フレッシュプリキュアで百合2

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@秘密の花園
フレッシュプリキュアの百合について語ろう!
二次創作等も自由にどうぞ

前スレ
フレッシュプリキュアで百合
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1237612270/

プリキュア5までの百合を語りたかったら↓
じゅうににんはYES!百合キュア
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1197494966/

次スレは>>970を踏んだ人が立てること
2名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 19:03:53 ID:22/O1UL7
2
3名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 19:18:22 ID:mDcR3OB2
吹きあれよ!>>1乙の嵐!
4名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 20:42:17 ID:KSs+wIbS
>>1のお陰でみんなが幸せゲットだよっ!!
5名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 21:06:52 ID:QCPp6w/l
数カ月前はまさか次スレ行くとは思ってなかった。(;_;)
>>1乙!
6名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 22:18:03 ID:mKEnNrKx
新スレ記念です。喜んで頂けたら幸いです。みなさんで盛り上げて行きましょう!

             【重大発表】
ラブ「実はね・・・」

  
  「夏休みの宿題ぜーーーーーーーんぜんっ手付かずぅぅぅぅぅ!!!!!」

三人(ポカーン、、、)

ラブ「あはっ。。。申し訳m(__)m」

せつな「何で誤っているの?わからないわ。」
祈里「くすくす。お腹痛いよラブちゃん♪」
美希「呆れた、、、。帰るよブッキー。せつなもおいで。」

ラブ「ちょ、ちょ、ちょ!!!ちょーいまてェ〜」

バタンっ


ラブ「何もタダで手伝ってとは言いませんよ。無論、お礼も超超豪華☆キラッ」

せつな「何かくれるの?プレゼント?私嬉しい。」
美希「コラコラ。騙されちゃダメよせつな。」
祈里「でもラブちゃん困ってるみたいだし・・・。」

ラブ「さっすがブッキー。私、涙出ちゃう(ウソ」

美希「もう・・・、二人ともお人好しすぎるの。こんなのラブのためにならないのよ?」
祈里「まぁまぁ美希ちゃん(苦笑」
せつな「で、私はどうすればいいの?」
美希「話はやっ!」
7名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 22:18:40 ID:mKEnNrKx
ラブ「みんなで手分けしよう、そうしよー♪」

祈里「じゃあ私は作文かなー」

せつな「この計算式なら私出来ると思う」

美希「ったく。私は一番難しいのじゃない(身近な物のデッサン」

ラブ「助かりますです。。。私は日記担当!」
せつな「過去の事とか覚えているの?」
ラブ「感w」





〜数時間後〜
美希「終わった〜!めちゃくちゃ疲れた。。。」
せつな「数字書きすぎて腕が痛いわ・・・」
祈里「頭の中文章だらけ、、、」
ラブ「全部曇りにしちゃったwww」

祈里「あ!ラブちゃん、私たちのお礼って何?」
美希「いけない!忘れるトコだった。」
せつな「ドーナツかしら?」

ラブ「コホンっ。驚くなかれー」



  「チューしてあ・げ・る♪」

美希「な…ι」
祈里「え!?えぇぇぇ!?」
せつな「?それって日本の伝統なの?」
ラブ「そです。」
美希・祈里「んな訳あるかーい」

お粗末!初めてのパロでしたw
8名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 22:19:39 ID:auYn+6RJ
>>5
確かにw
結果論だがフレッシュだけにした前スレ>>1の判断は正しかったんだなぁ
9名無しさん@秘密の花園:2009/08/14(金) 23:20:20 ID:KSs+wIbS
>>6
タルトが考えた漫才より面白い件w
まさに新生クローバー(漫才型)誕生だねっ!
こちらもGJ、補完させて頂きますm(_ _)m
10名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 00:23:25 ID:jwi/r2f4
SS祭りですね。

乗っかりたいのですが、かなり量が多くなってしまったので、
こちら貼らせてください。

ttp://ikomaru.blog76.fc2.com/blog-entry-29.html

さて明日と明後日はコミケ行ってこようかな。
皆さんのオススメはどこでしょ?
11 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 00:25:30 ID:66tdVY2Y
>>6

日記全部曇りでフイタwww


ところで、せつな視点で昨日あんなもん書いてしまったから
百合少なめの硬派なやつ投下したいんだけど良い?
12名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 00:33:56 ID:GKBO2WvW
>>1
乙ですねぇ。はぁ〜スイーツスイーツ〜

完全なるSS祭り。こんなに職人いたのかw

>>6
4人全員おもしれーw
これネタだわもうwww
13 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 03:58:26 ID:/iY9dWiM
>>1
隠れ職人多すぎワロタwしかも皆上手いし・・・

深夜+コミケで人いなさそうだし、一個長いの置いときますね
前スレで投下に確認要らないって言われましたけど、一応。
相変わらずブッキ―黒いんで、そういうのダメな人は読まないほうがいいです。
14 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:00:44 ID:/iY9dWiM
                  1    

「せつなちゃん、そっちはどう!?」
「…ダメ,やっぱり見当たらないわ…」

 人ごみの中、赤い浴衣を着たせつなちゃんは、そう言って首を横に振る。
 今日はクローバーフェスティバル。年に一度の四ツ葉町のお祭の日。
 でもそんな日に限って、次から次へとトラブルが起きる訳で…。 

「シフォンちゃん…どこに行っちゃったのかしら…」

 事の発端は、わたし達も参加した、漫才コンテスト。
 ひょんな事から知り合った、オードリーって人達の漫才に見入っていたわたし達は、シフォン
ちゃんがいつの間にかベビーバッグの中から消えていた事に気付かなくて。
 そして・・・もう日も沈んでいるというのに、まだ見つけられないでいた。

「大丈夫よ、ブッキ―。ラブ達も探してるんだし、きっと見つかるわ」
「せつなちゃん…」

 わたしの不安を察して、せつなちゃんが声をかけてくれた。
 今、わたし達は二手に分かれてシフォンちゃんを探している。ラブちゃんと美希ちゃん、そして
ここにいるせつなちゃんと…わたし。
 もしこんな状況じゃなかったら、もっと楽しい気分だったに違いない。せつなちゃんと二人だけに
なるなんて、滅多にある事じゃないのだし。そう、きっと今頃、ふたりでヨーヨー釣りや輪投げを
やったり、おっきな綿飴を半分ずつ両側から食べたり・・・それからさりげなく手を繋いで・・・。

 ブンブンブンッ!!

 そんな不謹慎で邪な妄想を振り払うように大きく頭を振る。・・・わたしったら何考えてるのよ!今は
シフォンちゃんを探す事に集中しなくちゃいけないのに!
 えへへ、と今の行動をごまかすように、せつなちゃんの方を見る。へ、変な子だって思われてないわ
よね!?

 その顔を見た瞬間、わたしの周りから彼女以外の景色が消えた。

 そこに浮かんでたのは、わたしを安心させようとしてた言葉とは裏腹に、わたし以上に心配そうで、
真剣な表情。
 こんなせつなちゃんを見るのは、今日二度目の事だった。
15 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:02:53 ID:/iY9dWiM
                  2
 
 ラブちゃんの勘違いで参加する事になってしまった漫才コンテスト。そこでわたし達はそれぞれ、
今みたいに二人ずつ二組に分かれて舞台に上がる事になって。
 組み合わせは、わたしとラブちゃん、美希ちゃんと・・・せつなちゃん。
 本当はせつなちゃんと組みたかった、なんてわたしの願望はともかく、順番は次々と回り、わたし
達のあと、美希ちゃんとせつなちゃんがネタをすることになった。

 「ねえせつな、こないだ病院に行った時の話なんだけどね・・・」
 「・・・え!?体調悪いの!?大丈夫美希!?」

 ・・・目を奪われた。美希ちゃんのボケに対して、ツッコミも忘れて心配するその表情に。
 ただ純粋に、相手を案じている事が伝わる、その必死な表情に。
 そう、ラビリンスを出てからの彼女は、友達とか、仲間とかを心から大切にしている。
 それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラブちゃんが芽生えさせた感情で・・・・・・。
 
 その時も今も、こんな顔のせつなちゃんを見ると、わたしの心の中に黒い声が聞こえてくる。

 
 
 ワタシニナニカアッタナラ、アナタハソンナカオシテクレル?



 ・・・嫌な子だ、わたし。
 きっとわたしの中には、傲慢で、強欲で、哀れな子供が棲みついているんだ。
 
 海でナケワメーケと戦った時だって、わたしを助けたパッションは、きっと同じ表情だった筈
なのだ。違う、同じ表情だった。それは間違いないことなのに。
 いくらそう考えても、その声を止める事は、出来ない。
 わたしは、このままで、山吹祈里というわたしのままで、彼女に心配して欲しいのかもしれない。
 プリキュアとか戦いとか、そんな事の関係無い、この姿で。東せつなという少女に。

「・・・ちょっとブッキ―、大丈夫?」
「・・・え・・・あ、う、うん」
「そう?・・・なにか思いつめた顔してたけど・・・」

 心配そうにわたしの顔を覗き込むせつなちゃん。それにまたわたしの黒い部分が反応しそうになる。
 


 モットワタシニソノカオヲミセテ 



「だ、大丈夫!それよりシフォンちゃんを探さないと。さあ、行きましょう!」
 
 そんな黒い声を振り切るようにわたしは駆け出した。
 
「――!!ブッキー!前!!」

 ドンッ!! 

 次の瞬間、わたしは強い衝撃とともに、地面に倒れていた。
16 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:05:49 ID:/iY9dWiM
                    3

「―おいおい、お嬢ちゃん、気をつけないと危ねぇだろう?!」

 ああ、人にぶつかったんだ。って理解したのは少し間があってからだった。
 見上げると、そこには体格のいい、クローバータウンでは珍しい、柄の良くない人達がいた。
道行く人達が、何事だ、という風に視線を向ける。

「ご、ごめんなさい、急いでたもので・・・」
「気をつけろよ!!?あァ!?」
「怪我でもしたら、どう落とし前つけるつもりなんだよ!!」
「あ、あの、わ、わたし・・・」
「・・・おい、お前ら、もういい、行くぞ。せっかくの祭りなんだ。放っておけ」

 わたしのぶつかった、どうやらグループの中でもリーダーと思われる人は、仲間達のわたし
に対する怒りの声を抑えると、向こうへ歩き去ろうとした。
 どうやら助かった・・・のかな?
 ふう、と緊張の切れた溜め息をもらすわたし。変な事ばかり考えてたバチが当たったのかな。

「――待って。・・・この子は謝ったけど、あなたはまだ謝ってないでしょう?」

 場が一瞬、凍りつく。
 気が付くと、せつなちゃんがわたしの横にしゃがんでいた。

「・・・俺に謝れっていうのか?お嬢ちゃん?」

 ゆっくりと振り向く、リーダー格の男の人。
 それに対して、彼女は少しも怯まず、言葉を続ける。

「確かにこの子の不注意でぶつかったのは事実だけど、それを避けたり受け止めたり出来なかったのなら、
あなたにも非はあると思います」
「なんだとォ!?姉ちゃん!?」
「お前、この人を誰だと思ってるんだよ、コラッ!!」
「――大きな身体をしてる、男の人でしょう?」
「―――」
「・・・彼女は、小さな身体の女の子だわ」

 そう言うと、せつなちゃんはあたしの肩に手を回した。
17 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:10:15 ID:/iY9dWiM

「そして、あたしの大事な友達よ」

 今まで沈黙を守っていたリーダーは、ふーっと息を吐き出すと、ゆっくりと口を開いた。

「――すまなかったな、お嬢ちゃん。許してくれ」
「え!?あ、兄貴!?」
「そ、そんな!?それじゃ俺らのメンツが・・・」
「馬鹿野郎!ここで謝らない方が、よっぽどメンツが潰れるってもんだ!周り見てみろ!」

 リーダーの言葉に、仲間達だけではなく、わたしも周りを見回した。
 いつの間にか、わたし達の周りを、野次馬と思しき人達が取り囲んでいる。せつなちゃんに圧倒
されてて、誰も気が付いてなかったみたい・・・。

「――まあ理由は、メンツだけじゃねぇけどな。・・・いい友達を持ったな、お嬢ちゃん」

 リーダーはわたしに少し微笑んでみせると、今度こそ人ごみをかきわけ、仲間達と一緒に歩み去って
行った。

「せ、せつなちゃん凄かったね・・・わたしの為に迷惑かけてごめ・・・」
「怪我は・・・怪我はしてない!?ごめんねブッキー!!」

 彼女はわたしの両肩に手を置いて、頭を下げた。
 あれ?なんでせつなちゃんがわたしに謝るの?この場合、悪いのは全部わたしなのに・・・。

 せつなちゃんは少しだけ、わたしの肩の手に力を入れた。そして、俯けていた顔を上げる。

 
 
 
 そこにあったのは、わたしの中の黒い声が望んでいた、あの表情。



 
「・・・怪我は・・・うん、大丈夫みたい。浴衣も破けてないみたいだし・・・」
「・・・良かった・・・本当に良かった・・・」
 
 せつなちゃんは優しく手を引いて、わたしを起こしてくれた。
 
「・・・どうしてもあの人達が許せなかったから・・・。でも、あんな事言ったけど、あたし…友達失格
だわ・・・。本当だったら、ブッキーが怪我してないか、それを先に確認するべきだったのに・・・」
「そんな・・・友達失格なんて事ある訳ないじゃない!・・・わたしの為にあんな怖い人達に向かって行って
くれたんだもん・・・」
「・・・許してくれるの?」
「許すも何もないわ。先に謝るのは、わたしの方・・・ごめんなさい、せつなちゃん!」
「ブッキー・・・」
「これでお互い様だね!・・・そ、そうだわ、早くシフォンちゃんを探しに行かないと!」

 今度は注意して、人ごみの中を縫うように急ぐわたし。その横を、同じようにしてせつなちゃんが
進む。
18 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:12:46 ID:/iY9dWiM

「ねえ、ブッキー、本当にどこも怪我してないの?・・・なんか変なトコ打ったとか・・・」
「?せつなちゃん、心配しすぎよ。本当になんともないって!」
「そう・・・それならいいんだけど・・・」
「なんでそんなこと聞くの?」
「・・・だってブッキー、さっきからあなた―――」



「―――ずっと笑ってるじゃない」



 もう、黒い声は聞こえないだろうって、わたし信じてる。


                      
                    4

 美希ちゃんからリンクルンに連絡があったのは、そのすぐ後の事だった。

『シフォンが見つかったのよ!無事なんだけど、無事じゃないの!あー、もう!とにかくすぐ来て!!』

 とても完璧とは言えない美希ちゃんの説明を受けて、わたしとせつなちゃんはカオルちゃんのドーナツ
屋さんへと急いだ。
 人ごみを避けつつ、角を曲がり、ようやく着いたわたし達がそこで見たものは・・・。
19 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:14:09 ID:/iY9dWiM
「わーい!せつなー、ブッキー!こっこだよー」
「!!ラブちゃん・・・ど、どうしたの、その格好は…!?」
「・・・呆れるでしょ・・・。少し叱ってあげてたとこよ。・・・まあ効いてるとは思わないけど」

 わたし達を待っていたのは、全身バンソーコーだらけのラブちゃんの姿だった。・・・まあ本人が呑気
にドーナツをパクついているところから判断して、それほど大きな怪我はないみたい。

「シフォンを見つけたのはいいんだけど、少し高い木の上で眠っちゃっててね。それを助けに行くって
無理やりよじ登って、落ちて、この有り様よ。あれだけプリキュアに変身しろって言ったのに・・・」

「だってー!こんな人通り多いときなんだよ!誰かに見られたら大変じゃない!・・・それにシフォンが
もし寝ぼけて落ちたらって思うとヒヤヒヤだったし…」

「そないなこと言うたかて、もし大怪我してたらどないしますのや!あんさんの身体は、あんさん一人
だけのモンやおまへんのやで!・・・それに、ワイらがどんだけ心配したか・・・」

「まあまあ、皆抑えて抑えて。ケガあって困るのは坊主だけって言うでしょ、グハッ!・・・これくらいで
済んだんだし、今回だけは許してあげれば?」

「プリプ〜!」

 ・・・そういう事だったのね・・・ある意味で美希ちゃんの説明は正しかったんだわ・・・。
 とにかくシフォンもラブちゃんも無事?だったのが分かって、わたしの身体からドッと力が抜ける。
  
「・・・ま、まあ、とりあえず良かった・・・のかな。せつなちゃ・・・」

 苦笑いをしながら、傍らに立つせつなちゃんへと話しかける。

 
 わたしの、全てが、止まった。


 見たことの無い少女が、そこに、いたから。
20 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:15:50 ID:/iY9dWiM
 彼女は、下唇を噛み締め、眉を曇らせて、ボロボロと大粒の涙を流していた。
 ぶるぶると震えているのは、心がそのまま身体をゆすっているよう。
 
 
 それは、元ラビリンス幹部のイースでもなく、幸せの戦士キュアパッションでもなく、・・・いつも
気丈に振舞おうとしている、東せつなでもなかった。

 
 ただ好きな人が傷ついてて、それを悲しんでる小さな女の子・・・。


 「バカァッ!!!」

 
 せつなちゃんは叫んだ。絶叫って言ってもいいかもしれない。
 そしてラブちゃんの元へと駆け寄り、その胸へ飛び込む。
 
「あ、あははは、やーゴメンゴメン。心配した?せつな?」
「バカバカバカ!!なんで、なんでいつも無茶ばっかりするのッ!!!」
「い、いやー、あたし的には無茶って思ってないんだけどねー、ははは」
「ラブが思ってなくたって、無茶は無茶よ!!バカバカバカ大バカ!!」

 泣きながらラブちゃんの胸を小さな拳で叩くせつなちゃん。その姿はまるで駄々をこねる幼児みたい。
 ラブちゃんはそんな彼女の肩にそっと手を回した。

「・・・あたしが無茶じゃないって思ったら、無茶じゃないよ、せつな。知ってるでしょ?」
「・・・知ってる・・・。でも、ラブだって、その度にあたしがどれだけ不安になってるか・・・知ってるでしょ・・・」
「…もちろん。・・・でも泣いてるせつなカワイイからね〜、ついその顔が見たくて。はは」
「・・・ばか・・・」
「ごめん・・・でもせつな、そんなばかな子は、嫌いなの?」
「・・・・・・・・・ばか・・・」

 ラブちゃんの浴衣の襟をギュッと掴んで、せつなちゃんはそのまま胸に顔を埋めた。
そんなせつなちゃんを、ラブちゃんも愛おしげに抱きしめる。
21 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:17:04 ID:/iY9dWiM
ドーン!ドドーン!!

 轟音とともに、夏の夜空に光が咲いた。
 
 
 あ、花火だ。もうそんな時間なのね。
 
 そうだ、花火見なきゃ。花火は綺麗だもん。
 
 顔を上に向けないと見えないよね。
 
 そしたらラブちゃん達が見えなくなるけど、仕方ないよ。
 
 ・・・おかしいな。花火・・・なんか歪んで見える。
 
 まるで水たまりに映ってるのを見てるみたい。

 

 
 わたしの心に、花火の音にかき消される事もなく、黒い声が響く。





 ドウシタラセツナチャンノスベテヲ、ワタシヒトリノモノ二デキルノ?







                                             了
22 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 04:20:11 ID:/iY9dWiM
おしまい。
長文失礼しました。この間よりは読みやすくなってるはずです。
あとどうしても山吹さんが病み吹さんになるなあ。
23名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 04:35:39 ID:OsgZCGka
黒GJ!
ま、まさか「これでせつなちゃんとお揃いだよ」とか言う返り血を浴びたブッキーなんて出てこないよね…?
24名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 04:46:12 ID:Q58kOH51
GJ
黒ブッキーたまらん
25名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 05:27:02 ID:h9tGLIco
職人さんGJです!
SS書けるようになりたいぜ
そしたら投下するのに
26 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:27:46 ID:66tdVY2Y
んじゃ俺も投下。
ぶきせつで被ってしまったスマソ


「せつな、ブッキーが今日どこに行くかとか聞いてた?」

ラブが私の部屋に入ってきた。

「ううん、別に聞いてないよ」

「そっか...まだ帰っていないってブッキーの家から電話あったから...」

時計を見る。夜11時をとうに回っている。

「携帯も出ないし...何もないといいけど...おやすみ」
ぶつぶつ言いながらラブは自分の部屋に戻った。

読みかけの本に目を戻すが、何か胸騒ぎがする。

ブッキーとは、ダンス合宿でお互いを知ってからは
よく一緒に図書館や買い物に行っていたが、いつも
夜8時には家に戻るように予定を組んでいた。

そのうち胸騒ぎは嫌な予感になり、本の内容も
頭に入らなくなってきた。

服を着替え、アカルンを呼び出す。
「キィ」

いつも陽気な声で出てくるアカルンも、私の気持ちを
察したのか、真面目な表情をしている。

「ブッキーの居るところへ」

赤い光が私を包んだ。

27 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:30:28 ID:66tdVY2Y
光が消えると、そこは閑散とした路地だった。
四つ葉町にこんな場所は無い。

周りを見渡すより前に、声が聞こえた。

「やめてください...離してください...」
聞き覚えのある声が小さく聞こえる。

それをかき消すかのように、男達の声が聞こえる。
「あきらめろよ。ここまできたら叫んでも声聞こえないし」
「つかマジでおっぱい大きいよなぁ。俺にも触らせろよ」
「まてよ俺が終わってから!先にこいつ狩ろうって言ったの俺だし」

声の方を向くと、ブッキーに男3人が覆い被さっていた。
ブラウスは半分破られ、下着が見えている。
色々と触られているが、まだ最悪の事態には至っていないようだ。
ブッキーの表情は絶望と悲しみでで覆い尽くされている。

嫌な予感が的中した。

28 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:31:44 ID:66tdVY2Y
「ブッキー!」

大声を出してブッキーに走り寄る。

「...せつなちゃん...?」

「なんだよお嬢ちゃん。お友達かい?」
「おほっ、こりゃまたおいしそうなカラダしてんねぇ」
男達が私の方に寄ってくる。

ブッキーの表情がみるみる変わり、涙があふれている。
助けてって言うんでしょ。言うまでもないわ。そのために来たんだもの。

ところが、次に出てきた彼女の言葉は私の予想とは
違っていた。

「せつなちゃん!逃げて!はやく逃げて!」

「ブッキー...」

この期に及んでも、友達を逃がそうとするブッキーが
たまらなく愛おしい。

それと同時に、男達に対する黒い憎悪が心を覆い尽くす。
29 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:34:13 ID:66tdVY2Y
私は立ち止まり、男達を睨み付けた。
全身に殺気をみなぎらせる。こんな感覚は久しぶりだ。
まだ私はこんな感覚を持てるのか。

いや、今までとは少し違う。
全ての人を不幸にするためにこの感情を持っているのではなく、
大事な人を守るため...大事な人を傷つけた奴に対する憎悪。

「ねぇ、一緒に遊ぼうよぉ」

胸に伸びてきた左端の男の手首を内側にひねる。
男は浮き上がるように反転し、簡単に腕を極められた。

「あうぅぅぅぅおぉぉ」

情けない声を出す男だ。股間を蹴り上げる。
声もなくその男はのたうち回る。

「てめぇっ」

残り2人の男が色めきだつ。

30 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:35:45 ID:66tdVY2Y
正面の男を睨み付ける。
男の目に怯えが走る。

勝負は既に決しているようだ。
こいつは生きるか死ぬかの闘いを経験していない。

「調子こいてんじゃねぇぞ!」

怯えを隠すかのように、正面の男が殴りかかってくる。
まるでスローモーションを見ているかのように遅い。
顔の動きだけで拳を避け、軸足を払う。
男は簡単に転がった。

ふいに後ろから腕を捕まれた。
もう1人の男が後ろに回っていた。
反射的に体をひねり、肘を飛ばす。
無意識だった。
31 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:38:50 ID:66tdVY2Y
ラビリンスの兵士訓練は苛烈を極めた。
総統メビウス直下の兵になるには、戦術はもとより
実戦の能力が重視される。

選抜試験は実戦形式の競技ではなく、実戦だった。
容赦なくお互いの急所を狙う。
それで使い物にならなくなった兵は、弾よけの歩兵になるか
クラインに命を止められるだけだった。

それに、勝ち抜いてきた。



容赦なく相手の急所を打ち抜いてきた癖は今も抜けず、
格闘になると無意識に急所を狙ってしまう。


飛ばした肘が男のこめかみに吸い込まれる。
しまった、と思った。ここは殺し合いをする場所ではない。


しかし、体をひねった際に男がバランスを崩したらしく、
私の肘は急所をかろうじて外した場所に当たった。
それでも男は棒のように倒れ、白目をむいていた。
32 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:44:07 ID:66tdVY2Y
「この野郎...」
足を払って転倒した男が立ち上がり、ナイフを取り出した。

「せつなちゃん!!危ない!!」
ブッキーが叫ぶ。

ブッキーの悲痛な叫びとは裏腹に、
私は口元をほころばせてしまった。

構えと目を見ればわかる。
ナイフと打撃の組み合わせは、よほど訓練された
兵士でないと併用できない。
ナイフですべて片付くと思ってしまうのだ。


つまり、ナイフだけ見てれば良い。


「おらああああああああ!」

声は勇ましいが、ナイフが止まっているようなスピードだ。
やけっぱちで振り回しているだけだ。
ナイフを持った腕が伸びきったところで、手首に掌底を入れる。
簡単にナイフが落ちた。

体の回転を生かして、そのまま回し蹴りを入れる。
きれいに首に入った。声もなく男は倒れた。

33 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:47:31 ID:66tdVY2Y
ブッキーの元に駆け寄る。
「ブッキー、大丈夫?」
「せつなちゃん...ありがとう...もうだめかと思った...」
ブッキーの大きな目から涙が止めどなく流れ、私の胸に
飛び込んできた。

「さ、早く行こう」

私はTシャツの上に着ていた襟付きのシャツを
ブッキーに着せ、足早にその場を離れた。

何本か通りを過ぎると、大通りに出た。
隣町のようだ。

「ブッキー、どうしてあんなところに居たの?」
「獣医学の専門書を頼まれて、買いに来たの。
 そしたら帰りがけに突然囲まれちゃって...」

よほど怖かったのだろう、ブッキーは私の腕に
しがみついたままだ。

「せつなちゃん...強いね」
「えっ...まぁ...ラビリンスでやらされてたから」
「ありがとう...せつなちゃん」

ブッキーが私にさらに密着してくる。
意外に大きなブッキーの胸が腕に押し当てられている。

34 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:48:04 ID:66tdVY2Y
「あ、連絡しておかなきゃ」

ブッキーがリンクルンを開けて電話をかけ始めた。

「あ、ラブちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」

「あ、美希ちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」

「あ、お母さん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。終電なくなっちゃったから
 タクシーで戻るね。」

ブッキーがリンクルンを閉じた。

「ねえブッキー、私アカルンがあるからすぐ戻れるよ?」
「うん、知ってるよ」
「えっ...」

ブッキーが私の腕にぎゅっとしがみつく。

「ホントに怖かったから...忘れさせて欲しいの」
「...」


私はこれから起こり得ることを想像して、
体の奥底が熱くなるのを感じた。



以上終わり。
続きは思いついたら書きます。

何か表現が某ハードボイルド小説のパクリに
なってしまったorz
35名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 05:52:03 ID:C3zpxaeM
GJ。うん、せっちゃんの元兵士という描写がとてもうまかったっす!
36名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 05:52:58 ID:C3zpxaeM
GJ。せっちゃんの元兵士という設定を生かした描写がとてもうまかったっす!
37名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 05:54:41 ID:HTaCMZAi
儚げなせつなもいいけど、こういう頼もしいせつなもいいね
38 ◆51rtpjrRzY :2009/08/15(土) 06:10:50 ID:/iY9dWiM
GJ!ブキせつ!ブキせつ!朝からいい流れですねw
あと感想くれた人ありがとうございます。
>>23
ちょwその発想は無かったw
>>25
自分もこないだまで文章書いた事ない人でしたよ。
試しに書いてみたらいいんじゃないですかね。
39名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 06:40:12 ID:h9tGLIco
GJ!
せつなかっこいい!
40名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 06:44:41 ID:XkjBHrAk
せつなかっこいいよせつな。
41名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 08:39:29 ID:BnmtmXSi
朝起きたらフレプリスレが百合板での勢いNo.1・・だと・・・?
新スレ+SS職人多数降臨だったのね、納得
ゆっくり読ませていただきますわ
42名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 08:44:40 ID:GKBO2WvW
>>22
朝から素晴らしい作品を見れて俺は光栄だ…。
片思いの苦悩ってこうなんでしょうね…。略奪愛のキッカケとかってやっぱり、黒ブッキーみたいな言葉になるんだと思うし。
43名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 09:26:12 ID:GKBO2WvW
>>34
ブッキーのトラウマにならなくて良かった…。せつなありがとう、せつな。俺より全然強いよw
あぁ男って情けない。得に俺…(おっぱい描写にもぅ_| ̄|○)
44名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 10:23:18 ID:MJHUxfcg
>>10
凄い…
目頭が熱くなりました。
いつも素晴らしいSSをありがとう。
45名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 11:23:57 ID:OsgZCGka
美希「ブッキーは将来は獣医さんになりたいって言ってたけど、せつなは将来何になりたいの?」
せつな「え?えっと…ラブのお嫁さん、かな…」
祈里「へぇ…そうなんだ…」
美希(しまった、地雷踏んだ)
46名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 11:47:02 ID:xrxTAWYm
良い流れすぎるだろ…
FUKOが全然溜まらんだろうが…!!
47名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 13:32:40 ID:66tdVY2Y
>>10

Webサイトいつも拝見しています。
今回のペットロスの話も結構涙腺にきました。
48名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 16:52:54 ID:utCnpCNj
>>46
ラビリンス乙
49 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 21:17:23 ID:66tdVY2Y
夏季休暇中妄想が止まらんwww

今朝うpした分の続き書いてて百合成分全開に
なってしまっているけど、作成後投下して良い?
50名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 21:46:38 ID:C3zpxaeM
S S 職 人 降 臨 !


ヨロシクドウゾー
51名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:11:24 ID:h9tGLIco
職人さんどうぞやっちゃってください!
52名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:16:27 ID:QOwd2P+S
こんばんは。朝から職人さん投下してくれたんですネ☆
みんなにとって素晴らしい夏休みになりますように♪

         【桃色片思い!?】
ラブ「ずっと幸せだったのに。悲しすぎる、、、」

せつな「どして?」

ラブ「もーすぐ夏休み終わっちゃうぢゃん!(ToT)」

せつな「でも学校って楽しいんでしょ?」

ラブ「うん。。。でもさ、今年の夏休みは特別な想いがあるんだ。」

せつな「美希やブッキーはその理由知ってるの?私にも教えて欲しいわ。」


〜しばし沈黙〜


ラブ「まだ誰にも教えてないよ。せつなには・・・、特別教えてあげるね。」

せつな「うん。」

ラブ「実は好きな人が出来たんだ。ものすごーく好き。大好き!
   私の夏を楽しくしてくれた。」

せつな「ラブが好きになるんだから幸せな人ね。」

ラブ「くすくす。。。もぅその人、幸せゲットしてるかもよ〜♪」

せつな「???」


ラブ「鈍感すぎるのもまた、可愛いトコだけどね。」

            チュッ♪
53名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:17:46 ID:QOwd2P+S
      【3人仲良く・熱く・美しく】
美希「あたしたち全然完璧じゃない…」
祈里「もうクタクタ…」
ラブ「こんなに体力落ちてたっけ…」

久し振りのダンスレッスン。夏の暑さも重なり、3人は完全にグロッキー状態。


ミユキ「う〜ん。ブランク開けすぎかもしれないわね…。ちょっとプログラム変えまし
    ょう。用意してくるからしばらく休憩してていいわ。」
    
ミユキは難しい表情を抱えながらレッスンルームを後にする。


ラブ「もぅヘトヘトぉ〜。水、水、水ぅ…」
美希「ラブしっかりしてよ、ほら。」
美希は飲みかけてたペットボトルラブに手渡す。


祈里「(あ…。関節キ…)」
美味しそうに喉を潤すラブを横目にしながら、妙に胸の鼓動が気になり始める祈里。


ラブ「にしても熱すぎだよ今日、、、」
湿気を帯びた汗はラブが着ていたTシャツをも湿らせていた。

美希「(ちょっとスケすぎだよラブ!)」
素肌すら確認出来る程の哀れな姿に、思わず息を飲み目線を反らせる美希。


ラブ「あ、ブッキー!ちょっと気になる事があったんだけど。」
祈里「何?」

             つんつん

祈里「キャッ・・・」
ラブ「やっぱね〜(ノーブラとか無防備すぎだよブッキー。。。)」
祈里の柔らかい触り心地の余韻にときめくラブ。
54名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:18:11 ID:QOwd2P+S
美希「もぅみんなして、、、」
祈里「何か変な感じに…」
ラブ「はうぅ。。。」



祈里「ラブちゃん、・・・今晩予定・・・あるカナ?」

ラブ「!?…無いよ…。美希たんは?」

美希「あ〜、その、普段は完璧に忙しいケド、何だか今日は暇だったみたいな・・・」
   

数秒して美希がぽつりと小声で呟く。

美希「今日は私一人でお留守番なのよ・・・ね。」



ミユキ「お待たせ〜♪って。。。3人共、もう少し離れたら…。暑苦しいわよ(苦笑」

3人共気がつけばベッタリ状態。ミユキに気付き、ようやく時離たれ、赤らめた顔を見つめ合いながら
元のポジションへ。


その夜、蒼乃邸でのちょっぴりHなレッスンは3人仲良く行われ、互いの体のチェ
ックは念入りにされた訳であり。

「美希たん!ブッキー!この事は内緒だよっ!」
「OK!」
「任せて!」

3人でダンスを始める頃に作った短編をちょっと改造してみました。
後は皆さんの脳内で続きをw
55名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:27:38 ID:QOwd2P+S
◆51rtpjrRzYさん、◆BVjx9JFTno さん、SSサイトの管理人さん、
それ以外にも投下してくれてる方、素晴らしい作品をありがとう。
自分も何とか追いつけるよう努力します。ホント勉強になりますね。
56名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:31:09 ID:MJHUxfcg
>>53
ちょw
ラブやん暴走し過ぎw
間接キスを気にするブッキーもいいね。
57 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 22:34:56 ID:66tdVY2Y
>>55

ありがとうございます。
自分も書き始めたのは一昨日からなのでwww
みなさんのを参考にして読み返しては修正しています。
58名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 22:52:26 ID:GKBO2WvW
>>52
あややかと思ったw
てかウマい題名ですね!その通りだし。
九月から学校っすね。大輔空気読めよ…

>>53
朝も俺、欲情したのに夜もしちゃう件w
てかこの展開好き!3人もしっくり来るなぁ〜。最後の気合ワロタw
59名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:16:20 ID:ODfLosyp
自分もみんなに触発されて書いてみた。
少し病み気味ラブの暗めの話なんで、そういうのが嫌な人は
スルーたのんます。

さて、初投下。うまく行くか…
60名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:16:55 ID:ODfLosyp
今日はお父さんは残業。お母さんはパートの遅番。タルトとシフォンは
ブッキーの所でお泊まり。
そしてせつなは、多分図書館。最近せつなはよく本を読んでる。
こちらの事を勉強中なのだ、と彼女は笑う。新しい事に触れ、知識や経験を
増やして行くことが楽しくて仕方ない様子だ。
せつなが早く馴染んでくれればいい、美希たんやブッキーとも、もっと
仲良くなって欲しい、新しい友達も沢山出来れば嬉しい。
そうすればみんな幸せ。

そう思ってた。本当に、そう思ってたはずなのに。

いつからだろう。せつなが自分以外の人に笑顔を見せると、胸の中にチクチクと
不快感が走るようになったのは。
最初は、「あたし、ヤキモチ焼いちゃってる?らしくないなあ。」なんて、
自分に苦笑いする余裕があった。
でも、そんな嫌な気持ちをハッキリ意識したのはダンス合宿の時。
余り乗り気ではなかったせつなに、自分から「ダンスをする。」と言わせたのは
ブッキー。あたしじゃなかった。
あの日、せつなを夕飯に呼びに行ったまま中々帰って来なかったブッキー。
薄暗い窓を見上げながら、ハッキリと苛立っている自分を意識した。
その後、あの時どんなやり取りがあったのか分かっても、一度心に絡み付いた棘は
無くならなかった。それどころか、どんどん増えて行く。
せつなが他の誰かの話をする度に。他の誰かに笑顔を見せる度に。

せつなは親友で家族。そしてプリキュアとして共に戦う仲間。一番近しい所にいるのは自分。
一つ屋根の下に住み、9月からは学校だって一緒。誰が見たって、
これ以上の仲良しなんていないよね?
これ以上近くになんてどうやって行ったらいいの?
せつなを閉じ込めて、誰にも会わせないで、自分だけのモノに。
そうでもしないとムリだよね。でもそんな事できっこないし。
もしそうしたって満足できるかどうかなんてわからないじゃん。

そこまで考えて初めて気付いてしまった。
ううん、本当はとっくに分かってた。分かってたのに知らんぷりしてた。
だって、どうしようもないもん。

こんな気持ち、せつなは困るに決まってる。でもきっとどんなに困っても
せつなは面と向かって拒否できない。
今のせつなは自分が誰かを傷つける事を何より怖れて。
拒否する事であたしを傷つける事を怖れて……

でも、そんなせつなは見たくない。
61名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:22:03 ID:ODfLosyp
ガランとした家の中でラブは笑おうとした。
でもそれは苦い泣き笑いにしかならなかった。
(欲張りだな、あたし。)
自分勝手に嫉妬して、自分だけのせつなを欲しがって、そうはならない現実に
苛立って一人ぐるぐる馬鹿な事考えて。
せつなを独り占めしたいのに、自分から言うのはイヤ。
せつなが自ら望んでそうなって欲しい。

ラブは特別。ラブだけが好き。ラブがいれば他に何も要らない。
(そう言って欲しいんだよね。あたしは……)
あたしがこんな風に思ってるなんて、せつな、知らないだろうな。
誰も気付いてないよね?
だって、必死に隠してきたんだし。
閉め切った部屋は暑くて、じっとりと全身に汗が滲んでくる。
頭の中がぐつぐつと音を立て、やり場のない思いで煮詰まって行く。
(ちょっと頭、冷やそう。みんな帰ってきたら変に思われちゃうよ。)

ラブはわざと冷たい水でシャワーを頭から被った。
真夏とは言え、火照った体と冷水のギャップに一瞬悲鳴をあげそうになる。
しかし徐々に冷たさに馴染むにつれ、自分のどろどろした欲望が凍えて
固まって行くようで、芯まで冷えていくのが心地良くさえ感じる。
凍てついたその固まりは決して無くなりはしないのだけれど。
冷たく凍らせておけば溶けて溢れ出る事はないはずだ。

体の感覚が無くなり、震えがきた所でラブは漸くシャワーを止めた。
髪も乾かさすバスタオル一枚でノロノロとリビングに戻る。

「ただいま、ラブ。どしたの?」

いつの間にかせつなが戻り、台所で夕飯の準備をしてた。
「シャワー浴びてたの?今日は暑いもんね。」
屈託無く笑顔を向けてくるせつなに、ラブは顔を上げる事ができない。

「ラブ?」

うつ向いたまま何も言わないラブにせつなは心配そうに近づき、
そっと肩に手を触れる。
(熱い。)
せつなの肌の熱さにラブはおののき、震えた。

(ダメだよ、せつな。触っちゃダメ…。溶けちゃうよ、せっかく凍らせたのに……)

「やだ!ラブ冷たい!どうしたの?」
冷えきったラブの体にせつなは驚いて眼を見張る。
「早く服着なきゃ!何か温かい物飲む?」
世話を焼きにかかるせつなの手を、今まで無反応だったラブが不意に掴んだ。

そのままゆっくりとせつなの頬に触れ、輪郭をなぞる。
顎に指を掛け、親指で綺麗な曲線を描く唇を撫でる。
「……ラブ?」

不信気なせつなにラブはゆっくりと微笑みを浮かべる。

「ねぇ、せつな。あたしの事…好き?」


(ごめんぬ、せつな。あたし、やっぱりもう…ダメかも知れない。)


62名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:26:49 ID:5riNl/vI
ある日のお風呂

ラブ「せつな、あたしも入ってもいい?」

せつな「っっ!!まだいいって言ってないでしょ!」

ラブ「隠さなくてもいいじゃん。せつな結構オッパイおっきいんだね〜」

せつな「ちょっ!触らな…あん…や…め…」

ラブ「あれ−何かせつなの先っぽとがってきたよ?固くてコリコリしてる」

せつな「…ふぁ…駄目…」

ラブ「せつな…すんごく可愛い。続きはあたしの部屋でしよっか」

筆力なくてすみません><
63名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:30:50 ID:66tdVY2Y
>>61

病んでるラブもイイ!
続きが見たい。
64名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:39:54 ID:mgR1qW4R
>>61
すみません いけないと思いつつも
こういうラブさん大好物です!
65名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:45:36 ID:ODfLosyp
>>60-61です。

見直したつもりなのに、誤字やらミスがいっぱいorz
脳内で正しく変換して下さい…orz


けど、レス貰えて舞い上がってるんで、また投下するかも!
66 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:46:57 ID:66tdVY2Y
ようやく出来たので投下。
今朝の続きです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「忘れさせて...欲しいの」
ブッキーが私の腕に頭をもたせかける。

私の中で、気持ちの整理がついてきた。

ブッキーは少し引っ込み思案なところがあるが
人付き合いが苦手な私と共通点があり、またとても優しく
ダンス合宿でも私の心を優しく溶かしてくれた。

思えば、その頃からブッキー、いや、祈里に対して
友情以上の感情が生まれていたような気がする。

祈里が私のためにダンスの練習着を作ってくれたことを
知ったとき、祈里の表情、祈里の声、祈里の匂い、すべてが
私の心の中に小さな火となって点灯した。

それが今、大きな炎となって燃えあがっている。
格闘後でやや高揚していることもあり、情欲が心を浸食している。



多分、
祈里が思い描いている光景は、きっと
私が望んでいる光景と同じ。



じわり、とあふれるものを感じた。
67 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:48:44 ID:66tdVY2Y
祈里に引き寄せられるままに、大通りの角を曲がる。

2、3本の通りを曲がると、暖簾のかかった駐車場が見えた。
祈里が私の腕を強く掴みながらその中に入る。

人が居ないロビーの壁に、番号が書いたランプが
20ほど並んでいる。
点灯しているものはそのうち3つ。

祈里はそのうちの1つを押した。
出てきたカードを手に取り、足早に
奥のエレベーターに乗る。

「えへへ。ここ1回だけ来たことあるの。」
エレベーターの中で祈里は笑いながら言った。

「強引に連れてこられたけど、逃げちゃった」


私はここがどんな建物なのかをだいたい理解した。
祈里には、人を殺さない程度の護身術を
教えておいた方が良いかも知れない。


エレベーターを降りると、複雑に曲がった廊下を
足早に進み、角の部屋に辿り着いた。
ドアにカードを挿して開け、祈里は私を先に部屋に入れた。


部屋には幅の広いベッドがあり、簡単な椅子と
テーブルがあった。


浴室は家にあるものとは異なり、
透明なガラス扉で仕切られていた。


これじゃぁ丸見えじゃないの。
68 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:50:31 ID:66tdVY2Y
急に首に腕が回された。
次の瞬間、唇を塞がれた。

唇を離した祈里の顔は、笑顔とも泣き顔ともつかない
表情だった。涙で目が潤んでいる。

「私、ずっと前からせつなちゃんに憧れてたの...」

「...」

「でも、せつなちゃんはラブちゃんととっても仲良しで、
 私なんか入る余地が無いくらい...」

「...」

「でも、ダンス合宿の時から、私の中でせつなちゃんの
 ことがどんどん大きくなって...」

「...」

「せつなちゃんと、ひとつになりたいって、ずっと思ってた...」



上目遣いで私を見る祈里の表情を見て、
私はもう我慢できなくなった。


69 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:52:06 ID:66tdVY2Y
自分から唇を重ねる。

祈里の口内に舌を滑り込ませると、祈里は間髪を入れず
舌を絡めてきた。

有線の音楽が小さく流れる室内で、舌が絡まる淫靡な音が
響き渡っている。

「んふ...ん...」

「ブッキー...私も...同じ気持ち...」

「ん...二人っきりの時は、祈里って呼んで...」

「祈里...んふ...ん...祈里...」

「んふん...んっ...嬉しい...んふ」


潤んだ瞳、口元から垂れる唾液が、私の興奮を増大させる。


「...お風呂、一緒に入ろう...」

「うん」

70 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:54:06 ID:66tdVY2Y
バスタブにお湯をためている間、お互いの体を洗う。

熱帯夜の格闘で私の体は汗まみれになっていたが、
ようやくさっぱりした。
これからまた汗をかくのだろうが。

すでに湯気で浴室内は霧がかかったようになっている。

「祈里...とってもキレイ」
「せつなちゃんだって...」

祈里はウエストのくびれは少ないものの、童顔に似合わず
大きく発育した胸、ふっくらした腰回りが私の鼓動を速め、
下腹部がキュンと締まるのを感じた。

バスタブにお湯がたまると、祈里はバスタブの中に沈めていたボトルを
取り出し、軽く振って中身をお湯に溶かした。


「それ...何?」
「んふふっ...おたのしみ...」


シャワーで石鹸を流すと、ふたりでバスタブに身を沈める。

お湯からいい香りが立ち上っている。


「えっ...」

お湯の感覚が家とは違う。
とろりとしたお湯で、肌に滑らかにまとわりつき、ぬるぬると滑る。


「これって...」

「バスローションなの」


祈里が私の足の間に体を滑り込ませる。
ぬるっと滑った私の足は簡単に開き、祈里の体が正面から
ぴったりと密着した。

「...!」
71 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:55:45 ID:66tdVY2Y
「せつなちゃん...いっぱい気持ち良くしてあげる」

祈里の唇が、私の顔を隅から隅まで這い、
祈里の手は私の体をぬるぬると這い回る。

私も祈里の胸に手を伸ばす。
手からこぼれ落ちてしまいそうなほどの大きい房を
いやらしい手つきで揉みしだく。

「あっ...うんっ...」

耳元で祈里が声を上げる。
手の中で弄んでいる房から、乳首が掌に硬く当たってくる。

祈里の手が私の乳首をさわさわと弄んでくる。
ばらした指の動きが妙にいやらしく、私の乳首も
固く隆起している。

「あは...んっ...はぅ...ん」

祈里の耳元にキスをしながら、つい声が漏れてしまう。

「祈里...気持ちいい?」
「あんっ...嬉しい...とっても気持ちいい」
「私も...とっても気持ちいい...」


ちゃぷっ...ぴちゃっ...とぷん...


お湯の揺れる音と、激しいキスの音。
気持ち良すぎて、頭がぼうっとしてくる。


「せつなちゃん...すごい...私...幸せ...」


すっかり上気した祈里の顔はいつもの引っ込み思案な
祈里ではなく、貪欲に快楽を求めるメスの顔になっていた。


ふたりの右手がお互いの性器をまさぐり出す頃には、ほとんど
会話はなく、揺れるお湯の音と、淫靡なあえぎ声が浴室にこだましていた。

72 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:57:20 ID:66tdVY2Y
「せつなちゃん...」

祈里は私と密着した体を離し、左足を私の右足の上に、
右足を私の左足の下に滑り込ませた。


ぷちゅっ...


お互いの恥毛が絡み合い、性器同士が密着した。


「ああんっ...!」
「はうんっ...!」


お湯の中で上気していることもあり、
快感が頭のてっぺんまで突き抜けた。


「や...祈里...これすごい...」
「せつなちゃん...私も...あふんっ...」


腰が、さらなる快感を求めて勝手に動いてしまう。


たまらず、祈里の唇に舌を差し出す。
祈里もすぐに舌を絡める。
唾液がお湯にポタポタと落ちる。
お湯がいっそう激しく揺れる。


「祈里...すごいよ...上も下も...」
「うん...キスしてる...ああうんっ...!」


お互いの突起がぬるりと擦れあう度に、
電気ショックを受けたように体が跳ね上がる。


お互いの唇や首、肩を激しく舐め回しているうちに、腰の動きが
完全にシンクロしてきた。


「や...ダメ...祈里...私もう...!」
「せつなちゃん...私も来る...あああんっ!...」


ふたりとも同時に激しく痙攣した。


ばしゃっ...ばしゃっ...ばしゃっ...


お湯が激しく揺れ、バスタブからこぼれ落ちた。

73 ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 23:59:35 ID:66tdVY2Y
私の上に祈里が倒れ込んでくる。

二人とも痙攣がしばらくおさまらなかった。
お湯でのぼせているせいか、頭もぼうっとしたままだ。

伏せたまま荒い息をしている祈里のおでこに、
軽くキスをする。

「ありがとう...とっても嬉しい...」

顔を上げた祈里は私の唇に長いキスをした。


お湯を抜いて、シャワーを浴びる。
間違えて水が出てきたのでびっくりしたが、のぼせには
ちょうど良かったようだ。

しばらく祈里と嬌声をあげながら、水シャワーをかけ合った。


体を拭いて、ベッドに腰掛ける。

祈里が冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出した。
「せつなちゃんも飲む?」
「うん。ちょうだい」

祈里がひとくちペットボトルから飲み、フタを閉じた。

ボトルが渡されるかと思ったが、次の瞬間唇が重ねられ、
私の口にスポーツドリンクが流し込まれた。
「えへへ。口移ししちゃった」


祈里は私が思っている以上に
奔放な女の子なのかも知れない。

74 ◆BVjx9JFTno :2009/08/16(日) 00:00:42 ID:66tdVY2Y
時計を見る。午前2時。

「もうこんな時間!まずいよ祈里。いくらタクシーでもこの時間には...」
「あ、それなら大丈夫。家にはお風呂に入る前に電話しておいたから」

「何て電話したの?」
「タクシーが全然捕まらないので、せつなちゃんと始発まで
ビジネスホテルで仮眠しますって」

「...まぁ半分は合ってるわねw」
「そうそうww」


私は裸のまま、ベッドに仰向けに寝そべった。
祈里も裸のまま、横に寝そべる。

「せつなちゃん...」
「ん?」
「私ね...今とっても幸せ...」
「私も...祈里とこうなれて嬉しいわ」

祈里が私の方を向き、瞳の中にお互いを確認する。
瞳の中の私は、とても満たされた表情をしていた。
祈里の表情も、とても穏やかに輝いている。


始発が四つ葉町に付くまで、まだ時間は充分ある。


「祈里...まだ時間は充分あるね」

「うん...そうだね」


祈里の瞳に、ふたたび淫靡な光が宿る。


以下ループwww
75 ◆BVjx9JFTno :2009/08/16(日) 00:01:36 ID:nBYKvv+3
これで終わりです。
くどいほどの描写失礼しました。
スポーツ新聞の官能小説読み過ぎだ俺

あと、ブッキーがヤリマンみたいになってしまったorz
76名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 00:25:47 ID:74e4p3BF
>>61
ラブがFUKOだ…
77名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 00:34:47 ID:ujSwXIYl
SSでのブッキーの黒さを見てると、メジャーの寿也を思い出すなぁ
あいつは吾郎がらみになると突然黒くなる
7810:2009/08/16(日) 01:07:16 ID:ofnHIEIo
SS祭りが続いてますね。

またまた投下させて下さいませ。今回は自分なりに色々試してみたガチ百合。相
変わらずR-18ではないですが。

で、投下しようとしたら>>61さんのSSに気付きました。うまい......

そんな後ですが、せつな→ラブSS。ヤンデル系。

2レス程、お借りしますね。
79Call Me 1/2:2009/08/16(日) 01:09:31 ID:ofnHIEIo
 まどろみに、惑うて。
 やがて落ち行く、その先には。




       Call Me




 その瞳に、その笑顔に、その心に救われた。
 真っ直ぐに自分を見つめてくれた、彼女。
 愛を意味する言葉を、名付けられた少女。
 ピンクのハートを抱く、伝説の戦士。

 彼女は、彼女を想う。

 その優しさを、そのひたむきさを、その全てを、羨ましいと思った。
 憧れた。
 けれど憧れは、いつしか焦がれに変わって。
 求める気持ちを止められなくなる。
 胸の奥でうずく衝動。ドクン、ドクンと激しく脈打つ心の臓。

 目が離せない。
 何気ない仕草一つすら、見逃せないと思ってしまう。
 心のベクトルはいつだって、彼女に向かっている。
 彼女の柔らかい、桃色の唇に名を呼ばれる度に、胸は歓喜に震える。
 ただそれだけのことが、幸せだった。

 けれど。
 いつからか、飢えてきた。飢えるように、なってしまった。
 もっと、もっと幸せを。
 もっともっと、彼女に近付きたい。

 名を呼ばれる度に、幸せに思う。けれど、渇する。欲する。
 もっと、もっとと心が叫ぶ。
 貴方をもっと、ちょうだい。
 幸せを私に、ちょうだい、と。

 けれどそれは、許されないこと。秘め事。
 求めることすら禁忌。そして裏切り。
 家族だから。友達だから。仲間だから。

 女同士、だから。

 自分を救ってくれた全ての事柄が、今度は彼女の心を縛る。
 絶対に壊してはいけないものたち。守ると誓ったものたち。
 もしもその楔がなければ、かつての何もない自分であったなら。
 奪っていたかもしれない。力ずくに。
 そうしたとしても、本当に求めていたものは、手に入らなかっただろうけれど。
80Call Me 2/2:2009/08/16(日) 01:11:45 ID:ofnHIEIo
 だから。
 私は幸せだと、彼女は自分に言い聞かせる。
 これで満足しなくてはいけないと。
 彼女とずっと一緒にいられる、それだけでいいじゃない、と。

 けれどある時、気付いてしまった。
 ずっと、ずっと一緒ということは。
 ずっとずっとこの気持ちを隠しながら、側にいなきゃいけないということで。
 この先、何年、何十年と。

 嗚呼。私の心は、体は、耐えられるだろうか。
 この口はいつまで、秘密を守り続けられるだろうか。

 側にいたい。けれど、苦しい。
 それは甘美な拷問のよう。
 目の前にあるのに、決して、手は届かない、熟した秘密の果実。

 だから、せめて。

「ねぇ、ラブ」
「ん? なぁに、せつな?」
「私のこと――――好き?」
「もっちろん。大好きだよ」

 言って彼女は笑う。
 その純粋な笑みに、彼女の心の闇はチクリと痛むけれど。

 せめて、これぐらいは許して欲しいと祈る。

 これだけで、私は満足だからと。









 けれど心はいつだって欲張りで。
 やがて満たされなくなる未来から、彼女は。
 目をそらしていた。
81名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 01:16:40 ID:ofnHIEIo
IDが飛影だた。

というわけでお目汚し。

難しいですね。>>61さんはすごいです。

いつもと違うことに挑戦したせいか、疲れましたよ。
早く明日のプリキュアでエネルギーチャージしたいです。
82名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 03:38:29 ID:C5KXzhNw
フレッシュプリキュア対SS職人━━━(゜∀゜≡(゜∀゜≡゜∀゜)≡゜∀゜)祭り━━━━!!!!

出遅れた漏れorz
職人ハイパーGJ!全部補完してくる!ノシ

一日でこんな伸びる百合ってかフレプリ鬼だなw
83 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 04:19:49 ID:IVGs72mY
この流れならちょっとHなのもOKだって、わたし、信じてる!
急いで書いたんで推敲不足かもですけどご容赦ください
84 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 04:22:22 ID:IVGs72mY
「ちょっとラブ、もうお湯沸いてるわよ?!」
「は〜い。・・・ブッキー、そっちタマネギ切ったぁ?」
「ごめん、今やってるー。せつなちゃん、サラダは大丈夫?」
「今、精一杯キャベツ刻んでるわ」

 今日は、ラブちゃんのお家で、お泊り会。
 ご両親もお出かけなんで、わたし達4人でお夕飯の準備をしてるところ。
 メニューは、カレーライスと、サラダ。
 わたしはカレーに入れるお野菜を切る当番なんだけど。うー、タマネギが目にしみる・・・。
 
 ・・・・・・でも、これくらい我慢しないと。
 みんな一緒とはいえ、せつなちゃんと一晩過ごすことができるんだもの。
 もう一週間も前から、今日という日が来るのを夢にまで見たんだし・・・・・・。
 それに!ご、ご飯の後にはみ、みんなでおおおおお風呂入ることになってるし・・・・・・。

 一気にわたしの頭の中には邪な妄想が広がる・・・・・・。
 
(ブッキ―、背中流してあげるわ。こっち来て)
(せせせせつなちゃん!い、いいって、それくらい自分でやるから!)
(?何を恥ずかしがってるの?・・・ほら、次は前を洗ってあげるから、あたしの方を向く!)
(いや〜!いくらこっちの世界の常識に疎くても、やり過ぎだよ〜!!)

「・・・・・・ブッキ―・・・お腹空いてるからって、はしたないんじゃないの?・・・よだれ出てるわよ」            
「・・・・・・は!え!?ゴメンゴメン!」
 
 美希ちゃんにたしなめられ、現実に戻るわたし。せつなちゃんにだらしない子だって思われちゃう・・・。

 
「―――――痛っ・・・!」


 その時、せつなちゃんが小さな呻きを漏らした。
 見ると、包丁を離し、右手で左手の指を押さえている。

「せせせせつなちゃん!指切ったの?!ちょ、ちょっと待って―――」
 
 慌てたわたしは、咄嗟にいつも持っている救急セットを取り出そうと、バッグに手を伸ばす。
85 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 04:24:04 ID:IVGs72mY

「―――――せつなっ!手出してっ!!」

 わたしの行動よりも早く、ラブちゃんがせつなちゃんの元へ駆け寄る。
 彼女はせつなちゃんの左手を掴むと、躊躇うことなく、怪我している指を口に含んだ。

「―――――――!!」

 その一連の動きから、目を離せなくなった。

「・・・・・・・・・」
「・・・ラ、ラブ・・・そ、そんなとこ・・・な、舐めたら・・・き、汚いわ・・・」

 せつなちゃんが、顔を赤くして、ラブちゃんを止めようとする。
 でも、ラブちゃんはそんな制止も聞かず、指を口から離そうとしない。

 
 それは、甘くて淫靡な、恋人同士のキスに見えた。
  

 ラブちゃんの口元からする、ぴちゃ、ぴちゃ、という水音のような響き。
 その度にせつなちゃんは押し殺した喘ぎを漏らし、背を反らす。


 バッグに手を入れたまま、わたしは固まっていた。
 目を逸らしたいのに、逸らせない。
 ・・・・・・嫌だ・・・こんなの見たくない・・・・・・。

 一瞬、ラブちゃんとわたしの目が合う。

「―――――!」

 その目が、嘲笑っているように、感じた。
 高価な玩具を、手に入らない子に自慢している子供のような目―――。

 

 ―――これはあたしだけのモノよ?羨ましいでしょう?

 

 ・・・彼女は、わたしに、そう言っているのだ。

 
 ―――長い一瞬が、過ぎた。
 ゆっくり、別れを惜しむように、唾液の糸を引きながら、ラブちゃんが口を離す。
86 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 04:25:59 ID:IVGs72mY

「ンぅっ!・・・・・・ラ、ラブぅ・・・・・・」
「・・・・・・こっちの世界では指を切ったら、こうするんだよ、せつな・・・・・・」

 頬を染め、息を荒げているせつなちゃんに、ラブちゃんは優しく、ふしだらに微笑みかける。

「・・・・・・ブッキ―、バンソーコー、ちょうだい。」
「――――――え?!あ、あ、うん!」

 その声に我に返ったわたしは、ラブちゃんにバンソーコーを渡す。
 彼女は、可愛がっているお人形にリボンでも結ぶように、それをせつなちゃんの指に巻きつける。

  ・・・わたしは、魂の抜けた案山子みたいに、その光景を見つめる事しか出来なかった。

「ちょっとブッキ―、あなたもどっか怪我したの?」
「・・・え?」
「・・・・・・もう、涙浮かべてるじゃないの!」

 美希ちゃんに言われるまで、気付かなかった。

「や、やだ。タ、タマネギ切ってたから・・・い、イタタタ・・・・」
 

 ゴシゴシ、っと目をこする。
 ・・・・・・本当に痛いのは、目なんかじゃないのに。


 目を開けたとき、再びラブちゃんと視線が絡む。



 ――――せつなで遊んでいいのは、あたしだけなの。あなたの手は決して届かない・・・・。


 
 長い夜は、まだ始まったばかりだった。

 

                                           

                                        了
87 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 04:31:09 ID:IVGs72mY
おしまい。匂い、声って来たんで、今回は視線で。
エロくはないかw
>>81
コミケお疲れ様でした。相変わらずお美事です。
いっそ飛影さんと名乗るのも手ではないですか?
88名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 05:18:25 ID:C5KXzhNw
ふぅ、読み終えたよ。

夜限定さん投下ありがとうです。ラブせつ短編萌えるし、セミロングはいつも組み合わせ変えてくれるし。最高です!

トリップ51氏、長文作成ご苦労様です。黒ブッキーや策士ラブとかアイデアがもうパネェっす!早朝投下もGJすぎw

トリップBV氏、せつなの戦闘描写が神。一昨日から書き始めたとか思えない…。とH編は永久保存しますたw

>>59
初投下乙です。良作けってーい。続きを是非!出来れば幸福ENDで…。てかラブみたいな気持ちに誰もがなるよね〜。

管理人様改め飛影殿w
せつなの苦悩がもう純粋すぎて…。また好きになっちゃいました。あ、ラブの嫁ですけどw

レスだけで長くなっちゃったよもうwww
自重しますorz
89 ◆51rtpjrRzY :2009/08/16(日) 07:45:50 ID:IVGs72mY
出かける前に。>>88さんを始め、感想くれた方々ありがとうございました。
あと>>65さん、初でこれは凄いです。勉強になりました。
じゃあ皆さんは楽しくプリキュア見ててください・・・orz
9010:2009/08/16(日) 08:09:34 ID:ofnHIEIo
>>87さん
GJです!!せつな取り合い、ドロドロですねw
名前の件ですが、生駒と決めてあるので。
blog取るのに名前使えなかったんでikomaruにしましたがw

>>88
そういうわけで飛影ではないのですw
91 ◆BVjx9JFTno :2009/08/16(日) 09:29:28 ID:nBYKvv+3
>>88

感想ありがとうございます。
自分で読み返してみても濃すぎたのと、今回の放送見て
浄化されてしまったのでw、これからはもうちょっと
爽やかなものを書いてみます。
92 ◆BVjx9JFTno :2009/08/16(日) 09:30:55 ID:nBYKvv+3
>>87

これはブッキー辛い...。
夜にまたさらなるFUKOがあるのか...

まぁラブせつにとってはKOFUKUなんだろうけど

報われないブッキーカワイソス
93 ◆BVjx9JFTno :2009/08/16(日) 09:43:58 ID:nBYKvv+3
>>78

こういう苦しむ系、いいですね。
楽しませていただきました。
当の本人は大変でしょうけどwww

気持ちを伝えたいけど伝えられない、今までの関係が
崩れるのが怖いってのは、友達から恋人に進展できない
状態と似ていますね。

94名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 10:53:50 ID:SasbFDvR
今日は百合的な見所なかったのか?
うっかり寝過ごしちゃったやい
95名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 11:15:32 ID:8qxeb8uK
>>59
GJ!!!続き読みたいです。楽しみにしていますね♪

フレプリのケータイ公式サイトから不定期でメルマガが届くのですが、
今朝届いていたメールです↓
「皆さんこんにちは、東せつなです♪
毎日暑くて、みんな食欲なくなってない?
ちゃんと食べてるかしら?
私とラブは、ゴハンを食べた上にデザートのすいかや
メロンまでおなかいっぱいいただいているわ。
ついついラブにつられて食べ過ぎちゃうの。
今夜のデザートは桃みたい。。
ふふ、楽しみね?
みんなも、いっぱい食べて元気にすごしてね。」

桃ってもちろんラブちゃんと即脳内変換してしまいドキドキしてしまいました♪
96名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 11:31:30 ID:nb/SB3Fe
冒頭で羅武刹が商店街巡りしてたくらいかな
97名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 11:39:52 ID:C5KXzhNw
>>95
それを元に職人さんたちが作ってくれるって私、信じてる!!!

