799 :
132人目の素数さん :
2005/05/09(月) 14:49:03 Bourbakiの代数10章ホモロジー代数のスペクトル系列に関する 演習問題の翻訳と解答を書こうと思ったが、その前に スペクトル系列のような複雑なものがどこから来たかという疑問 に多少とも答えようと思う。 A を単位元を持つ環。A-加群からなる複体 K = (K^n, d^n), n ∈ Z とその部分複体 F^p(K), p ∈ Z の降列 ... F^p(K) ⊃ F^(p+1)(K) ... があるとする。 ここで Z は有理整数環を表す。K をフィルター付複体という。 簡単のために F^p(K) を F^p と略記する。 標準単射 F^p -> K はホモロジー加群の射 H(F^p) -> H(K) を 誘導する。この像を F^p(H(K)) または簡単のためにF^p(H)と書く。 ここで H(K) は次数加群 Σ(H^n(K)), n ∈ Z と見なしている。 F^p(H) により H(K) はフィルター付次数加群となる。 フィルター (F^p(H)), p ∈ Z の次数化加群 gr(H) = Σ(F^p(H)/F^(p+1)(H)), p ∈ Z を考える。 H(K) の情報は gr(H) からある程度わかる。 例えば、A が体で、K が A 上有限次元、(F^p(H)) が長さ 有限かつ H = ∪F^p(H), ∩F^p(H) = 0 なら gr(H) から H(K) は同型を除いて決定される。 一方、フィルター付複体 K の次数化加群 gr(K) = Σ(F^p/F^(p+1)), p ∈ Z が考えられる。 gr(K) の各成分 F^p/F^(p+1) は複体となっている。 従って、そのホモロジー加群 (E_1)^p = H(F^p/F^(p+1)) が 考えられる。以下に見るように E_1 = Σ(E_1)^p は自然に複体と なる。さらに、E_2 = H(E_1) = ΣH((E_1)^p) も自然に複体と なる。このようにして複体の列、E_1, E_2, ...が得られるが 十分良いフィルター (F^p(K)), p ∈ Z が与えられた場合、 gr(H) は、ある意味でこの列の極限と見なせる。従って、gr(H) が複体の列、E_1, E_2, ...で近似出来ることになる。この近似に よりH(K) に関する有益な情報が得られることになる。
800 :
132人目の素数さん :2005/05/09(月) 17:21:01
>>799 久々の有益なコメント!
やっぱ、こうじゃなくっちゃ。
801 :
132人目の素数さん :2005/05/09(月) 19:51:50
このくらいまともな本には書いている
802 :
132人目の素数さん :2005/05/09(月) 19:53:40
>>801 まともな本何冊も読んだの?お勧め教えて
803 :
132人目の素数さん :2005/05/09(月) 22:01:14
Cartan&Eilenbergが一番お勧めらしい。おれは読んでないが。長ったらしいから。 Bredon「SheafTheory」 河田「ホモロジー代数」(799の内容は河田に乗っていると思う) 永田ホカ「中称代数幾何」にも簡単に書いているが、799のことは書いていない その程度しか読んでない
804 :
132人目の素数さん :2005/05/10(火) 11:37:53
>>799 の続き
記号を簡単にするため複体 K の次数付けは無視することにする。
従って、K = (K, d) は微分付加群、すなわち A-加群 K と
d^2 = 0 となる自己準同型 d ∈ End(K) の組と見なす。
さて (E_1)^p = H(F^p/F^(p+1)) と置いたとき、
E_1 = Σ(E_1)^p は自然に複体となることを示す。
つまり射 d: (E_1)^p → (E_1)^(p+1) が自然に定義され
d^2 = 0 となる。
まず、次の完全系列に注目する。
0 → F^(p+1) → F^p → F^p/F^(p+1) → 0
これからホモロジー完全系列
→ H(F^(p+1)) → H(F^p) → H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p+1)) →
が得られる。ここで、∂:H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p+1)) は
連結射と呼ばれるものである。
一方、自然な全射 F^(p+1) → F^(p+1)p/F^(p+2) から
H(F^(p+1)) → H(F^(p+1)p/F^(p+2)) が誘導されるが
これと上の∂を合成して
d: H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p+1)/F^(p+2)) が得られる。
この射の記号 d は上の K の微分 d と同じだが、間違うことは
ないだろう。ここで、d^2 = 0 が成立つことは、d を具体的に
計算してもわかるが、以下のように図式的にもわかる。
805 :
799 :2005/05/10(火) 11:39:03
まず、次の完全系列に注目する。 0 → F^(p+2) → F^(p+1) → F^(p+1)/F^(p+2) → 0 これからホモロジー完全系列 → H(F^(p+1)) → H(F^(p+1)/F^(p+2)) → H(F^(p+2)) → が得られる。これは完全系列だから、当然、隣合う射の合成は 0となる。つまり H(F^(p+1)) → H(F^(p+1)/F^(p+2)) と H(F^(p+1)/F^(p+2)) → H(F^(p+2)) の合成は0となる。 射 d^2 は、この合成射を経由するから、当然0となる。
806 :
799 :2005/05/10(火) 11:40:51
微分 d の(本質的には同じだが)やや異なる定義は、次のように しても出来る。 まず、次の完全系列に注目する。 0 → F^(p+1)/F^(p+2) → F^p/F^(p+2) → F^p/F^(p+1) → 0 これから、連結射 H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p+1)/F^(p+2)) が 得られるが、これを d と定義する。 これが、前の d と同じものであることは、 短完全列 : 0 → F^(p+1) → F^p → F^p/F^(p+1) → 0 から短完全列 : 0 → F^(p+1)/F^(p+2) → F^p/F^(p+2) → F^p/F^(p+1) → 0 への自然な射とそれの誘導するホモロジー完全列間の 射を考えればわかる。
807 :
799 :2005/05/10(火) 14:11:02
次にE_2 = H(E_1) = ΣH((E_1)^p) も自然に複体となることを 示す。その前に、ホモロジー完全列における連結射∂の定義を 復習しておこう。 複体の短完全列 0 → M → K → L → 0 があるとする。例によって各複体の次数付けは無視する。 ここで、各射に名前をつけておく。 f: M → K g: K → L H(L) の元は d(z) = 0 となる元(つまりcycle) z の剰余類 [z] として表現される。g(y) = z となる K の元 y をとる。 g(d(y)) = d(g(y)) = d(z) = 0 だから、上の列の完全性より f(x) = d(y) となる M の元 x がある。 f(d(x)) = d(f(x)) = dd(y) = 0 だから d(x) = 0 となる。 つまり x は、M のcycleである。x の H(M) における剰余類 [x] は、z の剰余類 [z] のみで定まり、代表元 z のとり方に よらない。∂([z]) = [x] と定義することにより 連結射∂: H(L) → H(M) が得られる。
808 :
799 :2005/05/10(火) 14:53:42
まず、H((E_1)^p) を具体的に求めよう。 それには、まず H(F^p/F^(p+1)) を具体的に求める必要がる。 ここで記号を導入する。 (Z_r)^p = {x ∈ F^p | d(x) ∈ F^(p+r)} と置く。 つまり、(Z_r)^p の元は、F^p における mod (F^(p+r)) での cycleということになる。 すると、 H(F^p/F^(p+1)) = (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1)) となる(各自、確かめること)。 微分 d(=連結射∂) : H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p+1)/F^(p+2)) すなわち ∂: (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1)) → (Z_1)^(p+1) / (d(F^(p+1)) + F^(p+2)) は、前に復習しておいたことから、d: (Z_1)^p → (Z_1)^(p+1) により引き起こされることがわかる。
809 :
799 :2005/05/10(火) 15:28:52
以上から 複体 ((E_1)^p, d) = (H(F^p/F^(p+1)), ∂) の ホモロジー加群 H((E_1)^p) を具体的に求めることが出来る。 ∂: (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1)) → (Z_1)^(p+1) / (d(F^(p+1)) + F^(p+2)) の核は、((Z_2)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1)) となる(各自、確かめること)。 ∂: (Z_1)^(p-1) / (d(F^(p-1)) + F^(p)) → (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1)) の像は、(d((Z_1)^(p-1)) + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1)) となる(各自、確かめること)。 したがって、 H((E_1)^p) = ((Z_2)^p + F^(p+1)) / (d((Z_1)^(p-1)) + F^(p+1)) となる。 一方、次の簡単な補題から 上式の右辺 = (Z_2)^p / (d((Z_1)^(p-1)) + (Z_1)^(p+1)) となる。
810 :
799 :2005/05/10(火) 15:33:35
補題 加群 X の部分加群 E, F, G があり、E ⊃ F とする。 このとき、(E + G)/(F + G) は E/(F + (E ∩ G)) と同型に なる。 証明は簡単なので各自にまかす。
811 :
教えてください! :2005/05/10(火) 20:21:42
内積ベクトル空間の任意のベクトルaに対して、a0=0であることを証明せよ。お願いします!
812 :
799 :2005/05/11(水) 08:40:12
何だおい、レスが止まったじゃないか。 お前等、大丈夫か? 難しすぎるならやめてもいいぞ。
813 :
799 :2005/05/11(水) 08:43:53
>>803 >Cartan&Eilenbergが一番お勧めらしい。
誰が勧めてるんだ?
