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126名無しさんだよもん
「うぉぉおおおおおおお!!」
 俺は全力で駆け出す。足元の床が崩れきるよりも早く。
 間に合うか!?
「ぜえ……はぁ……やったか……」
 走り抜けた後は疲労が残る。後ろをふと見やる。
 俺がさっきまで走ってた床は完全に下の階へと崩れ落ちていた。
「これじゃあ七瀬のところまで戻れそうにもないな」
 ふいに溜息をつく。身体が脱力しかかっていた。
 なんつうかもう限界。かったるい。
『おい、早く美凪達を探しにいくぞ』
 国崎が俺を急かす。確かに悠長にしている事態ではない。
 だが身体の疲労は俺の気分までも萎えさせていた。

A すまねえ。俺もう限界。後はお前に任せるわ。身体の主導権を国崎に渡す。
B しょうがねえなあ。疲れた身体を引き摺って歩き出す。
C もうなんつうかどうでもよくなってきた。現世への執着自体失せてきた。
127名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 00:41:49 ID:w2/0Fu56O
C
128名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 00:51:46 ID:zKkoqohz0
 なんというか俺はやる気をなくしていた。
 そもそも俺がこんな現世くんだりまで戻ってきたのは
 俺を殺した七瀬にせめてもの仕返しをするためだった。
 だが適当な身体の主に取り付いたはいいが毒物喰わされそうになるわ
 震災に巻き込まれるわでとんとろくなことがねえ。
 たまたま再会した仇の七瀬に対しても実際会って見るとそんなに強い復讐心は感じなかった。
 まあ状況が状況だしな。それになんつうかもうどうでもよくなってきたな。
『おい、早くしろ。ぐずぐずしている暇はないぞ』
 国崎は再度急かす。コイツには迷惑かけちまったな。正直すまんかった。
 そうだな……俺は……

A 『後は好きにしてくれ』 国崎の身体から出て行き成仏することにした
B 『そうだな。そろそろ行くとするか』 せめて美凪達を見つけるまでは付き合うことにする
129名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 00:56:40 ID:QXjnKb/S0
A
130名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 01:41:57 ID:zKkoqohz0
『あばよ。国崎。勝手に取り付いて悪かったな』
「はぁっ!?何をいっとるんだお前は……っておい!?」
 国崎が何か叫んだ気がするが俺の霊体は国崎の身体から抜け出る。
 そのまますっと吸い込まれるように天へと昇る。
『ん?あれは……』
 ふと目に止まる。俺の後についてくる一つの塊。そうあれは……
『ボス』
『バウ!ワウ!』
 ボスもまた俺の後を追いかけて毛玉犬の身体から抜け出ていた。
 すまなかったな。ボス。こんな茶番につき合わせちまってよ。
『ワンワン』
『何?気にすることはないって?そうか…お前はいい奴だな』
『ワン!』
 鼻を摺り寄せてくるボスを俺は撫ぜる。そうだな。
 一度死んだ身が現世に未練たらたらってのはみっともないってのはよく分かった。
 死人は大人しく成仏。これに限るな。なあにボスが一緒だし退屈はしねえだろ。
 あの世でのんきに待ってりゃそのうち知った顔にもまた会えるさ。
『じゃあ逝くかボス』
『ワン!』
 こうして俺とボスは還ってゆく。安らかな死後の世界へと。

A fin
B エピローグ 
131名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 01:47:01 ID:0knrrfHg0
B
132名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:01:49 ID:qzsIEyCdO
ちょっwwwおまwwwwww
133名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:27:48 ID:y/YN/9Fd0
 オッス、オラ浩之。
 七瀬のせいで死んでしまって復讐のために現世に戻ったのはいいが。
 やる気をなくして早々にUターンしてあの世に戻った。
 ………戻ったのはいいが。

「はーい、一般の方はこちらに並んでくださ〜い」
「こちらの列は親などより先に死んだ子供専用『賽の河原』です、
 みんな、いい子だから一列に並んでね」
「地震に前後して自殺された方は地獄第七圏第二の環行きです」
「ああもう、いそがしいったらありゃしないよユンナ」
「我慢しなさいコリン、まだまだ増えるかもしれないのよ」
「(……良かった、芳晴は来てない様だ)」

 戻ってみると天使やら死神やら悪魔やらが忙しく働いている。
 どうも地震のせいで天国も地獄も処理能力が追いつかないようだ。
 あちこちに行列ができて、あぶれた人たちが雑談までしている。
 ふと見ると、あっちにツインテールの女の子がいた。
 七瀬と違って、物憂げで儚そうな少女だ、ちょっと声をかけてみよう。
 俺とボスはツインテールの少女に近寄る。
「バゥ、バゥ」
「よぉ、君も死んじゃったのか。ま、あの世もそんなに悪かぁねぇぜ」
 声をかけられて俺のほうを向いた女の子は美人だった……が、何故かブツブツ言っていた。
「羨ましいわね、おざなりでもエピローグがついて。私なんてブツブツ……」
「? 何言ってるんだ?」
「……まぁあなたには関係ないけどね、そうね、少しおしゃべりでもしましょう」
 そんなよく分からないやり取りをしつつも、俺とボスは少女とのおしゃべりを楽しむ事にした。

「次はもっとマシな話だといいな」
「バゥ!」


 Fin
134名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:40:19 ID:y/YN/9Fd0
では、僭越ながら自分が次回作品のテンプレを貼らせていただきます

A ナイトライター(with 雀鬼's)
B MOON.
C まじかる☆アンティーク
D 誰彼
E ToHeart2
F CLANNAD (+智代アフター)
G 天使のいない12月
H 痕
I Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
J Kanon
K 鎖
L  Tears to Tiara
M Filsnown
N Routes
O こみっくパーティー
P 雫
Q うたわれるもの
R AIR
S To Heart
T White Album
U テネレッツァ
V ONE
135名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:40:58 ID:qzsIEyCdO
Q
136名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:45:02 ID:y/YN/9Fd0
いよいよジンクスを脱出か?

A ハクオロ   
B エルルゥ   
C アルルゥ   
D テオロ     
E オボロ     
F ドリィ      
G グラァ     
H ベナウィ   
I クロウ    
J トウカ
K カルラ
L ウルトリィ
M カミュ
O ゲンジマル
P クーヤ
Q サクヤ
R ヒエン
S ハウエンクア
T ニウェ
U ワーベ
V ムント
W トゥスクル
X ポナポイ
Y カンホルダリ
Z オリカカン
Σ ここに出てない人
137名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:45:19 ID:3W3lQnjq0
P
138名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:45:23 ID:3r589ab1O
139名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:45:27 ID:qzsIEyCdO
H
140名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:45:41 ID:UvGOF+Lj0
J うっかりカモン!
141名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:47:13 ID:edaZed240
デリ放題がいない。ムーミンもいない。しかもDもいやしない。
142名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:51:45 ID:qzsIEyCdO
しかもポナポイって誰だw

まあ、リストを貼ってくれただけでも>>136には大感謝だが。

選び負けたけどなorz
143名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:57:13 ID:9DywcJFC0
こんにちは。サクヤです。
え、おまえじゃないだろですって?
そんなこといわないでくださいよぉ。
だって今クーヤ様は

A 証人喚問されてるんですから。
B 学園に行く準備をされてるんですから。
C お化粧をしているんですから。
D お昼寝をしてるんですから。
E お爺ちゃんに剣を習ってるんですから。
F 敵対買収をしかけているんですから。
G ハネムーンの最中なんですから。
144名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 02:57:53 ID:D7QWwluc0
145名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:02:05 ID:wsWEoM/G0
そうなんです、クーヤ様は例の事件以来
心が子供に戻ってしまい
今はお昼寝の真っ最中なんです。

「あう〜サクヤ〜サクヤ〜」
あっ、クーヤ様が起きちゃいました。
「ほら、まだお昼寝の時間ですよ」
「う〜」
「良い子ですからもう一度寝ましょうね」


A 私とクーヤ様は、それからも静かな日常を送りました
B いけません、クーヤ様が泣き出してしまいました
146名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:04:23 ID:3W3lQnjq0
A
147名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:07:38 ID:oQ12X+9G0
私とクーヤ様は、不自由ながらも穏やかな日々を過ごす事になりました。

fin

次回作品の選択をどうぞ

A ナイトライター(with 雀鬼's)
B MOON.
C まじかる☆アンティーク
D 誰彼
E ToHeart2
F CLANNAD (+智代アフター)
G 天使のいない12月
H 痕
I Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
J Kanon
K 鎖
L  Tears to Tiara
M Filsnown
N Routes
O こみっくパーティー
P 雫
Q うたわれるもの
R AIR
S To Heart
T White Album
U テネレッツァ
V ONE
148名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:08:58 ID:qzsIEyCdO
T
149名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:09:35 ID:w2/0Fu56O
F
150名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:10:53 ID:oQ12X+9G0
主役を選択してください

A 藤井冬弥
B 森川由綺
C 緒方理奈
D 河島はるか
E 澤倉美咲
F 観月マナ
G 篠塚弥生
H 七瀬彰
I 緒方英二
J フランク長瀬
151名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:11:23 ID:qzsIEyCdO
F
152名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:11:35 ID:3r589ab1O
153名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:12:39 ID:qzsIEyCdO
初めて主役を選べた……携帯でもやればできるんだな………(感無量
154名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:16:16 ID:xtvQqWH00
頼むから30秒でチェックしてすぐ書き込むことができる方法伝授してくれ。
155名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:23:26 ID:oQ12X+9G0
こんにちは、WHITHALBUMのツンデレロリ担当観月マナです
私は今……


A 受験生、嫌々ですが勉強しています
B ファンタジーな世界に迷い込んでしまいました
C 大学受験も終わり、卒業旅行を計画しています
D ……一言で言って、修羅場です
156名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:25:15 ID:w2/0Fu56O
D
157名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:26:35 ID:qzsIEyCdO
>>154
マジレス。

基本はリロードの鬼。鯖に負担はかかるがそこは心中で謝罪するしかない。
携帯の単語帳に“sage”って登録しとくだけでもだいぶ違う。そうしておけば、ここだけならPCよりも早い。
後はもうスピード勝負。あと、目当てのキャラを素早く見つけれる愛。
158名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:35:41 ID:xtvQqWH00
>>157
返答どうも。
なるほど、でもなぁ…
キータイピングと手持ち携帯の反応とリロードする度の接続料金が…。
このスレだけのために携帯変えるわけにはいかないし…。

やっぱ家にいられるこの時間帯しか参加できない…。
159名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:50:48 ID:RBCb7nZI0
 修羅場、そう修羅場なのです。
 私達WAヒロインに課せられた使命なのですかね。
 私の想い人とドロボウ猫というのは―――

 (想い人とドロボウ猫を指定して下さい)

 ちなみに私とその思い人の関係は……

A まだ私の片想い
B 付き合い始めたカップル
C むしろ結婚していて夫婦
160名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 03:59:27 ID:Pqlnr9+x0


想い人:巳間良祐
ドロボウ猫:保科智子
161名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 04:00:52 ID:3r589ab1O
想い人:日本一の弟
ドロボウ猫:黒きよみ
関係:A
162名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 07:34:17 ID:2dwlYebF0
良祐さんの家で現在にらみ合い中です
「………」
「………」
「あっ、あの〜ちょっとは落ち着いて」
「「きっ」」
じゃまをしないで良祐さん、こいつ殺せない
ふっと、意識をそらした瞬間

A 智子がナタで切りかかってきた
B わたしは鋸で智子の首に切りかかった
C 共に刺し違えて窓から落っこちた
D 争いの中レズに目覚めて邪魔な良祐を二人で殺った
163名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 07:52:24 ID:niHLka8W0
164名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 07:59:31 ID:2dwlYebF0
「殺しちゃった」
「そやな、これからどうする?」
「私、智子とならどうなってもいい」
「うちもや……」
その場で血まみれになりながらキスをした
そして

A おとなしく警察に出頭した(fin)
B そのまま、濡れ場に突入した(エピ)
C 二人で逃亡生活に入った
165名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 08:00:48 ID:HD6ZFEzw0
166名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 08:12:36 ID:/FNRcAy/0
浩之主役の話のタイトル決めてくれ。

A『振り返ればボスがいる』
B『浩之が死んで復活してまた死んだ話』
C『真・藤田転生 デバンヘルナー』
D『黄泉がえり 』
E『空の向こうには犬を連れた少年がいる』
F『プランナーシのボス』
167名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 08:17:53 ID:0Dll7wkt0
C
168名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 08:47:09 ID:qzsIEyCdO
起きて見れば…………………orz
169名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 09:04:42 ID:wrrV0FL3O
なかーまorz

ちょっと酷いぞ…
起きたら3作打ち切りは…

つーわけで選択枝


A時間よ戻れ昨日まで
B現実は無情である!!新たな作品へ
170名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 09:20:32 ID:3r589ab1O
戻しても今の流れじゃ2回目の打ち切りや即死になりかねない。
もうこれから以上グダグダする隙をみせたくないので
暗黒期以来のぶざまな事態だとは思うが敢えてB。
171名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 09:42:49 ID:hKkpLtDE0
んじゃあ念のための選択肢
A 一応エピがくるまで待つ
B 即死にエピなどいらん。このまま終了。
172名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 09:46:11 ID:mzhc1+m10
B
173名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 09:59:46 ID:hKkpLtDE0
OK 兄弟。次こそは即死は無しにいこうぜ。
作品選択だ。

A ナイトライター(with 雀鬼's)
B MOON.
C まじかる☆アンティーク
D 誰彼
E ToHeart2
F CLANNAD (+智代アフター)
G 天使のいない12月
H 痕
I Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
J Kanon
K 鎖
L  Tears to Tiara
M Filsnown
N Routes
O こみっくパーティー
P 雫
Q うたわれるもの
R AIR
S To Heart
T White Album
U テネレッツァ
V ONE
174名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:00:46 ID:mzhc1+m10
R
175名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:05:44 ID:hKkpLtDE0
主役選択だよ


A 橘敬介
B 柳也
C 霧島佳乃
D 裏葉
E みちる
F 神尾観鈴
G 神奈備命
H 最高
I 神尾晴子
J 霧島聖
K 遠野美凪
176名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:06:18 ID:lpevue7KO
I
177名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:06:18 ID:mzhc1+m10
B
178名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:06:28 ID:DnMoaybz0
I
179名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:12:13 ID:hKkpLtDE0
なんや、今度はうちが主役かいな。
まあ今まで総司令やの総理やの偉そうな肩書きついとったしな。
ここいらでいっちょパーっといこうやないの。
観鈴には負け取られへんで。
さて今のうちなんやが

A 観鈴が居候と結婚するよってその準備に大急がしや
B 保育園の保母や。やんちゃなガキ共に手をやいとるで
C 主婦キャラの集いで飲み会の真っ最中や
D ちょっときまぐれにバイクで日本一周や
180名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:13:32 ID:DnMoaybz0
D
181名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:13:33 ID:mzhc1+m10
B
182名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:41:56 ID:z8ITxib20
 きまぐれにな、バイクで世界一周旅行でもしようと思ったんや。
 ウチはまだまだ遊びたいんや、ずっと観鈴のお守りで一生を終えとうないわ。
 幸いな、この夏から居候も敬介もおる。それに観鈴だって一人で何だって出来る。
 ウチがほんのちぃーっと家を空けても、全然問題ないやろ。

「それじゃ観鈴、居候。火元には気いつけるんやで」
「うん、分かってるよ。いつもちゃんとやってるし」
「あはは、そやったな。途中でお金に困ったら敬介のところにでも電話し。
 普段何の役にも立たないアホなんやから、そういう時に徹底的に使ってやらないとあかんで」
「わ、お父さん酷い言われよう……」
 出発前に軽く観鈴と言葉を交わす。
 つーても、さっきも言ったとおり、普段ウチは家にいないようなもんやから、
 観鈴は一人でなんだって出来るさかい、予め言っとくことなんかないんやけどな。
「居候、ウチが居ない間に観鈴に手を出したらあかんで」
「誰がするか」
「なんやてっ!? ウチの可愛い観鈴に魅力がないとでも言うんか!?」
「誰もそんなこと言ってないだろ。それよりも土産はキッチリ用意しろ」
 相変わらずの調子の居候。
 まあ、この分やと観鈴の貞操は心配せえへんでも大丈夫やな。
「それじゃ、行ってくるわ!」
「うん、いってらっしゃい!」
「土産は食い物な」
 ウチは観鈴と居候に見送られながら、家を出た。

 さて……まずはどこに行こか?

A 温泉街隆山や
B TV局で有名な夕凪や
C 海の綺麗な島神がええで
D まずは近いところから、大阪辺りでええんとちゃう?
E 富士山でも見に行こか
F カニが食いたんや、北海道へ行くで
183名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:45:20 ID:RBCb7nZI0
D
184名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:56:53 ID:z8ITxib20
「大阪やぁーーっ!!」
 到着した瞬間に、そう大声で叫んだ。
 つーても、大阪は何度もきとるんやけどな。
 ウチの言葉遣い聞けば分かるやろ? 昔大阪に長い間いたことがあるんや。
 そういうわけで、勝手知ったる大阪の街ってワケや。
 どこになにがあるとか、どこの店が旨いとか、ウチはよう知っとるで。
 このままのんびりするもよし、いろいろ食い漁るもよし、
 なんかおもろいもんを見るのもよし。
 さて、どうしよか。時間と金はまだまだたっぷりあるんやしな。

A とりあえずメシやメシ!
B 水族館にでも行こかな
C 久しぶりにお笑いでも見に行きたいわ
D やっぱ野球でものんびり観戦しよ
185名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 10:59:18 ID:80nlVMOv0
C
186名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 11:34:20 ID:z8ITxib20
「祐一さん、私将来画家になるか詩人になるか迷ってるんです」
「詩人になるのがいいと思うぞ」
「え? 祐一さんに私の作った詩を見せたことありましたっけ?」
「いや、栞の絵を見てそう思っただけだ」
 そこで館内がドッと笑いに包まれた。
 せやけど……お笑いのレベルも落ちたもんやなあ。
 他の客はこんなんがほんとにおもろいって思とるんやろうか?
 まるでテレビに出てくる『オバサンの笑い声』みたいな、
 明らかにしょーもない笑い方やんけ。
 こんなんがお笑いなんて言っとったら、草葉の陰でやすし師匠が怒るで、しかし!
「もうお笑いも下火っちゅうことかな……」
 思わずそう呟く。これも時代の流れなんやろうか。
 その時――――

A 隣に座っていたおかっぱ頭の女の子がウチにいちゃもんを付けてきた
B 舞台になんと敬介のアホが上がっていた
C その時後ろから「キャーーーッ!!」と悲鳴が聞こえてきた
187名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 11:37:14 ID:WzQ6C2xD0
B
188名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 14:20:59 ID:4866e5ju0
「どーもぉー、ハードガイでーす!」
 舞台に近頃よぉ見かける芸人が登場しよった。
 なんちゅーか、やっとる事にネタもへったくれもなくて
 妙な格好と口調で、笑わせとるんやなくて笑われとる典型的一発屋やな。
「いやー、私ってばご覧の通りガッチガチの真面目な男でしょーう?
 ハードボイルドフーーーッ!!」
 アホくさ、腰くねくねふっとる格好がおかしなだけやん。
 そんなんでTVの前で「ガッチガチなのはちんこやろー」って
 つっこんで喜ぶんは小学生かDQNくらいのもんやで。
 お笑いとしては邪道も邪道、笑気ガスでも吸っとったほうがまだマシや。
 しっかしまあ、こうして生で見るとTVで見るよりもショボい衣装やな。
 顔もグラサンで誤魔化してるけど、案外軟弱ちゅーか――

「あーーーっ、あんた何晒しとるんやーっ!?」

 思わず舞台に駆け上がって、ハードガイのグラサンをもぎ取ると
 その顔は――やっぱり橘敬介!
189名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 14:21:30 ID:4866e5ju0
「オー、お客さーん!これはハプニング大賞をゲットするための
 プロデューサーの仕込みではありませんよぉー」
「ドアホ、いきなり楽屋オチに手ェ出すな!ネタの引っ込みがつかなくなるやろ!」
 一応うちの乱入をネタとして誤魔化すくらいのアドリブ能力はあるみたいやけど、
 このアホ……いつの間になんちゅう情けない仕事をするようになったんや。
 お笑い芸人しとるのもそうやけど、よりにもよってこんな汚れの一発屋なんて……
「なんであんたがそんな事やっとるねん!」
「自分でも驚きですがぁ、このキャラで芸能界で売れてしまったのだから
 いまさらファンの皆様を裏切るわけにもいかないのでーす」
 完全にハードガイというキャラに成り切っとる敬介は
 人が文句つけとるのに腰を振りながら話してて、腹が立ちよる。
「だいたい、そのふざけたしゃべりはなんや。
 人が真剣に怒っとるんやから真面目にしゃべり!」
「オー、お笑いにとってぇ、舞台とは真剣勝負のステージでーす。
 キャラクターで勝負してる芸人は舞台で素に戻るわけにはいきませーん。
 そのへんはぁ、ユーアーならバッチ分かるでしょーう?」
「まあ、それは分からんでもないけど……って、それ以前の問題だらけやろ!」
 ああもう、ノリつっこみしてもうた。なんかめっちゃ腹が立ってきよったわ。
 こうなったら……

A あんたの笑いとうちの笑い、どっちが客に受けるか勝負せえ!
B その格好、観鈴にばらしたるで!?
C これじゃ話にならんわ、楽屋に行って素でうちと話しぃ!
190名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 14:25:11 ID:iNwgO8O70
A
191名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 15:17:02 ID:4866e5ju0
「あんたのは笑わせとるんやない、笑われとるだけや。
 そんなんで他人笑わしたかて、何の意味もあらへん!」
「オー、これはおかしな事をおっしゃられる。
 結果としてより大勢の人が笑うんであればぁ、それはいい事じゃないですかぁー?」
 あかん、元々あまりソリが合わんけど、お笑いの価値観に関しては絶望的や。
「そんならうちが、本当のお笑いのほうが大勢笑わせられることを証明したる……
 あんたの笑いとうちの笑い、どっちが客に受けるか勝負せえ!」
 びしっと指を突きつけたる。
「……いいでしょう、ブームが終わりそうなところに
 ナイスタイミングなてこ入れ企画フーーー!バッチコーイ!」
 股間に手を当てて腰振りながら絶叫しよる……
 絶叫、シモネタ、楽屋オチ、お笑いの邪道の満漢全席や。
「勝負は……そうですねぇ、今週末にここで私の単独ライブがありまーす」
 こんな邪道な笑いで単独ライブ?ほんま終わっとる。
「あなたにはそこで私の前座をやってもらいましょう。
 当然あなたのほうが面白ければ、私はとんでもなく寒い思いをするでしょうし、
 私のほうが面白ければ、あなたは舞台の袖でそれを悔しい思いで見る羽目になりますね?」
「よっしゃ、後で泣く羽目になっても知らんで!」

 ――そんなわけで、うちは週末お笑い対決をすることになった。

A まずはネタをつくらんといかんな、久々に大阪の街を歩いてネタ集めや
B 実は昔お笑いコンビで馬鹿売れやったんや、相方に久々に連絡とってみよか(人物指定)
C 家に電話してみようか、居候か観鈴が面白いこと思いつくかもしれん
192名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 15:24:30 ID:iNwgO8O70
B 小牧
193名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 15:26:24 ID:Ag6EPPZBO
194名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 19:43:57 ID:Pp53Onag0
「おお、郁乃ちゃんか?久しぶりやなあ」
「なんか用?」
 そう鬱陶しげに電話に答えるのはウチの昔の相方の小牧郁乃ちゃんや。
 実は何を隠そうこのウチと郁乃ちゃん。ひょんなことで某テレビ局の
 素人漫才選手権にコンビ組んで出場して見事優勝したことあるねん。
 郁乃ちゃんは子供ん頃から病気しとったそうやがそれが治っても
 引きこもりな生活を続けとったそうや。それを心配した郁乃ちゃんのお姉さんが
 なんかのきっかけになればと当時町内で募集してた素人漫才の出場候補に
 勝手に郁乃ちゃんの名前登録したんがはじまりやったな。
 そんですったもんだあって何故かウチと組むことになって
 まあ、最初はどついたろかこのガキとおもいたなる程
 小憎たらしい小娘やったけど案外そんな凸凹がうもう嵌ったのか
 優勝してしまったんや。まあ郁乃ちゃんはもう二度とごめんや言うとったけど。
「そんでなウチ今度しょうもない下ネタしか売りのない三下芸人と勝負することになったねん。
 よかったら手伝ってくれへんか?」
「えっ?嘘でしょう。なんであたしがわざわざ駆り出されなきゃいけないわけ」
 あいもかわらずのつっけんどんな娘やなあ。うちの観鈴の爪の垢でもせんじて飲ませたいわほんと。
 まあ、そういうつっけんどんな突っ込みキャラがあんときは上手くはまったんやけど。
 しかしいきなり電話かけて力貸せ言うんも無理やしなあ

A 『手伝う義理ないから』 すまんかったな。ほかあたるわ。
B 『行ってくればいいじゃない。郁乃』『お、お姉ちゃん!?』 なんや電話の向こうが賑やかやな
C 『条件次第じゃいってあげてもいいけど……』 ん?脈ありか?
D 『あたしの替わりに暇そうな奴、貸したげる』 誰やろ?ちょい気になるな。
195名無しさんだよもん:2006/01/20(金) 19:45:19 ID:qzsIEyCdO
C
196名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 02:30:00 ID:8E7w1gbf0
『条件次第じゃいってあげてもいいけど……』

 ん? 脈ありかいな? あっさり断られる可能性も考えとったんやけど、話次第やったら上手く行きそうな気もするわ。

『正直、今はいい感じの病院ライフを送ってるのよ。
 それ捨てて表舞台に出るからには、それなりの見返りも欲しい、ってのは当然じゃないかしら』

 ……いい感じの病院ライフ? なんか気になったけど、ここでツッコんで機嫌損ねるのもアホらしい話や。

「なんや、見返りかいな。まあ出来る限りはしたるつもりやけど」
『話が早いわ、流石は晴子さん。じゃあ単刀直入に言うけど……』

A 『ボケとツッコミを変えてもらえないかしら?』
B 『ギャラは全額もらいたいんだけど。 あ、ついでに旅費も出してくれる?』
C 『今流行のハードガイネタをやりたいんだけど』
D 『上手くいったら芸を磨いてM-1を目指して本格的にお笑いを極めましょう!』
E 『引っ込み思案のお姉ちゃんを刺激するために、下ネタ全開で行きたいんだけどいいかしら?』
197名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 02:34:00 ID:757A3OGG0
A
198名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 10:33:32 ID:nwOsOn2t0
『ボケとツッコミを変えてもらえないかしら?』
 それが郁乃ちゃんの言う条件やった。まあウチはボケでもつっこみでも
 どっちでもかまへんのやけどな。
「別にかまへんけどなんでや?」
『同じことまたやってもマンネリでしょ。少しは変化が無いと』
 確かにそれもそうやな。既出ネタばっかでやりとおしても
 行き着く先はそれこそあのハードガイだかなんだか知らん
 使い捨て一発芸人やしな。まあここいらで新しい境地を切り開くのもええやろ。
「わかったわ。それでいこう。ほんで郁乃ちゃんの方は都合つくんか?」
『丁度大阪のおばあちゃんの実家に行く予定があるの。その点は大丈夫』
「そうか。ほんにすまんなあ。恩にきるわ」
 そう礼を言って電話を置く。ふうなんとか相方のめどがたってよかったわ。
 断られたら居候でもひっぱってくるつもりやったけど。
 さて、役割逆か。案外難儀かもしれへんな。ネタ出しも一から考えんと。
 そういえばウチと郁乃ちゃんって


A ウチがボケで郁乃ちゃんが突っ込みやったなあ
B 意外なことに郁乃ちゃんがボケてウチが突っ込んどったなあ
C その場のアドリブでよう役割入れかわとったなあ
199名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 10:58:52 ID:ck03ecH30
Bで、入れ替わって晴子がボケて郁乃が突っ込むんだよね?
200200GET:2006/01/21(土) 12:12:02 ID:eBogB0N/O
>>199
>>194
つ『突っ込みキャラがあむときは上手くはまった』
201名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 16:45:29 ID:EsSRrIQy0
 意外なことに郁乃ちゃんがボケてウチが突っ込んどったなあ。
 まあ、意外ちゅーのは周りの感想で、ウチとしては狙い通りやったけどね。

 ――つっけんどんな突っ込みキャラの郁乃ちゃんがボケに回ると、見ている観客は
 言動と立場のギャップから来る認識の揺らぎが刺激になって、そこにまず面白みを感じる。
 しかも、うかうかしてるとどっちがボケとるんか良くわからんようになるから
 否応なしにウチらのネタに集中せんといけないようになる。
 興味を持って集中してもらえれば、後はウチの考えたものごっつい台本で
 ドッカンドッカン笑いが取れるって寸法や。
 専門用語で言うところの「掴みはOK」ってやつやな。

 ああ、あれは完璧やった。今思い出してもゾクゾクするわ。
 郁乃ちゃんが芸能界の過密スケジュールに耐えられる体やったら、
 引きずってでもあの時にあのままデビューしたかったくらいや。

 しかし、郁乃ちゃんがツッコミなぁ……
 基本的に頭のええ子やし、間合いも悪ぅないからこなせると思うけど
 そうなると普通のコンビになって、どうにも掴みが弱くなりそうやな。

A ウチら美人コンビやし、見た目にこだわってみたらどやろ?
B やっぱ興味を引くには時事ネタやろな、TVでもつけてみよか。
C まあ、細かい打ち合わせは合流してからでええか。美味いもんでも食いにいこ。
202名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 16:54:12 ID:xBk6NSR30
C
203名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 18:55:29 ID:Apg/I6E60
まあ細かい事は会ってからでええか。
久しぶりの大阪や、まずは腹ごしらえや。
いくら関東と関西やと文化も味覚も違うといっても
あの関東の濃いぃ味つけはウチはどうも好かん。
蕎麦屋もどこもかしこもつゆがまっ黒やし、
大阪の薄いつゆが恋しいと思ってた所や。

ウチは早速道頓堀まで飯食いに行った訳やが…、
あ〜あかんな。カニ道楽にくいだおれ、づぼらやと
でかい看板やらマスコットがおる有名店は全部長い行列や。
飯っちゅうのは手早く食うもんや。並んでまでがっつくもんやない。
それにこういう有名店に入るのはよその地区のおのぼりさんや
観光旅行で来たカッペばかりなのがほとんどや。
地元の人間はもっと美味い穴場の店ちゅうもんを知っとる。
ウチも一件そんな店を知っとるんや。今日はそこで食う事にしたろ。

…お〜あったあった。まだ潰れずに残ってたようやな。
正直な話穴場すぎて客付きが少なすぎやからなあ、ここは。
ちなみにこの店の名は…、

A 姫百合蕎麦店
B 肉の智子
C 長岡大衆食堂
D 鉄鍋の詩子飯店・関西支部
204名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 18:58:26 ID:bjEYrPS/0
Dやな、なんとなくw
205名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 22:11:21 ID:hu4uvPAP0
「はいっ!青椒肉絲いっちょ上がりぃ!」
「おっ、あんがとさん」
 注文の皿の大盛りにウチは箸をつける。
 くぅぅぅぅ!!やっぱこの味やなあ。
 コテコテの中華に後はビールでも引っ掛けたい気分やわあ。
 美味いもんをぎょうさん喰う。やっぱ旅の醍醐味はこれに限るわあ。
 さて、ちいと腹も膨れたところでちょいと頭切り替えよか。
 一週間後の勝負に向けて日々何事も芸の肥やしや。
 一見しょうもなさそうなもんからおもろいネタがみつかるかもしれん。
 まずはどうするかな。

A 「最近どないや」店主と世間話でもしてみる
B 「なんかおもろいもんでもみつからへんかな」他の客の様子を観察してみる
C 「うわっ!ごっつう酒くさ」酔っ払いが絡んできた
D 「まだまだ食いたらんわ」もう一皿追加注文する
206名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 22:16:30 ID:eiYh1o410
207名無しさんだよもん:2006/01/21(土) 22:16:37 ID:TEx8LAPA0
A まずは世間話で風評調査
208名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 01:52:19 ID:3t4ssgzW0
「なんかおもろいネタでもあらへんかなあ…」
そう呟きながらウチは店の中をぐるりと見回したった。
ここは知る人ぞ知る穴場の店やからな、来る客も
地元でもかなりの通とかわざわざ地方から調べて探してまでやって来る
相当のグルメマニアとか、一癖ではいかん連中も来よる訳や。
ネタちゅうもんは本来こうした経験や出会い、トラブルまで
自分の渡った人生を糧に作っていくもんなんや。
一発ネタだけやと長くは使えへんし飽きられる。
常に新しいネタを仕込んでいかんと芸人はやっていけへんのや。

さて、なんかおもろい客はおらへんかな…、お、おったおった。
あの奥のテーブルに座っとる人はウチも見た事あるで。
確か…

A 最近人気が出てきた同人作家兼漫才師という触れ込みの由宇と詠美やないか
B この前なぜか吉本に入った元音楽プロデューサーの緒方英二やないか
C マンション建設や建築士の不手際で最近マスコミに追いかけ回されとる篁総帥やないか
D 「からえもん」って愛称で人気が出たがもはや倒産寸前の企業社長のインカラやないか!!
209名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 01:53:58 ID:yJDFtrip0
ベタだがA
210名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 11:32:50 ID:SW/iOmnI0
「ちょっとちょっとパンダ! なんなのよこの店は!?
 狭いし汚いしこの詠美ちゃん様にこんなところでお昼取らせようってワケ!?」
「文句は料理に手をつけてから言い。店は小っさくてもここの料理は絶品や。
 連れてきてやっただけでもありがたいと思わんかい!」
「っきーーっ! パンダの癖に〜〜!!」
 奥のテーブルから聞こえるそんな痴話喧嘩。
 あの声は確か……。
 ウチはしめた、と思いつつも席を立ってそっちのテーブルに近づく。
「なんや由宇やないけ。久しぶりやな〜」
「えっ? 晴子、晴子やないか!」
 ウチは声をかけ、二人の隣にちゃっかり腰を降ろす。
「まさかこんなところで由宇に会うとは思わんかったわ、奇遇ってやっちゃな〜」
「それはこっちの台詞や。晴子は確か和歌山に行ったんやなかったっけか?」
「せや。けどな、せっかく良い留守番役が見つかったから、ちぃーと旅行しよう思うてな。
 まずは大阪でゆっくり羽伸ばししよ思って来たっちゅーわけや」
 軽く世間話をしながら笑いあう。
 この女は猪名川由宇。昔ウチが大阪にいた頃、ちょっとした縁から知り合った古い友人や。
 神戸にある由宇の実家の旅館に何度か泊まりに言ったこともあるで、しかも友人価格の格安で。
 しかも由宇は同人作家兼漫才師っちゅー、中々凄い奴や。お茶の間で知る人は知る漫才師やで。
 漫才の内容かて一発ネタや下ネタに走ったりせえへん辺り、ウチは由宇の漫才は好きや。……敬介よりはよっぽどな。
 昔から『漫才師をやりたい』っつっとったけど、
 本当に漫才師になるのが由宇らしいって言うんかな。
211名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 11:33:20 ID:SW/iOmnI0
「な、何よあんた? パンダの手先!?」
「友達や。よろしゅう頼むな、大場詠美はん」
「あたしのフルネームを知ってるなんて、さてはあたしを狙ってる某国の大物スパイね!?
 そんな連中なんかには絶対ぜーーったい屈しないからね!!」
「あ、晴子。そのバカは気にせんといて、演技やのうて本物やから」
 由宇の相方の詠美がわめく。なんやおもろい奴やなぁーっ。
 テレビ見とるんやから名前知ってて当たり前やんけ。ウチこれでもお笑いは結構好きなほうなんやで。
 つーか舞台の上でも天然レベルのボケ発揮しとったけど、これ素やったんやな。
 観鈴みたいなアホちんみたいやけど、まあ由宇の連れとる相方なワケやし、悪い奴やないやろ。
「まあ晴子、せっかく久しぶりに会うたんや。今日のところは一緒に遊びまわらへん?」
「嬉しいんやけど、そういうわけにもいかへんのや」
「ん? どないしたん?」
「実はな……」

「……なるほど、あの『ハードガイ』とお笑い対決か」
 ウチが経緯を説明すると、由宇はなんや深く唸りこんだ。
 ちなみにハードガイの中身である敬介とウチとの関係には一切合財触れてへん。
 あんなのと個人的にお近づきであるなんて一生の恥や。友達は減らしとうない。
「確かにウチもああいったお笑い界の風上にも置けない奴には腹立ってたところや」
「あんなのなんてしたぼくにする価値もないわよ!」
「せやろ? どうにかあのスカタンをギャフンと言わせるようなネタが無いか考えとるんや。
 由宇たちも協力してくれんか? ウチはアマやし、プロの意見も聞いときたいんや」
「せやな……」
 由宇がまた深く考え込む。
 普通なら二つ返事で断るんやろうけど、そこはやっぱりウチと由宇の仲や。
 由宇は人が困ってるときに見過ごせないっちゅーお人良……いやいや、良い人やからな。
 由宇が次に言ったことは……

A お笑いってのは他人にネタを頼るようなもんやないで
B あのアホをここで徹底的に潰したれ。ウチが考えたネタをほんの少しだけ使うてもええで
C 客観的に見て、晴子が勝つのは難しいで
D 晴子の相方を呼んで来。全てはそれからや
212名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 11:39:20 ID:tVAzBGQ80
D
213名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 12:54:18 ID:SW/iOmnI0
「で、晴子さん。どうして猪名川由宇と大場詠美がくっついてる訳?」
 待ち合わせの場所に着くなり、郁乃ちゃんがつっけんどんな態度でそう言った。
 懐かしいわあ、この小憎たらしい態度。全然変わってへんなあ、郁乃ちゃんは。
「ウチの人脈の賜物や。ウチと由宇は昔っからの仲良しなんやで。
 どや、凄いやろ? 郁乃ちゃんお笑い芸人とお近づきやで〜」
「別に偶然交友関係が会っただけで、晴子さんが凄いわけじゃないし」
 うわっ、冷めとるわ。
 郁乃ちゃんらしいっつえばらしいんやけどな……。
「なんや、けったいな子やな。こんなんが晴子の相方やっとるんか?」
「あたしは勘弁して欲しいんだけどね、疲れるし」
「子供らしゅうない奴やな……」
「あんたが思ってるよりもあたしは若くないわよ」
「ま、そうつっけんどんにならんで、これから仲良うしような、いくのん?」
「……馴れ馴れしい」
 郁乃ちゃんのその態度もなんのその、由宇が悠々とかわす。由宇だけに。
 最初から心配なんてちぃーともしとらんかったけど、とにかく二人の間がええ感じで良かったわ。
 ただ……
「ふぅ〜ん、この子が漫才……。いいわ、この詠美ちゃん様が特別に”きょーいく”してあげる。
 分かったしたぼく? このあたしの”しどう”を受けられるなんて、有難いと思いなさいよね」
「誰かを教える前に自分が小学校行ったら?」
「っきーっ! 何コイツ!? ムカツクムカツク超ムカツクーーーッ!!」
 こっちのほうは早くも喧嘩おっ始めてるみたいやけどな。
 ちなみに後ろで由宇が郁乃ちゃんの言葉に拍手しとるのは内緒や。
214名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 12:54:50 ID:SW/iOmnI0
 ホテルの一室で四人輪になって座る。
 ウチ、郁乃ちゃんに由宇に詠美。
 サービスのコーヒーでも飲みながら、ヤツをケチョンケチョンにする算段を相談中や。
 まずは昔組んでた頃のネタを軽く二人に披露する。
 郁乃ちゃんは微妙に嫌がっとったけど、元々ノリはそこまで悪くない子や。
 二、三悪態を吐いた後にウチとの漫才を始めてくれる。
 しっかし、ウチらもよくもまあ何年も前にやったネタを覚えとるもんや。
「どうもありがとうございましたーーっ!」
 漫才ではお決まりの文句を言って締める。
 一通り終えた後に、ウチは由宇に聞いてみた。
「由宇から見てウチらの漫才はどや? ……つっても、郁乃ちゃんの希望でボケとツッコミ換えるんやけど」
「せやなあ……」

A 良い感じやで! これならあんな三流目じゃあらへん!!
B 晴子は問題あらへん。けどいくのんのボケがイマイチやな……
C ぶっちゃけると晴子、あんたいくのんのお荷物になっとるで
D いくのんの言うとおり、ボケとツッコミ変えればしっくりくると思うで
E ダメやダメや! こんなんじゃ客は笑ってくれへんわ!!
215名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 12:56:47 ID:tVAzBGQ80
D
216名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 14:05:51 ID:SW/iOmnI0
「いくのんの言うとおり、ボケとツッコミ変えればしっくりくると思うで」
「やっぱり? あたしもそう思ってたから提案したんだけど」
「誰がどう見てもそうやろ。いくのんみたいな毒舌系はボケに向かんのや。
 どっちかと言うといくのんはツッコミに回ったほうが光る、間違いないで」
 ま、至極当たり前な意見やな。
 っつーか前回はウケ狙いでミスマッチを狙ったもんやったし。
 ウチもどっちかというとツッコミ系の人間やけど、まあ換えてもどうにかなるやろ。
「で、晴子。ネタは上がっとるんか?」
「まだやな。これから考えるところや」
「大丈夫なん? どうしてもダメやったらウチらがまだ使うてないネタ貸したっても……」
「由宇、それ以上は言わんとき。ウチにもプライドがある。
 他人の褌であのドアホをやっつけても何も意味がないんや」
「……余計なお世話みたいやな。晴子らしいわ」
「それに素人にくれるネタなんて、どうせ由宇の中で没になったネタやろ?」
「あ、分かってもうた?」
「分かるわそれくらい。あっははは―――!!」
 大きく笑う。
 大丈夫や、ウチが頑張れば敬介の一人や二人楽勝に決まっとるやん。
 敬介、あんたに思い知らせたる。ウチの本気っちゅうのをな!

 さて、これからネタ作りのために何をするかな……

A 郁乃ちゃんとお好み焼きでも食べに行く
B 部屋でテレビでも見る
C 観鈴に電話をかける
D その時部屋に「どーもぉー、ハードガイでーす!」と聞き慣れた声が……
217名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 14:09:03 ID:voFN5hUbO
A
218名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 14:09:04 ID:kiBLxF0Y0
Aかな
219名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 15:19:47 ID:SW/iOmnI0
「どうして晴子さんは漫才対決なんてしようと思ったの?」
「なんや藪から棒に」
 お好み焼き屋でお好み焼きを突っつきながら、
 郁乃ちゃんがそんなことを切り出した。
「あいつのやり方が気に食わんかった、じゃダメなん?
 ああいうお笑いの風上にも置けない奴に、ビシッと言ってやらなあかんとって思うてな」
「放っておけばいいじゃない。あんな一発屋どうせ直ぐに潰れるわよ。
 一回受けたからって、何度も何度も同じネタ使いまわしてる能無しの末路なんて決まってるわ。
 爆笑が失笑に変わり、テレビで出てれば『またそれか』『何だ、まだいたのか』のような感想しか持たれず、
 いつ消えるか、そこにだけお客の関心が集まり、何年かすれば皆に忘れられる。
 そして『あの人は今』みたいな企画にも名前すら挙がらない。
 つぶや○シローとか、三○とか、○田陽区とか、前例は掃いて捨てるほどいるでしょ?
 細々と活動はしてても、誰も以前のような注目はしてくれず……惨めよね」
 郁乃ちゃんの言う事は正しい。一発芸人なんてそんなもんや。
 ネタを使うんやのうて、使われとるから、そうやってあっというまに消えてくんや。
 けど何時まで経ってもなくならへん。消えたと思うとったら新しいのが沸いて出てくる。
 でもそいつかて直ぐに忘れられ、そしたら新しい奴が次の一発ネタって具合に。
 なんでなんやろうなぁ。消耗品みたいに使い捨てされるの分かって、どうしてそないなネタに走るんやろ。
 せやからウチが直接ヤキ入れなくても、敬介はあと何ヶ月もすれば勝手に潰れる。
 んなの誰だって分かってるがな。分かってるんやけど……
220名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 15:20:18 ID:SW/iOmnI0
「なんでやろうな。
 ああいった下ネタと妙ちくりんな格好しか能の無いアホに、ウチが直接鉄槌を下したくなった。ホンマにそれだけやで」
「酔狂よね」
「付き合うてくれるあんたもな」
 思わず笑う。
 ホンマ、ウチは一銭の得にもならんことをようやっとるわ。
「でも、侮れないわね。相手は一発屋とはいえプロ、しかもブームもまだ完全に去ったわけじゃない。
 アマチュアじゃあ、どうしても先入観が邪魔をするし、それに相手だってヘタは打たないでしょ」
「なんや郁乃ちゃん、ビビッとるんか?」
「そ、そんなわけないっ!」
 そういう軽口を言っておきながらも、ウチかて楽観はしてなかった。
 五分か、悪くするとややウチらの方が不利か……。
 まあ、相手がどうだろうが、ウチらには全力を尽くすしか道は残されてないんやけどな。

A 郁乃ちゃんともう少し話をする
B ここらで酒でも入れる
C そろそろ帰ろうか
221名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 15:21:31 ID:yz/GQZd40
222名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 16:36:24 ID:SW/iOmnI0
「なあなあ郁乃ちゃん、郁乃ちゃんは北と南どっちが好きや?」
「なに? 突然」
「ウチな、今バイクで世界一周しようかと思っとるんや」
「世界は無理ね」
「んじゃ日本な。それでな、まだ次の行き先決めてないねん。
 郁乃ちゃんはどっちがええと思う?
 九州の方行ってフグでも食いに行くか、それとも北海道でカニとかサケとかたらふく食べるか」
「食べ物ばかりね、まるでうちの姉みたい」
「あははは、ウチの居候が伝染ったのかもしれへんな」
「はあ?」
 しっかし、本当にどうしよか。
 敬介をケチョンケチョンにしてから大阪は出よう思うんやけど、
 まだどっち行くか決めてへんしなー。
 と、そんな事をウチが考えていた時、郁乃ちゃんがクスリと笑った。
「随分と楽しそうね」
「ん? 当たり前やろ、やってて詰まらんことなんて誰がやるかい」
「そういうと思ったわ。でも遊んでていいの? 子供いたんじゃないの?」
「どうとでもなるわ、観鈴だってガキやあらへん。一人でなんだって出来るわ。
 それにあいつには居候もおるしな、何も心配はあらへん」
「でも今頃その居候さんに襲われてるかも」
「有り得ん有り得ん。あんな甲斐性なしに男になる度胸なんてあるわけないやろ」
「酷い言い様」
「事実を言ったまでや」
 ウチはそう言ってグイッと烏龍茶を飲み干す。
 本当はビールが良かったんやけどな、バイクで来とるし。
 無視して飲酒運転してもえかったんやけど、郁乃ちゃんそういうことに五月蝿そうやしな。
 それから突然郁乃ちゃんが、まるで悪戯を思いついた子供のような目を浮かべてこっちを見る。 
223名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 16:36:58 ID:SW/iOmnI0
「ねえ、晴子さん」
「なんや?」
「旅行そんなに面白い?」
「せやなあ……はじめたばっかやから、詳しいことは言えへんけど。
 でも後悔はほんのこれっぽっちもしてへんな、今のところは」
「ふーん。
 あのさ、あたしも連れてってよ」
「はぁっ!?」
 郁乃ちゃんが突然そんな事を言い出す。
 顔面に急に水ぶっ掛けられた気分や。ホンマ、何を言い出すかと思ったら。
「良いじゃない。こっちは長い入院生活で退屈してたのよ。
 ああ、健康面なら大丈夫。旅行に行くぐらいの体力はあるから」
「あんた、良い感じの病院ライフを送ってる言うてなかったか?」
「さて、何のことだか。薬のフルコースはもう沢山、窓から見える景色もお腹一杯。
 だからたまにはのんびり旅行で体を休めたいワケ。姉もあたふたして面白くなりそうだし」
「勝手なやっちゃな」
「どうぞ何とでも言って。それで答えは?」

A 別に構わへんけど?
B 無茶は良くないで、やめとき
224名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 16:40:41 ID:XdtJPUF60
a
225名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 19:44:07 ID:SW/iOmnI0
「別に構わへんけど?」
「えっ……?」
 ウチが二つ返事でオーケーすると、
 まるでそれが意外だったと言わんばかりに郁乃ちゃんが驚きの声を上げる。
「ん、どないしたん?」
「ちょ、ちょっと拍子抜けしただけ。てっきり断られると思ってたから」
「そんかわり全部自己責任で頼むで。無茶して体壊してもウチは全然知らん」
「そんなのは分かってるわよ、あたしは子供じゃないの」
 そんな悪態で返すのが郁乃ちゃんらしい。
 ホンマ、素直や無い子やなぁー。
 観鈴はさしてウチに反抗せえへんかったから、なんや新鮮やな。

 それからの数日ウチは考えた。
 お笑いのネタを考えに考え抜いた。
 ある時は一人でじっくり、
 またある時は郁乃ちゃんや祐也詠美と相談しながら、考えに考え抜いたで。

 それで対決当日、ウチらのネタは……

A ばっちり完璧、五時間ぶっ続けでも余裕なほどにストックあるで!
B 敬介ぶっ潰すぐらい朝飯前ってぐらいには見つけてあるで
C まあまあやな。全ては客のウケで決まるぐらいやなあ
D あまり良いネタが浮かばんかったわ、これは少し厳しいで……
E ……あかん。ちぃーとも思い浮かばんかった
226名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 19:47:13 ID:XdtJPUF60
c
227名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:29:49 ID:SW/iOmnI0
「晴子、頑張り。ウチらも応援しとるで」
「まあこの詠美ちゃん様が直々に指導したんだから、ぬかりは全然無いわよ」
 出番三十分前、楽屋でウチら四人がネタの確認をしあう。
 ネタの量的にはまあまあ、素人の漫才大会があれば良い線いけるやろう。
 ……けど、それはあくまで素人間の話や。
 敬介みたいなドアホでも一応プロはプロ。あんなネタでも笑いが取れていることだけは事実や。
 うまく今日の客とウチらが合えばええんやがな……。
「晴子さん、ビビッてるの?」
「んなわけあるかいっ!!」
 郁乃ちゃんの突然の発言をすぐ否定する。
 ……あかんあかん、ウチ必死やんけ。焦っとるな、ホンマに。
 少しは落ち着かんと、受けるネタも受けなくなるで。
 対して郁乃ちゃんはホンマ冷静やな。
 年不相応な態度っちゅーか、いや年にはあってるんやけど、姿と合ってないっちゅーか。
「そういってる割には、声が上ずってるわね」
「気のせいや気のせい」
「晴子さんも久しぶりの舞台と寄る年波には勝てない……と」
「コラそこ、今なんつった? ウチはまだ28やで」
「28? 柏木千鶴並に見え透いた冗談は止して。何年も前から28って言ってたし」
「細かいこと気にしてると大きくなれへんで〜」
 ふと気づいたら、さっきまでの固さが取れていた。
 なんや郁乃ちゃん、ウチに気遣ってくれたんかいな。
 余計なところは気が回るっちゅーか、見かけよりお節介っちゅーか。
 ホンマに……ええ相方やな。と、ウチの涙腺がほんの少し緩みかけたところ……
228名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:30:25 ID:SW/iOmnI0
「どーもぉー、ハードガイでーす!」
 ウチらの楽屋に空気の読めない変態男が現れた。
 そのいかにもな風貌に、明らかに嫌悪感を見せるのは由宇と詠美。
 いや、ウチかてこういうのは嫌いやけど。
「どうしました〜みなさ〜〜ん? 冷めちゃってますね〜〜!!」
「このドアホッ! おのれが冷ましたんじゃっ!?」
 あーもう、コイツどこらへんで道を踏み外したんやろ?
 さっさと自分の頭に拳銃突きつけて死ね!
 敬介のアホは郁乃ちゃんの姿を見つけると、にぃーっと気持ちの悪い笑みを見せる。
「これが晴子の相方でーーすかぁ?」
「せや。小牧郁乃っていってな、あんたの一億倍、
 いやあんたは負の値やからマイナス一億倍はマトモな奴やで」
「なに? 郁子!?」
「郁乃や! どこに耳付けとるんじゃこのスカタンッ!!」
 あーもう、この大アホどうにかしてほしいで。
 流石の郁乃ちゃんも敬介には呆れ顔や。
「郁乃ちゃんの十年後が楽しみフォーーーーッ!!」
「やめてよして半径十メートル以内に近づかないでっていうか十年もアンタと付き合いたくない」
 早速郁乃ちゃんの毒舌が敬介に突き刺さる。
 ここまで言ってくれると気分よくなってくるわぁ。
「中々個性的な子でーすね。さっすが晴子の相方でーーす」
「寄り付かないで、キモいから。つーかさ、あんた晴子さんとどんな関係なの?」
「晴子は私の妹フォーーーーッ!!」
 ぶっ!!
 さらっとおっそろしい事を口にする敬介。
 その瞬間ウチと由宇たちとの距離が数メートル開いた。
「ちゃうちゃう、義理や義理! こいつはウチの姉と結婚しただけや!!」
「義妹のほうが背徳的に聞こえるフォーーーーーッ!!」
229名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:31:01 ID:SW/iOmnI0
 ……ダメや、こいつ。
 かんっっぜんに、ダメ人間や。
 やっぱりあの海岸のときドサクサに紛れて息の根を止めておくべきやったわ。
 その時、不意にぽんと肩に手が置かれる。
「晴子、あんたも苦労しとるなあ」
「分かってくれる? 由宇……」
「こんなのと親族なんて嫌になるわよね」
「少しだけ晴子さんには優しくしてあげる」
 ……ありがとう、みんな。
 でもな、時には同情が惨めに感じることもあることを覚えておいてや。
「さあ晴子、いつでもいいでーーーす! バッチコーーーーイ!!」
 風の息遣いをちっとも感じていない敬介のアホが、ドアの前でウチらを再度挑発する。
 あーもう、絶対に負かしたるからな敬介!!


 それから三十分後、ウチと郁乃ちゃんは舞台に上がる。
 前座っちゅーのが気に食わないが、まあ元々敬介の単独ライブやったって話やし、
 あまり大きなことは言えへん。
 まあ、要はウチらのお笑いを客に見せ付けて、敬介に実力の差を思い知らせたればええんや!
 ほな……いくで!!
230名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:32:08 ID:SW/iOmnI0
 観客の反応はどうやった?

A
     ,=::;;;,
     l,ェ`l l
     ←、,r'ヽ、        ,r―-、、      r''"`''''ー--、
      /,rニニ=-、     /;゙゚゙゙゙`> `''i     lr'゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙l  `'l
     r=,レ゙゙゙゙゙l   l    > ェ‐  〉  l    ム     l
     ζ=`>`エヽ,r-,l    < 、   l_r‐-, l   〈ェ `ェ‐  〉
    i-、 〉-、  _ノ 、   ├、    、ノ     K´    し'´`,
    ,r'-、,r'l、_,r'" /´ \  <、    ,r、      l<_    _,/
  //l´  >、_/    \__,>、,r'''"  ヽ、   〉      /l、
  'llll' l   l /      /〈 ー'      ヽ  ``ヽー    ,)\
     l   ノ l .l    / /        l,r‐';"´〉  ,r'",r''"
    l,--、l / l     ,l     /     / 〈 /'-'フ" <
_,r=='  ノ`〉 l   / /    /      l   ヽl/"''''''''"
_,r‐'"  / 〈  l''''''フ´ l    /      ノ   l/ /
‐‐''''フ"  ,r''l_,.ノ/  .(    ./     /   / /
‐<ニ--‐‐''" /   /   /`''ヽ、,_ ノ   / /
_r=ニ>-==‐'フ   /  ,..ノ     >'   ,-ム、'
/;'/`>=`ヽ'  ,r'" >-'"  _,..r―-'´`ヽ /  /
l、/lc'`‐'`l__,.r'",r'"  ,rーl", 、     ヽ'ー''
231名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:32:39 ID:SW/iOmnI0
B
      ,r=ヽ、            r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
     j。 。゙L゙i     rニ二`ヽ.   Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;)
 r-=、 l≦ ノ6)_   l_,.、ヾ;r、゙t   lヲ '・=  )rテ-┴- 、
 `゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー'  ,r"彡彡三ミミ`ヽ
  にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ  _,,ノ ,  ゙tフ ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ,
 ,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ   ゝ-‐,i ,,.,...、  ヾミく::::::l
 ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/   /  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ
 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、   '"fっ)ノ::l
   ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、
    lミ、  / f´  r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"  ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
    ! ヾ .il  l  l;;;ト、つノ,ノ /   /:ト-"ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.    l   ハ. l  l;;;;i _,,.:イ /   /  ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   人 ヾニ゙i ヽ.l  yt,;ヽ  ゙v'′ ,:ィ"  /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  r'"::::ゝ、_ノ  ゙i_,/  l ヽ  ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ` ̄´     /  l  ヽ   ヾ"/  `゙''ーハ.     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        /    l  ゙t    `'     /^t;\  ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
232名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:37:14 ID:tVAzBGQ80
B
233名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:38:22 ID:0W+mrMtlO
頼むから携帯から理解できんAAで選択肢を出さんでください……。
234名無しさんだよもん:2006/01/22(日) 20:39:24 ID:SW/iOmnI0
>>233
あはは、ゴメン。外人四コマね。
235名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 00:00:33 ID:s0BkThpV0
 ウチらのお笑いが終わって、数秒もしないうちに拍手喝采が聞こえてきた。
 ウチと郁乃ちゃんは、それに手を振って答える。
 完璧やった、ウチらの漫才は。
 やはり郁乃ちゃんの真骨頂はツッコミにあったんや、改めてそう思う。
 ウチの体を張ったボケに、郁乃ちゃんの一見クールで実は熱いツッコミ。
 お客もウチらと息がピッタリ合うてくれて、もうウチが何か言うたびに笑ってくれた。
 ああまで笑ってくれると、芸人冥利に尽きるっちゅーもんやな。
 今度ホンマに郁乃ちゃんとプロ目指してみるかな、なーんてな。

 舞台から引っ込むと、まず迎えてくれたのは由宇と詠美やった。
「晴子、いくのん! やったな! プロの域に近づいてたで!!」
「ふ、ふんだ! しろーとの癖に中々やるじゃない!!」
 ウチの手をとって誉めてくれる由宇と、素直じゃない言い方をする詠美。
 その後ろでは……
「馬鹿な……どうして晴子がこんなに……」
 がっくりとうな垂れている敬介。
 っつーか、そこまでウチらが受けるのが意外やったんかい。
「敬介、喋り方が素に戻ってるで」
「……はっ! まあでも、私のネタは絶対に大ウケするので、
 晴子の苦労は徒労に終わりまーーす!!
 要は私が晴子たちより受ければ問題ないフーーーー!!」
 この敬介の自信はどっから沸いてくるんか本当に不思議や。
 ウチらが”前座”としてあんだけの芸見せたわけなんやから、本当に客に大ウケさせな顰蹙もんやで。
「それじゃ晴子はそこで私の活躍をじっくり見てなさーーーいっ!!」
 敬介はそれだけ言って舞台へ向かう。

 そんな敬介に客の反応は?

