「SHIT!!!」
パンパンパン、とリサが拳銃を数発発砲するが、一歩及ばず。
「ふふ……ふふふふふふふふ……!」
銃弾は千鶴の手の甲、肩、そして頭に阻まれるに終わり、短刀は見事右手の中に収まることとなった。
「………」
千鶴の目が、光る。
「………!」
本能的に気圧され、一歩下がったリサ。それが僥倖だった。
今までリサが立っていた位置の真横の壁が、すっぱりと、豆腐に包丁を入れたかのように綺麗に抉られていた。
「……Unbelievable」
「下がって! 下がってリサさん! お願いだからっ!」
「……!」
「ふ、ふぇっ!?」
信じられない光景に思わず一瞬呆然としたが、観鈴の呼びかけで我に返り、すぐに透子を抱いて観鈴の後ろへと下がる。
千鶴なら充分追撃可能なタイミングだったが、彼女はそうはしなかった。
新たに手に入れた短刀の感触を確かめるように、ゆっくりと観鈴たちに向き直った。
「……ふふ、ふふははは………」
おかしくてたまらない、といった様子で笑う。
「……………」
無言のまま、『空』を構えなおす観鈴。
「……手に入れました。ついに手に入れましたよ、”鬼神楽の始祖”」
千鶴は高々と短刀を掲げる。
「始祖……?」
そしてゆっくりと、短刀の鞘を抜きながら説明を始める。
「そうですよ……この持つ短刀は柏木耕平を遥かに遡る柏木一族の始祖『次郎衛門』が打った究極の一刀、その残滓です。
数百年も前の話……自身も屈強な武士であった彼とその妻は、憎い仇を討つために己の総てを賭して雨月山に篭もり、ある刀を打った。
そして彼は完成したその剣を存分に振るい、見事仇の一族を一人残らず殺しつくし……一時は剣を雨月山へ封印……いえ、奉納した……」
少しずつその短い刀身が姿を現すたび、観鈴の心臓を直接捕まれるような寒気が走る。
「しかし、長い年月の中、剣はいつの間にか持ち出され……人から人の手へと渡り歩き……
その度に血を吸いながら、いつしか壮絶な怨念と憎悪とを宿す究極の妖刀となった。
戦の中で砕けても。その度に心ある……いや、心無い、でしょうか?
とにかくその力を求めた、血に飢える者共に自身を打ち直させ続けて。
現世へと残った最後の刃が……これです」
その刀身が露になる。
普通だ。全く普通の短刀に過ぎない…………が、あまりに禍々しい『それ以外の何か』を観鈴はひしひしと感じ取っていた。
「………その力、鬼神楽の末裔である私が使うのが相応しいと言えましょう………
さあ、我が始祖、お祖父様! 私に……その力を! 数百年にわたる……全ての力を私に!」
そして千鶴は……
A 短刀と『偽善千鶴』を融合させた
B 己の胸に短刀を突き立てた
A
「さあ……お祖父様! 今こそ、その全てを私に!」
「!」
千鶴が、逆手に持った短刀を『偽善千鶴』の柄に。
いや、その下にある茎の『鬼』の銘へと突き立てる。
その瞬間、弾けたような光が広がり、思わず観鈴たちは目を覆った。
「……?」
光はすぐに収束する。
ゆっくりと目を開く観鈴。目の前には、変わらぬ姿で佇む千鶴の姿。
そして、その片手に握られた…………
A おぞましさを覚える程の巨怪な太刀
B スラリと細く美しく伸びた刀
C ……逆刃刀?
C
「馬鹿…………な…………!?」
千鶴の目が驚愕に見開かれる。
その手に握られていたのは、観鈴の『空』と同じ……
本来刃があるところが峰になっている……
…………逆刃刀、だった。
「そんな……そんな馬鹿な!? これは、これは一体……!?」
激しく狼狽える千鶴。目の前の事実が信じられない。
自分自身が……刀の真髄は斬ること、殺すこと、血を吸うことと信じ、それのみを追求してきた『偽善千鶴』自身が……
『偽善』の象徴である、逆刃刀なんぞに!?
「なんだ……お祖父様! 始祖様! これはなんですか!? なんなんですか始祖様!?」
必死になって、『偽善千鶴だったもの』の中に眠る、鬼神楽の始祖に呼びかける。
「なんですか!? いったいこれはどういうことですか!? 答えてください! 答えて! 答えろ次郎衛門!
