leaf vs key リレー仮想戦記

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1序章

 1999年、夏。
 新ブランドkeyの処女作KANONは、空前のヒットを飛ばした。
「ゲームで初めて泣きました」
「最高です。これで泣かないのは人間じゃない」
「友達に布教してます」
 考えられる限りの賛辞の言葉が、オフィシャル掲示板を埋め尽くした。
 一部に否定的な意見はあったものの、それは押し寄せる賞賛の嵐に飲み込まれた。
 しかし、巧みなシナリオと繊細な音楽、美麗なCGが織りなす感動は、
 世に言う「鍵っ子」を生み出すことになる。
 彼らの珍奇な言動は周知のことであり、ここでは触れない。
 詳細は、後世の歴史家が記述する通りである。

 ……ONEに続く成功を、業界人とユーザーは感慨深い目で眺めていた。
「新しい時代の到来だ」
 彼らは、敬意と嫉妬の溶け合った視線を、6人の英雄に向けた。
「次回作の結果次第では、トップが入れ替わる」
 押し寄せる世代交代の波は、緩やかに、しかし確実にエロゲー業界を覆い始めていた。

 かつて、業界にその名を轟かせた二人のクリエーターがいる。
 同級生で知られる蛭田と、EVEやYU−NOを世に送り出した剣乃である。
 洗礼されたシステムとシナリオは、信奉に類する賛辞をもってユーザーに迎えられ、
 エロゲーの歴史にその名を刻んだ。
 しかし、彼らの名声も長くは続かなかった。
 二人を過去の栄光の彼方に葬り去ったのは、ビジュアルノベル三部作の高橋である。
「マルチ萌え〜」という、あまりにも有名なフレーズから分かるように、
 高橋は絶大な支持を得、リーフを一躍トップメーカーに押し上げた。
 その高橋もやがて、罵倒の雨に打たれることになる。
 ToHeartから数年を経てもなお、彼は、新作に手をつける様子を見せないのだ。
 憶測を楽しむように、人々は噂した。
「才能が枯れた」
「いや、単なる怠慢だ」
 真相はどうあれ、いまやトップメーカーとしてのリーフの地位は揺るぎなかった。
 高橋が新作に関わらずとも、支持は衰えず、売上が落ちる気配は見られない。
 彼は信じていた。
 ……リーフ帝国の栄光は永遠だ、と。
2始動編 1:2000/07/26(水) 22:45

 1999年、夏。
 冷房の効いたビルの一室で、高橋は頭を抱えていた。
 彼を悩ませるのは、ノストラダムスが残した予言ではない。
「単なる一発屋だ。我がリーフ帝国の敵ではない」
 少なくとも、発売される前はそう思っていた。
 しかし、高橋のもとに届けられた報告は、彼を驚愕させるのに十二分だった。
 keyの処女作であるKANONが、
 同時期に発売された「こみっくパーティ」の売上に肉薄しているというのだ。
 報告書は続ける。
 KANONの評価は、かつて一世を風靡したToHeartに迫る勢いだ、と。
 レポートに視線を走らせる高橋の頬から、徐々に血の気が引けてゆく。
 白い歯は唇を噛み、束ねられた紙を掴む指先は震えている。
 ビジュアルノベル三部作を完成させて以来、
 王者としての振る舞いを片時も忘れることのなかった高橋だが、
 この時ばかりは、迫り来る追走者の足跡に危機感を抱かずにはいられなかった。
 テーブルにレポートを叩きつけると、高橋は内線に手をかけた。

 数分後、高橋の待つ部屋のドアがノックされた。
「入れ」
「失礼します」
 起伏のない高橋の声に促されて入室したのは、同じくリーフの一員である青紫である。
 性別を判別しかねる名前から、ネットでは様々な憶測が飛び交っている。
 なかでも興味深いのが、青紫が現役の女子高生ではないかというものである。
 その真偽は、ここでは触れないでおこう。
「青紫」
 厳かに、高橋は口を開いた。
「KANONの評判は、お前の耳にも届いているな」
 同意を求められた青紫は、高橋のただならぬ表情に肩をすくめた。
「はい、人づてですが、大絶賛だと」
「そうだ。しかも、売上も我らが『こみっくパーティ』に迫る勢いだ」
 返答に窮し、青紫は視線を床に落とす。
 もっとも、高橋は返答など期待してはいなかった。
「このままでは、下手をすれば、トップメーカーの座を奴らに奪われてしまう」
 ……それはあんたが新作を書かないからだ。
 青紫は、日ごろの高橋への不満を吐き出すように、心の中で毒づいた。
「だが、奴らにも不安材料はある」
「それは?」
「鍵っ子だ」
 高橋の口からつぐまれた言葉の意味が分からず、青紫は沈黙をもってその旨を伝えた。
「鍵っ子というのは……まあそうだな、分かりやすく言えば、
 新手のカルトのようなものだ。口で説明するより、実物を見たほうが早いな」
 壁際に置かれたデスクトップパソコンに歩み寄ると、
 高橋は鍵掲示板を開き、青紫を手招きした。
「これが鍵っ子だ」
3始動編 2:2000/07/26(水) 22:46

 青紫の網膜に、尋常ならざる文字が焼きついた。
「ゲームで初めて泣きました」
「最高です。これで泣かないのは人間じゃない」
「友達に布教してます」
 目を丸くしながら、青紫は感想を漏らす。
「信者というのは、時代とジャンルを問わずウザイものですが、こいつらは別格ですね」
 未知との遭遇を果たした青紫の表情を楽しむように、高橋は微笑した。
「こいつらを使ってkeyを壊滅に追い込む」
「どういうことです?」
 青紫の疑問に、高橋は失笑をもって答える。
「分からないか? ネガティブキャンペーンに利用するんだよ。
 keyのファンはこんな奴ばかりだ、と」
 高橋の意図するところを性格に把握し、青紫は頷いてみせた。
「具体的にどうするんですか?」
「簡単なことだ。鍵っ子の愚行を紹介するサイトを開き、笑いものにすればいいのさ」
 たしかに簡単なことではあったが、では誰が、それを実行するというのだろう。
「そのためにお前を呼んだんだ」
 高橋は、首をかしげる青紫を見つめた。
「お前にその実行役を任せる」
「ええ? 私がですか!?」
 不名誉な命令に、青紫は嫌悪の念を隠そうとはしない。
「そうだ。成功すれば、『志保シナリオ』の件は許してやる」
 志保シナリオ――それは、今や青紫の代名詞とも言える言葉だった。
「……分かりました、やればいいんでしょ、やれば」
 肩を落とし、深く溜息を吐く青紫。
「せっかくだから、お前にコードネームを授けてやろう」
 ……いらねえよ、そんなもん。
「そうだな……keyだからポンキッキー、ポンキッキーといえばガチャピン……
 よし、お前のコードネームはガチャピンだ」
 こうして青紫は、keyへのネガティブキャンペーンに身を投じるのであった。

 続く

 ――――――――――――――――――――――――――――――
 誰か続き書いて〜
なんかいいゾ、コレ。
5名無しさん@無印:2000/07/27(木) 00:24
なかなか面白いね。
Leaf側だけでなく、Key側やユーザ側の視点の描写もいれて、
三つ巴四つ巴のぐちゃぐちゃな話になってほしい。
と、無責任な一読者は言ってみる。
6名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/31(月) 21:54
面白いので続き期待上げ。
7名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/31(月) 22:56
それっきり続きがないところを見ると
大見得きって風呂敷広げたはいいけど
いきなり破綻したってやつなのか??
81=2=3:2000/07/31(月) 23:10
>>7
反応がほとんどなかったんで、
続きを書こうか悩んでたところです。
要望がもう少しあれば書いてみます。
9ダジャイ:2000/07/31(月) 23:18
とりあえず、もう少し続けてもらわんと判断しづらい。
ドコゾの馴れ合いSSHPみたいに絶賛されるのが目的なのか??
文学ってのはそんなもんじゃねーぞ!!!
10名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/31(月) 23:25
今日はじめて存在知った…面白いす。>1
11名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/31(月) 23:33
続き読まんと判断できん。」
12野望編 1:2000/08/01(火) 15:19

 高橋が陰謀をめぐらせるのと時を同じくして、
 ビジュアルアーツが籍を置くビルの一室では、ささやかなパーティが催されていた。
「KANONの成功を祝して乾杯」
 ビールが注がれたグラスを掲げ、いたるが乾杯の音頭をとった。
 十指に余るグラスが交錯し、軽やか音色が響き渡る。
「YETの奴、今ごろ俺たちを失ったことを後悔してるぜ」
 白く泡立った黄金の液体を軽く胃に流し込み、麻枝は呟いた。
 かつての上司であるYETの悔しがる姿を想像しているのか、
 飲み始めたばかりだというのに、舌の動きは滑らかだ。
 麻枝の隣に立つ折戸が、薄く笑う。
「ああ、あいつは俺たちをなめてたからな。いい気味だ」
「なんとか替わりを見つけて新作を出したみたいだけど、大したことなさそうだね」
 久弥が折戸に追随し、すぐさま話題を転じる。
「それより、二人も知ってると思うけど、
 こみっくパーティの評判は最悪だってね。新旧交代は近いよ」
 ――新旧交代。
 麻枝と折戸の瞳に、細い、しかし強い光が走った。
 彼らが胸の内に秘めていた野望が、現実のものとなろうとしているのだ。
 手にしたグラスに視線を落とし、黄金色の水面の奥に、折戸は苦々しい過去を見た。
「沈む船からネズミはいなくなる、か」
 古巣の没落に、冷笑を禁じえない。
 リーフを見捨てたのは正解だったな――折戸は、自らの選択を賞賛した。
「どうしたの折戸くん、遠くを見る目でビールを眺めて」
 折戸は垂れていた頭を起こし、音源に視線を移す。
 声の主はいたるだった。
 アルコールが脳に回り始めたのか、頬を上気させ、陽気な笑みを浮かべている。
「なんでもないさ」
 明るい調子で、折戸はかぶりを振った。
13野望編 2:2000/08/01(火) 15:22

 いたるはグラスの縁に唇をあて、残っていたビールを飲み干すと、声を細めた。
「ここだけの話だけどさ」
 いたるの神妙な表情は、麻枝たちの注意を引き付けるのに充分だった。
「あくまでも噂なんだけどね、13cmの連中が私たちを警戒してるんだって」
 13cm――keyと同じく、ビジュアルアーツのブランドのひとつである。
「警戒?」
 否定的な意味をもつ単語に、麻枝が顔をしかめた。
「ええ、なんでも、私たちの待遇が気に入らないらしいの」
 それは実力相応の待遇だ。クソゲーを量産する輩が何を言うか。
 折戸はそう言いかけて、言葉を飲み込んだ。
「そんなのは敗者の嫉妬だよ。僕らが気に留めることじゃない」
 いたるの密告を、久弥は一蹴した。
「いくら天を仰いでも、空からロープが降りてくるわけじゃない。
 リーフを追い越した暁には、奴らも僕らの前にひれ伏せざるをえないさ」
 ……リーフを追い越す。
 誰もが願い、そして挫折した。
 けれど、それはもはや夢物語ではない。
 手を伸ばせば届くところにある。
14野望編 3:2000/08/01(火) 15:24

 自らの野望を吐き出すように、麻枝が言葉をつむいだ。
「久弥のいう通りだ。俺がいる限り、keyは安泰だ。大船に乗ったつもりでいろ」
 ……本人は、何気なく言ったつもりかもしれない。
 しかし、彼が自信の程を込めた一言は、誇り高き者たちの自尊心を傷つけた。
 まるで、空気を詰めて膨れ上がった風船を針で刺したように、
 意識の水面下に沈んでいた感情が爆発した。
 折戸が、震える唇を刻む。
「KANONが売れたのは俺のおかげさ。涙の琴線に触れる旋律が感動を呼び起こしたんだ。
 たとえシナリオがつまらなくても、涙を流さずにはいられない。
 それが、音楽という芸術の力なんだ」
 身振り手振りを交えた折戸の演説に、麻枝が敵意を剥き出しにした視線を投げかける。
 久弥が続く。
「違う、音楽じゃないよ。ToHeartがなんでヒットしたのか考えてごらん。
 キャラ萌えでしょ? それさえあればいいんだ。
 その証拠に、キャラクターグッズが売れまくってるじゃないか」
 遠まわしに、久弥は自分の功績を誇った。
 いたるも黙っていられないのか、表情をいくらか柔らかくし、弁舌を振るう。
「なに言ってるの、みんな。ただのエロゲーじゃない、キャラのデザインが全てよ。
 わたしの子供たちの愛くるしい表情が受けたのよ。勘違いしないで」
 遠くから四人の口論を眺めていたみきぽんとしのり〜が呟く。
「業界随一の塗りがキャラデザをカバーしたのよ。あんたこそ勘違いしないで」
 敵意を込めた視線が交錯し、激しい火花を散らす。
 煮えたぎる憎悪が空間に広がり、野望は激しく渦を巻く。
 空気は張り詰め、雷鳴が轟く。
「俺の力でリーフを倒す」
「わたしの力でリーフを倒す」
 それぞれの胸の内に秘められていた野望が、沸点を超え、激しく湧き上がる。
 頂上を極めようと志した者たちの、熱く過酷な争いは、オペラさながらに、こうして開演した。

 続く
さげまわし。
さげまわし。
さげまわし。
さげまわし
さげまわし。
さげまわし。
さげまわし
さげまわし。
さげまわし
24名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 15:35
新作あげ
駄作さげ
26名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 16:13
…なんで回す必要があるんだ?
27名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 16:15
続き要望なのであげあげくけー!!
28名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 16:21
面白いじゃないか。ところで続き書いたのは1?
29名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 20:15
これ凄すぎるよマジで。鳥肌が立った。
30だよもなー:2000/08/01(火) 20:21
おお、こういう味があるの好きだなあ。
企業小説みたいな雰囲気なり。
派閥が入り乱れ陰謀が飛び交うサスペンスな展開きぼーん(笑)

「回想編」とかで同棲、MOON.頃の下積み時代の描写もいいな♪
31名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 20:24
Keyの部屋が、なんでバーみたいな雰囲気なのか疑問だが、
それがまた面白い。
32第一の間奏に代わる光景:2000/08/01(火) 21:08
『Kanon』に登場する一人の少女との出会いが、彼の心に決定的な楔を打ち込
んだ。その少女の名は、沢渡真琴。彼女の正体は、幼少期の主人公と過ごした日々
が忘れられず、人の温もりを求めたがゆえに、人間の姿を取って彼の前へと現れた
妖狐。しかし、憎まれ口を叩き合いながら過ごした楽しい日々は長く続かず、やが
て彼女からは少しずつ人間らしさが失われていく。そんな哀切極まるストーリー展
開に、彼はマウスを固く握り締めながら、ただただ涙を流しつづけた。
 真琴の口癖や立ち居振舞い、それらすべてが彼の心の琴線に切なく触れ、彼は何
かに憑かれたかのように再プレイを繰り返すのだった。それまで彼の心の大部分を
占めていた七瀬留美という少女の存在は、すでに記憶の外へと追いやられていた。
 そして十数度目の出会いのシーン。黄昏の中に佇む真琴の姿を目にしたとき、雷
に打たれたかのような衝撃と共に、彼は確信した。もしもこの世に運命的な何かが
あるとすれば、真琴と自分の邂逅こそがそれにあたるのだと。でなければ、自分の
彼女に対する恐ろしいほどの愛情の強さを説明できないではないか。
 しかしその認識は、同時に彼に激しい焦燥をももたらした。真琴は、あくまでも
『Kanon』というゲームの中の存在なのだ。どんなに彼が真琴のことを想って
も、彼女はいつもモニタの中で微笑むばかりで、決して血の通った存在として、彼
の目の前に現れることはないのだ。彼我を隔てるあまりに強固な壁の存在に、彼は
歯噛みせずにはいられなかった。
 イベントに足を運び傍目も気にせずその名を絶叫したところで、彼の声が真琴に
届くことはない。彼女の絵姿がプリントされた抱き枕も、人肌の質感とは似ても似
つかぬもので、彼の心を満たすには至らなかった。真琴との交わりを想像しながら
自慰に耽っても、彼女の体内に放たれたはずの熱い飛沫は、自分の掌から空しく零
れ落ちるだけなのだ。
 どこにも捌け口を見つけることのできないまま、真琴への想いだけが心中で際限
なく膨らんでいく。いつしか彼は大学へ足を向けることもなくなり、自室で悶々と
した時を過ごすようになっていた。たとえ一瞬でもいい、真琴の体を自らの腕の中
に抱きしめることができれば、自分は悪魔に魂を譲り渡しても後悔しないだろう…
…。零度を下回った水が氷へと姿を変えるように、ゆっくりと、しかし確実に、彼
の中で一つの狂気が形作られていくのだった。(この項終わり、本編に続く)
33名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 21:40
こ・・・これは・・・伝説の始まりなのか?(^^;
34あはは:2000/08/01(火) 21:53
私が最近読んだ葉鍵系SS?の中では
確実にトップクラスです。

久々にSSを読んで声出して笑った。
35七誌酸@そうか選挙で逝こう:2000/08/01(火) 22:11
32読んで、誰も逝け!とか言う奴いなくて、いいね〜。
マターリ
36名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 22:23
くほちゃん登場か。
いろんなキャラ出して欲しいな。
昔懐かしの猫玉とか腐Q委員会とか、Leaf側にも狂いキャラ事欠かないし。
37名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/01(火) 23:09
くほちゃんだったら七瀬じゃなくて茜なんだけどな。
誰だろうね?
この鍵っ子?
39名無しさん@無印:2000/08/01(火) 23:49
「フリーゾーン大混戦」化きぼーん。
MADムービーで洗脳とか、混乱に乗じて金儲けをする悪の同人サークルとか、
知能増進された狐だとか、謎の宇宙人ガチャピン襲来だとか、
奇跡を起こす人形を巡って争ってみたりとか、
ロビー鶴来屋で作戦会議してみたりとか。
と、また無責任に言ってみる。ま、ちょいと趣旨が違うか。
40名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/02(水) 00:27
<誰か続き書いて〜
俺には、書けない…。面白いよ♪
野望編いいねー。
戸越まごめらの新人?の動きにとか…
アリスソフトとかが、どう思っているかも楽しみ。
ONEのことは、オフィシャル掲示板で、けなしていた記憶がある。
ゲーム性がないって…。
>>40
誰がけなしてたの?
アリスの社員?
42謀略編 1:2000/08/02(水) 11:14
>>14の続き

 季節は移ろい、秋。
 降り注ぐ陽射しは柔らかく、冷ややかな風が軽やかに吹きぬける。
 青空を渡る白い雲を眺めながら、青紫は悩んでいた。
 鍵っ子を利用したネガティブキャンペーンが、実行の段階でつまづいてしまったのだ。
 鍵っ子の言動がいかに奇怪なものであっても、
 鍵掲示板の多重レスや内輪化だけでは、人々の失笑を誘うに過ぎない。
 keyに深い傷を負わせるには、誰もが驚愕する事件が起こる必要がある。
 しかし、いくら強く念じようとも、鍵っ子を電波で支配できるわけではない。
 KANONが発売されて以来、時は、平穏を友としながら緩慢に流れ、現在に至る。
「青紫」
 空を仰いでいた視線を部屋の入り口に向けると、ドアをくぐったばかりの高橋の姿があった。
「どうした、辛気なツラして」
 青紫に歩み寄ると、高橋は側のパイプ椅子に腰を降ろす。
 高橋は、目を伏せる部下の苦悩を察した。
「ネガティブキャンペーン、うまくいってないようだな」
「……すみません」
 頭を小さく縦に振り、青紫は謝辞を述べた。
 しかし高橋は、明るい調子で言ってのける。
「気にするな。俺も、無理難題を押し付けたんじゃないかって、悩んでたところだ」
 計画の遅れを非難されるのではないかと恐れていた青紫は、
 安堵から深く息を吐き、肩の力を抜いた。
「そこでだ、青紫。今日はお前に面白いアイディアを持ってきた」
 会話の意外な展開に、青紫は首をかしげた。
「来月、大阪でデジフェスが開かれるのは知っているな」
 デジフェス――正式名称をデジタルフェスティバルというそれは、
 キャラクターグッズの展示と販売が行われる催しである。
「知ってますが、それがなにか?」
「デジフェスには、keyも参加する。CDとテレカを売るらしい。
 それを目当てに鍵っ子が集まるだろう。これを利用するんだ」
43謀略編 2:2000/08/02(水) 11:14

 高橋は、ゆっくりと計画の全容を語り始めた。
 説明が核心に近づくにつれ、青紫の顔色が青ざめてゆく。
「……本気ですか?」
「当然だ。準備もすでに整えてある。あとはお前が現地に赴き、実行部隊の指揮をとるだけだ」
「しかし……」
 謀略と計略に満ちた構想に、青紫はためらいと恐怖を覚えた。
「卑劣な手段かもしれないが、これが成功すればkeyのイメージは確実に暴落する。
 リーフの栄光のために一肌脱いでくれ、青紫」
 罪の意識と打算が思考回路を駆け巡る。
 ハルマゲドンにも似た天使と悪魔の争いが、言葉では形容しがたい感情を沸き起こす。
 血管を満たす血液が沸騰し、全身が火照る。
 心肺が締め付けられ、動悸が激しくなってゆく。
 薄れゆく意識を現実に引き戻したのは、部屋の出入り口のドアが開閉する音だった。
「どうした、高橋」
 静寂を破ったのは、専務の下川であった。
 高橋の練った計画は、すでに下川の知るところであり、
 雑務を終えたところで、交渉の様子が気になり、こうして現れたというわけだ。
 下川は、青紫が渋っていることを聞かされ、自ら説得に乗り出した。
「やってくれるなら、昇進を約束しよう。新作のシナリオも書かせてやる」
 その言葉は、安い倫理観を吹き飛ばすのに十二分だった。
「……分かりました、やります」
 青紫は、正義よりも下川の庇護を選んだ。
「やってくれるか、さすが俺が見込んだだけのことはある」
 高橋は青紫の手を取り、健闘を祈って激励する。
「頑張れよ、リーフの未来はお前の手にかかってるんだ」
 青紫は高橋と綿密な打ち合わせを重ね、
 運命の日の前日、「実行部隊」の待つデジフェスの会場へ向かった。

 続く
同じ話題のスレッドが有るので、一つにまとめて下さい
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=964003721
45流血編 1:2000/08/02(水) 17:11

 満天の星をたたえた夜空が白み始めた頃、
 デジフェス会場の付近の駅は、いつになく活気に満ちていた。
 徹夜禁止令を忠実に守る参加者が、朝一番の列車で到着したのだ。
 そのうちの何人かは、鍵っ子と称される者である。
 彼らはKANONに想いをはせながら、会場までの道のりを、肩を並べて歩いた。
 足取りは軽く、胸は期待に満ちている。
 しかし、会場に辿り着いた鍵っ子を迎えたのは、歓喜ではなく、失望と怒りであった。
 朝一番の列車の彼らよりも早く、入り口に向かって列をなす人の群れがあったのだ。
 慌てた鍵っ子たちは、列の最後尾に駆け寄り、事情を問いただした。
 ――徹夜。
 返答は、予期していた、しかし違っていて欲しいと願った通りのものであった。
 鍵っ子は沸き上がる義憤のままに、徹夜組を糾弾する。
「どうしてルールを守れないんだ。近所の人に迷惑がかかるだろ」
「君たちの勝手な行動のせいでデジフェスが中止になったどうするんだ」
 激しい剣幕で責めたてるが、徹夜組は非を認めようとはしない。
 むしろ、徹夜は当然といった態度である。
「君たちの言う通り、徹夜はしちゃいけない。俺たちだって昔はルールを守ってた。
 だけど、他の心無い連中が徹夜をするから、俺たちも仕方なくするんだ。
 文句があるならそいつらに言えよ」
 徹夜組の開き直りに辟易した鍵っ子は、非難の矛先を警備員に向けた。
 しかし、警備員は官僚的な答弁の繰り返しに終始し、事態の収拾を図ろうとはしない。
 これ以上の追求は無意味と判断し、鍵っ子は列の最後尾に渋々と回った。
46流血編 2:2000/08/02(水) 17:12

 地平線の彼方から姿をのぞかせていた太陽が、
 完全にその姿をあらわし、天球上を昇り始めた。
 闇は白い光に塗りつぶされ、世界が音を取り戻す。
 デジフェス会場の周辺は、人の波で埋め尽くされていた。
 事情を知らない通行人が、みけんにしわを寄せながら歩き去ってゆく。
 時刻は午後9時52分。
 開場まで残り時間10分を切っている。
 朝一番の列車で駆けつけ、列の中ほどに並ぶ鍵っ子は、開場を心待ちにしていた。
 徹夜組の横暴に腹を立てていた彼らではあったが、
 マキシシングルは千枚用意されているうえ、一人五枚までと知り、安堵したのだ。
 列の中央とはいえ、この人数ならなんとか入手できそうだったからである。
 時計台の長針が12の位置を指した。
 会場へ至る門が開かれ、歓声と共に参加者がなだれ込む。

「来たよ、みんな。気合を入れて」
 CDとテレカの販売を取り仕切る久弥が、他の売り子を叱咤した。
(人ごみとイベントが嫌いな麻枝は、
 その時、自宅で「ハイパードールりかちゃん」を鑑賞していた……)
 第一陣が、激しく息をつきながら、keyのブースに駆け込んできた。
 CDを限度である五枚まで買い込むと、彼らは、別のブースに移る――かに思われたが、
 その巨体をひるがえし、なんとkeyブースへ連なる列の最後尾に回ったのだ。
 久弥らは、目前に迫る他の購入希望者の対応に追われ、彼らの不正にまでは目が届かない。
 巨体を揺らす男たちは、まんまと二度目の購入に成功し、
 それはCDが売り尽くされるまで繰り返された。
 持参したリュックいっぱいにCDを詰め込み、
 脱兎の勢いで会場から走り去ると、彼らは近くのコンビニに向かって駆け出す。
 そこには、この作戦の指揮者である男が待っていた。
「よくやった」
 青紫は、息を切らす「実行部隊」の労をねぎらう。
「今のうちに休んでおけ、これからが本番なんだ」
 不適な笑みを浮かべ、青紫は会場を見やった……。
47流血編 3:2000/08/02(水) 17:13

「マキシシングルは売り切れました」
 会場の外で入場を待っていた鍵っ子の視界に、
 信じがたいものが飛び込んできたのは、開場から十分ほど経ってからのことである。
 マキシシングルは売り切れた……プラカードには、たしかにそう書かれていた。
 なぜ?
 千枚も用意されてるうえに、一人五枚までという制限があったのではないのか?
 朝一番の列車で到着し、胸を躍らせていた、百人にものぼる鍵っ子は、
 みな一様に頭を抱え、両膝を折る。
 一方、会場の内側では、目前でCDを買い損ねた鍵っ子が、keyのスタッフを取り囲んでいた。
「ですから、すでに売り切れてしまって……」
 興奮さめやらぬファンを逆上させぬよう、久弥は言葉を選びながら諭した。
「再販する予定はあるんですか?」
「いえ、そういう予定はありません」
「そんな、keyさんでしょ? 願えば奇跡は起こるんじゃないですか!?」
「ですから……」
「こんなに沢山の人たちが買えなかったんですよ、keyさんは奇跡を起こすべきです!」
 怒号ともとれる賛同の声が、一斉に沸き起こる。
 拒めば襲われかねないと判断した久弥は、再販を検討すると約束し、会場をあとにした。

 再販の検討を取り付けた鍵っ子は、会場の外で、
 入場さえ出来なかった同志たちと、互いに愚痴をこぼしていた。
 噂によると、徹夜組の一部がCDを買い占めたらしい。
「何様なんだ、あいつらは」
「みんなの楽しみを奪うなんて、絶対に許せない」
 治まらない怒りが、言葉となって交錯する。
 なんのために、わざわざ早起きしたのか。
 今日という日を、何週間も前から楽しみにしていたのに。
 思い起こすたびに、悔しさがこみ上げ、涙がこぼれそうになる。
「KANONのマキシシングル、一枚五千円から」
 悲嘆にくれる鍵っ子たちは、耳を疑った。
 声がした方向に視線を転じると、彼らの怒りは臨界点を超え、爆発した。
 CDを買い占めたと思われる連中が、白昼堂々と転売していたのだ。
 声を荒げながら、鍵っ子は彼らに詰め寄る。
「おい、君たち、もしかして徹夜組じゃないか!?」
 問われた男たちは、怒りをあらわにした鍵っ子を嘲笑するように答える。
「そうだけど、それがなにか?」
 挑発的な態度に、鍵っ子はさらに怒気を強める。
「それじゃあ、CDを買い占めたのも君たちなのか!?」
 一呼吸をおき、徹夜組――青紫の指揮する実行部隊――は、唇に指をあて、軽い笑い声をあげる。
 実行部隊たる彼らは、鍵っ子を出来るだけ挑発するよう、青紫に命じられていたのだ。
「文句ある?」
48流血編 4:2000/08/02(水) 17:15

 その一言が、導火線に火をつけた。
 怒りに顔を歪めた鍵っ子の一人が、実行部隊を拳で殴りつけたのだ。
 他の鍵っ子たちは、一瞬だけ沈黙したが、
 待ってましたとばかりに、実行部隊は反撃に出た。
 殴りつけた鍵っ子は、実行部隊の蹴りをわき腹に食らい、吹き飛ばされた。
 それが、会戦の合図となった。
 理性を失った鍵っ子たちは、一斉に憎むべき敵に踊りかかる。
 遠くからその様子を眺めていた青紫が、側に控えさせていた男たちに出撃を命じた。
「行け! できるだけ騒ぎを大きくしろ!」
「はい! 全ては我らがリーフ帝国の為に!」
 ――実行部隊とは、リーフ・ファンクラブから有志を募った義勇軍であった!
「死ねやぁ! 鍵っ子!」
 振り下ろされた木材が鍵っ子の頭を砕き、血飛沫が踊る。
 木材は真っ二つに割れ、回転しながら宙を舞う。
 鍵っ子は、突然の乱入者に困惑したが、すぐに反撃を開始した。
 重いパンチが怨敵のみぞおちを捕らえ、胃の内容物が撒き散らされる。
 片膝をついたところへ、自慢の巨体を活かしたボディプレス。
 左右の肺を満たしていた空気が、一気に押し出される。
 しかしその鍵っ子も、脳天を直撃したカカト落しに白目をむいた。
 一時は劣勢に立たされた青紫軍だが、すぐに巻き返した。
 互いの背中を合わせ、正面と左右から襲いかかる鍵っ子を、持参した鉄パイプで殴り倒す。
 鈍く低い悲鳴をあげ、鍵っ子は足元に崩れ落ちる。
 生き血が鉄パイプの先からしたたり、アスファルトに赤い海を広げてゆく。
 鍵っ子も、奪い取った鉄パイプで青紫軍を血の海に沈めてゆく。
 血で血を洗うその惨状は、「血の宴」と題するに相応しいものであった。
 誰かが通報したのだろう、響き渡る絶叫に、パトカーのサイレンが重なった。
「ここまでだな」
 もう少し騒ぎを引き伸ばしたいところだが、捕まってしまっては元も子もない。
 引くべきときに引くのが有能たる司令官というもの。
 青紫は、実行部隊のイヤホンに撤退命令を発した。
 指示を受けた青紫軍は後退し、鍵っ子と距離を取り始めた。
 しかし、鍵っ子の動きは俊敏で、すぐにその距離を縮める。
「なにをしてる、早く戻れ」
 青紫は焦った。
 パトカーに先導された機動隊の車両から、物々しく武装した男達が飛び降りたのだ。
「突撃!」
 機動隊長の号令と共に、屈強な男達が、血塗られた争いに割って入った。
 青紫軍は脱出に専念したため、混乱に乗じて全員が逃げ延びた。
 それとは反対に、怒りのやり場を失った鍵っ子は、目の前の機動隊に襲い掛かり、60名を越える逮捕者を出した。
 デジフェス史上最悪の事件と呼ばれる「血の宴」事件は、こうして幕を閉じた。

