b
「来栖川先輩のところへ行こう……」
「……うん」
二人で廊下を並んで歩きながら……さっきまでの出来事を話した。
まだぐずりながら……混乱してつっかえながらだったけど、藤田くんは特に口も挟まず聞いてくれている。
「訳が分からないんです、背を向けて……振り返ったらいきなり長谷部さんも部室も消えていて……」
「藤林先輩……」
「長谷部さんって、何者なの……私、もうおかしくなっちゃいそう……」
「…………」
「ごめんね、こんな話信じられないよね」
「……いや、もう俺達は十分信じられないような体験をしたんだ。
今更藤林先輩が俺に嘘をつく理由もないし……俺は藤林先輩の話を信じるよ」
「藤田くん……」
A オカルト研の部室に着いた私は、来栖川さんを交えてこれまでの出来事を詳しく話しました
B 「あら 彼が例の藤田くん?」運悪く廊下でお姉ちゃんに会ってしまいました
C 「あれ……先輩?」オカルト研に着くと……来栖川さんがどこにも……いません
C
「あれ……先輩?」
「どうしたの、藤田くん?」
「ああ、先輩がいないんだ」
後ろから私も覗きこむと、藤田くんの言うとおり、部室には誰もいませんでした。
「どこかに出かけたんじゃないの」
「いや、ここで待ってるって言ってたのに――」
藤田くんがそう言いかけた時、私の頭の中に……声が響いてきました。
(ごめん――なさい――浩之さん――藤林さん――)
この声は……まさか来栖川さん?!
「えっ? せ、先輩っ?!」
どうやら、藤田くんにも聞こえているみたいです。
(私も――――折原さんも――――捕らえられて――――)
「来栖川さんっ! 来栖川さんっ!」
私達以外人のいない部室で、私は来栖川さんの名前を叫びました。
ですが私達の声は届いていないようで、やがて来栖川さんの声も遠くなっていき――
(気をつけて――――――長谷部さんは――――――)
「先ぱーーーーいっ!!!」
それ以上、来栖川さんの声は聞こえなくなりました。
「…………」
「…………」
無言のまま、私達は立ちすくみます。
そんな……どうして……来栖川さんまで……
怖くて、どうしていいか分からなくて、体の震えが止まりません。
A 「藤林先輩……とにかく、一度落ち着こう」藤田くんが、私を落ち着かせてくれました。
B その時……また『折原浩平』からメールが来ました。
C 「嫌ぁぁぁっ!!!」耐えられなくなった私は、その場を駆け出してしまいました。
A
「い、嫌ぁぁーーっ!」
「ふ、藤林先輩!」
私が恐怖でパニックに陥りそうになった時、藤田くんが私の手をギュッと握ってくれました。
「ふ、藤田くん……」
来栖川さんのおかげで超常現象に慣れているのか、藤田くんは私ほどは慌てていません。
私を放さないように力強く、少し痛いくらいに握ってくれました。
「藤林先輩……とにかく、一度落ち着こう」
「う、うん……ありがとう」
藤田くんの手のから伝わる温もりが、今はとても心強いです……
「……でも、これからどうしよう」
「そうだなぁ……どうすりゃいいかな……」
私達は一旦学校を出て、『維納夜曲』という一軒のケーキ屋でお茶をしています。
本当は学校で話し合いをしたほうがいいと思いました。
けど……あんな事があった後で学校に残り続けるのを怖がった私を気遣い、藤田くんが誘ってくれたのです。
消えた漫画研究会の部室、来栖川さんの消失と最後の声。
謎と混乱ばかりが私たちに降りかかってきます。
「藤林先輩は、どうするべきだと思う?」
「わ、私ですか、私は――
A やはり、まずは折原浩平の本を探す
B 長谷部彩という人物について調べてみる
C ここのケーキが美味しいのでおかわりをしたいと思う
A
「まず折原浩平の本を探すことだと思います
私がこの本を手にしたことで全てが始まったのですから……」
テーブルの上に置いてある呪いの本は昨日から何も変化はありません。
ただ真っ白いページがあるのみです。
「だよな……この本以外にも折原浩平が執筆した本が存在しているのなら
オレ達にかけられた呪いを解くヒントになるかもしれないしなあ
いったいどこにあるんだろう……」
「やはり……漫画研究会にあると私は思います」
「でも部室は忽然と消えてしまったんだろ?」
「気になることを長谷部さんは言ってました。
部室を完全に知覚できるようになる時は――」
「どうなるんだ?」
「たぶん呪いが完全に発動し、皆から忘れられるんだと思います。
