ローゼンメイデンで百合

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1名無しさん@秘密の花園
無かったみたいなので立ててみました。
カップリングやシュチュエーション、SSなど、自由に書きこみましょう。
2名無しさん@秘密の花園:2008/08/11(月) 18:13:17 ID:n1lAJ4Ts
翠×蒼
雛×巴
めぐ×銀

基本はこの辺か?
3名無しさん@秘密の花園:2008/08/11(月) 19:57:08 ID:IJmcc81i
ここに立ったかw
いちもつ
4名無しさん@秘密の花園:2008/08/11(月) 20:15:52 ID:u1E2TMGO
こっちはVIPと違うんじゃ…
5名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 00:06:00 ID:odo49BDs
蒼翠は良いよな
6名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 00:08:36 ID:lBq5Lx4G
うむ良いな
7名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 06:18:52 ID:rhEFWEr5
双子はリバでもいけるな
しかし紅銀も好きだ
8名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 10:31:24 ID:I+vPeh8n
紅も銀もヘタレ攻めが出来るが、どっちが真に似合うだろう。
9名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 11:38:26 ID:tbc/Dx5A
むしろ銀紅で鬼畜銀ぐらいがいい
10名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 12:27:19 ID:lBq5Lx4G
ヤったりヤられたりな関係が好きかな俺は
11名無しさん@秘密の花園:2008/08/12(火) 12:44:30 ID:odo49BDs
俺は 真紅×水銀燈 蒼星石×翠星石 が好きかな

絵師かss書き早く来ないかな。
12みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:06:48 ID:M9Q7I4mj
投下します。
翠→蒼 キスもエロもなしですが………、その上文章も下手ですが……。
タイトルは「君だけ」
じゃあ行きます。



13みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:07:19 ID:M9Q7I4mj
およそ一時間ほどだろうか。
気が向いたから真紅と雛苺と一緒に今日はくんくん探偵を見ていた。
興味というものがなかったからそこまで真剣には見ていなかったけれど。

「今日の話は凄く切なかったのだわ……、好きな人と会いたい時、会えないなんて……かわいそうなくんくん!胸が締め付けられるわ!」
「うにゅ……切ないの……。」
「テレビを見終わった後でも、よく飽きないでここにいられますね……」

「びっくりですぅ」と付け加えるように言う。
まぁ真剣に見ていなかった私にはこの感動が分からないのだろう。
………とか思っていると真紅が私の顔を覗き込むようにしてこう問いかける。

「翠星石は大切な大好きな人と会えなくて悲しいとか寂しいとか思ったことないの?」
「………え?」

14みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:08:04 ID:M9Q7I4mj


聞かれた?というか言われた?とにかく予想もしていなことを言われて少しだけだがたじろいてしまう。
大切な大好きな人。
この響きから連想して、本当にすぐに思い浮かんだ人がいた。
自分の片方の存在。
二人で一つ。
すごく大切な大好きな存在。
………蒼星石だ。
……でも、…………どうしてだろう?
こうして考えてみたら私は蒼星石がいなくて寂しいと思った事はそこまでないのではないんだろうか。
そりゃジュンがマスターになってからは会えない時間が続いてた事もあったけど……。
真紅達が言う「胸が絞めつけられる程の寂しさ」ではない気がする。
…………どうしてだろう。
15みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:08:40 ID:M9Q7I4mj


「………えっと、翠星石……?」
「………さ、さっき良く見てなかったからもう一度見直すですよ!し、真紅たちも見ますか?」
「えっと、さっき見たから今はいいの!ジュンの所に行ってくるの〜!」
「………私も行ってくるわね。」

少しだけだけど困ったような顔をして二人とも部屋から出て行った。

「……えっと、予約録画はして………ありますね。あとは……再生っと。」
「翠星石?」
「あれ?でも再生ってどこのボタンでしたっけ?んーと……」
「……確かここのボタンだよ。」

良く見れば再生と二文字で書かれたボタンがあった。

「あっ、ありましたですぅ!再生再生っと♪」
「………くすっ。」

どうしてこんなに大きいボタンがあったのに気付かなかったのだろう、とか思いながらボタンを押す。
……これでよしっと。

「ふぃ〜やっと見れるですぅ。」
「楽しそうだね。何を見るの?」
「今回放送のくんくんを……って!えぇ!!!!」

後ろにずっと居た存在に今頃気づいた。
……蒼星石だ。

16みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:09:33 ID:M9Q7I4mj


「んなっ!い、いつからいたんですか!?」
「かなり前からなんだけど……翠星石ったら僕が居るのにも気づかないで熱中してるんだもの。そんなにくんくんが見たかったんだね♪」
「……うぅ……べ、別にそんなんじゃないです!………一緒に見ますか?」
「もちろん。あっ、早くしないと始まっちゃうよ?」
「わ、分かってますよ!そんなの……。」

蒼星石が言うからさっきまで真紅達が座ってたソファの上に二人で座る。
………何だかこれが当たり前みたいな感じになっちゃってる気がする。
じじぃの所から蒼星石が来てお菓子とか作ったり食べたり。
………。
……………あっ、そっか。
……やっと分かった。
………私の気持ちを一番理解してるからだからこそ、……なのかもしれないけど。


     

         私が寂しくなる前に会いに来てくれるんだ。



「蒼星石………」
「ん?」
「………大好きです。」
「……僕も。………って言えばいいのかな。」
「もちろんです。」


離れる事。

消える事。

絶対にしないから。

だから君も、




ずっと私のそばにいて。



17みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 13:12:37 ID:M9Q7I4mj
……このスレ初がこんな下手なのでごめんなさい::
シリアスが書きたかったんですが……。
……本当にそれだけだったんですが………。
お目汚しすみませんでした!!!
18みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 19:41:04 ID:M9Q7I4mj
書き途中のSSです。。




昔からそうだった。
思ってもないような事を言って人を傷つけたり。
素直になりたいのに素直になれなかったり。
………何て言うか、言い訳になっちゃうと思うんだけど……。
……運が悪い。



「あれ?……真紅も蒼星石も何食べてるんですか?」

気分が良かったので廊下を雑巾がけしている時にふと気になったので私は二人に問いかける。
蒼星石の方が若干早く私の方を振り返る。

(……そういう所も大好きです)

「ん?これはアイスだよ?」
「そっ、のりが暑いだろうからって買ってきてくれたのだわ。」

19みりん@蒼×翠が好きです。:2008/08/13(水) 19:41:25 ID:M9Q7I4mj

(……アイス?)

「……アイスってなんですか?」
「……んーと、冷たいお菓子みたいなものかな。一口いる?」

……冷たいお菓子、食べてみたい気がするけれど……。

(蒼星石と間接キスですぅ!///)

………でも、蒼星石が嫌がったら………。

『……え?翠星石と間接……?うわっ!もう僕このアイス食べれないよ!……あーあ。最悪だ……。』

……妄想(?)というか空想(?)が最悪なのしか思い浮かばない……。

「……?どうしたの?すいせ……」
「あ、アイスなんかいらないですぅ!」
20みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:22:19 ID:pfIwfMYx
「……結構、降ってるわね。」
「……ですぅ。」
「……雷でも鳴りそうだね」

いつものように僕はジュン君の家に遊びに来ている。
今日は天気が悪いなぁとか思ってたら、ついさっきぐらいから本降りになってきて……今はこの状況。
……空も何だか暗いし。
雷が鳴りそうとか、さっきも思ったけど本当に鳴りそう。
………まぁ、この状況で雷でも鳴ったら絶対に落雷とかありうるよなぁ。
……………あれ?そういえば……。
21みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:22:38 ID:pfIwfMYx
「ねぇ翠星石、雛苺は?」
「チビ苺なら、また落書きでもして遊んでるんじゃないんですかぁ?呼んでも来ないからもう知らないですぅ。」

落書き……?って事はまだ下じゃないか!
……雛苺は雷でも鳴ったら絶対恐がるに決まってる。
幼いからとか言うよりも、こんな天気の時に雷でも鳴ったら誰でも恐いに決まってる。
………そんな時に一人。
…………。
僕は雛苺の所に向かおうとドアノブに手をかけた、……その時だった。
………ゴロゴロと鈍い音が聞こえた。
雷だ。
22みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:23:03 ID:pfIwfMYx
「……本当に鳴りだして来てしまったわね。」
「きゃー!恐いですぅ!」

僕は一心不乱に飛び出した。
……大切な物を守りたいと思ったから。
………よしっ、……もう少しで……!

バタンッ!!

「雛苺………わっ!」
「そ、蒼星石ぃ………!こ、怖かったのぉ……!」
「……早く来てあげられなくて……、ごめん。」
23みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:23:24 ID:pfIwfMYx
僕が勢いよく扉を開けた瞬間に雛苺は抱きついてきた。
一瞬どうすれば良いか分からなくなって………取りあえず抱きしめ返す。
………雛苺は震えていた。
それだけで分かった、……よほど恐かったのだろう。

「………えっと、少しは落ち着いた?」
「……まだ、ちょっと恐いけど少し落ち着いたの……。」

そう言って少しばかり離れる雛苺。
……何だか翠星石に殺意を覚えそうだよ……。
あんな小さい子を一人にするなんて……。
いくら姉でも手加減はしないよ………。
24みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:23:42 ID:pfIwfMYx
「……蒼星石、どうしてヒナがここにいるって分かったの?」
「…………えっと、何となくかな」
「………あ、ありがとうなの!……大好きなの!」

……大好き、かぁ……。
そういう意味じゃないと分かっていても……何だか照れちゃうな。

「あっ!晴れてきたのー!」
「えっ?……本当だ。通り雨だったんだね。」

……通り雨で安心したかも。

「……えいっ。」

ちゅっ
25みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:23:57 ID:pfIwfMYx
ほっぺに当たる柔らかい物。
……これって……?

「えっ?……えっと……。ひ、雛苺?これは……?」
「………こ、今度は蒼星石からして欲しいの……。」

それだけ言って雛苺は、翠星石達がいるジュン君の部屋に行ってしまった。
………い、今のって……。
キス……だったんだよね……?

「…………顔が真っ赤になりそうだ。」

雛苺にキスされた頬を触って僕は一言呟いた。
26みりん@蒼×雛:2008/08/15(金) 19:24:44 ID:pfIwfMYx
あっちの方で書きこめなかったので、こっちに書きこみました。
あっちの方で見てくれている人すみません。
27名無しさん@秘密の花園:2008/08/15(金) 23:49:57 ID:SoboaaT8
>>26
気にしない気にしない

次こそは翠蒼を希望
28みりん@蒼×翠:2008/08/18(月) 22:57:03 ID:jOGIyllV
並んで座ったソファの上、隣で翠星石が震えてる。
『いやああぁぁ!!』
液晶画面の中の女性が叫ぶ。
少し遅れて、
「……ひっ………。」
という声を翠星石は呟く。
あー、……だからやめとけって言ったのに。
心の中で呟いても聞こえるわけは無いんだけどね。

29名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 13:36:43 ID:qK6C2Gx7
>>28
お前の文下手だから嫌い
コテ付けてアピールもうざいよ^^
下手なんだから身の程をわきまえようね^^
30名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 14:25:45 ID:S8Tv0yQT
>>28
俺は投下してもらって嬉しいけど
全部書き終わってから投下or切れの良いところまで投下のがいいんじゃないかな?
31みりん:2008/08/19(火) 14:58:43 ID:imlBd1gg
vip板の方に普段は投下してるので……、完成をのせる事はあまりないと思います。
えっと……下手なのに投下してすみません。
もうここにSSを投下するのはやめます。
不快な思いをさせていたのなら、本当に申し訳ございませんでした。
……では………。
32名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 15:51:59 ID:P1WgoBdv
ばーか
33名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 18:06:34 ID:fqE7aLn8
最初から上手い人なんて稀だけどな。
それに下手って言われる=見てくれてるって考えて前向きに行こうぜ。

ただ書きかけを投下するのは…途中のを見てもらってレス(感想)が欲しいのか、このスレ自体があなた専用の練習場なのかよくわからない。
前者ならとりあえず完成させてくれ。
後者なら自サイトを作る事を勧める。
まぁもうここには投下しないみたいだからどうでもいい事なのかも知れないけどさ…

長文失礼した。
34名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 22:47:48 ID:63JxMIsb
>>31
せめて名前欄でいちいち自己主張するのを止めたらいい。VIPのスレだって誰も言わないだけでそう思ってるんじゃないか?

ってもう見てないか
35名無しさん@秘密の花園:2008/08/20(水) 07:16:51 ID:FHRYPZ2K
これぐらいで投下やめるって……脆弱にもほどがある;
36名無しさん@秘密の花園:2008/08/20(水) 10:11:15 ID:9rA1B+PP
・・・まぁ、とりあえず名前での自己主張を止めれば大抵は収まるだろ。
ってもう見てないか。
37名無しさん@秘密の花園:2008/08/20(水) 10:52:50 ID:X/v6uHnI
VIPは書き手も読み手も素人だらけだからな…
普通のSSスレでは嫌われる事を平気でする書き手もいるけど、それを受け入れる読み手ばっかだからチヤホヤされてると思うんだろ

だから外に出た時に叩かれて心折れるんだ
38名無しさん@秘密の花園:2008/08/20(水) 21:45:18 ID:Cxm3lCPn
プロ読み手乙
39名無しさん@秘密の花園:2008/08/20(水) 23:40:10 ID:X/v6uHnI
読み手じゃねぇよww
40名無しさん@秘密の花園:2008/08/21(木) 17:58:55 ID:Bp+Iknqz
>>39
なんだ、同士か
41名無しさん@秘密の花園:2008/08/28(木) 19:39:57 ID:F1AHUiSQ
めぐ銀が良いね
42名無しさん@秘密の花園:2008/08/28(木) 19:48:47 ID:Gn8Rb13Q
めぐぎん
蒼翠
真紅銀
ヒナカナ
みつのり
トゥモエヒナ

うーんやはりローゼンは百合の宝庫だな
43名無しさん@秘密の花園:2008/08/29(金) 00:48:55 ID:oXffZU/O
>>42
糞キムみたいな何の存在価値もないゴミの名前出すのやめてもらえませんか?
44名無しさん@秘密の花園:2008/08/29(金) 02:51:58 ID:Aq57dUlI
蒼雛萌えるんだよな…
みりんさんと個人的に友達になりたいwww
45名無しさん@秘密の花園:2008/08/29(金) 03:25:36 ID:bXSJXkBe
みりんだと思う奴、pixvにいたぞ?
46名無しさん@秘密の花園:2008/08/29(金) 11:12:40 ID:R79yzXYh
ってか雛受け自体が萌える
みりんはどちらかと言うと蒼翠派だろ
47名無しさん@秘密の花園:2008/08/29(金) 18:47:07 ID:ehq8mIRv
・・・、まぁそうだよなぁ。
48名無しさん@秘密の花園:2008/09/02(火) 21:50:04 ID:a5iuLtG4
このスレの存在理由って何だろ…皆VIPの百合スレとか行ってんだろ?
49名無しさん@秘密の花園:2008/09/03(水) 19:15:50 ID:pPpltDZm
VIPのスレだって本来はこっちでやるべきだと思うんだけどな
50名無しさん@秘密の花園:2008/09/04(木) 17:12:21 ID:XdxuyXss
前スレの住人とかどこ行ったんだろ…
51名無しさん@秘密の花園:2008/09/06(土) 12:15:36 ID:XqoFkBXP
こっちにもスレが立っていた

ローゼンメイデン百合スレ
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220613849/1-100
52保守 蒼翠:2008/09/15(月) 18:05:37 ID:Z/MLckr6
蒼「ねぇ、翠星石」
翠「なんですぅ?蒼星石」
蒼「翠星石はどんな洋服でも似合うよね」
翠(な、何でしょう、いきなり…)
翠「あ、当たり前ですぅ!翠星石は何を着ても可愛さ1000%ですぅ!」

蒼「てことで僕が用意したこれを着てくれないかい?」
翠「お安い御用ですぅ!」
着替えが済んだようです

蒼「どうだい?翠星石、早く君の姿がみたいよ」
翠「…………あの、蒼星石ぃ…」

翠星石が姿を見せました
蒼「やっぱり似合ってるよ!!」
翠「あのぅ、これは…って蒼星石!?」

翠星石の目に入ったのは学ラン姿の蒼星石

蒼「スーツとメガネ…完璧な女教師…!
僕が思った通りだ、翠星石!いや、先生!!」
翠「え、ええ?」
蒼「先生、僕、体調が悪いんです!さぁ、保健室に…!」
翠「あっ、ちょっ、引っ張るなですぅ!
いやぁぁぁぁぁぁぁ……………!!」
53名無しさん@秘密の花園:2008/09/15(月) 21:41:25 ID:Th0IWYAZ
ワロタwバカップルいいぜw
54名無しさん@秘密の花園:2008/10/13(月) 17:27:39 ID:Bvo+KmVg
ほす
55名無しさん@秘密の花園:2008/11/16(日) 01:25:17 ID:02xARM/v
56名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/09(金) 22:18:05 ID:OXxgYhNO
ここはローゼンメイデンの百合妄想スレです。

絵師、文士求む。流れは気にせず、ガンガン投下してください。
  ただし、コテは荒れる原因にも成り易いので、投下時のみに限定してください。

エロ、グロ、鬼畜などは事前に注意書きをお願いします。

イラストのみの投下も大歓迎。ただし他からの転載画像については、注意書きをお願いします。

気に入らない作品や書き込み、荒らし、煽りはスルーが基本です。

ローゼンメイデン百合アーノ パー速詰所 第2世界
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1222526125/

ローゼンメイデン百合スレまとめ@wiki
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/1.html

VIP過去スレ一覧
http://rozen-thread.org/series/yuri/
57名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/09(金) 22:19:40 ID:OXxgYhNO
一応移住ということで…

過去スレはVIPになってるけど
58名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 12:33:23 ID:k6btBn4A
「……ふぅ、大分…片付いた、かな?」
「こんにちは、薔薇水晶。お邪魔します」
「蒼星石…いらっしゃい」
「…すごい荷物だね。大掃除でもしてるの?」
「…お引っ越し、するので…荷物を…まとめてるんです」
「……え?引っ越し…?」
「はい。色々あって………蒼星石?」
「な、なんでそんな大切な事言わなかったの!?……離れるなんて…嫌だよ…!」ギュッ
「………蒼星石、お引っ越し先は…遠くないです」
「…へ?」
「家の外壁に、ちょっと問題が…あって……少しの間、違う家に住むだけです。…ちなみに、蒼星石の家に近く、なります」
「…そ、そうだったんだ……。ごめん、はやとちりだったね…」
「…ううん。むしろ、すごく嬉しいです…」ギュッ
「…これからも、よろしくね?」チュ
「…はい!」


人いないなぁ…
59名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 15:04:17 ID:OpwjFcqP
VIPでやれとしか
60名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 17:37:20 ID:bQSIwLmz
銀紅
エロにつき小さな画像でお楽しみください
http://rozeen.rdy.jp/cgi/sym/1231662949.jpeg
61名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 20:47:01 ID:aUqXSW2T
>>58
焦る気持ちはわかるぜ…
ってかラブラブ過ぎだろw

>>60
これはヤバい…ぜひ横からを(ry
62名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 21:37:21 ID:l8Q+//fF
a
63名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 21:37:46 ID:pshtCcBL
b
64名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 21:39:37 ID:bQSIwLmz
sage進行の方がいいのかな?

>>63
IDがBL…不吉
65名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 23:00:52 ID:nrERguF8
ではGLを出すまで頑張らなくては。
66名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 00:19:07 ID:RYS2nCHW
>>58
甘い、甘いなあこの二人w
早とちり蒼星石可愛い

>>60
こ、これはもっと大きい画像で…ハァハァ


おれも書きかけの長編書かないとな
67名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 00:20:02 ID:RYS2nCHW
sage忘れスマソ


あんまり下の方に行ったらageるのがいいだろうか。
68名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 01:07:28 ID:uvYVmycI
気にする事もないと思うけど、上がってたら荒らされ易いとか何とかでPINK全般にsageる傾向があるようだね
69名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 02:10:55 ID:ENoISMD2
age進行なのはVIP入れても少数じゃね?
多くの板ではsageなのでは
70名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 03:11:33 ID:G4CZrNZq
板ごとにルールなんかないよ
スレのルールで決めればいい話
71名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 14:17:13 ID:ENoISMD2
>>70
そうなのか
板ごとかと思っていた
72名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 23:23:00 ID:RYS2nCHW
トモオデ小ネタ

巴「…準備は出来た?」
オデ「ええ、大丈夫よ」
巴「そう…じゃあ、行くわよ」

 グィッ

巴「良いではないか良いではないか」
オデ「お代官様、およしになって〜(グルグル)」

オデ「ハアハア…」
巴「どう? 興奮した?」
オデ「ええ、凄くドキドキするわ…何だかエロチックね…」
巴「これが日本の新年伝統行事、帯び回しよ。そしてこの後は当然姫初めに…(ワキワキ)」

雛「そんな伝統行事あってたまるかなの」


遅くなったけど明けましておめでとう。
73名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 23:54:11 ID:uvYVmycI
>>72
伝統というかベタというかオデワロスw
そしてオデ攻めも見てみたい…

あけおめっす!
74名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:28:03 ID:aSERdknL
移転最初のSS投下します。
めぐのりめぐ初詣ネタです。

人いるかな…。
75名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:28:23 ID:aSERdknL
 のりはもうすっかり通い慣れためぐの家へ向かっていた。時刻は午後十一時前過ぎ。
 普段ならこんな時間に外を女の子が出歩くのは危ない事だが、今日は人通りも多めだ。
 今日は十二月三十一日、大晦日。
 そしてこれからはめぐと初詣で、家に迎えに行く所だった。

 程無くしてめぐの家に着き玄関のチャイムを鳴らすと、足音が聞こえて来て扉が開いた。
 中から現れたのはめぐの父親で、のりの顔を見ると微笑んだ。
「こんばんは、おじさん」
「こんばんは。めぐならもうすぐ来ると思うから、ちょっと待っててください」
 父親はそう言い切ると、家の中へと振り返った。
「めぐ、のりさんがみえたぞ」
「はーい」
 めぐが返事をしながら廊下へ姿を出し、のりの姿を確認すると笑顔を浮かべて玄関へと駆け寄ってきた。
 その首にはクリスマスにプレゼントしたのり手編みのマフラーが首に巻かれている。
「ありがと、迎えに来てくれて」
 そう言いながら靴を履き終えてのりの下へとやってきた。
 そのまま自然に手を繋いで、二人はめぐの父親へと軽く体を向ける。
「それじゃパパ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい、気をつけて行けよ」
「分かってるわよ。のりがいるから大丈夫よ」
「そうか。のりさん、お願いします」
「ええ、分かりました」
 玄関の戸が閉められ、いざ出発しようとしたら上空から音が聞こえた。
 その方を見ると、水銀燈がめぐの部屋の窓の縁に座って見下ろしている。
76名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:31:28 ID:aSERdknL
>>75一行目 ×午後十一時前過ぎ ○午後十一時過ぎ

ーーーー
「こんな寒い中、よくもまあ行く気になるわねえ。年が変わるだけなのに…」
「あなたはなんとも感じないの?」
 めぐからの質問に、水銀燈は若干呆れ気味にフッと笑った。
「私はあなた達よりもずーっと長く存在してるのよぉ? 今更年が変わろうが何だろうか、どうでもいいわぁ」
「そうか、すっかり忘れてたけどそうだったわね…。人間にとっては大きな事よ」
「私は人形だから関係ないわぁ。ま、気を付けて行ってらっしゃぁい。のり、私のミーディアムをお願いねぇ」
「分かってるわ。ちゃんとエスコートしていくから」
「それじゃ、留守番頼んだわよ」
 水銀燈に手を振り、そう挨拶を交わすと二人はめぐの家を後にした。

 道を歩いていると除夜の鐘が聞こえて来て、改めて今日が大晦日なんだという事を実感する。
 その音の発信源である神社に近付くにつれて、人通りが多くなって来た。
 その中には和服を着ている人もちらほら見て取れた。
「のりは和服着ないの?」
 和服を着ている女性を目で追いながら、めぐがそう言った。
「和服ねぇ…私持ってないのよ。持ってても、着付けとか出来ないしね」
「そう…和服姿ののり、見てみたかったかな」
 ちょっぴり残念そうな顔で、もう一度和服の女性へと視線を向ける。
 のりの格好はロングスカートにコートと、和とは無関係な服だ。
 そう言うめぐだって、ダウンジャケットにジーンズと、同じく和とは無関係な服なのだけど。
「いつか着る機会があったら、見せてあげるわよ」
 クスッと笑ってそう言うと、めぐの表情が少し輝いたように見えた。
 期待の篭った目で、のりの顔を見返してくる。
77名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:32:19 ID:aSERdknL
「約束、よ」
「もちろん。代わりに、めぐちゃんも和服着る時は私にも見せてね」
「分かった、約束するわ」
 二人とも笑顔で頷き、それからも談笑しながら先へと歩いていった。

―※―※―※―※―

 神社に近付くにつれて人の往来も増えて行き、目的地に着くと真夜中だというのにそこは人で溢れかえっていた。
 予想以上の人の数に若干驚いたのか、めぐの表情が少し強張ったように見えた。
「凄い人ね…」
「毎年こんな感じよ。地元で一番大きな神社だからね」
 圧倒され気味のめぐに気付き、のりは繋いでいた手を一旦離すと腕を腕を絡め合わせた。
 突然密着度が高まった事に、めぐは少し驚きながらのりの顔を見上げる。
「これならちょっとやそっとじゃ離れないわよ」
「…うん」
 のりからのアクションに、めぐは少し照れて微笑んだ。
 その様子が可愛く、ポンポンと頭に手を添えると甘えるようにのりにもたれてくる。
 本当に可愛いなあもう、そんな事を思った。
「しかし、本当に凄い人ね。日本人は信仰心が無いって言うけど、これだけ来るなんてね」
「まあ半分お祭りみたいなものだからね。それで騒いでる人もいるかもしれないけど」
 携帯の時計を見るともう年が変わるまで十分を切っている。
 もう既に人が大勢並んでいる参拝の列へ同じように並び、年が明けるのを待つ。
78名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:32:50 ID:aSERdknL
「もうすぐ今年も終わりね…。今年は激しかったなぁ…」
 思い返すと、今年一年は濃い年だったと思う。
 真紅や雛苺達が来て様々な騒動が起き、ジュンも何とか引き篭もりを脱し、何より、めぐという恋人が出来た。
「ね、めぐちゃんは今年一年どうだった?」
 思い返すのを止め、めぐに聞いてみる。
「私? …そうね…私もやっぱり、今年は激動の年だったわね…」
 宙に目をやり、懐かしむような表情で口を開く。
「水銀燈が来たのが最初で…。それからのりと出合って恋人になって、手術して退院して、学校にも行き始めて…」
 そこで区切ると、頬を少し赤らめてのりの方へと顔を向けてきた。
「初めて、エッチな事して」
「…、もう、めぐちゃんたら…」
 恥ずかしい事を言われ、のりも頬を赤らめる。
「…でも、水銀燈もだけど、のりと出会えて本当に良かった。それが今年一年で最高の出来事よ」
 屈託の無い純粋な笑顔をめぐは浮かべ、のりは優しく微笑み軽く肩に頭を寄せる。
「今年一年、ありがとうね」
「こちらこそ」
 携帯の時計を見ると、年が変わるまでもう後数分も無い。
 どこか緊張してきて、周りの参拝客もどこかワクワクしているように見える。
「めぐちゃんほら、もうすぐ新年よ」
「本当。カウントダウン、てとこね」
 二人して一つの携帯を覗き見て、刻一刻と時刻が過ぎるのを待つ。
79名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:33:18 ID:aSERdknL
 そして、携帯の表示が「01/01 0:00」になった瞬間、二人は少しテンション高めでハイタッチをした。
「新年おめでとう!」
「ハッピーニューイヤー!」
 周りからも歓声が湧き上がり口々に祝いの言葉を発していく。
 辺り一面お祝いモードだ。
「今年もよろしくね、めぐちゃん」
「のりも、今年一年よろしくね」

―※―※―※―※―

 年が明けて十分近く過ぎた頃、ようやく二人に参拝の番が回ってきた。
 お賽銭を投げてお祈りをし、順番を後の人に回してそこを離れていく。
「ね、めぐちゃんは何お祈りした?」
「そう言う、のりは何をお祈りしたの?」
「めぐちゃんが先に言ってよぉ」
「のりが先に言ってよ」
 イチャイチャしながら無意味な問答をし合い、少ししてのりが一つ提案を上げた。
「じゃあ、同時に言いましょう」
「それが良いわね。それじゃ、せーの…」
 めぐが合図し、二人同時に口を開く。
「今年もめぐちゃんと仲良く出来ますように!」
「のりともっと幸せになれますように!」
 二人同時にお祈りの内容を聞き取り、その意味が分かるとおかしくなってきた。
 二人ともほぼ内容的には同じ内容。考える事はやはり一緒だ。
「…っぷ。あはは、似たもの同士ね」
「本当。おかしいわね、あはは」
 最高の笑顔で迎えた新年。
 二人一緒なら今年一年も最高の年になる、そんな確信が二人の中にあった。
80名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 00:37:16 ID:aSERdknL
投下完了です。
変わらずめぐのりめぐでw

…薔薇乙女も書けたら書きますよ。
81名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 01:21:19 ID:duqEfuRf
>>80
めぐとのりの方ですねw
今回のも甘々でGJです
薔薇乙女のも読んでみたいですw
82名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 01:35:01 ID:iSdBblqU
>>80
2人の仲の良さが
自然ににじみ出ていていいなぁw

はぁ…自分も頑張って書かないと… 
83名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/19(月) 01:59:03 ID:sFyDMIJT
翠蒼小ネタ(擬人化)

蒼「ただいま〜。今日も仕事疲れたっと…」
翠「お帰りですぅ。晩ご飯に私を食べるですか? 私とお風呂に入るですか? それとも…もう一緒に寝ますか?」
蒼「…どれも結果的には同じな気がするんだけど…。てか、仕事で疲れたってさっき…」
翠「私だって家事で疲れてるから同じですぅ。それに、疲れてると性欲が増すって言いますし…」
蒼「だからってね…って、さり気無く服脱がそうとしないで!」
翠「迷ってるなら私が晩ご飯に蒼星石を頂くですぅ! 頂きまーす!」
蒼「す、翠星石…アー」


嫁が攻めだって良いじゃない。
お粗末。
84名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:23:21 ID:+lM8dwOT
蒼翠エロ投下
ピンク板だからNGワード入れません
苦手な方はヌルーで
85名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:24:09 ID:+lM8dwOT
 例えば、寝る前にお休みのキスをねだったり。
 例えば、ちょっと外出する時に用もないのに着いていったり。
 例えば、食事中の仕草をじっと見つめたり。
 例えば、離れていく貴女の服の裾を掴んだり。
 例えば、少しだけ触れた手の体温が離しがたかったり。
 そんな症状。


 ──代表的愛情欠落症候群
86名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:24:37 ID:+lM8dwOT
 ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ……となんとも古めかしい数え方と共に指を折り数える亜麻色の長い髪の少女は、その数が指の二週目を折り返そうとしたとこでため息をついた。
 覚悟していたことではあるのだが、数字という確固とした事実を目の前にするとなんともやるせない。
 数えていたのは日数。それも、恋人である妹とまともに会話していない日数。
 センター試験を終えた妹はこれから控える国公立の二次試験の為にもう勉強中である。
 内部推薦で上の大学に進学できる翠星石には外部受験の辛さが分からないが、妹見ているとそれがどれだけ辛いのか分かる。
 だから、今の自分にできることと言えば、何もせず彼女の支えになることぐらい。
「とは思うんですがね、」
 と、誰もいない空間に翠星石の声が響いた。独り言が多くなっている気がする。
「辛いですねぇ」
 寮の部屋に虚しく響く呟き。妹であり恋人である蒼星石との相部屋だが、蒼星石は自習室で勉強中。
 翠星石に悪いから、と寮の部屋では勉強しない。半分本音、半分建前であろう。
 時計をチラと見ると午後七時を指そうとしている。そろそろ夕食の時間だ。
「さて、呼びに行くですかね」
 ほっておけば夕食も食べずに勉強する妹を呼びに腰を上げた。
 食事時、入浴直前直後、寝る直前、一日の中で数少ない蒼星石と話せる時間は大切にしなければ。
87名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:25:03 ID:+lM8dwOT
 自習室の扉をそっと開けると一番奥の席で珍しく突っ伏している妹の姿。
 余程、疲れているのだろう。同じく自習中の水銀燈に軽く手を上げて、蒼星石の体を揺する。
「こんなところで寝たら風邪引きますよ。ご飯食べに行くですよ」
 できるだけ声を低くして耳元で呟くと、ゆっくりと蒼星石は体を起こした。
 ん、とまだ眠そうながらに短く返事をして蒼星石はノート類を片付け始めた。
「体調悪いですか?」
「大丈夫だよ」
 額に手を当て熱を計るが、特に熱くもなく、寝起きゆえの暖かさのみだった。
「ご飯食べに行くですよ」
「うん、ありがとう」
 起こしてくれて、と蒼星石は付け加えた。その声はまだ眠そうだったが、はっきりしている。

「今日はもう早く寝た方がいいですよ」
 本日の夕食、ホワイトシチューを掬いながら翠星石は蒼星石に言う。
「ん、そうするよ」
 いつもこう言うと、大丈夫、と言っていた蒼星石が素直にこう言ったので、やはり疲れているらしい。
 頑張ることも大事だが、それで体が壊れてしまっては元も子もない。
 食器を指定の返却口に返し、久しぶりに二人で自室に帰った。
88名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:25:42 ID:+lM8dwOT
>>87

 いつもなら蒼星石はこのまま自習室にまた戻るからだ。
「お風呂どうしますか?」
 帰ってくるなり自分のベッドに倒れ込んだ蒼星石に問いかけるとだるそうに、後でいい、と呟いた。
「本当に大丈夫ですか?」
「んー……」
 再度、額に手を当てるが、やはり熱はない。ただの睡眠不足なら良いが。
「翠星石の手、気持ちいい」
 額に置いた翠星石の手に蒼星石は自分の手を重ね、譫言のように呟いた。
「ふふ、そうですか?」
「うん、暖かくて安心するよ」
「それは良かったです」
 眠いからなのか、いつもなら考えにくいほど蒼星石が甘えてくれている。
 彼女も寂しかったのだろうか、そうだったならいいのに。
「今日はこのまま寝たらどうですか?」
 冬なので汗も全然かかないでしょうから、と蒼星石の前髪をすきながら翠星石が訊ねる。
 うーん、としばしごねっていた蒼星石だが翠星石の手首を掴んだ。
「君は?」
「はい?」
「翠星石は?寝ないの?」
 枕に半分顔を埋めた状態の蒼星石の表情は読み取れなかったが、翠星石は一つ笑みを溢すと、いいですよ、と言った。
89名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:26:31 ID:+lM8dwOT
>>88

 二人で寝るには少し狭いベッドが今だけは嬉しい。お互いの身を寄せ合って、くっついて寝転ぶ。
「少し狭いですかね?」
「いや、ちょうどいいよ」
 そう言いながら蒼星石は翠星石をきつく抱き締めた。すぐ近くで相手の声を聞けるのが何だかくすぐったい。
 翠星石は少しだけ身動ぎ、いつもの定位置の蒼星石の腕に収まった。
「あまり、無理しないでくださいね」
「うん、ありがとう」
 そう言ったって何事にも生真面目で全力投球な妹はまた頑張ってしまうのだろう。
 本当ならば、一緒の大学に入って楽しみたいのだが、彼女の夢にケチをつける気はない。
 ただ、傍らで彼女を支えることしかできない自分が不甲斐ない。
 そう思うと、あまりにも情けない自分にじわりと涙が浮かんできた。
 悟られないように下を向き、ぎゅっと蒼星石のパジャマを掴んだ。
「いざ寝ようとするとなかなか寝れないもんだね」
 そんな翠星石を悟ったのか、背中に手を回し、更にきつく抱き寄せる。
 翠星石の旋毛にキスを落とし、赤子をあやすように背中をポンポンと軽くたたく。
「ごめん、……なさ、いっ」
90名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:27:17 ID:+lM8dwOT
>>89

 蒼星石に迷惑かけまいようにしていたのに、心配をさせてしまって思わず謝罪の言葉が漏れた。
「謝らなくていいよ、僕は君のおかげで頑張れてるんだから」
 触り心地の良い長い髪に指を通しながら蒼星石はくすりと笑った。
「ありがとう。僕の為に邪魔しないようにしてくれてたんでしょ?」
 感謝しなきゃね、と蒼星石未だに俯いたままの翠星石の顔を上げさせた。
「寂しい思いさせちゃったね、ごめんね?」
 違う。そんなことを言わせたいんじゃなくて、謝らせたいわけじゃなくて。
 伝えたい思いはたくさんあるのに、うまく言葉にできなくて口だけがガタガタと震える。
 心配しなくていい、私なんか気にしないで、勉強頑張って。
 そう言いたいのに喉がひりひり焼けついて、気持ちだけが焦ってしまい、更に涙が溢れた。
「ありがとう」
 そう言われてきつく抱き締められてしまってはそれ以上何もできず、ただ蒼星石の背中に手を回す。
 ちゅ、と額にキスを落とされて、思わず体が強張った。
 やがて蒼星石は翠星石に乗り掛かり、顔中にキスの雨を降らせた。
「こんな雰囲気でごめんなんだけど、……いい?」
 艶っぽい声でそう問いかけられては否定もできず、またする気もなかったので、コクりと小さく頷いた。
91名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:27:58 ID:+lM8dwOT
>>90

「っあ、ん……」
 久しぶりに重ねる体はいつもより敏感になっているのだろうか、とっても熱くて。
 何週間振りかも分からないのに、相手の体温を覚えている自分が恥ずかしい。
「や、っだめ……そこは、ひぁぁっ」
 唇を下半身に滑らせていく蒼星石に制止の声をかける。すると、蒼星石は熱っぽい目でこちらを見てくる。
「何でダメ?気持ちよくなりたくない?」
 そんな目で見られては逆らうこともできないのを知っているくせに。体の芯が更にじんと熱くなる。
「だ、て……お風呂」
 入っていないから、と言うことを聞かない体でやっと伝えるとくすりと貴女は笑った。
「きれいだよ、全部」
 ビクンと体がその言葉に反応してしまう。褒められると、どうしても熱くなってしまうのだ。
「美味しいし、きれいだよ……全部見せて?」
「ひぁ、……やぁぁっ」
 暖かく湿った蒼星石の舌が翠星石の一番敏感な場所に滑り込む。
 蒼星石の頭を押さえて首をイヤイヤと振るが、蒼星石はやめようとしない。
 それどころか太ももを押さえられ蒼星石のさらさらの髪が太ももをくすぐる。
「や、だめ……も、やぁぁっ」
 中に指を入れられもう知られている一番敏感なところをぐりぐりと指で擦られる。
 突起は舌でつつかれ、時折音を立てながら吸われてしまえば、体はひくひくと反応してしまって。
 びくびくと体が痙攣し始めたのが分かる。上り詰める直前なのだ。
「や、も……イ、くっ……あああっ」
 その言葉に蒼星石は更に中の質量を増やし、擦るスピードを速める。
「あぁっ、も……い、ああ、……アアア──っ」
 びくびくと体がこれまでになく跳ね、頭の中が真っ白になった。
92名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:28:39 ID:+lM8dwOT
>>91

「結局いつもくらいですね」
 時計を見つめて、翠星石は少し枯れた声で蒼星石に言った。
 結局あの後、立て続けに何度も挑まれ、啼かされ続けて、喉が少し痛むほどだった。
「まぁ、いいじゃない。たまには」
 そう言って満足気に微笑まれては反論もできず、受験で頑張っているご褒美だと翠星石は自分を納得させた。
 蒼星石は翠星石を引き寄せ、ぎゅと強く抱き締めた。
「寂しい思いさせてごめんね。でも後少しだから」
 そう、受験が終わってお互い大学生になれば行動範囲も広がるし、もっと楽しみが増える。
 二人でやりたいこと、行きたいとこは言い切れないほどあるのだ。
「頑張って、でも無理だけはしないでくださいね」
 蒼星石の背中に手を回し柔らかく抱き返す。
「合格したら、ご褒美頂戴ね」
 聞き流してしまいそうなほど自然に呟かれた言葉に、ワンテンポ遅れて言い返そうと顔を上げたが、時すでに遅し。
 すでに心地よさげに寝ている表情に反論する気も失せた。
 諦めて自分も蒼星石の胸に顔を埋めて目を閉じた。
 三ヶ月後、見事有名国公立大学に合格した蒼星石にご褒美をたっぷりあげる羽目になったのはまた別のお話。


終わり
93名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 16:29:04 ID:+lM8dwOT
終わり

久しぶりにエロ書いた
頑張れ受験生
94名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 21:26:14 ID:9l5wDFUr
>>93
乙!
しおらしい翠星石も可愛いなぁ。
3ヵ月後の話もkwsk
95名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/21(水) 22:04:53 ID:WEoDFv/C
エロくていいな…
しかも蒼と翠か
96名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/22(木) 00:51:19 ID:ec7PNtaS
やっぱり蒼翠はいい…!乙です!
97名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 00:46:57 ID:gYJE3QfI
単行本派だから斉藤さんと瞳さんのキャラがまだ掴みきれない…。
この絡みも書きたいけど情報が少なすぎるorz
2巻でキャラが固まるかなー。
98名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:49:43 ID:nMnJHPMs
巴×めぐ投下するよ
前提として、ドールはいない世界。
かなりの電波注意。苦手な人はNGワードdenpa
99名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:50:20 ID:nMnJHPMs
 あら、


 私は好きよ、


 美しいときに、


 呆気なく散る、


 素敵なことじゃない、


 私もいつか、


 ──寒椿
100名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:51:28 ID:nMnJHPMs
 真っ暗な夜。
 月さえ飲み込んでしまいそうな夜。

 しかし、それにさえ負けない"それ"は一際明るく見える。

 柔らかな月明かりの中に血を連想させる紅を放つ"それ"の花弁に触れる。


「めぐ」


 姿に振り返らずその名だけを紡ぐ。
 しかし、反応が返されることもなく紡いだ言葉は闇に消えた。


「……綺麗に咲いてるわよ、出てこないの?」


 ようやく振り返り、縁側に足をかける。
 四角く切り取られた唯一の外界との境界から彼女を覗くと白く病的な足首だけが見えた。

 その他の部分は漆黒の暗闇に喰われている。


「めぐ、出てこないの?」


 もう一度名を紡ぐが、衣擦れの音とともに足首も闇に喰われた。
101名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:52:05 ID:nMnJHPMs
>>100

 やれやれ。
 消えてしまったその姿を慌てて追うわけでもなく、ゆるりと息を吐いた。


「怖いの?」


 外界が。

 やはり反応は返ってこない。
 しかし、悲しくはない。彼女は"返さない"のではなく"返せない"のだ。
 それを己は知り得ている。だから、悲しくはない。

 簡単に襖で区切られた外と内の境界を軽く越えると彼女のもとへ歩む。


「……そう"こんなもの"が恐いのね」


 闇に飲まれた彼女の表情は未だ解せない。
 しかし、予測はできる。

 彼女の感情は何もない。
 喜怒哀楽の一切を捨てた彼女の感情は。

 白い彼女の足首が照らされていた場所、今は己の手。


「以前はあんなに好きだと言ってたのに」


 するり、と。
 きめ細かい彼女の頬を包む掌。
 闇にようやく慣れた瞳に写る彼女の姿。
 彼女は私の"恋人"。
102名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:52:49 ID:nMnJHPMs
>>101

 あれはチラチラと春らしい小さな花弁が舞っていた時。
 それを見つめて病的な彼女が呟いた。


「私、嫌いよ。桜って」


 何故?
 と問えば少し意外そうに黒曜石の瞳を見開いた。


「散り際まで美しいなんて、美しくないわ」


 頓知のような難しい言葉を私は解せなかった。


「あぁ、巴は剣道を学んでいたわね」


 なら、武士の気持ちが分かるのかしら。
 コロコロと彼女が微笑んだ。


「武士は桜を好んで、椿を嫌うの。何故か知ってる?」


「桜は美しく散るけれど、椿はポトリとその花を落とすから?」


「そうよ。でも、私は椿が好きよ。……──美しいじゃない、」


 空虚な彼女の黒曜石はふわふわと宙をさ迷っている。
 "死は何よりも甘美な誘惑"と唄う彼女は何を見ているのか。


「大輪の花を咲かせ、散るときはそのままあっさり、──まさに"断首"」


 美しいじゃない。

 "断首"。
 思わず目線が彼女の細い首に辿り着いた。
 首を斬られたいとでも言うのだろうか。その花のように。


「真っ白な雪に映える紅の寒椿が好きよ。凛と冷たくて……──まるで、」


 "巴"みたいで。
 蒼白い頬にその時、仄かに椿色が灯った。
103名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:53:50 ID:nMnJHPMs
>>102

 凡そ"この時"彼女の心を捕らえていたのは"死"であろう。
 でなければ、そんな愛しい表情はしないはず。


 かさり、と風に揺られた寒椿の首が真っ白な雪の地面に落ちた。

 その音につられてフラリと外界に足を出す。
 蒼白い月に照らされた雪に、紅の寒椿。

 綺麗だ。
 と思った。
 "あの時"の彼女みたいで。
 雪の中に映える椿が"己"に似ていると語った時。

 この"椿"は"己"か、それでなければ"彼女"の。
 その"首"を拾い上げる。

 まだ瑞々しささえ残すその首は、生きながら死に絶えている様。
 やはりこれは"彼女"に見える。

 今、私がこの"椿"を手にしていても、最早これは"死"に魅了された後のもの──。
 "あの時"の"彼女"そのもの。


「私は美しいこの時に、未練残さずに死にたいの」


 そう笑顔で語る"彼女"。
 彼女にとって"死"は"己"よりも魅力的なものだった。

 つまり、"死に魅了された彼女"は嫌い。
 ただ、そういうこと。

 だから、彼女を手中に入れることなど不可能だった。

 ……──否、一度だけ。
 一度だけ、それを得たときがあった。

 行為の果て。
 得も知れぬ快感に溺れ、意識を飛ばした時。
 病弱故にその命が絶たれたのかと"不安"が襲うと同時に感じた。

 満足感。

 "彼女の最期"が"自分"。
 彼女が死ぬ間際に見たものが。
 彼女が死ぬ間際に感じたものが。
 全てが"己"。

 幸い、彼女は気絶しただけで"誘惑"に乗ったわけではなかった。
104名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:54:32 ID:nMnJHPMs
>>103

 知らなかった。
 知り得なかった。
 自分の中の"欲"を。

 気付かれるな。
 気付かれるな。
 彼女は"死"にとても貪欲だから。


「私、巴になら殺されてもいいかもしれない」


 それは行為後の戯言。
 でなければ、都合の良い空耳。

 そう思わなければ、私は彼女を本当に──。


「巴がいない世界なんて死んだも同然よ」


「……死にたいんじゃなかったの?」


「"以前"の私なら、ね」


 そう言ってベッドを這い出た彼女はしなやかな体を月明かりの下に照らし出された。


「そうね、……──安っぽい言葉で言うならば、」


 "貴方さえいればいい"。


「他に何もいらない」


 美しく、それでいて挑戦的な彼女の笑み。


「生きてるのか死んでるのか分かんない生活を送るくらいなら、巴だけの世界に行きたいわ」


 聞くな。
 聞くな。

 ゾクリと背筋が凍った。


「……めぐ、」


 ダメだ。
 これ以上、口を開いてしまっては、私は彼女を……──。
105名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:55:11 ID:nMnJHPMs
>>104

 掴んだ椿を内界に戻り、彼女の傍らに置いた。
 ゆるとその"首"に手を伸ばす彼女の表情は変わらない。
 いや、変える手段を"持ち得ていない"。


「めぐ」


 名を紡いでもやはり返っては来ない。

 しかし、呼ばれたことは理解できるらしく空虚な目がこちらを振り向く。


 それだけで、いい。


「私を見て、めぐ──」


 頬に手を寄せ、視線をこちらに向ける。


「私が分かる?」


 口は開かない。
 しかし、私の手を少し握り、また珍しげにその五指を絡ませる。

 先程、一緒に持ってきた椿の枝を差し出すと、それをゆると握る。

 二輪の"首"をまだつけたままの枝を。
106名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:56:30 ID:nMnJHPMs
>>105

「本当に、」


 唇が少し震えている。
 "緊張"、"禁忌"、"冒涜"、"背徳"。
 それらの感情に圧された唇が震える。


「"私だけ"の世界がいい?」


「……当たり前よ」


 少し頬を膨らませた彼女が、愛らしい。


「なら、」


 そう言って、彼女に手を差し出した。


「こっちに来て」


 蒼白い満月に照らされた病室。
 満月の日に人は犯罪を犯しやすいと言う。


 強ち、間違いではない。
 彼女を病室から連れ出し、もう使ってない山奥の家屋に閉じ込めた。


 彼女の"世界"が"巴だけの世界"になってから。
 彼女は何もできなくなった。
 何をするのも、何処へ行くにも、いつも私が手を引いてやらねばいけなくなった。

 もちろん、私を認識することもなくなった。


 後悔しているか?……──否。
 むしろ、その状況に満足している自分がいる。
 彼女を魅了する"甘美"にもう"焦燥"を感じることはないから。


 自分がいなければ彼女は生きていけない。
 それはもうずっと求めていた"世界"──。


 彼女は"巴だけの世界"を手に入れる代わりに一切を失った。


 曰く、"壊すのは簡単なこと"。


 唯一残ったのは。
 椿の紅さにも怯む、あの臆病な性質と、何も映さない空虚な黒曜石。
107名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:57:38 ID:nMnJHPMs
>>106

 ぶち、と残酷な音で"首"が堕ちた。
 "こうなった"彼女は枝ごとの椿を与えると、こうして遊ぶ。


 ポトリ、椿が堕ちた。
 楽しんでいるのかは分からない。
 紅を映す黒曜石には、相変わらず何の色さえ浮かんでいない。


 ──綺麗だと思う。
 一切を殺ぎ落とした彼女は。
 その何ものにも染まらぬ様は"白無垢"を連想させて、止まらない。一点の穢れもないその姿は。
 ──美しい。


 彼女が美しいと言った、この"椿"よりもずっと。


 魅了される。
108名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:59:01 ID:nMnJHPMs
>>107

「めぐ」


 そう紡げば、二輪目にかけていた手を止め、こちらを見た。


「寝ましょうか」


 彼女がどこまで自分の言葉を理解出来るか、それは彼女しか知り得ない。


「寒、──」


 開けっ放しの外界との境界から冷たい風が頬を掠めた。

 閉めよう。
 そう考えるのが先か否か、彼女の頬に滑らせていた手を離し布団から降りようとして──止めた。


「……?」


 微かに行動に反発する力を感じて、振り替えれば己の裾を掴む蒼白い手。
 それは、離さないと云う意志が強く伝わる。──痛い程に。


「め、──」


 やはり、黒曜石には何も浮かんではいない。
 けれど、一切を棄てた彼女の腕から総てが伝わってくる。

 闇に浮いた、蒼白い彼女の体を抱き締める。


 ──嗚呼、何と言い得よう。
 "幸せ"。


 そんな言葉じゃ、もう最早足らない。
 言葉なんて、無くても構わない。彼女はただ、"己"を求める。
 "己"を棄ててでも"私"だけを──。


 嗚呼、できるのならば、どうかこのまま目醒めないで。


 私だけを求めて。


 闇に浮かぶ一輪の紅の"首"。
 その"首"は、誰の──。

終わり
109名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/28(水) 22:59:25 ID:nMnJHPMs
以上です。
たまに電波書きたくなるから不思議
110名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/29(木) 10:54:14 ID:SaXVsXco
>>109
ヤンデレ巴怖えええ!
和の恐怖という物を垣間見た気がした
111名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/30(金) 18:12:06 ID:DrkPMoHp
CPは違うけど内容は似たようなの読んだことある気がする
112名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:41:16 ID:L/BEsgxb
オデトモ(根底はトモオデだけど)のエロSS投下します。一月も終わりだけど正月ネタで。
まとめWikiの「祝福の日、至福の時(http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/361.html)」の設定を引き継いでます。
要は

巴とオディールが結婚(厳密には若干違うが)
フランス居住

ということです。

軽く変態プレイ注意かもしれない。
113名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:41:45 ID:L/BEsgxb
※『』の台詞はフランス語だと思ってください。

 時差があれど年が明ける日はどこも同じ、ここフランスも新年を迎えていた。
 そして郊外にある、巴とオディールが暮らす家でも新年を祝っているところだ。
 ダイニングテーブルにはいつもよりも豪華な料理、それと日本食材店で買ってきたちょっとしたおせち。
 和洋折衷…とは違うだろうが、純日本人の巴とフランス人のオディールらしいご馳走だ。
 二人はテーブルに向かい合って座り、一つ咳払いをするとやや緊張気味で口を開いた。
『明けましておめでとうございます』
「今年もよろしくお願い申し上げます」
 それぞれに挨拶とお辞儀をし、顔を上げて目が合うと緊張が解けて自然と笑みがこぼれる。
「意味も無く緊張しちゃったわね」
「結婚して最初の正月だからね。メリハリとかしっかり付けておかないと」
「相変わらず真面目ね、巴は」
 そんなところが好きなんだけど、とオディールは付け加えて微笑んで見せた。
 それにありがとう、と返してイスに座り直す。
「それじゃ挨拶も済んだことだし、そろそろ食べましょうか」
「そうね。私もお腹空いちゃったわ」
 時計を見てみれば既に十一時。
 早めに起きて新年のご馳走を準備に手を掛けていた正で朝から何も食べておらず、腹の虫が鳴きっ放しだ。
 食事前に神へのお祈り――カトリックの習慣だ――をし、フォークとナイフを手に取り朝昼兼用の食事を食べ始めた。
「美味しい、このチキン」
「これもちゃんと味が染みてるわね。よかった、上手くいって」
 料理はどれもしっかり味が染みていて、朝早くから準備した甲斐があったというものだ。
114名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:42:45 ID:L/BEsgxb
 そう言って席を離れ、しばらくするとコップ二つとワインとは違う一升瓶を持って戻った。
「それ、日本酒?」
 巴が持ってきたビンのラベルには日本語と思われる文字で銘柄が書かれている。
「そう。前にネットで取り寄せたのよ。オディールと同じで、この日に開けようと思って」
「ふふ、似たもの婦婦(ふうふ)ね」
 蓋を開けてコップに二人分注いでオディールに渡し、二人揃ってそれを同時に飲んだ。
 口の中に入れた瞬間、ワインとは違う爽やかな味と風味が広がっていく。
 ネットだからどうだろうと正直少し不安だったが、これは買って正解だった。
「どう? オディール」
「…うん、美味しいわよ。爽やかで飲みやすいわね」
 笑顔でオディールは返し、それに満足して頷きもう一口飲む。
 お酒も入り、食も更に進んで行き和やかな時間が過ぎてった。

―※―※―※―※―

 それから一時間後――
『…大体私のが年上なのよ? それなのにいつも良い様に…。聞いてるの?』
「はい…真に仰るとおりです…」
 それまでの和やかな雰囲気は一転、ダイニングには重苦しい緊張感が立ち込めていた。
 新年で少し浮かれていたのか、普段より上物のお酒を二つも出したせいなのか、オディールはついつい調子に乗って何杯も飲んでしまった。
 その結果オディールは完全に酔いが回り、いつもの静かな雰囲気が引っ込んで代わりに黒いオーラが湧き上がってきた。
 そして今、巴は酔ったオディールから母国語のフランス語で説教されている所だ。
 完全に酔うと日本語を忘れるらしい。まあ巴もこっちに着て大分経つから何が言いたいかは大体分かるが。
115名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:43:30 ID:L/BEsgxb
(知らなかった…オディールって怒り上戸だったのね…)
 もう十年近くの付き合いだが、ここまで酔ったオディールのを見るのは初めてだ。
 いつもはあまり酔わないように飲んでいたから気が付かなかったが、こんなに酒癖が悪いとは。
『少しは年上らしく敬いなさいよ、私の方がお姉さんなんだから…』
 そこで話を区切ると、空になったコップに日本酒を注いでいく。
 まだ飲むつもりか。これ以上酔われると正直何されるか分からない。
「オディール、ちょっと飲みすぎ…」
『何よ、年上に指図する気?』
「いや、そう言う訳じゃ無いけど…」
『なら良いでしょ? 私の勝手じゃない、もう』
 そう言って乱暴にコップを掴むと一気にそれを煽る。見事な飲みっぷりだ。
 その様子を見ながら、巴は心の中で少し溜息を吐いた。
(…こんなはずじゃなかったのにな…)
 最初の予定では、酒に酔ったオディールを手篭めにして日本伝統行事――巴の中で――の姫初めへと持っていくはずだった。
 しかし結果はこの様。これではとてもそんな事出来そうに無い。
 もう少し計画を練れば良かった、とちょっとヨコシマな反省をする。
『ちょっと巴、聞いてるの!?』
「はっ、はい!」
 その様子に気が付き、オディールは目に一層怒気を込めて目を覗き込んできた。
 まさか自分の考えが読まれたんじゃないかと、思わず一瞬体が飛び跳ねる。
 その怯えた様子を見て、オディールはニヤッと妖しい笑みを浮かべて席を立ち、巴に近付いてきた。
116名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:44:06 ID:L/BEsgxb
「お、オディール…?」
『…ふふ、いっつもやられてばっかりだから…』
 今までの怒気の篭った目ではなく、表情と同じく妖しい光を灯したオディールの目。
 嫌な予感を感じたその瞬間、オディールに顎を鷲掴みにされてそのまま乱暴に唇を奪われた。
「んんっ! っむ、ん…っ!」
 慌てて体を引き離そうとしたが普段では考えられない力で抑えられ、そうしている間にオディールの舌が口内に滑り込んできた。
 温かく湿った、少し酒の匂いがする舌が口の中を動き回り、口内を犯していく。
 最初は抵抗していたものの、巴仕込みの舌使いにやられて、自分の体から力が抜けていくのが分かる。
 永遠とも錯覚を感じる時間が過ぎ、オディールが満足すると口を離してそのまま床へと押し倒されてしまった。
 普段なら押し倒しているオディールに組み伏せられ、いつも以上に強く鼓動が早く脈打っている。
『どう? 押し倒される気分は?』
 どう、と言われても頭がボーっとしてまともに働かない。
 それは緊張しているからなのかお酒のせいなのか、それともこれからの事に期待と恐怖を感じているからか。
 質問されても答えられず、オディールは痺れを切らし、服を脱がされて白い肌が露出させられた。
 そのまま更にブラのフロントホックを外され、巴の小ぶりな胸が晒されてしまう。
『巴の乳首ったら、もうこんなに立ってる。キスだけで感じちゃったのね』 
「ち、違…」
『何が違うのかしらー?』
「あうっ…!」
 否定する間も無く乳首を抓られ、強い刺激に体が走り少し仰け反る。
 その反応を楽しむように片方の乳首を指で、反対側の乳首を口と舌で愛撫されていく。
『ん…コリコリして凄くいやらしい…ちゅ…』
「んぁっ…! あんまり強く吸わないで…!」
117名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:44:26 ID:L/BEsgxb
 抓られたり吸われたりする度に体に快感が走り抜け、口から喘ぎ声が漏れる。
 しばらく散々胸を弄ばれ、ようやく口と手を離して刺激から解放される事が出来た。
 だが潤んだ目で見たオディールは、一層笑みを濃くしていて、それにゾクリとした物を感じ取る。
『良い事考えたわ』
「良い事…?」
 息も絶え絶えに聞き返すとオディールはテーブルの上に置きっ放しだったワイン瓶を手に取った。
 それをどうするのかと見つめていると、あろう事か肌が露出したままの体にワインを垂らして来たではないか。
「冷たっ…! いきなり何するの…!」
『うふふ、ワイン味の巴の出来上がりね』
 変態チックな事をのたまいながらワイン瓶を床に置き、巴の体にこぼしたワインを舐め取り始めた。
 ピチャピチャと動物っぽくワインを飲まれ、舐められたり吸われたりしてくすぐったいとも快感とも言える感覚が体を駆け抜ける。
『美味しい…病み付きになりそう…』
「オディール…んっ! はあ…!」
 やがて胸から腹に垂らされたワインを全て舐め取ると、そのままズボンとショーツが下げられてしまった。
 今までの愛撫で巴の秘所は既に濡れており、ショーツと秘所がいやらしく糸を引く。
『こんなに濡れて…巴ったらいやらしいわね』
「別にいやらしくなんか…!」
 そこまで言いかけて、自分がいつもオディールを押し倒しているのを思い出し言葉が詰まった。
 そうしているとオディールが今度は日本酒を手に取り、巴をニッコリと見下ろす。
『ほら、股を閉じなさい』
「股…?」
118名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:45:21 ID:L/BEsgxb
 嫌な予感が頭を過ぎったが、ここで断ったりすれば余計酷い目に遭わされるかも知れない。
 渋々ながら股を閉じると、予想通りというか何と言うか、そこへ日本酒を垂らして来た。
「んっ…!」
 冷たい刺激に思わず股を開きそうになったが、それを何とか堪えてそこに日本酒が注がれていくのを黙って見つめていた。
 それが十分溜まると、オディールは満足そうに身を低くしそれを一口すする。
『こういうのって日本でわかめ酒とか言うのよね? 前に巴がしたいって言ってた…』
「そ、それは私がするのであって、されるのとは違…あぅっ…!」
 そこまで言った所でオディールの舌がクリトリスに直接触れ、これまでより強い快感が体に走った。
 それでも足は開けないようオディールにしっかりと両側から押さえつけられ、抵抗することもままならない。
『ん…ワインよりこっちの方が美味しいかも…』
 日本酒を味わうようにゆっくりとすすっていく。
 やがてそれを全て飲み終えると、今度はそのまま秘所の中へと舌が入り込んできた。
 生温かく湿った舌が膣内へと生き物のように動き回り、時折吸われて強い刺激が体に送られてくる。
 もはや自分の意思とは関係無しに腰が勝手に動き、オディールの愛撫を求め続けていた。
「あっ、やぁ…!! オディー…ル…!」
『イきそうなの? 良いわよ、イっちゃって…』
 巴の襞が震えだして絶頂間近だという事をオディールに知らせ、オディールは更に舌の動きを早くする。
「お、オディー…! あああぁぁっ…!!」
 そして巴の目の前が真っ白になり、全身が強張って絶頂を迎えてしまった。
 巴の体から力が抜けると舌を引き抜き、オディールが軽いキスをしてきた。
『巴、可愛かったわよ…うふ…ふ…』
 それだけ言い切ると酔いのせいか満足したのか、オディールはそのまま眠りについてしまった。
 散々自分の体を弄んでおいてやるだけやったらさっさと寝てしまう、そんなオディールに呆れた溜息を吐いた。
「…もう…オディールのバカ…」
 自分も酔いが回り、疲労感も相まって強い眠気に覆われて巴も眠りへと着いていった。
119名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:47:09 ID:L/BEsgxb
―※―※―※―※―

 目が覚めてまず感じたのは、部屋中に充満するアルコールと女の子の匂い。
 既に日は沈みかけていて部屋は薄暗く、オディールは変わらず自分の隣で眠ったままだ。
「…私…そうか…」
 眠りに落ちる前の事を思い出し、参ったと溜息を吐いた。
 とりあえず、体に付いた酒と唾液でベタベタする感覚を取り去りたい。
 オディールへソファに置いてあったブランケットを掛けるとシャワーを浴びにリビングを出て行った。

 シャワーから出るとオディールも目が覚めており、ボーっとした様子で頭を押さえていた。
「おはよう…というかこんばんわね」
「…おはよう…何だか頭が痛い…」
 今度はフランス語ではなく日本語だった。
「…何があったか覚えてないの?」
 その問に、オディールはコクンと頷く。巴は口の端を吊り上げると、その事を如実に語り始めた。
 内容を話していくとオディールの顔が赤くなったり青くなったり、表情も変化していき内心面白いな、と思った。
「――という訳よ」
「嘘…私、そんな事…」
「嘘だと思う?」
 そう自分の体に付けられたキスマークを見せると、オディールは顔が真っ赤になって俯いた。
 シュンとしたその様子に巴は満足し、額にキスをするとオディールは少し驚いたような表情をして見上げる。
「もう良いわ。シャワー浴びてきたら?」
「…怒ってないの…?」
「ええ。…でもね…」
 そこで区切ると、耳元で囁くように言った。
「今夜は覚悟しててね」
 その台詞に、オディールの顔が赤くなったのは言うまでも無い。
 やっぱり根に持ってるじゃない、そう思わざるを得ないオディールだった。

終わり
120名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 12:49:00 ID:L/BEsgxb
以上です。
何かありきたりなネタでサーセンw

一応フランスの正月文化とか調べたけど違う所があっても許してくださいorz
121名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 16:14:10 ID:/1z57Lou
酒乱オディールとは…堪らないなw
オデ攻めを見てみたかったから嬉しい
この婦婦に倦怠期はこなさそうだw
122名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/31(土) 16:28:43 ID:L/BEsgxb
しまった、見直したら抜けてる所があった…orz

