戦う数学者Grothendieckについて考える

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1名無しさん@お腹いっぱい。
Grothendieck なんですが,
その数学的業績の評価は分れるところですよね.
人によっては言語過剰の空論だという見方もされます.

それはともかく,
その強烈な個性と生きざまは惹きつけられてしまうんです.

モスクワで行なわれた自分のフィールズ賞の
受賞式をボイコットしたり,
フィールズ賞の賞金を全額を
北ベトナム開放戦線に寄付したり,
所属する IHES が軍の資金援助を受けていたのを理由に,
職を辞したり,
さらには,Deligne と共同で受賞したクラフォード賞と
そのけっして安くない賞金を辞退したり,
などなど,エピソードに絶えません.

その反面で,いろいろな数学者ともめごとを
起こして孤立したりしてます.
# 弟子たちとのトラブルや Weil との不仲は有名

まったく金に頓着しない,平和主義者,
そして,エリート主義やあらゆる権力を否定する.
いい意味でも悪い意味でもナイーヴで純粋な人だという
印象を持っています.

なんだかわからないけど,
とにかく惹きつけられてしまうんですよ.

みなさん,どうお考えでしょうか?

ちなみにこちらが参考サイトです.
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/Mathematicians/Grothendieck.html
2農学部 :2000/09/27(水) 00:10
「数学には目の速さじゃなく、手の速さがちょうどいい」
みたいな事を言った人ですか?
この言葉は印象に残ってます。
(うぅ、違ったらスマソ)
3:2000/09/27(水) 00:17

>「数学には目の速さじゃなく、手の速さがちょうどいい」

それは初耳ですね.
でも,そうゆうこと言いそうですね.彼は.
その言葉を解するに,
数学は本を読み流してちゃわからん.
ノートを取りながらじゃないとわからんということでしょうね.

それにしてもなんで「農学部」の人が
Grothandieck を知ってるの?
4132人目の素数さん :2000/09/27(水) 04:25
Grothandieckって具体的にどんな業績を残した人なんですか?
日本語の解説書なんかありませんかね?
5>4 :2000/09/27(水) 07:59
Grothandieckなくして代数幾何は語れない。日本語の本は知らない。
6>4 :2000/09/27(水) 23:22
EGAを読もう。(日本語じゃないけど)
7132人目の素数さん :2000/09/27(水) 23:47
「収穫と播いた種と」ってどう。
8:2000/09/28(木) 00:05
(誤)Grothandieck
(正)Grothendieck

失礼しました.
3 で最初に私が誤って,みなさん引きずられたようで.

スキーム論によって代数幾何をより精密に作り直したのが,
大きな業績の1つです.
私にそれ以上細かいことはつっこまないでください(笑).
スキーム論についてはかなり定着してきたようで,
最近,日本語で解説されたものが多く出てますね.


> EGAを読もう。(日本語じゃないけど)

EGA は最近,どこかの出版社が再版したようです.
ぼくも読んだことないですが…


> 「収穫と播いた種と」ってどう。

あれは昔,よく図書館とかにも置いてありましたが,
あんまり変な内容なので,なくなったりしてますね.
個人的なひとりよがりの内容なので.
しかし,Grothendieck のなんたるかを知るためには,
貴重な資料です.


南フランスの片田舎に引きこもっていると聞きましたが,
今でもそうなのでしょうか…
最近の Grothendieck の状況の情報あったら教えてください.
9グロタンディーク :2000/09/28(木) 00:28
一日一回、瞑想する習慣があると聞いたことがありますが?
10132人目の素数さん :2000/09/28(木) 01:10
EGAって、完結してたっけ?
11132人目の素数さん :2000/09/28(木) 14:48
>>10
完結していませんが、大体の構想は SGA や FGA で書かれています。
EGA: スキーム理論の基礎、連接層のコホモロジー、局所的な性質など
FGA: Hilbert scheme とか
SGA1: etale 被覆と数論的基本群
SGA2: 連接層での局所コホモロジーと Lefschetz 理論
SGA3: 群スキーム
SGA4: トポスの理論とエタールコホモロジーの基礎。
SGA5: エタールコホモロジーの応用と L 関数への適用。(SGA4 1/2も含む)
SGA6: 交差理論とリーマンロッホの定理
SGA7: 代数幾何でのモノドロミー群 (Neron model とかも含む)