日中にカキコが無い所がやはり18禁板だって最近思うwだから夜が楽しみでさ〜

あ、ごめん。カキコ自重出来なかったわw
今日のラブせつ百合デート(・∀・)最高
98名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 12:21:55 ID:q1RcUjP2
>>95
なんだこれwww
百合妄想おいしいです^o^
99名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 12:27:06 ID:8qxeb8uK
95です。すみません。。文字化けしてきちんと変換できてませんでした。。
せつなの×「ふふ、楽しみね?」→「○ふふ、楽しみね(ハート)」が正しいです。

ドキドキします。。職人さん達よろしくお願いします♪
100名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 13:26:40 ID:EIE4hgWV
桃ってことはピーチに変身してからいただいちゃうわけですよね?
プリキュアの力をそんな風につかうなんてけしからんなぁ!ハァハァ・・・
101名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 19:31:22 ID:Zb9JaFXL
ラブ「ビートアーップ!ねぇせつな…なんでプリキュアにならなきゃいけないの?」
せつな「だって今夜のデザートは桃なのよ」
ラブ「答えになってないよ〜な気が…」
せつな「いいじゃない、初夜に散々私の事を攻めまくったんだからたまには攻めさせてよ」
ラブ「ひゃっ…!ふ、太腿急に触んないでよぉ」
せつな「あら?私を部屋に連れ込んで、胸を後ろから急に揉んだのは誰だったかしら?」
ラブ「だ、だってあの時は一緒に暮らせるのが嬉しくて、つい…」
せつな「まあいいわ。時間は沢山あるし、お尻も胸も堪能させてもらおうかしら。そして…」
ラブ「…んッ!」
せつな「この甘いも唇もね」
ところが翌日ラブの大逆襲にあうせつなさんなのでした。
102名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 19:32:59 ID:YxyDTnuO
変身することで、よりハードなプレイに耐えられるんですね
103名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 20:01:00 ID:q1RcUjP2
>>59
上手いしドキドキすなぁ
嫉妬に苦しむラブをせつなが救ってくれるって私信じてる!
104名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 20:33:58 ID:/trqEn1r
せつなはスイッチオーバーしたほうが胸が大きくなって都合がいいかと
105名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 20:48:21 ID:UjNG83sE
こんばんはー。今日もお願いします。メルマガなんてあるんですか。
素材がこんな所にもあるとは不覚、、、


         【もぎたてフレッシュ】
せつな「美味しかった。ご馳走さまでした。」


ラブ           (ニヤ〜)

せつな「ん?」


ラブ「さってと、お風呂♪お風呂♪(やばー、顔に出ちゃってるよ私、、、)」
せつな「もうお風呂入るの?いつもより早いのね(ラブなんか笑ってる・・・)」

ラブ「ぅ!ま、まぁ、ちょっと準備が…(汗汗」

せつな「じゃあ私はお片付けしてるから。ゆっくりどうぞ。」
ラブ「いぇいぇ!速攻で出て来るから!せ・つ・な・わぁ〜、次すぐ入って♪じゃあ!」
   
        (っしゃぁ〜ラブちゃんGO〜!!!)

せつな「えっ!?ちょっとラブー!着替えは!?忘れてるってば!」



ラブ         (んな物いりませんからっ♪♪♪)


せつな「何なの一体。                でも、胸騒ぎがする・・・。」



             "ガチャッ"
ラブ「せつなぁ〜、今晩のデザートわた…、ピーチだからお楽しみにっ☆」

せつな「あ、うん。(桃なんて買ってきてたかしら…?)」


ラブ(もーぎたてっ!もーぎたてっ!)


>>97
理想のデザートになりましたでしょうか?と、番外編も作りましたのでお召し上がり下さい。
106名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 20:51:05 ID:UjNG83sE
            【つみたてフレッシュ】
祈里「もしもし、美希ちゃん。えっと…、もぅご飯食べたかな?」

美希「えぇ、食べたけど。どうかしたのブッキー?」

祈里「あっ、得に無いんだけど…。その…、デザートとか食べたいと…、
   思わないかなって。。。」

美希「ん、デザート?何々?食べに行くの?ちょうど甘い物食べたいって思ってた♪」


祈里「食べに行くんじゃないんだけど、私の部屋で……イイかな?」

美希「うん♪全然OK!ブッキーはいつも完璧だから、何食べさせて
   くれるのかしら。楽しみ〜。」
祈里「絶対美味しいと思う!!!             …って私、信じてる。」

美希「わっ!声大きいよブッキー。。。くすくす…」

祈里「ごめんなさぁい…。あ、美希ちゃん。」

美希「何〜?」



祈里「早く来てね…。とれたてだから。」


恥ずかしさを表す///が使えないから表現難しいorz
もっと文才があればなぁ(涙
107名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 20:56:17 ID:UjNG83sE
>>101
興奮しますよ、家での変身とか。素材としても作品としてもGJです。
ラブせつはほんとネタが充実してますネ。
108名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 21:22:37 ID:YxyDTnuO
109名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 21:32:23 ID:C5KXzhNw
>>105
ちょwIDが遊人とかエロすなぁwww

投下乙です。早速頂きましたm(_ _)mごちそうさまですた。

て事はつみたてフレッシュとうれたてフレッシュもあるんですね、わかりますw

ワッフル(・∀・)ワッフル
110名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 21:34:50 ID:7VM/7qqs
(汗とか涙とかも////と同列だよ
111名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 21:55:57 ID:U6s6ycXK
>>106
>>105
ちょww
デザートが逆にせつなや美希を食っちまいそうだ。投下サンクス!
表現の仕方を気にしているなら、一度セリフだけじゃなく「地の文」を使ったSSを試してみてはいかがかな?
セリフのみの場合でも、記号を使わずとも十分表現出来るとは思うけど。
SSを読ませて貰ってる分際で偉そうなこと言って真にスマソm(__)m
112名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:02:51 ID:C5KXzhNw
もしかしてこの職人さんは女ぢゃないの?内容が妙に可愛いんだよね、いっつも。間違ってたらゴメソ。

あ、俺は表現気にしないんで思うまま投下桶。
てか投下続けて下さいm(_ _)mお願いしまつ
113名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:42:53 ID:lsN/fkUy
今晩は。夕べの>>60-61です。また懲りずに書いたんで投下します。

今度は軽め、百合薄めのやつ。でも無駄に長いですww
勢いで書いたんで荒いですが、デザート代わりにでもなれば。
114名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:44:25 ID:lsN/fkUy
色々あった1日。夕暮れの町を浴衣姿の少女が4人、肩を並べて歩いている。
ハプニングも多かったけど、終わり良ければ全て良し。
夏の思い出としては中々悪くない1日だよね。

止まる事のないお喋りに花を咲かせてると、ふと川縁の柵から身を乗り出し
困った様子の数人の子供達が目に入った。

「どうしたの?」
祈里が声を掛ける。聞けば、縁日で買ったひよこの入った籠を
ふざけあっているうちに川へ落としてしまったらしい。
4人も柵から覗くと、土手の下を流れる川の中ほどに流木が
枝を突き出していて、丁度上手い具合に籠が引っ掛かっている。
幸いひよこも濡れてはいないようだ。
いつもなら土手を下りて川に入れば難なく取れるが、今日は数日前まで
降り続いた雨で水嵩がかなりましている。
普段は流れも緩やかで子供の遊び場にもなっている場所だが
今は大人の膝下くらいの深さはあるはずだ。

泣きそうになっている子供達を見て、何とかしてやりたいと思うが
何しろこちらも浴衣。いつもの軽装なら、任せとけ!とばかりに
胸を叩くだろうラブも手立てが思い浮かばず困り顔。誰か人を呼ぼうにも籠は
枝のほんの先に引っ掛かっているだけなので、風でも吹けば
あっという間に落ちてしまうだろう。
助けを呼ぶ間持つだろうか…。

「ちょっと!せつな?!」
ラブの祈里の思考は美希の悲鳴によって破られた。
「!!!」
「!!!」
「ん?」
せつなは浴衣の裾をぴらっと捲り上げ、白い太ももの半ばまであらわにしている。
そして端をはだけないよう帯の上部にぎゅぎゅっと押し込むと、
下駄も脱いで、よいしょ!とばかりに柵を跨いで土手を降りて行った。
115名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 22:46:47 ID:lsN/fkUy
せつなは不安定な足元を苦にする様子もなくするすると土手を降りて行く。
せつなの目的が分かった子供達も口々に声援を送る。「おねえちゃん、気を付けてー!」
「頑張ってー!」
せつなはザブザブと水に入ると、ヒョイッと籠を取り、子供達に手を振って見せた。

その後口々にお礼を言う子供達を見送ると、祈里は少し頬を染めながら
「せつなちゃん、これ…。」
とタオルを差し出した。
「あ、ありがとう。いいの?」
「うん、早く拭いて。浴衣下ろせないでしょ?」
せつなはタオルを受け取ろしたが、そこで
「ちょーっと待った!」と美希にタオルを取り上げられた。
「もう!そんな格好で屈んだら見えちゃうでしょ!あたしが拭いたげるから!」
でも、とせつながもじもじするも美希は返事も聞かずせつなの前にしゃがみ
ごしごしと足を拭く。
「ほら、肩に掴まって足上げて!ブッキー、ちょっとタオル汚れるけどゴメン。」
そう言って足の裏の砂を払い、下駄も履かせてやる。

祈里は気にしないで、とおっとり笑い、これまで何の役にも立ってないラブは
ポーッと頬をピンクに染め、目の前の光景に釘付けになっている。
せつなは美希と祈里に申し訳なさそうにおろおろしている。

その後、家路に付いた面々だが胸中は様々である。

「私、何かまずかったのかしら?何だか美希は怖いし、ラブとブッキーは
ぼんやりしてるし。精一杯頑張ったつもりなんだけど…。」
「せつなちゃん、すごいなぁ。運動神経もいいんだ。
それと、ブルーのパンツがチラッと見えた気がしたんだけど。
後で美希ちゃんにせつなちゃん今日のパンツ何色だったか聞いてみよう。」
「はぁ、ダメだわこの子。全く持って分かっちゃいないわ。
取り敢えず一から"女の心得"ってものを叩き込まないと!
危なっかしくてみてられないわ。」
「わはーっ!せつなの生足ゲットだよー!写メ撮っとけばよかった!
いやいや、むしろムービー?
うちに帰ったらもう一回やってって頼んじゃおうかなー?
ついでに帯くるくる〜ってやつも!だっはー!鼻血でるか!」

116名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:08:50 ID:C5KXzhNw
>>114
せつなの躊躇しないトコとかイイね。ほんと精一杯頑張ってる感じ出てます。

四人の展開GJ。予想に反してのブルーやラブのむっつり、大好きw
117名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:37:35 ID:298FkRDp
みんなに触発されて俺も一年振りくらいにSS書いたよ
久しぶりなんで文とかグダグダだけどね

取りあえず投下しますね
118名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:39:30 ID:298FkRDp
ポツポツと降り出した雨は、瞬く間に滝のような豪雨となった。
そんな夏の夜だった。

コンコン―――

「せつな、起きてる?」
「ラブ?」
雨音に混じって聞こえてきた声に、読みかけの本を閉じてせつなが答えた。
「起きてるけど一体どしたの?」
「ううん。別に大した事じゃないんだけどね…」
ガチャリとドアが開き、少しハニカミを見せてラブが入って来た。
とは言うものの、今は普段の彼女ならばとうに寝ているはずの時間。
何か特別な用でもあるのだろうか。
「ホント凄い雨だよね。すぐに止むかな?」
しかし別段そんな素振りも見せる事は無く、窓の方へと視線を向ける。
そしてそのまませつなの隣に腰を下ろし、更に言葉を続ける。
「あたしね、小さい頃こういう雨がすごく怖かったな。ひょっとしたらこのまま家も町も、
全部が水の中に沈んじゃうんじゃないかって思えて、すっごく怖かった…」
当事の感覚を思い出したかのように、ラブがそっと目を閉じた。
一瞬の沈黙。静かな部屋の中に、雨音がザーと鳴り響く。
「そう…ウフフ、今でも怖い?」
「どうかな。今は平気―――かな?」
そう言って、ラブもクスリと笑った。
119名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:40:50 ID:298FkRDp
それから暫く二人は他愛の無いおしゃべりを続けた。
雨はその間も衰えるどころか、ますます勢いを増しているようである。
と、ふと思い出したようにせつなが言った。
「ところでラブ、なにか用があったんじゃないの?」
「え?うん。あの、えーと…」
何故だろう、急にラブの態度がはっきりしなくなった。
その様子に「?」とせつなも小首をかたむける。
「どしたの?」
「はぁ…。その、実はね…」

とその時―――どがっしゃーん!!!

爆弾が爆発したかと思うような物凄い音だった。
そういえば、さっきから雨音に混じってゴロゴロと聞こえていたっけか。
「ふぅ…」
と、気持ちを落ち着かせるようにせつなが一つ息を吐く。
けれどさすがにこんな大きなモノは予想外で、まだドキドキが静まらない。
「すごいカミナリだったわね、ラブ………ラブ?」
言いかけてそれに気がついた。
「震えてるの…?」
確かに震えていた。
おまけに多分無意識的にだろう。その指はせつなの寝間着の裾を固く握っていた。
120名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:42:30 ID:298FkRDp
「ラブ…もしかして、怖いの?」
「…バレちゃった?」
全身の強張りを解きながら、照れたようにラブが答えた。
裾を掴んでいた指は、今はポリポリと頬を軽くかいている。
「実は小さかった頃、雨だけじゃなくてカミナリも怖かったんだ。普通のなら
今は平気なんだけど、こういう夏の特別なのはまだ何と無く苦手で…。それで―――」

がしゃーん!!

「ひゃっ!」
再び落ちたカミナリに、ラブが今度は腕にしがみついていた。
さっきだって、本当はこうしたかったに違いない。
「ラブ…」
そんな彼女に、慈愛に満ちた表情をせつなが向ける。
「それで私の所に来たのね」
それから、そっと自らの手をラブの手に重ね合わせる。
「でも大丈夫よ」
「あ…」
そして、優しくラブを抱きしめた。

ドクドクとラブの不安な鼓動が伝わってくる。
そのリズムに、抱きしめた腕にギュッと少しだけ力を込める。
「ラブが怖くなくなるまで、私がこうしてるから」
「せつな…」
「だから絶対に大丈夫」

そうよ。断言するわ。だって私はこうされる事の温もりを知っているもの。
イースだった頃に私を抱きしめてくれたラブ。あの時は必死に否定したけど、
本当は物凄く温かくて心地よかった。
だから今度は私が―――
121名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:44:25 ID:298FkRDp
「…ねえせつな?」
「なに?」
「カミナリが止んでも、今夜はこのままずっとせつなのそばにいて良い?」
「ええ、もちろんよ」
「良かった…」

ドーン!

と三たびカミナリが鳴った。
だけどラブの心は、もう乱れる事は無かった。

「…大好きだよ、せつな」
「私も大好きよ、ラブ…」

その言葉とともに、一つになっていた二人のシルエットが、少しだけ動いた気がした。


雨音はいつの間にか弱々しくなっている。
多分、もうすぐ止むのだろう。

そんな、とある夏の夜だった。


おしまい
122名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 23:46:13 ID:298FkRDp
見返すと支離滅裂だし、おまけにたいして百合じゃないしヤバイw

でも気にしない。ぐは
123名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 00:01:42 ID:xKqir3Mq
微百合の方が好きなんで無問題だ
もっとやっちゃってくり
124名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 00:12:26 ID:P0CcFR3p
>>122
ありえそうなシチュエーションがそそりますた
得意げに守るせっちゃんが良いな
125 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:41:11 ID:PccX4qQq
百合成分ちょいですが、投下します。
やっぱりせつな視点から離れられないwww

みんなでおうちでゆうごはーんの直後くらいの時期を想定しました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるねー」

ぎりぎりまで我慢していたのか、ラブが席を立ち
小走りで公園を突っ切っていく。

ドーナツショップは今日も賑わっている。

私が図書館で本を呼んでいるときに、友達にトリニティのビデオを
貸しに行っていたラブから電話があり、ドーナツショップで待ち合わせて
お茶しようということになったのだ。

テーブルに置いたままの、私の財布が目にとまった。
この世界に尖兵として来てから、はじめて「お金」というものを知り、
財布というものを持つようになった。

財布を開くと、写真のシールが貼ってある。プリクラというものだ。
ずっと前、ラブや美希、ブッキーと一緒にデートした時に
写真を撮り、ラブ達がそうしていたように貼ったものだ。

無邪気に笑う3人とは対照的に、ほとんど表情がない私がいた。
リンクルンを奪うために、ラブを騙していた頃の私。

ラブに貰ったクローバーペンダントは
大事に身につけていた。

「ずいぶんお気に入りだね」
サウラーから言われた言葉も、図星だった。

心の中にあるものを、邪気で塗りつぶしていた。
胸が苦しくなったのは、その頃からだった。

126 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:42:46 ID:PccX4qQq

「あっ、これまだ貼ってるんだ〜」
気がつくと、後ろからラブが覗き込んでいた。

「ねぇ、今からプリクラ撮りに行こうよ!
 私のこの写真、はがれちゃってさぁ」

「えっ...」

「うん!決まり!さ、晩ごはんも近いから急ごう!」

ラブが私の手をとり、クローバーボウルの方に走る。
つられて私も駆け足になる。

クローバーボウルの受付フロア端に、2台の撮影機械があった。
空いている1台にラブが飛び込む。

「ねぇせつな、どのフレームにする?」

「うん...これ...かな」

「よしっ、決まりぃ」

上下に飾りが付いた背景を選んで、画面にタッチした。

4枚撮影するようだ。

127 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:44:14 ID:PccX4qQq

「さ、ポーズ取って」

ラブは元気いっぱいの笑顔でカメラを見ている。
私は...笑おうと努力する。


1枚目を撮影したメロディが鳴る。


画面に出た私の表情は、案の定
私の財布に貼ってある写真と同じ。


やっぱり、生まれ変わったとはいっても
まだ心がぎこちない。


笑顔のない世界で生きてきた私が、
そう簡単に笑顔を手に入れることなんて、出来ない。


ましてや、人から笑顔を奪っていたこの私が。


どんよりした気持ちが私を包む。
何枚撮っても一緒だ。

いつか、ラブと一緒に笑って写れるのだろうか。


128 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:45:10 ID:PccX4qQq

いきなり、?x9830;にラブの唇が押しつけられた。

2枚目を撮影したメロディが鳴る。


「せつなー!大好きだよー!」

ラブが私の首に腕をまわし、
私の?x9830;にぐりぐりと頬ずりする。

「ちょ、ちょっと...!くすぐったいよ...!」


ストレートな言葉が心に響いた。

サウラーがオウムの羽根をばらまいたとき、ラブは
裏表のない心を露呈した。

ラブの言葉は、そのままラブの心なのだ。
素直に受け止めればいい。


心の中がじんわりと暖かくなった。


3枚目を撮影したメロディが鳴る。


4枚目を撮影したメロディが鳴る。

129 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:48:47 ID:PccX4qQq
文字化けしたスマソ
再アップします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いきなり、ほおにラブの唇が押しつけられた。

2枚目を撮影したメロディが鳴る。

「せつなー!大好きだよー!」

ラブが私の首に腕をまわし、
私のほおにぐりぐりと頬ずりする。

「ちょ、ちょっと...!くすぐったいよ...!」

ストレートな言葉が心に響いた。
サウラーがオウムの羽根をばらまいたとき、ラブは
裏表のない心を露呈した。

ラブの言葉は、そのままラブの心なのだ。
素直に受け止めればいい。

心の中がじんわりと暖かくなった。


3枚目を撮影したメロディが鳴る。


4枚目を撮影したメロディが鳴る。


130 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:50:06 ID:PccX4qQq

撮影が終わり、4枚の写真が画面に揃った。

2枚目から4枚目の写真を見て、
私はそこにあるものが信じられなかった。


ラブにキスされてびっくり、真っ赤な顔の私

ラブとほおを合わせ、満面の笑みを浮かべる私。


自分では絶対に出来ないと思っていた表情。


「いい写りのを選んじゃおうっと」

選んだのは、ラブと私が満面の笑みを浮かべている写真と
ラブが私にキスした瞬間の写真。

ペンを取り出して何やら書いている。


「さ、出来た!外に出てくるよ!」

ラブが私の手を引いて外に出る。


ほどなく、写真がコトリと落ちてきた。

ラブが私にキスしている写真には
「せつな」「ラブ」の文字と「大好きだよ!」の文字

2人が笑顔の写真には
「せつな」「ラブ」の文字と「ずっと一緒だよ!」の文字



胸が熱くなり、鼻の奥がツーンとする。
こんなに、幸せな気持ちになっても良いのだろうか。


私も、素直な心を、伝えたい。

131 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:51:33 ID:PccX4qQq

「...どうしたの、せつな?」

「...ありがとう。ラブ」


ラブの手を引き、もう一度プリクラの機械の中に引き込む。
「ん?また撮る...」

言い終わらないうちに、ラブのほおに口づけをした。


「おかえし。私も大好き。」


一瞬目を見開いて止まったラブの表情が崩れる。

「...わはー!自分もやったけど、何か照れるねー!」

「うふふっ」



出てきた写真を分け合う。

「キスの写真はさすがに貼れないなぁ」
「ふふっ、そうねぇ」


私は2人笑顔の写真を、前に撮った写真の横に貼った。


ふと、ラブの財布を見ると、前に撮った写真は
大事に貼られてあった。



やっぱり、ラブは何もかもお見通しのようだ。

132名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 00:52:11 ID:+1dTuI4q
フレプリ本スレから来たけど職人多いなココ。保管庫とか無いの?過去物とか見てみたいな。つかEVAのSS以来の衝撃が俺を襲ってる。GJすぎ、マジでwいろんな種類あるし。住人になっちゃうわ
133 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:53:08 ID:PccX4qQq

寝る前に、もう一度財布を開く。


前に撮った写真。

無表情の私。
自分の心を塗りつぶし、もがいていた私。


そっと話しかける。


辛いでしょ。でももう少しの辛抱よ。

自分の心に素直になったら...


新しく貼った写真に視線を移す。


そこには、大切な人と寄り添って
幸せいっぱいの笑顔を振りまいている私がいた。

134 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 00:54:48 ID:PccX4qQq
以上です。

明日(今日か)から仕事なんでorz
投下ペースは著しく落ちると思いますが
妄想は止まらないのでwww、たまったらまた投下します。
135名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 01:08:58 ID:sbySAHbj
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおつうううううううううううううううううううううううううううう!
136名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 01:17:34 ID:/Kp1nLYk
>>114
ごちそうさまです
前作の黒いラブも好きだが今回の面白4人組もなかなか
シチュエーション作りが上手いっすね
137名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 01:50:09 ID:AZtH34CJ
GGGGGGGGGGGGGGJ!!!!!!!!
>130とかもう、心を打たれましたよ。
138 ◆51rtpjrRzY :2009/08/17(月) 02:51:41 ID:hQiX2ypS
>>90
説明不足失礼しました。このスレではそう名乗られては?ってことです。
まあ戯言なんでお気になさらないで下さい。
勢いだけで書いたんでGJとか言われると恥ずかしいです・・・穴だらけだし。

しかし腕の立つ人多いなここw
13910 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:05:20 ID:qVWpDoru
ども。トリップ付けてみました。


28話、いい感じでございました。
そのIF。もしもパッションが思い出の世界に送り込まれたら、というSS。

ネタバレなので、最新28話をまだ見られてない方はご注意ください。

思いの外長くなりました。8レスほど、お借りします。
140 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:07:01 ID:qVWpDoru
 思い出?
 私には、戻りたい思い出なんて、ない。



    Memories of Love



「はぁぁぁぁっ」

 力を溜め、一気に跳躍する。その鋭い視線の先には、一眼の怪物の姿。

「ハイ、チーズ!!」

 クルクルと回る三脚の一本にしがみつき、鉄棒の要領で体を回転させて蹴りを
浴びせるが、

「くっ!!」

 瞬間移動のように消えるナケワメーケに、空振りに終わってしまった。
 タタッ、と着地するキュアパッション。その隣に、ベリーとパインも降り立って。

「強い......!!」
「――――でも」
「負けられない!!」

 ボロボロに傷付きながらも、少女達は立ち上がる。ナケワメーケの攻撃によっ
て思い出の世界に送られたピーチ。
彼女の目覚めを信じて。

「愚かだな。もう目覚めることなど無い仲間を待ち続けるとは」
「いいえ!! ピーチは絶対に、帰ってくるわ!!」
「ええ!! わたし、信じてる!!」

 サウラーの言葉に、肩で息をつきながらも、ベリーとパインは力強く返す。そ
の様に、苛立たしげに眉を顰めた彼は、

「ふん、愚かな。やれ、ナケワメーケ」
「ハイチーズ!!」

 再び突進してくる巨体に、三人は大地を蹴って飛び退った。ドン、と怪物の足
がアスファルトに大きな穴を開ける。

「――――!? ピーチ!!」

 衝撃に崩れるビル、飛び散る瓦礫。その一つが一直線に向かう先を見て、パッ
ションは凍りつく。

「あわわわわ」
「プ、プリプー!!」

 タルトとシフォン、そして眠っているかのように目を閉じているピーチ。この
まま行けば、あの瓦礫は彼女達を押し潰してしまう。
141 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:10:22 ID:qVWpDoru
「――――くっ!!」

 空中で強引に体を捻り、ビルの壁を蹴って、パッションは勢い良く飛んだ。

「も、もうあかん〜」

 迫り来る巨大な物体に、ガバッとタルトがうずくまってしまった瞬間、

「はぁぁぁぁ!!」

 彼女はその瓦礫に体ごとぶつかっていった。ドン、と大きな音と共に、瓦礫は
方向を変える。そしてピーチ、タルト、シフォンの誰にも傷を付けず、地面に
落ちて大きな土ぼこりをあげた。

「パッション〜」

 危なかった。思いながら着地したパッションは、シフォンの可愛らしい声に微
笑を返そうとして、

「――――うっ」

 脇腹を抑える。空中で急に体勢を変えたから、痛めてしまったらしい。無論、
耐えられないという程ではない。事実、彼女が顔を歪めていたのは、ほんの一瞬のこと。
 だがその一瞬の隙を、ナケワメーケは見逃さなかった。

「ハイ、チーズ!!」
「えっ!?」

 動きが止まった瞬間を、狙われて。
 目の前に閃光が走ったと思った瞬間、キュアパッションは意識を失ってしまっ
たのだった。
142 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:12:25 ID:qVWpDoru
「スイッチ・オーバー!!」

 イースの姿から、彼女は東せつなへと変わる。

「――――え?」

 それを見たピーチの顔に、驚愕の表情が浮かんで。

「せつな――――? どうして、せつなが......?」
「ピーチ!! 彼女は敵よ!! せつなは、ラビリンスだったのよ!!」
「そんな......」

 駆けつけたベリーの言葉に、ピーチは体を震わせる。

「嘘......だって、せつなは、アタシの友達で......」

 彼女の脳裏を過ぎる、数多の記憶。せつなと過ごした時間が、その光景が、心
に浮かび上がって。

「嘘......」

 信じたくない。思いと共に溢れた言葉は、あまりにか弱く。
 イースは、暗い目で、ピーチを見つめる。

「私の目的はただ一つ」

 言いながら、彼女は首にかけていたペンダントを地面に落とす。

「お前達を倒すことだ」

 そして四葉のクローバーをヒールで踏み割ろうとした瞬間。

「――――!?」

 彼女の動きが止まった。呆然としたまま、自分の両の手を見つめるせつな。不
可思議な彼女の行動に、戸惑うプリキュア達。

「ピーチ、ベリー、パイン――――ここ、は?」

 言いながら、せつなはあたりを見回す。目の前に広がるのは、破壊されたスタ
ジアム。すでに主のいないステージは、がらんとしてどこか物悲しい。
 そこでようやく気付く。そうだ。私はナケワメーケの攻撃を受けて、思い出の
世界に飛ばされたんだ。でもどうして――――
143 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:14:25 ID:qVWpDoru
「――――!!」

 慌てて彼女は、足をどかしてかがみこんだ。

「良かった。壊れてない」

 まだ体重をかける前だったからだろう。四葉のクローバーのペンダントは、少
し汚れてはいるものの、割れてはいなかった。
 ホッとして、胸にそれを抱きしめるせつなの姿に、ピーチ達は呆然とする。つ
い先程――――ほんの一瞬前までは、憎悪の黒いオーラを放っていた彼女が、
今は穏やかな顔をしている。あまつさえ、自分で踏み潰そうとしていたペンダ
ントが壊れていなかったと、涙ぐんでさえいるのだから。

「せつ、な?」

 変身を解き、ゆっくりと近付いてくるラブに、せつなはニッコリと微笑んで見せた。

「壊れてないよ。四葉の、クローバー」

 そう言った瞬間。
 ナキサケーベを操っていた体が限界を迎えて。彼女はふらり、と前のめりに倒
れ込む。

「せつな!? せつな!!」

 心配そうに駆け寄ってくる、ラブの声を聞きながら、せつなは思う。
 これが――――私の、戻りたい思い出?
 心の中でそう呟きながら、ゆっくりと彼女は意識を失ってしまったのだった。
144 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:17:03 ID:qVWpDoru
「――――!?」

 かけられていたタオルケットを跳ね除けながら、せつなはガバッ、と体を起こす。

「あ。起きた? せつな」

 タオルを絞っていたラブが、振り向いて笑いかけてくる。半分、朦朧とした意
識で辺りを見回す。ここは――――ラブの部屋だ。

「急に倒れこんじゃったから、ビックリしたよ。やっぱり、あの怪物を操るので、
消耗しちゃってたんだね。それで、うちにつれてきたんだけど、目が覚めて良かった」

 言いながらラブは、机の上の皿を手に取り、せつなに差し出す。その上には、
皮をむかれて切られた、瑞々しい白桃。

「よく冷えてて、とってもジューシーだよ。食べて、元気を出してね」
「――――うん」

 言われるがままに、彼女はフォークでそれを一つ、口に運ぶ。噛んだ瞬間に、
口の中に広がる果汁。その甘みに思わず、

「美味しい」

 せつなはそう呟いた。その顔を見て、ラブはニコニコと笑う。

「良かった。せつな、元気になったみたいで」
「――――ありがと、ラブ」

 言って、せつなは食べ終えた皿を机の上に戻そうとして、

「あ......」

 そこに置かれたものに気付く。それは、彼女がいつも首からかけていた、四葉
のクローバーを模した、緑の綺麗なペンダント。
 せつなはそれを手に取って、マジマジと見つめる。
 壊れてない。綺麗なまま。私と、ラブとの間を結んでいた、絆。

「せつな――――?」

 不思議そうに見つめてくるラブに、彼女は誤魔化すように笑いながら、ベッド
から起き上がる。

「あ、せつな。まだ寝てなくちゃダメだよ」
「トイレに行きたいだけよ」
「なんだ、そっか。トイレならね」
「大丈夫、知ってるわ」
「え? なんで? せつな、うちに来たことあったっけ?」

 怪訝そうな彼女に微笑を返してから、せつなは一人、廊下に出た。
145 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:19:10 ID:qVWpDoru
 トイレから戻ってくる時に、もう一つの部屋の扉が目に入った。現実の世界で
は、せつなのものになった部屋だ。『せつな/SETSUNA』と書かれたプレートは、
しかしこのドアには、かかっていない。そっとノブを開いて中を覗くが、そこに
は彼女の机も、彼女のベッドもない。だいたい、今、自分が着ているパジャマだ
って、ラブのピンクのパジャマだ。
 やっぱり、違うのね。
 思いながら扉を閉めると、階段を上ってくる足音が二つ。
 そちらを振り向くと、色々な荷物を抱えた美希と祈里、そしてタルトとシフォ
ンの姿がそこにあった。

「せつな」
「せつなさん......」

 体を強張らせる二人。そのどこかよそよそしい態度に、せつなは苦笑する。本
当に、違う。

「そんなに心配しないで、美希、ブッキー。私はもう、イースじゃないわ」
「へ?」
「せつなさん、今、ブッキーって呼んだ?」

 驚きに目をパチクリとさせる美希と祈里に笑いかけながら、せつなはタルトの
背中からシフォンを抱え上げる。

「ああ、なにするんや!!」

 慌てるタルトをよそに、彼女はシフォンを抱え上げた。不思議そうな顔をして
いたシフォンだったが、せつなの見せた笑みに、キャッキャと喜びの声を上げ出して。

「どうなってんの?」
「さぁ......」
「ほんまに、イースやないんか?」

 口々に戸惑いを現す彼女達に、シフォンを抱きかかえたまま、せつなは真剣な
表情になって言った。

「詳しいことは、これから話すわ。ひとまず、ラブの部屋に戻りましょう」

 言って背中を向けるせつなに、美希達は結局、最後まで唖然として顔を見合わ
せていたのだった。
146 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:27:25 ID:qVWpDoru
「思い出の、世界......?」
「ええ、そう。私はキュアパッションとして生まれ変わって、皆と一緒に戦ってる。
けれど、ナケワメーケの力によって、この思い出の世界に送られてきてしまった」

 ベッドに腰掛けて話すせつなの言葉に、少女達三人は戸惑いを隠そうとはしな
かった。無理もない、とせつなは思う。いきなり言われたところで、にわかに受
け入れられるものではないだろう。

「アタシ、信じるよ!!」

 そう思っていたせつなだったが、しばしの沈黙の後に、ラブは突然、勢い込ん
で言った。

「せつなが言うことだもん。嘘じゃないって、アタシ、信じるよ」
「でもせつなは、自分がイースだってことを隠してたのよ?」

 ラブの言葉に、美希は冷静な一言を浴びせた。思わず、せつなは目を伏せる。
向けられているのは、疑いの眼。仕方のないことだとわかっていても、辛い。
現実の美希を知っているから、なおさらに。

「けど、美希タン......」
「ラブ、貴方の信じたい気持ちはわかる。けれどね――――」
「プリプー!!」

 ラブの言葉を遮り、言い募ろうとした美希。だが突然に、シフォンの額のマー
クが光り、ラブの部屋の窓を照らし出す。

「な、なに?」

 驚きの声を上げる少女達の前で、窓ガラスの向こうの空が消える。そこに映し
出されたのは、ピーチとパッションの体にすがりつく、キュアベリーとキュアパインの姿だった。


「これで、後は二人」

 ほくそえむサウラーを、ベリーとパインはキッと睨みつける。

「よくもピーチとパッションを!!」
「許さないんだから!!」

 飛び掛る二人だったが、ナケワメーケが彼らの間に割り込んで襲い掛かってくる。

「!!」

 咄嗟に二人は、互いの掌を押し合い、ナケワメーケの放つ光をかわした。その
まま別々のビルの屋上に降り立ち、再び構えを取る。その体は、何度も跳ね飛ば
されたせいか、すでにボロボロで埃まみれだ。
 それでも、彼女達は立ち上がる。

「往生際が悪いね。もう諦めたらどうだい?」
「誰が諦めるもんですか!!」
「ピーチもパッションも、必ず戻ってくるって、わたし信じてる!!」

 言葉と共に駆ける二人。三人でも厳しかったのに、二人になってしまっては勝
てる気がしない。
 だがベリーもパインも、決して心が折れることはなかった。それは、仲間が帰
ってくることを信じているから。
147 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:30:45 ID:qVWpDoru
「あれは......あたし達?」
「あそこにいる赤い人が、キュアパッション?」

 美希と祈里の言葉に、せつなは頷く。シフォンの力が働いているのだろう。だ
からこうして、現実の世界を垣間見ることが出来た。

「やっぱり、せつなが言ってることはホントだったんだ!! ね、美希タン」
「はいはい、どうやらそうみたいね」

 顔を輝かせながら言うラブに、美希は苦笑しながら頷いた。そして彼女は、せ
つなに目を向ける。

「せつな、一つだけ教えて?」
「なに?」
「どうしてせつなは、この時間にきたの?」

 同じことを、ラブも祈里も思っていたのだろう。向けられる三人の視線に、せ
つなは首からペンダントを外して手に持った。

「多分、これのせい」
「幸せの、四葉のクローバー?」
「ええ。ラブからもらった、私の宝物――――だけど、私はこれを壊してしまった」

 東せつなにとって、思い出と呼べる程のものは多くない。何故なら、ラビリン
スにいた頃の、イースであった自分に、戻りたいと思える記憶はなかったから。
生まれ変わってからのほんの一月ほどこそが、これまで何よりも大切な時間。
だがそれは、思い出と呼ぶ程、色あせているわけではなくて。
 だから、ナケワメーケの攻撃を受けても大丈夫だと思っていた。しかし実際には。

「戻りたい思い出の世界に送り込めば、そこから帰ってこれなくなる――――サ
ウラーはそう言ってたわ。私には戻りたいと思える記憶はないと思ってたけれど、
一つだけ、あったみたい。多分それは、すごく、後悔してたから」
「ペンダントを、壊したことを?」

 ラブの言葉に頷いたせつなは、穏やかな目で彼女を見つめた。

「でも、やっぱり違った。たとえペンダントを守れたとしても、私はこの世界に
ずっとはいられない」

 だってこの世界には、私の部屋はないから。私の机も、私のベッドも、私のパ
ジャマもないから。
 ラブと戦って、寿命が来て、生まれ変わって、桃園家の家族となって。
 その全ての記憶は、確かに愛おしい。けれども、その過去よりも、これから先
の未来への希望の方が愛おしい。
 ペンダントを壊したことは、これから先もずっと、後悔するだろう。けれどそ
れよりももっと大切なものを、私は手に入れた。

「それに、私には待ってくれてる人がいる。だから――――私、帰るわ」

 窓ガラスには、戦い続けるベリーとパインが写っている。彼女達の為にも、自
分は、戻らなくてはいけない。
 せつなが強く決意すると共に、彼女の体が光に包まれていく。その手に持って
いたペンダントは、ゆっくりと粉々に砕けていった。いつか、彼女が踏み潰した
時の姿に戻ったのだろう。
148 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 03:39:18 ID:qVWpDoru
「待って、せつな!!」
「え?」

 ラブが声と共に、せつなの手を掴み、美希と祈里を見た。目で語り、頷きあう
三人の少女達。そして重なる、四人の手。

「ペンダントは、もうないかもしれないけれど」
「見えなくてもきっと、あたし達との絆があるから」
「わたし達四人で、四葉のクローバーだよ」
「みんな......」

 彼女達の笑顔に、せつなは目をうるませる。
 そうだ。これもまた。
 手に入れた大切なものの一つ。



『きゃぁぁぁっ』
「あわわわわ、こらあかん!! ピーチはーん、パッションはーん、目ぇ覚まして
ぇな」

 吹き飛ばされるベリーとパインに慌てながら、タルトは必死に二人に声をかける。

「何度も言うようだけれど、無駄だよ。甘美な思い出の世界から、戻って来たい
と思う人がいるかい? 時間の無駄だから、早く諦めたまえ」
「そうはいかない」
「――――なに?」

 言葉と同時に立ち上がるキュアパッションに、サウラーは驚きの声を上げる。

「パッションはん!!」
「キュアキュアー♪」

 驚くタルトと嬉しそうなシフォンに笑いかけてから、パッションは再び宙を舞う。

「やっ!!」

 サウラーの動揺が伝わったのか、動きの止まったナケワメーケに、パッション
は蹴りを叩き込んだ。ずんっ、と地響きを立てて倒れる怪物の前に、パッション
は立ちはだかる。

「パッション!!」
「良かった......本当に......」
「ベリー、パイン、お待たせ!!」

 歓喜の声をあげて駆け寄ってくる二人に、パッションはもう大丈夫とばかりに
微笑む。

「これであとはピーチだけね」
「きっと、すぐに戻ってくるわ」
「うん!! わたし、信じてる!!」

 漲る力で三人は。

「えぇい、やってしまえ、ナケワメーケ」
「ハイ、チーズ!!」

 再び怪物へと飛び掛っていったのだった。
149名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 07:55:53 ID:8k/LJuAX
。・゚・(ノД`)・゚・。
150 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/17(月) 09:45:36 ID:qVWpDoru
そんなわけで。

ここからはテレビ放映された通りです。


>>93さん感想、ありがとうございました。元気とやる気が出ますw
社会人は大変ですよね。私も今日、会社。お盆休み取れなかったですよ。


>>138さん、色々気遣いありがとうございます。GJですよ〜勢いなのは私も一緒
ですw 勢い大事ですよね。

ともあれ皆様。よろしくお願いいたします。
151名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 10:46:21 ID:Ila9HWeM
なにがどうなってこんなに活気づいてるwwww幸せ過ぎて涙滲んだ
152名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 11:41:20 ID:+1dTuI4q
>>151
俺も昨日北ばかりで把握出来てないんだが、夜に職人たちが降臨して投下してくらしい。
一通り読むと大抵が神的良作。残念なのは18禁板だって事と、昼間に投下がないっ事かw
俺も作ってみたいが職人に期待した方が無難だな
153名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 11:54:18 ID:orae+eH5
>>134
ラブの気遣いがマジで泣ける
キスや頬擦りは欲望のままの行動だろうけどw
せつなが幸せになれて良かったわー
GJ!
154妖精さんは見た? 1/2:2009/08/17(月) 13:25:42 ID:VM5Fqitj
なあシフォン、ちょっと聞いて欲しいんやけどな。
いや、別に難しい話やあらへん。かるーく聞いてもらえればいいんや。

実はな、話っちゅーのはピーチはんとパッションはんの事なんや。
あの二人、昨日もやったけど最近夜になるといつもパッションはんの部屋に行ってまうやろ。
おまけにその間、ワイらのこと絶対に中に入れてくれへん。
いったい何してるんやろとずーっと気になっとったんや。
シフォンもそうやないか?

うん。そうやろ。気になるやろ。
でな、ここからが本題なんやけど、ワイ知ってしまったんや。
あの二人が中でなにしてるか知ってしまったんや〜。
ええか、今から言う事は絶対ナイショにせなあかんで。
よし、ほな言うからな。
あの二人はな、ピーチはんとパッションはんはな……「いんぐりもんぐり」しとったんや!!
どや、驚いたやろ!


…そのポカーンとした顔は何?
何のことだかさっぱり分からない?
まあ確かにシフォンにはちょっと早すぎたかもしれへんな。
「いんぐりもんぐり」言うのはな、その、なんや、女の子が二人で
お互いにキャッキャウフフ、イヤンダメヨする…みたいな?そんな感じ?
155妖精さんは見た? 2/2:2009/08/17(月) 13:27:25 ID:VM5Fqitj
まあ正直言うとな、ワイにもよう分からんのや。
ピーチはんのベッドの下にあった漫画に、なんかそんな感じの
モノがあったさかい言ってみたんや。
あ、でも二人が夜な夜な「いんぐりもんぐり」な事してるのは絶対に間違いないで。
そこだけは忘れんように頼むな。

しかしけったいな漫画やったなあ。
お笑いがある訳でもなし、あんなもん読んで何が面白いんやろ?
ピーチはんの考える事はイマイチ分から……
ん?シフォンどないした。プリプーてなんや?後ろ?
後ろて、まさかピーチはん達が後ろにおるとか、そんなベタな事―――


ぎゃー!!おったで!!
しかも物凄い目で睨んどるがな!
あの、ちなみにどの辺から聞いてましたの?
なるほど「いんぐりもんぐり」しとったんや、のあたりからでっか…てめっちゃ最初の方やん!
ひー、堪忍してや!

…え?許してあげるからジュースでも持って来い?
おおきに〜!まさに天使、女神、ピーチ様!
じゃあすぐ持ってくるから、ちょっと待っててや。
ほら、シフォンも行くで!

―――バタン!

「ったくもう。タルトってばシフォンにロクな事教えないんだから」
「本当よね。それにひどい勘違いもしてたわ。私とラブは毎日なんかしてないのに!」


おしまい
156名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 13:29:17 ID:VM5Fqitj
>>152
適当だけど昼間でも作ってみたぜ

しかし明日から仕事再開なのにこんな事してていいのかw
157名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 13:59:14 ID:YYsl2vGj
なんかいつの間にかSS専用みたいな感じになってんのな
158名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 14:04:19 ID:CuaoY4Bd
>>157
雑談ありSSありでお得じゃないか
159名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 14:08:54 ID:xNgOnyhj
>>155
せつなさん何日に何回のペースなんですかw
160名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 14:14:30 ID:ENPL1ekO
引っ込み思案なブッキーが完璧な美希たんに憧れと独占欲を抱く
美希ブキ美希が最近のブームだ
161名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 14:57:04 ID:+1dTuI4q
雑誌も桶なんだw
新参でスマソ。あ、タルトで作ってくれた人面白かったよ。関西弁だから妙にエロかったw

俺は美希たんが女王様気取りでラブ・ブッキー・せつなを落としていくパターンが好き鴨。

てか出番少なくて百合にすら発展しないのか…
162名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 15:00:43 ID:+1dTuI4q
ごめん、雑誌→雑談ね。
163名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 16:28:10 ID:PMofsZnK
元々雑談中心のスレだったからね。SSが投下され始めたのは比較的最近。
前スレでの美希せつ小説が忘れられない。本編でもっとみきたんメイン回を増やしてほしいものだ。
164名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 16:49:26 ID:KA9548gB
Memories of Love
アナザーストーリーすごく素敵でした!

妖精さんは見たの最後オチにワロタw
165名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 16:58:52 ID:M0wrQQ73
>>163
ttp://ikomaru.blog76.fc2.com/blog-entry-24.html
美希せつってこれのことか?
そろそろ本気で保管庫が欲しいな。
166名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 17:05:46 ID:EH+qCyFH
他スレでは青はいらない子扱いされてるのをよく見るけどここはあたたかいんだなw
ラブせつ最高や!
167名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 17:22:47 ID:0Gy6knmj
>>154-155
ワロタw
ベッドの下に参考書が。
ラブはん今回の有明の成果はいかほどでしたかいな。w
168名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 17:31:35 ID:+1dTuI4q
やっとスッキリした。やっぱ保管庫無いのな。これでゆっくり寝れるw

美希たんいらないとか終わってんな。チームでゆー所のキャプテンだろうが。ラブはリーダーでブッキーは学級委員長でせっちゃんはエース。

意味一緒とかの突っ込み無しねw
この四人が百合なら俺もうどうなってもイイわ…
169名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 18:40:03 ID:xNgOnyhj
せつな「はぁ…」
溜息をついた。何度目だろう?数えるのも馬鹿らしいくらいの回数だってのは分かる。
何故、溜息をつき続けてる理由は悩んでいるからだ。
私がこの世界で東せつなとして暮らし始めて、こんなに悩んだ事は無い。
せつな「は〜ぁ…」
そしてまた一つ溜息の回数がカウントされる。
悩みの原因は先日の出来事にある。
 
 
祈里「せつなちゃん、あのね…。私せつなちゃんが好き…」
ブッキーからの突然の告白だった。
あまりにも突然過ぎて声すら出せなかった。
ブッキーはすぐに返事しなくていいからとその場を走り去ってしまった。
これが悩みの一つ。
そう…。悩みはまだある。
ブッキーに告白された日の夜。ラブが私の部屋にやってきた。
ラブが私の部屋に来るのは珍しい事ではない。むしろ習慣になってると言ってもいいかもしれない。
しかしその時のラブはいつもと様子が違っていた。
普段は元気に部屋に入ってくるのだけれど、今日はやけにおとなしい。
ラブ「ねえ、せつな。私達って友達?」
ラブの口から出たのはラブらしくない台詞だった。
せつな「ええ、勿論よ!」
私は即答した。ラブが友達じゃなかったら何だと言うのだろう。
だけどラブは私を友達と思っていなかった。いや、思えなくなっていたようだった。
ラブ「私ね、せつなと友達以上の関係になりたいと思ってる。親友じゃなくて、恋人として…」
私はその時も声が出せなかった。きっと迷いが思い切り表情に出てたのだろう。
ラブ「おやすみ、せつな。また明日ね」
それを察したのか、ラブは優しい笑顔で一言呟くと、私の部屋を後にした。
 
 
それが先日の話。私はどうしたらいいんだろう…。
ラブもブッキーも好き。だけど、どちらかと付き合うとなった時に私達三人の関係が壊れるかと思うと恐い。
だけど、二人の告白を断るのも、このまま保留にするのもよくないと思う。
せつな「はぁ〜…」
机に突っ伏したまま溜息を漏らす。あと何回漏らせばこの悩みは解決するのだろうか。
 

ごめん限界。精一杯頑張れなかった。
170名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 19:37:55 ID:G2pewDDS
間を取ってあた美希ちゃんと付き合えばいいと思う! あたし完璧!
171名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 19:44:43 ID:EAKWdCxM
ミユキ「……」
172名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:30:59 ID:zoE98/eM
>>60-61の黒ラブ書いたものです。
感想書いて下さった方もいてるのに、レス返せなくてすみません。


何人か続きを読みたいと言ってもらえたんで、書いてみました。
ただ、長くなった上にまだ途中で前半だけですが。

ラブ、相変わらず暗いんでご注意を。
エロ有りです。
173名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:32:49 ID:zoE98/eM
1

夕陽で赤く染まった室内に湿った荒い息遣いと濡れた音が響く。
ごく普通の居心地の良さそうなリビング。けど、その真ん中に据えられた
ソファーの上ではとても普通とは言えない光景か繰り広げられていた。
絡み合うのは二人の少女。一人は着衣をこれでもかと言わんばかりに乱され、
喘ぎながら咽び泣いている。
その上に全裸の少女が覆い被さり、下になった少女の全身をまさぐっている。

せつなが着ていたのは生成りのシャツワンピース。そのボタンを腹まで外され
胸元も露にはだけられ、白いブラはずり上げられ乳房を剥き出しにされている。
スカートは腰の上までたくしあげられ、片方の足をソファーの背に、もう片方は
床に落とされこれ以上は無理なくらい足を開げさせられている。
ラブはその足の間に顔を埋め、無心に舌を使う。
ピチャピチャと犬が水を舐める様な音をたて、ガクガクと腰を震わせる
せつなを押さえ付けながら攻め立てる。

「はあっ……はあっ…、ふぅっ…んん!」
ラブの舌が動く度に足首に下着が絡んだままの足がピクピクと揺れる。
せつなはラブの湿ったままの髪を力無く引っ張りながら、
ただひたすら気の狂いそうな性感に耐えていた。
174名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:34:57 ID:zoE98/eM
2

ラビリンスにいた頃のせつなは、最前線で働く為の戦闘要員だった。
幼い頃から己を律し、鍛え、学び、一切の欲望を排除した生活を送っていた。
性的な知識が無いわけではないが、それは人間の体の構造を学ぶ上での
一行程であり、生殖の為のものであり、まだ年若く、しかも戦士として
いつ出撃命令が出るか分からない自分には無縁のものだった。
仮に後に遺伝子を残す為に妊娠・出産を命じられる事はあったとしても
そんな事はその時なればお膳立てが整っているはずで、自分はただ
言われた通りにするだけの事だった。

だから何も知らなかった。他人の手が、唇が触れるとどうなってしまうのか。
真摯な眼で見つめられ、抱きすくめられたら動けなくなってしまう事を。
ラブの冷えきった唇に自分の唇を塞がれた時、せつなは反射的に
相手をはね除けそうになった。
でも、ラブの眼を見てしまった。ほんの数センチ先にあるラブの瞳。
鏡の様に静かなのに、その奥に狂おしい程の思いを押し込めていた。
どんなに欲しても与えられない。身を捩る程に渇望しても
決して自分には手に入らない。
苦しくて苦しくて、だからそんな思いは最初から感じて無いんだ、そんなもの
欲しがる自分なんて存在しないんだと自分を騙し。
けど時折暴れ出す心を御し切れなくて…。


そう、かつての自分だ。


逃げちゃいけない。そう思った。ここで少しでも拒否する仕草を見せれば
ラブの心には取り返しのつかないヒビが入ってしまう。
体から一切の力が抜けた。
(ラブ…大丈夫よ…。)
貴女は私とは違う。どんな闇と向き合っても染まってしまったりしない。
それに、ちゃんと伝えなければならない。



貴女が心から望んでいるモノ。それは決して手の届かないモノではないのだ…と言う事を。
175名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:36:20 ID:zoE98/eM
3

ラブは無抵抗なせつなの体を恣に貪る。まだ14歳の少女に愛撫の仕方など
分かるはずもない。
ただ同じ体を持った同性。どこをどうすればどんなふうに感じるかは分かる。
慣れないうちは敏感な部分への強い刺激は快感より苦痛の方が大きいと言う事も。
ラブわざと敏感な部分を執拗にいじくり、弄ぶ。
せつなの反応を見れば、乏しい自慰の経験しかない自分よりも遥かに
性的な経験がないように感じられる。
もしかしたら、一度も自分で触れた事すらないのかも知れないと思った。

乳首に歯を立てる度に大きく背を反らせ、陰核の柔皮を無理やり捲り
中の突起を強く吸えば、啜り泣きどころではない悲鳴に近い泣き声をあげる。
ぴったりと閉じた膣に無理やり二本の指を捻り込む。指を押し出そうとするかのように
きつくすぼまった肉が蠕動する。

「あっ…あっ…あぁっ。……いっ…つぅ……。」
指が深く埋まって行くにつれ、せつなはか細く泣き、目尻に涙が溜まっていく。
(痛いんだろうな。)
ラブはそう思いながらも指を根元まで納め、内壁を広げるようにグニグニと
動かす。
ラブ自身も自分を慰める時に、こんなに深く指を入れた事はない。
せつなにとってもこの行為が苦痛でしかない事くらいわかる。
唇を抉じ開けるように舌で口腔内を蹂躙する。柔らかな下唇に
歯を立てると、ラブの中に鉄の香りが滲む。
指で中を犯しながら、膨れた外側の突起を捏ねる。
せつなの体が跳ね、塞いだ唇の隙間からくぐもった呻き声が漏れる。

「…ぅふ……んぅっ…んくっ…」
せつなの痙攣がある程度治まると、ラブは唇を解放し、ゆっくりと指を引き抜いた。
ぬらぬらと光る指を見ると体液に薄赤い色が混じり、下敷き
になっているワンピースにも同じ色の染みが出来ている。
それが破瓜の血になるのか、それとも乱暴な挿入で粘膜が傷付けられて
出たのかはわからない。
でも、相当苦しい思いをさせただろう事は想像が付く。

(こう言うのでも処女奪っちゃった事になるのかな……)
ラブは暗い喜びを感じている自分に苦笑した。

せつなはここまでされても抵抗の片鱗すら見せない。
『イヤ。』『やめて。』と無意識に口をついて出そうな言葉すら口にしない。
ただ、涙を流しながら責め苦のようなラブの愛撫に打ち震えている。
176名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:37:47 ID:zoE98/eM
4

「どうして?」

せつなは最初、自分が無意識に言ってしまったのかと思った。
でも、その言葉を発したのはラブの方。
霞む眼をそろそろと上げるとラブが見下ろしていた。

「ねぇ、どうして、せつな?嫌じゃないの?嫌でしょ?こんなの。」
確かにせつなならラブを跳ね返す事くらい訳はない。
プリキュア状態ならともかく、生身なら身体能力も体力も
せつなの方が遥かに勝っている。
(あたし、同情されてるの?可哀想って思われてる?)

もしそうなら惨め過ぎる。罵倒されても、軽蔑されても仕方がない。
でも憐れまれるのは嫌だ。どこまでも自分本位だとは分かってる。
それでも……

「それともなに?せつな、こう言うの好きなの?気持ちよくなっちゃったの?」
恐らくラブは下卑た笑いを浮かべたつもりだったんだろう。
でも、せつなには、それは泣きたいのを堪えて顔をくしゃくしゃにしてる
小さな子供にしか見えなくて…。


「だって、ラブが泣いてるから。」


いつか、どこかで聞いたような台詞だ。あなたの心が泣き叫んでる……。
辛くて、苦しくて、どうしようもない……いっそすべてを壊してしまいたい程に。


「…なに?……それ。」
やっぱり同情されてるの?ラブが本当に泣きそうになった時、
「泣かないで……。」
ラブの頭はせつなの胸に抱き込まれた。


「私…ラブが好きよ…。」


私は、上手く伝えられるだろうか……。
177名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:50:25 ID:zoE98/eM
取り敢えず、ここまでです。中途半端ですみません。
しかし、エロ難しい。


例の管理人さんにまで、うまいって言って頂けて恐縮です。
自分、管理人さんのSS読んで感激して、他にもどんどん職人さんが
増えて来るのを見て、自分も書いてみようと決心したんで。

昨日は元兵士せつなの戦闘描写に痺れました。
プリキュア出はなく普通の少女のせつなが冷徹な戦士の顔見せる所を
アニメでも見てみたいけど、朝の子供番組では無理な相談ですかね。


しかしここの職人さん達、神ばっか!エロもほのぼのも神すぎる!
SS祭りが始まった当初は幸せ過ぎて、自分、死亡フラグだったのかとさえおもったよ。
178名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 20:59:50 ID:PccX4qQq
>>150

楽しませていただきました。
せつなスレで話題になっていたことが具現化して感動です。

クローバーペンダントの復元はIFを読ませていただいて
不覚にも泣きました。
179名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 21:11:49 ID:P0CcFR3p
沢山増えてて俺感涙
感想書きたいけどレスしすぎると我ながらウザイのが困りモノ

>>150
面白い!アニメが2倍楽しめました
>>154
斬新な切り口でワロタ
>>169
せっちゃんもてすぎw
>>177
幸せゲット…なのかな
ワッフルワッフルと唱えながら続きを楽しみにしてます
180名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 21:22:55 ID:xEW6k5vW
一体いつから、誰が、このSSの宴を始めたのだ?

一体いつから、ここはSS職人たちの生地となったのだ?

・・・とかなんとか。全ての職人たちに感謝と尊敬を!!
181名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 21:33:37 ID:PeSWxPlW
全盛期のストライクウィッチーズスレを見るようだ。
ここは荒しに目を付けられないといいな。
182MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/17(月) 21:52:25 ID:Mcqr1s3E
こんばんはー。ってスレ伸びすぎ・・・。感想が追いつかないなー。

元々は雑談メインだったんですか。ちょっと邪魔しちゃったかも
しれませんね。申し訳ない。。。

こーやって見ると、記号とかカッコとか使ってた自分が恥ずかしい・・・。
みんな上手だし文才ありますよね。

保管庫の作り方ちょっと勉強してきます。職人代表してのみんなへの
お礼を兼ねて。全てはフレプリ百合好きの同士のために。

落ち着いたらSSも投下します。
183 ◆BVjx9JFTno :2009/08/17(月) 21:56:51 ID:PccX4qQq
>>137さん、>>153さん、ありがとうございます。

本編でもせつなひと筋ですが、陵辱や鬱勃起みたいな
ものは書けないので、似たような結末になっていますスマソ
184名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 21:56:55 ID:VM5Fqitj
別にどっちだっていいんじゃないの
SS書きたければ書けばいいし雑談したければすればいい

二兎を追ってみんなで幸せゲットだよ!
185名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 22:03:43 ID:v9dOv/gu
もーっと欲張る!
じゃないとね。

職人さん超GJです
涙と鳥肌が止まらないぜ!
186MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/17(月) 22:18:12 ID:Mcqr1s3E
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html
過去ログ見れないのでSSが貼れない・・・orz

現スレは自分が担当するのでどなたか手助けを。。。
187名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 22:27:07 ID:6CieOv4q
>>177
GJ!!!早速の投下ありがとうございます♪
いきなりのエロ展開は予想外だったのでびっくりしました。
テレビでは天使のようなラブちゃんですが、こんな黒ラブもイイです!!!
続き楽しみにしていますね♪
188名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 22:33:30 ID:DcdQcOXA
>>177
GJ過ぎる…!!!
次はせつながラブを助けてあげる番だね。
189名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 22:35:29 ID:VM5Fqitj
>>185
ぐは、そうだったっけか
メルマガみて思いついたこんな小話で勘弁してくれ


ラブ「ごちそうさまでした!」
祈里「とっても美味しかったね」
美希「あとはデザートね」
せつな「デザートって何があるの?」
ラブ「えーと、桃とパイナップルとブルーベリーだよ」
せつな「うーん、どれにしようかしら?」
ラブ「もちろんぷりっぷりの桃で幸せゲットだよね!?」
祈里「あまーいパインで癒されるって私信じてる!」
美希「ノンノン。甘酸っぱいブルーベリーでリフレッシュよ。うん完璧!」
三人「ねえ、どれにするの!?」
せつな「私選べないわ…。どれかなんて選べない。だから全部精一杯頑張るわ!」
ラブ「わはー。せつなってば頑張り屋さん!」
美希「クス、意外と食いしん坊ね」
祈里「私達も頑張らなきゃね」
せつな「さあみんな、行きましょう!」


行った先がベッドだなんて妄想は禁止
190MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/17(月) 23:07:54 ID:Mcqr1s3E
6,14,26を保管しました。右側の更新履歴から見れるはずです。
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html
どなたか確認出来ますか?

SSは順次追加していきます。題名があればそれを、無い場合は
トリップか名無しさんで表記します。

SSサイトのリンク貼りますか?運営に支障が出る恐れがあるので
慎重に行きます。作品も管理人様の物なので、現時点では追加しません。

他にご要望があればチャレンジしてみます。
191名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 23:10:58 ID:PccX4qQq
>>190

過去ログはここから変換できそうです。
http://www.geocities.jp/mirrorhenkan/
192名無しさん@秘密の花園:2009/08/17(月) 23:12:37 ID:rCgLpP4f
過去ログ、斧にあげときます
Sc_28184.zip
193MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/17(月) 23:42:54 ID:Mcqr1s3E
現行スレ、先週土曜までの分を保管しました。
>>191>>192
ありがとうございました。過去ログ見れました。順次保管します!

作られた方の最後のコメントも入れますか?