A やばっ!? ウチらよりウケがいいで!!
B まあ……普通ってとこやないか?
C あんま評判いいとは言えへんな
D 白けたのび太とドラえもん並に客が白けとったな
236名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 00:05:13 ID:hRUp2kAt0
A
237名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 01:14:29 ID:s0BkThpV0
 それから少したって、どっと沸く館内。
「な、なんや!? 何が起こってるんや!?」
 ウチはついそう言ったが、自分かて分かっとる。
 ここまで館内が沸くとしたら、可能性は一つしかあらへん。

 ……敬介のネタが、ウケている。

「ど、どういうこと!? どうしてあんな下品なだけの寒いネタがここまで受けてるの!?」
 郁乃ちゃんが驚愕の声を上げる。
 ウチかて同じ気持ちや。ぶっちゃけ言うと、こんな事態計算外や!
「しもたっ……そういうことか!」
 由宇が苦々しげに吐き捨てる。
「ちょっとパンダ、説明しなさいよ!? 何がそういうことって言うのよ!」
「今日はもともとハードガイの単独ライブ。
 つまりウチらは奴のホームグラウンドで戦っているようなもんや。
 ハードガイファンで埋め尽くされた客席のグラウンドでな。
 そりゃ前座でおもろい漫才があれば客も拍手はしてくれるやろうけど、元々客の殆どはハードガイファン。
 奴らにとってはハードガイの寒いネタも極上のネタになるっちゅーわけなんや!」
「何よそれ!? ネタの善し悪し関係ないってことじゃない!!」
「流行とかブームとか、そんなもんなんや。
 多分今ここにいる連中も、あと半年もすれば、こんな馬鹿らしいだけのネタに見向きもせえへんようになる。
 けど今だけは、そんな詰まらんネタも大ウケする。それがブームっちゅうもんなんや。
 ウチがいろんなジャンルにホイホイ転ぶサークルと同じぐらいに嫌いなお笑いの一つや……」
 ぎりっと歯軋りの音がする。由宇は今マジで怒っとる。
 こないなお笑いとしては三流以下のネタがウケていることが、ホンマに許せないんやろうな。
 ウチも……由宇にほぼ同意見や。
238名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 01:15:10 ID:s0BkThpV0
「でも、ブームに乗ったところで所詮は能の無い下ネタじゃない。
 やはり本物の方がネタとしては断然に光ってるわ」
「それは正しい。正しいんやけど……見落としてるでいくのん。
 客は評論家でも専門家でもないんや。そないな違いが分かる客なんてほんの一握りしかおらへんのや!」
 現実。
 そんな言葉が重くのしかかってくる。
 確かにウチらの漫才は完璧やった。お客さんも喜んでくれた。
 けど、お客さんはあの敬介みたいんでもおんなじように喜んどる。

 それから休憩時間中に、敬介は自信たっぷりの表情でウチらのほうに戻ってきた。
「どうでーーーす? 私のネタもバッチ最高でしたでしょーーう!?」
「どこが? ただの下ネタと楽屋ネタの応酬。寒くて凍えそうよ」
「ファンは正直でーーす! 私のネタに大いに笑ってくれまーした!」
「どうせあと何ヶ月もすれば使い捨てカイロみたいに捨てられる運命の癖に」
「けど今は私の天下フーーーーー!!」
 ……ホンマに悔しいわ。ウチが郁乃ちゃんたちと一生懸命考えたネタが、
 こないな下ネタなんかと同列に見られるのは。
 郁乃ちゃんが言い返してくれとるけど、敬介はちぃーとも気にしてへん。
 くっ……ホンマに、ホンマになんとかならないんか!?

A 駄目押しにウチも敬介に言い返す
B むしろいっぺんぶん殴る
C 「不公平やな……」と由宇が急に横槍を入れた
D 「ちょっと待ってください」と楽屋に更に乱入者が
239名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 01:16:13 ID:2uiOjwQ70
C
240名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 13:59:18 ID:qH14wT5B0
「不公平やな……」
 ウチが歯軋りしとったその時、由宇がポツリとつぶやく。
「不公平やんか、晴子はんらは敬介はんのホームグラウンドであそこまで笑わせたんやで、しかも一見客をや
 あんさんが自分の客を笑わせられるのは当たり前や、晴子はんより面白かったと一概に言えるわけやあらへん」
「そ、そうよ、アンタのヘボピーなお笑いのネタなんて、今更知らない人間を笑わせられないんだから」
 由宇と詠美が反論してくれる、確かに今回は敬介のホームグラウンドというのが大きいからな。
 ちょっとは敬介も考えるところがあるんと違うんやないかな……

「………悪いけど、猪名川さんの意見は的を外しているよ」
 あれ? 敬介のやつ楽屋に戻ったせいか元のキャラに戻りおったみたいや。
「確かに今回の舞台は僕に有利なものだったかもしれない、だけど一週間前に
 僕が勝負方法を提示した時に、晴子は自分でこの勝負方法を受け入れたんだよ。
 もし晴子が不利だと思うのだったら、両者に公平な勝負方法を提示するべきだったし、
 アウェーの不利を覆すようなネタを用意するべきだったはずだ。
 それを怠ったのは晴子自身のミスだ」
 くっ、ハードガイの格好してそんな風に冷静に喋られると違和感だらけやけど
 言ってる事は間違ってない。
 一週間前に頭に血が上って、軽々しく敬介の提案した勝負方法を受けたんがそもそもの失敗やったんやなぁ……

「それじゃあ僕は舞台に戻るよ、お客さんを待たせるなんて芸人の恥だからねフゥーーーーー!!!」
 そう言って敬介のアホはハードガイにキャラを戻して舞台に行ってもうた。

「……………」
「晴子さん………」
「………すまんなぁ、こんな茶番に付き合わせてもうて」
 落ち込んでしまうウチを郁乃ちゃんが慰めてくれる。
 せやけど悔しいわぁ、あんなネタに負けた事も、軽々しく不利な勝負なんて受けた自分にも………


A ええい、今日はヤケ食いや、郁乃ちゃんとの旅行前に4人で食いまくろう
B 仕方ないわ、敗北の傷を癒す為にもさっそく郁乃ちゃんと傷心旅行にでかけよか
C ……久しぶりに、観鈴や居候のと電話で話でもしよか
241名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 14:05:12 ID:MYH/sSAi0
242名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 20:19:53 ID:rMwzZZlp0
「ほな、旅行楽しんできいな」
「嫌なことなんか忘れて、パーっと遊びなさいよ」
 由宇と詠美に見送られて、ウチはバイクを吹かせる。
 後ろでは郁乃ちゃんがメットを被ってしっかりとしがみ付いている。
 うーん、大阪ではメシは美味かったけどええ思い出が作られへんかったな。
 次の旅行先では面白いことがあるとええけどな
 ……いや、面白い事は向こうからやってくるわけやあらへん、自分で見つけないとあかんわ。
「ありがとな、またお土産でも送るわ」
「お二人ともさようなら、でも詠美さんはもう少し国語の勉強した方がいいわよ」
「何よ何よ、ガキンチョのクセにチョーなまいきぃ!」
「……でもそこそこ楽しかったわ、ありがとう」
 郁乃ちゃんも郁乃ちゃんなりに挨拶を終えて、ウチラは出発する。
 敬介のアホがおる大阪はさっさと出よう、旅行の仕切りなおしや。
 ウチはアクセルを踏み込み、愛車を走らせ始めた。



 暫くして、ガソリンスタンドで給油をしてる時に、郁乃ちゃんが尋ねてきた。
「ところでさぁ、次の行き先は任せてって言ったから任せたけど、何処なの?」
「ふっふっふ、次の目的地はなぁ―――」


A ベタやけど京都や、神社仏閣を見回ったり京料理に舌鼓を打とうか
B 神戸や、さっき由宇から猪ノ坊温泉の優待券をもらったし中華街でも行こうか
C 少し足を伸ばして四国に行ってうどんでも食べようか
D なんと一気に沖縄や、ウチと郁乃ちゃんで一夏のアバンチュールを楽しもう
E その他ここに行きたいって目的地を指定してんか
243名無しさんだよもん:2006/01/23(月) 20:21:50 ID:zG5je6Na0
244名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 00:18:10 ID:xCAgQHD60
「神戸や神戸! 神戸牛とか中華街とか有名やろ?
 さっき由宇から猪ノ坊旅館の優待券もろたんや。
 由宇はお笑いの仕事もあるし旅館にはおらへんけど、今日のところはそこで一泊する予定やで」
「ふ〜ん。あたし旅館に泊まるの初めてなのよね、病院生活長かったから」
「ええとこやで〜。旅館の外はええ景色やし、空気はええし、料理も旨いし、
 旅館としては、日本一の鶴来屋にだって負けてへんで」
 ちなみに身びいきや無いで。
 嘘やと思うんならいっぺん行ってみ、なかなかのもんやから。
 客観的に見てホンマに鶴来屋とも見劣りせん。
 っつっても、ウチは鶴来屋みたいな高級旅館に泊まったことあらへんけどな。あっはっはーーっ!!


「あ、晴子さんお久しぶり〜」
「おーおー女将さん、暫くぶりやなー」
 神戸見物は明日にして、ウチらはまず旅館に足を運ぶことにした。
 久しぶりに会った女将さんにウチは優待券を見せ、由宇と会うてきたことも話す。
 もうここには何度も泊まりに来とるさかい、従業員にも見知った顔ばかりや。
 それから直ぐウチらは客室に通される。もう何度も泊まった部屋や。
 ちなみにここには由宇の知り合いの有名漫画家とかもよく泊まりに来てるらしいで。
「郁乃ちゃん、疲れたんとちゃう? 病院暮らしにウチのタンデムシートはきっついやろ?」
「ぜ〜んぜん。晴子さんの方こそ運転疲れが溜まってるんじゃない?」
 まったく郁乃ちゃんらしい返事やな。
 さて、今日はここに泊まるとして、明日明後日はどないしよ?
 一応このまま南にずっと下って行こうとは考えとるんやけど、
 本州通っていくか、それとも四国に渡ってみるか……。
 ま、後のことは後で考えればええか。とりあえず今のところは……

A 夕飯まで軽くそこら辺散歩でもしよ
B やっぱ温泉に入るべきやろ!
C つーか、隣の部屋から喧しい声が聞こえてくるんやけど……
245名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 00:21:51 ID:Wu8B1Rsz0
246名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 00:55:42 ID:icMxnGVU0
「なにはともあれ温泉や! な、郁乃ちゃん一緒にはいろうや」
「な、なに言ってのよ! 一人で入ってよ」
「そんなこといわんでもええやん。な、はいろうや。ほらほら」
「ちょ、ちょっと引っ張らないでよっ」

「かあ〜、やっぱり温泉はええわ〜。酒もすすむで全く」
お盆浮かべてお猪口で一杯。よくぞ日本人にうまれけり、ってなもんやで。
これで一緒に飲む相手がいれば最高なんやけど、かわいらしいうなじ見せて向こうむいとる。
「なんや、郁乃ちゃん、まだ怒っとんの? まぁまぁ、一緒に酒でも呑も」
「あたしは未成年よっ」
「大丈夫だいじょうぶこれノンアルコール日本酒やから」
「それならただのお米のジュースじゃないの」

こっちを向いてくれたけど、身体なんて隠してつまらんな。
うちはないすばでーを惜しげもなくさらしとるっちゅーに。
「まぁまぁ、まだまだ大きくなるから気にせんでええよ。
 うちの観鈴かてぺったんこだったんが急に大きくなりよったからな」
「あたしはそんなことで悩んでなんかないわよっ」
「ああ、なんや相方はそういうんが好みなんか。ケーサツには気いつけるようにな」
「そんな奴はいないわよ」
「そうなんか? 郁乃ちゃんかわいいと思うけど」
「そっ、そんなこと」
おっ、赤くなりよった。ほう、こういうのに弱いんやな、ひっひっひ。
なら、

A しんみりとした昔話のこーなーや!
B 恥ずかしい告白のこーなーや!
C えっちな体験談のこーなーや!
D えっちな体験のこーなーや!
E さて、もう出よか。
247名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 01:02:27 ID:jVLX1oko0
DDD
248名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 12:40:07 ID:nOG9mghu0
「えっちな体験のこーなーや!」
「えっ、えっちな体験!?」
「温泉でえっちな体験といえば……そう、覗きに決まっとるやろ!」
 男湯との間仕切りになっとる竹垣をびしっと指す。
 隙間が出来ないコンクリ塀とかになっとらんあたりに、
 ほんまにこの手のお約束ってのは便利やなぁと思うで。

「……そんな事して何が楽しいのよ」
「アホやな、男だけに覗かせとるから損した気分になるんやで。
 男女平等の現代社会なんやから、これからは女もどんどん覗いていかな」
「そもそも互いに覗かないようにしたほうが建設的じゃない」
「それじゃあかんのや、人類の歴史は好奇心が作り上げてきたんやで?
 隠された向こうを知りたくなるんは、人類全てに共通するサガって奴や!」
「男湯のデザインが知りたいなら、旅館のパンフレットに載ってたわよ」
「ちっちっち、一番大事なのはライブ感覚から生まれるこの独特のスリルや」

 ウチは竹垣に張り付くと、覗ける隙間がないか探し始めた。
 ちなみに前なんて隠さんで、向こうから誰か覗いとったとしても
 こっちもこれから覗かしてもらうんやから、これでおあいこや。
「……絶対そのお酒ノンアルコールじゃないでしょ?」
「おっ、ここらへんから男湯が覗けそうやで」
 湯舟に浸かっとる郁乃ちゃんに後ろ手で手招きしながら、
 ウチは竹垣の隙間から男湯のほうを覗きこんだ。

A おお、ええ感じの美少年が入浴タイムやないの(男性指定)
B 向こうの覗きとドンピシャ目があったわ。あんたも好きやねえ(男性指定)
C うわぁ、オタク縦とオタク横が背中を流しあっとる……
D 従業員の人が黙々と清掃しとるだけや、つまらんなぁ

ちなみに郁乃ちゃんは
1 お、なんだかんだで食いついてきよった
2 つれないなぁ、スルーされたで……
249名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 12:44:57 ID:HEIBC7mk0
B 1
キャラ指定は任せた
250名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 12:50:45 ID:LyaIMD200
ドリィグラァオボロでくんずほぐれつ
251名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 13:40:59 ID:8leEhd5LO
くんずほぐれつ女湯を覗こうとしてたのか?w
252名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 19:28:33 ID:TbH7QAJo0
というか、それだとドリグラがシスコンとくんずほぐれつしてる所を
覗いていないか?晴子の方がw
253名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 20:29:43 ID:UY9+zOsE0
 ちょっと時間が遡って男湯

 観鈴の空では無念の死を遂げたオボロだ、今ドリィグラァと一緒に猪の坊温泉に入ってるのだが。
「若様、お背中流しますよ」
「若様、僕達も女湯の人たちみたいにお酒でも注文しましょうか?」
「ええいこら、ドリィ、グラァ、くっつくな!」
 相変わらず二人は俺に擦り寄ってくる。
 下手をすると俺の○○○を握ったり咥えたりしかねない。
「そんな事言わないでくださいよ、若様」
「お慕いする若様に冷たくされると寂しいです」
「俺を慕ってくれるのは嬉しいが悪いが俺はノーマルだ!
 お前達も俺ばっかじゃなくて少しは他の女性に興味でも持てよ!」
 こんな調子だ、全くどうしてこいつらは女に興味を持たず俺ばかりに執着するんだ。
 ――いや待てよ、今まで他の女性と接する機会を作らなかった俺も悪いかもしれないな。
「……よし、今から女湯を覗こう。お前達も女体の素晴らしさをその目で鑑賞するんだ」
 全く犯罪的で短絡的な発想だが、この風呂場で俺の貞操が奪われるよりはマシだ。
 嫌がる二人の首根っこを掴み、俺たち三人は竹垣に貼り付いて向こう側を覗こうとした―――
254名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 20:30:23 ID:UY9+zOsE0

「おおっ、向こうからも男が三人ほどこっち覗いてきる見たいやで」
「……何よ、晴子さんも変態なら男の方も変態じゃない」
 口ではそう言いよるけど郁乃ちゃんったらチラチラと見ながら近づいてくる。
 なんやかんや言うても興味があるんやんか。
 ま、ウチはかぶりつきで覗きを続行やけどな、ほうほう三人ともそれなりの体をしてるやんか。

 俺たちが三人で押し合いながら覗いていると向こうの女まで覗いてきてるぞ、しかも全裸だ。
「向こうも俺たちを覗いてるぞ……って少しは前を隠せよ!」
「若様ぁ、やっぱり若様の体のほうがいいですよ」
「そうです、あっちで洗いっこしましょうよ」
「こら! 押すな! うわっ、竹垣が倒れるっ!」
 押し合いへし合いしながら無理に覗いていると、竹垣が限界を超えた力に倒れてしまった。

「うわっ、何や何や!」
「ちょ、ちょっとどうしちゃったのよ!」
 ウチらが押し合いへし合いしている三人の男を覗いていると、竹垣が倒れてきて。
 三人が女湯に倒れこんでてもうた、しかも―――


A オボロとかいうヤツがウチを押し倒してきたんや
B ドリィとグラァとかいうヤツが郁乃ちゃんを押し倒してもうたんや
C ウチら5人くんずほぐれずでからまってしもうたんや
D 従業員の人が飛んできてウチら5人こってりしぼられたんや
255名無しさんだよもん:2006/01/24(火) 20:36:20 ID:8leEhd5LO
すまん郁乃。
B
256名無しさんだよもん:2006/01/25(水) 23:37:56 ID:5kkpoxMf0
 郁乃ちゃんの華奢な体を押し倒すドリィとグラァとか言う双子の美少年。
 あっちゃ〜、なんや温泉のお約束やなぁ。
「こ、これが女の子の裸……」
「僕、初めて見ました……」
 ドリィとグラァはどこうともせず思わずまじまじと郁乃ちゃんの裸をみとる。
 どうも女の子慣れしとらんようや。
「ちょ、ちょ、ちょっと、何してるのよぉーーー!!!」
 突然の事態に固まっとった郁乃ちゃんがようやく動き出して
 顔を真っ赤にして叫んで暴れだした。
 せやけど小柄とはいえ男性二人に圧し掛かられてもうて
 小柄な郁乃ちゃんでは動きが取れないでもがいている。
「柔らかい体だ……」
「若様の引き締まった体も良いけど、こういうのも……」
 二人は郁乃ちゃんの可愛らしい体に魂抜かれとる
 無造作に四本の手で郁乃ちゃんの体を撫で始めよった。
「や、止めなさいよ! ヘンタイ! ケダモノ!」
 うわっ、さすがにこのままはちょっと……
「お、おい、アンタ止めなくていいのかよ?」
 隣におったオボロとかいうヤツにも忠告された。
 確かに、このままってのもマズイやろう、ウチは―――


A 折角の裸の付き合いで混浴や、何か5人で話しよ
B その時、男湯の別の客がウチに興奮して飛び掛ってきおった(人物指定)
C いや、面白そうやしもうちょっと見てても……
257名無しさんだよもん:2006/01/25(水) 23:39:16 ID:dzL1tVxF0
A
258名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 14:34:39 ID:jAn0obrt0
「あ……柔らかい……すべすべ……」
「なんか……肉の付き方自体が違うよね……」
「やめてっ!止めなさいったら!」
郁乃の静止も構わずにドリィとグラァは郁乃の体をなで回す。
性的な興味というよりもむしろ未知のものに対する好奇心が勝っていた。
「なんなだろう。変だな,僕なんだかもやもやして……」
「ぼ、僕も…………」
だが好奇心は次第に別の何かへと色を変えてゆく。
胸の中でふとめばえ始めた感情。それを理解するには二人はまだ若すぎた。
「や……やめ…………」
体をまさぐられる郁乃の方としてはたまったものではない。
もう目に涙をためて今にも泣き崩れそうである。
そんな郁乃に対しはじめて覚える異性への劣情にドリィとグラァは…………

「そのへんにしとかんかいっ!!」

後ろから晴子にどつかれて目から火花を飛び出した。
259名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 14:39:44 ID:jAn0obrt0
「ごめんなさい!本当にごめんなさい」
「もうしません。僕たちあんなこと絶対に二度としません」
とまあ痴漢行為にふけっとった双子は平謝りや。
まあ相手がええとしした男やったら逆さ吊りでさらすとこやけど子どもやしなあ。
「すまん。俺がこいつらを変にたきつけた性だ。気が済むまで俺をこいつらの代りに殴ってくれ」
とまあ一緒になだれこんできた兄ちゃんも殊勝なものいいや。
まあ覗きに関してはこっちもお互い様なんやけどな。
「まあまあ、ええやないの。これも何かの縁やしいっそこのまま混浴しながら雑談しようやないか」
「ちょっと本気!何考えてんのよ!!」
するとさっきまでウチの体にはみついて震えとった郁乃ちゃんが牙をむく。
あはは。ああいう郁乃ちゃんも珍しくて可愛かったなあ。
「なに笑ってるのよ!それよりも正気!こんな痴漢と混浴だなんて……」
「まだ子どもやないか。まっ、そっちの兄ちゃんが同じことやっとら
ケツの穴に大根突っ込んで逆吊りでさらしとったけどな。あはは」
陽気に笑い飛ばすけどもなんか兄ちゃん青ざめとるなあ。
郁乃ちゃんはウチの体の陰にかくれながらごっつう怖い目で双子をみよる。
双子はともにがくぶるや。空気がギスギスしとるなあ。
なにか景気のいい話題でもふらんと。

A 兄ちゃんたちどこからきたんや?出身を尋ねてみる。
B ここは食気や。食いもんの話でもふる。
C ちょいと意地悪したろ。痴漢行為についてつついてみる。
D 毒には毒や。えっちな話題のこーなー
260名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 14:40:00 ID:TzUjhN6F0
261名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 14:40:03 ID:sEBf9J650
D
262名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 23:29:37 ID:2WzjcML+0
「あんたら、何処から来たんや?」
 まずは当たり障りの無い話題から。
 出身地ぐらいなら、別に聞いたって不躾ってわけでもあらへんし。
「トゥスクルだ」
「トゥスクル?」
 兄ちゃんの口から出たのは、ウチが聞いたこともあらへん地名やった。
 なんつーか、日本らしくない地名やな。
 っつーても、この兄ちゃん達は外人には全然見えへんし、
 多分名前から考えて北海道のどこかやないか?
 あそこら辺なら、ごっつ読みにくい地名とか、
 無理やりな当て字とか、そういうの結構仰山あるしな。
「いいところだぞ、メシは美味いし良い酒もある」
「美味い酒かあ……興味あるな、ウチ」
 にやりと笑うと、郁乃ちゃんが呆れたようなため息をつく。
 ……なんやなんや、別にええやん酒が好きでも。

 それから兄ちゃんは腰にタオルを当てた状態で風呂から上がる。
 双子も慌ててそれに続いた。
「いろいろ悪かったな。気が向いたら部屋にでも遊びに来てくれ」
「気ぃ向いたらな」
 ウチは手をひらひら振って答えた。
 さて、ウチらもそろそろ上がろっか。

 風呂から上がったウチと郁乃ちゃんは、出された料理をのんびりつつく。
 うん、いつ食べてもここの料理は絶品やな。由宇もええ旅館もっとるな、ホンマに。
 さて……メシも食ったしどないしよか?

A さっきの兄ちゃんのところに遊びに行く
B 郁乃ちゃんと徹夜でオセロでもする
C 夜道をウチの赤いモンスターで思いっきりかっとばすか
263名無しさんだよもん:2006/01/26(木) 23:30:42 ID:ByB8l1iK0
A
264名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 02:05:47 ID:evIhdSFL0
「遊びにきたで〜」
「「あっ、神尾さん」」
「何だ、本当に来たのか」
 ウチはオボロ達の部屋に遊びに行ってみた。
 旅行っちゅうのはこういう見知らぬ人と触れ合えるっちゅうのも醍醐味の一つや。
 オボロとドリィとグラァは三人揃って部屋でくつろいでおった。
 何や何や、ええ若いモンが部屋でボケーっとしておるなんて不健全やで、ホンマ。
「遊びに来たのは構わないが……郁乃とやらは大丈夫なのか?」
「ん、まぁ平気やろ、今は夕涼みしとるみたいやし」
 さて、唐突に遊びにきたんはええけど何をしよ?


A 隠し芸大会や!
B お姉さんの相談コーナー! オボロ・ドリィ・グラァの三人の誰かから悩み事を聞く(三人から指定)
C 日中関係の数年後を政治と経済の両面から予想する
265名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 02:07:57 ID:pNQI4J8g0
B あえてグラァにスポットをあててみる
266名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 02:33:44 ID:evIhdSFL0
「お姉さんの相談コーナー! 今ならウチが無料でお悩み相談をしてるで」
 何となく場を盛り上げる為に言ってみた、まぁええやろ。
 ウチの思いつきに乗ってくれるヤツは……
「あのう……悩みを聞いてもらえますか?」
 お、一人おったみたいや、双子の片割れでグラァって言ってたな。
「なんや、何悩んどるんや青少年? セクシーなお姉さんが相談に乗ってやるで」
 もじもじと言いにくそうにするグラァ、やがて、おずおずと口を開いやんや。
「実は僕……」


A 郁乃ちゃんに一目ぼれしたんです、どうか紹介してください。
B 最近、ストーカーに付きまとわれているんです
C ドリィと区別を付けられるように個性が欲しいんです
267名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 02:39:05 ID:VMuwJTWm0
C
268名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 10:25:37 ID:LIkqh1qv0
たしかほっぺに赤みが差しててより女の子っぽい方がグラァだったっけ?
269名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 11:17:49 ID:evIhdSFL0
「僕達、何だか2人で1セットみたいな扱いになっていて……
 ドリィの事は嫌いじゃないけど、僕だけの『個性』が欲しいんです」
 うーん、確かにグラァのいうとおり子の双子はぱっと見見分けがつかへん。
 2人でセット販売みたいな感じがするよなぁ。
「え〜、僕達ずっと仲良くやってきたじゃないかドリィ」
「そうだけど僕だってたまにはドリグラとかじゃなくて『ドリィ』として扱ってほしいんだよ
 なんていうのかアイデンティティーみたいなものが必要なんだよ」
 大げさな事言うとるけどつまりはキャラが二人一組で一人ずつは弱いっちゅうことや。
 個性か……どうすればええやろ――


A グラァの髪形を変えてみる
B グラァの服装を変えてみる
C グラァの性格そのものを変えてみる
270名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 11:19:59 ID:ej8uW4PG0
A
271名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 11:22:13 ID:ZBogdaw20
「僕達ってよく似てるからいつも二人で1セットにされるんです。
 よくドリィと人違いされることもあるし。どうしたらいいと思いますか」
 ふむふむ。双子とよく似てまぎらわしいからどないしようっちゅうことか。
 そりゃまあ難儀な話やな。こうまで顔がクリソツやしなんや行動パターンとかも
 さっきの風呂場の一件見る限りやと似たり寄ったりやろしな。
 さて、どう答えるか。

A 「別に無理して違いを強調せんでもええんでない?」
B 「やっぱ形からや。外見だけでも変えれば違うで」
C 「モロッコや。根本から自分を変えんとあかん」
D 「えっと……どっちがドリィでどっちがグラァやったか?」
272名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 11:23:23 ID:ZBogdaw20
orz 書き負け
273名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 11:44:03 ID:evIhdSFL0
「そうやな……手っ取り早く外見を、とりあえず髪型でも変えてみよか」
「なるほど」
「分かりやすく区別がつきますよね」
「だがもう夜中だ、こんな温泉宿からでは床屋には行けないな」
 ウチはそこで含み笑いを浮かべる。
「ふっふっふ……髪型を変えるんやったらウチに任せてんか」
 今こそウチのスキル“調髪能力”が炸裂や。
 かつて観鈴をショートカットにして全国一億二千万人の鍵っ子を泣かせた技が再び唸るで。
 何処からともなく用意された新聞紙とハサミを手に、自信満々のウチ。
 ……まぁ、切り過ぎには注意せなな。
「それじゃあ俺達は外で待ってるぞ」
「どんな髪型になるのかな?」
「うわ〜ドキドキするよ」
 オボロとドリィを部屋から出し、ウチは颯爽とハサミを振るった。



「ふぅ〜、こんなもんかな」
 数十分後、ウチが腕によりをかけてグラァは―――


A アフロになった
B 切り過ぎて丸坊主にしてしもうた
C 間違えて髪型でなくて性別を変えてもうた
D 前とあんまり変わってない……失敗かな?
274名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 12:04:01 ID:SmUoJQ7V0
B
275名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:13:32 ID:evIhdSFL0
「ちょっと右側を切りすぎか……うわっ、今度は左を切りすぎてもうた」
「あのう? 大丈夫でしょうか?」
「ん、ああ、これくらいどうって事あらへんよ」
 ……嘘や、もうにっちもさっちも以下へんところまで切ってもうた。
 かくなる上は――


「……できたで」
「ありがとうございます、でも何だか頭がスースーするんですけど」
「まぁ個性的な髪型やからな」
「えっと、鏡は……」
「ちょ、ちょい待ち。すぐに見いへんでもええやんか」
「でも早く新しい自分を見てみたいですよ」
 そう言ってグラァは傍らに置いてあった鏡を覗いて……頭に手をやった……
 無論、そこに髪の毛感触は無い。ただただ頭皮があるだけの……ツルッパゲや。

「神尾さん………これって………」
「あは……あははは……個性的やろ」
 アカン、個性的過ぎた。
 グラァの目に怒りの炎が宿っているのがウチにも分かる。


A グラァが怒りのあまり晴子に弓を構えて矢を放った!
B プレゼントや、怒り出す前に何かお詫びの品を用意しよ!
C 逃げる! 郁乃ちゃん連れて猪ノ坊温泉から逃亡や!
276名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:31:39 ID:vy1rhBzd0
A
277名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:31:45 ID:R8V9eRN3O
C
278名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:33:04 ID:R8V9eRN3O
ええいこれだけ間が開いてたのに選び負けるとはorz
279名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:45:31 ID:evIhdSFL0
「あんまりだ……酷すぎるよ晴子さん!」
 怒りの炎を目に燈したグラァが吠える。
 どうにか慰めようとしたウチの手を振り払い、荷物から弓矢を取り出しおった。
 弓矢……ちょ、ちょい待ちぃな、何やウチに目掛けて構えてるで!
「こんなの……こんな髪型ただ恥ずかしいだけだ! よくも! よくも!」
「シャ、シャレになってへんで! ウチが悪かったからそんな物騒なものしまってや!」
「うあわああああああああああああ!!!」
 ウチの制止も聞かんと、ツルッパゲのグラァが引き絞った矢をウチに向かって放った。
 グラァの攻撃をウチは―――


A 反撃した!
B 回避した!
C 防御した!
D 直撃した!
280名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 13:45:46 ID:ZBogdaw20
281名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:11:52 ID:evIhdSFL0
 怒りに我を忘れたグラァが矢を放とうとした瞬間、ウチは思いっきり横っ飛びをした。
「何っ!?」
 恐らく普段は弓の名手何やろうけど精神が集中しとらん攻撃のおかげでウチでも何とか避けられた。
 ビィィィィン
 ウチのすぐ隣の畳に深々と突き刺さるグラァの矢、もしも直撃しとったらよくて重体、悪くて即死や。
「畜生! 畜生! 畜生!」
 せやけど依然「晴子ちんぴんちっ」な状況は変わらない、次の一撃も上手くかわせるとは限らへん。
 グラァはさっそく次の矢をつがえようとしている。
 ええい、どうしたもんか……


A その時、騒ぎを聞きつけたオボロたちが部屋に入ってきた。
B 色仕掛けや! 浴衣を脱いで大人の魅力でメロメロにするんや!
C 手にしているハサミ……ハサミで弓の弦を切ればええ!
D 二指真空把や!
282名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:13:22 ID:R8V9eRN3O
Dも捨て難いがAで
283名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:13:36 ID:36qjScGe0
D
284名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:56:46 ID:evIhdSFL0
「おい、どうしたんだ? 髪型を変えるのに何の騒ぎ……って何なんだー!」
「グラァ、どんな髪型に……って」
「あ、若様……ドリィ……」
 その時、部屋での騒ぎを聞きつけてオボロとグラァが来てくれた。
 滅茶苦茶になった部屋の惨状、ハサミを持って逃げ回るウチ、そして禿頭のグラァを順番に見る二人。
「グラァ……お前その頭は……っ、い、いや、こ、個性的じゃないかな」
「そ、そうだよグラァ、その頭なら僕と間違えられることは無いよ」
 二人とも笑いを堪えてどうにかグラァを慰めようとしている。
 せやけどグラァの方は
「若様、ドリィ……僕は……僕は……うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 二人の吹き出しそうな、明らかにグラァを正視せずに慰める態度に、手にした弓矢を落として泣き出してもうた。



「……すまんかったわ、堪忍や」
「で、これからどうするわけだ?」
 一通り泣き疲れて頭にバンダナを巻いたグラァは、寂しく部屋の隅でブツブツ言っている。
 ウチは立場逆転、今度は正座してオボロの説教タイムや。
「とにかく……グラァの髪を何とかしないとね」
「そうは言っても見事な……頭だからな」
 ウチのせいや、ウチが調子に乗って髪なんか切ったから……
 でも、どないすればええんやろ……そうや!
「……ウチに一つ案があるねん」


A 養毛剤や、よく効く養毛剤を探そう。
B カツラや、最高のカツラを用意しよう。
C グラァに禿頭も悪くないと自己啓発セミナーか何かに参加してもらおう
D リーフ東京開発室の甘露樹さんにグラフィックを描き直してもらおう 
285名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:59:10 ID:FU5aUUoz0
Dでいっそおにゃのこキャラに変更とか
え? ダメ?
286名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 16:59:14 ID:pVcKxzHl0
B
287名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 21:02:01 ID:nl25ybQy0
 翌日

「東京やぁーーー!!!」
 ウチら五人はリーフ東京開発室を目指して東京駅にたどり着いた。
「新神戸から東京まで約三時間か、遠くて近いものよね」
 郁乃ちゃんがそうつぶやく。
 さすがにウチのバイクで五人一緒に東京まで飛ばすのは不可能や、
 バイクは猪の坊温泉に預けて新幹線で一路東京まで足を伸ばした。
 朝一番の新幹線で昼前には到着する事が出来た、いやぁホンマ便利な世の中や。
「若様、新幹線って早いですね」
「そ、そうだな……」
 世界観の違いかオボロは困惑しとるが……気にする事あらへんやろ。
「早く東京開発室にいきましょうよ若様、僕こんな頭嫌ですよ……」
 グラァがぼやく、ホントは東京見物もしたいところやけど仕方あらへん。
 さっさとリーフ東京開発室へ行こうか。

 リーフ東京開発室

「さてと……東京開発室に着いたんはええけど、どいつが甘露樹なんや?」
 何やイメージと違うな、バケモンみたいなやつらばっかりおるで。
 誰に話しかけよ。


A 黒皇
B 大いなる父の成れの果て
C 半魚人
D (`□´)

「これって……『うたわれるもの』のオマケ?」
288名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 21:07:00 ID:nMvTKvsA0
敢えてD(w
289名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 21:37:55 ID:nl25ybQy0
 ウチらは見た目比較的マトモそうな女の人に話しかけようとする。
 なんや一心不乱に原画を描いている、もしかしたらこの人が甘露はんなんかも知れん。
「あのう、ちょっと良いですか?」
 とりあえず郁乃ちゃんに話しかけてもろた。
 ウチは鍵キャラやし、下手に原画とか覗き込んだら文句言われるかもしれんからな。
 ……東京開発室へ入った時点でたいがいやけど、そこは堪忍や。
「何よ何よ! 今忙しいんだから邪魔しないでよね!」
 何故か詠美みたいな喋り方しおるな、この女。
「えっと、あなた甘露さんですか?」
 少々ひるみながらも質問を続けてくれる郁乃ちゃん。
「はぁ? 何言ってるのよ! みつみちゃんさまと甘露クンを間違えるなんてちょー失礼じゃないの?。
 あたしは次回作の脱衣麻雀の原画で忙しいのよ用が有るんならさっさと済ませちゃってよね! (`□´)」
 はぁ……脱衣麻雀か、Leafさんはいろんな事やるなぁ。というより原点回帰か?
 とりあえず甘露はんやあらへんし、どないしよかな。


A 黒皇に話しかける
B 大いなる父の成れの果てに話しかける
C 半魚人に話しかける
D ちゃんさまに誰が甘露なのか聞いてみる
E その他ちゃんさまに聞きたいことを指定してください
290名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 21:38:36 ID:R8V9eRN3O
真面目にD
291名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 23:53:18 ID:nl25ybQy0
 うーん、このまま一人ずつ聞いていったらいずれ甘露はんに会えると思うけど面倒やわ。
 ウチは郁乃ちゃんに頼んで甘露はんが誰なのか聞くことにした。
「すいません、私たち甘露さんに会いたいんですけどあの黒いハクオロさんが甘露さんですか?」
「ちーがーう、あの人は鷲見努さんって玲子シナリオを書いたりディレクターやってる人よ」
「じゃああの大いなる父の成れの果てですか?」
「それもハズレ、あっちの人は三宅章介さん。こみパや天いなでメインのライターやってて
 アンタのToHeart2じゃるーこや姫百合姉妹、久寿川ささらのシナリオを担当した人よ」
 みつみはんに紹介されて、スライムかゼリーみたいな物体がプルプル震えとる。
 それにしてもオマケでこんなステージ作るなんて、さすが2002年ベストエロゲーに選ばれただけあるなぁ。
 今度アニメ化もされるって聞いたし、景気のええ話や。
 ウチの会社はファンディスクらしいソフトが非難轟々でエライ事らしいし、ここらでおもろい新作出してほしいわホンマ。
「何よ、アンタたち甘露クンに会いたいの? だったらそっちの半魚人が甘露クンよ」
 他にも一般剣兵やらペンギンやらアヴ・カムゥやら色々おったけど、みつみはんは首から上が魚になっとる人をさしてくれた。
「ありがとう御座います、忙しいのにわざわざ手間を取らせちゃって」
「まったく、そう思うんなら新作『ふるあに』はバッチリ買ってよね! (`□´)」
 意外と親切に教えてくれたみつみはんに、ウチらはお礼を言って丁寧に頭を下げた。
292名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 23:54:35 ID:nl25ybQy0

「えっと、あなたが甘露さんで合ってるのよね?」
「はい、私が『うたわれるもの』の原画担当の甘露樹です」
 目の前に立っている半魚人、この人こそグラァのグラフィックを修正してくれるはずの甘露はんや。
「すいません甘露さん、実は僕―――」
 グラァが前に出て、泣きながら事情を話してバンダナを外した。
「何とかしてくれへんやろうか、鍵キャラのウチが頼むのも筋違いやとは思うけどお願いできへんか?」
 話の流れ上ウチもただ後ろでボケーとしとるわけにもいかへん、グラァと一緒にお願いしてみた。
「髪の毛ねぇ…………」
 甘露はんの返事は―――


A いいですよ、丁度アニメ化でグラフィックの調整をしてましたから。
B すいません、いくらグラフィック担当でもそういう問題には無理ですよ
C ……そういえば、下川社長が折戸さんを返してほしいって言ってたんですよね。
293名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 23:55:01 ID:N/rpO0rU0
294名無しさんだよもん:2006/01/27(金) 23:55:32 ID:L2jD3USF0
A
とっとと進めよう
295名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 00:36:34 ID:OBrmCd/g0
「私もグラァ君の髪の毛は何とかしてあげたいと思うけど、鍵キャラの貴方の仕業だとタダでするわけにも……
 社長がうるさいく言うと思うんですよ。すいません」
「ほんなら、ウチでできる事があれば何とかするからグラァを助けてやってくれへんか」
「そうですね……そういえば以前ToHert2製作の打ち合わせで『折戸がいてくれたら……』なんてつぶやいてました
 折戸さんがLeafに戻ってくれるなら、下川社長も納得すると思うんですよ」
 ぐわっ、人が下手に出たら付け上がりおって。今更Keyが折戸はんを手放せるわけあらへんやろうが。
 せやけど何ぞ見返りがなけりゃグラァの髪の毛を直してくれへんやろうし、直されへんかったら
 またグラァに弓矢の的にされて今度こそ死んでまうかもしれへん。そればっかりは避けたいところや。
 仕方ないわ……
「甘露はん、ちょっとパソコンを借りるで」


haru>そんな訳で折戸はんに一肌脱いでほしいんやけど
ori>幾ら晴子さんの頼みでもそればかりは……
shimo>俺の会社のゲームのキャラを傷物にしたんだ、相応の代価ってもんがあるだろ!
haru>スマンわ、Airのメインヒロインの母親の顔を立ててくれへんか?
haru>つーか断られたらウチ弓矢で殺されかねへん、八尾比丘尼エンドになるかもしれんねん
ori>会社移籍は無理だ、せめて外注で1曲作るくらいなら
shimo>アホか、せめて新作の曲を全部作れ!




 さすがに今から大阪にとんぼ返りして、Keyやら西中島南方のLeaf大阪開発室に戻るのは手間が掛かりすぎる。
 ウチは事情をメールで折戸はんに知らせて、下川社長には甘露はんから知らせてもらって
 チャットで話し合いをすることにしたんや。IT社会バンザイやな。
 そして、チャットでの話し合いの結果は―――


A 折戸はんが外注でLeaf新作「ふるあに」の作曲をすることで話がついた
B 折戸はんが外注でLeaf新作「ふるあに」の曲を1曲作ることで話がついた
C 物別れや……ウチはどうなるんやろう
296名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 00:40:26 ID:HEY38uu20
リアルでAになって欲しいなあ
297名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 00:40:28 ID:sW+vAN8c0
Bかねぇ
298名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 01:07:22 ID:wMAGWhRw0
1日置いてスレ見たら、なんか怒濤の展開。なんで(`□´)が出てんだよ(w
299名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 02:02:29 ID:OBrmCd/g0
 shimo>ほんなら気合入れて作れよ!
 ori>……仕方ありません、商売なら手は抜けませんし
 haru>すまへんなぁ、折戸はん


 話し合いの結果、折戸はんがLeafの新作「ふるあに」の作曲を外注で受けることで
 甘露はんがグラァの髪の毛を直してくれるという線でまとまった。
 さすが誰彼からLeafを立て直しただけはあるということなんやろうな。
 折戸はんには悪い事したわ、あとで何ぞお土産でも送らなアカンわ。
「よかったな、グラァ」
「はい若様、これからは下手に個性なんて求めずにドリィと仲良くやっていきます」
「そうだよ、これからも二人で楽しくやっていこうよグラァ」
 涙を流して喜び合う三人、とりあえずまとまる所へまとまったっちゅう感じやな。
「ま、一件落着じゃないの?」
 郁乃ちゃんもそうつぶやく。
 ま、これでウチも弓矢の的にならへんで済んだやろ。
「ところで俺達はこのままグラァのグラフィック修正を待つが、お前達はどうするんだ?」
 せやなぁ……バイクは猪の坊温泉に置いて来たけど荷物は持ってきてるし、
 このまま移動手段を電車に変えて北日本を旅行してもええなぁ。
 それとも使い慣れたバイクを取りに神戸に戻って、西日本へ行こうか
 あるいは折角来た東京やし、東京見物をするのも悪くない。
 さてどないしよ、何処へ行こうか。


A 北日本へ行く
B 西日本へ行く
C その前に東京を見回りに行く
300名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 02:05:50 ID:F6TXIlkX0
C
301名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 02:05:55 ID:yWgm0WCX0
A
302名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 10:28:00 ID:Q1+ibMUd0
「その前に東京見物や!」
せっかくここまで来たんや、行きがけの駄賃っちゅう事で
このまま東京見物としゃれこむでえ。
オボロはん達と別れたウチらは早速次の行き先を決める事にしたんや。
「まずは東京タワーなんかどやろ?」
「東京来て東京タワーって…観光の田舎者丸だしね」
「まーまー、これはお約束って奴や。ほんなら原宿にでもいこか?」
「それも地方の若者が東京に来たら行く典型ね。面白味が無いわ」
相変わらず郁乃ちゃんは辛口やなあ。行く前からダメ出しされたらかなわんわ。

「ほんならどこにするん?」
「そうね…」

A 「お約束ってのも悪くないわね、東京タワーでいいわ」
B 「原宿でいいわ。ちょうど行きたい芸能人の店があるのよ」
C 「実は…秋葉原って所に行ってみたいのよね」
D 「最近何かと騒がしい六本木ヒルズに興味があるわ」
E 「○○に行きましょう」(行く東京の地区・建物名を具体的に指定)
303名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 10:31:07 ID:HEY38uu20
基本A
304名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 10:31:29 ID:+F/HrGr/0
アキバは頻繁に出番あるから
敢えてDにしてみる
305名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 11:22:49 ID:z5WHpHzS0
「でも、そういうお約束も嫌いじゃないわ」
「へ?」
「東京タワーね。いいわ、行きましょう」
「な〜んや、東京タワー行きたいなら最初からそう言えばええのに」
これがツンデレっちゅう奴なんか?
ウチもテレビで言葉だけ聞いだけで意味はようわからへんがなガハハ!
とにかく東京タワーや。電車とバスに揺られる事数十分、
東京タワー入口までウチらはやって来たでえ。

「ほんでどないしょ?すぐ展望台まで上がるか?」
「東京タワー名物の蝋人形館も気になるわね」
「しっかし物凄い人混みやなあ。毎日こんなに全国からカッペが来るんやなあ」
「あたし達も同じでしょうが。それに、そのカッペ達によって観光名所は商売が成り立っているんだから」
そうやった。しかし混んでるのう。これだけおったら
知り合いの一人や二人にばったり会うてもおかしかないで…ん?
「どうしたの?」
「いやなんか見覚えある人影がやな…」

見間違いかもしれへんが念の為や。近くにまでよって確認する。
「やっぱり間違いあらへん!」
ウチはそいつに声をかけた。

A 居候!ワレこんな所で何やってるんや!観鈴はどうした!?
B 東京タワーにいつつ通天閣のTシャツ…聖はんやな!佳乃ちゃんも一緒かいな
C やっぱり美凪とみちるちゃんやったか。そちらも観光で来たんか?
D クソ亭主やないか!でもHGの格好はしとらへんな。新しい芸でも身に付けたんか?
306名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 11:23:22 ID:jNKC6ihL0
B
307名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 11:48:01 ID:Wc7cqzQe0
病弱な郁乃と医者の聖の絡みに期待
308名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 12:07:24 ID:J6t4fOUT0
別に平気に旅行してるんだしこだわらなくて良いと思って期待
309名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 12:27:48 ID:U/lMzMza0
>>308
郁乃が病弱だって事にこだわるって意味じゃなくて
単に話の上での絡みの事だろ
期待
310名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 16:14:36 ID:f2s4UrXRO
佳乃と郁乃の書き間違いに期待
311名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 19:55:14 ID:X7neZGuu0
327  名前を選択して下さい  2006/01/28(Sat) 13:13

もろに今回の話の中で「義妹」って書かれてるんだがな。
やっぱ行頭一字空けもしない連中ははずれが多いな。
312名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 19:56:03 ID:X7neZGuu0
811  名前を選択して下さい  2006/01/28(Sat) 12:54

未プレイはともかくとして調べもせずに書いてるのがいるな
今に始まったことではないが
--------------------------------------------------------------------------------

812  名前を選択して下さい  2006/01/28(Sat) 14:26

結果オーライだし
--------------------------------------------------------------------------------

813  名前を選択して下さい  2006/01/28(Sat) 17:18

いや、結果オーライになるのは亭主が選ばれてネタに昇華出来た場合だろ。
今のは単に馬鹿が地雷埋めたけど、次の歩行者が賢明だったので避けて通っただけの話。
313名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 22:45:25 ID:OBrmCd/g0
「うわぁ、すごくいい景色だよお姉ちゃん」
「そうだな佳乃、ありきたりだが東京といえば東京タワーの見物は外せないな」
 通天閣のTシャツに黄色いバンダナ、間違いあらへん聖はんに佳乃ちゃんやないか。
 よっしゃ、広い東京で会えたのも何かの縁や、話しかけてみよ。
「なんや、聖はん達も東京見物かいな」
「あ、お姉ちゃん晴子さんだよぉ」
「おや、誰かと思ったら神尾さんじゃないか。奇遇だな……ん、そっちの子は……」
 あれ? 聖はんがジッと郁乃ちゃんを見てるで。
「聖はん郁乃ちゃんを知ってるんか?」


A 「……以前、研修で都会の大きな病院にいた時に診た子だ」
B 「……以前、一度だけ空市に旅行に来た時に倒れて治療した子だ」
C 「……いや、よく見ると初対面だ。済まない」
314名無しさんだよもん:2006/01/28(土) 22:46:35 ID:je+81rq70
315名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 10:52:29 ID:SmVJ4oK70
「郁乃ちゃん、私に見覚えは無いか? と言ってももう何年も前の話だが」
「えと……もしかして霧島先生ですか?」
 ん? 郁乃ちゃんも聖はんの事知っとるみたいやな。
「知り合いかないな、聖はん」
「ああ、私が研修で都会の病院にいた時に診た子だ」
 なるほど、医者と病人やから可能性としてないことも無いけど
 それにしてもえらい偶然がかさなっとるわ。
「……あの時はお世話になりました」
「何、私は当時たいしたことは出来なかったよ。ともかく病気が治って幸いだ」
 聖はんと郁乃ちゃんの会話に佳乃ちゃんも入ってきた。
「うわぁ、可愛いねぇ。キミをツンデレ星人1号に任命するよぉ」
「遠慮しときます」
 あらら、即答で佳乃ちゃん断られてもうた。
「なぁなぁ、せっかく広い東京で会えたんや。みんなで何か昼飯でも食べにいかんか?」
 グラァ達を東京開発室に連れて行ったのが昼前、そろそろ腹も減ってきたわ。
「そうだな、もう正午をかなり回っている。ご飯にしようか」
「うん、あたしもうお腹ぺこぺこだよぅ」
「郁乃ちゃんもええか?」
「いいけど、何処で食べるの?」
 ふっふっふ、こんな事もあろうかと新幹線の中で東京の美味い店をチェックしとったんや。
 ウチのオススメは―――


A フランス料理店「SATUKI」
B 民族料理「ゲール鍋」専門店「リアンノン」
C ベーカリーレストラン「古河」
316名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 10:57:31 ID:2dTU+XVj0
c
317名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 12:29:45 ID:SmVJ4oK70
 東京の郊外にひっそりと構えられ、入り口からも香ばしいパンの香りがする。
「ここがその店か」
「せや、ベーカリーショップ『古河』や」
 夫婦二人でこじんまりとした店やけど味は確からしい。
 主に亭主が焼くパンと、そのパンに合わせて奥さんが作る料理は
 食べた人間をホッとさせる優しさがあるとの評判や。
「美味しそうだよぅ、早く入ろうよお姉ちゃん」
「そうだな、話は食べながらでもできるだろう」
 ウチらは店に入って注文をする、暫くして美人の奥さんがパンと料理を運んできてくれた。
「どうぞ、ごゆっくり召し上がってくださいね」
 並べられたパンと一緒に出された若鶏のソテーにグリーンサラダ、コーンポタージュスープは
 見た目にも食欲をそそるわ。
「それじゃ」
「「「「いただきます」」」」
 さてと、ゆっくり食事しながら話でもしようかな。


A 聖はんと郁乃ちゃんの昔話を聞いてみる
B 「ところで……神尾さん達の旅行の目的は何なんだ」聖はんに質問された
C その時、「特製ネオレインボーパンMaxHeart」を食べたウチは意識を失って昏倒した
318名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 12:32:49 ID:RSmfdYDe0
お約束のC
319名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 13:29:37 ID:89huJbkD0
「……俺のミスだ、小さいころ渚を一人で留守番させて以来の取り返しのつかないミスだ」
 後にベーカリーレストラン『古河』店長古河秋生は語る。
 元々メニューの隅に書かれている「特製ネオレインボーパンMaxHeart」に気がつく客は殆どいない。
 気がついたとして、その不可思議なパンの名前に大抵の客は不審に思い、注文する者等いなかった。
 それでも勇気ある無知な客が注文した時は、秋生がなだめすかして別のパンを勧める。
 後で早苗に泣かれるが、それはいたしかたない必要経費みたいなものだと考えていた。
 所用で秋生が不在時に晴子一行が店に入り、好奇心の塊の晴子が件のパンを注文して、
 古河早苗がその注文に心を躍らせて晴子に食べさせたのは、不幸な偶然がいくつも重なり合った結果であった。

「ただ一品だけを除けばまったく優秀なベーカリーレストランであった」
「泉に入り不死身となったアキレスの、唯一の弱点であるアキレス腱が切られた」

 後世の歴史家はおおむねベーカリーレストラン『古河』をこう評価する。
 もっとも、本人達はそのような歴史の審判を期待しているわけでもなく。
 ベーカリーレストラン『古河』はその後お役所の立ち入り検査を受け、営業停止命令を受けるという
 拭い難いパン屋の歴史の一端となってゆくのだった―――



 ああ……ウチはどないしたんやろ……
 そうや……レストラン兼パン屋で変わった名前のパンを注文して……
 あまりに変わりすぎた味に倒れたんや……遠くで郁乃ちゃんたちの声が聞こえてたわ……
 ここは……ここは何処やろう……

 ウチは閉じられていた目を開き、視界を回復させようとした。
 まず、ウチの目に飛び込んできたのは


A 病院の白い天井とウチを見守っている郁乃ちゃん達
B 聖はんの顔面! 人工呼吸の最中やった!
C ……天国?
320名無しさんだよもん:2006/01/29(日) 13:38:19 ID:elM9GAr8O
A
321名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 12:55:32 ID:Ok3FZ1mW0
 視界に入ったのは白い天井……病院?
「あ、起きた」
「お姉ちゃん、晴子さんが目を覚ましたよ」
「……ん、ここは?」
「病院だ、ベーカリーレストランで奇妙なパンを食べた後に倒れて運ばれたんだ」
 見回すと、郁乃ちゃん、聖はん、佳乃ちゃんがいた。
 ああ、そうやったな。おもろい名前のパンがあったから食べてみたら意識を失ったんや。
 あの珍妙な味は二度と思い出したくないわ。
 観鈴のどろり濃厚もたいがいやけど、あれは輪をかけて酷いわ。
「すまんなぁ、郁乃ちゃん、聖はん、佳乃ちゃん」
 まったく災難な話やで、ホンマ。

 結局その日は検査やら何やらで夕方まで病院に釘付けや。
 日もそろそろ沈もうかという頃、ようやく自由のみとなれたわ。


A ええい東京なんてこりごりや、今から夜行列車にでも乗って次の目的地を目指そう(目的地を指定)
B ま、今晩は聖はんらと一緒に一晩ゆっくりしようか 
322名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 13:00:33 ID:cpOrFUlD0
Aで隆山の会長の手料理を食べに行こうかとも思ったが
まずはBで佳乃の手料理をごちそうになろう
323名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 14:17:11 ID:1qHANwDRO
>>322
とどめをさす気か貴様w
324名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 14:21:47 ID:7Cia2/Gy0
まあなんにせよ路線を定めるのはいいことだ
325名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 19:37:20 ID:Ok3FZ1mW0
 こないな東京なんかさっさとおさらばしたいところやけどウチは病み上がり。
 今日は一晩どっか泊まって明日出発や。
「泊まるところか……それなら私たちが泊まっているホテルに泊まらないか?」
「いいの?」
「ええんか?」
 ウチと郁乃ちゃんが同時に聞く。
「構わない、ホテルとは名ばかりのかなり融通が聞く宿泊施設だ」
「お料理もセルフサービスで作らせてくれるんだよぉ」
 何やえらいざっくばらんなホテルやなぁ、まぁええわ、そこに泊まろう。


 超簡易ホテル「葉鍵」

 ウチらはさっそく聖はんらが泊まってるホテルに行ってみた。
 ホテル……ちゅうより民宿やな、コレ。
 ま、メシと寝床さえあればウチは文句無いけどな。
「できたよぉ」
 タイミングよく夕食時、佳乃ちゃんは借りた厨房で腕を振るい
 ウチラの前に自慢の手料理を運んできた。

「「「「いただきま〜す」」」」

 せやけど………

A 郁乃ちゃんの佳乃ちゃんの料理に対する辛辣な批評が炸裂した
B あまりにマズイ料理にウチはちゃぶ台をひっくり返してしまった
C 郁乃ちゃんは早々に退席し、ウチと聖はんは大人の対応で我慢して完食した
D 病み上がりのウチの体は料理に耐え切れず、臓物(ハラワタ)をブチ撒けた
326名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 19:38:57 ID:cKNdbHpOO
D
327名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 20:22:07 ID:uW0Y52js0
「ブホッッ!!」
 まず感じたのはまずさや、まずさ。
 口に合う合わないとか、そういうレベルやあらへん。
 絶対に人に出す食い物ちゃうで、これ。
 病み上がりの体にきっつい不意打ち。
 思わずウチは食ったもんぶち撒けてしもたわ!
「あ〜あ、晴子さん何やってるの。せっかくのレバーが勿体無い……」
「つ、つーてもな郁乃ちゃん。一口食べてみ、文句はそれから受け付けるで」
 白い目でウチを睨む郁乃ちゃんに、ウチはそう促す。
 怪訝な顔をしながらも料理を口につける郁乃ちゃんやったけど、
 一口、そうたったの一口食べただけで、動きが完全に止まった。
 完全に固まって、時がたつこと数秒……ぽつりと、郁乃ちゃんの口から言葉が漏れる。
「納得」
「せやろ?」
 それだけ言って、郁乃ちゃんの上半身がふらりと揺れる。
 ……郁乃ちゃんにも、多大なダメージがいってしもたみたいやな。
 つーか、先に気づくべきやった。
 聖はんがいただきますした後、一口も食べずにどこかへ逃げたときに。
 ちらりと食卓の上に乗ってる料理を見やる。
 ……まず、今日の料理が肝臓料理ってところで、予め勘付いておくべきやったわ。
 うっ……こんなゲテモノ見たら、また吐き気が。
「晴子さん大丈夫? やっぱりお昼が酷かったんだよお」
 罪の無い表情を浮かべる佳乃ちゃん。
 あのな、言いにくいんやけど、佳乃ちゃん。どう見てもトドメさしたのあんたやで。

A 佳乃ちゃんにはっきりと「この料理はまずい」と言う
B うまく仮病を使って料理から逃げる
C ……覚悟決めた。全部食べたるわ
328名無しさんだよもん:2006/01/30(月) 20:30:04 ID:LPc/xHTT0
329名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 00:29:13 ID:ciPL4l7l0
 佳乃ちゃんには悪いけど、ここは仮病を使って逃げよ。
 ちなみに郁乃ちゃんはウチと佳乃ちゃんがちょっと会話した時にそそくさと立ち去った。
 なんや、素早い動きもできるやないか。
「す、すまんなぁ佳乃ちゃん。ウチまだ調子悪くてレバーはちょっと堪忍や」
 本調子やないことは事実やけど、咄嗟のデマカセ、嘘も方便やしな。
「ええ? 晴子さんも食べてくれないの? がっかりだよお」
 そう言うけどこないなもんマトモな味覚があったら食べられんわ。
「まぁ佳乃ちゃんの料理はまたいつか今度機会があればというわけで……ええやろ」
「うん、病気じゃ仕方ないよね。お姉ちゃんに診てもらったほうがいいよ」
「そうやな、そうするわ」
 ウチが立ち去った後に四人分の料理を前にした佳乃ちゃん、少し心苦しいけどしゃあないわな。


