかからでも買えちゃいますからねぇ」
安けりゃいい若者なんかはこれでイチコロだ。眼科の中で診察受けなくてもイイと話すこと自体が矛盾していると
張蔵は感じていたが、長年のコンタクト眼科稼業でそのあたりの諦めも身に染み込んでいた。
438 :
名無しさん:04/01/25 21:29
ドリアン=レ○ン
439 :
名無しさん:04/01/25 21:56
しかし張蔵にはどうしても解せないことがあった。
それは、新宿には大東亜オプタルの新宿店が前からあるのだ。別に閉店もしていない。
なぜ自分達の店舗の近くに、激安ショップを自分達で作って、自分で自分のタコ足を食うようなことをするの
だろうか。張蔵にはそれが不思議でたまらなかった。
恥元にも以前聞いたことがあったが「基本的に大東亜オプタルとドリアンコンタクトは別物ですからぁ…」と
はぐらかされていた。しかし明らかに同じ経営母体だ。それは何よりキョソシーの押売り販売を見れば一目瞭然
だ。データを登録して携帯からもコンタクトレンズが「買えちゃう」システムも、どうやら同じものを利用して
いるようだ。
引き受ける前に張蔵は大東亜の新宿店を偵察したが、別に造反したり極端に客が減っている訳でもなく、通常通りに
営業していた。そうなると益々不思議であった。
440 :
名無しさん:04/01/26 12:54
恥元は社に帰り、上司の江野に報告していた。
「ドリアンの近くの医師系も対抗して下げてきてますぅ。バストコンタクトは
ワソディ1400円、二週間1300円と無理下げしてますぅ」
「なんだぁ、こっちも下げて対抗してやるか。バストだけに豊満経営だがや、ヒヒヒ」
「部長、お上手ですぅぅ」
恥元の太鼓持ちぶりも板に付いてきていた。医者をあしらうのも上司のご機嫌取りも、恥元にしてみたら
お手の物だった。
「とにかくドリアンは超安売りがコンセプトだがや。どんどん鼻血出るほど値下げして
周りも道連れにしてやればええだがや。広告もドンドン打ったれやぁ」
441 :
名無しさん:04/01/26 14:05
続編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
442 :
名無しさん:04/01/26 14:14
恥元は調子付いて江野に耳打ちした。
「こんなのどうですかぁ?ウチの社員に黄色い上下のツナギの服を着せて、駅前で踊りを
させるんですぅ。ド・ド・ドリアンコンタクトォ〜♪」
「さえとるやないか、恥元。冬のボーナス期待しとけや」江野は心底感心した様子だった。
ボーナスと言われると恥元に微妙な感情が芽生えた。散々働かされて期待していた夏のボーナス
が半月分だったのだ。これじゃ住宅ローンも満足に返せない。女房にも甲斐性無し呼ばわりされ
て形無しだったのだ。また人参ぶら下げられて働かされているような気がしたのだ。
「ん?どうした?ボーナスいらにゃーのか?」
恥元は我に返った「いえいえ、とんでもございませんー。有難く頂戴しますぅ」
「そうだろ?身を粉にして働けや。必ず報われるだがや」
空々しいですぅ、と思いながらも恥元は頷いた。
443 :
名無しさん:04/01/27 14:58
「ドリアンのほうで、大東亜と関係あるんですか?と聞かれたら何と答えてるんですかぁ?」恥元は尋ねた。
「まー関係ないとでも答えておけや。あくまで大東亜とドリアンは無関係だがや。
キョソシーを扱ってるのも、ワソディや二週間と同じや。データ登録すれば診察抜きで携帯で買えちゃうシステム
もたまたま同じだけや。そう答えとけばバレにゃーで」
恥元にはバレバレな気がしたが、どうでもいいことなので突っ込んでは聞かなかった。
「大東亜の新宿店のほうはどうなんですかぁ?」
444 :
名無しさん:04/02/03 12:24
* * * * * * * * * *
大東亜オプタルの新宿店は閑散としていた。奥の院長室でイライラした話し声だけが空しく
コンクリートの壁に響いていた。
「ちょっと、なんで患者が減ったのよ!こんなんじゃー仕事にならないじゃないのよ!」
新宿店の隣接眼科の院長・目木常がイライラしながら怒鳴りつけていた。
「なかなか競合もできまして厳しいもので…ウチもチラシを配ったりして対応しているのですが…」
店長の田抜が困った顔をして答えていた。しかし大東亜オプタルの顧客名簿を使ってドリアンコンタクトの
ダイレクトメールをせっせと書いているのは田抜自身であった。みるみる客が減るのも無理はない。
「厳しいんじゃ困るのよ!わたしが大東亜から借りた金、返せなくなるわよ!あと上前はねられてる分も断るからね!」
「院長、穏便に願います…」こうなるのは自明のことではあったが、大東亜オプタル新宿店の客はほとんどドリアンに
流れていた。
445 :
名無しさん:04/02/03 15:14
目木常は万子医大を出て麻酔科の医者をしていたが、結婚して育児も抱えると次第に
仕事を続けられなくなり、医事珍宝を見てコンタクト眼科の院長の仕事をしていた。目の
ことは何も知らず、大東亜オプタルの他の店舗の医療法人の院長にちょろっと教えて
もらっただけが経験といえば経験だった。
目木常は大東亜オプタルから、隣でコンタクト眼科を開くにあたって多額の融資を受けていた。
もちろん金利もついていて、巷の銀行と比べるといやに高いものであったが目木常は知る由も
なかった。その分は眼科の収入からせっせと返済されていたが、すぐ返済が済んでしまっては
利息が期待できないので、長〜い返済計画で無理なく返済できますぅ、と言い含められていた
のであった。
446 :
名無しさん:04/02/04 23:04
続編求む!
447 :
名無しさん:04/02/05 16:30
目木常は月給90万の「定給」という形で雇われていた。その医院の開設管理医師をやっていて
院長をしているのに、他人の無資格者に手取りが決められているのも妙な話ではあったが、初めから
そう言い含められていたので目木常は何の不思議も持たずに、しばらくは大人しく大東亜オプタルに
飼われていたのだった。
しかし、目木常はネットサーフィンをしているうちに、他のコンタクト眼科の院長はもっと貰っている
事実に気がついた。自分の定給90万は勤務医だった頃と較べると高給ではあったが、他のコンタクト眼科
ではその倍額も珍しい話ではないようだった。
448 :
名無しさん:04/02/07 01:30
目木常は月給90万の「定給」という形ではあったが、大東亜オプタルの子会社である
大東亜皿金から、内装機器類等に3500万を金利8.2%で借り入れていた。
元利均等返済で15年という契約であったので、月々の返済額は35万円にもなっていた。
「先生、15年すれば返済額はなくなりますぅ〜。15年たてば楽になりますぅぅぅ、
長〜い返済計画で無理なく返済できますぅ」
という大東亜オプタルの説明だったが、現在月20日程働いて実質手取りは35万程だった。
「日給1.7万か〜これって時給にしたら2500円ってことよね〜」
さすがの目木常もだまされたことに気付いてきた。
しかし、まだ3000万を超える借金を大東亜皿金に負っていることで、目木常の決心はつかないままであった。
449 :
名無しさん:04/02/08 00:00
>>448 定給90万で実質手取り35万つてどういうこと?
450 :
名無しさん:04/02/08 00:02
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 長〜い返済計画で無理なく返済できますぅ
´∀`ノ \その代わり利子もガッポリ戴きますぅ…
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
451 :
名無しさん:04/02/08 00:08
目木常は眼科口座から90万の「給与」を毎月受け取っていたが、眼科口座の通帳と印鑑は
大東亜の連中が管理していた。奴らは眼科の口座から業務委託手数料、機器使用料、什器備品
使用料、代診紹介料、その他他の業者よりも割高な自社ブランドの文房具や備品・クリーニング
の料金などをバカバカ引き出していた。
簡単に言えば、目木常の眼科は「定給90万」以上の収入があるのに、院長以外の無資格者がその
診療報酬を食いものにしていたのだった。目木常は丸め込まれてその一部を渡されて満足させられ
ていたにすぎないのだ。
何年か院長をやっていて、目木常はそのあたりの事情がおぼろげに理解できてきた。自分は奴らに
医師免許を利用されていることに気がついたのだ。
452 :
名無しさん:04/02/08 00:57
患者が多くて診療報酬が増えると、大東亜オプタルは何かと名目をつけて眼科の口座から
金をせびって行こうとした。
「先生、うちもチラシを撒いて患者さんを集めるのが大変なんですぅ。最近は医師系もできて
今までとは桁違いに厳しくなってきてますぅ。今まで戴いていた業務委託手数料では足らないのが
実情なんですぅぅ…」
従来の業務委託契約にはない、追加の上納金を何だかんだと求めてくるのだ。眼科にあぶれている
金をどうにかして引き出す魂胆だ。契約も何も関係ないのだ。
「そんな話、事前に聞いてませんけど?」目木常が気色ばむと、恥元はさらに続ける。
「では、チラシの枚数も減らさせて戴きますぅ。コンタクトの販売価格も上げさせて戴いて、そこから
元を取るようにしますが宜しいですかぁ?おそらく患者さんも減ってしまうと思いますがぁ…」
ほとんど脅しに近い論理で追い詰めてくるのだ。目木常ひとりで立ち向かえる相手ではなかった。
453 :
名無しさん:04/02/08 01:05
奴らはコンタクトを売って、その利幅で生活すればいい仕事なのだ。診療報酬に依るところが
間違っているのだが、そうした本分を理解する業者も医者もごく僅かな実情では、食いものに
されても仕方なかった。
「先生、それにいま大東亜のほうに業務委託手数料として払う額を多くしておけば、経費として
認定されますから税金も節約できますぅ…」
モノは言い様だが、目木常は税金のことも商売のことも無知に近かったので、説得されるうちに
どうにか言い含められてしまうのだった。
「税金のことは私、よく知らないから知り合いの税理士に聞いてみようかしら…?」
「いえ、税金のことは弊社ゆかりの比松先生に御相談下さいぃ。色々と先生に有利な形でやって
下さいますぅ」
比松という税理士は大東亜の本社がある岐阜に住んでいて、目木常は一度も顔を見たことも挨拶
されたこともなかったが、しっかりと顧問料として月10万を眼科口座から引かれていた。
しかし、石屋にとっては無茶苦茶な話だね。
455 :
名無しさん:04/02/08 13:35
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
数々の圧力?に耐えながら業界の膿を鋭く掻き出す「欲皮張蔵」
業界関係者の皆様のご愛読に感謝申し上げます
なおこの物語はあくまでフィクションです。
登場する人物、団体も架空のもので実際には存在しません。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ぃょぅ
457 :
名無しさん:04/02/08 14:08
石刑チェーンとリテチェーンの差は?
458 :
名無しさん:04/02/09 16:44
>>453 何年か前には、目木常に何の説明もないうちに大東亜オプタルは携帯電話を使った痛販を開始した。
これで診察に来て目の安全を確認して、コンタクトは医療用具ですから…などと言っていたのが完全に
商売目的で何の気持ちもこもっていなかったことが、目木常にもよく分かった。
「処方箋データを介在させて携帯で痛販する全国システムはウチ大東亜オプタルだけですぅぅ。
それをやってるということで、ますますの集客が期待できますから、患者さんが減るようなことはありませんー」
調子のいい恥元の「事後」説明であったが、目木常は怒る気にもなれず呆れるしかなかった。
自分たちの商売の都合でコンタクト装用患者の定期健診をいるかいらないか勝手に決めてしまうのだから
怖ろしいものだと思った。
459 :
名無しさん:04/02/09 20:30
,、、 ドッカン
━━━━━) )= ☆ゴガギーン
∧_∧ | | / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( )| |_____ ∧_∧ < おらっ! 恥元!出て来い!!
r ⌒ ̄ ノ __. | (`∀´ ) \___________
| イ |__| | / \
| | | .| | | /\\
| | | 恥元 .| へ//| | | |
| | | (\/,へ \| | | |
| ∧ | | ◎\/ \ / ( )
| | | |.| .| | |
/ / / / | .| | |
/ / / /.| |三三三| | | |
/ / / /...| | ||
460 :
名無しさん:04/02/09 20:53
しかし、大東亜オプタルの考えほど世間は甘くなかった。
携帯痛販で、診察代がないぶん高めに価格設定しても売れるだろう、と考えていたのだったが
顧客には思ったほど浸透しなかった。やはり手間と値段が高めなのを見て客は引いたのだった。
あとどこかにコンタクトを使っていてきちんと眼科で状態を確認してもらいたい、という患者側からの思いも
あったのだ。そういう純粋な気持ちを理解できなかったのだ。安けりゃいいだろ、診察なくて面倒くさくなくて
いいだろ、では客は集められなかった。
膨大な初期投資を使って構築したシステムも、顧客にそっぽを向かれては無用の長物になってしまう…大東亜の
連中はあせった。何とかして客に携帯痛販を利用させて、高値でコンタクトを買わせないと粗利が出てこない。
461 :
名無しさん:04/02/09 21:01
ただ、大東亜オプタルの収入において、まだコンタクト眼科からの「上納金」は主要な比率を占めていた。
保険点数も減らされていくばかり。今度の改定ではコンタクト眼科でできる検査の項目が厳しく制限される
ことになりそうだとも云われていた。近視性乱視の病名だけで眼圧やら眼底やら検査できる時代は終わろう
としていた。コンタクト眼科だけを頼っていては、そうした減衰傾向に呑まれていくだけだった。
上納金に頼らず、コンタクトの粗利という本来の収益源に回帰しようとする考えは、そう考えるとある程度
的を得ていた。しかし現に激安でコンタクトを売る医師系がいてはそれは無理な話だった。
医師系はよく診療報酬を取ってそのぶんコンタクトの価格を下げられるだけ下げている、という論理がある。
しかしその論理は一面しか捉えていない。彼らがコンタクトを安売りできる最大の理由は、コンタクト眼科の
院長が実質コンタクト店の経営者を兼ねていることで、ムダな人件費がかからないからだ。本社ビルだの社長
だの専務だの、実際にコンタクトを売る訳でもなく遊んでいる無資格者がいないからなのだ。
462 :
名無しさん:04/02/09 21:16
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ry、 {k_ _/`;, ノノ パンパン
/ / } ;' `i、
_/ノ../、 _/ 入/ / `ヽ, ノノ
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{k_ _/,,.' ;. :. l、 ノ
\ ` 、 ,i. .:, :, ' / / \
,;ゝr;,;_二∠r;,_ェ=-ー'" r,_,/ ☆
463 :
名無しさん:04/02/10 15:36
東京営業所、とは名ばかりでラブホテルや酒場の連なる場末の一角のビルの一室で、恥元は上司の
江野と話し込んでいた。
「目木常先生が、大東亜オプタルを信用できないとゴネてますぅ…」
「なんや、早かったな。ま、だいたい何年かすると欲が突っ張ってきてゴネるようになることくらい、
こっちもお見通しだがや。」江野は浅黒い面相に笑みを浮かべながらタバコを燻らせていた。その顔に
外のネオンの光があたり、恥元にはサラ金業者のように見えて仕方なかった。
「追加で上納金がとれないと、新宿店は赤が出ることになりますぅ」
「おいおい、他人事みたゃーに言うなよ。お前がきちんと納得させんからこんなふうにこじれるんだがや。
こんな体たらくじゃボー茄子も期待できにゃーで」
464 :
名無しさん:04/02/10 16:48
「え、困りますぅ…」ハナクソ程度のボーナスが微減してもたかが知れていたが
一応恥元は困った顔を演技してみせた。そうでもしないと江野のサディスティックな気持ちを
満足させられないからだ。
「そうだろー。それならもっと頑張って落とすんや、ええな?
まったく、女医や年寄りなら文句言わないで大人しくしてるかと思えば、いらん知恵つきやがって…」
「最近は若いセンセイでもお金にうるさいですし、地方には行きたがりませんー」
「お前のトークがなってないからだがや!」
恥元はいらんことを言って墓穴を掘ってしまった。
465 :
名無しさん:04/02/10 20:15
466 :
名無しさん:04/02/17 12:18
江野はタバコをふかしながら続けた。
「新宿も医師系がボコボコできて苦しいからなぁ。そんなところで目木常院長にグダグタもめられたんじゃ
採算がとれにゃーで。PBのキョソシも出てにゃーみたいだしな」
「あそこはPB率が低くて目木常センセイも非協力的ですぅ。何度かエリアの土部川が行って頼んでいるん
ですが、使い捨てがお好きみたいで困ってますぅ」
「ケッ、頼んだってしょうがにゃーで。ニセ目医者で何も知らんくせに生意気だがや。こっちが売れっちゅーた
もんを大人しく売っときゃーええもんを」
「店長の田抜も悩んでるみたいですぅ」
「まーな。あいつも中途採用で三十路過ぎてウチに拾ってもらったんだから、恩返ししてもらわにゃーいかんで」
かく言う恥元も中途採用であった。あまり恩返しという気もなかったのであったが。
467 :
名無しさん:04/02/17 12:24
「新宿の例の医師系の…バストはどうや?また値下げしてきたか?」
「価格競争は厳しいですぅ。原価すれすれで売ってきますからウチも深追いできなくて困ってますぅ。かと言って
安いままではお客様に寄って戴けませんからジメンマですぅ」
「それを言うならジレンマだろ」
学の浅い恥元は、無理して横文字を使わなければよかったと後悔した。
「ウチは医師系みたいに診療報酬で食ってけるような利益構造じゃにゃーで。あくまでキョソシ売ってなんぼや。
医者の取り分下げることはできにゃーし、安く雇い変えることもできんからな。そのうえ安くして撒き餌にしてる
使い捨てばかり処方されたんじゃ、ボランティアで商売してるもんだがや」
「まったく仰る通りですぅ」恥元は余計なことを口挟むとボロが出るので相槌だけ打つことにした。
468 :
名無しさん:04/02/19 14:42
はやく続きが読みたいよ
469 :
名無しさん:04/02/19 17:12
age
470 :
名無しさん:04/02/20 21:38
* * * * * * * * * *
大東亜オプタルの新宿店は相変わらず閑散としていた。
店長の田抜は客がいない時はシコシコと奥でドリアンコンタクトのダイレクトメールを書いていた。
安売りのハガキが来れば新宿店にいた客はみんなドリアンに流れるのは目に見えていた。
出せば出すほど自分の仕事が楽になると思うと、田抜は愉しくて仕方なかった。
「ちょっとぉ、店長!店長はいないのぉ!」向こうで目木常のキンキン声が響いていた。
うるせぇなぁ、と思いながら田抜は「はーい、ただいま参りますー」と猫なで声で答えた。
目木常はハンニャのような怒り顔で仁王立ちしていた。
「ちょっと、このハガキは何なのよ!」見ると、隣の店舗側でさっきまで田抜がシコシコと
書いていたドリアンの優待ハガキだった。「さっき患者がこれ持って来てて、こちらとどういう
関係のコンタクトなんですか?って聞いてきたのよ!」
「さぁ…ヨソのコンタクト店さんの広告まではちょっと…」田抜はそらっとぼけた。
471 :
名無しさん:04/02/20 21:44
「あたしの目が節穴とでも思ってるの?この宛名書きの汚い字、あんたのじゃないのよ!」
田抜は高卒で集団就職して、中途で大東亜オプタルに入ってきたろくでもない奴だったが、
字だけは昔、無料の習字教室に通わせてもらっていたので特長ある草書体をしていた。
「たしかに似てますねぇ…」田抜はとぼけ通すことにした。このあたりの技術はふだんから
販売の日常茶飯事のクレーム対応で鍛えられていたので、お手のものだった。
「似てますねぇって…あんたの字でしょ?大体、なんでよそのコンタクト屋がウチの患者の
住所知ってるのよ?それにキョソシなんてマイナーな品も扱ってて、携帯通販もしてる
みたいだし、まるで大東亜オプタルそのものじゃないのよ!」
田抜は大当たり、ハワイ旅行でもプレゼントしたいくらいだと笑いを噛殺すのに必死だった。
472 :
名無しさん:04/02/26 22:44
続きマダー?
473 :
名無しさん:04/02/29 15:22
弁護士から警告文きたので 閉店しました。
474 :
名無しさん:04/03/04 12:02
うそこけ
475 :
名無しさん:04/03/04 12:08
>原価すれすれで売ってきますから
現実はそんなもんじゃないでしょ(w)
476 :
名無しさん:04/03/04 17:19
>>475 禿同。
レ○ンは明らかに原価割れだね。
批判していた石系のやり方をそのままパクッただけ。
上納率は他のコアより高そう。
477 :
名無しさん:04/03/04 19:00
>476
原価割れしてもいいんじゃないの?
皆、やってることじゃん!
478 :
名無しさん:04/03/11 16:07
続きは、まだですか?
479 :
名無しさん:04/03/11 17:05
480 :
名無しさん:04/03/11 21:38
目つけられるのは関東です
481 :
名無しさん:04/03/21 22:32
続きをキボンヌ
482 :
名無しさん:04/03/22 20:44
ばれたので 書きません。 あしからず
483 :
名無しさん:04/03/22 22:01
また江州屋・死期の事聞かせて下さい。
484 :
名無しさん:04/03/25 11:02
>473
どこの弁護士が誰に送ったの?
485 :
名無しさん:04/03/26 01:36
関東だけじゃないよ
486 :
名無しさん:04/03/27 15:54
書式@ 発信者情報開示請求標準書式
至 [特定電気通信役務提供者の名称]御中
[権利を侵害されたと主張する者](注1)
住所
氏名 印
連絡先
貴社が管理する特定電気通信設備に掲載された下記の情報の流通により、
私の権利が侵害されたので、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の
制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号。
以下「法」といいます)第4条第1項に基づき、貴社が保有する、
下記記載の、侵害情報の発信者の特定に資する情報(以下、「発信者情報」と
いいます)を開示下さるよう、依頼します。
487 :
名無しさん:04/05/02 16:10
名作age
488 :
名無しさん:04/09/18 20:21:40
age
489 :
ウソんこ眼鏡:04/10/01 02:54:28
1=せ○び
490 :
ウソんこ眼鏡 ◆CMK5Rw46Tk :04/10/02 22:21:48
491 :
名無しさん:04/10/09 16:34:34
目木常が怒り狂うその頃、張蔵は懐かしい埼凶線沿線をぶらついていた。
「どうも今の所はおもしろくない……。なんか面白くて儲かるうまい話
はないか……」
そんなことを考えながら、張蔵は牛丼屋に入った。
「並つゆだく」
大盛やら特盛やらを注文できないのが悲しい所だが、それでもつゆだく
にして豪華さを演出してみた。
すると店の奥の方に、みたような女性がいることに気付いた。
492 :
名無しさん:04/10/09 16:37:49
張蔵はその女性が誰だか思い出した。最近御殿場の方のCL眼科で、
患者とトラブルを起こして訴訟沙汰になったという記事を見たが、そ
のCL眼科の先生ではないか。記事によれば結局不起訴に終わったと
いうが、先生の方は退職してその後行方知れずだという。こんな所に
いたとは……。名前は欲目とかいったっけ。
493 :
名無しさん:04/10/09 16:41:10
★★★★★★★★★★★★★★★★★
業界騒然! あの張蔵が帰ってきた!
欲目眩子とのコラボはどうなる??
★★★★★★★★★★★★★★★★★
494 :
名無しさん:04/10/09 16:44:40
張蔵はこれは面白いことになりそうだと直感した。
ひとつ煽ってやるか。
「はじめまして、あなたは欲目先生じゃありませんか? 俺は欲皮と
いいます。俺は今新宿の方でCL医をやってるんだけど、今の所はな
んだか続ける気がしないんだ。あんたさえよかったら、手を組んで開
業して、大東亜オプタルへの恨みを晴らしてみないか?」
唐突な申し出ではあるが、張蔵には、眩子がこの話にのってくるとい
う確信があった。眩子は動揺の色を見せたが、悪くない話だと思って
いるのが張蔵には分かった。
「あんたに少しでもその気があるなら、ちょっとそこで詳しく話そう」
二人は牛丼屋をあとにして、喫茶店ペローチェに入った。
495 :
名無しさん:04/10/09 17:13:04
わくわく
496 :
名無しさん:04/10/09 19:17:45
パチパチ
497 :
名無しさん:04/10/10 22:56:22
作者が変わってるね
498 :
名無しさん:04/10/13 15:45:44
あげ
張蔵人気です。
500 :
-7.74Dさん:04/12/09 02:32:59
(閑話休題)
欲皮張蔵はある年の瀬赤坂のアジア系パブで飲んでいた。
貧乏のくせに見栄っ張りの張蔵は時々赤坂に繰り出すようだが、いつも勘定の安いこういう店で憂さを晴らしていた。
2人目の女が来た。源氏名は真由美といった。
真由美は日本生まれの日本人と言っていた。
しかし、「ございます」が「こじゃいます」と訛るので誰が見てもそれがウソと判るのだが、
それを突っ込んでも詮無いことである。
真由美の本名は賢姫といった。本当は日本と時差はないが、夏の日暮れがとても遅い国で生まれた。
あっ、本名なんかはどうでもいい。
とにかく真由美の話は結構興味深かった。
真由美が日本語を覚えたのは、その国の一般人がなかなか入れない特別な環境のなかであった。
続きまだー?
