二枚貝の不思議

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1ヴァカ貝
前から不思議に思っていたんだが、ハマグリなんぞ死ぬと口を開く。
これはちょうつがいの部分に弾性があるからだ。つぅと、これは生時
に少しずし分泌上塗りされた物質が重合か何かを起こして弾性を持つ
物質に変わったつぅことかい?

このような事も含めて貝にまつわる素朴な疑問をぶつけ討論して貰い
たい。
2さざえさん:2000/11/27(月) 14:54
二枚貝はまだ、生き物らしい。
サザエ何かの巻き貝は、食べるとき、身とうんこしかない。
なぜだ。
3ヴァカ貝:2000/11/27(月) 15:49
早速レス入れてくれて有り難う。でもカキなんかでも身とウンコ
しかないよ。
4ヴァカ貝:2000/11/27(月) 16:04
あと、サザエについてだが、自分で邪魔になったトゲを切断
すると聞いたが、夜中に背中丸めて歯舌で削んのかい?
5名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 16:06
おいおい、サザエの中の黒いところは、うんこなのか?
うんこを殻の中に溜め込むわけないだろ?そうだと言ってくれ。頼む。
6名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 16:11
非常に申し上げるのが心苦しいのですが運子です。
7名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 16:11
非常に申し上げるのが心苦しいのですが運子です。
8名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 16:30
が〜ん。う○こを苦くておいしいと言って、食ってたのか。
打つ出汁能
9通りすがり:2000/11/27(月) 18:22
やれやれ

しっぽが黒緑なのは卵,乳白色のは精子だよ.
もちろん消化器内には排泄物もあるだろうが,それはしっぽではない.
10名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 18:29
中腸腺(肝臓)のハズ。
11名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 20:03
まぁ消化分解〜吸収残査と排泄物の境界もよーわからん。
>>4 サザエは波が荒いか穏やかか、で棘有り棘無し、と聞くけど。デフォルトが棘有りで、自分でなんとかしてるわけですか?
12名無しゲノムのクローンさん:2000/11/27(月) 20:56
陸性貝類(カタツムリ)は軟体部のせなかからうんこする。
13さざえさん:2000/11/27(月) 23:05
みんな、うんこが好きなのはよくわかったです。
でも、まだ、謎があります。
さざえのフタは、上手に焼くためにあるのでしょうか。
フタのおかげで、よく蒸れてうまいです。
14名無しゲノムのクローンさん:2000/11/28(火) 06:20
ハラヘリage( ̄ ┐ ̄)
15ヴァカ貝:2000/11/28(火) 06:54
やぁ、皆さんご苦労様。このレスを立てたヴァカ貝様だ。しかし雲古の話し
が多いなぁ。でもこれは貝を喰うたびに皆が素朴に思っていた事だろうから
いいや。許す。雲古の話しだって真面目にやれば屁ぐらいは出るだろう。

>>13
サザエの奴もグルメの事を考えて進化してくれていたのか。壺焼きで熱燗キュッ
もたまらんなぁ。

>>11
確かに内湾育ちのサザエは棘が無い個体が多く、弘法大師が漁民がケガをし
ないよう、棘を取ったなどと言うねぇ。俺が言っているのはこのケ−スでは
無く、荒海育ちの方だよ。貝の巻いてある1Fと2F位に棘が多いがその上
が無いから自分で引っこ抜いてんのかと思ったんだよ。でも小さいときは1
本も棘が無くツルツルなのかもしれないな。

16ヴァカ貝:2000/11/28(火) 07:21
オレ、今徹夜して自宅に帰ってきたところでフラフラなんだよ。幾つか貝に
関する疑問をここに列挙するから、貝マニア、貝博士、貝素人のレスを頼む。

1.以前ほっき貝を自分で剥いて喰った事があった。その時の事なんだが、
体を包丁で真っ二つに切ると透明なゼラチン状の4cm位の棒が飛び出てき
てギョッとした。後にこれが桿状体と言う消化酵素の固まりと知った。何か
のテキストの記述だとこれが回りながら削れて酵素を出すという。ではいつ
桿状体は「成長」するのか?また酵素の成分は何で、どの様にこのゼラチン
棒の中に「封入」されるのか?

2.赤貝は何故ヘモグロビンを持つ様になったのか? こちらも自分で貝剥
きすると1頭当たり大さじ1杯位の真っ赤な血液が出る。脊椎動物と異なり
ヘモグロビンは直接血漿中に溶解しているとも聞いている。ヒトの生理学の
テキストを見ると、赤血球が酸素を取り込み放出する時の酸素分圧に対する
S字曲線の様なグラフが出てくるが、赤貝のヘモグロビンについてこの様な
研究は有るのか?そもそも泥深い生息場所への適応と考えていいのか?

3.二枚貝が自分の殻のあけ具合を知るセンサ−はどこにあるのか?筋紡錘
の様なものが貝柱の中に有るのか?それとも直接距離を知るセンサ−が有る
のか?

4.カタツムリの目玉を引っ込める筋肉は他端をどこに付けているのか?
視神経が「中枢」に入る基部に筋肉の「足」があるのか?

5.アコヤ貝やアワビの真珠光沢は何か意味が有るのか?外側の色彩なら
自然淘汰で説明できるかも知れないが、内部では外から見えない。丈夫な
構造を造ったらたまたま色も付いたと言う事なのか?無生物のオパ−ルが
たまたま美しいのと同じ事か?或いは光りが内部に届くのを遮蔽する点で
有益なのか?

6.最初に貝殻の蝶番(ちょうつがい)のところで触れた事に関連するが、
水中で貝殻の形成を行う際、貝は「水中セメント」を分泌するのか?陸生の
カタツムリなら貝の縁を毎日ベロベロ舐めれば貝が成長するのは理解できる
が、水中ではどの様な機構が働くのか?

ふぅっ。夕方まで寝よっと。あと頼んだよ。
17さざえさん:2000/11/28(火) 10:43
巻き貝の解説のコピペです。

>巻いた殻を普通背負っていますが、笠形または小さく退化し、
>さらにナメクジのように殻をもたないものもあります。
>また体が発生の途中で180度ねじれます。頭には触角と目があり、足の後背に蓋が、
>前方へ開く外套腔内には鰓や肛門があります。
>足は大きく平たくて、はって動きます。世界に90,000種、日本に5,000種います。

180度ねじれてるのはうんこの事?一体前はどっちなのだ。
体の前に鰓と肛門か。一体口はどこなのだもし。頭も前にあるのか。
蓋は足に着いてるのか。こりゃ歩きにくい。
身の方はただのゴム栓みたいなくせに結構、複雑だ。
結局、さっぱり、わからん。絵を探そう。

18とりあえず憶えてること:2000/11/28(火) 11:05
180度というのは神経や内臓器官全部の事です確か。
口はもちろん体の先端辺りにありまふ。
蓋は足の(尻尾と言った方がいいのか)上辺りについてます。
外套腔というのは貝殻の中にある空所で、貝殻の入り口を覆う
外套膜によって外部から仕切られ、排泄物なんかはいったんここに
出た後外套膜の一部がまくれあがって管状になった水管という
器官を通して排泄されます。
鰓に送る水を取りいれるのも水管を通してです。
貝殻の材料は外套膜のフチから分泌され、少しずつ継ぎ足されていきます。
材料はカルシウム。海中には腐るほどあるので低コストです。
19名無しゲノムのクローンさん:2000/11/28(火) 11:29
貝(に限らないが)の卵〜稚貝の頃の状態も、食べ頃の時での体制もよくわからずに食べてるからなぁ。水産関係と無脊椎動物関係であたれば出ますかね。
20追記:2000/11/28(火) 11:37
180度ねじれた貝の体はねじれたツインテールを想像してみると・・・余計に判らんかもしれない。
タイトルに反して巻き貝の話が多いかも。
21横から...:2000/11/28(火) 11:54
ツインテールで分からない人はケダチクね。
22コピペ屋:2000/11/28(火) 17:58
41 名前: お腹へったさん。 投稿日: 2000/11/28(火) 16:57

とりあえず手元の図鑑だと、

180度ねじれたというのは、180度反転したという意味かな?
アクロバット少女が腹ばいになり、両肘を床につけて、エビゾリに
なって頭の上にお尻がのっかた状態。
これで内臓の部分は巻貝の中に入り、反転して                                 
肛門がまた殻から出て頭の上に乗っかる。エラは頭と肛門の間にある。
巻いてる所は生殖器のようだ。足というのは人間の手に相当する。
蓋を閉じるときは、両手で顔を隠しひっくりかえると、肘の部分に
蓋が付いていて閉じる。・・・想像できるかな?

ちなみに、アワビもサザエも巻貝で、足の部分が美味しいのだが、
通になるとアワビの角とかサザエの雲子を好むようだ。私は○島で
アワビを沢山採って、民宿でかっこつけて、アワビの角!と言ったら
どんぶり鉢いっぱい出てきた。都会の人は変なもん食うんだなあーと
言う顔された。今、大掃除が終わったばかり、あ〜〜〜〜〜〜〜〜
腹へった。
23ヴァカ貝:2000/11/28(火) 18:03
>>20
一応二枚貝のタイトルでスレッド立てたけど、軟体動物の話題なら
大歓迎するよ。

>>19
おっしゃる通りで体制も判らず食べているし、オレみたいな素人に
はフナの解剖やる時みたいな明確な図が全然頭に浮かばないよ。心
臓とかも「開放血管系」だったっけ?体の中の物質輸送系のイメ−
ジが固まらないんだ。

>>18
ネジレの発生の問題だが、ではヒダリマキマイマイとかサカマキガ
イではどうなの? 右巻きのと鏡像関係にあんの? もしかして答
えは『自然界に於ける左と右』なんかに書いてあるのかな?
24名無しゲノムのクローンさん:2000/11/28(火) 20:23
ウミウシは貝殻が退化していくにつれ神経節のねじれがだんだん元に
戻っていくと同時に短縮集中化するそうです。
右巻き左巻きの法則は分かりませんが・・・

参考「ウミウシ学」平野義明著、東海大学出版会。
巻き貝についても図説されてて面白いっすよ。
25ヒルゲンドルフ:2000/11/28(火) 20:48
>16の2
ユスリカの幼虫。釣りえさの名前で言うと赤虫は富栄養化水域
つまり汚い水域にいるものほど赤色が濃い。ゴカイと同様泥の中の
酸素不足に適応しているからと言う説明を聞いたことが有る。
実際、田んぼの泥の奥深くは無酸素状態で鉄分などが埋まっていて
掘り出した直後は青みがかっているが、酸素に触れると赤さびに
かわっていく。鉄分つまりヘモグロビンは土中で容易に入手できる
物質と言うことなのかな。
26名無しゲノムのクローンさん:2000/11/28(火) 20:58
>16カタツムリの目玉の筋肉か。深く考えたことなかったな。
機構的には、我々が履いている靴下を、先ではなく、履き口の方をつまんで
ずるずるとひっくりかえしながらぬぐのと同じであるが。
外見的には男根が充血するように、おっ起てているような印象だ。
27ヴァカ貝:2000/11/28(火) 21:34
>>26さんへ
この間悪友から貰ったバイアグラが手元にあるんだ。こんどカタツムリ
に舐めさせてみよっと(藁。
28サボキャン萌:2000/11/28(火) 21:38
>>16の2
貝類がもっているのは脊椎動物でいうヘモグロビンではなく、
筋肉にあるミオグロビンと同じタイプのタンパクだったはず。
ミオグロビンは、組織内ヘモグロビンなどと通称されることもある。
御指摘の、多量体をつくる、酸素濃度に関してS字形の結合曲線
を持つ、などはヘモグロビンの性質。ミオグロビンではない。
比較的良く研究材料にされているのは、アメフラシのミオグロビン。

>>25
ヘム鉄は外から取り入れるが(貝の場合は海藻食うとき?)、
ミオグロビンタンパクそのものは自分でつくると思う。
2926:2000/11/28(火) 21:42
>27バイアグラと一緒に栄養剤もくらわせてやってください。
やつらは雌雄同体だから女性向けの媚薬も効果有るかもしれないですな。
30ヴァカ貝:2000/11/28(火) 22:11
>>25
>>28
いゃぁ、勉強になるなぁ。有り難う。組織内ミオグロビンと言うのか。
つぅと、赤貝はヒトでいうミオグロビン血症の慢性型かい?アメフラシ
についてだが、オレは「青い」血の動物かとばかり思っていたよ。とこ
ろで貝の鉄分保有度はどの程度のもんだろう?ヒトでは良く1人当たり
5寸(?)クギ一本分あるなどというね。いやこれは、アサリは鉄分が
豊富で貧血予防になるとの説がいまチラッと頭をかすめたから聞くんだ
けど。
31ヴァカ貝:2000/11/28(火) 22:18
>>29
了解。雌雄同体だったのか!!-----また疑問が沸いたぞ。
では自家受精は可能なのかな?或いは自家受精を避ける為の
機構(生殖巣の成熟時期をずらす、何か一種免疫的な仕組み
で受精を防ぐなど)が有るのかな?
32名無しゲノムのクローンさん:2000/11/28(火) 22:34
6.関連かな?↓下の方「カタツムリ」のとこに殻関係少々です。
www.fuchu.or.jp/~okiomoya/kuizu-kotae.htm
くだんのサザエは養殖後放流モノなんでしょうか.....
33ヒルゲンドルフ:2000/11/28(火) 23:24
>31 カタツムリくん(さん)たちは交尾によって受精します。
そして、双方の個体が相手の精子を受け取っておのおの産卵します。
(卵胎性の種もいるけど。)しっかりとした生殖器ももっているので
自家受精はおこらないと思われます。人間の雄が自分の穴につっこむ
ようなものなんでむつかしいのでは。
ちなみにカタツムリの生殖器は分類上重要な特徴とされます。
34>18 いやー長年のなぞが解けた!:2000/11/29(水) 00:52
> >また体が発生の途中で180度ねじれます。

動物の脳が神経支配している左右の体は180度
交差しているのはこのことと関係あったんだね、

要するに動物の体は半周巻きの貝を引き伸ばして
ねじれた状態って事だな。

最近「歌う生物学」の本村達雄の本を見たら
巻貝の螺旋の事を欠いてあった、それにヒント
を受けてこれが動物の脳と体の左右交差の
ルーツだと思っていた。

自力で考え付くとは我ながら凄いと思うなー。
3534:2000/11/29(水) 01:14
そう言えば10年ぐらい前、CG・デザイナーがらせん構造は
生物の形の大きな原理だといっていた,
このなぞが解ければ生物学も進歩するとか何とか言っていた
その人はらせん形の生きもものCGを多く描いていたし、
らせんになった煮ダコの足を持っていろいろ説明していた。
36名無しゲノムのクローンさん:2000/11/29(水) 01:44
>生物板ALL

18とか33みたいなことが在るので
遺伝子や分子生物学ばかりやらないで
系統発生や生態や進化も勉強しようね!
それに専門の狭い分野だけでものを
考えると新しい発見はできないよ、
心は広く持とうね!。
3736:2000/11/29(水) 01:47
>18とか33みたいなことが在るので

18とか34 の間違いでした。
38さざえさん:2000/11/29(水) 02:13
>>33
>これが動物の脳と体の左右交差の
>ルーツだと思っていた。
人間ご先祖さまは、お魚を飛ばして、巻き貝ってこと???
ところで、魚は左右交差してったけ、よくわからないや。なさけない。
>>34
>このなぞが解ければ生物学も進歩するとか何とか言っていた。
貝殻の成長過程の数式化みたいな感じで、
複雑系やらフラクタルやらで解明されたんではないかな。
39ヴァカ貝:2000/11/29(水) 08:34
>>32さん、情報の提供thank you
「外套膜から石灰質の液が分泌されて,基本的には口の外側というか延長
方向というか,殻が大きくなって行くのですが,一部はその際に殻を熔か
すこともしながら殻を整形するのだと聞いています。」との記述が有りま
した。
つぅことは、外套膜から出る粘液中に炭酸カルシウムを主成分とする物質
が含まれており、それがいわゆる再結晶化する事で貝殻の壁面を継ぎ足し
て行くと言う事になるね。水中に生息する貝の場合、貝殻のフチを外套膜
で覆い隠し、周囲の海水(淡水)から遮断し、分泌粘液中のカルシウムが
沈着するのを待つってことかな。すると粘液には分泌細胞から絶えずカル
シウムが供給され、飽和状態にあるのかね? 粘液中には積極的に殻の形
成を助ける(促進する)為の酵素みたいなものは存在しないのかな?また
「殻を溶かして整形する」貝もあるとの事だけど、では酸を分泌する細胞
も存在すると言うことか?-----誰か貝類軟部の組織学的構造に詳しい人が
居たら教えて欲しいな。
40ヴァカ貝:2000/11/29(水) 08:45
>>33 ヒルゲンドルフさんへ
では人工的な手法なら自家受精させる事は可能なのかな?
41名無しゲノムのクローンさん:2000/11/29(水) 10:52
>>36
激しく同意
42お腹へった。:2000/11/29(水) 11:44
あれ?分からなくなっちゃった。

発生途中で180度ねじれること(神経交差)と、巻貝の螺旋とは直接関係あるの?
また、口と肛門が同じ場所にあることとも関係あるの?

38>ところで、魚は左右交差してったけ、よくわからないや。なさけない。<
神経交差はあります。カレイ、ヒラメなどで左右どちらが上になるかは視神経交差で
上になったほうが上(背中)です。
また、巻貝の螺旋傾斜(?)はおっしゃる通り、比較的簡単な数式でモデルを作る
ことができるそうです。

巻貝の左右巻き方向は遺伝子によって決定されるそうです。左巻きは100〜10000
個体に1つくらいだそうです。(人間の内臓逆転は1万人に一人。)
43ヴァカ貝:2000/11/29(水) 22:03
>>42さんへ
通常右巻きの貝が何かの関係(曖昧な表現だけど笑ってお許しを)で左巻き
になる場合、貝殻だけでなく中身も全て鏡像関係になるかな?と言うのは聞
きかじりの話しなんだが、人間の内臓逆転位の場合でも、例えば心臓につい
ては心筋筋線維の巻いている向きが正常個体と同じ向きであると読んだこと
があるからなんだ。種として左巻きが確定しているヒダリマキマイマイの場
合他の巻き貝と比べてどうなのか知りたいんだけどその辺はどうかな?
44ヒルゲンドルフ:2000/11/29(水) 22:20
>40 うーん。人口受精ですか。
一匹だけで飼っていたカタツムリが2度の産卵をした。
しかし、どちらも孵化しなかった、という観察記録が有ります。
人工的に受精したことの解答にはなっていないけど、ニワトリ
のように無精卵を産むようです。彼(彼女)たちは。しかし、
その観察者が一般の人なので本当に無精卵だったのかは分かりませんが
交尾せずとも産卵衝動はおきるようです。
45ヴァカ貝:2000/11/29(水) 22:27
再び>>42さんへ
巻き貝の螺塔の形成や羊の角についてはいわゆる数理学だかの観点
から一定の解析が進んでるっつぅのは科学関係の雑誌に時々特集で
組まれたりするね。しかしオレが疑問に思っているのは、貝から外
れる話題だが、シカの角の事だよ。シカは毎年角が脱落するが、次
の年には不思議な事に枝別れの数が増えた角になる。この枝分かれ
する機構がわからないんだよ。種としてほぼ一定の形を持っている
から遺伝的な支配があるに違いなかろうが、角を覆って中の角を成
長させる角袋側がタイマ−となって骨質の角の枝分かれを誘導させ
たりすんの?
46ヒルゲンドルフ:2000/11/29(水) 23:13
>45 の話で連想したのですが、陸貝の殻は年輪のように
一日ごとに成長する線が刻まれます。
殻を形成する「管」は一次関数的に大きく成長するのでは無く
ある一定の時期が来ると突然「管」の直径が大きくなる種や
逆に細長くなる種もあります。しかも殻の巻数はほとんど種内で
一定です。未成熟な陸貝は殻の口の部分が薄っぺらですが、
生殖機能を持つころには厚い「縁」がつきます。
これは、季節変化が誘導要因であるのか自らの成長度合いが要因で
あるのか、勉強不足でわたしにはわかりません。
鹿の角にも貝の巻数にも回数をカウントする機構があるのでしょうか。
47ヒルゲンドルフ:2000/11/30(木) 08:07
46に追加ですが、貝の場合成熟に関係しますので巻数(量・成長度合い)
の程度により何となく時期がわかります。ですから鹿の角とは少し機構が
違うのかな。
何れにしても鹿の角は季節周期に左右されているだけで、基本的には
大きさが枝分かれ形状と密接につながっているのかもしれないですね。
つまり、成長度合いによって角の形状が決まっており、季節により落下して
再形成されるという過程がそのあいだにはさまるので奇妙に見えるのかも。
植物の枝分かれや葉脈から類推して考えると類似点はあるようにも思えます。
4842:2000/11/30(木) 08:14
ウワ〜〜〜〜〜ものすごい勘違いをしてしまった。
後で調べてみて、冷や汗が出たよ。180度回転って腹足類にだけ見られる
形態変化で、くるっと回ってαと言う字になるんだね。筆順を逆にすると
口→肛門になり、このまま成長すると巻貝になるんだ。(大恥・・
魚や人間の神経交差とは関係なさそう。

巻き方だが、巻貝は全部右巻きではないことを追加しなければならないね。

>ヴァカ貝さんへ:貴殿の質問は非常に高度でとても私には答えられません。
                           (脱帽)
49名無しゲノムのクローンさん:2000/11/30(木) 08:46
回数カウントの話だけれど、こんな風に考えられないですかね?枝別れができるっていうのは
一種の角の発達の「異常」(悪性でなく)であって、年数を経るごとに角の角質を生成する細
胞の遺伝子が壊れてきて、それに伴って枝別れが増えると。事実、あまりに年齢の高いシカの
角は人間が切り落としてやらなければ生きていけないそうで。

枝別れが異常であると考えたのは、例えば新生代頃に日本にいたオオシカ(正式名称知らず)は
あまりにも巨大かつ異形に成長した角が原因で滅んだとか。これも、あまりに発達が進んでし
まった(遺伝子の変化が限界におよんだ)結果ではないかと思うのです。また、これに似た例は
貝の発達でもあって、中生代に繁栄したアンモナイトが、絶滅期に近づくに従い異常な形に発達
している例もあります。これも、遺伝子が限界を超えて変化した結果でないかと思うんですよね。

つうか完璧憶測です。スマソ。
50名無しゲノムのクローンさん:2000/11/30(木) 08:48
あ、49に追加ですけど、人間も病気にかかっておかしくなると爪の形や色が
おかしくなったりしますよね?あと皮膚とかも。
51名無しゲノムのクローンさん:2000/11/30(木) 12:38
あげー
52お腹へった。:2000/11/30(木) 13:18
>ヴァカ貝さんへ:あまり真剣にならずに。

>二枚貝が死ぬと開く理由。
蝶番のあたりに蝶番靭帯があって、閉介筋に対抗して殻を開く作用をしている。
だから、死ぬと開く。アサリは殻の外(外靭帯)、ホタテは内靭帯。
>貝の開き具合:
直感的には、中から目で見ているような気がする。アサリがいっぱいパスタがうまい♪
>真珠光沢:色がついているのではない。薄い層が何層にも重なっているため
光の反射が干渉して色を出している。殻の内側は、貝がすべすべが好きなだけ。
>サザエの角:小さいときに出た小さな角は成長につれて、包み込まれるのではないか。

>内臓逆転症:機能異常のない人は鏡面像と聞いた。心臓の血管(冠状動脈)は
鏡面像なので、筋肉走行もおそらく・・・、貝も。
考えてみれば肛門を前向きにするのにわざわざ中身を
180度回転させる必要ってあるんかな・・・・・?
54ヴァカ貝:2000/12/01(金) 01:19
いゃぁ〜、皆さんいろいろと有り難う。

>>48
42さんのα字の説明はとても判りやすかった。体の頭とシッポを結ぶ長軸(
体軸?)自体が丸まるっうわけね。つぅと>>34さんの見解は、こっちはその
長軸まわりのネジレだからそもそも話が違うっつぅことね?あれっ、でも今
フト思ったんだが、αの字を書く場合、まず右上にペン先を置いてそれから
左下に向かい、今度はぐるっと回って最後にペン先は右下に達して終わるが、
巻き貝の場合は立体構造だから右下に相当する部分が手前側に位置するわけ
だね。この様なコイル構造が出来る場合、実は体の長軸周りの回転(ネジレ)
の発生も実は付随するのではないかっつぅことなんだ。数学的な毛色の掛か
った思いつきなんだが、でも単なる勘違いかも知れない。
55ヴァカ貝:2000/12/01(金) 01:40
>>49
お説だと、角の形態を司る遺伝子の制御が崩れて、即ち本来「積極
的な」意図では無く、あのような形になるっつぅことで、ではこれ
は「老化」現象みたいなものかな?形態制御を司る遺伝子の作用が
弱い(シカなる名前の)系統群があり、「崩れた」角をそれなりに
利用して生きているのか。

>>47のヒルゲンドルフさんによると、基本的に大きさが枝分かれ形
状と関係を持っているのではとのご指摘だった。植物の枝分かれを
見ると(余談だが、この間デパ−トの屋上でビカクシダと言うシカ
の角みたいな葉を伸ばすシダを入手し今眺めているところ)確かに
一定の成長の度合いに達すると分枝するようだ。シカの角も基本的
には二叉分枝パタ−ンの様だから、葉や葉脈の分枝が出来る機構に
近いもので説明がつくかもしれないね。鋭いご指摘を有り難う。た
だ、一年に一回抜け落ちたとしても、翌年には体の大きさ自体も大
きくなっている訳だから、角自体も大きなサイズとなって成長する
事になり、このサイズに連関して枝分かれも増えるってことだね。
56さざえさん:2000/12/01(金) 01:46
お腹減ったさん、こんにちは。
今日、あがってた「死を当然とインプット」スレの時は「え〜と」です。
その節は、お褒めいただきながら、それっきりになっていたので、
ごあいさつまで。

>内臓逆転症:機能異常のない人は鏡面像と聞いた
まさか、DNAまで鏡像にはなってないですよね。ははは。
あれ、DNAは鏡像でも同じかな。よくわかんないや。ははは。自爆。
しかし、鏡像問題はすぐこんがらがる。空間認識力が弱いのかな。


57ヴァカ貝:2000/12/01(金) 01:53
ついでにもう1つ。

>>52さん、色々ご教示を有り難う。ただ、貝が口を開くことなんだ
が、例えばアサリなどでは殻だけにすると生時には取り得ない程に
大きく開口する。おれが考えた事は、では生きている時は小さな口
を開けたままの状態で、蝶番を構成する物質を分泌・上塗りし、そ
の物質が2次的に強い弾性を持つ物質に変わることでこのような
「口開け」が可能になったのかと言う事、要するにその成因につい
ての疑問なんだ。尤もこの疑問はアサリのみそ汁を飲んだ時に思い
ついた事だから、単に蝶番の部分(のタンパクなど)が熱で変成し
、弾力を強めただけの話に終わるかもしれないけどね。
58ヴァカ貝:2000/12/01(金) 02:06
さらにもう1つ。

>>56サザエさんへ。毎度ご参加thank you!
鏡像とは言っても体を構成する分子のレベルまでの話になると鏡像
ではないね。貝の「巻き」の話に戻るけど、結局はどこまでの範疇
で物を考えるか、つぅことだね。
59お腹へった。:2000/12/01(金) 09:22
>54ヴァカ貝さんへ。螺旋問題。
すべておっしゃる通りみたい。180度回転は雑巾絞りのねじれとα回転と
両方起こるようです。両手を前に伸ばし、水平に雑巾もって、左手を手前に回転
させながら右手の上に持ってくる、といった方が解りやすいみたい。
螺旋動物は卵の2分割の時にすでに螺旋分割になるそうです。遺伝子が関与し
ているらしいが、ただいま研究中だそうです。貝を飼うのが大変とのこと。

>57蝶番の靭帯。なかなかするどいなー。気になっていたところです。
生きたまま貝柱を切ると、味噌汁アサリ程は開かない。たぶん熱で変性して
靭帯が急速に縮むのでしょう。死んで長く経った(中身がないくらいの)貝は
煮ても開かないみたいですね。靭帯が腐敗したのかな。

>56 えーとさん、お久し振り。
DNAとかアミノ酸になると私も解りません。
私は目に見えるものしか理解できませんし、こっちのほうが素人には
面白いですよね。
60お腹へった。:2000/12/01(金) 11:48
>16 ヴァカ貝さんへ。ホッキ貝のゼラチン状の棒:
中腸腺ではないでしょうか。軟体動物と節足動物にあるそうです。
おっしゃる通り、消化液を腸へ分泌します(人間のすい臓に相当)。
消化液は一般に分泌腺細胞で作られ供給されます。
回りながら削れて、という意味は分かりません。細い管で腸につながって
いるはずです。

中腸線は栄養の貯蔵もします(肝臓に相当)。カキはグリコーゲンを貯蔵
するそうですが、ホッキ貝は何を蓄えてるんでしょうかねえ。
カニみそも中腸線だそうです。

それにしても、ヴァカ貝さんはうまい物食ってんだ。
あ〜〜〜〜また腹へった。もうすぐ飯だが、ホッキ貝は無理だ。

ところで北海道から発信?私しゃ九州。

61名無しゲノムのクローンさん:2000/12/01(金) 13:09
あかにし貝は激美味
62お腹へった。:2000/12/01(金) 19:46
>61 あかにし貝は激美味<

ウワ〜〜〜〜〜もう言わないでくれ!!!
やっと仕事が終わった。
早く家に帰って、メシダ!メシダ!

63さざえさん。:2000/12/01(金) 20:00
巻き貝をはなれて、ホタテ貝の不思議の質問です。

かなり昔のうすい記憶。何かの本で読んだと思うのですが、
漁師の間では、ホタテ貝はその名の通り、
帆をたてて、波間をサーフィンするというのです。
しかも、俺は飛んでるのも見たことがあるという漁師までいる始末です。
その上、学者さんも、ただの流言だと思っていたが、私も見たとのコメントです。
いったい、この世はどうなってるのでしょう。

しかし、つい最近テレビを見てたら、ホタテ貝らしきカタチをした貝が
すごい勢いで水中をまっているのです。
これなら、ジャンプできるかもって思った次第です。
いかがなモンでしょう。
64ヴァカ貝:2000/12/01(金) 23:12
>>59さん
貝が初期発生の段階から既に螺旋分割を起こしているとのことで、何とか
遺伝子作用の発現のレベルでの解明が進むと面白いね。

>>60さん
中腸腺かぁ。何かの図鑑の説明でグルグル回りながら消化酵素を出すと記述
してあった(と思う---)ので、だったら独立していないと何処かが捻れてし
まい不都合だし、実際そのゼラチン棒が独立して「腹」の中から飛び出して
きた様に見えたから、妙な思いこみが起きたのかもしれない。今度ホッキ貝
を剥く時は一つ丁寧に開けてみるよ。ちなみに「ゼラチン棒」を生で食べて
みたけど味はしなかったよ。あぁ、発信元は関東だよ。ホッキ貝は茨城県沖
で沢山獲れて東京の市場にも数は出るよ。九州ではどう?

>>62さん
アカニシってゲンコみたいな形の貝だね?以前、道ばたでアサリを売っている
オバさんのトロ箱の中に見慣れない貝がくっついており、何だと聞くとアカニ
シといってちょっと味が辛いんだよと教えてくれた。粋人向きかな?
65ヴァカ貝:2000/12/01(金) 23:26
>>63 サザエさんへ
ホタテの仲間が外敵が来たときにジェット噴射でひらひらと舞いながら逃げる
画像は、おれもTVで数回見たよ。サ−フィンするほどのツワ者がいるかはと
もかく、水深の浅い海だったら海面上に飛び出ることも十分あり得る気がする
なぁ。神経興奮薬と筋張力を高める薬を前投与しておくと効くかもね。あとマ
ムシドリンクなんかも。

2枚貝は殻を閉じる方向には貝柱なる筋肉で制御可能だけど殻を開くには、自
分の身体のマスの増大+ちょうつがいの作用しかない(と思う)ので、殻を急
速に閉じてス−と進み、間をおいてまたス−という進み方になる。殻を開ける
方も筋肉と神経が積極的に関与出来れば、パタパタ進めるだろうが、貝の造り
からしてチト無理か。
6634に注目しましょう:2000/12/02(土) 02:11
59 で詳しく解説しています
体と脳の神経交差の原理はこれかもしれないですよ、
一般常識にもなっている右脳と左手・左脳と右手の関係
ほとんどの動物に当てはまる重要なことですよ。
6766:2000/12/02(土) 02:14
我田引水になってしまいましたが。
68アクア論者Z:2000/12/04(月) 07:34
1.ホッキ貝のゼラチン棒について
中腸腺じゃなくて、二枚貝の胃の付属嚢にある「消化酵素の塊」ではないでしょうか。
晶体あるいは桿晶体(crystalline style)と訳されてると思います。
専用の袋(crystalline sack)の中で形成、袋内面の繊毛でグルグル回転、
先端が胃中に突出していて胃内の“擦り板”(gastric shield)でおろされて
回転しながら酵素が少しずつ溶けて供給される仕組みでしょう。
一見蛆虫状の独立物なので寄生虫と間違う人もいるかもです。

2.二枚貝が自分の殻のあけ具合を知るセンサ−はどこにあるのか?
これは良くは解りませんが、多くの二枚貝では外套膜縁に触手を持っていますし、
帆立貝類や鳥貝などは外套膜に眼がありますので、外套膜がセンサーなのでは?
外套膜は殻より僅かに外に出ていますしね。

3.カタツムリの目玉を引っ込める筋肉は他端をどこに付けているのか
体を殻に付着させている殻軸筋と合流して殻の軸内面に付着させてますね。
神経はもちろん先端から脳の方に行っています。
足を引っ込める収足筋肉も含めほとんどの筋肉は殻軸に付着しているようですが、
交尾器を引っ張る筋肉だけは多くの場合体腔上壁に付着してるようです。

4.神経交差と螺旋の関係:直接の関係ってあるのかな・・・
軟体動物や紐型動物は螺旋卵割ですが紐方動物の神経は捩れてるのでしょうか?
それに原始的とされるヒザラガイ類などは捩れのない梯子形神経系なのでは?
69お腹へった。:2000/12/04(月) 08:15
>68 アクア論者Zさん。お久し振り。私は昔の「昆虫の羽」です。
解らないときに突然現れて教えてくれる、アクアさん、
有難うございます。「桿晶体」とは知りませんでした。とんだ
間違いをするところでした。
70ヴァカ貝:2000/12/04(月) 08:52
>>68 アクア論者Zさん

つ、ついに真打ち登場かぁ!!

お蔭さまでワタクシ不肖ヴァカ貝も頭の片隅に引っ掛かっておりました
積年の疑問が解決し、すがすがしい思いで21世紀の夜明けを迎えられ
そうでございます。バンザ−イ!(アホか)

1.うぅ−む、ゼラチン棒が繊毛の運動で回転するのか。下ろし金で削ら
れるチ−ズの棒を連想させて面白いね。ホッキ貝のゼラチン棒は巨大だ
から初めて見る人はホントびっくりするよ。ところで酵素の成分だが、
採取した微少生物を消化する為のキチン分解酵素、セルロ−ス分解酵素、
タンパク分解酵素などからなると理解していいのでしょうか?自分でも
今度10本ばかりゼラチン棒を揃えて消化実験をしてみようとは思って
いますけど。<>>69お腹へったさん、気にしないで>

2.外套膜が実際触手として機能しここに各種の感覚神経細胞が分布する
わけですね。目を持つ場合、光の量として口の開け具合も判りますしね。

3.外骨格である貝殻に殻軸筋という名のアンカ−を下ろし、全てはそこ
を力の支点として運動を行うわけですね?すると殻を失ったナメクジの
場合、例えば目玉を引っ込める際の張力を打ち消す作用は、何かの物体
に吸着した腹足がこれを代用していると考えてよいのでしょうか?

4.神経交差と螺旋の関係については、特に高等動物の場合の神経交差の
発生機序との関連に於いては私も慎重な見方が必要な気はしています。
71ヴァカ貝:2000/12/04(月) 09:38
新たなる疑問:

1.頭足類のイカには皆さんご存知の様に甲がある。ヤリイカなどでは
ヘナヘナの透明な甲だが、一方甲イカの類では名の如く一般的に固い
甲を備えている(同じ甲イカでもアオリイカの甲はヘナヘナタイプだ
ったかな?5年くらいまえに刺身に下ろして食したのだが記憶が曖昧
になった)。さて質問だが、進化上では、ヘナヘナタイプと石灰分沈
着タイプとではどちらが祖先型に近いのか?ヘナヘナタイプは退化型
と考えて良いのか?

2.沖縄の海岸を散歩すると波打ち際に打ち上げられたサ−フボ−ドの
様な形の甲イカの甲を良く見かける。実際手に取ると発泡スチロ−ル
の様に軽く水に浮く事が判る。またその甲が魚の筋の体節の様な細か
な節目から形成されている事が判る。さて、質問だが、甲イカの甲の
機能は、
a.筋の付着する支点を与える機能、
b.オウム貝の殻の様に浮力を与える機能
  c.(ひょっとして)事実上の内骨格として「姿勢」を維持する機能
 として理解してよいのか?

3.上と関連するが、イカの甲はそもそもオウム貝やアンモナイトの殻
と同一起源と見なし得るものなのか?

4.以前TVのニュ−ス報道で目にしたのだが、日本海側のある地方で
はある季節になると海岸にタコブネが流れ着き、市民がそれを拾いに
出ると言う。このタコブネについては、雄ダコか雌ダコどちらかの腕
から直接形成されると聞いた。これの起源と上記3との関連はどうな
のか?

ふぅ−っ。コ−ヒ−でも飲もっと。
72海牛好き:2000/12/04(月) 11:02
>1進化上では、ヘナヘナタイプと石灰分沈着タイプとでは
  どちらが祖先型に近いのか?

貝殻を作る形質は進化上古い形質とされているので硬いしっかりした
タイプの方が祖先型に近いと思います。
ウミウシでも貝殻が小さく頼りない物の方が新しいグループと
見為されます。

…突っ込んだ話が多いので後はお任せしよう…ボロ出したくないし(汗
ただイカ・タコ・オウムガイは同じ仲間だから共通起源と考えても
いいんじゃないでしょうか?
タコの腕は外套膜が変化したものだとすると、タコブネだけがその時に
貝殻を作る機能を失わなかったのかそれとも他のタコも昔はそういう
形質を持っていたけどもその内退化したのか・・・???
あ、ちなみにタコブネを作るのは雌です。卵を入れて運びます。
73お腹へった。:2000/12/04(月) 16:57
>70 >お腹へったさん、気にしないで<

いやー、勉強させてもらいました。
消化酵素は、アミラーゼが最も強く、そのほか弱いセルラーゼ、酸化酵素、
エステラーゼが認められ、炭水化物分解酵素、リパーゼ、プロテアーゼは
ないと書かれています(岩波、生物学辞典)。
実験結果が出たら教えて下さい。

回転はカキで毎分70〜80回転だそうです。かなり速いですね。
74ヴァカ貝:2000/12/04(月) 20:10
>>72 海牛好きさんへ
なるほど。ウミウシでも殻が頼りない方が新しいグル−プですか。
3年ほど前の大潮の日に神奈川県三浦半島南端に位置する油壺の
岩畳の上を歩いていた時、巨大なウミウシの死体を見つけ、その
背中にあった貝の蓋の様なものを引っこ抜いて持ち帰りました。
後で、タツナミガイというアメフラシの仲間だと判りました。そ
の「貝殻」はオノ状で、取っ手に相当する部分が白く、他は褐色
の皮の様なものに覆われていました。「貝殻」の大きさは5cm
掛ける4cm程度です。「貝殻」は厚さも有り丈夫な構造でした
ので、ではタツナミガイはウミウシとしては primitive というこ
とになりますか?

>>73 お腹へったさん
ちゃんと岩波の生物学辞典に記載されていたんですね。やっぱり
買わなきゃダメですかね。

では取り敢えずアミラ−ゼ、セルラ−ゼ、プロテア−ゼの作用の
有無を簡単な実験で確認してみようと思います(それぞれ基質と
してデンプン、セロファン、ゼラチン板を使用予定)。

しかしなんですなぁ、2枚貝の中にモ−タ−が回転してる様で面
白いですね。
75ヒルゲンドルフ:2000/12/04(月) 20:54
年末の年中行事で(忘年会。連夜。)でしばらく覗かなかったら、なかなか
面白い発展をしていますね。
コウイカ関係の話です。
ナメクジの仲間には甲羅ナメクジがいますよね、あいつらはやはり、ナメクジの
仲間の内では祖先系(殻を背負ったカタツムリ)に近いということですかね?
水生だった巻貝の仲間が陸生になり、殻を捨ててナメクジの道を選んだやつら。
こいつらは、コウイカとはずいぶん遠いお仲間でしょうけどなんか似てるね。
おおまかに言って陸生貝類と、水生の巻貝を比較すると、殻の重量比は陸生の
物の方が軽い。これは、陸上では浮力が作用しないからだと推測されてます。
また、陸生貝類でも幼い時期には殻が薄く、成長するに従い、殻が厚くなる種が
有ります。こいつらは、幼貝時代は樹上で生活し、大きく重くなるにしたがい地表生活に
移行します。
ここから、コウイカは成長度によって甲羅の大きさは変わるのかな。と、疑問が
わきました。浮力は成長する程必要なのかな?逆?
76海牛好き@読書:2000/12/05(火) 03:40
ちゃんと本読んでみたら
『「古い」形質は、長い間、進化の風にさらされて、多くの変化を
 経験している。そのため、それが類似しているからといっても、
 それだけで近縁だとはいえないのである。』
うーん、ちょっと先走りでした。
ただ貝殻を持った種類が持たない種類よりもより祖先の持っていた
形質を保っているという事は言えると思います。

ちなみにRNAを用いた分子分類によるとアメフラシの属する無楯目は
「いわゆる」ウミウシの代表的なグループの裸鰓目とは早い段階で
分岐し、頭楯目・嚢舌目などの他のグループからは比較的遅くに
分岐したという事です。
(クリオネなんかはこれらとはかなり縁遠い種類みたいですね)

後ウミウシは幼生の時には大抵貝殻を持っていて成体になる時に
それを捨てるんですが、そのやり方には外套の端が後退して
スッポリ脱ぎ捨てる方法と外套が貝殻を包み込んで体内に取り込んで
しまう方法の2つの方法があるそうです。
個体発生は系統発生を繰り返す。
ひょっとするとタコブネは前者、コウイカは後者のパターンだった
のかもしれませんね。
77アクア論者Z:2000/12/05(火) 05:09
>>69
「お腹へった。」こと昔の「昆虫の羽」さん。お懐かしゅうございます。みらいさんも
最近お見かけいたしました。みなさんお元気そうでうれしいですね。そういえば最近、
(シロ)ヒメカゲロウ(Caenis)を使って昆虫の翅の起源を研究してる人がいるようです。

>>16
ヴァカ貝さま、私は真打などではありませんのでお手柔らかにお願いします。

2.赤貝は何故ヘモグロビンを持つ様になったのか?
貝類ではヘモシアニンを持つものが主で、アカガイ類などのようにヘモグロビンを
持つものが所々の系統にあるようです。無酸素的な環境と特に関連があるわけでも
なさそうなので今のところ謎かも。サカマキガイなどの頭部に赤く透けて見えるのは
口球の筋肉内のミオグロビンのようです。

6.水中で貝殻の形成を行う際、貝は「水中セメント」を分泌するのか?
外套膜縁にある襞から殻皮を分泌し既存の殻皮-新殻皮-外套膜縁の壁で環境水と
遮断した殻-外套膜間の隙空間を作り、外套膜上皮細胞から分泌したCaイオン
過飽和状態の外液で満たして炭酸Caの結晶を作っているらしいです。

>>17-22 >>54 巻貝のネジレ
>コイル構造が出来る場合、実は体の長軸周りの回転(ネジレ) の発生も実は付随する
巻貝本来の体勢は、一対の鰓と肛門のある外套腔を後体部にもった形だったのでしょう。
で、殻の発達と共に1つの入口に全てを集約する必要が出てきた。ちょうど寝袋に入った
昆虫が頭部と腹部気管と肛門を全部入口に持って来るようなものですが、簡単な方法は2つで、
1つ目は体を水平を保ってU字に曲げ尻を前方に向ける方法。次はサソリみたいなエビ反り法。
後者は尻が頭上で背腹逆転しますが、この逆転を戻すと1箇所で捩れます。巻貝はそんな感じかも。
でもなぜ、U字法やエビ反りそのまま法を取らなかったのかは今も謎?

>>43 >種として左巻きが確定しているヒダリマキマイマイの場合
体勢は完全な鏡像体ですね。突然変異で生じる逆巻きでも基本的にはそのようです。
あと、一見左巻きの殻で体勢が右巻きの貝も外国にはいるようですが、それは
殻が上に巻き上がる構造なのでそう見えるわけです(普通の貝は巻き下がる)。
日本の淡水にいる平巻貝は一見右巻きですが体勢は左巻きで、これは左巻きの殻が
巻き上がるわけですが、殻から透ける内部の外套膜も本来の下側に色素沈着が
多く、仰向けで泳ぐ魚の腹が黒く背中が白いようなもので、ヘンなものです。

>>57 蝶番を構成する物質が2次的に強い弾性を持つ物質に変わる成因
どうも私もよく知りませんが、思うに水分ではないかと思います。二枚貝の殻を乾燥させますと
蝶番にある靭帯と弾帯が硬化して弾性が失われますが、水分を与えると戻ります。
また、殻を閉じたまま乾燥させるとそのまま固まりますが、やはり水分を加えると開きますので。
多分、分泌後に水分を吸収して弾性を持つのでは?
78アクア論者Z:ナメクジについて:2000/12/05(火) 05:16
>>70 ナメクジの場合、例えば目玉を引っ込める際の張力を打ち消す作用は、何かの物体
に吸着した腹足がこれを代用していると考えてよいのでしょうか?

ナメクジ類の場合、触覚の筋肉は口周りの筋肉と共に「体腔」の内面天井に付着しているようです。
その運動には間接的には足の吸着も関係すると思いますが、基質から剥がした状態でも触角を
内部に牽引できるので体壁全体が張力を打ち消しているような気がしますね。

>>75 ナメクジの仲間には甲羅ナメクジがいますよね、あいつらはやはり、ナメクジの
仲間の内では祖先系(殻を背負ったカタツムリ)に近いということですかね?

ナメクジ類と一言で言っても、多くの系統からなっているようです。
日本にいるものでも複数の科があります。甲羅のないのはナメクジ科、最近市街地に多い
薄茶色のはコウラナメクジ科、小さくて真っ黒っぽいのはノハラナメクジ科などという感じ。
たまにはニワコウラナメクジ科のもいるし、全然違うアシヒダナメクジ科なんてのも。
また、世界には更に多くのナメクジ類があるようなので一概に言えないと思います。
でも比較的小さい単系統群内では退化的な殻が派生的と言える場合はあるのでしょう。
移入種のヒラコウラベッコウなどはベッコウマイマイ科というカタツムリの類ですが
ナメクジ一歩手前で殻が甲羅状に退化してますので、殻の形質だけで言えば派生的な
存在とは言えるかも知れません。
カタツムリ自体が多様でその中の色々な系統で独立に殻の退化(ナメクジ化=limacization)
があるので、ナメクジ類というのは便宜的な表現でしかないわけです。

コウイカといえばトグロコウイカっていうアンモナイトまがいのイカがいますね。
79ヴァカ貝:2000/12/05(火) 06:53
>>77-78
アクア論者Zさま、かぁかぁぅあ、かかか、感動!!

>水中で貝殻の形成を行う際、貝は「水中セメント」を分泌するのか?
外套膜縁にある襞から殻皮を分泌し既存の殻皮-新殻皮-外套膜縁の壁で環境水と
遮断した殻-外套膜間の隙空間を作り、外套膜上皮細胞から分泌したCaイオン
過飽和状態の外液で満たして炭酸Caの結晶を作っているらしいです。

なるほど。やはり物理的に周囲の水を遮断した上で「工事」を進めているんですね。
一種の潜函工法ですね。

>蝶番を構成する物質が2次的に強い弾性を持つ物質に変わる成因
どうも私もよく知りませんが、思うに水分ではないかと思います。二枚貝の殻を乾燥
させますと蝶番にある靭帯と弾帯が硬化して弾性が失われますが、水分を与えると戻
ります。また、殻を閉じたまま乾燥させるとそのまま固まりますが、やはり水分を加
えると開きますので。 多分、分泌後に水分を吸収して弾性を持つのでは?

(再び)なるほど。実に理路整然としたご説明で良く判ります。分泌した時点では小
さいマスだったものが水分を吸収してボヨヨンと伸びてバネの作用を示すわけですね。
乾燥すると元に戻るということから、では化学変化が起こったのではなく、ゲルが水
分に触れて膨潤するのと同類の機構と考えてもいいのでしょうか?
80ヴァカ貝:2000/12/05(火) 06:55
<続き>
>ナメクジ類の場合、触覚の筋肉は口周りの筋肉と共に「体腔」の内面天井に付着し
ているようです。

では「体腔」の内面天井とは、退化した殻の腹側面に相当する場所と考えて、つまり
元々の殻軸筋が伸びて付着していた場所と考えて、宜しいのでしょうか?


