クラナド戦記〜光溢れるこの町で〜 第三章

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさんだよもん
クラナドキャラがちょっと異世界、ちょっと原作準拠のヘンな世界で戦ったり戦わなかったりします。
二次創作、設定バリバリ路線嫌いな子は拒絶反応出るかも、割と何でも許せる子向け。

【御注意】
・感想が書き手の栄養です。つまんなくても怒らない。荒らしは放置。皆だんご大家族ですっ。
・名前欄に「クラナド戦記第○○話○/○」と書くだけで、貴方も今日から書き手です。
・他作品とのクロスはご遠慮下さい。超絶設定は基本的に歓迎ですが、読者が困らない程度に。
・書き込む前に推敲を。リレーなのでその辺ちゃんと考えて下さい。多少の矛盾は強引に。
・お、おいおい。意味分かんねぇよ! 何だかよく分からないけど、行くよっ!

【前スレ】
クラナド戦記〜光溢れるこの町で〜 第二章
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1114015343/

【まとめサイト】
ttp://pro-ton.hp.infoseek.co.jp/
↑現在消滅中
暫定ログ保管庫
ttp://psychic.incoming.jp/clannad/clannad_war/index.html
2林さん U044215.ppp.dion.ne.jp:2006/01/30(月) 20:39:00 ID:TO64tc600
??
3名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 20:41:36 ID:jmE1HhBe0
おいおい!
4名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 20:44:13 ID:XAuOjncg0
意味わかんねえよっ!
5名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 21:41:00 ID:oCcm9c9V0
何だかよく分からないけど、行くよっ!

乙です。
6名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 22:51:41 ID:2/AB5hRrO
おいおい!
7名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 23:32:57 ID:WgeyTXop0
>>1
前スレ落ちてたの今気ずいたよ…
8〜参加者リスト&現在の動向〜:2006/01/30(月) 23:58:11 ID:MKp+hp6j0
001 岡崎朋也                森にて智代と交戦中          
002 藤林杏                   同上       
003 藤林椋                   同上        
004 春原陽平                 同上               
005 伊吹公子                森にて気絶中              
006 伊吹風子                MIO本部に幽閉中               
007 柊勝平                 森にて智代と交戦中               
008 一之瀬ことみ             MIO本部?             
009 相良美佐枝              森にて智代と交戦中                
【死亡】 小川一哉(ラグビー部員)          
011 芳野祐介               森にて智代と交戦中
012 古河秋夫               森にて生死不明の状態
013 古河早苗               森にて気絶中
014 古河渚                    同上
【死亡】 宮沢有紀寧
【死亡】  徳田悠作(サッカー部員)
017  坂上智代              森にて朋也たちと交戦中
018 仁科りえ               森にて気絶中
019 杉坂                 思考分岐空間の中
【死亡】 スメルライクティーンスピリッツ 
【死亡】 ドッペル智代軍団
(欠番) 幸村俊夫            MIO本部?
(欠番) 一ノ瀬ことみ          MIO本部に幽閉中(脳のみ)
(欠番) 幻想世界の少女(=岡崎汐?)
(欠番) ガラクタ
(欠番) 春原芽衣            森にて智代と交戦中 
【死亡】 土方店長
(欠番) ジョニー               (詳細不明)
(欠番) 紳士               MIO本部に幽閉中?
【死亡】 乾 
(欠番) 岡崎直幸             荒野からMIO本部に向う?
(欠番)未来の勇              雑木林の中にて気絶中?
9名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 08:03:58 ID:nkU6UdSM0
>>1
GJだよっ!
>>8
最高だよっ!

誰かついでに発現してる光のまとめもキボン
10名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 12:41:37 ID:r0YIMi4j0
なんだかよくわからないけど、もう一回最初から読んでみるよっ!
11名無しさんだよもん:2006/02/07(火) 02:02:38 ID:zzOUmRZ40
何だかよく分からないけど、ageとくよっ!
12名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 21:35:06 ID:T6ZsgZPt0
なんだかよく分からないけど、ageとくよっ!
13名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 21:44:32 ID:T6ZsgZPt0
なんだかよく分からないけど、sageてたよっ!
14名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 23:46:35 ID:N8eTdb2P0
ひいっ!テスト終わるまで書けないっ!
今期は単位が真剣やばっ!(;゚皿゚)
15名無しさんだよもん:2006/02/09(木) 01:06:39 ID:t4bshoMt0
お、おいおい!
16名無しさんだよもん:2006/02/09(木) 15:04:33 ID:BEgp45ft0
最近業者やってるツレに聞いたら
ココが今かなり盛り上がってるらしい→http://onigiri69.web.fc2.com/

男も女もずっとタダで遊べるし、mixiみたいな感じだな
17名無しさんだよもん:2006/02/14(火) 23:51:00 ID:UKJo3Xni0
このスレはもう終わってしまったんだろうか・・・
18名無しさんだよもん:2006/02/15(水) 00:00:31 ID:Gwgrlav90
まだ始まってもいないよっ
19クラナド戦記第112話 1/4:2006/02/15(水) 12:54:08 ID:2rk7L1W70
「何人増えようと同じことだ!」
「智代、いい加減に…しろーッ!」
森の中、交戦は続いていた。
杏の辞書をかわし、芳野の攻撃を逸らし、森の熊は孤独な抵抗を続ける。

「仲間だと? 死なれては困るだと? 寝言を!」
熊の咆哮。そこにある僅かばかりの悲しみを、場にいる全てのものが感じていた。
「私に仲間など不要だ! 死など恐れない!」

「…いや、死なれては困るかな…確かに」

否定の声は、全く予想外の所から聞こえてきた。
森の奥から一人の男がやってくる。
リヤカーを、引きながら。

その意外な闖入者に、朋也も春原も杏も――智代さえも、その足を止めた。

僅かな沈黙。破ったのは朋也。森に響く声。

「親父いいっっ!!!」

皆の視線の先が集まる。
その男、岡崎直幸に。
20クラナド戦記第112話 2/4:2006/02/15(水) 12:54:49 ID:2rk7L1W70
声に応えるかのように、直幸は右手を天にかざした。
「…?」
途端、異変が起きた。
「! ゾリオンが…消える!?」
「ちょっと、どうなってんのよ…!」
「見ろ、智代の奴も…!」

朋也、杏、椋、陽平、勝平、智代、渚の身体から光が飛び出し――直幸の手に吸い込まれた。
「ふむ……未発現の光は、やはり手に入らないか…」

「何を、何をした…答えろ、親父っ!!」
朋也の怒号が響く。
光を奪われたこと、そして何より――手のひらに吸い込まれる光、というヴィジョンが与える既視感に、朋也はいらだっていた。
そんなことは、知らない。なのに、知っている。

「不思議には…思わないかね…?」
答える代わりに、直幸はそう呟いた。
「何…?」
「この世界……いや、もっと直接的に言おう。君たちは、いつ、どこで、知り合った?」
イツ、ドコデ、シリアッタ?
どこにでもある問いが、やけに空虚に聞こえた。
「君たちが知る幸村という人物は、あのような凶行に及ぶ人物だったかい…?」
「………やめろ」
コウムラトシオ。
引退間近の教師で、昔は厳しいところもあったと聞くが、正義に溢れる老人。
21クラナド戦記第112話 3/4:2006/02/15(水) 12:55:23 ID:2rk7L1W70
「MIO、CLANN…そして」
「やめろって言ってるだろっ!!」
激情に任せ、直幸に殴りかかる朋也。
しかし朋也の拳が直幸を捉えることはなかった。

「!?」
拳は、直幸をすり抜けた。
「実であって虚。この世界には相応しい身体だとは思わないかい…?」
「くそっ、くそっ!!」
必死に拳を振り回す朋也だったが、ついに直幸の身体に触れることはかなわなかった。

「そろそろ行くよ…どうやら、発現済みの光が他にもあるようだからね…」
「…仁科か」
芳野が毒づく。

「そうそう…リヤカーは置いていくよ…。MIO本部に行くというのなら、使えばいい」
「あの場所に答えは無いけれど、真実のひとかけらくらいは…見つかるかもしれない」
「次に会う時までに…光を揃えておいてくれると…ありがたいかな…」

それだけ言うと、直幸は去っていった。

何もかもが突然過ぎて、誰も動くことはできなかった。
「意味、わかんねえよ…」
そう、誰かがこぼした。
22クラナド戦記第112話 4/4:2006/02/15(水) 12:55:57 ID:2rk7L1W70
「光は自らの意思で発動させなければならない…か…。難しいね…どうも。幸村さんでは…もう、無理かな…」
荒野を歩きながらひとりごちる。
「この世界は実であり虚。それに気付いたのは…おれだけだった。…いや、おれだけが…狂っているのかもしれない」
「光はこれで9、か…」
「もうすぐだよ………敦子」

夢を見ているのは、一体誰だろう。

◆森

001 岡崎朋也 所持品:銃
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平 応急処置済み 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子/気絶 所持品:なし
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C
017 坂上智代 所持品:無し
012 古河秋生/生死不明
013 古河早苗/気絶 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚/気絶 所持品:
018 仁科りえ/気絶  所持品:不明

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、

『コミック力場』、『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) そして『胡蝶』
23名無しさんだよもん:2006/02/15(水) 16:12:29 ID:yInbM9ES0
お、おいおい!
24名無しさんだよもん:2006/02/15(水) 16:27:47 ID:VIj+2bWtO
何だかよく分からないけど、行くよっ!
25名無しさんだよもん:2006/02/15(水) 22:00:30 ID:IcT84Uc10
意味分かんねぇよ!
26クラナド戦記第113話 1/2:2006/02/17(金) 06:12:04 ID:Y1bz94ic0
ここにある全ての光が消え去った。
『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『コミック力場』、『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』
そして、智代の『スティーリィ・ベアー』。
彼女が被っていた熊のぬいぐるみは消えた。
そして何十年も病魔と闘い続けたような、白髪の智代が現れた。
朋也がその姿に驚く。
「お前、なんで老婆のように年老いているんだ」
「年老いた?私はそうなっているのか・・・まあ、大方『ジークフリート』のせいだろう。
35枚つかったから、35年歳を取ったわけだな。『ジークフリート』を元とする『スティーリィ・ベアー』が無くなってしまったからな。
要は副作用だ」
智代はまるで他人事のように冷静だった。
黒ずんだ目で、彼女はもはや何度聞いたかも知れない言葉を言う。
「さぁ、戦おう・・・永遠に永久に・・・お前か私が死ぬまで・・・」
智代からパンチが繰り出される。
しかし、その威力はまるで子供が殴りかかったようなものだった。
力の無い音を立てて、朋也の胸に当たった。
よろよろと力の無い蹴りが朋也の脇腹に当たった。
撫でるような掌底が頬に当たった。
「どうした・・・ごほ、かかってこい・・・が、がほごほ・・・私はまだ戦えるぞ・・・戦えるんだ」
背がまるで子供のように縮んでいた。
「なんで・・・戦えない」
朋也は智代をぎゅっと抱きしめた。
涙を流して、暴れる智代を力強く抱きしめた。
「戦えなければ、もはや今の私の人生に・・・価値なんて」
「ない?ないと言いたいのか?」
朋也は智代の顔をぐっと掴んで、顔をつきあわせた。
「人生はすべからく価値があるんだよ。俺みたいなクズにあるんだから、お前が無いはずがない。」
朋也の胸はその間も叩かれていた。
「うるさい・・・わかった風なことを言うな」
27クラナド戦記第113話 2/2:2006/02/17(金) 06:15:23 ID:Y1bz94ic0
智代の眼から涙が流れていた。
「探すんだ。生きる理由を。無いと思うなら、作るんだよ!」
「うっ・・・と、朋也・・・お前を殺そうと思ったんだぞ!?私はまだお前を殺そうと思っている。それでも・・・それでもいいのか!?」
智代は朋也にキスをした。
全ての罪を許してくれと言うように、彼女のキスは長かった。
「殺したいと思ったなら殺せ。でも、お前が死ぬより俺はましだ」
「絶対、絶対殺してやるからな!!本当だぞ!」
朋也はキスをした後もずっと智代を抱きしめていた。

「うぁ・・・と、朋也大胆ね。こいつらが起きてたら見せられないわ」
古河早苗、古河渚、仁科りえ、そして春原が人工呼吸中の古河秋生を見ながら、杏は言った。
「くっ、タバコくせぇえええ!?な、なんで僕が人工呼吸なんですか!?杏の方がここは適任でしょ!」
「なんで私の方が適任なのよ」
「だって、僕より肺活量が多くて、筋肉も隆々で・・・うべは!?」
辞書が春原にマシンガンのように撃ち込まれた。
「ごほっごほっ・・・」
「秋生が生き返ったようね・・・じゃあ、本拠地に行きましょうか!弾は充分、うちの組の意地ってもんを見せてあげましょう!」
「杏はホント・・・極妻が似合ってるぜ」
また新しい血だるまがここにできた。
28クラナド戦記第113話 2/2:2006/02/17(金) 06:17:38 ID:Y1bz94ic0
◆森

001 岡崎朋也 所持品:銃
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平 応急処置済み 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子/気絶 所持品:なし
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C
017 坂上智代/老化 所持品:無し
012 古河秋生/気絶
013 古河早苗/気絶 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚/気絶 所持品:
018 仁科りえ/気絶  所持品:不明

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、

『コミック力場』、『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) そして『胡蝶』
29名無しさんだよもん:2006/02/17(金) 09:48:47 ID:dVGJ1Wz50
お、おいおい!
30名無しさんだよもん:2006/02/17(金) 13:29:04 ID:mLPSMkc+0
智代が老けたよっ!
31名無しさんだよもん:2006/02/18(土) 00:00:30 ID:Kx0yr6Y00
何だかよく分からないけど、行くよっ!
32名無しさんだよもん:2006/02/18(土) 12:25:08 ID:25+9+ibV0
この世界での朋也と渚は恋人同士って設定だったよね?
なんかC†Cみたいな平行世界ネタが見えた気がする…
33名無しさんだよもん:2006/02/18(土) 13:09:04 ID:NpUOduEQ0
そのあたりも含めて、話の落としどころが難しいよね。
皆今の目的って割と「何だかよく分からないけど、行くよっ!」って感じだけど、最終的にどうしたいのか。
悪の幸村・直幸を倒して終わりなのか、光を集めて元の世界に戻るのか、はたまた脅威のイデエンドかw
34名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 21:09:25 ID:EqpdGwBr0
お、おいおい!
35名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 21:16:40 ID:IQh9mKX30
意味分かるよ!
36名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 22:06:27 ID:35LDtNuM0
何だかよく分かるけど、行くよっ!
37クラナド戦記第114話 :2006/03/04(土) 15:54:23 ID:vLqB+t1J0
「とりあえず、皆が目を覚ますまで……休憩…だ…な…」
そういうと、朋也はその場に膝をついた。
「 岡崎っ、大丈夫かよっ」
友の身を案じ春原が駈け寄る。
「いや、お前キモイからよってくるなよ…」
「それが、駈け寄ってきた親友にかける言葉なんですかねぇ!」
「ごめん。親友とかちっとも思ってねえや…」
「ちょっとぐらいは思いましょうね!」
その言葉を聞いたのを最後に朋也は意識を失った。
「ま、そんなアホアホコントできるだったら大丈夫よね。
 ほらあんたも結構頑張ってたんだから、少しは休みなさい」
横たわる朋也をみて安心したような顔をして春原にも声をかける美佐枝。
「それに坂上さんも…聞きたいことはいっぱいあるけど、一休みしてからね」
周りを見渡せばみんなが気絶しているみんなを介抱している。
「わたしの身を案じてくれるのはうれしい。しかし、それでは奴らが来たときに・・・」
「まってまって、ボクたちのこと忘れてない?最近出番ないぶん頑張るからさ
 ああ……大切な仲間を守るために戦う…これって最高に男らしいよね…」
「勝平さんは、そのままでも十分かっこいい…です」
「……椋さん」
「はいはい、あんたらも見せ付けてないで周囲に気を配りなさい。
 仮にも敵地真っ只中なのよ。みんなが安心して休めないじゃない」
呆れ顔になりながら、杏が勝平と椋を諭す。そして、意識のないものを囲むように車座を組む。

「なんということかっ!これはっ」
ダンッ…幸村の机を叩く音が辺りに響き渡る。
「岡崎直幸よ…まんまとわしを欺きおって、まさかあやつもあれが目的で…おのれっ」
それは直幸にしてやられた怒りでもあり、見抜けなかった自分自身への怒りでもあった。
「一之瀬ことみよ、ゆくぞ。『光』が一ヶ所の集まっている。岡崎直幸を…殺す」
「でもそうしたら、本部ががら空きに…」
「かまわん、『光』のないあやつらには何もできまい。番外衆にでもまかせておけ」
そういって、装備を整え直幸が向かっている場所……仁科の所へと出発する幸村俊夫。
ことみは、少し思うことがあったが、しばし思考をめぐらせて幸村のあとへつづいていった。
38クラナド戦記第114話:2006/03/04(土) 15:55:09 ID:vLqB+t1J0
◆森

001 岡崎朋也/休息中 所持品:銃
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平/応急処置済み 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子/休息中 所持品:なし
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
012 古河秋生/休息中
013 古河早苗/休息中 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚/休息中 所持品:
017 坂上智代/老化/休息中 所持品:無し
018 仁科りえ/休息中  所持品:不明
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C

◆MIO本部

欠番 幸村俊夫 所持品:『獅子王』
008 一之瀬ことみ 所持品:多数の武器、くまのぬいぐるみ
006 伊吹風子 所持品:なし

◆不明

欠番 ウェイトレス(=未来の仁科りえ) 所持品:店から持ってきた物資、『ラブアンドスパナ』
欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『コミック力場』、『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) そして『胡蝶』
39名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 17:04:33 ID:/61Avzg40
お、おいおい!番外衆かよっ!
40名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 00:12:30 ID:ciTqfgYL0
お、おいおい!
41クラナド戦記第115話 1/4:2006/03/05(日) 14:39:44 ID:Kkx8MNRm0
「僕らだけって、なんか久しぶりだねぇ」
「そうだな…」
休憩を取っている一行を森に残し、朋也と春原は偵察に出ていた。
「大体皆心配しすぎなんだよね。その気になれば僕らだけでMIOとか潰せるって」
「そうだな…」
「芽衣なんて半泣きで僕ら止めてたし。ははっ、僕らは不死身だっての」
「そうだな…」
「このまま僕らだけで本部行っちゃおうか? でさ、ババーンとMIO壊滅させるの。皆僕に惚れちゃうねっ」
「いや、それは無い」
「そこだけ真面目に返事しないでくれますかねぇ!?」
「黙れ馬鹿。…誰か居る」
「へっ…?」
間抜けな声こそ上げたが、春原はすぐさま物陰に身を潜める。

「何処?」
「そこ」
瓦礫の陰を指差す朋也。
「あれって…まさか」
「多分な」

老人はひとり、瓦礫を背に佇んでいた。
「ふふ…獅子ではなく、道化であったか…」
乾いた笑いを吐き出す。

「あんた…」
「その声、岡崎か」
岡崎朋也がこの世界に来て初めて遭遇した悪意。
やけに小さく見えた。
42クラナド戦記第115話 2/4:2006/03/05(日) 14:40:45 ID:Kkx8MNRm0
「して、やられたわ…貴様の親父にな…」
「…ッ」
岡崎直幸。
あんたの目的は何だ…?