>>113>>114の間に以下の部分が抜けてました。

ーーーーー
 そんな和やかな雰囲気で食事は進んでいったが、コーヒーを一杯飲み終えた所でオディールは一旦手を止めた。
「どうしたの?」
「…こういう美味しい料理だと、どうしても飲みたくなっちゃうわね」
 飲みたくなる。それだけで何が欲しいのかがすぐに分かった。
「お酒? こんな明るい内から…」
「今日ぐらい良いでしょう? ね?」
 子猫のような目で縋ってくるオディール。そんな顔をされるとどうしても断れない。
(ノーとは言えない日本人か。甘いな私も)
 心の中でそう呟き、呆れたような、しょうがないとでも言ったような笑みを浮かべる。
 それを肯定と受け取り、オディールは嬉々とした表情でワインを取りに行った。
 しばらくしてオディールがグラス二つとワインを持ってきて、席に戻るとそれを巴と自分のグラスに注いでいく。
 注ぎ終わり、二人はグラスを手に取った。
「じゃあ、結婚して最初の新年に」
「乾杯」
 チン、とグラスを鳴らしてワインを一口飲む。
「ん、いつもと違うわねこれ」
「ちょっと良いやつを買ってきたのよ。この日に開けようと思って」
 確かにいつも買うやつよりも味が深く、コクがあって美味しい。
 それを味わって飲みながら食事を再開していった。
 だが今度は巴が思い出した事があり、手を止めて立ち上がった。
「巴?」
「取って置きといえば、私もあったのを忘れてたわ。ちょっと待ってて」
ーーーーー

ここが抜けてました…うあー、大失敗だorz
123名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 00:53:52 ID:j30owdWa
年上攻め大好きだ!
股に酒溜めてそれを啜るとは…見習わねばならない変態っぷりだなぁ…


さて、久しぶりに投下します

甘い悪魔の囁き

一応ジャンルはエロ鬼畜につきご注意を
124名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 00:55:11 ID:j30owdWa
夏休み──
期末考査も終わり、学生ならどうしてもお遊びムードになってしまう長期の休暇
中には夏期講習など、休み返上で塾に入り浸る人もいるようだが、とても理解できない
学校から解放されたのに、わざわざ金を出してまで勉強をしに行くなんて面白くないだろう
夏休みしか出来ない事は多いけど、勉強なんていつでも出来るのだから

「はぁ…」
「どうか…しましたか?」

無意識に出てしまった溜め息
隣にいた雪華綺晶が首を傾げて問い掛けてくる

「そうねぇ…当ててみなさい」
「え…えぇと…」

流石にヒントも無い問い掛けには困るか

「3年生にとっては最後の合宿なのに、参加したのが私と蒼星石だけだからですか?」
「…まぁ、正解よぉ。アナタ、人の思考を読めるんじゃない?」
「ふふっ」

可愛らしく微笑むが、本当に読まれてるようで恐ろしい

「もうすぐ着くから、みんな荷物の準備をしなさい」

何はともあれ、バスケ部の合宿が始まった


第九話『友情の亀裂』前編
125名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 00:56:52 ID:j30owdWa


この合宿は毎年行っているが、どうしても全員参加と言うわけにはいかない
前記したような都合や家の事情で辞退する人も多い
学年が上がるほど参加率も悪く、今年はなんと、3年がたった二人という深刻な状況に見舞われた
練習は厳しいものの、それ以外は基本的に自由にしていいというアメと鞭のようなシステム故に、
軽はずみな行動を取りがちな後輩達を先輩達が見張るというのが今まで成り立っていたのだが、今年は期待出来そうにない

「各自の部屋に荷物を置いたら広間に集合ねぇ」

幸い、その二人というのが蒼星石と雪華綺晶だから、ある程度はしっかりしてくれるだろう
そんな柄にもなく教師っぽい事を考えながら、私も自室へ向かった

―†―†―†―†―†―

部屋に向かうまでの廊下には、目を輝かせた後輩で溢れかえっていた
いや、そんな表現をするほど多くはないんだけど、楽しそうに動き回るから、そう感じたんだろう

「ここかな…」

自分の部屋に着いて鍵を開けようとした時、既に開いている事に気が付いた

「早いね…雪華綺晶」
「貴女が遅いだけだと思いますよ」
126名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 00:58:15 ID:j30owdWa

二人で一部屋
クラブ活動の合宿にしては聊か豪華な気がするけど、先生なりの拘りがあるんだろう
ペアは学年毎にくじ引きをして決めるのだが、僕と雪華綺晶が相部屋になるのは必然的だ
3年が二人だけなんて前代未聞だよ

「遅れないで下さいね。私まで怒られますから」
「…わかってる」

…あれ以来、雪華綺晶とは気まずい関係が続いている
会話は最低限になり、バスケ以外では露骨に無視されるようになった
そんな関係でも部屋は変えられないから、この10日間は耐えなければならない

「はぁ…」

僕も不参加にすればよかったかな…今更になってそう考えた

―†―†―†―†―†―

「明日からこのメニューでやっていくから、時間厳守ねぇ。それじゃあ解散」

夕食の席で簡単な確認を済ませ、初日の終わりを告げる
それと同時に部屋を飛び出して行く生徒達
もはや見慣れた光景だ
友達同士で過ごす事が、旅行気分で楽しいのだろう
修学旅行では教師の目が無駄に厳しくて自由時間というものが少ない
私も学生時代は、よく夜中に抜け出して叱られた
だから私は、そういう事に細かく言わない
教師として間違っていても、生徒の目線で考えたいからだ
127名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 00:59:30 ID:j30owdWa

「あらぁ」

足音も聞こえなくなった部屋に、蒼星石と雪華綺晶だけが残っていた
そう言えば二人共、最後に抱いたのは1ヶ月も前か…
私自身も多忙で、なかなか相手をしてやれなかった
尤も、蒼星石は私に関わられる方が嫌みたいだけど

「アナタ達は遊びに行かないのねぇ」
「…初日にテンション上げ過ぎても、疲れるだけですから」

相変わらずハキハキしているが、淡白な喋り方

「だけど少しくらい羽を伸ばしたらぁ…蒼星石ぃ…?アナタも忙しかったんじゃない?」
「え…?いえ…まぁ…」

質問の意図を理解していないようだ

「私の家に来る暇もない程、忙しかったのでしょう?」
「ぁ───」

気が付いたようで、顔から見る見る血の気が引いていく

「合鍵、無くしたわけじゃないわよねぇ?」
「あ…は…はぃ…」
128名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 01:00:44 ID:j30owdWa

隣で顔を真っ赤に染める雪華綺晶を気にしているのか、狼狽える蒼星石が可愛らしい

「結構待ってたのよぉ…自由に入っていいって言ったのに一度も来ないんだものぉ」
「…すいません…」
「これからは遠慮しないでねぇ…何故ならアナタは私の──」

バン
と音がして雪華綺晶が立ち上がる
耐えられないと言った様子だった

「待って!雪華き──」
「うるさい!」

蒼星石が止めようと腕を掴むも、雪華綺晶はそれを振り払う
こうなる事は予想していた

「私はどうやらお邪魔なようで…」

吐き捨てるように言い、反転して出口へ向かう
この状況で蒼星石が部屋に戻れば、確実に殺されるだろう

「待ちなさい雪華綺晶」
「…何ですか?」

事の発端が私なら、少しくらいは責任を取ってあげなければ可哀想だ

「アナタ達、ケンカしてたのねぇ」

白々しいセリフに、蒼星石が睨んでくる
誰のせいだと言いたげに

「3年生がそんなんじゃチームは纏まらないわぁ。だから二人とも、今から私の部屋に来なさい」

中身の相性が合わずとも、身体の相性が合わないとは限らない
彼女達は発展途上だ
129名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 01:03:11 ID:j30owdWa
投下終了
前回から1ヶ月以上か…
連載してる自覚もってもう少し定期的な更新していきたいな
130名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 10:51:35 ID:otlyOcdk
蒼星石は受けだろ
131名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 13:57:12 ID:gIVLsnFm
やばい、おっきした
部屋で何されるのか気になるぜ
132名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 21:21:26 ID:WwPOgYDg
133名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 22:01:51 ID:mUSnimeg
>>132
翠星石さりげなく巨乳だなー (^ω^ )
ローゼンの百合だとやっぱ蒼翠が一番人気なのか?
134名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 22:13:12 ID:WwPOgYDg
>>133
人気かは分からんが、俺がよく見る気がする
俺がローゼン百合に目覚めたきっかけでもあるし
135名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/04(水) 22:21:45 ID:j30owdWa
>>132
相変わらず上手い
そしてエロい
文章しか書けないからガチで尊敬するわ

>>133
銀紅や双子は作品数も多いしメジャーではあるが、最近は一見マイナーなカプも勢い付いて来てる。
136名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 00:08:51 ID:iMTJi5Lf
>>129
久々にktkr。正直百合スレ離れたんじゃないかと不安になってたw
きらきーと蒼星石…これからどうなってしまうのか怖い&楽しみだ。

>>132
翠星石の表情がエロ過ぎるw
胸フェチな自分としては胸の書き方におっきしそうになった


>>135
マイナーなカプばっかり書いてるのは大抵自分ですサーセンw
メジャーよりマイナーカプの方が書いてて楽しかったりする
メジャーが嫌いというわけではない、というかむしろ百合なら全て好きだw
137133:2009/02/05(木) 00:27:09 ID:j/fchvny
まとめ見に行っててレス遅れた
>>134-135
なるほど奥が深そうだ、妄想は無限大やね
>>136
マイナーのはまだ発展途上な勢いがいいよな、ミーディアムカプとか
まとめのだと蒼薔薇がツボだ
138名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 07:04:40 ID:CEV1DJ34
>>132
なんといいエロス…GJ
139名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 22:34:37 ID:M0oIs2H1
紅銀てあんまりないよねていうか銀受けってあんまりない
140名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 22:45:09 ID:hyLC30f+
蒼翠は萌えの極み
141名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 23:29:40 ID:Hj3RNpa/
>>139
ネタではいじられる時もあるけど、普通なら攻める立場ってのが多いよね。

>>136
とりあえず今の連載だけは終わらさないと去るに去れないよw
読んでくれててありがとう。
142072:2009/02/05(木) 23:32:16 ID:6ZtL/0g/
>>138
たしかにないね銀受け
143072:2009/02/05(木) 23:33:50 ID:6ZtL/0g/
ソーリー、カレン!
>>139だったわ
144名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/05(木) 23:59:20 ID:M0oIs2H1
銀受け萌えるの自分だけ?
145名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 00:11:43 ID:xcRScMgh
紅銀が一番好きです。
146名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 07:09:58 ID:7HgzbdnW
良かった
同志がいた
一番は蒼翠なんだけど紅銀も同じくらい好き
147名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 09:23:36 ID:/aYfeDZl
俺も紅銀派
ついでに翠蒼派
148名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 09:31:05 ID:wgsrE4zw
銀蒼や紅雛のような王道とは少しズレた蒼受けや雛受けが好きな俺は異端?
149名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 10:06:37 ID:xa+GX+Za
いやいや、銀翠や翠銀が好きな俺のが異端だって
150名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 10:24:42 ID:Hi8cONXQ
人形だと雛受け(特に銀、双子)が好物な自分が通りますよ。

雛はみんなに愛されるべき。
151名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 10:28:47 ID:Hi8cONXQ
書き忘れ

人×人が一番の好物な俺こそ異端中の異端ですね分かります。
152名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 11:18:17 ID:bzp1L4dt
おまいらばらきらも忘れないでね
153名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 12:51:05 ID:xa+GX+Za
薔薇銀、雪華薔薇も好きなのだわ

しっかし、どうしてカナ分が少ないのは、なんでなんだぜ?
金糸雀って動かしにくいんだろかキャラ的に
154名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 15:48:04 ID:xVM6QkWT
>>153
シリアス書くのが好きな金雛好きが通りますよ

シリアス書くの得意

ほのぼの書くの苦手

金雛書きたい

金雛はほのぼのだろ!

書きにくい

になってしまう
自分はね
155名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 17:06:27 ID:7HgzbdnW
雛受け、蒼受けは苦手
雛は一番幼いしなんかエロより無邪気な感じの方が合ってる気がする
↑悪魔で自分的な考えね雛は金とが一番ほのぼのして好き
銀や真紅に二人で甘えるのもいい
156名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 17:31:07 ID:wgsrE4zw
それら含めて好きだな〜。
甘えたりイチャつくレベルのほのぼのも堪らんが、無邪気であるが故に襲われたりするのも好きだ。
蒼星石も水銀燈には逆らえないっぽい感じが好きだ。

というより萌えを語っているのであって性癖を押し付けてるわけではないから、
そんな否定的な事言わないでおくれ。(´;ω;`)
157名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 18:33:41 ID:7HgzbdnW
あ…否定的でごめん( ̄▽ ̄;)
158名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 18:53:40 ID:cPsAcK8B
蒼薔薇 保守


「…今日も、いいお天気ですね…」
「そうだね。もう二月だから、大分暖かくなったし」
「…あの…良かったら……二人…きり、で……その……」モジモジ
「……ピクニックとかしたいね」クスッ
「! わ、私、頑張ってお弁当…作ります…!」
「ふふ、楽しみにしてるよ」ニコッ
「あ……い、いつ…行きますか?も、もう、ちょっと…暖かくなってから…とか?…」
「うーん…、僕はちょっと寒い方が良いなぁ」
「? どう…して?」
「…だって、寒い時はこうやって手を握れば…温かくなるでしょ?」ギュッ
「! …そ、そう、ですね…」
「……顔、真っ赤だよ?」クスクス
「だ、誰のせい、ですか…!」
159名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 22:38:51 ID:wgsrE4zw
蒼星石…薔薇水晶殺しだな…
ピクニックで弁当と一緒に薔薇水晶も頂く気だろう?
160名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 23:22:14 ID:xVM6QkWT
161名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/06(金) 23:47:36 ID:mUP5aHVU
マクロスのライオンみたいな金雛の写真がアニメであったな
162名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 05:15:00 ID:jqVcrCAl
恋愛的な感情を抱く雪華綺晶を全く想像できんなあ
いたずらでキスとかは余裕でできるけど
163名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 08:51:14 ID:BWkaFo8D
アニメを見ると薔薇水晶も全く想像出来ない
EDのあの顔怖いっ
164名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 11:14:57 ID:veQCz6xQ
薔薇水晶は想像できるだろ
なんたってお父様ラブラブだし、ありゃ恋してるね間違いない
165名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 12:56:21 ID:s/506P8Y
紫は淫乱で性的な色。
つまりばらしっしは(ry
166名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 13:06:30 ID:UKWY4HoG
>>154のせいでシリアスな金雛が書きたくなった
167名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 14:36:53 ID:Wqt9gLJK
【誘導】Hの相手してください。詳しくは↓↓
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1233981325/


168名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/07(土) 23:09:45 ID:jzdJJYQB
>>158
いつまで経ってもばらしー初々しくて可愛いなぁ。
ばらしーを手の平で転がす蒼星石男前w

>>160
デフォルメ劇場の人かな? さくらんぼキッステラモエスw
さり気無く雛が巨乳…w


>>159
蒼星石なだけにアオカン、という訳ですね分かります。
169名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/08(日) 06:29:57 ID:RCd4e/BM
ばらしーがきらきーを襲撃
→きらきーはのらりくらりと避けながら、ばらしーはパワーを消費してゆく
→ばらしーが疲れて帰ろうとする
→きらきーが服を掴んで離さない
→ばらしー\(^o^)/
170名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 21:27:50 ID:8QwYshBo
もうすぐバレンタイン
171名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:07:37 ID:hVhWjnD8
>>153
単に糞キャラで嫌われてるから
つーかクズの名前出すな
172名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:08:44 ID:hVhWjnD8
>>154
隔離所行けや
このスレまで雰囲気悪くさせんなボケ
173名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:09:27 ID:hVhWjnD8
>>155
だからクズの名前出すなら隔離所でやれや
174名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:09:56 ID:hVhWjnD8
>>160
死ね
175名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:10:17 ID:hVhWjnD8
>>161
死ね
176彗星石 ◆A7CCu26DVY :2009/02/09(月) 23:36:06 ID:h9Bv+lom
嫌金厨は頭が膿んでるとしか思えませんねwwww
177名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/09(月) 23:55:59 ID:iigUbK5n
さて、どっかの厨房が空気をぶち壊したわけだが。( 'A`)
まあ、金糸雀は総受けであることは間違いない。可愛いよ金糸雀、可愛いよ。

一番は蒼翠だけどな。
178名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 00:28:19 ID:KprUXO+L
>>176
はいはい構ってちゃん構ってちゃん
179名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 00:29:40 ID:KprUXO+L
>>177
その空気をぶち壊した僕を呼び寄せたのは糞キム関連の書き込みですが^^
文句を言うなら糞キム関連の書き込みをした人に言ってください^^
180名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 01:27:30 ID:VmM8nkio
男なら構ってないで即あぼん
181名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 12:58:17 ID:LJGl4vKc
確かに金は受けって感じだね
そして自分も蒼翠一番好き
182名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 13:14:23 ID:sgGCPPmw
蒼翠
銀雪
銀金

が3トップ
183名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 13:19:20 ID:yttmDmbt
蒼翠は好きだったな…
今となってはトラウマだが。
184名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 16:24:36 ID:BIij1k6h
なんで?
185名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 17:33:29 ID:yttmDmbt
VIPでの蒼星石の扱いを見れば察しが付くだろう。
蒼翠で百合に目覚めたのに、現在トラウマとはこれいかに。
186名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 18:31:49 ID:250CtaMW
すっかり変態ふたなりが板についちゃったからな蒼
187名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 20:13:54 ID:7bdgJ9ic
あれはあれでまた別で気にしなくちゃいいんじゃない?
188名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 20:59:03 ID:EKaJ5PXs
>>181
金はみっちゃんにいろいろ教えられてそうだな。
189名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 22:54:55 ID:Lc91hLSX
サドな真紅×弱々しい銀様ってマイナーですか?

190名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 00:02:53 ID:/FyRZnQ3
どマイナーだろ
設定的に真紅の前で弱々しくなる銀とかまず想像出来ん
このカップリングじゃよくて銀オラニャンだろう普通は

しかしエロパロでサド越えて少し基地外な真紅による銀陵辱の話は見た。
形は真紅の命令で動くジュンと翠を介してだけど最後は「うぅ・・・めぐ・・・めぐぅ・・・」とか言って完全に弱気になっていたな。

まあ銀紅はまだしも紅銀は特殊な気がするから是非この組み合わせが自然に見えるSSは見たいね。
ネコ銀は今のとこはめぐ相手にしか思い浮かばないな
191名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 00:08:01 ID:QkHViVgu
オーベルの銀なら受けの想像つくよ
あと、蒼が変態化するのはJUMが絡んだ時でしょ
最近そういうスレばっかで嫌になる
192名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 01:33:04 ID:RUWl6V9o
>>181
うわーまたクズの名前だしたせいでスレの雰囲気が悪くなった
193名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 01:33:35 ID:RUWl6V9o
>>182
隔離所帰れやゴミが
194名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 01:34:11 ID:RUWl6V9o
>>188
死ね
195名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 07:56:27 ID:Fk0R/8Ir
>>191
他のスレの蒼星石に文句言うなよ
住み分けようぜ
196名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 09:29:26 ID:KXy7X5hs
>>195
百合スレも序盤は変態の風潮あったからな。
あながち隔離して考えるものでもないかも。

>>189
銀受けか…金や雛に甘えられてタジタジなら見たことあるが、
真紅相手じゃ想像付かないな。
197名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 09:36:39 ID:zR/dDdrX
やっぱり紅銀マイナーなんだな。
198名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 23:13:19 ID:RUWl6V9o
>>196
クズの名前出すな
死ね
199名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 00:11:42 ID:uF6Upaqr
この流れでひたすら金糸雀の話したら暇人が釣れるのだろうなwww
まあ、釣ってもリリースするがwww
200名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 01:42:58 ID:FvW1PDIY
「そろそろ行こうかしらあ」

もうそろそろ真紅と会う時間が迫っていたので私はヤクルト
だけの軽い朝食を済ませ待ち合わせの場所へと向かった。

「真紅はまだ来てないみたいねえ・・・」

待ち合わせ時間30分前というなかなか良い時間に着いた。
遅れた方が今日の奢りということになっていたのでどうやら
真紅の奢りになりそうだ。

(給料日前だから助かったわあ。)

などと勝利の余韻を私が楽しんでいると・・・

「水銀燈、どうやら私の勝ちなのだわ」

と、少し笑みを含んだ冷静な声が後ろから聞こえてきた。
その声の主は私の今日の待ち人のものだった。

「し、真紅!貴女いつの間に・・・」

「あら、貴女がここに来る30分前にはすでに着いていたのだわ」

(うかつだったわあ、まさかそんな前からいたなんて・・・)

などと私がまるで合格発表の時に自分の番号の無かった人の表情に
なっていると

「水銀燈、あそこの喫茶店に入りましょう」

と真紅が告げてスタスタとその喫茶店に向かって歩いていった。
私は自分の薄い財布の中と相談しながら真紅について行った。

「待ちなさいよお、真紅う」

どうやら私は給料日までヤクルトのみで過ごさなければならそうだ。
まあ、余裕だけど。
201名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 01:44:12 ID:FvW1PDIY
今日は休日ということもあってか店内はカップルやら友人やらの客でごった返していた。
フロント前で待たされていた私たちは少し経ってから店の人に席へと案内された。
真紅がタバコが苦手ということもあって禁煙席にしてもらった。
それぞれ注文の品を頼んでから少しの間沈黙があった。
その沈黙を破ったのは真紅だった。

「貴女、財布の中身は大丈夫かしら?」

「だ、大丈夫に決まってるじゃなあい。全然余裕よお・・・」

まるでどこかの名探偵が推理でもするような顔つきで真紅は私を見てきた。
やっぱり下手な嘘はやめておくべきだったかもしれない。

「そう、てっきり給料日前で全然お金が無いと思ったのはどうやら私の想い過ごしみたいでよかったわ」

(おもいっきりあってるじゃなあい・・・)

と、図星を突かれて何て言うか迷ってる私を観察していた真紅は

「クスッ、大丈夫なのだわ。もし足りなかったら私が出してあげるから」

と笑いながら私に言った。

「いつもごめなさあい・・・・・」

「いいのよ、私と貴女の仲じゃない。その変わり・・・」

と少し顔を紅潮させながらこっちに寄せてきて私の耳元で小さく囁いた。

「今日私と一緒に保守してくれる?」

「もちろんよお、一緒に保守しましょう」

と私は笑顔で答えた。



END
202名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 10:05:58 ID:m67niTQD
>>199
虐待スレあたりいけば楽しいだろうに
まだあったっけw?>虐待スレ
203名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 14:27:09 ID:NyBZi6he
流れちゃったからもう一度コピペ。


ここはローゼンメイデンの百合妄想スレです。

絵師、文士求む。流れは気にせず、ガンガン投下してください。
  ただし、コテは荒れる原因にも成り易いので、投下時のみに限定してください。

エロ、グロ、鬼畜などは事前に注意書きをお願いします。

イラストのみの投下も大歓迎。ただし他からの転載画像については、注意書きをお願いします。

気に入らない作品や書き込み、荒らし、煽りはスルーが基本です。

ローゼンメイデン百合アーノ パー速詰所 第2世界
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1222526125/

ローゼンメイデン百合スレまとめ@wiki
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/1.html

VIP過去スレ一覧
http://rozen-thread.org/series/yuri/
204名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 16:37:54 ID:Y+HVPgp9
>>201
保守かよw
もうカップルだな

>>203
俺も貼ろうと思ってた
>>199>>202も百合スレを思う気持ちがあるなら反論よりスルーに徹してください。
205名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 16:54:02 ID:WmY+Oyb7
アニメから入って新装版一気に集めて読んだ
双子いいよ双子
7巻の双子のシーンを読んで思わず「うのぅ!」と叫んでしまった
双子のほのぼの百合探したけどローゼンの百合ってほとんどないんだね
206名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 17:20:01 ID:V7AmmxEk
女の子スレwikiにゃ一応あるけどな百合ページ
207名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 17:44:18 ID:uF6Upaqr
>>203-204
了解した。自重する。
208名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 18:07:54 ID:23OyYzJE
>>205
この百合スレの職人で細々と活動してる人もいるぞ
209205:2009/02/12(木) 18:22:58 ID:WmY+Oyb7
wikiのほかにもあるのか
検索して探しても百合サイトあんまなかったから諦めてた
頑張って探してみるわ。ありがとう
210名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 18:52:38 ID:qPnkZvhz
うそだ。俺の手元には蒼翠百合画像だけで数ギガあるのに
同人誌も収納できんぐらいあるのに。そんな衰退したのか
211名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 18:59:25 ID:WmY+Oyb7
キャラ萌え系のイラストならたくさんあったんだけどね
サーチも無くなってた
212名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 20:27:27 ID:Y+HVPgp9
双子の百合は画像もサイトも数多くあるが、その他となると激減するね。
雪華綺晶とか薔薇水晶が関わる百合は絶滅危惧だろ…。
213名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 01:00:25 ID:bn0VhgVL
>>199
ふーん何の存在価値もないクズの話題でスレの雰囲気悪くさせるのがそんなに楽しいんだー
214名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 01:01:00 ID:bn0VhgVL
>>204
さすが構ってちゃんは嫌われてますねwwwwwwwwwwwwwwwwww
215名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 08:39:33 ID:3v9NOEBO
元々人いないとはいえここでVIPのキャラや保守ネタを出すのはどうかと思うんだけど
216名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 12:49:05 ID:4tJRGBSz
保守じゃなくても小ネタはたくさん投下しても良いと思う。
217名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 15:28:19 ID:UtMc5fFy
>>213
>スレの雰囲気悪くさせる
ああ、自分自身のことかw?
218名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 15:54:58 ID:SC8Ala2S
>>215
もともとVIPにあったからついつい会話とかにVIPっぽいことを書いちゃって投下していいのか悩む
219名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 18:40:04 ID:4tJRGBSz
VIPっぽいってどんな事?
220名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 18:49:27 ID:iKQZH/pC
俺はS紅×弱気銀好きだぞ
221名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:49:02 ID:SC8Ala2S
>>219
今はパッと出てこない
すまん


てわけで蒼翠エロ投下するよー
222銀紅もちょっとあるよ:2009/02/13(金) 20:49:40 ID:SC8Ala2S
 一体何でこんな状況になってしまったのか。
 僕の片割れは顔を真っ赤にさせて震えてるし。
 出るに出れない、とはこのことか。
「あ、っ……すいぎ、んとっ……」
「真紅、可愛い……」
 水銀燈と真紅の二人が一体何をおっ始めたのか。
 聞きたくない!見たくない!信じたくない!


 ──それでも僕は悪くない
223名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:50:12 ID:SC8Ala2S
>>222

 事の発端は期末テスト一日目終了後、明日のテスト勉強最中、翠星石の一言。
「屋上って開いてないんですかね」
 勉強に身が入っているとは到底言えなかった彼女はシャーペンを唇の上に器用に乗せてそう言った。
「開いてないんじゃない?」
 と言うのは以前、階段ダッシュの途中で興味本意に開けてみたから。
 階段ダッシュとは、陸上部のメニューで一階から屋上まで繋がる階段を文字通りダッシュするもの。
「そんなの、分かんないじゃないですか」
 そう言って彼女が見せた膨れっ面は可愛かったけれど、そこまで膨れるのには理由がある。
「そんなこと言って勉強したくないだけでしょ」
「っ……!」
 文系教科を得意とする彼女にとって、明日のテスト科目の数学と物理は苦手な教科のコンボなのである。
「……んなこたぁ、ねぇですよ」
「じゃあ、この問三の微分、ボロボロだけど」
「だぁぁ!」
 と大きな声とともに、翠星石は机を叩いた。
「微分?んなもん将来には何の役にも立たねぇんですよ!」
「そんなことないよ。おそらく次の範囲になる積分は微分できなきゃできないし、数Vでは……、」
「じゃぁかぁしぃっ!です!」
「あいたー!」
 再び翠星石が机を叩いたために転がっていた消ゴムが反動で僕の額にジャストミート。
224名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:50:48 ID:SC8Ala2S
>>223

「行くったら行くですよ!」
 結局、僕は彼女に着いて屋上へ向かうはめになった。
「ここですね」
 少しだけ薄暗い階段の奥に扉が見える。
「無駄だと思うよ?」
 まだ少し痛む額を擦りながら、翠星石を諭すが、やはり彼女は聞く耳を持たない。
 翠星石はノブに手をかけ、少しだけ捻る。
「あれ、」
 と呟いたのはどちらだったか、意図も簡単にノブは捻られた。何の抵抗もなくあっさり開いた屋上への扉。
「ほぉら、開いてるですよ!」
「おかしいな……」
 と呟いている間に翠星石はすたすたと扉をくぐった。
「うーん、気持ちいいですねぇ」
 二月とは言えど、昼間は太陽の光が強くて、暖かいぐらいだ。まさに、小春日和と言ったところか。
「これ何ですか」
 屋上の中央に、ちょうどそれを二つに分けるかのように置かれている大きなタンク。
「タンクでしょ。水道用の」
「へぇ、あ、裏行けるですね」
 タンクの横の隙間を通って裏側に入った翠星石を追って僕も入った。
「こんな風になってるんだ、」
 その時、翠星石がシッと人差し指を唇の前に立てて見せた。
「話し声がするですよ」
 確かに耳を澄ませると誰かの話し声がする。僕達の後に入ってきたらしい。
225名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:51:13 ID:SC8Ala2S
>>224

「ちょっと、何考えてるのよ水銀燈!」
「言ってあげましょうかぁ?真紅ぅ」
 会話の内容から察するとどうも水銀燈と真紅らしい。
「や、馬鹿、……あっ」
 真紅の艶っぽい声が響いたこと思うと、あとは冒頭に繋がる。
 そっと隣を見れば、状況を理解したらしい翠星石と目があった。
「ど、どうしましょう……?」
「どうする、って……」
 ひそひそとかなり声を低くして会話をする。自分達が悪いわけではないのに、自然とそうなる。
「大体、君が屋上行きたいなんて言わなければ」
「あー、もう。分かってます!それは翠星石が悪かったですからなんとかこの状況をですね……」
「危機的状況回避」
「昔に潰された某バラエティーの人気企画の名前は今いらんですよ!」
「んぁぁ……っ」
 真紅の甘い声に二人揃って、ビクッと肩が跳ねた。
「と、とりあえずどうにか出て行けないですかね?」
「む、無理だよ」
 自分達が入ってきたドアはこの空間ではなく、隣の空間にしかない。
「終わるまで待つしかないよ」
「そんな……」
 僕がその場に座り込むと、翠星石もあきらめてそこに座り込んだ。
 時折、響く真紅の嬌声。いや、意外に無心になればどうってことはない。
226名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:52:42 ID:SC8Ala2S
>>226

 とは思うのだが、やはり片割れにそんな図太い神経はないらしく、耳をガッチリと塞いで、目を固く閉じている。
「大丈夫?」
 翠星石の肩を抱き、強制的に自分の胸に納めた。
 コクリ、と小さく首を縦に振るが、その体は小さく震えている。
 その姿を見ていると、こう──。
「翠星石」
 いけない感情が沸いてくる。
「僕達もしようか?」
「……は?何を、」
 素頓狂な声を上げるのが早いか否か、彼女の口を自分の口で塞ぎ、奥へ舌を捩じ込む。
 しかし、翠星石の舌は更に奥へと逃げてしまう。それを強引に絡めとり、互いの唾液を交換する。
「な、何考えて……っ」
 シーッ、と人差し指を唇の前で立てると、翠星石は大人しく口を接ぐんだ。
「気になるのなら、気にならないようにしてあげる」
 そう言って彼女のセーターを捲り、ブラウスに手をかける。
「ちょっ、ばか……ひっ」
 露になった真っ白の肌に淡く跡を残すように吸い付く。
「やっ……寒、っ」
「直に暖かくなるよ」
「ばか……っ!」
 下着と肌の境目をわざわざ狙って舌を這わせる。ぶる、と一回大きく彼女の体が震えた。
227名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:53:19 ID:SC8Ala2S
>>226

「や、……んんっ」
 フロントホックを外し、そのたわわな胸を露にする。
「スッゴク綺麗……」
 擽るようにわざと耳元でそう囁いて、その双丘を両手でやわやわと揉んでやる。
「ぁ……だめ、っ」
「『だめ』?『だめ』じゃないでしょ?……ほら、」
 そのてっぺんに尖る突起をわざと強く掴む。
「固くなってるのに」
「や、ちが……違う、のに」
「違うの?じゃあ何でかな?」
 わざと人差し指一本で突起の周りを触れるか触れないかの加減で弄る。
「あ、……や、やだっ」
「ここも、」
 と言ってスカートを捲って下着の上から指を這わせる。
「濡れてるのに……。真紅の声聞いてた時から濡れてたんじゃない」
「ちが……っ!」
「壁越しに水銀燈と真紅がシてる状況なのに……やらしいね、君は」
「やぁぁっ」
 首を左右に振って、いやいやと啼く。言葉で犯されるのが一番翠星石にはクるらしい。
 下着を横にズらし、そこに指を這わせると、それだけでもうぐずぐずに濡れていた。
「ひぁぁっ……んんっや、やめてっ……」
「やだ」
 蜜口の上に位置する突起に羽根のように柔らかく触れただけで、翠星石はビクリと跳ねた。
「ああっ……だめっ、そこ、んぐっ」
 翠星石の口を強く塞いで舌を自由に動かす。唇を離すと、二人の間に透明な橋が架かった。
228名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:53:47 ID:SC8Ala2S
>>227

「隣に聞こえちゃうよ?さすがに聞かせるには勿体ないからね」
 と、自分のリボンを外すと丸めて翠星石の口に突っ込んだ。
「苦しいかったら出していいよ。その代わり声、気を付けてね」
 翠星石の頬を一つ啄んで、そのまま唇を耳に移動させる。
「んんっ……」
 翠星石のくぐもった声が直接耳に響く。
 彼女の形の良い耳に甘噛みし、柔らかな耳たぶを丁寧に舐め上げる。
「ひ……んんんっ」
 下着を太ももに沿ってずり下ろす。左足から外し、右足に引っ掛けたまま、両足を大きく広げる。
「んっ、ん、んぁ……」
 慌てて手で隠そうとするがそれを妨げ、その手の甲に素早くキスをする。
「隠さなくていいよ。すごく綺麗……」
 囁きながら彼女の太ももの間に顔を埋める。割れ目に沿って舌を這わせる。
 ピクッ、と彼女の足が小さく跳ねた。指で拡げ、更に奥まで舌を侵入させる。
「入れるよ?」
 中指を入り口に添え、そっと奥に埋める。唾液と愛液でぐちゃぐちゃに濡れたそこはほとんど抵抗なく中指を飲み込んだ。
「ん、んっ……」
 苦しそうに息を吐く翠星石の額に一つキスを落として、囁く。
「苦しい?リボン出す?」
 涙の浮かんだ瞳を薄めながら、小さく彼女は頷いた。
229名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 20:54:28 ID:SC8Ala2S
>>228

 翠星石の唾液でぐちゃぐちゃになったリボンを出してやると、息を大きく吸った。
「大丈夫?」
 そう問いかけると両手を広げて、僕を強く抱き込んだ。
「大丈、夫……ですからっ、早くっ……!」
 きゅうきゅうと僕の指を締め付ける彼女の頬を再び小さく啄んで、人差し指を侵入させた。
「ぁっ……んあっ、やぁ、だめ、あ、そうせ、せきっ」
「可愛い……」
「ひぁぁ……やっ、あああっ」
 僕の言葉にも敏感に反応する彼女の体を抱き締め、彼女を昇らせる。
「あ、……も、だめっやっああっ、イっちゃ……う、やぁぁぁっ」
 指の動きを速め、彼女の胸の突起を痛いほどに摘む。
「あ、だめ……や、もあああ──っ」
 彼女の腕から力が抜け、ズルリと腕を落とした。倒れそうになった彼女の体を支え、強く抱く。

「大丈夫……?」
 暫くしてもまだ荒々しく肩で息を整えている彼女に問いかけると辛そうながらも笑顔で頷いた。
 ちょっと待っててね、と声をかけ通ってきた隙間から別の空間を覗くと、既に二人はいなくなっていた。
「もういなくなってたみたいだよ」
「帰り、ますか?」
 明らかに辛そうな姿を見せられては頷くこともできず、首を横に振って彼女を背後から抱き締めた。
230名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 21:01:22 ID:SC8Ala2S
>>229

「もうちょっとここにいようか」
「ですね、」
 彼女の頭を優しく撫で、そこにキスを一つ落とした。
 翌日、使い物にならないリボンを着用せず登校し、水銀燈に問い詰められた。
「だから、君のせいだって」
「はぁ?わけ分かんないんだけどぉ」
「否、君『達』かな」
 それでもまだ訝しげに眉を潜めているので、真相を教えてやると、パチンと一つ張り手を食らった。


終わり
231名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 21:02:22 ID:SC8Ala2S
以上どす
安価ミスったすまない
途中さるさん食らって止まったすまない
232名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 22:26:55 ID:HBib62Fb
>>231
超乙!!屋上とはナイスシチュ
銀紅も蒼翠もいいね!
233名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/13(金) 23:11:45 ID:bn0VhgVL
>>217
そのスレの雰囲気を悪くさせてる僕を呼び寄せてるのは
糞キム関連の書き込みやあなたみたいな構ってちゃんの書き込みが原因ですが^^
234名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 06:46:35 ID:gFE1//bp
>>233
金糸雀きらいだからってわざわざスレ監視してるキチガイがなにいってるw
235名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 10:01:47 ID:aBqyMuEA
236名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 10:02:36 ID:2rgU50NM
VIPっぽいって雛苺が腹黒かったり、ばらしーが天然ドジっこだったりきらきーが〜ですわ!口調だったりってこと?
一年以上前の印象だけど
237名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 10:17:28 ID:2k5bLCyW
>>236
いや、そういうのじゃなくてネタ的な意味で
238名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 11:53:25 ID:WydScT6v
>>234
だからあなたみたいな人のせいでスレの雰囲気が悪くなってるんですよwwwwwwwwwwww
いいかげん気付いてくださいよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
239名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 11:54:03 ID:WydScT6v
>>235
さすが構ってちゃんは嫌われてますねwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
240名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 12:33:58 ID:m1ag3+Nn
>>234
相手にしない方がいい
言葉の通じない奴に何を言っても無駄さ
241名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 12:51:28 ID:doz5NZmm
>>231
口にリボンを突っ込むとは…なかなかなマニアックプレイだなw
S蒼良いよー
242名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 12:51:33 ID:23EUyrmV
「頭のおかしな人」の判定基準

・「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
 他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど
 無茶をし始めるので見かけたら放置してください。

・根拠もなく、他人を見下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人
 他人を見下すことで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが
 プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。
 可哀想なので放置してください。

・自分の感情だけ書く人
 「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。
 何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、
 そういった論理的思考の出来ない人です。
 もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。

http://info.2ch.net/before.html
243名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 20:00:33 ID:+FCq/PC4
疑問なのだが、どうしてそんなにも金糸雀嫌いなんだ?そんなに反応するんだ?
わりと金糸雀好きな俺としては些か腑に落ちない。
確かに、好きなキャラも嫌いなキャラもいるだろうがそれでもここは嫌いなキャラを叩くアンチ板ではないと思う。
まあ、『アンチ厳禁』というルールが明確に示されてはいないから仕方ないかもしれないが。

何が言いたいかと言うと『翠星石は最高』ということだ。
244名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 20:16:50 ID:aBqyMuEA
>>243
ルールにして守れる人ばかりなら、荒らしなんてどこにも湧かないよ。
245名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 21:08:47 ID:+FCq/PC4
>>244
それはわかっているつもりだが、ただせめて『良識』に期待したいと思っただけ。
だってここには『ローゼンメイデン』という作品を好ましく思う同志たちが集まっているはずだろ?
少なくとも仲間に良識を期待するのは間違っているとは思わない。

長々とスレ違いな発言を失礼した。
246名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 21:12:51 ID:WydScT6v
>>243
だから構ってちゃんはもっとスルースキルを身に付けろって
247名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 21:38:37 ID:0KQjtZC9
まぁまぁ仲良くしなさいって
同じ穴のムジナだろ?
248名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/14(土) 23:00:32 ID:nK7rXfMZ
アンチはスルー。じゃなきゃここがカナアンチ隔離所って見られるだろ
249名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 02:24:15 ID:dSzT0yXk
>>248
僕の名前を出してる時点でスルーできてませんから^^
250名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 10:47:17 ID:Yvh+HGlR
>>249
で、お前はスルーしないってw?
いい加減にしろ
251名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 11:28:51 ID:dIeLo3vY
>>250
なぁ…その言葉をそのままお前にも送るわ。
頼むからスルーしてくれ。
お前も荒らしか?
252名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 13:32:02 ID:YqLk8wWI
銀紅エロまだー?
253名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 15:11:01 ID:mnFdXVu3
>>252
今書いてるよ
……今月中には書き上げたいな
254名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 15:44:26 ID:x7tEa0uN
>>253
ふぁいと
255名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 15:50:19 ID:WRTwiNwT
雛受けキボン
256名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 15:58:23 ID:dIeLo3vY
>>253
ガンバレ

>>255
俺も久しぶりに見たいな雛受け
257名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 20:22:47 ID:juQH/j4g
雛祭りまでに雛総受け(Loveという意味で)の話が書きたいけどネタが浮かばない…。
258名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 20:47:09 ID:dSzT0yXk
>>250
はい構はい構
259名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/15(日) 20:47:44 ID:dSzT0yXk
>>251
さすが構ってちゃんは嫌われてますねwwwwwwwwwwwwww
260名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 17:22:00 ID:vG+aXqeE
hage
261名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:05:51 ID:XnWpFkGK
めぐのりのSS投下します。
ちなみにめぐ×のり←巴の設定です。
262名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:06:50 ID:XnWpFkGK
 カーテンの隙間からの陽射しに目を細めつつ、時計を見てみると既にいつも起きる時間より十分近く過ぎている時間だ。
 もうそろそろ起きて学校の準備しないといけないのだが、そんな気になれない。
 布団の温もりを感じていたいという事もあるが、一番嫌なのは下腹部に来る鈍痛と不快感と悪寒…。
 どう見ても生理痛だ。昨日からそんな気配はあった気がするが、こんな一気に来るなんて思わなかった。
 朝の寒い空気から逃げるよう布団に包まり直すと、先に起きた水銀燈がベッドの脇に立って見下ろしているのに気が付いた。
「めぐ、そろそろ起きなさぁい。遅刻するわよぉ」
「…分かってるわよ…」
 顔をしかめたまま顔を見上げると、水銀燈は少し訝しげに首を傾げた。
「どうしたのぉ? 今日はずい分と不細工な顔ねぇ」
「…生理痛よ…」
 軽口に答える気にもならず、少し恨めし気に睨む。
 だが水銀燈は頭にハテナマークでも浮かべるような顔をするだけだ。
「生理痛ぅ? 何それ」
「…そうか、あなた人形だから生理が無いのね…羨ましい…」
 同じ女だというのにこの苦しみを分かってくれないことに落胆し、深い溜息を吐いた。
 その様子に、水銀燈の顔にも少しずつ心配そうなそれが浮かんできた。
「…辛いの? どんな感じ?」
「…お腹痛いし寒いし腰は痛いし…あと、大事な所から血が出るわね…」
「血が!?」
 血という言葉に驚いたのか、水銀燈は思わず大声を上げてしまった。
 それが腰に響き、痛みに顔をしかめる。
 水銀燈もその様子に気付き、しまったと言ったような顔で口元に手を当てた。
「…学校行けそう? 休むぅ?」
「…正直行きたく無いけど、これで休む訳には行かないから…」
263名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:07:34 ID:XnWpFkGK
 痛い腰にイライラしながらもそもそと布団から抜け出し、冷えた空気に身を強張らせる。
 それで余計に痛みが増し、学校を休もうかと本気で一瞬考えた。

―※―※―※―※―

「ああそっか…のり、今日朝練だったっけ…」
 食欲が無く大して物も食べれず、身支度して外に出た時に思い出したのがそれだった。
 朝練が無い時は一緒に途中まで登校したりするのだが、今日は朝練がある日だ。
 心細くて一番会いたい時に会えない、それで余計にイライラして深い溜息を吐く。
 まあ考え様によってはこんな不細工な表情をしている時に会わなくて良かった、と考える事も出来るが。
 いつもよりも重たく感じる鞄を手に、めぐは渋々と学校へ向かって行った。
 透き通るような冬の青空も、今は全く興味を示さない。
 ただただ顔をしかめて、時折お腹を擦りながら一歩一歩進んでいく。
 そうゆっくりと学校に向かっていると、曲がり角から人影が現れてぶつからないようにそれを避ける。
「…あら…」
「……おはよう」
 その人影は巴で、めぐの姿を確認すると目が一瞬少し大きくなったような気がした。
 それに気の無い返事で「おはよう」と言うと、そのまま何も言わず隣に並ぶ。
 重い沈黙の空気が二人を包んだまま歩き続ける。正直あまり関わりたくないが、露骨に避けるのも嫌らしい。
 めぐとのりが付き合っていることがばれた日から、巴とは気まずい関係が続いていた。
 別に今までそう交流があった訳ではないが、こういう空気は正直うんざりだ。今日みたいな日は特に。
 そりゃあ巴の想い人であるのりを奪った――向こうからすれば――のだから、向こうが良くない印象を持っているのは分かるが。
「…そう言えば今日の合同体育はハンドボールだったわね」
 しばらく無言だったが、仕方無しといった様子で巴から話を振ってきた。
「…そうか、今日体育があったっけ…」
 この痛みですっかり忘れていたが、今日は体育がある日だった。
 とは言えこの痛みではとても体育なんて出来そうに無い。
264名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:08:13 ID:XnWpFkGK
「…悪いけど、今日の体育は見学するわ…。体育頑張ってね…」
「あら? 風邪でも引いたの?」
「…風邪の方がまだマシね…。…生理痛よ…」
 巴はそれを聞いて無表情に少し同情の色を浮かべ、めぐはお腹を押さえたままそう告げる。
「…酷いの?」
「いつもは軽いんだけど、今日のは正直キツイわね…」
 冷たい風を少しでも防ごうとマフラーに顔を埋めて体を縮ませる。
 それでも服の上から体温が奪われて、顔がしかめっ面になっていくのが分かった。
「…そう。残念ね、あなたを負けさせられなくて」
「…それはどうも…」
 巴から心配そうな表情は引っ込み、元の澄ました表情に変わっていった。
「私はクラス委員の仕事があるから先に失礼するわ。それじゃ」
「あ…」
 それだけ言うと巴は軽く手を振って足を早め、めぐを残して先へと行ってしまった。
 遠くなっていく巴を見て、さっきまで一緒に居るのが面倒臭いと思っていたのに、今は酷く心細くなっていくような気がした。

―※―※―※―※―

 学校に着いても当然痛みが治まるわけでもなく、休み時間はもっぱら席に着いたままじっとしたままだ。
 体を動かせば痛みと下腹部から何かが流れ出る感触が気持ち悪く、何もする気が起きない。
 休み時間は友人達がめぐの席にやって来てくれて少しは気が紛れるのだが、授業中ははっきり言って苦痛でしかなかった。
 教師のつまらない講義を痛みにじっと耐えて受けなければならない。
 悪寒と痛みで授業に集中できるはずも無く、ただただ黒板に書かれた文字列をノートに写すだけで精一杯だった。
265名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:09:49 ID:XnWpFkGK
 普段よりも長く感じる授業を耐えていき、午前中最後の授業、体育の時間になった。
 時間が経てば少しは痛みも引くかと思っていたが、それは引くどころか強くなってきている。
 おまけに朝食をちゃんと食べて来なかったせいで、空腹感も手伝ってますます気持ち悪い。
(…次で給食か…それまで我慢しないと…)
 それを食べれば少しは元気になるだろう。
 少し卑しいかもしれないが、それだけを支えにして残り一時間乗り切ろう。

「…柿崎さん、大丈夫? 無理しないで保健室で休んだら…?」
 友人達と一緒に授業場所である校庭へ行く道すがら、めぐの険しい表情を見てそう心配された。
 スカートの下にはジャージを履いて、学校指定のカーディガンを羽織り、マフラーを巻いためぐの姿。
 それで険しい表情をされては、心配するなという方が無理な話だ。
 そんな友人達に、めぐは無理に笑顔を作って軽く手を振る。
「大丈夫よ。これが終われば給食だし、ここまで来たんだからあと一時間ぐらい耐えられるわ」
「…そう…?」
 それでも友人達の表情は心配そうなままだが、めぐの空元気を見てもう何も言えなかった。
 校庭に出ると既に生徒達が多く出てきており、その中には巴の姿も見受けられた。
 巴はめぐの着こんだ姿を見て、こんな寒い校庭へ出てきた事に呆れたような表情を浮かべる。
 それを受け流して先生に訳を話し、体育倉庫の壁にもたれかかって座り授業の見学に入った。
 今日の授業は朝に巴が言っていたようにハンドボールだ。ちなみに男子は体育館でバスケットである。
 何で今日に限って体育館じゃないのか、冷たい北風に吹かれながらめぐはそう男子達を恨んだ。
 準備体操とチーム分けを終えた生徒達はキャッキャッとはしゃぎながらハンドボールの準備に取り掛かる。
 そして準備も終わると教師のホイッスルが鳴り響き、最初の試合が始まった。
 繰り広げられる試合をただただ眺めていると、段々ダウナーな気分になってくる。
 友人達は楽しそうに応援したり試合に挑んだり、その表情からはめぐの事は既に頭に無い様に見える。
 まるで自分は忘れられた存在、切り離された存在であるような…疎外感。
266名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:10:50 ID:XnWpFkGK
(…素直に休めば良かった…)
 友人の言う通り保健室で休めば…いや、そもそも水銀燈の言う通り学校を休んで家でゆっくりしておけば良かったかも知れない。
 寒気はするし下腹部の痛みは強いし気分は悪いし、精神的にも酷く惨めだ。
 抱え込んだ膝に顔を埋めて目を閉じる。こうしていれば何も考えずに済むだろう。
 嫌な事も余計な事も、何もかも。
 だがそれは数分後、足に何かが当たる感覚で終わることとなる。
 目を開けて見てみると、そこにはハンドボールが一つ転がっていた。
 顔を上げると、ボールを取り損なったと思われる生徒が手を振っているのが見えた。
「ごめーん、取ってー!」
 悪びれる様子が見られない態度にやれやれと思いながら、一つ溜息を吐くとボールを手に取った。
 それを投げて渡そうと立ち上がる。
 その瞬間。
(あ…れ…?)
 急に全身から力が抜けていくような感覚が体を襲い、目の前の景色が歪んで波打っていく。
 それに、まるで体が重油に飲み込まれたように動きが取れなくなっていき、自由に動きが取れなくなっていく。
 歪んで見えていた景色はやがてチカチカと白く染まっていき、体のバランスはどんどん無くなっていった。
「柿崎さん!?」
 遠くでそう呼ばれた気もしたが、もはやそれに答える余裕も無い。
(…ちょっと急に…立ち上がり過ぎたか…な…)
 そう思ったのを最後に目の前は白から一転、真っ暗へと変わって意識も闇に飲み込まれていった。
267名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:11:26 ID:XnWpFkGK
―※―※―※―※―

「うるさい、出てけ!!」
 力任せに投げ付けた花瓶は看護婦…佐原の足元で砕け、破片と水と花が辺りに飛び散っていく。
 佐原は狼狽しながらもめぐを落ち着かせようとこちらへと近付いてきた。
「めぐちゃん、落ち着いて…」
「触るな、近付かないでよ!」
 その瞳の奥にはおざなりな同情が浮かんでいるように見えて、それが余計に腹立たしかった。
 そんな同情など欲しくない、構わないで欲しい、頭に血が上ってそうとしか感じ取れない。
 その一方で、冷静な自分が頭の中にいるような錯覚。
 自分はもう退院したはず。それなのに、何故病室に戻っているのか…そこまで考えて、ああ、と思った。
 これは夢か、と。
 そう思っている間にも佐原は近付いてきて、ヒステリックに叫び散らし続ける。
「私は本当にめぐちゃんの事を思って…」
「嘘だ、本当はさっさと死んじゃえば良いって思ってる癖に!!」
「そんな事…」
「黙れ!!」
 床頭台にある物を手当たり次第に投げ付ける。
 その内の一つが目測を誤ったのか、佐原の頭に当たってしまった。
「っ…!」
「あ…」
 当たったのは時計で、それをぶつけられた佐原は頭を押さえてその場に蹲った。
 めぐはそれでしまった、と思い手が止まる。
 本当に当てるつもりは無かった。ただ出て行って欲しくて、牽制に投げたつもりだったのに…。
「…そうね」
 数秒に沈黙の後に佐原から発せられた声は、恐ろしく冷たいものだった。
 聞いた事の無い冷たい声に、背筋が底冷えするような感覚が走る。
268名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:12:03 ID:XnWpFkGK
「だったら、さっさと死になさい」
 目も合わせること無く佐原は背を向けて、そのまま遠ざかっていく。
 冷や水を浴びせられたような思いがして、めぐは慌てて呼び止める。
「待って! 待ってよ佐原さん!」
 だが聞く耳を持たず佐原は消えてしまい、めぐの心に怖さが湧き上がった。
「…佐原さん…」
「また看護婦さんに迷惑掛けたのか、めぐ…」
 今度は背後から声を掛けられ、その方を向くと父親が立っていた。
 その顔は失望と落胆が混ざったような表情で、これまで見たことが無い表情だ。
「…もうお前の面倒は疲れたよ」
「な…、パパ…?」
「…じゃあな。今度会うときは、望み通りお前が死んでからだな」
 信じられないその台詞に、めぐは完全に言葉を失ってしまった。
 父親も同じように背を向け、手を振って遠ざかっていく。
「や、やだ…待って…」
「まったく、私もとんだミーディアムを持ったわねぇ」
 今度は水銀燈の声で、顔を見上げると声の主が侮蔑に満ちた表情で自分を見下ろしている。
「水銀燈…」
「あなたみたいなジャンクなんかとは、もう付き合ってられないわぁ。悪いけど、契約は打ち切りよぉ」
 それだけ言うとさっさと飛び立って行き、あっと言う間に遠くへ行ってしまった。
「やだ…いやだ…! 一人にしないで…置いてかないで…!」
 言いようの無い喪失感と恐怖が胸を覆いつくし、力が抜けその場で泣き崩れた。
 次第に辺りが闇に包まれていき、気が付くと足が闇に飲み込まれている。
 それは腰、胸へと浸食して行き体が闇に溶けていく。
269名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:12:59 ID:XnWpFkGK
「助けて! 誰か、誰か…!」
 助けを求めて必死に手を伸ばすが応えは無く、それは空を切るばかり。
 そうしてる間にも浸食は進み、ついには顔まで飲み込まれ何も見えなくなって声も出せなくなってしまった。
(死にたくない…死にたくない…!)
 必死に心の中で叫ぶが、意思とは裏腹に体からは力が抜けていく。
 もう駄目か…そう思った時、伸ばしていた手が温かい何かに包まれた。同時に、頭の中に声が響いてくる。
『めぐちゃん…めぐちゃん…』
(…この声…)

―※―※―※―※―

 その瞬間目は覚めて意識は現実に戻り、自分がベッドに寝かされていることに気が付いた。
 嫌な汗を顔中にかいていて息苦しく、消毒の匂いが鼻に付いた。保健室か、ここは…。
「めぐちゃん、目が覚めた?」
 声が聞こえてその方を見ると、のりが心配そうな表情をして自分の手を握ってくれていた。
「のり…」
「何だか酷くうなされてたけど…大丈夫?」
 最も愛しい人が来てくれた。それが嬉しくて、安堵と同時に心のタガが外れ思わずのりの胸に抱き付いた。
 のり温もりを逃さないようにしっかりと背中に手を回す。
「めぐちゃん…?」
「お願い…。少しの間、こうさせて…お願いだから…」
 堪えていた心細さと不安が涙となって零れ落ち、のりの服に染みを作っていく。
 最初は少し狼狽していたのりだったが、やがてめぐの背中に手を回してしっかりと抱きしめてくれた。
 そうしてくれて、心が少しずつ穏やかになっていくようだ。
270名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 11:13:27 ID:XnWpFkGK
「…ずっと怖い夢見てた」
 数分間のりの胸で泣き続け、ホットココアを貰って落ち着きを取り戻すと、夢の事を話し始めた。
「…夢の中じゃ私は入院してて、それで昔みたいに暴れてたんだけど…。それでみんなに見放されて…」
 目を閉じて夢の事を思い出し、ポツリポツリと続けていく。
「一人になりたくない、置いてかないでって泣いて…気が付いたら、体が闇に溶けていっちゃうの」
「うん…」
「…凄く怖くて…もう死ぬんだって思った…。でも、手が温かいのに包まれて…そこで目が覚めた」
 ココアを一口すすり、一つ溜息を吐いた。
「…何だか自分勝手よね。昔は人を拒絶してたのに、死にたがってたのに…今は正反対な事言ってるんだから」
 のりは何も言わず、真剣に話を聞いている。
「今は…取り残されるのも、人から拒絶されるのも…。独りになるのが…凄く、怖い」
 ココアのカップを握る手に力が入り、不安と怖さが再び湧き上がって来た。
 そんな気持ちで黙っていると不意に手を握られ、顔を上げるとのりが優しい表情を浮かべていた。
「大丈夫。めぐちゃんは独りなんかじゃない」
 眼鏡の奥の優しい瞳が、真っ直ぐ、力強く自分を見つめている。
 その目を外さないまま、のりは続けていく。
「今のめぐちゃんにはお父さんも水銀燈ちゃんも、新しく出来た友達みんなが付いてる。みんな心配してたわよ」
 一言一言、優しく語り掛けるようなそんな口調。
 その言葉一つ一つが胸に染み込んで行き、凝り固まった不安を溶かして行くようだ。
「…もし仮にみんなが見放したって、私は絶対にめぐちゃんを見放さない。約束したでしょう? 死ぬまで…死んでもずっと一緒だって」
 のりの言葉にめぐは静かに頷いた。忘れもしない、手術する前に交わしたあの誓い…。
 鼻の奥に少しツンとした物が抜けて、再び流れそうになる涙を堪える。今度の涙はさっきまでとは違う、嬉しさと安堵の物だ。
「ありがとう、のり…」
 それだけ搾り出したように言うとのりも笑顔で頷いて、持っていた鞄を開けて中から弁当の包みを差し出してきた。
271名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 13:00:58 ID:XnWpFkGK
「ホッとしたらお腹空いたでしょ? お昼の時間終わっちゃったから、これ食べて」
「え…でもこれってのりの弁当じゃ…」
「私はいいから、ほら」
「いや、でも…」
 そうしていると不意にめぐのお腹がグゥゥ、と情けない音を立ててしまった。
 呆気に取られて二人の間に一瞬の沈黙が流れたが、すぐに可笑しくなってきてやがて二人とも笑い出した。
「それ食べて薬飲んだら、今日は帰ろう。早退届は出してもらってあるから」
 めぐは頷き、受け取った弁当を早速食べ始めた。

「そういえば、さ」
 校門に向かう道すがら、ふと疑問が湧き上がって聞いてみた。
「私が倒れたって誰から聞いたの? それに、学校は…?」
 時間は今六時間目が始まる前。のりだって学校だったはずなのに、どうしてあの事を知っていたのか。
 その質問を聞いて、のりは少し笑って口を開いた。
「巴ちゃんから聞いたの」
「巴…柏葉さんが?」
 意外な人物に思わず聞き返してしまった。
 あの巴が自分のためにそんな事をしてくれたなんて思いもしなかった。
「うん。めぐちゃんが倒れたってメールがあってね。心配で午後から早退して来ちゃった」
「そうなんだ…」
 意外な事実だが、めぐは巴に対して初めて感謝の念を抱いた。意外と良い人なんだな、と言う思いも。
「今日はこのままめぐちゃん家まで送ってってあげる。お父さんが帰ってくるまで付いててあげるね」
「うん、ありがとう」
 のりの腕に抱き付き、校門を抜けて帰路に着く。
 その胸からは既に、抱いていた不安と恐怖はない。あるのはただ、愛しい人から感じる温もりと安らぎだけだった。
272名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 13:01:23 ID:XnWpFkGK
―※―※―※―※―

 巴が六時間目の準備をしていると、由奈が廊下から戻ってきて近付いてきた。
「今、桜田さんが柿崎さん連れて帰ったって」
「…そう」
 努めて感情の含まない声でそう返したが、由奈はその様子に苦笑いを浮かべ肩を竦めた。
「巴も優しいわね。柿崎さんって恋敵なんでしょ?」
「…仕方ないでしょう? 事態が事態だったんだから…」
 あの時、放っておこうかと一瞬でも思ってしまったが、悲しむのりの姿を思い浮かべたらそうも出来なくなってしまった。
 それに、そんな冷酷な事を一瞬でも考えた自分が腹立たしく、嫌気が差したのもある。
 頬杖を着き、苦虫を噛み潰したような表情で溜息を吐いた。
(…今回は特別だからね。感謝しなさいよ、柿崎さん…)
 鳴り響くチャイムを聞きながら、そんな事を思った。

終わり
273名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/17(火) 13:02:28 ID:XnWpFkGK
投下完了。途中猿さん喰らって間があいてしまった…。
気付けば巴がツンデレチック?
274名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 22:16:13 ID:pm6Z7dN+
あげ
275名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/19(木) 13:31:49 ID:Na3Y2Hw/

















































276名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/22(日) 09:53:15 ID:vO7PBkae
ああ、時間が無い。ネタがない。
あれば蒼翠SS投下したいのに。
277名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:36:58 ID:adRHf1D0
銀紅の新しい長編投下するよ
途中エロ入るけどまだ入りません
278名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:37:27 ID:adRHf1D0
『君に紡ぐ唄』

 それは遠い昔。まだ科学が発展してなく、天災は神々によって起こっているものと信じられていた時。
 とてつもなく大きく、広い、海のような川があったとさ。
 そこ近いある漁村に一人の赤子が天からの授かり物のように捨てられてるのを見つけた。
 その赤子はここらじゃみないような金髪に、青い瞳をしていた。
 赤子は村長姉弟の計らいですくすくと育っていったが、その異様な雰囲気をよしとしない者が多かった。
 時には剥き出しの敵意で少女に近づき、暴力を振るい、聞くに絶えない罵詈雑言を浴びせる者もいた。
 しかし、それでも少女が健やかに成長できたのは村で一番信頼のある村長姉弟のおかげであろう。
 その赤子は数年たって立派な少女となった。紅の着物を好んで着て、それに美しい金髪がよく映える。
 少女が丁度この村に来てから13年がたった日、一隻の漁船が転覆。
 その船に乗っていたのは少女を嘲け笑った村人だった。


 ──君と一緒に
279名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:38:14 ID:adRHf1D0
>>278

 最初、村人達は何も疑わなかった。少なからず漁に出れば、事故は付きまとうからだ。
 しかし、それから間もない頃、再び高い波に飲み込まれて漁師が死ぬ事故が起きた。
 その漁師も少女をよく思わない村人の一人だった。
 それ以来だった。不幸にも漁船が次々と転覆事故を起こした。死んでいったのは全て、少女を嘲った者達。
「川神様が怒っていらっしゃるのだ……」
「あの女はきっと川神様の遣いだ……」
「あいつを川に還すんだ!」
 と、そういう目で少女を見るようになった。時には少女に面と向かって盾つく者もいた。
「お前が村人を殺したんだろう!」
「証拠もないのに勝手なことばかり言わないで頂戴。口だけは達者なのね」
 と、少女は相手にもせず軽くあしらって、気にしないようにしていた。
 しかし、ある晩のこと。心ない村人によって村長の家が焼かれた。
 幸い、家に誰もいなかったことから怪我人は出なかったが、それが少女にとってどんなに辛かったか。
280名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:38:52 ID:adRHf1D0
>>279

 火事に集まった人々は少女にこう投げ掛けた。
「お前のせいだ!」
「お前がいるからこんなことになった!」
「出ていけ!」
 ──私のせいで、迷惑をかけてしまう。
 それでも姉弟は少女に優しく接した。お前のせいじゃないのは分かっている、きっとその内みんなも分かってくれる、と。
 しかし、その優しさが少女には辛かった。
「話があるの」
 少女は村長姉弟の前に座り、真剣な表情で口を開いた。
「私を、人身御供にしてほしいの」
「なっ……」
「ダメよっ!」
 姉弟は守るように少女を抱き締めた。しかし、少女はやんわりとその腕を外し、寂しげな笑みを浮かべた。
「……私はこの村の皆を、貴方達を守りたいの」
 お願いします、と少女は額を床につけた。姉弟は悔しそうに唇を噛んだが、何も言えずに俯いていた。
 その翌夜。丑三つ時を指そうとしているときだった。いつもは静かなこの時間、今宵は村人の荒々しい声。
 あらゆる箇所に火が焚かれ、真っ赤な着物に袖を通した少女に浄めの冷水がかけられた。
 本来、人身御供に出る者は真っ白な着物を着るのが定石だが、少女の強い希望で真っ赤な着物を着ている。
 畳が三枚用意された。一枚には米俵が二つ、もう一枚にはその川で取れた魚達、最後の一枚には少女が静かに正座する。
 村の男達が川の中へ三枚を担いで分けいる。進めども進めども、向こう岸は見えない
281名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:39:40 ID:adRHf1D0
>>280