>河田「ホモロジー代数」(799の内容は河田に乗っていると思う)
河田のどこにも書いてないよ。
814 :
799 :2005/05/11(水) 08:48:39
>>801 >このくらいまともな本には書いている
ほう、そのまともな本というのを挙げてみてくれ。
少なくともCartan-Eilenbergと河田には書いてないよ。
815 :
799 :2005/05/11(水) 09:30:21
>>810 からの続き
以上から(E_2)^p = H((E_1)^p) =
(Z_2)^p / (d((Z_1)^(p-1)) + (Z_1)^(p+1))
となることがわかった。
従って、微分 d: (E_2)^p → (E_2)^(p+2) が
d: (Z_2)^p → (Z_2)^(p+2) により定義出来る。
これにより、E_2 が複体となる。
一般に、
(E_r)^p =
(Z_r)^p / (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + (Z_(r-1))^(p+1))
と定義すると、微分 d: (E_r)^p → (E_r)^(p+r) が
定義され、H((E_r)^p) = E_(r+1)^p となる
(各自、確かめること)。
816 :
799 :2005/05/11(水) 10:29:02
今度は、gr(H(K)) を調べてみよう。 gr^p(H(K)) = F^p(H(K))/F^(p+1)(H(K)) であった。 ここで、F^p(H(K)) は、自然な射 H(F^p) → H(K) の像 である。 ここで記号を導入する。 (Z_∞)^p = F^p ∩ Z (B_∞)^p = F^p ∩ B と置く。 ここで、Z = Ker(d), B = Im(d)。 すると、H(F^p) = (Z_∞)^p/d(F^p) となる。 よって、F^p(H(K)) = ((Z_∞)^p + B)/B となる。 よって、gr^p(H(K)) = ((Z_∞)^p + B)/((Z_∞)^(p+1) + B) となる。ここで、前記の補題を使うと、 gr^p(H(K)) = (Z_∞)^p/((B_∞)^p + (Z_∞)^(p+1)) となる。
817 :
799 :2005/05/11(水) 10:52:37
簡単のために、F^0 = K, F^n = 0 と仮定してみよう。 n はある整数 n > 0。 すると、r が十分大きいと、(Z_r)^p = (Z_∞)^p となる。 (E_r)^p = (Z_r)^p / (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + (Z_(r-1))^(p+1)) であった。 F^0 = K だから、r が十分大きいと、 d((Z_(r-1))^(p-r+1)) = (B_∞)^p である。 よって、(E_r)^p = gr^p(H(K)) となる。 つまり、複体 E_1 から初めて、E_2, ... と計算していくと、 gr^p(H(K)) が求まることになる。
818 :
799 :2005/05/11(水) 11:55:17
スペクトル系列を扱うときのフィルターが満たすべき条件に ついて述べみよう。 いつものように、複体 K の次数付けは無視する。 K = ∪F^p(K) となるとき、フィルター (F^p) はexhaustive または co-separable という。ところで、exhaustive の日本語訳 でいいのないかな? 枯渇的じゃおかしいか? ∩F^p(K) = 0 となるとき、フィルター (F^p) は 分離的(separable)という。 今後扱うフィルターは、特に断らない限りexhaustiveで 分離的とする。 F^n = 0 となる n があるとき、フィルター (F^p) は 離散的(discrete) または 下に有界(bounded-below) と言う。 F^n = K となる n があるとき、co-discrete または 上に有界(bounded-above) と言う。 discrete かつ co-discrete なフィルター (F^p) は有限 または有界(bounded)という。 K = proj.lim F/F^p となるとき、フィルター (F^p) は、 完備(complete) と言う。
819 :
799 :2005/05/11(水) 13:08:03
ここで、スペクトル系列でよく使う命題を証明しよう。 命題 K, L をそれぞれフィルター(F^p(K)), (F^p(L))を持った A-加群とする。f: K → L をフィルター加群としての射とする。 つまり、f(F^p(K)) ⊂ F^p(L) が各pで成立つ。 f は gr(K) から gr(L) への次数加群としての射を誘導するが この誘導射が同型であるとする。 このとき、フィルター(F^p(K)) が有限なら、f は同型となる。 証明 gr(K) と gr(L) が同型だから、フィルター(F^p(L)) も 有限である。 F^0(K) = K, F^2(K) = 0 の場合を証明すれば、帰納法を使って、 一般の場合も証明できる。よって、この場合のみ証明する。 完全列: 0 → F^1(K) → K → K/F^1(K) → 0 と 0 → F^1(L) → L → K/F^1(L) → 0 を考える。 仮定により、f: K → L は、同型 F^1(K) → F^1(L) と 同型 K/F^1(K) → K/F^1(L) を誘導する。 snake lemmaを使って(使わなくても簡単にわかるが) f も同型になる。
820 :
799 :2005/05/11(水) 13:20:33
命題(
>>819 )の系1
上の命題はフィルター(F^p(K)) が有限でなくても離散的
なら成り立つ。
証明
上の命題より、各pに対して f は同型 F^p(K) → F^p(L)
を誘導することがわかる。規約(
>>818 )により
フィルター(F^p(K))と(F^p(L)) はexhaustiveだから、
f は同型となる。
821 :
799 :2005/05/11(水) 13:27:22
命題(
>>819 )の系2
上の命題はフィルター(F^p(K)) が完備なら成り立つ。
証明
上の系1(
>>820 )より、各pに対して f は同型
K/F^p(K) → L/F^p(L)を誘導することがわかる。よって同型
proj.lim K/F^p(K) → proj.lim K/F^p(L) を誘導する。
822 :
799 :2005/05/11(水) 13:42:30
>>821 訂正
>上の命題はフィルター(F^p(K)) が完備なら成り立つ。
上の命題はフィルター(F^p(K))と(F^p(L))が完備なら成り立つ。
823 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 16:33:33
K をフィルター付き微分加群とする。
K のフィルター(F^p) が有限のときは
>>817 で見たように
r が十分大きいと、 、(E_r)^p = gr^p(H(K)) となる。
今度はフィルターの有限性を仮定しないで単に離散的とする。
このときスペクトル系列 (E_r) と gr^p(H(K)) の関係を
見てみよう。
(E_r)^p =
(Z_r)^p / (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + (Z_(r-1))^(p+1))
であった。
フィルター(F^p)は離散的だから、
>>817 で見たように
ある s(pにより決まる) があって、r ≧ s のとき、
(Z_r)^p = (Z_∞)^p, (Z_(r-1))^(p+1) = (Z_∞)^(p+1) となる。
一方、仮定(
>>818 )により K = ∪F^p(K) だから
(B_∞)^p = ∪d((Z_(r-1))^(p-r+1)) となる。
よって、r ≧ s のとき
∪(d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + (Z_(r-1))^(p+1)) =
(B_∞)^p + (Z_∞)^(p+1) となる。
gr^p(H(K)) = (Z_∞)^p/((B_∞)^p + (Z_∞)^(p+1)) だから、
以下に述べる補題により
gr^p(H(K)) = ind.lim (E_r)^p(r ≧ s) となる。
824 :
799 :2005/05/11(水) 16:46:19
補題 E をA-加群、(F^p) を E のexhaustiveとは限らないフィルター とする。このとき E/∪F^p = ind.lim E/F^p となる。 ここで、ind.lim は帰納極限を表す記号である。 証明 完全列 0 → F^p → E → E/F^p → 0 を考える。 加群の圏における有向帰納極限は完全関手だから、 0 → ind.lim F^p → E → ind.lim E/F^p → 0 は完全である。 ∪F^p = ind.lim F^p だから E/∪F^p = ind.lim E/F^p となる。
825 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 19:02:34
もう、spectral sequenceのことは忘れかけてるが、 799のことは本に書いてないにしても、本を読むときに自分で考えるんじゃないの? spectral sequenceを理解する上で。 上で書いたことが、たとえばCartan&Eilenbergやbourbakiのどこにどのように関係するのかとか を説明しないと、読む気がしない。 なぜなら、すでに理解したことをわざわざ読む気がしないからだ。 通常の本の勉強で手に入らない内容なら読むが、 そのためにも、Cartan&Eilenbergやbourbakiのどこにどのように関係するのかとか を説明してくれ。 たとえば、上の話はregularfiltrationの条件下で理論展開してるのかな? それなら、BredonのAppendixがperfectだったと思うけど。
>>825 読む気にならないなら、スルーすれば良いのに、なぜ否定的な事を
書き込むのか?
これをちょうど学ぶべき段階に到達しながら、まだ知らないでいるものも、
居るだろうし、忘れかけた所を復習するのに役立てられるではないか。
俺は参考にさせてもらっているよ。
827 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 20:24:31
828 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 21:02:24
どこが如何いう風に気持ち悪いのか。
829 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 21:12:14
すまんかった。
>>799 がんばってくれ。
できればどっかにPDFでupしてくれたほうがうれしいな。
>829を代弁しよう! 2chに読みにくいのを書く間があったら、pdfでうぷしろ! この腐れ崩れ代数ヲタがぁぁぁッ!
sage進行で荒らそうとしてるのが誰かさんで age進行で荒らそうとしてるのがもう一人の誰かさん といった感じか。
832 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 22:08:17
とりあえず上げますね
833 :
832 :2005/05/11(水) 23:04:43
今度は下げますね
834 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 23:39:49
835 :
132人目の素数さん :2005/05/11(水) 23:44:09
↑ はやくまとめて読みたいので
836 :
132人目の素数さん :2005/05/12(木) 00:07:32
799さんの講義を参考にゆっくり勉強してみます。 (続きをお願いいたします。) 質問:具体的に複体(K,d)が与えている時、 良いフィルトレーションを見つけるには、何か方法があるのでしょうか?
837 :
799 :2005/05/12(木) 09:44:15
>>836 代数幾何で使われるのは2重複体のスペクトル系列がほとんど。
この場合、フィルトレーションは自明なもの(後で述べる予定)。
だから、その問題は気にしなくていい。
838 :
743 :2005/05/12(木) 13:37:02
>>837 ご返答有難うございます。
提案:「exhaustive」(
>>818 )の訳語として
「完湧」「全湧」のようなものは如何でしょうか?
「Kの元は、フィルトレーションを通して全て汲み尽くせる」
といった意味合いですから。
839 :
743⇒836 :2005/05/12(木) 13:45:44
840 :
799 :2005/05/16(月) 09:52:41
>>822 >上の命題はフィルター(F^p(K))と(F^p(L))が完備なら成り立つ。
この訂正は不要だった。何故不要か、誰か分かる人、説明してくれ。
ttp://tv6.2ch.net/test/read.cgi/tv/1113568408/801-900 856 :名無しでいいとも!:2005/05/15(日) 02:00:04 ID:tsdxeffQ
>>818 >太い直線を引くという答えが間違いである理由がわからない。
直線には面積なんてないから太いとか細いとかないよ
だからその答えは間違い
857 :名無しでいいとも!:2005/05/15(日) 02:09:03 ID:19rbNtem
↑ 釣りですか?