今やってる事スレチかもしれませんが、雑談扱いで勘弁して下さい。
194名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 01:18:16 ID:pv+NnKai
こんな良スレ初めてかもしれない。
小説と補完してくださる職人さん方に本当感謝してます。

みなさんがたくさんの幸せゲットできますように!
195名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 01:32:03 ID:6JmN7N52
>>186
フレッシュのスペルが・・・
196名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 01:35:24 ID:LCnoC0O7
神SSが次々投下されてて嬉しい限りですな

今がKOFUKUなだけに…
来月でFUKOゲージ満タンなんてことになりませんように…

大輔…
あまり無茶するなよ…
197MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/18(火) 02:02:46 ID:CyZxTahx
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/
上段の表示→このwikiのページ一覧で過去スレから抜粋したSS見れます。
疲れた・・・。けど精一杯頑張ったわ!
と、よりフレッシュな保管庫を作るため@wikiに詳しい神募集m(__)m

最後に夜限定より同士のみんなへ

それは、せつなが私と一緒に暮らし始めてからしばらく経ったある日の事。寝よ
うとベッドに潜り込んだ時の話。

「ラブって好きな人とかいるの?」
せつなからのメールだった。隣の部屋なんだから来て話せばイイのにってその時
は思った。

「うぅん、いない。恋愛すらまだした事ないよ。」今思い返せば素っ気無い返事
だったなぁって。

「告白されたら嬉しい?」

「そりゃ嬉しいよ〜。今まで経験した事ないし、相談ばっかされてた方だもん。


「わかった。ありがとう。おやすみラブ。」

「おやすみせつな。また明日も幸せゲットしようね!」
ごく普通の女の子の会話、メールのやり取り。むしろせつなに好きな人出来たの
かなって。何か嬉しい気持ちが強かったかも。


少しばかり眠りに入った時の事。私の部屋にせつなが入ってきた。

「ラブ、もう寝ちゃった?」両膝を着いて小声で呟くせつな。

「どうしたの?眠れない?」

「うん…」
せつなのちょっと不安気な声。私は何の疑いもなく「おいで。一緒に寝よう。」
と言葉を返す。

「あったかい…」
せつなの安堵な声に私もホッとする。

「ずっとこのままでいれたらいいのに。」

「大丈夫だよせつな。私はいつだって味方なんだから。さっきのメールからする
と誰か好きになった?」
いつしか眠たかった私の頭はせつなの事でいっぱいになり。

「好きになるのって悪い事なのかな?私、胸が苦しいの。」
そう呟くせつながあまりにも恋しくなり、私は思わず抱き締めた。

「ごめんねラブ…」
せつなは泣いていた。その姿に私は凄く愛しい感情が芽生えて。
198MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/18(火) 02:03:27 ID:CyZxTahx
「泣きたい時には泣けばイイよ。私が全部受け止めてあげるから。」

「うん。ありがとう。」
せつなは凄く純粋な子。私と出会えた事を本当に喜んでくれた。私もせつなと出
会えた事を幸せに思う。

「ラブ?」

「何?」

「女の子同士は好きになっちゃいけないの?」
普通なら驚く質問だと思う。ましてや今の状態を考えれば。

けど…

「いけなくなんかないよ。いろんな幸せがあってイイと思うもん。」
不思議と自然に言葉が出た。せつなを抱き締めてたからなんだろう。



「私は…、ラブの事が好き。もう自分の気持ちに嘘を付けないわ。」
電気が体中を駆け巡った。この表現が合ってるかはわからない。それぐらいの衝
撃だった。

しばらく沈黙が続き、私はこう呟いた。
「せつなの彼女になれるなら私、幸せだよ。」

「嘘。そんな優しさ…、私嬉しくない。嫌なら嫌って」
せつなの悲しい表情は暗闇の中でもハッキリわかった。

「私がせつなに嘘付いた事ある?いつだって真正面で話してきたつもりだよ?」

「うん…。でも…」

「わかった。もう何も言わなくてイイよ。」そう言ってせつなの唇を私はキスで
塞ぐ。

!?

せつなの体は少し震えたけど、これが私の最高の返事だと思った。

「正直に言ってくれてありがとう。私嬉しいよ。本当に幸せだよ。」
もう一度せつなの唇に私の唇を重ねる。

「ラブと出会えて良かった…。好きになって良かった…。」
また泣き始めたせつなをギュッと抱き締める。

「愛してる…、せつな。」私の初めての彼女はせつな。初めてのキスもせつな。
そして初めての相手も。

「ずっとこのままでいれたらいいのに。」

「それ、さっき私が言ったのよ。ふふ…」

さっきまで泣いていた私の彼女がもう笑った。反対に私が嬉しくて泣いちゃいそ
うだったケドね。

〜END〜

199名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 02:05:35 ID:aOelkoyB
ボーカルアルバムのレンタルが解禁されてたので
借りてきたんだけど、百合フィルターをかけると
ブッキーの曲がブキせつにしか聞こえないw

200 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/18(火) 02:08:56 ID:rlW8c6i3
こちらで何度か投下させて頂いている者でございます。

保管庫出来たんですねー素敵なことです。
>>190さん、ありがとうございます。


SSサイトのリンクに関してですが、貼って頂けたらありがたいです、というとこ
ろ。
ttp://ikomaru.blog76.fc2.com/
リンク貼るかどうかについては、皆様の総意にお任せいたします。
SSの保管についても、ご面倒でなければ保管をお願いしたいな、と。

我侭で申し訳ございません。

とりあえず私のサイトからリンク、させて頂きますね。
201名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 02:11:43 ID:aOelkoyB
うお、うっかり乱入するとこだった。

>>197
wikiありがとうございます!
そしてSSも!ラブが漢前でかっこいいな

wikiはいじっちゃっていいのかな?
SS一覧作ってSSも直接wikiに載せたほうがいいかなと思って。
掲載不可の作者様のはこのスレにでもその旨書いていただければ転載はしないので
202名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 02:14:15 ID:aOelkoyB
作者ごと、カップリングごと、投下順とかの目次が別にいるかな…
203MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/18(火) 02:22:46 ID:CyZxTahx
>>199
正常反応です。自分は朝ズバ見たら大音量の車で会社へ向かいますw
百合活動ですねwww

>>200
フレプリで百合の元祖SS神様、ありがたき幸せです。全ての作品、
全て良作。明日また作業させて頂きます。改めてありがとう・・・

>>201
今振り返ったら似てるようなのがあって。大反省中、、、
wiki改造してもらってよかですか?もう眠くてw
204名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 02:27:51 ID:aOelkoyB
>>203
お疲れ様です。それじゃ勝手にいじらさせてもらいます。
もちろんおかしければ後で直しちゃっていいのでー
205MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/18(火) 02:32:28 ID:CyZxTahx
せっかく一生懸命作ってくれたSSに感想付けれなくてごめんね。
みんなの作品はちゃんと保管庫で大切に残していくから。

雑談したい人たちもこれからお世話になるんで、宜しくお願いします。
フレプリで百合好きの同士たちが幸せゲット出来ますように♪
206名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 03:06:41 ID:jYPjIkLP
今更せつながプリキュア→同棲をはじめた所から見直してる。
他の人がどう思うか知らんけど、やっぱりせつなの葛藤、幸せの意味を知る描写は好きだな

なんでその前の一騎打ちの回を録画しわすれちゃうんだ俺のばかやろうorz
207名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 04:24:25 ID:aOelkoyB
とりあえず前スレのだけ保管終わり。小ネタはまだだけど。
力尽きたんで後はお願いします…
形式は暫定に近いのでご自由に改変しちゃってください。

>>200
このスレに直接投下された物は他の方のと同様にしてみました。
ブログへのリンク形式だった物はそのままリンクとして載せてみましたがいかがでしょうか?
そのまま文章転載といった形式のほうがよろしいようでしたら変更しますのでー
208 ◆BVjx9JFTno :2009/08/18(火) 06:33:15 ID:nRMt1OIf
>>197

wiki作成ありがとうございます。
おかげで参照しやすくなりました。

私は何か勢いで書いてしまったものばかりなので、
題名を何にしようか考え中です。

書かれていたSSもストレートで良作です!
一緒に暮らすという時点で、一緒に寝るというのは
当然の流れですね。

209名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 06:48:30 ID:yyLyl7xH
何があったんだ…ι
たった一日来ないだけでこんなにw
おまけに保管庫出来てる(;´Д`)<グッジョブすぎますって…

電車の中で俺ニヤけちゃう
210名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 07:22:31 ID:LkAeLz4g
>>177
おおおおおおおお続ききてたー!
でももっと続き気になる終わり方ー!
211名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 08:27:23 ID:IGqV5P+K
>>199
ググったけど歌詞見つからないな
俺も借りてくるか
212名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 08:35:38 ID:XiZNL3WW
>>198
うおああ!
添い寝GJ!なんだか「本音の羽」の件を思い出した。
あと保管庫作ってくれてありがとう!
213 ◆51rtpjrRzY :2009/08/18(火) 09:08:15 ID:WIjo0LQu
MH22S ◆Tp0rBcFpoc 様、ID:aOelkoyB様
遅ればせながら保管庫作成お疲れ様でした。
そして良作を投下してくれている職人の方々にも感謝を。
ホントここ良スレですね。

214名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:31:47 ID:yyLyl7xH
電車の中で読むと時間忘れるなぁ。良スレに巡り合えて、私はどうやら運が良いらしいw

ボーカルアルバム、ぶき→せつ・せつ→ラブは確定だよね。百合フィルターかければw
215名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:40:47 ID:CiyBgr6i
最近の盛り上がりに触発されて書いてみたので投下します。
ブキせつです
216名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:42:07 ID:CiyBgr6i
せつなちゃんがミシンを教わりたいと言ってきたのは、
ダンス合宿が終わって数日たったある日のことだった。

あの合宿でせつなちゃんと本当の友達になった私は
もちろん二つ返事でOK。

約束どおりうちにやってきたせつなちゃんを部屋に招き入れた。

「うん、そう。そこを押さえて」
「ここ?」
「そうそう。最初はゆっくりね」

たたたたた、と子気味よいミシンの音が響く。

練習として二枚の余り布を縫い合わせながら、せつなちゃんは呟いた。
「ミシンって凄いのね。」
その目は好奇と、少しばかりの感動が見て取れる。
「慣れてくると、色んなものがつくれるようになるわよ」
「本当に、凄いわ」
ミシンの針を見詰めるせつなちゃんの横顔は、小さな子どもみたいに無邪気で。
この世界をまだ知らない彼女のキャンバスに自分が一つ色をつけていることが嬉しくって。

たたたたた。

ふっとその音が途絶えた静寂に




私は思わず、せつなちゃんにキスをした。




正気を取り戻すのは早かった。
唇と唇が触れ合った瞬間には、何しているんだという意識が頭を一気に染め上げる。
自分から不意打ちのようにキスしておきながら、
私はせつなちゃんの身体を振り払うように身を離した。
「ごごごご、ごめんね!」
顔を隠すように体ごと後ろに向けて、唇を両手で覆う。
ほのかに残るせつなちゃんの体温や柔らかさを守るように。
頬が、熱い。
217名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:42:51 ID:CiyBgr6i
「う、ううん…」
滑稽にどもる私の言葉に、せつなちゃんもぎこちなく返した。
小さな部屋を満たす沈黙。
湛えるのは気まずさと、動揺。
せつなちゃんは真っ赤な顔をしてるに違いない。
そして私も。
でも彼女に背を向けている今、それを確かめる方法が思いつかなかった。
振り返ることは簡単だけれど出来ない。
今せつなちゃんの顔を見たら、
どきどきうるさい心臓がいよいよ破裂しちゃいそうだから。

『友達なんじゃなかったの!?』

私が私に問いかける。
焦った私が、焦った私に。
自分の声に『友達だよ』と即答することが出来ないのは、なぜ?
私とせつなちゃんは、プリキュアの戦士で
ダンスチームの仲間で
学校は違うけれど、掛け替えのない友達。
そう、友達、のはず。

友達――。

その言葉が何故だかとても痛くて。
胸がぎゅっと締め付けられて。
一瞬だけ、息が止まりそうになって。
知らず溢れた涙が、一筋頬を伝って。

「…ブッキー」

せつなちゃんの声に、私は現実に引き戻される。
でも、声を出すことが出来ない。
口から零れるのは言葉になり損ねた吐息ばかり。
「えと…私、もう帰るわね」
今日はありがとう。
そう付け加えて、せつなちゃんは私の部屋を出て行った。
――あぁ、そうか。
慌しく遠のいていく足音を聞きながら、私はようやく知る。
私は、せつなちゃんに、惹かれているんだと。
彼女のことを、友達とは違う意味で好きなんだと。

つい先程まで側にいた愛する人の残り香を抱きしめるように、私は自分の肩を抱く。
季節は夏。それなのに、震えている自分。
「やっぱり、嫌われちゃったかなぁ…?」
涙がまた一筋、頬を流れた。
218名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 09:52:08 ID:CiyBgr6i
以上です。読みづらい点などありましたらすみません。
ブキせつでまた何か書けたらと思います。
219 ◆51rtpjrRzY :2009/08/18(火) 10:03:40 ID:WIjo0LQu
GJ!朝からいいブキせつごちそう様でした・・・。
ブッキ―切ないの似合うよブッキ―。
220名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 10:31:22 ID:pv+NnKai
GJ!!
このスレでブキせつにはまってしまったw
朝から幸せゲットだよ!
221名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 12:03:14 ID:yyLyl7xH
昼飯のお供が百合スレwもう投下されたましたか。幸せをありがとう。

たたたたた

がハマった。

告白って難しいよね。成功しないとお互い気まずくなるのはどして?
222名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 17:16:32 ID:GIRlmnLq
職人さんがいて投下も全然いいんだが
GJする時にコテやらトリップは名無しにもどさね?
それに♪使う奴や携帯とかでやる顔文字使うのはちょっとキモイんだが・・・
慣れ合いまでは気にしないからこれらなんとかならんか?
223名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 17:55:32 ID:SMHnXtZ4
確かに♪や顔文字は2chでは浮くから
なるべくやめた方が良いかもしれない。
224名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 20:14:28 ID:LCnoC0O7
俺もちょっと気になってた。
だがまぁまったり雑談やSS拝見をさせてもらえるこの板は大好きだな。

とりあえず美希せつ回早くこい
225名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 20:32:11 ID:Azjt6sr9
そいやここって絵の投下とかはダメなん?
226名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 20:42:38 ID:6NJTaNDV
大丈夫だと思う。スレの皆も推進してくれるって私、信じてる!
227名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 21:20:33 ID:qJ11ixU3
今晩は。この間から黒ラブ書いてる者です。
何とか最後まで書けたんで投下させてもらいます。


しかし、覗いてみたらスレの凄い延びと、保管庫まで出来てしまう
勢いにビックリ!
保管庫、凄いですね。これでいつでも好きな作品が探せると思うと嬉しいです。

では、お目汚しですが。ちなみに今回はエロはありません。
228名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 21:25:04 ID:qJ11ixU3
5

ラブはせつなの胸に顔を埋めたまま、動けない。
せつなの言った言葉…。
『好きよ』確かにせつなはそう言った。反射的に心が歓喜に震える。
ずっとずっと、欲しくて堪らなかったことば。

でも……、それは……。


「…違うでしょ?違うよ!!せつなが言ってるのと、あたしのは……!」
全然違うんだよ。
分かってた。今のせつなはあたしの言う事なら何でも聞きかねない。
どんな事でも、ラブが望むなら…と。
でも、そんなものは違う。欲しかったものじゃない。
ここまで酷い事をして、それなのにせつなは好きと言ってくれて。
でも、違う。どこまで自分勝手なんだと思う。
せつなの身も心もこれ以上無いほど傷付けて、それでも満足できない。

一体、どうなれば満足なんだろう。


「…そうね。違うのかも知れない。」
頭の上から柔らかい声が降ってくる。
さっきの自分の言葉への返事。違うと言ったのは自分なのに
ずきりと痛みが走る。
一瞬、体を強張らせたラブの髪をせつなは優しく撫でる。

「でも、…私、分からないんだもの。……だって、」
誰かを大切に思ったのも、誰かに大切にされたのも、誰かを好きになったのも、
ラブが初めてだから。

私には何もなかった。守りたいものも、愛しいものも。
空っぽの心。『メビウス』と言う偶像にその空白を埋める事を求め、
渇いてひび割れた水差しに、溜まるはずもない水を注ぎ続けていた。

メビウス様の為に
メビウス様の為に
メビウス様の為に


ラブと出逢い、ラブと触れ合い、いつの間にかひび割れは消えていた。
少しずつ、心に溜まっていく何か。
それが何なのか、今も表す言葉を私は持たない。
でも、これだけは分かる。こんな気持ちはラブに対してしか生まれない。
盲目的に誓っていた忠誠とは違う。
ただ依存の対象が代わっただけだと言われるかも知れない。
そうかも知れない。もしそう言われても、私には明確な反論は出来ないかも知れない。

でも私はもう決めてる。ラブしかいらない。

この先、例えどんな出会いがあってもラブ以上に大切な人は出来ない。
ラブが最初で最後の、一番大切で愛しい人。

仲間、家族、友達…。今の私には大好きな人が沢山できた。
決してラブ以外の人がどうでもいいわけじゃない。
その人達を守る為にも、私は命懸けになれる。

でも、その人達全てを合わせても、ラブ一人にはかなわない。
229名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 21:27:28 ID:qJ11ixU3
6

せつなは拙くことばを綴る。
どう言えば分かってもらえる?
どうすれば伝わるんだろう。


ラブには知られてはいけないと思ってた。友達でいなきゃ。家族にならなきゃ。
ラブがいないとダメだと思われたくない。ラブに依存しきってると思われたくない。
ラブにはラブの世界があるんだから、邪魔しちゃいけない。
自分だけ、見て欲しいなんて、絶対に、言えない……。
だって重すぎるもの。人ひとりの心を丸ごと被せられるなんて。
ラブは分かってない。どんなに私がラブを好きか。
ラブが想像するよりも、ずっと、ずっと…。


隠しちゃいけなかったのかな。鈍い私はラブが追いつめられてるのに
ちっとも気付かなかった。
いつもラブは自分の事より、人の事で怒って、泣いて。
昔からそうだったって聞いてる。


だから、ラブは多分泣いてしまうだろう。
せつなに酷い事をした。
せつなを傷付けた。
そして、それ以上に自分を傷付けてしまうかもしれない。
ごめんね、ラブ。本当にごめん。


……もどかしい……。
どんなことばでも伝えきれる気がしない。私のことばはどうしてこんなに拙いんだろう。


せつなは全身で強く強く、ラブを抱き締める。
極度の緊張と過度な刺激に晒された体はミシミシと軋み、力が入らない。
それでも強く。ラブを丸ごと体の中に包み込めるように。


「分かってないのはラブの方なんだからね!」
230名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 21:28:57 ID:qJ11ixU3
last

「……っう…うわ、うわああああーーん!!」
ラブは突然、子供のように声をあげて泣き始めた。
「…っごめ……ごめっ…なさっ…!…… ごめんっ…なさ…い!
ひっく…ぅえ、せっ…、せつなっ…せつなぁ……せつな………」
「うん……、ラブ…」
「ホ…っトに……ホントに、ごめんなさい!」
「……うん……」


優しく優しく頭を撫でられ、きつく体を抱き締められ、どのくらい泣いただろう。
涙と共に凍えた塊が溶け出していく。冷えきった体をせつなが暖めてくれる。
溶け出した塊も全部は無くならないかも知れない。
一度向き合ってしまった剥き出しの欲望は、
そうそう簡単には自分を解放してくれないかも知れない。
でも、きっと大丈夫。せつながいるもの。
醜い欲望も身勝手な独占欲も全部はせつなが受け止め、洗い流してくれた。
ごめんなさい、せつな。謝っても傷付けてしまった事は取り返せない。
でも、もう傷付けたりしないから。あたしもせつなを丸ごと包み込みたいから。


身を起こしたせつなは、少し震える唇で羽根のように軽くて優しいキスをくれた。

「ラブは、言ってくれないの?」
「……?」
「私はちゃんと言ったのに。ラブは言ってくれない、どして?」
「……あ………」
いたずらっぽく微笑むせつな。言われてやっと気がついた。
あたし、一度もちゃんと言ってないや。
あたしは一つ大きく深呼吸して…



「あたしは、せつなが大好きです。世界で、一番、せつなが好き。」


今度はあたしからキスを送る。できる限り優しく、でも、
せつながくれたキスよりはちょっぴり深く。
231名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 21:59:12 ID:rTkESdDG
キター!!
ラブが病むラブせつも盛り上がりますね
新鮮でした
232名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 22:33:09 ID:q3n9Uq3Q
ラブせつは俺のジャスティス!!
ラブやんが依存ちゅのも萌えますな。GJでした
233名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 22:52:13 ID:nRMt1OIf
>>230

GJでした。
最後うまくまとまってよかった。

中盤はどうなることかと...
234名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 23:02:56 ID:CyZxTahx
雑談で申し訳。現スレ16日までのSSを保管しました。多分異常無く
見れてると思います。気づいた点がありましたら修正お願いします。
手助けしてくれた>>191>>192>>204の方々、ありがとうございました。

て事で、日付変更線あたりに保管庫立ち上げ記念に一発投下します。
235名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 23:49:29 ID:yyLyl7xH
>>227
普段明るい子が病むとマジやばいよね。せつながあのままイースで敵だったらと思うと…。

こんなにみんな百合ってないはずw

泣いてる姿の文字化良く出来てるね。普通に想像出来たよ。

>>234
作業乙です。携帯からですが読めてますよー
236名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 23:50:52 ID:pv+NnKai
>>230
黒ラブいいなぁ
ラブせつ最高だ!
237MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/19(水) 00:03:50 ID:iaS1ue8W
【美希の苦悩、明日への希望】
「髪の毛だいぶ痛んでるわよ。ちゃんと手入れしてる?」

「ごめ〜ん。手抜き全開です…。」

口実にしてはあまりにも完璧すぎたかな…。
いつか告白しようと考えてはいたものの、なかなか言え出せなくて。

「今日はママも仕事でいないし、お店いらっしゃい。トリートメント
してあげるから。」

「うぉ〜!超助かるよ美希た〜ん!」
そう言うと、ラブははしゃいで私に抱き付いて来た。

ラブはホント、いつまでたっても無邪気。私はそんなラブが大好きで。

「じゃあ15時ぐらいにお店に来て。待ってるから。」

「うん!あ、美希たん。」
「何?」

「タダだよね?」

「くすくす。当たり前よ。」
こんなやり取りですら私には恋人同士のように感じた。
ラブと一緒にいると不思議と落ち着く。

15:00
「さ、どうぞ。」
「お邪魔しま〜す。」

ラブのチャームポイント、ツインテールをまずは梳かしていく。
こうして見ると、ラブってお人形さんみたいだなって思う。


次にトリートメント剤でヘアケアーをしていく。私には
二人きりの時間が物凄く幸せに感じて。

「あ、美希たん。和君の具合どう…?」

「そーだった。言うの忘れてたわね。体調も安定してるから、
一時退院出来るらしいの。ようやく落ち着けるわ。」

「ほんと〜!良かったぁ!」

「ラブは暇さえあればお見舞い来てくれたもんね。和喜も喜んでたよ。」




「和君も入院辛かったと思う。美希たんのママも元気無かったし。美希たんだっ
て寂しかったと思うから…」



「ラブ…」
どうしてこの子は他人のために、ここまで優しくなれるのだろう。ラブの魅力の
一つに、底無しの優しさがある事を再確認した。この先、このような子は私の前
には現われないだろう。
238MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/19(水) 00:09:38 ID:iaS1ue8W
「さ、濯ぐから椅子倒すわよ。」
「は〜い。」

シャワーが掛からないようにラブの顔にそっとタオルを掛ける。
目を閉じるラブはまるでお姫様のよう。思わずタオルを掛けるのを
ためらってしまい・・・。

「ん?」
「あっ…」
目と目が合い、お互い見つめ合う。

「あ、熱かったら教えてね!」
私って情けない。普通ならキスの一つもするんだろうな。私のどこが完璧なのか。
ため息すら出なかった。

「美希たん上手だね〜。モデルと美容師さん両方出来ちゃうじゃん。」
「お世辞なんか言ってもドーナツあげないわよ。食べ過ぎは禁物なんだから。」
「ぶぅ〜」
ホント仕草が子供。無垢な表情もまた可愛い。

「ね、美希たん。」
「何?」

「私が男の子だったら付き合ってくれる?」
頭が真っ白になった。もちろん濯いでた手の動作も止まり、鏡に写る私の顔は固
まってた。

「な、何よイキナリ。ビックリするじゃない…」
「だよね。ビックリしちゃうよね。」
「でも告白はすると思う。」
今でも思い出すとドキドキする。
239MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/19(水) 00:09:58 ID:iaS1ue8W
(今しかない。言わないで後悔するより言って後悔しよう!)
「私は…、女の子のラブが好き。」
決して大きな声じゃないけど、私は頑張った。悔いが残らないように。

「ずっとラブが好きだった。ホントは今日告白しようと思ったんだけど…。」


「叶わない恋があってもイイよね。これも私らしくてカッコいいし。」
何もカッコ良くないのに。決め台詞になんかなってないのにね。

「ごめんねー、何か私一人で盛り上が…」

zzzzz

(寝ちゃったか…)

物凄い恥ずかしさが私を襲って来たと同時に、どこかスッキリした感じで。

眠ってる彼女を起こさないよう、タオルで濡れた髪の毛を吹き、ブローを始める。

「終わったわよ。起きて。」

「ふわぁぁぁ〜」
涙目をこすり彼女は呟く。

「寝ちゃった…。あはっ」

「ふふ。ありがとうございました、お客様。」

「こちらこそ助かりました〜。ありがと!美希たん。」

時計は17時を回り、窓からは夕日が差し込む。

「また明日ね。髪の毛は女の命なんだからしっかりケアするのよ。」
「うん。わかった。」


お互い手を振って別れる。

「さーて、後片付けするか!」
店内の掃除をしようとした瞬間だった。ラブが勢い良くドアを開け。

「美希たん!忘れ物した!!!」

「え?」
振り向く私にラブは唇に唇を重ねた。

「返事してなかったよ〜。ごめんごめん。」

「ラブ…」

「あんな大事なトコで眠る程、私は鈍感じゃないよ〜。」
そう言って私の手を握り。

「私も美希たんの事だーい好きっ!」
「ありがとラブ。私・・・嬉しい。」

眩しい夕日が差し込む店内に、それ以上の明るい笑顔の天使が、私に幸せを運ん
で来てくれた。
240名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:18:17 ID:YwYhxcD9
>>237
待ってました!つか、すご。美希ラブで作ったんですね。読みやすくて良かったです。

ラブやんモテすぎw
241名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:19:08 ID:Txh/xJAT
美希たんは直球勝負が似合うな
ラブの演出力がキテル
242名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:20:54 ID:zeXvMNfm
GJです!
美希ラブって考えたことなかったけどすごく萌えましたw
フレッシュはどのカプも素敵だなー
243 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:22:22 ID:i45sYZNu
んじゃ私も投下。

個人的に脳内補完したかったので書きました。
チラ裏かつ百合ゼロで申し訳ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

寝室には3人の寝息が響いていた。

2段ベッドの上にラブが寝ている。
私は下。

もう1つの2段ベッドには
美希とブッキーが寝ている。

今日は合宿初日で練習もハードだったし、ナケワメーケとの
闘いもあり、3人とも夕食後は倒れ込むように寝てしまった。

私は、まだ眠っていない。
みんなが寝るのを待っていた。

ゆっくりと体を起こし、静かに寝室を出る。


      【告解:Confession】


大切な友達、ラブ、美希、ブッキーと共に
ダンスが出来たら、どんなに楽しいだろう。


でも、


あの人にしてきた罪が

重く、のしかかる。


公園で紹介されたときも

私は顔を見ることができなかった。



今、伝えなければ。

今、謝らなければ。


ブッキーからもらったのは、
ダンスを始める勇気だけじゃない。

罪と向かい合う勇気。

244 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:23:22 ID:i45sYZNu
レッスンスタジオには、まだ電気がついていた。
ドアを開ける。

ミユキさんが1人でストレッチをしていた。

「あら、せつなちゃん。どうしたの?」

「...ちょっと...お話しできますか...?」


膝が震える。


それに気づいたのか、
ミユキさんは汗を拭いてから立ち上がる。

「...外、出よっか...」


バルコニーには、弱い風が吹いている。
波は低く、静かにさざめいている。


「せつなちゃん、ダンスやる気になったんだって?」

「...」

「みんな大喜びだったわぁ。
 私の4人アレンジ、最高だから頑張ってね」


「...ミユキさん...」

「ん?」

海に向かって軽く伸びをしているミユキさんに向かって
切り出す。


「...私は...ミユキさんにひどいことをしました。」

245 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:24:12 ID:i45sYZNu
鮮明に思い出す。

 『あの子たちの夢を、邪魔させない!』
 『邪魔なのはお前の方だ!』


「私は...ラビリンスのイースという兵士でした...」


ミユキさんは海を向いてバルコニーの手すりに手を置いたまま、
微動だにしない。


「ダンス大会やコンサートを潰したのは...私です...」

「...謝ってすむことじゃないですけど...本当にすみませんでした...」


頭を下げる。
ただ、下げる。


ミユキさんが私を罵りたければ、どんな罵声でも受ける。

ミユキさんが私を殴りたければ、気が済むまで打たれる。

ミユキさんが私を排除するなら...それを甘んじて受ける。


それほど、ひどいことをした。


246 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:25:18 ID:i45sYZNu

下げている頭を、両手で挟まれた。
ぐいっと持ち上げられる。

目の前にミユキさんの顔があった。


その目に宿る光は、凛とした、まっすぐな光。
プロで鍛え上げられたのだろう、芯のある光。


「今ここにいるのは、みんなの笑顔を奪っていたラビリンスのイース?
 それとも、みんなの幸せを守るキュアパッションのせつなちゃん?」

「...せつな...です」


「じゃあOK!許します。おしまい。」

ミユキさんが笑顔で私の頭を軽くポンと叩く。


「えっ...」


膝の力が抜けて、その場にへたりこんだ。


「知ってたよ。イースだったってこと」

ミユキさんも座り、空を見ながら話し始めた。

247 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:27:02 ID:i45sYZNu

「昨日の夜、ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃんがうちに来たの。
せつなちゃんを許してあげて欲しいって。」


「みんなが...?」


ミユキさんの横顔を見る。


「最初は私も、コンサートをめちゃめちゃにしたのが、
 イースだった頃のせつなちゃんだったと聞いて
 複雑な気持ちになったわ。」


「でも、いろんな話を聞いたわ。
 自分も怪物に苦しめられながら闘っていたこと、
 使命のために心を殺していたこと、
 寿命が切られたこと、
 生まれ変わったこと、
 今も、苦しんでいること...


 きっと思い出したんでしょうね、ラブちゃんも祈里ちゃんも、
 美希ちゃんまで泣きながら話してくれた...。

 私たちの大切な仲間です、って...」


みんなの思いが、心にゆっくりと染みこむ。

また視界がにじむ。

248 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:28:49 ID:i45sYZNu

ミユキさんが私の方を向き、まっすぐに見つめてくる。

「よく話してくれたわね。」

「えっ...」

「私もプロの現場でやっていて、色々と迷惑かけたり
 失敗したり、時には人を傷つけたりってこと、たくさんある。

 その時に大事なのは、自分の過ちに向き合って、
 ちゃんとケリを付けることなの。

 とても怖くて、難しいことだけど...
 隠したままだと、絶対にうまくいかないの。

 せつなちゃんは、過去の自分にちゃんと向き合ってる。
 私は、それで充分。

 それに...
 
 ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃんが信じていて、
 アカルンが選んだせつなちゃんですもの。

 私、信じるよ。」


笑ったミユキさんの顔に、一瞬だけ
寂しそうな顔が浮かんだような気がした。
 
249 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:32:28 ID:i45sYZNu

「そうだよね、みんな!」

ミユキさんが大きな声を上げたので、驚いて
声の届く先に目をやると、バルコニーの角で
ビクッと動く影があった。


「やはー、ばれてたか」

ラブ、美希、ブッキーがそろりと姿を現す。

「何か気になってさ...よかったね、せつな」


みんなを見て。また視界が激しくにじむ。

「みんな...!」


押し寄せる感情に耐えられず、3人に飛び込んで
声を上げて泣いた。

「よかったね。」
「本当によかった...」

ラブも、美希も、ブッキーも涙声だ。


「さあ、今日はもう寝ましょう。
 明日からびしびし鍛えるから、覚悟してね!」

「はい!」


その夜はベッドから布団を引っ張り出し、
寝室の床に並べ、みんなでくっついて寝た。

250 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:33:27 ID:i45sYZNu

朝日が昇ってきた。

不安定な足場を駆ける訓練をしていたことが役に立っているのか、
砂浜のランニングはあまり苦にならない。

振り返ると、美希が少し遅れて走っている。
ラブとブッキーはそのさらに後方。
走っているのかよろけているのか解らない。

「せつなちゃん、基礎体力あるね」
横でミユキさんが走りながら話す。

「あたしが一番完璧と思っていたのに...」
「待ってくでぇぇ」
「もう走れませぇぇん」

後ろからの声を聞いて、ミユキさんと私は
声をあげて笑った。

「ほらー、気合い入れなさい!
 そんな調子だとダンスもせつなちゃんに追い越されちゃうわよ!」

「ふえぇぃ」

今日から、私の本当のダンス合宿が始まる。

251 ◆BVjx9JFTno :2009/08/19(水) 00:36:47 ID:i45sYZNu
以上です。

ミユキさんの心情的にはikomaruさんのMy Sacrifice Seriesの方が
アリなのですが、ダンス合宿の矛盾を個人で脳内補完したかった
という個人的な理由ですスマソ
252名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:44:21 ID:thJeYOAA
泣けました。
ありがとう。
253名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:44:56 ID:YwYhxcD9
>>251
これまたすご。ミユキさん視点でキタよ!布団並べて寝る所とかもう…。

友情もイイわぁ。これが発展して百合だもんね。

ぶっこわした会場などはプリプーが何とかしてくれてると思わせといてくれw

また今日も神が連発で降りました。ありがたや
254名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:54:41 ID:zeXvMNfm
拝見させてもらってばかりなので投下します。

【ニックネーム】

せつな「そういえば美希たん…」

ラブ・美希・祈里・(たん付けだと…!)

せつな「…あっ、ごめんなさい、つられて呼んじゃった…」

美希「…す、好きなように呼んでいいんだからね///」

ラブ「せつなが呼ぶとなんか新鮮だね〜。
私のこともラブたんって呼んでみて!」

せつな「ラ、ラブたん…」モジモジ

ラブ「く〜っ可愛いよせつなぁ!」ギュッ

祈里「…あの、せつなちゃん、わ、私も…///」

せつな「え、ええ///」


せつな「ブキたん」


ラブ・美希(祈里たんじゃないんだ…)

おわり
255名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 00:59:10 ID:iaS1ue8W
ミユキさんが4人目だと当初思ってたのを思い出しました。
あの頃は3人で百合ばっか考えてたw

せつなが4人目でさらに百合に拍車がかかったような気がします。
相変わらず素晴らしいお仕事されてますね>>251さん

そろそろ美希たんにもスポット当てて欲しいよ、TV。
256 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 02:53:58 ID:jOI7EnNg
人いないみたいなんで、置いておきますね。
>>21の後日談です。黒いの好きな人は読まないほうがいいかも。

>>222
すいません・・・自重します。
257 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 02:55:28 ID:jOI7EnNg
                       1 
 イライライライライラ………!!
 あーもうっ!イライラするっ!!

「あ、あの…み、美希…ちゃん…?」
「…そこのフリ、違ってるってば!ブッキ―!何度言えば分かるの!?」
「あ…ゴ、ゴメン…」
「…今のトコやり直し!いい?そういうのは意識してやらないと直らないんだからね!!」

 音楽を止めたあたしを、ブッキーは泣きそうな顔で見ている。
 …まったくもう、泣きたいのはこっちだっていうのよ!

 今日はミユキさんのダンスレッスンはお休みの日。モデルのお仕事もないし、本当なら一日ゆっくり
家で好きな音楽でも聴いているか、出回り始めた秋物の新作の洋服でも見に行ってるはずだったのに。
 残念なことに、あたしが今いるのは、いつもの公園の練習場。その原因は、今目の前で振り付けを確認
し直しているブッキー…山吹祈里だった。

 東せつながあたし達のダンスユニット・クローバーに入ってから十日が立つ。
 最初は、あたし達より後に練習し始めたという事と、ラビリンスにはダンスや音楽が無かったって聞い
た事もあって、彼女は不安要素でもあった。
 ところが、流石というべきか、せつなの運動神経と勘の良さは際立っていて、今では早くも、ミユキ
さんですら一目置く存在となっている。
 これならあたし達のクローバーは順風満帆、何の心配も無いはずだったのだが…。

 イライライライライライラ………。

「…ブッキー……!!」
「あ〜ん!ごめんなさい!美希ちゃ〜ん!!」

 また同じところを間違えたブッキーに、あたしのイライラは更にエスカレートする。
 そう、せつなには何の問題も無かった。悔しいくらい完璧に。
 …せつなが加入した事で問題になっちゃったのはこの子・・・ブッキ―だったのだ。

 もともとおっとりタイプのブッキーは、そんなに運動神経が発達している方ではない。…ううん、どう
贔屓目に見たって、同年代の女の子と比較すると、中の下って所が精一杯。
 それでも彼女は、なんとか必死に頑張って、あたし達のダンスに付いて来ていた。
 …それが、せつなが加入した途端、だだ崩れになった。
 ダンスに、今までの集中力が感じられない。
 こんな風に、同じ振り付けを忘れて何度も間違えるなんて、今までの彼女なら無かった事だ。
 理由は……分かってる。
 
 東せつなだ。
 
 イライライライライライライラ……。

 

 ブッキーは、彼女に恋してしまったのだ。


258名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 02:55:55 ID:N08xT0tK
投稿するときトリップはあってもいいと思う
259 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 02:57:11 ID:jOI7EnNg
                       2
「……じゃあもう一度、アタマからやってみて」
「………ハイ…」

 肩を落としたブッキ―は、また一からダンスし始める。

「ブッキー!背筋伸ばして!!」
「ハ、ハイ!!」

 厳しかったダンス合宿と、最近のプリキュアの忙しさを知っているミユキさんからの『久しぶりに練習
を休もう』という提案に、唯一反対したのはあたしだった。
 理由はさっき説明した通り。ブッキーのダンスの遅れが甚だしかったからだ。
 このままではブッキーがクローバーの足を引っ張るかもしれない、と判断したあたしは、レッスンの終
わった後、一人でミユキさんの所へ向かった。

「教えてもらっている身で言うのもなんですけど、今練習を休むべきじゃないと思います!」
「あら、美希ちゃん、お休み嬉しくないの?ここのとこ大変だったでしょ?」
「それはそうですけど、でもこのままじゃ…」
「……祈里ちゃん、ね?」
「・・・・・」

 ・・・ブッキ―とせつなの事をどう説明したらいいのか、言葉に詰まる。
 そんなあたしの気持ちには気付かないように、ミユキさんは続ける。

「……せつなちゃんが入った事で、祈里ちゃんがプレッシャーを感じるのも、当然だと思うの。経験のない
同年代の女の子があそこまでやれるんだもの。自分に不安を持って当然だわ」
「・……」
「でもね、だからって根を詰めて、練習練習って押し付けては、逆効果だと思うのよ。下手をしたら、祈里
ちゃん、また身体を壊しちゃうかもしれない。…美希ちゃんは、それでもいい?」
「…ですけど…」
「休むのも、レッスンのうちだと思うわよ、……きっと。休むことで、なにか見えてくるかもしれないで
しょ?」

 ミユキさんはニコッと微笑んだ。
 あたしは、どうしても・・・・・・理解できない。

「……じゃあ、お休みの日にあたしがブッキ…祈里にダンスを教えるって言ったら、どうします?」
「…美希ちゃんも強情ねぇ。…いいわ、納得できないなら納得いくまでやるのも。……若さよねぇ〜」
「茶化さないで下さい……あともう一つ、なにか見えてくるって、なんですか?」
「そうね……じゃあヒントだけ」

 ミユキさんは軽くウィンクして言った。


「……立っている場所、かな?」


 あたしはそれを、クローバーでのブッキーのダンスの順位だと考えた。
 彼女がそれを自覚する事が必要なのだと。


260 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:01:08 ID:jOI7EnNg
                       3
 休みに自主練習をやろうってブッキーに告げた時、ラブとせつなも参加したがっていた。
 ブッキーは喜ぶだろうだけど、あたしはその申し出を断わった。…当然だ。せつながいるから集中でき
ないでいるのに、その遅れを取り戻す場所に、彼女がいては意味が無い。
 
 もともと、ダンス合宿でブッキーとせつなが二人で踊ってたのを見た時から、何か違和感を感じては
いたのだ。それは幼馴染みだから分かる事なのだと思う。・・・まあラブが感じたかは知らないけど。
 あえて理由をつけるなら、昔の、いや、最近までのブッキーは、割と人見知りな部分のある子で、なに
かあるときはいつもあたしの傍にいたから・・・まだ仲間になって間も無いせつなと、すぐに二人で打ち解
けるなんて、考えられなかったからだ。
 でもその時は、同じプリキュアとしての連帯感が芽生えたのかな、くらいにしか思っていなかった。

 決定的だったのは、この前の、夏祭りの夜。
 ラブとせつなが、相変わらず人目もはばからずにイチャイチャとバカップルぶりを発揮してる時。
 呆れたあたしが、見てられなくて視線を逸らすと、その先にブッキーがいた。


 花火の光の舞い散る中、彼女は上を向いて震えていた。


 握り締められた手と、噛み締められた唇から、必死で泣きだしそうなのを堪えてるのが分かった。


 ハッキリ言って、理解できない。
 
 女の子同士で好きになるとか。
 
 親友の恋人を好きになるとか。
 
 そんなの、全然完璧じゃない。

 
 だから。
 理解できないから。

 
 あたしは、ブッキーへと走り出す事が出来なかった。



 それが、堪らなく―――・・・



「・……美希ちゃ〜ん・・・・・・お願い・・・・・・そろそろ休憩させて〜・・・・・・」

 あたしの思考は、ブッキーの弱々しい声で中断された。

 イライライライライライライライラ・・・・・・。

「・・・・・・あのね、ブッキー、あたしは今日、『心を鬼にした美希』なのよ。分かる?」
「・・・・・・・・・いじわる・・・・・・・・」
「意地悪じゃないの!!ブッキーのためなんだからね!!」
「ふぇ〜ん・・・・・・」

 そうだ。あの時、駆け寄れなかった分、あたしはブッキーを、全力でフォローしようと決めたのだ。
 ダンスでも、プライベートでも。
 ・・・・・・例え叶うはずのない恋、だとしても。
 それがきっと、あたしなりの贖罪なのだ。
261 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:03:39 ID:jOI7EnNg
「お〜い!美希た〜ん、ブッキ〜、頑張ってる〜!?」
「二人とも、そろそろお昼の時間よ。ひと休みしない?」

 ラブとせつなが、そんなのんきな声を上げながらやってきた。
 それぞれの手には、シフォンが眠るベビーバッグと、大きなバスケットを持っている。
 あのねぇ・・・ただでさえブッキーの練習がはかどってないっていうのに・・・・・・。

「わ〜い!・・・・・・美希ちゃん、お昼なら・・・仕方ないよね?」
 
 子犬のような上目遣いで、あたしの顔を覗き見るブッキー。

 イライライライライライライライライライラ・・・・・・。

(あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし・・・・・・・・)

 あたしは心の中で、限度を越えそうなイライラを抑えるため、その言葉を呪文のように繰り返した。
262 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:07:20 ID:jOI7EnNg

〜ちょっと中断〜
人いるみたいなんで聞きますけど、このまま長いの一気に置いていくのと
分割して置いておくのではどっちがいいです?
263名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:09:06 ID:G4Go7zdj
構わん続けろ
いや続けてくださいお願いします
264名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:09:53 ID:qZ+xYMyU
ある程度分割した方が見やすいけど、連投規制があるからほどほどに
265 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:14:17 ID:jOI7EnNg
>>263
いや、そうしてもいいんですが・・・
>>264
連投規制ってどのくらいで引っかかるモンですか?
266 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:21:53 ID:jOI7EnNg
まあ今見たら・・・の大きさがまちまちだったりするんで、また改めて明日
続きやりますよ。
267 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 03:41:51 ID:jOI7EnNg
前々回より多分今回のが長いと思うんで、規制に引っかかるとあれなんで。
1〜6までのうち今日は3まで置いときます。
ここまで読んだ方、申し訳ないです。じゃあまた明日これくらいの時間に。
268 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:36:40 ID:jOI7EnNg
……すんません、連投規制っての勘違いしてたみたいです。
続き置いときますね。お騒がせしました。
269 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:39:24 ID:jOI7EnNg
「はぁ〜!食べた食べた〜」

 そう言うと、ラブは敷いてあるレジャーシートの上に、ごろん、と横になった。
 少し離れたところで、せつなとブッキーが何か真面目な顔で話し込んでいる。

 イライライライライライライライライライライラ……。

「……何話してるのかしら?」
「さあ〜。お昼ごはん美味しかったって話じゃない?……何しろあたし達が早起きして、腕によりをかけて
作ったんだから〜」
「……ホントのんきなもんね、ラブは……気にならないの?」
「?何が〜?」

 ……呆れる。
 普通、恋人が他の子と、しかもその子に片思いしてる子と二人で何か話してたら気になるでしょ。
 やっぱり、ブッキーの心にはあたししか気付いてないのかしら。
 そうじゃないとしたら……大した自信家だわ……この子。

「二人だけで話したい事があるから話してるんだよ、きっと。あたし達が口挟んでもしょうがないっしょ。
美希たんが気にしすぎなんだよ〜」
「べ、別にそんな事ないわよ」
「ほんと〜?」

 ラブは、にふふ、と何やら怪しい笑みを浮かべてあたしを見る。な、何よこの子……。

 
 休憩も終って、せっかく来たんだしという事で、ラブとせつなの前で、ブッキーの前半の練習の成果を
披露するってことになった。
 ……もっとも、成果なんて呼べるものは何ひとつ挙がってないのだけれど。

 
 でも、あたしの予想は大きく裏切られた。

 
 違うのだ、ブッキーの動きが。さっきまでと…いや、そうじゃない、今まで見てきた彼女のダンスと。
 ―――明らかに良くなっている。
 キレも、スピードも、リズム感も。
 問題だった、集中力も、だ。
 まるで、みにくいアヒルの子の童話の、最初と最後だけ読んだみたいな錯覚を覚える。
 
 「すご〜い!!ブッキー、上手くなってるよ〜!!」
 「よっぽど一生懸命練習したのね…。スゴイわブッキー!」

 感嘆の声を上げる二人とは逆に、あたしはただ唖然とするしかなかった。
 そして、一つの結論が頭に浮かんだ。
270 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:42:06 ID:jOI7EnNg

「……せつな、ブッキーにさっき、何かアドバイスしたでしょ?」

 あたしは横に立つせつなに、戸惑いつつも尋ねる。
 
「?いいえ、別に何もアドバイスなんてしてないわ」
「……ウソでしょ……?」

 有り得ない。何もなしに、これほど短時間で変わるわけはないのだ。

「じゃ、じゃあ、さっきお昼の後、何を話してたっていうの?」
「さっき?ああ…ブッキーがあたしに『せつなちゃんは、ダンス楽しい?』って聞くから…」



「『みんなと一つになるのは楽しいわ』って答えただけよ。」


 
 ――――それだけの事で。
 ブッキ―はこれほど変わったって、言うの?

 けれど―――想像、できてしまった。
 ブッキーの気持ちが。
 
 彼女は、ダンスをすることで、せつなと一つになろうと決めたのだ。
  
 現実には不可能だけれど、クローバーというユニットの中でだけでもって、決めたのだ。

 
 あたしは、なぜか、胸が締め付けられるように感じた。


 イライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。
271 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:43:41 ID:jOI7EnNg
                       5
「……どうだった?せつなちゃん、ラブちゃん!」
「すごく素敵だったわよ、ブッキ―」
「うんうん!これならデビューへの道も近いかもね!!」

 盛り上がる三人とは別に、あたしは引きつった笑いを浮かべるのが精一杯だった。
 今まで自分のやってきた事が、まったくの無駄だったって分かった脱力感。
 ブッキ―をフォローしていくって決めたのに、何にもできなかった無力感。
 もうひとつ……それは……。

「―――――みーきタン!!」
「ちょっ!!重い!何よラブ!!」
 
 いきなりラブがあたしの背中に飛びついてきた。

「喜んでないの〜?こんなにブッキ―上達したのに〜!!」
「……喜んでるわよ…」
「ホントに〜?」

 そしてあたしの耳元で囁く。



「―――――悔しがってるようにしか見えないよ、美希たん」



「!!」
「……なんちゃって〜。ブッキ―もスランプ脱出したんだし、お祝いにカオルちゃんのドーナツ食べに
行こうよ〜!!」
「ちょ、ちょっと、まだ食べるの?ラブ!?」
「わ〜い!踊ったら喉渇いちゃったし、いいよね!美希ちゃん!」

 茫然としているあたしを他所に、三人は盛り上がっている。
 
(悔しい…、か…。)
 
 あたしが必死に教えるよりも、せつなの一言の方が、ブッキ―には効果があったのだ。
 それが悔しい、のかもしれない。
 ミユキさんの言っていたことが頭をよぎる。
272 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:45:13 ID:jOI7EnNg
「―――立っている場所、ね。」
 
 クローバー。せつなと一つになれる、場所。
 ミユキさんは知っていたのだ。ブッキ―の秘めた心を。
 だから、ブッキ―がそのことに気付けば、っていうヒントをくれたのだろう。
 その意味を取り違えて、暴走したのはあたし……。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。

 あたし、全然、完璧じゃなかった。
 なにひとつ、今まで、理解できてなかった。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。

 違う、理解できないって、目を逸らしていただけだ。
 彼女の……ブッキ―の気持ちから。
 ブッキ―の、せつなを想う恋心から。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ
イライライライライライライライライライライラ……。

 暗い顔を見られないように、あたしは皆の後を、一人遅れてついていった。
273 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:47:22 ID:jOI7EnNg
                       6
 公園からの帰り道、ラブ達と別れたあたしとブッキーは、もう日の沈みかけた川沿いの土手を、お互い
無言で歩いていた。
 もっとも、ショックから立ち上がれないあたしは、みんながワイワイ騒ぐ中、その中に入ることもでき
ずに、あれからずっと黙ったままだったのだけれど。
 
「……美希ちゃん、あ、あのね、今日は……ありがとう」

 長い沈黙を破ったのは、ブッキ―だった。
 あたしも、自分の心を悟られないように、と重い口を開く。

「……大したことは、してないわよ」
「…!そんなことないよ!…美希ちゃん、わたしの為に、わざわざお休みつぶしてまで……。本当に
……ありがとうね…」

 ブッキーは、少し困ったような顔で、言葉を続ける。

「わたしね、最近、ダンスよりも気になる事ができちゃって…自分でも、その事に気を取られちゃ駄目っ
って分かってるんだけど……止められなくて。だからね、今日美希ちゃんが一緒に練習しようって言っ
てくれた時……嬉しかったんだ……少しでも、忘れられるかな、って。……美希ちゃんと一緒なら、
考えないでいられるかなって……、そう、思って。……ちょっと、練習は、厳しかったけど…」

 そう言うとブッキ―はクスッと笑った。……淋しそうな目で。
 知ってるわよ、そんなこと。
 でも、無理だったじゃない。あなたに彼女を忘れさせてあげられなかったじゃない。
 ブッキ―を立ち直らせたのは結局―――――。

「……でもね、思ったんだ。…きっとわたしは逃げてるだけなんだって。忘れたり、考えないでいる
より、きっと自分で納得できるまで突き詰めないと、先に進めないんだって……。そんな風に考えて、
答えが……見つかったような気が、するの。それが分かったのは、美希ちゃんのおかげ……」
「…だからあたしは大したことしてないって―――」
274 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:50:32 ID:jOI7EnNg
 溜息混じりに言うあたしの手を、ブッキーは両手で握り、自分の胸へ重ねる。
 
「ううん……美希ちゃんは、今日を、くれたよ。今日って日を…わたしにくれたの。……わたしが
答えを出す事ができた、大切な日を。……だからね、」

 わたしを一直線に、真剣な目で見つめながら、彼女は言った。

「……ありがとう、美希ちゃん」
 
 その目を見たとき、初めて、全てが、理解できた。
 自分が、本当は、何から目を逸らしていたのかを。


 
 

 あたし、ブッキ―が、好きなんだ……。


 
 

 きっと…ずっと、ずっと前から…あたしの中に眠っていた気持ち……。
 
 意識してしまった途端、胸が、苦しくなる。
 頬が紅潮するのが、自分で分かる。
 今すぐブッキ―を抱きしめてしまいたいたい気持ちを、必死に押さえ込む。

「?美希ちゃん?どうしたの?」
「…なんでもない!」

 あたしは、無理やり、ブッキ―の手を振りほどいた。
 そして乱れそうになる、呼吸と、心を、整える。

「……なんでも、ないの。ゴメンね、ブッキ―。」
「…本当?」
「…ただ、自分の間違いに気付いただけ。すごく、大きな間違いにね。それに気付いたのも、今日って日
があったからよ。……だから、ありがとうはお互い様だわ」

『―――――悔しがってるようにしか見えないよ、美希たん』

 ラブの言葉を思い出す。
 合宿の時も、お祭りの花火の時も、さっきブッキーが立ち直った時も。
 ずっとずっと、悔しかった。
 なんであたしじゃなくて、せつななのって。
 子供の時から、いつもブッキ―の隣にいたのはあたしだったのに…。

『……立っている場所、かな?』

 ミユキさんの言葉。きっと、あたしに対しても向けられていた言葉。
 あたしは、ブッキ―の一番でありたかった。
 そこが自分のいる場所だって、思っていたかった。
 でも、ブッキ―の中の、あたしの立っている場所は―――。

275 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:57:22 ID:jOI7EnNg
「……わたし、美希ちゃんが友達で、本当に良かった!」

  
 
 最悪な答えを、彼女は最高の笑顔で口にした。

 

 あたしは――――――泣かなかった。

 
 
 代わりに、ブッキ―の手を引き、駆け出す。

「え!?きゅ、急にどうしたの!?美希ちゃん!?」
「―――ゆっくりしてたら、日が暮れちゃうでしょ!ホラ、急いで、ブッキ―!!」

 ―――泣いてたまるもんですか。
 まだ勝負は始まったばかりなんだから。
 必ず、ブッキ―の一番になってみせるんだから。
276 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 04:59:38 ID:jOI7EnNg
 

 もう理解できないって言葉でごまかしたり、しない。
 
 女の子同士でも。

 違う人を好きでも。
 
 彼女が好き。 
 
 大好き。
 
 ブッキ―を好きなあたしが、完璧なあたし―――。


 せつなの存在を追い越そうとするかのように、あたしは走るスピードを上げる。
 

 
 
 

 ドキドキドキドキドキドキ……。


 

 
 イライラは、いつの間にか、胸のときめきに変わっていた。

 
 


 
                                          了
277 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 05:13:27 ID:jOI7EnNg
おしまい。>>269から4になります…なんか色々申し訳ないorz
278名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 05:48:31 ID:0miwsUQD
GJ! 読みやすかったし、美希たんも絡む展開もよかったです!
279名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 06:21:50 ID:i45sYZNu
>>277

GJ!読みやすかったですよ。

お互い、思いが一方通行なままなのが切ない...。
280名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 08:23:57 ID:eX8CZ+vK
早くに目が覚めたんで、ちらっと覗こうとスレ開いたら……。


なにこれ、神作品の嵐……。


つい読みふけってこの時間……orz 二度寝しようと思ってたのに。

美希ラブはあんま考えた事なかったけど新鮮だし、
大人のミユキさんカッコ良すぎだしで4人娘健気で涙…。
それに自分、ラブ←→せつな←ブキ←美希なんだが、それを具体化した
作品が読めるとは夢にも思わなんだ!
いっそ自分で書こうかと思ってたけど、こっちの方が全然いいっすよ!





さて、仕事頑張ってきます。
281名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 08:33:02 ID:BlQp1jcl
>>277
GJ!
このお話しだと、
ラブ⇔せつな←祈里←美希
って感じかな。む、報われるのかなぁ…
282名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 09:01:13 ID:Txh/xJAT
みんな乙です
帰ってきたらよもっと
283名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 10:04:51 ID:RscXg2u7
クローバーはドロドロでたまらんね。
284名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 10:07:43 ID:YwYhxcD9
>>254
読んでてコーヒー吹いたwやっぱ短編も面白いね
285名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 10:55:33 ID:JealDc6w
ところでコミケでこのスレ的に幸せゲットした奴はいるのか?
ラブせつやブキせつはタイミングが合わないか
286名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 11:24:03 ID:BlQp1jcl
せつな「ラブ、これは何に使う物なの?」
ラブ「それは“耳掻き”だよ。耳の中の垢を取るのに使うの」
せつな「みみかき…?ごめんなさい、何だか想像つかない」
ラブ「そうだ!せつなにやってあげるよ!ほらほら、横になって頭を私の膝に乗せて」
せつな「え?えっと…こう?」
ラブ「そうそう!危ないからじっとしててね…」
せつな「あ…何これ。何だか変な感じ…」
ラブ「こうやって耳の中をお掃除するんだよ」
せつな「ん…気持ちいい…かも」
ラブ「よかった。でも痛かったら言ってね?」
せつな「ラブが優しくしてくれるから痛くないわ。そろにラブの膝枕…とっても心地良い…」
ラブ「えへへ…ありがと、せつな」

番外編
ラブ(あ、そうだ)
せつな「きゃ、どこ触ってんのよ、ラブぅ」
ラブ「せつなのおムネ。ほらほら、動くと危ないよ?」
せつな「ず、ずるい…!ああん!やだぁ〜!」
ラブ「ワハー!揉みたてフレッシュ!」
287名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 12:03:53 ID:YwYhxcD9
>>285
イース物が大半だったらしいが。後輩にお願いしたが、二日目だったしフレプリで百合な物はあんま無かったと。

ラブせつは冬にタップリ買えると私、信じてる!

ま、十二分にここのSSで買えなかった分は補えてるがw
288名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 12:28:33 ID:/GMqfqXj
>>277
話の起承転結がうまいな!
美希たんに自然と感情移入出来たGJ!
まあちょっと切なかったがw
今度は美希たんが幸せゲットする話が読みたいぜ
289名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 14:02:45 ID:TT3wct71
>>287
そっか、dクス
イース物は顔なし男が出張ってくる系だろうなぁ
9月からはラブに大輔が絡み始めるって噂だし、このスレが心の拠り所だわ
ほんと職人様には感謝してます
290名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 14:39:23 ID:3Vy8EYbZ
>>277
GJ!
みきたんにすごく感情移入してしまった・・・
みきたんはやっぱりいい女!
291 ◆51rtpjrRzY :2009/08/19(水) 16:39:45 ID:jOI7EnNg
感想ありがとうございます!
フォントサイズ間違えてたり、途中gdgdになっちゃったりで本当にすいまぜん…。
遅ればせながらタイトルは『走り出した日』です。
292233:2009/08/19(水) 18:21:06 ID:i45sYZNu
>>230

言葉が足りませんでした。スマソ

最後うまくいった=ハッピーエンドでよかった

です。
293名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 18:37:09 ID:i45sYZNu
>>252さん、>>253さん、>>255さん、>>280さん

ありがとうございます。

24話のご飯おかわりーで号泣 → ラブやんに落とされる
24話ラストで号泣 → せつなに落とされる
26話のせつなさん笑ってるーで号泣 → ブッキーに落とされる

という転落人生なので、お涙ストーリーが多いです。

エロに走ると濃くなるのでwww

294名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 20:23:00 ID:0miwsUQD
9月からの展開は百合厨にとって試練だ というようなはなしを度々目にする。 9月6日以降の話の情報って、もう出てるんですか?情報弱者の自分に、誰か教えてエラいひと!
295名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 20:54:45 ID:7wieU6Zs
>>294
31話 ラブと大輔 仲直りのしかた!(9/6)
脚本:伊藤睦美 演出・絵コンテ:黒田成美 作画監督:河野宏之 美術:須和田真

新学期が始まり、ラブと同じ四つ葉中学に通うことになったせつな。
入学初日にしてクラスメイトたちからの人気を集めるせつなとその様子を見て喜ぶラブだが、
対照的に大輔は不満げな表情だった。
296名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 20:55:34 ID:G4Go7zdj
>>286
揉みたてフレッシュwwww馬鹿かwwwwwwww果てしなくGJ
297名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 21:12:29 ID:TT3wct71
>>295
ラブが大輔との約束を忘れる話だっけか
これ以後のバレはまだ無いと思う
298名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 21:21:41 ID:0miwsUQD
>>295>>297ありがとうございます。 そうですか、6日以降のことはまだ心配してもしょうがないんですね。
自分、別に大輔アンチというわけではないんですが、ラブやんの相手となると・・・
299名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 21:22:19 ID:9rNIYKrK
ダンスの本編での扱いがあんなもんだから、男女恋愛もそれほどプッシュする
わけではないと私信じてる。
後半からは、Pが言うにはすごい展開になるらしいが…

>>286
ワハーじゃねえよwwwwラブやんwwww
300名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 21:38:22 ID:j51EMnkk
某板に貼ってあった動画を転載してみる……OKかな?
ttp://www.veoh.com/browse/videos/category/anime/watch/v1893679366tKYkXy
ラブせつフィルターかけて見ると涙ナシには……
301名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 22:42:40 ID:aOsipPTN
どのみち百合なんて公式でやるわけもなく
大友が外野で勝手に妄想して楽しむモノなんだから
ラブと大輔がどうなろうが関係ない
302名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 23:08:18 ID:iaS1ue8W
大輔は嫌いじゃないが、すでに空気w
てな訳で保管庫は17日まで完了しました。今日も精一杯頑張ったわ!

美希たん人気あって嬉しいよ。イイ意味で4人ドロドロに今後も期待さ。
>>291
相変わらず素晴らしいお仕事されてます。自分も作る時、お手本に
させてもらってます。

>>254
やっぱ短編もアリですね。初期の自分はこんな感じで作ってました。
保管しますのでお楽しみに。
303名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 23:46:05 ID:S6YsOZ/j
大輔回は悲観的な反応が多いけど俺は凄く楽しみにしてるがな
妄想の種が増えるのはいいことだ
304名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 23:53:49 ID:A7SL40j+
>>285
樹堂と黒鹿亭が神
305名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 23:55:53 ID:ImdF88dj
大輔回はいつもラブが嫁の相手しすぎだろていう回だと私信じてる
306名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 00:01:08 ID:cxXkE0sY
ラブやんは「どっちかなんて選べないよ!両方ゲットだよ!」と断言した御方だぞ。
全部同時にゲットするに決まってる。
307 ◆BVjx9JFTno :2009/08/20(木) 00:10:24 ID:gdOj3vPN
>>302さん、保管庫メンテナンスお疲れさまです。

拙作の題名を考えましたので、次回メンテナンスの時にでも
編集お願いします。

1-955  【月明かり:Moonshine】

2-125  【笑顔:Smile】

2-26  【兵:Soldier】



何のひねりもないorz
308MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 00:51:18 ID:5nQrmUB6
見てろよ大輔!これが俺のSSハリケーンだ!

【愛してると言って〜ラブせつver】
みんなの幸せが私の幸せ
みんなの笑顔が私の元気の源

ずっとそう思っていたのに、何故か最近空しくなる。


ホントに私って幸せなのかな?
私を幸せにしてくれる人は現れるの?


