高木貞治

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102132人目の素数さん
11 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/02/06(日) 20:09

>問題は、もっと深刻な「間違い」でしょう。定理の証明に
>不備があるとか、実は著者自身が何か誤解してるとか…。

そんなこと言ったら、高木貞二の「数学概論」だって
実数の公理のあたり・・・って有名ですよね・・・

12 名前: >11 投稿日: 2000/02/06(日) 21:54

たぶん
高木貞治「解析概論」(改訂第3版)岩波書店
のことを言ってるんだとおもうけど、
実数の公理のあたりにあると貴方が言う“有名な”
間違いというのは何ですか?
何ページの何処かってところまで教えてくれると
有難いです。

13 名前: >12 投稿日: 2000/02/08(火) 18:59

通りすがりだけど代りに注釈(^^;

\begin{どーでもいいことだけど}

解析概論には実数の公理が4つあり、この本では、これらは同値とされているが
実は同値ではない。

\end{どーでもいいことだけど}
103132人目の素数さん:04/08/06 08:39
14 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/02/09(水) 04:14

え!本当ですか?
ひょっとして

基礎数学2 解析入門T(杉浦光夫、東京大学出版会)

も公理として5組の命題が同値とされてますけど・・・

(一応sageときます)
15 名前: 12>13 投稿日: 2000/02/10(木) 04:41

>解析概論には実数の公理が4つあり、この本では、これらは
>同値とされているが実は同値ではない。

その4つの公理ってのは

(1)Dedekind の定理(実数の切断に関するもの),
(2)Weierstrass の定理(上限または下限の存在),
(3)有界な単調数列の収束,
(4)区間縮小法

であって(解析概論 p10),この本ではこの4つは同値である
と主張して,その証明を

(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)⇒(1)

という順にやってます.証明を読んでみました.読んだ結果,
不覚にも(?)「なるほど確かに同値だ」と思いました.
13の言ってる通りだとすると,証明の中のどこかで何かを
こっそり使っちゃってるのかも知れません.
困ったな….この本は好きなのに.
104132人目の素数さん:04/08/06 08:42
16 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/02/10(木) 06:47
解析入門Tでは上の4つに

(5)アルキメデスの原理
(6)ボルツァ−ノ・ワイヤストラスの定理
(有界数列は収束部分列を含む)
(7)コ−シ−の収束条件

を加え

(2)⇒(3)⇒(4)と(5)⇒(6)⇒(5)と(7)⇒(2)

としてから、(1)と(2)が同値なことを示しています。
更に(4)や(7)から(5)は導かれないとしているで解析概論の

(4)⇒(1)

というのが間違いであるということでしょうか?
(手元に解析概論がないのでよく解らん)
18 名前: 15>16 投稿日: 2000/02/11(金) 00:45

「アルキメデスの原理」ってのは
『任意の正の数a,bに対して a×n>b を満たす
自然数nが存在する』
という公理のことですか?
19 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/02/11(金) 09:01
>18
はい、そうです。そしてそれは(3)からは導かれるが、
(4)からは導くことができない。だから(4)を公理と
するなら(5)も公理としなければならないということ
です。
解析概論ではこのへん、どうなってますか?
105132人目の素数さん:04/08/06 08:44
20 名前: 18>19 投稿日: 2000/02/12(土) 06:07
解析概論では「アルキメデスの原理」につい記述がありません.
この本では(4)⇒(1)の証明のなかで

「n→∞ のとき 2^(-n)→0 である」

という命題を何の断りも無しに使っているところがあるのだけど,
この命題は,もしかしたら「アルキメデスの原理」から導かれる
ものなのかもしれないなあ….
21 名前: 20 投稿日: 2000/02/12(土) 06:13
訂正.
誤)解析概論では「アルキメデスの原理」につい記述がありません.
正)解析概論では「アルキメデスの原理」についての記述がありません.
23 名前: 解析入門Iによると 投稿日: 2000/02/15(火) 00:43

「n→∞ のとき 2^(-n)→0 」と「アルキメデスの原理」は同値ってなってますね。
24 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/02/15(火) 03:31

あ!復活してる。
サポ−ト、ありがとうございます>23

どうも「アルキメデスの原理」が抜けているのが問題のようですね。

ということでよろしいのでしょうか?>13
106132人目の素数さん:04/08/06 08:47
55 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/08/21(月) 10:57
その後の「アルキメデスの原理」