ほかにも色々な業績がありますが。
12藤原 :2000/10/01(日) 17:05
ねーそろそろまじめにグロタンデックのこと話そうよ。
受けうりじゃなくて。
13>12 :2000/10/01(日) 18:31
自分が話せばいじゃん
14132人目の素数さん :2000/10/03(火) 01:54
学部生レベルで読める代数幾何学の入門書ってありませんかね?
15132人目の素数さん :2000/10/03(火) 03:06
>>14
学部生の人達だと、ゼミでHartshorneを読んでますって話をよく聞くけど…ダメ?
SpringerVerlagの「GTM52 Algebraic Geometry」のことね

日本語だったら、堀川叡二先生の「複素代数幾何学」とか
上野健爾先生の「代数幾何入門」とか独習には向いてるんじゃないかな?
堀川先生は個人的に好きじゃないけど本はいい(爆
16132人目の素数さん :2000/10/03(火) 03:26

>15

スキームにこだわらなければ,
古典的なもので,

“Algebraic Curves” W.Fulton

はどうでしょうか.
1716 :2000/10/03(火) 03:28

すいません.

>15 ではなくて >14 でした.
18132人目の素数さん :2000/10/03(火) 03:39
>15、16
レスありがとうございました。早速図書館で調べてみたいと思います。
19>15 :2000/10/03(火) 04:07
叡二 → 穎二
20132人目の素数さん :2000/10/03(火) 17:03
読み物としてなら
「代数曲線の幾何学」難波誠 現代数学社
も面白い。あくまで読み物だけど(^^;

# >12
# 藤原…って代数幾何の藤原先生ってまさか…?どきどきします(^^;
21132人目の素数さん :2000/10/03(火) 21:42
22132人目の素数さん :2000/10/03(火) 23:14

> 代数幾何の藤原先生

それ誰?
2315 :2000/10/04(水) 04:30
>>19
すまん、違うような気もしたけど
堀川先生にたいする私怨で、つい…
24132人目の素数さん :2000/10/04(水) 15:58
Mumford の Red books (Springer LNM) も悪くないと思う。
堀川先生は直接教わるのは....
25132人目の素数さん :2000/10/04(水) 23:38
堀川先生ってどんな人なんですか?
26132人目の素数さん :2000/10/05(木) 13:10
>25

悪口の山になるから聞かないのが吉(苦笑
荒れる元だし(^^;;;
27132人目の素数さん :2000/10/05(木) 13:23

---------------- 以下、『戦う数学者堀○穎○について考える』に変更 ----------------

28>27 :2000/10/05(木) 18:50
つまんない
29132人目の素数さん :2000/10/05(木) 22:59
>>25
東大にくればわかるよ
30数学科くずれ :2000/10/06(金) 12:55
>堀○穎○

朝昼晩と三食ラーメンくってるという噂の人物
(真偽のほどは定かではない)
31132人目の素数さん :2000/10/07(土) 09:23

つーか、Grothendieck の話題はどうなったの?
32>31 :2000/10/07(土) 15:50
自分が話せばいじゃん
33132人目の素数さん :2000/10/10(火) 21:20
ところで、Hartshorne ってどう読む?
うちのボスは「はーとぅしょーん」と呼んでいるが。
34132人目の素数さん :2000/10/10(火) 21:36
はーつほーん
35132人目の素数さん :2000/10/10(火) 21:50
はるとぅしょるん
361 :2000/10/10(火) 23:05

AMS(American Mathematical Society) が発行している
“Notices”という雑誌に Grothendieck に関わる記事が
書かれておりました.

Allyn Jackson という人が書いた IHES の歴史を書いた記事ですが,
Grothendieck に関わる部分の一部を引用します.
長くなるので次の投稿に書きます.

それによれば,近年,彼は精神を病んで,
一人さびしく山奥にこもっているようです.
現代数学に一時代を築いた人の末路にしては
少し寂しくもあります.

しかし,記事にも書いてありますとおり,
現在,世界の数学研究の一大中心地となっている
IHES の歴史は Grothendieck なしでは語れないものであり,
彼の名は数学史に残るものでありましょう.

即席の翻訳なので,誤訳がたくさんありますが,
ご勘弁ください.
371 :2000/10/10(火) 23:06

30年近く前,Alexandre Grothendieck は IHES を去ったが,彼は
奇妙なほど研究所に強い存在感を残している.彼の名前は IHES を
訪れる訪問者や教授たちの会話に,彼を直接知らない相手と話す際で
さえも,しばしば現れた.彼の視点は数学を大きく変化させ,フラン
ス内外の数学者に深い影響を与えた.彼のアイディアの強力さと人
格の強靭さは研究所に痕跡を残した.