502 :
-7.74Dさん:04/12/31 10:21:24
★★★年末特番「欲皮張蔵:お屠蘇気分で舌も滑らか業界痛罵特集」★★★
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
503 :
-7.74Dさん:04/12/31 12:24:21
世間はすさんだニュースばかりで、ちらほら雪も舞う寒い年の瀬…
張蔵は薄汚いコートの襟を立てて、猫背になって師走の街をそそくさと歩いていた。
「コンタクト安いですよぉ〜ワソデイも安いですよぉ〜」バイトのガングロ兄ちゃんが
医師系コンタクトの派手なはっぴを着てチラシを威勢良く配っていた。
張蔵はフンと鼻で笑いながら横を通り過ぎた。
504 :
-7.74Dさん:04/12/31 12:32:20
実は張蔵は医師系の金満コンタクトの院長の募集記事を見て、面接にでかけた
帰り道だった。嫌な思いをさせられて、張蔵は卑屈な気持ちになっていた。
趣味の悪い金華山のソファーのある応接室で、張蔵は金満コンタクトの総帥である
亜部句銭男と相対していた。
「先生、一般は見れるの?きょうびコンタクトだけで食っていこうってのも虫のいい
話でねぇ…患者もうるさいからさ、少しは眼科ができる医者がほしいんだよねぇ」
たちの悪い不動産屋のような服を着た亜部句がそうぼやいた。
「先生は眼科の経験はと…履歴書からすると草加医科大の眼科に半年ねぇ…弱いねぇ」
ぼろくそに言われても張蔵は席を立てない事情があった。
505 :
-7.74Dさん:04/12/31 23:46:26
実は愛人のイボンヌに子供ができてしまったのだ。もともと小太りの女性だったので
妊娠していることに気付くのが遅くなり、堕ろす費用もバカにならない。
イボンヌは子供を産んで育てると言っていたのだが、金目当てなことは百も承知
だったので、まとまった金を握らせて諦めさせることにしたのだった。生活費を
半永久的に搾り取られるよりは、賢明な選択だった。
506 :
-7.74Dさん:04/12/31 23:56:20
「いままでコンタクト眼科の経験は豊富にありますよ。何か眼科的に問題になったことは
ないし、ものもらい程度なら治せますよ」張蔵は盛んに自分を売り込んだ。普段虫けらの
ようにコンタクト販売員をあごで使う人間とは思えない卑屈な態度だった。
「フフン」亜部句は鼻で笑った。「センセイね、患者は医者を何で判断すると思います?
結局は技術がどうの、治療成績がどうのなんて比較できないし、ニセ目医者同士の話じゃ
目くそ鼻くそ耳くその背比べですな・・・要は学歴経歴の世界なんですよ」
三流四流の私立医大卒の張蔵には、全否定されたも同然であった。
507 :
-7.74Dさん:05/01/01 00:05:55
亜部句は張蔵を体よく追い払うと、事務長の籐本を呼んだ。
「おい、求人広告の応募で連絡してくる医者には、最初に学歴を聞けって言っただろ!
俺は三流四流の私大医者と話するほど暇はないんだよっ!」
「スイマセン、あまりに向こう様が熱心だったものですからぁ・・・」本当は聞き忘れて
いたのだったが、こないだようやくここの職場に薄給で拾ってもらったばかり
だったので、総帥に嫌われることだけは避けたいが為の口からでまかせだった。
「熱心に頼まれて何でも聞いてたら、金もうけなんてできないんだよ!」
「スイマセン、流石成功者のおっしゃることは違いますぅ」
「おべんちゃらはいらないから、仕事しろ!」そうは言いつつも満更でもない
亜部句であった。
508 :
-7.74Dさん:05/01/01 00:24:49
亜部句は自室の壁に貼ってあるアイコラ画像、の横の都内の地図に目をやった。
「次はどこの医師系を潰してやるかな・・・」
ドル箱の収益店を既に何件も抱えている強みで、亜部句の金満コンタクトの価格競争力は
他に追随を許さなかった。医者もなるべく安くこき使う術にも長けていた。
「攻撃は最大の防御なりですぅ」
「お、名前を聞いてもすぐ忘れちまうような文系の私大出の割には、たまにはええこと言うや
ないか」
「恐れ入りますぅ」ことわざ辞典でいつも自宅勉強してる甲斐が出て籐本も嬉しかった。
509 :
-7.74Dさん:05/01/01 00:29:56
「お前、前の職場はどこやったっけ?」
「大日本オプタルですぅ」
「あぁ、そやったな。どや、さっきみたいな医者ならいくらでも雇ってたやろ?」
「そりゃひどいもんでしたぁ、まぶたもひっくり返せない医者ならまだしも、片足棺桶に
入っているような爺さんやら、ヒステリー女医やら、はては三国・・・」
「ははは、そりゃ目くそ鼻くそやなくて、ほんまの糞やな」
「まったくですぅ」自分がその糞にたかる蠅とも気付かずに、籐本は追従笑いをした。
510 :
-7.74Dさん:05/01/01 00:51:26
祝! 連載再開。
期待しとります。
511 :
-7.74Dさん:05/01/01 11:26:06
「どや、例のPBは?」
「しょうもないところからまた製品を安ーく仕入れて、そこそこの値段で売ってますんで
まずまずですぅ。通販では診察がいりませんと売り文句にして、高めに売ってますぅ」
「品質を下げてまで利益上げたいとは思わへんな」
「腐っても鯛ですかぁ?」
ことわざの使い方を調子に乗って間違えた籐本は、翌日クビになった・・・。
512 :
-7.74Dさん:05/01/01 18:54:28
籐本は、大日本オプタルを辞めてから同業他社を転々としていた。
「クソ、さんざん社内情報だけ聞き出しといて、クビにするとは・・・」
ようやく亜部句が籐本を使い捨てにしたことに気付いた籐本であったが、後の祭りであった。
ろくな大学も出ておらず、口からでまかせでコンタクトを売ったり、医者に調子の
いい話をして院長の口を紹介することしかしてこなかった籐本に、次の仕事は当然なかなか
見つからなかった。
「とりあえず、今日はここで寝るしかないか」自宅にも借金の取り立てが来ていたので、
籐本はしかたなく新宿のガード下で段ボールを敷いて寝ることにした。
ふと見ると金満コンタクトのチラシが落ちていた。籐本は憎々し気にそれを踏み付けた。
513 :
-7.74Dさん:05/01/01 19:03:12
* * * * *
医師系の金満コンタクトの院長募集に応募するも、そでにされて追い返された欲皮張蔵は、
とりあえず単発バイトで食いつないでいた。
「きょうは電器屋のコンタクト眼科か・・・」
電器屋のコンタクトは店員もろくな教育を受けておらず、とにかくめちゃくちゃなことが
多いので、さすがの張蔵もめったに引き受けたがらなかったのだが、背に腹は変えられず、
今は生活の為にも量をこなすしかないので、嫌々引き受けていた次第だった。
「センセー、結膜炎みたいだから目薬だしといて下さいねぇ」患者を連れて来たしょうもなく
バカそうな店員が、張蔵にさしでがましく指図した。
張蔵はムッときたが、こいつに何か医販分離とか説いてもザルに水を汲むが如きことなので
止めておいたのだった。張蔵は我ながら大人になった気がした。
514 :
-7.74Dさん:05/01/01 22:30:26
バイトも終わり新宿の雑踏を歩いていると、ガード下で何かにつまづきそうになった。
「何のゴミだ?危ないじゃないかこんなところに・・・」
立ち去ろうとすると、そのゴミがむくむくと動き始めた。「おひさしぶりですぅ・・・」
張蔵は知らない振りをして立ち去ろうとしたが、ぶつかったときにどこか怪我でもされて
いると、家の住所やら何やら知られているので、その請求でも来たら厄介だな、と
瞬間的に小市民的な発想が巡り、懐柔策にでることにした。
「おい、籐本君じゃないか。大東亜オプタルの市場調査の一環かい?」
「それと違いますぅ・・・」腹の底から絞り込むようにそれだけ言うと、籐本は倒れこんで
しまった。
515 :
-7.74Dさん:05/01/02 00:34:21
そのまま籐本は近くの救急病院に搬送された。
張蔵は帰ろうとしたが、あとで「医者が瀕死の人間を置き去りに」とエセヒューマニズム
系の新聞に書かれても嫌だなと思い、嫌々ながら着いていってやることにした。
運ばれた先では、軽い栄養失調と診断された。
「先生、御迷惑おかけして申し訳ございません・・・」籐本はしおらしく謝った。
人道的なことをして張蔵も自己陶酔的にいい気がしていた。
「いや、君には大東亜オプタル当時、世話になったからな」
「世話なんてとんでもないですぅ・・・いくら仕事とはいえ、先生の眼科からええ加減な
業務委託手数料とは名ばかりの上納金をふんだくり、診察の必要ない携帯通販も始めて、
それでも飽き足らずに先生の御迷惑になることばかりさせて戴いていましたのに・・・」
改めて言われると張蔵にもさっきとは打って変わって被害者意識がもたげてきた。
516 :
-7.74Dさん:05/01/02 01:17:55
待ってました!
517 :
-7.74Dさん:05/01/02 19:57:50
「ま、お互い様という訳だな。こっちもおたくらのチラシにのっかって患者を集めて、
いらない検査をして保険点数を集めてた訳だから」怒りを抑えて張蔵は言った。
「それが先生…私は大東亜に見切りをつけて辞めて、医師系の金満につい先日までいたのですが
そこのほうが余程ひどい按配で…」
見切りをつけて、とはいかにも籐本らしい眉唾な言い草だな、どうせリストラされたくせに、
と張蔵は思ったが、医師系の内部にはいささか興味があった。
「金満かぁ、僕もこないだ興味があって面接に出かけたんだが、ひどいありさまでこちらから
願い下げにしたんだよねぇ」
アホ、おまえ門前払いで追い払われたんだろが…と籐本は思ったが、こうなると狐と狸の化かしあい
であった。
518 :
-7.74Dさん:05/01/02 20:02:27
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 有象無象のコンタクト業界の皆様、謹賀新年ですぅぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
519 :
偽目医者:05/01/04 10:23:55
やっぱりこれからは医師系の時代ですか?
520 :
-7.74Dさん:05/01/04 11:10:29
* * * * *
ところ変わって数寄屋橋に居を構える老舗医師系コンタクトの鼻高コンタクト理事長、
鼻高須麻志はうかない顔をしていた。
鼻高コンタクトは最近台頭してきた安売り勝負の医師系とは一線を画し、昔から眼鏡や
コンタクトをどちらかといったら高めな値段で売り、診察する「眼科」医も専門医を遇する
など、場所を最大限利用した「セレブ相手の」ブランド戦略を推し進めてきたところであった。
ところが最近、その総本山である数寄屋橋の本店近くに、金満コンタクトが出店してきて、
ガンガン安売りを仕掛けてくるものだから、客は減るは、追随して値下げはしなくてはならなく
なるはでえらい迷惑をこうむっていたのだった。
「いい加減にしてほしいわね。成り上がりの金満には…」理事長夫人の鼻高紅子も憤っていた。
この女性は医者でもないのに、ああだこうだと眼科に口出しすることで有名な人物であった。
「値段は出したくないわね、何とかして初めての客をい引き込むのよ」
年の離れた理事長婦人は、いいアイデアを思いついた。
それが、初めての方に限り、レンズ代1万円ディスカウトである。
それも、携帯電話からクーポンを請求させ、アドレスを手に入れたあとは
そこに、直接、価格の広告不可のレンズであっても送る戦略にでた。
特に金満コンタクトが弱い、ワンデーアクメディックと
ボレロレのメキュストに力を入れることにした。
医師がレンズを選んでいるという建前から、必ず処方箋には医師が
印鑑を押すという徹底振りある。
成り上がりといっても、関東の名門開成高校から、関西の名門
京都大学理科W類に入学した理事長率いる金満コンタクトが
医師でもない理事長夫人に言われることではないと
金満コンタクトは思っていた。
何せ店舗数は鼻高コンタクトがたったの数店舗なのに、金満コンタクトは全国展開である。
鼻高コンタクトも理事長も高齢なので、夫人も心配なのである。
法人化も夫人のアイデアであった。
522 :
-7.74Dさん:05/01/04 17:19:11
理事長夫人の紅子は、まるで医者までも使用人のように扱うので働いていた医者も
辟易していた。
金満コンタクトは、そうした不満分子から逐一情報を盗み取っていたのだった。
「規模が大きいもんだけに、価格を下げられる強みがあるんや。他の店での儲けでカバー
できるからな。値段も態度もお高く止まってらっしゃるところほど、つぶしやすいところは
ないわな…」金満の亜部句理事長は高笑いした。
「まったくその通りで…」籐本の代わりに雇った茶坊主係が歯の浮くようなお追従を並べて、
亜部句はひとりオナニーして悦にふけっていたのだった。
「先生、お電話です」スタイルのそこそこな事務員が電話を取り次いできた。
「支払基金の下僕サンとおっしゃる方からですが…」
523 :
-7.74Dさん:05/01/04 17:28:23
「あぁどうも先生、診療報酬払い出し基金の下僕です。お世話になっとります。
ところで先生のところは初診で眼圧検査を一律おとりになっているようですが…
基本的に緑内障もしくはそれ疑いの患者さんに対してだけできる検査ですから…今後は
ご遠慮いただけませんかねぇ…」
慇懃な調子ではあったが、自分の物言いを人に押し付け有無を言わせぬ強引な役所
特有の嫌な調子であった。
「あ、それでしたら疑いやな。疑うのは医者の診断だからあんたらの出る幕やないやろ?」
亜部句は反骨精神の強い人間だったので、役人と名がつくものにはしつこく食いつく性質が
あったことが災いした。
524 :
-7.74Dさん:05/01/04 18:17:29
「いやいや、近隣の眼科さんでそういった検査をされている眼科さんはいないと
聞いておりますよ」下僕もしつこいのが身上なので食い下がってきた。
「近所は近所、うちはうちやからなぁ」
「そうですか…ご理解いただきたいと思いますので、近々に上司と専門家の先生も
ご一緒していただいて、ぜひとも話し合いをさせていただきたいです」
「うーん、私も忙しいんでねぇ…」亜部句はもったいぶって渋った。
「先生もぎょうさんな量の返戻がきてもご迷惑でしょうし、そのあたり事前によく
お話し合いして解決しておかないと…」下僕は暗に返戻して受け付けないこともあるよ、と
脅してみせたが、それが逆に亜部句の反骨精神に火をつけてしまったことになるとは、
思ってもいなかった。
525 :
-7.74Dさん:05/01/04 18:19:28
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 私の出番も増やしてくださいぃ・・・
´∀`ノ \__________
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| У.. |
526 :
-7.74Dさん:05/01/04 21:18:02
再審査バトルに話がすすむのか? 乞うご期待。
527 :
-7.74Dさん :05/01/04 22:05:50
文T&理V卒、弁護士&医師の大将も登場しそうだジェイ
528 :
-7.74Dさん:05/01/05 00:29:26
★ここまでの登場人物★
欲皮張蔵:三流医大卒のニセ目医者。現在はフリー。
籐本:元大東亜オプタル人材発掘部員。調子がいいだけの薄っぺらい人間。
亜部句銭男:金満コンタクト総帥。医者にして実業家。いまのところ成功している。
イボンヌ:張蔵の愛人。お水。
鼻高須麻志:老舗医師系・鼻高コンタクト理事長。亜部句と敵対。
鼻高紅子:その妻。あまり評判は良くない。
下僕末吉:東都地区診療報酬払出基金の職員。
529 :
-7.74Dさん:05/01/05 00:45:28
下僕は亜部句にかけた電話を切ったあと、向かい側に座っていた人物に声をかけた。
「こんな感じで初めは宜しかったですかね?」
まずそうにタバコを吸っていた鼻高がニヤリと笑った。
「まぁ上々でしょう。所詮はいらない検査ばかりして点数をふんだくって、その分で
コンタクトの値段を下げている連中だから、点数がとれなくなれば悲鳴を上げるでしょう」
「基金としても近視性乱視だけのコンタクト患者に眼圧だ何だと点数をガボガボ出している
余裕はないんですよ。鼻高先生のところのように専門医の先生が一般診療主体にやられている
ところは問題ないんですが、コンタクト眼科が突出して点数請求をかけてきても、田舎じゃ
通ってもこの東都地区では許しませんよ。国民のためですから」
「まったくですよ。頑張ってください。次の手は用意してありますから…」
保険のことまで一顧だにしない鼻高であったが、この際お上でも何でも動かせるものは動かして
亜部句率いる金満を、このセレブの数寄屋橋から追い出す算段であった。
530 :
-7.74Dさん:05/01/05 01:11:36
* * * * *
張蔵は知人の紹介で鼻高コンタクトの数寄屋橋本店でバイトをしていた。
「ですから、角膜炎になってますから、今日はコンタクトの処方はできませんね」
患者の40台後半くらいの婦人は息巻いていた。
「あたくしは、今日コンタクトを買いにきたざますのよ?それが眼科の診察が必要
だからって知らぬ間に眼科に通されて、挙句の果てに今日は売れないから来週また
来いだなんて…当然今日はお代はかからないんでしょうねぇ?」
「診察代はかかりますよ」張蔵は憮然と答えた。
「ま!あたくし、こんな侮辱を受けたのは生まれてこのかたございませんわ!」
婦人が席を立とうとすると、診察室の出口のカーテンがヌッと開き、化粧の濃い女が
口出しをしてきた。
「すいません、代議士の太鼓原センセイの奥様でございますわよね?あたくし、ここの
理事長の家内でございます。今日は非常勤の医者が応対しておりまして、太鼓原サマには
大変な失礼がございましたようで…よくよく言って聞かせておきますので、今日のところは
あたくしに免じて…」
「あら、あたくしも鼻高先生にはいつもお世話になってますから、当然ですわ。知らない先生
だったものだから、ついつい警戒してしまって。取り乱してしまいすいませんでしたわね…
ホホホ」
531 :
-7.74Dさん:05/01/05 01:15:31
その婦人が帰ると、張蔵は理事長室に呼ばれた。
「困るんざますのよ!VIPの患者様にあのような…」理事長夫人の鼻高紅子が
ヒステリックに張蔵をなじった。
「しかし、どこもああいった状態でコンタクトを処方する眼科はありませんよ…」
「うちはセレブの患者専門なんですのよ!特別に対応してさしあげることもサービス
の一環なんですの!まったくバイトでふらりと来ただけで口出しは無用ざます!」
「まぁ、こちらの方針がそうならそれでもいいんですがね」張蔵は精一杯の皮肉のつもりで
言った。
532 :
-7.74Dさん:05/01/05 01:21:24
「欲皮先生、とかおっしゃいましたよね?大久保医大を卒業されて何年眼科を
ご経験なんですの?眼科専門医はお持ちなんですの?」
「いや…」張蔵はたじろいだ。
「たくは東都大の眼科専門医の先生も多数バイトにお見えになる眼科なんですのよ?
巷のしょうもない量販店のバイトと同列に語っていただいては困りますの。ましてや
センセイにそんなことまで語る資格が失礼ですがおありなのかしら?ホホホ」
「今日は一日の契約でしたが、給与はいらないから午前中で帰らせてもらいますよ」
ほとほと愛想が尽きた張蔵は鼻高コンタクトの職員がとりなす暇もなく、途中で出て行った。
533 :
-7.74Dさん:05/01/05 12:49:34
前と作者が違う。
リアリティーが全く無い。
よって面白くない。
内情を全く知らんのだったら書くなよ。
つまんねえよ。
534 :
-7.74Dさん:05/01/05 19:04:02
何か書かれたことで
まずいことでもあった御仁かな?
535 :
-7.74Dさん:05/01/05 20:22:47
亜部句の事務所には、借金で首が回らなくなった医者、業者と泥沼の喧嘩になり造反
騒動に揺れるコンタクト眼科の院長など、それこそ有象無象がひっきりなしにアポをとり
面会を求めてきた。
「これじゃ業界の駆け込み寺やな…ハハ」亜部句も苦笑していた。
「さて、払出基金の下僕とかいう奴も、うまく料理せなあかんな…」
素晴らしい偏差値を持った頭脳が、卑俗なことの処理に集中するさまは滑稽ですらあった。
536 :
-7.74Dさん:05/01/05 20:28:00
亜部句は高校時代の旧友に電話をかけた。
「はい、差押法律事務所です」
「あぁ、亜部句というものですけど、差押君は留守かな?」
「いま先生は裁判所に出かけておいでです。お電話ありましたことお伝えして
おきましょうか?」
「いや、いいですわ。また掛けます」
弁護士の差押札雄は、高校時代からの悪友であった。商売上のことで今まで色々
あった亜部句であったが、彼に助けてもらったことは一度や二度ではなかった。
もちろん、タダではなかったが。
537 :
-7.74Dさん:05/01/05 20:33:58
//////////
入院費用もままならず、半分追い出されるように退院した籐本は、しかたなく
元の業界のコンタクト量販店の中途採用を片っ端から受けていた。しかしいい年に
なってたいした資格もない籐本に業界の風は冷たかった。
「あぁ、大東亜オプタルねぇ…うちはPBとかないからさ、ヘラヘラとかの押し売り
の経験があっても役に立たないよ」
「人材発掘部にいましたから、お医者様にも多数親しくさせて戴いている方がいらっしゃいますぅ」
「なら、そこの眼科で雇ってもらえばいいじゃないの?」
「…」口八丁手八丁の籐本も、さすがにぐうの音が出なかった。
「うちは大東亜みたいな成り上がりの強引な商法してきたところとは違うんだよ?BOYA系列の
ブランド量販店なんだから、分をわきまえなさいよ」冷たく言い放たれた。
538 :
659:05/01/05 20:56:14
続編に期待
539 :
-7.74Dさん:05/01/05 23:15:17
駅前を背を丸くしながらトボトボ歩いていると、突然肩をつかまれた。
「な、何するんですかぁ?」
振り返ると、初老の疲れきった中年男が、鬼のような形相でにらみつけていた。
「あっ!」大東亜オプタル在籍時に調子のいいことを言ってスカウトした医者だった。
「亀虫センセイじゃないですかぁ?」
「なにがセンセイじゃないですかぁ、だこの野郎!全然患者の集まらないポンコツ店の
隣の眼科を押し付けられて、自分の取り分もないばかりか、眼科の運転資金もひっくるめて
おまえの会社に高利子で借りさせられて、いまじゃン千万の借金だらけだよ!どうしてくれる
んだ俺の人生!」
最後まで聞かないうちに籐本は一目散に逃げ出していた。逃げ足だけは健在だった。
540 :
-7.74Dさん:05/01/06 00:08:41
張蔵の出身って浦口医科大じゃなかったっけ?