 続く
49おもしろいなー。:2000/08/02(水) 18:58
おもしろいなー。
50だよもなー:2000/08/02(水) 22:15
凄いです〜。ホントに声に出して笑ってしまいました♪
デジフェス騒動の話は歴史(?)通りに書くのかな、と
読んでいる途中まで思っていたらいきなり過激にヒートアップ(笑)
ウケ狙い的な文章じゃなくて、いかにも史実の解説的な文章なのに
むっちゃ笑える芸風が素晴らしい!
51名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/02(水) 22:33
面白かった。
鍵っ子理性少なそうだし
52名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/02(水) 23:50
面白いです。
どんどんやっちゃってください。
53名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/03(木) 00:35
「死ねやぁ! 鍵っ子!」
 この台詞がナイス
54名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/03(木) 00:37
まじおもろいです。
続きの展開にも期待してます。
55名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/03(木) 00:52
凄く面白いです。
56名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/03(木) 00:56
>>48
事実・・・だよな?
まわし
その時であった!
突如太陽表面に超巨大フレアが発生、地球は焼き尽くされた。
--------完--------
\_
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ //⌒\
                | |    〉
___         /入___/
・∴|'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∵/ヽ
/ヽ
>(人ごみとイベントが嫌いな麻枝は、
> その時、自宅で「ハイパードールりかちゃん」を鑑賞していた……)

ここ、ナイスツッコミ!
あれだけのことをされちゃ鍵っ子は黙っちゃいませんぜ?
ていうことで、次は鍵っ子の逆襲が見たいな。
>「そんな、keyさんでしょ? 願えば奇跡は起こるんじゃないですか!?」
大爆笑(ワラ
なんだか「Nの乱」を思い出したよ。
64亀裂編 1:2000/08/03(木) 17:10

「まいったな……」
 目の前の朝刊を眺めながら、麻枝は呟いた。
 久弥と折戸も、深くため息をつく。
「血の宴」事件を詳細に報じる記事が、全国紙の一面を飾ってしまったのだ。
 朝刊をたたむと、麻枝は久弥に向き直った。
「実際のところはどうだったんだ?」
 デジフェス当日、麻枝は自宅でロリアニメを鑑賞しており、会場の様子はよく知らないでいた。
「それはもう凄かったよ」
 久弥は、大げさな手振りを交えて説明を始めた。
「マキシシングルは十分くらいで売り切れたんだけど、
 買えなかった連中が僕らを取り囲んでさ、目を充血させながら言うんだよ。
『keyさんは奇跡を起こすべきです』って。こりゃヤバイって思ったんで、
 仕方なく再販を検討するって約束しちゃったんだ」
 麻枝は久弥の苦労をしのび、感想を素直に漏らす。
「大変だな、オタク相手の商売というのは」
 違いない、と折戸。
 三人が一斉に失笑したところで、いたるが部屋に入ってきた。
「デジフェスの件なんだけど、調べてみたらとんでもないことが分かったわ」
 いたるは余ったパイプ椅子に腰を下ろすと、独自の情報網による調査の結果を報告した。
「まだ裏はとれてないから確かなことは言えないんだけど、
 CDの買占めにリーフが係わっていたらしいの」
「リーフが?」
 麻枝は目を細め、語気を強めた。
65亀裂編 2:2000/08/03(木) 17:11

「デジフェスの会場で青紫を見たっていう証言があったから、
 その筋から調べてみたら、高橋と下川がどうやら糸を引いていたみたいなの」
「下川め……」
 旧友の顔を脳裏に描き、折戸が軽く舌打ちした。
 麻枝は胸の前で腕を組み、他の三人を見回す。
「もしそれが事実なら、高橋たちには相応の報いを与えてやる必要があるな……」
 折戸がうなずいたが、久弥はかぶりを振った。
「だけどこれは、リーフが焦ってる証拠だよ。許せとは言わないけど、
 リベンジするなら新作でしようよ。完膚なきまでに叩きのめして、
 あいつらに引導を渡してやろう。それが大人ってものさ」
「そうよ、わたし達は新作に力を注ぎましょう」
 麻枝と折戸は互いを見やり、苦笑した。
「お子さま相手にむきになるなんて、俺たちも大人気ないな」
 keyの面々が憎たらしいほど余裕の見せるのは、リーフの没落だけが原因ではない。
 リーフには「アキレス腱」があった。
 高橋たちが再び暴挙に出ることがあれば、その時は「アキレス腱」を切ってやればいい。
 安易な復讐は無用だ。
 それが、彼らの共通認識である。
 そしてその「アキレス腱」は、二ヵ月後に切られることになる……。
66亀裂編 3:2000/08/03(木) 17:12

 遅れて出社したみきぽんとしのり〜を加えた六人で、新作の打ち合わせが始まった。
 最初に決めるのは、企画担当を誰にするかである。
 麻枝と久弥を交互に当てるならば、次回作は麻枝なのだが、
「異議あり」
 久弥が不服を申し立てた。
「タクティクスにいたとき、麻枝はMOONとONEの企画を続けて担当したんだから、
 新作の担当は僕じゃなきゃ不公平だよ。交互にするのは、次々作からでいいじゃないか」
 自分で決まりだ信じていた麻枝は、誰も気付かないほど小さく、口元を歪めた。
 苛立ちを悟られないよう、心を落ち着けながら、麻枝は反論する。
「それはお前がまだ半人前だったからだ。不公平なんかじゃない」
 納得のいかない久弥が反論すると、やはり譲れない麻枝が応酬する。
 二人のやり取りを他人事のように眺めながら、いたると折戸は打算をめぐらせていた。
 ――私のキャラデザを生かすには、久弥が企画を担当したほうが有利だわ。
 久弥は萌え重視だから、彼がメインシナリオを書いたほうが、
 わたしの可愛らしいキャラデザが引き立つわ。
 ――俺の力を誇示するには、麻枝が企画を担当したほうが有利だ。
 なぜなら、久弥が企画に回れば、麻枝が音楽に手を出す余裕が出来る。
 そうなれば、俺の威光が薄れてしまう。
 いたるは久弥を、折戸は麻枝を支持した。
 どちらが企画を担当しても大差のないみきぽんとしのり〜は、
 恨みをかうことを恐れ、あいまいな態度に終始する。
67亀裂編 4:2000/08/03(木) 17:14

 議論は袋小路に入った。
 停滞していた暗雲を振り払ったのは、休憩中に会議室を訪れた社長の一言である。
 彼は、企画担当が決まらないと聞き、子供なみのメンタリティを持つkeyのスタッフに呆れた。
 幼稚な連中を、社長は快く思わないが、KANONの成功で味を占めた彼に、
 罰を下す勇気などあるはずがなかった。
 社長は言う。
「それなら、開発ラインを二本にしないか?
 それで、次回作は麻枝くん、次々作は久弥くん、これならいいだろう」
 麻枝と久弥は視線を交わし、互いの瞳に、野望をたたえた炎が揺らめくのを見た。
 ――キャラ萌えしか脳のないお前に、本物のシナリオがどういうものなのか、教えてやるぜ。
 そしてその暁には、俺こそがリーフを倒した者として崇められるのだ!
 ――不可解なシナリオでユーザーを煙に巻くお前に、この僕が負けるものか。
 キャラ萌えの真髄を見せてやる。マルチを超える、新たなキャラ萌えをな!
 反目する二人は、打倒リーフを誓い、新たな企画に着手するのであった。

 続く
68名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/03(木) 23:06
あげていいの?
時々ならいいんちゃう
保証しないけれど
鳥のや生波夢は出てこないの?
71名無しさん:2000/08/03(木) 23:27
マジで面白いなぁ・・・
これeternal world載るの?
SSリンクとかに登録されたらおもろいな
73名無し君:2000/08/04(金) 04:40
久しぶりに来たらこんなおもしろい物が。
まさか合戦シーンまであるとは思いませんでした。
後は誤植に気をつけてがんばってくださいね。
74追撃編 1:2000/08/04(金) 23:11

 デジフェス当日から一週間ほど、鍵掲示板は荒れに荒れた。
 徹夜組を糾弾し、再販を求めるカキコが、決壊したダムの水のごとく流れてゆく。
「keyさんに要望があるなら、メールを送りましょう」
 一部の者はそう注意したが、焼け石に水であった。
 急増する負荷に耐え切れなくなったのか、サーバーもダウンした。
 掲示板が落ち着いてもなお、再販を要求するメールは後を絶たなかった。
 後世の歴史家は、これを、鍵っ子を象徴する事件として記すことになる。
 keyの面々が高橋と下川の暴挙を鼻で笑っていられたのは、
 騒ぎはすぐに沈静化すると踏んでいたからだ。
 しかし、徹夜組への糾弾は、やがて鍵っ子同士の罵倒合戦に代わり、
 核分裂反応さながらに暴動は拡大していったのだ。
 常軌を逸した苦情に対応したのは、サイトの管理を担当する折戸である。
 寝食を惜しんで掲示板に目を光らせ、五分ごとに送られてくる「チェーンメール」を処理した。
 物理的な要因――睡眠や食事の不足――よりも、精神的なものが大きかったのであろう。
 折戸は日を追うごとにやつれてゆき、今にも過労で倒れそうになっていた。
「無理をしないで休め」
 麻枝が休息をとるよう勧めたが、折戸は頑として拒んだ。
「今ここで俺が休んだら、鍵っ子は確実に暴走する。それだけは食い止めるんだ」
 必死の形相でディスプレイを睨み、折戸は暴動の鎮圧に努めた。
75追撃編 2:2000/08/04(金) 23:13

 尋常ならざるカキコが鍵掲示板を飛び交うなか、青紫は、事の次第を高橋と下川に報告していた。
「……というわけで、機動隊に襲い掛かった鍵っ子は逮捕されました」
 報告を聞き終えた二人は、満足そうな笑みをたたえた。
 高橋が賛辞を送る。
「これでkeyが受けたダメージは計り知れないものがある。よくやった」
 青紫は軽く頭を下げ、専務に視線を転じる。
「下川さん、昇進と新作の件ですが……」
「おう、実はもうその用意が出来てる。
 明日付けでお前は開発部の次長に昇進だ。新作のシナリオも書かせてやる」
 次長……なんていい響きだ。
 お荷物と言われて久しいが、それは僕に自由な手腕を振るうだけの権限がなかったからだ。
 次長になれば、いろんな所に口出しできる。
 笑っていられるのも今のうちだ。
 必ず、僕を馬鹿にした奴らを見返してやる。
 ……青紫の涙腺から、感涙が溢れた。
「そんなことで泣くなよ、大げさだな」
 高橋が肩に手をかけると、三人はどっと笑い声を上げた。
 同時に、遠くから下川を呼ぶ声が聞こえた。
「下川さん、お客様です」
「すぐに行く。応接室にお通ししろ」
 そう言って、下川がきびすを返そうとすると、
「誰だ?」
 高橋が首をかしげた。
 下川は口元に笑みを浮かべ、答える。
「key殲滅作戦をより完璧なものにするための協力者さ」

76追撃編 3:2000/08/04(金) 23:14

「お待たせしました」
 リーフの専務は応接室のドアをくぐると、緑茶をすすりながら待っていた男に、深々と頭を下げた。
 軽く握手を交わし、テーブルを挟む形でソファに腰を下ろす。
 下川を訪ねてきた男は、13cmの使者である。
 ビジュアルアーツ内には、特別ともいえるkeyの待遇に不満を抱く者が、少なからず存在する。
 その反keyの筆頭といえるのが13cmである。
「デジフェスの件は見事でした。正直に言いますと、あそこまでうまくいくとは思っていませんでした」
 感謝の眼差しを向けながら、使者は口を開いた。
「私は高橋とプランを立てたに過ぎません。青紫が現場をまとめてくれたおかげです」
 下川は謙虚に応じ、気になっていたことを問いただした。
「それで、keyの反応は?」
「彼らはクレームの対応に追われ、しばらくは新作に着手する余裕などないようです」
「……ふむ」
「webを管理する折戸は過労で倒れる寸前です。
 何かきっかけがあれば、彼をかろうじて繋ぎとめている糸は切れるでしょう」
「そうか……折戸め、いい気味だ……」
 下川は、裏切り者を許さない。
 神聖にして不可侵であるリーフ帝国の厚い恩寵を忘れ、
 目先の利益を求めてkeyの設立に加わるとは。
「信義にそむき、臣民としての道を踏み外した者よ、神罰が下る日は近いぞ」
 下川は執務室に戻ると、電話に手をかけ、「血の宴」事件の功労者たちを呼びつけた。
 デジフェスで痛手を被ったkeyに、さらなる一撃を加えるために……。
77追撃編 4:2000/08/04(金) 23:17

 一時間後、60名ほどの男が大広間に集められた。
 彼らはリーフ・ファンクラブの会員で、リーフのためには命も惜しまないと公言している。
「まずは礼を言おう。デジフェスの件はご苦労だった」
 下川は、ひとりひとりと握手を交わし、臣民を褒め称えた。
 彼ら全員を見渡せる位置まで下がると、下川は勅命を下した。
「昨日の今日で誠に申し訳ないが、君たちに新たな使命を与える」
 下川は、デジフェスの件と並行する形で、もうひとつのプランを練っていた。
 それは、keyを再起不能に追い込み、
 リーフの輝かしい栄光を取り戻すための、用意周到な計画である。
 臣民の前に、ダンボールが並べられた。
「これが何か分かるか?」
 白銀の円盤が、茶色い箱に詰め込まれていた。
 ざわめきが、静かに沸き起こる。
「そう、KANONを焼いたCD−Rだ」
 ざわめきを静めるように、下川はせき払いをする。
「諸君、この戦いは邪教keyに対する正義の戦いである。
 鍵っ子と呼ばれるカルトを生み出し、エロを軽視する風潮を蔓延させたkeyを許してはならない。
 あまつさえ、我らがリーフ帝国に変わって世界を支配しようとさえしている。
 我々は、彼らの横暴に立ち向かい、リーフ帝国の正当な地位を脅かす輩を打倒せねばならない。
 天をも焦がす情熱をもって、戦おうではないか。正義と真理を守るために」
 下川は、腕を水平に伸ばし、人差し指を臣民の群れに向けた。
「諸君に命じる! このCD−Rを友人・知人にばらまき、keyを混乱に陥れるのだ!
 全ては我らがリーフ帝国の永続と栄光のため!
 さあ、恩義と忠誠を知る者たちよ、勇気を奮い立たせ、帝国に仇をなす邪教keyを打ち砕くのだ!」
 リーフ信者は高らかに叫ぶ。
「ジーク・リーフ!」

 続く
78名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/04(金) 23:17
あげます。
13cm出したんなら元長さんが、13cm側と対立してVA内で別ブランド作る話とかも入れて欲しいな〜。
君ら内部事情詳し過ぎ。
まじでVA系列のメーカー社員ここに来てるでしょ。
懐かしい話だな…
ところで鍵っ子ウォーカーはでてこんのか?
82名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/05(土) 01:15
細かい所まで凝ってるな。
83名無しさん@某T:2000/08/05(土) 02:38
大阪・天満の一角。
似合わないサングラスを掛けた折戸は、いら立ち加減で人を待っていた。
やがて、向こうから足音が聞こえる。
「…人を待たせるとはどういう了見だ。この場でその黄金の指を折ってもいいのだぞ」
不機嫌そうに折戸はつぶやく。
「私にも立場がある。この場を陛下に見られる訳にはいかんのでな」
足音の主は、ひょうひょうとした表情で答える。
中上和英。下川の右腕と言われる男だ。
かつては折戸の戦友でもあり、敵味方に別れた現在でも、その友情は変わらない。
「同じWeb管理者として、俺の苦労も判るだろう」
「何が言いたいのだ?」
「なぜ荒らす。信者を使ってまで」
中上の表情が一瞬、凍る。
「…何が言いたい」
「CD-Rの件だ。だれがやったか、おおよその見当はつく。フン、あの男らしい汚いやり方だ」
「お前は疲れている。人の意見を聞きすぎなのだ。無視する勇気も…」
「中上。お前のように、独善的に何でも削除するような管理は俺にはできない。
あの男に…下川にしいたげられた俺には、無視されることの苦しみが判るから…」
「折戸!」
中上が声を荒らげる。この男にしては珍しいことだ。
「…俺は陛下には逆らえん。お前のような勇気がないから」
絞り出すように、中上はそう言った。うっすらと、目に涙が浮かんでいた。
「すまない、言い過ぎたようだ」
バツが悪そうに折戸は沈黙する。
音のない時間が数刻、流れた。
84名無しさん@某T:2000/08/05(土) 02:39
「話したくなければ話さなくてもいいが、帝国の実状はどうなのだ」
口を開いたのは折戸の方だった。
「話す必要はない…と言いたいところだが」
「だが?」
意外な反応に折戸は驚く。帝国の重臣が話すとは思っていなかったからだ。
「正直苦しいのだ。ドザ・石川大将軍が帝国を離れたからだ」
「…あの歴戦の男が、帝国を見限った、か…」
「帝国は東部戦線を広げすぎたのだ。何のちゅうちょもなく西の名将を投入した。
もちろん、俺もその例外ではない」
「…」
「鳥の、生波夢、上田、閂…。勇将たちが次々と帝国を見限った。
水無月、河田、原田も、内心はどうだか…」
「…予想以上だな」
「帝国の惨状は予想以上だ。なのに、私には飛び出す勇気がない。それだけのことだ」
「中上…」
「私はお前の勇気がうらやましい。憎いと思ったことさえある。いや、今でも憎いのかもしれない」
「中上、もうそれ以上言うな。お前の気持ちは判っている」
「…すべては、陛下の独善に問題があるのだ。それを止められない私にも」
「それ以上自分を責めるな、中上! お前は…よくやっている」
「…すまない、折戸」
2人の目を、ゆっくりと、涙が伝った。
85名無しさん@某T:2000/08/05(土) 02:39
「最後に一つだけ言っておく」
「何だ、中上」
「重臣たちの中で、陛下に心酔しているのは、青紫ただ一人だ。
あの高橋さえも…内心は判ったもんじゃない」
「…どういうことだ?」
「伊丹から新大阪に遷都を強行するなど、陛下の独善には多くの重臣が不満を持っている。
場合によっては…高橋すらも、お前たちの側につく可能性があるということだ」
「…本当なのか、あの高橋が」
「あくまでうわさの域を出ないが、な。可能性の問題だ」
「あの男は知っているのか」
「そのせいで最近、高橋と口論が絶えない。陛下も…おろかなことを」
「中上…」
「…まあいい。少なくとも私は、最後の一兵になっても帝国に残る。
今の陛下には問題も多いが、拾ってくれた恩を忘れたわけではない」
「お前も…相変わらず律儀なもんだな」
「…次に会うときは、戦場かもしれんな、折戸」
「ああ、ただ…」
「ただ?」
「…中上。お前と戦うのは嫌だな」
後は無言のまま、2人は別れた。
86名無しさん@某T:2000/08/05(土) 02:47
◎筆者あとがき
…やっぱ才能ないな、俺。
>>86
んにゃ、いい感じでしたよ。
大阪市内、某所。

「……いかんな」
デスクに腰掛けた男が、一人呟く。
「どうしました、部長?」
答えたのは、隣で作業をしていた部下。
「いや、キミも知っているだろうが、デジフェスの件」
「Keyさんのコトですか」
「そう。会場外だったからよかったものの、中だったら我々にも被害が……
と、それはともかく、やっぱり黒幕がいたようでね」
「リーフさん、ですね」
「そうゆうこと。『Kanon』の評価が高かったから、焦っているんだろうね。僕としては3−0で『こみパ』だけどね」
「……メガネっ娘の数でですか?」
男は、「ごほん」と咳払いして、話題をそらすように続ける。
「しかし、だ。これだけ派手なコトされると、我々としても黙ってみているわけには行かないねえ。関西の覇権は、リーフさんでも、Keyさんでもなく、我々が握るべきだからね」
「ええ」
「そこで、だ。すまないが、池袋に電話をつなげてくれないかな」所変わって、伊丹・リーフ本社ビル。
殲滅作戦が快調に進んでいるからか、開発室には穏やかな空気が流れている。
「順調だな」
下川が口を開く。
「ああ。このまま行けば、あの目の上のたんこぶは消滅。我々の帝国は安泰だな」
そう語る高橋の表情は明るい。
「うむ。だが、こう言うときこそ気を引き締めねばならんかもな」

どたどたどた。
開発室に一人のスタッフが駆け込んで来る。
「どうした。そんなに慌てて」
「た、大変です。と、東京から、『彼女』がこちらに向かっていると、連絡が……」

開発室に、戦慄が走る。


(続く)
JR新大阪駅、新幹線ホーム。
下川をはじめ、リーフ主要スタッフがそこに終結していた。

新幹線のドアが開く。
グリーン車の中から出てきたのは、二人の男を従えた、女性だった。
女性は居並ぶリーフスタッフを睥睨し、口を開く。
「やっほ〜♪ したぼくのみんな、でむかえごくろ〜☆
そ〜れにしても、やっぱこれくらいいないとね。『クイーン』としては☆」

賢明なる読者諸氏ならお分かりであろうが、彼女はみつみ美里。
同人界の『クイーン』にして、リーフ東京開発室の原画家である。
彼女が引きつれているのは、同じくリーフ東京スタッフの甘露樹、鷲見努。

再び、リーフ本社ビル。
専用の社用車を降りた一行は、専務執務室に迎えられた。

「ふふ〜ん。ちょーすばらしいアイデア思いついたから、やってもらおうと思って♪ このみつみちゃんさま自ら来てあげたんだから、ありがたく思いなさいよ」
そう言ってみつみが差し出したのは、
『こみっくパーティー きかく書』
と書かれた一通のレポートだった。
「え、あのー、こみっくパーティーはもう既に発売されましたが……」
「んーなことは分かってるわよ。まあ、ちょっと読んでみて☆」
下川がページをめくると、そこには
『しゅし:同人誌そくばい会「こみっくパーティー」をほんとーに開さいする→したぼくたち大よろこび』
と大書されていた。

(続く)
その後には、即売会の詳細として「ゲームで出てきたサークルをはじめ、ごーかゲスト♪」などと景気のよい言葉が並ぶ。
鳩が豆鉄砲食らったような顔をして固まる下川。
「どお?いいアイデアでしょ?」
「み、みつみ先生、これは……」
「いいでしょ?」
下川の頭に浮かんだのは、先日のデジフェス。
ここに書かれている規模の即売会ともなれば、相当の混乱が予想される。
それだけでも二の足を踏むのに加えて、この機をついてKeyが復讐作戦を打ってこないとも限らない。他の大手だって黙っては居るまい。
「ちょっと、無理では……」
絞り出すように声を紡ぐ。
「やだ」
にべもなく言いきる、みつみ。
「しかし……」
「やだやだやだやだ! やってくんなきゃやだ!」
「か、勘弁してください〜。こんな企画通したら、どんな危険なことになるか……」
「……じゃ、いい」
「分かっていただけましたか」
ほっと胸をなでおろす下川。
「……高田馬場に、帰る」
「待ってくださいみつみ様!! それだけは、どうかご勘弁を…!」
冗談じゃない。
彼女が抜けたら、原画もグラフィッカーも全部抜けるだろう。そうなれば、東京開発室が再建できないのは明白である。
それに、せっかく引き離したF&Cに、塩を送ってやるわけにもいかない。
「分かりました! 即売会でもなんでも、開きます!」
「よしよし。そーこなくっちゃ。じゃ、後のこまかいことはよろしく〜♪
甘露クン、CHARMクン!」
「はい」
後で控えていた男が答える。
「せっかく大阪来たんだし、プリンパフェ食べにいくわよ〜♪ つれてってあげるから感謝しなさい」
そういうと、みつみは部屋を出ていった。
残された二人−甘露と鷲見は苦笑いして顔を見合わせる。

「甘露君。先行っといてくれないか」
「ああ」
甘露が退出すると、鷲見は下川に近づき、一言告げた。

「南森町に、気をつけて下さい」


(波濤編、終了。次編に続く)

+++++++++

一読者です。勝手に続けさせていただきました。
このストーリーをはじめた1さまには感謝です。

「あれはリーフじゃない」と言う諸氏も居られるかもしれませんが、
この戦記には欠かせないのではないかと。

他の執筆者の方々に比べて拙い文章でございますが、ご容赦願えれば幸いです。

なお、みつみ女史の性格その他が詠美ちゃんさまなのはあくまで筆者の趣味です。

あと、88で改行がおかしくなってしまいました(所変わって…のところ)。

>>40
こんな感じで、どうでしょうか?

>>83-86
才能ないなんてことないですよ。
いい感じだと思います。
みつみちゃん様萌え〜(笑)
92某T@東京編幕間:2000/08/05(土) 21:20
「そうですか…アリスが池袋にそんな入れ知恵を…」
東京・練馬の某事務所。その男は、眼鏡の下で眼光を鋭く光らせた。
「アリスにリーフ…。いつまでも…東は西の植民地ではないのですよ」
穏やかな言葉の中にも、鋭さが見え隠れする。
「DESIRE、EVE、YU-NO…。
エロゲーの泣きの元祖が、彼らには誰なのか判っていないようですね」
男の名は菅野ひろゆき。アーベルの社長も務めるこの世界の重鎮だ。
彼を神とあがめるクリエーターは多いが、エルフの蛭田と対立したこともあり、
現在(3月当時)は、表立った活動を控えている。
「高田馬場を骨抜きにした彼らもさることながら、
東のテリトリーにアリスさんが割り込んでくるのなら、こちらにも考えがあります」
「考え…とは、何ですか、社長」
傍らにいた菅野の寵臣、田島直がいぶかしげに聞く。
「天満と連絡を取り合いなさい。敵の敵は味方というではありませんか」
「天満…まさか彼らに」
「彼らはある意味、私の忠実な教え子です。困った時には助けると、そう伝えておきなさい」
「…はい」
「それと」
「…まだ何か?」
「私の西の友人、イシカワに連絡を取りなさい。少しは助けになるでしょう」
「仰せの通りに」
「…ところで田島、探偵紳士の進み具合はどうですか」
「順調です、すべて。前のようなことはありません」
「古巣のような致命的なバグを出すとは…私のプログラムの腕も鈍ったようですね」
「社長も…相変わらずきついことを」
「社長はやめなさい。あなたも社長でしょう、田島」
「…ですね。昔の癖が抜けないものですから」
「後は…任せましたよ。あれには二の矢、三の矢もありますから」
「はい、判りました」

「萌えは…ミントで取りあえずマスターしました。
私もまだ若い。彼らには、負けませんよ」
田島が去った社長室で、菅野は一人つぶやいた。

◎注:この作品はフィクションです。
   菅野氏とイシカワ氏は無関係…のはずです。
93名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/06(日) 02:58
13cmの元長さんといえば、10月ごろ、HPで、
KEYの人たちや謎のアラブ人と会って、
喜んでいた人というイメージがある。
別に13cmと仲違いした訳じゃないよーとも言ってた。
でも、元長さんが現在KEYよりなのは、確か…。

それより、KEYとRAMの関係や、RAMのスタッフって、
何者やねんと言う疑問が…。
RAMはデジフェスでKEYの隣で何を思っていたのでしょう…。

デジフェス時のKEYの看板を待ち帰った人がいました。
何に使うねん!! 
94名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/06(日) 03:02
93さんて13cmの人?
VA系列の人が来てるのは間違い無いんじゃないかなって
勝手におもってるんだけど…
元長さんて誰っすか?教えてくだちゃい
やっぱ、これ面白い
微妙にリアルなんだよな…
>>94
う〜ん、せめてスタッフ間の関係とどこのブランドに誰がいるのか
知らないと、これ読んでも面白くないよ。
ちなみに、ここに載ってるレベルの情報なら裏でもなんでもない。

元長さんは元13cmスタッフ、フロレアールのシナリオ担当にして
現VA新規ブランドotherwiseを率いるシナリオライター。
9894:2000/08/06(日) 03:38
業界人がいるとしか思えないよ〜っ
9994:2000/08/06(日) 03:43
ありゃ、タイミング悪かったね。
97さん教えてくれてありがとっ!
話が少しずつ大きくなってきたな……(^^
101名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/06(日) 04:54
ところで、折戸伸治ってサングラス似合わないの?
すごいアクロバティックなネタ振りだね・・・
103名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/06(日) 07:43
つづききぼーん
104名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/06(日) 08:26
まじ面白いです。
今後ですけど、
安全管理の面から見て(苦笑)
「ぱろでぃ」ネタは使わないほうが無難そうですね。
105名無しさん@インターロ−グ:2000/08/06(日) 08:29
インターローグ(追撃1−2編)
必死にサイト管理に励む折戸。そんな彼に優しい声が掛けられる。
「大丈夫ですか折戸さん?あとはボクが見ておきますよ」
その言葉とともに缶コーヒーが一本、折戸の横に置かれた。
「ああ、悪いな」
その言葉に、笑みを返した青年の名は、戸越まごめ。
折戸がよろよろと立ちあがり部屋を出た時、鳥越の唇が少しだけ、歪んだ。
「あ、…」
その場で戸越に声を掛けようとしたみきぽんが一瞬戸惑いを浮かべる。
その時の戸越の横顔が浮かべていた暗さ、冷ややかさ、人間の悪意を嘲笑うかにも
見える笑みを見、一瞬言葉に詰ったのだ。
(何?ただの戸越君じゃない…)
いずれ戸越はKeyの強権派として、折戸とはまた違う自らの信念に基づいた
権勢を振るうこととなる。
だがその血、戸越まごめの冷たい血脈が開花するまでには、
まだいくぶんの時が必要であった。
106名無しさん@インターローグ:2000/08/06(日) 08:31
折戸がよろよろと立ちあがり部屋を出た時、鳥越の唇が少しだけ、歪んだ。

折戸がよろよろと立ちあがり部屋を出た時、戸越の唇が少しだけ、歪んだ。


どこまで風呂敷広げる予定?(笑)
108名無しさん@1 激発編 1:2000/08/06(日) 19:51

「血の宴」事件から二週間、騒動は、収束しつつあるように見えた。
 折戸の体調もいくらか良くなり、ようやく新作の製作に着手できるところまできていた。
 しかし、新たな火種がくすぶり始めていることを、keyの面々は知るよしもない。
 季節は移ろい、冬。
 林立するビルの合間を縫うように吹き抜けていた秋風が木枯しに変わり、
 吐く息は白い粒子となって雲散する。
 人々が背中を丸めながら街を行き交うある日、ビジュアルアーツが凶報に揺れた。
 KANONを焼いた万単位のCD−Rが、
 何者かの手によって無料配布されているというのだ。
 犯人の正体は、すぐに察しがついた。
 心当たりはただひとつ。
「リーフめ!」
 怒りに身を任せ、麻枝が机を叩いた。
「まさかこんな汚いまねをするなんて、僕らはリーフを過大評価してたみたいだね」
 こみ上げる義憤を抑えながら、久弥が呟く。
「落ちるところまで落ちたわね、下川くんも」
 いたるが、哀れみに満ちた溜息をつく。
 大阪市東天満のビルの一室。
 信じがたい惨事に、誰もが、
 葬列を見送る遺族のように、その表情に影を落としていた。
 皆が皆、視線を伏せ、怒りのはけ口をさぐるように沈黙を守っている。
 時折つむぎ出される言葉も、途切れ途切れであとが続かない。
 壁にかけられた時計の、時を刻む針の音だけが、
 彼らの鼓膜を静かに打っている。
 一方、keyの副代表である折戸は、社長室で今後の対応を協議していた。
 警察の捜査が終わるまで、いたずらに騒ぎを大きくしないことが確認されると、
 折戸は、麻枝らの待つ部屋に戻った。
109名無しさん@1 激発編 2:2000/08/06(日) 19:52

