財務省が8月10日に発表した政府債務(国債や政府短期証券などの合計)は、6月末で
約860兆円にのぼり、過去最高を更新した。これはGDP比で 1.7倍と、OECD諸国で最大である。
中南米やロシアでここまで政府債務が増えたら、国債が市場で消化できなくなって、
長期金利が10%以上になるだろう。
しかしこのような危機的状況になっても、日本の長期金利(10年物国債)は1.4%前後と低い。
一つの原因は政策金利がほぼゼロになっていることだが、根本的な原因は日本経済が
低迷して他に有利な投資対象がないことだ。国際的に比較しても、この金利は異常に低い。
たとえば米国債(10年物)の金利は約3.5%である。
金利が低すぎるということは国債の価格が高すぎるということだから、この現象は
「国債バブル」と呼ばれてきた。
このバブルは予想に反して崩壊することなく、10年以上にわたって続いてきた。
その原因は「まさか日本政府が債務不履行に陥ることはないだろう」という日本国民の信頼だろう。
これは国債の保有者の94%が日本人であることからもわかる。
しかしそれは本当に維持可能だろうか。
続く
「国債バブル」はいつ崩壊するか | エコノMIX異論正論 | ニューズウィーク日本版
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