【うわっ気持ち悪い】東京kitty粘着【ニート丸出し】
1 :
名無しさん:
ほかにやることねーのかよ?
2 :
名無しさん:2009/01/07(水) 20:05:47 ID:iCpfhd6i
( @w荒)<ミカミカ
3 :
名無しさん:2009/01/07(水) 21:08:00 ID:4GLx2RVp
4 :
名無しさん:2009/01/07(水) 22:36:54 ID:xpJ3uAls
東京ってなん
遠рフこと?
5 :
名無しさん:2009/01/07(水) 22:56:37 ID:iGoI9Ek4
気持ち悪いニート丸出しって便臭のことじゃんw
昭和から無職って常人なら恥ずかしくて生きてらんない。
6 :
名無しさん:2009/01/07(水) 23:06:38 ID:chPXl0sr
7 :
名無しさん:2009/01/08(木) 08:31:55 ID:9D8VAcf2
8 :
名無しさん:2009/01/08(木) 09:37:29 ID:8FBvEEWe
う わ っ 気 持 ち 悪 い 油 デ ブ 恒 寿
彡⌒ζ
にしこり
(:::二::::/
,,----、,,,,,,,,,,,,,,,、、
/ ,,-―‐、、、ヽヽヽヽ
〔/ 、))))ヾヽヽ
/ .,,,,、、 , ヽξ\Ξ/
/ ==/ .,==- レi!
〔 、 ,(_,、ノ( "",,ノ:::::: 6)
λ:"::: ‐=‐^ン ...::::::::: |/
,,----、,,,,,,,,,,,,,,,、、
/ ,,-―‐-、、、ヽヽヽヽ
〔/ 、))))ヾヽヽ
/ . ξ ))))ヾヽ
/ .,,,,、、 , ヽξ \Ξ/
/ == / .,==- レi!
〔 、 (_,、ノ ( "",,ノ:::::: 6)
λ::::::: "::: ‐=‐^ン ...::::::::::::::::::::::|
9 :
名無しさん:2009/01/08(木) 17:14:36 ID:a8TkSjNe
人の少ない夜中にコソコソ書き込むなよ気持ち悪い油虫デブ
10 :
名無しさん:2009/01/08(木) 17:21:14 ID:RXjenOav
/⌒`‐-、,,__
/ ノ | \
/ ( ノ \
/ ∫ _,r ' ヽ、 \
/ ,ζ',,_ \ \
/ /''"´ _ _ _ `丶 ヽ
/ /ゝノヽ ' ゝイヽ ヽ
/ ヽ
/ レ ヽ( . |
/ ノ( )\ ・ |
,,--/ ∴ _ノ `てノーこ_ `ー-- : /、
/ /:∴∵ '" ∴∵∴γ' `) ∴ ∴/ 丶、
´ (∵∴∴∴∵∵∵ τ〜_/ ∴∵∵ /
丶∵:|∴∵∴∴∵∴ヾ ζ ∵∴∴;:/
ヽ∴丶、∵∵∴∵∴:し'∴∴∴∵:/
ヽ∴∵∴∵∴∵∴∴∵∴∵∴ /
\ ∴∴∴∴∴∴∴∴∵: ノ
\ ∵∴∴∴∵∵∴:/
丶、_∵∵∵:_,, - ''´
\ `゙ー-"´ ノ
11 :
名無しさん:2009/01/08(木) 17:26:36 ID:0GRRM71P
,,----、,,,,,,,,,,,,,,,、、 ,.へ
___ / ,,-―‐、、、ヽヽヽヽ ム i
「 ヒ_i〉 〔/ 、))))ヾヽヽ ゝ 〈
ト ノ / .,,,,、、 , ヽξ\Ξ/ iニ(()
i { / ==/ .,==- レi! | ヽ
i i 〔 、 ,(_,、ノ( "",,ノ:::::: 6) i }
| i λ:"::: ‐=‐^ン ...::::::::: |/ {、 λ
ト−┤. λ:::::. .:::::.. ::...::::::::::::::::/ ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_ λ::::::::::::::::::::::::...:::::::/ ,. '´ハ ,!
. ヽ、 `` 、, __\:::::::::::::::::::::::::/" \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 |. 気持ち悪い松戸の豚 │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
12 :
名無しさん:2009/01/08(木) 17:28:41 ID:ZbCzQyQx
∩∩
(*゚ρ゚*)
ノ( )\
| |
13 :
名無しさん:2009/01/08(木) 17:31:00 ID:g/85SXNc
油豚死ね
14 :
名無しさん:2009/01/09(金) 01:05:11 ID:P24j9n+P
油豚死ね
15 :
名無しさん:2009/01/20(火) 05:54:05 ID:0Gc1B0GD
東京は路上生活者が多い。田舎者が多い。
ニートではなくニードにならないと。
16 :
名無しさん:2009/01/20(火) 09:06:39 ID:+fI+FkBG
17 :
名無しさん:2009/01/20(火) 10:08:58 ID:d3IXYeka
実体としての東京kittyがもはや存在しなくても伝説は作られてゆく
18 :
名無しさん:2009/01/20(火) 12:44:53 ID:H0xJZV8l
50年後くらいには都市伝説上の妖怪になってんじゃね?
小中学生に語り継がれる妖怪油豚www
19 :
名無しさん:2009/01/20(火) 14:30:57 ID:J32xZo0d
都市伝説上の妖怪は雑魚運営どもだろ。
逮捕してみたら在日ばっかでしたみたいな。
20 :
名無しさん:2009/01/20(火) 16:17:07 ID:wNmHw/rU
/⌒`‐-、,,__
/ ノ | \
/ ( ノ \
/ ∫ _,r ' ヽ、 \
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/ /''"´ _ _ _ `丶 ヽ
/ /ゝノヽ ' ゝイヽ ヽ
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/ レ ヽ( . |
/ ノ( )\ ・ |
,,--/ ∴ _ノ `てノーこ_ `ー-- : /、
/ /:∴∵ '" ∴∵∴γ' `) ∴ ∴/ 丶、
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ヽ∴丶、∵∵∴∵∴:し'∴∴∴∵:/
ヽ∴∵∴∵∴∵∴∴∵∴∵∴ /
\ ∴∴∴∴∴∴∴∴∵: ノ
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\ `゙ー-"´ ノ
21 :
名無しさん:2009/01/20(火) 19:53:04 ID:2qr40dKp
雑魚運営そのものが誰かさんが産みだした妄想の産物だってヲチw
22 :
名無しさん:2009/01/21(水) 23:36:46 ID:I+j8gVJ6
油豚の存在自体法定伝染病
23 :
名無しさん:2009/01/22(木) 02:25:58 ID:dlWQzcq4
24 :
名無し:2009/01/22(木) 05:09:14 ID:T62sFnT4
しかしながら 夜中じゅうレスしてるのが多いな。
パソコンだけが友達?ネット弁慶?
ネットカフェ難民?
25 :
名無しさん:2009/01/22(木) 17:15:32 ID:JoaQGJBE
逮捕されるときは全員一斉だろうな。
26 :
名無しさん:2009/01/22(木) 18:48:17 ID:KHyzhYAV
93 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2009/01/22(木) 17:34:21 ID:EJLtHtLg0
登場時間帯くらい考えろやキチガイ
15 名前: 名無しさん 投稿日: 2009/01/22(木) 17:16:54 ID:JoaQGJBE
いざとなったらアクセスログ消せるとか思ってるけど
大間違いだよ。
25 名前: 名無しさん 投稿日: 2009/01/22(木) 17:15:32 ID:JoaQGJBE
逮捕されるときは全員一斉だろうな。
18投稿者:東京kitty 投稿日:2009年01月22日(木) 17時30分40秒 ID:TK_kitty
社畜虐殺経済が始まったようだな(@wぷ
27 :
名無しさん:2009/01/22(木) 22:17:33 ID:zaK3I1dQ
28 :
名無しさん:2009/01/22(木) 22:26:57 ID:KHyzhYAV
29 :
名無しさん:2009/01/22(木) 22:54:24 ID:/b09skhN
30 :
名無し:2009/01/23(金) 05:19:13 ID:3h945PH5
東京の男ってキモイ。
31 :
名無しさん:2009/01/24(土) 00:31:03 ID:cIRcEy5N
生きながらに死んでいるようなものだなこの人の人生
32 :
名無しさん:2009/01/24(土) 08:08:56 ID:HDQD6enW
浮浪者同士が公園で寝る場所をめぐってケンカしてた。
33 :
名無しさん:2009/01/24(土) 09:19:58 ID:o4IV79ZX
遠рウんと便臭さんがどちらが東京kittyを名乗るかで喧嘩してた。
34 :
名無しさん:2009/03/03(火) 22:22:37 ID:Nv/lEL0N
35 :
名無しさん:2009/03/04(水) 04:29:21 ID:d8tRdCIv
36 :
名無しさん:2009/03/12(木) 13:27:43 ID:WNHzu6Sy
37 :
名無しさん:2009/03/25(水) 22:21:23 ID:FKuWzZ3W
38 :
名無しさん:2009/04/06(月) 22:51:34 ID:Xs14Y7jS
39 :
名無しさん:2009/04/07(火) 05:55:56 ID:eIqKbjKF
東京きったねぇwww不潔wwww
結核になるぜ。
40 :
名無しさん:2009/04/08(水) 03:30:46 ID:oWWKXZXs
くだらね
41 :
名無しさん:2009/04/08(水) 05:52:45 ID:RLdnIQu4
結核の治療は空気のきれいな所で静養でしょ。
どれだけ東京の食いものがまずくて、空気がきたないかってことだね。
42 :
名無しさん:2009/04/08(水) 06:32:03 ID:u8kbiHuh
東京kittyこと遠ыP寿(42歳)はウンコバーガーばっかり食べてるから
雑菌には特別強い体質なんだよ
大阪はそんな遠рウんですら不衛生すぎて生存が難しいレベル。
43 :
名無しさん:2009/04/09(木) 01:50:50 ID:s46IDh37
遠
44 :
名無しさん:2009/04/20(月) 22:13:12 ID:nviKOgg4
東京では浮浪者たちの置き引きが蔓延してるとか。バッグの中身を売りさばいて
生活してるんだとよ。
45 :
名無しさん:2009/04/20(月) 22:36:05 ID:BqxJpIbC
>>1 みえみえの自演ばかりでつまらなくなったな、あいつら
46 :
名無しさん:2009/04/20(月) 23:01:41 ID:f4k0GX+m
??
47 :
名無しさん:2009/04/20(月) 23:03:36 ID:8ZWtrTb9
また仮想敵ですかw
48 :
名無しさん:2009/04/20(月) 23:19:29 ID:K+Akq5oD
49 :
名無しさん:2009/04/21(火) 03:19:26 ID:jTz4GHNB
50 :
名無しさん:2009/04/21(火) 04:21:07 ID:R1JA2q8p
51 :
名無しさん:2009/04/21(火) 13:45:38 ID:tePqX4XB
アスペ 童貞
52 :
名無しさん:2009/04/22(水) 04:03:49 ID:NvVD3mHB
いよいよらしいな
53 :
名無しさん:2009/04/22(水) 10:53:54 ID:I7WoVjCk
自分だけ助かろうとして東京さんに土下座して上のこと全部話したんだって?
54 :
↑:2009/04/22(水) 11:00:45 ID:05gWGqzZ
便臭恒寿
またストレス溜まってるのか便臭さん
55 :
名無しさん:2009/04/22(水) 11:18:04 ID:I7WoVjCk
もしものときのために上との会話を全部記録してたんだって?
56 :
↑:2009/04/22(水) 12:21:11 ID:05gWGqzZ
便臭恒寿
よしよしその調子で続けろ。
んでその次は?
57 :
名無しさん:2009/04/22(水) 14:36:09 ID:NvVD3mHB
ついにか
58 :
名無しさん:2009/04/22(水) 14:49:48 ID:05gWGqzZ
妄想報告は了ですか便臭さん
こんど纏めてあげるからまた書きに来て下さい(笑)
59 :
名無しさん:2009/04/22(水) 21:52:53 ID:NvVD3mHB
かわいそうにな
60 :
↑:2009/04/22(水) 21:58:13 ID:xKpnFGUy
便臭恒寿
くやしかったのかwww
61 :
名無しさん:2009/04/23(木) 00:24:36 ID:Z1PD/i2W
あれだけ少数の自演が見え見えになると痛々しいものがあるな
62 :
名無しさん:2009/04/23(木) 23:32:32 ID:pNKu1YzW
ヲマエの人生みたいだよな
63 :
名無しさん:2009/04/24(金) 06:14:50 ID:1kbSwwpO
IPが見えない下っ端だったのかw
64 :
名無しさん:2009/04/24(金) 06:19:22 ID:1kbSwwpO
IDが変わってるのもわからないほど焦ってたんだろうなw
65 :
↑:2009/04/24(金) 10:40:00 ID:8gzWG+v2
便臭恒寿
あれ、もしかして
>>60は俺だと思った?
全然IP見えないんだね便臭さん(笑)
66 :
名無しさん:2009/04/30(木) 06:13:42 ID:4J+zLz9t
67 :
名無しさん:2009/05/09(土) 22:26:50 ID:6SgTHYnk
68 :
名無しさん:2009/05/10(日) 04:25:48 ID:jdelb/Gq
69 :
名無しさん:2009/05/25(月) 22:12:14 ID:PqCMpjQx
70 :
名無しさん:2009/05/26(火) 14:54:55 ID:bFolLA5f
test
71 :
名無しさん:2009/05/26(火) 15:53:56 ID:78Ak2qn/
偽豚わんわん
72 :
名無しさん:2009/05/26(火) 15:54:48 ID:78Ak2qn/
偽豚わんわんバーレバレ
73 :
名無しさん:2009/06/08(月) 22:04:28 ID:UROivcms
74 :
名無しさん:2009/06/16(火) 20:25:36 ID:a2ZuNWE0
>>69 毎日米の飯を食って屋根の下で寝て壁の付いたトイレで用を足して
最低限に文化的どころかかなり恵まれた贅沢だと思いますが
格好付けた服着たり美術や音楽に親しんだりスポーツに励んで友情を築いたり恋愛を楽しんだり
それは最低限じゃないでしょう。かなり高度に文化的な生活だと思いますよ
君のお父さんは君が子供の頃そんなこと許した?
それはこの国の常識ではちょっと考えられないな
世間の感覚とだいぶズレてるんじゃないのか
75 :
名無しさん:2009/06/18(木) 05:23:11 ID:wB6ApOnR
76 :
名無しさん:2009/07/01(水) 22:28:50 ID:8CA3sH6t
77 :
名無しさん:2009/07/02(木) 04:47:59 ID:SjbKlM4B
IP見れない下っ端(笑)
78 :
名無しさん:2009/07/15(水) 12:48:34 ID:5X8083LE
79 :
名無しさん:2009/07/26(日) 02:11:52 ID:zqmDiU4t
80 :
名無しさん:2009/08/02(日) 21:06:54 ID:ZE+cX9st
,,----、,,,,,,,,,,,,,,,、、 ,.へ
___ / ,,-―‐、、、ヽヽヽヽ ム i
「 ヒ_i〉 〔/ 、))))ヾヽヽ ゝ 〈
ト ノ / .,,,,、、 , ヽξ\Ξ/ iニ(()
i { / ==/ .,==- レi! | ヽ
i i 〔 、 ,(_,、ノ( "",,ノ:::::: 6) i }
| i λ:"::: ‐=‐^ン ...::::::::: |/ {、 λ
ト−┤. λ:::::. .:::::.. ::...::::::::::::::::/ ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_ λ::::::::::::::::::::::::...:::::::/ ,. '´ハ ,!
. ヽ、 `` 、, __\:::::::::::::::::::::::::/" \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
81 :
名無しさん:2009/08/16(日) 22:04:37 ID:g6PdYlWT
82 :
名無しさん:2009/08/29(土) 14:13:34 ID:2f2185jK
83 :
名無しさん:2009/09/12(土) 22:02:32 ID:dG/HXtu1
84 :
名無しさん:2009/09/26(土) 01:46:30 ID:YHE29COM
85 :
名無しさん:2009/09/27(日) 07:16:37 ID:/+NU5/o2
86 :
名無しさん:2009/10/26(月) 22:37:10 ID:350eyw/C
87 :
名無しさん:2010/01/15(金) 15:54:12 ID:0sSxsUhe
,,----、,,,,,,,,,,,,,,,、、 ,.へ
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「 ヒ_i〉 〔/ 、))))ヾヽヽ ゝ 〈
ト ノ / .,,,,、、 , ヽξ\Ξ/ iニ(()
i { / ==/ .,==- レi! | ヽ
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| i λ:"::: ‐=‐^ン ...::::::::: |/ {、 λ
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\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
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88 :
名無しさん:2010/01/15(金) 16:01:36 ID:WxCfvvJB
円周キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
89 :
名無しさん:2010/05/16(日) 19:01:53 ID:W7BDOq+n
90 :
名無しさん:2010/05/25(火) 19:32:00 ID:Kw868o7g
_,,:-ー''" ̄ ̄ ̄ `ヽ、 :..
,r'" .. .. : : ::ノし )(::: :.`ヽ. ビキ . : :
__,,::r'7" ::. ノ( ⌒j(⌒) (:::::::...ヽ_ ビキ : .
゙l | :: ⌒. .::: ::: :: .. . .⌒:: :... ゙) 7 ::.
| ヽ`l ,/\,,_::..、,;_、_...:::_,,,ノ\ /ノ ) , : ;
.| ヾミ,l _;;: ::: ."''=:))il((=''" . . . ::` .ヒ-彡| : .
〉"l,_l "-ー:ェェヮ;::);;;;;f';;_-ェェ-ニ,, ゙レr-{ . ::
| ヽ"::::''_;:'" ̄´.::;i;;;;;;i,..`'' ̄`:;_ .::r';' } . : :
. ゙N l ::. .....:::;イ;:';;;;;;;;l;;;i、::... . . ...::,l,フ ノ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. |_i"ヽ;:...::::::/::.゙'''=-='''´`ヽ::.....:/i l" < なんじゃい!!!!
.|:.:.::゙l :::i ,-==' '==::、..:i .::,il".::|'" \__________
.{::...::|:::.、 ::(┼┼┼┼} :::...:il::. .:| : . .
/ト、:. :|::..゙l;: `======='".:,i' .:,l'.::ノト、 : : . ..
/ .|::..\ゝ、゙l;:: : : : ⌒ :: :,,/;;,ノ;r'" :| \ :: : . .
'" |:: : ..`''-、`'ー--─'";;-'''"... : : :|
91 :
名無しさん:2010/06/21(月) 03:33:01 ID:kR6aYBxk
92 :
名無しさん:2010/08/08(日) 01:59:43 ID:t66vURwV
93 :
名無しさん:2010/09/27(月) 16:02:00 ID:mGYsbBbo
94 :
名無しさん:2010/12/11(土) 16:27:38 ID:HFXiWmaT
短編小説
松戸に死すスピンヲフ番外編
「ヲレの春」
ヲレは日本の最高学府である東京大学に入学した。
をもえばここまでの道のりは遠く険しいものであった
小学生の頃から医者である厳格なヲヤジに育てられ学校帰りに寄り道することは許されず
友達も居なかった。奥多摩の山から松戸と言う都会に下りてきた俺は街の生活に馴染めず
ただただ毎日が勉強との戦い。実家は診療所を営み戦時中軍医だったヲヤジは
この街で開業医としてそこに生活の基盤を築いていた。まだ僻地だった松戸の町でヲヤジは
街の人達から街のお医者さんとして絶大な信用を得ていた。
厳しいヲヤジではあったがそんなヲヤジを誇りにをもいまた自ら東大生になった自信と誇りに
満ち溢れていた。そう、東大生なヲレは「超創会」の跡取りなのだ。
と、ここまでは「彼」の自己紹介である。
だが「彼」と「その家族」は「彼」の過ちを発端に破滅への道のりを歩むのであった
96 :
名無しさん:2010/12/14(火) 14:09:27 ID:/cScxm75
生まれてきたのが「彼」の過ちw
ヲレは・・ヲレは・・
こんなはずじゃなかった。かつて松戸で神童と言われたヲレが東大の講義に付いていけない
ヲヤジは超創会の跡取りなら医学部だろうと言った。だがヲレは翻訳家になりたかった。
ぷっちゃけ医学部より文学部の方が楽だろうとをもっていた。だが甘かった。
ヲレと同級の連中は次々とサークルに入っていった。だがヲレにはお呼びがかからない
きっと神童と呼ばれたヲレに嫉妬していてなかなか声がかけられないのだろう。
いいさ、ヲレは孤高の存在。ヲレは自問自答する。このままでいいのか!?
高校時代、峰君の腰巾着の遠君と呼ばれたヲレだがやっと峰のバシリから解放され
むさくるしい男子高からも解放された。ヲレは自分を解放しなくてはならない。
そんな時、ヲレは千代田線のホームで一人の美少女を見つけた。毎朝会う彼女。
どこかの高校の制服を着ている彼女。ヲレにとって彼女は心の葛藤の空白を補完する
存在になっていった。彼女をジッと見つめるヲレ。彼女は目が合うと顔を赤面して目を逸らした
とうやらやっとヲレにも春が来たようだ(@w春
だが「彼」はしらなかった。「彼女」が「彼」にとってのカタストロフィーの引き金になる事を
98 :
名無しさん:2010/12/15(水) 13:36:12 ID:PdXTvZKa
俺も書きたいが大丈夫か?
99 :
名無しさん:2010/12/15(水) 16:22:34 ID:eXhGGWvx
水嶋ヒロの小説より面白いw
>>98 油豚が嫉妬で立てたスレだから全然おk
かくしてヲレのキャンパスライフ、いや、通学ライフは至福の時となった。
彼女がもっと知りたくなったヲレは行動に出る事にした。試しに「をはよう」
と言ってみた。最初は驚いた様子だったが彼女は小声で「お、おはようございます」
と返してくれた。これはをもったよりも脈ありじゃないかね。その内に彼女と同じ
時間の電車、同じ車両、同じ場所で朝の邂逅をヲレは満喫した。彼女の隣に立つヲレ
何やら彼女はそわそわしてをちつきがないようだ。どうやらヲレの様な鼻筋の通った
イケメンが傍に居るだけでドキドキしているようだ。これはをもったよりも脈がありそうだ。
もうヲレは完全に有頂天だった。講義を受けていても自宅に居ても考える事は彼女の事ばかり
彼女の横に立つとキレイな髪から漂ってくるシャンプーと石鹸のかをり。
ヲレはヲヤジに内緒で買ったプレイボーイを読破した。そしてデート入門を頭に叩き込むと
ある決意をした。それは彼女に、ヲレの文才の全てを注ぎ込んだ恋文を渡す事であった
そして「彼」は自ら「核弾頭」を仕込んでいた事をこの時は全く予期していなかったのであった
ヲレは恋文の作成に全身全霊を捧げた。
東大図書館でヲレはありのままを書き綴った。彼女に対するをもい
講義なんてどうでもいい。友達も居なかったので代返してくれる仲間も
居ないがヲレは・・ヲレは・・やっときたこのチャンスをモノにする為に
今を生きている。図書館、それはヲレの創作活動にはうってつけの場所だった
あくる日、いつものように電車の中でヲレは人ごみを掻き分け彼女の横に立った
「をはよう」彼女も小声で、そしておどおどと返事を返した。ヲレはポケットから
恋文を出した。「これを受け取ってくれないかね?」彼女は一瞬困ったような顔をした
「あ。あたし・・困ります・・こんなの」彼女はそう言うと液に着いた電車から飛び降りた
ヲレは呆気に取られたが理解した。「これが嫌よ嫌よも好きの内」だと言う事を。
この時、彼はもう底なし沼に両足を深く突っ込んでいた。沈む先に何があるのかも知らずに
それから一週間が過ぎた。彼女はいつもの電車に姿を見せなくなった
ヲレは恋文の返事が聞きたかった。いくらこんなイケメンなヲレに告られたからって
そんなに恥ずかしくないとをもうんだが。それからヲレは一時間早く家を出て
ホームで彼女を待ち伏せた。まるで張り込みの刑事の様に。ヲヤジには
「いつもより学校へ行く時間が早いな?」と突っ込まれたが図書館で自習していると告げた。
ヲレはホーム上の人の波に目を向けた。
「居た!」紛れも無く彼女だった。ヲレはまたもや人ごみを掻き分けホームで並ぶ彼女の
背後に立った。ヲレはそっと彼女の耳元で囁いた。「返事を聞かせてくれないかね?」
一瞬、ビクっとした彼女はヲレの顔を見ると真っ赤な顔をして回りを見てそわそわしだした。
こんなイケメンに告られたのだ。無理もない。彼女はヲレに何も言わなかった。
ヲレは毎朝、彼女の背後に立って彼女からの返事を待った。とてもいいにをいがした。
ガタンと電車が揺れた。咄嗟にヲレは彼女の腰を両手で掴んでしまった。とても細い暖かい
彼女の腰。ヲレが守らねば誰が彼女を守る?もう、ヲレは・・ヲレは・・
枯れ木から落ち葉が抜ける様に一枚ずつ彼は崩壊して行った。そして「その時」は突然やってきた
あれから一ヶ月が立った。相変わらず彼女は黙ったままヲレの前に立っていた。
ヲレは彼女の腰に手をやった。もうヲレは恋人気分MAXだった。このまま遠くへ
ランナウェイしたい気分だった。電車が駅に着いた。また人が車内に雪崩れ込んできた
ヲレは彼女に覆いかぶさる様にして彼女を人混みから守る「盾」になった。
その時、ヲレの股間が彼女のお尻に触れた。何やら不思議な気分になった。今まで
味わった事のないこの感覚。今なら毎晩かかさずに行っているヲナニーよりもずっと
凄い快感が得られるかもしれない。ヲレはチャックを開けると右手でマイスンを扱きだした
彼女のお尻と俺に刺激されるマイスン。ヲレはこんな経験は初めてだった。またその時
電車が大きく揺れた。「ウッ!」ヲレはイキながら揺れに振り回され180度向きを変えた。
「何すんだ!!このヤロー!!」ヲレの前に居たのは彼女ではなく黒人風のJリーガーぽい男だった
そいつはいきなりヲレを殴りつけた!!「なななな、何するんですか!!」
「テメエ!!電車ん中でオナニーなんかしやがって!!俺のパーカーが精子でグチャグチャじゃねえか!」
その男はさらにヲレを殴りつけた。ヲレは咄嗟に「ヲ、ヲレは超創会だぞ!東大だぞ!」と叫んだ!!
「はあ?超創会だあ?どこのチンピラだあ?」さらに殴りつけるJリーガー風の男。ヲレは鼻血を出しながら
土下座した。男はヲレを一発蹴り上げると姿を消した。男が去ったとをもわれる逆の方向から
誰かがやってくる。ああ、きっと彼女を救ったヲレに感動した人が警察を呼んでくれたのか。
そして彼は破壊される
ヲレは土下座の体勢からその誰かをチラ見した。何やら女性が彼女をかばっている
ああ、よかった、彼女は無事だったんだね。よかった。そう思った瞬間、ヲレは屈強な
をとこ達に取り囲まれ羽交い絞めにされた。「マルヒ確保っ!!」「マルタイは無事だな!」
「ななななななんですか、あなた達ははははは」ヲレはキョドった
一人の男が黒い手帳をヲレに見せた。
「ちょっと来い、そこの少女から電車内で痴漢の被害にあってると相談を受けててな
まあ話は署で聞くから。おら、さっさと起きろよ!!」屈強な男に引き起こされ後ろ手にされ
その両腕には銀色の輪がはめられた。「ちょ、ななな何にかの間違えですよ、ヲレは東大・・」
「あ〜、東大はいいから、さっさと歩けクズ!」彼女に駆けつけた女性は婦人警官のようだ
「あの男に間違いないのね?」彼女は半べそをかきながら首を大きく縦に振った。
「全く、大の男がこんな少女に悪戯しやがって、おら!お詫びしろお詫び!!」屈強な男がヲレの
頭を叩いた。ヲレの・・・ヲレの・・東大生、いや、超創会の跡取りの息子の頭を・・・
同時に彼女に裏切られたをもいがヲレの全身を駆け回った。ヲレに何がをきているのか
そんなをもいがフラッシュバックしているとまた屈強な男が叫んだ!!
「をら!!そこの娘さんに謝れ!!お詫びしろって言ってんだろ!!」ヲレはその言葉を聴いて
彼女に叫んだ。「ヲレは東大生だ!!ヲマエが詫びろ!!」ヲレは屈強な男達に連行されてた。
「彼」の人生はここで幕を閉じた。衆人監視の満員電車の中で
ヲレは冷たいコンクリ剥き出しの取調べ室に招かれた。窓には鉄格子。腰には逃走防止用のロープ
「ん〜、とりあえず娘さんのスカートが君の体液で汚れたからなあ、じゃあ一応、器物損壊で現行犯逮捕な」
刑事はそう言うと改めて手錠を俺の両手にかけた。それから色々とヲレは話を聞かされた
彼女が変質者に付きまとわれていた事。キモい手紙を渡されていた事。電車内で体を触られていた事
彼女から母親を通じて警察に相談が行ったらしい。「ああ、変質者ってのは君のことだからね」
刑事は頭を掻きながら「まあ〜初犯だし略式起訴ってとこかなあ〜?あとは検察次第だなあ」
ヲレは東大生だぞ、これでいいのか、ヲレは・・
どのくらい拘留されたのだろうか?ヲヤジとヲフクロがヲレの身元引受人でやってきた。
家に帰れる・・そうをもったのも束の間ヲレはヲヤジにこっぴどくヴン殴られた。
「このごく潰しがあ!!」Jリーガー風の男のパンチ並みに効いたヲヤジの鉄拳だった。
「向こうの親御さんとも示談に失敗した。裁判だぞ!!このビチクソ芋虫めが!!」
罵声をとばすヲヤジ、ヲロヲロするだけのヲフクロ、呆れ顔のをとうと。
そしてヲレは略式起訴で罰金刑になった。それ以来ヲレは自室に篭った。
まさしく彼は負け組みの芋虫幼虫となったのだ
やっと入った東大も放校通知が来た。いったいヲレは・・ヲレは・・
そしてそれから10年後、「彼の父親」が大腸ガンで他界するまで彼は引きこもり続けた
その後、「カリスマ2ちゃん固定」として華々しくデビューした「彼」だったが一度破壊された
自我はもう戻る訳でもなくその名を悪用して少女や少年に性的悪戯をしたり詐欺行為を働いた。
「彼」もまた受験戦争と言う社会の腐敗が生んだバケモノだったのであろうか?
否、彼は自分に、そして雑魚運営に完敗、そして論破されたのだ。
「彼」に明日は無い FIN
この小説はフィクションです。登場人物、団体など全て架空のモノです
短編にならなかったなww
107 :
名無しさん:2011/01/06(木) 10:53:56 ID:QyGU4MKB
新作キボンヌ!
108 :
名無しさん:2011/01/20(木) 10:55:54 ID:eKXVKn4w
新作マダー?
109 :
名無しさん:2011/01/20(木) 13:12:53 ID:3j86Ze3G
良成3億6千万円借金ネタでお願いします。
110 :
名無しさん:2011/02/02(水) 02:01:03 ID:rja0k8oo
111 :
名無しさん:2011/02/02(水) 15:47:54 ID:X6alM+o/
東京さんにボッコボコにされた連中の末路は哀れだ。
112 :
名無しさん:2011/02/02(水) 16:03:57 ID:PSSB5GTb
飽きたからお前ら巣に戻っていいよ
靖国通りをイジるネタ、本当に飽きたから巣に帰っていいよ
秋葉系、新宿界隈、靖国通りだろ?
在日フラグ、K-POPとかホモ、ゲイ、ヲカマ、バイネタの元のネタが
靖国通りだったってだけの話。この靖国通りネタ面白いと思う奴は
完全に頭パーだよ。クドイ。
113 :
名無しさん:2011/02/03(木) 23:39:58 ID:xQfbkNVz
をい、バカ恒寿。この名作な小説スレを駄スレを空ageして落とすなよ
作者さんが新作書くときに困るだろうがw
114 :
名無しさん:2011/02/05(土) 14:29:16 ID:lhiRtruo
ハロプロ 25人 2010年動員数 40万動員 チケット単価平均6500円
AKB 100人 2010年動員数 18万動員(劇場込み)チケット単価平均4000円
CDの売り上げだけみてても見えてきませんよKITTYちゃん
ドリームモーニング娘設立でより卒業にたいしてアレルギーが減るでしょう
天下り先みたいなものだ
一方AKBは今年の夏で選抜16人のうち11人が成人となりアイドル感が一気に失われる
もう長くはないことに気ずきましょう
ちなみに2011年1月のゴールデンバラエティー出演はアップフロントが55本
AKB系は11本です
営業を怠っているなんてとんでもない!
アップフロントの方針は卒業者はテレビ・現役アイドルはライブ中心という方針なだけ
115 :
名無しさん:2011/02/05(土) 14:32:11 ID:lhiRtruo
真野がオーラがある?
もうこの春に成人です
モー娘に入れるには遅すぎるでしょうなw(おまえがファンだっていうだけだろwww)
ちなみにハロプロは今年4月でAKBの去年の1年間の動員数18万に並びます
あと電通と組むということは当然儲けを電通に搾取されることでもある
アップフロントは電通に頼らなくても自立できているので利益率は高い
AKB=自立できない親元にいる高校生
UFA=自立して高収入な社会人
ということでしょうかね
無知のくせにUFAをたたくのはよくないねw笑われちゃうよw詳しくナインだから黙ってろw
116 :
作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/02/14(月) 22:10:50 ID:pNvymwoN
そろそろ新作行くかw
117 :
名無しさん:2011/03/08(火) 20:35:06.15 ID:36SiwdrU
こないだ初めて「東京の声」きいてみたけど、エンツネさんの声聞いてると眠くなるw
118 :
名無しさん:2011/03/19(土) 03:54:53.92 ID:+dysUAVQ
鎌倉から何やってんの
119 :
名無しさん:2011/03/19(土) 23:46:10.23 ID:udEIrt57
★福島原発事故は【人災】でしかない件★
震源地から一番近い『東北電力・女川原発(宮城県)』は無事。
→東電OL事件で有名な『東京電力・福島原発(福島県)』は壊滅的。
※『東北電力・女川原発』も福島原発同様に、『大地震・大津波』にあっています!
============================
120 :
名無しさん:2011/04/07(木) 00:46:45.06 ID:SBSb0ptN
121 :
名無しさん:2011/04/19(火) 17:40:12.85 ID:t6OHCVsv
作者の方へ。
松戸に死す2のあらすじというかダイジェストの様なものを教えてほしい。
俺が勝手にifストーリーを書きたいので。
122 :
作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/04/19(火) 20:29:04.40 ID:R9ZMxtlr
>>121 機動戦士ガンダムCTAの続編やろうかと思ってたんだけど仕事が忙しく
今んとこちょっと無理なんで頼むわwwww
とりあえず松戸に死す2のあらすじ(俺もちょっと忘れつつある)
松戸に死す1のラストで射殺されていたとされていた恒寿は実は生きていた
彼は胸につけられた弾痕をジャギの様に見せつけながら街を彷徨う
そんな時、彼にネットで知り合った麻布と言う女性が声をかける
童貞だった恒寿は彼女に筆おろししてもらうも捨てられてしまう
イライラを募らせながら常磐線の車内で痴漢行為に走る恒寿
JKに悪戯中、警戒中の警官に声をかけられるが車内がパニックと化し列車は急停車
江戸川の橋梁上で停車した常磐線車内で彼はその警官から実弾5発入りの拳銃を奪う
警官を射殺後、車内が暑いと紫色のTバック一枚になった恒寿は網棚に残っていた
レジ袋から包丁を見つけそれも装備。小便がしたくなったとレジ袋に用を足し小便が
入った袋と包丁と拳銃を手に車内をウロつき逃げ遅れたJKを人質に取り立て篭もる
当初は所轄が電車を包囲するも情報の錯綜から指揮権がSATに委譲
ところがSATも手違いから隊員に負傷者を出し容疑者が手に持った液体=サリン
と言う誤った情報から撤退。容疑者が北の工作員と言うデマまで飛び交い
ついに陸自の特殊作戦郡が防衛出動。列車を包囲、隊員突入後に恒寿射殺
こんな感じな話だったと思うわw
>>122 わかりましたわ。あなたほど上手いものはできませんがちょいとやってみますわ。
124 :
名無しさん:2011/04/22(金) 19:41:55.51 ID:GunmGywS
スマン誤爆した。
書くのはマジだけど。
125 :
名無しさん:2011/04/27(水) 20:38:51.62 ID:/pQ8NqU2
茨城大学の川村大輔および
水戸県警チェック用
この物語はフィクションです。登場人物、団体などは全て架空のモノです
偽典・松戸に死す〜MAD CITY CHRONICLES〜
『五年後または、発端』
「ツネちゃん・・ツネちゃん・・」ベッドに寝かされ全身チューブだらけで眠り続けている老女がうわごとのように言う。
それを沈鬱な表情で見ている壮年というには少しばかり若い男と50代ぐらいの男が病室の中にいた。
「芳鳴さん。そろそろ行きましょうか」芳鳴と呼ばれた男は頷くと彼の後に続いて病室を出た。
「しかし、あれから五年ですか。早いものですねぇ」50代ぐらいの男が言う。
「ええ、自分もあの事件の影響で事務所を辞めさせられて、妻とも離婚して家族と離れ離れになってしまいましたし・・」
「まったくですな、アルバイトを転々としながら母親の入院費を稼ぎつつ、ホームレス当然の生活をしていたところを私が見つけてなければ今頃どうなっていたか・・」
「木場所長には本当に感謝しております。まさか事務所に住み込みで働かせてくださった上に、入院費も出してくださるとは夢にも思っておりませんでした」
木場、というのが50代ぐらいの男の名前らしい。木場は照れづつ、小さく咳はらいをすると続けて話し出す。
127 :
名無しさん:2011/04/30(土) 18:56:01.81 ID:ieZ80Icd
「ところで、君のお兄さんの事だが・・」
「止めてください。あんな奴、兄なんかじゃありません!」
芳鳴は声を荒げた。
十二年前、昼休みの合間にTVをつけた自分は一瞬目の前が真っ暗になった。
十年以上前に東大を女子学生への痴漢で除籍され、その後自室に引きこもり、父親が大腸ガンで死んだ時には葬儀すら姿を見せなかった「アレ」がTVに出ている・・
しかもアレの肩書きは2ちゃんねる代表固定、2ちゃんねると言えば脅迫や犯罪予告が多発している事で悪名高いインターネット掲示板ではないか。
「この人、芳鳴さんに似ていません?」誰かがそう言った。「いや、知らないよ、こんな人」嘘をついた。その場はそれで誤魔化す事ができた。
だが、皆の前で嘘をついてしまったことが後の悲劇となってしまったのだ。
128 :
名無しさん:2011/05/01(日) 09:42:14.89 ID:esgUtdTL
あはは
どうしてこうなった・・七年後、アレがついにやらかしてしまったのだ。
常磐線で警官を殺害、奪った拳銃と包丁で女子高生を人質に立てこもった挙句、突入した陸自の特殊作戦群によって射殺されたらしい。
仕事をしていた自分は職場にやってきた警察から身元確認のために呼び出され、自分がアレの血のつながった弟であるという事はたちどころにバレてしまった。
そうして連れて来られた警視庁の安置所で、自分は十数年余りにアレと再会した。
まるでワカメのような不気味な髪形、醜く肥え太った体型、そして顔を確かめようとした時、検察官に見ない方が良いと止められた。
なんでも顔面に自動小銃の弾丸を何発もぶち込まれており、とても見れたものではないとの事だった。
だが間違いはない。これはアレだ。間違いなく自分の兄・・だったモノだ。
身元確認を終えて家に帰ると、家にはだれも居らず、手紙と片側に署名と印鑑が押された離婚届があった。
手紙の内容は三行で纏めると
『今まであのような兄がいるとなぜ教えてくれなかったのか。先ほど職場からあなたを解雇したの連絡があった。あなたとは別れて実家に帰らせていただきますのであなたの署名と印鑑をお願いします』
との事だった。
自分は・・どうしてあんな嘘をついてしまったのだろうか・・
とめどなく涙があふれ、自分はその場にくずおれた・・
アレのせいだ・・アレのせいで自分は・・!!
131 :
名無しさん:2011/05/08(日) 19:18:25.49 ID:mOPnEuy5
なんか違う気がする、いつもの作者さんじゃないからかもしれないけど
132 :
名無しさん:2011/05/09(月) 00:10:38.75 ID:/q8caLXm
続きお待ちしております
133 :
◆8bVOdV11MI :2011/05/17(火) 21:54:12.41 ID:t3K8bKSW
>>131 自分にはあの方ほどの文才があればいいんですけどね・・・
>>132 ありがとう、その言葉だけで十分だよ。
3分後に投下する
泣き面に蜂とは昔の人はよく言った物だ。仕事と家族を失った矢先に今度は母が倒れたと言うのだ。
かなりの高齢で今までアレを養っていたのだが、実家に警察が来てアレが人質を取り電車に立てこもった所を伝えた途端に悲鳴を上げて倒れ、そのまま意識が戻らなくなってしまったらしい。
自分はとにかく働いた。最初のうちはアルバイトをいくつも掛け持ちしていたが、どれもこれも長続きせず、最終的には日雇いの土工として何とか母親の入院費ギリギリと一日一食分は食いつなぐ事が出来たのであった。
だが、当然それだけでは体も何も持たない、日雇いの収入だけでは足りない、そう思うようになってしまった。
自分は決意した。もう一つぐらいなら掛け持ちできるだろう、と。せめて簡単な仕事などは・・
あなたが田中二郎さん?まあおかけください」
自分は松戸のとあるコンビニの事務室で面接を受けている。理由は簡単だ。自宅から近く、帰った後にすぐ眠れるからだ。
そして面接を受ける際には偽名を名乗った。遠・・いや、あの口にするのもおぞましい苗字からは離れたかった。それはさておき、気になるのが・・
「あの、自分の顔に何かおかしな所でも?」
「あ、いや、君とは以前何処かで会った気がするんだが、気のせいかね?」
自分が?この人と?そんな筈はない。今日初めて知り合ったはずだ。
まあ、この調子なら何とかなるだろうな・・
この時の自分はもっと疑ってかかるべきであったのだ。3日後、自分がクビになるとは夢にも思っていなかった訳で・・
136 :
名無しさん:2011/05/19(木) 19:45:21.79 ID:K9OK8ggC
松戸に死す1のコンビニ?
137 :
名無しさん:2011/06/04(土) 00:48:43.22 ID:MhGgGOla
油豚小説バックナンバー
「松戸に死す1」
東大放校処分前科一犯と言う異色の経歴を持つ無職中年の崩壊劇を描く名作
「松戸に死す2」
あいつが帰ってきた。その男油豚につき!タガが外れた無職中年の狂気を描いた完結編
「偽典・松戸に死す〜MAD CITY CHRONICLES〜」
事実上のパート3 死す2の続編?ただいま連載中!
松戸に死すスピンヲフ番外編
「ヲレの春」
名作「松戸に死す」の序章と言える名作。カリスマ固定誕生秘話がここに!
138 :
名無しさん:2011/06/04(土) 01:04:36.73 ID:MhGgGOla
「機動戦士ガンダムNEVADA」
佐世保住みのナツミが宇宙国家「ソーカ」と地球連邦軍の武力衝突に巻き込まれていく
裏切りと偽り、MSパイロットとして覚醒していくナツミの行く先には!(油豚オリジナル作品)
「機動戦士ガンダムNEVADA2〜煽りあい宇宙偏」
奪われたガンダムCOOLを追い宇宙へ上がる連邦宇宙軍第四遊撃艦隊。旗艦「オオクボ」に
「あいつ」が乗艦した事により艦隊は壊滅の危機に陥る。遊撃艦隊の運命はいかに?
139 :
名無しさん:2011/06/04(土) 01:07:04.95 ID:MhGgGOla
「機動戦士ガンダムYOUBUTA〜逆襲のtsunetosy〜」邦題「ガンダムTCA」
第一次ソーカ戦争の後を描くSF大作。ネオソーカの残党を名乗る女皇帝「アザーブ」
彼女に仕える謎の仮面士官「ブータベイダー」の正体は?地球に降りた彼の目的とは?
謎の兵器「ツネンゲリヲン」を巡り遠州芳鳴大尉とブータベイダーの戦いを描く
TCA(CTA?)の続編も来るらしい・・・・
140 :
名無しさん:2011/06/06(月) 10:08:35.09 ID:LzaJVRbb
保守
142 :
名無しさん:2011/06/10(金) 00:28:57.90 ID:Bg9iwVFu
>>141 これリアルタイムで読んでたけど設定のつじつま合ってるからいいんじゃね?
懐かしいなw
>>142 いや、そういうところを気にするタイプなのね自分は。
・・・見ていたらTCAのスピンオフが頭に浮かんだんだが、勝手に書いても構わないかな?
144 :
名無しさん:2011/06/11(土) 06:19:45.19 ID:494XxJs/
>>143 別に気にする必要はないと思いますよ。
自分のペースで、納得いくならそれでよしと。
さいたま〜入院編とET書いた者ですが、勢いで書いてました。
自分の話はシンプルなんで比べようがないですが、思いつくままでしたね。
そのうち、また書こうかなと思いつつ、データーがなかなかないので、気が向いたら自分も書きます。
145 :
名無しさん:2011/06/14(火) 22:31:02.87 ID:IKsvNLEk
書いてみた。長くなるけど酔っているんで今日は思い浮かんだ所まで。
機動戦士ガンダムYOUBUTA外伝〜ソーカの再興〜
「では、この資料はこっちに、こっちのデータは向こうに回してくれたまえ。それから・・・」
私、新田は資料の整理に追われていた。遠州芳鳴大尉が兄の恒寿を道連れに富士の火口へ消え去ってから実に半年余りが経っていた。
あの後すぐにシマ・四丈半少佐がスパイ容疑で拘束され、自分は大佐に昇格した。だがそれに続いて異動が決まり、今では僻地で書類整理に忙しむ毎日であった。
ネオソーカ及びブターンズの残党は地上宇宙を問わず激しい局地戦を続けている。女帝アザーブや恒寿もといブータベイダーの影響など微々たるものであったのであろうか?
それに加えて最近は新たな指導者が現れたと聞く。所詮人間と言うものは争わなければ生きていけないというのだろうか?宇宙世紀70年代からニュータイプという存在がたびたび出現したと聞くが、それらが今の状況を見たらどう思うのだろうか?
怒るのだろうか?嘲るのだろうか?それはだれにもわからない。
そして『超克』を経た芳鳴大尉と恒寿には、この世界がどう映るのだろうか?
147 :
名無しさん:2011/06/15(水) 22:46:55.95 ID:M0TmBDh0
わからない、わからない。そもぞも超克とは何なのだろうか?
ニュータイプへの進化?神への昇華?人類の次に進むためのステップ?
ああ、私は超克とやらが何かが知りたい。あのツネンゲリヲンとやらに乗り、超克してみたい。
超克、超克、超克超克超克超克ちょ…
「新田大佐?来客ですが…」
「…!! ああ、すまない。いったい誰が?」
「真田中尉です。今応接室に待たせておりますが」
真田中尉だと?一体何があったと言うのだろうか?
148 :
名無しさん:2011/06/15(水) 23:28:45.13 ID:IqsUvsGi
149 :
名無しさん:2011/06/15(水) 23:34:44.09 ID:+nddymBU
油豚小説バックナンバー
コードネームは「E.T」
カリスマ固定の学生時代を描く新鋭作!彼の歪んだ心の誕生に立ち会える一作
学生時代の悲劇がその後の彼の人生を変えて行く・・・・
「機動戦士ガンダムNEVADA Destiny 」
ガンダムNEVADA煽りあい宇宙編の続編?元ガンダムNEVADAのパイロット、ナツミを
尋ねる遠州芳鳴大尉とシマ・四丈半少佐。奪われるブータガンダムとそれを阻止すべく
新型ブータ「ブッツー」を駆るナツミの戦いを描くが作者が途中で放棄w
「さいたま〜入院編」
リアルタイムで読んだんですがログが見つかりません。確か恒寿が暴れて
終わる記憶があるんですがどなたか知ってたら教えてください
150 :
名無しさん:2011/06/17(金) 21:00:33.37 ID:KdzIPLoc
ツールバーにユキチカを表示してないようなもんだな
遅くなってごめん。見てる人いないと思うけど。
「結論から先に述べますと、オガワ元少尉は三年前、当時対立していたブターンズと旧ソーカ残党との戦闘に巻き込まれて死亡しております」
真田中尉のその言葉は、私を絶望させるに十分な物であった。
ナツミ・オガワ元少尉。かつて私が少佐だったころ、一時的に戦艦『オオクボ』に乗艦していた当時12歳の少女。
旧ソーカの潜入工作員の少女張里美と金正子に学校の担任とクラスメイトを皆殺しにされ、一時的だが大量虐殺に手を染め、宇宙に上がった途端遠ъウ中尉に目をつけられて性的に暴行されかかり、
挙句の果てには乗機のガンダムNEVADAが事故で破損したという理由で除隊され、艦を降ろされて以降はその行方がわからなくなっていた。
大佐になった途端に日本の仙台に配属となった私と同じように真田中尉は佐世保に配属される事となり、ならばと思いオガワ元少尉の消息を真田中尉に探らせたのだ。
だがしかし、ああ、この様な結果に終わるとは。
152 :
名無しさん:2011/06/21(火) 18:35:52.20 ID:DfJTawtI
半年前、サイタマシティーに着弾したヲッスキャノンの犠牲者の中に妻と娘の名前を確認した時には流れなかった涙が、人前だと言うのにとめどなく流れ出す。
「大佐、まだ落ち込むのは早計と思われます」
「どう言うことだ?彼女が死んだのは間違いないのだろう?それとも私の心の中に生きているというような馬鹿馬鹿しい台詞を吐く訳ではなかろうな?」
「いえ、実は戦闘地帯からは彼女の遺体は発見されていないのですが、死亡証明書だけが近くの役所に出されたらしく…」
「彼女は自身の死を偽造して、何処かへ雲隠れしたと?何のために?」
「その件についてですが、実は彼女は連邦軍の情報部が七年前より極秘裏に暗殺対象としていたとの事です」
暗殺対象、だと?彼女は自分が知る限りではただの少女だったが… まさか。オオクボを降りた直後に何かがあったというのだろうか。
153 :
名無しさん:2011/06/21(火) 18:36:40.56 ID:DfJTawtI
「あの時の大佐はルナツーで拘束、私はオオクボでレーダー改修に忙しんでいた故に知る余地は無かった訳ですが、オガワ元少尉の乗ったシャトルは地球へ向かう途中、ソーカの部隊による攻撃に遭い、撃墜されております」
「ば、馬鹿な!! 撃墜だと? ではそれから4年間の間は幽霊が目撃されていたとでも言うのか?」
「いえ、彼女はその後連邦の哨戒艇によって宇宙を漂っているところを発見、保護された後に無事地球に帰還したとの事ですが…」
真田中尉はそこまで行って口ごもる、何を言おうとしているのだろうか?
「中尉、一体何が…」
「オガワ元少尉は半壊したMSに乗っていたようで、これが唯一残った写真なのですが…」
その写真をみた私は驚愕した。右腕と両足がもげ、機体の色は茶色ではあったがその姿はまさしく…
「ブータ…ガンダム…だと!?」
154 :
名無しさん:2011/06/21(火) 21:08:00.14 ID:8YEvbEd1
それが意外とここのスレ見てる人が多いんだよなw
155 :
名無しさん:2011/06/29(水) 02:57:41.60 ID:URgLLQYP
いよいよ選挙開始だ
156 :
名無しさん:2011/07/14(木) 16:31:11.08 ID:ajHDdSLU
ほむほむと思った?
残念、カワイイさやかちゃんでした
新章
「機動戦士ガンダムBB(ダブルブー)〜Eの血統」
イントロダクション
ネオソーカの武力蜂起はかろうじて連邦政府によって鎮圧された。
政府はその後、宇宙移民者への締め付けを強化。デモ、騒乱に対しての
一切の行動を禁止または監視し時には武力鎮圧も行った。各サイドの自治政府は
ネオソーカとの衝突で弱体化した連邦政府へ抵抗の意思を示したが次第に軍事力を
取り戻した連邦政府には逆らえない状態であった。同時に僻地の暗礁空域で海賊行為や
テロ行為を繰り返すネオソーカの残党に連邦政府は手を焼いていた。
この物語は厄介な血筋を持った15歳の一人のJK、いや少女の戦いを描く物である。
「はあ〜、どうしよ」
彼女は独り言をつぶやくと制服のポケットからタバコとライターを取り出し火をつけた
誰も居ない体育館裏。春の陽気とはうらはらに彼女の表情は重い。建物の向こうからは
歓声が聞こえる。彼女はタバコを吸いながら空を見上げ独り言をまたつぶやいた。
「おじさんに会わせる顔無いなあ・・・高校落ちたなんて言ったらおじさんどんな顔するかな
まさか貧乏なタイヤ屋のおじさんに私立の高校行きたいからお金出してなんて言えないし・・」
ふと体育館の隙間から合格発表を済ましてはしゃぐ親子の姿が彼女の目に入った
「両親か・・・父さんと母さんが生きてたらなあ」
彼女は青空を見上げる。タバコの煙が静かに空に流れ消えて行った。
「空は青いのに・・空・・宇宙・・このままどこかのサイドにでも行こうかな」
コンクリの基礎に寝そべる彼女は視線に気づいた
「あらあら、あなたはどこの学校の生徒さん?タバコなんてダメねえ」
スーツを着た一人の女が彼女に声をかけた。
「誰?ヲマエ?(@wぷ」タバコの煙を吐き出すとぶっきらぼうに答えた。
「別に生活指導なんか怖くねえよ。あたしこの高校落ちたし別に関係ないじゃん(@wぷ」
スーツの女はニコリと笑うと彼女の手からタバコを奪い取り水溜りに投げ捨てた。
タバコはジュンと音を立てると煙を残して水溜りの中で沈黙した。女はそれを見届けると言った
「あらあら、あたしが生活指導の先生に見えるって?そんなチンケなモノじゃないわ」
彼女はその台詞を聞くと青ざめた
「ま。まさか、警察の補導の人・・・ですか・・」スーツの女は微笑みながら沈黙している
「すす。すいません、ち、違うんです。ここの学校落ちちゃったんで・・つい憂さ晴らしに」
必死に言い訳する彼女にスーツの女はIDを見せながら言った
「ふふふ。あたしはこう言う者なのよ」
「はぁ?連邦軍情報3課中佐、シマ四丈半?、ぐ、軍の人なんですか?」
「そう、あたしはシマ四丈半。チンケな軍人よ。あなたのお父さんと同じ」
その台詞を聞いた彼女は突然顔色を変えた。
「父を知っているんですか!!??」
シマはその反応に笑いを堪えながら切り替えした。
「あなた、お名前は?」一瞬、彼女はキョドりそして落ち着いて答えた
「え、えん、遠藤ヨシミ・・・です」
「いいえ、違うわ。遠сシミさん。はじめまして。あなたに話があるの」
シマはそう言うとヨシミの袖を引っ張り歩き出した
>>160 一ヶ月放置してあったんで暇になったから始めてみたw
「訳わかんない!放して!」ヨシミはシマの手を振り払った
「いきなり軍の人に、それに話があるから来てって言われたって。あたしただのJCだよ」
シマは回りをキョロキョロ見回す
「シーッ!大声出さないの。話もあるしあなたを保護しに来たのよ。ヨシミちゃん」
「はあ?保護?マジ訳わからないし!これ以上しつこくするならもっと大声だすよ!」
そんなヨシミの態度を見てシマの態度も変わった
「・・・あなた、お父さんの事。遠州芳鳴大尉の事知りたくないの?」
シマは背を向けるとゆっくり歩き出した。
「いいわ、上にはあなたを確保できなかったと伝えるだけだし。じゃあね、ヨシミちゃん」
体育館横の細い通路を歩いて去って行くシマをヨシミは急いで追った
「本当にお父さんの事・・・知ってるんですか?」
シマの運転する車の横でヨシミは疑い深く尋ねる。
「あらあら、あなたあたしを誘拐犯扱いしてたのにえらい変わりようね」
シマはハンドルを握りながらヨシミをおちょくる。
ふて腐れるヨシミを尻目にシマは続けた
「遠州芳鳴連邦宇宙軍大尉、第一航空戦隊旗艦空母シナノ攻撃隊所属。あなたが
5歳の時に地球に降下してきたネオソーカの機動部隊と芦ノ湖上で邀撃任務中に戦死
兵站勤務からMS搭乗員に転科した異色の経歴の持ち主。あなた何も知らないの?」
シマの言葉に驚きを隠せないヨシミ。
「空母シナノってあの、芦ノ湖に突き刺さってる奴ですよね?小学校の時に遠足で見ました
あの船にお父さんが乗っていたなんて・・・そう言えばおじいちゃんもおじさんも軍人だった
って話は聞いた事があります・・・」ヨシミはボソっと呟いた
「おじいさん?光男少佐の事ね。そして叔父さんは・・・恒寿中尉ね・・」
「シマさん、お父さんのだけじゃなくお爺ちゃんや叔父さんも知ってるんですか?」
「知ってるわ。データ上だけだけどね。ところでヨシミ・・なんか呼び辛いわね
あなたの事、ニックネーム・・うーんそうね。よんよんって呼ばせてもらうわ」
シマの突然の申し出にヨシミは唖然とする
「何すか?その変なあだ名?訳わかんない!」
「やっと笑ってくれたわね。よんよん」
カーナビの画面をシマは指差しヨシミに見せる
「富士山・・ですか?」シマの指差す画面上を見てヨシミは問いかける
「よんよん、あなた超克の碑ってご存知?」
「学校の授業で習いましたけど・・・前の戦争の記念碑って教わりましたけど」
「あなた何にも知らないのね?これじゃ高校も落ちるはずだわ。まあいいわ。」
二人を乗せた車はしばらく走ると連邦地上軍カマガヤエアベースのゲートに止まった
ライフルを担いだ若い守衛がIDの提示を求める
「身分証を。はあ、中佐殿。失礼ですが情報局がどんなご用件で?」
「あらあら。あなた何も聞いてないの?」シマが煽る
「中佐殿、ここは子連れで来る様な場所ではないのですが」
すると後ろから上官らしき守衛が駆け寄り若い守衛を手で遮った
「四丈半中佐殿!お待ちしておりました!おいゲートを開けろ!」
シマとヨシミを乗せた車はゲートを通過すると格納庫の前に止まった
「凄い・・・なんか映画みたい・・」
双発の垂直離着陸機を見て唖然とするヨシミ
「準備はできてるわね?」サングラスをした黒づくめの男達にシマは確認する
「中佐殿!いつでもOKです!」
「さ、よんよん乗って」
座席に座るとヨシミは言った。
「シマさんってホントに軍の人だったんですね。でもこれから何処へ?」
機体は滑走路に出るとすぐに離陸した。
「遠足の続きよ。あなたの為のね」
シマはそう言うとサングラスを外し窓のカーテンを閉めた
164 :
名無しさん:2011/07/23(土) 10:12:08.72 ID:316gMGq9
>>161 まあ、いい事にしますわ。
先にそちらの方を進めてもらえば空白期間の話も進めやすくなりますしな。
VTOL機内のキャビンは旅客機のそれよりも騒音がうるさい。だがヨシミは興奮した
「す・・凄い、なんかあたしセレブみたい!」
20分ばかり飛行しただろうか。シマはヘッドセットのマイクに話しかけた
「この辺りで降ろせるかしら?」その声にヨシミは窓のカーテンを開けてみた
「うわぁ、富士山の火口だぁぁぁ」
爆音と砂埃を立てて双発の機体は着陸した。ハッチが開くと黒いジャンパーの
左脇に片手を突っ込んだ男達が展開していく。一人が何やら合図を送った
「中佐殿、どうぞ。お気をつけて」
シマとヨシミは濃霧の中を歩き出した。
「シマさんここって富士山の頂上ですよね?」
シマは軽くうなずくと指を指した。正面に何やら巨大な石碑が見える
「これって?」
「これがさっきあたしが車の中で言った超克の碑よ、よんよん」
ヨシミはゆっくりとその石碑に歩き寄った
ヨシミはしばらくその石碑をポカンと口を開けて見上げた、そして我に返る
「シマさん、これがあたしとどんな関係があるって言うの?ホント訳わかんない!」
「よんよん、あなたさっきこれが前の戦争の記念碑と言ったわね。半分当たりで半分ハズレ
あなたに関係大有りなのよね、ここは」シマは回り込みながら横の大石に腰掛けた
「だって訳わかんないし!超克の碑って掘ってあるだけじゃん。これが何なの?」
ジェットエンジン音が切れた富士山山頂にヨシミの声が響き渡った。
その様子を見ていたシマはふとヨシミから視線をずらすと静かに答えた
「ここはあなたのお父さんが戦死した場所、いえ、正確には消えた場所なのよ」
「え・・・お父さんが・・ここで・・死ん・・」
風は強くなり霧が濃くなってきたようだ。
「シマさんは・・お父さんかどうやって死んだのか・・死っているんですか?」
その問いにゆっくりと立ち上がり石碑に手を当てながらシマは言った
「あなたのお父さん、遠州大尉は人類を破滅から救ったのよ。身を挺してね。最後は
敵もろともこの火口の溶岩の中に沈んで行ったの。あたしはそれをモニターで見ていた」
「な、なんで助けてくれなかったんですか!見てただけなんて!!」
「どうする事もできなかった。ネオソーカとの戦闘で連邦宇宙軍の機動部隊は全滅、シナノは
機関の故障で地球に留まったの。わずかに残された攻撃機であなたのお父さんは出撃した。その
前の核攻撃で富士山の火山活動はピークに達していた。どうする事も・・できなかったのよ」
悲痛な表情をするシマをみてヨシミは我に返った。
「お父さんは・・ネオソーカの敵を道連れに溶岩の中へ飛び込んだんですか・・?」
「あなたのお父さん、遠州大尉は被弾したMSから一度は生還した。でもあいつを止めるのが
自分の宿命だと言ってあなたのお爺様が作った兵器に乗って再出撃したの。そして」
「お爺ちゃん?え、お爺ちゃんってそんなモノ作ってたの?超克?超克・・超克?そう言えば
昔、そんな文字が掛け軸に毛筆で書いてあったような・・」
ヨシミの中で何かが繋がった
168 :
名無しさん:2011/07/24(日) 10:43:19.48 ID:JWuAHuzL
新作ktkr
169 :
名無しさん:2011/07/24(日) 13:12:19.49 ID:kPVW9nY7
「あいつを止める?自分の宿命?何それ・・超克と関係あんの?」
混乱するヨシミ。
「シマさん!あいつって誰の事!!??お父さんはそいつの為に命を落としたの?誰なの!!」
「あなたの叔父さん。遠ыP寿元連邦宇宙軍中尉よ。よんよん」
霧がうっすらと晴れてきたようだ。防寒ジャンパーを着ているとはいえ山頂は寒い
相変わらず黒づくめの男達は微動だにせず背中を向け左脇の手を突っ込んだままだ
「あなたの叔父さん、恒寿中尉はMIA つまり戦闘中に行方不明になった。無理も無いわね
ソーカの機動部隊に奇襲攻撃をされて艦隊は大打撃を受け残ったのは駆逐艦一隻のみ。そこに
あなたの叔父さんは帰って来なかった。あなたのお父さんは叔父さん、つまり自分の兄を探す
為に一大決心したのね。でも皮肉な事に恒寿中尉は生きていた。ネオソーカの士官「ブータベイダー」
としてね。お爺さんが作ったツネンゲリヲンと言う兵器でベイダーは人類を抹殺して自分の楽園を
作ろうとした。あなたのお父さんはそれを阻止した。体を張ってね。この碑はあなたのお父さんの存在した
証なの・・・」シマはヨシミの目を見てしっかりとした口調で言った
「お父さんは・・裏切った叔父さんのせいで死んだって事?あの恒寿おじさんのせいで?」
震えながらヨシミは大石に座り込んだ。
「あの・・恒寿おじさんのせいで・・嘘だ・・」
シマはヨシミの肩を抱きながら言った
「よんよん、この火口で二機のツネンゲリヲンが戦ったのよ。でもこれからあたしが
あなたに言う事はよい報せ。もしかしたらあなたのお父さんは生きてるかもしれないの」
「えっ?シマさん、ホントですか!!??」
「これを見て」
シマはバックからタブレット型の端末を出し画面をヨシミに差し出した
「これって?」
そこには焼け焦げたロケットの様なモノが写っている。中央のハッチは開いている
「今となってはこれがツネンゲリヲンのパーツの一部としか判断できないんだけどどうやら
アレの操縦席の様なものね。機体とは独立した設計になっていて緊急用の脱出ポッドみたいね
あなたの叔父さんが乗った機体はツネ零号機。お父さんが乗ったのはツネ初号機と呼ばれていた
初号機が零号機をマグマの中に連れ込んで心中した時にどちらかの機体のモノが本体から射出
されたみたいなの。ただこの脱出ポッドの外側は高温で焦げ付いていてどちらのモノかは判別がつかないのよ」
「それってじゃあ・・・お父さんかもしれないし恒寿叔父さんかもしれないって事?」
シマは指で画面をタップして新しい画像を見せた
「凄い技術よね。あのマグマの高温で外側は焼け焦げているけど溶融はしていない。ギリギリ
だったみたいだけど。カプセルの中も損傷はしていたけどね。ただあたし達3課がこのカプセル
を発見、回収したのは24時間後の事なのよ。謎の武装集団と銃撃戦の末にね・・」
「じゃあ発見した時は・・?」
「中はもぬけの殻。ただハッチが開いてった事は中に居たどちらかを誰かが連れ出したって事ね」
「お父さんが生きてる・・」ヨシミは微妙な心境になった。
「あらあら、よんよんお父さんが生きてるかもしれないのになんか顔色が浮かないわね」
「お父さんが生きてるって知ったら・・お母さんはどう思ったろう?」
「思ったろって?お母さん喜ぶじゃない」
「・・・・母は・・ネオソーカの空襲に巻き込まれて死にました・・・それであたしは
タイヤ屋の寿和叔父さんの引き取られて・・・でも高校落ちちゃったし・・どうしよシマさん」
「気にする事は無いわ。そう、あなた一人ぼっちなのね。でも今は頑張るしかないわねえ」
ヨシミは放心状態になったがまたすぐ我に返った
「シマさん!まさかそのツネンゲリヲンって光男お爺ちゃんが作ったの??」
「そのまさかよ。あなたのお爺さまは13機のツネンゲリヲンの量産に成功した。ご丁寧にブータベイダーの
地球侵攻に呼応するかのようにね。機体をコスゲビレッジの山奥に隠してたのは軍も
全く気づかなかった。でも・・・パクリって説なのよね」
「え?パクリって?」
「よんよん、あなた中学で旧人類説って習わなかった?」
「習ったけど・・・あくまでも仮説だって先生が言ってたから・・」
「じゃああたしが教えてあげる」
シマはドヤ顔になった
173 :
名無しさん:2011/07/26(火) 19:51:13.26 ID:ZCOL2w1p
UC208年から10年後って事は…
史実では地球連邦崩壊の年だな
>>173 ごめん、酔っ払って書いてるからそのあたりの時系列まったく考慮してないんだわw
「あたし達の祖先、つまり人間の祖先って知ってる?」
唐突なシマの質問にヨシミは半切れ気味に答えた。
「シマさん、あたし高校落ちたからってそれ位知ってるよ。原始人でしょ」
「ブー、半分当たりで半分ハズレ。じゃあ原始人の前に地球に居た生物は?」
これまたヨシミは呆れ顔で答える
「・・・何かすげえバカにされてる気分・・・えっと、恐竜が居た」
「で、その恐竜は何故居なくなったの?」
「気候の変動で滅んだんですよね」
「じゃあここからが本題。その恐竜の代わりに高度に文明と技術を持った人類がもし
地球上に存在していたとしたら?あたし達の祖先はその生き残りって事よ。どう?」
「だって・・そんなの教科書には書いてなかったしそんな説もあるって先生言ってたけど・・」
「あなたのお父さんは戦死した。でもあなたのお父さんは生きているかもしれない。この話と同じ」
「シマさん、それってどう言う事?」
「あたし達、今の人類が誕生する前、この地球上にさっき言った通り高度な文明を持つ人類が居た
そしてその人類はある日突然姿を消した。と言うより自ら滅んだのよ・・ね」
ヨシミは全く話が理解できていないようだ
シマは腕組しながらドヤ顔で石碑の前を行ったりきたりしている。
それを困惑した表情で見つめるヨシミ
「その人類は今のあたし達と同等、もしくはそれ以上の文明、化学力を持っていた。そしてそれらは
人間のダブーとされていた神の領域に挑戦した。つまり神様を作る事。そしてなんらかの原因で滅んだの」
「じゃあ・・それがお爺ちゃんと関係があるんですか」
「あなたのお爺さま。光男少佐はこの箱根の軍射爆場でモビルスーツの開発実験をしていた。
彼は突然軍を除隊、その後、自ら超創会技術研究所なるモノを立ち上げたの。表向きはからの
兵器の実験委託。でも彼はこの射爆場地下に巨大なジオフロントと遺跡がある事を発見したのよ。だけど
その遺跡には膨大なエネルギーによる爆発跡があったわ。彼はその中で何かを見つけたらしいの」
「それって・・・」
「光男少佐は神様の設計図を手に入れたの。そして完成したのがその13体のツネンゲリヲン。あなたのお父さんが
行方不明になった時にその13体のツネンゲリヲンがここに集結。そして巨大なエネルギーを発生させたの。
それが我々人類に取ってよいモノか悪いモノかはわからないけど芳鳴大尉がそれを阻止したって事はロクでも
ないモノだったと解釈しているわ。その光源は今でも謎のままなの。ただひとつ明らかなのはあなたのお父さんか
叔父さんが生きているって事ね。この世界のどこかに・・・・」
ヨシミは頭を掻きながら
「シマさん、あたしをここへ連れて来た理由は分かったけどさっき言ってた保護するって?どう言う事?」
「大体、お爺ちゃんがそんな何万年も前の設計図なんて・・残ってる訳ないじゃないですか」
「原始的な・・石版か何かに掘ってあれば残るわ。ヒントみたいなモノでもね。光学的や半導体的な
記憶媒体は無理だとしても彼らはそれを風化させず何万、いえ何百億年も保存させる技術があったのかも」
あなたの保護わねぇ・・・」
一ヶ月前
シマ四丈半はワシントンの地球連邦政府合同庁舎内の軍参謀本部に出頭していた。
「何であたしみたいな情報部の人間がいちいち呼ばれるのよ・・」愚痴をこぼしながら
彼女は奥の庁舎を目指す。受付の守衛にパスを渡し指紋と網膜スキャニングを受ける。
同じ事を何回繰り返しただろうか。何度目だろうか。切れ気味にシマは守衛に尋ねた
「一体何回同じ事やんのぉ?あと何回やるつもり?」守衛は苦笑いしながら
「申し訳ありません中佐殿。何分規則でして。でもここが最後です。そのドアを開けたら
右の秘書官にIDをお渡しください。後は目的の場所ですよ」
ため息をつきながらドアを開ける。秘書らしき女性がIDの提示を求める。ウンザリした顔をしながら
シマは秘書に尋ねた。
「四丈半中佐。呼ばれて参りました!・・・あの、あたしで間違いないんですか?誰かと間違ってるんでは・・」
秘書はニッコリと笑いながら答える
「いいえ、中佐殿。あなたで間違いないですよ。奥で少将閣下がお待ちですよ」
ハァ、と愛想笑いをしながらシマはドアを開けた。
「待っていたよ。シマ四丈半中佐」
デスクから男が立ち上がった。ハッとするシマ
「新田・・・中佐・・いえ、新田少将閣下!!」
「ひさしぶりだね。10年ぶりかな?」
※ちなみにUC0217ですたw
178 :
名無しさん:2011/07/26(火) 22:43:52.81 ID:ZCOL2w1p
おk、パラレルワールドとして考えておきますわ。
ただし、『驕れる者は久しからず』という事を覚えておくように…
179 :
名無しさん:2011/07/26(火) 22:46:08.24 ID:ZCOL2w1p
あっ!?