>540 気にするな。
542 :
-7.74Dさん:05/01/06 00:48:13
亀虫二雄宇は、張蔵の浦口医科大と互角な実刑医大を卒業後、外科医をやっていた
眼科経験のまったくない医者であった。
その頃、大東亜オプタルは田舎でガポガポ景気良く稼いでいた時期で、ついに念願の首都圏
進出を果たし、店舗拡大をもくろんでいたのだった。本社の立地調査部の人間が上京して
さかんに立地のいいところを探していて、目星をつけたのが新大久保であった。
「副都心、新宿にも近く新宿に進出した場合のコラボレーション効果が期待できます」
横文字の大好きな会社だったので、プレゼン効果は絶大だった。
「そりゃええところや、さっそく店出すだがや」社長の鶴の一声で決まった。
その新大久保店の併設眼科の院長に祀り上げられたのが亀虫だったのだ…。
543 :
-7.74Dさん:05/01/06 23:47:57
亀虫は実刑医大を卒業してからハクを求めて国立東都大学の院に進んで、外科の医局に
入っていたが、出自が出自だけに出世コースからは完全に逸れていた。医局で滅私奉公しても
見返りは全く期待できず、虚無感にさいなまれていた。
さらに亀虫には貧乏人の子沢山で子供が4人もいたが、妻が見栄を張り私立の中高一貫校に
進学させたので学費もバカにならなかった。上の子供はエスカレーターでアジヤ大学に今年入って
いたが、バイトもせず親のすねかじりでスーフリまがいのことをしては親に迷惑ばかりかけていた。
そんな次第で亀虫は大学の仕事を適当に終わらせて、コンタクトバイトをして生計の足しに
するようになっていたのである。それに目を付けたのが、当時大東亜オプタル人材発掘部で次長を
していた籐本であった。次長とは名ばかりで部下は電話番の女の子だけという、実質下っ端であった。
544 :
-7.74Dさん:05/01/06 23:52:32
ですぅぅのFさん、今は何をされているのでしょうか?
545 :
-7.74Dさん:05/01/06 23:57:04
作者は多分同じ人。
久々の復活でつね。
546 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:00:52
亀虫は医事珍宝という雑誌でコンタクトバイトを探していて、籐本の網にひっかかったのであった。
何回か大東亜オプタルの系列店のバイトを紹介してから巧妙に接近した。
「センセイ、今度歌舞伎町でもご一緒しませんかぁ?」
妻からの小遣いもケチられ、手元が不如意だった亀虫にとっては夢のような話だった。
「あぁ、そうだね…」嫌々そうに二つ返事で乗ったが、内心は喜んでいたのだった。
「それは有難うございますぅ。上司も連れて行きますんで、ご挨拶させてやってくださいぃ」
547 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:10:10
548 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:16:59
面白くなってきました。リアリティーがありますね。
549 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:27:05
亀虫が待ち合わせた場所に行くと、安物のスーツを着た籐本の横に、田舎の土建屋みたいな
オッサンが立っていた。「あ、どうもセンセイ。人材発掘部の肥野といいます。コエダメの肥です」
「あ、どうも。亀虫です」田舎じみたおっさんの話よりも、亀虫の頭の中はすでにバニーガールで
一杯だった。
「いやぁ、今度大東亜では首都圏展開のさきがけとして、新大久保にポア店を作ることにしたんです。
あ、まだこれは業界の一大ニュースですから、センセイを信用してお話した話なので、ご内密に…」
大げさだな、とは思ったが、それがどう自分に関係があるのか亀虫には分からなかった。
「ポア店って、何ですか?」
「弊社の販売店のことです。ポア店とデブ店があるんですが、デブ店のご説明はまたいずれ…」急に
お茶を濁したようになったが、亀虫にはどうでもいい話に思えたのでそれ以上聞かなかった。
「で、新大久保と私とどのような関係が?」
550 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:33:19
「センセイに新大久保店の併設眼科さんの院長先生をお願いしたいのですが…」
籐本が小汚いカバンから資料を取り出した。
「弊社は岐阜県のメガネ店から出発して、現在では全国展開してテレビでもCM
を流すなど成長真っ盛りの優良企業ですぅ」
ひと世代前のアイドルがニタァっと笑った会社案内を開いた。
「これが社長です。ビジネス誌にも取材されるなど時代の寵児ですぅ」
田舎くさいオッサンが、胡散臭い企業理念や経営哲学を語った記事の抜粋を見させられたが、
こうしたクチは雑誌の出版社に協力金を支払えば誰でも乗せてもらえることくらいは
亀虫でも知っていた。
551 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:38:19
「で、新大久保店ですが、通り沿いの新しいビルの5階になりますぅ。眼科さんも同じ
フロアですが、弊社は医販分離をしっかりやっておりますので、ご安心いただけますぅ。
新宿副都心も近く、総武線と山手線が近接していますので、商圏も広く多大な集客が
見込まれますぅ。センセイにはがっぽり稼いで戴けますぅ…」
亀虫の知り合いでも、コンタクト眼科を開業して月100万以上の実収入を得ている奴の話を
聞いたことがあった。今の生活からは、どれだけバイトをしても追いつくことのできない夢の
ような生活だった。
「でも、開業資金がないからなぁ…」亀虫は買いたいものがあるのに所持金がない子供のような
心境だった。
552 :
-7.74Dさん:05/01/07 00:46:26
「ご心配いりませんー」貧相なドラえもんのような口調で籐本が続けた。
「弊社が市中銀行よりもお得な低金利で開業資金をご融資しますぅ。センセイは開業
されてから、眼科さんのガッポリ儲かる中から少しずつ、無理ない期間のうちにご返済
戴くだけで結構ですぅ。センセイを信用していますから、担保はいりませんー」
「無担保でン千万も貸してくれるのかい?」
「眼科の内装や検査機器をご購入いただく必要はありませんー。センセイのご負担にならない
ように弊社の子会社の大東亜機器リースからリース契約でお貸ししますぅ」
「いやぁ、至れり尽くせりだねぇ」亀虫は感服した。
「センセイは弊社の重要なパートナーですからぁ…」籐本は満面の笑顔で応じたが、安っぽいメガネの
奥で死んだ魚のような目だけは決して笑っていなかった。
553 :
-7.74Dさん:05/01/07 02:17:37
このストーリー読んでると
やっぱり管理医師はひきうけないほうがいいのかなあ
と思う。
554 :
CL医:05/01/08 10:53:22
続編まだでつか?
555 :
-7.74Dさん:05/01/08 21:53:01
「いい話だとは思うんだけど、正直な話、眼科をやるのにそんなに自信がある訳じゃないしね…」
実は亀虫は極度のロンパリで、ろくにスリットで角膜にピントを合わせることもできなかった。
とりあえず「白目が充血してなかったり、当人が何か症状を言っていなけりゃいいだろ…」という
安易な経験則だけでバイトをしていたのだった。
「そのへんもご準備できていますぅ」籐本は腹話術の人形のような顔を綻ばせながら言った。
「弊社と提携されている眼科専門医の先生がいらっしゃいますから、そちらで研修を受けていただければ
万全ですぅ。ついでと言っては何ですが、色々サクセスストーリーなどを聞いて戴ければ尚更ご理解が
深まることと思いますぅ」
「あぁ、そうだね。まずはどこか見学させてもらうよ」
「承知しましたぁ」籐本は、亀虫が自分の話術にどんどんはまっていくのが分かり自己満足にひたっていた。
556 :
-7.74Dさん:05/01/08 22:03:19
亀虫はその後、籐本と肥野と久しぶりに記憶をなくすほどに飲んだ。その後歌舞伎町で
「楽しい」ことをしたような、しないような…ともかく、普段の日常からかけ離れた贅沢を
させてもらって、亀虫は大いに気をよくしていた。
今の国立東都大の医局では万年助手だし、そろそろ踏ん切りをつける頃か。
妙なやる気が生気のなかった亀虫に芽生えてきた。
翌日、さっそく聞き覚えのあるいやらしい声で電話がかかってきた。
「どうもぅ、籐本ですぅ。さっそくですが弊社の水戸店にご見学に行かれませんかぁ?」
「え、いきなりかい?」
「善は急げですぅ。実はご内密にお願いしたいのですが、もう一人、弊社との提携開業に
ご興味を示されている先生がいらっしゃいましてぇ…私としては先生とは信頼関係がありますし、
ぜひとも先生に院長先生になっていただきたいので、せかしてしまっている訳でしてぇ…」
いまどき団地のバカ主婦でもひっかからないような射幸心を煽る手口であったが、世間ばなれ
している亀虫を焦らせるには充分な方法であった。
557 :
-7.74Dさん:05/01/08 22:09:24
「あ、行きます行きます」
「そうですかぁ、では私もお供致しますので、宜しくお願い申し上げますぅ。
先生にご提示した新大久保店は、必ず成功するお店ですから、ぜひとも先生に
院長先生になって戴きたいですぅ。歌舞伎町も近いことですしぃ」
「そうだね」亀虫もまんざらではなかった。オイシイ話とひけらかされると、どうしても
他人にみすみすそれを取られたくない、という欲が芽生えて、亀虫を焦らせた。
「では、後日お願いしますぅ」
558 :
-7.74Dさん:05/01/08 22:14:33
//////////
業者筋から、大東亜オプタルが新大久保に店を作ろうとしていると聞き、亜部句は当惑した。
「あんな風俗街みたいなガラの悪い土地に、なに勘違いして店作ることにしたんや?」
たまたま訪れていたメヤニコの営業も首をかしげた。
「さぁ、分かりませんねぇ。所詮は本社が岐阜の土田舎にある会社ですから、市場調査を
やる連中が土地柄を理解できなかったんじゃないですか?新宿に近いとか、国電が通って
いるとか、そのレベルなんでしょうか…」
実はその通りだった。全く土地勘のない田舎モノが立地を探したばかりに、東京の人間
なら選ばないようなところに店の立地を選んでしまったのが正直なところであった次第だ。
559 :
-7.74Dさん:05/01/08 22:27:30
意地信奉見て電話したコンタクト会社の住所が藍血県だったけど
もしかしてこの小説はその会社がモデルになっっているのかな。
担当の人とはまだ二回しか会ってないのでなんとも言えんが。
560 :
元整形外科医:05/01/08 22:55:34
私も維持信奉でコンタクト医になりました。
561 :
-7.74Dさん:05/01/08 23:23:35
「それにしても院長に祭り上げられる奴の顔が見てみたいわ」亜部句は薄ら笑いを
浮かべながら言った。
「同感ですね。もめて辞めたり造反したり多いですから。特に大東亜は悪名高きデブシステム
やら携帯通販やらありますからね。そこらへんのところを全然ご存じない方が多すぎて…」
メヤニコの営業も何人かもめている医者を知っているだけに苦笑していた。
「自分の人生かかっとるんに、きちんと調べんから、いざこざになるんや…。
ある意味自業自得やで」亜部句は成功者らしくせせら笑った。
562 :
-7.74Dさん:05/01/09 12:07:33
亜部句は得意げに語り始めた。
「奴らのやりくちはこうや。まず販売店(ポア店)を作って眼科も横に作る。何年か
やってカルテが何万枚かたまってきたら、ちょっと離れたところにデブ店というのを作る。
そこで箱売り、つまり診察なしでコンタクトを売るんや。当然眼科の再診は減る。眼科の
収入は減るが、コンタクトはそのデブ店でポア店より高めにして売るから会社は儲かるんや。
診察代がかからないから、と理由にして高めに売るんやから、医療機器どうの目の安全
どうのなんていかに空疎なお題目かわかるやろ?」
「全くですねぇ…ドロボウが防犯注意といっているような…」
「それは言い過ぎやで」亜部句は高笑いした。
563 :
-7.74Dさん:05/01/09 12:13:16
「最近はそのデブ店も人件費やら家賃やらかかるもんやから、携帯電話で通販を
始めたんや。当然値段も高めに設定してある。同じ論理やな。こうなると箱売りに
お墨付きを与えるために眼科が利用されてるようなもんやから、まともに考えたら
ええ面の皮やと思うんやが、そこが分からん連中が多い…」
「そこまで事情を知って院長になる方はいないでしょうし、逆に知っていたらなり手が
いなくなるでしょうね?」
「そこや。だからデブ店も始めからは作らん。ひどい場合やと黙って作ってから事後承諾
を求めてくる。院長は嫌がっても、その眼科に生活かかってるから閉めるわけにもいかんし、
渋々容認するしかなくなる。それでも腹の虫が収まらない連中は造反するわけや」
564 :
-7.74Dさん:05/01/09 18:09:33
「まぁそうおっしゃいますけど、なかなか外からは分からないんじゃないですか?」
「そやな。まぁしかし単価を見れば分かるやろ。実際院長引き受けてやっても最初は
月に100や200がええとこやろ?時給にしてみたらバイトのほうが良かったりする。
それで余計な責任を負わされて、検査員の失敗までなすりつけられて、借金まで
作らされて、辞めるときももめて…ええことないやないか。もしやるならフリーターが
のほうが余程賢い。スーパーローテでバイト不足も深刻やしな」
「目先の月の手取りに目くらましされて、時給に計算したら安くなってた…滑稽ですね」
「店がコケたときのリスクが大きい。そやから新大久保なんて無謀なんや」
亜部句は笑っていたが、牙城の新宿近くに得体の知れない店を作られることに一抹の不安は感じていた。
565 :
-7.74Dさん:05/01/09 18:18:21
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < センセイはパートナーですぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
566 :
-7.74Dさん:05/01/09 18:31:49
567 :
-7.74Dさん:05/01/09 18:35:10
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 就職相談を2チャンでやろうという根性が気に入りませんー
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
568 :
-7.74Dさん:05/01/10 00:25:48
「しかし医者が怒って造反するのも大変ですよね?」メヤニコの営業は聞いた。
「まずやな…造反という言い方が気に入らない。もともと医者が眼科をある場所で開業して
いる。たまたまコンタクト販売店が眼科の至近にあった。コンタクトの処方箋を発行して
コンタクトを買う場所を眼科が指定することはできへん。薬の院外処方と同じやな。
たまたま近くにあったから眼科のコンタクト処方箋を持った患者が多く利用している
だけ。それが医販分離や…誤解したらあかん」
569 :
-7.74Dさん:05/01/10 00:31:18
「行政上はコンタクト販売店と眼科は『たまたま』の重なりなんや。下手なメロドラマも
真っ青やな。たまたま眼科の近くにコンタクト屋があって、たまたま眼科の検査員として
そのコンタクト屋の社員が委託派遣されてて、たまたまコンタクト屋の売りたい商品を
処方する確率がそこでは高くて…大東亜ならまだあるで。たまたま眼科の院長が開業資金を
コンタクト屋から借りとる、検査機器もレンタルリースでコンタクト屋の子会社から借りとる。
代診まで紹介してもらって、しっかり紹介手数料までとられてる…これでコンタクト屋と
眼科は関係ありません。医販分離と謳ってるんやからオモロイ話やろ?」
570 :
-7.74Dさん:05/01/10 00:35:05
「建前はどうあってもそうや。コンタクト屋もそれを行政には突き通す。せやから
関係ないことを逆手にとればや、造反とは片腹痛い言い草や。関係ない眼科がコンタクト屋
と手を切ろうが何しようが関係ない。もっと言えばもともと別に提携も関係もないんやから
造反も何も無いわけや。せやから眼科の院長も正々堂々とやればええ。変に言い含められて
コンタクト屋に雇ってもらってる、世話になってると考えてる院長がいたとしたら、
バカかマゾやな…」
571 :
-7.74Dさん:05/01/10 22:07:15
(  ̄ー ̄) オモロイナ
572 :
-7.74Dさん:05/01/11 01:13:11
やっぱしょうもない
573 :
-7.74Dさん:05/01/11 08:15:52
これはフィクションですか?
574 :
-7.74Dさん:05/01/11 10:23:19
知ってることばかり書いてある。
もっと新しい話題お願い。
575 :
-7.74Dさん:05/01/11 11:27:36
いや面白いよ、このまま続けてください。
おもしろいから続けてね。
577 :
-7.74Dさん:05/01/11 13:34:09
>574
文句あんなら自分で書きな。
578 :
-7.74Dさん :05/01/11 13:54:52
>574
知らない人が被害にあっているんだよ
579 :
-7.74Dさん:05/01/11 14:34:29
>566
いいと思うよ。
非医師系のいいとこと組むなら、評判がどうであれ医者と組んだ方が
絶対にいい。結局、非医師系でいいとこなんて一つもないんだよ。
おれも、間違って非医師系と組んだが、組む相手によっては、
ひどいことになっているところもある。
比較的よさそうな、某Eでも、全然だめ。
医者じゃないのと組むのはいくら良心的でも絶対やめた方が無難だよ。
俺もKonちゃんみたいに○ちゃんについていけばよかったよ。
580 :
-7.74Dさん:05/01/11 14:44:15
580
隣の芝は青く見えるんだね。
>579
医者と組むってどういうこと?
雇われでは、全然身入りは良くないけど。
a,b,cのような感じでやるってこと?
医者と非医者とは、考え方の根本が違う。
医師系のほうがいいぞ。
上が医師だから、ごまかしもきかないけど。
どう医師系のほうがいいの?
Pのように雇われて1日100人も診るんじゃ、
メリット小さいと思う。措置法など関係ないから、
年2400でも手取りは1600くらいだし。
医師系どうしで手を組むってことなら、初期投資などは
全部自己負担だから、ハイリスクだし。
(医師系で特別なやり方してるとこある?)
584 :
-7.74Dさん:05/01/11 16:05:27
>582
そう思う。どんなに良心的に思える人でも
医者以外と組むのはやめた方がいいのがよく分かった。
非医師系と組むと、上にあるように、借金まで背負わせられたり、
吉祥寺で過労死するまで働くことになるからやめた方がいいよ。
医師系で雇われて稼ぐか、資金があるなら自分でやった方がいいよ。
そもそも、今から非医師系と組んで、なんとかなるのって
アイぐらいだろ。あそこも最近は条件厳しいからだめだ。
586 :
-7.74Dさん:05/01/11 16:16:05
非医師系でも借金もなく、上納金もないところもあるよ。
ただ、どうしても目に問題のない人には、利益のとれる
レンズをすすめなきゃならないけど。(量販店によっては
目の問題のある人にもすすめなきゃならないところもあるかも)
量販店はそういう問題あるんだけど、医師系はCLの赤字を診療
報酬で補填するという、いびつな利益構造になっているから、
これも問題があると思う。まあ、自分でやるのが一番かもね。
587 :
-7.74Dさん:05/01/11 16:41:00
医師系で初期投資、経費すべてもってくれて、診療報酬の50%
くれるとかいうところがあればいいんだけど。
歯医者チェーンにはそういうとこもあるみたい。
588 :
元整形外科医:05/01/11 16:48:17
医師系のプライスはどうですか?
589 :
-7.74Dさん:05/01/11 16:55:56
他科の先生なら、給与よりも親切に教えてくれるところで、
まずは1年くらいはされるのがいいと思います。
でもごめんなさい、どこが親切に教えてくれるかは知りません
です。
Pさんは年2400(税引くと1600くらい)で、1日
100人くらい、週5日勤務かな。
経営はすごく順調と思いますが、急成長で教育が追いついて
ないかも。
590 :
-7.74Dさん:05/01/11 17:07:51
>>非医師系でも借金もなく、上納金もないところもあるよ。
嘘つくな。どこだか言ってみろよ。
591 :
-7.74Dさん:05/01/11 17:17:29
実質上納金がないということです。
量販店には診療報酬のO%を支払うというところもあって、
たとえば診療報酬、年4000万なら1200万払うという
ところもあるようです(家賃、人件費、リース、水道光熱費
もひっくるめて)。1200万なら、上納金どころか、逆で
しょうねえ。ただ、医師系の台頭で、量販店は利益が減って
ますから、今後は(もう今もかも)そういうおいしいところ
はないかも。
592 :
-7.74Dさん:05/01/11 19:42:46
こらこら、相談は別なところでしろよ(まったりサロンとかさ)
ここは小説の場だろ!
セラビに怒られるぞ!
593 :
-7.74Dさん:05/01/11 20:02:32
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 小説をボカそうとする罠ですぅ。
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
594 :
-7.74Dさん:05/01/11 21:12:57
セラビさん、続きをどうぞ!
595 :
-7.74Dさん:05/01/11 21:37:19
セラビはコンタクト偽眼科医の神。
596 :
-7.74Dさん:05/01/11 22:00:00
続きに期待いたします。
597 :
-7.74Dさん:05/01/11 22:05:33
598 :
-7.74Dさん:05/01/11 22:12:05
ドッカン
,、、 ドッカン
━━━━━) )= ☆ゴガギーン
∧_∧ | | /
( )| |_____ ∧_∧
r ⌒ ̄ ノ __. | (`∀´ ) <おら、出てこいセラビ!
| イ | | | / \
| | |  ̄ ̄ .| | | /\\
| | | .| へ//| | | |
| | | (\/,へ \| / | |
| ∧ | | ◎\/ \ / ( )
| | | |.| .| | |
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/ / / /.| |三三三| | | |
/ / / /...| | ||
599 :
-7.74Dさん:05/01/11 23:56:29
ドッカン
,、、 ドッカン
━━━━━) )= ☆ゴガギーン
∧_∧ | | /
( )| |_____ ∧_∧
r ⌒ ̄ ノ __. | (`∀´ ) <おら、出てこい籐本!
| イ | | | / \
| | |  ̄ ̄ .| | | /\\
| | | .| へ//| | | |
| | | (\/,へ \| / | |
| ∧ | | ◎\/ \ / ( )
| | | |.| .| | |
/ / / / | .| | |
/ / / /.| |三三三| | | |
/ / / /...| | ||
600 :
-7.74Dさん:05/01/11 23:59:18
600げと
601 :
-7.74Dさん:05/01/12 00:09:27
>>570 から続く…
亜部句の調子に乗った講釈は続いた。
「まぁよく考えてみい。社員もアホやで。せっせとPB売るまではいいが、携帯でも
買えますデブ店で診察なしで買えます、って社の教育通りにやっててもな…」
「どうしてですか?」
亜部句はさもバカにしたような顔をして、講釈した。
「分かるやろ…結局は携帯通販やデブ店に流れれば、確かに眼科の院長もええ面の皮やが、
携帯通販やデブ店が利益率がいい最大の理由は人件費がかからないことや。つまり極端な
話、どんどんそっちの利用客が増えれば、検査員もどきの社員もいらなくなる訳や。つまり
自分で自分の首絞めてるのに気がつかん点ではアホやな…まぁもそっと賢かったら別な職に
ついとるだろうがな…ヘヘヘ」
602 :
-7.74Dさん:05/01/12 00:16:32
「ところがそうも単純な話やないのが面白い…」亜部句の調子も安っぽい講談師のようにヒートアップ
してきた。
「日本人はクソ真面目な民族やからかどうか知らんが、コンタクト買うのに何で眼科の診察がいるんだ、と
毒づく奴もいれば、コンタクト買うのに診察しないと気色が悪いという奇特な連中もそこそこいるんや。
せやから一生懸命コンタクト会社の犬が携帯で買え、デブ店に逝けと言っても、ポア店(注:眼科の併設した
大東亜オプタルの販売店)に来る客がいる。将来的にはそれが半々くらいになると踏んでた連中も、デブ店や
携帯通販の利用率が十%そこらで低迷してくると焦ってくる訳や…なにしろコンピューターには素人の連中や
から、初期投資を外注して莫大な金をかけてるからな…おれなら自分で作れるがね」
「なるほど…中高年はそうかもしれませんねぇ」
「それでかかっている眼科医が、ろくに眼科のことも知らないニセ目医者なんだからますます滑稽至極…」
亜部句はいやらしくニヤけていた。どうやら自分が一番頭のいい人間だと悦に耽っているようだった。
603 :
-7.74Dさん:05/01/12 00:52:14
//////////
自分がコケにされているとは露知らず、亀虫は籐本と常磐線に揺られていた。
安いキオスクで売っていたスルメを噛みながら、亀虫はあれこれ籐本に質問していた。
「これから見学に行く水戸店の院長ってどんな人?」
「素晴らしい方ですぅ。誤診医大を卒業されてから小児科の医局に入られて、
県立水子こども病院の副院長までされた方ですぅ」
「あれ、眼科は?」
「コンタクト眼科の経験は豊富な方ですぅ」籐本は肝心なところは濁した。実は
専門医でもなんでもない、いわゆるニセ目医者だったのだが、それはおくびにも
出さなかった。
「患者さんはどれくらい来るの?」
「土日になると70〜80人はいらっしゃいますぅ」
604 :
-7.74Dさん:05/01/12 00:59:49
「どう、眼科は儲かってるの?」
「そうですね…弊社には院長先生のお手取りについてはツーパターンありますぅ。
ひとつは眼科さんの診療報酬に応じて累進的にお手取りが増えるパターン。ただし
この場合は要注意ですぅ。最初は眼科さんの収入もそんなにありませんし、季節性も
ありますからぁ。ただし眼科に爆発的に患者さんがいらっしゃった場合はお手取りに
即、反映されますから、いうなればハイリスクハイリターンですぅ」
「もうひとつは?」
「もうひとつは固定給制ですぅ。眼科さんの診療報酬に関係なく先生のお手取りは一定額、
弊社が保証しますぅ。こちらはローリスクミドルリターンですぅ」
この考え方からして亜部句に言わせれば「医者が業者に雇われている形」そのものであり
医販分離に著しく反するばかりか、対保健所、対税務署的にも問題がある形であったが、
さも当たり前のように籐本に言われて、亀虫も違和感なく受け入れてしまっていた。
605 :
-7.74Dさん:05/01/12 01:09:10
「固定給ってどれくらい?」
「それは場所によって様々ですぅ。新大久保についても試算させて戴いている最中ですぅ」
「仮に眼科に患者が来なくて、眼科の口座から固定給が払えなくなった場合はどうなるの?」
スルメくさい口で、亀虫が核心をついた質問をしてきたので籐本は驚いた。
「ゴ、ゴホッ…あ、失礼しましたぁ。そ、そういった場合はまずありえませんが、眼科さんの
口座に弊社が当座の資金をお貸しする形で補填して、先生にご迷惑をかけることのないように
しますぅ。そのお金は後日眼科さんが回復してきたときにお返し戴ければ大丈夫ですぅ」
「ふ〜ん…」
606 :
-7.74Dさん:05/01/12 01:14:47
[@∀@]≡ アホデスゥ ヽ(A`*)ノ≡ コラァァァ!! ダマシタナー籐モト!!!!