 折戸は、協議の結果を簡単に説明すると、休むまもなくパソコンと向き合う。
 再び荒れるであろう掲示板の沈静化に努めるためだ。
「働きすぎよ、折戸くん。顔色が悪いわ、少しは休まないと」
 身を削って働く折戸を見かね、いたるが休息をとるよう勧める。
 麻枝と久弥も、ディスプレイを見つめる折戸に歩み寄り、
 限度をわきまえない同僚をたしなめる。
 webの管理人として鍵っ子をなだめ、
 副代表として社長と協議を重ねる折戸の体力は、確かに限界に近づいていた。
 連日連夜の激務に、頬は血の気を失い、瞳に宿っていた生気の灯火は弱々しく揺れている。
 額には冷たい汗をにじませ、キーボードを打つ指は小さく震えている。
 いつ倒れたも不思議でないほどに蓄積された過労は、誰の目にも痛々しく映る。
 しかし折戸は、責任感か、それとも下川への対抗心か、
 いたるの手を無言で払いのけた。
「言って聴くような奴だったら、
 トップを取ろうなんていう大それた考えは抱かないだろうよ」
 いつだったか、折戸の勤勉ぶりを見て、麻枝がそう評したことがある。
 虚ろな視線でディスプレイを見つめる折戸の姿は、
 その評価を揺るぎないものとするのに十二分だった。
 視界の中心で、人の影が崩れ落ちた。
「折戸!」
 最初に声をあげたのは、最も近い位置にいた久弥だった。
 片膝をつき、床に伏せる折戸の肩を抱き上げる。
 呼吸は荒く、全身を巡る血管は青白く変色している。
 にじみ出た汗が滝のように流れ、床に染みを広げてゆく。
「折戸、大丈夫か?」
 麻枝が、悲痛な叫びで友を案じた。
 しかし、折戸は答えない。
 薄れゆく意識のなかで、折戸が最後に聞いたのは、
 友の声ではなく、救急車のけたたましいサイレンだった……。
110名無しさん@1 激発編 3:2000/08/06(日) 19:54

 白一色に染め上げられた病室で、
 同僚に見守られながら、折戸は静かに寝息を立てていた。
 医師の診断によれば、症状は単なる過労だが、
 心肺機能に多大な負荷がかけられており、
 今しばらくは予断を許さない状況だという。
 命に別状はないだろうが、後遺症が残るかもしれないと、
 医師は去り際、そう語った。
「折戸……くそっ、何でこんなことに……」
 倒れた友にかぶせられたシーツを強く握り締めながら、
 麻枝は無念を言葉にした。
 いたると久弥も、口にこそしなかったものの、
 同じ想いであることは確かだった。
 折戸の回復を祈りながら病室をあとにした三人は、
 廊下に並べられた長椅子に腰を下ろした。
 沈黙と静寂が、交互に彼らを包み込む。
 息苦しさに耐えかね、口を開こうにも、ふさわしい言葉が見つからない。
 麻枝が、鈍く呟く。
「……戦争だ」
「え?」
 突然の独白をよく聞き取れなかったいたるが、
 伏せた顔を覗き込むように聞き返した。
「戦争だ……絶対に許さん……」
「麻枝くん?」
 憎悪に身を焦がす麻枝の静かな怒気に押されるように、
 いたるは目を見開き、のけぞる。
「いたる、久弥……こいつは弔い合戦だ。奴らにも同じ目をあわせてやる……
 笑っていられるのも今のうちだ……待ってろ、リーフめ!」

 続く
111名無しさん:2000/08/07(月) 01:03
続ききぼーん
内容がアレだけど実は文章上手いし面白いかも…
上げるときは少し廻しといてね
面白いのであげ
仁義なき戦いみたいでいいっすね
115名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 02:44
細かい描写が好きだ
田中ヨシキっぽく進むのか……
福本信行ちっくに進むのか……
117某T@激発編幕間1:2000/08/07(月) 05:23
「それは本当なのですか?」
折戸倒れる、の知らせを、中上は退社した石川真也からの電話で知った。
「昔からの悪い癖だ。真面目すぎるんだ。雫の時からあいつはそうだった」
石川の声は明らかに不機嫌だ。
「…判りました。心に留めておきます」
「まぁ、会社じゃそこまでしか話せないだろうからな。見舞いには行くのか?」
「…考えて…おきます」
「声が疲れているぞ。自分の心には素直になれ。でないと…」
「でないと?」
「あそこまで強権的な削除ができるほど強いわけでもないだろ?
無理をするな。…次はお前の番になるぞ」
言い終わると、石川は電話を切った。

大阪・北区の病室には、面会謝絶の札が掛かっていた。
「…一体どういうことだ」
予想以上に病状が悪いのか? そんな不吉な予感が中上の頭をよぎった。
通り掛かった医師に、中上は聞く。
折戸の病状はどうなのか、と。
「身内の方ですか?」
「弟です」
とっさにそんな嘘が口を突いて出た。
「そうですか…ではこちらに」
医師は中上を個室に案内した。
118某T@激発編幕間2:2000/08/07(月) 05:26
「…命に別状はありません。単なる過労です。ただ…」
「ただ?」
「しばらく無理はできません。…聞けばお兄さんはソフトハウスにお勤めだとか」
「はい」
「ああいう仕事は時間が不規則ですしねぇ。
いっそのこと、仕事を変えてしまってはいかがでしょうか?」
医師の言葉には、明らかに侮蔑の意が込められていた。
中上は、込み上げる怒りを抑えながら言った。
「…それは、兄の本望ではないでしょう」
同時に自分の本望でもない。そう言いたかった。
「まぁ、しばらくは無理はできませんね。呼吸器系統に後遺症が残りそうですから」
「…そうですか」
持っていた小さな包みに目を落とし、中上は自分の無力さを呪った。

「あの」
「なんですか?」
「これを…兄に」
円筒形の小さな包み。紺色の風呂敷に包まれている。
「お見舞いの品ですか。一体これは…」
「開けないでください!」
思わず中上は声を張り上げた。
「君!」
「…そのままで…兄に…手渡して…ください」
「…ここは病院だよ。判っているのかね」
「はい」
「…判りました。お兄さんにはちゃんと渡しておきます」
「…ありがとうございます」

包みの中身は、500枚パックのCD-R、株式会社アクアプラス名義の領収書。
そして、たった一枚の手紙。
『証拠はここにある。
俺にはこれしかできない。
すまない。
          中上』
119某T@あとがき:2000/08/07(月) 05:36
激発編をもう一つの視点から描いてみましたが、
…ちょっと駄目かも。
>119
いやいやなかなかどうして格好良いです。

しかして、このままKEYが善玉にならないのをきぼーん。
121名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 07:52
続き
122名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 07:52
希望
123名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 07:53
あげ
124名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 08:21
このスレ面白そうなんで、あとで仕事中にじっくり
読ませていただきます
125名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 08:23
どうやって終わらせるかが問題だな……
126サービス君:2000/08/07(月) 18:09
とりあえず鍵っ子大量乱入でパニックになった
こみパ会場の片隅でみつみちゃんさまが輪姦
されるシーンはスタンバってるので、そこまで誰か続けてくれ。
127名無しさん@インターローグ:2000/08/07(月) 18:20
インターローグ〜間奏〜

麻枝、久弥、いたる、みきぽん、しのり〜。皆が折戸の病院に集っていた頃、
ただ一人の若者が、keyのスタッフルームで残務整理に励んでいた。
彼の名は戸越まごめ。若いが才気に溢れた野心ある青年である。
彼は繊細な指でキーを軽く叩く。画面が切り替わり、keyみんなの掲示板が現れた。
軽やかなブラインドタッチが次々と表示を替えていく。彼の細い目がさらに狭まった。
「ゴミどもが…。こんなゴミ屑を甘やかすなど、愚かすぎるよ折戸。
奴の二の舞は踏まん…。ゴミには誰が支配者なのか教えこむ
必要がある…」
彼はジャケットの懐から携帯を取り出すと、電話をかける。
「俺だ。ああ、以前言った件だがな。頼むぞ。思いっきりやってくれ、」
「安心しろ、警告メールとかはいかねえよ、何しろ俺が…管理者なのだから」
電源を切った携帯を懐にいれながら、彼は無表情でPCに向かう。
だがモニタに映る戸越の影、その口元は僅かに歪んでいた。
128名無しさん:2000/08/07(月) 20:54
続ききぼーん
まごめさん、怖い・・・
 戸越まもめ@STBについて何か欲しいかな、とか。
「どうした? 落ち着きがないぞ」
 高橋に声をかけられて、初めて下川は自分が部屋の中をせわしなく歩き回っていることに気がついた。
「上に立つ者はもっと、構えていればいい。それでは下が不安になるぞ」
「だが… あれは無茶だ。成功するはずがない」
 その返答を聞いて高橋の顔が歪む。
 主語が省略されていたが、何を云わんか理解したのだ。
「外様風情が」
 吐き捨てるように呟く。
 彼は全く持って新参の連中を信用していなかったのだ。
 そして、ただ付いてきただけの烏合の衆(ファン)も。
 だが感情をそれ以上露にしようとせず、下川の耳にそっと吹き込む。
「大丈夫だ。自信を持て。俺たちは負けない」
「本当か!?」
「ああ、俺が今まで負けたことがあったか?」
 後年、述懐される所、『奴の智謀は尽きぬ泉のようだな』と評された高橋の言葉である。下川がいつもの傲慢な表情を取り戻すのに時間はかからなかった。
「それでこそ『下川』だ。取材が入っているのだろう。時間だ」
「ああ、そうだな…」
 退出しようとした下川は扉に手をかけ、振り向きざまに言った。
「高橋、リーフはカイゼルになれると思うか?」
「俺達以外の誰にそれが適えられようか」
 それは95年、阪神大震災で壊滅したリーフ本社でのやりとりの再現だった。
 あのときはただの夢物語だと思っていた。
 だが、それはもう手の届くところに来ている。
 燃え上がる野望は身を焦がさんばかりに。
 あふれる自信は自分をも流しかねない勢いで。

 その日の下川のインタビューは世間に波紋を投げかけることになる。
132名無しさん:2000/08/08(火) 07:44
折戸萌え
133名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 10:19
折戸さんかっこいい・・・(笑)

まじアンコンビ(はざまさかげ&名前忘れたシナリオライター)とかは
でてこないのかな?
134名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 11:46
時系列的にこれからだろ。
135しかし:2000/08/08(火) 13:27
Leafの大々的ななスタッフ募集広告といい、13cmのソフト発売停止問題といい、
ネタに事欠かねー業界だなオイ(藁
131はまだ文章が稚拙だな。
会社と昔の親友との板ばさみで苦悩する中上さん萌え
138名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 19:19
なかなか良いじゃない。続ききぼ〜んあげ。
139名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 21:07
あげ。
140名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 22:09
>>126のスタンバイしてる所まで早く行って欲しいな(笑)
このスレ迫力があって面白い。俺もちょっと書いてみようかな・・・。
141名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/09(水) 01:14
クィーンの話が見たい〜
89さん続きお願い!
142名無しさん@1 粛清編:2000/08/09(水) 01:23

 順調とは言えないものの、折戸は確実に快方に向かっていた。
「面会謝絶」の札が下げられた病室のベッドで、
 意識を取り戻した折戸は、首をかしげながら小さな包みを見つめていた。
 目が覚めたとき、「弟さんからのお見舞いの品だよ」と、医師に手渡されたものだ。
 折戸に弟はいない。
 間違いではないかと何度か問いただしたが、
 確かに折戸に宛てられたものだという。
 誰が何の目的で存在しない弟をかたり、この包みを医師に託したのか。
 いくら思案しようとも、中身を確かめない限りは推測の域を出ない。
 恐る恐る梱包をとくと、折戸の目の前に現れたのは、
 500枚パックのCD−Rとアクアプラス名義の領収書、それに一通の手紙である。
 脳裏に、よく見知った男の顔がひらめいた。
 慌てて手に取った手紙は、彼の直感を裏付けるものだった。
「中上……」
 短い文章を読み終えた折戸は、誰に聞かせるでもなく呟いた。
「ありがとう」
 危険をかえりみない友に、折戸は胸を熱くし、感謝の言葉を漏らした。
 その手紙が彼の形見になることを、この時、折戸は知るよしもなかった……。
143名無しさん@1 粛清編 2:2000/08/09(水) 01:24

 退院した折戸は、東天満のビルの一室にkeyの面々を集めた。
「みんな、これを見て欲しい」
 そう言って折戸がカバンから取り出したのは、
 積み重ねられた白銀の円盤と領収書である。
「これは?」
 当然の疑問を口にしたのは久弥だった。
 軽くせき払いをした折戸は、
 その場に集まった全員に視線を順に送ると、神妙な面持ちで説明を始めた。
 白銀の円盤はKANONを焼いたCD−Rであること、
 領収書は焼いた際に発行されたアクアプラス名義のものであること、
 そしてこれを持ち出して来てくれたのは中上であること。
 にわかには信じがたい様子らしく、一同は無言で互いの顔を見やる。
 直後、麻枝が沈黙を破った。
「これなら確実にリーフを追い込める。だがその前に、本物かどうか確かめないとな」
 折戸がうなずいた。
 KANONが焼かれているというのは、
 中上の手紙に書かれていただけで、折戸自信もまだ確かめていなかった。
 積み重ねられたCD−Rを一枚だけ抜き取り、ログインを済ませた端末に挿入する。
 ……次の瞬間、折戸たちの表情が凍りついた。
 色鮮やかなモザイクがディスプレイいっぱいに広がり、HDDがけたたましく鳴り始めたのだ。
「これは!?」
 絶叫が交錯した。
「まさか、ウィルス!?」
 異常を察知した折戸が懸命にキーボードを叩いたが、事態はすでに手遅れだった。
 HDDの内容は全て消去され、ディスプレイは鮮血を連想させる深紅で塗りつぶされた。
「……どういうことだ?」
 理解を越えた惨劇に、折戸は視線を虚ろにしながら、キーボードに置いた指を震わせている。
 中上がウィルスを含ませていたのか?
 いや、そんなはずはない。
 あいつが下川たちに協力するはずがない。
 ならばいったい……?
144名無しさん@1 粛清編 3:2000/08/09(水) 01:25

 同時刻、リーフに出勤した中上を迎えたのは、鋭い眼光で彼を睨みつける高橋だった。
「中上、下川が執務室で待ってるぞ」
 高橋の射抜くような視線に、中上は思わず目を伏せ、冷や汗をにじませた。
 形をとどめない不安が胸を満たしてゆくのを、中上は確かに感じた。
 そしてそれは的中した。
「俺の言いたい事は分かってるはずだ」
「なんのことかな」
 下川の尋問に、中上はできる限り平静を装って答えた。
 下川の表情は、憤怒とも嘲笑ともとれる微妙なもので、
 彼の心を読むことを困難にしている。
「倉庫にしまっておいた例のCD−Rが、領収書と共になくなった。
 お前が持ち出したことは分かってる。素直に吐け」
 CD−Rの持ち出しは完璧だった。
 誰にも気付かれてはいない。
 かまをかけようとしているだけだ。
 中上は自分にそう言い聞かせ、下川を睨み返した。
「なんのことだがサッパリ。最近の専務のお考えは理解に苦しみますな」
「お前が折戸と会っていたことも調べがついてる」
 ……これもはったりだ。
 落ち着け、下川のペースに乗せられるな。
 滑り落ちる冷や汗を背中に感じながら、中上は、乱れそうになる呼吸を必死に整えた。
「そんなに俺を裏切り者扱いしたいのか? リーフのために身を削って働いてきたこの俺を」
「……あのCD−Rにはウィルスしか入ってないぞ」
「!?」
 中上は、突きつけられた衝撃を隠しきれなかった。
「こうなるだろうと思ってな、あらかじめ中身をすり替えておいたのだ。
 今ごろkeyは大騒ぎだろうな」
 驚愕に打ち震える中上をあざ笑うように、下川は口元の両端を吊り上げた。
「残念だよ、中上。お前の才能は買っていたのにな。こんな形でお別れになるとは」
 下川は、ゆったりとした動きで、黒光りする物体をスーツのポケットから取り出す。
 それは、中上の見間違いでなければ、日本で一般人が手にできるものではなかった。
145名無しさん@1 粛清編 4:2000/08/09(水) 01:26

「その様子だと、本物を見るのは初めてだな。
 これはベレッタと言ってな、あるルートから手に入れた代物だ。
 せいぜい苦しまないように祈るんだな」
 下川はセーフティを解除すると、スライドを引き、薬室に弾丸を送り込んだ。
 消音器を備えた銃の断面を中上に向け、グリップを握る右手に左手を添える。
「あばよ、中上」
 陳腐な別れの言葉を告げると、下川は人差し指に力を込め、トリガーを絞った。
 乾いた音が、執務室に響き渡った。
 鮮血が宙に踊り、床に敷き詰められた絨毯を赤く染め上げる。
 中上が、鈍い絶叫を上げながら前のめりに倒れた。
 胸部に開いた小さな穴から、生き血が滝のように溢れ出し、
 中上の意識を奪い去ってゆく。
 意識と現実を繋いでいた五感が、徐々に失われてゆく。
 指先が冷たい。
 心臓の脈動が弱々しい。
 見えていたものが見えなくなり、聴こえていたものが聴こえない。
 深遠なる闇の底で、死神が薄く笑いながら手をこまねいている。
 ……これが、死という感覚なのか?
 すまない、折戸。
 最後の最後で足を引っ張ってしまって。
 償いにもならないだろうが、
 下川の野郎が早く逝っちまうよう、閻魔様に直訴してみるつもりだ。
 もし、生まれ変わって出会う機会があったら、好きなだけ俺を殴ってくれ。
 本当にすまない。
 だけど、これだけは信じてくれ。
 俺は、誰よりもお前のことが好きだった。
 情熱を燃えたぎらせた瞳、何者にも屈しない勇気、
 成功に向けた日々の努力、そのどれもが俺を魅了してやまなかった。
 できることなら、もう一度、お前と仕事をしたかった。
 すまない、折戸……。

 続く
 ああ、中上さんがお亡くなりに… (^^ヾ←追悼
中上さんって現実では生きてるんでしょ。
何だか、本来の道筋からだいぶ外れてきたな。
史実を完全に守らなくても良いと思うけど(鍵っ子暴動はおもしろかったしね)
あんまり外れすぎるのもちょっと…な感はあるよね。
149名無しさん@1:2000/08/09(水) 02:25
>>147
史実通りにすると、次は盗作騒動になるんですが……。

keyやリーフにどんな人がいて、どんな経緯で加わったのか教えてください。
両者の内実にはあまり詳しくないんで。
私が知ってるのは、

keyでは、
麻枝、久弥、いたる、折戸、みきぽん、しのり〜
リーフでは、
高橋、下川、青紫、水無月
13cmでは、
一人も知らない……
死んだと見せかけて生きてるんだよ。
良くある展開だろ?
151某T@乱世編1:2000/08/09(水) 02:33
「へぇ…よくもそんな馬鹿なことを考えたわね」
大阪・日本橋の某ビル。
社長室のデスクに座った男性…もとい女性は、
気だるそうな口調で受話器を握っていた。
「デジフェスの件はウチにとっても迷惑だったし、
もともとあそこにはいい印象持ってなかったけど
…あんたたちが裏で糸を引いていたとはね。
よくもまぁ、自慢げにそんなこと話せるわね。最低ね」
デスクの主は林真須美…もとい神田川俊郎…でもなく、
スタジオ・エゴの社長兼原画、山本和枝である。
「下川。あんたみたいな小心者が、
ビッグになろうなんて考えるのがそもそも間違っているのよ。
あんたにはあのタコ部屋が丁度よかったのよ。あたしと違ってね」
『まあそう言うな。かつてTGLの臭い飯を食っていた者同士じゃないか』
心なしか、電話の向こうの声のトーンが落ちたようだ。
山本はそこを逃さない。
「あんたみたいに性根まで腐っちゃいないわよ。
揚げ句の果てに、keyせん滅に協力してほしい? 私を見くびるんじゃないわよ」
『まぁまぁ、ここは一つ、デバッガーを貸すということで…』
「ウチも人の事言えた義理じゃないけど、あんたのところのなら願い下げね。
毎回毎回、何度修正パッチ出してんのよ」
『冗談は顔だけにしたらどうだ、え、山本?』
「そうねぇ…それじゃ一つだけ提案があるわ」
『何なりと』
「ウチはシナリオがちょ〜っと弱いから…
高橋くれるってんなら考えなくもないわよ」
『人を馬鹿にするのもたいがいに…』
「あ、原田でも別にいいわ。でも青紫だったらいらないから」
『ふざけるな!』
大きな音を立てて電話は切れた。
152某T@乱世編2:2000/08/09(水) 02:35
「相変わらず馬鹿だこと、あのボンボンは」
一息つき、山本はもう一度電話に手を伸ばした。
呼び出し音2回の後、電話はつながった。
『はい、こちらサフィール…』
「社長いる? 山本っていえば判るから」
『少々お待ちください』
きっかり10秒後、彼…もとい彼女が電話に出た。
『はい、代わりました』
「あたしよ。久しぶりね、あきら」
『これはどうも、お久しぶりです』
声の主は「あきら」。サフィール=ちぇりーそふとの代表だ。
山本と同じ、TGLスピンアウト組でもある。
「相変わらずつまんないゲーム作ってるわね」
『そちらこそ』
「ま、どっちも儲けてるからいいんだけどね」
『で、今日は何の用ですか』
「例の馬鹿ボンから連絡があってね。協力してほしいって」
『例の…て、下川?』
「そ。高橋くれって言ったら怒って電話切っちゃった。
これだから冗談の通じない馬鹿は。ま、からかうと面白いけどね」
『馬鹿につける薬はないようね』
2人は男らしく…もとい豪快に笑い飛ばした。
153某T@乱世編3:2000/08/09(水) 02:36
「放っておいてもいいんだけどさ、
あたしを怒らせたらどうなるかを知っておいてもらうのもいいかな、と思ってね」
『で、今日の用件と』
「そ。判るわね〜、あ〜きらちゃんは」
『それで、私は何をすれば?』
「簡単よ。…1人ほど、野心を植え付けてほしい奴がいるのよ」
『…どういうことです?』
「池袋はみつみのお馬鹿ちゃんさまがかき乱してるからね〜。
みんなストレスたまってんのよ。判る?」
『話はよく聞きますね』
「で、一人ほど、たきつけてほしいのよ。
いつまであの女の下にいるつもりなのか、とね」
『…誰にですか』
「甘露よ」
山本の表情が大きく歪んだ。
「うまくいけば、池袋は瓦解ね」
154某T@あとがき:2000/08/09(水) 02:42
確かエゴもデジフェス来てた…と記憶しているけど。
間違ってたらスマソ。
東京行き新幹線、とあるグリーン個室。

「すぴーっ、すぴーっ」
寝息を立てて眠る女性と、それを見守る二人の男。

「流石に、今日は疲れてますね」
「そりゃあ、『冬』の原稿と、『新作』の原画で忙しいところに、昨日一番であの『企画書』を仕上げたんだからな」
「そうですね……同人のこととなると、見境がないんですから」

沈黙が、場を支配する。

「CHARMさん」
「なんだ、甘露君」
「……『東京開発室責任者』として、止めないんですか?」
「君だって、分かっているくせに。確かに、リーフにとっちゃワリのいいイベントじゃないさ……だがな、俺たちの手による、俺たちの作品の同人誌即売会だぜ。『同人屋』としちゃ、願ってもないチャンスじゃないか。
残念ながら、俺は『外人部隊』にはなれても、『サラリーマン』にはなれんようだ。
甘露君だって、そう思ってるんだろう?」
「ええ。俺も、『同人屋』ですから。でなきゃ、そもそもこうして古巣を飛び出すこともなかったでしょうに」
ニヤリと笑う、甘露。

また、沈黙が三人を包む。
沈黙を破ったのは、みつみの寝言だった。
「むにゃむにゃ……あたしは……同人界の……クイーンに……なるんだから……」

思わず顔をほころばせる二人。
鷲見は、缶ビールをあおり、口を開く。
「クイーンか……
なあ、甘露君。俺たちは、これまで同人界のトップを目指して戦ってきた。……だからこそ今の地位がある」
「ええ」
「だがな……俺は、もっと上、もっと高みが見たいんだ。たとえそれが、一歩間違えりゃ奈落の底に落ちる道であっても……」
「CHARMさん。俺だって、同じっすよ。いや、みつみ先輩だって、師匠だって、ばんろだって、よしみだって……同人界のトップに立つことを誓った、あの日から……トップに立つためなら……」
その先を言いかけて、甘露は口をつぐんだ。

……たとえ、同志を奈落に蹴落としても!

(続く。冬コミ編になるのか何になるのかは分からんけど)
投稿前、某T氏の投稿を見て小幅変更。

『大同人』っぽいのを書いてみようと思ったですが……修行してきます。
明日から東京(というか有明)遠征。

>>126
おお。もうそんなところまで用意されているんですね。
そこまで続くように……皆さん頑張ってください(他力本願)。

>>91
>>141
ありがとうございます。ふと思いついて、悪ノリで書いてしまったのですが、反応が返ってくると嬉しいですね。
今回は男くさいのになりましたが。

>>149
自分のところに関わっている人を説明しておきます。
・リーフ東京
みつみ美里、甘露樹、鷲見努(CHARM)、なかむらたけし(師匠)、ばんろっほ(ばんろ)、竹内よしみ。彼らはF&Cからの移籍組。
・アリスソフト
部長(TADA開発部長)。(なお、「部下」については具体的に誰か未決定)

>>154
来てます。(ついでに古巣のTGLさんも来てたり)
157某T@てれてれ:2000/08/09(水) 03:24
>>156
乱世編の着想は、>>89-90がなかったらできてません。
感謝でございます。
菅野編は…着想はあるけれど、もう少し先かな?
ということは…やはりH氏も登場するのか?
期待…はしなくていいですが。

>>アリス
とりさん(デアボリカなどのシナリオ)、min-narakenさん(ママトトの原画)、
shadeさん(関西エロゲ界音楽の重鎮)あたりはどうでしょうか。
158名無しさん@1:2000/08/09(水) 03:30
で、盗作ネタはありなんですか?
159名無しさん@1:2000/08/09(水) 03:41
>>156-157
そういう人たちがいるのね、ありがとう。
160名無しさん:2000/08/09(水) 07:58
中上氏の死に様に敬礼!
shadeさんは悪者にしないで欲しいなぁ
めっちゃファンだし
162幕間・もしくは始まり:2000/08/09(水) 21:59
「……こんなこと…………」
 信じることなど出来なかった。

『痕のおまけシナリオは「できすぎ」のパクリである』

 初めは何かの間違いだと思った。
 その書き込みを発見した場所、2ちゃんねるは匿名掲示板という特異性から、
デマや根も葉もない噂が入り乱れる場所として有名であった。
 いかにも本当のような顔をして、嘘が愚かな犠牲者を待ちかまえている、まさに
生き駒の目を抜く所。
 それはよく分かっていた。
 しかし、デマはいつか消え去るものだ。それが悪質なものならば削除対象に
すらなる。
(こんな不快な嘘、すぐにひろゆきが消してくれるさ。いや、誰も信じたりしないさ)
 そう思っていた。

 しかし、「きずあと」スレはいつまでも消えることなく、それどころか、かつて無い
勢いで肥大化してゆく。

「今頃そんな話か?」
「盗作なんてみんな知ってるよ」
「まんま書き写してるんだよな」

 どれを見ても盗作を肯定する書き込みばかり。
信じられない、信じたくはない。
 心から敬愛するLeafが盗作などという下衆な行いをする筈がない!

 しかし、彼を肯定してくれる言葉は、いつまでも見つかることは無かった。
一縷の望みであったオフィシャル掲示板ですら、誰一人として盗作を否定しては
くれなかった。

「……こんなこと……」

――こんなこと――
――――あるはずがない――――

「そうだよ! みんな嘘なんだ、みんなアンチの自作自演なんだよ!
Leafが、ボクのLeafがそんなことするはずがないんだから!
……どうする? どうしよう、このままだとアンチの思うままだよ。
みんな、Leafを誤解してアンチになっちゃうよ。ボクがなんとかしなくっちゃ!
ボクが真実を、Leafの正しい教えを広めないと!!」
 薄暗い部屋の中、彼にだけ見える光を浴びて彼は勃つ。正義と、真実のために。

――後に、「聖戦士」と呼ばれる男の誕生である。
163162:2000/08/09(水) 22:06
 盗作ネタはやばそうなんで一応サゲときます。

っていうかモデルの人、見てるかも知れないんだよな。
スマン、ネタ以外の意図はないから。気分を悪くしたら謝る。
164某T@乱世編・葉の1:2000/08/09(水) 22:43
「…やりすぎだ、馬鹿が!」
高橋は、吐き捨てるようにつぶやいた。
同時に、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
確かに、中上の一件に気が付いたのは高橋だ。
ウイルスCD-Rも高橋の策だ。
「だが…誰があそこまでやれと言った」
高橋の言葉には、激しい怒りが込められていた。
株式会社アクアプラス=リーフの人材は多いとはいえない。
石川が退社した現在、音楽面での中上の存在は非常に大きい。
人材確保を考えると、あのような手段に出る必要は全くないはずだ。

と同時に、生え抜きの中上に対する下川のあの態度に恐怖を覚えた。
東京の新参者の存在を快く思わない高橋だが、
それは自分自身、突き詰めれば外様だという意識があるからだった。
「雀鬼を知らない人間が何を言う!」
今でこそ面と向かって言う人間はいなくなったが、
雫のころには、二言目には決まってそう言われたものだった。
「しょせんは俺も外様だ。いずれは…ああなるのか?」
高橋の胸中に大きな不安が走った。
165某T@乱世編・葉の2:2000/08/09(水) 22:44
「何してるんだ、深刻な顔して」
「…竹中か」
温厚そうな表情を浮かべたこの男の名前は、竹中崇。
「水無月徹」のペンネームで知られる、最古参の原画マンだ。
「何でもない…と言っても、お前には判るだろうな」
「まぁ、な。長い付き合いだし」
「今回の件…お前はどう思う?」
「中上の件かい?」
「そうだ」
竹中は、少し考えてから話しはじめた。
「一般論では、他社に肩入れするのは明らかに問題だよ。
例え、相手が高校時代の同級生だったとしても。
…あくまでも一般論では、だけど」
「…なるほどな」
「CD-Rの件…発案者は高橋、お前だろ?」
「あぁ。ウイルスも含めすべて、な。あの馬鹿にそんな頭があるか?」
「…確かにそうだよな」
「折戸の音楽の才能を憎み、石川の才能を憎み、中上の才能を憎み…。
しょせんは、ただそれだけの男だ。米村が可哀相で仕方がない。
あんなゴミの主題歌を担当させやがって…」
「言いたいことは判るよ、高橋」
「そうか…判ってくれるならいい」
それでも、高橋の表情から不安は消えなかった。
166某T@乱世編・葉の3:2000/08/09(水) 22:46
「俺は東京は嫌いだ」
唐突に、高橋はそんなことを話し始めた。
「俺という人間に、ただ冷笑を浴びせることしかしなかった、
あの会社の…街の空気が嫌いだ」
「…」
竹中は、ただ黙って高橋の言葉を聞いている。
「お前には、感謝しているんだぜ、竹中。
こうして働き場所を、居場所を作ってくれたお前には」
「高橋…ありがとう」
「だがな。この居場所が今のままで果たしていいのか…。
今はそんなことも考えている。
中上にさえあの仕打ちだ。しょせんは外様の俺など…」
「高橋、落ち着けよ」
「竹中、教えてくれ! …俺もいつかはああなるのか?」
鉄面皮で知られる高橋の両方の目からは、
信じられないような2本の熱い奔流が流れていた。
「お前は絶対大丈夫だよ。今までの貢献度を…」
「雀鬼を知らないこの俺がか?」
しばらく沈黙が流れた後、竹中はおもむろに口を開いた。
「だれもが心配なんだよ。お前も、河田も、はぎやも…そして俺も」
「…お前も、なのか」
「いつかはああなる。…だれもがそう思っている」
竹中の温厚な表情の陰に、恐怖心が浮かんでいた。
167某T@乱世編・葉の4:2000/08/09(水) 22:47
「なぁ…竹中」
「何だい、今度は?」
「アクアプラスに俺がいなかったら、どうなるのかな」
「どうなる…って高橋、何言ってんだよ」
「例えばの話だ。どうなる?」
「…無理なんじゃないかな、それは」
「何が無理なんだ?」
「お前が…会社にいなくなることは」
「そんなのは簡単だ。辞表をたたきつければすむことだ」
「正気で言ってるのかい、それは」
「冗談だ…今はな」
未だかつてない緊張感が、2人を捕らえていた。
「折戸と…話をしてみたい。今は」
「…」
「許してくれるとは思わんよ。あんな仕打ちをした俺だ。
だが…下川に一泡吹かせるためなら、あるいは…」
「やってみなきゃ…判らないよ、高橋」
「竹中…」
竹中の表情に、普段の温厚さが戻っていた。
168某T@あとがき:2000/08/09(水) 22:49
水無月氏の本名…間違えたかもしれません。
お許しを。
169名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/10(木) 01:28
あってると思うよ☆
なんか、怪しげな展開になってきたね。
171名無しさん:2000/08/10(木) 03:21
ほのかなやおいテイストが萌え
172名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/10(木) 03:48
DOZA氏はいつLEAFを退社したんだ?
知らなかったな
>>172
今はフリーで葉っぱとは外注扱いだよ
174名無しさん@そうだ多段串にしよう:2000/08/10(木) 21:52
次回作期待挙げ
175名無しさん@そうだageよう:2000/08/10(木) 23:28
次回作期待してます。
まわし
177名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/11(金) 11:00
>143 粛清編 2から