せつなと一緒に暮らし始めて毎日が楽しい。
美希たんやブッキーと話したり遊んだりするのも勿論楽しい。
お父さんやお母さんは私を大切にしてくれる。
四葉町のみんなが私に優しくしてくれる。


でもね、何か足りないんだ・・・


私を愛してる≠ニ言ってくれる人がいないの。

寂しいのかな、桃園ラブは。

そうだよね、今までずっと走り続けてきたんだもん・・・。



だけど、暗くなっちゃうのは私のプライドが許さない。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。


いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「探したよ、ラブ。」 

「せつな・・・」
309MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 00:52:09 ID:5nQrmUB6
「最近良くここに来てるでしょ?どして?」


「知ってたんだ・・・。理由なんて無いよ。何となくね。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉が冷たくなってしまった。


「隣座ってもイイ?」

「うん。」


「元気ない。ラブらしくないわ。」

「そんな事ないよ。考え事してただけ。」

「そう?だったらそんな寂しそうな顔にはならないはずよ?」
せつなはそう言うと、着ていたカーディガンを私にかけてくれた。
気がつくと陽も暮れ始めていて。



「せつなには嘘つけないね、やっぱ。」


「どうしたの?何か辛い事あったの?ずっと気になってたのよ私。」



「何だが空しくなっちゃって・・・。私ね、疲れちゃったのかもしれない。」
情けなかった。話を聞いてくれてるせつなの顔も見れなかった。


しばらく沈黙が続き、重い空気の中こう叫ぶ。
310MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 00:52:46 ID:5nQrmUB6
「今度は私がラブを助けたい!ラブのために何かしてあげたいの!元気になって欲しい!」
心の叫びのような声だった。せつなのこんな表に出した感情は初めてだった。



「私ね、不安なの・・・。誰も私の事、愛してる≠チて言ってくれないんじゃないかって・・・」
今思うと恥ずかしい台詞だよね。ドラマじゃあるまいし。


「そんな事ないわ。私はラブを愛してる。けどね・・・」

「けど?」

「こーゆー時、どうしたらいいのかわからないの。本当に助けてあげたいのに・・・。
力になってあげたいのに・・・。ごめんなさい・・・。」

「ううん。ありがとせつな。気持ちだけでも十分嬉しいよ。」


「気持ちだけじゃない!気持ちだけじゃ・・・」
せつなは泣いていた。感情を上手く伝えられないのが悔しかったのだろう。
悪い事をしたなって今でも反省してる。


「本当にラブを愛してるわ。ずっと言おうと思ってた。それに、私をここまでにしてくれたのはラブなのよ?」


「私の力だけじゃないよ。美希たんやブッキー、お父さんやお母さん、四葉町のみんな、
それとせつな。せつな自信なんだよ。」

「ラブ・・・」
いつの間にやら私よりせつなを気にしちゃってる自分がいて。これもまた私らしくて。
311MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 00:53:08 ID:5nQrmUB6
「さ、帰ろう。風邪引いちゃうぞ〜」
そう言ってラブの手を引っ張る。

「あっ」
勢いあまって重なる二人。


「ラブ・・・。私じゃダメ・・・かしら?」

「ダメじゃないよ。」
そっと涙を指で払ってあげる。

「愛してる、ラブ。」


「ほんとに〜?」

「ええ。」

「絶対〜?」

「絶対。」

「神様に誓う〜?」

「しつこいわよ。」

「ごめんなさーい・・・」

せつなの愛してるは世界一、いや宇宙一私に効く特効薬かもしれないね!

〜END〜
312名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 00:57:24 ID:e/ItH9jb
俺を泣かせてどうする気なの神様…
313名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 01:01:31 ID:Oq0Y4yQF
ラブせつ最高や!大輔なんか最初からいらんかったんや!
314名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 01:13:19 ID:5nQrmUB6
明日はラブッキーverです。お楽しみに。
職人さんたちのお陰でセミロング書けるようになった件w

○パのふたご先生のラブイース扉絵見ながら作りました。
やっぱ百合だよねぇ、どう見ても・・・
315名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 01:41:20 ID:e/ItH9jb
何で続き投下してくんないんだよ…。生殺しされてる俺_| ̄|○

クラスで人気者になるせつな。それを自慢気に見るラブ。

「近寄っても無駄よ。私達、結婚するんだから!」
316名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 01:51:41 ID:x8vmC61l
>>314
大輔が入る隙間などないねwごちそうさまです。
今からラブッキーが楽しみだ。
317名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 03:25:29 ID:jYiOSDYG
マリファナは取引現場で現行犯が大部分
マリファナは自分で栽培すれば安全
育て方や種入手方法などのマニュアル
1万円でおわけします
roppongibig●gmail.com ●を@に
318名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 03:29:06 ID:3VU1Rotm
通報しました
319名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 04:10:16 ID:cqYCJTUe
>>254
今更だがブキたん吹いたwwwGJ!
320名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 06:37:03 ID:gdOj3vPN
>>311

GJ!やっぱラブせつは最高です。
会話が脳内再生されました。

大輔なんて人は最初からいなかったのよ!
321名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 11:07:37 ID:e/ItH9jb
>>277
お願い!ブキ美希ハッピーエンドにして下さい…すれ違いのままじゃ何か辛い…

あ〜、やっぱこの時間帯は誰も居ないのか。気になって来てみたんだがw

早く夜になってくれw
322名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 12:26:03 ID:d6hXUgyY
スレ違いエンドはスレ違いエンドで好きかな。
323名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:29:10 ID:VwNIOm9B
職人の皆様方、毎晩GJです!
このスレを見るのが毎朝の楽しみになりました。
パッション爆誕からいっきにスレが伸びましたね〜。

以下、ラブせつSS投下します。5レス消費。
タイトルは「せつなとラブ すれ違う心」
324名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:30:22 ID:VwNIOm9B
「ラブ・・・。」

私は部屋の壁を見つめ、そっとため息をついた。
壁向こうの部屋の主は、今頃深い眠りの中にいるのだろう。
時刻は午前1時。
町中が寝静まっている中で、私は何度となく繰り返した言葉を再び呟く。

「私は、ラブの友達なの・・・?」

本人に直接聞けば、彼女はきっとこう答えるだろう。
あたりまえじゃない。せつなは大事な親友だよ!と。

私がまだイースだった頃、私は彼女たちがうらやましかった。
お互いに信頼し、支えあえる友達が、仲間がいる事が。
そう自覚したのは、ラブの心に触れてから。
今まで敵だった私を受け入れ、友達だと言ってくれる彼女たちにはとても感謝している。
私にとって、美希もブッキーも大切な友達。
もちろんラブの事も。・・・でも。

「ラブにとって、私はただの友達なのよね・・・。」

友達。
ラブにとっては、美希も、ブッキーも、学校のクラスメートたちも。
自分と同じように大切な友達なのだ。
それは、当然の事だと思う。
彼女たちは私とラブが出会うずっと前から一緒にいて、ラブと同じ時間を過ごしてきた。
その輪の中に、私が入って来ただけ。
ラブのたくさんいる友達の中に、東せつなという存在が加わっただけの事なのだ。

それでもよかった。ラブの傍にいられれば。
一緒に暮らして、一緒にお買い物に行って、一緒にダンスの練習をして。
たくさんいるラブの友達の中で、私は誰よりもラブに近い場所にいる。
これ以上の幸せなんてない。
そう、思っていたのに。

友達、親友。
この家に来たばかりの時は、その響きがとても心地よかった。
いつからだろう。
彼女がその言葉を口にするたびに、胸が締め付けられる様に苦しくなったのは。
キュアパッション。幸せのプリキュア。
幸せを求める心が生み出したプリキュア。
325名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:30:50 ID:VwNIOm9B
「幸せを、求め続けるプリキュア・・・か。」

私は自嘲気味に笑う。何て強欲なのだろう。
私はきっと、現状に満足していないのだ。
自分の幸せを求め続ける。例え、周りの人間を不幸にしたとしても。
それでは、イースだった頃と何も変わりはしない。
私はもう、誰も不幸にしないと誓った。
皆の笑顔を守りたい、その気持ちに変わりはない。
だけど。

苦しい。胸が、張り裂けそう。
自分の気持ちを隠して、当たり障りのない言葉を並べて。
最近の妙に余所余所しい私を、ラブはどう思っているのだろうか。
ラブに近づけば近づく程、お互いの心が離れていく気がする。
でも、だめなの。あなたを見ていると、自分が抑えられなくなる。
私だけを見て欲しい。
私だけに話しかけて欲しい。
私だけに・・・触れて欲しい。
そう、叶わぬ想いが溢れ出しそうになる。

私は必死に隠してきた。心配する彼女に何でもないと告げて。
普段どうりに振舞う様、精一杯頑張ってきた。
でも、それももう限界かもしれない。
もう私は、私を抑えられる自信がない。

数時間前に起こった出来事が、私の理性を完全に打ち砕いてしまっていた。
326名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:31:44 ID:VwNIOm9B
「せつな〜。お風呂空いたよ!」
「ええ、わかったわ。ラ・・・ぶっ!」

振り向いた私の目に飛び込んできたのは、バスタオル一枚巻いただけのラブの姿だった。
ほんのり上気した肌。しっとりと濡れた髪。
もぎたてフレッシュな彼女の裸体を隠しているのは、純白のバスタオル一枚だけ。
少しのぼせているのか、潤んだ瞳で私を見つめる彼女の目は、まるで私を誘っているかのように・・・ハッ!

「ラ、ラブ。何て格好してるのよ。」
いけないいけない!私は残った理性を必死にかき集め、目を逸らす事で彼女の姿を視界から隠す。

「いや〜考え事してたらちょっとのぼせちゃって。しばらくこのままでいるよ。」
こ、このまま!?バスタオルラブのまま!?き、危険すぎるわ!!
「ね、せつな。お風呂に行く前に、あたしの部屋でちょっとお話しない?」
や、やめて!私の理性はもうゼロよ!

「あ、汗かいちゃったから先にお風呂入るわね!ラブも早く服着ないと風邪をひくわよ!」
最後の力を振り絞り、よろよろとその場を去ろうとする私。
その腕を、ラブがつかむ。

「せつな、最近おかしいよ。何だかあたしを避けてるみたい。何か悩み事でもあるの?あたしじゃ力になれないのかな?」
そういって上目遣いに私を見上げてくるラブ。

私は死んだ。(主に理性が)
327名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:32:31 ID:VwNIOm9B
-----
ラブの手首をつかみ、こちらに引き寄せる。
「せ、せつな?どうし・・・んっ、んう!」
そのまま唇を奪い、口内に舌を滑り込ませる。
「んっ!んんーー!!」
バスタオルの上から、柔らかな乳房をもみしだく。
少し小ぶりな彼女の胸が、私の手の中で形を変える。

歓喜に心が震える。

シャンプーの甘い香りにクラクラしながら、私はひたすらラブの唇を貪った。
もがくラブを逃がさないように、彼女の細い腰にしっかりと腕を回す。
唇を離すと、ゆっくりと彼女の首筋に舌を這わした。
ビクッと彼女の体が震える。ああ、何て愛らしいの。

「あ、せ、せつな・・・。どうして、急にこんな・・・。」
「急にじゃないわ。ずっと、ずっとこうしたかったの。」
「あ、あたしたち女の子同士だよ!?こんなの、おかしいよ!」
「そうかもしれない。でも、私はラブが好き。もう、自分の気持ちに嘘はつけないの。」
太ももを彼女の股の間に滑り込ませる。
「ラブがいけないのよ。こんなイケナイ格好で、私のことを挑発するんですもの。」
「そ、そんなつもりじゃ・・・あ!」
彼女の体を隠す、唯一の物体に手を掛ける。
ばさっとバスタオルが滑り落ち、彼女の裸体が私の目の前に晒された。

「キレイ・・・。ラブ、キレイ。」
そう言いながら、彼女の乳房に手を伸ばす。
「だ、だめだよ。こんなの・・・。あたしもせつなが好きだよ!でも。」
「【友達】として、だから?」
ハッとラブが私の顔を見つめる。
「私はいや。ただの友達でいるなんて、もう我慢出来ない。」
彼女のおしりを掴み、自分の方へと引き寄せる。
「ラブを、私だけのラブにしたい。ラブだけの・・・せつなになりたいの。」
彼女の秘肉が私の太ももでこすれ、ラブは声にならない声を上げる。

ラブの頬をそっと撫で、耳元で優しく囁いた。
「愛してるわ・・・ラブ。」
-----
328名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:33:25 ID:VwNIOm9B
「せつな?どうしたの?せつな!」
ラブが私の肩を掴んで揺すっている。
はっとし、慌てて周りの状況を確認する。

どうやらいつの間にか、妄想の世界に入り込んでしまったようだ。
ラブはいつも通りだし、しっかりとバスタオルも巻かれている。
まだ、大丈夫。まだ、ラブに嫌われてはいない。よかった・・・。
ほっとすると同時に、またラブのバスタオル姿に釘付けになりそうになる。

「ご、ごめん!」 「あ、せつな!」
私は逃げるように風呂場へと駆け込んだ。
冷たいシャワーで頭を冷やす。もう、限界だった。

最近、思考の海へ沈み込んでしまう事が多くなった。
気が付けば、せつラブの百合百合な展開を考えてしまっている。
ラブの無防備な姿に理性が保たず、無意識に現実から逃げているのだと思う。
さっきみたいな事も、これが一度や二度ではない。
妄想と現実の境目がどんどん曖昧になってきていて、自分でもわけがわからなくなってくる。
このままじゃ、本当に・・・。

お風呂を上がると、ラブを避けるようにして部屋に閉じこもった。
私、どうしたらいいの?ラブ、苦しいの・・・。
彼女のバスタオル姿を思い浮かべながら、私は再び妄想の世界へと旅立っていった。
329名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 20:34:10 ID:VwNIOm9B
「はぁ〜あ。」

あたしは本日何度目かの大きなため息をついた。
時刻は午前1時。タルトとシフォンはとっくに眠っている。
あたしもいつもなら夢の中なんだけど・・・。

「あ〜あ。どうしたらいいんだろう。」

頭に浮かぶのはせつなのこと。

「最近、まともに顔も見てくれないんだよね・・・。」

枕に顔を押し付けながらそう呟く。
そう、せつなはあたしを避けている。鈍感なあたしでもわかるぐらい、あからさまに。
理由はわかっている。最近のあたしの態度だ。

「いきなり、積極的過ぎたのかなぁ。」

東せつな。あたしの友達。あたしにとって、誰よりも大切なひと。
初めて出会った時から惹かれていた。
物静かで神秘的な彼女に、どうしようもないくらい魅力を感じていた。
最初はそれが、女の子らしいせつなに対する憧れだと思っていた。

「まさか、自分と同じ女の子を好きになるなんて思わなかったな。」

そう、あたしはいつの間にか、せつなのことを好きになっていた。
ううん、せつなのことが好きだと自覚した、という方が正しい。
たぶん最初から、あたしはせつなのことが好きだったのだ。
友達としてではなく、一人の女の子として。
気が付いた時にはもうどうしようもなかった。
せつなをあたしだけのものにしたい。
あたしだけを見ていて欲しい。
あたしだけを、好きだと言って欲しい。
けど、そんな想いが叶うはずもなく。
あたしはせつなに対して必要以上に友達という言葉を強調することで、自分の気持ちを誤魔化してきた。
でも、やっぱり無理。自分の心を偽って、せつなと接するのはとても辛い。
だから決めたんだ。せつなに振り向いてもらえる様、努力しようって。

とは言っても、どうすれば好きになってもらえるかなんてわからなかった。
せつなが女の子のことを好きになるかどうかもわからないのに・・・。
もうすぐ新学期が始まる。そうすれば、せつなはあたしと同じ学校に通うことになる。
それはとっても嬉しいことだけど。学校には男の子もいっぱいいるわけで。
せつなが他の男の子のことを好きになっちゃったらどうしよう、とか。
せつなに憧れる後輩の女の子が告白してきちゃったらどうしよう、とか。
最近はそんなことばかり考えてしまって、学校が始まるのがとても怖い。
それまでにせつなに振り向いてもらわなくっちゃ!
そう焦って、せつなにあたしを意識してもらうように積極的に動いている。けど。
330名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:00:09 ID:VwNIOm9B
「ご、ごめん!」
そう言ってあたしの手を振り払った彼女の姿が思い浮かぶ。
つい数時間前の話だ。
作戦その44、お風呂上りのセクシーな姿でせつなのハートをメロメロよっ!は、
これ以上ないくらいの失敗に終わってしまった。
やっぱりあたしの体って魅力ないのかなぁ〜。タハハ・・・。

最近せつなはじっと考え込むことが多くなった。
特にさっきみたいにあたしがアプローチをかけると、
急に物思いに耽るように顔を伏せ、謝罪の言葉を述べて逃げ出してしまう。

それが、堪らなく悲しい。

もしかしたら、せつなはあたしのやましい心を見抜いているのかもしれない。
それでもせつなはあたしを拒否しない。せつなは優しいから。あたしを拒否することができない。
その優しさに付け込んで、あたしは・・・。そんなの、最悪だ。

せつなに嫌われたくない。でも、もっとせつなに近づきたい。せつなにあたしを見て欲しい。
唯のわがままだよね、こんなの。
アハハと力なく笑う。あ、涙でてきた。
笑いながら泣くなんておかしいよね。はは。

「はぁ〜あ。」

ホント、どうしたらいいんだろう。
せつな、会いたいよ。
隣の部屋にいるのに、心はずいぶん遠くに離れちゃった気がする。
初めてせつなが家に来た頃は、毎晩お互いの部屋を行き来してたのに・・・。
最近はあたしも妙に意識しちゃって、なかなかせつなの部屋に行く勇気が出てこない。
せつなもあたしを避けてるみたいだしさ・・・はぁ。

あぁ〜。せつなぁ〜。イチャイチャしたいよ〜。
あたしの思考は、既に日課となっているラブせつの妄想へと突入していった。
331名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:00:52 ID:VwNIOm9B
-----
「ラ、ラブ。私たち、女の子同士なのよ?」
「うん、知ってる。でも、あたしはせつなが好きだよ。」
「わ、私もよ。けど、いいの?私なんかで・・・。」
「せつなじゃなきゃだめなの。もう、自分の気持ちに嘘はつけない。」
「ラブ、嬉しい・・・。」
「せつな・・・。好き・・・。」
「あっ!ラブ!だ、だめよそんなところ。汚いわ。」
「せつなの体に、汚いところなんてないよ。」
「あ・・・だ、だめ。んっ!」
「せつな、とってもキレイだよ。」
「いやぁ。恥ずかしいから、あんまり見ないで・・・。」
「可愛いよ、せつな。大好き。」
「ラブ・・・私も、私もラブが好き。大好き。」
「せつな・・・。」
「ラブ・・・。」
-----

にへへ〜と顔がにやける。
枕に顔を埋めたまま、ゴロゴロと布団の上を転がった。
ああ〜せつなは可愛いなぁ〜。
さっきまで悩んでたのに、ラブせつパワーでなんだか元気が沸いてきた!
単純だな、あたしって。
よし!もう一度頑張ろ!
作戦その45、なんだか眠れないの。せつな・・・一緒に寝てもいい?で、せつなゲットだよ!
あたしは枕を小脇に抱え、タルトとシフォンを起こさないようにそっと部屋を抜け出した。

〜END〜
332名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:02:02 ID:VwNIOm9B
以上で投下終了です。
初投下で稚拙なSSですが、読んで下さった皆様、ありがとうございました。

フレプリのいいところは、4人全員誰とペアを組ませても違和感ない事ですね。
このスレみて、ラブ⇔せつな←ブッキー←美希にはまりました。
大輔・・・お前は自重しろよ。な?
333名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:07:01 ID:VwNIOm9B
>>323
5レスではなく8レスでした・・・。
長くてすみません。
334名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:14:56 ID:e/ItH9jb
>>332
初投下で内容がコンプリートされてるとか、どんだけプロ職人なのw
危うくエロで逝きそうになった。切り替えウマー

最後のラブの作戦数の多さにワロタw

大輔涙目。すまんな
335名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:20:49 ID:HccvBWxk
>>333
GJ!神ですね。続きが気になります!!
336名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:27:02 ID:5nQrmUB6
>>332
同居ならではの展開+妄想HでオチがラブらしくてGJです!
初めてでこのレベルの高さ・・・。勉強になります。

やっぱせつなの加入がでかかったですよねー。中断してたSSやり
始めたキッカケでしたから。

保管作業進んでいます。背景画も加わりました。知らない間に
手伝ってくれてる同士に感謝。
ttp://www12.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1.html
では後ほどお礼投下を。
337名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 21:49:00 ID:m36JL5Yn
>>332
二人とも妄想が激しくてお似合いですねww
やべぇ、二人とも可愛すぎる。GJ!
338名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 22:09:04 ID:mKgjhS4c
初投下でみんなこんなレベル高いのかよ・・・
なんか・・・ほんとにすごいな。尊敬
339名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 22:44:50 ID:7EuRwVtV
>>332
さ・・・・作戦その43以前の内容が気になります!


GJです。 ラ・・・ぶっ! でふいたww
340名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 22:50:58 ID:1J3ztUKb
「ある日のお風呂」書いたものです。
勢いに任せて書いちゃいました。
2度目の投下でお目汚しすみません。
341名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 22:51:25 ID:1J3ztUKb
【秘めごと】

「はぁ…」
今夜もまるで寝付けない。ここ最近、毎晩だ。遅くまで眠れずに考えて考えて、考え疲れて明け方に眠りにつく。

考えるのは隣の部屋で眠る女の子のことだ。
彼女のことを思うと、それだけで心も身体も熱くなる。
ダメだよ。せつなは女の子なんだよ。好きになっちゃダメなんだもん。
でも、せつなを思い出すと、脚のあいだが熱い。なんだか、変な気分…。

熱さの正体が知りたくて、そっと下着の中に手を伸ばし、中心に触れる。
とろん…。
な、に?なんで?あたしってばおしっこ漏らしちゃった?
少し焦ったけど、しばらく弄っているとわかってきた。ううん、おしっこなんかじゃない。
前に美希ちゃんに聞いたことがあるアレだ。

「気持ちいいと、女の子はアソコからジュースが出るの。ラブジュースって言うのよ。好きなひととエッチなことして気持ちよくなったら出るのよ」

だけど、今のあたしは?
せつなのことを思ったのだけなのに。
きっと、あたしってすんごくエッチな悪いコなんだ。
せつなを思ってアソコからジュースを出してる。
せつなに触ってほしくて、せつなに触れたくて。

「ふ…ぁあ…」
罪悪感と快感の中に漂いながら、彼女の名前を呼ぶ。
「せ、つ、な…」

その光景を、ドアの隙間から微動だにもせず覗き見るのは、黒髪の少女。
眠れない夜は隣の部屋へ忍んでいき、大好きな少女の寝顔を見るのが日課となっていた。
それが一体どうしたことだろう。これは現実なの?目の当たりにしていながら信じられない。
恋しい少女がひとり遊びに耽りながら、自分の名を呼び果てようとしている。

ラブ…あんなに乱れて…。そんなに思ってくれていたなんて。
わたし、精一杯あなたの心に答えるわ。

いつもドアの隙間から寝顔を見るだけで満足だった。
だから、部屋の中に入るなんて考えたこともなかった。
ラブ、待ってて。今わたしもいくから。

強い決意に支えられて、せつなは一歩前に歩き出した。
342名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 22:55:53 ID:1J3ztUKb
皆さんの良作に刺激されまくりました。
台詞だけより大分難しくて悩みましたが、下手なりに書いて楽しかったです。
ありがとうございました。
343名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:01:00 ID:yK7cExnq
なんでこんなみんあレベル高いんだwびっくりするわw
344名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:01:24 ID:e/ItH9jb
>>342
いいねぇ。ラブも等々覚えたか。て事は美希たんもう知ってるんだな…。

誰でやったんだ!?

自重はしないぞw
無論GJ。続きに期待。てか作って下さい。
345名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:06:53 ID:5nQrmUB6
>>342
やっぱベランダから行けるトコがポイントっすよねー。
お目汚しなんてとんでもない!これもまたラブせつ百合
パターンの一つだよね。

自慰は何か新鮮でした。微エロ続くねぇ。
346名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:14:47 ID:Gnej4TQ6
>>311
萌えた!
ラブゥは妙に頑固なとこあるから

>>324
おもしろいw
まともになったり壊れたりの不思議なバランス感覚と
隣室という胸キュンシチュエーションが良かったです
>>341美希たんの話題って一体w
だがこれで幸せゲット間違いなし!
347MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 23:31:29 ID:5nQrmUB6
【愛してると言って〜ラブ祈里ver】
四人仲良く笑っていられる事
みんなの笑顔は私のオアシス

だけど、これっていつまで続けられるのかな。


来年はみんな受験で忙しくなる。
美希たんはどうするんだろう。
ブッキーはどうするんだろう。
せつなはどうするんだろう。

自分の事より、友達の事ばかり気にしてる。


せつなが加わってからのダンスレッスンは今まで以上に楽しい。
美希たんやブッキーも以前と比べ物にならないぐらい輝いてる。
ミユキさんの教えは厳しいけど、終わった後の清清しさは癖になるほどで。



でも、明日はこれが出来るかな?明後日は?来月は?

来年・・・

不安で何度も押し潰されそうになる。一人でいるのが怖い。
こんな事みんなに相談してもわからない≠チて言われるだろうし。
一人が本当に怖くなる。




「寂しいよ」
348MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 23:32:06 ID:5nQrmUB6
私の暗い顔なんてを誰にも見せたくない。そんなの私らしくないから。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。



いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「やっぱりここにいたんだね。。」 

「ブッキー・・・」

「最近ここがお気に入りなの?」


「バレてたんだ・・・。理由なんて無いよ。何となく・・・、何となくね。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉に気持ちが入らなかった。


「隣座ってもいいかな?」

「うん。」


「元気ないよ。ラブちゃんらしくない。」

「そんな事ないよ。考え事してただけ。」

「そうかなぁ?だったらラブちゃん笑ってるはずだよ?」
ブッキーはそう言うと私の顔を覗き込む。天使のような可愛い顔して。
349MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 23:32:39 ID:5nQrmUB6
「ブッキーに嘘はつけないかな、やっぱ。」


「どうしたの?誰かとケンカしちゃったの?私ね、ラブちゃんの事ずっと心配してたんだよ。」



「寂しくなっちゃって。私ね、みんなともっともっと一緒にいたいんだ・・・。」
情けなかった。相談してる内容が子供のワガママみたいになっちゃって。


8月にしては涼しい風が私たちを横を通り過ぎた。
するとブッキーが口を開く。

「私、ラブちゃんの役に立ちたい。ラブちゃんのために何か出来ると思う。元気になってくれるって信じてる!」
天使の声、その物だった。ブッキーの優しさがこんなに有難いと思ったのは初めてかもしれない。



「不安なんだ・・・。私は4人でいる事がホント幸せ。でもこれがね、いつまで続けられるんだろって。」
正直、ブッキーにもわからなかったはずで。難しい悩みだったと思う。まして私たちはまだ14年しか生きてないのだから。


「私も不安だよ。ラブちゃんと一緒。美希ちゃんやせつなちゃんも一緒だと思う。だけどね・・・」

「だけど?」

「一人で悩むより・・・、相談して欲しかった。ずっと気になってたんだよ?ずっとラブちゃん
の事見てた・・・。本当は私から声かけるべきだったよね・・・。ごめんなさい・・・。」


「ううん。ありがとブッキー。心配してくれてただけでも嬉しいよ。」
350MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/20(木) 23:33:05 ID:5nQrmUB6
「私、これじゃ何の役にも立ってないよね。ラブちゃんが苦しんでるのに・・・。私には何も出来やしない・・・。」
ブッキーは泣いていた。美希たんやせつなと比べてしまったのだろう、ブッキー自身を。
悪い事をしたなって今でも反省してる。


「私ね、ラブちゃんの事が好き。ラブちゃんの笑顔も。踊ってる姿も。ラブちゃん全部が大好き。
あ、それとね・・・。私をここまでにしてくれたのはラブちゃんなんだよ?」


「え?」
確かに。幼い頃からのブッキーを知っていれば驚く程、感情豊かに成長していた。

「私の力だけじゃないよ。私たちには美希たんがいて、せつなもいてくれたからだよ。
それと、変わりたい!って信じ続けたブッキーの力がイチバン!」
いつの間にやら私よりブッキーを気にしちゃってる自分がいて。相変わらずの自分に思わず笑ってしまい。

「さ、帰ろう。あっ!ドーナツ食べいこっか!美希たんやせつなも誘っちゃおう!」
そう言ってブッキーの手を引っ張る。

「キャッ」
勢いあまって重なる二人。


「ラブちゃん・・・。」
「ん?」

「本当に好きなんだよ?4人でいる時も1人でいる時も、ずっと・・・」

「言ってくれるね〜」
そっと涙を指で払ってあげる。

「愛してる、ラブちゃん。」


「ほんとに〜?」

「うん。」

「絶対〜?」

「恥ずかしいよぉ・・・」

「神様に誓う〜?」

「もぅヤダぁ・・・。」

「私もだよ、ブッキー」

ブッキーの愛してるは甘酸っぱくて。
今日より明日、明日より明後日、またみんなで輝いて行こうね。

〜END〜
351名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:35:52 ID:5nQrmUB6
明日はラブ美希で投下します。読んでもらえるって信じてる!
微エロじゃなくて申し訳。
352名無しさん@秘密の花園:2009/08/20(木) 23:47:27 ID:e/ItH9jb
>>351
ラブせつと所々文章変えてるんだね。細かい仕事乙です。

ブッキー優しいなー。最後の駆け引き好き。昨日と比べるとキャラ違いが良く分かる!GJ!明日も期待age
353名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:14:49 ID:rNQixwXX
四人で何パターン出来るんだろ?どんどん保管庫も溜まってるし。

職人全てに敬意を。
354名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:32:02 ID:h8WRji5i
ミユキさんや皆の母親とかを含めたら、まだまだいけるさ!
355 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:32:17 ID:hv+HHR12
こんばんわ。
美希せつで浮かんだので投下します。
9レスほどお借りします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

闘っていたときに無意識に感じていたのは
強い人に対する憧れ。

強いと思っていた人が見せた
脆さ、ひたむきさ。

それに惹かれたのかも知れない。




  【Unreachable】




「うわー、可愛いー!」

ラブとブッキーが同時に声を上げる。

ドーナツショップのテーブルで、あたしたち4人は
雑誌を広げていた。

今月初めに発売されたティーンズ向けファッション誌。
夏のアウトドア特集に、あたしが載っている。

「わはー!このページ美希たん水着だよ!たまらんねこりゃ」
「ラブちゃん、何かオジサンみたいだよ」

せつなも、あたしの顔と雑誌を交互に見ている。

「すごい...本当にモデルやってるんだ...」
「読者モデルってたくさんいるから、そんなに大したことじゃないよ」
「あーぁ、あたしもこんな風に雑誌に載ってみたいなぁ」
「クローバーで頑張ってさ、載ってみようよ」
「そうだね!表紙ゲットだよ!」

雑誌を見ているせつなの横顔に目をやった。
くせのない髪、長い睫毛、大きな瞳、整った鼻筋。

同性でもドキッとするほど、可愛い。


356 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:33:09 ID:hv+HHR12
ふと、髪が結構伸びていることに気づいた。


「ねぇせつな、髪伸びたね」

「ええ...向こうでは機械で勝手にやっていたから
 こっちの世界でどうやってるか解らないの」

「せつな、美希たんのところで切ってもらいなよ。
 美希たんのお母さん、すっごく上手なんだよ!」

「今日は店休日だけど、電話して聞いてみるね」


ママに電話すると、二つ返事でOK。
あたしが手伝う条件で、無料で良いそうだ。

「じゃぁ決まり。今から行きましょ」

「私とブッキーは夕ご飯の買い物に行ってくるから、ごゆっくりー」


せつなと並んで歩く。

「本当にいいの...?」

「うん。気にしないで。
 ママもせつなに会いたがってたし」

「ありがとう、美希」

せつなが笑顔を見せる。

心臓が、
ドクン、と脈打った。

どうしたの、あたし...

357 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:34:18 ID:hv+HHR12

ママはせつなと軽妙におしゃべりしながら、
手際よく髪を切りそろえていく。
よく口と手がここまでバラバラに動くものだ。

シャンプーとトリートメントは、あたしが担当。

せつなの髪はするすると指が通り、地肌もやわらかく
ついすみずみまで指先で触れてしまう。

指先を通して、せつなの体温を感じる。

「とっても気持ちいい。上手ね、美希」
「ふふ、これでもお手伝い歴長いんだから」



ママがブローをして仕上げる。

「さ、これでOK。おつかれさま」
「ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げたせつなから、髪のいい匂いが拡がる。


「私、これから和希のところに行ってくるから、
 お留守番よろしくね。」
「そっか、今日お見舞いに行く日だったね」

「じゃぁせつなちゃん、ごゆっくりね」
「ありがとうございます」

358 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:35:44 ID:hv+HHR12

せつながあたしの部屋に入ってきた。

「わあ...きれいな部屋ね」

すっきりと片付いた室内、大きな鏡台、しゃれたアロマライト。
アロマライトにはリラックスできる香りのオイルを落としておいた。

「何かとっても落ち着く...」


何か恋人を招き入れた気分になり、
胸の鼓動が速くなった。

何なのよ、あたし...


「ちょっと、飲み物持ってくるね」

いそいそと居間に降り、冷蔵庫からアップルジュースを取り出して
2つのグラスに注ぎ、氷を浮かべて持っていく。

「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」

せつなはほぼひと息で飲み干した。


あたしもアップルジュースに口を付ける。


...!

359 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:37:09 ID:hv+HHR12

何か違う。

これって...リンゴの味するけど、お酒じゃない?

「ごめん、ちょっと待っててね」
あわてて冷蔵庫まで戻り、ジュースの瓶を確認する。

「やっぱり...!」
ママがいつも飲んでるシードルだった。


ばたばたと部屋に戻る。
「せつなごめん!さっきのはジュースじゃなくてお酒...」

部屋に戻ると、せつなが椅子に座ったまま、
船をこぐように眠りかけていた。


とりあえず肩を貸すように抱え、ベッドに寝かせる。

「ふぅん...」

せつなの吐息が顔にかかる。

胸がゾクゾクする。


あたし、何考えてるの?

女同士だよ。

あたしは恋愛も完璧にこなすんだから。

360 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:39:07 ID:hv+HHR12

時計の秒針の音と、せつなの寝息だけが聞こえる。


目は本に向いているが、内容なんて頭に入りやしない。
耳をすませて、せつなの寝息を聞いている。

せつなの寝顔を見る。

髪のいい匂いがする。

自然に整った眉。

閉じるといっそう長さが強調される睫毛。

きめの細かい肌。

ぽってりとした唇。


ついこの間まで、敵として闘っていた。
ラブを騙そうとしている、したたかな女。
生気の無い笑顔を見て、絶対に裏があると思っていた。

でも、

ラビリンスから排除され、この世界でひとつひとつ
やり直しているせつなを見て、あたしの中に
ある感情が生まれた。


守ってあげたい。


いや、


独り占めしたい。


あたしは、自分の中にある気持ちを
はっきりと認識した。


せつなを、あたしだけのものにしたい。

361 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:41:32 ID:hv+HHR12

せつなの唇から、目が離れない。

でも、

だめよ。

女同士じゃない。


心とは裏腹に、あたしの顔はどんどんせつなに近づく。
せつなの匂いが、鼻をくすぐる。


だめよ、

しちゃうと、

堕ちちゃうよ。



...ちゅっ。


甘美な感触に、全身が震えた。
心臓が飛び出しそうなほど高鳴っている。


唇を離すと、せつなが目を閉じたまま軽く微笑み、
おねだりをするように、唇を少し尖らせた。


...ちゅっ。

もう一度、口づける。

せつなの手が、あたしの髪に触れた。

すぐ近くにあるせつなの顔が、少し寄って来て
あたしの唇の近くに、小さく、何度も口づける。


胸の鼓動が聞こえるほど高鳴った。


「...ラぁブぅ...」

362 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:43:45 ID:hv+HHR12

冷水を浴びたように、体が、心が、固まった。

それは、今まで全く聞いたことがない、せつなの声。

ベッドで恋人にささやきかけるような、甘えた声。


あたしの唇に唇を重ねていたせつなの動きが
また止まり、パタンと手がベッドに落ちた。
寝息がまた聞こえてくる。


あたしはベッドの横にへたり込み、目の焦点を合わせるでもなく
せつなの顔を見つめていた。


どのくらいそうしていただろうか。
窓の外からは夕日が差しこんている。
せつなが目を覚ました。

「...ん...あれ?ごめんなさい、何か寝ちゃってたみたい」
「何か疲れてたみたいだったんで、ベッドに寝かしておいたの」

「そう...私、何か寝言とか言ってなかった?」
「...ううん、別に。」


363 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:46:10 ID:hv+HHR12
「あっ、こんな時間!私、そろそろ帰らなきゃ」


玄関を出る。

「美希、今日はホントにありがとう」
「うん。明日はダンスレッスンだから、また頑張りましょ」
「そうね。じゃあまた明日」
「うん。バイバイ」

通りを歩いていたせつなが一度振り返り、笑顔で手を振る。
手を振り返し、家に入る。


部屋に戻ってドアを閉めた瞬間、抑えていた感情が
涙になってあふれてきた。

せつなが口づけしていたのは、
あたしじゃなかった。


でも、これでいい。


せつなとは友達のまま。
クローバーも今までどおり。
何も変わってない。


あたしが、勝手に失恋しただけ。


ベッドに横になる。

「さすが、あたし」

心にもないことを、口にする。


「失恋だって、完璧にこなしちゃうんだから」

言い終わる前に視界が歪んだ。


あたしは枕に顔を深くうずめ、ありったけの声をあげて泣いた。

364 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 00:47:13 ID:hv+HHR12

以上です。ありがとうございました。

書いてて辛くなった。
誰か美希たんを幸せにしてやってくれ...

365名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 01:01:50 ID:lrqmdvHs
もうラブに犯られちまったのか
366名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 01:17:38 ID:YKtE1tOV
GJ!!
美希たんの気持ちがすごく伝わってきたよ。こっちまでドキドキしたw
ラブラブなのもいいけど切ない話もたまらんね〜。
367名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 02:33:11 ID:iU3dPPci
んぬあああ〜う!!たまらん!せつねえ!だれか美希たんを幸せにしてあげて!!
368名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 02:34:36 ID:iU3dPPci
この文体は・・・いつも乙です!
369名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 02:55:33 ID:cq2nmsiw
次々新作投下されてる。皆さんどんだけのスピードで書いてるんですか…。
しかもどれも神作ばかりじゃないか…。
>>351
甘酸っぱさに悶え死んだ…GJです!ブキラブいいなあ…。
>>364
切ねええええええ!!GJ!!美希たん報われてよ美希たん…
新しい職人さん達もスゴいっす!やっぱここレベル高いわ…。
370名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 02:57:15 ID:jPat6EvE
GJです!

自分、基本ラブせつなんだけど、ブキせつ、美希せつもいいなあ。
ってか、どんなカプでも萌えるなんて、すごいアニメなんだな。
このスレに住みはじめてから、妄想が止まらなくなってる。
3人がかりで嫌がるせっちゃんを喜ばせたい。
371 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:05:42 ID:ziW8mmoo
保管庫に拙作を入れて頂き、ありがとうございました。


今日もSS祭りですね。わかります。

っていうかみんな、レベル高い・・・・・・私も精進しないと。


>>364
幸せというかはわかりませんが、美希せつの穏やかな日常風景で。
372 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:07:35 ID:ziW8mmoo
 秋の匂いが漂う河川敷。ワーワーと子供達が野球に熱中する声が空に響く。
 その片隅の草っぱら。傾斜の途中に座る、少女が一人。
 目を閉じて、イヤホンからの音に耳を澄ます。思い描くは、ダンスシーン。ト
リニティの三人が、ステップ、ステップ、ターン、ステップ。指先まで綺麗に手
を両に伸ばして、綺麗にポージング。
 心に描くは容易なこと。けれど、実際に自分がしてみると、全然うまくいかず。
腕に意識を向ければ足がおろそかになり、ステップを気を付ければリズムが狂
う。

「体で覚えるしかないわね」

 ミユキにコツを聞いた時、そう応えられたことを思い出す。

「何度も何度も、繰り返し繰り返しレッスン。ダンスを上手くなるには、これし
かないわ」

 頑張ってね。
 笑顔でそう言った彼女は、どれほどの汗を流したのだろう。ステージの上、ス
ポットライトを浴びるミユキのダンスには、揺ぎ無い自信が感じられる。
 すごい。素直にそう思う。
 一つのことに夢中になるというのは、とても素敵なこと。
 私も、いつかはそういったものに出会うんだろうか。

「――――」

 誰かに声をかけられた気がして、目を開ける。それと前後して、後ろから両の
イヤホンを奪われて。

「こんなところで、何やってるの、せつな?」
「美希」

 振り向いたそこにいた親友の姿に、せつなは驚きに目を見広げた後、ゆっくり
と笑ったのだった。




      Whisper in the Wind
373 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:10:49 ID:ziW8mmoo
「なにこれ。レッスン曲じゃない」

 せつなから奪ったイヤホンを耳に入れた美希は、不思議そうな顔をしながらそ
う言った。首を縦に振る彼女に、

「どうしてこれ、聞いてるわけ? レッスンで飽きるぐらい聞いてるのに」
「それでも、まだまだ聞き足りないから」

 返されたオーディオプレイヤーを鞄にしまいながら、せつなは微笑みながら言
う。隣に座った薄水色のロングスカートの少女からは、鼻をくすぐるいい匂い。
きっと、その長い髪から漂ってくるのだろう。

「なるほど、イメージトレーニング、ってわけか」
「ミユキさんからは、体を動かして覚えろ、って言われてるけどね」

 けど、今日はもう疲れちゃったから。
 苦笑しながらの言葉に、美希は怪訝そうな顔で尋ねる。

「練習してたの?」
「うん。一人で、だけどね」
「あら。ラブは?」
「なにかの委員の集まりだとかで、友達の家に行ったわ。クラスで何かやるみた
い。せつなにも内緒なんだから、って言ってた」
「ああ、あの子、そういうサプライズ、好きだもんね」

 クスクスと顔を見合わせて笑う二人。今頃、友達の家で色々と企んでいること
だろう。

「けど、せつな、ひどい」
「え?」

 唐突に責められて、せつなは不思議そうな顔をする。美希は可愛らしく唇を尖
らせて、

「声、かけてくれれば、一緒に練習したのに」
「ああ、そのこと」

 本気で怒られているわけじゃないと知って、彼女は笑みを見せた。そして、

「だって今日は、お仕事も久しぶりのお休みだったんでしょ? 邪魔しちゃ悪い
かなって。それに――――」
「それに?」
「一緒に練習したら、追いつけないじゃない、私」

 悪戯っぽい表情を見せるせつなに、きょとんとした後、美希は思わず吹き出した。

「なに、それ。負けず嫌いなんだから」
「そ。すっごく負けず嫌いよ、私。知らなかった?」

 澄ました顔で言うものの、すぐにそれは笑みに変わる。美希も、クスクスと笑う。
 秋の風が、二人の髪をそっと撫でて、去っていく。羊の形をした雲が、ゆっく
りゆっくりと空を歩いていて。
374 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:13:34 ID:ziW8mmoo
「でもね」

 一頻り笑いあった後、せつなは穏やかな顔で言った。

「追い付きたいってのは、ホント」
「ダンスで?」

 コクリ、と彼女は頷く。

「ラブもブッキーも、もちろん、美希も。皆、やっぱり上手いなって」
「そりゃあ、せつなよりは始めたのが早かったもんね」
「うん。だから早く追い付きたいなって」

 その言の葉を口にしたせつなの唇は、相変わらず微笑を湛えている。だが彼女の
瞳には、真っ直ぐな強い光が宿っていて。

「四人のダンスがピタッて嵌ったら、すごくパワフルでカッコイイダンスが出来
る、ってミユキさんが言ってた。けど、私はまだ、慣れてないから、足手まとい
になっちゃう」
「足手まといだなんて、そんなこと思ってないわよ?」

 美希の言葉に、せつなは、ううん、と言いながら首を横に振った。

「まだまだ、だっていうのはわかってるつもり。だから皆みたいに、早くうまく
なりたいなって」
「それで一人で練習してたってわけか――――あわよくば、抜かしちゃおう、っ
て思ってたでしょ?」
「バレた?」

 美希の指摘に、せつなはお茶目な顔で舌を出す。

「もう、後輩の癖に、生意気よ」
「アハハ、ごめんごめん」

 怒ったふりで拳を上げる美希。それをよけようと体をそらすせつな。二人はや
っぱり、笑顔。とても明るい笑顔。

「でも、誘っとけば良かったわ。美希とブッキーを」

 しばらくじゃれ合った後、空を見上げながらせつなは言った。その横顔を、
青の少女は見つめる。

「一人が寂しかった?」
「それもあるけれど......私、皆のダンスを見ているのも好きだから」

 空の羊達は、その数を増やしている。ゆっくり、ゆっくりと足踏みをしながら、
彼方へ彼方へと流れていく。
375 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:16:28 ID:ziW8mmoo
「ラブのダンスは、元気いっぱいで好き。ブッキーのダンスは、女の子らしくて
可愛くて、好き」
「――――あたしのは?」

 二人の名前だけで止まって、不服そうな顔をする美希に、せつなは照れ笑いを
浮かべながら、

「本人の前で言うのは、恥ずかしいわ」
「そう? あたしは、せつなのダンス、頑張ってるって感じがして、すっごく好
きよ」

 う、と言葉に詰まる。流し目の彼女に、思わずドキッとする。頬が熱くなる。

「ほら、今やってる振り付けで、腕を目一杯伸ばすところがあるでしょ?」
「う、うん」
「せつな、こんなに小さいのに、すっごく頑張って大きく見せようとしてるでし
ょ? それがもう、微笑ましくて」
「――――もう!! どうせ私は、美希に比べれば背が低いわよ!!」

 からかい混じりの口調に、せつなは軽く彼女の肩を小突く。アハハ、と楽しそ
うに笑う美希の姿に、彼女はドキッとして損した、と思って。
 美希のダンスは、すごくセクシーで大人びてて、好き。そう言おうと思ってた
けれど、絶対に言ってやらない。言ってやるもんか。

「ごめんごめん、せつな。機嫌直して?」
「知らない」

 プイッと顔を背けるせつな。その様に、また笑う美希。

「冗談よ、冗談」
「フンだ!!」

 せつなは怒ったフリをする。あくまでも、フリ。本当に怒っていたら、その場
を立ってどこかに行ってしまう。それをしないのは、美希だから。
 そして拗ねているだけだとわかっているから、美希も本気で慌てたりはしない。
満足いくまで笑ってから、

「アハハ――――でもね、せつな」
「――――なに?」

 口調を改めた彼女の声に、たっぷり十秒数えてから、せつなは返事をする。

「あんまり、根を詰めすぎないでね? 精一杯、頑張るのはいいけれど、無理は
しないで欲しいの」
「――――うん」

 相変わらず顔は背けたまま。けれど、せつなにはわかった。彼女が、美希が、
今、とても優しい目をしていることが。




「ねぇ、美希」
「ん? なぁに、せつな」
「――――ありがとう」
376 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:18:02 ID:ziW8mmoo
「いい風ね」

 なんとなく話が途切れて。美希は地面に両手をついて、空を見上げていた。そ
の前髪を揺らす、穏やかな風。とても、気持ちのいい風。
 彼女の声に、しかし返事は無く。

「――――?」

 隣の少女を見ると、座ったまま、目を閉じていて。コクリ、コクリと微かに船
を漕いでいる。気持ちのいい風は、秋の薫りだけでなく、彼女の瞳に眠りを運ん
できたようだ。
 だから、頑張り過ぎだっていうのよ。
 美希は、小さく溜息をつく。それは彼女に呆れたからだけど、しょうがないな
ぁ、という優しい呆れ。
 フラフラと危なっかしく揺れる彼女を起こさないように、そっとその頭に触れ、
自分の膝の上に導く。
 美希のロングスカートの上で、気持ち良さそうに小さく寝息を立てるせつな。
その彼女の可愛らしい顔を見つめる美希は、暖かな笑みを浮かべながら。
 慈しむように。愛でるように。
 そっと彼女の黒髪を、優しく撫で続けたのだった。
377 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/21(金) 03:22:17 ID:ziW8mmoo
以上、美希せつの穏やかな日々でした。


美希せつはなんだか、こういうのが書き易いです。
378名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 03:58:36 ID:iU3dPPci
ぬわあーん。ゆったりいいかんじ!
379名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 04:03:58 ID:cq2nmsiw
GJです!寝る前に素晴らしいSS読めてよかった…美希せつ和むよ美希せつ…
枕を美希たんの膝だと思って寝るよ…良い夢見れそう…
しかしこの時間でもSS投下されるとは…
380 ◆BVjx9JFTno :2009/08/21(金) 07:11:19 ID:hv+HHR12
感想ありがとうございます!

いつもせつな視点で書いていて、たまには別の視点で
書いてみようとしたら切ない結末になりましたorz

自分で書いておきながら落ち込んでいたのですが
◆ZU7CldKWo2さんのSSを見て救われた感じです。


SS祭りになってから、仕事中も妄想が止まらず大変www

381名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 07:16:11 ID:J1H9ehsZ
何故だろう……とってもエロい気がするのは……
ttp://precurelove.nazo.cc/labyrinth/src/1250747219418.jpg
382名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 07:16:15 ID:hv+HHR12
>>347

このときのラブの感情はすごくわかるなぁ。
いつか来る別れに対する不安。

感情移入してしまいました。
ブッキーかわいいなぁ
383名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 14:54:58 ID:+JhclQR7
管理人さんではないですが
とりあえずここまでのSSは保管作業全てしておきましたので一応ご報告。
SSを書いてくれる職人の皆様に感謝です!
384名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 15:27:45 ID:d1KoL15A
そのラビリンス板ってのはどんな板なの?申請しようかな…。
385名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 16:40:27 ID:ZjSgokLD
エロコラを貼る板、なぎほの専用の板、なんでも自由に貼れる板、の3つ
書き込みはあんまり頻繁じゃない

>>381は「キュアピーチ&キュアパッションのイチゴクリームサンド」っていう新商品のパンだよ
386名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 17:38:46 ID:rNQixwXX
>>383
乙です。住人が素敵すぎるので、ここに俺も住もうと思うw

ピーチとパッションが、プリキュアパンをお互いに食べさす所を除いていたい…。クリームが指について、それを舐めたり。
387名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:53:58 ID:VOybWuM9
昨日妄想ラブせつを投下した者です。
GJして頂いた皆様、ありがとうございました。

美希は切ない感じが似合いますね〜。
ラブ⇔せつ←みき(ブキ)が個人的には好きですね。
せつな総受けw
でもどのカップリングも魅力的!

以下、「せつなとラブ すれ違う心」の続きを投下します。
タイトルは、「作戦その45発動!」です。
微エロあり。相変わらずせつなが壊れ気味です。
昨日に引き続き、少し長いです。
388名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:54:29 ID:VOybWuM9
コンコン。
「せつな、起きてる?」

ラ、ラブ!?
思考の海へと潜り込んでいた私は、一瞬にして覚醒する。
慌てて時計を見ると、時刻は午前1時30分。
普段の彼女ならとっくに眠っているはずの時間だ。
こ、こんな時間に、どうして私の部屋へ?

最近ラブがこの部屋を訪れることはめっきり少なくなった。
それは、私のラブに対する態度が原因ではあるのだけれど。
ラブと二人きりになるなんて、今の私には耐えられそうもない。
けど寂しい。ラブに会いたい。
私の中で、終わりのない葛藤が繰り広げられてきた。

でも今、ラブが訪ねて来てくれた。
こんな時間に、私の部屋に。
用件が何であれ、こんなに嬉しい事はない。
ラブの声が聞けた。ただそれだけで。
こんなにも、心が歓喜に震えている。

「せつな?入るよ?」
あ、と思ったときにはドアがそうっと開けられた。
私はとっさにドアに背を向け、寝たふりをする。

「・・・おじゃましま〜す。」
そろり、そろりと彼女が近づいてくる気配がする。

心臓が早鐘の様に鳴り、体中が熱を帯び始める。
とっさの事とは言え、どうして寝たふりなんてしてしまったのか。
後悔が胸を過ぎるが、今更やめる事も出来ない。
何より、こんな状況でまともに彼女の顔なんて見れやしない。

ラ、ラブ。一体どうしたというの?
この状況って。ま、まるで夜這いみたいじゃない。
ありえないと思いつつも、淡い期待を抱かずにはいられない。
もし、もしもラブが−。
389名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:54:58 ID:VOybWuM9
-----
「ねぇ、せつな。」
彼女はそっと私の肩を揺すり、私をまどろみから呼び覚ます。
「ん・・・。どうしたの?ラブ。」
私は重い瞼を少し開け、焦点の合わない目で彼女を見つめる。
「せつな・・・一緒に寝てもいい?」
彼女は少し恥ずかしそうに俯きながら、私の目をちらちらと見てくる。

やっと頭がはっきりしてきた。ラブの不安そうな顔が目に映る。
私が断るとでも思っているのかしら?ホント、可愛い子ね。
「眠れないの?・・・怖い夢でも見たの?」
私は優しく彼女に微笑みながら、布団の端を上げておいでと手招きする。
彼女は顔を赤くしながら、私の横に潜り込んでくる。
「うん・・・。とっても怖い夢を見ちゃったの。」
潤んだ瞳で私を見上げ、パジャマの裾をキュッと握ってくる。
「可愛そうなラブ。一体、どんな夢を見たの?」
彼女の髪を優しく撫でながら、そう尋ねる私。

「・・・せつなが。せつながいなくなっちゃう夢。」

手を止め、彼女の潤んだ瞳を見つめる。
「あたし、あたし必死にせつなに手を伸ばしたの。でも、その手は届かなくって。」
震えている。まるで、本当に起こってしまった事であるかのように。

「せつなは、大丈夫よって。あたしを安心させるように微笑んで。けど!」
「もういいわ、ラブ。もう、話さなくてもいいのよ。」
「よくないよ!あたしは、あたしはせつなを!・・・んっ!」

彼女の唇を自分のそれで塞ぐ。彼女がもう、辛い言葉を吐き出さなくても済むように。
ゆっくりと唇を離し、再び彼女の瞳を見つめる。

「私は、ここにいるわ。どこにもいったりしない。ずっと、ラブの側にいるから。」
そういって、再び唇を重ねた。彼女の口内に舌を差し入れる。
「ん・・・せつな。あむ・・・ふぁ。せつな、せつなぁ!」
ラブも私の舌に自分のそれを絡めてくる。お互い、貪欲に相手の唇を貪った。

「せつな、せつな。もっと、あたしにもっとせつなを感じさせて・・・。」
私は彼女のパジャマのボタンに手を掛ける。
キスをしながら、器用にボタンをひとつずつはずしてゆく。

「お願い、せつな。せつながここにいるって。どこにもいかないって。あたしの体に、刻み込んで・・・。」

ゆっくりと、乳房に舌を這せてゆく。彼女の熱い吐息を感じながら、私はラブの体に溺れていった−。
-----
390名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:55:22 ID:VOybWuM9
はぁ、はぁ。

一瞬でそこまで妄想して、私は荒い息をつく。
た、たまらないわ。ラブ、なんて可愛いの!
やっぱりせつラブは最高だわ・・・。少し幼い感じのラブの仕草がポイントね。

・・・じゃなくて!こんな時に何を考えてるの、私は!
いつの間にかすぐ側にラブ来てるみたいだし!
ね、寝たふりって気付かれてないかしら。
さっきの妄想で体は火照ってるし、息遣いは荒くなってる。マ、マズイわ。
落ち着くのよ、せつな。そう、素数でも数えて心を静めるのよ。
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47・・・。

「ねぇ、せつな。あたし、何だか眠れないの。・・・一緒に寝ても、いい?」

私は死んだ。(理性的な意味で)
391名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:56:00 ID:VOybWuM9
「ねぇ、せつな。あたし、何だか眠れないの。・・・一緒に寝ても、いい?」

そう言って、あたしは眠っている彼女の肩に手を掛けた。
ビクッと彼女の体が震える。
やっぱり、起きてたんだ。でも、どうして寝たふりなんかするんだろう。

やっぱりあたしのこと、警戒してるのかな。
そうだよね。こんな時間にいきなりやってきて一緒に寝ようだなんて。
こんなの、どう見ても夜這いにしか見えないよね。

奮い立った心が萎みそうになる。
やめておけばよかった。そう、弱音を吐きそうになる。でも。
こんなのあたしらしくないよ。前に、進まなきゃ。

「せつな、入るよ。」

あたしは意を決して彼女の布団に潜り込む。
目に見えて彼女の背中が硬直するのがわかる。
でも、もう止まれない。もう、突っ走るしかない。

「せつな、あたしね。最近せつなに避けられてるみたいで、すごく悲しかったんだ。」
「あたしの態度が原因で、せつなが戸惑ってるのはわかってる。でも。」
「どうしようもないんだ。あたし、少しでもせつなに近づきたくて。」
「せつなにとっては迷惑かもしれない。でも、もう我慢できない。」

「あたしは・・・せつなの事が好き。友達としてじゃなく、一人の女の子として。」

言った。ついに、言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。祈るような気持ちで、彼女の背中を見つめ続ける。
しかし、彼女は微動だにしない。まるで、時が止まってしまったかのように。
392名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:56:28 ID:VOybWuM9
「せつな?」

突然、ガバっと彼女の体が覆いかぶさってきた。
両方の手首をつかまれベットに押し付けられる。
驚きに目を見開く。そこには、潤んだ瞳の彼女の顔があった。

「せ、せつな。どうし・・・んっ!」

唇が塞がれる。それがキスだと気付いたときには、彼女の舌が私の口内を蹂躙していた。

「ん!ンッんんーっ!」

何も考えられない。せつなが私に、キスをしている。
妄想ではなく、現実で。
あまりの驚きに、嬉しさよりも動揺の方が先に来てしまった。
こ、これって本当に現実なの?疑問符があたしの頭の中を飛び回る。
そんなあたしに構わず、せつなはあたしの顔にキスの雨を降らせてきた。

せつなにキスされた箇所がじんわりと熱を帯びている。
これがまぎれもない現実だと、あたしに突きつけるように。
これは、現実なんだ。せつなが、あたしに、キスしてるんだ。

少しずつ、心に喜びが広がってくる。
再び彼女の舌が口の中に入ってきた。
それに答えるように、今度はあたしも舌を絡める。

あたし、せつなとキスしてる!嬉しい!!
喜びが私の中で爆発した。もう止まれない!!
393名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:57:07 ID:VOybWuM9
「せつな!せつなぁ!」

今度はあたしから。せつなの顔にキスの雨を降らせる。
彼女がもどかしげにあたしのパジャマのボタンをはずしている。
あたしも負けじと、彼女のパジャマを脱がしにかかる。

「ラブ、ラブ!好き!好きなの!!」

普段の彼女からは想像できない程の激しさで、あたしの体を抱きしめてくる。
こんなに、こんなにあたしのことを求めてくれるなんて!
あたしの目じりから涙がこぼれる。
もう、嬉しすぎてどうしたらいいかわかんないよ。
せつなの方を見ると、彼女も涙を溢れさせている。
それはきっと、うれし涙。あたしと同じ・・・涙。

心が痛む。甘く。切なく。
こんなに嬉しいのに。心が痛んで、涙がこぼれるなんて。
嬉しすぎると、悲しい時と同じみたいになるんだね。
あたし、知らなかったよ。
これはせつなが教えてくれた気持ち。
せつなだけが、あたしに与えてくれる気持ち。
二人だけの、大切な気持ち。

せつなの手が、ゆっくりと下腹部に伸びていく。
「あぁ、せつな、せつな!そ、んな。は、げし・・・あ、ああーーっ!」


−しばらくお待ち下さい−
394名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:57:41 ID:VOybWuM9
「はぁ、はぁ・・・。」
すごかった。そうとしかいいようがない。
カーテンの外はうっすらと明るくなっているようだ。
一日の始まり。けど、あたしの体は疲労でもうヘトヘトだ。

動かない体とは裏腹に、心は例えようもない充実感で満ちていた。
満ち足り過ぎて、心が破裂しちゃうんじゃないかと思うくらい。
愛情たっぷりだよ〜。えへへ。
自分の体を見ると、体中に赤い跡が付いている。

もう、せつな、積極的過ぎ。
もはやあたしの体で、せつなの手と唇がふれていない場所なんて、なかった。

せつなの、ラブになっちゃったな。

口元がほころび、自然と笑みがこぼれてくる。
布団を捲ると、うっすらと赤が混じった、あたしとせつなが愛し合った証が付着している。
あっちゃ〜。お母さんになんて言い訳しよう・・・。こっそり洗うしかないよね。

苦笑しながら横に顔を向けると、穏やかな寝息を立てるせつなの顔があった。
柔らかに瞼を伏せながら、彼女も微かに微笑んでいるようだ。

その、せつなの体にもたくさんの赤い跡。
あたしも負けじとせつなに付けた、あたしだけのせつなだっていう証。

誰にも、渡さないんだから。

また、胸がいっぱいになる。
幸せ過ぎるってこういうのをいうのかなぁ〜。
にんまりと笑いながら、あたしは、これから始まるせつなとのイチャラブ生活に胸を弾ませていた。

「大好きだよ・・・せつな。」


こうして作戦その45、なんだか眠れないの。せつな・・・一緒に寝てもいい?は、
これ以上ないくらいの大成功を収めたのだった。
395名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:58:05 ID:VOybWuM9
〜おまけ〜
【せつなside】

「せつな、入るよ。」
9929、9931、9941、9949、9967、9973・・・。

「せつな、あたしね。最近せつなに避けられてるみたいで、すごく悲しかったんだ。」
3.14159265358979323846264338327950288・・・。

「あたしの態度が原因で、せつなが戸惑ってるのはわかってる。でも。」
ええっと、ほ、他には・・・。そ、そうだわ!私の中の欲望を倒せばいいのよ!
変身よっ!ビートアップ!

「どうしようもないんだ。あたし、少しでもせつなに近づきたくて。」
真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!
私の理性を汚すものよ!あこぎな真似はおやめなさい!とうっ!

「せつなにとっては迷惑かもしれない。でも、もう我慢できない。」
ああ!私の理性が!!な、なんて強いの・・・。まるで歯が立たない!
ごめんね、ごめんねラブ。私、負けちゃった。もう、限界だわ。ラブ、私は・・・。

「あたしは・・・せつなの事が好き。友達としてじゃなく、一人の女の子として。」
そう、ラブのことが好きなの。友達としてじゃなく、一人の女の子として…って。え?

ラ、ラブ?い、いま何て?
アナタイマ、ナントオッシャイマシタカ?
私のことが好きって、そう聞こえたのだけれど。
ハッ!これは夢!?また妄想の世界に来てしまったの!?
それなら無問題ね。ラブ。いただきます。


・・・温かい。ラブの唇、とっても温かい。
どして?夢なのに・・・。も、もしかして!
レロレロ。
やっぱり、ラブの口の中もとても温かくて心地いい。
ゆ、夢じゃない・・・夢じゃないのね!

ラブ!ラブラブらぶぅ〜。好き好き大好き!!
あぁもう!ラブ!愛してる!!