607 :
-7.74Dさん:05/01/12 02:28:26
大東亜オプタルの話がヒート・アップしてきまつた!!
期待してまつ。
608 :
-7.74Dさん:05/01/12 09:25:43
大東亜オプタルは風俗街が好きだね。
下川口とかも。w
609 :
-7.74Dさん:05/01/12 09:31:37
所変わって修羅の国
小林薫「そろそろ俺たち3幹部の出番だな。」
浅田農産社長「あぁ。」
香田一生「またイラクに行って世間を騒がせてやる。」
610 :
-7.74Dさん:05/01/12 09:58:37
今は、鳩さんに雇われるときは、鳩さんの提携眼科の医療法人に
雇われてるんでしょ?
611 :
-7.74Dさん:05/01/12 10:06:07
>>585 吉祥寺事件の張本人はアイなんだが、、、
612 :
>848:05/01/12 14:23:53
奴隷医者=馬車馬
613 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:09:55
なかなか面白いな 中央もかんでるのか?
リアリティがあっていいよ。
615 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:43:09
>>605 から続く…
「よそだと、固定給のほうが多いのかな?患者が何人来るか分からないしね…」
「一概には言えませんー」籐本はぼかした。
籐本としては固定給のほうが医者を管理しやすいのでやりやすかった。実際はチラシや
値段ひとつで患者=客などどうにでも集められるので、集めた客をどれだけ携帯通販や
デブ店など粗利のいい販売ルートに移せるか、どれだけPBのヘラヘラやシコシコに
乗り換えさせることができるか、に実益が絡んでいた。
チラシを撒いてガーンと集まったときこそ販売店の稼ぎ時、パチンコで言うなら身銭を
切ってのようやくのフィーバーだ。そこで儲けられなければ商売として成り立たない。
そういう時に院長の給与が固定給であれば、浮いた分を色んな名目を付けて「回収」できる
のでやりやすいのだ。累進性ならチラシに投下した資金を院長にかすめられてしまうことと
同じだった。
616 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:49:45
しかし、こぎたない商売するな。
医師系のほうがずっといいな。
医者だから、患者の目のことも考えてるだろ。
617 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:50:40
「コンタクトの会社には眼科から何か支払いはあるの?」
「弊社の研修を受けた、安心してお任せ戴ける優秀な検査員を、眼科さんには派遣しますぅ。
その人件費として、業務委託料を心ばかり頂戴しますぅ」
「それは、月額決まっているのかい?」
「眼科さんの診療報酬点数に比例して、表になっていますぅ…」
「おかしいねぇ、派遣されてくる人数は眼科が混んでようが空いてようが同じなんじゃないの?
混み具合によってその人件費が上下するのは変だね?」
「混み具合によって仕事量は違いますからぁ…」亀虫の突っ込みに籐本は狼狽した。
「で、その人件費とやらは、直接検査員に渡るの?」
「弊社から派遣されているので、本人たちには弊社からの給与が支払われますぅ」
「その給与は定額なの?」
「…」亀虫を世間ずれしていない扱いやすい医者だとタカをくくっていた籐本は、
これは少し手ごわいかもしれない、と警戒し始めた。
618 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:56:25
「ところで、その検査員さんたちはORTさん?」
「いえ…」
「何か資格はあるのかな?看護士さんかな?」
「いえ…」
「おいおい、ひょっとして無資格かい?そんな人達に仕事量に応じて歩合給を
出すなんて、ちょっとおかしいんじゃないかい?」
「コンタクトの検査については弊社の本社でみっちり仕込んでありますからぁ…」
「で、教えたのは眼科専門医の先生?」
「弊社の研修担当の社員ですぅ…」
「おいおい、大丈夫かい?何だか心もとないなぁ…自信があるのは結構だが、医療の
世界は責任商売だからねぇ」
619 :
-7.74Dさん:05/01/12 17:57:22
それで曖昧な返事が多かったのか? 解決
620 :
-7.74Dさん:05/01/12 19:20:57
だんだん話が佳境に入って、H-Up!!
中央に入ってからエースね。
621 :
-7.74Dさん:05/01/13 01:03:29
「弊社の検査員は、大東亜コンタクトレンズ小売連合会の"CLプロフェッショナルアドバイザー"の
資格を有しておりますから大丈夫ですぅ。試験も通っておりますぅ」
言い訳を見つけて籐本が開き直った。
「そんな団体、聞いたこと無いね…その団体、どこの会社が加盟してるの?」
籐本は一瞬つまったが、ネットで検索すればばれてしまうので正直に答えることにした。
「…大東亜オプタルとその子会社、関連店だけですぅ」
「ハハハ、それじゃーダメだよ。資格は第三者が厳正に決めるものだからねぇ。」
なんとか押し売り検査員にハクを付けようと試みた籐本であったが、所詮は徒労であった。
622 :
-7.74Dさん:05/01/13 11:15:44
亀虫なかなかやるね。
623 :
-7.74Dさん:05/01/13 12:46:39
>「弊社の検査員は、大東亜コンタクトレンズ小売連合会の"CLプロフェッショナルアドバイザー"の
資格を有しておりますから大丈夫ですぅ。試験も通っておりますぅ」
結局、オナニー資格ってことか
眼科専門医だって似たようなもんだけどなw
625 :
-7.74Dさん:05/01/13 12:56:43
厚生省がお墨付き与えてるのは精神保健指定医、麻酔科標榜医のみ。
あとはみんな学会が勝手に認定してるだけ。
626 :
-7.74Dさん:05/01/13 13:02:29
その通り
627 :
-7.74Dさん:05/01/13 13:10:13
眼科専門医もオナニー資格ということでつね。
628 :
-7.74Dさん:05/01/13 13:51:28
マス資格です
629 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:04:34
どうでもいいから続き、続き
630 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:17:42
ひろしです
「先生是非我々と一緒にやりましょう」
もうあれから3年がたつとです
631 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:22:04
ひろしです
「先生 お好きなものを注文してください」
もうマグドは飽きました
632 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:29:03
ひろしです
「先生 たまにはゴルフでも」
どうして代診の医師がいない時ばかりですか
633 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:39:50
634 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:41:06
ひろこです
ひろこです
ひろこです
635 :
-7.74Dさん:05/01/13 14:44:01
633
自分も入れるか
636 :
哲哉:05/01/13 16:24:14
現在調布市に住んでいます30歳の男性です。仕事はコンピュータ関連です。父親が山形で歯科医師をしていますので開業を希望している25歳位から30歳位の女性の方を探しています。私も今後は山形で仕事をするつもりです。結婚を前提のお付き合いを宜しくお願いします。
連絡先は、
[email protected] までお願い致します。真剣な出会い、交際を求めています。
637 :
-7.74Dさん:05/01/13 18:38:19
作者はこの文才を
本業に生かしなさい。
638 :
-7.74Dさん:05/01/13 19:17:58
私もコンタクトバイト中に小説を書こうと思います。
このスレにも乱入するかもしれません。
いいでつか?
639 :
-7.74Dさん:05/01/13 19:23:31
>>638 せら先生の信奉者として、
せら先生の小説の本筋を曲げない形であれば、可と思う。
640 :
-7.74Dさん:05/01/13 20:24:39
>>621より続く…
「まぁあまりいじめないでおくかな…俺も眼科のことは専門医な訳じゃないし…」
亀虫がにやりと笑った。ヤニで黄色くなった歯がのぞき、籐本は底知れぬものを感じた。
「これから先生と弊社はパートナーになるかもしれませんからぁ、宜しくお願い申し上げますぅ」
「そのことなんだけどねぇ、あんまり本命視されてもらっても困るんだよねぇ」
「え?」
「実はね、関東で他にも話が上がっているんだよ…どことは言わないけどね。まぁ話が成就しなくてもさ、
大東亜さんでも他に候補がいるみたいなお話だったから、そんなにご迷惑じゃない話なんだろうけど」
実のところ院長候補はおらず、新大久保店は準備が整いつつある段階であり、院長が見つからない事態に
なれば籐本の責任は重大だった。こちらが優位に立つための籐本の浅はかな言動が完全に裏目に出た次第であった。
641 :
-7.74Dさん:05/01/13 20:28:03
「そんな…私は先生が乗り気でいらっしゃるとばかり考えておりましたので、是非とも先生に
院長先生になって戴きたく奔走してまいりましたぁ。その甲斐あってほぼ先生に本決まりに
なっておりますので、何卒宜しくお願い申し上げたくぅ…」
「何だい、えらいこないだとは違う話になってるじゃないか…ハハハ。まぁこっちも遊びで
引き受けるつもりはないから、条件次第だね。じっくり見学させてもらうよ」
籐本の背中はイヤな脂汗でじっとり濡れていた。
642 :
-7.74Dさん:05/01/13 20:33:41
「条件は先生のご準備が整い次第、早急に本社で詰めさせて戴きますぅ」
「おいおい、その手は桑名の焼き蛤だよ。聞いてるよ。悪質な業者だと、いいこと言って
おいて、医者が医局を辞めて後戻りできない状況になってから、厳しめの条件を出して飲ませる
んだろ?でもね、俺の場合は他にも話があるからさ。公開入札みたいなもんだから、早めに
詰めてくれないと締め切っちゃうよ。ハハハ」
「弊社はそのようなことは致しませんので、早急に上と話しますぅ」
「そうだね。できれば決定権のある人と話をさせてもらったほうが話が早いねぇ」
存在を否定された籐本であったが、ここは機嫌を損ねてもらっては困るので服従するしかなかった。
643 :
-7.74Dさん:05/01/13 22:54:18
亀ちゃん、すごーい
644 :
-7.74Dさん:05/01/13 23:11:58
そんなこんなしているうちに、水戸駅に着いた。駅から少し離れた5階建てのビルの二階に
「コンタクトの大東亜オプタル!」と目立つ看板が出ていた。
「眼科さんは同じ階になりますぅ」よく見ると郵便受けに「納豆アイクリニック」と小さい
看板が出ていた。
「眼科のことをよく知らない先生が開業するときは、一般の患者が来ないように看板を地味
に目立たないようにするんだってねぇ?」意地悪く亀虫は籐本に聞いた。籐本は聞こえない
振りをして言った。「院長先生は糸引先生とおっしゃいますぅ。今日はあいにくお休みですので
代診の先生の診察になってますぅ」
偶然を装ってはいたが、色々と聞かれ過ぎては困るのであえて籐本は院長のいない日を選んだのだった。
「ふ〜ん…まぁ眼科でも見せてくれる?」わざとらしさに亀虫も感づいていたが、あえて平静を装った。
645 :
-7.74Dさん:05/01/13 23:19:29
眼科に入ると、うるさいアイドルの有線音楽が耳についた。まるで趣味の悪い喫茶店のようだった。
奥から、見るからに胡散臭い風体の男が小走りに駆け寄ってきた。「お疲れ様ですー」
籐本が紹介した。「水戸店の店長の根木君です」
根木が名刺を差し出してきた。亀虫は別に受け取りたくも無かったのだが、一応ポケットにしまった。
「遠いところご苦労様です。何かご不明な点がございましたら何なりとお尋ね下さい」
「あぁ、どうも。早速だけど、君は入社何年目?」
「5年目になります」
「高校卒業してから何してたの?」はなから大卒とは思えなかったので単刀直入に亀虫は聞いた。
「パチンコ屋の店員と、羽毛布団の販売をやってました」根木はバカ正直に答えた。横で籐本が
苦々しそうな顔をしていた。
「ふ〜ん、多彩な経歴でなによりですねぇ。中を見せてもらいますよ」亀虫は眼科の奥に入っていった。
646 :
-7.74Dさん:05/01/13 23:31:34
有線のガンガン流れる中、茶髪の検査員が客とおぼしき人物の視力を測っていた。
「それじゃー、シコシコ1年分ご購入有難うございましたー!」
籐本が亀虫に、B級アイドル・胸竹とり恵がニコッと微笑んだチラシを持参してきた。
「これが弊社の主力PB商品・シコシコですぅ。欧州では標準の25日間使い捨てのソフトですぅ。
これから日本でもメジャーになっていくと思いますぅ」
チラシを横目に亀虫は質問した。「一度に1年分も処方するの?」
「大体そうですね」根木が答えた。後ろで籐本がまた苦々しそうにしていた。
「ドカッと大量に処方しちゃうと、目の定期検診に来なくなっちゃうよねぇ?
まぁ、携帯やデブ店で購入するのと話は同じなんだけどねぇ。君達の数字にはなるんだろうけど」
「定期検診にはおいで戴く様に説明はしていますぅ…」籐本がフォローしたが後の祭りだった。
647 :
-7.74Dさん:05/01/13 23:43:55
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < To be continued ですぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
648 :
-7.74Dさん:05/01/14 00:14:38
面白い!
明日もよろしくたのんます
649 :
-7.74Dさん:05/01/14 00:15:18
いいね。
やっぱ医師系のほうが良さそう。
最悪だね、コンタクト屋の奴隷医師は。
651 :
-7.74Dさん:05/01/14 20:40:59
張蔵はどこ逝った?
652 :
-7.74Dさん:05/01/14 22:50:09
亀虫はバカそうな茶髪の店員にも声をかけた。
「君は何か資格を持っているのかな?」
「うん、英検4級ですけどぉ」敬語の使い方もろくに知らない風であった。
「バイトーリックって知ってるかい?」
「なんすかそれ?バイセクシュアルなら知ってますよ。両刀使いのことっす」
「もういいよ。下がりなさい」亀虫はバカが伝染りそうな気がして悪寒がした。
653 :
-7.74Dさん:05/01/14 22:55:47
「診察室もちょっと見せてもらっていいかな?」
昼休みにかかっていたので、代診の医者は外に出ていなかった。籐本にも断る理由が
なかったので渋々案内した。
診察室はえらい殺風景な部屋だった。専門書もなく、あるのは旧い壊れかけたスリット
と眼底鏡、いかにも使っていなさそうな目薬だけだった。
「眼処置はしていないのかい?」亀虫は根木に尋ねた。
「一般の患者さんは近くの眼科に行ってもらってます。ここはコンタクト専門眼科だから
ものもらいやポッチンの切開はできない、と説明してます」
どうやらポッチンとは霰粒腫のことのようだったが、聞き返す気力も失せたので亀虫は
聞き流すことにした。
654 :
-7.74Dさん:05/01/14 23:01:59
院長室はその奥にあった。
「弊社の提携眼科さんには必ず院長室が設計されていますぅ。診察の切れ間に院長先生や
代診の先生にはゆっくりくつろいでいただけますぅ」
部屋に黒革のマッサージ椅子があった。
「先生もどうですかぁ?実はこの椅子、弊社の通信販売で安くご購入戴けるものですぅ」
「遠慮しとくよ…」コンタクトだけでなく健康マッサージ椅子まで売ろうという商魂が透けて見えて
さすがの亀虫も呆れるしかなかった。
655 :
-7.74Dさん:05/01/14 23:07:18
院長室の机には豆菓子が置いてあった。
「先生もどうですかぁ?実はこれも弊社のサプリ販売でご購入戴ける健康豆ですぅ。
こちらはカルシウムが豊富で頭の良くなる頭脳豆、こちらは鉄分豊富でやる気の出る
精力豆ですぅ」袋を一部開けて、籐本がボリボリ食い始めた。
「どっちも足りてるからいいよ。君達のほうが余程主食にして食べたほうがいいんじゃないのかい?」
皮肉で言ったつもりだったが、籐本は驚いて言った。
「よくご存知で…数字が悪くて売れ残りが出ると、自腹で買わされるんで、最近のウチでの主食は
この豆なんですぅ」
「そうかい…鳩みたいでいいねぇ」亀虫は哀れにすら感じ始めた。
656 :
-7.74Dさん:05/01/14 23:38:22
>鳩みたいでいいねぇ
掛詞ですか?
657 :
-7.74Dさん:05/01/15 00:04:06
「ちょっと聞いてもいいかい、さっきの業務委託料だけどさ?」
「はい、何なりとご質問くださいぃ」慇懃に答えた籐本であったが、安メガネの下の死んだ
魚のような目はジーッと亀虫を凝視していた。
「例えばね、眼科の検査員や受付をね…おたくの会社じゃなくて私が独自に雇用した場合はどうなるの?
さっきの論理だと人件費なんだから業務委託料はいらなくなるよね?」
この手の質問にはマニュアルが準備されていたのか、籐本は立て板に水のように語り始めた。
「そうですねぇ、論理上そうなりますが、その際は労務管理その他は院長先生にお願いすることになりますので
大変なお手間をとらせてしまうことになりますぅ。また弊社にお支払い戴くコストについてですが、業務委託料は
なくとも、什器備品代や、検査機器使用料など他にもございますのでぇ…」
「何だいそれ?」
「什器備品代は、眼科さんの内装やその他備品を弊社からリースしている形になりますので、その代金ですぅ。また
検査機器使用料は同じく眼科さんの機器は全て弊社からのリースになっておりますので、その代金ですぅ」
658 :
-7.74Dさん:05/01/15 12:47:55
小説とはいえホンットにひでえ会社だな。もしこんな会社が実在すれば国賊だな、こりゃ。
この籐本って野郎も生きてて恥ずかしくねえのかな?どんな生い立ちなんだい?
そこんとこも書いてくれよ。作者さん。
しかし事実は小説より奇なり。ってな。w
659 :
-7.74Dさん:05/01/15 13:39:01
アセルナ
タベルナ アキオ
660 :
-7.74Dさん:05/01/15 14:36:56
鳩だから豆売るんだ。納得。
661 :
-7.74Dさん:05/01/15 23:23:48
うまいオチでつね
662 :
やぶ医者:05/01/15 23:42:50
大東亜オプタルのモデルってハート○ップなのですか?
e-docみたら日本オプティカルの名前で医師募集していますが。
663 :
-7.74Dさん:05/01/15 23:50:41
fictionなので、その辺は突っ込まないこと
664 :
-7.74Dさん:05/01/16 00:58:09
そういう作者様が書きにくくなるような
ことは突っ込まないこと。
665 :
-7.74Dさん:05/01/16 11:32:49
亀虫は聞いたことがあった。眼科の院長と喧嘩別れになったときに眼科の検査機器やら何やらが
院長の所有物だと、全部持ち出されてしまっては検査ができなくなりコンタクトの販売そのものが
できなくなってしまう。それで眼科の機材その他は極力「コンタクト会社からの借り物」にさせて
その危険性を抑えようという魂胆だった。
また当然リース代は割高設定。検査機器が新しいものに更新されることはまれで、メンテナンスにも
来ない。ふつうリース契約だと何年か後に借り物そのものを下取りできるが、それもない。つまり
一生借り物のままなのである。
他にも眼科の内装や備品までリース扱いされて、とにかく院長を「間借りしている」という錯覚に
陥らせることが目的であった。「自分が開業して経営している眼科」なんて考えをもたれては迷惑千万
なのだ。
666 :
-7.74Dさん:05/01/16 11:39:12
「もし先生が資格者その他の雇用をお考えになる場合は、先生のお手取りにも余裕がなくなる場合も
ございますぅ…」籐本は遠慮がちな振りをして言った。
「弊社のスペシャルアドバイザーにお任せ戴ければ、正直コンタクトのことについては全面的に任せ
られますし、何よりここだけの話、割安かと存じますぅ」
「もしね、おたくの社員で万が一私のやり方に合わない人がいたらどうするの?さっきの茶髪の店員
みたいなのは、正直性に合わないんでねぇ…」
「それはもう、すぐに対応させて戴きますぅ」
これも口からでまかせであった。最近は中途採用などしてお茶を濁しているが、ボーナス直後に例年
退職者が相次ぎ、慢性的な人不足もあって院長が人事に文句を言ってもなかなか反映させることはなく、
せいぜい上司気取りの連中が「お詫び」に来るのが関の山であった。そもそも携帯通販やらで人件費を
極小に抑えようとしているので、人不足も偶然ではないと言える現状であった。
667 :
-7.74Dさん:05/01/16 11:39:29
鳩は客が少なくて、やめたいときには有利だが、
うまくいったときは大きな損になる。
愛は逆。
668 :
-7.74Dさん:05/01/16 11:47:08
「お〜い、暖房の利きが悪いんだよ!寝てたら風邪ひくじゃねぇか!まったく
オタンコナスが…あとテレビの画面も映りが悪いぞ!」
急に入り口のほうから、無精ひげを生やした太った30代くらいに見える男が、
居丈高に従業員にあれこれ命令していた。
「代診の不手根先生ですぅ…」籐本はまずいものを亀虫に見られたといった表情を浮かべた。
不手根がツカツカと寄ってきた。「あぁ籐本じゃないか?開業の話がアリマスゥとか
メールもらったけど、あの話どうなってるんだ?」
亀虫のほうには目もくれなかった。大東亜の社員と思われたらしい。
籐本は焦っていた「あ、そ、それはですねぇ…またおいおいお話することに…」
「俺はあんまり興味ないんだよね…ヘラヘラだぁシコシコだぁってPBばっかり
売りまくって無理が来たときに俺のせいにされても迷惑だしさ…ハハハ、午後も
一眠りすっか」そういって不手根は「くつろげる」院長室に消えていった。
おもしろい展開になってきたな。
670 :
-7.74Dさん:05/01/16 12:06:07
おもしろい。
最近はまってます。
671 :
-7.74Dさん:05/01/16 13:03:20
このエネルギーは評価に値するが夜が多いな
社員かな
672 :
-7.74Dさん:05/01/16 13:56:18
>鳩は客が少なくて、やめたいときには有利だが
何故なの? 客が少なくとも借金の額は変わらんでしょ? どうして少ないとき
愛より有利?
673 :
-7.74Dさん:05/01/16 14:48:06
愛は内装、機械も自分もち。やめてもリースなり、借金が
残る。鳩は内装、機械はやめた後は、リース料は払わなくていい。
借金が残るのは、運転資金や店舗保証金を借金した場合だろう。
ただ、保証金の大部分はやめれば戻ってくるが。
674 :
-7.74Dさん:05/01/16 15:28:41
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 鳩流ブームで、籐サマですぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
675 :
-7.74Dさん:05/01/16 15:51:20
出版したら売れるかもよ。
676 :
-7.74Dさん:05/01/16 16:19:15
臨床医独特の匂いもするが保健所が嫌いなのが不思議?
今どうしてるのかな?
8S 合図 巧い
677 :
-7.74Dさん:05/01/16 17:12:19
>>671 これだけ書ける能力があれば、
もう少しましな身の処し方するだろw?