逆に言うと、あの部屋が見えないうちはまだ呪いは大丈夫なはず
あせることはないです」
「でも先輩には見えたんだろ? オレはまだ見えないっつーことは――」
「ええ、私のほうが呪いの進行度は上……のようです
でも見えたのが2、3分ぐらいですからまだ大丈夫だと思いますが……
ただ残り○日というのは来栖川さんが消えたことにより
あまりあてにならなくなって来ているかもしれません」
「来栖川先輩……どこへ行っちまったんだ……」
ピッと腕時計が鳴る。時計は午後七時を指していた。
「ただいま〜」
私達はその後話もそこそこにして家に帰ってきました。
「おかえり〜って思ったより早かったじゃない。噂の藤田くんとの仲は順調かしら?」
お姉ちゃんがニヤニヤしながら出迎えました。
「べっ別に、藤田くんとはそんな仲じゃないよっ」
「姉妹でしょ〜別に隠す必要なんてないじゃない」
「もうっ……お姉ちゃんたら……」
そりゃあ藤田くんはそこそこ格好良いし、頼りになる人だけど
恋愛感情よりもこう……この事件が終わった時に、
『よう相棒、まだ生きてるか?』と呼び合う戦友みたいな感じです。
(今日も色んなことがあったな……)
夕食後お風呂に入り自室に戻った私は今日の出来事を思い出していました。
テレビはバラエティ番組を映し続けています。
(九時か……)
A 誰かに電話してみようかな(浩之・朋也・渚・ことみから選択)
B コンコンとドアをノックする音「椋〜、入っていい?」お姉ちゃんだ
C やはり漫画研究会が気になる。学校に忍び込んでみよう
積極果敢にC
(やっぱり漫画研究会が気になる、今から学校に行ってみよう)
そう決めた私はさっそく服を着替え、出かける準備をしました。
「お姉ちゃん、ちょっと私学校に行ってくる」
「どうしたのよ、こんな時間に?」
「えっと……ノート、学校にノートを忘れちゃって明日の予習に必要なの」
「それなら仕方ないけど、夜道は危ないから気をつけなさいよ」
「うん、心配してくれてありがとう」
「暗いな……それになんだか不気味」
用意した懐中電灯で足元を照らしながら廊下を歩きます。
夜の校舎は昼間と雰囲気が一転して……怖いです。
本当に私達はここで昼間授業を受けたり、部室で遊んだりしているのか、
そんな当たり前の事すら疑いそうになるほど、無機質で温かみのない建物でした。
(藤田くんに黙って一人で来たのは、早まったかもしれない)
呪いを解く鍵を早く手に入れようとして、少し焦っちゃったのかな――
A 程なく、私は漫画研究会の部室に着きました
B ……廊下に、黒い長髪をリボンでまとめた少女が立っていました
C 一応、藤田くんにも連絡をしておく
B
フッと突然懐中電灯が消えた。
「あ、あれ電池が切れたのかな」
ぶんぶんと振ってみたけれど懐中電灯は
数回明滅を繰り返してウンともスンとも言わなくなりました。
「……どうしよう」
明かりが消えたことで廊下は窓から差し込む月の光で
何とか前が見える程度の明るさになってしまいました。
カツン
「――っ?!」
廊下に木霊する足音、そして前方に現れる人影。
雲が晴れさらに明るい月光が廊下を人影を照らし出します。
この学校の制服に身を包み……廊下に、黒い長髪をリボンでまとめた少女を。
「長谷部さん……?」
違う、彼女は長谷部さんじゃない。長谷部さんはまとめた髪を前に垂らしていますが
彼女は後ろに髪を垂らしています。
そしてなにより――
抜き身の西洋剣が月の光を反射してきらきらと輝いていました。
ヒュン、と風を切る音。
「きゃっ」
思わず尻餅を着いてしまいます
「え……」
見上げた私の目に写ったのは
西洋剣を私の喉元に突きつける少女の姿。
そして発せられた言葉。
「……『呪い』の感染者発見……」
A 思わず叫んでしまう
B 恐怖で声が出なかった。
C タイミングが悪いのか良いのかメール着信音が鳴った。
B
「……ほーるどあっぷ?」
少女は剣を突きつけながら下手な英語で
私に武装解除を呼びかけました。
「……ぁ……ぅ……っ(コクコク)」
恐怖のあまり声が全く出せない私は必死に
両手を上げて無抵抗の意を表しました。
「……違う、呪いの感染者だけど感染源じゃない」
彼女は喉元に突きつけた剣を鞘に戻し、
私を解放されました。
私は――
A 「あっあなたは何者なんですかっ!」と勇気を振り絞って彼女に尋ねました。
B 安堵のあまりそのまま気絶してまいました。
C キィーンと耳鳴りと共に世界が歪んでいく。この感覚は……!!