>ナメクジ類と一言で言っても、多くの系統からなっているようです。

うぅ〜ん。脱帽。ナメクジ化=limacization の用語にはマジで感動でした。多系統
的にナメクジ化が進行していたとは驚きましたね。>>75でヒルゲンドルフさん(毎度
どうもです!)が、陸上での殻を担ぐ事の困難さに言及していますが、では、一部の
カタツムリが実際殻を退化させつつある理由は何なのでしょうか?---殻を失うこと
は、乾燥と外的から守ってくれる家と、その中に蓄えた財産(栄養、生殖細胞)を捨
てる事になります。ウミウシについても言える事ですが、身軽になって移動能力を高
める道を選んだのでしょうか? この種の議論はもはやspeculation でしか回答でき
ないことかも知れませんが、この際、2チャンネルと言うことで−−−。


>コウイカといえばトグロコウイカっていうアンモナイトまがいのイカがいますね。

そ、それっ何なんですか? これまでの頭足類の「甲」の問題に大きな手がかりを与
える様に思いますので、できましたら詳しい事を教えて戴けないでしょうか?
81ヴァカ貝:2000/12/05(火) 07:02
>>80
ナメクジの話のなかで「外的」改め「外敵」でした。ふぅ。
82アクア論者Z:2000/12/05(火) 09:43
>>79
二枚貝の弾帯については「だいたいそんな感じ」なのではないかと。
もっとも実際は弾帯を形成する硬質蛋白と水だけでなくて、生時には種々の有機物も
関与して弾性をより良好に保持しているのだと思いますが・・・。

そう言えば、買った帆立貝がボールから飛び出したことがありましたね。
もっとも水面を走ったりはしないでしょうけど。あと、ホタテのヒモを見ると
小さい黒っぽい点々がありますが、あれが眼ということになりますね。

トグロコウイカ(Spirula spirula)については私もよく知らないのですが、とりあえずこれだけ見っけ:
写真と解説↓
http://srd.yahoo.com/goo/spirula+spirula/2/*http://www.soest.hawaii.edu/tree/cephalopoda/coleoidea/decapodiformes/sepioid_families/spirulidae/spirulidae.html

殻の断面↓
http://www.concentric.net/~Cschroed/html/cephalopods.html
dannmenn

アンモナイトとの違いが一番下にちょい説明↓
http://www.dal.ca/~ceph/TCP/FosCephs.html

ナメクジについてはあとでまた書きたいと思います。
83ヴァカ貝:2000/12/05(火) 14:19
>>82
いゃぁ、どうも有り難うございました。

http://www.dal.ca/~ceph/TCP/FosCephs.html の質問1「頭足類はいつ現れ
またその特徴は何ですか?」の第2パラグラフに、「甲イカ cuttlefish は
内部の貝殻を持ち、それはまだ浮きの作用を果たすもののもはや外敵に対す
る防御の意義は失った」とあります。「最も進化した頭足類であるイカ squid
とタコでは、(オウム貝やアンモナイトの様な)小部屋の有る貝殻を持つも
のは全くなく、イカでは単純な羽根様の棒、一方タコでは脳の周囲に配置す
る小さな板にまで退化している」

つまるところ、アンモナイトの殻もイカのホネも起源が同じと言うことにな
りますね。甲イカの甲が推測通り浮きの作用を持つ事が判り愉快でした。

同質問6「Spirula はアンモナイトですか?」の回答:「いいえ、おそらく
は甲イカに最も近縁でしょう(確定的ではないが)。両者の重要な違いは、
前者の貝殻が内腹的に(即ち身体の下にて)巻くのに対し、後者では外腹的
に(即ち背中を越えて)巻くことです。」
84ヴァカ貝:2000/12/05(火) 14:22
<続き>
http://www.soest.hawaii.edu/tree/cephalopoda/coleoidea/decapodiformes/sepioid_families/spirulidae/spirulidae.html

Intro の第2パラグラフ:「Spirula は開放平面螺旋型の奇妙な内殻を持っ
ている。この殻は、遠い祖先と同じ造り(phragmocone型と管)を保持する
が、浮きとして利用される。この殻が身体の後方に位置する為、この動物は
通常頭を下にして垂直に立っている。」

甲イカの殻に先祖帰り的な形質が現れた(そのまま残っている)という事で
しょうか?
85みらい:2000/12/05(火) 18:05
>>82お久しゅうアクア論者Zさん
なんと、なやましきお姿のトグロコウイカさま・・・お写真拝見しました。
そして保存しました。
86ヴァカ貝:2000/12/05(火) 22:39
>>76
海牛好き@読書さんへ

>後ウミウシは幼生の時には大抵貝殻を持っていて成体になる時に
それを捨てるんですが、そのやり方には外套の端が後退してスッポ
リ脱ぎ捨てる方法と外套が貝殻を包み込んで体内に取り込んでしま
う方法の2つの方法があるそうです。個体発生は系統発生を繰り返
す。ひょっとするとタコブネは前者、コウイカは後者のパターンだ
ったのかもしれませんね。

このご意見を窺ってから、上のSpirula の貝殻の形成についてずっ
と考えておりました。Spirula の説明文自体ではちょっとわかりに
くいかと思いますが、実際の巻いた殻は半分外部に突出し、半分は
胴体中に埋没した形となっています。お説の後半の部分がまさにこ
の事を説明するものではないかと考えます。アンモナイトの様に明
らかに外部に存在する殻>次第にエンペラ方向から「体内」に取り
込まれて退化していく殻>完全に体内に取り込まれた殻>更に石灰
分の沈着も失った遺残的な殻、の図式が十分想起されるのではない
かと思います。この辺の経緯については、まだ仮説自体を記した論
文も入手出来ておりませんが、何とか文献の孫引きを通じ検索して
みるつもりです。

しかし考えるに、殻のdevelopment とreduction の観点から軟体動
物の進化を考えるのは本当に面白いですね。専門家はとっくにご研
究のこととは思いますけれども。
87ヒルゲンドルフ:2000/12/06(水) 00:34
>78 ナメクジの系統について深く考えてませんでした。
なるほど、よくわかります。
少々脱線ですが>13サザエの蓋はおいしく焼くためなのかと疑問が出てますね。
カタツムリとナメクジを焼いて食べくらべると、カタツムリの方がおいしいそうです。
これは、ナメクジはいくら火を通しても中身までうまく蒸せないのが理由の様です。
>13の方の意見もあながち間違いではないのかな。もしかしたらウミウシも
ホイル焼きで蒸したら美味しいのかも。
さて、陸貝の殻の採用不採用の投機性については、彼等のいやがる乾燥への対応が重要ですね。
ナメクジは体表面のヌルヌルをカタツムリよりも多く分泌することによってしのいでいます。
殻から解放されることによる優位な点は移動能力の他に、カルシウムの
制限から離れられたこともあるのでしょうか。地上では、海水中とは異なり
得られる資源がどこでも豊富と言うわけにはいきませんから。
これに関連するのか、人家の中で目撃するのは圧倒的にナメクジが多い。
これは、移動能力によるものなのか
それとも、乾燥への適応なのか、さては、人家周辺での個体数が圧倒的と言うことに
起因するものなのか。しっかり調べて考えてみたいと思います。
88さざえさん=13:2000/12/06(水) 01:25
>>87
ははは、マジレスありがとうございます。
ウミウシは、食べる勇気がないです。

専門的なお話おもしろいです。
でも、私は、素朴な疑問です。

貝殻の形成のお話もありましたが、
アサリや蛤などに模様がありますが、
これは、どのようにできるのでしょうか。
特に、アサリなどは、いろいろな模様がありますが、
これは、遺伝的な物でしょうか、
それとも環境に依存しているのでしょうか。
どうも、同じところで採れたやつも色々な模様がある気がするのですが。
私は、茶色っぽい、あさりの方が美味しそうに見えます。(関係ないか)
89ヴゥカ貝:2000/12/06(水) 13:36
>>87
ナメクジのホイル蒸しかぁ。エスカルゴはなかなか美味かったけど、味は
基本的に同じなんだろうね。でもやっぱり可愛くないなぁ。

陸上では手に入れにくいカルシウムの問題から free になるとのご指摘は
ごもっともと思います。日本でも石灰岩地帯に多くのカタツムリが分化し
ていると聞いたことがあります。乾燥の問題さえクリヤ−出来れば人家周
辺で生息出来るわけですね。餌も豊富だし。
90ヴァカ貝:2000/12/06(水) 13:55
>>88
模様を作る色素なんですが、金属元素などの顔料系なのかあるいは
有機色素系のどちらなんでしょう(それとも両方)?貝を茹でると
色が褪める様に思えるので有機系の関与は確かかな?

模様については、編み物を編むときと同じで、成長線が横糸、模様
の色素が縦糸と考えたらどうかな。細かな三角模様が散らばったア
サリを見るけど、この場合、色素を出す外套膜の分泌細胞が次々に
隣の細胞に役目をバトンタッチすれば模様が描けると思う。

確かに産地によって幾何学的な模様や全体の色調が異なるようで、
遺伝的な関与はあるんじゃないかな?誰か詳しい事知らない?
91名無しゲノムのクローンさん:2000/12/06(水) 13:55
>でもなぜ、U字法やエビ反りそのまま法を取らなかったのかは今も謎?

やっぱり省スペースの問題なんでしょうね。
体を収めるカラを無駄にでっかくしないために体に厚みが出来てしまう↑の
様な方法は都合が悪かったと。

そういえば原始的な貝には体のねじれがなくて(肛門が後ろを向いてて)、
排泄物を出すための溝が貝殻についてる種類があるそうです。
カラを持つのも大変ですね〜。
92お腹へった。:2000/12/06(水) 15:12
>88 「さざえさん」さん。
>貝殻の形成のお話もありましたが、
アサリや蛤などに模様がありますが、
これは、どのようにできるのでしょうか。<

同じ疑問を持つ人は多いようですね。
貝殻の色は、後で付いたものと、元の色とがあるように書かれていました。
茹でると変わるのは前者のようです。元の色は餌によって色がきまるそう
です。また、模様などは遺伝の要素もあるし難しそうです。養殖アワビは
巻き始めの部分が緑色ですが、これは養殖時代の餌によるそうです。
ご参考までに↓

http://www.bigai.ne.jp/wwwboard/save_mes05/messages/731.html

ナメクジについて>みなさん。

以前、ブルーギルを飼ったことがありました。ミミズは良く食べますが、
ナメクジをやったところ一度口に入れてプッと吐き出し、後は見向きも
しませんでした。海でも陸でも、小さな軟体動物が素っ裸でウロウロできる
のは、よほど「不味い」という保護手段があるにちがいないと思いました。
ウミウシはカイメンを食べて毒を持つものがいるそうです。
天敵から食べられないと分かれば、殻を捨てるのでしょうか?
93ヴァカ貝:2000/12/06(水) 19:08
>>92 お腹へったさん、情報をどうも。
紹介戴いたHPを見てみましたが、アサリの模様について関心を
寄せる人は多いようですね。貝殻の色は貝殻の形成後に生活環境
から2次的に受けたものがあるのは確かだと思いますが、しかし
例えば鉄分に拠る濁染でしたら煮沸しても色は落ちません。この
点は注意がひつようですね。私の印象では元々の色彩や模様も確
かに煮沸に拠って褪せる様に感じています。また貝の化石を見る
機会が時々ありますが、2枚貝の場合はおしなべて真っ白けで、
要は、色素が化学変化を受けて退色したことになりますね。しか
しアワビなどで食べ物の影響をモロに受けるのが面白いですね。
食物由来の(或いは途中代謝を受けて出来た)色素が分泌細胞か
ら分泌され、貝殻の基質を構成するタンパク質?や炭酸カルシウ
ムの結晶の合間に潜り込んで色を付ける機序かな?------でも仮
に緑色の餌を食べて緑色になるならそれは保護色として役立ちま
す。積極的な利用が有るのかもしれませんね。つぅと、アサリの
模様には何か生態学的な意味はあるのかいな?砂の中に潜りっぱ
なしの様な気もするし。

ナメクジが不味い、なるほど。武器を持たずとも不味ければ捕食
されません。外見の問題だけでなく食べてどうだとの視点は確か
に重要ですね。
94名無しゲノムのクローンさん:2000/12/07(木) 03:09
>ウミウシはカイメンを食べて毒を持つものがいるそうです。
これをするのはイボウミウシ類、イロウミウシ類、クロシタナミウミウシ類などで、
餌から有毒物質だけをより分けて背中の腺細胞に蓄えるそうです。
さらに積極的に化学変化を起こして毒性を強めたり、
餌の色素を利用して餌そっくりに擬態したりする者もいます。
他にも餌のサンゴやヒドロ虫の持つ刺胞細胞という毒針を発射する
器官を取り込んで使うミノウミウシ等もいます。

また余談ですが深海に棲むギンオビイカは餌の持つ発光物質を
取り入れて光るスミを吐くそうです。

貝殻を捨てた貝の仲間はタコイカのスミ吐きや保護色、ナメクジや
ウミウシの不味さ、毒、擬態など何らかの貝殻に替わる防御手段を
持つものなんでしょうね。

所でふと疑問に思ったんですが、陸上にはカタツムリみたいな
巻き貝はいるけど2枚貝の仲間はいませんよね。
これは前に出てた蝶番と水分の関係なども原因なんでしょうか。
95さざえさん:2000/12/07(木) 05:11
>>93
鉄の色に関して、陶芸なんぞもやってるのでちょい詳しいです。(化学式とは別)
鉄の色の発現は、酸化の度合い、第一鉄(FeO) 第二鉄(feO2)なぞがありまして、
他の鉱物、マンガン、カルシウム、マグネシウム、銅などの影響を受けて、
黄色、青、赤、茶、紫、黒、銀、金まで、いろんな色ができます。
そして、これらの色は、普通700度〜1000度くらいで崩壊し再構成します。
てな訳なんですが、生物由来の色はすべて、100度で崩壊するんでしょうか。
生物的、酵素の働き?で、
熱と同じように化学反応を起こすことは可能なんではないでしょうか。
的はずれな疑問かも知れませんが・・・。
96アクア論者Z:2000/12/07(木) 08:25
>>85 みらいさん、お久しぶりです。
トグロコウイカは大きさも手頃だし、飼えたら面白そうですね。
ヒレ付近に発光器もあるらしいし、頭足類で唯一歯舌がないってのも興味深い。
自分でリンク貼りながら(ヤフ付き逝ってよし!)ロクに読んでなかったけど、
ヴァカ貝さんの確かな訳で勉強になりました。タコにも殻が残ってるってのも驚き。

>>72 タコの腕は外套膜が変化したものだとすると、タコブネだけがその時に
  貝殻を作る機能を失わなかったのか〜
タコの外套膜は頭部と癒合が著しいですが、腕は外套膜由来ではないみたいです。
なのに腕から作る殻がオウムガイなんかとソックリなのが不思議だったのですが、
「鋳型説」ならなるほど納得↓(いい加減な意訳なので原文参照をおすすめ)。
http://www.soest.hawaii.edu/tree/cephalopoda/coleoidea/octopodiformes/octopoda/incirrata/argonautoid_families/argonautidae/argonautidae.html#TOC3
“腕から形成されるので本来の殻とは相同ではない。その形が白亜紀に多数生息したある種のアンモナイトと驚く程似ていることからNaef (1921)はこう考えた:その空き殻を産卵用に利用→内壁修繕用に腕が殻を分泌できるように進化→アンモナイトの絶滅で殻全部の形成が進化。しかし、Young他(1999)は、アンモナイト絶滅とタコブネ出現とは四千万年の開きがあることから、鋳型は別の貝だろうと考える”
確かにアンモナイトの外側は似てても利用する内側は小部屋だから鋳型にならないな。

>>91
なるほど、そうですね。それに殻があったらそもそもエビ反りできないし、U字だとコンパクト
じゃないし。後半部を半回転して頭に載せるといやでも8の時捩れになりますね。お恥ずかしい。

>>94 2枚貝の仲間はいませんよね。これは前に出てた蝶番と水分の関係なども原因なんでしょうか。
摂餌法が問題なのでは?二枚貝には歯舌がなく濾過食が基本ですので、これをクリアしないと
陸上進出ができなさそうな・・。でもオカナミマガシワという二枚貝はマングローブ林の、
とても水が来そうにない高い樹幹に付いてたりして不思議だ、という話しも。
97お腹へった:2000/12/07(木) 17:16
>94さん。
ウミウシについて詳しい解説、有難うございます。感謝感謝。
アメフラシは不味いそうです(食べた人が居る)。その卵(海ソーメン)は
美味いそうですが、毒を持つことがあるので要注意とのこと。
君子危うきは食うべからず。

貝殻について:殻は3層からなり、外から殻皮層、角柱層、真珠層です。
外套膜の端の肥厚部が殻皮層を、その内方の部分が角柱層を、真珠層は外套膜の
全表面から作られるそうです。殻皮層は薄く剥がれやすいので、二次的な色は
この部分に付き、容易に脱色することが予想されます。
分泌された色素は角柱層に含まれているようです。この層は炭酸カルシウムの
結晶が角柱を作って表面に直角に並んでいる構造ですが、色素はどのように
存在しているのでしょうか?どなたか顕微鏡で観察希望。
98ヴァカ貝:2000/12/07(木) 17:56
>>96 アクア論者Zさん

タコブネ鋳型説は面白いですね!

自分でも図書館館の本に以下の記述があるのを見つけました:

谷津・内田 動物分類名辞典、中山書店 1990年第3刷
「八腕目(タコ目)Argonautidae 科、Argonauta 属:この科のみ、雌は幼児から
左右第1腕が広がって螺旋状の薄い貝殻を分泌し、生長して産卵すればこの中で
哺育する。paper nautilis(途中略)の名は殻がオウムガイのそれに似ているか
らであるが、成因と生態的意義から見て大差がある。A. argo アオイガイ(カイ
ダコ)殻は大型、白色半透明、A.hians タコブネ(フネダコ)殻は黄褐色、
A.boettgeri チヂミタコブネ 殻は小型で灰褐色、表面に粉上の凹凸がある。」

うぅ〜ん、自分でも拾いに行きたいよ〜ん。

タコブネはイカの甲などとは縁遠く、外套膜類似の分泌機能を持った腕の腺組織?
が別個に形成する構造物のようですね。巻き貝で言えば貝のフタみたいなものか?
99ヴァカ貝:2000/12/07(木) 18:02
<続き>
ところでサザエの蓋を見ると肉が付着する側にはっきりした渦巻き模様が付いている。
外側からみても巻いているのは明らかだ。つぅことはフタは「回転」しながら成長する
のか? 貝殻本体は口を少しずつ上塗りして大きくなると理解すればよいが、フタの
側の成長の仕方が判らずどうもイメ−ジが湧かない。誰かアイデアを頼む。身体の上
で回りながら大きくなるのか? そもそもフタはいつ成長するのか? 殻に身を引っ
込めている時か否か?

訂正(>>71 の質問1):上の動物分類名辞典で確認したところ、アオリイカは甲イカと
は全然別の仲間のイカ(ジンドウイカ科)と判明。寧ろヤリイカに近縁のものでcuttlefish
では無くsquid だった。エンペラの付き方がちょっと甲イカに似ていることからの素人
判断で、うぅ〜お詫び。以前刺身に下ろしたときにも透明な甲が現れた記憶もありヘン
だとは思ってたがちゃんと調べないとダメだねぇ。えぇい、値段がヴァカ高くてなかな
か自分で刺身で下ろす機会も無いのが一番悪い!(八つ当たり)。
100ヴァカ貝:2000/12/07(木) 20:16
>>95 さざえさんへ
手元にビ−バ−の頭蓋骨があるんですが、こいつの上顎の2本の前歯
(切歯)の表面がオレンジ色です。確か実験用ラット(ドブネズミ)
もそうだったと思います。今度油で炒めてみます。

>>94 名無しゲノムのクローンさん
陸生の2枚貝はアクア論者Zさんが仰せのように確かに見ませんね。
では貝殻が退化的な2枚貝はいるのでしょうか?殻から身のはみ出
たミルガイやフナクイムシはどうなんでしょうか?

>>97 お腹へったさん
数年前に刺身に下ろしたタイラギの殻を保存してあったのですが、
それがひとりでにバラバラに砕けていました。良く観察すると、
殻皮層+角柱層、真珠層の2枚に綺麗に分離している場所があり
ました。肉眼的にも角柱層の断面がキラキラと輝き、縦方向に結
晶構造が配列している事が良く判ります。厚さは、表面から順に
0.1mm, 0.8mm, 0.5mm 程度です。ご参考までに。
101お腹へった:2000/12/08(金) 18:33
>100ヴァカ貝さん。
>では貝殻が退化的な2枚貝はいるのでしょうか?

とりあえず、ハマユウ、ツツガキなどはいかがでしょうか?
写真お見せできませんが・・・。

>厚さは、表面から順に
>0.1mm, 0.8mm, 0.5mm 程度です。ご参考までに。

有難うございます。色の付いた大きな貝を割ってみることですね。手持ちは
ホラガイとクモガイです。とても割る気にはなりません。かけらを探して
きます。

どちらが質問して、どちらが習っているのやら・・・・フウ〜!
102ヴァカ貝:2000/12/08(金) 19:21
>>101 お腹へったさん
ハマユウ、ツツガキ? 小生あまりものも知らず見たことがないので見当が
つかないのですが、なにかウジ虫like の生き物ですか?砂などの中にじっと
潜んでいるタイプですか? 教えて戴けると有り難いです。

>>96 アクア論者Zさん
今日、東京池袋のサンシャイン文化会館にて開催中の国際化石鉱物ショ−に出
かけたところ、大阪から出店している貝殻商のブ−スでオカナミマガシワが売
られていました。ケ−スの外から見た限りでは2枚のペラペラの貝殻が合わさ
り、平らな方の貝殻の真ん中に穴が開いていました。ちなみに価格は2500
円でした。大きさは長径が5cm、短径が3cm弱程度のものでした。<樹上
生息性>の珍しい貝と知りましたのでなんとかサイフと相談の上入手したいと
考えております-----。
103ヒルゲンドルフ:2000/12/08(金) 20:25
オカナミマガシワは肺呼吸なんでしょうか。
陸産貝類のなかには肺のあるタイプとそうで無いタイプがいると聞いたのですが。
しかし、陸に進出したくせに肺呼吸しないやつがいるとはひねくれ者め。
オカモノアラガイの仲間だったかな。ちょっと調べておきます。
同じように淡水産貝類の中には肺呼吸タイプもいるようです。
104アクア論者Z:殻の色とサザエの蓋:2000/12/08(金) 21:54
>>94 ギンオビイカは餌の持つ発光物質を取り入れて光るスミを吐くそうです
かっこ良すぎ! 頭足類って今まで食品以外の関りがなかったですが、面白いや。

ところでアサリ等の色ですが、明らかに熱で殻自体の色が変わると思う。
それに生きたアサリには色が付くほどの付着物もなさそうですし。
多分、殻内の有機色素などが化学変化するのでは?

↓「THE COLOR OF SHELLS」の第三段落にちょっと書いてありました。
http://museum.nhm.uga.edu/GSC/newsletr/NOV192.html
“貝殻や軟体の色は色素によるものと構造色とがあり、前者はbiochromesと呼ばれる。
貝殻の色素は外套膜縁の特別な腺から分泌され、コンキオリンと呼ばれる有機基質と
緊密に結合して存在する。コンキオリンは煉瓦壁のモルタルのようにCaCO3の結晶を
くっつけている”(例によっていい加減な意訳です・・)
皆さんの予想通りでしたね。色素本体が何かは最後の文献欄の論文に出てるかな?
(あと有機基質は結晶の誘導体にもなって、その成長方向の規定もするらしい)

>>93 化石を見る機会が時々ありますが、2枚貝の場合はおしなべて真っ白け
2枚貝は殻が薄いし、割れた蛤の断面を見ると色素の沈着層も浅い感じ。
アカニシ等の断面は全体に色があるみたいにも見える。
で二枚貝の方が褪せ易いのか?(我ながら相当いい加減だな)

あと砂中に住むアサリの模様の効用ですが確かに不思議。移動時かな?
アサリを撒いても翌日には一匹残らず別の場所に逃げちゃうことがある、
と潮干狩り場の人が言うのをTVで見ました。同じ仲間の蛤も1m以上も伸ばした粘液で
水流に乗ってかなりの速度で移動するらしい。案外、砂外に出ることも多いのかも。

>>99
サザエの蓋は這ってる時に足上面から分泌されて回転しながら成長するでしょう。
活動時は蓋の一番厚い所が肉膜で覆われているのが見えますよ。
むしろ殻口にぴったりなのが謎。いつも岩なんかに付いてるとすると口と蓋の
擦り合わせはいつするのかと。時には自分から剥がれて蓋を閉じ合わせるとか?
105アクア論者Z:二枚貝は不思議:2000/12/08(金) 21:56
>>102 ほう、オカナミガワシワ売ってましたか。と言っても私もお金ない。
>>103 で、肺はないと思うので多分、案外移動性があって、たまたま高所にもいた、
ってことかも。どう考えても摂餌もあるから満潮時にでも水に入るんでは?
私のせいでとんだ散財させては申し訳ないんでじっくり相談して下さい。

>>100 貝殻が退化的な2枚貝はいるのでしょうか
貝殻が退化は大まかに、ナメクジ化・クラゲ化・蠕虫化の3タイプかも。
で、フナクイムシは殻が木材穿孔用の道具に特化してて体は蠕虫状態ですね。
ミルガイもこの傾向が強くて二枚貝には結構ありそうな気もする。
一方でナメクジ化は>>87ヒルゲンドルフさんご指摘のように、行動能力と連動して
進化すると思われるので、あまり動かない二枚貝に少ないのも分かる。
でも、そんな二枚貝がいた!

↓トラフシャコの一種の穴に共生?する“ヨーヨーガイ”Divariscintilla yoyo http://research.amnh.org/~mikkel/bivalvia.html
フロリダあたりから2種、1989に報告されたウロコガイ科のヨーヨーガイは
外套膜が全体を被い、小さく薄い殻は内臓部分の周りに内在するばかり。
外套膜には「触角」を備え、発達した足でウミウシの様に這い回る。
でも普段は一本の足糸をシャコ穴の内壁に付けてぶら下がっているらしく、
水槽内でもそうしてる時間が長い。刺激すると体を縮めて上に上ツツーっと上がるが、
またスーっと降りてきてぶら下がり状態になる。もちろん学名もそれから付いた。

画像は左斜め上から見下ろしてて、左下の白い突起が足前部、その上に1対の触角、
うっすら殻が透けて見えていると思います。
ヨーヨーガイの記載者の一人Mikkelsenお姉様は有殻後鰓の専門家だそうだから、
最初は「ワォ!珍しいウミウシ見っけ!」と思って採って来た、に2500ギコ。
ユリヤガイっていう二枚貝そっくりの後鰓類もいるようだし。

早く実物観察してナメクジの筋肉レスしたいのですが、普段見るのに
いざとなると見つからん。取り敢えず“ナメクジ状二枚貝”のレスしました。
それにしても話題豊富すぎてレスが追いつかない感じ。
106ヒルゲンドルフ:2000/12/08(金) 22:28
ホタテやハマグリの移動能力について述べられていますが
自らの足で歩いて移動するという行為に関しては二枚貝は積極的ではない
ということなんでしょうか。
淡水産の貝類、ドブガイやイシガイなどは稚貝の時期に、底性魚類の
体表面にとりつき(二枚貝の殻で魚のお肉をはさみこむ!)寄生状態で
しばらく成長します。
貝は魚に取り付くと、その部分は、魚の体組織がもりあがって覆い隠して
くれるそうです。しかも、養分まで魚にいただき、移動手段に加え
食と住環境まで手に入れてしまいます。
海産の二枚貝は同じようなことするのでしょうか。
107ヒルゲンドルフ:2000/12/08(金) 23:04
>105 あ、御回答ありがとうございます。
日本の岩礁に潮間帯の上で生活する貝類がいます。ごく普通の種で。
名前わすれました。ごめんなさい。
こいつは、波飛沫の中から餌とってるそうです。
でも、 オカナミマガシワの生息地は波が弱そうですね。
108ヒルゲンドルフ:2000/12/08(金) 23:10
>107 名前思い出しました。タマキビです。
こやつは常に水位線より上に居て、なおかつ波のしぶきがかかる
範囲で生活してます。
肺呼吸なのかどうなのかわかりませんが。
109ヴァカ貝:2000/12/09(土) 00:08
>>108 ヒルゲンドルフさん
タマキビですが、半年に一回位の「超大潮」の時にも水をかぶらない
くらいの高さに居ますか?

オカナミマガシワの殻は見た限りでは薄くてヤワそうでした。タマキ
ビと違って耐乏生活をやり過ごせるような造りにはとても見えません
でした。

>>105 アクア論者Zさん

ヨ−ヨ−貝は傑作ですね。ところで有殻後鰓類というとスカシガイ
の仲間ですか?
110ヴァカ貝:2000/12/09(土) 21:12
本日オカナミマガシワを購入しました。ヒトの耳みたいな形のペラペラな貝でした。
キノコのカワラタケを連想させる形態です。よくホタテガイとかアワビの殻の上に
ペタンこのスリッパみたいな形の貝が張り付いていますが(これはアマオブネを平
らに延ばしたような貝です)、これの表側の貝部分と、裏側の貝部分を2つに分離
して無理矢理2枚貝とした様な構造です。貝の厚みは2枚合わせて最高部で4mm
程度しかありません。裏側(マングロ−ブに張り付く側)の貝殻の中央に穴が開い
ていると言いましたが、良く観察すると、2枚貝の蝶番部分を取り巻く様に周囲の
貝殻が延び、結果として蝶番部分が貝の真ん中に位置する様になり、この蝶番部分
が木の幹に対して接着因子(足糸?、セメント?)を出す部分が窪みとなっていた
事が判りました。この形態はキノコの傘から柄が出る様子を連想させます。

貝殻商の店主に話を聞いたところ、本種はビルマからインドシナに掛けてのマング
ロ−ブ林に生息し、満潮時に潮を被る高さの幹に付着しているとの事で、水を被る
時に新たな酸素の供給と餌の捕獲を行うとの事でした。この点から、生態的にはあ
る種のフジツボやカメノテ、イガイに近い種ではと思います。

ついでにタコブネのアオイガイを購入してしまいました。長径15cm程度の大き
さですが、paper nautilus の名とおり、本当にペラペラで殆ど重さも感じない程度
の造りでした。オウム貝のカラがずっしり重いのとは対照的でした。持ち帰る時、ヒ
トにぶつかっていつ破損するやと冷や冷やし通しでした(サイフがからっぽで明日か
ら暫く昼メシ抜きだよ〜ん)。
111名無しゲノムのクローンさん:2000/12/09(土) 21:47
112名無しゲノムのクローンさん:2000/12/09(土) 22:25
t
113アク論Z:2000/12/10(日) 03:25
>>106 >歩いて移動するという行為に関しては二枚貝は積極的ではない〜
そうだと思います。懸濁物や沈殿物を餌にするから歩く必要もなさそう。
目が無い、付着性のが多いってのもそのせいなんだろうか。
移動性が低いからナメクジ化も少ないんだろう、と勝手に推測。
淡水貝の稚貝の寄生は興味深いです。海は浮遊幼生で分布拡大できても、
淡水だと下流に流されるんで寄生とか卵胎生になるのかな。

>>107
多分、退化的な鰓の表面を粘液で濡らして酸素を取り入れているんでは。
そう言えば欧州にはオカタマキビ科っていう陸生の同類がいるらしい。
今度タマキビの外套腔見て鰓の有無を確認したいですね。
114アク論Z:2000/12/10(日) 03:29
ついに買われましたか、おめどうございます!!
生態は店主氏の説明で納得。できれば幹についた状態のがあれば嬉しいですね。
海のナミマガシワも裏の“穴”から足糸で付くようですが、付着した足糸を核に
CaCO3を沈着させて、太い石灰質の柱になってるみたいです。
アワビについてるのは縞瑪瑙フネガイでしょう。

化石なら白亜紀の鳥類とか小型獣脚類のが欲しいですが、到底私に買える
値段じゃないだろうな。始祖鳥のレプリカ頭蓋骨でもいいんだが・・・。
115アク論Z :2000/12/10(日) 08:28
連続書きこみゴメソ
>>109>ところで有殻後鰓類というとスカシガイの仲間ですか?
いえ、キジビキガイ・タツナミガイ・キセワタガイ等々、
殻の退化していない“ウミウシの仲間”の便宜的な総称だと思います。

スカシガイ類は穴が1個になったアワビ類とでも言うべきものかも。
カサガイ型で殻で全体で覆うものもが多いようですが、
スカシガイそのもは殻が帽子状に退化しててコウラナメクジ型ですね。
116ヴァカ貝:2000/12/10(日) 09:02
>>114
ゼネラルサイエンス社のブ−スで始祖鳥頭蓋のレプリカが確か15000円で
売られていましたよ(国内業者ですのでいつでも買えますね)。私は哺乳類様
爬虫類に興味が有るんですが、昨年海外業者が産地不詳の頭骨化石を70万で
出品してました。勿論眺めただけです----。

オカナミマガシワですが、その真ん中の付着部にマングロ−ブの皮が剥がれて
付着しているものを選んで購入しました。幹に付いた状態の生態標本も頼めば
入手出来るとは思います。付着の様子ですがその内意を決して分解、観察して
みます。

>>115
なるほど。スカシガイは「穴が1個のアワビ類」とも言うべきもの、ですか。昔
からなんで殻のてっぺんに穴が開いているのか不思議で仕方が無かったのですが
良く理解できました。スカシガイ自体は、私は三浦半島の油壺のやや北側の磯で
イソアワモチなどと同時期に良く観察した事を覚えています。これら2つは海で
ナメクジ化した連中ですね。
117ヴァカ貝:2000/12/10(日) 09:27
>>113
アクア論者Zさんは貝類の形態学的な観察法に専門的なテクニックを
お持ちの方と推測しますが、自分でも今度ナメクジを捕まえて筋線維
の走向を観察してみようと思います。実は私は脊椎動物(メインは哺
乳類)の形態学で糊口をしのいでおりますが、標本の固定には通常そ
のままホルマリンやアルコ−ルを利用します。しかし<ブヨブヨ系>
の生き物の場合は収縮の問題が付きまといますが、何か上手い方法を
ご存知であればご教示下さい。ちなみに手持ちの古本『最新動物学教
科書』、大正6年、六盟館、東京高等師範学校教授 理学博士 丘浅次
郎著の巻末付録では、固定前に使用する「麻酔薬としては、薄き酒類
又はコカインの溶液最も便なるべし」と記されていました(すみませ
ん、話が古すぎました)。
118ヴァカ貝:2000/12/10(日) 20:57
>>104
サザエの蓋も回転しながら成長するとは。するとサザエの成長具合を撮影してそれを早廻し
して見れば、媒体に張り付いた腹足を基準にして、貝殻本体と蓋とがおのおのグルグル回転
しながら成長するのを見て取れるわけですね。するとサザエの蓋に腔所があれば貝殻本体と
同じ造りになりますね。出来損ないの貝殻みたいなもんですかね?ところでボラなどの蓋は
薄いキチン質のような材料で出来ていますが形は不整形であり、また成長の跡から相似形を
拡大する様に成長する事が見て取れます。回転しながら蓋が成長する種類の割合はどの程度
のものでしょうか?

ところで貝殻に対する蓋の大きさについてですが、螺塔の<パイプ>の断面と蓋が相似形で
あれば、何処かでピタリと来る位置が必ず有り、従って蓋が理想的なラインからある程度の
大きさの範囲内に有れば、体のマスの調整でドンピシャリの位置まで蓋を引っ込める事に対
し一定限度は対応できるものと思います。
119お腹へった:2000/12/11(月) 16:58
>102 ヴァカ貝さん。
ハマユウ、ツツガキ?

私も図鑑でしか見たことがありません。簡単に言えば、管状擬殻という円筒を
作り、泥の中に煙突のように立ててその中に棲んでいるようです。二枚の貝殻
は開いた状態で円筒の下部に張り付いたようになっています。
(ハマユウでは右殻片は管内に遊離する)
大きさはツツガキで言えば、本殻は30mm、擬管は300mmくらいです。
穴を掘る代わりに、自ら丈夫な円筒を作ったと考えられます。中身がどうなっ
ているか知りたいのですが、図鑑には記載がありません。国産ですので注意し
ていれば生きたものを見ることができると思います。養殖している?

>回転しながら蓋が成長する種類の割合はどの程度
>のものでしょうか?

サザエの螺旋蓋の成長具合の説明は良く分かりました。右巻きの貝の場合は、
蓋の裏は右巻きで、外から見ると左に巻いていますね。
蓋の形状は、中央に核が有り同心円、核が偏在、中央に核で螺旋、螺旋で巻き
の少ない寡旋のもの、などがあるそうです。いずれになるかは殻の巻き具合と
殻の口の形状によると思われます。しかし基本的にはいずれも回転しながら成長
していると考えられるので、螺旋とそうでないものに分けると螺旋以外のものが
多いように思います。ただ同心円形はどちらに入れましょうか?

>タマキビ

108さんのおっしゃる通り、飛沫帯にいます。原則として海水につからず、
しぶきだけで生きているようです。海水に入れたらすぐ脱出し2mくらいまで
上に上がるそうです。

>ナメクジの固定:余談ですが、ビール、焼酎などを浅い皿に入れ、庭に出し
ておくと自ら入ってくれます。

120ヴァカ貝:2000/12/11(月) 18:30
>>119 お腹へったさん、レスどうもありがとう。

>管状擬殻という円筒を作り、泥の中に煙突のように立ててその中に棲んでいる
ようです。

すると水管を取り巻くように「煙突」が立っているのかな?何とか詳しい中身の
構造を知りたいですね。擬殻で思い出しましたが、ミル貝を刺身に下ろすとき(
いつも食べる話ばっかり!)飛び出た巨大な水管の回りにある、褐色の強靱な膜
を剥き取る必要があります。この膜に石灰分が沈着して筒が形成されるようなも
のなのかな?

>蓋の形状
やっぱりいろいろ研究されているんですね。ところで起源的には本体の殻とは異な
るものとして扱えば宜しいのでしょうか?例えばキチン質のカラストンビや歯舌な
どと同様のものとして。

>タマキビ
水を嫌って逃げ出すとは面白いです。これは乾燥に適応したカエルであるヒキガエ
ルを、3日も水に浸けておくとふやけて死んでしまうとの事実を連想させます。ア
ク論さんが陸生に適応したタマキビが欧州に棲息すると言っていましたが、いわば
これが進化してカタツムリ化したわけですね。

>ナメクジ
ナメクジの好物と自分の好物が同じだったとは知りませんでしたねぇ。自分から進
んでアルコ−ルの池に填り、伸びてくれたところを固定すればOKというわけです
ね。ところでこの方法でカタツムリは捕まえられますか?
121ヒルゲンドルフ:2000/12/11(月) 22:41
>120 カタツムリの捕獲方法は興味が有りますね。
どなたか良い方法を御存じなら教えて下さい。
通常は林の中の落ち葉をフルイにかけて捕獲(というより、まるで収穫)
するんですけどね。
餌の少ない都市部であれば、キャベツトラップを聞いたことが有ります。
単にキャベツをコップに入れ地面に落とし穴状に埋めておくだけの話ですが。
でも、もともと餌の豊富な林の中では意味が無いでしょうね。
それとやっぱり、降雨後は明らかにカタツムリたちの動きは活発です。
降雨の翌朝は殻長3ミリほどの陸貝が2メートル以上も木の上によじのぼってます。

>113 個人の推測ですが、淡水産貝類が寄生性や卵胎性であるのは、
おっしゃる事に加え餌の確保も重要な用件であると見ています。
海に比べ淡水は基本的に有機物や生物の密度が圧倒的に少ないですから。
よく生物学の教科書に載っているはなしですが、ハゼ科の魚のヨシノボリ類には
大卵型と小卵型がおり、大卵型は淡水で産卵し、小卵型は海水または、
河口部での産卵になるとの話から連想しました。
でも、これだと淡水産貝類と海水産の卵の数と大きさの比較データが必要ですね。
余談ですが、今ではヨシノボリ大卵型と小卵型は別種にされましたね。
122ヴァカ貝:2000/12/12(火) 14:26
>>121 ヒルゲンドルフさん

カタツムリの誘引捕獲法ですね。何かカタツムリを引き寄せる特異的な
化学物質、フェロモンのような物質が見いだせれば面白いですね。或い
はフォアグラを掘るときに豚を使うように、マイマイカブリを紐で括っ
て歩かせるとか(藁。あれっ、マイマイカブリってナメクジも当然食べ
ますよね? それとも殻が無いとオレいやだとか、ナメクジは不味いと
かで避けるのかな?
123お腹へった:2000/12/12(火) 15:39
>120蓋の起源
私の勝手な想像ですが、キチン質の蓋は殻とは別起源のようなきがします。
石灰質の蓋も、サザエでは筋肉付着側はキチン質様の膜が付いているようで、
キチン質に石灰を上塗りしたのでは、と思わせます。

>120 ところでこの方法でカタツムリは捕まえられますか?
カタツムリは下戸らしい。

>100 殻の構造
貝を集めている友人がいるので見に行きました。スナックをやってるのでタダ
ではありません。サラサバテイを真中から縦に切った標本があり、殻長90mm、
殻皮層は薄紙くらい、角柱層は0.1〜1mmで、赤い色はこの部分に付いてい
ました。断面では一部剥げ落ちた部分あり、思ったほど強くはなさそうです。
真珠層は最大幅9mm、断面では真珠の輝きはなく、象牙色で極めて丈夫にでき
ています。夜光貝の断面も見ましたが、角柱層の色素(緑)は表面にだけ付いてい
ました。厚いので手抜きをした?いずれにしても角柱層とその色素は、真珠層に
比べ基盤はもろく、脱落、脱出しやすそうです。


124ヴァカ貝:2000/12/12(火) 23:07
>>123 お腹へったさん

>蓋の起源
そうですね、確かにサザエの蓋の肉への付着面はキチン質様の褐色の膜に覆われており、
表面に石灰分が沈着している構造が容易に見て取れます。ちなみに手持ちのシッタカ貝
(尻高貝、バテイラ、コシダカガンガラ?)の蓋を見ますと、巻きは見られますが単な
るキチン質様のヘナヘナな膜のままです。このような事から、2次的に外側の石灰分が
付け加えられるとの推測は十分成立するものと思われます。

脊椎動物の場合では、内骨格は結合織由来の中胚葉起源であり、ミネラル分であるアパ
タイトが分泌・沈着すれば硬骨と呼ばれるに至り、一方、歯牙のエナメル質は外胚葉起
源とされ、両者は同じ硬組織ではありますが起源が大きく異なります。私は軟体動物に
ついてこの様な胚葉起源の違いの説明が適用できるのかどうか全く知識が有りませんが、
もし貝殻本体と、他の「固め」の組織に関して起源的なものをご存じであれば、どなた
かお教え戴ければと思います。

>カタツムリは下戸らしい

ナメクジが上戸でカタツムリが下戸とは!! 殻を失う事の影響大なるかな、ですね。
125ヴァカ貝:2000/12/12(火) 23:09
<続き>
>殻の構造
あらら、スナックに行って戴いて散財させちゃったのかな?何だか申し訳ありません。
ところでサラサバテイって確か貝ボタンを取る貝ですよね? それでさすがに真珠層
がぶ厚いのですね。色はやはり角柱層に付いていましたか。そう言えば貝を使っての
カメオ細工も層に拠る色彩の違いを巧みに利用するものでしたね。もろい角柱層に色
素が含まれていると言う事は、逆に言えば、色素を含ませ易い構造でもあるわけでし
ょうか?例えばマトリックスであるコンキオリンの配列構造自体に関連するものであ
るとか---。

今思いついたのですが、殻を適当な方法で脱灰すれば、炭酸カルシウム結晶に色素が
含有される(溶液が着色する)のか、基質に着色があるのか(コンニャク状の着色し
たマトリックスが残る)が判別出来ると思うのですがいかがでしょうか?例えば哺乳
動物の硬骨の場合、ギ酸にしばらく浸けておきますとミネラル分が抜けた元のホネと
そっくり同じ形の半透明のコンニャク状の組織(マトリックス)が残ります。貝殻に
この様な処置を施した事がないので判らないのですが、そもそもコンニャク状の殻が
残るのかどうかも判りませんね。手持ちのサザエの貝殻がありますので(このスレで
貝の話をしている内にやっぱり<壺焼きで一杯>となってしまったのでした!)すぐ
にも実験してみようと思います。
126アク論Z:2000/12/13(水) 04:04
>>117 >貝類の形態学的な観察法に専門的なテクニックを〜
とんでもないこと。単なるトンデモ説論者の素人です。
で、ナメクジはそのままアルコール漬けの後に見ようと思います。溺死後固定する
法もあるようですが、伸びはしても生殖器系等がボロになるようです(浸透圧の関係?)
カタツムリは煮沸して肉を抜いて見るのが普通らしい。ただし両者とも水中で伸長した
時点でアルコールを徐々に滴下する、メントールを撒く、などで麻痺させてもいいかも
(やったことないけど)。コカイン・エーテル・クロロホルムなんかを使う人もいるの?

>>118 >貝殻に対する蓋の大きさ〜螺塔の<パイプ>の断面と蓋が相似形
なるほど、全く道理ですね。自分のバカさが微笑ましくもあり、情けなくもあり。
いや、最初はアマオブネの石灰質の蓋を見て思ってたんですけど、あれもそうかも。

で、殻も蓋も外胚葉起源ですが、その発生の時点で殻は殻腺から、蓋は足の上皮からで、
別物のようです。とすると蓋は二枚貝の足糸と相同??
歯舌・胃板・顎板は内胚葉起源(と思うが違ったら後で訂正します)
あと、蓋はキチン質が基本で、石灰沈着するものがサザエ・アマガイ・タマガイ・
マメタニシ等々色々の系統で出現し、科内でも変異があるようです。
ということで、>>123お腹へったさんの仰る通りですね。
127アク論Z:2000/12/13(水) 04:06
>>121 >淡水産貝類が寄生性や卵胎性であるのは〜餌の確保も重要な用件
なるほど、そうかも知れません。貝の幼生がいないくて更に「貧栄養化」?
ヨシノボリは日本でさえあれだけの種分化があるなら大陸側ではどうなってるのか。
   >カタツムリの捕獲方法は
やはりヴァカ貝さんの言うとおりのが良さげでしょう。
豚(犬でも可)を調教。木の上のは猿を使い、海の貝はイルカを使うのが最良。
オプションでマイマイカブリ・イワサキセダカヘビによる「鵜飼い」もあり。
っつーことでどうでしょうか。
128アク論Z:ツツガキ(長い!):2000/12/13(水) 04:12
>>119 これらハマユウ科は「最も異形の二枚貝」らしいです。ツツガキ↓
http://www.molluscs.net/gallery/otherfamilies/gigantenus.html
学名はツツガキのようだけど日本のとは違う種類みたいにも見えますね。

幼生期→二枚貝期→“ナメクジ”期("slug" stage)→管形成期の成長をし、
偽殻はミルガイの水管を石灰が被うようなものかも。二枚貝期までは普通、
その後軟体だけが急激に成長、ナメクジ状になり成熟、泥に巣穴を掘り
水管内部の腺からの分泌物を体と巣穴の間に入れて偽殻を作る。
底(=後端)の外套膜には乳頭突起のせいで多数の穴や根状の偽殻となり、
この穴からも泥を吸引し餌とする。筒内の体はほぼ全体殻皮で被われている。

成体の長い体は殆ど筋肉質の水管と鰓で占められ、内臓塊などは小さい。
正常だった足もこの段階で紐状に退化してしまい、閉殻筋肉(貝柱)も消失。
細い前足部牽引筋肉だけで筒と付着している。外套膜は完全に癒合し筒状、
入・出水管、後端の足孔、腹側の小さい穴(機能は?)の4孔だけが開く。

以上のように偽殻形成は水管などの分泌物で外側全体を被うわけですが、
本来の殻だけは偽殻成分で被われないなど、まだまだ謎も多いようです。

江戸時代の本「目八譜」武蔵石寿/著にも図と説明が出ています↓(上段左1〜2番目)
http://www3.ndl.go.jp/cgi-bin/osform/RM_Service?osform_template=kosyo_sumimg.oft&IMGREF=2|1b9930
当時からカキと呼ばれたのは、食すと二枚貝の味がするから? で養殖の話し↓
1月20日(木)NHK BS-2 海をゆく「ホタテと生きる海で」珍しいツツガキの養殖(再)
養殖業者ならその偽殻の形成の謎も知ってるかも。
129お腹へった:2000/12/13(水) 10:14
ヴァカ貝さん、アクア論者Zさん、詳しいコメント有難うございます。
勝手なことを書いてもちゃんとまとめて下さるので助かります。

貝殻の色については一部間違っていました。角柱層の色は確かめましたが、真珠層の
色は後でわかりました。炭酸カルシウムの薄層が積みかさなた構造で、キラキラ輝くの
は、光の多層膜干渉によるものですが、もう一つアクアさんのご指摘どおり、コンキオリン
に結合した色素によるものがあります。真珠にもこの独特の色の付いたものがあるよう
です。真珠層の色は構造上落ちにくいと思います。
アンモナイトの化石にこの色が残ったものがあり、アンモライトと呼ばれ、宝石並の扱い
をされているようです。オパキュラムという宝石は巻貝の蓋だそうです。食う話は好きで
すが、宝石はトンと疎いようです。

カタツムリの採取法:人間の子供が一番!都会の子は無理かな?

130ヴゥカ貝:2000/12/13(水) 12:31
>>122
げげっ、間違えた! フォアグラって鵞鳥の「脂肪肝」だったよ〜ん。
豚にここ掘れブ−ブ−とさせるのはトリフだよ〜ん。食べた事無いか
ら早速ボロが出たよ〜ん。
131ヴァカ貝:2000/12/13(水) 14:27
>>126
トンデモ論者などとそれこそトンデモない。いつも的確な情報をご教示戴き感謝感謝です。

>ナメクジの固定:伸びはしていても生殖器系統がボロになる
高濃度のアルコ−ルでは脱水作用により、またホルマリンなどのアルデヒドではアミノ基
との反応を起こす事に拠り、タンパク固定作用を行うと聞いていますが、組織の水分含量
や元々の組織の「柔さ加減」の違いから、固定後の形状が観察に不適なものとなる事は十
分に考えられます。要は観察対象が観察出来ればいい訳ですから、アルコ−ルの浅漬けで
十分かも知れませんね。エ−テル、クロロホルムは水に不溶ゆえ、ガスを吸わせる事にな
りますが、有肺類のカタツムリ、ナメクジなら原理的にはOKです。すると笑気ガスやそ
の他の吸入麻酔薬もどうだろう?------丘先生の時代にはコカインが容易に入手出来たも
のと思われますが、今ではご存知のとおり苦しいですね。外国人から入手して警察に捕ま
ったときに「ナメクジの解剖の為です」との弁明を信じてくれるものかどうか。このスレ
を見せれば釈放してくれるかな?