あなたは、お前は! 幾千幾万の血を吸い、全ての憎悪と怨念をその身に宿した、究極の妖刀では……なかったのですか!?」
「鬼神楽の……始祖……」
その様子に観鈴も、リサも、透子も……一歩も動けない。
やがて………
「……出てくる?」
千鶴が、ぽつりと呟いた。
「出てくる……出てくるというのですか!?」
「出て……くる?」
叫ぶと同時に、『偽善千鶴だったもの』の周りにキラキラと光り輝く粒子が現れる。
「鬼神楽の……始祖!」
やがてその粒子はゆっくりと、つむじ風に翻弄される落ち葉のようにくるくると回りながら一つの形を作り上げていく。
そして……そこに現れたのは……
A 瞳の奥に悲しみを秘めた屈強な武士
B どことなく楓に似た古風な女性
C どことなく初音に似た古風な女性
b
「楓……さん……?」
姿を表した女性。その容姿に観鈴は驚かされていた。
背の丈や体つきなどは記憶の中にある彼女と比べ幾分大人びたものである。
しかしその顔つきや印象。それは観鈴の記憶する刀工、柏木楓と瓜二つのものであった。
楓と同じ顔をした女性。彼女が口を開く。
「人の……子よ……」
「……っ!?」
思わず身構える。『偽善千鶴』が融合した鬼神楽の始祖を前に。
「そなたは……答えを見出せし……ものか……」
「こ……答え……?」
不意に尋ねられ観鈴は面食らう。突如現れた女性。彼女の言葉の真意を測りかねて。
「我は鬼神楽の始祖が一振り……今……我とともにある我が姉の写し身らの……」
「えっと……それってご先祖様ってこと?『偽善千鶴』たちの……」
そう尋ねる観鈴に対し女性は首を縦に振る。そして彼女は言う。
「人の子よ……我が写し身を携える人の子よ……そなたに問う。その逆刃をもつ意味はいずこ……」
無表情な、それでもどこか真摯なその目線。それが問いかける。観鈴に対し。
「『空』の意味……」
問いは反芻される。自分が今、手にする逆刃の意味。それは何か?
答えなど分かりきっている。閃く答え。それを伝える。彼女に。
「『空』は……わたしの……わたしの誓い。わたしが今までに殺めた人たち。
その人たちの死を無意味なものにしてしまわないための……
わたしの誓い……それは身勝手な偽善……けれどもそれをわたしは貫き続ける!
『空』はそんなわたしの支え。弱くて泣き虫で……今でも簡単に折れてしまいそうなわたしを……
ほんの少しだけ手助けしてくれるわたしの支え!!」
『偽善千鶴』は言った。刀とはただ人を殺めるための道具である。それ以外の意味は不要だと。
それは確かにそうなのかもしれない。所詮、道具は道具でしかない。
だがその道具に人は意味を与える。ただの用途以外の意味を。
今、手の内にある逆刃。これを託した刀工は魂とともに逆刃に意味を吹き込んだ。
今も残る彼女の遺志。そして託された想いとともに見出した己が『空』を手に取る意味。
それは証でもあった。ただの人を殺す道具でしかなかった自分にそれ以外の意味が与えられた。
道具自体にはそれが持つ用途以上の意味は必要ないのかもしれない。
けれども道具に託される人の想い。それは決して無意味なものなんかではない。
「ただ人を殺傷するための道具……そんな道具にもそれ以上の意味はあると……?」
再度の問いかけ。それを観鈴は無言で頷く。そして彼女は囁く。
「ならば……汝の答え……それが真のものか……我に……みせてもらおう……」
刹那、光とともに彼女はその姿をかき消した。光が消えた後。また一つの姿が立っていた。
その姿は……
A 『偽善千鶴』を携えた。金の髪を白い布でくくった観鈴が誰よりもよく知っている少女。
B 白穂ではないその真の姿を表した『偽善千鶴』
A
「あ……あ……」
「ふぇ……そ、そんな……」
「……Doppelganger……観鈴の……」
目前に現れたのは、長い金の髪を白い布でくくった少女。
他ならぬ、観鈴自身が誰よりもよく知っている少女。
かつての観鈴が、毎朝鏡の中で出会っていた少女。
観鈴の心の奥の奥で、観鈴の決意を静かに静かに嘲り笑っていた少女。
そう。それは登臼来藩を壊滅へと追いやり、京で人斬りと恐れられた存在――。
「にはは、 観鈴ちんだよ。皆は『人斬り観鈴』って呼んでるけどね」
右手に『偽善千鶴』を携えて、『人斬り観鈴』は「にはは」と無邪気に笑った。
部屋の隅では、血塗られた時代の観鈴を初めて目の当たりにする透子が、がちがちと歯を鳴らせて怯えていた。
「にはははははははははははははははははは」
「…………」
観鈴は、これほどまで自分の笑顔が醜悪と思ったことは一度もなかった。
自分の笑顔のおぞましさに、観鈴は心底嫌悪感を覚えた。
かつての自分に殺された多くの人々も、この邪悪な笑顔を、今生の最期の光景としてきたのか。
自分の笑顔の無邪気さに、観鈴は心底怒りを覚えた。
殺されゆく人々の希望も可能性も、まるで子供が蟻を踏み潰すように、踏みにじってゆく、かつての自分に。
そして何よりも――その笑顔から染み出す自分の暗黒に、観鈴は心底怯えた。
関わった者全てを呑みこみ、食らって行く、底無しの奈落、虚無の深遠に。
「が……がお……そんなに怖い顔をしなくても……」
「…………これが……最後の試練……か……」
「えー、試練? 何の事?」
「……こっちの話。人を殺める事しか知らないあなたには――かつてのわたしには、関係のない話」
傍らのリサも透子も、これほどまで冷え冷えとした怒気を孕んだ、観鈴の声を聞いたことはなかった。
「観鈴ちんは、遊んでるだけなんだよ」
「…………遊ぶ、ですって」
「うん! みんなでいのちをかけて、ずっとずっと、あそんでるだけなんだよ!」
……同じ言葉を、かつて深山美雪と榊しのぶの生首を転がして、軍勢の前でのたまった……。
「でも、なぜかみんな、楽しんでくれなくて、観鈴ちんひとりぼっち!