A
「あっあなたは何者なんですかっ!」
「…………」
私の質問に、彼女は黙ったままだった。ただ、じっと私のことを見ているだけ。
月明かりが彼女の顔まで照らすと、それで彼女の正体を知ることが出来た。
そこで私は失言に気付く。私は、彼女を知っている。
それぐらい、彼女はこの学校で有名だったから。
―――不良生徒、川澄舞
夜な夜な深夜の学校に出没してガラスを割るとか、
野犬相手に暴力を振るって鬱憤を晴らしているとか、そういう噂の絶えない人。
よく岡崎くんや春原くんと並んで、学年の三大問題児として槍玉に挙げられてる。
私達と同じクラスだけれど、もちろん話したことなんて一回もない。
「……私は魔物を討つ者だから」
「えっ?」
川澄さんが唐突にそう言った。
暫くして、それが私の最初の質問に答えたのだと分かった。
だけど、それがまるで的を外した答えであるのが直ぐに分かる。
彼女は……おかしい。夜中に学校に入り込むなんて、普通じゃない。
それに、呪いの感染源を辿っているような……そんな事を言ってた。
川澄さんは、何か知っている。私には間違いなくそう思えた。
「……あの、少し聞いても良いですか?」
「…………」
私の言葉に川澄さんは答えない。
私はそれを肯定ととって話を続けることにした。
相手は学年一の不良だし、もちろん怖かったけれど……今の状況から抜け出せるなら、これぐらい。
「あなたは……」
A ここで何をしていたのですか?
B 呪いについて、何か知っているんですか?
C 折原浩平って人を、知っていますか?
B
「呪いについて、何か知っているんですか?」
さっき川澄さんが言ってた言葉。
「『呪い』感染者」とか「感染してるけど発生源じゃない」とか
この人は間違いなく呪いについて何か知っています。
川澄さんは怖いですけど、勇気を出して聞かなければいけません。
「…………」
川澄さんは黙ったままです、でも、もう一度。
「私……呪いに掛かってるんですよね」
今度は分かりやすく、答えやすい質問をします。
「……はちみつくまさん」
コクリと頷きながら、川澄さんはそう答えました。
よく分かりませんが、肯定の意思表示のようです。
「教えてください……『呪い』って何なのですか」
A 「……よく分からない……だけど、誰かが助けを呼ぶ為に『呪い』を作った」
B 「……よく分からない……だけど、誰かが感染者を『食べる』為に『呪い』を作った」
C 「………………」川澄さんは、何も答えてくれません
A
「……よく、分からない」
「そうですか……」
「だけど、誰かが助けを呼ぶために『呪い』を作った」
誰か?
それって、もしかして……折原浩平さん? それとも竹林先生?