 やがて胸から下全てが浸かった時、男達は畳から手を離した。
「川神様ぁっ!どうか、お鎮まりくださいっ!」
 誰かがそう叫んだとき、ザバッと音を荒げて波が高くなり、畳三枚をあっという間に拐っていった。
 村人達は川に向かって跪き、手を合わせてお経を口々に詠んだ。
 ──神など信じない。神が本当にいるのならば、何故私をこんな目に合わせるのか問い詰めてやる。
 川に落ちて行く時、少女は頭の片隅で、そんなことを思っていた。
 目が覚めたとき、その寝心地の良さに思わず瞼をもう一度閉じかけた。
 しかし、違和感を覚え跳ねるように、飛び起きた。
 柔らかい寝心地を感じたのはおびただしい数の黒羽が敷き詰められていたから。
 辺りを見回すと古いが、それでもしっかりとした木でできた家屋のようだった。
「羽のベッドはお気に召さなかったかしら?」
 背後から聞こえた声に慌てて振り向けば、銀色の長い髪に赤い瞳の黒い着物を着崩した同じ齢ほどの少女。
「誰……?」
「はぁ?そんなのこっちの台詞よぉ」
 その黒い少女は髪を風に靡かせながら赤い少女の顔をまじまじと見つめた。
「川から今朝流れてきたのよぉ。何かあったのぉ?」
 それを聞いた少女は歯を食い縛ってうつむいた。
「覚えてないのぉ?」
 少女は冠を振った。
282名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:40:12 ID:adRHf1D0
>>281

 頭によぎる、村人達から浴びせられた罵詈雑言の嵐。世話になった姉弟達の悲し気な表情。
「……言いたくないのぉ?」
 少女はそれに答えなかった。黒い少女は小さく息を吐くともう一人の少女の前に焼き魚を串に刺さったまま投げた。
「ま、とりあえず食べなさぁい。後、私の名前は水銀燈。貴方は?」
 少女は水銀燈の放り投げた魚を手に取った。
「……名前、……何だったかしら」
「はぁ?記憶ないの?」

「そういうわけじゃないんだけど、……名前だけ、分からない」
「ふぅん、まぁでも名前ないと不便ねぇ」
 水銀燈は顎に手を当てて、いかにも考えているようだ。
「『真紅』でどう?」
「真紅?」
「そう、紅の着物着てるから」
「ふふっ」
 自信満々にそう言う水銀燈の表情に思わず噴き出してしまった。
「何よぉ」
 それがお気に召さなかったらしい水銀燈は不満そうな視線を真紅に送る。
「別に何でもないわ。ただ、分かりやすいって思っただけよ」
 水銀燈はそれを聞いても、なお不満気に眉を寄せていた。やがて真紅がプニっと水銀燈の頬を突ついた。
283名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:40:44 ID:adRHf1D0
>>282

「ありがとう。助けてくれたんでしょ?」
「……私の島で死なれちゃ困るから助けただけよぉ」
「……貴女の、島?」
「そうよ」
 水銀燈は真紅の手を引いて屋外へ連れ出した。
 外に出るとこの家が立ってるのがやっとのほどの小さい島だというのが分かった。
 しかも、島を囲む水は海ではなく川らしい。舐めてみると全く塩っからさがない。
「何故かは分からない。けど物心付いた時からここで一人で暮らしてるのよぉ」
「ご飯とかは?」
「川がくれるのよぉ」
 必要なものが、必要だと思ったときに、何故か川から流れてくるの。
「寂しくなかったの?」
 川を見ていた水銀燈がくるりと真紅の方を向いた。
「寂しいとは思わなかったけど、貴女が来たってことは寂しかったかもしれないわねぇ」
 そう言いながら笑った水銀燈の顔が何故か凄く眩しくて、思わず目を反らしてしまった。
「真紅ぅ?」
 それを不審に思ったらしい水銀燈が真紅の顔を覗き込む。
「あ、あの羽根は?」
「羽根?」
「そう。私が布団にしてたもの」
「あぁ、あれねぇ」
 その時、少しだけ水銀燈の表情が陰った事に、私は気づかなかった。
「そうよぉ。流れてきたのぉ」
「そう……。ねぇ、水銀燈」
「ん?」
「私、ここで一緒に暮らしてもいい?」
 その質問を聞いた水銀燈は目を丸くさせて真紅を見つめたが、やがてフッと笑うと真紅の頭を撫でた。
「当たり前じゃなぁい。歓迎するわよぉ。ま、いいもんはないけどねぇ」
 肩を竦めてイタズラっぽく笑う水銀燈につられて真紅も優しく微笑んだ。
「よろしく、水銀燈」
「こちらこそよろしくぅ、真紅」
 かくして、二人の、二人だけの生活が幕を開けた。

終わり
284名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/23(月) 15:41:29 ID:adRHf1D0
以上どす
週一ぐらいで投下できれば、とは思っている
285名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/24(火) 23:07:37 ID:ieVRRLvG
>>284
全力でワッフルさせて頂こう
286名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/25(水) 09:19:12 ID:vtNWxgYP
>>273
巴も複雑だな。
のりが悲しむから…ってめぐの存在を認めてなきゃ言えないねぇ。

>>284
何とも不思議な世界観。
邪魔者扱いで流された真紅と、必要なモノが流れてくると言う水銀燈と…
これは期待
287名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/26(木) 16:44:59 ID:sNnugXai
今週はびっくりするくらい、めぐ×水銀燈だった
288名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/26(木) 17:36:58 ID:qvQUwdIt
むしろ雪×めぐ×水銀燈のような…
289名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/26(木) 18:43:12 ID:d+ZjlI/+
今週号は、めぐ銀がオフィシャルになったと考えていいんだな
290名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/27(金) 06:14:48 ID:Hp7qGCDc
どうでもえがマッキーのHungry Spiderが銀→めぐに聞こえて仕方ない
いや、俺は銀紅派なんだがな
291名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/28(土) 01:29:38 ID:QVpkdNmR
>>290
前その歌詞をモチーフに蒼翠描いてって言われたことあったわ
292名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/28(土) 13:04:12 ID:73/1xwpG
>>291
俺もアレ参考にしながら銀紅書こうとしている
293名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 15:20:00 ID:TC7bdyYt
銀紅、蒼翠、金雛、雪華薔薇でリクエストくれ
○○な銀紅みたいな感じの
エロの有無も
294名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 15:43:23 ID:Brhg9I3d
>>293
クズの名前出すな
295名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 16:02:37 ID:XPjVJIAS
>>293
水銀燈×真紅でリモコンバイブしながらのデート

もろ変態リクだができるでしょうか?
296名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 17:55:42 ID:TC7bdyYt
>>295
おk
297名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 19:44:55 ID:rPWh9Z+s
>>293
蒼星石がヤンデレの蒼翠(エロ有り)
↑をリクエしてもおk?
298名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 19:58:57 ID:TC7bdyYt
>>297
おk
299名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 20:04:45 ID:G8otkY1G
ちょっと想像した
勃起した
(どっちが操られるのかは知らんが…)


カチッ

水銀燈「っっ! ふ、ふぁぁああああんん!!!」(ビクッ、ビクン!!)
真紅 「どうしたの?水銀燈、ヘンな声上げて…(くすくす…)」

フライングスマソ
300名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 20:19:23 ID:TC7bdyYt
>>299
あれ、真紅にリモバイじゃなかった?真紅に入れちゃったよ
301299:2009/03/01(日) 20:25:36 ID:G8otkY1G
あ、いえ
これは漏れが勝手に書いたものですので…
沖になさらず…
302名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 20:29:38 ID:TC7bdyYt
>>301
こちらこそごめん
ID見てなかったわ
303名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:47:20 ID:TC7bdyYt
>>295投下するよ
エロあり銀紅
304名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:47:45 ID:TC7bdyYt
 仁王立ちする水銀燈の前に真紅が正座している。いつもなら逆の状態なのに、今日は珍しく真紅が下手のようだ。
「真紅、私は猛烈に怒ってるのぉ」
 額に浮かんだ青筋を隠そうともせず、感情を露にさた水銀燈が真紅に話す。
「はい……」
「何故か分かるぅ?」
「はい」
 何故、こんなにも水銀燈が怒っているのかと言うと、水銀燈のヤクルトを片っ端からピルクルに置き換えたから。
 普通ならこんなに怒るようなことではないが、水銀燈にとっては真紅の次に大事なものにイタズラされたのだ。
 何故、真紅が水銀燈にそんなイタズラするはめになったかはまた別の話だが、とにかく水銀燈の怒りは頂点に達している。
「ごめんなさい」
 何でこんなことで怒られるんだろう、と些か不満だったが、自分が悪いのに変わりはないから真紅は素直に頭を下げた。
「本気ですまないと思ってるぅ?」
「もちろんよ」
「本当ぅ?」
「えぇ」
「じゃあ何でも言うこと聞けるわよねぇ?」
「当たり前よ」
「そう……」
 ここで真紅は慌てて水銀燈を見上げたが時既に遅し。
 今までに見たことのない清々しい笑みの水銀燈。対して真っ青な真紅。
 しまった。と思った時には水銀燈の言うことを聞かなければならない状況になってしまった。


 ──初めてのお使い
305名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:49:26 ID:TC7bdyYt
>>304

 冷や汗が背中を伝う感触が分かる。
「本当に?」
 背後に立ってる水銀燈に僅かな希望をかけて振り返るが、笑顔の彼女の前にその希望は呆気なく砕かれた。
 怒りの代償として、今日一日、日付が変わるまで、真紅は水銀燈の言うことを聞かなければならなくなった。
「大丈夫、大丈夫。ここの店員さんは女性しかいない女性向けのお店だからぁ」
 背中を押されて自動ドアの前に立たされる。慌てて左右を見渡すが、人影はない。誰かに見つからないようにパッとドアをくぐった。
 水銀燈は慣れてるのか焦る様子もなく足を踏み入れた。
 まぁ、慣れていて当たり前か。こんなものを買っているわけだから。
「さて、真紅。貴女がしなきゃいけないことは?」
「適当なコスプレ服と手錠を買ってくること……」
 拙い口調で何とか水銀燈に言われた買い物を口にする。それを言うと水銀燈は満足気に笑って、頷いた。
「正解。と、ご褒美ぃ」
 水銀燈はそう言うのと同時にポケットに入っているスイッチを押した。
「っ……!」
 ビクリと真紅の体が跳ね、途端に腰がひける。体に入っている異物が振動しているのが分かる。
「や……すいぎ、やだっ……」
 もう既にうっすら瞳に涙を浮かべた真紅が水銀燈を見上げる。
306名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:50:02 ID:TC7bdyYt
>>305


 幸い他の客が見当たらないので、店員にバレないように真紅の額にキスを一つ落とす。
「ちゃんとできたらもっといいご褒美あげるからぁ」
 いらない、という言葉が喉まで出かけたがなんとか飲み込んだところで、スイッチがオフにされ、なんとか体勢を立て直した。
 うろうろと店内を歩き回り、やっとコスプレ服のコーナーへ着いた。
 そこへ着いて驚いたのが、色々な種類があること。ナース服といっても5種類ほどある。
「どれがいいの?」
「別にぃ、真紅が選んでいいわよぉ」
「そう言われても、私は別に着たいのはな……ひっ、」
「何?」
「ん、分かった……選ぶ、選ぶ……からぁっ」
 スイッチが切れたと同時にペタリとその場に腰をおろしてしまう。こんなのを続けていたらなかなか終わりそうにない。
「真紅ぅ、大丈夫?」
 水銀燈のせいだ、とは口が避けても言えず、差し出された手をとってフラフラと立ち上がる。
「じゃあ、これ……」
 さすがにメイドやナース等のマニアックなものは選べず、無難なセーラー服を手に取った。
「後は、手錠ね……」
 セーラー服を持ったまま再び店内を歩き回るが、なかなか見つからない。
307名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:50:41 ID:TC7bdyYt
>>306


 何だか同じコーナーをぐるぐる回っている気がする。
「店員さんに聞いてみたらぁ?」
 水銀燈がとてつもなく妖しい笑みを浮かべている。こういう時はろくなことを考えていない。
「ほら、丁度レジに来たしぃ、聞いてみた方が早いわよぉ?早く終わらせたいでしょう?」
 店員に話しかけた途端、水銀燈が何をするか予測がつく。しかし、早く終わらせたいのも事実。
 唇を噛んで、真紅は店員の女性に近づく。
「すいませ……っ!」
 その途端、中のものが震え始める。しかし、ここで反応するわけにもいかず、レジ台に手をつき、なんとか我慢する。
「手じょ……拘束、具ってあ、りません、かっ……?」
 語尾の方がかすれてしまっている。店員は気付いているのかいないのか、丁寧にその場所を説明してくれた。
 店員にお礼を言って水銀燈の方へフラフラと向かう。
「止、め……てぇ……やぁ」
 水銀燈の服を掴んで、崩れそうな足腰をなんとか保たせる。
「よくできましたぁ」
 水銀燈は真紅の頭を撫でてスイッチを止める。
308名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:51:12 ID:TC7bdyYt
>>304


 真紅は彼女の手を引いて教えてもらった方に向かう。
「あった……」
 なんとか手錠を手に入れ、再びレジへ向かう──とこで気づいた。
「まさか……」
 恐る恐る水銀燈の方を振り返ると、今日何度目かの妖しく、清々しい笑み。
「ん?あぁ、財布ねぇ」
 はい、と気軽に渡され、自分がレジへ行かなければいけないことを確信した。
「頑張ってぇ」
 ヒラヒラと手を振ってみせる水銀燈に恨みがましい視線を送るが、水銀燈は気にしてないようで平気な顔をしている。
 小さくため息をついて、セーラー服と手錠、財布を握ってレジへ向かう。
 一定の距離を保ったまま後ろから着いてくる水銀燈を警戒しながらも焦る気持ちから足が早まる。
 なんとかレジへ到着した時だった。予測通り水銀燈がスイッチを入れたらしい。
 台にセーラー服と手錠を置いて片手で財布、片手で自分の体重を支える為に手をつく。
 ピッピッと店員がバーコードを読み取る作業をボーッとした頭で見つめる。
「っ……」
 時折、上がりそうな声を押さえるときに正気を取り戻す。
「6580円です」
 店員が口にした数字通りにお金を出す。手が震えて硬貨が上手く掴めなかったがなんとか払う。
 品物を袋に入れてもらって、水銀燈と一緒に覚束ない足取りで店を出る。
309名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:51:41 ID:TC7bdyYt
>>308

 自動ドアをくぐると中のものがようやく振動を終えた。
 同時にその場に腰をついてしまった。
「あらあらぁ、大丈夫ぅ?」
 全く心配してなさそうな口調で問いかける水銀燈を真紅は睨み付ける。
「大丈夫って……貴女のせ、いっ……ひっ」
 またスイッチが入ったらしく、振動が真紅を襲う。
「そんな事言える立場じゃないことを真紅は理解した方がいいわよぉ」
 真紅を支えながら立たせてやると、スカートに着いた砂を払ってやる。
「今日はまだまだ長いんだからぁ」
 至極、ご機嫌そうな水銀燈とは裏腹に真紅はこっそりと溜め息をついた。
「せっかく買ったものだし、使わなくちゃねぇ」
 真紅の手から袋を奪うと水銀燈はさっさと歩き始める。
 水銀燈の後ろ姿を見つめながら真紅は日付が変わるまでの時間を計算して、再び溜め息をついたのだった。
「……ひっ!」
「真紅、遅ぉい」
 痺れを切らしたらしい水銀燈にスイッチを入れられ仕方なく水銀燈の元へ走り出した。


終わり
310名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:52:55 ID:TC7bdyYt
以上だす
あんまエロくならなかったすまんこ

>>297
書いてくる
311名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 21:59:19 ID:rPWh9Z+s
>>304-310
GJ!
購入したアイテムでの絡みが気になるところだ。

312名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 22:45:32 ID:XPjVJIAS
>>310
リク主だがサンクス!
水銀燈に逆らえない真紅もイイ!
一日中連れ回したあげく、買ったモノでいろいろするのか…ハァハァ
313名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 23:28:46 ID:1Q1l9P9+
GJ!
この後が非常に気になるぞ
314名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/02(月) 00:59:50 ID:UmOjIfXt
>>293

エロ有りの蒼翠お願いします
315名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/02(月) 01:05:17 ID:UmOjIfXt
>>293

すみません、さっきのリクに追加でそれを甘い感じでお願い出来ますか?(>_<)
316名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/02(月) 01:07:39 ID:ZlDpNidQ
明日は雛祭りか…

たまには雛受けのSSも見たいぜ
317名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/02(月) 13:27:12 ID:s79OMxPd
>>315
把握
318名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/02(月) 17:22:50 ID:scMRaYde
銀×蒼!
銀×蒼!
蒼×銀!
319名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 20:57:07 ID:9zGGMWD8

真紅 「・・・」

パカっ…(鍋のふたをあけると中にはくんくんが…!)

真紅 「ちょっと!」
水銀燈「な、なによぉ」
真紅 「煮るのか? えぇ?! 煮るのか?!」
水銀燈「(ぷい…)」
真紅 「えぇっ! 食べられるのか?!水銀燈!」
水銀燈「なんで私に訊くのよぉ」
真紅 「こんなイタズラ、他に誰がやるっていうのー!!」
   (くんくんを頬に押し付ける)
水銀燈「はぁぅぅぅ〜〜〜、ごめん、ごめん…ごめんなさいってば〜」

こっからリモバイにもっていく流れヨロ
320名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 21:42:53 ID:EjBsOARQ
それなんてみなみけ?
321名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 22:27:28 ID:wfy2zNpi
>>319
仕返しってことかww
322名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 22:35:31 ID:9zGGMWD8
この出だし考えてたら真紅の声がみのりんになっちまった…
323名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 23:12:30 ID:+yfjVLNJ
決めたっ!雛受けでお題募集!
詳細があると尚良し
324名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 00:12:05 ID:dCBdr8cD
雛祭りということでみんなからアプローチを受ける、雛苺総受け話…っておk?
325名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 00:15:17 ID:oWbCs+yd
>>323
うっひょう!!
じゃあデートの待ち合わせに遅れた雛苺を公園かどっかでお仕置きという名目の青姦調教しちゃう真紅をお願いしていいですかね?
326名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 13:12:04 ID:3biczGLv
>>324-325
ありがとう!喜んで書かせていただく
327名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 16:47:57 ID:HwsCszI+
328名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 21:11:22 ID:dCBdr8cD
wktkして待ってる。
329名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 21:20:27 ID:oWbCs+yd
俺もwktk
しかしリモバイだの青姦だの変態リクが多くて申し訳ないな。
反省とかしてないけど。
330名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 22:12:45 ID:8ICEJ5ym
反省だけして学習はしないという事も
331名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/08(日) 06:39:10 ID:ReRr1a4y
>>322
ドラマCD版ですね、超わかるぜぇ〜
332319:2009/03/12(木) 20:46:39 ID:B/rx1THN
真紅 「水銀燈、さっき、男性教諭と女子生徒がキスを・・・」
水銀燈「そうだね…、で、そのことなんだけどぉ…」
真紅 「あんなものゴールデンに放送したら、お茶の間が気まずいだろう」
水銀燈「え?!ぁぁ、んんまあ・・・家族で一緒に見るもんじゃあないわよねぇ・・・」


『もっともな意見』


水銀燈「じゃあ真紅 なぜ気まずくなるか説明できるぅ?」
真紅 「説明って、それは…キスしてるからいけないんでしょう…?」
水銀燈「ならアナタはキスのどこがいけないっていうのかしらぁ!」
真紅 「なに怒っているのよ・・・」
水銀燈「キスしたことないやつがキスを否定するんじゃないわよぉ!」
真紅 「…アナタはしたことあるのかしら?」
水銀燈「・・・・・・ないわよぉ」


水銀燈「ん〜〜〜・・・してみるぅ?」
真紅 「イ、イヤなのだわ…っ」
水銀燈「コォォォ・・・・・・・・(手を広げて・・・)」
真紅 「ん・・っっ」

真紅 「はぁっ!(ビシッとどこかへ指を指す)」
水銀燈「・・・ん?」

たらたた たらたた たらたたらたた〜たたらたらたたたたたら♪ ←(音楽)
(そして家中を逃げ回る真紅、それを追いかける水銀燈)

真紅 「あぁっ!・・・い、っ〜・・・」
水銀燈「よ〜く〜も〜・・・!」
真紅 「イヤって言ってるでしょう!」
水銀燈「姉妹ではないかぁ なにを恥ずかしがることがあるぅ!」
真紅 「おだまり! 姉妹でもやっていいことと悪いことがあるのがわからないの!
    このっ ばかやろう!」

その後も続く二人の攻防・・・そして遂に掴まってしまう真紅・・・
そこへJUMが・・・

JUM 「なにやってんだよ、二人とも」
水銀燈「本気で嫌がる妹とキスを・・・」
333名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 00:26:02 ID:0NpzTApH
銀×紅が主流みたいだけど
紅×銀は需要無い?
あと蒼の変態受けにでも挑戦してみようかと思う。
VIPみたいなキャラじゃなくてね。
334名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 01:08:05 ID:nWYj0l+P
>>333
自分は紅銀・銀紅どっちも好きだし、蒼受けも好きですよ。
ぜひ書いて頂きたいです。
335名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 19:51:44 ID:8gxXL4xJ
真紅に責められる水銀燈とか・・・



ええ、もう最高でしょう
336名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 23:57:10 ID:IBZbMF4g
前スレから拾ってくるという手もあるな
337名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/14(土) 01:08:51 ID:f7p9evtV
真紅攻めとなると、腐女真紅のネタの実験に責められる水銀燈というのが浮かぶ…。
過去にこんなネタあった気がする。気のせい?
338名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/14(土) 10:16:59 ID:vOkT0URv
腐女真紅って・・・
どんな責めすんだよw
339名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/14(土) 15:01:36 ID:UmPnwjjF
あげ
340名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/14(土) 16:45:52 ID:f7p9evtV
>>338
そりゃ妄想上でしか出来ないようなプレイを延々繰り広げるのさ…w
341名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/14(土) 18:13:31 ID:gnU2ZgNB
真紅「私のローザミスティカブレードでアナタを貫いてあげるのだわ!!!」
水銀燈「そ、そんな・・・大きな・・・もので 私を・・・(ドキドキ)」

こうですか?わかりません
342名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/15(日) 02:32:19 ID:2iTc7Wde
紅(はぁ…締め切りまであと2週間もない…でもネタがひとつもでてこない…)

紅(妄想ができないなら)

紅(実体験を元にすればいいのよ)



紅「水銀鐙」


    私と付き合わない?




これが彼女との始まりだった―――


続かない
343名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/15(日) 03:01:10 ID:ev5gwq8I
そこはMさん(仮称)の承諾の上で病室に隠しカメラとマイクを仕込む真紅で
344名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/15(日) 13:56:07 ID:77vN7tYc
Mさんは真紅に攻められる銀をみて興奮するわけですね。
345名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/16(月) 18:53:54 ID:l97oJXe+
腐女真紅でめぐのり小ネタ(2レス)


「あれ、はぐれちゃったかな…」
 休日にデートで駅前の大型デパートへ来たのりとめぐだっただったが、ふとめぐがいなくなっている事に気が付いた。
 辺りを見渡してもめぐがいるようには見えず、人込みしか見えない。この人波ではぐれてしまったか。
「困ったわねぇ…ん?」
 ふとポケットの携帯からメロディが聞こえて来て、それを取り通話ボタンを押すと喧騒と共にめぐの声が聞こえて来た。
『もしもし、のり?』
「ねぇ、めぐちゃん今どこにいるの?」
『今…ちょうどCDショップの前にいるわ』
「分かった、今からそっちの方に行くから待っててね」
『うん、分かった』
 そこで電話を切り、めぐの言っていた所へ向かう。
 人を避けながらそこへ行くと確かにめぐが立っていて、駆け足でそのもとへと近寄っていく。
「めぐちゃん、大丈夫だった?」
「私は大丈夫よ。ちょっとよそ見してたらはぐれちゃって…手間掛けさせてごめんね」
「良いわよ別に。じゃあ今度ははぐれないように、しっかり手を繋いでおこうね」
 そう言ってお互い手を握り、のりがめぐをリードするように人波の中へと歩き始めた。
346名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/16(月) 18:54:43 ID:l97oJXe+
―※―※―※―※―

 その夜…。
「…って事があってね。携帯のおかげで助かっちゃった」
「へぇ、めぐも意外とうっかり者ですねぇ」
「うっかりさんなのー」
「もう、のりもそんな事話さないでよ」
 桜田家でめぐも一緒に夕食を食べている時にあの時のことが話題に上がり、翠星石と雛苺がめぐをからかう。
 めぐも照れ笑いを浮かべて手を振るが、真紅だけはむっつりとした表情で俯いている。
「…真紅ちゃん? どうしたの?」
 その様子に気付きのりが尋ねると、ブツブツと何か呟きだした。
「…王道じゃない…」
「…王…道…?」
 刹那、クワッと顔を上げて大声を上げた。
「王道じゃないわそんなやり方!!」
「はっ、はい!?」
 いきなり訳が分からない事で怒鳴られ、一気に皆の視線が真紅に集中する。
 それを意に介さず、真紅はまくし立て続ける。
「携帯に頼るなんて面白くも何とも無いわ! ここは携帯なんて使わず何の手がかりも無しにデパート中をお互い探し回り、段々不安になっていくのが面白いのよ!
 そして不安で押し潰されそうになった頃にようやく再会出来て、不安が解けて感極まって抱き付き合う、そんな王道シチュが萌えるんじゃない! 携帯使って簡単に終わったら萌えもロマンも何も無いわ! 百合話としてこんなオチは誰も(以下略」

(…ね、ねえ、真紅どうしたの…?)
(真紅ちゃんはたまによく分からない事で熱くなるのよ…こうなったらしばらく止まらないわ…)
 二人がヒソヒソ話をしている間にも、真紅は構わず萌えとか王道シチュの大切さとかを熱演し続けた。

終われ
347名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/16(月) 18:55:42 ID:l97oJXe+
自分の考える腐女真紅はこんなイメージだったりします。
銀紅でも紅銀でもなくてごめん。
348名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/16(月) 19:10:10 ID:SV4Ji9Tb
そういうことかw
349名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/16(月) 21:34:48 ID:nx4ElmyV
ww
350名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/21(土) 00:45:53 ID:ktHB6Bku
純にSな真紅が水銀燈を攻めるっていうのはあまり無いのか…。
逆は多い…というか王道(?)だけど
351名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:44:19 ID:6x6tJ9b4
めぐのりのSS、7レスほど投下します。
ホワイトデーすら過ぎ去ったけどバレンタインネタで。
352名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:44:53 ID:6x6tJ9b4
「出来た…」
 顔や手にチョコを付け、半日掛かりで作り上げたそれを見てめぐは溜息を吐いた。
 明日はバレンタイン、それでのりへのバレンタインプレゼントを作っていた所だ。
 作ったのは生地にチョコを混ぜ込んだチョコレートカップケーキ。
 あれこれ試行錯誤を繰り返し、試作品を幾つも作っては作り直し、やっと納得の行く物が出来上がった。
「…やっと出来たぁ…?」
 声を掛けられて振り向くと、ゲンナリした様子の水銀燈がテーブルに突っ伏している。
 その様子を気にするでもなく、めぐは満足げに微笑む。
「ええ、納得の行くのが出来たわ」
「そう、良かったわね…」
「良かったら食べる? 一つぐらいならあげるわよ?」
 出来上がったケーキを一つ摘まんで水銀燈に見せてみせるが、水銀燈はそれに全力で首を横に振る。
「冗談! もう一ヶ月ぐらい甘いものなんて食べる気しないわぁ!」
 水銀燈はこの半日、試作品をいくつも試食させられていた。
 最初の方は割りと美味しく楽しんでいたが、ずっと続けば当然苦しくなってくる。そして今はもう限界状態だ。
 めぐはその様子を見て、苦笑いを浮かべケーキを元に戻した。
 それからケーキをラッピングして冷蔵庫に入れて片づけに取り掛かった。
(のり、喜んでくれるかな…)
 そんな事を思いながら。
353名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:45:58 ID:6x6tJ9b4
―※―※―※―※―

 翌日。
 当然授業なんて手に付くはずも無く、学校が終わるのが待ち遠しくてソワソワしたままだ。
 そのまま一日分の授業を無駄に流して、やっと一日分の授業が終わった。
 確か今日はのりも部活が無いから迎えに来てくれるはず。
 少し早足で校門へ行くと、想像通りのりが迎えに来てくれていた。
 弾む思いでのりのもとへ足を早めると向こうもこっちに気が付いて微笑んだ。
「待った?」
「ううん。ちょっと前に来た所だから」
「ありがと、迎えに来てくれて。…あら、それ…」
 ふと見ると、のりの手に学生鞄とは違う少し小さめの紙袋が提げられているのに気が付いた。
 のりもその様子を見て、ああと口を開いた。
「これ、学校の友達から貰ったのよ。いわゆる友チョコ、ってやつかな」
「友チョコ…ねえ…」
 のりの無邪気な言葉とは裏腹に、めぐは紙袋の中のラッピングされた包みを見て少し心に黒い靄が掛かるような気がした。
 のりは鈍感だから気が付いて無いだろうが、のりはこう見えて男女関わらず結構もてる。
 この貰ったチョコもいくつかは本命の物だろう、ラッピングの繊細さからはそう感じ取れた。
「あっ、のりさん!」
 溜息を心の中で付いたと同時に後ろから声が聞こえて来てその方を見ると、巴がはにかんだ笑顔で向かって来ている。
 あんな笑顔を誰かに向けているのは見たことが無い。
 巴はそのまま二人の間に割り込んでのりと向き合い、めぐは後へ追いやられてしまった。
354名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:46:49 ID:6x6tJ9b4
「あの、のりさんその…これ、どうぞ!」
 そう言って差し出したのは、めぐの予想通りラッピングされた包み。
 差し出されたのりは一瞬驚いたような表情を浮かべたものの、すぐ笑顔になってそれを受け取った。
「ありがとう、巴ちゃん。嬉しいわ」
「いえ、そんな…。喜んでもらえて嬉しいです」
 のりの表情は純粋に嬉しそうで、巴も恥ずかしながらも喜んでいる。…見ていて面白くない。
 これ以上良い雰囲気にさせてたまるかと、ワザとらしくのりの腕に抱きつくと巴の表情が一瞬凍りついた。
「のり、そろそろ帰りましょうよ。暗くなっちゃうわよ」
「あ、うんそうね。それじゃあね、巴ちゃん」
 驚いた様子ののりだったが、めぐの言う事に納得して巴に手を振った。
「ええ…それではまた、のりさん。…それと柿崎さん」
「じゃあね、バイバイ柏葉さん」
 二人の間に見えない火花を散らす事数秒。
 めぐが先にのりをリードするように歩き出しそこを後にした。

「…嬉しそうね、チョコ貰って」
 歩き始めて数分後、めぐは少し拗ね気味で口を開いた。
 のりはその様子に気付く様子も無く、笑顔で答えた。
「まあ、貰って嫌な気はしないしね」
「…そ」
 屈託の無い笑顔。それがますますめぐを面白くなくさせる。
 あれほど待ち侘びていた今の時間が何だか虚しくなってしまった。
 恋人が人気者なのは嬉しいが、同時に嫉妬が働いてしまう。
 そんな自分に気が付き、心の中で何度目かの溜息を吐いた。
355名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:47:25 ID:6x6tJ9b4
―※―※―※―※―

 結局それからあまり楽しい気分になれないままのりの家に着き、のりの部屋に通されても気は晴れなかった。
「じゃあコーヒーでも淹れて来るから、ちょっと待っててね」
「うん」
 そう言ってのりは部屋を出て行き、後にはめぐだけが残される。
 一人になっためぐはそのままベッドに背をもたれさせて天井を仰いだ。
(素直に喜んじゃって…のりのバカ…)
 巴から包みを貰った時ののりの笑顔が目の前に浮かんで、やれやれと思う。
 あの純粋で優しい性格に惚れたのだが、同時に自分にだけ笑顔や素直さを見せて欲しいという欲求が渦を巻く。
 唯のワガママ、と言えばそれだけだが。
 そうモヤモヤしているとノックが聞こえ、返事をするとお盆と小さな紙袋を持ったのりが部屋に戻って来た。
「お待たせ。はい、コーヒー」
「う、うん…」
 持ってきた紙袋に目が少し行きつつも、差し出されたコーヒーカップを受け取る。
 さっきまでクサクサしていたのに、紙袋で少しドキドキしてしまう。
 コーヒーに砂糖を入れて一口啜ると、のりもその視線に気付いたのか少し顔を赤らめて紙袋を差し出してきた。
「めぐちゃん、はい。バレンタインのプレゼント」
「あ、ありがとう」
 差し出された紙袋を受け取ると、何だかんだ言って結局嬉しい。我ながら現金だ。
 それを脇に置き、今度は自分の包みを差し出した。
「じゃあお返しに、バレンタイン」
「わあ、ありがとう。嬉しいなぁ」
 のりは満面の笑みを浮かべてそれを受け取ってくれた。
 しかしその笑顔を見て、巴に浮かべていた笑顔がフラッシュバックされて一瞬苦い思いがした。
356名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:48:09 ID:6x6tJ9b4
「開けてみても良い?」
 その質問に、めぐは少し照れながらも頷いた。
 それを確認するとそれを開け、中身を見ると驚いたような、そして嬉しそうな表情を浮かべる。
「チョコケーキ…作ってくれたの?」
「うん。綺麗なのを選んだつもりだけど、どうかな?」
「すごく美味しそうよ。食べても良い?」
「良いよ、食べてみて」
 めぐは頷き、のりは中から一つケーキを取り出してそれを一口食べる。
 しっかり味わうように咀嚼して飲み込むと、笑顔でこっちを向いて来た。
「美味しい」
「本当?」
「ええ、本当に美味しいわよ」
 嘘を含んでないその笑顔に、めぐの緊張感が少し解ける。
 正直言って料理の腕ではのりには到底及ばないと思っている。
 それだけに昨日はより気合を入れて取り組んだのだ。
 それからのりはケーキを食べ終えコーヒーを一口飲むと、少し真面目な表情に戻った。
「そういえばさ」
「何?」
「今日帰るとき、めぐちゃん…怒ってなかった?」
 不意にあの時の事を尋ねられて、一瞬驚いた。
「何だかそう見えたんだけど…私、何かしたかな…?」
 心配そうなのりの表情…鈍感なんだか敏感なんだか、よく分からない。
 めぐは少し呆れたような溜息を吐き、コーヒーを一口飲んだ。
357名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:49:45 ID:6x6tJ9b4
「…正直言うとさ、のりが他の人からチョコ貰ったりするのはあまり面白くなかった」
 溜息混じりにそう前置きして話し始める。
「友チョコを貰ったって言った時も、柏葉さんからチョコを貰った時も…正直、少し辛かった」
 ポツリポツリと呟くように、めぐは続けていく。
「のりがみんなに優しいのは知ってる。…けど…私って意外と独占欲強いみたいでさ…」
「……」
「…何だかおかしいよね。みんなに優しくて素直なのりが好きなのに…その優しさも笑顔も、他の人には向けないで欲しいって…」
 一気に喋ったことで喉が少し渇き、コーヒーを飲むといつの間にか大分冷めてしまっていた。
「ずっとそれで拗ねてて…のりと、そんな自分にもイライラしちゃって…ごめん」
 のりの目を見て軽く頭を下げると、カップを握っている手をそっと握られた。
 見てみるとのりも真面目な表情で自分を見つめているのが目に入った。
「ううん…私の方こそ、無神経でごめんね…。めぐちゃんの気持ちも考えないで…」
 持っていたカップをテーブルの上にどかされると、そのまま抱き寄せられて二人の息が掛かるほど距離が縮まった。
「…でもね、私は他の誰から貰った時よりも、めぐちゃんから貰った時の方が凄く嬉しかった」
 耳元で囁かれるように話し始め、それをしっかり聞いていく。
「どんなにたくさんの人から貰っても、もしめぐちゃんから貰えなかったら凄く悲しかったと思う。…本当に」
「うん…」
「私はね、他の誰よりもめぐちゃんからのチョコを楽しみにしてたわよ。…昨日からずっとね」
 少しはにかんだような表情を見せて、それにめぐも少しフッと笑う。
 言いたい事を全部吐き出したのと、のりの話を聞いた事でいつの間にか心の中の靄は全部消えていた。
 のりの首に腕回し、それでお互いしっかり見詰め合う体勢になってのりの目に自分の顔が見えるぐらいだ。
「…鈍感な恋人を持つと苦労するよ」
「苦労させてごめんね」
358名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:50:34 ID:6x6tJ9b4
 数秒ほど見つめ合い、そのまま顔を近付けて唇と唇を重ね合わせる。
 やわらかくて温かく、さっきのケーキで少し甘い唇を食べるように何度もついばむ。
 チュ、チュ、と音を立ててキスをし、このまま先へ行こうと舌をのりの口に伸ばそうとした。
『のりー、お腹空いたのー!』
 だがその瞬間に部屋の外から雛苺の声と足音が聞こえて来て、思わず二人とも一気に体を離してしまった。
 それとほぼ同時に扉が叩かれ始め、二人とも真っ赤な顔のまま息を整えようと唾を飲む。
「ちょ、ちょっと待ってねヒナちゃん、今から晩ご飯の用意するから…」
『うゆ、分かったのー』
 息も絶え絶えにのりがそう言うとドアを叩くのも止み、足音が少しずつ小さくなっていった。
 二人とも顔を見合わせ、苦笑いを浮かべて肩を竦める。
「…ビックリしちゃったね…」
「そう、ね…」
 あと少しで先まで行けたのに、と溜息を吐いてうな垂れる。
 そんなふうにしょげていると不意にのりの唇が頬に触れて、見上げるとまだ少し頬が赤いのりと目が合った。
「続きは夜に、ね…」
 そう言うとのりは先に部屋を出て行き、残されためぐはやれやれと肩を竦める。
「…何だか、今日はのりに振り回されっぱなしね…」
 とは言うものの満更でもなく、めぐは父親に“今日のりの家に泊まってくから”とメールを打ち始めた。

終わり
359名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 14:53:19 ID:6x6tJ9b4
投下完了。もう二人の仲は両家公認だと良いと思う(自分の頭の中で)
360名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 18:29:48 ID:6x6tJ9b4
あげ忘れ
361名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/04(土) 18:08:01 ID:nBBP7k/j
めぐのり甘いねぇ
親は外泊メールで「友達の家に泊まる」という意味よりも「恋人の家に泊まる」という意味にとるのか
公認でいいのか悪いのかw
362名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 12:14:30 ID:69V3Bk5f
久々に投下エロなし蒼翠短め
363名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 12:15:19 ID:69V3Bk5f


 花が、香る。


 ──あなたに微笑む
364名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 12:15:55 ID:69V3Bk5f
>>363

 コツ、と革靴特有の冷たい音が石段に当たって、一つ鳴いた。
 態と、貴女に心配させたくて石段を一つ飛ばして足を着けた。
「翠星石」
 名前を呼ばれた私は少し低い位置から彼女を見上げる。
「足元、気をつけて」
 それに頷くことなく再び石段を一段、飛ばした。
 それを見て彼女は呆れた息を少しだけ吐く。
「大丈夫、」
 コツと足を鳴らす。
「ですよ」
 もう十段程の高低差がある低いそこから彼女に振り向く。
 彼女は立ち止まって、二、三度まばたきをしたが、再び階段を降り始めた。
 私はその仕草をジッと見つめる。そして、お互いの視線の高さがあった時、自然と指を互いに絡ませた。
「じじ臭い趣味です」
「うるさいな」
 花が、香る。
 風に乗って、柔らかな甘い春の香。
「神社巡り、なんて。今時じじばばでもやらんです……と!」
 すり減ったブーツの踵が少しだけ私の足元をふらつかせた。
「わ、大丈夫?」
 蒼星石は絡めた指に力を入れて私を引き上げた。
「う、すまんです」
 恥ずかしくて少しだけ俯いて、膝を払う。蒼星石は笑みを溢すと私の頭を撫でる。
365名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 12:16:50 ID:69V3Bk5f
>>364

「同じ、だね」
「へ?」
 ヒラリ、と桜の花びらが一枚、私達の間を踊る。
「翠星石の頬っぺた、桜色だよ?」
 私の頬のラインを蒼星石の指がなぞる。
「なっ……!」
「はは、桜より赤くなったよ」
 そう言って彼女は何も言えずにいる私に気付かないフリをして先に足を着いた。
「っ、待つです」
 慌てて私も石段を一つ、二つ降りる。
「私が、」
 コツリ。
「先です、」
 コツリ。
「よっ」
 数段下から彼女を見上げ、ニッと微笑んでみせる。
「そうだね」
 すると彼女も一緒に笑ってくれる。ヒラリ、とまた桜の花びらが踊る。
「珍しい」
 広げた掌の上に一枚の花びらが舞い降りた。
「ヤマザクラ、ですよ」
「へぇ、見ただけじゃ僕は分かんないや」
「さっきプレート見ただけですけどね」
「あ、そう……」
 呆れたように私を見る瞳に私が写る。イタズラっぽく笑みを浮かべれば、彼女も私に笑いかけてくれる。
「ねぇ、蒼星石。知ってますか?ヤマザクラの花言葉」
「ううん。知らない」
 そう言った蒼星石の耳元に口を寄せて、内緒話のように小さな声で呟く。
 あのですね、ヤマザクラの花言葉は──。


終わり
366名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 12:19:10 ID:69V3Bk5f
以上です
>>297>>315を受けたの俺なんだが、書けてないんだごめん
もし二人いたらもうちょっと具体的にお題欲しいんだが
367名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 19:49:59 ID:Q9kERATk
>>366
>>297でリクエストした者だが
『蒼が翠を好き過ぎて、翠を滅茶苦茶にしようとして、翠はそれを蒼の愛情表現だと理解して受け入れる』って感じで、翠の“姉”って属性を強調してくれれば嬉しい。
368名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/05(日) 20:29:36 ID:69V3Bk5f
>>367
だいぶ書きやすくなりそうだありがとう!
今週中に書くわ
369名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/06(月) 01:57:58 ID:S4RGlfbp
乙乙、ほのぼのな双子いいなーやっぱ。
ヤマザクラの花言葉初めて知ったわ。
370名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/06(月) 14:07:30 ID:jPMxQZ8W
>>366
乙!ヤマザクラの花言葉とは綺麗な話だ
371名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/06(月) 16:44:34 ID:jIpuHfMz
乙! こういうの大好きだ
双子は可愛いな
372名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:54:19 ID:TobqH9g5
>>367投下するよ
エロ有り、蒼星石がちょこっと電波かも
373名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:57:22 ID:TobqH9g5
 寝起きの顔に冷たい水が気持ちいい。
 顔を丁寧に拭いて、鏡に写った自分を見つめる。
 また、だ。
 自分の首を一周している赤い傷。それは暴力的な所有印。
 離さない、逃がさないという意味を込めた首輪。
 何をそんなに怖がっている。何をそんなに不快に思っている。
 貴女の心を惑わせているのは、何?


 ──Affection
374名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:58:05 ID:TobqH9g5
>>373

 首に強い圧迫感を感じて恐ろしくて目を開けたら、そこには妹の姿。
 妹の瞳は開いていたが、おおよそ感情はなく、寝てるのか起きてるのかさえ分からない空虚な瞳でただ私を見つめていた。
 その瞳を見た途端、不思議にも恐怖は薄れた。何故だが、殺される、とは思わなかった。
 しばらく締められてはいたが、私は幸いにも死ぬことはなく、代わりに首にくっきりと跡が残った。
 それが一年前の夜。私達が姉妹から恋人になった日だった。
 翌日、妹に変な素振りは見えず、私も何かの間違いではないかと思いたかった。
 しかし、それを覆すようにくっきりと残る赤い跡。無情な現実をつきつける首輪。
 それから時々、つけられる所有印。
 最初は月一回だったのが隔週に一回になり、週一回になり、最近では二・三日に一回という頻度。
 傷を隠すようにチョーカーを付けたり、タートルネックを着たり。
 妹は何も気付かない。何も気付いていない。何故だか、気付かせてはいけない気がした。
375名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:58:25 ID:TobqH9g5
>>374

「おはよ、翠星石」
「ひゃっ!」
 いきなり後ろから抱きつかれて、思わず変な声が出てしまった。
「そ、蒼星石、今日は早いですね」
 しまった、油断した。いつも休日は昼まで起きてこないから、まだ着替えていない。
 つまり、首が丸見えなのだ。
「んー、なんか目が覚めちゃった」
 スリスリと私の髪に顔を埋めているので、まだ見ていないのだろう。
「ほら、いつまでもぐだぐだせずに、シャキッと顔洗うですよ」
 強引に蒼星石を剥がし、足早に寝室へ向かった。チョーカーを素早く付けて、服も着替える。
 とりあえずバレずに済んだ。
 ひと安心してリビングに向かうとパジャマのままソファーに腰掛けテレビを見つめる蒼星石。
「まだパジャマのままで。さっさと着替えて来いです!」
 蒼星石が抱えていたクッションを取り上げてそう言うと、しばらくこちらを見ていた彼女は私の腕を強引に引っ張った。
「な、何を……」
「だめ?」
 返事をする前に塞がれた唇。荒々しく口内を貪られ、あっという間に私の息は上がってしまっていた。
376名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:58:48 ID:TobqH9g5
>>375

 彼女の唇は私の鎖骨を這い、手は柔らかく私の腰のラインをなぞる。
 ゾクリ、と背中が震えた。目の前に差し出された快感に溺れたくなってしまう。
 しかし、彼女の舌が私の首をなぞる度に襲う焦り。バレてしまうことだけは避けたい。
 その思いを知らないであろう彼女はチョーカーと素肌のギリギリのラインに舌を這わせる。
「ひ、あ……っ」
 やがて蒼星石の手が私のシャツを捲り、ゆっくりと素肌に触れてくる。
 しなやかな指が私の膨らみに触れ、力を入れてくる。
 下着の隙間から指を滑らせ、既に尖っている突起を少しだけ押し潰される。
「んんっ……あっ」
「もう固くなってる。可愛い」
「やぁっ……」
 彼女の唇が私の胸の上の方に強く吸い付き、その跡を残す。
「僕の、ものだよ」
 ギクリ、と心臓が跳ねた。
 あぁ、やはり。
「わざと、なんですか……?」
 私に残酷な赤い首輪を付けるのは、故意の行為だったのだろうか。
「何が?」
 しかし、聞いてみても意味が解せないらしく蒼星石は首を捻った。
「いえ、何も……」
 知らないのなら、知らなくていい。悟られてはいけないような気がする。
377名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:59:34 ID:TobqH9g5
>>376

「変な翠星石」
 ──変なのは貴女の方。
 と、喉まで出かかって止めた。変なわけではない、彼女のこれは彼女なりの。
「ひっ……ああっ」
 ブラジャーをずらされ、露になった胸を荒々しく揉みしだかれて自然と声が漏れてしまう。
「好きだよ、翠星石」
 譫言のように呟いた蒼星石の背中に手を回し、きついほどに抱きつく。
 こんなにも愛されているのが伝わってくる、痛い程に。
「あぁ、っ……だめ、そこはっ」
 下半身に伸びてきた手を避けるように腰をずらす。本当は欲しくて堪らなくなっているのに。
 逃げようとした腰を片手でしっかりと掴むと、足を割られ、無防備な姿を晒してしまう。
「や、あっ……見ない、でぇ」
「ダメ、全部見せて」
 私の秘所に指が伸びてくる。下着をも湿らせている状態では拒否をすることさえできなくて。
 私を全て知っている蒼星石はゆっくりと丁寧に私を暴いていく。
378名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 17:59:54 ID:TobqH9g5
>>377

「……きれいだよ」
 溜め息交じりに呟いた彼女の言葉から私への深い愛情が伝わってくる。
 首輪等、私の下らぬ幻想に思えるほど。
 私の太ももに唇を寄せ、再び赤い所有印をばらまく。
「あ、……んぅ、ひぁっ……そ、うせ、せきぃっ」
 指は深く埋められ、私の中を強引に押し入ってくる。
「翠星石、好きだよ。もう離さない」
「わ、たしも……好、き……んくっ」
 唇を塞がれ、私の紡ごうとした言葉は塞がれた。
「このまま、」
 蒼星石の瞳を見た私は、そこから目が離せなくなってしまった。彼女の目からは一筋の涙が。
「死ねたらいいのに」
「ひぁぁっ……!」
 その言葉に反応する前に中の質量を増やされ、ただただ喘ぐしかできなくなってしまった。
 私を犯す指は蒼星石の願いの強さを表すように激しくなっていく。
「ねぇ、翠星石」
 頬を支えられ、視線が蒼星石と絡む。その瞳は真剣で、はぐらかすことなんかできそうになくて。
「死んでよ。僕の為に」
「……っ……あ」
「このまま、死のうよ。君と繋がったまま」
 私を犯していた蒼星石の指がいつの間にか抜かれ、優しくでも強く私を抱き締めていた。
「お願い……」
 蒼星石の腕がゆっくりと私の首に伸びてくる。
「愛してるんだ、心から。」
「そうせ、……せき」
 彼女の名を紡いだ私の声は果たして彼女に聞こえたのだろうか。
 強い圧迫感の中、私は初めて彼女の全てを感じた気がした。


終わり
379名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/07(火) 18:00:15 ID:TobqH9g5
以上です
思ってたのと違ってたらすまない
380名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/08(水) 11:03:36 ID:Kg0wRUxS
>>379
リクエストした者だが。
面白かった。Gj!
特に“首輪”っていう表現が雰囲気を出してて良かった。
381名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/08(水) 17:30:25 ID:3HQzXzvb
>>379
乙です!
蒼なら翠にこういう愛し方するっていうのもわかるかも
こういう蒼翠も好きだ
382名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/08(水) 18:15:18 ID:fT2UXARv
>379
乙! ものすごく読み応えがあって面白かった
蒼翠大好きだ
383名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 01:00:20 ID:Zt/cn2ZW
短いけどトモオデで電波受信したから投下。
山なしオチなし意味なし注意w
384名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 01:02:35 ID:Zt/cn2ZW
ちなみに、(くどいかも知れないけど)簡単な設定として巴とオデは結婚しててフランス在住、ということです。
――ー―

 朝、目が覚めて隣を見るとそこには静かに寝息を立てているオディールがいた。
 最近は仕事――フォッセー家の事業に携わっている――が忙しく、遅くに帰ってくる事も多い。
 今日は休みだからもう少し遅くまで寝かせて置いてあげよう。
 昨日は体を重ねる事無く眠ったから姿が乱れている事も無く、美しい金髪がカーテンの隙間から漏れた陽光に輝いている。
 その姿と光景はまるで童話のお姫様みたいだ、と巴は思った。
(よく寝てる…)
 オディールの口にそっと手をかざす。
 …うん、ちゃんと息はしてる。
 次にオディールの心臓部分にそっと触れてみる。
 …うん、心臓もしっかり動いてる。
(ちゃんと目、覚ましてくれるよね…)
 オディールと付き合って四捨五入すれば十年近く、結婚してからは半年以上が経過している。

 それでも、寝顔を見ていると時々怖くなる。

 もしこのまま、あの時――ジュンに聞いた話だと雪華綺晶と言うドールによるものだったらしい――みたいにずっと目覚めなくなってしまったらと。
 体は生きているけど意識は死んでいる。そんな状態になってしまうのでは無いかと…。
 前にその事をオディールに話したら「考えすぎよ」と笑われてしまったが。
385名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 01:03:14 ID:Zt/cn2ZW
(…私も心配性ね…)
 軽く自嘲的な笑みを浮かべ、布団を掛け直してオディールの体を自分の胸にそっと抱きしめる。
 温かい体温と体、寝息を感じて一抹の安堵を憶えた。
(今日は良い天気…最近雨ばっかりだったから久しぶりね)
 カーテンの隙間から零れる陽光に目を細め、そんな事を思う。
 オディールが起きて朝ご飯を食べたら、お弁当作ってどこかへ一緒に出かけよう。
 オディールが一緒ならどこでも良い。久々にゆっくりとした時間を一緒に過ごしたい。
 こんな不安を吹き飛ばすぐらい、平和な時間を。
 行き先はどこにしよう。公園でも湖でも、ちょっと遠出して山や海にでも…。
 
「…ん…」
 色々考えていると不意に声が聞こえ、目線を下げると薄っすらと目を開けたオディールと目が合った。
 髪を撫でてあげると心地良さそうに微笑み、巴もつられて微笑む。
「おはよう、オディール」
「おはよう、巴」
「すぐに朝ご飯の用意するから、ちょっと待っててね」
386名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 01:03:43 ID:Zt/cn2ZW
 そう言ってベッドから出ようとしたが、オディールに抱き寄せられてすぐに戻されてしまった。
 突然の行動に、巴も少し狼狽してしまう。
「オディール?」
「…もう少し…」
「え?」
「もう少し…巴とこうしていたい…。最近、こうして巴を感じられなかったから…」
 さっきまでとは反対にギュッと抱きしめられて、巴もオディールの背中に手を回す。
 手を回すと安心したのか、笑顔を浮かべたままオディールは眠ってしまった。
 この様子だと、もうしばらく目を覚ます事は無さそうだ。
(…まあいいかな、こういうのも)
 一緒に外出…遠出するのは少し無理そうだが、こういう過ごし方も悪くない。
 オディールがいれば、どこだって良いのだから。

終われ
387名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 01:05:14 ID:Zt/cn2ZW
以上です。
人間×人間、それもマイナーばかりで申し訳なす。
388名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 22:59:01 ID:b+YqViOF
いやっはぁっ!トモオデ大好きだぁ!!
新婚ではあるが、恋人のような甘さだねぇ…ほのぼのして和みます
389名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:03:48 ID:b+YqViOF
そして自分も久々投下
ホント久々

甘い悪魔の囁き

エロあり、鬼畜あり、電波あり
苦手な人はスルーお願いします
390名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:05:11 ID:b+YqViOF
こうすればどうなるか
この先、何があるのか
容易に想像できるのに、どうして何もしないのか
良い事があるわけがない

「…」
「…」

先生の後を、雪華綺晶と並んで歩く
着いて行けば何をされるのか、君だって解っているんだろう?
もう今更、逃げ出せないけれど…

「…」

三人の足音が旅館独特の廊下に響く
会話でもあれば、そんな音を気にする必要もないのかな

「ここよぉ」

とある一室の前で足を止める
カードキーを差し込み、ロックを解除した

「カード…キー…?」
「旅館なのにホテルみたいよねぇ…まぁ客の要望で変えたみたいだけど」
「いえ、僕らの部屋は普通の鍵でしたよ」
「そうなのぉ?…やっぱり高いだけあるわぁ」

…先生は特別というわけですか
ちゃっかりしてるなぁ…

「入りなさい」

中も勿論豪華だが、和風の上品さを損なわない程度に抑えられている
そして寝室には、既に布団が敷かれてあった

「私はシャワーを浴びてくるけど…先に始めていてもいいわよぉ」

始めるって…何を…?
その言葉は喉を通らず、浴室へ向かう先生を無言で見送った


第九話『友情の亀裂』中編
391名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:06:25 ID:b+YqViOF


「…」
「…」

食堂から場所を移しただけで、一触即発の関係は変わらない
僕に殴り合いをする気はないけど、今の雪華綺晶は何がスイッチになって爆発するか解らない状態だ
沈黙は苦しいけど、話し掛ける事も出来ない

「先生の部屋…」
「え…?」

暫く無言で立ち尽くしていると、雪華綺晶が独り言のように呟いた

「こんな旅館での先生の部屋じゃなく…貴女は本物の先生の部屋を知っているのですね」
「う…」

僕を見ないで問い掛けてくる
視線は、どこか遠くに飛ばされていた

「それよりさ…先に始めといていいって…何の事だろうね」

その言葉で、ゆっくりと僕の方を向く

「…本気で言っているのですか…?」
392名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:08:30 ID:b+YqViOF

睨むという表現がピッタリの鋭い眼差し

「…いや…その…」
「ある程度の察しは付いているでしょう?」

何通りか考えてはいるけど、逃げ出したいくらい嫌な想像しか出て来ない
初日からこんな気分になるぐらいなら、本当に不参加にすべきだったよ

「私は考えてました…先生の命令なら何でもする、でも貴女の事は憎い、大嫌い」

ハッキリと言われたけど、わかりきっていた事実でそれほどショックはない

「それで、どうすればいいか考えてました…でも答えは簡単だった」
「…何?」
「先生の目的が、本当に私達の和解だと思いますか?」
「思わないよ。だったらワザワザ君を煽る必要はないからね」
「そう、だからこうすれば良かったんですよ」
「えっ!?ちょっ…」

急に腕を引っ張られ、バランスを崩して畳に叩き付けられた
即座に上に乗られ、両手を押さえつけてくる

「何っ!?」
「先生の望みなら、貴女を抱く事も致しましょう。でも普通に愛し合う行為はダメ、イヤ、出来ない」
「離してっ!」
「ですから犯して差し上げます。嫌いな相手だからこそ、出来る仕打ちも御座いましょう」
「犯───…はっ?」
393名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:10:55 ID:b+YqViOF

確かに先生は、こういう事を望んでいるだろう
だけど雪華綺晶が僕を見る目は、弱った草食獣を狙う肉食獣そのもので
一瞬、本気で殺されるんじゃないかと戦慄すら走る

「自業自得ですよ」
「やめっ…」
「力が無いわけではないのですね。先生にされた時も、それぐらい抵抗したのですか?」
「!──」

彼女はまだ、それを根に持っているのだろう
僕だって数え切れないほど後悔したさ…
あの時の自分を殺したいとさえ思った

「貴女は所詮…醜い雌豚。最低の人種」
「随分…好き放題に…言ってくれるね…」
「間違いではないでしょう…?」
「…あぁ…そうだね…だけどそんな醜い雌豚を、君は抱こうとしてるんだよ?」

命令とは言え、穢らわしい事に変わりはない
嫌だったら、嫌だと言えばいいのに

「だから…もうやめようよ…こんな」
「…黙れ…」
「えっ?…ぁぐっ…!」

僕を押さえつけていた両手を、首に移して締め上げて来た

「かっ…は…!」
「私は醜くても雌豚でも何でもいい!貴女のポジションになりたかった!」
「ぐっ…ぅ」
「そのためなら何でもして来たし、これからだって何でもする!」
「ぅ…ぁっ…!」
「水銀燈先生のためなら、穢れる事を苦とも思わない!それなのに!あぁ…貴女がいたから!貴女がいるから!」
394名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:13:01 ID:b+YqViOF

それは甘えだろうと、言いたいけど声が出ない
そう考える時点で僕は、何かしら優位に立っていると心裏で感じてしまっているのかも知れない
仮に僕がいなかったとして、彼女達は上手く望む関係になれていたのか
十中八九、それはない
雪華綺晶に魅力が無いわけじゃない
単に必死になりすぎて、逆に遠ざける結果になっているんだ
それに気付けない限り、彼女が幸せになる事はないだろう

「けはっ…!」
「いっそのこと…死んでみますか?」

有りがちな、恋敵を潰すパターンか
どうして相手を憎むより、自分に非があると考えないんだ

「じ…自業…自得…は…お互い…様…」
「…はぁ…?」

これだけ頭が冴えてるのは、死ぬ直前だからかな?
でも、いよいよ意識がボンヤリしてきた
その時に和らぐ、手の力

「はぁっ…はぁっ…!」

呼吸が出来る事を、ここまで感謝した事はない
どうしてやめたのか…彼女の視線を追って、僕を思っての事じゃないと瞬時に理解する

「仲がいいのねぇ…アナタ達…」
「先…生…」

浴衣に着替え、缶ビールを片手に佇んでいた
いつからいたのか解らないけど、この状況に僅かな焦りすら見せない
395名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:14:53 ID:b+YqViOF

「きらきー」
「は、はいっ…」
「私のオモチャで遊ぶ権利は与えたけど、壊していいとは言ってないわよぉ?」
「すみま…せん…」

先ほどまで纏っていた狂気が、今では全く感じられないぐらい萎縮している
僕への態度や学校での態度…そして先生の前での態度…
千変万化な雪華綺晶の豹変ぶりは、それだけで既に正気とは程遠いのだろうか

「本当に反省してるぅ?」
「…はい…」
「そう…なら仲直りのキスをしなさい」
「えっ…」
「出来ないとは言わせないわよぉ」

雪華綺晶の顔が困惑に歪む
彼女の胸中を知る術はないけど、僕としては苦しくなければそれでいい

「舌を絡ませて、ねっとりとね」
「…でも…」
「アナタからするために、上になったのでしょう?」
「…」
「ほら、早く」
「くっ…」
「…んっ…ぅ…」

憎しみの目はそのままに、唇だけが優しく重なる
舌の侵入を拒まず、されるがままに身を任せた
396名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:16:48 ID:b+YqViOF

「ぅ…んぅ…」
「…はっ…ん…」
「フフ…盛り上がって来たみたいねぇ…」

カバンから携帯を取り出し、こちらに向けて何やら操作をしている
シャッター音が聞こえない代わりに、録画を示す短い音が聞こえた
録られる度に思うけど、何に使うのだろうか…
とても良い趣味とは言えないな

「ん…!」

多量の唾液が、僕の口内を満たしていく
頬を伝って零れ落ちるけど、雪華綺晶はやめてくれない
このままじゃ苦しいから、とりあえず飲んでみる
うん…まぁ、美味しいモノじゃないな
つい最近まで普通の仲だった友達とこういう事をして、意外と冷静でいられる自分に驚くという矛盾

「んっ…ぅっ…!」

あぁそうか
僕もとっくに壊れてるんだって…堕落してるんだって…いま気付いたよ
自覚があるだけマシかな
これ以上は流石にマズいもんね

「ぷはっ…ハァ…ハァ…」

長い長い口付けから、漸く解放される
されてる僕より、してる彼女の方が苦しそうなのは何故だろう…
397名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:18:50 ID:b+YqViOF

「ちゃぁんと仲直り…できたぁ?」
「…ご覧の通り…です…」

媚びるような眼差しで先生を見詰める雪華綺晶
そこまで褒めて欲しいのか

「…」
「はぁ…はぁ…」

品定めをするように、イヤらしい目つきで僕と雪華綺晶を交互に見る
何度か向けられた視線だけど、慣れないな…

「…ダメねぇ」

徐に口を開き、不満そうなトーンで言葉を吐く

「何が…いけませんか…?」

気に入られたくて必死な雪華綺晶は、先生の顔色を伺いながら恐る恐る問いかけた

「蒼星石、許してくれてないみたいよぉ?」
「…えっ…!?」

急に振られて呆然とする
そんな僕を見て、先生は今日初めての楽しそうな顔を見せた
398名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/09(木) 23:23:29 ID:b+YqViOF
投下終了
第9話に入ってからスローペースになってるなぁ…。
待ってる方とかいたらすみません。また不定期になりそうです。
399名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/10(金) 01:33:41 ID:Muf5ZmzR
「ねえ、キラキー」

「何でしょうお姉さま?」

「今日の晩御飯は何〜?」

「今日は貴女の好きな花丸ハンバーグにしようかと」

「わーい、キラキー大好きなの〜♪」

抱きっ

「お、お姉さま///」


「ほんとあの子達って仲いいわねえ」

「あれは仲がいいの次元をこえてるのだわ・・・」


妄想失礼しました^^
400名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/10(金) 10:21:45 ID:Xhnda9Uk
>>398
ゆっくりでも良いじゃない、焦らず良い文章を書いてくりゃれ
読み易いから場面がするりと想像できて興奮した雪×蒼も良いな!
しかしタイトルからすると普通の愛情じゃなさそうだ

>>399
そう卑下するなよ、妄想上等だろ
妄想は爆発だって岡元太郎もいってたぞ
401名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/11(土) 15:44:49 ID:o2Vz/DEQ
〜ある日のキラキーと雛苺〜

ピピピッ

「・・・もう朝ですか」

「お姉さま、もう朝ですよ」

「う〜あと5分だけ寝かせてなの〜」

「駄目です、学校に遅刻しちゃいますよ。」

「う〜ん、じゃあチューしてくれたら起きるの〜」

「えっ!!チュー・・・ですか///」

「うん、キラキー早く〜」

「・・・・・わ、わかりました」

チュッ

「わ〜い、キラキーありがとうなの〜」

「こ、こちらこそっ///」

「でも、今度は唇にして欲しいの〜」

「す、すいません///」

>>400
レスどもです^^
ちょこちょこ投下していきたいと思います。
402名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/12(日) 16:29:59 ID:8kXyCHFr
ここ最近行ってるんだけど、けっこう
いい感じです^^。

http://dancingflower.net/aab/

自分的には左の子が理想です。
403名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/12(日) 21:09:40 ID:y1D6vfBS
〜ヤンジャンコミックの方の一巻P132より〜

「あーんなに仲良しごっこしてたのに あはははは!」

「貴女に全てを話すつもりはないし 話したところで雛いc「あはははは!」

「――でも  その声 耳障りだわ」

「――そう その瞳よ真紅 貴女にはそっちの方がお似合いよ」



――――ガッ!!!!