「…どういうことだ?」
 さっき折戸の吐いた言葉を、麻枝は憎しみを込めて呟く。
「……」
 その麻枝の問いに、折戸は沈黙を保ったままだった。

「…だめ。ウィルスバスターに引っかからない新種みたい…。あっさりサーバーに侵入されてたわ。急いで電源を落としたけど…既に半分くらいウィルスに感染していて、使い物にならないわ…」
 いたるは悔しそうにサーバーのPCのディスプレイを見つめながら口を鳴らす。

「ええっ!じ、じゃあオレの書いたシナリオはどうなって…?」
 新しくKeyへと参画したイシカワタカシが、不安げな声を挙げた。
「残念だけど、殆どウィルスに喰われているわ。テキストデータなのに、文字化けして見れやしない…」
「そんなぁ…。せっかく書いたのに…」
 弱々しいイシカワの声に、麻枝の冷たい言葉が響く。
「弱音を吐くな。消えたなら書き直す。ただそれだけだろう?」
「しかし…」
「それが嫌なら、さっさと荷物をまとめてここから出て行くんだな。書けない奴は、うちには必要ない」
 麻枝の言葉に、イシカワはただ沈黙するしかほか無かった。

「しょうがないわね…。また原画から取り込み始めるしかないわね。やるわよ、しのり〜」
「う、うん。わかった」
 ウィルスに侵されたファイルを消し去り、ため息混じりに席へと戻るいたる。

 折戸と麻枝は、鮮やかな真紅に染まったディスプレイを見つめていた。
「…所詮、こういう事だよ。いくら親友とはいえ、会社は裏切れない」
「…かな…」
「ん?」
「…バカな…。あいつに限って、こんな事を…!」
「いい加減、目を覚ませよ。馴れ合いで生きていけれるほどこの世界、甘くはない。それはお前が一番知ってるはずだろう?」
「……」
「…リーフの奴ら…。手の込んだことしやがって…」
 麻枝はそう呟き、席へと戻る。

「折戸…」
 1人心配げに、背後から久弥が声をかける。
「…悪い。1人に…してくれないか」
 折戸の弱々しい声に、久弥はこれ以上かける言葉を失い、仕方なく席へと戻った。
 折戸はしばらく、その血の様な真紅のディスプレイを見つめながら呟く。
「…どうしてなんだ…」

真相も解らぬまま、波乱の刻(とき)は流れていく。
川が流れ、季節が巡るが如く、ごく当たり前のように。

よもやの所で、最悪の事態は免れたものの、最新作である「AIR」のデータの5割ほどを失い、その復旧と穴埋めに発売延期という不名誉を曝すこととなったKey。

高橋の仕掛けた策が、思いも寄らぬ方向へと導かれて、より優位な位置を保つこととなるLeaf。
しかし、その戦いはまだ、波乱と血生臭い闘争を浮き彫りにさせたに過ぎなかった。

−続く。

P・S:てんでダメ。宇津出汁脳。
178名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/11(金) 12:01
>177
行数オーバーしてるし…。すみません…。


179名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/11(金) 12:40
いい作品には文句を言いません。
これ,定説。
いい作品・・・・・???
つまらん
もっと良いの期待揚げ
183嵐の予感1:2000/08/12(土) 01:13
?:「カーネリア様じょ……」

特徴的な髪型をした、特徴的な男が、特徴的な語尾を付けて、彼女の名を呼んだ。

時刻は既に夕暮れ。所はすえた病室。浮かぶ影は、遠い目で空を見上げる、一人の女性の姿をしていた。
”彼”にはそれが、まるで少しだけ枯れた、一本のユリの花に見えた。

?:「野口くん……」

”彼女”は、長期入院患者の病的な目で、”彼”を見た。

彼の名は野口征恒、ダサいダ埼玉県のダサいバグメーカーの駄目男である。
彼の髪型は、一言で言ってしまえばスネオカット、もとい、あしたのジョーである。
彼は子供の頃、この作品に憧れ、力石の葬式に列席したほどの入れ込み様であった。
今も、その時の記憶が彼を縛り付けている。
……だったらなんでマンガ家にならずに、エルフ→シーズと渡り歩いたのか、それは言ってはいけない、禁断の謎である。
ちなみに、マンガ界では弓月光の正体も禁断の謎である。
間違っても、そのことを下田社長に訊いてはならないのである。

?:「ふふっ、面白い話を聞かせてもらったわ、野口くん、そう……下界ではそんなことが起こってるの……」

えてして、入院生活というのは退屈なものである。
そこで、彼は、彼の会社にとってもはや最後のライフラインと化した「カーネリアン様」、彼女のご機嫌を伺うべくこの病院に日参し、日々その退屈を慰めてるというわけだ。

カーネリアン、彼女の言う「面白い話」。
それは今や公然の秘密と化した、Keyとリーフの確執の事である。
主に関東に活躍の場を持っている彼女にとっては、それは所詮どうでもいい話に過ぎない。

カーネリアン:「思い出すわね、私が来る前の出来事、だったかしら。……でもアアルの事は、むしろあなた達の為だったと思いますよ」

クスリ、と彼女が笑う。
この業界で、ソフ倫様にたてついてやってくのは大変だ。
それは、首都圏でしかソフトを売れないと言う意味に等しいのだから。

野口征恒:「ウチは、所詮、バグバグなメーカーですから」

野愚痴……もとい、野口ジョー……これも違う気がするが、野口ジョーは、自虐的に笑った。
痛い程その笑みの意味がわかる彼女には、その笑みがまるで泣いてるように見えた。
その気はないのに、つい、慰めてしまう。

カーネリアン:「でもほら、駄目男ってヤツ?、私は嫌いじゃないの。それで随分と痛い目をみたけどね、クスッ」

「ハッ」として顔を見上げる野口ジョー。その顔には甘えるような駄目男の媚びがこもってる。

カーネリアン:「ほら、DESIREのアルくんも駄目男だったけど、モテモテだたもの。こんなおばさんじゃ無くても、そういうのに弱い若い女の子もいるんだから、野口くんも諦めちゃ駄目よ?」

カーネリアンはあくまでも優しかった。
184嵐の予感2:2000/08/12(土) 01:15
野口ジョー:(でもDESIRE褒められてもあんまり嬉しくないっス、ふぁっきんハカセだジョ)

……駄目男が心の中でぼやくのはご愛嬌。

この時、彼はまさか、目の前のこの女性が当のそのハカセと手を組むなんて、考えも及ばないのだ。
ちなみに、それが由縁で彼はリーフの手先と化すのだが、それはまだまだ先の話だ。

その時、どこから紛れ込んだのか、一匹の子猫が彼女のベットに脇に歩み寄った。

カーネリアン:「あら可愛い」

著者近影に不気味な踊り猫を使うだけあって、彼女はネコ好きだった。
早速、野口ジョーに命じ……頼んで膝に上げてもらう。
白い子猫は、白いシーツの上で、甘えるようにじゃれた。

カーネリアン:「下界の人達は、まだあんな諍いを続けてるのね……いっそこの子猫のように、何もかも忘れて遊んでしまえば良いのに」

野口ジョー:「達観しているんダジョ……」

カーネリアン:「私も、それだけの地獄を見てきたってことよ、野口くん」

そういって陽を背に笑う彼女は、確かに背負ってきた歴史を感じさせる、”凄み”を持っていた。

その時、なんの前触れも無しに可愛らしい鳴き声が響いた。

「みゃお〜」

甘えるように甘く、無垢なほど無邪気に、その声は、まるで年若いお姫様の媚態ある嬌声のようだった。
だが、その瞬間、カーネリアンは落雷が受けたかのように体を震わせたのだ。

弾みで、彼女の膝から猫が滑り落ちる。

カーネリアン:「ふふっ、野口くん、私、Keyの人達の気持ちがちょっとだけわかるの」

野口ジョー:「ジョ?……」

カーネリアン:「恐いよね……ファンって」

野口ジョー:「ジョー……」

(羨ましいっス、ダジョ)

しかし駄目男にはその気持ちは伝わらなかったのだった。
185おおさか:2000/08/12(土) 06:53
で、上の写真はどれが誰なの?
どんどん質が落ちてるな(キッパリ)
188某T@乱世編・東の1:2000/08/13(日) 23:25
「…もう一度書けばいいことではないですか。
あなたも気弱になることはありませんよ。
大丈夫。いざという時には私がそちらに向かいます」
アーベル社長室でイシカワからの報告を受けた、
菅野の目は笑っていなかった。
イシカワのシナリオは、菅野がかなりの部分で手を加えていた。
ある意味、自分の作品と言ってもいいほどに。
それが、例のウイルス騒ぎで消えてしまったのだ。
「バックアップを取っていなかった、私もよくないのですから」
これは嘘だ。バックアップは菅野の手元にある。
だが、これを出すのはまだ時期尚早だし、
何よりもイシカワが納得しないだろう。
シナリオのメーンは、やはりイシカワなのだから。
『やります。自分の手でもう一度完成させます。
これ以上…菅野さんの手をわずらわせたくありませんから』
イシカワの声には疲れがあった。だが、菅野はそれに触れなかった。
「あなたの力を、私は信じていますから」
菅野はそれだけ言うと、静かに受話器を置いた。
189某T@乱世編・東の2:2000/08/13(日) 23:29
「人の作品に、キズをつけるのは納得いきませんね」
菅野の柔和な表情の中には、静かな怒りの炎があった。
自分の作品にキズをつける者は許さない。それが菅野のポリシーだ。
そのポリシーゆえ、彼はこれまでに2つの会社を袖にしてきたのだから。
「こんなことを考えつくのは…彼以外にありませんね。
原田も、何故止めなかったのですか」
静かに菅野の怒りの炎が燃え上がった時、社長室の電話が鳴った。
「はい、こちら社長室」
『社長にお電話です』
「どなたですか?」
『大阪の高橋様、とか言われましたが…』
「高橋…ですか?」
菅野の大阪の知人で『高橋』は1人ではない。
だが、ここに電話を掛けてくる大阪の『高橋』には、
1人しか心当たりがなかった。
菅野がウイルス騒ぎの首謀者と確信している、あの男だ。
「つないでください」
菅野は、ただ一言そう言った
190某T@乱世編・東の3:2000/08/13(日) 23:30
『高橋です。ごぶさたしています』
「限度というものを、あなたは知らないようですね」
『限度? 何のことですか』
高橋の声色に不安が走る。
「keyのウイルス騒ぎのことです」
『!!』
「あなたが立てた策でしょう、高橋?」
『…そうです』
高橋の声には力がなかった。
「あのシナリオは、私が手を加えた…いや、
私の作品といってもよいほどのもの。
私が自分の作品にどんな思いを持っているか…あなたはご存知でしょう」
『…許してくれと…言うつもりはありません』
あの強情な高橋が、自分の悪事をあっさりと認めた。
菅野にとって、これは意外なことだった。
「…やけに素直ですね」
『自分の悪事には、せめて責任を取ろうと思いまして』
「あなたは嘘が下手ですから、どんな嘘をついても私には判りますが
…今回は違うようですね」
『…はい』
「自分では何もできないから、彼らを助けてほしい。
…そう言うつもりだったのでしょう?」
『まるで…心の中を…見透かされているような』
「あなたが言うまでもなく、私は動いています。
それを反故にしたのは…あなたなのですよ」
『…すみません』
高橋は、そう言うのがやっとだった。
191某T@乱世編・東の4:2000/08/13(日) 23:31
「あなたに協力する気はありませんが、邪魔をするつもりもありません。
あなたが彼らに直接、どんな援助をするのか…。
事と次第によっては、今回の件は許すつもりです」
『…俺に…何が…できますか?』
「イシカワは今回が初めてのシナリオ。麻枝はもちろん、
今では表面的にはかかわっていないはずの久弥も、彼を助けています。
ですが、それでも…。秋にすら間に合うのか…」
『…どういう事です? それにあなたは必ずバックアップを…』
「確かにあります。しかし、それはまだ時期が早すぎるのです。
それに、所詮は私のバックアップ。イシカワの段階でまた変化があるでしょう。
今回のメーンは、あくまでも彼なのですから」
『私は…何を…』
「今彼らがやっているのは、
ウイルスに吹き飛ばされたCGとシナリオの補完です。
そして…今足りないのはシナリオの方なのです」
『…考えておきます』
高橋は静かにそう言った。
192某T@乱世編・東の5:2000/08/13(日) 23:33
『ところで、D.O.の佐藤社長はお元気でしょうか?』
「彼は私の友人ですが…彼に何か?」
『今度、アクアプラスは池袋主導でケチなイベントをやります』
「例の同人誌即売会というやつですね」
『…あなたは何でも知っていますね』
「それがどうかしたのですか」
『佐藤社長の下には、加奈っ子と呼ばれる、熱心なファンがおられるとか。
keyの鍵っ子のように』
「熱心…物は言いようですね」
菅野の表情に笑いが戻った。
『彼らを動かしてほしいのです。イベントのために』
「何としても成功させたいとは。所詮はあなたも…」
『逆です。失敗させたいのです』
菅野の表情が変わった。心なしか、鋭さが加わったようだ。
「詳しく、話を聞かせていただけませんか」
東西2人の策士の密談が始まった。
193>187:2000/08/13(日) 23:34
中盤から史実をはずれ過ぎ

毒が無くなってるからage
194某T@あとがき:2000/08/13(日) 23:35
この作品はフィクションです。
菅野氏とAIRのシナリオは、一切関係ありません。

なんだか、より一層質下げたような…。
195名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/13(日) 23:43
いや、前の184辺りよりは比べるべくもない。
応援する。
196名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/14(月) 00:03
板復活続ききぼーんあげ
197名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/14(月) 13:31
★なにせ、例えばソ(検閲削除)ムの時にはシナリオライター二人、CG統括三人がブチぎれて/ノイローゼになって入れ替わるとかいう体たらくでしたから。これじゃ幾ら頑張ってもマトモなソフトなんて作れません。
★うーむ、無能な働き者の巻き散らかす害毒の典型やな。
★だから辞めた、と言う方がいいんだけどね。UYE!とBABA.DOSの阿呆二人がいつでもいらん思い付きで変な介入をしまくって、収拾がつかなくなるの繰返しだったから。
★にしちゃあ昔からゴミ箱直行なゲームばっかり作ってるよな、ええ!?
★しゃあないやん……内部抗争でマトモな人間全部辞めてもうてんから(元・Aypio(現13cm)CG部門統括チーフ(爆))

上の書き込みは、某所に書き込まれていたものです。
 これを使ってください。
 みなさんが、もっと面白くしてくださることを期待します。
198原田ウダルのHP:2000/08/14(月) 13:34
http://www2.odn.ne.jp/~cbe28250/index.htm
ユニークですよね(笑)
199東の外伝1:2000/08/14(月) 15:28
「もしもし・・・、駄目だ繋がりやしないっ!」
高田馬場駅前、公衆電話を焦ったように切って
一人の男が電話ボックスから飛び出す。
話す内容が内容だ、会社からは絶対に電話をかける事が出来ない。
ましてや、猜疑心の増している現状では会社の電話に盗聴機が仕掛
けてあったとしても別段驚かない。
「池袋までは大体30分か・・・」
財布の中の小銭を確かめて、彼は山手線の改札へ駆け込んだ。
しかし、その行く先を見慣れた人影が阻んだ。
「師匠にご注進か?橋本・・・、お前も裏切るのか?」
楽しそうに、あるいは悲しそうに語りかけた男の名は江森美沙樹。
「そんなっ!でも僕はあの事だけは回避しなければならないと思ったから・・・」
池袋へ・・・リーフ東京開発室にいる師匠ことなかむらたけしへ
重大な危機を伝える為に行こうとした人物の名は橋本タカシ。
共に現 F&Cを支える原画家である。
200東の外伝2:2000/08/14(月) 15:29
「橋本・・・分かっているだろう?馬鹿な争いをしている業界をおさめる為にはあの計画が必要だという事を」
「違う!あの計画はそんな綺麗な物じゃない。裏切りへの復讐、簒奪の為の手段、権力を求める悪魔の計画だ!」
人目もはばからず叫ぶ。 たとえそれが自らの会社でも・・・いや、内情を知っているからこそ阻止せねばならなかった。
F&Cが次期ソフ倫理事を獲得する計画「島企画」・・・外部にばれぬよう同名のゲームまで発表してカモフラージュした計画は
すでに最終段階へ進行していた。
乱立する新興ソフトメーカーのソフト発売に合わせてブランド力で優るF&Cが作品をぶつける。それにより受注が減少し苦境に陥った
新興メーカーにささやくのだ
「次期理事選挙で支持してくれるのならば助けてやろう」
この計画資金は洪水のように販売されるキャラグッズがまかなっていた。
デジフェスでの一件でも冷ややかに騒ぎを眺めていたのはコップの中で争うKeyやリーフの愚かさを嘲笑っていたに他ならない。
ソフ倫さえ押さえてしまえば規制の名の下、いくらでも彼らを縛り付ける事が可能なのだ。
「暗黒時代の到来だ・・・。それだけは許せない」
「ならば、止めてみろ」
「え!?」
江森の意外な言葉に橋本は驚いた。
「お前の言葉が、下らない争いをしている連中に届くかやってみろ。助けてなどやらん、針玉や外部のたもりさんも巻き込むな。できるか?」
試すような瞳、挑発するような言葉。
「やります。阻止してみます」
挑む視線と決意の言葉。
そして江森に背を向けると改札へ向かって歩き出した。
201名無しさん@1周年:2000/08/14(月) 15:45
江森の顔知ってるだけに全然イメージと違うのでゲラゲラ笑った。
202200:2000/08/14(月) 16:38
201>
わざとです藁)
203>200:2000/08/15(火) 01:51
少なくともこの時点で針玉はまだ外注です。
204>200:2000/08/15(火) 01:53
少なくともこの時点で針玉はまだ外注です。
205名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/15(火) 06:57
面白い。期待アゲ
206名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/15(火) 23:24
 あげます
207某T@コミぱ前夜・芝浦:2000/08/16(水) 21:47
「加奈、最高ですか〜」
どこぞの教祖のような立ち居振る舞いで群集の前に立っていたのは、
D.O.の社長、佐藤その人だった。
「最高で〜す」
信者たちの暑い雄叫びがそれに続いた。
「明日は何の日か、判っていますね〜」
「もちろんで〜す」
ここまでくると宗教というよりもウルトラクイズという感じだが、
そんなことは、この際大きな問題ではない。
「あなたたちには使命があります。この偉大な教典
『加奈』をより多くの人々に布教していく使命が」
「オーッ」。再び群集から暑い絶叫が起きる。
「彼らは西のサタンの手先なのです。背教者・池袋を許してはいけません」
再び会場が絶叫に包まれる。
「明日は何の日か、判っていますね〜」
さらに絶叫…暑苦しいシーンは書いていて嫌になる。
「つぶすのです。彼らのイベントを。
そして広めるのです。『加奈』の素晴らしさを」
そして絶…もういい。
東京・芝浦の一角は、暑い群集の熱気と臭いで満たされていた。
そして、筆者は思った。
こんな文章、もう2度と書きたくないと。
208某T@コミぱ前夜・天満:2000/08/16(水) 21:49
「合言葉はリベンジだ。判っているな」
麻枝の挑発的な口調に、会場の鍵っ子たちは歓声でこたえた。
「俺たちの調べでは、会場整理には多くの不安を抱えている。
そこを突け。徹夜禁止の盲点を突け。
そして…どんなことをしても会場に入れ。壊した者の勝ちだ」
再び大きな歓声が上がる。
大阪・天満のビジュアルアーツ前の熱気は異様だった。
そんな中に、不安の表情を浮かべる久弥の姿があった。
「麻枝さん…。目には目を…で、大丈夫なのですか?」
「大丈夫です。…いや、あれがベストなのです」
「戸越…」
久弥の後ろには、麻枝と対照的に、
冷徹な笑みを浮かべた戸越の姿があった。
「そうよ。あの仕打ちを忘れたの!」
樋上はそう言って激高する。
みきぽん、しのり〜、ぢんの3人も同じだ。
「でも…」
そう言いかけて久弥は口をつぐんだ。
(あれじゃ、リーフと同じじゃないか)
そんな言葉が、その後に続くはずだった。
そしてそこに、折戸とイシカワの姿はなかった。
209某T@コミぱ前夜・池袋1:2000/08/16(水) 21:50
「久しぶりだね、甘露君」
イベントを翌日に控え、
少し早めに帰途についた甘露は、
街角でよく見知った男性から声を掛けられた。
年は40代前半。風采の上がらない、どこにでもいそうな男。
だが、彼こそがアーベルの菅野と並び称されるもう一人の英雄、
エルフの蛭田昌人、その人だった。
甘露と同じF&Cスピンアウト組ということもあり、
面識も全くないわけではない。
だが…こんなところで会うのは、あまりにも不自然だった。
「何か…ご用ですか?」
「用も何も…君に会いたくてね」
「なぜ、僕なんかに…」
「君が欲しい」
「ひ、蛭田さん、僕にはそういう趣味は」
「何を勘違いしているんだね、君は。
変わらないな、そういう純真なところは」
「は、はぁ」
バツが悪いのか、甘露は少し顔を赤らめた。
ちなみに、筆者はやおいが書けないので、
これ以上は余計な心配だったりするが…。
210某T@コミぱ前夜・池袋2:2000/08/16(水) 21:54
「欲しいのは君の絵だよ、甘露君」
「蛭田…さん?」
「あんな生意気な女と一緒に働くのも…正直疲れただろう」
「…」
甘露は答えない。
「どうだね? エルフで原画を描いてみないかね?」
躊躇なく、蛭田ははっきりとそう言った。
しばらくの沈黙の後、甘露は答えた。
「…お断りします。僕たちにはまだ、仕事が残っています」
「…ま、急ぎはしない。答えはいつでもいい」
蛭田の顔に落胆はなかった。
「私は気が長い方でね、欲しい人材は気長に待つのさ。
菅野の泥棒ネコと違ってね」
「…すいません」
甘露は、そう答えるのが精いっぱいだった。
「次に会う時には、いい答えを期待しているよ。甘露君」
「…はい」
それだけ言って、2人は別れた。
そして、その光景を見ている一人の女性がいた。
「ポチのくせに。むかつく…むかつく…ちょーむかつく!」
みつみ美里、その人だった。
211某T@コミぱ前夜・池袋3:2000/08/16(水) 21:55
甘露の姿が見えなくなってから、
蛭田はおもむろに携帯電話を取り出した。
「私だ。…社長を頼む」
数刻あって、蛭田はおもむろに口を開く
「いい話をありがとう、あきら君」
『いえいえ、社長こそ、相変わらずお口のうまい』
電話の相手は、ちぇりーそふとのあきらだった。
『彼に野心を持たせるためには、あなたの力が必要なのです』
「菅野のような必要以上の野心は、私にとっては毒だがな。
まぁ、彼の場合は野心を持つくらいで十分だ
それにあきら、私はもう社長ではない」
『これは失礼…。それにしても、まさかあなたが協力してくれるとは…』
「協力…かどうかは判らんがな。…もっとも池袋には、
菅(宗光、ビ・ヨンドのシナリオ)を引き抜かれた恨みはあるが」
『なるほど…あなたもあそこには恨みが…』
「いや、それとは話が別だ。
私は彼が欲しい。あんな絵描きはめったにいない…」
電話を握る蛭田の目は、熱病に冒されたかのようだった。
212某T@コミぱ前夜・伊丹:2000/08/16(水) 21:56
伊丹のアクアプラス本社(当時)。
こみパの人員配置図を見ていた下川は、ふとした疑問を持った。
「人が…少ないのでは…」
予想される人出をさばくには、明らかに人員が不足していた。
「高橋…本当にこれで大丈夫なのか?」
「大丈夫です。彼らはコミケで鍛えられた、
一騎当千のベテランばかりです。不安はありませんよ」
高橋の自信満々の表情は、ぴくりとも動かなかった。
「それに、徹夜組は列の最後尾に回します。
そこまでして、徹夜で並ぼうという馬鹿もいないでしょう」
「お前がそこまで言うなら…安心か」
下川の表情に余裕が戻った。
「高橋、リーフはカイゼルになれると思うか?」
「俺達以外の誰にそれが適えられようか」
あの日と同じ科白を繰り返すと、
「よし。何としてでもせいこうさせる。いいな、高橋」
そう言って下川は専務室を出た。

「…すべてはうまくいった。失敗、間違いなしだ」
高橋はそうつぶやくと、不敵な笑みを浮かべた。
213某T@あとがき:2000/08/16(水) 21:59
久々に…またつまらんものを書いてしまった。
一部変換忘れてるし…。
こみパもコミケも行ってないので…混乱書けない…。
そうか、ここの常連はコミケvsLeaf、コミケスタッフ内部の確執を知らないのか…
215名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/17(木) 00:40
それだけじゃない。
甘露はマイナー指向だから絶対にあんな風にはならない。
それとこみパは外注丸投げ…
だから、人員募集はしてたけど管理したのは彼らじゃない。
その辺の事情を詳しい方へ、ぜひ詳細をきぼ〜ん。
ただ、問題が無い程度にね、、、。
普通のファンでは知らないハズの情報が、コミケとか多すぎるから。
ネタなんだから、そーいうツッコミは野暮ってもんでは…。締めくくりに
「この話はすべてフィクションであり、
 実在する人物・団体とは何の関係もありません」
とでも付け加えとけば万事OKだゴルァ(゚д゚)
218某T:2000/08/17(木) 01:01
>>214-217
フィクションにしても勉強不足でした。すみません。
219>某T:2000/08/17(木) 01:38
参考資料
.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=13663&log=200004
.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/3126/ComiPa_1.html
.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/3126/ComiPa_2.html

220名無しさん@1周年:2000/08/17(木) 01:47
誰か323ネタ書いて〜。
今回のコミケを舞台にして。
221某T:2000/08/17(木) 01:49
>>219
ありがとうございます。
…凄く生々しくて、何とも言えません。
参考にさせていただきます。
>>219
これスゲエな……正に企業の暗部。
こみパ精神もへったくれも無いと言う事が分かる。
とゆーか、“準備”と言う概念を知らないらしいな……
223222:2000/08/17(木) 02:10
ちゅーか、こみパ精神なんぞ所詮ゲームの産物だから
はなからそんなのを守る気が無いって事だな。

要は『こみっくパーティー開催したよ?ゲームと一緒で嬉しいね。
だから、開催すれば十分満足でしょ?そんなわけで管理はテキトー』
って事らしい(藁)
99年冬でLeafがコミケを抜けたろ? あの時にコミケ側スタッフとひと悶着あってね。
その影響で、こみパを開催する時点で一部のコミケスタッフの間に
「こみパに手を貸すことはまかりならん」というお達しが出たくらいなんだよ。
仮想戦記に沿うのなら、Leaf側が信頼を寄せていたスタッフ達(CPS)というのは、
実はコミケスタッフ的には低レベルクラスの連中だったとそういうわけ。
ちょっと今回の某Tさんは頂けなかったですね〜。

早く1さんが帰ってこないかな。
正式な続きが早く詠みたいです。
226名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/17(木) 03:04
暴露記事アップきぼーん
227>226:2000/08/17(木) 03:05
ここは仮想だってば(W
一気にこみパ逝っちゃう前に、99年冬コミ企業ブースの
こと書かなきゃ……。
2291:2000/08/17(木) 03:13
>>225
期待してくれてる人がいたんだね。
銃を出したり中上を殺したりしたのが不評みたいだから、
続きをどうしようか悩んでたところ。
ネタが浮かばないんで、盗作ネタを自分なりにアレンジしてみるつもり。
コミケ周辺の事情は、こみパの破綻のエッセンス程度にしとけばいいんじゃない?
231225:2000/08/17(木) 03:21
>1
思いっきり期待しておりますので、ホントお願いします〜。
小説部分だけ保存してますし、このスレ(^^

僕個人でスレッド式掲示板持ってるので、そこに保存スレ建てて
2ちゃん知らない人達に読んでもらってたりします。
232某T:2000/08/17(木) 03:22
>>229
っていうか、お願いします。
私も期待している一人なんです。
取りあえずこみパネタは
折角資料いただいたんですから、
努力はしてみます。
>>126のシーンの手前までは。
233名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/17(木) 03:38
                   |
             只 _ /` |@`_
           /   \ .| >へ
   ヘ\     /  ( )  レ| //  |
   ||\\   ロ|/ ⌒ \ ν//  |
   || /ヘ、@`_|_|ヘ//    ノ||/ミ  |   /
    > `!!!...γ λヾ 彳/ |\ \| /\_
   /_/  iii/'@`_/||ゝ|\/|ノ へ\ / \
   | / /'―@`/ | | ^ <> ^ノ /_γ| |    /
   |  /  /|  |/'―@`/ @` へ / | |  /
    へ / ヘ 个'―@` /   ∧ |_-| /
   /\//_ y  | //    / ヽ \\
  /\////|@` /``/| ̄ /彡∧ ヽ. \\
    // / \ ̄'@`  |  ||ヲ/ \ | ̄| \\_
   // / /ヽ_三\/弋 ̄/ヽ  |  | /
  // // / 厂 //__@`――'ヽ \| ̄ ̄|  |
  / / /  | ̄フ/ ヽ λ ヽ ヽ| |  | | |
   / /ヽ   凵 |  ヽ ヽ \ | |  | | |
234吉永怪物:2000/08/17(木) 03:39
無意味なAAはやめとけよ
レイズナーか?これ
有明帰り。

>>228
すいません。そろそろ書かないといけないかなと思ったのですが、なにぶん多忙で。
ただ、どうアレンジしたものか…
(実際に並んでいる分には、時間はかかったけどまったりしたものだったし…)

今回並んだ者として、例のCut a Dush!の騒動も書いてみたいところです。
それ書くなら、サンクリのCorkboardの件もネタにしたいし…(こっちは並んでませんが)
236225:2000/08/17(木) 03:59
>235
やっぱり今回のCut a Dush!!も入ってしまいますか?(^^
確かにあれだけの騒動、ネタにしないわけにもいかないですけど。
目の前で担架と車イスで運ばれてくのも見ちゃったし……(汗)。

>99年リーフ企業ブース
史実をそのまま書いてもしょうがないので、そこはデジフェス事件
のようにアレンジを加えるしかないでしょう。
要は、リーフが企業ブース撤退という経緯に至れば良いわけですから。

読み専で勝手なことばかり言ってすみません。
文才無いので、頑張ってください!としか言えません……。
(あ、228=225です(^^
237一読者:2000/08/17(木) 06:58
人物名と、何やってるかくらいしか分からない程度の俺には十分楽しめてます。
周りでも好評です。頑張って下さい。
238219:2000/08/17(木) 10:41
新・同人板の過去ログになかったからもう全滅していたかと思ったけど
ここだけ生きていたよ。

参考資料
『「こみっくパーティー」後夜祭 反省だけなら猿でもできる 』スレ
http://www.ohayou.com/2ch/test/read.cgi?bbs=doujin&key=956589558
懐かしい〜。
240名無しさん@1 激震編 1:2000/08/17(木) 19:07
>>145の続き

 1999年12月。
 年の瀬を迎え、人々は来るべき新たな年に想いをはせていた。
 それはリーフとて例外ではなく、策謀をめぐらせていた下川も、
 今月ばかりは忘年会の準備に余念がなく、いつになく胸を弾ませている。
 しかし、彼は知らない。
 地殻変動にも似た衝撃が、まもなくエロゲー業界を揺るがすことを。