>蓋は二枚貝の足糸と相同
なるほど。一方は身を守る盾として、他方はアンカ−として機能させているのか。すると
前の話に戻りますが、タコブネの殻も(本来の殻とは異なり)「足の上皮から分泌形成さ
れる蓋の様なもの」と考えてよさそうな気もします。

>アマオブネの蓋
この貝は中の螺塔が壊されていて相似な断面形状はないようですね。するとやはりシビア
−に蓋の大きさを殻の入り口の大きさに合わせないと都合が悪いですね。貝殻と蓋の大き
さの成長比率が狭い範囲内で定まるような遺伝的支配がされている種かも知れませんがど
うでしょうか。
132お腹へった:2000/12/13(水) 14:31
>129
私も間違えたので訂正したら、別んとこへ飛んじゃった。
アンモライトの色は間違い。本来の色ではなく、光の屈折によるものです。
133ヴァカ貝:2000/12/13(水) 15:38
>>132 お腹へったさん

「生物学から獲得できるもの」のスレ(>72)ですね。
スナックに行く点につきましては十分ご自愛のほどを。
しかし、同じ真珠層とは言っても色の違いは確かにあり
ますね。
134お腹へった:2000/12/13(水) 17:12
>118螺塔の<パイプ>の断面と蓋が相似形・・

蓋の形状でふと思ったのですが、蓋には筋肉が付着しているのだから、パイプの断面と
そこを通る筋肉の断面が同じ(相似)形であれば、筋肉の断面が蓋の形になりますよね。
しかし、イモガイの蓋はちょっと難しい。長い蓋の広い端にだけ筋肉が付いている。
まあそれでも新たに出来た筋肉の通る部分の断面だけ考えれば合うか。


135ヴァカ貝:2000/12/13(水) 20:32
>>134
15年ほど前に沖縄の万座毛のビ−チで遊んだ時の事ですが、イモ貝に
似た身の入る部分の断面の狭い貝で、砂の上に置くと蓋を爪の様に立て
て、まぁ鍬を畑の土に立てる様な按配で、ヒョッコリヒョッコリ歩くも
のがいてびっくりしました。この貝も蓋の一部(幅の広い方の端だった
と思います)にしか肉が付着していませんでした。仮に肉の付着部での
み蓋が成長するならば、丁度動物の爪が成長する様な具合に、一方向に
押し出されて伸びるものと考えざるを得ませんが、この場合も貝本体の
成長と蓋の成長が同期していれば、蓋が合う事にはなりましょう。さて、
実際はどうなのでしょうか?しかし蓋を使って地面を歩くとは変わった
貝もいるもんですなぁ。(本当の)イモ貝もこうやって歩くのかな?
136お腹へった:2000/12/14(木) 15:53
>135ヴァカ貝さん
砂の上に置くと蓋を爪の様に立てて、まぁ鍬を畑の土に立てる様な按配で、
ヒョッコリヒョッコリ歩くものがいてびっくりしました。

すいしょうがい科のシドロですね。生きたものは見たことがありません。
歩くときシドロモドロなのでシドロだそうです。

確かに蓋の端に肉が付着したものは、成長につれ古い蓋は動物の爪のよ
うに伸ばしていくのでしょうか。それとも付着部分の肉が少しづつ成長
方向へ移動するのでしょうか。こうなるともう分かりません。

殻と蓋の関係は、折角ヴァカ貝さんのアイデアに乗っかって説明を試み
たのですが、考えすぎでした。身(筋肉)が大きくなればその形で蓋も
大きくなり、「同時に」殻の断面も同形に形成される、ですよね。

先生に宿題を出された生徒が、添削を受けながら回答しているみたい。
でも、随分勉強になりました。
137ヒルゲンドルフ:2000/12/14(木) 20:29
>122>123>127>129
みなさんカタツムリの捕獲方法についていろいろ提案いただきありがとうございます。
>122>127のマイマイカブリ捕獲方法は愉快ですね。陸生ホタルの幼虫でもいけるかな。
でも、誘因フェロモン様化学物質は少し本気で検討してみます。
実は、陸貝の種数をそろえる捕獲では無く、定量的な調査が必要なのです。
しかも、対象は成貝でも5ミリ以下のやつらがほとんどなので。
土壌からこのような小型陸貝の採集をすると、50センチ四方の土中から
600個体以上出てくることがあります。
138ヴァカ貝:2000/12/14(木) 21:20
>>136 お腹へったさん

シドロと言う貝ですか。モドロの方もいたら傑作ですね。

蓋のサイズの問題は、仰るとおり、身も殻もシンクロして成長すれば
蓋もそれに同じであると単純に考えればいいのでしょう。

>>129
>カタツムリの採取法:人間の子供が一番!
都会ではもう見かけませんねぇ。ちょっと郊外に行けば、昔から
続く百姓屋の防風林の生け垣などで見つける事は出来ます。子供
の時の思い出ですが、奥多摩(東京都青梅市)のマス釣り場に遊
びに行った時、近場の住居の石を積んだ垣の穴の中にうじゃうじ
ゃヒダリマキマイマイがいましたよ。釣り場の横の道を奥に向か
うと石灰岩の採掘場が有りましたので、カルシウムの関係から多
かったのかも知れません。お腹へったさんは九州と前にお聞きし
ましたが、何か変わったマイマイはいますか?

>オパキュラムという宝石は巻貝の蓋
「オパ」がつくところか判断するとオパ−ル化した蓋でしょうか?
2枚貝の間の空隙の形そのままのオパ−ルや、直角貝の子孫のベレ
ムナイトの殻(丁度弾丸の様な形です)がオパ−ル化したものは見
たことがあります。遊色(角度を変えて見ると透明な中に青い色な
どが浮かぶ)のまぁまぁ出るクラスで2〜3万、これはいいと言う
品だと20万〜50万程度で、指をくわえているしか有りません。

139ヴァカ貝:2000/12/14(木) 21:46
>>137 ヒルゲンドルフさん
なるほど、お仕事で小さめのマイマイを定量する必要があるのですね。
すると人間の子供の手でも確かに楽ではありません。自宅室内の観葉
植物の鉢にも小さなカタツムリが相当生息していると見え、柔な新芽
が結構食害されます。カタツムリ、ナメクジの忌避剤は園芸店で販売
されていると思いますが、それを利用して逃げてきた数をカウントす
るのも再現性が悪そうでしかも自然破壊だからもともとダメだ、こり
ゃ。フェロモン様化学物質が見つかればいいですね。
140ヒルゲンドルフ:2000/12/14(木) 23:04
>139 忌避剤!そのアイデアもいただきです。
カタツムリのいやがる、乾燥を利用しようかと思案していたところです。
でも、それは結局ツルグレン装置と同じようなものなのかな。
現場で使用できるように工夫すれば、解決の糸口があるようにも思います。
そもそも、ここの話題に突っ込んでくる人々の少なさからも推測できるように
人気のない分野なんでしょうかね。
私の場合仕事ですので好き嫌いは言ってられませんが。
でも、やりはじめるとけっこう楽しいですね。貝も。
しかし、陸貝は地方変異が多くて、分類上でもずいぶんもめ事が多いようですね。
変種か型か、はたまた亜種か。いつもよくわかりません。
図鑑も少ないですしね。実質、一般に手に入るのは保育社と東海大学出版会の
土壌生物の図鑑くらいですか。
海の貝のように美しくて蒐集意欲をそそる種が多いと
もっと状況は違うのでしょうね。
141ヴァカ貝:2000/12/14(木) 23:36
>>140 ヒルゲンさん
標本抽出ポイントで一定量の土のマスを採取して、一方向から
忌避性ガスをじわじわ送ると、他方からマイマイが這い出てくる
、まぁこのように首尾良く行くといいですね。陸貝は玄人好みの
分野ですかね。セッコクなどの蘭で葉の紋がどうだ花がどうだと
こだわるのに似ている気もします。移動能力が低いから地方変異
も多いのでしょうが、この点は歩くだけのマイマイカブリも然り
ですね。

貝殻商の陳列棚で鮮やかな緑色のマイマイ(パプアマイマイ?)
を見た事があります。南国では陸貝も多少は派手になるのでしょ
う。日本のマイマイも渋くて味はありますが。

分類については全くの素人故、どのような方法に基づいて分類が
行われている(行われてきた)のかについて哀しいことに全然知
識がありません。以前、RNA配列を元にアメフラシの系統が調
査されているとのレスをどなたからか戴きましたが、既に同様の
事はマイマイなどでもきっと行われているのでしょう。そう言
えば生殖器の形態が分類の要となるとのレスも戴いていますね。
142アク論Z:2000/12/15(金) 02:25
>>131
固定・麻酔の詳しい説明ありがとうございます。勉強になりました。
専門家のヴァカ貝さんの前で言うのは気が退けますが、私は以前ここで
「鳥類水生起源説」を唱えたトンデモ素人です。

>>135
それはマガキ貝かも。土佐ではチャンバラガイという名で食用になってますが、
この科(藻食)はみな美味いらしい。中米のコンク貝も同科です。お腹へった
さんの仰るシドロも同じ水晶貝(袖法螺)科で、みな爪状の蓋で地面を掻き歩
くようです。モドロはありませんがフドロというのがあります。

蓋ですが、おおまかに円い多旋→楕円の少旋→葉状と進化してるようです。
原始腹足類では多旋円形が基本ですが、螺管断面が非円形で口と蓋がピッタリ
しないのが多い(ナガラミ・シッタカ貝等)。石灰蓋のサザエ類は異例かも。
一般にキチン質の蓋は「いい加減」な大きさの場合が多い気がします。
で、蓋は全面が付着しているわけではなく、裏をよく見ると光沢のある遊離部と
光沢の弱い付着部があります。水晶貝科では、葉状蓋の遊離面が広く、その先端部
(幼期に形成された部位)は砂掻きのため磨耗していることも多いようです。
イモガイの蓋は機能的ではないようで、マガキ貝との殻の類似は偶然では?
143アク論Z:2000/12/15(金) 03:17
>>137
陸貝の定量採取は難しそうですね。小型種ならば結局はコドラート-篩い法
が一番? でも中型〜大型だと密度も低いだろうし、昆虫みたいに何かに寄って
来ることも少なさそう。降雨時と乾燥時とで人も貝も感覚や行動が大きく違う
感じもする。性フェロモンは研究されているようですが・・・。

分類は分子でやろうとしてる人もいるかもですが、ずっと先でしょう。
キセル貝と大型蝸牛あたりはまだマシそうですが、小さいのはまだまだな感じ。
オナジマイマイ科の小型種の分類なんか凄く恣意的な気がしますし、ベッコウ
マイマイ科は属レヴェルで問題あり過ぎらしいし、未記載種も相当あるようです。
保育社の陸貝図鑑もちょっとダメですね。

ところで、ここはもう少しレス短くした方が突っ込みもしやすいのかな。
(流れ洲常習者の私が言うとまるで説得力ないが・・・)
144ヴァカ貝:2000/12/15(金) 10:10
>>142 アク論Zさん
鳥類水生起源説と言いますと、ハマグリが飛び出して雀になったとか(あれっ、
逆だったかな?)ですか?

マガキ貝? なるほど。水晶貝科でしかも皆おいしいとのことで、いい事を教
えて戴きました。ではイモ貝と似た貝がいたらまず歩かせて見、ヒョッコリ歩
きをするなら「美味い」、歩かない時は「危ない」で区別出来ますね。でもイ
モ貝だったらその前に刺されて痺れてますかね?

>蓋ですが、おおまかに円い多旋→楕円の少旋→葉状と進化してる

いゃあ、大変勉強になります。螺塔も単純な幾何学的な断面から複雑な形状の
断面へと特殊化し、蓋も大方それに呼応しているということですか?

>>143
以前キノコについて詳しい人と話をした事があったのですが、最近漸く分子レ
ベル(ミトコンドリアDNAなどに基づくもの)を元にした分類を、国内の若
手研究者などが始めたところだと聞きました。先人達が形態的な識別点(これ
の選択自体が実は恣意的ですね)を元に行った分類が、ひっくり返る例もあっ
たと聞きます。私は自分の仕事からして方法論的に「非分子派」ですが、「分
子否定派」では有りません。部外者が言う勝手なセリフですがマイマイの世界
にも新しい風が吹き抜けて欲しい気もします。

>ところで、ここはもう少しレス短くした方が突っ込みもしやすいのかな

仰るとおりなんですよ。最初は「雲古」の話で軽く進んでいたんですが、私が
質問を羅列し始めてしまい、レスが錯綜・螺旋状態となりました。小気味良く
薄絹を機織っていくのではなく重厚な西陣織を編み込んでいくタイプのスレか
と思います。もはやこのスタイルで当面は突き進めるしかないかと前から考え
ておりました。しかしながらスレを立てた本人としましては多くの方に軽い気
持ちで素朴な疑問をレスして戴きたいことに変わりはありません。皆さん、何
でも質問・考え・感想をぶつけてみてくださいまし(イカん、これ自体が長い
レスだ----)。
145お腹へった:2000/12/15(金) 14:31
>138お腹へったさんは九州と前にお聞きしましたが、何か変わったマイマイはいますか?

私は海の中の食べられる貝しか採ったことがないので良く知りません。対馬や屋久島には変
わった陸貝がいそうですので、誰か研究している方がいると思います。
九州の貝専門の方どなたか居ませんか?

明日は女性社員の結婚式。盛大に祝いたいのですが、苦手なスピーチを頼まれているので、
逃げ出したい気分です。

146ヒルゲン:2000/12/15(金) 18:34
>143 ベッコウマイマイ科はそんなにもめてるのですか。
けっこうでてくるんですよね調査してると。
捕獲方法についてですが、性フェロモンがあるならば、おとり捕獲が
可能かも。
雌雄同体だから交尾していない同種の個体さえ確保できれば、一晩
放置するだけでわんさか・・・・とはいかないですかね。

>144 本当にみなさんに気楽に参加していただきたいですね。
私も研究者ではなく、仕事で扱っているだけの素人ですし。

>145 そういえば対馬にはヤマナメクジがいますよね。
このナメクジはもともと対馬産だったのが全国に分布が広まったもの
らしいです。私は三重県の鈴鹿山中でみました。でっかいんだこれが。
川魚が陸に飛び出てしまって転がってるのかと思いましたもの。
全長15センチから20センチくらいになるらしいです。
笑っちゃうのは、幻のツチノコか!という雑誌記事をみたら、
このナメクジの写真がのってたことです。
147ヴァカ貝:2000/12/15(金) 21:18
>>146 ヒルゲンさん
へぇ、ヤマナメクジかぁ。見てみたいなぁ。ツチノコに間違えられちゃう
くらいっつぅと、殻を失ったアフリカマイマイみたいなもんかな?それく
らい大きいと目玉を引っ込める筋の観察にももってこいだろうな。
148名無しゲノムのクローンさん:2000/12/15(金) 21:21
マガキガイはフタでジャンプするんじゃなかったかな?
沖縄じゃ大量に食べられて、かなり数が減ったそうな。
(海岸に殻が沢山捨てられてたりする)
禁漁期は守りましょう。
149ヴァカ貝:2000/12/16(土) 01:42
>>148
蓋でジャンプ?歩くんじゃなくてノミみたいに跳ねんの?オレが目撃
したのは確かに水に入ろうと必死に砂浜を歩く姿だったが----。しかし
原理的には、例えば爪を岩に引っかけて一気に筋を収縮させた勢いで体
丸ごと空中を跳躍する事は可能だとも思う。岸壁に置いた場合は実際あ
り得そうだね。

土佐でも食べられているとのレスを前に戴いているが、オレも一度食べ
てみたいよ。しかし食べるとこあんまりなさそうに見えるんだが。
150ヴァカ貝:2000/12/16(土) 18:30
>>145 お腹へったさん
スピ−チは首尾よく行きましたか?
ところで披露宴ではやはり「ハマグリのお吸い物」なんぞは出ましたか?

自分の上のレス(>>147)で触れたアフリカマイマイについて
沖縄の首里城の近くに石畳の小径がありますが、そこの両脇のサンゴを積んで
作った石垣の小穴に本種が沢山いた事を覚えています。今は駆除が進んでいて
個体数も減っているのかも知れませんが。ところでこれは現在でも本土への移
入はご禁制なんでしょうか?こっちも特大サイズゆえ解剖・観察にはもってこ
いと思ったもんですから-----。冷凍死体ならOKとかであれば沖縄の知り合い
から送って貰う事も視野には入れています。環境庁に問い合わせればわかるの
かな?
151ヴァカ貝:2000/12/17(日) 19:04
昨日の夜、NHK総合で沖縄ヤンバルの森の生き物の番組を放映してたけど、
その中でちらりとヤンバルヤマナメクジが映され、こりゃラッキ−と思ったよ。
大きさは約10cm(幅は3cm程度か)で、色はコウラナメクジの薄黄色に
幾分茶色味を加えた様な色だった。なんだか世界中のナメクジが見たくなって
きたよ〜ん。
152ヒルゲンドルフ:2000/12/17(日) 20:36
>151 そのNHKの番組は見のがしたのです。残念。

>150 アフリカマイマイは死んでいれば問題無さそうですね。
でも、住血吸虫が寄生していることで問題視されてますが、
それは気をつけた方がよいでしょうね。
153ヴァカ貝:2000/12/17(日) 23:37
>>152
じゅ、住血吸虫ですかぁ! これたしか宮入貝などを中間宿主と
する恐ろしい寄生虫ですよねぇ?つぅとへたに解剖などするとこ
わいわけですね。防疫上、濃いアルコ−ルかホリマリンでしっか
り固定してからの解剖が必要だな(と入手前から気を揉む)。
いゃあ、貴重な情報を有り難うございました。
154名無しゲノムのクローンさん:2000/12/18(月) 01:06
進化論は悪質な捏造論文です
そんなものを前提に話しているとバカになるだけ。
155お腹へった:2000/12/18(月) 10:03
>ヴァカ貝さん。真珠層の色について。
やっとたどり着きました。図鑑で調べると真珠層の色はさまざまですね。
着色のメカニズムはアクアさんに教わったので分かりますが、最初の質問
「貝の内側の色」の目的についてはさっぱり分かりません。
ところで、そもそも外套膜の色素分泌は殻に着色することが唯一の目的で
はないような気がします。私は、貝は色素を用いて感染防止など微生物対
策をしているのではないかと想像しています。人類も色素を、抗菌、防腐、
防虫などに利用していますので、全く根拠のない説ではありません。内部
の色は色素を取り入れた抗菌仕上か?また、タカラガイなど殻全体を外套
膜で覆うのは、表面に他の生物が付着するのを防いでいるように見えます。
もし、貝の色素の中にフジツボ付着阻止物質なんかが含まれているなら、
環境に優しい船底塗料になるかもしれませんね。

>150スピ−チは首尾よく行きましたか?
新婦側の主賓挨拶はシドロモドロでした。

156ヴァカ貝:2000/12/18(月) 17:10
>>155
>そもそも外套膜の色素分泌は殻に着色することが唯一の目的で
>はないような気がします

そう言えば赤貝の血液の色とて見せるために赤くしている訳では
ありません。何か機能を持たせたらたまたまそれが着色していた
に過ぎない場合も確かにあるでしょう。近頃、抗生剤を混合した
プラスチック樹脂などが出回っていますが、貝とて生き物ゆえ、
生体防御の工夫を持っているはずで、そのような機能を果たす物
質を体表を覆う素材に混ぜ込んでいる事は十分あり得るように思
われます。実際、外套膜から分泌される粘液中には免疫作用のあ
る物質があるはずと思いますが、既に研究が開始されているかも
知れませんね。
「フジツボ付着阻止物質」のアイデアには感激致しました。

ヒトは微生物から抗生剤や酵素を取り出して利用する事は手中に
収めたのかも知れませんが、今後は軟体動物の知恵を利用する時
代に向かうかも知れませんね。

いゃぁ、鋭いご教示を有り難うございました。

>新婦側の主賓挨拶はシドロモドロでした。
しかしそのココロは水晶の様に澄んでいたと----。
157ヴァカ貝:2000/12/18(月) 17:55
>>152 ヒルゲンドルフさん
http://www.bi.a.u-tokyo.ac.jp/~jun/RESEARCH/cantonensis.html
に、アフリカマイマイを中間宿主とする
Angiostrongylus cantonensis−広東住血線虫についての説明がありました。

沖縄米軍関係者の子供さんが亡くなったとのニュ−スは知っていましたが、
この寄生虫疾患だったとは驚きでした。
158ヴァカ貝:2000/12/18(月) 18:02
(つづき)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/18/207/dj2078.html
>1970年代までは沖縄での症例が多かったが、最近では本土におけ
>る症例が増加している。全国各地のネズミや軟体動物に本種の寄
>生が見いだされているので、わが国の何処ででも本虫に感染する
>可能性がある。本症には特効的な治療薬は知られていないが、幸
>い余程の重症感染でない限り致命的でなく、対症療法を行えば予
>後は一般に良好である。これは人が本虫の非固有宿主であるため、
>脳で幼若成虫にまでは発育しても早晩死滅するからである。

子供の時はカタツムリを手の上に這わせて遊んだものでしたが、現
在では一定の注意が必要な様ですネ。
159お腹へった:2000/12/18(月) 18:38
ヴァカ貝さん、コメント有難うございます。
皆さん、陸貝に興味がおありのようですね。余計なことかもしれませんが・・・
>152,153 住血吸虫
多分、広東住血線虫のことだと思います。名前のとおり線虫の仲間です。ネズミの
寄生虫で、中間宿主がカタツムリやナメクジです。人間に感染すると成虫にならず、
幼虫が中枢神経に移行し髄膜脳炎を起こします。沖縄だけでなく本土でも発生して
いるそうです。マイマイもナメクジも見るだけにして、試食しないで下さいね。

ヴァカ貝さん、新婦のウェディング姿が水晶のようで、見とれてました。
160ヴァカ貝:2000/12/18(月) 20:58
>>159 お腹へったさん
>マイマイもナメクジも見るだけにして、試食しないで下さいね。

ナマ焼け(煮え)はいけませんね。well-done にしませんと。水中
生活の生き物ではないのでセルカリアなどの幼生が泳ぎでて経皮感
染するおそれは無く、経口感染だけのようですね。1996年に沖
縄に修学旅行に出掛けた17歳の女子高生が帰京後に発症したとの
ことですが、食事に出された生野菜(サラダなど)が汚染されてい
たのかも知れません。

>新婦のウェディング姿が水晶のよう
いつまでも凛々しく美しくあることを!
ところでフト思ったんですが、一番長生きする貝ってなんなんで
しょう?南洋の巨大なシャコ貝あたりでしょうか?
161ヴァカ貝:2000/12/18(月) 21:03
日本住血吸虫症の中間宿主であるミヤイリガイに関連して幾つか調べてみました。
ご参考までに。

http://www.med.kyushu-u.ac.jp/hosp/news/miyairi.html 発見者宮入慶之助について

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/199910/14/1014e017-401.html
山梨での患者疫学調査

http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/mzool.dir/schistosomiasis.html 生活環

http://www.kai.ed.jp/tiiki/sizen/miyairi.htm 山梨県の棲息地域
162アク論Z:2000/12/19(火) 11:54
ここの所忙しく、やっと来ましたが、とりあえずのレスでまた逝きます。
確かに西陣織りスレもいいですね。

>>144 >ではイモ貝と似た貝がいたらまず歩かせて
芋貝よりシッカリした蓋や本科特有のギョロ目で、見慣れればすぐ判ると思います。
>>148の方からジャンプするとのご指摘もありますが、急時は勢い良く地を掻くので
水中ではジャンプするようです(空気中でもちょっとは跳ねるかも)。
昔はヴァカ貝さんの行った三浦あたりでも食うほど採れたそうな。でも今は昔。

>幾何学的な断面から複雑な形状の 断面へと特殊化し、蓋も大方それに呼応している〜?
なかなか難しいです。断面(殻口)が相対的に大きくなると蓋は退化する傾向があるよう
です。同じ科でも有蓋と無蓋の種がある場合もあります。歩く道具に使うのは珍しい
と思います。あと、>>129でお腹へったさんがおっしゃっているオパキュラムとは
多分operculum(=蓋)「覆う+cul(小の意味)」という羅語起源の語で、英語でも
貝の蓋自体のことを普通にそう呼ぶと思います。

>(ミトコンドリアDNAなどに基づくもの)を元にした分類を
貝でも同様でミトコンドリアDNAによる分類見直しが内外でやられているようですが、
まだ部分的なようです。旧来の分類は殻と歯舌(陸貝は生殖器)で構築されていた
ようですが、近年軟体部の詳細な研究でかなり体系も変わったようです。
もちろん殻も重要なのでしょうが。
163アク論Z:2000/12/19(火) 11:55
>>146 >ベッコウマイマイ科はそんなにもめてるのですか。けっこうでてくるんですよね調査してると。
研究者が少ないのでそれほど揉めてはいないかも。調査では特に小型種が多数
出ると思いますが、平地〜低山地なら特定の数種が大部分を占めると思います。
また、これらはみな広域分布種がほとんどですので10種程度を認識できれば便利
だと思います。この点はキセル貝他の狭域種の多いものとは対照的ですね。

>このナメクジはもともと対馬産だったのが全国に分布が広まったものらしいです。
恐らく最初に新種記載されたのが対馬産個体だったというだけで、もとから全国に
分布しているのではないかと思います。確かに彼らにはドデカイのがいますね。
注意して見ると三重あたりなら2種類が識別できるかも。

対馬にはツシマアカナメクジと仮称される赤橙色のナメクジがいるようでし、
対馬の「固有種」は他にもありますね。
性フェロモンはミスジマイマイで知られたようですが、近くの個体の交尾行動を
誘発する程度で、離れた個体を惹きつけるかは・・・
また、別種に効き目がるかどうか・・・私から言っといてスンマソン。

やっとここまで。
164お腹へった:2000/12/19(火) 17:39
>161日本住血吸虫症の中間宿主であるミヤイリガイに関連>ヴァカ貝さん。
ミヤイリガイの情報有難うございます。
九州は筑後川をひかえており、多くの感染者を出しました。しかし、ここ20年くらい
発生はなく、終結宣言を出したようです。私の友人にも若い頃筑後川で泳いだのが数
人いましたが、お蔭で全員元気にしています。

言い忘れてました。結婚披露宴では「蛤のお吸い物」は出なかったけれど、この日は
「お腹いっぱい」になりました。
165ヴァカ貝:2000/12/19(火) 22:27
>>162,163 アク論Zさん
またまた大変勉強になりました。マガキ貝はギョロ目だったのか。
オパキュラムとはオパ−ルに関係無かったのか(うぅ〜、浅学が
またまたばれてしまい恥ずかしい)。

>>164 お腹へったさん
昔は筑後川流域でも被害が出たのですね。それで宮入先生が頑張っ
た訳ですね。それにしましても、寄生虫疾患は治療法の確立されて
いないものが多いようで怖いですね。宿主側からの免疫応答を巧み
に避ける高度なテクニックを身に付けていたりなどもすると聞いた
事があります。山梨の一部と千葉県の小櫃川流域では現在もミヤイ
リガイが棲息しており、そこに例えば東アジアから来た外国人患者
などから虫卵が排泄された場合、可能性としてはいつでも再び流行
地に戻るかも知れないとのことです。

>結婚披露宴で「お腹いっぱい」
更に「胸いっぱい」、でもサイフは軽く(失礼しました!)
166お腹へった:2000/12/20(水) 09:57
>160ところでフト思ったんですが、一番長生きする貝ってなんなんで
>しょう?南洋の巨大なシャコ貝あたりでしょうか?>ヴァカ貝さん。
大きい方が長命というのは、哺乳類でしたね(ゾウの時間 ネズミの時間)。
しかし、他の生物でも大きくなるには時間がかかるし、長生きすればそれだけ大きく
なり得るので、大きさと寿命は関係ありですね。
2枚貝ではオオシャコガイ:殻長1.4m、片方の殻で263kg、
巻貝ではアラフラオオニシ:殻高80cm、が世界最大とのことです。
残念ながら年齢は書いていません。どっちが長生き?
オオシャコガイ↓
http://www.kahaku.go.jp/guide_to_exhibits/midorikan/2F/topics/ohsyakogai.html

頭足類を入れると、ダイオウイカが最大でしょう。しかしイカもタコも一回の産卵で
死ぬので、さほど長命とは思えませんね。

>162本科特有のギョロ目で>アク論Zさん。
可愛いですね。
http://www.asahi-net.or.jp/~jv7y-ymd/small/a99/990825l.html

167ヴァカ貝:2000/12/20(水) 11:23
>>166 お腹へったさん
オオシャコガイで片側で263kgですから両方で526kg!中身も入れると
700kgくらいに達するでしょうか。貝柱は直径40cmくらいあるかなぁ?
刺身で500人前くらいになるかな(また食べる話)? アラフラオオニシが実
際に動いているところを見てみたいですね。どちらも軽く70〜80年はクリヤ
−していそうに思えます。何だかどちらも崇めたくなる程の大きさです。
168ヴァカ貝:2000/12/20(水) 11:32
>>155 お腹へったさん
貝殻の脱灰実験を遂に開始しました:

 今日になって漸くギ酸が入荷しました。ちなみに価格は90%試薬1級500gで
950円です。腐食性、刺激性、火気厳禁の恐ろしいクスリでした。タイラギの殻皮
層+角柱層、真珠層;ハマグリ;ヤマトシジミ;サザエを用意し、試しに50倍に希
釈したギ酸溶液に浸けたところ、シュワ−と一気に溶ける様子となり、こりゃマズイ
と直ちに100倍に薄めましたが、まだ二酸化炭素の泡が沢山発生します。この時PH
は3でした。牛乳を加熱した時に浮かぶような薄くまた泡を多量に含んだ膜状の断片
が水面に浮かびましたが、これがどうやらコンキオリンと思われます。泡の発生が激
しくてコンキオリンの3次元構築を破壊しているものと考え、更に液を200倍にま
で薄めたところ、泡の発生も少なくなり、取り敢えずはこれで様子を見る事にしまし
た。この時PHは4程度でした。本当は極く弱酸性にして長時間掛けてじわじわ脱灰
すべきと思いますが、今回はこの条件で実行します。気付いた事ですが、タイラギの
真珠層(全体がもともと暗色)にて出来るコンキオリン?の薄膜のみが茶褐色で、他の
ものでは全て白っぽい色だった事です。またこの真珠層のコンキオリンは丈夫な膜構
造を持つのか、膜の下に細かな泡が溜まり貝の破片全体が浮き上がってしまいました。
同じタイラギでも角柱層と真珠層とでは反応が大きく異なります(前者は単に泡を出
すだけ)。一番泡立ちが激しいのはハマグリ殻の内面でしたが、このような反応性の
差は炭酸カルシウムの結晶構造+コンキオリンの配置に拠るものなのでしょう。この
簡単な実験でも明確な差が出るのが面白く感じました。

169ヴァカ貝:2000/12/20(水) 11:35
(つづき)
 手始めの感想ですが、動物のホネはリン酸カルシウムが主成分ですので酸を加えて
もガスは発生しません。脱灰されるとコラ−ゲンの型がそのまま残ります。一方、貝
殻は炭酸カルシウムゆえ酸を加えるとアワが発生する事、コンキオリンの構築も相当
柔そうな様子から、コンキオリンの構築を温存するには本来適さない実験とも言えま
す。かと言って炭酸カルシウムは二酸化炭素の存在下で水に溶けますが(石灰岩から
鍾乳石が出来る原理です)、この方法だと貝殻1つ溶かすのに5年くらい掛かるかも
知れません。まぁ、もともとからして貝殻を脱灰してコンキオリンのマトリックスを
視覚的に得る事自体がコンキオリンがあまりにヘナヘナ過ぎていずれの方法にても困
難な事なのかも知れません。のちほどまた途中経過をレポ−トしますが今回の試みに
は期待しないで下さい。尚、質問、要望等がありましたら何でもレスして下さい。

今度真珠層の色の異なるアワビの殻も試してみるつもりです。


170お腹へった:2000/12/21(木) 15:15
>168,169 ヴァカ貝さん、ついに始めましたね。

子供の頃、スガイの蓋を酢に入れて遊んだことを思い出しました。
クチベニ貝の口紅部分はどうなるのでしょう?紅色の膜になる?

あれ?実験材料は美味しい貝だけですか?まさか研究費で、、、。
171ヴァカ貝:2000/12/21(木) 23:19
>>170 お腹へったさん レス有り難うございます。
勤務先出入り業者に薬種商はいてもさすがに魚屋のご用聞きは出入りしていません。
全ては自分の食べ殻なのです-----。スガイの蓋で遊ぶとはお腹へったさんはひょっ
としてやんごとなきお方なのかな?

−−−−−−−−−−−−−−
貝殻の脱灰実験(その2)
実験開始から36時間後の様子:

ハマグリとシジミ:貝殻内面が「粉白」の外観となり、触ったところ、粉と膜の断片
が入り交じった泥のようなものが容易に削れ落ちる。溶液は透明のまま。

サザエ:こちらも触れると容易に殻皮層+角柱層部分(フニャフニャの粥状態となり
褐色の薄膜が汚く剥離するのみ)が取れて、銀色の真珠層が現れる。「何だ、この方
法で銀色の真珠層だけの置物が簡単に作れるのか」と納得。真珠層はまだ影響を受け
ていないように見える。溶液が薄い黄緑色になる。この色素はマトリックス(コンキ
オリン)側ではなく結晶側に由来するのか(そう見えるが)?
172ヴァカ貝:2000/12/21(木) 23:20
(つづき)
タイラギ:殻皮層+角柱層部分は(意外や)色も形もそのままにフニャフニャのコン
ニャク状態になった。つまり早くも脱灰がほぼ完了。幾分弾力のあるゴム板の様な感触
である。最初に水面に浮かんだ白い泡もコンキオリンの一部だとは思うが-----。動物の
ホネの脱灰状況を連想させる。一方、真珠層の方は、内外両面とも空気の泡が膜(幾層
もある)の間に貯留し、あたかも荷造り時に使ういぼいぼのエアマットのような外観を
呈し、水に浮かんだまま。断片の輪郭周囲のみはコンニャク状態だが、殆どは固いまま。
空気層がバリアの役をして脱灰が進まないものと思われる。そこで指の腹で空気を押し
出し、貝殻を水に沈ませた。溶液は透明のまま。従ってタイラギの黒っぽい色調はマト
リックス側の色らしい。タイラギの殻はマトリックスがしっかりした多層膜様構造で量
的にも多いようだが、薄っぺらな貝殻を力学的に強靱化しているのではないか?特に真
珠層側では、発生したガスの抜けが悪いことから膜の網の目がより密な構造なのだろう。

以上から(早くもいい加減な推測):タイラギは水中ではマトリックスが柔軟性を持ち
貝殻に(獣骨の様にたわみに強い)粘りを与えるが、乾燥させるとそれがもろくなり、
貝殻も割れ易くなるものと推測。一方、ハマグリはミネラルの物量作戦で強度を保ち
(漆喰の厚塗り作戦)、サザエは真珠層を「鉄筋」にして屋台骨を支える作戦か?

手持ちのエスカルゴの殻を近日中に実験に投入するつもりですが、カルシウム分の少な
い構造で一定の強度を持たせるために、タイラギのようなマトリックス強化策を採用
している可能性もあろうと今から期待しています。簡略な実験ながら何だか面白くなっ
ても来ました。果たして結果は如何?
173ヒルゲンドルフ:2000/12/21(木) 23:26
>157ほか アフリカマイマイに寄生するのは住血線虫でしたか。
吸虫と線虫では門まで違いますね。失礼しました。
しかし、それぞれページの説明読むと、寒気がしますね。
またこんど東京の目黒寄生虫館へ行こうかな。
人間の恐いもの見たさって不思議。

>163 ヤマナメクジがもともと全国にいたと知って少し安心。
移入種問題には嫌なことが多いですから。
いつも正確な情報ありがとうございます。
ベッコウマイマイ科は今のところ、8種類ほどお目にかかりました。
名前の通り、半透明で光沢があって美しいですね。
174お腹へった:2000/12/22(金) 12:45
>171,172 ヴァカ貝さん。
脱灰実験の面白い結果を教えて頂き、有難うございます。
私は貝殻の有機質は数%だというから、脱灰すればペラペラの薄膜になる
と思っていました。しかしまだこれからですね。どうなるか楽しみです。

>弾力のあるゴム板のよう<鶏の卵を酢に浸すとプリンプリンになり、少
し細い口のビンに入れることができます。水を注いで外から見ると、どうや
って入れたか分からない。子供の頃やったことがありますが、当時貴重な
卵を2個潰してしまいました。サザエをビンに入れるのも面白そう。

タイラギ、ハマグリ、サザエなど貝によって真珠層の強化作戦が違うのも
興味あります。

真珠層の電顕像です。ご参考までに。↓

http://www.optic.or.jp/occ/occhtml/gallery/kaigara.html

断面が違いますが、カキはきちんとした煉瓦造り、アサリはバラスを撒いて
固めた舗装道路?

>やんごとなき方<光栄です。実は単なるど田舎のはなたれ小僧でした。
スガイの蓋を酢に入れると生き返るといわれて、、、。

                                 
                            
175ヴァカ貝:2000/12/23(土) 00:33
>>174 お腹へったさん 電顕情報を有り難うございます。

貝に拠って真珠層の様子が可成り違っていますね。このような微細構造の差が
力学的強度や色彩などに反映されるのでしょう。(角柱層も含め)微細構造が
力学的強度に関係するのであれば、貝殻のマクロな形態にも関連を持つはずで
す。

2枚貝の場合なんですが、真珠貝、池蝶貝、カラス貝、タイラギなどちょっと
似たような感じでペラペラ系(ヤワ系)の貝殻ですが、それと真珠層の発達に
は関係があるのかな?

>当時貴重な卵を2個潰して
果たしてサザエが<コンニャク化>して牛乳瓶に入れられるかどうか楽しみで
もあります。結果につきましてはもう少々お待ちの程を。それにしても昔は本
当に卵が高かったです。価格は現在に至るまでほぼ一定ですが----。戦前では
大人数の兄弟の中で長男だけしか食べさせて貰えなかったとの話も聞いた事が
あります。
176ヴァカ貝:2000/12/23(土) 00:34
(つづき)
ところで軟体動物の話からは外れますが、卵の殻の形成の機序はどうなってる
んでしょう?ニワトリの場合、産み落とす前の数時間(7〜8時間?)で一気
に殻が作られると聞きましたが、コンキオリン様のマトリックスの構築はどの
ようなものか興味があります。卵の場合、ガス交換可能な作りを要求されます
から貝の場合とは構造的に違っていて当然とは思いますが。先ほど子供用の科
学の本で調べてみたところ、殻の組成は、水分1.6%,蛋白質3.3%,灰
分95.1%としてありました。灰分は貝と同じ炭酸カルシウムゆえ、「お酢」
で溶解し、牛乳瓶に吸い込まれた訳ですが、石灰分を分泌・沈着させる機構が
貝類と比較してどうなんでしょう? 外套膜が有る訳じゃ無し-----。

>スガイの蓋を酢に入れると生き返る
名前とおりの「酢貝」ですね。1000年も前からの子供の<科学おもちゃ>
だったのでしょう。身もサザエの仲間だけあって磯物ではピカ一の味覚でした。
うぅ〜、冷や酒で一杯遣りたい------。
177ヴァカ貝:2000/12/23(土) 01:09
>>173 ヒルゲンドルフさん
目黒の寄生虫館はいまではデ−トスポットになっていると聞きましたが
残念ながら私は出かけた事は有りません。館長の亀谷 了(かめがい
さとる)氏が6年前の94年に出版した『寄生虫館物語』ネスコ社
(ISBN4-89036-876-0 C0095) を面白く読みました。その内是非とも行こ
う、いや行かねばならぬ(!)と思います。

いまこの本を紐解くと幾つか貝に関係する寄生虫の話が出てきます。
オカモノアラガイの触覚の中で動き回るレウコクロリディウム、カタツ
ムリを第一中間宿主とする槍型(やりがた)吸虫(人体感染例あるも適
切な治療法は未確立)、サザエの口腔内に100%寄生しているサザエ
ヤドリムシ(ピンク色で5〜8mm、人体には全く無害)など書かれて
います。読み進めて行くとこれまで自分が危ないものばかり食べていた
事が判ってゾッとします。でも海産の貝類は刺身でも大方大丈夫な様で
(希望的観測)、これからも食べよぉっと。
178意地悪:2000/12/23(土) 02:04
>目黒寄生虫館
行った。寄生虫のお土産がかわいい。
179ヴァカ貝:2000/12/23(土) 20:22
>>178 意地悪さん
寄生虫のお土産って、まっ、まさか生きた虫卵セットなどでは?
一日3回毎食後服用とか----。ペットブ−ムゆえ寄生虫を体内に
飼育するなんて究極のペット飼育かなぁと思ったもんだから。亀
谷先生が>>177の本執筆時で既に87歳だったから密かに寄生虫
療法でも開発してんじゃないかとの勘ぐりもあるし----。

ところで、磯の採集に行くと、白地に黄色い模様のある、空飛ぶ
絨毯みたいなペラペラの虫が突然どこからか泳ぎ出してびっくり
する事がある。これはヒラムシと言ってジストマの親戚らしい。
内部寄生生活を行わずに貝を捕まえて食らっているらしいが、本
当のところはどうなんだろう?ハリガネムシ(良くカマキリに寄
生する)みたいに子供の時代は寄生生活を送り、成熟すると貝を
襲うギャングとなるとかじゃないのかな?
180ヴァカ貝:2000/12/23(土) 20:58
マイマイの事を考えていたらまた疑問が出たよ〜ん。

カタツムリの這い方の謎:

 子供時代にカタツムリを飼育した時に、ガラス板の上を這わせた事が
あります。ガラスに貼り付いた腹足に幾つかの白っぽい部分がほぼ等間
隔で現れ、それが身体の後ろ(あれっ前だったっけ?)に次第に移動す
る様にしてカタツムリが前方に進む事が判りました。身体(腹足)の長
さを殆ど変えることなくスゥ−と実に滑らかに進む様子を見ていると飽
きる事がありません。またご存知の様にガラス板を垂直に立てても上手
く這い登る事が出来ます。

このような事からカタツムリの歩行の機構について考えてみました。
前方推進力を如何にして得ているのかについてですが、これは芋虫類と
同様の歩行様式、つまり、まず最先端の頭の部分を前方に伸ばして着地
し、ついで伸びた頭の部分を縮めるべく、すぐ後ろの胸の部分を前に伸
ばす、今度は胸を元の長さに戻すべくしっぽを前に縮める、この様な一
連の動作から得るものとして考えて正しいのでしょうか?この動作を極
く少しずつ細かな範囲で行っている為に滑らかに進んでいる様に見える
と言う考えです。
181ヴァカ貝:2000/12/23(土) 21:01
(つづき)
この考え方の基本は、例えばマイマイが空間的に離れた枝に移動する
場合、身体を細く伸ばして枝を捉え、ついで身体の後ろを引き寄せて
移動する事から思いついたものですが、一種尺取り虫の locomotion
(歩行様式) と同じです。

またガラス板に対して吸引力を発生している事については、仮に腹足
の白い部分が接地部位、他の部位は凹んで空中に浮かんでいる部位で
あるとすれば、この凹みの部分で吸盤を形成して貼り付いているので
はないかと思いますがどうでしょうか? つまりカタツムリは、細か
な前後方向への伸縮動作で前方推進力を得る事に加え、同時に細かな
吸盤をも形成、移動させることを通じ、巧みな滑り運動を行うのでは
ないかと言う考えです。

別の考え方があれば是非レスしてよ〜ん。
182アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:02
すみません、これから一気にレスしますが、お許し下さい。
ちょっと休むだけで、レスが追いつかないすごいスレです・・・・
で、カタツムリの這い方については次回にまた。

>>144ヴァカ貝さん
>鳥類水生起源説と言いますと、ハマグリが飛び出して雀になったとか
それに近いかも。二枚貝の体制は鰓を羽と想えば似てますね。
「三畳紀中期〜後期にかけて槽歯類から獣脚類祖先が分化した後の早い時期に、
彼らは陸組と水際組の2系統に別れた。後者は水際や浅瀬で小魚や貝類などを食べ、
シギ・千鳥様のニッチを占めたが、一部は潜水→遊泳まで進化し、前肢を使って
遊泳し、保温・恒温用に羽毛も発達。遊泳→空中に飛び出して飛行まで進化」
というものです。でいくつかのポイント次のとおりでした。

1.恐竜がほぼ完全に陸棲なのに鳥は既に白亜紀に完全潜水型の種が出現しており、
今も水鳥は多い。飛行・遊泳両用の翼をもつ鳥も多数存在する。

2.ワニは気嚢をもち潜水に利用しているが、鳥も気嚢をもつ。現在は軽量化や
高所飛行時の酸素補給に役立っているが、本来は水中用ではなかったか?

3.鳥や近縁とされるラプトル類は脳の臭球が退化して視覚が発達している。
これは水圏で進化したのではないか。ラプトル類は飛ばずに再陸化した系統。

4.翼と羽ばたき行動の進化には既存の滑空説・走行説・補虫網説の3説があるが、
初期の翼モドキの前肢を羽ばたかせる要因は遊泳行動が最適ではないか。

5.等々・・ということなんですが・・・貝の話の途中ですみませんです。
始祖鳥のレプリカもこのスジで欲しかったりしたのですが15000円だと私は
数日間夕食なしです。化石ショーには機会もお金も無く行けませんでした(泣)
183アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:03
>>155お腹へったさん
>貝は色素を用いて感染防止など微生物対策をしているのではないかと想像しています。
おお、けっこうイケてるかも知れませんね。確かに殻内面の色は他生物の視覚には
関係ないですからね。どの程度研究されているのか・・・。
後レスに出てくるピンクガイやクレナイガンゼキの殻口をドピンクに彩る色素は
ポルフィリンだそうですがこのテトラピロール色素(ピロールC4H5Nが4個つながったもの)
は有毒液体だそうですので、多いに何か関係ありそうですね。

>タカラガイなど殻全体を外套膜で覆うのは、表面に他の生物が付着するのを防いでいるように見えます。もし、貝の色素の中にフジツボ付着阻止物質なんかが含まれているなら
付着生物防止の薬剤や塗料を塗料企業などが懸命に研究しているようですが、
貝の分泌物から何か発見されたらいいですね。イガイの足糸を研究して水中接着剤を開発
しようとしている人もいたみたいですが、どうなったでしょう。
生きた宝貝にも、時に大きなフジツボが付いてることがあるらしいです。
184アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:04
>>166 お腹へった
>160ところでフト思ったんですが、一番長生きする貝ってなんなんでしょう?南洋の巨大なシャコ貝あたりでしょうか?
成長曲線から推定された寿命はオオジャコ60年以上、ヒレナシジャコ30年以上だそうです。
また“シャコガイ類の殻は成長が速く非常に緻密(内層に日輪に相当する成長線がある)
なので、殻の酸素同位体比を使って日単位での古環境(海水温)復元も期待できる”らしいです。
(渡邉・大場,1997.冷凍マイクロトーム法〜推定される詳細な水温変化.地球科学32:87-95)
隆起珊瑚礁などにはシャコガイ類の化石もあるようなので色々わかるかも。

貝の寿命ですが、http://coa.acnatsci.org/conchnet/facts.html
の「2分20秒で100個のカキ開け」記録+笑い顔の下に
Arctica islandica can live to be 220 years old!
Tindaria callistiformis grows only one-third of an inch (8.4mm) in 100 years!
とあります。前者はアイスランドガイで北米大西洋50mくらいにいる10cm+の二枚貝で、
現在知られている最長寿らしいです。
下のT.callistiformisはスミゾメソデガイ科という深海にいる小さい二枚貝ですが、
生殖可能な4mmになるのに50〜60年、8.4mmのが100年以上という貝らしいです。
北海道にもいるエゾイガイも150年ですが同類のムラサキイガイ(ムールガイ)は10数年。
アサリ・ハマグリ・サザエ・アワビなどのなじみの貝はの平均寿命はだいたい数年〜10年程度
らしい。巻貝では50年+程度で、長寿は圧倒的に二枚貝に多いようです。
(Heller,J.1990.Longevity in Molluscs. MALACOLOGIA.31(2):259-195他)

陸貝にも長寿のがいて、キセル貝科で最普通種のナミギセルは親を採集してきた後、
15年飼って、最後は不注意で殺してしまった、という記録がありますので寿命は16年以上?
九州にはキュウシュウナミコギセルという亜種がいるようですが違いはないと思います。
ただし普通の大型マイマイは数年だろうとの話がありますが、確認は・・・?
前出のアサリの殻色変化の話のリンク先にホシダカラを20年飼っているという話が
出てますね。飼育下での寿命と自然界とでは違うかもしれませんが。

>本科特有のギョロ目で〜可愛いですね。
マガキガイは藻食かと思ってましたが、何だかそうでもないようですね。
ついでにマガキガイの寿命は6年とのことです。
185アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:05
>>168 ヴァカ貝さん
>貝殻の脱灰実験を遂に開始しました
脱灰実験の現場中継は面白いです。ホルマリンに何年も漬かってて皮と肉だけになった
貝を見たことがありますが、そん時はマトリックスにまでは気が及びませんでした。
で、Nature vol.387(1997):563-564にShudo,Fujikawa他による
「Structures of mollisc shell framework proteins」というのが出ていて、
ギ酸50パーセントでアコヤガイの殻を脱灰し、稜柱層(角柱層)と真珠層のマトリクス
(MSI60とMSI31)を取出してそのアミノ酸構成と構造を書いてます。
私には珍文漢文ですが、ヴァカ貝さんの参考になるかも。

がいしゅつですが、貝の殻はCaCO3の結晶の間にタンパク基質(マトリックス)がある
構造で、真珠層や稜柱層、その他の構造はこの基質によって制御されているらしく、
真珠層をレンガに例えると、水平な上下の仕切り(層間基質/sheet)と左右の仕切り
(結晶間基質/wall)があるそうです。稜柱層にはやはり柱間の仕切りがあるらしい。
これらは結晶化を阻害するバリアになって成長方向や構造を決めるようです。他に
薄膜(envelope)もあってこれは内部で結晶化を促進するタンパクらしいです。
ですので基質はレンガの接着剤というより、製氷皿の仕切りとして先にでき、その中で
薄膜に誘導された水(Ca・CO3両イオン)が氷になる、と例えた方が解り易そうです。
で、この水や脱灰液に不溶な間膜や薄膜が古くからコンキオリンと呼ばれたもの。
186アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:06
>>170お腹へったさん
>クチベニ貝の口紅部分はどうなるのでしょう?紅色の膜になる?
>>171 ヴァカ貝さん
>サザエ:溶液が薄い黄緑色になる。この色素はマトリックス(コンキ オリン)側ではなく結晶側に由来するのか(そう見えるが)?
アサリの変色の話題以来、気になってるのですが、貝の図鑑などでは殻の色素については
どうも解らないです。でもちょっと見たものでは殻の色素には酸に可溶なのと不溶な2種類が
あるそうです。サザエの緑は可溶ということなのですね。でもそれが結晶由来かどうかは
まだ解らないと思います。貝殻の色素で主に知られているのはポルフィリンだそうで、
マベやクロチョウガイの真珠(=真珠層と同質)の褐色色素や黒色色素もこれらしい。
マガキガイの仲間のピンクガイ(食用ではコンク貝)の殻口のドピンクもポルフィリンだと
言われています。日本で近年人気のピンクパールはピンク貝のもので、交差板構造なので
真珠光沢はないらしいです。
ポルフィリンのピロール環が解けて一列になったビリン(bilin)の類も貝殻にあるようで、
アワビ類の赤(haliotisrubin)や紫(haliotisviolin)[名前がマンマやんか!]
は餌の海藻由来の“ビリン色素”phycoerythrinらしいです。
陸貝のマイマイ類のはメラニンと思われるがコンキオリンと強く結合していて抽出困難、
ということらしいので、エスカルゴを脱灰したら模様付きのマトリックスが出来るかも。
(以上Fox,D.L.,1979.Biochromy.University of California Press.248pp.他)

クチベニガイのはポリフィリンかな。赤い基質がとれたら面白いですね。
ポルフィリンは非常に壊れにくくて、始新生の化石からも採れるらしい。
アサリはどうも青味が抜けるようなのでサザエ緑と同類色素かも(インディゴ系?)。
187アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:06
>>173 ヒルゲンドルフさん
>ヤマナメクジがもともと全国にいたと知って少し安心。移入種問題には嫌なことが多いですから。
ヤマナメクジは本州〜九州までは多分2種類いるようです。どちらが今の学名の種
になるか疑問ですが、原記載は古い時代のものなので「背中には不規則な斑紋があり〜」
みたいな取り止めのない記載で、図も横から見たヘタな絵でよく判らないようです。
標本も残ってなさそうですし。ナメクジ類の標本は残ってないのも多い上に、昔の標本は
水中で溺死させて固定してあるのも多くて、米国各地の古い標本を調査したある学者は、
そのせいで生殖器がダメになっていて種の同定ができなかったと言っています。分子を使えば
また話は別でしょうけど、今も溺死させる方法を聞くことがあるので、姿見用の標本以外は
ヴァカ貝さんのレス>>131などを参考にして何か工夫するのがよさそう。

で、ヤマナメクジですが、九州本土あたりまでは同じですが、大隈諸島〜琉球列島になると
急に変化して、ある程度種分化しているようです(誰も研究してなさそうですが)。
あと、移入種ですが、本州〜九州にはヤマナメクジに似た移入種らしきものもいるようです。
188アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:07
>>174 お腹へったさん
>真珠層の電顕像です。ご参考までに。↓
http://www.optic.or.jp/occ/occhtml/gallery/kaigara.html
すみません、いつも文句ばかり言ってるみたいなんですが・・・
上のページには「手軽に入手できる貝の真珠層を撮影した」とありますが、
少なくともカキやアサリには、いわゆる真珠層は発達しないようです。
炭酸Caの結晶には、アラレ石・方解石・バテライトの3種があるそうで、貝殻は最初の2種
からなるそうです。で、真珠構造・交差板構造・均質構造等々はアラレ石、
葉状構造・海産種の稜柱構造は方解石と言われているようです。

で、上のページのカキのは方解石からなる葉状構造、アサリのはアラレ石の均質構造
のように見えますが・・シジミのはよくわかりませんが。
本当にすみません、なんだか嫌な奴で。

ところで、スガイの蓋で遊んだというお話はとても興味深いです。
九州では普通に行われているのですか?
189アクア論者Z:2000/12/23(土) 23:10
>>175 ヴァカ貝さん
>このような微細構造の差が力学的強度や色彩などに反映されるのでしょう。(ペラペラ系(ヤワ系)の貝殻ですが、それと真珠層の発達には関係があるのかな?