どんなに細くても 線には面積あるじょ
860 :名無しでいいとも!:2005/05/15(日) 02:26:31 ID:iH/MecV4
太さが0.1mmでも1mでも、曲がらなければ直線なわけで。
894 :名無しでいいとも!:2005/05/16(月) 00:47:03 ID:p2QlEvol
>>856 >
>>818 > >太い直線を引くという答えが間違いである理由がわからない。
> 直線には面積なんてないから太いとか細いとかないよ
> だからその答えは間違い
↑この人何言ってんの?
どんな太さでも直線は直線なんだったら、あれは正解だろ
不正解とするには前もって直線の太さを限定しなければ駄目だ
842 :
132人目の素数さん :2005/05/16(月) 14:34:40
843 :
799 :2005/05/18(水) 17:02:03
>>840 上の系1(
>>820 )より、各pに対して f は同型
K/F^p(K) → L/F^p(L)を誘導することがわかる。よって同型
proj.lim K/F^p(K) → proj.lim L/F^p(L) を誘導する。
次の可換図式を考える。
K → L
↓ ↓
proj.lim K/F^p(K) → proj.lim L/F^p(L)
左の垂直射↓は仮定より同型。
右の垂直射↓は、(F^p(L))が分離的だから単射である。
これから容易にK → Lが同型であることがわかる。
844 :
799 :2005/05/23(月) 17:19:10
ここで、スペクトル系列に関するCartan-Eilenbergの方法と 我々の方法の関連を述べる。 はっきり言って彼らの方法は難解である。我々の方法との関連 を説明することにより多少とも彼らの方法の理解の補助になる と思う。 その前にCartan-Eilenbergの方法でよく使われる補題を述べる。 補題 次の加群の完全列において、 E → F → G E → F が E → T → F と分解されるとする。 ここで、T はある加群。 このとき、 Im(T → F)/Im(E → F) = Im(T → G) となる。 ここで、T → G は、T → F と F → G の合成。 証明は簡単なので各自に任す。
845 :
799 :2005/05/23(月) 18:14:00
K をいつものようにフィルター付き微分A-加群 (filtered differential A-module)とする。 標準射 F^p/F^(p+r) → F^p/F~(p+1) により、 射 H(F^p/F^(p+r)) → H(F^p/F~(p+1)) が誘導される。 この射の像を Z(p, r) と置く。 一方、次の完全列を考える。 0 → F^p/F^(p+1) → F^(p-r+1)/F^(p+1) → F^(p-r+1)/F^p → 0 これから誘導される連結射 H(F^(p-r+1)/F^p) → H(F^p/F^(p+1)) の像を B(p, r) と置く。
846 :
799 :2005/05/23(月) 18:14:40
次の二つの完全列を考える。
0 → F^p/F^(p+r) → F^(p-r+1)/F^(p+r) → F^(p-r+1)/F^p → 0
0 → F^p/F^(p+1) → F^(p-r+1)/F^(p+1) → F^(p-r+1)/F^p → 0
上の完全列から下の完全列への標準射がある。
よって二つのホモロジー完全列の間の射が得られる(各自、図を
書いて確かめられたい)。
従って、連結射 H(F^(p-r+1)/F^p) → H(F^p/F^(p+1)) は
H(F^(p-r+1)/F^p) → H(F^p/F^(p+r)) → H(F^p/F^(p+1))
と分解される。これと、完全列
H(F^(p-r+1)/F^p) → H(F^p/F^(p+1)) → H(F^(p-r+1)/F^(p+1))
に補題(
>>844 )を適用すれば、
Z(p, r) / B(p, r) = Im(F^p/F^(p+r) → F^(p-r+1)/F^(p+1))
となる。
E(p, r) = Z(p, r) / B(p, r) と置く。
847 :
799 :2005/05/23(月) 18:29:48
>>846 >Z(p, r) / B(p, r) = Im(F^p/F^(p+r) → F^(p-r+1)/F^(p+1))
>
>となる。
訂正
Z(p, r) / B(p, r) = Im(H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p-r+1)/F^(p+1)))
となる。
848 :
799 :2005/05/27(金) 15:06:46
次の2つの短完全列とその射を考える。 0 → F^(p+r)/F^(p+2r) → F^p/F^(p+2r) → F^p/F^(p+r) → 0 ↓ ↓ ↓ 0 → F^(p+1)/F^(p+r+1) → F^(p-r+1)/F^(p+r+1) → F^(p-r+1)/F^(p+1) → 0
849 :
799 :2005/05/27(金) 15:14:19
これから次の可換図式が得られる。 H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p−r+1)/F^(p+1)) ↓ ↓ H(F^(p+r)/F^(p+2r)) → H(F^(p+1)/F^(p+r+1)) よって E(p, r) = Im(H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p-r+1)/F^(p+1))) から E(p+r, r) = Im(H(F^(p+r)/F^(p+2r)) → H(F^(p+1)/F^(p+r+1))) への射が得られる。 この射を d_r: E(p, r) → E(p+r, r) と書く。
850 :
799 :2005/05/27(金) 15:33:59
>>849 訂正
>この射を d_r: E(p, r) → E(p+r, r) と書く。
この射を (d_r)^p : E(p, r) → E(p+r, r) と書く。
さらに、(d_r)^p はd^pまたはdと略記する場合もある。
851 :
799 :2005/05/27(金) 15:49:15
ここで、Ker(d^p) / Im(d^(p-r)) = E(p, r+1) を示すのが
問題となる。
E(p, r)が、我々が前(
>>815 )に定義した(E_r)^pであることはわりと
簡単に証明できる。これを使えば、この問題は既に証明されて
いる。ここで、E(p, r) = (E_r)^p を示す前に、この問題を
Cartan-Eilenbergの方法で直接、証明してみよう。
これは結構、骨が折れる。しかし、図式的な証明なので、
よりエレガントと言える。
852 :
132人目の素数さん :2005/05/28(土) 20:09:55
『大学における縁故人事の社会的費用』について論じて欲しい。
■■ 有力教授のDQN子息の不祥事: (他にもありますか?)
(有力経済学教授のDQN息子) U沢: DQN論文3本で教授、COEリーダー、F原と詐欺申請共犯?
(有力化学教授のDQN息子) K沢: 捏造Pten論文、特許申請
(有力法学教授のDQN息子) 7戸: 親密交際中の女子院生が研究室の窓から奇怪な飛び下り自殺
【名古屋大学】多元数理科学研究科 [Chapter 5]
548 :132人目の素数さん :2005/05/28(土) 13:27:09
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/math/1116744640/
853 :
132人目の素数さん :2005/05/29(日) 16:58:47
854 :
132人目の素数さん :2005/05/29(日) 16:59:03
7.博士号を取得しても職がなく、借金(奨学金)を返すことさえできない
もし、真剣に研究者を目指して、20代のすべてを研究に捧げ、それなりの成果をあげた
にも関わらず、7.のような状態に陥ったとしても、決して希望を捨てないで欲しい。
統計を取ったことはないが、このような状況での自殺者が結構いるのではないかと思う。
この状況は、1990年前後の受験戦争よりも、はるかに厳しい生きるか死ぬかの戦争で
ある。しかし、「勝ち負け」にこだわりすぎて、本当に死なないで欲しい。
(2004年12月14日の日記より)
http://www.geocities.jp/arachan4553/Report/Ph.D.htm
855 :
132人目の素数さん :2005/05/29(日) 22:06:27
あげんなバカ
856 :
132人目の素数さん :2005/05/30(月) 12:23:25
>>あげんなバカ Urusai!! AFOOOOOOO
857 :
799 :2005/05/30(月) 13:18:20
記述を単純にするため、しばらくの間、H(F^p/F^q) をH(p/q)と 書くことにする。 可換図式 H(p/p+r) → H(p-r+1/p+1) ↓ ↓ H(p+r/p+2r) → H(p+1/p+r+1) から Im(H(p/p+r)→H(p-r+1/p+1)) → Im(H(p+r/p+2r)→H(p+1/p+r+1)) が得られた。 この射は、 Im(H(p/p+r)→H(p-r+1/p+1)) → Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1)) と Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1)) → Im(H(p/p+2r)→H(p+1/p+r+1)) の合成に分解される。
858 :
799 :2005/05/30(月) 15:03:20
次の図式において、下の水平列は完全である。
H(p/p+r) → H(p-r+1/p+1)
↓ ↓
H(p/p+r+1)→H(p/p+1)→H(p+1/p+r+1)
これから、
Z(p, r)/Z(p, r+1) は、Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1)) と同型になる。
次の図式においても、下の水平列は完全である。
H(p/p+r)
↓
H(p-r+1/p+r+1)→H(p/p+1)→H(p-r+1/p+1)
これから、前(
>>846 )にみたように、
Z(p, r)/B(p, r) は、Im(H(p/p+r)→H(p-r+1/p+1)) と同型になる。
以上から、
射 Im(H(p/p+r)→H(p-r+1/p+1)) → Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1))
は、標準射 Z(p, r)/B(p, r) → Z(p, r)/Z(p, r+1) と同一視出来る。
859 :
799 :2005/05/30(月) 15:37:47
次の図式において、下の水平列は完全である。
H(p/p+r)
↓
H(p+r/p+2r)
↓
H(p+1/p+r)→H(p+r/p+r+1)→H(p+1/p+r+1)
これから、
B(p+r, r+1)/B(p+r, r) は、Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1)) と同型
になる。
一方、Z(p+r, r)/B(p+r, r) は、Im(H(p+r/p+2r)→H(p+1/p+r+1))
と同型である(
>>849 )。よって、上の図から、
単射 Im(H(p/p+r)→H(p+1/p+r+1)) → Im(H(p+r/p+2r)→H(p+1/p+r+1))
は、標準単射 B(p+r, r+1)/B(p+r, r) → Z(p+r, r)/B(p+r, r)
と同一視できる。
860 :
799 :2005/05/30(月) 15:52:28
以上から、 射 d^p: Im(H(p/p+r)→H(p-r+1/p+1)) → Im(H(p+r/p+2r)→H(p+1/p+r+1)) は 標準全射 Z(p, r)/B(p, r) → Z(p, r)/Z(p, r+1) と 同型 Z(p, r)/Z(p, r+1) → B(p+r, r+1)/B(p+r, r) および、 標準単射 B(p+r, r+1)/B(p+r, r) → Z(p+r, r)/B(p+r, r) の合成であることがわかった。 よって、Ker(d^p) = Z(p, r+1)/B(p, r) Im(d^p) = B(p+r, r+1)/B(p+r, r) となる。よって、 Ker(d^p)/Im(d^(p-r)) = Z(p, r+1)/B(p, r+1) = E(p, r+1) となる。これで、(E(p, r), d^p) がスペクトル系列となることが わかった。
861 :
799 :2005/05/30(月) 16:50:47
ここで、E(p, r) が、我々が前に定義した (E_r)^p であることを
証明しよう。
Z(p, r) = Im(H(p/p+r)→H(p/p+1))
であった。
H(p/p+1) = (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1))
H(p/p+r) = (Z_r)^p / (d(F^p) + F^(p+r))
よって、Z(p, r) = ((Z_r)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
一方、
B(p, r) = Im(H(p-r+1/p)→H(p/p+1))
であった。
H(p-r+1/p) = (Z_(r-1))^(p-r+1) / (d(F^(p-r+1)) + F^p)
よって、B(p, r) = (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
よって、E(p, r) = Z(p, r)/B(p, r) =
((Z_r)^p + F^(p+1)) / (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + F^(p+1))
ここで、補題(
>>810 ) より
上の右辺 = (Z_r)^p / (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + (Z_(r-1))^(p+1))
これは、定義(
>>815 )より
= (E_r)^p
862 :
799 :2005/05/30(月) 18:37:48
Z(p, r) = Im(H(F^p/F^(p+r))→H(F^p/F^(p+1)))
において、形式的に r を∞にしたとき F^(p+r) = 0 と解釈して、
Z(p, ∞) = Im(H(F^p) → H(F^p/F^(p+1)))
と定義する。
同様に、
B(p, r) = Im(H(F^(p-r+1)/F^p)→H(F^p/F^(p+1)))
において、形式的に r を∞にしたとき F^(p-r+1) = K と解釈して、
B(p, ∞) = Im(H(K/F^p)→H(F^p/F^(p+1)))
と定義する。
E(p, ∞) = Z(p, ∞)/B(p, ∞) とおく。
H(F^p)
↓
H(K/F^p) → H(F^p/F^(p+1)) → H(K/F^(p+1))
より、
E(p, ∞) = Im(H(F^p) → H(K/F^(p+1)))
となる。
一方、F^p(H(K)) = Im(H(F^p) → H(K)) と定義したことを思い
出そう(
>>799 )。
H(F^p)
↓
H(F^(p+1)) → H(K) → H(K/F^(p+1))
より、
gr^p(H(K)) = F^p(H(K)) / F^(p+1)(H(K))
= Im(H(F^p) → H(K/F^(p+1)))
= E(p, ∞)
となる。
863 :
799 :2005/05/31(火) 09:56:05
今までのところでわからないところがあったら質問して。
864 :
132人目の素数さん :2005/06/01(水) 08:43:39
yoku wakaruzo!!!