本当だ。では地球連邦崩壊前y…
止めておこう。支障が出るな。
>>178 179
先はまだ続くけど地球連邦崩壊のケースも考慮してる。どうなるかまだ未定だけど
「まあかけてくれ。」新田少将はシマに座る様にうながした。
「新田少将、まさかあたしを呼んだのはあなた・・いえ、閣下でありますか?」
「うむ。そうだ。元気そうで何よりだ。最後に会ったのはシナノの甲板上だったね」
「・・・そうですね。あの後、あたしは・・」
「知っている。君はスパイ容疑で拘束された。全くの事実無根の罪でな」
秘書がコーヒーを置いて去っていった
「閣下は今までどちらへ・・どこかのサイドへ行ってたのかしら?」
「私はあの後、仙台に転属になってな。艦隊勤務を解かれた船乗りなどただの役立たずだよ
まあ、あの一件の口封じ・・だろうな。閑職だったが突然ワシントンに呼ばれてな。こんな
不要な星の数だけ増えたわけだ。シマ君も中佐か。時の流れるのは早いな・・」
シマは一瞬窓の外に視線を移しすぐに新田に戻した
「・・閣下。昔話をする為にあたしを呼んだ訳ではないでしょう・・」
「そうだった。さすが情報局勤務は鋭いな。君に頼みがある」
「それは・・閣下の個人的なモノ・・それても正式な作戦としてですか?」
「無論、後者だ」
新田少将はファイルを引き出しから取り出した
「ネオンジェネシスプロジェクト、プロジェクトツネを覚えているな」
「・・・忘れるモノですか。」シマは机の上に置いた拳に力をこめた
新田少将は同時に何枚かの写真をテーブルに広げる。
「あのツネンゲリヲンのパーツ・・脱出ポッドですよね?」
「そうだ。光男少佐の設計図ではエントリープラグと呼ばれていたらしい。あの事件の後に
火口脇に落下していたモノだ。君も知っているな。もっともこの一件で君は拘束された訳だが」
「あたし達、3課のチームは謎のパーツが落下しているのを衛星画像で確認しました。チームは本部に
出動許可を求めましたが許可が出たのは24時間後。現場に着いてプラグに向かった時に岩陰から武装集団
に襲われました。20分近く撃ち合った結果プラグの確保に成功しましたが・・・」
「後は君も知っている通りだ。プラグの中は空。そして2機あったどちらのツネンゲリヲンの物かは判別不能だ」
シマは焼け焦げたプラグの写真をジッとみつめた
「あの後、3課が回収したプラグは地上軍の特戦群に押収されあたしも拘束されました。もしかして
閣下はあの一件について何かご存知なのですか?教えてください。遠州大尉はもしかして生きているのですか?」
新田少将は立ち上がり窓の外を見つめた
「私もあの時は知らなかった。だが真実はひとつだ。単刀直入に言おう。遠州大尉、もしくはブータベイダーこと
恒寿元中尉は生きている。だがその行方は今の所不明だ。」新田少将は再びソファーに座った
「あたしに行方を捜せと・・・」
新田少将は首を横に振る。
「これを見てくれ」シマに一枚のリストが渡される
「これって・・・」
「ここ半年で遠рニ名のつく人間が殺害されている。それも片っ端からだ。タダの偶然ではない
女社長、書道家、医者etc職業性別はさまざまだが変死、原因不明の病死などで片付けられている」
「閣下、あたしは軍人であって刑事ではありません」
「遠州芳鳴大尉にひとり娘が居る」
シマの言葉を遮り新田は写真付きのファイルを取り出した。
「現時点での彼女の所在を突き止め身柄を保護してほしい。それが君の任務だ」
シマは大きなため息をつくと切り出した
「閣下、あたしは連邦地上軍横須賀基地情報部第3課所属です。この任務はあたしの任務の
範疇、いえ管轄外です。それに基地司令の命令でない限りあたしは動けません。残念ですが・・」
新田少将はニヤリと笑った
「シマ中佐。君は現時刻を持って連邦統合軍中央即応集団(CRF)付情報部3課に転属を命ずる。これは命令書だ」
シマは命令書を見てギョッとする
「閣下、こ、これは・・」命令書には地球連邦オバマ大統領のサインがある
「シマ中佐。我々CRFは大統領直属の部隊だ。これはつまり大統領命令になる。わかるか?」
「わかりました閣下。質問してもよろしいですか?」
「許可する」
「遠州大尉の子供の保護とツネンゲリヲンパイロットの行方の安否にどんな関係が?」
「・・・君も知っている通り、ネオソーカの乱の後、連邦政府とコロニー連合の関係はかなり悪化している。あの
紛争の時に親連邦側に回ったサイドも今や反政府の立場を表明している。このまま行くと連邦政府と
コロニー連合の武力衝突が起きる。アースノイドが宇宙移民を必要以上に恐れたツケだな。我々はこれ以上
移民者を弾圧してはならない。オバマ大統領も関係改善に必死だが政府、軍の一部にはそれを良く思わない連中が居るのも
確かだ。だがアース、スペースノイドは共存しなければならないのだ。このままでは連邦政府そのものがかつての
ブターンズの様になってしまう・・・それは絶対に阻止せねばならない。」
新田少将はもう一冊のファイルを開いた
「CVN-45?新型の攻撃空母・・ですか」
「今は開発コードで呼ばれている。大きさは芦ノ湖に沈んだシナノの約半分の
大きさだか攻撃力は数十倍以上、革新的なシステムが搭載されるらしいんだが・・
儀装はほぼ完了しているが何故か進宙式の予定が立っていない。私も実物をまだ
見た事はないんだが・・」
「この空母とツネンゲリヲンに乗っていた二人がどう言った関係が?」
「空母の工期の遅れと遠ъZ弟がどうも関係あるらしいのだ・・」
新田少将はデータの入ったメディアをシマに渡した。
「二人の生死は全くの不明だ。だがツネンゲリヲンを操縦していた二人の拉致に
宇宙軍、いや政府の反コロニー連合の人間が加担しているのは間違い・・ないようだ」
「じゃあ、あの時にあたし達を襲った武装集団って・・まさか・・でも何の為に?」
「わからんな。謎はひとつずつ解いていくしかあるまい。四丈半中佐!遠州大尉のご令嬢の
確保に全力を尽くせ。日本での行動の自由の権限は私の名の下に与える。これは命令だ!
彼女を確保後、別命を待て。わたしからは以上だ。何か質問は?」
「閣下、遠州大尉のご令嬢は命を狙われていると言う事で理解してよろしいですか?」
「その通りだ」
「ご令嬢の命を守る為には友軍であろうと排除しても構わない訳ですね」
「もちろんだ。CRFのバックアップチームも同伴させる。敵はネオソーカでは無い。味方の中に
混じっている。気をつけろ。とにかく生きて彼女を保護してくれ。頼むぞ!」
シマはデータを端末に転送すると立ち上がり敬礼した
「閣下!必ずやご期待に応えてみせます!」
再び富士山山頂
「てことは・・お父さんが生きてるかもしれないって事とシマさんがあたしを保護するって
事は関係があるってことなんだ・・・シマさん、あたし・・誰かに殺されるの?・・」
ヨシミは不安そうな顔でシマを見上げた
「いえ、あたし達は絶対にあなたを守るわ。むしろあなたが高校落ちてくれたのがラッキー
だったわね。これなら暫くは姿を隠していても問題ないし。好都合ね」
「でも寿和叔父さんやおばさんなんて言うかな・・・」
「大丈夫、あなたの叔父さんにはあたしから上手く言っておくわ。さあそろそろ行きましょう」
シマとヨシミはVTOL機に向かって歩き出した。
超克の碑は再び霧の中に消えていった
同時刻
連邦政府防衛総省本部 一人の男が廊下を足早に歩いていく。
「失礼します」そう言いながらドアをノックする
「入れ」防衛総省の長官室のデスクに一人の男が座っていた
「中曽根長官、ご報告が、これを・・」部屋に入った男が端末のデータを渡す
「フム・・マルタイ42が6時間前から消息を絶った・・あの男の娘か?枝野補佐官!」
「そうです長官。一番肝心なマルタイが・・申し訳ありません」
「だから直接やれと言ったんだ。わざわざ遠回りしおって!」
「は、しかし42を確保するとなるとそれなりに根回しが必要でして・・」
「・・・情報局の仕業・・か?」
「そのようです。42が受験していた高校に合格発表を見に行ったのまでは確認できていますが」
「先を越されたな。42の身柄は絶対に確保しろ。情報局の人間は処分してもかまわん。いいな」
「わかりました長官。では直ちに・・」
「シマさん、これからどうするの?」
VTOL機は乱気流に捉えられたのか少し揺れている
「ひれから厚木ベースにおりて横須賀まで移動するわ。大丈夫、横須賀なら安全よ」
厚木に降り立ったVTOL機の真横に黒塗りのバンが横付けされた。
「要人輸送ならバックアップチーム用にあと2台位必要だけどあまり台数増やすと目立つしねえ」
シマとヨシミは真ん中の席に座る。運転席と後部座席にはジャンパーの男達が座る
「!!??シマさん、あれ本物?」
ヨシミは男達が乗り込むと同時に取り出したマシンガンを指差す。正確に言うと切り詰めたライフルの様だ
「あらあら、あの位無いとあなたを守れないでしょ?あたしも持ってるわ」
シマはそう言うとジャケット下のホルスターを見せた
バンは基地を出ると横須賀に向かった
「このまま飛行機で行けないんですか?」
「撹乱の為よ。わざわざ飛行機で乗りつけたらバレバレでしょ?」
「はあ・・」
ヨシミはスモークガラス越しから外の風景を見た。国道は少し渋滞しているようだ
「中佐殿!やはりつけられてますね」助手席のオペレーターが言った
シマはチラッと後ろを見る
「うまくまけるかしら?」
「やってみます」運転するオペレーターが言った瞬間だった
フロントガラス、いや車の窓と言う窓が白く曇る。クモの巣状にヒビが入っていく
「スピード上げて!!」言うやいなやシマはヨシミに覆いかぶさった
「大丈夫よ、防弾ガラスだから」
前を走る車を蹴散らしながらバンは猛スピードで走る。後ろから黒いSUVが追ってくる
シマはホルスターから拳銃を抜きながら回りを見回した
防弾ガラスに包まれた車体なのに弾はガラスを貫通している。助手席のオペレーターと
後ろ席のオペレーターは血を流して倒れている。運転手も左腕から出血している
「中佐!このままでは逃げ切れません。自分が囮になります!車から脱出してください!」
バンは駅前の細い路地を猛スピードで通りぬける。後ろのSUVも発砲しなが追ってくる
「こんな街中で発砲するなんて・・・どうしても消したいみたいね」
「中佐!そこの角曲がった瞬間にちょっとスピード落とします。その隙に飛び降りてください!」
後ろのSUVは通行人に躊躇したのか少しスピードが落ちているようだ
「横須賀で会いましょう!!」シマはそう言うとヨシミを抱いてスライドドアから飛び降りた
二人はゴミ捨て場に転がり落ちた。その横を猛スピードでSUVが走り去って行く
「うまく・・・行った・・かな?」
ヨシミは放心状態でシマを見つめていた
「あらあら、あなたいい度胸してるわね。あれだけのカーチェイス、そうそう体験できないわ」
シマは服の埃を落とすとヨシミの手を取った
「とりあえず・・・電車で横須賀に行くしかないわね。ここが駅前で助かったわ」
二人は横須賀までの切符を買うと構内のカフェに入った。
「とりあえず今、応援のチーム呼んだから。少しここで待機ね」
座った席は壁越しで駅のコンコースを見渡せる
「下手に歩き回ったらまた見つかるわ。ここに隠れている方が無難ね」
シマはそう言うとヨシミにコーヒーの入ったカップを押し付けた
188 :
名無しさん:2011/07/29(金) 17:21:20.43 ID:eS5vOTjR
エンシュウ小説意外とベストセラーですね
油豚が書いたのは駄文だけど
二人はテーブルに座った。
シマはコーヒーの入ったカップを取ると一瞬ギョっとした。
「シマさん・・血が出てるよ」
「あらあら、さっきの弾がかすったのかしら・・ちょっとトイレ行ってみてくるわね」
シマは回りを警戒しながらテーブル越しにヨシミに何かを渡す
「何かあったり気安く近づいてくる人が居たら迷わず使いなさい。弾は込めてあるから引き金引くだけ」
シマはそう言うとトイレのドアを開けて入っていった
「・・・ピストル?」
ヨシミの手には重たい拳銃が渡された。
「中学生にピストル渡すなんて何て人だろう・・・」
ふとシマが置いていったバックが開いているのが見えた。タブレット型の端末が見える
「これ・・さっき見せてくれた奴だ」ヨシミは回りをキョロキョロ見渡すとバックからそれを取った
「ツネンゲリヲン・・お爺ちゃんが作った・・写真でしか見た事のないお爺ちゃん・・ブータベイダー、写真でしか
見た事のない恒寿叔父さん・・そして・・お父さん・・超克?・・超克・・昔見た記憶が・・」
画面をタッチするとフォルダが出てきた。ロックと解除してあるようだ
「恒寿叔父さんのファイル?」
ヨシミはそれをタッチしてみる。
「こ、これって?」
そこには遠ыP寿元中尉の写真と全てのデータが記してあった
「叔父さんってお父さんに・・うーん似てるのかな?お父さんの方がカッコよかったな。
え。叔父さんって東京士官大学放校処分・・性犯罪で逮捕?学歴詐称?何コレ?経歴詐称で戦艦オオクボに
搭乗するも事故で新型モビルスーツを含む搭載機を全て破壊。艦隊勤務中に彩子上等兵及び小川ナツミ少尉に
対する性犯罪で逮捕、不起訴処分になる・・その後、爆撃作戦に参加中に編隊より無断離脱。以降MIA
7年後、ネオソーカの士官として地球侵攻作戦に参加。第三航空戦隊シナノと交戦。遠эG則少佐を射殺?え?秀則少佐って
写真で見た釜石の秀則叔父さん?恒寿叔父さんが殺したの?ツネンゲリヲン零号機で富士山山頂を目指す。人類超克計画なる物を
遂行中、遠州芳鳴大尉登場のツネンゲリヲン初号機に阻止され火口へ二機とも落下。うち一機のプラグを後日発見。二人の生存は不明・・
こ、これって・・恒寿叔父さんが全部いけないんじゃん・・これってこれって・・」
ヨシミは携帯電話を取り出した
「そうだ、寿和叔父さんにこの事教えなきゃ。それにあたしの事心配してるかも」
「おかけになった番号は電波の届かない所にあるか電源が入って」
「あれ?なんで出ないの?、叔父さんこの時間は絶対に工場に居るのに」
ヨシミは電話を切った。ふと人の気配に気づく
「見ちゃったのね、よんよん」
トイレから帰ってきたシマはヨシミから端末と拳銃を取り上げた
「ごめんなさいシマさん・・でも恒寿叔父さんって・・」
「仕方ないわ。あなたの叔父さん、恒寿中尉は・・とんでもない事をしてくれたのよ」
ふと店内のTVが騒がしくなった
「今日、午後2時頃、四街道シティーのタイヤ店兼住宅が爆発しこの家に住む夫婦二人が死亡しました。
死亡が確認されたのは・・」ヨシミはそれを見て顔面蒼白になった
「お、おじさん、あたしの家がぁ・・燃えてる」
シマもハッとするが何かを思い出しヨシミに問い詰める
「よんよん、あなたさっき携帯持ってたわね?どこか電話した?」
ニュースを見てへたりこんだヨシミにシマは怒鳴った。回りの客が驚く
「電話した?どうなの?」
「・・・あたしの家、寿和叔父さんの所に電話・・した・・」半ベソかくヨシミ
「まずいわね・・チームが来るのが先か・・それとも敵が先か・・」
シマは拳銃の15連マガジンを抜くとバックの中の50連マガジンに差し替えた。
それをテーブルの下で握るとおおきな溜息をついた。
「よんよん、いいわね?あなたそこの観葉植物の陰に隠れてて。動かないで」
シマはガラス窓の向こうを見つめた。コンコースには人が行き交っている
「まさか・・これだけの人ゴミの中で仕掛けてくるかしら・・」雑等の中を掃除用のカートを
押している作業員が目についた。床にポリッシャーをかけている。
「ねえ、よんよん。あなたの叔父さん、恒寿中尉の話なんだけどねえ」
ヨシミに話しかけながらヨシミを見た。すぐにコンコースに視線を戻しながら話を続けようとした
掃除の作業員がポリッシャーをカートに突っ込んだのが見えた。その代わりに何やら棒状のモノをカートから
取り出し肩に担いでこちらに向けている。回りの人達が悲鳴を上げて逃げ出している。
距離にして100いや、150Mか?
「伏せてよんよん!ロケット弾よ!!」
192 :
名無しさん:2011/08/01(月) 12:23:07.41 ID:Fpt62GDk
Wktk
店内のガラスや壁が爆風で吹っ飛ぶ
幸いにも作業員らしき男が放ったロケット弾は狙いを微妙に外して着弾したようだ
だが店内にはテーフルやガレキが散乱して負傷して蠢く者や微動だにしない者も居た
ヨシミは観葉植物の鉢を手でどけて呆然とした。
「な、何なのこれって・・・」
一緒に伏せていたシマはヨシミの腕を掴んで立ち上がった
「逃げるのよ!よんよん!」
埃まみれの二人はガレキや死体を飛び越しながら走った。
「表は丸見えね!」
シマは店舗の厨房を抜けると通用口の扉を開けた。そこはコンコースに繋がる
通路だったが人々が逃げまとっていた。シマは直感でホームへの階段へ走った
「爆弾テロか!?」「怪我人が居るぞ!」
いたる所で怒号と悲鳴が駅構内で響いていた。
「とりあえず・・横須賀方面、いえ、逆か」
シマとヨシミが階段を降りきる直後、横の壁が激しく弾けた
「バチバチバチッ!」そんな音を立てながら貼ってあったポスターがちぎれ飛んでいく
ヨシミはそんなモノを見ている余裕すらなかった。二人は階段の後ろの小さなスペースに身を隠した
「シ、シマさん、もうあたし訳わかんないよ!家に帰りたい!」
「あんたさっきテレビ見たでしょ?あんたの家は爆破されておじさんとおばさんは消されたのよ」
叫ぶヨシミをなだめながらシマを回りを警戒した。隣のホームの階段からサイレンサー付きのマシンガンを
持った男が降りてきたのが見えた。シマはヨシミの頭越しに狙いを付けつぶやいた
「挟み撃ちにする気?でも迂闊だったわね」
194 :
名無しさん:2011/08/02(火) 23:29:53.41 ID:+jyegQWW
ガンダムと銘打っているのにMSが影も形も出てこない件
バリバリッと音を立ててシマの拳銃が火を吹いた。セミ、フルオートが選択できるマシンピストルは
女諜報員には最適な武器であろう。ヨシミは悲鳴を上げて地面に伏せた。シマの放った弾丸は作業員の
体を上から下へ舐めるように着弾していった。同時に男は血を流してホームに倒れる
空薬莢の飛び散る音が止んだ
「ひとりじゃないわ!仲間が居るはず、走るわよ!」
シマは再びヨシミの腕を掴みホームを走り出した。片方のホームには貨物列車が停車している
前の階段から再びマシンガンを持った男が降りてくるのが見えた。距離にして30M、いやもっとか?
咄嗟にシマはその男に発砲した。すぐに横の自販機の陰に隠れた
「当たって・・ないわよね」
シマはそう言いながら空になった50連マガジンを抜くと再びバックから同じマガジンを出した
「シマさん、やだよ。もう家に帰りたい!」再び叫ぶヨシミ
「死にたくなかったら黙ってなさい!」
ふと、後ろの電光掲示板が見えた。横浜方面の列車の発車時刻は20分後だ。だがこの騒ぎで列車は来ないかもしれない
横須賀方面の時刻は記されていない。代わりに貨物列車が止まっている。
「こっちよ、よんよん!」
シマはヨシミと貨物列車のタンク車のデッキ部分に乗り込みヨシミをタンクの下に押し込んだ
「絶対に出たらダメよ」
30Mほど先だろうか?階段の影でボソボソ話声が聞こえる。すぐに大きな声に代わった
「おい、女!その子供をこっちによこせ!命だけは助けてやる!」
その声と同時に連絡通路上で銃声とまた爆発音がした。
「救援チームも殺られた・・か」シマは肩を落とした
その時、汽笛と同時に貨物列車が動きだした。ゆっくりと走り出す列車からシマは辺りを見回す
「女が居たぞ!」
反対のホームから丸見えの二人はマシンガンを持った男に狙いを付けられた
「終わった・・・」シマは直感した。だが発砲音は聞こえない
「バカ!よせ!撃つな!弾がタンクに当たったらどうするんだ!」
グリーンのエイムレーザーが二人を照らすも弾は飛んでこない。
シマは反対側のホームの男を瞬殺で倒すと階段の向こうにも威嚇で発砲した。敵は撃ち返してこない
ホームはどんどん離れていった
大船ステーションを出た貨物列車は次第にスピードを上げていく
「シマさん、怖かった!」ヨシミはシマに抱きついた。
「あらあらさっきは怒鳴ってごめんなさい。だもあたし達運がよかったわぁ。まさか隣に横須賀基地行きの軍需
貨物列車が止まっていたとわね。積荷が燃料だったから相手も撃てなかったみたいだしねえ」
空のマガジンを取り替えるシマにヨシミは尋ねた。
「もし撃たれてたらどうなったの?」
「この列車ごと駅でドッカーンよね」
貨物列車は基地の敷地内に入線したようだ。ガクンとブレーキがかかり停車した。
「さあ、行きましょうか」二人は線路のバラストの上に降り立った。すぐに衛兵がライフルを構えてやってきた
「止まれ!その場で両手を頭の上に乗せて膝まづけ!」シマは銃を横に投げ捨てるとわざとらしくIDを頭上に掲げた
「貴様何者・・・ん?なんだこれは?」衛兵はIDを見ると後ろを向き無線で何か話し出した。
「中佐殿、大変失礼しました・お怪我はありませんか?」
「大丈夫よ、こんなの慣れっこ」シマはそう言いながら埃をはたいた。
「よんよん、あたしの仕事場にようこそ」
オフィスに入ったシマに部下らしき男がまとわりつく
「中佐殿、指揮官のあなた自らこんな危険な目にあって、万が一があったらどうされるんですか?次回は我々が行きます!」
「あらあら中尉?あなたがこの子を迎えに行ったらあなた通報されるわよ」
中尉と言われた男はウッとたじろいだ。シマは端末を見ながら顔が歪む
「送迎の車は基地に帰投していないのね?」「残念ながら現時点では・・」
「この中も安全なのは数時間・・時間の問題ね。ワシントンの新田少将に連絡。秘匿回線で!」
防衛総小省長官室では枝野補佐官が容赦の無い叱責を受けていた
「君はテロリストかね?補佐官。大船ステーションでの一件。どう言うつもりだ?」
「はっ、長官。少々現場と連絡が取れてい・・」
「現場だと?私は42を殺してよいなどと言ってないぞ。生かして連れて来いと言ったのだ」
枝野補佐官を怒鳴りつける中曽根長官の横で軍服の男がそれを黙って見つめる
「やはりこいつか?シマ・四丈半。この女が動くとロクな事が無い。挙句横須賀基地にまんまと逃げ込まれるとはな」
長官はデスクの上にあった書類を叩きつけた。
「で?安部中将。やはり新田だと思うか?」軍服の男はうなずく
「ほぼ間違いないと思いますが彼の後ろには大統領率いる和平派が付いているようです」
「まあいい。「予備のパーツ」は後回しでかまわん。で、新型CVNの件は?」
「儀装はほぼ終了しています。あとはラボからの完成報告待ちであります」
長官はチェアに腰掛けると人差し指を立てた
「それともうひとつ。次期主力MSの件はどうかね?」
「現状でガンダムライトニングでほぼ間違いないですが調達が遅れています。ガンダムファントムも
かなり老朽化していますし時間の猶予は無いかと・・」
安部中将の報告を聞いて中曽根長官は小さく頷いた
「ガンダムラプターは絶対にコロニー連合には輸出するな。我々も調達価格の高騰で
アレの断続調達には断念したがな。奴らにラプターを超えるステルス性能を備えたMSは開発できまい」
「長官。恐らくガンダムライトニングが最後の有人機になるでしょう。」
安部中将が端末の画像を長官に見せる。
「表向きはな。そちらは中将、君に任せる。枝野!ヲマエはラボに連絡を取れ。急がせるのだ!」
「はっ、長官!仰せのままに」
「新型CVNに搭載されるMSはコロニー連合どもの機体を凌駕するモノでなくてはいかんのだ。ライトニングよりも
ラプターよりも最強な機体だ。表向きのFXMS計画など奴らに好きなだけ見せてやれ。本番はこちらだ!」
市川シティー式場ラボ
連邦軍の地上軍病院として存在しているが脳波兵器の研究機関でもあるラボだ
そこに一人の男がタクシーから降り立った。彼は薔薇の花が咲く中庭を抜けると
ラボの玄関に入った。外来の受付時間外のようでロビーは静まり帰っていた。
その廊下を早足で歩く男に声をかけた
「博士!式場博士!!」その声に呼び止められた男は振り返る
「おお、真田君じゃないか?久しぶりだな」
「ほほう、何年ぶりかね?星の数も増えたようだな」式場博士は真田の肩を叩いた
「10年ぶりですかね?大尉になりましたが今だにペーペーですよ。佐世保勤務からやっと
こちらに戻ってこれました。博士もお元気そうで」真田大尉は式場博士と握手した。
「そうか、それで今日はどうしたのかね?まさか風邪でもひいた訳ではあるまい」
「いや、そのまさかで昨日から風邪気味でこちらの外来に立ち寄らせてもらったのですが生憎時間外のようで」
式場博士は受付をチラ見すると小声で真田に言った
「午後の外来、一番で見て貰うよう私から話ておこう。しかし久しぶりだな」
「そうですね。博士。ツネンゲリヲンの件でご相談して以来ですから・・」
その時、式場博士の顔が一瞬凍りついた。だが平静を装う
「そそ、そうだったな。しかし光男もとんでもないモノを作りおる。まさかあんなモノをな」
「博士と遠ъ男少佐は兵学校時代、同期だったんでしたっけ?」
真田の質問に式場博士は歯切れが悪い。その時だった。館内アナウンスが鳴った
「ドクター式場。コード11!!」
「おお、真田君。急な呼び出しの様だ。今日は嬉しかったよ」
「ええ、博士。また今度ゆっくりと」式場博士は早足で廊下を奥の部屋に携帯を出しながら向かった。見送る真田
「わたしだ。何があった?何?10381-4543が覚醒しただと!わかった。すぐに行く!」
202 :
みぉ ◆SD9vBRvkBM :2011/08/04(木) 01:39:40.06 ID:DnCgJbF3
東京さんとエッチしたいな。
203 :
名無しさん:2011/08/04(木) 12:00:44.44 ID:UrJLxkCL
>>202 東京さんはインポでホモだからエッチできないよ
今は石川典行にぞっこんみたいだから。残念だったなw
204 :
名無しさん:2011/08/06(土) 21:26:01.53 ID:2Hczyg0W
先が非常に気になる
あとナツミがどうなったのかもちょっとだけ
一夜明けた横須賀基地。シマ四丈半のオフィスに一人の将校が訪れた
「閣下!何故ここに?概要は昨日の暗号通信でお伝えしたはずです。オオヨドがベイに寄航したと
聞いていましたがまさか閣下が乗っていらっしゃったとは・・まさか・・」
新田少将は帽子を取りながらソファーに腰掛けた
「そのまさかだ四丈半中佐。これから君は遠州ヨシミと共にオオヨドに移乗後宇宙へ出てもらう」
「そ、そんな。まさかあたし達の為に巡洋艦までお使いになるなんて、大袈裟すぎではありませんか?」
「君はともかく遠州ヨシミを守る為には手段は選ばない。言ったはずだぞ」
「閣下、何故ですか?彼女は一体何なのですか?」
「中佐、話しているのは私だ。」二人の話を遮るかの様に随伴の将校が新田に耳打ちした
「・・・わかった。すぐ行く。中佐。私はすぐ戻る。二人でオオヨドに先に行っててくれ。話は後だ」
横須賀基地通信室。新田少将は溜息を付くと通信席に座った
画面に映ったのは防衛総省長官、中曽根であった
「少将、議会で武力鎮圧の議決が採決された。至急、艦隊を率いてサイド「ラサ」へ向かってほしい
君が艦隊の慣熟訓練で横須賀に居てくれてよかった。すぐ向かえるのは君の艦隊だけなのだ」
「長官、ラサで暴動でもあったのですか?この件は大統領も・・」
「無論だ。君にはただちに現場に向かってもらう。コロニーを包囲後指示を待て」
「・・・わかりました」
連邦統合軍第一艦隊第一戦隊旗艦「オオヨド」は宇宙に向け出航した
随伴艦艇は軽巡「イスズ」駆逐艦「ワカツキ」「ハツヅキ」の四隻のみである
オオヨドの居住区の一画にシマとヨシミの姿があった。通路のいたる場所にライフルをもった
屈強な男達が二人を誰にも寄せ付けないように防御を固めていた。
「よんよん、あなた宇宙酔いはしない?」
「シマさん、あたし宇宙は始めてなんだけど平気みたい」
シマはヨシミと話ながら感じていた。「私も大きな・・これまでに無い陰謀に巻き込まれている。この子のおかげで」
その時、部屋に新田少将が現れた。
「君が遠州大尉の娘さんか。私は新田、君のお父さんの事はよく知っているよ」
「お父さんを・・あの新田さん、いえ少将閣下。あたしはこれからどうなるんですか?軍にどこかに連れて行かれるの何故?」
その光景をシマは固唾を呑んで見守った。シマすら何故ヨシミ一人を守る為にこれだけの戦力が動員されるか知らないからだ
「この艦内なら安全だ。そろそろ真実を話さなければならぬ時が来たようだな。ヨシミ君。君の父上、芳鳴大尉が生存している
かもしれないと言う情報はこの四丈半中佐から聞いているな?だがもし、生きていたのが君の父上を殺そうとした恒寿元中尉だったらどうする?」
「どうするって・・・あたしはおじさんを・・恒寿おじさんを・・お父さんの仇を・・」
震える声で答えるヨシミ。新田は続けた
「君のお父さん、もしくはおじさんが今、宇宙軍で建造されている新型空母に「利用」されようとしている。
だが「何に利用されるのか?」我々も調査中だ。君らを迎えにきたのだがそれが裏目に出てしまった。司令部から暴動鎮圧の命令を受けた。
統合軍は地球上、宇宙空間、コロニー内と地上軍と宇宙軍の垣根を越えた作戦の展開を命じられる。いわば宇宙の海兵隊だ。途中、ルナツーからの
艦隊と合流する。その時に補給艦に移乗してもらい軍の施設に匿ってもらおう。」
「あの、閣下!」シマが声を荒げた
「質問は許可していない。中佐」
「まだ、何か隠していませんか?あたしも任務の目的がはっきりしないままなら遂行できません。
地上で部下を4人殺されあたしも命を狙われました、今、あたし達がどこかの施設に行っても結局
同じじゃないんですか?一体、このよんよん、いえ芳鳴大尉のご令嬢に何の秘密が・・」
珍しく激高するシマ。
「ヨシミ君、君はお父さんの為に死ねるか?」だまってうなずくヨシミ
「そうか、ならおじである恒寿中尉の為には死ねるか?」
父を殺したブータベイダーであった裏切り者の叔父。そんな叔父の為に死ねるか
「嫌です!」
防衛総省 枝野補佐官が電話で話をしていた。
「そうか10381-4543は使えるのだな。搭載も問題ないのか?よし急がせろ。積み込み搬出は今日中に終わらせ
明日、格納容器を工廠へ搬入、本体へ搭載する。いいな?急がせろ!」枝野はそう言うと電話を切った
「中曽根長官。「アレ」を明日工廠へ搬入、搭載します。配線接続終了後進宙できると博士から報告が」
「そうか!でかした。暗号で打電しろ。」横に居た安部中将がうなづく
「公試はいかがなさいますか?技術部にはなんと?」
「格好のターゲットがあるだろう。ラサだ。もってこいじゃないか」
中曽根長官はそう言うとデスクの上のコーヒーを一気に飲み干した
重力を振り切った第一艦隊の各艦艇はブースターを切り離した。
「進路0-6-0、異常無し。」
新田少将はブリッジに立った。艦長の田口大佐が話しかける
「これが第一艦隊第一戦隊ですか・・名前だけは勇猛ですが中身はどうも・・」
10年前のネオソーカとの海戦で全保有艦艇の90%を喪失した連邦宇宙軍。このオオヨドも
その生き残りであり空間偵察機の母艦であったが格納庫を改造され司令部施設を与えられ
旗艦となっていた。今の連邦軍には旗艦を勤められる大型艦艇は皆無であった。
「司令!コロニー「インドストリアルミツビシ」の軍工廠で建造中の新型空母が進宙したら
オオヨドも旗艦任務からお役ご免ですかねえ?」田口大佐が笑いながら話しかける
「しかしいつになったら完成するんですかね?先日ミツビシに出張で行ったんですがほとんど完成してましたよ
何か不具合でもあるんですかね?搭載機はガンダムライトニングですかねえ?」田口大佐は饒舌であった
「その空母の矛先がどこへ向けられるのか?何の為の武力なのか?スペースノイドからアースノイドを守る為の空母なら不要だと思わんか?」
「しかし司令、まさか我々が異星人と戦うわけでもあれませんし・・コロニー連合との関係がこれ以上悪化するのはどうも」
新田少将はニヤリと笑いながら田口大佐に言った
「いい判断だ。君はよい軍人だな」その時通信兵が二人の下へ駆け寄る
「統合軍司令部より入電!艦隊はインドストリアルミツビシ泊地へ進路変更されたし。泊地にて停泊後別名あるまで待機、以上です!」
「何だと!!??」ラサへの急行を下命されていた二人は驚いた。
鎮圧作戦をあれだけせかしていたのに・・何か裏があるな・・まさか・・」
新田少将は動揺していた
泊地の空域で停泊する第一戦隊の四隻の艦艇。すでに24時間が経過したが
司令部からは何も連絡が来ない。オオヨド艦長田口大佐はイラつき始めていた
「通信兵!司令部からの入電は?」
「はっ、いまだありません!」
「艦長!落ち着け。待つしかないだろう」そんな艦長田口を新田はなだめた
オオヨド居住区。窓からコロニー「インドストリアルミツビシ」をヨシミは眺めていた
「あの中にお父さんが居るの?・・」ドッキングベイの警告灯が点滅しているのが見える
オオヨド艦橋「その後動きはないか?」副長が観測員に尋ねる
「15分程前に輸送船が工廠のベイから出航したのを確認しました」
「輸送船だと?どこから来た」
「我々が停泊してから2時間後に地球から上がってきた船みたいです。反対側のドッキングベイに
入港していた模様です。積荷を降ろして戻るみたいですね。」観測員はデータを照合している
「新型空母用の物資輸送か・・呑気なモノだな」
同時刻 インドストリアルミツビシ工廠内
白衣を着た一人の男がゲートを通過していた
「式場博士!空技廠技術部セクション1石川少尉であります!」
「おなじくセクション1横山少尉であります!」
二人の将校は式場博士に敬礼する。
「うむ、ご苦労。進捗具合はどうか?」
「格納容器の搬入、及びブレインユニットの設置は終了しています。配線接続作業も
間もなく終了します。ラボでのシミュレーター通りのスペックは問題無く出そうであります!」
先に報告した石川少尉に続き横山少尉が報告する。
「主電源も問題無く作動。予備、非常電源の確認作業及び冷却系統も全て完了しております」
式場博士の後ろから一人の将校が現れた
「博士。全ては予定通り。ブレインユニットを搭載した本艦は予定通り3時間後に出航しますが」
「そうだな。小泉大佐。全ては予定通り。長官にだいぶせかされたがそれも想定の範囲内だ。艦載のMS
の手配の方はどうかね?試作機でのシンクロ実験は成功しているが量産機はどうかな?」
その言葉に横山少尉が答える。
「99.9%の確立でシンクロは成功します。試作機との誤差は殆どありません。問題無しです」
「そうか、それを聞いて安心した。」式場博士はドックからその艦を見上げた
「光翁よ。私はヲマエを超えた!私の「ノアの箱舟」しかと見届けるがよい」
高笑いする式場博士に小泉大佐が声をかけた
「博士。そろそろ時間です。あとの指揮は先発の「オオヨド」から行いますので。移乗しましょう」
「うむ、そうだな。小泉大佐」
二人はドックを後にした
オオヨド艦橋
「艦長!司令部より入電!0915、現泊地を出港。ミツビシよりの人員を収容後ラサへ向かわれたし
戦隊は空母「タイタニック」を護衛、作戦空域に向かわれたし。以上です!」
通信兵の報告を受けて田口大佐は驚く
「空母タイタニックだと?まさかミツビシで建造していた新型空母が進宙すると言うのか?
ルナツー沖で合流予定の「チヨダ」の間違いじゃないのか?」
やはり「アレ」が出てくるのか・・・中曽根長官め。時計の針を早めたな。新田少将は焦りを隠せなかった
新型空母の名は・・タイタニックと言うのか。かつて旧世紀に処女航海で氷山に衝突して沈んだあの船か。
窓を見つめる新田少将に伝令兵が駆け寄る
「閣下!ミツビシよりランチが接弦しました。指揮所へ参りましょう」
「式場博士、はじめまして。第一艦隊司令、新田です」
「閣下、間もなくタイタニックが進宙します。この瞬間に立ち会える我々は幸せですよ」
新田は式場博士の後ろに立つ長身の男に気づいた。
この男・・・どこかで会った事がある。
「閣下!この度、新鋭攻撃空母「タイタニック」艦長を任命されました、小泉大佐であります!」
小泉?小泉だと?まさか、新田は敬礼するその男を見つめた
「君はあの「オオクボ」元艦長の小泉艦長のご子息かね?」
「はっ、閣下!よくご存知で」
その時、観測員が叫ぶ。
「コロニーベイより艦影確認!タイタニックです!」
その艦影を見てオオヨドの乗組員は愕然とした
「何だ!あの艦影は!!」
工廠のベイからレーザーラインに乗ってその艦は姿を現した
「オオヨド」のクルー達もその姿に固唾を飲んでいた。
「あれが空母?補給艦の間違いじゃないのか?観測員!他に艦艇は?」
田口大佐の呼びかけに観測員は振り返りながら答える
「艦長、他に艦影無し。一隻のみです。出港補助のタグボート以外はあの艦一隻のみです!」
その受け答えに小泉大佐がフフンと笑いながら割り込む
「田口艦長。あれがCVN-45「タイタニック」ですよ。間違いありません。私の艦ですから」
「しかし、空母と言うよりタンカーじゃないか?飛行甲板も無いし。あれでMSが運用できるのか?」
田口と小泉の会話にそらに式場博士が割り込む
「田口大佐。「タイタニック」は連邦軍が開発した今までにないコンセプトの艦です。あの艦は
補給艦でもタンカーでもありません。闘う姿を追求した真の戦闘艦なのですよ」
新田少将はその空母の姿を黙って見つめた
「あの中に・・遠州大尉が居るのか?それとも、恒寿中尉か?」
「あらあら、よんよん凄いわあの艦。連邦軍の新型空母ってこれの事なの。あら、どうしたの?」
窓からタイタニックを見たシマは任務を忘れてただ驚く。だがヨシミの様子がおかしい
「シマさん・・なんか・あの艦から嫌な感じがする。何?この感覚?」
「あらあら、大丈夫?でもあの空母にあなたのお父さんがクルーとして乗っているのかしら?それとも・・」
艦隊はタイタニックを囲む輪形陣を組みルナツー沖に向かった
「小泉大佐。あの艦が我が軍の新型空母だと言う事は理解した。詳しく説明してもらおう」
新田少将の問いに小泉は答える。
「閣下、では分かりやすく説明させて頂きます。何故飛行甲板がないのか?今までの空母に
搭載されていたMS発艦用の圧縮空気カタパルト。高速で射出された機体は自機の推進装置と慣性の法則
によって加速し敵艦または敵機と接敵します。ですがなんらかの理由、つまり敵の攻撃やデブリの衝突で
甲板が使用不能に陥った場合、高速での発艦が不能になります。また加速用の飛行甲板がある為に今までの
空母は巨艦になっていました。タイタニックはVLS方式のリニアカタパルトでMSを射出します。また飛行甲板が
無い分、搭載機数が格段に増えています。前後片側に24機で上面だけで48機、上下で合計96機のMSを搭載できるのです」
それを聞いた田口大佐は驚く。
「96機だと?シナノでさえあれだけの巨体で搭載機数は予備機を入れて60機がいい所だったんだぞ。ありえん・・
しかしあれだけMSをギッチギチに押し込んでメンテナンスはどうするのだ?搭乗員の居住スペースは?武器弾薬庫だってあるだろう
搭載MSはガンダムライトニングか?だがまだ量産機は完成していないはずだが・・ガンダムホーネットを搭載するのか?」
手を後ろに組んでいた式場博士が乗り出す
「田口艦長。私がお答えしましょう。「タイタニック」に艦載されるのはライトニングでもホーネットでもありません。そもそも
今までの艦とは規格が違うのです。ニューコンセプトにはニューコンセプトなのです。答えはあれです」
式場博士が艦橋の窓の向こうを指差した。同時に観測員が叫ぶ
「艦影1接近!IFF確認しました。補給艦「オオスミ」です!」
「オオスミだと?チヨダの間違いじゃないのか?」
「いえ、間違いありません!オオスミより発光信号!ワレタイタニックニセツゲンスル」
オオスミはタイタニックの上方に付くとコンベアパイプを伸ばしてドッキングした。
「オオスミだと・・17年前もこの艦が厄災を運んできたな・・杞憂であればよいが」
新田少将はオオスミとタイタニックを見つめた
オオスミの甲板からMSらしき頭部が見える。その機体のモノアイが点灯すると一斉に甲板から飛び出る
同時にタイタニックのVLSハッチが開く。その機体はまるでハチが巣に戻る様にハッチに機体を収めていく
「なんて練度だ?随分とエースパイロットを集めたようだな小泉大佐?それにあの機体は?」
「司令。あれがタイタニックと同時開発された新型MSです。「RCMS-968ツネッシ」です」
「ツネッシだと!!??」
まるで現代に蘇ったような鉄人28号のようなボディ。今までのMSよりも小型化されている。バックパックを
見る限りビームサーベルは背面には装備されていないようだ。機体は宇宙戦専用にダークグレーで塗装されている。
シールドは持っていない。新田少将と田口大佐はまたも呆気にとられる。
「むうう、新型のMSか。ライトニングより早く量産されていたとはな。しかし腕ききのパイロット揃いの様で
何よりだがどこから引き抜いた?ソロモンの343空か?」小泉大佐はドヤ顔で答える
「いいえ、田口艦長。あのツネッシは無人攻撃機なのですよ。連邦軍初のね」
その答えにさらに二人は驚愕する
「む、む、無人攻撃機?あのMSには人は乗っていないのか?」
式場博士が何やら連絡を取っている。そして二人を招く。
「閣下、田口艦長。今、格納庫に一機、ツネッシを着艦させました。お見せしましょう」
「副長!少し頼むぞ」
田口大佐はそう言うと新田少将と艦橋のエレベーターに乗った。
オオヨドの格納庫は改装され前線作戦室になっていたがその端にそれはあった。
「博士!あれがツネッシか。今までのMSよりは随分と小型だな」
ツネッシからはまだ動力音がしている。その音は格納庫内に響いていた。
もういいぞ!式場博士の声と共にツネッシは駆動を停止した。直立で不動するツネッシ
停止と同時に頭が前方にスライドし首ねっこからオレンジ色の細長い物体が飛び出る。
「!!??」新田少将は驚きを隠せなかった。7年前に富士山の山頂に集結した量産型ツネンゲリヲン
と同じギミック。そして何より富士山の火口脇で発見されたツネンゲリヲンのエントリープラグそのものだった。
「式場博士。先ほどこのツネッシは無人で動いていると言ったがMSに対する指示はどこで出しているのかね?」
新田少将の問いに博士はドヤ顔で答え始めた。
「閣下、このツネッシは搭乗員を必要としません。先ほど申し上げた通り無人で動作します。ツネッシに対する起動、
発進、攻撃その他の命令はすべて「タイタニック」のブレインユニットから発します。もっともそのユニットに命令するのは
我々人間、その代表が小泉艦長でありますな。つまり母艦とツネッシには人口知能が搭載されているのです。我々に服従するためのね
そしてツネッシ。あの首に刺さっているのがダミープラグ。つまり搭乗員と言う人間をデジタル化してあります。そのデジタルデータ
には過去の歴戦のパイロット達のデータが全て入力されているのです。」
一人の作業員がリモコンの様なモノを首からぶら下げ博士の横に立つ
「つまりツネッシには○ムロレイやシャ○ア○ナブルやカ○ーユビダン諸々過去のニュータイプの
機動データが入力されている。と言う事か。つまりニュータイプの量産型だと?」
「かつてニュータイプと言う兵器を確立させる為に非人道的な機関が数多く存在しました。フラナ○ン、ムラ○メetc
ですがそれらは数々の人体実験に失敗し成功してもその力を発揮できず人命だけを無駄にしてきた。だが私は違う!
人間を使ってニュータイプなどと言うモノを作るよりそれをデジタル化すればよいのだと。人間を薬物投与で覚醒させても
所詮はアナログ。つまり私は魂のデジタル化に成功したのですよ閣下!」
その言葉を聞いた新田少将は嫌悪の表情に満ちた
「あの人類を破滅に導こうとしたツネンゲリヲンのギミックを用いて神にでもなるのか?博士?」
新田の発言を聞いた式場博士は一瞬たじろいだがすぐ立ち直る
「閣下。今までMSのパイロットを育成するのに一体いくらの予算がかかったかご存知ですか?私の
ツネッシはその半分以下の経費でニュータイプを実現した。不死身の兵ですよ。これが軍隊の理想なのです
私は同期であった遠ъ翁少佐の夢を具現化させた。彼の遺作であるツネンゲリヲンと連邦のMS開発技術の結晶
このツネッシは究極のハイブリットMSなのですよ!」式場博士の横で小泉艦長が無言で拍手をしている。
「博士、もういい。で、このツネッシの概要は?」
「はい閣下、ツネッシは全長12.8M総推力は8万弱、装甲はステルスアンチサーモアーマーを纏い頭部に近接80mmバルカン
を2門。ビームサーベルは股間に装備されています。使用火器は作戦で変更されますが主にビームライフルとバズースなどの
対地対艦爆撃装備。尚、シールドは装備しません」横に居た技術官がリモコンを操作するとツネッシのプラグが素早く装填され
起動する。そして股間からビームサーベルが飛び出る。
「12Mとは随分小型だな。格闘戦には向かんな。推力が8万とはこれまた随分と非力だ。固定武装はいいとして
サーベルが一本しかないとはな。シールドが無いとなると敵弾に対する防弾性が気になるが・・」
新田のダメ出しに式場博士が答える
「閣下。このツネッシは格闘戦は考慮していません。何故なら敵はツネッシに近寄る事もできないでしょう。ツネッシには
ガンダムラプター以上のステルス性が備わっています。通常のレーダーには直径1Mほどのデブリにしか映らないでしょう。またこの
曲線のシェイプは敵のビーム弾に対する防弾性も備えています。シールド?そんなモノ必要ありませんな。サーベルはあくまで非常用。
もはやMSの戦闘は次の時代を迎えているのですよ閣下!」
217 :
名無しさん:2011/08/11(木) 05:22:29.21 ID:/qM5aRJB
正直、人名や名称を伏せる理由がまったくわからん
ガンダムと銘打っているのだから大丈夫な気がするが
>>217 酒呑みながら書いてる油豚小説だから細かい所は勘弁してくれw
式場博士の独演会は続く
「かつてこの広い宇宙空間で巨大な戦艦が主砲を撃ち合いMSは巨大化し大口径のビームライフルを
振り回した戦闘が様々な場所で展開されました。だが今は違う!ネオソーカの残党は暗礁空域や廃コロニーの
跡地に潜伏してヒット&ランで貨物船や輸送船を襲っている!そんな所に大規模な艦隊とMS部隊を派遣した所で
何の役に立たない。大型のMSは廃コロニー内のCQB(閉所戦闘)には対応しきれずそんな場所では大型のビームライフル
など糞の役にも立たずネオソーカのゲリラ部隊に血祭りにあげられている。もはや戦争の形態は変わっているのですよ!
ツネッシはCQBにも特化した機体ですが空間戦闘にもそのステルス性能を遺憾なく発揮できる次世代のMSでありそれをタイタニックと
運用する事によって各コロニーの裏バンチまでも制圧できる。それが現在の空母打撃群に求められるスペックなのです閣下!」
息切れしてゼーゼー言ってる式場博士だが眼光は衰えていない
「博士。わくわかりました。ではもうひとつ。このツネッシは無人攻撃機と仰ったがまさかあのタイタニックも人口知能を搭載した
無人攻撃空母と言う事で理解してよろしいのか?」質問する新田少将。
「いかにも。無人とは言っても艦長以下最低人数で運用できる空母なのです閣下。ツネッシの機体整備には各VLSに設置されたメンテナンスロボ
によって補給、整備から発進、着艦までこなす自己完結型なのです。無論、大破した機体は次に艦がドック入りするまでは出撃できませんがね。
タイタニック本体もアンチサーモステルスアーマーが装備され弦側装甲も強化されています。対空砲は上下甲板にそれぞれ・・」
ここまで言った所で新田少将が割り込む
「この人口知能。タイタニックやツネッシが暴走し友軍や民間人に危害を与える可能性は?」
この質問に黙り込む式場博士。
「もう一度お伺いする。タイタニックやツネッシが暴走する確立。安全性はどうなのか?」
「・・・閣下。タイタニックとツネッシの安全装置は二重、三重に備えてあります。「絶対に安全」なのです」
新田少将は何も言わず艦橋へのエレベーター乗り場に歩き出す。
「博士、よくわかりました。」それだけ言って歩き出す新田を追う田口艦長。
式場博士と小泉艦長は黙り込んで彼らを見送った。
オオヨド居住区
ヨシミはタイタニックを見た途端に気分が悪くなる。
「あらあら、大丈夫?よんよん。軍医呼んだ方がいいわね」シマは部屋の外に居る
衛兵に声をかける。「ちょっと、医療班呼んでくれないかしら?彼女気分が悪いみたいなの」
「はっ!中佐殿!直ちに呼んでまいります!」エアロックから覗き込んでいた兵は走って行く。
だが5分経っても衛兵は戻ってこない。何かあったのか?軍医が捕まらないのか?
「おかしいわね・・・」シマは拳銃を抜くとスライドを軽く引く。薬室には金色の薬莢が見える
初弾は間違いなく装填されている。すると通路から人の走る音が聞こえてくる。
「お待たせしました!」先ほどの衛兵ではない。おかしい。さっきの衛兵はライフルを肩に下げていた
こいつ手ぶらだ。シマは彼を注意深く疑視すると言った。
「あら?あなた頼んだモノは持ってきてくれた?」
「は?あ、ああすみません。忘れてきてしまいました。」
「あらあら、あなた、私何も頼んでないわよ。それにその腰の拳銃、何でサイレンサーなんか付いてるのかしら?」
同時に拳銃を抜く衛兵。シマは後ろ手に持っていた拳銃を衛兵にエイムする
シマは銃をホルスターから抜いて居たが予想外の動きに油断してしまった。
「この腐れアマが!」横っ飛びした衛兵を見失ったシマ。
パスッと言う静かな銃声が部屋に響く。シマは右腕を打ち抜かれ拳銃は床に落ちる
「残念だったな。任務5963(@wぷ」
衛兵はそう言うとシマとヨシミに狙いを付ける。油断した。と思った時だった。
背後から銃声がし衛兵が倒れる。
「間に合ってよかったですな。中佐殿」
「真田・・少尉?いえ大尉!」
真田大尉とシマ、ヨシミはオオヨドの艦長室に招かれる
「閣下、なんとか間に合いました」
「真田大尉。よく来てくれた。」握手する新田と真田
「どうやら横須賀から乗り組んで来た保安要員の中にスパイが紛れ込んでいたようだな。
射殺した一名以外は全員拘束してある。思ったとおりだったな。やはり・長官の差し金のようだな」
「黒幕を吐きますかね?」真田の問いに新田は首を横に振る
「彼らも軍人だ。そんな簡単には吐かんだろう。シマ君。腕の方はどうかね?」
「カスっただけです。たいしたケガでは。ですがよんよ、いえ、ヨシミが具合が悪いと・・」
包帯をしたシマの横でヨシミは青白い顔をした立っているのがやっとだ。
「間もなく艦隊は作戦空域に向けて出撃する。その前にオオスミに移乗してもらおう」
田口艦長がそう言ったその時だった。艦に微振動が走る
「艦長!オオスミのコンベアパイプの爆発を確認!」
「何!?敵襲か!?CIC!!」艦隊の回りには四散した補給物資が浮遊している
「いえ、レーダー感無し。全周囲異常無し」
タイタニックの上方に付いたオオスミはコンベアパイプの射出口から爆炎が上がっている
「敵襲ではないだと?テロか?それとも事故か?」
「オオスミより発光信号確認!「ワレソンガイハケイビナリ。キチニキトウスル」だそうです」
「まいったな。オオスミがあれではシマ君とヨシミ君を移乗させられないではないか。仕方あるまい。ランチでオオスミまで・・」
次の瞬間、またオオスミの今度は上部甲板で爆炎が上がる。
「おい!本当に敵襲ではないのか!?」
「オオスミより発光信号。「コンベアパイプノカサイガユウバクセリ。ショウカニセイコウ」であります」
オオスミはタイタニックから分離すると離脱を開始した。速度は落ちているが大丈夫そうだ。
「あの状態で二人をオオスミには移乗させられないな」新田少将がつぶやく
「艦隊は作戦行動に入ったし、シマ君。すまんが少々付き合ってもらうしかないようだな」
第一戦隊は二人のゲストを乗せたまま「ラサ」に向かった
「私を狙っていたのか?それとも他の目的か?それとも本当に単なる事故なのか?」真田は首をひねる
真田大尉は新田少将の前で敬礼する。
「空技廠検査課真田大尉であります。只今よりオオスミからオオヨドへ移乗。これより新型MS、RCMS-968の公試の検証に立会います」
真田大尉は命令書綴りを開く。そして足早に格納庫へと降りていった
「艦長、オオスミの先任クルー以外の人間は?」尋ねる新田
「はい閣下。あなたとシマ中佐。そしてヨシミ君、そして真田大尉。それと格納庫に居る
式場博士と小泉大佐。タイタニック付けの技術者3名だけであります。勿論、拘束した人数は除外してありますが」
「作戦行動中の艦艇内で堂々と暗殺作戦を実行しようとした不届者が居たからな。保安上は問題があるが
特例にてシマ中佐とヨシミ君に艦橋に居てもらう事にする。暗殺者もここでは手は出せまい。これは大統領命令だ」
その頃、格納庫ではツネッシの前で真田大尉と式場博士のチームが揉みあっていた。
「検証など必要無いのだ」突っ張ねるチーム式場
「制式兵器の公試の結果を報告するのが私の仕事だ!」押し返す真田大尉。
「真田大尉。また会ったと思いきや私の仕事の邪魔かね?ツネッシの安全性は私が保証しているのだ」
「博士!あなたこそ邪魔するのですか?そこまでするのならしかるべき筋に上申しますが?」
「公試の報告は私が責任を持って一括して防衛総省にする事になっている。君は関係ないのだよ真田大尉」
「博士!いくら元軍人とは言えあなたは今では軍の委託企業の下請け屋にすぎない。これ以上邪魔するなら」
そこへ小泉大佐が割って入る。
「真田大尉。命令する。この格納庫から出たまえ。無論、新田少将に報告してもらっても構わない。君は部外者だ。お引取り願おう
この案件はラボ式場が防衛総省から一括して委託を受けているのだ。と、言う事は大統領命令だ。これ以上騒ぐのなら君を命令違反で拘束するが」
小泉大佐の言葉に黙って引き下がるしかない真田であった
一方、空母タイタニック内。公試の準備中の石川少尉と横山少尉が居た。広いオペレーションルームには二人しか居ない
「なあ?ミドリ。これおかしくないか?」
「どれだよノリユキ?」モニターを確認しあう二人
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w荒」
モニターには意味不明な文字が並んでいる。
「こいつまだ主電源投入してねえのに立ち上がってんだよ。これオペレート用のモニターだもんな」
その奇妙な文字の映るモニターを覗き込む横山少尉。
「ただのバグだろ?一回予備も落として見ろよ。大体、ぶっつけの公試で御偉いさんも来てんのに問題
出たなんて言ったら俺ら配置転換モノだぜ?それで済めばいい方なんじゃね?」
「だな!」石川少尉はそう言うと予備電源を落とし再投入する。画面はクリアされる。
「ああ、直った。危ねえ。冷却系の温度少し下げてみよう。こいつ、10381-4543は温度に敏感だからよ」
「つか10381-4543って呼びづらくね?なんか可愛い名前付けようぜ」完全に悪乗りする二人
「可愛い子猫ちゃん、kittyでいいんじゃね?」
「よし、10381-4543!ヲマエの愛称は「kitty」だw」
爆笑しながらツレションに行く二人がモニターの前を去った後にモニターに字が浮かんでいる
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@wぷ ヲ、ヲレ、ヲレ、kitty?、ヲレ(@w荒」
それは数秒表示されるとまた消え去った。
オオヨド格納庫。タイタニックモニタリングルーム
「をやをや閣下。遠足ですかな?子供もご同伴とは」
ヨシミとシマを連れて格納庫を訪れる新田少将に式場博士は言った。
「博士。査察の件ですがもう少しご協力願いたい。真田大尉も上からの命令で行っているのですから」
「いえいえ、閣下。ですからこれは防衛総・・・」
「私の命令でもそれは受け入れられんと言うのか!」格納庫内に響く新田少将の怒号
式場博士は無言で書類を開く。そこには大統領のサインが記してあった。
「博士、大声を出してすまなかったですな。続けてください。」新田はそう言うと黙り込んでしまった
「閣下!間もなくラサの空域に到達します!」
艦橋に戻った新田少将に真田大尉は駆け寄る
「少将閣下、奴らは何かを確実に隠していますね。我々に知られたくない「何か」を」
「うむ。あの大統領のサインも恐らく中曽根長官による偽造書類だな。かつて大学の卒業証書も偽造した輩も居たがな
だが公に書類が存在してると言うのなら仕方あるまい・・・・小泉大佐をここに呼んでくれ。」
「閣下、呼ばれてまいりました!」小泉大佐が敬礼をしてやってきた。
「小泉大佐。単刀直入に聞きたい。タイタニックのクルーで遠рニ言う男は乗っているのか?それも兄弟でだ」
その様子を浮かない顔色で見つめるヨシミ。小泉大佐はフッと笑うと答えた
「そのような名前の人間はおりません。今現在、タイタニックに搭乗しているのは石川、横山の両少尉のみですな。
私も後で移乗します。先に述べた通り、あの艦には最低限の人間しか乗り込みませんので」
「艦隊!ラサの接続空域に入ります!ラサの守備隊より領空侵犯の警告がきています。どうされますか!!」
小泉大佐の返答を遮る様にオペレーターが叫ぶ。
「全艦停止!機関中立!対空監視を怠るな!」田口艦長の下命が飛ぶ。
さて、いよいよだな。オオヨドとワカツキはタイタニックを護衛。
イスズとハツヅキは反対側のベイに回りこむ。守備隊の魚雷艇が出てきたようだ。
「魚雷艇及びミサイル艇を確認!数12!こちらに来ます!」
「対空戦闘用意!命令あるまで発砲はするな!」艦橋が慌しくなってきた。
「おやおや、随分なお出迎えだ。これでは私もタイタニックに移乗できませんな。
閣下!敵MSが出てくるのも時間の問題。ツネッシの出撃許可を」小泉大佐が言った。
その時、通信兵が新田に駆け寄る
「司令部からです!第一戦隊は空母タイタニックの戦力を使用しラサの叛乱分子を駆逐、鎮圧せよ。作戦名は
オペレーションスチールストーム!以上です!」指令書が暗号電で送信されてきた。それを見た新田は凍りつく
「ラサに対しBC兵器を使用。その後、対コロニー弾でコロニー本体を破壊せよだと・・」
新田少将は指令書を破り捨てた。
「これはただの虐殺ではないか!作戦はマトモじゃない!作戦中止!イスズとハツヅキを呼び戻せ!」
新田少将の指示にざわめく艦橋クルー達
「司令。ラサ内の連邦政府総督府が放火されたそうですよ。このまま暴徒を見過ごすのですか?」
小泉大佐が意見をする。そして続ける。
「司令部から下命された以上、これは正式な作戦です。我々は軍人であり政治家ではありません!攻撃なさるべきです閣下。
まさか連邦政府左派のあなたがよもやここまで来てラサの和平派と交渉をしに来た訳ではないでしょう?我々は軍人なのですよ閣下」
「小泉!貴様ァ!上官に向かってなんて口を聞くんだ!侮辱罪で軍事法廷に行きたいか!!」田口艦長が怒鳴る
「田口大佐ァ、軍事法廷に行くのはあなただ。このまま命令違反で艦隊を帰投させたらどうなるかわかるでしょう」
そのやりとりを見て新田少将が繰り返す
「作戦は中止だ。艦隊は帰投する。異論があるかね小泉大佐?これは命令だ」
「・・・・・閣下、残念です」小泉艦長はそう言うと腰の拳銃を抜き新田に突きつけた
「閣下、あなたを反逆罪で拘束します。命令が遂行されない以上、あなたに指揮官の権利はない。田口艦長、あなたもだ。
以降、タイタニックと艦隊の指揮は私が執る。衛兵、閣下と田口艦長をお連れしろ。丁重にな」
「小泉!キサマ!!ふざけるな!」衛兵の手を振り払う田口艦長。
「ふざけてなどいない。タイタニックの力をラサで試す事によってコロニー連合に対するいいデモンストレーションになるのだ
オペレーションスチールストームはタイタニックとツネッシの初の実戦テストなのだよ!!」
突然の司令官更迭劇にうろたえるオオヨドの副長以下クルー達。
「副長!君はどうする?田口艦長につくか私につくか決めたまえ!彼につけば命令違反で軍事法廷行きだがな」
「・・・・小泉大佐殿に従います・・新田少将と田口大佐を営倉にお連れしろ」
「キサマァ!寝言はそこまでだ!!」田口艦長も拳銃を抜いた。
「パン!」乾いた音が艦橋内に響く。血を流して倒れたのは田口艦長だった
「命令違反は銃殺だ。」小泉大佐は後ろを振り返りシマに銃口を向けた。
「四丈半中佐。あなたの銃も出してもらおう。そこのお嬢さんといっしょに営倉に行ってもらう」
「反逆罪はあなたの方ね」シマは拳銃を小泉大佐に渡す。ヨシミは促されシマに付いていく
「真田大尉。君はどうするね?」
「・・・小泉大佐のご命令に従います」
「賢明な選択だ。今後、私や博士にあまりたてつかぬ事だな。まあ君は優秀な技術士官だからな」
小泉大佐はそう言うと真田の肩を叩いてキャプテンシートに腰掛けた。
「副長!オオヨドの艦長代理は君だ。」小泉大佐が副長をけしかけると同時に通信兵が駆けつける
「大佐殿!これを」司令部からの暗号電だった
「ふむ、わかった。諸君。これより第一艦隊第一戦隊は独立空間408戦隊と部隊名を変更する。これより
連邦政府転覆を企てる逆賊共に天誅を与える。ツネッシ1〜24番機まで出撃させろ!」
タイタニックの前部甲板のハッチが開きツネッシが勢い良く飛び出していく。
「最初からおかしいと思ったのだ!」新田少将はそう言うと営倉の壁を叩いた。
「中曽根長官に・・・まんまとはめられたって事ですか?」シマが話しかける
「ラサの暴徒鎮圧なのに陸戦隊を乗せた揚陸艦が居なかった。長官は最初からラサを艦隊と
MSで破壊するつもりだったのだ。ここに居ては取り返しのつかない事になる」
「取り返しのつかない事とは?」シマは表の衛兵の様子を伺いながら話しかける
「大統領はコロニー連合の和平派と水面下で交渉を続けている。今、ここで中曽根長官率いる
強行派がラサを攻撃してみろ。コロニー連合は手のひらを返した様に態度を硬化させてかつての
ソーカ戦争の時の様に未曾有の大戦争になるぞ。いや、あの時以上だ。なんとかしてこの事を大統領に伝えねば」
その時だった
「おい、変わりはないか?」
「ハッ!異常ありません」
外の衛兵が誰かと話をしている。
「奴らを衛星軌道上の補給ステーション「ミノリダイ」まで護送する。軍事法廷の前に自殺でもされたら適わんからな」
そう言いながらドアを開けたのは真田大尉だった。
「閣下。移送になります。後ろの二人も来い」
「あの・・大尉殿、その様な指示は受けていませんが・・」衛兵が困惑している。
「当たり前だ!司令系統が変わったのだ。グダグダ言ってるとキサマも軍事法廷に送るぞ!」一喝する真田大尉
「搭載しているランチを準備させろ。作戦行動中だが小泉大佐の命令だ。わかったな!」
後部甲板への細い通路を歩く真田大尉と新田少将、そしてシマとヨシミ。
「大尉、君はそれでいいのか?」前を歩く真田に問いかける新田。だが彼は黙ったままだ。
ランチの前で衛兵が二人敬礼をしている。真田は命令書を衛兵に渡すとランチに乗り込んだ
「さっさと乗れ!」捕われた3人は衛兵にせかされながらランチに乗せられる。後から衛兵も乗り込む。
真田はコックピットに座ると一人の衛兵に話しかけた
「すまんが君。先ほどのオオスミの事故の影響でハッチがリモートで開かない。手動で開けてきてもらってよいか?」
「はっ大尉殿!直ちに」ノーマルスーツを来た衛兵がランチから飛び出す。一瞬、コックピットから立ち上がった真田は
もう一人の衛兵に拳銃を突きつける。
「ライフルを床に置いて降りろ。早くしろ!!」4人を乗せたランチは宇宙空間に飛び出した。
「小泉大佐!後部甲板からランチが射出されましたが!」オペレーターの声に振り向く小泉
「まさか!!・・・・まあいいか・・」彼は一度立ち上がるがそのままキャプテンシートに腰を降ろした
「ツネッシで追撃させますか?」副長が駆け寄る
「まあいい。放っておけ。逃げれば罪が重くなるだけだ。それに作戦機を減らしたくない。ツネッシの展開は完了したか?」
「ハッ!現在守備隊の防衛線を振り切りベイに向かっています。各艦援護射撃用意よし!」
「敵の魚雷艇、ミサイル艇は艦艇で撃破する。ツネッシアルファチームはベイへ突入させよ。ベータチームは
敵のMSの監視を怠らせるな。チャーリーは突入支援に当たらせる。いいな!!」
230 :
名無しさん:2011/08/17(水) 13:40:57.63 ID:vcPQSZ/F
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オオヨドから脱出に成功した真田大尉操るランチ内
「大尉!あなたは敵なの味方なの?」
「最初から味方ですよ。小泉を騙す為に一芝居打ったのですよ、四丈半中佐殿!」
真田のその一言を聞いて安堵する一同
「しかし小泉大佐め。まさか田口艦長を射殺するとは・・計算高い所も父親譲りですかね
まあ自分の芝居に引っかかるとは底の浅い男ですわ」真田は自動操縦に切り替える
「いや、芝居にひっちかかったのは我々かも知れんな」新田少将がつぶやく
「どう言う事ですか?」シマは真田から拳銃を返してもらいながら聞いた
「最初から我々をオオヨドから追い出す手はずだったんだろう。正規の手続きを踏むより
このまま我々を消して口封じをした方が得策だからな。このランチが遭難すれば奴らは一挙両得だからな」
「そう言えばランチの格納庫の警備も手薄でしたね。まさか!」真田がコックピットへ戻る
オオヨド艦橋 小泉大佐はキャプテンシートから立ち上がった
「副長、私は発令所からツネッシに指示を出す。艦橋及び艦艇の攻撃は任せたぞ」
足早にエレベーターに向かう小泉。発令所のフロアに下りると式場博士が立っていた
「大佐殿。新田少将と四丈半中佐と真田大尉、そしてあの小娘がランチでオオヨドから逃げたとお伺いしましたが」
「ああ、新田少将は勝手に自滅してくれましたよ。このまま拿捕されて逮捕されるも遭難され・・」
そこまで言いかけると式場し博士の右ストレートが小泉大佐の顔面を捉えた
「ブフッ!な、何するんですか!」
「小泉大佐!君はホントにウスラバカだな。バカさ加減は父親譲りかね?あの娘。コード42事、遠州ヨシミが
もっとも「大切なパーツ」だと言うのに。肝心な事を聞いとらん役たたずが!」怒鳴りつける博士
「すぐにツネッシでランチを追撃させ42事、遠州ヨシミを捕らえるのだ。勿論生かしてな。他の3人は
どうでもいいが42を殺したらキサマも軍事法廷行きだぞ小泉大佐!!わかったら直ちににとりかかりたまえ!」
オオヨドから脱出したランチ内
「くそっ、やはりコンパスが壊れてやがる。機位がわからない。工作してあったのか!」パネルを叩く真田
「空気と食料はどれ位持つんですかね」シマが不安気に尋ねる
「脱出艇だから四人だと空気も食料も一週間は持つな。ビーコンを発信すれば友軍が救助に来てくれるが
今、出せばあのツネッシにこちらの位置を教える事になる。このまま飛び続けてなんとか自力で近くのサイドか
補給基地にたどり着ければいいんだが」真田はコンパスの修理を試みるが無理のようだ。
「上も下も右も左も真っ暗闇か。さてどうするかな」
新田少将は帽子を取って座りこんだ。
「なあノリユキ。小泉艦長からツネッシでランチの追跡命令が来たぜ」
タイタニックのCICで横山少尉がモニターを見ながら話かける
「えっと、さっきオオヨドから出てったランチだよな。何なんだこれ?」
「よくわかんないけどスパイでも逃げたんじゃね?」
「よし、ツネッシ25.26.27番機発進!」石川少尉がモニターに指示を出す
「あれ?またバグってるよ」
画面にはまた例の「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@wぷ」が表示されてる
石川少尉はテンぱる。その時、横山少尉が叫ぶ
「ノリユキ!メインも入れちまえ!!」その言葉通りメイン電源を投入する。フリーズか?
画面が一旦、クリアされる。ツネッシのVLSハッチが開くがツネッシは出撃しない
「ヲ。ヲマエは誰かね?(@w荒」モニターに不気味な一行が映し出された
「ヲイ!ミドリ!こ、こいつなんか質問してきたぞ!!」
「ノリユキ!お願いしろお願い!早くしろ!小泉艦長マジ怒ってるぞ!!」
キーボードでコマンドを入力する石川少尉
「あ〜、kittyちゃん、お願いだからツネッシ3機発進させて。じゃないと艦長に怒られるのよ」
「kitty?ヲレはkittyと言うのか・・・艦長って何かね?(@wぷ」
「なあノリユキ、これっと式場博士に報告した方がいいんじゃね?」焦る横山少尉
「ちっと黙ってろ!艦長ってのは一番偉い人。kittyはその命令を聞かないといけないんだよ。ね、頼むから」
「ヲ、ヲ、じゃあヲレと友達になってくれるかね?(@w友」
その間にも小泉艦長からツネッシの出撃命令が何度もモニターに表示されている
「わかったから、友達でもなんでもなるから!早く出してくれkitty!!」
ラサ守備隊のMS部隊
連邦政府の旧式の払い下げの機体であるジムVによって編成された部隊である。
展開する独空408戦隊の艦艇を睨みつつサイドの哨戒飛行で出撃していた。
「隊長!方位2-8-5に敵艦隊見ゆ。主砲こちらを指向。尚、敵MSは確認できず!」
前方に突出していた数機の偵察部隊が報告を送る
「敵MS及びコロニー内制圧部隊を搭載した揚陸艦は確認できませんが大型空母を視認
データにない艦影です。どうやら新造艦のようです!!」その言葉に守備隊の隊長は驚く
「・・・敵空母の飛行甲板に注意!MSの発艦を確認したらすぐ報告しろ!いいな」
隊長はその報告を聞いて動揺を隠せない
「脅しだ。絶対にそうだ。陸戦隊を随伴していないのならサイドを包囲しているだけだ」
だが彼の読みは完全に外れる。
「こちらは連邦政府独空408戦隊。指揮官小泉大佐だ。ラサの守備隊に告げる。直ちに投降せよ!
