こみっくパーティーでSS創作

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさんだよもん
こみパでSSを書きましょう。
18禁版も、一般向け版も、アニメも漫画も全てOKの方向で。
2名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 16:19:45 ID:hl6lSDsJ0
だれかスバルを
3名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 17:06:07 ID:Rk8rlcd30
瑞希陵辱SSスレ(に結果的になったヤツ)と、彩妄想SS(?)スレはすでに存在
してたよね?
それら以外でこみパネタのSSスレにしようってことか・・・・
どうかな〜?
4名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 18:59:12 ID:hl6lSDsJ0
だってスバルがすき
5名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 19:06:00 ID:4psTKFZU0
では、葉からの代表はスバルで
月からの代表はランサーと云う事で
6名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 19:11:02 ID:58URKMGp0
すばるの名前は”すばる”ですの☆
スバルじゃありませんの〜
7名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 19:13:03 ID:G5kH3Z+80
スバル360
8名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 22:16:26 ID:hl6lSDsJ0
コードネームはSUBARU
9名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 22:33:51 ID:4psTKFZU0
組み替えると『BUSURA』
10名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 22:38:57 ID:NzD1LRjg0
               ,========、、 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   -‐-‐     ..│ DEATH NOTE. ||||  |
   ,' , ==='、  ..│  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ |||| < ですのーとDEATHのーっ
   !_/ ノリ))))〉   │    >>9 .      ||||  |
   | リii.゚ ヮ゚ノ!i   │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ||||  \
  ノ .⊂)只!つ    │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ||||                >>9
  く/_i んrhl〉リ    │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ||||            _______, -、
      じiフ      │  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ||||         ⊂⊂________つ,,)>
            │   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||||
11名無しさんだよもん:2005/06/20(月) 23:15:04 ID:4psTKFZU0
是非ナギラさんとの対決を… (謎
12名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:10:05 ID:7OxnpEkVO
>>11
  ま た U 1 k

…違うか。
13名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:14:40 ID:iDv0Sn570
>>11
すばるが誰とも知れない赤の他人の親父に怒られるの?
14名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:40:21 ID:A3l+M/Qx0
少し書いてみたですの。
こみぱは何年か前にやったきりですから、和樹さんの性格が?で困ったですの☆

--

「和樹さん? 相談に乗って欲しいことがありますの。これからそちらのお宅にお邪魔してもよろしいですの?」
 って電話を受けたから、俺は二つ返事でOKした。
 連載の仕事もそれなりに軌道に乗ってきた頃。
 正直俺も暇な体じゃない。けれど、可愛い彼女の頼みとあっては断われるわけがないじゃないか。
 なんといっても、いまやお互い一番信頼してるパートナーだものなぁ…。


 で、しばらく後、俺の部屋にすばるを迎えて。
「暑い中ごくろうさん。落ち着いたら話してくれ、ぱぎゅぱぎゅ」
 ひとつ机に向かい合って、よく冷えた麦茶を啜る俺たち。
 ユニットを結成してからこのかた、何度となく目の当たりにしてきた光景だ。
「俺にできることなら手助けしてやるからさ」
 俺の言葉に、すばるはこくりと頷く。
「ありがとうですの…。でも…その前に」
「ん?」
 すばるの左手がすぅと俺に伸びてくる。うっすらと上気した肌色の、意外なくらいに華奢な指先が俺の袖口を掴んだ――と思った瞬間、天地をひっくり返された俺はもんどりうって転げ落ちた。
「ぱぎゅぱぎゅって言うなぁーーーーですの」
15名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:42:40 ID:A3l+M/Qx0
「やれやれ、登場していきなりのネタがそれですかい…。もう少しらぶらぶな演出を読者は期待してるだろうに」
 腰をさすりながら起き上がる俺。角にでも打ち付けたのか、鈍い痛みがある。
 手に持っていた麦茶もひっくり返って机の上がびちゃびちゃだ。
 原稿を広げている時じゃなくて良かったというべきか、
 相変わらず手加減を知らないヤツだなぁ…。
「だって前にも言いましたのよ…! あたしには"すばる"って名前がちゃんとありますの。
"すばる"って呼んで欲しいですの!」
 口を尖らせて猛抗議するすばる。
 いや、俺だってすばるに名前があることくらい知ってるけど、ついぱぎゅぱぎゅと呼びたくなるんだよ。
 だって、ぱぎゅぱぎゅのほうが体を表してるというか。
 なにより気軽だし。
「そういうわけで、気に障ったなら許せ、ぱぎゅ」
「短くしてもダメですのーー!!」
 ずどーん!!!
 再びひっくり返る俺。
 あぁ、1度目で天地がひっくり返るってことは、2度受けたら元に戻るのかな…