にはは! 観鈴ちんは可哀相ですね! 観鈴ちんはやっぱりひとりぼっちです!
でもぜんぜんへいき! 観鈴ちんは強い子だから! ずっとずっとこうして生きてきたんだから!」
……自分の口が、これほど呪わしいと思ったことはなかった。
その口から、かつて自分が殺めた朧の言葉が染み出す。
「……言いたいことはそれだけか?」
「はい! それだけです!」
明るく答える『人斬り観鈴』。
「覚悟はよろしいですか?」
刀をすっと抜き放ち、かつて激闘を演じたベナウィと同じ表情で、観鈴は告げる。
「はい! よろしいです!」
元気よく応える『人斬り観鈴』。
「なら…………」
かつてクロウがしたように息を吸いながら、部屋の傍らのリサ達に逃げるよう、目で伝えた。ここは、これまでにない程の死闘の場となる。
『人斬り観鈴』は、隙さえあれば平気で怪我人や弱者を狙ってくる。悲しい程にわかる。自分が――そうだったから!
リサも透子も、その眼光の恐ろしさに頷かざるを得ず、重傷のトウカを引き摺り始めた。
そして、三人が部屋から出た後――静寂をおいて――。
「全軍、突撃ィィィィィィィィィィ!!!!!」
「にはははははははははははははははははははははははは!
あそぼう! あそぼう! みんなであそぼう! ずっと、ずっと、いのちをかけて!」 あそぼう! あそぼう! みんあであそぼう! さいごの、さいごの、しあわせなおもいで!」
二人の観鈴の、対決が始まった!
先制を加えたのは!
A.観鈴
B.『人斬り観鈴』
C.まったく同時! 力も技も互角
B
suimasenn,genndougamisuzutinnnimiemasen
ゴバッ―――!
「がはッ…………!」
「にはは! にはは! にはははは!」
旅籠の壁が吹き飛ばされる。
その中から瓦礫と一緒に蹴りだされてきたのは……『神尾観鈴』。その後を笑いながら『人斬り観鈴』が追いすがる。
「が……ッ!」
大して受身も取れないまま、二階から落ちる勢いそのままに地面に叩きつけられる。
一瞬息が詰まるが即座に横に一回転。地面に突きたてられた追撃の『偽善千鶴』から逃れた。
『それは……過去のお前は……すなわち”人の業”そのものだ』
「にはは! にははは! 早い早い!」
「―――!?」
そのまま転がりながら次々と繰り出される人斬りの追撃を逃れていく。
そんな中、不意にどこからか―――否。観鈴の頭の中に先ほどの声が聞こえてきた。
『”妖刀”などと呼ばれても……我も、我が子孫達も……本質的には”圧倒的な力を持つ”以外他の物と違うところは何もない』
「この……おッ!」
「にはっ!?」
一瞬の隙を突き、足払いを人斬りの軸足に仕掛ける。倒すまではいかないが、一瞬その動きが止まった。
即座に跳ね上がり、距離を取り直す。
「逃がさないよっ!」
「!?」
『……私はそもそも次郎衛門が、己が愛した女の仇を討つために造られた……次郎衛門は、その妻は……殺すために我を打った……』
距離を開けた観鈴に人斬りが追いすがる。その動きは、かなり早い―――!
(縮地……!?)
一瞬疑問が浮かぶが、すぐにそんな自分に自嘲する。
そうだ、当たり前ではないか。”之”は”己”なのだ。
ならば自分の得意技である、初歩から最高速の縮地を使えるのは自明の理―――!
「けどッ!」
「あれぇー?」
『だが……総ては終わった。我はその役目を終え、戦いに散っていった御魂を鎮めるため……雨月山に奉納された。それで総ては……終わるはずだった』
人斬りの一薙ぎは空を切った。
直前観鈴がさらに早い縮地でその場を飛びのいたからだ。
(確かに……早い。けど、反応しきれないほどじゃない……。そう、向こうの早さはまだ三歩手前ぐらい……)
スカッた『偽善千鶴』を手に、人斬りはキョトンとした顔をしている。
「ああ、そっかそっか。そうだよねー」
そして、なにやらふんふんと納得した様子。
「観鈴ちん、もうちょっとがんばんなきゃね。ぶいっ!」
「!?」
その姿が、掻き消えた。
『だが…………私を再び戦の中へ駆り出したのは、他ならぬ”人”自身だ……。名もなきただの一兵士、だが、あの者は確実に”人間”だった……。
雨月山の祠から我を持ち出し、手始め―――そう。ついでと言わんばかりに、静かに余生を送っていた次郎衛門を屠り……
血に飢えた”人間”は我を手に戦場(いくさば)の中へと飛び込んでいった…………』
(早い――! さっきよりも!?)
「にははっ! 観鈴ちんだってがんばれるんだよー! 観鈴ちんは強い子だから!」
さらに速度を増した人斬りの縮地。同じように縮地でかわす観鈴だが、今度は避けきれず着物の胸元がパックリと割れた。
幸い体にまでは達しなかったが……すでにその差は紙数枚分にまで狭まっている。
「あれー? まだこれでもだめー?」
(今の速度は縮地二歩手前……。『加速』している!?)