865 :
132人目の素数さん :2005/06/01(水) 09:39:51
悲しいとき たこ焼きを買ったら、足の先しか入っていないとき
>>863 この手の話では、対象としている複体 F、K の対の具体例を幾つか提示して
それに絡めながら話を進められれば、未熟者にも大いに勉強になろう。
867 :
799 :2005/06/01(水) 12:59:26
>>866 わかってるよ。ものには順序というものがる。
そうあせるな。この先、長いよ。
868 :
799 :2005/06/01(水) 13:00:50
Z(p, ∞)とB(p, ∞)を具体的に求めよう。
(Z_∞)^p = F^p ∩ Z
(B_∞)^p = F^p ∩ B
と定義(
>>816 )したことを思いだそう。
Z(p, ∞) = Im(H(F^p) → H(F^p/F^(p+1)))
であった。
H(F^p) = (Z_∞)^p / d(F^p)
H(F^p/F^(p+1)) = (Z_1)^p / (d(F^p) + F^(p+1))
よって
Z(p, ∞) = ((Z_∞)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
となる。
B(p, ∞) = Im(H(K/F^p)→H(F^p/F^(p+1)))
であった。
H(K/F^p) = d^(-1)(F^p) / (d(K) + F^p)
よって
B(p, ∞) = ((B_∞)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
となる。
869 :
799 :2005/06/01(水) 18:57:41
今まで述べたことより
B(p, r) ⊂ B(p, r+1) ⊂ B(p, ∞) ⊂ Z(p, ∞) ⊂ Z(p, r+1) ⊂ Z(p, r)
がわかる。これらはすべて H(F^p/F^(p+1)) の部分加群である。
B(p, 1) = 0
Z(p, 1) = H(F^p/F^(p+1))
よって
E(p, 1) = H(F^p/F^(p+1)) に注意する。
B(p, ∞) = ∪{B(p, r) | r ≧ 1}
であることは、
フィルター{F^p}がexhaustiveであることと、
>>861 の
B(p, r) = (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
と
>>868 の
B(p, ∞) = ((B_∞)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
よりわかる。
870 :
132人目の素数さん :2005/06/02(木) 13:33:29
Janos Kollar' book [rational curves on Algebraic Varieties] deals with lot of applications of Grothendieck's deformation theory to show the existence of curves of varieties having ample anticanonical line bundle.
871 :
禿藁 :2005/06/02(木) 21:31:16
872 :
799 :2005/06/03(金) 10:39:46
Z(p, ∞) = ∩{Z(p, r) | r ≧ 1}
は一般には成り立たない。
Z(p, r) = Im(H(F^p/F^(p+r)) → H(F^p/F~(p+1)))
Z(p, ∞) = Im(H(F^p) → H(F^p/F~(p+1)))
だから、フィルター(F^p)が離散的なら、
十分大きいrに対して Z(p, r) = Z(p, ∞) だから、
Z(p, ∞) = ∩{Z(p, r) | r ≧ 1} となる。
これは
>>823 でも述べておいた。
873 :
799 :2005/06/03(金) 11:10:55
条件 Z(p, ∞) = Z(p, r) for r >> 1
がなぜ大事かというと、
これが成り立つと前(
>>823 )に述べたように
E(p, ∞) = ind.lim E(p, r) for r >> 1
となって、E(p, ∞) = gr^p(H(K)) が E(p, r) により決定される
からである。
フィルター(F^p)が離散的でなくても
条件 Z(p, ∞) = Z(p, r) for r >> 1
は成り立つ。
H(F^p/F^(p+r))
↓
H(F^p) → H(F^p/F~(p+1)) → H(F^(p+1))
より、Z(p, ∞)/Z(p, r) = Im(H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p+1)))
となる。
H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p+1)) は
H(F^p/F^(p+r)) → H(F^(p+r)) → H(F^(p+1))
と分解されるから、H(F^(p+r)) = 0 for r >> 1 が成り立てば
Z(p, ∞) = Z(p, r) for r >> 1
となる。
874 :
132人目の素数さん :2005/06/08(水) 07:20:13
あほ
875 :
799 :2005/06/09(木) 14:10:44
K, K' をフィルター付き微分加群とし、
f: K → K' をフィルター付き微分加群としての射とする。
つまり、fd = df であり、f(F^p(K)) ⊂ F^p(K') がすべてのpで
成り立つ。
E(p, r) と E'(p, r) をそれぞれ K と K' のスペクトル系列とする。
E(p, r) = Z(p, r)/B(p, r) で
Z(p, r) = ((Z_r)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
B(p, r) = (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
であった(
>>861 )。
これから f(Z(p, r)) ⊂ Z'(p, r)
f(B(p, r)) ⊂ B'(p, r)
がわかる。
よって f は
(f_r)^p : E(p, r) → E'(p, r)
を誘導する。
fd = df だから (f_r)(d_r) = (d_r)(f_r)
となる。
よって、f_r は
H(f_r): H(E(p, r)) → H(E'(p, r))
を誘導する。
H(E(p, r)) = E(p, r+1)
H(E'(p, r)) = E'(p, r+1)
と見なせ(
>>860 )、この同一視により
f_(r+1) = H(f_r)
となる(各自、確かめられたい)。
さらに f は
(f_∞)^p : E(p, ∞) → E'(p, ∞)
と
H(f) : H(K) → H(K')
を誘導する。
876 :
132人目の素数さん :2005/06/09(木) 15:50:20
命題
K, K' をフィルター付き微分加群とし、
f: K → K' をフィルター付き微分加群としての射とする。
K と K' のフィルターは離散的とする。
ある r ≧ 1 とすべての p に対して、
(f_r)^p : E(p, r) → E'(p, r)
が同型とする。
このとき
(f_s)^p : E(p, s) → E'(p, s)
がすべての s ≧ r で同型となり、
(f_∞)^p : E(p, ∞) → E'(p, ∞)
と
H(f) : H(K) → H(K')
も同型となる。
証明
f_r が同型なら H(f_r) も同型となる(例えば、ホモロジー完全系列よりわかる)。
H(f_r) = f_(r+1) だから、(f_s)^p : E(p, s) → E'(p, s)
がすべての s ≧ r で同型となる。
一方
>>823 より
E(p, ∞) = gr^p(H(K)) = ind.lim E(p, s)(s ≧ t)
E'(p, ∞) = gr^p(H(K')) = ind.lim E'(p, s)(s ≧ t) となる。
ここで、t は十分大きい整数。よって
(f_∞)^p : E(p, ∞) → E'(p, ∞)
も同型となる。
次の補題と
>>820 より
H(f) : H(K) → H(K')
も同型となる。
877 :
132人目の素数さん :2005/06/09(木) 15:51:06
補題 K をフィルター付き微分加群とする。 K のフィルター (F^p(K)) が exhaustive なら、 H(K) のフィルター (F^p(H(K))) も exhaustive である。 ここで、いつものように、F^p(H(K)) = Im(H(F^p(K)) → H(K)) である。 証明 仮定より、K = ind.lim(p → -∞) F^p(K) 有向帰納極限(filtered inductive limit) は、 ホモロジー関手と可換だから、 H(K) = ind.lim H(F^p(K)) よって、H(K) = ∪ F^p(H(K))
878 :
132人目の素数さん :2005/06/09(木) 16:09:37
>>873 よりフィルター(F^p)が離散的でなくても
ある整数sに対して、H(F^p) = 0 for all p > s が成り立てば
>>876 の命題は成り立つ。
879 :
132人目の素数さん :2005/06/09(木) 16:35:01
880 :
799 :2005/06/09(木) 17:25:58
命題 K, K' をフィルター付き微分加群とし、 f, g: K → K' をフィルター付き微分加群としての射とし、 f - g = ds + sd が成り立つとする。 ここで、s: K → K' は加群としての射で、 s(F^p(K)) ⊂ F^(p-k)(K') が全てのpについて成り立つとする。 kはpによらない整数 k≧1。 このとき、(f_r)^p = (g_r)^p が全てのpと全てのr>kで成り立つ。 ここで、(f_r)^p と (g_r)^p は、それぞれfとgが 誘導する射:E(p, r) → E'(p, r)を表す。
881 :
799 :2005/06/09(木) 18:29:34
>>880 の命題の証明
Z(p, r) = ((Z_r)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
B(p, r) = (d((Z_(r-1))^(p-r+1)) + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
であった(
>>861 )。
よって、E(p, r) の元は (Z_r)^p(K) の元により代表される。