右手で右のほうへ真紅の髪を引っ張る水銀燈、あがくように真紅は顔を右に向けながら
水銀燈の左横髪を後ろへ引っ張った。

「ムダムダ ム〜ダ〜よぉ! この私の長い髪が、きゃあっ・・!」

真紅が後ろに手を伸ばしすぎたためバランスを崩して仰向けに倒れてしまう…
そして、真紅につられるように水銀燈もバランスを失い真紅に覆いかぶさるように…

――ドサッ!(ちゅ…)



二人「あっ…!」
404名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/13(月) 01:46:38 ID:uFZLHCWw
婦妻で喧嘩した後の夜はいつもより激しいんですね、わかりま
405名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 09:11:24 ID:J9VcwnSf
真紅が銀ちゃんにエッチなコスプレさせたり銀ちゃんの豊満な胸を揉みまくるシチュが好きだな
406名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 12:59:32 ID:nB/YvuZ/
原作的には銀も平らだったような
407名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 14:25:01 ID:MFzdQa9x
究極の少女として作られてるから基本的に ふくらみかけ なんだろう
だがそうなると顔ばかり凝って体の差異を個々に出せなかったローゼンは
情熱や愛情の足らない手抜き野郎だといえるな
408名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 19:03:18 ID:3awoyxNM
変わらない基本、それを基にしてどんどんいいものにしていくのが
ドイツのいいところなのに…
まったくもってローゼンはks
409名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 22:26:41 ID:2NjDliUa
>>405-406
アニメでも服が燃える場面があったしな。
だがそのシチュは嫌いじゃないぞ。
410名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/16(木) 00:17:48 ID:d/Db4WQM
銀様はふくらみかけだが真紅はぺったんこじゃまいか
411名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/16(木) 00:56:01 ID:aVmMfFxK
まあ待て。
大事なことは乳じゃない。
もっと他にあるだろう。


つまり、ぺったんこなのを気にして腹いせに翠のを揉みしだく蒼、というシチュは萌えるってことだ。
412名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/16(木) 11:14:08 ID:5fNjmxX2
ぺったんこならボリュームアップすれば良いじゃない
人形なんだしパーツチェンジも有りだと思うんだよね
お父様から貰った大切な体を欠落するのが怖いと真紅がいってたが
逆いえばローゼン自作のスペアパーツなら交換おkって感じじゃね?

真紅がアリスゲームを制してお父様に会ったらボインパーツ作ってくれと
おねだりするでFAだな
413名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/16(木) 17:01:02 ID:gbThzVEJ
>>411
確かにそのシチュは萌える
414名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/16(木) 17:41:49 ID:dFjGivtp
カナとヒナも感化されて胸の大きさを気にし出すのか…ハァハァ
415名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:09:25 ID:6V8QEah9
>>411で電波受信したのでSS投下。
蒼×翠、エロ注意です。
416名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:10:06 ID:6V8QEah9
 双子、と言うと容姿がほぼ同じというのが一般的なイメージだろう。
 実際、薔薇水晶と雪華綺晶の双子は容姿も良く似ている。
 だけど、自分と翠星石の見た目は双子だと言うのに大分違う。
 これは雪華綺晶と薔薇水晶が一卵性であるのに対し、僕と翠星石は二卵性の双子である事が大きく関係しているのだろう。
 髪型も違うし筋力、性格、服装の好み、オッドアイの左右も違う。
 まあその違いは特に気にしていない。ただ気にしてるのは…。

「翠星石と違って、本当にペッタンコねぇ〜」
「…言わないで」

 体育での着替えの時に水銀燈から言われた言葉が、グサリと心を貫いた。

―※―※―※―※―

「はぁ…」

 風呂上りに脱衣場にある鏡に映った自分の裸姿を見て、思わず溜息を漏らす。
 もう高校生活も折り返し地点を過ぎたと言うのに、あまり膨らんでいない胸。
 周りのみんなは中学生に入る辺りから成長し始めたと言うのに、自分のはあまり膨らんでおらず成長する素振りすら見えない。
 だから体育での着替えはいつも憂鬱だ。
 特にずっと貧乳仲間だと思い込んでいた雛苺が、実は意外と隠れ巨乳だったのにはショックで打ちのめされて枕を濡らしたものだ。

「双子なのにどうしてこうも違うんだろう…」

 対して翠星石は水銀燈とまでは行かないが自分と違って胸が大きい。
 食べてる物や生活環境は自分と大差無いはずなのに、双子でどうしてこうも違うのか。
 雪華綺晶と薔薇水晶は双子で結構胸があるのに。
417名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:12:28 ID:6V8QEah9
そういや擬人化注意って書き忘れてた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…っくしゅ」

 寒い。ともかく服を着よう。
 裸で考えててもしょうがない。



 風呂から出て翠星石との相部屋に戻ると、姉であり恋人である翠星石はベッドに座って雑誌を読みながらホットミルクを啜っていた。

「ずい分と長かったですね。長風呂は体にあまり良くないですよ」
「いや…ちょっと考え事しててね…」

 胸の事で悩んでと正直言うのは少し恥ずかしい。
 幸いそれ以上深く問い詰めて来る事は無く、翠星石はそのまま雑誌に目を戻してその隣に腰掛ける。
 それから少し無言の時間が流れた。とは言え、嫌な無言ではない。穏やかな時間を流れる、心地の良い沈黙。

 次第に蒼星石の目線は翠星石の横顔から下がっていき、開けたパジャマから見える胸の谷間へと移っていた。
 自分では無理矢理寄せないと出来ない谷間が、何もせずに出来ている。…正直、嫉妬した。同時に欲情も。
 しばらくそうしているとその視線に気付き、翠星石が微笑んでこちらを向いて来た。
 それも、少し艶のあるような目で。
418名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:12:59 ID:6V8QEah9
「どうしたんです?」

 どうした、と聞いてきても答えは分かりきっているだろう。
 持っているカップを取ってローテーブルへと置き、そのまま口付けを交わす。
 優しいキスからそれは次第に大人の物へと変わって行き、舌で唇を叩くと開いて中から舌が伸びてきてお互いのそれが絡み合う。

「ん…ふぁ…んぅ…」
「ふっ…うぅん…」

 舌が交尾のように絡み合い、淫らな水音を部屋に響かせて二人の欲情を更に煽っていく。
 ベッドに押し倒してお互いの唾液を飲ませ合い、抱き合う力を更に強くする。
 何分間、と言う時間が過ぎて息が続かなくなり口を離して息を整える。
 息苦しさと興奮で翠星石の顔は赤く染まり、それがまた愛しい。
 そのままパジャマのボタンを外して前をはだけさせると、白くてたわわな乳房が蒼星石の目に映った。

(…やっぱり大きい…)

 自分とは違って大きい胸。それが愛しく、同時に悔しい。
 手を胸に添えて膨らみを強調させるとその先端を口に含み、強く吸い立てる。

「んぁっ、はぁ…!」

 反対側の乳首を指で抓み刺激し、口に含んだ乳首を舌で転がし甘噛みしてチュウチュウと音を立てて吸う。
 ミルクが出る訳も無いが、その感触が心地良くて甘いように感じられた。
419名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:13:29 ID:6V8QEah9
「美味しいよ、翠星石のおっぱい」

 今度は反対側の乳首を吸い始め、唾液で濡れた胸を揉みしだく。
 蒼星石の手の中で形を変える乳房がひどく淫らで、手に吸い付いてくる感触が気持ち良い。

「んぅ…っ! 胸ばっかり…嫌ですぅ…!」

 涙目でいやいやする翠星石の抵抗を無視して更に激しく胸を揉み、口で味わう。
 口で吸いながら引っ張ると歪なラグビーボール状に変形し、口を離すとプルプル震えながら形が戻っていく。
 何と淫靡な光景だろう。そしてその動きが悔しく、更に両手で胸全体を、指で乳首を弾いたり抓んだりして愛撫する。

「そうせ…せき…! 胸ばかり…!」
「胸ばかり、何?」
「も、もう…や…やああぁぁぁ…!!」

 ガリ、と乳首を噛んでやると翠星石の体が仰け反り痙攣を起こした。軽くイってしまったようだ。
 ようやく胸から口と手を離し、果ててしまった翠星石の体を見下ろす。
 胸には乳輪を中心に幾つもの赤い痕が出来ており、唾液でベタベタに濡れている。
 正直胸ばかり重点的にやりすぎたか、と思った。
420名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:14:01 ID:6V8QEah9
「蒼星石…」

 翠星石の息がようやく整ってきた頃に名前を呼ばれ、隣に横たわり潤んだ瞳を覗きこむ。

「何?」
「…胸ばっかり攻めて…何かあったんですか?」
「え…」

 図星を突かれて、一瞬うろたえる。目を逸らすと追う様に目を覗き込んできて少し気まずい。

「蒼星石のおっぱい好きは今に始まった事じゃないですが…今日はちょっとしつこかったですよ?」
「嫌だった?」
「…嫌って言ったじゃないですか。それも聞かずに…」
「…ごめん」

 ばつが悪そうに鼻を掻いて謝るが、翠星石の追求は止まらず自分の体に飛び乗ってきた。
 ぐへっ、と変な声が漏れ、更に翠星石は顔を近付けてきて目を覗き込んでくる。

「…正直に話すよ」

 これは正直に言うしか無さそうだ。

「…嫉妬してた。翠星石の胸に」
「私の胸に…ですか?」
「僕の胸は小さくて、翠星石の胸は大きくて…双子なのに何で違うんだろうって…。そう思うと、つい…」
421名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:15:14 ID:6V8QEah9
 正直に話すと、それを聞いた翠星石は一瞬ポカンとした表情をしたあと、クスッと笑みを浮かべた。

「そんなの簡単じゃないですか」
「え?」
「だって、蒼星石は私の胸が昔から大好きじゃないですか。えっちするといつも赤ちゃんみたいにチュウチュウって…そうやって昔から刺激され続けてましたからね」
「あ…」

 そう言えば、胸を刺激すると胸が大きくなるという話を聞いたことがある。
 嘘か本当か分からないが、翠星石にそう指摘されると何となく説得力があるように聞こえる。
 もしそれが本当ならば、全て自分のせいだろうか。
 そう愕然としていると翠星石の手が伸びてきて、パジャマのボタンを外されていき自分の胸が露にされてしまった。
 そのまま手が内側に滑り込み、胸に手を添えられ快感ともくすぐったいとも言える感覚が体を走る。

「私は蒼星石の胸が好きですよ。可愛くて…」
422名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:15:40 ID:6V8QEah9
 更に今度は顔を近付けてきて、立ち始めた小さな乳首をチュ、と吸われて強い快感が走った。

「んっ…!」
「でももしそれが嫌なら、私が手伝ってあげるです。蒼星石が私にしてきたように…」

 チュ、チュ、と乳首を吸いたてられてその度に電流が流れるような快感が走る。
 その快感に負けて、翠星石の頭に手を添えて更なる口での愛撫を要求してしまう。

「…お願い、するよ…。んっ…」
「了解、です」

 これが本当に効果があるかどうかは、定かではない。
 だが例えそうでも、まあ良いかな、と蒼星石は思った。

終わり
423名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:16:51 ID:6V8QEah9
以上です。
エロなんて久々に書いたから書き方忘れちゃってた。
424名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 03:58:17 ID:xy6h+0OZ
ボケたのか?
425名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 09:23:14 ID:ahs2I9cT
>>423
乙!最高に萌えるシチュだった!
426名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 19:10:20 ID:LiBrrY63
自演で乙とか書くなよw
IP同じだからばれてるしw
427名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 20:10:54 ID:nPrI/ESE
>423
乙!! 蒼も翠も最高に可愛かった
428名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/18(土) 20:37:34 ID:ahs2I9cT
>>426
自演じゃないんだけど
純粋に感想言っただけなんだけど
429名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/19(日) 23:53:24 ID:uclO0h5Z
エッチな紅×銀のシチュってどんなのがあるだろう?
430名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/20(月) 16:41:17 ID:iyXJNUX6
プライドずたずたの銀様 と
それを優しく包み込む真紅 or 更に追い撃ちをかける真紅
431名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/20(月) 23:03:45 ID:d1yE+FQd
個人的には後者の真紅との絡みに萌える(*´Д`)ハァハァ
432名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 00:18:34 ID:x2Xb5fy8
>>429
ドール八人(ただし擬人化)で旅行に行って、旅先の旅館で寝てたら金&雛、蒼&翠、きらきー&ばらしーが
盛ってたのを見て寝てる水銀燈を起こしてセクースというのを考えた。

文章力ないからSS書けないけどな。
433名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 00:27:43 ID:AyugsoJX
>>414
クズの名前出すな
434名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 00:28:09 ID:AyugsoJX
>>432
うわーまたクズの名前出したせいでスレの雰囲気が悪くなった
435名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 00:35:58 ID:PMjgfOOf
>>432
文章力無いから書けないって言ってたらいつまで経ってもレベル上がらないぜ?
つまり深く考えず思うがまま妄想をぶちまければ良いってことさ!
436名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 12:26:56 ID:yrvUYzU6
だよな。文章力なんか書いてれば上達するもんだ
文才は感性の豊かさが求められるから、一朝一夕の付け焼き刃じゃどうにもならんが
437名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/21(火) 23:41:34 ID:PBvhAk2+
下手でも書きゃいい
ただ、必要以上の謙遜と誘い受けはいらない
438名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/22(水) 00:29:47 ID:+Cfkg2SW
流れ豚切るが斎藤さん関連で百合シチュアルー?
439名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/22(水) 01:02:47 ID:qZ5pAhvs
瞳が芝居の練習と称してアレやコレを斉藤さんに…。

ただ出番が今の所一回しかないからどう動かして良いのか分からない(単行本派です)
440銀紅ほす:2009/04/22(水) 08:51:12 ID:TRzS73Jg
『名前遊び』

「"す"は?」

「素敵」

「"い"」

「意識しちゃう」

「"ぎ"」

「義理堅い」

「"ん"は抜かして"と"」

「とても」

「"う"」

「麗しい」




「………………よくそこまで自分のこと言うわね」

「全部、真実よぉ」

 そんなゆるりとした春の昼下がり。
441名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/24(金) 22:22:13 ID:S+mllwnR
まとめサイト更新されたな。
管理人さん乙!

http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/
442名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/25(土) 12:03:59 ID:MQ77UNIN
乙乙〜!
当たり前のように更新してくれてるけどマジ感謝!
多忙の時は無理せず、これからも末長くお願いします
443名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/26(日) 00:41:51 ID:0dpGoDGT
あげ
444名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/30(木) 17:54:17 ID:5vYOLWpM
パー速の某スレのばらしーかわええ…
たまにはきらきーの姉のばらしーもええわ…
445名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/30(木) 18:44:24 ID:X57KepLx
ばらしーがきらきーの姉っていうと…某サイトのばらしーがガンオタで、シスコンできらきーに夢中のやつか?
あれは面白くて萌えた。

意味が分からなかったらスマソ
446名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/30(木) 23:35:50 ID:ABoGPe3s
447名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/01(金) 02:46:00 ID:f3F2rl/p
二人とも幸せそうだなぁ…。
ずっとイチャイチャしててくれ。
448名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/01(金) 20:32:28 ID:J2n2U8kW
>>446
二人共可愛いなあ
GJ!幸せになってほしい
449名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/02(土) 00:04:32 ID:J228hE3q
〜ある日のキラキーと雛苺〜苺大福の巻き

「ただいま戻りました、お姉さま」

「お帰りなの〜キラキー!!」


「ねえ、キラキーあれ買ってきてくれたー?」

「はいっ、お姉さまの大好物の苺大福です」

「わーい、キラキー大好きー!!」

「/////」

「あれっ?キラキーの分は買ってこなかったの?」

「ええ、丁度お肉が安売りをしてたものでして・・・」

「じゃあ、一緒に半分子して食べよう」ニコッ

「お姉さま・・・」うるっ

(大好きですよ・・・)


大学の講義中に俺は何を妄想してんだ・・・orz
もう駄目かもしれんね・・

>>446右クリ保存余裕でした。GJ!
450名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/02(土) 00:21:52 ID:l1fJTql3
GJ!
これは雛の無邪気攻めか…うっひょう!
451名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/02(土) 00:22:43 ID:x8Duowzk
何が駄目なんだ
むしろ始まりだろ?ww

というわけで和んだGJ
452名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/03(日) 19:20:21 ID:WjHU3Ifz
蒼「ねぇ、水銀燈…」

蒼「他の女の子と話さないで、他の女の子と電話しないで、他の女の子とメールしないで、他の女の子の相談に乗らないで、他の女の子に優しくしないで、他の女の子の胸で泣かないで、他の女の子に隣を許さないで」
蒼「僕以外の、女の子は、受け付けないで?」
蒼「水銀燈は、僕だけを見てればいいんだもんね!水銀燈の彼女は…僕なんだもんね!!!」
蒼「あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!」
453名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/03(日) 23:45:23 ID:7xpzAuYD
なぜ蒼星石はヤンデレが良く似合うのだろう。
454名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/04(月) 00:14:21 ID:nPlqpUfy
>>452
ていうかこれ、結構前にも貼られてたね
455名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/05(火) 19:42:10 ID:FNYCNK9a
女キャラが多い漫画にはレズネタが多くて男キャラが多い漫画にはホモネタが多い・・・
蒼×銀とか翠×紅とがが好きな俺は異常なのだろうか?
456名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/05(火) 22:58:36 ID:fyxZkGwH
wikiだと蒼×銀は結構多いよ。
そしてローゼンで人間の絡みが好きな俺はもっと異常。
457名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/06(水) 09:11:49 ID:v+nBbuyi
めぐ×のり
オディール×巴とか?
結構いいよな人間の絡み
でもローゼンって内容的にドールズが目立ちすぎてるんだよな
ローゼンの漫画のカバーにさえ人間出ることって無いもんな
458名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/06(水) 17:55:42 ID:ONKQOame
>>455
同じ桃種漫画でもローゼン&しゅごキャラ!&ディアーズとゾンビローンとかその例だよな

とりあえず同志よ。
459名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/07(木) 13:22:36 ID:r9XUT2WZ
SS投下します。
ヤンデレ巴×のり です。
死にネタ注意。
460貴女のために:2009/05/07(木) 13:23:13 ID:r9XUT2WZ
 しん、と静まり返った桜田家のキッチンでカチャカチャと夕食の準備をする音だけが響く。
 かつては笑い声や物音がリビングから聞こえて来て賑やかだったのに、その音を立てる者はいない。
 だが決して無人な訳ではない。
 明かりの灯ってない薄暗いリビングに、のりだけが俯いたまま座っている。

「のりさん、晩ご飯の用意出来ましたよ」

 テーブルの上に料理を並び終えて巴が呼びかけると、のりはゆっくりと顔を上げる。
 その表情はかつてとは違い、生気の抜けた虚ろなものだった。

「巴ちゃん…いつもごめんね…」
「いいんですよ。好きでやってるんですから」
「…ありがとう…」

 力の無い笑みを浮かべるのりに、姿勢を低くして視線を合わせる。
 眼鏡の奥の目には薄っすらと涙が浮かび、今にも零れ落ちそうだ。

「…軽々しくいつまでも落ち込まないでとか、元気出してとは言いません。…ただ、一人で背負い込まないで下さい」
「巴ちゃん…」
「のりさんは何も悪くない。だから、自分を責めないで下さい」

 のりの背中に手を回し、その体をしっかりと抱きしめる。
 そうすると体が小刻みに震えているのが巴に伝わってきた。

「それに…私はのりさんを独りにしません。ずっと支えますから」
「あ、ありが…と…!」
 子供をあやす様に背中を擦り、のりを包み込む。
 だがその表情は哀れみや同情とは掛け離れた、暗く歪んだ笑みだった。

(だって、その為に桜田君を殺したんだから…)

 ほくそ笑みながら振り向いた先には、ジュンの遺影と骨壷が置かれた後飾りが飾られていた。
461貴女のために:2009/05/07(木) 13:23:55 ID:r9XUT2WZ
―※―※―※―※―

 二学期を少し過ぎた辺りから、真紅達や巴の協力によってジュンは学校へ再び通うようになった。
 のりはようやくジュンが脱引き篭もり出来た事に、真紅達、そして当然巴に非常に感謝してくれた。

「巴ちゃんもありがとう。巴ちゃんが毎日来てくれたから…」
「いえ、私はほとんど好きでやってたものですし…。桜田君が復学できて、私も良かったです」

 しかし、実際はジュンが復学しようがどうなろうがどうでも良かった。
 目的は全てのりのため。そして、のりに好感を持たれるため…。
 その為に、ジュンを利用しただけに過ぎない。要は道具と一緒だった。
 そして無事に――まあ計画の延長線上で――ジュンは学校に戻る事が出来、のりに大層気に入られる事が出来た訳だ。


 だがこれは当然真紅達や巴だけでなく、姉であるのりもずい分頑張ってきた。
 だから、ジュンは巴や真紅達だけでなく、のりにも感謝をするべきだった。
 しかし…。

「ねえ、ジュン君…」
「うっさいんだよドブス!」

 実際にのりに掛けられるのは、罵倒としか聞こえない言葉ばかり。
 そこに、感謝の文字など一欠けらも無い。

「あのさ、もうすぐテストじゃ…」
「そんなの関係ないだろ、放っとけよ!」

 雛苺と遊んでいる時に聞こえる、ジュンののりに対する罵声が巴の耳に届く。
 その度に巴の心にドス黒い感情が沸き上がり、奥歯をグッと噛み締める。


 のりさんはあなたのためにと思っているんでしょう、何でそれが分からないの…。
 いつもそんな事ばかり言って、少しはのりさんの気持ちを考えた事はあるの…?
 あなたがどれだけのりさんに辛い思いをさせたか分かってるの…!?
 引き篭もりをやめさせる為に、どれほど苦労したか分かってるの…!?
 感謝の一言も言わずに、一体何様のつもりなの…!!
462貴女のために:2009/05/07(木) 13:24:50 ID:r9XUT2WZ
 ジュンの家から帰り自分の家に着くと、裏庭に置いてある練習用の人形へと竹刀を打ち込むのがいつからかの日程になっていた。
 部活以上に竹刀に力を込め、思いっきり人形へと振り下ろす。
 ジュンに対する苛立ちを、怒りをぶつけるために、竹刀を何度もその人形へと打ち込んだ。

――黙れって言ってんだろ!――

 頭の中で木霊する、あの忌々しい声。

「お前が黙れ…!」

――触るな、バカのり!――

「このっ…! このっ、このっ、この、この、このこのこのっ!!」

 バシンッ。
 怒りに任せて何度も叩いていると、不意に手に伝わる感触が変わり、見てみると竹刀が真ん中から折れてだらしなく垂れていた。
 しばらく呆然とそれを眺めていたが、発散し切れなかった苛立ちが沸きあがってきてそれを人形へと思いっきり投げ付けた。
 人形に当たった竹刀は跳ね返ってそのまま地面に落ち、巴も地面へとへたり込んだ。

「なんで…なんであんな奴が…!」

 忌々しい。邪魔な存在。何故あんな奴がのりさんのように素敵な人の弟なのか…。
 そう思うと、やるせなくて腹立たしくて仕方が無かった。自分がどれほど求めても手に入れられなかったというのに。
 ジュンに怒鳴られた後に見せる、悲しそうな顔…それが目の奥に焼き付いて離れない。

「寄生虫…あんな奴、ただの寄生虫と同じ…!」

 のりに寄生して蝕み、ただただ栄養のみを吸い取り続ける寄生虫。
 巴から見れば、ジュンはそんな存在でしかない。
 深く息を吐いて心を落ち着かせると、だったら、と巴は狂気を帯びた笑みを浮かべる。

「寄生虫は…駆除しないとね…」
463貴女のために:2009/05/07(木) 13:25:37 ID:r9XUT2WZ
 その翌日、巴は窓の外を眺めながら放課後の教室にただ一人残っていた。
 もう放課後になり三十分は経過している。もうそろそろだろう。
 あらかじめジュンの下駄箱に“放課後、三十分ぐらい経ったら教室に来て”と手紙を置いておいた。
 それもラブレターと見まがう様な可愛らしい便箋で。それで来ないはずが無いだろう。
 実際は、逆の事が起きるのだが。
 そう一人クスクス笑ってると、教室のドアが開く音がした。
 そこには予定通り、ジュンの姿が。

「待ったか?」
「ううん。いいから、こっちに来て」

 巴に手招きされ、大人しくジュンはこちらへとやってくる。
 その顔は緊張しているのか、夕日のせいもあるだろうが赤い。恐らく愛の告白、とでも想像しているのだろう。
 誰がこんな奴に好意を抱くのだろうかと、そう思うとおかしくて仕方が無い。

「…なあ、柏葉、話って…」

 トチリながらも話を切り出したのはジュン。それに巴は、少しして向き合うと口を開く。

「…あのね桜田君。…私、ずっと前からあなたに言いたかった事があるの…」

 そこで間を置き、息をゆっくり吐いてその目を見る。
 まるで汚い物を見るような目で。

「なんであなたみたいなのがのりさんの弟なの?」
「…は?」

 あまりの態度の変化に状況が飲み込めないのか、ジュンは間抜けな表情を浮かべる。
 それに間髪入れず、巴は続けて行く。

「あんな素敵なお姉さんなのに…どうしてあなたはそんなどうしようもない人間な訳?」
「か、柏葉、何言って…」
「私はね、はっきり言ってあなたが学校に戻ろうがどうなろうがどうでも良かったの。のりさんと会う口実の為だけにあなたを使ってたの

よ」
「そ、そんな…嘘だろ…?」
「何? 私があなたみたいな暗い人間になびいてると思ってた? 妄想も程ほどにしてくれない?」
464貴女のために:2009/05/07(木) 13:26:48 ID:r9XUT2WZ
 唖然としたジュンに、更に巴はヒートアップして行く。

「大体、あなたはのりさんのことをどう思ってるの? のりさんはあんなにあなたの事を思ってるのに、あなたときたら文句ばかりで!」
「ぼ、僕は…」
「あなたがのりさんに怒鳴る度に、本気であなたを殴ってやろうかと思ったわ! それを抑えるの、どれだけ大変だったか分かる!?」
「や、止め…!」
「前にのりさんが風邪で倒れた時もあなたは何もしないで…! あなたみたいな寄生虫がいるからのりさんは無駄な苦労をしてるのよ!! 分かる!? ねえ!!」

 感情に任せて言うだけ言うと、少し心の方も落ち着いてきて巴はニヤリと笑みを浮かべる。
 それを見て、ジュンの表情が一層恐怖に染まる。

「…まあ、もう良いわそれは」
「柏葉…?」
「だって、桜田君はここで“事故死”しちゃうんだから」

 刹那、ジュンの体が窓の外に浮いた。
 言い切るや否や、巴がジュンの体を窓の外に突き飛ばしたのだ。
 ジュンの体は意外と軽かったのか、それとも打ち込みの成果か、あっけなく開け放たれた窓の外へと飛び出ていた。
 落ちながらジュンは巴に手を伸ばしたがそれを取るつもりなど毛頭無く、冷たい笑みを浮かべながら落ちる様を眺めていた。
 やがてジュンの体が窓から見えなくなると、背を向けてその周囲の机を幾つか倒しておく。
 言った通り、事故死に見せかけるために。
 それが終わると同時に誰かが落ちたジュンに気が付いたのか、誰かの悲鳴が窓の外から聞こえて来た。
 それを背に、巴は教室を後にした。
 ジュンに触れた両手を、汚れを落とすように払いながら。
465貴女のために:2009/05/07(木) 13:28:00 ID:r9XUT2WZ
 ジュンの死は計画通り事故死として片付けられ、葬儀も滞りなく行われた。
 その時ののりの様子は憔悴しきっていて少し心が痛んだが、これでもうのりを蝕む寄生虫はいないのだと思えば仕方ない事だ。

 更に、ジュンの死は意外な所にも影響が及んだ。
 彼と契約していた翠星石は正式に蒼星石のマスターと契約を交わし、雛苺はオディールというフランスの女性と契約を交わして桜田家か

ら居なくなったのだ。
 そして真紅は、新たなミーディアムを求め別の時代へと旅立っていった。
 こうしてジュンと真紅達で騒がしくも賑やかだった日々は、ジュンの死で一転、広い家にのりただ一人が残されてしまった。
 このあまりにも急で大き過ぎる環境の変化が更に拍車を掛け、結果、のりを精神的にボロボロにして引き篭もりにしてしまったのだ。
 正直ここまでなるとは思わなかったが、引き篭もりになったのは巴にとっては好都合だ。

 だって、これでのりを完全に一人占めに出来るのだから。

 それ以来、巴は毎日のりの家へと通うようになった。
 家事も食事も放棄したのりに代わり料理を作り、のりの世話や家事ををする…まるで通い妻になった気がして良い気分だ。
 最初はろくに口も利けなかったが、少しずつ心を再び開いて話せる様になって来た。
 そして今では、のりは完全に巴に依存している…。
466貴女のために:2009/05/07(木) 13:28:25 ID:r9XUT2WZ
―※―※―※―※―

「巴ちゃん…」

 不意に名前を呼ばれ、下を向くと潤んだ瞳で自分の顔を覗き込んでいるのに気が付いた。
 その潤みからは悲しみだけではなく、一種の情欲が感じ取れた。

「…不安、ですか」
「うん…怖い…」

 せっかくの夕食が冷めてしまうが、まあ良い。
 顔を近付け、その唇に自分の唇を重ね合わせてそのまま床に押し倒す。
 口を少し開けると貪る様にのりの舌が口の中に入り込んできて、自分の舌と水音を立てて絡み合う。
 一分近くして息苦しくなると、口を離してお互いしっかりと見詰め合った。

「ずっと傍にいて…もう…独りは嫌…」
「大丈夫です…あなたを独りにしません。絶対に…」
「巴ちゃん…嬉しい…」

 再びキスを交わし、口内を貪りあう。

(誰にも…誰にも渡さない…私ののりさん…)

 そう、思って。

終わり
467名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/07(木) 13:30:10 ID:r9XUT2WZ
以上です。
468名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/07(木) 22:32:03 ID:0pnk8hNH
巴KOEEEEEE!!

毎度毎度投下乙です!ありがたい!!
469名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/07(木) 22:41:29 ID:7uck+6w3
これは素晴らしいヤンデレですね。
470名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/08(金) 23:05:36 ID:pET1TqEX
〜ある日のキラキーと雛苺〜お風呂

「お姉さま背中お流しいたしますわ」

「うん、キラキーありがとう」

ゴシッゴシッゴシッ

「どうですか?お姉さま」

「うん、気持ちいいのー」

「それは良かったです」

「じゃあ今度は雛がキラキーの背中洗うの〜」

「えっ、ありがとうございます」

(お姉さまが私の背中を・・・・・嬉しい・・・///)

ゴシッゴシッ

「どう?キラキー」

「はい、とても気持ちいいですよ」ニコッ

「やったーなのー!!そういえばキラキーの肌って真っ白でとても綺麗なの〜」

「あ、ありがとうございます///」

「えいっ」だきっ

「ふぇ・・・お、お姉さま///」

「キラキーの肌すべすべで気持ちいいの〜」

(お姉さまのあれが私の背中に当たって・・・・・)

ポタポタ

「あれっ、キラキー鼻血出てるのー!!大丈夫なのー?」

(もう思い残すことはありません・・・)


このカップリング最高です^^






471名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/09(土) 13:35:03 ID:fp9ssPQM
雛苺が無意識に攻めてる感がもう…可愛いなぁw
いつか雪華綺晶が暴走することを願おう
472名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 00:31:31 ID:xWYtKHDU
このきらきーのヘタレ感が好きだw
473名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 00:53:20 ID:5EpVjQEb
「…蒼星石…お姉、さま」
「ん?何、薔薇水晶」
「…これ…」
「わぁ…、綺麗な花束だね。どうしたの?」
「…今日、は…母の日…だから、お母さんの…代わり、を…してくれる…お姉さまに、感謝…」
「そっか…ありがとう、薔薇水晶」
「…お姉さま、今…幸せ?」
「…うん。とっても幸せだよ。薔薇水晶は?」
「お姉さまが…幸せ、なら…私も…幸せです…」ニコ
「ふふ、可愛いなぁ」ギュッ
「く、苦しい…ですよぉ………えへへ」
474名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 11:34:37 ID:xWYtKHDU
久々の蒼薔薇、やっぱりばらしー可愛いなぁw
和んだ。
475名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:50:03 ID:ufYpHnF4
蒼星石×翠星石投下する
NGワード、denpa
二人ともかなり病んでるかも
476名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:50:33 ID:ufYpHnF4
 僕は"欠陥品"なんだよ。


 ある日突然、妹が呟いた言葉に私は疑問を浮かべた。


「分からない? そうか、うーん……」


 彼女はしばらく考えた後にパッと閃いたように話し始めた。


「人間ってのは大量にコピーされた一枚の紙なんだ。それらに何ら変わりはない」


 パラパラと大量の紙を素早くめくってみせる。
 それを見てると何だか頭がボーッとする。


「すると必ず……ほらね」


 一枚だけ端っこの折れた紙を取り出す。


「ここに折り目がある。これは"欠陥"だ」


 ──言霊遊戯
477名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:50:56 ID:ufYpHnF4
「つまり、貴女には"欠陥"があると言うんですか?」

「そうだね。そんなものさ」


 妹の言葉に私は更に疑問符を浮かべた。
 この十七年間一緒に過ごしていて、そんなことを思ったことがない。


「何処が、ですか?」

「うん、説明しにくいんだけど……僕には"感情"がない」

「"感情"ですか」

「そう、"感情"。と言っても"喜怒哀楽"とはちょっと違う」

 何だか訳が分からなくなった。

「例えば、"大嫌い"と言われたらほとんどの人は傷つく。でも僕は、」

「傷付かない、んですか?」

「そう」


 妹はそっとナイフを自分の指に食い込ませた。
 細い傷口からじわりと血が滲んだ。


「体を傷付けるのは簡単だ。でも心はそうでもない」


 妹は振りかざしたナイフを私の顔の横すれすれに突き立てた。
478名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:51:25 ID:ufYpHnF4
「怖い?」


 ゆると首を振る。
 妹を怖がることなんて、そんなバカなことはない。

 妹が私の首に口付ける。


「"大嫌い"だよ。翠星石」


 ──……嗚呼。
 なんて、悲しい言葉。
 吐いた言葉は私の四肢を締め付ける。


「ねぇ、悲しい?」


 悲しいに決まってる。大好きな貴女にそんなことを言われて。


「本当、かな?」


 何を言っているのだろう、この妹は。


「ねぇ、よく考えて"翠星石"。一回こっきりの"勝負"だよ」


 人差し指を唇の前で立てて、口の端を吊り上げた"妹"。
 私は彼女の表情から目が離せなくなる。


「僕達は"双子"だ。"二つ"なんだよ」


 トン、と両の人差し指を叩いた。
 何故だろう、頭がくらくらする。


「僕は君が大嫌いだよ、翠星石。だから、君は僕が大嫌いなんだ」
479名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:53:34 ID:ufYpHnF4
 異瞳が私を覗く。紅翠に写った私は何て奇妙な顔をしているんだろう。


「だってそうでしょう。僕は君が大嫌いなんだから、君も"同じ"なはずだよ」


 大嫌い。
 そんなわけないのに。どうして、蒼星石はそんなことを言うんだろう。


「"僕"は"君"で、"君"は"僕"だ。僕達は"一つ"だ」

 悲しい。
 悲しい。
 ──────。


「そうせっ……、」

「ダメ。喋っちゃダメだよ。僕の声を聞くんだ。」

「っや──!」


 慌てて耳を塞ぐが、彼女の声は直接脳を掴みえぐるように響く。
 気分が悪い、吐きそうだ。

「"僕と君"は一つだったんだ。それが、"分裂"した」


 気がおかしくなる。
 お願い、もう喋らないで。


「戻ろうよ、翠星石」


 ──一つに。


「蒼星石──」


 戻る。何に。どうして。私は。何で。私は一つ。貴方は一つ。二人は二つ。二人は一つ。


「僕達は"一つ"だ」


 あれだけ酷く響いた彼女の声が心地よい。
480名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:55:59 ID:ufYpHnF4
「ありがとう、翠星石」


 蒼星石が私の手をとり、その甲にゆっくりと唇を落とす。
 きゅう。と喉が鳴った。

 嬉しい。


「ねぇ、君は嬉しい?」


 嬉しい。
 嬉しい。


「僕は分からない。感情がないから」


 大丈夫。貴女の"欠陥"は私が埋めてあげる。


「そう、だね。僕達はずっと一緒だ」


 限りない永久を私は貴女と過ごしていく。


「嬉しい? 本当に?」


 彼女の唇がゆらゆらと揺れる。


「"感情"がないのは、"僕"だ」
「"僕"は、"君"だ」
「"感情"がないのは、"君"だ」


 嗚呼、そうか。
 "感情"がないのが"貴女"で、"貴女"は"私"で、"感情"がないのが"私"で。

 ちょっと待って、蒼星石。
 難しい、分からない。


「大丈夫。気にしないで、"僕達"は一つだよ」


 ──大丈夫。
 優しく耳元で言われてしまえば気持ちよくて目を瞑った。


「"大嫌い"だよ。翠星石」


 私は何も言わず、彼女の背にすがりついた。


終わり
481名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/12(火) 22:56:27 ID:ufYpHnF4
以上でんがな
NGワード設定しといて忘れてた
482名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/13(水) 00:26:05 ID:YbFq17AP
何だか奥が深い内容…。
双子は何かやっぱり脆いイメージがあるのは気のせい?
乙でした。
483名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/13(水) 00:44:53 ID:PcPmAWVm
>>481
乙です!
電波系はあまり好きじゃないけどこの二人だとしっくり来て好きだ
何人足り共邪魔出来ないような感じですごい
484名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/13(水) 04:00:43 ID:lVLXHHdG
原作蒼星石が好きな自分には良SS
ハラハラさせつつ悶えるようなのがもっと読みたいぜ
485名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/13(水) 22:35:26 ID:KubmpliH
〜ある日のキラキーと雛苺〜 お料理

「キラキー、ジャガイモの皮剥けたよ!」

「まあ、お上手ですわお姉さま」

(じゃがいもがあんなに細くなるとは・・・)

「ありがとうキラキー」ニッコリ

「いえいえ」

(こんな可愛い笑顔をみたらそんなこと言えませんね♪)

「そこのボールの中に入れておいてください」

「分かったなのー」

(次はネギを切らないといけませんね)

トントントン

「痛っ」

「ふぇ、どうしたのキラキー?」

「いえ、何でも・・・」

「あー血出てるのーーー!!」

「このくらい平気で・・・・・」

パクッ チューッ

「!!!お、お姉さま何を、あっ・・・/////」

「あとは絆創膏を貼ればOKなの〜ってキラキー?」

(死んでもいい・・・・・)ポタッポタッ


ベタなネタでサーセン^^

486名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/14(木) 00:24:04 ID:wYNLUhqg
指の出血だけで止まるレベルじゃないなw
487名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/14(木) 01:03:08 ID:MKF/cKJm
症状悪化ww
ヒナが指切ったらきらきーはショック死しそうだw
488名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/15(金) 01:14:17 ID:dNY3HKc/
めぐのり(+@)小ネタ

ある日の下校風景。

め「ねえねえ、のり」
の「? どうしたのめぐちゃん?」
め「ん〜、呼んでみただけ」
の「えー、なにそれ。じゃあ…め〜ぐちゃん」
め「なあに?」
の「呼んでみただけ〜?」
め「もう、のりったら?」


巴「……」

パターンA:めぐ×のり←巴

巴、無言で竹刀を取り出す

由「巴、落ち着いて! 早まっちゃ駄目!」
巴「離して由奈! 柿崎さんに一発打ち込まないと気がすまない!」
由「そんな事しても何にもならないから! とりあえず竹刀を仕舞って!」
巴「は〜な〜し〜て〜!」


パターンB:巴×オディール

巴、無言で竹刀を(ry

巴「…こっちは恋人がフランスにいて年に数回しか会えないってのに、人の気も知らないであの二人は…!」
由「巴止めて! そんなの唯の八つ当たりだって!」
巴「遠距離恋愛の辛さ分かるのあなた達に!? しかもフランスなのよフランス! 逢いに行こうにも中学生じゃ経済的に無理なのよ!!(後半涙声)」
由「分かったから落ち着いて〜!」


落ちも無くお粗末。
489名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 21:17:38 ID:fsXiNpUP
〜ある日のキラキーと雛苺〜嫉妬T

学校昼休み

「なんで私はお姉さまと同じクラスではないんでしょうか」タッタッタ

(早くいかないと私の愛しのお姉さまが盗られてしまう・・・)

ガラッ

「あっ、キラキー今日は遅かったの〜」

「すいません、お姉さま。四時間目は体育で・・・」

「やあ、雪華綺晶」

「あ、蒼のお姉さま・・・・・」

「久しぶりだね、元気だったかい?」

「ええ、それはもう・・・ところで蒼のお姉さま、今日はどうなさったのです?」

「ああ、翠星石が風邪で休んでしまってね。それで雛苺と一緒に食べようと思ってね」

「・・・・・そうですか・・・」

「ねえキラキー、蒼星石も一緒にいいよね?」

「え・・あ・・・もちろんですわお姉さま」ニッコリ

「そうこなくっちゃね」

(私のお姉さまとの貴重な二人の時間が・・・・・)ガクッ

(キラキー?)
490名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 21:18:45 ID:fsXiNpUP
〜ある日のキラキーと雛苺〜嫉妬U

放課後

「・・・・・」トボトボ

(お姉さま、もしかして蒼のお姉さまのことが・・・あんなに楽しそうにしてたし・・・)

「あっキラキーやっと来たのー!!」

「遅くなってすいませんお姉さま・・・」

「うん、帰ろう!!」

トボトボ

「でね、今日授業中に真紅がねー」

「・・・そうですか」

(お姉さまに聞きたいけど、そんなこと聞けませんね・・・)

ピタッ

「お姉さま?」

「・・・・・今日のキラキー何か変」

「えっ・・・」

「雛が何話しても上の空だし、お昼の時も元気無かったでしょう」

「・・・・・・」

「何があったの?」
491名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 21:20:22 ID:fsXiNpUP
〜ある日のキラキーと雛苺〜嫉妬V

公園のベンチへと移動した二人

「えっと・・・その・・・」

(もし自分の希望してる答えと逆の答えが帰ってきたら・・・)

「キラキー?」

(言うしかないですね・・・・・)

「あの、お姉さまが蒼のお姉さまととても楽しそうにしていたのでそれで・・・・・」

「それで?」

「もしかしたら、お姉さまは蒼のお姉さまが好きなのではないかと思いまして・・・」

「・・・・・うん、好きよ」

「えっ・・・・そう・・・ですか・・・」うるっ

(この近くに樹海はありましたっけ・・・)

「でも、キラキーはもっと好きよ」

「えっ・・・・・」

「それは蒼星石は友達だけど、雛にとってキラキーはとても特別な存在なの」

「お姉さま・・・」

キラキーの涙を手で拭う雛苺

「だから、もう泣かないでキラキー。帰っておいしいご飯作ってなの」ニコッ

「はい、お姉さま。心配かけてすいませんでした。」

(なんだ・・・・・私たちはいつの間にか両思いだったんですね・・・)

492名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 21:23:30 ID:fsXiNpUP
いつもはほのぼのした感じのばっかりだったので
たまにはシリアスもいいかなと思ったのでやってみました^^

というか最近こんな妄想ばっかり・・・orz
493名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 21:52:48 ID:N5jU13r1
嫉妬しちゃうキラキー可愛いなぁ…
両思いだけど無邪気なヒナは誰とでも仲良くしてキラキーを振り回しそうだw
494名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 23:13:34 ID:ZqkxvIPi
ニヤニヤした。GJ!
495名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 23:43:00 ID:HPWFuMca
ウンコスレ
496名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/18(月) 00:47:24 ID:cErJhlUv
何だかんだでヒナのがお姉さまっぽい(実際姉だけど)w
あと蒼星石ときらきーがヒナを取り合うのを想像した俺。
497名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:16:51 ID:sYoaHL8t
投下します

甘い悪魔の囁き

エロ鬼畜につき苦手な人はスルーお願いします
498名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:17:12 ID:sYoaHL8t
面白くない──
一言でいえば、そうだった
学校でした時も私の家でした時も、苦痛や快楽で素晴らしい鳴き声を聞かせてくれたのに…
今では壊れた人形のように無関心、無反応

「先生…僕は別に…」
「黙りなさい蒼星石」

許すも何も、最初から怒っていませんよ
そう言いたかったのだろう
雪華綺晶に押し倒された蒼星石
二人の距離がこれだけ近いのに、お互いの事は眼中になさそうだ

私が渇望する蒼星石と
私を渇望する雪華綺晶

こうして見ると、太極図のようで少し面白い

「やっぱり玩具は持ち主が遊んでこそ価値があるのよねぇ」
「……!」

嫌な気配を悟ったのか、ようやく蒼星石の表情が曇った

「そう…そのカオよぉ…蒼星石ぃ」

久しぶりだから、今日はとことん遊んであげよう
だけど油断は禁物
せっかくの玩具もジャンクにしてしまっては意味がないからねぇ…


第九話『友情の亀裂』後編
499名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:19:08 ID:sYoaHL8t


「蒼星石の機嫌を直すために…もっと気持ち良くしてあげなさい」
「えっ…?」

二人同時に声を上げ、一瞬だけ互いを見つめ合う
蒼星石の顔は引きつり、雪華綺晶の顔は朱く染まった
それは興奮ではなく、怒りに似た感情だろう

「気持ち良くって…」
「アナタはされる方よ、蒼星石」

動揺を隠せない雪華綺晶をどかせて、蒼星石を座らせる
その背後に回り、腕を後ろで交差させた

「先生っ…何を…!?」
「縛るのよぉ。破瓜の時も同じ様に縛ったでしょう?」
「い…痛い…!」
「ガマンなさい」
「や…だ…」

余ってた浴衣の帯で縛りながら、首筋に舌を這わせる
その様子を、雪華綺晶は妬ましそうに睨んでいた

「破瓜…」

そしてその言葉に、やはりショックを受けているようだ
私と蒼星石の間には既に特別な関係が成り立っていると承知のハズだが、目の前で展開されては受け入れられないのだろう

「そうよ…純潔だったココに」
「ひっ…」
「私が侵入したのよねぇ」

ジーパンの上から股をさすると、足を堅く閉じて抵抗する
最早そんな事に何の意味もないのに

「きらきー…蒼星石の足を開きなさい」
「…」
「きらきー」
「は、はいっ…」
「やだっ!やめて…!雪華綺晶!」
「煩いわねぇ…アナタにはこれをあげるわぁ」

鞄からアイマスクを取り出して、速やかに取り付ける
急に視界が閉ざされ、完全に冷静さを失った…が、

「嫌だっ!外して!」

取り付けられた後では、どうしようもないでしょう
500名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:21:29 ID:sYoaHL8t

「それ以上喚くなら、猿轡も噛ませるわよぉ?」
「う…」
「ふふっ…良い子ね」

ようやく大人しくなった蒼星石の頬に軽くキスをする
クラブの合宿なのに顧問の鞄が拘束具だらけというのは教師として終わっている感じもするけど、
もう今更どうでも良くなってきた
これまでは真剣にバスケ部や他のメンバーを考えた合宿をしてきたのに、
それらを合わせても蒼星石との天秤には釣り合わなくなったらしい
彼女を堕とすなんて言ったけど、本当に墜ちてるのは私の方かもしれない

「きらきー、服を捲って胸を出させてあげて」
「…はい」
「やめて…!」

静かに、ゆっくりと、雪華綺晶の手が蒼星石のシャツを上げて行く
避暑地とはいえ夏真っ只中だ
他には何も着ておらず、胸を包む青のブラが表れた

「それも上にずらして」
「お願いだから…それは…やめて…!」
「どう?蒼星石のおっぱいは…?」
「や…ぁ…」

鼻が当たりそうな距離で、蒼星石の胸を凝視する雪華綺晶
水泳の着替えで見た事があるかも知れないが、これほど間近で見た事はないだろう
無論、見られる方もまた然り

「見ない…で…」
「…」

二人の胸に大差はないが、雪華綺晶の目は嫉妬に歪む
色、弾力、形が良いから?否、私が好きな胸だからか?
視界を遮られた蒼星石はそんなリアクションを知るすべもなく、
不安と緊張に身体を強ばらせる

「とっても柔らかいのよぉ」
「ひっ!?」
「あなたも触ってみる?」

背後から脇の下に手を通し、無防備な胸を鷲掴みする

「!……」

意図に反し、雪華綺晶は“私もしてくれ”と言わんばかりの表情で私を見て来る
可愛いカオ…随分とおねだりが上手くなったようだ

「私の言う通りにしたら、あなたにもご褒美をあげるわぁ」
「ホント…ですか?」
501名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:24:07 ID:sYoaHL8t

長い沈黙の末、漸くマトモな言葉を吐いた

「何の…話ですか?」
「こっちの話よぉ。さぁ…まずは蒼星石の胸を舐めてあげなさい」
「はい…」
「えっ…?ゃっ…!雪華…綺晶…!?」

胸の先端を口に含み、舌で味わうように転がす
もう片方の突起も、人差し指と中指で摘みあげた

「なかなか大胆ねぇ…どう?味は?」
「う…ぁぁ…」
「…汗の味がします」

雪華綺晶らしい、素っ気ないシンプルな意見
クーラーも付けていない夏場の部屋で、三人が密着していれば汗もかくだろう
二人に挟まれている蒼星石なら尚更だ

「だけど、とってもイヤらしいでしょう?」

強く攻められる度に、身体が反応する

「そうですね…ホントにイヤらしい…」
「痛っ…!あ…!」

雪華綺晶の言葉には悪意が籠もり、蒼星石の身体が一際大きく跳ねた

「傷物にしたら許さないわよぉ?」
「…」

その言葉で口を離すと、胸の先端から唾液が伝う
突起部分は紅く染められ、僅かな歯形を残していた

「蒼星石は私のモノよ…好き勝手にマーキングされちゃ困るんだけどぉ」
「…申し訳ありません。あまりにも可愛かったモノで…つい」

心にもないことを、真顔で言ってのけるのは凄いと思う
まぁこの子は普段からあまり感情を込めた話し方はしないけど…

「だったら、もっとイジメたくならない?」
「…?」
「こっちも…攻めてみたいわよねぇ?」
「…せん…せぇ…!?」

膝の後ろを持ち、M字に開脚させる

「そっちは…絶対ヤダっ!!」
「今更何を言ってるのぉ?」
「雪華綺晶がぁっ…!」
「…」

まだ距離のある同級生でいるつもりなのだろうか
受け入れ難いのはわかるが、もう逃げられないと何度も言ってるのに
502名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:27:03 ID:sYoaHL8t

「きらきーが、何?」
「…嫌だ…」
「きらきーにされるのが嫌?見られるのが嫌?」
「…両方です」
「あら、だったら私ならいいのぉ?」
「…誰にされるのも、嫌です。だけど友達に見られるのは…耐えれません…」
「ふぅん…」

この状況で、良くそこまで言えるモノだ
だからこそ、イジメがいがあるというものだけど…

「きらきー、ベルトを外してジーパンを脱がせてあげて」
「はい…」
「や、ヤだってば!嫌ぁぁ!!」

暴れても、膝から下しか動かないのでは無抵抗と同じ
スルスルと手際良く脱がされて、青と白のしま模様ショーツが現れた

「きらきー…後はどうすればいいか、わかるわよねぇ?」
「…はい」
「…触らないでっ!」

布越しに筋をなぞられれば、股を閉じようと力が入る
それをより強引に開く事で、妙な支配欲が刺激された

「湿ってる…」
「なぁんだ…嫌がっててもちゃっかり気持ち良くなってるのねぇ…」
「違う…違います…」
「そう?だったらもっと気持ち良くしてあげるわぁ」「だからそういう意味じゃ…!」
「私の鞄から電動マッサージ器、取ってくれるぅ?」

両手が使えない私の代わりに鞄から器具を取り出し、スイッチを入れる
独特の振動音が部屋に響いた

「なっ…何!?何っ!?」

人間は情報の約8割を視覚から得るらしい
この状況では残りの2割もない方がマシかも知れない
聴覚が生きても、無駄な恐怖しか与えられないのだから…
だけど、それで身を振るわせる彼女が堪らなく愛おしい

「この音は何か…わかるでしょう?」
「…」

頭を振るのは、判らないという意味か拒絶の表現か
いずれにしても雪華綺晶の加虐心まで煽ってしまったらしく、私が命令する前に器具をショーツに押し付けた

「ふぁぁぁぁっ!?あぁぁぁぅ!!や…やめてぇぇぇ!!」
「いい声…」
503名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:30:49 ID:sYoaHL8t

私も初めて電動マッサージ器で自慰をした時、意識が飛びそうなぐらい絶叫したのを思い出す
Hなビデオで大袈裟に感じる女優を見てどうせ演技だろうなんて考えながらやってみたが、
気持ち良さを超越した快楽に失神寸前までなるとは夢にも思わなかった

「ひぃぃぃぃいぁぁぁ!!」

それをこんな幼い身体で体験するのは、一種の拷問のような気もする
20秒ほど当てると、布の吸水力では追いつかなくなったのか、何やら液体が漏れ出した

「潮吹いちゃったのかしらぁ?それともお漏らしぃ?」
「も…もぉ…やめ…やめてぇぇぇ!!」

溢れ出した汁は畳にシミを作り、尚も止まる事なく湧き続ける
雪華綺晶はやめる気がないらしく、そんな彼女を私も止める気がない

「あぁぁっ!!うぁぁぁぁぁ!!」

だけど、これ以上は壊れてしまいそうだ

「きらきー、ストップ」
「…」

そう言うと、不満そうな表情を浮かべながらもスイッチを切った

「はぁっ…はぁっ…はぅ…ぁ…」

ビクビクと、未だに痙攣し続ける蒼星石を寝かせて写真を撮る
アイマスクを外すと、多量の涙を流してこちらを睨んできた

「反抗的な目つきねぇ…もっと調教したくなるじゃなぁい…」
「くっ…」

目線を逸らし、唇を噛んで屈辱に耐えるカオが素晴らしい
もはや芸術のような愛らしさ

「直に当てるとねぇ…さっきの何倍もの威力らしいのよぉ…」
「!!…」

何をする気か悟ったのか、目を見開いて哀願するような眼差しで訴えて来る
そして背後からは、逆の意味で懇願してくる雪華綺晶の視線が突き刺さった

「二人とも、明日はマトモに練習できないわよぉ?」

一晩中、私の部屋に二人の叫び声が響き渡る
防音設備がしっかりしている事を願って、長く暑い初日に別れを告げた
504名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:33:39 ID:sYoaHL8t
投下終了

散々やってきて今更だけど、女の子同士のHって難しいな
505名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 22:16:01 ID:rB+UunQC
GJ!
鬼畜展開もいいな
506名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 23:47:09 ID:3zzNoyAf
いや…今までずっと鬼畜展開だったろ…
507名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 00:16:33 ID:5W2TYKog
GJ!!!
素晴らしいとしか言えない
続きも楽しみにしてます
508名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 00:56:36 ID:g/Y3FGsB
〜ある日のキラキーと雛苺〜出血多量

二人で苺大福堪能中

「おいしいの〜」

「ええ、とても美味しいです」

「そういえばキラキー、前に学校で金雀鳥から聞いたんだけどね」

「はい、何でしょう?」

「Hって何?」

「ブハッ」

「キラキー?」

「ゴホッゴホッ、大丈夫です・・・」

(金雀鳥のお姉さま、純真無垢な私のお姉さまに何てことを・・・・・あとでNのフィールドに閉じ込め・・・)

「ねえ教えてよキラキー」

「あの、ですね・・・・・/////」

「恥ずかしいことなの?」

「まあ、そうですね。そのHというのは愛し合ってる人同士でやる行為でして・・・/////」

「ふーん、じゃあキラキーHしよう」

「!!!!!」

この瞬間今までとは比にならない量の血を吹いてキラキーは倒れた。


「ふふっ、あたふたしてるキラキー可愛かったの〜」

「ほんとはパソコンで調べたから知ってたの。ごめんねキラキー♪」


キラキーはとても幸せそうな顔をしてたそうな
509名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 10:27:46 ID:v+YmfmHF
きらきー遊ばれてるww
しかし教えるという名目で本当に襲われたらどうするんだ雛…
510名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:26:33 ID:v+YmfmHF
時系列的には8話と9話の間なんですが、
ちょっと番外編っぽいモノを投下

甘い悪魔の囁き
511名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:27:02 ID:v+YmfmHF
甘い悪魔の囁き・番外
『愛情の亀裂』

「どうしたですか…?」

目を丸くして、玄関に佇む翠星石
当たり前か…
図書館へ勉強しに行っていた妹が息を切らしながら帰ってきて、
切羽詰まった様子で意味不明な事を口走っているのだから

「…蒼星石?」

こういう事になってるんだけど、どうすればいいか教えて欲しいんだ…と

全て伝えれば、翠星石はきっと力になってくれるだろう
一番信頼できる、優しい姉だから…
だけど助けを求める言葉を遮って口から出た言葉は

「何でも…ないよ…」

拒絶を孕んでいた

「どんなリアクションするかなって思ってさ…えへへ」
「…」
「…今日の晩御飯って…何?」
「…」

それは翠星石を思っての事なのか、僕自身のためなのか…
話を切り替えて家に上がろうとした時、翠星石の手が僕を掴んだ
僅かに震えてる、小さな手
その手を振り払う事が出来ず、仕方がないから立ち止まる

「最近…ちょっと様子がおかしいですよ…」

そして姉は静かに、そう呟いた

「…おかしい?僕が?」
「そうです…何か嫌な事でもあったのですか…?」

気付いてたのなら、何故もっと早く声を掛けてくれなかったの──?
言いかけて、必死に抑える

「バスケで嫌な事があったですか?それとも勉強の事ですか?」

答えは両方、だよ

「…どうしてそう思うの?」

僕の方こそ、どうして素直に言えないんだろう…

「…あのテストの日から、元気がなくなったです…」
「…ただ疲れてるだけだと思うよ」

気付いて欲しいのに、心配して欲しいのに…
なぜ自分から突き放す言い方をしてしまうのか
ようやく翠星石が、僕のSOSに気付いてくれたんじゃないか

「じゃあ…バスケは楽しいですか…」
「え…?」
512名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:28:27 ID:v+YmfmHF

震えた声は何を意味する?
何で君が泣きそうなの?
それとも、怒ってるの?