「解析入門」(杉浦光夫)では順序体から実数を構成するので
アルキメデスの原理は必要に応じて導入しなければならない。

「解析概論」(高木貞治)では有理数から実数を導入するので
アルキメデスの原理はもともと前提されている。

と思うのですがいかがでしょう?
56 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/08/21(月) 11:03
つまり
「解析概論」(高木貞治)の実数論の間違いというのは
アルキメデスの原理のことではないのかもしれない

ということです。
57 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/08/21(月) 11:14
55、56は11〜23の続きです。
分かり難くてすんませんです。
(しかも超カメレス!)
107132人目の素数さん:04/08/06 08:51
58 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/21(月) 12:49
「解析概論」スレッドあったほうがいいのかなあ、、、
59 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/21(月) 21:55
そもそも本当に「解析概論」に“有名な”間違いはあるの?
60 名前: 20=21>55=56 投稿日: 2000/08/22(火) 22:35
20=21
>解析概論では「アルキメデスの原理」についての記述がありません.

↑これ嘘でした.あります.「アルキメデスの原則」と言ってますが,
同じです.おもいっきり見落としてました.弁解の余地ないです.
ゴメンナサイ.
それから“Dedekind の定理からアルキメデスの原則が導かれる”という
内容の記述が,こともあろうに(笑)積分の章のはじめにありました.
・・・ああ恥ずかしい.
61 名前: >60 投稿日: 2000/08/23(水) 09:38
11や13は何だったんだ!

それと「大した間違いではない」などと言ってた連中(他のスレも含む)も
間違いではあると認めてたことになるわけだけど、結局彼らもよく読んで
そういうことを言ってたわけじゃなかったんだ。
108132人目の素数さん:04/08/06 08:51
62 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/23(水) 10:39

解析概論は良い本です。
むちゃむちゃ勉強になります。

ちょっと数学からはなれるがJJサクライの量子力学も
かなりよい
63 名前: 60>61 投稿日: 2000/08/24(木) 04:42

第3章のはじめに書いてある「アルキメデスの原則」に関する記述を考慮
しても,それでも
『(4)⇒(1)(←15を参照)の証明において「アルキメデスの原則」
を暗黙のうちに使っているようである』
という見解に変わりはありません.
64 名前: 錬金術師 投稿日: 2000/08/24(木) 08:27
>63
ども、お久しぶりです。
「解析概論」では“有理数”(単なる順序体ではない!)に何らかの
条件を加えることで実数を作ろうとしているのだから、
「アルキメデスの原則」を使っても問題無いと思うのですが?
109132人目の素数さん:04/08/06 08:53
66 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/24(木) 17:14

解析概論は手許に無いので推測。
たぶん、有理数をアルキメディアンなふつうの距離を使って
完備化しているのでは? 非アルキメディアンものも高木先生は
知っていたはずだけど。
67 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/25(金) 11:09

「解析入門」(杉浦)P20
定理3.3(区間縮小法)・・・・・
1)すべてのn∈Nに対して T_n⊃T_(n-1)
をみたすとき、・・・・・

「解析概論」(高木)P10
5.区間縮小法
定理7.・・・・・
・・・nが限りなく増すとき、・・・

「すべてのn」という言い方と「nが限りなく増す」という
言い方の違いでアルキメデス性を前提にしているかどうかを
表現している。(ちょっと苦しいか?(^^;)
だから問題なし。

ただし「解析概論」ではデデキント以外から話を始めた場合、順序の定義
がどうなるのか記述がなく、そのへんが曖昧であるのは否めません。
その点では「解析入門」のほうが話を順序体から始めているので明確で、
より洗練されていると思います。時代の差でしょうか。
110132人目の素数さん:04/08/06 08:55
69 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/08/26(土) 12:00

> 67
アルキメデス性は順序の問題でしかないので区間縮小法では
ちょっとそれは苦しすぎるのでは

位相空間論を踏まえた現代的な実数論を読むには「解析入門」の方が
ちゃんとしていると言う事でしょう。今となっては「解析概論」は
古いので他の参考書と一緒に読んだ方が良いでしょうね。



70 名前: >69 投稿日: 2000/08/26(土) 21:39

>古いので他の参考書と一緒に読んだ方が良いでしょうね。
そうそう、古いけど読んだ方がいいです。絶対いい。
でもその前に他のテキストを読んでおくべき。

* ただ解析の本で11〜23についての話題(命題が同値であること)
を扱ってる本はあまりないですよね。(志賀浩二先生の「数学が育って
いく物語」のような一般人向けの本でも扱ってるのに。)

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ここまで>>100のスレッドより
『解析概論』について
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/math/1012121435/l50