よって、x ∈ (Z_r)^p(K) のとき
f(x) - g(x) ∈ d((Z_(r-1))^(p-r+1)(K')) + F^(p+1)(K')
を示せばよい。
x∈(Z_r)^p(K) のとき d(x)∈F^(p+r)(K)
よって、sd(x) ∈F^(p+r-k)(K') ⊂ F^(p+1)(K') となる。
ds(x) = f(x) - g(x) - sd(x) であり、
f(x) - g(x) ∈ F^p(K') だから、
sd(x) ∈ F^(p+1)(K') ⊂ F^p(K') に注意して、
ds(x) ∈ F^p(K') となる。
一方、x∈F^p(K) だからs(x)∈F^(p-k)(K') ⊂ F^(p-r+1)(K')
となる。よって、ds(x) ∈ F^(p-r+1)(K') ∩ F^p(K')
= d((Z_(r-1))^(p-r+1)(K'))
証明終
882 :
132人目の素数さん :2005/06/09(木) 19:16:19
883 :
799 :2005/06/10(金) 14:56:37
>>880 の命題の条件において、
(f_∞)^p = (g_∞)^p
も成り立つ。
これは、
>>868 の
Z(p, ∞) = ((Z_∞)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
B(p, ∞) = ((B_∞)^p + F^(p+1)) / (d(F^p) + F^(p+1))
から
>>881 と同様にしてわかる。
884 :
799 :2005/06/10(金) 15:00:42
今まで複体の次数付けを無視してきたが、ここらへんで、それを 考慮しよう。K = (K^n, d^n) をフィルター付複体とする。 d^n は次数+1の微分である。つまり、d^n: K^n → K^(n+1) K のフィルター (F^p(K)) において各F^p(K)はKの部分複体である。 (F^p(K))^n = K^n ∩ F^p(K) と置く。 F^p(K) = Σ(F^p(K))^n である。 (F^p(K))^n はまた、F^(p,q)(K) とも書く。 ここで n = p + q である。 標準射 F^p/F^(p+r) → F^p/F^(p+1) により、 射 H^n(F^p/F^(p+r)) → H^n(F^p/F^(p+1)) が誘導される。 この射の像を Z_r(p,q) と置く(n = p+q)。 連結射 H^n(F^(p-r+1)/F^p) → H^(n+1)(F^p/F^(p+1)) の像を B_r(p,q) と置く。 E_r(p,q) = Z_r(p,q) / B_r(p,q) と置く。 E(p, r) = ΣE_r(p,q) for q ∈ Z となる。 微分 d_r: E(p, r) → E(p+r, r) は K の微分 d によりひき起こされるから、 (d_r)^n: E(p, r)^n → E(p+r, r)^(n+1) となる。 つまり、 (d_r)^n: E_r(p,q) → E_r(p+r,q-r+1)
885 :
799 :2005/06/10(金) 15:19:50
E_r(p,q)のpをフィルター次数、qを補次数、nを全次数という。 E_∞(p,q)の定義もあきらかだろう。 E_∞(p,q) = gr^p(H^n(K)) である。 ここで、 gr^p(H^n(K)) = F^p(H^n(K)) / F^(p+1)(H^n(K)) であり、 F^p(H^n(K)) = Im(H^n(F^p(K)) → H^n(K)) である。
887 :
799 :2005/06/10(金) 16:47:22
スペクトル系列{E_r(p,q)}をイメージ的に思い浮かべるには、 重なった平面の列を考える。r番目の平面の座標(p,q)の 位置にE_r(p,q)が配置されていると考える。 (p,q)の位置から水平方向に+rだけ移動し、垂直方向に-r+1だけ 移動する(つまりr-1だけ真下に下がる)と、 そこに射 (d_r)^(p,q) : E_r(p,q) → E_r(p+r,q-r+1) の標的 E_r(p+r,q-r+1) がある。 E_r(p,q) を標的とする射の定義域は、E_r(p-r,q+r-1) である。 つまり、(d_r)^(p-r,q+r-1) : E_r(p-r,q+r-1) → E_r(p,q) E_(r+1)(p,q) = Ker((d_r)^(p,q))/Im((d_r)^(p-r,q+r-1)) だから、(p,q)の位置での複体E_rのホモロジー群をとると 次の平面の同じ座標(p,q)にある E_(r+1)(p,q) が得られる。 これを有限回または無限に繰り返すとE_∞(p,q)にたどりつく (フィルターが良い条件を満たせば)。 nを固定したとき、直線 n = p+q にある点(p,q) にあるE_∞(p,q) が gr^p(H^n(K)) である。
888 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 17:13:18
残念なことに、現在の理系大学院で学べることは「研究すること」だけと言っても良いのです。
そもそも研究者以外を育てる教育システムがありません。将来、研究者になることがはっきり
しているならば研究することだけを一所懸命やっていてもなんとかなるのかもしれません。
しかし、今は大学院を出た後で選ぶべきキャリアは研究者だけではないのです。逆に、大学院を
出たほとんどの人は研究者になれないのです。
そういう現実を踏まえたならば、大学院でただ指導されるままに研究だけやっていても
自分の将来にそれほど役に立たないかもしれないということはよくわかると思います。
大学院に入学したばかりの人に冷や水を浴びせるのは不本意なのですが、今から考え始めれば
まだ間に合うということで、明日の講義をお楽しみ(?)に。
http://shinka3.exblog.jp/1981001/
やはり、話を見やすくする為に、念頭に描くべき実務的な F^p , K の例を一つ 提示してくれ。
890 :
榊原尚斎 :2005/06/10(金) 17:45:30
嗚呼北白川の望月よ
1 明くる数理の根本を 護る数学励(はげ)ぇまして
代数幾何を天地(あめつち)に 輝やかさんと征(い)でましし
ああ北白川の望月よ
2 数学オタ〜クの意気高く ABC予想を攻略せんと
ホッジ・アラケロフの理論もち 健爾と笑(え)みて統(す)べませる
ああ北白川の望月よ
3 プリンストン〜出の御身(おんみ)にて 遠ア〜ベ〜ルの興隆に
グロ去りましてピレネーに 数論幾何を護る男(やつ)
ああ北白川の望月よ
4 想えグロタ〜ンの大偉業 掲げ奉(まつ)れる皇子(みこ)の如(ごと)
御魂(みたま)捧げし御勲(おんいさお) いま大勝利収めゆく
ああ北白川の望月よ
メロディー:
http://www.biwa.ne.jp/~kebuta/MIDI/MIDI-htm/AhAhKitashirakawanoMiya.htm
891 :
799 :2005/06/10(金) 17:46:59
定義
フィルター付複体Kのフィルター(F^p(K))が以下の条件を満たすとする。
任意の整数nに対して整数s(n)が存在して、p > s(n) なら
常に H^n(F^p(K)) = 0 となる。
このとき、フィルター(F^p(K))は正則であるという。
ここで、暗黙に(F^p(K))はexhaustiveと仮定している。
>>873 と同様にして、
Z_∞(p,q)/Z_r(p,q) = Im(H^n(F^p/F^(p+r)) → H^(n+1)(F^(p+1)))
となる。
H^n(F^p/F^(p+r)) → H^(n+1)(F^(p+1)) は、
H^n(F^p/F^(p+r)) → H^(n+1)(F^(p+r)) → H^(n+1)(F^(p+1))
と分解される。
よって、(F^p(K))が正則で、r > s(p+q+1) - p なら
Z_r(p,q) = Z_∞(p,q) となる。
892 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 17:49:37
>>889 これからたっぷりやるから、もうちょっと待ってくれ。
具体例を念頭に置かないと、折角の論議が頭に残らないのだよ。 逆に具体例を持っていれば、途中を省略しても議論を把握できる。
894 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 18:09:29
895 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 18:17:14
まあ、予告編として、ちらっと紹介しよう。 例えば、CW複体Xをとる。Xのn-骨格をX^nとする。 Xの特異複体をK = S(X)、X^nの特異複体をS(X^n)とする。 F^p(K) = S(X^(-p)) とおけば、(F^p(K)) は K の部分複体F^p(K) からなるフィルターとなる。これから得られるスペクトル系列は E_1(p,q) = 0 が q が0以外で成り立つ。これから、 H^p(E_1(*,0)) = E_2(p,0) = H^p(K) となる(pは0または負の整数)。
896 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 18:20:26
>>893 だったら、具体例が出てくるまで読むのをやめればいい。
何も律儀に順を追って読む必要はない。
897 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 18:28:05
>>895 >H^p(E_1(*,0)) = E_2(p,0) = H^p(K) となる(pは0または負の整数)。
H^p(K) = H_(-p)(K) と定義する。右辺は普通の特異ホモロジー群。
899 :
132人目の素数さん :2005/06/10(金) 19:18:36
前にも書いたようにホモロジー代数というのは個別の命題の証明 は難しいもんじゃないんだが、motivationの維持が難しい。 この退屈さに挫折する人間がいかに多いことか。
900 :
132人目の素数さん :2005/06/11(土) 11:41:30
ICM自体が談合。全くの無意味
901 :
132人目の素数さん :2005/06/11(土) 23:33:19
↑負け犬の〜
902 :
132人目の素数さん :2005/06/11(土) 23:34:21
>>900 オイちゃん、それを言っちゃおしまいだよ
903 :
132人目の素数さん :2005/06/12(日) 02:40:10
アホ
904 :
132人目の素数さん :2005/06/14(火) 13:29:38
>>799 勉強されて戴いています。感謝!
