浩平「オレのせいかっ」
瑞樹「だって、僕の席で食べようって言ったのに、きてくれないんだもん」
浩平「それでおまえまでくることないだろう」
瑞樹「だって、浩平が意地はって、こんなところで食べてるんだもん」
浩平「もう一回言うぞ。それでおまえまでくることないだろう」
瑞樹「はぁ…やっぱり浩平にはしっかりした人が必要だよ」
浩平「どうしてそこにいきつくっ」
瑞樹「早く食べて戻ろうよ」
浩平「ああ、そうするか」
オレはがつがつと再びパンをほおばり出す。パンだから、早い。
半ば流し込むように食べ終え、立ち上がる。
瑞樹「早いよ〜」
また泣きそうな声で、オレのズボンを引っ張る。
浩平「おっそいな、おまえ…。ぐあ、まだ、半分以上残ってるじゃないかっ…」
瑞樹「浩平が早すぎるんだよ」
浩平「もう、残りは教室に戻って食べろ。な」
瑞樹「ここまで食べたのにぃ…待っててよぉっ」
浩平「はぁ?」
瑞樹「そんな食べてる途中に、どたばたするのヤだもん」
浩平「…ったく」
オレは腰を下ろし直す。
瑞樹「ごめん…」
浩平「ああ、いいよ」
瑞樹「ゆっくり食べていいかな?」
浩平「ははっ、どうぞどうぞ」
苦笑するしかなかった。
瑞樹「う〜、でも、やっぱり寒いねぇっ」
浩平「ははっ…」
もう一回思う。苦笑するしかなかった。
結局瑞樹がごちそうさま、と言い終えたのは昼休みが終わろうとしていた時間だった。
140 :
名無しさんだよもん:05/01/31 08:00:55 ID:ZaTVn++3
〜中略〜
浩平「おーい、瑞樹。寄り道しながら帰ろうぜ」
瑞樹「僕は、浩平みたいに暇じゃないもん」
浩平「部活行くのか…?」
瑞樹「うん」
浩平「そっかぁ…久しぶりにパタポ屋のクレープでも食いたかったんだけどなぁ…」
瑞樹「あ、そうなんだ…」
浩平「仕方ないなぁ」
瑞樹「う、うん…。でも、浩平がどうしても今日っていうんなら無理するけどっ…」
浩平「いや、いいよ、うんうん」
瑞樹「ごめん…」
浩平「じゃあ、まただな」
瑞樹「浩平もいったら?たまには部活」
浩平「どうせ誰もいやしないって、ウチは」
瑞樹「浩平が頑張らないと」
浩平「オレ一人が頑張って、どうにかなる問題でもないだろう」
瑞樹「まぁ…それでもだよ」
浩平「……」
瑞樹「じゃあ、いくね、僕」
浩平「ああ、頑張れよ」
瑞樹「うん」
〜中略〜
瑞樹「でも、ほんとに僕を驚かせるためにあんなことしてたの?」
浩平「ん?」
走りながらだから、よく聞こえない。
瑞樹「ほんとに僕を驚かせるためだけに、あんなところで寝てたのっ?」
浩平「ああ。それ以外にどんな理由であんな場所で寝るっていうんだ」
瑞樹「はぁっ…そんなことに気使うんだったら、もっと違うことに使ってくれたらいいのに…」
浩平「どんなことに」
瑞樹「…えぇっ?…ほらっ…いつも起こしてあげてるからっ、日ごろの感謝をこめてとかっ…」
浩平「そうだな、感謝をこめて…デートにでも誘ってやろうか?」
瑞樹「えっ?えぇ〜っ!?」
浩平「うん?」
瑞樹「そ、そんなぁっ、まずいと思うよそれはぁっ…」
浩平「どうして?」
瑞樹「ほらぁ、体裁悪いっていうかっ…男同士なんだしっ…他の人に見られたら、勘違いされちゃうよっ…」
浩平「はぁ…?オレは勘違いされても構わないぞ」
瑞樹「えぇ〜っ、どうして〜っ!?僕だよ、僕っ!男同士なんだよっ?わかって言ってるの〜っ!?」
浩平「瑞樹だろ、わかってるよ」
瑞樹「わ〜、浩平バカだよ!僕なのに、僕なのに、僕なのにっ!」
浩平「おいっ、少しは落ち着け」
瑞樹「あっ…ゴメン…」
浩平「オレはお前の方が心配だぞ、そんな卑下してばっかで」
瑞樹「そっかな…僕は大丈夫だよ」
浩平「それってその気になれば、男だろうが女だろうが誰だって落とせるってこと…?」
瑞樹「わぁ、そんなことあるわけないよっっ!僕は浩平じゃなくてひとりでなんでもできるってことだよ!」
浩平「寂しいこと言う奴だなぁ、やっぱ心配だぞ。」
瑞樹「僕は…いいんだよっ。やっぱ浩平が心配」
浩平「そうかぁ…?」
瑞樹「そだよ…」
〜中略〜
教室の中では、まだ朝のあいさつから始まる無駄話が、とりとめもなく続いていた。
オレは瑞樹に別れを告げ、窓側の自分の席まで歩いてゆくと、鞄を机の上に投げ出して、
椅子に腰を下ろす。
目の前では七瀬がそっぽを向くように、窓の外を眺めていた。
浩平「よっ、おはよう、七瀬っ」
七瀬「んっ…うんっ…おはよ」
浩平「どうした、元気か?」
七瀬「げ、元気よ…」
浩平「そうか、そりゃ結構。ていうかさ、お前いい加減そのしゃべり方やめない?」
七瀬「なによ、それ…」
浩平「いや、お前の本性知ってるだけに気持ちが悪くて…」
七瀬「ほっとけっ」
〜中略〜
相変わらず七瀬の席は、昼休みともなると、昼飯を手にした男子連中が集まって
お食事談笑会の様相を呈する。
ぐいぐいとオレの席も押しやられ、何とも腹立たしい。
選択肢:1.その中に割ってはいる
2.おとなしく学食にでも向かう
143 :
'ヽ/ヽ:05/01/31 10:28:40 ID:Lhok3iFT
1.割って入る
岬先輩マダー?