『そして、死んだ。持ち主が死ぬ度に私は新たな持ち主の手に渡り……そして次々と血を吸っていった。
総ては……人の意志だった。そこに私の意志は関係ない。人の手によって、人の命が刈り取られる……総ては、その繰り返しだった。
我を手にした人間が血に狂うのか……血に狂った人間が我を手に取るのか……長い年月の果てに、どちらが先だったのか、どちらが本質だったのか、それすらもわからなくなった――――
死―――壊(ころ)されることも赦されず、その度に新たに打ち直され、また戦場へ戻る日々――――』
「じゃあ……これでっ!」
「!」
再度の人斬りの縮地。今までで一番早い。
(かわせない―――!)
瞬間的に判断した観鈴は、空で一撃を受け止めるが……
「チョエエエエエエエエーーーーーーーッ!!」
「!?」
その瞬間、側頭部への衝撃。一瞬意識が遠くなる―――
(石!?)
そうだ。役人を殺した、かつての己の得意武器のひとつ。
人斬りはいつの間にかその手に握りこんでいた拳大の石で、刀を受けた観鈴の頭を殴打したのだ。
『思えば我が娘たちも哀れなものだ…………。人の業の中に生まれ、人の業の中で踊り、そして人の業の中で消えていった――――
人の手より生まれしものが、人を支配できるはずもない―――。我が娘たちは、それぞれ考えは違えど……人に捕われていたという部分では同じだ。
無論―――私もだ―――』
観鈴が怯んだ一瞬の隙を突き、人斬りは逆手に持った偽善千鶴を振り下ろす。
しかし観鈴も歴戦の勇士。霞む目で、逆に間合いをさらに詰め、人斬りの鼻っ柱に頭突きを叩き込んだ。
「がお……痛いよ……」
さすがの人斬りも動きが止まる。その間に改めて距離を取り直す観鈴。
(今まではなんとかさばけた。けど……おそらく、次は……)
「にはは。さすがはわたし。『元』人斬りだね」
楽しげに笑う人斬り。
『我らは、”道具”。人に造られし、人の手によって使われるただの”道具”―――それ自身には、何の意味もない。
そんな我らに意味を与えるのは……他ならぬ、人間だ。造りし者の、そして何より使う者の意志―――
……我らを持った人間が血に狂うというのならば、それはその者が持つ邪な意志が、”業”が狂わせているのだ。
………わかったろう、人の子よ、娘よ、少女よ―――神尾観鈴よ。
罪と罰を身にまとう者よ。過去と未来を橋渡しする者よ。憎悪と愛をその身に宿す、”人間”よ―――
お前の答えを見せてみろ。お前の意志を見せてみろ。そして――――我を征したいというのならば――――』
「それじゃあ…………そろそろ、本気で行くよっ!」
人斬りが、抜刀術の構えを取る。
来る……来る。かつてない、否。かつての自分の、最高速の一撃が。
『己が業に、打ち勝ってみせるがいい』
(どうする―――? わたしが、わたしに勝つには…………)
A 生きるために編み出した『我流抜刀術』
B 杏から伝授された『藤林一刀流』
C 柳也との修行で見出した肉斬骨断の『見切り』
665 :
名無しさんだよもん:2005/11/21(月) 11:25:07 ID:ZDIgnKyo0
c
(わたしに勝つには柳也との修行で見出した肉斬骨断の『見切り』――)
A..見切れた
B.見切れなかった
b
さすがにそれは認められんだろ
この程度で立ち行かなくスレなら所詮そこまでということ
『空』を低く構え、全神経を両目に集中。『わたし』の動きを凝視する。
「にはは」
動き自体はわかっている。完全なる縮地からの超神速抜刀術。
「いっくよー」
表情を読むのは意味がない。殺気を見るのも無駄なこと。
見切るしかない。
それが『人斬り観鈴』だから。楽以外のすべての感情を失った、ただの肉斬り包丁。
だからこそ、最強でもあったのだ。
その刃が今、己に向けられる。
「縮地っ!」
人斬りが迫る。空気の震えが肌を刺す。
一瞬で間合いを詰められる。考えてみれば、わたしは縮地を使う人間と戦うのは初めてだ。
想像以上に―――これは―――!