ピンクガイで検索したら↓みたいのが出てきました。
“梁(はり)曲げ試験と透過型電子顕微鏡観察から、その強さの理由を明らかにした。
それによると、殻は「セラミック合板」のような構造になっており、丈夫で軽量な新しい
セラミック複合材料を設計する手本になるという。”http://www.naturejpn.com/newnature/nframes/summaries/wk6_summary1.html

あと、海の貝でワタゾコツキヒガイ科の右殻は殻皮下に稜柱層(角柱層)のみがあり、
殻平面に垂直の各結晶(稜柱)が間基質で囲まれていて、非常にペナペナだそうです。
これらは生時には左殻に押し付けられて凹面になり、殻をぴったり閉じることができますが、
死貝や乾燥標本では非常に脆いらしいです。
真珠層は層間基質で何重にも覆われているので稜柱構造とは違った弾力と強度がありそう
ですが、その結晶には時間がかかるので、比較的長生きの貝に見られる、といった
話を何かで読みました(本当かどうかはよくわかりませんが)。
ただ、図鑑などを見てますと、巻貝も二枚貝も最初の方の原始的な類には真珠層が発達
するものが多く(オキナエビスガイ・アワビ・サザエなどの原始腹足目や、二枚貝の
キララガイ・ソデガイなど原鰓類、アコヤガイなどの翼型類など)、古い時代に流行した
殻構造なのか、と思ったりします。新しい系統にはほとんど見られない気もするし。

>>161 ヴァカ貝さん
>日本住血吸虫症の中間宿主であるミヤイリガイに関連して幾つか調べてみました。
住血吸虫症はもちろん怖いですし、発生地の方も大変だと思いますが、今やミヤイリガイ
は環境庁から絶滅危惧種に指定されてるようです。貝自体は悪くない?のに。
関係ないけど鴇だけに寄生するトキウモウダニも絶滅危惧種らしいですが、話題にもならない。

以上めちゃくちゃな連続レスですが西陣スレということで(でもちょとやり過ぎだな)
190ヴァカ貝:2000/12/24(日) 00:16
>>182, ---&gt;>189 アクア論者Zさん

す、すごい、凄すぎる----。
何だか背中にびっしょり汗をかいてしまいましたよ。
済みませんが、これから徹夜の仕事に入りますので
それが終わってからじっくり読ませて戴いてレスし
ますね。勿論皆さんご自由にレスして下さいネ。

21世紀の夜明けは近い----。
191名無しゲノムのクローンさん:2000/12/25(月) 00:13
-レスぜんぜん読んでない -

俗に「首の短いキリン」という言葉がありますが
「カイダコ」は首の短いキリンにあたる者でしょうか?
私はそう思いますが、どうですか?
そのような動物はいっぱい発見されてるのでしょうか?
192191:2000/12/25(月) 00:39
191の後半の質問は無意味だった、いくらでも言いようがある 
193ヴァカ貝:2000/12/25(月) 02:04
>>191 素朴なレスを有り難うございます

1.首の長いキリン=普通のキリン
2.首の短いキリン=特殊化していない原始型のキリン
3.首の短いキリン=一旦首が伸びた後に再度短縮したキリン

カイダコはタコの祖先がカラを一度失った後に、2次的に別の材料を調達して
カラを作ったものである様だから無理矢理当てはめれば3に該当するんじゃな
いかな?

系統的に遠く離れた種で、起源の異なる同じ様な機能形態を持つ場合、それを
互いに相似と言うけれど、直系の祖先が失ったものを別の工夫で再構築する例
はカイダコ以外に何かあるかな?
194ヴァカ貝:2000/12/25(月) 04:21
>>182 アクア論者Zさん

水中を「飛翔」するトリと言うと、私は真っ先にウトウを思い起こします。
空を飛ぶときと全く同じように海面下で羽ばたいて魚を捉えたりしますが、
初めて見た時は感動モンでした。

今から丁度10年前に、ペンギンの水中「飛翔」に関しての筋骨格系の機
能解剖の論文を目にした事があります。いわゆる機能解剖の論文のご多分
に漏れず、自分なりの視点に於いて<記載>を行い、discussion の最後で
少し色を付けた様な事を言い終わりとする仕事だったと思いますが、例え
ばペンギンを見て水中を「飛んでいる」との素朴な感想を抱く人は多いも
のと思います。

最初に水中で「飛翔」を行い、それがそのまま空中飛翔へと移行し得たも
のと仮定すると、
1.空気中を飛翔するトリで最大の体重を持つもので15kgとの事ですか
ら、水中飛翔の祖先も小型のサイズである必要があります。実際、水中羽
ばたきには水の抵抗に打ち勝つために強い筋の収縮を必要としますから、
例の2乗3乗の法則から、ボディサイズは小型でなければならず、また前
方推進力を産生する前肢の面積も大きいものでなければなりません。即ち、
羽(<風切り>羽根)を発達させれば有利となります。
195ヴァカ貝:2000/12/25(月) 04:22
(つづき)
2.また羽ばたきのようなエネルギ−喰い且つ敏捷な動作を行うには温血動物
としての酵素系が必要になると考えられる事から、祖先は温血動物であった
はずです。

3.しかるにボディサイズが小さいと(温血動物であっても)体熱の維持に不
利となり、従って水中飛翔性の祖先トリは基本的に暖海にて進化を許された
事になります。また地面を歩くだけだった水中飛翔性のトリの祖先も、暖海
の近辺、つまり温暖な場所に生息していたでしょう。つまり水中飛翔者とし
てのトリは、暖かい水辺に生息し、比較的小型のトリで、時々水中飛翔して
採食していた動物と推測されます。

4.このトリの一族の中である日近くのガケから飛び降りた勇気有るトリがい
た----。と、飛べた!

全然矛盾も有りません!
196ヴァカ貝:2000/12/25(月) 04:24
(つづき)
問題点は、何時(体温維持の為のの為の)羽毛を獲得していたかに掛かって
いる様に思います。

1.水中生活に入る前(この時はまだ単なる地上性の動物)に既に羽毛を獲得
していた場合、暖かい場所で羽毛は必要無く、従って、ウロコむき出しの祖
先が寒冷地に<陸封>された結果、次第に羽毛を獲得した(ウロコが次第に
羽毛化した)と考えられる。これは環境的に上記3と矛盾する。この条件で
水中生活に入るなら身体の体表面積を減らし更にボディマスを増大させる方
向の進化、即ちペンギン化に向かっただろう。

2.つるつるのウロコに覆われていた祖先が水中生活に入った場合、確かに空
気層を形成し断熱効果の高い羽毛を獲得するのは有利である。羽毛の一部が
大きくなり風きり羽根(水切り羽根)となる事もあり得る事である。しかし
では羽毛が発達する途中の事を考えるとどうだろうか?熱容量の大きい物質
である水の中にあって機能としての断熱性を得るには、体表の一部にチョボ
チョボ毛が生えた程度では意味を持たず、羽毛が連続的に隙間無く体表(の
一部)を覆い空気層を形成しないと意味を持たない。これは即ち、水に入る
前に羽毛のセットを獲得し得ていた事を要求しないか? つるつるのウロコ
祖先が恒温性を獲得していた場合、羽毛なしでは寒くて長時間泳ぐ事は出来
ず、水中飛翔に熟達したものとは考えられず、一方恒温性を獲得していない
場合、もとから将来空中飛翔に役立つような敏捷な前肢の運動を行い得るも
のとは考えられない-----。

以上、穴だらけの考えと思いますが思いつくままに。
197ヴァカ貝:2000/12/25(月) 05:07
>>183 , >>186
ポルフィリンの類が多くの貝殻の色素だったんですね。つぅと、南の国の
動植物の、1つには陽光からの害を避ける為の、ど派手な色の原料と同じ
っつぅことですね。

サザエの緑色もコンキオリン側から酸に可溶性のものが溶けだした可能性
も考えられ、結晶由来と断定する事は仰るとおり出来ませんね。ポルフィ
リンが安定と言う事ですので、では溶液を濾過してコンキオリンを除去し
た後に、硫酸イオンでカルシウムイオンを沈殿させこれも濾過し、液を煮
詰めて見ようかと思います。果たして濃い緑色の液が得られるか?いやそ
の前にもっとサザエの殻を追加しないと(冷や酒も買ってこないと)----。
198ヴァカ貝:2000/12/25(月) 05:08
(つづき)
エスカルゴを昨晩脱灰してみたんですが、最初から泡が出っ放しで、もと
もと殻が軽い事もあり、中に溜まったガスの所為で浮いたり沈んだりを激し
く繰り返しました。最初の20分ほどで表面の茶色の縞模様が取れてしまい、
薄いクリ−ム色ののっぺらマイマイとなってしまいました。その分溶液は、
カラメルを薄く溶かしたような色になりました。殻の茶色い色素を含む部分
のコンキオリンがわずかに水中に漂う以外にコンキオリンらしき浮遊物を見
る事が出来ません。2時間後には、昔の全日空のマ−ク、そう、ダビンチの
ヘリコプタ−モデルの様な形にまで溶けてしまいました。マイマイのヘソか
ら殻頂まで伸びる軸と、その周囲を巻くコイルだけが残った傘の様な形態で
す。4時間後この部分の薄い褐色のコンキオリンが断片的な極く薄い膜構造
として残り、最後にはぺしゃんこになって水面を漂い終わりとなりました。
期待に反して、マイマイは単なる「軽かろう、脆かろう」の殻と判りました。
やはり退化に向かう前適応段階(この用語の使い方は間違っているかもしれ
ません)に有るのかなぁ? マイマイの奴め、見損なったゼ。

クチベニガイの殻から赤いポルフィリンが容易に採取できれば面白いですね。
遺伝子工学で名前通りのクチベニの原料が生産できるかな?(藁
199ヴァカ貝:2000/12/25(月) 05:23
>>183
>付着生物防止の薬剤や塗料を塗料企業などが懸命に研究しているようですが、
>貝の分泌物から何か発見されたらいいですね。イガイの足糸を研究して水中
>接着剤を開発しようとしている人もいたみたいです

ペンキ屋さんや糊屋さんが貝の知恵を戴こうと必死こいているワケですね。私
など殆ど食い気だけだから縄文人と大差ない----。でも素朴な「なぜだろうな
ぜかしら」の疑問を一緒に考えて戴いているみなさまには感謝申し上げるばか
りです。サァ、なんでも疑問、質問をレスして下さい!!
200ヴァカ貝:2000/12/25(月) 05:37
>>184
Arctica islandica うわぁ、学名自体が簡単明快ですね。ふぅ〜ん、寒いとこ
ろの貝が長寿なのかぁ。なるほど、寒ければ代謝も低下し、細胞分裂の回数も
減るし。

>シャコガイ類の殻は成長が速く非常に緻密(内層に日輪に相当する成長線がある)
>なので、殻の酸素同位体比を使って日単位での古環境(海水温)復元も期待できる

木の年輪を利用した年輪年代法と同じ発想ですね。
201ヴァカ貝:2000/12/25(月) 06:21
>>185
>Nature vol.387(1997):563-564にShudo,Fujikawa他による
>「Structures of mollisc shell framework proteins」とい
>うのが出ていて、 ギ酸50パーセントでアコヤガイの殻を脱灰
>し、稜柱層(角柱層)と真珠層のマトリクス(MSI60とMSI31)
>を取出してそのアミノ酸構成と構造を書いてます。

ギ酸50%でマトリックスを取り出せたことから推測するに、ア
コヤガイはタイラギと同様の重厚な造りのマトリックスの持ち主
なのかな?マイマイみたいに脱灰中に殆どマトリックスが消えて
しまう貝では研究もつらいかも知れませんね。でもギ酸を利用し
たのが面白く感じました。脊椎動物の形態学を行う者は前にも述
べた様にホルマリンを固定液に使用しますが、ホルマリン自体は
空気中の酸素で容易に酸化されてギ酸となり、液を中性のバッフ
ァ−としていない場合、ホネがコンニャク状態となり泣きを見ま
す。このような経験(恥?)から逆にギ酸を脱灰に利用する知恵
を自ずと修得します。今回の脱灰実験もこの個人的な失敗経験か
ら思いつきましたが、やはり(当然ながら)先人が既に優れた仕
事を纏めていたようですね。
202ヴァカ貝:2000/12/25(月) 06:24
(つづき)
>>189
>“梁(はり)曲げ試験と透過型電子顕微鏡観察から、その強さ
>の理由を明らかにした。 それによると、殻は「セラミック合板」
>のような構造になっており、丈夫で軽量な新しい セラミック複
>合材料を設計する手本になるという。

こちらは透過電顕像だから結晶構造の配列の解析が主で直接のコンキ
オリンの構築は観察出来ていないかも知れませんね。しかしなんだねぇ、
生物の造りを学んで人間生活に生かそうとの発想はバイオニクスとい
う考えだったけねぇ? 話は外れるけど、「芸能人は歯が命」の歯磨き
粉も、貝が外套膜からミネラル分を分泌して貝殻を上塗り、修復してい
く知識から思いついたのかもしれないね。

>(真珠層は)古い時代に流行した 殻構造なのか、と思ったりします。
>新しい系統にはほとんど見られない気もするし。

確かに仰るとおり、primitive な貝に多いようですね。すると新しい貝
は稜柱層(角柱層)側の微細構造の工夫や貝全体のデザインの工夫から、
形成に時間(そしておそらく手間も掛かる)真珠層の採用を取りやめる
方向にむかったのでしょうか? 更には稜柱層自体も軽量短小化しナメ
クジ化に向かうのかな(ちょっと飛躍しすぎか)?
203お腹へった:2000/12/25(月) 13:34
>アクア論者Zさん。

>184シャコガイの日輪
シャコガイは藻類と共生しているので、日照との関係で昼夜の層があるのしょうか。

>185 貝のホルマリン漬け
えー!殻が溶けるんですか。高校時代(ン十年前)にビョウブガイのホルマリン標本
を作ったけど、殻はもうとっくに溶けたか。見に行かなくちゃー。

>188
真珠層の詳しい説明、有難うございました。それぞれの電顕像を見てみたいですね。

>ところで、スガイの蓋で遊んだというお話はとても興味深いです。
>九州では普通に行われているのですか?
遊んだのは郷里の土佐でした。浜にスガイの蓋が沢山落ちていて、それを皆がスガイ
と呼ぶので、てっきりあの蓋が貝そのものと信じてました。ちなみ私が育った海には
サザエはいません。土佐のマガキガイの話が出てましたが、関係有りですか?
204お腹へった:2000/12/25(月) 15:13
>181 カタツムリの這い方の謎: >ヴァカ貝さん。

またまた、難しい質問を。チョット調べたら面白そうですよ。
腹足類は足に凹凸の波を作り出し、それを移動させて歩くけれど、海産の貝はこの波を
前から後ろへ送り移動するのに対して、陸貝は逆に後ろから前へ送るそうです。
どうも単純に尺取虫方式ではなさそう。足が分泌する粘液と足の凹凸の間に発生する
せん断応力の不均衡による説ほか諸説あり、詳細不明とのこと。この移動方法でロボットを
作る研究があるようです。軟体動物はやはり注目ですね。詳しくは↓

http://www.mec.m.dendai.ac.jp/mechatronics/introduction/kougai/H10Master/mh10kata.htm
205ヴァカ貝:2000/12/26(火) 16:07
>>204 お腹へったさん
貴重な情報をありがとうございます!

原理的な解明はともかく、波動発生装置+粘液膜の存在下で実際に稼動し得る
アクチュエ−タ−を作出するとはさすが工学部、大したモンですね。単に波動
を発生させるだけでは、上に乗せた板がガタガタ上下運動するだけで終わりま
すから、やはり粘液についての流体力学的な解析が原理解明へのカギに違いな
かろうと門外漢ながら感ずるところです。

さる国内自動車メ−カ−がヒト型ロボットを試作し今後貸し出しを行う計画と
の報道が為されたばかりですが、この修士論文の著者氏が言う様に「このよう
な(カタツムリの)柔軟な動きは,現在ある脊椎動物を手本とした骨格筋型ロ
ボットには到底真似できない」ものであり、AIBOの様なペットロボットは
<進んでいる>ヒトに言わせれば「あんなもん詰まらん」で終わるかも知れま
せん。

カタツムリの歩行運動が蛾の幼虫などと決定的に違う点は、それらが脚(偽足)
で対象媒体をシカと掴み固定し、いわば力の支点となるクサビを打ち込んで前
に進む事で、その歩行の原理は見た目にも明らかで容易に理解できます。これ
に対しカタツムリのそれは、半分粘液のぬめりの中に浮かびまたその中で滑り
つつ前に進む様なところが有り、奥が深そうですね。
206ヴァカ貝:2000/12/26(火) 16:10
(つづき)
実は、これも子供時代の話となりますが、当時は都内23区内(勿論周辺部で
すよ)でも側溝にヒメモノアラガイが沢山おりました(あまり衛生的なイメ−
ジではありません)。これを捕まえて水槽に入れると、最初はガラスの壁面を
よじ登っていたものが、水面に達すると今度はそのまま逆さまになって水面を
「這い進める」動作を行い実に奇妙に思いました。今、この locomotion を考
えてみますと、もともと固い壁面に於いても自分が分泌する粘液の中で「浮か
び」波動を作って進む機構であるならば、相手が水面(空気と水の臨界面)で
あろうとも同じ原理で前方推進力を得る事が可能とも思われます。先ほど>>111
にてヒラムシが魔法の絨毯の様に平べったい身体を波打たせて水中を泳ぐと述
べましたが、最初ヒメモノアラガイが水面でこれと同じ方法で、即ちエイが鰭
を波打たせて進む様に前方推進力を得ているのではないかと推測していました。

原理はともあれ(勿論知りたいですが)お腹へったさんも仰せの通り<軟体動
物はやはり注目>ですね。
207お腹へった:2000/12/26(火) 17:46
>205、206 ヴァカ貝さん。
何時もながら非常に適切なコメント有難うございます。

既にご存知のことと思いますが、サザエの足は左右に分かれており、それを
交互に動かして進むそうです。他の貝が急転回できないに比べ、2枚キャタビラ
だと、刺があっても狭い場所に入っていけるのかも知れませんね。
実際に急転回するのを見たわけではありませんが、どうやってこんな狭い場所に
入ったんだろうと思うことがよくあります。(採るのに苦労する)
ええっ!ひょっとしたらサザエの刺は波でひっくり返るのを防ぐためではなく、
天敵のタコに穴から引っ張り出されるのを防ぐためかも・・・?!
208ヴァカ貝:2000/12/26(火) 18:35
>>207 お腹へったさん
さすが潜りの達人! 実体験からの観察は重みがあります。

もしかしたらサザエはその<2足スリッパ>歩行で身体を回転させて
殻を上手い具合に傾けて狭い穴に隠れるのかも知れない-----。直線
的に引っ張ると抜けない、つぅことはそうか、サザエの棘は雄ネジの
ネジ山と同じだったのか!

私も以前磯で採集したレイシの仲間がオレンジ色の縦に2つに割れた
腹足を交互に進めて前進するのを観察した事があります。

これは2匹のカタツムリを横に並べ、背中を連結した上で、交互にイ
ンタ−バルを置いて進ませる方法にほぼ等しいと思われ、お腹へった
さんご指摘の様に2枚キャタピラ方式といえましょう。遊脚相と軸足
相に分かれていると考えて良いのかも知れません。この方法は他の動
物群には見られない随分とユニ−クな locomotion と思いますが、凸
凹した岩肌を這い進むのに有利なのかも知れませんね。2枚貝の巻貝
がいるそうですが、2足の巻貝も面白いもんです。

ちょっと前にパソコンの雑誌で吸盤付きの2足で壁面を登るロボット
(玩具の類です)が紹介されておりましたが、片方で吸い付いている
間にもう片方の足を前に振り出すだけですから単純な機構でした。サ
ザエやレイシの場合も「遊脚相+軸足相」などと単純化して考えると
また失敗するかも知れません。
209ヴァカ貝:2000/12/27(水) 03:26
>>206 済みません、訂正です。>>111を>>179に。
210お腹へった:2000/12/27(水) 14:08
>208 レイシ
レイシも2足歩行ですか。初めて知りました。
巻貝は足を固定して殻を左右に回すことができるので、これに2枚キャタビラで小回りが
できるなら(推定)、まさにユンボ(ショベルカー)ですね。

>176 (鶏の)卵殻の形成
は、輸卵管最後(総排泄腔の前)の卵殻腺部で形成され、通過時間は18〜20時間だ
そうです。アクアさんが仰った通り、先に有機質の網状組織ができて、そこにカルシウム
が沈着します。興味深いのは最後に表面をクチクラで覆い、微生物侵入を防ぐ抗菌仕上げ
をすることです(貝殻とは関係なさそう)。詳しくは↓

http://village.infoweb.ne.jp/~takakis/seibutu.htm

211海牛好き:2000/12/27(水) 19:12
かなりお久しでしかも古い話題ですが・・・
ミトコンドリアDNAによる分類では有肺類とアメフラシやウミウシの仲間が
かなり近縁だという結果が出ているそうで、マイマイが殻を失う方向に
進みつつあるかもしれないというのもさもありなん、ですね。

所で深海の化学合成細菌との共生で有名なシロウリガイは物の本によると
砂の中に足を伸ばして砂の中の化学物質を取り込んでいるらしくて、
一体どういう機構なんだ???と思ったものです。
ひょっとすると歩行の際の波運動を利用しているのかもしれない?
後この手の奴ってじっとして動かないイメージがあるけど、
シロウリガイの場合砂の中の化学物質の量はかなり変動するので
豊富な場所を探して歩き回ってるそうです。侮れない奴です。
212ヴァカ貝:2000/12/27(水) 20:28
>>210 お腹へったさん

>巻貝は足を固定して殻を左右に回すことができる
そうです、この機能を忘れてはいけませんね。例えばフツ−の殻の平
べったいマイマイが這い進むとき、殻の巻軸を腹側と90度に近い角
度で保持しますが、アフリカマイマイでは殻の巻軸と腹足が大方平行
になります。これは殻全体の重心を腹足上に乗せる為と思われますが、
足に対して殻を回す能力があってのことでしょうね。

>176 (鶏の)卵殻の形成
大したHPですね。大学の畜産学関係の方が作ったものと思いきや
NTTに勤務されている方でした。それにしても卵の packaging の
妙には驚嘆させられます。

>>211 海牛好きさん、お久しぶりです!
へぇ、有肺類とアメフラシ、ウミウシ類がかなり近縁とは。大きく異
なる環境、即ち陸と海に分かれて棲息しつつも、もともと「殻を失う」
傾向をもった生物群なのでしょうか?

>シロウリガイ
シロウリガイと言うと、確か海底の温泉や鉱泉の吹き出し口の回りに
群生する貝でしたっけ? 一般に深海の生物と言うと、浅いところや
陸地に棲息する生物とは一線を画する特殊な生物を連想させ、「お前
らナンボのモンじゃい?」と思うことしきりですが、きっとシリウリ
ガイも過酷な環境の中でしたたかに生きているのでしょう。仰る通り
侮れませんね。

213ヴァカ貝:2000/12/27(水) 20:31
>>212
あっ、イケね。5行目の「腹側」>「腹足」です。スマソ。
214お腹へった:2000/12/28(木) 19:05
>212
>アフリカマイマイでは殻の巻軸と腹足が大方平行
になります。これは殻全体の重心を腹足上に乗せる為と思われますが、
足に対して殻を回す能力があってのことでしょうね。 <

ホラガイを見ると殻口は楕円形で、その楕円の長軸方向が殻の巻軸と同じ向きになっている。
これだと足の長軸に平行に殻が乗っかり、歩くとき楕円の長軸方向に進めば殻も前後方向を
向き、水の抵抗も少ない。
巻貝が出来るとき、数学的には殻口(の縦径)が長いと、殻径は相対的に短くなり殻の長い
貝になる。つまり、長い貝は殻口も長いので、これがそのまま殻の重心バランスと抵抗の
少ない進行方向を決めているなら、実にうまくできている、と二日酔いの頭で考えました。
(生徒が酔ってどうする!)

215ヴァカ貝:2000/12/29(金) 03:05
>>214 お腹へったさん
確かに同じ巻き数ならば、螺旋のパイプの断面が巻き軸方向に縦長であれば
アフリカマイマイみたいに縦長の殻になりますね。流水中にあって抵抗を減
らす為にはカワニナのように尖った殻が有利なのかも知れません。普通のマ
イマイの殻の形だと流水中では巨大な腹足の持ち主でもない限り移動もつら
いでしょう。つぅてぇと言う事は、アフリカマイマイは洪水とかで流されな
い為に尖った殻をしているのかなぁ(まさか)?

あと水の抵抗を減らす別の作戦は、アワビの様にペタンコになる方策ですが、
こちらは巻き軸に対する螺塔パイプの断面を横方向に拡大すると同時に1巻
き当たりの殻口の大きさの増大率を極端に大きくしていますね。カサガイ類
は巻きの周期を殆ど無限大に拡大してしかも(アワビと同じく)殻口径の拡
大にのみ努める貝か?

殻の選択に際してどの様な環境圧が掛かったのかを考えると面白いヒマ潰し
になるようです。
216ヴァカ貝:2000/12/29(金) 03:16
>>196
鳥空中飛翔の水生起源説(ヴァカ貝さま御説)

穴だらけの考えと言いましたが、やはり自分の条件設定の元でも下の
2.の条件を加えると鳥の空中飛翔に関しての水生起源論が成立する事
が判明しました(うぅ〜、特大の穴だぁ)。

1.地面を歩くだけのトリの祖先(既に恒温性を獲得済み)が体幹部に
羽毛を発生(寒冷適応の為)
2.暖海領域に移動、或いは生息場所が再び温暖化
3.水際で活動する内に次第に水圏での生活に適応
a.前肢の羽毛が次第に発達して水切り羽根化(但し、羽根の構造力
学的な弱さからボディサイズは相当小さくなければならない)、
b.水中飛翔の為の筋骨格系の改変
4.陸上に再び進出、幾らかの modification の後、空中を飛翔開始。

如何なモンでしょうか?
この場合でも、水に入ったトリが水中に潜る時は、後肢で推進力を産
生するのがメインで、前肢の羽ばたき運動は舵取り的な意味を持つに
留まるものであったかも知れません。それでもそれに向けての改変が
空中飛翔への前適応となっていたとのことだよ〜ん。それから、何を
もってトリになったのかの定義だけど、羽毛を獲得した段階でトリと
なったと見倣す場合を考えて、上で「空中飛翔の水生起源説」として
おきました。しかしなんですなあ、アク論さんのお説(>>182)の方が
余程説得性とロマンが有りますなぁ。
217ヴァカ貝:2000/12/29(金) 05:41
マイマイの歩行について考えていたらまたまた疑問が浮かびました:

カタツムリ腹足筋の収縮と体節との関係の謎
 カタツムリの腹足の筋が一定の間隔での収縮・弛緩を伝搬的に行う事は、腹足
の各部を構成する筋線維に対して前後方向の波動的な神経刺激が加えられるから
でしょう。これは丁度カタツムリ型アクチュエイタ−を作出した院生の方の装置
(>>204) に於いて、各部の磁石(=筋)を順次通電(=神経刺激)して波の山を
発生させる機構そのものと言えます。おそらくは腹足の前後長に沿って神経も伴
走するのではないかと思いますが、ミミズやムカデの歩行の場合と同様、この様
な刺激−応答のパタ−ンは<体節>の存在を思い起こさせます。軟体動物は
primitive なネオピリナなどを除き、体節の存在が不明であると聞きましたが、
このような腹足の筋運動と体節の関係について何かものが言えるのでしょうか?
実はこれを思いついたのはヒザラガイでは梯子型神経ではないかとアク論さんか
らレスを戴いており(>>68 の4)、もしかしてヒザラガイの腹足の運動が体節的
な神経支配の結果であるかも知れないと考えた為です。

ついでに、
ヒザラガイの貝殻の謎
 上の問題に関与しますが、ヒザラガイの複数の貝殻は体節の名残なのでしょう
か?ネオピリナも含め、ホメオボックスに絡めての研究などは為されていますか?
218ヴァカ貝:2000/12/29(金) 13:25
>>211 海牛好きさん

シロウリガイで検索するとぞろぞろ出てきますね。

http://www.ne.jp/asahi/ashi/top/kod2.html しんかい2000からの小台場
断層系のシロウリガイ写真(殆どが貝殻)

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/dm2k-umdb/publish_db/books/collection2/tenji_nantai1_20.html
シロウリガイの詳細な生物学的説明

http://research.kahaku.go.jp/zoology/kaisei/hp-8/taberu/ シロウリガイ
生体軟体部写真、ヘモグロビンを含み酸素が乏しい環境への適応を示唆

http://home.hiroshima-u.ac.jp/hubol/intro1.html 広島大学海洋生物学研究室
シロウリガイ共生微生物相の調査研究

http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/%7Esoil/japndeep.html
岩手大学土壌学研究室シロウリガイ解剖中の写真

http://www.jtnet.ad.jp/WWW/JT/Culture/BRH/BRHTour/1F/book/97/16/story/info-1.html
シロウリガイは海域毎に種が限定される。

日本は幾つものプレ−トの境界近くに位置する地震国ゆえ、シロウリガイも近場
にたくさん生息するようです。しかし深すぎておいそれとは手に入らないのがツラい---。
219名無しゲノムのクローンさん:2000/12/29(金) 16:04
すっごく疑問なのですが、
貝って、どうやって生まれてくるのでしょうか?
さっきテレビでサザエを見ていてふと疑問に思ったもので・・。
がいしゅつだったらごめんなさいm(_ _)m

220お腹へった:2000/12/29(金) 17:00
>215
>こちらは巻き軸に対する螺塔パイプの断面を横方向に拡大すると同時に1巻
>き当たりの殻口の大きさの増大率を極端に大きくしていますね

巻貝の殻の形は、殻口の増大率と殻口の縦/横比で決まりますが、変数を2つ組
合わせ変化を多くしたところがニクイですね。最近流行りのCGで新しい貝殻の
デザインが出来そうですね(既にやってる?)。試着はヤドカリにお願いいま
すか。
>217
>このような腹足の筋運動と体節の関係について何かものが言えるのでしょうか?

貝の足波は蠕動運動の一種で、体節のない蠕形動物や中空の消化管の動きと基本的
には同じと考えられています。体節とは無関係?
消化管には相拮抗する縦走筋と環状筋がありますが、貝の足も同じでしょうか?

今日は仕事納め。ヴァカ貝さん、皆様、来年もよろしく! よいお年を!
221ヴァカ貝:2000/12/29(金) 17:14
>>220 お腹へったさん
>巻貝の殻の形
幾つかの数字を入れてenter key を押せばたちどころに様々のデザインの
貝殻が得られそうです。

>貝の足波は蠕動運動の一種
なんだ、(毎度の)考えすぎだったのか!

お腹へったさん、こちらこそ来年も宜しく! では良いお年を!
222ヴァカ貝:2000/12/29(金) 17:37
>>219 名無しさん
いままで貝の生殖についてはたまに断片的に触れられただけですよ。
私はホントに素人で知識が無いのですが、子貝で生まれたり、水中
で卵が受精したりと色々な方法があるようです。サザエだとレスの
最初の方で、皆が雲古だと思っていた内臓の先っぽが卵や精子との
事だから(>>9)、多分水中受精方式でしょう。出来た子供は初めは水
中でプランクトンとしてさまよい、殻が生じると岩に貼り付くので
はないでしょうか?

ヒトデなどは2つに切り分けるとそれぞれ再生するようですが、貝や
タコでは聞いた事がありません。身体の造りが複雑に成りすぎたって
こと、つまり相当に進化した生物群であるっつぅことかな?
223219:2000/12/30(土) 00:03
>>222=ヴァカ貝さん
お答え下さり、ありがとうございます。
水中受精というのがあるんですね。
今まで気にも止めた事なかったのですが急に気になりだしてしまって・・。
何となく貝が交尾をするとも思えないし(バカ)、
だからといって細胞分裂?それも違うんじゃないか?などと
自問自答しておりました。
プランクトン以下のくだりはとても納得。
殻って、生まれたときからついているのではないんですね。
224ヴァカ貝:2000/12/30(土) 09:36
>>223 219さん
陸生の貝類(ナメクジ、マイマイなど)は交尾しますし、水中
生活者も一部は交尾しますよ。

http://www.biol.kobe-u.ac.jp/rokko/p16.html
アメフラシの集団交尾、友達(恋人)の和そのものです。

http://www.ct.sakura.ne.jp/~gen-yu/2000/sakamaki.html
サカマキガイの発生の様子
225ヴァカ貝:2000/12/31(日) 16:53
やっと仕事終わったゼ。ではまた長レスオンパレ−ドしてやっからよっ。

脱灰実験の報告3
エスカルゴ:
前に溶液がカラメルを薄めた色になったとしましたが、更に48時間経過後に観
察したところ、ワインの澱(おり)の様にもやもやした薄茶色の細かな薄片がビ
−カ−の底に沈んでいました。溶液は何と(正しくは)透明でした! つぅこと
は、コンキオリンからは色素であるメラニンが酸では溶出しない事になりますが、
この事はマイマイではマトリックスからの色素の分離が困難であるとの報告
(>>???にてアクアさんがご教示)に反しません。

サザエ:螺塔の上2巻(螺塔は全部で4巻弱)は貝殻がもともと薄かった為か膜
構造が自壊してしまいました。下2巻は、表層の薄い黄土色の膜(角柱層由来、
触れるとにゅるっと剥離する)とその下の白っぽい真珠色の膜(真珠層由来、泡
を含んでいて膜構造が丈夫、多層である事が見て取れる)から成ります。今回大
きめのサザエをビ−カ−に押し込んで浮上出来ないように固定してあった為、生
成した二酸化炭素が上昇する力で下2巻き部分も一部分解してしまいましたが、
固定無しで脱灰すればある程度の形は残るものと思われます。仮に適当な大きさ
のサザエを、身を入れたまま加熱調理しその後脱灰液に浸け置けば、お腹へった
さんご期待のように何とか牛乳瓶に入れる事は出来そうです。でもその場合でも
コンキオリンが相当ヘゲ取れる様に思います。
226ヴァカ貝:2000/12/31(日) 16:53
(つづき)
シジミ:外表面の黒褐色の皮(丸まっていますが完全に元の貝の形を保ちます)
だけを残し、石灰分が「消滅」しました。強アルカリに貝殻を浸けて殻皮を溶か
すのと正反対の結果ですね。

ハマグリ:泡が出なくなったのでヘンだと思い、念の為PHを計ると液が完全に
中性化していました。そこでギ酸を追加しました。液は透明なままでコンキオリ
ンらしき細かな残骸(殻の端のお歯黒みたいに黒い部分は黒いコンキオリンです)
が僅かに水面に浮かぶのを観察出来ます。次第に貝殻が薄くなるだけですが外表
面(飴色の殻皮は前もって除去してある)が抵抗性が有り、溶解が遅れます。
227ヴァカ貝:2000/12/31(日) 16:54
追加の脱灰実験
光り物(真珠層のある貝)2種を追加実験しました。これまでの実験から真珠層
がしっかりした多層構造で脱灰しても形が残り易い事が判りましたので、最初から
ギ酸の濃度を10%と濃くして投入しました。その結果概ね1日以内に結果が出た
よ〜ん。

ナガラミ(ダンベイキサゴ):先日ス−パ−の特売で買ったものの食べ殻(藁。ギ
酸溶液に浸けたとたん大量の泡が発生し浮き沈みを繰り返す。10分ほどで薄い角
柱層が殆ど溶けてしまい、貝殻は美しい銀一色となって光り輝く(ホントに綺麗で
すよ!)。溶液は薄い褐色を呈す。6時間後に観察すると螺塔の殻頂に近い部分が
消滅したものの、他の部分が残り、泡を含んで幾らかの厚みを持つ銀色のヘナヘナ
膜構造が巻いた貝の形のままに水面に浮かぶ。脱灰は完全に終了していた。
228ヴァカ貝:2000/12/31(日) 16:55
(つづき)
アワビ(長径8cm程度):こちらも泡の出が激しい。全体が水面に浮かび上がる1時
間後、溶液は青黒い色に濃く染まる。貝殻の外側では緑掛かった褐色の膜が貝の形の
まま剥がれそうになっている。内側は、真珠層が多層膜の各間隙に泡を含み、膨れて
一部表面がめくれバラける感じ。24時間後、なんと真珠層が貝の形のままに完全に
脱灰終了。フニャフニャで水の外に出そうとするとバラけるが組織(コンキオリン多
膜構造)が厚く充実している。

ついでにサザエの蓋:激しい泡。12時間後にキチン質の膜を残して消滅。溶液は
硫酸銅の水溶液を薄めた様な美しい青緑色となる。薄いかと思っていたキチン質の
膜が意外に厚くしっかりしている。

これで脱灰実験は一応終了としますが、素人目には貝の形が殆どそっくり残るタイラ
ギ、模様の消え方が面白いエスカルゴ、真珠層がぶ厚くこちらも貝の形が大方、また
真珠光沢そのままに残るアワビがお勧めと思います。

ふぅ〜。

では皆様良いお年を!
229アクア論者Z:2000/12/31(日) 18:25
>>194-196、>>216ヴァカ貝さん
私のトンデモ説に理路整然とした科学的批判をして戴けて大感謝です。
更にいろいろ考えるきっかけになりました。それと、重要なことですが、
この説は私の完全オリジナルではなく、この板の川*~в~) さんの
「飛ぶ動作は泳ぐ動作にそっくし」というレスがキッカケになっています。
他にも平宗砂州さん・とらいせら中村さん他にもご教授いただきました。

>1.地面を歩くだけのトリの祖先(既に恒温性を獲得済み)が体幹部に
羽毛を発生(寒冷適応の為)

仰る通りで、羽毛(または羽鱗)は水中適応する前に獲得していたと考え
ます。保温機能ではチョボ毛も無毛も同等の淘汰圧を受ける筈ですね、確かに。
ただ、中生代はずっと温暖な気候だったと言われていますので羽毛の発達を
促した要因が何だったのかは謎ですね。水生説はともかく、近年話題の
「羽毛を持つ恐竜」は現実の問題ですし。多分、俊敏な運動と連動して
不完全な恒温性や羽毛が発達したのだろう、という程度しか今の所は・・・。

>この場合でも、水に入ったトリが水中に潜る時は、後肢で推進力を産生

全くです。遊泳に前肢を使う鳥(ウミスズメ・ペンギンなど)と主に後肢を
使う鳥(ウなど)があって、当然後者では前肢のヒレ化(翼化)は起こらない
どころか、Hesperornisやガラパゴスコバネウの如く、翼が退化することさえ
あるので、当然前肢を遊泳に使用することが大前提ですね。人間の掌すら
巧く使えば遊泳に有利なので、小さい水切り羽でも羽毛のある肉鰭でも遊泳
には有利そうな一方、未発達の翼で飛行しようとしてもチョボ毛の保温同様に
チョボ翼は無翼と変わらず、翼をより大型化させるうまい圧力が・・・
雄の婚姻ディスプレイ説もあるんだけど。

ということで折角の貝スレなので鳥の飛行水生起源説はこの辺で引っ込めますが、
ご批判ご指摘は大いに役に立ちます。↓白亜紀の飛べない潜水鳥Hesperornis
http://www.britannica.com/bcom/eb/article/single_image/0,5716,11837+asmbly%5Fid,00.html
230アクア論者Z :2000/12/31(日) 18:26
>>191名無しゲノムのクローンさん
>「カイダコ」は首の短いキリンにあたる者でしょうか?
>そのような動物はいっぱい発見されてるのでしょうか?

191さん見てるといいな。>>193のヴァカ貝さんの的を射たレスで納得された
かと思いますが、余談として:
直系の祖先が失った器官などを別器官の変形で代用する例として鳥の嘴が
挙げられるかも。始祖鳥も白亜紀の鳥の一部も爬虫類時代の歯を残していまし
たが、現在の鳥には歯がありません。が、一部の鳥の嘴にはギザギザがあり、
餌の魚などを逃がさないための「歯」になっている種類がいるようです。

一方、カイダコの殻は雌のみが分泌し、基本的には産卵容器だと思うので、
祖先の殻の主目的が体の保護だったのとは微妙に違うかも。普通のタコも
貝殻を産卵容器に使うことがよくあるそうなので、その容器を自分で作れる
ように進化した「新しいタコ」と考えることもできるかと思います。
たまたまオウムガイ様の殻を利用していたので自作の容器もそれに似たが、
二枚貝を利用していたら“ハマグリダコ”になってたかも???
231アクア論者Z :2000/12/31(日) 18:27
>>198 >>225-228 ヴァカ貝さん
脱灰やってますねぇ、真珠層のコンキオリンがそんなに立派に採れるとは。
様子が目に浮かぶような説明と相俟ってとても面白いです。クレオパトラは
真珠を酢に溶かして飲んでいたとかいう話、マトリクスごと飲んでたのヵ。

>マイマイは単なる「軽かろう、脆かろう」の殻と判りました。
そうでしたか。売ってるエスカルゴ殻は殻皮ごとアルカリか何かで剥いで、
キレイにしてる感じがするので余計にダメそうですね。メラニンも不溶ですか。
あと、原始腹足目の殻からの帯緑色素の溶出も目立つようですね。サザエの蓋
も思えば確かに青緑がかってたし。スガイの蓋も色が出るんでしょうね。

>>202 >こちらは透過電顕像だから結晶構造の配列の解析が主でそうですね。
多分交差板構造を解析したんでしょうね。真珠層よりも多くの種の殻に見ら
れる構造のようです。長い結晶が殻面に対し斜めに配列するブロックの隣りに、
逆方向に傾斜した結晶が配列するブロックが並ぶ、いかにも強そうな構造です↓
http://www.kueps.kyoto-u.ac.jp/%7Ekamiya/tamakigasiso.jpg

鳥の卵殻の形成は>>210お腹へったさんご紹介のページで詳しいですが、
初心者用の本から補足しますと、最後の卵殻腺部内で卵がグルグル回転し、
そこにある色素細胞から色素〈赤褐色と青緑色の2つの基本色素〉が出るそうで、
回転が速いと斑紋が流れ、遅いと丸型に着くので斑紋で回転が推定できるそう。
なお、色素は主に殻の外層部と表面のクチクラ層に含まれているとのことです。
でも、先に有機質の網状組織ができるってのは>>210で知りました。

●だいぶ遅いですが>>189の訂正●
×ワタゾコツキヒガイ科の右殻は殻皮下に稜柱層(角柱層)のみがあり
○ワタゾコツキヒガイ科の右殻の[辺縁部]は殻皮下に稜柱層(角柱層)〜
でした。薄い殻に交差板、繊維状、真珠などの各構造が見られるようです。
232アクア論者Z :2000/12/31(日) 18:29
>>203お腹へったさん
>シャコガイは藻類と共生しているので、日照との関係で昼夜の層があるのしょうか。
多分そういうことなんだろうと思います。植物的ですよね。

>えー!殻が溶けるんですか。高校時代(ン十年前)にビョウブガイのホルマリン標本
ヴァカ貝さんの言うように中和してればOKですが・・でもビョウブガイの殻は
かなり厚いので皮だけにはなっていない筈。せいぜい表面がチョーク状になる程度
かも。ビョウブガイは福岡あたりの名産でしょうか、あれも不思議な形ですね。
後端を海底スレスレに水平に露出するために捩れてるのかな、プロペラ型。

>それを皆がスガイと呼ぶので、てっきりあの蓋が貝そのものと信じてました。
いや、それが正統なんです。寺島(1712.和漢三才図会)も、小野(1803.本草綱目啓蒙)
もスガイとは貝の蓋だと書いています。本体の方はカラクモガイ(唐雲貝)と言った
ようです。で、この酢貝を酢に居れると「盤旋してやまない」ので児女が遊ぶ、
と書いてます。中国明代の「本草綱目」にも「雌雄あって酢に入れると相合して卵を
産む」と書いてありますので、中国伝来の遊びかも知れません。寺島によりますと、
海人が蓋だけ外して売ってたらしく、「京洛人や山人はそれが貝の蓋だとは知らない。
雌雄あるというのも憶見なり」とのこと。でも、実際にスガイで遊んだと聞くのは
初めてでしたので驚きました。生物の話でなくてすみません。でも今も残って
いるのはすごい。サザエがいないのは・・やや閉鎖型の内湾ってことでしょうか(?)。

>>204 >どうも単純に尺取虫方式ではなさそう。足が分泌する粘液と足の〜
カタツムリの這い方に関して稚拙なレスしようと思ってましたが、しないでよかった。
もう少し考えてから・・・(あんまり変わらないとは思うが)。
233アクア論者Z :2000/12/31(日) 18:30
>>211海牛好きさん
>ミトコンドリアDNAによる分類では有肺類とアメフラシやウミウシの仲間がかなり近縁だという結果が出ているそうで、マイマイが殻を失う方向に進みつつあるかもしれないというのもさもありなん、ですね。

いずれも神経に捩れのない直神経類ということで、分子でも類縁が示されたわけ
ですね。確かにこの系統には厚い殻のが殆どいませんから、やはり殻よりも
粘液等の分泌物での防御機構へと進んでるような感じですね。
陸生有肺類の殻も物理的にはかなり脆弱なのが多いようですので、乾燥防止等が
主目的になりつつあるのかも。それに比べて前鰓類の陸貝は殻も厚くて丈夫だし
粘液の量も少なそう。繁栄しているのも特に湿潤な地域がメインで、世界的な
有肺類の繁栄には比すべくもないし。海の前鰓類のナメクジ化自体マレで、
陸生前鰓類には全くナメクジが見当たりませんしね。
(絶滅種に前鰓ナメクジがいたとしても化石は残ってそうにない・・・)。

途中までですが、何とか今世紀中にレスできましたとさ。
それでは皆様、よい新世紀をお迎え下さい。
234ヴァカ貝:2001/01/01(月) 06:09
皆様、とうとう21世紀となりました。日の出は(ここ東京では)6:45
くらいとのことだから後30分少々で夜明けでやんす。んでもって今年(今世紀!)
も宜しく!

>>229- >>233
アクア論者Zさま、毎回教養溢れるレスを戴き、お蔭様でスッキリした気持ち
で新世紀を迎える事が出来ました。大変有り難く感謝申し上げる次第です。

>>229
小生昨年11月17日に2チャンネルの存在を知り、その10日後にこのスレを立て
てしまった新参者、ど素人ゆえ、「飛ぶ動作は泳ぐ動作にそっくし」スレの存在
も知らず先輩の皆様方には失礼致しました。早速過去ログを調べて勉強させて戴
きます。

>>230
>一部の鳥の嘴にはギザギザがあり
なるほど。失った真の歯の代理としてギザを獲得したわけですね。
235ヴァカ貝:2001/01/01(月) 06:11
(つづき)
>>230
>二枚貝を利用していたら“ハマグリダコ”になってたかも???
話は少しズレるのですが、2枚貝の巻き貝とは、真性の巻き殻に加え、secondary
に得た別の硬組織をもう1つの殻として採用している生き物ですか?それとも真
の殻が2分した貝なのでしょうか?

>>231
>クレオパトラは 真珠を酢に溶かして飲んでいたとかいう話、マトリクスごと
飲んでたのヵ。

ウハハ、光景がリアルに目に浮かびますよ。近頃は真珠から作った基礎化粧品
もあるそうですが身体にどの程度効くのでしょうか。

>交差板構造
綾を成すいかにも頑丈そうな造りに見えます。

>最後の卵殻腺部内で卵がグルグル回転し
この回転のメカニズムがどうなっているのか興味がわいてきました。>>220にて
お腹へったさんが消化管の筋層について言及されていますが、フツ−の消化管、
例えば小腸では内容物を筋のくびれを作って押し進める運動はしますが、グルグ
ル回転させる機能は特別持たないと思います。トリではここがどうなっているの
か一度詳しく観察してみたいです。
236ヴァカ貝:2001/01/01(月) 06:15
(つづき)
>>232 スガイ
歴史的なお話、大変参考になりました。ところで<海人が蓋だけ外して売って
たらしく>という事は自分はおいしいところを食べてしまい、残りカスでさら
に銭儲けをしていたのか!