 始まりは、リーフに届けられた一通のメールだった。
 内容は、痕の盗作を糾弾し、web上での謝罪を求めるもので、
 同じようなメールは過去に何度かあった。
 その都度、下川は黙殺を支持し、告発を受け、
 紙面で取り上げようとした、良識のある出版社にも圧力を掛け、
 盗作の事実を闇に葬ってきた。
 1999年末に届けられたそのメールも、やはり黙殺され、
 web管理者のため息と仕事をひとつだけ増やしたに過ぎない。
 しかしその後も、前例を破るように、
 盗作を糾弾するメールは次々と届けられ、
 衰えるどころか、日に日にその数を増してゆく。
 一般のサイトにも、リーフを非難し、真相の解明を求める声が上がり始めた。
 波紋はとどめなく広がり、信者の集会場である公式掲示板にも盗作の文字が踊る。
 震源は、容易に特定できた。
 匿名掲示板として悪名を轟かす2ちゃんねるである。
 98版が発売された当時と違い、今はインターネット全盛期である。
 くすぶっていた残り火は、
 至尊の冠を戴くリーフを焼き尽くさんばかりに燃え上がったのだ!
「どうする、下川?」
 執務室のデスクでほお杖をつく下川の顔を覗き込むように、高橋が問いただした。
 ここまで騒ぎが大きくなったからには、黙殺では済まされない。
 それゆえに、消火の方法を誤れば、
 リーフの存亡に関わる大火となるかもしれないのだ。
 閉じていたまぶたをゆっくり開くと、下川は豊かな黒い髪をかきあげ、
 やや覇気を欠く瞳で床を見つめながら呟く。
「仕方ない、徹底抗戦だ」
 下川は青紫を呼びつけると、
 ひとつのアイディアを授け、自分のケツは自分で拭くよう命じた。
241名無しさん@1 激震編 2:2000/08/17(木) 19:08

 同時刻、東天満のビルの一角では、ほくそ笑む男女の姿があった。
「今ごろリーフは大慌てだ。いい気味だな」
 指先を唇に当てながら薄く笑ったのは麻枝である。
 彼の右手には、一冊の小説が収められている。
「しかも、謝罪するどころか、シカトを決め込んでやがる。
 自分の評判が落ちるだけなのにな」
 星新一のショートシナリオ集をめくりながら、麻枝は吹きだしそうになるのをこらえている。
 いたると久弥も、下川の慌てふためく姿を想像し、苦笑する。
 パソコンのモニターと向き合いながら、折戸が同僚をたたえる。
「それにしても、絶妙のタイミングだ。麻枝の戦術眼には恐れ入る。
 コミパがこけた上に、同人からの撤退を宣言し、
 リーフの評判が落ちてきたところで今回の盗作騒動。完璧じゃないか」
 麻枝は、当然だと言わんばかりに口元を緩める。
 下川や高橋は知るよしもないが、
 2ちゃんねるで盗作騒動を起こしたのは、他ならぬ麻枝である。
 テレホタイムを見計らい、リーフに反感を抱く厨房をけしかけたのだ。
 デジフェス以来、常にリーフに遅れをとってきたkeyが、
 初めて先手を打つことに成功した瞬間であった。
 2ちゃんねるに目を光らせていた折戸が、顔をしかめる。
 信者と思われるドキュンが、リーフを擁護し始めたのだ。
「確かに盗作だ。だけど、著作権の侵害は親告罪だ。
 著作権者が訴えない限りは問題ない。外野が文句を言うのはおかしい」
 折戸は向き直り、麻枝と視線を交錯させる。
「どうする? こんな馬鹿がいるが、放っておくわけにもいくまい」
 信者というのは、常に自分に都合の良い部分を拡大解釈する傾向がある。
 作者が訴えなければ問題なし、などと言わせておけば、それを信じ込む恐れがある。
 麻枝は視線を斜め上に向け、なにやら思案を巡らせ始めた。
 数秒後、視線を水平に戻し、瞳に光をひらめかせる。
「そうだな、よし、イシカワ」
 麻枝の指先には、一人の青年の姿があった。
 名をイシカワタカシと言い、
 ライターとしての実力を認められ、keyに加わった男である。
「なんですか?」
 先輩に名指しされ、イシカワが恐る恐る問いただした。
「なあに、簡単なことだ。俺の言う通りにやればいい」
242名無しさん@1 激震編 3:2000/08/17(木) 19:09

 盗作が発覚してから7度目のテレホタイムを迎えた2ちゃんねる。
 盗作ネタは衰えることを知らず、原爆を思わせる熱とエネルギーを収斂させている。
 善良な2ちゃんねらーを今夜も辟易させているのは、キチガイ信者の妄言である。
「確かに盗作だ。だけど、著作権の侵害は親告罪だ。
 著作権者が訴えない限りは問題ない。外野が文句を言うのはおかしい」
 壊れたテープレコーダのように、また呪文のように繰り返されるその言葉は、
 尋常ならざるものを感じさせ、住人を恐怖に陥れている。
 ネタや煽りだとしても、猿のようにコピペを繰り返すその姿勢は、
 やはり嫌悪と恐怖の対象でしかない。
 そんなキチガイ信者に強烈な一撃が加えられたのは、
 テレホタイムに入ってから2時間ほど経ってからのことである。
「僕にはIPが見えます。ここでリーフを擁護してるのはリーフの社員です」
 キチガイ信者はひるまなかった。表向きには。
「ハァ? IP馬鹿氏ね!」
 内心で動揺しながら、キチガイ信者――を装っていた社員は、懸命に煽り返した。
 IPなんて見えるはずがない、ハッタリだ。
 自分にそう言い聞かせながら、高鳴る心臓の鼓動を抑えるように、胸に手を当てた。
 過剰ともいえる反応ぶりに、煽った男は確信した。
 こいつは間違いなくリーフの社員だ、と。
 煽った男の名はイシカワタカシ。
 麻枝の特命を受け、盗作騒動に参戦したのだ。
243名無しさん@1 激震編 4:2000/08/17(木) 19:10

「盗作リーフ最低!」
「高橋は責任とって辞任しろ!」
「リーフが訴えられてるらしい」
 自作自演を交えながら、イシカワはリーフの社員を煽る。
 それに対する社員の反応も素早い。
「盗作って言う奴は全員アンチ!」
 イシカワは一呼吸おいたが、弾劾の手を緩めようとはしない。
「青紫氏ね!」
 その一言に、社員は特に敏感に反応した。
「青紫は悪くない! これはパロディだ!」
 猛烈な反撃を見せる社員は、まいた種は自分で刈り取るよう命じられた青紫であった。
 糾弾の雨に打たれながらも、
 なんとか自分の名誉――本人はあると信じている――を回復しようと、
 不眠不休で消火活動にあたっているのだ。
「いい加減にしないと名誉毀損で訴えられるぞ!」
「盗人猛々しいとはこのことだ。社員氏ね!」
 イシカワと青紫の煽りの応酬は熾烈を極めた。
 コピペが乱舞し、罵倒の嵐が吹き荒れる。
 レスは秒刻みの速さで、頭に上る血は分刻みで沸騰する。
 白目が充血し、キーボードを打つ指が震える。
 吹きだされた肺活量いっぱいの鼻息は白く、ディスプレイを曇らせる。
 汗はにじみ出た瞬間に気化し、体温を一瞬だけ下げる。
 午前7時55分。
 数時間にわたる熱戦は、テレホタイムの終了と共に幕を閉じようとしている。
 カキコした本人も予想しえなかったことではあるが、
 イシカワの捨て台詞が、青紫の心を激しく切り刻んだ。
「青紫にライターとしてのプライドはあるのか!?」
 ……プライド?
 その言葉が意味するところと、その言葉に込めた想いが、青紫の胸を締め付けた。
 プライド。
 最後に口にしたのは、はたしていつのことだったか。
 淡い思い出と、それに付随する感傷が、青紫の心の空白を埋めてゆく。
「プライド……」

 午前9時半。
 出勤したばかりの下川は、あわただしく行き交う社員の姿に目を細めた。
 高橋が息を弾ませながら、おぼつかない足取りで専務の側に駆け寄ってくる。
「どうした、何があったんだ」
「あの馬鹿がこんなものを……」
 肩で息をしながら高橋が手渡しのは、一通の書置きだった。
「しばらく旅に出ます。探さないで下さい」
 複雑に絡み合う心情を込めた手紙の署名は、青紫のものだった……。

 続く
まわすよ
まわすぜ
まわすぞ
まわすの
おらおら
まわまわ
つかれた
253:2000/08/17(木) 19:20
久しぶりの新作あげ。
史実に忠実に書いてみました。
荒らさないでね。
254名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/17(木) 21:31
うだるさん登場超期待・・・
255名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/17(木) 22:03
なるほど〜、あの盗作論争にこんな裏があったとは…(爆笑)

いや、マジで笑わせて貰いました。
中傷は止めてください
>>254
うだるさんって誰?
258名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/17(木) 23:08
 2chにおける事実をもとにしたフィクションなので問題無し。
>>257
聞く聞くクンはまず自分で調べろ。
260225:2000/08/18(金) 00:53
青紫さんのダメっぷりがいいカンジです(^^

実際にこんな書き込みのやり取りがあったかもしれない、と
思わせられるこの展開、さすがです。

それでは、さっそく保存させていただきます〜(^^
261名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 04:39
ファンクラブで、青紫とうだるさんとの確執が描かれてました。
 そこらへんも、つかってもらえるとうれしいです。

 うだるさん、個性的な人ですから、ねたには事欠かんとおもうんですが。
262名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 05:59
ウダル氏のリーフ入社前に作った雫痕の同人誌なんか
完全分裂症はいってたよね

憧れのリーフに拾ってもらえていまはハッピーなんだろうか?
もう手首切ったりしてない?
263名無しさん@1周年:2000/08/18(金) 11:29
>257
イミダスで調べろ、話はそれからだ
264名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 14:02
リーフvs鍵・・・ 軍配はリーフにあがるだろう。

323絵といたる絵を無党派層の連中に見せてどっちがいいか
聞いてみればすぐわかることなんだな
265名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 14:17
>>264
あのね。別に勝ち負けを話してるんじゃないんだよ?
てなわけで続き希望挙げ〜
 「盗作」の2文字が投稿された瞬間にハイエナのように嗅ぎ付けて消火する
回し部隊…。
 ある意味賞賛に価するよ。
>>265
いたる信者、萎え〜
>>266
火消しは、葉っぱ信者の主な活動ですのひとつです
269266:2000/08/18(金) 14:55
>>268
 出動までの時間の短さ&確実な稼働率は凄いと思う。マジで。
問題は、消火方法が江戸時代さながらの「破壊消火」という点だな(笑
しかし、延焼する事の無い場所まで
破壊消火するのはやめてくれ(藁
>>267
ここはフィクション小説を楽しむ場なんだから(苦笑)
別に実際に争ってるわけじゃないんだよ?
わかったかい、厨房君。
272名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 16:35
最終的には各メーカーが協力して573を倒す展開キボーン
273>272:2000/08/18(金) 16:47
商標絡みだったら、ついでにelfも573と共に逝くという展開キボ〜ン
274名無しさん@1 旅情編 1:2000/08/18(金) 17:01
>>243 の続き

 東京発盛岡行き、やまびこ112号。
 日本列島を南北に貫く東北新幹線。
 一通の書置きを残してリーフを飛び出した青紫は、
 四角い窓の向こうに広がる風景に想いをはせていた。
 晴れ上がった空の青と、降り積もった雪の白が、
 鮮やかなコントラストをなして視界に飛び込んでくる。
 いつか見た、記憶の底に眠る情景。
 無邪気に雪路を駆け回り、天を覆う分厚い雲を仰ぐ少年の姿。
 コタツで身体を丸めながらミカンを頬張り、
 くだらないテレビ番組を眺める家族の笑顔。
 もう何年も会っていない。
「頑張ってね、くじけちゃダメよ」
 不意に、大切な人の言葉が脳裏によみがえる。
 暖かく、慈愛に満ちた声が、涙腺を刺激し、涙がこぼれそうになる。
 抱きしめて欲しい。
 なぐさめて欲しい。
 何度そう思ったことか。
 しかし、自戒が足かせとなり、彼の脚を故郷から遠のけてきた。
 錦を着て帰ってくると誓ったあの日。
 涙と笑顔の入り混じった表情が忘れられない。
 車内アナウンスが、まもなく終点に到着する旨を伝える。
 雪化粧をした盛岡の街並みは、5年前と変わらぬ姿で青紫を迎えた。
275名無しさん@1 旅情編 2:2000/08/18(金) 17:02

 青紫は駅の構内でタクシーに乗り込むと、
 岩手の外れに位置する街の名前を告げた。
 久しぶりにつむぎ出されたその言葉は、青紫に言い知れぬ懐古の念を呼び起こす。
 とうとうここまで来てしまった。
 理由を話したら、さぞかし落胆することだろう。
 自慢の息子が、卑劣な行為に対する弾劾から逃れるために帰って来たのだから。
 一時間ほど走ったところで、周囲の風景から、無機質なビルの群像が消え、
 地平線の彼方まで広がる白銀の田畑がとって代わった。
 行き違う車の数は極端に減り、辺りは寂しさを増すばかりだ。
 どこまでも青かった空が、厚く広い灰色の雲に覆われた。
 純白の粒子が、ゆらゆらと舞い降りる。
 多彩な幾何学模様を描く結晶を脳裏に浮かべながら、
 青紫は天使の乱舞を見つめた。
 愚劣な逃亡者である自分と対比せずにはいられない。
 処女雪のまぶしい白が、暗い情念がよどむ瞳の網膜に焼きく。
 後部座席に腰を掛けていた青紫の身体が、前のめりになった。
 目的地に到着したのだ。
 夏目漱石の肖像が描かれた紙幣を六枚渡し、
 青紫は、アスファルトに降り積もった雪を踏みしめた。
 眼前に広がるのは、青紫が愛情を注がれながら育まれた、彼の生家である。
276名無しさん@1 旅情編 3:2000/08/18(金) 17:03

 針葉樹の門構えと、2メートル半はあろうかという、敷地をぐるりと囲う塀。
 木枯しが吹きつけるその門の奥には、
 青紫が会うことを渇望してやまなかった人がいる。
 旅立ちの日。
 青紫は胸を張りながら、母に誓った。
「かあちゃん、俺、成功するまでは絶対に帰らない。
 十年かかっても、二十年かかっても、必ず成功してみせる。
 だから、かあちゃんも、その時まで待っててくれ」
 母は、無言のまま青紫を抱きしめ、息子の決意に応えた。
 しかし今、その誓いは、五年も経たずして破られようとしている。
 荒波に揉まれ、心身とも衰弱の極みにある青年は、
 唇を震わせながら呼び鈴に手を伸ばす。
 人差し指の先がボタンに触れる直前、懐かしい声が塀越しに聴こえ、
 薄れていた青紫の意識を覚醒させた。
「それでね、息子が言ったの。俺は成功するまで帰らないって。
 涙が出そうだったけど、なんとかこらえて抱きしめたの。
 つらいけど、親が笑顔で送り出さなきゃ、心配で仕事なんて手につかないでしょ。
 息子は今ごろ、必死にかんばってるはずよ。
 そしていつか、満面の笑みで戻ってきてくれるわ」
 涙腺のバルブが決壊した。
 蓄積されていた涙が、熱い雫となってあふれ出し、頬を伝う。
 足下の雪が熱で溶け、舞い落ちる粒子に埋められてゆく。
「かあちゃん、俺、疲れたよ……」
 青紫は独語すると、きびすを返し、あてもなく歩き出した。

 続く
おお…青紫が主人公のようだ…(笑
今後の展開に期待だゴルァ(゚д゚)
279名無しさん@H:2000/08/18(金) 20:17
宇陀児の章〜狂気と天才の狭間にて〜

leaf、その巨大な斜陽の帝国の一室にて、椅子に掛けた一人の男が宙を睨んでいた。
口は半開き、その唇の先からは涎が溢れ、目は円く虚ろに魚類を思わす
不気味な眼光を放つ。その姿はまさに「狂人」以外の何物でも無い。
だが、かの男、彼こそがleafで高橋に匹敵する才を持つといわれる、
シナリオライター「原田宇陀児」その人であった。
宇陀児の手が持ちあがり、キーボードの上に置かれる。
そのまま宇陀児の指がキーをまるでピアノの演奏でもするかのような
流暢かつ滑らかな動きを見せ始める。
だが相変わらず、宇陀児の目は宙を泳いだままだ。
原田宇陀児…彼のトランス状態における自動筆記こそが、その
悪夢的、または芸術なる狂気とも評されるシナリオを産み出しているのだ。
280名無しさん@H:2000/08/18(金) 20:18
宇陀児の章〜狂気と天才の狭間にて〜

宇陀児の指はかろやかに動き続ける。まるで永遠に続く、
メビウスラインのように。
だが突如その指が止まった。
「青紫が逃げたってよ」
「当然だな、あんな屑野郎」
外から聞こえた人声に宇陀児の身体が突如硬直する。
その腕が突然、空に伸ばされ、醜く引きつるように歪む。
片足がまるで棒にでもなったように硬直し、もう片方の足が
引き攣りを起こす。
その口は大きく開けられ、口内に見える赤い咽頭を震わす叫び声が漏れた。
「シェー!!」
部屋の外にいたスタッフが叫び声を聞き、慌てて入ってくる。
「ちっ、宇陀児さんがまた発作を起こしたぞ!」
「俺、高橋さんを呼んでくるよ!」
宇陀児は自らの中に心の病、精神分裂病と、
それに付随する病、緊張病、躁鬱病を抱えており、
ときおり発作を起こすことがあった。
281名無しさん@H:2000/08/18(金) 20:19
宇陀児の章〜狂気と天才の狭間にて〜

取り急ぎ部屋に掛けつけた高橋は緊張病の発作を起こした宇陀児を
抱き起こすと、懐から取り出したアンプルを手際よく注射する。
虚ろだった宇陀児の目に僅かに光が灯る。
高橋は宇陀児に語りかける。

「大丈夫か?」

だがその言葉に対する返答は高橋の予想もだにしなかった言葉だった。
「…タカハシ…ミナツキ…ボクハウラギリモノヲユルサナイヨ…リイフハボクノ
アカイアカイチトトモニアル…ククククク…アカイ…アカイ…アカイ…」

宇陀児は注射…強力な鎮痛剤であるノタリンの効果でまたすぐに気を失った。
高橋は青ざめた顔で呆然と立ち尽くしていた。
(馬鹿な…こいつが…こいつが俺達のleaf退社&独立計画」のことを知るはずが無い…
偶然だ、偶然に決まっている。狂人は時折、普通の人間では考えられないような
脅威的な勘の良さを見せるというではないか。だいたいこいつがここにいられるのも
俺が精神病院に幽閉されていたこいつの文才を見こんで拾ってやったからだ。
こいつが、宇陀児が俺を裏切る訳はない。ないとも…)
だが高橋の理性の声とは裏腹に、本能が危険を告げていた…
宇陀児にこれ以上関わってはいけないと…
282名無しさん@H:2000/08/18(金) 20:22
宇陀児を登場との希望があったので出してみましたがどんなもんでしょうか?
えっと…宇陀児さんて実際も少し精神の方がちょっとアレな方なんですよね?
まあ昔から芸術家と狂人は切っても切れない関係ですけど…カミュしかり、ゴッホしかり…
283名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 20:27
おもしれぇよ。
284名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 21:01
よく知らない人間が書いていて、それでも微妙に正鵠を射ているのが
かなりおもしろいな。
285名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 21:07
大爆笑、最高です。
286名無しさん@1周年:2000/08/18(金) 22:15
シリアスだったのに、突然シェーっていうのには笑えた。
なかなか・・・。
287名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/18(金) 22:18
あぁ、宇陀児のサイトの掲示板にこのスレのリンク張りつけてきてぇ(藁
やめとけ。それこそ発作を起こすぞ(藁
289名無しさん@1 狂気編 1:2000/08/19(土) 02:20

「分かったぞ」
 部下に青紫の行方を調査させていた下川が叫んだ。
「どこだ?」
 眠気まなこを擦りながら、高橋が視線を専務に転じた。
 彼はここ数日、青紫の行きそうな場所に網を張り、
 睡魔と闘いながら、雑多な報告を整理していたのだ。
 携帯電話を握り締めながら、下川が唇を噛む。
「岩手……青紫の実家だ」
「そうか、俺は飛行機を手配する。お前は実家に連絡して、青紫の所在を確かめてくれ」
 下川は社員名簿をめくり、青紫の実家の番号をダイヤルする。
 彼の母と思われる女性が電話口に出た。
 事情を説明したが、青紫は帰ってきていない、
 それどころか、連絡ひとつよこしていないという。
 期待を裏切られ、苛立ち気味に電話を切ると、高橋が駆け寄ってくる。
「タクシーを呼んだ。空港に急ぐぞ」
 下川が財布の中身を確かめ、高橋と共にエレベーターに向かうと、
 弱々しい声が彼らの足を止めた。
「マテ……ボクモイク……」
 聞き慣れた響きに、二人は戦慄を覚えた。
「ボクハウラギリモノヲユルサナイ……ゼッタイニ……」
 精神病院に強制送還されたはずの宇陀児が、
 刃のような光を瞳に揺らめかせながら、狂気に満ちた視線で二人を射抜いた。
290名無しさん@1 狂気編 2:2000/08/19(土) 02:22

 下川はつばを飲み込み、懸命に声帯を震わす。
「宇陀児、おまえ、どうして?」
「イッタダロウ……ウラギリモノハユルサナイト……アオムラサキヲ……」
 宇陀児はそこまで言ったところで白目をむき、全身をけいれんさせた。
 続いて口から白い泡を吹き、無秩序なステップを踏み始めた。
 頭と手足は不規則な軌跡を描き、豊かな髪が激しく乱舞する。
「オレハテンサイ……ソウ……テンサイダ……
 リーフハオレノモノ……リーフヘノウラギリハオレヘノウラギリ……」
 これは精神分裂病に特有な症状だなと、高橋は思った。
 自我が肥大化し、現実と妄想の区別がつかない。
 アイデンティティが混乱し、過度の被害妄想に捕らわれる。
 強迫観念、離人症、果ては解離性障害……。
 この男とは、早いうちに手を切らなければいけない
 ――もっとも、精神病院に隔離されていた宇陀児を解放したのは、当の高橋なのだが。
 しかし、ここで逆らってしまえば、どんな奇行に走るか分からない。
 宇陀児の周囲には、凶器となりうるものが散乱している。
 デスク上に無造作に置かれたナイフ、給湯室のまな板に投げ捨てられたままの包丁。
 昔から言うではないか、キチガイに刃物、と。
 宇陀児を第二のネオ麦茶にしてはならない。
 下川に視線を送ると、彼もそう考えたらしく、黙ってうなずいた。
 下川と高橋は仕方なく、よだれを滝のように流し、
 恍惚を極めたかのような表情を浮かべる宇陀児に肩を貸すと、
 タクシーに乗り込み、空港に向かった。

 続く
続ききぼーん
292名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 04:56
>282
最高です

原田氏の昔のリーフ系同人誌もってるヤツ、内容アプしてくれ。
発狂寸前で最高だから。
293かおりん:2000/08/19(土) 05:02
ネオ麦・・・(爆笑
294名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 05:11
原田さんが面白いですね。
こんなに素敵な人だとは思いませんでしたよ。
295コピペ:2000/08/19(土) 05:22
>でも、見ただけですぐに判ってしまう自分ってナニモノなんだか……。(苦笑
>ま、高貴な血は容貌に出るものなんですね。うむ。コウキコウキ。

笑ったよ。こうすべきだね。

でも、見ただけですぐに判ってしまう自分ってナニモノなんだか……。(苦笑
ま、狂気は容貌に出るものなんですね。うむ。キョウキキョウキ。
>295
さらに笑ったよ。ウダル氏のHPか(笑)
297名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 05:40
発狂した原田さんと青紫が戦うシーンをきぼーん
いくら実在の人物・団体とは一切無関係とはいえ
ここまで書いちゃっていいんでしょーか(藁
いいんですよ(笑
300ハラダ:2000/08/19(土) 06:26
コウキデテンサイナンダヨ…ホントウノボクハネ
301たこやき大王:2000/08/19(土) 07:05
>261
ファンクラブに載ってた青紫とうだるさんの確執って、どんなの?
教えてー。
302名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 07:50
ジャックハンマーカヨ…
しかし、皆を不快にした盗作騒動も、すぐに幕を下ろした。

突如として神が降臨したのだ。
史実ではあやふやとなっていたが、キリストの誕生からちょうど今日で
2000年目だったのだ。
神「汝の有るべき場所へ帰れ」
その瞬間、全てのアンチは有るべき場所、永遠の苦しみの待つ地獄へと帰った。
「ママーン」
「ウンコするど! ウンコするど!」
アンチは悲鳴を上げる。
どれも耳障りで醜怪な豚を思わせる声だ。
神はそれを見てよしとされ、再び去っていった。

そして最後の審判は終り、全てのアンチや中傷魔はこの世から消え去った。             
304名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 17:11
面白いんだけど半分ぐらい分からなかったヨ。
誰か詳しい人、各社各人の因果関係等を解説してもらえませんか?
305名無しさん@1 胎動編1:2000/08/19(土) 19:05
>>290 の続き

 高度一万メートルの上空。
 見下ろせば、日本アルプスの峰が、
 白い雲を突き抜けてその端麗な顔をのぞかせている。
 地上と同じ気圧が保たれた機内では、窓際の席に、下川ら3人が座していた。
 不眠不休で調査にあたってきた下川と高橋は、
 少しでも休息を取りたいところなのだが、
 ところかまわず現れる宇陀児の性癖が、2人の睡眠欲をそいでいる。
 ざわめきと交錯する視線。
 フライト・アテンダントや他の乗客の蔑視の視線を独占しているのは、
 宇陀児が愛撫する森川由綺の1/8フィギュアである。
 宇陀児は、瞳をうるませながら呟く。
「ユキ……オネガイダ……オレヲミステナイデクレ……」
 涙腺からあふれた涙が、滝となって降り注がれる。
「オレハオマエガイナイトダメナンダ……ヒトリニシナイデクレ……」
 粘性に富んだ鼻水と唾液が、あごを伝ってしたたり落ちる。
「ナニガイケナカッタンダ……オシエテクレ……」
 宇陀児は小さな奇声を発し、前方の座席の背もたれに額を打ち始めた。
 彼の意識の中では、等身大の森川由綺が宇陀児を拒んでいるのだろう。
 瞳を濁らせる宇陀児の脳裏に、別の女性の姿が浮かび上がった。
306名無しさん@1 胎動編2:2000/08/19(土) 19:06

「ソウダ……リナ……ユキヲセットクシテクレ……オマエナラデキル……」
 震える手をカバンに伸ばし、緒方理奈のフィギュアを取り出す。
「イッショウノオネガイダ……タノム……」
 左手に森川由綺を、右手に緒方理奈を乗せながら泣きわめく宇陀児を、
 下川と高橋はため息まじりに見つめている。
 完璧な人間などこの世にはいないのだなと、高橋は改めて考え込む。
 特定の分野に天賦とも言える才能をもつ者は、
 他の部分、特に性癖に異常が見られる傾向がある。
 民族統一を成し遂げた偉大な皇帝、
 斬新な手法と奇怪な表現で輝かしい業績を残した画家、
 品のない言葉を連呼する作曲家……。
 どうやら、精神病院に隔離されていた宇陀児も例外ではないらしい。
 もっとも、それが妄想の範疇にとどまっている限りは構わないのだが。
 機内アナウンスが流れ、シートベルトの着用を促すランプが点灯した。
 フライト・アテンダントが、通路を歩きながらシートベルト着用の有無を見てまわる。
 機体が傾き、身体に加わる重力が微妙に変化した。
 午後3時58分。
 下川たちは、青紫がいるであろう岩手の地を踏んだ。
307名無しさん@1 胎動編3:2000/08/19(土) 19:06

 午後5時07分。
 降りしきる雪のなか、青紫はあてもなく歩き続けていた。
 苦悩を母に打ち明けるつもりで帰郷した青紫だが、
 その思いは叶わず、彼は今、絶望という名の崖に立たされている。
 頭に積もった粉雪を振り払うこともなく、
 ただふらふらとさまようその姿は、夢遊病者の徘徊を連想させる。
 人とすれ違うたびに向けられる好奇の視線。
 侮蔑の意に満ちたささやき。
 しかし、薄弱した青紫の意識野でそれをとらえることは困難であった。
 とらえたとしても、意に介さなかったであろう。
 青紫の視界の隅に、見覚えのある公園が映し出された。
 悪友と、親に黙って秘密基地を作ったり、
 泣きじゃくりながら喧嘩を繰り返した、思い出の公園。
 彼らは今、どこで何をしているのだろう。
 不器用ながらも真面目に仕事をこなし、
 一人前の社会人として認められつつあるのだろう。
 そして家庭を築き、ささやかな幸福を楽しんでいるに違いない。
 吐き出した息は白く、白銀の世界に溶け込んでゆく。
 青紫は凍える脚にムチを打ち、公園の敷地に歩を進める。
 色とりどりの建造物は雪に埋もれ、
 記憶の底に沈んだ情景と重ねることは出来ない。
 ブランコに歩み寄ると、積った雪を払い、横木に腰を下ろした。
 長すぎる脚で大地を蹴り、鎖を前後に揺らす。
 鼓膜を打つ無機質な金属音は、聴覚に残響する音声と共鳴し、
 セピア色の日々を回想させる。
 天を仰ぐと、幾重もの灰色の雲が、重厚な量感をもって視界に飛び込んでくる。
 今夜は吹雪になりそうだ。
 手足の指先や頬は凍りつき、感覚を失い始めた。
308名無しさん@1 胎動編4:2000/08/19(土) 19:07

「このまま死ねたら……」
 その言葉が意味するところを悟り、青紫はかぶりを振る。
 しかし、いくら負の思考を振り払おうとも、
 帰る場所が無いという事実までは否定できない。
 生き延びて、その先に何があるというのだろう。
 もしかしたら、何も無いのかもしれない。
 ……不意に、意識が薄らいだ。
 気温は零下であるのに、身体の芯はなぜか温かい。
 眠りの神であるヒュノプスが、甘くささやきかける。
 まぶたが重い。
 あごも満足に動かせない。
 視界に、薄暗い幕が下ろされた。
「俺は、死ぬのか……?」
 不吉な予感――限りなく確信に近い予感が、
 弱々しい炎となって意識野を焼き尽くそうとしている。
 全身から力が抜け、前のめりに倒れようとした瞬間、
 暴風が、意識野を占める炎を吹き消した。
「青紫!」
 懐かしい怒号が、風前の灯火であった青紫を覚醒させた。
309名無しさん@1 胎動編5:2000/08/19(土) 19:08

 声の音源に向き直ると、一台のタクシーと、
 そこから飛び出してくる人の影が見えた。
「青紫、探しだぞ」
 白い息を弾ませながら、下川と高橋が駆け寄ってきた。
 突然の出来事に、青紫は、目をまるくして二人の姿を凝視する。
「こんなところでなにやってるんだ、凍え死ぬぞ」
 下川は怒鳴り散らしながら、厚手のジャンパーを青紫の肩にかけた。
「二人とも、どうして?」
「決まってるだろ、おまえを連れ戻しに来たんだ」
 青紫の素朴な問いに、高橋が明確に答えた。
 意外だった。
 足を引っ張ってばかりの自分のもとへ、遠路はるばるやって来るとは。
 下川と高橋の暖かい一面を見た青紫は、
 二人に対する評価を少しだけ修正した。
 ゆったりとした間隔で聴こえてくる足音に、青紫は眉をしかめる。
 もう一人いる。
 下川と高橋の合間から顔をのぞかせると、
 狂人と変質者の汚名を着せられた男が、
 口元の両端を吊り上げながらこちらを見つめていた。
「ミツケタゾ……アオムラサキ……」

 続く
310名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 19:18
いゃぁ、ここんとこコミケ関係で忙しくて久々に来てみたけど、
こんなおもしろいスレッドが出来てるとは…うー、半月損した。
読むトコいっぱいあって目が離せんなぁ、2ちゃんねるは。
続きメチャメチャきぼーん。
 宇陀児ネタ、やりすぎ。
でもオレは面白いと思うぜ。
313名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 01:13
>特定の分野に天賦とも言える才能をもつ者
1は原田ファンとみた。
314名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 01:52
いやー面白いわここ。
315:2000/08/20(日) 02:10
>>313
ホワイトアルバムは好きだけど、ファンってほどじゃないよ。
どういう人なのかもよく知らないから、人格の描写も適当にやってる。
316名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 04:34
宇陀児のホームページみたら、あながち間違ってるわけじゃない様な気
がするよ。
職業:詩人(叙情派かつ密室派)
理解不能だよ。俺には。
日記だかなんだかが電波発振してるね
でも悪い人じゃなさそうね
318エメ:2000/08/20(日) 05:07
>>317
あまり近寄りたくはないけどね。
319名無しさん@H:2000/08/20(日) 06:45
喪失の章〜青紫の死〜
青紫の背筋に悪寒が走った。自分を睨みつける宇陀児の目。
そのどんよりと濁った虚ろな目を見た瞬間、全身を恐怖が走りぬけた。
(こいつは…こいつは人間じゃない!!何か別のものだ…)
人を人足らせているものが、人間としての精神だとしたら、
青紫の感じた直感はまさに正しい物であっただろう。