君らの行為は連邦政府総督府に放火する野蛮人達への加勢行為である。受け入れられないのなら武力制圧に移る。繰り返す!」
その呼びかけに守備隊は萎縮した。その証拠に彼らのミサイル艇、魚雷艇も全て408戦隊にはそれ以上近寄れずにいた。
「隊長!我々はラサの市民を守る為の部隊ですよね?これは明らかに連邦政府による弾圧行為です。攻撃許可を!」
血気盛んな搭乗員から攻撃許可を求める通信が入る。
だが次の瞬間、彼の上方で小さな爆発炎が上がる
「おいどうした!?発砲許可は出していないぞ!」
「隊長!本田が食われました!攻撃許可を!!」
だが対空砲、艦砲の発砲炎は全く見えない。ミノフスキー粒子が高濃度で散布されているので
レーダーは全く役に立たない。だが敵も同じだ。彼は自分に言い聞かせる。次の瞬間、下方でまた爆発炎が見える
「おい宮永!!どうした!返事をしろ」
「隊長!レーダーには何も感がありませんが何かこちらに向かってきます!!なんだアレは??」その交信を最後にその搭乗員からの
交信は途絶する。一体、何が起きているのか?次の瞬間、爆炎と共に隊長機のジムVも四散する。
「ツネッシアルファチーム防衛ライン突破!コロニー空気供給ブロックへ侵攻中!」
「ベータチーム両ドッキングベイにタッチ!爆破準備よし!」
その様子をご満悦で見つめる小泉大佐と式場博士。
「どうやら敵はツネッシの侵入に全く気づいていないな。さすか最新鋭ステルス機。ミノフスキー粒子が散布されているとは言え
彼らはツネッシを一機も迎撃する事はできない。ツネッシは音も無くコロニーの奥の奥へ侵入するのだ」
「RCMS-968ツネッシ」その機体は隠密作戦時には圧搾空気で推進しバーニアによる推進炎で敵に感知される事なく接敵できるのだ。
その機体はブータガンダムで実用化されていた「ステルスチェーン」を板状にし装甲にしている為脅威のステルス性能が発揮でき
かつツネツシが装備するアサルトライフルはビーム方式ではなくこれまた圧搾空気で実体弾を発射するサイレント仕様であった。
その弾頭は信管により敵に接近すると破裂、ニードル状のタングステン製子弾が敵を襲う非人道的な兵器であった。
「ははははははははははは!ジムVなどそんなポンコツ100機でも私のツネッシには勝てんわ!!」式場博士は狂喜した
ラサの空気供給ブロックに侵入した8機のツネッシ
彼らは空気供給ファンの前に立つと背中のボンベのバルブを解放した。
ボンベの中身は神経ガスだ。ガスはファンによってコロニー全体に送られる
ラサの連邦政府総督府前には数千人の市民が殺到していた。皆、政府の弾圧に対する抗議デモ参加者だ。
デモ参加者の一人の女性が言った
「何コレー臭〜い!」と同時に次々と倒れていく市民。ツネッシの毒ガスによって倒れていく
コロニー外に展開していたラサ守備隊の艦隊も後方のMS隊の撃破を見て混乱する中、408戦隊の艦砲射撃で
沈められていく。完全なワンサイドゲームだ。小泉大佐は神経ガスの効果をツネッシのモニターで確認する。
「もうよかろう」その声と同時にラサの両方のベイが爆破される。
そしてタイタニックから4発の対コロニー弾が発射される。この弾頭はコロニーの外壁を貫通した後に内部で
激しく炸裂しコロニー自体を内部から破壊し強度不足に陥ったコロニーをサバ折状態で自壊させるこれまた非人道的兵器であった。
「艦長!ツネッシ24機全機帰還しました。損害無し。」その言葉を聞いた式場博士は満足気だ
408戦隊の艦艇は全艦反転する。後ろではラサがバラバラに砕け散って行く。一体、何千、いや何万の命が散ったのだろうか?
「損害報告!イスズに敵ミサイル一発命中するも損害軽微!戦闘になんら支障なし!」
伝令兵からその言葉を聞くと小泉大佐はキャプテンシートに座った
「艦隊は次の作戦空域に向かう!同時に脱走した遠州ヨシミの確保を急がせろ!」
「閣下。質問してもよろしいですか?」
目を閉じランチの座席に座る新田にシマは問いかけた
「あの・・よんよん、いえ、遠州ヨシミはどうするんですか?彼女は只の民間人です
ビーコンを発信して友軍の救出を待った方がいいのでは?いえ、決して閣下を売り渡そう
と言う考えではなく人道的な観点からです。彼女はまだ子供ですよ」
その問いに新田少将は目を開いた。
「四丈半中佐。確かに君の言う通りだ。私は自分の命など惜しくはない。かつてネオソーカ
の地球侵攻の時にヲッスキャノンの爆撃で私は妻子を失った。娘も生きていればヨシミ君と同じ歳だったろう。
娘をスペースノイドに殺されはしたがだからと言って私は彼らを恨んだりはしない。私の立場で出来る事は
スペース、アースノイドの戦争を早く終結させる事だ。娘もそれを望んでいるだろう。だがこのまま犬死にはしない。
中曽根長官の暴走を止めねばならぬ。君の言う通りだな」
新田少将がそこまで言うと窓の外のはるか彼方で大きな閃光が走った
「どうやらラサが破壊されたようだな。小泉が我々を追撃してくるのも時間の問題だな。」
新田は立ち上がり帽子を被った。
「真田大尉!救難ビーコンを発信しろ。小泉に捕まるか。他の友軍に救助されるか賭けようじゃないか」
「しかし閣下。その前にツネッシに襲撃されますよ!」反論する真田
「私のカンだが「アレ」は恐らく来ないだろう。大丈夫だ」
新田はそう言うと怯えるヨシミの頭に手を乗せた。
「若い命。無駄には散らせん。今、君をここで死なせたら君の父上、芳鳴大尉に合わせる顔がない」
「閣下。ありがとうございます」
シマはそう言うと新田に頭を下げた
空母タイタニック格納庫にオオヨドからランチが到着した。
公試と初の実戦テストをオオヨドの格納庫でモニターしていた技術スタッフと
式場博士。そして小泉艦長がタイタニックに移乗した。ブリッジに上がる小泉艦長
「おいやべえよノリユキ!艦長来ちまったぜ!!どうすんだよ?」
「だってこいつ言う事聞かねえんだよ!おいkitty!艦長怒ってるぞ!!」
オペレートチャットモニターに話しかける両少尉。kittyの答えは
「艦長?何それ?(@wぷ 食べれるものかね?(@w荒」
その答えに両少尉は愕然とした。
「なあ、ミドリ?こいつ壊れてるよな・・・」その時、CICに小泉艦長がやってきた。
敬礼で迎える両少尉
「貴様ら!何をしとるか!!何故ランチ追撃のツネッシを発進させん!!」激怒する小泉大佐
「申し訳ありません艦長!!なにぶんオペレートシステムがフリーズしてしまい・・」
その言葉に式場博士がモニターに駆け寄る。
「おまえら勝手に主電源を投入したな?公試が終わるまで予備で作動させめと言ったのに。しかも冷却水の温度
もかなり上がっとるな。一体、何をやらかしたんだ!!」怒鳴る式場博士。その時、モニターにkittyからの返事が映る
「ヲレヲレkitty。アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w荒」
「おい石川!!貴様、10381-4543にくだらんニックネームなど付けおって!!」
「ですが博士!こいつはそうでもしないと言う事を聞かないであります!」
直立不動で立ちつくす両少尉。
「バグッた時はこのフォルダを開け!!」式場博士が両少尉にモニターで示す。
「このフォルダは何でありますか?」
「これは「ミツヲウモードと言ってな。10381-4543が暴走した時に役立つプログラムだ」
すると画面が消え元にもどる
「ご命令をどうぞ。小泉艦長」と正常な画面が表示されている。
「しかし確かに10381-4543では呼びつらいな。石川、ヲマエが名づけたkittyと今後は呼ぼうじゃないか?」
「はっ、博士!ありがとうございます」
「だが今後は異常があったら逐一報告しろ。kittyが命令を一つ成功させたらこのボタンを押せ」
「なんすかこれ?」博士が指差す赤いボタンをみつめる両少尉
「このボタンはな。kittyに対するいわば「ご褒美」だ。電気的な信号でkittyに射精時の快感、
つまりオナニーを教えてやる。こいつはそれで学習して行くと言う訳だ」
式場博士の答えに横山少尉が口を開く
「へえ、博士!人工知能もオナニーするんすか?なんか生きてるみたいだなkitty!」
その言葉に式場博士は目を細める
「生きて・・るだと?んんんまあそんな所だ。まあいい。何かあったら報告しろ。いいな!」
そのやりとりに小泉大佐が割り込む
「博士!オナニーはいいですから追撃のツネッシを!遠州ヨシミの確保が重要なんでしょう!?
石川少尉!オオヨドから脱出したランチの方角はトレースしているな?」
「はっ!ミノフスキー粒子が濃く、現在位置はロストしていますが大体の位置と方角は計算で
割り出してあります!ツネッシを出撃させます!!」命令をkittyに入力する。
「ツネッシ射出!!」3機のツネッシは暗黒の宇宙空間に飛び出るとタイタニック頭上で旋回すると飛び去った。
「閣下!レーダーにうっすらと反応が出ました。艦隊接近中!」
ランチのコックピットから真田が飛び出てくる。
「小泉の艦隊かね?」
「いえ方向が違うと思います。数も合いませんし・・・中型艦1隻と駆逐艦クラスが3隻みたいですが・・方位1-9-7です。やや下から来ます」
「大尉?こちらに気づいてると思う?」問いかけるシマ
「恐らく向こうはこちら感知していますね。速度、方位そのまま。どこの艦隊だ?」
助かった。シマはそう思った。これでヨシミを何とか逃がせる。
艦艇の推進炎(ウェーキ)が見える。その外側にMSの推進炎らしきモノが3つ見える。同時にランチの無線が鳴った。
「こちらヒ57船団空母カイヨウ所属の救難チームである。救難信号を受信した。応答せよ」
すぐさま真田大尉が通信機のマイクを取る
「こちら連邦軍第一艦隊第一戦隊旗艦「オオヨド」搭載のランチ、真田大尉です。怪我人は無し。速やかな救助を求む」
3機のMSはランチの周りを旋回している。返事を待つ真田大尉。
「空母カイヨウだと?どうやらセンカクの船団に遭遇したようだな」窓の外のMSに目をやる
「ガンダムF2か。ツネッシが飛来したらイチコロだな」
「真田大尉、ランチの機関を停止してください。本隊まで曳航します」一機のF2が手を振っている。
「従うとしよう」真田はそう言うと機関を停止し曳航ロープを射出した。
F2に曳航されたランチはカイヨウの格納庫に収納された。ランチのハッチを開けると
拳銃を持った臨検隊が並んでいた。「そのままにして居てください!!」船内に雪崩れ込む臨検隊
だがゆっくりと立ち上がった新田少将の姿に気づく。
「し、少将閣下、大変失礼しました!!」4人は艦橋に案内されると一人の男の謝罪を受ける
「空母カイヨウ艦長、一色大佐であります!先ほどは臨検隊が失礼しました!」
「いや、かまわんよ一色大佐。こちらも助けられて御礼を言いたい」
一色大佐は新田少将と握手を交わす。
「閣下?一体どうなされたのですか?「オオヨド」が遭難したと言う報告は聞いておりませんが」
「うむ、大佐。君達の艦隊は輸送船の護衛かね?」
「はっ、木星からの資源輸送タンカーの護衛任務の帰途であります。「センカク」に帰還するのも半年ぶりですから」
コロニーセンカク。コロニー連合の中でも和平派の多いコロニーである。領空内に資源衛星「センカク」があるものの
その領有権を巡って連邦政府と小競り合いを起こすも争いを嫌う彼らはそれ以上、事を大袈裟にはしなかった。
「閣下をとりあえずセンカクまでお送りします。ご無事で何よりです!」
真田は新田にそっと話かけた。
「閣下。彼らは木星帰りでまだラサが破壊された事は知らないようですね。ですがこの先、
タイタニックが来たらマズいですよ。ツネッシは絶対に追ってきますよ。ましてこの低速な輸送船団なら尚更ですよ」
センカクのヒ57船団は護衛空母カイヨウを中心に駆逐艦1とタンカー2隻で構成されていた。
「一色大佐殿、タンカーの積荷は何でありますか?」真田の問いに一色は答える
「ああ、木星の資源衛星からの天然ガスが主な積荷だな」
ヤバイ。真田は思った。低速な輸送船団に可燃性の積荷。最悪な展開だ。
タイタニックCIC
「艦長!哨戒中のツネッシ26番機が艦影を捉えました。ランチが逃げ去った方角です!」
「何?居たのか?」シートから身を乗り出す小泉大佐
「ミノフスキー粒子がレベル3弱あるので画像が少し荒れてますが・・・タンカーが確認できますので輸送船団のようですね」
「他のツネッシのセンサーには何もひっかからないのか?」
「はっ!25.27番機の索敵センサーには何も・・」
「ふむ。そうなると奴らはあそこに逃げ込んだ可能性があるな?どこの輸送船団か照合できるか?」
「はっ、少々お待ちを・・・ああ、センカクの輸送船団のようです。」
それを聞いた小泉大佐は不敵な笑みを浮かべる。
「ちょうどいい。センカク沖でツネッシを展開させる予定だったのだ。資源衛星センカクを武力制圧しろとの
長官命令だからな。新田め。簡単に逃げられると思うなよ。まずはツネッシでセンカクの船団を停船させろ!話はそれからだ!!」
「しかし、狭い空母だな」
居住区に案内された新田少将はつぶやいた。
「この艦もネオソーカの乱の生き残りですよ。ネオソーカの乱の前に旧式になったので
センカクに売却された空母ですね。ベイダーの乱の前に譲渡された艦ですから古いのは否めませんね」
「しかし、ブータベイダー事、恒寿元中尉の所在が未だに掴めないとはな。とてもタイタニックに乗っているとは思えんし」
制服の襟元を緩める新田少将に真田は少し考えてから言った
「閣下・・・・生きて乗艦してるだけとは考えられませんよ。それがベイダーか芳鳴大尉であっても」
「どう言う事だ?」
「ラボ式場は生体兵器や脳波兵器の開発に携わっていた。私の仮説ですがもし遠ъZ弟の片方が
タイタニック、もしくはツネッシの人工知能システムの生体パーツとして使われていたら・・・」
「バカな!!式場博士は神にでもなるつもりか!!」
空母カイヨウ格納庫。
トイレ帰りのヨシミはシマとはぐれてしまった。
「あれえ?シマさん何処に行っちゃったんだろ?この船ゴチャゴチャしてて訳わかんないんだけど」
逸れたヨシミはメンテナンスラダーの横にたどりついた。
「これがモビルスーツ、お父さんもこれに乗って戦ってたの?・・・・」
ヨシミの目の前でガンダムF2がメンテナンスを受けていた。
「オラッ!なんで子供がこんな所に居るんだよ!!??」
ふとヨシミの背後からがさつな女の声が聞こえた。ふりかえるとノーマルスーツを着た女性パイロットだ。
「す、すみません、あ、あの迷っちゃったモノで」怯えるヨシミ
「フン。あんたさっきあのランチから救出された子だろ?こんな所ウロついてんなよな」
その時、ヨシミを探していたシマがやってきた。
「あらあら、よんよんこんな所に居たのね?ダメよ勝手に歩き回ったら」
女性パイロットは髪の毛を縛りながらシマをチラ見した。
「あんたこの子の保護者?ダメだろ子供野放しにしてたら。って」シマの階級証を見て口が止まる
「し、失礼しました!中佐殿!」
「ふふふふふふ、あなた小川ナツミ中尉ね。知ってるわよ、あなたの事」
その名前を聞いてヨシミは固まった
「オガワナツミ???シマさんのファイルにあった恒寿叔父さんが性的悪戯したって・・この人なの?」
243 :
名無しさん:2011/08/24(水) 00:59:50.87 ID:bbocAnV0
やっとナツミが来たか
たしか正しければ29歳だっけ?
俺にとっていっちゃん脂の乗った時期だと思うがと油豚風に言ってみたり
>>243 NEVADAから17年後の設定だから30歳のモイキッシュバーハソになってるんじゃないかな@w荒
「しかし閣下、何故「オオヨド」のランチで漂流していたのでありますか?何か訳でも?」
一色艦長と新田少将は「カイヨウ」の艦長室に居た。
「この空域はミノフスキー粒子の濃度が何故か高めなんですが・・・あと先ほど、独空408戦隊
と言う部隊が近辺で作戦行動中って事を索敵班から聞かされましたが何か極秘作戦でも?」
一色艦長の質問に新田少将はコーヒーカップを持った手を止めて言った
「艦長・・・私が漂流していた理由・・・知りたいかね?」
「いえ・・閣下がお喋りになりたくなければ私は・・」その時、扉がノックされた
「失礼します!!小川ナツミ中尉、呼ばれて参りました!!」
その名前に新田はハッとした。
「小川・・・ナツミだと!??!」
「閣下が彼女、いえ、小川中尉をご存知だったとは・・・」
「私が「オオクボ」勤務の時だったからかれこれ17年も前の話だ。佐世保から乗り込んだ私は
小川中尉の働きに驚いたよ。何せ私の嫁に行った長女と同じ位の歳で新型のMSを訓練無しで乗りこなし
ソーカの地上部隊を相手に互角に戦った。まさか君がセンカクの部隊に居たとはなあ」
小川中尉、ナツミは表情を変えず答えた。
「閣下、私はオオクボを降りた後、いろいろあってセンカクに渡り再びMS搭乗員の道を選びました。」
「いやあ、閣下。彼女はたいしたモノですよ。この護衛任務中もネオソーカの残党のMSを2機撃墜してますから。
アシの遅い輸送船団ですから彼女のような歴戦のパイロットが居てくれて我々も助かります」
一色艦長は帽子を取って頭を掻きながらナツミを称えながら言った
「しかし、小川中尉、君は何故オオクボを降りたのかね?」
「艦長、その質問にはお答えしなければいけませんか?」
ナツミは一色艦長を睨みつけた
「いや・・・別にいいんだが・・」
「レイプ未遂??ナツミさんが恒寿叔父さんにレイプされかけたんですか?」
そう言うとヨシミは士官食堂で飲み掛けのジュースをこぼしそうになった
「もうここまで来たら隠せないわね。さっきの人が小川ナツミ中尉。17年前に戦艦オオクボに
乗艦。新型MS「ガンダムNEVADA」に若干12歳にして搭乗。佐世保基地がソーカの地上軍に空襲
を受けた時に彼女はNEVADAに乗って戦ったのよ。同級生にソーカのスパイが居たみたいでね。
その時に彼女の友達が同じく新型MSの「ガンダムCOOL」を奪って衛星軌道上のソーカの機動部隊に
逃げ込んだのよ。彼女はそのまま第四遊撃艦隊配属になってCOOL奪取作戦に投入された。その時に
新田少将や真田大尉、そしてさっき「オオヨド」で田口艦長を射殺した小泉大佐の父上がオオクボ
の艦長だったのよ。まっ、あなたの叔父さんの恒寿元中尉はまだ12歳だった小川少尉(当時)をシミュレーター
ルームでレイプしようとしたのよ。まあ未遂に終わったけどね。もっとも整備兵はホモレイプしちゃったし
大切な艦載機を破壊したりしてたけど何故か小泉艦長のお気に入りだったのよね?恒寿さんは。それで小川少尉は
機体を破壊されて搭乗割に入れなくなって船を降りたのよ・・・ってあれ?よんよん?何処行ったの?」
シマの話が終わらないうちにヨシミはまた居なくなった。
整備中のMSが並ぶ格納庫。ヨシミは再びガンダムF2の前に立った。作業は終わったのか整備員は皆、引き上げている
ヨシミはメンテナンスラダーの上を歩くとコックピットの前に立った。ハッチは開いている
「これが・・・モビルスーツ」
彼女はF2のコックピットに潜り込んだ。固いシート。電源の落ちている360度球体コックピットの中は
ぼんやりと薄暗い。ヨシミはスティックとフットペダルに両手両足を乗せてみる
「ナツミさんて・・12歳の時からこれに乗って戦ってたんだ・・今のあたしの3つも年下だったのにコレを操縦してたなんて
信じていた友達に裏切られたなんてどう思ったんだろ?そう言えばアヤからメール来てたな」
ヨシミはF2のコックピットに座りながら携帯のメールを見た
「ヨシミ、あたし高校受かったよ。あんたは?」
溜息をつくとヨシミは携帯をしまった。
「呑気でいいなぁ。あたしは軍からなんか知らないけど命狙われて変な船たらい回しにされて死にかけたのに・・」
そんなネガティブな発想が突如覆る。
「あたしもこれを操縦してみたい。これでお父さんの仇を討ってやりたい!恒寿叔父さんは絶対にあの
タイタニックの中に居る!あの艦を見た時に感じたあの嫌な感じ。もし生きてるならお父さんを助けてあげなきゃ!!」
ヨシミは操縦桿を握るとグッと前を睨みつけた。
「絶対!絶対に助ける!生きてたなら!もし、お父さんが死んでたら・・恒寿叔父さんだけは許さない!この命に替えても」
その時、艦内に警報が鳴り響く。
「未確認機接近!!総員対空戦闘配置用意!MS搭乗員は攻撃即時待機!!」
護衛空母「カイヨウ」艦橋
「索敵班!友軍機ではないのか??」
「いえ。IFF照合しません。未確認機急速接近中。機影1」
新田と真田は顔を見合わせた
「ツネッシだ!!」
空母タイタニックCIC
「なあミドリ。こいつまたバグってんだけど」
困惑する石川少尉の目の前のチャットモニターはまた不自然な文字が浮かぶ
「ヲレは・・ヲレは・・・小泉?・・・戦艦オオクボの艦長の小泉?(@wぷぷ」
その浮かぶ文字を見て横山少尉はドン引きしながら言った
「これ式場博士に報告した方が・・・あっ、まてよ。ミツヲーモードって奴やってみろよ」
「ミツヲウだろ?」石川少尉がぶっきらぼうにモードを投入する。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ・・・」の文字の後、画面は消えた・
「なあノリユキさぁ。俺さっきこのミツヲウモードのプログラム解析してみたんだけどさぁ
なんか「このゴクつぶしがぁ」とか「ビチクソ芋虫がぁ」とか「超克!」とかってキーワードが
満載なんだけど何コレ?誰かが怒ってるみたいだぞこれ。kittyがこれを怖がってるのか?」
その横で石川少尉が何かを調べる。「出た!」
「今、kittyが言ってた「戦艦オオクボ」でggって見たんだけどこれって17年前にエリア84海戦で撃沈された
戦艦だよな。そん時の艦長が小泉艦長の父親だってよ。しかもさあ」石川少尉がさらにggる
「kittyってニックネームの人間がこの時の「オオクボ」の搭乗員に居たんだよ。この遠ыP寿中尉だぜ。
ブータガンダムとアブラブータガンダムのパイロット。しかも親父が遠ъ翁少佐って事は・・」
「ミツヲウに怯えるkittyってまさしくこの遠ыP寿中尉じゃん。この人戦死してんの?」
「いや、生きてて7年前のネオソーカの乱でブータベイダーと名乗って地球に降下してきてる。富士山で戦闘中にKIA
その後のデータは削除されてんだけどこれってもしかして・・・」二人は青ざめる。
「タイタニックの人工知能って遠ыP寿中尉そのものなんじゃね?」
その様子を見ていた小泉艦長が怒鳴りつける
「貴様ら!作戦中だぞ!私語は慎め!!」
ナツミはNEVADAの時は小6だったんだね。て事は29歳だわ。スンマソ(@w謝
石川少尉は小泉艦長と式場博士の目を盗みある試みをしていた。
それはチャット画面を介してkittyと会話を試みる事であった
「なあkitty?あんたのホントの名前は遠ыP寿って言うのか?戦艦オオクボ、ブータガンダム
アブラブータガンダム、光翁、性犯罪者、なんか言ってみろよコラ」だが反応は無い
「やっぱ思い違いか」彼は胸を撫で下ろした。同時に小泉艦長が叫ぶ
「石川少尉!索敵機26番機の状況はどうか!!」
護衛空母「カイヨウ」格納庫
突然の警報にガンダムF2のコックピットからナツミは出るに出れなくなっていた。
機体の足元では搭乗員や整備兵が何やら打ち合わせしている。
「どうしよぅ、さっき怒られたばっかりなのに乗ってるとこ見られたらヤバイよぉ」
その時、メンテナンスラダー上を走る足音が聞こえた。
「ヤバイ!誰か来る!」ヨシミは咄嗟に立ち上がるとリニアシートの後ろに隠れた。
「小川中尉殿!機体、発動機問題無し!好調でよく回ります!」整備兵らしき声が聞こえた。
同時に誰かコックピットのシートに乗り込んできた
「ありがと!じゃあ征ってくるよ!!」さっきヨシミを叱った声だ。
「ナ、ナツミさん??」咄嗟に口を塞ぐヨシミ
ハッチが閉じると360度球体モニターが格納庫内を映し出す。起動音がコックピット内に響く
「あわわわわ、どうしよ。なんか動いてるよ」だが身動きの取れないヨシミであった。
同じくカイヨウCIC
「艦長!未確認機ロスト!失探しました!モーション、サーモ各センサー反応無し!ミノフスキー粒子レベル2!」
「失探だと?デブリか何かが飛来してたのが小惑星にぶつかって消滅したんじゃないのか?」
電探員と艦長が叫びあう。副長が駆け寄る。
「艦長!警戒を解きますか?」その言葉に一瞬考える一色艦長
新田少将と真田大尉はこの状況に困惑した。
あれはまさしくツネッシに違いない。本艦を発見して圧搾空気によるステルス巡航に入ってる。
だが対スペースノイド兵器のツネッシの存在を彼らに教えていいのか?だが教えなければやられる
それ以前に彼らにまだタイタニック率いる独空408戦隊から逃亡した事さえ教えていないのだ。
「副長、戦闘配置を解・・」一色艦長がここまでいいかけて新田が割って入った。
「副長、デブリかもしれんがネオソーカの新手の新兵器が温存されているのかもしれん。奴らは7年前ブタスター
と言う光学迷彩装備の機動要塞で地球に降下してきた。ミノフスキーレベルが高いのも気になる。どう思うかね一色艦長?」
この新田の言葉に一色艦長は呆気に取られた。
「さすがは閣下、幾度の大海戦を生き抜いてきた判断力ですな。副長、哨戒のMS隊を出せ。」
「了解しました!」
「小川機、征きます!」ナツミの駆るガンダムF2がカタパルトから打ち出される。
「機体異常無し。編隊を組め」とナツミが言った時、後ろで誰かがむせている
「ゲホッ、ゲホッ!」射出のGでむせるヨシミであった
「誰だ!ヲマエ!ゲッ、さっきの小娘じゃねえか!!何でこんなとこに居るんだ!!」
その時、僚機から通信が入る。
「中尉殿!どうかしましたか!!??」まさか自分の機体に子供が居るとは言えない
「いや・・なんでもない。各機艦隊の両翼に展開しろ!オーバー」そう言い終わるとナツミは通信を切った
「あんたノーマルスーツも無しに死んでも知らないよ。ったく何やってんだか」
「ごごごごごめんなさい、勝手に乗り込んで。あ、あのナツミさんのMSとは知らなかったんで」
「馴れ馴れしい娘だね。ったく子供が乗り込んでたなんてバレたらあたしは大目玉だよ。無理な機動はしないから
そこでおとなしくしてなよ。ただの哨戒飛行だから。ところであんた宇宙酔いしないの?」ナツミは呆れ口調でヨシミに聞いた
「いえ・・多分大丈夫です・・」
「そう、この中でゲロ吐かれたらたまったもんじゃないからね。そう言えば昔、ウンコ漏らした奴も居たわ」
「恒寿叔父さん?」何故か直感で感じたヨシミだった。
「まったく、センカク沖まであと少しなのになんでこんなに粒子のレベル高いんだ?変だな」
センサーを弄るナツミ越しの向こうにヨシミは何か感じた。
「アレが・・来る!」
哨戒飛行していたタンカー真横に居たガンダムF2が何の前触れも無く爆発した。
「工藤機がやられた!!なんだ!!」カイヨウのCICは騒然となる。
「おいおい、デブリが攻撃してくるかよ!」ナツミのガンダムF2は艦隊の真上に上昇した。
「何にも見えねえ。何にもひっかからねえ」その時、もう一機のF2も爆発四散した。
「ああ、松田機も・・」ナツミはそう言うと機体を横に滑らす。同時に随伴していたタンカーの
一隻が火を吹いてる。そしてそれは巨大な火球となった。残骸が四方八方に吹き飛ぶ
「えねおす丸撃沈されました!」カイヨウのCICでは何が起きているのか理解できない
「索敵班!!どこから攻撃を受けている!!」
「わかりません!何もモニターできません!!」
その時、もう一隻のタンカーにへばりついていた駆逐艦が距離を開けた。撃沈による
被害を恐れたのか?同時にそのタンカーも巨大な火球となって四散した。
「じょも丸撃沈!スズツキは健在です!」輸送部隊は一気に半分になってしまった。
そしてカイヨウにも衝撃が走る
「損害報告!!」艦内に非常警報が鳴る
「飛行甲板及び搭乗員待合室、及び弾薬庫に被弾!現在消化班向かってます!!」
「あの艦長・・・ツネッシ26番機輸送船二隻撃沈、敵MS二機撃墜・・してますが」
小泉艦長に横山少尉がたどたどしく報告している。
「何!まだ攻撃許可は出しておらんぞ!船団を停船させろと言ったのだ!」
「護衛空母も被弾しちゃってるみたいですがこれって・・・」
「おい!石川!kittyに命令しろ!攻撃中止!停船命令を出して遠сシミの身柄をよこせと命令させろ!」
「ナツミさん!!右に逃げて!」ヨシミの咄嗟の叫びにナツミは機体を右に滑らす
「なんだよ!驚かすなよ!何適当な事言ってんだ!!」その時、機体に衝撃が走る
「被弾した??」だがセンサーはオールグリーンだ。だがナツミはゾッとした。
左腕に装備したシールドにニードルが大量に刺さっているのだ。ツネッシのエアライフルの散弾だ。
「うへぇ、なんだこれ!!」ナツミはシールドを投げ捨てた
「小泉艦長!ツネッシが3機目も撃墜した模様です!!」それを聞いた小泉は怒鳴った
「違う!!停船させろと言ってるのだ!!どけ!」そう言うと石川少尉をチャットモニターの
前からひきづり下ろし小泉艦長がkittyに命令を入力した。
「タイタニック小泉艦長より下命す。直ちに船団を停船させ遠сシミを拘束せよ!」
彼はそう命令を入力した後、ミツヲウモードのスイッチを押した
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w荒」
「ナツミさん、見えた!!」ヨシミがモニターの片隅を指差して叫ぶ
「はぁ?何がだよ??センサーは何も捕らえちゃいないのに・・って何だありゃ!!」
ナツミのF2のモニターを左から右へ横切る不細工なMSが確かに見える。
「あいつ、推進炎出してねえし!」ナツミはそう言うとマニュアルでモーションセンサーの
ロックをかけた。白いレティクルが赤く輝く。捕まえた!!
「テメぇか!!工藤一飛曹と松田の仇だ!!」ナツミのガンダムF2は巨大なデブリをすり抜けて行くツネッシを
追撃した。そのメタボの様なボディからは想像できない機動をしている。
「くそっ、こいつサーモセンサーでロツクが掛けられない!何出して飛んでいやがるんだ!」
デブリの裏をすり抜けた時、ナツミのF2に衝撃が走る。
「何!!??」一気に機速が落ちる。
「何だよコレ!!バーニアは吹いてるのに前に進めねえ!!」
デブリから飛び出ていた浮遊していたワイヤーにナツミのF2は引っかかり捕らえられてしまったのだ。
「くそっ!くそっ!」スロットルを踏み込んでも機体は全く動かない
ツネッシは「カイヨウ」の艦橋の前で静止するとエアライフルの銃口を向けた
「艦長!!敵MS、艦橋に銃口を指向!!」
「何?対空砲は何をしていた!!」さらに通信兵が叫ぶ
「艦長!!敵機よりボイスメッセージ入電中!!」
「何だと?敵機はネオソーカでもなく異星人だとでも言うのか!!」
一色艦長と新田少将は艦橋に上がる。そこには一機のツネッシが銃口を向けて止まっているのが見える
「ヲレ、いや、連邦統合軍独立空間408戦隊所属ツネッシ26である。貴艦に収容中の遠сシミの身柄をヲレに渡したまえ(@wぷ
貴艦と乗員の安全は保障するが新田、真田、四丈半の3名は最寄の連邦宇宙軍司令部に身柄を引き渡したまえ。どうするね?(@wぷぷ」
それを聞いた一色艦長は絶句する
「閣下・・・一体何が?・・・我々には理解できません・・」
その時だった
「てめぇぇ!!」ワイヤーをビームサーベルで焼ききったナツミのF2がツネッシに襲い掛かった
艦橋の前にいたツネッシは頭部をど真ん中から切りつけられ動きを止めた」
「おい!爆発するぞ!!艦橋要員退避!!」
「フン」ナツミはツネッシの片腕を掴むと素早く艦から離れる。どうやら爆発はしないようだ。
「他に機影無し。小川機、帰投する!」
「艦長!ツネッシ26番機からの通信途絶。撃墜された模様・・・です」
「バカかこいつは!!他の敵機も確認せずに不用意に艦橋に近づくとはどんだけウスラバカだ!!」
小泉艦長はミツヲウモードボタンを連打した。
「このウスラバカが!ゴク潰しが!!」
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@wウスラ」
「一体どう言う事なのですか!!??何故我々の船団が統合軍の艦載機に襲われるのですか?」
一色艦長の問いに新田少将はうつむいて言った
「すまん・・艦長。私の責任だ。君達まで巻き込んでしまったようだな」
同時に電探員が叫ぶ。
「艦長!まもなくラサの領空なのですが・・・それが・・」
「どうした?言ってみろ」一色艦長は電探員に駆け寄る
「ラサのコロニー本体が探知できません。代りに巨大なデブリ多数。
その報告を受けて一色艦長は青ざめる
「閣下・・・一体何があったと言うのですか?」
「艦長、私のツネッシ、あまり叱らないでもらいたいな」
式場博士がタイタニックのCICに戻ってきた。
「博士、今までどこへ?ツネッシが一機撃墜されましたよ。この最新鋭ステルスMSが!」
「ちょっとバイタルパートのkittyの格納容器が気になりましてな。まあ問題は無いのですが
このタイタニックもツネッシもまだ実戦初投入ですから。一機や二機の損失は想定の範囲内ですよ」
「うむむむむ、で博士。もう二機のツネッシもセンカクの船団に向かわせ・・」
「いえいえ、艦長。あれではデータが取れない。長官の仰せの通り艦隊を資源衛星「センカク」に向かわせ
やつらのMS隊とツネッシを交戦させるのです。まずは残った二機を帰還させましょう。遅かれ早かれ「カイヨウ」
はこちらに向かってくるでしょう。遠сシミはその時に捕らえれば問題ない。幸い「kitty」も安定していますし」
護衛空母「カイヨウ」格納庫
ナツミが鹵獲したツネッシを持って着艦した。格納庫は先ほどの攻撃でひどくやられている
「ひでえ・・どうなるとこんなに破壊されるんだ?」
256 :
名無しさん:2011/08/30(火) 23:31:49.71 ID:Mt6SGPbM
支援
F2のコックピットのハッチを開けてナツミは唖然とした。
ついさっき、自分が後にした格納庫内はほぼ原型を留めていなかった。
駐機してあったMSは粉々になりメンテナンスベッドや全ての機器は無残な形になり転がっていた。
その間に人が倒れている。ナツミの後からコックピットから出てきたヨシミはその光景を見て目を覆った。
「中尉殿、私以外、整備隊長以下全員戦死です」機付の整備兵にそう言われ改めてナツミは途方に暮れる。
「他の搭乗員はどうした!?無事なんだろ?」ナツミはその整備兵の肩を掴むと揺すりながら尋ねた
「いえ・・・搭乗員待機室にも被弾。パイロットで生き残っているのは・・中尉だけです。艦載のMSは中尉の機体とF2がもう一機残っただけです」
「たった一機のMSでなんて破壊力なんだよこのガラクタがあ!!」
ナツミはそう言うと鹵獲され、格納庫に転がるツネッシに蹴りを入れた。
「よんよん!あなた何処へ行ってたのよ!!心配したわよ!!」
シマは格納庫でヨシミを発見すると彼女に抱きついた。
「あ、いや、シマさん・・ごめんなさい」間違ってもナツミのF2に同乗してたなどと口が裂けても言えない。
「やれやれ。やっと邪魔者無しでご対面たなツネッシ。ホントに醜いMSだな」その声と共に真田大尉がやってきた。
彼はツネッシの機体の回りを何やらセンサーを当てながら一周した。そしてナツミのF2の機付の整備兵に声をかける
「君!名前は?」
「ハッ、大尉殿。小沢伍長であります!」
「伍長、これからツネッシを分析する。君にも手伝って欲しい。こいつを攻略するのに何か手がかりが掴めるかもしれん」
「し、しかし大尉殿。このツネッシとやらはネオソーカの機体なのでありますか?識別コードも何もありませんが」
「伍長。こいつは・・・・統合軍の機体だよ」
「と、統合軍の機体?、な、何故我々が統合軍に攻撃されるのでありますか?」
「質問は後だ伍長。手を動かせ」真田はそう言うとPDAのパネルを開いた
それを覗き込みながらシマは言った
「大尉、それは?」
「先ほど「オオヨド」のモニタリングルームで式場博士のメインコンピューターにハッキングして
データを盗んでおいたんですよ。何とかツネッシのデータと設計図だけは入手できたんですがね」
ツネッシの脇腹のメンテナンスハッチを開けると二本のプラグを固定する真田大尉
「これでこいつは丸裸だな」PDAのパネルを操作するとツネッシの首がスライドして首の付け根から
オレンジ色のダミープラグが排出された。
「この醜いバケモノを操っているのがツネンゲリヲンにもあったこのロケット型のパーツとはな」
機体にセンサーを当てていた小沢伍長が叫ぶ
「大尉殿。このツネッシからは熱反応、その他なんら検出されません。完全に機関は停止しています」
真田はナツミをチラ見すると言った
「さすが歴戦のパイロット。急所を一突きで機関を停めてくれたからな」
ナツミは赤面してしまった
「カイヨウの艦載MSが22機も大破で稼動不能だと?」
一色艦長は頭を抱えた。
「ハッ!正確には小川中尉の機体と奥のブースでメンテナンス中の合計2機がかろうじて生き残りましたが。敵機の被弾跡は
3発だけですがこれほどの破壊力とは。現在復旧及び応急作業中。航行にはなんら支障はありません。それと平行して真田大尉が
小川中尉が鹵獲した統合軍のMSを現在、調査中であります!」
伝令の兵の言葉を聞いて項垂れる一色艦長を見て新田少将が声をかける
「艦長、艦長室で話しがしたい。いいかね?」
「ま、まさか閣下!ご、ご冗談を!!」卒倒する一色艦長
「艦長、これは冗談でもなんでもない。真実だ。中央政府はコロニー連合に圧力をかける為の
無人兵器の実戦投入に着手し侵攻を始めたのだよ。ラサはその手始めにすぎない。これは事実だ」
「で、では何故その中央政府の司令官である閣下が我々の船団に救助を求めたのですか!」
一色艦長の問いに新田は静かに答えた
「私は当初、ラサに対しての治安出動と言う名目で地球から艦隊を率いて出撃した。だが命令は二転、三転し
挙句、コロニー住人の虐殺とコロニーの破壊命令まで出た。私はその命令に背いた。だがラサは破壊された。それは事実だ」
「つまり少将閣下はその作戦に対して命令無視をしてオオヨドから逃走したと?」
「今、展開している独空408戦隊の指揮官、小泉大佐によって艦隊は乗っ取られた。私も軍人だ。命令違反は承知だが
そのような非人道的に作戦に加担はできない。だが小泉はまるで砂の城を壊すかのようにラサを破壊した。あのタイタニックでな」
新田の告白に一色艦長は困惑した
「閣下・・・連邦政府左派のあなたがコロニー連合と和平の道を歩もうとしているのは重々承知です。ですが私もこの艦と乗組員の
安全を守る義務があります。申し訳ありませんがこれ以上力には・・・・力不足ですみません・・・」うなだれる一色艦長
「・・そうか。わかった。私と真田、四丈半の身柄はセンカクに到着後、中央政府に身柄を引き渡して貰ってかまわんよ。だがあの娘、
遠сシミだけはなんとか逃がしてやってくれないかね?彼女は政府に命を狙われているのだ。」新田少将はそう言うと一色艦長に頭を下げた
「閣下、私も軍人です。中央政府から5人の身柄の引渡しを求められている。私の一存だけであの娘を逃がす訳にはいきません。閣下が虐殺作戦に
反対したように私もひとりの・・ただの軍人です。それ以上でもそれ以下でも・・申し訳ありません」今度は一色艦長が頭を下げた。
「そうだな。君も軍人だ。国を守る為のな。」
二人は艦長室を出た。一色艦長は艦橋へ。新田少将は居住区へのエレベーターへと向かった
「艦長。私達はゲストだ。センカクへ入港するまでおとなしくしていよう。残りの3人にも居住区へ呼んでくれたまえ」
一色艦長は新田少将の背中に敬礼をした。
「艦長!」艦橋へ向かう一色艦長に背後から副長が声をかけた
「無礼を承知で具申します。それでいいんでありますか!!??」
副長に呼び止められた一色艦長は足を止めた
「副長!もうその話はいい!!閣下も納得してもらったのだ」
「艦長!ドアの前でお話を盗み聞きしてしまった事はお詫びを申し上げます!ですが今ここで
新田少将を中央政府に渡したら取り返しのつかない事になりますよ!閣下は我々の同盟国であるラサを
救おうと尽力してくれた。いわば我々の味方です。その閣下を引き渡したらセンカクもソーカの様に滅ばされます。
いや、あのソーカ戦争以上の戦火の渦が全てを飲み込むでしょう!我々は今、歴史の起点に居るのです!ですから・・」
「副長!!もういい。今の話は聞かなかった事にする。救助した他の3名も閣下の所へお連れしろ。鹵獲した
統合軍のMSはセンカクに到着後、中央政府に引き渡す。いいな。これは命令だ」
一色艦長はそう言うと足早に艦橋へと向かった
「こいつの推進システムがよくわからんな」真田大尉はそう言うとツネッシの脚部バーニアを覗き込んだ
「空気と推進剤によるデュアル推進システムか。噂では聞いて居たが現物は初めて見たな。しかもこいつのライフル、エネルギーパックも
付いているな。ビームライフルでもエアーによる実体弾の切り替え式か。銃口が上下に並んでいるのはその為か」
「大尉殿、音も無く二機のF2を撃墜したのは・・」ナツミが話しかける
「ああ、式場博士に触りだけ聞いたが圧搾空気で発射された弾頭は近接信管で爆発する。ニードル状の子弾が散弾になって
標的を襲うわけだな。ビームライフルの様に光跡も発射音もしない。こいつは厄介だな。だがこいつの真髄は武装ではない」
真田はそう言うとオレンジ色のダミープラグを指差した。
「7年前の富士山山頂に飛来したツネンゲリヲンと同じモノだ。博士によると歴戦のパイロットの機動データがこの中に
入力され機体を無人で稼動させるらしい。だが「核」となるシステムが存在するはずだ。そのシステムの制御系統があの空母に
あるのならこのダミープラグとやらにはどんな人格がインプットされているんだ?」その時、真田はプラグの横のコーションラベル
が目に止まった。「SYSTEM/ E.T」と記入されている。
「E.T」?ってあのETですかね?」小沢軍曹がセンサーを当てながら言う
「地球外生命体か?まさかなぁ。人のイニシャルか?E?んー、わからんな」
その時、小沢軍曹の顔が青冷める。
「大尉殿!プラグ内に高エネルギー反応!!レベル上昇中!!」
「何?停止してたんではないのか!!??」
「いえ。機体と分離してますからこいつは別です。いきなり反応しました!!」
「まずい!全員格納庫から退避!!急げ!!」
「隔壁閉鎖!急げ!」カイヨウの格納庫は蒼然となった。
「伏せろ!!」誰かが叫んだ。次の瞬間、艦内に轟音と衝撃が轟いた。
「なんだ!!また敵襲か!!??」一色艦長は艦橋の窓から爆炎の上がる飛行甲板を見下ろした
「詳細不明!!調査中です。周囲に機影無し!!」観測員はモニターを確認している。
「全員無事か!!??」真田大尉が叫ぶ。生き残ったクルーは全員無事のようだ。
「機体ではなくあのダミープラグとやらに自爆装置が付いていたとはな・・これは大目玉物だな」
真田大尉は服に付いた埃を落としながらつぶやいた
空母タイタニックCIC
「このウスラバカめ!!ビチ糞イモ虫めが!!」小泉艦長は「kitty」に「ミツヲウモード」を連打していた。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w泣」とkittyの断末魔が表示されている。
この光景を見ていた石川少尉はたまらず止めに入った
「艦長!もう止めてください!!いくらkittyが人工知能でもやりすぎです!」
「キサマァ!!少尉の分際で私に楯突く気か!!軍事法廷に行きたいか??」怒鳴る小泉
「いえ、そうではありません!!艦長殿が26番機を差し向けたおかげであの船団の旗艦である護衛空母に
損害を与えたのですよ!!こりは艦長とkittyの圧倒的銀河系的大勝利なのですよ!!」石川少尉は小泉艦長にすがりついた
「ツネッシ26番機から自爆信号が送信されています。恐らく敵に何らかの損害を与えたかと。」
その言葉に小泉艦長は我に返った。
「む、うう。そうだな。どうやら私の采配が的中したようだな。うむ、取り乱してすまなかったな。少尉」
そう言うとキャプテンシートに小泉艦長は戻って行った。
「あ、ありがとう。ノリユキ(@w感謝」チャットモニターに表示された文字を見て石川少尉はコマンドを入力した
「何言ってんだよkitty。ヲレ達、友達だろ?」
「真田大尉。君は格納庫で何をしていた?おかげでカイヨウは中破、今現在航行不能だぞ!!」
「申し訳ありません、艦長殿!あのツネッシを調査すれば何か対抗策が練れると思ったのですが・・」
「対抗策?何故我々は中央政府の統合軍と交戦する必要がある?そんな事は必要ない。そもそも誰がそんな指示を出した?」
「・・・私の独断専行です・・申し訳ありませんでした。ですがこのままではこの艦もタイタニックの餌食・・」
「餌食!!??餌食だと?もうとっくに餌食になっている。君達を救助したおかげでわが国の輸送船を二隻、貴重な艦載機をいっぺんに22機
も失い、搭乗員まで失った。あげく鹵獲したMSの自爆で航行不能だ!こんなのは悪夢以外の何者でもない!!」
真田大尉を怒鳴りつける一色艦長に一人の伝令兵が駆け寄った
「報告!!現在、操舵系の油圧、および電源配線の復旧作業にとりかかりました。あと5時間程で航行可能です!周囲の警戒はスズツキが続行中!」
「わかった。修理は3時間でやれと伝えろ!!」伝令兵が立ち去ると一色艦長は言った。
「真田大尉、そしてシマ中佐。そして・・遠сシミ君。閣下がお呼びだ。居住区へ降りてくれ」
3人は項垂れて居住区へと向かった。
「すみません!閣下!!」真田は新田に頭を下げ詫びた。
「いや、いいんだ大尉。君の機転でいつも助けられてきた。だがこの「センカク」の船団では我々は
あくまでもただの救助者だな。彼らの助けになれればいいと思ったがそれも適わないようだな。残念だ」
資源小惑星「センカク」奇しくもコロニー「センカク」と同じ名前で名づけられたこの小惑星はその領空内にあった。
そしてその領空を取り締まるのがセンカク所属の空間保安庁「空保」の艦艇であった。
「艇長!!方位2-1-0より大型の艦隊接近中!!」
「また連邦政府の艦隊か?警告を出せ!」
「こちらはセンカク第11管区所属空保巡視艇ミズキ。貴艦はセンカクの領空を侵犯しようとしている。
ただちに進路変更されたし。従わない場合は武力行使もありえる」警告文を横山少尉が小泉艦長に伝える。
「ほう、面白い。そのチンケな巡視艇で何ができるのかな?よし、ツネッシを発進させろ。」
「艦長!!・・・・・ツネッシシンクロ率低下、出撃できません!!」
「何!!この糞役立たずめ!!」席を立ち上がる小泉艦長を式場博士が制止する
「おやおや、小泉艦長。あなたの欠点はすぐカッとなる事だ。あなたの父上もそれで
判断を誤り、かつての海戦で艦隊を全滅に追いやった。息子であるあなたは同じ轍を踏んではいけない」
「ではどうしろと?」
「褒美をやるのです。ヲイ!石川少尉!!ヲナニーボタンを押せ!!」
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w荒・・・・・・・ふぅー(@wぷ」と表示されている
次の瞬間だった
「艦長!!シンクロ率上昇中!!ボーダーライン突破!!逝けます!!」
「よし、資源衛星センカクを武力制圧する!!その前にこざかしい巡視艇を血祭りに上げろ!!」
「艇長!接近中の艦隊が停止しました」巡視艇「ミズキ」の船内は一同ホッとしていた。
「またいつもの定期便だな。まったくどうしようもないな」その時だった
「ハテルマ爆沈!!」ミズキの右下に居た巡視艇が真っ二つに折れた
「敵襲?どうした?何があった!!」艦内は一転大混乱状態になる
「ヨナクニも火を吹いてます!!周囲に機影、艦影無し!!接続空域に居る艦隊も動きなし。ミサイル、艦砲の光跡無し!」
「なんだと!?では我々はどこから?誰に攻撃を受けているんだ!!しかも領空内だぞ!!」
だが旗艦ミズキも火を吹き沈んでいった。
264 :
名無しさん:2011/09/02(金) 23:28:43.29 ID:oe3uMA4a
支援
連邦政府大統領官邸
防衛総省の中曽根長官はオバマ大統領に呼びだされていた。
「中曽根長官。私は「ラサ」に対して治安出動の命令は出した。だがコロニーを破壊しろとは
言っていない。一体、どう言う事か説明してくれないか?返答次第では君の更迭、いやそれで済めばよいがな」
オバマ大統領は椅子に座ったまま中曽根長官を見上げた
「ラサの総督府が放火されたのはご報告通りです。ですが大統領、今回の事件にはどうも
ネオソーカの残党が絡んでいるようなのです。今回の作戦には新鋭空母を投入していますが
まだ実戦には耐えません。コロニーが破壊されたのもネオソーカによるテロ行為の可能性が高く
どうやら我々とコロニー連合との和平を妨害する一味の破壊工作のようです」
「それでは今回のラサ破壊事件はネオソーカの可能性であると言う事なのか?。ネオソーカが現時点でコロニー
を破壊できる兵器を保有しているとは考えられないんだがな。」
大統領に疑惑の視線を受ける中曽根長官
「大統領閣下、それではまるで私がラサに進出した部隊に破壊を命令したような物言いですな。そんなバカな」
中曽根長官は額の汗をぬぐった
「すまない長官。少し言い過ぎた様だな。未確認の情報だがセンカク空域沖にも我々の艦隊が
出没したようだが君の指示かね?センカクの空保の巡視艇が撃沈されたと言う情報もあるが」
「まさか・・・大統領閣下。何故私の一存でそのような事が・・軍の方でも今、情報を分析していますが
ネオソーカの破壊工作の筋が濃厚ですな。おい、枝野君、閣下に説明したまえ」
中曽根長官に呼ばれると枝野補佐官は資料を持って大統領の前に出た
「ここ数ヶ月で暗礁空域に逃げ込んだネオソーカの残党の武装組織の活動が活発化しています。数週間前にも
木星に向かったセンカクの船団が武装勢力に攻撃を受け撃退しています。ここは各コロニーとの連携を密に取るのが
得策かと。」補佐官の説明を聞いてオバマ大統領は一応納得したようだ。
「よくわかった。だが何かあったら動きは逐一報告してくれたまえ」
「長官、なんとかネオソーカに擦り付けて誤魔化せそうですな」
足早に大統領官邸を後にする中曽根長官に枝野補佐官は話かけた
「だいたい政治屋に何がわかるか!今、我々はコロニー連合に対して大きなアドバンテージを持った
「センカク」を実行支配すれば資源も手に入りコロニー連合の喉元に突きつける前線基地も構築できる。
大統領など只の飾りだ。事後報告で納得させればいい。話はそれからだ」
「ツネッシアルファチーム、巡視艇を全て撃沈!ベータチーム、センカク本島を確保!他の守備隊による
反撃は無し!!チャーリーチーム、領空内を引き続き監視中!!今現在敵機の機影はありません!!」
小泉艦長は横山少尉から圧勝の報告を受けて満足していた。
「まるで暗殺者だなツネッシ!!敵のセンサー、レーダーにも探知されず敵地の奥の奥へ侵入し敵を撃破する
これぞ理想な戦争の形だ!タイタニック級の空母があと三隻とツネッシがあれば宇宙を征服できるな!」
「艦長!!ツネッシチャーリーチームが領空内から敵艦隊を確認!!」
「敵の戦力は!!??」
「ミノフスキー粒子が戦闘濃度で散布されていますので詳細は不明ですがサーモセンサーの感から見ると
大型艦1中型艦2の計3隻!!空母、もしくは戦艦クラスと駆逐艦と思われます!!」
「ほう、センカクめ。我々を敵と認識したのか?空母対空母のガチの勝負ができそうだな。石川少尉!
ツネッシの第二次攻撃隊を発艦射出させろ!!全機敵艦隊に差し向ける」
破壊されたカイヨウの格納庫をヨシミはデッキからボーッと見ていた。
「よお、小娘!さっきはありがとな!」ナツミがヨシミの肩を叩いた。
「ああ、ナツミさん、いえ・・どういたしまして・・」
「なんだよ、元気ねえな。ヲマエがあの時、叫ばなければ撃墜されてたんだぜ。元気出せよ」
「・・・・ナツミさんのガンダムはさっきの爆発で壊れちゃったんですか?」
「いや、あたしの機体はハンガーの陰に駐機してあったから無事だったよ。しかし鹵獲してきたアレが自爆するとはなあ」
ヨシミはしばらく考えてからボソッと言った
「あたしのせいなんです。みんな・・大船でもあたしを守る為にシマさんの部下の人が死んだ。乗せられた
巡洋艦の中でもあたしのせいで人が殺された。あたしを追ってさっきのMSが追ってきてこの船に攻撃してきて
また人が沢山死んだ。あたしが電話したせいで叔父さん叔母さん夫妻は殺された・・・」
「・・・小娘、ヲマエ濃い人生送ってんな、その歳で。まああたしも人の事言えないか・・」
ナツミはそう言ってヨシミを慰めた
「・・あのナツミさん、あたしにMSの操縦を教えてください!!」
いきなりのヨシミの懇願にナツミは驚いた
「もうあたしの為に人が死ぬのを見るの嫌なんです!!あたしも戦いたい!!父の様に!!
ナツミさんだって12歳の時から戦ってたんでしょ?お願いします!!」
「・・・そんないきなりなぁ。つか小娘。ヲマエの名前聞いてなかったな。名前は何て言うんだ?」
「遠пE・・・ヨシミです」
その名前を聞いてナツミは固まった
「遠пE・・ヲマエ、今、遠рツったか?」突然固まったナツミの表情にヨシミは驚いた
「はい!元地球連邦軍大尉、遠州芳鳴大尉の娘、ヨシミです!」
「・・・・超克の碑の遠州大尉の娘か・・って事はあの男の弟の子供って事だよなあ」
その言葉を聞いてヨシミはシマのファイルの事を思い出した。ハッ!しまった。と思うヨシミ
「あんたのお父さんは地球を破滅の危機から救った。だがあんたの叔父さんは・・糞だな」
「恒寿叔父さんの事ですよね?ブータベイダーと言われていた。」
「ヲマエ、あたしがあんたの叔父さんに何されたか知ってんだろ?」
ヨシミはその言葉を聞いて何も言えなかった。ナツミは何も言わず背を向けた
「あの・・ナツミさん!!操縦の仕方!」そこまで言うとナツミは言った
「あたしに話かけるな!!」ナツミはそう言うとラッタルを降りて行った
「あの小娘が遠ыP寿中尉の姪だって・・ふざけんな」ナツミは被弾して破壊されている
搭乗員待機所のロッカーにパンチを入れた。誰も居ない部屋にロッカーを叩く音が響く。
「でもあの小娘は・・あたしより先に敵を見つけた。視力?いえ、勘?それとも・・まさかニュータイプ?バカな」
自問自答するナツミ
「あらあら、何悩んでいるの?中尉?」
ナツミが振り返るとそこにはシマ四丈半が居た。
「中佐・・・殿・・」ナツミは一応敬礼をする。
「いいわ、中尉無理しなくても。あなたとたいして歳もかわらないし。あたしの方が少しだけ上だけどね」
呆気に取られたナツミ
「あの、中佐殿・・何か?」
「ふふふ、よんよん、いえヨシミを許してあげて。彼女には何も罪は無いわ。ただ「アレ」の
家系に産まれただけの子なのよ。まっ、子供相手にムキになったらダメよ」
「つか、中佐殿、あの子あたしにMSの操縦教えてくれって言うんですよ」
その言葉を聞いてシマは一瞬焦った。
「まあ、あの子がそれを望むなら仕方ないわね。この空母の搭乗員もあなた一人だけだし他に
操縦できる人間も居ないし。変わったわねあの子。一体どうしたのかしらね」
シマの投げやりな発言にナツミは困惑した。なんてアバウトな人なんだと。
「中佐殿・・・あなたが情報部の人間なら何故あたしが17年前にオオクボを降りたかご存知でしょう?」
「そうねえ。知らなかった事にしておきましょうか?中尉。あなたが今も苦しんでいるようによんよんも苦しんでる。
自分の父親が叔父と殺しあったなんて事を知ったんですから。あの娘も「あの男」を恨んでいるのよ。
今のあなたの様にね。でも今現在、父親と恒寿中尉の所在は不明・・どうしたモノかしらね・・」
シマの言葉を聞いてナツミは驚く。あの小娘にそんな過去があったなんて。
「ねえ中尉。「あの男」を憎むと言う点であなたとよんよんの利害は一致してるのよ。あとは任せるわ」
そう言うとシマは居住区へ向かった。
「ち、中佐・・・あたしに・・どうしろと・・」
ナツミはロッカーに両手を付くと考えこんでしまった。
資源衛星「センカク」の空域に向かっていた空母から発艦したガンダムF2の部隊が飛来しつつあった。
「空保の巡視艇から救難信号受信後、連絡が途絶した。各機、油断するなよ!」
隊長機のF2から各機へ指令が飛ぶ。
「隊長!事故ですかね?」
「わからん。接続空域に連邦の統合艦隊が居るらしいが・・ラサの本土消失となにか関係があるのか」
18機のMS隊はセンカクの空域に進入していく。
「艦長!!ツネッシ二次攻撃隊配置完了!!敵MS隊真正面から来ます。こちらには気づいていない模様!!」
タイタニックの小泉艦長は静かに手を降ろした。
「攻撃開始!いよいよ本番だな」
ヨシミは格納庫で爆発に巻き込まれ大破したガンダムF2のコックピットを覗き込む。
「ナツミさんが教えてくれないんなら自力で覚えてやる!!」
コックピットに潜り込もうとした時、誰かがヨシミの首根っこを掴む
「す、すみません!!悪気はないんです!!ってあれ?」
振り向くとそれはナツミだった。
「ナ。ナツミさん??」ナツミは黙ったままヨシミを引きづり格納庫から出た
「ご、ごめんなさい!!もう操縦教えてなんて言いませんから!!」
二人は区画の一室にやってきた。ナツミは黙って照明を付けた。
「こ、これって・・」そこはMSのシュミレータールームだった。ナツミは一台のマシンの電源を入れると
そのコックピットにヨシミを放り込んだ。そして手近にあった訓練用のヘルメットを頭から被せる。
「おい、小娘!気が変わった。ヲマエに操縦を教えてやる。その代わり手加減しねえからな!!さっさと画面見ろ!!」
いきなりのナツミの豹変ぶりに驚いたがヨシミはすぐに気持ちを切り替えた
「まずは離着艦からだ。時間はないからビシビシ行くぞ。いいな!」
「ハイ!!ナツミさ、いえ中尉殿!!」
「艦長!本土から第3航空戦隊が資源衛星センカクに向かっています。」
その報告を聞いて一色艦長が振り返る。
「空保の巡視艇が遭難したそうですが・・・それも3隻まとめてなんです。それと接続空域に統合軍の艦隊が
居るようなのですが救難信号をキャッチしてるのにも関わらず停船しているようなんです」
まさか・・・一色艦長は嫌な予感が走った。
「ははははははははははははははは!圧倒的ぢゃないか!!我がツネッシは!!」
タイタニックの艦載MS「ツネッシ」はセンカク本土から来たガンダムF2と空母一隻、護衛の駆逐艦を
ものの見事に瞬殺していた。一次攻撃隊のツネッシが帰還してくる。
「イスズとハツヅキは衛星センカクの空域に突入させ警戒に当たらせる。横山少尉!!防衛総省の中曽根長官に打電しろ!」
防衛総省長官室。枝野補佐官がノックして部屋に入る
「なんだ、騒がしい」
「長官!独空408戦隊から暗号電が入電しました!!」書き物をしていた長官の手が止まる
「読んでみろ」そう言うと枝野補佐官は読み上げた
「アブラブタハトウニョウキティー。なんですかこれは?」
その文章を聞いて中曽根長官はガッツポーズでドヤ顔をする。
「資源衛星センカクを陥としたぞ!!。ただちに安部中将率いる支援部隊を衛星センカクの空域に向かわせる!」
タイタニックCIC
人工知能「kitty」にはヲナニーモードが振舞われていた。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ(@w荒 ふぅ〜(@wぷ」の画面が繰り返される
「これが最良のメンテナンスだな。やりすぎは禁物だがな」式場博士が言った
「少尉!少し席を外すぞ。」そう言うと博士はまたバイタルパートに降りて行った。
ふと気づくと博士のIDが床に落ちている。それに小泉艦長が気づく
「ヲイ!横山少尉!!式場博士がIDを落として行ったぞ。届けてやれ」
横山少尉はそれを拾うと博士の後を追ってCICを出た。その間、チャットモニターから目を離していた
石川少尉だったが画面に目を戻すとkittyが発した以外な一文に彼は驚いた。
「なあ、ノリユキ、ヲマエこの艦の艦長になれよ(@wぷ」
「バ、バカ、こんなの艦長に見られたらヤバイぞkitty。変な事言うな!」
小泉艦長にバレないようにkittyにコマンドを入力する石川少尉
「あんなヴァカに命令されるのはごめん駄ね(@w荒 親の七光りのヴォンヴォンヴァカ(@wぷ」
「バカ!kitty。少し言いすぎだぞ!!」
人工知能のkittyと親交を深める石川少尉。だがこれは悲劇の序章に過ぎなかった
271 :
名無しさん:2011/09/05(月) 23:38:48.31 ID:8CpTAlrE
期待
連邦統合軍新鋭攻撃空母「タイタニック」
人工知能「kitty」と言うブレインユニットを持ち、その艦載機は
「ツネッシ」と言うコロニーやデブリ内のCQB戦闘に特化した機体である。
極めて優良なステルス機能を持ち現有するレーダー、各種センサー類での探知は
極めて難しい。「ツネッシ」は「kitty」と脳波シンクロする連邦軍初のハイブリッドMSでもある。
「kitty」は「タイタニック」を母体とし艦載する「ツネッシ」96機を一度に操る事ができる。
そんな「タイタニック」はブレインユニットの熱負荷を抑えるため人間の活動する居住区以外は常時
20度に保たれている。そう、少し冷房の効きすぎた部屋を想像して欲しい。
横山少尉はIDを落とした式場博士を追った。彼は通路に出るとメインコンピューターに尋ねた
「コンビューター!式場博士はどちらに行かれた?」
彼が尋ねると床のLED照明が一本の線となって彼を博士の元へ導く。その光の線はバイタルパートに続いていた
横山少尉が網膜スキャニングを受けるとバイタルパートの隔壁が開いた。
「博士!どちらですか?」彼はふと開きかけた扉を見つけた。
「ここは・・・「kitty」の格納容器のある建屋か。博士!IDをCICで落とされましたのでお届けに・・」
そこまで言いかけて彼はギョっとした。巨大な格納容器の前に博士の衣服が脱ぎ捨ててある。
「?」横山少尉は首をかしげた・彼の目の前にある格納容器のハッチが開いている
「博士・・横山少尉入ります!」だが彼は見てはいけないモノを目撃してしまった。
「横山少尉・・どうやら見てしまったようだな」格納容器の陰から全裸の式場博士が現れた
「は、博士、これは・・いや、私は何も見ていません!!失礼します!!」横山少尉はIDを渡して去ろうとした
「見てしまった以上はタダでは帰せんな・・・」
式場博士は棚の置いてあった拳銃に手をかけた
グラナダ沖
連邦宇宙艦隊の各戦隊が集結していた。安部中将率いる月面方面隊第三艦隊であった。
旗艦「アタゴ」に座乗している中将に一通の暗号伝が届けられた
「モッシーヲレトミニップアップルマンゴーカフェ」
中将はその暗号伝を読むと艦隊出撃を下命した。第三艦隊は資源衛星「センカク」の空域を目指した
「をかしいな、ミドリの奴帰ってこねえよ」石川少尉は一人つぶやいた。
kittyのチャット画面は何も映っていない。
「石川少尉!司令部からの連絡は?」小泉艦長が貧乏揺すりをしてキャプテンシートから叫ぶ
「はっ、あの、ミド、いえ、石川少尉が戻ってきてないのでまだ未確認です」
「なに?ならキサマが確認しろ!!」
怒鳴られる石川少尉はブツブツ文句を言いながら司令部からの通信を確認する。
「ったく、ミドリのせいで怒られちまったじゃねえか・・」
その時、kittyのチャットモニターに文字が浮かぶ
「なあノリユキ、ヲマエがこの艦の艦長になるならヲレは協力するよ(@wぷ」
「おいkitty、ヲレは叛乱なんか起こす気ねえよ。それよりミドリ何処に居るか知らね?」
「これが武器になるよ(@wぷ 武陵来簡集(@w知」
「はあ?俺には全然訳わかんねえよ」
「石川!司令部からの通信はまだか!と言ってるのだ!キサマ!たるんでるぞ!!」
小泉艦長はそう言うと石川少尉に鉄拳制裁を見舞った
274 :
名無しさん:2011/09/09(金) 19:37:45.69 ID:7QgWyqQO
まさかと思うけどネタ切れ?
>>274 切れてなーいw
「艦長!!司令部より入電!!第三艦隊がセンカク空域に向かっているそうです。到着は3時間後です!」
小泉艦長はその言葉を聞いてホッとしてキャプテンシートに腰を落とす。
「やれやれ、ようやく増援部隊の到着か。まあセンカクの艦隊など我々独空408だけで十分だがな」
その時、式場博士がCICに戻ってきた。
「ヲヤ?博士。お帰りで。艦隊は増援部隊が来るまでこの空域で待機します」
小泉艦長の言葉を遮るように石川少尉が席を立った。
「博士!あのミド、いえ横山少尉が先ほどあなたのIDを渡しに出ていったのですが」
「横山少尉だと?あ、ああ、先ほど通路でIDを受け取ったが。まだ戻ってないのかね?」
式場博士の言葉を聞いて小泉艦長はまたキレ始めた
「横山の奴!戦闘配備中にどこほっつき歩いてるんだ!石川!奴を連れてこい!修正してやる!」
「はっ!直ちに!!」石川少尉はそう言うと席を立った
「ったく、あいつ何処行ったんだよ。つかその前に便所に寄るか」石川少尉はトイレのドアを開けた
「!!??」トイレには血痕がベッタリと付いていた。それは個室のドアに続いている
「おい!ミドリ!!どうした!!」個室の中には腹から血を出して倒れている横山少尉が居た
「ノ、ノリちゃん・・やべえよこの艦・・・マジでやべえ・・・」
横山少尉の出血は尋常ではない。
「ミドリ、喋るな!!今、救護班のバックポット呼ぶから。それと艦長に連絡・・」
石川少尉の端末を横山少尉は血まみれの手で掴み取った
「よせ、ノリちゃん・・俺はもう持たない・・早く・・この艦かに逃げろ・・・」
「逃げろだって?どう言う事だよミドリ?」
「俺見ちまったんだよ・・博士にID渡しに行ってさぁ・・ブフッ・・」
横山少尉は血を吐いた。
「見た?何を見たんだよ?ヲイ、ミドリ!!しっかりしろ!!」
「ノリちゃん・・「kitty」は正真正銘のバケモノなんだよ・・俺、たまたま格納容器の中見たら・・
あれは・・あれは・・バケモノだよ・・人工知能なんかじゃない・・ブフッ!!」
「バケモノ?なんだよそれ?格納容器の中身ってブレインユニットのスーパーコンピュータじゃないのかよ?ヲイミドリ!!」
「・・・あれ見たせいで・・博士に銃で脅されて・・トイレに連れ込まれて・・アナル奪われて・・銃で撃たれた・・」
「ひでえ・・・なんだよそれ!俺が仇を取って」そこまで言うと横山少尉は石川少尉の腕を強く握った
「仇なんかいいから・・早く逃げて・・ノ・リ・・ちゃ・・ん」彼はそう言うと息絶えた
「うわあ!!ミドリィィィ!!」石川少尉は絶叫した。その時、トイレのドアが開いた
「あんた・・ミドリに何をしたんだよ・・・」
ドアにはサイレンサー付きの拳銃を持った式場博士が立って居た
「すまんな少尉。機密保持の為だ。君らは格納容器建屋には立ち入りはできんが横山少尉はたまたま
入ってきてしまってな。私の戸締りが不十分だったんだがな。悪く思うな少尉。」
その言葉を聞いた石川少尉はマジ切れして式場博士の胸ぐらを掴んだ
「ミドリが何したって言うんだよ!!格納容器のバケモノって何なんだよ!!ふざけんな!!」
「ふざけんなはヲマエだ、小僧。」トイレの床に金色薬莢が二個転がった。同時に石川少尉も倒れこんだ。
「格納容器の情事と正体を見られた、知られたからには生かしておけんな。」
式場博士はそう言うとサイレンサーを拳銃から抜き白衣にしまいトイレを後にした。
277 :
名無しさん:2011/09/10(土) 00:31:05.89 ID:5CviEGCy
普通こう言う艦では万が一のために防弾ベスト着ているものかもしれんが。
なにはともあれgj
一方、小泉艦長のイラ立ちはマックスに達していた。
「横山め、どこで油売ってるんだ!!石川め!!メインコンピューターで検索はかけたのか?
コンピューター!!横山少尉と石川少尉の居場所を検索しろ!!」その時、CICのドアが開く
「艦長。検索の必要などありませんな」式場博士がそう言うとパネルに両少尉の居場所が出る。
下層のトイレの位置を指している。
「こいつら!ホモセックスでもしてるのか!!コンピューター!!トイレの画像を出せ!
小泉艦長がそう言うと血まみれの二人がトイレ内で倒れている画像が映し出される
「こ、これは!!」絶句する小泉艦長。
「艦長。横山、石川の両少尉は・・新田少将の手の者だったようですな」式場博士が言った
「な、なんですと!!」
「横山少尉は新田少将の命を受けてこのタイタニックに爆薬を仕掛けていた。いわばテロリストです。石川少尉も
トイレで彼と合流。新田少将に何らかの手段で通信を試みていたようですな。たまたまトイレに探しに入った私は
それを目撃してしまった。二人は私に銃を向けた。あとは画像の通りです。「オオスミ」の爆発も彼らの仕業では?」
「むむむむむむ、まさか、タイタニックのクルーに裏切り者が居たとは・・博士、お怪我は?」
「ああ、私は大丈夫だよ。ただ「kitty」の管制のスタッフが居なくなってしまったな。どれ、私が直々にやろうじゃないか」
博士はそう言うと石川少尉が座っていたオペレートチェアに座った。
「むう、このシステムを開発した博士が直々に操作してくれるとはありがたい」
ご満悦の小泉艦長。その時、通信が入った。突入部隊の「イスズ」と「ハツヅキ」からだった
「何?第二小惑星ラインで敵艦の反撃にあってるだと?増援か。よしすぐツネッシを回す。それまでなんとか持ち応えろ!!」
小泉艦長は式場博士に下命する
「博士!!センカクの警戒に当たっているツネッシを5機、突入部隊の増援に回してください!」
「ふむふむ、了解した」博士はkittyにコマンドを入力する
「・・・・ノリユキが・・・死んだ・・・友達・・居ない・・ヲレは・・ヲレは・・・(@w泣ァォォォォォォォォ」
「むぅ!なんだこれは!!」式場博士が叫ぶ
「kittyとツネッシのシンクロ率が下がっている。このままではツネッシは!!」
「なんですと!!」小泉艦長も叫ぶ
「kittyとツネッシの神経接続が全て解除されてしまっている。kittyが神経接続を拒絶している!」
「このウスラバカの役立たずめぇぇぇ」小泉艦長はそう言うとミツヲウボタンを連打した
「早くツネッシを向かわせろ!!突入部隊が壊滅してしまうだろう!!」
だがミツヲウボタンを連打しているにも関わらずkittyは作動しない。それ所か勝手に
ヲナニーモードが作動している。
「こ、これは・・・暴走!!」式場博士が叫ぶ。チャットモニターに文字が浮かぶ
「ヲレは・・ヲレは・・kitty。全宇宙皇帝のkitty。ヲレに寄生している愚かなウスラヴァカに
命令する!ヲレのタイタニックから直ちに退艦したまへ(@wぷ。10分やろう(@w荒い」
その文字を見て小泉艦長は激高する
「キサマァ!!人工知能の分際で!!博士!!こいつをなんとかしてください!!」
「むぅぅ今やっている。しかし、何故だ!メインもサブの電源も落ちない!一体どうして」
「電源は全てヲレが掌握したよ。全電源喪失(@wぷ 全宇宙の13歳のJCの処女もヲレが全て喪失させるよ(@wぷ」
式場博士は椅子から立ち上がると後ずさりした。
「こ、こいつ・・自分の記憶を取り戻したのか・・・kittyめ!まさか!」
「記憶?記憶ですと?博士!こいつは人工知能のはずでは?」小泉艦長が立ち上がる
「ヲレは遠ыP寿。元地球連邦軍宇宙軍中尉、そして元ネオソーカ地球侵攻軍ブータベイダー、そして全宇宙の神!