朋也が視線を落とすと、幸村老人の手には折れた刀が握られていた。
「光、残っているのか?」
「獅子王は…この刀に宿った、光だ…刀自体が光ではない…」
「……」

「ふふ…ひとつ、面白いことを教えてやろう…」
「何のつもりだ?」
「勘違いするでない…面白い、というのはわしにとって面白いということ…貴様らがこれを知れば、少なからず絶望するだろうとふんでのことよ…」
「…」
老人は深く息を吐いた。

「世界が形を成す段階において剥がれ落ちた、隠された世界が存在する」
「隠された次元、それが此処。至れなかった者たち、それが貴様らよ」
「どういう、意味……だ」
「未来は無限に枝分かれした道。幸福な道もあれば、不幸な道もあろう」
「………俺たちは、ひとつだ」
「そう、未来は“1つ”なのだ。じゃが、未来は無限に存在している」
「この矛盾こそが、この世界。…いや、正確には恐らくもっと沢山のこういった世界が存在している」
「ここは、選ばれなかった未来、選ばれなかった世界の墓場よ」
43クラナド戦記第115話 3/4:2006/03/05(日) 14:41:29 ID:Kkx8MNRm0
「それは」
「そう。貴様らはわしを殺して元の世界に戻る、などと考えていたのかもしれんが…」
「それは不可能なのだ。何故なら此処こそが、貴様らにとっての元の世界なのだからな」

一之瀬ことみの存在。
狂っていた幸村。
未来の仁科りえ。
矛盾だらけの世界、ここが、俺たちの…世界。

「嘘だ! 嘘だ、嘘だ!!!!」
「嘘では無い。分岐する前の記憶がなまじあるだけ不幸よの。貴様らに未来など、無い」
未来は、無い。
これ以上の絶望なんて無い。
俺は…。

その時、掌に熱を感じた。
「…?」
手を開いてみるがそこには何も無かった。
ての、ひら?
あつい、もの?
それはつい先程見たヴィジョンではなかったか。
そしてそれは――――未来のできごとでは、なかったか。

「………至れなかった者。それは、あんたもか」
「そう。正しいと信じてきた道を歩み、愛する者を失い、全てを憎むようになった。それが此処に在るわしだ」
「故に、わしは直接貴様らを知らん。あの男が言うには、貴様らはわしの…教え子、なのじゃろう?」
「……ああ」
「それは愉快……わしが、再び教壇に立った未来が……あるのだな……」
老人は眼を閉じた。
そして、二度とそれが開くことは無かった。
44クラナド戦記第115話 4/4:2006/03/05(日) 14:42:04 ID:Kkx8MNRm0
老人の手から離れた刀を拾い上げ、傍に落ちていた鞘に収める。
「なあ、岡崎…今の話」
「話しても皆混乱するだけだろ? 幸村が…死んだってことだけ、伝えようぜ」
「あ、ああ…」

未来は無いという老人の言葉。
未来を感じた、自分の掌。
どちらを信じるかなんて――決まっていた。

◆廃墟

001 岡崎朋也/休息中 所持品:銃、折れた刀
004 春原陽平/応急処置済み 所持品:無し(上着に癌細胞)
欠番 幸村俊夫 死亡

一之瀬ことみに関しては後の書き手さんに任せます。
45名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 15:34:31 ID:anjrlhzx0
お、おいおい!自決したってこと?病気(老衰)でシボン?
一之瀬ことみは単独で直幸を追ったのかな
つか、死んでもゆきねぇみたいに幻想世界にいくんだよな?この世界じゃ
46名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 15:52:07 ID:Kkx8MNRm0
ええと、直幸VS幸村・一之瀬戦は省きましたけどやってます。
直幸の具体的な戦い方については後の人任せ、ということで。
47名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 16:53:04 ID:anjrlhzx0
お、おいおい!直幸戦で瀬死ダメージ食らってたのか。納得
時間軸がズレてたのね。休憩長杉な気もするが
48名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 19:58:58 ID:ciTqfgYL0
お、おいおい!なんかゾクゾクするよ!!
49名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 00:53:56 ID:Ej2XTBdAO
直幸戦がこれ以前にあったの?なんか、展開焦りすぎじゃないかね
あまりの過疎っぷりに業を煮やしたのは分かるが・・
50名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 01:05:02 ID:7gch6rdp0
そうか?
俺は単に直幸の力を未知数にしておきたかったんじゃないかと思うんだが…。
事実上ラスボスになるだろうし。
光も揃ってメンバーもほぼ全員集結したし、終わりは近いのかもね。
51名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 01:46:04 ID:xhwypFAZ0
番外衆が気になるな。ゲームブックの雪野、ローズ、ヤイバなんてどう?
志麻くん、ボタン、勇くん、三井さん、磯貝さん、ユキ、サキあたりもまだ出てなかったような
直幸の目的は敦子さんの復活かな。今後のキーキャラは史乃さんと汐ってとこか
幻想世界の方の動向も気になる。智アフから河南子ととも参加させてもオモシロイかもね
52名無しさんだよもん:2006/03/18(土) 21:56:54 ID:30J66sdI0
お、おいおい!
53名無しさんだよもん:2006/03/19(日) 19:39:29 ID:p4CVL1K60
「書けば良いだけだろ」
>>51「えっ」
驚いて俺の顔を見る
「このスレは名無しが主役だろ。あんたの家にはパソコンが無いのか?違うだろ」
そう。
誰にでもある。
ROMっていた頃。
「ほら、書こうぜ」
俺たちは紡ぎ始める
長い、長いSSを。
54名無しさんだよもん:2006/03/20(月) 17:13:07 ID:oWfxvEMB0
>>53
なんかテンプレによさげだな
55名無しさんだよもん:2006/03/28(火) 20:26:42 ID:jqsdi6jD0
意味分かんねぇよ!
56名無しさんだよもん:2006/04/05(水) 23:13:11 ID:blidrRTt0
なんだかよくわからないけど、ageとくよっ!
57名無しさんだよもん:2006/04/20(木) 09:32:08 ID:pFsJvLpW0
オ、オイオイオ!
58名無しさんだよもん:2006/04/24(月) 23:06:51 ID:iN/7+6zA0
意味わかんねぇよ!
59名無しさんだよもん:2006/04/27(木) 21:43:51 ID:81jtdDm/0
期待あげ「
60名無しさんだよもん:2006/04/28(金) 10:03:17 ID:KbJCRTMr0
略してクド戦記
61名無しさんだよもん:2006/05/02(火) 22:37:35 ID:9ccRKquB0
なんだかよくわからないけど、いくよっ!
62名無しさんだよもん:2006/05/03(水) 01:32:23 ID:aq5QYq3Y0
お、おいおい!二ヶ月も新作が来てないじゃないか!!
63名無しさんだよもん:2006/05/15(月) 22:29:45 ID:s/o9IjLN0
お、おいおい!前回の書き込みから2週間近くたってるよ!
64名無しさんだよもん:2006/05/15(月) 22:31:50 ID:vd2tckaH0
なんだかよくわからないけど、いくよっ!
65名無しさんだよもん:2006/05/24(水) 08:08:11 ID:c5yxwr1r0
意味わかんねぇよ!
66名無しさんだよもん:2006/06/03(土) 14:52:04 ID:t5tAzxLrO
誰も殺さずに話を収束させるのは無理だよね。
67名無しさんだよもん:2006/06/04(日) 02:04:11 ID:+1EhzNeA0
三ヶ月たっても新作無しか…作者さん達みんな飽きちゃったのカナ?
68こっそり書いてた人:2006/06/04(日) 10:18:30 ID:sbMqAomI0
書いてる人の絶対数が減ってるのは確かだと思うけど、決して飽きたわけじゃない。
ただ一応リレーSSスレなんで、連投しすぎるのはちょっとなあ…って感じ。
69名無しさんだよもん:2006/06/05(月) 20:02:20 ID:n4LSRsKX0
誰も書かないんだからどんどん連投しておk
70名無しさんだよもん:2006/06/27(火) 01:49:48 ID:654Jevn40
お、おいおい!
71名無しさんだよもん:2006/07/04(火) 11:55:28 ID:oek23PhG0
意味わかんねぇよ!
72名無しさんだよもん:2006/07/15(土) 00:35:20 ID:pSHoG9MY0
なんだかよくわからないけど、いくよっ!
73名無しさんだよもん:2006/07/26(水) 22:51:10 ID:V0oP3v/r0
このスレはもう終わってしまったんだろうか
74(,,・ω・):2006/07/27(木) 01:33:22 ID:v210gz1CO
スレさえ残っていればいつか…!!
75名無しさんだよもん:2006/08/04(金) 22:16:14 ID:Wn2GXBpH0
保守
76名無しさんだよもん:2006/08/16(水) 22:25:17 ID:3IZzju/v0
保守しておこうか。
77名無しさんだよもん:2006/08/16(水) 23:19:46 ID:cfdzXDpm0
もちろん保守
78名無しさんだよもん:2006/08/17(木) 08:09:36 ID:Lu/7WFO70
ウウン(´Д`*=*´Д`)ウウン
79名無しさんだよもん:2006/08/24(木) 00:42:29 ID:F9Mv5dAu0
期待保守
80名無しさんだよもん:2006/09/02(土) 01:26:57 ID:pPuYkEEC0
お、おいおい!
81クラナド戦記第116話 1/2:2006/09/10(日) 12:52:55 ID:nWezuyLo0
「はぁ…はぁ…」
荒い息をつきながら、一之瀬ことみは目の前のシリンダーを睨み付けた。
――こんなにもあっけなく、全部終わってしまうんだ。
手についた血を服で拭う。

幸村死亡から数時間。
MIOは、壊滅した。

元々幸村の私兵だったような連中だ。
頭が死ねば指揮系統など当然のように崩壊した。
そして一之瀬ことみは、彼らを不要と判断した。
それだけのことだった。

「これで…満足…?」
シリンダーに浮かぶ脳髄はこんな時に限って何も言わない。
「なんとか言いなさいよっっ!!」
力任せに拳を叩きつけるが、シリンダーはびくともしない。
「……ちっ」
殴り疲れた一之瀬ことみはシリンダーに背を預けるようにして座り込んだ。
――予想以上に消耗が激しい。あまり時間は無いようだ。
82クラナド戦記第116話 2/2:2006/09/10(日) 12:53:34 ID:nWezuyLo0
どれくらい時間が経ったのだろう。
シリンダーから発せられる不思議な光に気付き、一之瀬ことみは身体を起こした。

……やっと

直接脳内に響くような声。

……やっと、つながった

「! まさか、一ノ瀬ことみ…!」

肯定するかのように、シリンダーの輝きが増し…
光が一之瀬ことみを包んだ。

「!!!!!!!!」

しばらくして、うずくまっていた一之瀬ことみが顔を上げた。
「幻想世界とリンクしてからずっと、この時を待っていたの…貴方の力が弱まる、その時を」
「心と形は惹かれあうもの。私に似せて貴方を作ったこと。それが唯一にして最大のミス」
「これでようやく…全部終わるの。待っていて……朋也くん」
一之瀬…いや、一ノ瀬ことみは立ち上がり、駆け出した。
83名無しさんだよもん:2006/09/10(日) 13:00:53 ID:nWezuyLo0
◆病院(MIO本部) 
 
008 一之瀬ことみ 意識消滅 
(欠番) 一ノ瀬ことみ 一之瀬ことみの肉体に転移 所持品:多数の武器、くまのぬいぐるみ


ここまで来て未完成とか絶対に許さないよ
84名無しさんだよもん:2006/09/10(日) 13:07:54 ID:aGhfkk1z0
久々にキター
俺がこのスレ見付けてから初めてキター
85名無しさんだよもん:2006/09/10(日) 13:20:01 ID:nWezuyLo0
おお、まだ見てる人居たのか!と妙なところで感動してしまったよw

メインの方は一応ラストまで話考えたんだけど、一ノ瀬夫妻とゆきねぇ兄がフォローしきれない
誰か何か考えてくれよっ!
86(,,・ω・):2006/09/10(日) 15:10:58 ID:C8nZNs9FO
まだ書き手がいたことに感動
87名無しさんだよもん:2006/09/10(日) 18:53:10 ID:U5P3OgfB0
お、おいおい!
88名無しさんだよもん:2006/09/12(火) 19:42:48 ID:QyE7PW8s0
意味わかんねえよっ!
89名無しさんだよもん:2006/09/15(金) 22:28:07 ID:8SI8PVv90
意味わかんねえよっ!
90名無しさんだよもん:2006/09/23(土) 12:21:45 ID:4OrMGb8d0
何だか分からないけど、行くよっ!
91名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 06:48:21 ID:Hp1KEhwr0
支援age
92名無しさんだよもん:2006/10/03(火) 19:46:52 ID:25yzH++N0
保守
93名無しさんだよもん:2006/10/05(木) 22:27:02 ID:yqJd51+x0
久々に見たらキテター
Kanonアニメだし景気づけにage
94名無しさんだよもん:2006/10/16(月) 09:14:21 ID:RJNSdzVF0
誰も書かないのかな?かな?
95名無しさんだよもん:2006/10/16(月) 15:45:32 ID:cgwA6oLk0
このスレまだあったのかよ…
96名無しさんだよもん:2006/10/25(水) 02:49:28 ID:k3hgJP+X0
がんばれ!!
97クラナド戦記第117話 1/5:2006/10/26(木) 05:53:11 ID:5sJgykLB0
ダダダダダ…

「ひぃっ!」
「た、助けっ…」

銃声。そして、悲鳴。
それが目を醒ました鷹文の耳に、最初に入ってきたものだった。
夕日が差し込む病室の窓。そこから外の様子を伺う。
脱兎のように駆け回り、番外衆達を駆逐する一之瀬ことみの姿があった。

その光景を見ただけで、鷹文には事の大よそが察せられた。
(幸村に、何かあったな…)
霞がかかったように混濁していた意識が、今は信じられないほどに鮮明になっていた。

幸村の死、そしてリントホルストの壺が破損したことによって
鷹文達を支配していた呪縛が消滅したのであったが、詳しい顛末を彼が把握できるはずもない。

ただ、MIOにとって致命的なダメージが加えられたのだということを感じていた。
そして今、鷹文にとってもっとも深刻な現実は…
どうやら一之瀬ことみは「MIO構成員はもはや不要」という決断を下したらしいということだった。

「ここも、危ないな…」
いくら自分がオペレーターとは言え、洗脳が解けた人間をことみが起用し続けるかどうかは疑わしい。
それに…

「姉ちゃん…」

姉…坂上智代。
MIOは自分を人質にとり、姉を刺客として町に放ったのだ。
洗脳が解けた今なら、それがはっきりと分かる。
「姉ちゃんを、止めなきゃ…」
決意を胸に、室内に向き直った。
98クラナド戦記第117話 2/5:2006/10/26(木) 05:55:32 ID:5sJgykLB0
「すー……」

その時になって気がつく。
窓際のベッドには、小さな寝息を立てる少女の姿があった。

「そうか…この子…」
思い出す。
呪縛の支配下にあった頃の自分は、この少女の監視を命じられてここにいたのだと。
一之瀬ことみによると、交通事故にあって以来意識不明の状態でずっと入院しているとの話だった。
何故そんな少女を監視しなければならないのか。その理由は分からなかったのだが…

「やっぱ助けないわけには…行かないよね」
そっと少女に手を伸ばす。

その時…差し出した手がグニャリと歪んだ。
「あっ…」
そして、再び思い出す。
自分が監視を命じられた少女は…
幾重にも張り巡らされた幻想の迷路、『絵画迷宮』の中に存在しているということを。

「ぐわぁぁぁああああああああああっ」
廊下に響き渡る絶叫に、思わず背筋が震えた。
その悲鳴は、さっきのモノよりも、確実に、近くで聞こえていた。

(まずい…ことみがこの病棟の中に入った…!)