>でも、実際にスガイで遊んだと聞くのは初めてでしたので驚きました。
私も同感です。私の母は神奈川の三浦半島の付け根近くの軍港育ちですが子供
の時分に夜店で良くウミホウズキを売っており、口に含んで鳴らしたと言いま
す。私の代ではどうやって鳴らすのかも全く判らず、この様にして遊びの文化
が次第に消え去ってしまうのでしょう。スガイの遊びがいつまでも続くといい
ですね。

>>233
>やはり殻よりも粘液等の分泌物での防御機構へと進んでる
名前通りの軟体動物本来の姿に向かいつつあるのでしょうか?
殻と言う名の物理的防御装置を越える、より高度な工夫があったればこそ殻
を捨てる事が出来たワケでも有りますし。固い甲羅の採用を止めたスッポン
もナメクジの親戚みたいなモンですかね?
237ヴァカ貝:2001/01/01(月) 18:01
>>217にてヒザラガイの「分節的」構造が気に掛かっていましたのでweb を検索
してみましたが検索センスが無い為か解剖図すら殆ど得ることが出来ませんでし
た。以下、幾つかを。

http://biodidac.bio.uottawa.ca/Thumbnails/POLP006B-GIF.htm
殻を外した背中側からの図

http://www.personal.dundee.ac.uk/~amjones/chitintr.htm
数枚の走査電顕写真(殻、歯舌)

http://gened.emc.maricopa.edu/bio/bio181/BIOBK/BioBookDiversity_8.html#Phylum Mollusca: Clams, Scallop
理論的な祖先型から一見分節的構造への二次的派生を示唆する図
238ヴァカ貝:2001/01/01(月) 18:31
>>237つづき)
http://erato.acnatsci.org/ams/ams00abs.html#4
"Are polyplacophorans segmented? An ontogenetic view from muscular development "
ヒザラガイ類の腹足筋の分節的構造は二次的に得られたものである事を個体
発生的観察から推測。ヒトの腹筋が分節的構造を取るのは体節の名残である
との説をしばしば耳にしますが、10年ほど前に東欧圏のpaper にて個体発
生の観察の結果、最初は1本の筋束だったものが2次的に腱画(要するに横
方向のスジです)が入り一見分節的構成に見える様に至るとの報告を読んだ
ときを思い起こしました。生物をフシの連続からなるものと見る視点、いや
支点は脊椎動物をマクロ的に扱う者には強いものがありますが、全ての生物
種がこの捉え方の範疇に取り込まれるものでも無く、反省させられるもので
もあります。

しかしフト今思ったんですが、生物が身体をある方向に長くする場合、結局の
ところ、その時点で持てるカラダの構造の一部を重複して延長するのは1つの
方策でもあり、「体節」の認められないの蠕虫が蠕動を行うのも、その方策の
結果でもないのかと----。
239アクア論者Z:2001/01/02(火) 08:52
明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。

>>217 ヴァカ貝さん
>マイマイの歩行について考えていたらまたまた疑問が浮かびました:

先程、20世紀に捕えておいたオナジマイマイを這わせてみた所、
どうも>>180-181でヴァカ貝さんが仰るように尺取虫型に見えました。
足裏の特定の1点に注目すると、前進波が来る毎に0.6mmほど前に移動し、
そこで基盤に付着固定します。前進波は約1.3秒毎に来ますので、
約1.3秒毎に約0.6mm前に移動し、そこで再度固定するわけです。

同時に見える蹠面の波が約7波もあり、固定部位が無数にある点で、
胸脚-擬脚で1波ずつ進む尺取虫とは違いますが、移動原理は同じような
気がしました。波(固定部は暗、移動部は明)が見えるのは、伸張している
固定部と、収縮している移動部とでは蹠面内部の白い点々(腺?)の見える
密度が変わるからのようです。また、波があるのは蹠面の正中部のみで
左右の縁部や後端には波はないようで、これは筋肉の分布によるみたい。

http://www.mec.m.dendai.ac.jp/mechatronics/introduction/kougai/H10Master/mh10kata.htm
↑の人工腹足で物が動く原理が私には全く解らなかったのですが、
何だかマイマイとは違う気も・・両者ともに粘液が重要なのは当然ですが、
人工腹足では粘液自体の動きで物も動いてるような・・いや解らないですが。
240アクア論者Z:2001/01/02(火) 08:54
>>218 ヴァカ貝さん
シロウリガイすごい。特に東大資料館の開設が詳しくていいですね。
この群集の下の泥中には巨大なキヌタレガイが埋生してるとかいう話や、
これまで原始的な二枚貝と言われてきたキヌタレガイ類を分子で見ると、
むしろ巻貝に近い(ホント?)、とかいうハナシもあるらしいです。

http://research.kahaku.go.jp/zoology/kaisei/hp-8/taberu/ シロウリガイ
「軟体部は生きているときには含まれているヘモグロビンのため赤い.
酸素が乏しい環境に生きている『地球を食べる』生物群集の中の動物には
同じように赤い体をしたものが多い」

私は>>77で「アカガイ類などのようにヘモグロビンを持つものが所々の系統に
あるようです。無酸素的な環境と特に関連があるわけでもなさそう」なーんて
シッタカ書いてますが、どうも考えが浅かったようで。反省・・
241アクア論者Z:2001/01/02(火) 08:55
>>237-238 ヴァカ貝さん >ヒザラガイ類の腹足筋の分節的構造は二次的に
得られたものである事を個体発生的観察から推測。

ヒザラ貝や単板類の「体節制」はやっぱり嘘だったのか!(まだ早いけど)。
まず軟体に近い動物として、螺旋卵割する扁形・紐形・ユムシ・ホシムシ・環形
が取り沙汰されますが、体節制のは環形だけ。ヒザラガイの発生でも7区切り
ができた後に尾板になる8区切りができるらしく、何だか反復性が増大する
方向にあるみたい。軟体動物とされる最古級の化石がどれも一個の殻らしい
ことからしても、軟体動物は本来無体節だっていう方が納得し易いですね。

Neopilinaみたいな単板綱の殻が伸び巻いて腹足に、殻中に隔壁ができて頭足に、
正中線で左右に折れて吻殻・角貝・二枚貝の各綱になったっていうのが一般的な
理解だとすると、単板の反覆で多板になったとすれば全て単板型から放散した
ってことになって尚更スッキリで、今回のWanningerらの研究でトドメかな。
で、環形動物は螺旋卵割群でただ独り真の体節制を進化させたということか。

ご紹介のHPには他にも色々の話題がありますが、前の貝殻の色の話題関係で
「Molluscan shell pigments」ってのもありますね。
http://erato.acnatsci.org/ams/ams00abs.html(←後に#63を付けて下さい)
“ポルフィリン”の語は“炭水化物”と同レベルとのこと、またまた恐縮です。
Raman式分光器(?)が何物か全く知りませんが、今後の成果に期待すると同時に
まだまだ貝の研究は穴(=可能性)がいっぱいなんだな、と実感もしました。
ヴァカ貝さんも本格的に軟体類の研究をされてみては?
242お腹へった:2001/01/02(火) 12:49
明けましておめでとうございます。
話が面白くなってきた代わりに、難しくなりました。難解な個所はROMさせていただきます。

>232ビョウブガイ>ヴァカ貝さん。
ビョウブガイは溶けてしまわないと知り安心しました。分布は、古い図鑑では博多湾と松浦湾
になっています。生息状態のものは中々観察できないようです。アカガイと同様、蝶番部分を
下にして殻口全体を上にしてを開いていました。海底の泥の上に点々と花が咲いているように
見えました。その博多湾での採取場所はとっくに埋め立てられ、もう生きた貝にはお目にかか
れないか?残念です。

>スガイ:歴史的なお話、面白く読ませて頂きました。黒潮文化でしょうか?スガイの蓋を
拾えるのは砂浜の状況によるのではないかと思っています。福岡近辺の浜は細かい砂浜で、
蓋は砂の下へ沈んでしまうのでしょうか、落ちていません。郷里の浜は蓋とほぼ同じ大きさの
砂利浜でした。スガイ遊びは容易に蓋が拾える砂浜の状況と関係ありと睨んでいます。

>229 飛ぶ動作は泳ぐ動作とそっくり:なるほど合点。
人間が木によじ登るー両足裏で木を挟み、膝を屈伸させて体を押し上げるー時に使う筋肉は
2足歩行で使う筋肉と同じという記事を読んだことがあります。似てますね。

まだ屠蘇気分真っ最中。難しいことは分かりません。
とりあえず、賀状代わりに郷里で発見、命名された美しい貝をご覧下さい。
スガノミヤカセン↓
http://homepage1.nifty.com/seashells/latiaxis/m150/filiaregis.html
243アクア論者Z :2001/01/02(火) 13:53
>>242お腹へったさん

スガノミヤカセン
きれいな貝ですね。心洗われる造形美です。
ビョウブ貝の生態はそうでしたか。しかし埋め立てられてたとは・・・
244名無しゲノムのクローンさん:2001/01/02(火) 13:55

何、これ?
109 の、前半7行、以外は、
おれ、全然、知らないよーー・・・
なんで、こんなことに、
なるんだろう?・・・
誰かの、いやがらせか・・・?
245ヴァカ貝:2001/01/02(火) 19:41
>>239 アクア論者Zさま 明けましておめでとうございます
前世紀に捕獲済みのオナジマイマイにての歩行観察結果のレスを早速
有り難うございます!なるほど、尺取り虫型に見えましたか!腹足の
色の違いが前後方向への粗密の違いであれば仰る通り、尺取り虫型運
動の関与は間違いないでしょう。遠く離れた枝に身体を伸ばして足掛
かりを得る時には、波長が一時的に伸びると理解すればいい事になり
ます。足の固定があると言う事は、ガラス面に対して摩擦力を発生さ
せている事に他なりませんが、<蹠面内部の白い点々(腺?)>が摩
擦の発生に関与しているのでしょう。ここにヤモリの掌側にあるよう
な微細な突起があるのか、或いは細かなタコの吸盤様の装置があるの
か? いずれにしましても大変詳細な観察結果を有り難うございまし
た。自分でも3月の大潮の時に磯に採集に行き、幾つかの子貝を使っ
て再び観察しようと考えています。−−−来月辺りに水槽と人工海水
を準備しなくっちゃ。

>人工腹足
確かに執筆の修士氏は原理的な解明に対しては直接論文のエネルギ−
を注いではいないようです。また、修士氏の発生させた波は電磁波の
様に横波ですが、アク論さんが観察されたマイマイの波は音波様の縦
波(粗密波)で全く波の質が違います。波動+粘液のアクチュエイタ
−の開発はともかく、マイマイそのものの歩行の機構を探る為にはア
ク論さんの様に詳細な観察と解析を行う以外には無いものと思います。
246ヴァカ貝:2001/01/02(火) 20:06
>>240 アクア論者Zさん
>巨大なキヌタレガイが埋生してる
泥の中が還元的環境にあると言う事ですから、まっまさか、キヌタレ
ガイは完全に化学合成細菌化した貝なのか?----&gt;>211 に海牛好きさ
んがシロウリガイが還元的環境の泥からの栄養分(硫化水素のことで
しょう)を斧足で貝の本体側に輸送し、共生細菌に供与していること
について触れていますが、、シロウリガイ自体は酸素呼吸を行うべく
酸化的環境の海水に水管を突きだしてしっかりと酸素を確保していま
す。キヌタレガイが果たして長い水管を海水側にシカと伸ばしている
のかどうか?

しかし磯遊びに行って気づく事ですが、磯の近くの小さな砂浜を20
cmも掘り進めると、場所に拠っては硫化水素臭い、一種のドブ臭い
ようなにおいが立ちこめ、嫌気性環境にある事が判ります。目に付く
ような生き物は全くおらず、2枚貝の残骸などを目にするのが関の山
ですが、シロウリガイの様な「根性」のある大型生命体はわざわざ生
息するまでもありませんね。なんせ、酸化的環境の海水側に栄養分が
幾らでも採取可能ですから。このような事を考えるにつけ、シロウリ
ガイが如何にして特殊環境で化学合成細菌と共生して生き延びるに至
ったのか、その進化の道筋を考えると面白いですね。
247ヴァカ貝:2001/01/02(火) 20:10
>>241 アクア論者Zさん
>環形動物は螺旋卵割群でただ独り真の体節制を進化させたということか
お説の通り、ホントに<軟体動物は本来無体節だっていう方が納得し易い
ですね>ですね。
248ヴァカ貝:2001/01/02(火) 20:30
>>242 お腹へったさん 明けましておめでとうございます!
ビョウブ貝を自らダイビングして観察されたわけですね。あらら、
生息地が埋め立てられたのは大変残念でした。

>スガノミヤカセン
種小名filiaregis が女王の娘ですから皇女そのものですね。楚々
として美しい貝です。

>人間が木によじ登る
ヒトが如何にして体幹部を直立させて歩行するに至ったかについて
は、諸説有りますが、近年は、樹上生活での体幹の重力方向に対す
る平行化が、平地に於ける二足歩行への前適応となったとの説が多
くに受け入れられているものと思います。尤も、現在も生物板での
スレで議論が続いている様ですが、水中生活への適応が直立2足歩
行への前適応となったとの議論を完全には否定は出来ません。2チ
ャンネルならではの論題でもありますが、討論が深まって欲しいと
感じます。
249アクア論者Z(体節制):2001/01/03(水) 06:41
単板類(Monoplacophorans)の体節制(metamerism)については
従来2つの説が:
「見かけ上の体節制は単なる反覆に過ぎない」
http://www-biol.paisley.ac.uk/courses/Tatner/biomedia/units/moll5.htm

「部分的な体節制が環形動物との類縁を示唆する」
http://www.britannica.com/bcom/eb/article/6/0,5716,54746+1+53409,00.html

ヒザラガイの体制↓
循環系http://manandmollusc.net/poly1.html
消化系http://manandmollusc.net/poly2.html
神経系http://manandmollusc.net/poly3.html

単殻の祖先から各綱への進化模式図
http://www.britannica.com/bcom/art/00027/74.gif
250アクア論者Z:2001/01/03(水) 06:49
>>242 お腹へったさん
>スガイ:黒潮文化でしょうか?
>スガイ遊びは容易に蓋が拾える砂浜の状況と関係ありと睨んでいます。
なるほど、黒潮。本草綱目には“妊婦が握れば安産する”と書いてあり、
形から安産のお守りなった子安貝(宝貝)とダブります。とするとやはり
黒潮系の海上の道経由かも知れませんね。今まで考えたことなかったです。
雛の閉じた目に似てることからか、燕が雛の目を開けるのにスガイの蓋を
用いるという迷信があるのも何かで読んだ気がしましたが忘れてしまった。
これも竹取物語の「燕の子安貝」を連想させる話で興味あるんですけど。

>人間が木によじ登る時に使う筋肉は2足歩行で使う筋肉と同じ
水生説も面白いですが、2足歩行はやっぱり樹上起源のような・・・。
水中で2足になる動物は少ないですが、木を登る時は猫も熊も猿もみな
直立姿勢ですからね。水中では人間でも水平姿勢とることも多いし。

ところで、土佐は昔から珍貝の宝庫の誉れ高いようですね。
251アクア論者Z:2001/01/03(水) 06:53
>>245 ヴァカ貝さん
>身体を伸ばして足掛かりを得る時には、波長が一時的に伸びると理解
見たのですが、宙にある足にも波があって波長自体は同じように見えました。

>足の固定があると言う事は、ガラス面に対して摩擦力を発生させている
仰る通りですね。前進部の摩擦<<固定部の摩擦、と考えると修士氏の装置
のラテックスシートに後傾の剛毛でも植えた上、両磁石を水平に並べて
シートの水平方向の伸縮で縦波を起こせばある程度マイマイ的になるかも。
壁を登るには、剛毛シートを無数の吸盤に替えて周期的着-離をする。
でもこれじゃ当たり前過ぎて面白くないですね。

マイマイの真骨頂は粘液を間に挟んでの固定にあるようで、修士氏も粘液
に拘わったのは良かったかも。結局「固定」がなくて同じメカニズムじゃ
なかったようですが、全く別の搬送システムとして発展性はあるのかも。
で、肝心のマイマイの蹠面の固定がどういう原理かは・・吸盤チックでは
ありますが―白い点々は表面ではなく上皮内部なので―よく判りません。
また移動部は固定部に比しやや浮いている可能性もあります。でも隙間が
粘液で充填されているため、ちょっと見ただけでは判りませんでした。
どうも小学校低学年の夏休みの宿題レベルの観察でお恥ずかしい。
252アクア論者Z:2001/01/03(水) 06:56
>>246 ヴァカ貝さん
>キヌタレガイが果たして長い水管を海水側にシカと伸ばしているのかどうか?
「埋生しているらしい」との「お話」だけですので、今後全然違う話し
になるかも知れません。すみません、中途半端な話題でした。
で、今思ったのですがシロウリガイの非常に小さい固体はどうして
るんでしょう? 表面付近で濾過食でもしているとか??

>嫌気性環境にある事が判ります。目に付くような生き物は全くおらず、
>2枚貝の残骸などを目にするのが関の山
確かに還元的な環境で泥を掘ったりすると硫化水素の香りが身を包みますね。
そんなかなり還元的な環境にもシズクガイやチヨノハナガイといった二枚貝
は生息することもあるらしいです。またアマオブネ目のミヤコドリ科には、
内湾の真っ黒の泥に深く沈んだ石の底面にしか生息しない種もあるようです。
こちらは熱水口のシンカイフネアマガイと近縁だから何か関係あるのか?

他にツキガイモドキ科の二枚貝もそんな所にいて、共生細菌がいるらしい
とのことです。で、これらの二枚貝がみなヘモグロビンを持っていない
ようなこともあり、前のアカガイへの無責任なレスになったのですが、
本当は何か法則性があるのかも知れませんね。

全然関係ないのですが、私の鳥類水生説では水中からペンギンや飛び魚が
飛び出すように直接水中→空中へとシフトしたことになってます。
引っ込めたのに、すみません。言い忘れてたもんで(汗
「鳥はなぜ飛んだのか?」とかいうスレだったんですが行方不明です。
253ヴァカ貝:2001/01/03(水) 15:26
>>249 アクア論者Zさん
個体発生的な事実を重く見れば、2説の内の上の説に軍配が
上がる様です。お教え戴いたヒザラガイの体制の図の内、消
化系の図では、小腸がコイルを巻いており、基本的に左右対
称の神経系との関連から、ヒトの内臓の状況を連想させ面白
いです。

仮にネオピリナの部分的体節やヒザラガイの体節様構造が機
能的要請に基づくsecondary な構造であっても、やはり(類
似)ホメオポックス絡みでの解析が行われる事を期待したく
なります。

http://www.inamori-f.or.jp/KyotoPrizes/contents_j/laureates/profile/co_16infwalter.html
昨年の京都賞も受賞したゲ−リング教授ですが、体節の成立
については特に何か言及しているのでしょうか?私は恥ずか
しながら不勉強で良くわからないものでして-----。
254ヴァカ貝:2001/01/03(水) 15:38
>>251 アクア論者Zさん
身体を伸ばすときも小刻みの波が発生していましたか!
観察が実に細かく感嘆するのみです。

>後傾の剛毛でも植えた
これだと殆どミミズmode になりますね。仰るとおり、粘液を
間に挟むところが真骨頂と思います。例えば吸引力の発生(の
分布)などについて、ガラスの微細な応力歪みの発生を光学像
などとして捉えられないものかなどと思ったりもします。この
様な内容の仕事は、自分の現在の無骨なテ−マからは縁遠く、
誰かknow how をお持ちの方に研究を進めて貰う他はありません。
アクア論者Zさん、研究を始められたら如何ですか?
255ヴァカ貝:2001/01/03(水) 15:53
>>252 アクア論者Zさん
>かなり還元的な環境にもシズクガイやチヨノハナガイといっ
>た二枚貝は生息することもある

あらら、私などクサ〜いと逃げ出して終わりになりましたが、
調べればちゃんと生きている貝もいるんですね。なるほど、共
生細菌を抱えていても、ヘモグロビンを持っていないのですね。
赤い貝とは代謝率が違っていて青い血液でもやっていけるのか
な?

>表面付近で濾過食でもしているとか
単なる推測でスマソですが、成貝の排泄物を濾過して生きてい
るとか------?
256ヴァカ貝:2001/01/04(木) 16:14
>>177にて触れた槍形(やりがた)吸虫の事が頭に引っかかってたので
調べてみたよ〜ん。

http://www.nisseisg.co.jp/kouhou/_sapiens/_sapi016/ajsa016a.html
全体写真

http://group.lin.go.jp/jsla/animal-doc/warm-2.html
肩の凝らない「動物のはなし」収載、生活環

http://www.sapmed.ac.jp/~ishikura/Parasite.html#寄13
各種マイマイへの感染実験
257ヴァカ貝:2001/01/04(木) 16:15
つづき)
槍形吸虫の詳しい記述が見つけられなかったので同じ属の別種を検索
しました:

http://www.cdfound.to.it/html/dicro.htm
近縁種Dicrocoelium dendriticumiについて。同じく第一中間宿主
の陸生巻き貝が草の上にセルカリアを含んだ粘球slimeballを放出
し、それをアリが食べる。ヒトへの感染は偶発的にアリを口にする
か、ナマ(半ナマ)の草食獣のレバ−を食する以外に無い。アフリ
カ、アジア、ヨ−ロッパに分布。羊と牛の胆管に寄生。ヒトでの症
状はマイルド。
家畜反芻獣の重要な寄生虫疾患のようです。


http://cal.nbc.upenn.edu/paraav/Labs/lab6.htm
中程にDicrocoelium dendriticumiの成体と虫卵の写真。

どうやらマイマイを普通に飼育している場合、槍形吸虫に寄生され
る可能性は非常に小さい様ですね。他の寄生虫はともかくとして。
258お腹へった:2001/01/05(金) 15:40
>239,251マイマイ歩行の
メカは難しそうですね。蠕動運動そのものは伝播的な筋肉の収縮、伸展と考えてよい
でしょう。収縮、伸展を吸着、反発に置き換えればリニアモーターカーになり、広い
意味での蠕動運動の応用になります。例の人工腹足は、ヴァカ貝さんの仰る通り横波
の応用ですので、マイマイ歩行とは違いますね。足波の山と谷は派生的なもので直接
前進運動には関わっていないと思います。ここまでは尺取虫方式で説明できそうです。

問題は収縮した部分が前後どちらに向かうかです。腹足類では足波が前→後(水棲)
と後→前(陸棲)の両方あるから話がややこしくなります(#204)。
アワビは前部を吸着(メカ不問)固定しておいて後部を引っ張る方式か。(足波が
前→後に向かう一種のほふく前進?)この場合最初の一歩は伸展と固定が必要。
では端っこではどうする?裏に廻る?
逆に滑る粘液上では先に後部を縮めて前部の方へ次々に押し出すように見える。
足波は後→前。最初の後部の収縮は<後部より接触面の長い>前部へ移動し、収縮、
伸展が伝播して行く過程では伸展部は次の収縮部を押す形になる。端に来ても前部は
押し出される。後→前運動の陸貝は頭が水中から無理やり陸へ押し出された結果で
ある。(以上、例によってホラ吹き@お腹へったの言うことだから鵜呑みにしない)
では
氷の上で横一列に両手を繋ぎ、端から順に両手を収縮伸展させるとどうなるでしょう?

259お腹へった:2001/01/05(金) 16:33
258で正月早々残り少ない脳味噌を使い切ってしまった。

>232 スガイ、>アクア論者Zさん
スガイ遊びが伝統文化(?)で高貴な方の遊びとは知りませんでした。京の都など
内陸部では入手困難(貴重)な貝殻は、一部の人たちの優雅な遊び玩具だったかも
知れませんね。波打ち際人間にとっては浜の石ころや貝殻<しか>玩具がなかったの
ですが、いま思えば貴重な経験でした。面白い情報有難うございます。

>250ところで、土佐は昔から珍貝の宝庫の誉れ高いようですね。
図鑑を見ると土佐沖産は多いですね。あそこは昔から珊瑚採取が盛んで、きっと
その網に貝が掛かってきたのでしょう。郷里に奇特な方がいてその貝を収集して
いました。その中から多くの新種が発見され、その一つが皇女清宮様に因んで
命名されたスガノミヤカセンです(#242)。命名者(収集家)は黒原さんと
言います。所蔵品はここ「海のギャラリー」↓

http://www.yairo.net/seashells/index.html


260横レスごめん。:2001/01/05(金) 16:41
261ヴァカ貝:2001/01/05(金) 17:12
>>258 お腹へったさん
マイマイの歩行について詳細なご検討をお寄せ戴きthanks です!
今、絵を描きながら理解しようとしたのですが、空腹の為か意識
朦朧となってしまい考えが纏まらなくなりました(ぐぅ〜)。充
電後にレス致しますので少々お待ちを!

どなた様も何かアイデアがありましたらお気軽にレスしてね!
262ヴァカ貝:2001/01/06(土) 03:10
>>258 お腹へったさん
マイマイ歩行のメカについて詳しいご検討を有り難うございます!

ご指摘の様に筋肉の収縮の波が前後のどちらに動くか、またそれと
前方推進力産生との関係がどうなっているかの検討が必要です。ア
ワビとマイマイとで粗密波の進行方向が全く逆なのに、どちらも前
に進む事が出来るのは実際のところ実に不思議に感じられます。

お説の様に、水中のアワビではまず、伸ばして着地した頭の先端を
アンカ−にして、そこから伸びの波動(粗の波)を後方に向けて発
生させ(この時、粗の波の前後を挟んで密の波が同時に後方に向か
う)、一方陸生マイマイでは尾端がまず前方に縮み、そこをアンカ
−として密の波動が前方に向かって発生する、とのメカであればま
ず粗密波の発生の仕方が十分理解出来ます。毎度ながら鋭い発想で
感服致します!
263ヴァカ貝:2001/01/06(土) 03:11
(つづき)
この様な粗密波の発生については、ヤスデの足の運動にも観察されま
す。この場合も確か後ろから前に向けて波が進んだと思いますが、粗
密波の正体は、体幹への付け根に対し前後運動を行う脚の先端の密度
の違いが次第に体幹長軸に沿って移動していくものです。体幹自体に
長さの変動は発生しません。

ヤスデの場合の脚先端の<密の波>部分に於いては、その前方を構成
する脚は付け根から斜め後ろに伸ばされた脚であり、またその後方を
構成する脚は、付け根から斜め前方に伸ばされた脚となります(図を
描いて戴くと容易に判ると思います)。次のphase では、斜め前方に
向いた脚は地面を蹴りつつ斜め後ろに向きを変え、その反作用として
体幹部は前方に移動し(即ち前方推進力の産生に与る)、一方斜め後
ろに向いた脚は今度は反転して前方に振り出されます(推進力は産生
しない)。この脚の一連の動きが、外見的に粗密波を発生、移動させ
て行きます。
264ヴァカ貝:2001/01/06(土) 03:12
(つづき)
マイマイの歩行を考える場合、このヤスデの歩行の原理がそのまま当て
はめられるのではないかと考えています。アクア論者Zさんが観察さ
れた顆粒が密になっている部分を考えた場合、次のphase ではその密
の部分の前半分は、密の部分の前方に位置する粗の部分の後ろ半分に引
っ張られ、一方、密の部分の後ろ半分は(しっかりガラス板に固着して)、
その後ろに位置する粗の部分の前半分を前方に引き寄せる事により、腹
足に対して体幹部を前方に移動させます。この一連の筋の収縮が腹足の
長軸に沿い順に行われる結果、腹足に対して波が進行していく事に加え、
腹足自体も前方に進んで行く、と言うものです。

これはこれまでに考えた尺取り虫型の歩行と原理的には同じですが、よ
り理解がし易いのではないかと思います。吸着については、粗の部分が
凹む事に拠って成し遂げる、いうなれば吸盤も(粗の波として)腹足上
を次々と移動して行くと考えればどうでしょうか?また吸着力の発生が、
密の部分の後半部分の、ガラスに対する摩擦力を一層強める作用を果たす
と考えたらどうでしょう?
265ヴァカ貝:2001/01/06(土) 03:17
(つづき)
仮に粗密波の進行方向が前から後ろに向けてのものであったにせよ、前方
推進力産生の原理は同じもので説明可能です。もしかしたら、ヤスデなど
の多足類でも粗密波が前から後ろに向かうものがあるかも知れません。マ
イマイでは前方に向けての粗密波、一方アワビで後方に向けての粗密波で
あるのは、機能的な意義の差よりもちょっとした運動のリズムの差の様な
気がしていますが如何でしょうか?或いは単に系統の違いだけ-----?。

----------------------------
ふぅ〜。

是非ともマイマイの腹足筋線維の三次元的な構築を一度観察してみたくな
ってきました。実際の波の発生をアク論さんに倣い観察してから解剖した
いのですが、生貝のアフリカマイマイがご法度である以上、春になってか
らヤマナメクジでも捕まえに行くしかないかな。取り敢えずはヤスデの脚
運動を詳しく観察すべく、ペット屋で巨大ヤスデでも仕入れてみるかいな
(また昼飯ヌキが続く)。
266ヴァカ貝:2001/01/06(土) 03:19
お気付きと思いますが、上のレスで粗=疎ですよ! 念のため。
267アクア論者Z(ホメオボックス):2001/01/07(日) 07:20
>>253 >ホメオポックス絡みでの解析が行われる事を期待したく なります。 昨年の京都賞も受賞したゲ−リング教授ですが、体節の成立 については特に何か言及しているのでしょうか?

いやーどうなんでしょう?私も全く知りません、興味はあるんですけど・・(汗
でも仰るように体節関係はホメオボックス絡みでないと結論は言えないのかも。で、ヒザラや単板類の「体節」には2視点があるように思います。
1.体節の程度(真の体節か、単なる 二次的反覆か)
2.進化の極性(体節制の痕跡か、体節制の萌芽か)
旧来は環形動物と共通の祖先を想定したために体節型祖先の痕跡である、という考えが流通してて、体節型祖先の図も見たような。でも>>238で教えていただいた研究からは少なくとも1.の問題は見えたようです。でも実際には発生研究がないとどうにもならないでしょうから、是非やって欲しいですね。2・の進化極性が怪しいのはヴァカ貝さんもそうお思いなので、安心しました。

ホメオ絡みは、古いですがWrayらがヒザラ貝・角貝(角貝科・腹太角科)、二枚貝(カキ・ホタテ・マルスダレ類)、巻貝(コジキムシロ)、頭足(オウムガイ)の8種のengrailed-like遺伝子の塩基配列を出してます。engrailedはsegment polarity (“体節極性”)遺伝子で猩々蝿は勿論、環形のヒルでも体節形成に関与してるとのことで(専門の方には言わずもがなでしょうが)、「貝での配列や発現の研究は体節制の進化や系統関係を知る上で興味深い」と著者らも言ってますが、これは配列決定だけですので発現・機能は知り様もありません。ただ、少なくとも前後軸に沿っての構造はある訳ですから、体節制と直結する必要はないとも思えます。あとオウム貝にはホメオドメインのアミノ酸が13違う2つのengrailed-likeがあるようです。不正確・不充分な紹介ですみません。素人なんででお許し下さい。
Wray,C.G.et al.1995.Homologues of the engrailed gene from five molluscan classes.FEBS Letters.365(1):71-74.

あと、体節制関連ですが、Aguinaldoらが18SリボゾームDNAの解析から新クレード「Ecdysozoa“脱皮類”:節足・緩歩・有爪・線形・類線形・動吻・蠕虫」を提唱し、脱皮は前口動物で唯1回だけ派生したとし、逆に節足と環形を含むArticulata“有節類”は存在しないだろうとのこと。よく研究されているC.elegansと猩々蝿とが「驚くべきことに」近縁であるのは重要な意味がある、と強調してます。本説がどの程度支持されているかは知りませんが、とにかく昔の「環形型→節足&軟体」みたいなことはないようです。
Aguinaldo,A.M.A.et al.1997. Evidens for a clade of nematodes,arthropods and 〜.Nature.387(6632):489-493

以上、できれば発生遺伝分子系統なんかをやってる人の意見とかあると嬉しいですね。
268アクア論者Z(短レス):2001/01/07(日) 07:23
>>256 ヴァカ貝さん。槍型吸虫は蟻を食べなければいいってことですね、安心です。
近年日本に移入されたコモチカワツボという淡水巻貝も吸虫に寄生されると昼間に
石の表面に出てきて第2宿主の魚に食われる行動をとらされるそうで、
何だか自分の行動も不安になって来ました。

>>259 お腹へったさん。>所蔵品はここ「海のギャラリー」↓
http://www.yairo.net/seashells/index.html
貝殻の値段はどうすれば分るんでしょうか(いや、ただ知りたいだけなんですけど)
269アクア論者Z(這い方):2001/01/07(日) 07:27
>>258 >>263-265
腹足類の移動が皆さんのおかげで何となく分ってきました。
人が1m間隔で一列縦隊で並び、一人ずつ前に1m進みそれを繰り返す2方法は:

1.最初に先頭の人が前に出て(後に2mの間隔)、次の人がそれを追う(後退波)。
2.最後尾の人が1m前に出て前方の人に密着し、次に前の人が1m前に出る(前進波)。

となり、アワビは1.でマイマイは2.ということかも。後退波では移動部に2mの間隔が存在し、
前進波の移動部は密着となり、摩擦係数の大きい固定部と移動部の比は丁度逆になり、
これが腹足類が前進波でも後退波でも前進できる理屈と考えてよいでしょうか?

>>263>この様な粗密波の発生については、ヤスデの足の運動にも観察されます
そうですね、1度に複数の波が見られる点でも同じな感じがしますね。
何年か前に慶応の理工の人達が、不整地をむだな空間なしに(尺取虫型では
密部を作るのに体の折曲げ空間が必要)移動するロボット開発のためにシマミミズの
移動を詳細に研究してたようです。シマミミズも疎密波ですが、後退波のアワビ型
だそうです。ただ巻貝でも色んな方法があるので剛毛の生え方が違う種は違うかも。

>>265 >機能的な意義の差よりもちょっとした運動のリズムの差の様な
>気がしていますが如何でしょうか?或いは単に系統の違いだけ-----?。
系統上の制約はありそうですね。ヤマタニシとか陸生の前鰓類の這い方が判れば・・・

再び体節の話しですが、確かに長い部分を順々に動かすにはそれに相当する神経や
筋肉が発達するわけで、一種の反覆構造が生じますね。まったくなるほどです。
270アクア論者Z(訂正ゴメソ):2001/01/07(日) 07:47
>>269
×固定部と移動部の比は丁度逆になり
○固定部と移動部の疎-密は丁度逆になり

あと>>267のヒザラ研究ですが
×実際には発生研究がないと
○実際にはホメオボックス絡みの発生研究がないと

あと、ゲ−リング教授ではありませんが和田洋(1997,動物の繰り返し構造の進化の歴史.科学67(9):679-688)は繰り返し構造の起源は原初の三胚葉動物の神経系の繰り返しで、セグメンテーション遺伝子も本来のこのためのものであろう、と言ってます。素人にも解り易い内容で面白いです(ご存知かもですが)。なお、ここでは系統図内の単板類は真の体節を持つ動物の印がついてますが、今だったらまた違うかも。
271アクア論者Z(遅レス失礼):2001/01/07(日) 08:20
>>260 横レスごめん。
>http://www.yairo.net/seashells//images/gallery1/harinaga.jpg
>↑コレ気に入った(はぁと

なかなかお目が高い。
この学名の「yoka」は九州弁の「良かぁ」だそうですよ。
昔外人がこの貝を見つけて漁師に「コノカイ、ナニデスカ?」
と貝の名前を聞いたら「良かぁ貝じゃ」と言うので
ほう、yokaってう貝なのか、と思ったという話し。

書きこみ歓迎!
これからもどしどし書きこんで下さい。
やっぱ多様性がないとね。
272ヴァカ貝:2001/01/07(日) 19:18
>>267 アクア論者Z(ホメオボックス)さま
ホメオ関連の情報を有り難うございます。

>ヒザラや単板類の「体節」には2視点があるように思います。
1.体節の程度(真の体節か、単なる 二次的反覆か)
2.進化の極性(体節制の痕跡か、体節制の萌芽か)

ちょっと外れたレスになりますが「体節」を別の言葉に置き換えれば
私が日頃悩んでいる(チト大げさ)脊椎動物の構造上の問題となりま
す。

>できれば発生遺伝分子系統なんかをやってる人の意見とかあると嬉
しいですね。
これのknow-how が自分に無いものですから、その直前であれこれ仮説
を出来るだけ煮詰めるとの研究ですが、学問的限界を感じる事が多いで
す------。済みません、愚痴をつい言ってしまいました。仰せの通り、
発生遺伝分子系統のお仕事の方がレスして下さると有り難いですね。
273ヴァカ貝:2001/01/07(日) 19:19
(つづき)
>>267
>とにかく昔の「環形型→節足&軟体」みたいなことはないようです。
私が大学教養課程で履修した生物学は「環形型→節足&軟体」の典型、
即ち目に見える形(の一部)から判断する生物学でしたから、遺伝子
からの仮説の提唱には毎度驚かされ、実に刺激的です。

余談ですが、他のシダ類とは遠い存在と考えられてきた水生シダ類の
サンショウモ(外国由来のオオサンショウモが熱帯魚店で普通に売ら
れます)やアカウキクサが、遺伝子の解析の結果、他のシダ類に非常
に近縁な種類であった事が判明したと聞いた事があります。生物板に
植物関連のスレを殆ど見ませんが、どなたか「植物の不思議」などの
スレを立てて戴けませんか?
274ヴァカ貝:2001/01/07(日) 19:22
>>273
あれっ、今板を見たらしっかり「植物の進化」スレが立ってました!
発展を期待します!
275ヴァカ貝:2001/01/07(日) 19:40
>>268 アクア論者Z(短レス)さん
>何だか自分の行動も不安になって来ました。
まっ、まさかアク論さんはこのごろ木登りして枝の先にジッとして
いたくなったなどと----。
私の場合、似合わないのを承知で最近ヒゲを伸ばし始めましたが、
これも寄生虫の影響かなぁ?(藁

http://www.yairo.net/seashells/index.htmlに作者不詳の詩が掲
載されていますが、「私の耳は貝の耳、海の響きを懐かしむ」を思
い起こさせます。何だか原文より浅野 浩氏の和訳の方が遙かに芸
術を感じさせます----。価格設定についてはどうなんでしょう?収
集家の多いタカラガイなどに見られる様に、国際的な相場が大方の
貝にも定まっているのでしょうか?私も今度試しにメ−ルしてみよ
うかな(サイフは毎度カラですが)。
276ヴァカ貝:2001/01/07(日) 20:21
>>269 アクア論者Z(這い方)さん
一列縦隊の巧みな例えを戴き、自分の言っている事が一層理解出来ました!(藁

>>258にてお腹へったさんが<氷の上で横一列に両手を繋ぎ、端から順に両手を
収縮伸展させるとどうなるでしょう?>とレスされていますが、粘液の滑りの問
題を考えられたのだと思います。アク論さんの観察ではシカと固定する部位が存
在するとのことですから、マイマイは粘液を分泌しつつもけしていつも粘液膜の
上を滑っている訳ではなく、歩行に関する粘液の機能的意義合いをもっと検討す
る必要がやはりありそうです。-----テフロン加工のフライパンが有りますが、
これの上にマイマイやナメちゃんを這わせたらどうでしょうか?(でもそのあと
料理する気になれないなぁ。)

>慶応の理工の人達が----ロボット開発
ゲゲッ、私の知ってる先生かも知れません。シマミミズはアワビ型でしたか。

>ヤマタニシとか陸生の前鰓類の這い方が判れば・・・
生きているヤマタニシを一度も見たことがないんですよ。カラは昔オカヤドカ
リの夜店で妙チクリンな分厚いカラのマイマイを見ましたが、これが後にヤマ
タニシのものと知った次第です。本土でも西日本の方には生息するのでしょう
か?>>233にてアク論さんが<前鰓類の陸貝は殻も厚くて丈夫だし粘液の量も少
なそう>と仰せですが、粘液量の違いからもより這い方を見てみたくなります。
277ヴァカ貝:2001/01/07(日) 20:25
>>270 アクア論者Z(訂正ゴメソ)さん
和田洋氏の論文は読んだことがありませんでした。今度図書館で
探して読んでみます。情報をどうもです!
278アクア論者Z:2001/01/08(月) 08:38
>>272 ヴァカ貝さん
>これのknow-how が自分に無いものですから、その直前であれこれ仮説
>を出来るだけ煮詰めるとの研究ですが、学問的限界を感じる事が多いです
確かにある形質の存在をどう判断するかは難しそう。でも形態をずっと
やってきた人が分子情報を使うのと、分子だけをやってきた人が形態を扱う
のとでは断然前者の方が良い結果を出せそうな気もする・・
いや、これは素人の浅い考えかも。

で、「脱皮動物」っていうと硬いクチクラ皮をもってるのが多いから
なるほどな感じもする一方で、なんだかアリストテレスに戻った気もする。

>サンショウモ(外国由来のオオサンショウモが熱帯魚店で普通に売ら
>れます)やアカウキクサが、遺伝子の解析の結果、他のシダ類に非常
>に近縁な種類であった事が判明したと聞いた事があります。
あぁでもやっぱり分子は便利だ。しかも形態は思いの他変化するのか。
本当は両方をよーく知ってれば最高なんでしょう。

>私の場合、似合わないのを承知で最近ヒゲを伸ばし始めましたが、
>これも寄生虫の影響かなぁ?(藁
それはそうだよ!髭の人はカラスに襲われ易いって何かで読んだ(ぅζ
因みに私は紐蟲とか平蟲見ると食べたくなる(まだ食べてないよ)。
279アクア論者Z:2001/01/08(月) 08:40
>>276 ヴァカ貝さん
>>258にてお腹へったさんが<氷の上で横一列に両手を繋ぎ、端から順に両手を
>収縮伸展させるとどうなるでしょう?>とレスされていますが、粘液の滑りの問
>題を考えられたのだと思います。
まったく。やはり粘液の上で滑る部分と静止部分があるのが重要ですね。
でもお腹へったさんの例はどうなるんだろう、特に真中あたりでは??
あと、ちょっとしたリズムの違いというのもそうですね。1人が移動した後、
前後両方の人が同時に動くなら百足競争の左右の足と同じで移動波はなくって、
ちょっとしたタイミングのズレで前進波か後退波かが起きるわけですもんね。

>慶応の理工の人達が----ロボット開発
>ゲゲッ、私の知ってる先生かも知れません。シマミミズはアワビ型でしたか。
前野・山崎・立川という方々のようですよ。ヴァカ貝さんは慶應なんですか?
(っつー私は高卒の奴窮鼠でやんす)
ミミズをイメージすると前進波のように思い浮かぶのですが、シマは逆みたい。
でも環状剛毛のミミズとか、水生のもあるんで一概には言えないかもです。

>生きているヤマタニシを一度も見たことがないんですよ。
東海以西では林の中なんかにいくらでもいるようですが、なぜか関東では
生息地が限定されてるみたいで東京近辺だと千葉鋸山あたりが近いかなぁ。
東で少ないのは、もともと熱帯性の属なことと、雌雄異体なせいかな。
280名無しゲノムのクローンさん:2001/01/08(月) 15:30
>アクア論者Zさん
東大出てたって無能な人はたくさんいます。
能力があれば学歴なんて関係無いですよ。
281ヴァカ貝:2001/01/08(月) 18:00
>>278
>形態をずっとやってきた人が分子情報を使うのと、分子だけをやって
>きた人が形態を扱うのとでは断然前者の方が良い結果を出せそうな気
>もする

そう言って戴けると慰めにはなります。

>本当は両方をよーく知ってれば最高なんでしょう
まさに至言です!

>「脱皮動物」っていうと硬いクチクラ皮をもってるのが多いから
>なるほどな感じもする一方で、なんだかアリストテレスに戻った気も
>する。
アリストテレスは直感ですべてお見通しだったのか−−−。あと今年の
干支のヘビなんかも脱皮動物ですかね?(藁

>髭の人はカラスに襲われ易い
なるほど。やはり寄生虫に操られていたのか!今度から目玉模様の帽子
をかぶろうっと。
282ヴァカ貝:2001/01/08(月) 18:21
>>297
>ちょっとしたタイミングのズレで前進波か後退波かが起きるわけです
仰るとおりですが、その「ちょっとしたタイミングのズレ」の由来を知
りたいです。奥は深そうですけれど。

>ヤマタニシ
房総の鋸山近辺に生息してますか。よしっ、雄雌1匹ずつ捕まえて飼育
してみるか。

ヤマタニシの生態写真を探してみましたが毎度の貧弱な検索力ゆえあまり
見つかりませんでした:

http://www.okinawatimes.co.jp/~o-times/spe/sima20000318.html
沖縄のやまたにし、オ−ル−チンナンの生態写真。眼点が触角基部
にあり、確かにタニシの仲間とわかります。しかし美形ですね。

http://www.giaco.com/~chansy/cyclopho/malayen2.jpg
マレ−産生体写真

ついでに、
http://www.schnr-specimen-shells.com/Landsnails.html
沖縄産のオキナワヤマタニシCyclophorus turgidus の殻が2ドルで販売
283ヴァカ貝:2001/01/08(月) 18:32
(つづき)
>慶応の理工の人達
挙げて戴いた3人の内の1人の方とは自宅まで押し掛けて酒を飲んだ
ことが有ります(だいぶ昔です)。私はKOでは有りませんよ。ビン
ボ−柄悪系です。アク論さんはKO高校の出ですか?----私も都立校
上がりの「奴窮鼠」でやんすので今後も宜しく!

>>280 さん
本スレッドでは勿論レス戴く方の社会的な属性は一切問いませんよ。
「興味」のエネルギ−だけが本スレの原動力です。どうぞお気軽にレス
して下さいまし。
284お腹へった:2001/01/09(火) 15:59
レスがいっぱいでどこから手をつけてよいか分かりません。とりあえず
>ヴァカ貝さん、アクア論者Zさん
マイマイ歩行について私の愚考を検討して頂き有難うございました。自身の観察を基にした
ものではないので、単なる想像に過ぎませんが、これを基に何方かもっと突っ込んで考えて
下さることを期待します。
一つ重要なことを書き損じていましたので追加します。アワビが先端部を伸ばすのは縦走筋
の弛緩だけではなく、横走筋?(環状筋)の収縮が必要と思います。多分腹足も縦走筋の
収縮→弛緩と横走筋の弛緩→収縮の相互作用と思います。横走筋の収縮は体を伸ばすが前後
どちらに伸びるかが問題です。stopperがあればいいがそうでなければ、摩擦の少ない方か、
あるいは「どちらか隣の縦走筋の収縮する方向へ伸びる」のではないかと想像しています。
お二人にはいろいろご示唆頂きましたが、これ以上は頭がパニックになりそうなので宿題に
しておきます。
陸貝の足波がどうして前進波かも不思議です。乾燥面ではこの方が歩きやすいのでしょうか。
陸貝は上陸後、前進波になったのか、前進波に貝だけが上陸できたのかも知りたいですね。
是非、他の陸貝の歩行も観察希望!
285お腹へった:2001/01/09(火) 16:39
>268、275貝の値段。
以前「海のギャラリー」へ行った時はほんのお土産程度に貝殻を売ってました。
今では本格的に売買しているのかな?日本三宝のテラマチダカラはベンツ一台と
書いてました。宝石並ですね。http://www.yairo.net/seashells/index.html
に写真が出てます。

私も貝の値段は詳しくはありませんが、ここのshell shopを覗いてみませんか?
陸貝もあります。↓

http://www.bigai.ne.jp/index.html

>281
>なるほど。やはり寄生虫に操られていたのか!今度から目玉模様の帽子
>をかぶろうっと。
ヴァカ貝さんもついにマイマイになりますか。おっと、目玉模様をかぶれば
マイマイカブリか。


286ヴァカ貝:2001/01/09(火) 17:10
>>284 お腹へったさん
愚考などとはとんでもない!お腹へったさんからは毎度の鋭い
アイデアのご提示を戴き、私はそれに単に尾鰭を付けているだ
けですよ。

仰る通り、以前お腹へったさんが腸管の収縮について触れられ
ていましたが、一定のマスがあって伸び縮みする構造であれば、
環状筋が絞り込んで長軸方向を伸ばし、また縦走筋が縮んで長
軸方向を縮める構造が一番シンプルであるし、実際、昆虫の飛
翔のメカニズムからしてこれら直交する筋線維の配置がもたら
すものです。マイマイの腹足もこの基本的な造りを採用してい
るに違い無かろうと思いますが、細かな波動を形成する事実か
ら、筋線維の三次元的な配置と長さがどのようなarchitecture
であるか実際解剖して観察したいところです。アクア論者Zさ
んの観察から顆粒の密な部分が実際stop することが判りました
が、このstop する機構がどういうものか、例えば、ガラス表面
の微細な凸凹に何か<足掛かり>を得ているのか、部分的に吸着
しているのか、或いは前後の粘液がらみの力の均衡からstop し
ているのか、(このスレッドに於いて)今のところは不明です。

波動の問題と貝の陸上への進出の問題との関係はもう少し情報
が欲しいですね。宜しかったら、お腹へったさんにヤマタニシ
やその他の陸貝を(済みませんが正月早々寒い中)採集してい
ただき結果をいただければ有りがたいです(もちろん無理しな
いで!)------。あと、沖縄の方に参加して戴ければ有りがた
いですね。

私も何とか出来るだけ大きな有肺類を得るべく、昨日大阪のペ
ット卸商に連絡をとったところ、カリブ諸島もののオオナメク
ジが現在在庫があり、1頭5000円との事でした。これだと
昼飯10日分となりますのでいまマジで入手すべきか考え込ん
でいるところです。食用の名目が立てば我が家の大蔵大臣(あ
れっ財務大臣?)からの特別予算が費出し易いのですがナメち
ゃんだとさすがに-----。こんなことをしている内に売り切れ
るでしょう。


287ヴァカ貝:2001/01/09(火) 17:37
>>285 お腹へったさん
http://www.bigai.ne.jp/shop/6350/index.html
にてヴァカ貝科3種が売られていましたよ。ホッキガイが
ヴァカ貝科だったと初めて知りました!しかしホッキガイも
エゾヴァカガイも1個100円かぁ。ただの手間賃だな。
288お腹へった:2001/01/10(水) 17:16
>287ヴァカ貝さん
ヴァカ貝そのものが売りに出されていなかったのは、
良かったのか、悪かったのか・・・・。

今日はお世話になった先輩の告別式で喪に服しています。
289ヴァカ貝:2001/01/10(水) 17:28
>>288 お腹へったさん
ご自愛下さいと言うばかりです。カキの土手鍋などを
食べると元気が出ますよ。この頃は韓国風の鍋にカキ
を入れるのも流行っているようです。
290お腹へった:2001/01/11(木) 17:05
>289バカ貝さん
有難うございます。カキの土手鍋か、忘れてたなあ。
夕べは鴨鍋だった(初めてだ!)少し元気が出たので明日はミミズ、次は
斧足類について書きます。どうやって砂に潜るかやっと分かった。
291名無しゲノムのクローンさん:2001/01/11(木) 18:22
このスレッド面白いですね。
機能形態学マンセー!
292ヴァカ貝:2001/01/11(木) 22:21
>>290 お腹へったさん
鴨鍋とは豪勢な!でも元気が出たとのことで何よりです。
ミミズと斧足類のモグリ方について楽しみにしています。

>>291 名無しさん
どうもです。なんでも素朴な疑問がありましたらレスして
下さいましな。勿論機能形態学に限定はしませんよ。
293ヴァカ貝:2001/01/11(木) 23:10
さて、ナメクジスレにてどなたかが柳田国男の『蝸牛考』についての
HP を紹介され、私も10年ほど前に古書店でそれを入手した事を思い
出しました。手持ちのものは創元社発行、昭和18年版の『蝸牛考』で
柳田が以前執筆したものを改訂したものです。本書は日本各地のマイマ
イの方言を列挙、比較し、「方言の地方差は、大体に古語退縮の過程を
表示して居る」「さうしてこの一篇の蝸牛考は即ちその例証の一つであ
る」ことを結論として得たとの主張からモノされたものです。

<都府生活と言語>の章に、以下の内容の記述が有ります。「元々九州
地方ではマイマイの事をツグラメといった。この地方ではツグラとは懐
或いは蛇のトグロの事である。カサやマイマイの新語が既に九州の周辺
部に入っているが、一方ツグラメの語は九州中央山嶺の周囲に今なお一
団の使用域が有り、それが又南北に進出するにつれて、少しずつの転訛
を見ようとしている。」「これを検証するには、それぞれの方言領の辺
境現象を見ていくのが一つの手段である。」
294ヴァカ貝:2001/01/11(木) 23:11
(つづき)
ツグラメ 肥後阿蘇郡
ツグラメ、ツクラメ 豊後南北海群
ツングラメ 日向東臼杵群
ツングラメ 豊後宇佐郡
マメツングリ 筑後三猪(?)群
メェメェツングラメ 肥前佐賀付近
(途中略)
ツグラメ 鹿児島
ツンナメ 大隅種子島
ツンナメ 七島寶島

「薩摩の一隅のツグラメが一つの海を越えて、種子、寶の島々のツンナ
メとなった事は前に見えている。それから南の方も系統はおおよそ一つ
かと思われて」
295ヴァカ貝:2001/01/11(木) 23:12
(つづき)
チンナン 首里那覇及び周囲
チンナミ、チンナンモォ 沖縄本島名護
(途中略)
チンニャマァ 奄美大島北部
チンダリ 同上大和村
チンダル 加計呂麻島各地

「などの例がある。」
「ナ行とダ行との通用は、この比較によっても想像され、一方ダ行が
ラ行の代わりをすることは、熊本鹿児島両県下の普通であるから、ツ
ングラメが一旦種子島その他のツンナンとなり、更にチンナンを経て
チンダルにまで、転訛して行ったものとも想像せられぬことは無い。」

以上の内容の記述がありました。
>>282 にてオ−ル−チンナンを紹介しましたが、ツグラメ>ツンナメ>
チンナンの流れがあると思うと面白いです。

ふぅ〜。
296ヴァカ貝:2001/01/11(木) 23:16
>>292,293 あれっ、勝手にsageになっている?どしたの?
297ヴァカ貝:2001/01/11(木) 23:37
『蝸牛考』追加です。

「さうしてこの(ツグラメ使用域の)中間には蝸牛をナメクジという
地域を包囲し、そこには又ツウナメクジ、ツウノアルナメクジ等の名
を生じて居るのだから」とあり、<蛞蝓と蝸牛>の章にて、「九州で
は肥前肥後筑後の各地、壱岐の島にも蝸牛のナメクジがあり、日向の
島野浦では双方ともナメクジである。(中略)肥後でも熊本以南、宇
土八代球磨の諸郡では、蝸牛のナメクジはそのままにしておいて、却
って蛞蝓の方をばハダカナメクジと言うことになって居る。」とあり
ます。

整理すれば、九州のマイマイ方言については、

マイマイ、ナメクジを纏めてナメクジと呼ぶ地域
その周りのマイマイをツグラメと呼ぶ地域
カサ、マイマイの新語の影響を受ける地域、が有り、

他の方言にも見られる地域分画的、階層的構成が見て取れる
と言うことでしょうか。
298お腹へった:2001/01/12(金) 15:27
>269シマミミズは後退波>アクア論者Zさん
そうかあ。ミミズが半分ほど土に潜った時点を想定すれば、尻を押して地中へ
ねじ込むよりも地中から引っ張る方がずっと入りやすいんだ。押すよりも引っ
張る方がたやすいと言う事は、土に潜るミミズは前進波では都合が悪くマイマイ
型は存在しないかも。
蛇足(蚯蚓足?)だが、半分ほど土に潜ったミミズを引っ張り出そうとしても
中々出てこない。剛毛によるものにしては強すぎる。恐らく地中部分を縮めて
膨大させ抵抗しているのではないか。
土の穴から頭を出しているミミズが素早く頭を引っ込めるのも不思議だ。後退
できないはずなのにどうやって頭を引っ込めるか、これは中高生への質問とし
て丁度よいか。庭にミミズが沢山いるので、前の問題も含めて次男の春休みの
宿題にしよう。ただし今の次男の年齢では引き受けてくれんだろうなー。
ヴァカ貝さんの言うように自分でするしかなさそう。

299お腹へった:2001/01/12(金) 17:53
アサリの砂潜り。簡単だと思っていたらどうしてどうして・・・。
白井祥平さんの書いた子供向けの本に図解付きで載ってた。
先ず殻を少し開けて斧のような足を砂の中に伸ばす。足の先端を膨らませて
(アンカーにして)同時に殻を素早く開閉させ水を吹きだし周りの砂を柔ら
かくし、足を縮めて殻を閉じつつ砂の中へ引き寄せる。
単純だが巧妙な方法です。足を伸ばした後、膨大させる方法は他の蠕動運動
の参考になりそうです。この本は昔読んだはずですがすっかり忘れていまし
た。

先ほど広島の友人からTELあり、カキ送ると言ってきた。
2ch見ているのかな?まさか。
300ヴァカ貝:2001/01/13(土) 08:41
>>298 お腹へったさん
蚯蚓の歩行方法について示唆に富むレスを有り難うございます。
>>279にてアクア論者Zさんが名前を挙げた慶応の先生方がシ
マミミズの locomotion に関してきっと詳しい報告を出して
いると思います。それでもアマチュア(もちろん私もその1人
です)があれこれ素朴にものを考えるのも悪くなかろうと言う
訳で、では私も早速ミミズについて幾つか:

昔の話になりますが、小学校高学年の頃、周囲で釣りブ−ムが
起き、私もご多分に漏れず休日毎に近場の池でフナ、クチボソ
(モツゴの東京方言)、ダボハゼ(チチブ?)などを相手にし
ておりました。餌は勿論ミミズで池の近くで自力で採取しま
した。その時の思い出ですが、ミミズを手の中に閉じこめると
伸縮の際に剛毛でジョリジョリしますが、やがて指と指の間を
掻き分ける様にして外に<顔>を出しました(余談ですが手の
平はミミズ臭い黄色い粘液で覆われます、ヒェ〜)。
301ヴァカ貝:2001/01/13(土) 08:42
(つづき)
土壌中にトンネルを掘り進む時もこれと同じメカで進むと思い
ます。つまり、1.身体の後ろの方を剛毛を滑り止めとして固定し、
<顔>を前方に伸ばして隙間にこじ入れ、2.今度は<顔>を膨ら
ませて土の壁を周囲に押し広げる。3.これの繰り返し。なんだ、
結局切り羽を開削するのはモグラとかおケラの手の動きと基本的
に同じじゃないかい?或いは平泳ぎをする時のヒトの手の動きと
も?