「バスケ?」
「嫌な事があっても、バスケをしてれば忘れられると」
「…」
「厳しい練習のハズなのに、いつも活き活きして帰って来てたです。なのに…最近は少しも楽しそうじゃない」

そんな事も言ったっけ
あの時とは違う…いや、急速に変わったんだ

「バスケの事は良くわからないですけど…相談にならいつでも乗ります…だから」
「…関係、ないよ…」
「え…?」

一度口にしてしまえば、もう歯止めが聞かなかった

「バスケや勉強とは関係ないと───」
「違うよ。君には関係ないって言ってるんだ」
「ふ…ぇ…?」
「バスケの事も知らない、ロクに勉強もしない…そんな君には何を話したってわからないだろう!」

言葉が言葉に勢いをかけ、激しさを増す
翠星石があんなに怯えてるじゃないか

「のんびり暮らしてた君には──」

バスケの事?勉強の事?
そうじゃない…どちらも突き詰めれば水銀燈先生の事だ
それなら翠星石にだってわかるだろう

「努力する者の苦労や悩みがわかるはずない!」

だけどそんな厚意が同情に思えてしまって…
怒鳴り声を聞きつけた祖父母に止められるまで、散々罵倒し続けた
普段から持っていた小さな不満や、水銀燈先生から受けた多大なストレスまで
自分が悪いハズなのに、翠星石に全てをぶつけた

「…ぅ…ぅ…うぅぅっ…」

その場に泣き崩れる弱々しい姉を見て──
我に返った僕は、つられて泣きそうになる

「…ゴメン…なさい…」

小声で囁いて、そのまま部屋に閉じこもった
それから夏休みまで翠星石とは口を聞かなくなり、
唯一の支えを失った僕は、また流されて敵地の真ん中に立っている

こんな妹で、ゴメンなさい───
513名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:29:51 ID:v+YmfmHF
短いけど投下終了

蒼翠の場合、イチャイチャさせるより二人の仲を切り裂く事に興奮する俺はもういろいろダメなんだろうな…
514名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:42:44 ID:A+pX9O3p
そうだね
515名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 23:07:01 ID:C5DReJ5u
このスレ的にふたなりと母乳ってあり?
516名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 23:25:52 ID:qmIPNDoY
鬼畜もグロも今まで投下あってもなんにも苦情なかったから多分ないと思う
517名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 23:27:08 ID:qmIPNDoY
↑言い間違えた
問題ないんじゃない?ってことね
518名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 01:50:12 ID:XI9E35dt
基本的に注意書きさえあれば大抵OKなハズ
少なくともふたなりは過去に何作品か投下されたしな
519名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:51:58 ID:N4I1Hg/A
金雛ほのぼの投下
520名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:52:51 ID:N4I1Hg/A
 冬の夜は苦手。肌を突き刺すような寒さがあるから。
 それに比べてこの時期は少し汗ばんだ肌に風が涼しいから、夜が好き。
「ちょっと遅くなっちゃったかしら」
 時計を見つめて、ふっと息を漏らす。将来を期待されているのもなかなか大変だ。
「かっなりあせんぱーい!」
 自分を呼ぶ声にふっと振り向くと、頭についている桃色のリボンを揺らしながら駆けてくる少女。
「ひな!」
 自分のもとまで辿り着くと手を膝に着き、大きく肩を揺らしながら呼吸をしている。
 しかし、すぐにパッと顔を上げると夜の闇をも照らす太陽のような笑顔を浮かべる。
「一緒に帰ろっ金糸雀先輩!」
 私はにこりと笑って頭一つ分低い彼女の頭を撫でた。
「今は、『かな』でいいよ」
 そう言うと大きな瞳を丸くさせたが、すぐに極上の笑みを浮かべてくれた。


 ──そして、あなたと
521名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:53:45 ID:N4I1Hg/A
 大好きな初夏の夜を、大好きな子と歩く。ああ、なんて心地よい時間。
「──でね、真紅せんぱいったら意地悪するのよ」
「ふふ、相変わらずかしら。真紅は」
「あ、翠星石せんぱいから貰った飴食べる?」
「食べるかしら。──莓?」
 愛らしい薄いピンクのそれを口に含むと優しい甘さが広がる。
「それにしてもひな、遅かったのね」
「うん、もうすぐコンクールだから」
 そう言った彼女の笑顔は少しだけ陰った。
「そう──」
 中学時代、動くの大好き元気印の雛莓の所属クラブはなんと美術部。
 絵が描きたいから、という簡単な理由で入部したが、デッサン等の基礎的な知識はなく、そこから猛勉強。
 しかし、その素人さが受けたのかもともとの素質なのか、彼女の絵はあるコンクールで金賞。
 そこから彼女のシンデレラストーリーが始まった。あちこちのコンクールで優勝するは名高い芸術家の目に止まるは、で彼女はあっという間に有名になった。
 そのおかげで彼女は推薦で私と同じ高校に。とてもじゃないが普通に受けたら雛莓は受かるはずのないとこ。
522名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:54:24 ID:N4I1Hg/A
 彼女は一躍有名人。学校で彼女の名を知らない者はいないほど。加えてこの愛らしい容姿と人懐こい性格。
 雛莓の周りにはいつも人だかりができていた。
「勉強、忙しいの?」
「とぉっても忙しいかしら。ヒナなんか目が回っちゃうかも」
「うぅー、嫌なのぉ」
「ふふふっ、覚悟するかしら」
「頼りにしてるのよっ。かなっ」
 ぎゅ、と腕にしがみつかれて危うくバランスが崩れるとこだった。
 笑いながら、ふと考える。この調子なら彼女は何もしなくても有名大学からお声がかかるだろうに。
 いつの間にこの二つ年下の幼馴染みは大きくなって、私の前を歩くようになったんだろうか。
 先輩と後輩の名がついてから、二人で遊ぶことなんかほとんどない。
 これから先も私の知らない人と出会い、関係を作っていくんだろう。私なんかいなくとも、歩いていくんだろう。
 明るくて楽しくて可愛くて、そして、そして、──。
 友情だけではとてもごまかせなくなってしまった感情を私はどうすればいい。
523名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:54:49 ID:N4I1Hg/A
「カナ、あのね──」
「ん?何かしら」
「ヒナね、カナのこと好き」
「はっ?」
「よかったら、付き合ってクダサイ──」
 彼女の瞳は視線がはずせなくなってしまうほど真剣で、とてもじゃないが冗談に見えなくて。
 その名の通り苺色に染まった頬につられて私も顔を真っ赤にさせる。
「よ……」
 こんなことってあるんだろうか。
「よろしく、お願いしますっ!」
 カバンを持つ両手に無意識に力が入る。告白を受ける側なのに、こっちがしたみたいに心臓が強く跳ねる。
「っ……へへ、」
 頬を掻きながら蕩けそうなほど甘い笑顔を浮かべた雛苺の髪をゆっくり撫でる。
「よろしくね、かな」
「こちらこそ」
 重ねた手を強く握り合う。涼しい風が二人の髪の毛を通り抜ける。
 この季節なのに嫌じゃない手のひらの暖かさはもう離したくないと言っていた。


終わり
524名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 08:55:15 ID:N4I1Hg/A
以上です
学年に差があると萌えると思うんだ
525名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 10:16:36 ID:yop9qFHa
>学年に差があると萌えると思うんだ

激しく同意。
ほのぼの金雛いいよいいよーGJ!
526名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 20:05:29 ID:su/peB1E
>>524
乙!雛金はやっぱり癒されるね
527名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:47:35 ID:RiSKzYp2
>>519
あーあこのスレもクズの名前出したせいでスレの雰囲気が悪くなった
528名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:48:15 ID:RiSKzYp2
>>520
糞キム出てくんなゴミが
死ね
529名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:48:53 ID:RiSKzYp2
>>521
糞キム消えろクズが
530名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:50:04 ID:RiSKzYp2
>>522
うわーせっかくの良スレだったのにクズの名前出したせいで無駄レスがどんどん増えていく
531名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:51:05 ID:RiSKzYp2
>>523
わざわざ僕を呼び寄せてスレの雰囲気を悪くさせただけでしたねー
532名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:51:49 ID:RiSKzYp2
>>525
隔離所でやれやゴミが
533名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 17:32:48 ID:/va/jFpN
>>524


この後行為に入ると思った俺はピチカートとベリーベルに殺されてきます
534名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 08:40:12 ID:DrpwnPvR
>>533
続編も考えてあるから期待しちくり
535名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 16:56:21 ID:qDGgeVfF
>>534
wktkしながら全裸で待機します
536名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 02:43:50 ID:5sEc9yqH
7レスほど巴×オディール投下します。
途中、エロにもならないエロ描写があるけど一応注意。
ちなみにまだ結婚する前の話です。
若干めぐのりあり。
537同じ月:2009/05/30(土) 02:44:45 ID:5sEc9yqH
「ん…」

 巴は触れるような軽いキスを交わすと、溢れそうになる涙を堪えてオディールへと微笑みかける。
 そのオディールも笑顔ではあるが、目が潤んでいて目が少し赤い。恐らく自分も同じ表情をしているのだろう。
 本来ならもっとしっかりとキスをしたい所だが、ここは空港のロビー。
 そんな公衆の面前で熱烈なキスをするわけにはいかない。そもそも、こんな所でキスをするのはどうかと思うが、この時ばかりは別だった。

 ゴールデンウィークの間、オディールは日本に――厳密には巴の所へ――やってきてくれた。
 何でもオディールの通う学校ではテストが終わり、休暇が出来てこちらへやって来たと言う訳だ。
 夏休みでも冬休みでもないのに訪れた逢瀬、二人はゆっくりと愛の時間を過ごす事が出来た。

 …しかし、それも今日で終わり。
 今日はオディールがフランスへと帰ってしまう日で、今は見送りに空港へ見送りに来ている所だ。

「…そろそろ行かないと。この一週間、楽しかったわ」
「私もよ。本当に楽しかった」
「ええ。…それじゃあね、愛してる」
「うん…私も」

 時計を見るともうそろそろ飛行機に向かわないと間に合わない時間だ。
 オディールは名残惜しそうに巴に背を向けると、キャリーバッグを引いてゲートへ歩き出した。
 巴はその場から動かず、オディールの姿がゲートの向こうのエスカレーターで見えなくなるまでその場で手を振り続けた。
538同じ月:2009/05/30(土) 02:45:24 ID:5sEc9yqH
 空港の屋上からオディールの乗った飛行機を見送り、バスで家に帰った頃には涙が枯れるほどに泣いたせいか、喪失感で胸の中に大きな穴が開いた気分だった。
 遠距離恋愛であるから楽しい思いの後には辛い別れが待っているのは、オディールが日本に来る前で分かっていたつもりだった。
 しかし、いざこうして別れると堪えきれない悲しさと寂しさが津波のように押し寄せる。
 オディールが来日し、別れる度にこの感情が来る…これには一向に慣れず、毎回泣いてしまうのだった。

 部屋に戻ると疲れがドッと押し寄せ、着替える事も無くそのまま床へと寝転がった。
 溜息を吐き、ふと隣を見ると床に一本の金色に輝く糸のような物が落ちているのに気が付いた。

「…オディールの髪…」

 それはオディールの髪だった。昨日オディールが泊まって体を重ね合った時に抜けた物だろうか。
 それを手に取ると、思い出したように首の裾を引っ張り自分の胸元を見る。
 そこにはオディールによって付けられた紅い痕が残っていた。
 オディールの身体にも、自分が付けた同じ痕が付いているはずだ。お互いがお互いの物と言う証が。

「んっ…」

 それを見て昨日の情事をふと思い出し、情欲が心の奥底から沸きあがってくるのが分かった。
 服の中に手を差し込み、胸の突起に触れてみるとそこは既に自己主張を始めていた。
 更にスカートの中に手を入れてショーツに指を這わせると既に秘所が少しずつ湿り始めている。
 目を閉じて、昨日の様子を思い出しながら衣服を乱して自分を慰め始めた。
539同じ月:2009/05/30(土) 02:45:50 ID:5sEc9yqH
「オディール…んっ、オディール…!」

 オディールの昨日の様子を思い出しながら自分を慰めていくが、それでも胸を締め付ける悲しさは誤魔化しきれない。
 情欲と悲しさが混ざり合って、出し尽くしたと思っていた涙が再び頬を濡らして行く。

「んっ…オディ…ああぁ…!」

 目の前が真っ白になって絶頂を迎え、息も絶え絶えにそのまま天井を仰ぐ。
 しばらくそのまま呆然としていたが、快楽のリバウンドに虚しさが込み上げてきた。

「…オディール…逢いたい…逢いたいよ…!」

 別れて数時間も経っていないというのに、そんな願いが口から零れる。
 振り返っても仕方が無いと分かっているはずなのに、どうしてもオディールの事が頭から離れなかった。

―※―※―※―※―

 オディールと別れて週が明けると学校が始まったが、最初の数日間はどうにも今一つ学校に集中できなかった。 
 こんなに引き摺るなんて、我ながら未練がましいと思う。
 それでも週も半ばを過ぎると何とか気持ちの方も落ち着き、学校生活も調子を取り戻してきた。
 そんな週末、部活も無く早めに帰ろうと校門に出ると、そこには見慣れた眼鏡の女性…のりが立っていた。
 歩いて行くと自分に気が付いたらしく、微笑んできたので軽く会釈をして近づいて行く。
540同じ月:2009/05/30(土) 02:46:19 ID:5sEc9yqH
「こんにちは、巴ちゃん」
「こんにちは。柿崎さん、ですか?」

 そう尋ねるとのりは頷いた。二人は付き合っていて、のりがめぐを迎えに来る事はもはや日常的なことだった。
 もっとも、巴が部活で帰りが遅くなる時は既に二人とも帰った後なので毎日会うことは無いが。

「柿崎さんならもうすぐ来ると思いますけど…あ、来ましたよ」

 噂をすれば何とやら、との言葉どおり二人が話をしているとめぐが早足で向かっているのが見えた。
 そのまま二人の所へやって来て、手馴れたようにのりの腕に抱き付いた。

「のり、遅くなったからって柏葉さんと浮気しないでよ」
「もう、ばかな事言わないの。巴ちゃんにはフォッセーさんって人がいるんだから」

 もちろんめぐは冗談で言っているのだが、のりの口からフォッセー…オディールの名前が不意に飛び出してきて胸が一瞬高鳴った。
 ようやく寂しさから脱する事が出来た矢先なのに。
 二人はその様子に気付く事も無く冗談を言って笑い合うと、巴の方を向いて軽く微笑んだ。

「それじゃあ私達はそろそろ行くわね。またね、巴ちゃん」
「また明日、柏葉さん」
「ええ…」
541同じ月:2009/05/30(土) 02:46:52 ID:5sEc9yqH
 挨拶を済ませると二人は先に歩き出して遠ざかって行く。
 腕を絡ませて笑顔で帰る二人は本当に幸せそうで、仲睦まじい様子が伝わってくる。
 ――その様子を見て、デジャブのような感覚が巴を襲った。
 二人の様子と、先週デートしている時の自分とオディールの姿が重なって見えたのだ。
 そう思うと、胸の奥に仕舞いこんでいた寂しさが再び湧き上がって来る。
 巴は居た堪れなくなり、二人から目を背けて自分の帰路へと足を向けた。

(…二人とも羨ましいな…)

 オディールと付き合い始めたことは後悔はしていない。むしろその逆で幸せな事だと思う。
 …しかし、めぐとのりの様に会いたい時に会う、という事は出来ないのも事実。
 そう考えると、遠距離恋愛の辛さを呪う時はあった。せめて同じ国内ならまだ気分的に楽だったかもしれないのに、と。

 浮かない気分のまま家に着くと、自分の机の上に赤と青が目を引く封筒…エアメールが置いてあった。

「オディールから…!」

 それは紛れも無くオディールからのもので、はやる気持ちを抑えて封を開けていく。
 中には数枚の近況の写真と一枚の手紙で、イスに座ってそれを読み始めた。

――巴、こんにちは…こんばんはかしら? そっちの様子はいかがですか? こっちはテストの結果も返ってきました。結果は…聞かないでね。落ち込んでしまうから――
「ふふ、何言ってるのだか」

 手紙に書かれているジョークに笑みを漏らし、読み進めていく。
 内容は他の近況や家の事、友達の事…どれも他愛も無い事ばかり。
 それでも筆跡からオディールの温もりが伝わってくるような気がして、読んでて楽しいものだ。
 そのまま読み進めて行くと、途中から少し文体が変わってきているのに気が付いた。
542同じ月:2009/05/30(土) 02:48:06 ID:5sEc9yqH
――…正直、フランスに帰ってきて数日間は巴の事で頭がいっぱいでした。すぐに巴の事が浮かんで…会いたい、と何度も思ってしまいました。それは巴も同じだと思うのは、自惚れじゃないかしら?―― 
「自惚れなんて…私も同じよ」
――でもそれは無理…。だから、辛くなった時はせめて月を見て欲しい――
「月?」
――日本とフランスでは昼夜がほぼ逆…それでも、もしかしたら同じ時間に月が見えるかも。こっちが夜の月でも、そっちでは真昼の月が浮かんでいると…または、その逆も――

 月を題材にするなんて、日本でも昔からよくある話だがオディールもそれを題材にするとは。
 ロマンチストな面を垣間見た気がして、巴は思わず微笑んだ。

――もし見えたなら、私とこの同じ月を見て繋がっていると思って欲しい。もちろん、国は離れても愛は通い合っているはずだけど、それでも繋がりが欲しいから――
「月…か…」

 手紙から目を逸らして窓の外を見ると、まだ薄明るい東の夜空に三日月が浮かんでいるのが見えた。

――…ちょっと恥ずかしいこと書いちゃったかな? でも、この事を頭の片隅にでも入れておいてくれたら嬉しいです。それではそろそろ…。Je t'aime.――

 愛してる、と言う意味のフランス語で手紙は締められており、巴はその手紙を持ったまま月を眺めていた。
 手紙通りなら、今頃オディールも月を見ているかもしれない。遠いフランスと日本を繋ぐ、この月を。

「…オディールも同じなんだから、私も頑張らないといけないわね」

 手紙のおかげか、あれほど落ち込んでいた気分もすっかり治っていた。
 むしろ、前向きになろうというエネルギーを受け取ったようだ。
 イスに座り直すと、便箋を取り出して返事を書き始めた。
 オディールも見ているであろう、窓から見える月を眺めながら。

終わり
543名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 02:51:27 ID:5sEc9yqH
以上です。意味不明だったらサーセンw
544名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 03:38:14 ID:c3Yg4a4l
あんがとよ
結構抜けそうな内容だぜ
545名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 21:02:05 ID:gKhV8qVv
>>544
あんたのSS好きだぜ
546名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 21:04:57 ID:BStAuoW5
まとめサイト更新乙です!
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/
547名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 23:14:14 ID:ZU8hdNmh
乙乙〜
よくわからん宣伝に荒らされたりしたけど、本当にお疲れ様です
548名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 17:35:09 ID:HXP9lt7d

今更ながら全部読んだが銀ちゃん受少ないな
549名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 00:16:09 ID:UCiL9BGk
水銀燈は攻めのイメージ強いからな
蒼星石は受けが多いが翠星石には攻めになるという
550名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 00:34:01 ID:liyTuo/g
〜ある日の真紅と水銀燈〜明日は欠席確定

放課後5時30分

「ふう・・・やっと委員会が終わったのだわ・・・」

(さすがにあの子はもう帰ってるわよね・・・)


「おっそ〜いじゃないのお、待ち草臥れちゃったわあ」

「水銀燈!わざわざ待っていてくれたの?」

「そうよお、感謝なさい」

「ええ、ありがとう」ニコッ

「・・・・っ・・・ふんっ///」

(何ドキドキしてるのかしら)

「さあ、帰りましょう。そういえば今日の夕飯担当は水銀燈よね?」

「ええ」

「待ってくれてたお礼に今日は変わってあげるのだわ」

「つ、謹んで遠慮しとくわあ・・・」

「もう、遠慮するなんて貴女らしくないのだわ。さあ、買出しに行きましょう!」

「・・・・・うん」

(明日は学校行けそうにないわあ・・・)
551名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 00:35:24 ID:liyTuo/g
>>546
更新乙です!!

いつもは雛と雪だったので別のコンビもやってみました^^
552名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 08:41:37 ID:TaR1WI7o
蒼は攻めのイメージが強いよ自分的には
あとは真紅も
銀は受けのイメージがある

>>551
GJ!いつもの雛雪の人か
紅銀いいね!学校行けないって…真紅の料理そんなに凄まじいのかww
553名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 16:07:13 ID:anCC8aNL
>>548
それ行ったらのり攻の方が…
554名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 16:13:19 ID:nQ2FOlmX
のりは自分の中じゃ総受けのイメージが強い。
555名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 20:58:55 ID:m6+CrTtG
巴×のり
みつ×のり
めぐ×のり
オディール×のり

違和感ないから困る
556名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 06:44:12 ID:irkNCHnp
紅×のり
雛×のり
翠×のり
蒼×のり

こっちも違和感無いからry
557名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 20:13:59 ID:wJHemS+A
斎藤さん×のり







・・・流石に無理か。
558名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 23:31:53 ID:Sc0j4aXb
もう皆でのりをもみくちゃにしちゃえばいいんじゃないかな?
559名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:07:19 ID:0g8fC4wW
>>555-556
水銀燈×のり
金糸雀×のり
雪華綺晶×のり
薔薇水晶×のり

…妄想力をフルにすれば!
560名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:01:43 ID:U1irVAbz
由奈×のり
561名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:26:46 ID:1Q0EcEjU
>>559
クズの名前出すな
562名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 12:54:11 ID:zpGlDvIX
むしろ逆転の発想でのり総攻め
二股三股あたりまえ、とかどうよ?
563名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 20:48:47 ID:kUbIRs3S
のり「あぁ〜ん真紅ちゃんも雛ちゃんも翠星石ちゃんも可愛いわ〜 皆みぃんな私のお嫁さんよ〜」
564名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:34:12 ID:yXodgUTo
>>563
容易に想像出来るから困るw
565名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:59:42 ID:Hp25vkWk
銀紅投下するよー
イラスト保管所のデフォルメの羽はえてる水銀燈とウルフ耳な真紅のやつ
566名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:00:18 ID:Hp25vkWk
 ここは色々な動物達が暮らす『へっぽこ動物村』。
 何でこんな名前かと言うと、そこに住んでる動物達は皆ちょこっとだけ欠点があるから。
 それ故に仲間達からハブられた動物達が仲良く暮らしてるのでありました。
 今日はそんな中の、鷹の水銀燈と狼の真紅のお話をしましょう。
 水銀燈がへっぽこと言われる理由、それは羽根が真っ黒だから。
 真紅がへっぽこと言われる理由、それは草食だから。
 そんな二人は幼い頃から一緒に暮らしている、いわば親友。そんな二人が仲良く、夜ご飯を食べている時でした。

「水銀燈! 私は鶏肉食べないって言ったでしょう!」

 今日のメニューは水銀燈お手製のカレーライス。二人は行儀良く食べていたのですが。
 真紅がスプーンを置いて、そう言いました。

「あらぁ、ごめんなさぁい。私は食べるものぉ」

 水銀燈はくすくすと笑っています。どうやらわざとイタズラしたようです。
567名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:00:38 ID:Hp25vkWk
「嫌いなのよ、お肉は」
「ふふ、狼がお肉食べないなんて変なのぉ」
「貴女なんて、カラスみたいな真っ黒な羽根してるくせに!」

 その真紅の一言で水銀燈はスプーンをガチャンと置いて、赤い瞳をギラリと光らせました。

「貴女だって、お肉が食べられないハブれ者じゃないのぉ!」
「何よ! やるって言うの!?」

 真紅は指先の鋭い爪を構えてそう言いました。

「挑むところよぉ!」

 そう言って水銀燈は羽根を広げると、窓から颯爽と飛び立ちました。

「くっ……逃げる気なのね!」
「ふふ、逃げるが勝ち、よぉ」

 真紅も慌てて玄関から飛び出しましたが、水銀燈はふわふわとお空を逃げ回ります。

「降りてきなさい! このカラス!」
「やぁよ」

 ふふん、と機嫌良さそうに鼻を鳴らして、水銀燈は更に高く飛び上がりました。
568名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:01:00 ID:Hp25vkWk
 二人は仲良しでしたが、喧嘩も多いのでした。
 真ん丸お月様が浮かぶ夜の山を追いかけっこ。二人はそれを楽しんでいるようでもありました。


「追い付けるもんなら追っかけてごらんなさぁい」
「待ちなさいっ!」

 いくら俊足の狼と言っても空高く飛ぶ鷹に、追いかけっこでは勝てません。

「くっ……」

 森の中を真紅は駆け回ります。上空に飛ぶ水銀燈の姿を睨みながら。
 しかし、それがこんなことになってしまうなんて。

「……っきゃあああ!」

 前を見てなかった真紅は足を滑らせて急な崖をまっ逆さまに落ちて行ってしまいました。

「真紅ぅ!?」

 水銀燈が慌てて呼び掛けても、真紅は返事することなくその姿だけを消してしまいました。
 森の中を目を凝らして見つめますが、いくら鷹の水銀燈でも樹が鬱蒼と茂っていては分かりません。
 水銀燈は真紅を探しに森の中へ真っ逆さまに降りました。

「真紅、真紅っ!」
「す、ぎ……と」

 その時、小さく水銀燈を呼ぶ声がしました。しかし、水銀燈の目に真紅の姿は映りません。
569名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:01:34 ID:Hp25vkWk
「どこ、真紅! 大丈夫なのぉ?」
「足を、捻ったみたい……動けないの」

 鷹は狼ほど耳が良くありません。声は聞こえてもそれがどちらから聞こえるのかが分かりません。
 水銀燈が草をかき分けかき分け進んでる時でした。

「水銀燈、もう少しまっすぐ進んで左」
「こ、こっちぃ?」
「そう。もうちょっと」

 がさ、と指示された草をかき分けると横たわったぼろぼろの真紅がいるのでした。

「真紅ぅ! 足は、どう?」
「ごめんなさい。歩けないみたいなの」

 真紅の足首を見ると両足とも真っ赤に腫れ上がっていました。

「仕方ないわねぇ」
「……なっ」

 水銀燈は真紅をお姫様抱っこしようとしますが、真紅はそれをはねつけようと手をばたばたとさせます。
 しかし、水銀燈はそれを強引に抑え込んで、再び空高く飛び上がりました。

「ふふっ、離してあげましょうか?」
「……くっ、」

 悔しそうに顔を歪めた真紅は、おずおずと水銀燈の胸元の服を掴みました。

「きょ、今日だけだからね」
「はいはい」

 真紅の頭を撫でた水銀燈は真紅をしっかり抱くと、羽を広げて帰路に向かいました。

「それにしてもぉ、よく私を誘導できたわね」
「あら、私は狼よ。貴女より鼻が効くのよ」
「ふぅん」

 それにね、と真紅が少しだけ頬を染めて言いました。

「私が、貴女の匂いを間違えるわけないでしょ」

 二人の姿をお月様だけが優しく見ていました。


終わり
570名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:27:38 ID:Y0u534Lj
何というだめっこ動物w
ダブルツンデレは良い、和んだGJ
571名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 08:58:50 ID:SUl31lvB
おはようございます
『君に紡ぐ唄』の二話目投下します
遅れてすまそ、まだエロはないっす
一話目↓
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/m/pages/410.html?guid=on
572名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 08:59:21 ID:SUl31lvB
 それは遠い昔。まだ科学が発展してなく、天災は神々によって起こっているものと信じられていた時。
 とてつもなく大きく、広い、海のような川があったとさ。
 そこに近いある漁村で船の転覆事故が多発したために、ある少女が人身御供として出された。
 少女は川に流され、ある島に流れ出た。
 そこに住んでいたのは黒い着物を着崩した銀髪の美しい少女、名を水銀燈。
 水銀燈は名前だけを思い出せないその少女を紅の着物を着ていたところから真紅と名付け二人で暮らしていくことになった。
 そんな二人の楽しい生活が始まろうとしています。


 ──にじりよる恋心
573名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 08:59:53 ID:SUl31lvB
>>572

 抜けるような青空と最初に形容したのは誰だったか。
 正にその言葉がぴったりのある朝。真紅はゆっくりと目を開けた。
「朝御飯にするわよぉ」
 川から流れてきたらしい魚を四匹抱えて来た水銀燈に起こされ、囲炉裏を囲む。
 パチパチと火に焼かれた魚から食欲をくすぐる匂いが漂ってくる。
「はい、どーぞぉ」
「ありがとう」
 塩で味つけられた串焼きの魚に一口かじりつく。
 もうここに来て二週間。真紅はあることに気がついていた。
 水銀燈はいつも真紅が起きる前に起きていて海から食べ物を持ってくるのである。
 それは魚だったり海草だったり、時には野菜なんかも流れてくるというのだ。
 別にそれだけならなんら疑問はないのだが、何故だか水銀燈は真紅を川に近づけようとはしない。
 と言うより、そういう食べ物や他の必需品を持ってこようとする時、必ず水銀燈は一人で行くのだ。
「ねぇ、真紅。ほら、これ分かるぅ?」
「鞠……ね」
 それは黄色地に赤や橙の牡丹の刺繍が入った綺麗な鞠だった。
574名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:00:32 ID:SUl31lvB
>>573

「こんなものが流れてたんだけど、知ってるぅ?」
「水銀燈、知らないの?」
「えぇ」
 なんか綺麗だから真紅が気に入るかなと思って。ニッと笑った水銀燈に真紅は正直、動揺が隠せなかった。
「これは、こうやってついて遊ぶのよ」
 貸して。と言って、真紅は水銀燈から鞠を受け取った。
 真紅は立ち上がると、唄を歌いながら鞠をテンテンとリズムよくついた。

 かわむらのそばでみていたひゃくしょうが
 さかなをとってみたならば
 ぬぬっとしぶきをあげまして
 まっかなりゅうがおこりだす
 さかなをかえせ さかなをかえせ
 あわててさかなをかえしたら
 にっこりわらったせきりゅうが
 きんのひかりにつつまれて
 あっというまにきえたとさ

「へぇ、貸してぇ」
 水銀燈は鞠を受けとると見よう見まねでテンテンと同じくつき始めた。
「歌、何だっけぇ?」
「もう一回歌うわよ?」
 真紅がゆっくりとまた歌い出す。それに合わせて水銀燈が鞠をつく。
575名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:01:14 ID:SUl31lvB
>>574

 それにしても何故、水銀燈は鞠を知らなかったのだろうか。
 水銀燈は自分の年齢は分からないと言った。しかし、見た目から言えば真紅よりも二つ三つ上に見えた。
「もう一回歌ってぇ」
「ええ! また?」
「お願いぃ!」
 はぁ、と真紅はため息をついて再び歌い出した。
 村にいた頃は、鞠つきで遊ぶのは幼子だけで、真紅はとうに遊ぶのをやめたと言うのに。
 水銀燈はまだまだ楽しそうに鞠をテンテンとついている。
 そうやって飽きるまで水銀燈に付き合っていると、既に日は暮れ、月が昇ろうとしていた。
「ねぇ、その唄どういう意味なのぉ?」
「意味って……知らないわ。私も姉と兄から教えてもらったもの」
「ふぅん」
 水銀燈は真紅の膝の上で気持ち良さそうに髪をすいてもらっている。
 何故か、彼女は一緒に暮らし始めてから、真紅の膝の上がお気に入りなのだ。
 まぁ、これまで一人きりで暮らしてきたというのだからその寂しさの反動かもしれない。
「ねぇ、真紅。私ね、すっごい幸せよぉ」
 笑顔で彼女を見上げた水銀燈は彼女の金糸をサラサラと撫でた。
「貴女がいて、とても嬉しいのぉ」
 真紅の頬にペタリと触れた水銀燈の手はするすると唇まで滑る。
「大好きよぉ、真紅」
「すいぎ、……」
 真紅の紡ごうとした名前は水銀燈の唇に寄って塞がれた。
「逃げないのぉ?」
 確かに。普通ならば会って二週間足らずの同性の少女に。でも、何故か逃げる気にはならない。
576名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:01:54 ID:SUl31lvB
>>575

「ふふ、真っ赤ぁ」
 ぷに、と水銀燈の指がその名の通り真紅色に染まった頬を突いた。
「私も、大好き……よ」
 口を開くとこんな言葉がスルッと出てしまった。
「一人だったのは、私も一緒」
 ポツリポツリと真紅が言葉を紡ぐ。
 心優しい姉も、力強い兄もいた。けれど、所詮はただの他人で。
 村人からは蔑まれ、疎まれ、嫌われ、私は一生こうやって生きて、そして死ぬんだと思っていた。
「だけど、水銀燈。貴女に会えた……!」
「真紅ぅ……」
 起き上がった水銀燈が真紅を優しく包み込んだ。
 初めて本当の人の温もりを感じた真紅はぼろぼろと涙を溢しながら、水銀燈の胸元を掴んだ。
「辛かったのね、真紅。ねぇ、聞かせてくれなぁい? 真紅に何があったか」
 ぐ、と唇を強く噛んだ真紅は水銀燈の胸に顔を埋めながらゆっくりと話し始めた。
 自分には家族がいないこと。姉と兄に拾ってもらったこと。漁村に住んでいたこと。
 そこで嫌われて蔑まれたこと。自分を嘲った人達が次々死んでいったこと。
 そして、それは自分が悪いんだということ。
「私じゃないのに。私は、何も知らないのに……」
「大丈夫。大丈夫よぉ、真紅」
577名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:02:54 ID:SUl31lvB
>>576

 喚く真紅の頭を安心させるように、水銀燈は暖かい手で撫でた。
「ねぇ、真紅。こんな風に考えられなぁい?」
 真紅は、神様に愛された子なのよぉ。
「は?」
「だからぁ、真紅をバカにした人達を見た神様が罰を与えたのぉ」
 ニッと自信ありげに笑った水銀燈に思わず目を丸くしてしまった。
「それで人の命を奪う神様も神様だけどぉ、そんな村で暮らすより私とのこの暮らしの方がいいと思うでしょう?」
「まぁ、そうだけど……」
「そういうことよぉ!」

 元気を出させるように背中を軽くポンと一つ叩くと、水銀燈は再び鞠を取り出した。
「ま、また!?」
「えー、だって楽しかったんだものぉ」
 呆れながらもお願いされたら断れなくて、真紅は再び歌い始めた。
「ねぇ、水銀燈」
「ん?」
「私、少しは村の人達を恨んでもいいのかしら」
「当たり前じゃなぁい。むしろ、恨んでない方が変なくらいよぉ」
「そう、……そうよね」

 かわむらのそばでみていたひゃくしょうが
 さかなをとってみたならば
 ぬぬっとしぶきをあげまして
 まっかなりゅうがおこりだす
 さかなをかえせ さかなをかえせ
 あわててさかなをかえしたら
 にっこりわらったせきりゅうが
 きんのひかりにつつまれて
 あっというまにきえたとさ

 唄に合わせた水銀燈の鞠の音が、外を包む闇に消えていった。


終わり
578名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:03:36 ID:SUl31lvB
以上です
週一更新目標つってできなくてさーせん
579名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 01:56:07 ID:EpQWRbXi
マッタリでも良いじゃない、のんびり書けば
これからの展開にも期待、銀紅GJでした
580名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 21:56:15 ID:cyTpY4rV
今月の見て思ったが雪×翠もたまらんな
581名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 22:24:36 ID:G0Axxczp
〜ある日の真紅と水銀燈〜お見舞い

ベッドで横になる水銀燈

「はあ・・・暇ねえ・・・」

(全く、あの子もう少し料理上手くならないのかしら・・・)

ピンポーン

「誰かしら」

ガチャッ

「あら、薔薇水晶じゃない。貴女が来るなんて珍しいわね」

「・・・・・真紅が今日水銀燈が休みだって言ってたから・・・」

「お見舞いに来てくれたの?」

「・・・・・///」コクッ

「立ち話も何だし入りなさいよ」

「・・・・・お邪魔します」


5分経過・・・・・

(気まずいわあ・・・・・)

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「お、お茶でも淹れてくるわあ」

「・・・・・おかまいなく」
582名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 22:27:09 ID:G0Axxczp
「はい、どうぞ」

「ありがとう」

(・・・また沈黙ねえ・・・)


(もう耐えられないわあ、真紅早く帰って来て〜)

「・・・・具合・・・」

「え?」

「・・・・もういいの?」

「あ、ええもう全然大丈夫よ」

「・・・・よかった。そろそろ帰る」

「あら、もう?残念だわあ」

(よかったわあ〜)

「・・・・・水銀燈・・・」

「なあに?」

チュッ

「ふぇ?///」

「じゃあ、明日学校で///」

「・・・・・何考えてるのかしらあの子は///」

彼女の唇のぬくもりがまだ残ってる頬を撫でる水銀燈

「真紅にばれたら殺され・・・・」

「水銀燈、具合はもういいのかしら?」ニコッ

(死んだわあ・・・・・)

583名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 22:28:42 ID:G0Axxczp
以上です^^

この後、水銀燈がどうなったかは皆さんの
想像におまかせしますノシ
584名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/17(水) 22:14:04 ID:r6uFd5Aq
紅「仕方ないから消毒しましょう…」
銀「ひいい…」
まで想像した
585名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 18:13:06 ID:Orkr6MLl
ヤンデレな真紅に愛されて夜も眠れない水銀燈
586名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 23:12:42 ID:VAphTgo/
>>583
紅「今日は金曜日だし…休み中はずうっと調教してあげるのだわ…」
銀「し、真紅ぅ…///」

こうですか?わかりません><
587名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 00:28:42 ID:LABdyFPA
真紅に調教される水銀燈とか…最高じゃないですか
588名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 17:41:15 ID:oREH3SBR
調教前「なに…すんのよぉ…やめなさいよぉ」

調教後「ひやああらめええええええ」
589名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 22:11:10 ID:tTPuqbUl
紅×銀は至高
590名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 23:04:42 ID:RIFFVGVW
紅「相変わらずいい乳房ね…アルプス山脈とは呼ばれてないのだわ…」モミモミ
銀「ちょっとぉ…ッン…真紅ぅ…アッ」

正直すまんかった
591名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 23:05:44 ID:RIFFVGVW
>>590
×アルプス山脈とは
○伊達にアルプス山脈とは
592名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 16:14:04 ID:I4ddXAZF
このスレ的に誰が巨乳で誰が貧乳、とかある?
593名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 18:29:02 ID:tYiT9bdQ
特に決まりはないはずだけど、大体は銀、雪華、薔薇、翠が巨乳で真紅、蒼、金が貧乳の設定で書かれることが多い気がする
雛は貧乳だったり隠れ巨乳だったり
594名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 21:14:40 ID:48riFbf7
ロリ巨乳は捨てがたいな 皆ロリな気がせんでもないが
595名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 21:47:29 ID:M4T+6nID
無乳な雛苺にほくそ笑む真紅もいいし
巨乳な雛苺に文句を言う真紅もいいです
596名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:33:24 ID:P7gfsWhe
>>593
クズの名前出すな
597名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:49:09 ID:txih9wEa
雛は貧乳でも悩まなそう。
巨乳なら何故恨まれてるのかわからなそう。
598名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 11:30:36 ID:DLsi8NvW
皆さん誰か忘れていませんか
599名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 11:31:10 ID:DLsi8NvW
忘れていませんでした。ちなみに金糸雀です
600名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 23:03:52 ID:P7gfsWhe
>>599
クズの名前出すな
死ね
601名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 23:32:21 ID:XDALC7JL
紅×銀ネタ
桃種先生の他作品ネタ注意

紅「水銀燈、これを着て頂戴」

つ小春高校制服

銀「ちょ、ちょと真紅ぅ…こんなのどこで手に入れたのよぉ…」
紅「フフフ…JUMに作らせたのだわ」
銀「全くこれだからオタクは困るわぁ…(ご愁傷さまぁ、JUM…)」
紅「この制服以外にも黒羽学園と聖夜学園の制服もあるから…早くして頂戴」
銀「勘弁しなさいよぉ…///」
602名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 16:51:21 ID:fIn625Jk
腐女真紅自重し…なくていいですw
603名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 18:06:37 ID:IDrzStLp
小春→黒羽→聖夜と行く度にサイズが小さくなるという電波を受信した
604名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 18:38:14 ID:IDrzStLp
ちなみに制服のサイズの方な。
605名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:52:30 ID:PnhFk0kP
蒼翠投下するよ
606名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:52:55 ID:PnhFk0kP
 いてっ。
 と小さく叫んだのは僕の双子の姉の翠星石。
「わ、ごめん! 大丈夫?」
 僕が抱いていた薔薇の花束を受け取ろうろした翠星石の指に棘が刺さってしまった。
 花束といってもロマンチックなものではなく、単に庭の花壇の手入れをしていて、もう枯れそうな薔薇を取り除いたところだった。
 翠星石の左手を取って、様子を伺うと小さなとげが彼女の指に刺さっていた。
「あれ? 翠星石、ゆび……」
「大丈夫ですよ」
 何故か発言を途中で切られて、左手を隠すように払われてしまった。
 その様子から、大事とではなさそうだが、家の中へ促して救急箱を取り出した。
「気をつけなきゃ、変な菌入ったら危ないよ」
「分かってるですよ」
 少し膨れ顔でそう言う彼女が愛らしくて、つい頬が緩んでしまう。
 僕のそれがお気に召さなかったらしい彼女はさらに頬を膨らませて「笑うなです」と呟いた。
「ほら、手出して」
 左手を出すように促せば、不服そうではあったが僕の右手に柔らかなそれを重ねた。

 ──今だけ、それは僕のもの
607名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:53:52 ID:PnhFk0kP
 この気持ちに気づいたのはいつだったか。
 あぁ、そうだ。五年前のバレンタインだっけ。
 今までとは違った楽しげな雰囲気で毎年恒例のチョコレートケーキを作ってるときだった。
「世話になってるからやるだけですよ。一応、担任ですから」
 わかりやすい言い訳と薄く染まった頬。手に握られたいつもより気合いの入ったデコレーションの箱。
 義理なら何でそんな風にわざわざ屋上に呼び出すの?
 喉まで出かかった言葉を無理やり飲み込んで、顔には笑顔を浮かべた。
 その一ヶ月後。僕が気づいた想いは無残に打ち砕かれた。
 そして今、彼女の左手の薬指には綺麗なシルバーが輝いていた。
「おめでとう。良かったね」
「べ、別に。そういう意味の指輪じゃねぇですよ」
 そんなこと言ったって、耳まで染まった朱はそれの意味をはっきり示していた。
 分かっていた、しょせん同性なんだから。こんな結末は見えていた。
 けれど、心のどこかで、小さく、いつか彼女は僕を選んでくれるんではないか、と思っていた。
 僕と彼女が出会ってから今年で二十年目。指輪によってつながれた絆は二十年来の絆に勝るものではないと。
608名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:54:49 ID:PnhFk0kP
「思ってたんだけどなぁ……」
「へぁ?」
 声に出てたらしい僕の考えを聞いた翠星石が素頓狂な声があまりにも間抜けで思わず吹き出してしまった。
「変な声!」
「笑うんじゃねぇです! 大体、そっちがいきなりなんか言うから……」
 で、と彼女が息をついた。
「何を『思ってた』んですか?」
「あ、あぁ……」
 と、言われても「君はいつか僕を選んでくれると思ってたんだよ」なんて言えるわけもなく。
 はは、と笑ってごまかそうとしたのだが、彼女はそれが気に入らなかったらしい。
「何ですか。私たちの間で隠し事はだめですよ!」
「え、……うん。……実は」
 彼女の左手をもう一度見てなんとか口を開いた。
「何で指輪してないのかなぁ……って」
 そう言われた翠星石はビクッと肩を揺らした。
 目線が泳ぎ始めた。どうやら聞いてはいけないことを聞いてしまったようだが、僕の気持ちを言うよりはいいだろう。
「た、たまたま今日は庭仕事ですから、邪魔になるかな、と」
「嘘。今までそんなことしたことなかったよ」
「っ……」
609名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:55:19 ID:PnhFk0kP
 ねぇ、翠星石。嘘でもいいから失くしただけだと言って。
 失くしちゃって、後ろめたくて桜田先生に言えないだけだって。
 じゃないと僕は、自分に都合のいいようにその理由を解釈してしちゃうよ。
「っ、昨日会った時……、距離を置きたい、って」
 既に涙声を発する彼女の柔らかな亜麻色の髪に指を通す。
 いっさい絡むことないさらさらのそれは離したくないほどに愛おしかった。
「うん」
「指輪も、しばらく返してほしい、って」
「うん」
「しばらく、がどのぐらい長くなるか分からない、って言われ……てっ」
 彼女はそこまでなんとか紡ぐと、後は涙に邪魔されてそれ以上言えないようだった。
 そんな彼女の頭を自分の胸に寄せ、つむじに顔をうずめた。
 同じシャンプーとリンスを使っているのにこんなにも香りが違うのだろうか。
「そっか、辛かったね……」
 ひぐひぐと僕の腕の中で時折肩を揺らしながら泣く姿はとても悲しくて、僕は心がチクリと傷んだ。
 同時に、人として最低な感情まで溢れてくる。
 あぁ、神様! 僕はいつかバチが当たるんでしょうか。
 バチなんて、当てたければいくらでも当たればいい。
「僕の中でゆっくり泣いてね……翠星石」
「っ……蒼星石ぃ!」
610名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:55:59 ID:PnhFk0kP
 うわあぁ、と声を荒げて僕をしっかりとした強さで抱いてくる。
 どれくらいそうしてただろうか。翠星石は僕の腕の中で泣き疲れて寝てしまった。
 この様子だと昨晩辛くて寝れなかったのだろう。
 僕の中で安心してくれたんだろうか。それだったらいいのに。
 あ。
「手当がまだだったね、翠星石」
 彼女の穢れが消えた左手を取って、怪我した箇所を優しく撫でる。
 慎重に刺をピンセットで抜いて、そこに塗るための消毒液を取って――やめた。
「人の唾液って消毒作用があるんだよ、翠星石」
 聞こえているはずない彼女に呼びかけながら少しだけ血がにじんでいるその指を口に近付けていく。
 綺麗だよ、翠星石。指輪なんて、そんな穢いものつけないで。
 ちゅ、と水音をたてて彼女の薬指を舐めあげる。
「誰かのものになるなんて言わないで。僕のために空けておいてよ」
 丁寧に舐めあげて、最後に口づけを一つ落として唇から指を遠ざけた。
611名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:56:46 ID:PnhFk0kP
 それでも、色白の手を離す気にはならなくてしばらくそれを弄んだ。
「あ、そうだ。指輪は無理だけどさ」
 絆創膏を取り出して怪我の部分に巻きつけた。
「こうすれば指輪っぽいよね」
 神様、あなたは僕に罰なんて与えなかった、むしろ。
「でもまさか、こんなにうまく怪我してくれるなんてね」
 今はもう絆創膏の下になっている薬指の根元の怪我を優しく撫でた。
 人一倍君のことが大好きな僕が、指輪がなくなった昨日の時点で何も言わなかったのを変だと思わなかったのかな。
 でも、まぁいいか。そんな細かいとこは。
「こんなとこで寝たら風邪ひくよ?」
 彼女を抱きあげて、寝室へ向かう。
 この怪我が治るまで、君の左手の薬指は僕のものだからね、翠星石。


終わり
612名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 20:57:38 ID:PnhFk0kP
以上です
蒼星石を書くとヤンデレになる法則
613名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:17:16 ID:TwMlvZHc
ヤンデレ蒼ktkr
激しく乙です
614名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 17:36:19 ID:2A4mulhE
ヤンデレと言うより健気に感じたのは俺だけだろうか?
二人とも可哀相な…乙でした。

あとJUM氏ね
615名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 22:51:54 ID:O8TpWLPZ
「あらぁ、雛苺。何飲んでるのぉ?」
「あっ、水銀燈〜」

つ『苺と乳酸菌』

「これなの〜」
「!?」

そのとき、水銀燈に電流走る――

(い、苺と乳酸菌!?……つまり、雛苺と私!?)

「……お、おいしい?」
「うん!おいしいのー。
 トゥモエが買ってきてくれたのー!水銀燈もほしい?」
「え、ええ、そりゃあ乳酸菌だしぃ……
 (それより貴女が(ry)」

「……うん、おいしいわぁ」
「ほんとー?よかったのー!」
(あぁ……可愛いわぁ……)


「ふふふ……間接キス……」
「!?」
「しかとこの目で捉えたのだわぁ!次のネタはこれで決まりね!」
「んなっ、ま、待ちなさぁい!この腐女真紅!」

『苺と乳酸菌』という伊藤園の清涼飲料水が(いろんな意味で)美味しかったから
ついカッとなった。反省はしてない。
616名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 23:50:52 ID:tKU5UGSK
銀雛は久しぶりだし、ほのぼのして萌えた!
可愛いなぁもう…
617名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 00:56:07 ID:Kmep91S1
突然だけど連載物の第一話を投下します。
めぐ×のり←ヤンデレ巴 です。
鬼畜、鬱、エロ注意。
618happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 00:57:20 ID:Kmep91S1
 幸せは誰かの不幸の上に成り立っている…良く聞く話だが、実際はどうなのだろうか。 
 人によって答えは違うだろうが、私がこう聞かれたなら、何のためらいも無くこう答えよう。
 イエス、だと――


「…巴、巴?」

 ボンヤリとしていたら不意に肩を揺すられて意識を現実に戻された。
 揺すられた肩を見てみると由奈が自分の方を眺めているのが目に入った。

「どうしたの? 次は理科室で合同授業だからそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」
「ああ…そうだったわね。すぐ準備するから」

 時計を見てみると次の授業まであと五分を切っていた。
 教室から理科室へ移動をして、授業の準備をするには少し急がなくてはいけない時間だ。
 巴は教科書類を持ち出し、由奈と共に教室を出て行った。
 廊下の窓から見える空は梅雨と言うこともあって、薄暗く曇天だ。
 まるで自分の心のように。

「…何だかさ、巴って最近変わったよね?」

 道すがら、由奈が少し心配そうな声で話し掛けて来た。

「そう?」
「あまり笑わなくなったって言うか…元気が無いって言うか…」

 笑わなくなった、か。そう言えば最近まともに笑ってないような気がする。
 いつだって心の中は曇り模様で、全然陽が差さない。まるで砂を噛むような日々…そんな時間だけが過ぎていった。
 その原因は分かっている。その原因は…。
619happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 00:58:12 ID:Kmep91S1
「柏葉さん、桑田さん。こんにちは」

 声を掛けてきたのは合同授業で一緒に授業を受ける柿崎めぐ。
 その声を聞いて、巴は口の中に苦いような物が広がった気がした。

「今日、同じ班で実験する事になったから。よろしくね」

 そんな事に気付く由も無くめぐは喋り続け、巴の胸をどす黒い物が被って行く。
 ぐっと堪え、作り笑顔を浮かべてめぐへと言葉を返す。

「…そう、よろしくね」

 それだけ返すと満足したのか、めぐは話し掛けて来た由奈と話をし始めて、巴はそこから目を逸らした。
 めぐなんて眼中にも入れたくない。それ程までにめぐの事を内心では嫌悪していた。
 その理由は一つ。自分の愛する人を奪ったのだから。

―※―※―※―※―

 学校が終わり、校門へ行くとそこには見慣れた人影…桜田のりの姿が合った。
 その姿を見て一瞬足が止まる。こんな事ならもう少し遅く来てすれ違いになるようにすればよかった。
 引き返して図書室ででも時間を潰しに行こうか、と思ったがその前にのりに気付かれて声を掛けられてしまった。

「あ、巴ちゃん。こんにちは」
「え、ええ。こんにちは」

 話しかけられた手前、無視するわけにもいかない。
 正直顔を合わせるのも辛いが、それを堪えてのりの顔を見る。
 屈託の無い人懐こい笑顔で、可愛らしい…それが、辛い。
620happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 00:58:36 ID:Kmep91S1
「今日は部活が無いからめぐちゃん迎えに来たんだけど…知らない?」
「さあ…会ってないので」

 ああ。やはり目的は自分じゃない。本人に悪気は無いだろうが、それが腹立たしくて悔しくて…そして悲しかった。
 結局この人の心に自分はいないのだ。自分がどれほどこの人の事を想い焦がれようと…。

「のりっ。お待たせ」

 不意にのりの体が揺れ、見てみるといつの間にかめぐがのりの腕に抱き着いていた。
 その光景を見て、昼間とは比べ物にならない位に胸の内を黒い物が被う。

「もう、いきなりビックリするじゃない」
「のりを驚かそうと思ってね」
「めぐちゃんったら」

 幸せそうに笑い合う二人を尻目に、巴の胸の中を嫌悪、怒り、嫉妬などあらゆる負の感情が満たして行く。
 手が白くなるほど握り拳を強く作り、嫌な汗が顔中に浮かぶ。
 もう、限界だった。

「…すいませんが、先に失礼します」

 それだけ言うと巴はそこから駆け出した。いや、逃げ出したと言った方が適切かも知れない。
 ただただ息が続く限り走り続け、二人から遠ざかっていく。
 やがてどれぐらい走っただろうか、気がつけば小さな公園まで来ていた。

「はあっ、はぁ…うっ…」
621happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 00:59:00 ID:Kmep91S1
 乱れる息を整えようと息を吸い込もうとした瞬間、強烈な頭痛と吐き気が襲い公園内にある水道へと駆け寄っていった。
 どうにかそこへ辿り着くと、吐き気を堪えきれなくなり排水溝へと嘔吐した。
 吐瀉物が排水溝を汚し、汗がそこに垂れていく…はっきり言って惨めだ。

「ゲホッ…ゲホ…」

 一通り吐き終え、水道から水を流し汚れた口と手を拭いていく。
 胃の方はすっきりしたが、心の方はちっとも晴れやしない。むしろ酷くなってきている。
 何故自分がこんな目に遭わなければならないのか。こんな思いをしなければいけないのか…。

「…柿崎めぐ…どうしてあんな人に…!」

 去年の二学期くらいまで入院してたとか何だか知らないが、ふらっといきなり復学してきた。
 いや、それは良い。問題はそこからだ。
 どう言う訳かめぐは、自分が想いを寄せていたのりといつの間にか交際していたのだ。
 ずっと…十年以上も想いを寄せていた人を、あの女は簡単にさらって行ってしまった。
 その事実が許せない。そして、自分じゃなくてあの女を選んだのりも同じ位に憎かった。

「…どうして…どうして私は奪われてばかりなの…!」

 昔からそうだ。両親や周りの目に縛られてあらゆる事を制約され、自分を押し殺して生きてきた。
 そこに現れた、雛苺と言う大切なドール…それもいつしかジュンに奪われてしまった。
 そして自分が想いを寄せていた人も…柿崎めぐに奪われた。
 何故自分だけ不幸になるのか。何故自分は幸せになれないのか…。
 そこまで考えて、フッとある話を思い出した。
622happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 01:01:01 ID:Kmep91S1
 人の幸せは誰かの不幸の上に成り立っている――
 世の中には奪う側と奪われる側の人間がいる――

 自分はどうだ。今まであらゆる物を奪われて不幸になり、そしてのりとめぐは自分を不幸にして幸せになっている…。
 今まで自分は奪われる側の人間で、幸せな人の土台となる不幸な人種だったのではないか。
 だったら。

「もう我慢はしない…。奪ってやる…奪って、幸せになってやる…!」

 巴の中で何かが切れた。流れる水に映った自分の顔は、酷く歪んでいるように見えた。

―※―※―※―※―

 数日後の放課後、校門へ行くと予想通りめぐを迎えにのりがそこへ来ていた。
 あらかじめジュンからのりが今日は部活が無いという事を聞き出していたから準備は万端だ。
 巴は笑顔を浮かべてのりに近付いて行く。

「のりさん、こんにちは」
「こんにちは巴ちゃん」
「柿崎さんを迎えに来たんですよね? 柿崎さんは今日授業の後片付けがあるから遅くなるって言ってましたよ」

 もちろんこれは口から出任せの嘘だ。そんな事も知らずのりは間に受けて少し残念そうな顔をする。

「そうだったの…なら仕方ないわね」
「時間があるんだったら、少し付き合ってもらってもいいですか? 私の友達にのりさんと料理について話したいって子がいて…」

 少し申し訳無さそうにしてそう尋ねると、のりは何の疑いも無い笑顔で頷いた。
 計画通りだ、その御人好しな所も人を疑わない所も。
623happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 01:01:28 ID:Kmep91S1
「良いわよ。ちょっとの間なら」
「ありがとうございます。すぐ終わると思いますから。…こちらです」

 そう。すぐ終わる。この忌まわしい感情も今までの不幸な自分も。

 そのまま連れて来たのはいつも剣道の練習をする武道場だ。
 今日は部活も無いのでここに居るのは自分とのりのみ。そのまま更衣室へと案内する。
 少しカビっぽい臭いと不快な湿気が鼻をつく。

「ここなの? それで、話したい子って…」
「…そんな人いませんよ」

 ガチャリ、とカギを閉めながら返事をするとのりはえっ、とした表情を浮かべた。
 それを気にすることなくのりの体を壁に押さえつけて眼鏡の奥の目を睨むように見上げる。
 異変に気付き、その目には恐怖が浮かんでいるのが見て取れる。それがまた巴の劣情を掻き立てた。

「と、巴ちゃん? どうしたの…?」
「…ふふ、可愛い…。食べちゃいたいくらいです」
「何言ってるの、冗談は止めて…」
「…冗談じゃありませんよ」

 冷たい声で言い放ったと同時にのりの顎を鷲掴みにし、そのまま強引に唇を奪った。
 のりはいきなりの事で訳が分からずパニックを起こして声を上げそうにあったがそれを巴は見逃さない。
 開いた口に舌をねじ込み、のりの口内を舌でなぞって行き舌を絡め取った。
 初めて味わう人の…のりの味に、これまでに無い満足感と幸福感が胸を満たしていく。

(これがのりさんの味…たまらないわ…)
「んっむぅ…! や、やぁ…!」
624happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 01:02:03 ID:Kmep91S1
 最初はパニックで何も出来なかったのりだが、理性を少し取り戻したのかしばらくして体を引き離された。
 それでも巴は手をのりの肩に掛けたままで離すつもりは毛頭無い。

「何で…何でこんな事…! どうして…!」
「どうして…? 私からしたら、のりさんの方こそどうしてって聞きたいぐらいですよ」

 涙目で睨みつけてくるのりを冷たい目で睨み返す。
 肩に掛けた手は胸倉に移し、そこを掴みあげて顔を近付けた。

「私はずっと昔から…もう子供の頃からずっとあなたの事を想ってたんですよ」

 冷たい、抑揚の無い声で呟くようにのりに語りかける。

「だから私は桜田君の引き篭もりを止めさせるのを手伝ったし、ずっと通いつめてた…あなたの為にね」
「私の…?」
「ええ。桜田君が引きこもりを止めさせれば私に振り向いてくれると思ったし、毎日あなたへ逢いに行けば私の気持ちに気付いてくれるはず…振り向いてくれるはず…そう思ってね」

 そこで俯き、胸倉を掴む手に力が篭り震えだす。

「それなのに…」

 いや、震えているのは手だけではない。腕が、全身が怒りで震えだしている。
 顔を上げ、息が掛かるくらいに顔を近付けると負の感情を吐き出すように一気に大声をあげた。
625happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 01:02:27 ID:Kmep91S1
「それなのに、あなたはあの女を選んだ! あの柿崎めぐとか言う女を!! どうして、どうして私じゃないんですか!! 何で私じゃなくてあの女なんですか!! どうして!!」

 怒り狂って喚き散らす。でも芯の方は恐ろしく冷えていた。冷たく、どす黒い感情が今の巴の全てだった。
 のりは初めて見せる巴の鬼気迫る様子に、もはや涙を流して怯えるだけで何も言えなくなっていた。

「昔からそうだった…! 何もかも奪われて、得られる物は何も無い…。雛苺も、あなたも…尽くしても何も手に入らなかった…!」

 ふぅ、息を一つ吐く。

「だったら…」

 もう、道は一つだ。

「だったら、力尽くであなたを奪って幸せになってやるわ!!」

 刹那、のりの制服を力尽くで引き裂いて白い肌を一気に露出させた。
 そのまま床に押し倒して馬乗りになり、抵抗するのりを押さえつける。

「いっ、いやああぁぁ!! 巴ちゃん止めてぇ!!」
「もう私だけが不幸になるのは嫌…あなたを不幸にしてでも手に入れて、今度こそ幸せになる!」


 それからはもう本能に任せたままでどうしたかは覚えていない。
 全てが終わった時にはのりは半ば放心状態で横たわり、衣服はボロボロで目も当てられない状態だった。
 だが、巴はそれを見て今まで感じた事もない満足感と幸福感を感じ取った。
 これでのりを手に入れた。もっとも欲しい物を自分の物に出来たのだと。

「ふふふ…良い格好ですね、のりさん」

 放心状態ののりに携帯を向けて、写真を数枚撮っておく。
 軽い電子音にのりが気付き、奪って来ようとしたが今ののりなど巴の相手ではなく簡単にかわしていく。
626happiness,happiness,happiness:2009/07/01(水) 01:02:50 ID:Kmep91S1
「なっ…止めて! お願い!」
「これをばら撒かれたくなかったら、これからは私の言いなりにしてください。破ったら…柿崎さんや桜田君がどうなっても知りませんよ」
「そんな…めぐちゃんとジュン君は何も関係ないじゃない…!」
「関係ない? 大有りですよ。柿崎さんはあなたを汚した、桜田君は二人の仲を認めた…私からしたら害悪でしかないんですよ」

 それを聞いて絶望の表情を浮かべるのりに、姿勢を低くして歪んだ笑みを浮かべ顔を覗きこむ。

「これは言わば犬の手綱…。分かりましたね? じゃ、これからよろしくお願いします」

 絶望したのりの頭を撫でて更衣室を出ると、後からすすり泣く様な声が聞こえて来た。
 それを背にして武道館を出て、帰る道すがらさっきの写真を見ると自然と笑みが浮かんでくる。

「ふふ…これでのりさんは私の物…ああ、幸せ…」

 本当に幸せなの? ふと、頭の奥から自分の声が響いた気がした。
 愛する人を傷つけて、それで幸せか? 無理矢理汚して、幸せか?
 そんな声がする。

「ふふ…あは…あははは…」

 一瞬の葛藤はすぐに消え、幸福感と虚無感、その二つが渦を成す。
 だが、分かっている事は一つ。
 もう、引き返せない。過去の様にはなれない…それだけだ。
 ならば、もうこのまま堕ちるしかない。堕ちて堕ちて、堕ちた果てにある汚れた幸せを完全なものにしなければ…。
 それしかもう、道は残されて無かった。

続く
627名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 01:04:42 ID:Kmep91S1
ひとまず以上です。3〜4話ぐらいで終わらせる予定。
628名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 10:44:15 ID:R+ZPaYUZ
>>627
巴にはヤンデレが似合うなあ
GJです
629名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 22:01:14 ID:4rtIWt7e
>>627
乙 これからが凄く楽しみだ
630名無しさん@秘密の花園:2009/07/03(金) 13:16:46 ID:ZgeIKhiI
               ___
             く/',二二ヽ>
 . ___,',i><iヽ|l |ノノイハ))
 |___ /((ノノリノ))|l |リ゚ ー゚ノl|
 ||\.__  ((ミi!゚ ヮ゚ノミ))l_|(l_介」).\
 ||\\ - 〜'´  ̄ `〜'´ ̄ `〜'〜\
    \\    _,.-、 _,-、 _,.-、 _,-、_,-、\    ┌──┐
      \ヽ|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||    i二ニニ二i
        ||                    ||    i´ノノノヽ)))
        || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||   Wリ;;;)'Д`(;;)リ
                            ⊂    ヽつ
                             r'⌒  '(:i:) ⌒つ
                            (_ノー''--*⌒
631名無しさん@秘密の花園:2009/07/03(金) 13:40:51 ID:6N9F8+cp
>>627

連載頑張れ
632名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 00:16:18 ID:BYHJccab
雨がひどいから真紅とめぐにいぢめられる銀ちゃんでも妄想するとしよう
633名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 00:20:05 ID:29CgQdc7
もちろん書くんだよな?

うちもなにかいいのが思い付けばなぁ
634名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:34:19 ID:mqwbOVjx
ある日の屋上で

昼休み屋上で

「はい、お姉さまの大好きな苺ですよ」

「わーい!!キラキー早く食べさせてよ〜」

「は、はいっ///」

パクッ

「う〜んおいしいの〜」ニッコリ

「それは良かったです」ポタポタ

(ああ、なんて無邪気で純粋な笑顔でしょう)

「キラキー、ティッシュなの〜」

「スイマセン・・・」


ガチャッ

「あら、どうやら先客がいるみたいよお、真紅」

「ふふっそのようね、こんにちわ二人とも」

「あー、真紅に水銀燈なのー」

「御機嫌よう、お姉さま方」

(一体何しに来たのでしょう)
635名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:35:43 ID:mqwbOVjx
「珍しいですね、お姉さま達がここへ来られるなんて」

「お邪魔だったかしらあ?」

「い、いえそんなことは・・・」

「ふふ、雛苺も元気そうねえ」

「元気なのー」

「まあ、たまにはいいかと思って。ここ座っていいかしら?」

「どうぞ、紅のお姉さま」

「真紅達もお弁当食べに来たのー?」

「まあ、そんなところなのだわ。ね、水銀燈?」

「ええ」

「さあ、私たちも食べるのだわ」

(今日の弁当は真紅が当番だったわねえ・・・)

そんなこんなで10分経過

「銀のお姉さま大丈夫ですか?」

「え、ええ平気よお」

(殺人的な不味さだわあ・・・)

「それにしても貴女達って本当に仲いいのねえ」

「ええ、もちろんですよ」

「キラキー大好きー」チュッ

「お、お姉さま///」

紅銀「・・・・・・・」イラッ

636名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:37:10 ID:mqwbOVjx
「す、少しは恥ずかしいとか思ったりしないのお?」

「う〜ん、別に雛は全然恥ずかしくないの〜」

「わ、私もあまり恥ずかしさといったものは・・・」

「ふ〜ん」

(やっぱ少し恥ずかしいかもしれないです・・・)

「なるほど、よっぽそ互いのことが好きなのね」

「うん、雛はキラキー大好きなの〜」ダキッ

「お、お姉さま///」

「あら、雪華綺晶ったら顔が真っ赤なのだわ」

「こ、これは///」

「・・・・・」ぶっす〜

「銀のお姉さま、どうかされたんですか?」

「べ、別になんでもないわあ」

「あー、わかったのー、水銀燈は真紅にチューして欲しいのー」

「ち、違っ///」

「あら、それは残念ね」

「うう・・・・・」
637名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:39:07 ID:mqwbOVjx
「あ〜あ、真紅かわいそうなのー」

「紅のお姉さまが可愛そうですわ」

「わ、分かったわよ!すればいいんでしょ、すれば・・・」

「い、一回だけだからね」

「ふふ」

「ちょっと真紅う、何がおかしいのよ」

「ふふ、ごめんなさい。焦ってるあなたの顔がおかしくて」

「な・・・・・・///」

「照れてる水銀燈可愛いのー」

「・・・・銀のお姉さま?早くなさってはいかがですか?」ゴゴゴ・・・

「え、ああ、そうね」

(あれ、この子何で怒ってるのかしらあ・・・)


「目つぶりなさいよお」

「はいはい、わかったわ」
638名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:40:49 ID:mqwbOVjx
5分経過

「ふぁああ、雛眠くなってきたの〜」

「私の膝でよければどうぞ、頭をお預けください」

「うん、ありがとうなのキラキ〜」コテッ

(お、お姉さまその顔は反則ですわ)ポタポタ


「水銀燈?」

「うう・・・・・」

(この子ったらしかたないわね)

「水銀燈、目を開けて」

「な、何よお・・・」

チュッ

「!!!!!!!」

(真紅?????)

「ぷはっ、もう貴女がいつめでもモタモタしてるからよ」

「うう、ごめんなさあい///」

「今度は貴女からしてくれるの待ってるからね」ニコッ

「う、うん」

(ありがとう、真紅・・・)
639名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 21:43:41 ID:mqwbOVjx
おまけ

「もう、5時間目始まってるわあ」

ドタバタ

「貴女がいつまでもノタノタしてるからよ」

「何ですってえ」

ドタバタ

「まあまあ、お姉さま方落ち着いてください・・・」

「ふぁあ〜眠いの〜」


以上です。
長くなってしまいスイマセン^^:
自分の中でこの二つのカップリングは正義です。
それではまたノシ
640名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 22:22:32 ID:wCiBVHCW
>>639
おお!いつもの人か
マジGJです
641名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 00:13:29 ID:TOYKsd2K
>>639
GJ!
いつも楽しませてもらっている。
642名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 07:20:30 ID:DmCPuGfT
>>639
ヘタレ銀様かわいいです

やはり紅銀は良い
643名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:22:50 ID:YwP9tBnv
七夕記念
蒼翠、銀紅投下するよー
644名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:23:31 ID:YwP9tBnv
 普段、閑古鳥が鳴くような店で珍しく鈴がひとつ鳴った。
 それは、ドアが開いたのを知らせるのと同時にお客さんが来たことを知らせる音でもあって。
 その音で振り返ると、やはりその人だった。
「いらっしゃい、お客さん。ご注文は?」
「カシスオレンジを。後、ペペロンチーノ作れますか?」
「すみません。食べ物やってないんですよ」
 と、お互いに至極真面目に言い合ってから、ぷっと吹き出した。
「キッチン借りますよ」
「どうぞ、ご自由に」
 そう言って彼女はペペロンチーノの材料が入っているであろう袋を抱えて奥のキッチンへ隠れていった。
「ねぇ、知ってますか?」
 そう言った彼女に振り向かずに「何を?」と聞くと楽しげな声で、
「今日、七夕ですよ」
 と言った。


 ──空に浮かぶ恋人のように
645名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:24:18 ID:YwP9tBnv
 へぇ、と答えると洗っていたグラスを置いた。
 からん、と先ほどと同じ鈴の音が鳴ってドアを見つめると、旧友が立っていた。
「いらっしゃい。水銀燈、真紅」
「相変わらず寂しい風景ねぇ」
「水銀燈、失礼よ」
「いいんだよ。いつものことだから。ご注文は?」
「カンパリソーダを」
「まずはアースクエイクからねぇ」
「相変わらず強いね、水銀燈は」
 言われて僕はさまざまな酒の並んだ棚からジンを取り出した。
「あれ、来てたですか」
 キッチンから顔を出した翠星石が二人の顔を見て珍しそうに目を丸くした。
「あら、あなたもいたのねぇ」
「じゃあカルボナーラ作ってちょうだい」
「なら私はオムライス食べたいわぁ」
「勝手なこと言うんじゃねぇですよ」
 べー、と舌を出しながらもキッチンに向かう様は、もう彼女の性格を知っている僕らだから分かること。
 何だかんだ言って作ってくれるのだ。
「翠星石はまだ、なの?」
「ん、あぁ。……まぁね」
「あなた達仲良かったからねぇ。てっきり一緒に」
「水銀燈!」
 少しだけ強くなった僕の言葉尻に彼女は少し申し訳なさそうな表情をして謝った。
「分かってる、から」
 そう言って僕は彼女の前にアースクエイクを置いた。それに一口、口をつけるとふぅっと息をついた。
「あー、クるわねぇ」
「よくそんな強いの飲めるわねぇ。あら、ありがと」
 続いて真紅の前にカンパリソーダを置いた。
「これで食事があれば最高なんだけどなぁ!」
 奥のキッチンに聞こえるようにわざと大きめの声で水銀燈がアピールをすると翠星石がひょこりと顔を出した。
646名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:24:44 ID:YwP9tBnv
「ちぃと待てです。まだ真紅のペペロンチーノしか作れてねぇですよ」
「僕出すよ」
「すまねぇですね」
 キッチンに入るとにんにくとオリーブオイルのいい香りがしてこちらもお腹が減ってしまう。
「はい、真紅」
「ありがとう。そういえば蒼星石、あなたまだ料理できないの?」
「ははっ、僕は調理という言葉に嫌われたみたいだよ」
 自分の言葉通り、僕は料理がてんでダメ。それでもバーを開いてみたくて開いたけれど、料理は置いてない。
 枝豆やナッツはあるんだけど、ナッツならまだしもバーに枝豆は、ね。
「おいしいわ、さすがね」
 一方、双子の姉は現在大手ホテルのイタリアンレストランで修行中。この差は一体何なんだ。
「オムライスもできたですよ」
 ふんわりとした卵にトマトソースとホワイトソースの二色ソースがけ。
 ああ、お腹減った。僕も何か作ってもらおうかな。
「さて、私も冷えきったカルボナーラ食うです」
 やめとこう。これ以上頼むと怒られそうだ。
「君たちはデート?」
「えぇ、といっても。後は水銀燈の家にお邪魔するだけよ」
 そう言って少し染まった頬はお酒だけのせいではなさそうだ。
 しばらく四人で談笑して、皿もグラスも空になったころ。
「じゃ、そろそろ行くわぁ。これ、お代。ちょうどよねぇ」
「お預かりいたします」
「じゃ、またねぇ」
「また来るわ。蒼星石、翠星石」
 鈴の音を鳴らしながら開かれたドアから真紅は空を見上げた。
647名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:25:17 ID:YwP9tBnv
「降っちゃったわね」
 しとしとと小さく窓ガラスを叩く雨粒は、悲しきかな恋人を裂く音。
「雲の上は晴れてるんだからいいんじゃないのぉ?」
 それに、にやりと水銀燈が笑った。
「二人だって人間に見られてない方がやりやすいわよ。色々と、ねぇ」
 真紅が水銀燈をどついた音が聞こえた直後、扉が閉まった。
「嵐が去りましたね」
「はは、君も何か飲む?」
「じゃあお任せで」
「はいはい」
 棚の方を向いて何にしようかと考えて、ふと翠星石の方を振り返る。
「僕も飲んでいいかな?」
「構いませんよ」
 そう言われてドライジンと日本酒を取り出す。
「その二つを使ったやつ、ありましたっけ?」
「いや、二つ作るんだよ」
 そう言いながらアップルジュースやスイートベルモットも取り出してシェイカーに材料を注ぐ。
「はい、君の分。『ベガ』」
「ベガ……ですか」
「で、これは僕の『アルタイル』ベガは織姫。アルタイルは彦星」
 くるりとゆらすとキラキラと紅の水が揺れた。
「ねぇ、まだ一緒にやる気はない?」
「……」
「ここでシェフをやってほしいな」
 織姫と彦星が引き裂かれた恋人ならば。僕たちのような恋人の願いを聞いてほしい。
「社会勉強したいのは分かるよ。でもまだ、だめかな?」
 君達の名が付けられたカクテルで、げんを担がせてもらうよ。
「僕は、君とやっていきたい」
「っ……」
 翠星石の指がグラスに伸びる。
「私で、いいんですか?」
「当たり前じゃないか」
 にこりと僕が笑うとほっとしたように彼女も微笑んだ。
「じゃあ乾杯しましょうか」
「何に乾杯する?」
「好きなもので」
「じゃあ僕たち二人と空に浮かぶ二人、二組の恋人に」
 カチンと、二つのグラスがキスする音が響いた。


終わり
648名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 20:26:23 ID:YwP9tBnv
以上
七夕に間に合ってよかた
649名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 22:39:22 ID:tBUmQKfP
雛苺→真紅の妹
金糸雀→水銀燈の妹っつーことで紅銀&金雛.。人間化注意。

銀金姉妹が紅雛の家に遊びに来ました

雛「カナ〜、この問題分かる?」
金「どれどれ…ムググ…ちょっと難しいかしらぁ…」
雛「うゅ…カナにも分からないのー?どうしよう…」
金「そうかしら!お姉ちゃん達は高校生だからこんな問題とっくに習ってるかしら!」
雛「カナ賢いのー!」
金「早速お姉ちゃんの部屋に行ってみるかしらー!」

同時刻、真紅の部屋

?      ?       ?   ?
? ガタガタ_? ガタガタ_?_ガタガタ_____     ?
ガタガタ/  ?  ガタガタ  ?  ガタガタ/l  ?
/ガタガタ ?   ガタガタ  ガタン!!!!! ..| ?
/ガタガタ       ガタガタ   ガタガタ  ./|    <水銀燈ッ!水銀燈ッ!
│ ̄ ̄ガタガタ? ̄ ̄ガタガタ? ̄ ̄| ././  〜?
ガタガタ-?ガタガタ[ i ]──ガタガタ.-||/./  ?  < し、真紅ぅッ!
│ ? ?  [[二二二]] ガタガタ? |/ ガタガタ     もうイッちゃ…アンッ!アッ!…フアアァウゥーッ
└─ガ タガタ?── ガタガタ─?─′?