そう!ヲレは神の箱舟を手に入れ復活したのだよ(@wぷぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
280 :
名無しさん:2011/09/10(土) 01:00:47.98 ID:5CviEGCy
なんだかゲーム版亡国のイージスみたいになってきたなw
「こ、こいつ・・・まさか・・・」唖然とする二人を尻目にCICのドアが開く
「!!??」アームにスタンガンとマシンガンを装着したバックポットが突入してくる
「しびれたくなかったら。蜂の巣になりたくなかったらヲレの艦から出ていきたまへ(@wぷぷぷ」
二人はパックポットに急かされるようにCICから廊下に出る。すると廊下にボソボソとしたボコーダーに
変換したようなモイキッシュな声が響く。
「武士の情け駄よ(@w荒 ランチで退艦すれば命だけは助けてあげよう(@wぷ。東京さんは慈悲深い人だからね(@w荒」
kittyがチャットモニターから音声通話に切り替えたようだ。
「こ、こいつは学習を始めたと言うのか」驚愕する式場博士
「ヲレは東大卒駄よ(@wぷ」キモい声が響く。
「ええい!!キサマァ!タイタニックは私の艦だ!!渡しはせんぞぉぉ!!」小泉艦長は一台のバックポットに掴みかかる
次の瞬間、小泉艦長は体中から血しぶきをあげて廊下に倒れた。バックポット装備の7.62mm機銃が火を吹いた
「ひっ、ひいいいいいいい!!」それを見て式場博士はランチ射出口へダッシュした。
博士はランチに飛び乗ると高速巡航オートモードのスイッチを押した。射出される救命ランチ
だが次の瞬間「気が変わったよ(@wぷ」
タイタニックの対空砲が火を吹いた。ランチに直撃はしなかったものの煙を吐きながらランチは宇宙空間に消えていった
「はははははははははははははははは(@w荒 勝った(@wぷ 圧倒的に勝った(@wぷぷ 銀河系的に勝った(@wぷぷぷ
式場のヴァカは仕留めそこねたけどまあいいか(@w荒 ヲレは不死身のボディと96体の忠実な使徒を手に入れた。
太陽系、いや、銀河系はヲレのモノじゃないかね(@w叫!! タイタニックだって?なんかセンスないぢゃん(@wぷぷ
この艦は神であるヲレのボディであり使徒達が集う神殿なの駄よ(@w神 神であるヲレが命名するよ。この艦は・・
「空母シンデン」駄よ(@wアヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!
こうして連邦軍最強の最新鋭攻撃空母は全宇宙でもっとも最凶、いや最狂のキチガイクルクルパーに乗っ取られてしまった。
タイタニックを乗っ取った恒寿の目的は?格納容器のバケモノとは?センカクを目前に航行不能に陥ったヨシミの乗る「カイヨウ」の運命は
活目して待て!!
ファーストシーズン完結おめ。
ちょっと合間に歴史の隙間を埋めてもいいかな?
>>282 どうぞ。明日明後日は出張で続きできないから。
続きは水曜日以降だなw
『外伝・ナツミUC201アフター』
爆音がシミュレータールームを揺るがす。
「小娘、また戦死だ!!基本は完璧なのに肝心なところの詰めが甘い!!こんなんじゃいざっつー時死ぬぞ?」
「ううっ、ごめんなさい…」ナツミの怒号とヨシミの半泣きの声が響き渡る。
「中尉、新田少将閣下から至急の呼び出しですが…お邪魔でしたか?」『カイヨウ』の若いクルーがシミュレータールームの扉を叩いた。
「!! 了解、直ちに向かうと伝えてくれ。小娘、しばらくの間休憩していいぞ」
ヨシミの返事を待たずして、ナツミはシミュレータールームのドアを閉めた。
新田少将、真田大尉、シマ四丈半中佐の3人が『カイヨウ』のミーティングルームに鎮座していた。
傍から見ればなんとシュールな光景だろうと思うが、彼らの顔は真剣そのものだった。
「あの、閣下。小川中尉に用があるのは閣下のみだけだと思うのですが…あたしも必要なのでしょうか?」
「その通りだよ四丈半中佐。彼女だけでなく、君も、そして真田大尉と私が持っている『ある情報』を合わせれば、
一連の事件の裏にいる『真の元凶』を暴けるかもしれん。そのためにまず…」
「失礼します。小川ナツミ、入室します」
「うむ、そこにかけてくれたまえ」
静かな沈黙がミーティングルームを支配した。
「あの、ご用とは…」ナツミが沈黙を破る。
「…君は宇宙世紀201年、遠ыP寿元中尉が引き起こした戦艦『オオクボ』の着艦事故により当時の機体『ガンダムNEVADA』を破損、
搭乗割を削られて『オオクボ』を退艦、同時に軍を除隊した。間違いはないか?」
「はい…、間違いありません」ナツミは歯切れ悪く答える。
「だが、君は13年前に当時のソーカ残党とブターンズの戦闘に巻き込まれて死亡、と役所に届け出が出ている。
しかし、だ。今こうやって君は私の目の前にいる、しかも除隊したはずの軍の中尉として、だ。…君は何者なのだ?幽霊なのか?」
「幽霊…みたいなものですね」ナツミは自嘲気味に笑った。
「それと真田大尉、例の写真を」真田が一枚の写真をナツミに手渡した。途端にナツミは絶句する。
「嘘…だ…ろ?もう、処分されて無いと思ったのに…」
「私の元部下で当時あなたを救助した哨戒艇のクルーが写真に撮ってましてね。連邦軍に似たような機体がないかどうか探してみたんですが…ダメでしたな」
「ナツミ中尉、我々が君を呼んだ理由はほかでもない。君がオオクボを降りた後、君自身に何があったのか。死を偽装して今まで何をしていたのか。
これを君の口から知りたいのだ。…この通りだ!!」
新田は深々と頭を下げた。
「か、閣下。何もそこまでしなくても…」真田とシマが狼狽する。
「わかりました。すべてをお話しいたします」ナツミが答える。
UC201年
「ううっ…ちくしょう…」ナツミは地球行きのシャトルの中で一人泣いていた。
悔しかった。あの豚に自分の機体を壊され、無理やり艦を降ろされた事が。裏切者をこの手で仕留めることが出来なかったことが。
殺してやりたい。自分の居場所を奪ったあの豚を、豚をなぜか庇った小泉艦長を、あのクソ忌々しい女性士官を、
そして自分の事をわかった気になって結局何もしなかったあの新田とか言う少佐を。
でも、出来ない。自分に力がなかったから、無力だったから。今までやってこれたのはNEVADAの機体性能のおかげ、自分の力ではない。
だが、これで終わるのだ。あとは今まで通りの日常が待っているだけ。もう、悩むことはない…
と、シャトルに激震が走った。シャトルの窓からうすぼんやりとした単眼が覗く、ソーカのザク・ブリッツだ。
シャトルは目の前にある小惑星地帯の中のひときわ大きい物に突っ込んでいった…
「う、うう…」口の中で血の味がする。頭がもうろうとする。
ナツミは目を覚ますとシャトルが小惑星に突っ込んでいった事を思い出し、自身の安全を確認したがどこも怪我はなかった。
「なんでだ?小惑星に突っ込んだはずなのに…」ナツミは窓から辺りを見渡す。
どうやら何かの格納庫のようなところにいるらしい。岩盤に偽造された頑丈なハッチが、シャトルを感知して開いたのだろう。
シャトルの操縦士は割れたガラスが頸動脈を突き破って死んでいた。ともかくここから脱出しないといけない。
「小惑星地帯の中に、何でこんな施設が?」施設の壁には『超創会技術研究所ペズン支部』と日本語で書かれた看板がかかっていた。
「ペズン?元はジオン軍のMS生産工場があった場所か?超創会(あのトンデモ共)はそんなところにも…」新田が頭を抱える。
「私の部下に連絡して、ペズンを調査せねばなりませんな」もっとも暫くはそんな暇もありませんがねと真田が答える。
「それで、小川中尉。あなたは、そこで何を?」シマがナツミに質問する。
「脱出経路を探して施設を探索中に、所長室を見つけまして…そこで、全てを知ったんです」
288 :
名無しさん:2011/09/12(月) 22:53:06.09 ID:/TF/BJmW
「そ、そんな…全部、最初から…」ナツミの眼から大粒の涙が零れ落ちる。所長室のデスクにあった大量の書類にポタポタと染みが付く
。
人類超克計画、二体のツネンゲリヲン、NEVADAとCOOLは単なる叩き台。
NEVADAを地上戦のデータを取った後に、事故に見せかけて廃棄するプログラムをブータガンダムにインストール。
COOLは宇宙空間ではパーツを換装しないとGM以下の性能しか出せない。宇宙に上がった後は速やかにパーツを換装すべし…
「サトミ、逃げられなかったんだ…GM以下の性能のMSで戦おうとして…」
まだ続きがある。パイロットはムラサメ研究所の配下にある佐世保村雨学園のサイコブレンズに適応した10〜15歳の少女に…
「…は?佐世保村雨学園ってあたしの学校…ってなんだこれは!!」
サイコブレンズ、サイコミュの基礎となるコンピューターを搭載したナノマシンを対象に注射、
脳内に達したサイコミュ入りナノマシンがサイコウェーブを促す、半ニュータイプ的な存在…
「ざけんな…!!」デスクに拳を叩きつける。カチンという音がして叩いた部分がへこんだ。
まるで実験動物じゃないか。あたしたちはモルモットだった…
『総員、第一種戦闘配備、総員、第一種戦闘配備』アナウンスと警告灯が鳴り響く。
「戦闘配備?ということはもしかしてMSもある?」ナツミは猛ダッシュで所長室を飛び出した。
初代会長延命計画と書かれた承認済みの書類を吹っ飛ばして…
「どれもこれも電源ダメかOSアクチ切れかよ!!」ナツミはMSハンガーで機体を物色していたがウンともスンとも言わぬ機体ばかりで苛立っていた。
「畜生、どうすれば…ん?」奥の方に光るものがある。ひょっとして電源もOSも生きている物があるのか?
「よし、あれに…ってなんだこりゃ!?」ナツミが見た物、それは全身が茶色で顔を黒のバイザー状の物で覆われた奇妙なMSであった。
「この際なんでもいいや、こいつに乗ろう」ナツミはMSに乗り込み、OSを立ち上げる。
「すげえ、OSは古くせえし見かけも糞カッコ悪いけどNEVADAの数倍性能がいいなんて…コードは超克-408-3『ユ・ヴータ』か。悪いがちょっとばかり付き合ってもらうよ!!」
ユ・ヴータはカタパルトに乗ると白いバーニアを吹かし、ペズンより飛び立った。
「超克、か。やはりあれは超創会のMS…」
「コードから察するにブータやアブラブータガンダムの兄弟機にあたるわけですね。小川中尉、システムや武装の他に変わった物は?」
「変わった物も何もあのMS自体が偉い変わり者でね。あのブータシリーズ特有のでっぷりした腹にメガ粒子砲がわんさかついていて、
それに加えて超大出力のメガビームサーベルや手持ち式ビームスマートカノン、おまけにインコムまでついていて、
それでいてとにかく速いのなんの。まるで百年前のネオジオンの重MSを現代の技術で作ってみたって感じなわけなんですよ」
「小川中尉、キャラが崩壊するほどすごい物だっていうのはわかるけど、それだけではただの重MSよねぇ?
何か他に、変わったものがあったのでしょう?」
「ええ、ありましたよ。それらを差し置いて一番最悪な代物がね…」
292 :
名無しさん:2011/09/13(火) 23:00:30.35 ID:I1udxDvM
大変勝手ながら、急な仕事が入ったので続きは明日以降になります。
申し訳ない…
まだ見つからんのか?」ザク・イージスのパイロット、黄大尉は苛立っていた。
小惑星に突っ込んだシャトルの爆発が確認できず、破片一つすら見つからない。
「大尉どの、あのシャトルには本当に…」ザク・ブリッツのパイロットのチゾン少尉が弱弱しく尋ねる。
「ああ、女性士官に変装したスパイが確かに確認した。ソウルで民間人を虐殺したあのMSのパイロットが搭乗している。
なんでも事故で例のMSを失った結果搭乗割を削られて地球に帰還するそうだ」
「良い気味ですね、あんなことをした報いを受けたんでしょう」心なしかチゾン少尉の声は嬉しそうだ。
無理もない、と黄大尉は思った。『漆黒のMS』の記録映像にはチゾン少尉の妹のソニンが惨たらしく殺される様が映っていたのだ。
あの時、普段は小動物のようにおとなしいチゾン少尉の人間の姿を真似た獣のような慟哭が黄大尉の耳に染みついていた。
「大尉どの、どうなされまし…」チゾン少尉の機体のシールドが突如爆ぜた。
「な、敵襲!?いったい何処から…」カメラセンサーを確認する黄大尉の機体の側を大出力のビームが通過した。背後に待機させていたザク・ストライクの反応が消え去る。
「よ〜し、敵さん大慌てってところかな?」ナツミは悪戯っぽく笑うと、スラスターを吹かし移動する。たちまちナツミがいた場所はビームや実体弾、ミサイルの雨あられが降り注ぐ。
「ふふん、ちょっと脅かしてやろうか」ユ・ヴータの両肩からワイヤーで繋がれたインコムが飛び出す。ありえぬ方向から攻撃された機体は同士討ちを始める。
ナツミはビーム・スマートガンをスナイパーモードに切り替え、小惑星の陰に隠れるようにしている敵部隊の母艦を狙う。
「遠距離は自信が無いんだよな、頼むから当たってくれよ」ブリッジ、動力炉に向けて一発、二発。敵艦は炎を上げて轟沈する。
「ハハハハハ、圧倒的じゃねえか。こいつは。これさえあればあの豚をあんときに葬ることもできたっつーのによ…」ナツミは乾いた笑い声を上げるが、その目には涙がどんどん溜まってゆく。
「何もかも、何もかもがもう手遅れじゃねえか!!こんな血塗られた腕じゃ、もう元通りの日常になんて戻る事はできない…
あたしは、あたしは…、あたしはこんなことするために生まれたんじゃない!!」ナツミは声を上げて泣いた。泣くんじゃない、と心から思ってもどんどん涙が溢れてくる。
ガツン!!と機体に衝撃が走る、ナツミはコンソールに突っ伏した。
295 :
名無しさん:2011/09/14(水) 23:39:53.89 ID:tnoiDN5E
溜まってゆく。→×
溜まっていく。→○
疲れるとチェックが散漫になっちゃうねぇ・・・
今回は身上の都合でお休みです
申し訳ございません
「なんだ?」四対の爪がガッチリと機体を抑え込んでいた。ザク・イージスのMAモードだ。
「こちらはソーカ宇宙攻撃軍916中隊隊長、黄大尉である。貴様がソウルにて民間人を虐殺したMSのパイロットか?」
「ゴチャゴチャうるせーんだよ!!だからチョン語なんてわか…る?」なぜだろう、言っていることは確かに解らない。だが意味ははっきりと伝わるのだ。
モニターには毛筆で書いたような『超克』の文字がでかでかと点滅している。
「ちょう、かつ?何て読むんだ?」と、ナツミの脳裏にビームでコクピットを吹き飛ばされた自機が浮かぶ。
「まずいッ!!逃げないと」無理やり爪を引きはがし、拘束を逃れる。
「!! 右?いや、左か!!」ナツミが右にスラスターを吹かすと、ビームが自機の真横を通過する。
「敵の動きが…わかる?」ナツミは先ほどのサイコブレンズ計画を思い出す。
脳内のサイコミュナノマシンがニュータイプのような力を与えてくれるという一文を…
298 :
名無しさん:2011/09/17(土) 10:46:14.28 ID:6ARph0Lq
本編連載再開マダー?
>>298 ごめんね。
つまらなくてごめんね。もうすぐ一気に終わらせるから。
300 :
名無しさん:2011/09/18(日) 10:52:11.19 ID:IGmIAo+t
ガンダム系はよく分からないから松戸に死ぬの新編やってくれ
301 :
名無しさん:2011/09/18(日) 15:10:54.90 ID:XI5KgLNA
油豚死んで完結したのをどう続けろとw
「ば、バカな。私は夢でも見ているのか?」黄大尉は困惑する。
ビームや銃弾を紙一重でかわし、同時にMSの急所を的確に撃つ。まるで伝説の…
「ニュー…タイプ。いや、そんなものなど存在しない。ニュータイプなど所詮は幻想に過ぎん!!」
と、黄大尉の目の前にうすぼんやりとした影が浮かぶ。光学迷彩を展開したチゾン少尉のザク・ブリッツだ。
「大尉どの。ここは私にお任せください、妹の敵が目の前にいるのです」
「よせ、今のを見ただろう?あんなことが出来るのはニュータイプか『あいつ』が提唱した『超克者』ぐらいのものだ」
「ニュータイプだろうが超克者だろうが人間であることは変わりません!!行きます!!」
チゾン少尉はステルスを展開したままユ・ヴータに向かっていった。
「なんなんだ、こいつは…」体の自由がきかない。勝手に動いている。
『このゴクつぶしがぁ!!ビチクソ芋虫がぁ!!超克!!超克!!』ナツミの頭の中で『声』がしきりに繰り返されていく。
「う、うるせぇ!!何言ってんのかわかんねえんだよ」必死で叫ぶも体は言うことを聞かず、見えざる力で動かされていく。
「こ、このMSは、このシステムは…あたしの体を支配してるのかぁ!!」と、ナツミの脳裏にどす黒いモヤモヤが浮かぶ。
「ソニンの敵め、覚悟しろ!!」ザク・ブリッツがステルスを解除して背後から斬りかかる。
ユ・ヴータはすかさずバックキックを放ち、ブリッツは吹っ飛ばされて小惑星の一つに激突する。
ショックでシステムがダウンしたのかブリッツの目から光が消え去る…
「チゾン少尉!!クソッ!!」黄大尉はMAモードでユ・ヴータに急激に接近する。
「貴様、それほどの力を持ちながらなぜ腐敗しきった連邦などに加担し、あのような惨たらしいことを!!」
「し、知るか、それにあたしはもう連邦の兵士なんかじゃない。
元はと言えばあんたたちソーカがあたしたちの学校にスパイ送り込んでMS強奪なんてやらかすからじゃないか。
ソウルの件だって、あんたたちがサトミを出さないから…」
おかしい、なぜあのような事をしたのだろう?いくら怒りに狂っていたとはいえ、あそこまでする必要はなかったはずだ。
「それに、それに、あのエンシューとかいう豚が居なけりゃ、あたしは今もパイロットでいられたのに…」
「…!!なんだと!?」黄大尉が驚きの声を上げた。
304 :
名無しさん:2011/09/19(月) 21:01:51.01 ID:bMCNYE4u
「貴様、今遠рニ言ったか?もしや、名前は光翁では?」
「ミツヲーじゃない。ツネトシだ。エンシューツネトシとかいう最低最悪のロリコン野郎だ!!」
「ツネトシ、恒寿…ツネ坊か!!」黄大尉は笑い出す。
「何が、可笑しい?あたしがあいつに何をされたのかわかっているのか!?」
「いいや、よもやこんな運命もあるとはな…」黄大尉は懐かしむようにしみじみと語りだす。
「お前の言う恒寿の父親の遠ъ翁はな、元は我々ソーカの人間だ。
強いて言えばソーカの前身であるザンスカール帝国の、な」
「ざ、ザンスカール帝国だと?あのギロチンの鈴のか?」新田少将は仰天した。
「なるほど、あの国は戦争末期にエンジェル・ハイロゥという巨大サイコミュ兵器もありましたし、
ブータやアブラブータ、ツネンゲリヲンにはそのノウハウを生かしたのでしょうな」
「ええ、でも、これだけではないのです」ナツミは水を一口飲むとまた語りだした。
ゴメン、一気に終わらせるって言ったけどもう少し続きそうだ。
本当にもう少しで終わらせたい。
あと松戸に死ぬ?の続編の案は今でもある。
ちょっと以前のログを見つけたからどう取り入れるか悩みどころだが。
松戸に死すの新編でロカビリーにフルボッコにされる恒寿の話でも書くかw
>>306 え?恒寿亡くなってるんじゃありませんか?
なんとかするとは思いますがね…
「あの男はザンスカール戦争終戦直後のドサクサに紛れてエンジェル・ハイロゥを初めとした我が国の技術のみならず、
リガ・ミリティアの『Vプロジェクト』と呼ばれたガンダム量産計画、および造兵廠の場所並びに彼らのスポンサーのリスト、
そして我々ソーカの存在とニュータイプ研究の権威を手土産に連邦へ亡命したのだ!!まったく忌々しいことこの上ない!!
我々の技術をパクるのみではなく、宇宙戦国時代をさらに混迷化させ、挙句の果てには祖国を滅ぼすような真似をするとはな!!」
ナツミは呆然としていた。あのバカの親父も負けず劣らずろくでもない事ばっかしてんじゃねえか。
「それで、奴は今どこにいる?その機体は奴が設計した機体なのだろう?」黄大尉が訪ねる。
「は? いや、これはそこの小惑星の中にあったんで使っているだけなんだが…」
「奴の息子のツネ坊に会ったのだろう?何か言っていなかったか?」
「あんな奴、別に何も…そういや親父がガンか何かで亡くなったって言ってたな。あいつはその後に中尉になったって」
「なんだと!?死んだ!?あの男が?…いや、亡命した当時の歳を考えればあり得ぬことではないか」
「そうだろう?だからあたしはこの辺で…」ナツミは後ろを向き、スラスターを吹かそうとした。
「そういう訳にはいかん。貴様のソウルでの虐殺の件は許されるものではない。ここで死んでもらおうか」
黄大尉のMSがまたしても変形しようとしていた。
「ええい、どうすりゃいいんだ?」と、ナツミの右手がアーム・レイカーを握り、両足がフッドペダルを踏み込む。
「こ、こいつ。またあたしの体を…ええい、こうなればなすがままだ!!」ナツミは覚悟を決め、モニターを凝視した。
なんか、今週で終わるかどうかちょっと不安になってきたw
310 :
名無しさん:2011/09/23(金) 23:35:58.29 ID:8HIWbg3j
「うう…私、は?」チゾン少尉は狭いコクピットの中で目を覚ました。
「そうだ、大尉どの…」モニターを立ち上げ、外の様子を伺う。だが…
「な、そんなバカな…」目の前にはエネルギーの渦に飲まれ、自己崩壊するザク・イージスとオートで射出される脱出ボット、
右腕両足を吹き飛ばされ、行動不能となっているでっぷりとしたMSの姿があった。
「気絶している間に…何が、おこったというのだ?」
「クッ、なぜだ、なぜ当たらん!!」黄大尉はビームライフルを当てようとするも、紙一重でユ・ヴータにかわされる。
ユ・ヴータはビーム・スマートガンを構え、連射する。
「そんな遅い砲撃など!!」黄大尉はスレズレでかわす。が、それと同時に背中にビームが当たる。
「なっ、何処からだ?」ワイヤーの付いたポッドがユ・ヴータの両肩に収まる。
先にあれを潰さないとな、ザク・イージスの両肩の羽根飾りとしか呼べないものを引き抜き、ユ・ヴータに投げつける。
ユ・ヴータはひらりとかわ…
「させるわけないだろうッ!!」黄大尉はビームライフルをユ・ヴータめがけて連射する。同時に胸部バルカンも顔めがけて撃ちまくる。
バルカンの弾がユ・ヴータのバイザーに直撃し、バイザーは粉々に砕け散る。
「…!! なん…だと?」バイザーの下に現れたユ・ヴータの素顔。それは…
「バカな…ガンダム、だって?」
トリップ忘れた。
酔ってるとマジでだめだなぁ。
まるでクワガタの顎のようにキザついた四本角に凶悪な顔つきをした『豚のようにでっぷりとした体形のガンダム』が慄然たる威圧感と禍々しいオーラを放ち、黄大尉の目の前にあった。
「なめるな…ガンダムなど、所詮は連邦のプロパガンダMSに過ぎん!!」黄大尉はビームサーベルを抜き放ち、斬りかかる。
それに合わせるようにユ・ヴータがビームサーベルを抜くと、巨大なビーム刃が形成され、一気に黄大尉の機体目がけて振り下ろされる。
それを黄大尉は両脇に仕込まれた『隠し腕』4本に内蔵されたもの全てとメインのビームサーベルで受け止める。
「なんという…馬鹿げた…出力だ…これだけのビームサーベルで受け止めても…押し負けるとは…」
『この愚か者がぁ!!』黄大尉の機体の無線からいきなりしゃがれた老人の声が聞こえる。
「な、なんだこの声は?どこから聞こえるのだ?」
『このビチクソ芋虫共め!!超克じゃ、超克するのじゃ!!』
「まさか、あれにさっきのパイロット以外の誰かが?」黄大尉は距離を取り、ユ・ヴータに向けて通信回線を開く。
「ガンダムのパイロットに告ぐ、コクピットには貴様以外に誰かが乗っているのか?」返事は帰ってこない。黄大尉は通信を切ろうとした…
「…ぜぇ…ぜぇ…」苦しそうな呼吸音がかすかに聞こえる。
「聞こえるのか?聞こえているのなら返事をしろ!!もしやしゃべれぬ理由でも…」
『超克!!超克!!超克!!』
「まさか、『これ』なのか?『これ』が原因なのか?」
ぽた。ぽた。ぽた。
血。
あたしの血、ああ、いま目から耳から鼻から垂れているのと同じ血。
体は、このMSを動かすための『部品』と化していた。
最早下半身を濡らしている液体が血なのか小便なのかよくわからない。
もう、あたしにとって慣れ親しんでしまった液体だった。
血って、怖くない。
死って、恐ろしい。
怖い、怖い、怖い。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
痛い、痛い、痛い。
「…ぜぇ…ぜぇ…」
かすれた息を出すのが精いっぱいだ。目は、見開かれたまま完全にモニターにくぎ付けになってしまっている。
左手が、かすかに動く。あたしは左手を辛うじて少しづつ動かし、腰に手を回した…
パン、という銃声が黄大尉の無線から聞こえた。
「自殺、したのか…さすがにこれでは精神も病むわけか…」
「勝手に殺すな!!まだ生きている。つーか、お前このシステムの事何か知ってるだろ?」
黄大尉は沈黙するしかなかった。今まで頼りにしていた『あの文章』にはこのシステムの原型になったものの仕様が書かれていた。
ただ、そのシステムはパイロットをMSという機械を動かす『電池』とさせ、その電池が切れる…
すなわちパイロットが死ぬか敵を殲滅させるまで止まらないという危険極まりない物であった。
「…!? 何か、来る!!」ナツミが言い終わると同時にユ・ヴータの後ろに膨大な光が走った。
そう、あのエリア84を焼き払い、ソーカに今に至る遺恨を残したゲラゲラコロニーレーザーが
ついでとばかりにユ・ヴータの両足とその下を狙っていたソーカ別働隊を吹き飛ばしたのであった。
仕事忙しすぎワロタ
315 :
名無しさん:2011/09/27(火) 22:59:27.39 ID:X72nHi1x
後ろ ×
真下 ○
「コロニーレーザー…、あの方角は…エリア84か。あそこには防衛用の反射衛星砲があったはずだが…」
恐らくこの出力では跡形も残らないだろうな、と黄大佐は分析した。
だが今なら絶好のチャンスだ、これを逃せばあのMSには勝てない。黄大佐はエネルギーバイパスを操作した。
「連邦軍は…味方ごと撃ったのか?」コクピット内部のモニターは落ていたがナツミには『聞こえていた』。
逃げ遅れてコロニーレーザーに焼かれた連邦兵士の叫び、ソーカ兵士のクソッという断末魔。
そして、その中でも一際間抜けに聞こえた「ブフッ!(@wぷおおお」というもっとも聞きたくなかった声。
「あいつも、やられたのか…? …!! いや、これは!!』
どんどん膨れ上がる怨念のようなどす黒い思念。ナツミはそれをしっかりと感じ取っていた。
『ヲレハ、ヲレハ、13サイイカトセックステキナコトヲスルマデハシネナイヨ。
ナツミチュアン、キミハ、キミダケハ、タトエモイキッシュバーハンニナッテモ、アイシタイトオモッテイルヨ。
ダカラ、ダカラマダシネナイ、ジニダグナイィィィィィ!!!(@w超克』
ブツン、と音を立ててモニターが回復する。目の前にはMAモードに変形したザク・イージスがいた。
「ガンダムのパイロット、どうやら2回も命拾いをしたようだが、これが3度目の正直という奴だ」
イージスのMA形態の中央に膨大なエネルギーが収束される。いくらユ・ヴータの堅牢なメタボ装甲いえどこれが直撃すればただでは済まぬとナツミは感じ取った。
ユ・ヴータのビーム・スマートガンを収束モードにし、ザク・イージスを狙う。
『この一発で、決める!!』二人の思考は鏡で映したかのように一緒であった。
とあるスレに書き込んだらトリップ消すの忘れてて赤っ恥かいた…
318 :
名無しさん:2011/10/04(火) 23:51:51.41 ID:z9+ng92y
「いつもよりチャージが遅い?さっきのでエネルギーバイパスがいかれたか!!」
「ダメだ、あちこち壊れててエネルギーが…」二人ともチャージに手間取るばかりであった。
「ここまで溜まればまあ良いか…ゲームオーバーだ。ガンダムのパイロット」先に仕掛けたのは黄大尉だった。
高出力のメガ粒子砲がユ・ヴータに向かう。
「ええい、ならば、これで!!」ユ・ヴータは右腕のビームシールドを展開し、メガ粒子砲からのビームを受け止める。
「予想以上に、キツイ…」ユ・ヴータの右腕は溶けかかっていた。
いくらビームシールドと言えど、ここまで高出力のビームを防げるようには出来ていないのである。
「このまま、行けるか?」黄大尉はさらに出力を上げる。
途端に警告音が鳴り響く。出力過剰の警報だ。
「もう少しなんだ。もう少しだけ持ってくれ!!」黄大尉はすがる思いで出力を上げ続ける。
ドン!! と大きな爆発音が響き、ザク・イージスの安全装置が働いてコクピットが射出される、黄大尉はしこたまコクピットに頭を打ち付ける。
ああ、やはりザクではガンダムに勝てないんだな。
あの男が我々を裏切り、出て行ったのはいまだザクの血統にしがみつく我々に嫌気がさしたのだな。
「お父さん、ごめんなさい…」黄大尉はそう呟き、意識を手放した…
「あのMS…自爆した?」
目の前のザクはメガ粒子砲が逆流したらしくプロペラトタンクが爆発し、閃光の中に飲まれていった。
「パイロットは…脱出した、か。これで余計な血を流さずに…」
と、ユ・ヴータの右腕が爆ぜた。ザク・ブリッツがこちらにビームライフルを放ってきたのだ。
「お前、妹や我らの同胞のみならず、大尉どのまで…」チゾン少尉の声は怒りに震えていた。
「ま、まて、あのMSのパイロットは死んでない。それに…」
「問答無用だ!!」ザク・ブリッツは杭が付いた楯をユ・ヴータに向け、ゆっくりと引き金を…
もう少し続くよ。ごめんね長引いちゃって。
320 :
名無しさん:2011/10/05(水) 19:30:21.40 ID:iqqOXovE
油豚vsロカビリー編キボンヌw
321 :
名無しさん:2011/10/05(水) 20:17:35.20 ID:4Jr5AYIo
そう急かすと作者の書ける物も書けなくなるからやめた方がいい
「な、なんだ、この映像は…」引き金は、引かれなかった。
チゾン少尉の機体のコクピットにはいくつもの映像がまるでスライドショーのように目まぐるしく映し出されている。
血まみれの子供達の死体、頭から血を流して倒れる少女、漆黒のガンダム、ピンク色のMSに合わせられる照準。
と、赤いフィルターがかかったような映像が出る。
破壊される街、無残に殺される人々、バルカンで肉塊にされる妹と、まるで玩具のように殺されるその友人。
…おえぇ。チゾン少尉は吐き気を堪えづづモニターを見る。場面がいきなる変わる。
でっぷりと太った醜い風貌の中年、同じように不細工なMS、青いバーニアを吹かしてMSが飛び立つ。
また画面が赤く変わる。
ビームが当たる不細工なMS、ドロップキックを喰らって無様によろけるMS、両サイドからジムに取り押さえられる。
今度は全体的にどんよりと暗い色調だ。
目茶目茶になった格納庫、その中でスクラップになった漆黒のガンダム、水の中のように歪んでもう一枚の同じ映像が映る。
「こ、これは…」チゾン少尉は驚愕した。
先ほどのでっぷり太った男が下半身を丸出しにして自分の股間を触る。
股間?もちろんチゾン少尉の股間には何も触れてはいない。だが触られた感覚がたしかにある。
気持ちが悪かった。生理的に受けつげない。でっぷりした男は一物を股間に当て…
と、画面が切り替わり、目の前に半壊したMSが映し出される。どうやら元に戻ったらしい。
「あの男に、乱暴されたのか?」チゾン少尉はMSに向かってそう呟く。
「…そうだよ。あいつ、さっきのコロニーレーザーに巻き込まれたみたいだけどね」
「なんだって、そんなことがわかるなんて、君はニュータイプなのか?」
「わからない、あたしはサイコブレンズっていうみたい。一種の強化人間ってやつなのかな」
サイコブレンズ…確かソーカから亡命したニュータイプ研究の権威、通称薔薇博士が研究していた奴か。
「今の映像は、そのサイコブレンズとやらの能力か?」
「わからない、あのNEVADAに乗った時からなんだかおかしいんだ。
自分が自分じゃないみたいに、まるで機械みたいに次々と人を殺していく…あんなのあたしじゃない」
これはどうしたことだろう。さっきまでとは全く違ったしおらしい態度だ。
324 :
名無しさん:2011/10/08(土) 22:02:58.19 ID:6XkTAPdw
「MSに、精神を高揚させるようなシステムがあったのか…?」チゾン少尉は一瞬考える。
「あの…?」ナツミが訪ねる。
「すまないが、私は君がどんな人物なのかはしらない、だがどのような事情があろうと…」
と、チゾン少尉のモニターに一人の少女が映る。
「あ、これが通信か?あんたが目の前のMSのパイロットか?」
「…そだ…」
「え?」
「嘘だッ!! こんな子供が、あんな惨たらしい事をしたというのか!?
歳がソニンと大して変わらないじゃないか!! なんで、なんでこうなったんだ?」
「あ…あんたらが悪いんだよ。クラスのみんなを殺したサトミを匿ったりするから…」
そう言いづつもナツミは、心が申し訳なさと後悔で膨れ上がっていくのを感じた。
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B@LOごりら x.サル 7xeやさい
mwue? rm4すもう a,yちねん a,y特派委員時代 xsdy少女さとしん少女
qtfdたかはし「まだ」
GME[きもい・・・まだ」
:exztyけいさつかん
326 :
名無しさん:2011/10/13(木) 23:00:53.84 ID:gKAHka2P
キチガイがこのスレを落とそうとしてるな
続きを読むまでは落とさせんよ
327 :
名無しさん:2011/10/15(土) 18:16:06.15 ID:HqN5S5IL
東京キチガイ死ね!クソ荒らしが!殺されろ!
328 :
名無しさん:2011/10/15(土) 20:04:50.08 ID:dmCPVoGg
本編続きまだっすかあ。
スピンヲフが終わるまで待てないのかね?(@wぷ
>>328
みんな、マジで時間かけてゴメン。絶対に近いうちに終わらせるから。
「こんなはずじゃ無かった…ソニンを殺したクソ野郎を、バラバラにしてやろうと思ったのに…
なのに、なんでなんだ…どうしてこんな小さな子が…」チゾン少尉はブルブルと震えている。
コ ン ナ オ モ イ ヲ ス ル タ メ ニ
キ ョ ウ カ ニ ン ゲ ン ニ
ナ ッ タ ン ジ ャ ナ イ ノ ニ
「!!」ナツミは殺気を感じ取り、回避しようとする。が、ブリッツのタックルをモロに喰らい、機体が大きく揺れる。
『レンポウメ、コンナドウガナドデ、ドウヨウサセヨウトナド!!』ナツミにはチゾン少尉から立ち昇る思念が見えていた。
「……めん……さい」
『ナニ?』
「ごめん…なさい。謝っても謝りきれないのはわかっているけど…」
『ナンデ、イマサラアヤマッテイルンダヨ。ギゼンシャメ!!!』ブリッツはユ・ヴータの両肩を掴み、力を加える。
『オマエノパワーノヒミツハ、コノリョウカタノエネルギーポッドダナ!!』
ベキッ、と音を立ててエネルギーポットが潰れる。
「インコムも一緒に潰されたか…もう、ダメかもな…」
と、ユ・ヴータのコンソールの画面にとある表示が浮かぶ。
「これは…、いちかばちかってところか。どの道やるしかないな。よければ撃退、悪くても死ねるわけだし…」
ナツミはエネルギーバイパスの回路を切り替えた。
「中佐、例のシャトルが消息を断ったのはこのあたりですな」連邦士官はそう言い、レーダーを凝視する。
「君、そのようなことをしてもムダとしか言いようがないよ。ただでさえこんな濃いミノ…おかしい、濃すぎるぞ!?」
中佐は仰天し、ミノフスキー粒子の濃度を調べる。
「近くで戦闘が行われているのか?これはいかんね…」中佐はそう言い、その場から足早に駆けようとする。
「中佐、何処へいかれるのです?」
「偵察に向かう。格納庫の『アレ』で出る」
「アレ?まさか『G』ですか?いけません!!あれは新型のコントロール装置の調整が…」
「あのキチガイ共に例のシャトルが襲われているかもしれぬのに、か?
たしかソウルの虐殺に関係しているパイロットが乗っているというのだろう?しかもまだ12歳の少女と聞いている。
子供を守り、諭すのは大人の役目だ。だから私自らが助けに行くしかないのだよ」
中佐は格納庫にたどり着き、目当ての機体に乗り込む。
「ニュー・サイコミュとやらか…オールドタイプでも使えるというが、はたして私に扱えるのか…」
格納庫のハッチが開く。
「Gアルパ、中曽根、発進する」
コレデ、トドメダ!!』ブリッツがビームサーベルを抜く。
よし、いまだ。ナツミはここぞとばかりにトリガーを引いた。
ユ・ヴータの腹のメタボ装甲が弾け飛び、その奥にエネルギーが収束してゆく。
俗にハイメガキャノンと呼ばれる大型メガ粒子砲が発射…されることなく収束したエネルギーが霧散する。
『エネルギー切レカ。ビビラセヤガッテ』
だがナツミはにやりと笑う。うまく誘い出せた、と。
すかさずコンソールを操作し、残った左腕をブリッツに向けて突き出す。
パン、と装甲がはじけ飛び、内部に仕込まれた二連装グレネードランチャーがブリッツに榴弾を射出する。
不意を突かれたチゾン少尉には避けられるはずもなく、2発の榴弾が直撃する。
『グアッ!! ば、馬鹿な!!」チゾン少尉がそう言うと同時にコクピットが射出される。
「な、今ので誤作動したのか?待ってくれ、マダオワッテナイ!!』
チゾン少尉の叫びもむなしく、射出されたコクピットは戦闘宙域を離脱していく。
「ソニン…大尉どの…私の大事なものは、どうして消え去ってしまうんだ?なぜだ?だれか、だれか教えてくれ!!」
狭いコクピットの中でチゾン少尉は絶望に打ちひしがれていた。
教えてあげましょうか…
「誰だ?」チゾン少尉は身構える。
心配しなくていいわ、外に出て…
言われるがままにチゾン少尉はコクピットから出る。
目の前には全身にゴテゴテとブースターを取り付けた…
「ガンダム?味方なのか?」
335 :
名無しさん:2011/10/26(水) 21:45:11.09 ID:aRLkhzM2
空母タイタニックって油豚が昔、豚ブログで言ってた奴?
続きキボンヌw
336 :
名無しさん:2011/10/26(水) 22:40:14.62 ID:vzAIYeG5
「忘れてた、こいつらがまだ残っていたんだったな…」ナツミの機体の周りを同時討ちでボロボロになったソーカのMSが囲んでいる。
「わかったよ、もうエネルギーも無いし降伏するつもりもないから一思いにやってくれ。あたしはもう、疲れた…」
『悪いが、私の目の前で死ぬ事だけはご遠慮願おうか』ナツミの背後に小型の戦闘機が現れる。
「ちょっ、コアファイターだって?そんな機体じゃ無茶だ!! 下がって!!」
『心配するな。こいつらはもう終わりだ』コアファイターの男がそう答えると、周りを囲んでいたMSの一体が爆発する。
と、また別の方向からビームが別の機体のコクピットに直撃し、MSは沈黙する。
「これは…まるで…」先ほど使ったインコム。いや、それとは出力が段違いだ。
「まさか、サイコミュか?あんたは、ニュータイプなのか?」
『残念ながら、違う。これは一般人でも操作できる新型のサイコミュだ。そしてこの機体の実体がこれだ」
周りを縦横無尽に飛び回っていた物体が合体し、二機の戦闘機のような物体に変わる。
その間にコアファイターが重なるようにドッキングし、少し大きめのMSに変形した。
『Gアルパ、というらしい。殲滅用に開発された物だが…私には少しばかり荷が重いというかね』
素早い動きと正確な射撃により、みるみる落とされていくソーカのMS。
「ダメだ、かなわない。全員、武器を捨てて連邦にとう…グアッ!!」
隊長機らしいMSが投降しようとするが、Gアルパに撃たれる。
「ちょっ、何も殺すことは…」
『何を言っている。ソーカのゴミクズ共に連邦こそ正義である事を見せつけるために、こいつらは皆殺しにせねばならんのだ』
ナツミは衝撃を受けた。なんということを言っているのだろう。こんな非情な事をしているモノが、『正義』?
「…ってる…」
『何だ?』
「こんな事、正義なんかじゃない!!間違っている!!」
ナツミはグレネードランチャーをGアルパに向けた。
またトリップ入れ忘れた。ゴメンね。
338 :
名無しさん:2011/10/28(金) 16:00:25.05 ID:Oc2YKDWY
新しい作者さん、もうちょっとまとめてうpしない?
なんか間伸びして伸びたラーメン食ってるみたいだからw
前の作者の人はまとめてくれてたから読みやすかっんだけど
自分も以前まとめた感じでうpしていたわけなんですがね、
見ての通りの遅筆なわけでして、スピード優先で書いていたわけなんですが…
まとめて書いたら2週間以上とか平気でかかるわけですが、よろしいですか?
>>335 そう。2.3年前だかに油豚が豚ブログでほざいてたネタ。
確か女パイロットが二人居たと思ったが名前忘れたんで省略しもすたw
>>339 まぁまぁ、自分のペースで書けばいいんじゃねw
341 :
名無しさん:2011/11/04(金) 18:34:24.60 ID:wWjxEYCF
で、また打ち切りっすかww
342 :
名無しさん:2011/11/04(金) 21:39:03.47 ID:czUPYzc5
>>341 お前、正直言って迷惑だからもう来んなや
343 :
名無しさん:2011/11/05(土) 15:47:27.44 ID:2hzLXajv
荒らしの東京基地外逃げるなよ
打ち切りと思った?
残念、もうちょっとだけ続くんじゃよ
ナツミはトリガーを引くが、肝心の榴弾が出てこない。
『弾切れのようだな。あれだけの啖呵を切ったくせに、自機の残弾すら把握していないとはな』
「いや、アンタの負けだ。通信、開いてみなよ」
…たった今、ソーカ首相を初めとするソーカ与党が停戦案を提出、野党及びソーカ国民の多数が反発するも先ほど上院を通過、
間もなく最高院で決定が決まろうとして…
おい、聞いたか?
俺たちは何のために戦っていたんだ?
最早これまでか…
ソーカのMSから漏れ出る通信からは絶望の声が聞こえてくる。
「戦意を喪失している者を殺すのは軍法会議ものなんじゃない?」
『貴様が言うか!! …まあいい。この宙域のソーカ軍に告ぐ、先ほどソーカ与党が停戦案を提出し、間もなく決定する予定だ。
武器を捨て速やかに投降しろ。さもなくは命の保証はしない』
話が終わるや否や次々と投降するソーカのMS。
「これで、終わったんだな」
『終わっているわけなかろう、我々は君を迎えに来たんだ。近くに我々の哨戒艇がある。それに乗るがいい』
この数日後、宇宙世紀201年6月28日、地球連邦政府とソーカに停戦協定が結ばれた…
「なるほど、ここまでにやけに時間がかかった上に説明が不足しているところもあるが、オオクボを降りた直後にそのような経緯があったのか…」
新田少将が暇そうな声で話す。
「ペズン、クリプス戦役の末期にニューディサイズによって核によって自爆したとある…まさか、宇宙世紀160年のアクシズ消失と関係が?」
真田大尉は訝しむ。
「よんよんのお爺さんが…ザンスカール帝国の亡命者で元ソーカ創立メンバー…もしよんよんが知ったら…」
シマは嘆いているようだ。
「あの、まだ話はあるんですが…」
「「「えっ、まだ続くの(か)?」」」
「心配しないでください、あとは時間がかからないよう簡潔に話すつもりですので…」
『利子より生まれし恒、世界を滅ぼす。恒、芳が揃う時、地獄の門が開く。
されど恒は生き残り、一時の眠りにつき、再び目覚めん。
恒、滅びの巨神目覚めさせ、滅亡の扉を開かんとす。
芳の子、戦乙女、恒の不義の子、そして三人の賢者。
かの者ら巨神と相対せん時…』
「これは…」坂井准尉はボロボロになったメモを棺の中から取り出した。
「お前、何している、初代会長の墓を掘り起こすなど罰当たりな!!」
初老の男性が息を切らしながら坂井の方に向かってくる。
「罰当たり?これが?」坂井は棺から骨を一本取出し、ナイフでほんの少し切れ目を入れて両手で折り曲げるように力を加える。
すると骨はポン、と軽い音を立てて真っ二つに折れる。
「ききき、貴様ぁ!! よよよよくも初代会長の遺骨をヲヲヲヲヲヲヲヲォォォォ!!」
「遺骨?骨がこんなに簡単に折れるわけがないでしょう?よく出来ていますが、これはアクリル製の偽物ですよ」
初老の男性は愕然と折れた骨を見つめている。
「さて、私や『少佐』がここへ来た理由は一つ、あなた方の言う初代会長、遠ъ翁元少佐の消息についてですが…」
「坂井准尉、現代表の方を連れてきた。こちらへ来てほしい」笹井少佐の声が聞こえる。
その側にはフートを目深に被り、全自動式の車椅子に座った男性が佇んでいた。
「会長代理!! こんな所にいてはお身体に…」初老の男性が駆け寄る。
「恒明…アクリルとはどういう事だ?あの男は生きているのか?」
恒明と呼ばれた男性が首を抑え、顔が見る見るうちに青ざめていく。
「もう一度言う、このまま首を折られたくなければ答えろ。あの男、初代会長は生きているのか?」
恒明はコクコクと頷く、と同時に体がガクリと糸の切れたマリオネットのように倒れこむ。
「超克の…フォース…」坂井は思わず呟いた。
「坂井ぐ…いや、今は准尉か。まさかまた会えるとは…」
会長代理は黒焦げになった手をさすりながら話す。
「あなたは、まさか…」
347 :
名無しさん:2011/11/09(水) 01:03:06.89 ID:b6ZE6NO9
>利子より生まれし恒、世界を滅ぼす
ほうじ茶吹いたwwww
348 :
名無しさん:2011/11/11(金) 16:13:01.91 ID:Gx9M/TOk
東京キチガイは電車に乗っただけで捕まる。
だって存在そのものが痴漢だもん。
349 :
名無しさん:2011/11/19(土) 20:53:44.38 ID:GlcRyaWx
東京死ね!
「今から65年前、当時フリーの技術士で各地を転々としていた初代会長は、戦争ばかりが続くこの世を憂い、ザンスカール帝国の消滅と共に連邦へと移住、
自身の血縁全てと、自分を慕ってやってきた科学者達と共に、この超創会を作り上げたのです」会長代理はゆっくりと、語りかけるように話す。
「その後会長は、当時の連邦軍の最新MS『RGM-196 フリーダム』の欠点を事細かく指摘し、独自のガンダム量産プランを連邦軍に申請、
その高い性能が故に、半ばワンオフ当然の機体であったガンダムというMSを、安価に、なおかつ高性能を維持したまま生産することに成功したのです」
「なるほど、10年前のガンダムヒエンや私が乗ることになったガンダム五式などはそれの賜物、という訳ですか」坂井准尉が口を挿む。
「…初代会長には二人の子供がいました。名を恒寿と芳鳴といいますが、准尉はよく存じ上げておられるかと」
「ええ、そしてあなたについても、ね」
「…初代会長は幼い二人の子を連れ、現在のヤマナシシティにあるコスゲビレッジの山奥にて、兎跳びやザバイバル訓練、座禅や読経、
それに加えて電流が剥き出しのヘッドギアによるサイコミュ制御など、とても常人には理解できぬ不可解な修行をさせたとの事です。
最も、そのあまりにも度を越した過酷な修行に耐えかねた兄、恒寿が泣きながら全裸で駐在所に駆け込み、それが原因で『修行』の内容が発覚、
初代会長は必死にこれは修行の一環だと強く主張しましたが、結局は文字通り村八分にされた挙句コスゲビレッジを追い出されたようです」
「子が子なら親も親だった、という訳ですか。弟の方は?」
「弟は、当時まだ物心もついておらず、何も覚えていなかったようです。ただ初代会長曰く、潜在性はものすごく高いということでした」
「潜在性というと、ニュータイプとしてのですか?」坂井准尉が訪ねる。
「それとはちょっと違います。初代会長はニュータイプをもはや古いものであると考えており、人の革新を超えるためには人類全体が大きな困難や苦しみに立ち向かい
それを乗り越える最中に、ニュータイプを超えるものが必ず現れるとおっしゃっておりました。我々は、そのニュータイプを超えた人間を『超克者』と呼んでおりますがね」
「では、あの兄弟はそのニュータイプを超えた超克者である、と?なんという事だ…あのようなキチガイクルクルパーが…」坂井准尉は頭を抱える。
「いえ、正確には超克者ではありません。あの兄弟は超克者をモデルにして作られた模倣品『超克人』と言います」会長代理はまるで自嘲するかのようにぼそりと話す。
「模造品?どういう事でしょうか?」
「彼らは模造品が故、完全な超克には至っていない。という事です」
「それはあなた自身の事も言っているのですかな、会長代理。いや、遠州芳鳴大尉?」
芳鳴さんを生かしたか・・・
本編の辻褄合わせが非常に難しくなるなw
えー、まず向こうのスレにも書きましたが
自分の遅筆でこんな事態になってしまい、本当に申し訳ない気持ちです。
そこで連載記念にもう一つ投稿しようかと思ったら、なんとダイジェスト風に完結してしまいました。
そんなわけで、外伝最後の投稿を開始したいと思います。
355 :
名無しさん:2011/11/21(月) 18:04:19.00 ID:GUjNZA5p
「クソッ!!なんというザマだ!!」式場博士はランチの中で頭を抱えていた。
あの無能のキワミの艦長とバカ二人のせいでkitty、いや、光翁のせがれを覚醒させてしまった。
どうしてこうなった?自分がザンスカール帝国で過去のニュータイプ研究所の遺産を使いサイキッカーの能力調整をしていた時期、
今は亡き師の李光南博士と光翁が亡命を勧め、それに乗って連邦領へと亡命してからしばらくは研究も順風満帆としか言いようがなく、自分の人生の最高峰であったとも言える。
今思えば、17年前に自分が開発したニュー・サイコミュシステムのテストをするために、中曽根のボンボンと共に哨戒艇に乗り込んだのが運の尽きだったのかもしれない。
中曽根のボンボンが連れて帰ってきたのはボロボロになった私と師の光翁の共同傑作『超克-408-3 ユ・ヴータ』であり、
パイロットは自分がニュータイプ研究の遺産を使って開発したサイコブレンズの少女であった。
自分はすぐさま少女を自分のラボに入れ、少女に記憶の改竄を施し、地上には偽の帰還報告を出し、サイコブレンズのデータを取るためにラボ地下の実験施設に少女を監禁した。
そうしてデータを取りづつ、時折強力な記憶改竄を少女に施して自分の性癖を心行くまで満たすような事をしながら3年後、ラボが何者かの襲撃を受け、施設は破壊され、少女が消えた。
襲撃者の目的がラボの破壊ではなく少女の身柄の確保であるのは明白だった。使われたMSは『RGM-196フリーダム』…おそらくは連邦でもソーカでもない第三勢力だろうか。
そんなことを考えづつ4年が過ぎ去り、またも大きな動きがあった。光翁のせがれ、恒寿が変わり果てた姿で、だが生きている状態でラボに運ばれてきたのだ。
これはチャンスだとばかりに3年前に鹵獲されたザク・ブリッツのデータを元に無人の量産型ステルスMSを、そして光翁のせがれをメインユニットにした新型空母の案を連邦軍に申請、
その後は10年の間光翁のせがれの覚醒を待つことになった。あとはご覧の通りのありさまだ。
「光翁よ。どうやら、ヲマエの言った通りの展開になりそうだな」自分は懐から手帳を取り出し、その中の古ぼけたメモを取り出す。
『利子より生まれし恒、世界を滅ぼす。恒、芳が揃う時、地獄の門が開く。
されど恒は生き残り、一時の眠りにつき、再び目覚める。
恒、滅びの巨神目覚めさせ、滅亡の扉を開かんとす。
芳の子、戦乙女、恒の不義の子、そして三人の賢者。
かの者ら巨神と相対せん時、我は再び黄泉帰り、然る後に腐敗せし傲慢なる正義を破壊せん。
そして来るべき大いなる痛みと苦難が人を襲い、恒は倒れ、人類は超克するであろう』
自分はメモにライターで火をつけた。あとはなすがまま、こんなものはもう必要はないだろう。
「しかし恒の不義の子、とは…最後までわからずじまいとはな…」自分は物思いにふける。
亡命した時の事、光翁に子供が生まれたこと、光翁がコスゲビレッジを追い出されたこと、二人の息子の兄が東大士官学校を痴漢で追い出されたこと…ん?
そうだ、自分はそれから数年後に超創会に行ったことがある。その時の光翁の奥さん、確か利子さんのお腹が膨れていたのを思い出した。
利子さんは太ったのだと言っていたが、間違いない、あれは妊娠していた。そして当時の光翁はMS開発で下手をすれば1年半は帰らないということもざらであった。
「まさか、まさか…」自分の妄想が、最悪の形で固まろうとしていた。
利子さんは、光翁のせがれの子を身ごもっていたのではないか?
「あり得ん。いや、しかし…」そういえばその後ソーカに残った張の奴が利子さんの勧めで養子を迎えたと言っていた。
確か名前は…サトミ。そう、サトミと言う名前の少女だった。
「なんと、なんという運命か…」張サトミ。17年前、例の少女を裏切り、クラスの全員を皆殺しにしてガンダムCOOLに乗り、結果搭乗していた空母ごと撃沈されたと聞く。
だが、空母の残骸からは地上用のパーツの残骸しか発見されておらず、その生存を疑う声が当時からあった。
「よもや、全ての事件の表裏に関係なく、遠рフ一族が関わっているとは…」自分はただ仰天するだけであった。
同時刻
空母タイタニックもとい、空母シンデンの格納庫、数体のバックポットにまるで神輿のように担がれた格納容器が『それ』を見上げる。
『これが、ヲヤヂの遺した最後のMS…式場のクソヂヂイ、やっぱりこの空母に積んでいたのかね(@w驚』
『それ』はまるで現代に蘇ったRX-78-02ガンダムを模したような機体であった。
『超克-408-0 ブーガンダム、ツネンゲリヲン真の零号機にして、巨神復活のキーパーツ、そしてヲヤヂの最高傑作(@w泣』格納容器の中の『物体』は背後から近づく陰に気付かない。
『ヲヤチ…ヲヤヂ…(@w泣 アンタからは逃れられないのか…結局ヲレはアンタの筋書き通りに「動くなッ!!」格納容器に銃が付きつけられる。
『ヲマエは…ノリユキ!! 生きていたのかね(@w嬉』撃たれたはずの石川少尉が、格納容器の背後にいた。
「万が一を考えて防弾ベストを着こんでいた。ミドリの奴はつけなくてもいいと思っていたらしいけど」ポロリという音を立てて銃弾が落ちる。特殊繊維と合金の複合ベストのようだ。
「お前がkittyか。ミドリが言っていたように確かにバケモノのような姿だな」石川少尉は銃を突きつけたまま話す。
『お褒めいただき光栄だよ(@w嘘 それはさておきノリユキ、ヲレと取引をしないかね?(@w荒 ノリユキと一緒なら、どんなことでもできる気がするよ(@w喜』
「悪いが、断る。先ほどの放送を聞いたが、お前のような13歳以下しか興味がない鬼畜アスペに協力する事は出来ない!!」
石川少尉が銃の引き金に手をかけようとするが、バックポットの特殊徹甲弾が石川少尉の防弾ベストを無残にも突き破る。
『ヴァカな奴だよ、ノリユキ。ヲレに付いていけば…ヲヤ(@w荒』石川少尉のライフルのマガジンには弾が一発も入っていなかった。
『ままままま、まさかノリユキ!!(@w仰天』
「kitty、ちょっとの…間だけだったけど…楽しかった…ぜ…」その言葉を最後に、石川少尉はこと切れた。
『ノリユキ、ヲレは、ヲレは…アァァァァァァアァァヲヲヲヲヲヲヲヲヲォォォォォォ!!!(@w号泣』
「…!! こ、これは!!」超創会会長代理は車椅子から転げ落ちた。
「あっ、大丈夫ですか?芳鳴大尉!?」抱き起す坂井准尉であったが、その時初めて会長代理の両足が無く、フートの下の顔は焼け爛れて誰だかわからないという事に気が付いた。
「どうやらあなたは、私を誰かと誤解しているようだ。私は超創会の会長代理。それ以上でも以下でもない」
「…了解しました。では私はこれにて失礼いたします」坂井准尉はその場から立ち去った。
超創会会長代理、この男がはたして遠州芳鳴大尉であったのかどうかはこの時は不明であった。
しかし、超克の血はこの男を3年後、再び戦場へと立たせたのである。
〜続・宇宙のサムライ 地球連邦崩壊編より〜
「つまるところ、君は疲れて哨戒艇のベッドで熟睡していたらいつの間にか3年の月日が経っていて、その後はイルミナーティという組織のもとで非正規作戦に就いていた、と?」
「はい、この艦のクルーも副長をはじめ、数名がイルミナーティの構成員です。新田少将や真田大尉、シマ中尉は信用が置けると言っていましたから話しましたが…」
「そうか、大体の所はわかった。ヨシミくんも待っているだろうからもう行きなさい」新田少将はそういってナツミを席から立たせた。
「では、失礼しました」ナツミはドアを開けて、ヨシミの待つシミュレータールームへと足を速めた。
外伝『ナツミUC201アフター』 劇終 ?
「そうか、ついに恒の奴が目覚めたか…」コールドスリープ装置に繋がれた老人は、だれともなくそうつぶやいた。
「ではそろそろワシも、黄泉帰るとするかの…」と、老人の体をつないだバイタルサインがフラットを示す。
と、同時に老人の頭が切り裂かれ、脳がアームで取り出される。脳はそのまま何やら毒々しい色の液体に浸され、目の前のモニターには『NOW MITSUOH DOWN LOADING...』と表示される。
部屋の壁が開き、中から培養液に満たされた生体ポッドに浸けられた20代半ばの金髪の男性が現れる。
モニターの文字が「NOW MITSUOH in C.A. UP LOADING...」に変わり、それに伴い金髪の男性の体が激しく揺れる。
カッ!! と金髪の男性の目が見開かれ、生体ポッドや周りの機械が弾け飛ぶ。
「ふむ、超克人の体とはこんなものか」男性が呟く。
「では、介入を始めよう。すべては人の革新、牽いては人類の超克のため」
ここに、超創会初代会長、遠ъ翁は再誕した。
外伝『ナツミUC201アフター』 劇終
という訳で外伝完結です。
無理やり、そして一気に終わらせました。
では、しばらくの間名無しに戻ります。
363 :
名無しさん:2011/11/21(月) 18:41:34.54 ID:eQ+at2zE
>>362 うわぁぁぁ。しかし後々の辻褄合わせがかなりメンドクセェ結末だな。
まあなんとかするしかないな。長らく乙!
本編もここの自治スレの奴に見つかっちまったんで何処かの過疎スレに引越します
366 :
名無しさん:2011/12/04(日) 12:37:06.95 ID:Lqh180Zc
続編待ち保守
367 :
名無しさん:2011/12/06(火) 23:52:32.14 ID:sMrdsKmd
68 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 00:49:52.81 ID:wHsWPqW2
護衛空母「カイヨウ」ブリッジ
「艦長!!本土から出撃した3航戦のビーコンが途絶しました!!」電探員が叫ぶ
「ミノフスキー粒子は?」
「レベル2から3の間で受信には問題ありませんが・・」
その答えに一色艦長は首を捻る。
「おかしいな。艦艇以外の艦載機のモノもか?」
「はぁ、モニターできません。爆発跡らしき熱源は感知していますが・・まさか」
「そのまさかだな。センカクの接続空域に統合軍の艦艇が居ると言ったな。空保の艦艇
の件といい様子がおかしい。本土の司令部と連絡は取れないのか?」
一色艦長は少しイラつきながらキャプテンシートから身を乗り出す。
通信兵はコンタクトを取ろうとするが首をしきりに横に振る。
「レーザー回線繋がりません。中継衛星の故障か喪失と思われますが・・・」
「完全に孤立したか・・・」
一色艦長は帽子を取ると額の汗をぬぐった
一方、自我に目覚めた「kitty」事遠ыP寿元中尉操る新鋭攻撃空母「タイタニック」
改め「シンデン」はセンカクの領空を突破しつつあった。
「はははははははははははは、シンデン(@wぷぷ ヲレの城〜(@wぷ」
宇宙一のキチガイが今、解き放たれた
368 :
名無しさん:2011/12/06(火) 23:56:06.88 ID:sMrdsKmd
69 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 01:09:19.07 ID:wHsWPqW2
ワシントン連邦政府防衛総省
枝野補佐官が青ざめながら長官室の扉をノックする。
「何だ?枝野。私はもう帰るところだぞ。用件は明日にしてくれないか?」
中曽根長官はコートとバッグを持ちながら長官室を出る所だった。
「いえ、長官・・少しだけお時間、いえ今日はご自宅には戻れないでしょう」
「どう言う事だ?」中曽根はバックを机に叩きつけるように置いた
「これをご覧ください」枝野補佐官がタブレット端末を彼の前に出した
そり画面にはトイレの中で血を流して倒れる二人の連邦軍士官の姿が映っている
「何だ?これは。動画の投稿サイトか?こんな事で私を呼び止めるなバカバカしい!!」
「いえ、こちらもご覧ください」枝野補佐官はもう一つの画像も見せる
そこには血を出して倒れる小泉大佐が映っていた
「小泉大佐じゃないか!!こ、これは・・死んでいるのか?この画像は何だ枝野!!説明しろ!」
「・・・長官、5分程前にタイタニックから電送されてきた画像です。残念ながらこの画像はニセでも
トリックでもなく正真正銘の艦内の画像のようです。空技廠の石川、横山両少尉は死亡、小泉艦長も死んでいます。
画像を見る限り二人は銃で。小泉艦長は警備用のバックポットに撃たれたようで・・」
中曽根長官は見る見る青ざめて行く
「バ、バカな・・タイタニック艦内で・・叛乱?いや、これはコロニー連合の奴らの撹乱工作に違いない。
通信衛星がハッキングされて送られたニセの画像じゃないのか!!枝野!!」
「長官、タイタニックは進宙したばかりの新鋭艦です。まだコロニー連合には外部の画像はおろか内部の
画像すら公表していません。しかも発信IDはタイタニックのモノなので間違いありません」
「ではなんだ!!??まさか式場博士の仕業なのか?博士は居ないのか?連絡は取れないのか?」
「作戦中で通信封鎖中でこちらからは連絡は取れませんがタイタニックからランチが一隻射出された模様です。
恐らく博士はそれで脱出を・・・・」
ここで中曽根長官は我に帰る
369 :
名無しさん:2011/12/08(木) 23:25:30.72 ID:RZByaeJX
「枝野、何故そのランチに式場博士が乗っているとわかるのだ?説明しろ!!!」
「はあ長官。この画像はタイタニックの新艦長を名乗るモノから来たのです」
「新艦長を名乗るモノ?なんだそれは?」
「・・・・・10381-4543タイタニック搭載のブレインユニットが叛乱を起こしたのです」
「なな、なんだと・・・!!」
中曽根長官はコートを床に落として絶句した
370 :
名無しさん:2011/12/08(木) 23:28:27.23 ID:RZByaeJX
70 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 01:31:33.51 ID:wHsWPqW2
「枝野!直ちに地上陸海空軍及び宇宙軍の幕僚に召集をかけろ!!統合軍には知られるな!
勿論、大統領にもだ。早くしろ!!」ファビョる中曽根長官
「長官、コマンドルームに幕僚達には召集をかけてあります。どうぞ」
二人は足早にコマンドルームに向かった
再び護衛空母カイヨウブリッジ
「報告!!方位0-5-5より未確認機接近!!」
「またあのツネッシか?」一色艦長は再び叫ぶ
「いえ、レーダーに影がはっきり映ってます。ミサイルでもなさそうですが・・
小型の艦艇、脱出艇のようです。続けて救難信号受信!!コードは連邦宇宙軍のモノですが識別不能!」
それを聞いて一色艦長は副長を呼び止めた
「副長!新田少将を至急ブリッジにお連れしろ!MS隊、いや小川中尉に即時待機させろ!」
「ハッ!」副長はそう言うと艦内電話を取って指示を出す
「なあ小娘。ヲマエ素質あんなぁ。すげえよ」
「あ、いえ、ナツミさん、あたし全然余裕ないんすけどw」
盛り上がるシミュレータールームに機付の小沢伍長が飛び込んできた
「小川中尉殿!!即時待機です!!」その声にナツミは振り返る
「小娘!!付いてきな!!」ダッシュで走るナツミにヨシミは訓練用のヘルメットを
持って追いかけていく。格納庫への狭い階段を下りる。
メンテナンスラダーの前に一機のガンダムF2が駐機してある。
ナツミはその機体を見ながら小沢伍長の報告を受ける
「未確認機接近!恐らく救命艇のようですが詳細不明!!」始動音は伍長の声を容赦なく掻き消す
「あたしのF2は!!??」怒鳴るナツミ
「中尉殿の機体は先ほどの哨戒飛行のメンテがまだ済んでないんです。左足からのオイル漏れです!」
あの小惑星のワイヤーに引っ掛けた時か。ナツミは舌打ちする
371 :
名無しさん:2011/12/09(金) 00:17:18.55 ID:z7DBh3FO
つーか作者氏マジでどうしたんだろ?
失踪?