678 :
-7.74Dさん:05/01/16 17:19:29
旧帝大出身のもいたな
679 :
-7.74Dさん:05/01/16 18:40:14
スリット、レフ・ケラ、ノンコン、手持ちスリット、倒像鏡、視力検査板とレンズ等を
中古でそろえれば200万以下で揃うよ。
スリット、レフ・ケラ、ノンコンは故障したときのために予備を一つずつ
揃えても350万くらいで全て準備できる。
リースは損だよ。
680 :
-7.74Dさん:05/01/16 18:44:15
小説に基づく世間話は、別のサロンでやってくれ。
携帯で見るときにウザイ。
681 :
-7.74Dさん:05/01/16 19:35:00
>>668から続く…
「代診の医者は、大東亜で紹介してくれるんだっけねぇ?」亀虫が皮肉っぽく聞くと
籐本は恐縮したような顔を作って答えた「不手根先生は今日はご機嫌がすぐれないのでしょうかぁ…
普段は大変丁寧な先生だと患者さんや検査員の評判も上々の先生ですぅ…」
「そうなのかい?とてもそういう感じの先生には見えなかったけどねぇ…機嫌で態度が豹変する
人間は信用できないねぇ」
「ごもっともですぅ。もし先生のご意向に合わない代診の先生がいらっしゃいましたら、即出入り禁止に
いたしますぅ」まるで自分が代診の生殺与奪の権利でも握っているかのように籐本は言った。
「ところで、彼らにはどれくらい出してるの?」
「だいたい時給12000円ですぅ」籐本は軽く答えたが、実はこれには大きなからくりがあった。
682 :
-7.74Dさん:05/01/16 19:43:34
大東亜オプタルは人材派遣会社として「大東亜サーヴィス」という会社を作っており、
そこが労務庁の認可をとって人材を各眼科医院に紹介していた。
昔はレンズメーカーが無料で代診医を眼鏡屋に紹介して、暗に恩を着せて自社ブランド
の売込みを図っていた。大東亜サーヴィスも自前で医者を見つけられないときはレンズ
メーカーに紹介してもらうのだが、そうした医者を囲いこんでは自社の提携眼科に紹介
して手数料を稼いでいた。
亀虫のみならず眼科の院長には代診時給は12000と説明していたが、そのうち1000円は
紹介手数料として大東亜サーヴィスがピンハネしていたので、実際の代診の時給は11000円
であった。相場からすると低い時給なので、専門医などの優秀な代診からは倦厭される
ようになり、おのずと残った医者のレベルも知れたもので、モチベーションも低くなるのも
ある意味しょうがないことではある次第だ。
683 :
-7.74Dさん:05/01/16 19:51:32
それでも診療内容も簡単で、当直バイトに比べれば時給もいいとあって、
眼科以外の他科の医者にはまだ需要があった。必然的に代診は他科の医者が
多くなり、診察のレベルも推して量るべきかな、であった。
また内科の医師などは常勤の病院でこき使われているので、どうしても「楽を
しに来る」ひどいと「寝に来る」といった風潮が強かった。それでいて時給が
低いのだから、彼らにやる気を出せというのも無理な話であった。
こうした医者のなかから籐本は院長候補をあぶりだしていたのであった。
684 :
-7.74Dさん:05/01/16 21:09:45
「おーい、お茶まだかぁ?豆も補充しといてくれぇ。置いてあると食っちゃうんだよなぁ」
診察室じゅうに響き渡る声で不手根が大声を上げていた。
「やりたい放題だねぇ…」亀虫がつぶやいた。
「診察に穴を空けられてしまっては、元も子もございませんのでぇ」庇うのは諦めた様子で
籐本はつぶやいた。
「土日は代診なの?」
「基本的にそうなりますぅ。ご希望があれば他の曜日でも構いませんー。ただあまり代診を
立てすぎてしまいますと先生のお手取りに影響しかねませんから、ご注意くださいぃ」
「眼科が儲かるようなら、俺も週二回出勤とか贅沢できるかな?」
「眼科さんの収入が増えれば、弊社にお納め戴く分も累進しますんでぇ…」やんわりと籐本は釘を
さした。代診が多すぎればその分眼科の口座から金が出て行き、大東亜の色々な名目をつけた「取り分」
が少なくなってしまう。かと言って名目上院長の開業する眼科なので、大東亜が表立って「代診は
月何回まで」と成文化する訳にもいかず、このあたりは泣き所であった。
685 :
-7.74Dさん:05/01/16 21:18:55
そのうち、院長室からカバのようなイビキが響いてきた。
「おいおい、大丈夫かい?」
「診察の際はお声をかけさせて戴きますんでぇ…」さすがの籐本も立つ瀬が無かった。
「ねぼけまなこで診察されて時給12000とは、いいご身分だねぇ」
亀虫は自分のことは棚に上げて、経営者の立場から苦言を呈した。
昼休みということもあってか、裏の従業員控室から安っぽいカップラーメンの臭いがたちこめてきた。
ふと目をやると、眼科には先ほどの胸竹とり恵の載ったチラシがベタベタ貼り付けてあった。
「おいおい、眼科の中にチラシはまずいんじゃないかい?」
「そうなんですがぁ…患者さんに製品のご説明をする際には、必ず値段の話になります
んで、どうしても置かざるを得ないんですぅ」
その割には他のメーカーの商品は目立たないようにしてあり、PBのシコシコやヘラヘラの
宣伝ばかりが目に付くようにうまく作ってあった。また携帯通販やデブ店の案内などもあり、
どう考えても販売店のもくろみが如実に出た配置であった。
686 :
-7.74Dさん:05/01/17 13:30:13
さて張蔵の将来は?
687 :
-7.74Dさん:05/01/17 14:53:24
感激!
小説復活ですね!
作者さま。宜しくお願いします。
ところで大ペテン師の恥元って辞めたの?
688 :
-7.74Dさん:05/01/17 16:57:02
この会社ってマジでヤバいでしょ。
689 :
-7.74Dさん:05/01/17 17:03:14
↑正確に書きなさい
690 :
-7.74Dさん:05/01/17 19:36:50 ,
恥元って、多くの医者に恨まれているようだね
転職したみたいだけど
691 :
-7.74Dさん:05/01/17 22:14:58
張蔵の話から急に亀虫の話に移ったが
何か理由があるのか?
692 :
-7.74Dさん:05/01/17 23:50:41
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 医者を丸め込むのは赤子の手をひねる如きですぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
693 :
-7.74Dさん:05/01/18 11:16:32
. (((///) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 被害にあわれた先生、騙される方が悪いですぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
694 :
-7.74Dさん:05/01/18 16:09:21
>690
辞めてやがて2年か。
早いもんだね。
695 :
-7.74Dさん:05/01/18 17:20:46
696 :
-7.74Dさん:05/01/18 17:22:13
自発的に辞めたのさ。
697 :
-7.74Dさん:05/01/18 17:42:50
>>696 まさか恥元本人!?
強がり言ってねえで早く定職でも探しなヨ。
698 :
-7.74Dさん:05/01/19 14:55:05
ほほーーい
699 :
-7.74Dさん:05/01/19 15:28:12
実在したのか・・・
700 :
-7.74Dさん:05/01/19 15:51:57
もう
701 :
-7.74Dさん:05/01/19 18:19:46
あれ、圧力で再断筆?
702 :
-7.74Dさん:05/01/19 18:22:54
今夜はがんばる象
703 :
-7.74Dさん:05/01/19 18:27:10
.;.; :.
.':◎'.:
.ヽ|ノ
_____l ̄l____
\ (__) \
||\ \
||\|| ̄ ̄ ̄籐本 ̄ ̄|| ̄
|| || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
.|| ||
704 :
-7.74Dさん:05/01/19 18:54:26
/三ミミ、y;)ヽ
/三 ミミ、ソノノヾ} ズバリ言うわよ。
,':,' __ `´ __ `Y:} 下品な小説は止めなさい、
}::! { : :`、 ,´: : j !:! じゃないと地獄におちるわよ!
{:|‐=・=‐ i !‐=・=‐|:}
r( / しヘ、 )j
g ! ` !-=‐!´ ,ノg
\._ヽ _´_ノ ソ
__,/ ヽー ,/\___
|.:::::.《 ヽー/ 》.::.〈
//.:::.`\ /'.:::.ヽ\
705 :
-7.74Dさん:05/01/20 09:24:08
706 :
-7.74Dさん:05/01/20 09:29:04
707 :
-7.74Dさん:05/01/20 11:23:49
708 :
-7.74Dさん:05/01/20 11:47:31
701
圧力などは存在しない。
筆者に書く時間と気分があれば書くだけのこと。
709 :
コンタクト医:05/01/20 11:56:28
続き楽しみに待っています。特に最近はやりの医師系コンタクトの実情
についても書いていただけると幸いです。漏れ医師系コンタクトに就職
希望している医師なので。
710 :
-7.74Dさん:05/01/20 12:11:52
>>709 名前:コンタクト医 :05/01/20 11:56:28
>特に最近はやりの医師系コンタクトの実情についても書いて
あくまで小説ですので、、、w
711 :
-7.74Dさん:05/01/20 12:28:22
>709
よく考えて後悔のない選択を。
医事新報などで、週5で2400万なんて載ってるけど
実際に働き出すとその金額の意味がわかるかも。
漏れも一年だけ結局常勤(管理医)やって辞めた。
今は医局時代の友達のつてで眼科単独の病院で週3勤務し
たまに量販店のバイトをしている。
712 :
-7.74Dさん:05/01/20 12:57:53
>>711 辞められてよかったね
借金残ってるから生活も大変
彼らは詐欺師に近いものあり
約束は絶対守りません
713 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:04:00
>>712 >彼らは詐欺師に近いものあり
いやいや。正真正銘の詐欺師でしょう。
何故皆自分で立ち上げようと思わないの?不思議で仕方がない。
詐欺紛いの量販店や医師系悪徳理事長の奴隷で良いのか?
自分でとった医師免を詐欺師達に利用されてるだけだろ?早く気付けよ。
714 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:11:47
既に遅し
715 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:17:23
712
医師系に謝金はないよ。医療法人に雇われるだけだから。
あるのは大○亜オ○タ○などの量販店。
借金がらみで裁判になった例も(結局店側が敗訴)
716 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:37:58
717 :
709:05/01/20 13:45:27
医師系は経営状態がいいので借金づけになることはないと
思いますが。。。
718 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:48:05
ない。
ただ医者の交代が多いのも事実。
量販店もそうだが。
719 :
-7.74Dさん:05/01/20 13:48:09
仮に金漬けにはならなくても奴隷は奴隷。
労働力に見合わない賃金で理事長だけが経費で私腹を肥やす。
720 :
-7.74Dさん:05/01/20 14:00:15
711=719?
721 :
719:05/01/20 14:32:07
>>720 違うよ。この板がID非表示なのが残念だ。
722 :
-7.74Dさん:05/01/20 14:40:44
718>>ただ医者の交代が多いのも事実。
医師の交代が多いのはどうして?
何が嫌でやめるのですか?
やめた後の行き先は?社医とか?
質問おおくてすいません。
私はコンタクトバイトそれなりに楽しくやっていますが。
723 :
-7.74Dさん:05/01/20 15:15:26
>722
バイトならいいんでないかい?
開設医になると、何かしら契約を交わすんだけど、後から後から内容を
ころころ都合よく変えて、医師から金をせびり取ろうとする。
断ると、次々と嫌がらせをして、最後はそのクリニックで診療できない
ように仕向ける。はっきり言って詐欺師そのもの。
自分をまともな医師だと思っている人は手を出さないほうがいいよ。
事実とある量販店は、ここ2年間で3分の1の医師と喧嘩別れ。裁判の案件
もあれば、弁護士同士で何とか和解にもっていったところもあり。
会社のお抱え弁護士だけでは対応できず、あちこちの弁護士に頼んで
揉み消しを図っている体たらく。
724 :
-7.74Dさん:05/01/20 15:54:13
相談はサロンでやれよ。
何度言えば分かるんだよ。
そんなことも分からないから腐った業界人なんだよテメエら。
725 :
-7.74Dさん:05/01/20 16:53:19
ここは張蔵のスレ
726 :
-7.74Dさん:05/01/20 17:29:00
眼科医同士で情報交換しないのか?アップアップの提携医で
727 :
-7.74Dさん:05/01/20 17:34:08
胸竹とり恵ワラタw
728 :
-7.74Dさん:05/01/20 17:40:03
背丈高しワラタw
729 :
-7.74Dさん:05/01/21 20:07:32
もうネタない
730 :
-7.74Dさん:05/01/21 20:52:32
>>685 から続く…
「店のほうでも見せてもらおうかね…」安っぽい従業員の昼のカップラーメンの
臭いがたまらなかった亀虫は、逃げるように店に向かった。
店では派手な衣装を着た店員が働いていた。こちらは昼休みも営業しているようだ。
「真面目な店員さんが多いんだねぇ」亀虫は、水戸に来て初めて感心した。
「お褒めに預かり光栄なんですが、実は…あれなんですぅ…」籐本は店の隅を指差した。
亀虫が見ると、店の隅に防犯カメラのようなものが付けてあった。不思議なことにその
カメラは店員のほうを向いていた。
「あれで、岐阜本社にいる各ブロックリーダーが各店舗の店員の働き具合を
監視してますぅ。マイクも内蔵されていて、店員のトークも拾われていますぅ。デブ店の
紹介や携帯通販の紹介をし忘れたら、即注意の電話がかかってきますぅ」
亀虫にとって、店員が熱心に働くということはデブ店や携帯通販に熱心に勧誘
されるということを指すわけで、必ずしも歓迎されることばかりではなかった。
しかしそこまで設備投資をして社員の働き具合を「監視」しないと、モチベーションが
上がらない会社なのか、と今更ながら薄ら寒い気がした亀虫であった。
731 :
-7.74Dさん:05/01/21 20:58:59
棚には色とりどりのメガネが並んでいた。「カケテルシリーズ」と銘打たれたそれには
特に販促が期待されているのか、例の胸竹とり恵が装用した写真がベタベタと貼ってあり、
何だか知性のないアイドルの浅薄さが尚更浮きだっていた。
「これが当社のお勧めのカケテルシリーズですぅ。メガネの一部が欠けていて、そこに
色々な色のパーツをはめ込むことで、迷彩色のような色彩感覚がナウいメガネをクリエート
できますぅ…何を隠そう私も持ってますぅ」
そう言うと安いカバンから籐本が変なメガネを取り出した。イトウセイコウも真っ青な
黄色にピンクのパーツがはめ込まれた「ナウい」メガネであった。
「あのおじさん、チンドンヤみたい!」客の子供が正直な感想を言うと、店中が大笑いに
包まれ、籐本は顔を真っ赤にしてメガネをそそくさとしまってしまった。
732 :
-7.74Dさん:05/01/21 22:47:21
初老の客が、メガネの購入について質問をしていた。
「メガネを買いたいんだけどね…度数が分からないんだ」
ピンクレディーのような制服を着た店員が答えていた「大丈夫です。隣の眼科さんで
検眼、診察してもらえますからー」
「え、診察?いいよいいよ。保険証もないから。大体診察代かかるんだろ?」
「大丈夫です。診察代はかかりますが、店のほうで払い戻しますよー」
亀虫は昔、眼鏡屋がメガネを作るために診察を受けさせて、患者の自己負担分(3割?)
を店が代償して、残りの7割を保険請求して稼ぐやり方を聞いたことがあったが、
いまどきそんなやり方が残っているとは思わず、再び薄ら寒い思いがした次第であった。
このからくりには大きな難題がある。保険請求した分は当然眼科の口座に入金
される訳だが、それをどうやって販売店側のカネにするかという話だ。亀虫の聞いた話では
「眼鏡処方箋取り扱い手数料」なるものを眼科から販売店に納めさせる形をとるのだ
そうだが、とんでもない話であった。本来メガネの販売店は眼科にお客を紹介してもらって
いる訳で、逆に手数料をとられる筋合いは何一つ無い。薬屋が「処方箋取り扱い手数料」を
処方箋を発行した病院に求めているのと同じ話であり、実に奇怪な話である訳だ。
733 :
-7.74Dさん:05/01/22 12:44:24
何かにつけ量販店側は、眼科口座から金を出させようとするのは自明なことであった。
籐本の言うような「定給」が「保証」されていたとしても、好き勝手に眼科口座から金が
流されていくのを許していれば、眼科口座の金が尽きて、それこそ「定給」すらも払えない
状態になったときに、今度は量販店側(だいたいは子会社)から高利の融資をもちかけられたり
する事態になる。
そうなると大概の院長は、自分の手取りが担保に取られた形になるので、向こうの論理に
だまされて「その場しのぎの」融資を受けてしまう。その融資された金は量販店に払う
「上納金」名目の徴収にも回される訳だから、つまりは「量販店に払う金を、量販店から借りて
払う」訳で、本末転倒な話である。
734 :
-7.74Dさん:05/01/22 12:46:51
↑の方法してるところ関東多いんじゃないの?
関西はマイナーの販売店では?
関東の店名出そうよ
735 :
-7.74Dさん:05/01/22 22:09:03
亀虫が店鋪の奥を見学していると、店のほうで中年女性の大声が聞こえてきた。
「ちょっと!デブ店にいけば診察なしでレンズが買えるって聞いて、わざわざ駅の反対側まで
いったのに、ここの店頭より値段が高くなってるってどういう訳よ!それに度数が変えられない
とか言われて・・・冗談じゃないわよ!」
「度数を変えるには先生の診察が必要ですから・・・」
「あたしは以前この度数使ってたこともあるから分かってるのよ!値段が違うのはどういう訳
なのよ!同じ会社なんでしょ?」
「・・・」
亀虫は笑って籐本に小声で言った「診察代がない分、箱売り分はマージンをもらっているって
説明してあげたらどうだい?」
「先生もお人が悪い・・・」籐本も困惑していた。
736 :
-7.74Dさん:05/01/22 23:49:47
カメムシもなかなかやるわい
737 :
-7.74Dさん:05/01/23 16:01:50
いろいろ考えるね 医師も販売店も
アウトロースレスレスレッド
738 :
-7.74Dさん:05/01/23 20:41:46
帰りの常磐線は田舎臭い連中で混雑していた。
「どうでしたか、水戸店を御見学頂いた感想は?」籐本は恐る恐る聞いた。
「そうだねぇ・・・正直不安があるねぇ」亀虫はもったいをつけた。
「水戸は地方店なのでPB率もうるさく言われますが、新大久保店なら新宿あたりの競合の
こともありますから、始めは非PBの売り上げが多くてもしょうがないと思いますぅ」
「なんだい、そのPB率って?」
「先生が処方されたコンタクトのうち、弊社のおすすめのシコシコ、ヘラヘラなどPBがどれくらい
処方されているかを示す全体比ですぅ。これが低いと弊社のブロックマネが先生にもう少しPBを出して
下さい、とお願いに上がることになりますぅ」
「なんだい、そんなことまで指図されなくちゃならないのかい?」亀虫は驚いた。
「だいたいの先生が、弊社の信頼できるスタッフにコンタクトの選択はお任せ頂いておりますので、
こういうご心配はいらないのですがぁ・・・」
要はコンタクトをどれにするか、など口出しは無用ということだった。それでも大東亜オプタルの
PBは知名度がまだまだ低かったので、なかなか強く検査員が勧めても思うように売り上げがのび
なくて困っているのが現状であった。
739 :
-7.74Dさん:05/01/23 20:56:38
「開業資金を借りるというのも不安があるねぇ・・・」
「借金といっても形ばかりですぅ。無理ないプランで4年で分割して御返済いただけるように
なっておりますぅ。お貸しする分は敷金礼金、あとは初期の眼科さんの回転資金ですから
どうしても必要な経費ですぅ・・・それとも自費でなさりますかぁ?」
「いやいや、そんな大金、勤務医で貯め込んでいる訳ないじゃないか・・・」
正直、海の物とも山の物ともつかないものに、私財を注ぎ込むつもりはさらさらない亀虫であった。
740 :
-7.74Dさん:05/01/24 00:01:28
上野駅に着いた。
「どうですかぁ先生、お疲れ癒しに一杯?」
酒席に誘われたが亀虫は断った。ここで変に恩を着せられても迷惑だったからだ。
経費で一杯飲めると期待していた籐本は失望を隠さなかった「またでは今度・・・」
亀虫はさすがに長距離移動に疲れたので、まっすぐ家路に着いた。
自宅は世田谷区にあった。世田谷と言うと聞こえはいいが、私鉄の各駅しか止まらない駅から
歩いて20分くらいの、とても瀟洒とはいえない中古の小汚い一軒家だった。
「おーい、帰ったぞう!」
奥から古女房が出てきた「え、あ、あんた、どうしたの?」異様に驚いた表情をしていた。
「さ、さっき病院から電話があって、あんたが医療ミスして示談に金が必要だって言われたから、
いまその口座に1000万円、入れてきたところよ!」
亀虫が、今はやりの振り込め詐欺に自分の女房がひっかかったことに気付くのに、そう時間は
かからなかった・・・。
741 :
-7.74Dさん:05/01/24 00:52:35
新大久保だと敷金・礼金はどのくらい用意する必要があるのですか?
円建てですか?
それとも、ウォン建てですか?
大東亜のオーナーはあちらの方ですか?
北の将軍様に送金はしているのですか?
北の将軍様のためということでしたら、是非この悪徳商法ビジネスに参加したいのですが。
742 :
-7.74Dさん:05/01/24 11:04:05
前から気になっていたんですけどPBって何ですか?
コンタクトの洗浄液とかケースのことですか?
私のコンタクトバイト先ではそういうものの押し付けは
していませんが。
しょうもない質問ですいません。
この業界で生きていきかつ、小説を読んでいく上で必要な知識だと
思いましたので。
743 :
-7.74Dさん:05/01/24 12:15:00
744 :
コンタクト店常勤医:05/01/24 16:04:32
むかしは眼科の医者でなくても、医院の看板をあげずに
コンタクト専門とか自称して充分食っていけた。
745 :
-7.74Dさん:05/01/24 18:19:37
亀ちゃん 奥様いたの?
746 :
-7.74Dさん:05/01/24 20:57:52
>>742 PB【プライベートブランド】
販売店が他から仕入れず独自に開発して商品化した製品。
コンビニでも、そのコンビニ独自の名前で弁当や飲料を売ったりしていることがある。
販売店にとって仕入れ段階が無いので、利幅が大きい。しかし販売店が利幅を大きく
し過ぎようとして原価を下げようとして、既存ブランドより質が劣る場合も多々ある。
747 :
張蔵フリ〜ク:05/01/24 21:33:44
748 :
742:05/01/24 22:01:52
746さんPBのレスサンクスです。
749 :
-7.74Dさん:05/01/25 00:08:39
PB【プライベートブランド】
その店のオリジナル商品。
しかし、開発費の負担などの問題があるため、
既存の商品の名前だけ変えたものが多い。中身は同じ。
パッケージのデザインが違う。
販売者がその会社又は関連会社になる。
ロット単位の納品が基本であり、1000個を1度に納品なんてこともざら。
大量に販売できる大手向き。
今時PBを知らないなんて????