 食事も何とか切り上げ、ウチらは風呂に入って寝床に入る。
 郁乃ちゃんも隣で寝付いた、結構寝相は悪いみたいやけど。
 少しして寝床の中で、ウチは――――――


A この旅行には何か目的かテーマが必要では無いかという事を考えた
B 誰かが闇夜に乗じてウチらの部屋に入り、荷物をあさる人間の気配に気づいた
C 毒料理のせいか、そのまま眠りこけた
330名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 00:29:53 ID:/vqoA3so0
C
331名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 14:33:15 ID:ciPL4l7l0
 アカン、何か考えようにもさっきの佳乃ちゃんの料理が強烈過ぎて何も考えられへん。
 体は休息を必要としとる。ウチは疲労に思考を麻痺させられて、そのまま深い眠りについた……。

 翌朝

「んっはぁ〜、郁乃ちゃんおはよう」
「……んあ、………おは……よう」
 そういえば郁乃ちゃんは朝とか寝起きが弱いタイプやったな。
 お腹はすいとるけど、とりあえず一晩ぐっすり眠って体調は悪くないわ。
 テキトーに洗顔やら着替えを済ませて、朝食をとる。
(ちなみに夕べの責任を取ってか、聖はんが作ってくれた)

「神尾さん達は、これからどうするんだ?」
 朝食の席で、聖はんに尋ねられた。
 大阪ではHG敬介にえらい目に遭わされて、神戸でグラァを丸坊主にしてもうて。
 東京では毒料理の二連続や、今度こそ旅行先で面白いことしたいところやけど―――


A 「まぁ、適当に北日本のほうでもいってみようかと思ってるねん」
B 「神戸に戻ってバイクに乗って、西日本のほうを目指そうかと思ってるねん」
C 「よかったら、聖はんらも一緒に旅行せぇへんか?」
332名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 14:37:27 ID:ojtMDPhm0
A今度は北のジャムだ
333名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 16:40:14 ID:ciPL4l7l0
「まぁ、適当に北日本のほうでもいってみようかと思ってるねん」
 暑い夏や、今度は涼しくなる北日本にでも行ってみようかっちゅう発想や。
「賢明な判断だな、郁乃ちゃんもそっちのほうが体に負担はないだろう」
「あたしは別に沖縄でも何処でも大丈夫だけど」
「あんまり無理しちゃだめだよお、昨日もご飯食べられなかったんじゃないの?」
「そうかもしれないけど……(それはアンタの料理が破滅的な味だったからよ)」
「聖はんらはどうするんや?」
「私達はもう暫く東京を巡るつもりだ、また地元で会おう」
「ほんならここでお別れやな、さいならな」
「それじゃ、さようなら」
「ああ、気をつけるんだぞ」
「今度はあたしの料理を食べてね」
 罪の無い佳乃ちゃんの笑顔と苦笑いをする聖さんに見送られながら、ウチラは二人と別れた。
「あ、あは、あはははは(勘弁してや)」
「考えとくわ(死んでもゴメンよ)」


 東京駅
「ところで晴子さん、北日本って言ったけど具体的には何処なの?」
「目的地はなぁ――


A 『札幌』や」
B 『仙台』や」
C 『華音』や」
D その他北日本の有名な都市名を挙げてください
334名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 16:42:33 ID:mipW1Y2c0
Bにしとこ
335名無しさんだよもん:2006/01/31(火) 16:42:47 ID:NiDy6kKLO
オーソドックスにB
336名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 01:24:04 ID:JQSA3qDe0
「仙台やぁーーっ!!」
 新幹線で二時間強、ウチと郁乃ちゃんは東北有数の都市仙台に到着した。
 仙台駅から外に出たウチらを照らす日差しは強かったが、風は心地よい。
 夕べの毒料理の影響ももうあらへんしな。ええ調子や。
「さすがに東京に比べると少しは涼しいわね」
「せやろ、来てよかったやろ」
「まぁね」
 郁乃ちゃんも機嫌ええみたいや。
 まったく、今までがロクなことなかったから今度こそ旅行を楽しむで。


A 何はともあれメシや、美味いもん食いにいくで。
B 何ぞ観鈴や郁乃ちゃんのお姉さんにお土産でも送ろうか、土産物屋にでも先いくか。
C ………マズイ、ウチの財布が無いで。
337名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 01:26:20 ID:e7faIklAO
B
338名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 10:56:58 ID:JQSA3qDe0

 『無いものは無い、それがモットーよ』

 そんなどうとでも受け取れる言い回しをする眼鏡で金髪のお姉ちゃんが店員さんの土産物屋に入った。
 店員さんの胸のプレートを見ると「ショップ屋ねーちゃん」と書かれている。
「店員さん、店員さんの名前って何なんですか?」
 不思議に思った郁乃ちゃんが質問した。
「ん? だから『ショップ屋ねーちゃん』よ」
 それが名前かいな………
「変なの」
 郁乃ちゃんも首をかしげる、ま、土産物さえ買えればウチは何でもええけどな。
「さてと、観鈴達に送る土産物でも見て回ろうか。郁乃ちゃんも選んで来ぃ、
 せやけどあんまり高いものはアカンで、お姉ちゃんが喜ぶ物送りや」
「私の姉はそういうのは簡単に分かるから心配しなくても大丈夫よ」
 そういうと郁乃ちゃんはまっすぐに食べ物のコーナーに行った。
 結構客のはいっとる店や、モノはしっかりしとるやろ。
 さて、ウチはどうしようか―――


A 適当に土産物を見回っていると、ウチをナンパしてくる見る目のある男が現れた(人物指定)
B 適当に牛タンやら笹かまぼこやら仙台の名産品を買って、観鈴達に送ることにした
C 「動くなぁー!」その時、突然強盗が押し入ってきてウチら店の客を人質を取って立て篭もった
339名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 11:13:16 ID:De62+Q5T0
B
居候には南部鉄器でも送ってやれ
340名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 14:59:45 ID:kem9DYQk0
やっぱ名産品とくれば食いもんやろ。
仙台名産といえば牛たんに笹かまぼこ、仙台銘菓萩の月。
ここらへんは抑えておかんとな。これなんか旨そうやな。
ええこで留守番しとる観鈴にも食わせたらんと。
居候にもまあついででええか。
「ねえ、なんでここの牛タンこんなに安いの?今はアメリカからは輸入禁止のはずでしょ。」
すると郁乃ちゃんが『ショップ屋ねーちゃん』に尋ねる。
そういや牛タンてほとんどアメリカ産の牛のやったな。今は相場べらぼうになっとるはずやったか。
その割にはえろう安いなあ。なんか嫌な予感するんやけど。
「ちゃんと生後二十ヶ月以内だから問題ないよ」
おいこら、ちいと待たんかい。どこの牛やねんん。これ。
そういやニュースで既に輸入した二千トンの牛肉の処分がどうとか言うとったなあ
勘弁してや。

というわけであからさまに怪しい牛タンだけはやめて笹カマやら萩の月やら送ることにしたわ。
まあ居候ならどこの牛食うても平気やろうけど、万が一にも観鈴の口にいれさせるわけにもあかんからな。
しかしほんまにあの店大丈夫なんやろか。


さて
A せっかくやし松島まで足のばそか
B ちょうど夏祭りがあるそうや 見ていこか
C なんや近くにおもろそうな所あるな。日本最後の秘境 登臼来?
D 久しぶりに旨いもん食いたいねん。食事や。



341名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 15:15:44 ID:Jkg5l2nN0
A
342名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 16:34:38 ID:cPCUsHMW0
 松島に着いたときには、日もすっかり傾いとった。
 ここに来たのは深い理由があったからではあらへん。
 なんとなく、ウチが「松島へ行きたい」なんて言っただけや。
 もともとどこに行く宛てのある旅行ってわけでもあらへんし、
 郁乃ちゃんも二つ返事で了承してくれたわ。
 ウチらは海岸近くの道路に立って、思いっきりを伸びをした。
 赤い夕焼けが、海を真っ赤に照らす。
 太陽が水平線に沈むっちゅーわけにはいかんのやけど、それは仕方ないやろ。
「綺麗な海ね」
 郁乃ちゃんが思わず素直な感想を口にする。
 普段の悪態が出ないほど、海に魅入られてるっちゅーことかな。
 辺りには潮騒の音だけが響く。本当に、綺麗や。
 大阪も神戸も東京も仙台も、変なことばっかり起こったんやから、
 たまにはこう、ほっと一息つけるような場所に来てもええなあ。

 そんな時やった、ウチの目に人影が留まった。
 ウチら以外に誰もいなかった海岸に、唐突に現れた人影。
 唐突に現れたと感じた割には、その姿があまりにも自然やった。
 ウチは好奇心から、何歩か歩み寄ってみた。
 段々影の正体がはっきりしてくる。それは……

A 「電波、届いた?」とウチに微笑みかける女の子やった
B 「うぐぅ」と呟く羽リュックを背負った女の子やった
C 竪琴で歌を歌ってる兄ちゃんやった
D 胸に七つの傷を持つデッカイガタイの兄ちゃんやった
E って敬介やんか! なんでアンタがここにおるんや!!
343名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 16:38:23 ID:kem9DYQk0
E
344名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 17:20:27 ID:cPCUsHMW0
「やあ晴子、奇遇じゃないか」
 そこにおったのは……敬介やった。
 数秒前のウチに激しく言いたい、そっちへ行ったらアカン! ってな。
 せっかくのムードが台無しや、敬介が現れたっていうだけでな。
「なんでアンタがここにおるんや!?」
「だから奇遇なんだ。それ以外に理由なんて見つからないだろ?」
 ワケの分からないことを口走る。
 あまりにもあっけらかんとした態度には流石に腹が立つわ。
「それにしても、ハードガイとか言うけったいな格好はどないしたんや?」
「流石にオフまではああいうことはしないよ。それに……」
 そこで敬介は言葉を切って、不意に海岸の方を向いた。
 なんやか寂しげな背中をウチに見せる。何が、言いたいんやろうか。
「ブームはもう去ったんだ。あれから大コケしちゃってね」
「早っ!!」
 なんやそれ! あまりにも早すぎやで!?
 ハクオロや那須大八郎やないんやから、ちったあ粘らんかい!
 ウチらと別れてからたった数日しか経っておらへんやんけ!!
 っていうか、普通こんな短期間のうちに寂れるもんかいな!?
「晴子さん、その人は……?」
 その時、後ろから声がかかる。
 そこにいたのは郁乃ちゃん。……気づいておらへんのかな、大阪のアレが敬介やってことに。
「やあ郁乃ちゃん。大阪以来だね」
「……?? 一応、初めましてのはずだけど」
「分からないかな? 僕だよ、晴子の義兄の橘敬介……って、本名は言ってなかったかな」
「え゛!?」
 その瞬間に郁乃ちゃんが数歩引く。
 まるで信じられないものを見た、とでも言わんばかりに。
 いや、ウチも信じられんけどな、この変わり身には。
345名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 17:21:22 ID:cPCUsHMW0
「有り得ない。絶対に有り得ない。
 まるで会社の窓際がお似合いの、どうみてもうだつのあがらないサラリーマンみたいな、
 全然全く小指の先ほども目立たないこの男が、あのハードガイなんて……」
「酷い言われようだな……いくらなんでも酷いよ、郁乃ちゃん」
 それから三人で会話を交わす。
 つっても違和感や、これがホンマモンの敬介の姿やって、
 分かってはおるんやけど、こないだ見たハードガイのインパクトの前に霞むわあ。
 今じゃ『敬介が普通の会話してる』ってだけで、ギャグになるで、ホンマに。
「で、何しに来たんや? アンタが理由も為しに旅行なんて考えられへん」
「……ただの旅行じゃダメなのか?」
「ダメや? どうせウソやろ?」
「仕方ないな。実は……」

A 新しいネタを探してる最中なんだ
B 古い友人に会いに来たんだ
C ここに名のある霊能力者がいるって話を聞いてね……
D 率直に言おう。晴子、君に用があるんだ 
E 本当にただの記念旅行だよ。某所で魔王に勝てたことだし
346名無しさんだよもん:2006/02/01(水) 17:21:55 ID:j/T4wFPM0
D
347名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 01:42:31 ID:UB0uuQuFO
「率直に言おう。晴子、君に用があるんだ」
「ウチにか?」
「ああ。電話できれば良かったんだけど、君は携帯を持ってないだろう?」
 敬介の言い方にちょっとカチンときたけど、まあ事実やからしゃあない。
 今までも特別必要とする事もあらへんかったし、もし持っとったとしても、
 旅行先で電子音に呼び出されるんは気ぃ悪いから持って来こんかったやろうな。
 それにしてもせっかく羽のばしに来とるのに、何の用があるんやこいつ。
「仕方ないから由宇ちゃん達に話を聞いて、後は探偵の真似事をしながら…
「そんな話はどうでもええ。はよ本題に入らんかい!」
「ああ、そうだね。すまない。……実は」
 そう言いながら敬介はちょいちょいとウチに手招きする。
「なんや。郁乃ちゃんの前では言い難い事なんか?」
「ちょっとね」
「しゃあないなぁ」
 ウチは肩を竦めてボヤいて見せて、郁乃ちゃんに「ちょっと待っててな」って目配せしてから敬介の方へと向かった。

「耳に息吹きかけるんやないで」
「しないよ。君じゃあるまいし。……実は──


A ──往人君が行方不明になったらしいんだ」
B ──僕も晴子達と一緒に旅行させてもらいたいんだけど…」
C ──僕の知り合いが、どうしても君に会いたいって言っててね」
D ──郁乃ちゃんの男性のタイプって分からないかな?」
348名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 01:49:26 ID:ucVS4Qa20
A
349名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 16:14:41 ID:4NhtALwq0
101  名前を選択して下さい  2006/02/02(Thu) 15:53
俺はルールより、気分の問題で書き手降りるのが多いな。

今回は敬介との関係を間違えて書く下調べの甘さ(Google検索で調べられる範囲だぞ)と
旅行無視して(るように見える)振り出しの神尾家で事件起こした時点で
設定を知らず調べもしない人や、流れを読まずに
単に上からペンキ塗り付けるだけみたいなテコ入れする人がいるように見えて
完全に気持ちが離れた。
350名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 19:18:55 ID:6Jk9rZ4Q0
「実は……往人君が行方不明になったらしいんだ」
「居候が?」
 まさか敬介の口から、居候の名前が出るとは思わんかった。
 敬介は深刻そうに首を縦に振ると、言葉を続けた。
「晴子達と別れた後に、僕は観鈴に電話を入れたんだ。
 そうしたら、往人君が帰ってこないと……確かにそう言っていた」
「あまり深く考えへんでもええんとちゃう?
 居候かて旅芸人や。あんなアンタの芸よりつまらない一発芸なんか、早々何度もウケるわけあらへん。
 一つの街に居ついておったら生活出来へんようになることかて、居候自身よう分かってるやろ。
 せやから街を出て稼ぎにでも行ったんとちゃう? どうせ稼げるわけあらへんからそのうち戻ってくるやろ」
「観鈴に一言も断らず急にいなくなった、とでも言うのか?」
 そう言われて黙る。
 確かに居候は無礼に服着せたような奴やから、
 挨拶なしで家を出てくなんてそうおかしいことでもないようには思える。
 けど、いくら居候かて家に居着いて長いんや。一言出てくぐらいは言うやろ。
 そう考えると……少し妙やな。
「まだいなくなってそう時間も経っていないし、
 観鈴や僕の思い過ごしなのかもしれないけど、一応晴子の耳に入れておこうと思ってね」
 そういうわけで、敬介はわざわざウチのこと追っかけてきたっちゅーわけか。
 ……って、ちょい待ち。
 ウチはその場の思いつきで旅行しとるんやで、
 足取りを辿ったとしてもウチがここ松島に向かうなんて、分かるはずあらへんやんけ。
 にも拘らずここで待ってたと言う事は……行動パターン完全に読まれてるっちゅーワケか。
 不覚や……敬介ごときに……。
「で、どうするんだい? おかげで観鈴が寂しがっている。
 僕としては早く君に家に帰ってやって欲しいんだが……」
「…………」
 なるほど、敬介がわざわざウチをおっかけて来た理由が分かったわ。
 それが言いたくてわざわざここまで来た……と。ウチは……

A 居候を見つけ出す
B 観鈴の側にいてやる
351名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 19:26:47 ID:VcE4OamV0
Aだな
352名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 20:02:57 ID:6Jk9rZ4Q0
「観鈴の側にはアンタがいてやり。ウチはウチでやることがあるねん」
「やること……だって?」
「旅行や。ウチは今旅行中なんや」
「なんだって!? 晴子、観鈴が悲しんでいるというのに、お前は……!!」
「観鈴への土産は居候なんてどや?」
「!」
 ウチはにっと笑ってみせる。
 しっかしこうやってると、なんや橘の家に土下座しに行ったときを思い出すわ。
 あん時も、ウチは居候に『旅行に行く』って言い訳してたな。
「せやから、留守を頼むで……敬介」
「……晴子らしいな」
 敬介はふっと笑いおった。
 まったく敬介の奴、もっと気の効いたセリフは言えんのかい。
 それが敬介らしいといえば敬介らしいんやけどな。
「もっとシャッキリしい、観鈴はあんたの大事な娘なんやろ?」
「分かってるよ。観鈴は僕に任せてくれ」
 ウチと敬介はお互いにふっと笑う。
 大丈夫や、ウチが本気を出せば居候なんかあっという間に見つかるわ。
 今は神戸に置いて来とるけど、ウチの赤いモンスターさえあれば日本を軽く何周も出来るわ。
 居候、ウチから逃げようなんて……百年は早いんとちゃう?
 観鈴を悲しませた償いは、たっぷりしてもらうで?
353名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 20:03:35 ID:6Jk9rZ4Q0
「郁乃ちゃん、待たせてすまへんな〜」
「話は全部聞こえたわよ」
「へ?」
 突然の郁乃ちゃんの発言に、ウチは目を丸くする。
「居候さんがいなくなったんでしょ?」
「そうやけど……」
「……せっかくの旅行が台無しね。それとも、これも旅行の一環だと思えば良いのかしら?」
 郁乃ちゃんは、ふぅっとため息をつくとそう言った。
「手伝っても良いわよ。それとも、病弱なあたしは邪魔?」
「郁乃ちゃん……すまへんな」
「礼なら終わってから言って」
 ぶっきら棒な言葉でぷぃっとそっぽを向く。
 ホンマに素直やないわ、郁乃ちゃんは。
 けど……ホンマ、ありがとな。

 さて……どこから居候を探せばええやろ。
 まず居候やけど、ウチからまだそんなに遠いところへは行ってへんと思うんや。
 居候が金を稼げてるわけあらへんし、バスや電車使うてもそんな大した距離移動出来へんやろ。
 せやから居候はまだ近畿のどこからへんにはいると見た。
 あとは、居候が街を出てどこへ向かったかやけど……情報が足りへんな。
 さて、まずはどないする……?

A 足が欲しい。まずはウチの愛車を取ってくる
B 情報が欲しい。一度街へ戻って居候のことを聞きまわる
C 人手が欲しい。知り合いに応援を頼む
D 金が欲しい。敬介からカツアゲする
354名無しさんだよもん:2006/02/02(木) 20:06:47 ID:UB0uuQuFO
C
355名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 00:21:18 ID:u3G7H4g50
 敬介の話を聞き、ウチらは一旦松島から仙台駅に戻った。

『じゃ、僕は観鈴の元へ行くよ。
 晴子は携帯電話を持っていないのだから定期的に連絡を入れてくれ』

 敬介には一足先に新幹線で観鈴の元に行ってもらった。
 今の観鈴を家で一人にしておくのは……あんまりにも可哀想過ぎる。
「で、まずはどうするの? 晴子さん」
 郁乃ちゃんに尋ねられて、改めて今後の方針を考えてみた。
 ウチは行方不明になった居候を見つけなアカンと思っている。
 せやけど現実は厳しい、いくら居候の移動範囲が狭いゆうたかて
 ウチと郁乃ちゃんの二人で探し回るなんていくらなんでも無茶すぎる。
「まずは人手や、知り合いに応援を頼もう思うねん」
「誰かアテはあるの?」
 ウチと一緒に居候探しに協力してくれそうな人、それは――


A もう神戸にもどっとるかもしれへん猪名川由宇や 
B 知り合いの探偵の○○や(人物指定)
C 「……姉がこういう事に役立つ人間を知っているかも」と郁乃ちゃんが言った。
356名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 00:27:01 ID:NrhCAgQl0
Cで
357名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 12:48:29 ID:FlJB1drx0
1 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/12(木) 20:33:38
かっとなって立てた。たぶん反省しない。

2 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/28(土) 20:44:16
さすがにこんなところにだれもいないだろうけどぼやいてみる。
頼むから愚痴スレを本スレに貼り付けたりしないで下さい。

3 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/28(土) 22:59:17
最近歪んだ人間を淘汰するシステムが必要だと切に思う。
mixi?ありゃダメだ、結局最初に仮面被った荒らしがもぐりこんだら一緒だろ。
匿名といえども悪即斬を徹底する価値観にならないものかね。

4 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/29(日) 00:44:49
結局ぱっと見て目に入るような上のほうのスレじゃ、もう話せないって事かね……

5 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/29(日) 00:53:49
ここもいつまでもつか分からんけどね
言い方は少し酷かったのかもしれないけど
晴子と敬介の関係ミスの指摘や行間の指摘ぐらいで腹立てなくてもいいのに
と思った

358名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 12:50:24 ID:FlJB1drx0
6 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/29(日) 00:59:11
ネタでくぁwsえdrftgyふじこlp;なんてやるのは見てきたが
本当にアルファベットに化けるまで書き殴るほど激昂する人っているもんだな。

7 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/01/30(月) 16:51:09
なんでいきなりそんな狭い範囲に絞った狙いをつけてるんだよ(;´Д`)
実行されてたら絶対「なんか妙に不自然に晴子と敬介くっつけたがってる奴がいてウザイ」とかで
荒れてただろうな……実行しないぶんだけマシだけど。

8 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/02/01(水) 23:59:54
最近愚痴スレが何も書かれていないのは
不満が無いのかそれともまったく知らない場所で何か語られてるのか
さっぱり解らず不安になってしまう

9 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/02/02(木) 00:08:23
結局敬介×晴子とか始めるなら、半端に片足突っ込んだところで止めるなや
どうにも続けようがないだろうが

とか

空気読まずに購入辞めて、選択無視気味にまた買わせて、指示を読まずにひとりで複数選択して
そういうゴタゴタが嫌だから外部板に流れるちゅーねん

とか

愚痴スレで吐きたいことはごまんとあるが、
それでまたいつもの人が調子こいて上げて煽って喜ぶのもウザイから
今は何も書いてないだけだよ。

359名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 12:51:19 ID:FlJB1drx0
10 名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2006/02/02(木) 19:13:03
下手でもスレに参加しようと頑張ってるのが見える書き手ならいいんだが、
ここ数作の下手打ってる書き手はどうも頑張ってる感じがしないからなあ。

自分で続きが思いつけない時にまで浩平組とか地震とか
とにかくなんでもいいから派手な事件さえ振っておけば
誰か上手い人が頑張って回収してくれるだろうとか、
登場人物の基本的な設定を確認していないとか、
書き手なのにバトンを受け取ってSSを書くために参加してるんじゃなくて
とにかく選択スレに参加したいから参加してるような本末転倒さが目立つのは
たしかにちょっと嫌な感じはしている。
360名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 19:57:51 ID:UTNMbQPK0
今の選択スレは、本スレ重視派VS外部板重視派の内ゲバですよ
361名無しさんだよもん:2006/02/03(金) 22:08:54 ID:AeHwfEJ6O
小煩い五月蝿が飛び回ってるだけだ
362名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 00:07:18 ID:s8Lb2dNY0
「……姉が、こう言う事に役立つ人間を知ってるかも」
「姉って、郁乃ちゃんの姉ちゃんか?」
「他に誰がいるの」
 ウチは思い出す。
 確か郁乃ちゃんの姉ちゃん、愛佳ちゃんっていったっけか。
 結構人望があると聞いてるさかい、人探しにうってつけの奴を知ってるかもしれへん。
 もしかすると居候自体と知り合いだったりしてな、あははは。
「よっしゃ、愛佳ちゃんと連絡取るで!」
「了解了解っと……」
 ウチと郁乃ちゃんは直ぐに公衆電話に駆け込んだ。

「……と、いうわけなんや」
『そうですか、それは大変ですね……』
 ウチは愛佳ちゃんに一部始終を話す。
 基本的に面倒見の良い子や、ウチの話に嫌な顔一つせず聞いてくれる。
「つーわけで、居候を見つけ出すのに使える奴っておらへん? とにかく今は人手が欲しいんや」
『そうですね……』
 愛佳ちゃんが考え込む。
 しっかし、こんな無茶苦茶な話によく付き合うてくれるわ。
 ウチが向こうの立場ならんなこと言われても困ってたと思うで。
 そして……

A いろんな情報に詳しいエディさんって言う人がいるんですが、訪ねてみてはどうですか?
B おまじないで全てを解決する宮沢さんっていう人がいるんですけど、どうでしょうか?
C 予言で人の動きや運命を予知できるリアンノンさんという人に会ってはどうですか?
D 魔法で何でも解決できるスフィーさんという方に頼んでみては?
E ……ごめんなさい。お役に立てそうにないです
363名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 00:12:31 ID:TztoOMUM0
B
一番一般人にしておこ
364名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 00:30:42 ID:s8Lb2dNY0
『おまじないで全てを解決する、宮沢さんって言う人がいるんですけど、どうでしょうか?』
「おまじないぃ?」
 愛佳ちゃんから出た言葉は、めっさ非現実的な言葉やった。
「なんや愛佳ちゃん、そんな嘘っぽいもん信じろ言うんか?」
『いえ、宮沢さんの凄いのは、おまじないが100%当たるところです』
「そんなまさか……」
『ほ、本当なんですよ〜。会って損はないと思いますから〜』
 困ったような声を上げる愛佳ちゃん。
 まあウチも信じんとは言わへん。居候自体物理法則無視して生きとるような奴やし。
「サンキュな、愛佳ちゃん。その子んとこ当たってみるわ」
『あ、はい。お役に立てて光栄です。
 それでは宮沢さんが普段いるところをお教えしますね』
 愛佳ちゃんがそう言って、ウチに詳しい話を教えてくれる。
 宮沢さんってのは、宮沢有紀寧ちゃんって言って、愛佳ちゃんと同じ2年生とのことや。
 まあ、おまじない好きっていうんやから、そんなことだろうとは思ってたけどな。
「わざわざすまへんな、愛佳ちゃん」
『いえ。それよりも頑張ってください。あ、でも宮沢さんは……』
「ん?」
『……いえ、やっぱりなんでもないです』
 最後、愛佳ちゃんが何か意味ありげなセリフを口にしたが、
 ウチはあまり気にせずに、有紀寧ちゃんのところに向かうことにした。

 愛佳ちゃんの情報で電車を乗り継ぎ、着いた場所は……

A 学校の資料室
B 夜中の歓楽街
C 深夜の高速道路
365名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 01:05:29 ID:TFqzB+8+0
ベタだけどAで
366名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 01:52:19 ID:s8Lb2dNY0
 愛佳ちゃんの話によると、彼女は資料室でいつもお茶しとるらしい。
 けど……
「晴子さん。本当にそんなところにいると思う? 今学校休みだし」
「そう言われてもなー。愛佳ちゃんは確かにここにいる言うてたし」
 郁乃ちゃんのツッコミどおり、疑問があった。
 学校やってるときならともかく、休みなのにわざわざ学校におる奴なんているんかいな。
 ……まあ、世の中には学校を集会場にいろいろ悪さする奴もおるけどな。
 一昔前と違って宿直なんかもめっきり見なくなったわけやし。
「とりあえず、覗いてみるだけはしようやないけ」
「……そうね」
 郁乃ちゃんが頷いた。
 まあここまできて、何もせずに手ぶらで帰りますー。
 なーんてしとうないからな。
 ウチらはそう思って、学校の門をくぐった。
 せやけど……

「なんだ貴様らはぁっっ!!」
 入るなり、いかつい男がそう一喝する。
 途端にわらわらと北斗の拳にでも出てきそうな、
 そんな典型的不良たちがウチらのことを取り囲んだ。
「ひっ!?」
 郁乃ちゃんが小さな叫び声を挙げる。
 ……って、不良の溜まり場になっとるやんけ!
 なんやなんや? 有紀寧ちゃんってのは、そっち系の奴やったんかいなっ!?
 愛佳ちゃんが意味ありげなセリフ言ってたのが、今ようやく分かったわ。
 シャレにならへんわ、愛佳ちゃん! こう言う事は先に言っといてや!!
 ウチは……

A あの……有紀寧ちゃんって人に用があるんやけど……。と気弱に用件を話す
B 人探してるんや、宮沢有紀寧ちゃんって、ここにおらへんか? と普通に話す
C あんたらに用はないんや、有紀寧ちゃんって子を出し。と強気に話す
D ど、どうもすいませんでしたーーーっ! と言ってから逃げる
367名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 01:56:14 ID:TztoOMUM0
368名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 02:44:46 ID:s8Lb2dNY0
「ウチは人を探してるんや。宮沢有紀寧ちゃんって、ここにおらへんか?」
 ウチは務めて普通に話すことにした。
 不良相手に尻込みしとったら、何されるか分からん。
 まあ、関わらないのが一番なんやけど、有紀寧ちゃんには会っておきたいしなあ〜。
「何ぃ!? ゆきねぇに会いたいだとぉ!?」
「ゆきねぇに何の用じゃオバサン!!」
「場合によっちゃ、大阪湾にコンクリート詰めで沈んでもらうぞ! あのリーフ社員のようにな!!」
 周りの不良たちが、ウチの言葉を聞くなり騒ぎ立てる。
 なんやなんや一体!? ウチが何したって言うんや!!
「は、晴子さん……ヤバイんじゃない?」
「ウチもそう思ってきたところや」
 郁乃ちゃんをうちの背中に隠す。
 もしかして……もしかしなくとも、ウチは今大ピンチってやつなんか?
 つーか有紀寧ちゃんって、ここまでとんでもない人物やったんかい!
 恨むで、愛佳ちゃん……本当に、先に言って欲しかったわ!
「そんな大した用やない、おまじないがよう当たるって聞いとるから、
 人探しに少し占って欲しいだけやさかい。用が済んだら直ぐに帰るで」
 冷静にそれだけ言葉を搾り出す。
 あはは……ホンマ、誰か助けて欲しいわ。
 そんな時……

A 「……なら、さっさと済ませて帰れオバサン!!」と、一応許可(?)は貰えたみたいやわ
B 「寝ぼけんじゃねぇ、とっとと帰ってクソして寝ろ!!」と、啖呵を切られた
C 「あれ? お客様ですか?」といつの間にか場にそぐわない雰囲気の女の子が立っていた
D こいつらのリーダー格と思われる厳つい男がウチの前に現れた(人物指定)
369名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 02:54:41 ID:vJiQsG3UO
D御堂
370名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 06:15:35 ID:6CPHJnpo0
御堂ってどっちの御堂?
371名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 06:16:20 ID:6CPHJnpo0
すまん上は気にするな
372名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 11:39:55 ID:YtbU1DaU0
「おい、待てや!」
 辺りにそんな声が響く。
 その瞬間、人の波がパカッと割れて、
 猫背で軍服の男がウチの前にずずいと歩み寄ってきた。
 周りの態度と、その風格でなんとなくわかる。……こいつが、頭や。
「名前は?」
「神尾晴子や」
 気圧されないように、威勢だけは張る。
 この雰囲気に飲まれたらアカン、絶対にアカンで。
「俺は御堂だ。……で、わざわざこんな所に何の用だ?」
「聞いてなかったんかいな。ウチは有紀寧ちゃんと少し話がしたい言うてるやろ?
 な? ほんのちょっとぐらいええやろ? 別にケンカするわけでもないんやし」
「けっけっけ……ゆきねぇと話したい、か」
 御堂つった男が不敵に笑う。
 が、それも束の間、おっそろしいまでに怖い顔でウチにガンたれてきた。
「テメェ、その意味が分かってるんだろうな?
 ゆきねぇは俺たちの心の安息、神聖にして侵すべからずだ。
 危ない目には絶対にあわせねぇ。ゆきねぇは俺たちクズの救いの女神なんだよ。
 そんなゆきねぇに、どこの馬の骨とも分からないオバサンをほいほい会わせられるか!」
「オバサンとはなんやねんっ!!
 それにな、居候探し出すのに有紀寧ちゃんの力が必要なんや。
 ウチとしてもこのままはいそうですかって、おめおめと引き下がれるかいな!」
 ウチは怯まず言い返した。
 恐怖がないわけではなかったが、それ以前にこの男の身勝手な物言いに非常に腹が立った。
 なんやこいつ、結局は自分らのお姫様を独り占めしたいだけやんけ。
「威勢が良いな。そういう女は嫌いじゃないぜ、けっけっけ……。
 よし、なら……」

A いいだろう。特別に会わせてやる
B 俺と勝負してみねぇか? 俺に勝てたらなんだってしてやるぜ
C お前、俺の女になれ。……そうしたら、考えてやっても良いぜ?
373名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 11:41:25 ID:G8OQmafx0
C
374名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 11:57:24 ID:YtbU1DaU0
「お前、俺の女になれ。……そうしたら、考えてやっても良いぜ?」
「な、なんやてぇっ!?」
 ウチはコイツの突然の発言に、驚きの声を上げた。
「俺の女がゆきねぇに会いたいっていうなら、誰も文句は言わねえ、いや言えねえさ。
 俺はテメェが気に入った。威勢が良いし、度胸もある。
 よくよく見りゃ面もいいじゃねえか。年なんざどうせ俺のほうが二倍も三倍も上だ、気にはしねえ」
 にやり、と下卑たような笑いをウチに見せ付ける。
 ……年がウチの二倍、三倍って、一体この男いくつなんやろ。
「晴子さん、駄目。絶対に信用できない」
 郁乃ちゃんがウチの袖を引っ張る。
 ウチかて、そう思う。せやけど……この男に逆らって、有紀寧ちゃんに会えるんかが問題や。
「俺たちは嘘は吐かねえ。ゆきねぇは嘘が大嫌いだからな」
「……本当、なんやな?」
「なっ……晴子さん!?」
 ウチは、郁乃ちゃんの手を振り解いて一歩前に出る。
「アンタの女になれば……ほんまにウチらを有紀寧ちゃんに会わせてくれるんか?」
「ああ、約束するぜ。テメェと引き換えのギブアンドテイクだ、俺の女になれよ?」

A しゃあない……分かったわ
B だが断る。この神尾晴子の最も好きなことの一つは、自分で強いと思っている奴にNOと断ってやることだ
C その時「御堂さん、なにをしてらっしゃるんですか?」とニコニコした顔の女の子が突然後ろから御堂の肩を叩いた
375名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 11:58:50 ID:6PfreWgY0
376名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 12:09:58 ID:JwepJARg0
実際のゆきねえ不良軍団
ttp://tiduru.sytes.net/img-box/img20060121010346.jpg
この中に御堂がいたらむっちゃ目立つ
つーかそれだけでギャグとして成立しそうw
というかオレは思わず想像して吹いたwww
377名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 12:17:56 ID:YtbU1DaU0
「だが断る!」
「何ぃぃっ!?」
 ウチは自信たっぷりに御堂を睨み返した。
「この神尾晴子の最も好きなことの一つは、自分で強いと表いる奴にNOと断ってやることだ!」
「ゲーック! なんて女だ!!」
 ウチはどこかの漫画家のようにそうきっぱり言い切った。
 なんやなんや、条件ちらつかせてウチをものにしようなんて、百億年は早いわ!
「ウチはな、そんなことで捕まるような安い女やないんや、覚えとき!
 だいたいどうして有紀寧ちゃんに会いに行くのに、あんたらの許しがなきゃいけんのや!?」
 根本的な疑問を思いっきり御堂にぶつける。
 せや、何もこいつらの言う事を真に受ける必要なんかないんや。
 そう考えると、気持ちん中がすっきり晴れてくる。
 こいつら怖い面して威張ってはいるけど、なんや大したことない。
 好きなおもちゃを取られたくないって駄々こねてるガキと変わりないやんけ、もうちっとも怖くないわ!
「行くで、郁乃ちゃん。資料室やったよな?」
「え? そ、そうだけど……」
 ウチはやや強引に郁乃ちゃんの手を引く。
 こいつらにこれ以上付き合ってられるかいな!
「ま、待て! ゆきねぇの部屋には……!!」
「るっさいわ! なんやなんや、男の癖にグチグチとちっさいことばかりしよって!
 誰が誰に会いに行こうが勝手やないけ、このスカタン!
 有紀寧ちゃんはあんたらの所有物やないんや、分かったか!」

 ウチは……

A そのままダッと学校の中に突っ走った
B 丁度近くに止めてあったバイクのエンジンをかけた
C 駄目押しに、この男へキツイ一撃をぶちかました
D 「宮沢有紀寧出てこ〜い!」と拡声器で校舎に向かって大声を上げた
E その時、御堂の奴が「……ますます気に入ったぜ」と笑いおった
378名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 12:19:38 ID:/xIK2C8V0
よしっBだ!
379名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 12:59:08 ID:YtbU1DaU0
 丁度目に付くは、一台のバイク。
 誰のかは知らんけれど、ウチはそれに駆け寄り一発蹴りいれた。
 ブルルン……とバイクが唸り、エンジンがかかる。
「なにぃっっ!?」
 回りの不良どもが驚く。
 なんやなんや? こないなことも予想出来へんかったって言うんか?
 ウチは直ぐに郁乃ちゃんをタンデムシートに乗せ、エンジンを鳴らす。
「よう捕まっておき、郁乃ちゃん? ウチの運転は、ほんのちょっとだけ優しくないで」
「言われなくても分かってるわよ!」
 ウチはそれだけ言うと、たむろしていた不良どもの塊に突っ込んだ。
 すると不良どもが蜘蛛の子を散らすように四散する。
 なんやなんや? 度胸のないやつらやで、体張って止めるぐらいの見込みある奴はおらへんのかいな!!
 ウチは後輪を威嚇するように振り回す。
「ま、待ちやがれっっ!!」
「そいじゃ、またな」
 御堂の声を尻目に、ウチは目一杯アクセルを踏み込んだ。
 ギュオオン! とエンジンが唸り、バイクは突進を始める。
 その場に、後輪でつけたタイヤの痕だけを残して。
「ま、マックスターン……」
「そいつは置き土産や! 大事にとっておき!!」
 ウチはそれだけ言ってから、そのまま校舎へと突っ込んで行った。
 このまま資料室まで突っ切ったるわ! ウチを舐めてると、火傷するでぇ?

 そうやって、意気込んだウチやけど……

A 後ろから御堂が追ってきている事に気づいた。なんや、ウチと走りで勝負しようってんか?
B 資料室と書かれた部屋が。そこかぁーーーっ!!
C 「晴子さん、前、前!」と郁乃ちゃんが叫ぶ。……って、階段やないけっっ!!
D なんや、廊下にけったいな男がおるで。ウチの邪魔する気か?(人物指定)
380名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 12:59:31 ID:6PfreWgY0
381名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 13:07:54 ID:YtbU1DaU0
「晴子さん、前、前!」
 郁乃ちゃんが叫ぶ。
 何や、前がどないしたん……って、階段やぁっっ!!
「どうするの!?」
「黙っとき!」
 ウチはとりあえずそう怒鳴る。
 けど……どないしよ!?
 距離稼がんと、御堂の奴らすぐに追ってくるで。
 せやけど……目の前には階段。
 ああもう、どないすればええんや!

A このまま突っ切って駆け上るで! 郁乃ちゃん、舌噛むんやないで!!
B カーブや! 迂回して別ルートを探し距離を稼ぐで!!
C バイクから降りるで! 最後ぐらい自分の足で走るわ!!
382名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 13:08:33 ID:qYbE1yto0
A早く進めよう
383名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 13:22:40 ID:YtbU1DaU0
「このまま突っ切って駆け上るで! 郁乃ちゃん、舌噛むんやないで!」
「え!? ちょ、ちょっと……!!」
 ウチは郁乃ちゃんの言葉を待たずに、アクセルを目一杯踏み込んだ。
 唸りを上げてバイクは階段を駆け上る。無茶苦茶やなんて言うんやないで?
 こちとら毎日納屋と格闘しとるんや、これぐらいの悪路なんて屁でもないわ!!
 このバイク、ウチの赤いモンスターほどやないけど、中々の走りをしてくれる。
 よっしゃ、いけるで! このまま一気に資料室やーーーっ!
 そう意気込んでウチは2階に駆け上がった。
「この勢いで資料室に突っ込むで! 郁乃ちゃん、しっかり掴まってるんやで!!」
 ウチはそれだけ叫びバイクを走らせる。
 廊下を爆走するバイク、とってもシュールな光景やけど、
 まあ外見にこだわってる場合やない、早いとこ資料室に行かへんと。
 そう思ったそのとき、ウチは気づいた。
 2階を走っていたウチやったけど、資料室が見当たらない。
 ……あ、あれ?
 なんや、もしかして資料室って3階か!? こりゃきっついわ……。
「は、晴子さん……」
「郁乃ちゃん、もういっぺん駆け上がるで。気をつけて……」
「ち、違う……資料室は1階……」
 郁乃ちゃんがそれだけ声をひねり出した。
 …………。
 ……へ? 1階?
 ま、ま、ま、ま、間違うたわ〜〜〜〜!!!
 なんやそれ、先に言って欲しいわ!
 ああもう、こんなことならCLANNADやっとくんやった!!

A 転進や! 1階に戻るで!!
B 一か八かや、窓から中庭に飛び降りるで!!
C 「おっと、鬼ごっこはそこまでだぜ」……御堂、いつの間に!?
384名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 13:24:56 ID:6PfreWgY0
派手にB
385名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 17:40:02 ID:YtbU1DaU0
「しゃあない、一か八かや! 郁乃ちゃん、しっかり掴まってるんやで!」
「って晴子さん、何する気!?」
 ウチはハンドルを捻り、大きく助走をつける。
 ブルン……とエンジンを鳴らし、バイクは窓に一直線に突っ込んでいく。
「飛ぶで!」
「……え、ええっ!?」
 郁乃ちゃんは慌ててウチにしがみつく。
 その瞬間……ウチは、窓をぶち破って空中に躍り出た。
 先に言っとくで。そんな都合よくジャンプできるの? ってツッコミがあるんやろうが……
 世の中には「かっとべ! マグナム!」と持ち主が叫ぶだけで、都合の良いタイミングでかっとぶミニ四駆もあるさかい、
 これぐらいは全然おかしいことやない。せやろ?
「きゃああっっっ!」
「大丈夫や、ウチを信じるんや!!」
 ウチはタイミングよくハンドルを切る。
 ダン! という音とともに、バイクは中庭に着地した。
 いささか勢い良すぎて衝撃は中々強かったみたいやけどなあ。あはは〜。
「さ、資料室は目と鼻の先や!」
 丁度手前に資料室がある。
 びっくりした表情でこっちを振り向く女の子の姿が窓越しに見える。
 なるほど、あれが有紀寧ちゃんやな?
 ウチはもっとケバいの連想してたんやけど、なんや普通の女の子やないけ。
 こないな子があんなゴッツイ連中と一緒に居るっての、なかなかおかしいで〜。
386名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 17:40:34 ID:YtbU1DaU0
 ガラリと戸が開いて、有紀寧ちゃんがこっちを見る。
「あんた、宮沢有紀寧ちゃんやろ? ちょいとウチの話を聞いてんか?」
「あの……今、空から降ってきましたよね?」
「なんや? 何かおかしかったんか?」
「いいえ、凄いと思っただけですよ」
 有紀寧ちゃんはニッコリ笑った。
 不思議な子やな、ここまで無茶苦茶しとるウチらをちっとも怖がってへん。
 それで、ウチは……

A 「人を探してるんや、あんたのおまじないでどうにかならへんか?」と早速本題に
B 「あの……コーヒーでもどうですか?」と有紀寧ちゃんが。ウチ、そんなことしてるヒマないんやけど……
C 「ゲーック、見つけたぞ!!」御堂! アンタまだおったんかいな!?
387名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 17:41:16 ID:zB7zEd+K0
A
388名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 18:41:42 ID:hZkkEHUp0
ハルコトルネーーーード!
389名無しさんだよもん:2006/02/04(土) 19:07:28 ID:NqzJDSagO
実はアレはミニ四駆という名の「音声入力型ラジコンマシン」とする説が有力なんだ
390名無しさんだよもん:2006/02/05(日) 16:02:03 ID:tD4Dd0wD0
「人を探してるんや、あんたのおまじないでどうにかならへんか?」
 ウチは有紀寧にお願いした。
 ええ加減にバイクの逃避行から解放されたいところや。
「すいません、今日は人と待ち合わせをしてるんです。ごめんなさい」
 ペコリと頭を下げて、申し訳なさそうに有紀寧ちゃんが断ってきおった。
 おいおい、ここまで来てごめんなさいかいな?
「そんなこと言わんと、その人らが来るまでにちょいちょいとお願いするわ」
 後ろからは御堂達も走ってきた、ヤバイでホンマ。
「困りました……お友達の愛佳さんの紹介で神尾晴子さん達が来るそうなんですよ……」
 神尾晴子、どっかで聞いたような………

「それはウチらや!」

 ウチらは有紀寧ちゃんに資料室に入れてもらった。
「ゴメンなさい、皆さんには愛佳さんの紹介で私に会いに来る人がいると伝えてたんですけど……」
 さっきの御堂たち不良はウチらがアポのある客やと分かると大人しく退いてくれた。
「最初から姉の紹介だって言っておけばよかったのに」
 郁乃ちゃんに言われてもうた。
 不良に囲まれて頭に血が上ってしもうたんかな、いきなり押し掛けておまじないをさせろでは
 すんなりまとまる話もまとまらんという事か。
「愛佳さんには書庫でよく紅茶をご馳走になっていて、お返しに資料室でコーヒーを淹れてるんですよ」
 朗らかな笑みで郁乃ちゃんとウチに愛佳ちゃんとの関係を語る有紀寧ちゃん。
 まぁそういう温かくてお茶菓子が甘そうな話は置いといて、ウチラは本題に入る。
「有紀寧ちゃん、愛佳ちゃんから話は聞いとるかも知れへんけどウチらは―――」
 詳しく事情を話して、改めて有紀寧ちゃんにお願いする。
「そないな訳で行方不明の居候の居場所を教えてほしいんや」
「そうですか、それなら――――」

A 「両手の親指と人差し指でハートマークを作ってそれを胸に当て
  「オモイオモワレフリフラレ」と三回言って校舎を一周して見てください」
B 10円玉とひらがなが書かれた紙を用意した……オーソドックスなコックリさんかいな
C 「おまじないよりも御堂さんに手伝ってもらったほうがいいかも知れません」
391名無しさんだよもん:2006/02/05(日) 16:08:44 ID:3xJU+2dR0
一番手っ取り早く終わりそうなB
392名無しさんだよもん:2006/02/06(月) 01:00:07 ID:bF1bu4JL0
「そうですか、それならこのおまじないが良いと思います」
 そう言うと有紀寧ちゃんは10円玉とひらがなが書かれた紙を用意した……オーソドックスなコックリさんかいな。
「また随分ベタな…」
「けっけっけ…ゆきねぇのこっくりさんを舐めるなよ。 落し物から人探しまで、その的中率は100%だ」
 御堂がやけに自慢げに話す。他人の事なのにまるで自分の事の様に自慢しとる。
「…げ、マジかいな」
「…変なの降りて来ないでしょうね」
 隣で聞いていた郁乃ちゃんが苦い顔をする。
 こっくりさん言うたら、狐(こ)、狗(く)、狸(り)の名の通り動物霊が降りてきたりとか色んな話があるくらいや。
 100%的中とか言われたら変なのが降りこうへんか疑いたくなるモンや。
「それでは皆さん、準備してください」
 うちらは有紀寧ちゃんの指示に従ってコックリさんの準備を整えた。
 まず、コックリさんが入ってくる為の窓と、帰る為の窓を開ける。帰る方は来る側の反対側やそうや。
 んでもって十円玉を鳥居の上に置いて、その上に人差し指を置く。これはウチと有紀寧ちゃん、郁乃ちゃんの
 三人でする事に。御堂は外で待機してもらうい、何かあったら知り合いの魔術師か霊媒師に知らせる係りや。
 準備が整ったところで有紀寧ちゃんがコックリさんを呼ぶ詠唱を始めた。
393名無しさんだよもん:2006/02/06(月) 01:00:27 ID:bF1bu4JL0
 「コックリさん、コックリさん。おいでになりましたら東(開けた窓の方角)の窓からお入りください」
 そして、有紀寧ちゃんは少しして、もう一度詠唱をする。
 「コックリさん、コックリさん。いらっしゃいましたら『はい』へ進んでください」
 すると、ウチらが指を置いていた10円玉が紙の上の『はい』の文字の上へ移動したんや。
 別にウチは力を入れて動かしたわけや無いのに…マジで何か来とるんか?
「コックリさんがいらっしゃいました。 晴子さん、探し人について出来るだけ詳しく説明して質問をして下さい」
 有紀寧ちゃんに促されて、ウチは居候について尋ねる事にした。薄気味悪さはこの際無視や、無視。
「コックリさん、コックリさん。 ウチの居候がどこにおるか教えてくれへんか?
 名前は国崎往人。住所不定、黒いシャツい白い髪、目付きが悪うて、ぼろい人形を持った奴や」
 ウチの質問が終わると、指を置いた10円玉が動き出したんや。その10円玉が紡いだ単語は──

A と・う・は・と…東鳩…ってこの街かいな
B と・う・す・く・る…トゥスクル?オボロ達がこっから来た言うてたな
C し・ま・が・み…島神…どこやったけな?
394名無しさんだよもん:2006/02/06(月) 01:04:04 ID:iv4+9ry20
A
395名無しさんだよもん:2006/02/07(火) 02:25:58 ID:fy7mflcL0
 コックリさんは一文字ずつ、文字を指し示していく。
「と・う・は・と……東鳩……って、この街やんか!」
「晴子さん静かに、まだコックリさんは終わっていません」
 有紀寧ちゃんに注意されてもうた。
 せやせや、あんまりにも偶然な展開やから思わず声をあげてもうたわ。




「よかったですね、近くにいるみたいですか国崎往人さん」
 有紀寧ちゃんが淹れてくれたコーヒーをウチらはすする。
 形式どおりコックリさんに帰ってもらった後、ウチらはこれからの事を話し合っていた。
「せやな、居候のアホがこの街に居るっちゅう事が分かれば話は早い、さっそく探しに行こうか」
 なかなか美味いコーヒーを飲み干して、立ち上がろうとするウチ。
 そんなウチに郁乃ちゃんは質問してきた。
「ちょっと待って、いくらこの街に居るとわかってもそう簡単に見つかるの?」
 郁乃ちゃんの質問ももっともや、普段やったら人の多いところでウケない人形劇を披露しとるやろ。
 せやけど今回は突然行方不明になっとる、もしかしたら人目を避けて行動しとるかも知れへん。


A 一度観鈴に電話して、居候が居なくなる前に変わった様子がなかったか聞いてみる。
B 居候のアホや、何も考えんと人形劇をしとるに違いない。駅前でも探してみよか。
C 「ゲーック、俺が手伝ってやってもいいぜ」戻ってきた御堂がそう言いおった。
396名無しさんだよもん:2006/02/07(火) 02:27:31 ID:pfssdTs2O
B
397名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 00:18:59 ID:IhfJZePZ0
 フッと、ウチは思わず笑ろうてしまった。
「郁乃ちゃん、郁乃ちゃんは居候の事を知らへんからそんな事言えるんや」
 あの居候の事や、ちょっとやそっとの事があっても。
 いや、突然行方不明なんてシャレにならんような事しても
『さあ、楽しい人形劇だ!』
 なんてほざいて、ウケもしない人形劇見せて子供連れの親から金をせびっとるに違いない。
「心配あらへん、あのアホにそんな器用な真似できる訳があらへん」
 タンッと飲み干したコーヒーカップをテーブルに置き、有紀寧ちゃんに礼を言う。
「あんがとな有紀寧はん、コーヒー美味かったわ」
「いえ、今度はゆっくりオムライスでもご馳走したいです」
 有紀寧ちゃんはニコニコと笑っていた。
「ちょ、ちょっと待ってよ晴子さん」
 立ち上がるウチと、慌ててコーヒーを飲み干しウチについて来る郁乃ちゃん。
 待っとれよ居候、もうすぐアンタの首根っこをひっつかまえたるからな。


 学校で有紀寧ちゃんと別れた後、教えてもらった駅前に到着するウチと郁乃ちゃん。
 さてと、居候のヤツはおるかな―――


A 「さぁ、楽しい人形劇だ」……ホンマにおったわ
B ……さすがに、そうそう都合よくおるわけないか
C おや? 居候と……仲良くくっついとるあの女は誰や?(人物指定)
D なんや? 居候とケンカ寸前のあの男は何者や?(人物指定)
398名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 00:21:41 ID:xDAUtKrSO
Dでタカ坊
399名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 00:52:48 ID:E5s3ctms0
「いい加減にしろ!」
「それはこっちのセリフだ!!」
 なんや? 向こうで何か騒いでる奴らがおる。
 ウチらは気になって近くまで寄ってみた。
 一人は高校生ぐらいの男。どこにでもおりそうな面しとるなぁ。
 んでもう一人は……居候っっ!?
 まさか、マジでこの街におったとは……おまじない、恐るべし。
「あれって……河野貴明」
 その時、郁乃ちゃんはもう一人の男を指差してそう言った。
「なんや? 郁乃ちゃん、知り合いか?」
「……いろいろとね」
 まるで疲れたような返事をする。
 なんやろう、そんなけったいな奴なんかいな。
 ……と、こんなことしとる場合やない、とにかく止めへんと!
 ウチは急いで二人の間に割って入った。

「こら、居候! いい加減にせんかいっっ!!」
「は……晴子っっ!?」
 ウチは居候に怒鳴る。
 居候はというと、まるであってはいけないものを見た、といわんばかりの表情や。
「貴明も、何やってるのよ」
「い、郁乃ちゃん? どうしてこんなところに……」
 向こうの男も郁乃ちゃんにツッコまれてタジタジや。
 なんや大の男が女の子に睨まれて焦りおって、情けないやっちゃ。
400名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 00:53:20 ID:E5s3ctms0
「んで、居候! アンタはこんな所で何しとるんや、留守番頼んだやないけ!!
 そんでもって何喧嘩しとるねん、場合によっては市中引き回しさせたるで!!」
「ま、待て! 落ち着け、まず俺の話を聞け!!」
「あんたもあんたよ、貴明。一体何があったの?」
「い、いや……実はさ……」
 貴明っつー男が郁乃ちゃんに事情を説明する。
 ホンマに、こいつらは何を喧嘩しとったんや。

A そこの男にいきなり金払えと言われたんだ
B 人形劇がつまらないって言ったらこいつが急に怒り出して……
C この男、食い逃げしやがったんだよ!
D こいつゲームで汚い技ばかり使うんだ!
401名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 00:54:54 ID:q3M2h7vf0
Cかな
402名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:15:00 ID:E5s3ctms0
「この男、食い逃げしやがったんだよ」
 貴明はキッパリとそう言い切った。
「嘘つくな、俺はちゃんと御代を払ってやったろうが!」
「御代? あのクソつまらない人形劇が? 笑わせるな!」
 それから居候と貴明、お互いに罵りあう。
 ……っていうか、とっても分かりやすい説明ありがとな。
「居候が悪いで、完全にな」
「何ぃ!? 晴子、裏切ったか!!」
「裏切るも何もあらへんやろこのドアホが!
 アンタには社会の常識っつーもんがないんかい!」
 ウチはここぞとばかりに居候を怒鳴りつける。
 ったく、なんちゅーアホや。親の顔いっぺん見てみたいわ!
 こないな天然記念物のアホ初めて見たで、ホンマに。
「で、お前、いい加減金払わないと警察呼ぶからな!」
「自慢じゃないが金など持ち合わせていない。だから俺の芸で払ってやったんだろうが」
 だめや、コイツ。
 完全に開き直ってるわ、ホンマに性質悪いで。
 見たところ、貴明の方が完全に正しい見たいやし、どないしよ?