「!」
わたしは構えを解き、みっともなく上体を逸らして一撃をやり過ごした。
鼻先を神速の一薙ぎが通り過ぎる。そのままバク転で飛びのき、改めて間合いを取り直した。
追撃は―――なかった。
人斬りはしげしげと自分の得物―――逆刃刀と化した、偽善千鶴を眺めている。
「うーん、やっぱりこれじゃあだめだめですね。抜刀にはちょっと不向き。にはは」
確かに、逆刃の不利はそこにある。
先ほど一撃をかわせたのも、最高速度がわずかにブレたからだろう。
「始祖様、ちょっと変えさせてもらうよ」
そしてヒュン、と二三度『偽善千鶴』で空を撫でる。
気が付くと――――
A 鬼神楽の始祖の姿を得ていた
B わたしが一年間使い続けた無銘刀の姿になっていた
C 元の偽善千鶴の姿に戻っていた
なんつうか。
・だけど、あんまり無茶苦茶なことになったら「リコール」されちゃうこともあるんだって。
で……
A 一行レス乱発を防ぐ意味で
>>666はなかったことにする。
B こんぐらいならそのまま続ける
ここはCだ。千鶴と決戦を
673 :
671:2005/11/21(月) 17:45:32 ID:5fVr5waK0
相談して決めればいいおwww
「ははは……あはははははははは!」
気が付いたら、『始祖』こと逆刃刀の姿は元の『偽善千鶴』の姿に戻っていた。
同時に、『わたし』からわたしの声ではなく、千鶴の笑い声が聞こえてくる。
「素晴らしい……これは素晴らしいですよ観鈴さん。最高です。私、あなたへの認識を改めました」
その声は、とても愉快そうで。
「始祖様の囀りなど最早どうでもいい……観鈴さん、できれば私、白穂などという中途半端な女ではなく
かつてびあなたに出会っていればよかった……あるいはあなたにさえ出会えていれば、始祖様の剣など求める必要もなかったかもしれま」
「煩いよ黙ってておばさん」
「………………」
……さすがはかつての『わたし』。
一切合財容赦がない。
「……少々前言を撤回させていただきます。最高というのは言いすぎでした」
「刀は刀らしく黙って人を斬ってればいいんだよ。それを使うのはわたし。余計なことは言わないで」
「まあ……そうですね。ただ斬ってさえいればいいというのには私も同意です。
あなたなら私が何を言うまでも干渉するまでもないでしょう」
「にはは」
「…………っ!」
偽善千鶴が黙った瞬間、『わたし』から迫る威圧感が一気に数倍に膨れ上がる。
……考えるまでもなく、ぴんちだよこれは。
ただでさえ『わたし』の相手だけでも手一杯だっていうのに、この上『偽善千鶴』にまでその力を発揮されちゃ……
「にはは、行くよ。『わたし』」
パチン、と『偽善千鶴』を鞘に納めた『わたし』がにこりと微笑む。
ああ……そうだ、これは。
「にははは……それじゃあ」
とどめの一撃…………
「死んじゃえ」
A 受け止める
B かわす
C その時、「飛んで!」と後ろから声が
A
自分のことだからわかる。最高速度の縮地からの抜刀術はかわしきれるものではない。
ましてや今は逆刃刀ではなく、真剣。しかも現代の妖刀では最強ともいえる偽善千鶴。
わたしは瞬間的に『空』右手に持ち、防御の体勢に移……った瞬間、右腕に強烈な衝撃が伝わってきた。
「にはは、もう、しつこいなぁ、あなた」
「くっ…………!」
ギリギリと右腕と『空』が悲鳴を上げる。
一撃は止められた。受け止められた、が……
「よ……い、しょっと!」
「ッ!」
さらに『わたし』が一歩を踏み込んだ瞬間、縮地の運動エネルギーが解放される。
さすがに『空』が折れ飛ぶことはなかったけど、わたしの腕の方が、耐え切れなかった。
ズシャッ!
嫌な音が聞こえた。耳と、顔の骨を伝わって。
「にはは。お化粧お化粧。真っ赤っか。似合ってるよ」
「ほんとうに、よく似合っていますね」
一人と一本の声が遠くに聞こえる。
顔が熱い。顔に斜めの熱い線が走っている。線から何かが流れ出す。
わたしは手のひらを、顔に当ててみた。
手には真っ赤な鮮血。
ああ、なるほど。わたしは顔を切り裂かれたんだ。
「にはは、さすが『わたし』だね。ここまでわたしの縮地に耐えるなんて」
「……………」
体の中から何かが抜けていく。わたしはその場にガクリと膝をついた。
意識が遠くなる。わたしの血が地面に染み込んでいく。
「……でももう、いいや。そろそろ飽きちゃった。死んで」
頭の上から聞こえる自分の声が薄い膜の向こうみたい。
地面に点々と印をつけていくわたしの血。その一滴一滴に何かの影が浮かんで消える。
ああ……これは、そうか。
岡崎さん。北川さん。聖さん。佳乃ちゃん。雪見さん。榊さん。柳也さん。神奈ちゃん。裏賀さん。
楓ちゃん。初音ちゃん。七瀬さん。杏さん。みさきさん。白皇さん……
……お母さん。
そこにいたんだね。みんな、みんなわたしの中に。
わたしは、みんなの命を奪った。
わたしが、みんなの命を奪った。
みんなの命を、わたしが、この手で、もぎとった……
そして、わたしの、中に…………
ああ……そうか。
そうだね…………
なら、わたしは…………
A 縮地の”一歩先”を見る
B 生きている人たちのことを思い出す
C かつての『わたし』を解き放つ
C
「死んで」
『わたし』が最後の抜刀を放つ。
空気を切り裂く音が聞こえる。
その瞬間、わたしの中で『わたし』が…………弾けた。
「……え?」
人斬りが呆けた声を漏らす。