「ウゴオオオオオオオオオオオオオオ!」

突如不気味な叫びを上げ、宇陀児が青紫に飛びかかった。
そのまま青紫を地面に突き飛ばし、その身体の上に上乗りになる。

「グオオオオ!」

宇陀児は拳を固めると、青紫の頭といわず、鼻といわず、肩といわず、
ハンマーを振り下ろす様に無茶苦茶に殴りつけた。
青紫の顔が真っ赤に歪み、拳の上げ下ろしに合わせて血糊が宙を飛ぶ。
まさに狂人の馬鹿力。宇陀児はこのままでは青紫を殺しかねなかった。

「青紫!止めろ宇陀児!!」

青紫を助けようと飛び出そうとした、高橋の腕を強く掴んだのは下川だった。

「下川専務!?何を考えている!!」

下川は高橋の腕を掴んだまま、厭らしい笑みを浮かべた。
320名無しさん@H:2000/08/20(日) 06:46
喪失の章〜青紫の死〜
「考えてみろよ高橋。青紫は盗作疑惑でもう使い物にはならない。
このままleafにいても、ただマイナスの要素になるだけだ。
宇陀児は精神病院を脱走した狂人。精神異常者ということで、
青紫を殴り殺しても、罪となることは無いばかりか、表ざたにも
ならない。青紫は不幸な事故でなくなり、宇陀児は病院に
逆戻りする。完璧なシナリオじゃないか?
なあに、病院の中でもシナリオは書けるさ」

「下川…」

「なんだよ高橋、そんな怖い顔して。それに専務を呼び捨て…ぐほぉ!」

高橋は空いてる腕で下川の醜い膨れ面を殴りつけた。
そのまま下川を振りほどくと、青紫のところに駆けつけ、
青紫をまるで杭打ち機のように殴りつける宇陀児の首に注射器の針を入れる。

「ア…ガ…?」

宇陀児は血みどろの拳を振り上げ…そのまま、倒れこんだ。

「大丈夫か青紫!!しっかりしろ!!」

高橋は血まみれの青紫を抱き起こす。だが青紫はブルブルと痙攣し、
その目は白く濁っていた。

「クソッ!!なんでこんなことに!」

高橋が呪詛の言葉を吐いた瞬間、突如、頭の中で爆発が起こった。

(ぐあ…頭が…後ろから殴られた…奴…奴め…クソォ……)

後頭部から押し寄せる、激痛と空白が高橋の意識を押し流していった。
最後に聞こえたのは下川の笑い声。
耳障りな忌まわしき哄笑を聞きながら高橋の意識は途絶えた。
みんな狂わせりゃいいってもんじゃねーだろ…
このまま終ノ空になるのか?
楽しみだ。
323>319@`320:2000/08/20(日) 09:10
おいおい、脱線しまくり・・・・・・・・(汗)
 これがこみパに繋がるのかと思うと、ちと怖いなあ。
しかし、皆を不快にした盗作騒動も、すぐに幕を下ろした。

突如として神が降臨したのだ。
史実ではあやふやとなっていたが、キリストの誕生からちょうど今日で
2000年目だったのだ。
神「汝の有るべき場所へ帰れ」
その瞬間、全てのアンチは有るべき場所、永遠の苦しみの待つ地獄へと帰った。
「ママーン」
「ウンコするど! ウンコするど!」
アンチは悲鳴を上げる。
どれも耳障りで醜怪な豚を思わせる声だ。
神はそれを見てよしとされ、再び去っていった。

そして最後の審判は終り、全てのアンチや中傷魔はこの世から消え去った。
326名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 15:44
面白い。
続ききぼーん。
327名無しさん@1 雪見編1:2000/08/20(日) 17:07
>>320 の続き

 降り積もった雪に身体を沈める高橋たちを、
 下川は満足げに見下ろしていた。
 リーフの専務は、あるシナリオを脳裏に描き出している。
 精神病院から脱走した宇陀児が、
 長い旅路の果てに高橋と青紫を襲い、自らも倒れる。
 吹きつける雪に体温を奪われ、純白のベールに包まれながら、
 誰にも知られることなく、3人は息を引き取る。
 高橋と宇陀児は手元に残しておきたかったが、この際はやむをえまい。
 リーフに必要なのは、従順な飼い犬であって、自我をもった狼ではない。
 頭と肩に積った粉雪を払うと、下川は薄く笑い、公園をあとにした。
 残された高橋たちを覆う、真紅と純白のコントラストをなす雪は、
 返り血を浴びた白装束を想わせる。
 鮮血は白銀の世界にまぶしく映え、
 新雪は人々のため息を溶かし込むほど深い。
 吹きぬける風は、命の灯火を吹き消す死神の息吹さながらに冷たい。
 白く染め上げられた無音の世界に、冥界への門が開かれつつあった。
 しかし高橋は、残された気力と体力をしぼり出すように、
 両足を震わせながら立ち上がった。
328名無しさん@1 雪見編2:2000/08/20(日) 17:08

 焦点の定まらない視線を辺りに泳がせる。
 下川の歪んだ笑顔は見あたらない。
 すぐに死ぬだろうと考え、姿を消したのだろう。
 宇陀児もうつ伏せになったままで、起き上がる気配はない。
 高橋はそばに倒れる青紫を認め、
 片膝をつくと、抱き起こし、頬を平手で打つ。
「青紫、しっかりしろ」
 懸命に叫び、冥府の門をくぐろうとしてる友の痛覚と聴覚に訴える。
 皮膚は互いに凍りついており、
 頬を打つたびに、結晶化した雪が悲鳴をあげる。
 青紫が、赤味を失った唇を震わせながら、かすかにまぶたを開いた。
「やっと気がついたか、早く起きろ」
 高橋の吐いた安堵のため息は、白く流れ、雪原を滑る氷河を思わせた。
 上半身をゆっくりと起こした青紫に、高橋が手を差し伸べる。
「さあ、帰ろう。帰るといっても、もうリーフには戻れないがな」
 青紫は答えず、無言でうつむいた。
「どうした、早くしないと、本当に凍え死ぬぞ」
 青紫は、暗い光をたたえた瞳で戦友を見上げると、
 すぐに視線を落とし、呟く。
329名無しさん@1 雪見編3:2000/08/20(日) 17:08

「高橋さん、僕、もうこの業界でやっていく自信がありません」
「盗作のことか、それだったら、おまえが気に病むことじゃない。
 あれは確かに盗作で、それを見抜けなかった俺にも責任はある。
 だが、著作権の侵害は親告罪なんだ。権利者が訴えなければ問題はないんだ」
 柔らかい視線で、高橋は自分の手を取るよう促す。
「俺と一緒にやり直そう、俺はおまえの本気を知っている。
 痕を製作していた当時、アクアは倒産寸前だった。
 一刻も早くマスターアップしなければならなかった。
 そんな中で、お前はアクアのことを考え、誘惑に負けてしまった。
 ただそれだけのことだ」
 熱のこもった説得は続く。
「じつはだな、これは下川も知らないことなんだが、
 俺と水無月は独立を考えてる。時期は、来年の夏をめどにしてる。
 どうだ、お前も参加しないか? きっと楽しいぞ。
 口うるさい下川もいない、気の触れた宇陀児もいない。
 存分に実力を発揮できるはずだ」
 精気を失った瞳に、涙の粒が浮かび上がった。
「高橋さん、どうして僕がリーフに入社したか、知ってますか?」
「どうしたんだ、急に」
330名無しさん@1 雪見編4:2000/08/20(日) 17:09

 こぶしを握り締めた青紫は、凍りついた頬を紅潮させながら、
 胸のうちに秘めた思いを吐き出し始めた。
「僕が高橋さんのことを知ったのは、雫をプレイしてからです。衝撃を受けました。
 とにかくエロければ売れたあの当時、端麗な文章と緻密な構成力は、
 まさしく新たな時代の幕開けを告げるものでした。
 そんな高橋さんに憧れ、僕はリーフに入社したんです」
 青紫の独白は止まらない。
「そして痕で、僕は高橋さんからおまけシナリオを任せれました。
 入社したばかりの僕に、おまけとはいえ任せてくれるなんて、
 本当に嬉しかったです。ぜひとも期待に応えなくちゃって思い、一生懸命頑張りました。
 だけど、一向に納得のいくシナリオは出来ませんでした。
 締め切りも近づき、どうしようかと焦りだしました」
 視界に踊る粉雪の密度が増した。
「できれば知りたくなかった。だけど、僕は知ってしまったんです。
 締め切り直前の夜、パソコン通信のフォーラムで、
 雫のパクリが暴露されていたことを……」
 雫のライターが、ゆっくりとまぶたを下ろした。
331名無しさん@1 雪見編5:2000/08/20(日) 17:10

「ショックだった。憧れの高橋さんが大槻ケンヂをパクっていたなんて。
 それも、一部を流用したんじゃなくて、肝心なところを丸まる……」
 あふれた涙は、熱湯の滝となって積った雪を溶かしてゆく。
「僕だって開発者のはしくれだ。成功して有名になりたい。
 みんなに誉めて欲しい。だけど、肝心のシナリオは全くうまくいかない。
 パソコン通信のフォーラムを見終わると、星新一のショートシナリオ集が目に留まった。
 悪魔に誘われるように、ぱらぱらとページをめくると、
 ちょうどよさそうな短編が目に止まった。
 まるごとパクったって、エロゲーオタクには分かりっこない、そう考えた」
 青紫が叫ぶ。
「高橋さんはパクリで有名になった。僕だって、有名になりたかったんだ!」
 積年の想いを吐き出し終えた青紫は、生れ落ちたばかりの乳児のように泣き出した。
 高橋は絶句し、悲しみに打ち震える青年を凝視する。
 こぼれ落ちる涙をぬぐいながら、青紫は声を絞り出す。
332名無しさん@1 雪見編6:2000/08/20(日) 17:10

「だけど、それは違った。
 ライターとしてのプライドを捨ててまで有名になるなんて、絶対に間違ってる。
 僕は2ちゃんねるで煽られて、初めてそのことに気付いたんだ。
 僕はもう、過去を振り返らずに生きることは出来ない。だから……」
 凄惨な心情の吐露は、明らかに高橋への非難を含んでいた。
 しかし、暗に非難された当人は、反論するどころか、
 青紫から視線を静かにそらし、うつむく。
 そして視線を戻すと、寒さを忘れて震える青紫の前に片膝をついた。
「すまない、お前がそんなに辛い思いをしていたなんて、少しも気付かなかった。
 今さら言っても仕方のないことだが、頼るあてもなく伊丹に出てきたお前に、
 もう少し気を配ってやれれば……本当にすまない」
 天を覆う灰色の雲が、いっそう厚みを増した。
 風に揺られながら舞い降りる処女雪が、二人を隔てていた溝を埋めてゆく。
 雲の切れ目から、一筋の月明かりが射し込んだ。
 純白の妖精が、光と風のワルツを奏で、
 白銀の世界を包む穏やかな歌声が、凍りついたわだかまりを溶かしてゆく。
 視線を合わせ、無言で立ち上がろうとする高橋と青紫を戦慄させたのは、
 白銀の世界を黒く塗りつぶさんばかりに暗い、狂気に満ちた響きだった。
「くだらない……本当にくだらない喜劇だ……」
 乾いた血を舐めとりながら、宇陀児が静かに立ち上がった。

 続く
しかし、皆を不快にした盗作騒動も、すぐに幕を下ろした。

突如として神が降臨したのだ。
史実ではあやふやとなっていたが、キリストの誕生からちょうど今日で
2000年目だったのだ。
神「汝の有るべき場所へ帰れ」
その瞬間、全てのアンチは有るべき場所、永遠の苦しみの待つ地獄へと帰った。
「ママーン」
「ウンコするど! ウンコするど!」
アンチは悲鳴を上げる。
どれも耳障りで醜怪な豚を思わせる声だ。
神はそれを見てよしとされ、再び去っていった。

そして最後の審判は終り、全てのアンチや中傷魔はこの世から消え去った。
334名無しさん@1周年:2000/08/20(日) 22:08
ファンにPS版志保シナリオ誉められて立ち直る青紫キボ−ン
335名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 22:15
やべえ…マジで青紫が主人公っぽいぞ!(笑
336名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/20(日) 22:16
綾香の搾乳シーン妄想していたら・・・・鼻血が・・・。
レミィファンに…い、いや、何でもな…ゲフンゴフン
338名無しさん@H:2000/08/20(日) 22:34
北の大地編
宇陀児は爛々と光る眼光に、蔑みの色を浮かべながら言った。
「おおおお、お前達はleafを汚した汚した汚した。
タタタタカハシ、お前は俺を病院から出してくれた。それには
感謝していルルルル。だがだがだがleafを汚すものは死ななければ
ならならならないいいいいいいいいい」
まずい…高橋の頬に一筋の汗が滴り落ちる。
トランス状態から覚めた宇陀児は狂気に犯されているだけでなく、
なまじ知性がある分、ただの獣と化すトランス状態時より危険なのだ。
「おおおお前達お前達は下賎下賎下賎。コウキコウキコウキなる
ボクボクの手手手によって葬られる。このシャトーブリアンの血を引く
ぼぼボクの手によって。うひうひひぎひ電波電波電波ビリビリビリ感じる」
それは「サクラ大戦」やろが!!
と思わず突っ込みをいれそうになるのを必死に堪える高橋。
今、宇陀児を刺激したら一体どんなことになるのか、想像しただけでも
恐ろしいからだ。
「ボク、創る神神神、お前達パクル豚豚豚。豚はシネシネシネ」
宇陀児が感情の無い平板な口調でそういうと、そのまま突っ込んでくる。
「高橋さん!!」
青紫が高橋の前にでる。宇陀児の身体が青紫をブチ倒そうとした時。
339名無しさん@H:2000/08/20(日) 22:35
北の大地編
その時、大声が響いた。
「止まれ!!」
宇陀児がハッとした顔で当りを見まわす。そして突然その身体が
崩れ落ちた。何者かが宇陀児の頭を容赦なく殴りつけたのだ。
宇陀児の崩れ落ちた後ろ、そこには黒サングラスにスーツの
探偵物語にでていた頃の故松田優作を彷彿とさせる男が立っていた。
「あ、あなたは…」
高橋はその顔に見覚えがあった。アボガドパワーズのクリエイター、
大槻涼樹だ。大槻は宇陀児を拘束しながら、二人に語りかける。
「大丈夫ですか?不運でしたね。こいつは真性の精神異常者ですよ。
貴方方の運が悪ければ殺されていたかも知れません。すぐ警察に電話…」
「待ってください、大槻さん」
高橋の声に大槻が驚き顔を上げる。
「なぜ私の名を?」
「覚えていませんか?以前コミケやソフ倫でお会いした事を。leafの高橋
と青紫を、そしてその男…原田宇陀児を」
大槻の目が鋭くなり、その声に深みが増した。
「この男が原田宇陀児…?こいつは確実に危険な狂人です。犯罪心理学を大学で
齧っていたことがありましてね。こいつのような奴はなんども見ました。
妄想に捕らわれ、殺人を行うことすらなんの良心のとがめも無い。
一番危険なタイプの異常者ですよ。こいつがあのホワルバの原田宇陀児と」
「ええ…色々と事情がありまして…」
ボロボロの高橋と青紫の姿を見て、大槻は手を差し伸べる。
「もしよろしければ話してくださいませんか?もしかしたら何かの
お役に立てるかも知れません」
この出会いが北の大地、若き業界の雄達が集る地、北海道にいずれ変革を
もたらすことになるとは、まだその時は誰も知らないことである。
340名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 00:27
>>339
なるほど、これで「こみパ」に繋がっていくわけか……。
なかなかうまいですね。
341>1:2000/08/21(月) 04:22
やばいって
その内容じゃ信者が寄ってくるんじゃないか?
342341:2000/08/21(月) 04:25
やべえ、あげちまった
鬱ダ詩嚢
343ミソ@兆し編:2000/08/21(月) 17:31
西暦1999年、初秋、大阪某所

『全く、どうなってるんだ!!』
ガン!
静かなビルの一室に突如激しい物音が木霊した。
「どうしたのTADA君、今日は珍しく荒れているじゃない」
『ああ、とりか』
TADAと呼ばれる男は、ため息と共に傍に寄ってきた「とり」と呼ばれる
女性の名を呼んだ。
『どうしたの?』
再度、とりはTADAに問い掛けた。
『最近、この業界は誤った道を進んでいると思わないか?』
「誤った道?」
『最近の体たらくぶりと言ったらどうだ、感動するだ泣けるだと言って
すっかりエロがおろそかになっちまってる。』
TADAは憤りと共にその言葉を吐き出した。
『まるで、牛丼の牛抜きだ。全く味気が無い。これでは何のためのエロか?
何のための18禁か?』
「その風潮の原因はやっぱり・・」
『Key!・・・、そしてLeafだ。』
TADAが苦々しい口調でとりの言葉を継いで言った。
『去年から、兆しは見え始めていた。だが、決定的となったのはこのあいだ出た
KANONだ。そこから業界は狂っちまった。』
「ええ、それは私も感じていたわ。たしかに最近、安易な感動作、安っぽいシナリオ
つまらないノベル・・・おそまつなゲ−ムが増え始めている。」
『そして、府抜けちまった音楽もだ!』
突然有らぬところから声がした。
「誰?」

つづく・・・
ついにアリスまで出たか
収集つくかな……?
3457世:2000/08/21(月) 17:55
おおっ、ついにアリスが。
ついでに「アトラク・ナクア」と「SeeIn青」の話を出して下さいよ。
TADAさんが「うちが作ったら、もっと素晴らしいのが出来る」とか
言って対抗するとか。
3467世:2000/08/21(月) 17:59
…SHADE氏登場?
SHADE氏の書く曲はすげえいい。
エロゲー界で音楽がいいのはアリス、LEAF、KEY(大手ばっか)
だと思うなり。
7世さんも参加してみては?
3497世:2000/08/21(月) 18:26
書くのが…怖い、雰囲気壊しそうで、それにあんまり業界事情通じゃないんで。
350ミソ@兆し編ソノ弐の1:2000/08/21(月) 19:33
「誰?」
とりが、その声の主に声をかけた。
『おっと、悪い悪い、盗み訊きをしていた訳じゃないが、何とはなしに話し声が
聞こえていたのでな。』
「なんだ、Shadeか」
『なんだとは、随分とご挨拶だな。』
つっけんどんなやり取りではあるが2人の仲は別に悪くはない。
『ふむ、そうか、やはりお前もそう感じているか』
『ええ、部長。俺も最近の音楽のワンパターン化、感動一直線な路線には辟易と
していたところです。』
Shadeは、わずかに口を歪めてそう言った。
『魅せてこその音楽、燃えてこその音楽、楽しませてこその音楽、
CD-DAだけが能じゃない、効果音までもが一緒になってゲームを突き動かす。
それが音楽だ。』
淡々としゃべってはいるが、その声には熱意がこもっていた。
351ミソ@兆し編ソノ弐の2:2000/08/21(月) 19:33
『音楽は、涙を流すための道具じゃない。変に芸術家を気取る奴等を俺は認めない』
「Shade・・・あんたそこまでまで思っていたなんて」
とりが、やや驚いた顔で言った。
『既に音楽家としてのプライドを賭けた戦いは始まっているんだ。俺は奴等には
絶対に負けたくない。』
TADAが野望を秘めた顔つきに変わった。
『フッ、Shadeよ、俺はこれからエロゲ界の秩序を守るべく、戦争をしかける
つもりだ。勿論、戦うからには天下は俺達の物にさせてもらうがな。
その為にはまず…』
『ええ、次の作品では面白い仕掛けを作ってますよ。』
Shadeも不敵な笑みを浮かべた。
『おい、スパイ斉藤、おにぎりくんと、ちょも山、織音、
ふみゃを呼べ。』
スパイ斉藤と呼ばれる人物が音も無く現れ、
「はい、分かりました」
そして、影も無く立ち去った。
『それと、まずは目先の事か。とりよ、例の「姫ゲー」の方はどうなっている。』

つづく・・・
3527世:2000/08/21(月) 19:51
スパイ斎藤…(笑)
おにぎりくん、ちょも山、織音…あれですか…。

しかし、Shade氏はマジでそんなプライド持ってそうですね。
Shade氏はジャーマンメタルも好きらしいぞ
354北海道激震編・序章:2000/08/21(月) 21:15
 北の大地は、熱く燃えていた。

 冬ともなれば、吐く息が凍り、バナナで釘すら打てると言われる極寒の地、北海道。
この厳しい自然環境故か、それとも、雄大な大地故か、この大地に生きる人々は、熱い。 クラーク博士の例を見るまでもなく、この地は常に日本という国の最先端を行くもの達が集う。
 そこが、北海道である。


 その北海道・札幌市。都市の中心街にあるさして大きくないオフィスに、その男はいた。

 でかい、男だった。
 巌のような肩は、見上げるほどの位置にそびえ立ち、
 濃紺の羽織から突き出た腕は、子供の胴回りほどもあろう。
 特大の下駄は、まな板ほどの大きさ、
 わずかに吊り上がった太い唇は大人でも一呑みにできそうだ。
 腕も、足も、顔も、体も、人間そのものまでもがでかい。そんな、男だった。

『――このような次第でして。ええ、是非とも社長の御助力を……』
 その、大きな手の中にある黒電話の受話器。そこから聞こえてくる声は、間違いなくアボガドパワーズのクリエイター、大槻涼樹のものである。僅かにうわずった声は、先程の高橋、青紫との出会いの興奮が覚めやらぬ証拠か。
『これも、天佑と言うものなのでしょうか。我々の立ち上げたクリエーターユニット、リューノス。Leafの内紛。偶然と言うにはあまりにも都合のいい出会い。そして、あなたの存在…………。シンクロニティの存在を信じたくもなりますよ』
 感慨深げに大槻は言う。これが、運命と言う物であるのなら、それに殉じるのも悪くない。そう言っているかのようだった。
『それでは、私は取材の続きがありますので、この辺で。……いい返事を期待しております』
 慇懃に礼をし、大槻は電話を切った。電話を受けた姿勢のまま、彼はしばし佇んでいたが、おもむろに黒電話を回す。
『はい、アボガドパワーズですが……』
「ワシがオーサリングヘヴン社長! 日高真一である!!」

――――矢は、放たれたのである。
嗚呼!遂にオーサリング様まで!!
 Leafって、確か北海道に社員旅行してたから、
もしかするとそれも何か有るのかも。
357名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/21(月) 22:16
なんだか夢枕獏ふうでイカス。
日高社長ってホントにこんな人なの?
358ミソ@兆し編ソノ参の1:2000/08/21(月) 22:26
『それと、まずは目先の事か。とりよ、例の「姫ゲー」の方はどうなっている。』
とりが、やや間を置き、答える。
「正直、かんばしくないわね。」
『どうした、もうマスターアップは目前だぞ。それに我等の野望、その最初の一歩
として、ここでコケるのは、絶対に避けねばならん。』
TADAは少し語調を荒げて言った。
「例の法律、有るでしょ。あれよ。」
『児ポ禁法の事か?』
隣にいたShadeが答えた。
「ええ、あれのおかげで、どうやらソフ倫の規制が強まっちゃって、ダークロウズが
引っかかりそうなのよ。」
『馬鹿げている』
Shadeが声を立てた。
359ミソ@兆し編ソノ参の2:2000/08/21(月) 22:26
「ええ、馬鹿げている。でもお上には逆らえないわ。」
『引っかかりそうなのはユリーシャの事か?』
TADAは問題が有りそうなキャラの名を口にした。
「彼女の見た目が幼すぎるんだってさ、なんじゃそりゃって感じだね。」
丁度そのとき、先ほどTADAが召集したメンバーが到着した。
『と、言う事だ。おにぎりくんよ。ユリーシャの胸を大きくして書きなおせ。』
『と、言う事って?え、え、書きなおすって、マ、マジすか?』
おにぎりくんはいきなりの事にかなり戸惑っている様子だ。
『マジだ。冗談でそんな事は言わない』
TADAは、はっきりと、言い放った。
『畜生、俺は、ロリロリとしたユリーシャが好きなのに、なんてこった。』
おにぎりくんは嘆いた。
『俺も同じ絵描きとして気持ち、わかるっす。』
斜め右後ろに立っていたちょも山が「ポン」と肩をたたいて同情した。

つづく・・・
おにぎりくん萌え
361ホイモミソ@兆し編ソノ四:2000/08/21(月) 23:19
『コホン…』
TADAが咳ばらいをひとつして言う。
『まあ、兎も角だ。皆に集まってもらったのは他でもない。これから我等が、
この世界の天下を取るに当たって、するべき事を言う。』
集まった一同は、神妙とした顔つきとなった。
『まず、差し当たっての敵はKeyとLeafだ。この二つの勢力をまず、同士討ち
させる。』
『同士討ちですか』
織音がつぶやいた。
『そうだ、同士討ちだ。なにも正面から戦うだけが戦いではない。
相手が弱ったところを一気に叩き潰してこそが王者。すなわち支配者だ。
中途半端に攻撃したとしても、あいての心までは支配できないからな』
TADAは拳を握り締めながら、そう力説した。
「ふっ、これからは、群雄割拠の時代よ。いかに、こちらの体力を残したまま
戦い抜くかが、この戦争の勝敗の分かれ目になってくる。」
アリス・ブルーと言う新境地を開拓中のふみゃが、口元に
笑みを浮かべながら言った。

『俺も、折戸や中上、I’veなどと言った腑抜けた音楽の元凶を断たなくて
はならない。だが、折戸とI’veが手を組んでいる今、誰も手がつけられない
ぐらいに強力だ。奴等を黙らせるには相当の力が必要だ。
しかし、今の俺には、悔しいが、それだけの力は無い』
傍から見ても悔しそうだとわかる顔で、Shadeは言った。

『そこでだ、ふみゃ、今しがたおまえを呼んだのには、理由がある。
今度、大阪でデジフェスが開かれるのは、知っているな。』
「ええ、知ってますが、それが何か?」

つづく・・・
なんか中途ハンパな所で切ってるな……
 日テレの影響だろう。
364ホイモミソ:2000/08/22(火) 01:11
>>363
別に日テレの影響を受けたわけではないが、なんとなく連載物チック
な感じにしたかったので。
不評なら止めます。
氷川ヘきる氏のはわわみつみ(C)みつみ美里(TechGian10月号158頁)が俺的ヒットしたので、何とか生かしたいと思う今日この頃。

それとは別に、コミぱ後で一ネタできたけど…発表するのは先になりそう。

>>349
>それにあんまり業界事情通じゃないんで。
いえ、業界事情に通じ過ぎてると、怖くて書けませんよ。逆に。
私は業界人じゃないですから、2ch情報+妄想で書いています。

>>354
>「ワシがオーサリングヘヴン社長! 日高真一である!!」
爆笑しました。
業界にいる人って、自分しか知り得ないような事をここで漏らしちゃったら机無くなっちゃうのかね?
>>366
ばれなきゃ平気
でも、俺の場合は念には念を入れるからばれる事はないよ。
アリス、アボガドパワーズ、オーサリングヘヴンと
全てのエロゲー業界を巻きこんだ戦争になりそうだけど、
なんで名前すら挙がらないのだろう……タクティクス
>>368
うーん。自分内イメージでは、なんか平和主義的なもんで。
こんな風に。

++++++

「そろそろ、手打たへん?」
「嫌よ! 今更、頭下げられるわけないじゃない!」

大阪市内某所、某ファミレス。
一組の男女が、何やら議論をしている。

女は、樋上いたる。
男は、YET11ことタクティクスの吉沢務。
かつての、同僚である。

「やけどな、関西のメーカー同士で争ってたって、何も生み出さへんで。
それは、わしらにとっても、ユーザーにとっても、ええことちゃうやろ」
「……それは、分かってる。でも、私たちの受けた苦しみは?
あの事件でつぶされた面子は?未だに復帰できない折戸君は?
ウィルスに蝕まれた私たちの作品は?
それを、誰が償ってくれるの?」
そう言って唇をかむ樋上。

テーブルの上のコーヒーは既に空になっていた。
長い時間が経った後、吉沢が席を立つ。
「まあ、すぐに分かってくれとは言わん。でも、わしはあきらめんよ。
今日は呼び出してすまんかった。ここは払っとくわ」
大阪・中津。
ネクストン本社。
「ふー。ただいま」
「あ、どうでした?」
帰社した吉澤に対応したのは、原画家の娘太丸。

「あかんね。むこうも意地になっとるわ」
「そうですか。あきませんか……」
「リーフさんのほうも、色よい返事もらえんかったしね……」
「……厳しいですね」
沈黙。

ふと、社長室の方から、低く唸るような声が聞こえる。
「樋上いたるーーー。七代祟ってーー、許すまじーー」ガツン
「折戸伸治ーー。七代祟ってーー、許すまじーー」ガツン
「麻枝准ーー。七代祟ってーー、許すまじーー」ガツン
「久弥直樹ーー。七代祟ってーー、許すまじーー」ガツン




「今日も社長、やってますね」
「ああ、もう丑三つ時やね。そろそろ開発に戻らんと」
ふと、時計を見ると、午前2時半。
「はい。しかし、関西に、いえ、この業界に平和が戻るんは、いつなんでしょうね」
口を開く娘太丸。
吉澤は、悲しげな顔をして返した。
「もしかして、争う定めなんかも知れんな……。でもな、あきらめんよ。わしらのためにも、ユーザーのためにも……」

+++++++++

Tactics陣営が関西弁なのは何となく。かつてピュアガールのメーカーコラムに載っていたコミぱトーク(確か3月号か4月号)のせいです。
兆し編外伝−もうひとつの「血の宴」編序章

『今度、大阪でデジフェスが開かれるのは、知っているな。』
「ええ、知ってますが、それが何か?」
『そこで、Leafがkeyに対し、何らかのアクションを起こす、と言う情報を
東京の「K氏」から入手た。』
「その情報は、当てになるのですか?」
ふみゃは、訝しげな表情を浮かべた。
『奴も、かつては一世を風靡した男。まず情報に間違いは無い。』
TADAは自信げにそう言い放った。
「それで、私にどうしろと?」
『フッ、そこに我等がアリス信徒を連れて行き、まずは、Leaf側に加担しろ。
そして、戦いが始まった所で、更に戦火が広がるように両者を煽るんだ。』
(アリス信徒とは、アリスファン倶楽部の中でも特に信仰心が強く、アリスソフト
の為ならば死すら厭わない、そんな奴等である。)
『奴等は、お互いを牽制している。こちらの行動は悟られずに、両者の戦力を
確実に殺ぐ事が、出来るはずだ。』
TADAは、窓の外の降りしきる雨を眺めながら思案げに告げた。
「分かったわ、やってみる。」
ふみゃが、打算を張り巡らした顔で、そう答えた。
『では、頼むぞ』

デジフェス史上最悪の事件と呼ばれる「血の宴」事件の、もう1つの真実が
ここに明かされようとしていた。

つづく・・・
372ミソ@もうひとつの「血の宴」編一章:2000/08/22(火) 18:10
1999年、秋、デジフェス会場

「全くもう、あのオヤジったら『では、頼むぞ』なんて言って、いやな仕事を
押し付けやがって。コッチが例のボーイズの件で逆らえない事を知ってて
言ってやがるから、始末に置けないわ。」
ふみゃは、かなり不機嫌な様子でぶつぶつ、つぶやいていた。
そして、そのはけ口は、今、丁度こちらにやって来た信徒Aに
向けられようとしていた。
「ちょっと、あんた!裏口は見つかったの!」
『いや、それが、中々見つからなくて」
「んもう、使えないんだから!うかうかしてる間に会場時間は来てしまうのよ。
もっと全力で探しなさい。」
『は、はい、姐さん!死力を尽くして探してきます。』
ほんと、こんな奴等が使い物になるのさね・・・ふみゃは、苦虫を噛み潰した。