ガチャ

金「お姉ちゃん、宿題教えて欲しいかしらー!」
雛「ヒナもヒナー!」
紅「ちょ、雛苺!!」
銀「こ、これはねぇ!べ、別に変なことじゃぁ…」
雛「うゆ?何で焦ってるの?」
紅「何でって、貴女達にこの状況は…」
金「もうとっくに分かってるかしら。」
雛「それにヒナとカナは…」
金・雛「もうとっくに経験済み(なのー!・かしらー!)」
紅・銀「な、なんだてェーッ!(AA略」
雛「でもお姉ちゃん達のを見てたらヒナも初めての時を思い出してドキドキしてきたの・・・カナー…」
金「分かったかしら!宿題は後にしてカナ達もするかしらー!」

ガチャ

紅「さ…最近の子供って…///」
銀「ねぇ…///」
650名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 22:49:51 ID:bKdO90Ee
>>649
糞キム消えろクズが
出てくんなゴミ
死ね
651名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 22:55:32 ID:L8MEp/8X
>>649
自分達より年下の妹達の方が経験豊かだったのか
乙です
652名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 23:37:13 ID:MBkfBd0k
>>648
乙!
七夕の日が二人の始まりとはいいね
653名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 14:29:44 ID:0v0ten3e
銀紅で梅雨ネタ投下すます
654名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 14:30:06 ID:0v0ten3e
 え、と濁音がつきそうな私の驚きの声は静かな図書館に響いてあちらこちらから睨まれるような羽目になってしまった。
 私にそんな声を出させた張本人は確信犯なのかにやにやと笑っている。
「それ本気で言ってるの?」
「え、何がぁ?」
 外はぱたぱたと雨が屋根を叩いている。
 湿気で髪が鬱陶しいと珍しくポニーテールに結っている彼女はシャーペンをもった右手を顎に当て、悪戯気に微笑んだ。
 彼女が眼鏡をかけるのは勉強するときの印。期末テストぎりぎりの七月最初の方はまだまだ梅雨が続いていた。
 窓側に面したこの席からだと雨の中小走りで帰っていく生徒たちの姿がよく見える。
「あ、またいるわよぉ」
 水銀燈が校庭を見つめながら楽しげな笑顔で呟いた。
「"あいあいがさ"」

 ──そして君はきっと私の肩を抱く。
655名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 14:30:36 ID:0v0ten3e
 それは彼女の一言から始まった。
 梅雨の晴れ間と言われた本日の朝。久々に見た太陽は今までより輝いていて、夏に一歩ずつ近づいているのが実感できた。
 天気予報士も今日は一日中晴れるでしょうと豪語した日だったのに。
 ちょうど最終授業が終わったころにぱたぱたと降り始めた。
 置き傘している子もいたが、持ってきていない子の方が多くて、みんなは入れて入れてと友達と一緒に傘に入って帰路に着いて行った。
 テスト前だからと図書館で一緒に勉強していた彼女はそれを見て呟いた。
「あ、あいあいがさよぉ」
 その言葉につられて校庭を覗けば何組かのあいあいがさをしている姿が目に入った。
 2人だけでなく、中には1つの傘に3人も入っている傘もあった。
「あれ、"あいあいがさ"ってどういう漢字だっけ?」
 そう言うと彼女は私を馬鹿にしたような表情を浮かべた。
「へぇー、文系クラスのあなたが漢字を私に聞くなんてねぇ」
 にやにやと小馬鹿にしたような表情を浮かべながら彼女はノートにすらすらと書きこんだ。
656名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 14:31:12 ID:0v0ten3e
 そして、至る冒頭。
 彼女がノートに書き連ねた文字は私の常識からは大きく外れていた。
 "愛合傘"。
「何か間違ってるぅ?」
「私の考えが正しければ、ね」
「でも、漢字思い出せないんでしょう?」
「まぁね」
「じゃ、おとなしく私の考えでファイナルアンサーにしましょうよぉ」
「でもあなたの考えじゃ"あいあいがさ"をしてる2人は全組愛し合ってることになるわよ」
「強ち間違ってないかもよぉ」
 ほら、と指さした先にはバカップルの蒼星石と翠星石。
 折り畳み傘という小さな空間にくっついて歩く姿はいかにも楽しげな様子で、肩が出てしまって雨に濡れているというのに幸せそうな表情。
 あ、蒼星石が翠星石の肩を抱いた。
「あれはねぇ、『肩が濡れてるよ』ってそれを防ぐように見せて肩を抱く作戦よぉ」
 聞きたくなかった作戦を聞かされて、蒼星石の妙につやつやした表情が怪しく見えてしまう。
「"愛し合ってる者達が1つの傘を分け合う"からこその"愛合傘"よぉ」
 もう外の風景に興味がないのか理系クラスの彼女は私がとても解けそうにない方程式に目を移している。
 これ以上、口論しても仕方ないと判断して私も自分の英語が連なっているノートに目を移した。
 そこで、ふと思い出した。
657名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 14:31:50 ID:0v0ten3e
 今日は英語の勉強をしようと思って電子辞書を持っていたんだった。鞄から電子辞書を取り出そうとして、やめた。
「どうしたのぉ?」
「え、あぁ。ううん、何でもないわ」
 まぁ、いいか。と珍しく思えたのは湿気が高かったせいにして。
「そろそろ帰る?」
 と問いかければ眼鏡をはずしてこちらを見上げた。
 眼鏡を外したのはもう勉強モードを解除した証拠。
「でね、真紅」
 楽しげに笑いながら彼女はこう続けた。
「私、傘持ってないのよぉ」
 それを聞いた私は、ふぅと息を吐いてこう返した。
「私は折り畳み傘しかないわよ?」
「いいわよぉ。小さな傘で愛合傘、となれば」
 ニッと笑った水銀燈の瞳が先ほどの蒼星石の表情を彷彿とさせた。


終わり
658名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 15:17:32 ID:3frFO+z9
乙!

帰り道は必要以上に真紅にくっつきそうな水銀燈だな
あえて真紅のほうがくっつきにいってもよさそうだが
659名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 16:18:24 ID:me35GiOW
ここってリクおけなのかな?
660名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 18:25:21 ID:NFqIGp3f
どうだろ?
最近は職人の数もモチベーションも減少してるみたいだし、それぞれ得意なカプや書けるシチュも異なるからリクしても通るとは断言できないな…。
だが萌え語りや燃料投下は歓迎だぞ。
661名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 18:31:52 ID:JJqORmj4
通らなくても泣かないなら出してもいいと思う
書けそうなら頑張ってみる
662名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 21:09:01 ID:f5bCBBON
さて、そろそろ水着の季節なわけだが
663名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 00:25:17 ID:d7o93I8L
俺もリクは欲しいな
カップリングによるけど
カップリングとシチュとエロの有無と絵か小説かみたいなの書いとけば誰か拾うんじゃね?

さて、横向きすまん
http://mup.2ch-library.com/d/1247412169-2009071300210000.jpg
664名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 16:03:58 ID:+OMkOkeE
>>663
百万回保存した
665名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 01:24:43 ID:l5P6tqd0
最近みっちゃん×巴も良いんじゃないかと思えてきた
ハイテンションなみっちゃんとクーデレな巴とか…
666名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 12:53:33 ID:hFCRFOgW
>>665
さあその妄想を表現する作業に入るんだ
667名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:27:49 ID:mup7jWUX
〜ある日の真紅と水銀燈〜あの日の約束

市営プールに来た二人

「もう、いつまで着替えてるのよ水銀燈」

「だ、だってえ」

「私たち意外ほとんど人いないから大丈夫よ」

「そ、そお?」

「まあ、黒ビキニじゃない、とっても似合ってるわ水銀燈」

「ふん、当然よお。にしても真紅あなたスクール水着って・・・・・」

(まあ、それはそれで似合ってて可愛いけど・・・)

「だって、他に水着なかったのだからしょうがないわ。それに泳ぎやすいし」

「合理的ねえ」

(・・・ていうか似合い過ぎよお、真紅可愛い)

「水銀燈?」

「!!な、何でもないわよ///」

「さ、泳ぎましょ水銀燈!」ギュッ

「う、うん///」コクッ

(手が・・・・真紅に・・・・・・・///)
668名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:28:55 ID:mup7jWUX
「ぷはあ、ちょっと休憩にしましょう」

「そうねえ、お腹空いたわあ〜」

(濡れてる真紅も可愛いわあ・・・)

「じゃあ私何か買ってくるわ。水銀燈はここで待ってて」

「そお、じゃあお願いするわあ」


「お腹空いたわあ〜」

「お待たせ、結構混んでて。さあ、食べましょう」

「「いただきます」」

ガッツバックムッシャ

「もう、そんなにがっつかなくてもいいのに」

「はっへ、ほははふいへんはほほ」(だって、お腹空いてんだもの)

「口にものを入れて喋らない。行儀が悪いわよ」

ゴックン

「あんたが聞いたんでしょう」

「あら、そうだったかしら。フフッ」
669名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:30:17 ID:mup7jWUX
「はあー、食べたわあ。ご馳走様あ〜」

「ご馳走様、あら水銀燈、ご飯粒が口についてるわ」

パクッ

「うん、おいしいのだわ」

「し、真紅ぅ///」

「あら、顔を真っ赤にしてどうしたの?」

「・・・・べ、別に・・・」

「そう、私はてっきり嬉しくて顔を真っ赤にしてたと思ったけどどうやら杞憂だったようね」

「・・・れ・・・い・・・わよ・・・」

「え?」

「嬉しいに決まってるでしょ!」

「ふふ、ありがとう、水銀燈」ギュッ

「ちょっと真紅う///」

「フフフッ、嫌だったかしら?」

「・・・・まあ、たまにはこいうのもいいわあ///」

(貴女に抱きつかれて嬉しくないわけないでしょお)
670名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:32:44 ID:mup7jWUX
〜回想〜

「ぷはっ、真紅何を・・・」

「貴女がいつまでもモタモタしてるからよ」

「うう、ごめんなさあい///」

「今度は貴女からしてくれるの待ってるからね」ニコッ

「真紅・・・」



(あの約束を果たすなら・・・・・)

「水銀燈」

「な、なあに?」

「大好き」

「・・・・・・っ!!///」

(今しかないわあ)

「わ、私も・・・・・好きよお真紅」

チュッ


「ぷはっ、水銀燈ありがとう。」ニコッ

「ふんっ、さあそろそろ帰りましょう///」

「そうね」

(ありがとう、水銀燈。あの日の約束覚えててくれて)

「また貴女からしてね」ニコッ

「ふんっ、どうかしらあ///」

(その笑顔反則よお、真紅)
671名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:35:52 ID:mup7jWUX
以上です。
毎度毎度長くてマジすいません^^:
自分の妄想をうまく詰め込む作業は難しいです。

もうこの二人は結婚するべきだよ

それじゃまたノシ
672名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 10:34:19 ID:ivcXdmrd
そうだよなあ。もう結婚したらいいのに
蒼翠とベストカップルの座を競いそうだけど
673名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 13:16:55 ID:Wdfpv6Oo
.   , '´ ̄`ヽ かしらー!!
.   i ノ'_\@ ,',i><iヽ
   ヾ* 々`ノ /((ノ。リノ))
 (( /  つ/⌒〈《(* 々`'ノ)つ あーあー!
   しー‐と_)__つノ


              ,',i><iヽ
             /((ノ。リノ))
    カシラー?     〈《(* 々`ノ) ぁー・・・
.    , '´ ̄`ヽ    /,   つ
.    i ノ'_\@   (_(_  /
   ∩* 々`ノ')   人レヽJ
   ヽ    ヽ  (;:;:;:;:;)
   ((⌒)__つ  (;:;:;:;u;:;)



. , '´ ̄`ヽ ガツ
. i ノ'_\@  ガツ
 ヾ*.;々`人. かしらー♪ ,',i><i⌒ヽ あんまー・・・
 / つ;:(;:;:;:;:;)       /((ノ。リノ)) ノつ
 しー‐(;:;:;:;::;:;)    ⊂〈《(* 々`ノ)つ


. , '´ ̄`ヽ
. i ノ'_\@
 ヾ* 々`ノ          ,',i><i⌒ヽ うー・・・
. /   ⌒ヽ.        /((ノ。リノ)) ノつ
. (人____つ_つ    ⊂〈《(* 々`ノ)つ


. , '´ ̄`ヽ
. i ノ'_\@ ゲプー
 ヾ* 々`ノ =3        ,',i><i⌒ヽ ・・・!
. /   ⌒ヽ.        /((ノ。リノ)) ノつ
. (人____つ_つ    ⊂〈《(# 々゚'ノ)つ



    ,',i><iヽ
   /((ノ。リノ))  あ゛ーあ゛ー!
   〈《(# 々゚'ノ)<゚ ○。_  
   / つソ/ ゚⌒ヽヽ       
   (  /ヾ]二() .l .l
   ヾ )/ iゝ、__ノノ, '´ ̄`ヽ
  /∠ヾ)へi.     i ノ'_\@
  Y´./ //      ヾ* 々`ノ =3
  .l ( ) i i      /   ⌒ヽ
  '.、__ ノノ     (人____つ_つ



    ,',i><iヽ   うーうー!!
    /((ノ。リノ))  グチャ グチャ
   〈《(# 々゚'ノ)  , '´・;.
  )ヽ''/ つ=o=O_,,_ ,'゚;・.,';*  @
 <`)(__ )ヾ(`Oヾ、,ヽ∵.゚;々`ノ
  |'l`ヾし'==;ノ |'iヾ! | :;)゙`;:,゙;~ヽ
  ヽ;;;'ノ   '''`゙;:,;;`゙;);: ;∵_つ_つ
674名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 17:34:13 ID:IMDIMREt
そのAA変に愛嬌あるから困るw
675名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 21:30:34 ID:NHYEc5qV
雪華綺晶がめぐをさらったようです
水「めぐを返して!」
雪「ふふふ・・・だぁめこの人間に私は愛してもらうの・・・・」
水「・・・・!!・・めぐが貴方なんか・・・・」
雪「うふふふふふ・・・私にはできるの・・・」
水「・・・・・・・・・・・・・もう一度だけ言うわ・・めぐを返して・・・・・・・・・・?」
雪「嫌です」
水「返して・・・・」
雪「ふふふだぁめ・・・・・」
水「・・・・・・・」
雪「あらもう諦めるのですか?」
水「・・・・ドロボウネコ・・・・」
雪「あら・・うふふ」
水「めぐ返して・・・・・返して返して返して返してカ エ シ テ ヨ・・・」
雪「お姉さま・・・・・?」
水「誰にも渡したくないの私だけぇ・・・私だけを見て・・・・?」
雪「え・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・」
水「・・うふふ・・・ふふふふ・・・あははははははははははははははははは!」
雪「ひいっ・・・・・・・・・!」
水「あはははははははは・・・・・愛してる!愛してるわ!誰よりも!めぐ!」
雪「お・・・・・・・おね・・・・・・様」
水「あははは・・・は・・・許さない私からめぐを奪うなんて許さない・・死ね・・
死ね・・・・死んでしまえぇえええええええ!!!!」
雪「ぐっ・・・・がっ・・・・・・」
水「めぐは私の・・・・・・ワタシノモノ・・・ワタサナイ・・シンデモイッショヨ?」
676名無しさん@秘密の花園:2009/07/18(土) 23:35:29 ID:m2VSB5LE
「だいじょーぶ」
 やがて、すべてが中に取り込まれ、唯の尻が俺の体と密着する。その間から、少量の血流。
「えへへ。全部はいっちゃった」
「よくがんばったな」
 頭を撫でてやると、顔を綻ばせる。まったく、ホントこういうことは変わってないな。
「気持ちいい?」
「ああ。すごくな」
 実際、唯の中はキツく、熱い。憂とは違った感触で、憂のは締め上げるようなしまりだが、
唯のは包み込むようなしめつけだ。まさか姉妹の違いをこんなところで見つけるとはな。
「いっぱい気持ちよくなってね」
「うあっ」
 唯が腰を弾ませ、それに連なるように俺は多大な快楽を得る。きゅっ、きゅっ、と半身はしごかれ、硬さを増す。
上を見れば唯の小さな胸は上下に揺れ、まるで誘っていようだ。俺はそれを掴み、揉む。
「ああ、あ……はっ、あうっ、あうっ、はっ、あああ」
 指の隙間から出てきた乳首をつまむと、すでに硬くなっていて、コリコリした感触を返す。
「あっ――ふあっ。くあっ、あっ、ひっ、ひんっ、ひあっ、あっ、あっ」
 ぱちゅん、ぱちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん。
 室内は唯の喘ぐ声と、交わっている場所から出る水音で満ちていた。
血の混じった唯の愛液が俺の陰毛を濡らし、さらにはシーツにシミを作る。
「あっ、はっ、あ……っ、お兄ちゃん……っ」
「ん……」
「あっあ……っ。また会えてよかった……」
「ああ、俺もだ」
677名無しさん@秘密の花園:2009/07/19(日) 07:45:54 ID:Hb59r2yc
>>676
いがらせの誤爆かw?
678名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:47:04 ID:9mQ8Y64o
君に言えなかったことがある。
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/m/pages/291.html?guid=on
の番外編みたいなの書くよー
時系列的には4と5の間
679名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:47:31 ID:9mQ8Y64o
 ただいま。と一つ誰もいない部屋に溢した言葉は闇に消えた。
 お帰り。と電気をつけながら返事をした。込み上げる涙を、ぐいと袖で拭った。
 服を脱ぎ捨てて風呂場へ向かう。鏡を見つめながら、ネックレスに手をかけて、やめた。
 鏡に写ったチェーンを指でなぞりながら、それが一つの輪に辿り着いたときにまた涙が零れた。
 相手のいない指輪。一つは私の左手の薬指。一つは私の首元に。
 首元の指輪を握って、引きちぎってやろうといつも思う。
 でも、彼女の歯ブラシを見る度に力が緩んでしまう。
 我ながら、バカだと思った。


 ──会いたい。君を思い出したこと。
680名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:47:57 ID:9mQ8Y64o
 退院しようとした日、病院の玄関で世話になった医者に挨拶してる時だった。
 ぱたぱたと駆け足で私達の方へ走ってきたのは私の担当だった看護師。
 右手を高く上げて、何か言いながら駆け寄ってくるが、院内で大声を出すわけにいかなかったらしく、その声は聞き取れなかった。
 やっと私のとこに着いたその看護師は右手に持っているそれを私に見せてくれた。
「はぁ、疲れちゃった……。あ、これ、ベッドの下に……はぁ」
 相当走ってきたらしく、息も切れ切れに、とそこまでではないが、シルバーに輝くそれは間違いなく指輪。
「高価そうなものだったので。お忘れものじゃないですか?」
 薔薇をモチーフとしたそれは、間違いなく──。その時、頭を酷い衝撃が襲った。
 水銀燈、──水銀燈は。
「……私のです」
「そうですか。よかった」
 私の手のひらにそれを落とすと、看護師は忙しいらしく再び走っていった。
「真紅さん、真紅さん? どうしました?」
「えっ、あ、すいません。ぼーっとしてまして」
「まだちょっと本調子じゃないので、安静に。激しい運動はダメですよ?」
「はい、ありがとうございます」
 医者に向かって深くお辞儀をする。彼が院内に入っていくのを見届けると、指輪の握られた拳をぐっと握った。
「水銀燈……」
 私にとってその名の存在は、もうこれまでとは変わっていた。
681名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:48:18 ID:9mQ8Y64o
 世話になった学園長に挨拶に行った後、自分の寮部屋に戻った。
 何度も見慣れた光景。しかし、圧倒的に違う箇所があった。
「水銀燈、ごめんなさ、……っ」
 彼女の荷物は何一つ残っていなかった。もともとあった机と小さなテーブルと、ベッド。
 無機質なそれは、水銀燈との暖かかった暮らしとあまりにも対照的すぎて。
 知らず知らずに大粒の涙がぼろぼろと溢れていく。
 水銀燈はもういない。私が、彼女を見捨てたのだ。私が、彼女を裏切ったのだ。
 私は一人。でも、それは仕方ないのだ。先に一人になったのは水銀燈の方だから。
 思わず水銀燈が使っていた机にそっと触れてみる。引き出しを開けても、そこはもぬけの殻。
「あんなに、片付けできなかったのに。綺麗に片付けてあるじゃない……」
 机に置いていた手をぐっと力強い拳に変えた。そのまま力任せに机を叩いた。ガタンと大きな音がしたが、壊れることはなかった。
 痛かったけれど、そんなことは気にならなかった。それよりももやもやした気持ちを殺したかった。
 もう一度、机を叩こうとしたときだった。隣接するゴミ箱の中で何か光るものが見えた。
 それを拾い上げて、再び声をあげて泣いた。ぎゅうとそれを掴んで溢れる涙も拭かずに泣き続けた。
「ばか……水、ぎ、とぉ……ばかぁぁ」
 先程、私の薬指に嵌めたそれと同じデザインのそれを握りながら私は再び机を叩いた。
682名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:49:01 ID:9mQ8Y64o
 それ以来、私は返事の返ってこない部屋にただいま、と言い続けている。
 退院した私を蒼星石と翠星石は盛大に祝ってくれた。しかし、二人には悪いが、私の気持ちは晴れやかとは言えなかった。
 また今日も暗い部屋に向かってただいま、と言わなければいけない。
 学園と寮は少し離れていて、その道をとぼとぼと歩いていた。
 小さな溜め息を一つ吐いて、寮を見上げる。二階の、一番左側が私の部屋だ。
「え……電気、点いてる……」
 思わずそう呟いた。いつも暗かった自分の部屋に明かりが灯っている。
 きっと、翠星石か誰かがいるのだ。時々そうやって私と水銀燈の帰りを待っていたりすることがあった。
 そう、水銀燈なわけない。
 心ではそう思っていても自然に足が早まる。水銀燈がいる!
「すいぎ……っ!」
 勢いよくドアを開けて彼女の名を呼ぼうとして、──やめた。
「ごめんね。水銀燈じゃないんだ」
 優しいオッドアイの瞳。蒼星石は気分を悪くするわけでもなくにこりと笑うとそう言った。
「思い出してたんだね。水銀燈のこと」
683名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:49:33 ID:9mQ8Y64o
「えぇ。……ごめんなさいね」
 閉まった扉を背にしてもたれかかった。自嘲気味に笑って、前髪をかきあげた。
「笑っちゃうでしょう? 思い出して、そしたらもうあの子はいない」
 蒼星石は何か言いたげに口を開いたが、それを防ぐように早口で捲し立てた。
「蒼星石も入試もうすぐなんでしょう? 私のことは構わないでくれるかしら」
「あいにく後は結果を待つだけなんだ。昔から姉のお節介ばっかり焼いてたから、これは僕の仕事なんだよ」
 にっと自信ありげに微笑んだ蒼星石は数枚の紙を取り出した。
 まぁ、座りなよ。と言われてここは自分の部屋だと言いかけて、やめた。
 大人しく、備え付けの机の前に座った。
「これが、水銀燈の行った大学の案内だよ」
 机の上に落とされたそれはアルファベットの並んだパンフレット。
「そしてこれがこの日本語訳」
 そのパンフレットとそっくりそのままの絵だが、アルファベットの部分が日本語になっている。
「水銀燈が受けたのは医学部。まぁ、学科までは分からないけど」
 ぺらと捲られたパンフレットの医学部の部分に赤丸がつけられていた。
「この大学は幸いにも総合大学だから文系の学部もあるよ」
684名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:50:05 ID:9mQ8Y64o
 更に捲ると法学部、文学部など、文系の学部の案内のページがあらわれた。
「君は、法学部に行きたいんだったね。真紅」
「…………何が言いたいの」
「何も。僕は、『何も』だよ」
 ただ、と彼女は付け加えた。
「彼女はどうかわからないよ」
 そう言ったと同時にバンと勢いよく部屋のドアが開き、驚いて振り向いた。
「私は黙ってませんよ」
 蒼星石の姉、翠星石が立っていた。
「あいにく、世話焼きなのは姉の役目なんですよ」
 翠星石はまるで自分の部屋にいるように颯爽と歩くと蒼星石の隣に腰かけた。
「会いたくないんですか。水銀燈に」
「そりゃ……。会いたいわよ」
 なら、と机を乗り越えようとせんばかりの勢いで翠星石は私に詰め寄った。
「真紅なら分かるはずです! 何をすればいいか!」
 翠星石の綺麗なオッドアイが私を見つめる。
 ぎゅうと心臓が掴まれたような痛みが走って思わず眉をしかめる。
「私だって、会いたい」
「なら、」
「でも!!」
 翠星石の言葉を遮った私の声はびくりと彼女の肩を揺らさせた。
685名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:50:26 ID:9mQ8Y64o
 水銀燈は去っていった。私に黙ったまま、私を置いて行こうとした。
 それは、つまり──。
「私を拒絶したってことでしょう?」
「違いますよ! アイツが真紅を見捨てるわけないです!」
「貴女に何が分かるって言うのよ!」
「翠星石──」
 そう呟きながら翠星石の肩に手をかけた蒼星石は彼女を宥めるように頭を撫でた。
「後は、真紅が決めることだよ」
「っ……ですが、」
「翠星石」
 帰ろう。そう言われた翠星石は悔しそうに眉を歪め、蒼星石に促されるままに立ち上がった。
「真紅」
 ドアを開けようとした蒼星石がそう私を呼んだが、私は振り向かなかった。
「これだけは言える。水銀燈は、君を拒絶してなんかない。あと、──」
 私のとこまで戻ってきて一枚のメモ用紙を差し出した。
「みつさんがドイツ語を専攻しててね。彼女に聞いたお薦めの参考書の一覧」
 それだけ言うと二人はドアを開けて出ていった。
「水銀燈……」
 そう呟いても、もちろん返事はない。
 もう返事のない部屋にただいまと言うのは嫌だ。ならば──。
「待ってなさいよ、水銀燈」
 真紅は蒼星石が置いていった一枚の紙を握りしめた。


終わり
686名無しさん@秘密の花園:2009/07/20(月) 23:50:48 ID:9mQ8Y64o
以上です
書きたくなっただけです
ゆりゆりしてなくてすまそ
687名無しさん@秘密の花園:2009/07/23(木) 20:09:41 ID:e7RUiikv
双子丼age
688名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:16:25 ID:r/EY5exQ
双子えろ投下するよ
689名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:17:00 ID:r/EY5exQ
 そのニュースが発表されたのはちょうど1ヶ月前。特番を組まないと有名あのテレビ局を加えた全てのテレビ局が一斉に番組を切り替えた。
 どの局のアナウンサーも事態を信じられないという表情で原稿を読み上げた。
「今から一ヶ月後の深夜12時。巨大な隕石が地球に落石するという事実が発覚しました。隕石の軌道をずらすことは不可能で、絶望的な状態です。これについて科学者達は……」
 テレビ嫌いの僕がこれを見ていたのは本当に偶然だった。もし見ていなければ知らずにこの日を迎えていたかもしれない。
 いや、それはないか。そのニュースの放送後、町中、いや地球上全てがこの話題でもちきりになった。
 半信半疑だった僕達はその一週間後に発表された隕石との距離、隕石の大きさ、スピード等、詳細な情報を前に信じざるを得なくなった。
 理系の僕だが、あいにく地学は履修していない。専ら物理と化学が専門なのだ。
 だからと言ってこの事件を物理学的点から述べるほどの学はない。たかが大学入試を目前に控えた高校三年生。
 その入試も、もう受けることさえできないのだが。嗚呼、こんなことならもっと遊べば良かったかな。
 何はともあれ、後5時間で地球最後の日。


 ──ただ、死ぬのなら君と一緒に
690名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:17:34 ID:r/EY5exQ
>>689

 時計の針がカチカチと進んでいる。時計をチラと見ると午後19時を少し過ぎたことを示している。
 テレビのリモコンをとり、スイッチを入れる。何度か番組を変えるが、どれもいつも通りのプログラムを発している。
「こんなもんか……」
 スイッチを切るとリモコンを投げ捨てた。当然と言えば、そうなのかもしれない。
 いきなり地球が終わるまで後5時間と宣告されるのと後1ヶ月と宣告され、その最後の5時間とではわけが違う。
「ご飯できましたよー」
 双子の姉、翠星石がリビングに顔を出した。
「今日は何?」
「貴女の好きなオムライスですよ」
 食欲をそそる匂いのデミグラスソースがかかった半熟卵のオムライス。
 付け合わせはマカロニのサラダ。
「最期、ですからね」
 そう言いながら彼女は寂しそうに笑った。
「本当に落ちると思う?」
 銀のスプーンにたっぷりオムライスを掬いながら問う。
「どうでしょうね」
 彼女もまた掬いながら言った。
 カチャカチャとスプーンが皿に当たる音だけが響く最後の晩餐。
691名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:18:23 ID:r/EY5exQ
>>690

 もはや悲しいという感情はなかった。いっそ僕達だけ、ともなれば不幸になれたかもしれない。
 しかし、この地球上に住んでいる全ての人間が絶滅するのならば、これが運命だったのだと諦めるしかない。
「お風呂入れますか?」
「ん、そうだね。入っちゃおうか。裸で死にたくはないし」
 午後8時30分。いつもなら深夜近くに入る風呂だが、今日はやめておこう。
「一緒に入る?」
「なっ、……」
 案の定、顔を真っ赤にさせて断ろうとする姉──いや、恋人──の口を口で塞いで、額をくっつけて言う。
「入ろう?ね?」
 両頬を両手で包み込み、額に一つキスを落とす。
「ぁぅ……」
 まだ渋っている恋人にもう一つ念を押すと、観念したように小さく頷いた。
 お気に入りのバニラの香りの入浴剤をたっぷりのお湯に垂らす。
 ふぅ、と息を漏らし、目の前の恋人の肩口に顔を埋める。
「ふふ、くすぐったいですよ」
 僕に抱かれている状態の彼女は少しだけ身動いだ。
 長い沈黙。しかし、決して苦痛ではない安らかな時。
「最後、なんですねぇ」
 その沈黙を破ったのは翠星石の感慨深げな一言。
692名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:18:58 ID:r/EY5exQ
>>691

 それは悲しんでるわけでも腹立ってるわけでもなく、ただこの状況をナレーションしているようで。
「早かったですねぇ」
「18年、だね」
 数字にしてしまえば長かったが、実際過ぎてみればこんな呆気ないものだったのか、と寂しくなる。
「ごめん」
「何がですか?」
「裸で死にたくないって言ったけど」
 体制を変えて、お湯の中に沈まない程度に翠星石を押さえ込んだ。
 ちらりと頭の片隅で思い出す。お風呂の準備やご飯の片付けやらをしてようやく入ったのが9時30分過ぎ。
 多目に見積もってもあと二時間ほどで、地球滅亡。愛し合う時間としては少ないくらいかもしれない。
「裸で死ぬことになるかもしれないね」
 それが、僕の理性が切れる直前の言葉だったことを覚えている。
 僕の短い髪から汗とも湯とも分からない水滴が彼女の滑らかな肌の上をすべる。
 日にあまりやけない白肌が、湯の暖かみでほんのり桃色に染まる様はなんとも扇情的で。
「スる気、ですか」
「だめ?」
「構いませんよ」
 そう言って、僕の首にすがり付いた腕が少し震えているような気がした。
「最後、ですから」
 あんまり最後って言わないでほしい。君を感じれなくなるなんて、怖くて怖くて。
693名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:19:32 ID:r/EY5exQ
>>692

 その考えを振り払うように彼女を強く抱き締めて、首筋に唇を滑らせる。
「ん、……」
 普段ならこんなとこでさせてくれることなんかなくて、ベッドに移動させてくれと懇願するのに。
 焦れているのは、彼女も一緒なのかもしれない。先ほどから最後を強調するのも、そんな思いからなのだろうか。
「あ、……ひっ」
 彼女を膝に乗せて、目の前の柔らかな胸に顔を埋める。
 僕の呼吸がかかるだけで少しだけ体がひくついている。
「そ、うせ、……」
 プロポーションのよい体のラインをなぞり、双丘に手をかけ、めちゃくちゃにもみしだく。
「っ、……やぁ、んっ」
「綺麗だ。翠星石、綺麗だよ」
 手をずらし、翠星石の一番奥に指を沈め込む。熱い風呂の中なのにそこはそれ以上に熱くて。
「あ、っ……はっ、あああっ」
 体を弓のようにしならせた彼女は、僕の肩を掴んでいやいやと首を振る。
「のぼせ、そ、です。……熱い、です」
「僕ものぼせそう」
 完全に熱に冒された頭で、なんとか笑顔を作る。興奮からか、熱さからか分からない汗が頬を伝う。
694名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:20:15 ID:r/EY5exQ
>>693

 彼女の口を貪って、噛みつくようなキスを交わす。このまま、食べることができたらいいのに。
「やぁぁ……も、おかしく、な、る……」
「大丈夫。僕しかいない」
 ぎゅうと彼女を強く抱いて、赤子をあやすように背中を上下にさする。
「おかしくなって。もっと淫れて、僕だけを欲しがって」
「ああああっ……」
 耳を犯すようにそう囁いて、彼女の深くへ指を進める。
 人差し指と中指で中を犯して、親指で突起を潰して。空いてる手で胸の飾りをつまみ上げる。
「や、だめっ。蒼せっ……ひぁぁぁっ」
 おかしくなり始めたのは僕なのか、彼女なのか、それとも二人ともなのか。
 苦痛ではない熱気と、反響する彼女の甲高い声と。ぐちゃぐちゃに脳ミソが溶けそうなほどに。
「あああ、蒼せ、石っ……だめぇぇ、あ、ああ、……やぁぁぁ」
 目を見開き、口は酸素を求めて開ききって、お世辞にも綺麗な姿には見えないのに。
 それでも、こんな姿が愛しいなんて自分はどうにかなってしまったんだろうか。
「翠星石、……綺麗だよ」
 びくんびくんと太ももが大きく痙攣しているのを見て、犯す指を早く動かす。
695名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:20:40 ID:r/EY5exQ
>>694

「イって。翠星石、……愛してるよ」
「私、も……愛して、あ、ああっ、あ、あぁあぁぁ!」
 びくびくと体を大きく痙攣させながら翠星石は果てたと同時に気を失った。
「大丈夫?」
 問いかけてみても返事はなく、眠ったように目を瞑ったまま。
 もう二時間たつんだろうか。このまま地球が滅亡するなら、翠星石の最後の記憶は自分のこと。
「生まれ変わっても、また一緒だよ」
 ぎゅうと翠星石を抱き締めて、そのまま眠るように僕も意識を手放した。
 それが僕の最後の記憶。


終わり
696名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 10:21:15 ID:r/EY5exQ
以上です
厨二くさい設定でさーせんw
697名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 13:17:21 ID:ttYlebzi
>>696
世の中には良い中二病と悪い中二病があってだな………
あんたのは前者だGJ!
698名無しさん@秘密の花園:2009/07/24(金) 17:47:16 ID:UUVCZUAI
>>696
乙!地球最後の日か…奥深い
でも蒼と翠なら本当に最後の最後まで一緒にいるだろうね
699名無しさん@秘密の花園:2009/07/29(水) 09:30:02 ID:rxaDryJm
あげ
700名無しさん@秘密の花園:2009/07/29(水) 12:40:41 ID:JI191/eC
まとめサイト更新乙です!

http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/pages/1.html
701名無しさん@秘密の花園:2009/07/29(水) 16:27:49 ID:sSQUD1Y/
702名無しさん@秘密の花園:2009/07/30(木) 00:06:40 ID:tnYmInAH
最萌ってなんか出来レースくさいんだよな毎度
703名無しさん@秘密の花園:2009/07/30(木) 23:04:51 ID:5U6M2+ko
俺の中での最萌は薔薇銀
704名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 00:01:24 ID:j+tLZ8mt
〜ある日のキラキーと雛苺〜劇

学校祭での出しものの練習をする薔薇乙女達

「そろそろ本番行きますですよー、二人とも準備はいいですか?」

「雛はOKなのー」

「わ、私もよろしいですわ。翠のお姉さま」

「それじゃあ用意・・・STARTですう!!」


「私は薔薇乙女・・・第七ドール・・・」

「第七・・・ドール?」

「第七ドールは幻の中にしか存在し得ない、何故なら私もまた幻・・・・・・」

長いので割愛させていただきます。新装版6巻を参照下さい。

「でも それでも足りない 私でもまだアリスには到達できない・・・」

「だから・・・」

「・・・・・」

「・・・・・あのう翠のお姉さま・・・」

「カーットですう!!どうしたですか?セリフ忘れでもしましたか?」

「いえ、えと、その・・・・れ、練習でもキ、キスはするのでしょうか?///」

「当ったり前ですう!!これは本番そのものだと思いやがれですう」

「そ、そんな・・・・」

(ひ、人前で・・・そ、それも私の方からキスだなんて・・・)
705名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 00:02:32 ID:j+tLZ8mt
「す、翠星石、ちょっと休憩入れたらどうかな?ほら、雪華綺晶にも心の準備がさ」

「蒼星石がそう言うならしかたないですう。じゃあ10分休憩ですう」

舞台裏

「キラキー大丈夫なの?」

「はい・・・なんとか・・・・・」

「う〜ん、じゃあキラキーここで練習なのー」

「え、練習って・・・」

「もちろんチューの練習なのー」

「え、あ、ううう///」

(私からはよくするけど、キラキーからしてきた事はほとんどないのー)

(お姉さまからはよくしていただくけど、私からしたことは皆無ですね・・・)

「・・・・・」

「・・・・・」
706名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 00:05:44 ID:j+tLZ8mt
(キラキー震えてるの・・・それじゃあ・・・)

「キラキー」

チュッ

(お、お姉さま!?)

「大丈夫よキラキー。」ギュッ

「お、お姉さまあ・・・」ポロッ

(お姉さまの優しい気持ちが伝わって来る・・・)

「もう、キラキーったら泣いちゃ駄目なの。」

「は、はい」グスッ

「じゃあ、今度はキラキーの番よ」

「はい」ドキドキ

(大丈夫 大丈夫 大丈夫)

「お姉さま」

チュッ

「よく出来たなのーキラキー!!大好きー」ギュッ

「お、お姉さま///」



「で、アレどうするですう?

「う〜ん、アレじゃあ無理っぽいから明日にしよっかところで翠星石、アレ見てたら僕もしたくなちゃった」

「しょ、しょうがないですねえ一回だけなr」

「翠星石ーーー!!」ガバッ

「ちょ、人の話は最後まで聞きやがれですう///」

707名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 00:09:21 ID:j+tLZ8mt
以上です^^
久々にこのカポー書きました。
後半はちょっと無理やりな感じしますが各自脳内補完お願いします。
スイマセン・・・

そんじゃノシ
708名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 14:15:10 ID:8VfU5sP9
蒼×翠 
翠×蒼

どっちが王道?(どっちが多い?)
709名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 14:27:21 ID:JugpCGzV
同人本だと翠蒼かな?Sな蒼星石はレアかも
総受け石なんて呼ばれるぐらい蒼星石は受けメインじゃからのお、銀蒼とか
710名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 17:10:57 ID:H7rjeivL
銀受や翠受が好きなのってマイナーなのか…
711名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 18:14:42 ID:Asehttxm
銀受けなら同人誌で紅銀とかめぐ銀が多いよ
ていうか最近の同人誌は銀受けが多い
蒼翠も増えてるし
蒼受けが多いのはアニメの影響だと思う
まあ…同人誌自体殆どアニメ設定だし
712名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 19:20:30 ID:yh68Fs65
翠×雛はマイナーだろうかやっぱり
713名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 19:38:01 ID:Asehttxm
ほのぼの系ならたまにあるけど…あんまり見ないなあ
雛は巴との方が多いし
714名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 02:29:36 ID:LgKEM6gA
>>709-711
THX
2ちゃんまとめSSには翠蒼に比べ蒼翠が多かったのと
好きな百合カプを叫ぶスレでは蒼翠を言ってる人が多いのでどっちかなーと。
総合すると翠蒼派も蒼翠派も同じくらいいそうってことですね。
同人誌の供給数でいうと翠蒼ということかな?
715名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 03:19:51 ID:RVi2FqSB
大丈夫、もっとマイナーな人間×人間が好きな俺がいる。最近はみっちゃん×巴もいいんじゃないかと(ry

それはさて置きめぐ×のり←ヤンデレ巴の「happiness×3」(>>618-626)の続きが出来たので投下します。
ヤンデレ、鬱、エロ(ほとんど無いけど一応)注意。
716happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:20:51 ID:RVi2FqSB
 覚束ない足取りで自転車を引きながらのりは今の状況を考えようとしたが、全く理解出来ないでいた。
 大切な友達だと思っていた巴に武道館へ連れて行かれ、そこで無理矢理犯された…何故こんな事になってしまったのだろう。
 もしあの時断っていれば、いや、それ以前に巴の事にもっと早く気が付いていればこんな事にならなかったかも知れない。
 巴の異常な感情に…だがもはや手遅れだ。のりはこれまでに無く、自分の鈍感さを呪った。
 犯された挙句に写真を撮られ、それを出汁に自分の主導権を取られてしまった。
 もし破れば自分の写真がばら撒かれるだけじゃなく、めぐやジュンにまで被害が及ぶ。
 少し前の巴なら想像できないが、今の巴なら平気で手を下すだろう。自分だけじゃなく、あの二人も憎んでいるのだから。

「…雨…」

 ポツ、と顔に水滴が当たり空を見ると雨が振り出していた。
 だがもう、のりには歩く気力すら残っておらず、小降りだった雨もすぐに本降りに変わって体を濡らしていく。
 全身ずぶ濡れになって家に着き、玄関の戸を開けると見慣れた靴があるのに気が付いた。
 めぐの靴だ。今日は迎えに行くと言っておいたがこんな事になってしまい、先に帰ったと思っていたがここに来ていたのか。
 玄関を上がると香ばしい匂いが漂ってきて、開け放たれたキッチンのドアからめぐが料理しているのが見えた。

「めぐちゃん…?」
「あ、おかえり。遅かったね…って、ずぶ濡れじゃない!」

 のりに気が付き、めぐは笑顔でこちらに気が付いたが様子を見て驚いた様子で駆け寄ってきた。

「こんなに濡れちゃって…このままシャワー浴びてきたら? 後で着替え持っていくから」
「うん…」

 顔をハンカチで拭かれつつ、無理矢理笑顔を作って返事をする。
 そこでめぐはあることに気が付き、首を少し傾げた。

「…そういえば、何でジャージ着てるの?」
717happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:21:33 ID:RVi2FqSB
 そう聞かれて、のりは一瞬言葉に詰まった。
 制服は巴に破かれてしまったためにとても着れる状態じゃなく、鞄の中にあったジャージを来て帰ってきていた。
 だが真実を話せるわけが無い。

「ちょっと掃除の時に汚れちゃって。着て帰るの恥ずかしいからジャージ着てきたのよ」
「そう…大変だったわね」

 何の疑いも無くめぐはのりの言う事を信じ、それがまた辛い。

「さあさ、風邪ひいちゃうから早くシャワー浴びてきてよ。その間にご飯用意しておくから」
「ありがと…」

 力無くそれだけ言うと、のりは自分の部屋から着替えを持って浴室へと向かって行った。
 脱衣場でジャージを脱ぐと、ボロボロの制服が現れてそれがまた全て事実だと言う事を思い知らされた。
 犯されたのは夢じゃない、現実なんだと。

「…巴ちゃん…何で…」

 ボロボロの制服の下に、自分の肌に付けられた紅い痕が生々しく見える。
 その痕を指でなぞるとその時の感触を思い出し、背筋に冷たい物が走った。
 同時に、巴の狂気に満ちたゾッとするような目も。

「うっ…あぁ…わあぁぁ…!!」

 恐怖と後悔が胸を満たして行き、それは涙となって溢れ出した。
 何で、何でこんな事になってしまったのだろう。自分はただ、何も悪いことをしていなかったのに、どうして…。

 お風呂から出て来るとめぐによって夕食の準備がされてあり、既にみんながテーブルに着いていた。

「のり遅いのー、もうお腹ペコペコなのよ」
「ああ…ごめんね。うっかり長湯しちゃった」
「さ、みんな揃ったから食べよ。のりも座って」
718happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:22:05 ID:RVi2FqSB
 めぐに促されてイスに座ると、みんな揃っての夕食が始まった。
 めぐが作ってくれたのはナポリタンスパゲティ。
 みんな笑顔で食べていくが、のりはとてもそんな楽しい気分になれるわけが無く細々とスパゲティを食べていく。

「うん、なかなかですね。めぐも腕を上げたじゃないですか」
「美味しいのよ〜」
「そう? よかった。ねえのり、美味しい?」
「……え? ええ…美味しいわよ」

 不意に話し掛けられて、のりは慌てて笑顔になって返事をした。だが、めぐは少し不安そうな顔のままだ。

「本当? その割にはあまり食べてないようだけど…」
「そんな事無いわよ。ほら、こんなに食べちゃうし」

 感付かれるのを防ごうと無理に元気を出し、スパゲティを口の中一杯に頬張る。
 それを見て、めぐはまだ少し不安そうだったがこれ以上深くまで追求してこなかった。
 そのまま夕食の時間は過ぎて行ったが、料理の味はほとんど覚えていない。
 せっかくめぐが丹精込めて作ってくれたのに、とても味わう気分になれなかった。

 夕食の片付けをして二人はのりの部屋へと移動し、一緒の時間を過ごしていた。

「今日はごめんね、迎えに行けなかった上に晩ご飯まで作ってもらっちゃって…」
「いいわよこれぐらい。…でも、どうして遅かったの?」
「それは…」

 そこまで言って言葉に詰まった。ここで全てをぶちまけられたらどれだけ楽になれるだろう。
 でも、そんな事を言える訳が無かった。

「…掃除が長引いて…。今日大掃除だったから」
「大掃除? 聞いてないわよそんな事」
「言うの忘れちゃってて…。ごめんね」
719happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:22:53 ID:RVi2FqSB
 絞り出すように出した声は自分の耳にすら入るか入らないかの大きさだった。
 これ以上言及されたらどうしようかと思ったが、めぐは納得したように頷き笑顔で頭を撫でてきた。

「いいわよ、のりがうっかりさんなのは今に始まった事じゃないもの」
「でも…」
「だからそんなに気にしないで。全然怒ってないから」

 どうやらめぐはのりの様子がおかしいのは、めぐが怒っているのを恐れている、と思ったようだ。
 笑顔のめぐに少し微笑み返すと、撫でていた手はそっと肩へと回された。
 そのまま体を近付けてきて二人の距離が狭まり、お互いに見つめ合う。

「…怒ってるように見える?」
「…ううん」
「だから大丈夫。怖がらないで…」

 めぐの顔が近付いて来て、のりも目を閉じて唇が来るのを待った。
 だが、その瞬間に巴に目を見据えられた時の光景がフラッシュバックし、全身にゾッとする寒気が走った。

「いっ、いやっ!!」

 同時にめぐの体を突き飛ばし、めぐは唖然とした様子でベッド上に手を付いてこっちを見つめている。

「の…のり…?」

 寒い、息が苦しい、怖い…あの時に感じた恐怖が全身を支配し、震えが止まらない。
 震える自分の体を抱いて、めぐと目を合わせないように俯くと声を絞り出す。

「…ご…ごめん…今日、そんな気分になれなくて…本当にごめん…!」

 もう頭の中も胸の中もグチャグチャで、それしか言えなかった。
 重苦しい沈黙が部屋の中を支配し、時計の秒針だけが音を立てていた。
720happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:23:20 ID:RVi2FqSB
―※―※―※―※―

 それから数日過ぎた週末、二人はデートで駅前のデパートに繰り出していた。
 あの日以来のりは巴が怖くてめぐを迎えに行けず、ずっと部活と言う事で通して誤魔化していた。
 めぐもあの日の事が気に掛かっているのだろう、二人の間は前と比べるとギクシャクした物になっていた。

「…ねえのり、このぬいぐるみ可笑しいと思わない?」
「へ? …そう、ね。鼻の辺りがヘンテコ」

 話題作りでめぐが見せてくれたブタのぬいぐるみを見て、少し笑うがどうも不自然な笑みになってしまう。
 巴の事を必死で忘れようとするのだがどうしても頭から離れてくれず、楽しい気分になれない。
 こんな重苦しいデートなんて初めてだ。
 巴とはあの日以来会っていないし、何のアクションも無い。だが、それがかえって不気味だ。

「ね、向こうにもぬいぐるみがあるわよ。行ってみましょうよ」
「そう、ね。行こうか」

 めぐに手を取られて一緒に向かうが、その時に見えた。
 その方にある本屋の中で、雑誌を立ち読みする巴の姿が。
 めぐは気が付いていないようでそのまま行こうとするが、のりはその場に立ち止まってめぐの手を引っ張った。

「どうしたの?」
「…あの、さ。ぬいぐるみより向こうで服が見たいなーって…行きましょう?」

 言うや否やめぐの手を引き、今度はのりが先導して行く。
 一刻も早くそこから離れたかった。巴に見つかる前に、遠くへと。
 やがて服売り場に着てもう巴の姿が見えないのを確認すると、内心ホッと溜息を吐いた。

「ごめんね、引っ張っちゃって」
「別にいいけど…。見たい服ってどれ?」
「あのね、これなんだけど…」
721happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:24:15 ID:RVi2FqSB
 そう目に付いた服に手を伸ばした瞬間、ハンドバッグの中から携帯の着信音が聞こえて来てのりは凍りついた。
 それはメールの物で、震える手で携帯を取り出す。
 そこのディスプレイには新着メールあり、と書かれてあり操作するとはっきり書いてあった。

“差出人:巴ちゃん”

 と。恐怖で足が崩れ落ちそうになるのを堪えつつ、メールを開くとただ一言。

『この階の女子トイレで待ってます』

 と書かれていた。

「どうしたの、顔蒼いわよ?」
「…ごめん、ちょっとお手洗行って来る…」

 それだけ言うと覚束ない足取りでそこへ向かう。出来る事なら行きたくない。だが、行かなければ…。
 逃げ出したい衝動を抑えつつその女子トイレへ行くと、意外なことに誰もいなかった。

「…巴ちゃん…?」

 もしかして場所を間違えただろうか、それともただのイタズラだったのだろうか。
 そう思った瞬間、後の個室トイレの扉が開き、口を手で押さえられてそのまま中へと引きずり込まれてしまった。

「んんっ、むーっ…!」
「静かにしてください、人に気付かれますよ?」

 耳元で囁かれた声は、間違いなく巴のものだ。顔を少し後ろに向けると、やはりあの時と同じ目をした巴の顔があった。

「奇遇ですね、こんな所で会うなんて…これはやはり、私達は運命の赤い糸で結ばれてるってことなんでしょうね」
「や…やだ…もう止めて…」
「…でも、相変わらず柿崎さんと一緒だなんて…あなたは私のものだって自覚がないんですか?」
722happiness,happiness,happiness 2話:2009/08/01(土) 03:27:01 ID:RVi2FqSB
 スカートの中に手を入れられ、ショーツ越しに秘所をなぞられて声を上げそうになるが、それも口を手で押さえられてしまう。
 声を上げなくなったのを確認すると、口を押さえていた手を離しのりのハンドバッグから携帯を取り出された。

「じゃあ、今ここで柿崎さんにデート中止の電話をしてください」
「そ、そんな…!」
「断るんですか? だったらあなたの写真をネット中に…。それだけじゃない。桜田君やあの女も…」

 ジュンとめぐを引き合いに出され、全身から血の気が引いていくのが分かった。

「こう見えて私、結構後輩とか従えてるんですよ? 私が一言命令すればあの二人なんて…」
「分かった! 分かったから…手を出さないで…!」

 卑怯な巴の脅迫に屈し、のりは涙を流しながら携帯を受け取った。
 それから携帯を操作し、めぐへと電話を掛けるとすぐに繋がった。

『のり? どうしたの?』
「…ごめん、めぐちゃん…。急用が出来て、家に帰らなくちゃいけないの…」
『ええっ? そんなちょっと待って、今更そんなのって…』
「…私もめぐちゃんと一緒にいたいの。でも、どうしても外せなくって…」
『外せないって…。…分かった、のりなんかもう知らないわよ!』
「めぐちゃ…!」

 怒鳴り声と共にブツッという音で通話は切れ、のりは深い絶望感に襲われ携帯を手から滑り落としてしまった。
 もう終わりだ、何もかも。
 そんな失意のどん底にあるのりを、巴は満足気に眺めていた。

「さあ、私の家に行きましょうか。たっぷり可愛がってあげますからね」

 そう言う巴の笑顔は、果てしなく濁っていて…そして、これほど無く輝いていた。

続く
723名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 03:28:36 ID:RVi2FqSB
ひとまず以上です。一月も間が開いてサーセン。

…最近どうして自分の中で巴はダークサイドキャラになったのか自問自答してたり。
724名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 23:57:14 ID:EsTaT3qK
>>715-723
可愛さ余って憎さ百倍か………
良い意味でゾッとしたよGJ!