「ラブ、ラブ!好き!好きなの!!」

〜END〜
396名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 18:59:18 ID:VOybWuM9
以上で投下終了です。
続きは考えてなかったのですが、感謝を込めて書いてみました。
お目汚し、失礼致しました。

昨日の投下で初おさるさんくらいました。
結構投下規制厳しいんですね。
職人の皆様方の苦労がちょっとだけわかりました・・・。

妄想シリーズは一応これでハッピーエンドですが、
気が向いたら、この後日談的な話でも書いてみます。
読んで下さった皆様、ありがとうございました。
397名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 19:41:42 ID:xqUbKR87
>>396
職人さんGJ!
雰囲気明るくておもしろかった!w
398名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 20:00:45 ID:vrWjQ2Yl
>>396
GJすぎる!ありがとう!
399名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 20:39:18 ID:jPat6EvE
>>396

GJすぎ!
微エロなのになんか笑えるw
コメディエンヌせっちゃんかわゆす。
400名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 20:41:06 ID:iU3dPPci
>>396 GJ!バカっぽさ(無論、ほめ言葉)が素晴らしかったです!
401名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:28:15 ID:o1YruwgX
面白かった!
急にかぶさってくるせつなにドキンとしました
ホラー的な意味で
>>395
せつなは夢のつもりだったんかいw
402名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:34:40 ID:sMD+krQl
今晩は、以前黒ラブ投下した者です。
今更ですが、続きと言うかおまけ書いたんで投下させてもらいます。
ちょっとラブやん悩ませ過ぎて可哀想Wになったんで、ちょっとでも
元の前向きで元気なラブやんに戻したくてW


しかし、相変わらずの投下数&ハイクオリティーに脱帽。
保管庫の整理もすばらしくGJ!
403名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:35:53 ID:sMD+krQl
おまけ


せつなとあたしはおでこをくっつけ合って、少し、笑った。
何て事しちゃったんだろう、と言う大きな後悔。大好きな人と
気持ちが通じあった、大きな喜び。
いろいろな思いが渦巻き、泣きたいような、笑いたいような不思議な気持ち。


「…ごめんね。」
もう一度、あたしは謝る。どんなに謝っても足りないのは分かってる。
でもそれしか言えないから。

「…うん。でも、もうこんな乱暴なのはやめてね。」
結構、辛かったんだから。と少し冗談めかして、せつなは含羞む。


「やだ、私…。」
「…わはー……。」
せつなは今更ながら自分のはしたない姿に気付いたように
服の前を掻き合わせ羞恥に耳まで真っ赤にしている。
パリッとしていたワンピースは見る影もなくくしゃくしゃで、
汗やその他諸々で汚れて、かなり悲惨な状態だ。


(わはー…、何かせつな、すんごいえっちぃんですけど。
いや、ひん剥いたのはあたしなんすけどね…。)

「どうしよう、これ。」
血の染みが付いたワンピースを摘まんで少し途方に暮れる。
買って貰ったばかりの服を汚してしまったのを気に病んでいるらしい。
「あー、だいじょぶだよ。これコットンだし。すぐに洗ってアイロン掛ければ!」
洗ったげるよ!貸して。と服を引っ張ろうとするラブに、
「あっ、やん!」
裾を押さえて抵抗する。


下、何も着てないんだから!と赤い顔で上目遣いに少し睨まれ
ラブの顔も負けず劣らず赤くなる。
ついさっきまで、あーんな事やこーんな事をされてたのに
何を今更…と言う気がしなくもないが、どうやらそう言うものでもないらしい。
404名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:37:35 ID:sMD+krQl
「…シャワー、浴びて来てもいいかな。」

そりゃそうだよね。恐らく身体中エライ事になってるんだから。
そりゃあ早くさっぱりしたいだろう。


「そだね!お湯、もう張ってあるから!ゆっくり入ってきなよ!」
そう言った途端、くしゅん!ラブがくしゃみをした。
考えなくてもラブも巻いていたバスタオルはとっくに落ちて、すっぽんぽんだ。
ある意味せつなより恥ずかしい。
クスリ、とせつなが笑い、
「じゃあ、一緒に入っちゃおうか?」
「!!ふぇ?!」



先に行くね。ぱさっ、とラブの頭に落ちてたバスタオルを掛けて、せつなは
バスルームに向かった。


(一緒にって、一緒にって…?!)


ラブは先ほどのせつなの言葉を反芻する。
『もう、こんな乱暴なのはやめてね。』
って事は、乱暴にしなきゃオッケー!って事すかね?!


かぁっ!と全身が熱くなり、心臓が口から飛び出しそうにバックンバックン
脈打っている。
405名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:38:55 ID:sMD+krQl
今こそ真の勝負の時!ラブの本能がそう告げていた。
大好きな人と(無理矢理ではあるが)体の関係を持ち、(順番が逆だが)気持ちを
確かめ合い、(普通はこれが最初だろうが)告白もした。


(これで二人は両想い!晴れてラブラブ恋人同士…!)


のはず。
しかし、問題が一つ。


せつなは今回の事がラブが慣れない深刻な悩みに耽った挙げ句の暴走。
つまりは非日常、普通ならあり得ないイレギュラーな出来事と捉えて
いないか、と言う事だ。
それは困る。大いに困る。トチ狂って暴挙に出てしまったが、
ラブとしては、ここまでやったからには付き合い始めの恋人らしく
日常的にあんなコトやこんなコト……できなきゃ意味がないのだ。



(それに、えっちは気持ち良くなきゃ!
このままじゃ、えっちがトラウマになっちゃうかも!!
そんなのせつなの為にも絶対良くない!!!)


そのトラウマを植え付けたのは間違いなく自分なのだから
『責任取らなきゃ!』
ラブはいつものポジティブシンキングを取り戻しつつあった。



(ようし!!)
ラブの体に闘志がみなぎる。



(待ってて!せつな!!女ねヨロコビ、ゲットだよ!!!)


406名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 21:46:44 ID:sMD+krQl
以上です。お粗末様。


しかし、>>355、>372両氏の美希せつ、すごい好きです。
こう言う雰囲気と言うか、潤いのある文が書けるのって羨ましい。
多作なのに全然やっつけ仕事的な所がないのもすごい。

>>388氏はコミカルで明るい雰囲気がすごく上手いですね。
まさかこのスレで腹抱えて笑うとは思わなかった。
堪えてたけど、―しばらくお待ちください― で限界でした。
407名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 22:23:36 ID:ASsAlZhg
>>396
GJ!続きをありがとうございます。あれから続きが気になって勝手に妄想したりしてました。。
次回作も楽しみにしていますね。
408名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 22:43:58 ID:o1YruwgX
>>405
ラブやんが黒い世界から帰ってきたー
純粋なせつなと、ラブの思考回路がガチなところが素敵
409名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 22:56:57 ID:xqUbKR87
>>406
GJ!
続き待ってました!
その後のせつなとラブのいちゃいちゃが想像できるww
410名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:06:35 ID:UXvudcPz
この二連続のSS見て心から思ったよ
事後っていいね!最高だよ
411名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:17:53 ID:UTkhLaQr
>>386あたりから妄想。エロはないよ。
はじめてなのでお見苦しい点もあるでしょうが。
412名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:19:22 ID:UTkhLaQr
「うわぁ!おいしそー!」

嬉しそうな声に読んでいた本から顔を上げると、
そこには2つ折りにしたようなスポンジ生地をもって目を輝かせているラブがいた。

「ラブ、それ、何?」

私が聞くと、今日のおやつだってー、とにこにこしながら答える。

「ね、せつなー。はやく食べようよー」

ラブは待ちきれないといった様子で、私を呼んだ。

「もう、ラブは食いしん坊さんね」

だってー、と笑うラブの元へ私も笑いながら近づいていく。



「はい、せつな。あーんして?」
「――――へ?」
413名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:20:49 ID:UTkhLaQr
予想外の出来事に全身が固まった。
いつのまにか2つに割ったパンの片方を私の前に差し出して、
わずかに首をかしげたラブは、とても愛らしくてなんだかどきどきしてしまう。
突然のことに私が戸惑っていると、せつな、どうしたの?と
顔を覗き込むようにしてラブが近づいてきた。
私の鼓動はさらに高まり、あわてて目の前のパンにぱくりとかみ付いた。

ふわふわのスポンジを口に含むと、その間にはさんでいたイチゴクリームの香りが
口いっぱいに広がり、一瞬今の状況を忘れてしまった。

「どう?せつな、おいしい?」

その言葉に、はっと我に返る。
ラブの顔が思いのほか近くにあって、また心拍数が跳ね上がる。

「――――お、おいしいわ。でも、立ったまま食べるなんてお行儀が悪いわよ」

ぱっと後ろに下がって、照れ隠しになぜかマナーの注意なんかをしてしまった。
せっかくのラブとのスキンシップだったのに・・・。
うなだれて自己嫌悪に陥っていると、ラブの明るい声が聞こえた。
414名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:22:42 ID:UTkhLaQr
「あ、そっか!あはは、ごめんごめん」
 
じゃあ座って食べよっかーと、暢気に笑いながら机に向かうラブを見ていると、
自分だけがどきどきしていることがなんだか悔しくなってきた。
私は素直に座ってパンを食べているラブに歩み寄り、
ぐっと顔を近づけるとそっと囁いた。

「クリーム、ついてるわよ」

そしてすぐさまラブの唇の脇に口付ける。
そこまではよかったが、ラブから唇を離すと突然恥ずかしくなってきてしまった。
熱くなる頬を隠すように勢いよくラブから離れると、
くるりと向きを変え、私は脱兎のごとく逃げ出した。

でも、部屋を出るときにちらりと見えたラブの顔が真っ赤だったから、
おあいこってことで、ま、いっか。
ラブに触れた唇にそっと指をあてて、頬が緩むのを感じながら、
私はゆっくりと目を閉じた。
415名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:24:26 ID:UTkhLaQr
以上です。駄文失礼。
このスレの職人さんたちはレベルが高すぎるぜ・・・。
いつも楽しませてもらってます。これからも頑張ってくださいってことで!
ありがとうございました。
416名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 23:45:01 ID:xqUbKR87
>>415も十分にレベルが高いwww

自分にはこんなものは書けないwww

GJ!
417名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 00:07:43 ID:MOKaDFot
皆様GJです!
ラブせつたくさん読めて今夜も幸せゲットだよ!!
418名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 00:16:28 ID:yU4R31bc
>>364
相変わらずの神的描写、もっともたかいと書いて「最高」です。
ジュースとシードルを間違えた件、リアルに使えるwww
美希たん芯が強いなぁ。どんな恋愛も完璧にこなさないと納得しなさそう。
また良作が保管されました。ありがとう!

>>377
何て綺麗な描写なのでしょう・・・。ゆったりと時間がもう素敵すぎて。
ちょっぴりすかしたせっちゃんイイですねぇ。相手が美希たんだから
しっくりクルんだよなぁ。せっちゃん負けず嫌いのトコとかもイイ!
これまた良作、保管させて下さいませ。

>>383
感動。かなり助かりました!お礼に後ほど投下と、保管庫に感謝の意を。

>>396
また逝きそうになった・・・w案外せつなはHだと積極的だったり・・・。
って素数とかもぅwww管理国家!!!みたいなw円周率もかよっw
二人だけの証、俺好きです。シーツ自分で洗うとか宴の後の処理って大変。
保管庫には勿論H有りと記載で。

>>406
俺の好きなラブやんが登場しましたwもうね、どんだけ性欲あんのよwと。
せつなのオドオドした感じ、何かたまんない・・・。脳内ムラムラしてきた。
にしても一人ボケツッコミがツボw世間のツッコミでしたね。
無論保管させて頂きます。良作多すぎて多すぎて!

>>415
386さん喜んでるハズw見事なシチュエーションでございました。
是非とも題名をお願いします。駄文なんて言葉、このスレにはなくってよw
みんなもプリキュアパン食べて妄想ゲットだよ!
保管庫も口を開けて待っておりますw

感想書いてたら日付またいじゃったよwんぢゃラブ美希ver作ってきます。
419名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 00:16:38 ID:oQ3e7LOQ
職人の皆様GJ過ぎる。
お互い妄想で暴走して、最後にかみ合うなんてwww

保管庫にもたくさんSSが入ったなあ。
読むのが楽しい。

トップページの画像見て気づいたんだが、
並んでウェーブするときって、腕絡ませてるんだね。
相当息合わせないと難しそうだ。

420MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/22(土) 02:18:58 ID:yU4R31bc
【愛してると言って〜ラブ美希ver】
私の取り柄って何だろう。
笑顔とダンスが無くなったら何も残らないんじゃ・・・。


一人になると、不意に自己嫌悪に陥る事がある。


美希たんは背が高くて綺麗でモデルさん。
ブッキーは胸が大きくて優しい獣医さん。
せつなは色白で純粋無垢なお姫様。

それに引き換え、自分はなんなんだろ?見失いそうになっちゃう・・・。
しいて言うなら料理ぐらいかも、自慢出来るとしたら。


お父さんやお母さんは私を大切に育ててくれた。
友達のみんなも私を大切にしてくれる。
だけど、私と来たらそれに答えられてるのかな・・・。

笑顔をいっぱい振りまいて。踊ってる姿はみんなを喜ばせているの?


大丈夫!絶対みんなは幸せゲットしてくれてる!

それはエゴ。ラブの思い違い。笑顔の押し売りだよ。

ラブとラブが私の心の中でいつも戦っていた。




「もう辞めてよ」





私らしくない。いつからこんな風になっちゃったんだろ?ホント私らしくないから。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。



いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「また悩み事?スランプ続いてるわね。」 

「美希たん・・・」

「悩んで辛くなった時はいっつもココにいたよね。」


「辛くなんか。。私はただ・・・。ただね・・・。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉を誤魔化していた。
421MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/22(土) 02:20:14 ID:yU4R31bc
「隣空いてるでしょ?」

「うん。」


「ラブ〜、最近笑顔が完璧じゃないぞ〜」

「そんな事ないよ!いつだって私は全力の笑顔なんだから!」

「そうかしら?いきなりムキになっちゃうトコとかバレバレよ。ラブは昔っから嘘ヘタすぎ。」
美希たんはそう言うとジッと私の瞳を見つめて。とても勝てそうにない。まるでおまわりさんだよね。



「美希たんに嘘つくなんて無理、やっぱ。」


「正直で宜しい。で、どうしたの?ここんとこずっと、ラブの事ばっか頭をよぎってね〜。」



「自分が嫌になっちゃって。・・・。笑顔とダンスしか私って取り柄ないんだよ?」
悔しかった。あまりのネガティブさに自分でも腹が立ったぐらいで。



あっと言う間に8月が終わろうとしている。あんなに暑かった夏が終わろうとしている。
そんな夕日を背に、美希たんは口を開く。



「私ね、ラブがいつもそばにいてくれたらなって思う。ラブの笑顔、ラブの怒った顔、ラブの泣いた顔。もっと見ていたい。」
ゆっくりと話す口調はまるでお母さんのようだった。美希たんの声がこんなに優しかったなんて。



「いつも笑顔でいたい。だけど押し付けがましくないかな?踊っている時もホント幸せ。ただこの二つしか私には無い・・・」
さっきから愚痴ばっかり。ホント情けなかった。黙って聞いてくれてる美希たんには頭が下がる思いで一杯だった。

「それでイイじゃない。笑顔で踊れるなんて最高。ブッキーやせつなも羨ましがるハズよ。でもね・・・」

「でも?」

「自分を・・・、自分を殺しすぎだよラブは・・・。他人を喜ばせる事ばかり考えて。
私は・・・、そんなラブが可哀想で仕方なかったよ。もっと早く助けてあげるべきだったよね・・・。」


「ううん。ありがと美希たん。気にしてくれてたんだね。」
422MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/22(土) 02:21:18 ID:yU4R31bc
「私はラブの笑顔がホーントに好き。だけど私にはそんな笑顔が作れない・・・。悩んでるのに、そばにもいてあげれなかった。」
美希たんの目は潤んでいた。せつなはすぐ傍にいるのに、ブッキーは優しく包んでくれるのに、どうして自分は・・・。
そんな想いをさせてしまった事を、今でも私は悔やんでいる。



「私がモデルになった理由、話してなかったよね。」


「うん。」


「綺麗になればいつか、私が大切に想ってる人はこっちを振り向いてくれるって信じて・・・ね・・・。
一杯努力して、ダイエットもして、とことん目立ってやろう!って。」



「美希たん・・・、もしかして・・・」
いつの間にやら私がドキドキしていた。私の悩みや愚痴は遠い昔のようで。ちょっぴり恥ずかしくもあり。


「好きとかそう言うレベルじゃないのかも。」

「え・・・」



「愛している、その人を。今でもずっと・・・」

「美希・・・たん・・・」

「私だってホントは完璧じゃない。だからその人の気持ちが良くわかるの・・・。」



「その人って、料理上手だったりする〜?」

「どうかしら?お母さんは上手だったわね。」

「じゃあ笑顔が飛びっきりのもぎたてフレッシュ〜?」

「さっきまでは愚痴って悩んでばかりだったような気もするけど。」

「じゃあ、誰よりも目立ちたがり屋の踊り大好き少女〜?」

「確か、いっつも幸せ幸せって言ってたような。」

「それワタシで・す・ケ・ド!」

「うふふ。ごめんごめん。」

「美希たん、愛してる〜っ!!!」

「私も愛してる、ラブ・・・。」

美希たんの愛してるは大人の味がした。ちょっと背伸びしちゃったケド、その分は笑顔でお返ししま〜す!

〜END〜
423名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 02:31:42 ID:yU4R31bc
保管庫では誤字修正しますんで。ちゃんと書いてるつもりなんだけどなぁ。

>>419
自分もコレみて「おォ!!!」ってw
絡めて絡みまくってくんずほぐれつ・・・。自重しろよ、大輔はwww
やっぱ4人でフレッシュプリキュアですね。そりゃ百合も繁盛しますよ〜
424名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 03:06:12 ID:UlaoCG0J
>>423
三部作ありがとうございました。全部完璧でした!四人のキャラ、言葉遣い、雰囲気や丘の景色など伝わってきました。

投下と保管庫作業大変でしょうが頑張って下さい!楽しみにしてる者より
425名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 08:56:42 ID:oQ3e7LOQ
>>422

GJ!美希たんがモデルになった理由にグッと来ました。
三者三様で楽しめました。ありがとう。
426名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:31:38 ID:6ri0RgHV
誰もいないみたいなんで、長いの置いておきますね。>>276の続きになります
ハッピー風エンドですけど、ハッピーエンドじゃないんで。>>321さんごめんなさい。
まだ話終ったワケじゃないですけど。
>>383様、>>423様、保管庫ではご迷惑おかけしました。重ねて御礼申し上げます。
427名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:32:53 ID:6ri0RgHV
                      ◎
『―――大型の台風が接近中の為、関東地方には本日、豪雨警報が発令され―――』

 あたしは人気の無い店内で、ぼんやりとオレンジジュースを飲みながら、ラジオから流れる台風情報を
聞いていた。窓の外は、朝から相変わらずの雨…今はまだ弱い降りだけど、ラジオからの情報を信じるな
ら、もうすぐこのクローバータウンも暴風圏内に入るはず。
 ……帰るなら今のうちなのにな……。
 でも、それが出来ない事は、誰よりもあたしが分かっていた。

「……と、あとジャケットとか、上に羽織るものなんていいと思うの!―――?聞いてる?美希ちゃん?」
「………ハイハイ、ちゃんと聞いてるわよ、ブッキー。…で、ナゲットおかわりでいいの?」
「……美希ちゃん、やっぱり聞いてない……」

 ちょっと頬を膨らませて、呟くブッキー。なに?あたしバケットと聞き間違えた?
 あたしとブッキーの二人は、今ファミリーレストラン『Yotuba』にいた。……ここあんまりいい思い出
無いのよね……、まあプリキュアになった記念の場所ではあるんだけど。
 あたし達の間には、広げられた何冊かのファッション雑誌。

「…だから、予算的にはこっちの靴がいいんだけど…デザイン的にはこのパーカーが似合うと思うの……、
あ!やっぱり赤を基調にしたほうが喜んでくれるかなあ?」
「あー。そーかもねー」
「…赤っぽい感じだと…このキャミソールとか…。う〜ん、これはちょっと子供っぽ過ぎるかなぁ…でも
こっちはちょっと、お、大人っぽいというか…え、えっちな感じだし…」
「そーそー分かる分かるー」
「だとすると…この帽子なんかいいと思うんだけど…似たようなの持ってたような気がするのよ…」

 あたしの気の無い返事に構わず、忙しくページをめくるブッキー。…人の話聞いてないのはそっちじゃ
ないの?
 熱心にファッション雑誌をチェックするブッキーを他所に、あたしはまた窓の外に目をやる。
 外は雨。
 あたしはふと、管理国家って雨降るのかな、って思った。天候まで管理されてたら凄いわよね…。

「――――傘……」
「――――?何?美希ちゃん?」
「……傘、なんかいいんじゃない?…ほら、値段もそんなしないし…」
「……傘かぁ……」

 腕組みをしながら考えるブッキー。

「……傘って、雨の日にしか使ってもらえないよね?」

 ―――当たり前よ。
 こんな時にしか頼りにされないあたしと一緒。
 あたしは少し自虐的な気分になって、彼女に気付かれないよう、小さな溜息をついた。
428名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:34:21 ID:6ri0RgHV
 
 ブッキー、山吹祈里からリンクルンに連絡があったのは、昨日の夜の事だった。

「…お買い物に行くから、付き合ってほしいの!ホラ、美希ちゃんモデルだし、わたしなんかよりセンス
いいし!…アドバイスして欲しいなって思って!」

 珍しい、っていうのがあたしの率直な感想。…もともとあたしとブッキーではファッションの趣味も
まるで違うし、こんな風に意見を求めてくるなんて、久しぶりの事だったから。
 本当なら、ここで少しは疑問を持ってもいいはず、だった……でも、クローバーの練習とプリキュア
としての活動で、なかなか彼女と二人きり、って状況が無かったあたしは、近付いてきつつある台風の
事なんて、それこそどこ吹く風って感じで、ウキウキした気分で眠りについて。

 そして今日。
 待ち合わせ場所である、この店に着いたブッキーの第一声は――――。

「―――美希ちゃんは、どんなのがせつなちゃんに似合うと思う?」

 あたしは、天国から地獄って言葉を、身を持って体験した気がした。

 
 ブッキーはまだ、自分がせつなを好きな事をあたしが知らないと思っている。
 ……ブッキー、あなたどれだけニブいのよ……。
 もっとも、あたしもブッキーへの思いを未だ伝えられずにいて。
 近くにいるのに、お互いの秘密が、それ以上の距離を縮めさせない、って状況がしばらく続いていた。
 
 それにしても、誕生日でもないのに、どんな名目でせつなにプレゼントなんてするのか。……まず
あたしにはその理由が分からなかった。
 あたしの問いに、ブッキーはちょっと恥ずかしそうな顔でもじもじしながら、言った。

「ほ、ホラ…せつなちゃん、こっちに来てまだ日も浅いし…まだ着るものとか、そういうの良く分から
ないと思うのよ…それにラブちゃんの家に住んでて、そんなにワガママも言えないと思うし……だ、
だから、わたし達で何か贈るのもいいかなって……クローバーに入ったお祝いも兼ねて!」

 ……それはこじつけって言うのよ、ブッキ―。
 せつなの服や日用品は、ラブがきっちり管理してるし、ラブのご両親はワガママを聞かないどころか
せつなを自分の子供のように可愛がってる。…むしろこっちが甘やかし過ぎじゃないかって心配になる
くらい。…クローバーに入ったお祝いなら、ブッキー、あなたがあげた練習着でいいんじゃ…。

 単純な話、ブッキーはせつなの物を全てラブが選んでいる事にヤキモチを焼いているのだ。

 普段着るものや身に付けるもの、それこそ下着までラブが選んでるって状況が気に入らなくて、一つ
くらいなら何か自分が選んだものを身に付けてて欲しいって思ったに違いない。
 
 健気で、可愛らしくて、あたしにとっては残酷な乙女心…よね。

 楽しそうに悩んでいるブッキーの顔を眺めながら、心の中で呟く。
 せつなしか眼中にないブッキーを見ていると、胸がチクチクと痛むけれど、それでも彼女と二人だけで
いるこの場所から離れられなくて。

 ―――惚れた弱みってこういう事なのかしら……
 
 あたしは薄く自嘲気味に笑うと、雑誌のチェックに余念の無いブッキーから外へと目を移した。
 外は雨。
 目の前には俯いて何やら本に夢中なブッキー。

 ……何か似たような事が前にあったな―――とあたしは記憶を探り始めた。
429名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:36:35 ID:6ri0RgHV
                      ○
「…まだ、雨やまないね、美希ちゃん…」
「…もうちょっとここで待ってみようか、ブッキ―」

 あれは、まだあたしとブッキ―が小学2年生くらいの時だったっけ。
 あたし達はあてにならない天気予報のせいで、昼くらいから降り出した雨につかまり、学校の教室から
表に出る事が出来ないでいた。
 いつも一緒だったラブは、風邪を引いたそうで、珍しくお休み。
 クラスの皆は、傘を持ってお迎えに来たお母さん達と仲良く帰って行ってしまって。
 あたしは母親が仕事をしてるから迎えになど来られる訳もなく、ブッキーも、ご両親が獣医をやってる
から忙しいらしく、迎えには来られないようだった。
 
 空は黒く分厚い雲に覆われて、まるで夜のように真っ暗で。
 電灯の点いた広い教室にはあたしとブッキーだけ……。
 
 自分の事ながら、子供だけに心細かったろうな、って思う。
 今なら自分の親や、ブッキーの家庭の事も分かってるし、雨くらいどうって事ないのだけれど。
 それでもその時のあたしは、暗くなりそうになる雰囲気を盛り上げようと、ブッキーに言った。

「だいじょうぶだよ!もうちょっとだけ待てばやむよ!」
「ほんとう?美希ちゃん……?」
「まかせてよ!あたしのカンの方が、ヘタな天気よほうより、かんぺき!なんだから!!」
「……うん、美希ちゃんのこと、わたし、信じてる!!」

 ……いつものやり取り。
 何かあって、ブッキーが不安そうにしてたり、怯えてたりした時、あたしは彼女を励ますために、毎回
そんな根拠の無い虚勢を張っていた。…ブッキーもその言葉に励まされて、元気を取り戻す。……そんな
他愛も無い、いつも通りの掛け合い。
 
 昔からあたしの役回りってそうだったな、って思う。ある意味、損な役ではあるわよね。本当なら、淋
しいし、怖いし、泣いてしまいたい時だってあった筈……。

 ―――でも、ブッキーがいたから。

 ブッキーにそんな顔させたくないし、そんな彼女を見たくなかった。…だからあたしがしっかりしなきゃ
っていつも、思ってた。
430名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:38:06 ID:6ri0RgHV

「そうだ!今日としょ室で借りてきた、どうぶつの本があるんだよ!ブッキー、それよむといいよ!」
「……!本当?……でもどうして美希ちゃんがどうぶつのご本なんて……?」
「こんな事もあるかと思って、借りて来ておいたの!ちょっと待ってて!」

 過去の自分とはいえ、底の浅い嘘よね。
 本当はねブッキ―、いつも動物の事を楽しそうに話してくるあなたと、話題を分け合いたかったから。
 少しでも動物の知識が増えれば、ブッキーもきっと喜んでくれるでしょう?

 ランドセルの中から本を取り出し、ブッキーに渡す。
 その表紙を見ただけで、ブッキーはさっきまでの不安そうな表情とはうって変わり、目が輝き出す。

「ありがとう!……美希ちゃん!これ、読んでもいい?」
「いいよ。雨が止むまで、それでヒマをつぶすといいよ。あたしは外見てて、雨が止んだら、ブッキ―に
おしえてあげるから!!」

 それも、嘘。
 あたしが借りてきた本をブッキーが読みふけってる間、あたしは外なんか見てなかった。
 ブッキ―、あなたを見てたのよ。ずっと。
 茶色くて、フワフワの髪の毛。
 一生懸命本を見つめる宝石みたいな瞳。
 小さく結ばれた、桜貝みたいな唇。

 今思えば、あの頃にはもう、あたしはブッキーに恋してたんだな。
 まるでお姫様みたいなブッキーを見ているのが楽しくて仕方無かった。

 ブッキーが本に夢中になるように。
 あたしはブッキーに夢中になってた。


 フッ


 突然、今まで点いていた教室の灯が消えた。
 違う、教室だけじゃなく、廊下も、外の建物も、町の光すら、全部。
 ―――――停電。
 変電所に雷でも落ちたのか、その音にも、それぞれ夢中になってたあたしたちは気付かなくて。
 子供だったあたしは、世界が終ってしまったんだと思った。
 
 
 暗闇の中、あたしはずっと震えていた。
 怖かったし、不安だったし、泣きそうだった。
 でもそれは、今まで押さえてきたものが噴出したのではなく
 たったひとつ。
 「もうブッキーに会えない」って思ったから―――。
431名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:39:51 ID:6ri0RgHV

 
 その時、あたしの手に、温かくて、柔らかいものが触れた。

 
「……だいじょうぶ?美希ちゃん?」

 ブッキーの声が、した。

「…ていでん、かな?ビックリしたね」

 その声と温もりだけで、震えが止まった。
 あたしは両手で、ブッキーの手を挟み、しっかりと握る。

「―――うん、あたしならだいじょうぶよ、ブッキー!」

 ブッキーが無事なら、あたしは何があっても平気。

 ブッキ―が無事なら、あたしは震えてなんかいられない。
 
「ブッキーこそ、だいじょうぶ?……なにがあっても、あたしがいるから平気だよ」
「うん……ほんとうに、美希ちゃん、すごいね。わたしなんて怖くて……」
「当たり前よ!あたし、かんぺきだもん!」
「ふふ、わたし、信じてた!」
 
 お決まりの、会話のやり取り。
 でも一つだけ違うのは。
 救われたのは、あたしの方だったって事。

 ……そうじゃない。
 きっといつも、ブッキーがいる事で、あたしは逆に救われてたんだと思う。
 ……ブッキーを支えてるのは自分だって思ってたけど。
 本当はブッキーに支えられてるのはあたしの方だったんだ。
 
 あたしは今になってそれに気が付いた。
 
 
 消えた時と同じように、唐突に明かりが点く。

 
 あたしとブッキーは顔を見合わせる。
 それから、何を言い出すでもなく、額を寄せ合い、微笑む。

「ふふ」
「うふふ」

 そんなあたしの目に、教室の隅に置かれた、誰かの忘れ物の傘が映る。

「ブッキー!あれ!!」
「え?」

 傘の名札には『ももぞのラブ』と書いてあった。
432名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:42:30 ID:6ri0RgHV
 
                      ◎
「……う〜ん、でも傘っていうのもありなのかな〜」

 ブッキーの呟きで、あたしの思考は現在に引き戻された。

「…なに?ブッキー、傘にする事にしたの?」
「……もう、やっぱり美希ちゃん何も聞いてなかった……。傘だって、普段気にしていなくても、雨の日
には自分の傍に絶対にあって欲しいものだから、いいかな、って言ったじゃない!」
「そうなんだ…まあありがとうと言っておくわ」
「?何?」

 あたしは「何でもない」と誤魔化すと、オレンジジュースを口に運ぶ。
 そして少しだけ考えて、まだ悩んでいるブッキーに話し掛ける。

「傘は……ないんじゃないかしら?ブッキー…」
「?え?さっき美希ちゃんが傘がいいんじゃないかって……」
「でもね、梅雨はもう終ってるし、そうそう必要も無いかなって思って。台風行っちゃえば、またお天気
続くらしいし……」
「本当?……天気予報で言ってた?」
「任せてよ!あたしの勘の方が、下手な天気予報より完璧!なんだから!!」

 ブッキーは一瞬、目を丸くして、クスクス笑い出す。

「何それ〜。変な美希ちゃん!!」

 そんなブッキーの笑顔を、あたしは少しだけ、淋しい目で眺める。

「……じゃあ、傘は止めて、こっちの帽子にしようかな……」
「いいんじゃない?……で、どうする?買い物行くの?早くしないと、もう雨が強くなってきてるんだけど」
「!!行けない!こんな風にのんびりしてる場合じゃないじゃない!……美希ちゃん、本当に一緒に来て
もらっていい?……雨……」
「……何よ今さら―――いいわよ、ここまで来たんだもの。その代わり、ここは奢ってよ?」

 ブッキーに軽く片目をつぶってみせると、あたしは傘を手に、先に一人で店から出る。
 
 外は雨。
 
 あの時と同じように。
 
 でも、同じ雨が降っているわけじゃない。

 それは分かってる事なんだけど、ね。

 台風が近付いているだけあって、雨はどんどん強さを増すばかりだった。

433名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:43:47 ID:oQ3e7LOQ
さるさん防止支援
434名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:45:25 ID:6ri0RgHV
                      ○
 雨が、上がった。

 あたしとブッキーは、置いてあったラブのかさで、なんとかぬれずに帰ることができた。
 小さなかさだったから、二人でむりやり入るとキツイ。……でも、いやじゃなかった。
 かさを閉じようとするあたしを、ブッキーが止める。

「なんだかあいあいがさみたいだね、美希ちゃん」
「??ブッキー。あいあいがさって恋人どうしで入るものだよ?あたしたち女の子どうしじゃない」
「美希ちゃんは女の子だけど、いつもわたしを助けてくれるし、はげましてくれるし、まるで王子さま
みたいだから、いいの」

 ブッキーはそう言うと、あたしの肩に頭をのせてきた。
 すごくいいにおい…。なんだかあたしはむねがドキドキするのを感じた。

「重くない?」
「だいじょうぶ、全然重くないよ。ぎゃくになんか気持ちいい……」
「良かった……」

 そう言うと、ブッキーは目をつむった。

「わたしもなんだか気持ちいい感じ…変かな?」
「ううん。さっきブッキー、あたしのこと、王子さまみたいって言ってたけど、あたしも、ブッキ―の
こと、お姫さまみたいだって思ってたもん。……だから、きっと変じゃないよ。」

 あたしは肩にのったブッキーの頭の上に、そっと、自分の頭をかさねる。

「ずっとこうしてたいね」
「わたしもそう思ってた。……美希ちゃん、ずっとずっと大人になっても、わたしの隣にいてね?」
「もちろん!王子さまとお姫さまはずーっと二人でいるんだよ。それで、ずーっと幸せにくらすの!」
「見て!美希ちゃん!虹!!」

 まるであたしたちをお祝いしてくれてるみたいに、空に虹がかかる。

「キレイだね……」
「本当……わたしたちいつまでもいっしょのかさのしたにいようね!」
「わかった!雨の日のやくそく!だね!」
435名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:46:09 ID:6ri0RgHV

 あたしたちはゆび切りした。

 
 きっと、このやくそくは、えいえんの、やくそく。


「これでかんぺき!だね!」
「うん!わたし、信じてる!」

 


 あたしたちは、かさを閉じることなく、ずっと虹をながめていた。





                      

                               


                                    了
436 ◆51rtpjrRzY :2009/08/22(土) 12:49:37 ID:6ri0RgHV
おしまい。酉付け忘れてた…。
雨の日のお話は何人か書いていらっしゃいましたけど、自分風にやってみました。
支援ありがとうございました。
タイトルは『雨上がりの約束』です。
437名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 12:50:58 ID:oQ3e7LOQ
美希たんが不憫すぎて泣きそうになった。
頑張らなくていいよ美希たん。
438名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 13:14:07 ID:6ri0RgHV
自分も美紀たんには幸せになって欲しいんですけどね…。どうなることやら。
っていうかホントラブラブ書ける職人様方いつも尊敬してます。
439名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 17:15:50 ID:NK++QUv2
またすごい作品がきた。
職人さんGJ!
440名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 17:48:01 ID:qYn5D9aB
美希たんって一番周りが見えてるよな、だからなんとなくみんなの気持ちがわかっちゃって、そのせいで動けなくなっちゃったり動いちゃったり。損、って感じだよなあ…。

美希たんは幸せになってほしい、いや勿論みんなだけど。あああもどかしい!
441 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:03:49 ID:oQ3e7LOQ
こんばんわ。
ようつべ見てたら浮かんだので投下します。
ドラマも百合も少ないですスマソ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラビリンスには、音楽というものは無かった。
この世界に来て、初めてその存在を知った。

耳から入り、心に作用するもの。
感触すら、はっきりと思い出すこともある。




     【夜想曲:nocturne】





テーブルの上には、これでもかとばかりに
ご馳走が並んでいた。

庭に面したテラス席。
夜風が気持ちいい。

今夜は、私がラブの家族になって、初めての
桃園家恒例、外食デー。


この間は、いきなりラブに連れて来られた戸惑いと
心の整理が出来ていなかったこともあり、
最初は動揺していた。


でも、
ここで、ラブに教えてもらった。


家族。

笑顔。

そして、幸せ。

442 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:04:41 ID:oQ3e7LOQ

「せつな、ケーキの種類すごく増えてるよ!」
「本当だわ、どれにしようかしら」

色とりどりのケーキが並ぶショーケースを
眺めていると、とても幸せな気分になる。
その思いを閉じこめなくても良いことが、嬉しい。


顔を上げると、店の中ほどにある黒い塊が目に留まった。
「ラブ、あれは何?」
「ん?...ああ、あれはピアノって言うんだよ」

「ピアノ?」
「うん。とっても綺麗な音がするんだよ。
 今日はピアノ演奏があるから、私も楽しみなんだ。」

「演奏...」


正直、音楽のことはまだよくわからない。
ダンスの練習で聴いている音楽も、まだ体の動きに
意識を集中するのが精一杯で、「1,2,3,4」と
タイミングをとるためのガイドの域を出ない。

443 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:05:58 ID:oQ3e7LOQ

みんなで囲む食事は、とても楽しく、
時間を忘れるようだ。


優しくみんなの話を聞くお父さん。

空いたお皿の整理や並べ替えを忙しくやりながら
ほうれん草を食べる決心をつけかねているお母さん。

いろんな話をして、朗らかに笑いながら
あっという間にご馳走を平らげるラブ。
ちゃんと噛んでいるのだろうか。

私もみんなと一緒に笑いながら、スープを口に運ぶ。

体にしみわたる、幸せの味。
あの時、家族みんなが気づかせてくれた味。

444 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:06:59 ID:oQ3e7LOQ

紺色のドレスを着た女の人が入ってきた。

店内に拍手が起きた後、水を打ったように静まった。


「始まるよ」
ラブが私に耳打ちする。


女の人は頭を下げ、ピアノの前に座る。


演奏が始まった。


とても澄んだ音が響きわたる。
穏やかで、静かな音の連続。

ひとつひとつの音が、頭ではなく
胸の奥に届く。

星が瞬く、夜のような情景が心に浮かぶ。
その中に、吸い込まれていく。


そのうち、静かなメロディは響きが暗くなり、
激しさと不安さが増す。

心の中の空は曇り、雨が降り出す。


ふいに、あの時の感覚がよみがえってきた。
感触まで思い出せるほど、鮮明に。

445 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:08:12 ID:oQ3e7LOQ

......

音を立てて胸の鼓動が止まる。

顔に水たまりの感触がわずかにある。
すべての感覚が急速になくなっていく。


ラブの笑顔が浮かぶ。


まだよ、まだだめ。

もっと、色々、話したい。


ラブの笑顔が、

だんだん、小さくなる。


行かないで。


ラブの笑顔が、遠くなる。


行かないで。

行かないで。


ラブの笑顔が、消える。

......


察したのか、テーブルの下で
ラブが私の手を握ってくる。

446 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:09:32 ID:oQ3e7LOQ

演奏からは激しさと不安さが次第に消え、
また穏やかな音へと推移する。


心の空の雨が、止む。

雲が切れ、明かりが差し込む。


......

赤い光に包まれる。


意識がはっきりしてくる。


体の感覚が戻ってくる。
足に力が入る。
手に力がよみがえってくる。


そして、

また出会えた。

ラブの笑顔。

......


最後の1音が、静かな余韻を残す。

いつの間にか、涙がほおを濡らしていた。

447 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:10:47 ID:oQ3e7LOQ

みんなが拍手をする間も、
私の体はまったく動けなかった。

「せつな、大丈夫?」
私の手を握ったまま、ラブが心配そうに
私の顔を覗き込む。

「...うん、演奏を聴いていたら、
 色々思い出しちゃって...」


まだ余韻が残っている。


「これが、音楽...」

「本当に素晴らしいわ。私も感動しちゃった」

目を潤ませたお母さんが、ハンカチを私にくれる。

「せつなちゃんもやってみる?うちにも、小さいけど
 ピアノあるのよ。ラブはすぐにやめちゃったけど」

「にははー」

「明日、少し弾いてみていいですか?」

「ええ、もちろんよ。少しなら私が教えてあげられるわ」

448 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:12:09 ID:oQ3e7LOQ

レストランからの帰り道は、いつもよりゆっくり歩いた。

お父さんとお母さんはワインを飲んでちょっとご機嫌。
腕を組んで歩いている。

ラブと私は、そのだいぶ後ろを歩いている。


「ピアノ、ロマンチックだったねー」
ラブがうっとりした表情で話す。

「あんなに心に響くなんて、知らなかったわ...」
「またひとつ、幸せゲットだね」


街灯がやさしく道を照らしている。


音楽が心を揺らしたからか、
自然に手が出た。

そっと、ラブの腕に私の腕を絡ませ、
頭をもたせかける。


どこにも行かないでね。

どこにも行かないから。


「やはー、私また幸せゲットだよ。
 せつな、今夜は寝かさないよ。なんちゃってね」

「ふふっ」


少しでも長く、このままでいたくて、
歩く速度をまた少し、落とした。

449 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 21:13:07 ID:oQ3e7LOQ

以上です。
ありがとうございました。

せつなと音楽との出会いについて書いてみたかったのです。
元になった曲は、ショパンのノクターン8番。
   ↓
ttp://www.youtube.com/watch?v=fXKqUiLiTcc&feature=fvst

顔はキモイけど演奏は神だとオモ

ピアノを弾くせつなが見たいのは個人的な希望です。

450名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 21:30:28 ID:bJtjCMR6
メビウス様を称える歌も無かったのか
451名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 21:54:36 ID:UlaoCG0J
増えてますねー。帰宅したんでゆっくり読ませてもらいます!

明日のプリキュアはカオルちゃんメインみたいだし、百合ないのかな?
452名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 21:55:46 ID:+KxHMwYn
>>449 きれいな話でした! きれいな話なだけに、ラブやんの今夜は寝かせないよ発言は要らなかったとおも・・・
453名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 22:17:56 ID:yU4R31bc
>>436
片思いマジ切なすぎる・・・。自分を押し殺して。美希たんカッコ良すぎる
よ、美希たん。ブッキー、たまには気づいてあげてよ・・・。

>>449
せつなの感情描写綺麗ですねー。やっぱ繊細なお嬢様・お姫様って感じだ、
せっちゃん。ラブの性欲は無限大w

ここまでの作品、保管しました。自分も投下します。また後ほど

何か1週間早かったwせつながクローバー加入してからフレプリ
楽しみで仕方ない・・・。どんだけ百合脳なんだ俺w
454 ◆BVjx9JFTno :2009/08/22(土) 22:18:06 ID:oQ3e7LOQ
>>452

感想ありがとうございます。

通して読み返してみると、確かにこの箇所は
ちょっと余計に思えました。

保管庫の方(保存ありがとうございます)を
少し手直ししました。
455名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 22:19:18 ID:Am24Uyyi
>>418
今更ですが>>412->>414の題名付け忘れてたので一応。
元ネタに敬意を表して「いちごクリームサンド」でお願いします。
まんますぎですが・・・。
いつも保管と投下お疲れ様です。

他の職人さん方も超GJ!
みんなすごいなぁ。今日も楽しませていただきました!
456名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 22:21:17 ID:oQ3e7LOQ
>>453

保管ありがとうございます。
wikiの編集方法が今頃わかったので、少しだけ手直しして
クリーンにしました。

やっぱり、うp前にあと数回読み返さないといかんな俺。

457MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/22(土) 23:25:10 ID:yU4R31bc
【祈里より、愛を込めて】
「ブッキーありがとっ!サイズもピッタリだよ〜。家でもずっと着ちゃうからねっ!」


私をダンスユニットに誘ってくれたラブちゃん。嬉しかった。すっごく嬉しかった。
子供の時からずっと、ラブちゃんは私を大事にしてくれた。


「ラブの洋服のサイズ?えぇ。わかるわよ。    あら〜?祈里ちゃん、もしかしてラブにプレゼント〜?」
「あっ!あ、あの・・・、えっとぉ、・・・ハイ。。。」
ラブちゃんのお母さんと話すのも何故か、緊張しちゃうんです。



ダンスの練習着をプレゼントしよう!そのアイデアが出るまで実は、相当の時間がかかっちゃいました。
最初はドレスなんて豪華な物を考えたけど、これは・・・ダンス違いでした・・・。おっちょこちょいですね。
途中なんかペアルックまで考えちゃう始末・・・。恥ずかしい


「そうだ!買ってプレゼントするよりも作って渡したら、ラブちゃんきっと喜んでくれる!」
ルーズリーフに書いたアイデアを全部消して、手作り練習着≠ノ大きく◎。


それから毎日、学校・ダンスレッスン・おうちのお手伝い・プレゼント製作と怒涛の日々が待っていました。
かなりハードなスケジュールで大変だったけど、不思議と私は頑張れたんですよ〜。
これもラブちゃんのお陰かもしれないって。やっと恩返し出来るって。


あ、プレゼントって何をあげようかなーとか、どれを買おうかなーとか思ってる時がイチバン楽しかったりしませんか?
相手の気持ちを考えたりとか、もらったらどんな反応するのかなーとか。


ピンクの生地を切ったり縫ったりするのが本当に楽しかったです。思い出す度にほっぺが赤くなっちゃって。
ラブちゃんの喜んでくれる顔、それだけで私は十分でした。
458MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/22(土) 23:25:50 ID:yU4R31bc
「ラブちゃん!あの・・・、コレ。」

「お?何々〜???開けちゃってもイイ?」


「一生懸命作ったの。どう・・・かな?」



「どれどれ〜?    おぉ〜!!!!!!!コレって練習着!ブッキー作ってくれたの!?」


「うん。ラブちゃんの好きなピンク色だよ。着てくれたら・・・、嬉しいな。」


「くは〜、嬉しすぎるよブッキー!早速着ちゃってもイイ!?」


「うん・・・。」
この時のラブちゃんの笑顔、喜んでくれたあの表情。一生忘れないと思う。



「ブッキーありがとっ!サイズもピッタリだよ〜。家でもずっと着ちゃうからねっ!」


「私こそラブちゃんにお礼したい。誘ってくれて本当にありがとう。本当に・・・嬉しかった!」


「ブッキー・・・。」



こうして私の人生、初めてのプレゼントは無事に成功しました。作って良かった〜。


あ、いけないいけない!「大好きな人」へのです。
459名無しさん@秘密の花園:2009/08/22(土) 23:30:36 ID:yU4R31bc
ブッキーが加入した頃の短編を改造してみました。もちろん
美希verもあり。また暇な時にでも。

フレプリまであと9時間かwようやく関西は見れるのかな?
百合度マックスになって欲しい・・・。
こっちも明日カオルちゃん回です。百合あんのかなw
460名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 01:13:38 ID:LZiI1Xhu
>>441さん、相変わらず美しいすぎる。
それなのに、こんな美しいSSを読んでエロい妄想を爆発させるダメな自分。


でも、もう書いちゃったし勿体ないから投下する。
461名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 01:14:16 ID:LZiI1Xhu
耳を打つ雨の音でラブは目を覚ました。時計を見ると0時を少し回った所。
せつなの部屋へ行くつもりだったのに、つい眠ってしまったらしい。
ベランダへ出ると風向きのせいで少し顔に飛沫がかかる。
そのままそっとせつなの部屋へ滑り込む。


「…せつな、起きてる?」
ベッドの傍まで行き囁くように声をかけると、せつなは身を起こして
ラブの腹のあたりに顔を押し付けてくる。
「せつな…。」
髪を撫でるとラブの腰に腕を回したまま、せつなは顔を上げ、
潤んだ視線でキスをねだる。


体の奥から情欲が湧いてくる。唇を啄みながら自分もベッドに倒れる。
パジャマの裾から手を潜り込ませ、掌で乳房を包み込む。
せつなの肌はもう熱く火照っており、まだ触れてもいなかった
乳首が固く尖り、既にせつなの体は準備が整っている事を告げていた。



「…今日はエッチな方のせつななんだね。」
ラブはわざと少し笑いを含んだ声で囁く。
体の関係になって、もう随分たった。
せつなは未だに不慣れな処女のように恥じらい、
快感に呑まれるのを怖れるよう声殺し、それでも堪えきれない
快感に押し流され、あられもない声をあげて、泣く。


でも時々、我を忘れてラブを求め、乱れる事がある。
(…ねぇ、ラブ…もっと…!お願い…足りないの……!
……もっと…お願いだから…!)
潤んだ瞳でねだられ、そんな時はラブもいつも以上に貪欲に、
どんな快感も逃がすまいとお互いに貪りあう。


今夜のせつなもそうだ。
ラブの問いには答えず、ただ体を擦り寄せ
愛撫の先を促す。
462名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 01:15:36 ID:LZiI1Xhu
「いつも雨の日だね…。」


この頃気が付いた。せつなが乱れるのは、決まって今夜のような雨の夜。
激しく乱れ、甘い声でラブの耳を楽しませ、意識を失うかのように眠る。

まだ荒い息のせつなは目を伏せ、ラブの胸元に頭を寄せる。



「……眠るのが怖いの…。」

雨の夜は眠りに就くのが怖いのだ、とせつなは言う。


「…このまま目が覚めないんじゃないかと思うの…。
もし覚めても、そこはこの部屋じゃなくて、あの洋館だったら…。
私はイースのままで、今までの事が全部夢なんじゃないかって……」


そう思うと恐くて眠れない…。だから…他に何も考えられなくなるくらい、ラブでいっぱいになりたい。
これは夢じゃない。体中でラブを感じて、気絶するように眠って、
目が覚めてもラブが傍にいる。

そうして、やっと安心できる。夢じゃないって。



雨の中で、イースとしての最期を迎えた。
深い闇へ堕ちて行くような記憶は、いつも雨音と甦る。
生まれ変わった喜びと背中合わせに、いつまでも消える事はない。



「……ごめんなさい。」

胸元にせつなの涙を感じる。
せつなの闇は深く、重く、でも切り捨てる事はできない。
謝る必要なんかないのに…。もっと、求めてくれたっていいくらいなのに。



「せつな…愛してるからね。」
ラブは精一杯の愛しさを込めて囁く。
せつなの体が震え、しゃくり上げる声が聞こえる。


「せつなも、パッションも、………イースも……みんな、愛してるから。」



あたしは、ただ抱き締める事しかできない。
でも…、せつなを誰よりも誰よりも愛してるから。

だから、これからは我慢せずに泣いて欲しい。
いつか、あなたが闇の夢を見なくなる日まで。


463名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 01:18:02 ID:LZiI1Xhu
以上!!勢いで書いた。後悔はしてない!

ちなみに自分は黒ラブ書きです。
464名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 04:37:04 ID:kLJ2HbGC
GJです!
465名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 06:41:44 ID:IRlRYaZe
幸せゲットしました
466名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 07:50:02 ID:Ba8miWIR
>>462
朝からGJ言わせていただきます!!は〜、やっぱりラブラブいいよラブラブ…。
    
>>427のオチが分かり辛かったので、少しwikiいじらせていただきました。
推敲不足の未完成なもの投下して本当にすいませんでした。
感想くれた方々、ありがとうございます。
467名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 08:24:53 ID:HUVeKe4s
>>460

ありがとうございます。
私も時々、生々しい表現が加速してしまいます。

>>461->>462も楽しませていただきました。
何か、文がなめらかになった感じがします。

ラブせつはあまりにもドラマチックな繋がりだから、
共依存になりそうwww
468名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 11:12:50 ID:ZiGD6lAr
>>462
エロ&ラブなラブせついいわー
ラブでいっぱいになりたい、とか最高だ
469286:2009/08/23(日) 12:11:57 ID:L50zzDZ8
ラブ「ゴクゴク…美味し〜ぃ!やっぱり暑い時はジュースだよね!」
せつな「ラブ、何飲んでるの?」
ラブ「これ?とろける桃!ピーチジュースだよっ」
せつな「美味しそうね。よかったら私にも頂戴」
ラブ「あちゃ、これが最後なんだよね。飲み掛けでいいならどうぞ!せつな!」
せつな「こ、これって間接キ…!精一杯、いただくわ!」
ラブ「でもさー、最初は美味しいけど、後になればなるほど味に慣れちゃって美味しさ半減だよね」
せつな「そう、ね。じゃあこれならどう?」
ラブ「?せつな?…ンむむっ…!」
せつな「…ぷはっ。も、桃とパッションフルーツのミックスジュースの口移し…どうかな?」
ラブ「そ、そりゃもう超美味しいよ!せつなの味がたまらなく甘美…」
せつな「し、幸せギブユー…」
ラブ「ワハー!」

おまけ 〜黒ルート〜
ラブ「でも、せつな口移しなんてよく知ってたね」
せつな「ええ、ブッキーに教えて貰ったの」
ラブ「…え?」

おまけ 〜変態ルート〜
ラブ「せつなの口移しのお礼にこんなんやってみました〜」
せつな「ちょ、ラブ!何よこれー!?やん、ジュース冷たい…!」
ラブ「これ?わかめ酒だよ。日本の伝統美!」
せつな「こ、これも伝統美なの!?嘘でしょ!?」
ラブ「説明してるとジュースが温くなっちゃうから、早速いただきまーす」
せつな「あひぁ!ちっともお礼になってないじゃなーい!」
ラブ「ワハー!フレッシュ果汁ゲットだよ!」

自分は黒ラブも変態ラブやんも大好きです。
470名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 12:53:28 ID:nbBNQ1IO
どんだけラブ変態なのよwワハーってなんか面白いな。
ちゃんと保管しますよー。

今朝までの保管しました。職人さん、いつも投下ありがとう!
あ、今日は百合度少なくて王子まで出ちゃったもんだから・・・。
俺病んできたなw

また今夜投下しまーす。
471名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 13:24:38 ID:QlTCzKea
いろんなSSあって楽しいよ。投下も管理もみんな乙です。

大輔やら王子やら、百合好きにはちょっと苦痛な展開になってきたなw
472名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 13:51:23 ID:QIGONn/Z
どうして俺はこうも黒ラブに惹かれるんだろう
大輔や王子は逆に燃料にするぐらいの気概でいこうぜ
473名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 14:28:48 ID:HUVeKe4s
百合好きには
今は耐え時なのか...
474名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 15:37:51 ID:ihb9lINa
正直、同居決定の回をピークに百合萌え度落ちてきたなぁ
せっかく美味しいシチュ用意した割に宝の持ち腐れと申しますか…
妄想もいいが、公式でもっと見たいんじゃーい
475名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 17:41:07 ID:nbBNQ1IO
そこで、9月からの学園生活がポイントになる訳ですよ。
大輔とラブ喧嘩。せつなが原因でさらに悪化。ラブはせつなを
選ぶなんてシチュ来たらもう俺は朽ち果てるw

あ、SS作れるねこれでw
476名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 18:04:47 ID:ZiGD6lAr
>>472
せつなが王子に萌えるのを見て「相手は子供じゃない」と
自分に言い聞かせながらもイラついちゃうラブさんを想像したら耐えれたぜ
477名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 18:14:56 ID:QlTCzKea
美希たんやブッキーはどうするんだ。9月は学校編?始まれば出番が…。もっと百合ってくんないとFUKOが溜まるぞ!
478名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 19:08:14 ID:0vz2kLHR
>>475
いいね。今から作るわw
479名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 19:09:06 ID:0vz2kLHR
間違えたw
>>476の方だった
480名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 21:46:16 ID:gHzsTGP+
ここの住人のハングリー精神は並々ならぬものがあるな。
481MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/23(日) 21:54:56 ID:nbBNQ1IO
そりゃそうさ。だってみんな精一杯頑張ってるんだから。
さ、王子下がって下さい。あ、もう少し。いや、もっと。もっともっとwww


【至福の時間、幸せの空間】
最近、私にはちょっとした楽しみが増えた。
私だけが味わえる、ほんの一時の幸せ。
愛してるあなたの顔を鏡越しで見る至福の時間。



「ラブ・・・、今日もいいかな?」

「お〜、来たかぁ〜。もっちろん、OKだよ!さ、どうぞ。」


お風呂上がり、私はわざと髪を不完全に乾かしたままラブの部屋を訪れる。
あゆみお母さんには内緒だけど、私のために買ってくれたシャンプーやリンス、実は使ってない。

ラブと一緒のをこっそりお小遣いで買っている。勿論、ラブにも内緒で・・・。

「せつなぁ、もう少し水分拭き取ってからおいでよぉ。パジャマちょっと濡れてるよ?」
最初は心配してくれてたラブも次第に呆れたり、困ったり、ちょっぴり怒ったり。
そんな顔を鏡越しで見るのも幸せに思えて。

「ごめんなさい。ラブが乾かしてくれると思うと何だか焦っちゃって・・・。」

「照れるからやめてよ〜。」
そう言って、顔をほんのりピンク色に染めるラブがとても可愛い。


「せつなの髪ってほんとサラサラしてるよね。羨ましいなぁ〜」

「サラサラしてないとダメなの?私はラブの髪、好きよ。」
髪だけじゃなく、笑顔も声も暖かい心も、みんな好き。私を大切にしてくれるラブが一番好き。



482MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/23(日) 21:57:06 ID:nbBNQ1IO
「ここんとこずっと気になってたんだけどさぁ。」

「何?」

「せつな、シャンプーかリンス変えた?」
そう言って私の顔を覗き込む。ドキっとするぐらい近くにラブを感じる。

「ど、どして?」
別に焦る必要は無いんだけど。やましい事をしてる訳じゃないのに。ちょっぴり自分が面白い。

「ドライヤーしてるとわかるんだ〜。せつなの髪の匂い。すっごくいい匂いなんだよ〜。」

「ほんと?何だか嬉しいな・・・」
私はどこか照れくさいと言うか、再び鏡越しにラブの顔を確認して。勿論、ラブは私に微笑みかけてる。



「はい!終わったよ。」
至福の時間はあっという間に終わってしまう。あまりにも短く感じてしまうのは何故なんだろう。

「ありがとラブ。いつもごめんなさい。」
「うぅん。また明日もおいでよ!いつでもせつなだったらウエルカムなんだから!」


「ねぇラブ・・・」

「ん?」

「今度は・・・、私がラブの髪を・・・」
真正面からは恥ずかしくて言えなかった。鏡越し、ラブが何だか遠くに感じる。すぐ後ろにいるのに。

「お願いしてもイイ・・・かな?」
ラブの顔がまたピンク、いや赤く染まってるのが私にはわかった。お互い照れてるのも楽しくて。


「でも私はちゃーんと髪を乾かしてくるからねっ!」

「嫌よ。」
「ちょっとぉ・・・」
困惑気味のラブをよそに、私はこう呟く。




「・・・待ちきれないから・・・」



「せつなのいじわるぅ〜。」

「ふふ。ごめんなさい。」



私の至福の時間。幸せの一時。お互いを大切な存在だと確認出来る空間。
ラブ、今度は私の部屋でね。

〜END〜

483名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:01:30 ID:nbBNQ1IO
9月からの学園生活で、ラブせつネタは増えると思うのです。
>>477さんのように、美希ブキが削られるのが心配ですよ。
やはり公式に百合ネタが放送されないとキツいっすよね。
484名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:29:24 ID:HUVeKe4s
>>482

GJです。ほんわかしていい雰囲気ですね。
色んなところからネタ出せて羨ましいです。
485478:2009/08/23(日) 22:49:51 ID:0vz2kLHR
世界陸上とか見てたら遅くなったw
とりあえず作ったよ。尻切れだけどねー
486名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:51:39 ID:0vz2kLHR
―――本日午後、行方不明となっていたメクルメック王国のジェフリー王子が無事に…

「あら、良かったわねー」
夕飯の片づけをしていた手を止めて、あゆみママがTVから聞こえてきたそのニュースに思わず声を上げた。
なんといっても四ツ葉町で起きた大事件。あゆみさんだけでなく、それはもう町中の関心事だったのである。

―――しかし残念ながら、家宝の『ポセイドンの冷や汗』は騒動の合間に割れてしまい…

「まあ勿体無い。でも不思議ね。家宝がそんな事になった割には、王様も王女も王子も、
なんだか皆嬉しそうな顔してるじゃない。どうしてかしらね?」
「ど、どーしてだろーね、せつな!?」
「そうね、どーしてかしらね!?」
突然振られた言葉に、ラブとせつながギクリと顔を見合わせた。
もちろん理由は知っている。それは宝石なんかよりもずっと大切な、ずっと価値のある物を
三人が確認できたからだ。
だけどそれは王子達とプリキュア(あとカオルちゃん)しか知らない秘密。
答えなんか言えるはずも無く、結局笑って誤魔化すしかないのだ。

「まあ分からないわよね」
とは言え、娘達にそんな秘密があるとは当然あゆみさんは知るはずも無く、一人で納得すると
「それにしてもこの王子の笑顔可愛いわねー。見てるだけで幸せになっちゃう」
と、次のニュースに切り替わったのを確認して、お勝手口へと戻って行った。
487名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:52:49 ID:0vz2kLHR
「もうお母さんたらドキドキさせるんだから〜」
母の姿が見えなくなったのを確認して、ラブがホッと息を吐いた。
そしてそれは、どうやらせつなも同じだったらしく、互いに聞こえた安堵の音に可笑しさを感じて
アハハと笑いあう。
「でも、お母さんも言ってたけど、ジェフリーの笑顔って本当に宝物だよね」
「そうね。あの宝石よりもずっと輝いてたわ。笑顔ってあそこまで人を幸せに出来るのね」
「あれ?せつなも幸せになったの?」
確かあの時は違うって言ってたのに、とラブが聞く。
「あ!その…まあね。一応は」
「へえ…」
とせつなを見るラブ。それから、ポツリと言った。
「あたしといる時よりも幸せ感じた?」

「え?」
「せつなはあたしといる時よりも幸せ感じた?」
なんでこんな事を聞いたのかは自分でも分からなかった。
わざわざ聞く事では無いし、大体が比べるような事でもない。でも、何故だか聞かずには居られなかったのだ。
それは確認したかったのかもしれない。しかし
「そうね」
ガツンとした衝撃が、ラブの体を突き抜けた。
「そうだったかも知れないわね」
「そう…なんだ…」

ニュースではもう一度ジェフリーの話題をやっていた。そこには彼の天使の笑顔が再び映し出されている。
でも何故だろう。さっきまではあんなに可愛いと思っていた笑顔なのに、今は胸がギュッと痛くなる。
488名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:54:23 ID:0vz2kLHR
ひょっとしてあたし、こんな小さな子に…?
ウソ、ウソだよ。だってせつなが幸せになってくれるのは、あたしにとっても幸せで…。
だけど、でも、あたしと居るよりもせつなが幸せだなんてそんな事……

頭の中で思いがグルグルとごちゃ混ぜになって行く。
どうしたらいいのか分からなくなって、胸の奥が熱くなって行き―――
「なんてね」
クスリとせつなが笑った。
「ラブとは比べられないわ」
「え?」
「私にとってはラブの笑顔が一番の幸せの素。だからそんな顔しないで」
そしてそっとラブの頬へと手を添える。
「ばか」
思わず憎まれ口が出た。
だけどそのまま、ギュッとせつなに抱きついた。

「ラブ…」
「せつな…」
見詰め合う二人。視線は情熱的に絡み合い、互いの呼吸すら感じられる。
そしてその雰囲気の中、互いの唇がどんどんと引き寄せられて行って……

「あなた達、なんで抱き合ってるの?」
「―――!?お母さん!?」

なんとかTVの怪談話のせいにしてもらいましたとさ。


おしまい
489名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 22:56:13 ID:0vz2kLHR
しかしもっとギャグ調になるはずだったのにおかしいな

こんなはずじゃなかった・・・こんなはずじゃ
490名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:18:23 ID:QlTCzKea
>>481
いいわこの雰囲気。恥じらうトコとかまだ中学生だよねー。さすが職人、毎日あなたの読んでまっせ!

>>486
早速今日ネタあざっす!百合好きの不満払拭してくれたよ。あゆみママン、空気嫁w
491名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:29:13 ID:XP9gf7i1
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader1143654.jpg
わは〜っ! ピーチにベリーにパインのタルトゲットだよ!
家族も大喜びでさらに幸せゲットだよ!