A ……しゃーない。ウチが立て替えたるか
B 面倒見切れん。金については居候に体で払わせる
C っつーかまず居候をいっぺんぶん殴る
403名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:22:51 ID:RhnyGogk0
C
404名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:23:21 ID:3NMSubCFO
A
405名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:41:21 ID:E5s3ctms0
「居候! 歯あ食いしばらんかーーーいっっ!!」
「ぶっ……!!」
 ウチは怒りのあまり思いっきり居候を殴りつけておった。
 ここまでトサカにきたのって、本当に久しぶりや。
 キジも鳴かずば撃たれまい……居候、オイタが過ぎたみたいやな。
「あーバカらしい! なんでウチはこないな奴一生懸命探しとったんや!?
 居候、観鈴にはアンタが観鈴のために死んでいった……って伝えたるさかいな」
「ちょ、ちょっと待て、は、晴子……!!」
「言い訳は聞きとうないわ。
 なんや、家を勝手に出てって観鈴悲しませた挙句に食い逃げて、
 アンタホンマモンの大アホや! 家に居ればメシぐらい観鈴が作ってくれるやろうに!」
「だ、だから……それには深いわけが……」
 居候が息も絶え絶えにそないなことを言う。
 ……食い逃げについては言語道断やけど、
 勝手に家出てった辺りは、それなりの理由でもあるっつーんか?
「言うてみ。マトモな理由やったら、ウチも納得したる」
「……実はな」

A 昔世話になった寺の住職が危篤なんだ
B 二股かけていたことが観鈴にバレたんだ
C お前のバイク壊しちまって、後ろめたくてさ……
D ……とうっ! いそうろうは にげだした!
406名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:46:14 ID:RhnyGogk0
ろくな選択肢がないな。
あえて選ぶならDしかないか。
407名無しさんだよもん:2006/02/08(水) 02:46:15 ID:46uZxsDO0
Aいってみる?
408名無しさんだよもん:2006/02/09(木) 00:00:22 ID:AECivDw30
「実は……」
「実は?」
「実はというと……」
「実はというと?」
 なんや、もったいぶってからに。
 理由があるんやったら早う言わんかいな。
 せやけど居候のヤツなかなか口を開かず冷や汗を流しとる。
「一体何なんや! はっきり言わんかい!」
 その途端。
 ドンッ!
「…………とうっ!」
 ウチを突き飛ばして居候がダッシュしおった!
「こらっ! 待たんかい!」
 道に尻餅ついたウチに背を向けて走り出す居候。
 何なんや! いきなり逃げ出しおって!!!
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫、晴子さん?」
 郁乃ちゃんと貴明とか言う男子生徒に起こされるウチ。
 イタタタ……まったくドジってもうたわ。
「あんがとさん、ウチは神尾晴子っちゅうんや。今あの男を捜しとる最中やってん」
「え、そうなんですか?」
「せやからちょっとアンタに聞きたいことがあるねん」
 立ち上がりポンポンとほこりを払い、
 ウチはまず居候と言い争いをしていた貴明っちゅうヤツに詳しい話を聞くことにした。


A 居候と言い争いをしとった「食い逃げ」について話を聞く
B この近くで居候のような浮浪者が生活できそうな場所がないか聞く
C 郁乃ちゃんと知り合いみたいやからそのあたりの関係をまず聞く
409名無しさんだよもん:2006/02/09(木) 00:01:02 ID:uFi+6Io90
410名無しさんだよもん:2006/02/10(金) 00:02:12 ID:EJsqhvHE0
「貴明って言ったな、アンタ郁乃ちゃんとどういう関係や?」
 ウチは尻餅ついた体を起こして貴明の方を向く。
「俺と郁乃ちゃんの関係?」
 予想外の質問に貴明のヤツは面くらっとる。
 居候の事も聞きたいけど、その前にまず目の前のコイツが何者か聞いておこうと思った。
 さっきの郁乃ちゃんとコイツの話し振りからするとそれなりに親しげや。
 ぱっと見そんな悪そうやヤツやあらへん、どっちかというと優男で人畜無害そうな感じがする。
 せやけど念のため聞いておきたい、あんまり訳の分からん人間の話を聞いても信用できへんしな。
「晴子さん、そんな事どうでもいいじゃない」
「何や、聞かれると困った事でもあるんか?」
「べ、別にそんなんじゃ……」
 おや? 隣におった郁乃ちゃんが珍しく困った顔しとる。
 いかんいかん、こんな非常事態なのにからかいたくなってしもうた。
「ほらほら、早う言わんかいな」
 ウチにせっつかれて困る貴明、せやけどやがて口を開き――


A 「俺の幼馴染と郁乃ちゃんが友達なんだ」
B 「俺のクラスのクラス委員長の妹なんだ」
C 「姉の恋人なのよね」郁乃ちゃんが口を挟んできた
411名無しさんだよもん:2006/02/10(金) 00:03:53 ID:DoeAuVKj0
B
412名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 01:43:55 ID:UEWEbTW00
「俺のクラスのクラス委員長の妹なんだ」
「そんだけか?」
「そう、そんだけ」
 なんぞ色気のある話でも聞けるかと思うたけど見込み違いやった。
 それより今は居候や。あの阿呆。せっかく見つけたと思ったらトンズラこきよって。
 追いかけようにも心当たりもないしなあ。せっかくやし貴明とかいう兄ちゃんに聞いてみるか。
「ここいらでウチの居候みたいなプー太郎が根城にするような場所ってどっかあるか?知ってたら教えてほしいんやけど」
 とりあえず藁にもすがるつもりで聞いてみる。すると貴明は

A 心当たりが在る。案内しよう。
B その前に食い逃げの代金立て替えてくれ。
413名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 01:45:45 ID:fzKSW1wr0
さくさくとA
414名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 18:27:13 ID:2DFqpmeZ0
 貴明の案内でうち等が向かう場所。そこは公園やった。
 公園なあ。確かに無職のプーが溜まりそうな場所やけど。
 都合よくおるともかぎらへんしな。
「あそこってつい最近まで自称宇宙人が住み着いてたんじゃないの?」
「ああ、る〜こか。る〜こなら今はどっかに旅行してるらしいから留守だよ」
 宇宙人?けったいなもんもおるんやな。まあ、今更驚かんけど。
「怪しい奴が寄り付きそうなところというとまああそこぐらいしか思い浮かばなかったんで……」
「発想が安直。まあ、それでもしらみつぶしに当たるしかないけど」
 なんやら郁乃ちゃんは貴明をあまり好いてない様子やな。ちょいと気にならんでもないけど
 そう突っ込むのも野暮やしな。
「あんあたもすまんかったなあ。ウチの極潰しが迷惑かけて。とっ捕まえたらちゃんと侘びいれさせるさかい。堪忍してな」
「いや、別に俺は…食い逃げの代金ちゃんと払ってもらえればそれで……」
「どうせ食い逃げ捕まえたところであんたの時給に違いあるわけじゃないでしょ。馬鹿みたい」
「…………………………………………」
 とまあちょいギスギスした空気で歩き話しとるうちに公園に辿り着いた。
 そこで


 A 居候発見。のんきにいびきかいとる。
 B 居候発見。猫と魚を巡って格闘中。そこまで落ちぶれたか。
 C 居候はおらん。なんかけったいな格好のやつがおるなあ。
 D 居候はおらん。ん?なんや人形が転がっとる。
415名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 18:56:11 ID:vIjxwP11O
A
416名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 23:47:40 ID:xNEZY8dBO

「あ、こっちにいましたー!」
 公園に着いたウチらは、郁乃ちゃんとウチの2人と、貴明の坊やの二手に分かれて居候を捜し始めた。
 そんな広うない公園やから、もしここにおるならじきに見つかるやろうと思っとったけど、
 案の定そない経たん内に、貴明の坊やがそない言う声が聞こえた。
「意外にあっさり見つかったわね」
「ま、それに越した事はないからええんやけどな」
「そうね」
 さぁて居候、覚悟しぃや。まずは何から何まで吐いてもらうで!


──グォォォォォ……

「寝てます」
「寝とるな」
「寝てるわね」

 見つかった居候は、茂みの奥でいびきかいて昼寝ぶっこいとった。
 ウチらがここに来れるとは思っとらんかったんか、えらい余裕やな。
「で、どうするの晴子さん」
「無論、顔面に一発くれてやって目ぇ覚まさして、それから絞め上げてキリキリ吐かせたるわい!」
 そう憤慨しながら居候に近付くウチのやったけど、居候の尻のポケットに、
(………んー?)
 ふと、皺だらけになった茶封筒があるのを見つけた。
(ひょっとしたらこれが居候が家出てった原因か?)
 居候を起こさんようにそっと封筒をポケットから抜き取り、その差出人に目を遣る。
 そこに書かれとった文字は──
417名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 23:48:21 ID:xNEZY8dBO

A 『翼人研究会』……なんやそれ?
B 『東鳩歴史人形館』……原因は人形関係かいな。
C 『石原診療所』……観鈴の為か? 住所は島神県…って遠っ!
D 『登臼来テレビ』……出演依頼やて!?
418名無しさんだよもん:2006/02/11(土) 23:50:07 ID:R1LeoXoc0
B
419名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 18:29:08 ID:wZbHBSmwO

「なぁ郁乃ちゃん。貴坊。『東鳩歴史人形館』って何処にあるんや?」
 ウチは居候から拝借した封筒を、ピラピラと振って見せて2人に訊ねた。
「タカ坊はやめて…」
「却下」
 懇願を一蹴されてちとブルー入った貴坊をスルーして、郁乃ちゃんがウチの問いに答えた。
「ああ、その人形館なら市の西の外れにあるわ。
 割と最近開館した施設で、来栖川財閥がスポンサーになって建てたのよ」
「ああ、そういやこの前地元のニュースで特集組まれてたっけ。
 なんでも館長さんがウチの学校の卒業生で、確かまだ二十歳ぐらいの女の人だったっけ」
 郁乃ちゃんに続いて、貴坊が補足情報を出す。
 せやけど、正直そこまで詳細な情報は必要ない。
「なんや、若いのに渋い趣味の嬢ちゃんやな」
 とはいえ、あんまり邪険にするんもなんやさかい、適当に相槌は打っといた。

 取りあえず、これで居候の目的地ははっきりしたわ。
 後はなんでそないなトコから手紙がきて、何でそこへ行く気になったかやな。
「ほなちょっと拝見してみよか」
 ウチはくしゃくしゃになった封筒から、同じくくしゃくしゃになった手紙を取り出して読み上げた。
420名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 18:29:58 ID:wZbHBSmwO
『前略。国崎往人様
 
 先日は当方の調査に御協力頂き、誠に有り難う御座いました。

 調査の結果、国崎様の人形からはお言葉通り、確かに「千余年に渡る法力」が検出されました。
 この発見は当館の研究みならず、人形史の解明に大きな進歩を与える事でしょう。
 尚、調査結果は同封してある用紙に全面記載しております。

 つきましては、些少ですが御礼を同封させて頂きました。どうぞお受け取りくださいませ。

 また、当館の館長が、国崎様がお話くださいました“翼を持つ少女”にも大変に興味を抱かれ、
 是非国崎様から直接詳しいお話を伺いたいと仰っております。
 もし御都合宜しければ、どうか当館まで御足労願えませんでしょうか。』


「“翼を持つ少女”…?」
 ここまで読んだウチらの頭の上に、仲良くハテナマークが浮かぶ。いったい何の余他話や?
 どっかの民話かなんかか?
「封筒の中身はこれだけみたいね」
 郁乃ちゃんが封筒の中をのぞき込んで言う。
 そやったら、調査結果とやらはどないしたんか知らんが、御礼とやらはここまでの旅費とかで消えたんやな。たぶん。
421名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 18:31:08 ID:wZbHBSmwO

「まぁ、まずは居候を叩き起こして話を聞こか」
「ここで? この時間だとそろそろ小さい子供達の溜まり場になるわよ。ここ」
 ああ、そらちっとまずいかな……どないしよ?


A 「構わへん。ちゃっちゃと起こしてここで尋問しよ」
B 「郁乃ちゃん。貴坊。この辺で人気のないトコ無いかな?」
C 「そう言えばアンタの家、今誰もいないのよね」
  郁乃ちゃんが貴坊を見てそう言うた。
422名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 18:32:09 ID:viMSN5xi0
C
423名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 18:32:24 ID:VCe+qMPP0
Cで逃げられない体制を
424名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 23:42:52 ID:0I6enpyB0
「そういえば、アンタの家って今誰も居ないのよね」
「え、えぇっ!?」
 郁乃ちゃんの言葉にタカ坊がたじろぐ。
 なんや、親が共働きでもしとるんかいな?
「そういうわけだからさ、アンタの家使わせてもらうわよ」
「こ、困るよ! 今日会ったばかりの女の人を家に入れるなんてさ……!」
「なんやアンタ、ウチがイヤやってんか? そんないけずなこと言わんといて、頼むわ〜」
 困り顔のタカ坊に、ウチが少し甘えた声で懇願する。
 するとタカ坊は、びくっと体を震わせた後に一歩後ろに下がった。
 なんやこの態度。おかしなやっちゃ。
「……わ、分かった。入れる、入れますよ。郁乃ちゃんの知り合いだから、そこまで悪い人ってわけじゃないだろうし……」
 それからタカ坊は折れた。
 そうそう、それでええんや。ウチの頼みを断るなんて男やないで〜。
「そこまでってことは、結局は悪い人って意味よね」
 郁乃ちゃんがしっかりツッコミを入れながら、
 ぽんとウチらの背中を叩いて急かす。
 タカ坊が居候を背負って立ち上がった。
 居候はというと、背負われてるってのにちっとも起きる気配あらへん。
 ……ホンマ、図太い奴やなあ。親の顔が見たいで。


 ―――河野家
「コラ、居候! 起きんかいっ!」
「ん……誰だ? 後五時間は寝かせてくれ……」
「な〜にしょうもないこと言っとるんや!」
 タカ坊の家に居候を連れ込んだ後、ウチは居間で居候を叩き起こす。
 つっても、さっきからこの調子でええ加減腹立ってきたところや。
「さっさと起きろ言うてるのがわからんのかいっ!」
 ウチはそう怒鳴ると、渾身の力で居候を蹴り飛ばした。
 ガスッと良い音がする。ウチの足が丁度居候の鳩尾に入ったで。
 これには流石の居候も効いたようで、そこら辺をのた打ち回っている。
425名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 23:43:25 ID:0I6enpyB0
「っ痛〜〜〜! 何しやがる!!」
「何しやがる、やないで! 言いたいことは山ほどあるんや!!」
 ウチはそう怒鳴った。
 ちなみに居候の食い逃げの代金は結局ウチが立て替えることになってしもた。
 ウチはこいつの保護者でもなんでもあらへんはずなんやけどなあ!
「居候! 今度は逃がさへんで!!
 観鈴が寂しがっとるさかい、アンタはふん縛ってでも連れて帰るで!」
 居候はバツの悪そうな顔をする。
 一応少しぐらいは後ろめたさを感じているみたいやな。
「晴子、俺が神尾家を出たのは……」
「この街に来た理由は分かっとる。あんたが寝てるうちにあんたの手紙読ませてもろたからな」
「犯罪だけどね」
 郁乃ちゃんのツッコミは無視して、ウチは居候から拝借した手紙を出す。
 ……それにしても、この手紙よう流れ者の居候に届いたもんや。
 手紙出した人も、有紀寧ちゃんにおまじないで居候の居場所聞いたんかもな。
「それにしてもなんや、アンタは! 用があって家を空けるんなら、一言ぐらい断り!
 社会常識とかそれ以前の問題やで、観鈴がどれだけ心配してるか分かっとるんか?」
 ウチは言いたいだけ居候をなじる。
 これまで散々苦労させられたんや、こんぐらい言っておかんと気が収まらへんわ。
 すると居候は―――

A ……悪い。と一言謝った
B 更に言い訳を言い始めた
C 「俺はもうあそこに戻るつもりはない」と言い切った
426名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 23:46:02 ID:FPHrpBqa0
427名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 23:46:15 ID:zCjO/MhO0
C
428名無しさんだよもん:2006/02/12(日) 23:46:23 ID:wZbHBSmwO
A
429名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 00:23:22 ID:gqwyl+x20
「……悪い」
 そう一言短く謝った。
 そんな風に出られるとこっちも返答に困る。
 振り上げた拳を打ち下ろす前に謝られたら、その拳はどこに下ろせばええんや?
 一発ぶん殴っても良かったが、居候が珍しく素直に謝ってるのを見て殴る気も失せた。
「なんや素直に謝りおって、調子狂うわ」
「悪いと思ったから謝ったんだ。別におかしくはないだろ」
「明日は槍でも降るんやないか?」
「ほっとけ」
 皮肉を言いつつも、ウチはぷぃっと居候に背を向ける。
 ったく、散々人を走り回らせたあげくにこれや。もう疲れたわ。
「タカ坊、何か飲み物くれへん?
 居候に散々走り回らされたさかい、喉渇いたわ」
「ウーロン茶でいいですか?」
「あー、かまへんかまへん。とりあえず冷たいものなら何でもええわ」
「俺の分も頼むな。ちなみに氷入りで頼むぞ、菓子は何だって良い」
「……っていい加減にせいっ!」
 やっぱりウチは居候のことを一発どついた。ホンマ、居候はやっぱり居候や。

「で、これからどないするんや?」
「ん?」
 ウチはタカ坊に用意してもろたウーロン茶を飲みながら、
 居候にこれからの事を聞いてみた。
「用事はもう済んだんやろ? せやったら、まっすぐ帰って観鈴に会うてやってくれへんか?
 アンタはロクでもない奴やけど、やっぱり観鈴にとって一番大事な男みたいやからな……」
「ロクでもないは余計だ」
「事実やろ。で、返事は?」
「そうだな……」

A ……分かった
B いや、せめて食い逃げ分の代金は払ってから帰ることにする
C 悪いが……暫くは別の街で稼いでいたい
430名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 00:25:03 ID:+CKXgrJzO
ま、迷う………スルーで。
431名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 00:28:16 ID:dXG5Nvqq0
B
432名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 00:49:58 ID:gqwyl+x20
「いや、せめて食い逃げ分の代金は払ってから帰ることにする」
 居候の口から出たのは、そんな言葉やった。
 正直言って、意外や。居候がそんな責任取るようなことするとはちぃーとも思わへんかったし。
 まあ、でも悪いことやないんで敢えて水は差さんでおく。
「せやな、一応ウチが立替はしてやったんやけど、自分で払うのが一番ええな」
「そういうわけで、暫くはこの街に残ろうと思う」
 確か居候が食い逃げした代金つーのは、二千円ちょいやと思ったわ。
 居候のつまらん劇で稼ぐのは大変やろうけど、バイトでも探せば比較的簡単にどうにかなる額やな。
「なるべく早くするんやで。アンタの劇やとそれっぽっちでも何ヶ月かかかりそうやな」
「俺の人形劇を見くびるな。それにいざとなれば普通のバイトするさ」
 居候が虚勢だけは張る。ったく、妙に意地っ張りなんやから。
 さて、と……
「タカ坊、電話借りるで。観鈴に電話しとかんと」
「あ、はい」
「晴子、俺のことはよろしく言っといてくれ」
「アホッ! あんたも電話に出るんや! 観鈴が心配するやろうが!!」

 そして……
「……っていうわけで、暫く帰れないが心配するな。ついでに土産も買っておいてやるから安心しろ」
『うん。往人さんの好きなラーメンセット作って待ってるね』
 ウチと居候で事の顛末を観鈴に説明した。
 まあ、いろいろ苦労したってのは端折って、要所だけ伝えたんやけど、
 観鈴も居候の声を聞いて安心したのか、元気を幾分か取り戻したみたいや。
 この分なら安心やろ。観鈴の側には敬介もついとるわけやしな。
『それで、お母さんの方はいつ帰ってくるの?』
「へ?」
 急に観鈴からそんなこと言われる。
 う、ウチ? えーと、ウチは……

A もうちょっとだけ旅行してたいんや、ちぃーとだけ我慢してやー
B せやな……そろそろ、帰ったほうがええか
C ……とうっ! ウチは にげだした!
433名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 00:59:02 ID:uekkSZbM0
A
434名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 11:54:24 ID:gqwyl+x20
「観鈴〜、まだウチちょっと遊んでたいんや。ほんのちぃーとだけ我慢してくれへんかぁ?」
『えぇっ?』
 ウチは思いっきり甘えた声でそう言った。
 まだまだ遊び足りへんのや、居候探しなんかに付き合わされて、
 肝心の観光なんてちぃーともしてへんからなぁ。
「な、頼むで観鈴。ウチの一生のお願いや」
『……しょうがないな、お母さんは。なるべく早く帰ってきてね?』
「おおきにな。お土産はしっかり買うて来たるから楽しみにしててな〜」
 ガチャリ。
 ウチが受話器を置くと、なんやか居候が呆れた目でウチを見てた。
「なんや、居候。何か言いたいことでもあるんかいな」
「俺が真面目にやろうとしてる矢先に、お前は歩き回るのか」
「ええやんええやん。ウチはこれでも毎日観鈴とついでにアンタの食費のために頑張ってるんやで。
 たまにはこうやって全国遊びまわって過ごしてみたいんや〜」
「……ま、俺の土産さえ用意してくれりゃ文句は言わないがな」
 居候は居候らしいことだけ言って背を向けた。
 ま、たまにはええやろ? これぐらい見逃してえな、居候。

「タカ坊、えらい世話になったなあ」
「いえ、別に……」
 ウチは出る時にタカ坊にもう一回礼を言った。
 タカ坊はなんだかんだ言っておきながら面倒見がよく、
 居候のバイト先まで紹介してくれはったほどや。女みたいな顔しとるけど、通すところは通ってて中々ええ男や。
 ただ……なんやか、始終ウチを避けてる印象があったのが不思議や。
 なんや? ウチなんかタカ坊に悪いことでもしたんかいな。
435名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 11:55:00 ID:gqwyl+x20
 そんなこと考えてると、郁乃ちゃんがウチの疑問を察したのか、ぼそっと呟く。
「あいつの態度は気にしない方が良いわよ。あいつ女性が苦手なだけだから」
「い、郁乃ちゃん……っ!!」
 タカ坊が慌てる。
 なんや、そんな下らない理由か。初々しいやっちゃな〜。
 ウチはにやっと笑って、冗談交じりでタカ坊の腕に絡みつく。
「そういう苦手はなくしたほうがええで。タ・カ・坊」
「わ、わ、分かってますよ! だから離れてください、早くっ!」
 ちょっとからかっただけでタカ坊は焦った。
 なんや、ホンマに初心な奴や。こないな奴が今時おるなんてなあ。
 この顔やし、さぞ年上のお姉さんにウケる性格してるんとちゃう?

 さて……心配事も全部片付いたし、これからどこ行こうか?

A 仙台より更に北へ。北海道まで行ってみる
B 今度は南や。神戸よりも更に向こう、九州の方まで行こうか
C 北陸がええかな。隆山辺り行ってみよか
D いんや、一回テレビ局に入ってみたかったんや。夕凪に行くで
E もうちょっとこの東鳩の街でも見回ってみよか
436名無しさんだよもん:2006/02/13(月) 12:28:55 ID:zMyVvOZ00
Eで
437名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 13:32:14 ID:/0phk0kN0
「なあ郁乃ちゃん。暫くこの街を見回らへん?」
「マジ……?」
 ウチの言葉に郁乃ちゃんが露骨に嫌そうな顔をした。
 ま、郁乃ちゃんの住んでる街やさかい、確かに郁乃ちゃんは見回ってもつまらんかもしれへん。
 けどウチはここに来るのは初めてや。せやからもうちっとだけこの街を見て回りたいわ。
「……大して面白いものなんてないわよ?」
「ええやんええやん。少しはのんびり羽休めしたいわ」
 ウチがせがんだところ、郁乃ちゃんはしぶしぶながらも了承した。

 それからウチは郁乃ちゃんとその辺を適当にぶらつく。
 説明を聞き流しながら、商店街や駅前といったところを散策した。
 元々思いつきで出かけた旅行や、何か見たいものとかあるわけでもあらへん。
 せやからこう、のんびり気の向くままに街を歩くってのも悪くはないわな。
 ウチがそんなことを考えながら街を歩いていたところ……

A バイトに勤しむ居候が目に付いた
B 御堂を始めとした先日の不良集団に囲まれた
C 財布を落とした女の子が困り顔で佇んでいた
D 居候がこの街にくるきっかけとなった『東鳩歴史人形館』が気になった
438名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 13:52:12 ID:DsHUYOZJ0
C
439名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 15:22:34 ID:/0phk0kN0
 ふと目に付いたのは女の子やった。
 辺りをキョロキョロして、何か物憂げにためいきをついとる。
「なあ郁乃ちゃん。あの子何しとると思う?」
「……さあ」
 ウチらが心配することやないけど、その様子が何だか気になった。
 その女の子は、ウチらが訝しげに眺めてるのに気づいたようで、
 困った顔をしながら近寄ってきた。
「あの、すいません。この近くにお財布が落ちていませんでしたか?」
「財布ぅ?」
 思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
 ウチと郁乃ちゃんはお互いに顔を見合わせた後に、首を横に振った。
 そうしたらこの女の子はなお一層深いため息をつく。
「そうですか……」
 この子がさっきからキョロキョロしとるワケが分かった。
 財布落としたから、さっきから探し回ってるっちゅーワケか。
「交番には行ってみたの?」
「いえ、これからですけど……」
 郁乃ちゃんの言葉に力なく答える。
 落としたのはついさっきってところやろうか。
 せやけど財布っちゅーのは、落ちてたら中身ネコババする悪い奴もおるし、
 あまり期待は出来へんな。拾われてるって保障もあらへんわけやし。
 ウチは――――

A 一緒に交番までついて行ってやる
B 無視
C 街を少し探し回ってあげてみる
440名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 16:34:19 ID:Ta0rdRRHO
Cいってみよう
441名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 19:01:10 ID:/0phk0kN0
「とにかくアンタは交番にでも行って聞いてきたらどや? ウチらも街を少し探し回ってみるから」
「えっ、いいんですか?」
 ウチの言葉に、女の子が意外そうな声を上げた。
「別にかまへん、どうせウチらも暇人やさかい」
「複数形にしないでよ。……あながち間違ってないけど」
「どうもすいません。では、お願いできますか?」
 そう言ってペコリと頭を下げる。
 ウチはそれを笑って快く引き受けた。
 人間困ってたら助け合わなアカン。せやろ?
 それからこの子に詳しい話を聞いた。
 この子の名前は伏見ゆかり。ウチらと同じように旅行でこの街に来た言うてる。
 旅行先で財布落とすなんてそりゃついてないわなあ、同情するで。
「それで、どこら辺で落としたか分からへんか?」
「多分、駅からここまでの何処かだと思いますけど……」
 困ったような顔をする。
 せやな、駅まで結構距離あるさかい、探すには少し広すぎやで。
「まあ、とにかくアンタは交番行ってきたらどや? ウチらで先に探してみるから」
「本当にすいません、お願いします」
 ゆかりちゃんがもう一回頭を深く下げて、交番のほうに走っていった。
 せやけど、さっきも言ったとおり、駅までの道のりから財布一つ捜すのは骨やで。
 どないするか―――?

A とりあえず、ウチと郁乃ちゃんで歩き回ってみよか
B こういう時こそ人を使うんや。居候やタカ坊に応援頼もうか
C いやいや、もう一回有紀寧ちゃんのおまじないパワーや
D 御堂たちに頼んで街中洗ってもろたほうが早いんちゃう?
442名無しさんだよもん:2006/02/16(木) 19:03:26 ID:yuWaLcSH0
A
443名無しさんだよもん:2006/02/17(金) 13:59:02 ID:Mwo5moD/0
「とりあえず、ウチと郁乃ちゃんで探してみよ。もしかしたらその辺に落ちとるかもしれへん」
「そうね」
 ウチは楽観的にそう考えて、駅の方へ歩き出した。
 誰かに拾われたりしてへんかったら、その辺に落ちとるやろ。

  ・
  ・
  ・

「なかなか見つからないわね」
「せやな、他人事とはいえ困ったわ……」
 ウチらが駅前で途方に暮れる。
 まあただ歩いただけで見つかるようなら、苦労はせえへんわなあ。
 早く見つけないと日が落ちて暗くなるし、そないなったら探すの大変になるで。
 なんとかせえへんとな。ウチがそう考えていたところ―――

A 道端の片隅に財布が落ちているのに気づいた
B ゆかりちゃんの言ってたものと全く同じ財布を持ってる奴にでくわした(人物指定)
C ゆかりちゃんがこっちに大急ぎで走ってきた
D ウチも財布を落とした
444名無しさんだよもん:2006/02/17(金) 14:08:23 ID:0IrbqYVH0
Bよっち&みっしー
445名無しさんだよもん:2006/02/17(金) 14:47:20 ID:AOED47x1O
どんな意図の組み合わせかと思ったら、狸っ娘コンビか
446名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 12:04:11 ID:xfZYmJfv0
 そんとき目に付いたのは、二人の女の子やった。
 一人は大人しめでオバサンっぽく、んでもう一人はいかにも能天気な感じが伝わってくる。
「こんな所に財布落ちてたけど、どうするみっしー?」
「交番へ届けたほうが良いでしょう。……それと、吉岡さん。みっしーはやめてください」
「いいじゃない。あたしをよっちって呼んでいいからさ」
「遠慮します」
 そんな漫才みたいな会話をしながらも、その子の手にあったのは件の財布やった。
 色、形、大きさ、落としたと思われる場所……全部一致するで!
「あー、ちょっとちょっと」
「はい?」
 ウチは二人を呼び止めた。
「その財布な、ウチの知り合いが落としたもんなんや。
 その子は交番行ってると思うから、届けてやってくれへんか?」
「え、ええ……そのつもりでしたけど」
 ウチの言葉に二人は首を縦に振る。
 なんや、人の良さそうな連中やな。これなら何も心配はいらへんけど―――

A 後はこの二人に任せる
B ウチも交番まで一緒に行く
447名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 12:09:37 ID:fHMJX3My0
Bかな。
448名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 17:02:48 ID:xfZYmJfv0
「ホンマ丁度良かったわ、財布落とした子はゆかりちゃん言うんやけどな、
 その子旅行の途中でホンマ泣きそうな顔してたんやで」
「そうですか、それはお困りでしたね……」
 ウチらもせっかくやから交番までついてくことにした。
 このまま別れてもよかったんやけど、一応ゆかりちゃんに一言言ってから別れたほうがええ思うてな。
 それから交番までの道のりの途中にお互いの自己紹介を済ませる。
 静かな方の子が天野美汐で、やかましい方が吉岡チエっつー名前らしい。

「どうもありがとうございましたっ!」
「礼ならウチよりこの子らに言い。ウチは何もしてへんから」
「お礼を言われることじゃないってば」
「ええ、偶然拾っただけですから」
 交番で、ゆかりちゃんがウチらに何度も頭を下げる。
 みっしーとよっちが拾った財布は、やっぱりゆかりちゃんのものやった。
 いや、ホンマ大事にならへんでよかったわ。
 しかし……なんやろ。伏見ゆかり、天野美汐、吉岡チエ。
 この三人にとある共通点がある気がしてならへん。
 そう、最初に「た」がついて最後に「き」がつき、真ん中に「ぬ」がつく三文字の言葉が……。
 ……まあ、ウチの気のせいやろ。たぶん。
 それからゆかりちゃんは御礼をする言うたが、みっしーがやんわりと断った。
 もちろん、ウチとよっちがしょぼんとしたのは言うまでもないんやけど。

 ゆかりちゃん達と別れた後、辺りはすっかり暗くなっとった。
 早いトコ寝るところ探さなあかんで、マジで。
「晴子さん、今日はどうするの?」
 郁乃ちゃんが聞いてくる。
 せやな、泊まるところなければ最悪野宿しかないわけやけど、どこがええやろ?

A 近くのホテル
B 貴明ハウス
C 小牧家
D 野宿
449名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 17:08:57 ID:i1A36NJa0
BかCか…
Bのほうが面白そうだ
Bで
450名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 18:09:06 ID:xfZYmJfv0
「タカ坊〜〜泊まりに来たで〜〜!!」
「お邪魔するわね」
「な、な、なぁっっっ!?」
 唐突に訪れたウチらに対し、タカ坊は驚きの声を上げた。
 なんやなんや、そんなに驚いて。
 もう少し肝っ玉大きく持たんかいっ!
「晴子さん、郁乃ちゃん!? どうしてまた家に!?」
「いやな、今日のところは東鳩の街見回ろうってことにしてな、
 それで泊まるところ考えてここに行き着いたわけや」
「っでも、そんな急に!?」
 タカ坊が慌てふためく。
 ……まあ、事前に連絡しなかったウチらもウチらやけど、そこまで驚くことかいな。
 と、そこでこいつが女性恐怖症言うてたのを思い出した。なるほど、なるほど。
「急におしかけたんは悪かったわ。でもな、ウチら泊まるところあらへんのや。だから頼むで、な?」
「う、ううん……でも……」
「いいじゃん別に一人暮らしなんだし。それとも、あたしの姉以外は嫌だとでも?」
「なっ!? そ、そういうわけじゃ……ああもう、分かった! いいよ、泊めるよ!!」
 郁乃ちゃんの言葉一つで激しく狼狽する。
 なんや、コイツ。愛佳ちゃんと付き合ってるんか? 女が苦手のクセに。

 それからウチらはタカ坊の家でご厄介になる。
 流石に夕飯は店屋物でどうにかしたんやけどな、この家何か作ろうにもロクなものあらへんかったし。
「ほうほう、タカ坊は二年か。ウチのアホちんと同い年やな」
「晴子さんってお子さんいたんですか」
「おるわいっ! ホンマは姪っ子やけど!!」
 ウチら三人でいろいろ雑談しながら一夜を明かした。
 いろいろ話はしたんやけど、一番盛り上がったのが……

A 恥ずかしい告白コーナー
B 隠し芸大会
C ウチの今まで付き合った男の数の話
D タカ坊の女性関係について
451名無しさんだよもん:2006/02/19(日) 18:25:18 ID:9nU7F0zqO
Dしか見えない
452名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:18:34 ID:iYHRebiT0
「で、タカ坊は今まで何人女を泣かして来たんや?」
「ぶっっ!!」
 タカ坊が思いっきりジュースを噴く。
 なんやなんや、初心な奴やなあ。たったこれだけの質問に。
「ウチの目は誤魔化せへんで? 正直に言うてみぃ、な?」
「そ、そんなことないです! 絶対に!!」
 顔を真っ赤にして否定しとる。
 ホンマにタカ坊はからかうと面白いわ、期待以上のリアクション返してくれる。
「……ええと、ウチの姉で一人。ここの近所に住んでる子で二人、親友の姉で三人、
 双子姉妹で五人、宇宙人で六人、眼鏡女で七人、会長ズで……」
「わ、わあああ違う違う!! ってかどうして郁乃ちゃんがそこまで知ってるんだよ!?」
 郁乃ちゃんが指折って数えだしたところで、大声上げて否定する。
 ……なんや、結構女と付き合いあるんやんけ。
 これで女が苦手なんて、世の男からどつかれるで?
「ほほーう、タカ坊結構やるやないけ。こりゃウチもうかうかしてられへんなー」
「そっそんなんじゃないですっ! 大体俺は……」
「あーあー分かった。そういうことにしといたるさかい」
「……絶対に分かってない、誤解してる!!」
 ウチはタカ坊の言葉を適当に流しながら、コップに注がれた酒をぐぃっと飲み干した。
 ああやって一生懸命否定する辺り、からかうとホンマ面白いわコイツ。

A タカ坊を一晩中酒に付き合わせる
B 郁乃ちゃんから見てタカ坊がどう映るか聞いてみる
C ウチの恋愛談でも二人に聞かせる
D ふと、ウチは家で待っている観鈴のことが気にかかった
453名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:19:55 ID:/hMOBWA70
D
454名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:20:24 ID:WW2RWiv10
A
455名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:54:34 ID:90KH0KGX0
 ふと、家で待っている観鈴のことが気になった。
 言うても居候の件で電話はしたばっかりやし、別に連絡するような事はあらへんはず。
 せやけど……なんというのか虫の知らせっちゅうやつやな、コレ。
「タカ坊、ちょっと電話借りるで」
「え? はい、どうぞ」
 タカ坊に頼んで玄関の電話を借り、押しなれた自分のウチの番号をプッシュする。

 トゥルルルルル、トゥルルルルル


A 「はい、神尾です」
   誰や? 敬介とも違う男の声がしおった! (人物指定)
B 「あれ? お母さんどうしたの?」
   さて、何について話そうか(内容を指定)
C いつまでたってもつながらへん、おかしいなぁ……
  「は、晴子さんニュースニュース!」なんとテレビで空市がコロニー落しで消滅したって報道しとる!
456名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:57:42 ID:iYHRebiT0
Bで内容は定番の「元気でやっているか」で
457名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 01:58:13 ID:YPw815c80
まぁここらへんで綺麗にまとめよう
C
458名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 03:33:09 ID:TbYDPKbp0
『あれ? お母さんどうしたの?』
 受話器から帰ってきたのは、いつもの観鈴の声やった。
 なんや、ウチの思い過ごしかいな。
 ウチの予感も当たらへんなあ。……まあ、当たらんでよかったワケなんやけど。
「いやな、急に観鈴の声が聞きとうなっただけや。それで、元気でやってるか?」
『うん。わたしはいつも通りにやってるけど?』
「そっちには敬介もおるやろ? 何か困ったことがあったらあいつをたっぷり使うてやるんやで?」
『お父さんはもう帰っちゃったよ。何でもお仕事があるとかで……』
 観鈴の口から急に出たのはそんな言葉やった。
 ……なんや、敬介の奴。観鈴の側におるんやなかったのか?
「つーことは、観鈴。アンタ一人でおるわけか?」
『うん。そうだけど?』
「……大丈夫なんか?」
『にはは、平気平気。……けど、往人さんとお母さんには早く帰ってきて欲しいな』
 観鈴は明るい口調でそう言うたけど、なんや心なしか寂しそうやった。
 せやな、一人でおるんやから寂しくないわけあらへんな。
 あの子は強そうに見えて、ホンマはめっさ弱い子なんやし……。
 ずっと観鈴を一人にしとくわけにはいかへんけど、
 居候は借金返済がまだ残ってるわけやし、そうなると……。
「分かっとる。ウチがもうすぐ帰ったる、せやからほんの少しだけ待っとったれや」
『あ……うんっ!』
 ウチがそう言うと、観鈴は嬉しそうな声をあげた。
 ……もう、潮時やな。
 日本一周言う割には距離足りへんけど、それでも随分見て回った。
 大阪で漫才対決した。
 神戸で変な奴らと馬鹿やった。
 東京の葉っぱ開発室に殴りこんだ。
 仙台で土産をどっさり買うた。
 松島で海を眺めた。
 東鳩で学校内をバイクで駆けずり回った。財布探しにも付き合うた。
459名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 03:33:41 ID:TbYDPKbp0
 そろそろ、ウチも家に帰り時や。
 家に残してきたウチの大事なアホちんが、ウチの帰りを首を長くして待っとるさかいな。

 チン、と電話を置く。
 ……まったく、ウチがもう直ぐ帰るって言っただけであの喜びようや。
 ホンマ仕方のない子やで、あの子は。
 ウチがくすりと笑って、部屋に戻ろうとしたその時……
「……帰るの?」
 戸口の前に郁乃ちゃんは立っとった。
「なんや、今の話聞いとったんかいな。人の電話を盗み聞きなんて、ええ趣味しとるな」
「トイレに立っただけよ。それで、帰るの帰らないの?」
「帰る」
 郁乃ちゃんの質問に、ウチはハッキリ答えた。
 郁乃ちゃんは、そんなウチの答えを聞いても、怒りもせずにくすっと笑う。
「勝手ね」
「せやな、ウチは自分勝手な女や」
 言葉こそ辛辣やけど、郁乃ちゃんの言葉には毒は入ってへんかった。
「まあいいけど、それなりに楽しめたし」
「なんやそれなりって」
「思ったよりはってこと。退屈はしなかったわよ?」
「何や微妙な返事やな。もうちょっとぐらい満足そうに言わんかいっ!」
「うわーい楽しかった、晴子さんどうもありがとう。……これで満足?」
「……ああ、もうええよそれで」
 ふぅっとため息をつく。
 やっぱり郁乃ちゃんは郁乃ちゃんや。
 一緒に旅行してもちぃーともかわらへん。……まあ、そこがええんやけどな。
460名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 03:34:17 ID:TbYDPKbp0
「でも、楽しかったってのは嘘じゃないから。
 そうね、もう一度誘われたら、もう一回行ってあげてもいいわ、旅行」
「それが連れてけと頼む奴の態度かいっ!
 まったく、今度会うときまでにそのつっけんどんな態度なんとかしときやっ!」
「そっちこそ、今度会うときまでにはその傍若無人振りを何とかして欲しいわね」
 お互い軽口を言いながら、手をぎゅっと握る。
「ウチも、あんたと一緒で楽しかったで」
「ふうん……ま、どうでもいいけど」
 そんな態度とは裏腹に、郁乃ちゃんの口調は明るかった。
 ホンマ、素直やない子やで。郁乃ちゃんらしいといえばらしんやけど。
 ウチは手を離し、取るものとって玄関に向かう。
「アンタも体大事にして病院生活送りや!」
「余計なお世話!」
 最後まで軽口を叩きあいながら、ウチは郁乃ちゃんに背を向けた。
 ……なんとなく、さよならとは言わなかった。お互いに。
 ウチはドアを開けた。
 目の前に飛び込んでくるのは満天の星空。
 綺麗やな。素直にそう思えるほど綺麗やった。
 こういう街じゃ満天の星空なんて見られへんと思っとったんやけどな。
「晴子さん、もしかして今から帰り!? 何時だと思って……」
 タカ坊の声が後ろから聞こえてくる。
 悪いなタカ坊。ウチは思い立ったら即行動なんや。
 家じゃ観鈴がウチの帰りを待ってるさかい。また会う日まで、元気にしときや!
 ウチは一気に玄関から飛び出す。
 途中、ウチが後ろを振り返ることは一度としてなかった。

A エピローグへ
B 名無し先生の次回作にご期待ください!
C ご愛読ありがとうございました!
D いやいや、この話はもうちょっとだけ続くんじゃよ
461名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 03:36:49 ID:zUA8ezWp0
打ち切りっぽいが敢えてAでまとめよう
462名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:10:22 ID:TbYDPKbp0
「ただいまや〜!」
「あ、お帰り! お母さん!!」
 帰ってきたウチを待っておったんは、観鈴の笑顔やった。
 直ぐに出てくる辺り、ずっと玄関先で待っておったんかいな、この子は。
「観鈴、ええ子にしてたか?」
「大丈夫だよ、お母さん。わたし、そこまで子供じゃないよ」
「っははは、そやったなあ!」
 大笑いをしながら観鈴の肩をぽんぽん叩く。
 まったく、無理してるくせに、そういうところは背伸びするんやな。
 ウチは居間に腰を下ろす。
 久方ぶりの我が家や。半分壊れとる納屋、井草臭い畳。
 なんやか帰ってきた、っていう実感がふつふつとわいてくる。
「うぅ〜〜〜ん!!」
 畳に寝転がって思いっきり伸びをした。
 やっぱり我が家やないとくつろぐことは出来へんなあ。
 そんな事を考えてたとき……
 ジリリリリリリン!!!
「ん、電話や? 誰や?」
 夜中にも関わらず電話が家に鳴り響いた。
 ったく、今何時だとおもっとるんや!
 ウチは少し不機嫌になりながら電話を取った。
463名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:11:02 ID:TbYDPKbp0
「はいこちら神尾です! ただいま居留守を使っています!
 御用のある方はウチの目が覚める頃にもう一度かけ直しいや!」
『何アホ言うとんや!』
「……由宇?」
 受話器を置こうとしたところで、聞き覚えのある声にウチは手を止めた。
「何や何や、何の用や?」
『何の用ややないで! あんたのバイク、ウチの実家に置きっぱなしやろ!
 いい加減取りに来ないとこっちで処分してまうで!』
 ガチャンッッ!!
 と電話が切れる。
 ……由宇め、言いたいことだけ言いくさりおって。
「お母さん……誰から電話?」
「ああ、知り合いや知り合い。神戸までウチの愛車取りに来いって」
「ふ〜ん」
 どこか納得した顔を見せる観鈴。
 そんなとき、ウチは閃いた。
「な、観鈴。今度は二人で旅行に行かへん?
 バイク取りに行くついでに、美味いもんとか二人で食いに行こう、な?」
「えっ……」
「ウチな、まだ西日本のほうは行ってないねん。せやから今度は一緒に行こ?」
「う〜ん、それならわたし、神戸から登臼来、下関、博多、長崎って見て回りたいな」
「ええなええな! それじゃ行こか!」
「え? 今からっ?」
「せや! 思い立ったら直ぐ! それがウチや!!」
 ウチは驚く観鈴の腕をぐぃっと引っ張る。
 止まったままなんてウチの性に合わんのや、ウチにはまだまだ見たいものは沢山ある。
 満足するまで休んでなんかいられるかいな!

 完
464名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:17:04 ID:TbYDPKbp0
次の主役はどうしよう?

A ナイトライター(with 雀鬼's)
B MOON.
C まじかる☆アンティーク
D 誰彼
E ToHeart2
F CLANNAD (+智代アフター)
G 天使のいない12月
H 痕
I Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
J Kanon
K 鎖
L  Tears to Tiara
M Filsnown
N Routes
O こみっくパーティー
P 雫
Q うたわれるもの
R AIR
S To Heart
T White Album
U テネレッツァ
V ONE
465名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:19:24 ID:41Ibe8xaO
D
466名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:25:22 ID:TbYDPKbp0
A 坂神蝉丸
B 三井寺月代
C 砧夕霧
D 桑島高子
E 蝉丸老人
F 石原麗子
G 御堂
H 岩切花枝
I 光岡悟
J 犬飼俊伐
K 杜若きよみ(白)
L 杜若きよみ(黒)
M 杜若裕司

だけで良かったっけかな。
467名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:25:45 ID:vXw5IOtl0
L
468名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:26:45 ID:ay6eQHlzO
469名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 04:57:31 ID:TbYDPKbp0
 くすっ、どうも今晩は。
 私は杜若きよみ。……と言っても、ただの覆製身だけどね。
 覆製身って分かるかしら? 要はただのクローンよ。
 本物の杜若きよみの紛い物、それが私。……忌々しいことにね。
 それで、今の私は――――

A 病気に罹ってしまったのよ
B 別の時代にタイムスリップしたみたい
C そろそろ犬飼を本気で落としにかかろうと思ってる
D 近所のオッサンとゾリオン勝負の真っ最中だ
470名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 05:20:04 ID:YPw815c80
C
471名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 07:56:38 ID:pYKcgmz60
そろそろ本気で俊伐さんを落としにかかろうと思っているのよ。
恋は情熱的にね。あら、私のキャラにはあわないかしら。
でもいいでしょう。たまにはこういうのも。
さて、決心したのはいいのだけれどこれからどうしようかしら。

A 行動あるのみ 一気にアタック
B 戦略は慎重に作戦を練るため情報収集
C 適切な助言が欲しい 誰かに相談する
D 標的陥落に十分な戦力を確保 エステにでもいってみる
472名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 07:58:02 ID:59E7pyAoO
A
473名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 12:24:41 ID:zqfZSB5c0
 迷っていてもしかたがないわ。直接攻撃あるのみよ。
 と言う訳で私は俊伐さんにアタックすることにしたの。
 その結果は

 A クリティカルヒット! 犬飼を倒した
 B クリーンヒット めでたく付き合うことになった
 C 三振  見事玉砕
474名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 12:26:14 ID:gWa/EHIa0
C
475名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 18:39:03 ID:AQJwApBF0
ちと早いがまあ夜になったことだし前作のタイトルを決めてくれ

A 神尾晴子の諸国漫遊日誌
B 晴遊記(せいゆうき)
C 晴子道中記〜ToHeart2編〜
D 俺が自分で考える
476名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 18:46:44 ID:nvg+0LBTO
B
477名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 19:08:07 ID:cqy9LVlS0
「下らない真似はよせ」
 開口一番、私のアタックは空振りに終わりました。
「私にとって、お前は失敗作でしかないんだ。
 恨まれこそすれ、愛される道理などがあるはずがない」
「……私の愛は本物よ。そうでなければ、どうして私が
 こんな酷いことを言われても俊伐さんについて来ていると思うの?」
「そうして偽りの愛を語られても、空しさが増すばかりだ。
 献身的に尽くされれば尽くされるほど、それが紛い物である事が身に堪える。
 それが分かっているから、お前は私の周りから離れないのだろう?」
 恋は盲目といいます。
 俊伐さんの心は、その瞳と共にずっと昔に閉ざされていて
 私の言葉、そしてその想いが入り込む隙間はまったくありません。
「どうしても、私に愛させてはくれないのね?」
「その言葉が本物のきよみの言葉ならば、私の心も満たされるのだろうが」
 ですが……それは私も同じこと。
 受け入れられないと分かっていても、どれほどひどい誤解をされて苦しんでも、
 やっぱり俊伐さんを愛する気持ちを抑えることは出来ません。だから――

A 俊伐さんのために本物の杜若きよみの行方を探し出す
B 視力が回復すれば頑なな心を開いてくれるかもしれない
C やりきれないのでヤケ酒に走る
478名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 19:19:44 ID:AQJwApBF0
c
479名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 22:22:03 ID:1LSIohTb0
そうやって、実は当選するんじゃないかって淡い期待をしていれば、カレンがきっとなじってくれる
480名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 22:22:47 ID:1LSIohTb0
さぁ、盛大な誤爆
481名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:00:38 ID:gMfP9xxZ0
 夜の蚊帳が降り始めた頃、あたしは一人神楽の街に繰り出した。
 目的なんて別にあるわけじゃない。ただ、腹立ちを紛らわせたくなっただけ。
 何よ、アイツ。……あたしが、失敗作ですって?
 そうね、そうですね。あんたから見れば、あたしなんて所詮紛い物なんでしょうね!
 幾ら抑えようとしても腹の中から怒りがふつふつと煮えたぎってくる。
 ……いつも、そう。俊伐さんは、今まであたしの気持ちなんてちっとも考えてくれない。
 心の中だけでそう毒づいて、あたしはふと目に留まったおでんの屋台の暖簾をくぐった。
 こういう気分のときは、お酒でも飲むに限るわ。

「もう一杯!」
「お、お客さん。そんなに飲んじゃ体に毒ですよ……?」
「るっさいわね。とっとと注ぎなさいよ」
 おでん屋の主人が、あたしのグラスに酒を注ぎながらもそう注意する。
 別に、だから何だっていうのよ。生憎こっちは普通じゃないの。
 あたしの中に住まう微量の仙命樹が酒を体内に侵入した異物だと判断して、
 あっという間にお酒を体内に吸収する前に分解してしまう。
 そのおかげであたしはちょっとやそっとじゃ酔いすらしないんだから。
 出されたお酒をぐぃっと一気に呷る。ちっとも酔いなんて回ってこない。
「本当に、ただ不便なだけの体ね。何が不老不死よ」
「え、お客さん何か言いましたか?」
「別に」
 適当に流しながら、軽く愚痴をこぼす。
 本当に、ムカツク。あいつのサングラスの奥の瞳には、原身のほうしか映ってない。
 だからどこかに姿をくらましたっていう、原身とその弟をまだ探してるって言うじゃない。
 まるで紛い物のあたしなんていらない、そう言わんばかりにね。
 ……馬鹿。だったらどうしてあたしなんて造ったのよ。
 そして、それでもまだあいつに振り向いて欲しい、なんて思っているあたしはそれ以上の大馬鹿ね。
482名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:01:11 ID:gMfP9xxZ0
「……もう一杯!」
「えぇっ!? ま、またですかぁっっ!?」
 おでん屋の主人のげんなりした声を軽く聞き流し、
 あたしは一人これからのことを考え始めた。
 何だかんだいっても、やっぱり俊伐さんにはあたしを見て欲しい。
 今の状況じゃ、絶望的なほど見込みがないけどね。
 どうあっても、俊伐さんの目は原身の方に向いてる。
 加えて……あたしを失敗作と切り捨てた後に三代目クローン、
 三井寺月代まで作り出して。そうまでして、本物の『杜若きよみ』を手に入れたいのかしら?
 あたしの何処がいけないってのよ、偽者の何が悪いの!?
 原身に月代ちゃん、寄ってたかってあたしの邪魔をする。
 この二人がいる限り、俊伐さんはあたしを見てくれない。
 あたしは――――

A 無理にでも俊伐さんの目をあたしに向ける
B 月代ちゃんを……始末する
C 俊伐さんのために、原身を探し出す
483名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:08:43 ID:k5oAFJl00
484名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:33:41 ID:gMfP9xxZ0
 月代ちゃんを……始末する。
 悪いけど、あたしにはそれしか思い浮かばなかった。
 俊伐さんはあたしを失敗作だと決め付け、月代ちゃんを造り出した。
 彼に言わせると、あたしと原身とでは育った環境が違いすぎて別人になった。ということらしい。
 だから月代ちゃんには、原身に近づけるために比較的裕福な家庭で育てることになった。
 そして……俊伐さんの出した答えは未だに『保留』。
 月代ちゃんはまだ俊伐さんに失敗作の烙印は押されていない。
 本当に、それだけであたしの神経を逆撫でする。
 あの子の方があたしよりもよほど原身とは程遠いと言うのに。
 もしも、俊伐さんがあの子を『成功』として認識したとしたら……。
 ふと頭によぎった考えを打ち消す。そんなこと考えたくもない。
 だからあたしは月代ちゃんを消す。誰にも文句何て言わせない、絶対に。

 月代ちゃんを始末するに当たって、障害が幾つかある。
 月代ちゃん本人の抵抗も無論そうだが、何と言っても最大の障害は……。
「……坂神蝉丸」
 自然とその名が口から漏れる。
 そう、蝉丸さん。強化兵唯一の完全体である彼だけは要注意。
 彼ならおそらく、例え日中で不意打ちしたとしても、あたし程度難なく返り討ちにして月代ちゃんを守れるだろう。
 出来損ないのあたしと違って、あいつは正に化け物だから。
 あいつが月代ちゃんを守っている限り、あたしは月代ちゃんの命を狙えない。
 どうすればいい? どうやって月代ちゃんの命を狙う……?

A 坂神家に取り入って、月代ちゃんと二人きりになる瞬間を待つ
B 離れた距離からライフル弾で狙撃を試みる
C 他の強化兵達をぶつけ、乱戦に持ち込む
485名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:35:51 ID:9RqujBmi0
C
486名無しさんだよもん:2006/02/20(月) 23:35:58 ID:o0R+UP160
A
487名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 00:09:19 ID:J2QvIYRP0
 そこであたしは思いついた。
 強化兵というのは、何も蝉丸さん一人ってワケじゃない。
 あたしの記憶が正しければ、強化兵は七人いたと思った。
 その七人の中でこの時代に目覚めているのは四人。
 火戦試挑躰御堂、水戦試挑躰岩切、究極の欠陥兵器光岡、そして……完全体坂神蝉丸。
 強化兵を倒すのは人間ではまず無理。
 それは人間に毛の生えたレベルの身体能力しか持たないあたしとて同じこと。
 戦闘力53万から見れば、戦闘力1万も2万も大して変わらないみたいなものね。
 だから強化兵相手には強化兵をぶつければいい。
 強化兵となった連中は皆優秀揃い。状況を選べば蝉丸さんとも互角の戦いが出来る。
 数で攻めれば蝉丸さんにも十分勝てる。勝てるんだけど……。
「問題は、あの連中が徒党を組むことなんて有り得ないってことね」
 今目覚めている御堂にしても、岩切にしても、光岡にしても、
 みんな蝉丸さんには並ならぬ思いがあり、命令せずとも蝉丸さんの命を狙ってくれるだろう。
 だけど、あの連中の仲はお世辞にも良いとは言えない。
 全員がこう言うだろう。『自分一人で十分だ』と。
 一対一じゃ蝉丸さんに勝てる保証なんて何処にもない。
 あくまで蝉丸さんが完全体なんであり、言ってみれば他の強化兵は全て格下みたいなもの。
 それでも一人ずつに賭けてみようか、それとも無茶を承知で三人でかかるよう説得するか。
 どうするべきかしらね―――

A 足を引っ張り合う可能性もある。一人ずつけしかける
B 無理してでも三人一度にかかるように頼み込む
C いっそ眠っている残りの三人を目覚めさせる
488名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 00:11:51 ID:Ltfb5fOB0
A
489名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 01:03:58 ID:J2QvIYRP0
 あの連中だとお互い協力する、なんてとてもじゃないけど無理。
 逆にお互いの邪魔をし合って足を引っ張り合う可能性がある。
 特に御堂や岩切なんてその典型。光岡にしたって二人と組むなんて絶対にしないだろう。
 ……本当に、強化兵っていう連中は、どうしてこう変わり者ぞろいなんだろうか。
 実戦に配備されなくて良かったんじゃないかしら、人格に問題のある人物が多すぎるわ。
 少し博打だけど、やはり一人ずつぶつけるのが得策ね。
 それで、問題は誰を蝉丸さんと戦わせるかだけど……

A 昼間の戦いでは並ぶ者なしの御堂
B 水中戦で鬼神の強さを誇る岩切
C 実力だけなら蝉丸と互角の光岡
490名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 01:10:43 ID:rlUgbfWP0
とりあえず御堂 A
491名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 10:28:22 ID:J2QvIYRP0
 翌日―――
「そういうわけで、アンタには蝉丸さんを倒して欲しいの。出来るかしら?」
「テメェ、俺を舐めてねえか? 雨でも降らねえ限りは坂神なんぞにこの俺が後れを取るか」
 あたしは極秘裏に御堂を呼び出し、作戦を持ちかけた。
 勿論このことは俊伐さんには伝わっていない。
 いわゆるあたしだけの独断だ。まあ当たり前の話なんだけど。
 この任務は俊伐さんにだけは悟られてはいけない。そう、絶対に。
「テメェなんぞに言われるまでもなく、坂神の首くらい取ってきてやるさ。けっけっけ……」
「大した自信ね。過信じゃなければ良いけど」
 でもこの御堂と言う男、確かに大口を叩くだけの力量はある。
 射撃の技術だけなら御堂は蝉丸さんをも凌ぐかもしれない。
「過信だと? 俺が坂神に劣るとでも言うのか、このアマッ!」
「そうは言ってないじゃない。いい、絶対にしくじらないでよ?
 最悪でもあたしが月代ちゃんを始末するだけの時は稼いで頂戴」
「分かってるさ。ったく、女の嫉妬は怖いねえ。
 そこまでテメェを狂わせちまうなんてな。俺は恋愛なんか一生御免だな、けっけっけ――」
 薄ら笑いを浮かべながら、御堂は立ち上がる。
 あたしも準備をして立ち上がり、ふっと上を見上げた。
 真夏の太陽がギンギンにあたし達を照らし続けている。この時間帯は、御堂の独壇場。
 火戦試挑躰は火だけではなく日光にも抵抗力がある。
 太陽を嫌い、陽射しの中では活動を弱める仙命樹も、御堂だけは別。
 夜の闇の中のように、何ら体に支障なく行動することが出来る。
 対して蝉丸さんは、陽射しの中では普通の人間とそう変わりはなくなる。
 確かに昼間襲うとしたら、この上ないぐらいの刺客となるわね。
 ……ごめんね、月代ちゃん。何て言うと偽善臭く聞こえるかしら?
 でもね、もうこっちもなりふり構っていられないのよ。俊伐さんをあんたの虜になんて、絶対にさせやしない。
 さて……何処で迎え撃とうかしら?