 *(作者注)前フリの夫婦漫才に分量使っても仕方ないので、SSの先を進めさせてもらいます↓
16名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:43:16 ID:A3l+M/Qx0
「で、なんの相談だったっけ…」
 いいかげん投げ飛ばされることにも疲れた俺は、話を戻すことにした。
 麦茶の毀れたのもちょうど拭い終わったし。
 タオルを流し台のほうへ放り投げて、すばるに向き直る。
 ついでに新しい茶を淹れ直してあるのは俺の几帳面なところだ。
「実は、ですの…」
「実は?」
 あらためてすばるの対面に座った俺は、麦茶を喉へ流し込む。
 ひんやりとした喉ごしが一運動させられた体を心地よく冷ましてくれる。
「実は、エッチなマンガの描き方を教えて欲しいですの」
「ぶーーーーーっ!!!!」
 いけないいけない、茶、吹いちゃったよ俺。
 見ると、頭の上から肩口までずぶ濡れにしたすばるが、刺すような目でこちらを睨んでいた。
 茶も滴るいい女…って言葉はなかったよな。
「和樹さん、やっぱりさっきのこと恨みに持ってますの…。仕返しにお茶を吹きかけるなんてヒドイですの」
 いや、ジト目でそう言われても。俺には仕返しなんて気持ちは全然なくて、単にすばるの話に驚いただけなんだけど…
 結局、再びタオルを絞る羽目になる俺。
 まぁ、今回拭くのが机でなくて、すばるの顔だってことには少し気が晴れる。
 ご機嫌ななめな彼女をなだめつつ。
「じっとしてて…。動くと拭きにくいから……そうそう……。でも…ゴメン。そんな相談されるとは思わなかったから」
 すばるの長く美しい髪に布を這わせながら、俺は素直に詫びた。
17名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:44:33 ID:A3l+M/Qx0
 俺だってすばるのことをからかうばかりじゃない。短くない付き合いの中で、詫びるべき場合は知っているし、そういう時は素直に詫びるのだ。
 そうすれば気分良く水に流してくれるのが、彼女のいいところだと思ってる。

 え〜彼女自慢終わり。本題に戻ります↓


「あらためてゴメン。まさか、すばるの口からエッチなマンガって単語を聞くとは思わなくてさ」
 だって、そちらの方面に縁のないことではこみぱヒロインの中でも随一のすばるさんですよ?
 それが突然エッチだ18禁だとくれば、驚くなというほうが無理じゃないですか。
「あたしだって、もうコドモじゃないですのよ? そういうことを普通に描いても良い年齢になりましたし、それに、和樹さんとたくさん実地経験を積みましたの☆」
「じ、実地経験って…。まぁ、そのとおりなんだけど。でも、急にどうしたの? すばるはそういうの興味なかったはずなんじゃ…」
「う〜ん…」
 すばるは手を顎に当てて首をかしげた。物事を考えるときの彼女の癖。
「それがたぶんコドモじゃなくなったということですの…。いろいろ話を聞いていて、一度そういうのを描いてみるのも、作風を広げるために良いことだと考えるようになりましたの☆ 仕事にするかどうかとは別の話ですの」
 すばるは、作風を広げる、というところを強調して言った。
「なるほど、作風、というかネタを広げることはプロでやっていくには必須だろうな」
「はいですの☆」
18名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:47:20 ID:A3l+M/Qx0
 う〜ん、子供だと思ってたすばるだけど、ちゃんと自分の仕事のこと考えてるんだなぁ。
 少し嬉しくなってしまう俺。
 ただ、同時に軽いショックでもある。どうしてかって?
 だってすばるって、ヒーローものとか勧善懲悪ものとか目指していたんだよ?
 それがエッチなマンガを描きたいと言い出すとは…。
 やっぱり深い仲になったのをいいことにエッチしまくったり、あるいは俺が絵の勉強と称してエロ漫画を描きまくっていたせいかなぁ…と。
 漫画家仲間ではエロ描いている人なんて普通にいるし、そこまで特別視することじゃないんだろうけど。
 今回の場合は、すばるだしなぁ。
 エロなんて向いてなさそうというか、適性がなさそうというか…。
 まぁ、彼女が経験のためというなら、俺が何を言う筋合いでもないし、全力で応援するけどさ。