出来上がったトンネル内を移動するには、身体の長軸方向の疎密
波を起こし、密の部分は前後方向が縮んでその分直径が太くなる
ので、そこの剛毛がトンネル壁面に接触して(ヤスデの様に)前
方推進力を産生する訳か。結局のところ、切り羽の開削も疎密運
動のなせる技の一部と言えます。あれっ?、でもミミズの場合、
疎密波の伝達は結局身体の径方向に振幅を持つ波として伝達もさ
れるから、これは電磁波と同じ横波も発生していることになる
(勿論ヘビの様なS字カ−ブの連続の様な横波の発生とは質を全
く異にしますが)!?
302ヴァカ貝:2001/01/13(土) 08:43
(つづき)
シマミミズの場合はアワビと同じ後退波との事ですが、理論的に
は、ヤスデのところで触れました様に、後退波、前進波どちらの
疎密波であっても前方推進力を得る事は可能です。仰る様に、頭
から身体半分を地面に突っ込んで潜ろうとしているミミズの場合
を想定すると、上記掘削の場合と同様、身体の後ろの方を固定し
た上で頭をまず伸ばす動作から、後退波が自ずと発生する様にも
見えます。

私の考えですが、ミミズの場合は、波動の方向は寧ろ、体内の物
質輸送に関係しているような気もします。と言うのは、マイマイ
に見られる媒体(ガラス面など)との接触面に限定された腹足の
波動では無く、ミミズの場合は管腔を形成する壁面全体としての
疎密波(+横波)が発生することから、身体全体が心臓のポンプ
の様な作用を示し、例えば(本当の)心臓の循環作用を助けてい
るのかも知れません。
303ヴァカ貝:2001/01/13(土) 08:44
(つづき)
同様に、水面下に穴を掘って棲息する<長い生き物>例えばギボ
シムシなどの場合、作った穴の外壁に対して身体が疎密波(+横
波)を発生することにより、穴内部(身体と穴の壁面の間の隙間)
での物質の輸送を行っている事は十分考えられます。石灰質の殻
を形成するゴカイの場合も、自己に都合の良い方向の疎密波を発
生させているかも知れません。以前>>211にて海牛好きさんがシ
ロウリガイが砂泥中から養分を貝の本体側に汲み上げる際には歩
行の波運動を利用しているのではとレスされましたが、貝殻側を
固定し、斧足に貝本体側に向かう波を発生させて物質の流れを起
こすことは十分あり得そうに思われます。

あっ、そうか、マイマイの場合、疎密波の疎の部分がガラス面か
ら離れて凹み、密の部分がガラスにほぼ接触しているのなら、前
進波の発生は分泌する粘液を身体の前へ前へと移動する作用があ
るのかな?もしかしてこれがマイマイが後退波でなく前進波を選
択した究極の理由かな?粘液(主に滑り心地に影響か?)を腹足
面になるべく保つ様にして節約し、結果として特に水分の損失を
抑える効果があるのかな?
304ヴァカ貝:2001/01/13(土) 08:48
(つづき)
ふぅ〜、腹へった!そろそろ朝飯喰わないと。お腹へったさんの
元に広島からカキが届いたそうで(ゴックン)、何だかこっちも
カキフライが喰いたくなって来たよ〜ん。でも子供さんにミミズ
の機能形態的な観点からの観察をさせるのにはどうしたら良いの
かなぁ? 近頃、色とりどりの透明パイプを繋げて作るハムスタ
−用のペットハウスが売られているけど、ミミズ用のパイプハウ
スが作れたら面白いな。

ミミズの<引っ張り出し抵抗性或いは逆行歩行性>と二枚貝斧足
運動については次回のレスで少々。
305アクア論者Z(いつも遅レス):2001/01/14(日) 16:19
>>280
>能力があれば学歴なんて関係無いですよ。
仰るとおりです。私も学歴はともかく能力が欲しい。。。

>>286
>カリブ諸島もののオオナメクジが現在在庫があり、1頭5000円
解剖するにはちょっとお高い。そう言や私は10cmの山ナメを一年間
飼ったけど全然成長しなかった〜栄養が悪かったのかな。

>>293-297
>蛞蝓の方をばハダカナメクジと言うことになって居る
独逸でもナメを裸のカタツムリと言ったりして、どうもナメと蝸牛は
同名で呼ばれることも多いのは内外同様のようですね。
306アクア論者Z(ミミズ):2001/01/14(日) 16:21
>>298-299
>蛇足(蚯蚓足?)だが、半分ほど土に潜ったミミズを引っ張り出そうとしても
>中々出てこない。剛毛によるものにしては強すぎる。恐らく地中部分を縮めて
>膨大させ抵抗しているのではないか。

KOの先生の図でも縮部=膨大部だったような。恐らく筋肉と体液移動で
膨大部を作るんでしょうね。穴に入る長虫は多かれ少なかれそんなこと
をするのかも知れません。二枚貝でも足の膨大で踏ん張る場合があるかも。
それと、アサリが潜る時に殻を開閉するとは。確かに何かしないと砂の抵抗
は大そうだ。案外いろんなことやってるんですね。

ミミズと言えば、雨後地上に出た巨大シーボルトミミズを捕まえようとしたら
いきなり全体からヌルヌル粘液を出してツルツル化すると同時に、体を硬直
させて斜面を猛スピードで滑落して逃げて行きました。濡れ石鹸がタイルの
上を転がり滑るような印象で、ちょっと意表を突かれる移動法でした。
307アクア論者Z(這い方の種類):2001/01/14(日) 16:29

巻貝の這い方の種類をまとめてみました。「類」は「の一種」と読み替えて下さい。

++++++波の見られるもの+++++++++

 単走性波(monotaxic wave):1列の波。
 二走性波(ditaxic twave):足裏が左右に分かれて2列の波。

1.進行波・単走性(direct monotaxic)
  タマガイ類・マクラ貝類・マイマイ・ナメクジ類
2.退行波・単走性(retrograde monotaxic)
  アマオブネ類・ムギ貝類・マクラ貝類・タケノコ貝類・アメフラシ
3.進行波・二走性(direct ditaxic)
  エビス貝類
4.退行波・二走性(retrograde ditaxic)
  カサ貝類・アワビ類・クボ貝類・レイシ貝類・イトマキボラ類他
5.合成波(composite wave):斜・横の密波が同時に生じる
  タカラ貝類
6.不規則終止波(arhythmic terminating waves):
 疎波がどこからでも起こり、どこでも終わる。
  オキニシ類・テングニシ類

++++++波の見られないもの+++++++

不連続移動(discontinuous locomotion):足の裏全体がアンカーとなる
 7.足を伸ばした後に殻(体)を引き寄せるタイプ(殻が長いのが多い)
 カニモリ貝類・キリガイダマシ類・タケノコ貝類・フデ貝類
 8.殻を投げ出してから足を移動させるタイプ
 シマイボボラ
 9.口(吻盤)と足で尺取り歩行をするタイプ(小型半陸生種に見られる)
 カワザンショウ貝類・クビキレ貝類
10.跳躍(leaping):蓋で地面を掻いてジャンプする
 スイショウ貝類・クマサカ貝類
11.繊毛移動(ciliary locomotion)
 タマ貝類・トウカムリ類・マクラ貝類・フデ貝類・
 モノアラ貝類・サカマキ貝類・小型マイマイ類他

岩波生物学辞典で「足波」を見ると進行は順行、退行は逆行とありますが、
ここでは進行・退行を使いました。タマ貝・マクラ貝・タケノコ貝なんかの
砂地性の貝では同科内で違う這い方があるようです。但し観察者やその状況
で変化する可能性もなくはないような・・・トウカムリ類が繊毛ってのも。
型の分類・名称・例はMiller,1974.J.exp.mar.Biol.Ecol.14,269-278を
基本にしましたがアメフラシは岩波辞典、アワビ・モノアラ・マイマイはその他
からの引用です。アワビが退行波というのは私の早トチリで、二走性進行波でした。
308アクア論者Z(マイマイの這い方):2001/01/14(日) 16:33
>>303
>前進波の発生は分泌する粘液を身体の前へ前へと移動する作用が〜?
粘液腺は口-足前縁の境目にあって前方から後方へと流れるようです。
蹠面上皮内にも腺があって、そこからは水っぽい粘液が出るようです。
マイマイの収縮部が吊り上げられているかどうかは移動機構に関わる問題ですが、
粘液が前方に移動・滞留しない点からも吊り上げ説を否定する人もあり。

腹足での這う運動にはまだ謎が多く、完全解明はまだのようです。
修士氏が横波装置の原理追及をしなかったのは、既に原理は明らかだと考えている
からのようです。氏が引用している京大の池内・富田両氏によるモデルを具現化
したのがあの装置だ、と考えているらしいということです。(修士氏↓)
http://www.mec.m.dendai.ac.jp/mechatronics/introduction/kougai/H10Master/mh10kata.htm

池内氏らのモデルでは伸張・静止部では基盤との間隙が狭く、収縮・移動部では
腹足が引っ張り上げられて基盤との間隙が広くなり、挟む粘液層に生じる
せん断応力(ズレ応力)が違うのために移動する、とされています。
前方を行く収縮部ではまだ粘液が押圧されていませんが、後方からそれを追う
伸張・静止部では腹足の動きと同調して粘液も薄く引き伸ばされて大きな応力が生じ、
腹足は応力の小さい前方へ移動する、という原理のようです。
伸張による「液の引き伸ばし」が無い点で修士氏の装置は違うのですが、
膜の突出圧だけでも凹部-凸部間に応力不均衡が生ずるなら根本原理は同じか?

でも、これだと退行波の貝は後ろに進むか、全く別の原理で移動するか
のどちらかですが、退行波の貝は粘液を使わずに筋肉収縮部を接地して
ミミズと同様に這う、と説明しています。粘液を使う場合は伸張部を静止部に、
筋肉をイボ足のように使うには収縮部を静止部にするので足波が逆になる
との考えですが、納得しがたい部分もあります。
(池内・冨田,1994.日本機械学会論文集(B編)60(579),3618-3622.)
309アクア論者Z(マイマイの這い方2):2001/01/14(日) 16:37
信州大学(繊維)の方々による家屋内を自由に移動できる介護用腹足マット
の開発研究もあるようです。

こちらの研究では実際のマイマイの腹足にマーキングしてビデオ撮影し、
その解析から移動時の運動をモデル化したり、移動時の腹足縦断面の形状を
推定しています。が、こちらも収縮が吊り上げのみによると考えているらしく、
計算結果からは全長62mmのマイマイで、収縮部の基盤からの高さは4mm、
という肉眼的な観察とも大きく異なる結果が出ていて、今後の課題も多そう。
(森川・阿部他,1996.日本設計工学会講演論文集(96-春季),113-114)
(藤原・森川他,1999.日本機械学会年次大会講演論文集1999(1),631-632)

やはり収縮波が吊り上げられているのかどうかが一つの大きなポイントですが、
動物の運動関連の本で吊り上げ説が流布しているらしいことに問題があるのか、
日本の工学系では吊り上げ説が踏襲されてきてるようで、横波成分の凹凸に
重点を置いてしまう傾向(修士氏の緒言によく表れているように)は問題か。
310ヴァカ貝:2001/01/14(日) 21:59
>>305 アクア論者Zさん
カリブもののナメクジについては結局高すぎて解剖などできまへん
とのことで買うのは止めました。その業者が言うには、アフリカマ
イマイも税関の目をくぐり抜けて入荷する事もあるそうで(どうな
ってんの?)、では世界で<2番目!>に大きいマイマイが入荷し
たら連絡を乞うとして今回は見送りました。春になったら山ナメち
ゃんを採集に行くつもりではいますが、アク論さんの様に可愛がっ
て長生きさせられるかどうか。

>独逸でもナメを裸のカタツムリと言ったりして
へぇ、ドイツ語らしい論理的且つ素朴な言語表現ですね!
311ヴァカ貝:2001/01/14(日) 22:00
>>306 アクア論者Z(ミミズ)さん
>恐らく筋肉と体液移動で膨大部を作るんでしょうね。
ミミズの場合は体節毎の隔壁がしっかりしているようですから、体
液とは殆ど血液に一致するのかな?

毎度の食べ物の話になりますが、春になると我が家ではマテ貝をみ
そ汁にして食します。貝のス−プの濃厚な味が絶品でこれを食べな
いと春を迎えた気にならないくらいで、楽しみにしています(アゲ
マキの方も美味いです)。さて、マテを砂抜きの為に塩水に浸ける
と、筒状の足を盛んに伸縮させますが、特に足の先に拳の様な固ま
りを作り、その後足全体を収縮する動作を繰り返し、その度に水管
から水を四方八方にまき散らす為に台所がびしょぬれになり、掃除
は大変ですが生命の大きなエネルギ−を感じさせられます。砂の中
ではお腹へったさんが言われた様に、その拳をアンカ−にして貝殻
を引き寄せ、一気に潜るのでしょう。マテの場合、殻の開閉のマ−
ジンが小さい様ですから、アサリの様な水の<扇ぎ出し>効果は弱
く、殆ど強力な足の力だけで潜るのかも知れません。
312ヴァカ貝:2001/01/14(日) 22:01
(つづき)
食べる為にマテを殻から外すと、豚の鼻先の様な水管+臓物を抱え
た貝本体+薄い茶色の斧足からなる身が得られます。足の部分は斧
足と言うよりはハンマ−足の名に相応しい形で固まっています。こ
れを食すとフカフカした食感で、よく見ると足全体がスポンジの様
な多孔質の組織から成る事が判ります。前フリが長くなりましたが、
この類似海綿体組織に体液を移動させ、足全体の筋肉作用とも相ま
って拳の様な膨大部を形成するものと想像する事は容易です。男性
器に見られる様な複雑な血流調整様の仕組みがマテの足にも存在す
るとは特には思えませんが、実際はどうなのでしょう(ここまで来
ると自分で調べるしかないかな)?

>>306
>体を硬直させて斜面を猛スピードで滑落して
面白い話をどうも!
坂道を登っていたダンゴムシが敵に出会って丸まり、転げ落ちるシ−
ンを連想しました。
313ヴァカ貝:2001/01/14(日) 22:02
>>307 アクア論者Z(這い方の種類)
うわぁ〜。這い方を纏めて戴き有り難う御座います!
でも、合成波と不規則終始波が実物を見てみないといまいち判らない
ですね。モノアラ貝が繊毛移動とのことですが、すると水面を逆さに
なって這うのは繊毛由来のlocomotion だったのかな?教えて戴いた
Miller,1974 を早速取り寄せて自分でも勉強してみます。
314ヴァカ貝:2001/01/14(日) 22:47
>>308 アクア論者Z(マイマイの這い方)さん
>液が前方に移動・滞留しない点からも吊り上げ説を否定する人もあり

あらら、粘液はそのまま後ろに置いてっちゃう訳ですか。実物を見ない
で頭の中であれこれ妄想を膨らませてしまった様で、生物学が実証主義
の学問である事を忘れてはいけませんでした。

>挟む粘液層に生じるせん断応力(ズレ応力)が違うのために移動する

前後の粘液間の応力(圧力?)差をうち消す方向に腹足が移動するとの
メカですが、アク論さんご指摘の様に修士氏の原理もこれに一致するも
のの様に思われます。また実際、退行波の貝はこの原理では説明できず、
粘液を使わずに「剛毛」式で進むとの(楽な)説明で茶を濁すしかない
のかも知れません。>>307 でアク論さんに分類整理戴いた貝を見まして
も、例えば退行波・単走性のアマオブネの場合、本当にミミズ式かどう
か詳細に実験・観察すると面白いですね。
315ヴァカ貝:2001/01/14(日) 22:48
(つづき)
>日本の工学系では吊り上げ説が踏襲されてきてるようで、横波成分の
凹凸に 重点を置いてしまう
うぅ〜む。自分の手持ちに心臓力学の本(ちょっと古いですけど)があ
りますが、心臓のポンプ作用について、理論的理解を図らんとの目的で
内科医、工学者などか結集してモノされた本です。この本の様に、『腹
足の謎』を解明すべく生物学関係者が集結し、更に工学関係者も加わり
一大プロジェクトが立ち上げられれば理想ですが、現況は、工学の方に
大分流された展開になっているとの事ですね。マジレスですが、アク論
さん側でこの様な計画を立ち上げられ、解明されたら如何でしょうか?
成果がでればすぐにNature 辺りには掲載されるんじゃないでしょうか?
316お腹へった:2001/01/15(月) 16:53
>307アクア論者Zさん>這い方の種類
詳しく教えていただき有難うございます。これらから一定の法則を見出すにはかなり詳しい
観察が必要ですね。
かみさんが10日程計画家出をしている間に、庭のナメちゃんと同居することにしました。
と言ってもナメちゃんにはプラスチックのキムチ容器で寝泊りして貰っています。よく洗った
けれど、蓋を開けるとキムチの臭いがします。天国でしょうか地獄でしょうか。全長
50mmくらいで、よく動いてくれますが、足波は小さくて詳細不明。現在分かったことは
足波は何処からでも発生すること。方向転換時は全部の足波を止めて、頭を進行方向に
向け、前部だけに波を発生させて頭を伸ばし、中央部、尾部の順に前へ送ります。
只者ではない!というのが第一印象です。

>293〜297>ヴァカ貝さん
マイマイとナメクジ、似て非なるものの呼び名は面白い。
私は以前から、海に居るのにどうしてアメフラシと言うのかずっと疑問でした。最近ナメクジを
辞典で調べたところ、別名(地方名)アメフラシと言うんだそうですね。雨が降り出すと出てくる
からアメフラシ、良い名です。海にも似たような奴がいるんであれは海のアメフラシ。ところが
陸のアメフラシはナメクジというぴったりの名を貰ったので、海の方が正式にアメフラシの名を
貰ったとすれば納得。ところがアメフラシはもう一つウミウサギと言う名を持っていた。こちらは
不要になったので今のウミウサギに遣ってしまった。と言うわけで名前の玉突きも面白いので
チョット遊んで見ました。ところで三者のうち誰が一番得したでしょう。ウミウサギかな?
317:2001/01/15(月) 20:21
言語学的疑問その1ですが。
アメフラシは煙幕を出すからアメフラシというのだと思っていましたが。

その2
>>293〜あたりの話題ですが、
ツブ(巻貝)−ツブロ・ツブリ(マイマイツブリとか)
−ツムリ(カタツムリ)−ツグラ
は、同源なんじゃないかと根拠なく感じるんですが。

と思って調べたら、ツブラ(丸くてふっくらした様(つぶらな瞳))があるし、
ツムリ(頭・頭髪)ツムジ(頭頂の頭髪の渦)ツムジ(ツムジカゼ(旋風))も
同源っぽいです。
318:2001/01/15(月) 20:22
あれ?ナメクジスレに書き込んだつもりだったんですが。
319ヴァカ貝:2001/01/15(月) 21:34
>>317 み さんへ
その話題もぉらったもぉらった!

ツブ>ツブリ>ツグラ>ツムジ すっ、鋭い!
第二の柳田国男現る!?

『蝸牛考』で確か同じ様な考察がされていたよ〜ん。また
本箱から引っぱり出してレスするから待っててよ〜ん。
320ヴァカ貝:2001/01/15(月) 22:00
>>316 お腹へったさん
とうとうナメちゃんの「這いつくばり」実験開始ですかぁ!
続報を楽しみにしています。
唐辛子エキスで寒さにもめげずに元気なのかな?
奥様が計画家出と言う事はちゃんと戻って来られるワケです
ね(くどい!)?

アメフラシですか?
>>317 で<み>さんが煙幕を雨に見立ててアメフラシと言う
と思ったとレスされてますが、つついて遊んだ経験を持つ私
としては、煙幕を雨に連想するのは難しい様な気もしていま
す。子供の時からヘンだと違和感を覚えてきた名前の生き物
でした。

アマガエルは雨を予報するので雨の名がついたとすれば、ナ
メクジにアメフラシの名を与えるのは妥当な線であり、かと
言って玉突き現象で海のアメフラシの方に名前が移動したの
かはどうなんでしょう?

アメフラシは春になると深場から磯の浅いところに押し寄せ
産卵します。この時期になると気候的に降雨が続くかという
と少なくとも東京近辺では雨はあまり降りません。

柳田国男が『蛞蝓考』でも執筆して呉れていれば収まりも
つくんですけどね。
321:2001/01/16(火) 14:13
きゃっヴァカア貝さんにほめられちった!
調子に乗って。日本国語大辞典より。

アメフラシ(雨降・雨虎):
1.アメフラシ科の以下略。昔からアメフラシをいじめると
雨が降ったり、海がしけになると言い伝えられている。
うみしか。うみうさぎ。あめふり。ひょりじけ。うじこ。

2.薩摩国の山中にすみ、雨が降ると現れたという伝説上の虫
(って、ナメクジじゃないの?)
雲師 雨虎 雲師は詳ならず 雨虎は薩州山中にあめふらしと
呼者あり雨中に出形石決明に似て痩て殻なし(石決明ってなに?)

アメフラシの紫粘液は雨には見えませんが、
突然湧き起こる雨雲に見えないことはないと思いますと愚考。

>316さん
ウミウサギはでも英名sea hareですね。
322お腹へった:2001/01/16(火) 16:16
>317、321みさん
>320ヴァカ貝さん
アメフラシの語源についてフォロー有難うございます。姿形からは
ウミウシ、ウミウサギ、ウミシカなどそれらしき名前を付けて上げれば
いいものを、前2者は他に取られ、アメフラシというちょっと似つかわしく
ない名を貰ったのはどしてだろう、というのが発端です。
みさんの紫煙幕説は面白い!正解はないのだから諸説有ったほうが楽しいのです。
しかし、少しづつ違う軟体動物がアメフラシ、ウミウサギという名を共有して
いるのも面白いでしょう。

>ウミウサギはでも英名sea hareですね。
そうですか!もしウミウサギがsea hareの訳だったら(あとで名づけられたなら)
やっぱりアメフラシが可愛い名を取られことに・・・。

                                     


323お腹へった:2001/01/16(火) 16:36
>320とうとうナメちゃんの「這いつくばり」実験開始ですかぁ!
>続報を楽しみにしています。>ヴァカ貝さん

新同居人ナメちゃんの特徴は<前同居人に比べ>寡黙で少食です。
よく糞をし、必ず蓋の裏で休みます。餌は白菜とキャベツ。
今夜実験します。中央部を細い絹糸で縛り、宙吊りにしたらどうなるか?
前後何もない場合に前進可能か?少し残酷なようですが、家で簡単に
実行できるものとしてはこの程度しか思いつきません。乞御期待。


324実験楽しみです:2001/01/16(火) 18:03
ナメクジが木の葉から葉へと渡るときは口から粘液を出して
蜘蛛みたくぶら〜んと降りるらしいです。
宙吊りにしたら口から糸を出すに500000エッコ!!
325ヴァカ貝:2001/01/16(火) 23:24
>>321 み さん
そうか、アメフラシをつついたりすると天気が荒れる
との言い伝えがあったんですか。アメフラシの薄紫の
煙幕ももくもくと沸き起こる雨雲に見えなくもないで
すし。漁民がゲンを担いで禁忌としたのかも知れませ
ん。薩摩国の伝説の虫の話を含めて明快な情報をあん
がとさんです。

煙幕に触れると頭が禿げると言うことは良く聞きます
がそれも同源のタブ−でしょうか?

ところでアメフラシの煙幕はイカ、タコのそれと同起
源と考えていいのかいな、とフト疑問が。水族館でイ
カが煙幕を吹くと他の魚介が弱ると聞きますが、事実
は如何?5年くらい前だったと思いますが、弘前大の
先生がイカ墨に抗菌作用があると発表した記憶も有り
ますし。
326ヴァカ貝:2001/01/16(火) 23:27
>>322 お腹へったさん
仰るとおり、<語源に正解は無く諸説有った方が楽し
い>に激しく同意です!

うみうさぎの名前はム−ミン然としたアメフラシには
寧ろ相応しい様にも感じます。しかしアメちゃんの食
欲が凄まじくて短期間の飼育経験でしたがエサ(ワカ
メ、アオサ)の確保が大変だったことを思い出しまし
た。

するってぇと、何かい?、ウミウシのウシってぇのは
触角を牛の角に見立てたのかい?
あらら、蝸牛だって巻き貝背負った牛じゃ〜ん(意味
不明一人オチ)。
327ヴァカ貝:2001/01/16(火) 23:32
>>323 お腹へったさん
今夜実験と言うと今頃ナメちゃん相手に格闘しているのかな?
何だか実験シ−ンがリアルに思い浮かんで申し訳有りませんが
半分笑いたくなっちゃいましたよ。

><前同居人に比べ>寡黙で少食です
少しくらい喋って呉れると可愛さもグッと増すんですけど。
では結果ご報告を楽しみにしています!
328ヴァカ貝:2001/01/17(水) 00:52
>>317 み さん
『蝸牛考』の「単純から複雑へ」の章に以下の内容の記述が
ありました:

「現在の方言分布に於いても、蝸牛を単にツブロと呼んでい
る地方は、捜して見るとまだ決して希有では無い。」
「しかし私は其詳細に入って行く前に、今少しく蝸牛をツブ
ロまたはツブリと謂うことの、至って自然であったわけを述
べて見たい。」との前置きに次いで、

「円といふ漢字を日本語のツブラに宛てたことで」
「最も有りふれて居るのは人間の頭をオツムリといふこと、」
「ツブラなる物(中略)は、物を容れる器の総名であった」
「蓋し轆轤(ろくろ)といふものの使用をまだ知らなかった時
代の人が、土器をツブラにする術は渦巻きより他には無かった。」
「即ちツブラといふのは単に蝸牛の貝の如く圓い物といふだけ
では無く、同時に又粘土の太い緒をぐるぐると巻き上げること、
恰もかの虫の貝の構造の如くにしなければならなかったのである。」
329ヴァカ貝:2001/01/17(水) 00:54
(つづき)
「この上代の製作技術の、今日まで其儘に保存せられて居るの
がツグラであった。」
「ほとんど日本の田舎の半分以上に於いては、米の飯よりもなほ
何層倍か大切なもの、即ち人間の幼児を此の中に入れて置いたの
である。」

柳田はここから、衣服の重なり合って膨らかになった部分をフツ
クラ>フトコロとなったとし、蛇がトグロを巻くの表現にツグラ
が生きていると主張します。ツグラとは藁をトグロ巻きにして拵
えた入れ物で、炊き上がったご飯を入れて保存しておくものです。

整理すれば、
円い物=ツブラ>丸い容れ物、土器(ツボ)>ぐるぐる巻きの構造
>蝸牛のツブロ、ツグラ、トグロ、
となるかと思います。ツムジについてはその言及を見つける事が出
来ませんでしたが同源である可能性は勿論ありましょう。
巻き貝をツブと呼ぶのはツブロと同源で、サザエの「ツボ焼き」と
言う形で標準語にもまだ生きているとの指摘でした。

こうやって見ると、み さんのご指摘も大変鋭いものがあると
再認識させられたところです。
330お腹へった:2001/01/17(水) 08:12
>317つぐらについて>みさん。
なかなか鋭い言語感覚ですね。恐れ入りました。
>328,329ヴァカ貝さん。
ツブラの意味が良く分かりました。縄文土器(?)から竹、藁の渦巻き編みまですべて
ツブラなんですね。
私はツムジの方を調べました。(日本国語大辞典、今手元にないので意味だけ)
ツジ、ツムジは同義語で何れも辻の意味、四方から集まった場所です。それで頭の髪の毛が
集まった渦巻きの部分もツジ(高知県など)、ツムジと言います。さらに転じてツムジは頭
の意味(おつむテンテン)と渦巻き(つむじ風)の意味になったようです。
こうして合わせてみると、ツブロとツムジが図らずも頭と渦巻きという同じ意味になったよう
ように思えます。ただし、ツムジももとを辿ればツブロ、ツグラと同源かも?
いやー、驚きました。
331ヴァカ貝:2001/01/17(水) 10:03
>>330 お腹へったさん
ふぅ〜ん、ツジ>ツムジ>おツムの流れも有るわけですか。ツジが
しんにょうに十字を書くなら、頭のツムジはしんにょうに卍(まん
じ)がぴたりかな?仰る通り、ツムジもツブロ、ツグラと同源かも
知れないですけれどね。

実は昨晩秋田出身の友人に電話したところ、ツムジの事をジンジロ
巻きと言うとの事で、その語感に思わず笑ってしまいました。ジン
ジロも当地のマイマイの呼び方に関係しているのかも知れません。
332ヴァカ貝:2001/01/17(水) 10:07
お目休めにアメフラシ画像を幾つか:
http://www.seaslugforum.net/aplyextr.htm
Aplysia extraordinaria 豪州東海岸に分布。40cmを越える。
名前通りにケタ外れ。その大きなparapodia (副足?)を盛んに羽
ばたかせ、身体を上下させながら活発に泳ぐ。下2枚の投稿写真
が遊泳中の図。泳ぎ方は翼足類のクリオネと同じ方法に見えます。

http://www.seaslugforum.net/seahatac.htm
あらら、ここにアメフラシ煙幕の秘密への扉が。しかしSea Slug
Forum は充実しているなぁ。
煙幕の正体は、アメフラシが食べる餌の紅藻由来の色素が大部分
で、主にphycoerythrin (誰か教えて!) やその類似化合物から
構成される、との事です。

http://www.seaslugforum.net/seahchem.htm
に煙幕研究の文献一覧。New York 州立大のDr.Tom Nolen が自分
の文献を追加してくれと1998 年のJ. Exp. Biol.掲載のものを
寄せてきたけど、入手も楽だし読んで見ようかいな。
333お腹へった:2001/01/17(水) 12:36
ナメクジの輪くぐり実験の結果:
キムチパワーのお蔭でナメちゃんは頑張りました。家にある最も細い絹糸で
ナメクジの略中央部(可能な限り頭寄り)を縛り、宙吊りにした。結果は、
時間が掛かったが見事成功。頻繁に足波を発生させ(波は糸を超えて頭部へ
向かう)、頭を四方八方へ伸ばす。目には見えないが少しづつずれて、やが
てすっぽり抜けた。残った糸の輪の直径は約4mm。
問題はこれから。1.縛った場所の前後径が違いで単に大きい方へずれる。
2.同じく前後の重量が違い重い頭の方へずれる。3.一点の支えの部分で
蠕動により筋肉を後→前へ移動させる(前後の吸着力や摩擦の差を除外できる)。
3を狙ったが、1,2を否定できないので、何とも言えません。
素人の実験なので、後は皆さん適当に想像してくんしゃい。

>324宙吊りにしたら口から糸を出す。
透明で綺麗な粘液を出します。粘度が強く固まりになってますが、
時間が経てば垂れて糸のようになるでしょう。味見はしてません。
正解です!可愛いナメちゃん、キムチケース付きで差し上げます!
334名無しゲノムのクローンさん:2001/01/17(水) 19:18
age
335ヴァカ貝:2001/01/18(木) 06:22
>>333 お腹へったさん
糸輪くぐりの実験ご苦労さまでした。何だかナメクジのサ−カス
みたいですね。糸が次第に頭の方にずれて行って外れたと言う事
でしょうか?
一番細い糸を採用して<前後の吸着力や摩擦の差を除外できる)>
点を狙ったのはgood idea と思います。

もし糸が頭の方に向かって外れたのであれば、蠕動の結果発生し
た横波が、丁度海の波がサ−フボ−ドを運ぶのと同じ様なメカで
糸を移動させたことになるのかな?

修士氏のアクチュエイタ−
http://www.mec.m.dendai.ac.jp/mechatronics/introduction/kougai/H10Master/mh10kata.htm
を見ていた思ったんですが、単に横波+粘液だけで物を移動させる
装置故、仮に発生する横波の幅と高さと同じ浪板を作り、それを装
置表面に置いた場合、浪板はサ−フボ−ドと同じ理屈で波と同じ方
向に移動するのではないでしょうか?
336ヴァカ貝:2001/01/18(木) 06:23
(つづき)
お腹へったさんの実験に触発されて頭の中だけで考えた事ですが、
もしガラス板の様な平らな媒体の上でも、腹足面の横波、即ち吊り
上げ運動が発生しているなら、では同じ波の幅と高さの浪板の上で
はマイマイは前に進めずに、却って逆行するのではないかとフト思
いました。横波アクチュエイタ−の原理に加えてミミズ類似の摩擦
力も加えた進み方も行っているとすれば、プラマイゼロで同じ場所
にとどまって汗(藁)を流しているかも知れません-----。
337ヴァカ貝:2001/01/18(木) 06:41
>>324 実験楽しみです さん
>ナメクジが木の葉から葉へと渡るときは口から粘液を
>出して蜘蛛みたくぶら?んと降りるらしいです。

ナメクジレスの140 にて紹介されていたHPの中にありまし
たが、
http://www.best.com/~drzeus/Slugs.html
に、海外のナメクジの交尾の詳しい方法について書かれてい
ます。交尾前にハングオ−バ−の場所に2匹がやって来て、
大量の粘液を出し、次いでびよ〜んとブランコみたいにぶら
下がるようです。誰にも邪魔されずに<空中交尾>するのは
大した工夫と感心します。
338お腹へった:2001/01/18(木) 08:39
>335ヴァカ貝さん
>糸が次第に頭の方にずれて行って外れたと言う事 でしょうか?
私の表現の仕方がまずかったですね。糸を挟んで「体全体」が頭の方へずれる、
です。従って糸は尻尾の方へずれます。足波は糸を越えて前方へ進行し、
恰も体液を頭の方へ送っているように見えます。素人考えの簡単な実験ですが、
次は横波を消す方法を試してみます。

>331
>仰る通り、ツムジもツブロ、ツグラと同源かも 知れないですけれどね。
ふと思いついたのですが、これらの共通語源は「つむ」(積む、集む)ではないかと・・。
粘度を輪にして積み重ね、固めて焼くと入れ物(つぼ?)に、藁を丸く積んで縛るとツグラに
なる。ツムは動詞で、出来上がったものはツムラ(→ツグラ=容器)、その形はツムラ→ツブラ
(円)。髪や風がツブラ(円)に集まればツムジ、道が集まれば辻、とまあこんな具合。
紡ぐ、詰めるも同類か。動物が集まると(ツ)ムレ(群)、人だとムラ(村)ここまで言うとムリ。
頭の体操をさせて貰いました。


339ヴァカ貝:2001/01/18(木) 20:27
>>338 お腹へったさん
なるほど、糸は後ろに向かいましたか。
すると、尾端から頭に向けて波を発しつつ、媒体に対して
身体を前方に進めると言う事ですから、やはり、ムカデ式
の歩行のメカが存在するわけですかねぇ?それとも、体液
を前方に送り頭側を膨らませて糸を押し出すメカ、つまり
(足の波とは別に)横波を頭側から送ったという事かな?
ちょっとした動作でも解析が楽では無さそうですネ。次の
実験も楽しみにしていますよ。

>これらの共通語源は「つむ」(積む、集む)ではないかと
動詞ツムからの推定も面白いものがあります。同じモノが一
定の場所に凝集する様を言う動詞、しかもモノは集まれば大
方丸くなりますからツブラに転化か。大野晋氏辺りが何か言
ってるかも知れませんね。
340:2001/01/18(木) 23:20
「トグロ」はがいしゅつだったし、「ツグラ」は載ってたけど
煩雑になるので書かなかったんですが。
ツグラが巻いて作るからとは、気づきませんでした。
それにしても「辻」まで同源の可能性あるとは…

で、例によって日本国語大辞典より。
つじ(辻):1.道路が十文字に(以下略)十字路。交差点。つむじ。
  語源説:1ツムジの略。2.以下略。
つじ(旋毛・辻)1.人の頭の髪が渦巻きのように(以下略)

あ……二枚貝と何の関係もない・・・・・・・
341お腹へった:2001/01/19(金) 09:28
>337ヴァカ貝さん
http://www.best.com/~drzeus/Slugs.html
の写真は以前ナメクジスレで開きましたが、その時は確か解説無しでした。今度見て交尾の
シーンだったとは驚きました。写真提供者はこれが狙いだったか?

今度の実験でこれとは逆のことがありましたので報告します。
ナメちゃんの糸輪くぐりの実験中、なんと絹糸に絡み付いて上り始めました。その方法は
先端部分の足(長さ10mmくらい)を使い、足の両側を前で合わせるようにして糸を
挟みます(真剣拝み取り)。糸が丁度足の中心部を通るようにして、両側をしっかり密着
させます(他の部分は宙ぶらりん)。この状態のままで、(おそらく)挟んだ部分の
足波だけで前進します。まるで垂直モノレールのようでした。ウルトら裏技ですね。

ナメちゃんは、輪くぐりの時は固体というより(半)流体かなと思ったけれど、垂直モノ
レールではやっぱり固体かと・・・。どうも一筋縄(糸)ではいかんようです。
あれこれやってみて皆に考えてみます。ナメちゃん元気で、実験順調。

>340みさん
しっかりした記述を有難うございました。田舎に居る頃、頭の渦巻をツジと言ってました。
さして意味のない方言かと思っていましたが、由緒正しい言葉だったんですね。
342通りすがり:2001/01/19(金) 13:21
http://thor.prohosting.com/~monochro/slug.jpg
にナメクジの交尾写真,上げときました.

Trends in Ecology &Evolution という雑誌の何年か前の表紙です.
Deroceras rodnae という種らしいです.これはぶら下がりません.
343ヴァカ貝:2001/01/20(土) 08:16
>>342 通りすがりさん
ナメちゃんの交尾写真あんがとさんです。
身体の頭としっぽの向きを互いに逆にし、互いの身体の右側を
接触させて交接するタイプですね。殻は無くとも本体が<ツグラ>
状態です。こちらはねじれの軸は腹足面に垂直となります。

http://www.best.com/~drzeus/Slugs.html の場合は、頭の向きを
同じにし、一方は背中を、また他方は腹足側をこちらに見せて一旦
交接し、更に体長軸周囲のねじれが加えられたものと考える事が出
来ます。この状態では地面に対して身体を固定できませんので、ぶ
ら下がるしかないのかも知れません。説明書きに拠ると、「互いに
身体をねじり合い抱擁した後、頭の横から野球のグロ−ブみたいな
形の青い陰茎嚢を出し、その先端が伸びて団扇のようになる。この
2つのイチモツは互いにねじれて固く絡み合い、先端のコイル部分
で1個の日傘の様なものを形作る。この状態が完成すると精子の交
換が行われ、ナメクジはほどけて元に戻る。」との事ですが、この
種では交接器の先端部分で精子の交換が行われる訳かいのぉ?これ
についての詳しい記述がありません。

精子交換の詳細は別として、ナメちゃん同士の交接は何か見てはい
けないものを垣間見るような、一種あやしい妖艶な雰囲気を感じさ
せられます。ギョッとする人も多いかも知れませんネ。
344ヴァカ貝:2001/01/20(土) 08:49
>>341 お腹へったさん
へぇ〜!ナメちゃんが腹足の先端10mmで真剣拝み取りして糸を
登るとはビックリでした。垂直モノレ−ルとは上手い例えです!
つぅことは、腹足は相当のパワ−があるっつうことかぁ。ではどう
でしょう、逆さまにして糸を下る時にはしっぽ側の腹足で拝み取り
をするでしょうか?またガラス面を這わせる場合も、一部の腹足だ
けで這い進む事ができるでしょうか?

何だか面白くて結果を聞いている側ものめり込み(ぬめり込み?)
そうです。実験頑張って下さい!

>頭の渦巻をツジと
スガイの話の時もそうでしたが、土佐には由緒正しいものがたくさん
残っているようですネ。
345名無しさん@お腹いっぱい。:2001/01/20(土) 11:47
人間も死ぬと括約筋が緩んじゃって
下の穴が全部開いちゃいます。
貝と一緒。
346:2001/01/20(土) 12:05
>>341お腹へったさん
>>340みさん
>しっかりした記述を有難うございました。田舎に居る頃、頭の渦巻をツジと言ってました。
>さして意味のない方言かと思っていましたが、由緒正しい言葉だったんですね。
>>344ヴァカ貝さん
>>頭の渦巻をツジと
>スガイの話の時もそうでしたが、土佐には由緒正しいものがたくさん
>残っているようですネ。

えと、つまりそれが、柳田国男『蝸牛考』の「方言周圏論」なわけですよね。
京都を中心に、池に石投げ込んで波紋が外へ広がるように、
言葉や文化が地方へゆっくりと広まる。
また新しい言葉が中央から地方へ広まる。
だから京都から遠いほど古い言葉が残っていたりする。
京都を中心に日本列島の両端(しかも等距離)に
同じ言葉が残っているという不思議はこの説で説明される。

というやつですね。(ご存じの方煩雑ですみません)
まあ蝸牛(渦巻)というよりは、同心円ですけどね。
でも『蝸牛考』というネーミングセンスは秀逸だと思います。
347ヴァカ貝:2001/01/20(土) 15:20
>>346 み さん
仰る通り、方言周圏論、平たく言えばド−ナツ化(バウムク−ヘン化)
現象ですネ。マイマイの呼称についてもツグラ分布だったら面白いです
けど。

http://www.town.fukusaki.hyogo.jp/sight-seeing/04/index.html
柳田国男晩年の肖像写真。兄弟揃って優秀だったんですね。

現在、筑摩書房から柳田國男全集(単行書版)が刊行されており、
今月にも第27巻が出版されました。同じ会社から10年前にも
文庫版の全集が刊行されており、『蝸牛考』でしたら、

柳田國男全集 19
 蝸牛考/西は何方/毎日の言葉
  柳田 國男 著  筑摩書房 ちくま文庫
1990年 01月 出版
ISBN:4480024190 \1000

が安くていいですが入手可能かな?

『蝸牛考』というネーミングは確かにシブい(死語?)です。
348ヴァカ貝:2001/01/21(日) 18:09
イカ墨について検索してみたよ〜ん:
http://www.rfpaints.com/6-ColorCharts/Sepia.htm
写真が退色して暗い濁黄色掛かったのをセピア色と言ってみたり
で何なのか良く判らなかったけど、これがホントのセピア色かぁ。
但しこれは合成品。

http://www.kremer-pigmente.de/englisch/krpigm01.htm
美術修復用途などに古典絵の具を売る業者のHP。
Sepia from adriatic cuttlefish アドリア海産甲イカからの
セピア 100g で米56 ドル。へぇ〜、まだ売っているんだぁ!

http://www.nyu.edu/classes/miller/guide/sepia.html
実際にセピアで描かれた絵画。セピアは顔料の固まりとして売られ、
水で溶いて使う。
349ヴァカ貝:2001/01/21(日) 18:10
(つづき)
http://www.tightrope.it/nicolaus/fundamental.htm
ナポリ大学有機化学前教授Nocolaus 氏のHP。メラニンの研究家。
「墨袋の中の黒い物質は様々な段階の成熟過程のメラノソ−ムの
懸濁液である。」
"New perspectives in Biology have opened up but a fundamental
question is still unsolved. What was the role played by the
black conductive material in the past and what is its role
in Nature today ?"
「自然界に於けるイカ墨の役割が未解決である。」
確かに只の<影武者煙幕>以外の機能的意義はあるんでないかい?