A 岩場
B 屋敷近くの雑木林
C 石原診療所前
D 坂神邸
492名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 10:40:38 ID:J4/hitIw0
御堂が蝉丸を選択肢の場所で迎え撃つのか
きよみが月代を選択肢の場所で狙うのかどっちだ?
2人同時に戦うのか?
D
493名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 13:32:25 ID:J2QvIYRP0
 坂神邸。そこしか考えられないわね。
 岩場は水が近くにあり、二人で水中に逃げられなんかしたら御堂に打つ手がない。
 石原診療所は見通しもよく、御堂の持ち味射撃を大いに生かせる場所だけれど、
 人の目に付きすぎる。診療所には医者だっているでしょうし、付近の住民が銃声に気付かないはずはない。
 だったら、雑木林かそれとも坂神邸か……。
 確か、予報では午後から雨が降るとのこと。
 戦闘がそこまで長引くとは思えないけど、念には念を入れておこう。
 決定。坂神邸急襲……。
 確かこの時間帯なら、家事手伝いの桑島高子は診療所に行っている筈。
 だから屋敷に残っているのは蝉丸さんの覆製身と蝉丸さんに月代ちゃん。あとたまにやってくる夕霧ちゃんぐらいかしら。
 覆製身と夕霧ちゃんは全然問題じゃない。本当に足手まといだから放置しても何も問題ない。
 やはり問題は蝉丸さん。
 蝉丸さんの日中の気の配り方は尋常じゃない。
 月代ちゃんや夕霧ちゃんを一人で出歩かせることは絶対にしないし、
 いつも戦時中のように敵襲があることを想定した行動を取っている。
 うまく蝉丸さんを引き離せるとしたら……
「……けけっ、ビビって小便チビってないか?」
「愚問ね。けしかけたのはあたしのほうよ?」
 この男しかいない。
 御堂が急襲をかければ、蝉丸さんは安全の為に月代ちゃんたちを避難させるはず。
 そこが狙い目。蝉丸さんの目から離れた月代ちゃんを、あたしが拳銃で射殺する。
 それが今回の作戦。……悪く思わないでね、月代ちゃん。
 雑木林の中ほどまで来たとき、御堂が立ち止まった。
494名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 13:33:16 ID:J2QvIYRP0
「どうしたのよ?」
「あと五十間も進めば奴に気付かれる」
「えっ!?」
 あたしは目的地坂神邸のほうをじっと見る。
 まだ目的地へは何百メートルもあり、門すら見えていないというのに。
「幾らなんでも用心しすぎじゃない? 今は昼間よ」
「ヤツを……舐めるな」
 御堂の静かな威圧に一瞬気圧される。
 そして理解した。この男、蝉丸さんを自分より下だと見ていても、決して過小評価しているわけじゃない。
「幾ら昼間とはいえ、ヤツの耳はテメェなんかよりよっぽどよく聞こえる。
 俺はともかくテメェのマヌケな足音なんざ、ヤツが集中していれば丸聞こえだろう」
「なっ……あたしが邪魔だと言いたいの!?」
「ああ」
「ぐっ……!!」
 悔しくて唇をぐっと噛んだ。
 御堂の言ってることは正しい。あたしは軍隊じゃないんだから隠形なんて出来るはずもない。
 正しいから、余計に御堂の言葉に腹が立つのだ。
 御堂はこっちも見ずに、びっと林の中を指差す。
「テメェは林の中から裏に回れ。あくまで迂回しながらだ。
 坂神の性格から考えて標的を外に逃がすことはしねえだろう。ヤツなら伏兵の存在も想定した行動を取る。
 だからテメェは裏口から屋敷に入りな。坂神も俺とやりあっていればテメェを止めるどころじゃなくなるだろう」
「……分かったわよ」
 気に入らないけれど、素直に従っておく。
 戦闘で御堂の忠告を無視するのは得策じゃない。
495名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 13:33:49 ID:J2QvIYRP0
「まあ、そう怒るんじゃねえ。
 テメェの望みどおり、坂神は俺がきっちり始末してやるさ。けっけっけ……」
「あんたが勝とうが負けようが、どうでもいいけれどね。
 要はあたしが月代ちゃんを始末できればそれでいいんだから」
「……ケッ、可愛げのねえ女だ!」
 御堂が忌々しげにそう吐き捨てた。
 制御装置があって本当に良かった、装置があって尚この態度。
 もし装置がなければ御堂はあたしの命令なんて聞かなかっただろう。

 あたしはそっと林の中に入る。
 表で御堂が合図の銃声を発したところで、あたしが裏へ回る手はずだ。
 いくら蝉丸さんでも、御堂と戦闘状態に入れば、
 あたしが密かに裏手に回っているなんて気付きはしないだろう。
 あたしは暫く息を潜める。それからたっぷり数十秒ほど経ったろうか……
 バンッ!
 とひときわ大きく聞こえる発砲音。……始まった!
 あたしはその瞬間に駆け出した。
 今の一発で勝負が決まっていてくれれば楽なんだけど、蝉丸さんに限ってそれは有り得ない。
 藪を振り払いながら雑木林を抜け、あたしは坂神邸の裏口へ回る。そこで……

A あたしは屋敷の内部に入り込んだ
B 厳しい表情を浮かべた蝉丸さんが仁王立ちしていた
C 急にあたしの首筋に剣が突きつけられた
D 診療所の女医が行く手を塞いでいた
496名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 14:05:26 ID:IQTMGgTNO
A
497名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 21:11:26 ID:J2QvIYRP0
 あたしは裏口から屋敷に入り込んだ。
 そこから意識を集中して、周りの音を感じ取る。
 あたしも強化兵ほどじゃないけど、多少は仙命樹を持つ身。
 普通の人間に比べれば耳は良い方だと思う。
 まず聞こえてくるのは拳銃の発砲音。……庭の方角から。
 そこで蝉丸さんと御堂が交戦中って所かしら?
 それからドタドタと屋敷に響く足音。……いる、確実に屋敷の中に。
 あたしは予め用意していた拳銃を握り締める。
 やる。誰が何と言おうと、あたしはやる。
 そうしなければ、俊伐さんの目はあたしに向いてくれない……。
 世間から見てあたしはどう映る?
 自分の欲望の為に『妹』を手にかける殺人者? それともただの狂人?
 大きく息を吸い込んだ。心臓が思ったよりも強く脈打っている。
 落ち着け、落ち着きなさい!
 自分にそう何度も言い聞かせる。それでも心臓の高鳴りはやまない。
 当然といえば当然。
 あたしは軍人でも人斬りでもプログラム参加者でもないんだから、人を殺した経験なんてあるわけがない。
 冷静さを欠けば失敗する。落ち着いて、目標だけをスマートに撃つ。
 それだけのこと。それだけのことというのに、指先が震えてくる。
 ……まったく、情けないわ。御堂が今のあたしを見たら何て言うだろう。
 あたしは慎重に歩を進め、足音のした方向に向かう。
 あたしはもう一回大きく深呼吸した。
 気持ちを十分に落ち着けてから、目的の部屋のノブを握る。
 さ、行くわよ……!
 あたしは少し乱暴にドアを開いた。まず目に映ったのは―――

A あたしを確認するなり警戒心をなくした月代ちゃん。……絶好のチャンスね
B 倒れている月代ちゃん。な、何があったの!?
C 怯えた表情を浮かべている夕霧ちゃん。紛らわしい!
D ……嘘、誰もいない?
498名無しさんだよもん:2006/02/21(火) 21:20:54 ID:oLo9ulGx0
A
499名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 12:43:28 ID:piVWSZ0o0
「……なーんだ、きよみさんだったの」
 あたしを確認するなり警戒心をなくした月代ちゃん。
 …………絶好のチャンスね。
「急に表で大きな音がして、蝉丸が飛び出してったから
 また何か起こったんじゃないかって驚いちゃった」
「うふふ、ごめんなさいね。ちょっとびっくりさせるだけのつもりだったんだけど」
 呑気に話している月代ちゃんに話を合わせる。
「だったら大成功だね、蝉丸ったら大慌てで飛び出しちゃうんだもん。
 きよみさんにも見せてあげたかったな、慌てた蝉丸の顔」
「あら、あたしが入ってきた時の月代ちゃんの顔も十分面白かったわよ」
「えーっ、そうなの?……もう、恥ずかしいなぁ」
 本当、この子って大事に育てられているのね……
 あたしが悪意を抱いている事に気付く様子がまったくないわ。
 同じ遺伝子を持っているはずなのに、何もかもあたしとは違う。
 だからこそ、この子が憎い――

A 躊躇っている暇はないわ、手早く仕留めないと
B 持ち上げてから落としたほうが絶望も深まるわね、もう少し仲良しごっこしてあげましょう
C 「お客さんにも大丈夫だって伝えないと」客が来ている!?厄介ね……
500名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 12:48:35 ID:GwPFeEcU0
501名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 12:49:01 ID:cXgY1e4QO
A
502名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 16:01:26 ID:WbQ0M3Nk0
「月代ちゃん」
「なに? きよみさん」
 そう、月代ちゃんが無防備に返事をしたその時、
 あたしは後ろ手に隠していた拳銃を月代ちゃんに突きつけた。
「えっ……?」
「月代ちゃん、悪いけど死んで」
 あたしの行動があまりにも唐突だったからか、月代ちゃん戸惑いの言葉を見せる。
「そんな、冗談はやめてよ。そんなオモチャまで準備しちゃってさ」
 月代ちゃんが笑い飛ばそうとする。
 あたしはそんな月代ちゃんをキッと睨みつけて引き金を引いた。
 弾は月代ちゃんの肩口を掠め、奥の壁に穴を開ける。
「えっ……!?」
「悪いけど冗談なんかじゃないの。これは本物」
「嘘……嘘だよね?」
「嘘じゃないわ。あたしはあなたを殺すためにここに来たの。
 確実にあなたの命を奪うために、囮を使って蝉丸さんをあなたから引き離してまでね」
 月代ちゃんがあまりにもおかしくてくすっと笑う。
 あたしの行動がまるで信じられない、と言わんばかりのその表情。
 本当に……あたしとはまるで違う。どこまでも真っ直ぐな子。
「どうして? どうしてきよみさんがあたしを殺さなくちゃいけないの?」
「……あたしに理由を言わせるつもりなのっ!?」
 その月代ちゃんの言葉に腹が立ち、あたしは思いっきり月代ちゃんのことを突き飛ばした。
 撃たれた肩を抑えていた月代ちゃんは、受身も取れずに床に尻餅をつく。
 あたしは勢いに任せて月代ちゃんの胸倉を掴み、頭に銃口を突きつけてやる。
503名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 16:01:58 ID:WbQ0M3Nk0
「邪魔なのよ! あんたが!!
 あんたがいる限り俊伐さんはあたしを見てくれない!
 あんたの所為であたしは失敗作、出来損ない止まりなのよ!!」
「そ、そんな……!!」
「あんたに分かる? このあたしの気持ちが!
 杜若きよみに似ていない。ただそれだけの理由であたしは疎まれ、捨てられ……。
 そして俊伐さんはあんたを作り出した! あんたを杜若きよみにするために!!
 あたしは失敗作の烙印を押され、見向きもされず……この屈辱、あんたに分かるの!?」
「で、でも! あたしは……」
「あんたにその気はないって言うの? ええそうでしょうね。
 だけど俊伐さんは違う。あんたにそのつもりがなくても、あんたの存在そのものがあたしにとって邪魔。
 だから決めたの、あんたには消えてもらうって。例えあなたが同じ遺伝子を受け継ぐ『妹』だろうがね」
 言いたいことを全て言い終えて、あたしは銃を持つ手に力を入れる。
 わずかに腕が震えている。人を撃つことなんて今回が初めてだから。
 ……落ち着け。たかが小娘一人じゃない、躊躇う必要なんてない。
 頭の中で何度もそう言い聞かせ、あたしは引鉄を引こうとした。
 そうしたら―――

A 月代ちゃんが抵抗してきた
B 「……待って」と月代ちゃんが話を始めた
C 戸口に誰かが立っているの気付いた(人物指定)
504名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 16:03:49 ID:43J2Llzc0
C 凸
505名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 17:12:27 ID:WbQ0M3Nk0
 その時、ガタリと物音。
 反射的にあたしは戸口の方を振り向いた。
 すると……
「き、きよみ……さん?」
「……っ!!」
 そこにいたのは砧夕霧。
 あたしは思わず目を伏せるが、この状況が如何に不味いものであるかに気付く。
 ……迂闊すぎた。無闇に発砲などせず、一発で決めるべきだった。
 夕霧ちゃんに見られた。
 ヘタに目撃者を作ってしまうのはまずい。
 どうにかしなくては、どうにか……。あたしは考えを巡らせる。
「夕霧ちゃん、助けて!」
「え、えぇっ?」
 あたしに拳銃を突きつけられていた月代ちゃんがそう叫ぶ。
 夕霧ちゃんじゃあ、この状況を打開できないと分かってるはずなのに。
「早く、助けて!」
「そ、そんなこと言われても……」
 夕霧ちゃんはまだ現状を把握できていない。
 ……当たり前か、表向きは月代ちゃんと仲良くしていたあたしが、
 いきなり月代ちゃんを殺そうとするなんて誰も思うわけがないもの。
 どうする? 見られたからには夕霧ちゃんも消さなくてはいけない。
 けれど、騒ぎを大きくしすぎるのも不味い。
 それじゃ退くっていうの? でも、こうなった以上ここで退けば二度とこんなチャンスはこないかもしれないわよ?
 どうすればいい? 撃つべきか、それとも退くべきか……。

A 二人とも……撃つ
B やむを得ない。ここは退く
C 「待て」と鋭い声がした。……蝉丸さん!?
506名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 17:21:51 ID:afv2n0F/0
A
507名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 19:44:06 ID:y0ytI9GP0
パンッ

あたしは躊躇わず夕霧ちゃんに向かって発砲した。
だが、弾丸は眼鏡を弾き落としただけだった。
まともに顔面の中心を狙ったのに…。やはり素人のあたしがこの距離から狙っても無理か。

「ひ、ひぃっ!!」
夕霧ちゃんは当然脅えうずくまる。だけど構わずあたしは言う。
「何故来てしまったの?見た、聞いた、知ったで殺されてしまう理不尽な状況に首をつっこむなんて」
「夕霧ちゃん!」
「あなたには何の恨みもないけど、見られた以上仕方ない…月代ちゃんと一緒に死んでもらうわ」

こんな無駄口を叩いている内に蝉丸さんが来てしまうかもしれない。
もう躊躇はしない。月代ちゃんに夕霧ちゃん、両方とも殺す。
次は接近して至近距離から心臓を撃ち抜いてやるわ。
二人とも脅え混乱しているから近付くのは容易い。
この位置からなら月代ちゃんと夕霧ちゃんのどちらでもすぐに駆け寄れる。
後は引き金を引きこの場から立ち去るだけ、それであたしの目的は完了する。
さて、まずはどっちを先に撃つか?片方を撃った瞬間にもう一人が逃げ出すかもしれない。
だけど今はそんな心配をしている時間すら惜しい。

あたしは即断し、まず…

A やはり当初の目的の月代ちゃんを撃った
B 先に夕霧ちゃんを撃った
C あたしが血を吐いた。え…?あたしが撃たれたの?
D 夕霧ちゃんが銃を取りだし月代ちゃんを撃った。どういう事なの? 
508名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 19:46:09 ID:uIqrSP5h0
Dで女の戦い泥沼化
509名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 19:49:06 ID:ojuzra6E0
おいおい、凸が初めてネタ扱いされなかったかと思ったらw
510名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 20:49:22 ID:WbQ0M3Nk0
「潮時かな……」
 夕霧ちゃんがそうぽつりと呟いた、その時だった。
 バンッ!
 と部屋にもう一度発砲音が響く。あたしの銃のものじゃない。
 撃たれたと思って、反射的に身を庇った。けれど……あたしの体はなんともない。
 代わりに……
「あぁうぅぅっっ!!」
「つ、月代ちゃん!?」
 苦悶の表情で右肩を抑えて蹲る月代ちゃんの姿があった。
 もうあたしには何が何だか分からない。
 一体何が、何が起こったっていうのよ!?
「あ〜あ、外れちゃった」
 その、場違いともいえる能天気な声に、あたしはキッと振り向く。
 そこには、平然と涼しい顔で拳銃を構えた夕霧ちゃんがそこにいた。
 夕霧ちゃんの手に持つ拳銃から硝煙の煙が一筋垂れている。
「ど、どういうことよ……」
 あたしはこみ上げる恐怖心を押し殺して、それだけ呟いた。
 分からない。どうして夕霧ちゃんがこんなものを持っているのか。
 どうして夕霧ちゃんが月代ちゃんを撃ったのか。
 ひょっとしてこれは夢じゃないのか、とさえ思ってしまう。
 夕霧ちゃんはごく自然な動作で、今度はあたしに銃口を向けて言った。
「別に、きよみさんと同じですよ。
 目撃者を作るとマズいから、二人揃って消えてもらうことにしただけです」
 まるで世間話のようにそんなことを言ってのける。
 次の瞬間殺気を感じたあたしは、反射的に横に転がった。
 するとさっきまであたしの眉間があった場所に、銃弾が寸分の狂いなく撃ち込まれる。
「また外しちゃった。随分久しぶりに撃ったから、勘が全然戻ってないのかな」
「な、何なのよ一体……!!」
511名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 20:49:55 ID:WbQ0M3Nk0
 もうワケが分からない。
 さっきまであたしがこの二人の命を狙う側だったはず。
 だけど、現実には夕霧ちゃんが一人、拳銃を携えて、狩る側に回っている。
 ヤバイ。普通じゃない。夢? それとも現実?
 様々な考えがあたしの頭をぐるぐる駆け回る。パニックに陥りそうだ。
 唐突過ぎるこの状況、分からないことだらけの今の中で、ハッキリしていることはたった一つ。

 夕霧ちゃんはあたし……いえ、あたし達を殺そうとしている。

 ぞくりと悪寒が背筋に走る。
 伝わってくるのは威圧感、圧倒的なまでの力の差。
 この夕霧ちゃんは、いつもの『あの』夕霧ちゃんじゃない。
 それだけはひしひしと感じられた。
 この子はあたしのことなど何の躊躇いもなく撃ち殺せるだろう。
 まるで小さな子がトンボの羽を毟るみたいに。
 それを証拠に……あたしのように、銃を持つその手に震えが全く見受けられないのだ。
「シナリオは、突如部屋に押し入って、私達を殺そうとしてきたきよみさんに対し、
 私と月代ちゃんは必死で追い払おうとした。途中月代ちゃんがその凶弾を受けて絶命するも、
 なんとか私はあなたの手から拳銃を奪い取り打ち倒すことに成功する。……といったところでいいかな」
 恐ろしく勝手なことを呟いている。
 これは……本当に現実なの!? あたしは――

A とにかく逃げることが先決だ
B 夕霧ちゃんと戦うしかない
C 制御装置で御堂をここに呼びつける
D 「……あなたは一体何者なの!?」と質問を夕霧ちゃんに投げかける
512名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 20:54:50 ID:Azbtm/TW0
D
513名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 21:52:53 ID:WbQ0M3Nk0
「……あなたは一体何者なの!?」
 当然といえる疑問をあたしは投げかけた。
 この状況、この行動、全てに置いて不可解。
 一体どういう事なのかあたしには全く分からない。
 夕霧ちゃんが、どうして拳銃なんか持っているのか……。
 そんああたしに、夕霧ちゃんはくすりと笑って答える。
「さあ。よく考えれば自然に分かるんじゃないですか?」
 それから再び発砲。
 あたしは身を捻るも、銃弾はあたしの肩口を撃ち抜いた。
「くっ……!」
 痛みを堪えあたしは考えを張り巡らせた。
 砧夕霧が一体何者か、ということ……。
 こんな辺鄙な田舎町に普通の女の子として紛れ込み、
 月代ちゃんや蝉丸さんに近づく人物として考えられる動機はたった一つしかない。
 そう、仙命樹。仙命樹について知ろうとしているなら合点はいく。
 何せ不老不死だ、世の金持ちはその存在を知ればあらゆる手段で手に入れようとするだろう。
 そして……限られた者しか知らないはずの仙命樹の存在を知るものといえば……。
514名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 21:54:02 ID:WbQ0M3Nk0
「……旧軍関係者!?」
 不意に、夕霧ちゃんの口元が歪んだような気がした。
 あたしは恐怖を感じて夕霧ちゃんに向かって発砲する。
 だが、震える手で持つ拳銃から発射された銃弾が当たるはずもなく、
 後ろのガラスケースを破壊するだけに留まる。
 そして夕霧ちゃんが飛び散るガラスの破片に紛れ、拳銃をあたしに向かって発砲した。
 銃弾はあたしの右腕を貫く。
 途端に体に激痛が走り、あたしは銃を取り落としそうになった。
 この腕では……銃なんて使えそうにない。
 いくらあたしが仙命樹を体に宿しているとは言っても、それはほんのわずかの量。
 この傷が癒えるのに半日はかかるだろう。……絶体絶命。
 そんなこと場があたしの脳裏をよぎった。どうすれば……どうすればいいの!?

A 窓をぶち破って逃げる。一か八かにかけるしかない
B その時月代ちゃんが夕霧ちゃんに飛びかかった。え、あたしを助けるって言うの!?
C 間一髪。蝉丸さんが騒ぎを聞きつけこの場にやってきた
515名無しさんだよもん:2006/02/22(水) 22:02:10 ID:egxWAtJp0
C
516名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 20:29:46 ID:UBRye6QB0
「月代、夕霧、大丈夫か!?」
 蝉丸さんの叫び声が響いた。
「蝉……丸……」
「クッ、これは――」
 部屋に飛び込んであたしに向けて剣を構えたまま、蝉丸さんが固まっている。
 どうやら蝉丸さんも、夕霧ちゃんが銃を構えている事に困惑しているようね。
「困りました……蝉丸さんがこんなに早く戻ってきちゃうなんて。
 これならもう少し猫を被っていたほうが良かったかもしれませんね」
 一向に困った様子も見せずに、夕霧ちゃんは蝉丸さんに銃口を向けている。
「夕霧!?それはどういう……」
「蝉丸さん、確かにあなたの強化兵としての基礎能力は確かなものだと思います。
 ですが……現代兵器の知識に関しては、眠っていた分遅れをとっていますよね?」
「クッ!?」
 夕霧ちゃんの一言で、動きかけた蝉丸さんがまた立ち止まる。
 蝉丸さんの目にはあの何の変哲もない拳銃が、自分が眠っている間に
 飛躍的に進歩した技術で作られた超兵器に見えるみたい。
 ――もちろんブラフでしょうけど、一瞬でもそう思わせた時点で夕霧ちゃんの勝ちね。

 あたしと夕霧ちゃんの間を剣先が彷徨う蝉丸さん。
 蝉丸さんに銃口を向け続ける夕霧ちゃん。
 そして、その両方の動きを目で追いながら必死に打開策を考えるあたし。
 負傷してうずくまる月代ちゃんの荒い息が静かにリズムを刻む中、
 奇妙なトライアングルのままで永遠とも思える時間が過ぎ去り――

A 「ケケッ、なんだか妙な事になってるじゃねえか」蝉丸の背後から御堂の声がした
B 「きよみさん……ひとまず組みませんか?」夕霧ちゃんが共闘をもちかけてきた
C 次の瞬間、蝉丸さんと夕霧ちゃんが相討ちになった
D その時あたしは窓の外から誰かが覗いているのに気がついた(人物指定)
517名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 20:34:51 ID:IQh9mKX30
Aだ
518名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 21:39:46 ID:UBRye6QB0
「ケケッ、なんだか妙な事になってるじゃねえか」
 蝉丸さんの背後から御堂の声がした。
「御堂、あなた……足止めに失敗したの?」
「そっちもしくじったみてえだから、五分ってとこだな」
 てっきり蝉丸さんに負けたものだと思ってたから、
 こればっかりは嬉しい誤算ね。少し運が向いてきたかもしれないわ。
「誰か説明しろ、これは一体何なんだ」
 前から夕霧ちゃんに、後ろから御堂に銃を突きつけられながら
 苛立った声で蝉丸さんが尋ねてくる。
「それは答えられません」
 相変わらず静かな口調で、夕霧ちゃんが一言だけ答える。
 あたしとしても夕霧ちゃんの真意が分からない以上は下手に答えるわけにもいかない。
 結局蝉丸さんの問いに答えるものもなく、また無言のにらみ合いが続く――
519名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 21:41:12 ID:UBRye6QB0
 パニック寸前の思考を必死にまとめながら、あたしは今の状況を把握しようと考える。

 まず一番有利なのは、この中で一番の実力者である蝉丸さんに背後から銃を突きつけて
 自分は誰にも狙われてない御堂ね。ただし、一番状況が把握出来ていないのも御堂。
 あたしはその御堂が味方なのが唯一有利な点だけど、攻撃の手段を失っている上に
 蝉丸さんと夕霧ちゃんの両方から攻撃される可能性があって一番危険な位置にいる。
 夕霧ちゃんは無傷な上に、蝉丸さんにきちんと本心を伝えないことで
 どう扱っていいか判断させない事に今のところは成功している。
 もっともさっき話していたのが本心かも分からないし、そもそも何者かも分からない。
 蝉丸さんは実力だけなら一番でしょうけど、前後から同時に狙われた状態で
 傷付いた月代ちゃんを助けるという一番の難題を突きつけられているわ。
 そして月代ちゃんは……怪我のせいで身動きが取れないようね。
 床に散らばったガラス片で一突きすれば殺せそうなくらい弱っているけど、
 そのチャンスに身動きが出来ないってのも皮肉な話よね。

 さて、あたしはどうするべきかしら。

A 得体の知れない夕霧ちゃんを上手く共通の敵に仕立てられれば……
B 一番怖いのは蝉丸さんね、月代ちゃんを人質にとるわ
C 誰にも予測のつかない行動なら不意をつけるわ、月代ちゃんを連れて逃げましょう
D 御堂に背後から蝉丸さんを撃たせる、後は流れ次第ね
E あたしよりも先に均衡を破って動いた!?(人物指定)
520名無しさんだよもん:2006/02/24(金) 21:54:39 ID:RJwsqkeg0
D
521名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 13:20:45 ID:X0GaeHlU0

 正直言って、ここまで予想外の展開だと小細工が利く気がしないわ。
 御堂に背後から蝉丸さんを撃たせる、後は流れ次第ね。

「御堂、構わず撃ちなさい!」
「言われなくてもそのつもりだぜ!」
「くっ!?」

 蝉丸さんの背後でパンと破裂音が鳴る。
 蝉丸さんはあたしが御堂にかけた声の意味を理解した時点で反射的に
 低い姿勢で床に転がり、その上を背後から襲った凶弾が通り過ぎてゆく。
 ここまで一呼吸、力の薄いあたしには付いていくのがやっとの
 高速の攻防は更に加速度を増して――

A 蝉丸さんが起き上がりざまに切り付けた(被害者指定)
B 御堂が乱射する銃弾のひとつが命中した(被害者指定)
C 夕霧ちゃんが平然と急所を撃ち抜いた(被害者指定)
D あたしが開いた入り口から逃げ出した
522名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 13:52:19 ID:IRcgvNfq0
C 蝉丸
523名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 14:36:34 ID:X0GaeHlU0
 御堂の発砲音にわずかに遅れて、再びパンと発砲音が鳴り響くと
 倒れこんだ蝉丸さんの首筋から血飛沫が噴きあがった。
「――ッ!!」
「いくら強化兵でも、頚椎を砕かれたらしばらく動けないですよね」
 倒れている蝉丸さんに向けていた銃口を持ち上げながら、
 夕霧さんは確かめるようにそう言い放った。
「そんな……夕霧ちゃんに強化兵の動きが見えているなんて……」
「いいえ、見えませんでしたけど?
 でも、後ろから狙われたら前に逃げるしかないですから。
 予め判っていれば、普通の人間でも150kmの速球を打ち返せるんですよ?」
 事も無げに言ってのける夕霧ちゃんの表情は、眼鏡の奥に隠れて読めない。
「廊下で銃を持っている人も……そこから斜線は通っていませんよね?
 仮にわたしを狙おうと思ったら、この部屋に入らないといけないはず。
 狙い打つだけのわたしに、飛び込んでこちらを探さないといけない
 あなただと、強化兵と一般人でもそれなりの勝負にはなると思いませんか?」
「ゲェーック!テメェ、いったい何者だ?」
「そんなこと言われても、答えるわけありませんよ。
 正体が見えないから、枯れ尾花でも幽霊になれるんですから」
 そして夕霧ちゃんは手にした銃を――

A 月代ちゃんに向けた。
B あたしに向けた。
C 壁越しに廊下の御堂に向けた。
524名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 14:41:00 ID:IRcgvNfq0
B
525名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 15:22:11 ID:X0GaeHlU0
「それにしても……お互い、かなりの誤算だったみたいですね」
 夕霧ちゃんはあたしに銃口を向けた。
「せっかく何年もかけて、月代ちゃんのドジでキュートな親友砧夕霧として
 覆製身の懐で自由に活動出来る立場を確保したのに……これで台無しになっちゃった」
「それじゃ……!?」
 夕霧ちゃんもあたしと同じように、真意を隠して月代ちゃんと親しく接していた!?
「そう、わたしがやっていた事は、たぶんあなたと同じなんです。
 それもこっちは小さな頃からじっくりこつこつと時間をかけて……
 この半生を夕霧ちゃんの親友になるためだけに費やしたくらいなのに」
 クッ、と顔を上げて正面からこちらを見据えた夕霧ちゃん。
 角度が変わり、照り返しがなくなった眼鏡の奥――その表情は、怒りだった。
「夏休みに1ヶ月行動を共にする、その間で確実に気に入って貰うために
 残りの11ヶ月を三井寺月代の親友に相応しい知識、言動を身に付ける事に費やす。
 さすがのわたしも、そんなライフワークをぽっと出に台無しにされたら怒りますよ」
 静かに、しかし確実に怒りの篭った抗議をしながら、夕霧ちゃんは引き金を――

A 主人公な杜若きよみ(黒)は突如として反撃のアイディアを思いつく
B 仲間が来て助けてくれる
C かわせない。現実は非情である
526名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 15:37:30 ID:FnTDmQQi0
答えC 答えC 答えC 答えC 答えC
527名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 17:14:35 ID:esFjHGE+0
 パン!
 響いたのはおそろしく乾いた音だった。
 初速はおおよそ秒速220m/s。着弾までの所要時間約0.02秒。
 撃たれてから身をかわせる道理などありえるはずもなく。
 ただ銃口を当てられた瞬間に咄嗟に身体をずらす。
 それさえ無為であるが。
 着弾。それとともに弾丸はそのエネルギーを解放する。
 肉に食い込む弾丸。それが体内ではぜる。
 五体が弾ける衝撃を受ける。
 悲鳴すらあげる猶予もなく。来訪する死神はいつだって唐突。
 崩れ落ちる身体。糸の切れたようにただだらしなく。
 穿たれた弾痕から滲み出すは血漿。とめどなく流れる。
 そして発熱を失った肉体は冷めていく。ゆっくりと。ゆっくりと。

 A DEAD END
 B CONTINUE 
528名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 18:27:54 ID:OI4V4HQZ0
B
といっても即死でなかったぐらいにしておいてほしいが
時間戻るのは勘弁
まあ書き手に任せるしかないが
529名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 21:57:52 ID:0Qs3AEcI0
        ___i7___     「おお、きよみよ」
        (_____)
       /       \    「死んでしまうとはなんと情けない」
     /   \   /   ヽ   
    (|      IIIIIIII   ┌┐ 
      l     (vvv)==、_ノ  「そなたにもう一度機会をさずけよう」  
       ヽ、           ノ   
     /ヽ` ー──− ´/ \
    /    \/ | | \/   ヽ 
    i___/     .|_|     ヽ___l   A 超展開で生き返る
   |  |            |  | 
   |  |            |  |   B このまま死ぬ
530名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:08:07 ID:YSNeDDmS0
B
531名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:11:39 ID:da5O52Ez0
        ___i7___     「そうか。あきらめるのか」
        (_____)
       /       \    「それもまたよかろう」
     /   \   /   ヽ   
    (|      IIIIIIII   ┌┐ 
      l     (vvv)==、_ノ  「さあわが娘よ。父なる私のもとへ」  
       ヽ、           ノ   
     /ヽ` ー──− ´/ \
    /    \/ | | \/   ヽ 
    i___/     .|_|     ヽ___l   
   |  |            |  | 
   |  |            |  |   
                       
A エピローグ
B THE END 
532名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:26:23 ID:t6/P4LNK0
終わるしか選択肢無いのか?
絶対選ばん
533名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:33:21 ID:HjYmnYeF0
B もうどの道ダメぽ……
534名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:37:26 ID:t6/P4LNK0
選ぶなや糞が
535名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:57:04 ID:A2B2OH7L0
いくらなんでもなあ……
リコール申請ださせてもらうわ
A >>525の続きから
B >>527の続きから
C >>529の続きから
D このまま終わる
536名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:57:55 ID:A02sS1lA0
D
537名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 22:59:23 ID:/VNq3ke60
>>536
死ね
晒しage
538名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:52:51 ID:OFSlBDsQ0
>>464-536 なんて最初からなかったんだ。ということにして作品選択するか……

A ナイトライター(with 雀鬼's)
B MOON.
C まじかる☆アンティーク
D 誰彼
E ToHeart2
F CLANNAD (+智代アフター)
G 天使のいない12月
H 痕
I Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
J Kanon
K 鎖
L  Tears to Tiara
M Filsnown
N Routes
O こみっくパーティー
P 雫
Q うたわれるもの
R AIR
S To Heart
T White Album
U テネレッツァ
V ONE
539名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:53:35 ID:cv50kkXv0
s
540名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:54:31 ID:OFSlBDsQ0
んじゃ主役選択
A 藤田浩之
B 神岸あかり
C 長岡志保
D 来栖川芹香
E 来栖川綾香
F 姫川琴音
G 佐藤雅史
H 保科智子
I 雛山理緒
J マルチ
K セリオ
L 長瀬主任
M セバスチャン
N 宮内レミィ
O 松原葵
P 坂下好恵
Q 田沢圭子
R 矢島
S 神岸ひかり
T 岡田
U 松本
V 吉井
W 宮内シンディ
X 宮内ジョージ
541名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:55:03 ID:qto0nLCq0
g
542きよみ(黒)選んだ人:2006/02/27(月) 23:57:17 ID:++WyiWiR0
最萌のことよりもこっちの方がショックだ___ORZ
543名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:58:39 ID:IJUfzbFH0
選択スレのみんな、僕は雅史だ。

先に言っておく、
僕は魔王ではない!!
かといってホモでも変態でもない!!
僕は今ここに忌まわしい過去から
脱却すると宣言する!!

今の僕は…

A プロサッカー選手さ
B 正義の味方をやってるのさ
C 浩之と逃亡中さ
D なぜかあかりにプロポーズされているのさ
544名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:59:09 ID:0dWGEFae0
545名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:59:10 ID:++WyiWiR0
あえてb
546名無しさんだよもん:2006/02/27(月) 23:59:13 ID:9o2u4OQe0
547名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:13:05 ID:JKpHt6PA0
 その日、僕が正義の味方になった日、僕らが住む街、東鳩の街は突如、真っ赤な炎に包まれたんだ。
世界は赤く、熱く燃えていて、真っ赤なペンキが辺りをどんどん塗りつぶしていく、そんな感じだったんだ。
身体に力が入らず、僕はあちこちに傷を負っていて、熱気で身体を中から焼かれていて、
もう死んだも同然だったんだ。けど、そんなある人が僕を助けてくれたんだ。
その人が僕の命を助けてくれて、そして、僕が正義の味方になるきっかけをくれた人なんだ。
それは──

A 自称魔王のアロウン
B 自称魔法使いの来栖川先輩
C 自称魔法使いの長瀬源之助
D 自称魔物を狩る者の川澄舞
548名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:13:47 ID:zFCtXYBU0
a
549名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:26:27 ID:pu1ybBQt0
そう、あの人は仮面ライダーのようにマフラーを巻いた
凛々しい、その時の僕にはまるで勇者のように見えた人だったんだ。
でも彼は自分の事を魔王と言い、僕に変身する力を授けてくれたんだ。

「これは?」
「時間が無い、まずそれを身に付けるんだ!!」
僕は言われるままその道具を装着した。

そして、本当になれたんだ。正真正銘の「ヒーロー」に。
それで、僕がどんなヒーローになれたかというと…

A ウルトラマンみたいな巨大ヒーロー
B 仮面ライダーみたいな等身大ヒーロー
C 戦隊シリーズみたいな5人で戦うヒーロー
550名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:27:04 ID:pEPrIA9a0
c
551名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:27:13 ID:+dpRCKm90
C
552名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:27:27 ID:EoCtjq1nO
B
553名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:43:03 ID:TcYAt0rU0

 ピカーン!
 
「選択戦隊(仮)セレクターズ(仮)レッドマサシ!」
 自称魔王に渡された変身グッズによって、僕は戦隊ヒーローモノの一人になってしまった!
 やった! レッドといえばリーダーの色だ!
 ……ちょっと待てよ、こういうモノのお約束だと五人いるんじゃないか?
 後の四人はどうなったんだろう?
「アロウンさん、これって他に仲間はいないんですか?」
「ああ、それは――


A 他の仲間はもう街で戦っている! キミも助けに行ってくれ!」
B ……済まない、他のメンバーは既に敵に捕まっているんだ」
C 「コイツがリーダーですか?」その時アロウンの後ろから一人の戦隊メンバーらしい人が現れた
  (人物と色を指定)
554名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:44:32 ID:EoCtjq1nO
B
555名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:59:09 ID:aqzPe6hp0
「すまない、他の仲間は敵の組織に捕まっているんだ」
「どういう事なんですか!?」
「君が最後の適格者…君だけでも無事で良かった」
「答えてください!その仲間はどこにいるんです?それ以前に何故僕が適格者に!?」
「残念だがそれを語っている暇はなさそうだ」
「え?」

回りを見ると同じ服を着た、まるで特撮番組の戦闘員みたいな奴らが
何百人も僕逹を囲んでいる。そうだ、あいつらが僕逹の街を破壊したんだ…
僕はあいつらを許せない!

A 早速この力、使わせてもらう!僕は戦闘員の群れに突っ込んだ
B 「待て!ここは俺に任せて君は仲間を助けに行くんだ」アロウンさん!?
C そこに怪人が現れた!(怪人役の人物指定)
556名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:59:46 ID:pEPrIA9a0
b
557名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:59:52 ID:ZLaOgcwL0
王道 A!
558名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 00:59:54 ID:jlC1jYcY0
559名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:16:00 ID:Uw9em0NH0
「E!!!!!!!」
 どこかの組織の隊員みたいなかけ声で群れる奴ら。
 よくも僕らの町を……許せないよ……
「待て!ここは俺に任せて君は仲間を助けに行くんだ」
「そんな!僕だって戦いますよ。あいつらのせいで町が……」
「私情にとらわれるんじゃない。お前の力はまだ不完全だ。
 ともに戦う仲間がいてこそその真の力を発揮することができる。
 理解したのならばここは俺に任せて去れ」
 確かに……今の僕の力じゃアロウンさんの足手まといかもしれない。
 でも……
「どこへ行けばいいんですか?捕まっている仲間を助けろと言われても」
「ここから少し南に行ったところに集落がある。そこを訪ねろ。詳しい情報が聞けるはずだ」
 そこまでアロウンさんが言ったところで僕は周囲を取り囲む戦闘員の大群がにじり寄るのに気づく。
 ここから逃げ出せって言われてもこれじゃあ脱出する隙がない。
 するとアロウンさんは

A 「加速装置を使え。穴は俺が開けるから一気に突き抜けろ」
B 「転移装置だ。精度は多少ランダムだがな」
C 「ジェット噴射だ。どこへ飛び出すか保証はできんがな」
D 「俺が援護する手薄な箇所をウェポン射出しながら突っ切れ」
560名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:17:32 ID:RypdOOuH0
561名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:17:41 ID:XNK3zOZ5O
A
562名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:17:59 ID:2qEXsJtCO
B
563名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:29:40 ID:hty8gX520
「転移装置だ。精度は多少ランダムだがな」
と言ってアロウンさんは小型の装置を取り出した。
「はい!アロウンさん!」とまるで師匠と弟子のようなやりとりで装置を受け取る。
この信頼関係は完璧だ。

「では行ってきます!アロウンさんもがんばってください
 名kまを救出したらすぐに駆けつけます!!」

雅史は転移装置を使った。


A 無事に集落についた
B なんと敵の組織のど真ん中に転送されてしまった
C 辺りに血の池が…どうやら地獄にとばされてしまったようだ
D い し の な か に い る
564名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:30:15 ID:gKCQRi8a0
B
565名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:45:30 ID:JKpHt6PA0
 転送装置を使うと僕の体は光に包まれた。そして、その光が収まると、辺りにはさっきの戦闘員
 が更にも増していた。周囲の状況を見ると何かの建物の中みたいだけど…まさか敵の組織のど真ん中?
 一瞬、何が起こったのか判らず戦闘員達は呆けていたが、僕が敵と分かると
 「E!!!!!!!」と、例の掛け声を上げて僕に迫ってきた。
(どんな精度だよ、アロウンさん! 下手すると『い し の な か に い る』、
 で死んじゃう所だったじゃないか!)
 僕は前言の信頼関係については保留する事を心に決めた。
 しかし、この危機をどうやって切り抜けようか…

A 怖いけどもう一度転送だ
※Aの時は更に以下から選択
 a無事に集落についた
 bまた東鳩の街だった
 c南じゃなくて北の街だった
B 今こそ僕の適格者としての力を見せる時だ
C 兎に角この建物の中から出る
566名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:47:16 ID:o5mVFwOI0
Ac
567名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 01:56:38 ID:TcYAt0rU0
 今の僕では敵組織の中で一人で戦うなんて自殺行為!
 こうなれば破れかぶれ、もう一度転移だ!
「E!!!E!!!」
 襲い掛かってくる戦闘員を前にして、再び転移装置のスイッチを入れる。
 途端、僕の体が光に包まれてその場から消えていった――

「んっ? ここは……」
 転移が終わって目を開けると、そこは見覚えのある街だった。
 確か東鳩の街からの位置関係は……北じゃないか!
 ああもう、敵組織の中から脱出できたのはいいけど位置は逆だ!


A とにかく脱出できたんだ、まっすぐ南の集落を目指す
B 南の集落の前に東鳩の街の様子を調べる
C 「ちょっと、何だよその格好は?」北の町で僕は知り合いに声をかけられた
568名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:01:22 ID:v3X9tPAn0
書き負けた…

選択はCも気になるけどAに
569名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:18:11 ID:JKpHt6PA0
 とにかく脱出できたんだ。僕はまっすぐ南の集落を目指す事にした。
 まだ新米の僕じゃ出来ることは限られている。アロウンさんを含めた戦隊の全貌とか
 敵の正体とか色々と聞かないと。
 北の街は東鳩の方から逃げてきた避難民とかがいて、皆、命からがら逃げてきたのか呆然としていたり、
 家族を探していたりと、かなり混乱している。
(浩之たちは大丈夫かな…アロウンさんに助けられる前にあの辺りを探した時はいなかったけど…)
 僕は幼馴染達の事をふと思い出した。彼らを探したい衝動に駆られたが、アロウンさんとの約束もある。
 一旦、状況が落ち着いてから探してみようと思う。
 南の集落に向かう前に僕のヒーローとしての能力について確認しておこう。
 身体能力は普通の状態より向上していると思う。今はマラソン選手並のペースで走っているのに
 さほどきつくない。そして、セレクターズ(仮)レッドマサシとしての固有の能力は──

A 英霊召喚。 選択スレの過去作品のキャラを、その設定、能力で使い魔として一人だけ召喚可能
B キック。  あらゆる物体をキックで超高速に加速し、相手にぶつける。
C 魔術。   赤らしく炎の魔術に特化しているっぽい。
D 練成。   制限はあるが武器を生み出す事が出来る。
570名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:19:43 ID:zlMCi7nM0
A
571名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:20:02 ID:qwk9wGpp0
B
572名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:44:59 ID:jlC1jYcY0
 英霊召喚。
 選択スレの過去作品のキャラを、その設定、能力で使い魔として一人だけ召喚可能である。
「誰が出てくるんだろう…」
 すごく不安だ。果てしなく不安だ。
 あの人とかあの人なんか僕の主役を食いかねない。
 主役食いは僕の中の人で十分だ。

 さて僕は今、商店街にいる。
 かつては賑やかだった商店街も今は誰もいない。
 店は全部シャッターが閉まっている。当然か。
 時折、僕の頭上を轟音をあげて戦闘機が駆け抜ける。
 あの正体不明の敵を相手に戦っているのだろう。

A 戦闘機が…こちらに落ちてくる!?
B「そこの人、どいてどいて〜〜」前から女の子が突っ込んできた。
C「Eeeeee!!」くっここにも戦闘員が!
D 試しに召喚してみようか?(人物指定)
573名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:45:56 ID:XNK3zOZ5O
B
574名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:45:58 ID:zlMCi7nM0
ここらで初戦C
575名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:46:05 ID:2qEXsJtCO
Dで“刀狩”の七瀬
576名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 02:46:29 ID:DS4yPdM10
D 使えない奴筆頭のヌワンギ
577名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 03:46:24 ID:jlC1jYcY0
「そこの人、どいてどいて〜〜」
「え?」
 前から女の子が猛スピードで突っ込んできた。
 気付いた時にはもう遅い、僕と女の子は正面衝突。

「あ痛たたたたた…何なんだよ…一体」
 女の子は鼻を押さえて蹲っている。
 彼女はコート姿に羽根の付いた奇妙なリュックを背負っていた。
「君、大丈夫?」
「うぐぅ…痛いよぉ……どいてって言ったのに……」
「そんなこと言われても…」
「はっ! こんな事してる場合じゃないよっ! キミも逃げないと」
「えっえっえっ?」
「追われてるんだよ! 早くっ!」
 彼女は僕の手を引っ張り路地裏に逃げ込んだ。

「ここまでくれば大丈夫かな」
 女の子は路地裏から身を乗り出し辺りを見回す。
「君は一体――」
「シッ! 静かにして隠れて!」
 僕は身をかがめ息を殺す。
 数人の足音……そして『E〜』という声。
「もう大丈夫だよ、危なかったあ」
「あいつら…戦闘員じゃないか。どうして君が?」
「ボクにもわからないよ…ただ……」
「ただ?」
「適格者がどうとか言ってたけど……」
 適格者!? この子がアロウンさんが言っていた僕の仲間の一人なのか?

A まずは詳しい話を聞いてみよう
B「E!!!!!!」まずい! 戦闘員に見つかった!
C「その娘を渡してもらおうか」背後から声がした(人物指定)
578名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 03:47:40 ID:EoCtjq1nO
B
579名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 04:00:11 ID:TcYAt0rU0
「E!!!!!!」
 路地裏を覗き込んでいた戦闘員の一人がお決まりの声を上げる。
 しまった、見つかってしまった!
 わらわらと通りに集まる戦闘員達、その数ざっと二十。
「E!!!!!!」「E!!!!!!」「E!!!!!!」
 商店街の大通りから路地裏の僕たちにじわりじわりとにじり寄る戦闘員達。
「ど、どうしよう、このままじゃ捕まっちゃうよ」
 羽リュックの女の子も戦闘員達の血気盛んな様子に慌てている。
よし、ここは――


A 女の子と一緒に路地裏を逃げる
B 戦闘員ぐらいなら大丈夫、応戦する
C 今こそ英霊召喚をしてみる(人物指定)
D 「うぐぅ!」しまった、前ばかり見ていて後ろから女の子を攫う戦闘員に気がつかなかった 
 
580名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 04:05:54 ID:uWEf8TWI0
A 三十六計逃げるにしかず
581名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 10:42:30 ID:+O9VuEfm0
「逃げよう!」
「えっ!?」
 僕はキョトンとする女の子の手を取りそのまま駆け出す。
 入り込むのは狭い路地道。ここなら大人数で追っかけるのも難しいだろう。
「E!!!!!E!!!!]
「うわぁぁぁぁあああああ!!」
「うぐぅぅぅううううう!!」
 とはいえ繰り広げられるのは熾烈な鬼ごっこ。
 競うのは純粋な脚力。足なら僕には自身がある。女の子の方もなかなかの健脚だ。
 少しずつ後続との差も開いていく。どうやらこのままいけそうだ。

「はぁ……はぁ…」
「ぜぇ……ぜぇ……」
 どうにか撒いたけど二人して肩で息してる。流石に全力疾走は答えたなあ。
「はぁ……それで、君のことなんだけど」
 どうにか息を整え女の子に尋ねる。さっきこの娘は適格者とか言ってたよなあ。
 ひょっとしたらアロウンさんの言ってた僕の仲間かもしれない。ここは聞いて見ないとね。
「適格者とかなんとか……心当たりあるのかい?」
「う〜ん。僕にもよくわかんないよ。気がついたらさっきの人たちに追っかけまわされてたから……」
 どうやらこの娘も詳しいことは分からないみたいだ。まあ僕にしてからそうなんだけどね。


 さて、どうしようか。
 
 A 「よかったら僕と一緒に南の集落までいかないかい?」と声をかける。
 B 「君の家はどこかな?」女の子を家まで送り届けようと申し出る。
 C 「うぐぅ…でもひょっとしたら?」すると女の子が何か心当たりに気づく
 D 「やれやれ、こんなところに飛ばされてしまいましたか」 誰だろう。いつのまにか知らないお爺さんが僕たちの目の前に立っていた。
582名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 10:53:06 ID:sNJiZe4i0
B
583名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 12:22:15 ID:N54YARsY0
「君の家はどこだい?送り届けてあげよう」
我ながらまるで不審な誘拐犯みたいな台詞を言ってしまった。
でも僕は本気だ。僕にはアロウンさんから授けられた力がある。
このままこの子を放っておいたらまた戦闘員に襲われてしまうだろう。
それに適格者云々の気になる発言もある。
あゆちゃんの身内から何か話を聞けるかもしれないし、
やはり僕が行かなければならない。これは『ヒーロー』になった僕の義務なんだ。

「うぐぅ、ボク自分のお家がないんだよ…」
「なんだって?」
まさかあの連中に家を焼かれてしまったのか?
「ごめん、悪い事を聞いてしまったみたいだ」
「う、ううん!違うよ、そういう意味じゃなくて」
「へ?」

話を聞いてみると、あゆちゃんは今は知り合いの家に同居しているらしい。
秋子さんにその娘の名雪ちゃん、そしてもう一人の同居人の祐一くん。
この四人で暮らしているとか。早速僕らはその家に向かう事にしたんだ。
「そうか、みんな良い人なんだね」
「うん。名雪さんもよく居眠りするけどいい人だし、祐一くんもいたずらばかりするけどいい人だよ」
そんな話をしていたら、その秋子さんの家に着いたんだ。

ピンポーン

「おかしいな。誰も出ない」
「うぐぅ、鍵が開いてる。しょうがないから入っちゃおうよ」
そうだね。今は秋子さん達に会うのが先決だし。
「お邪魔します」
一応そう断ってて、僕は家の中に入っていった。
だが、居間に上がった僕達が見たのは…。
「何だこれは!?」
「うぐう!そ、そんな…」
584名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 12:23:14 ID:N54YARsY0
秋子さん達は全員…

A 無事だった!
B さらわれていた!
C 襲われていた!
D 襲ってきた!
E 殺されていた!!
585名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 12:25:22 ID:6ASO1ymW0
586名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 12:52:06 ID:nwK8+Rpj0
「E!!!」「E!!!]「E!!!]
「えい!このっ!ぐぁっ!顎は止めろよ。うぐぁぁぁっ!!」
「ああっ、祐一っ!」
「祐一さんっ!」
 居間に上がるとそこでは例の戦闘員達が家の人たちに襲い掛かっていた。
 僕と同じくらいの年の男の子が懸命に体を張って後ろの親子らしい女の人たちを庇っている。
 たぶん彼が祐一君なんだろう。するとその後ろにいるのが秋子さんと名雪ちゃんか
 しかし酷い。滅多打ちだ。あんなに的確に顎を捉えて。
 首を支店に祐一君の脳が大きくぶれる。ノックダウン寸前の状態。このままでは危ない。
「うぐぅぅっ!酷いよ!止めてよ!祐一くんに酷いことしないで!!」
 そんな惨い有様にあゆちゃんがこちらが制止する間もなく飛び出す。
「E!?E〜〜〜〜!!!!!」
 すると戦闘員達はあゆちゃんに気づく。不味い。このままじゃ奴らの矛先があゆちゃんに。

A いまこそ力を試すとき。変身して戦う。
B 心強い味方を。英霊召喚を試してみる
C ブレスレットが共鳴 これは!?
587名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 12:58:15 ID:uHBK1SsG0
588名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 13:24:11 ID:zHkJp9pR0
「危ない!」
僕はブレスレットに腕に付け、叫ぶ。
「変身!!」
強烈な赤い光と共に僕の全身が強い力に包まれていく。
次の瞬間には、僕はスーツを装着していた。
「E!E!!」
「選択戦隊セレクターズ(仮)レッドマサシ!ここに見参!!」

「うぐぅ!?」
「あらあら…」
「な、なんだこりゃ…特撮の撮影か?なんでそれで俺が殴られんだよ」
「どけえええぇぇぇ!!」
僕は勢い任せにあゆちゃんの一番近くにいた戦闘員を殴った。
「EEEEEeeeeeeeeee〜〜〜〜〜!!!!!」
ズガガガガガガアアアアアァァァァァン!!
「うおおおお!!」
「きゃあああ!!」
なんと、吹っ飛んだ戦闘員が壁を全部突き抜け天井が傾いてしまった!
なんなんだこの威力は!?力をまだセーブしきれないのか?
「E、EEEeeeイイイィィィ…」
だが今の一撃で他の戦闘員は脅えてしまったようだ。これはチャンス!
「みんな!今の内に…」
『そうはいかんぞ佐藤雅史!!』
突如異様な声が響き渡り、異形の怪人が姿を現した。
『佐藤雅史に月宮あゆ、二人も適格者を見つけられるとは俺も運がいい』
「お前は何者だ!?」
『俺こそは栄光ある改造戦士001号…』

A チンピラ千人分の力を持つハ・シモッチーだ!!
B 最強究極の戦士、ヌワンギラス様だギワッハハハハハ!!
C 俺はサプライズな策士、キシダーンだ。ククク…
D 全身に爆弾を搭載した人間爆弾ことKINGジャッキーとは俺様の事だ!!
589名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 13:25:32 ID:ZC6IGJWF0
やられ役こそヌワンギの華!B
590名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:02:12 ID:FzPwFFCa0
『最強究極の戦士、ヌワンギラス様だギワッハハハハハ!!』
 ヌワンギラスと名乗った怪人が高笑いしながら手にした刀を振り回すと
 テーブルがまるで発泡スチロールのように軽々とへし折れた。
「な、なんだよこいつ、人間じゃない!?」
「困りましたね、あのテーブル気に入っていたんですけど」
「うぐぅ、そんな事心配している場合じゃないよ!」
「大丈夫!ここは僕に任せて!」
 そうだ、今の僕はヒーローだ。さっき戦闘員を吹き飛ばしたパワーがある!
 僕は果敢にもヌワンギラスに組み付いた。
『むっ、て、てめぇ……』
「ぐ、ううう……」
 そのまま一進一退の力比べ
『パワーはなかなかだが、喧嘩慣れならこっちのほうが上みてぇだな!!』
「……うわっ!?」
 突然蹴り飛ばされ、僕は勢い良く壁に叩き付けられた。
 あまりの勢いに僕の体は背後の壁を破り、そのまま倉庫っぽい車庫に突っ込んで
 並べられていた段ボールの山に叩き付けられたところでようやく止まる。
 こいつ、戦闘員とは比べものにならないくらい……強い!!
「くそっ、でも負けてたまるか!」
『なんだ、まだ起き上がれるのか。丈夫なスーツで助かったな』
「スーツだけじゃない、これでもサッカーで基礎体力は鍛えられてるんだ。
 この程度なら試合でフル出場するよりよっぽど楽なもんだよ!」
『んだと、この俺様のパワーを舐めるんじゃねえ!!』
 そうだ、僕にはサッカーがある!
 こうなったらいちかばちか……

A シュートだ!
B タックルだ!
C ゾーンプレスだ!
D オフサイドトラップだ!
591名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:03:22 ID:BV8xW1M50
592名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:27:12 ID:TcYAt0rU0
「オフサイドトラップだ!」

  オフサイドトラップ
 相手の選手がパスを出す直前にディフェンスラインを一斉に押し上げることによって、
敵の前線の選手をオフサイドのエリアに置き去りにしてパスを通させないようにする作戦。

 オフサイドを取れればそこで相手の攻撃を完全に断ち切れることができるので効果的
だが、タイミングを誤ってオフサイドを取り損ねると、ディフェンスの裏のスペースを
敵に独走されてしまうため、使用にかなりのリスクが伴う戦術である。


「……んで、それにはどんな効果があるんだ?」
「へ?」
 しまった、ここにはオフサイドゾーンを作るディフェンダーも笛を吹く審判もいない!
 何でだよ選択者! こういうときは相手を蹴り飛ばすシュートとか体当たりのタックルとか選んでよ!
「ヘッ! どうやら技の選択に失敗したようだな!」
 ヌワンギラスがさっきの刀を手に飛び掛ってきた。
 僕は――


A 咄嗟に体をひねってヌワンギの一太刀をかわす
B かわし切れない! ヌワンギの一太刀が僕の腕を切り裂く
C 今だ! 今こそ英霊召喚!(人物指定)
D 「うぐぅ……ゴメンなさい雅史さん」
   しまった、壁の穴から戦闘員に人質にされたあゆちゃんを突きつけられる
593名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:29:05 ID:EoCtjq1nO
A
594名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:52:57 ID:FzPwFFCa0
「はっ!」
 咄嗟に体をひねってヌワンギラスの一太刀をかわした。
 ――よし、力や防御だけじゃなくて反応速度も上がってるぞ!
「こいつをかわしやがったか、なかなかやるじゃねえか」
「今度はこっちの番だ!」
 僕はヌワンギラスにラッシュをかける。
 突き、蹴り、開脚ジャンプ、肘打ち……
「どうだ、せいっ、たあぁ!!」
「ぐおっ、こ、この……」
 小気味よい連携でじりじりと壁際に追い詰める。
 僕の気迫におされたのか、ヌワンギラスは防戦一方だ。
「ちっ……ええい、これ以上手間取っても仕方ない。
 作戦は中断だ!てめぇら、ここは一旦引き揚げるぞ!!」
「E、E!!」
 ヌワンギラスが手近な窓から飛び出すと、それを合図に戦闘員たちも散り散りに逃げ出した。
 初めての戦い、なんとか勝ったってところかな……

A いいや逃がすか、追いかけてとどめをさすぞ!
B 深追いは禁物だ、ここは見逃そう。
C 逃げると見せかけ油断したところをヌワンギラスが奇襲してきた!?
595名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 14:58:49 ID:Ahv9Sgjf0
B
596名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 19:12:11 ID:TcYAt0rU0
 僕はヌワンギたちを追わなかった。
 とりあえず今はあゆちゃんや水瀬さん達を助けられた事で満足だ。
「ふぅ……どうにか一難去ったってところだろう」
 倉庫から出て変身を解き、あゆちゃんたちがいる居間に向かった。


「はい、お茶が入りました」
 簡単にだけど片付けられたリビングで、僕は少しだけ休憩する事にした。
 本当はまっすぐ南の町に向かいたかったんだけどさっきの戦闘で少し疲れてた、それ
に敵にあゆちゃんに詳しい話を聞きたかったからだ。
「イテテッ、な、名雪もう少し優しくしてくれ」
「うん、でもアゴが腫れちゃってるよ」
「マジかよ……」
 隣では祐一君は名雪さんに怪我の治療をしてもらっている、何か仲良さそうだな。
 とにかく僕は本題を切り出す。
「早速だけどあゆちゃん、あゆちゃんはどうして連中に狙われていたんだい?」
 アロウンさんは仲間は皆敵に捕らわれているって言ってた、あゆちゃんが敵に狙われ
る理由は無さそうだけど……
「えっとね、それは――


A 実は捕まえられそうだった適格者さんからコレを渡されたんだ」(アイテムを指定)
B 多分あのヌワンギさんの勘違いだと思うよ」
C 実は敵の組織に捕まって基地に連れて行かれそうになったのを逃げ出したんだ」
597名無しさんだよもん:2006/02/28(火) 19:16:10 ID:lMvJ13Um0
Aで腕輪
598名無しさんだよもん:2006/03/01(水) 13:49:48 ID:KKpxAuqi0
「多分こんなものを渡されちゃったから勘違いされたんだと思うよ」
 そういってあゆちゃんは懐からブレスレットを取り出した。
 って、これは僕が持ってるものと同じやつじゃないか。色は違うけど。
「これを誰から貰ったんだい?」
「うぐぅ…よく知らないよ…でもその人僕にこれを預かってくれって手渡してすぐに捕まっちゃったんだ。
 さっきの人たちに……」
 大体の話は読めてきた。つまりこのブレスレットの元の持ち主である僕の仲間は
 敵に捕まる直前に隠すためにあゆちゃんに預けたんだ。その人物が本物の適格者なのだろう。
 ヌワンギラス達はそれであゆちゃんを適格者と間違えて襲ったのか。なるほど。
「ねえ、あゆちゃん。その人はどんな感じの人だったのかな?」
「うぐぅ…それはね……」