 けれど、やっぱり心配の種は、
 『今まで全く別のジャンルをやっていて、成年マンガにすら興味のなかったすばるに、果たして扇情的なものが描けるんだろうか?』ということで。
「それなんですの!!」
 俺がそのことを尋ねると、すばるは我が意を得たとばかりに身を乗り出してきた。
「今日の相談というのはそのことですの。自分で少し描いてみましたけど、いまいちピンと来ませんのよ…。ぜひ、和樹さんのアドバイスを聞かせてほしいですの」
 そう言って、カバンから数枚の原稿を取り出して俺に手渡すすばる。
 いわく、練習のために描いてみたラフだそうだ。
 手渡すとき、すばるは、彼女らしい真摯な目で俺を見つめてきた。
「とりあえず、読んでみて下さいですの」
 嘘やごまかしは許されない、とその目が語っていた。
「分かった…」
 なんだか貴重な学術書を入手した研究者のような昂ぶった気分で、俺は受け取った原稿に目を通す。
 ペンも入れない大雑把なラフ、ページ数もほんの僅かだけれど。
 すばるの描いた、初めてのエッチなマンガ、か。
 なんだかどきどきするな…。
19名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 00:49:29 ID:A3l+M/Qx0
途中ですみませんけれど、眠くなったのでおやすみなさいですの☆
20名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 12:39:07 ID:TwkH9O4c0
キモイ
21名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 22:15:40 ID:hpLDPF64O
由宇きぼぬ
22名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 22:42:26 ID:OkD2+LlY0
瑞希激しくきぼんぬ
23名無しさんだよもん:2005/06/21(火) 23:40:15 ID:9FTReIrXO
和樹「大…志?」
ズブリ…と低い音を立て大志の左手のナイフが俺の身体を突き刺す。
大志「…だから同士は甘いと言うのだ。」
口元に笑みを浮かべ、空いた右手で俺の身体を突き飛ばす。
突き飛ばされた体に力が入らず、そのまま背中から大地に倒れ込む。
痛みは…無い。
体の尖端から次第に感覚が失われていく。
和樹(そっか…。俺、死ぬの…か…。)
視界が霞み、全身を虚脱感が支配する。
和樹「……」
ガッ!
頭部に微かな痛みを感じ意識をそちらに集中する。
何かが頭部を上から抑え込む。
大志だ。
大志「フム…、死んだのか?」
俺の頭を足でもて遊ぶ。
どうやら俺の生死を確認する。
大志「どれ…。」
大志は脚を高く上げ、サッカーボールを蹴る様に俺の頭を蹴りあげる。
24名無しさんだよもん:2005/06/23(木) 15:33:49 ID:qwTVHmFL0
保守
25名無しさんだよもん:2005/06/23(木) 15:39:37 ID:XcyXjCwi0
モキュモキュ
26名無しさんだよもん:2005/06/26(日) 23:51:20 ID:+ts8Xb8Z0
ほしゅ
27名無しさんだよもん:2005/06/27(月) 16:57:03 ID:mQyu3WUu0
 夏こみ3日目。我がサークル「Brother2」 搬入量、総計3万4千。
「ほらあんた達、しゃきしゃき働きなさいよー」
 と、横柄な口調は、場面を考えると大庭詠美……と、なるのももう半年は前の話であ
る。
 それどころか、おそらく南女史によって、故意に隣に配置されただろう「CAT or
FISH」の面子は、聳え立つダンボールの壁を見て、呆然と立ち尽くして口をパクパクさ
せている。
 夏こみの購買力を以ってしても、大庭詠美の能力ではオフセット新刊1万+アルファ
がせいぜいだ。今や「CAT or FISH」は普通壁、対してこちらは、堂々のシャッター前で
ある。
 まさに「Brother2」、こみパ、即ち日本同人界征服完了也、と言ってよいかも知れぬ。
 BAaaaaaaaT!
 新刊2万2千部既刊1万2千部の内、サークルの主催者であり、我が幼少期からの
エターナルパートナーであるところの千堂和樹、P.N.千堂かずきの本はわずか4千部
に過ぎない!
 しかも、今や実質的なサークルの主催者、否独裁者と言っても過言ではない(ただし、
実際に本人にこの単語を聞かせたなら3日はICUで生死の境をさまようことになろう)、
者の本による、相乗効果を含めてもこの程度の数字である。
「にゃあー、搬入終わったのでお手伝いに来たですよー」
 そう声をかけてくるのは、住宅街の寂れたいち個人商店的印刷所から、わずか半年
にして、上場こそしていないとはいえ、仮にも株式会社の体裁となった、つかもと印刷
の息女、塚本千紗嬢である。
「千紗ちゃん、もう、フリーなの?」
 さすがに辟易とした表情を隠しきれずも、同志和樹は千紗嬢に笑顔を向けた。かく
言う我輩も振り向けた顔が引きつっていない自信は無い。それとは正反対に、千紗嬢
の顔は物語に感動するピュアな少女のように輝いていた。
「今回からは新工場から直接出荷なので楽々だったですぅー。印刷機も新しいので今
までよりさらに装丁が綺麗になりましたです。これからもつかもと印刷をよろしくお願い
しますです」
28名無しさんだよもん:2005/06/27(月) 16:57:30 ID:mQyu3WUu0