間違いなく観鈴の首を斬り飛ばすはずだった最後の抜刀術。
しかし終わってみれば、弾き飛ばされていたのは己の『偽善千鶴』。そして、己の体にめり込んでいる『空』の刃。
「え、あぐっ!!?」
少し遅れて衝撃が内腑を揺さぶる。口の端から反吐を漏らしながら、人斬りは観鈴から距離を取った。
「……なに? どうしたの?」
感情を無くした身でも、疑問は浮かぶ。いつのまにか人斬りは、そう呟いていた。
「…………!」
真っ直ぐ見開かれた観鈴の視線が人斬りを射抜く。
それを見て、人斬りが思い出したのは…………
「…………鏡?」
毎朝見ている己の顔。己の表情。己の瞳。
瓜二つではなく、それは全く同じものだった。
「にはは……そう。そういうこと」
合点がいったように、人斬りが含み笑いを漏らす。
「結局あなたもわたしも人斬りなんだね。土台無理なんだよ、今更わたしが変わるなんて」
呟くと同時に縮地からの抜刀術。しかし、またしても弾き返されたのは人斬り。
「……ふふ。ふふふふ」
笑いながら起き上がる。
「にはは……わたしですら殺さないの? 『人斬り観鈴』。わたしはあなたが最も憎んでいた人間だよ?」
「…………そう」
観鈴は静かに答えた。
「わたしは二度と誰も殺さない……誰も傷つけない。そう信じて闘ってきた」
その口調は懺悔するようで
「けど……わたしはずっと殺してきた。一人の人間を。ずっと傷つけてきた。一人の人間を」
もう一度、人斬りを見据える。
「それは……あなた」
「…………?」
「わたしはあなたが憎かった。わたしはあなたを忘れたかった。だから封じた、あなたの力を。
けど……それは間違っていた。あなたは力。わたしの力。力そのものに意味も善悪も罪もない…………
問題なのは、それを使うわたしの心。わたしの意志。
邪悪だったのは、わたしの意志。
けど、わたしははじめて人斬りを、わたしの中の人斬りを赦す。
そう……わたしはわたしがずっと赦せなかった。幾人もの人の命を奪った人斬りを。
けど、それは間違いだった。
わたしはあなたを使う。わたしはあなたを超える。わたしはあなたを……打ち破る!
『人斬り観鈴』ッ!」
最後の力を振り絞り、空を構える。
「……へえっ! わたしを……赦す!? あなたの、わたし自身の忌まわしき過去を!」
「そう。あなたを乗り越え、わたしはあなたと一つになる!」
「わたしはあなたの大切な人を何人も奪った仇だよ! わたしを育ててくれたお母さんも!
わたしを愛してくれた杏さんも! 殺したのはわたしの力! それとひとつになる!? わたしが憎くないの!?」
「憎い! すごく憎い! だからわたしが…………あなたを救うッ!!」
目覚めた観鈴。
観鈴が最後に使うのは…………
A 我流抜刀術
B 藤林一刀流
C 見切り
A
「にはは……そう、そうだよね。そうじゃなくちゃ面白くないよね?
やれるものならやってみれば?
どろり濃厚よりも甘い今の「わたし」がこのわたしに勝てるの?
所詮この世は弱肉強食。その不文律すら捨てたあなたが……っ!?」
人斬りが偽善千鶴を構える。
そんな中、千鶴だけが冷静に状況を解析していた。
(あれは……正しく、この人斬りの観鈴と同じ! いえ……覚悟は人斬り以上!
神尾観鈴、最後の最後に……厄介なことを!!)
千鶴の出した結論、あれはもう今までの観鈴ではない。
これで相手はこの人斬りの観鈴と互角。
そして使い手が互角なのだから、勝敗を決するのは……
「……どちらの刀が優れているか。ですかね」
そう呟いた。
千鶴に思わず笑いがこみ上げる。
自らの手で、偽善の象徴に引導を渡し、
殺しのために作られた自分の方こそ刀として正しいことを証明できる。
奇しくもその絶好の機会が周ってきたのだ。
「楓! ここであなたに知らしめてあげます!
切れ味のみを追求し、己の姉をその手にかけてまで怨念を封じ込めた刀が上か、
それとも下らない偽善と懺悔に囚われ作り出した逆刃の刀が上か!
全ては……全てはこの一太刀で決着がつくのです!!」
千鶴が吼える。
対する観鈴は……先ほどとは恐ろしいほどに静かだった。
人斬りの方ももう何も言わない。二人には千鶴の声は届いていなかった。
目の前にあるのは……自らの決着のみ。
すっと、同時に二人の姿が消える。
いや、消えたのではない。高速で移動し消えたように見えただけだ。
観鈴の我流抜刀術は本来路地や室内など閉鎖された空間で真価を発揮した。
そしてこの旅籠の中は……その条件に適する、おあつらえの舞台。
お互いが高速で壁や天井を蹴り移動する。
その光景はまるで空襲のようでもあった。
「にははは! さ、わたしを赦してみたら!?」
「…………!」
縮地の三歩手前。まだお互いに刀を振り合わない。
「その偽善を木っ端微塵に砕いてあげます! 偽善を斬る私の刃で!!」
「…………!」
縮地の二歩手前。相手との距離は段々縮まってきている。
次の最後の一刀を振り合うために。
縮地の一歩手前。
お互いがまるで示しをあわせたかのように部屋の対極に位置する。
もう言葉を発するものは誰もいない。
そして……
最高速の縮地。
二人はお互いに突進する。
最後の奥義を使うために……
「いくよ、甘っちょろいわたし! あなたじゃ絶対わたしには勝てない!!」
「ううん、きっとあなたを打ち破る! 想いの差で……絶対に負けない!!」
そして……
「「瞬天殺!!」」
二人の声が、重なった。
バアァァァン!!