暫らくして、徹夜組みの動向を探っていた、別働隊のBが来た。
「どう、そちらの様子は?」
『は、徹夜組みの葉っぱ信者になりすまして、様子をうかがったところ
面白い情報を入手致しました。』
「ほう、それは一体何?」
いままで不機嫌だった顔つきが一転して、今度は、いたずらっこのような
それでいてどこか、危険をはらんだ表情に変わった。
『どうやら、青紫の指示により、葉っぱ信者は、Keyのマキシシングルを
買い占めるようです。』

青紫?その名を聞いたとき、ふみゃは背筋にピンと戦慄が走った。
いかに下っ端と言えど、やつは、策士高橋の部下、きっとこれは、大掛かり
な事を仕組んでるに違いない。
となると、マキシシングルの買占めだけで終わるはずも無い。
そう、ふみゃは、直感した。
「よし、こちらの動きは、決定したわ、全軍を持って、こちらも、マキシシングル
を購入しなさい。だが、こちらの行動は、くれぐれも葉っぱに悟られるんじゃないよ。
裏口が発見出来次第、作戦行動に移る。作戦開始時刻は、明朝開場30分前よ。」
『ラジャー姐さん』
Bはピシッと敬礼し、全軍に伝令するべく、走り去った。
「ふっふっふ、面白くなってきたわ。さぁて、どう料理してやろうかねぇ。楽しみさねぇ。
ふっふっふっふ、、、」

時刻は草木も眠る丑三つ時、策謀と、混沌の渦巻く欲望の大地を踏みしめ、
ふみゃは、これから起こるであろう出来事に、思いを馳せていた。

つづく・・・
続き頑張ってくださーい。
374名無しさん@H:2000/08/22(火) 18:49
謀略の章 いたると戸越1
夜の高速道を駆け抜ける真っ白な狩人。
樋上いたるが所有する真っ白なポルシェが、
戸越まごめの華麗なるドライビングテクニック
によって十二分に生かされていた。
「戸越クン。運転上手いじゃない」
いたるの声に戸越が笑みを浮かべる。
だが、その目には何も映っていないことに
いたるは気が付いていた。
「樋上さん。運転手代は覚悟してくださいよ」
いたるがかろやかに笑う。
「ふふっ。それはこれからの話次第よ」
白い狩人は高速を降り、海沿いの道路に入る。
戸越は路肩にポルシェを停止させた。
「いたるさん、いったいなんなんですか?」
化粧を直しているいたるに戸越がきつく声を掛ける。
「簡単なこと。あなた、私と組まない?
keyを、そしてゆくゆくは業界を
私達二人のものにするのよ」
戸越は呆れたように肩を竦めた。
「何を言って…」
「あなた、STBの連中を使って、keyのHPを荒したでしょ?
折戸はあなたにとって邪魔者以外の何者でも無いものね」
戸越の顔が引き締まる。その顔はいつもより冷徹に見えた。
375名無しさん@H:2000/08/22(火) 18:50
謀略の章 いたると戸越2
「何を言っているんだ樋上さん。そんなこ…」
「私はこれでも同人界に顔が聞くのよ。誰とは言えないけど、
STBの一員が嬉々として私に語ってくれたわ。
私の方があなたより、手馴れているの。こういうことについてね」
いたるの言葉を聞いても、戸越は押し黙ったままだ。
「戸越クン、勘違いしないで。私はあなたを責めてるんじゃない。
いえ、寧ろ、その行動力と判断力を見こんだのよ。
あなたにはパートナーになって欲しい。私はkeyを、VAを、同人界を、
そして業界を支配したい。ただの原画屋で終る気はさらさら無いわ」
押し黙ったままの戸越がポツリと呟く。
「…本気で…天下を取りにいくつもりなのか?」
いたるがクスリと笑った、まるで無邪気な乙女のように。
「戸越クン。あなたには私と同じ匂いを感じるの…
沸き立つような野心の薫りがしているわ」
戸越のズボン、その股間の膨らみにいたるの手が触れた。
「はあっ…」
戸越が思わず声を上げながらいたるを見る。
「ふふっ、パートナーになる為にはお互いのこと
をよく知り合う必要があると思わない?」
そう言って少女の様に笑みを浮かべたいたるの目には
淫蕩な光が篭っていた。
376名無しさん@H:2000/08/22(火) 18:51
謀略の章 いたると戸越3
「はっ、戸越クン。私、いたる、もう、もう、だめよっ!!」
「いたる!!いたる!!」
「だめっ、もう、いたる、いたるいっちゃう!!ああーっ!!」

激しいカーセックスを終えた、戸越といたる、その
二人には今までになかった、湿った雰囲気が纏わり付いていた。
「戸越クン、あなたには早速やって欲しいことがあるわ」
いたるが情事の余韻を感じさせるような声を出す。
「なんだ?いたる、お前は何を考えている…?」
「まず今一番大切なのはkeyの地盤を固めておくことよ、その為には
絶対に排除しなければならない存在があるわ」
「リーフのことか?」
「ピンポーン、大正解。流石は戸越クン、私が見こんだだけはあるわ」
「しかしどうやって…」
いたるは笑った。その笑みはあまりに無邪気であまりに酷薄。
「下らない女帝気取りの馬鹿娘と、モノホンのキチガイをつがわすのよ」
戸越の顔にも残忍な笑みが浮かぶ。
「なるほど、アキレス腱どうしをぶつけるわけか。しかしどうやって…」
「両方とも、同人界の人間よ。同人界のことは私達が一番良く知ってる
でしょ。それに、協力者には事欠かないわ。あの下らない『クイーン』
を憎んでいる人間はそれはもう…大勢いるからね」
それを聞いて戸越が笑う。それはもう愉快そうに。
377名無しさん@H:2000/08/22(火) 18:53
謀略の章 いたると戸越4
「ククククッ、面白くなりそうだな。あんたと組むのは正解だったかもしれん。
だがな、なぜ、俺を選んだ?久弥や麻枝、折戸でなく」
いたるは面白そうな顔をする。
「折戸は下らない正義感が強くてとても大物にはなれない、
麻枝は二次コンで生身の女に興味は無いし、久弥…」
思わずいたるは吹き出した。
「私には不細工な男を好き好む趣味は無いわよ」
戸越も笑う。
「ククッ、違いない。だがそれはようするに俺しか適当な人材がいない上に、
あんたのkey内での立場が危うくなりそうだったからだな?」
いたるが、急に不機嫌そうになる。
「知ってるんだぜ。新しい原画家の話…安心しろ、
もう俺とあんたはパートナーだ、協力はする。
だがこっちにも協力はしてもらうぜ」
戸越はいたるの肩を引き寄せるとその唇を奪った。
「ううっ…ウ…チュ…」
口内で舌どうしが絡みあう淫猥な音が静かな車内に響く…
「強引ね戸越クン。返事はOKよ。協力していきましょ、二人の為にね…」
(ふふっ、この男も利用できるだけ利用して捨ててやるわ、
タクティクスのあいつのようにね…)
(ククッ。この女信用できんが、身体は中々美味いし、
他にも利用価値は多そうだな…STB内の裏切り者は早急に粛清しなければ…)
STBの連中って……
STB-labってSTB(戸越)氏とHatsu氏の二人でやってるサークルだよ(苦笑)
それを言うならSJV?
379名無しさん@H:2000/08/22(火) 19:07
間違えました。スマソ(汗)>STBとSJV
380378:2000/08/22(火) 19:36
ちなみに
SJVことSJV普及委員会って言うのはOdiakeS氏を主催としたサークル。
KAZ氏やせぴあ色の空氏が曲を書いている。
(KAZ氏と言えばFOGとの一見が有名?)

んで、直接keyとは関係ないけどSoundUnion。
メンバーはSIMO氏とEbi氏。
夕焼けやWhiteの曲の一部を担当したサークル。
コミケではUNISONlabelと合体サークル取っていること多し。
SIMO氏は久弥氏のサークルで売り子をしていることもある。
あ、SIMO氏はしもりん狸としてKanonのクレジットにのってたっけ。
 下川は一つ、溜息を付いた。
 長い旅の疲れが体中にわだかまっている。
 リーフ本社ビル。部屋の中には誰もいない。
 誰もいなくなったのだ。
「これでよかったのだろうか」
 それは禁断の問い。答えを出してはいけない禁断の問い。
 リーフは覇道を征く。そう決断し、進んできた。
 前だけを見て。
 ついてこれない者は振り落とし、邪魔する者は蹴散らし、いかなる手段を使ってでも頂点を目指しひたすらに走ってきた。
 その結果がこれだ。
 孤独。周りには誰もいない。
 下川は机の上の写真立てを手に取る。
 それは五年前、「雫」発売直前の集合写真であった。
 下川を中心として、高橋が、折戸が、水無月が、鳥のが、一一が、ら〜YOUが、屈託のない笑みを浮かべて肩を並べている。
 あの頃は厳しかった。足りない予算。迫る納期。ただ、良い物を作り、それが受け入れられれば上をとれると信じていたあの頃。
 でも楽しかった。
 だが今は。
「孤独だ」
 そしてこれが覇道を征くと言うこと。
 覇者に後ろを振り返ることは許されない。
「だが、一人は寂しすぎる…」
 下川は机に突っ伏す。
 頂点を極めんとして、道を失った漢がここにひとり。
 その哭(こえ)を聴く者はいない。

 彼はまだ足下を崩そうとする陰謀にまだ気が付いていなかった。
 気付くはずもなかった。
 前しか視ていないのだから。
僕は下川さんのファンなので(正確には彼の音楽の)ついこんな文章を書いてみました。
>>382
なかなか、いいんでないの。これからに期待してるよ。
384某T@こみパの乱・序章:2000/08/23(水) 07:22
2000年4月21日。こみパ2日前。
「いいか、当日までボランティアに一切情報はもらすな」
こみパスタッフを統括する高橋は、開口一番、そう言った。
「敵をあざむくにはまず味方から、という。
大イベントを成功させるには、そのくらいの慎重さが必要なのだ。
コミケの修羅場をくぐりぬけた精鋭の君たちならば、
十分判っていると思うが」
こみパスタッフの大半は、コミケのスタッフでもあった。
だが、彼らの能力は「精鋭」とは到底呼べないものだった。
昨年末の冬コミ以来のリーフとコミケ事務局との確執のため、
ここに送られてきたスタッフは、実は「お荷物」にすぎなかった。
むろん、彼らにはイベントを成功させようという気概はない。
あわよくば失敗させて、
コミケの地位を揺るぎないものにしようと画策する者さえいた。
高橋もそれは先刻承知だ。
今の彼の目的は、こみパを成功させることではない。
完膚なきまでに失敗させ、下川に赤恥をかかせることだった。
そのためには、指揮系統を混乱させる必要があった。
人員配置を減らし、情報を公開せず、綿密な打ち合わせをさせない。
そうすれば、指揮系統は力を発揮しない…それが高橋の読みだ。
ボランティアスタッフの怒りは招くだろうが、
そんなことは、大事の前の小事にすぎない…。
高橋の本音は、そこにあった。

北の地での下川のあの仕打ちを、高橋は一度として忘れたことはなかった。
そして、今は亡き中上に対する仕打ちも…。
「俺はやる。俺のために、そしてみんなのために」
宿泊先のホテルで、高橋は伊丹にあてた封筒を手につぶやいた。
封筒の中の便箋には、短い文章が書かれていた。
『こみっくパーティー失敗の責任を取り、
株式会社アクアプラスを退社させていただきます  高橋龍也』

そしてこみパ前日、その封筒は都内某所で投函された。
385某T@序章のあとがき:2000/08/23(水) 07:26
高橋氏が統括しているのは、もちろんフィクションです。
ですが、先のストーリーとの関係上、あえてそうさせていただきました。
こういうイベントについての情報にはうとい私なので、
果たしてどこまで上手くいったか…自信なしです。
高橋らが生き残ってからコミパに絡むまでの
ミッシングリンクが欲しいね。
387名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/23(水) 22:07
「暗黒Kanon」でこのスレが取り上げられた記念上げ。
388こみパの顛末:2000/08/23(水) 23:16
「こみっくパーティー」後夜祭 反省だけなら猿でもできる スレッド
http://www.ohayou.com/2ch/test/read.cgi?bbs=doujin&key=956589558

565と566にスタッフ参加した人の感想が載っている

#あれは色々と凄いイベントだったな(^ ^;;
389名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/23(水) 23:31
なんかすごいね、みんな。

でも、一つだけ疑問が。
「青紫」って女性では?
Http://leaf.aquaplus.co.jp/kaihatsu/index.htm
>脚本: 青村 早紀 (青紫)

3901:2000/08/23(水) 23:49
>>389
青紫って本当に女だったんだね……
鬱だ、遺稿。
3911:2000/08/23(水) 23:59
>>389
青紫って本当に女だったんだね……

ついでなんだけど、ここに投稿されたSSを一度まとめてみたいんだけど、
なんか良い方法ないかな?
サイトは開けるんだけど、荒らされるのが怖くて……。
>>391
えっ、男でしょ青紫って。青村早紀ってのは、ネタじゃなかったか。
>>389
青村早紀ちゃん17歳ですから(笑)
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=962490309
>>391
フリーのレンタルサーバー借りて
掲示板さえつけなければいいんじゃない?

http://members.tripod.co.jp/mio_2ch/
こっちの掲示板でも回収しようって言ってるし。

Leafで働いてるのは、早紀ちゃんのお兄さん
396名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/24(木) 11:22
青紫(妹)は早紀と書いて「さき」とは読む。
青紫(兄)は早紀と書いて「XXXX」と読む。
以上だ。
397名無しさん@1周年:2000/08/24(木) 21:34
389のが見れない
398389:2000/08/24(木) 21:42
>>395
そうだったのか。初めて知った。
するとあの文章はネカマ(藁

>>397
初めのhttpをわざと全角にしてある。
だから、そのままだと飛べなくて当然。
というかリファー考えたら普通だろ、これ(藁
399インターローグ〜螺旋同人〜1:2000/08/24(木) 22:25
インターローグ〜螺旋同人〜1
……のことを語りたい…
ここでは便宜的に彼と呼ぼう。
彼は、外から見れば恵まれた男であった。
彼の家は一般的な立場から見れば特殊な立場にあった。
彼の実姉、(ここでは便宜的にMとでも呼ぼう)
Mはとある業界において特殊な才能を発揮し、
女帝と呼ばれるほどの支配的な地位を確立していた。
Mはその業界から唸るような金銭を受け取り、
彼女のことを絶対的に崇拝する支持者達に囲まれていた。
そのような環境の中、彼は生まれ育った。
生まれながらにMの崇拝者達から、Mの弟として
まるで皇帝のようにかしずかれ、
莫大な金をまるで空気のごとくふんだんに
使い、全ての欲望がかなえられる世界。
そんな世界で彼は生まれ育ったのだ。
彼の姉、Mは鷹揚にして傲慢かつ高飛車な性格だったが、
弟にたいしてだけは甘く、彼の望みをなんでも叶えてやった。
400インターローグ〜螺旋同人〜2:2000/08/24(木) 22:27
インターローグ〜螺旋同人〜2
彼は成長し、見るからに好青年といった風貌になった。
実姉、Mの業界における支配者的立場、莫大な資産
(全てMが稼ぎ出したものだが)を持つ富豪の御曹司、
そして端正で甘いマスク。
このような青年に引かれない女がいるだろうか?
だが彼は沢山、それは沢山の女達からのアプローチを拒否した。
彼の心の中にある女性、それは生まれついてから、
永遠に一人の女性…ただMだけを追い求めていた。
道義に反した思い、それゆえの愛情と葛藤。
倒錯した感情の中、彼は人知れず狂っていったのだ…
いつしか実姉、Mにたいする愛情は、歪んだ欲望へと
姿を変えていった。
そしてMが提案した「こみっくパーティー」というイベントの開催直前、
彼は、業界の重鎮、Iに連絡をとっていた。
Iは反M派の急先鋒であることを知ったからである。
彼の胸の中には、計り知れない闇が宿っていた…。
401名無しさん:2000/08/24(木) 22:28
こみパでみつみちゃん様輪姦の話までもう少し…みつみの弟も参加にします
4021@コナミ襲来編:2000/08/24(木) 23:05

 2000年7月。
 孤独な覇道を突き進む下川は、新作の準備に精力的に取り組んでいた。
 彼の右腕と呼ばれた高橋と水無月は独立し、
 宇陀児は精神病院でリハビリに明け暮れる毎日。
 青紫は業界から脚を洗い、中上も下川の意思によってこの世を去っている。
 折戸はKANONで新たな成功を収め、覇王の座へ通じる階段を駆け登っている。
 比類なき栄光を築き上げてきたリーフは、
 まさに落日の帝国と形容するにふさわしい惨状であった。
 それでも下川は、帝国の再建と復権を信じ、
 専務として多忙な日々を送っている。
 彼が製作に取り掛かったのは、
 タイタニックとバイオハザードを模倣した3Dアクションゲームである。
 2Dのテキストアドベンチャーでさえ致命的なバグを連発する技術力では、
 夢のまた夢とも言える企画ではあるが、誰も彼を止められなかった。
 下川に進言する勇気をもつ者など、リーフには残されていなかったのだ。
 飼い主にしっぽを振る犬だけが残り、
 平和と怠惰をむさぼりながら、かつての名声を食いつぶしている。
 組織の廃退は上層部から始まるというが、
 リーフの場合は、幹の両端から腐敗が進行しているようだ。
4031@コナミ襲来編2:2000/08/24(木) 23:06

 業界を震撼させる一報が下川のもとに届けられたのは、
 7月の半ばの事であった。
 一人の青年が、息を切らしながら執務室に飛び込んできた。
「下川さん、大変です!」
「なんだ、騒々しいぞ」
 湯飲みに残されていた緑茶を飲み干すと、
 下川が不機嫌そうな視線を青年に向けた。
 青年は、全身を驚愕に震わせながら、懸命に声を絞り出した。
「コナミが、あのコナミが、ビジュアルノベルを商標出願したそうです!」
 穏やかな波に揺れていた下川の瞳が、苛烈な光を帯びた。
 専務は、平静を装いながら疑問を押し出した。
「それは本当か?」
「はい、特許庁のデータベースにアクセスしたところ、確かに出願されていました」
 下川は、飲み干したばかりの緑茶に濡れる唇を軽く噛んだ。
 コナミめ、着せ替え特許の件は知っていたが、まさか商標にまで手を出すとは。
 視線を宙に向けた帝国の宰相は、あごを指でなでながら思案をめぐらし始めた。
 どうするべきか。
 ドリキャス版こみっくパーティの発売を控え、
 コンシューマの雄であるコナミと事を構えるのは得策ではない。
 エロゲー業界の覇者であるリーフも、
 コンシューマという大海原に出れば、さざなみに揺れる小船でしかないのだ。
 巨大な主砲を備える戦艦に立ち向かうには、あまりにも非力である。
 できるだけ穏便に解決を計らねばならない。
 現実的な選択をする決意を固めた下川が、デスクを指先で叩いた。
「コナミの上月会長に会談を申し込む。アポを取ってくれ」

 続く
404名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/25(金) 01:09
コナミの着せ替え特許、ビジュアルノベルを商標…。
鬱だ。 なんでやねん! みゅー、みゅー!!!!
405名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/25(金) 01:44
けっこう好き。
でも、法律知識に則した展開を希望。
トンデモなのは勘弁ね。

VN商標出願の件の参考に:http://www.tennodai.com/%7Eyuich/
406名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/25(金) 01:51
407名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 14:09
ていうか、マジでやるの?>みつみちゃんさまリンカンネタ
個人的にはもっとちがう展開を希望。
仮想戦記における数少ない「笑える」キャラクターを、ここで再起不能にするのは
惜しいよ。
できればシリアスなテンションを保ったまま進んで欲しいな。
シリアスだから逆に鍵っ子とかの存在が笑えるわけだし。
あからさまに作り話っぽいのもちょっとアレかも。
がんばってください〜。
409名無しさん :2000/08/25(金) 18:53
みつみちゃん様輪姦ネタや、その後の展開(弟の肉奴隷と化す)
などはもうプロットが書いてあるのですが…。
もし反対が多いようならお蔵入りにします。
弟がみつみを操っているので、表面上のみつみに変りは無い
といった展開なので再起不能にはなりません。
ただ、みつみちゃん様があの性格のまま、とっても淫乱に
なってるだけなんですが(笑)
あとは弟が下川といたるの両方について、二重スパイしてるという展開で
すすめるつもりだったんですが、駄目でしょうか?
410名無しさん :2000/08/25(金) 18:55
追記:とってもえっちなみつみちゃん様になるのでギャグ度はむしろ増すと思うんですが(笑)
411名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 18:57
>>409
やってくだされー
412つか :2000/08/25(金) 19:08
大丈夫でしょ、怪しくなってきたら全てパラレルワールドか黒歴史になるだけだしね(苦笑)
413名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 19:39
323林間ネタよろろ〜

しっかし、弟の肉奴隷って言うと螺旋を思い出すな・・・
今後の展開が仮想肉欲戦記になりそうなので、サラっと流してほしいね。
過去スレの至る程度のほうがむしろ燃える。
415名無しさん :2000/08/25(金) 20:29
そこそこ了承していただいたようなので、始めます。
「こみっくパーティークイーンみつみ美里」
416こみっくパーティークイーンみつみ美里1 :2000/08/25(金) 20:30
こみパ会場近く、プンと匂いをさせるそのおぞましき連中はいた。
樋上いたるの前に勢ぞろいした、総勢、数十人は
いる鍵っ子。頭にはお揃いの黒のハチマキが締められている。
彼等こそ、樋上いたる直属親衛隊「いたるっこ」通称
「いたこ」であった。
いたるが彼等に向けて激を飛ばす。
「プロジェクトMの実行される日がついに来た!!
同人界を支配する悪の女王、みつみ美里を君達の
力で倒すのよ!!みつみは君達の精を待っている!!」
ワーッという歓声が上がる。
樋上いたるに、身も心も捧げた彼等は既に
浮世の善悪など超越した存在だった。
だが、あきらかに他のいたこ達とは違う、リーダー格風
の大男がいたるに話しかける。
「いたる様、みつみの周りは、みつみの親衛隊や
こみパスタッフ達が固めております。
どうやってその守備を突破すればよろしいのでしょうか?」
いたるはフフンと鼻で笑った。
「安心しなさい、みつみが一人でいる所を狙える様に手筈は
整えてあるわ。会場では彼を最高指揮官とし命令に従うこと」
いたるが目線を投げかけた場所には、戸越まごめが立っていた。
417こみっくパーティークイーンみつみ美里1 :2000/08/25(金) 20:32
   「姉さん、大事な用があるんだ、来てくれないかな?」

「ねえ、なんなの〜?みつみちゃんさま疲れたよ〜おんぶしてよ〜」
弟の背を追いかけながらグチグチと文句をたれるみつみ、その足が止まる。
こみパ会場の細い通路、いつのまにか、異様な気迫を漂わせた大勢の連中が
出入り口を塞いでいたのだ。
「何?あんたらなに〜?このみつみちゃんさまが歩く時は三歩下がって
礼をするものなんだよ〜」
怖いもの知らずのみつみは弟を押しのけ、前にいた大男をのけようとした。
「きゃあっ!!」
黒いハチマキを締めた大男は、みつみの胸を掴むとそのまま突き倒した。
男の手にみつみのふくよかな胸の感触が残る。
「やわらかい…」
大男はそういうなり、みつみに掴みかかった。
「きゃあっ!?誰か…!!」
後ろからみつみの口に手が回る。後ろにいた男達も、その欲望を吐き出さんが為
みつみに飛びかかったのだ。
「ふぐぅっ、くるし。ううっ…うふっうっ」
みつみの口の中に、クロロホルムが浸された丸めたハンカチが突っ込まれる。
みつみの服に一つ、二つ、三つ、…、沢山の腕が、手が伸び、その服を
破き引き千切っていく。みつみの隠された肌が、明らかになっていく。
カラフルにコーディネートされた洋服があっというまに引き千切られ
みつみの姿は肌色一色へとみるまにかわっていく。
「うぐ!!うぐ〜っ!!」
口にハンカチを突っ込まれているみつみはただうめき声をあげるだけだ。

                               続く
既に下着まで剥かれ、ストッキングと靴だけになった裸のみつみ、
既にその周りにいるのは一物を隆々と勃起させたいたこ達だけだった。
通路の両端には「通行禁止」の看板が既におかれていることをみつみは知らない。
「ひっひっい。早速パーティーをおっぱじめようぜ!!」
そうのたまった、いたこの一人がみつみの口にその一物を強引に割り入れる。
「ごふうっ!」
みつみの口に入っていたハンカチが、一物に押され喉奥でつまり、みつみは
奇矯な声を漏らした。
みつみの背後に回った大男は、みつみの尻を両手でつかみ持つと
他のいたこ達とは比べ物にならない巨大な
一物を、その下の閉じられた秘唇に押し当てる。
「ひっ…」
多くの手に掴まれ押さえこまれながらも抵抗していたみつみの身体がビクッと
震えた。
大男は、少し考えるそぶりを見せた後、みつみの臀部を両手で押し開くと、
そのまま一気に、しぼんでいるみつみの茶褐色をしたアナルに一物を突き入れた!
「はうぐふううううっ!!」
みつみが叫び声をあげ、その口から、汚らしい恥垢にみまれた一物と、
薄汚れたハンカチが吹き出す。そのままみつみは嘔吐した。
「きったねえな〜こみっくパーティクイーンよお」
みつみにフェラさせていたところにゲロを吐きかけられた男が言うと、
周りでは大爆笑が起こった。
その男はみつみの身体を上ぞりに持ち上げ、その胸を掴んで自分の
一物を挟みこませ、しごきたてた。まわりの男達もみつみの手、髪、肌…
みつみ美里の全ての肉体を使い、一物をこすりたて、快楽を味わう。
みつみの意識は既に朦朧としていた。
いったいどれくらいの時間こうしているのか?自分は一体どうなったのか?
時が流れた…何人、何十人の男達がみつみの尻、口、手、胸、肌…
全てを使い欲望を吐き出したことだろうか。
みつみの身体には大きな変化が現われていた。
(熱い…身体が熱いよ…はふん…気持ちイイッ!…どうしちゃたんだろうわたし…)
みつみは既に全身を使って感じていた。精液でどろどろに汚れているその身。
その身体を乱暴に弄ばれ新たな精液が注がれるたびに、みつみは身体を震わし
こう訴えるのだ。
「みつみちゃん…みつみちゃん、からだがへんだよお…キモチイイようっ!!
あっあっあっ…だめ、だめ、だめ、みつみちゃん、みつみイッちゃう、またイッちゃうよお!!」
みつみの純潔を守っている開ききった秘唇から、四度目の潮が勢い良く吹いた。
尻と口につっこまれたままのみつみは淫らに訴える。
「熱いよう!アソコが、アソコが熱くてたまんないよお!!いれて、いれて、×××いれてよ!!」
周りで下卑た笑い声が聞こえる。だがみつみはそんなことはお構いなしに一物をねだった。
「あつくてあつくてたまらないの〜!!いれて、おねがいだからいれてよお、みつみの
××××にみんなのいれてぇ〜!!」
その時、突如、いたこ達の人の壁がくずれ、そこから一人の男が現われる。
「フッ…、もうこうなってはお仕舞いだな姉さん…」
みつみは薄ぼんやりした瞳で人影を見つめる。その目に映った影を見た途端、
みつみの顔が歪んだ。
「いやっ、いやっ、いやーー!!」
みつみの叫び声を軽く受け流し、人影は言う。
「がっかりだよ、姉さん。姉さんが、同人界の支配者たる僕の
自慢の姉が、男に×××をねだる変態淫乱同人女だったなんて」
みつみは首を振る。泣きながら叫ぶ。
「しかたないの!だってからだじゅう、からだじゅうぜんぶあつくて、
あつくてたまらないんだもん!!みつみちゃんおかしくなっちゃったよお!!」
人影はすっとみつみの後ろに回りこんだ。
「良いんだよ姉さん。僕が姉さんを満たしてあげる。姉さんが、みつみ美里が、
どんなに淫乱な変態でも僕が姉さんを満たしてあげるよ。
僕が姉さんの「ご主人様」になってあげる」
「ああ、ああ、…ほんとう?」
「ほんとうさ」
そのまま、みつみの開ききり、愛液を滝のように滴らせる秘唇に人影が一物を突き入れる。

「ああっ、イクイクイクイクゥ!!」

「いれただけでいったのかい、姉さん…でもまだまだパーティーはこれからなんだよ…」


ビデオカメラのバッテリーの警告ランプが光る。みつみの延々と続く痴態と狂宴を撮影
していた戸越は、ビデオカメラの電源をそのまま落とした。
(これだけ撮影すればもう十分だろ…しかし…)
悦楽の表情を浮かべながら弟と交わるみつみを見て、思わず戸越の声から声が洩れた。
「ケダモノが…」

その言葉と同時に、みつきがいっそう高い歓喜の叫びを上げた。
422名無しさん :2000/08/25(金) 20:37
このあとはまだプロットしかできていないので、リレーで1さんやTさん
に期待します。全然エロくなくて申し訳ないです。お詫び申し上げます。
俺はこのスレの肯定派のつもりだが、これはヤバいと思うよ・・・・。
糞スレッド決定。
ごめん、俺も今回はあんまし面白くないと思った
削除依頼出したぞ。
427名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 21:17
>422
ハードボイルド風な展開がうけてたからなあ。
これから弟に支配される様子を冷酷に書いて
元の路線に戻すのだ。頑張れ!
つうかコレはSSスレに書けば?
429>428 :2000/08/25(金) 22:03
そろそろ500レスに届こうとしてるのがSSスレに入ってきたら
これだけで流れちゃうぞ。
ただでさえ続き物が混ざり合って読みにくいんだからここは独立で良し。

つか、この話がSSスレに投稿→eternal worldに収録→SSリンクに登録
となると大騒ぎになりそうな気がするんだが(笑)
まあね。2ちゃん以外では洒落にならんよな(藁
今回はダウトだったんだな。
432名無しさん@お腹いっぱい :2000/08/25(金) 22:11
323様リンカーンネタを大々的に広めちゃやばいわな(藁
鬼畜SSスレ以上にやばいぞこれは。
シャレにならない領域にきてる。

2ちゃんでもモロ実名だしなあ。
あーあ、逸脱しちゃった。

削除決定。
435名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 22:38
んじゃ今の内に保存しとこう。読めなくなるのは惜しい(笑)
4367世@回収屋 :2000/08/25(金) 23:17
あのー、今これ回収してる者ですけど、これはやっぱまずいから
削除しておいた方がいいですかね?
ここで「断章」というのもかっこいいね、ある意味。
438:2000/08/25(金) 23:21
なんかえらいことになってますな。
>>436
回収した方が良いのでは?
番外のようにして。
440名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 23:23
あれ、7世さんのほうもSSリンクに登録してるの?
そうじゃなかったら大丈夫だと思うけど。
4417世 :2000/08/25(金) 23:27
いや、登録はしませんよ、そんな怖い事出来ません(笑)
mio_2chさんのページ他ちょっとからリンクしてもらう予定です。