 ぺこり、と挨拶をする千紗嬢。これからもなにも、この大量印刷によってつかもと印
刷を「小口印刷業界の奇跡」と称させた本人は、それ以外の印刷所を知らぬ、否、知
ろうともせぬのだからどうありようもない。
「今までの印刷所は閉めちゃうの? この前シャッター下りてたけど……」
 同志和樹が訊ねると、千紗嬢はふるふる、と軽く首を横に振り、否定の意思を示し
た。
「にゃあ、古い方の印刷機、特急の締め切り破った方のために連続運転しててキャプ
スタンがおかしくなっちゃったです。だから今オーバーホールに出してるですよー。あ
れが無いと本社の体裁が整わないですー」
「ふみゅっ!」
 不意に傍らから入った奇声に視線を向けると、大庭詠美がうつぶせに倒れこんでい
る。
 どうやらつかもと印刷の在来機の不調の張本人だったようだ。おそらく他社の締め
切りを散々ブッチした挙句、顔パスの効く千紗嬢に無理を言って刷らせたのであろうこ
とは想像に難くない。
「本社……そ、そうだね、アハハ……」
 すっかり表現のかわった千紗嬢の言葉にだらりと汗をかきつつも、笑顔で返す同志
和樹。
「あ、千紗ちゃん、来てくれたの?」
 ダンボールの影から現れたのは、我がもう1人のフレンドたる高瀬瑞希である。
「それじゃああたし、コスしてくるから後、この2人の監視、お願いね」
 完全に我輩と同志和樹は使用人扱いのようである。
「はぁい、かしこまりましたですぅー、瑞希お姉様ぁ」
 千紗嬢は満面に笑みを浮かべ同志瑞希を見送った。
 同志瑞希……いや、確かに精神的な意味合いでは、今や彼女はまさしく同志であ
る。
 なにせ去年の冬まで、このスペースの主であった「CAT or FISH」の大庭詠美をその
座から引きずりおろし、新たなこみパの女帝として君臨しているペンネーム「MIZUKI」
こそ、1年前まではマンガに関してはただの素人であった高瀬瑞樹に他ならないので
あるのだから!!
29名無しさんだよもん:2005/06/27(月) 16:58:21 ID:mQyu3WUu0
 思えば去年の春、我が誘いを受けて同人漫画家となった同志和樹の、その作家人
生を絶つべく数々の妨害工作を行ってきた彼女に対し、その当人である同志和樹が
放ったある一言がきっかけであった。
「じゃあお前が、冬こみまでに2千部売れる同人誌を出したら、俺はマンガをやめても
いい」
 どうせできぬこととの打算があっての約束だったのであろう。しかし、さりとて同志和
樹を攻めるわけにも行かない。我輩も当時であれば同じ判断をした筈である。
 だが、それは、基本的に彼女は「やれば何でもそこそこできる」万能人間である、と
いうことに、マンガと言う例外を勝手に設定していた我々の浅はかな思惑に過ぎなか
ったのだ!
 秋の中規模イベントにて頒布した初同人誌はストーリーは荒削りであったものの、
技術的には同志和樹に勝るとも劣らぬ出来であった。いきなりの18禁GL本というジ
ャンル効果も手伝って、いきなり500部オフセットという無謀をやらかしながら、島サー
クルにおいて13:00完売という脅威の記録を作り出した。
 ちなみにジャンル選択は効果の高い成人男性向けをセレクトしつつも、男性描写が
できぬと言う事情の、彼女なりの研究と検証の成果であったと言えよう。
 しかし同人作家、特に駆け出しの者にとって、完売の2文字は、時に甘美かつ、もっ
とも危険な麻薬となる。
 高瀬瑞希もその泥沼に脚を取られるひとりとなってしまったのである。
 当の冬こみの時には、準備会の認識不足により島中に配置され大混雑を招くと言う、
稀ではあるが往々にしてありうるトラブルを巻き起こしながらも、発行部数3千に対し
完売こそならなかったもののその過半数を掃くという結果に終わった。
 しかし同志和樹との約束はこの時点で敗北に終わったわけだが、もはや当初の目
的などどこ吹く風、まさに本末転倒、ミイラ取りがミイラの典型例であった。
 冬こみ翌日、ともすれば優柔不断、八方美人と取られがちな性格の同志和樹が、
それとなくかけた電話は、
「なにもないならかけてくるんじゃないわよ! あたしは今から春の仕込みで忙しいん
だから!」
30名無しさんだよもん:2005/06/27(月) 16:58:52 ID:mQyu3WUu0
 という言葉で報われることとなった。
 その間も噂は噂を呼ぶ。まして現代はインターネットによる高度情報化社会。気鋭
の新人作家、「MIZUKI」の名は瞬く間に広がった。その強引な手法の為、一部から疎
まれ、同人界のマリー・アントワネットとも称される「CAT or FISH」大庭詠美をその座
から引きずりおろせるのは彼女に他ならぬとまで言われた。
 そして時はさほどたたずとして現実のものとなる。春こみにおいてもはや4桁の発行
部数では場を持たすことすら不可能であるとはっきりした。
 さらにストーリー構成力の急激な向上。大量発注の恩義からかすっかり妹分と化し
た塚本千紗嬢とのただならぬ関係がそれに貢献したことは想像に難くない。
 さらにはコスプレを用いた購買層の確保! 地がいいだけにこれ以上ないほどの販
促効果をもたらした。
 対抗上我輩もネコミミメイドコスを行ったのだが、なぜか会場直前に同志和樹に釘
バットで強かに殴られ、再び意識が戻ったのはどういうわけか閉場後の可燃ゴミ集積
場。もう少しで収集車のスイングにプレスされるところであった。
 結果、準備会から夏こみには充分な頒布量を確保せよとクギを刺されることになり、
本日の異例の大量搬入となったわけである。
 以上、高瀬瑞希はこうして陥落したの顛末であった。