と、斬るという表現には似つかわしくない音が辺りに響く。
そう。斬った音ではない……打った音だ。
そして、それが意味するものは……唯一つ。
「え。嘘……」
地面に背中を預ける『人斬り』
観鈴の一太刀を受けた結果が……これだ。
当の観鈴は人斬りに背中を向け、抜刀した体勢のままだった。
そして、次の瞬間……
A 観鈴は空を鞘に収めた
B 観鈴の体から鮮血が吹き出た
A
b
C
A
3(695)
空をチン、と鞘に納めると同時にゴロリと人斬りの手から『偽善千鶴』がこぼれ落ちた。
「にはは………はははは………」
そして、倒れたまま、虚ろな笑い声が聞こえてくる。
「………………」
ゆっくりと。ゆっくりと過去の……否。もう一人の己自身に歩み寄る観鈴。
そう、総ての意味で彼女は今『人斬り観鈴』へと歩み寄っていた。
「やあ……『わたし』」
倒れたままの人斬りが、まるで懐かしい旧友に声をかけるような気楽さで観鈴を呼ぶ。
「……やあ、『わたし』」
観鈴も、やや強ばった声ながらそれに答える。
「……結局、わたしは何だったのかな?」
虚ろな目をして、人斬りは呟いた。
「過去のわたしとは決別し、未来のあなたからは疎んじられ…………
わたしの思い出はただ、騙され、裏切られ、追っ手から逃げ、死に掛けて。
京都で杏さんに拾われ、後は言うがままに人を斬り続けたことだけ…………
過去のわたしのように、お母さんとの楽しい思い出や白皇さんから優しくされたこともなく
未来のあなたのように、リサさんや透子さんと一緒に旅をして、いろんな人から怨まれ詰られ、そして認められ…………
そんなこともない。
ただただ、京都の闇で刃を振るい、来る日も来る日も血煙の中を生きてきた…………
本当、感情でも無くさなきゃやってらんないよね」
「………………」
「羨ましい……あなたが本当に羨ましいよ。わたしはいったい何のために……生まれてきたんだろう。生きてきたんだろう。
ねえ……答えてよ、もう一人の『わたし』。わたしは何のために……何のために一人で闇の中生きてきたんだろう…………
過去の思い出も、未来の希望もなく……ただ、わたしは殺し続けた。
わたしたちが生きるために…………にはは、とんだ貧乏クジ…………だよね」
「………………」
「ねえ……最後なんだし、何か言ってよ『わたし』。
それともこんな人斬りとは…………口も利きたくないかな?」
「………………」
観鈴は…………
A 無言で『観鈴』を抱きしめた
B 「さようなら」と言った。
C 「ごめんなさい」と言った。
D 「………………」結局、何も言うことはできなかった。
A
A
a
でかいのきそうだからB
このスレ観鈴話のみで埋まっちゃったな
だから時空旅行より短いから問題ないんだってば
時空旅行は、バトルが終ってからが長かった。
みさき「時空旅行は宴会とか麻雀とか横道に逸れすぎだったんだよ、今から思い返せば」
綾香「私を出す出さないで揉めたりもしたしね」
楓「……ドリンク飲みます?」
次からエピだから、まだ続くのか系の発言はなくなりそうだ。
しかし、今回はレス数自体よりも、1レス辺りの分量が多かったんだな。
思ったより長く感じるのもその辺りが関係してたのかも。
千鶴「不覚……あんな偽善者に敗れるなんて」
七海「お姉さま、それより!」
すばる「酷いですの! 役立たずだの欠陥品だのボロクソに言われちゃってますの!!」
千鶴「え、そ、それは……言葉の綾よ」
七海「憎まれるのは大好きだけど、悪口言われるのは嫌なんですよ!
酷いです酷いですあんまりですっっ!!」
すばる「おまけにどっちかというとあたしや無海のほうが強かったんですの!