そろそろ次スレを立てたらどうでしょうか?
放置状態なら暫くの間、参照できるでしょうから。
906 :
799 :2005/06/15(水) 19:12:53
>>891 >このとき、フィルター(F^p(K))は正則であるという。
>ここで、暗黙に(F^p(K))はexhaustiveと仮定している。
フィルター(F^p(K))が正則であるためには、(F^p(K))は分離的でなくともよい。
907 :
799 :2005/06/15(水) 19:26:55
フィルター付複体Kのフィルター(F^p(K))が以下の条件を満たすとする。 任意の整数nに対して整数s(n)が存在して、F^s(n)(K) = 0 となる。 この条件が普通の応用ではよく現れる。 このとき、明らかにフィルター(F^p(K))は正則となる。 GodementやBourbakiなどは、この条件を満たすexhaustiveな フィルターを正則といっている。
908 :
799 :2005/06/15(水) 19:31:35
>>907 >任意の整数nに対して整数s(n)が存在して、F^s(n)(K) = 0 となる。
以下のように訂正する。
任意の整数nに対して整数s(n)が存在して、(F^s(n)(K))^n = 0 となる。
ここで、(F^s(n)(K))^n は部分複体 F^s(n)(K) の n次成分。
909 :
132人目の素数さん :2005/06/16(木) 12:45:05
今更なんだけど念のために補足する。
>>873 の図式
H(F^p/F^(p+r))
↓
H(F^p) → H(F^p/F~(p+1)) → H(F^(p+1))
のように
T
↓
E → F → G
のような図式がよく出てきたが、
これは補題(
>>844 )における図式を略記したものである。
だから、E → T という斜めの射が省略されている。
910 :
799 :2005/06/16(木) 14:40:47
ここで一息いれて今までのまとめをしよう。
フィルター付複体 K が与えられるとスペクトル系列 (E_r(p,q)) が得られた。
E_r(p,q) と E_∞(p,q) はフィルター(F^p(K))に何の条件もつけないで
定義されたことを注意しよう。(F^p(K))はexhaustiveでさえなくてもよい。
ただし、これだとE_r(p,q) から E_∞(p,q) が決まらない。
フィルター(F^p(K))がexhaustiveであると、
B_∞(p,q) = ∪{B_r(p,q) | r ≧ 1} となった(
>>799 )。
よって、
Z_∞(p,q) = ∩{Z_∞(p,q) | r ≧ 1} となれば、
E_r(p,q) からE_∞(p,q) が決まる。
このとき、Cartan-Eilenbergでは、スペクトル系列 (E_r(p,q)) は弱収束する
(weakly convergent)と呼んでいる。
>>891 で見たように、フィルター(F^p(K))が正則なら、弱収束する。
(続く)
911 :
799 :2005/06/16(木) 18:52:49
K, K' をフィルター付き微分加群とし、
f: K → K' をフィルター付き微分加群としての射とする。
>>875 で見たように、f は
f_r : E_r(p,q)(K) → E_r(p,q)(K') と
f_∞ : E_∞(p,q)(K) → E_∞(p,q)(K')
を誘導する。
ここで、f_2 : E_2(p,q)(K) → E_2(p,q)(K') が同型だと仮定しよう。
すると、
>>876 の命題の証明でみたように、
r ≧ 2 なら f_r : E_r(p,q)(K) → E_r(p,q)(K') は同型となる。
フィルター(F^p(K)) と、(F^p(K')) が弱収束(
>>910 ) すれば、
f_∞ : E_∞(p,q)(K) → E_∞(p,q)(K') も同型になる。
ここで、gr^p(H^n(K)) = E_∞(p,q) であったことを思いだそう(
>>862 )。
フィルター(F^p(K)) がexhaustiveなら H^n(K) のフィルター (F^p(H^n(K)))
もexhaustiveである(
>>877 )。
よって、(F^p(K))と(F^p(K))がexhaustiveかつ
H^n(K) = proj.lim H^n(K)/F^p(H^n(K)), p → ∞
(つまり、フィルター(F^p(H^n(K)))が完備)
で、フィルター (F^p(H^n(K')))が分離的なら、
H^n(K) → H^n(K') も同型になる(
>>821 と
>>843 )。
912 :
799さぁ〜ん! :2005/06/20(月) 17:01:45
247 名前:132人目の素数さん :2005/06/20(月) 14:12:48
Tohokuのオリジナルな部分って何なの?
最終章は読んでないのでわからないけど、それ以外は
CEのホモロジー代数をアーベル圏で展開しただけのような
気がする。
248 名前:132人目の素数さん :2005/06/20(月) 15:06:19
そこが大事なんだよ
249 :132人目の素数さん :2005/06/20(月) 16:26:35
大事なのはいいけど、それだけならBuchsbaumもCEの付録に
似たようなこと書いてるわけで。
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/math/1117523095/247-
913 :
799 :2005/06/20(月) 18:32:45
>>912 それ俺が書いたものなんだけど。
強いてあげれば、層係数コホモロジーをΓの導来関手として
定義したことかな。
914 :
132人目の素数さん :2005/06/20(月) 18:57:41
Tohokuのオリジナルな部分って sheafcategoryがenoughinjectiveであることを示したっていうのはどう?
916 :
799 :2005/06/21(火) 08:58:13
>>915 Godementが簡単かつ直接的な証明をしている。TohokuでもGodementの
証明を紹介している。
917 :
799 :2005/06/21(火) 10:07:44
これからスペクトル系列を応用する場合に必要となるいくつかの
簡単な命題を証明していく。
あるフィルター付複体 K が与えられているとし、それから得られる
スペクトル系列 (E_r(p,q)) を考える。
ある r≧1 と整数の組 (p,q) に対して E_r(p,q) = 0 なら
E_s(p,q) = 0 が任意の s > r に対して成り立つ。
これは
B_r(p,q) ⊂ B_s(p,q) ⊂ Z_s(p,q) ⊂ Z_r(p,q)
から明らか(
>>869 )。
B_r(p,q) ⊂ B_∞(p,q) ⊂ Z_∞(p,q) ⊂ Z_r(p,q)
だから E_∞(p,q) = 0 ともなる。
ここでスペクトル系列を定義する複体 K のフィルター(F^p(K))
には何の条件もつけていないことに注意しよう。
918 :
799 :2005/06/21(火) 11:34:12
q < 0 のとき E_2(p,q) = 0 とする。
つまり非零のE_2(p,q)は上半平面のみにあるとする。
>>917 より q < 0 のとき E_r(p,q) = 0 が任意の
r≧2 で成り立つ。
d_2 : E_2(p,0) → E_2(p+2,-1) = 0
だから Z_3(p,0) = Z_2(p,0) となる。
同様に、r≧2 なら Z_r(p,0) = Z_2(p,0) となる。
よってフィルター(F^p(K))が正則(
>>891 )なら、
Z_∞(p,0) = Z_2(p,0) となる。
B_2(p,q) ⊂ B_∞(p,0) ⊂ Z_∞(p,0) = Z_2(p,0)
だから、全射 E_2(p,0) → E_∞(p,0) が得られる。
この核は B_∞(p,0)/B_2(p,q) である。
一方、E_∞(p,q) は gr^p(H^n(K)) = F^p(H^n(K))/F^(p+1)(H^n(K))
に同型であった(
>>862 )。ここで、n = p + q。
>>917 より q < 0 のとき E_∞(p,q) = gr^p(H^(p+q)(K)) = 0 だから、
F^(p+1)(H^p(K)) = F^(p+2)(H^p(K)) = F^(p+3)(H^p(K)) ...
となる。よってフィルター(F^p(K))が正則(
>>891 )なら、
フィルター(F^p(H^n(K))) は離散的となるから、
F^(p+1)(H^p(K)) = 0 となる。
つまり、E_∞(p,0) = gr^p(H^p(K)) = F^p(H^p(K)) となる。
全射 E_2(p,0) → E_∞(p,0) と
単射 F^p(H^p(K)) → H^p(K) を組合わせて
射 E_2(p,0) → H^p(K) が得られた。
この射を上半平面スペクトル系列 (E_r(p,q)) の辺射と呼ぶ。
919 :
799 :2005/06/21(火) 11:51:01
そろそろ誰か別スレを立ててくれないか?
920 :
799 :2005/06/21(火) 12:37:10
p < 0 のとき E_2(p,q) = 0 とする。
つまり非零のE_2(p,q)は右半平面のみにあるとする。
>>917 より p < 0 のとき E_r(p,q) = 0 が任意の
r≧2 で成り立つ。
d_2 : 0 = E_2(-2,q+1) → E_2(0,q)
だから B_3(0,q) = 0 となる。よって、E_3(0,q) = Z_3(0,q)となる。
同様に、r≧2 なら B_r(0,q) = 0、E_r(0,q) = Z_r(0,q)となる。
B_∞(0,q) = ∪{B_r(0,q) | r ≧ 1} (
>>869 ) だから、
B_∞(0,q) = 0 となる。
0 = B_2(0,q) = B_∞(0,q) ⊂ Z_∞(0,q) ⊂ Z_2(0,q)
だから、単射 E_∞(0,q) → E_2(0,q) が得られる。
一方、p < 0 のとき E_∞(p,q) = gr^p(H^(p+q)(K)) = 0 だから、
F^0(H^q(K)) = F^(-1)(H^q(K)) = F^(-2)(H^q(K)) ...