 しかし高瀬瑞希、真に恐ろしきは、大学と同人活動の両立、さらに体力維持の為の
ロードワークまでこなしなおかつ常時早期入稿……彼女が敵でなかったことに我輩は
心底安堵している次第である。
31 ◆kd.2f.1cKc :2005/06/27(月) 16:59:41 ID:mQyu3WUu0
さぁー書き逃げだ。
32名無しさんだよもん:2005/06/28(火) 04:08:18 ID:Q7HB3YZZ0
kd.2f.1cKc 氏、まさか意表をついて瑞樹とは……
とりあえず乙、そしてGJ!
33名無しさんだよもん:2005/06/28(火) 15:20:42 ID:EfHmP5420
九品仏語りでここまでできるとは…まさにGJ!
34名無しさんだよもん:2005/06/28(火) 20:14:19 ID:Nro5z9sI0
長文とである口調で読むの回避していた自分


正直乙はがれーあたりで続きよろ
35名無しさんだよもん:2005/07/02(土) 12:09:44 ID:azqJwJYD0
hosyu
36名無しさんだよもん:2005/07/04(月) 21:50:34 ID:Ph/G0HSy0
保守
37名無しさんだよもん:2005/07/04(月) 21:57:11 ID:nJAqxFD30
瑞希は床で眠る詠美の耳を掴むと、乱暴に引き起こした。
痛みで彼女が目覚めたようだ。
「・・・・・・!?・・・・」
突然の出来事に唖然としている。
そのまま一気に左耳を引き千切り、釘バットを顔面に叩き込む。
「・・・くふっ・・・」
鼻が潰れ、折れた前歯が数本こぼれ落ちた。
顔を抑えてうずくまりかけるが、すばるがそれを許さない。
彼女の両腕をつかみ逆にねじりあげ・・・どう動いたのか、一瞬、詠美の
体を宙に体を浮かすと、 次の瞬間には激しく床に叩き付けていた。
「ぎゃうふっ!!」
両腕が嫌な音を立てた。間違い無く根元から両方とも折れたろう。
おもむろに彩が歩みより、詠美の両掌を千枚通しで滅多刺しにする。
「ふぐうっ!!」
くぐもった悲鳴をあげた彼女の腹にも彩は無言で千枚通しを突き立てた。
「ひぎゃ!!!くうううううう・・・・・」
「おいおいっ!もう殺しちゃったのかいな!?死んだら遊べないんやで?」
由宇が声をかけると、南がクスリと笑う
「大丈夫ですよ。人間はそれくらいじゃ死にませんの・・・よっ!と」
這って逃げようとしていた詠美の横腹に、彼女のつま先がめり込んだ。
「・・・・・・っ・・・・・・ごふっ・・・!!」
血反吐を吐いて悶絶する詠美。 半分失神している。
「頑張ってくださいね。詠美おねえさん。まだまだ…まだまだこれからですから」
千紗は、悶える詠美の上に馬乗りになると、彼女の脛に鋸の刃を当て、
そう言って微笑んだ…。
38名無しさんだよもん:2005/07/04(月) 22:04:02 ID:h36P8JoF0
>>37
逝ってよし
39名無しさんだよもん:2005/07/04(月) 22:45:21 ID:ZwgK7SI80
両腕根元から折ったら掌千枚通しくらいで悲鳴あげないような
40名無しさんだよもん:2005/07/05(火) 08:15:45 ID:hNanb49eO
「・・・・・」