「ぎゃあっ!!」
「うっ…!」
ダダダダダダダ……

廊下で反響する銃声が、猶予の時間がそう長くないことを知らせていた。
99クラナド戦記第117話 3/5:2006/10/26(木) 05:58:07 ID:5sJgykLB0
「仕方……ないよね……」
少女から手を引き、立ち上がる。
鷹文の決断は早かった。

「絵画迷宮の中にいる人間を、助けられるはずがないじゃん…
 モタモタしてたら、僕の命まで危なくなっちゃうしさ…」
少女を一人残していくことに罪悪感を覚えないわけではなかった。
しかし…所詮、全ての人間を救えるわけなどないのだ。
既に大破壊により甚大な数の命が失われた。
今も、階を隔てた同じ病棟の中で、ことみの凶弾により命が奪われている最中ではないか。
とても、赤の他人を助けている場合ではない。
ましてや…鷹文には他に、救わなければならない人がいるのだ。

「僕は…姉ちゃんを助けなきゃいけないから…」

ダダダダダダダダダダダダ…
けたたましい銃声は、もうそこまで迫っていた。

「ごめん」

そう言い残して、鷹文は少女に背を向けた。

***

「これで全部…?」

荒い息を抑えながら一之瀬ことみが呟く。
彼女の周囲には番外衆の死体が累々と積み上げられていた。
「…ううん、まだ居たの。たしかこの上階には…」
―――坂上鷹文。伊吹風子。
「鷹文君は頑張ってくれたけど…もう、いらない」
階段を上り、目的の部屋の前に立つ。
100クラナド戦記第117話 4/5:2006/10/26(木) 06:00:39 ID:5sJgykLB0
「さようなら、なの」
扉を蹴破り、室内に銃口を向ける。

びゅう、と。
開け放たれた窓から向きこむ風が、ことみの前髪を軽く撫ぜた。
「…逃げられたの…」
閑散とした室内。
ふと、視線が窓際のベッドに移る。
そこに…
眠れるヒトデ少女の姿はなかった。

***

森の中を駆ける鷹文。
その背には…

「おねぇちゃん……」

小さく寝息を立てる少女の姿があった。

「赤の他人なら見捨ててくつもりだったんけどさ…
 何でだか君は……他人とは思えなかったんだよ…」

境遇は違えど…
ただ、姉の幸せの為に。
その身を投げ打った二人だからこそ……通じ合えた。


―――幾重にも立ちふさがる『絵画迷宮』さえ、越えて。


「帰ろう。僕たちの、家族のところへ
101クラナド戦記第117話 5/5:2006/10/26(木) 06:01:40 ID:5sJgykLB0

◆病院付近の森
欠番 坂上鷹文 所持品:?
006 伊吹風子(本体) / 意識不明

◆病院(MIO本部)
008 一之瀬ことみ 所持品:多数の武器、くまのぬいぐるみ


ややこしいですが、時系列的には116話の直前の話です
102(,,・ω・):2006/10/26(木) 12:44:08 ID:v8DQslEwO
お、おいおい!
GJだよっ!
103名無しさんだよもん:2006/10/26(木) 16:57:36 ID:pGUuIYdF0
久しぶりに来てたのか。乙
もう誰も書かないんだしあなたが一気に完結させちゃいなよ
104クラナド戦記第118話 1/3:2006/10/26(木) 23:00:30 ID:Y9U3lGgB0
命の重みとささやかな奇跡を背中に感じながら、鷹文は森を歩いていた。
智代達と合流できる見込みは薄かったが、まずは病院からなるべく離れなければならない。
「一之瀬、ことみ…」
マシーン、ロボット。
人の形をしてはいるが、あれはそういうものだった。
恐らく燃える友情など微塵も理解できないに違いない。ダダッダー。

「逃げ切れるかなぁ…僕たち?」
穏やかな寝顔に問いかけてみるが、もちろん答えはなかった。
「まぁ、悪いことばかりじゃないけどね」
一之瀬ことみというとんでもないバケモノに追いかけられてはいるものの、MIOは実質壊滅。
自分も囚われの少女もなんとか無事に外の空気を吸うことができている。
これであとは姉ちゃんと合流できれば、万々歳だ。
幸村がどうなったのかは少し気になるとこだけど、とりあえずは保留。

まずは森を抜けることを第一と考え、鷹文は歩き続けた。
やがて森の切れ間が見えてくると、自然と早足になり、最後には駆け出していた。
「ほら、森を抜け――」
言葉を続けられない。
だって、森を抜けた先には…!

「待って、いたの…」
一之瀬ことみが、立っていたのだから。
105クラナド戦記第118話 2/3:2006/10/26(木) 23:01:29 ID:Y9U3lGgB0
どうする、どうする!?
逃げる? 無理!
戦う? もっと無理!
謝る? 絶対無理!
鷹文の頭の中をぐるぐると選択肢がかけめぐる。そのどれもがバッドエンド。
そんな中で鷹文は…

「ひ、人違いだよ…! 僕は鷹文じゃない、そう。ラッキー…ラッキー鷹文!」
ワケのわからないことを口走っていた!

「い、意味が分からないの…」
何やってんだ僕はっ! ほら見ろ、天下のキリングマシーンも涙目だ!
…………え、涙目?


「…だから、今の私は一ノ瀬ことみ。本当のことみ」
明らかに様子のおかしい一之瀬ことみから事情を説明されても、鷹文の頭には疑問符が三つ浮かんだままだった。
一之瀬ことみのオリジナル…一ノ瀬ことみ。
彼女がそれだって?
だって、オリジナルの一ノ瀬ことみは…そう、脳ミソだけの存在だったはずだ。
それがクローンである一之瀬ことみの身体を乗っ取って復活したって?
「まさか…でも」

にわかには信じがたい話ではあったが、今の一之瀬ことみが以前のそれとは全くといっていい程に違っていることだけは鷹文にも分かった。
それに…今までずっと過ごしてきた普通の世界ならまだしも、狂ったこの世界でなら…
そんなことも起きてしまうかもしれないとも思った。
106クラナド戦記第118話 3/3:2006/10/26(木) 23:02:17 ID:Y9U3lGgB0
「それで、これからどうするつもりなの?」
一ノ瀬ことみって人がどういう人なのか、僕には分からない。
ひょっとしたら一之瀬ことみ以上に危ない人って可能性だって無いわけじゃない。
だからこそ、聞いておきたかった。

「分からない…だけど、しなくちゃいけないことは分かるの」
そう言って、決意に満ちた瞳で僕を見る。
「終わらせるの、全てを」

「………分かったよ」
いや、本当は何だかよく分からないけどさ。
でも、それでも…
「行こう、一緒に」
全てを終わらせると言った彼女の心だけは、本物だと思った。

◆病院付近の森 
欠番 坂上鷹文 所持品:? 
006 伊吹風子(本体) / 意識不明 
欠番 一ノ瀬ことみ 一之瀬ことみの肉体に転移 所持品:多数の武器、くまのぬいぐるみ 


他にもまだ書く人がいると分かって思わずハッスル。
なんにしても終わりは近い…と思う。
107名無しさんだよもん:2006/10/27(金) 00:52:12 ID:QEbWLZKV0
おいおい!乙です。
何だかよく分からないけど、終わりが近いよっ!
108(,,・ω・):2006/10/27(金) 14:17:02 ID:rdCL1UZ0O
超GJ
やばいよやばいよ!そろそろ終盤だよっ!
でも、一ノ瀬夫妻達をなんとかしないとまだ終われないよなぁ…
109名無しさんだよもん:2006/11/09(木) 08:16:30 ID:/x+/UZRn0
お、おいおい!
110名無しさんだよもん:2006/11/15(水) 09:30:53 ID:pqbErwvB0
お、おいおい!
111名無しさんだよもん:2006/11/15(水) 21:52:48 ID:wU77OmqO0
なんだかよくわからないけど、ageとくよっ!
112名無しさんだよもん:2006/11/28(火) 16:45:39 ID:CoAiPleH0
意味わかんねえよっ!
113名無しさんだよもん:2006/12/03(日) 07:07:27 ID:uS9d2//BO
もう書けないって、もうこの物語は完結しないって、誰かはっきり言ってやれよ…
114名無しさんだよもん:2006/12/11(月) 09:11:07 ID:SkX/XWQr0
えいえんはあるよ
115名無しさんだよもん:2006/12/21(木) 09:40:47 ID:HRq51Zz30
ここにあるよ
116名無しさんだよもん:2006/12/21(木) 23:09:30 ID:EJqiyRcO0
このスレは好きですか?
117名無しさんだよもん:2006/12/30(土) 13:05:33 ID:BNDHrQUb0
わたしは、とってもとっても好きです
118クラナド戦記第109話1/6:2007/01/09(火) 17:08:11 ID:5h1Dq0Dx0
病院敷地内の駐車場。
鉄くずや廃材が山と積み上げられたその一角の向こう側には、かつての町を一望できる、開けた空間がある。

そこに、目前に広がる砂の海をじっと瞳に映しながら、佇む岡崎直幸の姿があった。
「いつまで……そうしているつもりだい」
視線を移すことなくそう言葉を投げかける。
その言葉に応えるかのように、じゃらりと廃材を踏みしめる音が響いた。

「気づいていたんですか。見掛けに寄らず、喰えない男ですね……」
拳銃の照準を直幸の心臓に定めたまま、未来の仁科が姿を現す。
「見かけによらず、とは随分失礼な物言いだね」
直幸が低い笑い声を立てる。

「これから殺す相手に、失礼も何もありませんから」
にべもなく仁科が言い放った。
「ああ……おれを殺すつもりなのか。
 珍しいね。こういう正面きっての戦いは、君の苦手とする所だと思っていたよ。
 騙し討ちが身上じゃなかったのかい?」

既に日は沈んでいる。
しかし僅かに漂う夕日の残照が、振り返る直幸の横顔を照らしていた。
「では……試してみましょうか?」
「うん?」
直幸が目を細める。
その視線の先で、仁科は薄い微笑みを湛えて嗤った。

「私が、騙し討ちしかできないのかどうか―――!」

言い放った言葉と共に、仁科の姿が闇に消える。
「これは……?」
舞い上がる砂埃に視界を覆われ、直幸は呆然とその場に立ち尽くす。
その後頭部を不意に襲う、ごつりとした感触。
119クラナド戦記第109話2/6:2007/01/09(火) 17:09:55 ID:5h1Dq0Dx0
「いつの間に……」

言葉を失う直幸。
背後には、拳銃を押し当てる仁科の姿があった。

「終わりです」
言うより早く仁科は引き金を引いていた。
パシッ、と言う控えめな銃声と共に、直幸の体は力を失って崩れ落ちる。

……そのはずだった。

「馬鹿な……!」
銃声の後にも変わらぬ笑みを称え続ける直幸を見て、仁科は愕然とする。
確かに銃弾はこの男の頭を貫いた……!
背筋を覆う悪寒を振り払うと、仁科は右腕の制服をビリリと破き捨てた。
闇夜に晒される白い細腕。
と、その表面がミシミシと音を立て裂けていく。
赤い肉の間から覗いたのは、少女の片腕には不釣合いな程の…巨大な漆黒の銃口だった。
「うあああああぁーーーっ!!」
叫び声と共に爆音が響き渡る。
一発で人間を肉塊に代えるはずの弾丸が、直幸の痩せた体に次々と打ち込まれていく。

しかし直幸の肉体は、水面に石を投げ打ったときの様にわずかに震えこそはするものの……
変わらずそこにあり続けた。

仁科の声も、弾丸も尽きた頃になってようやく直幸が口を開く。
「なるほど……その腕、人体改造かい……?
 さっきの高速移動も、足に何か仕込んだんだろう。無茶するねぇ……」
120クラナド戦記第109話3/6:2007/01/09(火) 17:11:18 ID:5h1Dq0Dx0
芳野から奪ったラブ&スパナ。
何もその『光』で改造できるのは機械に留まらない。
その点に目を付けた仁科が自分の体に施した処置が、この人体改造であった。

それは、自らの体に銃器、鉄材、スプリング等を強引に埋め込んでいく荒業。
いくら光を使用しているとは言え、当然激痛が伴った。
スパナを握ったまま意識が途絶えることもしばしばあった。
しかし、勝つ為に……! 生き残るために……!
仁科は鋼の精神力でその地獄を耐え抜き、誰にも負けることのない、完璧な肉体を完成させたはずであった。

「君も色々頑張ったんだろうけど……残念だったねぇ」
さも遺憾そうに直幸が眉を顰める。

『色々頑張った』……
自身の超えてきた地獄が、そんな一言で言い換えられてしまう程に無価値だったのだと気づいて…
仁科は悔しさで目に涙さえ滲ませた。

「何で……どうしてあなたは死なないんですか……」
「悪いけど、おれにそんなものは通用しないんだ。
 それとも……こんな付け焼刃の改造で、おれに勝てると思っていたかい?」
その言葉を受けて、仁科はうな垂れたまま唇を噛んだ。
121クラナド戦記第109話4/6:2007/01/09(火) 17:12:44 ID:5h1Dq0Dx0
「……いえ……9割方負けるだろうと……
 非戦闘用の『ラブ&スパナ』一つで、最強の『獅子王』を下した貴方に勝てるはずもない……」

「……じゃあ、何故……」
不思議そうに目を細める直幸を、仁科が乱れた髪の奥から覗く両眼で睨み付けた。

「それでも貴方が許せなかった……!!
 あの人は………あれでも……私の恩師だったんですよ……!
 こんな殺し合いを企画した悪魔だけど……! 
 ずっと死んでしまえばいいと呪っていたけど……!!
 あの頃の優しさはもう…! 見るかげもないけれど……!!!
 それでも…………やっぱりあの人は私にとって、かけがえのない存在だったんです……」

声を振り絞って訴える仁科を見つめながら、直幸は軽く頷いた。
「そう……幸村先生は君の恩師だったのかい」
「……事故で全てを失った私に……再び光を与えてくれた人です……」
「仇討ちと言う訳か。それで君らしくもない無謀な勝負を……」

語る直幸の右手に、ほの白い光が集まってゆく。
そこには既に仁科を葬れるだけのエネルギーが溜まりつつあった。
「すまないね。想いは尽きないだろうけど……いいかな、そろそろ……」
「ええ」
闇夜を切り裂く眩い光に照らされながら、今、仁科の横顔は穏やかだった。
「結局仇討ちはなりませんでしたが……どうしてなんでしょうね……
 安らかなんです……この戦いが始まって以来、初めてって程に………」
122クラナド戦記第109話5/6:2007/01/09(火) 17:13:56 ID:5h1Dq0Dx0
思えば、ずっと怯えていた。
それはこの殺し合いに巻き込まれる前から、ずっと。

人に裏切られることに怯えていた。

バイオリンで賞を取っていた頃には優しくしてくれた人たち。クライスメイト。
事故で賞を取れなくなったら、誰も見向きもしなくなった。
でもそれだけなら良かった。チヤホヤされないくらいなら、良かった。
事故で握力が失われたせいで、皆が出来ることさえ出来なくなった私。
そんな私を、要領が悪い奴だと……うすのろだと……陰口を叩く声が次第に増えていった。
気がつけば「賞を取る仁科さん」から、「お荷物な仁科」に変わっていた。
つまりは……裏切られた。
もう、そんな風に裏切られたくないから……私は人を信じるのを止めた。
学校生活でも。

このサバイバルでも。

「だけど……幸村先生の仇を討とうと思ってからは、人間らしい感情が戻ってきたように思うんです。
 例え動機が仇討ちでも、私はあの疑心暗鬼の日々よりずっと安らかでいられた。
 人を騙して生きていくより……人を想って死んでいく方が……いいんです……
 そんな簡単な事に、私はずっと気づけなかった……」

目を閉じる仁科。
瞼の端から一筋の涙が零れ落ちた。

「どうぞ……もう悔いはありません……」
123クラナド戦記第109話6/6:2007/01/09(火) 17:58:50 ID:5h1Dq0Dx0
「そうか。それは……良かった……」
直幸も、もう多くを語ろうとはしなかった。

「さよなら…」
開かれた手から、冷たい光がはためく。

 リトル・クラナディック・バスター
「 小 規 模 幻 想 弾 」


しかし……放たれた光弾が仁科に触れることはなかった。
いつの間にか、闇夜にぽっかりと空いた空間。
その歪みに吸い込まれる様に光弾は掻き消え、その後には―――

「だったら……人を想って、生きていきましょう。りえちゃん」
仁科を庇うように佇む影。
「その方が死ぬよりもずっといいです」

長き沈黙を破り……
思考分岐空間から帰還した杉坂が、そこにいた。




◆病院内駐車場

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『コミック力場』、『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) そして『胡蝶』

欠番 サイボーグ仁科(未来の仁科りえ) 所持品:店から持ってきた物資、『ラブアンドスパナ』
019 杉坂  所持品:なし
124名無しさんだよもん:2007/01/09(火) 18:13:38 ID:xUceb5Hi0
おいおいおい!
125名無しさんだよもん:2007/01/09(火) 20:23:48 ID:Si++Zq+T0
意味わかんねえよっ!
126(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/01/11(木) 01:24:29 ID:R0ENvogJO
なんだかよくわからないけど、GJだよっ!
127名無しさんだよもん:2007/01/11(木) 08:37:07 ID:OmpR4OFl0
いっぱい新着レスがあってびっくりだよっ!
128名無しさんだよもん:2007/01/11(木) 10:21:43 ID:5AeFfsic0
乙。
久しぶり杉て杉坂なんて忘れてたよ…そういや思考分岐空間なんてのもあったんだなぁ
129クラナド戦記第120話1/7:2007/01/11(木) 14:31:03 ID:TBSrcBYE0
「おせぇ……遅すぎる。あいつら、何処で油売ってやがるんだ」

秋生がイライラと煙草をふかしながら呟く。
そこは森の中の開けた空間。
一同は、偵察に出かけた朋也と春原の帰りを待っていた。

「もう日が暮れてしまったな……。風子……」
芳野も不安げに彼方の病院を見上げる。
「もしかして、お二人の身に何かあったんでしょうか……」
早苗の言葉に、皆が八ッと息を飲んだ。
「私が様子を見てこよう」
智代がすっと立ち上がる。
そして、返事も聞かずに一人夜の闇の中へと姿を消していった。


何となく……一人になりたかった。
弟を人質に取られ……直幸に記憶を奪われ……
余りに大変な出来事が集中しすぎて、少し疲れているのかもしれない。

「おまけに、今はこの身体だからな……」
深い皺が刻まれた掌を見つめる。
それは、『ジークフリート』……不完全な光を酷使したことによる代償。
弟可愛さに皆の命を奪おうとした自分に対する罰だと……諦めてはいたが……

「皮肉なものだ……あれ程、女の子らしくありたいと願っていたのに、このザマか」
自虐的に、言って嗤う。

と、その時。
眼前に広がる深い闇の中から、男の、低いうなり声が聞こえてきた。
(敵か……?)
瞬時に身構える。
130クラナド戦記第120話2/7:2007/01/11(木) 14:34:18 ID:TBSrcBYE0
が、この唸り声は、敵のものと言うより……
(怪我を負っている……!)