750 :
-7.74Dさん:05/01/25 10:27:00
>>740から続く…
そんなこんなしているうちに、バカ息子も血相を変えて家に飛び込んできた。
「オヤジ!スーフリまがいのパーティーでヤッた女が、俺のこと訴えるって!オヤジの金で
どうにかしてくれよ!」
亀虫はどうにも金策尽き果てた感があった。ふと目を落とすと、籐本に渡された田舎くさい社長と
C級アイドル・胸竹とり恵が手をつないで笑っているパンフレットが落ちていた。
「引き受けるしかないか…新大久保店…」
世田谷の家も、バブル期の高値で掴まされていたのでローンがしこたま残っていた。実家も貧乏なので
あてにはできない。
「それにしても籐本に下るのは癪に障る。医師系の話も聞いてみるか…」
窮地に追い込まれても、東都大で長年冷や飯を食わされてきただけあって、亀虫はどこか冷静でいられた。
751 :
-7.74Dさん:05/01/25 10:52:19
医師系に大変興味があるので亀虫さん是非、医師系にいってください。
医師系は患者数も100人近くで繁盛しているみたいですよ。
752 :
-7.74Dさん:05/01/25 11:34:16
PB【プライベートブランド】
二流、三流メーカーが売れずに抱えていた在庫を
CL販売会社が大量に買い叩き、自社のラベルをつけて
販売するパターンも多い。
粗利9割以上で儲かるため
従業員にノルマを課し押売りさせているが
騙されて買った客はいい迷惑。
753 :
-7.74Dさん:05/01/25 14:18:33
PB【プライベートブランド】
ケア用品もPB化すれば、消耗品のため継続購入になり再来客が増える。
在庫過剰で使用期限が切れて処分してしまう事もある。
ノルマのもとである。
754 :
-7.74Dさん:05/01/25 14:55:51
PB【プライベートブランド】
よってケア用品一年分押売りしなければならない。
マツ○ヨなどで買った方が安いので
これまた客はいい迷惑。
755 :
いいじゃない:05/01/25 15:36:14
発信者情報開示依頼書
貴社が管理する特定電気通信設備に掲載された下記の情報の流通により、
私の権利が侵害されたので、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の
制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号。以下
「法」といいます)第4条第1項に基づき、貴社が保有する、下記記載の、
侵害情報の発信者の特定に資する情報(以下、「発信者情報」といいます)
を開示下さるよう、依頼します。
756 :
-7.74Dさん:05/01/25 15:48:23
私って誰よ。
757 :
-7.74Dさん:05/01/25 15:52:52
亀さん
758 :
-7.74Dさん:05/01/25 15:55:07
フィクションに目くじら立てる御仁が登場w
だからといって小説の今後の進行には何の影響もないが。
759 :
-7.74Dさん:05/01/25 16:34:51
/⌒⌒γ⌒ 、
/ γ ヽ
l γ ヽ
l i"´  ̄`^´ ̄`゛i |
| | | |
ヽ / ,へ ,へ ヽ./
!、/ 一 一 V
|6| | .|
ヽl /( 、, )\ ) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヽ ヽ二フ ) / < 悪いことしたらあかんて。干されるで。
丶 .ノ \______
| \ ヽ、_,ノ
. | ー-イ
760 :
-7.74Dさん:05/01/25 16:36:31
761 :
-7.74Dさん:05/01/25 17:21:06
755
別のスレにも同じの貼ってたね。う座ー
762 :
-7.74Dさん:05/01/25 22:54:05
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < この物語はフィクションですぅ。
´∀`ノ \_実在する企業や人物とは一切関係ありませんー。
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
763 :
-7.74Dさん:05/01/25 23:22:29
>>750から続く…
亀虫はさっそく籐本に電話した。
「あ、先生、こないだは遠路ありがとうございましたぁ」
「新大久保の話だけどね。前向きに検討させてもらうことにしたよ」
「ありがとうございますぅ」
「それでね、まぁ率直なところ手取りの話なんだけど、俺はハイリスクハイリターン、
つまり定給じゃなくて診療報酬の収入に応じてもらう形にしたいんでね。見積もりを
早急に出してもらえないかい?」
「…そうですかぁ。弊社も店を出すからには自信をもって先生にもお勧めしておりますが、
なにぶん将来のことは確言できませんから…私個人としては定給のほうをお勧めしたいんですがぁ…」
会社ではできるだけ院長とは定給タイプの契約で対応するように言われていた。そのほうが
会社が医者を「管理」しやすいからであった。
764 :
-7.74Dさん:05/01/25 23:26:24
「まぁ俺の名前でやる訳だし、こっちもやるからにはサラリーマンみたいな収入より
一攫千金を夢見たいからねぇ」亀虫は、愚妻がオレオレ詐欺にひっかかったり、愚息が
訴訟沙汰になっていて金がいるとはおくびにも出さなかった。奴らに眼科の口座を握られて
「飼われる」こと自体にも抵抗があったが、生涯続けるつもりも毛頭なかったので、
儲けるだけ儲けてすっぱり辞めるにはハイリスクハイリターンのほうが便利だった次第だ。
「わかりましたぁ。早急に本社で話し合いますぅ」
「早急に頼むよ」
765 :
-7.74Dさん:05/01/25 23:32:03
亀虫は籐本の電話を切ると、傍らの医事珍宝を開いた。末尾の求婚欄にチラッと
目をやりながら、その横のページの医師系コンタクトに電話をかけた。
「はい、金満コンタクトですー」番頭のような声がした。
「医事珍宝を見てかけたんですけどねぇ」亀虫は初めてかけたので緊張した。
「あー、お医者さんですね。失礼ですが、どちらの大学のご出身ですか?」
「え、何でそんなことお尋ねになるのかな?」亀虫はパンツの色を変態に尋ねられた
主婦のような気分で戸惑った。
「こう申し上げては恐縮なんですが、理事長の亜部句に、私大出の先生の電話は取り
次がないように言われておりまして…」
「出身は実刑医大ですが、東都大の院から東都大の外科に今はいます」
「あ、そうですか…ちょっと聞いてきますんでしばしお待ちを」
失礼な連中だ、と亀虫は不快であったが、医師系の話を聞くのは損ではないはずだと悟って
いたのでこらえた。
766 :
いいじゃない:05/01/25 23:33:04
いつまで 言ってるの この馬鹿
767 :
-7.74Dさん:05/01/25 23:38:15
しばらくして、電話口に別な奴が出た。
「あー先生ね、どうも、理事長の亜部句です。お待たせしました」
「どうも。医事珍宝を見ましてね」
「院長のご相談ですね」
「えーまぁ、どうなんですか?どこかに出店計画があれば、話を聞かせてもらおうかと
思ったんですがね」
「アハハ、うちは院長が決まってから出店を具体化させるんですわ。もう候補地はいくらでも
ありますから。院長が百人集められれば百箇所出せますよ」
どうも成金風を吹かせた態度で気に入らなかったが、とりあえずあって話を聞くことにした。
768 :
いいじゃない:05/01/25 23:39:51
769 :
-7.74Dさん:05/01/26 00:04:10
>>768 暇な会社の会社員なんだろうよ ( ̄ー ̄)
770 :
-7.74Dさん:05/01/26 01:31:28
医者に決まってんだろ
771 :
いいじゃない:05/01/26 15:22:17
暇ですから ズット 見てます。
772 :
-7.74Dさん:05/01/26 15:27:42
理事長の亜部句のモデルは赤門出の彼か!?
今後の展開が楽しみだな。
773 :
-7.74Dさん:05/01/26 15:35:57
”赤門出”だって!w
まあオマイには無関係な次元の話だから仕方ないかもしれんが、”赤門出”ねえ。www
774 :
お金頂戴:05/01/26 15:43:45
どう考えても これを書いてる医者は 関東の医者だね。 種が古いもの。
775 :
-7.74Dさん:05/01/26 15:56:06
西は市場規模小さく、Cl値崩れひどいわな。
金の亡者同士のせめぎ合いに次元もくそもあるか!?アホか。
文章表現がおもしろければいいんおすえ。
776 :
眼科専門医:05/01/26 16:00:46
関東には、時給一万円でバイト口ありますか?
777 :
-7.74Dさん:05/01/26 16:10:25
今後は搾取する者とされる者のドラマ展開でつね。
雇われ偽目医者と社畜幹部社員は搾取される意味で同類でしょ。
778 :
-7.74Dさん:05/01/26 16:29:16
経営者でも、むかしみたいに儲からなくなってるだろ?
眼科専門医ですら時給が1,5万→一万に大きく値崩れしてるしさ。
779 :
-7.74Dさん:05/01/26 16:34:24
お静かに。
雑談はサロンに逝ってくれないか。
続きを待ってます。
780 :
-7.74Dさん:05/01/26 16:35:13
>>775 名前:-7.74Dさん :05/01/26 15:56:06
>金の亡者同士のせめぎ合いに次元もくそもあるか!?
いやいや。オマイ程度のオツムで鉄門を語るなってことだヨ。プッ
781 :
-7.74Dさん:05/01/26 16:53:59
鉄門って何?
782 :
-7.74Dさん:05/01/26 17:04:48
鉄門倶楽部
783 :
-7.74Dさん:05/01/26 17:14:22
たしか銀座の●丸ビルにあるやつだね。
784 :
-7.74Dさん:05/01/26 17:28:48
785 :
-7.74Dさん:05/01/26 18:15:49
関西人氏ね
786 :
-7.74Dさん:05/01/26 21:20:22
作者って誰?
文章力はありそうだけど、情報はいまいち。
787 :
-7.74Dさん:05/01/26 22:22:27
>>772 なるほど「赤門出」とはシニカルだね。鉄門も錆びれば赤門になるわけだ。
788 :
-7.74Dさん:05/01/27 09:10:20
>>787=772
合格時の「赤門開く」ならわかるがね。「赤門出」っつーのは初めて聞いたねえ。w
知識が無いのは恥ずかしいことではないぞ。ただ必死に取り繕うとする(
>>787)のが恥ずかしいだけで。www
789 :
-7.74Dさん:05/01/27 11:57:06
業界関係者(医者除く)で灯台出はまずいないからね。
赤門とか鉄門とか言ってもピンと来ないだろ。
790 :
-7.74Dさん:05/01/27 12:43:25
>789
確かに。
倒壊大とか大灯台はいるけどw
791 :
-7.74Dさん:05/01/27 13:01:26
早く続きをキボンヌ
792 :
-7.74Dさん:05/01/27 13:17:49
>786
じゃあ自分でオモロイの書いてよ。
最新情報で。
793 :
-7.74Dさん:05/01/27 13:34:49
お静かに。
雑談はサロンに逝ってくれませんか?
続きを待ってます。
794 :
-7.74Dさん:05/01/27 15:44:15
リレー小説なんだから他の奴が
書いてもいいだろ。
795 :
-7.74Dさん:05/01/27 15:50:01
他の奴が「小説」を書いてれば問題ないけどね。
796 :
-7.74Dさん:05/01/27 22:25:22
>>767から続く…
亜部句と会う約束をした前日、亀虫は実刑医大の同窓会に顔を出した。
妻が振り込め詐欺に遭い、息子が訴えられようとしている時期に何かと思ったが、毎年の
恒例だし懐かしさもあって顔を出した次第だった。
会場の料理屋には、いかにも品性に欠けた顔立ちの連中がジャラジャラいた。
「おう、亀虫。いやに老け込んだな?」亀虫の同期の五木振が声をかけてきた。
「いやぁ、東都大のほうも大変でな…」同期の中での精一杯の見栄張りに東都大の名前を出す
自分に嫌気を覚えながら、亀虫は焼酎をグイと空けた。
「まぁな、連中は俺らなんか人間と思ってないからな…同じ医者だとも思ってるかどうか…
自尊心の塊みたいな連中だからな。それはそうと、俺は昨年から転身したんだよ」
「え、転身?」亀虫は食い入るように五木振を見つめた。
797 :
-7.74Dさん:05/01/27 22:31:05
「おまえ、四井祈念病院の放射線科にいたんじゃないのか?」
「あぁ、そこを辞めたんだよ。ワケあってな。今はここさ…」そういって五木振は名刺を渡した。
亀虫が見ると「五木振アイクリニック・五木振低蔵」と書いてあった。
「眼科?おまえ、卒業からずっと放射線だろ?」
「そうなんだがね…俺も暇なもんでよくバイトをしててさ…ほら、よくコンタクトの横にくっついてる
アレさ…」
そこまで聞くと亀虫は血の気が引いた気がした。自分のことも知られはしまいかとゾッとした。
「ど、どこのコンタクトだい?」
「まぁね、言っても知らんだろうけどね、金満っていうんだ」
益々もって亀虫は正気でいられなかった。
798 :
-7.74Dさん:05/01/27 23:16:27
亀虫は知らない振りをしながら話を続けることにした。
「へぇ、どうなんだい?景気のほうは?」
「まぁ理事長が亜部句って男なんだが、そいつの医療法人の繁盛会というのの傘下のまぁ一応
医院なんだ。ペイはそこそこだが、薄利多売のコンタクト屋だから一日に百人、二百人と患者を
さばかなくちゃいけない。ゆっくり怠けようなんて思ってたら大間違いだな。俺も働かされて
稼いでるって雰囲気だよ。それこそアブク銭って気はしないね」
亀虫は興ざめした。「なんだい、病院で定給でこき使われるのと同じかい?」
「それより地位や名誉など失うものは大きいからね。アカデミズムとは程遠い世界だから、金稼ぎと
割り切ってマグロ船に乗るような気持ちでなけりゃ勤まらないよ」
「ふーん」
「でもな、俺もいつまでも亜部句って男の風下で満足するつもりはないよ。金は貯まるし、ノウハウも
大体分かった。所詮人間の考えることだから、亜部句が錬金術師な訳じゃない。あと何年かしたら独立
して自分でコンタクト屋をやるつもりだよ。店員も何人か不満分子を抑えてあるからな…ハハハ」
学生時代から如才なかった五木振だったが、そこまでやろうとしている姿を見ると医者のそれではなく、
商人のような風であった。
799 :
-7.74Dさん:05/01/27 23:35:49
「まぁお前も東都大でそろそろ先が見えてきただろ?逆立ちしたって今より上は東都大
じゃ見込めない。タダ働きのムダ奉公もいい加減考えたほうがいいぞ!」
何だか、東都大云々を見せ付けた自分のほうが逆にバカ扱いであった。
「あと何年かしたら俺は必ず独立するから。そのときは是非協力してくれ。持つべきものは
友達だな。ま、それまで頑張ってくれ!」言いたいことだけいうと五木振はそそくさと冷蔵庫の
隅にでも隠れるかのごとく、他の同級生に声をかけに行ってしまった。
亜部句に仕えるのが嫌な五木振に、今度は自分が仕えるのかと思うと亀虫も微妙な心境で
あったが、自分に独立だ何だという甲斐性がないのは自分が一番よく分かっていた。割り切って
金稼ぎと将来への布石にいそしむ五木振の毒気にあてられて、亀虫も妙なやる気が芽生えてきたのも
事実であった。
800 :
-7.74Dさん:05/01/27 23:36:48
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 800ゲットですぅ!
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
いい!
おもしろい
802 :
-7.74Dさん:05/01/29 12:21:38
五木振
いいネーミングだなあ
803 :
-7.74Dさん:05/01/29 14:42:23
後にこの五木振なる人物は、●っぷ●コンタクトを立ち上げ、
アブクを脅かす存在にまで成長するのであった。
804 :
-7.74Dさん:05/01/29 16:01:31
果物全盛
805 :
-7.74Dさん:05/01/29 20:02:51
結局、五木振の同僚になるのはイヤだったので、亀虫は亜部句に断りの電話を入れた。
「あぁ、そうですか。別に構いませんよ。それでは忙しいので失礼…」
そっけなく亜部句に電話を切られた。
かといって大東亜オプタルの世話になるのも抵抗があったので、五木振にもう少し業界
事情を聞きだすことにして、連絡をした。
「おー、早いな。まだ独立はしないぞ?ハハハ」
「いやいや、俺も少しコンタクト眼科のことに興味をもってな…少し話を聞かせてもらえないかい?」
「おう、いいぞ。色々業界の隅から隅まで教えてやるよ」五木振は後で恩に着せようと思い、先輩風を
ふかしながら亀虫へのレクチャーを引き受けた。
「それじゃー、今度メシでも食いながら…」
806 :
-7.74Dさん:05/01/29 20:11:39
亀虫が五木振と待ち合わせたのは、広尾の高級和食レストランだった。国立大学で薄給の
身には分不相応な場所であった。
「おー、待たせたな…今日も腐るほど患者が来やがっな…」遅れて五木振がやってきた。
「悪いな忙しいところ。それにしても忙しいなんていいじゃないか、儲かって」
「何言ってるんだよ…まぁそのへんも勤務医のセンセイはご存じないとみえるな。おいおい説明
していくか…」勿体を付けて五木振は話し始めた。
「結局な、勤務医と一緒で、今の俺は患者が10人だろうが100人だろうが手取りは同じなんだよ。
医療法人の繁盛会に入っているからな、そこから定給が出ている訳だ」
「どれくらいなんだ?」
「まぁ、月で150といったところかな?それでも、10人ということはないさ。それなりに市場調査して
患者が来そうなところに作ってコンタクトの安売りをガンガン仕掛ける訳だから。診察は眼科とは言っても
まぁトラブルが起きない程度に角膜のキズなんか見落とさなければ上々だよ」
「やってることは単純でも、数をこなさないといけないとなると大変だな…」
「まぁな。それでも一番のストレスはやっぱり自分で何もできないことだろうな…」五木振は溜息をついた。
807 :
-7.74Dさん:05/01/29 20:41:47
「結局、理事長の亜部句が医院のことは全て牛耳ってるわけだ。コンタクト販売店との提携だと、
向こうは無資格者だから体面だけでも医販分離を謳っていて、口出しもしにくい。亜部句は医者
だから、口出しも中出しも平気でしてくるわけだな…ヒヒヒ」
五木振は育ちが悪く、えげつないシモネタが多かった。
「検査員も当然亜部句に雇われてる、という意識が強いから、俺が何か言っても言うことをきかない。
で、気に入らないとあることないこと亜部句にご注進して、俺が怠け者の雇われ院長みたいに仕立て
上げられる訳だな」
五木振の場合は本当に怠け者のような気がしたが、話の腰を折っても何なので亀虫は黙っていた。
「もっとひどいのは診療報酬だな。奴らはコンタクトは原価スレスレ、下手すると下回った値段で売って、
診療報酬で取り返すのがやり口だから、不必要な検査はやるし、それこそ何ヶ月も経たなくとも初診に
戻して初診料とルーティーン検査を全部やるから大変なもんだ。でもそれも文句を言っても改まることでも
ないし、つくづく自分でやることの自由さが身にしみるね…」
808 :
-7.74Dさん:05/01/30 12:47:09
「あーあ石芸の奴は超節税が巧い天才だよ」って栗肉のマダモが言ってたよ
そうそうなんてったって金だからな
続く
809 :
-7.74Dさん:05/01/30 13:44:14
医師系コンタクトの話、面白くなってきましたね。
810 :
-7.74Dさん:05/01/30 14:50:57
808
石芸は人気のレンズを原価割れの時代は終わったと思い次の手を考えた
馬猿者に受けるには・・・・・
ブスガコンのレンズ特に空をどうするか?
社長!
「いい考えがあるんですが・・・」
また蘭氏くんか
「300万でアイデア買えっていうのか?」
確かに前のアイデアで6000万は儲けたので社長も乗る気はあったのだが
なんていったらいいのかこの男
口八丁手八丁
「何だね いいアイデアとは?」
無表情を装い石芸は切り返した
「社長!今回は500は貰いますよ」
あーあまた変な夢みたな
最近売上落ちてるせいかこんな夢ばかりだ
よーし店舗展開を小都市専用に切り替えるかそれとも
藍指定の隣に販売所だけ作るか否 おお
「これだ!」と言って 重臣の葉千に電話をかけたのであった
失礼
811 :
-7.74Dさん:05/01/30 17:18:48
>>810 いかに原作者サマの文章が読みやすいかが、分かる。
812 :
-7.74Dさん:05/01/30 17:24:56
その通り
813 :
-7.74Dさん:05/01/30 17:39:40
>810
もう書くな
不評ぶりにワラタ
815 :
-7.74Dさん:05/01/30 19:38:15
これじゃリレーじゃなくてマラソンだなw
816 :
-7.74Dさん:05/01/30 19:48:30
「しかし、この酒うまいなー。何処の酒だ?」五木振は日本酒のラベルを見ながらつぶやいた。
亀虫は五木振の癖がまた始まったと思いながらも「福岡だったかな」と返した。
「九州は焼酎のイメージがあるが日本酒もうまい。福岡の八女は特に水がいいから酒とお茶がうまい。おれの嫁も八女出身だ。ネクタイをしない事で有名になったあのIT社長も八女出なんだそ。」五木振は酒に酔うと自慢癖が出る。
亀虫は五木振のどうでもいい話に適当に相槌を打つと「ちょっとトイレ」と言って席を立った。
817 :
-7.74Dさん:05/01/30 19:53:20
ひょっとして
八女とヨメかけてるの?
818 :
-7.74Dさん:05/01/30 20:02:13
>>816 亀虫は相当溜まっていたので、便所でオナニーしようと考えた。
「何をおかずにするかな・・・」
さっき店に来る前に、ピンサロの宣伝のティッシュをもらったことを思い出した
亀虫は、その裏の胸も露になった写真で懸命にシコッた。
「ム、ムム、ムホー、ホホ、ムホホ・・・」
いつから溜まったか知れない精液が、どぼどぼと亀虫の亀頭からほとばしった。
イカ臭さと加齢臭の混ざった臭いを残して、亀虫は便所から出た。
819 :
-7.74Dさん:05/01/30 22:47:31
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < シモネタは他でお願いしますぅ
´∀`ノ \__________
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ξ|__ | / |
| У.. |
820 :
-7.74Dさん:05/01/30 22:52:03
これ、電車男みたく本になるかな
821 :
-7.74Dさん:05/01/30 23:09:55
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 印税は私のプライベート口座までお願いしますぅ
´∀`ノ \__________
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ξ|__ | / |
| У.. |
822 :
-7.74Dさん:05/01/30 23:31:45
亀虫は何気ない顔をして席に戻った。
「な、なんだよ亀虫。スルメでも食べてきたのか?ここで頼めばいいのに、昔からお前
スルメとか冷凍みかんとか、貧乏臭いもんが好きだったからなぁ…」
「あ、あー。それより金満はそんなに縛りが厳しいのかい?」
「コンタクト眼科とはいえ、ひとつの医院なんだから院長としてやりたいこととか、
仕切りたいことが色々出てくる訳だ。そのへんの『自治』が認められないから、雇われ院長
だって割り切れる奴じゃないと長年勤まらないだろ。事実しょっちゅう募集かけてるのは
まぁそんな事情もある訳だ。雇われ院長はコンタクト店でも事情は似てるんだが、医者をおだてて
いいように使うって点では医師系は同じ医者ということが災いして、やや下手かもしれんな。
そのへんは俺が理事長を始めた時には大いに参考にするつもりだよ」
823 :
-7.74Dさん:05/01/30 23:38:07
「そうか、俺が電話した時にも医者がいればもっと開業するって大風呂敷広げてたが…」
「それは事実だろ。条件もいいのになぜ出店速度が遅いのか。それはそのへんにあるんじゃないか?
雇われ院長は、例えれば雇われママみたいなもんだから、既存店のママがすぐ辞めちまって穴埋めするのが
大変なようじゃ新しい店を出すなんて二の次だ。利益はぎょうさん出してるんだろうにね」
「競合はあるのかい?」
「あー、昔からの老舗もあるが、だいたいそういうところは眼鏡店の流れを汲んでるから、薄利多売とか診療
報酬で穴埋めとか、そういう収益構造になっていないから、ある意味既存の販売店と同じようなもんだから敵
ではないはずだ。怖いのは同業だろうね…東京にもいくつか似たような医師系はあるし、最近では漫才と同じく
関西から意気のいいのがバンバン進出してくるよ。最初は先に出してたもんが強いだろうが、数で進出してくると
分は悪くなるだろうな…」
「おいおい、大丈夫なのかい?」亀虫は不安に駆られた。
824 :
-7.74Dさん:05/01/30 23:44:30
「あー、しばらくは大丈夫だよ。まだまだ美味しいパイは残っている。でもそのうちまず
体質の弱い販売店系は没落してくだろ。金持ち父さん貧乏倒産だな。その淘汰が終われば今度は
医師系同士の共食いだな。もう地域によってはそれが始まってるところもあるし、わざわざ宣戦
布告して引き起こされたところもある。でもそれは市場が一定の需要を満たしているうちは問題
ないだろ。あとは診療報酬だな。なにしろお上の差配ひとつでこれは決まるからな。まー、これは
コンタクト眼科に限らず改悪されてきてるから、他人事じゃないかもしれんがね…」
「まぁそうだな…」
「美味しいときに旬なものを食って、さっさと撤退するのが一番賢いね。一生を費やそうとすると
ろくなことがない気がするけどな」
825 :
-7.74Dさん:05/01/31 01:00:31
今が旬なのですか?