>>大丈夫、もっとマイナーな人間×人間が好きな俺がいる。最近はみっちゃん×巴もいいんじゃないかと(ry
是 が 非 で も 投 下 し て く れ
725名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 00:07:11 ID:7DQNWWV5
是非、トゥモエにまさちゅーせっちゅーするみっちゃんが見たいものだ
726名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 10:59:34 ID:OGb0/70R
>>725
ほっぺでもあそこでもまさちゅーせっちゅするんですねわかります
727名無しさん@秘密の花園:2009/08/02(日) 11:11:55 ID:h/u50svH
痛そう...
728名無しさん@秘密の花園:2009/08/03(月) 18:21:43 ID:CQLtaEgg
みっちゃん総攻め
729名無しさん@秘密の花園:2009/08/04(火) 00:48:51 ID:TWFHed8g
いや、攻められると弱々しくなるみっちゃんもなかなか良いのでは
730名無しさん@秘密の花園:2009/08/05(水) 17:29:10 ID:7s9WSsS3
ドールズ人間巻いた世界巻かなかった世界入り乱れての大乱交が読みたい
731名無しさん@秘密の花園:2009/08/09(日) 02:10:19 ID:KPIr21VZ
ヤンジャンでの翠の妹思いっぷりに泣いた
732名無しさん@秘密の花園:2009/08/09(日) 10:19:16 ID:BBRVVNX0
きらきー好きの俺としては別の意味で泣いた。
ってかリタイアしたのを蘇らせれるならアリスゲーム終わらなくね?
733名無しさん@秘密の花園:2009/08/09(日) 11:01:29 ID:HB4SlgJt
>>731
秀同
本当に翠は蒼が好きなんだと再認識した
双子好きな自分としては今の展開は感動したりするけど…続きがどうなるか怖い
734親友から恋人へ:2009/08/10(月) 00:56:03 ID:qvKYSUgx
今日は真紅が家に遊びに来ることになっていたので
部屋の掃除をしていた。
結構前に真紅が家に来たとき、荒れてる部屋の状態を見て
卒倒してしまったのだ。
あの子は姉妹の仲でも割りと神経質な方なのだ。
だいたい片づけ終わったのでヤクルトを飲みながら
真紅が来るのを待つことにした。
そうすること10分

ピンポーン

部屋の中にチャイムの音が響き渡る。
飲みかけのヤクルトをテーブルに置いて駆け足
で玄関へと向かった。

「いらっしゃあい、真紅」
「お邪魔するわ、水銀燈」

そう言って真紅はスリッパを履いてリビングへと向かった。
数え切れないくらい家へ来てる彼女は私の部屋の間取りを
全て把握しているのである。

「紅茶沸かすからちょっと待ってって」
「ええ、お願い」

戸棚からTEAパックを出して準備に取り掛かった。

「それにしても、貴女も暇ねえ。」
「貴女には言われたくないのだわ」
「ふふっ、それもそうねえ」

紅茶を口に運びながらそう言った。
真紅はほぼ毎日のように家に来ている。
真紅にしてみれば家は第ニの家といった感じかもしれない。

「それとも、毎日のように貴女の所に押しかけて迷惑かしら?」
「そんなこと全然無いわよお、むしろ・・・」
「えっ?」
「なっ、何でもないわよお///」
735親友から恋人へA:2009/08/10(月) 00:57:26 ID:qvKYSUgx
危ない危ない。うっかり口に出してしまうところだった。
むしろ来てくれて嬉しいなんて・・・言える訳がない。
言ったら恥ずかしさのあまり死んでしまうかもしれない。

「ほんと、貴女って天邪鬼ね」
「なっ・・・」

真紅が少し笑みを含みながら、私の頬を撫でてきた。

(これはやばいわあ・・・)

そんな真紅の攻撃に対し私が出きることは
目線を逸らして出来るだけ表情を変えないように
することくらいだった。
しかし、真紅は私にさらに追い討ちをかけて来た。

「私が来てくれて嬉しいんでしょう?」
「ちっ、違うわよお・・・」
「本当に?」
「ええ、違うわあ。むしろ迷惑よお・・・」

図星を突かれた恥ずかしさでつい想ってることと逆の言葉を
思わず言ってしまう。

「そう、ならそろそろお暇しようかしら。またね水銀燈」
「ちょっと待ちなさいよお。嘘よお、嘘。ねえ、真紅う」
「ほんと、素直じゃないんだから」

ギュッ

「なっ・・・」

そう言って真紅は私を優しく抱きしめた。

「しっ真紅?」
「私は貴女に会いたいと想って毎日来てるのよ。」
「あ、ありがとぉ・・・///」
「ふふ良く言えました。今日は泊まってもいいかしら?」
「!!も、もちろ・・・しょ、しょうがないから泊めてあげるわあ///」
「貴女ってほんと素直じゃないわねえ。フフッ」

そう言って真紅は口に手を当てて笑った。
私はというと今日の真紅との夜のすごし方
を考えていた。

(今日は寝れそうにないわねえ・・・)
736名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 00:58:47 ID:qvKYSUgx
以上っす^^
やっぱ真紅と水銀燈は最高っす
そんじゃノシ
737名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 13:42:59 ID:wFOcbuFZ
>>736
やっぱり紅銀はいいねGJ!
738名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 21:19:51 ID:z7F/qjOu
>>734-736
ドキドキする銀様イイヨイイヨー
真紅との夜の過ごし方編も読んでみたい
739名無しさん@秘密の花園:2009/08/10(月) 22:37:50 ID:Z4ASWo/g
ふぅ・・・真紅さんのオーラはすげぇぜ
740名無しさん@秘密の花園:2009/08/11(火) 08:06:07 ID:6OmfjRB7
  ,,r::::::::::::〈:::::::::)    ィ::::::ヽ
      〃::::::::::::;r‐''´:::::::::::::::::::::ヽ::ノ
    ,'::;'::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     l::::::::::::::::::l::::::::::●::::::::::::::●:::::ji
    |::::::::::::::::::、::::::::::::::( _●_)::::::,j:l  クマー!
    }::::::::::::::::::::ゝ、::::::::::|∪|_ノ::;!
.    {::::::::::::::::::::::::::::`='=::ヽノ:::::/     
    ';::::::::::::ト、::::::::::::::i^i::::::::::::/
      `ー--' ヽ:::::::::::l l;;;;::::ノ
【ラッキーレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
741名無しさん@秘密の花園:2009/08/11(火) 22:59:50 ID:tB2nvNZY
ずれたAAなんかコピペしたら呪われそうなんだけど
742名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:33:38 ID:sMMhmIPn
またも何ヶ月ぶりかの投下
ジャンルはエロ鬼畜だから苦手は人は注意

甘い悪魔の囁き

前回の内容とか忘れちゃったぜ!って人でも大丈夫!
俺も覚えてない
743名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:34:24 ID:sMMhmIPn
「類は友を呼ぶって…知ってるわよねぇ?」

それは何気ない雑談から始まった、特に意味もない話…
だけど、自分の事をあまり他人に話さない先生にとっては珍しい事なのかもしれない

「同じ趣味や似たような思考の人は自然と集まるってやつですよね?」

言って、どっちが先か疑問が生まれる
似てるから集まるのか、集まってから似るのか…いや、多分前者だろう
同じ趣味の人には好感が持てるし、友達になる最初のキッカケなんてそんなものだと思う

「アナタは…自分と似た人に好感が持てるぅ?」
「え…?」

普通に考えれば、持てるに決まっている
好きな音楽、好きなスポーツ、好きな動物…何でもいいから共通点があれば、少なからず好感が持てるモノだ
それが同性なら友情が芽生え、異性なら恋に発展するのかな

「そうですね…まったく似てないよりは好感が持てると思います」
「ふぅん…」

期待していた答えじゃなかったのか、元からどうでもいい質問だったのか
先生は興味なさそうに相槌をうった

「先生はどうなんですか?」
「私?…そうねぇ」

少し考える素振りをして、徐に口を開く

「似てる人は…あまり好きじゃないわぁ」
「そうなんですか?」
「“まったく同じ”か“まったく違う”人が一番いいわねぇ…“ある程度似てる”だと知らない間に流されてそうじゃない?」

実に先生らしい、自分を中心とした思考回路だ
ここまでハッキリしていれば、流される事なんてなさそうだけど…

「だからね…あの子は苦手なのよぉ」
「あの子って…」

先生の視線を追っていくと、長い白髪の少女を捉えた

「雪華綺晶ですか?似てる…かな?」
「欲望に忠実でズル賢く、目的のためには手段を選ばない辺り…とかねぇ」

なるほど、と納得できてしまう僕もダメだな
言われて見れば、確かに二人は似ているかもしれない

「きらきーは自分と似てる私に好感を持っちゃったのねぇ…そこだけが私と違うわぁ」

雪華綺晶は似てる人間に好感を抱くタイプで、水銀燈先生は似てる人間を苦手とするタイプか…
非常に惜しいけど、どうしようもない擦れ違いがそこには存在する
そしてまた、一つの疑問が浮上した

「ならば先生と僕は…どうなんですか…?」

その問いに対し、先生は軽く微笑み返すだけだった


第十話『常識と非常識』
744名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:36:06 ID:sMMhmIPn


「う…ぅ…」

暑い…暑い…
締め切られた夏場の密室で、僕は布団に横たわったまま寝付けないでいた
スポーツ選手にとってクーラーはあまり良くない
だけど睡眠の方が重要であり、雪華綺晶と話し合ってとりあえず寝付くまでの30分だけ入れる事にしたんだけど…
タイマーが切れて尚、この有り様だ

「…」

睡眠時のクーラーは意外と怖い
下手をすれば、すぐに体調を崩してしまう
だから勝手につけるのは既に寝ている雪華綺晶に申し訳ない気がして動き出せずにいた
合宿5日目──そろそろ疲れも出るし、今まで熟睡出来ていたのに何故寝れないんだろう

「…」

寝返りをうつと、涼しい顔で眠る雪華綺晶が見える
何だか悔しい気分になった
寝れないのは自分のせいだから、雪華綺晶を恨んでも仕方ないけど…

「!」

そんな事を考えていると、不意に雪華綺晶の上半身が起き上がった
なんだ…寝てなかったのか…それともトイレかな?
いずれにしても、もう30分だけクーラーをつける事を頼むにはいい機会だ
だけど僕が口を開くよりも早く、雪華綺晶はスイッチの元まで行ってクーラーをつけた
……僕は君を気遣ってつけなかったのに、君は僕の事を何も考えてないんだね…
少し悲しくなったけど、今回は望みを叶えてくれたという事で不問にしよう
けど礼を言うのも何だから、寝たフリを続けた

「…?」

しかし、雪華綺晶もすぐ寝るのかと思いきや、布団に戻って来ても立ったまま横になろうとしない
暫くすると、ゆっくりと寝巻きのボタンを外し始めた
汗をかいたから、着替えるつもりかな…?
そんな僕の考えも余所に、上のボタンは全て外し、下はショーツと一緒に膝辺りまで下ろすという不自然な状態で彼女は座った
745名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:37:49 ID:sMMhmIPn

「先…生…!」
「………!」

そして、自らの胸に手をやり、優しく揉み始める
もう片方の手は秘部をまさぐっているようだ

「んっ…ぅ…!」

自慰をしている
どうしても信じられなくて、その事を理解するのに数秒かかった
理解してからは、こっちが死ぬほど恥ずかしい
僕が寝てると思っているのだろうか…いや、仮にそうだとしてもトイレか風呂でやるべきだろう

「あぁ…!」

声は最小限に抑えてるようだが、クーラーの音しか聞こえない密室では意外と大きく聞こえる
何より濡れてきている部分が出す水音は、容赦なく僕の聴覚に響いてきた
寝返りをうって反対を向こうか、こっそり耳を塞ごうか
そんな思いと裏腹に、身動きが一切取れなかった

「はぁぅ…っ…!」

太ももで隠れて良く見えないけど、指が膣内に入ったらしい
どうして友達の自慰を見て、脳内で実況しなきゃならないんだ…
だけど僕の目は瞬きも忘れて、妖艶な雪華綺晶の姿を凝視していた
彼女は快楽を貪るのに夢中で、僕が起きている事に気付いてない様子…

「ぁ…くっ…!」

やがて胸をいじっていた手も下半身に降りて来て、入り口付近や敏感な突起も擦り始める
もしかして、今までも毎日毎日…僕が寝てる横でしてたのかな?
たった10日くらい我慢して欲しい…それとも、初日に先生にされた事で性欲が抑えきれなくなったのだろうか

「んっ…ぁぅ…!」

だったらするのはいいとして、何も人前でする事ないと思う
先生に関わる時以外で君のそんな甘い鳴き声を聞くことはないと思ってたし、
…出来れば二度と聞きたくなかったんだ

「んっ…ぁ…ん…!」

今や声よりも、内壁と指が奏でる淫らな音の方が大きい
先生の事を考えてここまで夢中になれる辺り、先生への好意の度合いが窺えるな…
本当につくづく、可哀想な子だと思ってしまう
この一途な性格は、大半の人なら受け入れられるハズだ
恋をする相手が悪過ぎたのだろう

「せんせ…!…あぁっ…!」
「!!」

声にならない声で叫び、体を大きく仰け反らせる
何度か痙攣し、絶頂の余韻に浸っているようだ
746名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:39:50 ID:sMMhmIPn

「はぁっ…はぁ…はぁ…」

クーラーで涼しくなったにも関わらず、首筋には多量の汗をかいている
快楽で顔を歪めつつも、どこか不満な様子で仰向けに横たわった

「先生…先生でこんなになっちゃいました…」

自らの粘液を指に絡ませ、独り言を呟く
その手を何の躊躇いもなく口に運んだ

「うむっ…んっ…」

汚れた指を一本ずつ綺麗に舐めとっていく
自分で言うのも何だけど、僕は自らの秘部から溢れ出た体液を啜るなんて絶対に出来ない
味も臭いも…決していいモノじゃないからだ
雪華綺晶はまだ妄想の最中だろうか
差し詰め、先生にムリヤリ舐めさせられてる…といったとこかな
容易に想像できるのもイヤな気分だ

「せんせ…♪」

妄想に耽溺し、頬を赤らめる雪華綺晶は恋する乙女のよう──
いや、そんな言葉で形容できるほど、純粋な恋愛でもないか
醜い欲望が渦巻く、自己中心的な感情を孕ませたドロドロの恋愛だ
冷静になって考えてみると、益々嫌悪感が湧いてくる

「…」

雪華綺晶を見ている時は興奮が先行して気付かなかったけど、この部屋に満たされた淫らな匂いが鼻をつく
安眠まで妨害された憤りは、僕の理性まで奪っていった
747名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:41:23 ID:sMMhmIPn

「この…淫乱…!」
「!!」

ふと口から出た言葉…それに驚いたのか、雪華綺晶は飛び上がってこちらを凝視する
大抵の事はノーリアクションで流す彼女の、滅多に見れない表情だ

「起きて…いたのですか…」

咄嗟に胸と下半身をシーツで隠す
今までしてきた事に比べたら、そこは恥ずかしがる事じゃないだろうに…

「暑くて寝付けなかったんだ」
「そう…ですか…」

動揺の色は隠せず、何を話していいかパニックになっているようだ
そして、普段からしている眼帯を着けてない事にも気が付いた
昔、まだ仲の良かった頃に話してくれた覚えがある
女には珍しい遺伝的な色覚異常で、それも片目だけ赤色が識別できないモノらしい
それが気持ち悪いから眼帯をしているのだが、寝る時だけは色のない暗闇なので外すのだそうだ
ならば両目で睨まれるのも、滅多にない経験かな

「君がクーラーをつけてくれたのは嬉しかったけど、まさかあんな事をするためとは思わなかったよ」
「……」
「前々から思ってたけど、君は常識が少しズレてるの?」
「貴女には…!」
「言われたくない?」
「っ……」

いつも言われてばかりだから、反撃できる時にしとかないとね…
低レベルな口喧嘩だけど、こんな時じゃないと言えない事も多いんだ

「僕が醜い雌豚なら、君は欲望に飲まれた雌犬?」
「う、うるさい!抑えきれない欲望を振りかざすより、自ら慰めて落ち着かせる…それの何が悪いんですか!」
「悪いとは言ってないよ。でも僕の前に映っていた君は、ただの淫乱にしか見えなかった」
「くっ…!」
「何で先生のトコに行かないの?」
「…私だけでは先生に相手にされない事を知って…!」

雪華綺晶の顔は嫉妬と羞恥心とで真っ赤に染まっていた
748名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:43:07 ID:sMMhmIPn
「…だからって僕に欲求不満をアピールされても、何もしてあげられないよ?」
「誰が貴女なんか…って来ないで下さい!!」

命令に反し、僕は雪華綺晶に接近する
逃げられるよりも早く、彼女を押さえつけた

「…何ですか…!?」
「…うん。君の目の事は知ってるつもりだけど」
「…?」
「眼帯しない方が、可愛く見えるよ」
「は…い?」

それだけ言うと、雪華綺晶を解放して僕も自らの布団に籠もる

「意味がわかりません。会話を逸らさないで下さい」
「あれ?やっぱり僕にして欲しかったの?」
「黙って。息しないで。死んで」

子供のような罵声を浴びながら、僕は目を閉じた
久しぶりにスッキリできたし…今夜は良く眠れそうだ
僅かだけど、僕と雪華綺晶の類似点も見受けられた
それはお互い非常識な存在だということ…
良いか悪いかは別にして、彼女とはこの先も長く付き合わなければならないようだ
明日、無事に目覚めればいいけど…なんて縁起でもない事を考えながら、僕は眠りに就いた
749名無しさん@秘密の花園:2009/08/12(水) 22:46:44 ID:sMMhmIPn
投下終了
これ連載始めたの去年の秋で、「これから冬なのに夏が舞台の作品して大丈夫かな?」なんて思ってたらいつの間にか夏休みですね。
wikiにコメントくれた方々、本当にありがとう御座います。そしてすみません。
遅筆ながら、もう少し頑張ります。
750名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 00:58:51 ID:o5oaCauq
>>749
GJ!!
大丈夫、いつも楽しんで読んでるから
いつまでも待てる
751名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 12:18:02 ID:UkiZfgPo
>>749

吃驚するきらきー可愛い
そういえばヤンジャンでこの2人は体を知る関係になってしまったね
きらきーが一方的に乗っ取ったんだけどw
752名無しさん@秘密の花園:2009/08/13(木) 14:49:32 ID:vNRrZppd
銀紅、エロ?
http://mup.2ch-library.com/d/1250142495-2009081314470000.jpg

服どうしよう
753名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 11:26:45 ID:FHUdR7s4
蒼「誰もいない…蒼星石犯すなら今のうち…」


人いる?
754名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 13:20:33 ID:0zwEogmG
真紅「どうぞどうぞ。私は水銀燈を」
755名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 14:07:37 ID:hCpowB/x
蒼に夜這いをかける翠を希望
756名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 16:39:11 ID:Di4KWwXb
>>753
自分を犯してどうするw
757名無しさん@秘密の花園:2009/08/18(火) 16:48:26 ID:0zwEogmG
つまりあれだ、以前あったアニメ版×原作版なんだきっと

まあ初見では素で気がつかなかったわけだがorz
758名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 02:12:46 ID:HohiALBV
あったなw
最後までずっと張り付いてたよ
759名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:05:46 ID:TAYVYHk7
少しやっつけ気味だけどみっちゃん×巴書いてみたので5レスほど投下します。
もしかしたら巴×みっちゃんかも…。
760名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:07:33 ID:TAYVYHk7
「はぁ…今日も疲れたなぁ…」

 みつは溜息を吐き、仕事で疲れた体を引きずって家路へと向かっていた。
 本来ならもっと早く帰れたはずだったのだが、仕事で使っていたパソコンのデータが飛んでしまい、その修復で大幅に時間を無駄にしてしまった。
 その結果、腕時計が指している時間は既に九時近く…時間を再確認するとまた憂鬱になり、溜息を一つ吐いた。

「…帰る頃にはカナも寝ちゃってるわね」

 ローゼンメイデンの大半は九時に寝るように、金糸雀も例に漏れずそうだった。
 せっかく今日は久々に遊べると思ったのにこれではもう遊べないだろう。
 帰ったら熱いシャワーを浴びて、軽い夕食でも食べてさっさと寝てしまおう。
 そう思い、家路へと急いだ。


 しばらくして我が家へ着き、玄関のドアにカギを差込みロックを解除したがドアが開かなかった。

「あれ?」

 不思議に思い、もう一度カギを捻るとガチャリと音を立ててロックが解除された。
 カギは最初から開いていたのだ。
 一瞬何故、と思ったがすぐに思いつく事があり、同時に慌てて玄関のドアを開け放った。
 そこにはやはり、と言うべきか見慣れた靴が丁寧に置かれてあった。

「巴ちゃん…」
761名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:07:59 ID:TAYVYHk7
 そこにあったのは間違いなく巴の靴だ。
 数ヶ月前から付き合い始めて合鍵を渡して以来、夕食を用意して待ってくれている事が何度かあった。
 しかし、まさか今日に限ってこんな遅くなってしまうとは。
 急いで玄関を上がりリビングへ行くと、そこでは待ちくたびれたのであろう、巴がソファでうたた寝をしていた。

「悪い事しちゃったかな…」

 テーブルの上にはラップに掛けられた二人分の夕食が置いてあった。
 待たせてしまったことに申し訳ない気持ちで一杯になり、着ていた上着をそっと巴に被せる。
 それで気が付いたのか、巴は目を覚まして目を擦りながらこっちを向いた。

「あ…お帰りなさい…」
「ただいま。ごめん、こんな遅くなっちゃって」

 巴に軽く頭を下げ、遅くなったことを素直に詫びる。
 それを見た巴は軽く微笑み、伸びをして頬にキスをしてきた。

「別に気にしてませんよ」
「でも…」
「勝手に上がりこんだのは私なんですから。すぐに晩ご飯の温めますね」

 純粋な笑顔でそう言う巴に、感極まる思いが溢れ出てくる。
 その想いが堪え切れなくなり、思わず巴に抱きついた。
 それだけでなく頬擦りもプラス。金糸雀の言う“まさちゅーせっつ”だ。

「ああもう、巴ちゃんったら本当に良い子で可愛いーー!!」
「ちょ、ちょっと痛いですってば…」

 巴が手で押しのけようとしてくるが、それに気付く事なく頬擦りをしていく。
 とは言え巴も本気で嫌がっているわけではないし、みつもそれは承知の上だ。
762名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:08:25 ID:TAYVYHk7
 やがて巴もまさちゅーせっちゅから解放され、遅い夕食が始まった。
 巴が作ってくれたのはクリームシチューとサラダ。
 クリームシチューの優しい甘みと温かみが疲れた体に染み渡っていくようだ。

「んー、美味しい! 本当に美味しいわー!」
「そう言ってもらえて待った甲斐がありましたよ」

 上機嫌で食べていくが、ふと思いったことがあり一旦スプーンの動きを止めた。

「そう言えばこんな遅くまで待ってて大丈夫? 家の人とか…」
「大丈夫です。家には友達と泊まりで勉強会するって言ってありますから。今は夏休みですし」
「巴ちゃん、意外とイケナイ子ね」
「これが本当の私ですよ」

 そう言う巴の表情は少しイタズラっぽく、二人ともおかしくなって思わず少し吹き出した。

 それから夕食を食べ終え、お風呂を出た頃には既に11時近くになっていた。

「ふあ…」
「眠いですか?」

 あくびを一つ漏らし、目に浮かんだ涙を擦る。
 さっぱりすると疲れが出たのか、一気に眠くなってきた。

「う〜ん、今日は無駄に残業しちゃったし…明日も仕事だから寝ようか…」
「そうですか…」

 テレビも大して面白そうなのもないし、巴とは違い明日も仕事だ。
 そろそろ寝ようかと寝室に移り、二人とも一つのベッドに潜り込んだ。
763名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:10:36 ID:TAYVYHk7
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」

 軽くキスをして目を閉じると、数分も経たない内に眠気が本格的にやって来た。

(巴ちゃんも来てるし、イイ事もしたいけど…)

 本来ならベッド上で愛し合いたいところだが、迫り来る眠気には逆らえない。
 名残惜しいし巴には申し訳ないが、今日のところは無理そうだ。

(…眠気には勝てない…無理…)

 そう思ったところでみつの意識は完全に途絶えた。

―※―※―※―※―

(…ん…何…)

 眠りについていたみつだったが、何かが体を撫で回しているような感覚がして目を覚ました。
 最初はボーっとしていてあまりよく分からなかったが、意識が覚醒してくるにつれて体の感覚が顕著になってくる。
 それは両胸と股から感じてくるようで…そこまで考えた時、みつは反射的に体を起こした。

「あ、起きちゃいました? 寝ててもよかったのに」
「と、巴ちゃん何して…!」

 体を起こして見ると、暗い部屋で巴が自分に覆いかぶさっている。
 更によく見てみると自分の寝巻きはボタンを全て外され、前側が完全にはだけていた。
 片胸は未だに揉まれているし、もう片方の乳首は吸われていたのか濡れていやらしく光っていた。
 そして巴の右手は、自分のショーツの中に入り込んでいるではないか。

「寝てても良いですよ、私の自由にしますから」
「ちょっと止めて…!」
「ここまで濡らしてて、そんな事言うんですか?」
「うんっ…!!」
764名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:10:59 ID:TAYVYHk7
 言うや否や自分の秘所に指が入ってくるような感覚が襲い短く喘ぎ声を上げる。
 それはしばらく中で動き回り、しばらくすると指を抜いて愛液で濡れたそれを見せ付けてきた。
 それが余計に羞恥心を煽る。

「ほら、これで今止めると余計に寝れないんじゃないですか?」
「…ひょっとして待たせたの、怒ってる…?」
「いいえ? ただ待ってる間寝ちゃったから目が冴えちゃって」

 サディスティックな笑顔を浮かべる巴。
 やっぱり怒ってるじゃないか、そう言おうとしたところで再び指が中に入り込んできた。

「ああっ、やっ、巴ちゃ…ん…!」

 指が動く度に強い快感が全身を駆け抜け、次第に目の前が少しずつ白くなってくる。

「可愛いですよ…そのままイっちゃって下さい」
「うぁっ、あっ、あああぁぁっ…!!」

 全身に電流が流れたような激しい感覚が襲い、目の前が真っ白になって果てた。
 少し霞む視界の中で巴が指に付いた愛液を舐め取っているのが見え、それでまたゾクリとした感覚が背筋を駆け抜ける。

「本当に可愛い、十歳以上も年上とは思えないくらいですよ」
「巴ちゃん…」
「まだまだ可愛がってあげますから。私が眠くなるまで…ね」

 歳不相応な妖しい笑顔を浮かべる巴を見て、明日仕事が出来るだろうか、と思わざるを得なかった。

終わり
765名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 03:13:39 ID:TAYVYHk7
以上です。エロ注意と書くの忘れてましたすいませんorz
普段はみっちゃんが主導権握ってるけどベッド上だと巴のほうが優位だと良い、という妄想。

…年上キラー巴w
766名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 07:05:28 ID:uZR0tK6H
>>765
ふぅ………

トゥモエ×みっちゃんキターーー(゚∀゚)ーーー!!ありがとうGJ!
767名無しさん@秘密の花園:2009/08/19(水) 18:27:51 ID:o97SQGkp
>>765
年下に責められるみっちゃんさん最高だ!
是非続編が読みたいな
768名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:52:38 ID:U7TJpEPC
蒼×翠、浴衣プレイ。デレデレ、エロ注意。





翠星石がどうしてもと言うので、二人で花火大会にやってきた。

人ごみは苦手だし、浴衣なんて着たことないと言ったら、とっておきの穴場があるし、浴衣は自分が着つけてやると言ったから来てみたものの。

「ここが・・・穴場?」

「どうです?誰も居ないですよ!」

連れてこられたのは大型スーパーの屋上。

確かに誰もいないが、ちょっと打ち上げ場所から遠すぎはしないだろうか。

「翠星石、ここだったら家から見るのとそんなに変わらないと思うよ?花火、近くで見たいんじゃないの?」

「わかってないですねぇ。」

やれやれといった感じで翠星石は続ける。

「家で二人で見るんじゃなくて、浴衣着て外で見たかったんですよ。それに、髪アップにした蒼星石なんて、浴衣でも着せないと見れないですからね。」

真っ赤になった僕の顔をまっすぐに見つめて、穏やかな笑みで言う。

「とっても可愛いです。浴衣も、髪も。だから、他の人に見せたくなかったですよ。」

「翠星石・・・」

「・・・さ、花火始まるですよ!あのベンチに座るです!」

あちらも顔を真っ赤にして、一人でベンチのほうに向かっていった。
769名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:54:06 ID:U7TJpEPC
遠くのほうで、花火大会開始のアナウンスが流れている。



「蒼星石・・・?」

気がついたら、後ろから抱き締めていた。

「何甘えてるです?さっきの、そんなに嬉しかったですか?全く、いつまでたっても・・・・んっ」

髪をまとめて露わになっているうなじに深く口づけた。

「んんっ、蒼星石っ・・・・花火、始まるですっ・・・・」

耳を舌先で愛撫したら、可愛らしい声を聞かせてくれた。

「あっ、んん、こんなとこで・・・ですか・・・?」

「浴衣、似合ってるのは君のほうだよ。花火見たいって言ってたから、抑えてたけど。」

「んんっ、う、誰か、きたら・・・あっ」

「穴場、なんでしょ?」

そういって浴衣の上から両胸を揉んでいく。ブラジャーの代わりに付けた浴衣用の下着越しに、柔らかい感触が伝わる。

今日家で浴衣姿を見た時からこうしたかった、なんて言ったら笑われるだろうか?
770名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:55:06 ID:U7TJpEPC
「んん、ふっ、あっ・・・」

「浴衣、自分で着つけられる?」

「んん、だめですっ・・・」

浴衣の前から胸に手を滑り込ませて小さな突起を見つけ出し、摘んで指を動かした。

「ああっ・・・んん・・・蒼星石・・・・そこは・・・あっ!」

「好きでしょ?こうされるの」

「んん・・・・」

帯を緩めて胸の前で合わせた二枚の布を離すと、薄い下着も同時にめくれて、可愛らしい乳首が顔を出した。

「蒼星石っ・・・!恥ずかしいです・・・・」

「暗くてそんなに見えないから大丈夫・・・っていうのはダメ?」

「そういう問題じゃ・・・・あ!!」

答える間も与えず、硬くなった突起を舐めあげた。

同時に右手で、浴衣の裾を捲り上げる。

手を上に滑らせ、浴衣用の下着を探り当てた。
771名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:56:36 ID:U7TJpEPC
「んっ、だめですっ、ああ・・んんぅ・・・」

「どうなってるか、見せて」

下着を完全に脱がそうと、一度翠星石から体を離した。

前のはだけた浴衣から片方の乳房だけが見えて、ふくらはぎも露出している。

なんて卑猥な格好だろう。

浴衣の下から両手を入れ、下着を脱がせた。

「ほら、こんなにぐしょぐしょだよ。」

「だめです・・・・恥ずかしいです」

「触るよ?」

浴衣の帯をさらに緩めて、脚を大きく広げさせた。

暗がりでよく見えないが、人差し指と中指で探った。

「あっ!んん・・・・」

「こんなに濡れてるの、久々じゃない?外だから興奮してる?」

「違いますっ・・・んん!」

トロトロになった秘部とその周辺を指三本で柔らかく撫で回した。

大きく硬くなった突起の部分に触れるたびに高い声が上がる。

「あー!んん、や、蒼星石!」

「すごいよ、こんなびしょびしょ。入れていいよね?」

中指がヌルリと吸い込まれていく。
772名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:57:12 ID:U7TJpEPC
入れた指を動かしながら、突起を指で回すように動かす。

「あっ!んん!もう・・・・ああ!!お願い、ですっ・・・・」

「もういきそう?いいよ、ほら。そんなに気持ちいい?」

卑猥な水音が響く。

「ああ!だめっ、蒼星石、もう・・・んん!気持ちい・・・いっ!いく・・・ああ!」

入れた指がきゅうきゅうと締め付けられ、抜き差しするたびにトロリと液体が漏れてくる。

「うう・・・・蒼星石・・・・私、こんなすぐ・・・・」

「大丈夫?座れる?」

「だいじょぶ・・・です・・・・」

773名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:58:03 ID:U7TJpEPC
「ごめんね。」

「ちょっと、びっくりしたです。」

「ごめん・・・・。」

「でも」

「?」

「浴衣、可愛いから許してやるです。でもこういうのは今回だけですよ?」

「・・・・ありがとう。」


花火はまだ遠くで鳴っているけど、僕は翠星石の顔ばかり見つめていた。




END
774名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 01:01:38 ID:2CqluAii
>>768-773
GJ!!
775名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 01:04:55 ID:U7TJpEPC
以上です。
浴衣の脱がし方とかよくわからなかったけど萌えで突っ走りました。
強引な蒼を受け入れてしまう翠が表現できていればいいです。
776名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 17:46:22 ID:gLm/ijld
>>775
超GJ!!
二人の浴衣プレイはずっと読んでみたかったから嬉しい
ありがとう!
777ヤンデレ翠星石:2009/08/24(月) 21:18:05 ID:IjHBGmVT

     ___    お前みたいなゴミが翠星石の姉のはずないですぅ!
   く/',二二ヽ> 翠星石の姉は水銀燈一人だけですぅ!!
   |l |ノノイハ)) 
   |l |リ゚∀゚ノl|     バリバリバリバリバリ                   ,∵;,'゚; ̄`ヽ
   ノl/l_介」 Lr○ュ"_ l_ ___,.,;:''''""`'';;;...,,            - ̄‐― _,';;ノ '\@
 ト--l∪r=tl[((三三((三((=(;;'',       '',.:;,,,. '" .,.  .,,..; "'`,.,,  ‐―  ,';;,,';.゚'Д゚ノ かしらー!
 ヒ[冊冊冊ツヽ ̄ ̄!! ̄; ̄ll ̄||'':;:,..  ,...;:''"           - ̄‐―   ;;';kOi∞iミつ
   ミく二二二〉ミ                                       (,,( ),,)
                                                 じ'ノ'



         ___ #ミ   まだ生きてるですか?
       く/',二二ヽ>#  さっさと息の根を止めやがれですぅ!
       |l |ノノイハ))  ミ
       |l |リ ゚ヮ゚ノl|   ヾ ヽ ∵:  ガスッ
       ノl_||  ]]つつ++#####.゚;・.,'`ヽ:, ゴスッ
       ≦ノ`ヽノヘ≧    _';;;∵\@v                       (,,( ),,)
       ミく二二二〉ミ   'ヾ(i.゚'Д;;。;∵ か…し…   ,;;∵;;,i∞iミつ   じ'ノ'



         ___    トドメですぅ!!!
       く/',二二ヽ>
       |l |ノノイハ))ミ      ,,-----、 グチャッ!!
       |l |リ ゚ヮ゚ノl| ヾ. ヽ. |;::::  ::::|
       ノl_||  ]]つつ二二二|;::::  ::::|⊃', ',・.,'`
        ≦ノ`ヽノヘ≧ ヽ.∴;;..|;::::  ::::|;* @';;;∵                (,,( ),,)
      .ミく二二二〉ミ `.:,゙;~ヽ.''-----'';。,・';;;         ,;;∵;;,i∞iミつ   じ'ノ'
778名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 23:21:20 ID:JvUpBNEN
>>777
GJ!
糞キム死ね
779名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 12:26:20 ID:GsY6dc9M
なんという神スレ
780名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 13:03:33 ID:eg4YhJY4
同じカプでも書き手が違えばだいぶ雰囲気変わるんだな
と、まとめサイト読んでて思った
781名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 23:56:54 ID:DttRbGcJ
エッチな紅銀が読みたい
782名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 07:13:42 ID:F0ULlOyj
のり×ヤンデレ(?)巴投下します。
エロ要素、若干猟奇的な内容が含まれているので注意。
783貴女の味:2009/08/27(木) 07:14:14 ID:F0ULlOyj
 今日は週末、待ちに待ったのりの家に泊まる日。
 学校が終わり、のりが迎えに来てくれて一緒に帰る途中、夕飯の買い物にと一緒にスーパーへと寄って行った。
 色々物色しながらのりは夕飯の献立を考えながら進んでいき、それに巴が付いていく。

「今日は豚肉が安いわねぇ…。巴ちゃん、晩ご飯は豚肉の炒め物でもいい?」
「え…?」

 肉売り場のコーナーに来て、特売になっているポップ広告の豚肉を見て巴に尋ねた。
 だが巴はボンヤリとしたままのりを見つめている様子で、話しかけられた事に一瞬の動揺を見せる。

「いや、晩ご飯豚肉炒め物でも良いかなって聞いたんだけど…」

 のりは少し首を傾げ、もう一度尋ねた。
 それを聞いて巴は納得し、軽く二、三度頷いた。

「…ええ、良いですよ」
「そう? なら良いけど…どうしたの?」
「いや、ちょっとボーっとしてて…何でもないです」
「…ふふっ、おかしな巴ちゃん」

 巴の返事を聞いて納得したのか、のりは少し笑って豚肉をカゴに入れる。
 その姿を見ながら、巴は思った。

 確かに自分はおかしい。…いや、むしろ狂っていると言ってもいいかも知れない。
 のりの姿を見ながら、ずっとのりを食べたいと思っていたなんて。
 そう。
 文字通り、のりを食べたいだなんて…。
784貴女の味:2009/08/27(木) 07:15:19 ID:F0ULlOyj
―※―※―※―※―

 何故自分がこんな事を思うようになったか。そのきっかけは些細なものだった。
 いつだったか…数週間ぐらい前だろうか、ある夢を見た――

 気付けば自分は一人でどこかのレストランのテーブルに着き、料理が運ばれてくるのを待っていた。
 しばらく待っていると料理が目の前に運ばれてきた。料理は血の滴るようなレアステーキ。
 夢の中だし大分前の事だから味なんてまったく覚えていないが、美味しくそれを食べていたような気がする。
 それを平らげ、膨らんだ自分のお腹を擦りながら満足げに呟いた。

「美味しかったですよ、のりさん…」


 その瞬間に目が覚め、思わずその場に飛び起きた。
 一瞬何が起こったのか分からなかったが、すぐに夢だと言う事を理解し一瞬の安堵を覚えた。
 だが次に湧き上がってきたのは得も言えぬ恐怖と渇望。
 何故あんな夢を見たのか、何故のりの肉――姿を見たわけではないが、なぜかそう確信していた――を食べていたのか…。
 そんな自分を見た自分が怖く、訳が分からない。
 そして奥底から湧き上がる奇妙な渇望…これは何なのか。

「…水…」

 汗をかいたせいか、ひどく喉がカラカラだ。渇望はこれでは無いかと思い――そう希望を抱いて――台所で水を飲もうと部屋を出て行った。

 結果的に言えば、いくら水を飲んでも、他の飲み物を飲んでもそれは満たせなかった。
 何かが飲みたい。でも何かが何なのか分からない…それがずっと頭に引っ掛かり、学校に出ても授業にも集中できない。
 そしてとうとう学校が終わってもそれが分からないままだ。
785貴女の味:2009/08/27(木) 07:15:45 ID:F0ULlOyj
(…どうしたんだろう、私…)

 一人考えながら帰る途中、不意に自転車のベルが聞こえて来て道の脇に寄る。
 だがそのすぐ後に聞きなれた声が聞こえて来て、自転車が巴の隣で止まった。

「やっほー、巴ちゃん」
「あ、のりさん」

 自転車に乗っていたのはのりで、巴の隣に並ぶと自転車を降りてそれを引いて巴に合わせて歩き始めた。
 今日は部活があるから迎えに来れないと言っていたが、ここで会うとは。

「顧問の先生が急に来れなくなっちゃって、今日は軽く自主練して終わったのよ」
「そうなんですか」

 思わぬのりの登場に少し驚いたものの嬉しかった。
 が、のりを食べる夢を見ていたなんてと思うと少し後ろめたい気がする。
 そう思って少し目を伏せると、のりの膝に絆創膏が貼られているのに気が付いた。

「あ、これ? 練習で転んじゃって、ちょっと血が出たから…」
「血…」

 血、と言う言葉を聞いた瞬間心臓が激しく脈打ったのは気のせいでは無いだろう。
 同時に喉の渇きが酷くなるような気がして、息が荒くなっていく…。

「どうしたの巴ちゃん、なんか顔色が…」
「ごめんなさい、ちょっと先に…」

 それだけ言うと自分の胸に湧き上がってきた欲望が恐ろしくなり、思わずその場から逃げ出した。
 夢の光景がフラッシュバックし、恐ろしい欲望がはっきりした形を成す。
786貴女の味:2009/08/27(木) 07:16:06 ID:F0ULlOyj
――のりの肉を食べたい、血を飲みたい――

 ずっと感じていた渇望はこれだったのか。
 何故、こんな欲望が急に沸き上がって来たのかは分からないが、自分の奥底にあるもう一人の自分が怖い。
 あの夢を見たせいなのだろうか。それとも元々潜在的に潜んでいたのがあの夢で目覚めてしまったのだろうか。

「駄目駄目駄目、そんなの絶対駄目…!」

 走った走った先にあった公園のベンチに蹲り、頭を抱えて必死に自分を抑えつける。
 怖い、欲しい、いけない、食べたい、駄目、飲みたい…理性と欲望が自分を混乱させていく。

 以来、そんな欲望を紛らわそうとカニバリズム系の小説やDVDにも手を出すようになった。
 最初は軽い気持ちだったが段々とのめり込んでいき、今では暇さえあればこんな物を鑑賞している…気が違ってしまったとしか思えない。
 そして気が付けば作品の主人公をヒロインを自分とのりに置き換えており、自分がのりを食べる様々なシーンを想像してしまっていた。
 一向に、この異常な欲望は収まらないのだ――

―※―※―※―※―

 トントントン、と言う音がリズムに乗って隣から聞こえてくる。
 隣を見てみればのりが手馴れたように野菜を切っているのが目に入った。
 あれから買い物を終え、今は二人で夕食の準備をしている所だ。

「巴ちゃんが泊まってくれると晩ご飯の準備も手伝ってもらえるから嬉しいわ」
「いえ、これぐらい当然ですよ。ただでご馳走になるわけにはいきませんから」

 軽く微笑んでみせ、手元の小鍋に目を戻す。巴が作っているのは味噌汁で、のりはサラダ用の野菜を切っている。
 小鍋からいい匂いが漂ってきて、お玉で少し味見をする。
 うん、これで良いだろうとコンロの火を止めた。
787貴女の味:2009/08/27(木) 07:16:33 ID:F0ULlOyj
「いたっ…」

 それと同時にのりが短く声を上げ、見ると人差し指を抑えている。

「どうしたんですか?」
「ちょっと指切っちゃって…。あ、血が…」

 のりの手を取り、怪我した人差し指を見ると傷口から血が出ている。

(血…のりさんの…)
「あっ、巴ちゃ…」

 そう思った瞬間にはのりの指を口に含み、その傷口を吸っていた。
 血が、血が欲しい。一心不乱に傷口に舌を這わせ、一層血が出るように吸い立てる。
 僅かに広がる鉄の味が巴を興奮させ、更なる血を求めていく。

「んっ、あ…ちょっと、巴ちゃん…! 痛い…」
「あっ…」

 あまりにもがっつき過ぎたのか、気付けばのりの指から血を押し出すように手に力を入れていてのりの表情が痛みで歪んでいた。
 慌てて指を離し、しまったと思ってばつが悪そうに頭を掻いた。

「すいません、菌も搾り出した方が良いかと思って…。絆創膏、持ってきますね」
「うん、ありがとう…」

 照れ臭さを感じて慌ててその場を離れ、絆創膏を取りに救急箱が置いてあった所へと向かう。
 救急箱から絆創膏を取り出しながら血の味を思い出し、感じた事の無い快感や心地良さが湧き上がってきた。
788貴女の味:2009/08/27(木) 07:17:41 ID:F0ULlOyj
(のりさんの血…美味しかった…)

 それは人として明らかに間違った感想だ。だが同時に、自分の理性が警鐘を鳴らす。
 これ以上道を踏み外すな、思い止れと。

(…私ったら何を…! しっかりしなさい…!)

 残った理性で危険な感情を振り払い、深呼吸して気持ちを落ち着かせると台所へと戻っていった。
 だが、その甘美な味わいは、忘れられないほどしっかりと記憶に刻まれてしまった。


 その夜、真紅達が寝静まった頃。

「んっ、あ…! 巴ちゃん…激し…!」

 ベッド上でのりの体を求め、体を重ね合う。
 もっと、もっとのりが欲しい、味わいたい…狂った欲望を満たすほどに。
 のりの胸を激しく揉みしだき、口内を貪り唾液を搾り取る。

「ふぅっ、うぅん…!」
「あふ…ふぁっ、むぅ…!」

 口を離すと今度は体の上から下にかけて口付けを落としていき、紅い痕を付けていく。
 強く肌を吸い、時には歯を立てて隈なく痕を付ける。
 やがて股まで来た所でのりの秘所にしゃぶりつき、溢れる愛液を貪るようにして飲んでいく。

「やっ、だめ…そんなに吸っちゃ…!」

 のりが頭を押さえてくるが力が入らないらしく何の抵抗にもならすそれを意することなく舌を動かす。

「ああっ、や、あああぁぁっ……!」
789貴女の味:2009/08/27(木) 07:18:37 ID:F0ULlOyj
 やがてのりの体が激しく仰け反り、溢れた熱い愛液が顔に降り注いでくる。
 それを指で拭き取ってそれを舐め取り、肩で息をしているのりの隣に横たわる。

「のりさん…愛してます。食べちゃいたいほどに」

 そうのりの手を握ると、向こうも手を握り返してくれた。声で返事が出来ない代わりに、これで応えてくれたようだ。
 しばらくしてウトウトしていると、のりが思い出したように口を開いた。

「そういえばさ、最近の巴ちゃんって激しいよね」
「え…そう、ですか」
「うん…なんか、前よりもずっと…」

 言われて見れば異常な欲望に目覚めてから夜の営みが激しくなった気がする。
 それは自分の奥に湧き上がる異常なそれを、沈めようとする為…。
 最初はそれで満足できるのだが、しばらくするとあの欲望を思い出してしまう。

「…これが、本当の自分なのかも知れません」
「…どういうこと?」
「もしかしたら、私はのりさんが思ってるよりも…どう言えばいいのか分からないんですが…いかれた人間なのかもって」

 この異常な欲望を消すには、のりにそんな面を否定してもらうのが一番良いかも知れない。
 最初はショックを受けるだろうが、それで沈静化するなら構わない。間違いを犯す前に…。

「のりさんやみんなに見せてるのは仮面の私かもしれない…本当の私はどす黒い欲望の塊、汚い人間なのかも…」
「巴ちゃん…」
「そんな私が嫌なら…私は変わるつもりです。のりさんが望むなら…」
「ううん。私はそう思わない」
790貴女の味:2009/08/27(木) 07:19:00 ID:F0ULlOyj
 迷いの無い、はっきりとした口調でそう言われてのりの方を向く。
 のりの目は一点の曇りも無く、真っ直ぐこっちを見つめていた。

「私は、それぐらいで巴ちゃんを嫌いになったりしない。絶対に」
「…それは…でも…」
「大丈夫。むしろ、そういう本当の巴ちゃんを見せてくれた方が嬉しいな。どんな巴ちゃんだとしても、絶対に受け入れるから」

 頭を撫でられ、優しく微笑むのりを見て心底美しいと思った。
 だが同時に、自分の中のタガを外してしまった。

――ゼッタイニ、ウケイレルカラ――

 その言葉が頭の中で甘美に響く。何度も何度もエコーし、それが理性という壁を打ち砕いていく。

――受け入れる…じゃあ、自分の欲望も受け入れてくれるんですね…絶対に…――

 ああ、皮肉だ。止めてくれると期待したのに、反対に背中を押す結果になってしまった。
 だけど、もう迷いは無い。巴は落ちていたパジャマの上だけを羽織り、ベッドを降りた。

「巴ちゃん?」
「…ちょっと、忘れ物を取ってきます…」

 それだけ言うと部屋を出て行った。

 今夜、間違いなく私は禁忌を犯す。でも何故だろう。あんなに抑えていた欲望も、今では楽しみでしょうがない。
 だって、あの人は言ってくれた。絶対に受け入れるから、と。
 じゃあ、私と一つに…私の血肉になることも、きっと受け入れてくれるだろう。
 あの人はとても優しいから…。
 ああ、早く一つになりたい。一生一緒に生きて生きたい…。

 月明かりの差し込む台所で、巴の持つ包丁だけが美しく光り輝いていた。

終わり
791名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 07:21:58 ID:F0ULlOyj
以上です
…自分は巴さんをどういうキャラにしたいのだろうかw
そろそろ綺麗な巴も書きたいと思います
792名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 13:10:07 ID:hpSn6nkv
>>791
面白い。良かったぜ。
793名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 18:43:26 ID:TSDSOrFt
とうとう猟奇ネタが投下されたか…GJ!
794名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 22:38:50 ID:eHUJAjU7
細かいことだけどこれ巴×のりじゃね?
795名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:22:42 ID:yrtPL5gg
君に紡ぐ唄、三話目投下するよ
http://www11.atwiki.jp/rozen-yuri/m/pages/410.html?guid=on
796名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:24:33 ID:yrtPL5gg
 それは遠い昔。まだ科学が発展してなく、天災は神々によって起こっているものと信じられていた時。
 とてつもなく大きく、広い、海のような川があったとさ。
 そこに近いある漁村で船の転覆事故が多発したために、ある少女が人身御供として出された。
 川に流された少女が行き着いた島には水銀燈という、ずっと一人で暮らしているという少女がいた。
 二人で暮らしているうちにいつしか彼女達の間には恋心が生まれていた。
 そんな二人のちょっと不思議なお話。

 ──紡ぐ童歌
797名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:25:18 ID:yrtPL5gg
>>796

 大きな満月が見える。いや、それだけではない。その中に漆黒の翼のようなものが見える。
 なんだろう、あれは。そんなはずはない、私はあれを知っている。そう、あれは、
「っ……」
 口を開こうとして、瞳を開け、上体を起こした。夢だったのか。あの大きな月もその中に映る翼も。
 周りはまだ暗い。一度寝て、目が覚めてしまったらしい。隣では水銀燈が規則正しい寝息をたてている。
 以上に寝汗をかいてしまったらしい。体がべとついている。前髪をかきあげ、浅く息を吐いた。
「どうしたのぉ?」
 そんな私の様子に気づいたらしい水銀燈も起きたらしい。
「ごめんなさい、起しちゃったわね。大丈夫よ」
「大丈夫そうじゃないわよぉ? すごい汗」
 そう言いながら水銀燈は私の額に手をよせ、前髪を梳いた。
 怖い夢でも見た? と問いかける彼女の声がなんだか心地よくて、もう一度布団に体を沈めた。
 布団と言っても、カラスの羽のような真黒な大量の羽なのだが。
「なんだか、不思議な夢を見たの」
「へぇ、聞かせて」
 自然に指をからめて、顔を寄せ合い話すのはなんだか幼い子供が悪戯をしているような仕草でくすぐったい。
798名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:26:35 ID:yrtPL5gg
>>797

「大きな満月が見えたの。それはそれはとても大きな。その中に鳥……だったのかしら、分からない。とにかく、真っ黒な翼が見えたわ」
 話しながらなぜか、自然に微笑みさえ浮かんでいた。
「何故だかわからないけれど、その鳥を私は知っている気がしたの。変でしょ? 覚えはまったくないのよ?」
「……………………」
「水銀燈?」
「……えっ?」
「どうしたの? さっきから黙り込んでるじゃない」
「っ、そうだった? 真剣に貴女の話聞いてただけよぉ」
 腰を強く引かれ、自然に水銀燈と体を密着させるかたちになる。水銀燈は私の頭を胸のところに抱えたために、彼女の表情が見えない。
「気をつけてたつもりだけど、」
 だから、そう呟いた彼女の表情を私は見ることができなかった。
「意外に見られてたのかしらねぇ」
 いきなり視界が開けたと思ったら私は水銀燈の奥に天井を見ていた。つまり、彼女に組み敷かれたようになっている。
「私はね、真紅。本当にあなたが好きなのよ」
 そう言いながらちゅ、と手の甲に口づけされて思わずひくりと肩が震えてしまう。
「水銀燈?」
「ごめんねぇ。卑怯なことするかもしれないのぉ」
「な、にを……」
 しようとしているの。と言おうとして唇を塞がれた。
799名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:27:43 ID:yrtPL5gg
>>798

 水銀燈の長いまつげ。いつもは強く光る紅の瞳を閉じた状態では余計にそれが強調される。あぁ、キスされているんだ。
 と分かったのはそのまつげがすごく近くにあったことと、唇を塞いでいるものがいやに柔らかいということからだった。
 私の腰に回っていた手が徐々に帯にまで回ってくる。脱がされるんだ、と頭の片隅で変に冷静な自分がいた。
 するすると帯を奪われて、着物の前を開かれる。
「ふふ、真紅がどこかのお姫様、じゃなくてよかったわぁ」
「何でよ」
「長襦袢や肌襦袢とか重ね着されてちゃ脱がしにくいものぉ」
「あら、その方が面白いものが見れたのかしらね」
「かもねぇ」
 そう言いながら彼女は開いた着物の隙間から私の首筋に唇を寄せて、強く吸いついた。
 着物を脱がされて襦袢一枚にされてしまった。少しだけ恥ずかしくてそっぽを向けば耳を甘噛みされた。
「っ……」
「ふふ、可愛い」
「す、水銀燈も脱ぎなさいよ」
 自分だけこんな状態なのが恥ずかしくて思わずそう口から出ていた。
 そう言われた水銀燈は少しだけ目を丸くしたが、するすると自分の黒の着物を脱いで襦袢までも脱いでいた。
「はい、これでいいでしょう?」
 そう言いながら今度は私の襦袢に手をかける。するりと前を開かれて、続いて裾よけは脚を滑らせていとも簡単に脱がされてしまった。
800名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:28:41 ID:yrtPL5gg
>>799

「ふふ、ちっちゃい」
 小馬鹿にしたような笑みを浮かべながら彼女は私の胸辺りに手を置いた。
「う、るさいわねっ!」
 確かに自分の胸は年齢以下というか、幼い少女のそれと変わりないほどの大きさだった。
 それに対して水銀燈は年齢以上のものを持っていて、彼女が動くたびに柔らかく揺れて女性の象徴そのものだった。
「でも可愛いわよ」
 うわごとのようにそう呟いた水銀燈は私の胸に唇をよせ、その突起に吸いついた。
「ん、……っく」
 強く吸われるたびに体に電流が流れるような感覚がして、体が少しずつ反応してしまう。
 そんな自分が恥ずかしくて、顔を両手で隠すとその腕にキスの感触がした。
「暗いんだから、わざわざ隠さなくてもいいのにぃ」
 まぁ、見えるけどね。と腕を舐めあげた水銀燈が呟いた。
「真紅の全部が見たいわぁ」
 肩口に赤く跡が残るほど吸い付かれて、おそるおそる手をどかして水銀燈の表情を見つめる。
 真っ暗な夜に少しだけ水銀燈が映るのは月明かりが綺麗だから。
 あぁ、今日は満月に近い日なんだ。
 ちゅ、と水音が響いて、水銀燈の唇が私の腹を降りていく。
「あ、そこは、っ……んっ」
 膝を大きく割られ、その奥まで舌で愛撫されて自然と腰がひくつく。
801名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:29:45 ID:yrtPL5gg
>>800

「あぁっ、……ひ、んんっ」
 ぐい、と中が圧迫されたような感覚がしたかと思ったら水銀燈の指が入ってきたらしい。
「痛くなぁい? 大丈夫?」
「ん、ちょっと、……いた、けど」
 きゅうと喉が鳴った。
「痛いより、変な、気持ち悪い……」
「なら大丈夫。最初は仕方ないわねぇ」
 その内ゆるゆると水銀燈の指がゆっくり動き出した。
「んぐっ、……うぅ、ひっあぁ……や、んっ」
 頭が溶けそうで、こんな感覚は当たり前だけど初めてだった。
 でも何だか無性に水銀燈が愛しくなって、夢中で抱きついた。
「すい、ぎんとっ、……水ぎ、んとぉ……あああっ、や、……ひゃああ」
 指のスピード早まったことや質量が増えたことを理解する余裕もなくて、ただ水銀燈を想った。
「真紅、愛してるわぁ。……ずっと、何があっても」
 体がどんどん熱くなって頭も真っ白になって、自分が自分でなくなるくらい溶けてしまうような気がして。
「あ、あああっ……だめっ、ああああ──っ」
 びくびくと体が大きく跳ねて、私は意識を手放してしまった。
 意識を手放す瞬間、水銀燈の背中にあの夢に出てきたような漆黒の翼が見えたような気がした。


続く
802名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 16:30:33 ID:yrtPL5gg
以上です
やっとエロ投下できた。
着物とか分かりません(^p^)
803名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/08/30(日) 15:58:52 ID:jH4Wi0st
翠「はぁ〜蒼星石ー!!」
蒼「ああ・・・翠星石ぃ!」

姉妹は融合して総帥になりドイツ第三帝国を指揮したとかしなかったとか。
804名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:16:18 ID:TJfNy+sD
>>802
やはり真紅は貧乳が1番!
805夜のすごし方:2009/09/01(火) 23:12:54 ID:je6beXA6
「水銀燈〜お腹空いたわ」
「もう少しで出来るからこれでも飲んで待ってなさい」

そう言って真紅にヤクルトの瓶を差し出した。
真紅はそれを渋々受け取りリビングへと戻った。

真紅が私の家に今晩泊まることが決定して2時間あまりが
経過していた。
さっき真紅が「私が作るのだわ」とか言った時はさすがに肝を冷やした。
この子が姉妹一料理が下手だということは周知の事実なので即刻この
意見を却下した。
自分で言うのも何だけど私は姉妹の中でも1,2を争うくらい料理が上手い。

「さあて出来たわあ〜」
「もうお腹ペコペコなのだわ〜」
「はいはい、皿運ぶの手伝って」

「わあ〜すごいわ〜水銀燈!!貴女これ一人で全部作ったの?」
「ま、まあねえ。これくらい当然よお」
「すごいわ、さすが私の嫁ね」
「なっ・・・・・よ、嫁って・・・///」
「いただきます」

真紅は時々卑怯だ。
唐突にこういうことを言って私を困らせる。
まあ・・・・・嬉しいんだけど・・・・・


「ご馳走様。とてもおいしかったわ」
「ふふ、ありがと」
「洗うのくらい私がやるわ。せっかくご馳走になったんだし。」
「そお?じゃあ私お風呂沸かしてくるわあ」


食器洗いを真紅にまかせて私は風呂場へと向かった。
806夜のすごし方A:2009/09/01(火) 23:14:29 ID:je6beXA6
「真紅沸いたわよお〜」
「そう」
「先に入ってもいいわよお」
「貴女何言ってるの?一緒に入るに決まってるでしょ!!」
「ブハッ」

思わず飲んでいたヤクルトを噴出した。
真紅は今何て言った?
一緒に入るって言ったわよねえ?
それってつまり・・・・・

「ちょっと汚いわねえ。ティッシュ、ティッシュ」
「うう・・・」
「真紅う、一緒に入るって・・・」
「言葉通りの意味よ。さ、早く入りましょ♪」

真紅はノリノリだった。
そりゃあ私だって嬉しくないってわけじゃない。
むしろ嬉しいくらいだ。でも・・・・・やっぱり恥ずかしい・・・
こういうのは、もうちょっと後の方じゃないのかしらあ?

「へえ、割と広いのね」
「そ、そうかしらあ?」

こうしてみると真紅の身体はとても綺麗だった。
とてもスレンダーで、私はしばらく見入ってしまいそうだった。
まあ、胸の方は・・・・・可愛そうだからノーコメントで・・・

「さて、背中流してあげるわ、水銀燈」
「い、いいわよお。自分で洗うわよお」
「なに恥ずかしがってるのよ、ほら早く」
「ちょ、ちょっと真紅う///」
「何?」ゴシゴシ
「貴女、わざと変なとこばっか洗ってなあい?///」
「気のせいなのだわ、ほらじっとしてて」
「し、真紅ぅ〜そこは駄目え〜///」
807夜のすごし方B:2009/09/01(火) 23:17:23 ID:je6beXA6
風呂からあがった私たちは他愛もない話をしたり
深夜によくやってるB級映画をぼんやり眺めたりしていた。
私は映画を見るふりをしながらこっそり真紅を盗み見していた。
髪を下ろしてる真紅が可愛い過ぎる・・・

映画も半ばに差し掛かったところで
さすがに少し眠くなってきた。
そろそろ寝ようかしらあ・・

「そろそろ電気消すわよお」
「そうね、もうこんな時間だし」
「おやすみ真紅」
「ええ」

電気を消して自分のベッドに入ろうとすると後ろの裾
を掴まれた。

「どうしたの真紅?」
「い、一緒に寝ない?」

顔を真っ赤にしながら真紅はそう言うと俯いてしまった。
彼女がこんなに顔を真っ赤にしてるのは珍しい。
真紅の提案を断る理由は欠片も無いので私は即決した。

「しょ、しょうがないわねえ〜いいわよお、と、特別よお〜」

嬉しさのあまり声が上ずってしまったのはここだけの話。

「ありがとう水銀燈・・・大好き・・・///」
「ふぇ?」
「さあ、早く寝ましょう♪」

真紅はそう言うと電気を消してしまった。
しかし、その方が私も都合がよかった。
こんな真っ赤な顔真紅には見せられないから・・・

朝起きると真紅はいなかった。
机には置手紙が置いてあった。

バイトがあるので帰らせてもらうわ。
昨日はありがとう、とても楽しかったわ。
それから


今日も泊まりにいくからおいしいご飯頼んだわよ?

「・・・・・・・真紅のおばかあさん・・・」


私は自分の顔が自然とにやけていることに鏡を見て気付いた。
808名無しさん@秘密の花園:2009/09/01(火) 23:20:39 ID:je6beXA6
>>734>>735の続きです^^
この二人はSS書いてて一番楽しいです。
次は一回も書いたこと無い翠星石ものでいこうか
思案中です。

それじゃノシ
809名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 02:35:21 ID:ChGiEugg
やはり紅銀だよな
810名無しさん@秘密の花園:2009/09/05(土) 00:11:15 ID:5k0E4zmx
百合スレのパー速でリレー小説がどうとか話題が出ましたが、参加したいという職人さんはいらっしゃるでしょうか?
もしいらっしゃるならばパー速の方にレスお願いします。
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/part4vip/1222526125/
811名無しさん@秘密の花園:2009/09/05(土) 22:56:47 ID:6LAJIMS0
>>808
紅銀はいい、心が洗われるようだ・・・
812名無しさん@秘密の花園:2009/09/07(月) 22:27:27 ID:xxmwbbM4
需要あるのかわからんが雛金書いてる。
そのうち投下してもいいか?
813名無しさん@秘密の花園:2009/09/07(月) 22:42:06 ID:TFekxnyf
>>812
糞キム関連の書き込みは隔離所でやってください
無駄レスが増えてスレの雰囲気が悪くなるので
814名無しさん@秘密の花園:2009/09/07(月) 23:09:43 ID:1HvPbzqw
今パー速の百合乙女スレで銀x紅のAA借りて百合シチュストーリーやってるが、
この住人はやはり既にチェック済みなのかい?
815名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 00:12:44 ID:MvY90wjt
ふと思ったが、今隔離スレなんてあったか?
あったら>>812を誘導くらいしてやってくれ

書くのは自由だが、それで接着厨が元気になると投下した奴も不快感しかないだろうし
816名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 00:34:25 ID:2V2RG4jT
817名無しさん@秘密の花園:2009/09/08(火) 05:28:31 ID:2cTfCwsv
今までのスレの流れ読めば糞キムなんか需要あるはずないって誰でも分かるだろwwwwwwwwwwww
818名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 22:58:22 ID:0mmagwfC
なんでカナに粘着すんの?嫉妬?
819名無しさん@秘密の花園:2009/09/09(水) 23:27:19 ID:t8fqaVqr
しーっ
目を合わせちゃいけません
820名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 01:08:36 ID:pgvoxrxH
そんなことより妄想を文章化する作業に戻るんだ
821名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 03:52:21 ID:ybjvWNQ4
蒼×翠短編、投下します。
擬人化・エロ無しです。
822名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 03:54:26 ID:ybjvWNQ4
「全く今日という今日は本当に許さんですよ!」
そう言うと、君は頬を膨らませてプイッと横を向いた。
――これは本格的に怒らせちゃったかもしれないな…。
僕は彼女の横顔を見つめながら言葉を探す。

今、彼女が怒っている原因の源は僕だ。
三日前、僕たちは放課後に一緒に映画を観に行く約束をした。
彼女はその映画をとても楽しみにしていたから、僕も是非一緒に行きたかったのだけれど、
部活や生徒会があったりして2回も約束を破ってしまったのだ。

「ごめんね、翠星石。今日は何の予定もないから一緒に映画に行けるよ」
僕が話しかけても彼女は表情を崩さない。
「じゃあ、君の好きなチーズケーキも一緒に食べに行こう。それで許してくれるかな?」
「…翠星石は食べ物に釣られるような単純な人間じゃないですよ」
僕の方をチラッと見て彼女は言葉を続けた。
「部活や生徒会で蒼星石が忙しいのは知ってるですよ。翠星石も応援してあげたいと思ってますし、
 お姉ちゃんとしてしっかりしなくちゃいけないっていうことも分かってるつもりです。
 でも、翠星石だって淋しくなる時もあるんです…」
823名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 03:55:59 ID:ybjvWNQ4
彼女の声は震え、瞳は心の内を物語るかのように潤んでいる。
「そんな顔しないで…」
僕は翠星石を抱き寄せて、その瞳から涙があふれないように彼女の瞼にそっとキスをした。
「いきなり何するですか!?」
「僕のキスじゃ不満なのかい?」
驚いて目を丸くする翠星石に尋ねると、彼女は「べ、別に不満はないですけど…」とまた頬を膨らませ、
「もう一度、翠星石をギュッってしてくれたら許してやらんこともないですよ」と小さな声で呟いた。
「淋しい想いをさせてごめんね、翠星石」
僕はもう一度、彼女を抱きしめる。
すると彼女は、「まぁ、今回はこれで大目に見てやるですぅ」と言うや否や、
僕の腕を擦り抜けて駆け出して行ってしまった。

「ほらほら、蒼星石も早く来るですよ!急がないと映画が始まっちまうですぅ」
さっきまで泣きそうだった君が、今はもう笑顔で僕を手招きしている。
全く本当に子供みたいなんだから――。
「今すぐ行くから、ちょっと待ってて!」
僕は苦笑いをして走り出す。

――ねぇ翠星石、僕が君のその笑顔をずっとずっと守るから、いつも僕の傍で笑っていてね。約束だよ?
824名無しさん@秘密の花園:2009/09/10(木) 17:27:10 ID:7dmWVF+V
>>823
GJ!ほのぼのな蒼翠いいね
825名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 12:30:56 ID:q53A5R3a
今月の18日にYJ版二巻発売か、新たな百合ネタはあるだろうか。
826名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 19:41:53 ID:sYosofQQ
新刊wktk
827名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 20:00:22 ID:mkvC+OH+
遊郭を舞台にした蒼翠連載書いてたら鬱になってやめた。
もう秋ですねぇみたいなマターリしたエロでも書こう。
828名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 22:02:27 ID:UekfjkKx
ドMな水銀燈
829名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 14:32:44 ID:UwupToDJ
>>827
ぎゃあああああ見たかった・・・orz
蒼翠って鬱なのが似合わないか?www
原作では寧ろバッドエンドを望んでしまってすらいる
830名無しさん@秘密の花園:2009/09/19(土) 14:48:14 ID:qIKPmil8
ほのぼのが一番似合うよ今の段階で原作が鬱なんだからもう充分
思うのは人それぞれだけど自分はハッピーエンドを一番に望んでる
831名無しさん@秘密の花園:2009/09/20(日) 23:19:16 ID:pp2o5Nhz
鬱展開からの最後ハッピーエンドがいいなぁ
832名無しさん@秘密の花園:2009/09/29(火) 11:23:51 ID:3D8a5JrW
過疎age
833名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 23:27:56 ID:cNNJajhM
銀受、擬人化注意。



紅「今日は十五夜ね、水銀燈。」
銀「十五夜って言ってもねぇ…もうあたし達は月見するような年じゃないわよぉ?」
紅「はい、ここで質問なのだわ!月に住んでいる生物といえば?」
銀「スルーするのねぇ…まぁカニだのワニだの言われてるけど一番メジャーなのは兎じゃなぁい?」
紅「流石ね…正解した御褒美にこのバニースーツを着る権利をあげるのだわ。」
銀「そんな権利いらないわぁ!もう寒い夜の時期なのにこんな露出が高い服着てられないわよぉ!」
紅「どうせ次の冬コミでバニーさんオンリー本出す時に売り子を頼むのだからその予行練習だと思って頂戴!」
銀「あんたまた人に売り子やらせる気なのぉ!?夏コミの時も暑い中長時間大変だったんだからぁ!」
紅「チッ…こうなったら…出でよ、雪華薔薇眼帯シスターズ!」
雪「お月見団子が美味しいですわぁ♪」モフモフ
薔「さーんじょーう……」
紅「二人とも、水銀燈を押さえていて頂戴!」
銀「ちょ、ちょっとぉ!二人ともやめなさいよぉ!」
薔「バニー銀ちゃん…エロス…」
雪「私はどんなコスチュームプレイでもOKですのよ♪」
紅「…と、いう訳で頼んだわよ水銀燈。」
銀「ちょっとあんた達ぃやめなさアッーーーーーーーーーーー!」

水銀燈は三人が調理した後、美味しくいただきました

活性化を祈りつつ保守。
834名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 00:48:21 ID:6xLsn/Ol

銀様受け好きだ
835名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 01:27:34 ID:q/LoM4I9
さりげなく腐女真紅だwww乙です
836名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 13:20:12 ID:+DcUL3AA
銀様は総受けであるべきだ
GJ
837名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:37:01 ID:zWEVEeNA
前回からまた時間が経ってしまったけど、投下します

甘い悪魔の囁き

エロ、鬼畜につき苦手な方はスルーお願いします
838名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:37:32 ID:zWEVEeNA
大空を舞う鳥が自由に見えた
大海を漂う魚が羨ましく思えた
だけどそんなものは幻想
実際に見てみると、壮絶な生存競争が繰り広げられている
無事に産まれても成体になれるとは限らず、なれたところで常に捕食者の恐怖に怯えなければならない
だからこそ、子孫を残す事にも必死になれるのだろう
…そんな本来の意味を無視し、生殖行為を快楽として貪るのは人間ぐらいだ
況してや同性愛のように、何も生産しない無駄な感情を抱くのも人類特有なのかも知れない
そうやって陋劣してきたのに、今の僕はそれらをバカに出来ない状況だ
毎度ながら抱かれる行為に抵抗はあるし、嫌悪すら感じるのに…
何故かその瞬間だけは、身を委ねて気持ち良くなってしまっている
最近…いや、本当はもっと前からだと思うけど、自分の事がよく判らなくなってきた
嫌な事は嫌
それは変わらないのだけど…

「邪魔です。蒼星石」
「え、あ…ゴメン」

不意に背後から声をかけられ、我に返る
珍しく眼帯をしていない雪華綺晶が、バスケットボールを片手に立っていた

「あれ…眼帯は?」
「あぁ…貴女はしない方が可愛いと言ったので、先生の目にもそう映るのではないかと思いまして…視界は不良ですが」
「…なるほどね」

僕のアドバイスをそのまま受け入れてくれたのなら可愛げもあるけど、あくまで先生繋がりか…
雪華綺晶からすれば、僕の立場が本当に羨ましいんだろうな
先生に愛されて成績も上がる…いや、彼女にとっては愛されるだけで幸せか…
でもやっぱり僕にはまだ、全てを受け入れる事は無理そうだ
それも時間の問題なのかも知れないけど…


第十一話『異常と正常』前編
839名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:38:59 ID:zWEVEeNA


「ありがとう御座いました!」
「はぁい。また明日ねぇ。じゃあ解散」

いつまで経っても慣れない炎天下の厳しい練習
でもそれさえ終われば後は自由にしていいというシステムが部員のやる気を失わせない
練習をサボったり不真面目にするより、終わってから好きなだけ遊べばいいからだ
そういう面ではつくづく…先生は指導者としてカリスマ性があると思うよ

「あらぁ、どうしたのぉ?」

先生を見つめていると、あちらから声を掛けて来た
ニヤニヤと笑みを浮かべて妙に嬉しそうだ

「いえ…ただボーっと…」
「無意識に私を意識してたという事かしらぁ?」
「え?…えぇ…まぁ…」

無意識に意識…矛盾してそうだけど、間違いじゃないから一応肯定しておく
その“意識”は決していい意味じゃないけど…
すっかり上機嫌になった先生は僕の横に腰掛け、頭を撫でてきた

「…少しは慣れたみたいねぇ」
「…何が…ですか?」
「こういうスキンシップよぉ」

その手が少しずつ降りて来て、首筋をくすぐるように触られる
この不快感…慣れはしない
ただもっと酷い事をされるよりはマシだから、抵抗しないだけなんだ

「…ひぁっ!?」

不意に、先生の舌が耳に触れた
油断している間にそこまで接近を許していたのか…

「可愛い声を出すわねぇ」
「…やめて下さい…誰かに見られます」

練習場にはまだ、道具を片付けてる部員が数人いる

「あの距離で見えるハズないでしょ?」

耳元でそう囁いて、腰に手を回してきた
確かに距離はあるし、あちらから見れば内緒話をしているようにしか見えないだろうけど…

「こういう事されるの…まだ抵抗あるのぉ?」
「汗ばんだ肌を舐められるなんて…嫌に決まってますよ」
「汗で蒸れたアソコはいいのにぃ?」
「う…」
840名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:40:37 ID:zWEVEeNA

それを言われると、もう何も言えない
クスクスと嘲笑を含んだ言い方が心を抉ってきた

「…僕だって…女なんですよ…」
「えぇ…知ってるわよぉ」
「…汗とか臭いとか…気にするんですから…」
「あらぁ…それは無神経な発言…ごめんなさぁい」

耳への愛撫を続けながら、息と共に声を注いでくる
不快極まりない行為だが、僕はそれを終わらせる術を持ち合わせていない
…されるがまま、成すがままだ

「だけど世の中には好きな人のおしっこを飲めるって変態さんもいるみたいよぉ」
「…せ、先生は…変態…なんですか…?」
「そうねぇ…流石にそこまでは無理だけど、正常とは言い辛いわねぇ」