そう察した瞬間、弾かれた様に走り出す。
警戒心など既にかなぐり捨てていた。
とにかく、もう自分の目の前で誰も死なせたくない……
その一心で、ひたすら声の主を探し、駆ける。

開けた空間。星空を覆い隠すかの様に聳え立つ大木。
その幹に持たれかかりながら、荒い息をつく主の姿があった。
智代が近づくと、血の気の引いた白い顔の中で、血走った目だけがギョロリと動き、彼女を捕捉した。
「大丈夫か……ぼろぼろじゃないか」
駆け寄り抱き起こす。

まさしく、男は『ぼろぼろ』であった。
目立った外傷はない。
が、肌の表面はまるで腐っているかの様に朽ち果てており、近づくと妙な異臭さえ放っていた。
男は不思議そうな眼差しを智代に投げて寄越した。

「あんた……坂上智代か……?」
「……知っているのか? 私を」
智代が意外そうな声を上げると、男は低い唸り声を上げて笑った。
「そりゃそうさ。MIOであんたを知らねぇ奴はいねぇよ。
 有名人だからな、あんた……弟を人質に取られて大活躍したとか」

忘れたい過去…
無節操な言葉が、智代の心をちくちくと責めた。
「お前、MIOにいたのか…」
「ああ……といっても下っ端だから、あんたは俺を知らねぇだろうな。
 俺は……勇だ……。番外衆の勇……」
「勇……」
やはり聞き覚えのない名前だった。
131クラナド戦記第120話3/7:2007/01/11(木) 14:37:28 ID:TBSrcBYE0
「それはそうと……あんた、何だその格好は?
 MIOで見かけた時のあんたは、もちっと美人だった様に思うがな……」
どうしてこの男は人の触れられたくない所にばかりずかずかと踏み込んで来るのだろう。
智代はこの男を助けに来たことを後悔し始めていた。

「お前には関係のないことだろう。
 もういい、喋るな。今仲間の所に運んでやる」
そう言って男の肩に手を掛ける。
と、男は首を振って抵抗を表した。

「無駄だ。俺の体はもう治らねぇ。
 治らねぇ体より……今は、治る方を先に治しちまうことだ」
不意に手を懐に突っ込むと、男はキラリと輝く小さな物体を取り出した。

「ナノマシンだ。
 本当はちび娘にあげた分で最後だったんだがな……まぁいい。
 こいつをあんたにやるよ。それであんたの体は元に戻るはずだ」
そう言って小さな光を智代に差し出す。

「何を言ってるのか分からないぞ……
 第一、そんな便利な道具があるなら、何故自分の体を治さない。
 お前の方がどうみても重体だろう」
智代の言葉に、男はまた低い笑い声を上げる。

「あんたならそう言うと思ったぜ。
 自分のことより他人のことを優先するお人よしだもんな、あんたは。
 もっとも、そんなあんただからこのナノマシンをくれてやる気になったんだけどよ……」
そこまで言って、今度は真剣な目で智代に向き直った。
132クラナド戦記第120話4/7:2007/01/11(木) 14:39:33 ID:TBSrcBYE0
「言ったろ、俺の体はもう治らねぇ。
 麻薬と……ナノマシンの過度の実験投与で、もうぼろぼろになっちまった……
 だから、あんたに最後のナノマシンを託すんだ。俺じゃあ、あの人を救えねぇ……」
「あの人……?」

「昔……一番悩んでた時期に……世話になった人だ。
 血は繋がってねぇが……俺は二人目の姉貴だと思ってる。
 その人が、どうも……この戦いが始まって早々に死んじまったらしい。
 もっとも……死んじまったこと自体についてはもう諦めはついてる……
 こんな地獄じゃ、生きているより死んじまったほうが良いかもわからねぇしな。
 それにどっちみち……あの人に生き残るのは無理だったろうよ。あの人は優しすぎた……」

そこで一端言葉を区切ると、男はぐいぐいと目を擦った。
「それは……災難だったな……
 しかし、それで私にどうしろって言うんだ……」
智代が先を促す。

「あの人の魂を開放してほしいんだよ……
 この世界じゃ……死んでもまだ『終わり』じゃねぇんだ……
 『胡蝶』……あいつが岡崎直幸の手にある限り、死者に安息はねぇ……
 いつまた『武器』としてこの世界に呼び戻されるか、分かったもんじゃねぇんだ。
 ひでぇ話じゃねぇかよ……死んじまってもまだ、この地獄から開放されないなんてよ……」

男の声が力を失っていく。
「その……恩人の名前は、何と言うんだ……?」
「宮沢……有紀寧……」
「有紀寧……?」
確か、そんな名前の生徒が同じ学年にいたような気がする。

奇妙なめぐり合わせを感じていた。
133クラナド戦記第120話5/7:2007/01/11(木) 14:42:56 ID:TBSrcBYE0
「分かった。どうせ岡崎直幸には私たちも借りがある。
 このナノマシンとやら……ありがたく貰っておくぞ」
言って男の手から光を受け取る。

瞬間、智代の全身の血液が沸騰する。
力が、身体の隅々にまで満ち満ちていく。
爪先から、頭のてっぺんにまで。
皺に覆われた身体が若返っていく。
「すごいな……これは……」
思わずため息を漏らす。
そして礼を言おうと勇に向き直った瞬間だった。

ボロリ……と
勇の片腕が崩れ落ちていた。

「お前……! どうしたんだ……!!」
「ああ……どうやら、崩壊が始まったらしいな。
 まぁ…生命維持用の、最後のナノマシンをくれちまったんだから、当たり前だけどよ」

「な……何……」
「言ったろ。『人にあげられる分』は、ちび娘にやったので最後だってよ……
 ま、いいのさ……遅かれ早かれ俺は先が長くなかった……
 だったら、あんたに託してやった方が、ナノマシンも幸せってもんさ」
笑う勇を、智代が凄い剣幕で怒鳴りつけた。

「ば……ばかっ!! なんてことをしたんだ、お前は……!!
 待っていろ、すぐに仲間の元へ運んでやる! あいつらならきっと、何とか……!」
勇の体に触れようとする智代を、今度は勇が怒鳴りつけた。

「馬鹿はてめぇだ! 俺なんかに構ってる暇があったらさっさと行きやがれ!!
 わからねぇのか!? 俺は……もう助からねぇ!!」
その剣幕に押され、智代が思わず伸ばした手を止めた。
134クラナド戦記第120話6/7:2007/01/11(木) 14:44:46 ID:TBSrcBYE0
「行け!! ここから俺はどんどん朽ちていく!!
 凄惨な……! その様を見たら……!! あんたはきっと心に傷を負う!!
 そんな状態で岡崎に挑んで欲しくねぇんだ!!
 だから行け! 迷いが生まれないうちに!! 早くッ!!」

言う端から……勇の身体が崩れていく。
髪が抜け……歯が欠け……皮膚が溶けても、勇は気丈に叫び続けた。

「行けよっ! 早く!!」
智代は暫くじっとその怒声の只中に身をゆだねていたが、やがて口を開いた。

「断る」
「ば…馬鹿野郎! わからねぇのか!? 俺の死ぬところなんて見たら……! お前は……」
叫ぶ勇に近寄っていくと、智代は軽く地面に膝を着いた。

「大丈夫だ。私はもう、そんなに弱くはない。
 今は、頼もしい仲間と一緒だからな。……それに」
崩れていく勇の身体。
残っているその腕を……智代はそっと、両手で掴んだ。
135クラナド戦記第120話7/7:2007/01/11(木) 14:48:26 ID:TBSrcBYE0
「お前を一人で逝かせはしない。最期まで……傍にいてやる」

「……あ……」
勇はハッとした表情で智代を正面から見つめた。
溶けかけたに両眼に映るその顔は……かつて姉と過ごした優しい日々を思い出させた。

「……伝えておこう……立派に生き、立派に散った男がいたことを。有紀寧さんに…」
「はっ……あぐ……」
気丈な仮面をかなぐり捨て……勇は嗚咽を漏らしていた。
そんな勇をあやす様に、智代はそっと彼を抱き寄せた。

「お前は良くやった。後のことはもう何も心配はいらない。
 有紀寧さんは必ず私が助け出す。だから……安らかに……逝くんだ……」

智代の腕の中で、小さく頷く反応あった。
そして…

男は果てた。

「いいんだ……これでいい……」
瞳から零れる大粒の涙を拭いながら、智代は呟いていた。
「この涙が……あいつの無念が……私の背中を押してくれる」
名残惜しいその場を後に、皆の下へと歩みだす。

肩には、二人分の希望を背負って―――




◆森
017 坂上智代 所持品:無し
欠番 未来の勇  死亡
136(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/01/11(木) 23:25:08 ID:R0ENvogJO
GJだよっ!
あとIDが素敵だよっ!
137名無しさんだよもん:2007/01/12(金) 00:28:53 ID:loRfbPDU0
お、おいおい!急にどうしたんだ?
138名無しさんだよもん:2007/01/20(土) 23:11:30 ID:D4sjqF7d0
お、おいおい!
139名無しさんだよもん:2007/02/02(金) 19:38:11 ID:j6f85BbLO
すっげー糞つまんねーな・・・orzセンスの欠片も感じられないんだが
もっと【Fate】やりまくって勉強してこいよおめー(`o´)
140(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/02/02(金) 21:28:43 ID:CYPezLhqO
さぁ釣り糸が垂らされましたっ!
141名無しさんだよもん:2007/02/04(日) 20:16:41 ID:8VS+cA/2O
釣りは
142名無しさんだよもん:2007/02/14(水) 20:03:06 ID:zX1PStc80
意味わかんねえよっ!
143クラナド戦記第121話1/4:2007/02/18(日) 00:10:34 ID:AS5KZY3A0
朋也、春原、そして途中で合流した智代は仲間たちのところへ戻っていた。
仲間の殆どは意識を取り戻していたが、渚と公子はまだ眠ったままだった。

朋也と春原は幸村の死と既に『光』が奪われた後だったことを、
智代は未来の勇からナノマシンにより元の力を得たことを話した。
智代の復活に皆は喜んだものの、直幸の手に『獅子王』が渡ってしまったことはかなり辛いものがあった。

「これで、ヤツの『光』は9個になるわけか……」

もっとも、最後の一つである『胡蝶』に関しては誰も知らない為、『リントホルストの壺』が彼の『光』だと認識していた。
現在、13個ある『光』の内こちら側で発現している光は無い。
直幸が持っていない『光』のうち、一つは仁科が『ラブアンドスパナ』を、もう一つは一之瀬ことみが持っているはずだ。
もし、目覚めるとすれば、あと二つ。

「一之瀬の実力は確かだ。俺や有紀寧はともかく、『光』を持っていた時の勝平でも倒せなかった」
朋也の意見に一同が頷く。
勝平はこのメンバーでも結構な戦闘力を持っていた。

『アポロンの銀弓』、ネクロマンシー能力、癌による不死性。
さらに陸上選手としての脚力。
しかし、これを持ってしても一之瀬には敵わなかった。
勝平は『勝負』には勝った。だが、『殺し合い』をしていれば間違いなく死んでいただろう。
144クラナド戦記第121話2/4 :2007/02/18(日) 00:11:46 ID:AS5KZY3A0
「幸村に関しても、アイツは相当強かったはずだ。
 『獅子王』の能力はもちろんだし、一之瀬の上に立つ以上は一之瀬より強かったのは確かなんだ」
直接戦ったことは無いが、その力を近くで見ていた智代や勝平は深く同意した。
芽衣も彼に一度敗れているし、その後は元リーダーの土方が殺された。実力もあれば、頭も回るヤツだったはずだ。
「……けど、その二人を相手にした親父は勝っちまった!」
朋也は心底悔しそうに言って地面を殴った。
「いくら沢山『光』を持っていたとしても、『光』は元の持ち主でなければ100%の力は出せないはずだよ。
 だとすれば、朋也くんのお父さんは奴等よりも圧倒的に強いか……こちらの掴めていない力があるかもしれない」
勝平の言葉に智代がハッとなる。
「『胡蝶』……」
その言葉に一同は疑問符を浮かべる。
「さっき言った、未来から来た勇という男が言っていたんだ。
 死者を武器として使うと……もしかしたら、奴の本当の『光』なのかも知れない」
単純に死者を武器とする能力であれば、勝平が持っていた。
しかし、幸村や一之瀬がやられたのであれば、単なるネクロマンシー能力とは全く違うものである可能性が高い。

「あとは一之瀬が言っていた『岡崎の血』、か……」
智代から聞いた意味深な言葉。
一之瀬ことみは『岡崎の血』に気をつけろと言っていた。
事実、彼の謎の力によって一度壊れた『光線銃ゾリオン』が復活したり、記憶が戻るなど不可解な事が起こっている。
「俺たちに残されてんのは、二つの『光』と小僧の謎の力だけか……」
秋生がタバコの煙を吐きながら言う。
本当にこれだけで勝てるのだろうか。


「いや、まだあるだろ」


そう、まだある。
仲間との、家族との、愛する人との『絆』という力が――
145クラナド戦記第121話1/3:2007/02/18(日) 00:15:07 ID:AS5KZY3A0
森を抜けた道を歩く影が2つ、月明かりに照らされている。
上坂鷹文と一ノ瀬ことみ。伊吹風子も鷹文の背中に眠っていた。
「ねえ、一ノ瀬さん……全てを終わらせるって、具体的にどういうこと?」
月が眩しいくらいに輝いている。
風が少し冷たかったが、背中の風子の体温が暖かった。

「貴方に言っても分からないの。これは知識とかそういう問題じゃなくて、もっと……そう、選ばれた者しか理解することはできないの」
「君は選ばれた者だって言うのかい?」
ことみは首を振った。暗かったが、その身振りは伝わってきた。
「私ではないの……私は、幻想世界とリンクすることでそれを知ることができただけ。選ばれたのは、この世界を救えるのは、岡崎朋也君と――古川渚ちゃん」
どういう意味?と鷹文は尋ねようとした。

しかし、その前にことみが静止させた。
「どうしたの?」
「……南西の方角、500メートル先に敵がいるの」
ことみは人差し指を突き立てて鷹文を森の中に引き連れた。
「敵って、MIOは全滅したんじゃ?それに、なんでそんなことが分かるのさ」
「今の私は『一之瀬ことみ』でもあるの。MIOに残してきたコンピュータとリンクできるからこのくらい分けないの」
ことみは精神を集中させて敵の動きを探る。
「……これは、『胡蝶』の精神体?ちょっと、厄介なの」
鷹文は怪訝そうな顔をしてことみを見た。
額からはうっすら汗をかき、若干疲労の色が見える。

「鷹文君と風子ちゃんを守りながら戦うのは無理みたいなの。私が陽動を行ううちに、朋也君達と合流して欲しいの」
「そんな、君はどうするのさ!」
「私は、今の私なら大丈夫。それに『光』もあるの」
「……僕は、その朋也って人を知らない」
「貴方のお姉さんが……一緒にいるはずなの。だから……大丈夫」
段々言葉に間ができている。
少し、息が荒くなっているようだった。
146クラナド戦記第121話4/4 :2007/02/18(日) 00:21:47 ID:AS5KZY3A0
「ことみさん、大丈夫なの?辛そうだけど……」
「私は、大丈夫なの。それより……朋也君に、これを渡してほしいの」
ことみはずっと大事に持っていたクマのぬいぐるみといくつかの武器、そして小さな箱を鷹文に渡した。
「これは人工的に作った『光』なの。でもきっと……役に立つはずなの。だから……持って行って」
ことみは明らかに辛そうだった。しかし、今の鷹文は彼女の足を引っ張ることしかできないだろう。
風子も背負っていればなおさらだ。
「わかりました。でも、きっと生きて帰ってきてください」
ことみは静かに頷いた。

そのとき、敵の近づく音が聞こえた。
「こっちを真っ直ぐに行けば……智代ちゃんが向かった森があるの。私が敵と……戦い始めたら急いでいくの」
鷹文は無言で頷いた。ことみも相槌を打つ。
そして、ことみは敵の前へと躍り出た。
「女……!?一之瀬ことみだな!?」
「生憎今は『一之瀬ことみ』なの」
「かまわん、やれ!」
数名の戦闘員が銃を撃つ。しかし、人間離れしたことみにはそんなものは通用しない。
鷹文は騒ぎに乗じて森を駆け抜けた。

(そう……逃げるの。そして朋也君に渡すの。あの『光』と箱に入った『獅子王』を!)
ことみは自分の限界が近いのを感じていた。
自分の中の「一之瀬ことみ」が復活しようとしているのだった。

「くそ!?何故当たらん!」
「そろそろ……終わりにするの」
ことみはその手に『光』の力を集める。
それは形を成し、やがて一つのヴァイオリンと弓になった。
「これが……私の『光』なの……!」

月の満ちる夜。
ヴァイオリンを手にした少女が眩しく照らされていた。
147名無しさんだよもん:2007/02/18(日) 00:33:52 ID:AS5KZY3A0
◆病院付近の森
欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し くまのぬいぐるみ 小さな箱(中身『獅子王』)
006 伊吹風子(本体) / 意識不明

欠番 一ノ瀬ことみ 一之瀬ことみの肉体に転移 所持品:多数の武器、『エインゲイジ・デァ・ゼイト』
欠番 戦闘員(精神体) 所持品:銃器(名称不明)