A  祐一くんと同じぐらいの歳の男の子だよ
B  年上のお兄さんだよ
C  結構年のいったおじさんだよ
D  僕と同じぐらいの歳の女の子だよ
E  年上のお姉さんだよ
F  年下のちっちゃい娘だよ
G  秋子さんぐらいの歳の……ごめん、ここから先は察してよ……
599名無しさんだよもん:2006/03/01(水) 13:55:48 ID:l2seQAB20
G
600名無しさんだよもん:2006/03/01(水) 14:02:11 ID:23G6V4ax0
パンのおばちゃんかこのみママかあかりママか貧乳か
最後っぽい
601名無しさんだよもん:2006/03/01(水) 16:00:10 ID:yspTGsDt0
「秋子さんぐらいの歳の……ごめん、ここから先は察してよ……」
 あゆちゃんが意味ありげに目を伏せる。
 秋子さんぐらいの歳? 僕から見れば秋子さんは二十代で十分通る外見だけど、
 名雪ちゃんぐらいの歳の娘がいるんだからやっぱり……ええと、その先は言わないでおこう。
 こう見えても僕はフェミニストなんだ、女性に失礼な想像なんて出来ない。
「あのさ、年齢じゃなくて、どんな外見をしてるとかは?」
「ええとね……。
 目は二つあってね、鼻があって、その下が口……」
 ダメだコリャ。
 全然まったくこれっぽっちも参考にならない。
 とりあえず分かるのはその人の年齢だけって……どうしろっていうんだよ!
 あゆちゃんももっと別の角度から人を見てよ、例えば髪型とかそういう部分でさ!!
「ま、まあいいや。とにかく、あゆちゃんはこれからどうする気だい?」
「うぐぅ……。成り行きでこんなの渡されちゃったけど、はっきり言ってすっごく迷惑だよ。
 ボクのせいで祐一君たちが襲われちゃったなんて……」
 そりゃそうだ。普通の人ならそれが普通の反応さ。
 だけど、どうすればいいんだろうね。
 誤解を解くなんて無理があるし、かといってあゆちゃんは戦えない。
 でも敵さんたちがおかまいなしにあゆちゃんに襲い掛かってくるだろうことは容易に想像できる。
 ううん……ここは……

A あゆちゃんでも変身できないか試させる
B アロウンさんに相談にいく
C というか、この場に都合よくアロウンさんが登場してくれた
D とここで間髪いれずに第二の刺客が!(人物指定)
602名無しさんだよもん:2006/03/01(水) 16:03:45 ID:KKpxAuqi0
A
603名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 08:16:51 ID:mkj2gN2o0
「あゆちゃん、君でも変身できないかい?」
「えっ、ボクが?」
 僕はあゆちゃんにそう頼んでみた。
 もしかしたら、あゆちゃんに腕輪を渡した僕の仲間と言うのは、
 あゆちゃんに適格者としての素質があると見抜いて、あゆちゃんに自分の力も託したのかもしれない。
 戦隊モノのお約束として、メンバーの年齢は子供〜青年までという暗黙の了解がある。
 オッサンorオバサンは正義のヒーローになっちゃいけないのだ。
 出来てアロウンさんみたくヒーローの協力者ぐらいの役回りだ。
 というわけでその人はヒーローの座をあゆちゃんに明け渡す役だったってワケさ。
「そうだよ。きっとその僕の仲間は、あゆちゃんを信じてその腕輪を預けてくれたんだ。
 あゆちゃんの中に眠る力と、正義の血を見抜いてね!」
「そ、そう言われても……」
「さあ、やるんだあゆちゃん! あゆちゃんだって心の中では怒りに震えているはずだ!
 己が欲望の為に都市を蹂躙し、弱者を甚振り踏みにじる悪党どもに!!」
「うぐぅ……そりゃ、許せないとは思うよ。でも……」
「このバカ野郎っっ!!」
 僕はレッドらしく熱弁を振るい、あゆちゃんを一喝する。
 ここで拳で語った方がそれらしいけど、流石に女の子相手だからね。
「何を躊躇う必要がある!? あゆちゃんにはきっと正義の味方となれる素質がある!
 僕やあゆちゃんだけが奴らに正義の怒りをぶつけることが出来るんだ! 
 あゆちゃんには聞こえないのか!? 弱き者達の救いを求める声が!!」
「……わ、分かったよ。やってみるだけはやってみるね」
「さ、その腕輪を身につけるんだ! ちなみに掛け声はまだ作ってないから適当でいいよ」
「掛け声なんて言わないよっ!」
 あゆちゃんがちょっと怒りながら腕輪を身につける。すると……
604名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 08:17:23 ID:mkj2gN2o0
A あゆちゃんが変身した。色は……ブルーだ!
B 変身してグリーン。ある意味似合ってるかも……。
C 変身してピンク。やはり女の子だからねえ。
D 変身してイエロー。あまりそんなタイプには見えないけどねえ。
E 変身してブラック。いや、その色だけは有り得ないっしょ
F 何も起こらなかった。これは気まずい……
605名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 08:19:48 ID:tyuDD3DG0
F
606名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 08:34:58 ID:2au0pvUx0
 しーん…………
 何も起こらなかった。はいそうです。何も起こりませんでしたよ。
 お約束のような展開などそうそう都合よく現れるはずもなく
 ただ気まずい空気だけが場を支配してた。
「だっしゅ!」
「うぐぅっ!逃がさないよっ!」
 すかさず逃げ出そうとする僕だけどあっさり捕まる。
「これ返すよ。どうやらボクには必要のないもののようだし」
 そういってあゆちゃんは腕輪を投げ捨てる。ああ、まずかったな。
 さんざん煽って結果がこれじゃあね。怒ってるよなあ。やっぱり。
「ごめんね。えっと、それじゃこれをあゆちゃんに渡した人はどこへ連れて行かれたのかな」
 謝りつつ空気をかえるべく尋ねる。捕まった仲間達の救出。それは僕の当面の目的だ。
「うぐぅぅ。ボクに聞かれてもよく分かんないよ。あんな変な人たちと関わりあいたくないし」
 返って来るのはこれまた普通の反応。それもうんざりとした様子で。
 心なしか僕を見るあゆちゃんの目が冷たい。うう、やっぱりさっきのことが尾を引いてる。
 しかし、有益な情報もなく僕はこれからどうすればいいのだろう。そんな風に途方にくれていると。


A 「そういえば最近……」 傍観していた秋子さんが怪しい連中のたまり場を教えてくれた
B 「こんなところで何をしている?」 アロウンさん?いつのまに…(っていうか貴方の渡した転移装置のせいなんですけど…)
C 「話は聞かせてもらったぜ!ギワッハハハハハ!!」 仲間を引き連れヌワンギラスが来襲した
607名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 08:59:22 ID:SZ6+biUJO
A
608名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 09:44:57 ID:mkj2gN2o0
「そういえば、最近おかしな人たちがこの近くを屯していると聞きましたよ?」
「えっ?」
 それまで沈黙を保っていた秋子さんが、
 情報不足である僕に助け舟を出してくれた。
「人づてで聞いた話ですから信憑性には欠けますけれど、
 ここから少し南西に行った場所にあるものみの丘という場所で、
 先ほどの人たちのような方々がよく目撃されているそうです。そして、そこに誰かが閉じ込められている……とも」
 ビンゴだ。
 おそらく閉じ込められているのはまだ見ぬ僕の仲間。名前も知らないけれど。
 いくら秋子さんが若く見えるとはいえやはり主婦。そういう噂話には聡いと見える。
「どうもありがとうございます、参考になりました」
「いいえ、これぐらいのことを話しただけでお役に立てるのでしたら……」
 秋子さんにお礼を言ってから僕は考える。
 いわゆる最初のダンジョンってヤツだ。そこで捕らえられた仲間を救出しなくちゃいけない。
 だけど、忘れてはいないだろうか? 僕は今情報が圧倒的に不足している。
 戦っている敵の組織の全貌どころか、組織名すら知らない。ってかそれぐらい教えてよアロウンさん。
 アロウンさんとしてはおそらく南の集落でいろいろ知ってもらおうと思っていたんだろうけど、
 皆も知っての通りアロウンさんの転移装置がダメすぎで、僕はそこに到着すらしていない。
 RPGで言うなら長老の話とかを全部すっとばしてストーリーを進めているようなものだ。
 さ、どうする僕?
 このまま行くか、それとも一度南の集落に向かって情報を集めてからにするか……。

A 向かうしかない。一刻も早く仲間を助け出さないと!
B 何も知らずに敵地に突っ込むのは無謀すぎる。南の集落に行ってからだ
609名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 09:48:04 ID:fodAzKOzO
Bだな
610名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 10:12:35 ID:mkj2gN2o0
 さあ、ここで短絡的に考えたらどうなる?
 ものみの丘に向かおうとするだろう。敵さんの情報とか全然聞かずに。
 ちょっと待って! 僕の周りにそんな人はいません。
 何も知らずに敵地に向かうなんてお馬鹿さんのすることさ。
 とにかく、敵がどういった連中なのか。少なくともそれだけは知っておきたい。
「どうもありがとうございました。あなた達には迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ありません」
「いえいえ、悪いのはあなたではなく悪人さんなんですから」
 僕が頭を下げるも、秋子さんはまったく気にしてないそぶりを見せる。
 家の中とかしっちゃかめっちゃかになっているというのに、この度量。
 いくら僕じゃなく怪人のせいであっても、普通なら八つ当たりしてもおかしくないというに、人間が出来てるなあ。
「それじゃ、またねあゆちゃん。今度は怪人に襲われないよう気をつけるんだよ」
「どう気をつければいいの?」
 あゆちゃんのもっともと言えるツッコミは無視し、僕は背中をむけ手をシュタッと挙げる。
 ヒーローは去り際もカッコよくなくちゃダメだ。これでバックに夕日があればもっと完璧だったんだけど。

 水瀬家を出てから数時間後……僕はやっとのことで南の集落にたどり着いた。
 もちろん転移装置なんて使わず歩きで。もうあんなものは信用しない、絶対に信用しない。
 途中僕らの街によって様子を見ることも出来たけど、敢えてやめといた。
 アロウンさんならあの程度の戦闘員なんて一人で撃退出来てるだろう。
 ここでアロウンさんまで負けて敵に捕まっちゃったなんて聞いたら、僕はもうヒーローやめさせてもらうよ?
「さて……ここで詳しい情報を聞けるって言ってたけど」
 だけど、そう言えば僕は大切なことを思い出した。
 誰から情報が聞けるか、アロウンさんに教えてもらってないじゃないか!
 一体どうすればいいんだよ!? 行けば分かる的ことを言ってたけどさあ!!
 と僕が内心怒りを露にしているその時……

A 「そこのお前、勝負しろ!」と女の子にいきなりイチャモンつけられた
B 「佐藤雅史さんですね? お待ちしておりました」とメイドさんに出迎えられた
C 不審者と間違われ武装した人たちに囲まれた
D いきなり集落で爆発が起こった。新たな敵か!?
611名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 10:15:35 ID:2au0pvUx0
Bメイドさ〜ん!(雄二風に)
612名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 10:44:43 ID:mkj2gN2o0
「佐藤雅史さんですね? お待ちしておりました」
「あ、はい。そうですけど」
 そこに現れたのはメイドさん。凄く上品な印象を受ける。
 で、そのメイドさんが僕のことを待っていたっていうと……。
「まあ、やっぱり! アロウン様から全て聞いています。
 適格者となられている方なので丁重におもてなししろ……と」
「おもてなしするよ!」
 メイドさんと、一緒にひっついてた小さな女の子に手を引っ張られる。
 と、とにかくついていけばいいのかな?

 集落をちょっと進んだところで、メイドさん(リムリスさんというらしい)が振り向いた。
「ようこそ、アヴァロンへ!」
 そう言って、すっと視界を空けてくれる。
 その先にあったのは……
「うわ……」
 お城。しかもデカイ。
 もしかして、これが正義の秘密基地ってヤツ!?
 アロウンさんって、あんな悪人面しときながらお金持ちなんだ……。
「アヴァロン〜アヴァロン〜うるわしの〜」
 女の子(エルミンちゃんというらしい)が飛び跳ねて謎の賛歌を歌う。
 何処かで聞いたような歌だが、まあ気のせいだろうね。
 さて、ここにくれば詳しい情報を聞けると言ったけれど、まずはどうしようか。

A 敵について質問する
B 他の四人の仲間について質問する
C アロウンさんが何者であるか質問する
D エルミンちゃんに何度も話しかける
613名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 10:49:33 ID:tyuDD3DG0
C
614名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 11:22:36 ID:mkj2gN2o0
「あの、アロウンさんって何者なんですか?」
 僕は率直な疑問を投げかけた。
 まず聞きたいのはそこだ。確かにアロウンさんは僕を助けてくれたわけだけど、
 それでどうして戦隊ヒーローなんて組織してるのか分からない。
 まさかボランティアでこんなことやってるってわけでもないだろうしさ。
「あの……それは……」
「話せないの?」
 言い淀むリムリスさん。
 ますますアロウンさんが怪しい人に見えてくる。とその時……
「全部話してやりなさい。リムリス」
「お……オガム様!」
 唐突にじーさんが現れた。
 っていうか気配全然感じなかったんだけど。
「我々が一方的に巻き込んでおきながら、我々の素性を明らかにしないのはフェアではないでしょう」
「それはそうですが……でも、アロウン様が何と言うか……」
「心配には及びません。アロウン様もお許しを出しております」
「そうでしたか。それなら安心ですね」
 そのオガムと呼ばれたじーさんにそう言われて、ほっとした表情を見せるリムリスさん。
 このオガムさんって人は、秘密基地の構成員ってところかな? ちょっとだけ僕もワクワクしてきたぞ!
「では、お話いたしましょう。まず、アロウン様は……いえ、私たちもなのですが、人間ではないのです」
「えっ?」
 リムリスさんの口から唐突に出たのはそんな言葉。
 あまりにも予想外の事態に僕は返答に困る。
615名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 11:23:07 ID:mkj2gN2o0
「私達は妖精族、オガム様は竜族という人間さんとは別の生き物なのです。
 もう時代も変わり、その数は殆ど減らしてしまっているのですが……」
 僕はまじまじとリムリスさんとオガムさんを見つめた。
 どこをどうみても普通の人間に見える。
 とてもじゃないが信じがたい……と言いたいところが、
 変身能力とかを授けてくれる辺りアロウンさんたちが普通じゃないのは分かっていたし、何となくそれで納得できる。
「そして、アロウン様は私達などとても及びの付かないような高位な存在……」
「……精霊です」
「精霊って……昔話に出てくるような?」
「然り。今の人間達には神話や民話などである程度は伝わっているかと思います。
 アロウン様は元々は世界を創造した白の精霊の一員なのです。今ではご覧の通り体を漆黒に染め上げていますが」
 精霊……ねえ。
 とてもそうには見えないんだけど。結構人間臭いところあったし。

A で、何でアロウンさんは正義の味方なんてやってるの?
B それで、アロウンさんは誰と戦っているというの?
C 僕のほかの仲間は一体どんな人たちが揃ってるの?
D リムリスさんの年齢っていくつぐらいなの?
616名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 11:24:26 ID:SZ6+biUJO
Dだなここは
617名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 11:40:09 ID:mkj2gN2o0
「リムリスさんの年齢っていくつぐらいなの?」
「え、えぇっ?」
 いきなりの不躾な質問に、リムリスさんが仰天する。
 いやね、こういう素直なメイドさんって、嗜虐心にそそられるじゃん?
「オガム様、どうしましょうっ!?」
「やれやれ、困りましたな。
 アロウン様から雅史様の質問には全て包み隠さず答えるようにと仰せつかっております故、
 雅史様の質問には全て誠意を以って答えねばなりますまい。無論、一線を越えぬ範囲での話ですが」
 オガムさん的に女性の年齢を聞くのはNGじゃないのか。
 リムリスさんは困ったような表情で、辺りをキョロキョロ見回す。
 誰も居ないことを確認してから、僕の耳にそっと口を近づけた。
「あの……ゴニョゴニョ」
「えっ!?」
「そ、そんなに驚かないで下さい。妖精族は人間さんよりずっと長生きなんです……」
 冗談で聞いたつもりが、とんでもない答えを聞いてしまった。
 予想していた年齢とほんの少し違う。……桁が。
「雅史様、ちなみに私の年齢は……」
「いや、もういいです」
 オガムさんの言葉をさらりと受け流す。
 普通に若く見えるリムリスさんでさえあの年齢なんだから、
 オガムさんなんてもう2つぐらい桁が違うんだろうね、きっと。
 なるほど、これがリーフの新手のソフ倫対策か。
 見た目幼女の21歳魔法使いといい、よくもまあそんなトンでもないことを考え付くわけだ。
 さて、今度は真面目な質問をしよう。
 何を聞こうか……

A で、何でアロウンさんは正義の味方なんてやってるの?
B それで、アロウンさんは誰と戦っているというの?
C 僕のほかの仲間は一体どんな人たちが揃ってるの?
D ものみの丘にいる敵の集団について詳しく教えて!
618名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 11:49:16 ID:rfC1RrIM0
B
619名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 12:49:03 ID:mkj2gN2o0
「それで、アロウンさんは誰と戦ってるというの?」
 聞きたいのはそこだ。誰と戦ってるか分からないなんてあまりにも無茶すぎる。
 少なくともこれだけは絶対に聞いておかないと。
「白の精霊たちです」
「精霊?」
 オガムさんがそう言うが、そこに僕はひっかかった。
 精霊って言うと……アロウンさんのことなんじゃ……
「どうしてアロウンさんが、精霊なんかと戦ってるのさ。
 アロウンさんは精霊さんの仲間なんじゃないの?」
「そ、それは……」
「そこから先は俺が説明しよう」
「わっ!!」
 ニュッと現れたのはアロウンさん。
 というかどいつもこいつも唐突に現れるのが好きだな、もう!
「アロウンさん、無事だったんだ」
「まあな。あれぐらい片付けられないで魔王がやってられるか」
 口では偉そうに言ってるけど、ところどころ負傷しているのは見なかったことにしてあげよう。
「それで、雅史。お前の疑問はもっともだな。確かに俺は12精霊の一人だった……」
「『だった』ってことは……」
「ああ。今はあんな胸糞悪い連中とは完全に袂を別った。
 俺は奴らを完全に討ち滅ぼすために、お前みたいな適格者を集めて戦い続けている」
「どうして戦ってるんですか? 精霊と言うのは、世界の造物主なんじゃ……」
「お前、奴らの目的を知ってるのか?」
 僕のその言葉に、アロウンさんは逆に問い返してきた。
 一瞬質問を質問で返すなとも思ったが、それはまあ置いておいて、
 んなこと聞かれても僕に分かるわけもない。
620名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 12:50:06 ID:mkj2gN2o0
「あいつらはな、楽園を造りたいんだとよ。劣った生き物のいない、完全な世界とやらを」
「……それがどうしてアロウンさんの戦う理由になるんですか?」
「考えてみろ。完全というのはな、それ以外を認めないということだ。
 生物は千差万別、優劣が付いて当たり前だ。劣の側に回ったものにも生きる権利はある。
 奴らは完全な生き物を作る、ただそれだけの理由で竜も、巨人も、妖精も滅ぼしたんだ!
 そう、奴らの目的はこの地上から人間を完全に排除することなんだ!!」
「なっ……!」
 アロウンさんの口から出たのはあまりにも惨い言葉。
 オガムさんもリムリスさんもエルミンちゃんも目を伏せている。
 それが、その言葉に嘘偽りがないことを示していた。
「出来損ないの何が悪い? 弱いことの何がいけない? 完全な世界など反吐が出る!」
「そうか……だからアロウンさんは」
「ああ。奴らと正面切って戦うことにした。
 脳改造……いやいや、刷り込みが完全に終わる前に堕天してな」
 アロウンさんがふっと笑った。
 やはり、この人には正義の血が流れている。魔王だなんてとんでもない!
 つまりはアロウンさんは僕らにとっての救世主、解放者ってことじゃないか!!
「やる! 僕も一緒に戦いますよ、アロウンさん!!」
「そうだ、そうこなくちゃな! 流石俺がレッドに見込んだだけあって中々の熱血ぶりだ!
 安心しろ、俺は来るもの拒まず去るものは地獄の底まで追いかける。例え力なくとも大歓迎だ!」
「あなたには仲間を救出し、12精霊達と戦ってもらいます。
 アロウン様が去り、我々だけで純白のレクトールは滅ぼしたため、もはや10精霊ですが」
 僕の血が熱く燃えてくる。
 人類滅亡を目論む悪の精霊たち、地上に生きる全ての生き物のために奴らを裏切ったアロウンさん、
 奴らの罠にかかり捕まった仲間たち、そして……人類の為に戦う僕!
 これこそ王道! これこそ戦隊モノの極致!!
 人類の平和は……この僕の肩にかかっているんだ!

A 捕まった仲間について詳しく聞く
B ものみの丘について聞いてみる
C この熱が冷めないうちに早速殴りこもう! いざものみの丘へ!!
621名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 12:51:39 ID:VD9Up1vZ0
A
622名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 13:20:16 ID:mkj2gN2o0
「アロウンさん、他の仲間についてもっと詳しく教えてください!」
 人類の平和の為に、僕は慎重に行動に出ることにした。
 何せヘタな行動をうって僕が捕まるわけには行かない。
 他の仲間が捕まっている以上、僕が最後の希望なんだ。
 ……いや、僕が必要ないってぐらいアロウンさんが強いのなら話が変わってくるんだけど。
「分かった。今ものみの丘に仲間……ブルーが捕まっている!
 雅史、お前はブルーを助け出すんだ!」
「ブルー……」
 いよいよもって王道に入った!
 ブルーといえば主人公レッドの親友やライバルっていったポジションじゃないか!
 最初に助け出すのがブルーなんて、もはやお約束だ!!
「分かりました! それで、ブルーはどんな人なんですか」
「…………」
 ……って、そこで黙らないでよアロウンさん!
「見れば分かる。そうとしか言いようがない」
「真実は自分の目で確かめるものですぞ、雅史様」
「え、ちょ、ちょっと……そんなのって」
 僕がそう抗議の声を上げようとしたところ、
「さあ行け雅史! 世界を救うんだ!!」
「雅史様、アップルパイを作ってお待ちしておりますね」
「骨は拾ってあげるよ」
 皆で理不尽に締める。あ、あんまりだっっ!!
 それはいいとしても、どうして僕一人で救出に向かう空気が出来てるのさ!?
 明らかに戦闘向きじゃないリムリスさんやエルミンちゃんはともかく、オガムさんやアロウンさんは!?

A お二人のどっちか付いてきて下さいよ!(オガム・アロウンどちらか指定)
B せめて強力アイテムか何か持たせてください!
C ……ヒーローとは孤独なものさ。単身で敵地に乗り込むぞ!!
623名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 13:24:58 ID:fodAzKOzO
C
624名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 13:34:22 ID:mkj2gN2o0
「分かりました、行きますよ!」
「頼むぞ。俺も行ってやりたいが、流石にこいつら残してアヴァロンから離れるわけにはいかんからな」
「私は奴らの動向を探るべく偵察に向かいますが故……」
 そりゃ、二人の発言はもっともさ、もっともだけどさ……少しぐらい手伝おうって気になってよ!
 ああもう、絶対なんとかしてやるからね!!

 というわけで、勇んでものみの丘に着てみたものの……そこで僕の足は止まった。
 確かに秋子さんの言うとおり、中腹辺りにいかにも悪の基地っぽい施設がある。
 あるんだけど……見張りも多い。
 さ〜て、どうやってあの中に入り込み、捕まったブルーを助け出そうか。
 幾ら僕が変身ヒーローになれるといっても、まだ一人。
 こういう戦隊モノでは五人揃わないと真の力を発揮できないという掟もある。
 こういう時には……

A 強行突破だ! どうせ敵は雑兵ばかり、何とかなるだろ!!
B 戦闘員に変装して潜入だ!
C いっそ捕まったフリして入り込んでやる!
625名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 13:47:05 ID:vJxv53yO0
B
626名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 14:13:57 ID:4q7Ac7NE0
 すでにブルーが捕まってる、相手の強さは侮れないだろう。
 強行突破したら返り討ちに遭うかもしれないし、わざと捕まろうとして
 本当にとどめを刺されてしまう事だってあるかもしれない。
 ……戦闘員達はみんな覆面を被っていて、「E!」としか言わないみたいだから
 なりすましてもわりと簡単に誤魔化すことが出来そうだ。
 よし、ここは戦闘員に変装して潜入だ!

 物陰からしばらく様子を見ていると、何人かの戦闘員が施設を離れ始めた。
 どうやら辺りを巡回に出るみたいだ……これはチャンスだね。
 僕はそのうちのひとりに狙いを定めて、見つからないように注意しつつ
 他の戦闘員が周囲にいなくなるのを待ちながら後を追いかける。
 ………………よし、いまだ!

「ハッ!」
「e!?」

 背後から一撃を加えると、小さく叫び声をあげて戦闘員が倒れた。
 僕は手早くマスクとタイツを剥ぐと、それを着こんで……
 うわっ、つい今まで歩き回っていた人の着ていたタイツだから生暖かいぞ。
 若干凹みながらも手早くタイツを身に着けて、マスクを被る。
 ブレスレットは忘れないように懐に隠して……よし、準備完了だ。
 僕は戦闘員になりすまして、いかにも見回って来ましたって顔をしながら
 悪の基地っぽい施設の出入り口へと向かった。
 入り口に近づいていくと、そこで……

A 「Eーッ!」「Eーッ!」門番と挨拶(?)を交わしながら無事中に潜入した
B 「あれ、お前帰ってくるの早くない?」うわ、戦闘員達って裏では普通に話してるのか……
C 「おう、そこのお前、ちょっと俺様に付き合え」ヌワンギラスに呼び止められた!
D 「……」「……」無言で戦闘員たちが敵幹部らしい人の前に並んでいた(人物指定)
627名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 14:14:53 ID:x7/SkENY0
A
628名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 14:59:56 ID:djZ46Il10
 大丈夫、大丈夫のはずだよ。
 物陰からコッソリ覗いて他の戦闘員の挨拶を観察していたんだから。
 連中の挨拶はいたって単純、僕にも十分真似できるはず。
「Eーッ!」
 短く一声、門番は……
「Eーッ!」
 ……僕と同じ挨拶を交わす。
 あー、もう緊張するよ。
 もしも
『E−ッ!』のアクセントが違う! 貴様スパイだな!』
 なんて事になったらいきなり潜入失敗だからね。
 どうやら見よう見まねの挨拶も門番の戦闘員をごまかすには十分のようだ。
 僕は変装に気付かれる事なく敵の秘密基地に潜入した。


「暗いな……光熱費ケチってるのかな?」
 薄暗い廊下を一人呟きながら歩き回る僕。
 無機質で飾り気のない壁と廊下、窓は全然無い。
 いかにも『悪い事を考えてる組織の建物です』って構造だ。
 時折すれ違う戦闘員も「E−ッ!」と叫んで敬礼すると同じ挨拶を返す。
 ……もしかして、セキュリティ甘くない?
 そのおかげで簡単に潜入できてるんだけどね。
「それにしても、ブルーは何処にいるんだろう?」
 入り口に案内板ぐらい用意してくれればいいのに、気が利かないよね。

 一応戦闘員に不審に思われないように気をつけながら探索を続ける。
 そしてドア越しにある一つの部屋で僕は見たんだ――


A ヌワンギラスが酒を飲みながらグチっているのを
B ブルーらしき人がヌワンギラスに尋問されているのを
C むしろブルーらしき人が戦闘員達にあんなことやこんなことも!
629名無しさんだよもん:2006/03/02(木) 15:03:03 ID:SZ6+biUJO
どんなことかC
630名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 03:43:11 ID:1C7sHcG+0
「んあははははっ、見ろ先の部分が入ったぞお」
「ぐぅ!!!」

 なんと言うか、その……中では真っ最中だった。組み伏されているのは戦闘員、そして組み伏してるのは中年の男。
 体つきを見るに、戦闘員は女の人みたいだけど。よかった……
 よく部屋の中を見れば、すでに十数人頂かれちゃってるようだ。何者か知らないけどなかなか絶倫っぽいね。

「だが、まだまだだあ、ほら、入ってゆくだろお、見えるだろお、ズブズブと入ってゆくぞお。見ろ、お前のあそこに入ってゆくぞ。
 信じられるか、俺のような今、初めて会ったばかりの男のものだぞ。
 いいのかあ、お前は、そんなどこのやからともわからない男に入れられてるんだぞお。とても大事なところに、入れられようとしてるんだぞお。
 んおおー、ほらあ、入った。根元まで入ったあ」

 しかし、どんなデンパさんだろうかこの人は。僕だったらこの台詞を叫びながらことに及べる自信はない。吹き出すか、もしくは萎えるかどっちかだと思う。
 いや、まだ童貞だけどね。

「んおお、すごい、ほらぁ、お前の尻と俺の骨盤が密着している。俺のものはどこにいった?
 そおうかぁ、お前の膣の中かぁ。見えないと思ったらそんなところに隠れていたのかぁ。
 あんなデカイものがお前のソコに入っているのかぁ。見ろお、隙間もない、ぶっすりと刺さっているぞ。
 くるしげに開いたお前のアソコに刺さっている、んはああ、すごい事実だあ。いいのか、お前は、今初めて会ったような男とセックスしてるんだぞお。
 いいのか、とても大切な部分じゃないのかあ、そこはあ。そんな部分に簡単に入れられてしまっていいのかあ。それとも、俺のことが好きなのか?
 チ・ガ・ウだろ!。殴られたりしてキ・ラ・イだろお! そんな男に入れられてるんだぞぉ。そんな男に快楽を与えてしまってるんだぞお。
 これイジョウないカ・イ・ラ・クだあああーーー!!! お前のかわいい顔もそれを助長している。
 お前のような女とセックスしている事実が、俺を興奮させている。いいのかぁ、それでいいのかあ。
 なにがかなしくてお前は俺のようなゲスとセックスしている!!! くやしくないのかぁ、みじめじゃないのかあ、あはあぁ」
「ああっ、やめてえ!!!」
631名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 03:43:45 ID:1C7sHcG+0
 正義の味方としては、やはりここで止めるべきなんだろうか。いかに相手が悪の戦闘員とは言えこんなデンパさんに犯されてる状況を見過ごすわけには行かないだろう。
 肝心のブルーの捜索は後回しだけど、今は僕の中の正義のままに!

「ああっはっはぁ!! 俺がなんのためにわざとつかまったと思っているう!!
 貴様らのような悪党に正義のおしおきをするためだあああっ!!」

 ……え゛。台詞の内容から考えて、まさかこいつが”ブルー”?!
 その瞬間、僕の頭の中で色々な物が音を立てて崩れ去った。
 方針の違いから対立して、それでも互いを信頼して最後は以前よりも強い絆で結ばれたり、先走ってピンチになった主人公を「しかたねーな」とか言いながら助けに来たり、
レッドとブルーの関係ってそういうものじゃなかったのか。それを、こんなのとやらなきゃならないのか僕は?!?!

 い、いや待て落ち着け僕。こいつがブルーのはずはない。て言うかあってはいけない。
 それにあゆちゃんはブルーは秋子さんみたいな、と言っていたよね。えーとたしか正確には……
『秋子さんぐらいの歳の……ごめん、ここから先は察してよ……』察してよ……してよ……てよ……(エコー)

 と、歳のことしか言ってない!! 察しててのは、つまりこーゆーことなのか!!
 まいったぁ。僕はまいったあああーーー!!! どうぉ、すりゃいいんだぁ、僕はぁ。

A こうやって、猿のように見物を続けるしかないだろぉ!!!
B あんなのでも仲間だ。とりあえず手助けにいこう
C 見なかったことにして基地を後にする。ブルーは既に死んでいたんだっ!!
632名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 03:51:31 ID:nviz9sx60
あゆの選択肢>>598−599で
結構年上のオジサンの選択肢が選ばれず
秋子さんぐらいの年の女性が選ばれたのに
それは大胆すぎる解釈だと思いつつ
恐らく仲間なんだろうしB
633名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 06:51:13 ID:5ixuQc0nO
いや、実際Gに女性とは書いていないしアリじゃね?
数的にも男3:女3:その他1 だし
634598:2006/03/03(金) 07:19:29 ID:7bvQ/bI/0
これはこれで面白いのでアリ
635名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 09:02:54 ID:vc/puGm60
いやっほーぅ! 高槻最低ーーーっ!!
636名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 09:21:46 ID:2f4RsPX10
やっぱり高槻は最高のキャラだな
637名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 14:57:03 ID:3jj4e25U0
『見れば分かる。そうとしか言いようがない』
『真実は自分の目で確かめるものですぞ、雅史様』
 アヴァロンでのアロウンさんとオガムさんの言葉を思い出す。
 ああ、確かに真実は自分の目で見るものみたいだ。
 ……時に無慈悲で残酷で目を背けたくなるけど。
 僕としては見てみぬフリをしたいところ、
 でも多分適格者なんだろうし助けない訳にはいかないよね。


「しまったぁ! 見つかってしまったかぁ!!!」
「ああっ、助けてぇ!」
 戦闘員のタイツまま突入した僕におしおきをされている女性戦闘員が助けを求めてきた。
 ……何だか立場が激しく逆転している、いや、気にしちゃ負けだ。
「ていっ!」 
 素早く行為中の二人に詰め寄り、身動きの取れない女性戦闘員の首筋に手刀を一発入れて気絶させる。
 個人的には良心が痛むけど、ヒーローとしては仕方ないよ。
「なんだぁ貴様は? 悪の組織の戦闘員じゃないのか?」
「……僕はアロウンさんに選ばれた適格者です、あなたが……その……“ブルー”ですか?」


A 「その通りだぁ! 俺様こそ『ブルータカツキ』だぁ!!!」
B 僕の質問に答えようとした瞬間、頂かれちゃってた女性戦闘員達が男の人を袋叩きに!
C 「何だテメェら! 一体ここで何しやがってた!」マズイ! ヌワンギラスに見付かった!
638名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 15:07:13 ID:NBHQsg280
639名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 23:43:50 ID:3jj4e25U0
 ゴスッ!
「ぐあっ!」
「よくもやってくれたわね! コイツ!」
 僕の質問に答えようとした瞬間、さっきまで男の人に頂かれちゃってた女の人が背後
から忍び寄り、いい感じの一撃を男の人の後頭部にお見舞いした。
 他にも何人かが意識を取り戻し、その場に崩れ落ちる男の人に詰め寄る。
「がっ……しまったぁ……」
 起き上がろうとする男の人に、女性戦闘員達の怒りのリンチが始まってしまった。
「このヘンタイ!」
「死刑よ! 死刑!」
「アンタのモノなんて二度と使い物にならなくしてやる!」
 倒れた男の人に容赦のないケリやストンピングが炸裂、しかもその狙いは――

 ゴキーン!

「ぐわああぁぁぁぁぁ!!! 参ったぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 男の人の絶叫が部屋にこだまする。
 一人の女性戦闘員が思いっきり男の人のゴウルデンボウルを踏みつけたのだ!
 さっきまでコトに及んでいたせいで露出した男性の大切なモノに攻撃が集中している。
 男性なら絶対にされたくない攻撃だよ、思わず自分の股間を押さえてしまった。
 …………この男の人の場合は自業自得だけどね。


A とりあえず別の部屋で監禁する必要があるとか何とか行って男の人を連れ出す
B ……きっとこの人は適格者とは別の正義のヒーローなんだろう、この場を去って本物のブルーを探す
C 「お、おいっ、助けてくれっ、お前適格者なんだろ!」うわっ、余計な事言わないでくれっ
640名無しさんだよもん:2006/03/03(金) 23:49:25 ID:izk2jm6M0
B
641名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 00:08:12 ID:UZAXZU/f0
 ガス!ゴス!ガス!ドカ!ボコ!バキ
「死ね!屑!ゴミがっ!」
「あんな粗チンじゃイけないのよ!この短小!」
「テクなし!早漏!」
「参ったぁぁぁぁっ!!なんという見てくださいこの一方的な攻撃ぃぃぃ!!俺に抗う術はなぁぁぁぃぃいいい!!」
 どっかの国会議員のごとく自業自得で袋叩きにされている中年が一人。
 ……………さて、行こうか。早く仲間を助け出さないと
 そうだね。なにも正義の味方は僕たちだけとは限った話じゃないものね。
 ……きっとこの人は適格者とは別の正義のヒーローなんだろう。
 いやそうだ。断じてそうに違いない。そうに決まってる。
 さて、そういうことで先を急ごう。

 ふぅ……でもよかったのかな。一応自称正義の(というより性戯の)味方を見殺しにして。
 まあ大丈夫だろう。多分あの人なら異次元空間や冥界のコキュートスに落とされても自力で生還するだろう。
 なんとなくそんな気がする。

 さて、適当に進んでいたらある部屋にいきついた。 そこは

 A 改造人間の生産プラント
 B 幹部達の作戦会議室
 C 捕虜を監禁する独房
 D 戦闘員達が集う食堂
642名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 00:11:37 ID:ejAhcurZO
Aと迷ったがC
643名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 20:01:47 ID:r/CZkEWV0
 ギィ――
 扉を開くと椅子と机、そして幾つかの機材が置かれた小部屋があった。
 さらに正面には鉄枠のはまった小窓がついた扉が据えられている。
「ここは……独房かな?」
 どうやら奥の部屋は独房、手前の部屋は捕らえた捕虜を監視するための部屋みたいだ。
 映画だとこの手前の部屋で監視役の兵士がタバコを吸ってたりするんだけど、
 今は中座しているのか、それとも独房の中で捕虜の世話をしているのか
 手前の部屋には誰もいない……本当にセキュリティがなってないなぁ。
 ともかく、ブルーが捕らえられているかもしれないからチェックしておく必要がある。
 僕は慎重に部屋の中へと足を踏み入れた。

A 聞き耳を立てると、独房の中から話し声が聞こえてきた
B 突然扉をやぶって、僕の変身後と良く似た青いバトルスーツ姿の人が出てきた
C 一歩足を踏み入れたところで背後に人の気配が……さすがに怪しまれたか!?
644名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 20:04:37 ID:6ndjDDaz0
A
645名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 20:41:24 ID:r/CZkEWV0
 息を殺して、足音を立てないようにゆっくりと部屋の中に入る。
 後ろ手に入ってきた扉を閉めると、非常灯の淡い赤だけが
 ぼんやりと室内を照らしていてかなり見通しが悪い。
「…………」
 暗闇に目が慣れるまでじっと立ち止まっていると
 だんだんと中の様子が見えるようになってきた。
 ……やっぱり誰もいない。
 机の上は灰皿だけ、壁際には捕虜を取り押さえるためのものらしい
 棒やロープがかかっているだけで、手前の部屋にはめぼしいものはないようだ。
 奥の部屋は……ここからじゃ暗い部屋に鉄格子が邪魔で奥が見通せないや。
「…………んっ?」
 用心に用心を重ねて、立ち止まったままで聞き耳を立てると、
 独房の中からは何か話し声が聞こえてきた。

A 厳しく尋問しているような声がする。ブルーから情報を引き出そうとしているみたいだ
B 何かを頼み込むような声だ。どうやら足を洗いたい戦闘員がブルーを逃がそうとしてるらしい
C 女性の艶めかしい声……って、この秘密基地はこんなのばかりか!?
646名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 20:44:46 ID:7wC4knQ+0
C
647名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 21:14:24 ID:e4bl77uM0
「あっ……ああんっ……」
 そっと聞き耳を立てる、すると……なにやら女性の艶めかしい声が聞こえてきた。
 一体ここの秘密基地は何なんだ?! さっきからこんなイベントばっかりだよ。
「嫌あっ……や、やめなさいっ!」
「止めて欲しかったら洗いざらい喋ってもらうぜ、お前達の情報をな」
「それは……言えません……」
「ふんっ! いつまでそんな強情が張れるのも今のうちだぜ!」
「ひあっ……あっあっ……ダメェ、そんなところ……弄らないで……」
 とってもえっちな喘ぎ声だ、うわっ、タイツの下半身が膨らんでしまう。
「へへへっ、組織特製の薬は良く効くだろ。こちとらブレスレットの強奪にも失敗して
 後がねぇんだ。お前には知っている事を洗いざらい話してもらうぜ、ブルーとやら」
 っ! やっぱりここにブルーが囚われているんだ!
「……例えどんな目に合わされても、私はあなた達に屈したりはしません!」
「ケッ! 生意気を言いやがって、既にお前達の仲間は四人俺たちに捕まっている
 のに何でそんな口がきけるのか理解できないぜ」
「きっと……きっと最後の仲間が助けに来てくれます! 信じています!」


A よし! 今すぐ変身してブルーを救出だ!
B いやいや、もう少しだけ中の様子を窺ってみよう
C 「誰だっ!」しまった、中にいる敵に気付かれたっ!
648名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 21:20:24 ID:RitpnGlV0
Bを選びたいのをぐっと堪えてここはA
649名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 21:54:31 ID:MBge/Q940
ちょっと待て
ブルーって631で高槻で確定だよな?
650名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 22:02:52 ID:d8xXkhoP0
高槻がブルーとは本文中ではどこでも確定していない
それに639で
B ……きっとこの人は適格者とは別の正義のヒーローなんだろう、この場を去って本物のブルーを探す
が選択されたからな。
651名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 22:05:15 ID:xpvQ5lRu0
それは雅史が勝手にそうだったらいいなと判断しただけだろう
652名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 22:09:53 ID:t4QADXfy0
それを言うなら高槻=ブルー?
も所詮雅史の脳内でしかない
653名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 22:12:15 ID:ZUcV7UDv0
わかった、きっと高槻ブルーは変身すると付属のボイスチェンジャー機能によって声が女性の艶めかしい声に変わってしまうのだ
間違いない
654名無しさんだよもん:2006/03/04(土) 22:14:31 ID:jJZgd9bK0
まあ次の書き手の判断次第ということで
655名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 01:20:57 ID:tsDMu20V0
 仲間のピンチ!
 ここで黙って見ているなんて男じゃない。特にブルーが女の人だというなら尚更だ。
 僕はてっきり親友ポジションの二枚キャラがブルーに来るかと思っていたが、
 ブルーが女の人ってのもそれはそれでアリだと思うさ!
「待ていっ!!」
 僕はもったいつけてずずいと前に出る。
 相手は戦闘員一人、何の問題もないはずさ!
「何だ貴様は!?」
「外道に名乗る名前なんかないっ!!」
 僕は一瞬で相手との距離を詰め、鳩尾に一発拳を入れる。
 それだけで戦闘員の体はどさりと崩れ落ちた。この間実に三秒。
 うん、僕はやっぱり変身ヒーローだ。変身後の戦闘力なら、ザコなど一撃だ。
 ヘタをすると変身前の状態でも戦闘員と戦えてたりする戦隊番組もあるしねえ。
「大丈夫だったかい?」
「あ、あなたのその姿は……まさか……」
「君の仲間だよ。遅れて悪かったね」
 僕はブレスレットを見せ、ブルーに付けられている手錠と鎖を外しながら笑いかけた。
 ブルーの半裸姿が少し扇情的な気がしないでもないが、とにかく今はそんなこと言ってる場合じゃない。
「信じてました。レッド、あなたがきっと助けに来てくれると……」
「仲間だからね。……あ、そうだ、僕は佐藤雅史。君は?」
「私の名前は……」

A 柏木千鶴です
B 天野美汐です
C 松原葵です
D スィールです
E リアンです
656名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 01:21:48 ID:EQ6AlTzh0
E
657名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 02:50:32 ID:fUSjQ2870
「私の名前はリアンです」
そう名乗った子は、予想よりずっと小さかった。こんな体で戦えるのか不安になるくらいに。
そうやって見つめているとリアンは自分の体を隠すように縮こまって言った。
「あ…あまり見ないで下さい」
「ご、ごめん!」
確かに、半裸の女の子をじろじろ見るなんてヒーローにあるまじきことだ。僕はあわててリアンに背を向けた。

「あ、そうだ。これを」
ふと思い出して、ぼくはあゆちゃんから預かってきたブレスレットを背中越しに渡した。
「これは、私の……。どうしてあなたが?」
「君がそれを預けた子から、僕が預かったんだ」
「そうですか、ありがとうございます」
「いや、それよりもこうなった以上長居は無用だ、早く逃げよう」


「ギワッハハハ、そうはいかんぞ佐藤雅史! 今度こそてめぇを地獄に送ってやらぁ!」
だがそこに、例のバカみたいな笑い声を上げてヌワンギラスが現れた。その後ろには戦闘員、ざっと30人。
出口はヌワンギラスたちの後ろだけ、他に窓もない部屋だ。まさに絶体絶命。だが、僕はもう一人じゃない。
「それはこっちのセリフだ、それに今の僕には心強い味方がいるんだ!」
「あ〜ン、味方だぁ? どこにいるんだそんなのがよお」
ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべるヌワンギラスに違和感を感じた瞬間、僕は羽交い絞めにされていた。
658名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 02:51:54 ID:fUSjQ2870
「り、リアン?!」
首だけで後ろを振り向いた僕を羽交い絞めにしていたのは、なんとリアンだった。何故かネコミミまで生えている。
「気安く呼ばないで下さい、あなたごときが」
「とまあ、そーゆーわけだよ、マヌケヒーローさんよぉ!」
ヌワンギラスが勝ち誇った顔のまま言う。
「そいつは、俺様と同じく我らが組織の幹部」
「戦場の華麗な毒薔薇、リアンです。以後お見知りおきを」
「つっても、これでお別れだけどな、ギワッハッハッハ!」
罠だったのか、と悔やんでももう遅かった。
あゆちゃんの言っていたブルーの条件からかけ離れていた時点でおかしいと気づくべきだったが後の祭りだ。
……いや、そうなると多分ブルーだと思われるアレはもっとヒーローっぽくないんだけど。

振りほどこうにも、リアンの力は予想以上に強く、力では簡単に振りほどけそうにない。
こうなったら心理作戦で行くしかないだろう。
「む…胸があたってるんですけど…」
これで恥じらって力が緩んだところで一気に抜け出せば!
「あててんのよ。なに意識してんのよ、このスケベが」
まったく動じなかった。心理作戦失敗。万策尽きたか……
「ギワッハッハッハ、とうとう諦めたようだな。では死ね」
抜刀したヌワンギラスが一歩一歩近づいてくる。ああ、ここで終わりか……

「Eっ!」
「E−っっ?!」
「何事だてめぇら」
突然戦闘員が騒ぎ出したかと思うと、それらは全て吹き飛ばされた。そしてそこに立っていたのは……

「やれやれぇぇぇえ! しかたねーなあああああっ!!」
……アレだった。
あまりの展開にヌワンギラスの視線もそっちに向いているし、リアンの力もやや緩んだ。
659名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 02:52:31 ID:fUSjQ2870
A とりあえずチャンスだ、なんとか脱出を試みる
B いや、むしろ反撃に転ずる!
C そんなことより、アレを蹴り飛ばしてくる
660名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 02:53:03 ID:9ysluR+f0
661名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 03:29:45 ID:lrxgjOC+0
 そこにはアレが立っていた。さっき女性戦闘員に袋叩きにされていたアレが。
 ……何だか股間が腫れて肥大化してるけど触れないであげよう。
「き、貴様は……」
 ヌワンギラスも驚きを隠せないでいるようだ。
 とりあえずチャンス! リアンの力も緩んでるし何とかして脱出を試みよう。
「ええいっ! 離れてくれっ!」
 サッカー一筋の僕は格闘技なんて素人もいいところだ。
 せいぜい高校の授業でちょっとだけ習った柔道ぐらい。
 仕方ないので戦隊ヒーローとしてのパワー全開で強引に羽交い絞めを振りほどく!
 ズシャァッッッ!
「ちいっ! しまった!」
 リアンの戒めから床に転げまわって脱出する。
 そしてその勢いに乗じて助けに来てくれたアレに駆け寄った。
「やっぱり……あなたがブルーだったんですね?」
「その通りだぁぁぁ!!!」
 ちょっとショックだけどやっぱりこの人がブルーなんだ。
「そうだブルーのブレスレットを……ってアレ?」
「探し物はコレかしら?」
 後ろを振り向くとリアンがさっき僕が渡したブレスレットを玩んでいる。
 し、しまった! さっき間違えて渡しちゃったんだ!
「アホか貴様ぁ! それでも戦隊モノのリーダーかぁ!」
 アンタにだけは言われたくないよ、そんな事!


A 実質二対一だけど仕方ない、二人を倒してブレスレットを取り返さなきゃ
B 「コレが手に入った以上あなた達に用はありません」なんとリアン達が隠し通路から脱出してしまった
C 「ふっふっふ、コイツと最初に会ったときにコッソリ交換してたのだぁ!」なんとブルーが本物のブレスレットを取り出した
662名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 03:43:40 ID:d7H2bIet0
C
663名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 11:06:49 ID:+HAfuHG80
高槻キテルーー
664名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 11:53:06 ID:QpNlFgna0
「ふっふっふ、コイツと最初に会ったときにコッソリ交換してたのだぁ!」
 なんとブルーが本物のブレスレットを取り出した。いつの間に?
「ちょっと、ヌワンギラス、ちゃんと身体検査したんでしょう?」
 リアンがヌワンギラスを責め立てる。確かに、捕らわれた捕虜は身体検査で怪しい持ち物は没収されるのが常のはず。
「ああ、俺はキッチリやったぜ。 ケツの穴までしっかりと」
 彼は心底嫌そうな顔でその時の事を思い出している模様。野郎のお尻をまさぐるのは誰だって嫌だろう。
「ふははは! そんなところを探した所でも、無駄だあぁぁぁ!
 ケツの穴を弄られた恨み、ここで返してやるぞ。 リーダー!簡単に騙されるお人よしっぷりは減点だが、
 単身仲間を助けようとする心意気、気に入ったぞ。このブルータカツキ、キサマをリーダーとして認めるっ!」
 かなり回り道になったが、彼…ブルーは僕を戦隊のリーダーとして認めてくれたようだ。
「さあ、行くぞおおおおぉぉッ!!変身だぁぁぁぁ!!」
「はい!」
 僕らはブレスレットに腕に付け、叫ぶ。
「「変身!!」」
 強烈な赤い光と共に僕の全身が強い力に包まれていく。彼の方は青い光だ。実を言うと…この瞬間まで
 本当にブルーか疑っていました、済みません。 次の瞬間には、僕らはスーツを装着していた。
「選択戦隊セレクターズ(仮)レッドマサシ!ここに見参!!」
「選択戦隊セレクターズ(仮)ブルータカツキ!ここに見参!!」
「くっ、野郎ども!! 奴らをぶっ殺せ!!」
「勝手に仕切らないで下さい! 皆さん、彼らを打ち倒しなさい!!」
「Eeeeeee!!!」
 …どうやらあの二人はあまり仲がよくなさそうだ。だが、戦闘員達の目的ははっきりしており、
 僕らに敵意を向け、各々が獲物を取り出していた。包囲しているので銃が無いのは幸いだが、
 数は北の街で戦った以上だ。どうする?
665名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 11:55:21 ID:QpNlFgna0
「はあぁーっはっはっはぁー! この俺様の力、見せてやるぜ!! ついでにタネ明かしもな。
 ――――投影(トレース)、開始(オン)!!」
 ブルーは呪文らしき言葉を唱えると、何も無い空中から拳銃を生み出し、それを手に収めた。
「拳銃…まさか投影魔術?」
 魔術に覚えがあるのか、リアンはブルーの魔術の正体を口にした。
「その通りだぁぁぁ! これがブルータカツキの能力、投影だぁぁぁ!!! この俺様の及ぶ範囲なら何でも
 生み出せるし、作り出せるっ!! 外見だけの偽ブレスレットなんぞ変身しなくても朝飯前だぁぁぁぁ!!」
 つまり、僕がやってきた時点で、僕の正体と懐の中身を看破し、中身を摩り替えた訳だ。
 ヒーローじゃなきゃ、山の手線辺りでスリでもやってたんじゃないだろうか、この人は。
「と、言う訳で…死ねえええい!!」
 そう宣言すると、ブルーは手当たり次第その辺の戦闘員に向かって発砲を始めた。
 そして、とてもお子様の視聴に耐えられない、18禁の阿鼻叫喚図が繰り広げられた。
「キサマ、それでも戦隊モノのヒーローか!!」
 ヌワンギラスがブルーの悪行に文句を付ける。僕も内心文句が言いたい所だが、幸い彼が代弁してくれたようだ。
「勝てば官軍!!故に、俺様はヒーロー!!問題なぁぁぁぁい!!!!」
 …やっぱりこの人はヒーローじゃないってば。っと、それはそうと僕も戦わなきゃ。どうする?

A 英霊召喚だ。
B 普通に格闘戦
C ヌワンギラスがブルーに反撃
D リアンがブルーに反撃
666名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 11:59:27 ID:lmN06I2WO
C
667名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 18:15:07 ID:tsDMu20V0
「調子に乗るんじゃねぇっっ!」
「ぬっっ!?」
 発砲を続けるブルーにヌワンギラスが踊りかかった。
 拳銃を押さえ込まれて、ブルーはヌワンギラスと揉み合う形になる。
「ブルー!? だ、大丈夫ですか、今助けに……!!」
「来るな! コイツは俺に任せて、貴様はそこの女を片付けろ!!」
 ブルーがヌワンギラスを組み伏せながらそう叫んだ。
「で、でも……!!」
「俺はお前程度の力など借りずとも、こんなザコ怪人は楽に処理できる。
 お前は一人でその女を倒し、リーダーとしての実力を俺に見せてみろ」
 ブルーはそれだけ言ってからまたヌワンギラスに向き直った。
 あなたって人は、そんな無理をして……。やはりあなたはブルーなんだね。
 分かった。僕はこの間に、リアンを倒すよ!!
 僕は改めてリアンを睨みつけた。
 リアンは妖しく挑発的な女怪人コスチュームで僕のことを見下している。
「これで一対一だよ、リアン!」
「だからなんだと言うのです? 私に楯突こうなど……一億年早いです!!」
 早く倒さないと! 敵地のど真ん中にいる以上、早くここから立ち去りたい!!
 さあ、どう戦えば良い? 考えろ僕。あのネコミミ、相手は猫の怪人だ。
 猫……猫に有効な攻撃といえば……

A ねこじゃらしだ! 相手の注意をそぐぞ!!
B マタタビだ! ブルー、マタタビ出して!!
C 猫は水が苦手のはずだ、水道管をぶち割るぞ!!
D いいや、正攻法で攻めるのが吉だ!
E と見せかけてヌワンギラスの方を二人がかりで攻撃だ!
F ええい、面倒くさい。英霊召喚だ!
668名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 18:18:47 ID:5lkTV96RO
デンジャラスにC
669名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 22:07:32 ID:/8ENErjP0
 考えながらリアンのほうをにらんでいると、ふとその背後の洋式便器が目に入った。
 そういえば○リエモンが捕まったときにニュースで見たことがあるぞ、
 トイレのたびに表に出すとトラブルの危険があるから独房には簡易トイレが設置されているって。
 ……まてよ、猫は水が苦手のはずだ。これは使えるかもしれない。
 僕は閃いたアイデアを実行するためにリアンに向かって走り出した。
「いくぞ!」
「甘いです!」
 二歩三歩走った勢いで殴りかかる僕の上を、猫のようにしなやかな動きでリアンが軽々と飛び越える。
 おそらく立ち止まった僕を背後から攻撃するつもりだろうが……
「僕の狙いは……ここだ!」
 このまま僕は前に進めば、当然背後のリアンも追いかける形になる。
 そして共に壁際に迫ったところで、僕は走った勢いを乗せて壁を蹴破る!
 洋式便器に伸びているはずの水道管をぶち割るぞ!!

A 予想通りだ、噴き出した水を浴びてリアンが悶絶してるぞ!
B 「馬鹿ですね、わざわざ弱点まで合成するわけないですよ」しまった、それもそうだ!
C 勢いがつきすぎて壁を突き破ってしまった……外に逃げれるから結果オーライか?
670名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 22:08:46 ID:1RsjLAPy0
671名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 22:44:40 ID:QpNlFgna0
 僕は壁を中にある水道管ごと蹴破った。水が勢い良く噴出し、リアンに大量の水が掛かる。どうだ?
「猫は水が苦手…確かにそうですが、お馬鹿ですね。 わざわざ弱点まで合成するわけないですよ」
 しまった、それもそうだ!リアンは全く堪えた様子が無い。
「そして、貴方は二つのミスをした。 まず、私を怒らせたこと」
 リアンの背後の大気が揺らめく。漫画だったらカケアミの背景になっているはずだ。
 眼鏡の奥の瞳からは怒りが漏れ出している感じだ。
「電気代だってロクに出してもらえないのに壁と水道の修理費なんて…」
 道理で基地の照明が薄暗いわけだ。内装もボロ…もとい、簡素だったし。
 随分、俗な悪の組織だなぁ。そんなゲームがあった気がするが。
「そして、魔法使い相手に大量の”材料”を提供した事。グエンディーナの魔女の力、とくて見せてあげましょう」
 リアンの独白が終わると、周囲の空気が冷たさを増した。これはリアンの出す殺気…
 いや、気温そのものが低下しているんだ。よく見ると部屋の隅とかに霜が降り始めている。
「来よ!今、我が声に応えて集え!氷結の徒の舞、アイスニードル!!」
(呪文──!魔法か?)
 とっさに危機を感じた僕はその場を飛びのく。その刹那、大きなつららが多数、僕のいた空間を貫き、
 コンクリートの床を穿つ。つららの飛んできた先を見ると、そこは僕が穴を開けた壁の奥の破れた水道管だった。
 出水は氷結によって止まっているが、代わりに触手の様な氷がどんどん生えてきている。
「はっ、勘のいい。 ですが、水が大量にある以上、手は止まりませんよ」
 水道管の破孔からさらに氷がせり出してきて、凶器と呼ぶべき大きな、鋭利なつららが次々に生み出され、
 僕に向かって飛んで来る。僕はその攻撃を何とか回避していくが、リアンにはとても近づけそうに無い。
 防戦一方だ。このままじゃ、あのつららが僕を蜂の巣にするのは時間の問題だ。僕は──

A サッカー部の力、見せてやる! つららを蹴り返す
B スーツの防御力を信じ、一か八かリアンに突っ込む
C 英霊召喚だ
672名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 22:46:17 ID:lrxgjOC+0
B
673名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 23:10:09 ID:1RsjLAPy0
 無数のつららが迫る。流石にこの数が相手では僕の敏捷性をもってしても回避しきるのは無理だ。
 ここはどうする?やっぱり……
「突っ込むっきゃないっ!」
 スーツの防御力を頼みに僕は前へと進む。刺さったらやばげな急所だけはガードしつつ。
 凄い速度でとんでくるが元は氷。この防護スーツを貫通しきるには硬度が足りないはずだ。
 近寄りさえすればリアンは容易く御せるだろう。そう見当をつけて僕は駆け出す。
「あたっ、痛てっ!いてて」
 予想通りつららにはスーツを貫く力はなかった。とはいえ何本もぶすぶす刺さってやっぱり痛い。
 涙が出てきそうになるけどここは我慢だ。目標のリアンまであともう少し……
 よし、取った!!