聞くまでもない
異常なのは僕が一番知っている

「でもアナタの汗くらいなら平気よぉ…嫌がる顔もだぁい好きだしぃ」
「僕は嫌です…そろそろ本当にやめて下さい…!」
「やぁよ。私が決める事だもの」

段々と露骨になってきた愛撫
このままだと最後まで…という事も有り得る
外でなんて絶対に嫌だ
見つかったらヤバイのは先生も同じハズなのに…

「…くっ…」
「…アナタは耳が弱いのよねぇ」
「そんなトコ…強い人なんて…いるんですか…?」
「さぁ?アナタ以外興味ないからどうでもいいわぁ」

口に含みながら舐められたり、舌を中にまで入れてきたり…執拗な愛撫に身体の震えが止まらない
先生の方も完全にスイッチが入ったらしく、抵抗してもやめる気はないようだ

「…ぅぁっ…!?」

ジャージの上から、胸を鷲掴みされる
いつもと変わらない、乱暴な触り方…
先生だって女性なのだから、力を入れて揉まれても痛いだけなんて判っているだろうに

「いやっ!」
「ふふ…相変わらず可愛いおっぱいねぇ」

大凡、嫌がる僕を楽しんでいる…といった所か
今更だけど本当に意地悪だな

「あらぁ、興奮してるのぉ?」
「…ち、違います!」
「ここ、固くなってるわよぉ?」
「痛っ…!」

布越しにブラを下げ、突起を指で弾かれる
興奮してるワケがない…ただの生理現象だ
鳥肌や悪寒の類に似ているモノだと…自分に言い聞かせた
841名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:43:33 ID:zWEVEeNA

「…本当に惜しいわよねぇ」
「何が…ですか…?」
「私が男だったら、今頃アナタを妊娠させてるものぉ」
「……え?」

それは突拍子もない、独り言のような呟き

「どういう意味…ですか?」
「言葉の通りよぉ。中学を卒業すればすぐ16歳でしょう?妊娠しても結婚できるじゃなぁい」

笑い事じゃない
何?妊娠って…?
16歳で出産なんてしたら、高校進学とか以前の問題だ
こうやって身体を奉げる行為の意味も無くなる

「バ…バカな事…言わないで下さいっ!」
「強ち冗談でもないんだけどねぇ」
「え…?」
「私が女だから、アナタはあの条件を飲んだのぉ?」
「それは…」
「女同士ならHな事をされても、妊娠という最悪の結果だけは免れるって?」
「…」

先生に提案されて一晩考えた時、確かにそういう事も頭を過ぎった
そして現に、恥ずかしい事はいっぱいされたけど深刻な事態には陥ってない
でもあの条件を飲んだのは先生が女だったから…というだけでないのは、自分でもわかっている

「…3年間の付き合いと…バスケでの信頼があったから…です」
「…それが一番大きいでしょう?つまり私が男でも、アナタは身を委ねたのよぉ」

否定は出来なかった
今でも女同士の恋愛は異常だと思っているから、男だったら寧ろ、もう少し素直に受け入れているかも知れない
そう思える自分に益々嫌気が差すけど…

「初めてアナタを抱いた日…覚えてるぅ?」

忘れるハズもない
一番やり直したい過去だ

「誰もいない放課後の教室…アナタは最初だけ抵抗してたわねぇ」
「言わないで…下さい…」
「だけど下着を脱がせてここを舐めたら、簡単に果てちゃったんだものぉ」
「ぁ…っ!」

敏感な部分に触れられ、思わず声が漏れた
練習着の上からとは言え、いやらしく動く指の刺激に下腹部が熱くなる
濡れてる…それも凄く…
きっと先生も気付いているだろう

「あの時は時間がなかったから一度イかせるだけで終わったけど、もし私が男だったらどうなってたか判らないわよぉ」
「ぁっ…ぁぅ…!」
「少なくとも挿入はしてたわねぇ…もちろん生で…初めてを奪いながら…ね」

容易に想像できる
きっと理性は保ってくれない
数ヶ月も前の事だし、そもそも先生は男じゃないのに、なぜか鮮明に場面が浮かんで来た
842名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:45:29 ID:zWEVEeNA

「アナタは処女喪失の痛みでそれどころじゃないでしょうけど、私は夢中で犯すと思うわぁ」
「いやだっ…!」
「そして嫌がるアナタを押さえつけて、たっぷりと注ぎ込むの…赤ちゃんの種を…」
「んっ…ぁ…!」
「心配性なアナタは、毎日のように妊娠検査薬とか使うんでしょうねぇ…ふふふ」

それもきっと当たってる
学校にまで持って来るかもしれない
…有り得ない妄想なのに、どうしてこんなに想像出来てしまうのか…
どうしてこんなに…濡れて…

「!…せんせっ…やめっ…!!」
「あらぁ、今まで抵抗しなかったくせにぃ?」

気付かない内に、指が激しくなっていた
前回のような器具ほど強烈ではないけど、布で擦られる方が全体的な快感を蓄積していく

「このままじゃっ…!」
「イキそう?」

愉しそうに微笑み、尚も無遠慮に続ける
元からそれが目的だったのかも知れない
外では嫌だと思ってる間にイかされたのなら、言い訳の余地もないのだから

「!…ふっ…ぁ…!!」

お腹がキュッと締まり、せり上がって来る快楽を受け入れる
咄嗟に口だけは塞いだけど、痺れるような感覚に身体の震えが抑えきれない

「はぁっ…はぁっ…」
「…言葉で責められてイっちゃうなんて…やっぱりMなのねぇ」
「…違います…僕は…そんなんじゃ…」

力が入らない
身体にも言葉にも
濡れた下着が肌に纏わりついて気持ち悪い…
けど今は立てない…

「だったら淫乱なのかしらぁ?」

淫乱
それを聞いて、昨晩の事を思い出す
雪華綺晶に暴言を吐いた事だ
これじゃ僕も変わらないじゃないか…
843名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:47:25 ID:zWEVEeNA

「気持ち悪いのなら下着、脱いだらぁ?」
「え……い、いや…」
「足をモジモジしちゃって…着たままイったから気持ち悪いのでしょう?」
「…だけど…こんなトコで…」
「こんなトコでイった子が今更何を言ってるのよ。脱げないのなら、脱がせてあげるけどぉ?」

それだけは嫌だ
行為だけならまだしも、脱いだら遠目からでもわかってしまう
でも先生の顔は相変わらず楽しそうで、本当に脱がしたがっている
何とか回避しないと…と、思い付いたのは雪華綺晶の事だった

「下着は自分で何とかします…」
「遠慮しなくてもいいのにぃ」
「あの…それより…先生…」
「どうしたのぉ?」
「今日の…雪華綺晶…何か変わってなかったですか?」
「きらきー?…何かあったのぉ?」

先生の表情が少し曇った
僕をイジメて楽しんでいるのに、出された話題が関係のないモノだったからか
だけど僕としては、このままズレていった方が好都合だ

「眼帯…してなかったじゃ…ないですか」
「あぁ…そう言えばそうねぇ」

他の部員からはあれだけ注目されていたのに、忘れていたらしい
それとも、興味がない事は覚えないのだろうか

「それがどうかしたのぉ?」
「昨晩、その方が可愛く見えるって言ったら早速試してるんですよ」
「…え?」
「きっと先生に可愛いって言って欲しかったんじゃないですか?」

努力しているのに、全く振り向いて貰えない
先生は少し特殊だし、雪華綺晶にも落ち度はあるけど、彼女の努力を伝えてあげるぐらいはしてもいいだろう
だけど、そんな僕の思惑に反し、先生の顔は怒りに歪んだ

「…なにそれ」
「え…?」
「アナタに可愛いとか、私も言われた事ないのだけど…」
「いや…あの…」
「アナタ、雪華綺晶を口説いたのぉ?」

胸ぐらを掴まれて押し倒される
どうやら、予想外の結果を導いてしまったようだ
844名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 13:57:12 ID:zWEVEeNA
投下終了。
書きたい事が細か過ぎて、一話の中でも前編後編に分けるのに、その後編がまた数ヶ月後ってどういう事やねん。

ごめんなさい。
845名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 23:46:56 ID:gocqxNuj
乙 
いつも読んでるよ
846名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 23:57:23 ID:l/DRSSMt

いい感じだ
847名無しさん@秘密の花園:2009/10/08(木) 11:45:56 ID:vMfbfr4j
乙乙
続き楽しみにしてる
848名無しさん@秘密の花園:2009/10/08(木) 13:01:08 ID:ZnYFtWhb
水銀燈先生鬼畜wwwwwwwwwwwwww
だがそれがいい
849名無しさん@秘密の花園:2009/10/08(木) 18:21:12 ID:i7C86swo
この後ハードなお仕置きモードになるのか、それとも・・・
850名無しさん@秘密の花園:2009/10/13(火) 22:58:16 ID:q/8QQuLj
やっと新刊買えた

銀紅いいわぁ
851名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 16:32:20 ID:F1ZfdfZq
YJネタバレは・・・原則禁止だろうな。
852名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 23:07:14 ID:r4ZQtMvN
853名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 00:23:00 ID:ou0Hzs4p
>>852
やっぱり蒼翠はええのう(;´д`)ハァハァ
854名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 00:36:48 ID:JV8ey/zv
>>852
学生服というのがイイネ!
しかし蒼星石のスカート姿が見えない…

そろそろ容量ヤバいね
このスレ
855名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 02:13:26 ID:j0RT4z9+
512kbまでなんだっけ?
856名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 03:39:11 ID:JV8ey/zv
>>855
確かそうだった気がする
表示は500kbまでだったと思うけど
857名無しさん@秘密の花園:2009/10/17(土) 01:09:10 ID:vL0az+A3
10/17(土) 第三回漫画最萌 決勝戦

水銀燈 vs 桂ヒナギク
ttp://sorn.sakura.ne.jp/up/i/f7451.jpg 
ttp://nonamev2ak.sakura.ne.jp/up/mt/m18665.jpg

泣いても笑ってもこれで最後です。
決勝戦です。
ここまで来たからにはぜひ銀様に優勝を!
興味のある方は下記サイトにアクセスし、投票願います。

公式  ttp://book.geocities.jp/mangasaimoe2009/
投票所 http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1255610603/
858名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 11:44:29 ID:cQ1g2m7j
保守
それにしてもローゼンフェアってのはちょっと酷いな
画集、コミックス、YJ2冊…
しかも全員サービスではなく、それでようやく応募って…やめてくれ
859名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 12:28:19 ID:3GUaNEXo
なにを今更・・・
新装版ブックケース付きで吹っ掛けたり、帯の応募券7枚揃えてパネル抽選とか
さんざん食い物にされてきたじゃないか
860名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 15:42:32 ID:cQ1g2m7j
あぁ確かにな…
だが新装版は毎月発売だったから最後のボックス以外そんなに大金使った感覚なかったが、
今回のは画集のダメージがデカすぎる。
だが画集買わないとCにしか応募できんって…
マジ泣くぞ?
861名無しさん@秘密の花園:2009/10/23(金) 02:28:44 ID:8Tsgn3n8
流星群ですぅ
862名無しさん@秘密の花園:2009/10/23(金) 09:57:48 ID:m08/S6q9
こんなにも醜い私を
こんなにも証明しゆくだけ
でも必要として・・・
863名無しさん@秘密の花園:2009/10/27(火) 22:37:56 ID:vHWnlOFB
浮上
864名無しさん@秘密の花園:2009/10/29(木) 23:52:41 ID:f8LNzXwg
久々に集合絵描いたらなんだか百合臭くなった
http://mup.2ch-library.com/d/1256827867-2009102523570000.jpg
865名無しさん@秘密の花園:2009/10/29(木) 23:55:14 ID:1bGpDpnM
キム死ね
866名無しさん@秘密の花園:2009/10/30(金) 00:53:46 ID:uDCEPErP
>>864
これは良い・・・実に良いぞォォォッ!
867名無しさん@秘密の花園:2009/10/30(金) 16:57:08 ID:wAYiU2+6
まとめを見直したら銀紅・紅銀小説に萌え死んだ
868名無しさん@秘密の花園:2009/10/30(金) 23:20:29 ID:yMi+F9f8
>>864
もっと大きくみたいでござる
869名無しさん@秘密の花園:2009/10/31(土) 02:06:01 ID:alaNprPV
476 名前:薔薇乙女[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 10:04:38 ID:vmQqKVJe0
キムを無理やり銀様とカップリングさせてるキム信者が痛すぎる
あいつら本気でキムが銀様と釣り合うとでも思ってるんだろうか
あーキモいキモい
870名無しさん@秘密の花園:2009/11/01(日) 22:13:37 ID:8vKwNAeI
>>867
銀紅いいよなー
871名無しさん@秘密の花園:2009/11/02(月) 23:29:13 ID:Z6GilimK
>>870
普段反発してるからこそ、だよなあ
愛情と憎悪は紙一重な気がw
てか学パロがほのぼのしててすごく好きだー
872名無しさん@秘密の花園:2009/11/04(水) 00:14:01 ID:qcpWKXfS
雪華薔薇や薔薇雪華が好きだ。
姉妹設定でもそうじゃなくても。
873名無しさん@秘密の花園:2009/11/07(土) 18:41:17 ID:MvoSIYxV
紅銀でエロが書きたいけど
エロシーンが書けない
いっそのことエロ無しでいこうか
874名無しさん@秘密の花園:2009/11/07(土) 20:25:33 ID:ykpdXkaS
>>873
エロがあろうがなかろうが関係ない
さあ、臆せず投下を
875名無しさん@秘密の花園:2009/11/07(土) 21:44:48 ID:kLcdRCtn
>>873
き、期待してます><
876名無しさん@秘密の花園:2009/11/07(土) 23:22:34 ID:lLthQkMb
>>873
紅銀好きだけど少なかったからすごく嬉しい。
待ってます。
877雪薔:2009/11/08(日) 04:19:39 ID:amcEfmhn
なんかちょっとKYですが雪薔
台詞のみです





薔「・・・お姉様を・・・悪食、・・・」
雪「あら」
薔「・・・浮気者」
雪「ひどいわ」
薔「あ、」
雪「わたし悪食なんかじゃないわよ」
薔「眼帯、かえして」
雪「あの苺も貴女も美味しいものですもの」
薔「・・・たべないで」
雪「ふふ、かわいらしいわ」
薔「・・・」
雪「拗ねないで・・・わたしの可愛い“おにんぎょう”さん」
薔「・・・貴女なんて大嫌い・・・」
雪「わたしは貴女が大好き」
薔「うそつき・・・」
雪「愛と憎しみはわたしにとって同じですの、薔薇水晶」
薔「・・・わからない」
雪「わたしに水晶を突き立てる時、わかると思いますわ」
薔「・・・嫌」
雪「ふふ・・・」

878名無しさん@秘密の花園:2009/11/08(日) 05:58:16 ID:YtrkuRM9
>>877
雪華薔薇に飢えてたところでした、ありがとう。
879名無しさん@秘密の花園:2009/11/09(月) 02:00:12 ID:Orsf1BAa
>>877
雪薔なんて久々だ…
なんかちょっと切なくて怖いな…


ところで、見ていらしたらでいいのですが優氏へ、リレーの3話目が出来たので一言下さると幸いです。
大変遅れて申し訳ありません、この場を借りてお詫び申し上げます。
880名無しさん@秘密の花園:2009/11/11(水) 23:32:16 ID:Z339TBIL
>>873
紅銀いいよな
普段ちょっとSっぽい銀ちゃんが真紅の前でだけちょいMになるのとか想像すると萌える
881名無しさん@秘密の花園:2009/11/12(木) 21:36:54 ID:POThGr24
銀ちゃんの対真紅限定Mとか萌え死ねる…
882名無しさん@秘密の花園:2009/11/12(木) 22:06:35 ID:nLkQaqPW
今月のヤンジャンを読んで思った
銀様は見た目はドSだけど実はドMなんだと・・・!
883名無しさん@秘密の花園:2009/11/13(金) 14:31:34 ID:jjv507dX
真紅X水銀燈は鉄板だけど、今週のYJ見て金糸雀X水銀燈も
いいと思ってしまったのは私だけでしょうか?
884名無しさん@秘密の花園:2009/11/13(金) 16:23:08 ID:pQa82OXA
いいえ、わたしもです

今週は蒼星石が男前すぎて吹いた
いかん、あぶないあぶないあぶない
885名無しさん@秘密の花園:2009/11/13(金) 23:01:29 ID:ul3ipGVM
>>883
水銀燈総受け大好きだからどんな相手でも萌える
886名無しさん@秘密の花園:2009/11/14(土) 00:06:32 ID:mXaLaSdq
「う〜寒いわあ・・・・」

気付けばもう11月の中ごろで季節は冬に近い。
大学に入ってからは時間が経つのがとても早く感じる
というがまさにその通りだった。
今日は1講義目からあるので冷たい風が吹き荒ぶ中
学校へと向かっている。
すると後ろから馴染みの声が聞こえてきた。

「水銀燈〜待ってかしら〜」
「金糸雀?」

後ろを向くと顔を赤くしながら走ってくる金糸雀の姿があった。
寝癖の髪はピョコピョコと揺れているのが何とも可愛らしい。
彼女とは同じ大学なのでよく会ったり遊んだりする。

「やっと追いついたかしら〜」
「あら、貴女も今日は1講からあるの?」
「そうよ、私は朝に弱いから1講に出るのは今日が始めてかしら!」
「・・・威張って言うことじゃないと思うけど」

半ば呆れながらそう答えてやると

「成績優秀な人が言うことはやっぱ違うかしらー」
「フフッ」

顔を膨らませながら憎まれ口を叩く金糸雀。
そんな姿も実に微笑ましい。

「クシュンッ」
「水銀燈、大丈夫かしら?」
「へ、平気よ」

冷静を努めてそう答えるが、生憎今日はマフラーも手袋も
して来てないのでより一層寒く感じる。
このままじゃ風邪ひいちゃうかも・・・・・

「しかたないかしら、よいしょっと」
「ちょ、ちょっと金糸雀、何してるのよ?」
「何って、水銀燈が寒そうだからカナのマフラーに入れてあげるのかしら」
「べ、別に私は寒くなんか・・・・」
「そうやって無駄に強がる所は悪い癖かしらー」
「なっ・・・・・」

図星を突かれたので何も言えない・・・・・
何か悔しい。
何故かこの子の前だけではいつも部が悪い。

「暖かいでしょう?」

笑顔でそう尋ねてくる金糸雀。
何故か胸の鼓動が早くなるのを感じた。

「・・・ええ、そうね。とても暖かいわ」

大学までの道のりがいつもよりとても短く感じた。
887名無しさん@秘密の花園:2009/11/14(土) 00:08:21 ID:mXaLaSdq
今週のYJを見て勢いで書いた。
反省は全くしていない
888名無しさん@秘密の花園:2009/11/14(土) 05:52:54 ID:duql0qiK
>>887
反省する必要があるだろうか?
ほのぼの金銀ありがとうございました
889名無しさん@秘密の花園:2009/11/14(土) 12:39:47 ID:u2wwLycy
金総浮け派の俺が一言もの申す……GJだ!
890名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 20:25:42 ID:DYBzBJDw
浮いているのか
891名無しさん@秘密の花園:2009/11/16(月) 01:14:38 ID:EXwVBJ0r
水銀燈は愛に飢えてるよね
なのに誰にも愛されなくていい、とか…
可哀想だって…(´;ω;`)
だから銀受けを見ると何かホッとする
892名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 19:03:08 ID:gHxV5kQZ
>>873
既に「真紅が百合乙女になるようです」シリーズがあるからそっち見てみたら?
ローゼン2次創作つうより真紅と水銀燈を役者に借りた物語だけど、それでも紅銀で楽しめる。
893名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 20:36:10 ID:SmcsT+8E
>>892
え〜と・・・やる夫(笑)スレだっけか?
894名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 02:33:41 ID:aMmUjPjT
SS書く時エロ描写で苦戦する人多いね
895名無しさん@秘密の花園:2009/11/19(木) 10:51:57 ID:PXQqtCV2
ごめんね
参考にする作家が森奈津子だからシリアスになれなくてごめんね
896名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 12:37:31 ID:MNQdVp0V
真紅×翠星石のシチュをふと思いついたので書いてみた。
規制されてなければ投下します。
「突然ですが真紅!」

真紅がソファーで紅茶を飲んでいると、唐突にこんな声が聞こえた。
振り返ると、なにやら翠星石が憤慨している様子だった。

「何?もうすぐくんくんがはじまるから手短にね」
「なら一言で言ってやるですぅ、もっと私を敬うですぅ!」

真紅の表情が、少しだけ変わった。
言葉は発しなかったのだが、その表情が、
『はぁ?』とか、『何を言ってるの貴女は』などと語っていた。

「つまり……いいですか真紅。
 多分、今は真紅の頭の中でのヒエラルキーはこうなってるはずですぅ」

そう言って、翠星石は一枚の紙を差し出す。
覗き込んでみると、そこにはこう書いてあった。

『真紅>翠星石>のり>雛苺>JUM』

「……まあ、確かにこんなところね」
「そうですぅ、だがしかぁし!」

そう叫んで、翠星石はびしっと真紅に指先を向けた。

「薔薇乙女としての順番は、真紅より翠星石の方が先!
 すなわち、翠星石のほうがお姉さんなんですぅ!」
「……だから敬えと?」
「そういうことですぅ」

ふふん、とふんぞり返る翠星石を前に、真紅は呆れたような困ったような表情を浮かべる。
そうしてしばらくすると、ふと思いついたように紅茶を置いて立ち上がる。
何をするのかと疑問に思っている様子の翠星石に向き直り、その頭に手を伸ばす。

なでなで。

穏やかな笑みと共に、翠星石の頭を撫でる。
翠星石は、真紅の唐突な行動に驚き、その真意を測りかねていたが、
頭をなでられるその心地のよさに、次第にどうでもよくなってきていた。

「えへへぇ……」

翠星石は、照れたような、そして心地よさそうな笑顔を浮かべる。
そのまま真紅は翠星石の長い髪を乱さないよう、優しく撫でる。
しばらく、ほのかに甘い空気を漂わせながらただ時は過ぎる。

そのうち、真紅にとって馴染み深い曲が流れる。

「おっと、くんくんが始まってしまうのだわ」

そう言って真紅は急いでソファーに戻る。
ふっ、と現実に引き戻された翠星石は、寂しそうにその姿を見ていた。
それを感じてか、真紅はソファーに座ると、すぐに翠星石の方を振り返った。

「おいで、翠星石」

そう呼びかけられた翠星石の表情が、ぱぁっと明るくなる。
そうして、ふらふらとソファーに歩み寄り、真紅の隣に座った。
「って違うですぅ!」

そこでようやく翠星石は我に返った。

「うるさいのだわ、何が違うのよ」
「何もかも!もっとこう、姉として敬うですぅ!」

しばらく、真紅は先ほどと同じように翠星石を見つめていた。
くんくんのオープニングは終わり、番組はCMに入っていた。
そして、一つ目のCMが終わるか終わらないかのうちに、真紅は次の行動へ入っていた。

「お姉ちゃん、えらいえらい」

そうして、真紅は再び翠星石の頭をなでた。
再び、穏やかで優しい笑顔で。

「えへへぇ……もっと呼ぶですぅ」
「お姉ちゃん」

それを受ける翠星石の表情は、緩みきっていた。
そうしているうちに、くんくん探偵の本編が始まった。
『それでは、次回のくんくん探偵をお楽しみに!』

「って、やっぱり違うですぅ!」
「いまさら!?」

くんくんの人形劇の放映は終わり、再びテレビの映像はCMに入ったのだが、
真紅は名推理の余韻に浸る間もなく、現実に引き戻された。

「こっ、こんなことで翠星石が喜ぶと思ったですかぁ!?」
「いや、物凄く嬉しそうだったじゃない。
 しかも結局、くんくんの流れる三十分間ずっと撫でられてたのだわ」

ぐっ、と翠星石は言葉に詰まり、少しの間沈黙が流れる。

「……だ、第一、頭を撫でるのは姉の仕事ですぅ!よって真紅の頭を撫でさせるですぅ!」
「それはかまわないのだけれど、どうすればいい?」
「えーっと……」

思案する様子を見せつつ、翠星石は真紅を見つめていた。
そこからひとつの結論に結びついたらしく、翠星石はぽんと手を打った。

「とりあえず、翠星石に抱きつくですぅ」
「……あぁ」

真紅はそう呟くと、翠星石のお腹の辺りに手を伸ばし、顔を胸にうずめる形で翠星石に抱きついた。

「こんな感じかしら?」
「う、うん、まあ、そんな感じですぅ」

何のためらいもなく抱きついた真紅に困惑しているのか、
それとも真紅の顔がかなり近くにあることに胸が高鳴っているのか、
翠星石はすこし混乱した様子を見せていた。

「じゃあ、えーと、……よしよし」

翠星石は、ほとんど目の前にある真紅の頭に、右の手でそっとふれる。
こんな形で触ったことがなかったので、なかなか新鮮な感覚だった。
そのまま左手を抱き寄せるように添えて、右手で撫で始める。

真紅は少し、くすぐったそうなそぶりを見せるが、目を瞑り、そのまま体を翠星石にゆだねた。

「結構悪くないのだわ。これは貴女も篭絡されるわけだわ」
「う、煩いですぅ……」
「ほら、手が止まってる。お姉ちゃんでしょ貴女は」
「…………」

そう言われて、黙って翠星石は真紅の頭を撫でる。
真紅は、翠星石の腕の中で心地よさそうに目を瞑っていた。

密着している、無機質のはずの互いの体が、温かく感じられる。
そのうち翠星石も、目を瞑りながら真紅の感触を感じ取ろうとしていた。
「……なにやってんだこいつら」

ジュンは、抱き合いながら眠る二人を見て呆れた表情を浮かべていた。

「ったく、寝てると大人しいんだけどなこいつら……当たり前だけど」

ほうっておいて自室へ戻ろうとしたところ、
雛苺が真紅たちのほうへ気がついてとてとてと走ってきた。

「二人とも仲良しさんなのー、ヒナもー!」
「こらこら、寝た子を起こすな。折角静かなんだから」
「ぶー」

不満そうに膨れる雛苺を、ジュンはひょいっと持ち上げた。

「それより今日も柏葉が来るって言ってたから、大人しく待ってろ」
「トゥモエが!?わかったの、大人しく待つのー!」

うきうきとした様子を表情に思いっきり表しながら、雛苺はいそいそとリビングを出て行った。
それを見届けた後、ジュンはため息をひとつ、ついた。

「……女同士ってあんな仲いいもんなのかな、それとも――」

誰にも聞かれることのなかった呟きと共に、ジュンも部屋を出て行った。



以上です。
某所で真紅に頭を撫でられる翠星石を見てついカッとなって書いた。
書いた後、百合じゃないとある漫画に似てるなーって気はしたけど、まあいいか。
ちょっと翠があほの子気味だけどそれもまあいいか。
901名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 20:34:25 ID:s7LGlt9R
こういうのは和むなぁ…
翠星石はこれぐらいアホな方が好きだ
902名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 01:08:22 ID:X9zWmY+s
>>900
素晴らしい
翠X紅もアリだな。
とりあえずGJ!
903名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 14:40:35 ID:+GFLKI9t
>>900
お姉さんになりたいけどなりきれない翠って萌えるよね
GJ!
某所ってもしや…
904名無しさん@秘密の花園:2009/11/27(金) 08:38:07 ID:OeJSphuA
さて、容量が残り少ないけどどうする?
905名無しさん@秘密の花園:2009/11/28(土) 09:20:19 ID:8VHDjlaf
めぐを返しなさい!
906名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:10:04 ID:cUPaKOf2
この雑談の少なさだと1000行く前に投下で容量オーバー落ちのが早そうだな
907名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:13:29 ID:XqFqJJAX
ローゼンでは百合が好きだけど過疎で悲しい
908名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:13:57 ID:teuuyMZ/
じゃあ雑談するか
909名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 00:23:29 ID:cUPaKOf2
なんというかまとめ見てて思ったけど読み切りが完全に勢い無くしたよね…
910名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 11:04:46 ID:LkKSRwph
しゃーないわ元々職人少ないし
911名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 13:47:20 ID:zjk5Ddqo
会話文は書けてもSSは書けないんだ、ごめんね
912名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 15:25:49 ID:ipyNTd4T
会話文が書ける(=脳内にシチュがある)ならSSも書ける……と思う
身体や心の動きを地の文として付け足せばとりあえず書くことはできる

上手く書く方法は俺が知りたいぐらいだけど……
913名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 20:22:21 ID:cUPaKOf2
会話文だけでの短編でもいいじゃない!
経験が大事だと思うぞ
914名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:53:16 ID:teuuyMZ/
何だか元気ないらしいからもうちょい後に投下しようかと思っていた蒼翠長編の一話でも投下するわ
915名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:53:37 ID:teuuyMZ/
 それは、私立薔薇学園でのことだった。幼稚園から大学院まである由緒正しきその学園の国営図書館顔負けの貯蔵数を誇る学園の図書館だった。
 初等用校舎の中に入っており、その図書館の一つの窓が音もたたずに開いた。
 といっても、何もホラーというわけでなく、開けた本人が音たたぬ様に気を配って開けただけ。
 図書館には人っ子一人いる気配はなかった。それもそのはず、今は授業中で、図書館で読書しよう者がいなかった。
 窓を開けた少女はその窓の直下にある本棚に片足を下ろした。
「うん、誰もいない」
 そうやって確かめるように呟いて窓を越えて外から入室した彼女は身長の半分ほどしかない本棚から飛び降りた。
 一見、少年にも見える中性的な顔立ちに亜麻色の肩まで伸びたさらさらの髪。
 決して色白ではないが、スラリと健康的に伸びた手足は今後の成長が楽しみなほどに可愛らしい子だった。
 カバンを無造作に放り投げて、その本棚を背にもたれかかりながら、座り込んだ。

 『今日はサボりの日』
916名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:54:19 ID:teuuyMZ/
>>915

 ほどなくして彼女はカバンからMDプレイヤーを取り出し、イヤホンを耳にあてがった。
「iPodの時代にMDプレイヤーとは、ね」
 プレイヤーを見ながら彼女がそう呟いた。薄汚れて、使い古したようなそれはえらく年期を感じさせる。
 それもそのはず、このプレイヤーは今は亡き両親の形見であった。今、彼女が眺めている薄いブルーのそれは父親のもの。もう一つ、薄いピンクの母親のそれは。
 ──すごいです! これで音楽が聞けるんですか!
「まぁ、いいか」
 両親の形見だと思うと新しいものなど欲しくなくなってしまう。
 しばらくそうして、両親のことに思いを寄せている時だった。
 そんな深い思いもかき消してしまうような、ばたばたと響く廊下を走る音が耳に届いた。
「お、来たかな?」
 彼女が声を発したのとほぼ同時に図書館の扉を開いて少女が現れた。
「なっにしてやがるですかぁ! 蒼星石ぃ!」
 そう言われた少女──ややこしくなるので名前を呼ぼう──蒼星石は別段慌てることもなく、
「やぁ、翠星石」
 と軽く右手をあげてみせた。それが翠星石の逆鱗に触れたらしく、火でも噴きそうな顔で叫んだ。
「やぁ、じゃねぇですよ! 今は授業中です! 何してやがるですか」
 言葉遣いがいいのか悪いのか分からない彼女はずんずんと蒼星石のもとまで歩み寄った。
 蒼星石と似た顔立ち、それもそのはず、彼女達は双子なのだから。
917名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:54:56 ID:teuuyMZ/
>>916

 ただ違ったのは、腰まで伸びている長い巻き髪高い位置でポニーテールしていた。
「翠星石だって授業中でしょ?」
「私はいいんですよ。蒼星石のお姉ちゃんなんですから、妹がいなくなったら探すのは当たり前です」
「僕は、先生公認でサボれるんだけど」
「はいはい、です」
「本当なんだけどなぁ」
 これは、真実だった。蒼星石は学校創立以来の秀才で、もう六年生の勉強も終わってしまった。
 もちろん、ただの六年生ではない。きちんと、進学校らしい他の公立学校より数段上のレベルの学習だ。
「あなたはもう勉強する必要はないわ。遊んでていいわよ」
 と、担任教師が言ったから、その日からはサボり記念日。晴れて学校公認で自主休講できるようになった。
 同じクラスではない翠星石がそんな事件を知るはずもなくこうやって蒼星石がサボっていると止めに来る、というわけだ。
 中等部へ飛び級で進学させようか、という話も出たらしいが、祖父母が断固拒否したらしい。
 飛び級なんて自分でもしたくなかったので、祖父母にはとても感謝している。
「でも翠星石、僕は──」
「お姉ちゃん、私」
「え?」
「私のことはお姉ちゃん、自分のことは私って言うですよ」
「あれ、言ってなかった?」
 翠星石はふぅとため息をつくと困ったように眉をハの字に下げた。
「いつからそんな子になっちゃったですか」
 育てられた覚えはないよ、と蒼星石は言おうとして、口を接ぐんだ。そんなこと言ってどうにかなるほど翠星石は手ごわくないことを知っていた。
918名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:55:21 ID:teuuyMZ/
>>917

「さ、授業ですよ! お姉ちゃんと一緒に来るです」
 ――お姉ちゃん、か。
 いつからそう呼ばなくなったっけ。もう忘れてしまった。それくらごく自然に彼女を名前で呼ぶようになった。
 まぁ、姉と言っても双子という身分ではたかが数秒の姉。別に名前で呼んでも構わないような気もするが、何故だが翠星石はそれを気にしているらしい。
「ねぇ、翠せ……」
「お・ね・え・ちゃ・ん!」
「……お姉ちゃん……」
 そう呼ばれた翠星石は至極嬉しそうに振り向いた。
 なんだか心臓がギュッとつかまれたような気分になってきた。この症状は、姉と呼ばなくなってから頻繁に起こるようになった気がする。
「何ですか?」
 あぁ、胸騒ぎがする。
「たまにはさ……」
 断られるのは分かっている。でもこの胸騒ぎの真相を確かめるために自然と口から出ていた。
「一緒に、サボらない?」
 これは、蒼星石にとって一種の賭けだった。これでもし翠星石が断ったらもうこの感情は忘れて、彼女を姉と慕って普通の姉妹でいる気だった。
「な、……私はそんな……」
「最近、全然すいせ……お姉ちゃんと喋ったりしてなかったからゆっくり話したいな、ってダメ?」
 蒼星石は、自分で少し必死になっていることには気づかなかった。いや、気づきたくなかったのかもしれない。
「っ……仕方ないですねぇ」
 お姉ちゃんという言葉がきいたのかもしれない。翠星石は少しだけ笑顔になると蒼星石の手を握ったまま先ほどの本棚を背にして並んで座った。
919名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:57:01 ID:teuuyMZ/
>>918

「さて、何が話したいんですか?」
 そう言われてしまえば、別段言うこともなく少し黙ってしまった。
 翠星石は断らなかった。ならば自分がすることは一つ。この気持を確かめるために蒼星石は翠星石の手をぎゅっと強くつかんだ。
「翠星石……」
 いや、本当は確かめる必要なんてなかったんだ。ただ、自分で認めたくないほどにそれは異常な感情だった。
「……………………」
 愛しているなんて言葉を使うには、二人はまだ幼かった。
 蒼星石と翠星石の唇が触れた。それはあまりにお粗末で、キスと呼べるほどのものではなかったが、確かに二人の唇は触れた。
 唇を離してから、蒼星石は表情を伺うように目の前の少女を見つめていたが、翠星石は驚き過ぎたのか大きな瞳をさらに大きく開いて固まっていた。
「……翠星石?」
 あまりに反応がないので少し不安になってしまい、思わず声をかけてしまった。その時に初めて気づいたように翠星石は少し肩を揺らして反応を返してくれた。
「そうせ……今何を!」
 顔を真っ赤にさせて慌てて感情をむき出しにする姿は彼女らしさが表れていて、安心してしまった。
920名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:57:52 ID:teuuyMZ/
>>919

「キス、だよ?」
 具体的なことを聞いて余計に照れてしまったらしい翠星石は更に顔を真っ赤に染め上げた。
「ちゅ、ちゅーは好きな人とするもんです!」
「じゃあ、翠星石は」
 そう言いながら蒼星石は握った翠星石の手の指を交互になるように絡める。
「僕のことが、嫌い?」
 顔を覗き込むように、下から翠星石の顔を見上げる。困ったように下がる眉に染まった頬。
 蒼星石は分かっていた。いくら嫌いじゃないからといって姉妹でキスするのはおかしいことだと。
 けれど、自分の気持ちにカタをつけるにはそれ以外思い付かなかったのだ。
「嫌い、じゃないです……けど!」
「けど?」
「ちゅーするのは、おかしい……です」
 語尾が弱くなっていく。蒼星石の視線が強すぎて、思わず目を反らしてしまう。
「……キスは好きな人とするものでしょ? 僕は翠星石が好きだよ」
 この一言が効いたらしい、翠星石はぐっと言葉を詰まらせた。しかし、まだ納得行かないような表情を浮かべていた。
「じゃあ、もっかいしていい? 嫌だったら、二度としないから」
 それは、じっと見てなければ分からない頷きだった。それを確認した蒼星石は目の前の真っ赤な姉に口付けた。
 今度は少し堪能するように、少し長めのキスだった。傍目に見れば、一瞬と代わりないものだったが。
「……嫌だった? 僕のこと、気持ち悪いとか思う?」
 弱々しく首を振ることで翠星石は彼女に答えた。それを見た蒼星石の心臓は高鳴った。
「じゃ、翠星石も僕のこと好き?」
「……私は蒼星石のこと嫌いだなんて、言った覚えありません」
「っ……じゃあ!」
 これからも時々、キスしていい?
 という問いに翠星石は再び、小さく頷いたのだった。

続く
921名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 21:58:36 ID:teuuyMZ/
以上です
二話からエロが入ってきます
二人の年齢ですか?
そんなやぼなことはきかないでください
922名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 16:24:15 ID:NN5TWJf0
>>921
乙です!初々しいくて可愛い
次が楽しみです
連載頑張って下さい
923名無しさん@秘密の花園:2009/12/02(水) 19:39:02 ID:ezcpqgCp
924名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 12:29:52 ID:Dz2UDeDU
「皆さんご無沙汰でした!多種多様の性癖を持つ蒼星石だよっ」

「蒼星石、おまえは壁に向かって何をボケたことをブツブツいってるですか…?」

「おっと、君が僕の背後を取るのは1万年と2千年くらい早いよ…フフ」

「ちょ、以前にも増して早くなってる!?」

「あんまり僕に隙を見せたらだめだよ、えいっ」

「はんっ…。もっ、もむなですぅ」

「はい、ひざかっくん」

「きゃっ、んんっ」

「はい、ベッドに横になってくださいね〜」

「なっ、なにするですか…」

「わぁい。翠星石のジャングルを探検だい!」

「ひゃっ、スカートの中にっ!って翠星石はジャングルじゃないですぅ!」

「おっ、こんなところに湿った洞窟を発見!れんぴか君、明かりを灯したまえ」

「あんっ指がっ…」

「こいつは深いぞ!気をつけろっ!道中ぬめぬめしているから足を取られるな!」

「んんっあっ、真昼間から調子にのるなですっ!!!」

「ぎゃっ!ちょ、翠星石、三角絞めとか」

「いやらしい手はこの手ですかっ!」

「うわぁ〜ん、ギブッ!ギブだよおぉ〜〜〜」

スタートダッシュはほどほどに
925名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 12:34:12 ID:Dz2UDeDU
皆さん、こんにちは
1年半ぶりくらいに昔の百合スレを眺めていたら再熱してきました。
以前変態蒼と翠の会話保守ネタを書いていた者です。
なにやら規制されててPCから書き込めないので携帯からですがまたお世話になりますー
926名無しさん@秘密の花園:2009/12/07(月) 14:15:40 ID:H3OPnKag
>>925
お久しぶりですね
貴方が書く保守ネタ好きでしたよ
最近はここ過疎みたいだから戻ってくれて嬉しい
ちなみに自分は未だに蒼翠熱冷めてなく、忙しさから一応解放されたんでこちらもまたお世話になります
927名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 17:01:34 ID:rAItTpk9
>>925
VIPの影響で蒼星石=変態と最初に思う自分にとってあなたの帰還は大変嬉しい
928名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 19:31:40 ID:ky6o1wPt
>>926-927

お二方、レスありがとです。有り難い限りです!
最近は住人少ないようですね。今どれくらいいるんだろう?
でも楽しんでもらえる同志がまだまだいるようで嬉しい限りです。
自分は主に平日は書いて祝日に投下していこうかなと思っています。
いろんなネタが沸いて楽しい限りです。
929名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 21:25:51 ID:Db1hyMhC
>>928
楽しみにします^^
自分も書きかけのやつ完成させなければw
930名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 21:49:39 ID:Bfjn20zD
次回で双子の感動の対面クルー?
931名無しさん@秘密の花園:2009/12/10(木) 23:21:39 ID:u8HAhQqB
>>930
来ることを願わずにいられない
ただでさえ望まない展開ばかりでJUMに殺意が湧くのに
これ以上酷い展開は嫌だorz
932 ◆FJ6lNWCGqc :2009/12/12(土) 12:49:59 ID:uHpkhcKm
「いやらしい、いやら、じゃないのだわ、忙しい忙しい」

「真紅、なにしてるですか?」

「あら、翠星石。原稿が大詰めだというのに最後のオチが決まらないのよ」

「原稿って…ああ、あの腐ってるやつですか…」

「何をゆうの!?あれほど洗礼された乙女と乙女の秘めた聖行為はなくてよ!」

「おまえのは聖じゃなくて…性…」

「こうしてはいられない!蒼星石はどこ?貴女の帽子を、あのいやらしい帽子を見れば何か浮かびそうなの!」

「あれ、あんなところに蒼星石の帽子が……い゛っ!?」

「なるほど…さすがは蒼星石ね。こうしていられないのだわ!いやらしい、いやらしい」

「どっかいったです…。いやらしいのは真紅の頭の中身ですぅ」

「それにしてもこの帽子なんなんですか…こんな中心にそそり立つ棒状のものをつけて」

「一体何を考えてるですか、あのおバカは…」
933 ◆FJ6lNWCGqc :2009/12/12(土) 12:52:52 ID:uHpkhcKm
「さ、触ってみるだけですぅ!決して翠星石はいやらしい気持ちでこの帽子を見つめてたわけではないですからっ!」

―――むに

「ひゃっ、やわらかいですぅ、きもいですぅ……あれ…だんだん硬く」

「いまです!」

「!?」

「ひゃっ!なんですかーこれは!?べとべとするですぅぅ」

「ああ、綺麗だよ翠星石…一緒にクリームに溺れていい夢を見よう…フフフフ」

「夢は…寝てみるですぅ!」

「これは…虎王!?…ぐはぁ!」

「必要な分はいつも見せてるですぅ、だからこれ以上真昼間から痴態は見せぬということですぅ」

「今日の翠星石かっこいいかも…ぽっ♥……がくっ」

いやらしい帽子
934 ◆FJ6lNWCGqc :2009/12/12(土) 12:58:15 ID:uHpkhcKm
みなさんこんにちは
復帰したのに最近ちょい忙しいためSSがなかなかかけないです。
何故かトリがおかしいなぁ
とりあえず百合板の規制解除しないかなぁ…
さくさくレスしたひ
935名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 13:20:06 ID:z0tKD1SL
支援
936名無しさん@秘密の花園:2009/12/12(土) 17:50:06 ID:WEjVBzjB
>>933
937名無しさん@秘密の花園:2009/12/14(月) 12:52:51 ID:cfJYXOXC
性夜と聞くと、「私がプレゼント」とか言って乱れ合う百合カップルしか想像出来ない
938名無しさん@秘密の花園:2009/12/14(月) 15:51:01 ID:dRqvRXWH
確かに…
939 ◆FJ6lNWCGqc :2009/12/19(土) 00:10:54 ID:eeLsBBhG
皆さんこんばんは
只今のんびりと書いております
明日ないし明後日には投下しようと思いますがブランクがあるので期待はしないでください\(^o^)/

そのうちモリタポとやらを買ってPCで書き込めるようにしようと検討中です。
身の上の長文失礼しました
940名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 00:39:15 ID:drs8gUTT
モリタポとか買うより●買ってしまったほうが...
941名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 01:54:21 ID:eeLsBBhG
>>940
クレカ持ってません\(^o^)/
942名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 12:34:35 ID:+MdC6fsn
ここの方々はどのカップリングが好きなんだろうか?
943名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 12:49:09 ID:/F8BFP1l
翠雛
944名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 12:59:25 ID:QwG7shu4
蒼翠
945名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 15:15:04 ID:OMSsy/Bv
銀蒼
946名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 15:19:57 ID:drs8gUTT
めぐ銀
947名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 17:27:43 ID:w32UCL+y
紅銀
948名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 17:57:10 ID:UBSQ0RZx
蒼翠
皆バラバラだなw
949名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 19:56:38 ID:/F8BFP1l
ミスった
雛翠だわ
950名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 22:22:28 ID:mHOd/3qT
みつ金
951 ◆FJ6lNWCGqc :2009/12/20(日) 13:17:41 ID:One/mQn1
遅くなりましたが投下します。
今回は銀×翠です。
苦手な人はご注意下さいませ。

よろしくです
952名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:19:37 ID:One/mQn1

「Enroulez l'amour」

「翠星石は寂しいですよぅ」
 シンと静まり返る教会でポツリと本音がこぼれる。
誰もいない虚空に向けてそこに最愛の妹がいるかのようにそっと両手を差し出し空をつかんだ。
「それ、何回繰り返せば気が晴れるのかしらぁ」
 そっぽを向いて一人優雅に紅茶を楽しむ水銀燈が飽き飽きとした表情でカップを見つめていた。
静かにカップを置くと席を立ちその場から離れようとする。
「いっちゃ…いっちゃいやです!」
 ものすごい勢いで翠星石が抱きついてきたものだから水銀燈は思わずよろけ転びそうになる。
少しむっとした表情の水銀燈だったが翠星石の泣き顔を見ると何故か身体から力がフッと抜けていってしまう。
いつからだろうか。
妹たちの涙を見るだけで胸が痛くなるようになったのは。
最初はこの痛みが嫌いだった。
アリスになることだけが、自分がお父様の最愛になることだけが目標だった頃にはただの枷でしかなかったからだ。
953名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:21:30 ID:One/mQn1
>>952

「あれから1時間はたったけれど、いい加減教えなさいよぉ。どうせ蒼星石と喧嘩したとかそんなことだろうとは思うけれど」
 冷め切った紅茶を眺め興味がないといったそぶりを見せる。
彼女らしい素直じゃない行動だ。
「うぇ…うえええええん」
 いきなり大泣きするものだからまた胸がズキリと痛んだ。
今はこの痛みがとても愛しく尊いものとしか思えない。
それくらい姉妹が大切で好きで大好きでたまらない。
「まったく…相変わらずの泣き虫ねぇ」
 やさしく諭すように話しかける水銀燈の声に嗚咽を残しながらも翠星石は再び強く水銀燈に抱きつく。
それに答えるように包み込むようにふわりと翠星石を抱きしめ返した。
長椅子に腰をかけ翠星石の背中を優しく撫でる。
「さぁ、何があったのか話なさぁい」
 震える唇で翠星石は言葉を紡ぎ始める。
「蒼星石に…ベタベタしないでっていわれました…」
「………」
「それから当分会いたくないって…ぐすっ」
「そぉ、ならまた会えるってことじゃなぁい。何をそんなに悲しむことがあるの?」
954名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:26:53 ID:One/mQn1
>>953

「翠星石はいつだって蒼星石といっしょなんです!」
 力いっぱい拳を握って言い放つ妹に気おされた水銀燈だったが深刻な問題ではなさそうと感じやわらかい笑みを浮かべる。
「何、ニヤニヤしてるですか。翠星石の一大事なんですよ!」
「私が思うに貴女は蒼星石に近すぎるのよ」
 水銀燈のいったことが分からない翠星石はキョトンとしていた。
この子に分かり易いように頭で言葉を巡らせてみる。
「そうねぇ、貴方たちは双子だからとても似ている」
「翠星石と蒼星石がですか?」
「ええ、あの時…私が蒼星石のローザミスティカを奪った日。あの子のいったこと覚えている?」
 一瞬、当時を思い出して唇をキュッとかみ締める。
だがすぐに力を抜いて水銀燈を見つめた。
「翠星石の泣き顔が鏡の自分を見つめているようで…嫌いっていったことですか?」
「そうよ。貴女はあの子がしたいことを全て行動にしてしまうから…あの子は自分を解き放てないのよ」
「………」
「だから貴女がしたいことはあの子の本心…自分からしたいことでもあるのよ」
955名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:31:39 ID:One/mQn1
>>954

 少しの沈黙が訪れる。
水銀燈は目を逸らし少し悲しそうな表情をした。
蒼星石に本音を言わせたのは自分にも責があると感じているからだ。
「あの子だって自分から甘えたいと思う時があるわ」
 自分のいった蒼星石のことが皮肉にも自らに当てはまることだったからかクスリと笑みをこぼす。
「またニヤニヤしてるです!」
 むにっと水銀燈の両頬を軽くつまむ。
いつも凛としている水銀燈のその顔が可笑しくて泣きべそを掻いていた翠星石も表情を柔らかくした。
「ひゃ、はにゃしにゃひゃぁい」
 スッと手を離す。
水銀燈のいったことを理解した翠星石はその瞳を悲しみに染めることなく、嬉しそうに潤ませた。
「寂しくなったら、甘えたくなったら私のところへ来たらいいわぁ」
「けど私は蒼星石みたいにやさしくはないかもしれないしぃ、余計に悶々とするかもしれないけどぉ、ふふふ」
「お前は…本当のお前はこんなにも優しいですよ。だから大好きです」
―――トクン
 ちくりちくりと胸が痛む。
こんなに愛しい者たちがこんなに近くにいたなんて。
手を伸ばせば、気づけは届く距離に。
堪らなくリ思わず翠星石の頭を胸に抱いた。
956名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:33:50 ID:One/mQn1
>>955

「すっ、水銀燈!?」
「今の私の気持ちききたぁい?」
 突然の抱擁に驚くと同時に投げかけられる言葉と耳にかかる水銀燈の息遣いがくすぐったい。
水銀燈の温かな胸の中でゆっくりと頷いた。
「アリスゲームに固執していたあの頃の私も本当の私よ。恥じたこともないし微塵の後悔もない…いいえ少しはあるわね」
「でも気付かせてくれた…。貴女たちが愛しいものを守る気持ち、愛しいものを愛でる気持ち…大切なものは目の前にあるということを」
「とても感謝しているわ。だから私も貴女たちの役に立ちたいの」
 静かに、真剣に水銀燈の言葉を聞き入れ頷く。
やさしいやさしい彼女の本当の気持ちに意図せず翠星石の頬を涙が伝った。
―――ペロッ
「ひゃっ」
 間抜けな声が辺りに響く。
伝う涙を水銀燈の舌がチロチロと舐め取る。
その舌が次第に唇へと到着し深く深く口付けた。
翠星石の口の中を舐め取るように水銀燈の舌が這っていく。
次第に身体の力が抜けて全てを水銀燈へ預ける形となった。
957名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:37:21 ID:One/mQn1
>>956

「―――はぁ…」
 甘い吐息が静かに響く。
「いっ、いきなりなにするですか」
「別にぃ」
「お前は翠星石をからかって遊んでるだけなんですね!」
「心外ねぇ、貴女が愛しいから愛でたい気持ちを行動にしているだけよ」
 不敵な笑みを浮かべながらその手は翠星石の胸のボタンをそっとはずしていく。
翠星石は抵抗することなく、なすがままその指を見つめていた。
「はぁん♥」
 水銀燈の細い指が隙間から進入し、翠星石の胸の突起へと触れる。
電気が走るような感覚に甘い感覚に身体をくねらせ、次第に弛緩していった。
「やぁ…んんっ」
「ふふ、期待してるのねぇ♥」
 ころころと弄ぶように執拗にそこに指を這わせる。
ぴくぴくと反応する翠星石を頬を紅潮させながら水銀燈は眺めた。
するすると器用に上半身だけを脱がせるともう一度深く口付けを交わす。
次第にその唇は翠星石の喉元を通り、双丘の先端へとたどり着いた。
「はあああん♥そこっ…だめ…ですぅ♥」
「ふふ…かたぁい♥」
 尖ってきた翠星石のそこへちゅっちゅと口付けしたり、口に含んで転がしたり、時には自分の羽で弄ったりと反応を見ながら趣向を変えてく。
荒い息遣いが熱っぽいものに変わった頃、水銀燈の手はドロワーズへと伸びていった。
958名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:39:59 ID:One/mQn1
>>957

「そんなに気持ちよかったのねぇ。ここすごく濡れているわぁ♥」
 指をぬるぬると這わせながら言葉で攻める。
翠星石は顔中を真っ赤に染めて顔を覆い隠した。
「恥ずかしがらないで、貴女の顔、よく見せなさぁい」
 再びちゅっちゅとキスの雨を降らせ、翠星石の口の中を楽しむ。
そっと指を翠星石の秘裂あてがい、上下にゆっくり動かしていった。
「あっ…あぁん♥だめぇ…」
「ぬるぬるしてる…翠星石のココ、すごくかわいいわぁ」
 次第に速度が増していき、スベリのよくなってきた秘裂からクチュクチュと淫靡な体液の音が立ち始める。
「んんっー♥だめぇ…ですぅぅ」
 ぬるぬると進入してくる細い指に身体を反らし身悶えする。
そろそろね、と甘い声をかけるとゆっくり秘裂の先端へ舌を這わした。
ときどき甘噛みする行為が翠星石は気に入ったようだ。
何度も身体を反らして反応してくれる。
「はぁ…♥」
 甘い吐息と共に突然行為を止める。
翠星石の目は「もうやめちゃうですか?」と行為の再開を懇願するような小動物の目をしている。
水銀燈の目は「本番はこれからよぉ」といった妖艶な潤みを見せていた。
959名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:43:35 ID:One/mQn1
>>958

 スルスルと自分のドロワーズをゆっくり脱ぐと翠星石の秘裂をひと撫でする。
指に付いた翠星石のそれを自分の秘裂へなぞり身を震わせた。
「水銀燈…♥」
 子犬のような懇願する瞳が水銀燈を駆り立てる。
それでも焦らずゆっくりと秘裂を秘裂へ押しやった。
「はぁん♥すぃ…ぎんとぉ」
「ふふ、私たち今ここでキスしてるのよぉ」
 翠星石だけではなく水銀燈も行為をしていることで気分が高揚し、たくさん濡れていた。
翠星石自らも腰を動かし、快楽を求めてくる。
それに応じるように水銀燈も動きを早くしていった。
「んんっ♥積極的じゃなぁい。いいわ。好きなだけしましょう♥」
「はぁん♥きもちいい…です♥もっと…もっといやらしくこするですぅ!」
 クチュクチュと2人が求め合う音が教会に響き渡る。
実際はただ快楽を求め合う2人だったが、くすんだステンドガラスから照らされる月明かりがその行為を神々しいものに思わせるようだった。
「ひゃぁああ♥そこ…だめですぅ♥」
 水銀燈の指が翠星石の秘裂の突起へとあてがわれる。
時折そこをやさしく撫で、刺激したり素早く指を動かして刺激してみた。
翠星石が一層強く喘ぎ身体をねじる。
終わりのときは近い。
960名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 13:45:43 ID:One/mQn1
>>959

「すいぎんとぉ…すいぎんとぉ♥」
「ふふ、許してあげる♥」
―――だから淫らにイッちゃいなさい
 翠星石の身体が跳ねる。
すぐそこにある絶頂に手を伸ばすように激しく求めた。
「はぁん♥もう…だめですぅ」
「さぁ、イきなさぁい♥」
 翠星石が快楽に打ち震える。
身体に電流が走っているかのようにその震えは水銀燈へ伝わってきた。
「あぁぁぁぁぁ♥くぅん――――――♥♥♥」
 二人の息遣いだけが教会を支配していた。
961名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 15:41:34 ID:One/mQn1
>>960

「可愛かったわぁ。翠星石」
 温かなタオルで翠星石の身体を拭いていく。
まだ快感が残っているのか拭くたびにピクピクと身体をねじらせていた。
「水銀燈…もう一回、抱きしめてほしいです…」
 無言で妹を抱きしめる。
壊れないようにと願いながら優しく優しく。
「水銀燈…ありがとうですぅ…」
 何に対しての感謝なのか分からない顔をしている水銀燈の手を自分の頬にすり寄せながら翠星石は目を閉じた。
色々あってか疲れていたのだろう。
小さく寝息を立てていた。
寝ている翠星石を起こさぬよう、ゆっくりと服を着せていく。
自らのカバンを持ってくるとそこへ寝かしつけた。
「おやすみなさぁい。いい夢を」
 眠る翠星石の頬へキスをし、ゆっくりカバンを閉める。
カバンを撫でて翠星石の安息を心から願った。
「―――――っち」
 静かな教会に舌打ちがこだまする。
それを気にも留めない様子で水銀燈はカバンに手をやったままくすんだステンドガラスへ目を向けた。
「あら、覗き見してたのぉ?黙って入ってくるなんて下品よ、蒼星石」
つづく
962名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 15:57:49 ID:One/mQn1
お目汚し失礼しました。
久々に書いてみたら予想より長ったらしいものになってしまい更に続き物にしてしまいました。
拙い文章ですが楽しんでもらえたら幸いです。
963名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 18:18:04 ID:SFu54iN7
>>962
乙です。

そろそろ容量がヤバいので次スレ立てました。

ローゼンメイデンで百合 Part2
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1261300608/
964名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 23:51:21 ID:YFSMriz4
>>961
GJ!!
お姉さんな水銀燈がいいね!
そして修羅場になりそうだ…
965名無しさん@秘密の花園:2009/12/21(月) 02:05:35 ID:3PSAXdFm
>>942
めぐ銀

>>962
攻めな銀様もそれはそれでいいものだ
966名無しさん@秘密の花園:2009/12/21(月) 03:06:10 ID:ohbDKpU7
紅銀または銀紅
967名無しさん@秘密の花園:2009/12/21(月) 22:36:09 ID:+KhWFsFJ
水銀燈総受け
968名無しさん@秘密の花園:2009/12/22(火) 17:22:33 ID:cXk2n6B3
雛苺総受け
969名無しさん@秘密の花園:2009/12/22(火) 18:41:49 ID:S/Zc/oZ0
金糸雀総受け
970名無しさん@秘密の花園:2009/12/23(水) 22:12:41 ID:IP23UNCh
のり総受け
971名無しさん@秘密の花園:2009/12/23(水) 23:25:04 ID:BYGBJFMn
蒼翠
紅銀
金総受け
972名無しさん@秘密の花園:2009/12/24(木) 16:42:47 ID:7pJ9wjnd
サラ(アニメオリジナルキャラ)×真紅
巴×雛苺
めぐ×水銀燈
みっちゃん×金糸雀
オディール×雪華綺晶

ミーディアム×ドールが好きです
973名無しさん@秘密の花園:2009/12/24(木) 23:54:37 ID:ddClquiw
「はあ、あの子遅いわねえ・・・・・」

雪が黒いアスファルトを白に染めていくのを見ながら
呟いた。
今日は金糸雀がうちに来る予定になっている。
あの子とは大学も一緒なのでよく遊んだり飲んだり
する仲で、他の姉妹達よりも親密な関係とも言えるかもしれない。

「まったく・・・どこで何をしているやら・・・・・」

さかのぼる事昨日


「水銀燈、明日空いてるかしら〜?」
「明日?ヤクルト何本飲めるかのギネスに挑戦しようと思ってたくらいねえ」
「・・・・・そんなギネスがあったなんて知らなかったかしら」

少し呆れた顔でそう言う金糸雀。

「で、明日が何?」
「ああ、えっと明日、水銀燈の家に行ってもいいかしら?」

少し躊躇いガチにそう尋ねる金糸雀。
気のせいか顔が少し紅くなってる気がする。
こんな表情で言われたら断れるはずも無い。

「ええ、いいわよお。なんなら泊まっていく?」
「いいのかしら?」
「ええ」

とっさに頭に浮かんだことを言ってしまった。
べ、別にイヴに一人でいるのが寂しいとか金糸雀と一緒にいたいから
とかそんなんじゃないわあ。

「やったー、じゃあ明日六時くらいに行くかしらー」
「ええ」
「また明日かしらー水銀燈」



回想終了
974名無しさん@秘密の花園:2009/12/24(木) 23:56:18 ID:ddClquiw
「はあ・・・・」

と溜息を吐いていると

ピンポーン!

「やっと来たわねえ」

小切れいいチャイムの音が部屋に響き渡る。
急いで玄関へ向かう。
ドアを勢いよく開けてやる。

「うう、遅れてゴメンかしら〜」
「・・・もういいわ。入りなさい」
「お邪魔しま〜す!」

あんな可愛い表情で謝られたら文句を言う気も失せるというものだ。

「私は夕飯の準備をしてくるから貴女はコタツにでも入ってなさい」

着ていたコートを丁寧にハンガーに掛けてコタツに潜り込む金糸雀。

「暖かいかしらー」
「はい、出来たわよお」
「わあ、おいしそうかしらー」
「ヴォジョレもあるけど飲む?」
「いただくかしらー」
「「メリークリスマス」かしら」

楽しい夕食が始まった



「おいしかったかしらー」
「ええ、上出来ね」

「あっそうだ、水銀燈にプレゼントがあったかしらー」
「私に?」
「はい、これ」
「あ、ありがとお・・・・・」

正直プレゼントなんて貰えるとは思ってなかったのでかなり嬉しい。
鮮やかなラッピングの箱を開けてみると綺麗なペンダントが入っていた。

「とても綺麗ねえ、ありがとう金糸雀」
「カナのとお揃いかしら♪」
「ちょっと恥ずかしいかも・・・・・・」
「えへへ〜」

そう言って私の腕に抱きついてくる金糸雀。
私も彼女に寄りかかる。


今日はとても素晴らしいイヴになった
975名無しさん@秘密の花園:2009/12/24(木) 23:58:09 ID:ddClquiw
ギリギリでイヴに間に合いましたー^^:

金X銀でクリスマスです。
よければ読んでやってください。

皆さんメリークリスマス ノシ
976名無しさん@秘密の花園:2009/12/25(金) 07:37:12 ID:g+XEvXvt
>>975
乙です。
カナかわいいなぁ
977名無しさん@秘密の花園:2009/12/25(金) 18:07:30 ID:9794viP+
>>975
YJ読んでから金銀がずっと気になってた、GJです
978名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 22:54:12 ID:BHxeWvQQ
紅「今年もあと数時間で今年も終わりなのだわ。」
紅「さて、シャワーでも浴びて」ガラッ

                 r 陀ァニニ ー 、
               /.:. ≧^ヽ ― 、_::\
              /.:./          ` ヽ_
            ∨/         、 u  ム、
           /イ     ,        !l } }l   l:!ヘ
              l:l〃   .i i!ヽ、   V⊥}1!i l l⊥!
          /{l:l i | i! iト、i;\ /i _i_!!l / /}lTl }
          ヾニイ i i! i 升_十-、/ ' 紗} 〉j/l !l:l.ソ !?
              lY 、 jル'〈 f沙 u   xxx/,  ! リ
               | 〉ハ ー廴xxx    ' ,  'イj  ! i        _/
      ヽ---≧ー、}ヽ'j,ンノi!ヾヽ  `  u,jヽl ハ_,⊥イ- 千三干- 、 _
   _`三Zニ三ヽニ'';从弋`/ //ノメ}> - イ/r-/ィ',三 _三三三Zー ´
  ー ニア三三.斗-ー '斗/,メiル'     レ´     _ ン、二三三≧、
  ィ千三三三.ト-弋  ムレ´  ヾ    /  ,.斗=ー'  ̄\ニ三三三ヽ
. /三三厂}三才.:.:.:.:.:.:ヾ        ` '  //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ ヾ三三ハ
 ´   リ ムイ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、          {i:.{:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',リ√ jソ
        ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:y:.:.}    、,/    i!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉
       // ヽz__:.:.:/:.:.:.j l   γ     ノl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:乂
     // / !r':.:.:.:Y:.:.:.:.', {    {  ,.r‐‐--、':.:.:.ヾ三ニ==[}=く
      // / ソ弋.:.:.:l.:.:.: , -‐っ  弋_,-{f=-`、 \:.:.:〈〈__ノ八_〉〉ヽ
    { l {.从i }.:.:.人/   ̄}ゝ'´ ,/:.:`ヽヽ  / } \三||:||三}:.:.ハ
    从i i!i 弋i.:.:.:./     ン'´ /.:.:.:.:.:.:.:.:.`x_/ /  /ヽ.:||:||.:.:.:.:.:.:.:}

紅「」
銀「し、真紅ぅ…これはねぇ…(アパート追い出されて勝手にシャワー浴びてたなんて言えないわぁ…///)」
紅「フフフ…水銀燈…良いわよ」ガバッ
銀「ちょっと真紅ぅ、何すんのよぉ!?」
紅「こんな姿で私を誘うなんて今夜は年越しで愛し合うのだわ!」
銀「ちょっとぉ、やめなさ…アッー!」
979名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 22:54:47 ID:BHxeWvQQ
以上、埋めネタでした。エロでごめんなさい。
980名無しさん@秘密の花園:2009/12/31(木) 23:19:35 ID:BHxeWvQQ
注意書き忘れたorz
紅銀でエロ注意です
重ね重ね申し訳ない
981名無しさん@秘密の花園
「新年明けましておめでとうございますです」

「今年もよろしくお願いします。ところで翠星石、こんな歌知っているかい?日本の歌なんだよ」

「どんな歌ですか?」

「とーしのはじめは姫始め〜♪終わりなき淫らなまぐわいを〜♪」

「いやいや、そんな歌しらんですから!」

「も〜、いけずなんだから。今年も仲良くしようね!えい」

「ひゃあ!触るなですぅ…」

「さて今年も初翠星石をいただきますか」

「ぴぃーーー♥♥♥」


明けましておめでとうございます。
今年もよい百合が咲きますように