静寂に包まれる部屋。
そこでは、青年が一人漫画を書き続けていた。


三日三晩不眠不休で書き続けいるというのに終わりは見えてこず。

それどころか目指したゴールは、逆に遠ざかって行くような気さえする。

ーでも、止めちゃあいけないんだ。
もう、止められないー

ほんの一週間前、一人の少女が逝った。
それは彼が初めて本気で愛しいと想った少女。
彼が初めて愛した少女。彼が初めてー身を焼かれるような絶望と、全てを乾かすようなもどかしさを教えてくれた少女。


ー立原郁美、だった。
41名無しさんだよもん:2005/07/05(火) 08:16:31 ID:hNanb49eO
すいません調子に乗ってましたもう止めますのでお許し下さいorz
42名無しさんだよもん:2005/07/05(火) 08:24:48 ID:zOeSY5KC0
立原って誰よ
43名無しさんだよもん:2005/07/05(火) 08:33:42 ID:hNanb49eO
素で名前間違えたorz
44名無しさんだよもん:2005/07/09(土) 18:31:42 ID:WWgQN4q70
hosyu
45名無しさんだよもん:2005/07/13(水) 23:13:52 ID:pm+Yv/KV0
保守
46名無しさんだよもん:2005/07/14(木) 01:33:06 ID:yJwJVkTf0
旦那さん降臨してくれないかな…
47名無しさんだよもん:2005/07/27(水) 00:55:10 ID:tsRIgnD70
ほしゅ
48名無しさんだよもん:2005/08/15(月) 23:13:16 ID:geERFna40
go
49名無しさんだよもん:2005/08/21(日) 02:16:10 ID:vAim4NGQ0
ほっ
50名無しさんだよもん:2005/08/29(月) 02:06:09 ID:zUG60Z1u0
eric cantona
51名無しさんだよもん:2005/09/07(水) 06:19:29 ID:ei6OmZ2I0
thiery henry
52名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 08:38:51 ID:/HQGs0Bu0
david trezeguet
53名無しさんだよもん:2005/09/11(日) 11:33:55 ID:+R87eGJP0
79 :77:04/12/04 20:33:07 ID:2gSMTnFX
>>78
Hじゃないです。
いたって真面目(な、つもりだろう、作者は)
ちなみに、オリキャラが主人公です。
SSというより、あらすじです。
作者曰く、「プロットの段階でやめた」とか。