Grothendieck の父親はレーニン主義者で,今世紀初頭,ヨーロッパ
のある主要な政治的革命に加わった.1920年代,彼はドイツに住み,
そこで,Nazis に抵抗する組織で活動し,そこで Hanka Grothendieck
に出会い,1928年に彼らの子どもが生まれる.両親は長くはいっしょ
におれず,父親はスペイン市民戦争に加わるためにそこを去り,
そして1943年に Dachau の収容キャンプで殺された.Alexandre
Grothendieck は父親を知らないのにもかかわらず,父親を多大に
尊敬していた.IHES における Grothendieck の部屋には父親の
描いた油絵の他に何も装飾がなかった.

(中略)

1985年に Grothendieck はよく知られている“Recoltes et Semailles”
(「収穫と種」)を出版する.1000ページにわたる,美しく書かてい
るが苦い手記であり,そこには数学社会への不満を横たえている.
Grothendieck は彼が IHES を去った後に他の数学者が独自の改良を
加えながら,彼のアイディアを盗用し,前に押し進めたことを深く遺憾
に感じている.その遺憾さは結局は,“Recoltes et Semailles”
のページに現れているパラノイア(偏執狂)に変貌する.

1999年の3月に71歳になる Grothendieck はピレネーの人里離れた小さ
な村に住んでいる.彼の精神状態が年々,悪化しているという報告が
ある.例えば Cartier は最近2年間に Grothendieck を訪れた2人の
数学者の話に沿って次のように書いている.彼は「悪魔に取り
憑かれている.彼はそいつを世界のいたるところで見るし,そいつは
神の調和を破壊し,光速を 299@`887 km/sec から 300@`000 km/sec に
置きかえようとしている.」.彼の数学的世界への懐疑はほとんど
完全で,彼はそれを改めないであろうことを明確にした.しかし
ながら,何物も Alexandre Grothendieck を IHES から消し去る
ことはできない.そこには彼の魂と霊が Bois-Marie に住みつきつ
づけているのだから.

“IHES at Forty”@` Allyn Jackson@` “Notices”@` AMS@` March@` 1999@`
注)Bois-Marie はパリ公害にある IHES の所在地.

38132人目の素数さん :2000/10/14(土) 20:35
ある人の話では、Grothendieckは電気もガスもない山奥に
住んでいるらしい。そして彼の本はフランスでは出版を
禁じられているとか。それは日本でしか出版されないだろう
という話。ある時、誰かが雪ふかくい山奥にいて住んでいる
というウワサを聞いて、山岳警備隊が見に行った。
その男が住んでいた場所は、フランス外の別の国のため、
パスポートも持たない男の身柄を保護
して調べたところ、それがGrothendieckだったとか。
39グロたん :2000/10/15(日) 00:12
面白い。もっと詳細知っている方、あぷきぼんぬ。
40132人目の素数さん :2000/10/15(日) 00:50
>そして彼の本はフランスでは出版を禁じられているとか。
>それは日本でしか出版されないだろうという話。

ガセネタ? いくらなんでもEGAが禁書なんて考えられん。
41132人目の素数さん :2000/10/15(日) 11:02
>40

「彼の本」は「数学本」のことじゃなく「自伝本」のこと。
42132人目の素数さん :2000/10/22(日) 04:02
「収穫と種」に「最近、超常現象を信じるようになってきた」
というようなことが書いてあった。
彼の言う、10〜15年の内に起こる
「誰も予想しなかった巨大な出来事の電撃的な圧力」
ってなんでしょう?
431 :2000/10/22(日) 07:04

> 彼の言う、10〜15年の内に起こる
> 「誰も予想しなかった巨大な出来事の電撃的な圧力」

たしかにそんなこと書いてありました.
精神状態ヤバいモードで書いたのかもしれません…
44132人目の素数さん :2000/10/22(日) 17:41
> 彼の言う、10〜15年の内に起こる
> 「誰も予想しなかった巨大な出来事の電撃的な圧力」

阪神大震災
45ぽこちゃん :2000/10/23(月) 03:55
>「誰も予想しなかった巨大な出来事の電撃的な圧力」

人類補完計画って賞味期限切れか?
46名無しさん:2000/11/10(金) 09:29
定期age
47132人目の素数さん:2000/11/12(日) 08:07
常に裸足なんだよね?
尊敬しているやつはみんな常に裸足で行動しようぜ。
48132人目の素数さん:2000/11/14(火) 18:27
ついでに髪の毛剃ろうぜ。
キムチ作ろうぜ。
49ぽこちゃん:2000/11/15(水) 02:52
玉ねぎの砂糖キムチという訳語はいかんなあ、
彼は玉ねぎで作っただろうが、
本来は甘酢漬けでしょう。
50132人目の素数さん:2000/11/25(土) 10:41

Grothendieck が「サバイバル運動」を展開したとき、
大部分の数学者たちは無関心だった。
そして、彼はじょじょに孤立していき、
今は、精神を病んですらいる。

研究至上主義もわかるが、
政治上のことに無関心な態度が
果たしていいことなのか?