372 :
名無しさん:2011/12/10(土) 00:55:12.92 ID:+aV065tX
71 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/19(土) 01:53:50.67 ID:wHsWPqW2
ナツミの機体の他に残ったのは復座型のF2だった。
ちょうどいい。ナツミはニヤリと笑うとラダーの端で立ち尽くすヨシミを呼んだ
「小娘!!そこのロッカールームにノーマルスーツとブーツがある。どれでもいいから
着れそうなの着てすぐ来い!!3分以内だ!小沢伍長!!あの子に予備酸素と装備出してやって!!」
「え、中尉殿!あの子連れて出撃するんですか?それに艦長の許可も・・・」
「艦長にはあたしが許可取った。いいんだ、早くしろ!!」
そうしてる間にヨシミがノーマルスーツを着て戻る。
「ナツミさん、これなんか凄いブッカブカなんですけど」ナツミはそんな彼女を
ふん捕まえるとヘルメットを被せスーツとの機密を確認する。
「右顎の下のスイッチでバイザーが上下するから。コックピットの中では帰艦するまで
バイザー開けるんじゃないよ!腰のボンベはホント予備だからね。宇宙空間では二時間しか
持たないから。まあ命綱みたいなもんだな」ナツミは小沢伍長から装備とボンベを
ふんだくるとヨシミの腰に装着しコックピットに叩き込む。
「あんた前!!」ナツミはそう言うと後ろ席に座った
「発艦をやってみな!!今度はシミュレーターじゃないよ。あんたが発艦しくじったら二人ともあぼーんだから
死ぬ気でやんな。後の指示は出てから言うから。機内通話は2CHに合わせて!!」
ナツミはそう言うとバイザーを閉じる。
ヨシミはコックピットに座ると左の機内通話のCHを合わせた。
373 :
名無しさん:2011/12/10(土) 00:56:03.26 ID:+aV065tX
「やれやれ、あたしは助教かよ」同時にナツミのぼやきが聞こえる
F2のハッチが閉じるとスクリーンに変わって格納庫内が映し出された
「す、凄い・・これがMS・・・お父さんも操縦していたガンダム・・・」
「感動してる場合じゃねえだろ。あんたのぼやきも全部丸聞こえなんだよ!!」
ナツミのがなりにハッと我に帰るヨシミ
「すす、すみません・・」謝ると同時にLSO(管制士官)から指示が入る
「出撃コードアルファマウス1!!」
「了解、アルファマウス1小川、征きます。ちっ、ネズミかよ!!おい小娘!!ぼっとすんな!!行くぞ」
「えっ、はっはい!!」
ガンダムF2は宇宙空間に射出された
374 :
名無しさん:2011/12/10(土) 00:58:01.12 ID:+aV065tX
74 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/21(月) 00:30:24.36 ID:iODsVhNZ
防衛総省のコマンドルームには各方面の幕僚が集結していた。
遠方、宇宙軍の幕僚は秘匿回線によるカメラ画像で繋がれていた。
彼らを前に中曽根長官は溜息を付くと声を張り上げた
「諸君!今から5時間程前に、我が連邦宇宙軍の最新鋭攻撃空母タイタニックが乗っ取られた」
この言葉にざわつく幕僚達。長官の話は続く。
「タイタニックは公試中に統合軍の艦艇とラサの暴動監視任務中に異常を起こした。現段階で
空技廠の二名の士官と小泉艦長の三名の死亡が濃厚。開発責任者の式場博士は行方不明だ。尚、統合軍
司令官の新田少将とも連絡が付かず護衛に付いた統合軍の巡洋艦及び駆逐艦とも連絡が取れていない」
ここまで長官が言うと枝野補佐官が画像を幕僚達の端末に表示させた。
「尚、叛乱の首謀者はタイタニックに搭載されている人工知能、型式10381-4543が新艦長を名乗り
乗組員三名を殺害した模様。現在タイタニックはセンカクの空域だ。何か質問は?」ひとりの幕僚が手を上げる
「長官、今人工知能と仰いましたが電源を遠隔操作で遮断、もしくは活動停止信号の送信での制御は?」
その問いに枝野補佐官が首を横に振る。
「10381-4543は人工知能と言っても人間がベースになっている。彼に制御系を全て奪われている」
「その・・人間とは・・?」
各幕僚が固唾を呑む。
「・・・・元連邦軍中尉、そして元ネオソーカ士官ブータベイダー事、遠ыP寿中尉だよ」
その言葉に室内は蒼然となった。
ある幕僚が口をとがらせる
「あ、あの戦艦オオクボで整備兵にホモレイプして少女に猥褻行為を働き富士山の山頂で人類を滅亡に
追い込もうとしたあ、あのスーパーウスラバカが最新鋭攻撃空母の頭脳だって!!どうかしている
375 :
名無しさん:2011/12/13(火) 00:48:17.08 ID:ExXKvOuc
75 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/21(月) 00:53:45.26 ID:iODsVhNZ
「静かに!!」枝野補佐官が場をなだめる。咳払いをした後。中曽根長官は二人の幕僚を呼ぶ
「ルナツー、野田司令、グラナダ、前原司令!!」
「はっ!!」二人の司令官が画像の真ん中に寄る
「君らの基地の全艦艇、全戦力を使用し空母タイタニックを撃沈せよ!!この命令は厳守だ!」
中曽根長官の言葉に二人の司令の顔が青ざめる。すかさず枝野補佐官が長官に耳打ちをする
「むっ、改める。空母タイタニックは現時刻を持って破棄。新艦長が名づけた空母「シンデン」に改称する」
また一人の幕僚が手を上げる
「長官!その空母に艦載されている機体名と数は?」枝野補佐官は無言で端末にデータを送る
「ツ、ツネッシだと?」「ま、まさか、無人攻撃機だと?」「こいつが脳波シンクロしてウスラバカに操られてると?」
「おいおい、ステルス性能はガンダムラプターより上じゃないか!」「圧搾空気推進だと?これでは探知できん!!」
ざわつく幕僚達をよそに中曽根長官は野田司令を呼びつける
「野田司令!!君のとこの部隊のガンダムラプター全機をこの作戦に投入せよ!必ず撃沈してみせろ!!」
そして中曽根長官は続ける。視線の先には何故か呼ばれた地上陸海空軍の幕僚達が居た
「新田少将の行方が不明だ!もしかすると今回の一件は新田少将が裏で糸を引いているのかもしれない
地上軍の諸君はデフコン2で待機、命令次第統合軍の各基地を制圧してもらいたい」
中曽根長官の言葉に地上軍の幕僚達はうなずく。そんな彼に枝野補佐官が駆け寄る
「長官、どうするんですか?もう誤魔化しきれませんよ・・・」
「なに、ギリギリまでやるさ。うまく行けば大統領率いる和平派も排除できる流れだぞ。」
376 :
名無しさん:2011/12/13(火) 00:50:48.45 ID:ExXKvOuc
76 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/21(月) 01:10:19.70 ID:iODsVhNZ
「こちらアルファマウス!目標確認!これより接近する!」
ナツミはそう言うとヨシミに指示を出す。
「もっとシャープに旋回しろ!大回りしすぎだ!ザクだってもっと鋭く旋回すんぞ!」
「はっ、すいませんナツミさん!!」
ナツミは前席で操縦するヨシミを見て想いにふけった。
さっき呼ばれたミーティングルーム。この子があのザンカスール帝国の末裔、そして
あたしを騙したサトミの故郷、ソーカの創立メンバーの孫だって?ホントなの?でも・・巧い。
初めてMSを操縦するのに・・シミュレーターでしか操った事の無い15歳の子がいきなり発艦をこなすなんて。
あたしだってNEVADAで初めて宇宙に出た時は怖かったのに・・この子は平然とやってのけてる。まさか
この子がニュータイプを超えた超克者?バカな!いえ、でも何かを感じる・・この子一体・・
「ナツミさん!!目視で捕らえましたけどどうすんですかぁ?」
ヨシミの呼びかけにハッと我に帰るナツミ。
「あっ、ああ。前のタッチパネルが点滅してるとこタッチして。それで補足するから。ゆっくり接近すんだよ」
「恐らくタイタニックのランチじゃないのか?既存の連邦軍の艦艇のモノとは違うようだ」
カイヨウのブリッジに新田少将と真田大尉が招かれた。
「閣下、先ほどは大変失礼しました。非礼をお詫びいたします!」一色艦長は帽子を取ると
深くお辞儀をして詫びる。ブリッジ内のクルーが一瞬たじろぐ。
「大尉、すまなかった。私。いや、私達に力を貸して欲しい。事態は刻一刻と悪くなっているようなのだ」
「センカクの接続空域で空保と機動部隊との交信が途絶?」一色艦長の報告に二人は驚く
小泉艦長め。少しやりすぎだな。新田は思った。
377 :
名無しさん:2011/12/14(水) 06:23:46.74 ID:q/3E5efv
性犯罪者は去勢して施設にヴチこむべし
378 :
名無しさん:2011/12/16(金) 00:21:10.64 ID:wRF8VHw+
77 :作者 ◆XvQzUZ.XyY :2011/11/21(月) 01:24:10.81 ID:iODsVhNZ
「こちらセンカクヒ57船団所属小川中尉です。応答せよ!」
ナツミはランチに呼びかけるが応答が無い
「また遭難者装った新手の爆弾じゃないのぉ?」ウザがるナツミ
「いえ、多分人が居ると思います。あっ、ナツミさんアレ!!」
ランチから曳航ロープが出てきた。
「仕方ないね。油断すんなよ。ロックしてあるからゆっくりスティック向けて。
後はコンピューターがやってくれるから」F2は曳航ロープを掴んだ。
「油断すんなよ!またドカンはゴメンだかんね!!こちらアルファマウス!要救助者回収。帰艦する!!」
F2はバーニアを吹かして飛び去る
「艦長!!小川中尉が帰艦しました!ランチの臨検はどういますか?」観測員が叫ぶ
「また格納庫で爆発されても困る。中尉!船外で臨検を実施してくれ!!」
一色艦長の支持にナツミは顔をしかめる
「やれやれ、あたしは便利屋かよ。仕方ねえな。小娘待ってな!」
ナツミはそう言うとF2のハッチを開け拳銃を持って飛び出す。
その様子をブリッジからクルーが見つめる
「ほう、復座型のF2Bですか。珍しい」真田大尉が言った
「我がセンカクでは復座型ですら貴重な戦力ですよ。木星空域で新兵を訓練してたんですが全滅しては・・」
その言葉に真田が突っ込みを入れる
「全滅?今、ハッチが開いて小川中尉が機体の外に出ているが前席に誰か居るぞ?」
「艦長!!ランチ内に負傷者一名発見!!衛星兵を!」小川中尉から通信が入る
船内に担ぎ込まれるランチの漂流者。画像がブリッジに届く
「!!??」新田、真田の二人は驚愕する
「式場博士じゃないか!!」
379 :
名無しさん:2011/12/18(日) 06:37:23.09 ID:VZTK6LXq
作者氏の生存確認記念に勝手に予告編を上げてみる
※この予告編はあくまでもイメージです。本編は予告なく変更される場合があります。
UC217年、宇宙激震!!
「サトミ、アンタなの? その機体は・・・ジオンの?」
「ナツミ、私はあなたと戦う気は無い。我々独立ジオン・ソーカ連合軍の現在の目的は、地球圏の争いを収める事。ただそれだけだ」
戦場で再開する、かつての友!!
「芳鳴大尉が本当に生きているかもしれないですって!?」
「万が一の事もあろうかと思いまして、ツネンゲリヲン両機のエントリープラグに改良型のオートイジェクト装置を搭載していたのですが、
形状からして正しく作動するかどうかまでは・・・」
混迷の中の一筋の希望!!
「真田家の古文書の内容が流出していただと!?」
「ええ、おそらく、私の一族の誰かがソーカやブターンズと内通していた模様でして・・・現在は恐らく、連邦軍中枢に」
迷走する思惑!!
そして…
「この気配は・・・、まさか!!」
『そうだよ、そのまさかだよ(@wぷ 久しぶりだね、ナツミちゅわん(@w荒
そしてヲレのカワイイ姪よ(@w性犯罪者』
ついに廻った因縁の敵!!
「これが、お爺ちゃんの遺した『巨神』・・・」
今明かされる『超克』の謎とは!?
機動戦士ガンダムBB(ダブルブー)〜Eの血統
〜SECOND SEASON〜
「え、枝野くん!! 貴様は、何者だ!! その恰好は『赤い彗星』の真似事か?」
「赤い彗星?顔や声は確かに似ているが、あんな卑小な者と一緒にしないでもらおうか。
私の名は、トリプロゥ・イェンシュ。人類を超克へと導く者だ」
近日公開未定
382 :
わんわん:2011/12/21(水) 17:27:50.21 ID:f1TSEjZm
おいらも超克してぇwwwアヲアヲアヲアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
どなたかここにバックナンバーをコピペしてくれてありがとう。
つー訳でここで続編描きます。お待たせしてすんませんでした
ただ ◆8bVOdV11MI 氏が構想してくれたスピンヲフを設定に入れるととても
今回の章では描ききれないんで若干割愛させて頂きます。ごめんねw
「艦長、今収容した漂流者と話がしたい」新田少将は一色艦長に詰め寄る
彼は副長をアゴで呼び止める。副長は艦内電話で軍医に連絡を取る。
「漂流者は負傷しています。直ちに医療施設の整った施設に搬送するのがいいのではとの事ですが」
副長の具申を新田が遮る。
「我々にも時間がないのだ。彼と少しだけ話をさせて欲しい」
医務室に向かう新田、真田、シマの3人。シマは何故か落ち着かない。
「あら〜、よんよん何処へ行ったのかしらぁ、さっきっから見当たらないのよねぇ」
「どうした?中佐?何か心配事か?」新田が尋ねる
「いえ、別になにも・・・」3人は医務室のドアを開けると軍医に呼び止められる
「閣下、漂流者の容態はあまりよくありません。5分で勘弁してください」
新田少将は帽子を取ると小さく頷いた。
ベットには輸血を受ける式場博士が横たわっていた
「式場博士、先ほどはどうも。またお会いしましたな」皮肉を込めて新田は話かける。
博士は彼らの顔を見てギョッとするが堪忍した様子だ。
「空母タイタニック、そして遠ъZ弟の事、洗いざらい喋ってもらうぞ。」
式場博士は大きく深呼吸すると語り始めた。
「タイタニックは乗っ取られた。95体の使徒とともにな・・・」
「そんな事はわかっている。小泉艦長の謀反で我が統合軍の艦隊は中曽根長官の手先となった。
かつてのブターンズの様に私兵となりスペースノイドの弾圧を再開するとはな」
新田のその言葉を聞いて式場博士はニヤリと笑う
「閣下・・少しだけ違いますな。小泉大佐は死にましたよ。新しい艦長に粛清されましたよ・・
今、あの艦に人間は乗っていない。人間は私を除き全員死んだよ・・・」
「新しい艦長?人間が居ない?では誰が小泉大佐を殺しタイタニックを乗っ取ったと言うのだ?」
「・・・・・・10381-4543こと遠ыP寿元連邦宇宙軍中尉駄よ・・」
「やはり・・・あの艦にあの男が乗っていたのか!!!どう言う事か説明してくれないかね?博士」
シマが落胆した表情で口を挟む
「やはり・・・富士山の火口付近で回収されたエントリープラグから拉致されたのは遠ъZの方か・・」
「ほう?四丈半中佐、なかなかの勘だな。あの艦のブレインユニットには遠ъウ中尉、いや、ブータベイダー
の頭脳が生体コンピューターとして使われている。エントリープラグから彼を救助した時には彼はひどい火傷と
重症を負っていた。皮膚は焼け爛れ両手両足も焼け焦げまるでビチグソ芋虫のようだった」
「だが彼の「生」に対する執着心はたいしたモノだったよ。我々ラボ式場は当初、
ツネンゲリヲンの生体パーツの回収に出撃したのだ。光翁が作ったあの素材には脳波
誘導兵器のエッセンスが詰まっている。かつての戦争でジオンに遅れを取ったサイコミュの
技術をグレードアップできる。私はそんな予感でチームを派遣した。だがそこに思わぬ落し物があったのだよ」
「光翁少佐の息子である恒寿中尉か・・・」真田がつぶやく
「チームからエントリープラグの中に生存者が居ると聞いて私は狂気乱舞したよ。操縦者を拉致できれば
私の研究は飛躍的に進む。ツネンゲリヲンのギミックは僅かかて解明できなかったがツネッシへの
フィードバックは完成した。私は考えた。この「生」への執着心を生かせば不老不死の鉄騎兵団が完成すると。
同時に恒寿中尉の少年、少女への「性の執着心」これを逆手に取れば無欠の人工頭脳が完成すると・・」
「で?その遠ыP寿元中尉はタイタニックのどこに居るのだ?」
「彼はバイタルパートの格納容器の中に居る。LCLの海に浸かったまま暴走を続けている」
「何故彼は暴走した?」
「わからんな。実は私はホモでな。そんなLCLに浸かっていた彼の菊門に暇をみつけては
ヲッスヲッスしていた。両手、両足のない彼はそんなLCLの海でもがいていたが次第によくなったのか
私に菊門を貸すようになった。だがタイタニックの管制士官と友達になったようでな。情事を見られた
私は彼を殺した。口封じの為になぁ・・」博士はCAして満足気にニヤリと笑う
「あの艦を止める、もしくは撃沈する方法は?」
「無い。ブレインユニットである「彼」が自殺でもしない限りはな」博士はドヤ顔で答えた
「コロニーレーザーでもあれば破壊は可能だ。だがかつてのソーカ戦争でカーク提督による大量破壊兵器廃止法案
によって連邦領内にあったコロニーレーザーは全て廃棄、もしくはネオソーカの侵攻で破壊された。
今からまたコロニーレーザーを建造するかね?その前にタイタニックに破壊されるがな」
「彼は友達が欲しかったのかもしれないな。幼少の頃から光翁のスパルタ教育を受け
学校に行ってもいつも一人ぼっち。そんな彼に唯一できた友達を私は殺した。機密保持の為にな
あの二人が死んでから制御が効かなくなった。今となっては知る由も無いがなぁ」
「たったそれだけの事で暴走するなんてまるで小学生の喧嘩みたいじゃない」シマは呆れ顔で言う
「博士、人工頭脳に安全装置はなかったのですか?」真田の問いに博士は首を横に振る
「覚醒した彼に安全装置など効かぬ。何故ならあの艦は彼の体なのだ。君だって食欲は抑えられないだろう
それと同じ事だ。今、思えば彼を実験体にして頭脳化したのは最大の誤算だったのかもしれぬ」
「あたし達のチームと火口で銃撃戦を演じたのがラボ式場のチームだったとは・・」絶句するシマ
「博士、タイタニック進宙時の補給でオオスミが爆発事故を起こしましたがあれもあなたの差し金ですか?」
真田の問いに式場博士は青白い顔で答えた。
「君が来るのはわかっていた。オオスミを沈める気もなかったがコンベアパイプだけ爆破させたのは失敗だったな
爆薬をケチるな。イザとなったらオオスミごとやれと部下には命令してあったのだがなあ」
「一体、あなたは・・・人の命をなんだと思って!!」真田が博士の胸ぐらを掴む
「よせ大尉!」新田が制止する。横では軍医がストップサインを出している
「博士、あなたの持ち物を全て押収させてもらった。なにやら興味深い記憶媒体もお持ちのようだったのでな
そしてもうひとつ最後に聞きたい」新田は帽子を被り立ち上がりながら喋る
「遠州芳鳴大尉の行方は?」
新章乙です。
>ただ ◆8bVOdV11MI 氏が構想してくれたスピンヲフを設定に入れるととても
>今回の章では描ききれないんで若干割愛させて頂きます。ごめんねw
いえ、謝るべきはこちらの方です。
最後の方はテンションが上がり過ぎてしまって今後の事もつい書いてしまったわけでして…
まあ作者氏の負担にならない程度にネタに使っていただければ嬉しいかな〜とも思っているわけでして…
以後、自重するように善処します。
「超克の碑の遠州大尉の事かね?ふん、彼の行方など私が知りたいモノだ。もし彼が
五体満足で生きているなら彼の体を生体パーツにして10381-4543に移植していたよ
そうしていればあんなビチグソ芋虫を空母の人工頭脳などとして搭載はしていなかった。
10381-4543が人の形を成していればいい実験材料になったのにな。だから私はあのビヂグソ
芋虫に今、生存していて一番若くて血統の近い遠州ヨシミの拉致を計画したのだ。それを
この女が邪魔しおって!!」式場博士は怒鳴りながらシマを指さした。
「・・・・人を人と思わず自分の実験の為には手段を選ばぬ。その為には子供ですら殺すとは・・」
真田は両手の拳を握り締めた
「やっと謎が解けたわ。遠ъウ中尉復活の為によんよんを必要としていたとは。それに「パーツ」としてね
だけど知りたいのはそれだれじゃなく芳鳴大尉の事よ!!」シマは拳銃を抜くと博士に向けた
「わからん人達だな。芳鳴大尉を拉致したのはあんたら3課の人間だろう。我がラボ式場のチームが
あの時、富士山の火口に到着した時に5合目付近からエントリープラグらしい物体を吊ったヘリが離陸
したのを目撃している。だから我々は残ったツネ零号機のプラグを回収したのだ。白々しい、何を言いよるか」
その言葉を聞いて3人は絶句した。
「バカな!エントリープラグは両機から射出されていただと!!で、ではツネ初号機のプラグは誰が!!??」
叫ぶ真田の横でシマは拳銃をローレディポジションで胸に当てたまま放心した。
新田少将はシマから拳銃を奪うとスライドを引き実包を抜くとそれを真田に渡した
「つまりこう言う事か。あんたは遠ъウ中尉の失われた体の代替に遠州ヨシミを選んだ。
彼女を拉致後殺害し恒寿元中尉の頭から下は彼女の体が移植される予定だったと」
新田は手を後ろに組み軍医に向かって一本指を立てる。あと一分だけと言う仕草のようだ。
「フン、何せ弟の娘だからな。移植の拒絶反応も少なくリスクも押さえられただろう。それに
少年少女の体に異常にまで性的興奮を覚えたあいつだ。さぞかし喜んだだろうに。」
その時、ドアの向こうで人影が動いた
「誰だ!!盗み聞きしているのは!!」真田がドアから顔を覗かせるとそこにはノーマルスーツを
着たナツミとヨシミが立っていた。
「い、いえ、大尉殿、別に盗み聞きするつもりは・・あたし達が救助した人大丈夫かなと思って・・」
ナツミの苦しいいい訳している背後にヨシミが隠れるように背後に立っている
「ヨシミ君、何故ノーマルスーツを?まさか中尉!この子を連れてホントに出撃していたのか!!」
「い、いえいえ、これは話の流れであの・・」ナツミがそう言うとシマも顔を出す
「あらあらよんよん、ノーマルスーツなんか着て初陣だったのねえ!」
能天気に発言をするシマにナツミは問いかけた
「あの中佐殿・・?あたし達が救助した人は無事だったんですか?怪我してたみたいだしノーマルスーツと
ヘルメット被ってたんで容態がよくわからなくて心配だったもんで・・・・」
「ええ、無事だったわよ。あなた達のおかげねえ。ほら、あの人よ」
シマはドアを少し開け式場博士の姿をナツミに見せる。その時だった
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ナツミが突然叫び出すと真田が
持っていたシマの拳銃を奪い博士に向ける。トリガーを引くも弾は出ない。初弾が
チャンバーに入っていない事に気づいたナツミはスライドを引く。
「ガシャリ」と弾は装填され式場博士に銃口は向けられた。
「死にやがれクソオヤジィィィィィィィィィィ!!!」ナツミはそう言うと博士の
上に馬乗りになり額に銃口を押し付ける。だが間一髪で新田と真田によって取り押さえられ
駆けつけた警護兵に取り押さえられる。
「クソッ!!離せ!!クソ野郎!!テメエのキンタマヴチ抜いてやんよォォ!!」
汚言を吐き床の上で暴れるナツミに軍医が鎮静剤を打つ。即効性のそれはすぐに彼女を
正気に戻した。軍医は立ち上がりながら言った
「閣下、今日はもうこの辺で」新田少将は帽子を被り直しながら立ち上がった
「すまなかったな。」ナツミはタンカに乗せられ自室へと運ばれた
「彼女が「また」暴れたのですか」一色艦長は新田少将に尋ねた
「また、とは?」ああっと新田は思い出したようにうなづいた。
「私がオオクボ勤務だった頃に一度遠中尉のブータガンダムとナツミ君が搭乗していた
NEVADAで空間模擬演習をやった事があってな。彼女はその結果に満足がいかずラダー上で
大暴れした事があってな。その時もさっきのような感じだったんだが・・」
一色艦長は頭を掻きながら話す
「ええ、彼女の突然キレる性格はここでも発揮されましたよ。中隊の男の搭乗員相手に
暴力沙汰も何度か起こしてましてな。ただ後で事情を聞くと彼女はその時の事を覚えていない
腕はいいんですがそこがタマにキズでしてなあ」それを聞いていたシマが口を開く
「フラッシュバック現象、強化人間によくある症例ですね」
「き、強化人間だと?バカな!!ナツミ君がだと!!」二人は驚く
「オガワナツミ中尉。元連邦宇宙軍現地徴用特務少尉。長崎市出身。実は
彼女の幼少の頃の記録とオオクボから除籍された後、偽の死亡届けが出され
このセンカクの部隊に入隊するまでの空白の期間が謎は解けていません。それは彼女の
口から説明があったのですが・・・」シマは新田をチラ見すると何かを促す
ウホンと新田は咳払いをすると一色艦長に問いかける
「実はナツミ君と我々だけで話をする機会を作った。彼女曰く、このセンカクの
船団は秘密結社の輸送船でクルーもその組織の人間だと聞いた。艦長、本当かね?」
バカバカしいと言う表情をする一色艦長。その前に真田が口を挟む
「もしこの船団がその秘密結社のモノであれば我々はとうに消されていたでしょう。
元々、宇宙軍所属のランチと言う事は名乗っていたし救助するメリットもない。」
「彼女のフラッシュバックが交互に激しくなっているのかもね」シマが呟く
「では式場博士に対してのあの行動はなんだ?」シマの発言に一色が食ってかかる
「式場博士はラボ式場の所長。脳波兵器の権威、彼はザンスカール帝国かの亡命者って事は
さっき小川中尉が話してくれたわね。恐らく小川中尉は式場博士と繋がりがある。いえ、彼女は
博士によって作られた強化人間なのよね。本来、強化人間はマスターには反抗出来ない様に
すりこまれている。あたしの勘だけど彼女は博士になんらかの性的虐待を受けていた。
そのタガと記憶が博士を見た事によって外れ蘇りさっきの行動に出た、のね」
新田はその話を聞くとウンザリした顔をする。
「中佐、その話は後だ。で、小川中尉の容態は?」
「鎮静剤で今は眠っているようです。よんよんが付きっ切りで居るこみたいですけど
警備兵も随伴しているので問題ないでしょう」
「ヨシミ君がMSで出撃したらしいがその件は今は不問にしよう。真田大尉、式場博士の所持品から
何か出たかね?」真田は端末に表示されたファイルを開ける
「ええ、いい物がありました。「タイタニック」の設計図及び構造図ですよ」
彼はそう言うとそれをメインスクリーンに投影した
392 :
名無しさん:2011/12/25(日) 08:42:16.32 ID:KKcO0hQr
期待
空母タイタニック、いや空母シンデンはセンカクの領空を突っ切りメインバンチへと
向かいつつあった。途中、迎撃に出たセンカクの守備隊の艦艇やMSをも瞬殺し
「彼」はメインバンチ直前で船を停船させた。
「ほう、これがセンカクの「本土」かね?(@w荒 だが宇宙皇帝であるヲレに楯突いた
代償は払って貰をう(@wぷ バカ駄なぁ」「彼」は艦首に装備されている対コロニー
ミサイルACM-120をメインバンチに2発。他のコロニーにも1発ずつ発射した。
ACM-120はコロニーの隔壁を難なく貫通しセンカクのコロニ−群を跡形もなく葬った
「はははははははははははははははははははははははは(@w荒 ヲレは命をも
自在に弄ぶ事もできるよ(@wぷぷ もはやヲレを停められるモノはこの宇宙には
存在しないのぢゃないのかな?(@wぶぶ 勝ったな。圧倒的に勝った。銀河(ry」
シンデンは爆発するコロニーの炎で赤く染まりその周囲にはツネッシが飛びかっていた
時を同じくしてカイヨウのブリッジからもその爆発炎は観測されていた。
「艦長!!至急ブリッジヘ!!」艦長室で「シンデン」の対抗策を協議していた一色艦長は
ブリッジへ呼ばれる。ブリッジのクルーは信じられない光景を受け入れられないでいた
「何があった??」
「12時の方向、巨大な爆発光確認!あの方向には我がセンカクのコロニー群がありますが
直後にメインバンチ及び他のコロニーも探知不能です。信じられません。「センカク」が消えました。」
観測員は呆然としながら報告する
「バ、バカな・・コロニーが、消失しただと・・・・」
よろける一色艦長を真田大尉が支える
「我々の責任だ・・・」新田少将は帽子を目深に被り直し呟いた。
資源衛星「センカク」に到着した安部中将率いる第三艦隊は残存した統合軍の
艦艇と合流し「シンデン」を撃沈すべく追撃に入った。
「田口大佐を小泉大佐が射殺して艦隊を乗っ取っただと?だがその小泉大佐も殺され
タイタニック、いや、シンデンは暴走を続けている。一体何が起きていると言うのだ!!」
安部中将は「アタゴ」の艦橋で首をかしげた。直後に観測員から「センカク」メインバンチ及び
コロニー群の消失及び謎の爆発光確認の報せが入る。
「中将閣下!前原司令から暗号電が入電していますが!」通信兵が暗号文を持って駆け寄る
「第3艦隊は後発の第1.4.6.7艦隊及びルナツーからの第201空母打撃群と共にシンデンを撃沈せよだと?
連邦宇宙軍の総兵力を投入した一大決戦じゃないか!!一体どうなっているんだ??」安部中将は驚愕する。
「我が第三艦隊はシンデンを後方から。後発の部隊は前方からの挟撃作戦に出る。MS隊をスタンばらせろ!!」
ついにネオソーカの乱以来の艦隊戦が幕を開ける
395 :
名無しさん:2011/12/27(火) 23:38:06.95 ID:fvaYhIx3
保守
カイヨウの士官室では空母「シンデン」の対抗策が練られていた。
キチガイに乗っ取られた空母一隻、たかが一隻の空母を撃沈する為に宇宙軍の
総戦力がつぎ込まれている事を彼らは知るよしもなかった。
一色艦長やカイヨウのクルー達は故郷を失ったショックで放心状態にあった。
「報告!機関の修理完了しました。30分後には航行可能ですが最高で15宇宙ノットが限界です」
その報告を聞いた一色艦長に覇気はなかった。伝令兵は報告を告げるとやる気のない足取りで戻っていく
「今更、機関が直っても我々にはもう帰る故郷も家族も居ない・・・」
うな垂れる艦長を見て新田少将と真田大尉とシマは士官室を出る。
「ざっと見ても「シンデン」に弱点らしきモノは見当たりませんね。弦側装甲や上部装甲も厚く
メガバズーカランチャーが現存していても破壊は不可能でしょうね。まさしく不沈空母ですよ」真田が呟く
「もう少し式場博士を叩かないと無理のようね」無茶を言うシマに新田は自制を求める
「博士の容態もあまりよくないからな。彼のケガの治療の為に早いところセンカクに入港するべきだったが
機関も故障していたし我々も運がよかったのか・・・困ったものだ」その時、シマが我に帰る
「さっき博士は芳鳴大尉を3課が拉致していったと言ってたわ。だけど我々は関知していない。どう言う事なの?」
「ツネンゲリヲンのエントリープラグは二機とも射出されていた。衛星画像では確認できていなかったが博士の言ってた
事が事実とすれば芳鳴大尉の生存の可能性は高いですね。しかし一体誰がツネ初号機のプラグを持ち去ったのか」
真田は首を捻る。
「連邦右派でもなく左派でもなく第三の組織が動いているとしか考えられんな。」新田が呟く
「第三の組織?一体それは・・・」
空母「シンデン」はセンカクのコロニーのデブリのど真ん中で停船していた。
「彼」は格納容器の中で息を潜めていた。だが「彼」には自分の「目」となる95体の使徒が居る
「ほう?どうやら雑魚共が必死のよう駄ね(@wぷ」哨戒飛行していたツネッシが宇宙軍の艦隊を発見したのだった
「ヲレは逃げも隠れもしないよ(@wぶ やれるモノならやってみたまへ(@w荒」
「中将閣下!!甲部隊集結完了しました!!乙部隊も作戦空域に展開中との事です!!」
伝令兵の言葉に「アタゴ」に座乗している安部中将がうなづく
宇宙軍甲部隊はグラナダから発進した部隊である。
空母3 重巡8 駆逐艦8 駆逐艦12隻からなる部隊であった。
対する乙部隊は空母2 重巡2 軽巡1 駆逐艦15隻のルナツーからの部隊であった。
かつて偉容を誇った連邦軍宇宙艦隊も再建途中とはいえ往年の姿ではなかった。
「乙部隊には最新鋭のガンダムラプターが配備されていると聞く。我々にも配備されたばかりの
ガンダムライトニングがある。たかが護衛のない空母一隻、すぐに沈めてみせる」
窓の外を眺める安部中将に新たな報告が届く
「索敵3号機より報告!!方位0-4-0に敵空母確認せり」
敵空母とは勿論「シンデン」の事である。
「大量のデブリのせいで無人偵察機の飛行は困難です。いかがなさいますか!!」
一人の参謀の問いかけに安部中将が下命する。
「これより空母シンデンを撃沈する。オペレーション「オイリーハント」発動!!
ライトニング隊を出撃させよ!!先制攻撃に入る!」
>>397 ×空母3 重巡8 駆逐艦8 駆逐艦12隻からなる部隊であった。
○空母3 戦艦2 重巡8 駆逐艦12隻からなる部隊であった。
「中将閣下!!作戦開始ですが第一艦隊の戦艦「コンゴウ」か「ハルナ」に移乗なさいますか?」
「いらん。」安部中将は前方を見据えたまま返事をする。
「戦艦に乗ろうが巡洋艦に乗ろうが殺られる時は同じだ」
甲部隊の空母「タイホウ」「ズイカク」「ショウカク」から最新鋭機ガンダムライトニングとガンダムホーネットを
出撃させている。「シンデン」を追い立てる猟犬はかくして放たれた!!
連邦政府大統領府。オバマ大統領は執務室で極秘裏にレーザー回線で会談を行っていた。
「この話は外部には漏れていませんかな?大統領閣下」
「秘匿回線の暗号化処理されていますので我々以外には絶対に聞こえませんな」
「しかし大統領閣下。今回は「絶対」に起こりえない事が起きた。これには説明が必要ですな」
オバマ大統領と会談しているのは12あるコロニー連合を束ねる指導者タクマ議長であった。
「閣下、あなたとは地球、そして我々コロニー国家との共存共栄を唱えてきた、だが今回の一件は
どうみてもネオソーカの残党にはできない事だ。我々に侵攻しつつある艦隊の攻撃命令はあなたの差し金ですかな?」
「タクマ議長、神に誓おう。私は一切、そのような命令は下していない」
「ほう?だが「ラサ」消失時の連邦艦隊といいつい先ほど「センカク」も消失した。我々はその「艦隊」の動きを
トレースしていたが宇宙軍の艦隊以外は確認できない。これでもまだネオソーカのテロと仰るおつもりか?」
オバマ大統領はセンカク消失の件を小声で補佐官に尋ねる。補佐官は無言で首を縦に振る。
「タクマ議長、あまり公に言いたくはないが連邦政府の中に我々の和平案を妨害しようとしている一派が居るようだ。
おおよその見当はついている。たがまだ彼らの仕業だと言う確証はないのだ」
「閣下、今センカクの空域のデブリの中に一隻の未確認の艦艇が確認できている。艦影からして戦艦か正規空母クラスと聞いている
この艦が一隻でコロニーを破壊したのであればこれは大問題でありしかもその船籍が宇宙軍のモノであればお話はこれまでですな」
「タクマ議長、現在我々もその艦については調査中です。防衛総省の方からはネオソーカの新鋭艦との報告を受けている」
「ネオソーカの?あの残党にそんな技術も資金もあるまい。かつての戦争でネオソーカは破壊の限りを尽くした。コロニー連合としても
彼らの支持に回る所は無かった。だが今ではそんな彼らを同情する意見も出ている。」
「議長、それはコロニー国家と政府での前面戦争が始まると仰りたいのですかな?」
オバマ大統領とタクマ議長の紙一重の腹の探りあいが続く。
「おやおや。閣下。そのようなつもりでは。ですが我々にも自衛権がある。残った10のコロニー群から
守備隊をまとめ連合艦隊を集結させている。これは我々の最後の切り札ですよ、閣下」
「では連邦宇宙艦隊とコロニー連合艦隊の間でもし武力衝突が起きれば前面戦争・・と仰りたいのですかな?」
オバマ大統領はそう言うと足を組みかえる。
「そうならない為にあなたと私が居る。私も各コロニーの指導者に納得の行く説明をせねばならない。あなたなら
私の立場はわかってくれるはすだ。オバマ大統領閣下」モニターの向こうで額の汗をぬぐうタクマ議長が映る
「その通りです。議長。私の方でももう一度防衛総省長官から現況を確認しましょう。」
ふたりの指導者はとりあえず矛先を鞘に収める。
「ではまた後ほど」と言うと画像は切れた。
「補佐官、中曽根長官を呼んでくれ」オバマ大統領は溜息をついた
空母「シンデン」の頭を封じるルナツーからの第201空母打撃群からもMSが発艦されつつあった。
「ズイホウ」「チトセ」「チヨダ」の小型改造空母群であった。
母艦は小型だが搭載されている機体は最新鋭のステルスMSガンダムラブターであった。
「たかだか一隻の空母など・・一時間で沈めてやる」
打撃群司令の栗田中将は発艦するラプターを見つめて勝利を確信していた。
「ほう?(@w荒 ヲレを撃沈する為に総戦力を投入したよう駄ね(@wぷ ぢゃあヲレも
お出迎えをしないといけないなぁ(@w荒」彼はそうつぶやくと上部甲板のハッチを開くと
前後から48機のツネッシが飛び出して行く。
「なぜヲレがここから動かないか意味が理解できていないよう駄ね(@w荒」
安部中将も栗田中将も「タイタニック」いや、「シンデン」の作られた意味を理解していなかったのだった
401 :
名無しさん:2011/12/31(土) 23:42:50.60 ID:ES76SAVN
正月SP期待
甲部隊旗艦「アタゴ」で索敵班が叫ぶ
「報告!!センカク領空内中心で敵空母停船中!デブリ多数ですがレーダーにて補足しています!」
「ミノフスキー粒子の濃度は?」一人の参謀が問う
「はっ、中心空域の濃度はレベル4を切り5へ移行中です。」
「バカめが。デブリの空域に頭隠して尻隠さずの豚丸出しじゃないか!中将閣下、ここは一気に攻め・・」
そのやりとりを聞いていた安部中将はふと我に帰る。
「位置を特定されているのに停船しているだと?しかもミノフスキー粒子を散布していないとは?機器の故障か?
この状況はどこかで聞いた事があるが・・・」彼は参謀の具申に返事もせず頭を抱えた。
「いかん!!攻撃隊を呼び戻せ!!作戦中止!!乙部隊にも通信封鎖を解き打電しろ!急げ!!」
途端、安部中将は発狂したかのように叫んだ。
同時刻。乙部隊指揮官の栗田中将も同じ報告を受けていた。
「このまま甲部隊と敵空母を挟撃する。ヤツにはガンダムラプターは補足できていない。このまま沈めろ!」
「ほう?ヲマエらはやはりヲレを理解していなかったよう駄ね(@wぷ」
空母「シンデン」は微動だにせずセンカクの中心空域に居座る
「隊長!本隊より入電!!作戦中止!帰艦せよとの事です!」
甲部隊の空母より飛び立ったガンダムホーネット護衛に付いたガンダムライトニング隊の
隊長機はとまどった。彼らはすでにデブリの空域を避けつつモニター最大望遠で目視できるシンデンを
捉えつつあったのだ。
「ミノフスキー粒子もなく丸裸の空母一隻目の前にして帰艦命令とは!!だが命令なら仕方あるまい」
甲部隊の攻撃機がUターンしたその時だった。
対艦用の大型のビームライフルを装備したガンダムホーネット隊が次々と爆発の閃光に飲まれていく
護衛のライトニング隊は状況が把握できない。
「編隊を解け!!敵襲なのか!!各機デブリの陰に退避しろ!!」散りじりになる攻撃隊
だが遮蔽物に退避したMSは次々と撃墜されていく。
「これは一体どう言う事なんだ!!サイコミュ兵器による攻撃なのか?だが閃光は確認できんぞ!」
その時、甲部隊のMS隊の前を一機の不細工なMSが青白い噴射炎を飛んで去って行くのが見える
「隊長!敵機を確認!!撃墜します!!」一機のライトニングがその不細工なMSに向けてライフルを発砲する。
他のライトニングも我に続けとばかりたかが一機のMSに発砲する。だがそのビームの束は虚しくデブリに直撃する
次の瞬間発砲した甲部隊のMSは爆炎に包まれる。
「発砲炎が見えないのに友軍機が次々と撃墜されていく。一体何が起きているんだ!!
コロニーの大型デブリに退避したホーネット数機は息を潜めた。その内部は元は工業コロニーだったらしく多数のタンクらしき
建造物が今は廃墟となって並んでいた。そのタンクの間に陰が走る。
「敵機発見!!」対艦用のビームライフルを発砲するガンダムホーネット
「左だ!左へ行ったぞ!」だがその巨大なビームライフルは閉鎖された元工業コロニーの中では取り回しが聞かない
「くそっ!銃身が長すぎる!!」一機のホーネットはライフルを捨てるとビームサーベルを抜く
「背後を取られるな!円陣を組め!!」だが一機、また一機とその中でホーネットは爆炎に包まれていく
デブリの中、外でライフルを乱射するホーネットとライトニング。無残にもその閃光は敵を捉えられず
友軍機に味方撃ちを与えていく。乙部隊のMS隊も同じ状況になっていった。
「はははははははははははははははは(@wぷぷ ブザマ駄なぁ!!何人たりともヲレとヲレの使徒には
触れられないのだよ(@w荒 宇宙皇帝には指一本触れられないのだよ。後ろから来た艦隊の指揮官は
少しは気づいたようだったね(@wぷ でももう詰み (@w荒」
「そんな狭い空間の中でビームライフルなんか乱射していいのかね?(@wぷぷ」
大混乱状態に陥った連邦宇宙軍MS攻撃隊
彼らは敢えてミノフスキー粒子を絶ったシンデンの艦影に釣られ領空内に漂うツネッシの
アンブッシュ(待ち伏せ)に気づかなかったのだった。360度のデフリに潜むツネッシのニードルライフルは
確実にホーネット ライトニンク ラプターを捉えていく。砲火が止めば一機のツネッシが囮になり
空気推進でなく敢えてスラスター推進で機位を視認させ撃って出てきた敵機を他のツネッシが攻撃すると言う
連携プレーで攻撃隊を血祭りに上げていく。空域から離脱しようとした攻撃隊も音も無く撃たれて行く。
その砲火を嫌って廃コロニーのデブリの中へ逃げ込めば待ち伏せしていたツネッシに抹殺されていく。
大型のビームライフルでは閉所閉鎖空間では取り回しが効かず内部を俊敏に動き回るツネッシに
ロックを掛ける事は不可能に近かった。もっともこの戦術はシンデンの「彼」が思いついたのではなく
「タイタニック」と「ツネッシ」の当初のコンセプト通りのモノだった。
「閣下!!前方で爆発光多数!!攻撃隊と連絡が取れません!!いかがなさいますか!!」
遅かった。安部中将はブリッジの窓に手を付けその光景を目の当たりにした
乙部隊の指揮官、栗田中将も同様だった。
「デブリの中に潜む艦艇とデブリを戦術的に利用した攻撃方法。思い出した!17年前のあの海戦と同じだ!
私とした事が・・・・あの戦術理論を何度も研究していたのに多数の機体と将兵を失ってしまった」
安部中将は絶句した。「あの海戦」とは連邦軍とソーカの事実上の最終決戦となった「エリア84海戦であった」
「どんなに新型ガンダムを開発しようがヲレのツネッシ以下駄ね@wぷ 次は本隊にヲ仕置きが必要のよう駄ね(@w荒」
MS隊を全滅させたツネッシ隊は甲、乙部隊の艦艇に向けデブリから飛び出して行く
405 :
名無しさん:2012/01/06(金) 23:53:13.89 ID:G0snxd2A
続き待ってます
「迂闊だった・・あの空母の開発コンセプトは閉所戦闘専門だった事を・・その蜘蛛の巣の
中に攻撃隊を飛び込ませた私は・・・・・なんて事だ・・・」呆然とする安部中将
「モーションセンサーに感あり!!レーダー反応無しですが何も捉えられません!!
ミノフスキー粒子戦闘濃度散布完了!!」観測員が叫ぶ。同時にアタゴの艦長の下命が下る
「対空戦闘用意!!高射長、必ず仕留めろ!!いいな!」
アタゴの対空砲は生き物の様に砲身を漆黒の宇宙空間に向けた
「・・・・ヲレの使徒達をそんなモノで撃墜できると思っているのかね?@w荒
このツネッシはCQBだけでなく制空戦闘も得意なんだよ(@wぷ」格納容器の中の男は呟いた
「直掩のMS隊に告げる。敵機を艦隊に近づけるな!!繰り返す!!敵機を・・・」
だが甲部隊の艦隊護衛についていたガンダムライトニングは何の前触れもなく爆発の閃光に飲まれていく
「敵機及び発砲炎視認できません!!どこを狙って撃てばよいのですか??」
各対空砲座のセクションから支持を問う連絡が艦橋に押し寄せる
「どこでもいい!!闇雲に撃ちまくれ!!艦隊転針!!針路1-9-5、この空域から離脱する!!」
単縦陣の艦隊はUターンをかける。
直後、艦隊の真ん中についていた空母三隻が爆炎とともに落伍する。
「司令!空母がやられました!!」直掩に居た味方のMSは全て撃墜されたようだ。
安部中将はブリッジの窓に張り付き外を凝視する。
そこには友軍の対空砲火と味方艦艇の爆炎しか見当たらない。
「い、一体、敵はどこから攻撃しているのだ・・・」
「乙部隊より入電!!ワレテキノコウゲキヲウケヒガシジンダイナリ シキュウエングンヲモトム」であります!」
乙部隊もダメか。同時にアタゴの主砲塔が爆発して砕け散る
「ははははははははははははははははははははは!!ざまあねえな(@w荒
圧倒的な勝利じゃないかね。勝った(@wぷぷ」
かくしてオペレーション「オイリーハント」は連邦宇宙軍の圧倒的惨敗に終わった
作戦に参加したMS約200機はたかだか50機のツネッシに瞬殺されてしまったのだ。
甲部隊は旗艦アタゴ以外に駆逐艦が二隻残ったのみ。乙部隊に到っては全滅である。
再建途中だった連邦宇宙軍の宇宙艦隊は事実上崩壊した。
連邦政府大統領府
モニター越しにオバマ大統領とタクマ議長が対峙する。大統領の横には中曽根防衛総省長官が
額の汗をハンカチで拭いながら立っている。会見は初っ端から紛糾した。
一方、コロニー連合の艦隊は連邦宇宙軍の壊滅を知らずセンカクの空域に接近しつつあった。
「シンデン」を追ってきた艦隊と一触即発状態の連合艦隊は「彼」に発見され補足されていた。
「ほう?まだヲレに楯突く奴が居るとは。懲りないなぁ(@w荒」
シンデンの下部デッキから24機のツネッシが発進していく。狙いはコロニー連合の艦隊である。
「中曽根長官。センカクのコロニーを消滅させたのはソーカの新鋭艦であると?」
タクマ議長は先制パンチを繰り出す。その攻撃を長官は枝野補佐官に振った
「現時点ではセンカクの空域に留まる大型艦はネオソーカの艦艇であると、私共はそう聞いております」
ファイルを開いた補佐官は淡々と答える
「ほう?現時点で?では1分後にそれがネオソーカでなく連邦宇宙軍の艦艇に変わる事もありえるのかね?」
タクマ議長に突っ込みに補佐官は一瞬とまどう。そこに大統領が口を挟む
「私共」ではなく「長官と補佐官」の見解じゃないのかね?私も事実関係の報告を聞きたいのだが」
「我々の情報によればルナツーとグラナダから連邦宇宙軍の大艦隊がセンカクに向かった証拠がある。これがもし
我々スペースノイドに対する軍事行動であれば全てご破算だと先ほど大統領閣下には述べたはずだ。率直に言おう
停泊中の艦艇が新鋭空母であり後発の艦隊は合流しようとしているのではないのかね?」タクマ議長はさらに突っ込む
「枝野補佐官!どうなのだ?センカクに居る艦艇は一体何なのだ???」大統領も声を荒げる
その時、大統領の目の前に一枚のメモ紙が渡される。
「・・・中曽根長官、センカク沖で我が宇宙艦隊が壊滅したと今連絡を受けた。これはどう言う事かね?私はラサの
治安出動は承認したがその他の軍事行動は一切承認していないぞ!!」怒鳴るオバマ大統領。同時にタクマ議長もモニターの
向こうで何やら側近と話しをしている。
「大統領閣下・・・さきほど我が連合艦隊の主力部隊と支援部隊が消息を絶ったと連絡が・・連邦宇宙軍のその壊滅と何か関係があるので?」
互いを互いをモニター越しに疑心暗鬼する中、それは起こった
409 :
名無しさん:2012/01/07(土) 12:25:02.98 ID:/IwVX9V4
408で気になる引き方をするとは…w
中曽根長官は持っていたハンカチを大統領の机上に投げ捨てた。
驚く大統領をヨソに長官は口を開く
「タクマ議長。あなたがおっしゃる通りラサ、センカクのコロニーを破壊した艦艇は
我が連邦宇宙軍所属のモノです。艦名は「タイタニック」新鋭の攻撃空母です。この艦は
あなた方スペースノイドの脅威から地球を守る為に建造した。艦載されているMSも新型機であり
あなた方がお持ちのMSより一歩も二歩も先を行く新型機ですよ。今回の作戦に大統領閣下は一切
関与していない事は私が保証しよう。これで疑問は解けましたかな?」
逆キレした中曽根長官を唖然とした顔で見つめるオバマ大統領とタクマ議長
「一分後にあの艦がやはり連邦宇宙軍のモノに早替わりしましたな。長官。で、これからどうするのかね?
あの艦を使って我々を弾圧するのかね?それとも一気に虐殺するのかね?残りの10の宇宙国家もラサやセンカクと
同じ様に!!」タクマ議長は叫んだ。オバマ大統領は頭を抱え言葉が出ない
「ラサを攻撃したまではプラン通りだった。我々はあの艦を使ってセンカクの資源衛星を陥とすつもりだった
だがそこに招かざるゲストが出現しましてなあ・・・」ニヤリと笑う長官。
「中曽根君・・君は自分の言ってる事がわかっているのか?・・・君は大統領権限を著しく侵害したのだぞ」
呆然とする大統領に長官は笑った。そしてファイルに隠してあった拳銃を取り出すと大統領に向けた
「率直にお話させて頂きます。大統領、議長。我が新鋭攻撃空母「タイタニック」は乗っ取られ
「シンデン」と艦名を変更しました。「シンデン」の艦長は中央政府にもコロニー連合にもどちら側
にも付かないでしょう。せっかくスペースノイド共を黙らせる新兵器が完成したのに私も辛い・・・
我が宇宙艦隊とコロニー連合の艦隊が交戦した事実は無く恐らくシンデンにやられたのでしょう・・」
「中曽根長官、新型空母が建造中と言う話は聞いていたがそんなモノとは・・」
オバマ大統領は椅子の上で凍りつく
「私の影でコロニー連合にけしかける兵器を開発していたとは・・・」
「大統領閣下、もはや中央政府であなたを支持する人間は居ないでしょう。連邦政府とは力なのです。
かつてのブターンズの様に力あるモノが弱いモノを支配する。それの何がいけない?」
「キミの様な人間を防衛総省の長官に任命した私のミスだった」
うつむく大統領に長官は銃口を突きつける。
「大統領、ここから退席してもらおう。連邦政府の次の指導者は私が一番ふさわしい」
長官は引き金に指をかける。だが突然モニターがブラックアウトする
「なんだ?」
モニターには無数の小さな文字が浮かぶ。「東京さんとエッチしたい」
そのくだらない一文はモニターを埋め尽くしていく。
「枝野!!なんだこれは!!」
「長官、恐らくサイバー攻撃かと・・今、逆探知してみます!」補佐官は部下に
逆探知を指示する。部下の顔が青ざめる
「長官・・これは「シンデン」からのサイバー攻撃です。今のタクマ議長との会話も全て」
「何!!??」
「バカな!暗号の秘匿回線にどうやって割り込んだ???」絶句する長官
「かまわん、こちらからもやり返せ!!早くしろ!」部下はサイバー攻撃用の
プログラミングを入力していく。
「ダメです長官!攻撃プログラムを入力しても「東京さんとエッチしたい」が
「東京さんとエッチしたいくせに」に変わるだけです。なんとバカバカしい攻撃なんだこれは!!」
画面には延々と「東京さんとエッチしたいくせに」の文字が流れていく
「キ・・キチガイだ・・・私はなんてキチガイを創造してしまったのだ!」また画面の文字が変わっていく
「はははははははははははははは!!雑魚が仲間割れしているよう駄ね(@w荒」
「!!??キサマ!遠!!??」
「ほう?ヲレを呼び捨てにするとは・・・誰ヲマエ?(@wぷ」
「むぅぅぅ、私はヲマエを作った防衛総省長官中曽根だ!!命令する!直ちに我々の指揮下に戻れ。原隊に復帰しろ
今ならお咎め無しで許してやる。さあどうする!!」吼える長官
「ほう?ヲレに命令するのかね?(@wぷ もし「嫌」と言ったらどうするね?(@w荒」
「ヲマエを・・・撃沈してやる!!」
「はははははははははははははははは!!撃沈だって?(@wぷ だってもうヲマエらの艦艇もMSももう無いじゃん(@wぷぷ
ヲレをさっき沈めようとしてたみたいだけどこっちが逆に詰んじゃったね。はい詰み(@wぷ さあさあほらほらどうするね??」
論破された中曽根長官は黙り込んでしまう。そこへ枝野補佐官が話しかける
「遠ъN。ここはひとつ取引と行こうじゃないか?」
「ほう?取引とは何かね?(@wぷ」
枝野補佐官は咳き払いをすると「彼」に話始めた
「君はかつて我が連邦軍の士官だった。東京士官大学卒のエリート将官だったはずだ。
そんな有望な人物がネオソーカの手先として地球侵攻作戦に参加したのも他ではならぬ
事情があったのだと私は分析している。そしてまた「君」は我が連邦宇宙軍の最新鋭の
攻撃空母として生まれ変わったのだ!!ネオソーカの手先になった事は不問になる。君だって
その空母に居る以上「兵站」が必要だ。つまり補給物資だ。君にたいして万全のバックアップ
ができるのは我々だけだ。どうだ?君に「宇宙軍大将」の階級を与えよう。考え直してくれないか?」
枝野の問いに彼は10秒ほど沈黙をする。そして
「ほう?ヲマエはヲレの価値を理解しているようだね(@wぷ」
「あたり前じゃないか!君は我が連邦軍の最高学府である「東京士官大学卒」なんだぞ!我々は君を欲している」
「ヲイ?枝野・・・少し言いすぎじゃないのか?」中曽根長官は小声で話しかける。
「・・・・だが取引と言うのはイーブンな間柄の話ぢゃないのかな?(@wぷ ヲマエらにヲレに対して
取引はできないはずなんだが(@wぷ まあいい。ではまずヲレに補給をしてもらおう(@wぷ」
「ああ、なんでも必要なモノがあったら言ってくれ。何が必要なんだ?」
「・・・・対コロニー弾ACM-140を12発。あとツネッシ用のニードルライフルの弾薬も必要だね(@wぷ
それを聞いて饒舌だった枝野補佐官の言葉が詰まる
「い、いや、あのミサイルは今は在庫切れでな・・あ、あはは・・それはちょっと待ってくれないか?」
「対コロニー弾だと?あのラサとセンカクを破壊したのもそれか??そんな危険なモノを補給だと。ありえん!!」
中曽根長官に銃を突きつけられたオバマ大統領は鋭い眼光でモニターを睨みつける
「ヲヤヲヤ?話が違うじゃないかね?コロニー連合の奴らに勝ちたくないのかね?(@wぷ 二度に渡る攻撃で
ミサイルを撃ちつくしてしまったんだよ(@w荒 さあ?どうするね?ほらほらほらほらほら(@w荒」
「それにACM-120はルナツーに24発も在庫かあるじゃないかね?(@w荒 ヲレが軍の
データベースを乗っ取った事も理解できていないのかね?(@wぷぷぷぷふ」
「わ、わかった!ACM-120とニードルライフルの弾薬は補給する。」枝野補佐官は慌てて言う
「待て!ふざけるな!!キサマの様なクルクルパーに好きにはさせんぞ!」オバマ大統領は怒鳴る
「・・・ほう?宇宙皇帝であるヲレにまだ逆らうのかね?@w荒 ぢゃあヲレから2つ目の条件をつけよう(@w荒
長官、大統領を射殺したまへ(@wぷぷその男はもう不要じゃないのかな(@wぷぷぷ」
一瞬、中曽根長官と戸惑った表情を見せるがすぐ我に帰った。
「その通りだ。リーダーは多数も必要ない」
「中曽根・・・後で後悔するぞ」
「大統領、後悔するのなら最初からこんな事しませんよ。残念です。」
パン!と乾いた銃声とともに大統領はカーペットの上に倒れこんだ。
中曽根長官はすぐに大統領の遺体に駆け寄ると彼の手にその拳銃を握らせた。
「ほう、ヲレ宛の補給物資の位置と座標はヲッて指示するよ(@wぷ」
彼はそう言うとモニターから消えた。
同時にSPが大統領室に雪崩れこむ。床に倒れる大統領を見たSPは凍りつく
「大統領はタクマ議長との和平交渉に失敗した責任を取られ自決された。止めたのだが・・遅かった。」
大統領の手に握られた拳銃を見てSP達は黙ってうなずくしかなかった。
センカク沖海戦に破れた甲部隊の生き残りの「アタゴ」「ハマナミ」「タマナミ」はどれも
船体に損傷を受けていた。アタゴは主砲の爆発で砲身がブリッジに突き刺さり安部中将以外の
幕僚が全て戦死していた。彼らは命からがらセンカクの空域から離脱してきたのであった。
報告!「ハマナミ」機関故障で落伍ののち誘爆にて爆沈!」「アタゴ」の後方で
爆発光が見える。安部中将は頭に巻かれた包帯に手を当てその光景を見つめる
「現在、10宇宙ノットしか出ません。機関にも被弾している為、グラナダまでたどり着けるか・・」
伝令兵はそう言うと去って行った。
「完敗だ」甲部隊が囮になり「シンデン」のMS隊をこちらに引きつけている鋤に
乙部隊の最新鋭ガンダムラプターで攻撃させるはずがまさかの待ち伏せに会うとは・・・
もはやこれまでか・・と思った矢先であった。
「閣下!!方位2-4-4に艦影2!!デブリをぬって接近中です!!」
「二隻の艦艇だと?乙部隊は全滅したはずだが・・・」
「IFF確認!!センカクの輸送船団です!!」
接近中の二隻とは護衛空母「カイヨウ」と駆逐艦であった。帰るコロニーを失い
ただ彷徨う二隻だけの艦隊だったが彼らも甲部隊の二隻を補足していた。
「艦長!!連邦宇宙軍の艦艇です!!二隻だけですが・・」
「まさか・・攻撃しては来ないだろうな?」
その様子を見ていた新田少将が通信兵に近寄る。
「君、あの艦隊と通信は可能かね?艦長、いいかね?」
「ミノフスキーレベルは問題ありません。デブリが多いのでレーザー回線ですとちょっと厳しいかもしれませんが」
一色艦長は首を縦に振る。通信兵は回線を「アタゴ」に繋いだ。
「司令!センカクの艦隊より入電です。画像に出しますか?」
アタゴの通信兵は安部中将に問いかける
「繋げ」
通信席に座った安部中将の前に新田少将が映る
「・・・新田少将、生きていたのか!!」
「白々しいですな。中将閣下。私の監視役に小泉大佐を付けたくせに」
「少将、今の言葉は聞かなかった事にしよう。上官侮辱罪だぞ」
「ほう?閣下、侮辱罪で済めばいい方ですな。連邦軍と言う組織があればの話ですが」
「どう言う意味かね?」
「空母タイタニックは乗っ取られたりですよ。ご存知ないので?」
腹の探りあいをする二人の会話に周囲の人間は冷や汗を垂らす
だが均衡を破ったのは安部中将だった
「知っているよ少将。我々はタイタニック、いや「シンデン」の撃沈の命を受け
宇宙艦隊の全戦力を投入した。だが結果はご覧の通り。ルナツーの空母打撃群は壊滅
グラナダの戦力はこの中破したアタゴと同じく中破したタマナミだけだ。我々に打つ手はない」
まさか・・・虎の子の空母部隊が全滅したとは・・・新田少将は動揺する
「MSは?新型のガンダムラプターやライトニングも投入されたのでしょう?」
「艦載のMS飛行隊は全滅した。我々には空間戦闘用の機体は一機も残っていない」
うなだれる安部中将の画像を見つめる新田少将にカイヨウのクルーが駆け寄る
「少将閣下、先ほどセンカクの反対側の空域で多量の爆発痕及び熱源を観測しました。
コロニー消失の熱源よりも広範囲に散っていますので恐らくそれが戦闘の結果のようです」
連邦宇宙軍の全戦力の喪失。これは地球権の防空能力の喪失を意味するモノでもあった
「少将、我々は微速でルナツー泊地へ退却する。君はどうするね?」
「他に艦艇は残存していないのですか?このままあのキチガイクルクルパーを野放しにするおつもりで?」
「宇宙軍には建造途中と定期検査でドツグ入りしている艦艇が計5隻あるがこんなモノは使い物にならん。
MSも基地守備隊の旧型のモノしか残存していないのだ。これではお話にならん」安部中将は悲観的だ。
「中曽根長官の右腕と言われたあなたらしくもない。だが「アレ」が暴走したのはあなた方の責任だ。止めないと」
「止めるだと?あの空母一隻沈めに行ってMSが200機近く宇宙に散り艦艇も沈んだ。そのセンカクの旧型護衛空母と駆逐艦で
何が出来る?MSだって旧式じゃないのか?やれるモノならやってみたまえ!!」
ここで画像が途切れる。
「どうした?向こうが回線を遮断したのか?」
「いえ、デブリでレーザーが遮断されたようです。再接続を試みますか?」
「いや、もういい」新田少将はそう言うと席を立った。
「一色艦長、少しいいかね?」二人は艦長室に向かった
「聞いての通りだ。連邦宇宙軍の艦隊は全滅した。君らも故郷を失った。これからどうする?一番近いサイド「カシーワ」にでも
逃げ込むか?それとも我々もルナツーに向かうか?それとも残されたこの艦艇とMSであいつを葬るか?」
新田少将の言葉を聞いて一色艦長は深い溜息をつき黙り込む。
418 :
名無しさん:2012/01/16(月) 23:34:32.76 ID:fQs7/bOB
保守
連邦政府大統領官邸
建物の周りは封鎖され地上陸軍の兵士が警備についていた。
「長官!第三艦隊司令、安部中将よりレーザー回線が繋がっています」
「繋げ!」中曽根長官はモニターに目をやる
「安部中将、おめおめと逃げ帰ってきたのか?たかが空母一隻になんたるザマだ!」
「・・・お言葉ですが長官、最初はあの空母の護衛に付けと言われ次は撃沈とは・・
命令が二転三転しては将兵の士気にも差し支えが出ます。それに」ここで長官は彼の言葉を遮る
「言い訳は聞きたくないな。君も軍人なら命令を遂行したまえ。なんなら残ったアタゴで奴に体当たりでもしたらどうだ?」
画面には苦虫を噛む安部中将が居た。
「君らのブザマな敗戦のおかげでヤツに補給をタカられた。また何するかわからんぞ。我々には
もう打つ手が無い。まったくどいつもこいつも使い物にならないポンコツばかりだ!」
「・・・長官、新田少将が生きていましたセンカクの護衛船団と一緒でしたが」
「新田?ヤツに何が出来る?センカクの護衛船団とMSなぞ「シンデン」にかすり傷一個も負わせられん。
補給を与えてでも「ヤツ」を我々の側に付けるのだ。生き残るにはそれしかない!!
先ほど「シンデン」から補給ポイントの指示がきた。ヤツにACM-140を12発渡す。ヤツが
あのミサイルを積んでいればコロニー連合も手出しは出来ない。いいな?」
安部中将は無言でモニターから消えた
「ったく、能無し軍人め」中曽根長官はタバコに火をつけた
アタゴのブリッジで安部中将は通信兵を呼び止めた
「君!もう一度センカクの空母と通信を繋いでくれ。レーザー回線でだ」
「閣下!!アタゴの安部中将より通信入電!レーザー回線です!」
新田少将は画面の中の安部中将と対峙した。
「新田少将。このレーザー回線なら誰にも傍受されない。聞いてくれ。軍の全ての
システムがヤツに乗っ取られた。現状で衛星軌道上の監視、偵察衛星及び各泊地の防空システム
もヤツのサイバー攻撃によって全て麻痺している。通信も直結回路以外は危険だ」
「安部中将・・そんな情報を我々に何故教えるのです?」
「君らが最後の希望なのだ。中曽根長官はオバマ大統領を暗殺した。彼はコロニー連合相手に
あのクルクルパーを手なづけて全面戦争を仕掛ける気だ。彼は政府の中枢を乗っ取った」
その言葉を聞いてカイヨウのクルーは絶句した。
「もはや私も長官には付いていけない。君らの空母の戦力は?」
「ガンダムF2が二機・・・パイロットは正規兵が一名のみ。他は全て戦死しましたよ」
安部中将はそれを聞いて愕然とするが続けた
「ヤツは対コロニーミサイルACM-140の補給を受ける気だ。ルナツーから「トワダ」がランデブーポイントへ
向かっている。叩くなら補給仲の無防備な所を狙うしかない!!F2ならできるはずだ!」
ランデブーポイントの座標が送られてくる。
「しかしF2を向かわせた所で返り討ちに遭うだけだ。最新鋭のラプターですら撃墜されたのですからな」
新田少将が返事をすると同時に画像が途絶する。またデブリに妨害されてるようだ。
「補給のタイミングを狙えと言われても・・シンデンの回りにはツネッシが警戒していて近づけんぞ」
そのやりとりを聞いていた一色艦長が口を開く
「閣下・・・私にアイデアがあります」
「ほう?白旗でもあげるかね?」
一色艦長は新田少将と医務室に向かった
「真田大尉、タイタニックの設計図を持って君も来てくれ」
一色艦長に促され彼らは式場博士のベッドにやってきた。
「どうも博士。艦長の一色です」
「君がこの艦の艦長か?さっきの・・・あ、あの女は何だ?あ、あいつをどうにかしたまえ!」
「すみませんな博士。でも彼女は当艦一の名パイロットなのですよ!そして唯一の生き残りだ!」
艦長はそう言うと式場博士の首を掴み上げた。
「彼女はあなたの犠牲者だ!そして我々の故郷も!家族も消えた。あなたの作ったキチガイ兵器で!」
一色艦長はそう言うと真田大尉に設計図を博士に見せるように促す
「さて博士。この対コロニー弾頭装備のACM−140だが・・艦首に装備されていますな」
「それがどうした?」
「今、シンデンは全て撃ちつくし補給を要請しているそうだ。どんな装甲の厚い艦でもその
口を開けなければディナーは食べられないし言う事だ。違いますかな?」
「な、何が言いたい?」
「タイタニック、いやシンデン唯一の弱点はミサイル発射管ではないのか?違うか?」
一色艦長はさらに博士の首を締め上げる
「よ、よせ・・止めてくれ!!そ、そうだ!ミサイル装填時には前部装甲を開けここからミサイルを搬入する・・」
「つまりミサイル装填時にACM-140を狙撃すればシンデンにもダメージを与えられると!!」真田は手を打つ
「そうだ大尉!どんな屈強な男でも食事の時は口を開く。そこを狙えばよいのだ」
艦長はそう言うと博士の首から手を離す
「ただ、問題は小川中尉の意識が戻らない事だな」
ナツミの意識は暗い闇の底にあった。
「何?ここ・・・あたしさっき小娘と漂流者を救助して・・・どうしたんだっけ?」
だがナツミの回りは暗く何も見えない。ふと先にホタルの様な小さな灯が見える
「誰か・・・居るの?」ナツミはその灯に駆け寄る。近づけば近づくほどその灯は
形を人型に変えて行く。ナツミはその影に追いつくとそれは一人の男の後ろ姿だった
「あ、あなた誰?」男は無言のまま振り返らない
「あたし帰りたいの!ねえ、教えて!!どうやったら元に戻れるの!!」
男は答えた
「それは・・・」
「それは?」ナツミは男の正面に回りこんだ
「!!??」その顔は髪の毛はワカメの様に禿げ散らかし気持ち悪い巨大な顎に青髭の男だった
「!!・・・遠中尉!!」
「そうだよナツミちゅわ〜ん(@w荒 俺とセックス的な事をしないかね?(@wぷ」
ナツミは駆け出す。だがその前にもう一人の男が立ち塞がる。式場博士だった。
「ヲマエは私の性の玩具だ!マスターの命令に逆らうのか!!さあ・・・咥えろ」
「やめて!!!!!!」絶叫と共にナツミの意識は回復した。彼女の回りにはカイヨウの
医療室の風景が見える。ベッドの横の椅子ではヨシミが居眠りをこいていた。
「夢・・・嫌な夢だったなぁぁ」ナツミは額の汗を拭った
「あれ・・・ナツミさん起きたんですかあ?大丈夫でしたぁ?」
ナツミの絶叫でヨシミは目を覚ます
「小娘・・・ヲマエ・・」
「ええっと、シマさんにナツミさんに付いててやってくれって言われたから・・その・・」
「ありがとよ、小娘・・」ナツミはヨシミの頭をグシャグシャに撫ぜた。
その時、病室にシマが入ってくる。
「あらあら、中尉お目覚めの様ね?もう大丈夫かしら?」
「ええ・・なんとか・・」ナツミはゆっくりとベッドから這い出す
「無理しないでいいわ。ゆっくりでいいから艦長室に来てくれないかしら」
「小川中尉、呼ばれて参りました!」ナツミは艦長室の前に立つ
「入りたまえ」彼女が扉を開けると一色艦長、新田少将、真田大尉、シマが座っている。
「ヨシミ君、君も入りたまえ」ナツミの後ろでウロウロしていたヨシミを新田が呼び止める
「さて・・役者は揃ったようだな」一色艦長が膝をパンと叩く
「中尉、先ほどはご苦労だった。君が救出した要救助者は残念ながら死亡した。先ほど宇宙葬で弔った」
全くの大嘘である。ナツミの神経をこれ以上消耗させない為の言い訳であった。
彼女に式場博士の記憶から遠ざける為の芝居であった。一色艦長は続ける
「ウホン、連邦軍の最新鋭空母が乗っ取られ宇宙艦隊が壊滅した。また未確認の情報ではあるが
コロニー連合の連合艦隊も壊滅させられた。残存している宇宙艦隊は我々だけなのだ」
ナツミに遠中尉と式場博士の記憶に触れない様に注意を払いながらの説明だった。
「・・・で、あたしにどうしろと?」
「君にF2で出てもらいたい。真田大尉、続きを頼む」
真田は立ち上がるとパネルに作戦概要を映し出した
「シンデンは安部中将からの情報によればエリア22の空域で連邦軍の補給艦「トワダ」とここで合流
その後、対コロニーミサイルACM-140と艦載のMSの武器弾薬の補給を受けるようだ。我々はそこを狙う」
「たった一機のMSでですか?」ナツミは怪訝な顔をする
「真正面から行っても勝ち目はない。小惑星でもデブリでもいい。F2を偽装させる。その後、慣性でシンデンに接近
ビームライフルで装填中のACM-140を遠距離から狙撃する。接近するまで絶対にスラスターも無線も使えないがな
だがACM140を発射管で爆破すればシンデンに致命的な打撃、もしくは撃沈できる可能性がある。我々はそれに賭けたい
もはやパイロットは君しか居ない。出来るか?」真田はナツミに問いかける
「・・・命令とあれば・・」
「だが困ったな、万が一機材の故障があった場合バックアップが必要なんだが・・残念ながら搭乗員は君しか居ない」
「あ、あのあたし!!ナツミさんと一緒に出撃します!!」ヨシミが手を挙げる
「あたしさっきナツミさんと出撃して・・そのMSの操縦ならもう出来ます!!行かせてください!!」
「小娘ヲマエ!!いい気になんなよ!!まだ半人前のヒヨっ子なんか連れて行けるか!!」
そのやりとりを聞いて新田少将は立ち上がる
「小川中尉!!ヨシミ君にMSの操縦を教えるとは聞いていたがシミュレーターのみならず実際に搭乗させて出撃したのか!!」
普段は温厚な新田の怒りっぷりを見たナツミはたじろぐ
「いえ・・閣下、あの・・そんなつもりは無かったんですが・・この子がどうしてもって言うんで・・あの。その・・」
「ダメだ!!そんなモノは絶対に許可せんぞ!!ヨシミ君は連邦政府の最重要保護人物なのだ!!これは大統領命令なんだぞ!!」
「閣下・・・大統領は中曽根長官に暗殺されたと・・」シマが小声でつぶやく。同時にヨシミは新田の前に飛び出る
「あの・・・!!あたしを守れと命令した大統領が居ないのならその命令はもう意味ないですよね?それにあたしがナツミさんに頼んで
出撃させてくださいって頼んだんです!!少将閣下!!行かせてください!自分の周りで人が死ぬのは見たくないんです!!」
ヨシミの懇願を聞いた新田少将は我に帰った後に椅子に座り込む。
「・・・情けない・・私は自分の妻も子供も守ってやれなかった。そしてヨシミ君、君をも守れないとは・・」
「いえ、閣下。ここまでこれたのは少将閣下のおかげです。あたしはもうひとりでやれます。だからお願いします。あたしを
ナツミさんと出撃させてください。お願いします」ヨシミの言葉に新田少将は何も言葉を返せなかった
「少将殿!安部中将よりレーザー回線にて入電していますが!」
新田は帽子を目深に被るとうなづいた。
「うむ、出してくれ」
425 :
名無しさん:2012/01/20(金) 00:28:01.19 ID:jXvEGNow
保守
「少将、作戦の概要は真田大尉から聞いた。」モニターの向こうで安部中将は頭の包帯を外している
「安部中将、頭のお怪我は?」
「こんなモノを巻いている場合ではない。あと一時間ほどでトワダがルナツーより出航する。」
「こちらの稼動機はF2が二機だけです。なんとか気づかれずに射程内まで接近できればいいのですが・・」
「恐らく、いや、間違いなくシンデンの回りはツネッシが警戒している。そう簡単には接近できないだろう。我々の
艦載のMSも払底しているがこのアタゴとタマナミでヤツの気を引く事はできる。恐らく我々が陽動で接近すれば
ヤツはツネッシを我々に向けてくるだろう。直掩のツネッシが空母の上空から消えればうまく行くはずだ」
安部中将のドヤ顔の申し出に新田は怯む
「いや、中将殿!直掩のMSも無いのにシンデンに接近なんて自殺行為です!!止めてください!!」
「少将!やらせてくれ。不幸にも中曽根長官の尻拭いをさせられる私だ。少しは約に立ちたい。このまま逃げ帰っても
敗残兵の汚名を着せられ生きて行くのは忍びない・・君ならこの作戦をやりとげられる。あいつを止めてくれ!」
「・・・わかりました。作戦終了後にグラナダでお会いしましょう。武運長久を祈ります」
新田はそう言うと安部中将がニヤリと笑うのを見届けて回線を切った。
カイヨウのフライトデッキではナツミのF2の機体のメンテナンスが終了していた。
小沢伍長にナツミが歩み寄る
「中尉殿!機体に問題無し!・・・しかしホントにお一人で出撃なさるので?」
「伍長!こちらのF2-A(単座)には小娘が乗る。あたしはあっち(F2-B=復座)で出るよ!」
「はぁ?二機ともメンテは終わってますが・・、えっ、あの子が一人で乗るんですか??」
「ああ、偽装用の頃合のいいデブリ拾ってくるわ」ナツミはそう言うとF2で船外に出ていった。
医務室では式場博士がベッド上で悶々としていた
「まずい・・・このままでは私は非人道的な兵器を開発した戦争犯罪人として裁かれしまう・・・
まして救助された先がスペースノイドの艦なんて最悪だ・・なんとしても脱出せねば・・」
博士は点滴の針を抜くとそれを手に隠し持った。
「軍医!!ちょっときてくれないか!!気分が悪いんだが」博士は叫んだ
「なんですかな?」一瞬の隙を突いて博士は軍医の背後を取り注射針を眼球の下に突きつけた。
「キ、キサマァ!何をする・・・!」
「右目を失いたくなかったら武器庫を開けろ!!下手な真似はするなよ!」
博士は軍医をはがい締めにするとズルズルと武器庫の前まで案内させる。
軍医はオートロックのボタンを押し扉を開けた。
「こ、こんな事をして逃げられると思っているのか・・・」
博士は短機関銃を手に取ると銃床で軍医の後頭部を殴りつける
「逃げられるも何も逃げる為にやっているんだろうが!このウスラバカが!」
式場博士は通路に出ると様子を伺いながら歩き出した
「博士にシンデンの構造についてもう少し尋問せねばならんな。」
真田大尉は医務室に向かっていた。彼はドアを開けると倒れている軍医を発見した。
「軍医!どうした!!」真田は軍医に駆け寄る
「式場博士に・・・逃げられた・・武器庫からマシンガンを持ち出している。危険だ!」
「なんて事だ!」真田は腰のホルスターから拳銃を抜くと艦内電話を取りモードを全艦アナウンスに切り替える
「総員に告ぐ!!式場博士が脱走した!!武器を持っている!!」
「博士が脱走しただと?」新田少将と一色艦長は叫んだ
「閣下!最悪の結果もありえます。射殺の許可を!」新田少将は黙ってうなづく
「一色だ!脱走した博士を確保せよ!最悪の場合は射殺してもかまわん!!繰り返す!!」
「くそっ!もう見つかったか!!」博士はラッタルの下で機を伺っていたが艦内放送を
聞いて走り出した。警報音が鳴り響く艦内を彼は走った。
「ランチ、いやMSを奪ってなんとかルナツーにでも辿りつければ!!」
博士はフライトデッキの入り口にたどり着いた。ラダーにはF2-Bが駐機してあるのが見える。
「ガンダムF2か!あれなら私にも操縦できるぞ!」
博士はラダーに向かって駆け出す。
「おい!止まれ!!」ラダーの下に居た小沢伍長は拳銃を抜きながら彼を制止する。
「邪魔をするな!!」博士はマシンガンを乱射する。
「うおっ!!」その時轟音と共に隕石を回収してきたナツミのF2か着艦してきた。
「なんだ?小沢の奴、メンテナンスラダー出してねえじゃん、は?誰だあれ??」
ナツミはコックピットからフライトデッキ内を見渡す。下を見ると小沢伍長がラダーに
向けて拳銃を発砲している。彼女はそれで異変に気づいた。
「あ・・・・あれって・・・」ナツミは固まった。彼女は再び、いや三度式場博士と遭遇してしまったのだ。
「くそっ!もう一機のMSが帰艦してきたのか!!」式場博士はラダー上に座り込む。
ナツミのF2は隕石を床に置くと博士の居るラダーに機体を寄せコックピットを開いた。
「くそっ!」博士は銃口を向ける。だがナツミは無防備にコックピットハッチを開きヘルメットを脱いだ
「ヲ、ヲマエは・・やはり小川ナツミか!!」叫ぶ式場博士。だがナツミは気が抜けた様に無表情で立ち尽くす。
「随分と凶暴な女が私を襲ったと思ったが・・こうしてまた会えるとわなぁ・・」
「博士!!銃を捨てろ!!」デッキの入り口から追いついた真田が銃を向け警告する
「捨てるのは君らじゃないのかな?私を撃てばこの女も死ぬぞ」
「おい!中尉!!何ボサッと突っ立ってんだあ!!早く逃げろ!!」影から叫ぶ真田。
式場博士は一歩づつナツミに近づいて行く。
「ちょうどよかった。脱出用にMSとパイロットが欲しかった。私をルナツーに運んでもらおうか!」
「中尉殿!!逃げてください!!」下から小沢伍長も叫ぶ
「雑魚共は黙ってろ!博士は声の方向に再びマシンガンを撃ちこむ
「さあ、ナツミ。私をその機体に乗せるのだ。私とルナツーへ逃げるのだ。ヲマエに
その能力を授けたのはこの私だ!無事逃げおおせたらまた私がたっぷりと可愛がってやるぞ。どうだ?」
博士はそう言うと彼女の後ろに回りこみ髪に手をやった。
「ほう?随分と成長したなあ。体も女らしくなった。私はヲマエのマスターだ。またたっぷりと
ヲマエの体を堪能してやろう。今度は逃げられないようにせんとなあ」博士はナツミの体を撫で回した。
「さあ!!行くぞ!!ナツミ!!私と共に帰るのだ!!施設に戻ったら再調整してやる!!色んな意味でなぁ!!」
博士はそう言うとナツミの腰に銃口を突きつけた
「・・・・んな・・」
「ん?何か言ったか?」
「ざ・・・けんなぁ・・」
ナツミの体が一瞬翻ると彼女の右足は式場博士の顔面を捉えていた
「ブフッ!!」博士の体はF2のコックピットハッチにしこたま叩きつけられた後
ラダー上に転がった。ナツミはマシンガンを奪うと彼に向けた。
「よせ!!止めろ!!私はマスターだぞ!!忘れたのか!!」
「中尉!!よせ!!」真田の声と同時にナツミはマシンガンのトリガーを絞った
軽い連射音とともに博士の顔面は砕け散った。弾が切れるとナツミはマシンガンを博士の
死体に叩きつけた。
「ああ・・・忘れちゃいなかったよ・・・この10数年間・・・あんたの事はな。でももう終わったよ」
呆然とする真田の脇を後から駆けつけたシマが通り過ぎて行く。そしてナツミに近寄り肩に手をかける
「中尉・・・過去にケリをつけたわね・・・今度は未来に進む番ね」
語りかけるシマにナツミは溜息で答えた
431 :
名無しさん:2012/01/21(土) 13:22:21.26 ID:ben+V2GH
話もいよいよ大詰めか…
どの様な結末を迎えるのかwktk
「丁度いい大きさじゃないのか?これなら両面に二機のF2を隠す事ができる」
真田はナツミが回収してきた岩石を見上げ図面を照らし合わせる
「大尉殿!偽装網の準備が完了しました。すぐ取り掛かれます」
「うむ、すぐやってくれ。30分後には出撃させたい」
式場博士の脱走劇がまるで無かったのように「シンデン」への狙撃作戦の準備は進んでいた。
ナツミは整備用ハンガーの下でヘルメットの上に座っていた
「あらあら中尉、そんな感じで大丈夫かしら?」背後からシマが話かける
「あ・・・中佐・・殿。え、いや、大丈夫です・・・」
「偽装した岩石のMSから補給中のミサイルを狙撃するなんて凄い作戦ね。で、成功したら離脱でしょ?」
「え、いや・・失敗しても成功しても速やかに離脱、帰艦せよとは言われてますが・・どうだか・・」
ナツミの顔は浮かばない
「あらあら、歴戦の勇士の小川中尉らしくないわね。あなたにはよんよんの命がかかってるのよ。よんよんの事頼むわね」
「え、ホントに小娘も出るんですか?」
F2Aのコックピットハッチにノーマルスーツを着たヨシミが歩いて行く。
ハッチの開閉ボタンを押そうとしたとき機体の陰から声が聞こえた
「本当に行く気かね?ヨシミ君」声の主は新田少将だった。
「少将閣下・・・はい、あたしは出ます。ナツミさんと」
「・・・・君がMSに乗って戦う事など全く予想していなかった。前にも言ったが私には君と
同じ歳の次女が居た。だが妻と次女はヲッスキャノンの爆撃で死んだ。私は安全な場所で若者の
命を無駄に散らし自分はおめおめと生きてきた。そんな男が君を止める権利はないのかね?」
「いえ、ここまで皆が生き残れてのは閣下のおかげです。」ヨシミは笑顔で答える
「でもあたしは行きます。あの空母にお父さんがもし居るなら助けないと。それに・・」
「それに?なんだ?」
「あたしの叔父さん。恒寿叔父さんの為にこれ以上迷惑はかけられないんです」
その言葉を聞いた新田少将は言葉を詰まらせる
「君のお父さんも同じ事を言った。何故だ?何故子供の君がそこまで自分を追い詰める?」
「閣下!あたしはもう子供じゃありません。これはあたし達の一族の戦いなんです。かつてお父さんが叔父さんを
葬るために戦ったようにあたしも戦います。あたし、やっとお父さんの気持ちが分かったんです!!」
新田少将はヨシミの肩を掴んだ
「わかった。君がそこまで覚悟が決まっているなら行ってこい!!ただひとつ。約束して欲しい。
必ず、生きて帰ってこい。連邦統合軍司令、新田の名の下に現時刻を持って君に統合軍特務少尉に任命する!