A 雅史の攻撃がリアンを捉える
B リアンが猫科の肉食獣を思わせる脅威の体術を繰り出す
C ヌワンギラスと戦っていた高槻がふっ飛ばされてきて邪魔される
D その瞬間、ひときわ大きい氷の塊が雅史を直撃した
674名無しさんだよもん:2006/03/05(日) 23:12:56 ID:tsDMu20V0
Aだ。怪人相手にてこずるな!
675名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 12:45:21 ID:Tb8iCkXX0
「はぁっ!」
 バチィィィ!!
 そのままパンチを叩き込むと、スーツの持つエネルギーがスパークした。
「ふあっ!くうっ……」
 リアンがよろけると、術への集中が解けたらしく
 それまで部屋に向かって降り注いでいたつららが収まる。
「まさか、まともに受けてくるとは思いませんでした……」
「魔法使いは防御が弱いってのがお約束だからね
 ヒーローになりたての僕でも、タフさの勝負だったら勝てるのさ!」
 よろよろとしながら憎憎しげに語るリアンにさらに踏み込んで、
 僕は叫びとともにアッパーで豪快に吹き飛ばす。
「きゃあぁぁぁ!!」
 壁へとぶつかり、宙に投げ出されたリアンに走りよると――

A 英霊召還でとどめをさす!
B まだ氷が残ってるだろう水道管の破孔に叩き付けた
C 怪人でも女の子は女の子、頭から落ちないように受け止める
D ヌワンギラスが横槍をいれてきた
676名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 12:48:47 ID:GI6AHS9+O
B
677名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 19:52:04 ID:sSvl/dOO0
「おおおおおおっ!」
おめきながら僕は宙を舞うリアンに強烈な一発を叩き込んだ。
嫌な感触を残して、リアンの身体が水平方向に飛ぶ。
その先には、彼女自身が生み出した鋭利な氷のかけらが待っている。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
それは過たず、飛んできた物体に突き刺さった。

「ま、雅史……」
腹から氷を飛び出させて、リアンが声を振り絞る。
どうみても致命傷だ。助からない。死ぬんだ。
いや、流されちゃいけない。感情を押し殺して僕は答えた。
「気安く呼ばないでくれ、きみごときが」
「くっ……」
自分に言い聞かせるように僕は叫んだ。
「それに今の僕は雅史じゃない。選択戦隊セレクターズ(仮)のリーダー、
 レッドマサシだ!」
「漢字がカタカナに変わっただけじゃ……」
声を出すのもつらいだろう状態で彼女は苦々しく答えた。

「僕らの街を破壊した奴等は許さない!
 僕らを滅ぼそうとする奴等は許さない!
 リアン、お前の悪業は僕が地獄へ運んでやる、往生しろっ!」
びしっとリアンを指さす。
彼女はふっと笑うと、

A リアンは怪人らしく爆発四散した。
B リアンはそのまま事切れた。
C 氷の塊ごとリアンが動き出した!
D 「姉さんっ!!」リアンが叫んだ。
E 「リ、リアン!」ヌワンギラスが彼女に駆け寄った。
678名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 19:56:44 ID:usYRnNdk0
E
679名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 19:56:56 ID:urFhoYWj0
A お約束
680名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 21:55:08 ID:lrgRRC+o0
「リ、リアン!」
 ブルーと交戦中のヌワンギラスは串刺しになったリアンを見て叫ぶ。
「アホかぁああ! 戦いの最中に余所見をするなぁぁぁぁぁぁああ!」
「邪魔だ…! どけえぇぇぇええ!」
 ドガァァァン!
 ヌワンギラスの渾身の一撃に吹っ飛ばされるブルー。
「参ったぁぁ! 俺としたことがっ!」

「リアンッ、リアンーーーー!」
 息絶え絶えのリアンに駆け寄るヌワンギラス。
「ヌワンギ……さん、私…ドジっちゃい…ました」
「馬鹿野郎! 喋るな!」
「失礼…です…、私、野郎じゃないで…す」
「ああ、そんな事言えるなら大丈夫だ。さ、帰るぞ」
 ヌワンギラスには解っていた。彼女はもう助からないことを。
「ごめ…んなさ……、私、帰れ…そうにないです」
「何言ってやがる! 約束しただろ! 獣人が幸せに暮らせる世界を作るって…!
 ほら、お前の姉貴も待ってる……だから――」
「ごめん……なさいヌワンギさ…ん、姉……さん」
「リアンッ!」

「あなたに……精霊の加護がありますように……」
 チュドォォォォン!
 十字架状の火柱をあげて爆発するリアン。
「リアン……? うおおおおおおおおおッッッ!」
 絶叫するヌワンギラス。僕はただその光景を見ているだけだった。

A「レッド……戻るぞ、ここにはもう用がない」ブルーがらしくない事を言った。
B ズドン! ブルーの銃弾がヌワンギラスを貫いた。
C「てめえら……許さねええええ!!」ヌワンギラスが襲い掛かった。
D「俺は…生き残るぞリアン」ヌワンギラスは逃げた。
E 今なら…ヌワンギラスを……。ヌワンギラスを倒す。
681名無しさんだよもん:2006/03/06(月) 21:55:57 ID:leDcEK0o0
D
682名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 13:26:48 ID:qZXjsLn20
「俺は…生き残るぞリアン」
 火柱が収まり、床へと舞い落ちた塵を握り締めて
 ヌワンギラスがポツリと呟いた。
「逃がすかぁ!」
「そうだ、2対1ならお前に勝ち目は……」
「どきやがれ、まだテメェらの仲間はこっちが預かってるんだぞ!!」
 うっ、そうだ。
 ブルーは助けたけど、まだ残りの仲間3人が捕まったままなんだ。
 ヌワンギラスの鋭い視線を受けながら、僕はやむなく逃がすことにした。
「……道を空けるんだ、ブルー」
「くそぉ、たしかに逃がすしかないみたいだぁ!」
 道を空けたブルーの脇を、ヌワンギラスが通り過ぎる。
「……安心しろ、すぐには殺さねぇぜ。
 テメェらにはたっぷりと時間をかけて苦しんでもらうぞ。
 せいぜい無事かどうか心乱されながら、命がけで助けに来るんだな!」
 振り向きざまにさっきまでリアンだった塵を握り締めた拳を突き出すと
 怒りに燃えた表情でそう叫び、踵を返すとヌワンギラスは逃げてゆく。
「……これが、勝利の味だっていうのか」
「同情している場合じゃないぞ、残りの3人を救えなければ明日は我が身。
 仲間を助けて、この悲惨な戦いを早く終わらせなければなぁ!」
 ブルーが力強く宣言する。そうだ、落ち込んでいる場合じゃない。
 やっぱりこの人も、ちょっとあれかと思ったけど心は正義のヒーローなんだ。
「それに、残り3人には間違いなく女が混ざっているからなぁぁぁ!
 『囚われの女戦士』とか見出しにかかれたらもう自制が利かないぃぃ!!」
 ……前言撤回。

A 一旦アロウンさんのところに戻る
B このままヌワンギラスを追いかける
C ヌワンギラスに視点を移動させる
683名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 13:31:31 ID:Z85+KA9J0
A
684名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 15:09:16 ID:qZXjsLn20
「……そうか、ご苦労だったな」
 僕たちは報告のために一旦アヴァロンに戻っていた。
「すみません、結局ヌワンギラスには逃げられてしまって」
「まあ、ブルーを救出してリアンを倒せたんだ。新米にしては上出来だ」
「そうだ、お前はよくやったぞぉぉぉ!俺のリーダーにふさわしいぃぃぃ!」
「…………」
 リアンを倒した、その時の様子が一瞬脳裏をよぎる。
「ん、どうした?」
「いえ、僕が倒した怪人の事を思い出してしまって……」
「いくら正義だと言葉で飾っても、他者を傷付けるのに変わりはない。
 それを今すぐ割り切れと言うのは無理だろうが、だからといってこのまま
 あいつらの思い通りに事を進めさせたら人間に未来はない事だけは忘れるな」
「!!」
 そうだ、これ以上東鳩の街のような悲劇を起こすわけにはいかないんだ。
「すみませんアロウンさん、弱気な事を言ってしまって」
「なに、何の迷いもなく戦うよりはそれくらいのほうがよっぽどいい」
「そうだぁ、いい事を教えてやるぅぅぅ!
 とりあえず大声を出せば気が晴れるぞぉぉぉ!!」
「……ブルー、お前はもう少し黙ってみろ」
「お話はそろそろよろしいですかな?」
 アロウンさんの話が終わるタイミングを見計らっていたらしく、
 タイミングよく部屋にオガムさんが入ってきた。
「ああオガム、何か進展があったのか?」
「はい、どうやら他のメンバーの居場所が分かったようでしたので」
「なんだって、いったいどんな情報なんだ!?」
「慌てないでください、あくまで可能性が高そうだという話ですが……」

A 港に停泊しているタンカーが彼らのアジトのひとつのようです
B 街外れの採石場で見せしめのために処刑を行うとの情報が流れています
C 幹線道路で脱出した適格者らしい人物が怪人とカーチェイスしています
685名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 15:13:09 ID:2c2ER4NT0
Bで手早く
686名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 18:23:18 ID:cZq6Lvqw0
「街外れの採石場で見せしめのために張り付け、処刑を行うとの情報が流れています!!」
「なんだと!?」
「処刑されるのはイエローだという情報も入ってきています」
「なんと?あのイエローをか…いかん!レッド、ブルー、すぐに採石場に向かえ!!」
「しかし、まだ可能性の段階では…」
「可能性や噂でも構わん!今は一人でも適格者を失う訳にはいかない」

こうして僕と高槻さんは採石場に急行することになった。
採石場といえば色んな特撮ヒーローが戦った伝統ある場所だ。
イエローを助ければこちらも三人。一人より二人がいいさ、二人より三人がいいと
サンバルカンの歌にあったような気がする。絶対に救出してみせるぞ!
「そういえば高槻さん、イエローはどんな人なんですか?名前は?」
戦隊のお約束だとイエローは大抵はパワータイプ、気は優しくてカレーが大好きというのがあるけど…。
だけど最近はイエローが女性の場合も多いし、やはり見てみないことには分からないか。

「イエロー?イエローかあああああ!?あいつはすごいぞおおお!!あいつの名前はなああ」
A 見た目通りの大番長、立川雄蔵だあああ!!
B ゴツさならこいつもすごいな、醍醐隊長だああああ!!
C 女性のパワータイプといえば柏木梓だろうがああああ!!
D 力だけでなく素早さも兼ね備えた坂下好恵だあああ!!
E カレーが大好物の川名みさきだあああ!!
F いらない黄色の子といえば笹森花梨だよなあああ!!
687名無しさんだよもん:2006/03/07(火) 18:33:03 ID:bsmmNPBNO
どれもすてがたいが一般人のDで
688名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 00:46:39 ID:/SVNKFUI0
「力だけでなく素早さも兼ね備えた坂下好恵だあああ!!」
 坂下好恵……どっかできいた事がある気がする。
「何でも空手部の主将らしいぞぉぉぉぉ!!!」
 そうだ! 僕の高校の女子空手部の主将だ、結構強くて有名なんだよね。
 まぁ……もっとも僕自身は面識はないけど。
 とはいえ同じ高校の生徒なんだし何より僕たちと同じ適格者だ、なんとしても助けないと。

 僕と高槻さんは採石場に走った。
「もしもぉ! 日本がぁ! 弱ければぁぁ!
 ○シアがぁ! たちまちぃ! 攻めてくるぅ!
 家は焼け! 畑はぁ! コルホーズゥ!
 君はシベリアァ! 送りだろうぅ!
 日本はぁ! オォォ! 僕らの国だぁぁ〜〜!」
「……何ですかその歌?」
 高槻さんが走りながら歌を歌いだした。
 雰囲気を盛り上げる為なんだろうけどなんだか滅茶苦茶右寄りな歌だ。
「知らないのかぁ! 有名な戦隊モノのオープニングテーマだぞぉ!」
 うーん、小さい時見た戦隊モノにはなかったなぁ。最近のやつかな?

「着いたぞぉ!」
 丁度歌が終わる頃(四番まであった)に僕達は採石場の前に到着した。
 そこには――


A 採石場の真ん中で縛り上げられているボロボロの坂下好恵がいた
B 誰もいない……まさか罠?!
C 怒りに燃えるヌワンギラスと新たな怪人がいた(人物指定)
689名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 00:51:09 ID:Bg7OKpLfO
B
690名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 03:16:17 ID:cQqufJE40
ひゅ〜

そこはただからっ風が吹くだけのただっ広い空間があるだけだった。
「あ、あれ? 誰もいない…」
「どういうことっどぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」


(‥‥きた‥‥)


辺りをよく見回すが処刑らしきことが行われている節はない。
「これはひょっとすると…」


(‥‥あなただけは許さない‥‥)


「まさか……ぐはぁ・・・俺としたことが・・・まいったああああああああ! 俺は まいったあああああああああ! はぁっっっ!!」
「敵の罠か!」

(‥‥もう遅いです、行きます!‥‥)


動揺する選択戦隊セレクターズ(仮)の二人の前に現れたのは


A 髪の毛がゴキブリの触覚に見えるのとは裏腹にまじめそうな顔つきをした貧乏そうな女
B 両手に大きなスケッチブックのような兵器を持った女の子
C 頭の黄色いリボンが印象的な青い制服を着た女の子
D これが敵なのか? どう見ても見た目が○学生で金髪の女の子
691名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 03:18:44 ID:OFgYrQia0
C
692名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 04:07:46 ID:cQqufJE40
女の子が一人…僕たちの前に現れた
頭の黄色のリボンが印象的で僕の通っている学校とは違う制服を着た…ちょうどあゆちゃんや名雪さんと同じ年ぐらいの。
ただその子が発している空気はあゆちゃんたちの穏やかなものとは違って殺気だったものを感じる。

「やっと見つけました…」
女の子がゆっくりと顔を上げ…僕をにらみつけた。
「あなただけは…許さない!」
相手は今にも攻撃しそうな体勢でいる。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
僕はあわてて女の子に対して呼びかける。
「…何ですかっ」
「その、落ち着いて…僕君に対して何かしたかな?」
僕は何とか相手に対して呼びかけようと試みる。
だが
「何かしたか…ですか。そうですか。都合の悪いことはすぐ忘れるんですねぇ。せいぎのみ・か・た・さんっ」
相手はさらにこちらに対して殺気をぶつけてくる。
「まあいいです。あたしはあなた…もといレッド! あなたさえいなくなればいいんです」
どうやら相手は僕自身に何かあるようだ。でも…
「あのさ、僕君と初対面なんだけど…君誰?」
「まだ言うですか! 問答無用です!」

女の子がこちらに向かったかと思うと

A なんと猛獣に変身した(猛獣を指定)
B なんと兵器に変身した(兵器を指定)
C なんと選択戦隊セレクターズ(仮)に変身した
D 生身の身体で飛び上がり雅史を蹴りつけた
693名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 04:08:59 ID:sT+K84DJ0
面倒くさい
694名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 05:08:27 ID:G7usiRGp0
女の子がこちらに向かったかと思うと雅史の2,3歩前で一気に飛び上がる。
彼女の纏う制服がはためく中、彼女が跳躍の頂点に達したとき!!
…その姿に雅史を含むその場の全ての時が 止 ま っ た ……ような気がした。
「避けろぉっ、レッドォォッッッッ!!!」
ブルーの声に雅史は我に返る。
が、既に目前に彼女の足が雅史の顔にめり込んでいた。
敵の戦闘員がやられるかのように吹っ飛ぶ雅史。
「まだまだですっ!」
間を空けず、またこちらに突っ込んでくる

そのまま女の子は雅史に対して殴りかかる。
しかし雅史は冷静に攻撃を受けきる。
先ほどは虚を突かれた攻撃だったのでもろに食らってしまったが、
通常ならばこの子の攻撃は僕一人で立ち回れないほどのものではない。
「このぉ、いいかげんにやられてくださいっ!」
女の子は制服のスカートがまくれるのを気にせず回し蹴りを放ってくる。
それを雅史は避けず受け、足を取る。
これで何とか少し間を…と思ったが、女の子は残ったもう一方の足で雅史のみぞおちを蹴りつけてきた。
もんどりうち足を離してしまう雅史。
バランスが崩れ、仰向けに倒れる女の子。
その際、制服の上下がはだけそれぞれちらっと白いものが見えた。
がすぐさま女の子は立ち上がりこちらの様子をうかがう。
「見ましたね」
「え、いや、見てないよ」
動揺する雅史。しかし女の子は気にも止めぬ様子で
「まあ下着をちょっとぐらい見られても…あなたがしてきたことを考えれば痛くもかゆくもありません」
とまたこちらに対し臨戦態勢をとる。
…困った。僕にはなんの覚えもない。
でもそれを伝えようとしても相手は聞いてくれない。どうしたものか。
695名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 05:11:01 ID:G7usiRGp0
「ふはははは、俺様のいないところでそんなガキとなにがあったんだぁぁぁぁ?」
「まさか、昔の彼女でヤリ逃げでもしたのかぁぁぁぁ?」
「だとしたら、おめはゲスだな。俺以上のクズだぁぁぁぁぁ!」
高槻は自分が関係ないのを良いことにさんざん僕らのことを煽り続けている…。

「ブルー!煽っていないでちょっとはこっちを手助けしてくれ」
雅史は高槻に向かって救援を頼む。
「てめえのケツはてめえで拭くものなんだが…まあいい俺は今気分がいい。援護をしてやろう――――投影(トレース)、開始(オン)!!」」
ブルーは投影魔術より、何も無い空中から拳銃を生み出し


…女の子に対して撃った





A 弾は女の子の胸を正確に捉えた。最後の吐息と共に崩れ落ちる女の子
B 弾は女の子の後ろに置かれていた火薬に命中した。爆風と共に崩れ落ちる採石
C 弾は女の子のスカートのホックを正確に捉えた。女の子の悲鳴と共にずれ落ちるスカート
696名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 05:13:44 ID:TmX8aeqm0
cccccccccccccccccccc
697名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 06:28:49 ID:YK5YrLUT0
最初は何が起きたのかはわからなかった
ブルーが銃を放ち、発射音とは別の小気味良い音が響く
一瞬の間
それまで女の子の動きと重力に耐え続けていたスカートが
時が動き出したかのように制服の独特の折り目を崩しながら地へと倒れ込み
飾り気のない白い下着が
その場にいる全ての者にさらけ出された

「きゃああああああああああああああっっ!!」
女の子は悲鳴を上げると脇目もふらず落ちたスカートを一気に腰元まで上げ周囲に晒された下着を隠そうとする。
だが留め金を失い、ジッパーの部分まで喪失してしまったスカートでは両手の支えがなければその役目を果たせなくなっていた。
「ん〜〜っ? さっき下着なんて見られても痛くもかゆくもないと言ったのは俺の気のせいかぁぁぁっ?」
「ちょっとだけです!! 全部なんて見せられませんっ!」
女の子は顔を真っ赤にしながらブルーに反論する。
さっきまでの雰囲気は面影もない。
「うーっ、仕方ないですっ、今日のところはこれでおしまいにしますっ」
「ただし、今回は邪魔されましけど…選択戦隊セレクターズ(仮)レッド! あなただけは絶対に許しませんからっ!」
そう叫ぶと女の子はずり落ちるスカートを必死で押さえながら採石場より離れていった。

「はっ、パンツはお子様なくせに捨て台詞は立派だったな。ところで、だ。お前本当にあの女しらねえのか?」
ブルーが尋ねてくるが雅史には__なんの覚えもない。
「第一、顔も名前も知らないんだけど」
雅史は女の子が去った方向を見つめる__ふと何か落ちているのに気がつく。
落ちていた先に行ってみると…そこには先ほどの女の子の写真が入った学生証と共にあるものが落ちていた。それは

A 色違いのブレスレット
B 獣人らしき耳
C 何か不思議な念が込まれているお守り
D 血染めのレッドが写っている写真
698名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 06:57:41 ID:rEJaydVq0
B
699名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 06:58:50 ID:dvuBPtyp0
そして落ちていた学生証には○○○○の名前が記されていた

1春原芽衣
2名倉由依
3(その他>>690の選択Cに当てはまるキャラ指定)
700名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 07:02:52 ID:51jbvqRe0
1
701名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 13:28:53 ID:2Noe7QYP0
41  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 10:43

高槻だから選択とか関係なく出しても良いみたいな空気は好きじゃない
--------------------------------------------------------------------------------

42  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:00

そういうのはもっと言うべきキャラがいくらでもいるだろ
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43  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:12

「みんなスピード違反してるじゃないか」
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44  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:32

脇キャラとかならともかく重要な仲間やその能力だからな。
制限速度40キロの道路を皆が45キロや50キロでスピード違反する中で
100キロぐらい出して暴走しているって感じ。
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45  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:35

高槻=クーヤ?
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46  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:44

また圧力かけだしてるなこいつら
702名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 13:30:13 ID:2Noe7QYP0
47  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:45

さて埋めるか
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48  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:47

話にならないので
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49  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:47

岸田厨だかMOON厨だか知らないけど
このアンチ高槻はよほど高槻が出るのが気に入らないんだろうな
はあ・・・・・
703名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 13:30:54 ID:2Noe7QYP0
50  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:47

埋めるか
--------------------------------------------------------------------------------

51  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:48

埋め
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52  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:49

単に荒らされて嘆く姿を見るのが楽しいサディストだろ。
黙殺するために倍以上の書き込みで流すべし。
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53  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:51

愚痴でいやがらせをするやつがウザいという愚痴
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54  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:51

高槻がでるのが問題じゃなく強引な出し方が問題なだけなんだがな
704名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 13:31:29 ID:2Noe7QYP0
55  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:55

選択で決めて欲しいところを書き手が独断で決めちゃって
それに愚痴をこぼすなと言うのも難しい話で……
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56  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 12:55

>>49
MOON.厨=MOON.が好きな痛いファン なら高槻が出るのは嬉しがるんじゃないのか?
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57  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:01

ぶっちゃけた話葉鍵板における高槻はアンチMOON.ご用達キャラもしくははちくまキャラ。
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58  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:02

クーヤっつーかヌワンギ
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59  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:05

馬鹿ばっかだな
705名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 13:32:05 ID:2Noe7QYP0
60  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:05

不満は分かるがもう書かれたことだ。
それ以上高槻に文句をつけるのは、学園以来MOONを煽り潰しの道具にしている
葉鍵板全体の敵である荒らしをつけあがらせるだけだ。
だから荒らしの共犯とみなされたくなければ黙れ。
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61  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:07


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62  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:11

>>60
日本語でおk
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63  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 13:13

埋め
706名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 21:42:55 ID:gODMZoca0
>>697-700

「獣の……耳?」
 そうとしか表現出来ないものが、ハンカチに包まれて落ちていた。
「どれ、俺が調べてやろう」
 ブルーが手にコンビニのレジにあるようなスキャナーを投影する。
 本当に読み取れるのか見ていて不安だけど、別に止める理由もないので
 獣耳のほうはブルーに任せて僕は学生証を手にしてみる。
「春原芽衣、か……」
 至って普通の学生証だ。きちんと学校名までついている。
 これも何かの罠かもしれないけど、今のところ貴重な証拠品になりそうだ。
「ブルー、そっちは何か分かりそうか?」
「たった今判ったぞ、この獣耳は獣人のものだぁぁぁ!!」
 ブルーが高らかに宣言する。
「その証拠に獣と人のDNAが混じりあっているぞぉ!
 獣と人で子供を作ったとしたらとんでもない事じゃないかぁぁぁ!!」
 なんだかブルーが悶えている。
「……いやブルー、そこはきっと遺伝子改造とか魔術による融合とかであって
 ブルーが今頭の中で考えているような作り方はまずありえないと思うんだ」
「なんだと、そいつは残念だぁ!!せっかく後で試してみるために
 基地に持ち帰って調べ上げて、作り方を再現してやろうと思ったのにぃぃぃ!」
「調べられるんですか?」
「当たり前だ、頭脳派のブルーってものを見せてやるぞぉ!」
 調べられるのか……どうしよう?

A アヴァロンに戻ってブルーに獣人らしき耳を調べてもらう
B 学生証に書かれている学校に身分照会してみる
C 逃げていった方向に向かってみる
707名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 21:53:45 ID:5sl+sVmU0
B
708名無しさんだよもん:2006/03/08(水) 22:41:32 ID:Jqtdk3Vo0
まとめると思い通りに書いていた作品を高槻信者や由依信者の介入によって汚されたってところかな

M○○N厨マジ氏ね
709名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 00:48:40 ID:Jb63/pRx0
頭大丈夫か
710名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 01:13:42 ID:c0sQEoa90
>>709
「関東大震災はM○○N厨のせいだ」とか言いそうなバカは放っておけ。
711名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 01:21:15 ID:c5EKvEbO0
そういう意味違う
712名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 08:37:44 ID:1CDwn6uW0
395  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 20:06

ついでに高槻も永久出演不可にしたいとか狙ってるのかもしれない
--------------------------------------------------------------------------------

396  名前を選択して下さい  2006/03/08(Wed) 21:18

監理ポスト…恵美梨
整理ポスト…雅史

上場廃止…高槻・クーヤ・岸田
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397  名前を選択して下さい  2006/03/09(Thu) 00:46

高槻アンチは異常だな
--------------------------------------------------------------------------------

398  名前を選択して下さい  2006/03/09(Thu) 01:25

高槻は葉鍵板全体から見ても屈指の良キャラだし信者も気のいいやつばっかりなのにな
他の同作品キャラが厨信者かかえるキャラばっかりだからって巻き添え食ってかわいそう・・・・・
--------------------------------------------------------------------------------

399  名前を選択して下さい  2006/03/09(Thu) 01:33

ここではそういう問題以上に岸田厨ににらまれてる気がす>高槻
713名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 08:51:17 ID:Zq3R4TMcO
そのときコロニーが落ち、全人類の過半数が死滅した。

悪いのは高槻を無理矢理追いやろうとした奴でもない。
高槻を無理矢理再登場させた奴でもない。
定義にこだわってやっていることが荒らしと化した
リアライズ厨と同類の潔癖厨房でもない。

打ち切った俺だ。

A 打ち切る
B 作品選択からやりなおす
C 主人公選択からやりなおす
714名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 08:58:01 ID:qPsQviQQ0
却下
>>713
Aリコールする
Bスルーする
Cつうか氏ね
715名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:09:26 ID:Zq3R4TMcO
話にならない文句で実力公使される事態で書きたい奴もいないだろ
716名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:15:15 ID:qPsQviQQ0
日本語でしゃべってくれ
717名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:23:33 ID:Zq3R4TMcO
なんで高槻に文句つけてる奴は支離滅裂で黙認されて
それでダメになったカンバスを交換しようって提案は支離滅裂を叩かれるんだ
718名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:26:48 ID:qPsQviQQ0
だから日本語……
719名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:36:37 ID:H+XHXpfC0
「すみません。この学生証を拾ったんですけど」
 僕たちは落ちていた学生証に記されていた学校に訪れていた。
 この間、僕たちを襲ったあの女の子。春原芽衣。あの娘が何者なのかはよくわからない。
 それを調べるためにここまでこうしてやってきた。
 ひょっとしたら囚われの仲間達の情報が手に入るかもしれないと僅かばかりの期待をこめて
「少々、お待ち下さい」
 受付のお姉さんがそういって取次ぎにいく。他の事務の人と少し話して戻ってくると

A 「残念ながらそのような生徒は登校には在学しておりません」 当てが外れたか…
B 「確認いたしました。間違いなく登校の生徒です」 よしついでに詳しいことを聞いてみよう
C 「クククククククク。待っていたぞ貴様らがここに来るのを」(口調は自由に変更してよし) あの……お姉さん何者?
720名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 09:38:50 ID:GrDvKjWb0
B
721名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 12:24:58 ID:y7OVquKB0

「確認いたしました。間違いなく当校の生徒です」
 よし、ついでに詳しいことを聞いてみよう。
「その春原芽衣さんってどんな子ですか?最近の様子は?」
「……申し訳ありません、どのようなご用件でしょうか?
 当校の生徒のプライバシーに関わる話ですので、
 本人の承諾ないし何らかの事情がなければお答えしかねます」
「それはなぁ、俺たちが選択戦たむぐっ!?」
 いきなり素性を明かそうとしたブルーの口を慌ててふさぐ。
 いくらなんでも、いきなり『ヒーローなんです』なんて言い出したら
 ちょっとおかしな人と思われて黄色い救急車を呼ばれちゃうからね。
「ええと、その、最近芽衣さんにおかしな様子とかありませんか?」
 いちかばちかカマをかけてみる。
 10精霊の部下として悪事にかかわっているならば、
 隠そうとしても周囲には何か不自然に見える部分があるに違いない。
「おかしな様子ですか……私生活まではこちらでは把握しかねます。
 もしよろしければ、ご家族か担当教員の方にご連絡しましょうか?」
 若干怪しみながらも、受付のお姉さんは丁寧に応対してくれた。
「なあレッドよ、こういうときの『なんとかの方』とはどっちの方なのだろうなぁぁぁ!?」
「ちょっと今考えてるからブルーは黙ってて」
 フロアの隅っこでいじけているブルーは放置して、僕は考えてみる。
 家族の人か担任の人に接触出来れば確実に詳しい話を聞けるだろうけど、
 探っていることが春原芽衣にばれてしまうかもしれない。
 あるいは家族か担任が10精霊の部下だったら……

A 春原芽衣の家族に会ってみる
B 春原芽衣の担任に話を聞いてみる(人物指定)
C 深追いは禁物だ、いったん引き上げよう
722名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 12:29:35 ID:icbjaVqyO
B長瀬原一郎
723名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 13:20:33 ID:y7OVquKB0
「君たちが春原さんの話を聞きたいって人かな」
 僕たちは担任の先生に連絡してもらうことにした。
 会議室に通されて待つことしばし、現れたのは
 眼鏡をかけたどこか飄々とした中年教師だった。
「長瀬源一郎です、よろしく」
「佐藤雅史です。あの、事情は詳しく話せませんが……」
 僕はセレクターズ(仮)や10精霊の事は伏せながら、
 春原芽衣に許さないと言われながら蹴られた事を話した。
 これでも非行行為だから、担当教員なら話を聞いてくれるだろう。
「……というわけなんですけど、僕には恨まれる覚えがないんです。
 先生には何か様子がおかしいみたいな心当たりはありませんか?」
「うーん、心当たりねぇ」
 腕を組んで唸る長瀬先生が考えている間、待つことしばし。
「そういえば春原さんのお兄さんが君と同じくらいの年頃だったな。
 昔はサッカー少年だったらしいが、最近は道を踏み外してるって
 春原さんが心配しているような事を言っていた。
 陽平くんと言うらしいが、もしかして学外で喧嘩したとかないかね?」
 その言葉を聞いた瞬間、僕の脳裏に衝撃が走った。
724名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 13:21:30 ID:y7OVquKB0
「……その人なら、たぶん昔サッカー部で対戦した事があります!」
 そう、あれは入部して初めての夏休みの練習試合だった。
 最初にメンバー表を見たときに春原を『はるはら』だと思ってたら
 アナウンスで『すのはら』と呼ばれていたんで、すごく印象に残っているんだ。
「そうか、あの春原さんの妹だったのか」
「ほらみろ、やっぱり因縁があったじゃないかぁ!
 きっとお前がハイパーイカロスウイングやマーキュリードライブフォングで
 その春原陽平って奴を再起不能にしたに違いないぃぃぃ!」
「そんな技使えないよ、だいたい1年だったからほとんど出場してないし」
「対戦相手だったって事だけ聞いて、何か誤解してるのかもしれないな。
 良かったらこっちで春原さんに話しておこうか?」
「いえ、それなら僕の方でその春原陽平さんに話してみます」
「だからその『方』ってのはどっちなんだぁぁ!?」
 さすがに調べている事がばれちゃまずいからね。
 ただ今の話でなんとなく予想がついた。たぶん春原芽衣は
 サッカーを辞めて道を踏み外した兄を快く思っていなかったんだろう。
 そこで10精霊が、セレクターズ(仮)のレッドが実はかつての兄の対戦相手で
 今はヒーローとして華々しく活動しているとか都合のいい事を吹き込んだに違いない。

A 春原陽平さんを通じて誤解を解く
B 直接会ってきちんと説明する
C 仲間集めを優先する
725名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 13:22:03 ID:SDPJ7Cpp0
Cとっとと進めよう
726名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 13:41:18 ID:y7OVquKB0
 長瀬先生に丁寧にお礼を言って、僕らは学校を後にした。
「レッド、これからどうするんだ?」
「うん、仲間集めを優先しようと思う」
「そうだなぁ、あんなガキでも女は女だからなぁぁぁ!
 このセレクターズ(仮)を相手にしたことを後悔させてって無視するのかよぉぉぉ!!」
 ブルーのノリツッコミは受け流しながら、僕は自分の考えを伝える。
「戦ってみた感じだと、彼女はまだ改造手術は受けていない。
 彼女にまた襲われたとしてもそれほど危なくはならないだろうから
 説得するのはその時に防戦しながらでもいいよ、戦う気はないと態度で示せるしね」
 僕は地面をぽんぽんと蹴る。
「だったらまずはセレクターズ(仮)としての足場を固めたほうがいいと思う」
「なるほど、捕まってる奴らもどんな目に逢ってるか分からないからな。
 だが肝心の居場所が分からなければ探しようがないぞぉぉ!?」
「そう、それなんだよね……」
 僕らは考えながらアヴァロンに戻ろうとしていた。
 その時――

A 英霊召喚で調査向けのキャラを出せばいいと閃いた
B ブルーがレーダーを投影することを思いついた
C ブレスレットが鳴る、怪人出現の知らせだ!
727名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 13:41:46 ID:GrDvKjWb0
Cで
728名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 14:19:30 ID:y7OVquKB0
 ピピピピピ!
 腕にはめているブレスレットが鳴り響いた。
 急いでスイッチをいれると、リムリスさんの姿が小さなモニターに写る。
「こちらレッド、どうした!?」
「はい、郊外のアリーナに精霊反応があります!
 どうやら怪人がイベントで集まった人を襲撃しているようです」
「急いで出動するんだよ!」
「聞いたかブルー、怪人出現の知らせだ!」
「郊外のアリーナといえば、あのスーパーな奴だなぁ!?
 だったらアヴァロンに戻るよりここから行ったほうが近いはずだぁ!!」
「ああ、行くよ!――変身!」
「変身っっ!!」
 僕らは並んで変身し、スーツの力を全開にして駆け出した。


 ――同時刻、スーパーなアリーナ。
 スポーツ観戦に集まっていた大勢の観客を前に――


A 改造戦士ムーン・アイランドが毒電波で大勢の観客を洗脳しようとしていた
B 改造戦士オーガ・タリーナが魅了の歌でカップルの仲を引き裂こうとしていた
C 改造戦士ダーヨ・モーンがえいえんの世界への門を開こうとしていた
D 改造戦士クーラ・サユリンがオーナーのチームがラフプレーでライバルチームを潰していた
729名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 14:28:25 ID:hfrbXNfs0
D
730名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 14:58:22 ID:y7OVquKB0
『――おーっと、さいたまの選手が転倒しています!
 しかしなぜかホイッスルは鳴りません、試合は続行されています。
 ここでまた途中交代のようです、この試合すでにさいたま側は3人が負傷で――』
「くそ、この小娘が……審判を買収しているな!」
 最早スポーツの試合とは呼べない、相手選手を潰すためのラフプレー。
 それに一向に笛を吹こうとしない審判を見て、特別席にいた老オーナーは
 思わず立ち上がり、すぐそばに座っていた相手チームのオーナーを怒鳴りつけた。
「はえー、何か証拠があるんですか?
 調べて何事もなかったら、勝てば官軍ですよ」
 怒鳴りつけられたオーナーの少女は、悪びれもせずに平然と答える。
「こんな勝ち方をして……マトモなファンが付いて来ると思うのか!?」
「あははーっ、どんな勝ち方でも強ければちびっ子は憧れてくれますよ?
 彼らが大きくなった頃には、きっとこれが普通になってるんでしょうね」
 そうさらっと言って少女がグラウンドに目を向けると、
 またひとりの選手が脛をえぐられてフィールドにうずくまっていた。
『――交代する選手がもう残っていません、これでは試合続行不可能――』
「馬鹿な、私が半生をかけて愛したチームが、こんな……」
 うなだれる老オーナーを平然と横目で見ながら、
 少女は己の計画の順調さに内心で小躍りしていた。
(そしてラフプレーが当然だと思い込んで育った心が荒んだちびっ子は
 サユリンの息のかかったクラブチームで、立派な戦闘員に育ってくれるんです)

 無名だが化け物のような能力を持つ選手揃いの新興チームのオーナー、倉田佐祐理。
 その正体は改造戦士クーラ・サユリン。もちろん新興チームの選手は全員改造済み。
 サユリンの目的は、ありとあらゆるスポーツで荒んだ勝者を君臨させて
 それに憧れたちびっ子を戦闘員に仕立て上げる事で圧倒的な数の手勢を生み出す事だった。

A その時グラウンドにレッドとブルーが乱入してきた
B その時特別席にレッドとブルーが乱入してきた
C その頃ようやくレッドとブルーがアリーナの外までたどり着いた
731名無しさんだよもん:2006/03/09(木) 15:07:31 ID:B+Fm/+ae0
A
732名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 01:37:53 ID:+tpiG6dH0
 僕らは並み居る観客を掻き分け、グランド上へ躍り出た。
「待て! ラフプレーに審判買収。 紳士のスポーツたるサッカーを汚したその罪、許せない!」
 ヒーローのお約束のバトル前の口上に力が入る。一サッカー選手として、この悪行は許せない。
「選択戦隊(仮)セレクターズ(仮)がお前達の悪事、叩いてやる!!」
「ちっ、前口上なんかせずにスタジアムごとふっ飛ばせば早いんだがなぁ」
 ブルーが不満そうに脇でとんでもない事を漏らす。本当にやりかねない人だからなぁ。
「あははーっ、やってきましたねセレクターズ(仮)。 悪事があればやって来ずにいられない。
 それが例え罠だとしても…正義の味方は大変ですね…飛んで火にいる夏の虫とはこの事!
 皆さん、やっちゃってくださーい」
「Eeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!」
 敵の幹部らしき女性…改造戦士クーラ・サユリンが命令を飛ばす。その途端、フィールド上の選手達が
 昆虫の脱皮の様に皮を剥ぎ、その下からお馴染みの戦闘員姿を現す。それだけではなく、観客席の中からも
 次々と戦闘員が姿を現し、僕らは囲まれる形になってしまった。突如現れた戦闘員に、観客席は恐怖の渦に呑まれた。
「…何となく分かっていたけどね、後手に回るのは正義の味方の常か」
「とは言え勝算はあるんだろうなぁ、リーダー。 無謀と勇気は同じじゃないぞぉ」
「ある、って言うか今までの戦闘で分かったけどさ──」
「Eー!Eー!」
 僕は襲い掛かってきた戦闘員の攻撃を難なく回避し頭を鷲掴みにすると、
 そのまま無造作に戦闘員の群れに投げつけた。プロ野球のストレート並の速度で飛翔した戦闘員は、
 仲間を巻き込み押し潰されるように観客席の壁にめり込んだ。
733名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 01:38:41 ID:+tpiG6dH0
「この戦闘員ってどう見ても戦力になってないよね」
「銃器でも持たせれば脅威になるもんだがなぁ――――投影(トレース)、開始(オン)!!」
 ブルーは拳銃を投影し、無造作なように見えて的確に戦闘員の急所を撃ち抜く。
 糸が切れた人形の様に戦闘員達は次々に断末魔を上げながら倒れていく。
「リアンの話からすると、あんまり金がない見たいだね。 連中の獲物がバラバラだし」
「ああ、もう、お約束だからってそんなにバタバタ倒さないで下さいよー。
 しかし、こんな事もあろうと切り札があるんですよー、あははー」
「何?」
 クーラ・サユリンが出した切り札とは?

A 何と、洗脳されたイエローが現れた。 「これまたお約束ですよ、あははー」
B 何と、ヌッ殺した戦闘員が立ち上がった。 「ネクロマンシーでゾンビ軍団ですよ、あははー」
C 何と、白き精霊が現れた。 「念の為にご足労して頂きましたー」※人物選択
734名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 01:40:14 ID:SlKFRIdW0
A
白き精霊に人物指定て原作の白き精霊は無視ですか
735名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 01:45:19 ID:5BPLhyOz0
>>734
原作じゃレクトール、ミルディン、ルキフェル(アロウン)以外、名前すら無いし。
736名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 01:53:33 ID:1EuDG5hF0
一応似たり寄ったりとはいえ性格もしゃべり方もわかってるし外見も壁画である程度わかるからなあ>精霊
737名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 03:03:57 ID:RVfcHIHF0
 僕達の目の前に現れた女の子、その子は僕たちと同じ黄色いバトルスーツを着ている。
 そうだ校内新聞で見たことがある、女子空手部の主将の坂下好恵だ!
 仲間のはずだけど目が……正義に燃える目じゃない、僕たちへの敵意をむき出しの瞳だ。
「これまたお約束の『捕らえた敵を洗脳』ですよ、あははー」
 なんてこった、同じ仲間と戦わなきゃいけないなんて……
「坂下さん! 坂下さん!」
「…………」
 僕の呼びかけにも坂下さんは答えてくれない。
「何を躊躇しているんだぁぁぁ!!! やらなければやられるんだぞぉぉ!!」
 そうだ、何とか坂下さんを止めて洗脳を解かなきゃ。
「この人はかなり強いですよ、元々空手の腕がスーツのおかげで強化されてますからね」
「さ、あの二人をやっつけてください!」
「…………!」
 敵の女の子の声と同時に坂下さんが一気に高槻さんに詰め寄った。
「何ぃぃ!」
 慌てて拳銃を構えようとしたけど全然間に合わず、懐に飛び込まれてしまう。
「くっ!!!」
 そして坂下さんは親指と人差し指を伸ばして高槻さんの両目と眉間に思いっきりぶつけた!
「目潰しッッ?」
 僕の驚きに敵の改造戦士の女の子が口を開く。
「虎口拳です、親指と人差し指の付け根で縁道と呼ばれる鼻と眉毛の間を強打します
 数瞬ですが視力と思考力が失われ、次の攻撃をまともに受けることになります」
 攻撃を受けて狼狽する高槻さんに悠々と近づく坂下さん。

 ザクッ!!!
738名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 03:04:44 ID:RVfcHIHF0
 そして今度は思いっきり前蹴りを放った!
「『ザクッ!!!』ってどう考えても前蹴りの効果音じゃないよ!」
「足線蹴り、鍛えぬいたツマ先で腹を貫いています、坂下さんのツマ先は刃物と同じ効果を持ちます
 すなわち蹴られた場所は全て急所と化すんですよ」
「カハッ!!」
 腹部を蹴られて思いっきり吐血してしまう高槻さん。
 何とか反撃しようと握っていた拳銃で殴りつけようとしたけど、あっさりかわされて逆にアゴに掌底を喰らってしまった。

 ガスッ!!

「風摩殺ですね、顎がはずされました」
「た、高槻さん!!!」
 トドメを刺そうと坂下さんが拳を構えるけど……あの握り方は?
「手首です、手首と足首から先の造りと使用法が競技空手とは一線を画しますね」
 指先で何かをつまむような構えで坂下さんが高槻さんの脳天を叩く!
 そして二回目は掌を開いて指で脳天を叩いた!
「六波返し、頭の縫合が外されました、終わりですね」

 シュバアァァァッッッ!!!

「高槻さぁぁぁぁんんんん!!!」

 バタァン!

 高槻さんの目から、鼻から、口から、耳から、一斉に鮮血が吹き出して……倒れた。
 そんな……肉弾戦は苦手そうとはいえブルーを一瞬でなんて……
「あははー、びっくりして助けにも入れなかった見たいですねー、でも次はあなたの番ですよ」


A サッカーで鍛えた体で肉弾戦だ!
B いや、今こそ英霊召喚で坂下さんを止める人を呼ぼう(人物指定)
C いやいや、高槻さんを助けられる人物を召喚しよう(人物指定)
739名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 03:19:12 ID:BU8Fuk7HO
ダブル効果も狙って、Cで【観鈴の空】の『不見影』長谷部彩。
740名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 04:04:47 ID:WkI5SSZC0
 坂下さんが僕のほうを向いて構えを取った。
「あははー、覚悟してくださいね」
 僕は坂下さんの側に倒れているブルーを見た。
 ……瀕死の重態で意識がないみたい、早く助けないと本当に死んじゃうよ。
 そ、そうだ! 今こそ僕の能力「英霊召喚」だ!
 
 バッと手を構えて英霊召喚のために集中する。
「ふえぇ〜、何かする気でしょうか?」
 お約束なんだろう、スキだらけなのに何故か坂下さんも敵の女の子も攻撃してこない。
 今だ! 今のうちに召喚をするんだ!
 でもそこで僕は躊躇する。
 ……どんな人がいいだろうか?
 まずは坂下さんを止めるより高槻さんを助けたいから治療とかできる人がいい。
 それからできれば主役を喰わない様な影が薄い人が望ましい。
 もっと欲を言えば少しは戦える人がいいんだけど
 さすがに長い歴史を持つ選択スレとはいえそんな都合がいいキャラはいないかな……
 いやいや、やってみる価値はある筈だ!
「エロ○ムエッサイム! エロイ○エッサイム! 我は求め訴えたり!」
 そんな呪文を唱えて僕は能力を解放する!
 頼む、この場を打開できる人よ現れて!!!
「僕の声に選択スレの英霊よ! 今こそ応えてくれ!」
741名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 04:05:36 ID:WkI5SSZC0

 シュバァァァァァァァァ!!!

 僕の能力は選択スレの異世界と繋がったようだ。
 強烈なスモークが辺りに広がる、この感触……誰かを召喚したみたい。
 召喚したみたいだけど…………

「え? あれあれ? 何でだよ? どうしてだよ?」
 スモークの後からは……誰もいない?
「よく分かりませんけど失敗したみたいですね、びっくりして損しました」
「…………」
 スモークが晴れた後には……誰もいない?
 そんな! 確かに成功したはずなのに!
「さ、あなたをやっつけて戦隊さん達は全滅です、坂下さん、やっちゃってください」
「…………!」
 坂下さんが脚に力を入れ、僕に向かって跳躍しようとする。
 絶体絶命のピンチ! いきなりバッドエンド?!
 英霊さん! 何処にいるんだよ?! 僕を助けてよ!


 その頃、『不見影』の長谷部彩は――


A 実は誰にも気付かれずに既に高槻を運び出して治療をしていた。
B 空気の読めない暗殺スキル発動! クーラ・サユリンを吹き矢で仕留めていた。
C もっと空気の読めない暗殺スキル発動! 坂下を吹き矢で仕留めていた。
D 誤って毒針で手を刺していた。
742名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 04:06:37 ID:CVbK42Q+0
B
743名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 05:21:20 ID:WkI5SSZC0
「さ、あなたをやっつけて戦隊さん達は全滅です、坂下さん、やっちゃってくださ……」
 ほぼ同時だった、クーラ・サユリンの体が大きく揺れたのは。
「……は……はえ〜」
 いつの間にかあった首筋への違和感、手をやると何かが刺さっていた。
(これって……首筋に矢が刺さって……まさか毒矢?!)
 それに気がつくのは遅すぎた、クーラ・サユリンはグラウンドに倒れ付す。
 意識は朦朧として体は言う事を聞かず、どんどん精気が抜けてゆく。
 毒矢を通して生命を侵害する毒が体内に穿たれ、クーラ・サユリンを黄泉へ連れてゆこうとした。
(ふえ? もしかしてサユリンの出番はここでおしまいですか?)
 薄れゆく意識の中で、クーラ・サユリンが困惑する。
(おかしいです! 普通こういうのは坂下さんの洗脳を解く方法を聞くとか
 敵の組織の情報を聞くとかどうして改造戦士になったかを聞くとかしてからじゃないんですか!
 まだサユリン自身の能力とか出していないのに! あんまりです! 空気を読めてません!)
 そんな怒りとも愚痴ともいえない思考を最後に、改造戦士クーラ・サユリンは命の灯火を消していった……
744名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 05:24:37 ID:WkI5SSZC0

 ……気がつくと戦闘は終わっていた。
 敵の女の子が坂下さんをけしかけると同時か寸前に倒れてしまったんだ。
「…………」
 突然主を失った坂下さんはファイティングポーズのままその場に立っている。
 よかった〜、良くも悪くも敵にしっかり洗脳されていて。
 名前も知らない敵の女の子の後ろから、いつの間にいたのか僕が召喚した女の子がいた。
 いや、確かに目の前に立っているのに……何だかとっても存在感がない。
 存在濃度が薄いって事なのかな? もしも混戦になったら何処にいるのか分からなさそう。
「…………貴方がマスターですね」
 ありゃりゃ、てっきり「問おう、汝が我のマスターか」とか言ってくれると思ったのに。
 まぁそれはもっと剣士とか呼んだときのお楽しみに取っておこう。
 話を聞くと……何でも【観鈴の空】の「『不見影』の長谷部彩」って言って十本刀の一人らしい。
 あの名作の十本刀か……きっと本編でも大活躍したんだろうな。
 今も手際よく高槻さんの治療をしてくれている、さすがに坂下さんの洗脳を解く方法は知らないみたいだけど。


「…………では、失礼します」
 高槻さんはじきに意識を取り戻すらしい、彩さんは仕事を終えて元の世界に戻るそうだ。
「ありがとう、長谷が……長谷部さん」
 いけないいけない、何故か名前を間違えそうになっちゃった。
「うーん、でも治療の腕とかいいしまた呼べないかなぁ」
「……その……召喚のルールの一つですけど」
 え? そういえば英霊召喚の詳しいルールってよく知らないけど。


A 「……一度呼んだキャラは二度と呼べないので慎重に選んでください」
B 「……次に選ぶキャラは前に呼んだキャラと何か関連がないと呼べないので注意してください」
C 「……一日に使える回数は○回なので気をつけてください」○の数字を指定
745名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 05:47:28 ID:BU8Fuk7HO
Bいっとこう。
746名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 08:20:23 ID:9ao8TBhq0
「まず最初に選択されるキャラは私のようにあなたの指定した条件に合致したキャラからランダムで選択されます。
 次に二回目以降の召喚についてなのですが、二回目以降は前回に召喚されたキャラと何らかの関連性がないと呼び出せません。
 つまり私の場合ですと次に呼び出せるのは多分同じ十本刀かこみパキャラになると思います。
 ひょっとしたら他にも呼び出せるキャラがいるかもしれませんが。
 あと同じ英霊は連続しては呼べません。次に私を呼び出せるとしたら次のそのまた次ということになります」
 ふむふむ、よく分かった。つまりは連想ゲームみたいに毎回呼び出せる英霊の条件がころころ替わるってことか。
 ということは次に呼び出せそうなのは………
「それと英霊にはそれぞれランクが指定されています。高ランクの英霊ほど呼び出すのに力を消費します。
 私のランクはだいたい平均的なCです。Bランクになるとかなりの力を消費しますので一日にそう何回も使えません。
 Aともなると召喚しただけでパワーの殆どを使い果たしあなたは動けなくなってしまうでしょう。
 さらにその上Sランクともなると残念ながらあなた一人の力では召喚は無理だと思います」
 そうか。やっぱり呼び出せる英霊ってもそう無制限というわけじゃないんだね。
 実際に使うならC 状況によってはBの英霊ってところか。
「大まかなランクの目安の表はこれですので次回以降参考にしてください」
 そう言ってひらりと一枚紙を残して長谷部さんは元の世界に去っていった。
 さて表を確認してみよう。おあつらえ向きに次に召喚可能そうな人物が記載されていた。
747名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 08:21:21 ID:9ao8TBhq0
 S 『天剣』の神尾観鈴、アンデルセン南
 A 腹白い姉妹総統 立川いくみん 、 熱気玉九品仏大志 言葉で戦う九品仏大志  ヲタ挽縦王子鶴彦 
 B 『盲剣』の川名みさき 『鬼女』の藤林杏 『小金華』 傭兵ヲタク横 『刀狩』の七瀬
 C 『邪術』なつみ  『百識』の保科智子 『首薙』の姫百合姉妹 『飛翔』のユンナ
    勇者浩之の仲間の詠美 etc

その他 『不見影』の長谷部彩と関係性のある『観鈴の空』出演キャラもしくわ こみっくパーティキャラの中から
選択が可能です。ランクの基準としては 
 S 超主役級 あるいは完全人外領域の戦闘力保有キャラ
 A 主人公あるいは実質主人公級の濃いキャラ
 B 各作品における重要キャラ
 C 各作品の脇キャラ

おおまかな基準としてはこのようなものです。次回以降の参考にしてください。



 なるほど。やっぱりそう際限なく呼べるものではないんだな。まああのキャラとかあのキャラとか呼び出した日には
 僕の主役としての存在意義がなくなりそうだからいいけどね。
 さて、意識を変えよう。今僕の目の前には洗脳中の坂下さんと手当てはなされたものの重傷の高槻さんがいる。
 坂下さんは指示を出していた怪人クーラ・サユリンが倒されたことでどう動いていいのか分からずにロボットのように
 ファイティングポーズのまま立ち往生している。あまりいい状況ではないな。
 さて、どうしようか。

A とりあえず坂下さんと高槻さんを担いでアヴァロンまで戻る
B 洗脳を解くのに使えそうなCランクの英霊を呼び出す。
C 「よくも佐祐理を……」えっ?続けざまに連戦っすか?
748名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 08:33:34 ID:x5WB9ny8O
Cも捨てがたいが、ちゃっちゃとB
749名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 08:36:20 ID:x5WB9ny8O
やべ、Aと間違えた…
まぁルールだし、Bでお願いします
750名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 13:15:00 ID:0AUa5lHg0
 ――時は遡ること明治。
 新政府の元に鎖国が解かれ、数百年の格差を埋めるべく西洋文化がどっと押し寄せ
 大嫌いだったそばかすを撫でると溜息が出て角砂糖と一緒にヘビー級の恋が溶ける時代。
 あるところに一軒の薬屋があり、そこには仲睦まじい二人の女子が住んでおったそうな。

「ただいま……」
「彩お姉さま、どこに行ってたんですか?
 留守の間に近くの病院の先生が薬の注文に来て大変だったんだから」
 のれんを潜った女が『不見影』長谷部彩、出迎える女が『邪術』牧部なつみ。
 幕末の京都を震撼させた人切り集団十本刀の生き残りである二人だが、
 今は愛するものと共に新しい時代を静かに生きるごく普通の女性であった。
「少し……英霊召喚されていました……」
「英霊召喚?」
「ちょっとした……お手伝いです……」
 要領を得ない回答に首をかしげつつも、なつみはそれ以上問わずに
 机の上に医者に言われた薬剤名を書き付けた帳簿を開いた。
「とにかく、開国してどんどん西洋の新しい薬が入ってきたせいで
 私では分からないものが多いんですから、勝手にいなくなられると困ります」
「すみません……また苦労をかけてしまいまして……」
 彩の伸ばした手が、帳簿ではなくなつみの頬に当てられた。
「お詫びをしないと……」
「そんな、彩お姉さま、先に注文のほうを……」
 そういったなつみの口を塞ぐように、彩の唇が近付いて――
751名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 13:17:05 ID:0AUa5lHg0
「……というわけで、坂下さんの洗脳を解いて欲しいんだ」
 僕は洗脳を解くのに使えそうなCランクの英霊を呼び出すことにした。
 選んだのは『邪術』牧部なつみ、あまり無理しなくても呼べる範囲の中で
 一番精神的なものへアプローチするのに向いてそうなのが彼女だったんだ。
「……呼ばれたからにはやるわ。終わったら帰ってもいいわよね?」
 なぜか知らないけど物凄い不機嫌な顔でなつみさんは答える。
 もしかして人によっては呼び出されるのが不本意な場合もあるのかな?
「ああ、とりあえずなつみさんには洗脳さえ解いて貰えればいいから」
「分かったわ。次は十本刀かまじアンキャラ、それと私と競演したキャラになるけど
 間違っても彩お姉さまをまた呼び出したりはしないでよね……したら夢枕で呪い殺すから」
「な、なんだか怖いなあ」
 さっさと済ませたいのか、なつみさんは坂下さんに術をかけはじめた――

A 無事に坂下が覚醒した
B 坂下は覚醒したが、感じている感情に襲われていた
C その頃、白き精霊たちのアジトでは……(視点移動)
752名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 13:18:45 ID:BU8Fuk7HO
Aでちゃっちゃと。
753名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 14:04:50 ID:0AUa5lHg0
「はい、終わったわよ」
「え?もう?」
 坂下さんの前に立って、二言三言つぶやいただけで終わりを告げられた。
「取り込み中だったから、早く戻りたいのでちゃっちゃと済ませたわ」
「ちゃ、ちゃっちゃとって……」
「私にとっては呼ばれる前のほうが大事な出来事なのよ。
 心配しなくても、下手な術かけてまた呼び出されるのも嫌だし
 ちゃっちゃとかけたけど洗脳自体はきちんと解除しておいたから」
「う……わ、私は?」
「ほら、目が覚めたみたいよ」
 本当だ、さっきまで固まっていた坂下さんがきょろきょろしている。
「それじゃ私は戻るから……いい、次は彩お姉さま以外を呼んでよ」
 坂下さんが覚醒したのを確認すると、なつみさんは姿を消した。

「……そうだったのか。
 すまない、洗脳されたばかりか仲間の命を奪おうとしたなんて」
「まったくだぁ!おかげで三途の川でお婆ちゃんに再会してしまったではないかぁぁぐう!?」
「高槻さん、まだ治ったばかりなんだから叫んじゃ駄目だよ」
 意識を取り戻した高槻さんに肩を貸し、洗脳が解けた坂下さんと向かい合う。
「ブルー、イエロー、そして僕……なんとか三人まで揃ったね」
「それにすでに怪人も2体倒してるからな!前途は明るいぞぉぉぉうおっアバラがぁ!?」
「私が洗脳されている間にそこまで倒していたの……
 どうやらあなたは私たちのリーダーにふさわしい人みたいね」
 坂下さんが……いや、イエローが差し出した手を握り、そこにブルーが手を重ねる。
「でも油断してはだめよ。
 うっすらと洗脳されていた時の記憶が残っているんだけど、
 10精霊の本拠地にはまだまだ強大な力を持つ怪人、そして精霊たちが控えていたわ」
 そうなのか……まだまだ浮かれることは出来ないな。

A アリーナに何か情報が残されてないか調べてみる
B アヴァロンに帰還して休息しながら相手の動きに備える
C 3人で十分だ、ちゃっちゃと敵のアジトに乗り込んで10精霊を倒して巨大化したところで巨大ロボを呼び出すぞ
754名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 14:08:11 ID:WkI5SSZC0
C
755名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 14:17:03 ID:0AUa5lHg0