パッション分は今夜せつなの部屋でゲットだよ!
492名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:31:03 ID:jKaqJjl7
>ラブがホッと息を吐いた

ラブホがどうかしたのかと一瞬・・・
こんな自分が嫌だ
493名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:32:23 ID:0vz2kLHR
>>491
グリルクローバーで買ってきたのか?
美味そう
494名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:44:18 ID:gagzd8+7
せつなが王子に(可愛いー…!)となった時に、お前の方が何千倍も可愛いわと思ったのは俺だけか。

今回は確かに百合分は少なかったけど、四人がずっと一緒にいてくれて嬉しかったな。みんなで白くなったりした場面はもうにやにやっしっぱなし。私服相変わらず可愛いしな! あと作画も安定してて良かった。
フレッシュ好きすぎて終わるのが惜しいよ…死ねる…、二期あるのかなあ…。
495名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:22:49 ID:yVjmMdx5
近所で花火をやっているという安直な理由で書いたSS、良かったら読んでください。

【小さな灯火】
(1)
「し〜んぱいないって! ……だいじょ〜ぶ、美希たんのママが付いてきてくれるから!
 よくバーベキューやってる人がいる、あの河川敷だよ。ね、行ってもいいでしょ?」
電話越しの母に、ジェスチャー混じりの熱弁をふるうラブの姿を、せつなはじっと見ていた。
『今夜、花火やらない? なぜか、ウチに余っちゃってるのよね』
ダンスレッスンの帰り際、美希の提案に目を輝かせたラブと祈里の姿が瞼の裏によみがえる。
ラブの説明によると、美希が言うハナビはお祭りの夜に見たそれとは似て非なるものらしい。
『う〜ん、きれいな光ってのは一緒なんだけど、あの時の花火よりずっと小っちゃくて、手に持ったり、床に置いたりして……。
 とにかく、楽しいよ!』
今ひとつ釈然としないものの、熱心に母に頼み込むラブを見ていると、きっと胸躍るものだろうとせつなは思った。
ラブが勧めて、せつなが心を動かされなかったものは今のところ、只の一つもない。
「……うん、うん、ありがとう! 行ってきます!」
振り向いたラブの満面に浮かぶ笑顔が、せつなにはまぶしい。
「お母さん、花火に行ってもいいって! 幸せ、ゲットだよ!」
「そう」
素っ気ない返事に気を悪くする風でもなく、ラブはせつなの手を取った。
「じゃ、行こっか! ……って、タッハー! もう、こんな時間!?」
「お母さんの休憩時間まで、電話を待たなきゃいけなかったものね……」
「あそこまで、結構遠いし……。せつなぁ、こんな時こそ……」
「わかってるわ」
二人はポーチに出て戸締まりを確認し、せつなは懐からリンクルンを取り出した。
「河川敷へ」
念じた瞬間、ラブとせつなの姿が淡い光りに包まれる。
「……あ〜、よう寝たら腹ァ減ったわ。……ピーチは〜ん? パッションは〜ん、どこでっか〜?」
二階から発せられている声は、忽然と姿を消した二人の耳には届かなかった。
496名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:23:52 ID:yVjmMdx5
(2)
「あ、美希たんちの車!」
河川敷に着いたラブは辺りを見回すと、止まっているワゴン車に向かって歩を進めた。
見当通り、見慣れた影が車の近くにあって、二人に気付いた祈里が駆け寄ってくる。
「こんばんは、ラブちゃん。せつなちゃん」
「こんばんは、ブッキー」
「遅くなってごめんなさい」
律儀に頭を下げるせつなに祈里は慌てたように両手を振った。
「いいの、いいの。私は車に乗せてもらったから早く着いたんだし、花火だってまだ準備中だし」
「そう……。花火って、どんな準備がいるの?」
小首をかしげるせつなに、車の反対側から答える声がある。
「まずはマッチとローソク、それに風除け」
「あとは水を入れたバケツかしらねぇ」
蒼乃母娘が姿を現して、全員が揃ったことを互いに確認した。
「こんばんは。あなた、せつなちゃんだったわね? 改めて見るとホント可愛いわねぇ」
「は、はぁ……。ありがとうございます」
上から下まで自分を眺める視線に妙な迫力を感じて、せつなが一歩後ずさる。
「あ〜っ! せつなが可愛いからってヘアメイクのモデルにしちゃダメですよ、アフロとか」
「もう、ラブちゃん、そんな昔の話なんかしちゃイ・ヤ」
じゃれ合うレミとラブの前で、せつなはかすかに眉をひそめる。
(アフロって、何?)
そう思ったものの何か嫌な予感がして、せつなは質問するのを止めた。
「それじゃ、花火は車の中にもたくさんあるからジャンジャンやってね。
 ジュースもあるけれど、おばさんのビールと間違えて飲んじゃダメよぉ」
「ちょっと、ママ! ママがお酒飲んじゃったら、帰りの車はどうするのよ!」
「大丈夫よぉ、代行運転を呼ぶし、ラブちゃんたちにはタクシーで帰ってもらうからぁ」
そう言いつつ、レミはいつの間にか手にしていた缶ビールのタブを開けると中身を一息にあおった。
「はぁ〜、風流、風流」
「……ママのことはもう良いから、私たちも始めましょ」
ご満悦のレミを尻目に、美希は火をつけたローソクを少し傾けて、したたり落ちたロウの上に本体を固定させる。
手慣れた感じで準備を進めるラブたちを前にしつつ、自分だけが何をすればいいかわからない。
胸の奥にじわりと広がる黒い染みに、せつなは気付かないふりをした。
497名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:24:44 ID:yVjmMdx5
(3)
「わぁ……」
嘆声を漏らす祈里の側で、せつなは声もなく、手持ち花火片手にはしゃいで駆け回るラブの姿を眺めていた。
筒から溢れる色とりどりの光がラブの動いた軌跡をなぞり、闇に溶けていく。
美希が置いた小さな紙の箱から光が溢れかえって、辺りを鮮やかに照らす。
祈里が投げた環状の花火がシュルシュル音を鳴らしては、忙しく動き回って祈里自身を驚かせている。
「せつなもやってみなよ!」
ラブに手渡された棒形の花火の先端を、恐る恐るローソクの先に近づける。
パチっと音がして、手元に寄ってくる輝きの美しさにせつなは顔をほころばせた。
「どう、せつな。花火って楽しいでしょ?」
「ええ、とっても楽しい。……それに、驚いてる」
「あんまり、きれいだから?」
「うん……。それもあるけれど、こういうことを楽しいと思える自分に驚いてる」
火薬が燃え尽きて、せつなが手にしている花火から輝きが消えた。
手元に残された煤けた竹ひごを、バケツの中に入れるとジュッと僅かな音がする。
「目を灼く閃光、耳をつんざく轟音、こびりつく火薬の匂い……。それは私が不幸を集めてきた場所に溢れていたモノだから。
 そんなモノからでも幸せを生み出せる、この世界の人たちは素敵だなって」
せつなが瞼を伏せても、瞳の奥にたたえた憂いは深いことがラブにはわかっていた。
「せつな……。あの頃のことを、気にしすぎちゃダメだよ」
「ありがとう。……ラブに出会う前の私なら、花火を見ても資源の浪費としか思わなかったでしょうね」
「せつな」
ラブが何かを言いかけたとき、車の方から身も世もない声が聞こえた。
「ウ〜ィ、美希ちゃん、水。水ぅ〜」
「ママったら、放っておいたら何本飲んでるのよ。ブッキー、悪いんだけどお水買ってきてくれる?」
「え、うん!」
駆け去る祈里の背中を目で送って、美希は花火が入った紙袋を差し出した。
「そんなワケで、ラブ、せつな。そろそろお開きにしないといけないから、シメの一本を選んで」
「うん。シメって言ったら、やっぱコレでしょ!」
ラブが手にしたのは、せつなが目にした中で最も細く、棒状ですらなかった。
「これも花火? 細い紙を縒っているの?」
「線香花火っていってね、これは静かに見守るのがイイんだ……よっ、とっ」
しゃがみ込んだラブがつまむようにして持つ、花火の先端に膨らんだ赤い玉が不安げに揺れる。
それを見た美希は苦笑混じりのため息をついた。
「とにかく、じっとしているのがコツよ。じゃ、ローソクも消すから終わったら来てね」
「う〜ん、じっとしているのってニガテだけど、最後まで見たいし……」
「要は動かなければいいんでしょ」
そう言ってせつなはラブの側で膝を折ると、自らの左手をラブの肩に、右手をそっとラブのそれに重ねた。
「わわっ」
「ラブの支えになるように、私も精一杯がんばるわ」
ひやりとして、滑らかなせつなの肌の感触が伝わってラブの鼓動が高鳴る。
「顔が赤いわよ、どして?」
「な、何でもないよ〜。何でも」
ラブの態度を訝しみつつも、せつなは、いつしか火花を発するようになった赤い玉をじっと見つめた。
果実のように熟し、激しく火花を散らす赤い玉の勢いは長くは続かないということが、せつなには感じられる。
存在を証明するために、我が身を焦がして得た、禍々しい刹那の輝き。
生まれ変わっても、消え去ることは無い自らの所行をせつなは思い出していた。
498名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:25:58 ID:yVjmMdx5
(4)
「せつな、せつな」
「……ラブ?」
気がつくと辺りは暗闇になっていて、耳元ではラブが自分の名を呼んでいた。
「ちょっと顔色が悪いような気がするけれど、大丈夫? 暗くなったから恐くなっちゃったとか?」
たははと笑うラブの横顔にかける言葉がない。
ラブの身体を離し、残されていた燃えかす入れのバケツのハンドルを掴んでせつなは立ち上がった。
「は〜い、それじゃ今夜はここで解散。ラブちゃんたちとぉ、祈里ちゃんはこれで帰ってねぇ」
ひとしきり後片付けを終わらせた一行の前で、へべれけになったレミがラブと祈里にタクシーのチケットを渡す。
「それじゃ、また明日ね」
「お休みなさい」
美希たちに手を振って車が動き出した後、二人はしばらく無言だった。
窓外で流れていく街の灯りは先ほどまでの光のようには、せつなの心に届かない。
「あ、ここでいいです」
唐突にラブが運転手に告げて、車が止まった。ラブに引っ張られるように車から降りると、生暖かい空気が全身を包んだ。
「どうしたのよ、ラブ。家まではまだ遠いわよ?」
「ん〜。少し、せつなと歩きたいな〜と思って。イヤだった?」
「そんなことはないけれど……」
歩き出したラブを軽く追いかけて、隣に並ぶ。
街灯が道を照らしていたものの、人通りが少ないこの道は夜に少女が歩くのに適しているとは思えない。
やはりアカルンで、せつながそう言いかけたとき、無言だったラブが口を開いた。
「変なコト聞いちゃうみたいだけど……。せつなは、さ。暗いのが恐い?」
「本当に、変な質問ね」
「たはは、ゴメンゴメン。せつなが、そんなの恐いわけ……」
「恐いわ」
ラブの言葉を遮って、せつなが短く答えた。
「私は闇が恐い。暗いところに一人でいると、私の中に残された闇が知らない内に拡がって……。
 最後には私を塗りつぶして、また、あの頃に戻してしまう気がする。私は私でなくなるのが、恐いわ」
「そっか……。じゃあ、明るいのは?」
「今夜のラブはなんだか意地悪ね……。強い光は私の過ちや弱い心を暴き立てるような気がして、少し苦手」
「う〜ん、難しいモノだね……。花火の時にせつなが難しい顔してたから、何か相談に乗れないかなって思ったんだけど」
「大丈夫よ。ラブはもう、私の力になってくれている」
「えっ!?」
「ラブが、私にも幸せという光を分けてくれたから。小さいけれど、優しくて暖かい光を。この光がある限り、私は大丈夫」
「そうなんだ……流石、あたし! 正直、よくわかんないところもあったケド、せつなが幸せならあたしも幸せ!」
「ふふっ、ラブらしいわ。それじゃ、遅くなったことだし。アカルンを……」
懐を探ろうとしたせつなの手を、ラブがとっさに掴んだ。
「ううん……。歩こうよ!」
「ラブ……」
「歩こうよ、暗い道でも……時間がかかっても……二人で!」
「ええ……。そうしましょう」
つなぎ直したラブの手から伝わる温もり。また少し大きくなった、胸の奥の灯火。
(花火の光は闇に溶けてしまったけれど、この光はきっと)
せつなは空いている右手で、自らの胸を軽く抑えた。
それほど速く歩いているわけでもないのに鼓動が早くなっていくのがわかって、せつなは少しだけ頬を朱に染めた。
499名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:29:06 ID:yVjmMdx5
終わりです。百合百合な感じを出すのは難しいですね。
500名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 01:43:25 ID:pnKwM+t4
とてもせつならしくてGJです
501名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 05:15:11 ID:n+6BAUBX
くっつきすぎず、でもご褒美なシチュエーションはちゃんと抑えていて
絶妙な百合加減。ご馳走様でした。
502名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 07:25:00 ID:BbpOWjv4
闇と強い光云々にとても惹かれた、せっちゃん…!
503名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 11:29:20 ID:pSvFJ9jX
572 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/08/24(月) 06:09:53 ID:oKiF4sr0
31話 ラブと大輔 仲直りのしかた!(9/6)
せつながラブと同じクラスに転入。
ラブを好きな大輔は、ラブがせつなばかり構うのが気に入らず、ついにはラブとケンカに。
32話 さようなら!タルトとシフォン!!(9/13)
タルトとシフォンがスウィーツ王国へ帰還。
同行したラブたちは、タルトが王子様で、フィアンセまでいると知ってビックリ!

33話 せつなの恋!ドキドキ大作戦!! (9/20)
34話 インフィニティ現れる!明日を取り戻せ!!(9/27)
504名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 11:36:12 ID:JLeKuRru
こっちにも貼りやがったかwウソネタだよ。34話は美希せつの話だし。

公式かネタバレスレ行けば嘘だとわかるはず。

俺は見事に釣られたけどw
505名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 11:36:58 ID:n+2HG+0W
ここまでバレ来たのかよ。
本スレじゃウソバレ扱いだったけど>33話
506名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 11:40:34 ID:QcrNDIgV
34話じゃなくて33話じゃない?
美希せつ回は漫才で消化したのかと諦めてたから楽しみ
507名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 12:13:35 ID:JLeKuRru
33話だっけ、すまん。
今後も百合じゃない展開が続くのは正直辛いが…
508名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 12:26:43 ID:n+2HG+0W
31話 ラブと大輔 仲直りのしかた!(9/6)
せつながラブと同じクラスに転入。
ラブを好きな大輔は、ラブがせつなばかり構うのが気に入らず、ついにはラブとケンカに。
そして二度とラブの前に姿を見せる事は無かった。

これでおk。美希せつ回来るんだからそれに期待しようぜ。
509名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 13:20:17 ID:FhWDI0WD
>>508
あらすじで話の終わりまで言ってんじゃねーかwww
510名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 13:54:06 ID:giKN1w4z
33話 せつなの恋!ドキドキ大作戦!! (9/20)

どうやらせつなには好きな人がいるらしい……。
寂しさを感じるラブだったが、せつなの幸せゲットのために恋の手助けをしてあげことに。
ところがどっこい、せつなの好きな相手とはラブのことだった。ワハー!
511名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 13:59:43 ID:JLeKuRru
それが実現したら俺泣いちゃうよwもち嬉し泣きでな。

美希せつ話、今からワクワクしちゃうぜ!
512名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 18:34:37 ID:p/DaiX2o
>>504

よかった

33話が本当なら自殺するところだった

513名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 19:13:28 ID:mLqbd4Hc
美希「聞いてラブ。大輔なんて奴は最初からいなかったのよ!」
ラブ「最初からも何も、そんな人知らないよ」
せつな「ラブぅ、そんな事より早くお風呂一緒に入りましょう?」
514名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 19:41:57 ID:uI3oTHP5
大輔叩きはそれくらいにしなよ

大輔が嫌ならスルーすればいいじゃないか
515名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 19:56:43 ID:w/47NELY
もしガッカリなことになっても叩いたり嘆いたりはこの板だけにしとこうや
そもそも百合アニメじゃないのだから我慢せな
516名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:02:30 ID:6Zqw2cqz
対象年齢がアレだから俺たちのことを考えてくれるはず
517名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:04:32 ID:p/DaiX2o
>>512

俺のID大輔かよ畜生
518名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:05:47 ID:JGOewLn5
俺とかうざいな
519名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:33:19 ID:72FYmDZT
関西人で3週間もフレプリが見れずFUKOでした。
ようやく見れるようになったので記念投下。
せっちゃんの浴衣姿、イイ!

以下、妄想シリーズ「作戦その45発動!」の続きを投下します。
想いを遂げた二人は晴れてラブラブのバカップルに。
タイトルは「妄想事後 美希の苦悩」です。
相変わらず稚拙な文章ですが、読んで頂ければ幸いです。
エロなし。美希たん視点。
520名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:33:38 ID:72FYmDZT
−おかしい。
あたしはジュースを飲みながら、目の前でドーナッツを食べる二人の少女を眺める。

今日は久しぶりのダンスの日。といっても、みゆきさんはお仕事でここにはいない。
今日はあたしたち4人の自主練習のようなものだ。
お盆とかいろいろあってしばらくお休みしてたけど、
夏合宿で新しい振り付けも覚えたことだし、
新学期が始まる前にみんなで合わせよう、という事で集まった。
今はちょうど休憩中で、みんなでカオルちゃんのカフェでドーナッツを食べている。

ダンスは久しぶりだけど、夏休み中みんなで集まる機会は多かった。
夏祭りだって行ったし、ついこの間も4人でお買い物に出掛けたばかりだ。
その時はいつも通りだったはず。それなのに−。

「はい、せつな。あたしのチョコドーナッツ、半分あげるね!」
「ありがとう、ラブ。じゃあ私のメロンドーナッツも半分食べてくれる?」
「もっちろん!・・・はい、せつな。あ〜んして?」
「ラ、ラブ。こんなところで・・・。みんなが見ているわ。」
「・・・せつなは、あたしにドーナッツ食べさせられるのは、いや?」
「そ、そんなことあるわけないじゃない!・・・じゃ、じゃあ、私もラブに食べさせてあげるわね?」
「やった〜!はい、せつな。あ〜ん!」
「はい、ラブ。・・・あ〜ん。」
「モグモグ・・・。ん、おいしい!せつなに食べさせて貰うと一段とおいしく感じるよ!」
「そう?よかった。ラブの食べさせてくれるドーナッツも、とてもおいしいわ。」
「なんたって愛情た〜っぷりだからね!モグモグ。」
「ラブ・・・。ありがとう。」
「ん?急にどうしたの、せつな。」
「私、知らなかった。ラブにドーナッツを食べさせて貰うことが、こんなに幸せなことだったなんて。」
「おおげさだよ、せつな。あたしは自分のやりたいことをやっただけだよ。」
「ううん。ラブは私にまた一つ幸せを教えてくれた。だから今度は私が、ラブを幸せにしてあげたいの。」
「えっ?」
「今夜の晩御飯は、私がラブに食べさせてあげる。・・・ダメ?」
「ほ、ほんと!?やった〜!今夜も幸せゲットだよ!」
「うふふ。ラブったら。」
「・・・ね、せつな。」
「なぁに?ラブ。」
「ううん。呼んでみただけ。」
「そう・・・。あ、あのね、ラブ。」
「なに?せつな。」
「・・・ううん。私も、呼んでみたかっただけ。」
「せつな・・・。」
「ラブ・・・。」

ずっとこの調子だ。
同じようなやりとりを、さっきからずっと見せつけられている。
あたしとブッキーの姿なんて視界に入ってないに違いない。
完全に二人の世界だ。

はぁ、と呆れて横をみると、ブッキーが二人に釘付けになっている。
もう氷しか残っていないグラスの中身をひたすらストローですすりながら。
さっきからズズズッスースーと品のない音が響いている。
その事にあたし以外、ブッキー本人さえも気付いていないようだ。
目線は完全に二人に固定されている。その顔はお面を付けているみたいに無表情だ。

はぁ・・・。何なのよ、これは・・・。
一体全体、何がどうなってこうなっちゃったワケ?
この場で唯一まともな思考を保っているあたしは、頭を抱えてうずくまっていた。
521名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:34:08 ID:72FYmDZT
ちょっと前まで、ラブとせつなの間には少し距離があった。

ラブと言えば、「”友達”のせつなはねぇ、」とか、「せつなは”友達”だからさぁ〜。」とか、
不自然なくらい、せつなに対して”友達”という言葉を強調していた。
泳いだ目でそう言う彼女の態度は、傍から見ればあきらかにおかしかった。

対するせつなは、最近物思いに耽る事が多かった。
物憂げに瞼を伏せ、じっと考えこんでいたかと思えば(※1)、
急にハッと顔を上げて(※2)両手で顔を覆い、力なく首を振る(※3)。
イースだった頃の事を思い出しているのかもしれない。
そう心配して、彼女にあれやこれやと話しかけて気を紛らわせようとしたものだ。

※1・・・「ラブ?どうしたのこんな夜更けに・・・。泣いてるの?どして?あっ!ラ、ラブ!」
※2・・・「わ、私も!私も、ずっとラブのことが好きだったの!ラブ・・・嬉しい・・・。」
※3・・・「は、恥ずかしいわ。でも、ラブになら・・・。私の全部、見て欲しいの。お願い。優しく、して・・・。」

ブッキーもそんな彼女に気が付いたのか、せつなに対して過剰とも言えるようなスキンシップをとるようになった。
消極的なあの子がこんな行動に出たのは予想外だったが、
心の優しいブッキーが、悩んでいるせつなを放っておけない気持ちは良く理解できた。
せつなの世話を焼いているブッキーは本当に生き生きと輝いていて、人の為にそこまで頑張れる彼女を眩しく思ったものだ。

ラブもせつなも、あたしやブッキーに対しては普段通りの態度だった。
余所余所しくなるのはラブとせつなが二人でいる時だけ。
珍しくケンカでもしたのかしら。でも一緒に住んでいるんだし、そのうち仲直りするわよね。
あたしはそんな風に楽観的に考えていた。

それが。

どうしたらここまで真逆になっちゃうわけぇ?

椅子を寄せ合ってぴったりとくっついて座る彼女たち。
その姿はどう見ても事後− って、そ、そんなわけないわよね。女の子同士なんだし。
二人に当てられて、あたしの頭までおかしくなってしまったようだ。

そして、それを見つめるブッキーの目には生気が感じられない。
もはや氷すらなくなった空のグラスを無表情にストローで吸い続ける彼女の姿は異様だった。
そんなブッキーの姿にも気付かず、ひたすらイチャイチャラブラブしている二人。
522名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:34:28 ID:72FYmDZT
はぁ・・・。あたしは本日何十回目かのため息をついた。
ダンスの方は問題はない。
踊り始めると、せつなとラブは驚くほど息のあった動きをみせる。
無表情だが、それに合わせて動くブッキーも体のキレはいい。
むしろ鬼気迫るものすら感じる。ラブの動きを寸分の狂いなくトレースしているかのようだ。
あたしは相変わらず完璧に動いてみせるし、結果的に4人の呼吸はあっている、と思う。
問題は、踊っている最中にラブとせつながやたらとお互いを見ている事と、
ブッキーに一切の表情がない事。これが一番気がかりなんだけど・・・。


最初、彼女に会った時は普通だった。
「美希ちゃん、おはよう。」
そう言って微笑む彼女は、今日をとても楽しみにしていたようだ。
しばらく二人で他愛もないおしゃべりをしながら、ラブとせつなが来るのを待っていた。
おかしくなったのは二人が来てからだ。

「ごめ〜ん!美希たん、ブッキー!待った?」
そういって走ってくる彼女の手は、並んで駆けてきた少女の手と繋がっていて。
それを見た途端、ブッキーの顔から一切の表情が消えた。
「おはよう、ラブちゃん。・・・せつなちゃん。」

−あたしは何故だかその声に、薄ら寒いものを感じてしまった。

それからは何を話しかけても、
「私、信じてる。」だとか、「私、信じてた。」としか言わない。
まったく会話が成り立たない。
そんなブッキーにも気が付かないのか、ラブとせつなは二人でひたすら見つめ合っている。
たまにあたしが話しかけると普通に会話が返ってくるんだけど・・・。
523名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:35:13 ID:72FYmDZT
「でね、美希たん。やっぱりあたしはこっちかなって。」
「ふふ。ラブらしいわね。」
やっと普通の会話が出来た事に少しホッとするあたし。
そのラブの横顔を、潤んだ瞳でじっと見つめているせつな。

「ん?どうしたのせつな?」
それに気付いたラブがせつなの方を向くと、せつなは顔を赤らめて俯いてしまった。
「ううん。なんでもないの。」
「え〜。気になるなぁ。教えてよ〜。あたしの顔に何かついてた?」
「え、えと、そうじゃなくて・・・。あ、あのね。ラブの・・・横顔を見てたの。」
「ふぇ?あたしの横顔?」
「うん・・・。正面から見るラブの顔もとっても好きなんだけど。・・・横顔も、素敵だなって。」
「や、やだなぁ。何言ってるのせつな。そんなこと言われたら照れちゃうよ。」
「でも、本当にそう思ったから。へ、変なこと言ってごめんなさい。」
「ううん。せつなにそう言ってもらえて、あたしとっても嬉しいよ!でも・・・。」
「でも?」
「やっぱり、こうして正面からせつなに見てもらえる方がいいかな?あたしもせつなの顔が見れるしね!」
「ラブ・・・。」
「せつな。俯いてると、せつなの顔が見えないよ。ね?あたしにせつなの顔、みせて?」
「ラ、ラブ。何だか恥ずかしいわ。」

今まで散々見つめ合っておいて、今更何言ってるのよこの子は・・・。

「せつな。あたしはせつなの顔が見れないと死んじゃう病気かもしれないんだよ?」

ラブ。そんな病気ないから。

「い、いやよ!ラブが死んじゃうなんて!そんな・・・そんなの!」

せつなも真に受けるんじゃないの。

「だから、ね?顔を上げて?」

いや、だからさぁ・・・。

「わ、わかったわラブ。私、精一杯頑張るわ!」

そんなことで頑張られても・・・。

「やっとせつなの顔が見れたね。また一つ、幸せゲットだよ!」

ちょっと前まで死ぬほど見てたじゃない。どんだけゲットしてんのよ。

「ラブ、私も幸せ・・・。」

ああ、もう。

「私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる私信じてる・・・。」

ブッキー、あなたはちょっと黙ってて。怖いから。
524名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:36:57 ID:72FYmDZT
そんな感じで久々のダンスレッスンの時間は過ぎていった。
結局、あたしがまともに会話ができたのは最初のブッキーとだけ。
ラブとせつなはお花畑に行っちゃってるし、二人が来てからブッキーも別の世界へと旅立ってしまった。

「私・・・信じてた。」
ていうか怖い。怖いよブッキー。


はぁ〜。また一つ、大きなため息をつく。
こんな調子で大丈夫なのかしら・・・あたしたち。っていうか、この状態っていつまで続くの?
あたしは固まってる三人をちらりと見ると、こみ上げてくる頭痛に頭を抱えたのだった。
525名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 20:38:37 ID:72FYmDZT
以上で投下終了です。

漫才での美希たんの苦労人っぷりが笑えました。
美希たん可愛いよ美希たん。
後はカオルちゃんの正体が気になるなぁ〜。
水曜日までガマンガマン。
ショタがどうとか不安になる書込みもありましたが、
何があろうとせつなはラブの嫁!

しかしこのスレは素晴らしいですね!
職人の皆様方、激しくGJです!
毎日良作が読めるなんてKOFUKU過ぎる!
526名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 21:07:47 ID:tv1QyAoI
>>525
最高にニヤニヤしましたw

ブッキー・・・w

527名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 21:27:00 ID:0MO8VEjU
>>525、愛してる。俺はあんたを愛してしまったかも知れんwww
528名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:02:29 ID:c+hw//LQ
フレキュアの百合天国なるアンソロが来月25に出るみたいね。まぁエロだけど。期待していいのかなw
529名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:09:13 ID:QcrNDIgV
いくら何でもそれはw それは……無いよね? ネタだよね?
530名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:10:43 ID:QcrNDIgV
わはー! ググったらマジだったっていうか書き込み中止できなかったー!
531名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:11:49 ID:p/DaiX2o
>>525

GJ!

だけど、ブッキーが壊れた

。・゜・(つД`)・゜・

532名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:13:22 ID:w5+Kjekk
今日までの保管完了しました。良作ゲットだよ!投下ありがとう。
>>525
ラブせつに加えたけど、複数の方が良かったですか?

朝のウソバレでSS作ってやろうかしらw
あ、関西の同志は今週で追いつくそうで。良かった良かった!
さ、レッツ百合キュア!
533名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 22:22:05 ID:JLeKuRru
>>532
乙。ウソバレ釣られたから早く忘れたいw
違うの投下しておくれ。

アンソロまだ画像無しか。現段階では何とも言えんな。ドギツイHもあんま好かないし。
534名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 23:08:14 ID:8JLlLzD6
>>532
書いてくれるのなら>>510のネタだとわた皆が幸せゲットだよ!
535名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 23:32:56 ID:eOT/4tOC
>>525
GJ!!仕事帰りに電車内で携帯から読ませてもらったんですが、ニヤニヤしてしまいました。。
ラブせつのラブラブしたお話は大好きです。次回作も楽しみにしています。
536 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:44:11 ID:uoNCH1ux
良作がぞくぞく投下されていってますね。すごいフィーバーだなー。

私も乗り遅れないようにしなければ。

というわけで投下させてもらいます。
『Moon Child』『Sun Child』
二本続けて。 8レスほどお借りしますね。
合言葉は、ラブせつで。
537 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:46:18 ID:uoNCH1ux
「ねぇ、せつな」
「なぁに、ラブ?」
「アタシ達、ずっとずっと、一緒だよね」
「もちろん」
 そして少女達は夜空の下で、小指を絡めた。


        Moon Child


 せつな、って言葉を辞書で引いてみた。
 極めて短い時間。一瞬のこと。
 そう、書いてあった。

 知った時、不安になった。知らなきゃ良かったって、思った。
 その言葉を名前に抱く、女の子を知っていたから。

 ねぇ、せつな。
 いつからかな。せつな、よく笑うようになったね。
 皆と一緒にいて。お父さんお母さんと一緒にいて。
 アタシといて。
 昔の、イースだった頃とは大違い!! なんて言ったら怒るかな? それとも悲しむ?
 でもそう言っても、笑ってくれそうなぐらい、せつなはよく、笑うようになった。
 アタシ、せつなの笑顔が好きだよ。
 見てて、とっても幸せになる。
 もっと見たくて、バカなことをしちゃうぐらいに。
 今日も、いっぱい笑ってたね。
 アタシがテレビに出てた芸人さんの顔真似をして見せたら、転げまわって笑ってた。
 嬉しくって、何度も何度も繰り返しちゃった!! って、今思うと、ちょっと女の子捨ててたかも......タハハー。

 ホント、嘘みたい。
 ほんの少し前まで、人前で笑うのは苦手だ、なんて言ってたことが。
 今はダンスのレッスンでも、きっと一番、綺麗な笑顔をしてるよ。
538Moon Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:48:35 ID:uoNCH1ux
 でもね。
 でも。
 せつな、笑ってるのに。
 なんだかとても、泣きそうな顔に見える時があるんだよ?
 どうしてかな。どうしてそう思うのかな。
 せつなはいつもみたいに笑ってるのに、どうしてそんな風に見えるのかな。
 そんな時、せつながとても――――遠い人に、思える。

 ねぇ、せつな。
 笑って?
 もっと、もっと笑って?
 アタシの不安を吹き飛ばすぐらいに、思いっきりの笑顔を見せて?

 そんなアタシの思いに、せつなは、やっぱり笑ってくれる。
 心からの、笑顔だと思うよ。嘘は感じない。いつだって、どこだって。
 弾けるような笑顔。幸せを呼ぶ笑顔。
 なのに。
 アタシの心は、寂しがってる。

 時々、夜のベランダに出て、空を見上げてるよね。
 遠い星を、眺めてるよね。
 月の光を浴びてるよね。
 その時のせつなは、とっても綺麗。
 同じ女の子のアタシが、ドキッてしてしまうぐらいに、綺麗。

 けどそれは、どこか儚い――――儚いって言葉、こう書くんだよね?
 人に夢と書いて、儚い。
539Moon Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:50:44 ID:uoNCH1ux
 月を見ている時のせつなは、やっぱり笑顔。
 けれどそんなせつなを見ていると、胸がキュンって苦しくなる。
 子供の頃に読んだ絵本を思い出してしまうから。

 かぐや姫。
 いつか月に帰る、お姫様の物語。

 せつなは。
 どこにも行かないよね。
 せつなの家は、ここだよ。
 この家が、この部屋が、せつなの帰ってくる場所だよ。
 たとえいつか、どこか遠くに旅立ってしまうのだとしても、せつなの帰ってくる場所は、ここにある。

 ねぇ、せつな。
 アタシ、変なのかな?
 ずっとずっと、せつなと一緒にいたいって思うなんて、変なのかな?
 そういえば、中学に上がる時に、美希タンやブッキーと違う学校になっちゃって、すごく寂しかったんだ。
 でも、今でも仲良し!! いつも一緒じゃないけれど、いつでも会える。

 けどね、せつな。
 せつなとは、離れたら、もう会えないような気がして。
 そんなこと、あるはずないのにね。
 大人になって、二人とも、この家を出ていくのかもしれない。
 それでも、きっとアタシ達は友達で、家族で。
 戻ってくる場所が一緒だから、また会える筈なんだよね。

 もしもその時、まだせつながアカルンを持っていたなら、
ホントに、どれだけ離れてたとしても、すぐに会えるしね!!

 ――――わかってる。
 それが、子供じみた考えだってことを。
 そう。アタシはまだ、子供だ。中学二年になっても、半分も大人になりきれてない。
 アタシ達はいつか、離れていく。
 それぞれの道を、歩いていく。
 毎日のように電話をして、メールをして、会ったとしても。
 たとえ、同じ家に住んでいたとしても。
 アタシ達の道は、離れていく。
540Moon Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:52:47 ID:uoNCH1ux
 ホントはね。
 ずっと一緒の道を歩いていたいんだ。
 いつまでもいつまでも、二人で笑っていたいんだ。

 けれどきっと、それはダメなこと。

 アタシ達は、やっぱり違う人間だから。
 桃園ラブが一人しかいないように、東せつなも一人しかいない。
 そして皆、人生は一度きり。
 だから、それぞれの道を、歩いていかないと。


 でも。でもね、せつな。
 もしも、せつなと同じ道を歩けるなら。
 アタシは、おじいちゃんにつけてもらったこの名前の意味を捨ててもいいかもしれない。

 世界中の人にじゃなく。
 せつなの為だけの、ラブになる。
541Sun Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:55:16 ID:uoNCH1ux
 ラブ。ねぇ、ラブ。
 面と向かって言うことが出来ないから、心の中でこっそりと言うわね。

 私に幸せをくれて、ありがとう。
 私に、笑顔をくれてありがとう。

 ダメね。やっぱり、恥ずかしい。
 口に出してもいないのに、ね?


     Sun Child


 私がこの家に来てから、どれぐらいの月日が流れたんだろう。
 相変わらず、ラブは明るくて、輝いてる。
 まるで、太陽みたい。
 私の自慢の親友よ。

 イースだった頃の私は、太陽を知らなかった。
 こんなにも明るくて、優しくて、あったかいものだったなんて。
 時々、暑っ苦しかったり、うんざりした気分になることもあるけどね。
 あ、これはラブのことじゃないわよ?

 私ね。本当に、感謝してるの。
 東せつなとして生まれ変われたのも、こうしてお父さんお母さんと一緒に暮らしているのも、ラブと毎日一緒に学校に行くのも。
 何もかもが楽しくて、仕方ないの。

 ラブは私の一番の友達。家族。時々、手のかかる妹。時々、頼りになるお姉さん。
 最後のは、本当に時々だけどね?

 私ね、ラブと出会って、何が一番素敵だったかって、笑えるようになったことだと思うの。
 生まれ変わってから、私はたくさん笑った。それまでの、ラビリンスで過ごしていた頃とは比べ物にならない程、いっぱい笑ってる。
 お父さんのつまらない冗談に。お母さんのお茶目に。ラブのおっちょこちょいに。
 箸が転んでもおかしい年頃、という言葉があるらしいけれど、私にはそれがピッタリ!!
 本当に、毎日毎日が楽しくて仕方ないの。

 そう!! 私、幸せよ!!
 今なら、わかる。
 私が、幸せのプリキュア、キュアパッションに選ばれたのも。
 だって私、こんなにも幸せなんですもの!! 幸せの嵐を吹き荒れさせることなんて、お茶の子さいさいよ!!

 そしてこの幸せをくれたのは、ラブ、あなたよ。
 本当に、本当にありがとう。
 幸せをありがとう。
 優しさをありがとう。

 側にいてくれて、ありがとう。
542Sun Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 00:57:42 ID:uoNCH1ux
 だから、ね。ラブ。

 いつか。
 いつか、私は。
 ラブとお別れしなきゃいけないと思うの。

 幸せになっちゃいけない気がする。そんなことは、もう言わない。
 だって、私は幸せになったから。
 私の幸せが、ラブやお父さん、お母さんを幸せにしているのを見ていたから。
 皆の幸せの為に、私も幸せになる。そう、決めてる。

 でもね。
 だからこそ、ラブ。
 ラブには私だけを見ていて欲しくないの。

 私は十分に幸せになったわ。もう両手に抱えきれないぐらい!! 一生分、幸せになったかな。
 まだまだ足りない、なんていったら、バチがあたっちゃうかしら? けど、もっともっと幸せになりたいわ。

 でもその幸せは、自分で見つける。
 ラブには、もっとたくさんの人を幸せにして欲しい。きっとその力が、ラブにはあるから。

 いつか、ラブから聞いたわよね。
 ラブって名前は、おじいちゃんがつけてくれた名前だって。
 世界中に愛を届ける、そんな人になるようにって。
 そのことを話してくれた時のラブ、とっても輝いてたわ。

 だからね、ラブ。
 私を――――イースという敵だった私を幸せにしてくれた貴方なら。
 もっともっとたくさんの人に、幸せをわけてあげられると思うの。
 それこそ、世界中の人に!!

 ブッキーみたいにいうなら。
 私、信じてる。
543Sun Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 01:00:04 ID:uoNCH1ux
 ――――もちろん、本当は寂しい。
 ラブと、ずっと一緒にいたい。
 ラブと、いつまでも暮らしていたい。
 でもきっとそれは、よくないこと。

 私が幸せのプリキュアなら、ラブは愛を司るプリキュア。
 たくさんの人に愛を届ける。その邪魔をしたくない。

 貴方がその背中に翼を持っているのに、私が重すぎて飛び立てないなんて。
 そんなことには、なりたくない。

 ねぇ、ラブ。
 私の心は、宙にふわふわ浮いていたの。
 それを捕まえてくれたのが、ラブ。
 ギュウって抱きしめて、地面に足を付けさせてくれたこと、忘れない。

 嬉しかったの。
 風に流されるままだった私が、歩けるようになって。
 自分の足で。自分の足で。どこへでも行けるんですもの――――!!

 ラブ。
 私、ラブのこと好きよ?
 だからラブ。
 私、見ていたいの。
 ラブが周りの人たちを幸せにしながら歩いていくのを。
 私、見ていて欲しいの。
 東せつなはもう、自分の足で歩けるってことを。
544Sun Child ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 01:02:15 ID:uoNCH1ux
 やぁね。
 せっかくカッコつけてたつもりなのに。涙が出てきちゃった。
 今日、明日ってわけじゃないのにね。
 いつか、って言葉だけ。
 でもそれはきっと、必ず来る日、なのよね。

 ねぇ、ラブ。何度も言うけど。
 私、とっても幸せよ。

 もちろん、ホントはね。
 ずっとラブと一緒にいれることが、一番の幸せ。

 でもそうしたら、私、笑えなくなるかもしれない。
 ラブを引き止めた自分のことが、嫌いになっちゃうかもしれない。

 ああ。ホントに。
 私、どうしたらいいのかしらね?

 ただ一つ、わかるのは。

 やっぱり私は、ラブのことが好きってことだけ。
 輝いている、太陽の子供のような、その笑顔が。
 好き。



「ねぇ、せつな」
「なぁに、ラブ?」
「アタシ達、ずっとずっと、一緒だよね」
「もちろん」

 そして少女達は夜空の下で、小指を絡めた。

 天に月は無く、星も無く。
 道しるべのない想いは、風に乗って。

 空に、溶けていったのだった。
545 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/25(火) 01:06:30 ID:uoNCH1ux
以上です。
なんか久々にせつない系を書いたような気が。

改めて、保管庫運営、ありがとうございます。そして前回、感想付けて下さった皆様、ありがとうございます。

今後とも何卒宜しくお願いいたします。
546名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:10:38 ID:KUaTofdc
全住人が泣いた。殿堂入り。これを超える作品ないだろ、もう・・・。
保管庫に特別枠作ろっと。ありがとう◆ZU7CldKWo2 さん。

>>534
作ったけどここには投下しない。この流れ止めたくないや。ごめん
547名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:19:19 ID:hz3Lj7+R
>>545
泣きました。せつなすぎるけど、最終回はこんな感じになりそうで…。
このスレに来て良かったよ。投下ありがとうございました。殿堂入りだと自分も思います。
548名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:20:20 ID:2llcEuRa
ち、霞むと思ったが、水が出ただけだったぜ。しかしなぜ眼から…?
549名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:45:28 ID:L8RqcV5C
個人的にはラブせつは二人手を取り合いどこまでもいて欲しいので
せつない結末はあまり好きじゃない
でもこの話は文句無く素晴らしいと思う。

550名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:56:46 ID:wyfku7V+
>>545さん、素晴らしい。正直ちょっと他の追随を許さないレベルだと思う。


でも、勝手か事を言わせて貰うとこのスレには投下せずご自身のサイトにのみ
UPして欲しかった。

正直、あんなに清らかな完成度の高い作品を投下されてしまうと、
他の小ネタやらエロやらを書く職人さんが投下仕辛くなってしまうんじゃないかと。
玉石混合なのがこの手のスレの持ち味だと思うし、色んなテイストの作品が
読みたい自分としては、他に発表の場が無いなら兎も角、
既にサイトを持っているなら、そこにUPのお知らせだけでいいのではないかと
思うんです。


自分はあなたの作品のファンだし、サイトも毎日チェックしてます。
決して荒らしたいわけでまも、叩きたいわけでもないので、
一意見として聞いてもらえたらありがたいです。
551名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 02:08:23 ID:wyfku7V+
ごめん、書き込みしといてなんだけど、荒れそうな内容だよな。
ここだけの事として荒れないでもらえるとありがたい。

心が震えた故の暴走として勘弁して欲しい。


>>545さん、気を悪くしたらすいません。
552名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 02:36:16 ID:yy7cQVqd
>>545
おいおい急にモニターが歪んで文字が読めなくなったぞ、どうしてくれる
553名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 03:29:21 ID:GR0wn84w
まぁ誰でも書き込める場所の方がいいよね。
554名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 04:45:35 ID:iSVPTpBY
うわああぁぁァァーーーシュワシュワァァ〜〜〜・・・



切ない!清らかだ!!
朝っぱらからえれぇもん読んじまった。ラブせつはこれが最終回でいいでしょ・・・・いや良くねえだろ!ああ自分がわからねえ、最高レベルの作品が読めたのに、読みたくなかったとか思ってる。
555名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 04:50:03 ID:iSVPTpBY
作者の方、ごめんなさい。でも、なんなんだこの気持ちは・・・
556名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 05:18:20 ID:a9Eom/2E
波風立てるようなんだが保管庫で殿堂入り作品とか作るのってどうなんだ?
個人の感性にも左右されるし全作品フラットにした方が今後揉めなくて
いい気もするんだが…
557名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 05:54:02 ID:rAMmQgo5
これは…ラブせつ書く人はプレッシャーになるなあ。
ただ>>550さんの言うように玉石混交なのがこのスレの良さだから、職人さんたちには
頑張って欲しいんだけどね。
>>546
投下してください
558名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 05:56:36 ID:vRZvMWZq
起きてスレ開いたらとんでもない作品が。
泣いてしまったよ。

これ見てしまうと他の職人さんが出しにくいと
思うけど、やっぱり読みたいので投下お願いしまつ。

559名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 05:56:39 ID:E0zjg6s7
ちょっと保管庫見てきたけどあれ大丈夫?
ボーカルアルバムとかOP・EDとか、二次創作を知らん人が検索して引っ掛かるようなものを入れるのはよくないんじゃない?
あと>>556に同意見。作品と作品に差をつけるような保管はどうかと思うんだけど
560名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 06:36:51 ID:KUaTofdc
指摘された部分は修正しました。失礼しました。
561名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 07:40:39 ID:MBlD1KPM
ずっとロム専だったけど初めて書き込み。本当に素晴らしい作品が投下されてて、画面が歪んで見えたのは言うまでもない。どう考えても作者さんは神。だが、私も妙にもやもやした気持ちだ…ラブせつにはずっと一緒に居て欲しくて、辛い未来は考えたくないからなのかなー。
だからこそ今はラブラブやギャグめいたラブせつが読みたいぞ!是非職人さんには遠慮せずに投下していただきたい。長文すみませんでした。
562名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 08:10:35 ID:hz3Lj7+R
殿堂入り消えてるんですけど、保管はOKじゃないかと…。
改めて読むとやっぱ凄い作品ですね。

保管庫管理人さん、こっちにも投下お願いします。多分投下しようとしたの、小ネタの001じゃないですか?

電車の中でみんなの雑談や投下を読むのが最近の日課で。ホント良スレだ。馴合い好かない自分も、ここはOKかとさえ思う。
563名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 12:29:28 ID:oUaBT8vY
なんで良い作品が投下されてここまで荒れるんだwww
プレッシャー感じるとかそれは人それぞれじゃないか? 感性は人それぞれなんだし、その人のなかのラブせつだってそれぞれ違うだろう。逆にプレッシャー云々を書き込むから今回の作品を投下してくれた人にも、これから投下してくれる人にもかかっちゃうよ。
確かにここはスレッドで誰もが書き込み自由だけどな、投下するもしないも職人の自由だし感想もそうだけど、雰囲気を悪い方向に持ってくのはどうかと(これもそうかもしれんが…)
殿堂入り云々も差が出るし編集する人独断でそれもおかしい、投下してくれたものを保管してくれた時点でそれは殿堂入りってことになると思うんだが。今まで投下されてきたものは全部素晴らしいもんな、愛溢れててまさに幸せゲットできそうなもんばっかりだった。

色々ぐちゃぐちゃ言ったが俺が言いたいことは一つだ。フレッシュプリキュア愛してる。
564名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 12:34:34 ID:GR0wn84w
563がいいこと言った
565名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 12:40:32 ID:9GI1cCIA
殿堂入りは確かに納得できない人もいるかもね
あと馴れ合いはいいことがほとんどないから極力控えたほうがいいと思う
566名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 13:49:43 ID:yy7cQVqd
いい作品過ぎて波風が立つってのもめずらしいなw
いままでどおりでいいと思う。
>>545も気にしないでいいと思うよ
名誉ある荒れ(?)ってことで
567名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 13:59:10 ID:3O8PYWSF
みなさんの作品素晴らしいです!これからもSS読みたいです!それだけです!
568名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 14:01:11 ID:bAkSOlDf
良い作品が多ければ、スレを覗く住人も増える、
色んな人が集まれば、波風の一つや二つは立つって感じじゃないかな。
別に真っ向から言い争ってたり喧嘩してるわけじゃないし、
これぐらいなら平和でいいよね。
569名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 14:19:32 ID:hz3Lj7+R
>>566のお陰でオールクリアした!
サイトの方も、管理人さんも、職人さんも今後とも投下ヨロシク!。

所で、雑談で申し訳ないがあの魅惑のアンソロが気になって仕方ないんだ。ググッたら発売日はわかったんだが、情報がイマイチで。画像はこれからうぷかね?
570名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 14:21:53 ID:hz3Lj7+R
あ、>>566>>568ね。すまない
571名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 17:32:38 ID:OuGhyc3o
>>569
表紙はこれからじゃないかなー。
調べた限り今までのアンソロも同人誌の再録が多そうだし
今回もそれなのかな
572名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 19:48:19 ID:kEq/U5Xo
>>532
亀ですが、ラブせつのカテゴリーでお願いします。
573名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 20:14:09 ID:NQZ2qzw5
ぶっちゃけSS読んでない俺みたいな奴もいるしな
もっと百合雑談したいぜ
574名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 20:16:37 ID:eSmfAuuy
俺も百合は読むよりだべって妄想する方が好きだw
まあ百合というより、4人が仲良くしてるのが好きなんだが
575名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 20:35:57 ID:NQZ2qzw5
4人で仲良くっていえばボウリング回の前半みたいに
またみんなでショッピング行ってくれないかな
今ならせつなもノリノリで服とか選んで百合百合しほうだいだぜ
576名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 21:31:03 ID:Z/DWOpM9
個人的に百合回というと26話、22話、9話がトップ3。
髪回のラストシーンもよかった。
577名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 21:50:07 ID:eSmfAuuy
あんまりSS読まないけど、まだ本編でもやってないラブ美希祈里の幼馴染み3人の話は読んでみたいと思う
別に3人のなれそめとかじゃなくて、幼馴染みにしかない絆の強さみたいな話が

アニメにけちつけるわけじゃないけど、ラブが露骨にせつなばかりに構ったり
美希と祈里のせつなに対する心情描写無しで話が進んだり
その辺は子供向けアニメなだけあってご都合展開だからねぇ
578名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 22:06:26 ID:16BbOfvv
>>577
まぁそれでも去年のくるみ絡みの不毛振りと比べればだいぶマシとは思うけどね

ときにブッキーんとこの学校は潜在的にネタの宝庫だと思うんだが、もうちょっと描写がないもんかなぁ
579名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 22:11:30 ID:vRZvMWZq
>>576

23話の予告編も歴史に残る百合っぷりだったな
580名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 23:57:17 ID:hz3Lj7+R
>>571
ありがとう。多分買っちゃうかなw

SS投下ゼロ!?祭り終わったのか。俺の短い夏が…orz電車の中での楽しみだったのに…。
581名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 00:13:14 ID:yg+nqULI
こうしてる間に作ってくれてるって私、信じてる!
582名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 00:53:01 ID:0j5OnaFl
どのSSにもラブが溢れてる、それだけでいいじゃない。
職人さん、いつでも投下待ってるぜ!
583 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:15:38 ID:sbWQydJC
こんばんわ。
空気読まずに投下します。

>>537->>544には衝撃を受けました。
おかげで今日は仕事が手に付かなかった。ミス連発www

個人的に、気持ちに踏ん切りをつけたかったので書きました。
チラ裏かつ百合無しですみません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「近いうちに、素晴らしい幸せが訪れます」

占い館での占いは、正直、でたらめだった。
この世界との接点を持ち、そこから人々を不幸に
していけば良いと考えていた。

でも、心の中で、景色は少しだけ見えていた。

それがラビリンスで培われた能力かどうかは解らない。

今、何が見えるのだろう。自分の未来。

水晶玉をイメージする。

目を閉じ、集中する。

私の、未来...


ぼんやりと、見えてくるものがある。

584 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:17:20 ID:sbWQydJC


......


日が傾きかかっている。

久しぶりに来た桃園家は、あの頃と全然変わっていない。
もうプリキュアにはなれないが、アカルンが力を残してくれ、
この世界とのつながりを持たせてくれた。

私はラビリンスに戻り、管理国家からの脱却を目指して
建設された学校で、子供に基礎教育をしている。
こちらの世界でいう小学校だ。

管理された子供に自由を教えるのは難しく、
四六時中、色々なことを考え、体験させる必要がある。
あまりの忙しさに、ここ数年、全然帰れていなかった。

今日は久しぶりにみんなの予定が合いそうなので、
家族で集まることになった。
外食にする予定だったが、私の希望で家での食事に
してもらった。

玄関を開けると、お母さんは最高の言葉で出迎えてくれた。

「おかえり、せつなちゃん」
「ただいま、お母さん」

「ラブは?」
「まだレッスンみたい。もうすぐ戻ると思うわ。」

585 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:18:16 ID:sbWQydJC


テレビでは夕方の情報番組が流れている。

「さ、それでは中継と明日のお天気です。」
「今日は蒼乃美希ちゃんです。美希ちゃーん」

「はーい。今日は朝から快晴でとっても気持ちよかったですね。
 明日もこの天気、続きそうですよ。それでは、全国の予報です!」

美希はファッションショーで見せる艶やかな表情と、
お菓子のCMで見せるふくれっ面で人気を博し、
テレビへの出演が増えているらしい。


「久しぶりなんだからゆっくりしてて。お茶入れるから」
「せっかくだからこき使ってください、お母さん」

取り込んだ洗濯物をたたみながら、テレビに目をやる。

番組内でトリニティのツアー情報が流れている。
画面の端にラブが見えた。

ラブは本格的にミユキさんに師事し、バックダンサーではあるが
トリニティのツアーに帯同している。
きりっとメイクした顔は凛々しく、目には力があふれている。
ツアー前はレッスンがいっそう厳しくなるらしい。

586 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:19:18 ID:sbWQydJC

タンスに洗濯物をしまい、2階に上がる。

私の部屋のプレートはまだ掛かったまま。

そっと開ける。

私が居た時のまま、その空間はあった。
こまめに掃除してくれているようで、
埃はまったく積もっていない。


ベッドに腰掛ける。

ラブと、ここで色んな話をした。
ちょっと、喧嘩もした。
すぐ、仲直りした。

一緒に笑い、一緒に泣いて、成長した。

587 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:21:04 ID:sbWQydJC


玄関で人の気配がする。

「ただいまー」
「おかえり。もうせつなちゃん帰って来てるわよ」

「ホント?せつなー!もう帰ってきてるの!」

テンションが上がった声は変わっていない。
私もたまらずに階段を駆け降りる。

バタッと、人が倒れる音がした。
玄関に出ると、ラブがうつぶせで倒れていた。
「みゅうぅぅぅぅぅぅ」
あわてて靴を脱ごうとして、自分で躓いたらしい。

「ラブったら、そんなにあわてなくてもいいじゃない」
お母さんが苦笑する。

顔を上げたラブは、髪を下ろしたせいか大人っぽく見えた。
私を見て、目が倍以上になったように見えた。

体当たりするように抱き合う。

「せつなー!久しぶりだね!」
「ラブ!会いたかった!」

ラブの声。
ラブの匂い。
ラブのぬくもり。

あの頃と、変わらない。

「ただいまー。おっ!せつなちゃんおかえり!」
追いかけるようにお父さんも帰ってきた。

588 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:23:52 ID:sbWQydJC


久しぶりに家族で囲む夕ごはんは、
時間を忘れるようだった。

「やっぱり食卓に4人揃うといいわねぇ」
「もっとたくさん帰ってきてよ、せつなちゃん」
「椅子が1つ空いてると寂しいよね」

家族のぬくもりは、私を救ってくれたあの時のまま。
私の中で息づいている、幸せ。

つい飲み過ぎたお父さんは、早々に寝てしまった。
3人で後片付けを行い、居間で話していると
玄関のベルが鳴った。
ドアを開けると、美希とブッキーが居た。

「美希!ブッキー!」
つい叫び、2人に抱きついてから、
近所迷惑をちょっと後悔した。

「せつなが来るって聞いたんで、飛んで来ちゃった」
「私も、今日はお勉強お休みにしちゃった」

美希はさっきテレビで見た格好のまま。
ブッキーは大学の勉強で視力が落ちたのか、
眼鏡をかけている。

4人が集まると話題が尽きることはなく、
明け方までおしゃべりが続いた。
みんな大人になったが、笑顔はあの時のまま。

「みんなで、また踊ってみようよ!」
「そりゃあラブは現役だからいいけど、私達ついていけないよ」
「ブッキー、あたしとこっそり昨日練習したじゃん」

何だかんだ言う割に、みんな乗り気だ。
自然に、あの時の順番で並ぶ。

「じゃあ、美希たん、ブッキー、せつな、いくよ!」

......

589 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:24:24 ID:sbWQydJC


目を開けた。

はっきりと解った。

「近いうちに、素晴らしい幸せが訪れます」

あの時ラブに言った言葉は、
そのまま、私の願いだった。

その時はまったく気づかなかったが、
私の心の奥底に見えていた景色は、

ラブの笑顔。
その笑顔と共に笑う、私の笑顔。


今、見えた映像も、私の願い。

みんながそれぞれの夢に向かって歩く。
でも、みんなとの絆は、変わらない。

いつまでも、変わらない。
ずっと、一緒。

590 ◆BVjx9JFTno :2009/08/26(水) 01:26:38 ID:sbWQydJC
以上です。

タイトルは「Stay Together」です。

空気読まずにごめん。
みんな気にせず何でも投下してくだちい。

591名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 01:32:37 ID:bHaMkCRl
GJです!
592名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 02:20:14 ID:GcWjVgIg
眼鏡ブッキー想像しただけでご飯三杯イケる気がする
593名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 02:25:48 ID:Kkv7/+6Z
>>590

なんか心がほんのりあったかくなったです。
ありがとう。
594名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 02:52:55 ID:RuE03d6A
>>590
GJ!!!
なんか、せつない&あまずっぺー・・・
プール上がりの夏の午後って感じの気分になった。
595名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 03:17:46 ID:Kkv7/+6Z
>>341です。思いついて一気に書きました。

【小さなお願い】

「ブッキー?偶然ね」
自分を呼ぶ聞き慣れた声に、驚きながら振り返ると、そこにはやはり彼女がいた。
「ほんとね、すっごい偶然。せつなちゃん、今帰り?」
ドキドキしながら彼女の顔を見る。神様、ありがとう!わたし信じてた。この偶然に感謝します。
「うん、ラブは委員の仕事で居残りなの」
彼女の口から幼なじみ兼恋仇の名前が出るだけで、いつもながら胸がチクチク痛む。
「ブッキーは何してたの?」
小首を少しだけ傾げて、微笑むせつな。んもう、可愛すぎるなぁ。くらくらしそうだよ。
そうだ!あの事、今なら言えるかも。言うなら今しかないよね。
「あ、あの、あのね、せつなちゃん、わたしお願いがあるの」
「お願い?いったいなぁに?私に出来ることなら精一杯がんばるわ」
「あのね、こんなこと言うの恥ずかしいんだけど…」
やだ、なんだか顔が熱い…。
「わたしのこと、下の名前で呼んでほしいの。いのりって、呼び捨てで。ダメかなぁ?」
とうとう言ってしまった。
彼女は少し驚いているみたい。
「え…構わないけど、どうして?なぜ今までラブや美希には言わなかったの?」
そう聞かれると思ってた。でもその答えはもう決めてある。
「ラブちゃんや美希たんにはどう呼ばれててもいいの。でも…せつなちゃんには、せつなちゃんだけにはいのりって呼んでほしいから」
言えた。ブッキーじゃない、いのりの本当の気持ち。
クスッ。彼女が少し笑った。やっぱり子供じみた理由で可笑しいのかな。言わなければよかった…。
「わかったわ。でも、ひとつだけ条件がある」
「条件?それって、なに?呼んでもらえるなら何でもする!」
「私のことも呼び捨てにすること。せつなって」
「え!?ハ、ハイ!」
嬉しい。今わたしすっごく幸せだよ。
「よろしく、いのり」
「よろしく、せつな」
夕闇に彼女の笑顔があふれて、涙で見えなくなった。
596名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 03:22:29 ID:Kkv7/+6Z
読み返したら、行間狭くて読みにくいorz
すみません
597名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 04:15:21 ID:E1sK1JQk
なんか皆さん、ありがとうございます。
頂いたレスの一つ一つ、何度も読み返してしまいます。

自分が書いたものに反応がある。それだけで、本当に幸せなのです。


というわけで、本日も投下させて頂きます。
『Departures, now』
598 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:19:08 ID:E1sK1JQk
 お気に入りの洋服。タオルにパジャマ。ラブと一緒に買った小物入れに、美希
からもらったリップと、祈里おすすめのハンドクリームを入れて。
 必要なものと大切なものを全て詰め込んで、せつなはトランクの蓋を閉める。
そして、もう一度、彼女は辺りを見渡す。
 綺麗に片付けられた、自分の部屋。

 忘れ物は、何もない。


     Departures, now


「それじゃ」

 玄関を出て、せつなは振り向いた。見送りに出てきているのは、あゆみに圭太郎の二人。

「気をつけてね」
「はい」

 圭太郎の言葉に、彼女はゆっくりと頷く。まだ何かを言い足りないけれど、何
を言っていいのかわからない。そんな様子を見せる彼に、

「もう、お父さんたら」

 苦笑しながらあゆみは、せつなに白の帽子を手渡す。

「はい、これ。今日は暑いから」
「――――ありがとう、お母さん」

 つばの広い、リボンのついた帽子。きっと、彼女が今日、白のワンピースを選
んで行くことを知っていて、それに合わせて買ってくれたのだろう。
 ちょこん、とせつなは帽子を頭に乗せる。偶然にもそれは、かつて彼女がイー
スと呼ばれていた頃と同じ姿。
 けれどその目の輝きと、顔に浮かぶ微笑みは、イースだった頃には無かったもの。

「うん、可愛い。とってもよく似合ってるわよー」
「やだ、お母さんったら」

 母の言葉に、頬を赤く染める姿も、また。

 せつなはふと、見上げる。
 ちょうど一年前に、この家に招かれ、桃園家の一員となった。あれから色々あ
って、少しずつ本当の家族になっていって。
 楽しかったな。感慨にふけりながら、せつなは目を細める。
 それでも、今日が旅立ちの日であることには、変わりない。
 持てるものは全て、トランクに詰め込んだ。次に戻ってくる時には、思い出を
たくさん詰め込んでこよう。
599 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:21:30 ID:E1sK1JQk
「お母さん、ラブは?」

 いよいよ出かけようというのに、姿を現さない彼女の姿に、せつなはあゆみに
問いかける。が、彼女は困った顔をして、二階へと続く階段を見上げるだけ。

「あの子、よっぽどせつなちゃんが行くのが嫌なのね」
「――――そっか」

 思わず目を伏せるせつなに、圭太郎が言う。

「気にしなくていいんだよ。せつなちゃんが決めたことなんだから」
「お父さん......」
「そうそう。後は私達に任せて、ね?」
「お母さん......」

 暖かく見つめてくる二人に、せつなはゆっくり、はい、と頷く。
 本当に、素敵なお父さん、お母さん。彼女は、感謝の念を新たにする。
 私、この家に来れて、良かった。

「そろそろ、時間じゃないのかい」
「あ......」

 腕時計を見て、せつなは驚きの声を上げる。確かに、思っていたよりも約束の
時間に迫っていて。

「ホント。もう行かないと」
「あの、お母さん。ラブに伝えておいて欲しいことが」
「あら、何?」

 少し迷った後、彼女は、本当に伝えたいことを見つけて口にする。

「行ってきます、って」
「うん。わかったわ」

 ニッコリと微笑むあゆみに思いを託し、ペコリと頭を下げたせつなが彼女達に
背を向けたその時。

 ダダダダッ

 階段を駆け下りてくる、足音。そのまま廊下を走り抜け、こちらに向かってくる。
 そして。

「せつなぁっ!!」

 何も履かずに裸足で飛び出してきたラブが、振り向いたせつなに飛びついてきた。
600 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:23:34 ID:E1sK1JQk
「せつな、せつな、せつなぁっ!!」
「もう、ラブったら」

 最初は驚いていた彼女の顔にも、すぐに苦笑が溢れる。ギュゥ、っと苦しいほ
どに抱きしめられながらも、せつなはされるがままになっていた。
 その耳元で、ラブが言う。

「行かないでよ、せつな」
「ラブ、無茶言わないの」

 答えたのは、あゆみ。だがぶんぶんと首を振るラブに、困った子ね、と言いな
がら溜息をつく。

「だったら――――アタシも一緒に行く!!」
「それは――――出来ないわ」

 一緒に行きたい気持ちは、せつなも同じだった。けれど、それは絶対に出来ない。
だから口にする。拒絶の言葉を。
 ラブも、それはわかっていたのだろう。反発はせず、ただギュッと、より一層
強く、彼女の細い体を抱きしめるだけ。

「もう、大げさよ、ラブ。二度と会えなくなるわけじゃないんだから」

 その両の肩に手を置いて、せつなはラブの体をゆっくりと押しやる。抵抗せず
に離れた彼女の、俯き加減の顔を覗いて、せつなは笑った。

「すぐにまた会えるわ。そうでしょ?」
「......うん」

 頷くラブは、だが、泣きそうだ。
 もう、しょうがないな。思いながらせつなは、今度は自分から彼女を抱きしめる。

「大丈夫。私の帰ってくる場所はここよ。そうでしょ?」

 そう言った彼女の背中に、おずおずとラブは手を回し、そして。
 二人の少女は、抱きしめ合う。別離を惜しむように、優しく、強く。
601 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:26:00 ID:E1sK1JQk
「そろそろ、行かないと」

 どれほどの間、そうしていただろう。せつなはそう言って、ラブから身を離す。

「あ......」

 遠ざかるぬくもりに思わずラブは吐息を漏らす。だが彼女は、トランクに手を
やって、それを持ち、そして。

「それじゃ。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「本当に、気をつけていくんだよ」

 あゆみと圭太郎、二人の言葉に頷いて笑った後、せつなはじっとラブを見つめる。

「ラブ」

 肩に置かれた、あゆみの手。うつむいていたラブは、ゆっくりと顔を上げる。

「行ってらっしゃい、せつな......!!」

 とびっきりの笑顔で彼女は、そう言った。笑え、笑え、アタシ。涙なんか、
見せちゃいけない――――!!