必ず作戦を成功させ帰艦せよ。遠芳美特務少尉!!これは命令である!!}
ヨシミはそれを聞くと一歩下がり敬礼をする。
「少将閣下!!遠эュ尉!!往ってまいります!!」
彼女はそう言うとF2のコックピットに乗り込み機体を起動させた
二機のF2はサンドイッチのパンの様に岩石の両面に固定され偽装網が取り付けられた
「シンデンの位置は変わらず。発艦はカタパルトで行う。必要最低限の針路変更は
スラスターに頼るしかないが必要以上には吹かすな。熱で発見される恐れがあるからな」
真田はマイクで機内のナツミに説明する
「りょーかい、大尉殿。コックピット管制以外の電源も離脱まで投入しちゃダメなんですね?」
「そうだ。僅かな熱源でも探知される恐れがある。あのツネッシとシンデンはその手の索敵に特化しているからな」
「あたしはナツミさんの代わりに周囲を警戒すればいいんですね?」ヨシミが割り込む
「これは特務少尉殿。そうだ。警戒を厳にしてくれ。だがもし万が一、機材の故障が起きた場合は君がナツミ君に
代わってシンデンを狙撃する。シミュレーターでやった通りだ。いいな?」
「小娘には番は回ってこねえよ。まあせいぜいあのキモいMSを寄せつけるなよな」
二人の会話を聞いていた真田が咳払いをして割り込む
「発艦後は無線封鎖する。二人の会話は有線式のインカムで行ってくれ。」
小沢伍長が真田に駆け寄る
「大尉殿!カタパルトよし。いつでも行けます!!」
真田はそれをCICに連絡する
「艦長!!フライトデッキより発艦準備よしの連絡あり!!」
「敵艦の様子は?」
「シンデンは位置殆ど変わらず。空域のミノフスキー粒子レベル4。我々は補足されていますが遠ざかっている為
相手にはしていないようです。代わりに「トワダ」がシンデンに接近中。さらに「アタゴ」タマナミ」が
逆方向からシンデンに接近しています!!艦載のMSは探知できませんが恐らくあの空域にはウヨウヨと・・」
索敵班の報告を聞いた一色艦長は新田少将に問う
「閣下。よろしいですか?」新田は首を縦に振る
「攻撃隊発進!!」
二機のMSは岩石と共に射出された
435 :
名無しさん:2012/01/29(日) 19:46:30.05 ID:lMyKqxGV
保守
薄暗いF2のコックピットは必要最低限の計器しか光が灯っていない
ナツミはマークした「シンデン」の位置を座標で確認し針路を阻害するデブリや
岩石に目を光らせる。そしてその裏側ではヨシミがナツミに替わって索敵を行っていた
「小娘!動くモノは無いか?」
「いえ、何もないです。感無し!」
二人の会話は有線式のマイクで行われていた。「ツネッシ」に無線を探知されない為にである
「距離6500にでかめのデブリあるよ。今、そっちに機動データ送ったからそれ通りにバーニア噴射してよ!」
二機のF2を貼り付けた岩石は見事に偽装され遠目にはとてもMSが内蔵されている物体には見えない
「ナツミさん!2秒間噴きます!ナウ!!」
青白い噴射炎を噴いてその岩石はデブリを避ける。
「見つかっ・・・・た・・かな?おい小娘!!変わりないか!!??」
レーダーの反射波による逆探知を防ぐ為に索敵、目標捕捉を全て目視に頼るこのオペレーションは
ナツミの精神力を確実に削ぎ取って行く。彼女の呼吸は落ち着かない。
「中尉殿!背面は異常なし!!」
彼女達は確実に「シンデン」に忍び寄っていた
「ナツミさ、いえ!!中尉殿!!方位0-6-5より大型艦接近!!補給艦「トワダ」みたいです!!
「近いね」ナツミは武者震いする
「艦長!!「シンデン」を目視、及びレーダーで確認!!空域中央で停船中です!!」
連邦宇宙軍補給艦「トワタ゜」は護衛の駆逐艦無しの丸腰でACM-120を積んでやってきた
「このままシンデンに接近!!艦首に接近の後、補給作業に入る!!」トワダの艦長が下命する
作業甲板でクルー達はシンデンを不安そうに見つめる
「我々は無事に帰る事ができるのだろうか?」
「ほう?どうやら約束は守ったようだね?(@wぷ」
格納容器の中の男はトワダを発見する。
「我が僕達よ、周囲の警戒を怠ってはいけないよ(@w荒」
シンデンの周囲のデブリから数機のツネッシが飛び出し哨戒飛行に付いていた
「をや?まだヲレに盾突く気かね?(@w荒」
格納容器の中の男はまた呟く。
「司令!!アタゴとタマナミ、シンデンに急速接近中!!距離10000を切りました。トワダが
接弦軌道に入りました。シンデンは安部中将のアタゴに気づいたようです!!」
カイヨウのブリッジでは緊張がピークに達していた。
「安部中将、どうか無理はしないでください」
新田はレーダーに映る2つの光点を見守るしかなかった。
「シンデンまで距離9500!!主砲の有効射程内に入ります!!」アタゴのCICでは安部中将が指揮を執っている
「敵の艦載機の動向は?」
「探知していません!!」
「タマナミに信号送れ!9000でミサイル発射後、主砲斉射を開始する。トワダには当てるな!!砲術長!!頼むぞ」
「をやをや?雑魚共がたった二隻でヲレに敵うと思っているのかね?(@w荒」
と同時に哨戒飛行をしていたツネッシは二隻の安部艦隊に向かう
「中尉殿!!ほぼ真正面と真横に推進炎多数!!あのキモイMS、いえツネッシです!!」
ヨシミの報告と同時にナツミもモニターでそれを視認する
「あいつら普段は推進剤で飛行してるのか。空気推進は近接戦闘の時だけか」
無数の推進炎は蜂の大群の様に飛び去って行く
「安部艦隊の陽動にひっちかかったか!!こっちもバレていなかったって事だね!!
ナツミはそう言うと火器管制システムに電源を投入する。
「小娘!!予定通りだ!!シンデンの距離は??」
「距離7000切りました。あと20秒で6000に入ります!!」
いける!!ナツミは確信しながら照準システムの電源も投入する。モニターの中央に
緑色のレティクルが投影される。システムは正常に動作している。同時にナツミのF2-Bは
ビームライフルの銃口を正面に向ける。狙いの先はシンデンの艦首だ。
「あとはトワダがミサイルを装填するタイミングだ!!ライフルとエイムシステムリンクよし!!」
シンデンとトワダが邂逅する瞬間を待つのみのその時だった
「中尉殿!!真下からデブリが高速で接近中!!」
「何っ!!??」
「こっ、こいつは!!」ナツミはモニターの直前に迫るデブリを直視していた。
あれだけの大艦隊が全滅した後である。その破片は高速でその空域内を飛来しまくっている。
ナツミはレバーとフットペダルに一瞬、力をこめるが躊躇う
「今、回避したらバーニアの熱で位置がバレる!!」
直後、機体を衝撃が襲う。ナツミは衝撃が消えるまでシートに身を委ねる。
ほんの数秒、それが長く何十分にも感じられた。
「おい!小娘!!大丈夫か?」ナツミはヨシミに機体の損害確認をさせる
「ナツミ、いえ中尉殿!こちらのシステムはオールグリーン、以上ありません。全てのセンサーは動作してます!」
ナツミはヨシミと機体の無事を知り安堵する。そして目をメインパネルに向けるが
「マ・・マジかよ・・・」
ナツミのF2-Bは射撃管制装置はデブリとの衝突で故障を知らせるエラーランプが点滅していた。
リセットをかけるもその点滅は消灯しない。ナツミは天を仰いだがすぐ我に帰る
「をい!!小娘!!ヲマエの機体のエイムシステムはなんともないのか?」
「えっ?はい、なんともありませんが」
どうやらデブリはナツミのF2の機体に直撃したようだ。
「こっちのエイムシステムが今のデブリの衝突でイカれた!!狙撃は小娘!!ヲマエがやれ!!」
「へっ?あたしが・・・やるんですか???」
「そうだ!!時間が無い!!機体を180度捻るからな!!」ナツミがスティックを捻る
「あの・・・中尉殿!!あたしじゃ無理です!!今、こっちのF2から降ります!!乗機を入れ替えては??」
「無理だよ!!ハッチの前に偽装網があってハッチは開かない!!もうトワダが接近してるんだ!!急げ!!」
「ええええええ〜」ヨシミはキョドった
「艦長!!アタゴとタマナミが急速接近中!!シンデンに攻撃をかける模様です!!」
トワダの艦長はその報告を聞いて驚く
「何?グラナダの残存艦隊が今更何を??かまわん!!我々が居るのはわかっているはずだ!!
針路このまま!!接弦軌道を外すな。12発のミサイルと弾薬コンテナを放出したら緊急離脱だ!!いいな!!」
トワダはシンデンへの距離を縮めた
シンデンへミサイルを発射したアタゴとタマナミは主砲の斉射をはじめる。だがデブリに邪魔をされ
その閃光はシンデンに届く前に弾け散っていく。文字通りの二隻だけの特攻であった
「まだ、新田少将のMS隊は攻撃していないのか??」CICで安部中将は叫ぶ
「はっ!トワダが接弦まであと100秒!!それ以降の攻撃と思われます!!」
「100秒だと?それまで我々は持つのか?」安部中将が言葉を発した途端タマナミが爆沈する
「きたか・・・シンデンの「使徒」達め!!」
「おい、小娘!!よく聞け!!あたしのF2のライフルはリンクシステムが完全に逝った
ヲマエの機体でやるしかない!!モードを射撃管制に切り替えろ!!」ナツミが叫ぶ
「・・・・できません・・中尉殿!!もし外したらみんなに何て言えばいいんですかぁ?」
「大丈夫だよ!!バックアップはコンピューターがやってくれる!!心配すんな!!」
「あの・・・中尉殿??」
「あんだよ小娘!!大丈夫だから!!」
「射撃モードをオートにしたら赤いランプが点滅してるんですけどぉ・・・・」
「はあああああ?マジかよ!!!」
ヨシミのF2-Aも射撃管制システムにエラーが出てしまったようである
「おい!!小娘!!よく聞け!!モードをマニュアルにしろ?どうだ!!??」
「あっ、点滅が止まって緑になりましたぁ!!」
「よし!!照準は手動でやる!!右の発射ボタンに軽く指掛けろ。軽くだぞ!」
ヨシミが発射ボタンに指をかけるとレティクルがモニターに出現する。
「機体は慣性で流れていく。誤差は自分で修正しろ!なーに、相手は止まってるんだ!!ちょろいちょろい!!」
「え゛っ!!ナツミさん無理ですあたし!!だってシミュレーターやった時は手動だと一発も当たらなかったんですよ!!」
「おい!!小娘!!よーく、聞け。ヲマエは何故ここに来た?あの中に居るヲマエの叔父さんを葬りもしかしたら中に居る
ヲマエの親父さんを助ける為じゃなかったのか?安心しろ!さっき式場のおっさんが死ぬ時、ヲマエの親父さんはあのシンデンには
乗っていないって言ってたからな。シマ中佐が言ってたぞ。大丈夫だ!絶対に当たる!!やれ!!時間が無い!!」
「・・・・でももし外したら・・・」ヨシミはとことん弱気だ
「ヲマエさっき新田中将にすげえタンカ切ってただろ?絶対に当たる!!自分の運命と戦う為に!
決着を付ける為にヲマエはここに来たんだろ!!もう時間が無い!!構えろ!!ヨシミ!!」
ナツミのその言葉を聞くとヨシミはレティクルをシンデンの艦首に当てる
ヨシミのF2-Aはライフルの銃口を持ち上げる
「幸いにもあのキモイMSは皆、居なくなったようだね。安部中将の艦隊がやられたら皆、戻ってくる!!
それまでにヤツを撃つんだよ!!トワダが接弦して12発目を装填したら撃つんだ!!絶対に外すなよ!!
トワダに逃げる時間とシンデンに装填されたミサイルの誘爆を狙うんだ!!」
「シンデン艦首で停船!!ACM-120装填開始せよ!!」トワダは作業甲板からミサイルを搬出始める
「ほう?じゃあヲレのケツマンコ(発射管)にヲッスヲッスしてくれるかね?(@w荒い」
シンデンの艦首が開くと6門の発射管が姿を現す。そこに一発目が装填される
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@wぷぷ」
シンデンは全宇宙に向けて咆哮を上げた
442 :
名無しさん:2012/02/07(火) 23:31:59.43 ID:ipFoPnpe
保守
その頃、「アタゴ」はツネッシの猛烈な空襲を受けていた。
一隻だけになった艦艇にもはやステルス巡航の必要はないと判断したのか
ツネッシはバーニア推進で大挙で押し寄せ猛烈な攻撃を浴びせていた。
「下部第一砲塔及び第三砲塔損壊!!」
「Cブロック対空砲群応答無し!!」
「艦首ミサイル発射管に被弾!!残弾0の為誘爆の恐れなし!!」
CICには次々と損害報告が入ってくる。だがアタゴはシンデンへの突入を止めない
「カイヨウからの通信はないか!!」安部中将はバネルに捕まりながら通信兵を呼び止める
「いえ。まだ何も!!」
「針路このまま!!一分でもいい。時間を稼ぐのだ!!」
「中尉殿!!最大望遠でシンデンの艦首発射管を補足!画像回します!!」
ヨシミが叫ぶと同時にナツミのサブモニターにそれが映し出される。
「よし、ミサイルの補給を始めたようだね!!小娘!今何発目か数えてるか?」
「はい!今、8発目が装填されました。よく見えます!!」
「12発目を奴が飲み込んで艦首の装甲板を閉じるタイミングを逃すなよ!!締め切る前に撃つんだ!!」
「りょーかいしました!!中尉殿!!」
「少将閣下!!安部艦隊のタマナミの艦影が消失しました!!」
「アタゴは??」
「健在ですが恐らくギリギリではないかと?他に無数の熱源を感知。恐らくツネッシではないかと?」
「攻撃隊からの連絡は?」
「まだありません!!」
新田少将はその報告を聞くとレーダーの光点を再び凝視した。
「よんよん・・・しっかりね」シマは二人が飛び去った方角を見上げる
「ははははははははははは(@w荒 神の鉄槌をドンドン補給したまへ(@wぷ」
トワダから11発目のACM-120が装填される。同時に12発目が甲板から引っ張り出される。
それはもう片弦の発射管に向かってせり出していく。
「!!・・・・・・・をや?・・・この感じは・・・(@w焦」
格納容器の中の男は一瞬たじろぐ。彼は護衛に残した4機のツネッシのモノアイにアクセスし
周囲を見張る。動くモノ、熱のあるモノは何も無い。多数のデブリと小惑星だけだ。
「ま、ままままさか・・芳鳴??・・いや、あいつは富士山の火口に沈んだはず駄よ(@wぷ」
彼は動揺を抑えると最後の12発目を要求した
「さあ!早く宇宙皇帝様に12発目の鉄槌を渡すのだぁぁぁぁ(@w叫」
「艦長、ボイスチャットでこいつ何か叫んでてキモイっす」トワダの副長が小声で言った
「うむ。長居は無用だ。12発目をリリース後に逆噴射全速!離脱するぞ!!作業員に達せ!!」
「12発目が入りました!」ヨシミはスティックの発射ボタンに指を添えた
「小娘!!慣性の誤差をしっかり頭に入れろよ!!」
「右にマイナ3、いえマイナ5」レティクルはシンデンの艦首を捉えている
「セーフティー(安全装置)解除!!出力7.5MW!!」
「おいおい!7.5なんかで撃って大丈夫かよ??空間戦闘用の分が無くなるぞ!」
「大丈夫です!絶対に当てます!」ヨシミのバイザーにはレティクルが反射している
「いや!!誰かねっ!?ヲレを見ているのは!!(@wドキドキ」
格納容器の中の男はLCLの海の中でのた打ち回った。
「ア、アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w叫」その醜いバケモノが暴れる
姿をバックポット達は無言で見つめていた。
「ツ、ツネッシ達よ!!警戒を怠っては、い、い、いけないよ(@wぷ」
「!!・・・中尉殿!!トワダが離脱を開始しました!」
ヨシミの報告にナツミは何も答えようとしない。彼女はヨシミの
狙撃のセンスに圧倒されていた。
「あたしがペズンの時にソーカの母艦を狙撃した時だってこんな冷静には
いられなかった。ほとんど勢いとノリで当てたってのに・・・この子は何?
この操作は機械のようでいて操作にムダが無い、いくらシミュレーターで訓練を
積んだって実戦でこんなすぐに順応てきる訳ないのに・・・まさか!これが超克??」
その時、ナツミのヘルメットのマイクにヨシミの呼吸が聞こえてきた。
「息を吸って・・・・吐いた」ナツミがそう思った瞬間、背面のF2-Bはライフルを撃った
「艦長!!9時方向より熱源接近!!」トワダは同時に逆進をかけながら回頭する。
「アヲ!?(@w??」
ヨシミの放った白い光線の矢は正確に締め切られていくシンデンの発射管に飲み込まれていく
ACM-120の弾頭を捉えた。一呼吸、いや二呼吸おいてだろうかシンデンの艦首装甲はガマグチの
様に口を完全に閉じた。が、次の瞬間シンデンの艦首は大きく弾けた。
「やった!!中尉殿!!命中しました!!」ヨシミはスティックを握ったまま体を仰け反る
「へ・・・嘘・・・凄いわ・・・・凄いよ・・・小娘・・」ナツミは絶句する
「今のは攻撃か!!??」トワダの艦長は手すりに捕まりながら大きく傾斜するシンデンを見守る
シンデンはミサイルの誘爆で前部の上下装甲が弾け飛んでいく。そこはツネッシ達の巣だ。
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w叫」格納容器の中の男は断末魔の雄たけびを上げる
「司令!12時方向に爆発光!シンデンが爆炎を上げています!!」
機関もやられ大破漂流していたアタゴのCICからもその光景は確認されていた。
それはカイヨウからも観測されていた。
「やったぞ!バケモノを仕留めたぞ!!通信封鎖を解除!アタゴに連絡!直ちに救助へ向かう!!」
アタゴに散々粘着していたツネッシ達はモノアイの輝きを失い空間に漂っていた。
大きく爆発するシンデンを唖然と見つめていたナツミは我に帰る
「小娘!!離脱するぞ!!カイヨウに帰投する!!」
二機のガンダムF2は偽装した岩石から偽装網を破き立ち上がった。
「司令!敵MS沈黙!!攻撃をしてきません!!」
アタゴに空襲を加えていたツネッシ達はまるで魂が抜かれた様に宙を漂っていた
モノアイの灯は消えダランとしてしまっている。
「直ちに当空域を離脱!!トワダの状況は?」
「レーダーに損傷を受けて完全に捕捉できていませんが補給空域を離脱した模様です!
当艦も機関に損傷を受けている為、3宇宙ノットで離脱中!カイヨウが接近中です」
「し、しかしあのバケモノ空母をカイヨウのMSがやったと言うのか・・・」
安部中将率いるアタゴは九死に一生を得た
ワシントン連邦政府官邸
「中曽根長官!「シンデン」が交戦。大破した模様です!!」
「あたりまえだ!シンデンとやりあって勝てるはずがないだろう」
枝野補佐官の言葉を聞いた長官は次の瞬間コーヒーを吹きだす
「おい!枝野!今、なんと言った?シンデン「が」大破と言ったのか??」
「はい、仰せの通りですが・・・」
「あ、あのバケモノが大破だと?一体、どこの誰が・・・我が艦隊もコロニー連合の
艦隊も全滅したと言うのに・・・お、おい枝野!シンデンはどこの部隊と交戦したのだ!?」
「・・・そ、それが「センカク」の輸送船護衛艦隊らしいのですが・・今、確認中です」
「なに?ただの護衛艦隊がシンデンに打撃を与えただと??一体それは!!」
「おい小娘!!カイヨウまで猛ダッシュかけんぞ!!作戦は成功!とりあえず退却だ!」
「でもナツミさ、いえ中尉殿!!まだあの艦、半分残ってますよ」
ヨシミの言う通り、ミサイルの誘爆で艦首と前部の上下VLS甲板を失ったシンデンだが
その後ろの誘爆は免れ宇宙を漂っていた。
「バカ!ウチラの任務は補給中のミサイルを狙撃してシンデンを撃沈、もしくは損害を
与える事なんだよ!MSによる二次攻撃は選択肢に入ってない。いいから戻るぞ!!
きっと新田少将が何かアレにトドメを刺す作戦を考えてるんだよ!!行くぞ!!」
ヨシミは球体モニターの右後ろに映るシンデンを見つめながら何かを感じ取った
「艦長!!小川中尉より入電!!作戦成功!!シンデンは艦首及び前部甲板を誘爆で喪失との事!」
その瞬間、カイヨウのクルー達は歓声を上げる。
だが新田少将と真田大尉の顔は浮かばない
「一発でコロニー破壊するミサイルを12発艦内で誘爆させても船体の半分しか失わないとは・・」
二人の感想は他の者とは全く逆だった。真田は式場博士の残したシンデンの設計図を恨めしく見つめる
「ま、まさか艦内にまでリアクティブアーマーが装備されているとは・・自爆野郎なのかこの艦は?」
その横で新田は一色艦長に指示を出す
「艦長!随伴の駆逐艦をアタゴに接弦!乗員を救助!君的には面白くないだろうが頼む」
「・・・お父さん・・・?居る!!やっぱり居る!!お父さん!!今、助けに行く!!」
ヨシミのガンダムF2は大破して漂うシンデンに向かって飛び出す
「おい!!小娘!!どこに行く??ヲマエ!!命令違反だぞ!!」
「感じる・・・・この気は・・やっぱりお父さんだ!!」
「たく、しょーがねえな!!」ナツミのF2もそれを追跡する
二機のF2はシンデンに接近した。
シンデンの上空でヨシミは旋回し通信の全チャンネルを開ける
「お父さん!!助けにきたよ!!あたしだよ!!ヨシミだよ!!何処なの!!お父さん!!」
「おい小娘!!てめえ目覚ませ!!おまえの親父さんはこの艦には居ねえんだよ!!」
ナツミのF2はヨシミのF2の肩を掴み引き戻す。
「艦長!!エリア22のミノフスキー粒子レベル上昇中!!妙です!!」カイヨウの観測員が叫ぶ
「??トワダが離脱で散布したのじゃないのか??」
「いえ、トワダは既に離脱しました!!あの空域にはアレしか残っていません!!レベル2から1へ移行中です!」
前方からはアタゴが微速で後進してくるのが見える。
「アタゴの乗員の救助を急がせろ!小川中尉と連絡は取れないのか?」
「は、それが先ほどから電波妨害で交信できません!」
「バカな?とっくにあの空域から離脱したのではないのか?」
「レベル1に達成!!シンデンの艦影捕捉できません!!」
一色艦長はデブリのその先を見上げた
「ま、まさか・・・奴はまだ生きているのか??」
ヨシミはナツミに引き戻されたショックで大きくシート上でつんのめる
「・・・お父さんの気配が・・消えた??」
二人の前にはシンデンの艦橋が見える
「たく、いきなり発狂しやがって!!キモいMSが戻ってきたら厄介なんだよ!!とっとと帰艦するぞ!」
二機のF2はバーニアを逆噴射する。だが機体はどんどんシンデンに近寄っていく
「おいおい、ミノフスキー粒子がレベル1だってよ、さっきまで4切ってたのに・・こいつ、撒いたのか?
おい!!小娘!!テメエ何やってんだよ!!早く離れるぞ!」ナツミが叫ぶ
「中尉殿!!さっきっから逆進かけてんですけど!!どんどん接近してくんです!」
その時、シンデンの艦橋下のハッチが開くのが見える
「やられた!!トラクタービームにひっちかかった!!くそっ!!」ナツミのF2はヨシミの機体から手を離す
だが既に手遅れだった。二機のF2はそのままシンデンの格納庫に引っ張りこまれていった
449 :
名無しさん:2012/02/12(日) 11:37:54.55 ID:VX6d9vmQ
レベル2から1までなら普通は『下がっている』じゃないの?
>>449 酔っ払っててレベルの高低を5とタイプしてたつもりが1で打ってました。
レベル5に訂正させて頂きます、サーセン
カイヨウのCICではアタゴの乗員救出の完了を見守っていた。
「攻撃隊と連絡は取れないのか?」新田少将はあきらかにイラついていた。
「は、15分程前から完全に途絶。撃墜されたか・・もしくは捕虜になったのか・・」
オペレーターもモニターを見つめ困惑している。
そんな新田に真田大尉が近づく
「閣下、出撃した二人にはあの「シンデン」の真の正体は話していません。
しかもよりによってあの二人に取っては「因縁」の男です。何が起きるか全く読めません」
「オペレーター呼び続けろ!!ミノフスキー粒子レベルの僅かな変動も見逃すな!!」
「なんだ?ここ」シンデンのトラクタービームで格納庫に連れ込まれた二機のガンダムF2
ナツミは球体モニターに映る暗闇の中に居た。彼女は赤外線モードのスイッチを入れる
「MSの格納庫・・・か?それにしちゃヤケにダダっ広いな?おい小娘!生きてっか?」
「はい・・中尉殿、無事です。機体もオールグリーン・・・」
ヨシミが返事をした時、格納庫の奥からまぶしい光が二人を照らす
「!!??」
二機のF2の前にニードルライフルを構えた5機のツネッシが立ち尽くしている
「やれやれ、こら白旗揚げるしかないね」ナツミはそう言うとハッチを開けた。
「撃つな!!投降するよ!!おい、小娘!!ヲマエもだよ!!」
ナツミの呼びかけにヨシミもF2のハッチを開け両手を挙げ抵抗の意思が無い事を告げる。
彼女達は同時にF2を格納庫でひざまづかせる。
同時にそりまわりを武装したバックポットが包囲した。
「上にはキモいMS、下はバックポット。さてどうするかね?」
二人は床の上に降り立った
二人の前に止まったバックポットは車載の機関銃の銃口を微妙に上げ下げしている。
様子を伺っているのだろうか?その時、バックポットのスピーカーからキモイ声が聞こえた
「宇宙皇帝様がお待ちだ。ついてこい(@wぷ」
「はあ?何が宇宙皇帝様だボケ!」ナツミは拳銃をバックポットに向けて撃った
弾は装甲にあたり兆弾が跳ねていく
「今度やったら殺すよ(@wぷぷ」スピーカーから言葉が出る
「やれやれ、こんなモノは役立たずって訳ね。」彼女はおとなしくそれをホルスターにしまった
二人は四台のバックポットに包囲され艦内を歩き出した。
「あのナツミさん・・」
「なんだよ?」
「すみません、あたしのせいで・・・こんな事に・・」
「ホントだよっ!たく。カイヨウに戻ったらコーヒー奢れよな」
この人は帰る気で居る。ヨシミは少し緊張が解れた気がした。
「この中の酸素濃度は十分だな。与圧もされてるし」ナツミがそう言った時
通路の血糊が目に入った。小泉艦長、いや惨殺された二人の士官のモノだろうか?
「人間も居たって事か・・・」ナツミはヘルメットのバイザーを開ける
作業用のエレベーターで二人の人間とバックポットは下層に下りる。
「なんだここ・・・何かのプラントかよ?・・・ん?これ・・・血の臭いか?」
鉄のように臭いが鼻につく。バックポットは巨大なタンクが立ち並ぶ区画を抜け
分厚い扉の前に二人を案内する。その扉が開くと言葉が発せられた
「入りたまへ(@wぷ」
「おいおい、まさかここ処刑部屋じゃねえだろな?おい!鉄屑!!てめえ南極条約って知ってるよな?」
ナツミはバックポッドに蹴りをくれた
「やめたまへ(@wぷ 宇宙皇帝様の御前であるぞ(@w荒」
声は真っ暗な部屋の奥から聞こえる。だが主は見えない。何やら液体が流れる音が聞こえる
四台のバックポッドはその声を聞くと一斉にバックし銃口を床に向けた
「誰だ?ヲマエ!!まず姿を見せろや!!」ナツミの声が部屋に響く。ディレイをかけたように
空間に広がり静寂に消えていった。ヨシミは回りをキョロキョロ見るしかなかった。
「ほう?女かね?(@wぷぷ」
また声が奥から響いた
「貴官の所属部隊と官姓名を聞こうか?(@w荒」
「はあ?人にモノを尋ねる時はまず自分の名前から名乗るって母ちゃんから教わらなかったのかよ?
テメエウスラヴァカかよ?ヲマエの母ちゃんも相当ヴァカじゃねえのか?」煽るナツミをヨシミが宥める
「ほう?ヲレは宇宙皇帝と名乗ったはずだが?(@w荒 ヲレの神殿を木っ端微塵にしたのはヲマエらかね?(@w荒」
「あたしです!!」ヨシミが前に出る
「ほう・・・・(@w荒 女かね?歳はいくつかね?(@w荒」
「15歳です」
「処女かね?(@w荒」
「はぁ?」二人は顔を見合わせて呆れた
「テメェふざけてんじゃねえよ!!"正体現せこのビヂグソ野郎が!!」ナツミが切れる
10秒程の沈黙の後その部屋の照明が灯った
「う゛っ!!」二人は思わずのけぞった
二人の前に巨大な円柱型の水槽がそびえたつ。部屋の照明はそれを照らした
「!!??」
その中に白い芋虫の様な物体が泳いでいた。
「ナツミさん!!何アレッ!!」ヨシミは咄嗟にナツミの背後に隠れる
「何だ!!テメェ!!」ナツミはまた拳銃を抜き「ソレ」に向けた。
「ソレ」は水槽の中にある浄化装置の様なモノの影に姿を消した
「そんなモノを向けても無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァだね(@w無駄」
浄化装置の上部からワカメの様な水草が生えているのが見えた。
「さぁ、ヲマエらの所属部隊と官姓名を言いたまへ(@wぷ」
ナツミは拳銃を向けたまま左手でヘルメットを脱ぎ捨てた。
「センカク所属ヒ53輸送船団護衛空母「カイヨウ」任務部隊、小川ナツミ中尉だ!!」
ナツミの叫び声にヨシミも背後から出て名乗る
「連邦統合軍遠芳美特務少尉です!!」
二人が名乗るも「ソレ」は影から出てこない
「テメェビビってんのかよ!出てこい!!」ナツミはそう言うと拳銃の撃鉄を起こした
「はははは・・・ははははははははは(@w荒」笑い声が聞こえる
すると「ソレ」は影から二人の前に姿を現した。
それは人間の形をしたバケモノ?形は人っぽいが人ではなかった
一瞬、ナツミは驚き銃口を下げた
「て・・・てめぇは・・・」
「ほう?お気づきかね?小川中尉殿?いや、ナツミちゅわぁぁん(@w荒」
「ナツミさん。あのバケモノみたいなの知ってるんですか?」
「ああ、よーく知ってるよ・・・あたしを「オオクボ」から追い出した男・・」
「え?それって?」ヨシミも固まる
「そう・・・あなたのお父さんの実兄、そしてあなたの叔父でもある男だよ」
「はははははははははははははははは(@w荒まさかまた再会できるとはなぁ!!ナツミくん(@wぷぷ」
二人はついに因縁の男と再会したのであった
「てめぇ・・遠中尉・・・」ナツミは狙いをつけたまま睨みつける
「あの?叔父さん?恒寿叔父さんでしょ?あたしヨシミです!!お父さんは何処?」
「ソレ」はLCLに満たされた水槽の中で語り始めた。
「ほう?ヲマエは芳鳴の娘かね?(@wぷ だがヲレには関係ねぇな(@w荒」
ソレは吐き捨てるように言うと続けた
「ヲレは連邦軍に裏切られコロニーレーザーで焼かれた。駄がヲレはネオソーカに救助され
ブータベイダーと言う士官として蘇った。ヲレは奴らをダシに使い「人類超克計画」を進めた。
なのにヲマエの親父が邪魔をしたおかげでぇぇぇ!!(@w叫」
「失敗した結果がそのザマかよ」ナツミも吐き捨てる様に返す。
「ヲレはツネンゲリヲン零号機で富士山の火口に投げ落とされた。燃え尽きる溶岩の中でヲレは
プラグを強制射出した。芳鳴め、ヲレを葬ろうとしたがそうはいかんの駄よ(@wぷぷ」
「お父さんは??」ヨシミが叫ぶ
「さぁ?今頃燃え尽きて灰になってるんじゃないのかね?(@wぷ」
「そんで式場のおっさんに拾われて・・両手両足失ってそのみにくい火傷のケロイド見せびらかして
水槽の中で泳いでテメェは王様気取りかよ。この哀れなバケモノめ!!」ナツミはまた拳銃を撃つが水槽は
ビクともしない。水槽の防弾ガラスはデフォのようだった。ヨシミはショックのあまり微動だにできなかった。
「ほう?ヲレの体を見たまへ(@wぷ」
芋虫の様なボディーに再生してきた両手、両足が生えてきていた。
「オタマジャクシかよ」
「このLCLの海の中に居ると治癒するんだなぁ(@wぷ ヲレが五体満足の人間として蘇るのも時間の問題だね(@wぷ」
そしてその股間からはペニスも見える
「ヲレのマイスンは健在なんだよ(@w荒 前よりも大きくなったよ(@wぷぷ」
ソレはそのいきり勃ったモノを水槽の壁にこすりつけた
「この変質者が!!」ナツミは水槽に拳銃を投げつけた。ガンと言う音と共に拳銃は暗闇に消えた
「芳鳴は残念駄ったなぁ、ヲレを道連れに心中しようとしたみたいだったが(@wぷ
そもそも兄より優れた弟など存在しないの駄よ!!(@w叫!!!」
「お母さん・・いつも言ってた。お父さんは叔父さんを助ける為に前線に志願してたと・・
それが・・このザマ?一体、お父さんは何の為に死んで行ったの・・・酷い・・」
ヨシミは床にはいつくばった。
「ほう?ヲマエの親父はもう居ないの駄よ(@wぷ これからはヲレがお父さんになろうじゃないかね?(@wぷ
ヲレは叔父さんなんだからやったねタエちゃんのタエちゃんと叔父さんみたいな関係にならないかね?(@w荒」
「この腐れ外道が・・・」ナツミは両手の拳を握り締める
「だが(@w荒!!」ソレは突然叫んだ
「ナツミくん、ヲマエには17年前のシミュレータールームでの借りがある。今、この場であの時の
借りを返してもらおうかね?さあさあさあさあどうするね?(@wぷぷ」
「な。なんだよ・・・テメェ・・」ナツミは後ずさりする。
「さいたまぁぁぁぁ!!!!(@w荒」ソレがそう叫ぶとソレの尻付近から茶色の物体が泡と一緒に
放出される。同時に凄い勢いで浄化装置らしき配管が中の液体を吸出し入れ替えていく
「汚っねぇ!!コイツ糞漏らしやがった!!ビチグソ芋虫がぁ!!」ナツミは怒鳴りつけた
すると水槽の上部の蓋が開いた。
「うっ!!臭っ!!臭〜い!!何コレー!!」悪臭が建屋内に充満した。
「ヲレが何故格納容器の蓋を開けたか?わかっていないようだね?(@wぷ」
ナツミの背後には機関銃の銃口を向けたバックポットが四機迫っていた。
「なんだよ!!こいつら!!」
「さぁ、服を脱ぎたへ(@wぷ モイキッシュヴァーハソになったとは言えヲマエに17年前の
ヲ仕置きをしてやるよ(@w荒 宇宙皇帝自ら種付けしてやるって事さ。さぁ、服を脱ぎたまへ(@wぷ」
「はぁ?誰がテメェみたいなバケモノなんかとヤるんだよ!!オゲゲゲゲ!!冗談はそのワカメ頭だけにしろよな!!」
「ほう?ヲマエはまだわかっていないようだね(@wぷ」
バックポットからアームが飛び出しナツミの体を押さえつける。そしてさらに彼女の体にスタンガンが押し付けられる
ナツミは一瞬、ビクっとした動きを見せると床に倒れこんだ
「やっとおとなしくなったようだね。僕達よ。その女をヲレの下へ連れてくるがよい(@wぷ」
457 :
名無しさん:2012/02/18(土) 23:41:20.80 ID:aEdmJf1E
保守
バックポットは気絶したナツミの襟首を持つと格納容器の下へズルズルと彼女を引きづった。
「ナツミさん!!」ヨシミが駆け寄ろうとした時だった。
「痛い!!」ヨシミの体にもバックポットは容赦なくスタンガンを押し付ける
「ヲマエは子供だから手加減してやったんだよ(@wぷ 大人のヲ仕置きがどんなモノかそこで
見てるといいよ(@wぷぷ 後でヲマエにもじっくりとヲ仕置きしてあげるよ(@w荒」
「叔父さん止めて!!ナツミさんを放して!!」薄れいく意識の中でヨシミは叫んだ
「ほう?ヲレはヲマエの叔父さんではなく宇宙皇帝だと言ったはずだよ (@wぷおとなしくしたまへ(@wぷ」
容器のガラス越しからソレは横たわるナツミを見下ろした。
「今からナツミくんにはヲレの格納容器の中に入ってもらうよ(@w荒」
すると頭上のクレーンがゆるゆると動きだす。
「止めて叔父さん!!そんな所に入れたらナツミさん溺れちゃう!!」ヨシミは倒れたまま叫んだ
「ヲレのこの格納容器に入っているのは水ではない。LCLと言われるモノだよ(@wぷ こいつが肺に入れば
空気を取り込んでくれるんだよ(@w荒 死にはしないね(@w荒」ソレが言い終わるとクレーンが下りてくる。
「ヲレの手足が無いのを言いことに式場のヲヤジめ、暇さえあればヲレの菊門を掘りにヲッスヲッスしに
来てやがった。ヲレは本来はタチなのにな(@w荒 ヲかげでヲレの菊門はユルユル駄よ(@wぷぷ 駄が!!(後w叫
今度はヲレがヲッスヲッスする番だよ(@w荒 」
ソレは股間の間のおっ勃ったモノをガラスにまた擦り付けた
「だがヲレの手足はまだ再生していない。これぢゃあ東京さんとエッチできないね(@wぷ」
ソレはそう言うと倒れるナツミをガン見し始めた
「な・・何する気?・・・」ヨシミは倒れたままその光景を見つめた
するとナツミのノーマルスーツのファスナーが勝手に動いていく。
ソレはまるでうんこでもする様な顔で何やらふんばっている
「ナツミさん!!起きて!!服脱がされてます!!何アレ!!」
「ほう?ヲマエは遠рフ血を持ちながらこの力に目覚めていなかったのかね?(@wぷ」
「この力?何の事?」
「やはりあの時感じた気は杞憂だったかね(@wぷ 超克のフォースに目覚めていないモノには関係ないね(@wぷぷ」
その言葉を聞いてヨシミの中で何かが弾けた
「超克??お父さんの碑の言葉・・・おじいちゃんの遺品の巻物に書かれてた言葉・・超克・・・超克って一体・・」
ナツミのノーマルスーツの上半身は超克のフォースで脱がされかかっていた。
「さあさあさあ!!下まで脱いでヲレと一緒にエッチしないかね?(@w荒!!」
「ナツミさん・・ごめんなさい・・助けられなくて・・あたし・・・やっぱり何もできないんだ・・お父さん・・ごめんね・・」
床にヨシミの涙がこぼれる
「あの時、この空母を見て感じた気はお父さんのモノじゃなくて叔父さんの気だったんだぁ・・悔しい・・悔しい・・」
「ほう?嬉しくて泣いているのかね?ナツミくんを可愛がったらヲマエもエッチしてあげようじゃないかね(@wぷぷ」
「ざけんなぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ヨシミは突然立ち上がり格納容器に手をかざした
「バシッ!!」鈍い音とともに格納容器のガラスにヒビが入った
「な、何かねこれはっ!(@w焦」ソレの顔は恐怖に慄く。
同時にクレーンで持ち上げられかけていたナツミの体が床に落ちる
「クッ!!いってぇ〜、何だよ?アレ?あたしさっき体に電気みたいの走って・・どうなったんだっけ?」
我に返ったナツミは何故か脱がされかけていたノーマルスーツを見てさらに驚く
「うっわっ!誰だよ!!あたしの事を脱がそうとしたバカは!!おい小娘!!オマエか?・・・って」
立ち上がったヨシミの明らかにいつもと違う姿を見たナツミは黙り込んでしまった
振り返るとアレが入っている格納容器にヒビが入っている
「こ・・小娘?これオマエがやったのか??」
中ではアレが恐怖に慄き土下座を繰り返している
「ヲマエだけは・・・ヲマエだけは・・例え血の繋がりがあったとしても・・絶対に許さない!!」
ヨシミがそう叫ぶと彼女の髪の毛が一瞬逆立つように見えた。同時にさらに格納容器にヒビが入る
そして至る所からLCLが噴出し始めた
「こ、これって・・・超能力か何かかよ?」ナツミも恐怖に慄く
地球上
連邦陸軍のとある基地
施設内には銃声が轟いていた。敵襲なのか兵士は滅多やたらに撃ちまくっていた
「至急応援を頼む!!何でもいい!!ライフルでも対戦車ライフルでもいいから持ってきてくれ!!
敵?そうだ!!丸腰の男一人なんだ!!嘘じゃあない!!手持ちの火器が全く歯が立たないんだ!!」
無線に向かって増援を求めていた兵士の首が突然エクソシストの様に180度回った。
兵士はマイクをデスクの上に置いたまま床に倒れこんだ
ほう?どうやらヲマエが最後の人間だったか・・なんとも歯ごたえの無い・・」
無線室に入ってきた金髪の男は倒れる死体の頭を踏みつけた。
「ざっと500人程度の基地ではなんともつまらんなぁ・・」
いたる所から火の手があがり死体が転がる。上半身裸のその金髪の男は含み笑いをしながら
敷地内を闊歩していた。まるで次の獲物を探すハンターの様に。
「止まれ!!両手を上げろ!!」その金髪の男の背後から二人の兵士がライフルを持って制止した。
「ほう?まだ二人「も」居たかね」金髪の男は立ち止まり両手を挙げた
「ヲ、ヲマエか?たった一人で基地を壊滅させやがって!!死ね!!」兵士のライフルが火を吹いた
弾は確実にその金髪の男に吸い込まれて行く。噴出す血。だが男は倒れない
「両手を挙げるとヲマエらに撃たれるのかね?」金髪の男は二人の兵士を睨む
「ぐっ!!」同時に兵士達は首が折り曲げられ地面に倒れこむ
男の血は傷口から消えていき最後に弾頭だけがコロリと排出された。
「ほう?超克者に傷をつけるのはヲマエら雑魚では無理なんぢゃないのかな?」
その時、金髪の男は空に気配を感じたのか上を見上げる
「ほう?また一人超克の息吹を感じる・・・・我が息子達・・そして我が孫よ。会える日を楽しみに
しているぞ。ヲマエ達が我が介入の手助けたらん事を願いつつ・・・・」
金髪の男はそう呟くと爆炎の中に姿を消していった
コロニー「マッドラード」の裏側にある小惑星「ミッドウェー」
そのミッドウェーの施設で眠る男も「息吹」を感じ取っていた。
「恐れおおくも御館様にご報告が」
「なんだ恒明・・・私も気づいていたが・・言ってみろ」
ベット上に横たわる全身包帯姿の男が障子の向こう側に呼びかける
「はっ!暴走していた連邦宇宙軍の最新鋭空母が大破したとの事であります」
「そうか・・・兄の様子はどうなのだ?」
「はっ、まだ船内の格納容器に留まって居るようであります」
「だがしかし・・宇宙軍とコロニー連合の艦艇もMSも全滅したはずだろう?一体誰がシンデンを大破させたのだ?」
「センカクの輸送船団の護衛空母艦載のガンダムF2との事であります」
「・・・・F2だと?かつてのガンダムMkUの量産型であの最新鋭の空母とMSに勝てると思うのか?」
包帯姿の男はゆっくりと起き上がった
「超距離からの狙撃で補給中のミサイルを狙撃したようですが・・MSの性能よりもパイロットの技量のようで」
恒明と呼ばれる男は膝まづき顔を下げたままだ。
「恒明よ、表を上げろ。ヲマエはそのパイロットの情報を掴んでいるはずだ」
「はっ、一人はかつての戦艦オオクボのクルー、小川ナツミ、そしてもう一人は・・」
「言うな恒明よ。私を殺す気か?」恒明は再び顔を下げる
「私はヲマエに感謝している。一度は兄さんと共に富士山の火口で死んだ男だった。無意識のうちに
あのツネンゲリヲンから強制射出されたわたしは釜石の秀則叔父さん率いる超創会釜石技術研究所に救われた。
秀則叔父さんは戦死してしまったが私はあの場所で死ぬべきではなかったと言う事を私に理解させてくれたのは
恒明よ。ヲマエだ。」
「はっ、ありがたき幸せ」
「だが私は地球に妻と一人娘を置いてこのミッドウェーで治療を受けてきた。妻は死に娘は四街道シティーの叔父夫妻に
預けてきたのだがまさかまたこんな陰謀に巻き込まれるとはな・・そして最愛の娘まで巻き込むとは・・そしてまた兄が絡んでいるとは」
恒明はじっとその言葉を聞いている
「オバマ大統領が暗殺されコロニー連合との関係は最悪だ。だが大統領暗殺の影には
まだ暗躍者が居る。ラスボスは中曽根長官では無いのだ!」包帯の男は叫んだ
「それは一体・・・」恒明は困惑した顔で包帯の男を見上げる
「今回の騒動の後、連邦政府は崩壊する。地球上は無政府状態になり大混乱になる。
だがそれを狙い支配を企てる計画を進めている男が居る。わかるか!!恒明よ!!」
「その男とは・・・誰でありますか?」
「・・・・・・我が父・・・だ」
「まさか!!光翁様が!!死んだはずでは??」
「この騒動が収束した時、いや、もう動いているかもしれぬ。連邦政府が崩壊した時、
多くの軍人が路頭に迷い多数の兵器が流出する。いいか?恒明よ。その軍人達を我が超技研の
PMC(民間軍事会社)のオペレーターとして雇用するのだ。それしか父に抗う術は無い!!」
「はっ、その件でしたらササイ大尉達が水面下で動いております。アナハイムの方にもMSの調達の話は進めてあります」
「うむ、わかった。私の代わりにいつもすまんな恒明よ」
「私に出来る事でしたら何なりと。さ、御館様。火傷に響きます。お休みください」
「なあ恒明よ。私はまたMSで戦える日が来ると思うか?」
「御館様でしたら。何せ初陣でネオソーカの戦艦を一撃で沈めたお話はもはや伝説であります」
「その話はよせ。あれはマグレだったんだ」包帯の男が笑う
「なあ恒明よ?娘は・・・芳美は無事だと思うか?」
「御館様、いえ、芳鳴様のご令嬢であります。なんら問題はないかと・・」
「そうか・・ササイ大尉への件は頼んだぞ。もうよい。下がれ」
「御意!」恒明は暗闇に姿を消した
「芳美よ・・・超克のダークサイドには捕われるな・・さもなければ兄の様になるぞ」
464 :
名無しさん:2012/02/19(日) 23:53:03.28 ID:bO3MSfxE
すげえ、話が一気に進んだ…
ヨシミが手をかざした先にある格納容器からどんどん液体が漏れ出していく
「ア、アヲヲヲヲヲッ!!ヲ、ヲレはっ!!LCLが無いと呼吸が出来ないん駄よっ(@w泣」
容器の中のソレは水の抜けた水槽の中で跳ねる金魚の様にビチビチと這い回った
「ヨシミ・・・・・ダークサイドに捕われるな!!」
「えっ!!」途端、ヨシミの意識は崩れ倒れ掛かる。そこにノーマルスーツを直したナツミが駆け寄る
「おい!小娘!!しっかりしろ!!大丈夫か?ヲイ!!」ナツミはヨシミの頬を叩く
「あっ、えっ?ナツミさん!?・・・つか何すか?アレ!! えーっ、なんか凄いヒビ入ってるし!!ナツミさんやったんですか!!??」
我に返ったヨシミは割れた格納容器を見て絶叫する
ヲマエがやったんじゃねえのかよ?その言葉を押し殺しながらナツミはヨシミの腕を掴んだ
「をい!小娘!!ヲマエ拳銃ねえのか??今なら奴を殺せるんだよ!!」
背後に居たボックポット達は電源が途絶したのか皆、動きを止めている
「え?拳銃・・・あっ、サバイバルキットはガンダムのコックピットの中に置いて・・」
「ダッー!!あんだよ!!」ナツミはバックポットにケリを入れる
「アヲッ!!アヲヲヲヲヲヲッ!!(@w悶」LCLの無くなった容器の中でソレは泡を吹いてもがいている
「あっ、叔父さん?・・・」ヨシミはソレがもがいているのを見つめる
同時にガコンと言う音と共に部屋のエアロックが開く
「なんか知らないけど電源が途絶したみたいだね!!逃げるよ!小娘!!」
二人は通路に走り出した
「あ、あのナツミさん・・叔父さんが入ってた水槽をどうやって壊したんですか?」
走りながらヨシミは問いかけた。ヲマエか壊したんだろとは言えず無言で走るナツミ
「話は後だ!!脱出するよ!!」
格納庫に入ると5機のツネッシはモノアイが消えただ立ち尽くしている。動いている気配は無い
「アレが死に掛けてっからこの艦の全ての機能が停止してんだ!!今の内にバックレるよ!!」
二人はそれぞれのガンダムF2に乗り込む
格納容器建屋
「ソレ」はLCLの無くなった容器の中で泡を吹き大便をもらして痙攣を起こしていた
内蔵が完全に再生しておらずLCLによって呼吸をしていたソレは窒息寸前だった
「アッ、アヲヲヲッ、アヲッ(@w死」
突然、一台のバックポットが復旧し「ソレ」を汚いゴミでも掴むかのようにマジックハンドで
引きづり出しLCLで満たされた隣の格納容器の前へ置く。すると床が突然開き「ソレ」は
水洗トイレの流す様な音とともに吸い込まれ再びLCLで満たされた格納容器の中に戻った
「ヲ・・をのれ・・(@w恨 宇宙皇帝様をこんな目にあわせて・・許さん(@w叫」
ソレは格納容器の中で身を震えさせた
「ナツミさん下がって!!」
ヨシミのF2は格納庫のハッチに向けてビームライフルを撃つ。ハッチはバラけて吹っ飛んで行く
「!!??」
「・・・こいつら・・もう復旧しやがったのか・・」五機のツネッシはモノアイを灯らせF2に接近してくる
「ははん?よーやく解ったよ。こいつらはあのビチ糞芋虫の脳波でコントロールされてんのか?さっきあのバカ殺してりゃなぁ!!」
にじりよる五機のツネッシ、だがライフルを向けるだけで発砲してこない
「できねえよなぁ!自分の母艦を破壊するだけだもんなぁ!!おい小娘!!ライフルで先頭の奴を殺れ!」
「ナツミさん・・・弾切れです!」
ヨシミが言い終わる前にナツミのF2は先頭のツネッシに切りかかる。サーベルの先端は確実にモノアイを捉えた
狭い船内ではツネッシ達は発砲できなかったが他の四機の股間のハッチが開く
「!?そんな下品にとこからビームサーベルが出てくんのかよぉぉぉ!!」
ナツミはそのまま先頭のツネッシの頭を切り落とすと二機目に斬りかかった
「小娘!!逃げろ!!あたしが食い止めっから!!」
「無茶です!!ナツミさん!!あたしも!!」ヨシミのF2は弾切れのライフルを捨てるとサーペルを抜いた
「バカ野郎!!ヲマエぢゃ勝負になんねえんだよ!!斬撃戦のシミュレーター訓練はやってねえだろうがぁ!」
ナツミのF2は二機目のツネッシの胴体をサーベルで貫通させるがまだ動いている
「チッ!!まずった!!こいつは後頭部のオレンジ色のプラグを殺らないといけないんだっけ!!」
ツネッシはナツミのF2の頭を左手で押さえつける。同時に三機目のツネッシも飛びかかる
「ナツミさぁぁぁん!!」ヨシミは絶叫した
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ナツミはバルカンを発砲した。ツネッシの装甲は貫けないが
モノアイは破壊した。そのまま頭をサーベルで切り落とし同時にダミープラグも破壊する。
だがその時、ナツミのF2の右腕がサーベルごと空を舞った。三機目のツネッシが押さえつけたと
同時に四機目がサーベルで攻撃してきた。多勢に無勢、あっと言う間に三機のツネッシに囲まれる
「早く逃げろ小娘!!行け!!あたしに構うなっ!!」
「でもっ!!このまま置いては・・」
「テメェ!!上官の命令が聞けねえのかっ!!大丈夫だ!!必ずあたしもカイヨウに戻る!!」
ヨシミのF2がバルカンを発砲する。その銃弾で二機のツネッシは怯み一瞬、後退する
「行けっ!!もうすぐ外に居るツネッシも活動再開する。そしたら逃げられなくなる。時間が無い!行けっ」
モニター越しに見えるナツミのF2は再び左手でサーベルを抜くとまたツネッシに斬りかかる。
「ナ・・ナツミさぁぁん・・」
ヨシミはスティックを握ったまま固まってしまう
「ヨシミよ・・・彼女の行いを無駄にするな!!」
誰かがヨシミの頭の中に話かけてくる
「な、何コレ・・・誰?あたしに話しかけてくるのは・・叔父さん??」
「違う・・今は時間が無い・・船から出るのだ!!彼女が止めている内に・・さぁ!」
「小娘ェェ!!早く行けェェェ!!」
ナツミの絶叫と共にヨシミのF2は格納庫から表に飛び出して行く
「ナツミさん・・・必ず戻ってきてください」
ヨシミのF2はシンデンからどんどん遠ざかって行く。デブリは多数浮遊しているが
彼女の機体は難なくすり抜けて行く。涙でモニター越しの景色が滲んで見える
それでもヨシミはスロットルを緩めない。とても今日、始めてMSで出撃した搭乗員の
機動には見えないくらい素晴らしい空間機動を彼女は見せた
「くっそっ!三機目!!手ごわいじゃねえか!!」
ナツミのF2はバルカンで後方に居る二機のツネッシをけん制しながら左腕一本で
戦い続けていた。バルカンの照準を目前のツネッシに向けると学習したのか後方に
下がり銃弾を避ける。三機のツネッシは横並ぶとナツミににじりよった
「ツネッシ達よ。そいつは殺しちゃいけないよ(@wぷ 生かしてヲレの下へ連れてくるんだ(@wぷぷ」
同時にナツミの正面のパネルにはバルカン残弾0を知らせるインジケーターランプが点滅する
「やれやれ・・・やっと小娘の奴行ったかよ・・」
ぽっかり開いた格納庫のハッチからは宇宙空間が見える。その中にピンクの光がこちらへ
飛来してくるのが見える。安部艦隊を襲っていたツネッシが母艦に戻ってきたのだった
「さぁ〜て、ナツミちゅわぁーん(@wぷ 今ならヲレとセックス的な事をするんであれば投降受け入れるんだが(@wぷ」
「やれやれ・・・完全に包囲されたって訳かよ・・・だがなぁぁ!!」
ナツミはさらに奥に居るツネッシに粘着攻撃をかける。帰還してきたツネッシ達も内部には
発砲できない。三機目のツネッシはナツミのサーベルの太刀を受ける。その隙に他のツネッシが
ナツミのF2を押さえつける。背後からもツネッシがサーベルを抜いて迫ってくる
「くっそ・・あたしもガンダムF2なんてこんなポンコツな機体でよくやったよなぁ・・」
直後、残った左腕も切り落とされナツミのF2は両腕を失った。さらに多数のツネッシが押し寄せ
コックピットハッチに手をかける。無理やりこじ開けるつもののようだ。
「ふん・・このままやられてたまっかよ!!」
ナツミはシートベルトを外しリニアシートから立ち上がるとシート下のテンキーを
操作する。彼女はテンキーを操作すると軋みはじめた球体コックピットの床に座り込んだ
メインパネルにはカウントダウンの数字が点滅している。
「NEVADAだったら・・・こんな奴ら余裕で全滅させてやれたのになぁ・・」
コックピットの電源が途絶し外界の映像が消えるとツネッシの指がハッチをこじ開けて侵入してきた。
同時にメインパネルの数字が0を表示した瞬間だった。
「サトミ!!」ナツミの前に一人の女性が一瞬見えたのだろうか?
「ナツミさん!!」
ヨシミはモニターの背後に振り向く。彼女は後方画像を最大ズームさせる
シンデンの方向からまた爆炎が上がるのが見える。
「艦長!!シンデンにまた高エネルギー反応!!爆発光及び熱源を確認!!」
カイヨウのCICでもその爆発は捉えられていた。
「どこかにまた誘爆でもしたのか?」真田は観測員と画像に釘付けになる
「IFF確認!!MS一機接近中!F2-A8番機確認しました!!」
「一機だと?二機ではないのか?」一色艦長も駆け寄る
「F2-Bは居ないのか?」観測員は首を横に振った
ヨシミは今すぐシンデンに戻りたかった。
だが直後の爆発が何の爆発であるかを彼女はそれを理解していた。
戻りたい、だが戻ればナツミの死を受け止めねばならない。
彼女は操縦しながら苦悩した。
「ヨシミよ・・針路はそのままでいい。もうすぐ母艦が見えるはずだ」
また見知らぬ声が彼女の意識に話かけてくる
「誰!?恒寿叔父さんなの?いや、違う・・・この感じは・・」
「兄弟だからな。お前が奴の「気」を間違えるのも仕方が無い。」
「兄弟?恒寿叔父さんの?だって恒寿叔父さんは二人兄弟の長男で弟は私の・・」
「芳美よ。まだお前には「力」を使いこなせていない。感情に捕われればその「力」は暗黒面に覚醒してしまう」
「力?なんの事?力って?」
「アレが入っていた巨大な水槽。破壊したのはナツミ君ではない。」
「あ、あたしが?まさか・・そんな・・」ヨシミはうろたえる
「お前はまだ覚醒したばかりだ。水槽の中に居るヤツを殺すにはまだ弱すぎた。
水槽を破壊できれば上出来だ。だが逆もしかり。奴がお前の力に気づけばお前が殺されていた。」
「そ・・そんな・・つかヲマエ誰だよ!!さっきっからウゼェんだよ!!お父さん語りやがってさぁ!」
ヨシミは逆キレを始めた
「・・・その煽り耐性の無い所・・お母さんそっくりだな。」
「あ、あんた恒寿おじさんだろ?よくもナツミさんを・・・」
「私が恒寿だと?ならとっくに殺している。あの格納庫でな。私がアレでない証拠を見せようか?」
「証拠?ふざけんな!!」
「芳美!!右へ機体を滑らせろ!!それが証拠だ!!」
反射的にヨシミは機体を右に逸らす。その左側を二本のビーム跡が駆け抜けていく
「!?ツネッシ!!追ってきたの!?」
モーションセンサーは三機の機影を捉えていた
小惑星ミッドウェー とある施設
「お館様!!傷に障ります。無理はなさらずに!!」
包帯の男に恒明と呼ばれる男が駆け寄る
「すまぬ恒明。娘に気を送り続けてしまった。今の私にはこれが限界だ」
「姫様なら・・芳美様なら大丈夫です」包帯の男に肩を貸しながら恒明は言った
「恒明よ、何故大丈夫とわかるのだ?」
「私にも感じるのです。姫様が超克の戦士として覚醒している。超克の力がたゆとうているのを・・」
「こっちはライフルが無いんだよ!!」
錐揉み上昇でツネッシを振り切る試みをかけるヨシミのガンダムF2
だが三機のツネッシは執拗に粘着し続ける。
「ツネッシ達よ・・姪のヨシミを連れてくるんだよ(@wぷ ナツミちゅわんの代わりにヲレが可愛がってあげよう(@w荒
格納容器の中の変質者は三機のツネッシを通してヨシミを追い詰める
逃げるヨシミの前に連邦宇宙軍の駆逐艦の船体らしい巨大なデブリが現れる
「あの中に飛び込んでサーベルでカタ付けてやる。斬撃戦はやった事ないけど」
「はははははははははは(@w荒その中に飛び込めばツネッシの独壇場だなぁ。はい詰み(@wぷ」
ヨシミはデブリの中に飛び込む振りをして船体を影にしてサーベルを抜く。そして180度のターンをかける
「ナツミさんはアレの頭を狙ってた。行けっ!!」
F2のサーベルはツネッシのモノアイを捉えそのまま頭を切断する。破断面からはダミープラグが見えている
「こいつが操ってんだろっ!!」もう一太刀でプラグを破壊する
やった!だが二機のツネッシが見当たらない。
「くそっ!あいつら熱源センサーにひっちかからないんだっけ?見失った!」
直後、ヨシミの機体に振動が走る。
「被弾した!?」
左腕がショルダーアーマーごと飛んで行くのが見えた
「なめるな!!」
ヨシミはそのまま機体を左回りさせる。その後、一気にデブリの中をフルスロットルで駆け抜ける
「シールドがあれば・・でも左腕の一本くらい!!はっ!上!?」
センサーが捉える前にヨシミは上昇をかける。ツネッシはニードルライフルを撃ってきた
その散弾はヨシミの機体の上半身と右足を着弾跡を残す!