川澄さんにも分かってないみたいだけど……。
「……あと、何日?」
「えっ?」
今度は川澄さんの方が、私に質問してきた。
「初めは関係のない人に名前を忘れられるぐらいで済む。
だけど、二日三日と日を重ねるうちに、あなたの存在はだんだん希薄になっていく。
あなたの大事なお友達や親、恋人すらあなたのことを思い出せなくなっていく。
そして……タイムリミットの日、そのままあなたは、この世界から消える。
この世界に残りたいのなら、あなたは誰かを助けなければならない」
川澄さんがまるで私の未来を予言するかのように話していく。
さっきまでから見れば信じられないほど、はっきりとした口調で。
私はその言葉にぞくりとした。その言葉が本当なら……私は、消える?
「……あなたは、あと何日?」
「あと……六日、ううん五日」
「…………」
私の言葉を聞いて、また川澄さんが黙った。
川澄さんが何を考えてるのか、私には全く分からない。
「あの……川澄さん」
「…………」
「もう一つ、聞きます。答えたくないのなら、答えなくてもいいですけれど……」
A あなたはどうしてこんなことをしているんですか?
B 折原浩平と竹林明秀という人を、ご存じないですか?
C 漫画研究会について、知っていることはありませんか?
A
「あなたはどうしてこんなことをしているんですか?」
どうしてこんな事を聞いちゃったんだろう。
私の質問に、川澄さんはピタリと動きを止めた。
空気が、凍てつく。
ピキリ、と音がしたかもしれない。
凍った空気を破って、川澄さんが答えてくれた。
A 私は、あと一日だから
B ……お願い、佐祐理を助けてほしい
C 折原浩平は、私の、敵だから
D おにょにょのぷぅ
E 続きが聞きたければ、牛丼を持ってきて
Dしかないッ!
私の質問に、川澄さんは真剣な顔つきで口を開き……
「…………おにょにょのぷぅ」
「(゚Д゚)ハァ?」
――謎の言葉を放った。
「あの、できれば真面目に答えて欲しいんですけど」
「…………」
「ライトノベルというかマイナーなネタというか、そういうのは勘弁してほしいんですけど」
「…………ごめん」
学年一の不良生徒かも知れませんけど、これは我慢できません。
川澄さんも外したと思ったのか、申し訳無さそうな顔をしています。
「その、結局どうしてあなたは夜の学校で呪いを調べてるんですか?」
A 「……私も、『呪い』を受けている」(後何日か指定)
B 「……魔物を狩る事が、私の使命だから」
C 「……私の友達……佐祐理が……消えた」
Aかな 三日
「……私も、『呪い』を受けている。あと……三日」
「えっ……?」
嘘、と言おうとして私は気付いた。
あれほど学校で悪名を轟かせていた川澄さんなのに、
学校で知らない人など誰もいないほどの有名人なのに、
私は……顔をよく見るまで、川澄さんの名前が出てこなかった。
それが指し示す事実がどういうことなのか、想像に難くない。
「だから私には、時間がない。早く誰かを助けないと……今度は私が消える」
川澄さんはそれだけ言うと、私に背を向ける。
もう話すことはないと言わんばかりに、この場から立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください! その『誰か』って、一体誰なんですか!?
折原浩平さんですか、それとも……竹林明秀先生なんですか!?」
「……分からない。分からないけど、私はその人を知っていた気がする……」
「えっ?」
「今日も手がかりはなかった。私はもう戻るけれど、あなたも早く家に帰ったほうが良い」
川澄さんはそれだけ言うと、校舎の闇に消えた。
どういう、ことなんでしょうか……。
A 漫画研究会の部室へ行く
B 川澄さんを追いかける
C 一度藤田くんに電話をかける
D ……今日は、もう帰ろう
A
(川澄さんのことも気になるけど……漫画研究会も気になるな)
わざわざ夜の学校にまで忍び込んだわけは漫画研究会にあります。
始まりの場所。長谷部さんはそう称したあの部屋に――
コツコツと文化部棟の廊下に私の足音が響いています。
人の気配は無し。
いや人の気配があったらあったで怖いですけど。
(あの角を曲がると漫画研究会だ……)
もし部室が存在していたら……どうしよう……
虎穴に入らずんば虎子を得ず。
思い切って角を曲がると……
「部室が……見えている……」
普段はただの空き部屋にしか見えない部室。
しかしに今私の目の前の、月光の中に浮かび上がるそれは
まぎれもなく放課後垣間見たあの漫画研究会でした。
A 思い切って部室に入る。
B ふと視線を感じて振り向くと……廊下に長谷部さんが立っていた。
C 突然周りの景色が灰色に変わってゆく……何これ!