同じくNocolaus 氏のHP。
http://www.tightrope.it/nicolaus/12.htm
「イカ墨の成分セピオメラニンの正体については、単離と精製法の違いから
まだ 確定しない。」単離法の具体的な紹介も。

http://www.chuden.co.jp/customer/library/recipe/fuyu/8ikasumi.html
イカ墨ご飯。今腹減ってるけどちょっと躊躇するなぁ。
でも意外においしいかも知れないよ。
350ヴァカ貝:2001/01/21(日) 19:12
>>345 名無しさん
あれっ、>>1 に対してのレスかな?
<ハマグリなんぞ死ぬと口を開く>けど、こいつは
蝶番の作用だよ。人間の場合は、死ぬとそれまで抑
えられていた靱帯とかの作用が出て、特有のポ−ズ
になるとかは聞かないね。でも無重力状態ではどう
なるか判らない------。ゾッとする話でスマソ。

ついでに先ほど落としたものを追加
http://www.artmuseums.harvard.edu/sargentatharvard/drawingglossary.html#S
セピアインクの製法の記述有り:
<セピアインクとは甲イカやイカの乾燥させた墨袋から得られる
茶色のインクである。墨袋を粉々に砕き、沸騰した湯に混ぜる。
水を捨てて、底に貯まったものを非常に細かくすりつぶし、塊と
して固める前にアラビアゴムを混ぜるが、これが為、使用時に水
に混ぜると濃厚な暗い茶色のインクとなる。古の巨匠が描いた作
品の茶色インクをしばしばセピアと誤って呼ぶが、セピアインク
の使用が広まったのはその半工業的な製法が発達した19世紀に
なってからの事に過ぎない。>

自分でも作れそうで、今度イカ刺しを下ろす時に遣ってみるかいな。
351お腹へった:2001/01/22(月) 10:56
>309アクア論者Zさん
>(前略)こちらの研究では実際のマイマイの腹足にマーキングしてビデオ撮影し、
>その解析から移動時の運動をモデル化したり、移動時の腹足縦断面の形状を
>推定しています。が、こちらも収縮が吊り上げのみによると考えているらしく、
>計算結果からは全長62mmのマイマイで、収縮部の基盤からの高さは4mm、
>という肉眼的な観察とも大きく異なる結果が出ていて、今後の課題も多そう。
マイマイ歩行で収縮部が基盤より吊り上ることが進行に重要であるなら、この吊り
上がりを阻止すればどうなるかやってみました。
吊り上り抑制は単に上から押さえつければよい(素人考え)。というわけでナメ
ちゃんをA4版のハードケースに閉じ込めました。なんとまあ、可哀相なくらい
ペッタンコになりました。内臓もpre-unkoも透けて見えます。最大伸長60mm
のナメちゃんが3mmの厚さに!これでは4mm吊り上げは不可能、1mmだって
足は持ち上がらんぞ、と思う。結果は簡単、足波を発生させてゆっくり前進します。
後は自由に考えてください。私は3と思うが。
 1.吊り上りは完全に阻止できなかった。
 2.阻止できたが、別のメカニズムで前進した。
 3.足の吊り上りはもともと存在しない。

実験は(旧同居人が帰巣する)20日にすべて終了=アイデアの枯渇。
お別れにビールで乾杯しようと思いましたが、なにせ相手はビールに溺れやすい
性質(たち)なので、自分だけ乾杯して、ナメちゃんには春までの食料として
キャベツの葉を1枚進呈し、庭に放しました。
ナメちゃん、ご苦労さん!また来てね!
352お腹へった:2001/01/22(月) 13:28
あれ?「収縮部の基盤からの吊り上り」とは何を指してるんだろう?
投稿して不安になりましたので確認です。足の裏の凹凸ですよね。
>308アクアさん
>池内氏らのモデルでは伸張・静止部では基盤との間隙が狭く、収縮・移動部では
>腹足が引っ張り上げられて基盤との間隙が広くなり、挟む粘液層に生じる
>せん断応力(ズレ応力)が違うのために移動する、とされています。
筋は収縮すれば短縮・膨大するので、横断面はo→Oと理解していますが、これはあくまで
足裏(基盤面)は平坦です。収縮部の筋は高くなるので浮き上がったように見える?
ooOooOooOooOooOooOooOooOoo→お腹へったのナメクジ進行想像図
o=伸張部、O=収縮部 →なめチャンの前端部


353アクア論者Z:2001/01/22(月) 13:44
>>285
ありがとうございました。貝の値段、大体わかりました。

>>283 >KO高校の出ですか?----
とんでもない、誰も知らん高校でガス。ここで初めて勉強の大切さがわかりました。

>>311
>ミミズの場合は体節毎の隔壁がしっかりしているようですから、体
>液とは殆ど血液に一致するのかな?
確かに隔壁がしっかりしてる・・深く考えておりませんでした。
>>315
>マジレスですが、アク論さん側でこの様な計画を立ち上げられ、解明されたら
私は全くの素人ですんで、そんな夢のようなことはとても無理ですよ。
ヴァカ貝さんやお腹へったさんにやって戴けたら素晴らしいです。
解明できればNatureにでも何にでも載ることはもちろん間違いないでしょう。
腹足ベッドは大変そうですが、医療機器応用なら可能性はより高いですし。
354アクア論者Z:2001/01/22(月) 14:13
>>351
お腹へったさんの実験、興味深くよませていただきました。
輪くぐり、糸登り、扁平走行、面白いばかりじゃなく、どれも素晴らしい
機知に富んだ実験で関心します。それにしても、どうにも謎は深まるばかりですが、
もしかすると繊毛・筋肉・体液移動の総合的な運動があり、状況によってメインに
働く要素が変わるのかも・・・特に輪抜けはせん断応力では説明できないですしね。
それと扁平走行は、やはり>3.足の吊り上りはもともと存在しない、もしくは、
吊り上げがなくとも足波で移動できる、ということになりますね。単純ながらも
核心を突く実験でした。走行中のナメクジを液体窒素で瞬間冷凍した上で固定して
切片切った上でも、吊り上げがあるとする研究と、ないという研究があるんですが、
私もない、あるいはあっても走行の基本的要素ではない、という気がするが・・・

>>352
>あれ?「収縮部の基盤からの吊り上り」とは何を指してるんだろう?
>投稿して不安になりましたので確認です。足の裏の凹凸ですよね。
そうです。池内氏ら&信大諸氏らは「伸長・静止部は凸となり、収縮部は凹となる」
との見方をし、更に池内氏らは、海の貝は逆に伸縮部の「横断面はo→O」となるので、
粘液を使わず疣足のごとく利用されるのだ、としているわけです。

>筋は収縮すれば短縮・膨大するので、横断面はo→Oと理解していますが
全くその通りなのですが、ナメに限ればその腹足を前後に収縮させる筋の分布・方向
がどうかが問題になります。お腹へったさんの糸登り実験でも示唆されるように
腹足内の筋肉構造もそれなりに複雑なようで、なかなか難しいです。
私は、這い方問題で日頃使わない脳の部位を随分無理して使って、苦労してます。

んで、前に「せん断応力(=ズレ応力)」と言いましたが「ずり応力」が正しいです。
応力(stress)のうち働く面に対し垂直な要素を法線応力(=圧力)、平行な要素を
接線応力(せん断:strain stress)と言うそうです(by物理学事典)。で、純粋な流体
に働くのは前者だけ、粘液みたいな粘弾性体には両方が働いて複雑、だそうです。
私も全然解らないので、もし興味がある場合は関連板で訊いて見てください。

すみません、貧乏暇なしでなかなか来れませんが、また来たいと思います。
ツム・ツブ・ツジ等々の語源論も非常に楽しいです(参加したいが知恵がない・・)
355お腹へった:2001/01/22(月) 18:39
>354アクア論者Zさん<何時もながら詳しい解説有難うございます。
>池内氏ら&信大諸氏らは「伸長・静止部は凸となり、収縮部は凹となる」
>との見方をし、更に池内氏らは、海の貝は逆に伸縮部の「横断面はo→O」となるので、
>粘液を使わず疣足のごとく利用されるのだ、としているわけです。

この点に関しましては、私も手段がないので専門的に突っ込むつもりはなく、単に頭の
体操と思っています。蠕動運動については縦走筋と環状筋の明確なミミズをいつも頭に
浮かべています。ミミズでは縦走筋の収縮はその部分を短縮・膨大させます。

また、思いつきですが、
○大きい丸:収縮部
〇小さい丸:伸展部として、ミミズが地面を這っている場合を想定します。

ミミズ○〇○〇←を地面と平行に上下に真っ二つに切ると、あーら不思議、上半分では
収縮部は切断面に対し凹で池内氏らのいうマイマイ型になり、下半分は逆に地面に対し
下に凸のアワビ型になります。進化の途中で上下どちらも採り得ると考えれば、マイマイ
が上半分を選んだとしても不思議はないですね。
356ヴァカ貝:2001/01/22(月) 19:29
>>351 お腹へったさん
実験ご苦労さまでした。>>354 でアクア論者Zさんが賞賛されて
ますが私も全くの同感です!ただの小さな生き物1匹でもアイデ
アと工夫次第では幾らでも情報を発掘し得る事を示す好い例だと
思いました。そう言えばファラデ−もロウソク1本から『ロウソ
クの科学』を執筆しましたネ。

>>354 アクア論者Zさん
>もしかすると繊毛・筋肉・体液移動の総合的な運動があり、状
>況によってメインに働く要素が変わるのかも
ナメちゃんは「只者ではない!」と>>316 でお腹へったさんが表
現されてますが、いゃ、ホント、奥が深そうです。仮に媒体の種
類に応じてlocomotion の方法を明示的に(ちょっと変な表現です
が)変えるのであれば、自分が<カラ滑り>せずに前に進んでい
るか否かを感じて判断する事が出来るものと思われますが、この
感覚は果たして視覚で得るのか、他の感覚(触覚、腹触り?)も
利用しているのかと、更に疑問が。それとも単に、基本的な総合
的な運動が常に発生しており、例えば平滑な媒体上の歩行時には、
粘液が媒体との間に膜状に介在することなどから<自動的>に特
有の歩行形式になってしまうのか?
357ヴァカ貝:2001/01/22(月) 19:41
>>355 お腹へったさん
>上半分では収縮部は切断面に対し凹で池内氏らのいうマイマイ型
になり、下半分は逆に地面に対し下に凸のアワビ型になります

この考え方は>>352での、
>あくまで足裏(基盤面)は平坦です。収縮部の筋は高くなるので
>浮き上がったように見える?
を元にされたものですね?

<池内氏ら&信大諸氏らは「伸長・静止部は凸となり、収縮部は凹
となる」 >は、実際にその様な凸凹が腹足面に生じ、そこに粘液が
介在して、特有のナメリ運動が発生するとの見解ですから、お腹へっ
たさんの解釈が正しければ、池内氏ら&信大諸氏らは青大将の様に
真っ青ですネ。
358お腹へった:2001/01/23(火) 11:36
>>上半分では収縮部は切断面に対し凹で池内氏らのいうマイマイ型
になり、下半分は逆に地面に対し下に凸のアワビ型になります

この考え方は>>352での、
>あくまで足裏(基盤面)は平坦です。収縮部の筋は高くなるので
>浮き上がったように見える?
を元にされたものですね?
いいえ。池内氏らの説を自分なりに理解するためです。縦走筋が収縮して、しかもその部位を
吊り上げるにはどうすればよいか、ということです。アーチ型構造にすればよいというのが回答
の一つですが、それでも頭の悪い私にはよく理解できません。
アクアさんの仰る通り、筋肉の立体構造まで踏み込まなければ解明できないならどうしようも
ないのですが、縦、横の筋肉だけでマイマイは前進できないか考えているのですが、考えるだけ
では無理ですね。 ただし、ナメクジ圧迫試験は何か言えそうですね。

359ヴァカ貝:2001/01/23(火) 16:17
>>358 お腹へったさん
なるほど。ミミズの管壁の形状についてのお話でしたか。
仮に管壁に存在する縦走筋が収縮する場合、筋はその両端
を最短距離にするよう収縮する訳ですから、内容物がない
と弓形には成り得ません。内容物があれば体積は一定ゆえ
断面積としての幅、即ち径が増します(分かり切った話で
スマソです)。

単純なメカを考えれば、修士氏と同様のメカ、つまり、腹
足の筋自体を媒体面に垂直に吊り上げる別の筋の存在を仮
定すれば、説明が付けられなくもないと思います。但し問
題となるのは、ブヨブヨなナメちゃんの身体にはそのよう
な筋にアンカ−をしっかりと与えられる構造はなく、その
場合も身体の膨圧の利用などを補助的に利用して支えるな
どするかも知れない点です。

やはり出来るだけ大型のナメちゃんを使って解剖するのが
手っ取り早いのですが、一番寒い季節ゆえヤマナメちゃん
を採集にも行けずつらいところです。沖縄や小笠原在住の
方がアフリカマイマイで解剖してくれると有り難いんです
が-----。

しかし、扁平化ナメクジでも前進できたとは?
ナメちゃんには気の毒ですが、前進不可能となる扁平化圧
は存在するのか?その時には足面の凹み=ゼロなのかどうか?
尤もその前に内臓破裂でアウトかな?
360お腹へった:2001/01/23(火) 16:30
>358の一部を訂正します。

>この考え方は>>352での、
>>あくまで足裏(基盤面)は平坦です。収縮部の筋は高くなるので
>>浮き上がったように見える?
>を元にされたものですね?
361お腹へった:2001/01/24(水) 12:18
>359ヴァカ貝さん
コメント有難うございます。足の裏は突き進むとミクロの世界になりますね。
マクロの話に戻します。

>344ヴァカ貝さん               
>ではどう でしょう、逆さまにして糸を下る時にはしっぽ側の腹足で拝み取り
>をするでしょうか?またガラス面を這わせる場合も、一部の腹足だ
>けで這い進む事ができるでしょうか?
糸をしっぽ側の腹足で拝み取り:実験してませんが可能と思います。例の交尾の
写真なんかそのようになっている気がしますが・・・・
http://www.best.com/~drzeus/Slugs.html

一部の腹足だけで這い進む:先端部以外は出来ません、というかしないでしょう。
今回の観察では、ナメクジは角のある先端部分を先ず伸ばし、そこが何かに接着
してから次々に足波を送り、接着面を伸ばすと同時に膨大部(頭?脳?)を前進
させ、次いで中央部、尾部を前進させます。
先端部が接着できなければ、前に何もないと判断して前進しないようです。
当たり前のことですが、何もない場所へ前進すれば落っこちるからでしょう。
単純ですがこれは重要なことのようです。漫画でカタツムリが頭をもたげて
歩いている絵を見ますが、あんな芸当はしないと思います。

362ヴァカ貝:2001/01/24(水) 14:18
>>361 お腹へったさん
確かに交尾の写真を良く見ると互いの尻尾で支え合っているようです。
これなら少なくとも太めの紐であればご指摘のように拝み取りが出来
そうですね。

>ナメクジは角のある先端部分を先ず伸ばし、そこが何かに接着して
>から次々に足波を送り、接着面を伸ばすと同時に膨大部(頭?脳?)
>を前進させ、次いで中央部、尾部を前進させます。

先端部が媒体に接着して初めて他の部分も波動を送り始める訳ですか。
この「判断」の機構が面白そうですネ。媒体に接している事を感じ取る
センサ−があって、そのスイッチが入らないと他の部位のエンジンが作
動しないものと見えます。
363ヴァカ貝:2001/01/24(水) 14:19
(つづき)
環形動物などとは違って運動制御系の高次な中枢が存在するのでしょう
か。と言うのは、例えばミミズでは身体を分断しても各パ−トが蠕動し
て逃げてしまい(あれっ、これホントかな?)ますが、ナメちゃんでは
おそらく動かないだろうことから、各部の自律性よりは一箇所の脳がよ
り強力に制御しているタイプの生き物だろうとの思いつきです。

ナメちゃんにはちょっと可哀相ですが、腹足の一部を切り出した上で適
当な電気刺激を与えることで、通常歩行時の波を発生させたなどの電気
生理学的な研究は行われているのでしょうか?丁度動物の筋の仕事と同
じですが、生理的な刺激のパルスがどの程度のもので、また或る周波数を
越えると筋が突っ張ってしまう(テタヌス状態)とか-----。
364お腹へった:2001/01/25(木) 08:26
>362ヴァカ貝さん
>先端部が媒体に接着して初めて他の部分も波動を送り始める訳ですか。
>この「判断」の機構が面白そうですネ。媒体に接している事を感じ取る
>センサ−があって、そのスイッチが入らないと他の部位のエンジンが作
>動しないものと見えます。

これは面白そうですね。実は今朝出勤途中の車の中で同じことを考えていました。
同じことを思いついて下さる方がいるのは心強い。アイデアはあります。うまくいったら
報告します。実験は食卓の上でするので、同居人がいると出来ないんです。かといって職
場に持ち込めば今の地位が危うくなりそう。

ナメクジの脳は実験材料によく用いられているようですが、感覚系ばかりで、運動系は
やっていないようですね。しかし軟体動物の中では非常によく動いてくれるし、殻に
閉じこもることもないので、実験材料としては最高です。実は日曜日にマツバガイと
ヒザラガイを採って来て(他人の)水槽に入れたのですが、動いてくれませんでした。

365ヴァカ貝:2001/01/25(木) 12:46
>>364 お腹へったさん
>出勤途中の車の中で同じことを考えて
アハハ、私も自転車(職場が近いので)に乗りながらナメちゃんの
事を考えていましたよ。日本人も1億人おりますが、さすがに他に
はいないでしょうね。でもお車の運転にはくれぐれも気をつけて下
さいまし。

前にも出ましたが、ナメちゃんは殻に隠れることも出来ず、ひたす
ら逃げるだけの手(足?)ですから、歩行解析の実験材料にはホン
ト最高ですね。扁平化実験も殻が無いから可能だった訳ですし。

ヒザラガイはナメちゃんとダンゴムシのあいの子の様な生き物で形
もユニ−ク、また内部的にも体節を思わせる様な構造を一部持つこ
とからも私も這い這いさせてみたいと考えています。

<同居人>様との折衝は大変かと気遣われるところでありますが、
また面白い実験の結果を期待しています。
366お腹へった:2001/01/26(金) 07:55
>362ヴァカ貝さん>もう一度
>媒体に接している事を感じ取るセンサ−があって、そのスイッチが入らないと他の部位のエンジンが作
>動しないものと見えます。

今朝、トイレの中で思い出しました。胃の中に食べ物が入ると大腸全体の蠕動運動が起こる「胃大腸反射」
(gastrocolic refrex)というのがありました。似てますね。
ナメクジにも同じ反射機構が発見されれば、「ヴァカ貝ーお腹へった反射」と名付けましょう。

車の中よりトイレの中で考える方がはるかに安全ですね。


367ヴァカ貝:2001/01/27(土) 21:11
>>366 お腹へったさん
胃大腸反射ですか。う〜ん、昔の生理学の教科書を引っぱり出さないと。
神経直の反射だけでなく液性(ホルモン)の関与があって日本人の学者
がその分野で貢献したとかしないとか----。

トイレの中で考えが閃くとはさすがお腹へったさん、ロダンの彫刻の様で。

「ヴァカ貝ーお腹へった反射」:人は、口を半開きにして斧足をダラリと
させてへなっているヴァカ貝を思い浮かべるでしょうけれど、動物学分野
では画期的な研究成果である(藁---といいですけれど。

うぅ〜、とにかく腹へった!
368アクア論者Z(ナメクジの筋肉):2001/01/28(日) 00:57
実物を見てからのつもりだったのですが、いつになるか分らないので、論文からの情報です。腹足内には縦走筋があり、これと蹠面内側との間に前斜筋と後斜筋が密にあるようです。これらは蹠面にに対し垂直ではなく、名前のとおり数十度の傾きで並び、足波は斜筋の規則的な収縮で起こると考えられているようです。進行波は主に前斜筋の収縮により、波が過ぎた後の静止部では、斜筋の弛緩と筋間を埋める血洞(体血腔)内の体液圧で、腹足の伸張&基盤への圧縮等が起きる、というのがとりあえずの通説のようです。

また触覚などの筋肉系ですが、前に一束になって体壁の天井に〜、と言ったのは甲羅蛞蝓で観たもので、甲羅が田下駄のように働くようです。が、殻のないナメクジではどうか、実物を見てからと思っていましたがこちらも文献から引用します。ナメクジの場合は一束にならず、体壁の上側内面にある程度ばらけて付着しているようで、張力を引き受ける殻がないことと関係しているようです。またこの筋肉の癒合程度や付着位置は色々変化してて、科・属レベルの分類形質にもなっているようです。
369アクア論者Z(足波のスイッチ):2001/01/28(日) 00:59
>>361 名前: お腹へったさん
>ナメクジは角のある先端部分を先ず伸ばし、そこが何かに接着して
>から次々に足波を送り、接着面を伸ばすと同時に膨大部(頭?脳?)
>を前進させ、次いで中央部、尾部を前進させます。
>>362ヴァカ貝さん
>センサ−があって、そのスイッチが入らないと他の部位のエンジンが作
>動しないものと見えます。

マイマイでは触角で物の存在を確認してから足波始動、前進という感じでした。また後述のDenny(1981)のバナナ蛞蝓を使った研究では、“仰向けにしたナメは、空中で足波を起こして何とか這おうと努力する。このときに蹠面にチョーク粉を横一線に引くと、線は後方に移動するが、縁・中央部など部分によってその速度が異なる。このメカニズムをイメージするのは難しいが、多分繊毛運動によるのでは・・”と述べてます。このことからバナナ蛞蝓では物に接触しなくとも足波が起き、多分その他の種でも同様ではないか、との感じを受けますが、これはマイマイなど殻を手で持てる種の方が観察し易いですね。

あと蛞蝓や蝸牛の脳は口球-食堂の上にあるようです。お腹減ったさんのおっしゃる膨大部は外套膜かも知れませんね。あの直下には肺・心嚢・殻などがあり、生殖器・胃なども大体その辺りの内部を中心にあるようです。
370アクア論者Z(Dennyの研究):2001/01/28(日) 01:01
匍匐メカニズムの研究ではDennyの研究が最重要なものの一つと思われます。彼はバナナ蛞蝓の一種を研究し、前斜筋での蹠面のリフティングはないと主張しました。その理由は粘液が前に移動・滞留しない・吊り上げを支える構造が体側にない・他で、匍匐中の瞬間冷凍切片の写真でも吊り上げがないことを示しています。基盤が通気性だったり柔らかかったりすると前斜筋の収縮で蹠面が凹になるが、アルミ板の匍匐中冷凍では凹部は見られず、むしろ上部が下方に引っ張られ(私もその方が理解し易い)、蹠面の凹凸は基盤の性質による二次的なもの、としています。

で、彼は「粘液のゾル-ゲル変換によるせん断応力の不均衡」で移動する、としています。粘液にせん断力を加えると上位降伏点で固体相から液体相に変化、せん断力を止めると再び個体相が回復する:つまり粘液が、収縮部では液体相に、静止部では固体相なので応力の小さい収縮部が前進できる、ということです。応力不均衡という点では池内氏らと同様ですが、その不均衡が起こる機構が全く逆で、Denny氏はせん断力は収縮部でより大きく(よって降伏点を過ぎて液体相となり、結局応力が小さい)、池内氏らは伸張部の方が大きいせん断力が加わっている、としています。また退行波もこれで同様に説明できると考えているところも池内氏らとは異なります。

で、私がヘタな内容紹介をするより以下の論文を直接見てもらうのが早道です。
Nature の方はバナナ蛞蝓の粘液の性質を実証したもので、示されたグラフを見ばゾル-ゲル変換がよく解る(物理学用語が多く私には文章読解は大変)。工学系諸氏も1980は見ているようですが、肝心の1981の方を見ていないのが残念です。

Denny, M.W. (1980) The role of gastropod pedal mucus in locomotion.
Nature (London) 285:160-1.
Denny, M.W. (1981) A quantitative model for the adhesive locomotion of the terrestrial slug, Ariolimax columbianus. J. Exp. Biol. 91:195-217.
(最近のJ. Exp. Biol.はネット上で見れるようですが、これは古くてダメみたい)
Dennyさんは優しそうなお方 ↓
http://www.stanford.edu/group/denny/mwdenny.html
371ヴァカ貝:2001/01/28(日) 01:47
http://arbl.cvmbs.colostate.edu/hbooks/pathphys/endocrine/gi/overview.html
ガストリン(Gastrin):
胃腔内にペブチドやアミノ酸が存在するとガストリンが
分泌されて、それが胃酸分泌と胃粘膜成長を引き起こす。

胃抑制性ポリペブチド(Gastric inhibitory peptide ):
小腸内に脂肪やブドウ糖が存在すると胃の運動とガストリ
ン分泌を抑制する。また血中ブドウ糖濃度の上昇に反応し
てβ細胞からのインスリンの放出を高める。

ありゃりゃ、胃−大腸反射にはホルモンの関与は無い模様
でした。
372ヴァカ貝:2001/01/28(日) 01:49

(つづき)
http://arbl.cvmbs.colostate.edu/hbooks/pathphys/digestion/largegut/motility.html
Following a meal,colonic motility increases significantly,
due to signals propagated through the enteric nervous system -
the so called gastrocolic and duodenocolic reflexes,
manifestation of enteric nervous system control. In humans,
the signal seems to be stimulated almost exclusively by the
presence of fat in the proximal small intestine

食事の後で腸内神経系の刺激伝達に拠り大腸の動きがもの凄く増大
するが、これはいわゆる胃大腸及び十二指腸大腸反射であって、腸
内神経系制御の存在を明白に示すものである。ヒトでは、この信号
は小腸近位部に脂肪が存在する事がもっぱらの刺激となって発せら
れる。

------------------------------
3種類の運動が大腸に見られるとの記載がありますが、これについ
てはまた後ほどに。
373ヴァカ貝:2001/01/28(日) 02:42
>>368 アクア論者Z(ナメクジの筋肉)さん
うわぁ〜。またまた問題に肉薄する情報を有り難うございます!

>腹足内には縦走筋があり、これと蹠面内側との間に前斜筋と後
>斜筋が密にあるようです。
すると縦走筋部までをヤスデの体幹部になぞらえば、前後斜筋は
脚に相当する様にも見えますネ。

>触覚などの筋肉系・・・この筋肉の癒合程度や付着位置は色々
>変化してて、科・属レベルの分類形質にも
自分でも実際に解剖してみなくてはの気持ちがますます強くなっ
てきましたよ。

>>369 アクア論者Z(足波のスイッチ)さん
>このときに蹠面にチョーク粉を横一線に引くと、線は後方に移
>動する
ナメちゃんをひっくり返して足にチョ−クの粉を置くとそれが後
ろに移動したと----。一銭も掛からずともpaper 数行をモノする
とは私も見習いたいものです。しかし本当に繊毛運動に拠るもの
なのでしょうか?
374ヴァカ貝:2001/01/28(日) 02:44
>>370 アクア論者Z(Denny の研究)
文献の紹介を戴き本当に有り難いです。自分など専門ヴァカに安住
してだいぶ時が経ち、文献はPubMed オンリ−でどうせナメちゃんの
文献など出てこないだろうとそのままにしておきました。自分の専
門ヴァカ性を打ち破らねばならないとの気持ちもあってこのスレを
立てた経緯もありますが、反省しないとイケません(藁。

>前斜筋での蹠面のリフティングはない
>「粘液のゾル-ゲル変換によるせん断応力の不均衡」で移動する
>退行波もこれで同様に説明できると考えているところも池内氏ら
>とは異なります

何だか、凄いメカで這い這いをしている様で、ナメちゃん恐るべし!
では私も早速文献を入手して読んでみようと思います。でもDenny先
生はクモの糸からコンブと波の関係までのお仕事で大した先生です。
375名無しゲノムのクローンさん:2001/01/28(日) 10:51
376名無しゲノムのクローンさん:2001/01/28(日) 23:09
駄レス失礼。
すっかりナメクジ話になっていますが、
このwebページはご存知でしょうか。
http://www.powertoday.com/gedou/nautilus/nautilus.htm
ぜひともここの諸氏に見ていただきたいものです。。。
377お腹へった:2001/01/29(月) 15:38
>371,372ヴァカ貝さん(胃大腸反射)
ウワー、ここまで詳しく説明して下さるとは思いませんでした。
実際には、ナメクジの場合は反射とは言えないでしょうね。前に何もなければ
前進しない、何かに付着すれば前進する・・・単にスイッチでいいか。

>369>アクアさん
“仰向けにしたナメは、空中で足波を起こして何とか這おうと努力する。

糸で縛って宙吊りにしても足波を発生させたので、吸着は必ずしも足波発生の
必須条件ではなさそうです。しかし何かのシグナルで殻の部分を前進させるか
どうかの判断はしているように思えます。

>あと蛞蝓や蝸牛の脳は口球-食堂の上にあるようです。お腹減ったさんのおっしゃる
>膨大部は外套膜かも知れませんね。あの直下には肺・心嚢・殻などがあり、
>生殖器・胃なども大体その辺りの内部を中心にあるようです。
有難うございます。マイマイの殻にあたる部分ですね。どうも前進、停止はこの部分を
中心に行っているように見えます。殻の中へ頭や尻尾を出し入れする習慣がまだ残って
いるんですね。
378ヴァカ貝:2001/01/30(火) 15:05
>>377 お腹へったさん
>単にスイッチでいいか。
アハハ!

ところでヒトの場合でもブレ−カ−が落ちたときなど真っ暗
の中を手探りで進みますが、これはスイッチでなく(電灯の)
スイッチを求めての事----。

>何かのシグナルで殻の部分を前進させるか
>どうかの判断はしているように思えます

外野の勝手な発言とお許し戴きたいのですが、何か更に巧みな
実験法が工夫出来るといいですネ。

>殻の中へ頭や尻尾を出し入れする習慣がまだ残っている
アクア論者Zさんのお話ではナメちゃんでも痕跡的な殻の部分
に筋がアンカ−を下ろす傾向が強いとのことでしたから、前進
運動に対する力の支点的な意義を持っているのかも知れません。
379ヴァカ貝:2001/01/30(火) 15:23
>>376 名無しさん
オウム貝をツボ焼きにして食べた体験談のHP、あんがとです。

運良くオウム貝には墨袋も有りませんので丸焼きでもセ−フ
だったようです。イカと同類の味わいだったとかで、だったら
イルカとかはオウム貝を食べたりしているのかいな?

大王イカスレにてこの巨大イカの筋が塩化アンモニウムを含んで
まずくて食べられないと有りましたが、それでもマッコウクジラ
が好んで喰う(とされる)からには、オウム貝はまだ上物か?

オウム貝自体は、生息海域にてエサを入れたカゴの罠を仕掛けて
置くと沢山獲れ、米国業者のリストに拠ると70〜100ドル程
度です。

どこかに食習慣とする場所があるのかどうか-----?
380あぼーん:あぼーん
あぼーん
381お腹へった:2001/01/31(水) 10:17
>378ヴァカ貝さん(ナメクジの前進)
>外野の勝手な発言とお許し戴きたいのですが、何か更に巧みな
>実験法が工夫出来るといいですネ。

う〜ん、むつかしい。取りあえず小さなフライパンを用意して、その中に深さ2mm程度に
なるようオリーブオイルを垂らし、ナメクジをそのまま入れます。ナメクジは殻の部分から
尻尾まではフライパンの底面に吸着しますが、先端部分は吸着できません。しきりに首を上下、
左右に振って吸着しようと試みますが、そのままの状態がずっと続きナメちゃんは前進しません。
端っこにきた時と違うのは、フライパンの上では、吸着した殻の前方には底面が連続して
続いており、物理的には前進可能なんですが前進しないんです。オイルを浅くすれば吸着、前進
します。まあ、取りあえずこんなところでご勘弁を。

>369アクア論者Zさん(繊毛運動)
>このときに蹠面にチョーク粉を横一線に引くと、線は後方に移動するが、縁・中央部など
>部分によってその速度が異なる。このメカニズムをイメージするのは難しいが、
>多分繊毛運動によるのでは・・”と述べてます。

まさか、ナメクジの腹足に繊毛があるんですかァ〜!?
それとも足が繊毛のような運動をするとか?
382ヴァカ貝:2001/01/31(水) 17:59
>>381 お腹へったさん
おぉ〜! ナメちゃんのオリ−ブオイル浸け作戦ですかぁ!
頭の部分が媒体であるフライパン面に「なじまない」と前進
へのスイッチが入らない事を明確に証明する実験で、毎度お
腹へったさんの実験の巧みさには脱帽です。ところであのぉ、
実験の後でガスレンジには乗っけないでくださいネ-----。

>ナメクジの腹足に繊毛がある
ホント、これはどうなんでしょう?
気管の上皮みたいに繊毛で覆われているとは、分泌される
粘液の粘稠度の高さと量の多さからもちょっと考えられな
い様にも思えます。電顕像などを得れば一発で答えが出る
んですけどねぇ。
383お腹へった:2001/02/01(木) 08:20
>382ヴァカ貝さん
>ところであのぉ、
>実験の後でガスレンジには乗っけないでくださいネ-----。
他にも片栗粉や亀の子たわしの実験もやってますが、同時にに発表する気には
なりません。ナメクジ捕まえて台所で一体何やってんだ?と思われそうで・・・
ナメちゃんとの紳士協定であくまで火気厳禁ということで。

繊毛運動云々は、多分「繊毛運動でチョーク粉が動くかのごとく」移動する、
という意味かもしれませんね。これだと私にもわかります。

確かに居たはずと庭の落ち葉を掻き分けていたら、居ました!
殻幅20mmくらい、淡褐色に黒っぽい模様入りのマイマイが。マイマイは
手づかみ出来るので便利です。暇なときにまたあれこれやって見ます。
384あぼーん:あぼーん
あぼーん
385ヴァカ貝:2001/02/01(木) 21:49
>>383 お腹へったさん
>他にも片栗粉や亀の子たわしの実験も
うぅ〜ん、こっちも面白そうです。その内是非
レスして下さいまし。

>ナメちゃんとの紳士協定で
ムシ愛ずるお腹へったさんに心よりの敬意を禁じ
得ないものでありますっ。

関係無い話でスマソですが、マグロの頬肉(扇形
の筋)をオリ−ブオイルでソテ−にして喰うと美味
いっす。グゥ〜。
386ヴァカ貝:2001/02/01(木) 21:50
>>349 前に戻るけどイカ墨のつづきだよ〜ん:
http://www.jomon.ne.jp/~jatenma/157.html
弘前大の佐々木講師がイカ墨の抗菌作用について発表。で
も、極端な話、食べ物には多かれ少なかれ全てこの種の物
質が含まれている様に思うけど。

http://www.j-link.ne.jp/heart/book/ISBN4-89295-357-1.html
弘前大元助教授のこの人も。

>>379 でオウム貝に墨が無いって言ったけど、身を守る殻
が有るから発達しなかった訳か。アメフラシも殻を失って
紫煙を吹くに至ったのか。ナメちゃんは----何もないや。
387アクア論者Z:2001/02/02(金) 09:29
>>373 ヴァカ貝さん
>すると縦走筋部までをヤスデの体幹部になぞらえば、前後斜筋は
>脚に相当する様にも見えますネ。
なるほど、そう言われるとほぼそんな感じですね。もっともお腹へったさんの実験での糸の拝み取りは、どんな筋肉運動なのか頭の中に浮かびません・・骨格がないからなぁ・・・

>>377 お腹へったさん
>糸で縛って宙吊りにしても足波を発生させたので、吸着は必ずしも足波発生の
>必須条件ではなさそうです。しかし何かのシグナルで殻の部分を前進させるか
>どうかの判断はしているように思えます。
マイマイでは匍匐中、触角が前方の何かに触ると一時停止し、もう一度確かめるように触角で触り、物体の存在を確認すると、体前半を持ち上げて足の先端を物体に付着させてると同時に足波を再起動して物体を乗り越える、あるいは壁ならそれを登攀するように見えます。で、素人目には、人間が手探りで進んだり、猫や犬が足場を確認しながら進む様子と基本的に同じに見えるのですが、ナメにはそれとは何か違う反応がありそうだ、ということでしょうか?

>>381お腹へったさん
>まさか、ナメクジの腹足に繊毛があるんですかァ〜!?
あるらしいです。ナメ本には繊毛で粘液を足全体に行き渡らせるとのことですが、輪くぐり実験など見ますと移動にも直接関係あり?のような気がしますね。水生のモノアラガイなどは完全に繊毛移動のようで、実際に空気中で蹠面を見ますと粘液がチリチリ・キラキラと動いていて繊毛運動がわかります。何でも肺の空気の浮力で水中の繊毛歩行が楽なんだとか。コウガイビルや陸生紐虫も繊毛移動だそうで、2mにもなるのが繊毛で動くとはちょっとびっくりです。
388アクア論者Z:2001/02/02(金) 09:30
>>376 名無しゲノムのクローンさん
>すっかりナメクジ話になっていますが、
>このwebページはご存知でしょうか。
http://www.powertoday.com/gedou/nautilus/nautilus.htm
たしかに二枚貝スレのハズが・・・
イカすページご紹介ありがとう(こんなの知らんかった)。まだ若い個体みたいなのに壷焼きとわ。見るからに美味そうな感じはしていたけど、やっぱり美味いみたいですね。フィリピンでは殻採取のために毎年何万個も採ってるって話ですが、肉はどうしてるんだろうか。もし食べてるんだったら、オウムガイの干物とか缶詰とかにして輸出すれば案外受けるかも。私個人としましては刺身とおでんが希望(マジ食いたいッス)

しかし9800円って、生きてるから高いんだろうけど、webで公開するって動機がなかったらこの人も勿体無くて食べれなかったんじゃないかな。そうだ、この人に頼んで巨大ナメクジも食べてもらうってのもいいね。その様子を公開すれば大ウケ間違いなし、って言えばやってくれそうだ(和良

>>386 ヴァカ貝さん
>>379 でオウム貝に墨が無いって言ったけど、身を守る殻
>が有るから発達しなかった訳か。アメフラシも殻を失って
>紫煙を吹くに至ったのか。ナメちゃんは----何もないや。
「オウムガイの謎」(築地書館だったかな?)っていう本にアンモナイトの復元図が出てて、アンモナイトには墨袋があったって書いてあった(どこまで本当かわからんが)。ナメはやっぱり粘液が不味いんじゃないかな・・・前の方で、飼ってる魚がすぐに吐き出すってあったし。
389アクア論者Z:2001/02/02(金) 09:48
>>376
p.s.
しかし焼き網の上にはサザエ二個とでかい赤貝、この人結構おかねもちだね。
390お腹へった:2001/02/02(金) 10:14
>386ヴァカ貝さん
>ナメちゃんは----何もないや。
ナメちゃんには粘液があるんだ。ばい菌いっぱいの所でも裸で這い
回るんだから、強力な抗菌作用があるかもしれません。這い這いの
研究よりもこっちの方が金になる、いや研究費が貰えるかもしれ
ませんよ。
ナメクジ粘液付きバンドエイド〜そのまま貼れます〜ってのは
どうです?

ところで先日ミミズを見つけたので、早速つるつるのハードケースの
上を這わせてみました。予想外の、アッと驚く方法で前進するんです。
ヴァカ貝さん(皆さん)、ご存知でしたか?                                           
391名無しゲノムのクローンさん:2001/02/02(金) 10:26
>>390
口で吸い付いてから体を引っ張る、に100モナー。
392ヴァカ貝:2001/02/02(金) 18:22
>>387 アクア論者Zさん
>ナメクジの腹足に繊毛がある
へぇ〜、あるんだぁ!
<繊毛で粘液を身体全体に行き渡らせる>って、気管から痰が
排泄されるのと同じじゃん(きたない話でスマソですぅ)。つぅ
ことは、では気管の壁の一部を切り取って粘液で薄く覆った板の
上に置けば、気管が移動するのかいな? のど薬の粉を振りかけ
ると移動が速くなるかな(藁? ナメちゃんにも龍角散とかが効
くかいな?

>コウガイビルや陸生紐虫も繊毛移動
考えてみれば、壁面から生えた繊毛の運動はヤスデの脚の動きに
も良く似ているようです。ヤスデの脚も薄目でみれば繊毛に見え
なくも有りません。実際には繊毛と言うより巨大な剛毛ですけれ
ど。
393ヴァカ貝:2001/02/02(金) 18:23
(つづき)
>>388 アクア論者Zさん
オウム貝のツボ焼きが出来上がり、殻から外したところの写真を
見ると、アク論さんから以前教えて戴いたトグロコウイカの軟体
部に良く似ていて、イカが殻を背負っていたのかと素朴に感じま
す。

>この人に頼んで巨大ナメクジも食べてもらう
うん、そりぁいい。ヴァカ貝と致しましては、まずキノコと香草
のエサで暫く飼育した後に、内臓を取り除き、香草を加えたバタ
−でマタリ〜とソテ−にして貰いたいなぁ。仕上げには勿論白ワ
インを振りかけます。ホネの無い舌ビラメそっくりとなるかどう
か。

>『オウムガイの謎』
オウムガイの謎 小畠 郁生 筑摩書房 ちくまプリマーブックス7
1987年 01月 出版 197 B6 単行本 ISBN:4480041079 \1068
ですな。

ついでに
オウムガイの謎 ウォード,P.D. 著  河出書房新社
1995年 01月 出版 328 4?6 単行本 ISBN:4309250742 \2913

も、見つかりました。後の方が新しい分だけいいのかいな?
よしっ、奮発して2つとも買うぞっ。
394ヴァカ貝:2001/02/02(金) 18:44
>>390 お腹へったさん
>ナメちゃんには粘液があるんだ
そうなんですが、敵が接近したときに、例えば黒い粘液を
一時的に分泌して、影武者の姿を残して本体がソロ−リと
逃げるとか----。やっぱダメか。

仰る通り、単に乾燥防止と移動の潤滑剤(それと不味物質)
としての役目以外に免疫に関与する物質が含まれている可能
性は大いに有りそうです。

>ナメクジ粘液付きバンドエイド?そのまま貼れます?って
>のはどうです?
なんていいアイデアなんだろ!お腹へったさんには毎度感心
させられっぱなしです。いっ、一刻も早く特許を取得して下
さい!

以前ナメクジスレにてナメちゃんを1000匹捕まえて鍋
にて煮込んだらとの話が出ていましたが、火が通ったら液
体だけを濾過して濃縮すればマタリ〜汁が得られるかな?
(夕飯時にヘンな話を連発してスマソの2乗です。)
あっ、でも加熱すると有効成分が失活しちまうか!!
395ヴァカ貝:2001/02/02(金) 18:59
>>390 お腹へったさん
>予想外の、アッと驚く方法で前進する
うぅ〜ん、わかりまっしぇん。

もしかして蛇みたいに蛇行して進むのかなぁ。ミミズの親戚の糸
ミミズが水中でゆらゆらと身体全体で横波を作ることからの連想
です。でもこの方法も摩擦力がなければ原理的には前進できない
か-----。

>>391 名無しさん
>口で吸い付いてから体を引っ張る
これはヒル型の歩行かな。でもヒルっつうのはミミズの兄弟みたい
なモンだからあり得るかも。

あと1つ思いつきましたが、テフロン加工の新品のフライパンみた
いに摩擦力が少ない状態ならば、糞を勢い良く排泄すればその反作
用で少しは進むかな?

---------
予告ですが、以前ラットの前歯の着色について調べてみるとレス
しました(>>100)が、昨晩やっとこさ実験が終わりましたので近々
レスするよ〜ん。
396ヴァカ貝:2001/02/02(金) 19:12
>>386
http://www.jomon.ne.jp/~jatenma/157.html
ですが、イカ墨については1行しか記述が無く、他は
ニンニクの話ばかりで<外れHP>でした。スマソです。
397名無しゲノムのローンさん:2001/02/03(土) 01:03
対抗
398 :2001/02/04(日) 23:58
399お腹へった:2001/02/05(月) 08:10
>387アクア論者Zさん
>>まさか、ナメクジの腹足に繊毛があるんですかァ〜!?
>あるらしいです。ナメ本には繊毛で粘液を足全体に行き渡らせるとのことですが
やっぱり繊毛があるんですね。ナメちゃんは忍者だ。水に放り込んだらヒレを出して
泳ぐ・・・・ってことはないですね。

>391 名前:名無しゲノムのクローンさん(ミミズの前進)
>口で吸い付いてから体を引っ張る、に100モナー。
そうなんです。ミミズとは小学生の頃からの付き合いですが、口で吸い付いて前進
するとは全く知りませんでした。よくご存知で! ドバミミズ100匹御進呈!

400お腹へった:2001/02/05(月) 16:48
>387アクア論者Zさん
>で、素人目には、人間が手探りで進んだり、猫や犬が足場を確認しながら進む様子と
>基本的に同じに見えるのですが、ナメにはそれとは何か違う反応がありそうだ、
>ということでしょうか?

答えになるかどうか。マイマイの枝渡り。
仰向けになったマイマイの先端部(以下頭部)に爪楊枝の先を接触させたらどうするか?
マイマイは頭部で楊枝に接着し、体全体を持ち上げ前進を始める。しかし接着部が限定
されているために、頭を空中に押し出してしまう。マイは楊枝を唯一の足場として体を支えて
さらに前進し、頭は次第に伸びてくる。つまり楊子は頭部から殻の方へ送られることになる。
仮に頭から殻までの部分を「頚部」とすると、楊子は頚部を下って殻の部分へ達するが、
丁度楊枝が殻の部分へ来ると、今度はそこの腹足で楊子を巻きつけるようにしっかり
固定して前進を中止する。この状態でマイは頭を四方へ振り、次の接着場所を探す。

つまり、マイマイは頭部〜頚部の「どこか」が物(楊枝)に接着しておれば、そこだけを
足場にして前進します。
しかし、足場(楊枝)が頚部を過ぎて殻部にくると、殻部を固定し前進を中止します。
逆に頭部〜頚部が物に接着していなければ前進しません。>381オリーブオイルの実験。
つづく
401お腹へった:2001/02/05(月) 17:44
つづき>マイマイの前進、停止について>ほら吹き@お腹へったの考え。

マイマイは小枝の先端など、行き止まりに差し掛かるとどうするか?
前述したように、頭〜頚部のどこかが小枝に接着している限り、頭を空中に
送り出して前進を続ける。これで殻部を小枝の先端まで移動させると共に、
頭は枝の先端から可能な限り遠くへ伸ばすことができる。しかしこれ以上
殻部を前進させると落っこちる、ぎりぎりの選択だ。

推測ですが、頚部と殻部の間に境界らしきものがあって、枝との接着面が
頚部から殻部へ移った瞬間に前進を止める命令が出るのではないだろうか?
この移行部分に前進のOFFスイッチが一個あるように思います。
ではしっかり固定した殻部を動かす「前進命令」はどのような仕組み
(スイッチ、条件、反射?)になっているのでしょう?
これはムツカシイ。
402ヴァカ貝:2001/02/05(月) 18:59
>>399 お腹へったさん
>口で吸い付いて前進
すっ、凄い!
持てる道具あらゆるものを利用して前に進もうとするミミズ
の生き様に感動致しました!(藁
ミミズが生きた掃除機のホ−スに見えますよ。
たまたま吸い付いた動物の身体から栄養有る汁が出るのを知り、
それにすがりついて進化したのがヒルっつうことですかな?

403ヴァカ貝:2001/02/05(月) 19:01
>>400, >>401 お腹へったさん
>頚部と殻部の間に境界らしきものがあって、枝との接着面が
>頚部から殻部へ移った瞬間に前進を止める命令が出るのでは
>ないだろうか?

頭部〜頸部にモノが接触している(一定の接触圧を感じている)
なら前進へのgoサインが出る訳ですから、その領域がスイッチ
オンの踏み板であると単純に考えることもできると思います。
その範囲に何か物があれば、自然界に於ける通常の場に於いて、
オレは取り付いて前に進めるとマイマイが「判断」できる領域
が定まっているとしたら面白いです。体重の軽いナメちゃんの
方が果たしてその領域が狭いのかどうか?

身近な材料を用いて巧みな実験を工夫し、真実の解明を進めて
いくお腹へったさんには毎度脱帽です。『ロウソクの科学』なら
ぬ『マイナメちゃんの科学』を是非執筆なさいまし。
404ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:08
ラット切歯(せっし)のエナメル質に関する実験レポ−トだよ〜ん:
貝殻の構造と色についての実験の番外編として、まぁ、bio-mineralization
に関する話題の1つとして暇つぶしに読んで下さいまし。

1.まずは、歯の造りから
ラット(実験用ドブネズミ)の切歯(門歯、前歯)は上下各左右1対計4本
ある。歯の前面のみにエナメル質が存在しここが黄色に着色しており、顔を
前から見ると前歯が黄色く見えるわけネ。上の2本の方がオレンジ色味が強
く、下2本はくすんだレモンイエロ−色で色もやや薄い。

http://users.newscientist.net/hedbone/Rat/comrat.htm#details
を見れば良く判るでしょう。
405ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:08
(つづき)
歯をそれが填っている骨(上は、切歯骨、下は下顎骨)の穴(歯槽)から取り出して
みた。抜き取ろうと引っ張ってもびくともしないので、周囲の骨を破断して取り
出したよ。切歯は、半透明な角柱(トコロテンの棒を思い起こして下さい)の1面に
薄い白い層を塗り、更にその上に更に薄い黄色の層を塗り重ねたものを、黄色の側が
外に面する様にCの字型に曲げた構造で、上の歯の方がCの字のカ−ブがきついネ。
上の歯では1/2強が、また下では2/3が歯槽に埋没している。ラットの頭蓋を横
から見てX線で透視すれば、上下Cの字型の歯が口先で相対しているのが見て取れる
事になるか。まぁ、味噌汁の椀と蓋のような関係ですな。

上下の歯とも、歯槽の一番奧にある付近を除き、口腔内に見えている部分と同じ色が
既に着色している。でも、もう少しで口腔内に萌出する部分を除き、歯槽内に埋没し
ている殆どの部分では、ツメを立てると黄色い部分が簡単に半透明のヘナヘナの膜様
構造として削り取れて、下の白く薄い層が露呈する。
406ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:09
2. ではさてと実験
2.1.硬度確認実験

a.爪でこすっても黄色の色が剥げない部分(口腔内に飛び出ている部分):
ナイフ(カミソリ)の歯が立たず横滑りする
b.白い部分: 力を入れると何とかナイフで表面に浅い傷が付く
c.大部分を占める半透明の部分: ナイフの歯がやや深く食い込む。

2.2.脱灰実験
実際、歯を貝殻の実験の時と同じく蟻酸に浸け置いたところ、黄色い部分がヘナヘナ
の膜構造として最初に分離したよ。白い薄い部分は消滅したのかそれとも下の半透明
の部分に貼り付いたままなのか肉眼的には区別が出来なっちまった。半透明部分はそ
のままの形を保っていて、シリコンゴムを固めた様な弾力性とコシを持つ。
407ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:10
(つづき)
2.3.加熱実験
バ−ナ−の火炎から5cm程度離して歯を加熱しても、黄色い色調に殆ど変化は生じ
ない。黄色い色素は熱に対してだいぶ安定度が高いと見えます。
バ−ナ−の火炎に晒すと、黄色い部分は瞬時に薄い焦げ茶色に変わった。他の部分は
これよりやや薄い灰色となった。

火炎中で赤熱すると、黄色の層+白い層は変色したままそのままの形で残る。赤熱し
た後で表面にメス刃を当てても、相変わらず刃が立たない。但し加熱の為にさすがに
脆くなっていて、力を加えるとポロっと割れてしまうよ。一方、半透明の部分は有機
物が多いためか、炎で幾分コゲてしまい、割れて弾け飛んだりした。

次回レスはエナメル質についてのお勉強を幾つか。
408ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:17
3.ここでエナメル質についてのお勉強
http://research.amnh.org/vertpaleo/enamel/contents.html
エナメル質の進化、微細構造、古生物学、個体発生、バイオメカニクス
とこの本1冊で取り敢えずは足りそうです。歯学部の図書館には必ず有
るでしょう。自分でも1冊欲しいけど幾らするかなぁ? 高いとまた昼
飯が-----。おっ、日大松戸歯学部の先生方も執筆してますなぁ。

この本の分担執筆者の文献
Martin, T. (1993): Early rodent incisor enamel evolution:
Phylogenetic implications. Journal of Mammalian Evolution 1(4): 227-254.