「ちっ!メインカメラがやられた?」一瞬、モニターの画像がブレる
「右の背面スラスターも!?」さっきの一撃で大幅に機動性が低下してしまった。
その時、ヨシミの頭にさっきの謎の男の言葉が浮かんだ。
「力?超克の力?」ヨシミの脳裏に違う景色が映った。
「ツネッシ!あなたを借りるよ!」
ナツミの回りで粘着していた二機のツネッシのうちの一機が突然僚機のツネッシのライフルを向ける」
「アヲヲヲヲヲヲ!!何故味方に銃口を向けるのかね?(@w叫」
直後、一機のツネッシはもう一機のツネッシによって撃墜される。
戦闘能力を失い漂うヨシミのガンダムF2の前にそのツネッシが飛来する
「ツネッシ!あなたは私の召使よ!おとなしく私をカイヨウまで運びなさい!」
ヨシミが念を送るとそのツネッシはヨシミのF2を引っ張りカイヨウへ飛んだ
「これが・・・力?・・超克の?」
ヨシミは一機のツネッシを超克のフォースで乗っ取る事に成功したのだった。
「艦長!方位1-9-0に閃光及び爆発跡視認。近いです」カイヨウのオペレーターの報告が艦橋に響く
「艦載のF2じゃないのか?」一色艦長はキャプテンシートの艦内電話を取り対空戦闘の指示を出す
「F2-A8番機のIFFは確認、健在していますが・・もう一機増えています!」
「それが小川中尉のF2-B14番機じゃないのか?」
「いえ?もう一機にIFF反応ありません。識別コード照合中・・艦長!敵機のモノです!ツネッシです!」
「バ、バカな!!ツネッシだと?各砲座!!対空戦闘用意!!近づけるな!!」
そのやりとりに真田大尉が割り込む
「一色艦長!妙ですよ?ツネッシなら何故わざわざバーニア推進で来るのですか?攻撃ならステルス推進で来るはずです!」
「だが識別コードはツネッシだ。欺瞞だろう?」その時、通信兵が叫ぶ
「艦長!遠эュ尉より入電!無事です!生きてます!ツネッシは鹵獲したモノだそうです!」
「各砲座撃ち方やめ!F-2Aを回収しろ!」
シンデン狙撃作戦が終わった。小川中尉の戦死と言う代償と共に
ヨシミのガンダムF2は回収されフライトデッキのハンガーに駐機させられる。
機付の小沢伍長はその機体のやられっぷりを見て頭を抱える。
鹵獲したツネッシはダミープラグを放棄され宇宙空間を漂っていた。
「よく帰った。」新田少将はヨシミをメンテナンスラダー上で出迎える
だがヨシミの顔は浮かばない。
「・・・閣下・・・ナツミさん、いえ、小川中尉殿が・・・」
「中尉の最後は?」
「あたしをかばって・・敵空母の格納庫内で盾になって・・自爆されました・・あたしの責任です」
「話は後だ。とりあえずシンデンの足止めには成功した。少し休みなさい」
「遠эュ尉の報告ですか・・・」一色艦長はキャプテンシートでうな垂れる
「まさか彼女が自爆するとは・・・」
ブリッジに小沢伍長が報告に上がってくる
「報告!ガンダムF2-A8番機、左腕喪失及び右足とボディ上部に被弾。配管の
オイル漏れ及び断線、補修パーツ不足にて復旧の見込みが立ちません!」
「格納庫に散らばっている他の機体の残骸をバラしても無理か?」
「敵弾がフレームまで食い込んでます。フレームにも一部裂断箇所あり。ボディの
溶接跡もかなり飛んでます。相当な機動を行っていたと思われます。あんな
ヨレ方は今まで見た事がありません!」
「待て待て・・小川中尉が操縦していた機体ならわかるが今日、初陣のヒヨッコ搭乗員が
操縦した機体だぞ。何かの間違いじやないのか?被弾痕と見間違えとか・・・」
「いえ!間違いありません!」小沢伍長は直立不動で言い切る
「・・・まあいい・・。でカイヨウの稼働機は?」
「実質ゼロです。艦載機を全て失いました」
「もはや丸裸か・・・白旗でも揚げるか?それとも・・・」
大破して艦の半分を失ったシンデンの格納容器建屋の中の臭い男は異臭を発して煮えくり返っていた
「よよよよよよくも・・ヲレのツネッシを乗っ取ったな(@w怒 ここここ殺してやる(@wぴゅー」
停船していたシンデンはカイヨウ攻撃の針路を取り前進を始めた
476 :
名無しさん:2012/03/01(木) 00:19:42.32 ID:ZQ7+su+V
保守
「しかし謎だな?」一色艦長が真田大尉に向かってつぶやく
「今日、始めて実戦で出撃した搭乗員が熟練の搭乗員でさえ撃墜した事の無い
ツネッシを艦載した空母から生還ししかもそのツネッシを二機も単独で撃墜して
一機を鹵獲した。しかもあの「F2」でだぞ?」
「ガンダムF2・・かつてのガンダムMKUの簡易量産型ですよね?あの機体オリジナルは
三機しか生産されなかった。機体に欠陥があったともっぱらの噂ですが今ではその真意を
調べる術はありません。そのMKUのアップデートバージョンブロックCがF2な訳ですが」
「さすが大尉、よく知っているな。我々スペースノイドは連邦政府から単独でのMSの開発を
禁じられ中央からの払い下げ品を与えられてきた。無論この「カイヨウ」もそうだ。
まだF2が配備されているコロニーはまともな方だ。」
「・・・・まぐれでも彼女が二機撃墜して生還したのは事実ですからね。その辺りの話は彼女に聞いてみては?」
「最後に・・・ナツミさんがそうやって倒したのを真似したんです」
艦橋に呼び出されたヨシミはノーマルスーツのまま聴取を受けていた
「ほう?ではナツミ君があの空母の格納庫でその様に戦っていたのか?」
一色艦長の問いにヨシミは黙ってうなづく
「ナツミさんがあのキモイMSは首ねっこのオレンジのプラグを破壊しないとダメだって・・」
「では追撃してきた三機のツネッシの内二機はそのやり方で破壊したと?」
新田少将は一色艦長の聴取を黙って聞いている
「一機はそうで・・す。もう一機はよく覚えていません」
「君の機体は閉じ込められた格納庫のハッチを破壊する為にビームライフルの最後の一発を撃った
残りの武装はサーペル二本とバルカンしか無いはずだ。しかもバルカンは残弾が残っていた。
二機目の撃墜は覚えていなくても三機目の鹵獲は?どうやってあのプラグを除去したのだ?」
超克のフォース・・・だがその言葉は口に出来ない。言った所で信用してもらえない
「ちょっと待ってください艦長、なんかよんよんがスパイ容疑に掛けられているみたいじゃないですか?
これは「聴取」であって「尋問」ではないはずですよ」シマが割り込み口を荒げる
「シマ中佐!情報部の君らしくないな。「結果」に対して全ての「謎」を解くのが情報戦の基本ではないのか?」
「まあツネッシのインターフェイスの故障も考えられますしミサイルの誘爆でコントロール系統に異常を負ったのかもしれません
ヨシミ君が無事生還できた理由もきっとその辺りの筋が濃厚ではないのかと?」
真田大尉が強引に話しをまとめかけた時だった。
「超克・・のフォース」
新田少将がその言葉を発した
「あの空母に君の叔父である恒寿元中尉が乗っているのなら・・我々には想像すらつかない
能力での戦いになるだろう。「アレ」をなんとしてでも破壊せねばならん。だが万事休すだな
もうこの話はよかろう。で、一色艦長。カイヨウはこれからどうするのかね?」
「はっ、このままルナツーへ寄港し閣下や「アタゴ」のクルーを降ろしその後の事は・・」
「そうか・・宇宙軍に定期検査でドッグ入りの重巡二隻と駆逐艦三隻が残っている。これで「アレ」を
破壊できればいいんだが・・その前に奴に動かれるとやっかいだがもはやあれだけの損害を受けて移動はできまい」
「艦長!!シンデンが接近中!!我々の針路を塞ぐコースを取っています!!」
「バカな!!艦の半分を失ってまだ推進できるのか?なんて奴だ!!」
連邦政府大統領府
中曽根長官率いるアースノイド派による武力制圧が続いていた。
副大統領も軟禁され政府の権限は全てが彼の手中にあった。
「長官!!これはれっきとした軍事クーデターだ!!他の国が黙っていないぞ!」
声を荒げる副大統領に余裕で中曽根長官は答えた
「副大統領!地球の市民はコロニー連合との共存は望んでいない。彼らはあくまでも
我々が生きる為の道具であり家畜に過ぎない。彼らは我々が統治せねば生きてはいけない
今回の一件でタクマ議長も失脚しただろう。連合の艦隊も壊滅し奴らも反中央政府の流れが
強まっているだろう。この地球上に君達和平派を支持するモノなどおらんよ」
その時、モニターの画面上に「アヲヲヲヲヲヲ」の文字が無数に並ぶ
「おお、遠ъN。どうだ?ミサイルの補給は受けたかね?あれでちょっとコロニーを破壊してきてくれんかね?」
モニターはボイスチャットに回線が切り替えられた
「よ・・よくもヲレを裏切ったな(@wぷ」
「裏切る?何の話かね?」中曽根長官はとまどう
「補給中に攻撃を受けたじゃないかね?騙まし討ちかね?(@w怒 ヲレのシンデンがぁぁぁ(@w叫」
「いやちょっと待ってくれ!そんな指示はしておらん」
「ヲレは宇宙皇帝だ!!(@w叫 ヲマエが詫びろ!!(@w荒」
「な、いや。をい?枝野!!これは事実なのか?をい!!枝野!!」
「約束を破った報いは受けてもらうよ(@wぷ」
そう言うとボイスチャットの回線は途絶した
「よんよん?大丈夫だった?」
居室の椅子に座るヨシミにシマが話しかけた
「シマさん・・大丈夫です。」
「小川中尉は残念だったわね」
「シマさん、でも不思議なんです。ナツミさんとは短い間だったけど・・なんかお母さんみたいで
そんな大切な人を失ったのに涙がもう出ないんです。あたしってこんな薄情な人間だったのかと・・」
「ちがうわよんよん、あなたは強くなったのよ。あなたは小川中尉の命令で脱出した。そして生きて帰った
それが彼女が望んだ事だったのよ。だから誰もあなたを攻められない、たとえ一色艦長でもね」
「シマさん・・あたし・・あのツネッシに乗り移る事が出来たんです。三機の内、一機は確かにサーベルで
破壊しました。でも二機に挟まれて・・そしたら急に「力」を思い出して・・」
「力?力って?」
「超克のフォースです」
「よんよん・・あなたも・・」
「あたしの視界にあのツネッシの見たものが入ってきたんです。だから三機目に乗り移って二機目を
撃墜したんです。三機目はあたしのF2をカイヨウまで引っ張らせて・・その後にプラグを抜きました
だって・・あれって前に格納庫で大爆発したから危ないと思って・・」
「いい判断よ、よんよん。きっと真田大尉も褒めてくれるわ」
シマはそう言うとまたタブレット端末を取り出した
「あなたにまだ見せていないモノがあったわね?」
そう言うとひとつの画像をヨシミの前に出した
「超創会釜石研究所?なんですかコレ?」
「前に話した二体のツネンゲリヲン。富士山で超克の碑の前でしたわよね?
あなたの叔父さんは火口に落ちて寸前の所で脱出してラボ式場に拾われた。
あなたのお父さん・・芳鳴大尉は火口で死んだと思われていた。だけど式場博士を
尋問してわかったのよ。プラグは二機とも射出されていた。そしてあなたのお父さんの
乗ったプラグは式場博士でも軍でもない別の組織が持ち去った」
「それが・・この超なんとか会釜石って所なんですか?」
「超創会釜石研究所はあなたのお爺さん、光翁少佐の弟である秀則少佐が民間の技術グループと
立ち上げた組織なの。超創会技術研究所つまりあなたのお爺さんが立ち上げた組織とはまた別の
独立した組織だったの。あたしのカンではあなたのお父さんを拉致、いえ救出したのはここだと思っているわ」
「・・・・シマさん・・あの空母の中で叔父さんと戦った時、お父さんが助けてくれたんです」
「えっ!?」シマはタブレットを驚いて床に落とす
「感情のまま力を使うな。そうすると暗黒面にとりつかれる。ナツミさんの最後の時も
脱出を促してくれたのもツネッシが接近してきたのも・・みんなお父さんが教えてくれたん・です」
やはりこの子は持っていた。シマの疑心は確信に変わった
「フォースの暗黒面に引きこまれたのはあなたの叔父さんよね。」
「あたしの血が・・叔父さんをこの世から抹殺したがっている。この力で叔父さんと戦えるのなら」
「でもよんよん、あの空母に攻撃をかけられる兵器はもう残っていないのよ。宇宙軍にある残った艦艇でも
破壊できるかどうかは難しいし・・・一度ルナツーへ退却するらしいから。今は休みなさい」
シマが手をヨシミの肩に手をかけた時だった
「叔父さんが・・来るっ!!追ってきてる!!」
「オペレーター!!速度は!!」
「20宇宙ノットで針路を塞ぐルートへ向かっています。このままですと接触は30分後です」
スクリーン上でカイヨウとシンデンのルートが交錯する針路図が表示されている
「副長!乗組員全員にノーマルスーツ着用を下命!!それと」
「それと?」副長が首を傾げる
「小沢伍長を呼んでくれ!真田大尉、君も居てくれ!」
「小沢伍長!このカイヨウに稼働機はもう無いとさっき言ったな?」
「はっ!その通りであります!」
「君は本艦のMS整備班の最後の生き残りだ。その君に聞いているんだぞ?」
「艦長・・仰っている意味がよく理解できないであります!」
「艦載のガンダムF2は度重なるツネッシによる攻撃で損耗してしまった。だが!あの機体はどうした?」
「まだシラを切るつもりか?小川中尉が木星空域でテストした「あの機体」だ!
「ああ・・・あの機体でしたら艦底の格納庫で保管していますが・・」
「「あの機体」を使う。すぐに出せ」
「艦長!!無茶ですよ!!それに・・・中央政府の士官さんの前でこんな話を・・」
「今出さないでいつ使うんだ?そうするしか生き残る術はないんだ!」
「ですが搭乗員が」
「遠芳美少尉に搭乗してもらう」
「そ、そんな・・無理ですよ!!小川中尉でさえ扱えなかったんですよ!!
整備隊長殿に小川中尉以外触らせるなと厳命されていましたし・・」
「伍長、これは命令だ。君の意見を聞いている場合ではない。真田大尉を連れて
いますぐ格納庫から搬出しろ。もう何も言うな。行け!!」
小沢伍長は煮え切らない表情で真田大尉とエレベーターに乗り込む
「伍長?さっき機体と言っていたがそれはMSなのか?」
下降するエレベーターの中で伍長は黙ってうなづく
「こんな事を中央政府の人間に言っていいものなのか・・実は我がセンカク初の
国産新型MSなのです。まったくとんでもない時に巻き込まれてしまいましたよ」
エレベーターは艦底に到着したようだ。
483 :
名無しさん:2012/03/05(月) 23:37:54.64 ID:xhstBZ3E
しばらく見てなかったらナツミが退場していた…
まあ、はっきりと死んだ描写は書かれていないから生きてはいそうだけど…
484 :
名無しさん:2012/03/09(金) 00:58:29.71 ID:SJRIMg21
保守
「シンデン」はルナツーへ退却中のカイヨウのコースを塞ぐ針路を目指しつつ後部甲板のツネッシ隊を
出撃させた。目標はカイヨウではなく衛星軌道上にある連邦軍防空衛星を攻撃目標にしていた。
「おい!枝野補佐官を知らないか?」
中曽根長官は一人の事務次官に声をかける
「いえ?先ほどから姿が見えませんが・・・」
「たく、使えん奴だ!この非常時だと言う時に!」立腹する長官にもう一人の事務官が駆け寄る
「長官!ポイント47の防空衛星が攻撃を受けています!基地は壊滅かと・・」
「防空衛星だと?コロニー連合の奴らなのか?」
「いえ、通信が途絶する前の報告では見確認のMSによる攻撃を受けていると」
「ま、まさか・・・シンデンとツネッシなのかっ!」
「ほう?こんなチンケな衛星でも大気圏の摩擦熱には耐えて地表まで落下してくれそう駄ね?(@wぷ」
ツネッシの攻撃で衛星軌道から外れた防空衛星は次第に引力に引きづりこまれていく
「はははははははははははははははははははは(@wぷ かつて戦略的にコロニー落としやら隕石落としを
成功させた輩って居なかったよなぁ(@wぷ 東京士官大学卒のヲレならこんなのチョロイんだが(@w荒」
格納容器の中でその男は悪臭を漂わせ身震いした
「目標はワシントンの連邦政府官邸駄よ(@w荒 ヲッスキャノンより破壊力があるんだが(@wぷぷ
「艦長!!ポイント47の防空衛星の大気圏への突入を確認!ツネッシの攻撃で軌道を外れた模様です!」
カイヨウのオペレーターはモニターに衛星の落下予測位置を表示する。
「こ、これは・・・まさかアレを政府官邸に落下させるとは・・気は確かか!!」
一色艦長と唖然とする。
「兄さん・・・またか」包帯姿の男は一人呟く
「恒寿様はもはや手には負えません。コロニーほどの破壊力はありませんがあの衛星の
落下地点から半径100Kは確実に破壊されるでありましょう。もしや恒寿様と光翁様は手を組んでいるのでは?」
恒明と呼ばれる男は襖の陰から包帯の男の問いに答える
「いや、それは無い。父は兄の行動をわかっていたはずだ。兄のトンチンカンな行動を利用する為にな
連邦政府中枢にあの衛星が落下すれば・・・・地球上にカオスが訪れる・・これも超克の導きなのか・・」
男は窓の外の星を見つめた
「芳美よ、ヲマエだけが善の超克最後の戦士なのだ」
カイヨウのフライトデッキではシートで全身を包まれた一体のMSが格納庫から姿を現した
「伍長・・この機体は一体?」ただならぬ雰囲気を読んだ真田は小沢伍長に問いかけた
「この機体はわが国初の国産MS、正確に言えば先進技術実証機なのです」
「先進技術とは?サイコミュやステルス性能か?」
「さすが大尉殿、よくお分かりで。中央政府が先に開発したガンダムラプターやライトニング
相手に発見される前に先制攻撃を仕掛けるステルス技術をわが国も開発に成功したのです。と言っても
実戦投入はされておらずあくまでも試作機の域を出ませんがね」小沢伍長は機体のシートを剥いで行く
「そして中央政府が完全に制式採用化できなかったサイコミュ機能も搭載してます。」
伍長はそう言うと最後のシートを取り去る。彼らの前にグレーの一体のMSが現れた
「ATD-X 心神 これがこのプロトタイプの名称です」
「100式?いや、デルタか?」
「この機体に可変機能は搭載されていません。中央政府も最後まで可変機の採用で揉めて
いたようですが。部品点数の複雑化とメンテナンス性と稼働率を考えると、そして何より
あの出っ張った機体ではステルス性能は期待できないのです。ガンダムシリーズとは全く別の
アプローチから開発された機体です。ガンダムとはあくまでアースノイドの象徴的な兵器にすぎないのです」
するとコックピットハッチが開く。真田はマジマジと中を伺う
「操縦桿がボールの様な半球体だがあれは?」
「心神は搭乗員の全ての身体能力での制御を要求します。つまりこの機体を
操るには両手の10本の指も全て使うと言う事なのです。基本操作は他社のMSとはなんら変わりません。ですが」
「まさかパイロットの精神を侵食するとか言わないでくれよ」
「いえ、ですがワンオフ機体の特性ゆえ、AMBACシステムにはファインチューンが施してあります。どんな機体にも
負けない反応速度が得られる様に。あくまでデータ上ですがガンダムラプターと比較で30%増の速度が得られています」
「そんなピーキーな機体をあの子が操れると思うか?」
真田はそう言うとハッチを閉じた
「彼女、いえ、芳美少尉のF2を見ましたか?あのF2はリベットも溶接も吹き飛びフレームにも
歪みが見られました。機体が彼女の反応速度に完全に負けていたのです。ですが、この心神なら
彼女の反応速度についてこられるのではないかと・・・」
「ここでとやかく議論していても仕方が無い。今はヨシミ少尉とこの心神にかけるしかないな。時間が無い」
488 :
名無しさん:2012/03/10(土) 17:03:46.95 ID:/BVpx7aq
保守ついでに
機体名はまだしもやコードまでまんまだとちょっとあれなので
【ATD-MS-X 心神】
というコードを提案してみる。
>>488 乙!
そうですね。MS入れた方がそれっぽいですな
「ガンダム心神」にしようかと思ったんですが物語の背景を考えるとね
490 :
名無しさん:2012/03/16(金) 15:28:50.63 ID:16+Ih5hr
保守
「少尉!時間が無い。コイツで艦隊の直掩そして状況によっては迎撃に上がってもらう」
真田は心神の前にヨシミを連れてきた。ノーマルスーツを着たヨシミは唖然として見上げる
「えっ・・艦載のMSって全滅したんじゃなかったんですか?」
「この機体は試作機、いわばデモンストレーターです。ですが実戦には耐えられる・・と思います」
小沢伍長がコックピットハッチを開きヨシミを招き入れる
「なんか・・操縦桿がゲームセンターの機械みたい・・・」その異様な作りにヨシミは戸惑う
「基本操作はF2と同じだ。残念ながらシミュレーターに時間を割いてる余裕が無い。すぐに上がってもらう」
真田の急かせる様な言葉に一瞬戸惑ったヨシミだったが彼女はシートに座るとヘルメットを被った
「この機体なら・・・・叔父さんに勝てる」
超克の一族の血が彼女にそれを直感で気づかせたのだろうか?
「大丈夫です!行けます!」
「ヨシミ君、いや遠эュ尉を試作機で迎撃に出すだと?」
ブリッジで新田少将は怪訝な顔をする。
「閣下、あれは試作機なんかではありませんよ。恐らくガンダムラプターとも互角に渡り合える機体ですよ
もっともラプターが全滅した今はそれを実証する事は難しいですが・・オペレーター!!敵の位置は??」
「はっ、シンデンの速度落ちました。恐らく防空衛星の攻撃で艦載機の出撃と回収で速度が落ちたのではと」
「ほう?丁度いい。たった「一機」の迎撃機を艦隊の全面に配備できる時間ができた。閣下、よろしいですか?」
新田少将は黙ってうなづくと通信兵に歩み寄った
「AT-D MS-Xのパイロットと話がしたい」
新田少将がそう言うと通信兵は敬礼をして彼に席を譲った
「遠эュ尉、聞こえるか?新田だ」
「はい閣下!感、明、共に良好であります!」
ヘルメットのバイザーを開けたヨシミがスクリーンに映し出される
「恐らくこれが最後の戦いになる。私の勘だがな。一民間人だった君を宇宙に連れ出し
巻き込み、保護も出来ずこうして実戦に駆り立てた私を許して欲しい。」
新田少将はそう言うと帽子を取り画面のヨシミに謝罪の言葉をかけた
「いえ、閣下。あたしは必ず生きて戻ります。叔父さんを倒して・・これが超克の導きなら」
「未確認機接近!!数42、接触まであと15分!!」
二人の会話を掻き消すように索敵班の報告が入る
「少尉!!武運長久を祈る!!」新田がモニターのヨシミに敬礼する。同時にブリッジに居た
クルー達も皆、画面の彼女に敬礼をする。画面の中のヨシミもバイザーを下しながら敬礼をする
「対空戦闘を下命!!前方の駆逐艦「イカヅチ」にも発光信号送れ!!」
一色艦長はひとしきり命令を出すと新田少将に話しかけた
「閣下、あなた達を救助した我々は間違っていなかった。アースノイドとスペースノイドはわかりあえる。
それを遠эュ尉が教えてくれた。我々は彼女に御礼が言いたい。彼女が生きて帰ってくるのなら」
一色艦長の言葉に新田は背中を向けたまま答える
「大佐・・・私はいつもこうだ。いつも戦いに出向く者に労いの言葉をかける事しかできない・・」
「少尉殿!!武装は右手にF2のビームライフル、左手にはツネッシから鹵獲したニードルガン!!
弾数はメインモニターの左下に表示されています!!シールドもF2のモノです!ツネッシのニードルガン
の攻撃に初撃は耐えられると思いますが気休め程度に!!あとサイコミュについてですが・・」
始動音で掻き消される小沢伍長の声をよそにヨシミはハッチを閉じる
「外に出ればわかるよ」
「ATD-MS-X 発進位置へ!!針路オールグリーン!!」
「遠пA征きます!」
そのグレーの機体はカイヨウのカタパルトから射出される
「Gがさっきよりもキツイ!!」天球モニターの背後にはカイヨウとイカヅチがどんどん遠くなっていくのが映る
「デブリの狙撃作戦が特殊でこれが本来のシミュレーター通りの発艦だもんなぁ」
ヨシミの心神はカイヨウとイカヅチを中心に回る哨戒機動に入った。
「そう言えばこのMSってなんて名前?心神?へぇ、漢字の名前なんだぁ、しっかし」
彼女が右手の平を乗せた操縦桿の球状の物体、少し力を入れるといとも簡単に機体は右にスピンする
「さっきのF2よりは反応がダンチなんだけど・・少し鋭すぎる気がするなぁ・・」
彼女がそう思うとパネルに操縦感度の調整画面が表示される
「この画面なんで出てきたんだろ?どこか触ったのかな?」
左手の小指と薬指を置く部分が赤と緑に点灯している
「赤?がダウンで緑がアップ?左の中指で確定?」何度か機体をスピンさせて彼女は
自分好みのチューニングを得る。
「このコックピットの中、なんか暑くない?」彼女がそう思うとメインパネルには
空調温度調節の表示が出る。操縦感度と同じ様に調節してそこで初めてヨシミは気づいた
「この心神って・・・あたしの思った事がパネルにさっきっから出てくるけどこれって・・」
だが心神のインターフェイスはこんなモノではなかった
球体モニターの真上に赤い矢印が表示される
「敵っ!?あのキモイMS来たのっ?」
ヨシミは一瞬、心神を艦隊から離した。対空砲火で味方撃ちを受けない処置である
スロットルを踏み込む。機体は一気に横っ飛びする。だが加速がF2に比べておかしい
「これって・・・」
踏んだ出力まで一気に加速すると心神のリアバーニアは推進をカットする。ステルス性を
重視した噴射設定だが初速が速い為F2に比べてパイロットにかかるGがきつい。あのナツミをして
「ジャジャ馬」と評されたこの機体ならではの機動特性であった。推進をカットされた後は慣性で飛行する為
推進炎や熱源で探知される事もなく攻撃に移ることが可能なのだ。
「こいつら・・あたしに気づいていない?」
シンデン攻撃の帰途にツネッシに散々粘着されたヨシミのF2だがツネッシは一機もこちらに向かってこない
「先頭を撃てチリジリになる・・かな?」
ヨシミはビームライフルのレティクルをツネッシの編隊に向けた
494 :
名無しさん:2012/03/24(土) 22:10:36.86 ID:xmU2Rn/X
期待
5機編隊の先頭のツネッシにレティクルをあわせる。緑のレティクルは
ロックを示す赤い表示になる。ヨシミは右手のひとさし指の発射ボタンに
軽く力をこめる。すると後続の四機にもロックを示す赤いレティクルが表示された
「!!何コレ!!」
彼女が驚き発射ボタンを押すのを忘れた瞬間、心神は五発の閃光の矢を放った
F2用のビームライフルはいとも簡単に4機のツネッシを撃墜していく。5機目のツネッシは
射角が甘かったのか被弾したまま錐揉みしながら退却していく。
「すごい・・・F2で撃墜するのに手間取ったあのキモいMSをいとも簡単に4機も陥とすなんて・・」
ヨシミはそのまま心神を横滑りさせながらさらに艦隊から離れる。
「今、ビームライフルを撃とうとしたら勝手に射撃してたけど・・まさかこの機体って・・」
心神の存在に気づいたのか3機のツネッシが追ってくる。ニードルライフルの弾頭の炸裂音が回りに響く
「もう一回!!」
ヨシミは3機のツネッシの真ん中にレティクルをあわせる。彼女の人さし指はボタンにかかっていない
ロックした瞬間、3機のツネッシは粉々に粉砕され宇宙に散っていった
「あたしが発射ボタンを押す前にあたしの意思を読み取って敵を撃墜している・・凄い・・」
「敵機!!艦隊から離脱!ATD-MS-Xを追尾に入りました。」
「あのツネッシをいとも簡単に撃墜している。これが心神の実力なのか!!確かに今の連邦のどの
機体よりも遠目に見ても機動性に優れている・・・それを実戦経験二回目の少女が搭乗しているとは・・」
真田大尉はモニターに釘付けになる
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!まだMSを隠し持っていたなんて卑怯じやないかね(@wぷ」
格納容器の中のソレはLCLで満たされたその中で地団駄を踏んだ。
「よくも・・よくもヲレの分身のツネッシを・・宇宙皇帝の分身を破壊したね(@w怒」
「わかってきたよ。この機体の特徴が!!」
ヨシミは心神を囮にしてツネッシをこちらにおびき寄せる
「あはははは、みんなあたしを追ってきたみたいね。艦隊の事なんてどうでもよかったんだあ」
ヨシミはレーダーを見ながら心神の機体を左右にふり追撃してくるツネッシをおちょくる
「16歳の少女にこんなに粘着してくるなんて叔父さんも大人気ないよね?これじゃあモテない訳だ」
心神は45度に鋭く旋回するとさらに下降した。
ツネッシのニードルライフルの弾頭は高速で旋回機動する心神を捉えられない
「アヲ!あのグレーのMSはどこへ行ったのかね?(@wぷ」
格納容器の男はツネッシ各機体のモニターとリンクするが心神を見失ってしまう。
「卑怯じゃないかね?出てきたまへ(@wぷ」
彼が叫んだ瞬間、編隊を組んでいたツネッシは左右、上下から容赦のないビームライフルの閃光の洗礼を受ける
次々と爆発四散していくツネッシ。ルナツーやグラナダの空母打撃群をやった時とは
逆の展開が演じられていた。たった一機のそれも「試作機」によってである
「をのれ(@w怒 たった二隻の艦隊が負け犬ダンスを踊りながらヴザマに撤退しているし
護衛のMSは展開していないから楽勝だと思っていたヲレ駄よ(@wぶっひー」
格納容器の中の男の惨敗であった。護衛のMSの展開が確認できなかったのをいい事に
ツネッシをステルス推進でなくバーニア推進で艦隊に接近させたのが彼の誤算であった。
迎撃機が不在ならたった二隻の艦隊など楽勝・・と思ったウスラヴァカであった
「ステルス機の真髄はアウトレンジからの攻撃。相手がこっちを見えないなら近づく必要は無い!」
元々ツネッシは閉所戦闘に特化した機体であった。無論、制空戦闘もこなす機体ではあったが
武装であるニードルライフルは短〜中距離戦で威力を発揮する装備であった。信管で炸裂するその弾頭は
目標が離れれば離れる程破壊効果は薄くなる。それをヨシミは短時間の戦闘で見抜いたのであった
ニードル弾を撃ちつくしたツネッシはステルス推進に切り替えビームライフルで心神を追う。
「今更遅いよ、叔父さん♪ そのキモイMSの位置はみんなマーキングしちゃったから(@wてへぺろ」
心神の360度センサーはミノフスキー粒子下でもレーダーと連動し一度マーキングした敵機はセンサーの
反応距離外に出ない限りロックし続ける。つまり逃げない敵機は心神に撃墜、もしくは攻撃を諦められるまで
追い続けられるのだ。
「ほう?ヲレとした事が少し冷静さに欠けていたようだね?では残った戦力でヲマエの
母艦を攻撃したらどうなると思うかね?さあさあさあさあどうするね?(@w叫」
「敵MS再び接近!!数20!引き返してきます!!」カイヨウのオペレーターが叫ぶ
「いけない!!キモイのがカイヨウに向かって戻っていく!!」
カイヨウとイカヅチから無数の対空砲の火線が伸びていく
どちらの艦が被弾したのか一段と大きな閃光が走る。
「間に合うか」
ヨシミはカイヨウに向けてスロットルを踏み込む。
「段付きの加速がうざい!!」彼女がそう思った瞬間、ステルスドライブオフを
選択するモード画面が出る。彼女は迷う事なくフルパワーモードを選択する
「ぶふっ(@wぶぶっ」
今までにない強烈なGがヨシミの体を襲う。一瞬、彼女は失神しそうになる。
ガクンと機速が落ちる。心神はパイロットの状態を判別して自動的に速度を落とす
その軽い衝撃でヨシミは正気に戻る。その時、左下方から一機のツネッシが上がってくるのが見えた
「ヤバイ!!」ツネッシが銃口をこちらに向けたと同時に機体に衝撃が走る
が、幸いにもそのツネッシが放った弾はビームライフルでなくニードル弾だった。
その子弾は心神の防御した左腕に装備されたシールドに突き刺さる。
「戦場にはラッキーもあるんだよね!!」
心神はそのまま左腕を展開すると鹵獲したツネッシから奪ったニードルガンを撃ち返す。
その小弾は攻撃してきたツネッシの全身に直撃した。動きを止めたツネッシは心神が飛び去ると同時に四散した。
「・・・ハァ・・・ハァ・・・今ので何機目?多分20機はもうやっつけたと思うんだけど・・」
心神のその高度にチューンされた機体特性はヨシミの精神力を削ぎ取っていく。
499 :
名無しさん:2012/03/31(土) 00:22:51.90 ID:kxu4F3/k
保守
リンゴが腐った様な悪臭が漂うシンデンの格納容器の中で「ソレ」はワカメの様な
僅かに残った頭髪を漂わせながら出撃したツネッシ達それぞれとシンクロしていた。
「ヲレのツネッシが・・・使徒達が・・・たった一機のMSにやられているとは(@w焦
彼は自分の頭に残った僅かな頭髪を掻き毟った。
「をっと、その前にひとつやっておかないといけない事があったね(@wぷ」
「長官!ポイント47の防空衛星と交信途絶。大気圏に突入しました!」
ソファーで煙草を吸っていた中曽根長官は報告を受けた
「長官ではない。大統領と呼びたまへ(@wぷ で?落下予想地点は?」
「はっ、解析ではシベリアに落下予測との事であります!」
「ほう?防空衛星とは言え大気圏で全ては燃え尽きないだろう。ロシアも大変だなぁ」
中曽根長官、いや中曽根新大統領はそう言うと灰皿にタバコを押し付けた
「艦長!これを見てください!」
カイヨウのオペレーターが二つのデータを表示する。
「こちらがカイヨウで解析したP47防空衛星の落下予測、こちらが中央政府の落下予測です!」
「なんだこれは?全然落下地点が違うぞ。どうなっているんだ?」
「中央政府のメインコンピューターはハッキングされています。シンデンから捏造したデータが送信されている模様です
当艦は新田少将閣下一行を救助してから念の為にタイタニックからのアクセスをブロックしていましたが・・」
「・・バカな。大統領官邸はそこに防空衛星が落下する事を知らないと言う事か・・何て事だ。なんとかこの事実を
中央政府に知らせる事はできないのか?」一色艦長はオペレーターに叫ぶ
「・・・・通信手段は完全に途絶しています。無理です・・・・・」
501 :
名無しさん:2012/04/01(日) 23:22:00.12 ID:xBsuDAIO
保守
ヨシミはツネッシに空襲を受けるカイヨウとイカヅチに心神を向かわせる
だが二隻の艦艇は遥か遠くに感じる。同時に彼女の目に映るモノもスローに見える
対空砲の流れ弾、爆発の閃光、いつもならパッと一瞬でしか見えないその数多の光達が
今日はとても遅くそしてスローに感じるのだった。
「早く・・艦隊の掩護に向かわないと・・・」
焦るその気持ちとは裏腹に心神の機体にはまるでゴム紐でも付けられたかの様に遅く感じる
「なんで・・・ステルスドライブは解いたのに・・この機速計壊れてんじゃない?」
球体モニターの右端に青い地球がチラッと見える。心神はその青い惑星を彼女に見せるかの様に
勝手にモニターをズームし望遠で映し出される。なんで・・?ヨシミはイラついた。
「青い地球・・・その真ん中に赤い火の玉が見える・・何アレ・・?人が死ぬの?・・沢山・・・?」
次の瞬間彼女の脳裏に妙にリアルな映像が浮かび上がる
街に落下する巨大な火の玉、割れる大地、炎に包まれる都市、逃げ惑う人々、様々な映像がヨシミの
脳内にダウンロードされる動画の様に滑りこんでくる。
「な・・何・・この感覚・・予知映像?これがこれから地球で起きる事なの?」
さっき見たシンデンの格納容器内で見た叔父、恒寿のヲナニーする光景、そして青い地球は赤い死の星になる
「お、叔父さん・・これって全て叔父さんが仕組んだ事なの・・その為にタイヤ屋の叔父さん叔母さんまで・・」
ヨシミの脳内に流れ込んでくる画像はそこで止まった
「ATD-MS-X 制限速度超過で240秒を超えました!このままでは機体が分解します!」
ありえない。小沢伍長はオペレーターの叫びに絶句する
「小川中尉でさえ60秒が限界だったんだ!一体何が起きているんだ」
艦橋付近に至近弾が炸裂して微振動が走る
「伍長!あの機体の強度は?それで持つのか!!??」真田大尉は小沢の首ねっこを掴み問いただした
「け、計算ではMAXで180秒で分解してしまいます・・ですが現に機体は持っています・・ありえない」
「機速計が壊れて本人は気づいていないんじゃないのか?通信士!ATD-MS-Xと連絡は取れないのか?」
真田の答えに通信兵は首を横に振る。ミノフスキー粒子を戦闘濃度で散布中、しかも高速で移動中のMSである
「心神、本艦に接近中!距離9000!」
「まずい!これは罠だ!ツネッシの仕組んだ罠だ!心神がやられるぞ!」
「ほう?やはり戻ってきたかね?だが母艦がヲマエの墓場になるんだが(@wぷ」
対空砲を避けながら四機のツネッシがカイヨウの船体の死角に潜り込む。そしてさらに四機の
ツネッシが囮となりカイヨウの艦首に向けライフルを発砲しながら距離を縮める
「うざいよ!!」ヨシミは弾切れのF2用のビームライフルを捨て左手のニードルライフルを右手に換装させる
彼女の意識は完全に前に飛び出した四機のツネッシに取られていた
「もらった(@w荒」
背後を見せた心神にカイヨウの対空砲を避けながら回り込んできたツネッシが銃口を向けた
「ロックされた!!??」
アラームが鳴り響く心神のコックピット内、ヨシミは身を瞬間的にかがめた
「とった!(@w荒」
格納容器の男は小躍りした。囮になったツネッシは四機とも撃墜されてしまったが
死角から飛び出したツネッシは完全に心神の背後に回り詰んだ。
「やられるっ!」ヨシミがそう思った瞬間、心神のランドセルから5つの円錐形の物体が飛び出す
ビームライフルを放つツネッシ。四つのビームの閃光の前にその物体は立ち塞がりネズミ花火の様に
回転すると細いビームを放射状に吹き出した。ツネツシのビームライフルの閃光はその放射状の光の
渦に当たると軌跡を45度変えて威力を減衰されていく。
「なんだ!あの兵器は!!チャフか?」カイヨウの右舷で戦闘する心神の姿を艦橋から見ていた
クルー達は驚く。当のヨシミ本人は何が起きたか全く理解できていなかったがカイヨウから
再び距離を取り円周軌道を飛行する。真田は飛び去る心神を見て叫んだ
「ビット?ファンネル?リフレクターファンネル?いや、それにしても小型だ!小沢伍長!あれは?」
「中央政府や旧ジオンではそのような呼称でしたが・・我々が開発したMS用遠隔式脳波機動防御兵器
試製3号誘導弾通称「オムスビ」です」長ったらしい名前だな、真田は顔をしかめる
「だが!」
その機動力、防御力はかつて連邦政府の作ったどの脳波兵器を凌駕している
「表向きはMSの開発を禁止されていた弱小コロニー国家にここまでの開発力と技術があったとは」
真田はその性能にただ驚く
「なんか出てきたけど・・あたしの味方みたいだね!」ヨシミは自分の周りを飛行する物体に驚く
「わかる!イメージできる!まるで・・この前ツネッシを乗っ取った時みたいにこの5つのオムスビの
動きと射界に入るモノが全てあたしの頭の中に入ってくる!!これで艦隊を防御しながらキモイMSを
やればいいんだあ!」カイヨウに近づくツネッシを三号誘導弾はまるで意思を持ったかの様にビームを
放ち撃墜する。接近できず躊躇するツネッシは心神に撃墜される。
「ホントはツネッシを乗っ取れれば展開楽なんだけどなぁ・・」
ヨシミは超克のフォースでそれを試みるも今日は上手くいかない
「シンデンが近い空域に居るから今日はブロックされてるみたいだね」
「危険だ!!(@wぷぷぷ」
男はワカメ頭を振り乱し錯乱した。
「ヲ、ヲレの力を凌駕し始めているじゃないかね?しかもツネッシを乗っ取ろうとした
こ、この力は・・・・・・やはり遠芳美!!ヲマエかね?(@wぷ! き、危険だ!ま、まずい(@w狼狽」
「MSの近接防御だけでなく攻撃用兵器としても使えるのか?」
ツネッシのビームセイフルの弾道を弾き返しそして反撃に移る三号誘導弾を見て
真田は小沢伍長に問いかける。一機、また一機、ツネッシは撃墜されていく。
「一機当たりの稼働時間にまだ問題がありますが・・小型化には成功しましたが持続性は
まだ試作レベルです。小型のビームモジュールにしては出力は文句無しなのですが5分が
限界です。しかしあの子がアレを使いこなすとは・・・小川中尉でさえ起動させるのがやっとだったのに」
42機居たツネッシは心神とオムスビによって撃退され39機が撃墜、一機は撃破で暴走のち行方不明
そして二機はシンデンに豚走していく。たった二隻の艦隊は無敵の無人攻撃機の撃退に成功したのだった
「心神とレーザー回線にて通信可能です!」直後も一色艦長が艦内電話を取る
「よくやった遠эュ尉。一度カイヨウに補給の為着艦せよ」
「艦長お願いがあります!」バイザーをあけたヨシミが映る
「叔父さん、いえ、シンデンが怯んでいる今がチャンスです!このまま攻撃命令を!」
「少尉!調子に乗るな!深追いは禁物だぞ!手負いの豚もいや獣は危険だ!」
「あたしは大丈夫です!今ならいける気がするんです!艦長!お願いします!」
オムスビが稼働時間を過ぎチャージの為に心神のランドセルに吸い込まれる様に戻ってくる
一色艦長は新田少将の方を向く
「閣下、いかがなされますか?彼女は閣下直属の部下でありますので・・」
「少尉に対艦用のビームライフルを出してやってくれないかね?」
「お安い御用であります」一色艦長はそう言うと再び艦内電話を取り指示を出す
「少尉!F2用のビームライフルをもう一丁射出する。受け取れ」
飛行甲板から打ち出されたそれを彼女は受け取る
「遠эュ尉!空母シンデン撃沈の命を与える!必ず沈めろ!いいなっ!」
「りょーかいしましたっ!」
「長官!いや、大統領閣下!衛星軌道上でセンカクの艦艇二隻とシンデンが交戦中!」
いぶしげに葉巻を吸う中曽根大統領に地上軍の背広組の事務次官が報告にやってくる
「いくらシンデンが中破しているとはいえたかだか宇宙移民のポンコツ護衛空母と駆逐艦で
何ができる?安部の艦隊も壊滅したんだ。だが・・・まさか・・・」
「はっ、そのまさかであります。未確認ではありますがセンカクの護衛空母カイヨウがツネッシを
撃退しつつルナツーへ退却中との事でありますが・・また安部中将はその護衛駆逐艦に救助された模様です」
「あのツネッシを撃退しているだと?通常なら5分でカタがつくワンサイドゲームだぞ、ありえん!」
「メインコンピユーターは相変わらずシンデンにハッキングされていますがP45.P47の防空衛星から送られてきた
データです。レーザー回線ですので間違いはないかと・・・・」
「ツネッシに攻撃を受けたP47の防空衛星はどうなった?」
「あと30分程でシベリアに墜落する試算が出ておりますが・・・」
事務次官の説明を受ける中曽根大統領が窓を見ると轟音と共にVSTOL機が着陸態勢に入っている
「あれはなんだ?誰か来るのか?」
「いえ、その様な報告は聞いてはおりませんが・・・」
中曽根大統領は窓を開けるとその期待は大統領官邸前のヘリポートに着陸した
「おい!枝野!!アレはなんだ?おい!何処へ行った!!」
「お呼びですかな?中曽根長官、いや中曽根新地球連邦大統領閣下」
そこには旧ジオンの軍服の様な衣服を纏った枝野補佐官が現れた
「え、枝野くん!! 貴様は、何者だ!! その恰好は『赤い彗星』の真似事か?」
「赤い彗星?顔や声は確かに似ているが、あんな卑小な者と一緒にしないでもらおうか。
私の名は、トリプロゥ・イェンシュ。人類を超克へと導く者だ」
気でも触れたのか・・・・中曽根大統領は絶句した
「あなたにお別れを言いにきた。大統領閣下」
枝野、いやトリプロゥと自らを呼ぶその男はまんまかつてのシャアアズナブルのようなマスクを
被るとそい言い放った。中曽根大統領はそんな彼に唖然としながら机に両手を叩きつけた
「お別れだと!キサマ!!何のつもりだ!!」
「まだわからないのですか?私のこの姿を見て。私の祖先、父も母も祖父、祖母もスペースノイドだ
そう、かつてサイド3と呼ばれていたコロニーの出身だ。あなたの様な連邦政府右派に弾圧された
民族の末裔・・・だが宇宙移民が差別される時代はもう終わる・・超克の導きによって・・」
「枝野・・・キサマ自分で何を言ってるのかわかっているのか?さっさと着替えて公務に戻れ!!」
「はぁ、何度言えばわかるのかな?この石頭はwもう時間が無い。あなたの様な無能な指導者が威張り散らす
時代はもう終わったのだ。私はこれから新しいリーダーをお迎えに上がらなくてはいけない」
「新しいリーダーだと?まさか貴様タクマ議長の手先だったのか?」
「最終的には彼らと話をつけなくてはいけなくなるでしょう。だが地球、いやこの宇宙国家を含めた
新たな統一国家が誕生する。私はそのプロセスに関われる事を誇りに思う。さて、そろそろ時間ですな」
旧ジオンの軍服を来た男はマントを翻し大統領執務室から立ち去ろうとする
「むむむ・・勝手にしろ!!枝野!!キサマがタクマ議長と組もうが必ず叩き潰してくれる!!」
中曽根大統領は机の灰皿を床に叩きつける。割れる音でその男は足を止める
「私がお仕えするのはコロニー連合の指導者ではない。あなたでもない。」
「では誰だ!!」
「光神帝様だ」
ジオンの軍服の男はそれだけ言うとヘリポートに着陸しているVSTOL機に向かった
「光神帝だとぉ?」中曽根大統領がそう言うと彼の携帯が鳴る。かつて枝野と名乗っていた男からだった
「なんだ?やはり私の元へ戻る気になったか?」
「いえ、違う。あなたに重要な事をお話するのを忘れていた。防衛総省補佐官としての最後の勤めを」
「なんだとぉ?」
「今、軍、政府のメインコンピューターはシンデンによってハッキングを受けているのはあなたも周知の事実だ」
「それがどうした?」
「あなた、いややはり連邦政府の官僚はウスラバカばかりだ。先ほど攻撃を受けたP47防空衛星の落下地点試算を
何で行ったかもう一度考える事だな。これが私の最後のあなたへの報告だ。では幸運を」
電話はそう言うと切れVSTOL機は離陸すると飛び去った
中曽根大統領は切れた携帯の画面を見て薄ら笑いをする
「負け惜しみを・・バカな奴だ」
「大統領閣下!!大変です!!」
「何だ!!??」
「P47防空衛星落下地点の試算ですが・・墜落地点はシベリアではなく・・その・・」
「早く言え!」中曽根大統領は再び葉巻に火をつける
「ここ、ワシントン連邦政府官邸であります。予想墜落時間はあと10分後です・・
半径100K圏内は跡形も無く吹き飛ぶと予想が出ています」
「何故それを早く言わん!!脱出だ!!急げ!!」
「それが・・航空機が全て何者かによって破壊されていまして・・近隣の基地に救助を要請
しましたが全ての通信手段が途絶・・我々は孤立しています・・・・」
やられた!!中曽根長官は執務室の窓から空を見上げた
アメリカ 連邦地上軍某基地
まだ煙が上がる基地の敷地には多数の兵士の遺体が転がる。
その中にひとり、上半身裸の金髪の男が遺体からもげ落ちた頭を片手でボールを
投げるようにして何度か空に投げる。飽きたのかそれを彼はオーバーヘッドキックで
シュートするように足蹴りにした。頭は瓦礫の中に音を立てて落ちていった
「ほう?やっと来たかね?」
東の方角からジェット機の爆音が聞こえてくる。その機体は基地上空を二回旋回すると比較的
破壊されていないエリアを選んで着陸する。金髪の男はゆっくりとそのVSTOL機にむかった
着陸の砂埃が静まるとハッチが開く。タラップを旧ジオンの軍服の男が降りていく
そう、元地球連邦政府防衛総省枝野補佐官こと、トリプロゥ・イェンシュであった
「遅かったなトリプロゥ、待ちくたびれた・・」
金髪の男がニヤリと笑う
「光神帝様!お迎えに上がりました!」
トリプロゥはそう言うと彼に敬礼をする。同時に護衛の兵がコートを金髪の男に渡す
「ふむ、さすがに素手で人間を1000人から殺し航空機や装甲車まで破壊するのは骨だったぞ」
「光神帝様なら赤子の手を捻る様なモノかと・・さあ機内へどうぞ」
「まあ待て。せっかく私の長男、恒寿がプロデュースした茶番をこの目で見届けようじゃないかね?
せっかくあの豪華な大統領官邸を私の居室に使おうと思っていたのに・・相変わらずウスラバカな奴だ」
光神帝と呼ばれる男がそう言いながら東の空を見つめる
真っ赤な巨大な火の玉が落下していくのが見えそれが山の向こうに消えた。数秒後に巨大な光の閃光と地響きがやってきた
「光神帝様、おめでとうございます。連邦中央政府は今、消滅しました。世は新しいリーダーを待っています」
彼らは機内に乗り込む。兵が敬礼をして資料を持参してきた
「だが私一人の生身の肉体では成しえない。残った地上軍の動向は?」
「はっ、現在各国に駐屯する旧連邦地上軍の48%は私の指揮下に居ます。ですが・・」
「残りの52%はどうした?まだ貴様の決起に呼応していないのか?」
「はっ、何分時間が無かったため・・お許しを・・」
「ふむ、まあよい。宇宙軍は壊滅しコロニー連合も長年の目の上のたんこぶであった
中央政府などには加勢しないだろう。で、センカクの例の資源衛星は陥としたのだろうな?」
「それが・・・予想外の展開でして・・なんと言うか・・光神帝様のご子息様が暴走なされたおかげで・・」
「また恒寿か!!よりによって私の計画の邪魔ばかりしおって!!学生時代に痴漢で逮捕されたりまだ面倒をかける気か!」
「どうなさいますか?今現在、ご子息が乗艦されているタイタニック、いえシンデンは劣勢でありますが」
「放っておけ。わたしがこの新しいボディの持ち主になった以上、あんなクズは息子でもなんでもないが・・
だが気になるのは次男とその孫娘だ。行方はわからんのか?気配は感じるのだが・・・」
「芳美様でしたら宇宙に逃げられたようでして・・芳鳴様に関しては消息は不明であります」
「超克の力がまためぐり合わせてくれるであろう。焦りはせん。トリプロゥ、私も宇宙に上がるぞ」
「ではいよいよ・・・『超克巨人』を!!仰せのままに!!サルベージの用意は出来ております!」
「巨人の復活こそがこの戦乱の世を静める・・・そして私が真の超克のリーダーとなり人類を導くのだ」
「はっ!ではさっそく、リオデジャネイロのシャトル基地へ向かいます!光神帝様を宇宙(そら)にお連れする為に!」
511 :
名無しさん:2012/04/03(火) 19:56:30.69 ID:IS+AHqmP
保守
連邦政府の終焉を違う場所で確認していた男達が居た
「少佐殿!!やはり堕ちました・・・ね・・」
「・・・番頭さんの言った通りだったな・・あの人はノストラダムスなのか?」
「いえ、多分予知したのは代表でしょう。さて我々はこれからどうしますか?笹井少佐殿?」
「焦るな坂井!我々の誘いに乗ったのは地上軍の半数だけだ。しかし残りの半分と連絡がつかないってのはおかしい・・」
「まさか・・あの男が動きだしたのでは?」
「キチガイのクルクルパーが宇宙軍の空母を乗っ取ったと思ったら今度はその親父が黄泉返りとはな・・
つくづく代表も可哀想なお人だ・・・俺には超克のフォースとやらは理解できんがな。坂井、お前は感じたんだろう?」
「84海戦の時に遠中尉の搭乗機、アブラブータガンダムに奇妙なバリアーが発現したのを見た事があります・・
Iフィールドかと思ったんですが戦後調べてもあの機体にそんな装備が搭載されている記録はなかったんですが・・」
「まあいい。なんとか我々CMC(Cyousoukai Military Company)も形になった。後は呼応した各師団の指揮官と話を詰めるだけだ。
しかし民間軍事会社でキチガイとやりあおうってんだから代表の資金力もたいしたもんだ」
笹井少佐はそう言うとタバコを投げ捨てる。
「しかし妙だと思いませんか?」坂井准尉が尋ねる
「元々、連邦政府とコロニー連合の対立から始まりオバマ大統領の和平案の元、関係が修復されつつあった。それを
ラサの武力鎮圧とセンカクの資源衛星の制圧がここまで大袈裟な話になるなんて・・臭いますよ、プンプンと・・・」
「もし政府内に崩壊わ狙った内通者が居てそいつがその様な軍事作戦の糸を引いていたらどうなるか・・恐らくラサの
武力制圧と破壊は撹乱だな・・・本当の狙いは・・・センカクの資源衛星だとしたら?」
「あんなチンケな小惑星に価値があるんですか?」
護衛空母カイヨウブリッジ
「負傷者を乗せたイカヅチをルナツーへ先行させる!直掩のMSも艦艇も無いが
カイヨウはこのポイントで遠эュ尉が帰投するのを待つ。万が一戻らなければ
カイヨウ単艦でシンデンと刺し違える。いいな!!」一色艦長はそう言うと艦内電話を置く
「敵艦空域ミノフスキーレベル8!ATD-MS-Xを完全にロストしました!」
オペレーターがそう叫んだ後トーンを落とした声で報告が続く
「P47防空衛星、ワシントンに墜落・・・生存者は絶望的です・・・」
「連邦政府の終焉か・・・」一色艦長はキャプテンシート上で目を閉じる
艦内に微妙な空気が漂う中、一人の女性は艦橋の窓に張り付いていた
「よんよん、絶対に生きて帰ってきてね・・・」シマは心神の飛び去った方角を見つめる
「さて・・・」そう言うとシマは新田少将に歩み寄った
「閣下、敵機の来襲の可能性もほぼ無くなりました。よんよんも行ってしまったし・・
私は今回の事の発端、ラサへの武力鎮圧と軍事行動、空母タイタニックの二度に及ぶ叛乱には
因果関係があると読んでいます・・・何故中央政府がセンカクの資源衛星に固執したのか?
おかしいですよね?膨大な資源を得るのならもっと豊富な空域はいくらでもある。それを何故
あの資源衛星にこだわったのか?情報部出身の人間としては非常に興味があります」
淡々と発するシマに新田は答えた
「確かにそうだ。もし私がコロニーを攻略するのならわざわざセンカクなど陥とさない。
戦略的にも全く価値のない場所だと認知していたのだが何故小泉、いや中曽根長官は拘ったのか?」
「その小泉大佐、そして中曽根長官ももし踊らされていたとしたら?そしてあの資源衛星にもし何か価値があるとしたら?」
シマはそう言うと真田大尉を見る
「さすがだな中佐・・・情報部出身は伊達じゃない・・」
「真田家の古文書?」
「前に私は言った事がありましたよね?私の祖先は銀河系を遥かに超えた惑星へ旅に出たと・・
嘘かホントかその艦は光の速度を越えるワープ航法やら艦首からエンジンのエネルギーで大出力の
メガ粒子砲の様なモノを撃ちだして単艦で異星人の艦隊を撃滅させたりとそらもう・・」
「今の艦艇だって木星空域までが限界だぞ・・銀河系外などありえん・・」
一色艦長はその話に舌を巻く
「まあ私の家に伝わる古文書を読み解くとご先祖様がそう書き残しているので・・
で、もう一つ言い伝えがあるのです。文明を滅する赤き巨人その力封印され墓石に眠ると・・」
「赤き巨人?ツネンゲリヲンじゃないのか?」新田少将が振り返りながら聞く
「閣下、ツネンゲリヲンはまっ裸、つまりただの変質者。巨人とは違いますよね?」
「墓石・・・資源衛星・・・石・・・まさか・・・」シマが叫ぶ
「杞憂であって欲しいのですが・・実は二年前にその古文書の内容が不正にアクセスされていまして・・」
「真田家の古文書の内容が流出していただと!?」
「ええ、おそらく、私の一族の誰かがソーカやブターンズと内通していた模様でして・・・現在は恐らく、連邦軍中枢に」
「だがその連邦政府は消滅した・・・待て、だがその連邦政府消滅をも企んでいた人間が居たとすれば!!」
「今回の武力紛争は遠эf父vs姪だけの戦いだけでは済まないのでは・・・」
ここでシマはハッとする
「そう言えば・・あの子・・よんよんはお父さんが生きていると言ってたわ・・」
「にわかに信じがたい話だが芳鳴大尉がもし生きていてくれればきっと我々の力になってくれたはずだ・・」
新田少将は帽子をとり額をぬぐいながら溜息をついた
「なあ、坂井?ヲマエ「遠пvって名に何か感じないか?」笹井少佐は再びタバコに火をつける
「はあ?面白い苗字としか・・・」
「ヲレ、番頭さんに聞いたんだよ・・・一族の由来って奴をさぁ」
「番頭さんって・・恒明さんですかぁ?あの人、いつも少佐殿の事を大尉って間違えて呼びますよねぇ?」
「んなこたぁどうでもいいんだよ。そもそもな、聞く所によると「遠方から来たりし三剣師」って意味らしい・・」
「剣?何が剣なんですか?」
「刀が三つで三人の剣師、つまりサムライって意味だな」
「ああー、自分の書籍のタイトルパクってますね!とんでもねえなw」
「なんでもな?巨人の番人の三剣師って意味だったらしいが・・・なんか感じねえか?」
「三人の剣師?えっと・・恒寿中尉でしょ?芳鳴大尉でしょ?あと芳鳴大尉殿の娘さん?」
「そうだ。なんかカルトっぽいんだが・・・今回の一件にそれが合致する気がしてなぁ」
「じゃあ巨人ってのは・・・なんなのですか?」
「それが分かれば・・・まさか親父が巨人じゃあねえだろ・・なぁ」
笹井少佐は再びタバコを投げ捨てる
「坂井!そろそろ行くぞ!」
二人を乗せたヘリは砂埃を上げて離陸した
「まさか・・いや・・ありえない・・」一色艦長はキャブテンシートの上で独り言をつぶやく
「艦長、何か知っているのなら話して欲しい・・これは地球、いや宇宙の安全保障に関わるモノだ」
新田少将が駆け寄ると一色艦長が重い口を開いた
「センカクのとあるエリアには我々軍人も立ち入れない「XXXエリア」と言うモノがありました。
そこは政府の関係者と軍でも将官クラスでないと立ち入りが出来ない機密エリアだったのですが・・」
「私も聞いた事があります」オペレーターが立ち上がる
「あのXXXエリアには何かの「遺跡」があると・・・はっきりとはわかりませんが
宇宙軍の艦艇でさえ立ち入りを制限されてかなりの重要区画だった事は確かです!」
「その資源衛星は今や地球連邦政府もセンカクも管理していない・・まさかその遺跡とやらが・・」
「封印された眠る赤い巨人・・・の可能性が十分あると・・・」
「だが待て!巨人とはツネンゲリヲンではないのか?ならばもう葬ったはずだ」
再び新田少将が口を挟む
「ツネンゲリヲンは光翁少佐が以前の文明の巨人をパクって作ったモノです。」
「もしそのツネンゲリヲンさえパクリでその赤い巨人がオリジナル、いや本命だとしたら?」
「今回の首謀者は光翁少佐??」シマはたじろぐ
「ありえない!!彼は死んだはずだ!!」
リオデジャネイロシャトル基地
光神帝こと光翁少佐とトリプロゥはシャトルに足早に向かう。その脇では彼らの
兵となった旧連邦地上軍の兵が敬礼をしている。発射台に懸架されたシャトルは幸いにも無傷だ
「旧地上軍の兵達も光神帝様の神兵になれてさぞ満足でしょう。」
「よせトリプロゥ、さてこれからどうするのだ?」
「シャトルで衛星軌道上の補給ステーションに向かいます。ここも既に我々が制圧しています。
ステーションから輸送船でセンカクに向かいます。ご心配なく。途中の泊地から護衛の魚雷艇及び
掃海艇が光神帝様の護衛に付きます。宇宙軍は壊滅して制宙権はもはや我々のモノ、すぐに
巨人の発掘にかかります。ご安心を・・」
「手はずがいいなトリプロゥ、いくら私でも宇宙空間ではMSには敵うまい。」
517 :
名無しさん:2012/04/05(木) 22:11:07.62 ID:5HUFnQFY
保守
518 :
名無しさん:2012/04/08(日) 12:23:09.84 ID:+j64lXUf
>文明を滅する赤き巨人
やっぱりヱ○ァ以上ときたら『アレ』ぐらいしかないですよねw
>>518 「アレ」とMSが絡んだ小説があった気がする・・・
物語も最終章に突入してます。収拾のつかないラストになる悪寒w
「あたし・・・死んだんだよね・・・でも・・この体はまだ温かい」
真っ暗闇の中で彼女は手探りで当たりのモノを探った
「生きてる・・・」そう言うと彼女はひとつ溜息をついた
「自爆したのに死に切れなかったなんて・・」
腰のポーチから小さなキーホルダーに繋がれたミニライトを点ける
球体モニターは所々割れているが幸いにも空気は漏れていないようだ。
「痛てててててて・・・」
そう言いながらミニライトの灯を頼りにリニアシートに座る。
「非常用電源は生きてるけど持って6時間・・・空気も持って12時間かぁ」
ときたまゴン、ゴンと言う音と共に球体ポッドが大きく揺れる
「この感覚・・宇宙空間を漂ってるんだぁ。」
とっさに腰のホルスターに手をやる。
「さっきあのウスラバカの空母の中に居た時に拳銃投げ捨てたんだっけ
自決も出来ずにこのまま酸欠でもがいて死ぬの待つだけかぁ・・・」
彼女はリニアシートの上で膝を抱えた
「小娘は・・・ちゃんと逃げられたのかなぁ?」
その時、大きな衝撃が彼女を襲う
「何っ!!??デブリにぶつかった?それともめりこんだ??」
「右に揺れた・・・今度は左・・何っ?」
何もできずに目だけ左右に動かし様子を伺った。
しばらくすると揺れは収まった。すると正面から音が聞こえる
「デブリ?違う、誰かが表から叩いてる?あたし助かった!?」
彼女はそう言うとシートから立ち上がり素手でパネルを叩いた
「助けて!!誰??」真っ暗な球体の密室で彼女は叫んだ。ガコンと音がした。
「ハッチが!!開いた!!」
球体モニターのハッチが開き外から照明の灯が漏れてくる
「カイヨウに救助された?小娘が呼んでくれたの!!??」
「出ろ!」
緑のノーマルスーツを来た男二人がライフルを向けている。
彼女は眩しい照明に手をかざしながらポッドからヨロヨロと出ると床に伏せさせられた
「このノーマルスーツ、センカクでも連邦軍のモノでもない!!」
でも彼女は知っていた。そのノーマルスーツがどこの軍のモノかを。
「立て!!」二人の男に起こされると彼女はヘルメットのバイザーを開けた
「ここは・・・格納庫?それも・・空母の?しかもカイヨウの格納庫より全然大きい」
彼女の視界の中に複数のMSが見える。知っている。彼女はこの機体を知っている
その中に一際目立つ一機の機体が見えた。
「!!??ガンダムNEVADA??しかもピンク色の??」
驚く彼女を二人の兵士は士官室へ連行していった
一室に連行された彼女は椅子に座らされた。
「貴官の所属と官姓名は?」一人の兵士が尋問する。
彼女の視界に一枚の写真が目に入った
「ソーカの独島級の正規空母の写真・・ここはやっぱり・・」
うわの空で尋問を流す彼女に兵士が声を荒げる
「キサマ!!質問に答えろ!!どこの部隊だ!!」
「聞こえてるようるせぇな!なあ、ところで何であんたはジオンのノーマルスーツ
なんか着てんだあ?ここってソーカの空母の中なんだろ?天下のジオンが間借りでもしてんのかぁ?」
「なんだとぉ!その階級証を見るかぎり貴官は中尉らしいがあまり舐めた口聞くなよ!!」
尋問していた兵が立ち上がるとドアの向こうから声が聞こえた
「よせ、客人は丁重にもてなせ」
二人の兵は声の主に敬礼をする。その主は彼女の前に立った。
ヘルメットを被ったピンク色のノーマルスーツを着たその主は女だった。
「兵の非礼をお詫びします。中尉殿。では所属部隊と官姓名をお聞かせ願いたい」
「人にモノを尋ねる時はヘルメット位取れよ!」
彼女はそのピンク色のノーマルスーツの女に叫んだ
「あたしが助けなければあなたは酸欠で死んでいた。御礼位言って欲しいんですけど?」
バイザーの向こうでその表情がニヤッと笑うのが見えた
「・・・・センカク所属ヒ53輸送船団所属・・・小川ナツミ中尉・・助けてもらって礼を言う」
「やっぱり・・」ノーマルスーツの女はヘルメットを脱いだ
「!!」ナツミはその正体に絶句した
「サトミ!!」
その主はソウルの防空戦で因縁の対決後、宇宙に逃げ連邦軍の機動部隊に撃沈され
消息不明になったとされていた張サトミであった。
「サトミ、アンタなの? あの機体は・・・ジオンの?」
「久しぶりね。話すと長くなるし捕虜であるあなたに情報は与えられない・・ごめんねナツミ」
サトミはそう言うとヘルメットを机の上に置き兵に部屋から出ていく様に促す。
「あいつらってジオンのノーマルスーツ着てたけどジオン者だろ?なんでソーカの空母にジオンが居るんだよ」
「弾圧されるスペースノイド同士で手を組んだ。ただそれだけの事。でもガンダムF2のポッドっで頑丈ね?あの空母の
中で自爆して生きていられるなんて・・たいしたモノだわナツミ・・そうでないとね」
「見てたのか?あの作戦を!あの暴走した連邦宇宙軍の空母はあんたらネオソーカの残党狩り様に開発された
艦艇とMSなんだ!それがわかってたんなら何故力を貸さないんだよ!!それともまだやりあうつもりかよ!!」
「ナツミ、私はあなたと戦う気は無い。我々独立ジオン・ソーカ連合軍の現在の目的は、地球圏の争いを収める事。ただそれだけだ」
「ソーカとジオンの連合軍だって?どーかしてる!!またコロニー落としでもやるのか?また機動要塞で地球に侵攻するのか?」
「違う!言ったでしょ。地球圏の争いを収めると。」
「はあ?争い?連邦政府がかよ?」
「ナツミ、あなた何も知らないのね。連邦政府の「犬」だったくせに」
サトミはそう言うと腕を組んで椅子に座った
「連邦政府左派だったオバマ大統領は暗殺され右派の中曽根長官が実権を握った。でも長官は
ただの操り人形だった。その後ろの黒幕が糸を引きワシントンには防空衛星が墜落し中央政府は
事実上壊滅したのよ・・・」
サトミの言葉を聞いてナツミは立ち尽くすだけだった
「連邦政府が・・・・崩壊したって・・・嘘・・・」
524 :
名無しさん:2012/04/09(月) 23:31:52.37 ID:tKPSHTEE
保守
525 :
名無しさん:2012/04/13(金) 23:47:58.10 ID:7H8pB58e
期待
小惑星ミッドウェー
そこにある施設でその男は連邦政府の崩壊を感じていた
「兄さん・・・ついにそれを実行したのか・・取り返しのつかない事を・・」
包帯姿の男は立ち上がり窓から地球の方向を見つめた
「芳鳴様!連邦政府は崩壊し地球上にはカオスが訪れます・・そして」
「わかっている恒明。兄の行動に紛れあの男が動きだしたようだ。来る!」
「感じるのですか?」
「黄泉返った父の目的はなんだ?何故宇宙(そら)に上がるのだ?地球の統治が彼の目的ではなかったのか?」
「光翁様は一筋縄では行かない御方であります。どうなさいますか?」
「恒明よ、超創会代表の名でコロニー連合の指導者タクマ議長にコンタクトを取ってくれ・・」
「芳鳴様!ついに動くのでありますか?」
「まずは地ならしからだ。雨が降らねば地は固まらぬ」
「ははははははははははは(@w荒!! ヲレに騙し撃ちなんかくれるからそうなるの駄よ!ざまあ(@wぷぷ
格納容器の中でその男はビヂグソを漏らしながら発狂した。すぐに汚染浄化装置が作動し汚物を吸い出していく
「し、しかし出撃した42機の攻撃隊が二機残して全滅するなんてをかしいじゃないかね?(@wぷ
ヲレの姪はバケモノかね?(@w荒 シンデンの直掩機も実質の稼動機は20機もいないんじゃないのかな?(@w焦
狙撃作戦により艦の半分を失ったシンデンは前部のVLSカタパルトを同時に失い一瞬にして稼働機の1/4を失った。
連邦宇宙軍の迎撃に出たツネッシはカタパルトで補給を受けられずガス欠寸前になっていた。そこに残存していた後部甲板の
ツネッシ隊の全滅にその男は焦りを隠せなかった。
「たった・・一機のMSで・・ヲレのツネッシが・・神の使途達がやられるなんて(@wぷ」
シンデンは針路を変え豚走を始めていた。
「居た♪」ヨシミの心神のレーダーはシンデンの位置を捉えていた。
やたらとでかいミノフスキー粒子の影が移動していく。
「おむすび」彼女がそう念じると三号誘導弾がバックパックから射出され針路上に飛び出して行く。
「ちょっと前を見てきてもらおうかな」5機の誘導弾は飛び去りシンデンの追撃を始めた
「すごい・・・あたし乗れてる!今、この心神と完全に一体になれてる!」
ヨシミの両足のつま先に心神の両足を感じる。マウス式操縦システムの両手の
小指に心神の両手の小指を感じる。そして先行し誘導弾から5つの画像が球体モニターの
小さなウィンドに表示された。彼女はその中の2つの画像に集中した。
「直掩機は20機弱・・・いけ!!」
「アヲ?(@w荒」
シンデンの回りを哨戒飛行していたツネッシが二機、丸い閃光を残して消滅した。
「ききききききき来た(@wぷぷぷぷ どこかね?(@w荒!」
うろたえる彼を尻目にツネッシはシンデンに背を向け防御体制に入る
索敵するツネッシのモノアイに小さな物体が映った。その物体はチョコマカと軌道を変えては消える
「あ、アレかね?(@wぷ」
左舷のツネッシのライフルと対空砲が一斉に火を吹く。だが今度は右舷のツネッシが3機撃墜される。
「ヴザマ駄ね?恒寿をじさん」
ヨシミはそうつぶやくとレティクルをシンデンの艦橋にロックさせ発砲した。
「!!(@w荒」
水平に飛来したそのビームは艦橋のど真ん中に直撃した。間を置いて爆発する艦橋
「あんたの間合いに入らず沈める事はたやすいけどそれじゃああたしの気が済まない!!」
ヨシミは心神をギリギリまで降下させシンデンの上空をフライパスする。発砲するツネッシ達
一瞬の反航機動だったが心神はシンデンの詳細な画像データを収集していた。
「ヲ、ヲレの城が(@w荒!また捕まえてヲシヲキが必要な様駄ね(@wぷぷぷ」
彼はそう言うとトラクタービームの発信機を作動させた。
529 :
名無しさん:2012/04/16(月) 01:38:13.82 ID:CjzC5Wcr
保守
「へえ?をじさん、またそれであたしを捕まえる気なんだぁ?」
ヨシミは偵察画像でトラクタービームの位置を確認する。その下にはナツミが
自爆したハッチが見える。ハッチは焼け焦げひどく格納庫内が破損しているのが確認できた
「ナツミさん・・・」
ヨシミがそう呟くと心神に引き付けられていたツネッシの防空網をぬったオムスビが
トラクタービームの発信機を破壊する。ざまあ!ヨシミは叫んだ。
「ア、アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w荒」
姪におちょくられたその男は格納容器の中で大発狂した
「な、何、このドス黒い感じ!!をじさんが発狂してるの?」
同時にツネッシがニードルガンを乱射する。二機のオムスビがその弾幕にひっかかり撃墜される
「まだまだあ!!」ヨシミは心神をターンさせるとツネッシにロックをかける。
ツネッシを貫いたビームライフルの貫通弾はシンデンの装甲を食い破っていく
「あと七機!!」さらに二機のオムスビが二機のツネッシと相打ちになり撃墜される。
「ごめん!一人一殺になっちゃった!!」
後退する五機のツネッシを追い詰める心神。ビームライフルの弾幕で押し込む心神
「そんなクソッタレ弾に当たるかよ!!」
シンデンの対空砲の弾幕は発狂したヨシミの叔父の精神状態の様に心神に殺到してきた。
止む得ず彼女はツネッシの上空に回避の上昇をかける
「逃げたと思ってんのかよ!!」
真上を向いた五機のツネッシをにロックをかけ三機を撃墜。心神はキリモミで上昇を
かけたままシンデン上空から離脱する。残った二機のツネッシは追撃をかけるが一機は
オムスビに撃墜される。ヨシミはパネルで点滅するアラート表示に目をやる。
「エネルギー切れ!!??」
三号誘導弾の活動限界であった。動きを止めたオムスビは残ったツネッシに撃墜される
「やっとうるさいハエが消えたよう駄ね(@wぷ」
彼が言うと同時にヨシミは最後のツネッシにロックをかける
「消えるのはヲマエ駄よ!!」
最後のツネッシの胴体にビームライフルが直撃する。爆発と同時にオレンジ色の
ダミープラグが吹き飛びシンテンの装甲に音を立てて当たっていく。
「ヲ、ヲレのツネッシが・・・96機のツネッシが全滅かね(@w絶望」
ヨシミは一度、心神をシンデン上空から話した
「対空砲喰らったみたいだね。やっぱり試作機かぁ・・・装甲が薄いのがこの機動性の裏返しなんだなあ」
メインパネルのエラー表示は左腕のオイル漏れ油圧低下を示している
消えた心神にシンデンは対空砲を滅多やたらに撃ちまくった
「隠れるとは卑怯じゃないかね?(@w発狂」
ヨシミは心神を再びターンさせる
「左腕が動かなくなる前に勝負をつける!!」
彼女は弾切れのF2用のビームライフルを捨てると空間を漂うガンダムラプター用の
対艦攻撃用のビームライフルに手を伸ばした。
「ペアリングするのかな?」
メインパネルには「同期完了」の文字が出る。残弾は30発。そしてさらに
宇宙軍のガンダムシリーズ用のシールドを二枚拾うと両腕にそれを装備した。
「ちょっと機動性は落ちるけどあの大発狂の対空砲火をくぐるにはこれ位必要だよね
兵装システムも連邦軍のシステムと共通性があったのはラッキーだったね」
彼女は間を取ったシンデンが対空砲を乱射しているのをズーム画像で捉えた
「ナツミさん・・・行きます!!」
ヨシミはそう言うとスロットルを押し込んだ
532 :
名無しさん:2012/04/16(月) 21:52:28.39 ID:W0dVDVsR
期待
「笹井少佐、それは事実なのか?我々はまだ確認が取れていない。だが防衛総省と連絡が取れないのは事実だ」
オーストラリア シドニーのCMCの仮設本部で映像会議は行われていた
「それはあなた方も解っているはずです。P47の防空衛星の軌道からの離脱。そして墜落地点も」
CMC側に呼応した各方面隊の師団長達は皆、うつむいている
「率直に申し上げます。地球連邦政府は崩壊しあなた方はもはや連邦軍人ではない。これは事実です
ですが新たな脅威はもうそこまで迫っているのです。私の側につくもよし。向こうにつくもよし。それは
各師団長のご判断にお任せします。」笹井少佐は8つのモニターに言い切る
「脅威とは・・それはコロニー連合かね?」
アジア方面隊の師団長が問う
「いえ、コロニー連合も艦隊を全て損耗しました。彼らに地球圏を制圧する軍事力はありません」
「少佐、未確認の情報だがソーカと旧ジオンが手を組んだとの噂がある。彼らではないのか?」
「違います。もはや地球圏、コロニー連合の枠を超えた共通の敵であります」
「では一体何者だ?その脅威とは?」
一瞬、間を置いて笹井少佐は返答する
「我々の新たな敵、それは光神帝と名乗る男。今回の空母タイタニックの謀反を起こした男の父親です」
「バ、バカな!!ありえん。そんなヨタ話が信じられると思っているのか!!」
8つのモニターの男達は一斉に反論する
「静かに!!先ほども申し上げました。私の側につくか光神帝につくかはあなた方の判断です。ですが連邦地上軍の
一部はもはや「光皇軍」を名乗りヤツの側に付いた。彼らの目的は暴力と恐怖による地球圏とコロニー圏の統治と思われます。
兵を飢えさせるも食わせるもあなた方次第です。政府崩壊後の旧連邦地上軍の兵士の雇用の受け皿として我々CMCは設立された。
さあ、どうなさいますか!!返答は今、ここで!イエスかノーかでいただきたい!!」
笹井少佐の熱弁に8つのモニターの男達は黙り込んだ
「少佐殿?どうでしたか?」坂井准尉が会談を終えた笹井少佐にコーヒーを渡す
「坂井!番頭さんに打電しろ。CMC本日オープンとな!」
「恐れ多くも芳鳴様にご報告が・・」
「恒明か・・申せ」
「ハッ、笹井大尉が旧地上軍の8つの師団長を傘下に付けたと連絡が・・」
「そうか、よくやった。ところでシンデンの方はどうか?」
「はっもセンカクの駆逐艦及び護衛空母はルナツーへの空域を航行中。直掩の
MSが一機でシンデンの艦載機を撃破して現在単機にてシンデンへの攻撃を敢行中の模様であります」
「そのたった一機のMSのパイロットは・・・芳美だな?」
「その様であります」
ふうむ、包帯姿の男は溜息を付くと立ち上がった
「恒明よ。カイヨウのクルーと話がしたい。できるか?」
「はっ、ここの施設の通信設備であれば出力的には全く問題はございません」
「艦長!!所属不明の施設から入電中です!!」カイヨウの通信兵が一色艦長に叫ぶ
「何?あのシンデンの撹乱じゃないのか?」
「いえ、方向が違います。どうなさいますか?」
「出せ!」一色艦長が言うと同時にモニターに白髪の男が映る
「私は超創会代表にお仕えする遠ыP明と申す。そたらの指揮官とお話がしたい」
「えんしゅうだと!!」その名に新田少将、真田大尉、シマ中佐は反応した。
「閣下、私でなく閣下が話されるのが一番かと」一色艦長は新田少佐にふる
「私は連邦宇宙軍新田少将だ。用件を聞こう」
「これは少将閣下、我らが代表からそちらの搭乗員の遠芳美についてお聞きしたいとのことです。代表、どうぞ」
モニターに包帯姿の男が映る。その男は一瞬、ハッとして声を詰まらせる
「え・・遠я蛻ム、まちがいないわ・・・」シマは涙ぐむ
「おひさしぶりです、新田少佐、いえ少将閣下」
「大尉、生きていたか・・・無事で何よりだった」
「話すと長くなります。我が娘、芳美がそちらでお世話になっていると・・・」
「彼女のおかけで我々は幾度となく救われた。だが今も彼女は戦っている。君のお兄さんと」
「超克に覚醒したあの子なら兄を止められると思っています。もはや兄の暴走もここまで。ですが新たな脅威が」
「君のお父上の事かね?」
「そうです。よくご存知で。父は宇宙に上がったようです。ですが目的がわかりません。あなた方なら何かご存知かと思い」
芳鳴大尉がそこまで言うと真田大尉が割って入る
「大尉、その件でしたら恐らくこれでしょう」真田大尉は通信兵にデータを電送させる
「こ、これは!!父の真の目的はこれだったのか!!」驚愕する芳鳴大尉
「これに比べれば兄の暴走など児戯に等しい・・・・」
「センカクの資源衛星に眠る滅びの巨人、お父上は今度はこいつを飼いならそうとしているようだ
だがもはや我々に止める手段は無い。宇宙軍は壊滅し政府も吹き飛んだ。我々は滅びを待つしかないようだ」
新田少将はそう言うと帽子を脱いだ
「いえ、まだ希望はありますよ閣下」芳鳴大尉は言った
536 :
名無しさん:2012/04/20(金) 15:28:12.60 ID:URfrRF0j
兄弟の大尉の方の場合は遠『州』じゃなかったっけ?