刀の強度と切れ味だけが己の武器なんて正直流行らないんですの!」
千鶴「なっ……それは書いた人に言いなさい! 書いた人に!!」
七海「それに……誰もツッコミ入れなかったかのが不思議だったんですけど……」
すばる「『偽善者を見るのは不愉快』って、
それはお姉さまにだけは言われたくないセリフナンバー1ですの!」
千鶴「どこがですか! どこが!!」
断頸「それよかあたしの中の人を決めてくれよ。せっかく復活キター!!と思ったら
リコールされたし。」
>>706 柏木家は四女の方が(ry
ま、それはそれとして梓しか思い浮かばないなぁ。丁度良く出てきてないし。
次点として七瀬が使ってたんだから広瀬。他のキャラは大穴ってところかな。
千鶴「まぁ七海には敢闘賞をあげても良いかしら、盲剣と二度戦って勝っていますし」
すばる「一度目は負けてますの、良くて引き分けですの」
七海「お姉ちゃんは一度目に適当に体を選びすぎです、わたしも正直勝てるとは思いませんでした」
千鶴「盲剣の過去が悲惨だったのが幸いね、正直あの偽善者と戦っていたら瞬殺だったでしょ」
すばる「元の寄り代を殺したのはわたしですの」
七海「気絶した相手にとどめを刺しても自慢になりませんよ」
すばる「ぱぎゅ〜」
白皇「杏が真っ白に燃え尽きているな」
綾香「あれだけいいとこどりしといて贅沢ね」
瑠璃「『わたしを愛してくれた杏さんも!』のところでは大喜びやったのになぁ」
佳乃「結局椋さんのところにもいかなかったしねぇ」
裏葉「リサさん>みさきさん>杏さん と最後に逆転されてしまったようですし」
柳也「黒頭巾かぶらされたうっかりよりはましと思うぞ」
杏 「ねえねえみさき」
みさき「ん? どしたの杏ちゃん」
杏 「あそこ見てあそこ」
みさき「見てって言われても見えないんだけど……長崎?」
杏 「あなたと戦った長髪の娘が、悪役顔の男と連れ添って歩いてるわよ」
みさき「…………」
みさき「いやあぁぁぁああああぁぁぁぁああぁぁぁあ!!!」
楓 「……初音、思ったより慌ててませんね」
初音 「もう慣れたから」
杏に関しては筋金入りどころか凍りついたツンデレにツンデレで接したのが根本的な間違いだと思う。
磁石に同極で近づいたみたいなもん。
杏「ごきげんよう 紅薔薇(ロサ・キネンシス)」
彩「……ごきげんよう 黄薔薇(ロサ・フェティダ)」
瑞佳「ごきげんよう、えーと、白薔薇のつぼみ(ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン)見習い」
留美「くっ、打ち切りでなければ…ごきげんよう黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン)」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった塾内にこだまする。
吉田松陰様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、江戸時代の着物。
御所の門襲撃は失敗しないように、断頚乙女は木刀に破壊されないように、
ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、猫に従って道案内をした挙句迷ってしまうなどといった、はしたない塾生など存在していようはずもない。
私立ハカギアン松下村塾。
葉鍵(天保)13年創立のこの学園は、もとは支援板の雑談スレででてきたという、
伝統ないネタ系お嬢さま私塾である。
長州藩。杉屋の物置小屋の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、尊皇攘夷の理想に見守られ、
薬師から邪術までの一貫教育が受けられる乙女の園。
時代は移り変わり、江戸から明治に改まりそうな今日でさえ、
三年通い続ければ温室育ちの純粋培養維新志士が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な私塾である。
誰もやらないなら俺が一つ
断頸の中の人は?
A 天沢郁未
B 柏木梓
C 高瀬瑞希
D モルガン
E それ以外(人物指定)
bで
透子の子供の名前、性別も良ければ決めてくれ。
ネタとして考えてたんだが、書き負けたりして、書くタイミングを失ったorz。
別に決めなくても…いいんじゃないか?
登場してないも同然なんだし。
正直、評価は間違いなく5なんだろうが、一部のこういう空気には最後まで馴染めなかった……
明らかに本編と関係ない設定まで語られるのもあれだが
そんな枝葉が出せなかった事で真剣にorzされるのがきついよ。
このスレは選択肢から生まれた続きを書くスレで
過去の書き込みから生まれた妄想もちゃんと選択にかけてくれ。
流石に透子jrに関しては行き過ぎだろう。 断頸はまだしも。
まあ717よそう気にすんな。次は多分いつも通りの選択スレになるだろうから。
>>717 俺もなじめなかった
最近ちょっと熱暴走しすぎてる気がするんだよね
反動でどうにかならなきゃいいけど
ところで>717の言う「こういう空気」って支援板主導で進んでいったような雰囲気と、それに反発したような雰囲気のどっちだ?
いや、後半部が「そんな枝葉が出せなかった事で」とか「妄想もちゃんと選択にかけてくれ」とかどちらに向けて言ってるのかよくわからんのでな。
721 :
717@携帯:2005/11/22(火) 15:17:43 ID:mURyt166O
選ばれた選択肢よりも、支援板で盛り上がったような
“今回はこんな作品”って空気が優先される雰囲気全般。
生まれてもいない透子の子どもの名前とか性別なんて
本編に関係ないのも甚だしいじゃない?
それが本編にもりこめなかった事を真剣に悔やまれても
はっきり言って妄想キツいとしか思えないのよ。
なんのための本文で、なんのための選択肢なんだと言いたい。
透子の子どもがどうとか言いたいなら、一年後にエピソード繋いで、視点を透子絡みにしてから
改めて書くべきで、その過程をすっ飛ばしていきなり名前がどうだなんて
ある意味悪質な選択無視じゃないか!?
前半はまあ同意する面もあるが後半はいくらなんでも過敏すぎると思うぞ
観鈴話の途中七瀬が出てきたあたりでも思ってたんだが
今主に長めの話を書いてくれてる人ってひょっとしてONE以前の鍵を二次創作か何かでしか知らないんじゃ……
書いてくれるのはありがたいし選択スレで細かいことにあまりけちつけるようなことを言うのもあれだとは思うけどさ…
気にしすぎかな…
そんな言い方じゃあ無駄にビクビクさせる人を増やすだけだぞ
すまん、ただの愚痴なんで忘れてくれ。