となる。フィルター(F^p(K))はexhaustiveだから、
フィルター(F^p(H^n(K))) もexhaustiveとなる(
>>877 )。
よって、F^0(H^q(K)) = H^q(K) となる。
よって、標準全射 H^q(K) → E_∞(0,q) が得られる。
これと、単射 E_∞(0,q) → E_2(0,q) を組合わせて
射 H^q(K) → E_2(0,q) が得られた。
この射を右半平面スペクトル系列 (E_r(p,q)) の辺射と呼ぶ。
この射はフィルター(F^p(K))が正則でなくてもexhaustiveで
ありさえすれば得られたことに注意しよう。
921 :
799 :2005/06/21(火) 13:18:29
q ≠ 0 のとき E_2(p,q) = 0 よって、とする。
つまり非零のE_2(p,q)はX軸のみにあるとする。
d_2 : 0 = E_2(p-2,1) → E_2(p,0)
だから、B_3(p,0) = B_2(p,0)となる。
d_2 : E_2(p,0) → E_2(p+2,-1) = 0
だから、Z_3(p,0) = Z_2(p,0)となる。
よって、E_3(p,0) = E_2(p,0)
同様にして、r≧2 なら、
B_r(p,0) = B_2(p,0)
Z_r(p,0) = Z_2(p,0)
E_r(p,0) = E_2(p,0)
となる。よって、フィルター(F^p(K))が正則なら
E_∞(p,0) = E_2(p,0)
となる。
一方、
>>917 より q ≠ 0 のとき E_∞(p,q) = gr^p(H^(p+q)(K)) = 0
となる。
フィルター(F^p(K))が正則なとき、
フィルター(F^p(H^n(K))) は離散的となるから、
H^p(K) = E_∞(p,0) となる。
よって、H^p(K) は、E_2(p,0) と同型になる。
この同型は、
>>918 の辺射 E_2(p,0) → H^p(K) により
得られることは明らかだろう。
922 :
799 :2005/06/21(火) 13:32:32
>>920 以下のように訂正する。
>d_2 : 0 = E_2(-2,q+1) → E_2(0,q)
>だから B_3(0,q) = 0 となる。よって、E_3(0,q) = Z_3(0,q)となる。
>同様に、r≧2 なら B_r(0,q) = 0、E_r(0,q) = Z_r(0,q)となる。
>B_∞(0,q) = ∪{B_r(0,q) | r ≧ 1} (
>>869 ) だから、
>B_∞(0,q) = 0 となる。
>0 = B_2(0,q) = B_∞(0,q) ⊂ Z_∞(0,q) ⊂ Z_2(0,q)
>だから、単射 E_∞(0,q) → E_2(0,q) が得られる。
d_2 : 0 = E_2(-2,q+1) → E_2(0,q)
だから B_3(0,q) = B_2(0,q) となる。
同様に、r≧2 なら B_r(0,q) = B_2(0,q)となる。
B_∞(0,q) = ∪{B_r(0,q) | r ≧ 1} (
>>869 ) だから、
B_∞(0,q) = B_2(0,q) となる。
B_2(0,q) = B_∞(0,q) ⊂ Z_∞(0,q) ⊂ Z_2(0,q)
だから、単射 E_∞(0,q) → E_2(0,q) が得られる。
923 :
799 :2005/06/21(火) 13:39:23
>>921 の条件が成立つとき、つまり非零のE_2(p,q)はX軸のみにある
とき、スペクトル系列 (E_r(p,q)) は退化しているという。
スペクトル系列の応用例の圧倒的多数は、この退化する場合である。
924 :
132人目の素数さん :2005/06/22(水) 12:21:14
p ≠ 0 のとき E_2(p,q) = 0 とする。
つまり非零のE_2(p,q)はY軸のみにあるとする。
>>921 と同様にして、フィルター(F^p(K))が正則なら
H^q(K) は、E_2(0,q) と同型になる(各自確かめられたい)。
この同型は、
>>920 の辺射 H^q(K) → E_2(0,q) により
得られることは明らかだろう。
この場合もスペクトル系列 (E_r(p,q)) は退化しているという。
925 :
132人目の素数さん :2005/06/22(水) 13:06:16
p < 0 または q < 0 のとき E_2(p,q) = 0 とする。 つまり非零のE_2(p,q)は第一象限のみにあるとする。 フィルター(F^p(K))が正則なら、以下の完全系列が得られる。 0 → E_2(1,0) → H^1(K) → E_2(0,1) → E_2(2,0) → H^2(K) ここで、E_2(0,1) → E_2(2,0) は微分射であり、 その他(0 → E_2(1,0)を除く)は辺射である。 この列を第一象限スペクトル系列 (E_r(p,q)) の低次数の完全系列と呼ぶ。
926 :
132人目の素数さん :2005/06/23(木) 10:43:12
H^n(K) を H^n と略記する。
>>925 の 0 → E_2(1,0) → H^1 の完全性の証明:
E_2(1,0) を中心とする微分射の列、
E_2(-1,1) → E_2(1,0) → E_2(3,-1)
の両端は0だから、E_2(1,0) = E_3(1,0) となる。
同様に、E_∞(1,0) = E_2(1,0)
E_∞(1,0) = gr^1(H^1) = F^1(H^1)
だから(
>>918 )
E_2(1,0) → H^1 は単射となる。
>>925 の E_2(1,0) → H^1 → E_2(0,1) の完全性の証明:
H^1 → E_2(0,1) は
全射: F^0(H^1) = H^1 → E_∞(0,1) = F^0(H^1)/F^1(H^1)
と単射: E_∞(0,1) → E_2(0,1) の合成だから(
>>920 )、
その核は、F^1(H^1) である。
これは、上でみたように E_2(1,0) である。
927 :
132人目の素数さん :2005/06/23(木) 10:43:43
>>925 の H^1 → E_2(0,1) → E_2(2,0) の完全性の証明:
上でみたように、H^1 → E_2(0,1) の像は、E_∞(0,1)
一方、d_2: 0 = E_2(-2,2) → E_2(0,1)
だから、
E_2(0,1) → E_2(2,0) の核は、E_3(0,1) である。
E_3(0,1) を中心とする微分射の列、
E_3(-3,3) → E_3(0,1) → E_3(3,-1)
の両端は0だから、E_3(0,1) = E_4(0,1) となる。
同様にして、E_3(0,1) = E_∞(0,1) となる。
>>925 の E_2(0,1) → E_2(2,0) → H^2 の完全性の証明:
E_3(2,0) を中心とする微分射の列、
E_3(-1,2) → E_3(2,0) → E_3(5,-2)
の両端は0だから、E_3(2,0) = E_4(2,0) となる。
同様にして、E_3(2,0) = E_∞(2,0) となる。
よって、全射 E_2(2,0) → E_∞(2,0) の核は
E_2(0,1) → E_2(2,0) の像となる。
E_2(2,0) → H^2 は
全射 E_2(2,0) → E_∞(2,0) と
単射 F^2(H^2) → H^2 を組合わせて
得られた(
>>918 )ことに注意すればよい。
928 :
132人目の素数さん :2005/06/24(金) 13:55:18
退化するスペクトル系列(
>>921 )の次に簡単なのは、ある整数 n ≧ 1 が
あり、q ≠ 0, n のとき E_2(p,q) = 0 となる場合である。
このときフィルター(F^p(K))が正則なら、以下の完全系列が得られる。
... → E_2(p,0) → H^p → E_2(p-n,n) → E_2(p+1,0) → H^(p+1)
→ E_2(p+1-n,n) → ...
この証明の前に次の補題を用意する。
補題
フィルター付加群 E のフィルター(F^p(E))が有限(
>>818 )とする。
さらにある整数 s, t (s > t) があって p ≠ s, t のとき
gr^p(E) = 0 とする。このとき、次の完全系列が得られる。
0 → gr^t(E) → E → gr^s(E) → 0
証明は簡単なので各自に任せる。
929 :
132人目の素数さん :2005/06/24(金) 18:03:28
>>928 の証明
E_r(p-n,n) を中心とする微分射は以下のようになる。
E_r(p-n-r,n+r-1) → E_r(p-n,n) → E_r(p-n+r,n-r+1)
よって、r≧2 なら、微分射 d_r が0とならない可能性のあるのは、
r = n+1 で d_(n+1) : E_(n+1)(p-n,n) → E_(n+1)(p+1,0)
のときだけである。
よって、
E_2(p-n,n) = E_(n+1)(p-n,n)
E_2(p+1,0) = E_(n+1)(p+1,0)
となり、
E_(n+1)(p-n,n) → E_(n+1)(p+1,0) の核は E_∞(p-n,n) となる。
一方、補題(
>>928 )より次の完全列がある。
0 → E_∞(p,0) → H^p → E_∞(p-n,n) → 0
これより、
>>928 の完全系列が得られる
930 :
132人目の素数さん :2005/06/24(金) 18:33:11
>>928 と対照的なケースとして、ある整数 n ≧ 2 が
あり、p ≠ 0, n のとき E_2(p,q) = 0 となる場合を考えよう。
このときフィルター(F^p(K))が正則なら、以下の完全系列が得られる。
... → E_2(n,q-n) → H^q → E_2(0,q) → E_2(n,q-n+1) → H^(q+1)
→ E_2(0,q+1) → ...