A
目の前の部室、折原浩平の本がある可能性の最も高い場所。
ですが……放課後の出来事に私は入るのを躊躇ってしまいます。
(ええい、ままよ! お姉ちゃん、私を守って!)
私は祈りながら思い切ってノブに手をかけて回し、奥へ押しました。
ギィィと、鈍い音を立ててドアが開きます。
「ここは……良かった、ただの部室だ」
漫画研究会の部室は……私が最後に見た光景と変わらず朽ち果てた様相を呈していました。
中に入り、本棚を眺めると……大量の薄い本が整理もされず、乱雑に並べられています。
その隣の本棚も、そのまた隣の本棚も、上から下の段までびっしりと詰められて……
この中から……一冊だけを見つける……
「これは……簡単には見つからないな」
黙々と折原さんの本を探しながら、私はこれまでの事を考えました。
あえて口に出し、確認しながら、夜の部室の静寂を誤魔化すように。
「まず……『呪い』で助けを求めている『誰か』って言うのは……折原浩平さんですよね」
さっきは混乱しましたが、考えてみれば竹林明秀さんとは考えられません。
そもそも竹林明秀さんは三年も前に交通事故で確実に亡くなっています。
『呪い』の本の著者が折原浩平さんであり、その折原さんから電話やメールが来ました。
そしてメールの内容は……事件の鍵を握る彼の本を探して欲しいというもの。
「折原浩平さんが『呪い』を通して私たちに助けを求めて、本を探し出してもらおうとしている」
ここで判断を間違うと辛いです、慎重に考えなきゃ。
「じゃあ……長谷部さんは?」
あの人は……謎めいた助言のようなものはしてくれますが……必要以上に手助けはしてくれません。
まるで……私や藤田くんの『呪い』を観察して……どこかへ誘導するような……
よく分かりません、あの人に関しては分からない事が多すぎます。
A ……しばらく探しましたけど……本は一向に見つかりません
B 「これは……?」三つ目の本棚の上から二段目、奥付に『折原浩平』とある本がありました
C 「……とても……いい推理だと思います」声が……後ろを振り向くと……長谷部さんが立っていました
A
「……ダメ、見つからない」
私がどんなに探しても、折原浩平が作ったと思われる本は見つからない。
どうして? 普通部室には、今まで出した本を保管してあるものじゃないの?
考えられるとしたら二つ。
何らかの理由で控えをとっておかなかったか……それとも誰かが持ち出したか。
どちらにせよ、今ここに折原浩平の本がないという事実だけが残る。
漫画研究会が出した本なんだから、もしかすると誰かが持っているのかもしれないけれど、
それは……本当に低い確率。アマチュアの人が出した本をいつまでも取ってる人はあまりいない。
そして、もう一つの探し物のほう……竹林先生の出した本と言うのも、見つからなかった。
あまり売れていなくて、もう絶版になっているのだから当たり前なのかもしれないけれど、
それでも、手がかりが途絶えたという事だけは確かだ。
「これからどうしよう」
私はぽつりと呟いて、研究会の椅子に腰を下ろした。
折原浩平、そして『呪い』……私には、もうどうして良いのか分からなかった。
その時……
A 机の上に『活動日誌』と書かれたノートが置いてあるのに気付いた
B 藤田くんから電話がかかってきた
A
「あれ? これは……」
その時になって、私は初めて机の上にノートが置いてあるのに気づいた。
どこにでもあるような安っぽいノートだけど、タイトルとして『漫画研究会活動日誌』と書いてある。
漫画研究会がどんなことをしていたのか……この日誌から、分かる。
私はドキドキしながら、そのページを開いた。
ページを開いて……私は思わずくすっと笑ってしまう。
そのノートは確かに日誌だった。日誌だったけど……実に、他愛のないものだった。
1月15日 青紫
幸村の授業は眠い。
あれも一種の苦行だよな。しかもあのジジィ、オレが日誌書いてても全然気付かないぞ。