彼を単なる変人で片づけていいのだろうか?
この社会は彼のような種類の人間に救いの手を
さしのべることができないのか?
51132人目の素数さん:2000/11/25(土) 16:22
>玉ねぎの砂糖キムチという訳語はいかんなあ、

訳者は韓国シンパかな?
韓国人は何でも韓国のものに結び付けたがるからね。
52Laurance Fishburne:2000/11/27(月) 13:45
Free yourself!
53ぽこちゃん:2000/11/28(火) 03:09
>49
手元の本を確認したところ、甘酢漬けではなく、
砂糖漬けであることを確認。
記憶だけにたよってはいかんなあ。

>51
文章のつながりから考えて
グロタンディエクがキムチと書いているのを直せなっかったのかも。

>50
彌永先生の最近の随筆にもありましたね。
54132人目の素数さん:2000/11/28(火) 07:56
>50

Grothendieckの生涯は、前世紀の数学者Cantorに似ているところ
がある。両者ともに、数学のもっとも基礎的な部分へのチャレンジ
を行った。前者はカテゴリーや導来カテゴリーなどの概念の創出、
後者は集合論。Cantorには、敵にクロネッカーがいた。
Grothendieckには、ドリーニュがいる。そして、双方ともに精神
を病んだ。Cantorの時代ならともかく、現在ではGrothendieck
のような人を救済できるはずだが、超官僚国家フランスでは
難しいのかも知れない。たぶん、N. Kacあたりが彼をアメリカへ
亡命させるのが一番いいだろう。
55132人目の素数さん:2000/11/28(火) 12:33
>>54 ドゥーリーニュはグロタンディークの弟子筋だし、
クロネッカーが彼の権力を使ってカントールを排斥したのとはぜんぜん違うだろ。
グロタンディークのことは彼の個人的な問題だと思うけどね。
5650 = 1:2000/11/28(火) 15:24

>>ぽこちゃん

ぼくも彌永さんのその本,最近,読みましたが,
どこの部分のことをおっしゃっているのでしょうか?


>>54

Grothendieck と Cantor を重ね合わせることは,
ぼくもやってました.

> Cantorには、敵にクロネッカーがいた。
> Grothendieckには、ドリーニュがいる。

これが妥当なものかどうかわかりませんが,
興味深い対比だと思います.


>>55

> グロタンディークのことは彼の個人的な問題だと思うけどね。

そのように考えるのがあるいはもっともなことかもしれません.
でも,感情的にそう割りきってしまうことができないのです.


ぼくが一連の主張をしている真意を言ってしまえば,
Grothendieck を知らない人に彼のような数学者がいたことを
少しでも知ってもらえたらいいと思います.

彼の生きざまを知ることはわれわれにも何らかの示唆を
与えるものだと信じます.
57132人目の素数さん:2000/11/28(火) 22:10
「知ってるつもり」のネタとしては一流では(藁
58ぽこちゃん:2000/11/29(水) 03:53
>1=50=56
また、記憶だけで書きますが。(^_^;)
彌永氏の随筆の1970年の会議での反核署名関連です。
みんな、そんな活動があったこと自体を知らなかったのではないかという内容。
グロタンディエクの名は出なかったけれど。
戦争はいやだという思いが
彼にとって非常に切実であったことは想像できます。

もし、数多くの署名が集まって、
グロタンディエクが数学を続けていたら
数学史はかなり変わっていたかも。

グロタンディエクとカントール
フーリエ解析を捨て、集合論自体に進んだカントールと
代数幾何のために道具として、幾何学的トポスを作ったが、
代数幾何をひたすら進んでいったグロタンディエクの違いは考慮しないとね。
59>58:2000/11/29(水) 05:20
>代数幾何をひたすら進んでいったグロタンディエク

代数幾何やるまえに位相ベクトル空間やってなかった?
60GTR:2000/11/29(水) 10:32
柏原のことを裏切りもの扱いしてるってホントかな?
61ぽこちゃん:2000/11/30(木) 01:08
そういえば、核型空間論やってました。
62132人目の素数さん:2001/02/12(月) 05:14
アゲ
63132人目の素数さん