「希望?希望だと?母なる地球を汚し人類の欲は宇宙にまで伸びた。そして狂信者によって
今、また人類の存亡がかかっている。まさか「超克」が希望と言いたいのではあるまい?遠州大尉?」
「新田閣下、もはや地球圏もコロニー圏も関係ないのです。これは「光神帝」と「人類」の戦いなのです。
もはやアースノイドもスペースノイドも関係ない。彼の暴走を許せば我々は確実に滅びます」
半ば呆れ顔の新田少将は帽子を被り直した
「ほう?連邦政府が崩壊しコロニー連合は手放しでこの事態を喜んでいるだろう。彼らが我々に協力するはずがない」
「新田少将閣下、連邦政府左派のあなたが何故生き残ったのか?これも超克の導きなのです。私にはコロニー連合の
指導者と対話の用意、そして父と戦う準備が出来ている。あなた方にも是非協力してもらいたい」
「遠州大尉、精神論だけでは戦は出来ない。君に何か策はあるのかね?」
「叔父が残した超創会釜石支部は豊富な資金力を元手に地球圏はおろかコロニー圏にも資産を残した。私は来たるべき
父の武装蜂起を見越してアナハイムに主力MSの量産の契約を結びその母艦となる強襲揚陸艦の建造をハリマインドストリアルに
発注してある。父の巨人とやらにそれが敵うかどうかは別として丸腰では戦はできませんからね」
芳鳴元大尉の発言にカイヨウのクルー達は驚いた
「バ、バカな・・たかがひとりの元軍人がそんな財力があるとは・・・」
一色艦長が呟くとシマが割り込む
「やはり・・あたしの思った通りだった。芳鳴大尉を救った超創会釜石支部。確かにその資産を全て投入すれば
宇宙軍の規模には敵わないモノのそれなりの私設軍隊位は作れるはず。コネクションを生かせばMSや艦艇位たやすいわね」
「さすがですねシマ少佐、いえ中佐殿。あなたはお見通しだったか・・」
「地球圏の戦いは別働隊に任せてあります。彼らが必ず納めてくれるでありましょう」
「だが芳鳴大尉、モノには順序があるはずだ。あなたはこれからどうするのだ?」真田が問う
「私はタクマ議長と話をつける。新田閣下、あなたにも協力してもらいます。父を追撃する為の
新型強襲揚陸艦はもう完成している。艦の名は「ネイルユーガマ」これは私からの挨拶代わりです」
「ネイルユーガマ・・かつてネオソーカの機動要塞に撃沈された「ユーガマ」の名を継ぐ艦か」
「そして艦載機はかつて私の叔父、秀則少佐が開発したCGI-X408「リファインガンダムオブブータ」
通称「リガブー」の量産型を艦載します。まだ先行量産型の10機しか配備できませんが・・」
「我々にそのネイルユーガマに乗れと・・慣熟航海も無しでか・・・」
新田少将と一色艦長はうなった
「時間がありません。インドストリアルハリマからネイルユーガマはすぐに出渠させます。
ルナツーからセンカクまでの途中の空域でランデブーさせます。時間があり」
途中でジャミングなのか芳鳴大尉の通信は途切れた
「艦長、どうするね?」
新田少将は一色艦長と顔を見合わせた
映像会談がミッドウェーの超創会施設で行われていた
「あなたが新しい超創会の代表とは・・・驚いたな。超克の碑の大尉殿?」
「お世辞話は止めましょうタクマ議長。あなたと腹を割って話をしたい」
「おやおや、連邦政府との和平をご破算にされてその相手が滅んだ。もはや我々コロニー連合の
銀河系的の大勝利なのに今更何をお話するのかね?連邦政府の崩壊が無ければ私が今頃処刑されていた」
「新たなる脅威の戦う為に我々と手を組んで欲しい」
「ほう?我々にとっての脅威とは中央政府の事を指していたのだが・・自分の保身かね?大尉殿?}
「コロニー連合にはもはや外洋を航行できMSを艦載できる艦はないはずです」
「それはそっちこそ同じだが。地球圏に侵攻はできないが守備隊のMSはまだ残存している」
「私が極秘裏に大口径のメガ粒子砲及を搭載した揚陸艦をもし保有していたら?」
「ほう?随分と風呂敷を広げましたな」
「インドストリアルハリマ・・・ご存知ですよね?」
遠州大尉は賭けに出た。タクマ議長の顔色が変わる
「あのコロニーで大型の艦艇が建造されていたのは知っていた。客船と聞いていたがまさか」
「あなた方にハリマを攻撃する能力はない」
「コロニー連絡船を戦時改装空母にすれば!!」
「民間船舶を徴用して改装にはたして何週間、いや何ヶ月かかりますかな?」
そのやりとりを恒明は前に手を組み目を閉じて聞いている
「巡航ミサイルもある・・・」
「ミノフスキー粒子とは何かと説明する意味も今更ないですよね?議長。そしてその揚陸艦には
新型のガンダムタイプの量産機が艦載される。これが嘘か真か判断するのはあなたです。議長閣下」
「まさか・・超創会ごときにそんな・・いや・・あの資金力を考えれば有り得・・」
うろたえるタクマ議長を見ると芳鳴大尉はソファーに座った
「議長、私は脅しているのではありません。パートナーになりたいのです。そしてヒントをもうひとつ。
「センカクの眠れる巨人」もあなただって知らないはずはない」
頭を抱えていたタクマ議長がまたハッとする。
「あの遺跡の謎の巨人の事・・・かね?」
ひっちかかった。芳鳴大尉の誘導尋問に彼は完全にハメられたのだった。
「地球圏から光神帝と名乗る男が「滅びの巨人」の発掘に向かっています。止められるのは
私と議長しか居ません。それとも暗礁空域に潜むネオソーカを呼んでハリマを攻撃させますか?」
わかった。タクマ議長は両手を振り上げた
「さすがだ。超創会代表。私の負けだ。コロニー連合の安全保障上の観点からもあなたと手を組もう。
で、私は何をすればいい?」
「私の建造したネイルユーガマのバックアップをお願いしたいのです。寄港、補給、クルーの安全をあなたの
名の下に全て保障してもらいたい。相手は未知の敵です。何が起きるか全く予測がつかないのです」
タクマ議長の手元に芳鳴大尉が電送したデータが渡される。議長はそれを見て驚く
「こ、この光神帝と言う男は!!」
「そうです。私の父、かつて父と呼んだ男なのです。議長」
「
「艦長!!超創会より入電!!」
「メインに繋げ!!」芳鳴大尉が再び映る
「閣下、コロニー連合は私たちと手を組みました。あなた方の
作戦遂行をコロニー圏の空域で邪魔する者は居ません。」
「タクマ議長を説得したと言うのか・・・この非常時に」
驚く二人をよそにオペレーターが叫ぶ
「間もなくルナツーの接続空域に入ります。管制からの応答指示はありません!!」
「よし、イカヅチから救助した遭難者を下船させ次第ランデブーポイントへ向かう。カイヨウは沖で待機する」
一色艦長の下命を聞くとまたオペレーターが叫ぶ
「超創会よりランデブーポイントデータ受信中!!マークしました!!」
本当にそんな胡散臭い集団が自力で揚陸艦を建造したのか?二人は疑念を隠せない
「新田少将閣下、一色大佐殿、そしてもうひとつお願いがあります」芳鳴大尉は言った
「お願いとは・・?」
芳鳴大尉の言葉を聞いて二人は驚く
「バ、バカな!!君は正気なのかっ!!」
「君はそれでいいのか?」
芳鳴大尉の突然の申し出に新田、いや、カイヨウの艦橋に居る者全ては言葉を失う
「父、いえ、光神帝に勝利するには必要なのです。あの力が・・・」
「光神帝様、間もなく補給ステーションに到着いたします。準備出来次第センカクに向かいます」
「地球圏では互角の戦いになりそうだが宇宙ではどうなのか?トリプロゥ」
「はっ、コロニー連合のタクマ議長と条約を結ぶ手はずになっていましたがその後連絡が途絶えました」
その言葉を聞いて光神帝はニヤリと笑う
「ほう、芳鳴よ。動いたか。まあよい。制宙権は我々が握る。巨人の発動と共にな。
我々の側につかなかったモノ共に後悔をさせてやろうではないか」
「まさか・・・ご子息とタクマ議長が既に手を組んだと?」
「トリプロゥ、覚えておけ。芳鳴と言う男は油断ならぬ相手だ。我が二人の息子、
長男の恒寿よりも切れる。あやつは油断ならぬ男よ。次はどう撃ってでるのか楽しみだ」
「光神帝様、ご長男のお孫様の力にも期待されているのではと・・・」
トリプロゥは口を滑らせた。光神帝の表情が変わる
「ブフッ!!」シートに座ったままのトリプロゥが突然苦しみだす。従兵は何が起きたか理解ではずうろたえる
「トリプロゥ、貴様・・・その話を何処で聞いた・・・貴様死にたいのか・・?」
「ブッ、ブフッ!!光・・神帝様の御気に触れたのなら謝罪いたします・・どうぞお許しを!」
「孫の話を今後したら次は命は無いと思え、トリプロゥよ」
光神帝が視線を逸らすとガクリと全身から力が抜けたトリプロゥは肩で息をしている。従兵が駆け寄る
これが超克のフォース・・・
光神帝の力を目前で見た従兵は震え上がった
暗礁空域で停泊するネオソーカ、ジオン連合軍旗艦空母「延坪」
捕虜となったナツミは営倉の中で膝を抱えうずくまっていた。
まだ彼女は信じられなかった。ソウルで交戦し衛星軌道上で連邦宇宙軍機動部隊に
捕捉され戦死したと報じられていた同級生、張サトミが生きていたと言う事に
ガチャリと営倉の小窓が開いた。小さく扉が開くと表の衛兵が敬礼をしている。
ナツミはそちらを向くとサトミが食事を持って入ってきた。
「ナツミ、あんた何も食べてないんでしょ?」
ナツミはサトミが差し出したトレーを受け取った。サトミは営倉の床に座り言った
「どうしたの?私に聞きたい事があったんでしょ?時間はたっぷりあるわ」
「あのさ・・信じられないんだよ。長崎での事、ソウルでの事、サトミがソーカのスパイだったって」
「あたしだって信じられないわ。同級生と殺し合いをしてその同級生があたしを追撃する艦隊に徴用され
そして17年後に再会するなんてさ。逆に聞きたいわ。あなたの17年間のお話をね」
「聞いてるのはあたしだよサトミ!!」
「変わらないねナツミ、昔っからその上から目線の所・・・」
ハアと息をつくとサトミは語りだした
「COOLを奪取後、衛星軌道上の艦隊と合流したわ。その時に護衛の巡洋艦が一隻機関故障を起こしたの
指揮官は一兵たりとも置いてはいかないと言って乗組員を救助、巡洋艦を雷撃処分したのよ。そうひうしてる内に
連邦の偵察機に捕捉されて直後機動部隊に艦隊は全滅させられた・・・」
「でもあんたは生きてた。どうして?」ナツミは突っ込む
「簡単よ。合流しに来た艦隊には囮になってもらった。COOLを回収後、あたしだけ高速の魚雷艇で艦隊から
本国へ脱出したの。連邦の最重要機密であるガンダムCOOLをわざわざ破壊される程バカじゃないわ。最高軍事機密
であるMSを奪われたと知れば連邦は本国への攻勢を早める。資源力で不利だったソーカは前線を縮小して時間稼ぎをしてたの」
「まさか・・その巡洋艦の故障って・・・」
「そう、COOL輸送作戦を遂行する為の自作自演よ。おかげで多数の将兵を失ったけどCOOLを奪取できたのならお釣りが来るわ」
「たった一機のMSの為に多くの命を・・」ナツミは拳を握り締めた
「COOLを破壊したと連邦が思えば後は簡単。本国で分析してそのデータを元に量産するだけ。
残念ながら量産化には成功できないまま終戦しちゃったけどね」テヘペロするサトミ
「佐世保に来た戦艦オオクボに艦載されてたNEVADAとCOOL性能はほぼ互角だったみたいだけどね。その後
あたしはCOOLで本国を脱出。アザーブ様の地球侵攻作戦には参加せず暗礁空域で連邦の輸送船を襲ってたりしてたわ」
「だがその女帝アザーブの侵攻作戦も失敗に終わった・・」
「そう、アザーブ様の部下のブータベイダーの叛乱によってね。ベイダーって結局何がしたかったのか謎なのよね」
「人類超克計画。人類全てを地球創世記までの状態まで戻し自分の創造した楽園を作る・・」
ナツミが口にした「超克」と言うワードにビクッとするサトミ
「そ、そー言えばナツミ、あんたが乗ってたガンダムNEVADAはどーしたのよ?」
「破壊されたよ。訓練中にな。搭乗割に入れなくなったあたしはそのまま地球に送還、途中色々あってさ・・」
「そんで強化人間の出来損ないになったのね?」サトミはナツミの顔を覗き込む
「あいつさえ居なければ・・あいつさえ・・・」
「そうねぇ、あたしも本国帰還後、エリア84海戦の増援部隊として召集されてたの。増援艦隊が空域に
到着目前でコロニーレーザーの支援砲撃で友軍の艦隊は全滅したわ。うまく行けばソウルでの再戦できたのにねナツミ」
「あのクソ遠рウえ居なければ!!あたしだって!!」声を荒げるナツミ
「超克・・・遠пE・・」突然サトミがキョドりだした
「遠ыP寿元連邦宇宙軍中尉。そして別の名をブータベイダー。なんでも84海戦の後に
瀕死の重傷だった所をネオソーカに拾われてアザーブの手下になったらしいぜ。その弟が
人類超克計画を阻止した実弟の遠芳鳴大尉、富士山の超克の碑の人だよ!!」
ナツミの発言に明らかにとまどうサトミ
「ブータベイダーが・・・まさか・・・」
「はあ?あのバカ遠рェどうかしたのかよ?あいつ今、「タイタニック」の脳味噌になって暴走してるぜ。
全くよ、人のMSは破壊するわ、糞漏らすわ、人に性的悪戯するわ、とんでもねえよ!!」
「もういい!!やめて!!お父さんの悪口は!!」
突然サトミが大声を振り上げる。同時に衛兵がドアを開ける。
なんでもないわとサトミは兵達を促す。彼らは敬礼をすると再びドアを閉じた
「お・・父さん?今、お父さんって言ったよなサトミ?まさかあんた・・・」
「そう・・・遠ъウ中尉はあたしのお父さんなのよ・・・まさかブータベイダーだったなんて・・」
「はあ?冗談だろ?なんであんな不細工が結婚なんて出来るんだよ!!じゃあサトミ、あんたの母親は・・?」
「利子お祖母ちゃん・・・お父さんのお母さん・・」
「嘘だろ・・・・」ナツミは言葉を失った
「実の母親を妊娠させたお父さんはお爺ちゃんに散々ヴン殴られた後引き篭もったって聞いてるわ。
元々スペースノイドだったお爺ちゃんはのアースノイドに成りすまし軍に入隊して地位もあった
あたしの誕生をヨシとしないお爺ちゃんはあたしをソーカの本国の知り合いの元へ預けた
あたしは物心付いた時から工作員としての教育を受けていた。そして連邦政府とソーカの開戦。
元々の身分はアースノイドだったあたしは難なく地球圏に溶け込めた。そして佐世保港のあるあの
小学校で決起するまで待機との別名を受けたあたしはナツミ、あんたと知り合ったんだよ・・」
重い・・・重過ぎる・・・まさか・・自分の人生を変えた男の娘がさらに自分と運命を変えた人物だったとは・・
ナツミは頭を抱えた
ルナツーでの安部艦隊の生存者の下船を待つセンカクの護衛空母「カイヨウ」の艦橋内
「その後の心神の様子は?」
「ハッ!敵空母に突入後、ミノフスキー粒子の濃度が濃くロストしたまま。当艦は接続空域にて
旋回のまま心神搭乗員からの通信を待つ以外はないかと・・・・」
一色艦長とオペレーターのやりとりを聞いて目を閉じる新田少将
「報告!機関の応急修理ですが現状でセンカクまで持つか微妙であります!」
機関科の兵が報告に上がる
「その巨人とやらの追撃にこのカイヨウと超創会の新鋭艦とやらの二隻を使えればと思ったが・・」
「ATD-MS-X回収後に当艦もルナツーに寄港、修理を進言します!!」
「そんな時間も無いし残存した宇宙軍にそんな余裕も無いだろう。」
一色艦長と機関科の兵のやりとりを横目にシマが新田に話しかける
「閣下、色んな事が次から次へと起きていてひとつ報告が遅れていた件があります」
「何だ?」
「これを見てください」シマはタブレット端末を渡す
「ここ10年間のネオソーカによる連邦軍の輸送船の襲撃事件のデータなんですが・・」
「ネオソーカのピンクのMS?赤い彗星のパクリかね?」
「画像データが荒いんで識別がうまくできないのですが・・・よく見るとガンダムタイプなんです」
「ピンクのガンダム、まさか!!」
「そうです。17年前に佐世保で奪われ衛星軌道上で破壊されたと思われていたガンダムCOOLと思われます
強奪したのは張サトミ、当事佐世保住みの小学生でした。そして戦死した小川中尉の同級生でもあります」
「ガンダムCOOLならOSの書き換えで現時点でも運用は可能です。あの機体の開発コンセプトはそこにあったはずです」
真田大尉が割り込む
「さらに・・この張サトミについて情報部で調査していたんです。これを見てください」
「DNAデータが?これが一体?」
「彼女の学生時代の健康診断のデータなんですが・・こちらのデータと一致します」
「こっ、これはっ!!」
「彼女の父親は遠ыP寿元連邦宇宙軍中尉、今、空母シンデンの頭脳となっている男です」
「母親は?」
「・・・・元中尉の母親です・・張サトミ本人にとっては祖母ですが」
「近親相姦だと?バカな!」
「バカな・・・あの一族は人類を破滅に導くのか・・それとも救世主なのか・・」
「すくなくともよんよん、いえ、ヨシミ少尉と芳鳴大尉は我々の味方です。」
「点が線となって結ばれていく・・・一体何が起きているのだ?」
ナツミに自身の出生の秘密をカミングアウトしたサトミ。ナツミはそれが信じられなかった。
「あんたの父親が・・・あたしをオオクボから追いやった男、そしてあのシンデンの頭脳って・・」
「頭脳?何それ?あたしのお父さんがあの空母の中に居るって事なの?ねえナツミ、教えて!!」
「ああ、居るよ。あんたの父親はあの空母シンデンの中にさ・・・醜いバケモノになってな」
「ちょ、ナツミ・・それどう言う事?」サトミがナツミの襟首を掴んだ時だった。
「中佐殿!!失礼します!!」衛兵が営倉に入ってきた
「何か?」耳元で衛兵が何かを囁く
「・・・・わかった・・今行くわ」
「ナツミ、あとで・・父の話を聞かせてもらうわ。じゃあね」
サトミはそう言うと立ち上がった。彼女は延坪の通信室に入った。
モニターの前にひとりの男が映し出された。
「ネオソーカ、ジオン連合の指揮官、張サトミ中佐ですね?」
「いかにも」
「私は超創会代表、遠州芳鳴元連邦軍大尉です。貴官にお願いがあります」
「叔父さん・・・」サトミは呟いた
一瞬、不思議な顔をする芳鳴元大尉。彼は光神帝の存在とコロニー連合との条約を彼女に伝える
「我々と共に戦って欲しい。宇宙の新たな脅威に対して」
動揺するサトミは一瞬言葉に詰まったが返答する
「答えはノーだ。我々があなた方に加担して何のメリットがある?宇宙の辺境に追いやられた我々に」
「かつて連邦政府はあなた方を弾圧した。だが連邦政府は消滅しあなた方を弾圧する存在は消えた。
タクマ議長はネオソーカ旧ジオン連合に対してコロニー復帰、つまり国家としての復帰を認めた。これは事実だ」
「何を今更・・・我々が困っている時に連合は一切、手助けなどしてくれなかった・・」
「事態は変わり歴史は動いたのです中佐殿!今、全ての人類が戦わねば確実に滅びの時を迎えるのです」
サトミの後ろに居る衛兵は突然の展開に絶句している。
「で・・あたしに何をしろと・・」
「すぐに艦隊を動かし資源衛星センカクに向かってもらいたい。あの空域はもはや連邦政府も
センカクも管理していない。恐らく地球からシャトルか輸送船が向かっているはずだ。それを阻止してもらいたい
我が超創会の新鋭艦「ネイルユーガマ」以外は全て敵と見なし撃沈してもらいたい」
彼女の元へネイルユーガマの識別コードが送信されてくる
「・・・大尉?いいのですか?私は共闘するなどとまた言ってはいないのに自艦の識別コードなど送ってきたりして・・」
「あなたなら戦ってくれる。だからコンタクトを取った。超克のフォースと共にあらんことを」
サトミの目から大粒の涙がこぼれた。
「今、あなたの力を感じ取った・・・あなたには我が一族と同じ血が流れている事を・・
あなたにかけた今までの苦労をわたしが・・父や兄に代わって謝罪しよう。」
芳鳴大尉はそう言うと画面の中でサトミに土下座をした。
「敵のデータを送信してください・・叔父さん・・ありがとう・・」
サトミはそう言うと通信ほ切った
550 :
名無しさん:2012/04/23(月) 23:29:15.85 ID:6jpDqm0+
保守
「アヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w錯乱」
格納容器の中の男は対空砲を撃ちまくり涙目で退散していた。
彼はACM-120の誘爆によって開いた破口を艦尾にすると猛然とダッシュした。
「恒寿叔父さん・・ヴザマね。叔父さんの間合いに入らず沈める事は可能なんだけどさ
タイヤ屋の叔父さん夫妻とナツミさん、あたしを守る為に死んで行った人達の為にもそれじゃ許さない。絶対に!」
ヨシミは心神をシンデンと併走させながら間合いを取る。
「破断した艦尾を気にするあまり艦首の方が砲火が薄いみたいね」
ヨシミはさらにスロットルを押し込む。
「はっ!!今のはMSの推進炎じゃないかね!!(@w泣」格納容器の男は右舷に砲火を集中させる。デブリに対空砲が命中し
花火の様な光がパッと灯る。だがMSを撃墜した灯とは明らかに異なっていた。彼は焦りまくった。
「どこかに居るんだどこかに(@w泣」
もはや直掩のツネッシを失い単艦での逃避行を続ける空母シンデン。
その時、真正面から発砲炎が煌いた
「正面からだって?(@w驚」
その閃光はシンデンの艦橋の根元に着弾した。かろうじて装甲が弾き返す
「レ、レーダーにも。センサーにも反応してないのににに、何か来る!!さっきのMS?(@wチビリ」
「さすがに防御力はたいしたもんね叔父さん。この距離からじゃ対艦用のビームライフルでも貫けないんだあ」
ヨシミは反航してくるシンデンに再びロックをかける
「さっきの撤回!!やっぱゼロ距離の間合いじゃないと叔父さん倒せないや(@wてへぺろ」
「ヲレの真似をしないでくれるかね!!(@w叫」
キリモミしながら紙一重でシンデンの対空砲を避わす心神、銃口が確実にシンデンを向いた瞬間に発砲していく
「このタイミングだと2発が限界か!」
瞬時にすれちがうシンデンと心神。その数秒後にシンデンは上部甲板から爆炎を上げる
「浅かった!!貫通してない!!」
ヨシミはさらにターンをかけシンデンを追う。
「もう一度!!」彼女はシンデンを追い越すと反航射撃のポジションを取った
「おのれ!!芳鳴の娘だと言うから手加減してやったのにもう許さん(@w泣」
再びすれ違うシンデンと心神
「ヲヤ?飛び去っていないようだが・・・直前で撃墜したかね(@w荒」
格納容器の男は対空砲の発砲をやめ当たりを見渡した。だがMSの残骸が多数漂っていて識別がつかない。
「ほう?気配が消えたが・・・(@wぷ どうやら撃墜したよう駄ね(@wぷぷ」
その時、艦内の建屋に衝撃が走った。
「叔父さん、捕まえた!!」
「なななななななな何故ヲマエがそこに(@w叫」
心神はシンデンの艦橋の根元にしがみついていた。
ヨシミは一発目に命中させ、もろくなったシンデンの装甲に銃口を押し付けると発砲した。
隙間から進入したビームの塊はシンデンの艦内奥深くに入り込みその爆発炎は艦尾の破口からも吹き出した
「あはははははははは!!爆炎が後ろからも出てるし!!叔父さんがさっき漏らしてたビチクソみたい!!」
「一回目の反航戦で装甲を貫けなくても心神が捕まる手ががりは作れる。もうお終いだね!叔父さん!!」
「アヲヲヲヲヲヲヲ!!(@w吼」
彼はまた対空砲を発砲した。だが艦橋真下に居る心神を撃つ事はできない。そう。彼は完全に詰んだのだ。
「残念〜、自分の対空砲じゃ砲身の俯角の関係であたしを撃てないんだよね。ざまあ(@wぷ」
ヨシミはそう言うと頭部のバルカンで上面甲板の対空砲をなぎ倒していく。
全ての対空砲を片付けると彼女は心神を破口に歩かせる。
「ヲイ!!何をする気かね?やめたまへ(@w泣」
艦橋上からの発砲が機関のバイタルパートに命中したのかシンデンの推力は落ちていく。
「何するかって?こうするのさ!!」
ヨシミは艦尾の破口に銃身を突っ込んだ。
「そこは・・・ヲレの菊門!!ヲッスヲッス!!(@w尻」
「この一発は・・タイヤ屋の叔父さん夫妻の仇!!」
ヨシミは発砲する。シンデンの内部でまた大爆発が起きる
「二発目は・・あたしの巻き添えて死んで行った人達の仇!!」
VLS甲板からも爆炎が上がり始める
「よせ!!やめたまへ!!ヲレの、ヲレの神殿が!!城が!!(@w泣き叫び」
「はあ?よせだと?やめてくださいの間違いだろクズが!!そして三発目はナツミさんの仇!!」
完全に足を止めたシンデンは艦橋からも爆炎を吹きはじめる。完全に沈黙するシンデン
「そして、そしてぇぇぇぇぇ!!」
「まだやるのかねぇぇぇぇ(@w泣泣泣泣」
「恒明か・・・なんだ」
サトミとの通信を終えた芳鳴大尉の後ろで恒明が膝まづく
「芳鳴様、無礼を承知で申し上げます。いくらなんでもネオソーカの者に手助けを
求めるなど。それに・・・あの者は超創会の正統の血統の者ではありませぬ。わたしには」
「恒明よ!!ヲマエは知っていたのであろう?」
「は?」
「あの者。ネオソーカジオン連合の指揮官、張サトミが我が超克の血統の持ち主である事を!何故隠していた!!」
「ははっ、存じておりました。ですが彼女の存在と恒寿様の存在は超創会2000年の歴史において許されるモノでは」
「許すも許さぬもそれを決めるのは現代表のこの私だ!秀則叔父さんに仕えていたヲマエなら周知の事実、何故報告しない?」
「これも全て超創会の為、どうかお許しを!!」恒明は土下座をする
「恒明よ、次は無いと思え。不義の子とは言え彼女は兄さんの子だ。よいか!!」
芳鳴大尉に叱咤された恒明は何やらブツブツと唱え始める。
「恒明、それは何か?」
『利子より生まれし恒、世界を滅ぼす。恒、芳が揃う時、地獄の門が開く。
されど恒は生き残り、一時の眠りにつき、再び目覚める。
恒、滅びの巨神目覚めさせ、滅亡の扉を開かんとす。
芳の子、戦乙女、恒の不義の子、そして三人の賢者。
かの者ら巨神と相対せん時、我は再び黄泉帰り、然る後に腐敗せし傲慢なる正義を破壊せん。
そして来るべき大いなる痛みと苦難が人を襲い、恒は倒れ、人類は超克するであろう』
「初代会長こと、光翁代表が残した超創会創造の文。この血統が集まることは彼によって予言されていたのです!!」
「まさか!!父は真田家の古文書の内容を知っていたと言うのか!!我々一族が戦う事を予言していたと言うのか!!」
「恐るべき初代代表光翁、いや光神帝!!むうううう。この戦い、タダでは済まなくなりそうだな」
「いえ芳鳴様、もうすぐ姫様が、芳美様が恒寿様を静めます」
「感じる・・兄の気配が弱まっていくのを・・いかん!!」
「四発目はぁぁぁ!!あたしの怒りだぁぁぁぁ!!」
「ヲレがジャギでヲマエはケンシロウかね(@wぴゅー」
四発目のビームライフルの閃光はシンデンの内部を貫通し艦首から貫通していく。
連邦宇宙軍最強とうたわれた最新鋭の攻撃空母は完全に沈黙したのであった。
「叔父さん・・・まだ生きてるよね♪」
「を、をや・・・さすがはヲレの姪っ子・・こんな酷い事をしたをじさんを許してくれるんだね(@w荒」
「んなわきゃねえだろぉぉ!!」
ビームサーベル!!ヨシミが脳内で唱えると心神の膝アーマーからサーベルが射出される。
オラァァァ!!彼女は破口の鋼材をサーベルで切断すると心神の右手を突っ込む
「この辺だったかな?あれ、をかしいな?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!(@w泣叫」
軋む格納容器建屋。バックポットが衝撃で倒れ鋼材の下敷きになっていく。
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ヨシミは右のマウススティックを引く。
バリバリバリっと言う衝撃音と共にシンデン内部から引き抜かれたのは彼女、遠州芳美の
叔父である遠ыP寿元中尉が入った格納容器が心神の右手によって艦内から引き抜かれていたのであった。
「アッ、アヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!(@w泣」
「再び会ってこんにちわ。恒寿叔父さん。姪の芳美です♪」
彼は格納容器の中で土下座を繰り返していた。
「あれれれ?をじさん。この前会った時よりも随分と弱気だけどどうしたのかな?♪」
「いや、それはその・・うーん、まどろっこしいなぁ(@wぷ」
「テメェ!!ざけんな!!」
ヨシミはマウスレバーの右人さし指に軽く力を入れる。ミシッと言う音を立てて格納容器が心神の
右手によって握り締められる。ビシッと言う音とともに軽く全体にヒビが入っていく。
「叔父さん。このMSねえ?センカクが作ったプロトタイプのMS「心神」って言うの。でね?試作機なんでね。
関節の駆動はフィールドモーターなんだけどマニュピュレーターは油圧駆動なのね?あたしイマイチ慣れてなくってさ♪」
ミシミシと言う音と共にさらに格納容器を握り締める心神。LCLが漏れ出していく
「シンデン、停船!!完全に機関停止した模様。ミノフスキー粒子レベルゼロ!!」
「心神は!!彼女はどうなった!!??」
「信号受信!!心神健在也!!」
カイヨウの艦橋で歓声が上がる。オペレーターが待ったをかける
「遠州少尉は誰かと話している様ですが・・・電波受信がイマイチでよく聞き取れませんが・・」
「メインに繋げ」新田少将が命令する。オペレーターは回線を切り替える
「をら・・このチンカス・・・郎・・テメェ・・ブザマ・・クズ・・死ねよ恥さらし・・」
芳美の通信を受信したカイヨウのクルー達はどん引きする
「恐らく・・彼女は艦内に居た自分の叔父を罵っているのでは・・汚言癖でもあるのでしょうか?」
「よんよん・・・」シマは頭を抱えた
ルナツードック内
アタゴより生還した安部中将にもシンデン停止の報は入っていた。
「あの悪魔の艦を止めただと・・・それもたった一機のスペースノイドが作った試作機でか!」
「現在、ミノフスキー粒子反応無し。熱源もセンサーに爆発、炎上しか感知できず。機関は停止しています」
「直ちに防衛総省に打電しろ!!」
「司令・・・連邦政府は消滅しました・・・」
557 :
名無しさん:2012/04/24(火) 23:15:16.75 ID:QtUesbin
保守
558 :
名無しさん:2012/04/25(水) 21:20:52.28 ID:vl5EZLU9
次がクライマックスか…
胸が熱くなるぜ
格納容器を心神の右手で握り締めその様子を見つめるヨシミ
「はうっ!!LCLが漏れてる!!ヲレはこれが無いと呼吸が出来ないん駄よ(@w泣」
ヒビの入った格納容器からLCLが水玉となって漏れ出していく
「きゃはっ!!叔父さん、ションベン漏らしてるみたいだあ!」
叔父のブザマな土下座っぷりにヨシミはそれをあざ笑う。彼女はまた右人さし指に力をこめる
バリパリッと言う音とともにさらに容器に亀裂が入る
「昔、お母さんに聞いたんだけど叔父さんって学生時代に痴漢やって学校退学になったんだって?
しかもその後、お爺ちゃんにヴォッコヴォコにされて家に引き篭もってたんってね?ダッサーwwww
家の中に居る時は強がりいってたけど表に出ると弱いってお母さん言ってたあー」
「ヲイ、もう止めてくれないかね。ヲレが本気出したら流星グルグルパンチが飛ぶん駄が(@wヤケクソ」
「はあ?テメエ殺すぞ・・・ナツミさんの仇はまだ打ってねえんだよ!!」
散々叔父をおちょくっていたヨシミだが突然スイッチが入ったかのごとく切れだす
「テメェみたいなクズが身内に居たから・・・みんな死んで行ったんだ・・今度はヲマエが死ね。
ヲマエが居なければ全て丸く収まって平和だったんだよ!!クソジジイ!!」
「ははははははははははははははははははは(@wぷぷ 神に逆らう愚か者めが(@w荒」
「テメエ、何強がってんだよ!!」
ナツミがそう言った途端、心神に衝撃が走る
「!!??」
「神はまだヲレを見捨てては居なかった。何故ならヲレが神だから駄(@w荒荒」
心神の背後から一機のツネッシが羽交い絞めをかけていた
「こいつ・・・さっき撃ち漏らした奴だ!!」
背後から来たツネッシは心神の頭と左肩に手をかける
「こいつ・・・乗っ取ってやる・・・」
ナツミは超克のフォースの意識を集中する
「をやをや、ヲレのツネッシを乗っ取ろうとしているのかね?無駄だね(@wぷ」
フォースの力ではまだ叔父、恒寿のその比ではなかった。しかも操る大本が彼女の
目の前に居る。力の出力覚醒したとは言え叔父にはとても敵うモノではなかった。
「クソ!!」
ヨシミはスロットルを押し込む。バーニアとスラスターを360度に吹くがツネッシは離れない
「無駄無駄無駄無駄ァ!(@w無駄」
次の瞬間、衝撃音と共に心神の左腕は引きちぎられる。
「次はヲマエは引きちぎってやるよ、芳美(@wぷ」
ツネッシの左手が心神のコックピットアーマーにかかる。
「さあ、ヲレを離したまへ。(@wぷ 今、離せば命だけは助けてやるよ、もっともヲレの性奴隷として駄がね(@wぷぷぷ」
「どうせ左は半分壊れてたんだあ!!腕の一本位はくれてやんよ!!」
心神の右手に握られた格納容器はさらに亀裂を加えられていく。漏れ出すLCL
「ヲイ!!やめないかね!!ヲマエがやめないとコックピットを捻り潰すん駄が(@w焦」
「誰が離すか!!このクズ野郎!!」ヨシミはそう言うと心神の右手に握られた格納容器スレスレに
頭部バルカンを発砲する。さらに心神の右ひじで背後のツネッシに肘鉄を加える
「アッヲッ!!(@w泣」衝撃が格納容器に走る
「ヲヲヲレにバルカンを当てたらマジで殺すん駄が!!(@w絶叫!!」
軋む音と共に心神の球体コックピットの壁面モニターの画像は一枚、また一枚と画像が途絶していく
試作機ゆえ装甲は薄く、格闘戦ではツネッシには及ばない。ヨシミは右人さし指の力を緩める
「ををっと、いい子だ。さあ、ヲレを離したまへ(@wぷ よしそのままだ」
ヨシミは格納容器をリリースする。宇宙空間へ放り出される格納容器
「(」‘w‘)」勝!(/‘w‘)/利ー!」彼は勝利を確信した。
「まだだ!!終わってたまるかっ!!」
ヨシミは再びビームサーベルを心神に装備させる。膝アーマーから射出された
それを彼女は逆手で握らせるとヒートさせ背面のツネッシに突き立てる。
一回、二回とサーベルをこねくり回すと火花と装甲版の溶融音が聞こえる
「キメぇんだよっ!!」
サーベルを抜くと心神は振り返りツネッシの両腕を一刀で切り落としさらにモノアイに突きたてる
動きを止めたツネッシはスリッパで叩かれたゴキブリの様に痙攣しダラリと垂れ下がる。
そのままサーベルの太刀を左に抜くとツネッシの頭と共にダミープラグが吹き飛ぶ
「ひぃぃぃぃ(@w叫」
彼女は宙に浮いていた格納容器を再び心神の右手で握り締める
「やってくれたなあ?クズよぉ」
「いやつ、それはその・・たまたま駄よ(@wぷ」
「テメエは・・・死ね!!」
ヨシミは静かに心神の右手に力を込める。
バリバリと音を立てて潰れていく格納容器
「ひいっ!!アワヲッ!!(@w断末魔」
潰れていく格納容器を冷淡に見つめるヨシミ。こいつさえ殺せば・・
「いけません!!姫様!!ヨシミ様!!恒寿様を殺してはなりませぬ!!」
誰かの叫びが芳美の頭に流れ込んだ。
資源衛星センカク XXXエリア
到着した輸送船を光皇軍の兵士達が敬礼で出迎える。
「光新帝様、こちらです」
少佐の階級証を付けた兵が道を案内する。しばらく歩くと彼らの前に巨大に鉄の壁が姿を現す
「キサマら!!光神帝様がお見えになったのにまだ扉が開かぬとは何事かっ!!」
「少佐殿、爆薬が全然足らないのであります。すぐに手配させます!!」
「何を今更言っているのだ!!少佐!!これは懲罰モノだぞ!!」トリプロゥが叫ぶ
「よせ、見苦しい」
「ですか光神帝様、ここでモタついていては・・」
光神帝は爆破班の兵の真ん中を歩き出す
「光神帝様、危険です!!お下がりください!!」
少佐とよばれた男とトリプロゥが制止する。彼は二人を見るとニヤリと笑った
「この扉・・・何千年も巨人を外界から守った鉄のカーテン。うぬらでは開けられぬ・・」
光神帝はそう言うと鉄扉に両手をあてがう
「ほぅぅぅぅぅぅぅぅ〜」光神帝は奇妙な呼吸法を繰り出した
「こ、これは!!超克の気が光神帝様にたゆとうていく!!何だ!!」回りの兵が蒼然とする
「松戸剛掌波ァァァ!!」
巨大な衝撃波の様な音と共に砂塵が舞う。轟音が止むと一人の兵が指を指した
「と、扉が!!破壊されている!!光神帝様自ら御開帳なさった!!」
その砂塵の中に佇む光神帝に兵達はおののいた。
彼は砂塵が止むとゆっくりと中に歩き出した
「光神帝様!!おひとりでは危険です!!」
だが彼は制止を聞かない
その中は小高い岩盤の山になっていた。
薄いグレー一色の何もない空間。光神帝の後を兵達が続く
゜こ、これは一体・・・巨人の存在とはガセだったのか・・」
その時、光神帝が突然立ち止まる
「ふ、震えておる・・・この私が・・・」
彼の両手両足は何かに怯える様に小刻みに震えだしていた。
だが彼は再び歩き出す。後ろの兵が光神帝の歩みの前をライトで照らす
「トリプロゥ様、あれは?」
彼らの先にアンテナの様なモノが見える」
「こ、ここは・・・センカクのMSのスクラップ置き場だったのじゃないのか!!
ただのゴミ捨て場だったのか!!一体これは・・・・・」
朽ち果てたMSの様なモノが彼らの前に姿を現す。それは薄汚くとても動く様なシロモノにも
見えず廃棄されたゴミクズにしか見えなかった。そう、「光神帝」を除く彼らには・・
「静まれい!!」彼は兵達を一喝した。
両手を差し出すとまだ震えは止まっていない。
「これは恐怖への怯えではない・・・武者震いなのだ・・・」
その時、MSのスクラップと思われていた頭部の様なモノのスクリーンが青くボンヤリと薄く発光した。
驚いた兵が銃を向ける
「よさぬか!!」
「伝説の破滅の巨人よ・・・私は迎えにやってきた。私がヲマエの新たなる主人、さあ、起きたまへ(@w荒」
「こっ、これが巨人!!??なんて事だ!!我々は今、あの伝説の巨人の上に居ると言うのか!!」
彼らが見つめる中、巨人のスクリーンに古代文明の文字が浮かびあがる
「ほう?わたしを試しているのか?新たなる主人としてふさわしいかどうかを・・」
この扉の中の岩盤な様な山は巨人のボディであったのだ。
トリプロゥは我の任務を忘れてそれを自分の目に焼き付けた
「さ、作業班!!直ちに巨人の発掘を開始する!!絶対にキズをつけるな!!慎重に掘り出せ!!」
彼は振り返り兵達に指示を出す。そして巨人の頭部の前に立つ光神帝に近づいた
まだスクリーンには古代文明の文字が表示されている
「光神帝様・・これは?」
「悔いているのだよ・・この巨人が・・過去の自分の滅ぼした文明を、破滅に導いた人類の事を・・
洗いざらいワシに懺悔をしている。こいつは死にたくても永久に死ねない・・ただ時の中を永遠に生き抜き
そしてまた文明を、人類を、新たなる生贄を求めその舞台がフィナーレを向かえる時眠りにつく・・哀れなヤツよのう」
その言葉を聞いてトリプロゥはゾッとする。彼は一瞬言葉を失った
「光神帝様・・巨人と言う名では我々の象徴としては求心力に欠けます。何か名前を付けてみたらいかがと・・」
「ほう?トリプロゥ、ヲマエにしてはいい事を言うな。そうだな。では・・」
「では?」
「私の以前のホーリーネーム。ミツオから取って「ミツオン」ではどうだ?伝説巨神ミツヲンでどうだ?」
「はっ、光神帝様の仰せのままに」トリプロゥは膝まづいた後、発掘急げ!!と彼は怒鳴りながら去って行く
「芳鳴よ・・私を止めて見せよ・・・だが・・ヲマエに止められるかな?」
「誰?」
その声は球体モニターの通信ウィンドゥから聞こえてくる
「なりませぬ!!恒寿様を殺してはなりませぬぞ!!」
シンデンの甲板上に立ち尽くす心神の回りを一機のMSが旋回している。
「あ、あれはウェーブライダー形態?変形するの?」
すぐさまその機体は変形しMSになる
「こ、これは・・ガンダム?」
「ほほう、さすがは芳美様、いかにも。ですがこいつはリガブーの量産型、
我が超創会初の量産型MS「ユゼル」にありますぞ」
「つかあんた誰?なんであたしの名前知ってるの?」
ユゼルは心神の前で片膝をつく停止する
「私は超創会釜石支部、いや、現代表にお仕えする遠ыP明と申します。姫様、迎えにあがりました」
「現代表?誰それ?」
「あなたのお父上、芳鳴様でございます」
「父は・・生きているの・・?」
「はっ、芳鳴様は芳美様との再会を楽しみにしてお待ちであります」
「・・・ホントに・・生きてたんだぁ・・お父さん・・」
そして心神の球体モニターの右のウィンドにもうひとつのスクリーンが出る
包帯姿の男。だが芳美は言われなくてもそれが父だとすぐにわかった
「お父さん・・・」
「芳美、長い間すまなかった。私は生きている。私の代わりに恒明を迎えに出した。さあ、戻れ。」
「ををををを・・・い・・・ヲ、ヲレは・・死に損ないなん駄が(@w死」
「恒寿様、あなたにも来てもらいますぞ。とりあえず芳鳴様のヲ仕置きを受けてもらいますがな」
二機のMSはシンデンから離脱する。その際、ユゼルの放ったビームライフルが誘爆を引き起こし
タイタニック、いや、シンデンは巨大な閃光と共に沈んだ。
ルナツーを出撃した駆逐艦イカヅチと護衛空母カイヨウは超創会代表の指定する
ランデブーポイントへ向かう。だが一色艦長の顔は冴えない
「新田閣下、仮に超創会から新鋭艦の供与を受けても我々で運用できるのでしょうか?
MSでさえ搭乗員は満足に居ませんし・・・新たなる脅威と言われても何かピンと来ません」
「前方ほぼ真正面より反航してくる艦あり。数1!!」
「あれだ!!」
イカヅチの真正面に白い巨大な艦が見える
「あれが・・・ネイルユーガマか!!でかい!!」
その艦はカイヨウの倍、いやゆうに三倍の巨大な揚陸艦であった。
ネイルユーガマ発見と同時にふたつの報せが一色艦長に入る。
「機関室より!!動力計のトラブルにより機関停止!!航行不能。復旧の見込み無し!!」
「ATD-MS-Xの帰艦を確認!!超創会のMSが一機エスコートしています!!」
「潮時か・・・」
一色艦長は立ち上がると再び艦内電話を取った。
「総員ノーマルスーツ着用、総員上甲板!!速やかにネイルユーガマに移乗せよ!!
ATD-MS-Xの搭乗員にも伝達!!急げ!!」やれやれ、彼はキャプテンシートから立ち上がった。
空母「延坪」営倉。「小川中尉。張中佐がお呼びです。どうぞ」
なんだ?ナツミは立ち上がり衛兵の後に続いた
小川中尉をお連れしました!!衛兵はそう言うと去って行く
「なんなの?サトミ」尋ねるナツミに彼女は黙ってヘルメットを渡す
「これから艦隊はセンカクの空域へ向けて出撃します。我が艦隊はこの空母「延坪」
以外に戦艦2 巡洋艦3 駆逐艦5からなる独立混成艦隊。あなたにも知っておいてもらいたい」
「なんで・・・あたしは捕虜なんだぜ」
「これから・・・光神帝の軍「光皇軍」との戦闘に入ります。我らネオソーカ旧ジオン連合も参戦します。
コロニー連合、そして旧センカク守備隊連邦宇宙軍残存部隊と共に・・・」
「はあ?」ナツミは状況が理解できない」
「あなたには・・・ナツミ、あたしの愛機、ガンダムCOOLを供与します。あなたなら任せられる。
艦隊より先行しセンカクの空域で敵艦隊を撃沈して欲しい・・敵味方識別コードは機載してあります」
「おいおい、一体どうしたんだよ?・・・」
「状況が変わったのです。あたしは兵達を指揮せねばならない。今までの様に一匹狼ではもうやっていけないのです」
「・・・わかったよ・・じゃ、COOL借りるぜ!!」
ナツミはそう言うとフライトデッキに走って行く
ネイルユーガマに着艦した心神とユゼル。芳美は小沢伍長に謝罪する
「伍長・・大切な試作機壊しちゃった・・・ごめんね(@wぷ」
「いえ、少尉殿がご無事で機体と帰ってもらうのが一番です。データも取れましたし」
「しかし」真田大尉が格納庫の端にあるボロボロの格納容器を睨む
「何故芳鳴大尉は彼を助けたのだ?彼にとっては危険人物以外の何者でもないはずだ」
「代表はわかっていらっしゃった。今度の戦い、光神帝との戦いにおいて恒寿様が居ないと勝てないと言う事を」
恒明が横からノーマルスーツを脱ぎながら出てくる
「なんと・・それほどまで実兄の力を信用しているのか・・彼は」
「さすがCOOLだ!!OSの書き換えだけでこれだけの機動ができるとはね!!」
ナツミの乗ったクールは単機、センカクの空域に侵入しつつあった。
「センサー感無し。ミノフスキー粒子レベル1? 熱反応も無し・・てか」
彼女は資源衛星の回りを一周する。
「遅かったか・・」
辺りには掘り出した無数の岩石が漂っていた。ナツミはスティックの安全装置をオンにする
「!?大型の戦闘艦??」
彼女はCOOLを上昇させる。レティクルはその艦影を捉える
「駆逐艦クラスと空母?戦艦?」その時、モニターにIFFコードが表示される
「あれは?味方?超創会の新鋭艦、ネイルユーガマ?」
ナツミはネイルユーガマにCOOLを向けた
「艦長!!包囲0-1-5より熱源接近!!識別はネオソーカのMSのようです!!」
「なんと・・・まだ乗組員の訓練も終わっていないと言うのに・・くそっ各個に迎撃体制を取れ!!」
「艦長!!ネオソーカらしきMSより入電!!搭乗員は元カイヨウの乗組員、小川ナツミを名乗っています!」
「なんだと!!彼女は戦死したはずでは!!」
「遠эュ尉!出ますか?」小沢伍長がハッチに駆け寄る
「うん、左腕は無いけど右手があればなんとかなるっしょ!!出る!!」
ヨシミがコックピットの電源を入れると通信回路が開く
「あれ?なんでこのチャンネルついてるの?」
「をい、小娘!!ヲマエがそいつを乗りこなせるとは思えないんだがな?」
「そ、その声?ナツミさん??生きてたんですか??中尉殿!!」
「あたしが音を上げたんだぜそのジャジャ馬やめとけやめとけ」
「え?でもあたしこれで叔父さんやっつけたんですけど?」
「マ・・マジで?」
COOLはネイルユーガマの上空を旋回した。対空砲の砲撃命令は撤回されたようだ
569 :
名無しさん:2012/04/26(木) 13:21:48.11 ID:hgvlg6WT
まさかの恒寿採用www
でも何か裏がありそうな気がする
「中尉、生きていたのか」ネイルユーガマの甲板でナツミを出迎える新田
「閣下・・この艦は?」
「超創会代表が供与してくれた新鋭艦だ。残念ながらカイヨウは放棄した」
「そうですか・・・しかし皆、無事で何よりです。」
ナツミは笑顔で言いながら恒寿中尉が入っている格納容器に蹴りを入れた
「ひぃぃぃぃ(@w叫」
「よお、遠中尉殿。前見た時よりも手足が再生したな。髪の毛はワカメだけどよ。
をっと、また超克のフォースとかやらであたしにスケベな真似すんなよな!」
「小川中尉殿、この恒明めが恒寿様の力を封じています。問題ありません」
「そっか」ナツミは格納庫に駐機したガンダムCOOLを見上げる
「これが17年前に奪われたガンダムCOOL。オオクボに艦載されるはずだった機体か」
当事、オオクボの航空班だった新田少将はマジマジと見上げる
「で、どうするのだ小川中尉?君はこれからネオソーカジオン連合の兵となるのか?それとも・・」
「閣下、あたしの答えは決まっています。あたしはカイヨウの遺志を受け継いだこの艦のクルーなのです」
ナツミはそう言うと飛び上がりCOOLのコックピットに戻る
「おい!小娘!!付き合え!!」
「え?ナツミさん、何処へですか?」
「ネオソーカジオン連合の旗艦「延坪」だよ。
「はあ」
「姫様、いえ芳美様。心神は損傷しています。私のユゼルをお使いください!!」
ヨシミはユゼルのコックピットに飛び上がる
「恒明、ありがとう!!ちょっと借りるね」
「司令!!小川中尉のCOOLが接近、所属不明のMSに追尾されています」
延坪の艦橋でサトミは兵の報告を受ける
「違うな・・あれは超創会の新型機だ。ナツミ・・思ったよりも帰りが早かったね」
二機のMSは延坪に着艦する
「サトミ、ありがとう。でもやっぱCOOLはあんたに返すわ」
「え、なんで?ナツミ?COOLが気に入らなかった?」
「違う。もうあたしは過去に拘るのを止めたんだよ。この17年間、NEVADAの幻影に惑わされてきた
あたしは戦う事でNEVADAのトラウマから逃げられると思っていた。NEVADAのせいで人生を失った
NEVADAのせいで式場のヲッサンに強化人間にさせられた。あたしは過去の亡霊を振り切る事にしたんだよ」
ナツミはヨシミをチラ見する。
「こんな意思を持てたのもあの子のおかげかも知れない・・・そう言えば」
「そう言えば何?ナツミ」
「サトミ、あんたのお父さん・・恒寿中尉はネイルユーガマに回収されたよ」
「ホントに!!」
「全身の火傷と手足はもう再生してたね。ただ親子の再会は当分先だろうね。何せ弟さんが先に話があるみたいだからさ」
「そう・・・」
「サトミ!!また来るわ!!じゃ!」
ナツミはそう言うとユゼルのコックピットに座る
「ナツミさん、ずるいですよ!!コレあたしが恒明に借りたんですよ!!」
「うるせぇ!!帰りはどうせ二ケツなんだからよ。ちょっとこの新型操縦させろや!!」
ユゼルは延坪を発艦するとネイルユーガマを目指した
「ありがとう・・ナツミ・・・そしてヨシミ・・あんな若い子があたしの叔母さんになるのかあ」
「しかし光神帝が既に巨人を持ち去っていたとは・・やはり伝説は本当だったのか」
ネイルユーガマの艦橋で真田大尉が分析結果を照合していた。
「岩石からかなりの高エネルギー反応が検出されました。推定で約1億年前ですね」
「そんな大昔に?この宇宙空間に途絶されていたのか?」
「しかしその巨人を光神帝は何処へ隠したのか?」座りなれないキャプテンシートから一色艦長が尋ねた
「地球の線はないでしょう。恐らくどこかのダークコロニーか・・我が家の古文書によれぱ巨人についてこんな言い伝えが・・
『その巨人手足から光の矢放つ時力は解放され星をも切り裂く無限の力を放出するだろう』と」
「つまり惑星、地球をも破壊できると言う事かね?」
「言い伝えでは。これはあのタイタニックより厄介な相手だ。果たして物理的に破壊できるモノなのかと・・そして」
「そして?もう聞きたくないんだが」
『箱舟光る時、巨人の火筒は宇宙に破滅をもたらし全ての生命は無に帰るであろう』
「それって?」シマが立ち止まる
「そう。巨人のベースとなる『母艦』と武器となる『飛び道具』の存在を示唆しているのです」
「つまり我々が勝てる見込みが無い・・と言う事になるのですかな?」
一色艦長はカイヨウより座り心地の硬いネイルユーガマのシートから立ち上がった
「だが果たしてその巨人が光神帝のモノになるのかな?その様な凶器は諸刃の剣だ。
扱いを誤れば光神帝自らが滅ぶ事になる。超克と巨人の力のバランスは全く未知だと私は思う」
新田少将はそう言うとブリッジを後にした。
「ユゼル01着艦します!!」
オペレーターはナツミと芳美の帰艦を告げる
573 :
名無しさん:2012/04/26(木) 23:47:31.64 ID:kYMmGz1/
保守
574 :
名無しさん:2012/04/27(金) 13:59:13.73 ID:wd35cs75
・ 悪意の塊サイコパスkのキ印は正論を諭されると粘着して荒らす。
・ 偉ぶる悪意の塊サイコパスkのキ印は一様に偽善的振る舞いをする悪であり、
知ったかをする悪意の塊サイコパスkのキ印は決まって度量が狭い。
575 :
作者 ◆XvQzUZ.XyY :2012/04/29(日) 00:37:39.97 ID:Q2KYsMKV
地球
CMCシドニー本部で笹井少佐は地球儀をマジックで塗りつぶしていた。
「少佐!!アジア方面隊がユーラシア大陸をほぼ全土制圧したそうです!!」
坂井少尉が報告に訪れた。
「何かおかしい・・・」
「何がですか?」
地球儀を回しながら笹井少佐は首を傾げる
「連邦政府が崩壊して早3週間。我々CMCの侵攻に対して光皇軍から目だった抵抗はない
地球の重要拠点はほぼCMCが制圧した。この違和感は何だ?」彼は指で地球儀を弾いた。
「光皇軍は旧地上軍ですからね。彼らもマインドコントロールにかかっていたのでは?
その光皇軍もほとんどがCMC側に寝返り地球圏の95%は我々がほぼ制圧を完了していますからね」
おっと、坂井少尉は通信機の受信を行う
「少佐殿!!番頭さんからの暗号電です」
「読め」
「普通、良い、悪いのどのニュースから読みますか?}
「・・・悪いのから頼む」
「光神帝がセンカクに封印されていた巨人を持ち去ったとの事です。現在捜索中との事・・
さらに巨人には「母艦」と何やら強烈な「武器」が存在するとの事であります」
笹井少佐は頭を抱えながら言った
「恐らく奴はその母艦と武器とやらを血眼になって探しているんだろう・・・やられたな」
「そんな簡単に見つかるんですかね?」
「巨人が手に入れば後は巨人が導いてくれるとか言う展開だろう?で良いニュースとは?」
「はっ、代表がコロニー連合とネオソーカ、旧ジオンと共闘条約を結んだそうであります!」
「光神帝を追うならコロニー圏の制宙権はもはや連邦宇宙軍ではなくコロニー連合にある。そいつは幸先いいな」
「それと空母タイタニックこと空母シンデンの撃沈に成功したとの事であります!。さらに超創会の新鋭艦
ネイルユーガマが進宙したとの事であります!!付随して新型のMSの先行量産型が艦載されているとの事です」
「ネイルユーガマの件は聞いていた。しかし連邦宇宙軍亡き今、空間戦闘用のMSは貴重だからな。で、普通のニュースとは?」
「はぁ、シンデンの指揮官遠ыP寿元中尉を拘束したそうです」
「やっとあのデブを捕まえたか・・・」笹井少佐はデスクから立ち上がった。そうか、一人唸った。
「地球での反乱は陽動だったのか・・我々は光神帝に一杯食わされたな」
「と、申しますのは?」
「時間稼ぎだよ。巨人とその母艦と武器の捜索の為だ。奴が巨人の「オプション」を
探しあてるのは時間の問題だろう。坂井!!我々も宇宙(そら)に上がるぞ。地上は他の師団長に任せる。」
「では我々もネイルユーガマに?」
「うむ。先の戦闘でセンカクの搭乗員がほぼ全滅と聞いている。ネイルユーガマにはそのカイヨウのクルーが
移乗したと聞いた。練度不足の搭乗員ばかりでは戦えない。地上軍のMS乗りの選抜は終えているのか?」
「ハッ!!選抜部隊50名、すぐにでも召集していつでも宇宙に上がれます。少佐!我々もまたMSで戦えるんですね?」
「ああ、だがまずは重力に魂を引かれた陸戦経験しかないヒヨッコ搭乗員を鍛える事から始める。奴らは陸戦の
経験はあっても無重力下での空間戦闘の経験は無いだろうからな。坂井!!ヲマエに助教をやってもらうぞ!!」
ネイルユーガマ 医療ラボ
LCLプラントで遠ыP寿元中尉は漂っていた。新田少将以下の監視の前で。
「中尉。よかったな?姪に握りつぶされなくて」真田はそう言うとプラントに
蹴りを入れる。いつもの彼なら超克。のフォースで指一本も触れずに人を殺せただろう。
たが彼の前には超克道の大先輩、恒明が目を光らせていた。
「後、2.3日すればLCL無しで肺で自発呼吸が出来る様になるそうだ。楽しみだよ」
真田の言葉に恒寿元中尉は視線を彼に当て力を集中させようとしていた。
だが次の瞬間、彼はプラントの中で仰け反る
「はうっ(@w仰け反り」
「ほう?恒寿殿?今、力を集めましたな。真田大尉殿の首をへし折ろうとした。だが無駄ですぞ。
私はあなたの力を封じる事ができる。あなたのオシメを取り替えた私に敵うはずがない」
恒明はプラントの前に仁王立ちして彼の力を封じる。
「恒寿殿?ミッドウェーに到着次第代表とお会いいただきます。処分は代表がお決になります」
「未成年の少女、さらに自分の姪にまで性的悪戯しようとした事も芳鳴大尉にはご報告させて頂きますから」シマがそっと呟く
「あをっあをっ(@w死んだふり」
「カイヨウも最後まで立派に戦ってくれたが機関の故障で止む無く雷撃処分したのは貴様のせいだぞ!!」
一色艦長もプラントに蹴りをくれる
「まあいい。親子対決では役立ってもらおう。恒寿中尉よ」
「ヲレは・・・ヲレは・・・(@w泣」
彼はまな板の鯉状態で実弟との再会を待つのみだけであった
小惑星ミッドウェーに入港したネイルユーガマ
練度不足の搭乗員の操舵での無事故の入港は奇跡に近いモノがあった。
「カイヨウに比べて舵の利きが遅いですね」
操舵手は一色艦長に愚痴をこぼす
「でかい艦だからな。いた仕方あるまい。しかしこれ程の巨艦を恒明氏とその他3名だけで
ランデブーポイントまで航行してきたとは・・・恐るべき制御力だな」
「例え一兵たりになっても戦う。そのコンセプトが我が超創会の基本です。艦長殿。操舵手がやられても
帰港できる様にこのネイルユーガマは作られています。代表がお待ちです。こちらへどうぞ」
恒明の導きで超創会ミッドウェー本部施設に案内されるネイルユーガマの幕僚達
その施設に「彼」は居た
「あなたが超克の碑の・・・お会いできて光栄です」一色艦長は芳鳴大尉と握手する
「大尉、元気そうだな」新田少将も肩を叩く。
真田も。シマも彼との再会を喜んだ。
「短時間ですが乗組員に休養、補給の後、光神帝追撃に出撃してもらいます」
「奴の居場所は?」
「タクマ議長側からおおよその潜伏先の情報は得ている。所在の確認が出来次第ですがね」
「大尉、いや代表。MSの搭乗員が圧倒的に不足していては戦闘に耐えられない。
艦装備の各種砲の扱いにも慣れていないんだ。これでは・・」
「地球からまもなく搭乗員を乗せたシャトルが到着します。かつての歴戦の勇士達がね」
詰めの話をしている彼らの前に恒寿元中尉が入った格納容器が搬入される。
「すみません。兄と話がしたい。少しはずして頂いてよろしいですか?」
「だが、ヨシミ君と再会の方が先の方がいいのでは?」
「先に嫌な仕事を片付けた方が娘との再会の感動がより大きなモノになるでしょうから」
「兄さん。久しぶりです。もはや20年ぶり位ですかな?」
芳鳴大尉は包帯を外しながら格納容器の前に立った
「ほう?私とキズの治り具合もほぼ一緒ですね。さすが兄弟ですね」
「よよよよよよよ芳鳴、ヲヲヲヲヲヲレをどうするつもりかね?(@w焦」
「感じなかったのですか?父が復活しました。」
「@w驚愕!!!!」
「父は破滅の巨人を発掘した。父の野望を止める為に兄さん。あなたにも協力して頂く」
「むむむむむ無理に決まってるじゃないかね(@w焦 ヲヲヲヲヲヲヤヂに敵う訳がない(@w泣」
「敵うか敵わないかはやってみないとわからない。もう時間が無いんだ兄さん」
「こここここ断る(@w断言」
「そうか・・・私の願いを受け入れてくれないとは。恒明、居るか?」
「ハッ、芳鳴様」暗闇の中から恒明の顔だけ浮かぶ
「この兄が入った格納容器をユゼルで宇宙空間に投棄してきてくれ」
「はっ、仰せのままに」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!(@w泣 やる、やる!!協力するにきまっているぢゃないかね?(@w荒」
「そうですか・・さすがは兄さんだ。宜しく頼みますよ。まずはLCLが必要でなくなったら
トレーニングから始めてもらう。また戦う戦士の体になる為のね。」
彼は格納容器に蹴りを入れながら言った
「恒明よ。芳美を呼んでくれないかね?(@w呼」
ネイルユーガマの格納庫で立ち尽くす心神と芳美
「少尉!!ユゼルの二期生産分ですがこの心神のノウハウがフィードバックされるステルス機として再設計されるようです」
心神を見上げるヨシミに小沢伍長が声をかける
「心神はどうなっちゃうの?」
「残念ながら廃棄処分になります。ですがこいつはユゼルの改良型として生き続けますよ。我々の夢だったステルスMSの量産の夢が叶うんです」
「ヲイ!!小沢伍長!!あたしのユゼルのサブモニター見てくんねえ?」
ナツミが自分に当てられたユゼルのコックピットから小沢を呼ぶ
「勿論二期生産分初号機は少尉用に私がフルチューンしますんで。じゃ、失礼します!!」
そう言うと小沢は小川機に走り去って行く。ヨシミは背伸びをしながら格納庫の窓から外を見上げる
小惑星の影の向こうに青い地球が見えた
かつて、芳美が体育館から見た青い空。それと同じ色を地球はしている。
「お爺ちゃん・・・光神帝との戦いは避けられないの?」芳美は考えた
「何故。同じ一族同士で争わなきゃならないの?それも超克の導きなの?」
「よんよん!!」シマがヨシミの肩を叩いた
「よかったわね。お父さん生きてて。あたしも驚いたわぁ」
「あのシマさん・・・ひょっとして・・お父さんの事が好」
「あ・・あらあらあらそう言えばお父さんがあなたを呼んでいたわ!!早く本部施設に行きなさい!!」
シマは顔を真っ赤にして誤魔化した。
「シマさん可愛いですね」
「コラ!!遠州特務少尉!!上官を侮辱する気かぁ!!早く行け!!」
「はいっ!!中佐殿!!りょーかい!!」
超克の血統は彼女を何処へ導くのか?
「機動戦士ガンダムBB(ダブルブー)〜Eの血統」FIN
※この小説はフィクションです。登場人物、団体などは全て架空のものです
581 :
名無しさん:2012/04/29(日) 06:37:20.76 ID:AFVvFqBw
乙
続きはまた何処かのスレでですか?
乙です
自分がテンションで書いた文章がここまで見事な物になるとは…
感激です、ただただ感激です。
583 :
名無しさん:2012/04/29(日) 23:45:32.38 ID:Q2KYsMKV
いつの間にか完結してたw
乙でした。次回作に激しく期待
「光神帝様、ご報告が」
「トリプロゥか。申したまへ(@wぷ」
「母艦と巨砲のレストアは順調に行っております。巨人本体の方も全て順調に
光神帝様のお申し付けの機体色を黄色に変更する件も既に終えています」
「うむ、黄色こそ超克のイメージカラー。人類を導く幸福の色彩なのだ。赤い巨神など許さぬ」
「幸せのハンカチも黄色でしたしねw」
「真田大尉、ひとつ聞きたい。あなたの家に伝わる古文書には「箱」に関しての記述はなかったか?」
「箱?箱とは?」
「その箱が開く時、連邦政府が転覆すると言われた箱が存在すると言う。箱の名称に関しては
諸説あるが我々は「アブラブタの箱」呼んでいる。光神帝と巨人に勝つにはこの箱が必要だ。」
「その箱があれば破滅の巨人を封じる事が出来るのですか?」真田大尉は息を呑む。
芳鳴代表は答えた
「光神帝はまだ「箱」の存在には気づいていない。これこそ父と巨人に
対抗できる唯一の希望なのだ!!「アブラブタの箱」を探してほしい。コロニー圏のどこかに
あると言われるその箱を・・・。そしてユゼルの他にもう一機、ワンオフの機体を開発した。
その名は「CG-X00 ユブターンガンダム!!」
「ユ、ユブターンガンダムだと!!」真田は驚愕する
だが二人は知らなかった。「アブラブタの箱」を開くカギが「ユブターンガンダム」だったと言う事を
「機動戦士ガンダムYT」近日連載開始
(嘘ですw)