『エインゲイジ・デァ・ゼイト』
時のヴァイオリン。鳴らすことによって時空をひずませて攻撃、防御をする。
曲によって攻撃をしたり、味方の力を強化することが可能。
また時間を超えることができるという。
なお、使用者の腕が悪いためリスナーは酷い頭痛に襲われる。


ことみの光は「時のヴァイオリン」をまんまドイツ語辞書にぶち込んでみただけなので、発音間違ってたら直しといてください。
148名無しさんだよもん:2007/02/18(日) 00:38:41 ID:AS5KZY3A0
連投スマソ

補足:『獅子王』ですが、直幸も幸村も持ってなかったので、実は幸村がことみに渡したということになってます。
149名無しさんだよもん:2007/02/18(日) 00:56:41 ID:AS5KZY3A0
スマン。さらにミスを見つけたので訂正

クラナド戦記第121話1/3→クラナド戦記第121話3/4

クラナド戦記第121話4/4
「生憎今は『一之瀬ことみ』なの」 →「生憎今は『一ノ瀬ことみ』なの」
150名無しさんだよもん:2007/02/18(日) 08:24:51 ID:a4KvplEd0
おいおいGJだよっ!
ヴァイオリンtueeeeee!!!!
151名無しさんだよもん:2007/02/18(日) 13:18:42 ID:fA9JqTjP0
>>147
じゃあ重箱の隅をつついて発音とか直しとくぞ
アイネ・ガイゲ・デァ・ザイト
eine(アイネ)は不定冠詞だから定冠詞die(ディー)にしたほうがよさげ
152(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/02/18(日) 15:09:52 ID:9qQWvbHnO
おいおいっ!
GJだよっ!
153名無しさんだよもん:2007/02/19(月) 12:17:43 ID:BlrpV/rSO
・Zeitの発音はザイト/zait/でなくツァイト/tsait/
・「時」の意味のZeitは通例無冠詞
154151:2007/02/19(月) 13:34:31 ID:ZKVwKp/E0
お、おいおい!
俺がうろ覚えの知識で直したのがバレバレだよっ!orz
155名無しさんだよもん:2007/02/19(月) 18:21:51 ID:fljztplj0
>>153
>・「時」の意味のZeitは通例無冠詞
いや、そのりくつはおかしい
反例として、ゼルダの「時のオカリナ」は
die Okarina der Zeit
とドイツ語版では訳されている。
156名無しさんだよもん:2007/02/19(月) 23:24:54 ID:ZKVwKp/E0
die Zeit
時,時間 〔(単数の2格)Zeit/(複数の1・2・3・4格)Zeiten〕(女性名詞)
【1】〔複数なし〕(経過していく)時,時間((英)time)
Zeit und Raum時間と空間
im Laufe der Zeit(またはmit der Zeit)時がたつにつれて;だんだんと
Die Zeit vergeht schnell.時のたつのは早い
Die Zeit scheint stillzustehen.時が止まっているように思える
Das ist eine Frage der Zeit.それは時間の問題だ
Die Zeit wird mir lang.私は退屈になってきた

独和辞典より引用
http://www5.mediagalaxy.co.jp/sanshushadj/

>>155の例からすると
die Geige der Zeit
(ディー/di[:]/・ガイゲ/g'aige/・デァ/der/・ツァイト/tsait/) (g'aigeのeは逆さま)
でいいのかな?
157名無しさんだよもん:2007/02/20(火) 00:02:10 ID:34XptSa80
何だか良く分からないけど、取りあえず任天堂に倣っておけば間違いはなさそう
いやしかし勉強になる流れだw

さすがのことみもドイツ語には精通してなくて素で発音間違えた、なんてのも面白いかなと思った
158名無しさんだよもん:2007/03/04(日) 23:53:55 ID:Z5KK7k8X0
保守
159名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 02:56:09 ID:H7pLR8/q0
お、おいおい!
160(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 12:21:59 ID:yYNjzHOBO
アニメ化って意味わかんねぇよっ!
161名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 15:37:00 ID:BMFLmTYNO
分かったからもう死ね糞雑談コテ
162(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 19:47:36 ID:yYNjzHOBO
>>161
俺なんかを煽る暇があるならユーキャンでもした方が有意義な時間を過ごせますよ
163名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 19:55:51 ID:BMFLmTYNO
お前がな
雑談コテがSSスレでコテ出してんじゃねえよボケが
164(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 20:46:01 ID:yYNjzHOBO
残念だけど雑談オンリーってわけじゃないんですよねー
つかあれか?お前ただのコテ嫌いか?
165名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 20:59:46 ID:BMFLmTYNO
へー
てめえが雑談以外の建設的なことしてるとこなぞ見たことないがね
それと俺はコテ嫌いじゃ無くてめえが嫌いなんだよ
毒にも薬にもならん糞みたいなレスをいちいちコテつけてしやがって
なんでもに引き篭ってろ
166(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 21:11:44 ID:yYNjzHOBO
見たこと無いだけだろwww
とりあえず俺がそんなに嫌いならどうぞNGにでもして下さいな^^
コテ辞める気も、なんでもに籠もる気もありませんから^^

つか返事早いなwww
どれだけ暇なんだよお前www
167名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 21:24:30 ID:BMFLmTYNO
口では何とでも言えるわボケ
雑談以外なんかやってるってんなら証拠だせっつうの
168名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 21:27:33 ID:k5vj7cvY0
喧嘩両成敗
169(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 21:29:51 ID:yYNjzHOBO
>>167
自分で探せよwww
なんでわざわざ俺がお前にwww

いい加減止め時ですね
スレに迷惑かかるし
じゃーねー
170名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 22:11:05 ID:XVHeFS0l0
おっ、新作投下されたか!ってスレ開いた俺のwktkを返せよぅ・・・
171名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 22:15:16 ID:BMFLmTYNO
結局口だけの糞コテだと自分で証明して逃亡か
二度と来るなカス
172名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 22:19:02 ID:XVHeFS0l0
ループする煽り愛
173(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/03/16(金) 22:31:10 ID:yYNjzHOBO
>>170
悪いね…
>>172
当分は相手にしないさ
あんまりスレ消費するのもアレだしね
174名無しさんだよもん:2007/03/16(金) 22:45:22 ID:XVHeFS0l0
>>173
いや、別にかまわんけど。
おまいらいつも、よくも携帯でそんなに高速煽り愛できるなと感心する@どーでもいいことだが

春が・・・春になれば・・・こんな雑談レスじゃなくて作品の一つぐらいまた投下・・・できたらイイナ・・・
175名無しさんだよもん:2007/03/19(月) 23:44:39 ID:oc7vV/PYO
新型爆弾クラナド
176クラナド戦記第122話1/10:2007/03/23(金) 19:41:35 ID:/lHjah2C0
「うぐっ……!!」
見切ったはずの光弾。
しかし僅かに体が付いていかなかった。
仁科の腕を掠めたそれは、彼女の肘から先をもぎ取って、夜の闇中へと溶けていった。
「はッ……! はぁッ……」
嫌な汗が垂れてくる。
肘から無骨に飛び出た鉄材が、直幸の一撃の凄まじさを物語っていた。

「もう、限界かい……? 果たしてその調子で、彼女が戻ってくるまで持つのかな…」
直幸が薄い笑みを称えて、
駐車場…敷き詰められた砂利の中に這い蹲る仁科を見下ろしていた。

彼女……杉坂さん。
そうだ……。私はまだ倒れる訳には、行かない…。
気力を振り絞り、仁科が再び直幸の前に立つ。

あの再会の時。
胸に詰まった諸々の思いを吐露しようとした仁科を手で制し、杉坂は言った。
『再会して早々に申し訳ないんですが……無理を承知でお願いします。あの男を……暫く足止めしてくれませんか』
その言葉にどんな意図があったのかは分からない。
ただ、応えるだけだ。他ならぬ親友の頼みなら。

「まだ立てるのか……じゃあ、これはどうかな」
言葉と共に直幸の姿が消える。
元より、霞む視界に彼の姿は移っていない。
ただ、迫る気配……殺気だけを追って、鉄棒の覗いた左腕をメチャクチャに振り回した。
直幸に物理攻撃は通用しない。
こんな幼稚な攻撃は、脅しにすらなりはしないと分かっていたのに―――

しかし、仁科の気迫に押されてか、ふと直幸の気配が眼前から消える。
(退いた……?)
その時、仁科に小さな違和感。
177クラナド戦記第122話2/10:2007/03/23(金) 19:45:32 ID:/lHjah2C0
しかし、深く考える間もなく直幸の次の攻撃が迫っていた。
「幻想―――」
距離を取って離れた直幸の手に、闇を切り裂く光球が集まっていく。

(構えなければ―――!)
が、意識とは裏腹に鉛のような体は言うことを聞かない。
諦めかけた仁科の鼻先を、ふわりと暖かい風が撫ぜた。

「ありがとう……もう、十分です。りえちゃん」
杉坂だった。

「やあ……ちょうど良い頃合だ。仁科くんを一人で逝かせるのは忍びないと思っていた所でね…
 それじゃあ君が、同伴してくれるかい……」
じゃり、と地面を踏みしめ直幸が杉坂に近づく。
その歩みを制するかのように、杉坂は鋭い目で直幸を睨み付けた。
「可哀想な人……」
杉坂の言葉に、歩む直幸の足が止まった。
「思考分岐空間は愛を知るための空間。あなたのような人は、きっと生涯出て来れない……」
「何を……言ってるんだい……?」
そう口にした直後、直幸の背筋を嫌な感覚が襲った。
咄嗟に振り返る。
森を覆い尽くすように広がる闇。その中に混ざるようにして…
ぽっかりと口を空ける空間があった。

「しまっ……!」
直幸が気づいた時、既にその入り口は直幸の全身を覆っていた。
「もう……二度と……」
杉坂が手を翳す。
「私とりえちゃんの前に、現れるな!」

高らかにそう叫ぶと同時、空間は急激に収束し、そのまま直幸を飲み込んで、夜の闇へと消えていった。
一転、静寂が駐車場を支配する。
178クラナド戦記第122話3/10:2007/03/23(金) 19:49:01 ID:/lHjah2C0
直幸の姿が見えなくなってからも、杉坂はしばらく眼前の闇を厳しい目で見つめていたが…
やがて踵を返すと仁科に優しい笑顔を向けた。

「もう…大丈夫ですよ、りえちゃん。あの男は思考分岐空間に飛ばしました。
 実は、私が随分長いこと向こうに留まっていたのは、この空間操作を会得したかったからなんです」 
照れくさそうにはにかむと、杉坂は傍らの縁石にそっと腰を下ろした。
何か返事を返さなければと思いつつも……
余りに多くの語るべきことが在りすぎて、仁科は暫く話を切り出せないでいた。

「りえちゃん……じゃ、ないですよね?」
「え……?」
不意に杉坂が切り出した言葉に、仁科がギクリと身を強張らせた。
「あ、いえ……やっぱり、りえちゃんには違いないんですけど、何て言うんでしょう……
 私の知っているりえちゃんとは少し感じが違うというか……大人びているというか……」
「どうして、それを……」
説明しなければと思っていたことを先に言われてしまい、仁科は驚きを隠せないでいた。
未来から来たと言っても、ほんの数歳の違いに過ぎない。
それを、この暗闇の中で見分けるだなんて……

「あ、やっぱりそうなんですね! 良かった……もし間違えてたら私、親友失格でした」
心底ほっとしたという様子で、杉坂が胸を撫で下ろす。
「いつも……一緒にいたじゃないですか。やっぱり、分かりますよ。
 着ている服も違いますし……。それは、ウェイトレスの制服ですか?」
「え、ええ……アルバイトをしているんです。えっと……未来、で……」
「未来から来たんですかっ! それは、凄いですね…。
 でも、何だか色んなことがありすぎて……もう、慣れちゃいました」
声を上げて屈託なく笑う杉坂。
その横顔を眺めながら、おずおずと仁科は口を開いた。

それは、仁科が一番杉坂に聞きたかったこと。
179クラナド戦記第122話4/10:2007/03/23(金) 19:52:43 ID:/lHjah2C0
「恨んでないんですか……私のこと……」

杉坂の顔から笑顔が消えた。
「この時代の私から経緯は聞いています… 確かに、直接あなたを殺したのは私じゃありませんが……
 それでもやはり仁科という私が、あなたを手にかけたのは紛れもない事実……
 『仁科』とは、そういう人間なんですよ… 恨みに思わないんですか……」
その場に立ち尽くしたまま俯いてしまう仁科。
杉坂は暫く黙って仁科の言葉を反芻していたが、やがて口を開いた。
「りえちゃんのせいじゃ、ないですよ……」
一語一語、噛み締めるように語りだす。

「こんな世界に突然放り出されれば……誰だって自分を見失います。
 人間は、それ程に弱いものだから…だから、私たちは自分を見失わないように、助け合わなければいけなかった……
 なのに私は、りえちゃんに泣きつくばっかりで……自分の身に降りかかった不幸を嘆くのに精一杯で…
 りえちゃんを支えてあげることが……出来なかった……
 結果的にそのことが、余計にりえちゃんを追い詰めたんじゃないかと…私はそう思ってるんです」

両手でそっと仁科の掌を包む杉坂。しかし、仁科はその手を振り払った。
「違う……違うんですよっ……! 別に、この殺し合いの世界が私を変えた訳じゃない……
 私は元々汚い人間なんですっ! 杉坂さんのことも、ずっと邪魔者みたいに扱って……」
小さな嗚咽を漏らす。
震えるその肩を、慰めるように杉坂が抱き寄せた。
「元々、じゃないはずです。あの……事故の時から、ですよね……?」
その言葉に、仁科がハッと息をのんだ。

「あのりえちゃんが一番辛かった時期に、支えてあげるべきでした……
 でも私はやっぱり、おどおどとりえちゃんの腰にくっついているだけでしたから……
 自分でも、邪魔者だったと思いますよ。
 私も、汚い人間です。そして、弱い人間なんです。
 だから、支え合うんです、人は……。もう二度と、自分を見失わない様に……」

優しい杉坂の声。
180クラナド戦記第122話5/10:2007/03/23(金) 19:55:47 ID:/lHjah2C0
「杉坂さん……。私は……『仁科』は、許して頂けるんですか……」

流れる涙を拭おうともせず……仁科はしゃくり上げながら杉坂に問いかけた。
その問いには答えずに、杉坂は黙って指を伸ばす。
仁科のか弱い左腕。もぎ取られた肘から先。その、傷口付近を、労わるようにそっと撫ぜた。

「謝らなきゃいけないのは私の方です。
 あんな無茶な頼みごとを、あなたは黙って聞いてくれたじゃないですか……
 私はもう戻ってこないかもしれない……自分が逃げる時間を稼ぐために足止めを頼んだのかもしれない。
 でも、あなたはただ、信じて………私の頼みを聞いてくれました」
杉坂の目にも大粒の涙が浮かんでいた。

「きっとあの頃に戻れますよね、私たちは……
 いえ、今は渚さんだっている。私たちは、あの頃よりずっと強い絆で結ばれている。
 ずっと……ずっと………親友でいられますよね、りえちゃん……」

杉坂の問い。無論、仁科の答えは決まっていた。
「もちろんです」、と。後は涙でくしゃくしゃになった顔で笑い返すだけだった。

しかし……結局仁科が杉坂にその答えを返すことは、なかった。


パンッ


不意に、場違いな小音が響いた。
と同時、仁科を支える杉坂の体から力が抜けていく。
「杉坂さん……?」
ゆっくりと傾く杉坂の体。その向こう。
月明かりが照らす林の中に、青白い顔をした男の姿が見えていた。
手にした銃からは細い硝煙が立ち上っている。
181クラナド戦記第122話6/10:2007/03/23(金) 20:06:38 ID:/lHjah2C0
「え……」
さっきの音が銃声だったと気付くまでに……
そして、その音と共に放たれた凶弾が、友の額を貫いたのだ気付くまでに、
混乱した仁科にはしばしの時間が必要だった。
そして、何が起こったのか、何が失われてしまったのかを理解したとき
「……あ………」
言葉もなく仁科は友の躯に突っ伏していた。
麻痺してしまったかの様に働かない頭。
仁科には、木陰の男が……いや、男たちが……
自分を取り囲む様に、この駐車場へと歩みを進めてきたことすら、もう分かっていなかった。

「『胡蝶』」

聞き覚えのある声に、ピクリと仁科の体が反応する。
「素晴らしいだろう? この光によって精神体として蘇った彼らは……おれの意のままに動いてくれる」
震える体を意識で捻じ伏せ、顔を声の方向に向ける。
病院の屋上。
眩い満月を背負って、男はそこに立っていた。

「いやぁ……それにしても驚いたよ…… まさか彼女、空間を自在に操れるとはねぇ……」
言葉とは裏腹に冷静な声が、男……直幸の口をついて出る。
「もっともおれを閉じ込めておくには……ちとモノが悪かった様だけどね」
遥かな高みから。
冷たい言葉を吐きかけると、直幸は僅かに手を掲げた。
それを合図に、仁科を囲む精神体たちが一斉に銃口を彼女に向けた。
「無敵のおれを相手にして……君たちは良くやったさ……。でも、ま……いい加減に終わりにしようか」

終わり……
終わってしまう……

結局私は、何も成し遂げぬまま……
幸村先生の敵を討つどころか……友を巻き添えにしてまで、何も……
182クラナド戦記第122話7/10:2007/03/23(金) 20:14:08 ID:/lHjah2C0
呆然と直幸を見上げる仁科。
仇の微笑。言葉。その存在全てが……
徐々に麻痺した仁科の心を溶かしていく。

このまま犬死なんて、許される訳がない――――

その気持ちが口をついて出た。
「あなたは……無敵なんかじゃない……!」
その言葉に、振り上げた直幸の手が止まる。
戦闘が始まってから初めて―――彼の表情に動揺の色が指した気がした。

それを契機として、仁科の脳裏に直幸との戦闘の記憶が蘇る。

圧倒的な力に捻じ伏せられ……
一撃加えることも出来ずに……
傷一つ与えることも出来ずに……
友を奪われ……師を奪われ………
一方的に蹂躙されるだけの……絶望に満ちた記憶だった……

だが今……仁科に諦めの気持ちは無い。
この男には勝てる。勝てるはず……と言う希望があった。
それは、何故か……

「おれが無敵じゃないとは……どういう意味だい」
直幸が手を止めて仁科に回答を求める。
そして仁科は……答えを見つけた。

「あとは私に止めを刺すだけという状況で……あなたは私から退いた。
 物理攻撃は全て受け流せるはずのあなたが、です。この一事はどう考えてもおかしい!
 何か……必ず、何か……! 理由があったはずなんです……!!」
183クラナド戦記第122話8/10:2007/03/23(金) 20:22:22 ID:/lHjah2C0
左手の肘から覗く鉄材に目を落とす。
「その鉄の棒切れをおれが怖がったとでも言う気かい?」
嘲笑うような直幸の声。

その声を無視して、仁科は言葉を続けた。
「この闇の中……灯りは儚い月明かりだけ。……見間違えることも……あったかもしれない……」
刹那、直幸の顔から笑みが消えた。

「……スパナ。私の持つ光、『ラブ&スパナ』……。
 あなたは、私がこの『光』を振りかざしたものと見紛ったからこそ、退いた。
 つまり……あなたが恐れたのは……あなたへの唯一の有効武器は…………『光』。
 違いますか……?」

反応を確かめるかのように、仁科はそこで言葉を切る。
じっと見つめるその視線の先……直幸の顔には、既に笑みが戻っていた。
「………随分強引な推測だねぇ。
 しかし……まぁ、評価に値するよ。まぐれだろうと執念だろうと……
 今まで誰一人……MIO総帥の幸村さんすら辿りつけなかった真実に、まさか君が到達するとはね……」
直幸が低い声で笑う。

「確かに。おれのこの体は、光による攻撃だけは受け流せない。
 だが、ぬか喜びするにはまだ早いよ……それを知った所で結局同じことだからね。
 君が最期にたどり着いた真実は、今ここで闇へと葬られる……」
直幸の言葉と共に精神体たちが一斉に銃を構えなおす。

遂に…… 余りにも大きすぎる犠牲を払って、遂に……!
あの男を倒す糸口に辿り着いた…………!