「ええ。行ってきます、ラブ」

 応えるようにニッコリと笑顔を見せたせつなが、背を向ける。
 そして彼女は、一度も背を向けることなく。
 旅立って行ったのだった。



「もう、ラブったら。裸足でこんなとこまで出てきて」

 そう言うあゆみの胸に、ラブは顔を埋め、思いの丈を口にする。感情のままに、
心の赴くままに。

「アタシも、行きたかった――――一緒に行きたかった!!」

 まるで子供みたいね。思いながら、あゆみはそっと娘の頭を撫でた。

 
 そして――――
602 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:28:03 ID:E1sK1JQk
「あなたが悪いんでしょ!! テストで赤点とって、明日から補修なんだから!!」
「だってだって!! 赤点取ったら林間学校に行けないなんて知らなかったんだもん!!」
「知らなかったからって、赤点取っていいわけないでしょ!!」
「すっごく楽しみだったのに!! 高原で三日間、天体観測しながら過ごす林間学校!!
せつなと一緒に行くの、ずっとずっと楽しみにしてたのに!!」
「だから普段からちゃんと勉強しなさいって、あれだけ言ってたでしょ!!」
「せつなだけ行くなんてぇぇぇ」
「自業自得でしょ。せつなちゃんはちゃんと、普段からお勉強してたもの。頑張
ったせつなちゃんには、林間学校で楽しむ権利があるんです!!」
「あぁぁぁぁぁぁっ。アタシのバカ、バカ、バカ!! アタシってば、FUKOぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」





 その夜。

「ラブ。起きて、ラブ」
「ん......ん? せつな!?」
「しっ。お母さん達が起きちゃう」
「ど、どうして、ここに?」
「アカルンで、戻ってきたの。またすぐに、帰らないといけないけど......」
「そうなんだ。でも、なんで?」
「もう――――ラブに会いたかったからに決まってるでしょ」
「――――クッハー!! せつな、大好きっ!! 幸せ、ゲットだよっ!!」
603 ◆ZU7CldKWo2 :2009/08/26(水) 04:32:25 ID:E1sK1JQk
このネタをやるならこのタイミングしかないと思ってやった。
後悔はしていない。


というわけで感動もヘチマもないかもしれませんが。
広〜い心で受け入れて頂けると嬉しい限りです。

宜しくお願いいたします。
604名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 05:25:36 ID:b7/OYbPj
おどかさないでくれ・・・また最終回かと・・・赤点の下りでズコーなったわ!!
605名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 06:10:33 ID:sbWQydJC
もう耐性がついた。
何が来ても大丈夫。

ちょっと泣きそうになりながら読んだ。


>>602でフイタwww

606名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 06:29:14 ID:w6UIDl/2
投下キター!ゆっくり電車の中で読むよ。昨日はやきもきしちゃったぜw
607名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 07:41:08 ID:E6bLytvm
確かにこのネタは今しかないw
読み返しても無理がないのがやるなぁ
608名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 07:48:05 ID:cq/Y936s
また最終話チックなお話が来て涙腺崩壊しかけていたのに、オチで盛大に吹いた。うっかり流してしまった涙を返してくれw
本編でマジにありそうな展開だよな、って想像出来て楽しかった。
>>597さん、是非また素敵な作品を投下して下さい!


こうやって毎日職人さん達の作品を読んで、感情を揺さ振られるのはホントに気持ちがいい。
609名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 08:16:28 ID:wAF9IHnE
あwかwてwんwwwwwww
見事に引っかかりました。
GJ!
610名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:34:03 ID:XmKjB9AE
ぶははは、噴いた。
ほんとに最終回でやりかねないわなフレプリ、シャレがわかってネタ好きだから。
611名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:36:23 ID:xU96R+AA
>>603
吹いたwこの流れでこの展開はおもしろすぐるw

以下、空気読まずに投下します。
タイトルは「妄想事後 せつなの独白」
エロなし。でいいはず。暗めです。
612名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:37:54 ID:xU96R+AA
人々を不幸にし、FUKOのゲージを溜め、インフィニティを見つけ出す。
それがどういうことなのか、その結果が何をもたらすのか。
その過程で、何が失われていくのか。
イースだった頃の私は、そんなことを考えたことはなかった。


私がラッキーをナキワメーケに変えた時、たけし君はどんな気持ちになったのだろうか。
自分の飼い犬の変わり果てた姿を見て。人々を襲う姿を見て。
彼は何を感じたのだろうか。
そんな事、わざわざ聞かなくてもわかる。

愛犬を奪われた悲しみ、奪った者への怒り、そして、何も出来ない自分への絶望−

あの頃の私は、
ただ、彼が不幸になればFUKOのゲージが溜まる。メビウス様のお役に立てる。
そんな風にしか、考えられなかった。

自分が彼の立場だったらどうだろう。
もし、もしもラブがラッキーと同じ目にあったとしたら。
今の私は耐えられるだろうか。

車を踏み潰し、道行く人々を襲い始めるラブ。
そんなラブに対して、何も出来ない無力な自分。

きっと、あの時のたけし君と同じ気持ちになるだろう。
何故ラブが、どうして、誰がこんな事を。
悲しみと怒りと絶望で、目の前が真っ暗になるに違いない。

イースだった頃の私は、そんな事を考えた事はなかった。そんな当たり前の事さえも。

そんな私を変えてくれたのは、ラブ。私の、最愛の人。
気が付けば、いつもラブの事ばかり考えていた。
613名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:38:37 ID:xU96R+AA

私はラブに依存している。
私に幸せを教えてくれたラブに。私に幸せを、与えてくれるラブに。

本当は、いけない事だってわかっている。ラブの為にはならないという事も。
でも。それでも。

私はラブの傍にいたい。ラブに傍にいて欲しい。

ごめん。ごめんねラブ。
わかっていても、私はラブから離れられない。離れたくない。
ラブは私の全てなの。ラブがいないと、私は私でいられなくなる。

だから。神様、お願いです。
もう贅沢は言いません。他には何もいりません。だから−

ラブを、不幸にしないでください。

私はラブから離れられません。それでも、ラブを、不幸にしないでください。
私が傍にいても、ラブが笑っていられるように。
ラブが、辛い思いをしなくても済むように。
どうか、お願いです。ラブを、ラブの笑顔を、守って下さい。
どうか、どうか。

−お願い、します。
614名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:39:15 ID:xU96R+AA
「せつな、せつな。」
「あ、なあにラブ?」
「せつな、どうしたの?考え事?」
「ん、ちょっとね。昔の事を思い出していたの。」
「昔のこと?」
「そう、イースだった頃の自分の事を、ね。」
「せつな・・・。」
「・・・後悔してもしかたがない事かもしれないけど、やっぱり、忘れることは出来ないから。」

そう、私はあの時の自分を、イースが犯した罪を、一生忘れてはいけない。
みんなの笑顔を奪ったこと。それは、東せつなが背負っていかなければならない罪。
・・・それなのに。

「そっか・・・。でもね、せつな。」
そういってラブは私に微笑む。
「あたしは、イースだった頃のせつなも好きだよ!ぜぇんぶひっくるめてせつなの一部だもんね!」

胸が熱くなる。彼女は・・・。
「ラブ・・・ありがとう。」

彼女は言ってくれた。私の罪も、私の過去も、自分が全て受け止めると。
そうして、私と一緒に同じ道を歩んで行きたい、と。
私の罪は重い。二人とも押し潰されて、暗闇の中を彷徨う事になるかもしれない。
そう、心配する私に、彼女は。

(せつなと一緒なら、真っ暗な中でもきっと楽しいよ!その代わり、手、離しちゃダメだよ?)
そう、笑ってくれたのだ。

「お礼を言われるようなことじゃないってば。ね、それよりさぁ〜。」
「え?な、なに?」
「せつなさんが全然構ってくれないから、桃園さんちのラブさんが拗ねちゃったみたいなんですけど!」

時計を見ると、ちょうど八時を回ったところだった。
ラブと一緒にテレビを見ながら、いつの間にか物思いに耽ってしまっていたようだ。
615名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:39:56 ID:xU96R+AA
「ふふ、ごめんねラブ。」
「ん。許してあげちゃう!その代わりぃ〜。」
「きゃっ!ラ、ラブ!」
「熟れたてフレッシュ、ゲットだよ! ね?せつな、いいでしょ?ねぇねぇ〜。」
「もう・・・。続きは、その、お部屋で、ね?」
「え〜もう我慢できないよぅ。いっただっきま〜す!」
「あ!だ、だめ!こんなところで・・・ラ、ラブ!」
「大丈夫だって!今日はお父さんもお母さんも遅いって言ってたし!ね?」
「あぁ・・・ラブ。だめ、だめよ・・・こんなところ、誰かに見られたら・・・。」
「誰も見てないよ。こんなにやらしいせつなの姿を見られるのは、あたしだけなんだから。」
「・・・ばか。」

彼女は私を導く光。私を暖かく照らす太陽。
ラブ、私の手を、離さないで。
もう二度と、私が道に迷わないように。
私が私でいられるように・・・傍に、いて。

「・・・あ!ラブ、そ、そこは!」


「・・・こらアカンわ。シフォンには見せられへん。ピーチはん、パッションはん、もうちょい自重したってぇな・・・。」
そう言いつつも空気を読んだタルトは、シフォンを抱えてそっと二階に移動するのであった。
616名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 12:40:29 ID:xU96R+AA
以上で投下終了です。
本編でもずっとラブの家に住んで欲しいところですが・・・。
最終回はせつない展開になりそうですね。
617名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 15:43:16 ID:ekpb6oYL
一期はせつない系で二期はハッピー系だろ
今までの傾向でいくと
618名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 18:26:22 ID:xqkWF2Kd
二期があったら新キャラの登場で既存キャラは空気の可能性も高いからねぇ
フレプリはせつなパッション売るためのアニメって感じだけど、二期は新キャラにスポット当てるだろうし
一期で綺麗に締めくくられた方が、せつな好きには幸せだと思うね
619名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 20:47:30 ID:JRjJQL9M
お前らそんな寂しいこと言うなよ…だから大人っていやッ!
620名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 21:39:43 ID:YOpE2ukA
>>618
ももちゃんが出てもおんぷちゃんは別に空気化しなかったわけで
621名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 22:11:12 ID:xqkWF2Kd
>>620
どれみなんかとは比較にならないほどの販促アニメ、プリキュアにその前例は当てはまらないと思うけど
どうしても玩具売らないといけないから、深夜アニメ何かよりよほど大人の事情が絡みまくる
622名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 22:16:06 ID:f5FxOz6m
いや待てよ、深夜枠に移動というのもいろんなイミでいいんじゃないかと
623名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 23:05:35 ID:w6UIDl/2
職人さんたち、投下ありがとうございました!今日は昼投下もあったのか…。携帯チェックしとけば良かった…。

一時はどうなる事かと思ったけど、みんながいてくれて良かったよ。また日曜まで頑張れる。

>>622
いよいよ百合キュアになるんですね、わかります
624名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 23:15:38 ID:yg+nqULI
まぁ大友は悲観的に考えといて、実は幸福終焉を期待してるからなw
二期も確定っぽいが、仲間追加でコケたら4人もコケそうで怖い。

二期も百合イメージを思わせる展開にしてくれれば嬉しいが。
メインは小友だから過度な期待も禁物かー
625名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 00:12:25 ID:r4rXVhQe
こんばんは、保管屋です。昨日までの保管完了してあります。
投下された職人さんたち、確認して見て下さい。補足修正もします。

>>596
改行調整してみました。いかがでしょうか?
626名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 00:36:18 ID:wYY+Fx5N
>>625
完璧。SS増えたねほんと。得にラブせつの数が凄いわ。

保管庫の管理人さんだよね?今日は投下あるのかしら…。
627名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 04:46:01 ID:21Z/B92D
今日は投下なし、か

まあ昨日までの宴がすごすぎたんだが
628名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 05:01:34 ID:g49KzB0E
今日は人いないのね。最近昼夜問わず投下あったから来てみたが。
しかしいつも思うんだが、職人の書くスピードは何なんだ?
ほぼ毎日投下してる人とか凄すぎだろ。
629名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 05:59:38 ID:FkUMHZMB
夏休み終わったからねぇ
学生が多かったんだと思うよ
630名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 06:38:46 ID:MX1AU8Dq
今日は保管庫のを読み返すとするか
631名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 06:42:52 ID:r4rXVhQe
>>626
またイイ作品が届けられるよう修行中です。投下ないと寂しいですね。
632名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 07:52:24 ID:wYY+Fx5N
>>631
まさか保管庫まで出来ると思ってなかったからwいつもご苦労様。

さて、日曜はナース姿のブッキー降臨するらしいが。百合展開来たら飯何杯イケるかw
633名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 08:30:53 ID:jIlrapFS
>>481-482が保管庫になかったみたいなんで追加したよ
634名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 11:10:17 ID:GCSpabXC
このスレのおかげでせつなが荷造りしてるだけで泣けるようになった
635名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 14:21:14 ID:soweafMQ
…常々思うんだが、イースとしてのせつなは一回死んでしまったじゃないか。それでアカルンの力のおかげで生き返れたんだよな?
それって寿命を書き換えたってことなのか、ラビリンスから管理されてた寿命事態をなくして今はせつな自身の寿命として生きてるってことなのか。
そこらへんがわからん。俺の考えとしてはせつなの寿命はとっくに、イースとして死んだときに尽きていて今はアカルンがいるから生きていられてる体…とか。
だからいつか、プリキュアの力がなくなった時にせつなは死んじゃうんじゃないかとか思うんだが…これって少数派ですかね?
636名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 14:43:02 ID:VkWlwQ2a
せつなスレで聞け
637名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 15:46:49 ID:GvK1bObt
>>635
その類の話しは確かにせつなスレでやってたなー。
なんか結論が出たような、奇蹟が(ryAA(ryだったような。
アカルンの力でラビリンスの管理下を離れた→せつなとしての寿命になった。
とかって思ってるけどね。
638名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:09:58 ID:M4OKL4h0
【片恋】

いつ頃からだろう、彼女を目で追うようになったのは。

ふんわりした髪、柔和な笑顔、優しい話し方。
どれもがとても可愛らしくて、
意識しなくても気づけば目が追っている。

大好き。面と向かって言ったら、どんな顔するだろ。
ビックリするかな。それとも…。
いつか、言える日が来るのかな。


「なあに?美希ちゃん、わたしの顔に何かついてる?」
祈里に話しかけられ、あたしは少しうろたえた。

ここは、薫ちゃんのドーナツショップ。
あたしと祈里は、学校帰りにここで落ち合い、
お茶をするのが最近の日課になっていた。

「なんでもナイナイ!ちょっとボーっとしちゃっただけ。アハハ…」
あたしは半分無理やりに笑う。
貴女に見とれてたなんて、言えるわけないじゃない。

「…そか」
ん?
祈里の表情が少し曇った気がしたのは、
あたしの気のせいだろうか?

「ねぇ、これ覚えてる?」
気を取り直すようにそう言いながら、祈里があたしに見せたのは、
黄色い犬のキーホルダー。古いものなのだろうか。
全体的に黒っぽくなってしまっている。

「うわ、可愛いけど結構使い込んでるね。年代物って感じ。
 そのキーホルダーがどうかしたの?」

「…やっぱり覚えてないんだ」

そうつぶやく祈里の目にみるみるうちに涙が浮かび、
泣き顔を見せまいとするように、鞄で顔を隠しながら祈里が立ち上がる。

「ま、待って!ブッキー何で泣いてるの?あたし何か悪いことした?」

あたしは祈里の手首をつかんで、逃がさないようにしながら聞く。

「…ううん、美希ちゃんは何にも悪くない。
 悪いのはわたしなの。ごめん、今日はもう帰るね」

あたしの手を振りほどくと、祈里は逃げるように去っていく。
後にひとり残されたあたし。
何なのよ、一体!
さっぱり訳がわからなかった。

「ケンカは良くないよ〜。悪いことは言わないからすぐ謝んな。
 夫婦喧嘩は犬も喰わない、なーんつってね、グハ!」

呆然とするあたしに、薫ちゃんが声をかける。
でも、そんなからかいに応じられるほどの余裕は、今のあたしにはなかった。
639名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:12:32 ID:M4OKL4h0

   *******

やっぱり忘れちゃったんだ…。

家に向かって走りながら、美希ちゃんの戸惑った顔を思い浮かべる。

そうだよね、だってまだ小さいときのことだもん。
いくらわたしが大事に持ってるからって、
だからって美希ちゃんにも覚えてろだなんて、
そんな権利、わたしにはない。

家に着き、自分の部屋に入る。
ベッドに腰かけて、そのまま横になる。
その姿勢から、出窓に飾った写真立てが視界に入った。
まだ幼い3人の少女たち。
そして最近撮ったばかりの4人の少女たちの姿。

大好きな蒼い髪の少女が目に入る。
いつも大人っぽくて、優しくて、頼りになって…。
いつだって良い友達だった。一番の親友だった。
なのに、なんでこんなに悲しいの?

「もう親友なんて嫌だよ…」
640名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:13:17 ID:M4OKL4h0

「あたしもよ」

その声に驚いてベッドから跳ね起きる。

「美希ちゃん?どうして…」

「あったりまえでしょ。あたしのせいで親友が泣いてるのよ。
 そりゃ追っかけて、勝手知ったる部屋まで押しかけるわよ」

美希ちゃんの顔が怒っている。

「はい、これ、忘れ物」

美希ちゃんが差し出したのは、黄色い犬のキーホルダー。

「あたしがあげた誕生日プレゼントでしょ。
 大事にしないと承知しないんだからね!」

「忘れてたクセに…」
笑おうと思うけど、泣き笑いになってしまう。

「思い出したのよ、あなたを追っかけて走りながら。
 今まで大切にしてくれてありがとう。
 それと、もうひとつ言わなきゃいけない事があって。
 あたし…今日から親友やめるね」

衝撃を受け、目の前が真っ暗になる。
親友なんていやって言ったのは、確かにわたしだけど、
でも親友じゃなくなったら、今までみたいには会えなくなる。
それだけはイヤ。でも心とは逆に、勝手に言葉が口からこぼれる。

「やっぱり、わたしのこと嫌いになっちゃったんだね。
 わかってた。最近の美希ちゃん、心ここにあらずって感じで、
 何考えてるか全然分からなくて。
 好きな人…できたんでしょ?」
641名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:14:23 ID:M4OKL4h0

美希ちゃんの顔はまだ怒ってる。

「そうよ、できたわよ。貴女に紹介するわ。この子よ」

美希ちゃんはそう言うと、鏡を持ってわたしに見せた。

鏡の中には、キョトンとした表情の女の子が、
涙で赤くなった瞳でわたしを見つめている。

「美希ちゃんが好きな人って…」

「そうよ、そそっかしくて、おっちょこちょいで、おっとりしてて、
 ほっとけないの。貴女も知ってるでしょ、山吹祈里って子よ」

涙がこぼれた。嬉しかった。思わず美希ちゃんに抱きついてしまった。
コロンがふわっと香った。なんていい香り。
美希ちゃんの胸に顔をうずめる。

「わたしも美希ちゃんが好き」
「嬉しい…、祈里って呼んでいい?」
「いいに決まってるじゃない」

わたしは瞳を閉じた。
くちびるに、柔らかな感触が降りてくる。
夢に見た美希ちゃんとのくちづけ。

「もうあたしたち今日から親友じゃないからね…」
新しい日々が始まる予感で、あたしの胸ははりさけそうだった。
642名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:19:21 ID:M4OKL4h0
>>595です。なんか色々なカップルで書いてみて、
いちばんしっくり北感じ。

保管庫にもいれていただき、手直しまで…
ありがとうございました!
643名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:46:44 ID:jOyr0NbR
今日は投下無しかと思ってたww
美希ブキ大好物だからかなりぐっときたわ…
GJ!
644名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 21:36:22 ID:r4rXVhQe
>>633
申し訳ないです!保管ありがとうございました。まさか自分の
SSを忘れるとはwFUKOだ・・・

>>642
美希ブギいいですよね〜。修行中で作ってる中の一つに美希ブギ
あったんで、やられた!って感じです。親友やめるってトコ、
補足ポイントにしてみました。保管庫で確認して見て下さい。
645名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 22:02:15 ID:wYY+Fx5N
>>642
久し振りの組み合わせで新鮮だった!美希たん勝手に部屋特攻とかw
やっぱ四人幸せがイイねぇ。勿論GJ!
646名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 22:38:26 ID:Vw6FWEeb
>>642GJ!
美希ブギいいねっ
だがとりあえず書き込む前にメール欄にsageをいれよう
647名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 06:12:26 ID:z6IkFqkn
皆さんすみません。
昨日美希×祈里書いた者です。

いつもは携帯から書き込んでたので
自然にSAGEれてたんですけど、
SS書くために初めてパソから書き込みして
SAGE忘れてしまいました。
次回から気をつけます。
ごめんなさい。

あと、感想ありがとうございました。
嬉しかったです。
648名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 07:42:43 ID:sxYj8UuU
貴重な投下だね。大事に読ませてもらいます。ありがと職人。

SS作ろうとチャレンジしてみたいんだが、注意する事とかってあります?
649名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 08:04:20 ID:fBlGwZk9
あまりにもキャラや世界観壊さなければ、あとは愛あるのみだ
一応、アニメ見直して一人称や語尾といったキャラ毎の特徴をしっかり捉えておくといいよ
あと長くなりすぎてスレに投下するのがためらわれたら、blogやテキストファイルであげるとか
がんばってくれ
650名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 10:41:39 ID:sxYj8UuU
>>649
ありがと!一人称まで気にしないといけないんだ。
ラブ・ブッキー・せつなは私、美希はアタシだと思ったけど。

職人て凄いんだな〜
651名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 10:47:53 ID:lAc4x6lI
意外と間違えやすいけどラブも「あたし」
652名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 11:09:57 ID:DT3xqbJ8
キャラの性格はギャグならある程度は崩壊していても気にならないけど、一人称や呼称、口調が違うとさすがにね。
653名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 12:28:18 ID:sxYj8UuU
ラブは「あたし」なんだ。テレビ見てたのに気付かなかった。みんなはなかよしとか読んでるからわかるのか?

とりあえず保管庫見ながらチャレンジしてみる。アドバイスありがと!
654名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 12:48:43 ID:JzTWTqmN
保管庫のSSも結構間違ってたりキャラが別人なやつも多いから
>>649の言うように自分でアニメを見直して洗い出したほうがいいと思う
あとはまるパが貴重な資料になるからオススメ
655名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:25:25 ID:wx6sKSw1
美希たん関連ってあんま見ないなと思って書き始めたら
>>638に先越されててふいた。GJ!
でもせっかくなんで投下。口調とか間違ってたらごめんね。
656名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:27:37 ID:wx6sKSw1
もう見て見ぬふりはできない。
最近何をしていても浮かぶのは彼女の顔ばかりで。
・・・・・・美希ちゃん。会いたいよ。


祈里がこのもやもやに気がついたのは、いつだっただろうか。
気がつくと、ただ一人だけを目で追っていた。
幼馴染で、小さいころからずっと一緒だった。
臆病な自分と違って自信に満ちていてかっこいい美希は祈里の憧れだったのだ。
でも、大きくなって、完璧だと信じていた彼女が、弱さを隠して、
影で努力していることを知って、彼女もまた自分と同じ一人の女の子なのだと思った。
そして、憧れはいつしか違う感情に変わっていた。


美希が他の人といるのを見ると、
胸の辺りが締め付けられるようで、息が苦しくなる。
わたしだけを見てほしい。その笑顔をわたしだけのものにしたい。
その声でわたしを呼んで、その手でわたしに触れてほしい。
こんなこと自分でもばかげていると思う。
しかし、とめどなくあふれる感情を止める術を、祈里は知らなかった。
657名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:29:37 ID:wx6sKSw1
これは恋なのだろうか。
違う。恋なんて甘い言葉は似合わない。
こんなどす黒い感情には。

わたし、いやな子だな。
なんでこうも自分勝手なのだろう。


祈里は暗闇の中で助けを求めてもがく。
助けて。誰か助けて。お願い。
叫ぶ。彼女の名前を何度も、何度も。
でもとどかない。いくらこの手を伸ばしても。
自分のどろりとした感情の波に足をとられて身動きがとれない。飲み込まれる。

「美希ちゃん・・・」


美希のことを考えているうちにいつの間にか眠っていたらしい。
祈里が目を覚ますと、全身にぐっしょりと汗をかいていた。
最近こんな夢ばかりを見ている。
胸が苦しい。こんなに苦しいなら、いっそこんな想いなんて捨ててしまいたい。
シャワーを浴びたら、いやな汗と一緒にこんな気持ちもどこかへ流れてくれるだろうか。
辺りはしんと静まり返っていて、自分のため息がやたら大きく聞こえた。
祈里は自嘲するように薄く笑うと、部屋を出た。
658名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:31:42 ID:wx6sKSw1
次の日から、祈里は美希を避けた。
目が合いそうになれば視線を逸らし、
話しかけられそうなときには、美希から離れてラブやせつなに話しかけた。
4人で歩くときも、なるべく隣に行かないようにした。
不自然過ぎないようにたまに美希と話すこともあったが、
祈里は決して美希の目を見なかった。
しかし、諦めようとすればするほど想いは強くなっていく。
ダンスの練習をしているときも、ドーナツを食べているときも、
勉強をしているときも、頭の中は美希のことでいっぱいだった。
辛かった。でも、我慢し続ければ、いつかこの気持ちが消えて、
美希とまた友達として普通に接することができるようになるはずだと祈里は自分に言い聞かせた。


そんな日が何日か続いた。
ダンスレッスンが終わり、帰ろうとした祈里の腕を誰かがつかんだ。
その力の強さにわずかに顔をしかめつつ振り返ると、美希が立っていた。
とっさに目を伏せる。
一瞬見えた美希の顔には怒りや苛立ちの他に、悲しみや寂しさがにじんでいた。


「美希ちゃん・・・?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ!・・・なんであたしのこと、避けるの?
 あたしブッキーに何か悪いことした?」
659名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:34:04 ID:wx6sKSw1
美希の気迫に押されて、祈里は思わず顔を上げる。
今にも泣き出しそうな顔でこちらを見つめる美希が目に入り、ずきりと心が痛んだ。

「避けてないわ」

動揺を悟られないように素っ気なく答えると、祈里は美希の手を振り払った。

「ごまかさないで!今だってそうやって・・・目も合わせてくれないじゃない!
 あたしのこと嫌いになったならそう言ってよ!」

嫌い。
その言葉に、かっと頭に血が上る。

「そんなことない!」

こんなに、こんなにも好きなのに。


「・・・っじゃあどうして!」
「好きだから!美希ちゃんのことが・・・好き、だから」

言ってしまった。目の前が真っ白になる。
きっと拒絶される。
涙があふれた。もういやだ。このまま消えてしまいたい。
祈里の歪んだ視界に呆然としている美希が映った。

「え?ブッキー、それって・・・」
「美希ちゃんのことを考えるだけで胸が苦しいの。
 だから、忘れようとして、それで・・・」

次から次へと涙が祈里の頬を伝う。
その涙を美希の指がそっと拭った。
660名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:37:30 ID:wx6sKSw1
「ばか」
ひどく優しい声だった。
さっきとは違って、ゆるりと腕を引かれる。
導かれるように足を踏み出すと、美希の腕が祈里の背中に回される。
祈里は、美希の体がかすかに震えていることに気がついた。
泣いているのだろうか。
何か言おうと口を開くが、言葉が見つからない。
ふいに、ふわりと美希からいい香りがして、くらくらする。


「本当に、辛かったんだから。ブッキーに嫌われたんじゃないかって。
 ・・・こわかった。ブッキーがあたしから離れていくのが。
 変よね、最近それで全然調子でなくて」


あたし、ブッキーがいないと完璧じゃないみたい。
そう言うと、美希は祈里から体を離す。


なにが起こっているのかわからなかった。
祈里はぼんやりと美希を見つめる。
もう、ここまで言って何でわかんないのよ、と
呆れたような美希の声が聞こえる。
その声もずっと遠くから響いてくるようだ。


「あたしも、ブッキーが、祈里が好き」
祈里の目に真剣な顔の美希が映る。
考えるより先にまた涙があふれた。
ブッキーは泣き虫ね。
そうからかうように笑うと、美希は再び祈里を抱き寄せた。
おずおずと祈里も美希の背に手を回す。
661名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:40:35 ID:wx6sKSw1
「・・・あのね、もう一回祈里って呼んでくれない?」
「言われなくてもこれから何度だって呼んであげるわよ、祈里」

頬が熱くなる。
名前を呼ばれるだけで、こんなに嬉しいなんて。
ようやく実感がわいてきて、祈里はぎゅっと腕に力を込める。

「ありがとう・・・美希」

最後の部分は蚊の鳴くようなか細い声だったが、美希にはしっかり聞こえた。
その響きはあまりにも甘くて、美希の心がとろけるように疼く。
からだの芯が熱い。囁かれた耳が火照る。
同じく真っ赤になっているだろう顔を見られたくなくて、
美希は抱きしめる力を強めた。
腕の中で身じろぎした祈里から苦しいよ、と声が上がる。
慌てて祈里を解放して、短く謝罪する。
そんな美希がかわいくて、祈里は、もう、と少し怒った顔をしてみせた。

一瞬の間があって、2人同時に噴き出す。
なんでもないことがすごく楽しい。
幸せってこういうことなのかな。ふとそんなことを思った。
662名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 19:43:33 ID:wx6sKSw1
次の日、またダンスレッスンがあった。
祈里と美希は待ち合わせて一緒に公園へと向かっていた。
たわいない会話がたまらなく嬉しい。
話しているうちに、無意識のうちに2人の距離が近づいていたらしい。
指先が触れ合った。思わず手を引っ込める。
互いの反応を見て、顔を見合わせて笑う。
祈里の手がそろりと差し出された。
その手に躊躇いがちに美希が手を重ねようとする。
ごくり、と喉が鳴った。


「おーい!美希たーん!ブッキー!」

突然声をかけられて、びくっと全身がはねた。
振り返ると、手を振りながら走ってくるラブと、
その後ろをすこし遅れてついてくるせつなの姿があった。
美希と祈里は、あまりのタイミングに曖昧な笑みを浮かべながら手を振り返す。

「仲直りしたんだ!よかったー。
 最近2人がぎくしゃくしてるみたいだったから心配してたんだよー。ね、せつな」
「ええ。本当によかったわ」

気づかれていたのか。祈里は苦笑する。
無理もない。今考えると、あからさますぎた。

「心配かけてごめんなさい。でも、もう大丈夫だから」

祈里が言うと、美希も隣でうなずく。


「よーし!じゃあ早く行こう!」

ラブの元気な声につられて、みんなが走り出す。
走りながら、祈里が美希の袖を引っ張った。
美希だけに聞こえるように囁く。

「おあずけだね」

いたずらっぽく笑うその瞳から目が離せない。
敵わないわね。
美希の呟きは流れる風景とともに、あっという間に後ろへ消えた。
663名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 20:35:37 ID:nLN/o76g
萌えた、GJ
664名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 22:18:44 ID:3hASg4N8
>>655
自分から身を引いていくブッキーが物凄く切なくて・・・。
美希たんがキレた時の緊張感、伝わりました。
好きと言う感情って色々あるんだなって思いました。

保管しますので、宜しければ題名を。補足もあれば足しますよー
665名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:03:33 ID:GoEup31J
美希ブキGJ! このカップルも言っていいなぁ。
なかなか進展しなさそうな、もどかしい甘酸っぱさが漂う…。


自分もラブせつの小ネタを。ちょいエロかも。
666名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:09:58 ID:fBlGwZk9
百合というより友情話書いてるけど、恋愛やエロを極力絡めないように気をつけると意外に難しいもんだな
667名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:10:03 ID:GoEup31J
彼女の髪は夜の色。顔を埋めるととても優しい匂いがする。


「ラブの髪はお日様みたいね。」
ラブの波打つ様な癖のある明るい色の髪を、せつなは愛し気に撫でる。
「ラブは太陽みたい。」
もう一度、せつなは言う。ラブはくすぐったそうに身をすくめ、
ぴったりと、どんな小さな隙間も無ないくらいに肌を寄せる。


柔らかな少女の肌はひとつに蕩けあってしまわないのが不思議なくらいだ。
そして、溶け合えないもどかしさを埋めるように飽きること無くお互いを貪り合う。


「ねぇ、せつな…。名前…呼んでよ……。」

「…ラブ。」

「…もう一度…。」

「ラブ……?」

「もう一度……。」

「ラブ…。………もう、何なの?」


少し苦笑いしながらもせつなは何度も繰り返し呼んでくれる。


「…せつなの声、大好き。」

せつなの声は、少し低くて、柔らかい。その声で甘く名前を呼ばれると、
幸せで全身が蕩けそうになる。



「ねぇ、好きって言って…。」

「…好きよ。…ラブ。」

「ホントに…?」

「大好き。」

「えへへへ…。あたしも…」


大好き、大好き、大好き…。
ラブは少し身を起こし、せつなの唇をついばむ。
軽く、浅く、だんだん深く。
吐息までひとつになるように。



太陽が安らぐのは、たったひとつの闇の中。
また明日も周りを照らせるよう、太陽は自分だけの夜に包まれて眠りにつく。
668名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:11:31 ID:GoEup31J
書き忘れた。
タイトルは『声』、でお願いします。
669名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:36:20 ID:3hASg4N8
2作品保管しました。職人さん、確認お願いします。
>>665
綺麗な表現ですね。勉強になります。声をポイントにしたとこ、
見事です。小ネタじゃなく、ラブせつに振り分けしましたよー

>>666
難しいですよね。エロは押さえられるけど、友情=百合な展開が
イメージとして根付いちゃってるもんで・・・。
文章構成ってホント難しい・・・。
670名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 23:48:19 ID:sxYj8UuU
お、投下あざっす。自分も作ろうとチャレンジしてるから参考になるよ!

○パ読んでしゃべり方とかはイメージ出来た。教えてくれた人ありがとね
671名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:32:26 ID:ewPqgNKw
自重してたんだけど、誰もいないみたいなんで長いの置いていきますね。
保管庫の、黒い声、走り出した日、雨上がりの約束は・…読んでた方がいい…かな。
自分書いたやつは全部繋がっちゃってるんで。すいません……。

タイトルは、『壊れてしまった光景』です。
672名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:35:18 ID:ewPqgNKw

 今でもはっきりと覚えている。

 わたしが暗い闇の中で泣いていた時、差し伸べられた彼女の手。

 その手は、とても温かくて。

 きっと彼女の心も、こんな風に温かいんだろうなって、思った。

 それからも、ずっと。
 
 何度も泣きそうになったり、挫けそうになったわたしを、彼女はその手で助けてくれた。

 彼女とわたしのいる光景は、いつまでも変わらないと思っていたのに。

 ―――でも、それは、あっけなく壊れてしまった。


 ――――彼女はもう、わたしに手を差し伸べてはくれないだろう。


673名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:36:57 ID:ewPqgNKw
                    1

「…カオルちゃん!この新作のドーナツ、ちょー美味しいよ!!何個でも食べれちゃいそう!!」
「ラブ、口の周りにクリームいっぱいついてるわよ…ほら、ハンカチ」
「……全く…子供じゃないんだから。もうちょっと落ち着いて食べられないの?」
「ふふ、ラブちゃんよっぽどお腹空いてたのね」

 夏の日の夕方。
 ダンスレッスンの終ったわたし達4人は、カオルちゃんのドーナツ屋さんで、恒例になりつつある、練習
後のおやつパーティをしていた。……程々にしないと、太っちゃうかな……。

 それはいつもの光景。
 わたしたちの、ずっと繰り返されてきた変わらない日常。

「あれ?美希たん、ドーナツ食べないで、何飲んでんの??」
「……パインジュースよ。あたしはモデルだから、ラブみたいに食べ過ぎたりしないの」
「へえ、美味しそうね。ねえ美希、一口だけ飲ませてくれない?」
「―――――…ヤだ」

 せつなちゃんの言葉に一瞬動きを止めたあと、それを断わり、美希ちゃんはまたストローでパインジュー
スを啜る。珍しいな。いつもなら飲ませてあげそうなものなのに。
 ……わたしだったら、喜んで飲ませてあげるのにな…そ、それにか、間接キスって事になるし…。

「……それはそうと、やっぱりその帽子、似合ってるじゃない、せつな」

 そう言うと、美希ちゃんは左隣に座ってるせつなちゃんのかぶっている帽子へ目をやる。

「ええ、素敵なものをありがとう、美希」

 大きな赤いリボンのついた、広つば帽子。
 この間の大雨の日、無理を言って美希ちゃんに付き合ってもらって、買ってきたもの。
 せつなちゃんがクローバー、そしてプリキュアに入った記念、って彼女にプレゼントしたものだけど、実際
かぶっている所を見るのは今日が初めて。
 ……思った通り、すごく良く似合ってる。
 わたしは内心、自分が選んで贈ったものをせつなちゃんが身に付けてくれたことが嬉しくて仕方なかった。
 ほんの少しでも、彼女の傍に近づけた気がして。
 いつでもせつなちゃんの近くに、わたしが存在しているような気がして。
674名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:38:27 ID:ewPqgNKw

「……お礼はあたしより、ブッキーに言ってあげて。あたしは選ぶのに付き合っただけだし。…大体、元はと
言えば、プレゼント贈るって言い出したのもブッキーだしね」

 美希ちゃんは素っ気なくも見える感じで言う。…今日の美希ちゃん、何かいつもと違う感じ…?それとも
せつなちゃんにお礼を言われて照れてるだけなのかしら…?

「そうだったの…ブッキー、本当にありがとう…」
「そ、そんな、お礼なんて……でもその帽子、きっと似合うって、わたし信じてた……」

 真っ直ぐにわたしを見つめて、真剣な顔でお礼を言うせつなちゃん。
 わたしは嬉しいような、くすぐったいような、そんな感じで彼女の顔から目線を外して。
 でも…喜んでもらえたみたいで、良かった……。
 何か贈り物をしたわたし自身が、せつなちゃんに幸せな気持ちをプレゼントされたみたい……。


「―――ホントありがとうね、ブッキー!せつなにこんな素敵なプレゼントしてくれて!!」


 一瞬、わたしの思考が止まる。
 
 ―――なんで、ラブちゃんが、ありがとうを、言うの?

 そんなわたしの気持ちに気付く訳も無く、ラブちゃんは明るい声で続ける。

「良く似合ってるよ、せつな〜!なんかお嬢様っぽくて、イメージぴったり!」
「ふふ、ラブ、そんなに褒めると逆に嘘っぽいわよ」
「ウソじゃないよ!まあせつなは何でも似合うけどね。なんたってデキが違うもん!」
「……もう、あんまり言われると恥ずかしいわよ……」
「へへ…でもホントのホントに、せつなは何着ても、何つけても可愛くて、あたしの自慢だよ!」

 わたしの中の幸せな気持ちはかき消えていた。
 心の中に、代わりに嫌な思いが霧のように広がっていく。

 ―――わたしのプレゼントは、ラブちゃんにあげた訳じゃないのよ……?
 
 ―――あなたの恋人を着飾らせて、あなたを満足させる為じゃないのよ……?
 
 ―――どうしていつもせつなちゃんとわたしの間に入ってくるの……?
 
 ―――わたしのささやかな幸せすら、あなたは許してはくれないの……?

 ―――わたしは……

「……ちょっと!惚気るんなら家に帰ってからにしてくれない?……正直、一緒にいるこっちが一番恥かしい
んだけど!」

 美希ちゃんが、呆れたような少し強めな口調で、二人をたしなめる様に言った。

「タハハ…ごめ〜ん、美希たん。そんなに怒んないで〜」
「ご、ごめんなさい、美希……」
「……ったく。少しは周りの目を気にしたらどうなの?」

 そう言って、美希ちゃんはチラッとわたしの方を見る。
 ―――え?
 なんだろう、今の……。
 もしかして、わたし、嫌な思いが顔に出てたかしら……?
675名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:43:21 ID:ewPqgNKw

                    *

「……とにかく、今後そういった行為は慎むように!いいわね、二人とも!」
「は〜い……」
「精一杯、慎むわ……」

 二人の反省した様子に、さすがに美希ちゃんも言い過ぎたと思ったのか、気まずそうにジュースを飲む。
 ラブちゃんとせつなちゃんも、無言でドーナツを口に運んで。
 わたしはといえば、さっきまでの嫌な霧が、美希ちゃんの言葉のおかげか、ちょっと薄れてきた事にホッ
としていた。

(ありがとう、美希ちゃん……)

 心の中でお礼を言う。危なくまた自己嫌悪になるところだった。
 せつなちゃんと一緒の場所に立っている事で満足しようって決心したのに。
 
 ……まだわたしは完全に想いを振り切れてはいない。
 ……せつなちゃんにプレゼントなんてしたのがその証拠だ。

(……しっかりしなきゃ)
 
 自分に言い聞かせる。このままじゃわたしだけじゃなく、ラブちゃんまで嫌いになっちゃいそうだから。
 わたしの勝手な片思いで親友まで失うなんて、最低だ…。
 自分のせいで、この光景を壊したくない……。

 そう考えながらラブちゃんとせつなちゃんへと目を向ける。

「…あれ?せつなちゃん、口にドーナツついてるよ?」

 上品に食べる彼女には珍しく、せつなちゃんの唇にドーナツの欠片がついている。

「あ、や、やだ……ちょっとボーっとしてたから……。ラブ、さっきのハンカチ……」
「―――いいよ。動かないで、せつな」

 そう言ってラブちゃんはせつなちゃんの顔に自分の顔を近づける。

 一瞬の出来事で、わたしは目を逸らす事も出来ず――――。



 せつなちゃんとラブちゃん。
 
 チュッ

 という軽い音と共に。
 
 二人の、唇が重なった。



 あまりの衝撃に、わたしはただ茫然とする事しかできなかった。
676名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:44:22 ID:ewPqgNKw

 顔が、離れた。
 せつなちゃんもラブちゃんの行動にビックリしたらしく、目を見開いたままで。
 その顔が、どんどん赤くなっていく。

「……これで取れたよ。せつな味のドーナツ、GETだね!」

 ラブちゃんは屈託なく言うと、唇をペロッと舐めた。

「ラ、ラ、ラブ!人前ではやめろって美希にさっき言われたばっかりじゃない!」
「あ!そうだった!!ご、ゴメンね、美希たん!」

 よっぽど動揺したのか、彼女らしくなく慌てた様子のせつなちゃん。
 さすがのラブちゃんも、怒られたばかりなのを思い出したのか、焦って美希ちゃんに謝る。

「…………」

 かなり怒っているのか、美希ちゃんは無言。

 わたしは、衝撃が去って行くのと同時に、どんどん悲しみが溢れてきて。
 このままだと、それが瞳から流れ出してしまいそう。
 そう思って、それを見られたくなくて、俯いた。 

 ギュッ。

(え……?)

 俯いたわたしの右手を、美希ちゃんの左手が握り締める。
 まるで、わたしの涙の栓を止めようとするように。
 美希ちゃんは相変わらず、無言のまま。
 わたしはそんな彼女を、伺うように上目遣いで見た。

「…………」

 美希ちゃんは何も答えず、少し遠い目をして、ジュースを口に運ぶ。

 チュッ

 っという音と共に、彼女はストローに軽く口をつけた。

677名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:46:31 ID:ewPqgNKw
                    2

「まったく、ラブにも困ったものだわ……ブッキーからも何か言ってあげればいいのよ。あの子、あたしが
何か言ったところで、もう慣れちゃってて効きやしないんだから」

 こんな事言っている美希ちゃんの顔も、わたしにとって昔からの光景の一つ。

 練習からの帰り道。わたしは「新しい香水作ったから、感想くれない?」っていう美希ちゃんの誘いに応
じて、彼女の部屋へ遊びに来ていた。……一人でいたら、さっきのラブちゃん達のキスシーンを思い出して、
また暗い気分になってしまいそうだったし……。
 それに……。

「ま…まあラブちゃんだって悪気があってやってる訳じゃないんだし……」
「悪気が無かったら許されるってものじゃないの!天真爛漫だろうと、純粋無垢だろうと、周りに迷惑な行為
をしてる時点で反省……ううん、猛省すべきなのよ」

 子供の頃から、ラブちゃんが何かする度に、美希ちゃんはこうやって呆れたような、それでいてちょっと
諦めたような口調でわたしに言うのだ。もっとも、わたしは彼女の言うようにラブちゃんに意見した事など
一度もなく……大抵、今みたいに少し困った顔で微笑むことしか出来ないのだけれど。

「……あ、折角来てくれたのにゴメンね、ブッキー。今飲み物持って来るから」

 そう言って美希ちゃんは部屋を出て行った。
 わたしは小さな溜息をついて、心の中で尋ねる。

(……どうしてさっき、わたしの手を握ってくれたの?)

 わたしの心の中を読んだかのように、握られた手。
 泣き出しそうだったわたしを、支えてくれた、手。
 小さな時からずっと変わらない、差し伸べられた、あの温もり。
 
 その答えを聞きたいのもあって、わたしはここに来たのだけれど。
 美希ちゃんの勢いに押されて、何も言えなかった。
 いや―――それだけじゃない。
 怖かった、んだ。

(美希ちゃんは、知ってるの?……わたしの、せつなちゃんへの想いを……)

 それを確認するのが、怖い。
 自分の邪な恋に、彼女は気付いているのだろうか。
 女の子に、しかも親友の恋人に対する哀れで、報われない恋に。
 だとしたら、きっと、美希ちゃんに嫌われてしまう―――。
 ……もしかしたら、もう軽蔑されているかも……。

(それは…それだけは、嫌だ……) 

 わたしの中の美希ちゃんは、気高くて、真面目で、潔癖な女の子のイメージで。
 わたしの歪な恋など、許してはくれそうではない。
 だから……たった一言が、聞けなかった。
 彼女を失いたくないから。
 隣に彼女のいる光景を、失いたくないから。
678名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:47:24 ID:ewPqgNKw
(美希ちゃんが、いなくなっちゃう……)

 その想像が恐ろしくて、思わず自分の肩を抱く。

(聞けないよね……やっぱり……)

 今度は深く、大きな溜息をわたしはついた。

「お待たせ、ブッキー。紅茶で良かったわよね?……どうかしたの?」

 美希ちゃんが飲み物の乗ったお盆をもって戻ってきた。

「あ、う、ううん!な、何でもないの!気にしないで!」
「……本当?なんかこの世の終わりみたいな顔してたけど……?」

 慌てて首を振るわたしを怪訝そうに見る美希ちゃん。

「……何かあるなら相談してよね。……友達、でしょ?」

 彼女は少し淋しそうに言う。
 その言葉と表情が、わたしの胸を締め付ける。
 でも……。

「わたしなら大丈夫だから……。そ、それより美希ちゃんの新作の香水に興味あるんだけど!?」

 ……わざとらしく話題を変える。
 今なら……答えが聞けたかもしれないのに。
 臆病な子だ、わたし……。

「…そう―――分かったわ。ちょっと待ってね」

 美希ちゃんはお盆をテーブルに置くと、ドレッサーの引出しから、黄色い小ビンを取り出した。
 そのままベッドに腰を下ろす。

「こっち来て、ブッキ―。つけてあげる」

 言われるがまま、彼女の隣に座る。
 彼女はわたしの左手を取ると、手首に香水を、シュッ、っと軽く吹き付けた。

「……試してみて」

 わたしは手首を顔に近付け、その香りを吸う。

 不思議な香りだった。

 甘酸っぱくて、ほろ苦くて、なぜか胸が切なくなる……。

「……変わった香り……。美希ちゃん、これ何か効果とかあるの?」
「効果……は特に無いと思うわ。ただテーマを決めて作っただけだし……」
「テーマ?」

 聞き返そうと顔を上げると、美希ちゃんの顔がすぐそばにあった。
 彼女は、少し驚いているわたしの両手首を握ると、そのまま押しかかってくる。

(―――あれ?)

 そう思ったときには、わたしは彼女に覆い被さられるように、ベッドの上に倒れていた。
679名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:50:22 ID:ewPqgNKw
                    *

 視界の中には美希ちゃんしかいなくなっていた。
 澄んだ青い瞳。すっと高く整った鼻梁。そして、綺麗な…唇。
 それらがスローモーションのように近付いてきて。
  
 羽毛が舞い落ちるように、柔らかく、静かに。

 

 唇同士が、触れた。



 一瞬、わたしの頭の中が真っ白になった。
 何が起きているのか、まるで理解できない。
 その行為を拒否する、という当たり前の選択すら思いつかなくて。
 ただ甘んじて彼女の唇を受け入れていた。

 そんなわたしの無抵抗ぶりを、了承の印とでも思ったのだろうか。
 最初はただ、わたしの存在を確認するだけみたいに、軽かった彼女の唇の感触が、変わる。
 ただがむしゃらに、わたしの唇に押し付けてくるものへと。
 
 それは、奪う、って言葉が相応しいように、強引で粗暴な、圧力。
 そのうちに、それにも飽き足らなくなったのか、彼女の舌が、わたしの内へと侵入してきた。
 それすらも、放心してるわたしに拒む事は出来ず。 
 
 わたしの口内を、手探りでなぞるように、彼女の舌が這い回る。
 
 やがて、わたしの舌を見つけたそれは、歓喜したかのように絡み付いてきて。
 その動きは、まるで暗闇ではぐれた恋人に、やっと会えたかのよう。
 激しくて、一方的な抱擁を、わたし達の舌はずっと交わし続ける。

 
 まるで軟体動物の交尾みたい……。


 わたしは、ただそんな事を考えていた。
 

 
 どれくらいたったのだろう。
 視界の中から、美希ちゃんが消えていた。
 ただ荒い息遣いだけが、わたしの左耳から聞こえている。

 ちょっと、重いな。美希ちゃんって軽いイメージだったんだけど。あ、でも、わたしより身長あるし、こ
んなものなのかしら……。それとも―――もしかして太った?
 そうだとしたら、やっぱりカオルちゃんのドーナツ屋さんに行き過ぎなのがいけないと思うのよ。美希
ちゃん、ドーナツ食べなくてもジュース飲むから…。それだって、結構カロリーあるわけだし……。
 モデルさんなんだから、そういうとこも気をつけなくちゃ。烏龍茶とか、そういうのにした方がいいんじゃ
ないかしら?余計なお世話って怒られちゃうかもしれないけど。

 明日、言ってあげよう。
 
 明日。

 変わることの無い光景の中で。

680名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 13:52:19 ID:ewPqgNKw
「……喉、渇いちゃったね……。ブッキー、紅茶、飲む?」

 美希ちゃんは疲れたような口調でそう言うと、わたしの上から身を起こした。
 
 
 ショックで飛んでいた思考が戻ってきた。
 

「………………」 
 
 声が、出ない。
 身体が、美希ちゃんがどいたのに、まだ重さを感じている。
 彼女の方へ顔を向ける事すら出来なくて、わたしは、ただ天井だけを見つめていた。
 そこで初めて頬に違和感を感じる。
 濡れてるんだ……知らないうちに泣いてたみたい。

 今までの事が、現実なんだって、徐々に認識する。
 悪い夢でも見ていたと思っていたかったけど。
 ―――だって、こんな事あり得る筈が筈が無いから。

 美希ちゃんがわたしにこんな事をするなんて、あっていい筈がないから。

 わたしの心の光景の中で、子供の頃の美希ちゃんが微笑んでいる。
 その彼女なら、わたしに手を差し伸べて、ここから起こしてくれる筈。
 何よりも、私の事を心配して、大切にしてくれる筈。

 でも、そう思う一方で、分かってもいた。
 その光景は、もう砕かれてしまったんだと。
 もう修復する事の出来ないくらい、粉々に。
 他ならない、彼女自身の手によって。

 
 新しい涙が、頬を伝い、流れる。


 わたしの心になど気付かないように、彼女は続ける。

「その香水ね、良かったらあげるわ。元々その為に作ったものだから。……せつなにプレゼントあげたのに、
ブッキーは何も貰ってないでしょ。……だから、あたしからの、プレゼント」

 美希ちゃんは淋しそうに、ちょっとだけ笑った。
 
 違うよ、美希ちゃん。
 わたしが聞きたかったのはそんな言葉じゃない。
 わたしが聞きたかったのは――――。
 
681名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:12:19 ID:ewPqgNKw
「―――『片思い』がテーマなのよ。それ」


 わたしは何も言わず、ノロノロとベッドから起き上がった。
 そのまま、置いてあった鞄を持ち、ノブを回し、部屋のドアを開ける。
 その間、わたしが彼女を振り向く事も、彼女がわたしに何か言う事も無かった。
 後ろ手にドアを閉める。
 なぜか見ていないのに、美希ちゃんも今のわたしと同じ表情をしてる事が分かった。
 悲しい、顔を。


「……やっぱり、知ってたんだね。美希ちゃん」

 
 わたしはそう呟いて、重い足を引き摺るように、彼女の家を後にした。
682名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:14:14 ID:ewPqgNKw
                    3 
 
 あれはいつの事だったろう。
 ……確か、小学校に入ったばかりの事だったと思う。

 近所の子供達と遊んでいて、草むらの陰にあった小さな―って言っても子供には充分大きくて深い―穴
に落ちてしまった事があった。
 這い上がろうとしても、湿った土のせいで滑るばかり。助けを呼んでも誰も来てくれなくて。
 泣き疲れて、幼いながらに、わたしはここで死んじゃうのかな、って思った。
 そのまま、日も落ちて辺りも暗くなりかけた頃。
 彼女の―――美希ちゃんの声が聞こえた。

「ブッキ―、そこにいるの!?」
「……み、ミキちゃん!」
「ちょっとまってて!」

 少しして、古びたロープがわたしの前に下ろされる。

「それつかんで、のぼってきて!!ここまできたら、あたしがひっぱってあげる!」

 わたしは必死に、そのロープを掴んでよじ登った。
 そして、わたしの前に差し伸べられた、彼女の手。
 それに縋って、わたしは穴から出た。

「……だいじょうぶ!?どこもケガしてない!?」

 わたしに声をかける美希ちゃん。
 その姿を見たとき、逆にわたしの方が不安になった。

「ミキちゃんこそ……ボロボロじゃない!!」

 おそらくわたしを探してる最中、転んだり、引っ掛けたりしたのだろう。
 いつもオシャレだった彼女の服はあちこち破けてボロボロで。
 身体も、いたる所擦り傷や切り傷だらけ。
 とても、将来モデルになりたい、って夢を持っている子の姿ではなかった。
 
 それでも彼女は、わたしの手を握り締めたまま言ったのだ。

「いつもとかわらないよ!あたし、かんぺき!!」

 ……いつもそうだった。
 わたしが不安そうにしていたり、怯えたりすると彼女はいつもそう言って、笑う。

「でも、ち、でてるし……おようふくだって……」
「こんなのいたくないよ!ふくだってっこれしかないわけじゃないし!」
「でも……」

 なおも心配するわたしを、彼女はギュッっと抱き締めた。

「ブッキ―がぶじなら、いいの!それがあたしの、かんぺきなんだから!」

 そんな彼女の目は、わたしを探している間ずっと泣いてたのか、真っ赤に腫れてて。
 わたしはそれを見て、また泣き出した。
683名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:15:35 ID:ewPqgNKw

「なかないでよ、ブッキー……。」
「……だって……」
「あたし、ブッキーのわらってるかおがみたくて、がんばったんだから。だからわらって。これからだって
ブッキーがなきそうになったら、いつだってたすけてあげる。だから……」

 わたしは涙を拭うと、心配そうな彼女に笑いかけた。

「……うん!わたし、しんじてる!」


 その約束は、破られる事は無かった。

 彼女は、それからも、いつもわたしを守ってくれていた。
 辛いときや悲しいとき、真っ先に駆けつけて手を差し伸べてくれるのは美希ちゃんだった。
 幼い頃からわたしにとって、彼女は何より頼れる存在であり、憧れであり、親友だったのに。

                    *

「あら、お帰りなさい、祈里。早かったのね。美希ちゃんのとこに寄って来るんじゃなかったの?」
「……ただいま……お互い練習で疲れてたから、帰ってきちゃった……」

 涙の跡をお母さんに見られないように、と顔を伏せたまま、わたしは自分の部屋へと入った。
 背中でドアを閉め、崩れ落ちそうになる足を懸命に動かし、明かりも点けずベッドへと飛び込む。

「…………」

 頭の中がグルグルと回っている。
 美希ちゃんはどうしてわたしの想いを知っていたのか?
 なぜそれでも彼女はいつも通りに振舞っていたのか?
 わたしを嫌いになっていないのか?
 ……疑問ばかりだ。なんの答えも浮かばない。

 (それに―――)

 
 どうして、わたしに、キス、したの?

 
 一番大きくて厄介な疑問。
 それを考えた時、何故だか可笑しくなった。
 キス、なんて言葉が今まで思い浮かばなかった事に。
 それは―――あまりにもかけ離れすぎていたから、だと思う。
 わたしの中での、キス、ってイメージと。
 した事は無いけど、それはもっと甘くて、ロマンチックで、素敵なものだと思っていた。
 
 ……今日見たラブちゃん達みたいに……。
 
684名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:16:15 ID:ewPqgNKw
 
 ――わたしは頭を振ってその影像を打ち消すと、美希ちゃんと交わしたそれを思い出す。
 あれは…違う。最初こそ優しいものだったが、その後の荒々しさはまるで嵐のようだった。
 乱暴で、いやらしくて、深い――――――。

(……蹂躙、って言うんだっけ)

 あの行為には、その言葉が一番しっくり来る。
 そうじゃなければ、略奪、だ。
 涙が滲んでくるのが分かる。
 まだ残っているあの感触を消し去ろうと、左手の甲で唇を擦る。

(……どうして、こんなヒドイ事……)

 わたしの知っている彼女は、こんな事をするような子じゃなかったのに。

(……美希ちゃんがわたしを泣かせた事なんて、あの時だけだったな……)

 わたしの信頼は裏切られてしまったんだろうか。

 
 ―――違う、わたしが彼女を裏切っていたんだ。
 

 自分の許されない恋を、彼女に告げずにずっと隠していた。
 一番最初に相談すべき相手なのに、それも出来ずに。
 
 
 ―――だから美希ちゃんは怒って、わたしにあんな事したんだ。
 
 
 だとしたらこれは―――美希ちゃんを傷付けた分、わたしが負うべき、罰。

(―――もう、美希ちゃんに会えない………)

 それを考えた時、なんともいえない喪失感を感じた。
 胸に……埋める事の出来ない大きな穴があいたみたい……。
 
 プリキュアも、クローバーも、今後一緒にやって行く事は……出来ない。
 彼女の隣に、わたしが立つ事も。
 彼女の前に、姿を見せる事も。
 ……きっと美希ちゃんは許してはくれない。
 
「…ごめんね、美希ちゃん……ごめんなさい……」 
 
 わたしの目から、また涙が零れ始めた。
685名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:18:06 ID:ewPqgNKw
 
                    *
 
 その時、左手首から、フッ、と香水が香った。



『―――『片思い』がテーマなのよ。それ』

 

 美希ちゃんの、淋しそうな声。
 
 その声が、もう一つの意味をわたしに教えてくれる。

 混乱して見失っていた、最初に思いつくべき真実に。
 





「―――美希ちゃん、もしかしてわたしの事…………」

 



 そう思った途端、全ての疑問が氷解していく。


 美希ちゃんはどうしてわたしの想いを知っていたのか?
 ―――彼女は、見ていたんだ。いつでも、わたしだけを。

 
 なぜそれでも彼女はいつも通りに振舞っていたのか?
 ―――彼女もわたしと一緒で、必死に想いを隠していたから。

 
 わたしを嫌いになっていないのか?
 ―――有り得ない、だって・……。

 
 

 どうして、わたしに、キス、したの?
 ―――………好き、だから。


 
 
 なんでそれに気が付かなかったのだろう。
 

 ……わたしが彼女の方を見ていなかったから、だ。
 わたしには、せつなちゃんしか見えてなかったから……。
686名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:19:50 ID:ewPqgNKw
 そこまで思い至った時、嫌悪しか感じていなかった彼女との行為が、胸の痛む、愛しいものへと変わる。
 抑えていた感情を爆発させたような、不器用で、哀しいキス。
 もしせつなちゃんに……キス……するような事があったら、わたしも同じようにするかも知れない。
 一瞬でも永く、強く、自分の存在を相手に焼き付けるために。

「……美…希…ちゃん………」

 暗い部屋の中で、わたしは美希ちゃんを今までないくらいに近くに感じた。
 ずっと『親友』って枠の中に入れていたから分からなかったんだ。
 美希ちゃんもわたしと同じように苦しんでいた事に。
 こんなにすぐ傍にいた事に。

「……………」
 
 自分の左手を、見つめる。
 
 今でもはっきりと覚えている。

 わたしが暗い闇の中で泣いていた時、差し伸べられた彼女の手。

 その手は、とても温かくて。

 きっと彼女の心も、こんな風に温かいんだろうなって、思った。

 それからも、ずっと。
 
 何度も泣きそうになったり、挫けそうになったわたしに、彼女はその手で助けてくれた。

 彼女とわたしのいる光景は、いつまでも変わらないと思っていたのに。

 ―――でも、それは、あっけなく壊れてしまった。



 ――――彼女はもう、わたしに手を差し伸べてはくれないだろう。
 

 
687名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:21:40 ID:ewPqgNKw
――――――……だったら。



 ―――――――だったら今度は、わたしが手を差し伸べる番なのかもしれない。


 
 同じ闇の中で迷っている今のわたしに、可能なんだろうか。
 でも、おそらくそれが出来るのは、わたしだけなんだ。
 子供の頃に彼女がしてくれたように、わたしが彼女を引き上げてあげたい。

 わたしは涙を拭いて、ベッドから起き上がった。
 ―――美希ちゃんに会わなければいけない……。
 どうすればいいのか、何を言っていいのかも分からない。
 でも―――。
 リンクルンを取り出し、彼女の番号を押す。

 
 変わらないと思っていた、今までの光景は壊れてしまったけれど。
 
 ここからまた新しい光景が作られていく事を……わたしは、信じたい。


 リンクルンに彼女が出るのを、暗闇の中、わたしはずっと待ち続けた。






                                了
688 ◆51rtpjrRzY :2009/08/29(土) 14:25:35 ID:ewPqgNKw
おしまい。おさるさんって初めてくらった。しかも酉わすれてたorz
ブキ美希フェア実施中と聞いてやってみたけど、長すぎ反省。
689名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 14:30:30 ID:ryKJUgvY
反省する事なんてない!!!
GJ過ぎて死ぬかと思った…
めちゃくちゃ読みごたえあったよ。
続き楽しみにしてます!
690名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 15:28:08 ID:7AlfC4Zg
GJ!こりゃまたせつない...