826 :
-7.74Dさん:05/01/31 09:23:58
日本が財政破綻したら、CLも終わりだろうね。それまでは稼ごうね。
827 :
-7.74Dさん:05/01/31 23:18:22
五木振は続けた「これからは通販の時代になる。果たして10年後、20年後にコンタクト眼科
という概念が残っているかだな。今でもネットで海外からコンタクトを購入している若者は
いるし、そういう所から堤防は崩れていくんだよ。規制緩和なんて後付けにすぎないと思うね。
規制には何だってそれらしい、尤もだと思えるようなお題目がついているもんだ。それが目の
安全だ、医療器具だ、って話だとしてもお題目であることに変わりは無い。時代はそういう
構造の間隙をついて、消費者本位で進んでいくんだよ」
まるで坂本竜馬気取りで五木振は酒の余勢を借りて語り始めた。
「昔、北海道でイワシ御殿だ何だって大もうけした連中が、今でもイワシを採って大儲けしてる
かっつーの。イワシで儲けたら、その資金で別なことを考えないといかん。それでもっとイワシを
採ってやろうなんて考え方だと、儲けを相乗的に大きくすることなんて不可能に近いね。俺はそこに
こそ医師系の強みがあると思うんだ。医師免許さえあれば、無限の可能性やバリエーションがある
じゃないか。コンタクトの販売店の連中は、せいぜい他のことをやろうとしても、健康豆売ったり
するのがせいぜいだ。眼鏡なんて昔帰りじゃないか。それでちょっと儲けが出たなんてよく喜んで
いられると思うね…」
828 :
-7.74Dさん:05/01/31 23:24:51
「コンタクト眼科は、せいぜい保険診療制度がまだまだルーズなうちに荒稼ぎするもんだと
割り切ったほうが懸命だね。それか地方都市にデーンと根城を築いて他を寄せ付けないかだ。
販売店じゃいくら価格を下げても市場を独占することは無理だが、医師系ならそれが可能なんだよ」
亀虫はよく分からなかった「何でだい?」
「決まっているじゃないか?医師系には余計な人間がいないことが一番の強みなんだよ。コンタクト
販売店を見てみろよ。立派な本社ビルに販売もしていない連中が、えらそうな肩書きをこれまた滑稽な
英語交じりの役職名にあぐらをかいて座っている。医師系は経営者がコンタクト眼科の院長そのものだから、
そういう寄生虫みたいな余分な人員を太らせるための経費がかからない。その分価格も下げられるし、
現場の販売員にも多めに払ってやれるから、モチベーションも格段に違う。利益だ何だってほざく前に、
そういうリストラができないところが致命的なことに早く気付くべきだと俺は思うね」
829 :
-7.74Dさん :05/02/01 00:14:22
販売店の強みは、医師のように目の健康を考えずに
利益率の高い粗悪レンズを悪気もなく売ることができること。
何かトラブルがあれば処方した医師の責任だしね。
医師系には到底できない芸当!
販売店の暴利体質は、医師系の業務効率を上回る。
よって販売店は生き残るよ。
830 :
-7.74Dさん:05/02/01 00:25:31
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 電車男ならぬ、口車男ですぅ…
´∀`ノ \__________
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| У.. |
831 :
-7.74Dさん:05/02/01 11:39:38
>829
大戸理裁判では店側の責任も認められたけど
それ知ってて言ってるのかな?
832 :
-7.74Dさん:05/02/01 11:47:47
833 :
-7.74Dさん:05/02/01 12:06:26
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ <終わったことを持ち出さないで下さいぃ
´∀`ノ \__________
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ξ|__ | / |
| У.. |
834 :
-7.74Dさん:05/02/01 12:43:27
835 :
-7.74Dさん:05/02/01 12:45:56
ほんとCL店の店員態度でか過ぎ。自分らを何様だと思ってる?
俺たちがいなけりゃ、オマンマの食い上げなのに。
じゃ行かなきゃいいじゃん
837 :
-7.74Dさん:05/02/01 13:09:58
>>836 誤解していませんか? 医師ですよ。店と手を切るか?
838 :
-7.74Dさん:05/02/01 14:00:13
雇われ医師のみなさん。お静かに。
839 :
-7.74Dさん:05/02/01 14:03:50
>>837 じゃ切ればいいじゃん。
その勇気もないクセに。w
840 :
-7.74Dさん:05/02/01 14:06:40
何故勇気がないと言えるの?
841 :
-7.74Dさん:05/02/01 14:08:39
別に店と手を切る必要もない。別の店に来てもらうだけ。
842 :
-7.74Dさん:05/02/01 15:41:00
∧_∧
(,, ・∀・) | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >_∧∩
_/し' //. V`Д´)/ ←
>>838,839
(_フ彡 /
843 :
-7.74Dさん:05/02/01 15:42:00
儲かってないわけね。
844 :
-7.74Dさん:05/02/01 16:57:03
あと何年もちますかね、この稼業。
職場は緊張感ないですが、次の稼業の情報収集は欠かせません。
845 :
-7.74Dさん:05/02/01 18:59:19
846 :
-7.74Dさん:05/02/01 19:10:52
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
847 :
-7.74Dさん:05/02/01 22:56:46
>>828から続く…
「まぁ販売店の奴らは医者でもないのに診療報酬点数に巣食うとんでもない連中だからな。滅びて
当然、世のため人のためという訳だ」五木振のボルテージは最高潮に達した。
「これで医療経営に企業が参入、なんて規制改悪が進んだりしたらまさに最悪このうえないことになる。
それこそ連中が堂々と医者を飼うようになる訳だ。借金や欲に目が眩んで言いなりになろうとする医者は
探せばどこかにいるからな…」
亀虫は自分のことを言い当てられた気がして悪寒が走った。
「ま、とにかく勤務医稼業もずっと一生続けていたんじゃ面白くないだろ。ネット長者とまではいかないが
ノウハウは俺が金満コンタクトで盗んでくるから、お前も是非俺が独立する暁には力になってくれよ」
「あ、あぁ…」
「ま、それじゃよろしく頼むな。あ、ここ割り勘でな」まだ自分のために役立つとも分からないものには一銭
たりとも払いたくない五木振であった。
848 :
-7.74Dさん:05/02/01 23:02:10
てっきり奢ってもらえるとばかり思っていた亀虫は、まるで自分がオレオレ詐欺にでもあった
気分で店を出た。こういう点では常に奢ってくれる籐本が使い勝手のいい奴に思えた。
携帯を見ると、留守電が入っていた。
「あーどうもぉ、大東亜オプタルの籐本ですぅ。お世話になってますぅ。先日の新大久保店の件は
お決まりになりましたでしょうかぁ…またお電話させて戴きますぅ…」
どうやら向こうもまだ決まらず困っているようだった。医師系もそれなりに大変そうな気がしてきた
亀虫は、ここは便利な都合のいい大東亜と組んで、とりあえず新大久保の院長に納まることが最善で
楽なことに思えてきたのであった。
849 :
お金欲しいか:05/02/03 23:17:05
なんで 医者が自分で書くのか 不思議 関東なまりなのも変です。
850 :
-7.74Dさん:05/02/05 14:13:36
それじゃあ誰が書いてるのか当ててみよう
GO
851 :
-7.74Dさん:05/02/06 03:00:55
せらび
852 :
-7.74Dさん:05/02/06 16:02:31
あれ、小説どうしたのかな???
>>851 せらびサンってどんな人なんだろ・・・一度会ってみたいな。
853 :
引退します:05/02/06 20:31:13
作者の素性、動機がわかりそうになりましたので、引退します。
854 :
-7.74Dさん:05/02/06 21:09:38
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
855 :
-7.74Dさん:05/02/06 21:36:18
せらぴ先生引退しないでください。
先生の小説とっても面白いです。
856 :
-7.74Dさん:05/02/06 21:39:10
小説の腰を折る馬鹿がいるからいけないんだよ
857 :
-7.74Dさん:05/02/06 22:09:28
>>848から続く…
大東亜オプタルの東京事務所は、西新宿のピンサロやら怪しいビデオ店がひしめく裏通りの
中のビルにあった。住所は新宿区であり、田舎モノには「新宿駅から歩いてすぐですぅ」と
説明して、さも立派な営業所があるかのように喧伝していたのであった。
籐本は、パチンコ屋の音楽がガンガン聞こえてくる2階の日の当たらない窓際に席を与えられて
いた。いつも湿っぽく、妙にかび臭い場所であった。
「新大久保の内装も岐阜の業者にやらせて高めに見積もらせておけばええか…まぁどうせ院長が
払うんやから…」
「お〜い、籐本、新大久保はどないなっとるんやー?」離れた席から人材発掘部部長の肥野が声を
かけてきた。「あの亀虫とかってオッサンは落とせそうかぁ?」
「いま、誠心誠意説明してますぅ」
「誠意なんかいらんて、まずはドカンと金の話でもしたれや。医者なんて金勘定はズブの素人なんやから、
何百万の話、しただけでおったまげるんや。それでイチコロやろ」
858 :
-7.74Dさん:05/02/06 22:17:30
「どうせ貯金もないペーペーの医者なんやから、まずはウチから無担保で開業資金やら回転資金やら
何でも名目つけて金貸すんや。それをまた何やら名目付けてウチの会社に払わせる。借金だけ向こうに
残って、それは眼科の診療報酬から払わせればええ話や」
「貸し金の利率とか話し合わないと…」
「アホ!やつらは利率が高いだ低いだなんて知らない連中や。適当に地銀の住宅ローンの利率とでも
比較した表作って、うちの利率はお得です、とでも説明しとけばええんや。下らんところに少ない知恵
回すんやない、このカスが!」
「あ、すいませんでしたぁ」口八丁手八丁の籐本も、肥野の前では形無しであった。
「早く話をまとめんと、奴ら気まぐれだから翻意されても迷惑な話や。接待付けにして逃れんようにする
のもええし、とにかく押さえ込んでさっさと契約に持ち込むんや。適当に撒き餌をするんや。新宿に別の
医師系ができるっちゅー話もある。早く開店させて先制攻撃せなあかん」
モタモタしてはいられない、と籐本はパンツのゴムを締めなおすような気分になった。
859 :
-7.74Dさん:05/02/06 23:46:10
「しかし、無担保でよく何千万も貸しますよね…」籐本がつぶやいた。
「アホ、よく考えてみ。ウチの社が貸した金で、医者がウチに業務委託料やら器機使用料やら
払ってくれるんやで?別なことに使われるより、自分のところで回収するんやから安全このうえない
融資やろ?そのうえ月々の返済には高い利子もついてくる。こないにうまい話ないやろ?
借金させとけばその間は医者も勝手なことをぬかせんし、足かせになる。辞めるとかゴネても、
借金きれいにしてからお引取り下さい、となる訳や」
「うまくできてますぅ…私にも是非貸してもらいたいもんですぅ」
「アホ、街金でも行けやヴォケ!…そや、一応あの亀虫とかいった医者の素性を洗っとかなあかんな。
たまに前科があったり保険医資格が止まってるとんでもない使えん医者がおったりするからな」
「わかりましたぁ…探偵にでも依頼しますか?」
「アホ、お前が調べれば事足りる話やろ、カス!」
興信所のような仕事も、人材発掘部ではやらされていたのであった。
860 :
-7.74Dさん:05/02/07 01:13:05
これ書いてる人は関西人やなさそうやね
関西弁が変
861 :
-7.74Dさん:05/02/07 07:39:47
わざと、との説も。
それとも本当に岐阜弁?
862 :
-7.74Dさん:05/02/07 16:15:37
いいじゃあないか。
眼科でなくても医者がいるだけで...
東京の話なのに、正確な関西弁の方がおかしい
864 :
-7.74Dさん:05/02/09 21:50:09
>>859から続く…
亀虫は困り果てていた。妻はオレオレ詐欺にひっかかり家の貯金はすっからかんにされ、
息子はスーフリまがいのサークルでヤリマン女に被害届を出されそうな気配になっていた。
とにかく当座でもまとまった金が欲しかった。
そんなことをぼんやりと亀虫は東都大の食堂でカレーライスを食べながら考えていた。亀虫
くらいの年数の医者になれば出前か外に出かけてランチとしゃれ込むのが常であったが、日陰者の
亀虫にはそんな余裕はなかった。
ふと亀虫は籐本にもらった資料に目を落とした。
「金利5%で5年間の返済計画・先生方には無担保でご融資させて頂きます!!」
今はまとまった金でも、確かに少しずつ5年間で返していけば大した額ではないな、と亀虫は感じた。
実家も貧農だった亀虫にはいくらほじくられても担保になりうるような資産はなかった。
東都大の連中に人でなしの如くこき使われるのには限界が来ていた亀虫は、今更医師系に入るのにも
食指が動かなかった。たとえコンタクト眼科でも一国一城のあるじである。
865 :
-7.74Dさん:05/02/09 21:59:42
そんなことを薄ぼんやりと考えていると、PHSが鳴った。
「教授がお呼びです!」無愛想な教授秘書がそう連絡してきた。
亀虫は、カレーライスを急いでほおばり、教授室に急いだ。
教授室に入ると、東都大学第七外科教授の嫌味が座っていた。
「あぁ亀虫君か。用事なんだがね、今度うちのジッツの津軽医科大の教授に
うちの教室から人を出すことにしたから、君にはその下で助教授として
やってもらうことにしたから。異存はないね?」
聞いたことも無いような辺鄙な医大の助教授など、誰にも見向きもされないことは
分かりきっていた。
「分かりました。一晩考えさせてください…」亀虫はいよいよ決心が必要な時期に
なったことを実感した。
866 :
-7.74Dさん:05/02/09 23:59:45
その頃籐本は愚妻の花恵と、茨城県の奥地ニュータウンの住宅展示場を見学していた。
「こんな家が買えたらいいのにねぇ…」大東亜オプタルで社内結婚した花恵だけに、籐本の
収入が雀の涙どころか目くそ程度で、到底住宅ローンも組んでもらえないことくらいは先刻
承知していた。籐本の実家は九州の片田舎で民芸品を土をこねて作るだけの家で、これまた到底
援助は期待できなかった。
「まー、そうですねぇ…」仕事での口調が妻への言葉にまで身に染み付いていたのもあったが、
薄給で愚妻に頭が上がらない実情もあった。
「まぁ無理でしょうから、ダンボールででも家作る?ウフフ」冗談とも本気ともつかないように花恵
は意地悪く言った。
冷やかしと見破られてか、籐本夫婦には展示場のセールスマンも寄り付かない有様であった。
ふと、籐本の携帯が鳴った。「はい、もしもし、大東亜オプタルの籐本ですぅ」
休日にまで仕事が入ってきたので、愚妻は嫌そうな顔をして別な場所へ去っていった。
867 :
-7.74Dさん:05/02/10 00:06:22
「あぁ籐本さん?巣鴨店の戸毛ですけど…」最近ようやく店長になった、うだつの上がらない中途採用の
戸毛からであった。話の要領の悪い男で、籐本ですら話していると疎通の悪さにイラつくことがあった。
「はい、どうしましたぁ?」
「実は、もう1時間ほど待っているんですけど、代診の片手間先生がお見えにならないんですけど…」
籐本には容易に察しがついた。片手間は一応は専門医であるオバサン医者であったが、更年期が始まっていて
最近腰が痛いだの頭が痛いだの、何かと口実をつけては代診のドタキャンが目立ち、人材発掘部でも代わりを
見つけて穴埋めさせられることが多く、ほとほと困っていた。
「1時間も何もせずに待ってたんですかぁ?」
「え、まぁ。患者さんがたくさん溜まってしまって苦情が出てまして…」
もっと早く手を打てばいいのに、と籐本は歯がゆかったが、バカに何を言っても埒が明かないので、急いで
代診の医者を探すことにした次第であった。
868 :
-7.74Dさん:05/02/10 00:19:06
籐本が、休日でも融通が利く暇そうな医者として真っ先に浮かんだのが、亀虫であった。
「かくかく云々な次第でしてぇ…何とか代診を急なお願いで恐縮ですが、お受けいただけないでしょうかぁ?」
「あぁ、いいですよ。暇にしていたところなんで。巣鴨店ですね?」
「有難うございますぅ。お忙しい中のせっかくのお休みですのに、恐縮ですぅ」
こんな無理なお願いをした際にも、しっかりと代診給与からのピンハネは忘れない大東亜であった。
「ところでねぇ、こないだの新大久保の件を、もう少し詳しく話してもらいたいんだけどねぇ…」
籐本は、亀虫が積極的になってきたのに驚いたが、悟られるとろくなことはないので知らぬふりをした。
「あ、こちらこそ是非宜しくお願いしますぅ。それでは近々にご説明の機会を戴ければ…」
「うん、そうだな。ちょっと急ぐんでできれば早めにお願いしたいね」
籐本は、どうにか亀虫をたぶらかすことができそうな様子にほくそえんでいた。
869 :
-7.74Dさん:05/02/11 19:28:12
何とか愚妻に言い訳をして、籐本は休日返上で巣鴨店に閉店後にかけつけることにした。
その前に、籐本は代診をドタキャンした片手間に電話した。
「はい、あら籐本さん?今日はゴメンなさいね…体調がすぐれなくてねぇ」
「それはお大事になさらないといけませんー…ただ、もう少しお早めにご連絡戴けると助かると
現場のものが申しておりまして…」関係が悪化しないように、極力他人が言っていたように伝えるのは
籐本の常套手段であった。
「体調が良ければ行ってるわよ!体のことなんだから、当日になってみないと分からないじゃないの!」
片手間は逆ギレしてきた。こういうところが更年期なのだろうか。未婚でコンタクト販売店の店員にまで
色目を使うことで有名な女医だった。
「それは御尤もですぅ」機嫌が悪そうなので、早々に切り上げることにした。
「また体調がいい時に代診に行くから、紹介して頂戴っ!そうね、巣鴨店はちょっと戸毛店長、気がきかない
わね。小岩店の浅黒って店長もちょっと合わないわ…三鷹店がいいわね。店長も若いし気が利くしね」
まるでホストクラブにでも行くような品定めで、どこが体調が悪いのか不思議でしょうがない籐本であった。
870 :
-7.74Dさん:05/02/11 21:51:51
「ところで先生、院長をおやりになるお話は、お考え戴けましたでしょうかぁ?」
籐本は、亀虫の保険にこの色ボケ女医を考えていた。最悪ツナギで1年程度の名義貸しなら
どうにか引き受けさせられよう、との算段であった。
「そうねぇ…悪い話じゃないとは思うけどぉ…合う店員さんとじゃないとうまくやっていく自信がないわ…」
「そのへんは先生に御満足戴けるスタッフを御用意させて戴きますぅ」籐本はオバサンキラーを称して中年女性の
客にシコシコやヘラヘラをバンバン売りつけている連中の顔を思い浮かべた。
「まぁ考えとくけど、あたし体調のこともあるから、あんまり厳しい勤務はできないわよ」
「それはもう、先生のお体第一ですからぁ」
とは言うものの、せっかく院長に祀り上げても休みが多かったり、またドタキャンでもされた日には会社にとっては
たまったものではない。院長元気で(頭の中は)お留守がいい、であった。
871 :
-7.74Dさん:05/02/11 22:58:14
あいかわらず、面白い。
872 :
-7.74Dさん:05/02/11 23:29:41
コンタクトバイトなら土日ならなり手はいくらでもいるが、院長の話となると腰が引けて
しまうのが医者の常であった。どんなに薄給でも寄らば大樹の影ではないが、ピラミッド社会で
時間と共に築き上げてきたものを全て捨てて、金儲けに走るにはそれなりの理由、動機と決断が
必要であった。また異動に不満をもって転職する連中も多いので、時期も大切な要素であった。
会社としても誰でもいい訳ではない。理想としては性格的におとなしめで、細かい金勘定が苦手で
できればコンタクトの処方に口出ししてこない程度に眼科のことを知らず、患者とトラブルが発生
しない程度に眼科のことを知っている医者がもってこいであったが、贅沢も言っていられない場合が
大半であった。
そこで、何を犠牲にして目をつむるかだが、性格や金勘定は会社と揉め事に直結することなので、譲れない
条件ではあった。眼科についての知識はあればあったで困るし、なければないで困る話なので難しいところで
あったが、それは会社の論理を考えれば「会社が売りたいレンズを」売れなければ慈善事業になってしまうので
知りすぎている医者より、知らなさ過ぎる医者を選択するのはごく自然なことであった。
873 :
-7.74Dさん:05/02/12 00:29:45
872:言いたいことは伝わってくるが、小説としては不合格
874 :
-7.74Dさん:05/02/12 09:31:36
>>873 コンタクト業界のことがわかればいいので、872はいいよ。
875 :
-7.74Dさん:05/02/12 11:06:05
小説にいい悪いとチャチャを入れてもしょうがないと思うが。
思うところあれば自分で書けば?
876 :
-7.74Dさん:05/02/12 11:36:38
専門医だけどソフトとハードの区別しかしらんわい。
877 :
-7.74Dさん:05/02/12 12:07:06
>>876 それは専門医のオツムの程度が知れているということ?
それともそれを知らなくてもコンタクト眼科は問題なくやっていけるということ?
878 :
-7.74Dさん:05/02/12 12:26:51
879 :
-7.74Dさん:05/02/12 12:32:20
専門医は東都大だろうとw●玉医大だろうと同じでしょ?
要は学歴だろ。ポンコツ私大は何やってもそれなり。金儲けに走ろうが研究しようがさ。
880 :
-7.74Dさん:05/02/12 13:05:55
私大の出身者は金儲け巧いよ
882 :
-7.74Dさん:05/02/12 13:34:52
学費が高かったから、取り返すのに必死なんだろ。
883 :
-7.74Dさん:05/02/12 15:24:58
俺の知り合いなんか医学より保険請求の勉強ばかり
884 :
-7.74Dさん:05/02/12 16:23:42
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
885 :
-7.74Dさん:05/02/12 16:46:43
まー学習能力がない連中だから、
無資格のコンタクト屋に飼われて使われるんだろ。
886 :
-7.74Dさん:05/02/12 17:30:01
>883
出来高払い制度を自分に都合のいいように解釈して、過剰請求してくる
椰子もいるらしいね。
887 :
-7.74Dさん:05/02/13 13:10:16
>>872から続く…
巣鴨店の閉店までまだ間があったので、籐本は途中下車して他の店に寄ることにした。
赤羽店の名竹貸恵も、籐本がスカウトしてきた院長だった。めったに出勤してこない御仁であったが、
今日はレセプトの締めがあるので、出てきてもらっていた次第だった。
赤羽店の眼科は別な院長が開店から数年やっていたのだったが、金勘定にうるさく業務手数料や
その他のことで度々大東亜オプタルと揉めて、こじれて辞めて別なめがね屋に移ってしまったのだった。
成績はそこそこの店だったので後添えを籐本が必死に探したのだが、時期が悪くなり手がなかなか
見つからず、伝を頼ってようやく探し当てたのがこの名竹という婆さんだった。
医者稼業からはもう何年も前に離れて無為な生活を送っていたのだったが、籐本が拝み倒して週1回だけ
出てきてくれればいい、といわゆる「名義貸し」を頼んだのだった。当然眼科のこともコンタクトのことも
何もしらない御仁で、いちおう別な大東亜の店の眼科で「研修」を受けてもらったのだったが、どこまで
覚えているのか大いに疑問であったので、籐本もケシ粒ほどの良心の呵責でいつも気にかけていたのだった。
888 :
-7.74Dさん:05/02/13 18:47:29
赤羽店に入ると、閑古鳥が鳴いていた。店長の無能が寄ってきた。
「どうにもこうにもならんですよ…駅の反対側にエーセが出来てからサッパリです…」
大東亜オプタルは岐阜から関東に出店してまだ10年も経たないが、エーセコンタクトは古くから関東を地盤に
してきた販売店であった。大東亜はその近辺に出店して、ひたすら値段を下げて客を取ってきたのだが、
最近はエーセが挽回して逆に大東亜に近接して出店してくる積極的な経営が目に付いた。
エーセは古くから関東にあるので関東地方の大学の眼科医局ともつながりがあり、コンタクト眼科の院長も
そこ出身の専門医が多かった。大東亜とは質の差が歴然であった。
「何でですかぁ?値段はうちのほうが安いじゃありませんかぁ?」
「いくら値段が安くても、何かトラブルが発生したときに向こうはちゃんとした、と言っては失礼ですが
専門医が眼科治療をしてくれますからね…ウチは日替わりで代診の医者が来ているなんて地元じゃ悪口を
言われてますから、おのずと安心できるほうに客は行きますよ。それにヘラヘラだぁシコシコだぁと
言ってもこっちじゃ誰も知らないですからね…一ヶ月のコンタクトも蛋白除去が必要だと説明すれば
使い捨てユーザーは買わないですし」
889 :
コンタクト経営:05/02/14 16:08:36
眼科専門医に一般患者を集めてもらって、高いビルの家賃の大半を
払ってもらう。
その上で採算性の高い、一般レンズのみを売るってのはどうよ?
890 :
-7.74Dさん:05/02/14 16:16:37
コンベの客は客数でいえば1割強でしょう。
使い捨てがないと集客できないのと違う?