思わず気が緩み、その時仁科の目には涙さえ滲みかけた。
が、そこで仁科は自分を叱咤する。
まだ……! 奴の言うとおり、弱点を見つけただけでは意味がない……
それを誰かに伝えられて初めて、私の……私たちの戦いには、意味が生まれる。
184クラナド戦記第122話9/10:2007/03/23(金) 20:26:25 ID:/lHjah2C0
深く息を吸う。
ボロボロに傷ついた体と心に、夜の冷たい空気が染み渡っていく。
あと少しだけ、動けそうな気がした。

張り巡らされた銃口を横目に、仁科はビリビリと右腕の制服を破り捨てると、軽くその腕を振った。
ジャッと言う小気味良い音を立てて白い腕が黒い銃身へと姿を変える。

「この数を相手にして、満身創痍の君が突破出来るとは思えないが……
 それに、既に山の中にも兵隊は放ってある。
 いずれにしろ逃げ場はない……それでも、足掻くのかい?」

仁科はもう直幸に一瞥もくれなかった。
眼前の兵隊達に注意を払ったまま、杉坂の亡骸にちらりと視線を送り……
「もう少しだけ、待っていて下さいね……」
そう呟くと……眼前の兵隊達の中へ、飛び込んでいった。

「そうか……じゃあ……
 みんな、仁科君のお帰りだ。丁重に見送ってあげて、くれるかな……」
直幸の言葉を皮切りに、取り囲む銃口が一斉に火を噴く。
改造で強化した体とは言え、小柄なその身に数多の弾丸を浴びせられ、その都度仁科の体躯は大きく傾いだ。
体の造詣が変わるほどの弾幕。
皮膚が剥げ、赤い肉と鉄のパーツが覗くようになっても、仁科は進むのを止めなかった。
強引に兵隊を掻き分け、右腕の銃を打ち鳴らしながら、ただ病院の出口を目指す。
その歩む速度が少しずつ緩慢になっていくのを、直幸は遥かな高みからじっと見下ろしていた。

「うん……?」
精神兵たちは仁科を圧倒している。
だが、直幸は奇妙な違和感を感じていた。

元より仁科に勝ち目の無い戦いだったが……余りに仁科の攻撃が的を射ていない。
と言うより、端から銃撃を当てようとしていない様にも見える。
それに、このやけに大きな銃声は……
185クラナド戦記第122話10/10:2007/03/23(金) 20:30:53 ID:/lHjah2C0
「まさか………」
直幸の細い目が見開かれる。
「宮沢くん、『光』でとどめを! 彼女は既に、『生き残ろうと』していない!」
直幸の鋭い声を受けて、一人の女学生が仁科の前に駆けた。
腕をまくり、白い細腕を外気に晒す。
「ゲンキ玉……」
掌に金色のエネルギーが集まっていく。
その灯りに照らされながら……仁科の表情は穏やかだった。

「待っていて……もう、伝えたから……。きっと彼らが…あなた達も救ってくれる……」

ふと目が合ったその時、虚ろな有紀寧の瞳の中に、仁科はわずかな戸惑いの表情を見た様な気がした。
しかし、有紀寧が翳した手は既に止まらない。
黄金の力場を仁科の腹部へと宛がう。
「注入」
無情な宣言と共に、仁科の体はボコボコと音を立てて膨れ上がった。
そして。

***

「何だ……今の爆発音は……」
森の中、作戦を練る朋也たち一行。
輪の中心にいた秋生が不意に姿勢を正した。

「爆音の直前、細かい銃声に混じって妙な音も数回聞こえていたが……
 長い音と短い音が6回ずつ……あれは、銃声と言うよりも……」
訝しげな芳野の言葉を、震える声が遮った。
「信号弾。あれは……モールス信号です。その、意味は――――」
荒い息を付きながら、仁科……現代の仁科が口を開いていた。

「『ひかり』」
186クラナド戦記第122話:2007/03/23(金) 20:33:55 ID:/lHjah2C0
◆病院内駐車場

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』」
欠番 戦闘員(精神体) 所持品:銃器(名称不明

死亡 サイボーグ仁科(未来の仁科りえ)
死亡 杉坂

『コミック力場』は直幸が直して有紀寧に支給した、という設定です。
187名無しさんだよもん:2007/03/24(土) 00:18:53 ID:OcYPASkc0
お、おいおい!
188名無しさんだよもん:2007/03/24(土) 21:30:48 ID:biaXtkL60
お、おいおい!意味分かるよ!

この二人をどうするかなーと思っていたら、うまく料理してくれた。
189名無しさんだよもん:2007/03/24(土) 22:08:22 ID:koVQoErr0
>>176
ぐっじょぶ、とでも言っておくよ
190名無しさんだよもん:2007/03/25(日) 04:41:19 ID:BQC8A8MM0
ナイス職人age
191クラナド戦記第123話1/9:2007/04/06(金) 13:37:08 ID:NaQm6cO70
『胡蝶』

夕暮れの林を無数の蝶が舞っていた。
儚げな蝶のはためき。それらが生んだ幾十もの精神兵達を、老人の鋭い双眼が睨み付ける。
『ふむ……これが貴様の真の光かの。
 確かに奇怪な能力ではあるが……数ばかりいくら寄せ集めようとも所詮木偶は木偶。
 獅子の王には敵うまいて』
ぬらりと真剣を抜き放つ。
西日を受けて妖しげに煌くその切っ先が、不意に傾いた。

『ほわちゃ!!』
気合と共に幸村は精神体たちの隙間を縫って駆け抜ける。
『!』
直幸に次の手を打つ暇はなかった。
一閃。
神速の太刀が直幸の肉を抉っていた。

『ほう… 咄嗟に体を逸らし、致命傷は免れたか。
 木偶にしては上々の反応……だが惜しかったの』
言い捨てて頬に付いた返り血をぐいと拭う。
『わしの獅子王はその一振りが既に致命傷……
 必殺の型、“死屍往生”…………勝負あったの……』
血の滴る刃を鞘へと静かに押し戻す。
決着は付いたはずだった。
しかし、背後から聞こえるはずの無い声――――

 リトル・クラナディック・バスター
『 小 規 模 幻 想 弾 』

咄嗟に構え直した獅子王の刀身さえ吹き飛ばし……
光弾は幸村の腹部を貫いていた。
192クラナド戦記第123話2/9:2007/04/06(金) 13:39:37 ID:NaQm6cO70
『ば……かな…… 確かに……斬ったはず……』
急速に薄れていく視界の中に、穏やかに嗤う直幸の横顔が映っていた。
『逃げろ……一之瀬ことみ……! この男と戦ってはならん………!』

それが、ことみが聞いた幸村の最後の言葉だった。


***


「戦うな、と……言付けられていたんじゃないのかい……?」

誰にともなく投げかける言葉。
病院内駐車場の正門。
森へと通じる畦道の、その闇の中から…静かな返事があった。

「全てを終わらせると……決めたから……」
左手にヴァイオリン。右手に弓を携えて、ワンピースの少女はそこに立っていた。

「あれだけの精神兵を秒殺か………
 流石は『一之瀬』君…… いや、今は『一ノ瀬』君なのかな?」
直幸の声に、ことみは興味なさげに首を振ってみせる。

「そんなことは……どっちでもいいの…… 
 私は、『ことみ』………ひらがなみっつで、ことみ。
 あなたを止める者………」
それだけを呟くと、エンドピンを返しバイオリンを左肩に宛がった。

「成る程……それが君の光か……
 そして君は………あの信号を聞いていたんだろ………」
信号。そう…仁科りえが託したモールス信号。
それを聞いていたのは何も朋也達一行ばかりではなかった。
193クラナド戦記第123話3/9:2007/04/06(金) 13:41:47 ID:NaQm6cO70
「……誰が送った信号かは分からないけれど………
 敵の銃弾が飛び交う最中、武器を持って抵抗もせず……自分の生き残りを諦めてまで……
 信号弾で残したメッセージはきっと…真実なの。
 おそらく、あのメッセージ……『ひかり』…こそが、あなたを倒す鍵………」

そこでことみは言葉を切り、直幸の表情を伺った。
「ただ分からないのは……『光』があなたの弱点ならば、何故あの時……
 幸村先生が獅子王で切りつけたあの時に、あなたが立っていられたのか……ということなの。
 生者相手には無敵の獅子王が、なぜ………」

生と死…… 獅子王…… 直幸の不死……
その時、彼女の頭に、ある閃きが走った。

「………まさか…………!」
絶句することみを尻目に、直幸はそっと右手を掲げる。
何処からか舞って来た一羽の蝶が、その指先に止まった。
「どうやら、気が付いてしまったようだね。さすがはK&Mのお嬢さんだ………」
「……! どうして、その名前を……!」
「さぁ…………何故かな………」
哂う直幸の指先から蒼白い蝶が、飛び立つ。
「『胡蝶』……!! させないの……!」
咄嗟にことみが弓を絃へと宛がった。
しかし―――――

「待って、ことみ……!」
「ことみ、止めるんだ」

月明かりに照らし出される見覚えのあるシルエット。
懐かしい二つの声。
「……あ……………!」
ことみは前方を見上げたまま立ち尽くしてしまった。
乾いた笑みを浮かべる直幸の、その傍らには……
194クラナド戦記第123話4/9:2007/04/06(金) 13:43:49 ID:NaQm6cO70
「すまないね……K&M……。わざわざ出向いて貰って」

一ノ瀬鴻太郎。水恵。
ことみの、実の両親の姿があった。

「ことみ、武器を下げなさい。この方は我々の研究仲間だ」
「そうよ、ことみ。怖がることなんてないの」

その声が、聞こえているのか、いないのか……
ことみはわなわなと口元を震わせたまま、ただ両親の顔を交互に見つめていたが……。
「お父さん……! お母さん…………!!」
遂に、その両眼からぽろりと涙が零れ落ちた。

いや……ことみとて、判っていた。
二人はもう死んだのだと……この世にはいないはずなのだと、頭では理解していた。
しかし、数年ぶりに懐かしいその顔を見、穏やかな声を聞いて、溢れ出す。
ずっと一人で戦ってきたことみ。その………孤独な想いが。

「ことみ……今まで寂しい想いをさせて、すまなかったな。
 この研究が終わったら、もうずっと一緒だ。家族三人、水入らずで暮らそう」
「ことみの好きなアップルパイ、また焼くからね…… もう半分こなんてしなくていいのよ。
 いつでも、好きなだけ、お母さんが焼いてあげるから……」

優しい両親の言葉に、ことみの理性が麻痺していく。
偽者でも、精神体でも、何でもいい……
ただこの安らぎの中に、浸っていたい……
「本当……? 本当に……? もう何処へもいかない………?」
まるで幼い日々に帰ったかの様に。
ことみは、あどけない少女の声で両親へと問いかける。

「ええ、本当よ。だから、ね……」
にっこりと微笑む水恵。
195クラナド戦記第123話5/9:2007/04/06(金) 13:45:50 ID:NaQm6cO70
「その光を渡して」

不意に母の言葉から温もりが消えた。
「これは………… この…… 光は…………」
「どうしたの? ことみ……」
「父さんや、母さんの言うことが聞けないのか? ことみは、悪い子だね…」
「違うの!」
気を落とした両親の声に、ことみは身を切られる思いだった。
肩を震わせ、必死な瞳で両親に訴えかける。
「ことみは悪い子じゃないの! でも……! でも、この光だけは……!」
バイオリンをギュッと抱きしめたまま、うずくまってしまう。

彼女は今、揺れていた。

目の前にあるのは、ずっと追い求めてきた夢。
二度と戻らないと思っていた……暖かいあの日々。
しかし、それはあくまで夢なのだ。
ここで、この光を渡してしまえば……鷹文や、残された者たちの戦いは、熾烈を極めるだろう。
自分ひとり、安らかな夢に溺れていいのか……!

ことみは歯を食いしばって頑なに首を振った。
「これだけは渡せないの……! ごめんなさい、お父さん、お母さん………」
覚悟を決めたその言葉に、両親は、ほっとため息を吐く。
「ことみがそこまで嫌がるとは思わなかったよ」
「そうね…… じゃあ、光はもう、しょうがないわね………」
穏やかさを取り戻した両親の言葉に、ことみは思わず顔を上げた。

その、視線の先には――――

「ああ、仕方ないな。殺して奪うとしようか」
ことみを狙う二つの銃口。
196クラナド戦記第123話6/9:2007/04/06(金) 13:55:07 ID:NaQm6cO70
「?!?」

両親が自分に銃を向けている。
その光景が意味するところを、『一ノ瀬』ことみが理解出来ぬまま……銃弾は無情にも放たれた。
しかし、同時に残された『一之瀬』ことみの人工知能が演算を開始する。
例え一ノ瀬の心折れようとも、一之瀬の演算能力を駆使すれば、至近距離で放たれた弾丸すらも回避出来る。
そのはずだった。

「あッ!!」
意に反し、銃撃を受けもんどりうって転がることみの体。
「っ……!? どうして……… 見切れないの……」
動かない体。
固定された視界の外れには、済まなそうに頭をかく直幸の姿があった。
「ああ……そう言えば、言い忘れていたねぇ……」
言って、背後の病院を振り返る。

「君の超人的な演算能力の種……
 人工知能にリンクした集積回路の部屋だったら… おれがつい先ほど破壊しておいた……
 すまないね… もう君に弾丸の軌道を見切るほどの演算能力は備わっていないんだよ…」

「………そんな…」
直幸。鴻太郎。水恵。
自分を見下ろす三つの視線を前にして、一之瀬ことみの最後の希望すら……費えた。
うっすらと瞼が落ちてくる。

もう……こんな世界は見たくない…
幼くして両親を失い、十分に苦しんだはずだった。
なのに、漸く再会した両親には銃を向けられ……傷つけられ……
もう、こんな世界には…… 一切の希望など…… ない………
197クラナド戦記第123話7/9:2007/04/06(金) 14:01:14 ID:NaQm6cO70
         『ことみ……』

懐かしい声が聞こえる。
ことみは一層硬く目を瞑った。

もう、いいの………
光でも何でも、持って行っていいから………
もう…… …………放っておいて欲しいの………………


     『ことみ…… 瞳を開きなさい』

………………
……………………?

胸の中にじんわり暖かい気持ちが広がっていく。
それは……在りし日の父の声だった。

………そうか………
お父さんも、お母さんも、いなくなったわけじゃ、なかったんだ……

    『悲しみと涙に満ちてさえ――――』
 

本当のお父さん達の声は……
あの日々に教えてくれた心は…………


      『――――世界は、美しい』


今でも、此処に… 在った。
198クラナド戦記第123話8/9:2007/04/06(金) 14:03:06 ID:NaQm6cO70
目を開ける。

絶望に満ちたはずの世界。
一切の希望すら失われてしまったはずの世界。
それでも、私は諦めない。
どんな絶望…… どんな悲しみに満ちていても……
世界には希望が… あるはずだから。

「ことみ、光を渡しなさい」
「ことみ! 本当に殺されたいの!?」

『お父さん達』の喧しい声が聞こえる。
厳めしい顔が見える。
確かにこの人たちはお父さんと、お母さんの体……… 声…… だけど………

「お父さん……… お母さん……」
そっと絃に弓を添える。
刹那、『お父さん達』の顔が恐怖に歪んだ。
「私は、希望を信じたい………! この世界は美しいと信じたい! だから――――!」
一想いに弓を振り下ろす。

「ごめんなさい。そして、さようなら…… 私の………… お父さんたち」

奏でられた音。歪む時空。
断末魔の悲鳴を残して、それらが闇に消える、その瞬間に――――

       『……良く頑張ったね、ことみ………』

そんな声が聞こえた気がした。

演奏を終えると同時、どっと全身を疲労が襲い、その場に崩れ落ちる。
直幸は、そんなことみを、ただ呆然と見つめていた。
199クラナド戦記第123話9/9:2007/04/06(金) 14:05:38 ID:NaQm6cO70
…………いや……
その目は私を……… 見ていない………
その目は――――――!