証明
E_r(p,q) を中心とする微分射は以下のようになる。
E_r(p-r,q+r-1) → E_r(p,q) → E_r(p+r,q-r+1)
よって、r≧2 なら、微分射 d_r が0とならない可能性のあるのは、
r = n で d_n : E_n(0,q) → E_n(n,q-n+1)
のときだけである。後は
>>929 と同様に証明できる。
自己満足厨が一人居るな
>>931 君には理解できまいが、読み手が何人もいるのだよ。
799 頑張れ。
オナニーだな
934 :
799 :2005/06/27(月) 09:15:58
訂正
>>928 >補題
>フィルター付加群 E のフィルター(F^p(E))が有限(
>>818 )とする。
フィルター付加群 E のフィルター(F^p(E))はexhaustiveかつ分離的とする。
935 :
799 :2005/06/27(月) 09:49:01
p ≠ 0, 1 のとき E_2(p,q) = 0 となる場合を考えよう。
このときフィルター(F^p(K))が正則なら、以下の完全系列が得られる。
0 → E_∞(1,q-1) → H^q → E_∞(0,q) → 0
証明は
>>928 の補題より明かだろう。
936 :
799 :2005/06/27(月) 09:56:32
>>918 以降のスペクトル系列の命題のそれぞれに対して、
双対的命題が成り立つ(ただし、退化する場合のように自己双対となる
場合もある)。
例えば、
>>918 の双対:
q > 0 のとき E_2(p,q) = 0 となるとする。
つまり非零のE_2(p,q)は下半平面のみにある。
このとき、射 H^p(K) → E_2(p,0)が得られる。
この射を下半平面スペクトル系列 (E_r(p,q)) の辺射と呼ぶ。
この命題の証明は省略する。
その他の双対的命題を記述し証明することも省略する(演習問題とする)。
937 :
799 :2005/06/27(月) 10:35:25
任意の整数 n に対して、n = p + q で E_2(p,q) = 0 となる (p,q) の組が有限個の場合、このスペクトル系列を有界という。 第一象限スペクトル系列は有界である。 正則なフィルター(F^p(K))から得られるスペクトル系列が有界のとき E_2(p,q) ⇒ H^n と書く。 p がフィルター次数であることを強調する場合は E_2(p,q) ⇒_p H^n と書く。 E_r(p,q) を中心とする微分射は以下のようになる。 E_r(p-r,q+r-1) → E_r(p,q) → E_r(p+r,q-r+1) スペクトル系列が有界なら、十分大きい r≧2 に対して、この両辺とも 0 になる。よって、 s≧r なら E_s(p,q) = E_r(p,q) となる。 よってフィルター(F^p(K)) が正則なら E_∞(p,q) = E_r(p,q) となる。 このとき、H^n のフィルター (F^p(H^n)) は有限である。 何故なら、gr^p(H^n) = E_∞(p,n-p) であり、n を固定したとき、 仮定から、E_∞(p,n-p) ≠ 0 となる p は有限個しかないし、 フィルター (F^p(H^n)) は 正則なフィルター(F^p(K)) から得られるから exhaustiveで離散的だからである。
938 :
132人目の素数さん :2005/06/27(月) 11:25:09
スペクトル系列は、p、q、r、s、t、と、どんどん 足を増やしていくことはできないんですか?
939 :
799 :2005/06/27(月) 12:40:57
>>938 聞いたことない。これ以上複雑にしてもいいことありそうにないし。
スペクトル系列で手に負えない問題は導来圏に任すという手もある。
940 :
GreatFixer ◆.ldjjELDYY :2005/06/27(月) 13:06:42
数学板住人は死ね、くたばれ、消えろ、潰れろ、馬鹿、あほ、間抜け、ドジ、 ガラクタ、クズ、最低以下の下劣、下等種族、下衆野郎、 腐れ外道、 邪道、外道、非道、ウジ虫、害虫、ガン細胞、ウィルス、ばい菌、疫病神、 病原体、汚染源、公害、ダイオキシン、有毒物質廃棄物、発ガン物質、猛毒、毒物、 ダニ、ゴキブリ、シラミ、ノミ、毛虫、蠅、蚊、掃き溜め、汚物、 糞、ゲロ、ほら吹き、基地害、デタラメ、穀潰し、ろくでなし、夏厨、ヤクザ者、社会の敵、犯罪者、反乱者、前科者、 インチキ、エロ、痴漢、ゴミ虫、毒虫、便所コオロギ、詐欺師、ペテン師、危険分子、痴呆、白痴、 悪霊、怨霊、死神、貧乏神、奇天烈、変人、 毒ガス、サリン、糞豚、豚野郎、畜生、鬼畜、悪鬼、邪気、邪鬼、クレイジー、 ファッキン、サノバビッチ、小便、便所の落書き、不要物、障害物、 邪魔者、不良品、カビ、腐ったミカン、腐乱、腐臭、落伍者、犯人、ならず者、チンカス、膿、垢、フケ、化膿菌、放射能、放射線、異端者、妄想、邪宗、異教徒、 恥垢、陰毛、ケダモノ、ボッコ、ろくでなし、ヒ素、青酸、監獄、獄門、さらし首、打ち首、戦犯、絞首刑、斬首、乞食、浮浪者、ルンペン、不良品、規格外、欠陥品、不要物、 埃、塵埃、インチキ、居直り、盗人、盗賊、残酷、冷酷、薄情者、クソガキ、ファッキン、有害物質、 発ガン物質、誇大妄想狂、アホンダラ、怠け者無能、無脳、 脳軟化症、思考停止、人格障害、極道息子、見栄っ張り、不良、イカレ、狼藉者、放蕩息子、道楽息子、迷惑、厄介者、異端者、タリバン、オサマ・ビン・ラディン、テロリスト 、 チェチェン、嘘つき、不正、叩き上げ、ケチ、裏切り者、ムネヲ、抵抗勢力、悪性新生物、原爆を落とした奴、アルカイダ、宮崎勤、吉岡(旧姓:宅間)守、朝鮮将校、乞食、 知覚的障害者、邪教祖、DQN、覚せい剤、エイズウイルス、SARS、テロリスト、荒らし部隊、アーレフ(旧:オウム真理教)、精神年齢3歳、3審は必要なし、 金正日、宇田川慶一、奥田碩、おおさか人、上新庄、あう使い、放射性廃棄物、割れたコップ、血歯死者、廣嶋死者、パナウェーブ研究所、 あの11歳の少女以下の知能、国民の資格なし、白血病の原因、ハイブリッドカーの排気ガス、IQ10! そして、この板に書き込む権利も価値もないクズ
941 :
799 :2005/06/27(月) 13:21:14
代数幾何でスペクトル系列が現れるのはそれが2重複体から 得られる場合がほとんどである。 よって、これから2重複体の話をしよう。 加群の圏、もっと一般にアーベル圏における2重複体 K というのは2重次数のついた族 K = (K^(p,q)) (p,q は整数) で 2種類の射 d': K^(p,q) → K^(p+1,q) d": K^(p,q) → K^(p,q+1) があり、 関係式 d'd' = 0 d"d" = 0 d"d' = d'd" を満たすものをいう。 d', d"をそれぞれ、水平微分、垂直微分と呼ぶ。 K^n = ΣK^(p,q), n = p+q d^n = Σ((d')^(p,q) + (-1)^p (d")^(p,q)) とおけば、 d^(n+1)d^n = 0 となって、(K^n, d^n) は1重複体となる。 この1重複体を K の1重化と呼び Tot(K) と書く。 誤解の恐れのない場合 Tot(K) を単に K と書く場合もある。 アーベル圏で考えるときは、K^n = ΣK^(p,q) が無限直和になる場合、 この圏での無限直和の存在を仮定する。
942 :
799 :2005/06/27(月) 13:27:41
p を固定して q を変化させると1重複体 K^(p,*) が得られる。 "H^(p,q)(K) = H^q(K^(p,*)) と置く。 "H(K)= ("H^(p,q)(K)) は2重複体である。 この垂直微分は 0 であり、 水平微分は K の水平微分 d' から誘導される。 同様に1重複体 K^(*,q) と 2重複体 'H(K) = (H^p(K^(*,q)) が得られる。 2重複体 K の部分複体 'F^p(K) を以下のように定義する。 i≧p のとき 'F^p(K) の(i,j) 成分は K^(i,j)。 i < p のとき 'F^p(K) の(i,j) 成分は 0。 ('F^p(K)) を K の第1フィルターと呼ぶ。 2重複体 K の部分複体 "F^q(K) を以下のように定義する。 j≧q のとき "F^q(K) の(i,j) 成分は K^(i,j)。 j < q のとき "F^q(K) の(i,j) 成分は 0。 ("F^q(K)) を K の第2フィルターと呼ぶ。
943 :
799 :2005/06/27(月) 14:21:58
K の第1フィルターから得られるスペクトル系列 'E_2 を求めよう。 'F^p(K)/'F^(p+1)(K) は p 列が K(p,*) で、その他の成分が すべて 0 となる2重複体と見なせる。 よって、 'E_1(p,q) = H^q(K(p,*)) = "H^(p,q) となる。 したがって、'E_2(p,q) = 'H^(p,q)("H^(K)) 同様に、K の第2フィルターから得られるスペクトル系列 "E_2 を 求めよう。 "F^q(K)/"F^(q+1)(K) は q 行が K(*,q) で、その他の成分が すべて 0 となる2重複体と見なせる。 よって、 "E_1(q,p) = H^p(K(*,q)) = 'H^(p,q) となる。 したがって、"E_2(q,p) = "H^(p,q)('H^(K)) ここで、フィルター次数が p ではなく q であることに注意する。
多重複体というのはないんですか? 3重複体とか4重複体とか。
945 :
799 :2005/06/27(月) 16:06:32
あるよ。そのうち出てくる。
946 :
799 :2005/06/27(月) 17:29:45
2重複体というのは数学のいたるところに出てくる。 例えば、2変数の加法的関手 T(A, B) があるとする。 複体 K と L があれば、これらに T を作用させて 2重複体 T(K, L) が得られる。つまり、T(K, L) の (p,q)-成分は、T(K^p, L^q) とすればよい。 T(A, B) がテンソル積の場合は、複体 K と L のテンソル積 K(X)L が得られる。これは、位相空間の積複体として出てくるので有名だろう。 さらに、T の右導来関手 (R^n)T は、A, B の単射的分解 A → X, B → Y から、2重複体 T(X, Y) をつくり、 そのホモロジー H^n(T(X, Y))として定義された。 1変数の加法的関手 F(A) の場合でも、複体 K の単射的分解 (後で説明する) K → X により2重複体 F(X) が考えられる。 これは超導来関手と呼ばれるものに我々を導く。 さらに、別の1変数の加法的関手 G(B) があり、F と G の合成関手 GF が定義できるとする。この場合、複体から出発しなくても、 単に F の定義域の対象 A から2重複体が次のようにして得られる。 A の単射的分解 A → X をまず作る。次に F(X) の単射的分解 F(X) → Y を作る。Y は複体 F(X) の分解だから2重複体である。 よって G(Y) も2重複体となる。この場合に F と G にある条件を 付けるとGrothendieckのスペクトル系列と呼ばれるものが得られる。
>>945 ありがとうございます。楽しみにしております。
>>799 さん
新スレ、立てましたので、そちらで講義の続きをお願いします。
949 :
799 :
2005/06/28(火) 09:12:02 有難う。じゃあ移るかな。