をたまたますぐに入手出来ました。内容は各種ゲッシ類のエナメル質の
走査電顕像を比較してゲッ歯類のsystematics (系統分類)を考えた仕
事です。彼に拠ると:「ゲッ歯類の切歯のエナメルは2層から成り、内
層はエナメル小柱がX字型に配列し(縦断するとHSB と命名される模様が
見える)、一方外層はエナメルが放射状であり、小柱が互いに平行に配列
している。ウサギ目ではエナメル質の外層が無い事がゲッ歯目と根本的
に異なる。内層のHSB は強度を与え、またヒビが拡大するのを防止する
役目を果たし、外層の放射状のエナメルは幾分耐摩耗性が高い事から鋭
い刃の縁を維持するのに役立っていると考えられている。」との事でした。

残念ながら、色調についての記述は有りませんでした。なるほど、ネズ
ミの歯がカミソリみたいに鋭くて電線の被覆ビニ−ルをさくさく削るの
はエナメル質の外層があるからか。
409ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:19
(つづき)
エナメル(但しゲッ歯類ではない)の走査電顕像については下記を参考にしてネ。
http://www.anatomy.uq.edu.au/histology/contents/oral3.%20tooth/Lhsbandscan.JPG
ここのHPに拠ると、脱灰標本ではエナメルは除去されて観察出来ず、
エナメルの観察には研磨標本を作るとありました。

以上から記述から、おそらく、黄色く着色したごく薄い層がエナメル質の外層に
相当し、下の白い層がエナメル質内層に、また半透明の部分がゾウゲ質で出来て
いるものと考えました。手持ちのウサギの頭蓋を見ますと確かに切歯は白く(ウ
サギでは上の切歯が4本、下は2本だよ〜ん)、黄色の部分が有りません。

ウサギの切歯については
http://www.skullsunlimited.com/lagomorpha.htm
ここのrabbit の写真みてちょ。
410ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:20
(つづき)
また、
http://www.keele.ac.uk/depts/ch/groups/csg/caa/chrishome.htm
英国キ−ル大学での魚の歯の研究の報告、
を見ると、残念ながらゲッ歯類の切歯の記述は有りませんが、硬組織のミネラル分
とマトリックスの一覧が有り、エナメル質ではリン酸カルシウム(ハイドロキシア
パタイト)+マトリックス(エナメリン)の組み合わせ構造から成る事が判ります。
ちなみに歯のゾウゲ質はリン酸カルシウム+コラ−ゲンでホネと同じっス。

貝殻では炭酸カルシウム、一方動物ではリン酸カルシウムと成分は異なるものの、
同様の硬組織の形成過程(らしき)ものが見て取れる点が面白いっス。一種の相
似ですな。

するってぇと、歯槽に収まっている部分は、黄色の膜組織(エナメル外層のマトリッ
クス?)にリン酸カルシウムの結晶構造が沈着しておらず、つまり下の層(エナメル
内層?)に「焼き付いて」おらず、歯が口腔内に姿を現す少し前で、結晶の沈着「焼
き付け」が完了するってことか?
411ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:22
(つづき)
http://www.keele.ac.uk/depts/ch/groups/csg/csghome.html
上の魚の歯の研究者が所属する研究室。bio-mineralization を研究して
いるところ。ふぅ〜ん、貝殻も歯もまとめて色々扱っているのかぁ。
その女ボス:
「これらの研究から、微細環境microenvironment 下での化学重合の進み
具合が、分子レベルでの非有機粒子の結晶の核形成、成長、及び安定化を
制御している事が明白である。合成時の分子パタ−ンをシスティマティク
に変える事に拠り、我々は、同質異像の選択、粒子の大きさ、結晶の晶癖
を調整し全く異なった特質を持つ非有機/有機組成を産生する事を明示的
に目論みつつ、これらの超分子的組織構造を計画的に合成し得る事を見出
した。」
なんだか奥歯にモノが挟まった文章だネ。要するに最後までは判ってない
っつぅことネ。

貝殻の形成の問題も面白いけれど、動物の歯の形成の方もこれに劣らず面
白そうだよ〜ん。でも貝殻形成と動物の歯の形成の最後の微細な段階では
どのような違いが存在するのか早く知りたいところでんな。ラットの場合
も歯が外に顔を出す少し手前のところで「焼き付け」が起こるらしいと上
に書いたけど、どこまで詳細が解明されているのか?
412ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:24
(つづき)
http://www.novartisfound.demon.co.uk/catalog/205cont.htm
Ciba Foundation の援助で96年4月に開催されたSymposium on Dental
enamelです。
http://www.novartisfound.demon.co.uk/catalog/205abs.htm
 こちらにその要旨が掲載されていますが、エナメル質の
biomineralization に関しては現時点で最初に挙げた書物と
双璧をなすものでしょう。78ポンドでこの講演集が入手出
来ます。こちらを読めばラットの切歯に関してより詳しい事
が記述されているかも知れません。
413ヴァカ貝:2001/02/07(水) 00:29
4.考えをあれこれと
(やっとこさ)色素の問題に戻りますが、
結局のところ、何故、切歯のみのエナメル質にこのような着色が
加えられるのかは、ままままったく!判りませんでした。

色は素材としてのマトリックス固有の色調で、それ自体の機能的
意義は特に無いのか?上下の歯で色調が異なる理由は? マトリ
ックスの厚みが異なるのか?でも手持ちのビ−バ−と山ビ−バ−
では上下の切歯の黄色い色調に差はないな。
歯を守る為の抗菌成分か?
仲間内の信号に利用するのか?


5.結論
結局のところ、<歯に詳しい方、教えて呉れませんか?>(藁
軟体を覆い守る貝殻のpigmentation とはあらかた意味が異なるも
のとは思いますが-----。
自分自身が覚えたちょっとした疑問でも調べるのが大変でしまいにゃ
自分で研究するしかないのかなと言うことを感じさせられました。
いや、ホント、いきものの奥は深いですナ。

久しぶりにエンジン全開したせいで(ヴァカ貝でも)風邪ひきそぅだぁ!
414ヴァカ貝:2001/02/07(水) 15:23
6.ダメ押しでエナメル質の形成に関する応用的研究を:
http://www.usc.edu/ext-relations/news_service/chronicle_html/1996.06.17.html/Cloning_tooth_enamel.html
"It means that we have understood how nature forms the enamel, how the
mineralized tissue is formed biologically," she said. "The great
triumph for science will be that we can reproduce enamel outside the body."
<生体でどのようにエナメル質が形成されるのか判れば、体外でそれが合成出来る。>
やっぱりどうもエナメル質形成の詳細は判ってないのネぇ〜ん。
415ヴァカ貝:2001/02/07(水) 15:24
(つづき)
The researchers estimate they are still about two years away from producing a
prototype paste of the large-crystalled enamel, which will eventually lead to
"bioceramic fillings."
ふぅ〜ん。生体と同じ大きさのエナメルの結晶をこさえるのにあと2年も掛かるが、
完成すればバイオセラミックの詰め物になり、エラい儲けになるらしい。ところで
その原理だけど、虫歯の穴に適当なマトリックスの材料とリン酸カルシウムその他
を混ぜたペ−ストを注入し、更に電流を流して結晶化させるとかすんのかねぇ?
それとも親不知(第3大臼歯)のエナメル質を形成する休眠中或いは活動中の細胞
の一部を取り出して培養し、得られたものを虫歯の穴埋めに利用するのかいな?
これだとちょっとした手術が必要になる。彼らが目指す方法は前にも述べた<芸能
人は歯が命>の歯磨きペ−ストよりは1段進んだ方法に思えるけど果たして実際は
どのようなものか?
生体に近い素材だけの詰め物が可能なら、金属アレルギ−の人には朗報だネ。同じ
原理の応用で、歯の表面にエナメル質の<メッキ>が出来れば最高! どなたさん
も(歯並びは別にして)芸能人並の歯になれる?!

http://www-hsc.usc.edu/~hbw/Research/artificialenamel.html
こっちも人工エナメルの研究
416ヴァカ貝:2001/02/07(水) 15:28
番外HPの紹介:
http://allserv.rug.ac.be/~mvaneech/Symposium.html
『水と人類進化のシンポジウム』
ヒトの祖先はサバンナ、森林、水域のどれから起源するのかの1999年開催のシンポジ
ウム。マジでヒトの水中起源論を論じていたようですな。ホント吃驚です。<英国人
Elaine Morgan とベルギ−人の Marc Verhaegen が人類水中起源論を提唱したが
科学者には無視されてきた。これを再検討する>
エナメル質の語で検索すると歯牙化石>進化の流れでこの種のものもキャッチでき
面白いです。

<ご挨拶>
さて、皆様から活発な意欲溢れるリアクションを戴いたお蔭で、本貝スレが西陣織の
様なスレとして発展もできましたことに心から感謝致します。どこかのスレでお誉め
戴いた事も有りましたが、そろそろ一通りの話題が出尽くしたことから、ここで暫時
スレッド(貝殻)を閉じるのも潮時かと思います。もし、参加或いはROM戴いた方
々に、軟体動物に関する知識や新たなる疑問の息吹を与える事ができたとすれば生物
学徒の端くれとして大変嬉しいところです。特にお腹へったさん、アクア論者Zさん
のお二方には最後までお付き合いを戴き、専門とは全く異なる領域からの知的な刺激
を受けることが出来、久方ぶりに脳味噌の洗濯が出来た思いがします。ご両人のナメ
ちゃんとマイマイの這いつくばり実験は大変面白かったですよ。

では私こと不肖ヴァカ貝は再び砂に潜ります。さようなら〜。
417お腹へった:2001/02/07(水) 16:43
あれっ?砂に潜っちゃうの?
折角、マイちゃんの前進運動が分かったのに。あれって、園児の電車ゴッコと同じ、
引っ張られるから動くんです。
胃大腸反射ではなく、筋肉の伸展反射・・・ア、もういいか。

お腹へったの勝手な発言にも丁寧に付き合って下さり、感謝します。

お名残惜しゅうございます。さようなら〜ヴァカ貝さん。

418ROM院生:2001/02/08(木) 02:53
表敬書き込みです。ROMする方は一苦労でした(笑

>お腹へったさん
最後に>>417のつづき、教えてもらえませんか?
419お腹へった:2001/02/08(木) 18:18
>418 ROM院生 さん(マイマイ歩行)
つづきはないんです。
楊枝の先に殻部を固定して、次の接着場所を模索しているマイマイの
先端部(頭)に足場を与えるとどうするか?
頭部が接着することにより、足全体に足波を発生させれば、神経反射
が考えられるが、そんなシャレタ反射はなさそうです。
足波は頭部より順に発生して、接着部が前進するにつれ下位へ移り、
殻部までくると殻が前進し始め、尾部まで全部接着すると足波は尾部
から頭部まで連続して伝わる。(この段階で前進を中断すると、次の
前進開始では、足波は尾部から起こる、なぜ?)

この観察から、殻部はある程度の力で引っ張られると前進を開始
するように見えます。そのきっかけ、スイッチは?

伸展反射(誤?)→伸張反射=自己受容反射を考えて見ました。
蠕虫類の匍匐にも見られるとのことですが、無学の徒の私には
これ以上は分かりません。どなたかご教示戴ければ幸いですが、
閉じちゃったんですね。では。


420418ROM院生:2001/02/09(金) 02:25
418は書き間違いですね。ROMする”だけ”で大変でした(恐縮

>>419
他の部分の接触が刺激になる「胃-大腸反射」よりも筋肉の伸展が刺激に
なる「伸展反射」が考えられるということですね。

ナメクジの繊毛や、運動メカニズムの話、ただ驚き眺めるばかりでした(後半追いつけ
なくなって他で勉強したりして)。参加されたみなさん、面白く読ませていただきま
した。お礼申し上げます。ではでは。
421名無しゲノムのクローンさん:2001/02/11(日) 05:40
閉じちゃう前に、ネオビリナについて詳しく教えてください!
お願いします!!
422名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 10:58
荒らし封印age

423名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 11:10
荒らし封印age
424名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 11:33
荒らし封印age
425名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 11:41
荒らし封印age
426名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 12:07
荒らし封印age
427名無しゲノムのクローンさん:2001/02/12(月) 12:33
荒らし封印age
428ネオピリナ:2001/02/14(水) 13:34
>421さん   >ネオピリナについて
詳しい方の応答がないので、古い文献ですがよろしかったら参考にして下さい。
「続 原色日本海類図鑑」波部忠重著、保育社、48頁、(昭和44年九刷)

単殻類(MONOPLACOPHORA)について
 1952年5月6日にデンマークの深海調査船ガラテア号が中央アメリカのパナマの
太平洋沖、3570mの深海をドレッジしていた。その時、クモヒトデ等多くの
珍奇な深海生物とともに13個の殻径25〜35mm、殻高8〜13mmの薄汚れた
笠型の貝が採集せられていた。この貝は研究の結果、1957年にNeopilina
galatheae LEMCHE という学名で雑誌Natureに発表せられ、これまで発見せられた
生物の中で知られている最も古い地質時代カンブリア紀(前カンブリア紀でも最近
生物化石が確認されているが)の生物の生き残り”生きた化石”として世界の生物学、
古生物学に大きい反響をよんだ。(略)
なぜ、この貝がそんなに重要なのかというと、この貝は・・・笠型をしているので
あるが、腹側から軟体の外観を見ると5対の原始的な鰓が並んでいる。(略)
また、解剖して、神経をしらべると、神経はヒザラガイに見られたように梯子型で
巻貝のようにねじれず、10対の連絡があり、筋肉を見ると8対の筋肉が見られて、
ヒザラガイに似たところがある。詳しく見るとヒザラガイと異なる点もあるが、
大体は一枚の殻を持ったヒザラガイという状態である。(略)
これら現在の貝類の祖先型に最も近い貝であることが確認されて来た。このことを
裏付ける事実として、古生代カンブリア紀からデボン紀にかけて、筋肉痕が8対
或いはその数に多少変化のある笠貝の化石がヨーロッパ、・・・・から発見せられて
いて、その当時は浅海の砂底に棲んでいたものらしく、砂岩や石灰質の頁岩とともに
産出する。(略)

図を見る限り、殻はシジミの片方みたいです。
最近の情報は知りません。専門の方、よろしく。
429428:2001/02/14(水) 15:11
(誤)「続 原色日本海類図鑑」
(正)「続 原色日本貝類図鑑」
430421:2001/02/14(水) 22:34
428さんありがとう。
ネオピリナは1952年に発見されていたんですか!
最近のことだと思っていたのでびっくりです。

私が知りたいのは、体節構造に関する解剖学的知見や発生、さらにはHox遺伝子などについての最近の知見についてです。
軟体動物の(特に体制の)進化もおもしろそうなんで、詳しい方の情報をお願いしたいところです。
よろしく!
431421:2001/02/14(水) 22:34
428さんありがとう。
ネオピリナは1952年に発見されていたんですか!
最近のことだと思っていたのでびっくりです。

私が知りたいのは、体節構造に関する解剖学的知見や発生、さらにはHox遺伝子などについての最近の知見についてです。
軟体動物の(特に体制の)進化もおもしろそうなんで、詳しい方の情報をお願いしたいところです。
よろしく!
432名無しゲノムのクローンさん:2001/02/15(木) 09:06
433アクア論者Z(ネオピリナ研究):2001/02/19(月) 04:40
忙しいのと体調不良とで休んでいたら、終わってしまっていてガッカリ。
でも400以上も続いたので良しとすべきか・・・ヴァカ貝さん、お腹へったさん他の皆さんありがとうございました。
ヒルゲンドルフさんの8種類のベッコウマイマイが何であったかも聞きたかった・・・

で、色々レスしたいですが、取り敢えずネオピリナについて(いつも長くてすみません)。
まず>>428さんが書いて下さってるように採集されたのは1952年ですが、世に発表されたのは5年後(Lemche,1957.Nature 179:413-416)で、更に2年後にペルー沖の約6000mから別種が発見されました(Clarke & Menzies,1959.Science 129:1026-1027)。当時は生きた三葉虫かアンモナイトが発見されたような衝撃があったかも(何しろNatureとScienceだし)。で、1992年までには未記載種も含め6属20種、その後さらに5種が追加されたので現在までに20数種が知られています。分布は北南米西岸沖・太平洋中央部・大西洋・地中海・南極海・豪州東沖・インド洋などで広いですが、なぜか日本近海からは未確認で日本人による採集はないと思われます。棲息深度は殆どが数千mという超深海ですが200m程度のものもあるようです。

ネオピリナ(Neopilina属)を含む現棲の単板綱(Monoplacophora)に関する近年の研究状況は下記を見れば概要がわかると思います。最後のLesikのは1952の発見以来の研究史や最近の知見などをまとめたもののようですが本文がポーランド語なのでちょっと、でも、それまでの文献は網羅してあると思われるので利用価値はあるかも(私は見てません-入手が難しそうですね)。

Waren,A.& Gofas,S.,1997.A new species of Monoplacophora,redescription of the genera Veleropilina and Pokopella,and new infomation on three species of the class. Zoologica Scripta 25(3):215-232.

Schaefer,K.& Haszpurnar,G.,1997.Anatomy of Laevipilina antarctica,a monoplacophoran limpet (Mollusca) from Antarctic waters. Acta Zoologica 77(4):295-314.

Haszpurnar,G.& Schaefer,K.,1997.Anatomy and pylogenetic significance of Micropilina antzi (Mollusca, Monoplacophora, Micropilinidae fam.nov.). Acta Zoologica 77(4):315-334.

Lesik,A.,1998.Monoplacophorans (Mollusca;Mnoplacophora,Tryblidiida)-forty years after the discovery of recent forms .Prezeglad Zoologczny 42(3-4):113-134.
434アクア論者Z(ネオピリナの解剖):2001/02/19(月) 04:43
単板綱の解剖学的知見は最初のNeopoilina galatheaやVema ewingiを含めた数種で発表されているようで、無脊椎動物の網羅的解説書などにも出ていることがあります。単板綱の反復構造(repetition)は現在では偽体節性(pseudometamerism)との見方が優勢のようです。発見当時は軟体動物の祖先に環形動物様のもの(節足動物の体節もこれに起源があると考えられた)が想定されていて、ネオピリナの反復構造が祖先の体節性の名残とされました。
しかし現生単板綱は筋肉が8対なのに鰓は3対〜6対まで変化があり、消化管は体中央で螺旋していて少しも協調していないことや、軟体動物には他に殻のない溝腹綱(Solenogastres:カセミミズ類)や尾腔綱(Caudofoveata:ケハダウミヒモ類)という更に原始的と思われる綱があり、これらには反復性がないことなどから、単板綱は殻を持つ巻貝・二枚貝・頭足類といった有殻類(Conchifera)の祖先ではあっても、原初の軟体動物は渦虫様の無体節のものであったとの考え方が優勢になってきているようです。従って環形動物の体節性と単板綱の反復性は直接関係なく、ましてや脱皮動物である節足とは全く関係ないということになります。
なお、単板綱の標本は非常に入手困難であることや、ほとんどが数mmという大きさ(最小種は1mm以下)であることなど、材料の希少性から解剖や分子関連研究を困難にしているのかも。発生研究も全くないようです。
あと、単板綱の口の後方には多数の触手があり、頭足類の足と相同とも言われてます。
現在の優勢な考え方を示す系統進化図↓(図中のTryblidiaが単板綱を示す)
http://www.britannica.com/bcom/art/00027/74.gif
435アクア論者Z(ネオピリナとHox):2001/02/19(月) 04:45
Hox遺伝子関連研究ですが、単板綱については全くないと思います。と言うより軟体動物自体ほとんどされていない気がします。古く1993年に(↓)アワビからAntennapedia-likeが単離されたのが軟体では最初のようですが、その後も断片的な情報しか出ていないのでは・・・?詳しくは>>432さんに従うべし。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=7689904&dopt=Abstract

私個人としては是非421さんに研究して戴ければと心底思うのですが、単板綱を使うのはまず無理そうです(特に日本では材料入手が超困難でしょう)。で、多板綱(ヒザラガイ)なら磯にいくらでもいますし、体制も単板綱と近いものがあり、8枚の殻という反復性や、まず最初に7枚の殻ができる点などショウジョウバエのペアルールを連想させたりして(この辺はトンデモ素人な私には刺激的!)面白いと思いますがどうでしょう?ただ>>238で紹介されているHaszpurnarあたりも考えてはいるでしょうか。
できればオウム貝も入手可能な生きた化石なので是非。オウム貝については体節性があるとする論文もある(Mutvei et al,1993.Muscles and attachment of the body to the shell in embryos and adults of Nautilus belauensis (Cephalopoda).Am.Mus.Novit.No.3059:1-15)ようです。それにオウム貝は鰓が2対あり、イカタコの1対より多く、Hoxではありませんがenの相同遺伝子が他の軟体が1個なのに2個あるとかで面白そうです>>267。Hoxクラスターが重複して2組あるとかだったらNatureに載りそう(まあなさそうですが、頭足類の異常な神経発達はオメオボックス関連で何か起きてそう! じゃないかなぁ・・・むーぅ)

どうも左右相称動物(新口+旧口)のうちほとんどの無脊椎が属する旧口動物が脱皮動物(Exodysozoa)(↓1)と櫛輪動物(Lophotrochozoa)の二つに分かれるのはどうも確実なよう(↓2)。
1.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=9168109&dopt=Abstract
2.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=10391241&dopt=Abstract
線虫やショウジョウバエなんかの脱皮動物に比べると櫛輪は遅れてるし、せめて軟体動物のどれかのHoxクラスター情報が欲しい今日このごろです。軟体動物の系統進化については相同とされる形態やミトコンドリアDNAなんかでやられているようですが、現在は議論百出の過渡期ともいうべき状況のようです。何にしても形態進化にはHox研究が欠かせませんので、ぜひぜひ挑戦してみて欲しいです。
436421:2001/02/20(火) 02:31
アクア論者Zさんありがとうございます。

非常に詳しく、膨大なレス嬉しいです。
今は時間がないのですが、後でじっくり調べさせてもらいたいと思います。
ところで
>軟体動物には他に殻のない溝腹綱(Solenogastres:カセミミズ類)や尾腔綱(Caudofoveata:ケハダウミヒモ類)という更に原始的と思われる綱があり・・・

というところが気になりました。これらについてもお時間のあるときにでも詳しく教えてください。
多板綱(ヒザラガイ)についてもお願いいたします。(本当に時間のあるときでかまわないので)

私は植物が専門なので
>是非421さんに研究して戴ければ
といった期待にはお応えできませんが、どなたかにじっくり研究していただきたいと思います。

私は、分野外の素人の立場として環形動物、軟体動物、節足動物を中心として有爪動物(だったかな?)や緩歩動物など絡み合ったところの系統的な問題や体制の進化などに興味があるのです。
しかし、素人目には、Hox遺伝子の解析(遺伝子の分化(重複・進化)様式や体制と絡めた発現様式の解析)は、やりようではNatureネタのような気もするので、これほど研究が全くされていないとは驚きでした。

ところで、「櫛輪」って何でしょうか?
私には聞き慣れない専門用語のようなので、教えてください。
また、他分野の論文を読む時間は今はちょと無いので、脱皮動物(Exodysozoa)と櫛輪動物(Lophotrochozoa)についての解説も頂けるとありがたいです。
私には初耳ですが、重要な(分類)概念の様ですので。

一方的に情報をいただくだけの状況になると思いますので、レスはゆっくりで結構ですので。
437あぼーん:あぼーん
あぼーん
438名無しゲノムのクローンさん:2001/02/22(木) 21:51
書けませんよ( ̄ー ̄)ニヤリッ
439名無しゲノムのクローンさん:2001/02/24(土) 11:02
名前: 真・スレッドストッパー 投稿日: 真・スレッドストッパー

書けませんよ( ̄ー ̄)ニヤリッ
440アクア論者Z:2001/02/25(日) 14:01
>>436
遅くなってすみません。
軟体動物のHox研究して下さるかと勝手な期待をして
力入ってしまいましたが、だめみたいで残念です。

脱皮動物について私の解る範囲で簡説しますが、
何しろ本物のズブの素人なので誤り等もあるかもですので
その点お含み置きください。

>しかし、素人目には、Hox遺伝子の解析(遺伝子の分化(重複・進化)様式や体制と絡めた発現様式の解析)は、やりようではNatureネタのような気もするので、これほど研究が全くされていないとは驚きでした。

やりようでは、もしくは結果次第では、ということだと思います、がそれが大変なのかも知れません。ただ本スレの主題である軟体関係で少ないのはモデル動物でないのが原因かも。研究者もC.elegansやショウジョウバエのようなモデル動物の方が何かと研究もし易いし、結果も出易いということもあるんではないでしょうか。でこの両者がともに脱皮動物という一群にまとめられるというのは、有る意味では研究の進展に好都合だし、櫛輪の方の情報との差、という点では不都合だったりすると思います。

Exodysozoa(脱皮動物):節足・有爪・緩歩・鰓曳・線虫・動吻その他
Lophotrochozoa:扁形・紐型・触手・軟体・環形その他
441アクア論者Z:2001/02/25(日) 14:06
Exodysozoa(脱皮動物)とLophotrochozoaは>>435でご紹介したように↓の論文で提唱された新クレイドです。Lophotrochozoaの和訳に「櫛輪動物」があったように思ったのですが、何で見たかは忘れたました。他に「冠輪」というのもあるかも。直訳すれば「総輪」とも言えますので、落ち着くまでは無理に訳名は使わない方がよかったかも知れません。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=9168109&dopt=Abstract
↑のAbstractでもおわかりのように、線虫と昆虫が単系統群の脱皮動物に含まれ、環形動物は別のクレイドに入る、というのがこの論文の根幹だと思います。
体節構造の類似から従来は環形−有爪(カギムシ)−節足という系統が推定されていたようですが、
環形は担輪子幼生をもつ点で軟体その他とも類縁があるので、これらの系統関係がイマイチ不明だったわけです。一方、線虫はちゃんとした体腔が無いことなどからかなり古い段階で別れたとも思われていたので、上の系統関係推論からは外れた位置にあったのですが、Aguinaldoらが18SrDNAを解析比較したら(線虫のこれは一般に進化が速いが、進化の遅いTrichinellaだけを使ったら)、何と節足や有爪と無体節の線虫が単系統なのに、環形は姉妹群に含まれるという結果が出た!とうことです。

すなわちこの論文の重要ポイントは
1.【節足動物と環形動物は関係ない!】:節足と擬節足とも言うべき有爪・緩歩(クマムシ)は従来の推定どおり近縁だが、環形は全くことなる群で、環形の体節性は独自に派生したものである。

2.【線虫と節足とは単系統だ!】:線虫は無体節だが節足に近縁で、この群が共有する派生形質は、生涯に最低は一回脱皮する、locomotory cilia(運動性繊毛?)を欠く、などである(よって無脊椎の「脱皮」は進化途上唯一回だけ獲得された)。

つまり三胚葉動物は大きく、新口(棘皮・脊索・脊椎など)+旧口(脱皮+Lophotrochozoa)の3群に分けられる、ということになるわけですが、それを更にDeRosaらも腕足類(触手動物)や多毛類(環形動物)のHox遺伝子解析からLophotrochozoaとされる腕足類(触手動物)や多毛類(環形動物)がこの群に共有の「diverged pair of posterior (Abdominal-B-like) genes」を持ち、別に線虫や鰓曳動物や節足動物に共有される遺伝子もあってAguinaldoらの見解を支持する結果となった、ということのようです↓。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=10391241&dopt=Abstract
なお、Lophotrochozoaは脱皮はしなくて、そのほとんどには担輪子幼生やその原型と思われる原輪子幼生がみられるようです。格動物や幼生などは生物学辞典等で見て下さい。また「分節」や「体節」という語も厳密な意味での使用には問題を含むことになるかも知れません。
442421:2001/02/26(月) 00:26
アクア論者Zさんありがとうございました。

>軟体動物のHox研究して下さるかと勝手な期待をして力入ってしまいましたが、

確かにそんな雰囲気を感じました(笑)。

>だめみたいで残念です。

ご期待に添えなくて申し訳ありません。
いくら「DNAにしてしまえば手法は一緒」と言っても、植物分野の人間には基礎・周辺知識が少なすぎます。


しかし、やっぱりNatureネタだったのですね。
軟体動物を使って面白いことがわかれば、まだ行けるかもしませんね。
これをたまたま読んでいる、動物系の研究者に期待したいですね。

それと関係するのですが
溝腹綱(Solenogastres:カセミミズ類)や尾腔綱(Caudofoveata:ケハダウミヒモ類)、多板綱(ヒザラガイ)について
何処がどのように原始的なのか、現在はどのように分類されているか、体節構造については?などについて教えてくださると有り難いです。

スレッドの主のヴァカ貝さんが砂に潜っていらっしゃており、これ以上騒がしくしては申し訳ないので、私の質問もこれで最後にしたいと思います。
443421:2001/02/26(月) 01:23
ちょっと追加。
感想を書き忘れました(笑)。

「体節」と言う物が実態として何なのか・・・私は分野外で具体的には知らないのですが、妄想を書きます。

昆虫と脊椎動物では、ゲノム中にHox遺伝子がタンデムに並んでいますが、この各Hox遺伝子が並んでいる順番と、前後軸に沿った体節における各Hox遺伝子の発現様式とが一致していることが有名です。
そして、このことから、このタンデムな重複と各Hox遺伝子により体節の性質が決定されるという発生様式が昆虫と脊椎動物の共通の祖先で起きたことがほぼ確実であると思われているようです。
ところで、センチュウでは、全ゲノム配列が明らかになった今の状況は知らないのですが、Hoxがこのような存在様式はしていないと聞いたような記憶があります。

ということは、旧口動物が脱皮動物+Lophotrochozoaに分岐した後に脱皮動物から新口動物が分岐したことになる。
このことも、事実とすれば私にはエキサイティングだ!

「昆虫と脊椎動物は動物の2大グループの進化の両先端」とまことしやかに語られることがあるが、じつは昆虫と脊椎動物がそんなに遠縁では無いと言うことになる!
ちなみに私は昆虫と脊椎動物が取り立てて他より進化していると思ってはいない。
444421:2001/02/26(月) 01:26
(つづき)
体節構造の創造や、Hox遺伝子による各体節の性質の決定という現象も脱皮動物のある群(少なくともセンチュウが分岐した後であり、新口動物が分岐する前である)で起きたと考えられる。
つまりHox遺伝子が「ホメオティック遺伝子」であるのは脱皮動物の一部と新口動物に限られることになる。
(比較してもしょうが無いのですが、植物のホメオティック遺伝子−−萼片、花弁、雄蕊、雌蕊を決定する遺伝子、ABCモデルとして有名:異常になると花弁→雄蕊、雌蕊→雄蕊などの変化が起きる−−はHox遺伝子ではない。)

それならば、Lophotrochozoaの体制や「体節様構造」は独立に獲得されたことになり、これらの「ホメオティック遺伝子」はHox遺伝子かもしれないし、そうでないかもしれない。
そうであっても、体節の性質の決定様式は全然違っているだろう。
(センチュウについては私の知識不足なので、センチュウのHox遺伝子の存在様式がどうこうというのはいい加減な話かもしれません。本当だとしても、2次的に退化したのかも知れないし。)

以上のことは、私にはエキサイティングだし、誰かじっくりと研究して欲しい。

いい加減なことを適当に書いているので、間違っている部分は誰か訂正して欲しいです(苦笑)
445421:2001/02/26(月) 01:52
感想をさらに追加

>無脊椎の「脱皮」は進化途上唯一回だけ獲得された

本当に「進化」は面白いですね。
重要そうな「体節(様構造)」の獲得でなくて、「脱皮」の獲得の方が系統学的に意味があるなんて。
もしかしたら、両生類や爬虫類の脱皮も同じ遺伝子群がからんでたりしたらびっくり物ですね。
(でも、原索動物や円口動物、魚類などで脱皮の現象ってありましたっけ(苦笑)

そういえば、構造的に全く違う、昆虫と脊椎動物の目も発生は同じ遺伝子に性御されているようなことも聞いた記憶がありました(Eyeless?これもいい加減なことを書いているので誰か訂正してください。)
タコ・イカの目は、脊椎動物の構造と非常に似ていますが(でも網膜の裏表が逆で発生学的には別物なのですよね。)、この制御も脱皮動物と共通なのか違うのか興味深いですね。
軟体動物や環形動物については、まだまだ面白そうなことがいっぱいありますね。
何人かの研究者がライフワークとしてもやっても、ネタはつきないでしょうね。


ところで、アクア論者Zさんはこれだけお詳しいのに、ご自分で(あるいはお知り合いの方にお願いして)これらの研究をできる立場では無いのですか。

あっ、立ち入った質問ですみません。無視して貰って結構です。
でも、専門外の方にはとても思えなくて、もし、そうだとしたら非常にもったいない気がいたしまして。
個人的な質問をして、大変失礼しました。
446名無しゲノムのクローンさん:2001/03/03(土) 17:53
どぶ貝ってなんで臭いの?
あれを食べてみるという番組やってたけど。
447アクア論者Z(溝腹綱と尾腔綱):2001/03/04(日) 20:55
>>442 421さん
>溝腹綱(Solenogastres:カセミミズ類)や尾腔綱(Caudofoveata:ケハダウミヒモ類)、多板綱(ヒザラガイ)について
>何処がどのように原始的なのか、現在はどのように分類されているか、体節構造については?などについて教えてくださると有り難いです。

すみません、前回の質問でしたのに落としてしまいました(詫

【形態】 溝腹・尾腔ともに数ミリ〜10cm以上の蠕虫状で、体は微細な針−鱗状のもので覆われる。溝腹綱は腹面に溝状の足があり、尾腔綱は後端に鰓や肛門のある尾腔(外套腔と相同とされる)があるが足はない。神経系は両者とも二対の縦走神経索とそれを繋ぐ多数の横走神経があり、梯子型神経となる。消化管は前端の口から後端の肛門まで直線状で旋回などはしない。ブヨブヨしてないで結構硬い感じ。
【生態】 溝腹・尾腔とも海産のみで、浅〜深海まで。主に砂礫間などに棲むがカセミミズ類(10cm程度)など腔腸動物に絡み付いて半寄生的なものもある。日本にももちろんいますが、尾腔類の採集例は多くはないらしい(見た目は一見紐虫か星虫)
↓詳しくはこちらをどうぞ。トップ画像はカセミミズ(なおAplacophora=“無板綱”)
http://www.whoi.edu/science/B/aplacophora/
http://www.whoi.edu/science/B/aplacophora/defchaetneo.html
↑溝腹綱の腹面の溝足と尾腔綱(2匹)の画像

【なぜ“原始的”なのか】
 1.終生殻を持たない(殻は軟体動物の顕著な派生形質と考えられている)
 2.梯子型神経系を持つ(原始的な扁形動物と共有の形質と考えられている)
 3.単純で諸器官が未分化(特に頭部:目・触角・顎板・平行胞などが無い)等々

【ではなぜ軟体動物なのか】
 1.歯舌(radula)を持つ
 2.背面上皮が外套膜になり、その辺縁に外套腔を持つ
 3.体節がない(環形動物ではない)等々

近年の分岐分類による系統図はこんな具合↓

   ┌--------------溝腹(Solenogastres:カセミミズ類)
   │
   |    ┌---------尾腔(Caudofoveata:ケハダウミヒモ類)
   └――|   ┌----多板(Polyplacophora:ヒザラガイ類)
         └---|
              └----有殻類(Conchifera:単板・腹足・二枚貝・堀足・頭足の各綱)

これまでは有針類(溝腹・尾腔・多板:体が針−鱗状物で覆われる)とか、双神経類(溝腹・尾腔・多板・単板:顕著な梯子型神経を持つ)などの分類単位もあったようですが、消化器系や殻の有無、分子などの比較から上のような系統関係が提唱されているようです。もちろん「無板類」が幼形進化の結果である可能性もあるかも知れませんが、原始性がモザイク状ではない点からそうは考えられないようです。ちなみにネオピリナの体節性を信じる人も最近はいないようでもあります(単に有殻類の祖先型でしかない、と。でもオウムガイはちょっと謎?)。

>スレッドの主のヴァカ貝さんが砂に潜っていらっしゃており、これ以上騒がしくしては申し訳ないので、私の質問もこれで最後にしたいと思います。

そんなこと言わずに何か質問がありましらたお気軽に!つっても私も年度中は週一程度しか来れませんが。でも、春になればまたヴァカ貝さんも砂から出ていらっしゃるかも知れないし!?
448アクア論者Z(センチュウ):2001/03/04(日) 20:56
>>443 421さん >ところで、センチュウでは、全ゲノム配列が明らかになった今の状況は知らないのですが、Hoxがこのような存在様式はしていないと聞いたような記憶があります。
私もよく知らないのですが、そうらしいですね。Hoxは4個しかなく、しかも互いに離れている。なのに18srDNAでは脱皮動物だ。ということは、そもそもタンデム重複していたうちの何個か(4個?)が無くなると同時に位置も離れてしまったのだ、と考えられているようです。まさに>2次的に退化したのかも知れないし(by421さん>>444)ということらしい。線虫については詳しい方も大勢いらっしゃると思うので専門家への質問スレで訊けばより詳しくわかるかも。
HOX-Pro DataBaseのHOX-clustersページ(今は工事中だけど一応貼っておこう)
http://www.mssm.edu/molbio/hoxpro/new/hoxmap.html

>ということは、旧口動物が脱皮動物+Lophotrochozoaに分岐した後に脱皮動物から新口動物が分岐したことになる。
このことも、事実とすれば私にはエキサイティングだ!

そうだったら本当にエキサイティング!トンデモ素人な私には人と脱皮動物が単系統でLophotrochozoaと姉妹群なんて素敵過ぎる!でも今後のLophotrochozoaのHox研究次第でトンデモでもなくなるか?(むー・・・

>「昆虫と脊椎動物は動物の2大グループの進化の両先端」とまことしやかに語られることがあるが、じつは昆虫と脊椎動物がそんなに遠縁では無いと言うことになる!
>ちなみに私は昆虫と脊椎動物が取り立てて他より進化していると思ってはいない。

全く同意します。線虫だってナメクジだってマラリア原虫だって有る意味ではみんな先端ですよね。最近の研究からすると(特にホメオボックス関係)動物って案外多様性がないというか、みな親兄弟みたいな感じがしますね。それに比べて「藻類」の多様性はすごくて、動物なんか真核生物の一枝に過ぎないと感じる今日この頃(菌類とは親戚だし)。
449アクア論者Z(センチュウつづき):2001/03/04(日) 21:01
>>444 421さん >体節構造の創造や、Hox遺伝子による各体節の性質の決定という現象も脱皮動物のある群(少なくともセンチュウが分岐した後であり、新口動物が分岐する前である)で起きたと考えられる。

だと面白いんですが、線虫には「二次的な退化」っていう口実(なわけないけど)があるからなぁ・・・

>それならば、Lophotrochozoaの体制や「体節様構造」は独立に獲得されたことになり、これらの「ホメオティック遺伝子」はHox遺伝子かもしれないし、そうでないかもしれない。 そうであっても、体節の性質の決定様式は全然違っているだろう

これは確かにそうですね。今はLopho〜の“Hox”も全く同様に考えられていると思いますが、Lopho〜中で独立に「体節」を獲得した環形動物の形態形成とHoxの発現との関係なんかが研究されないと結論は出ませんよね。もし彼らのHoxが前後軸の順番と協調していなかったら世界が驚くでしょう(もちNatureネタ)。ただホメオボックスのあまりの相同性からすると、同じ遺伝子を同じように使って体節性を獲得した可能性もありそう(ある意味つまんないですけどね)
450アクア論者Z(Eyeless-眼は一回だけ獲得された):2001/03/04(日) 21:03
>>445 421さん >そういえば、構造的に全く違う、昆虫と脊椎動物の目も発生は同じ遺伝子に性御されているようなことも聞いた記憶がありました(Eyeless?これもいい加減なことを書いているので誰か訂正してください。)

ヒトのAniridia(無虹彩)、マウスのSmall eye(無眼)の原因になるPax-6とショウジョウバエの無複眼の原因のeyelessが相同だという話ですね。このことから動物の眼はただ一回発生(派生)したのだろう、との結論。確かにプラナリアの眼は人の目に似てるし(これが冗談じゃないところが・・・↓
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=7914031&dopt=Abstract

>タコ・イカの目は、脊椎動物の構造と非常に似ていますが(でも網膜の裏表が逆で発生学的には別物なのですよね。)、この制御も脱皮動物と共通なのか違うのか興味深いですね。

らしいですね。イカ・タコの目は虹彩もレンズもあって、しかも視神経が網膜の裏に付いてるから盲点もない。その点では人間の目より立派だし、少なくとも無脊椎では最高の目でしょう。で、実はイカにもPax-6相同遺伝子があってやはり眼形成の制御遺伝子らしいです。何しろ動物の眼は唯一回だけ獲得された、と言われてもだけど↓
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=9122210&dopt=Abstract
こちらの解説にはイカの目の図もあります↓
http://www.esb.utexas.edu/dr325/genweb/articles/eyegenes.htm
でもオウムガイの目は針穴式で穴内の空洞は海水で満たされててあんまり見えないらしい。やっぱりオウムガイは謎。

>ところで、アクア論者Zさんはこれだけお詳しいのに、ご自分で(あるいはお知り合いの方にお願いして)これらの研究をできる立場では無いのですか。

残念ながら私は高卒のドキュソですし、周囲にもいませんね。と言うか私は2chに来てから色々勉強させてもらっただけの者で、特にこのスレではヴァカ貝さんやお腹へったさん他皆さんのお陰で随分勉強になりました。今回も421さんのお陰でABCモデルというのを初めて知りましたし。どう考えても421さんの周辺の方が研究してくれそうな人がいると思いますが。私が今から勉強しても大学には入れそうにないしなぁ・・それとも鳥類アクア説と人類家畜説を研究するために頑張ってみようかな(ワラ
451アクア論者Z(ドブガイは臭い):2001/03/04(日) 21:07
>>446 名無しゲノムのクローンさん
>どぶ貝ってなんで臭いの?
>あれを食べてみるという番組やってたけど。

「ナイトスクープ」って番組でしたら私も見ましたよ!
ジミー大西が大阪の服部団地の池で「巨大シジミ」を採って、
いつもの調理学校の先生に料理してもらって食べる、っていうやつですよね。
でジミー氏に「臭くて駄目やっ」って言わせて「それシジミやのうてドブ貝やろ!」
っていうオチだったような。

でも肝心の臭い理由は私も知りません(スミマセソ
シジミよりも止水的な環境にいることと関係あるんでしょうかねぇ?
でも同じような所にいるタニシは昔から食べるし、
私も食べましたが臭みはそれほど感じませんでしたが・・・・

淡水魚も臭みがあるとも言いますから餌のせいなんでしょうか。
今度機会があればドブガイ食べてみたいと思います。
そん時までこのスレがあればご報告いたしましょう。
452446:2001/03/05(月) 09:22
あれ見てた人いたんだね.私は爆笑したんだけど。
でも疑問は尽きないよねえ.私小学生のころ1度だけこれたくさん見かけたんだ。
あんなにでかい貝がこんな沼にいるなんてびっくりした。
というかなんでそもそもどぶかいって臭い
っていわれてたんだろ。ただの貝なのに。
451サン報告待ってます.(わ,私は怖くて申し訳ないですがたべれません)
453ヴァカ貝:2001/03/06(火) 16:36
みなさま、お久しぶりでございます!!

江戸前も温んで来ましたのでちょっくら顔を覗かしてみた
次第でヤンス。

勝手にスレッドを閉じるなどとして特に実験途中だった
お腹へったさんには大変失礼な事をしてしまい心よりお詫
び申し上げる次第です。電車ゴッコの例えはお腹へったさ
んらしいですね。

------------------------

現在も421さんとアクア論者Zさんとの間で最新の生物
学の知見を交えたキレの良いやり取りが続き、ROMして
いるだけの方にも非常に勉強になるものと思います。ワタ
シも手に汗握る思いで読ませていただきました。あっ、勿
論どぶ貝の話題も興味がありますよ。

スレを閉じるなどと言ってもワタシ1人が勝手に砂に潜っ
ただけの事、真面目な話題なら長レス、重厚レス、軽レス、
長広舌?レス、実験レポ−トレス、直リンクオンパレ−ド
レスと何でもござれのスレッドですので有効にバンバン活
用して戴けましたらヴァカ貝も嬉しゅうございます。皆様
方の自由な精神作用をとことん発動して下さいマシ。

では締め切り病でキリキリ舞しておりますので再び砂に潜
るでヤンス。いざ。
>お腹へったさん
もうご覧になっていないかもですが、超遅レスお許しください。
どうもよく理解でなかったのですが、やっと今ごろ自分なりに考えてみました・・

>>361
>先端部が接着できなければ、前に何もないと判断して前進しないようです。
>>381
>なるようオリーブオイルを垂らし、ナメクジをそのまま入れます。ナメクジは殻の部分から
>尻尾まではフライパンの底面に吸着しますが、先端部分は吸着できません。しきりに首を上下、
>左右に振って吸着しようと試みますが、そのままの状態がずっと続きナメちゃんは前進しません。
>>400-401
>つまり、マイマイは頭部〜頚部の「どこか」が物(楊枝)に接着しておれば、そこだけを
>足場にして前進します。
しかし、足場(楊枝)が頚部を過ぎて殻部にくると、殻部を固定し前進を中止します。
>逆に頭部〜頚部が物に接着していなければ前進しません。>381オリーブオイルの実験。
>>401
>推測ですが、頚部と殻部の間に境界らしきものがあって、枝との接着面が
>頚部から殻部へ移った瞬間に前進を止める命令が出るのではないだろうか?

ということは、もしかして頚部の2接地点の距離で前進の可否を「判断」しているのか?
ある境界点とその前の接地点との2点間距離がある一定の範囲内にある時に
前進可能と判断するのでは?という可能性もあるかと思いました。
初めは接地面積に関係あるかとも思いましたが楊枝でも足場と判断するわけですので
やはり、足場と足場との距離で判断しているのではないかと・・・
455アクア論者Z(マイマイの前進スイッチ つづき):2001/03/12(月) 14:14
ナメやマイマイは一般には蹠面全体で這いますが、ナンバンマイマイ科(ニッポンマイマイなどの類)
は急ぐ時(敵や乾燥した基盤から早く逃れようとする時など)に「ギャロッピング」と呼ばれる、
蹠面の数点でのみ接地して、その部分のみで基盤を「蹴って」進みます。
この時、足は上下に大きく蛇行した形になり、先端部は接地後すぐに次の接地点を目指して
空中移動に入ることになります。少なくともこの時の接地点間距離は「前進可」の範囲内なわけです。

普通のマイマイなどが頚部で足場を探してとり付くのも、頚部のみで一波のギャロップをしているのと
同じようなもので、次の接地点があまりに遠いと蹠面を目いっぱいに伸ばすことになり、
疎密波の「密」部分を作れなくなるので、ということもありげだな、と。
人がボートとハシケに片足づつのっけて両足が伸びきってしまい、身動きできないみたいな・・・
(すみません。時間かけたわりにお粗末なお話でした)

アイディアいっぱいの実験その他、色々と勉強になることばかりでした。ありがとうございました。
456アクア論者Z(体節の派生):2001/03/12(月) 14:16
>>443-445  421さん
前のレスは長いばかりで、日本語も変だったりして失礼しました。
仰ったのは

「脱皮動物と新口動物の体節形成は共有の派生形質である(かも)。
よって脱皮動物のうち体節をもつものと新口動物とは単系統群である(かも)。」

という驚くべき仮説なのですね。もし本当ならすごいですよね。
今の考え方ですと、環形動物・節足動物・脊椎動物などの分節構造は独立に
それぞれ派生した、ということなのでしょう。でもこれはこれでまた興味深くもありますが。
457アクア論者Z(ドブガイ食うぞ):2001/03/12(月) 14:17
>>452 446さん
をぉ!やっぱりあの番組でしたか(バク藁
貝と言えば宮古島でホラ貝採って吹く、ってのもやってましたね。

>というかなんでそもそもどぶかいって臭い
>っていわれてたんだろ。ただの貝なのに。

んーでもあんなに肉量が多いのに食料にされてないところを見ると
やっぱり本当に臭いんじゃないでしょうか(でも機会があれば私は食うぞ!)
関係ないけど、ホタルイカはボイルしたのが一番美味いよね(今シーズンだ)。
もっと関係ないけど有明海のイソギンチャクは美味しいらしいですよ(食いてぇー)。
458アクア論者Z(お久しぶりです):2001/03/12(月) 14:19
>>453 ヴァカ貝さん、お久しぶりで。
>>404-41の歯の脱灰実験のいつもながらの詳しい中継、興味深く読ませていただきました。
それにしてもラットの前歯の前面があんなになっているとは知らず驚きました。
一体どういう意味があるのか何とか知りたいところです。

で、どうも私では役者不足は否めないので、やはり店閉まいになっちゃいそうですね。
あと、お暇もないかとは思いますが下のようなのがあるようですのでご案内いたします。
(ご存知かもしれませんが、藻類の殻の造形も目を見張らせるものがあるようです)

では色々勉強させていただきありがとうございました。
いつかどこかでまたお会いできればと思います。

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日本藻類学会公開シンポジウムのお知らせ
「生物はいかにして硬くなったか −バイオミネラリゼーション研究の最前線−」
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 本誌日本藻類学会第25回大会案内にありますように,藻類学会主催の公開シンポジウムを下記のように開催いたします。会員外の方もお誘い合わせの上,一人でも多くの藻類学会員のご参加をお願いいたします
日 時:2001年3月27日(火) 午後1時から5時 (一般公開,入場無料)

会 場:東京都千代田区富士見1-9-20 日本歯科大学歯学部 九段ホール

総合テーマ: 生物はいかにして硬くなったか −バイオミネラリゼーション研究の最前線−
 座 長:井上 勲(筑波大学)

講演者及び演題:
 1.藻類の炭酸カルシウム形成(石灰化) : 岡崎恵視(東京学芸大学)
 2.Review on the CaCO3 in the marine nano-phytoplankton"coccolithophorids"
   and relevance to the global carbon cycle. : Noel, M. H. (筑波大学)
 3.歯のエナメル質形成 : 青葉孝昭(日本歯科大学)
 4.珪藻類の殻形成 : 長田敬五(日本歯科大学)

 石灰藻の石灰化(カルシフィケーション)の仕組みと光合成との関係,藻類の細胞壁の進化と石灰化との関連,石灰化と地球温暖化との関連,珪藻類の珪酸化(シリシフィケーション)による殻形成機構のみならず,ヒトの体のなかで最も硬い組織とされる歯の表面を覆うエナメル質,炭酸含有アパタイト(リン酸カルシウム)と取り上げ,生物における結晶化の仕組みと意義についてなどバイオミネラリゼーション研究の最前線に関するシンポジウムです。

問い合わせ先:日本歯科大学 南雲保
459名無しゲノムのクローンさん:2001/03/12(月) 15:45
ヲカザキメグちゃん、、、、、石灰藻のカルシウム強化キャンディーの試供品をくれた。

激不味だったっす、、、、、(泣
460アZ.:2001/03/14(水) 12:43
灰藻って何の役にも立たない気がしてたけど
そんな用途があったとは。
うむ、とはいえ確かに不味そうだ。

でもあれを食う巻き貝なんかもいるらしいよ。
考えてみれば二酸化炭素の固定にもけっこう役立ってるのかもね。
461役に立つぞ!>460:2001/03/14(水) 13:44
昔の私の支障は新日金失や痛酸症を説得して、節介藻をバイオ遺伝技術で改良して炭酸ガス問題を
解決しようとぶちあげ、研究所をたくさんつくり弟子どものポジションを確保しました(笑
462421:2001/03/20(火) 00:43
ヴァカ貝さん暖かい言葉有り難う御座います。
今は、忙しいのですが、時間ができたらまた書き込ませていただきますのでよろしくお願いいたします。

アクア論者Zさん、時間ができたらまた書き込みますので、その時はよろしくお願いいたします。
最近、ホメオボックス遺伝子関係で私の勘違いが判明しましたので、その件は後ほどに・・・

それでは。
463分かる?:2001/03/21(水) 01:29
池で釣りしてたら10センチくらいの貝が針にかかってた。
形はカラス貝みたいな形なんだけど何かわかる人いる?
色は茶色だった。
464名無しゲノムのクローンさん:2001/04/02(月) 04:07
age
465まんこBOXを買う奴は非国民!!!:2001/04/08(日) 14:05
sage
466名無信者さん:2001/05/05(土) 22:06
?
467名無しゲノムのクローンさん
age