「助けに来たぞ、ことみ」

ぽん、と頭に手を添えられる。
振り返った視界には…… 見覚えのある顔が映っていた。
「ともや………… くん…………」
堰を切ったように溢れ出す涙。
ことみの信じた希望が、確かに其処にあった。

負傷した彼女を庇うように、彼らは直幸と対峙する。
「ことみさん、良く持ちこたえた……!」
「安心して! 貰った光はちゃんと、姉ちゃん達に託して来たから…!」
鷹文… そして智代が、協力してことみを助け起こす。
と、一団の中で一際背の高い影が直幸の眼前へと歩み出た。

「投降しろ、直幸。てめぇが小僧の父親だろうが……
 これ以上戦いを続ける気なら容赦しねぇ。この『獅子王』で、力ずくにでもてめぇを止める!」

男……秋生が、手にした眩い光を直幸に突きつける。
しかし直幸の顔は既に笑みを取り戻していた。
その時、ことみの脳裏に先刻の閃きが蘇る。
獅子王…… 胡蝶……
そう…… 直幸の正体は。

「駄目なの! 確かに彼の弱点は『光』だけど、獅子王では直幸を倒せない……!」
ことみが傷ついた体を起こし、皆に訴える。


「直幸は既に死んでいるの! 彼自身が……胡蝶によって蘇った、『精神体』なの!!」
200クラナド戦記第123話:2007/04/06(金) 14:07:02 ID:NaQm6cO70

◆病院

001 岡崎朋也 所持品:銃、折れた刀、くまのぬいぐるみ
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子 所持品:なし
006 伊吹風子(本体) / 意識不明
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
012 古河秋生 所持品:『獅子王』
013 古河早苗 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚 所持品:なし
017 坂上智代 所持品:無し
018 仁科りえ  所持品:不明
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C

欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し 
欠番 いちのせことみ/負傷  所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』
201クラナド戦記第124話 1/3:2007/04/06(金) 19:29:40 ID:9MzNRswM0
叫び終えたことみは崩れるように倒れた。
「ことみちゃんっ!」
傷ついたことみを庇うように立ち、朋也は直幸に向かって叫ぶ。
「どうして、こんなことをするんだっ!! 奪って、傷つけて…何がしたいんだよ、あんたはっ!!」

「何がしたいのか、か…ははは…朋也くんも難しいことを聞くね。本当のことを言うとね…もう、分からない」
「ふざけてるのかっ!!」
「本当さ。…だけど、誰のためか、なら分かる。それは―――」

敦子の、ためさ。

「あつ、こ…って……かあ、さん…?」
「そう。お前の母さんだ」

敦子が死んで、おれは朋也の手を握って、ここからもう一度始めるんだと誓った。
だが、それでも……
「おれにとって、敦子は――そう、全てだった」
敦子の泣いた顔。敦子の喜んだ顔。敦子の怒った顔。敦子の笑った顔。
今でも全部、鮮明に思い出すことができる。

「あの老人から聞いたんだろう…? 此処が、どんな場所か」
――ここは、選ばれなかった未来、選ばれなかった世界の墓場よ。
「それも逆に考えれば、敦子がいる世界に至る道がどこかにあるかもしれないということ」
「そう考えたおれは必死になって探したよ」
「けれど、見つからなかった」
202クラナド戦記第124話 2/3:2007/04/06(金) 19:31:08 ID:9MzNRswM0
「…だがおれにはもう一つ、手があった」
「そう、光だ」
その言葉に応えるかのように、直幸の周りを9つの光が廻りだす。

「光を集めて、母さんを生き返らせるとでも言うのかよっ!!! そんなこと…!!」
朋也だって光の力をずっと見てきた。
だからそれが決して絵空事なんかじゃないことは分かっていた。
母さんが生きていたら、と思ったことも数え切れないほどあった。

だけど――。
壊れた世界。
傷ついた仲間。
いくつもの悲しみ。
もう、理屈じゃない。
俺は…岡崎直幸を…目の前の、この男を…

「絶対に、許さねえーーっっ!!!!」

ふぅ、と直幸は軽くため息をつき、言葉を続けた。
「朋也くんなら、分かってくれると思ったんだがね…」
本当に好きな人を失って、後悔して…もう一度、を願う気持ちが。
「大事な人がいなくなれば、それが正しいことか正しくないことかなんて考えられない…」
「おれは目の前にあったチャンスを掴んだ…それだけの話だよ」

直幸の目に迷いはない。
そしてそれは、朋也達も同じだった。

「終わりにしよう…なにもかも」
203クラナド戦記第124話 3/3:2007/04/06(金) 20:02:38 ID:9MzNRswM0
◆病院 

001 岡崎朋也 所持品:銃、折れた刀、くまのぬいぐるみ 
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい 
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in 
004 春原陽平 所持品:無し(上着に癌細胞) 
005 伊吹公子 所持品:無し 
006 伊吹風子(本体) / 意識不明 
007 柊勝平 所持品:44マグナム 
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明) 
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ 
012 古河秋生 所持品:『獅子王』 
013 古河早苗 所持品:レインボーパンほか 
014 古河渚 所持品:無し
017 坂上智代 所持品:無し 
018 仁科りえ  所持品:不明 
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C 

欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し  
欠番 いちのせことみ/負傷  所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』 

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、 
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、 
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』 

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』 
204名無しさんだよもん:2007/04/06(金) 20:45:45 ID:tzEhtZWT0
お、おいおい!1日に2話投下されてるよ!
何だかよく分からないけど、GJ!
205名無しさんだよもん:2007/04/06(金) 20:46:05 ID:NZmGEdFU0
お、おいおい!
206名無しさんだよもん:2007/04/07(土) 10:33:31 ID:AtrtULG60
お、おいおい!GJだよ。そろそろ幻想世界の方の話も進めてくれよ
207名無しさんだよもん:2007/04/09(月) 19:59:40 ID:YDk4W+fj0
>>206
普通に考えて無理だろ
208名無しさんだよもん:2007/04/10(火) 10:08:51 ID:c+whZX7jO
イステルスの空は今日も赤かった。
209クラナド戦記第125話1/7:2007/04/11(水) 15:57:16 ID:jTq+SUQP0


そこに、わたしは立っていた。

そらでもじめんでもないところ。
時間のない空間。
ここが、わたしの来るべき場所?

…ここは、幻想世界…
…戦いに敗れ去った者が、死後ここに来るの…

声が聞こえる。
聞いたことのない声。
なのに、なぜだろう…。
はるかな太古から、わたしはその声の主を知っているような気がする。

「あなたは…?」

…ようこそ…『光』よ…
…この、誰もいない、物悲しい世界へ。


210クラナド戦記第125話2/7:2007/04/11(水) 15:59:26 ID:jTq+SUQP0
優しい声のする先には、男の人が立っていた。
年齢は…… 私のお父さんと同じくらいだろうか。
くたびれたシャツ、やつれた表情の中で、穏やかな瞳が私を見ていた。

「あなたは……? あなたが、さっきの声の人ですか?」
もう一度、聞く。
男性はうつむき加減の姿勢を正して、こちらに顔を向けた。

「いや…… あれは、おれじゃない…… 彼女は、幻想世界の少女だよ」
幻想世界の少女……
そう言えば、ここは「幻想世界」だと…… さっきの声も言っていた。

「彼女は…… 世界の悲しみを知るものさ……。君や、おれと同じようにね…」

私が困ったような顔をしていたからだろうか。
男性はそう付け加えてくれていた。
もっとも、補足された言葉の意味すら、私には分からないでいたのだが。
ただ……

「世界の、悲しみ……」

何故だろう。
彼女達の気持ちは、判る気がした。

「君も、味わったろう…… 向こうの世界には、悲しみ…… 絶望が満ちている…」
語る男性の表情に憂いの色が浮かんだ。

「全部…… 全部、変わらずにはいられないんだ……
 愛したものさえも…… 全部……」
211クラナド戦記第125話3/7:2007/04/11(水) 16:02:11 ID:jTq+SUQP0
何か、大切なものを… この人は失ったのだろうか……
男性の置かれた境遇は、私には知る由もなかったけれど……
絶望………… それは、確かに……

「私にも…… 分かる気がします。私も、兄を事故で失いましたから……
 私は兄の居場所を探し…… 必死に兄の代わりを務めようとしました。
 でもやはり、それには限界があるんですよね……
 失われた人の代わりには、誰もなれないんです…………」
言って、俯いてしまう。

「本当に…… 全部、変わらなければ良かったのに……」
思わずそう呟いていた。

「じゃあ…… 創ろうか」

声。
穏やかだった男性の声に熱が篭る。

「おれと君とで…… 地上に新しい世界を創ろう」

何故だか、その言葉に逆らえなかった。
男性が差しのばす手。
引き寄せられるように、私は握り返していた。

「幸せも、愛するものも…… 決して失われることのない世界。
 おれたち精神体による、『幻想世界』を……!」

繋がれた手から、暖かい力が流れ込んでくる。
ああ…… もう、大丈夫。
きっとこの人が連れて行ってくれる。

私を…… 幸せの場所に。
212クラナド戦記第125話4/7:2007/04/11(水) 16:07:51 ID:jTq+SUQP0
***


「おれが光を集めて敦子を生き返らせる気だと…… 君は言ったね……」

丘の上の病院で、対峙する親子。
一触即発の空気の中、直幸が口を開いていた。

「それは…… 余り正確な表現じゃないな………
 確かに、おれは敦子を…… 失われたものたちを、この地上に帰す……
 だが、それは光を集め、願いを叶えることによってでは、ないんだ……」

「何を…… 言ってるんだよ……!」
今まさに飛び掛らんとする朋也を芳野達がガッシリと抱え込む。
そんな光景を尻目に、再度直幸は口を開いた。

「愛するものの肉体を取り戻したところで……
 再び元の世界に還った所で……
 そこには失う苦しみが待っている。いつまた愛するものを失うか判らないんだ…
 それは…… おれの理想とする世界じゃない……」

普段は寡黙な直幸が、額に汗してその理想を語る。
まるで、今まで抱え込んできた一切の想いを吐露するかのように。
「君達にも…… 覚えがあるだろう。
 愛したものたち…… 懐かしい風景。何もかも、変わらないで欲しい。
 そんな世界を夢見たことは、あるだろう……」

直幸の言葉に一同がハッと息を呑む。
それは、その場にいる誰しもが、夢見たこと。
砂漠と化した故郷を前にして、「変わらずにいて欲しかった」と、幾度願ってみたか判らない。

そしてまた直幸の言葉は…… 朋也にとっては、特別な意味を持つ言葉だった。
213クラナド戦記第125話5/7:2007/04/11(水) 16:11:42 ID:jTq+SUQP0
『ぜんぶ、変わらずにはいられないです……』

あの春の出会いの日。
そう言って立ち尽くしていた渚の姿と、父親の姿が被る。

「光を集め、叶うのかさえ判らない願いに頼るまでもないんだ。
 光を集めるのは、あくまで君達におれの邪魔をさせないため……
 おれには『胡蝶』があればいい。『胡蝶』で…… 精神体による、理想の世界を……
 何もかも変わらない永遠の世界を…………
 『幻想世界』を、おれはこの地上に創るんだよ……!」

夜の闇の中で爛々と輝く直幸の瞳。
狂気を宿したその恍惚の表情に向けて、朋也は叫んでいた。
「そんなもの、ただの逃げだろっ!」
芳野の手を振り払い、歩みを進めていく。

朋也は… 渚は……
あの坂の下から、共に頑張り、共に苦しみ、成長してきたはずだった。
だからこそ、父の逃げ口上が許せなかった。
例え変わってしまっても…… 失ってもしまっても……
いくらでも頑張って、新しい道を探せたはずだ。

「それは、あんたの弱さだっ!
 俺達は、変わる世界の中で…… 失いながら、それでも、生きていかなきゃいけないんだよっ!!」
声が詰まって、上手く喋ることが出来ない。
いつのまにか目から溢れていた涙を拭おうともせず、朋也は叫び続けた。

「あんたみたいな奴には負けないっ! あんたの持つ光、全部奪って……!
 俺達は、俺たちの世界を、取り戻すからなっ!!」
214クラナド戦記第125話6/7:2007/04/11(水) 16:14:59 ID:jTq+SUQP0
朋也以外の者達も、想いは同じだった。
「早苗…… 渚や風子を頼む。武器を持ってない奴らも、下がってろ」
秋生が背中の渚―――未だ意識を取り戻せないでいる娘を早苗に託し、直幸に向き直った。
生きるもの、生きようとする者たちの瞳が… 直幸を射抜いていた。

と、その視線の間に割って入る影があった。

「ゆ…… 有紀寧ちゃん!? どうして、そっち側にっ!?」
春原がかつて親しい時を過ごした後輩に向けて、唖然とした表情で問いかける。
「おそらくは『胡蝶』による精神支配だろう。そうか、彼女が有紀寧さんか………」
智代が複雑な視線を有紀寧に向けた。

「支配とは人聞きが悪いね。
 彼女はおれの理解者さ…… 他の数多の駒たちとは精神の質が違う。
 精神体にして『光』を操れるのも、彼女くらいのものじゃないかな……」

その言葉を裏付けるかのように、有紀寧の体が金色の力場に包まれていく。
「皆さん、随分大勢でいらっしゃってくださったんですねっ!
 直幸さん、こちらの皆さんに私から…… 『ゲンキ玉』、サービスさせて頂いても宜しいですか?」
「ああ、かまわないよ…
 早く彼らを、浮世の苦しみから解放してあげてくれるかな……」
直幸の言葉に、朋也が声を張り上げる。
「何が開放だっ……! あんたが俺たちにその苦しみを与えてんだろっ……!!」

「…………死の苦しみは一瞬さ。その後には永遠の安寧が待っている……」
落ち着き払った声で直幸が息子の怒声に応対する。

「あんたの思い通りには、させねぇよ……」
朋也が直幸と対峙する。
その手には、鷹文から託されたくまのぬいぐるみが。
215クラナド戦記第125話7/7:2007/04/11(水) 16:17:44 ID:jTq+SUQP0
「ことみ…… こいつは、使わせてもらうからな……」
言葉と同時、朋也の手中のぬいぐるみが眩い光に包まれる。
その、後には――――

「なんだい…… 古ぼけたぬいぐるみが、更にぼろぼろになっただけじゃないか………」

皮肉めいた直幸の言葉通り、そこには壊れかけた『人形』があるばかりだった。
片腕が取れた、金属製ロボットの玩具。
「なら、試しに喰らってみるかよ………」
朋也の言葉に、直幸の眉が微かに震えた。

「…………いや、遠慮しておくよ…」
言って、手を翳す。

「K&Mの卓越した頭脳はおれも良く知っている………
 彼らがその全力を賭し、愛娘に残した光なら……… 例え『偽光』でも――――」

儚げに舞う蝶が、夜の闇を鮮やかに彩っていく。
その幻想的な光景の中で、直幸は不適に笑っていた。


「―――少しばかり、手強そうだからね」
216クラナド戦記第125話:2007/04/11(水) 16:19:12 ID:jTq+SUQP0
◆病院


001 岡崎朋也 所持品:銃、折れた刀、『ガラクタ』(人造光)
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子 所持品:なし
006 伊吹風子(本体) / 意識不明
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
012 古河秋生 所持品:『獅子王』
013 古河早苗 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚/意識不明 所持品:なし
017 坂上智代 所持品:無し
018 仁科りえ  所持品:不明
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C
欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し 
欠番 いちのせことみ/負傷  所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』



『ガラクタ』
一ノ瀬夫妻が開発し、朋也が発現させたロボット玩具の人造光。
右腕部分が破損している。能力は不明。
217名無しさんだよもん:2007/04/11(水) 18:53:23 ID:ANTAB3990
お、おいおい!話もクライマックスになってきたなっ!GJだよっ!!
218クラナド戦記第126話1/2:2007/04/16(月) 23:50:20 ID:quZhKN4m0
始まりは、60億の死滅。

破壊の果てに残された、世界を創造しようとする者と抗う者たち。

「さて……そろそろ始めようか」
蝶がはためき、幾十もの精神兵達が具現化する。
「岡崎と秋夫さんは奴のスキを見て攻撃を」
「そしてそのスキはボク達が……」
「つくってやらぁーーーっ!」
芳野、勝平、春原が気合と共に直幸に向かって走り出す。

「あんたらっ。かよわい女性に近づいてんじゃないのよ」
すでに得意の投擲でいくらかの精神兵を撃破している杏。

気を失っている渚、風子、ことみを抱え後退する早苗、公子、椋。
それらを守るように戦う美佐枝、鷹文、仁科、芽衣。

そして一人有紀寧と対峙する智代。

未来を感じた自分の掌。やるしかない。
「いくぞ小僧っ」
「ああ、オッサン」
219クラナド戦記第126話2/2:2007/04/16(月) 23:51:29 ID:quZhKN4m0
「先に『ゲンキ玉』、サービスさせてもらいたいんですね」
「一つだけ確かめたい」
智代の問いかけに有紀寧が反応する。そしてレス。
「なんでしょう?」
「この場にいるのはあなたの意志によるのもなのか?」
「はい、そうです。私自身あの人の考えに賛同しているからこそこの場にいます」
間髪入れずに答えが返ってくる。
「わかった。全力でやる。あの男のためにも」
かつての力を戻してくれた男の、最期を看取った男の最後の頼み。