それに眼科医もそんなにあほと違うだろうから
使い捨ても置かない所とは組まない、というより
ネームバリューもない所なら、かなり条件がよくないと
だめだろう。
891 :
-7.74Dさん:05/02/14 16:35:39
医師系チェーンの従業員のCL知識はかなり乏しい。
大手量販店は知識をいいほうに使ってるかどうかは
別として、かなり知識、売り込みトークを持っている。
医師系は売り込むというより、いかにはやくさばくか。
もし、値段がほとんど変わらなければ量販店のほうが
多く利益を出すでしょう。
また、提携医と勤務医ではモチベーションも負けるでしょう。
892 :
890,891:05/02/14 16:38:01
すいません。
医師系CL開業前〜 に書き込むつもりがここに
書いてました。
学習能力ないです。
893 :
-7.74Dさん:05/02/14 16:51:02
>891
眼科医会所属の医者なら、従業員にOMA講習を受けさせられる
だろう.
894 :
-7.74Dさん:05/02/14 17:27:43
>891
使い捨て2社くらいのレンズのみ取り扱えば
そんなに知識はいらんだろ?
895 :
-7.74Dさん:05/02/14 17:48:13
そろそろ読むの疲れてきた
896 :
-7.74Dさん:05/02/15 13:01:44
891
大嘘
897 :
-7.74Dさん:05/02/15 16:02:43
医師が常勤してて、提携眼科が過剰請求をせず
コンタクト店が医院の報酬を横領せず、むりやり
特定のメーカーを押しつけず、健全経営のCL店
だけ生き残ってほしい。
898 :
-7.74Dさん:05/02/15 18:12:14
眼科専門医の食い扶持は残しておいてくれ。
歯科医と同様に、食うに困ることになったら困る。
899 :
タネ切れかも:05/02/15 22:57:45
{大東亜オプタルの東京事務所は} これ知ってるのは KY DR.さんですね。
ね そろそろ大人になったら
900 :
書けばかくほど:05/02/15 23:08:13
正体 判明
901 :
-7.74Dさん:05/02/15 23:27:06
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
902 :
-7.74Dさん:05/02/16 00:13:16
(((///)))
@-@-っ <「種切れ」とか「タネ切れ」とか「もう書けない」
´∀`ノ とか 同じ人物がうざいですぅ
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
903 :
-7.74Dさん:05/02/16 00:31:55
籐本って、下の名前はクズヤ?
904 :
-7.74Dさん:05/02/16 00:33:22
書式@ 発信者情報開示請求標準書式
年 月 日
至 [特定電気通信役務提供者の名称]御中
[権利を侵害されたと主張する者](注1)
住所
氏名 印
連絡先
発信者情報開示依頼書
貴社が管理する特定電気通信設備に掲載された下記の情報の流通に
より、私の権利が侵害されたので、特定電気通信役務提供者の損害
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保有する、下記記載の、侵害情報の発信者の特定に資する情報(以下、「発信者情報」といいます)を開示下さるよう、依頼します。
記 貴社が管理する特定電気通信設備 URL:掲載された情報
侵害情報等 侵害された権利
権利が明らかに侵害されたとする理由(注2)
発信者情報の開示を受けるべき正当理由 (複数選択可)
(注3)
1. 損害賠償請求権の行使のために必要であるため
2. 謝罪広告等の名誉回復措置の要請のために必要であるため
3. 差止請求権の行使のために必要であるため
4. 発信者に対する削除要求のために必要であるため
5. その他(具体的にご記入ください)
905 :
-7.74Dさん:05/02/16 22:30:41
フィクションを真に受けて釣られてる
子供じみたメガネ男がいるスレはここですかw
906 :
同じ:05/02/16 23:20:32
フィクションを真に受けて釣られてる
子供じみたメガネ男がいるスレはここですかw
そうです。 こちらも 遊びですから
907 :
ごめんなさい:05/02/16 23:26:10
籐本 は間違いです。 fujimotoですよ。 はっきり書いて 金はらえ
908 :
-7.74Dさん:05/02/17 00:54:35
>>907 お前何者?ご本尊様?
このスレは
>>1 にフィクションって断ってある限り、何の責任にも問われないことくらい
分からない?
付け焼刃の目の知識の勉強するより、法律から勉強しる。
909 :
-7.74Dさん:05/02/17 01:04:55
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 張蔵先生に出演できるなんて光栄ですぅぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
910 :
-7.74Dさん:05/02/17 01:11:02
>>888 から続く…
そんなこんなしていると、奥からヨボヨボと老婆が出てきた。
「あ、名竹先生!お久しぶりですぅ」白々しく籐本が近づいた。
「どなたですか?セールスや勧誘はお断りですよ…」老婆は警戒したような目でジッと見た。
「先生、籐本ですよぉ…大東亜オプタルの人材発掘部の籐本ですぅ」
「あぁ、籐本さんね。ごめんなさい。最近よく人の顔が見えなくてね…」
こんな調子でスリット下で角膜なんか見えているのか不安であったが、とりあえず名義だけ
貸してくれればいい御仁だったので、籐本は気にしないことにした。
「あたしもそろそろ引退したいんだけどね…とりあえず一年だけ名誉院長をやってくれって
あんたに頼まれたからやってるだけなんでね…」
「そうですねぇ…後添えの先生が見つかるまで、宜しくお願い申し上げますぅ」
911 :
-7.74Dさん:05/02/17 23:29:38
受付のほうからモメゴトのような声が聞こえてきた。
「おい!ヨソの眼科行ったら、コンタクトのせいで角膜が傷だらけだって言われたぞ!ついこないだ
ここで診察受けて何ともないって言われたばっかりなのに、どういう訳なんだよ!」
名義貸し院長の名竹は、そそくさと奥に引っ込んでしまった。当事者意識はまるでなかった。
籐本も面倒ごとに巻き込まれるのは困るので、そそくさと店舗を後にした。
「また参りますぅ…」
今度、名竹に会うのはいつのことやら。もし急に辞められたりしたら、また名義だけ貸してくれる
枯れた医者をどこかから見つけ出してこなくてはならない。どうにかこうにかなだめすかして続けさせる
必要があった。
912 :
-7.74Dさん:05/02/17 23:36:41
名義貸し、とは開設管理医師(院長)として保健所に登録を出していながらほとんど実際の
診察に出てこない場合を指す。これは就業実態を偽って申告している、と言われても仕方のない
ことであった。昔の眼鏡屋の眼科などは殆どがこの形態であったが、最近では珍しい。
コンタクト眼科でも、通常はこうした形態はとらない。対保健所で問題が生じる可能性が高い
ことばかりでなく、院長が来ないで代診ばかりを頼むと割高になるという理由が大きかった。
しかし大東亜のように代診の紹介手数料で小銭を稼いでいるところでは、よほど小うるさい院長が
PBの処方にちょっかいを出してくるよりも、代診で回して好き勝手やるほうが売り上げにも
都合がいいので、代診を頼んでも眼科の経営状況に影響しないような売り上げの大きい店では
それに等しいようなケースも見られる次第であった。
913 :
-7.74Dさん:05/02/19 21:27:43
何か最近、変な横槍で雲行き怪しいですね。
作者さん頑張って。
914 :
-7.74Dさん:05/02/19 21:29:58
(((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
¥-¥-っ < 目の安全第一ですぅ・・・
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
915 :
-7.74Dさん:05/02/20 09:14:07
変に義理立てして寄り道をしたので、疲れた籐本は近くのトドールコーヒーに寄ろうとしたが、
小遣いが足りず、自販機で缶コーヒーを買って近くの公園でくつろぐことにした。
公園には寒空の下、子供連れの主婦や近所のガキで賑わっていた。隅の植木の影にはダンボールで
寒さをしのぐホームレスの姿もみうけられた。
「やれやれ、他人事じゃありません…」ブツクサ言いながら、安コーヒーをグイと飲んだ。
でもこれから亀虫にあって、その後接待に連れ出せば、費用は人材発掘部のカードにつけて
医者と席を並べて一緒のものを食べることができるので、それだけが救いであった。古女房に
義理立てするよりも余程籐本にとっては夢見心地の楽しいひと時であった。
>912
コンタクト店の小規模化で、売上の大きい店というのが
なくなりつつある昨今。
*いらん書き込みは省いて、電車男のようなヒット本に
なることを期待です*
917 :
-7.74Dさん:05/02/21 18:37:29
そういう場合、版権や著作権は作者様にあるの?
918 :
-7.74Dさん:05/02/21 20:12:43
夕方になって、ようやく籐本は巣鴨店に到着した。店頭では大東亜オプタルのピンクのはっぴを着た
店員が、さかんに通りすがる老人に老眼鏡を勧めていたが、あまり立ち止まる姿もなかった。
となりのトゲヌキ眼科では、亀虫が暇そうにしていた。
「どうも、先生。今日は急な代診のお願いを、お引き受け戴きまして恐縮ですぅ」
「いや、こちらもノンビリさせてもらってますよ。まるで外の商店街の喧騒がうそのようでね…」
やはりこの眼科も代診で回していたので、地元の人間がたまに間違って入ってくる以外、一般の
診療目的の患者はまずいなかった。年寄りが多い地域だから金もあるだろう、と値段も近隣より
高値に設定してあったので、コンタクトの診察の客足はまばらであった。
「ところで先生、お引き受け戴くご決心はつきましたかぁ?」笑みを浮かべながらも、眼鏡の下の
死んだ魚の目のような視線は、亀虫の真意を探るべく一点を凝視していた。
「んー、まぁね。踏み込んだ話を聞いて決断したいと思うところまで来たよ」
「そうですかぁ。是非にもお話をさせて戴きたいと思いますぅ。宜しければ今晩、近くの居酒屋にでも
お供させて戴いて…」
「居酒屋は性にあわないねぇ…安酒を飲むと二日酔いになるんでねぇ。そうでなくても今日は家で休む
はずの日だったしねぇ」チクリと亀虫はイヤミを言った。
「それは大変失礼致しましたぁ。先生のお休みを当社のために潰していただきましたのに…それでは西新宿の
高層ビルの和食の料亭などをご用意させて戴きますぅ」
「気が利くねぇ」
919 :
-7.74Dさん:05/02/21 23:49:27
夜景のきれいな和食のレストランに、無粋な二人が席をとっていた。
籐本も部長の肥野に怒られると観念していたが、急な代診を引き受けてもらったお礼でした、と
うそぶけば平気かとタカをくくっていた。
「いやぁ、おいしいですぅ」こんなことでもない限りありつけない食事を、籐本は舐めるように味わった。
「そうだね。場所も高層だけど、値段も高そうじゃないかい?」
「それはこちらで出させて戴きますので、大船に乗った気分でどうぞぉ」籐本はまるで自分が奢るように
言った。籐本の至福のひとときであった。
「そうかい?」亀虫は調子にのって追加の注文を出し始めた。籐本も酔いが回ってあまり気にしなかった。
「ところで、先生。新大久保の件は…如何でしょうかぁ?」死んだ魚の目が、眼鏡の奥で光った。
「うん、悪い話じゃないと思えてきてねぇ…資金の具体的な話なんか聞かせてくれよ」
亀虫は気を持たせるように言った。
920 :
-7.74Dさん:05/02/22 00:06:52
籐本は、おもむろに用意していた資料を出した。
「まず弊社から先生にお貸付する金額ですぅ…これはあくまで形だけの話ですからぁ…
まず新大久保の眼科が入っております水漏ビルの敷金が500万ほどですぅ。
それに開業してからの3か月分のビルのお家賃が50万×3=150万。
あと先生のお手取3か月分で120万×3=360万。
それに眼科さんの運転資金3か月分として、100万×3=300万。
口座にプールする資金として100万円。
〆て1410万円を、無理なく5年間で返済して戴くプランですぅ」
初めて具体的な金額が出てきたので、亀虫もさすがに箸を休めた。
「俺の手取りは月120万円ね…」正直、予想していた金額より高かったので亀虫は驚いた。
「その分から税金などがかかりますがぁ…ご不満ですかぁ?」
「んー…考えさせてもらうよ」不満は正直なかったが、ゴネればもっと増えるのかと思い、
もったいぶってみた次第であった。
>920
都会にしては、家賃安いね(と、突っ込みいれてみる)
あとは物語の進行よろしく!
922 :
-7.74Dさん:05/02/22 11:45:38
>920
僕の家賃は、眼科部分のみで一ヶ月約150万(光熱費含)
だよ。
923 :
-7.74Dさん:05/02/22 13:04:57
何坪?
924 :
-7.74Dさん :05/02/22 13:12:14
オレは都内某所、マイナーな駅の前で30坪で63万/月
925 :
-7.74Dさん:05/02/22 13:16:25
地方だと坪1万円台。
926 :
地方:05/02/22 13:21:06
うちは管理費、電気代込みで2万円/坪
大阪市内、駅前で42坪w
一般患者がほとんどこないから(最近はコンタクト患者も
こなくなった)20坪でもいいくらいだったな。
928 :
-7.74Dさん:05/02/22 14:27:40
929 :
-7.74Dさん:05/02/22 14:57:02
見通しが甘かった?
医院一件あたりのCL患者は減っていくだろうから
一般患者が伸びなければ今以上にジリ貧になるよw
930 :
929:05/02/22 14:57:44
すみません小説に戻ってください。
しかし、眼科やってない院長だと一般患者きたら困るし、
院長の時はごまかせても
代診が放射線科医とかが多いから、一般患者きたら、
医療過誤もんになってしまってまずいよ。
932 :
-7.74Dさん:05/02/22 16:05:34
((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
余談はいいんだよ。
電車男でも、余談は省いて編集してあるだろ。
続きの間に、コメント談義はあっていい。
934 :
-7.74Dさん:05/02/22 16:30:06
この小説が本になる可能性は低いんじゃ?
935 :
-7.74Dさん:05/02/22 16:50:40
余談を抜いて読んだら面白いよ。
936 :
-7.74Dさん:05/02/22 17:36:56
いらない話だからこそ、余談。
937 :
-7.74Dさん:05/02/22 18:17:27
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < そろそろ新スレですねぇ・・・
´∀`ノ \__________
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ξ|__ | / |
| У.. |
938 :
-7.74Dさん:05/02/22 22:35:21
>>920から続く…
亀虫はおもむろに電卓を取り出した。
「まぁ、大東亜の他の店を見ていても、土日は代診を入れて、月曜が休みだから院長の出勤は
週4日だよね?月に4.5×4=18日の出勤として、さっきの120万円を18で割ると…日給6万7千円かい?
これはコンタクトバイトでもとてつもなく安いじゃない?」
籐本は探るように慎重に言った。
「バイトの場合ですと、あくまで院長先生の代わりですから、その枠が保障されている訳では
ありませんー。院長先生の場合はその収入が保障される訳ですから。それに診察やその他も院長先生の
ご自由にアレンジできますし、裁量権が広くなりますぅ」
開業して開設管理医師になるのだから当然といえば当然なのだが、それをまるで大東亜に「戴いた」権利の
ように錯覚させるのが籐本の常套手段であった。実際は何か起きた際の責任を全てかぶる訳で、レセプトの
管理もあり代診よりも仕事は大きくなっているのだが、代診より安く「雇われて」いる矛盾をごまかされて
いるのであった。
939 :
-7.74Dさん:05/02/22 23:03:22
「あと、こちらが弊社にお支払い戴く業務委託料ですぅ。まー簡単に言えば検査員の派遣費用ですぅ。
こちらは眼科さんの診療報酬に対して率で決まりますぅ。例えば35万点ですと25%で875000円。
40万点ですと27%で108万円。45万点ですと25%で112万5千円になりますぅ…」
料率もなぜか一定せず、40万点までは率が漸増して、40万点以上は金額が漸増して料率は後付であった。
「先生が独自で職員さんを採用された場合は、業務委託料から一人当たり20万円引かせていただきますぅ」
「それじゃ、5〜6人雇ったら、払わなくてもいいの?」
「それは…困りますぅ。コンタクトのチラシの代金は、こうした眼科さんからのお金で作っていますから、
業務委託料が入らないと、チラシの戦術が立てられなくなって集客がままならず、結果的に眼科さんにも
影響してしまいますぅ」
言葉はたくみであったが、簡単に言えば強制、というか脅しであった。
940 :
-7.74Dさん:05/02/22 23:11:46
「これで眼科からおたくに払うのは全てかい?」
「いえいえ、まだもう少しほどございますぅ。什器備品・機器使用料が月額40万円。
弊社のおすすめの税理士の抜道センセイへの顧問料が月額10万円。これで確定申告など
税務の煩雑なことは全てやって戴けますぅ。あとは清掃や警備、代診の費用などですぅ」
代診の給与には紹介手数料として大東亜に流れる分があることは黙っていた。
「あとは、ご開業半年後から最初の貸付金の返済が月々始まりますぅ。金利が5%で、3年から
5年の無理ないプランでゆったりご返済戴けますぅ」
これも返済が長引けば長引くほど金利収入が期待できるだけであって、ゆったりだ何だと
うまく隠して説明するのが常套手段であった。
「途中でやめたりしたらどうなるの、借金は?」
「この場合は一応貸借契約ですから、敷金その他の返還でカバーできない場合は、院長先生から
ご返済戴くことになりますぅ…」
941 :
-7.74Dさん:05/02/22 23:26:48
こわ
942 :
-7.74Dさん:05/02/23 00:40:44
これでは自分で医師系コンタクトを立ち上げようとするのも無理ないな。
943 :
-7.74Dさん:05/02/23 16:38:30
続き希望〜ん!
944 :
-7.74Dさん:05/02/23 22:39:00
ここまで書杉。
945 :
そろそろ:05/02/23 23:09:57
そろそろ 足がつくよ
946 :
うそ言うな:05/02/23 23:14:33
うそです。 そんなに もらってません。
947 :
うそ言うな:05/02/23 23:21:47
籐本 は間違いです。 fujimotoですよ 肥野は ueno
相当 まえだ
948 :
-7.74Dさん:05/02/23 23:30:46
コンタクトで十分利益取ってんだから、医院から取ろうと
しなくていいのに。こういうやり方では、今後、鳩とやろう
という医師が出て来なくなるだろうに。
一時の利益欲しさに長期的視野を失ってる。
(長期的にやるつもりはないのか?)
949 :
-7.74Dさん:05/02/24 07:30:39
>>946 そりゃアンタが安く使われてるだけの話。
950 :
-7.74Dさん:05/02/24 09:26:06
今度行くコンタクトバイトは安い。
時給1万を割っている。
早くこの業界から身を引いて本業に戻ろうと思う。
皆さんどうですか?
951 :
-7.74Dさん:05/02/24 12:16:49
947は弁護士の準備してね。
952 :
亀虫:05/02/24 12:23:30
数年前、バイト中にあまりに暇でホテトル呼んだ。これマジの話。
そこは何度も行ったことある大手コンタクトチェーン併設診療所。
構造は良くわかっている。隙をみればスタッフの目に付かずに診察室の奥の院長室に入り込める。
いつかはやってやろうと思っていた。
相手は何度かヤッたオキニのホテトル嬢。
予め診療所の構造を教えて綿密に計画をたてた。
近くのホテルでシャワーを浴びさせセーラー服で店舗と診療所の前に来させた。
そしてそこから俺に携帯で連絡。トイレに行く振りをして隙を見て連れ込んだ。
そのまま院長室で服を着たままインサート。興奮した。
相手も興奮しているようで触ると初めからヌルヌルだった。
行為の最中、見計らったように籐本から携帯に連絡入ったのには驚いた。
店舗同様に院長室にも隠しカメラがあるのかと思ったヨ。w
またやりたい。
953 :
-7.74Dさん:05/02/24 12:28:49
暇つぶしなら、株かビデオか競馬かネットくらいに
しとけばいいのにw
954 :
-7.74Dさん:05/02/24 12:44:14
((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
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| У.. |
955 :
-7.74Dさん:05/02/24 12:48:33
ヅラがずれてるよ
>952
クラミジアの結膜炎て、ほっておいたら失明するの?
957 :
-7.74Dさん:05/02/24 16:07:43
この板の偽目医者に
聞く時点でアホ。
958 :
-7.74Dさん:05/02/24 17:22:13
>952
生臭いにおいが残るぞw
959 :
-7.74Dさん:05/02/24 17:49:27
かめ虫の亀頭はニュルっと女の秘部に分け入った。
「あんっ」
女の喘ぎに興奮しながら、かめ虫は直像鏡を覗くように女の顔に近づいた。
「どうだい?偽目医者でも捨てたもんじゃないだろ?」
「突いて…」
かめ虫はわざとじらしながら、女の秘部を味わった。
その脇から女の感じ汁がトロリと垂れ下がった。
その一部始終を、籐本は暗幕の陰からジーッと観察していた。
960 :
-7.74Dさん:05/02/24 18:06:35
かめ虫の亀頭はニュルっと女の秘部に分け入った。
「あんっ」
女の喘ぎに興奮しながら、かめ虫は直像鏡を覗くように女の顔に近づいた。
「どうだい?偽目医者でも捨てたもんじゃないだろ?」
「突いて…」
かめ虫はわざとじらしながら、女の秘部を味わった。
その脇から女の感じ汁がトロリと垂れ下がった。
その一部始終を、籐本は暗幕の陰から魚の腐ったような目で凝視していた。 右手で自分のイチモツを弄りながら。。。
961 :
-7.74Dさん:05/02/24 18:22:56
((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < 関係ない話題はよそでお願いしますぅ…って
´∀`ノ \_何度言ったら分かるんですかぁ、アホ店員にニセ目医者さん達?
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962 :
-7.74Dさん:05/02/24 19:32:37
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < お粗末さまですぅ・・・
´∀`ノ \__________
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| 〈ω〉 |
963 :
-7.74Dさん:05/02/24 20:54:08
>>940から続く
「それじゃ、例えばおたくから借りた金がまだ完済されてない段階で、俺が辞める時はどうなるんだい?」
「先生は当社の大切なパートナーですから、まずそういうことのないよう、十分なお話し合いをさせて戴き
たいとは思いますがぁ…」籐本は手ぬぐいで顔をぬぐった。
「万が一にもそういうことが発生した場合は、まず敷金の分は敷金ですから返ってくる訳ですぅ。それに3か月分
の眼科の回転資金などは、診療報酬の支払いのズレが閉院から発生しますから、その分で補填可能ですぅ。それに
眼科の口座の残金などで対応して、若干足りない分が生じました場合には、先生にご負担戴くことになりますぅ」
「まぁ借金だからねぇ、そういうもんだろうね。逆に払い終わったらどうなるの?」
「口座からの出費が減るわけですから、眼科さんの口座に残るお金が増えますぅ」
大体、融資の回収が終わる頃から、大東亜は何かと名目をつけて業務委託料の増額などを提案して、眼科の口座を
しゃぶり尽くそうとするのだった。それまでは眼科の口座がマイナスにならないように、生かさず殺さずで眼科口座
から出来る限りの金額を引き出そうとするのだった。名目はいくらでも後付けであった。
964 :
-7.74Dさん:05/02/25 00:10:27
凶○と変わらんねw
965 :
-7.74Dさん:05/02/25 00:40:58
1000になって落ちて読めなくなるのが残念。
っつーか、最近それ狙いで荒らされてる?
966 :
-7.74Dさん:05/02/25 02:10:45
続きのスレでは、あらすじ から始めてくれ
967 :
-7.74Dさん:05/02/25 14:52:42
>959
クラミジアの結膜炎て、けっこう染りやすいのかい?
968 :
-7.74Dさん:05/02/26 17:01:36
ホリエ門でる
969 :
-7.74Dさん:05/02/26 17:39:04
. (((///))) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
@-@-っ < もうすぐ千昌男ですぅぅ
´∀`ノ \__________
__/|Y/\.
ξ|__ | / |
| У.. |
970 :
-7.74Dさん:05/02/27 13:52:31
971 :
-7.74Dさん:2005/10/05(水) 00:08:42
やばいやばいスレ落ちするところだった。。。。
972 :
-7.74Dさん:2005/11/22(火) 18:03:14
ああ、今日も退屈だなー
973 :
-7.74Dさん:2006/01/10(火) 01:51:30
age
974 :
-7.74Dさん:2006/01/17(火) 19:08:36
ww
975 :
-7.74Dさん:2006/01/20(金) 12:32:51
ひおn
976 :
-7.74Dさん:2006/03/28(火) 02:11:42
名作
977 :
-7.74Dさん:2006/04/08(土) 17:08:52
978 :
-7.74Dさん:2006/04/09(日) 19:15:21
つづきをきたいす
979 :
-7.74Dさん:2006/07/06(木) 23:56:45
もうだめ・・・・
980 :
-7.74Dさん:
この頃は業界も良かったなぁ