81 :『キング・オブ・ザ・ロード』1:04/12/04 20:41:43 ID:2gSMTnFX

『キング・オブ・ザ・ロード』(または、『函館の星たちへ』)
こみパで、ある本が評判になる。タイトルは『函館の星たちへ』。
内容は、函館に住む様々な人々の生きる姿を描いた、笑いあり涙ありの物語。
こみパの女王を自称する詠美、その座を脅かされると危惧した詠美は、渋る和樹に強引に『函館…』の
作者のことを探らせる。
ところが、会場のどこにも作者の姿が見えない。実は、『函館…』は、
無人共同スペース(という呼び方でいいのかな?)に置かれた本で、
作者は初めから来ていなかったのだ。
『函館の星たちへ』の作者は一体何者なのか?
調べた結果、作者は普通のサラリーマンで、鴨川(オリジナルキャラ、事実上の主人公)
という男だった。
かつてはプロ漫画家を志していたが芽は出ず、ついに断念して就職した。
最後のチャレンジのつもりで持ち込んだのが、コミックZ編集部。
これでだめだったらあきらめて就職しようと決意していた。
その時の担当が、現在の澤田真紀子編集長だった。
当時はまだ平編集だったのだが、実力を買われていた。
54名無しさんだよもん:2005/09/11(日) 11:35:32 ID:+R87eGJP0
82 :『キング・オブ・ザ・ロード』2:04/12/04 20:44:53 ID:2gSMTnFX
原稿を見てもらった鴨川だが、「なかなかいいけど、うちに合わないわ」と一蹴される。
帰り際に「逃がした魚は大きかった、って言われるようになってね」と言われる。
しかし彼は、もう全て終わったと、ペンを折ることを決意する。
就職して、仕事はそこそこうまくいっていたが、何かが満たされない。
そんなある日、部屋を掃除していたら原稿が出ていた。
最後の原稿だった。あの時一蹴された原稿だ。
気がついたら彼は、その原稿のリメイクをしていた。
その最中にも、どんどん次のエピソードが浮かんでくる。
あっという間に、単行本一冊分の原稿を描き上げてしまった。
塚本印刷という小さな印刷所に印刷を依頼し、本を作った。
しかし、作ったはいいが日の目を見せる場がない。
作った本を持て余していた彼だが、ある日『こみっくパーティー』という
同人誌のイベントを知る。
そこの共同スペースに出品する。結果は、十冊ほど売れただけ。
まあ、こんなものだろう、と彼は気にもとめなかった。
ところが、余った在庫がもったいないので二回目の出品をしたときのことだ。
なんと、あっという間に完売になってしまったのである。
続々と寄せられる読者からの手紙。
「感動しました」「初めてマンガで泣きました」「早く続きを描いて下さい」
そして、「まだ読んでません、増刷して下さい」という手紙も多数寄せられた。
あわてて鴨川は増刷して、次のこみパに出品するがまたも完売。
海賊版まで出回る騒ぎとなった。
55名無しさんだよもん :2005/09/11(日) 11:36:35 ID:+R87eGJP0
83 :『キング・オブ・ザ・ロード』3:04/12/04 20:47:13 ID:2gSMTnFX
「やっぱ感動だよな、函星(自然にできた略称)って」
「函星、ドラマでやってくれないかな、なんてな」
そう、この本こそが、かつて最後の持ち込みで袖にされた、
『函館の星たちへ』だったのである。
「絵うまいし、面白いし、非の打ち所がないよな」
「これに比べたら、大庭詠美なんか幼稚園児の落書きだぜ」
客たちの噂を聞いてしまった詠美は激しく鴨川に嫉妬する。
そして、ついに売上げで抜かれてしまった。
ある日、今回のこみパに鴨川が来ている、と聞き付けた詠美は、
恥をしのんで自分の本を見てもらう。
読み終わった鴨川は首をかしげながら、
「あー…だめだねぇ…これじゃ…」
「だ…だめ…」
一部始終を見ていた周りの客からもそうだ、その通りだと声が上がる。
いたたまれなくなった詠美は売り場を放り出して逃げ出してしまい、
売上げは鴨川の圧勝に終わった。
何を言ったと思ってるんだ!と詰め寄る和樹、由宇に対し、