1月16日 彩
進学校なんですから、授業はちゃんと受けましょう。
この学校は文化部には風当たりが強いから睨まれてしまいますよ。
内容はそんな調子だった。
活動日誌と言うよりも……まるで交換日誌。
イラストに、その日の出来事を添えるだけのような、そんな感じ。
日付を見てみると、今から二年前のものだった。
ただ、楽しそうに活動しているのは分かる、そんな日誌。
日誌を読んでいく限り、部員は二人。
PN青紫さんと、彩さん。
青紫さんというのは折原浩平で間違いないとして、彩さんというのは長谷部さんのことだろう。
たまにPN使わずに本名でマンガを書く人もいるみたいだしね。
殆どがその二人の交換日記のように綴られていってるのが分かる。
まれに、引退した三年生と思われる人が暇潰しに書いてるみたいだけど。
私は日誌を読み進めて、三月の日付のところで目を留めた。
二人の会話に、気になることが書いてあったから。
3月12日 青紫
樋上も河田も中村も卒業したし、この日誌も寂しくなるよな。
3月14日 彩
それよりも問題は会の存続の方です。
今は3人でかろうじて研究会の形を保っていられますが、1人でも欠けてしまえば廃部です。
あの人もこの日誌に全然書き込んでくれないみたいですし、どうなることやら……。
3月15日 青紫
あいつはオレがムリに誘ったからなあ。
幽霊部員でいてくれるだけでもよしとしようぜ。
部員の方は新入生に期待するしかないしな。
そう、私はその文で思い出した。
この学校には、3人以上の部員と顧問がいなければ、部活動を作ってはいけないという決まりがある。
……だから、実を言うと演劇部はまだ正式な部として認められてない。
渚ちゃんが幸村先生に顧問になってくれるように交渉中らしいんだけれど、それもどうなることか……。
……と、いけない。つまり、私が言いたいのは、漫画研究会にはあと一人部員と、それから顧問がいるはずということ。
その二人のどちらかなら、折原浩平について何か知ってるかもしれない。
もちろん、長谷部さんから詳しく聞くという方法もある。
だけど……あの人には、何か妖しげな雰囲気があった。
まるで、何かに誘っているような……。だから、もしかすると接触を避けた方がいいのかもしれない。
私は――――
A 明日長谷部さんを訪ねる
B もう一人いるという部員の方を調べる
C 漫画研究会の顧問の先生に会う
D 川澄さんが気になる
B
そろそろ容量ヤバイし新スレ立てるべきじゃないか?
誰が立てる?
A 俺が立てる
B お前が立てろ
C (>>xxx)が立てろ(レス番指定)
A
んじゃよろしく
A.結論:雅史の反省会
B.恋するトウカの反省会
C.選択形式で進めていくW杯
D.
>>626から
>>628の途中経過を選択形式で具体的に!
c
春原「サッカーとなったらやっぱり僕達の出番だよね」
雅史「目指すは選択スレW杯優勝かな。でもまずはチームメンバーを集めないと」
春原「んじゃ、お互いの知り合いでもあたってみようか」
鬼_「………何か用」
春原「ひいぃぃっ、な、なんでもないですっ!!」
雅史「ねえ浩之。僕達ずっととm」
浩之「世の中には煮ても焼いても食えない奴が……」
雅史「ごめんやっぱりいいや」
ヌワンギ「そう何度もふっとばされてたまるかーーーー!!」
ゴットハンドのヌワンギくんやっぱり吹っ飛ばされたーーー!!
雅史「緒戦は逆転負けの敗退……しかもラスト10分で3点
まるで僕のお話の急展開のようだ……」
雅史「…………無念ばかりが残るW杯だったな」
とりあえず、歴代主人公から適当に選抜してみた。
┣━━━━( )━━━━┫
┃ 観鈴 佐祐理 ┃
┃ ┃
┃ 浩之 はるか 雅史 ┃
┃ ┃
┃ 彰 春原 ┃
┃ ┃
┃ リアン 柳川 すばる ┃
┃ ┏━━━━━┓ ┃
┃ ┃┌───┐┃ ┃
┃ ┃│ 国崎 │┃ ┃
┗━━┻┷━━━┷┻━━┛