『無茶だ』
『無茶ですのう』
『無茶ですね』
『無茶だよ』

 ……四重奏で却下された。

『まずどうやって敵の本拠地に乗り込むつもりだ?
 まだ場所も分かってないんだぞ、それに本拠地なら敵も多い。
 2人よりも3人がいいだろうが、それなら5人いたほうがもっといいだろう。
 そして問題は10精霊だ、いうなら俺があと10人いるようなもんだ。
 うぬぼれで言ってるんじゃない、いくらなんでも絶対に勝ち目はないぞ』
 ……う、まったくもってその通りだ。
 ブレスレットの向こうから飛んでくるアロウンさんの言葉が痛い。
『まあまあアロウン様、それだけ若いということでしょう。
 そしてそれは、時として思いもよらぬ力となるものですぞ』
『分かってるさ、だから彼にレッドを託したんだ。
 だが時期ってものがある……おいレッド、聞いているか』
「は、はい!」
『確かに無茶な意見だったが、全部が全部駄目だったというわけでもない。
 相手に気勢を与える前に打って出て、大勢を崩す事自体は正解だと思う』

A 一旦基地に戻れ、ここまでで手に入った遺留品を調べてみよう
B イエローがまだ洗脳が解けていないふりをして潜入してみるんだ
C 前線基地のひとつなら分かっている、掟破りの巨大ロボで先制攻撃だ
756名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 14:21:42 ID:WkI5SSZC0
B
757名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 20:02:36 ID:wVqJl0WW0
「……ここが坂下さんが囚われていた基地なんだね?」
「ええ、私ともう一人の仲間が囚われいるはずよ」
「ならば早く突入するぞぉぉぃたたた……」
 郊外に建っている寂れた廃工場、一見無人だけど地下にアジトがあるらしい。
 近くの物陰から様子を窺ってみる。
 確かに散歩を装っているけど……アレは多分見張りの戦闘員だろう。
 廃工場の周りには常に二・三人の人間が辺りを見回しながらうろついている。
 僕たち三人は洗脳されていた坂下さんの記憶を頼りに敵のアジトの一つの前に着いた。
『イエローがまだ洗脳が解けていないふりをして潜入してみるんだ』
 というアロウンの意見に従ってここまで来た訳だ。
 正直高槻さんはまだ病み上がりで戦闘に参加できるか微妙だけど
 今を逃すと坂下さんの洗脳が解けていないフリをするのは難しい。
 それに囚われの仲間も早く助けないとどんな目に合っているか分からないからね。
「心配するなぁ! 俺様もそんな無茶はしないぞぉ!」
 ブルーってそういう役どころだし高槻さんって殺されても死なない気がするな。
「それじゃ潜入してみるわ……もし二時間たって戻ってこなかったら……レッド達も突入して」
 単独での敵地への潜入、きっと坂下さん緊張してるだろうな。
「了解、成功を祈るよ」
「そうだぁ! 俺も性交を祈ってるぞ!」
「……何だかブルーは別のものを祈ってる気がするけど」
 そうだ、坂下さんは囚われている仲間の一人を少し知っているみたいだし、ちょっと聞いてみよう。
「ところでさ? ここに囚われている仲間ってどんな人なの?」
「ここに囚われている人? それは――

A あたし達と同学年の女の子よ」
B レッドと同じ年ぐらいの男子学生よ」
C あたし達よりも年下の女の子よ」
D 何故かそれなりに年食った中年の男の人よ」
E 何故かあたし達ぐらいの子供を持っていそうな主婦よ」
F あたし達よりも年上な女の人よ」

「で、色は――だったわ」(色を指定してください)
758名無しさんだよもん:2006/03/10(金) 20:07:28 ID:+khUnR4j0
Dブラック
759名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 02:12:30 ID:UgOFCdjv0
「色はブラックで、中年の男性が適格者だったわ」
 ブラックか……てっきりグリーン辺りが来るかと思ったけどそうか。
 最近は使われたり使われなかったりする色だよね。
 でも適格者がまた中年の男性って……高槻さんといいどうもアロウンさんのセンスって疑わしいな。
「とにかく、ブラックを救出する為にも洗脳されたままのフリをして潜入するわ」
 そう言って坂下さんは敵に基地に向かって行く。
 無事でいてくれよ、イエロー、ブラック……

「…………(相変わらず薄暗い廊下よね)」
 私はおぼろげな記憶を頼りに基地内を歩き回り続けた。
 選択スレの皆さん久しぶり、私の主役作品以来よね。空手に燃える女坂下好恵よ。
 まさか選択スレに再登場できるとは正直思ってなかったわ。
 私たちの町東鳩が火の海に包まれた時、アロウンさんに適格者として見出されたんだけど
 不覚を取って敵に捕まってしまったわ。
 しかも洗脳されて仲間を死なせてしまいそうになるなんて……とてもショックよ。
 だからこそ、汚名返上の為にもブラックを助け出してみせないといけないわ。
 基地は地下でブレスレットの通信機能は期待できない、何とか私一人でやってみせないと。
「…………(地下なのに意外と広いのよね、この基地)」
 洗脳されていた時と同様にできるだけ無口でいて、必要な単語だけ片言で喋る事にする。
 途中で何人か戦闘員とすれ違ったけど、この基地で洗脳されたから私が歩く姿に不信感を覚えるヤツはいないみたい。
 もっとも元々敵なんだから気安く挨拶をしてくるヤツもいないけど。
 そんな訳で敵の基地を探索する私なんだけど――


A どうにか怪しまれずにブラックが囚われている牢屋に着いたわ。
B 戦闘員が「おい貴様、怪人の○○様が呼んでいるぞ」と言ってきた(人物指定)
C 部屋の一つを探索中に、いきなり戦闘員達に不意打ちを喰らってしまった!
760名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 02:14:25 ID:NnEin1HU0
Bでヌワンギラス
761名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 02:15:49 ID:Te1zNg9FO
空手アクションに期待 C
762名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 07:26:59 ID:yI2dVl3G0
「おい貴様、ヌワンギラス様が呼んでいるぞ」
E以外の言葉も喋れるちょっとインテリ系の戦闘員が私に声をかけてきた。
ヌワンギラスってたしか……レッドとブルーが初めて戦った怪人よね。
この基地に逃げてきたのかな。
面倒だけど、ここで断るのもちょっとおかしいし、しょうがない。
なるべく無表情にうなずいて、その戦闘員が案内する後についていくことにする。

「ヌワンギラス様、連れてまいりました」
「ああ、わかった。お前は下がれ」
こいつがヌワンギラス。怪人と一対一。緊張してぼろを出さないようにしないと。

「お前があいつらの仲間か」
「……」
「そうか、洗脳されてるんだったな。つまらねえぜ」
近寄ってきて私をねめつける。
「今のテメエに言っても仕方がねえが……あいつらだけは俺がいつか必ず殺してやる」
ヌワンギラスが血走った目で言う。唾を飲む音が聞こえなければいいんだけど。

「それでな」
私を見て続けた。

A 「お前もとっとと死んどけ」 ヌワンギラスの剣が私の首を狙ってきた!
B 「外に居るあの二人を見つけた」 えぇ、見つかっちゃったの!?
C 「もう一人のお仲間のところへ連れて行ってやろう」 そう言って歩き出した。
763名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 07:37:20 ID:EhbG+c5v0
764名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 11:09:36 ID:XL/5DFz00
「もう一人のお仲間のところへ連れて行ってやろう」
 そう言ってヌワンギラスは歩き出した。もしかしてこれは千載一遇のチャンス?
 とりあえず大人しくついて行く事にする。

 十分ほど歩いただろうか。ややこしい道筋だったけど、覚えられない程でもない。
 そこは暗い地下牢。奥には両手を鎖で封じられ、グッタリした様子の人影があった。
 うつむいていて、顔はよく見えない。男性であるのは確かだろう。

 地下牢の鍵を開け、中に入るヌワンギラス。私も中に入る。
 そこでヌワンギラスはこんな事を言った。

A こいつの目の前でお前を殺す。覚悟しろ。
B こいつの目の前でお前を犯す。覚悟しろ。
C お前の目の前でこいつを殺す。
D お前の手でこいつを殺せ。
E とりあえずこいつを捕まえたんだが、使い道がわからん。どうすればいいと思う?
765名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 11:18:41 ID:Kdkku4fVO
AかEか……Aだ!
766名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 21:58:51 ID:nKir5Rio0
「こいつの目の前でお前を殺す。覚悟しろ」
「――!!」
 突然鋭い刃が私の喉元に突きつけられる。
 ブラックが首をわずかに上げ、上目遣いにこちらを見た。
「敵に洗脳され、仲間となるはずだった連中にその拳を向けて
 挙句の果てに抵抗する意思すら奪われたまま、あっさり殺されるんだ」
 たしかに私が洗脳されているのなら、このまま簡単に首をはねる事が出来る。
 でも、それをわざわざここで私に宣言する必要はないはず……
 私はいざという時に備えて静かに間合いを計りつつ、成り行きを見守った。
「ひどい話だとは思わないか?」
「……うう」
 ブラックはそのまま首を弱々しく左右に振る。
「チッ、とことん口の固い野郎だ!!」
 ヌワンギラスが苛立ちを隠せずにブラックに蹴りをいれる。
 ブラックの体が大きく弾み、両手の鎖が壁にぶつかって
 ジャラジャラと耳障りな音を地下牢に響かせた。
「仲間の命を見殺しにしてでも何一つ喋らないとはな。
 これじゃ、どっちが悪だか分からねえんじゃないか?」
 状況が分かってきたわ、恐らくヌワンギラスは私たちから
 セレクターズ(仮)に関する情報を聞き出そうとしている。
 私は参加したばかりだったから洗脳しても大したことは知らなかったので
 こうしてブラックを揺さぶる道具に使っているのね……

A 許せないわね、作戦を中断してヌワンギラスに攻撃する
B 下手に動くのも危ない、もう少し様子を伺ってみましょう
C そのときブラックが顔を上げて喋り始めた
D 一方レッドとブルーはというと……(視点変更)
767名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 21:59:43 ID:CjnVKwTC0
768名無しさんだよもん:2006/03/11(土) 21:59:48 ID:DeTt5T2I0
C
769名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 00:10:21 ID:y3Qf6g2w0
「……止めてくれ」
 私がどうしようか迷っていたその時、ブラックが顔を上げて口を開いた。
 とても憔悴しきった顔をしていて精気がない、きっと厳しい尋問とか受けてたのね。
「へぇ……ようやく喋る気になったのか?」
「……俺が知っている事を全て話せばイエローには手を出さないと約束しろ」
 私を人質として突きつけられたせいか、ブラックは観念した顔をしている。
 ブラックが出した条件に少し考えたみたいだけど、ヌワンギラスがニヤリと笑った。
「いいぜ、約束してやるよ。俺も好き好んで女子供を手にかけたくはないからな」
「……分かった」
 くっ、そろそろ正体を明かしてブラックを助けるべきかもしれない。
 けど敵の基地内だし、ヌワンギラスも剣を手に油断してないわ。
「そうだな、やっぱりまずテメェの所属と名前を言え。定番だろ」
 ヌワンギラスはブラックに質問をして私の喉元にあてた刀でペチペチと首筋を叩く。
「好き好んで手にかけるつもりはねぇが、喋らないってのなら容赦しねぇぜ」
 刀を当てられた私を見て、悔しそうにブラックは話しだした。
「……俺は元12精霊のアロウンに適格者として見出された戦隊のブラックで、名前は――だ」


A 長瀬源一郎
B 長瀬源三郎
C 長瀬源五郎
D フランク長瀬
E 橘敬介
F  岡崎直幸
G 古河秋生
H 巣鴨文吾
770名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 00:13:50 ID:OkYRsyFm0
H
771名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 08:26:50 ID:frT/+i4P0
「……俺は元12精霊のアロウンに適格者として見出された戦隊のブラックで、名前は巣鴨文吾だ」
「ブラックか。こいつらの仲間にしては結構年をくってるようだが、何者だ?」
「俺はケーキ職人だ。この町で店をやっていた。もう、なくなってしまったがな」
くやしそうにヌワンギラスを睨みつけるブラック。
それにしても、ケーキ屋さんだったのね。今はパティシエって言うのかな。
あんまり、見た目と似合わない。なんていうかこう、昔は傭兵とか軍曹とかそういうののほうが……

「貴様らのせいで俺の店は燃えてしまった。妻と娘とバイトの連中を助け出すだけで精一杯だった……」
「けっ、知るか。そんなことより、テメエの能力はなんだ。
 あのブルーとかいう野郎は空中から銃を取り出しやがってたが、似たような真似ができるのか」
私の首筋に剣をつきつけながら巣鴨さん──ブラックに聞いてきた。

「なんだその眼は」
チクリ、とわずかな痛みが首筋に走った。
まずい、動けない……

ブラックが慌てて声をあげた。
「わかった、喋るからイエローから剣は離せ」
「最初からそうしてりゃいいんだ」

「くっ、俺の能力は、

A 甘い夢を見させて一時的に行動不能にする
B ケーキを焼成できる200度の熱を放出可能
C ジャムおじさんのようにケーキのスタンドが出せる
D 傭兵時代を思い出してコマンドーへ変化する
E ……というものだ(能力を指定)
772名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 08:30:51 ID:N6+h67m60
C
773名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 08:31:39 ID:y3Qf6g2w0
B
ちょっと低い気もするんで状況によってはもう少し高い温度も出せるようにしてあげて欲しい
774名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 11:17:51 ID:4fTWuTj7O
アソパソマソは幽波紋かYO!?
775名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 14:32:40 ID:YDPjAIkN0
「ジャムおじさんのようにケーキのスタンドが出せる」
「……ふざけてんのか!?」
「ブルーがそう例えたんだ、俺に文句を言われても困る。
 この表現が不満ならば、自分の目で判断してもらおうか」
「なに……うおっ!?」
 ブラックが目を閉じて一息吐き出すと、
 ヌワンギラスとの間に謎の人影が浮かんだ。
 ……たしかに愛と勇気だけが友達なケーキのスタンドとしか表現出来ない姿ね。
「頭がケーキになってる戦士……悪い夢でも見てるみてぇだぜ」
 ヌワンギラスが剣の先でスタンドのケーキを軽く突く。
 スタンドは特に反応を示す事もなく、宙に浮いたままだ。
「……ここまで見せてやったんだ、ひとつ俺の話も聞いてくれないか?」
 スタンドを維持しつつ、ブラックが逆にヌワンギラスに質問をした。

A 「イエローと俺のスタンド、2vs1で貴様は勝ち目があると思うか?」
B 「ともかくイエローが無事なのはわかった、他の仲間も無事なのか教えてほしい」
C 「テメェに発言権はねえよ!」ヌワンギラスがまたブラックを蹴り付けた
776名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 14:36:28 ID:6+nJDEFm0
A
777名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 14:37:29 ID:ESKKyHYk0
C
778名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 23:07:21 ID:y3Qf6g2w0
「イエローと俺のスタンド、2vs1で貴様は勝ち目があると思うか?」
 そう言ってチラッとブラックは私に意味有りげな視線を送った。
 これは……私の正気を取り戻した事にブラックが気付いてる?!
「何だと?」
 ヌワンギラスがあげた声が反撃の合図だった。
 キィィィィン!
 頭部がケーキのスタンドが外見に似合わないスピードで動く。
 振り下ろした手刀が一瞬でヌワンギラスの手に握られていた刀を弾いた!
「テメェ……イエローがどうなっても……!」
「セイッ!」
 刀を弾き飛ばされてヌワンギラスは動揺する。
 突きつけられていた刃から解放された私は間髪入れず正拳突きをヌワンギラスに叩き込んだ!
「グハッッッ!」
 突然の逆襲によって壁に吹き飛ばされるヌワンギラス。
「き、貴様、洗脳されていたんじゃねえのか……?」
「お生憎様、私はもう仲間達によって正気を取り戻したわ!」
 もう演技をする必要は無い、私はブラックを庇って構えを取る。
「クソッ! まんまとダマされたって訳かよ!」
 この場での不利を悟ったのかヌワンギラスは忌々しげに部屋から逃げてゆく。
「えいっ! こんな鎖!」
 私は急いでブラックを繋いでいる鎖を破壊し、ブラックを解放した。
「急いで脱出しましょう、それにしてもよく私が洗脳されていないことに気がつきましたね」
「これでも客商売をやっているんでな、とにかく脱出が先決だ」
 そう、ヌワンギラスに逃げられた以上すぐに警報が響き渡るはず。
 早くレッド達と合流しないと。
 

A 逃げる途中で、私たちを基地の罠が襲った(罠を指定)
B 逃げる途中で、私たちの前にヌワンギラスと新たな怪人が立ちはだかった(怪人を指定)
C 基地に変化に気がついたレッドとブルーは?(視点をレッドに変更)
779名無しさんだよもん:2006/03/12(日) 23:11:46 ID:QWKta6m00
C
780名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 01:26:44 ID:D55mZ7Ap0
「何か戦闘員が慌しく動いてますね」
 イエローが突入してそろそろ2時間が経とうとした頃、
 基地から出てきた戦闘員が見張りに何やら指示を飛ばしたりし始めた。
「考えられるのはイエローの正体がバレたって事だろうなぁ。 救出が成功したかどうかはは分からんがな」
 成る程、だとしたら僕らがする事は…
「ならば、僕らのする事は一つ、基地に突入してイエロー達の退路の確保だね」
「む、そんなことをしなくともスーツには防毒フィルタが付いているから毒ガスでも流し込めば──」
「却下。 ブラックやイエローの状態も分からないのにそんな事は出来ないよ。
 ブラックがブルーみたいにブレスレットが無い可能性だってあるんだし」
 僕はブルーの非道な作戦を切り捨てる。どうしてこう極端に走るかなぁ…
「ならば、突入してイエローと合流する係と退路の確保する役の二人に分けた方がいいだろう。
 二人で突っ込んで、逃げ道塞がれましたじゃ話にならん」
 だとすると人手が少しでも多い方がいいかな、英霊召喚の出番だ。
「エロ○ムエッサイム! エロイ○エッサイム! 我は求め訴えたり!」
 僕は版権回避の伏字付き呪文で召喚を始める。
 僕の眼前に魔方陣が描き出され、そこから魔力が漏れ出し、
 それが粘土を捏ねるように何かを形作りだした。そして僕は呪文を続ける
「葉鍵の輪より来たれ、選択の守り手よ―――!」
 それが最高潮に達すると、魔方陣が輝きだし、辺りを光で埋め尽くした。
「E!?」
 無論、それを見張りの戦闘員達は怪しんでそちらに注意を向けだす。
 その刹那、彼らの背後からくしゃみのような音が立て続けに鳴り、彼らの意識は永遠の闇へと誘われた。
 そこには回り込んだブルーがサイレンサー付きサブマシンガンを携え、その銃口からは硝煙を立ち昇らせていた。
「これで入り口は確保だ。 さぁ、どうする、リーダー?」
 そうだな…

1:召喚された英霊を選択してください。※【観鈴の空】か【まじかる☆アンティーク】
2:上記のキャラも含めて、メンバーを突入する人と退路を確保する人に分けて下さい。
781名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 01:33:05 ID:3obRfFwq0
1:【観鈴の空】で『刀狩』の七瀬
2:突入は七瀬とレッド。 退路の確保はブルー
782名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 01:33:18 ID:kArtYF1d0
1:観鈴の空:彩  なつみの怒りを買おう、存分にw
2:突入:順当に高槻雅史 退路確保:彩
783名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 14:01:13 ID:orl2oDxQ0
「ブルーは無理せず退路の確保に回ってくれ、僕と七瀬さんで突入する」
「敵陣への切り込み役ね、あたし向けのいい仕事で呼び出してくれるじゃない」
 『刀狩』の七瀬留美が不敵な笑みを見せる。
 七瀬さんの戦士としての最大の魅力はその性格だ。
 剣の腕で敗れ、作戦で敗れても、己の命を奪わせることで
 ただ一点「非殺の誓いを破らせる」という勝利を手に入れる。
 周りの全ての状況を利用する機転と合わせて、
 何が起きるか分からない敵地に突入するには最高の人材のはずだ。
「せいぜいそっちに敵兵が向かわないように、派手に暴れてやるわ」
「無理はしないで、最悪アロウンさんに応援を求めるんだ」
「ああ、頼むぞ」
 マシンガンを構えて入り口に陣取るブルーとうなずきあうと
 僕と七瀬さんは危険を省みず基地の中に突入した――

A すんなりイエローとブラックと合流出来た
B 罠の仕掛けられた回廊に迷い込んでしまった
C 赤くて角のある通常の三倍の速度の戦闘兵と出くわした
784名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 14:20:59 ID:Zjng0PSb0
Cだ。まずは腕試し。
785名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 14:21:12 ID:r5luV6bo0
B
786名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 16:30:45 ID:gRgGnNns0
「E!」
 いつもの声が場に響く。
 早速来たぞザコ達が! ここはサクッと僕と七瀬さんで片付けて……
 って思ったその時だ。
 不意に七瀬さんが僕の前に庇うように立ち、持っていた刀を振るう。
「えっ!?」
 次の瞬間ドタリと倒れる音がしたと思ったら、そこには戦闘員が倒れていた。
 ……油断していた。一瞬反応できなかった。
 こいつ、速さが通常の三倍はあるぞ!!
「な、何よこの速さは!?」
 斬った血糊を拭いながら、七瀬さんが声を上げる。
 倒れている戦闘員をよく見てみた。角があって、赤くて通常の三倍……。
「そういえば……聞いたことがある!」
 僕はテリーマンのような口上を述べながら、
 アロウンさんから聞きかじったにわか知識を思い出した。

 赤い靴(お値段10ELEM)
 MOV+600,ALL−100

 奴らめ、装備してるな! 履くだけでTTT最速になれるアレを。
 そりゃ目にも止まらぬ速さなワケだ。これで速度アップを使われてShiftキーまで押されたら手もつけられない。
 しかも戦闘員たちは行く手を阻むようにわらわらと湧いて出てきている。
「どうする?」
 七瀬さんが僕の指示を仰ぐ。
 僕は……

A あいつらは速いだけのザコだ、もちろん一気に片付ける!
B 相手の自滅を待とう! この速さに体が付いてこられるはずがない!
C 七瀬さん、後は任せたっ! 僕は一人で先に行く!
787名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 16:33:32 ID:YRqDJKrE0
Bで
788名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 21:55:05 ID:CUnzo5je0
「相手の自滅を待とう! この速さに体が付いてこられるはずがない!」
「そうね……でも」
大きな刀で防戦に回る七瀬さん。僕も両手でなんとか攻撃を捌く。

「よし、スピードが落ちてきた! とうっ!」
「E!」
僕の攻撃を受けて戦闘員が一人ダウンする。七瀬さんも2,3人をはじき飛ばしていた。
だけど、

「これだけいたらっ、あたしたちのほうが先に体力がなくなるんじゃないの」
そう、数だけは多い戦闘員は後から後から沸いてくるのだ。
攻撃力はないけど速度だけはあるからちまちまとガードを抜けてダメージを受ける。
ジャンプ放送局ののみみたいな奴だ。

「どうするの? いったん引く?」
「駄目だ、あいつらのほうがスピードが上だから、背中を見せたら思う壺だよ」
「じゃあ、どうすんのよ」
「よし、ここは」

A 二人で一気に強行突破だ!
B 七瀬さんに通路の向こうまで放り投げてもらおう!
C な、なんだ、通路の先でケーキが戦闘員をタコ殴りにしてる!?
D 後ろから怪人らしきプレッシャーが襲ってきた。くそっ、こんな時に (怪人物指定)
789名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 21:57:01 ID:x1DRJoNdO
C
790名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 22:45:44 ID:CUnzo5je0
な、なんだ、通路の先でケーキが戦闘員をタコ殴りにしてる!?

「ウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーン」
機械の駆動音みたいなのを出しながらチョコレートがかかったケーキが戦っている姿は
まるで悪夢のようだ。戦闘員も「HE!」とか声をあげて腰が引けてる。
同士討ちみたいだけど、あれも怪人なのかなあ。いやだなあ。
あまりのインパクトの大きさに隣で戦っている坂下さんの姿が目に入らないくらいだ。
って、坂下さん!?

「レッド! それに着流しの女の人! ブラックを助け出したわ!」
坂下さんが僕らを見て声をあげる。よかった、大丈夫みたいだ。
「あ、ああ! イエロー、ええと、そのケーキは?」
「大丈夫、ブラックの能力だから。味方よ」
イエローとケーキの後ろにおじさんが見えた。あの人がブラックか。
「今ね!」
「ああ」
挟み撃ちとケーキのせいで浮き足立った戦闘員たちは逃げたり倒れたりでみるみる数を
減らしていった。

「イエロー、それにブラックも無事でよかった」
「ああ、よろしく、レッドだな。巣鴨文吾だ」
「はい、レッドの佐藤雅史です。こっちは七瀬さん」
「そんなことより、今はとっとと逃げ出したほうがいいんじゃない」
「うん、そうだ。ブルーが待ってる。行こう」
僕たちは来た道を走って戻りだした。

「甘い匂いがするわね……」
「そうだね……」

A 「よお、無事かぁ」 ブルーが入り口で待っていた。
B 「ブ、ブルー!」 入り口ではブルーが怪人と死闘を繰り広げていた。(怪人指定、ヌワンギラスも可)
C 「貴様は逃がすかあ!」 途中でヌワンギラスが僕に攻撃してきた!
791名無しさんだよもん:2006/03/13(月) 22:48:19 ID:x1DRJoNdO
書いてる人知らなかったらスマン。
Bでカンホルダリ!
792名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 01:14:57 ID:ee05HLR60
「この糞蟲があっ!!」
「ぐわあぁぁ!」
外に出たところで、ブルーが怪人と戦っていた。
ライオンのような髪、鋭く立った耳、超幅広の剣を持つ大柄な敵だ。
「このカンホルダリに勝てると思うか、糞蟲!」
「くそおおぉぉ!」
銃を乱射するブルー。だけど体のほとんどを覆ってしまうようなその剣が弾をはじき、通さない。
「甘いわ馬鹿が!」
「ブルーっ!」

「遅いぞおまえらぁ!」
ブルーが距離を取って僕らに近づいた。あちこち出血している。
「イエローとブラックは無事だ。ブルーは大丈夫?」
「これが大丈夫に見えるかっ」
まぁこれくらいなら大丈夫だろう。怪人カンホルダリに目を向けなおした、その瞬間。
「糞蟲どもが寄り集まりやがって! 臭いわ、死ねいっ」
一瞬で距離を詰めて豪刀一閃。僕に見えたのは剣のわずかな軌跡だけだった。
防御する銃も盾もない!
両断寸前、僕の前で剣が止まる。そこにいたのは、一人の剣士。
「いい刀ね」
七瀬さんがかわりに受け止めてくれていた。

「いただいておくわ」
速い。七瀬さんの刀も十分なほど大きいというのにすさまじい勢いを持ってカンホルダリに向かう。
「この俺が負けるかぁ!」
カンホルダリも轟音と共にその刀を弾き飛ばす。
その威勢を借りて上段から落とした。それも七瀬さんは余裕を持って受ける。

「蟲の分際で……」
「刀狩の名前は伊達についているわけじゃないわよ」
体のサイズや筋力では比較にならないはずだ。だというのに剣と剣が二人の中央で噛み合う。
響いた音は音楽的なまでに美しく、より強くなっていった。
793名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 01:15:53 ID:ee05HLR60
その後、僕、ブルー、イエロー、ブラックは4人そろって戦いを眺めていた。
「いい戦いだな」
「いい戦いね」
「そら、そこだぁぁぁ!」
無邪気に応援などを始めている。これでいいのか?

「駄目だだめだ、こんなんじゃ! ほら、僕らが行かなきゃ。
 Bの七瀬さんでこれじゃ先が思いやられるよ! どっちが主役だってことになるよ!」
危機感を覚えて僕は立ち上がる。そうだ、僕らがやらなきゃ。

A レッドが戦う
B ブルーが戦う
C イエローが戦う
D ブラックが戦う
E 4人そろって戦う
794名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 01:16:56 ID:cl6CXO0m0
少しは自分で動けA
795名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 20:25:46 ID:ee05HLR60
「よし、僕が行ってくる」
そのまま駆け出そうとした。

「レッド、さっき切られそうになってなかったか」
ブラックの冷静な突込みが入った。
「いくらスーツで防御力が上がってるからって、丸腰じゃ無理よ。
 ブルーだって切られてるんだし」
イエローの客観的な分析が出た。
「応援役に徹したほうが楽だぞ。銃も効かなかったしなぁ」
ブルーの正直な台詞が漏れた。

たしかに、一度無腰で戦ったヌワンギラスよりも刀の扱いはカンホルダリが数段上だ。
少しは持ちこたえられるにしてもさすがにそのまま突っ込んでいくのは無理があるだろう。
だからって、このまま召喚した人に任せるだけじゃリーダーの名がすたる。
だいたい、主役っぽくないからね。

「武器ならあるさ!」
改めて僕は二人の剣戟に向かって駆け出した。
「赤い蟲か、死ねい!」
いち早く気づいたカンホルダリ。だけど僕への攻撃を遮るように体を入れた七瀬さんに邪魔される。

「なにしてんのよ、あたしに任せときなさい!」
「七瀬さん、脇差を貸してくれ!」
「使えるの? 黙ってみてたほうがいいわよ」
そういいながらも鞘ごと渡してくれる。
「そういうわけにもいかないさ。ヒーローとしてはね」

僕は脇差を鞘から抜いて、空を切ってみた。

A なんだか剣の使い方がわかる! アロウンさんの知識だろうか?
B よし、知っているのは剣道の授業程度だけど、今の反射速度なら十分だ。
C 脇差はすっぽ抜けて見学中の3人に向かって飛んでいった。
796名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 20:28:55 ID:XTxcqv5S0
Cで
797名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 22:01:27 ID:ee05HLR60
脇差はすっぽ抜けて見学中の3人に向かって飛んでいった。

「うおおおおぉあおおっ!」
「はわわっ」
「痛っ、痛えじゃねえかあ!」
3人の叫び声が聞こえる。剣を合わせている七瀬さんからも疲れた声がかかった。
「取ってきて」
「はい、すいません」

冷たい眼差しの3人から目を伏せるようにして剣を取りに行く。物悲しいし、かっこ悪い。
まずい、このままじゃ僕のリーダーとしての威厳や主役としての意地が……

「そろそろ死んどけっ!」
大きな声が聞こえて振り向くと、そこにはカンホルダリを圧倒する七瀬さんの姿があった。
七瀬さんの剣が大きな円を描くような軌跡でカンホルダリを袈裟に切る。
そのまま下で刀を返すと別の円を描き、逆袈裟に切り上げた。
「ぐおおおおおっ! 糞蟲などにこの俺が!」
断末魔の声をあげるカンホルダリには、)( のような傷跡が体に残った。
「殺しの双曲線」
七瀬さんの声の最後は、カンホルダリの爆発音にまぎれていた。
僕は手元に脇差を抱えてその光景を眺めた。長谷田……長谷部さんに続き、
また召喚した人に怪人を倒されてしまった。これでいいんだろうか?

「じゃ、あたしは戻るわよ。次は『観鈴の空』か、『ONEのキャラ』からだからね」
ちゃっかりカンホルダリの剣を手にして七瀬さんは戻って行った。
何度も助けてもらったし、ありがたいんだけど、ちょっと複雑だなぁ。

さて、これからどうしよう。

A ブラックの情報も聞きたいし、いったんアロウンさんのところに戻ろうか。
B 「貴様ら、誰か忘れているだろう!」 聞きなれた怪人の声がする。
C この基地の中に情報がないか探ってみようか?
798名無しさんだよもん:2006/03/14(火) 22:08:29 ID:b2y8hsEh0
Aちゃっちゃと進めよう
799名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 03:11:42 ID:SUC8KhrbO

「お帰りなさいませ、皆様。よく御無事で」

 ブラックを加え無事にアヴァロンに帰り着いた僕達を、オガムさんが出迎えてくれた。
「すまない。心配をかけた」
「いえいえ、大した事も無いようで何よりです」
 眉根を下げて謝罪するブラックの言葉に、オガムさんは全く咎める様子もなくそう答えた。
 だけど、次の瞬間には急に少し神妙な面持ちになり、少し間を置いてから再び口を開いた。
「先程からアロウン様が大事な話があるとお待ちかねです。傷の手当も並行いたしますので、
お疲れのところ済みませんが、まずは皆様ミーティングルームまでお越しくださいませ」

 オガムさんはそこまで言うと、最後に「ではお先にお待ちしております」と区切ってこの場を後にした。
「大事な話か…なんなんだろう」
「悪い知らせじゃないといいのだけれどね」
「そうだな…」
「そんなものは聴いてみれば判る事だ。さっさと行くぞぉ!」
 自身のダメージと反比例するかのように、1人ハイテンションなブルーに促され、僕達はミーティングルームへと向かった。
800名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 03:14:24 ID:SUC8KhrbO

「みんな、ご苦労だった。早速だが良い報せと悪い報せがある」

 ミーティングルームに着いて円卓に腰を下ろした僕達に、アロウンさんが最初にかけた言葉はそれだった。

「まずは良い報せだが、※(1)の無事が確認された」

 そのアロウンさんの言葉に、場の空気が僅かながら弛緩し、僕も軽い空気を吐き出して表情を和らげた。
 取り敢えずは最後の仲間の無事が確認されて一安心ってところかな。

 でも次の話によっては…

「そして悪い報せだが…


A 既に敵幹部の1人が直々に(1)を追っているらしい」
B (1)は敵幹部の1人に「気に入られて」殺されないでいるだけのようだ」
C (1)のブレスレットに呼び掛けても返事が無い。…生命反応も微弱だ」


※(1)の色は?

a ピンク
b グリーン
c ホワイト
801名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 03:15:16 ID:LUonyUoQ0
A-b
802名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 12:35:25 ID:SUC8KhrbO
「既に敵幹部の1人が直々にグリーンを追っているらしい」
「ええっ!?」
 グリーンの無事が確認されたのは良かったけど、それはちょっとマズいね…。
「グリーンからの最後の通信によると、敵の隙を付いて基地からは逃げ出せたものの、その基地にいた幹部の1人に追跡を受けているらしい。
ポイントは西南西に30Kmの私有林。通信はほんの20分程前の事だ」
「解りました! よし、行こう、みん──
「待て、レッド。お前等、そんな体で幹部とやり合うつもりか?」
「うっ…」
「確かにそうだな。俺達は今少なからず消耗している。下手を打てばこちらもやばい」
「だがだからと言って、グリーンを見殺しになどできる訳がないじゃないかぁ!」
 …ブルーがそういう事を言うと凄い違和感があるなあ。
 ひょっとしてグリーンはブルー好みの女性とかなんだろうか。
「私は出撃(で)れます! 体力も能力も消耗していません!」
 イエローが胸に手を当てて高らかとアロウンさんに言う。確かにその通り、イエローは今みんなの中で一番充実状態にある。
「わかった。ならイエローは先行してグリーンと合流し、即座に退くかレッド達が到着するまで持ち堪えてくれ。
 だが、なるべくアヴァロンに敵を近付けないように、だ。いいな」
「はい!」

 イエローは単独でも出撃(で)るようだ。
 僕達はどうしようか。出撃(で)るべきか、回復を急ぐべきか…?


※レッド、ブルー、ブラックを先行組と回復組に分けてください。
 レッドを回復させるとBクラスの英霊までは召還可能になります。
803名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 12:42:33 ID:LUonyUoQ0
蒼黒 先行
紅 回復
804名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 14:20:45 ID:NgpR3l5k0
「……ブルー、ブラック、僕の分まで頼む」
 僕はグリーン救出をふたりに任せることにした。
 英霊召喚を連発したせいで消耗しているから、
 まずは少しでも回復しておきたいと考えたからだ。
「そうだな、レッドになったばかりだと言うのに頑張らせたからなぁ!」
「ここは俺たちだけでなんとかしてみよう」
「そのかわり、グリーンを救出した後のフォローはよろしく頼んだわよ」
「うん、分かってるよ」

 3人が出撃するのを見送っていると、アロウンさんが話しかけてきた。
「それにしても、少しの間に随分とリーダーらしくなってくれたな」
「司令官に見る目があったって事ですよ」
「はは、まあ伊達に長生きしていたわけではないってことだな」
「それでアロウンさん……お願いがあるんです。
 まだあるはずですよね、僕たちの切り札になるものが」
「……感付いていたか」
805名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 14:21:24 ID:NgpR3l5k0
 そう、いわゆるスーパー戦隊にはお約束の切り札がある。
 5人が力を合わせればどんな怪人でも一撃で倒せる合体技や
 5人が乗り込むことで巨大化した怪人と互角に戦える合体ロボだ。

「グリーンと合流したら切り札が使えるようになるんですから、
 きっと向こうもそれを阻止するために全力でやってくると思うんです。
 それを打破するために、今のうちに5人が揃いしだい
 切り札が繰り出せるように準備をしておきたいんです」
「ああ、こちらも似たようなことを考えていた。
 オガム、悪いが急いで例の物の準備をしてくれないか」
「そう仰られると思いまして、すでに準備させて頂きました」
「やれやれ、相変わらず準備がいい」
 苦笑するアロウンさんに先導され、僕は基地の奥へと向かっていった。

A 切り札の準備をするレッド視点へ
B 私有林へと向かうブルー、ブラック、イエロー視点へ
C 逃走中のグリーン視点へ
806名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 14:26:25 ID:L007rafY0
A で
あとそろそろ新スレを考えたいところだが
次スレの>>1
 a 藤田転生から選ぶ
 b 晴遊記から選ぶ
c現行から選ぶ
d即死組みから選ぶ
のどれにする?
807名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 14:52:12 ID:Mk9ojEKG0
せめてD
808名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 15:47:45 ID:SUC8KhrbO
即死組っていうとこんなトコか。


A 即死主人公全員
B クーヤ
C 観月マナ
D 杜若きよみ(黒)
E サクヤ
F 砧夕霧
G 三井寺月代
H その他
809名無しさんだよもん:2006/03/15(水) 15:52:44 ID:LUonyUoQ0
仲良くA
810名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 09:49:51 ID:0xq9LUbc0
「五人組といえば合体技か、合体ロボ。古くからのお約束だな」
「水戸黄門の印籠と一緒ですね」
「連続攻撃なら最後。ロボなら頭。レッド、君の役割は重要だな」
「覚悟はしています」
というか、直接怪人と戦うと最近いい目を見てないんだよね。
僕は前を歩くアロウンさんに悩みをぶつけてみた。

「アロウンさん、やはり召喚役は戦闘には向かないんでしょうか」
「まぁ戦闘特化の能力じゃないからな。直接攻撃ならブルーイエローブラックには
 かなわんだろう。いいんじゃないか、リーダーなら的確な状況判断、果断迅速な決断が
 必要な能力だ。そして、それに適した人物を呼び出すことができる君の能力は最も適しているだろう」
「それはそうかもしれませんけど」
だけど概してそういう役割は目立たないんだよなぁ。
アロウンさんは剣も魔法もターンアンデッドも変身もなんでもできるからいいけど。

ぶちぶちと言っていると、目の前に空間があらわれた。広い。
きっとここがアヴァロンの最奥だろう。その先にある大きな扉を開けてアロウンさんが言った。

A 「これが合体ロボ、ウィツアルネミテアだ」
B 「サッカー部であるレッドにふさわしいだろう」 サッカーボールがあった。ゴ○ンジャーストーム?
C 「ショタ顔であるレッドにふさわしいだろう」 棒が一本のリモコンだ。鉄○28号?
D 「赤緑黒黄青。気づいただろ、オリンピックさ」 アロウンさんがイナバウアーをしていた。
811名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 09:55:02 ID:GTKTIYWO0
無性にDを選びたい。
812名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 10:43:05 ID:0xq9LUbc0
   _ ∩
⊂/  ノ )
 /  /ノV   
し'⌒∪    

「赤緑黒黄青。気づいただろ、オリンピックさ」
「……」
「顎が見えると減点だからな」
「……」

一息ついて意識を整えた。体力回復中なんだけど、疲れるな。
「で、オリンピックと必殺技やロボットになにか関係があるんですか」
「ああ、大有りだ」
その格好のまま声を出す。
こっちを向いて話してくれないかなぁ。

「5つの重なり合う輪は平和への発展を願ったものだ。
 戦隊ものとしてこれほどふさわしいものはない。
 どういうことができるかというと、

A 敵にオリンピック競技で勝つと倒すことができるのさ」
B 5人でカーリングだ。ストーンをぶつけて敵を倒す」
C 5人で同時に攻撃すると聖火が敵の体から火を噴く」
D 5人が5つの輪のようになって敵を切り裂く」
E ……というわけだ」(オリンピックに関連した必殺技やロボットを指定)
813名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 11:13:53 ID:WppMZSOh0
C
814名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 12:49:19 ID:TPQlUfi/0
「5人で同時に攻撃すると聖火が敵の体から火を噴く。
 炎は怪人の力を燃料として激しく燃え上がり、最後には爆散させるんだ」
 なるほど、相手の力を使って確実に大ダメージを与えるのか。
「仮にとどめをさせなくても、力を奪いながら弱らせる事が出来る。
 その時はそのエピソードの主役が個人技でとどめをさせば問題ないはずだ」
 脚本家にも優しい必殺技だね。
「分かったなら、お前に使い方を教えておこう。
 それほど難しいものでもないから、キーになるお前がきちんと把握しておけば
 あとの4人はいきなり本番でも問題なく使えるはずだ」
「はい、よろしくお願いします!」
 僕が答えるとアロウンさんは起き上がって身振り手振りを交えて説明し始めた。
 ……イナバウアーには何の意味があったんだろう。

A 合体ロボの説明も受ける
B ブルー・イエロー・ブラック視点に
C グリーン視点に
D グリーンを追う怪人たち視点に
815名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 13:17:43 ID:OAjaLH2wO
A
816名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 14:06:38 ID:TPQlUfi/0
「……というわけだ」
 アロウンさんに合体技の使い方をレクチャーされる。
「内容はだいたい分かりました、あとは試してみるだけですね」
「出来れば手本を見せてやりたいが、2人では無理なのでな。
 実際にどんな案配になるかは、本番のお楽しみとしておこうか」
「使わないで助けられれば一番いいんですけどね」
「それもそうだが、そうそう向こうも甘くはないだろうさ。
 ……念のために巨大ロボの事も説明しておこうか、ついてこい」

 アロウンさんに先導されるまま、僕は地下に降りる長い階段を歩いていた。
「10精霊は強大な力を持っている。
 やつらはその力を怪人という器に流し込むことで、
 数十mはあろうかという巨大怪人を生み出すことが出来るんだ」
 怪人はそのままでも僕らと互角に戦えるほど強い。
 そんなのが巨大化したら、瞬く間にやられてしまいそうだけど……
「まだ巨大怪人は現れてませんよね?」
「無理やり風船を膨らませるようなものだからな、すぐに持たなくなる。
 だから貴重な怪人をむやみやたらと巨大化させるわけにはいかないのさ」
「人手不足、経費不足で大変みたいですからね」
「だが、セレクターズ(仮)が揃ったら向こうも切り札を切ってくるだろう。
 怪人を巨大化させてでも、連中はお前たちを倒しにかかるはずだ。
 それに対抗するためには……こちらもとっておきの切り札を切ればいい」
 廊下の突き当たり、閉ざされた扉にアロウンさんが手を触れる。
「そう……これがお前たちの乗る巨大ロボだ」
 ゆっくりと扉が開き、まばゆい閃光の向こう側に見えたのは、巨大な――

A 自動車、電車、ヘリコプターなどの乗り物5点セット
B 鍋、釜、包丁などの台所用品5点セット
C ハムスター5匹
D (その他選択者が5点セット指定)
817名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 14:26:42 ID:t15N606E0
D
赤 シャ○専用ザク
青 ドラ○もん
黄 ピカ○ュウ
黒 マジンガー○
緑 モリ○ー
818名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 14:27:30 ID:t15N606E0
青と黄と緑はそれぞれの形したメカね
819名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 20:30:25 ID:0xq9LUbc0
赤いシャ○専用ザク。
青いドラ○もん。
黄色いピカ○ュウ。
黒いマジンガー○。
緑色のモリ○ー。

「アロウンさん、著作権とか知ってます?」
「当サイトに記載されている各社名および各商品名は、各社の商標または登録商標です」
「……まぁいいです。で、どうやって呼んだり動かしたりすればいいんですか?」
「これについてはそれこそ今は使えないからな。ここで動き出されてもかなわん。
 必要なときになったら俺かオガムたちを呼び出せ」
「しょうがないですね。じゃあ5人揃ってから聞きます」
「うむ、これでお前らに渡せるものは全てだ。無事グリーンを連れて帰ることを祈ってるぞ」
「はい、この時間である程度は回復できたので、後を追います」
「ああ、頑張れ」

アロウンさんの励ましを背に僕は駆け出した。
必殺技を手に入れ、Bクラスの召喚ができるまでには回復したけど、先行組にはかなり
距離に開きが出てしまっているだろう。
敵は幹部が出てくるというし、気があせる。
さて、どうしようか。

A 高速移動に適した英霊を召喚だ。(ランクC:『観鈴の空』より飛翔のユンナ)
B 高速移動に適した英霊を召喚だ。(ランクC:『アメリカ横断ウルトラ電波』よりCrazy詩子)
C 普通に追いかけよう。
D 私有林へと向かうブルー、ブラック、イエロー視点へ
E 逃走中のグリーン視点へ
820名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 20:31:28 ID:MS6O+h690
Bかな
821名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 23:02:04 ID:0xq9LUbc0
「捲くるぞぉ〜」
クレイジータクシーが最短距離をすっ飛ばす。森の中も何のそのだ。
木が飛び込んできたり鳥が入ってきたりするけど気にしちゃいられない。
それにしても捲くるぞなんて競輪競馬用語を見ている子どもたちはわかると思って入れたのかな。
なんて思考に逃避していないと僕の神経が危ない。
何回死にかけたかなんて数えられないほどにぎりぎりのコースを走っている。

「たしか30kmって言ってたよね。メーターからだとそろそろだよ」
出発してわずか15分。時速120km。恐ろしい、恐ろしすぎる。
でも、アヴァロンで時間も取ったし、30kmよりは離れているだろう。もう少し先に行こう。
「詩子さん、このまま西南西で」
「りょうかーい!」
轟音が森の中を突き進む。僕は強化された視覚と聴覚を使って何か人らしきものがないかと探る。
こんなに揺れてちゃそう精度も高くないけどね。

「! 詩子さん、ストップ」
急制動をかけてタクシーが止まる。窓枠をつかんで吹っ飛ばされないようにするので精一杯だ。
「どしたの? 見つけた?」

あれは……

A ブルー達だ! 追いついたみたいだ。
B 怒声だ。ブルー達が怪人と戦ってるんだろうか?
C グリーンを追っている怪人だろうか。ブルー達はいないみたいだけど。 (怪人を指定)
D 緑色のスーツ…… あれ、ひょっとして追い抜いちゃったのかな。女の人?
E 緑色のスーツ…… あれ、ひょっとして追い抜いちゃったのかな。男の人?
822名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 23:03:44 ID:S5yrgvUl0
D
823名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 23:50:22 ID:M3KyDkp4O
 超高速で流れる新緑の景色の中、ふと視界の端に、背景にとけ込みかけてうずくまっている人影が見えた。
 タクシーを降りて近付いて見てみると、それは紛れもなく僕のと同じタイプの緑色のスーツを着た女の人……

 あれ? ひょっとしてブルー達追い抜いちゃったのかな?
 くるりと後ろを振り返っても、ブルー達の姿も声も確認できない。
 取り敢えず僕はその女の人──間違いなくグリーンだろう──に声をかける事にした。

「こんにちは…グリーン、だよね。大丈夫?」
「え? ……もしかしてレッド、ですか?」
「うん。僕は佐藤雅史。アロウンさんに見込まれた最後の適格者で…一応君達のリーダーって事になってる」
「そうで…痛ッ!」
「大丈夫!?」
「はい…少し疲れてて足を捻っただけですから」
「取り敢えず安全な所まで運ぶよ。もうすぐブルー達もやってくるから、そうしたらアヴァロンに戻ろう」
 僕はそう言ってグリーンに肩を貸すと、詩子さんの待つタクシーまで引き返し始めた。

「こちらレッド。グリーンを発見、保護しました。ポイントを探知して来てください」
『了解した』
 通信でブラックに連絡を取り、こちらの位置をサーチしてもらう。
 なんとか敵の幹部や怪人より先に合流できればいいんだけど…。
「あっ。まだ私の名前を言ってませんでしたね」
 僕にもたれ掛かったままの姿勢でグリーンが言った。
「私の名前は


A 向坂環と言います」(←注※ネコかぶりモードです)
B 伏見ゆかりって言います」
C 古河渚って言います」
D 牧村南と言います」
E エルルゥ……かつてあなた達と敵対関係にあった者です」
824名無しさんだよもん:2006/03/16(木) 23:51:59 ID:cjWK15rb0
E
825名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 16:42:55 ID:RCJDnwgQ0
「私の名前はエルルゥ……かつてあなた達と敵対関係にあった者です」
「敵対関係って、君は獣人なのかい?」
「はい、この姿がなによりの証拠です」

 うなづく彼女の顔を見ると、耳が獣のようになっている。
 そういえば僕が倒したリアンも猫耳だったっけ……
 ヌワンギラスはじっくり観察する余裕がなかったし
 サユリンはじっくり観察する前に空気読まずに暗殺しちゃったから
 良く分からないけど、たぶん彼らも獣耳だったりするんだろう。

「獣人の君がどうしてセレクターズ(仮)に?」
「私を生み出した精霊は、アロウンさんと同じように内心では
 今の人類を滅ぼして世界を変える事は間違っていると考えていました。
 それで、私を密かにアロウンさんの元に派遣したんです」
「片や組織を飛び出して、片や疑問に思いつつも組織に留まる。
 しかしてその志が同じなれば、友情もまた不滅と。泣かせる話ね〜」
「そうだね、それに相手しなきゃいけない精霊が9体になったかも……」
 ……気がつくと詩子さんが座席の間から首を突っ込んでいた。
「詩子さん、前、前!というかせめてハンドル握って!」
「はいはい」
 詩子さんが鼻歌交じりにドライブを再開したところで
 タイミングよくタクシーの無線が鳴り出した。

A ブラックたちがこの先の広場で待っているらしい、さすがだね。
B ブラックたちが襲撃を受けている知らせだ、そっちに向かっていたか!
C 背後から高速で追跡する敵怪人からの不敵な宣戦布告だ!
D アヴァロンから獣耳の解析が終わったと報告があった、というか存在忘れてたよ
826名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 16:51:50 ID:EEmI4bdc0
B
827名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 16:57:19 ID:EEmI4bdc0
sage忘れたorz
828名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 21:26:03 ID:pmYZCzpx0
「俺だ。聞こえるか?」
アロウンさんだ。タクシー無線につなげるなんてマニアックだな。
「はい、聞こえてます」
「ブラックたちが襲撃を受けているらしい。3人がかりでも苦戦しているそうだ」
「了解、場所は!?」
「お前の現在地が…… 南だ。5km」
「向かいます!」
「頼む」「いくよーっ!」
声が重なりながら車は白煙をあげてターン。
詩子さんなら3分とかからずにつくだろう。

♪バンバラバンバンバンバンバラバンバンバン
 誰が(オオー)付けたか あたしは
 クレイジー(ウウー)タクシー
 詩子さん(ウー)詩子さん ♪
 
アイキャッチに詩子さんの歌声が響く。どうせなら僕らの事を歌ってくれればいいのに。
グリーンは本気を出したこの速度と恐怖に耐えられずに冷や汗をかきながら目を閉じている。

「見えたっ!」
森の中の少し開けたところに3人と敵らしき姿がある。
いったん散開して距離を取っているみたいだ。
敵がこちらを振り向く。わずかに反応を示した。
その視線の先のターゲットは……グリーンか。

僕は、停止したその敵を観察した。

A 虎だろうか? 大きな獣にまたがった獣耳を持つ少女。
B 白く大きな翼を持った、黒髪に鈴をつけた少女。
C 長い槍を持ち、変な動物にまたがった美形の男。
D ピンクの髪の、何本か髪が跳ねている背の高い女性。どことなくリアンに似ている。
E あの耳は、メイドロボ? でも、マルチでもセリオでもないな。
829名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 21:28:00 ID:rb4Oooab0
Cだ。
830名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:23:29 ID:pmYZCzpx0
長い槍を持ち、変な動物にまたがった美形の男。
こっちを見る涼やかな視線は、怒りとも悲しみとも諦めとも、どう取ればいいのかわからない。
「ベナウィさん……」
グリーンがぽつりと声を落とす。古い知己へ向ける言葉のようだった。
二人には何かあったんだろうか。

「詩子さん、ここで待機していて。グリーンも」
「いいの? これ武装とかも積んでるよ」
「後で頼むかもしれないけど、今はいい」
足を捻っているグリーンは、その僕の言葉には何も返さなかった。

一人で車を降りて、ベナウィに向かっていく。
「レッド、気をつけて! 強敵よ」
イエロー達がベナウィを三方から取り巻くように位置を変え、僕は正面から向かった。
強いのはなんとなく分かった。きっと、カンホルダリよりも。

「選択戦隊セレクターズ(仮)のリーダー、レッドマサシです」
「私はベナウィといいます」
「あなたは怪人ですか?」
「あなたたちの言葉で言えば、そうなるでしょう」
打てば響くように答えが返ってきた。やっぱり、話ができそうだ。
とは言っても、槍は下ろしているけれど、伸ばせば今の僕の位置でも届くだろう。
油断せず、すぐに動き出せるようにはしておこう。

そして、僕は次の行動に移った。

A 「なぜグリーンを追ったんですか」 と僕は聞いてみた。
B 「あなた達の組織について教えてくれませんか」 少し情報が手に入れば……
C 「お喋りはおしまいですか?」 攻撃をしかけられた。
D 「待って!」 グリーンの声がかかった。
E ベナウィの乗っている動物が詩子さんの車を見て興奮し始めた。
831名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:32:10 ID:Bvq3NpNT0
D
832名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:36:10 ID:pmYZCzpx0
そろそろ容量がきついので、どうするか決めてください。

A ギリギリまで話を投下。
B 次スレに移行し、ここは埋めもしくは雑談。
833名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:40:47 ID:QuhfqACrO
んじゃBで。
834名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:46:08 ID:cHe5e10o0
まあ今回の話は堅調を保ってるわな。
最初は雅史ってことで少し不安だったけど。
835名無しさんだよもん:2006/03/17(金) 22:52:29 ID:pmYZCzpx0
つ 〜 選択形式で進めていくスレッドXXX 〜
つ http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1142603316/
836名無しさんだよもん:2006/03/18(土) 01:03:47 ID:ckuLG5hDO
黒きよみって実は初登場だったんだな……可哀想に(⊃д`)
837名無しさんだよもん:2006/03/18(土) 05:11:20 ID:penOYd95O
β
838名無しさんだよもん:2006/03/18(土) 11:47:01 ID:tYQSzD8HO
新スレのテンプレ見て思い出したけど、黒とマナはハカロワで組んでたことがあったな
あの黒はそれなりに味が出ていた
839名無しさんだよもん:2006/03/19(日) 10:54:57 ID:nXZuIr2r0
黒きよみはほんと時期が悪かったとしかいいようがないな。
840名無しさんだよもん:2006/03/21(火) 19:33:36 ID:YKxDEPzLO
誰彼百円
841名無しさんだよもん:2006/03/23(木) 19:24:35 ID:LhSAZFuZ0
埋めないか?
842名無しさんだよもん:2006/03/23(木) 21:38:15 ID:eqn1dnbd0
A 雅史に呼び出してみてほしい英霊を並べて埋める。
B 獣人化してみてほしい人々を並べて埋める。
C 呼び出された英霊の後日談で埋める。
D 埋めずに雑談をつづける。
E 別の埋めネタを出す。
843名無しさんだよもん:2006/03/23(木) 21:40:44 ID:Zyhs7uvA0
C
844名無しさんだよもん:2006/03/24(金) 01:01:30 ID:WOMYoYoA0
――某日

七瀬「あー疲れた。ただいま」
杏 「(TV見ながら)ああ、おかえり」
七瀬「…………」
杏 「煎餅が切れたわね。留美、ちょっと買ってきてくれる?」
七瀬「……同志が一仕事終えて帰ってきたのにそれだけ?」
杏 「あー? ああ、はいはいお疲れさま。つーわけで買ってきて」
七瀬「いい加減にもうちょっとずくを出しなさいって。
   あんただって英霊召喚される可能性あんだし、あんまだらけてると元黄薔薇の名が泣くわよ?」
杏 「あーはいはい英霊召喚ねぇ。楽しかった?」
七瀬「別に楽しかないけど、まあ久々に暴れられてスッキリしたかも。新しい得物も手に入ったし」
杏 「あなたもよくやるわねぇ」
七瀬「ちょっとの間とはいえ現世に戻れるのよ? 損な話じゃないと思うけど」
杏 「べーつーにー。今更呼び戻されたって観鈴に会えるわけじゃないしー。
   それにいるのは空手バカ一代に観鈴に自害しろとかぬかした貧乳だけよ? 興味ないわ。
   ねえねえ、それよりあれ見て見て」
七瀬「霊界テレビ? 地上波生放送ね。あれがどうかしたの?」
杏 「この間、観鈴がやっと腰を落ち着けたのよ。道場の居候だけど。
   いい加減ふらふらし続けるのも不安だったし、これで私も一安心よ」
七瀬「……居候はいいけど、要するに女との同居でしょ。いいの杏? もう五寸釘ほとんど無いわよ」
杏 「最近やっと私も割り切れたわ。相手があのクソ異人でさえなけりゃ観鈴が幸せなら我慢する。
   ああ、これが本当の愛ってやつなのね」
七瀬「……ちったあ実の妹のことも心配してやりなさいよ」
杏 「べーつーにー。維新も成功したし、藤林流も昇華してくれたし、あの子はもう巣立ったから私が心配することは無いしー」
七瀬「だからって事実上自分を殺した相手を四六時中ピーピングするよりは健康的だと思うけど」
杏 「もう死んだから健康も不健康もナニもないしー」
七瀬「あー、もういいわ。それじゃあたしは新しい剣仕舞ってくるから。
   あんたが望む望まざるに関わらず、呼び出される時は呼び出されるんだから。せいぜい剣の腕は鈍らせないようにしときなさいよ」
杏 「はいはい」

 地獄は今日も平和です。
845名無しさんだよもん
――某日

「ただーいま♪っと」
「あれ、お帰りみずか。どうしたの、そんなモ○タンみたいな台詞で。
 どこに行ってたの?」
「それは内緒だよもん。きっとあなたには一番遠い場所だよもん」
「僕の一番遠い場所? 現世のこと?」
「現世には違いないんだよもん。それにしても、はぁ……」
「いや、そんな帰ってくるなり遠い目をしなくたって」
「かっこよかったんだよもん……」
「む、なんだよ、目に星飛ばして。誰かに会ったの?」
「うん、会ったよ。別れ際にほっぺにキスもしたんだよもん」
「な、なにいっ!」
「こっちもいいけど、あっちはあっちで別の魅力があるんだよもん」
「だ、誰だ、誰なんだっ! 僕の育成計画が!」
「そうだ、現行TVでも作ってみよう。羊? 羊ーっ! ああ、来た来た。
 ガラクタのある場所まで行って欲しいんだよもん」
「浩平か! 浩平なのかっ? 二人きりなのにまだあいつのことが
 忘れられないのかっ」

二人きりのえいえんも今日も平和です。