「見てほしいと言ったから、正直な感想を言っただけだよ」
「売れなきゃ意味がないってのは彼女の十八番でしょ」
「少なくとも質では勝ってる自信あるよ」
『函館の星たちへ』を見てみる和樹たち。
確かに、詠美の本より密度もはるかに濃くて面白い。
悔しいが、自分の本よりもずっと良くできている。
しかし、ケンカばかりしていても詠美思いの由宇は、
「あんたは最低の同人やで!」
と暴言を吐いてしまう。鴨川も怒って、
「お前みたいなガキに何がわかる!」
鴨川に殴りかかろうとしたところを由宇は牧村南に止められ、おとなしく引っ込むしかなかった。
56名無しさんだよもん :2005/09/11(日) 11:37:29 ID:+R87eGJP0
84 :『キング・オブ・ザ・ロード』4:04/12/04 20:48:45 ID:2gSMTnFX
そんなある日のこと、鴨川の家を澤田が訪れた。
コミックZで、アニメ化前提で連載させてほしい、と言うのだ。
しかし、そのアニメ版のプロットを読んで鴨川は憤る。
原作の良さがまるで生きていない、見る者に媚びる作品になっていた。
「お断りします」
「まだあの時のことを根に持ってるの?」
「違います。これは、『函館の星たちへ』ではありません。別の作品です」
「原作と変わったものになるのはやむを得ないことなのよ。
それはあなただってわかっているでしょう。人に見て頂くのを第一に考えてのことよ」
「違う!あなたは金儲けのことばかり考えてる!
同人誌で出した時、読んでくれた人はみんな、『函館…』のありのままの姿を愛してくれました。
その人たちの期待を裏切るような真似はしたくありません!」
「それは少数の人たちでしょう?大多数に受けないと意味がないのよ。それができないんじゃ、いつまでたってもプロにはなれないわ」
「だったら…だったらプロになんかなれなくてもいい!少数の人を切り捨ててまで大多数に受けるくらいなら、同人誌で書いてた方がいい!」
話し合いは結局付かず、澤田は帰る。
57名無しさんだよもん :2005/09/11(日) 11:38:42 ID:+R87eGJP0
85 :『キング・オブ・ザ・ロード』5:04/12/04 20:50:26 ID:2gSMTnFX
数日後、今度はテレビ局の人間がやってきて、ドラマ化しないかと言う話を持ちかける。
ドラマ版のプロット、こちらは素晴らしい出来であった。
原作を100%とするなら、ドラマ版は120%になりうるものだった。
「書き直せとおっしゃるなら、いくらでも書き直します!」
テレビマンのその言葉に嘘はなかった。
鴨川はついに了承する。
澤田は上司に呼ばれる。
「澤田くん、君は二度も鴨川を逃がしたね。もう三度目はない、責任を取ってもらうぞ」
澤田は編集長を降ろされ、左遷されてしまう。
が、気が付くと呪いが解けたように、気持ちが楽になっていた。
売り上げを意識するあまり、売り上げよりも大事なことを忘れていたのだ。
そうはならないとずっと思っていたはずなのに、いつしか忘れていた。
その次のこみパ、初めて自分のスペースを取った鴨川のもとへ澤田が訪れる。
一波乱あるかと思われたが、澤田が鴨川にしたのは謝罪だった。
しかし鴨川は、
「許すも許さないもありません」
「僕はマンガのことで誰かを恨んだことはありません」
その言葉に澤田は、そして横から一部始終を見ていた詠美や由宇たちは泣き崩れる。
名実共に、鴨川はこみパの王の中の王、『キング・オブ・ザ・ロード』だった。
そして、その日の夜、ドラマ『函館の星たちへ』の第一回が始まった…。

(完)
以上!
58名無しさんだよもん:2005/10/03(月) 07:51:45 ID:/pE6url20
dennis bergkamp
59名無しさんだよもん:2005/10/04(火) 09:13:01 ID:2Y0Y4zn60
鴨川と聞くと、鴨川つばめが真っ先に思い浮かぶ。
そうか、あの人も同人やってた時期があったのか。
60名無しさんだよもん
鴨川っつったら鴨川ジムだろ。世界王者鷹村と日本王者幕ノ内を擁するボクシングジム。