リンクフリーやめとこうかな(笑)
ちょっとリンクフリーの文字消してきます。
削除屋さんの判断を待ってからでも良いんじゃない?
スレごと削除は止めてくれ。せっかく面白かったんだから。
444名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/25(金) 23:33
>>416〜421
いくら2chでも実名でコレはヤバいでしょうに。
シャレになってませんって。
スレッド存続のため、あぼーん希望。
ほっといたら、削除屋さんも気付かないからいいんじゃない?
ボーダーラインくらい読んで欲しかったな。
惜しいスレをなくした…
いや、今現在削除依頼が出てるんよ。スレごとじゃなくて416-421だけだけど。
はじめる前は、面白がって、皆はやし立てるが、
やった後の結果を見て後悔する・・・
わしらみんな厨房やね・・・
削除依頼が通るかな…
下手すると手が後ろに回るね。
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=saku&key=967204355
却下されそうだけど、女削除人が見たら…
4517世 :2000/08/25(金) 23:48
ええ、こっちもその方が助かります(あせあせ
てゆか、理由がイマイチ。
削除ガイドラインを見直して理由を付けなおすといいかも。
323氏を私人として扱ってくれれば削除されるでしょう。
本名?でしたし。
4541 :2000/08/26(土) 00:01
それじゃあ、このスレは本日をもって終了ということで。
削除依頼を出したのは俺だ。
後先考えずに行動すると一生棒にふるぞ。
2ちゃんの見過ぎで常識がなくなったのか?
残念ながら、この板では私人として扱ってくれない可能性が高いね。
コミケがらみでの叩きは? ってことになるから。
このスレッドだけが寂しい私の夜の楽しみだったのに・・・
4581 :2000/08/26(土) 00:12
下手すると名誉毀損かね。余計なこと書かないでよかった。
459こんなリーフ信者は嫌だ :2000/08/26(土) 00:14
323さまを汚すなんて、許せないといいながらも
削除されるまえに、ちゃっかりバックアップを取るリーフ信者
名誉毀損と言うより、脅迫の類になると思う。
461名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 00:19
これが名誉毀損なら半年以上もずっと続いてる盗作スレはいったい・・・。
4621 :2000/08/26(土) 00:20
そんじゃ、超特急で新作を書くから待ってて。
463389 :2000/08/26(土) 00:24
なんか来てみれば

416-421はやりすぎ。
>>453
本名は違う。この状況だと書くの不味そうだから書かないけど。

>>454
さすがに私も楽しみにしてただけにそれはちょっと寂しい。
海外鯖にでも垢取ってBBSでも建てます?
転載作業なら私やりますが。

>>455
削除されると良いけど。

鬱だ、氏のう
464455 :2000/08/26(土) 00:25
削除されるまであげんなよ。>461
お前は危機感がないのか?
俺はこのスレが長続きしてほしいからこそ
削除依頼を出したんだぞ。
465名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 00:27
盗作スレとは比較にならないんだが。感性鈍ってる人が多いようだね。
466名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 00:30
さよならです…お兄さん…
467>461 :2000/08/26(土) 00:35
団体と個人は違う。
個人の家庭事情にまで踏み込んで描写されているところもね。
468サービス君(126) :2000/08/26(土) 01:04
あちゃー、仕事終わって帰ってきたらもう輪姦シーンかいとるじゃん(苦笑)
言い出しっぺとしては話題になってよかった、と言わないといかんのかなあ。

おいらの構想ではりん看護、みつみちゃんさま呆然となってるところを
弟君が発見→後ろの処女を喪失・・・

 これがトラウマになってセックスシーンが描けなくなりかけるが、
原画家クィーンとして不屈の精神で大復活〜!!とゆーサイドストーリーでした
まる。
よく考えたら、削除依頼板から来た一見さんは、このスレッドを
どう見るのかな〜。
ネタが分かる人なら良いが、そうでない人が見たら混乱するかも
しれませんね。
4701 :2000/08/26(土) 01:18
続きを書こうと思ったけど、今夜はなんかやる気がしないので中止です。
471名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 01:20
削除依頼したおかげで、より広く晒される結果に。ありがち。
472407 :2000/08/26(土) 02:12
嗚呼、予想通りの展開・・・。
こんなことならもっと全力で止めておくんだった。鬱。

自分には文才がないんで他力本願しかできないけど、
1さんをはじめ、ライター(?)の皆さんにはまた元の路線で
がんばって書いてほしいです。楽しみにしていますんで。
どうか「スレごとあぼーん」なんてことにはなりませんように。
読んだ。吐き気がするよ。消えちまえ。
474OVA :2000/08/26(土) 02:18
323ちゃんさま林間は流石にやばすぎますねぇ・・・。
楽しみにしてたのになぁ、ここ。
無事残ってくれるといいけど。
ところでいたる氏と戸越氏のHシーンもまずいのでは?
はううっ なくなちゃうんですか?
いろいろアイデアはあるんですけど。将来の復活に備えて書きためておきますね。
削除はされないだろ。
ヤバイ状況に追い込まれる人が出るかもしれんが。
そういえば、書いた張本人が出てこないね。逃げたか?
同人板の323スレにコピペされてます。
4797世 :2000/08/26(土) 02:59
じゃあ、一応アップするのは>>474の手前までにしときます。
今日はちょこっと進んだだけだけど…。
さすがにまずいのか。でも終わっちゃうのは惜し過ぎるな。他の話のほうは続き頑張ってくださいね。
>>478
同人板・323スレへのコピペ、今のところ削除されず放置されていますね。
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=saku&key=967225911
4827世 :2000/08/26(土) 03:19
とりあえず、なかった事にして続けるか、そのまま突っ切るか
どちらかですね。俺は自己防衛(笑)のため、どうするか考えて
いるところですけど。
483名無しさん@1周年 :2000/08/26(土) 03:28
ご本人は笑っていた
だって男だもん

騙されてる人々かわいそう・・・
なるほど。だったらあげてもいいんじゃないの。
とりあえず、一気にこみパ逝っちゃうのは
早すぎる気が……。
1999年冬コミ企業ブースとか、踏まえるべきネタはあるはず。
4867世 :2000/08/26(土) 03:38
とりあえず、カットするならどこカットするか決めといてもらえません?
俺はここに書いてないから判断できないんで。
全部回収するかどうかはまた考えておきます。
487>483 :2000/08/26(土) 03:40
仮にそうだとしても、アレは読んでていい気分じゃなかった。
488名無しさん@1周年 :2000/08/26(土) 04:05
スレごと削除
489みつみは女 :2000/08/26(土) 04:05
>Leafで働いてます。会社員ってことはOL?(笑)

分かったか。
490名無しさん@1周年 :2000/08/26(土) 04:07
>489
ネタにいちいち絡むなよ。
415-421は封印とす。
492名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 04:09
さらしアゲィ
はいはい、ageる事しかできないヒッキーは回線切りな。
君はリアルでもバーチャルでも要らない人間だな。
494某T@…さぼりすぎ :2000/08/26(土) 04:15
最初に…遅れてスマソ。
>>例のシーン
えちシーン書けないのは自分の欠点でもあるけれど、
自分ではもっと昔の筒井康隆的なドタバタにするつもりでしたが…。
この状態じゃ、しばらく書けそうもないかな。
…名誉毀損という意味じゃ、実は自分のプロットの方が、
洒落になってなかったぐらいだし。
ビッグサイト突入シーンで、くほちゃん出すつもりでしたから。
とりあえず、構想練り直しですね。はい。
495名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 04:18
つまるところがリアルエロ禁止ですか、、、
粘着クンが居るようだ。
林間はねーだろ、おい。
498葉鍵庁広報課長 :2000/08/26(土) 04:37
当庁の公式見解を発表します。
他板での個人攻撃に比べれば量的に軽微なものではありますが、
周囲に与えた不快感、またこれが複製されることによる副次的影響などを
鑑みると真琴に遺憾であります。
また当該部分の放置は作品全体の評価を著しく下げかねません。
当庁では以下の処置を取ることを決定いたしました。
・当該個所の削除申請(保安局職員の手で申請済み)
・当該個所のコピペの削除申請(保安局職員の手で申請済み)
・当該個所の仮想戦記からの抹消(文化局回収職員が作業予定)

また仮想戦記各作者におかれましては、
これに懲りずに書きつづけていかれることを望みます。
この作品が途絶することは文化的損害です。

以上、葉鍵庁からの発表でした。
>>498
真琴!!
くほちゃんは出して欲しい。
良くも悪くもこんなに盛り上がったのは初めてだね。
こんな盛り上がり方だけはして欲しくなかった…
同人板の削除依頼は通って、無事あぼーんされたみたい。
ただ、ソース元のここが残されているのは、削除対象外になったのかな?。
やはり削除されないね。ところで、なんでみんなさげてんの?
十分広まってるから手遅れだと思うけど。
505名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 08:19
あれくらいで削除するほど
ひろゆきは寛大じゃないんじゃないの?
訴訟OKだからね。
「わざと残して訴訟を待つ」ということ?
508421の続き(お詫び) :2000/08/26(土) 08:58
ハッと目覚めるいたる。気が付くとそこはベッドの上、額にはじっとりと
汗を掻いていた。
(イヤな夢、いくらなんでもひど過ぎるわ)
いたるは頭を振って夢の破片をそぎ落とした。
時計を見ると、既に10時過ぎ、こみっくパーティーの始まっている
時間である。
(あんな夢を見た事だし家でゆっくりしてよう)
そして午後8時、こみっくパーティーは、多少お客とのゴタゴタが
あったものの、滞りなく終了した。

来てみたら、たいへんな騒ぎになっていて申し訳ありません。
実在の人物とは関係の無い完全なフィクションの物語として、
このスレがあると思い、そのつもりで書いたのですが、
不愉快になられた方には心からお詫び申し上げます。
416−421の内容は完全なフィクションであり、実在の人物、
団体とはまったく関係がありません。
名前が重なってしまったことには誠にお詫び申し上げます。
これから書きこみは一切自粛させて頂きます。
申し訳ありませんでした。
509508 :2000/08/26(土) 09:04
削除依頼を出してくださった方、ありがとうございます。
416−421が削除されることを願っております。
やっぱ、陵辱系はゲームキャラでやった方が無難だと思う。
削除ガイドラインの個人攻撃にかすってるかもしれんが。他にもあるし。
都合の悪いときだけ削除依頼ってのは通用しないだろう。
筆者さまがた
ぜひぜひ今後とも続けてください

このスレ参考になるかも
(がいしゅつか?
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=doujin&key=966795175
おいおい、まずいよ〜林間ネタ。
みつみちゃんさまも2ちゃんねるは良くみてるみたいし、
本人が読んだらどうするんだよ〜、早く削除してくれよ〜>削除人
妄想は頭の中だけでやってくれ。
さすがに同人板ならまだしも、葉、鍵板を見ているとは思えませんが。
これ以上騒ぎを大きくせず関係者にバレないようにしましょう。
同人板のほうは削除されたみたいね。
>>514
バレてない訳ないだろう。虫のいいことを考えるなよ。
同人板の別スレでリンク貼り付けてあるのは残ってるからな。
やっぱバレてるかな〜?。
まあ、わざわざ御注進とか言って不用意に騒ぎを大きくする
ファンも大勢いるだろうから恐らく無難に済ます事は無理な
んだろうな〜。
しかし、同人板にコピペを貼られたのが1番不味かったと思うよ。
519名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/26(土) 15:43
「嘘を嘘と見ぬけない人は掲示板の利用が難しい。」
Byひろゆき

タイトルに「仮想」とあるし、
このスレが創作話である事がわからない人は厨房決定。
520>>519 :2000/08/26(土) 15:55
同人板に「実録」と書かれてコピペされてたんだぜ。悪質もいいとこだ。
仮想って書いてあるから全員わかってるよ。
個人に対する誹謗中傷になるから止めた方がいいってことだろ。
だいたいこの状況で続き書きたいやつもそうはいないだろうから、
必死で煽らなくてもよろしい。
>520
だからって真に受けるアホも居るとは思わんが・・いや、居るのかも。

どちらにしろ、実名はダメだな。 アンチ323の俺でもアレはまずいと
思う。
 それじゃあ、323の代理で詠美ちゃんさま登場ということで。
ナイス。
それが1番無難な選択だね。
既に手遅れなのが残念だが、、、。
当該メーカーのスタッフ名をそのまま出す代わりに、
そのメーカーから出てるゲームのキャラ名を使えばいいのさ。
誰をどれに置き換えるかは書き手の自由とする。
さあ、センスが問われるぞ。(笑)
526選挙に行ったぞ :2000/08/26(土) 23:40
>525
 にしても、訳分かんなくなるのでは?
>>526
読み手にわかるように書かなければいけないから、
センスと腕が試されるわけだ。
いや、いま問題になってるのは「実名が使われてること」よりも、
「書かれているネタの許容範囲」じゃないの?
名前を伏せようが置き換えようが、ネタがシャレにならないものだったら
NGでしょう。実在人物を使ってることに変わりはないんだから。
このまま放置されて訴訟を起こされるってのも面白いね。
面白くないと思うが。
騒げば騒ぐだけあのSSが世に晒されるから、323氏にとっては
逆効果もいいとこだろうな。
このまま沈静化する事を望んでいるのでは。
531455 :2000/08/27(日) 00:33
「削除依頼したおかげで、より広く晒される」結果になったのだろうか?
その後悔の念で今日一日寝込んでしまった。この件に関しては基本的に第三者だが、
いろいろ考えさせられた。ちなみに俺は信者ではないぞ。
509のお礼の言葉がせめてもの救いか。
323氏の耳に入っていて不快に思えば、まず本人が削除依頼するだろう。
2chのルールに従えば、だが。
ただ、今回のようなケースの場合、削除依頼が叶うことは少ないようだ。
下手すると葉鍵板ごとつぶされないか?
一度島流しにあったことをもう忘れてるの?

まあえろげ板との関係もあるし、そうそうなくならないとは思うが。
書いた人間が実メアドを晒して削除屋MLに削除申請を出す、
くらいのけじめを見せないと決着はつかないだろうね。
そういえば、アナウンサー板に「女子アナ官能リレー小説」なんてのがあったけど、
どうなったのかな? けっこう好評だったような気がする。
芸能人と一緒にしてはいけません。
そろそろ忘れて誰でもいいから新作をUPするのが吉かも。
もう俺は疲れた。そんなこと軽々しく言うな。
この一連の騒ぎは止めなかった側にも責任はあるぞ。
真剣に取り組んだ人ほどダメージは大きいと思うが。
う〜む、書き手側の目指す物がどの辺にあるのかが見えなかったからね。
個人的には読んでいてエロゲー業界の面々をキャストしたなんでもありな
SSだと思っていたよ。
こみパ等の即売会ネタに走ったら、どうしても同人上がりの葉、鍵のス
タッフのが出てくるのも自然の流れだと思っていたからね。
まあ、確かにあのオチは不味かったと思うが、このSS全体の最終的な
プロットにちゃんと繋がってネタ的に必要なものであれば、あれはあり、
でも良かったと思うよ。
(実名は不味いからキャラで代用するとかしないと問題ありだけど。)
しかし、結局このSS全体は最終的にどう言う方向に向かって、どんな
オチにしたかったのでしょうか?。書き手側が、予め方向性を決めてお
いた方が、今後今回の様な間違いが起こらないと思いますよ。
540クロストーク :2000/08/28(月) 01:00
っつーか同人界に関わってる人がこのくらいで騒ぐの?
万ちゃんとの一件もあるし馴れっ子ジャン。
っつーか万ちゃんとの一件のほうが323にとってはやっかいだったと思うし。
541>>539 :2000/08/28(月) 01:08
方向性なんてないです。
好き勝手に書いてるだけ。
540の様な口だけの厨房は逝ってよし。こういう奴に限ってなにもしない。
543某T@様子見 :2000/08/28(月) 17:44
今ここで次をアップしたら…怒られますかね?
出来には自信、あまりないですが。
読みたいっす
このままなくしてしまうには惜しいスレだと思う
5457世 :2000/08/28(月) 17:55
>>542
読みたいです。このまま、ないがしろで無くなってしまうのは嫌です。
546某T@様子見その2 :2000/08/28(月) 17:58
一応自分の方向性は「AIR誕生秘話」みたいな方向になりつつあります。
こみパの乱(前回>>384の続き)から書き始めることになりますが。
ただ…99年冬コミリーフブースの件は、知らないので書けませんが。
ざっと過去ログ読んだがオレは別に良いと思うけどね、あれでも。
実名だの許容範囲云々より、鬼畜SS系苦手って人が多いんじゃないのか。
かつリーフ関係者だから根はファンの心理で拒否反応起こしたんだろ。
前に中上が死んだ時もかなり批判があったもんな。

大体だな、非常事態になった途端(件のSSが載った途端)、
ビビッて責任回避しまくる(批判する)厨房書き込みが増えてたしな。
途中にも出てたけど、削除以来出したり、やり過ぎ言うくらいなら
載せる前に何で回避しようとしなかったのやら。
このシーンは前々から登場するってわかっていたはずだろ。
十分ブレーキをかける事は出来た筈だぜ。
載った後でうだうだ言っても「俺は悪くない」という言い訳にしか聞こえない。

つまり今書いてるこの文章も『今更』なわけ。それも念頭に置いといてくれ。

オレが思うに>>538の発言が一番正しい。
事が起きてから「それはヤバイ」言うなよと思う。
>>539なんぞ今更なに寝言こいてるんだって感じだよ。
良い子の評論なんぞ誰でも出来る。そう思ったのなら何故に以前に書きこまない?
流れを止めるからか?黙認という言葉キミは知ってるのか??
それとも騒動起きた後でぞろぞろと厨房がやってきて評論し始めたのだろうか?

今回の騒動に関しては読み手の方も猛省すべきなのかもしれんぜ。
特に件のSSに関して多分に意見を持ってるヤツな。(俺もだな)
今回の事はこれからに対しての反省材料・改善材料に巧くしていくべきで、
戦犯探してもスレの流れが止まるだけで意味が無いと思う。

そんなわけで俺のようなクソ書き込みは無視して、
書き手だった皆さんはどんどん続きを書きこんで下さい。
結局、次にどう活かすかという事で総括しねーとこのスレが死ぬだろうし(藁
5487世 :2000/08/28(月) 19:11
>>547
確かに、止めなかった俺達の責任が大きいですね。猛省します。
俺は鬼畜系には慣れているんですが、騒ぎが大きくなり過ぎて
冷静な判断をしてなかったな、って感じで反省してます。
あれを、回収するかどうかはまだ考えている途中ですが…、まだまだ先なんで。
とりあえず、じっくり考えてみる事にします。
549某T@再開を前に :2000/08/28(月) 19:13
>>547
出版社を通じて著書を刊行していないからといって、
それを甘えの原因にしようとしてはいけない…と自戒を込めて。

少なくとも、件のSSを書いた人間も、悪意はなかった、
と私は判断しています。

どこが悪かった、良かったという意見は、
書いている方にとっても励みになるので、
余程の暴論でない限り、私は歓迎です。

それでは、下手くそながら仮想戦記、再開です。
550某T@まえがき :2000/08/28(月) 19:15
とりあえず、こみパ編だけは
書いておかなくてはいけないと思ったので、
…でないと、あれだけの資料をいただいたのに、責任感じます。
…あまり出来はよくないですが、アップします。
復活? 第1弾ということで…。
551某T@こみパの乱・1 :2000/08/28(月) 19:16
悲劇…もしくは喜劇の幕は上がろうとしていた。
ビッグサイトには早朝から長蛇の列ができていた。
徹夜組を排除するため、始発組の後ろに回すという方針は、
確かにスタッフに伝えられていた。
だが、そんなことはkey、D.O、
いずれの信者らも承知の上だった。
特にKeyの信者は、leafとかなりの部分で重なっているため、
情報を入手することはたやすかった。
1駅前で夜を過ごし、始発と同時に乗り込む。計算に狂いはない。
そして、彼らは知っていた。
こみパスタッフの数が予想以上に少ないこと、
そして、士気に問題を抱えていることを。
国際ブックフェア2000のわき道から会場内に入れることも、
彼らはキャッチしていた。
そして、それをスタッフが制止に向かった時には、
残りの列をさばききれないということも。
制止するか、しないか。
どちらに転んでも、問題はなかった。
彼らにとって、このイベントは
「参加する」ことに意義があるのではない。
「壊す」ことに意義があったのだから。
552某T@こみパの乱・2 :2000/08/28(月) 19:17
「…始まるな」
麻枝は大阪某所のモニターの前で祭りの開始を待っていた。
熱心な信者からは、麻枝のもとに逐一、情報が届けられていた。
「壊せ…壊すがいい。すべてを…何もかもを」
麻枝の顔に、モニターの光が映される。
どこからどう見ても、絵になる光景だった。
…モニターに映っているのがCCさくらでなければ。

「始まりますね」
菅野はアーベル社長室で時を待つ。
高橋がアクアプラスに辞表を郵送した件は、すでに連絡を受けていた。
『あの会社には…もういられませんから』
昨日の高橋の電話の声が、まだ耳に残っていた。
「行き先はあるのですか?」
『さぁ…いざとなったら自分で作りますよ』
「協力しましょうか? 私のところは大所帯ではありませんが」
『気持ちはありがたいのですが…俺は、東京が嫌いですから』
「…判りました」
『やれることは…全部やりましたから』
高橋の言葉を何度も反すうし、菅野は目をつぶった。
あとは、その時を待つだけ。
553某T@こみパの乱・3 :2000/08/28(月) 19:18
「思い切った方法だな」
大槻は、高橋からのメールに目を通しながらつぶやいた。
北海道きっての策士で知られる大槻も、高橋の策には舌を巻いた。
「切られたら切り返す…それしか選択肢はない、か」
下川に『切られた』時の高橋の目を、大槻は思い出していた。
強い、意志を持った目。敗者のそれではなかった。
そして、復讐の時は近づいていた。
あと1時間。
「頑張れ」
大槻はモニターに、ただ一言つぶやいた。

「あれじゃ、やってらんないよな」
あるボランティアスタッフはつぶやいた。
「人は少ない、人遣いは荒い、おまけに正規スタッフは働かない…」
「そう言うな。こんな腐った祭りは、もうこれきりにしたらいいんだから」
別のボランティアスタッフが慰めた。
「とりあえず、怪我しないことだけを考えろ。
何かが起こったらまず、自分の安全を考えることだ。
褒められたことじゃないが、仕方ない。
スタッフにとって、俺たちは所詮…捨て駒にすぎないのだから」
「まずは自分の安全…ですか」
「勝手なこととは判っている。だが…それ以外に方法はないのだからな」
ボランティアスタッフの士気は、指揮系統の混乱で、極度に落ちていた。
一体となった運営など、望むべくもなかった。
554某T@こみパの乱・4 :2000/08/28(月) 19:18
「本当に大丈夫なのか?」
ブースの下川の顔には焦りがあった。
「高橋。人員配置に問題はないと言っていたじゃないか」
「言いましたよ」
高橋の唇が、かすかに歪む。
「どう見ても、あれは人員不足では…」
「大丈夫です。この私が大丈夫と言うのですから」
「しかし、あれはだれが見ても…」
「人間には能力というものがあります。
精鋭の彼らには、あれが本来の力量なのです」
「…」
「私が失敗したことがありますか?」
「…確かに」
「なら、信じればいいのです。…信じれば」
「…」
下川の顔に、わずかに安堵が戻る。
そして…高橋は信じていた。
このイベントの失敗…喜劇の成功を。

そのすぐ側には、朝から険悪なムードのみつみと甘露がいた。
甘露にとって、エルフからの誘いは、実のところ魅力はなかった。
原画に対する扱いのひどさ、社員の酷使ぶり、
そして何よりも、甘露にメジャー志向はなかったからだ。
生涯一同人作家、それが甘露のスタンスなのだから。
だが、みつみの横暴に頭を痛めていた彼にとって、
昨日の出来事は、今の自分の立場を疑うきっかけにはなった。
『なぜ…ここでなくてはいけない?』
甘露の自問は続いていた。
逆に昨日みつみが見た光景は、上昇志向の強い彼女にとっては、
耐えられないものだった。
なぜ自分でなくて甘露なのか。ずっとそのことが頭を占めていた。
口を利かない2人。
そして、その間で、なかむらと鷲見は頭を痛めていた。
どうすれば、2人を仲直りさせることができるのか、と。
そのことがピリピリしたブースのムードに、
一層の緊張を与えていた。
臨界点は、すぐそこにあった。
555某T@こみパの乱・5 :2000/08/28(月) 19:20
そして、会場のシャッターが開かれる。
少ない人数に右往左往するスタッフとボランティア。
表面上は…うまくいっているはずだった。
列の数人が、ブックフェアのわき道へと移動する。
スタッフの目をごまかすための裏道。そして…気付かせるための。
数人のスタッフが、彼らの『不正』に気付いた。
ただちに取り押さえようと、その場を離れる。
警備が手薄になる。
彼らはそれを逃さない。
『GO!』
どこからともなく、そんな声が聞こえた。
それが合図になった。
列は一気に会場に突入する。
手薄になった警備に、それを止める力は残っていなかった。
濁流は、一気に会場をのみ込んだ。
彼らに目的はない。
いや…一つだけだった。
会場を破壊しつくすこと…それだけ。
身の危険を感じたスタッフは逃げた。
会場内は完全に統制を失った。
濁流の大群は走った。
叫んだ。
そして…破壊した。
すべてを。
完全に。
思いのままに。

混乱。
破壊。
恐怖。
すべてがそこにあった。
556某T@こみパの乱・6 :2000/08/28(月) 19:20
「何があったんだ!」
下川の悲鳴がこだまする。
ブースの空気は張り詰めていた。
「高橋、あれは一体…」
下川が振り返った先には…高橋の姿はなかった。
「高橋…高橋! 貴様…」
謀られた。ようやく下川はそれに気がついた。
「貴様あぁぁぁぁ!!」
下川の絶叫が、ブースにこだまする。
そして。
すでに会場を離れた高橋は、
ゆりかもめの中で一人、満足の笑みを浮かべていた。
557某T@あとがき :2000/08/28(月) 19:22
取材及び、文章力不足ですね。
…すみません。
あと、ボランティアスタッフたちが最後まで頑張ったというのは、
もちろん私も知っています。
物語の都合上、腰抜けに書いて心苦しい限りです。

私にできるのは今のところ、ここまでです。
あとは…皆さんの判断にお任せします。
復活大歓迎。
書き手頑張れ。
書き手のみなさん、頑張って下さい、期待してます。
多数のブランドを擁するVAが、金で釣った傭兵部隊Keyで新興勢力Leafを
つぶす話だろ。最後はVAの総取りでおしまい。
どっちかと言えば最終的に双方痛みワケ。
再出発してまた新しい戦いが始まる……みたいな(藁

VA総取りだと単なるkeyファンスレだしな。
この書き込みも飛ばしてね。
>547。
だから〜、>593だけど最初に書いたと思うが、書き手側の最終的なオチ
が見えてなかったから、どんな展開になるのか分からなかったと言っている
だけで、別に評論君をするつもりなんてさらさら無いよ。それに、責任回避
をするつもりも無いしね。ただ、今後の展開に必要だったのかもしれないか
ら、これからどうなるのですかと聞きたかっただけだよ。

ただ、読み手側は反省しろ、には賛成するし、当然私も反省するよ。
それに、別にだれも戦犯探し(吊るし上げ)をしている訳でもないし、
>547さんの言う通り、みなさんも今後に期待しているから、早急に
事態を収拾してこれから気を付けましょうと言ってだけだと思うよ。
今後は、エロ進行は無いと思いますので、書き手側の方々、がんばって
下さいね。
どーでも良いが、最後の藁は止めとけよ。
それと、私はギロンスキーでは無いのであしからず。

お目汚し、スマソ。さて、このクソ書き込みも放置して続きをどうぞ。
このSSのラストを聞くのは禁句でしたっけ?。
ガンダムにおけるポケ戦にあやかって、水面下での流通業者や小売店とかの
やりとりのネタを番外の形で書きたいのですが、ラストがどうなるかがネッ
クになってまして。
やっぱSSが完結するまで待った方がいいですかね〜?。
VAが同人上がりの新鋭ソフトハウスを吸収するネタもやってみたい。
564:2000/08/29(火) 03:20
みつみネタは終了ってことでいいんだね。
565某T@…多分そうです :2000/08/29(火) 05:31
>>564
すいません、1さんより先に再開してしまって。
ただし、えちネタ以外=リーフ東京の確執という部分では、
出していくかもしれませんが。
みつみちゃん様のキャラは、捨てがたいものがあるし。
5661 :2000/08/29(火) 06:04
>>565
>すいません、1さんより先に再開してしまって。
私に断る必要はないですよ。

>all
このスレは半壊したみたいなんで、
新しいスレを立てて小説の部分だけを移そうと思うんですけど、
どうですかね(もちろん323ネタは除く)。
>>566 賛成だけど、あれを全部コピペするのは結構大変そう…(^^;;
>>566
7世さんが回収してくれているので、サイトへのリンクだけで良いと思いますよ。
5691 :2000/08/29(火) 06:56
http://nanasei7.tripod.co.jp/lvskmain.html
回収サイトってのはここのことだね。
これからSSの連載を上げでやるなら新スレきぼ〜ん。
下げでやるならこのまま続行をきぼ〜ん。
下げていこうぜ、下げて。
100まで潜水しても俺はいいぜ。
アホなナッチュ-が間違いアゲする可能性高いので、新スレ立てた方が無難じゃないかな…
573名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/08/31(木) 09:22
悪いがあげちゃうぞ。
大体、新スレ立てて無いじゃんか。
そんなわけで続きキボン!!
574>573 :2000/08/31(木) 12:49
くれくれ君は氏ね。
ライターさんが書き上がり次第新スレはたつよ。
そんなことも予測できないから君は厨房なんだよ。
ま、夏休みは今日で終わりさ。
5751 :2000/08/31(木) 13:11
現在、新スレッドにふさわしい新作を考案中であります。
576573 :2000/09/01(金) 02:17
やっぱり馬鹿があげたか。
作家さんの方々へ
ロムな名無しには何も出来はしませんが、期待してます。拠ってこのスレsageの新スレ期待
>573=576?
番号ずれてるのか?573=576だと文章のつながりがおかしいような・・・。
自虐してる雰囲気も感じましたが、気にしないで書いてください
5791@告知忘れてた :2000/09/03(日) 04:24
580576 :2000/09/03(日) 23:48
572ね。
遅まきながら
バカばっか・・・・・・・。
582名無しさん@そうだ選挙にいこう :2000/09/06(水) 02:43
あげ
あげ
あげ
あげ2
あげ3
あげ4
あげ5
あげ6
あげ7
あげ8
あげ9
さげ1
さげ2
さげ3
さげ4
さげ5
さげ6
さげ7
さげ8
さげ9
はげ1
はげ2
はげ3
はげ4
はげ5
はげ6
はげ7
はげ8
はげ9
ぼけ1
はげ2
はげ3
ぼけ4
ぼけ5
ぼけ6
ぼけ7
ぼけ8
ぼけ9
くけーっ1
くけーっ2
くけーっ3
くけーっ4
くけーっ5
くけーっ6
くけーっ7
くけーっ8
くけーっ9
おっはー1
おっはー2
おっはー3
おっはー4
おっはー5
おっはー6
おっはー7
おっはー8
おっはー9
638回ってるので、告知 :2000/09/22(金) 05:24
639名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 12:01
おもったんだけど、
殺しはよくて、犯すのはだめなの?
鍵っ子って本気で頭やばいんじゃない?
俺ってまだまだ普通だと感じさせてくれてありがとう。
640名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 12:14
映画とかテレビとかでもよくあることだな。
殺人シーンはたくさんあるけど、レイプシーンは少ない。
これは普通の人は自分が殺人を犯すという発想が無いのに対して、
性欲というものは誰もが持ち得てるからかもな。
641名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 12:24
正当な理由のある殺人はあるが正当な理由のあるレイプは無いからな。
642名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 13:10
>正当な理由のあるレイプ

不可視の力は?
643>641 :2000/09/29(金) 13:13
そう?
正当な理由なんてどっちもないと思うけど?
644641 :2000/09/29(金) 13:34
死刑の執行と正規の交戦機関による戦闘員の殺傷は正当な殺人だ。
645>644?S?P :2000/09/29(金) 13:38
歪んでるね。
6461 :2000/09/29(金) 13:54
懐かしいスレが上がってきたな……
647641 :2000/09/29(金) 14:16
>>645
歪んでいるのは法律を理解できない君の頭だ。
648名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 19:20
ある種の殺人に正当性がある、と感じられる瞬間は存在するが。
649名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 22:03
なんかすごいねぇ…
650名無しさんですぅ〜 :2000/09/29(金) 22:12
うに
651名無しさんだよもん :2000/09/29(金) 22:51
このスレが上がるたびに世の中はいい人ばかりではないとつくづく思うよ。
ま、そのための医療少年院か。
652名無しさんですぅ〜 :2000/10/02(月) 17:14
そうか、そのための医療少年院なのか…
653>651 :2000/10/04(水) 12:23
>このスレが上がるたびに世の中はいい人ばかりではないとつくづく思うよ
なぜ?
654名無しさんだよもん :2000/10/04(水) 23:14
このスレあげんの禁止ね
655HOM
なんで?おもしろいじゃん