日常切り取ったようなほのぼの系を書いてる
途中だったんだが、ここまで激情あふれるものが
出てくると、そっち系も書きたくなるなぁ。

691名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 15:39:16 ID:6abdWkLq
>>655です
ブキ美希フェアとは夢のようだ・・・
感想くれた方ありがとうございます。嬉しいもんだなぁ

>>688
GJ!続き楽しみすぎる

>>669
保管作業いつもお疲れ様です。
タイトルですが
日常+非日常
でお願いします。お手数おかけしてすみません。
補足は特にないです
692名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 15:48:44 ID:J0ZB1Oag
>>688
GJ
次くらいで決着がつくのかな。続きが楽しみです
あと、レッスンの話のときも思ったけど、ラブが微妙に黒いのは気のせいだろうか

>>655のタイトルと>>672-687を保管庫に追加しときました
693名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:08:52 ID:0BXT4jCm
家宝は寝て待てとはまさにこの事だな。投下無いからずっと寂しかったんだぜw

吹き荒れろSSの嵐!
694名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:09:53 ID:ewPqgNKw
>>688
やってみた×やって来た○だった…orz
感想ありがとうございます!半分以上ミスって消去しちゃったのに書いた甲斐があった…。
>>692
素早い保管ありがとうございます…雨上がりの『』も修正してもらえたんですね。
お察しの通り、次で決着のつもりですけど、遠日公開です。何も考えてないんで……。
多分ラブの事もちょっと触れますよ。
695名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 19:50:09 ID:YqFyS0Zd
皆せつない系心理描写書くの上手すぎ。
エロくない分ピュアだわー。

でも、最近エロSS投下なくて寂しい自分もいるw
696名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 20:07:28 ID:lBCibkSZ
>>695
せつな「性一杯、頑張るわ」
ラブ「ワハッー!!」
697名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 23:13:28 ID:YqFyS0Zd
せつな「ねぇラブ、本を読んでて
わからなかったんだけど、キスってなあに?」

美希・祈里「!!」

ラブ「あぁ〜、それなら友達同士でするあいさつだよ。
簡単だから教えてあげる!口と口をくっつけるだけなんだよ」

せつな「こうかしら?」

ちゅ

ラブ「クッハー!」

美希「せつな!アタシともあいさつして!」

祈里「私にも!」

せつな「わかったわ」

ちゅ ちゅ

美希・祈里「ムフフ…」

ラブ「みんなで幸せゲットだね!」
698名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 23:48:38 ID:aXcBAqeW
ブキ美希フェアと聞いて、修行途中ですが投下します。
少しは成長したかもw

【夏の思い出】
今年の夏は長雨のせいか、早く過ぎてしまった感があって。
いよいよ来週から学校も始まる。あっと言う間の夏休みだったかな。


そんなアタシにとって、短い夏の最後の日曜日。大好きなアナタと待ちに待ったデートの日。


「今日もバッチリ!うーん、アタシ完璧!」
ママにお願いして、ちょっとだけ背伸びしたオシャレな服を着飾って。
いつ以来だろう、こんなにときめいて洋服を着たのは。


いつしかモデルとして働く事にも慣れ、洋服を着るのに戸惑いも無くなり。

仕事としてのオシャレ。モデル、蒼乃美希としての生き方。

だけど何か物足りない自分もいて。




「チョット胸開きすぎかも。」
アナタに会える嬉しさが、アタシの気持ちを開放的にさせて。鏡に映る蒼乃美希は、最高の笑顔でこちらを見てる。


「ママー、今日遅くなるかもしれなーい!」
弾む声が玄関に響く。足取りも軽く、ドアを開けると夏の太陽の日差しがアタシを襲ってきた。


まだアタシに歯向かう気なの?女の大敵は。そう心に呟きながら実は、晴れてくれた事に感謝したり。
699MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/29(土) 23:49:31 ID:aXcBAqeW
思えばいつも、アナタと一緒にいた気がするな。幼馴染みとしての運命だったのかもしれないケド。

変わらぬ四葉町の景色。アナタと歩いたこの道。これから進んでいく未来へ。

思い出のアルバムは進行形。アタシもまだまだ進行形。あ、アタシたちも・・・だった。



街路樹のお陰で歩道は日陰が多く、風も気持ちいい。自然と歩くスピードも速くなって。


「早く会いたい・・・」


そう呟く自分がどこか恥ずかしい。



あそこの角を曲がれば待合場所のレストラン。時間よりも30分前に到着。ほんとアタシって完璧。
手鏡でお化粧チェック。ルージュも塗り直して。開き過ぎだった胸をちょっと隠したり。



「美っ希ちゃんっ!」

後ろから脅かすようにアタシの肩を掴んで顔を覗かせる無邪気な天使。

「えっ!?もう着てたの?」
先を越されるなんて有り得ない・・・。完璧主義のアタシが負けるなんて。
700MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/29(土) 23:50:16 ID:aXcBAqeW
と、言うか負けても悔しくない相手。じゃない、

大切な人。
大好きな人。
恋人、山吹祈里。

眩しい夏の太陽以上の輝きを持ったアナタ。アタシにいつも、希望と信じる心を届けてくれる。



「早いわよ祈里。待つ喜びも感じさせてくれないなんて。」
ちょっとふてくされてみる。まだまだアタシも子供。

「ごめんなさぁい・・・。でも、わたしも美希ちゃんと一緒だよ。待ってる時間も楽しみなの。」
そう言って、アタシの両手を握り笑顔を振りまく祈里。きゅんと胸が締め付けられる。可愛すぎる程可愛い。

「お洋服も綺麗だねー。美希ちゃん大人っぽい。」
ちゃんと背伸びしてオシャレしてきたトコも褒めてくれる。さすがアタシの彼女。



付き合い始めて最初の夏。お互い、忙しいながらも会える事を望み、信じ合ってここまでやって来れた。
レストランから見える青空は雲一つ無く。燦燦と照りつける太陽もアタシたちを祝ってくれていた。
701MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/29(土) 23:50:56 ID:aXcBAqeW
「祈里、ホントそれ好きだよね」
このレストランに来ると、必ず注文するのがホットケーキ。ちょっとシロップを多めにかけるトコがまだまだ子供。


「美希ちゃんだって毎回一緒だよぉ?」
アタシも実は単純。アイスカフェオレとホットサンド。もっと食べたいけど、好きな人の前では小食気取り。


そんな心情を無視して祈里はイタズラにアタシを誘惑してくる。

「あーんしてっ?美味しいよ?」


「チョット・・・。恥ずかしいわよ!」


「お願ーい。ねっ?」

「・・・」

やっぱり甘い。かけ過ぎだってシロップ・・・。


702MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/29(土) 23:51:35 ID:aXcBAqeW
「あ!美希ちゃん、この後どこに行くの?」
目をキラキラ輝かせながら問いかける祈里。このテーブルさえも遠く感じる程の距離。

抱きしめたい。壊れるほどに。




「夏の思い出作りに・・・行こっか!」


「うん!ほんと、今日は楽しみにしてたの!」


会えない時間は愛を育てるって本当なんだと実感した瞬間。



「そうそう。新しいメニューが出来たんだって。祈里知ってる?」

「え?知らないよ?」

「メニューのここなんだけど・・・」
そう言ってアタシは祈里の横に座り。


―――chu―――


「さっきの仕返しよ。」


「・・・恥ずかしい・・・」



夏の思い出。アタシならではの演出。ちょっと甘すぎたカモね。
703名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 23:58:19 ID:aXcBAqeW
>>697
保管しますので、宜しければ題名をお願いします。

もっとイイSSが作れるよう修行します。エロなくてごめんね。
704名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 00:14:00 ID:Y7r7Voq1
プラトニック好きにはここは天国だ。
もちろん、エロがあるのもそれはそれでいい。
705名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 00:17:19 ID:qBauuLC2
>>703
甘い。甘すぎる。どうしてもっと投下してくれないんだw
てかウマいよね作り。俺も頑張って作るわ。

切ないのも甘甘のも形になるのがフレプリのイイ所だね。
706名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 00:48:27 ID:3/6VHpbK
次回の放映までに前回のネタを消化したくて流れを読まずに勢いだけで書いた。後悔はしていない。



クローバータウンストリート中央付近に位置するビルに設置された大型ハイビジョンモニター
流されているTVニュースではキャスターが次の話題を読み上げる。

「来日していたメクルーメーク王国の王室のご一家が予定されていた日程を終え、
 明日、帰国することなりました。
 本日はその記者会見の模様を…」

「あ、ジェフリー!」

見上げればモニターに映るのはつい先日、ほんの少しの間だけ行動を共にした少年
両親に囲まれて満面の笑顔を見せる姿がそこにはあった。

「「「やっぱり、かわい〜い!」」」
ジェフリーの笑顔を見て顔をほころばせるラブ、美希、祈里

「あの子の笑顔、やっぱり完璧!」
「いつも見てるこっちまで幸せになっちゃう」
「うんうん、これで今日も幸せゲットだね…ねえせつな?」
「私は別に…あの時もずっとラブだけを見てたし」

「「「えっ」」」

「ラブの笑顔はいつでも私を幸せにしてくれるの
 ああ…あの時のラブの笑顔、とってもかわいかったわ〜」

そこには赤く染まった両頬に手をあてて顔がゆるみまくった、今まで見たことのない表情の彼女がいた。

707名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 00:52:14 ID:3/6VHpbK
余談

お暇な人は29話の「か、かわいい…」のシーンでの
せっちゃんの顔の向きと目線を今一度チェックしてみるといいかもしれない。
708名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 00:55:29 ID:tmMs6LJc
>>703

>エロなくてごめんね。
開きすぎた胸とか、十分エロいですってw
この後ラブホに行くふたりを脳内補完しました。

タイトルは【キス=あいさつ?】でお願いします。
まんまですね…
709名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:36:02 ID:srPJ6+r/
>>697です。
誰もいなそうなので、エロいの置いていきますね…。
710名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:36:54 ID:srPJ6+r/
【大切なひと】〜【片恋】後日談〜

最近すっごくモヤモヤしてる。
あと一歩な気がするのに、届きそうで届かない。
そんなふたりの距離がもどかしくて。

私がずっと片思いしていたのは、幼なじみの美希ちゃん。
けど、ひょんなきっかけで両思いだとわかり、付き合い始めたばかり。
今は最高に幸せな時期…なはず。

なのに、美希ちゃんってば、私にキスしかしてくれない。
それも子供にするようなキスばかり。
私がお子ちゃまだから?

これでも色々と、その…アッチのお勉強もしてるんだよ。
女の子同士の愛し合い方だって、少しは知ってるつもり。
美希ちゃんに、いつ「祈里が欲しい」って言われてもいいように、
勝負下着だって着けている。

「今夜、パパとママ遅いの。良かったら遊びに来ない?」
この前、勇気を出して誘ってみたけど、答えはNO。

その後も、二人になれそうな日は何度も誘ってみた。
でも答えはNOばかり。

「ダメよ!あ、え〜と、あ!そうそう!弟と先約が…ゴニョゴニョ」
とか、
「さ、撮影が入ってて、アハハ、ゴメンね」
とか。
巧くかわされてしまう。私、魅力ないのかなあ?
711名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:37:50 ID:srPJ6+r/

そんなことばかり考えていると、
美希ちゃんとのデートはあっという間。

「…なのよ。ん?祈里、聞いてる?上の空ってカンジ」

「そ、そんなことないよ!」

「そう?それでさ、今夜ママったら、彼氏とデートで朝まで帰らないって。
ったく、年頃の娘を置いてオトコと朝帰りなんて、
祈里もひどいママだと思うでしょ?」

「え…、うん、そうね、美希ちゃんのママ、不良よね、アハハ…」
美希ちゃんが、今夜ひとり…?

チャンスよ!祈里!このチャンス、必ずつかんでみせる!
言えばいつもみたいに断られちゃうに決まってる。
だから黙って、強引に泊まりに行っちゃおう。
きっと上手くいくって、私信じてる!
712名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:38:35 ID:srPJ6+r/

   *******

はーあ。またため息ついちゃった。
最近、祈里とのデートの後はいつもこう。
その時不意に、ラブが脳裏に浮かぶ。
「ダメだよ、美希たん!ため息つくと幸せが逃げちゃうんだよ。
幸せはゲットしなきゃ!」
ラブの言葉を思い出して、出そうとしていたもうひとつのため息を、
あたしは慌てて飲み込んだ。

「ママー、ただいまー。夕ご飯なーにー?」
しーん、と静まり返った玄関。
…あ、今夜、ママ居ないんだっけ。

まず、シャワーを浴びよう。
じっとしていると、祈里のことばかり考えてしまう。

少し冷たい温度のシャワーに身体をまかせる。
火照った身体を、少しでも落ち着かせようとして。

でも…頭から追い払おうとすればするほど、祈里は
あたしの心の扉をこじ開けようとするみたい。
713名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:39:02 ID:srPJ6+r/


シャワーを終えて、バスタオルを巻きつけたまま、
リビングのソファに横たわる。

すぐにあたしの頭の中は、祈里へのよこしまな思いで侵食されていく。
ダメだと思いながらも、止めることができない。

空想の中で、あたしは祈里を淫らな格好にし、
卑猥な言葉を吐かせる。

「美希ちゃん…しよ?」空想の祈里はあたしを見上げる。
現実の彼女とは正反対の、誘うような瞳で。

ダメよ…あたし、まだ貴女を大切にしたいの。
「お願い…じらさないで。美希ちゃんもホントは私が欲しいんでしょ。
ほら、もうこんなに…」

空想の祈里になりきって、あたしは敏感な場所に手を伸ばす。
くちゅ くちゅ
「あ…はぁ…ふ…ぅん…いの、り…」

空想はいつも同じ内容。
彼女と愛し合う妄想で、ひとり快楽に耽ってしまう。

「あぁっ!祈里ッ!」
・・・・・また今日も、彼女を汚してしまった。
714名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:39:26 ID:srPJ6+r/


淫らにはだけたバスタオルを再び巻きなおし、
もう一度シャワーを浴びに行こうと立ち上がった時。
ピンポーン。玄関のチャイムが鳴った。

来客の映像を確認して、言葉を失った。
そこには、制服姿の祈里が映っていたから。

「祈里どうしたの!?もう20時近いよ。ご両親心配するじゃない」
「美希ちゃんお願い、入れて」
いつになく真剣な祈里の気迫に押されて、
あたしは思わず鍵を開けてしまった。ガチャッ。

あたしに倒れこむように抱きつく祈里。
「美希ちゃん…あたしのこと好き?」

「な、なによ急に!照れるじゃない」

「いいから答えて!」
今日の祈里、いつもと違う…。

「そりゃ、好きよ、わかってるでしょ!」

「じゃあ証明して」

「証明?どうゆうこと?」

祈里は、ちょっと怒ったような、拗ねたような表情で、
恥ずかしそうに言った。
「…抱いて」
715名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:39:57 ID:srPJ6+r/



   *******

祈里はそう言うと、呆然とする美希を寝室へと引っぱっていき、
ベッドへ押し倒した。

「ま、待って!祈里、待って!」
うろたえる美希に耳を貸そうともせず、
祈里は美希のバスタオルをはいでいく。

さっきの手淫によってもたらされた快感の跡は、
美希の身体のあちこちにまだ残っている。

まだ硬いままの乳首に祈里のくちびるが触れる。
「はん!」
まるで悦んでいるようなあられもない声が出てしまう。
「や…祈里、やめて…あぁっ…
あたしまだ貴女を汚したくない。大切にしたいの」

「もう待てないよ、じらさないで、あたしのモノになって」
祈里の指先が、容赦なく脚の間に伸び、
さっき達したばかりの淫豆を弄び始めた。

「おかしいね。美希ちゃん、もうこんなになってるじゃない」
大量に流れ出た美希のものを指に絡めながら、
たしなめるように祈里は言った。

「もしかして、自分でシテタの?ダメじゃないの…」
「ふぅん…あぁ…はっ…だっ、て…」
「だって、なあに?」
罰を与えるように、美希の乳首を甘噛みする祈里。

「はあ!んん!」
「キレイ…感じてる顔の美希ちゃんもすてき。
そんな顔されると、たまらなくなっちゃう」

美希に快感を与えながら、次第に祈里の顔も紅潮しはじめる。
祈里の白いショーツには、いつしか染みができていた。

「お願い。私も、はやく美希ちゃんのものになりたい…」

「わかったわ…今までずっと我慢してた。大切にしたかった。
さっきも、貴女を想って自分を慰めてた。
でも、もう我慢するのはやめにする」
716名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:40:30 ID:srPJ6+r/

美希は、祈里のスカートをたくしあげ、
ショーツの上から敏感になっている部分を擦りはじめた。
「ああ…ずっと…ずっと夢見てた…美希ちゃんとこうなること」

「あたしもよ…」
祈里のブラウスの胸だけをはだけ、服は脱がさない。
ブラジャーのフロントホックをはずと、ふたつの膨らみは
自由を獲たように、美希の手のひらを跳ね回る。

可愛がってと言わんばかりに隆起した先端を、そっと口に含む。
汗の混じった祈里の香りが鼻孔をくすぐる。
少しだけしょっぱい。ゆっくり味わいながら、舐めたり、吸ったりした。

すぐに祈里は歓声を上げはじめる。
驚いた。なんて感じやすい子。
「こんなこと、初めてよね?」

「ん…でも…私もずっと、美希ちゃんを想って…シテタから…」
祈里は消え入りそうな、かぼそい声でつぶやいた。
そんな彼女の小さな耳を、美希は念入りに舐め上げる。
「んっ…それ、すっごくスキ…」

耳朶への初めての愛撫によってもたらされる感覚。
波のように襲う快感に、祈里は顔をゆがめた。

そのまま唇に移動し、舌を入れ、祈里の口内を侵す。
ふたりがいつも交わす、ついばむような小鳥のキスではなく、
獰猛な獣のような、激しいくちづけ。

長い時間をかけ、舌でむさぼるようにさぐりあった後、
美希は身体を下にずらして行き、再び乳房にくちづけて愛撫を加えた。
祈里の声は今や、とどまることなく大きくなっていく。
717名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:41:05 ID:srPJ6+r/


乳首を口に含みながら、美希は祈里を見つめた。
「祈里、感じてるのね…めちゃくちゃ可愛い」
「やんっ…!美希ちゃ…はっ、ずか、し、いんっ…」

充分に可愛がり、唾液にまみれた突起を左の指で弄りながら、
右手でショーツをずらす。
脱がせやすいように、自然と腰を浮かせる祈里。
そんな気遣いも可愛く、胸が熱くなる。

今、あたしたち、愛し合ってる。
脚を開かせると、美希の眼前に、祈里の花園が広がった。
「やん…あんまりじっと見ないで…」
蜜があふれ、ヒクヒクと震える柔襞に、そっとくちづける。

美希の舌が、祈里の中心の膨らみを捕らえた。
電撃を受けたように、肢体を振るわせる祈里。
舌でこじ開けるように舐め取っていくが、
どれだけ舐めようと、泉は尽きることはない。

「あっ、んっ…はぁ、美希、ちゃん…も、ダメ…」
「我慢しなくていいのよ。でも黙ってイっちゃダメ。
かならずイクって言いなさいね」

せつなそうな祈里の瞳を見ながら、美希は快感の楔を打ち込み続けた。
「あああ!もうっ、いっ、イクイク、イっちゃう!あああああ」
祈里の白い肢体が、激しく震え、
やがてヒクヒクと最後の痙攣を繰り返した。

美希は満足そうに顔を上げ、祈里にキスをした。
「わ、たし…美希ちゃんのものに、なれたん、だね…」
「そうよ。もう絶対はなさないから」
718名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 04:42:24 ID:srPJ6+r/
以上ですノシ
719名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:07:23 ID:tMSWneV8
最近美希たんとブッキーの話が多くて嬉しい!GJ
720名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:11:48 ID:gktbPlii
来週鬼門だな・・・なにも無いといいんだが
721名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:14:45 ID:s7OyXTw+
俺は逆に予告で安心した なんだこんなもんかー
サイトの次回予告映像で「せつなぁ〜制服チョー似合ってるよ!」で
一週間戦える
722名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:18:53 ID:HxtEGkQg
今日の開始5分までの展開が百合イメージを膨張させてくれたw
やっぱ公式は強いなー。

今朝までの投下は保管してあります。>>707さん、題名あれば教えて下さい。

来週は思ったよりダメージ少ないかも。
って私信じてる!
723名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:23:29 ID:qlIYxAEN
>>721
確かにあんまりガツンと来るようなダメージは無さそうだな
まあ、来週になって見ないと分からないからなあ

それと>>718GJ!
最近美希ブキが多くて幸せゲット出来てます
724名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:27:35 ID:qBauuLC2
投下続いて嬉しいよ。改めて職人ありがと。美希たん大人だな〜。

>>722
保管乙。俺のも今度ヨロシクね
725名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:28:25 ID:UbbaWC6i
雨降って地固まるというか、ほぼ間違いなくラブと大輔の関係は一歩前するだろうなぁ
なんで貴重なせつなの学校回にラブ大輔やるのか意味不明だ
公式はガチでラブと大輔の関係を描くつもりなのかね・・・
726名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:29:59 ID:HHBx6x1l
他人の幸せのためばかりに一所懸命になってたラブが、
自分の幸せをゲットするためにがんばる、
周りはその手伝いをするってのを描きたいってことかねえ
727名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:33:30 ID:HxtEGkQg
>>725
ラブせつがその何万歩前を進んでるけどね!って思わせて・・・。
大輔登場はワンポイント・中継ぎって事で。

>>724
投下待ってます。題名も忘れずに〜
728名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:33:53 ID:xlxtxd64
>>725
リメンバー・藤P
729名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:35:06 ID:4jISYvR9
モチベちょっと下がったなぁ
730名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:37:22 ID:QZsIWoen
>>728
藤Pは結局空気だったじゃん
731名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:42:17 ID:qBauuLC2
>>726
周りが気を使ってフォローする展開かな。ラブは最後まで気付かないとかね。

せっちゃんはどう感じるかだ。
732名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:49:42 ID:UbIpb+3t
大輔を異性として意識するような展開になるなら
まあ今後日曜はゆっくり寝ますわ
733名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:55:41 ID:QZsIWoen
その昔神無月の巫女というアニメがあってな・・・
まあ一時的に男とくっつく展開になっても、それで絶望するのは早いってこった
734名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:57:31 ID:UbIpb+3t
いや、あんなのは例外中の例外w
ガチ百合看板の作品。あくまで子供向け一般向けのプリキュアと一緒にしちゃいかん
735名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:05:51 ID:s7OyXTw+
もともと公式で百合ってのはありえないんだしなー
ちょっとした描写の小さな幸せゲットしてこうぜ
736名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:06:38 ID:qBauuLC2
製作段階で恋愛無し路線だったよな〜。
ガチ百合あってもイイじゃんねぇ
737名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:07:22 ID:UbIpb+3t
藤Pは象徴的な王子キャラであって、両思いになるとかはあり得ない存在だったけど
大輔というのはガンガン自分から好きベクトル出して来るからね
プリキュアシリーズで一番危険な男かも
738名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:18:04 ID:qlIYxAEN
まあしかしここでネガティブな論争してても何も変わりゃしないんだから、ここはラブ×祈里でも妄想しとこうぜ
739名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:19:25 ID:4jISYvR9
正直いま軽く欝になりかけてます
740名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:34:16 ID:P8VeNj27
初投下です
30話のネタバレが入ってるので注意してください


『おたのしみ』


「まったく、タルトも困ったもんだよ!」

タルトのヘソ騒動は解決し、家族全員で帰宅した桃園家。
ところが、タルトの体調不良はアイスを全部食べてしまったせいだったことが判明した。
ラブとせつなは二人でアイスを買い直し、せつなの部屋へ。
ラブの部屋はタルトが泣きながら逃げ込んだせいで入れない。

「それじゃあ、アイス、食べようか……」
「え、ええ……」
アイスが楽しみだったのは、ただアイスが食べたかったからだけではない。

「はい、せつな。あーん」
ラブはアイスを容器からスプーンですくい取って、せつなの口元まで移す。
せつなは顔を赤くしながら。それを咥え、飲み込む

「どう? せつな? おいしい?」
「うん。アイスも美味しいけど、ラブが食べさせてくれたから、もっと、美味しい」
「もう照れるなぁ〜。じゃあ今度は、せつなの番だね」

今度はスプーンを受け取ったせつなが容器からアイスをすくい、ラブの口元へ移す。
ラブも先程のせつなと同じようにそれを食べる。
「クッハー! せつなのアイスで幸せゲットだよ」
「やっぱり恥ずかしいわ、もう!」

二口だけ食べられたアイスの容器が二人の真ん中に置いてある。
「それじゃあ、もう一回やろっか……」

それからは無言で交互にアイスを食べさせていく二人。
お互いから手渡されるスプーンが徐々に熱を帯びていくのが分かった。
ただ黙々と時間が過ぎていく。

アイスの容器が空になったのは夕方頃だった。
タルト同様、二人揃って仲良く腹痛を起こしたのは言うまでもない。
741名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:34:19 ID:UbbaWC6i
>>736
逆に恋愛要素はテーマの一つだって前川さんが言ってたぞ・・・
その割に描写が薄かったから安心してたのに
742名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:03:33 ID:X5IB27CB
>>740
馬鹿な!俺が妄想したシチュが既に投下されているだと!?
ありがたやありがたや…
743名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 12:51:46 ID:s7OyXTw+
>>740
おっ最近美希ブキ祭りだったからラブせつ分が不足してきた所だ。GJ
この後はトイレ争奪戦ですね
744名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:38:17 ID:wZH+2oVE
今日の回観ると
なんかせつながラブに毒されてきたなぁと。いい意味で。
似てきたw
お母さんとの関係も
745名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:57:42 ID:vROGOz/b
>>744

んー、でもあれだけのドラマを経てるんだから
あそこまではっちゃけられてもなぁという気がする。

結局何が言いたいかというと、ラブせつで百合って欲しい。
それだけだ。
746名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:04:50 ID:Sb9OQ4D+
もうちょい家族とせつなのふれあいとか、絆の芽生えとかじっくりやってほしかったが…。
その上でだったら、あのはっちゃけもおkなんだけど。
そこまでせつなだけに尺使えないんだろうけどさ。
ただ最後タルト追い詰めるトコは似たもの夫婦過ぎて吹いたw
747名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:14:06 ID:UbbaWC6i
ここだけじゃなくて他のスレやブログでも、せつなの性格付けが微妙って意見が多いね
大友的には、暗い過去を背負いつつも前を向いて健気に精一杯やってるせつなや
どちらかというと暴走しがちなラブをたしなめる、しっかり者をイメージしてる人が多かったかな
確かに今のままだと、良くも悪くも普通の子だ
メインターゲットが子供ということを考えると仕方ないけど

ラブ美希祈里で基本的なキャラ属性は網羅してるから、せつなは味付けが難しいというのもありそう
あるいはこちらの世界のことが分かって行くにつれて性格も変わっていくとか
せつなが自分の夢を持つ過程も作中で描かれるだろうし、しばらくは様子見だな
748名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:18:48 ID:dDNgFTcs
「ラブとせつな!仲直りのしかた」
というssが読みたいなw
どなたか書いてくれないかww 自分には文才がない。

本編でやってくれたら萌え死ぬんだが
749名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:29:45 ID:HxtEGkQg
>>748
今日のお題にけってーいw
ライトなSSで良ければ今夜中にでも。
750MH22S3MH22S:2009/08/30(日) 19:10:44 ID:HxtEGkQg
【秘密のでぇと】の続きって事で。文才得るため修行中ですがw

【ラブとせつな!仲直りのしかた】
「出来れば内密に・・・。せつなぁ〜」
そう言って戸惑うラブを見て、私は何か悪い事をしてしまったような気がした。


「せつなちゃん、ちょっと自分の部屋に戻ってもらっててもいいかな?」

「はい。」

空気が変わった。お父さんの顔がちょっと強張り、ラブも下を向いたまま。
不安になりながらも私にはどうしていいかわからず、2階へ向かう事にした。


「心配ないわよ。ちょっと待ってってね。」
お母さんのいつもと変わらぬ笑顔を見て、少しほっとする。優しいお母さんが私は大好き。
もちろんお父さんも。


部屋に戻っても、特に何もする事は無かった。 むしろ、今日もでぇと出来ると思って
いたからお洋服は何を着ていこう?とか、どこへ連れてってくれるんだろう?とか
考えるだけで楽しかった。


ラブと私が写ってる二人の写真を見ながらベッドに横たわる。
目を瞑れば走馬灯のように蘇る楽しい思い出。ほんとに幸せな日々。一緒に過ごせる喜び。



―――ありがとう―――



気がつくと眠っていた私。窓からはうっすら夕日が差し込んでいる。

ラブは!?

胸の鼓動が不安を後押しする。スリッパも履かずにドアを開け、ラブの部屋へ。
751MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/30(日) 19:11:40 ID:HxtEGkQg
「ラブ!?」

「あ、せつな・・・。」
ベッドに腰掛けて天井を見上げるラブ。どこか寂し気。


「お父さんとお話・・・」


「うん・・・。平気だよ。」


平気って何?何か隠してると私は思った。第一、ラブは私を見てくれない。

「怒られたの?私、余計な事言ったのかしら?」


「違う。全部あたしが悪いんだ。」

どして?どして全部ラブが悪いの?私がお父さんとお母さんにでぇとやキスをしてる事喋ったからじゃないの?
心の中に寂しいと言う感情が芽生えた。でも言葉に出来ない・・・。


「せつな。もう秘密にするのはやめよ?」


ショックで呆然と立ち尽くした。何でこうなってしまうの?


やっぱり私は幸せになってはいけないんだ・・・。



「やっぱ嘘付いたらバレるよねー!」
「えっ?」

「デート行くって実は・・・、内緒にしてたんだー。お父さんとお母さんには図書館で勉強しに行くって。」

頭の中がごちゃごちゃして整理するのに時間がかかった。と、同時に嘘は良くないと思い。
752MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/30(日) 19:12:08 ID:HxtEGkQg
「どして嘘付くのっ!?」
「ちょ・・・。待ってってば。何で怒ってるのせつなー。」
「隠し事や嘘はダメってお父さんもお母さんも言ってた!」
「イヤイヤ・・・。それは時と場合で・・・。」
「ダメなものはダメよ!」
「あたしだって恋もするの!せつなとデートしたいの!」
「だからって嘘は良くないわ!」
「あぁ、もぅ!うるさーい!!!」


気が付けば夕日は沈み、窓の外は暗くなりつつあった。
虫の音が、静かな部屋を響かせる。


「私・・・、わからないわ。」
不安になって心配して、落ち込んだ私はどうしたらいいの。



「あたしの事・・・、嫌いになっちゃった?」
ラブの言葉にはっとする。こんな事で嫌いになる訳ないのに。



そう、なれる訳ない。


そう思ったら自然とラブの横に座る事が出来た。
753MH22S ◆Tp0rBcFpoc :2009/08/30(日) 19:12:35 ID:HxtEGkQg
「初めてせつなとケンカしちゃったね。」


「ケンカ?」


「うん。言い争う事。意見のすれ違いって事。」


「ごめんなさい。私、ラブが心配で・・・。」

「うぅん。元はと言えばあたしが嘘付いちゃったからね。」



「ケンカしたら仲直りしなきゃいけないんだよ?」

「そなの?」

「こうやって」


月明かりが差し込む部屋で、大好きな人から仲直りのプレゼント。


「私、またケンカしたいわ。」
「変な事言わないの!」


ラブは寝る前に、ケンカする程仲が良いって教えてくれた。

仲直りの仕方は私たちだけの秘密だって言ってた。

嘘はダメだけど、秘密は良いみたい・・・。
754名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:43:48 ID:qBauuLC2
こーゆー恋愛要素なら大歓迎なんだが。無論ラブせつで。

仲直りの仕方、キスはもうしてるから、ディープ?それとも愛撫?
もしくは…ぐはっw
755名無しさん@秘密の花園:2009/08/30(日) 23:09:01 ID:65WpqBl7
>>750
GJ!!
続き気になってたから嬉しいw
せつなの天然無知なところが可愛すぎるよおおお
756名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 00:18:11 ID:qIRQ8Qbh
>>750
ネタバレかと思ったわ!やっぱ嘘は良くない。堂々とデートしなさい。お父さんが認めますwww

修行しないと書けないまでいってんのか、職人のSSは…。投下頑張ってくれ!
757名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 00:32:05 ID:UvszjL7i
>>750
保管&投下乙です。読みやすくて良かった。もちGJ!
ラブせつ喧嘩回はもしかすると今後あるかもね。
大輔もう諦めろ。自重しろw

>>754
カオルちゃん乙
758名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 00:48:21 ID:Y6O2/2ou
できればタイトルと一緒にカップリングも書いてくれると分かりやすくてありがたい
759名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 00:50:03 ID:Y6O2/2ou
あ、ごめん上のは投下する職人さんたちに対するお願いね。
760 ◆BVjx9JFTno :2009/08/31(月) 02:19:53 ID:kPO8jNoX
こんばんわ。
最近ネタが浮かばないので、
酔った勢いで日常切り取りものにしました。
ブキ美希フェア中ですが、空気読まずにラブせつでスマソ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

小さな土鍋の中が、くつくつと煮えている。

卵を回し入れ、軽く混ぜる。
刻んだネギと海苔を散らす。

「これでいいですか?」
「バッチリよ。せつなちゃん上手じゃない」

めずらしくラブが熱を出したので、
お母さんに教えてもらって、卵雑炊を作った。

土鍋と器を盆にのせ、ラブの部屋に入る。

「ラブ、ご飯食べる?」
「うーん...あんまり食欲ないかな...」

「私が作ってみたんだけど...」
「えっ?嘘!今の嘘!あー何かお腹すいちゃったー!」

額に濡れタオルを乗せ、辛そうにしていた
ラブの声が1オクターブ以上あがる。

「ふーふーして!」

起きる気配も見せず、きらきらした目で私を見る。
食べさせてもらう気満々だ。これが目的か。


761 ◆BVjx9JFTno :2009/08/31(月) 02:20:31 ID:kPO8jNoX

「はいはい、わかったわ」

スプーンですくい、2、3度息を吹きかけてから
ラブの口に運ぶ。

「んー、おいしいーん」

満面の笑みで、ラブが口をもぐもぐさせる。
この笑顔を見ていると、多少のわがままも
許せてしまう。


残暑も過ぎ、夜は過ごしやすくなった。
開けた窓の外から、小さく虫の声が聞こえている。

ゆっくりと、ラブにスプーンを運ぶ。
静かで、穏やかな時間。


「にははー、風邪ひいて良かった。
 せつなの笑顔ひとり占めだよ」

「そんなこと言ってないで、早く治してね。
 明日は一緒に洋服を見に行く約束でしょ。」


顔を上げ、部屋の鏡を見てみる。

鏡の中の私の顔は、あのときのラブの顔に
よく似ていた。

762 ◆BVjx9JFTno :2009/08/31(月) 02:21:22 ID:kPO8jNoX

......

スタジアムの医務室で、私が目を覚ましたときに
そこにあったラブの顔。

全てを受け止め、包み込んでくれるような
その笑顔を見て、闇の底に封じ込めていた
私の本当の気持ちが、抑えきれないほどに
動き出すのを感じていた。

次の瞬間、闇が、心を縛る。
あの時の私は、ラブがくれた水を払いのけ、
医務室を飛び出し、自棄のように
最後のカードを天井に向けて放った。


死んでもいい。
どうなってもいい。

死ぬなんて嫌。
ラブとお別れなんて、嫌。

ふたつの思いが、音を立てて交錯する。
心に、体に、激痛が走る。

心の激痛は涙になり、
ナキサケーベの力は増大する。
増大した力は棘となり、
さらなる激痛として私に襲いかかる。

なすすべなく、蝕まれる。

そんな闇の底に、ラブは両手を拡げ、
再びあの笑顔で舞い降りてきてくれた。

......

763 ◆BVjx9JFTno :2009/08/31(月) 02:22:07 ID:kPO8jNoX

風邪薬を飲ませ、電気を消して
ベッドの横に座る。

布団の中に手を入れ、ラブの手を握る。

「寝るまで、こうしててあげる」
「うん。ありがと、せつな。」

薬が効いたのか、ほどなく
ラブの規則正しい寝息が聞こえてきた。

薄闇の中、もう一度、鏡の中の私を見る。

大切な人を見つめるときって
こんな表情になるんだね。


私は、しばらくラブの寝顔を見つめた後、
ラブの夢にこの想いが伝わるように、
こっそり口づけをした。

764 ◆BVjx9JFTno :2009/08/31(月) 02:25:09 ID:kPO8jNoX
以上で終わり。
お目汚し失礼。
オチも何もなくてすまん。

いくつか書いてるけど、とっ散らかって
収拾がつかない状態orz

765名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 02:53:39 ID:XyP1cyz8
>>764
GJ!
いやいやもっとやっちゃってくださいw
766名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 03:14:31 ID:QrvF/2+F
お題投下した748です。>>750タソ早々とありがとう!!堪能しましたw

>>764タソも最高。今夜は幸せだ。
767名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 03:28:35 ID:1VBG6Rnv
>>764
ああ、幸せな気分にしてくれやがって・・・
768名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 05:40:24 ID:Ja0pbVDL
>>764
せつなに看病されるなんてラブさん羨ましすぎる
こんな時間に癒されてしまったよ。GJです!
他もの作品も見てみたいな
769名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 08:44:13 ID:wvRql/Kd
そろそろ容量がやばいw
770名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 12:05:47 ID:s/xwblix
>>764
慈愛に満ちたせっちゃんの微笑みが目に浮かんだわ
素晴らしいです
771名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 12:13:28 ID:qIRQ8Qbh
>>764
続き頼む!いや頼みます。快気祝いで是非!

容量って保管庫?パンク寸前?職人どんだけw
772名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 12:28:43 ID:EgL9feiC
>>771
このスレじゃない?
もう次スレの時期かな
773名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 14:13:45 ID:4MDwLfxu
500超えたら次スレ考えた方がいいかも。
774名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 16:34:48 ID:wvRql/Kd
500越えたら手遅れだよw
このスレ速なら480くらいじゃない?
775名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 17:09:12 ID:HDsVr2Oz
今476KBです。
776名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:04:52 ID:tqsEYgrY
そして誰もいなくなった…
777名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:07:04 ID:sG0XQS+G
そりゃ今477KBだしSSも変に投下できないだろ
778名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:07:52 ID:xe+woO3s
いるからwww
スレの事詳しくわかんないけど、何がマズイんだ?
過去ログ残せないとか?
779名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:20:05 ID:ZepNkY0H
スレは500KBに達すると書き込みできなくなる
今477KBぐらい
SSなど1レスの文字数が多いスレは1000までもたない
780名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:28:33 ID:s/xwblix
>>778
スレの容量が500KB超えると過去ログ行きになって読めなくなる
781名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:39:53 ID:xe+woO3s
>>779>>780
詳しく教えてくれてありがとう。この容量ってどこに表示されてるの?
質問ばかりでごめんなさい。

投下煽ってスマンかった。雑談メインだったっけ。スレ分けるべきかなー
782名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:42:54 ID:mIgWjy6b
さすがに半Rとしか言いようがない
783名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:43:20 ID:SIMqwRzy
いちばん新しいレスの下に↓これが書いてあるだろ?
478 KB [ 2ちゃんねる 3億PV/日をささえる レンタルサーバー \877/2TB/100Mbps]

この478KBってのが容量
つまりこのスレはあと約20KB分の文字しか書き込めない
784名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 22:58:02 ID:xe+woO3s
新スレ立てようか?
785名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 23:00:43 ID:sG0XQS+G
別にスレ分けする必要はないと思うけどね。
SS祭り中だが、夏休み終わって投下する人も減るかもだし。
786名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 23:03:23 ID:qIRQ8Qbh
>>784
立ててくれるって私、信じてる!
787名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 23:05:45 ID:xe+woO3s
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1251727459/
あい。これで足りてるよね?
788名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 23:20:24 ID:6Lr7EIaA
>>787
乙です。
789名無しさん@秘密の花園:2009/08/31(月) 23:32:02 ID:qIRQ8Qbh
>>787
完璧!

SSのお陰で盛り上がってるし、無理に分けなくてもイイような…。
職人頑張ってくれてるしさ。
790 ◆BVjx9JFTno :2009/09/01(火) 00:04:36 ID:i7oM7hDx
感想有難うございます。
コメント付くと嬉しいですわ。

保管ありがとうございます。
タイトル忘れてました。「GoodNight Kiss」でお願いします。


スレ容量上限という状況に初めて出会いました。
>>787さん、スレ立て乙です。

791名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 00:44:29 ID:rstFoxXh
>>774

ごめん、なんか520くらいって勘違いしてた。
勉強になったわ。
792名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 01:11:11 ID:4XMQO9hD
保管屋です。投下で容量使いすぎて申し訳ないです。これからは気にしながらやってきます。

>>790
タイトル付けました。いつも投下ありがとうございます。良作ばかりで素晴らしいです!
793名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 01:39:33 ID:Bqnl7QMa
>>791
や、それぐらいじゃなかったかなー?
まぁどちらにしても次スレ乙。
梅がてら。今この壁紙を使ってるんだが、何かオススメはないでしょうか?
ttp://ranobe.com/up/src/up390716.jpg
794名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 01:49:42 ID:FoMI4ns7
>>793
詳細kwsk
完全に百合魂に火が付いたw
795名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 01:51:04 ID:uKetvavF
>>793
はじめてみた
796名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 02:00:55 ID:FoMI4ns7
大した画像は持ってないけど、キャプ画でよければうぷします。日頃の
感謝を込めて。多分みんな持ってるだろうけど・・・。
壁紙には使えると思いますよ。てかうぷろだ指定してw
797名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 02:04:09 ID:4XMQO9hD
ぶっ飛んできました!これだけでSS書けちゃうよwww
また時間が夜中っすねー
798名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 02:59:55 ID:vkGy/hgu
>>793
どこにあったんすかこんなシロモノ
799名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 03:23:26 ID:Bqnl7QMa
>>796
キャプ画うれしいです。
ろだは持ちが良いのはsukimaかranobeかしらん。
固まりならなんだかんだで斧かなぁ。贅沢言ってスマンス。
潮騒は前の方のレスにも出てきたと思うけどlove板の認証が必要な方です。
800名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 06:41:40 ID:FoMI4ns7
了解。帰宅したらうぷする!
801名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 07:07:25 ID:i7oM7hDx
>>793
ストライク過ぎる。
元ネタ何ですか?
802名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 12:47:10 ID:CLP8yZnd
匿名でうpされたコラ画像だからある意味詳細はないんじゃないかな
803名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 13:10:26 ID:wX915lBv
容量制限って512Kじゃなかったっけ?ちょっと俺のSS投下してみますよ。

短いから大丈夫だと思うけど。美希ブキです。
804名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 13:11:35 ID:wX915lBv
【戦う理由】

ここは四つ葉町のファミリーレストラン。
蒼乃美希と山吹祈里は奥の片隅に席を取り、和やかに談笑していた。
美希が口を閉じてうつむくと、会話がしばらく途切れた。
ゆっくり顔をあげた美希は、切り出し始めた。

「あのさブッキー、なんでプリキュア続けてるの?」
「えっ?」
「うら若い乙女が年中大変な目に逢ってるのよ、こんなひどい話ってないと思わない?」
「えっと‥それは‥‥そのう‥」

「せつなは、一度命を失ってしまって、そしてプリキュアになることで
いまのせつながあるわけでしょ。今では何があっても戦いから逃げることはできない、
と思ってるんじゃないかな」
「‥‥‥‥‥‥」
「ラブはさ、どんなピンチに陥っても最後は絶対自分たちが勝つ、
って信じて疑ってないみたい。何だかよく分かんないけど」
「そうかもしれないわね」

「あたしは‥‥」
「美希ちゃんは?」
「その前にブッキーは?」
「‥やっぱり、仲間がピンチの時は自分が何とかしてあげないと‥」
「そうそう、パインには何度も助けてもらってるよね。
ホントはこっちの方が守ってあげなきゃ、って思ってるのに」
「えへへへへ」
「あたしがプリキュアをやめるって言った時もそんな感じだったわよね。
でもね、それだけじゃあちょっと甘すぎるんじゃないかしら」
「そう?」

「あたしは、もう死ぬ覚悟ができてるっていうか‥‥」
「えっ?」
「希望のプリキュアなのにこれじゃあしょうがないんだけどね。はは。
もうダメだと思うことが何度もあったよ。それで後でいろいろ考えるの」
「美希ちゃん‥‥」
「戦いで死んでしまうのもアリかなって。
プリキュアになって普通の人じゃできないようなこともいろいろできたし、
後から讃えてくれる人も何人かはいるだろうし。
あたしが無鉄砲なのは昔からだから、ママも許してくれるかなって勝手に思ったりして」
「美希ちゃん‥美希ちゃん死なないで!」
805名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 13:12:54 ID:wX915lBv

「ブッキー?ちょっと落ち着いて。泣かせるようなこと言ったのなら謝るわ。
これはあたしがそう思っているだけで‥
でね、あたしはかなり開き直ってるつもりなんだけど、
何ていうか、ブッキーが一番無理してるようにあたしには映る。
だから‥プリキュアやめてもいいんだよ?」
「それって‥わたしが要らないってこと?」
「そんなこと言ってない!そんなことは‥絶対‥ない」

「ねえ聞いて。ブッキーがどんな気持ちで戦っているか、あたし真剣に考えたの。
そりゃあプリキュアとして選ばれたんだし、使命感を大いに持っているのは分かるけど、
ラブやあたしに引きずられてる部分も結構あるんじゃないかって。
つらい、って言いたくても言い出せないんじゃないかって。
ブッキーみたいに引っ込み思案で優しい子が、耐えられるはずないんじゃないかって‥」

「美希ちゃん、泣いてるの?」
「だから‥たから、この子を戦いで倒れさせるわけにはいかない、
あたしがなんとかしなきゃ、って‥‥うっ‥くっ‥」
「美希ちゃんそんなに心配してくれて‥‥
でもやっぱり、みんなの元を離れるわけにはいかないわ」
「‥‥‥ありがとう」
「え?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」

「やだ美希ちゃん、さっきと反対のこと言ってる。
大丈夫よ、わたしはどこにも行かないわ」
「う‥‥ダ、ダメだわ、あーあたし何やってんだろう‥
さっきの決心はどこへやら‥
ブッキーを説得するつもりが、逆に慰められて‥」
「うふふふふ」
「正直に言います。側にいてください」
「うん」

806名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 13:14:30 ID:wX915lBv
大丈夫だた。まだ余裕があるのかも?
807名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 21:18:28 ID:FoMI4ns7
ttp://ranobe.com/up/upload.html
キャプ画うぷしましたよ。13個あるかな。百合板に住ませて
もらってるお礼ですw
みんな持ってるんぢゃないかな?コメントのトコに誰の画像か
書いといたんでわかると思います。
808名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 21:35:01 ID:4XMQO9hD
>>803
投下ありがとうございます。保管しました。と、改行を工夫してみたんで確認宜しくです。
ホントは美希たん、一番の心配屋さんなんですよねー。GJです!

>>807
持ってないです!イースがディケィドライバー付けてるwww最高だ…。頂きます〜
809名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 22:31:02 ID:Bqnl7QMa
>>807
いただいたよー。わざわざサンクスです。最近美希せつがお気に入りなので
ttp://ranobe.com/up/src/up390887.jpg
にしようと思うんだ。
>>806
美希の最後のセリフがイイ。
美希は意外と、スタンドアローンタイプじゃないんだろうなぁ。
810803:2009/09/02(水) 00:20:54 ID:Z4iwxQTc
保管ありがとうございます。なるほどー読みやすくなってますね。
811名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 00:44:42 ID:xEYly5Pe
容量の問題のせいか書き込みが少なくなったなw

次スレ立ってるし容量は気にしないでいいと思うんだけどね
一応誘導だけしとく

フレッシュプリキュアで百合3
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1251727459/

それとも埋めるか?
812名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 00:52:11 ID:CAkHhKaU
まだだいぶ余裕あるよ
813名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 04:38:55 ID:fm3J0F7g
投下自重はわかるが、雑談も減ってどうするw

美希は確かに孤独になりがちかもな。考えも一人大人だし。そこでラブの幸福論やブッキーの信じる心、せつなの頑張る姿で百合展開ですよ。

単純すぎるかorz
814名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 07:50:50 ID:mtc26YDu
この停滞した流れで日曜に大ラブなんてやられたら・・・想像するだに恐ろしい
9月は美希せつ回以外は話のネタになりそうにないね
ストーリー上の重要回が二話も入ってるから、日常描写薄そうだし
815名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 10:05:17 ID:PsorSZLm
次のはラブせつ的においしいとしか思えないんだが…。だって大輔が妬いてせつなの悪口言うくらいラブせつがイチャつくわけだろ?大輔VSせつな回なわけだろ?
私は楽しみで仕方ないぞ。
816名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 11:22:02 ID:FMFHR0OJ
話の導入はそうだろうけど結末が怖い。結局大輔と仲良くなってしまうに決まってるからな
最悪は、せつなが大輔×ラブを応援するようになる展開
817名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 11:30:26 ID:fm3J0F7g
俺にはそれが死亡宣告に聞こえる、、、
参ったなこりゃ。
日曜こぇー
818名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 12:45:22 ID:jd+a0ppl
大輔とラブ仲直り→大輔とせつなも友達に

「……悪口言ったりしてごめんな、東。ヨロシク」
「こちらこそよろしく―――でもラブは渡さないわよ?」
「え!?」
「うふふ、行きましょう、ラブ」

せつなとラブ、手を繋いで駆け出す。取り残される大輔。

ってのが理想の着地点かな。
819名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 12:55:23 ID:uW5nX9/u
最初の15分でせつなプッシュ描写
終わりごろに美希と祈里と合流、ラブがせつなの学校での自慢話
大輔通りかかるもせつなが居るから近づけない

CM明け早々大輔とラブケンカ
ラブはぷんすかしながらも「大輔・・・なんであんなに怒ってるんだろ?」
せつなに大輔がラブになんか言いたそうだったとか告げられて、野球の試合見に行く約束を思い出す

駆けつけてみると大輔はラブとのケンカがショックで力が出ない、大ピンチ!
西さんが現れてナケワメーケ登場→撃退
試合再開してラブが大輔応援、奮起して大輔はピンチを切り抜けて大勝利
試合終了後、ラブが大輔に謝ったり大輔がラブとせつなに謝ったりして友情回復
それから・・・

こんな感じだと思うけど、肝心のラストは読めないな
無難なのはせつなと仲直りして、ラブには片思い進行中って感じか
最悪なのはラブが大輔を意識したり、大輔の気持ちに気付いて顔赤くしたり、せつながラブと大輔を応援しようとか考えること
820名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 15:14:39 ID:K+67u4Q3
大輔「悔しいけどやっぱり2人の間には割り込めねーわ。東。ラブは任せたぜ」
ラブ「大輔は何を言っているんだろう」
せつな「さぁ?それより帰ってアイス食べましょう♪」
ラブ「ワハー!今週こそアイスゲットだよ!」

これが最高の終わり方
821名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 15:25:32 ID:GX3+GIKZ
ガチで恋愛やるって言ってたからどうなんだろうな
822名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 15:57:32 ID:C1LjLKJR
よく聞くがそれ誰がいつどこでした発言なんだ??
スタッフがってのも聞くがどこまで信じていいのかわからん 
構成だって初期案のままいくわけでもないだろうしなー
823名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 16:08:47 ID:trOsF3XV
恋愛やったほうが女児受け良いのは確か
824名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 16:55:39 ID:fm3J0F7g
恋愛よりも友情っすよ!クローバーの笑顔が一番だよね。







友情→百合w
825名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 19:11:39 ID:n7kg77ru
>>822
現プロデューサーがした発言。フレプリ放映直後じゃなかったかな。
小学生になった頃から月9を見出すのでフレプリにも
恋愛要素を取り入れたいとかなんとか。
826名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 19:20:02 ID:mtc26YDu
あのインタビューだと女の子の好きそうなものは全部詰め込みましたって感じだったな
サントラには、これまで描かれることの少なかった家族や地元とのふれあいを描くってあった
何にせよフレッシュなだけあって、シリーズのお約束やジンクス破りまくりだからな
大輔周りでも何が起こることやら・・・
827名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 19:50:46 ID:fm3J0F7g
フレッシュしか見た事ないんだけど、ジンクスってどんなのがあったんです?
828名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:00:20 ID:FMFHR0OJ
恋愛っつっても姉が芸能人ってことしか売りが無い大輔じゃ受けないだろ…
もっとこう理想が高くないと
829名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:00:45 ID:K+67u4Q3
今まででは敵に壊されたものは戦闘後に復活したけどフレッシュでは壊れたままだったりとか
あと一般人に正体がバレたのも確かフレッシュが初めて

それで、人間の男女の恋愛をちゃんと描いたことは今までのプリキュアではなかった
つまり……
830名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:05:53 ID:mtc26YDu
ジンクスというか、たとえば恋愛関係になりそうなキャラは今まで全員年上
そして淫獣のココ以外は空気もいいところだった
でもフレッシュだと大輔とか禿眼鏡は同い年な上に普通の人間
男側から好意を寄せてるというのもこれが初めて

お約束といえば、キャラデザからしてフレッシュは破ってる
おっぱい描写やスカートの中身が見える下からのアングル解禁とか
今まではおかしいだろ、とつっこみいれたくなるほど女性的な特徴を排除してたのに
イースせつなパッションも今までのシリーズでは考えられなかった
831名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:06:32 ID:PohjaUSR
俺のラブせつフォルダの寿命が尽きようとしているようだ
832名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 20:33:27 ID:7cwLeLb+
そろそろネガティブも鬱陶しいので
833 ◆BVjx9JFTno :2009/09/02(水) 20:59:47 ID:IPul7lOg
じゃあ小ネタでもひとつ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勢いよく吹き出る泡が、アタシの肌を刺激する。
やっぱりジャグジーって最高。

今日はみんなでスーパー銭湯に来ちゃった。
いろんなお風呂があって、つい長居しちゃう。
露天もあって、お風呂ロケの練習も出来るの。

これでお肌も卵みたいにつるつる。
湯上がり美人の完成だわ。うん完璧!




ちょっとラブ!
露天に出るならタオルくらい巻きなさい!
開放感って何よ!
バンザイポーズとかしないの!
せつなも真似しないでいいから!
え?日本の伝統?全然違うから!
ブッキーも電気風呂で変な声出さないで!


あらやだ
アタシったら鼻血が。
834 ◆BVjx9JFTno :2009/09/02(水) 21:02:06 ID:IPul7lOg

あぁ気持ち良かった。
湯上がりさっぱりだわ。
湯上がりにはヨーグルトがいちばん。
おなかもきれいになって、体の中も完璧。

窓際にちょっと体を寄せて、
ほんのり上気した顔に濡れ髪がかかる。
うん、アングルも完璧。




ちょっとラブ!
腰に手当てて牛乳飲むのやめなさい!
回りの人が見てるでしょ!
だからせつなも真似しなくていいの!
え?日本の伝統?全然違うから!
ちょっとブッキー何でビール買ってるの!


え?タルト何?
鼻にちり紙詰めてるのがおかしい?
殺すわよ!

835 ◆BVjx9JFTno :2009/09/02(水) 21:03:14 ID:IPul7lOg
以上短いですがおわり。

勢いで書いた。
少し反省している。
836名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 21:59:50 ID:XZwRGz26
>>835
GJ!美希タン最高!
ネガティブな話が続いてたので投下感謝です。
837名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 22:31:20 ID:QsHpX549
>>835
相変わらず素晴らしい推し事っぷり。その勢い見習います。
クローバーのツッコミ役は美希たんでけってーいw
ラブの無鉄砲、それに毒されたせつな。マイペースなブッキー。
そして美希たんのオチがもうGJすぎ!!!
保管するので良かったら題名を。複数扱いにしますよー
838名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 22:53:46 ID:n7kg77ru
>>835
いちいちラブのマネしてるせつながかわいすぎる。
絵が浮かぶわー。
839名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 22:56:52 ID:fm3J0F7g
やっぱ投下あると雰囲気変わるなw

質問答えてくれた人ありがとう。フレッシュがそんなに前シリーズからチェンジしたとは知らなかったよ。
840名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 23:14:25 ID:QsHpX549
いずれにせよ日曜で今後が分かれるのかな。大した事ないって私、
信じてる!

あ、設定資料集の発送通知きました。SS作る材料になるとイイなぁ。
841 ◆BVjx9JFTno :2009/09/02(水) 23:42:49 ID:IPul7lOg
勢いで書いたにもかかわらず、
感想有難うございます。

美希たんはやっぱお姉さん的な
位置になりますね。

保管ありがとうございます。
題名は「自由ね、貴方たち」でお願いします。

842名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 02:53:57 ID:ffYS/7N+
こういうSS大歓迎
あいかわらず上手いですね
投下感謝
843名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 07:05:34 ID:ft5NpVee
設定資料集今日か。忘れてた。
ふたご先生みたいな扉絵ありゃ嬉しいね。
それよりもなかよしの方が重要みたいだが。
844名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 07:06:31 ID:IXC8TYH8
>>835
GJ!です。いつも思ってたけど、タイトル付けるのもウマイですよね。
845名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 11:45:00 ID:igkKNOZw
設定資料集って表紙にパッションいないんだけど
ちゃんとパッションとかの資料も入ってるのかな?
846名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 12:06:27 ID:ft5NpVee
入ってると思うが。前にムービックの通販見た時、パッションも追加とか書いてあったような希ガス。

これ限定の絵とかありゃ最高だね。百合的だったら聖書になるなw
847名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 12:07:21 ID:hMU/gsCa
すでにあちこちで指摘されてるけど、なかよしはラブせつの代償として美希祈里が空気っぽい
いくら百合でもちょっとなぁ・・・祈里好きだから残念
もっとページ数を増やしてあげられないものか
848名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 12:07:27 ID:igkKNOZw
ありがとう。まぁ吶喊する価値はありそうだね。探してみる。
849名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 15:48:27 ID:unHdZ2ZG
なかよし版フレプリで吹いたのは
2話まるまる使ってベリー誕生の話→3話の1ページ目でパイン誕生「ブッキーもプリキュアだったなんて!」
扱いがひでぇ

代わりにせつな関係の扱いは特別
イースだったことをミユキに謝罪したりとかアニメ以上にあゆみとの絡みがあったりとか
850名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 15:53:49 ID:hMU/gsCa
>>849
あざといくらいせつなの贖罪描いてるよな
先週のムチ打ちはふたご先生にしては展開が強引すぎた
アニメがその辺適当に終わらせて突っ込まれまくってるから、その尻拭いって感じだ
851名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 17:50:24 ID:/6e6vVVR
そうなのか…なかよし買ってみようなぁ。あゆみとの描写があるのは先月号?
852名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 18:58:07 ID:Pn8QuhOf
今月号だよ
ミユキに謝るのも
853名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 19:07:26 ID:/6e6vVVR
>>852d!
旅先のホテルで暇だし、コンビニになかよし探しに行ったけどなかったww発売日っていつ?
854名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 19:21:59 ID:Pn8QuhOf
今日
コンビニよりかは本屋のほうが確実

それにしてもラブせつっぷりが凄まじい
ラブがアニメよりもせつなのこと色々と構ってる
855名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 19:25:44 ID:ifWUo3o1
SSのときも百合全開だったな
逆に無印や5は男キャラ多かったけど
フレプリはせっかく4人で男キャラ薄いから、もうちょっと平等に描いて欲しい
856名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 20:16:58 ID:ft5NpVee
ふたご先生はラブせつ描きたいのかな?なかよしはガチ百合で行くかもね
857名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 20:43:50 ID:IXC8TYH8
1ページ目の軽く病んだ微笑みを浮かべたせつなに心臓を鷲掴みにされた。
俺は心底ダメ人間だ…。
858名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 20:49:08 ID:G1aBlzy+
>>845
ちゃんとせつな・パッション入ってますよ。全部白黒ですけど、
登場人物みんなの身長比べとか個人の私服・夏服・浴衣設定もあります。
扉絵みたいなのは無くて残念でしたが、絵を描きたい人には必需品かと。

自分にはSS作る資料になってます。
859名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 21:01:51 ID:BaEG/y79
メイトに行ったが、資料集もラブタオルも無かった・・・通販限定だったっけ?
860名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 21:15:49 ID:G1aBlzy+
最初見た時はアニメイト限定だったような。で、通販探したらMOVICに
辿り着きました。通販の方が確実かも?
861名無しさん@秘密の花園:2009/09/03(木) 21:20:24 ID:ft5NpVee
なかよし買って来た!って設定資料集も熱いじゃないかw
本屋にあるのかコレ…

てか容量500KBだぞ
862名無しさん@秘密の花園
                         .  -―-、
                 , -―- 、   /     /⌒\ _
             /     _/      /    丶 レイ
            /     _/   r‐/⌒\ ̄ ̄ ̄`>、 /⌒ソ⌒ヽノ}
             /  /    __ l./        ヽ  /  /    く
         __」>'´  _,>'´  , -/ V  ∧   ヽ rf7          !|
         { /    /:::レ‐_   |仏  /ー∨    l ヒ{        リ
        /   /!::::::::l/fり   人|=、V  __ ∨  |  ハ     } } ノ
        /    /l:::::|:::::::::l `, ,   `/ '   ⌒リ   / /  ハ _/レ'
    /      八::::Vヘ::::',    っl  }ーァ ∠ イ´}  /
   /       / ヽ::::::\t>‐--∧ ー'  , ー―┴く
  (___   イ l  /:::/⌒ヽ. /`!フ'´ ̄`ヽ―-、   /
     / /  / / t‐'::::/     |/ l  |ー    l   \{
     / /  / / /:::::::レ‐  ´ ̄ `¨´     |     `!
     ∨   / /  l:::/        ___ /-、    |
     /  / /  ゝ{___   イ | 人_/  \ /l
    ,   / /    / `¨ | ∧  V !         l  |
    {   .' /   /     | ∧ /{_」         l /
     \{ レ'´       /  ∧ |   |             い
                 /   人    |          ヽ\
             /  /  \__」           \ヽ
              `7゙     / |            //
             /      /  ヒー-----------‐'´/{_
            /        /   /`T 二二二二二´ イ |
            /         /    ト┘           \
フレッシュプリキュアで百合3
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1251727459/