「あの人の魂を開放してほしいんだよ……
 この世界じゃ……死んでもまだ『終わり』じゃねぇんだ……
 『胡蝶』……あいつが岡崎直幸の手にある限り、死者に安息はねぇ……
 いつまた『武器』としてこの世界に呼び戻されるか、分かったもんじゃねぇんだ。
 ひでぇ話じゃねぇかよ……死んじまってもまだ、この地獄から開放されないなんてよ……」

脳裏に勇の言葉がよみがえる。彼女を直幸の手からの解放すること。
今はそのことだけにこの力を使おう。
そう決意した智代はゆっくりと重心を落とし、構えた。
220クラナド戦記第126話:2007/04/16(月) 23:52:12 ID:quZhKN4m0
◆病院


001 岡崎朋也 所持品:銃、折れた刀、『ガラクタ』(人造光)
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in
004 春原陽平 所持品:無し(上着に癌細胞)
005 伊吹公子 所持品:なし
006 伊吹風子(本体) / 意識不明
007 柊勝平 所持品:44マグナム
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明)
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ
012 古河秋生 所持品:『獅子王』
013 古河早苗 所持品:レインボーパンほか
014 古河渚/意識不明 所持品:なし
017 坂上智代 所持品:無し
018 仁科りえ  所持品:不明
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C
欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し 
欠番 いちのせことみ/意識不明  所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』
221名無しさんだよもん:2007/04/17(火) 12:03:23 ID:xgsLQrcBO
お、おいおい!
222名無しさんだよもん:2007/04/18(水) 12:36:32 ID:T2oxwmzq0
何だかよくわからないけど――行くよ――――
223クラナド戦記第127話 1/3:2007/05/09(水) 18:51:29 ID:xPR9+UvM0
智代が有紀寧との戦闘に入ったのと同時、芳野達の援護を受け、朋也と秋生は直幸の前に立った。
『胡蝶』の産み出した精神兵達と交戦する芳野達を背に、秋生が『獅子王』を静かに構える。

「アンタの言うことも分かる。誰にだって…そう、俺にだって、ある」
変わらないでいて欲しい、そう願ったことが。
「けどな…やっちゃいけねえことだって分かる。アンタは自分の目的のために、渚達に手ェ出しやがった」
たくさん、たくさんの涙を流させた。
「例え小僧の父親だろうと、絶対に許さねぇっ!!」
言葉は聞こえている筈なのに、直幸は全くの無反応。
掌で『胡蝶』を玩ぶだけだった。

朋也が続ける。
「親父、さっき自分で言ったよな…
 光は自分の理想とする世界を作るために不要だって…
 それなら、それなら……! 独りで、誰にも迷惑かけずにやってろよっ! どうしてこんなことするんだよっ!!
 答えろっ!!」
もし先程直幸が言ったことだけが真実ならば、この狂った世界は不必要ということになる。

朋也の叫びに何か感じるものがあったのか、直幸がゆっくりと朋也達の方を向く。
その眼に宿るのは―――憎悪。
「すべては―――」
眼鏡の奥の瞳が、朋也を射抜く。

「すべては、朋也…お前から“奪う”ためだ」
224クラナド戦記第127話 2/3:2007/05/09(水) 18:52:07 ID:xPR9+UvM0
「…奪う? 俺から何もかも奪ったあんたが、まだ何か奪うってのかよっ! 今度は何だ、命かっ!!」
「―――――未来」
「!?」
そのあまりにも冷たい声色に、朋也は一瞬息を呑む。

「さっきも言ったね…ここが、どんな場所か」
選ばれぬ未来、可能性の墓場。
それは、よく知った顔の老人の、よく知らなかった顔と一緒の記憶。
「その、可能性は……一体、誰の可能性だと思う」
そんなの決まってる。
「みんなの可能性だ!」

「違うっ!!!」

こんなにも声を荒げている直幸を、朋也ははじめて見た。
「人の可能性…? 未来を選ぶ…? そんなこと、ただの人には無理だよ。
 人は、未来を選んだつもりになって、ありもしない可能性を妄信しているだけさ。
 でもね……
 朋也。お前だけは……違う。
 未来を選び、可能性に生きることができる。
 そうさ…ここは、お前の可能性の墓場だ。………朋也」

「何を……言って……?」
目の前の男は何を言っている…?
「ここに集った人間は全て、お前を中心とした世界に属するものたちだ。
 あの幸村でさえ、お前の持つ可能性が内包した一面に過ぎないんだよ。
 ああ、勿論…この世界自体はおれの意思によるものだがね……」
225クラナド戦記第127話 3/3:2007/05/09(水) 18:56:53 ID:xPR9+UvM0
「意味……わかんねえよ…」
頭がぐらぐらする。さっきまで立っていたはずの地面は…本当に地面だったのか? それさえもあやふや。

「話を戻そうか。そう…おれが欲しいのは、ここまでして欲しているのは……お前の、その力というわけさ、朋也。
 可能性の力はおれが求める世界にとって危険すぎる。強くなりすぎた可能性の力は、なんでもありのワイルドカードと変わらない……
 だから……」
ゆっくりと、直幸は朋也達との距離を縮めだす。

「小僧、迷ってる暇はねぇ! 何だかよく分かんなくてもよ……」
秋生は獅子王の柄を握る手が汗ばんでいるのを感じ、小さく舌打ちをした。
「今は、行くしかねえっ!!」
秋生の言葉が朋也を現実へと連れ戻す。
今は呆けている時ではない、何をすべきか思い出せ、と。
「………分かってるっ…!」

直幸の言うことが全て真実で、自分が原因で皆を巻き込んでいるのだとしても…
それを後悔することより、皆に謝ることより、先にすべきことが―――今の朋也には分かる。
傷つけて、失って、それでも、歩みを止めなかった…今の、朋也には。

「いまいち頼りないが、頼むぜ…俺の、光っ!!」
朋也の想いに応えるように、右腕の無いガラクタ人形が静かに唸りを上げた。
226クラナド戦記第127話:2007/05/09(水) 18:57:29 ID:xPR9+UvM0
◆病院 


001 岡崎朋也 所持品:銃、折れた刀、『ガラクタ』(人造光) 
002 藤林杏 所持品:辞書いっぱい 
003 藤林椋 所持品:ルガースーパーレッドホーク9in 
004 春原陽平 所持品:無し(上着に癌細胞) 
005 伊吹公子 所持品:なし 
006 伊吹風子(本体) / 意識不明 
007 柊勝平 所持品:44マグナム 
009 相楽美佐枝 所持品:銃、洗濯ロープ、ライター、リュック(中身不明) 
011 芳野祐介 所持品:工具一式、防弾チョッキ 
012 古河秋生 所持品:『獅子王』 
013 古河早苗 所持品:レインボーパンほか 
014 古河渚/意識不明 所持品:なし 
017 坂上智代 所持品:無し 
018 仁科りえ  所持品:不明 
欠番 春原芽衣 所持品:グロック18C 
欠番 坂上鷹文 所持品:ことみに貰った武器少し  
欠番 いちのせことみ/意識不明  所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』 

015 宮沢有紀寧(精神体) 所持品:『コミック力場』『ラブアンドスパナ』 

欠番 岡崎直幸 所持品:『光弾銃ゾリオン』、『三千世界・上巻』、『三千世界・下巻』、 
『アポロンの銀弓』、『バーサーカー・レクイエム』、『スティーリィ・ベアー』、 
『ゼウクシスの魔筆』、『レイジングヒトデ』、破損:『リントホルストの壺』(人造光) 『胡蝶』 
227名無しさんだよもん:2007/05/12(土) 01:38:38 ID:zUBrkfKbO
頑張れ
228名無しさんだよもん:2007/05/14(月) 07:23:26 ID:KZRLkOne0
ハカロワReturnsの頃から見てるよー
229名無しさんだよもん:2007/05/14(月) 09:11:33 ID:UzP2vVM80
お、おいおい!
230名無しさんだよもん:2007/05/30(水) 23:37:16 ID:6Skf2fTU0
なんだかよくわからないけど、保守するよっ!
231名無しさんだよもん:2007/06/14(木) 20:14:21 ID:EP3/wfyl0
お( ^ω^)、おいおい!(;^ω^)
232名無しさんだよもん:2007/06/29(金) 00:12:40 ID:SMJ1fIcu0
ageよう
233名無しさんだよもん:2007/06/30(土) 03:05:21 ID:n2iOOwgn0
何だか
234名無しさんだよもん:2007/08/05(日) 01:50:43 ID:l2yYqQI90
保守
235クラナド戦記最終話 希望を胸に:2007/08/25(土) 12:23:27 ID:HQ1JVJ490
朋也「チクショオオオオ!くらえ親父!新必殺人形火炎斬!」
直幸「さあ来い朋也アア!おれは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
直幸「グアアアア!こ このザ・無職と呼ばれる直幸が…こんな息子に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
直幸「グアアアア」

一ノ瀬父「直幸がやられたようだな…」
一ノ瀬母「息子ごときに負けるとは親父の面汚しよ…」
朋也「くらえええ!」
(ズサ)
2人「グアアアアアアア」

朋也「やった…ついに全員倒したぞ…これで汐のいる幻想世界の扉が開かれる!!」
汐「よく来たな光マスター朋也…待っていたぞ…」
(ギイイイイイイ)
朋也「こ…ここが幻想世界だったのか…!感じる…汐の魔力を…」
汐「パパよ…戦う前に一つ言っておくことがある パパは私を倒すのに『光』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」
朋也「な 何だって!?」
汐「そしてパパの仲間はやせてきたので元の世界へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
朋也「フ…上等だ…俺も一つ言っておくことがある この俺に金髪の親友がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
汐「そうか」
朋也「ウオオオいくぞオオオ!」
汐「さあ来いパパ!」
朋也の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!
236(,,・ω・) ◆Erimo/2pEY :2007/08/25(土) 17:58:37 ID:f0l+QqIfO BE:430040063-2BP(2346)
まさかここでそれが来るとは

金髪「  まそっぷ 」
237名無しさんだよもん:2007/08/25(土) 18:33:06 ID:15LmJS3uO
まだ生きてたのか蛆虫以下の糞空気コテ
238名無しさんだよもん:2007/08/27(月) 22:46:29 ID:OAnfqWp+0
第一部 完
239名無しさんだよもん:2007/08/30(木) 04:43:00 ID:LoTS4RQz0
んじゃ、格闘トーナメントやろうぜ
240名無しさんだよもん:2007/09/19(水) 11:59:15 ID:6BfPE+KP0
なんという最後・・・感動したwwwwwwwwwwww
241クラナド戦記第128話 1/2:2007/09/21(金) 19:53:47 ID:X5F5dkyE0
 岡崎さんは直幸にされるままに風子と同じようにバイブを押し入れられて、風子のすぐ隣に四つんばいになった。
 苦しいはずなのに嫌がるそぶりなど全然見せずに言いなりだ。
 お客さんに逆らうと岡崎さんでもただでは済まないことをよく知っているせいだと風子は思った。
 直幸が後ろから責めるたびに岡崎さんの声が、部屋いっぱいに響き始めた。
 直幸が面白がって、岡崎さんの胸を両手で掴んでねじり上げると、岡崎さんの甲高い悲鳴が部屋に響いた。
「こっちの女の方がよっぼどド変態だぜ」と直幸が言うと、岡崎さんは急に泣き出してしまった。
 風子はきっと岡崎さんは風子よりもっとひどい目にあってきたに違いないと気がついて、急に岡崎さんが可哀相に思えてきた。
「今度はお前の番だ」
 直幸に言われて岡崎さんはパンティーを脱いだまま、非常階段を降りて登ってこさせられた。
 風子が上で待っていると、下から階段をあがってきた岡崎さんは風子に抱きついて体を震わせた。
「この子、もっとドスケベなんだから、バイブいれたまま、下まで降りたいんだって」
 と岡崎さんが言うと直幸は「ホントはお前がやりたいんだろう」と言ってバイブを岡崎さんに渡した。
「この子がやりたいって言ってるんだから」と岡崎さんがなんとか言い返そうとしたが「お前がやるんだ」と直幸に言われてもう逆らえない。
 岡崎さんは、泣きそうな顔でバイブを入れて階段を下り始めた。
 風子は何を言われても岡崎さんが逆らわないので、びっくりして事の成り行きを見ていた。
 岡崎さんが部屋に戻ってくると、直幸は岡崎さんを縛りつけて床に寝かせて、バイブを2本とも差し込んだ。
 それから風子を岡崎さんの上におおいかぶるように四つんばいにさせ、前と後ろから責めてきた。
 風子の口からよだれが流れて、岡崎さんの頬に伝わると岡崎さんはいやがるように顔を左右に振った。
 直幸が風子の背中を押しつけると、風子の胸が岡崎さんの胸に重なって岡崎さんが苦しそうに喘いだ。
242クラナド戦記第128話 2/2:2007/09/21(金) 19:55:23 ID:X5F5dkyE0
 直幸達が帰ると、風子は岡崎さんの縄をほどこうとした。
 だけど岡崎さんが「お願いほどかないで」と泣きじゃくりながら風子に叫んだ。
「お願い、そこのスリッパで私をぶって」
 と言い出すので、風子はどうしていいのか分からなくなった。
「いいからそのスリッパで私のお尻を打つのよ、早くして」
 と岡崎さんが泣きじゃくるので、風子はスリッパを持って岡崎さんのお尻を軽く叩いた。
「もっと強く、もっと強くじゃなきゃだめなの」
 と岡崎さんがまだ言うので、風子は昨日風子がされたような勢いでお尻を叩いた。すると岡崎さんは
「ごめんなさい、二度と逆らいません、ごめんなさい、もう二度と逆らいませんから許して。私は変態でドスケベです、オXXXXが大好きです」
 と大きな声で叫び始めた。
 風子はどうしていいのかわからずに岡崎さんのお尻をスリッパで叩き続けた。
 随分時間がたってから、組の事務所の直幸が様子を見に来た。
 岡崎さんが縛られているのを見てすぐには事情が飲み込めないらしくて「何やってんだ」といきなりどなりつけられた。
「この子に、ひどい目に遭わされたの、お仕置きしてやって」
 と岡崎さんが直幸に言いつけた。
 直幸は風子が腹いせに岡崎さんを縛り付けてスリッパで叩いたと思いこんだらしい。
「てめえ、なにしてやがる」
 と大きな声でどなると直幸は風子を床に押し倒して、今度は風子が縛られた。
 風子が直幸にスリッパで叩かれると満足そうな顔で岡崎さんは風子の髪をつかんで頭をこづきつづけた。
「この女このくらいじゃ、だめだから、裏本に載せてやってよ」
 と直幸にせがむと「そうだなそうしよう」と直幸が相づちを打った。
 どうも風子をモデルにして裏本を撮影するということで話しがまとまったらしい。
 いったいどうしてこんな事になったのか訳が分からないけど、岡崎さんに上手く仕組まれたとしか言いようがない。
243クラナド戦記第128話:2007/09/21(金) 19:56:22 ID:X5F5dkyE0
◆病院
001 岡崎朋也 所持品:なし
006 伊吹風子(本体) 所持品:スリッパ
欠番 岡崎直幸 所持品:『マジカルバイブ』
244名無しさんだよもん:2007/10/13(土) 00:09:20 ID:HguBFZB20
あげー
245名無しさんだよもん:2007/10/22(月) 22:44:05 ID:Zpr6sGW+0
しばらく様子見してたんだけど
>>235>>241-242もログに取り入れるべき?

つーか、>>235で完結でOK?
246名無しさんだよもん:2007/10/22(月) 22:54:57 ID:ybLofOE30
この物語は完結していない
すなわちNever End
247名無しさんだよもん:2007/10/22(月) 23:11:56 ID:Zpr6sGW+0
ウィ。じゃあ地道に待ってる。
248名無しさんだよもん:2007/10/22(月) 23:16:30 ID:Zpr6sGW+0
ノン。地道に保守しながら待ってる、だった。
249名無しさんだよもん:2007/11/25(日) 19:47:14 ID:YEHl/wMm0
保守
250泉 こなた:2007/11/28(水) 23:38:52 ID:ohTdgMyK0
クラナド好き
251クラナド戦記第129話:2007/12/05(水) 10:59:06 ID:nt7Elhzf0
直幸「クックック・・・他愛もない。 『光』の持ち主ともあろうものが、
 この程度の能力とは、期待外れもいいところです」
ことみ「ご、ごめんね… 朋也くん。でも、こいつらの狙いは私だけなの…
 私さえいなくなれば、もうキミが巻きこまれることもないの――」
朋也「な、なんなんだお前らっ! ことみを、ことみを離せっ!」
直幸「そういう訳にも行きません。我々にとって、この女は危険だ。
 消えてもらう以外にはないでしょう? もっとも、脳だけは残しておきますがね。
 バルスキルスの定理を解き、我々の悲願を達成するためには、
 彼女の知識を解析する必要がありますからね… クックック…」
ことみ「朋也くん… さよならなの…」
朋也「貴様ら… う… ぐ…うおああああああああああああああ!!!」
ズゴゴゴッゴゴゴゴ…
直幸「な、何!?」
ことみ「こ、この力は…! 朋也くん…私と、同じ…?」
朋也「イッヒ・ナーメ・イスト・ドゥラ・イーモン… 冥界より来たりし凍てつく吹雪よ、
 我が剣となりて敵を滅ぼせ…」
直幸「ば、馬鹿な! なぜ、ただの人間がこの技を! 貴様、まさか――!」
朋也「知る必要はない… お前はやりすぎた。そのことを地獄で後悔しろ!
 『エターナルフォースブリザード』ッ!!!!!!!!!!」

『エターナルフォースブリザード』
一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる
相手は死ぬ。
252クラナド戦記第129話
◆病院
001 岡崎朋也 所持品:なし
欠番 いちのせことみ/負傷 所持品:多数の武器、『ディー・ガイゲ・デア・ツァイト』
欠番 岡崎直幸 死亡