岬は板違い('A`)
145 :
名無しさんだよもん:05/01/31 12:13:06 ID:o1s5cFhZ
ショタ属性もない癖に、目立ちたいだけで書き込む糞コテは消えろ。
146 :
'ヽ/ヽ:05/01/31 12:34:25 ID:Lhok3iFT
すいません。自粛します。にゃりにゃり。
膝小僧かわいいよ膝小僧
147 :
名無しさんだよもん:05/01/31 23:28:05 ID:wes3a5Wd
「浩平ー、速くー!」
朝の住宅街を、俺たちは並んで走る。
もうすっかりおなじみになってしまった光景だった。
「もーっ、浩平がもっと早く起きてくれればこんな苦労しなくて済むのにー」
同じセリフを、もう何度も聞いたような気がする。
こうなれば、次にくるセリフも予想がつくというものだ。
「ほんとっ、浩平にはちゃんとしたお嫁さんが必要だよ」
「ぷっ」
予想が的中し思わず吹き出してしまう。
「もぅ、なにがそんなに可笑しいんだよ」
ちょっとムッとした瑞樹の声。
俺はそんな声を聞くと、ついをからかいたくなる。
「いや、お前が女なら良かったのにと思ってな」
「なっ、なにを言い出すんだよ!」
瑞樹の顔が見る見る顔が真っ赤になる。
「浩平、僕が女顔なの気にしてるのは知ってるでしょ?
なのにひどいよ」
「悪りい。でも、お前が女だったらいいお嫁さんになると思うんだけどなぁ。
料理もうまいし、面倒見もいいし、俺だったら絶対逃さないぜ」
「そ、そ、そんなこと言われてもうれしくないよっ!
もう、浩平なんて知らない。ぼく先行くからね!」
いつだって浩平のことが心配だよー
149 :
名無しさんだよもん:05/02/01 14:14:57 ID:5eV3H14w
広瀬まだー?
ハァハァ(;´Д`)
151 :
名無しさんだよもん:05/02/03 07:52:05 ID:HOFSAkFn
>>142から
オレはあまりにもむかついたので、群がる男連中の中に割ってはいる。
男連中「あはは、そうなんだ。七瀬さんって面白いね」
みんなで質問攻めにしているらしい。
これだけ人数がいたら、誰が喋ったかなんて見当もつかないだろう。
少し、連中が引くようなことを言って、熱を冷まさしてやろう。
男連中「ねぇ、その髪の結び方可愛いね」
声「ありがと。でもヅラなのよ、これ」
男連中「その制服、前の学校のだよね?それも可愛いよね」
声「ありがと。でもこれ、二年間脱いでないからクッサイの。あんまり近づかないでね」
男連中「しっかし七瀬さん、これだけ可愛かったら前の学校でももてたんだろうなぁ」
声「そんなことないわよ。だってあたし前の学校では男の子だったから」
男連中「な……」
効果てきめん。徐々に男どもが引いてゆく。
七瀬「…あれ?誰か、あたしの代わりに答えてない…?」
声「そんなことないわよ、あたし七瀬。乙女に憧れる男の子☆
ななぴーって呼んでね」
ななぴー「って…お前誰だっ!?」
うわ、やばいっ、ばれた!
オレは七瀬に捕まる前に、さっと身を引く。
とにかく、こんなところで飯なんか食えない。学食にでも避難しよう。
行き際、チューチューとと牛乳を吸う瑞樹と目があったが、友だちといたので、
話しかけずにやり過ごした。
混み合う学食を前にも気が滅入る思いがしたが、適当にパンを見繕って、席を陣取る。
結局、この騒がしさだと、自分の席でも同じような気がしてきた…。
瑞樹「あー、いた」
オレを見つけてやってきたのは、瑞樹だった。
瑞樹「さっき無視した…」
浩平「いちいち話しかけなくてもいいだろ」
瑞樹「ひとりで食べるんなら、言ってくれればいいのに」
浩平「言ってどうなるんだよ。お前たちと一緒に椅子並べて食べろとでも言うのか?」
瑞樹「んー…僕だけでも抜けられるよ」
浩平「昼飯くらいひとりで食わせろ」
瑞樹「ひとりで食べてるとね、行儀悪くなるんだよ?
音立てて食べたりとか、肘ついたりとか」
ほんと、保護者気取りなんだからなぁ、こいつは。
瑞樹「だからいてあげるよ」
向かいの席に腰を下ろす。
浩平「……」
もぐもぐ。
瑞樹「おいしい?」
浩平「うまいよ」
瑞樹「浩平ってさぁ」
浩平「ひとくちが大きいよね」
そんなことはどうでもいい。
そんなふうに、とりとめもない会話をしながら、オレは昼食時を過ごした。
〜放課後〜
浩平「よし、七瀬君、帰るか」
七瀬「うん、ちょっと待ってて。…って、誰が七瀬君だ、誰がっ!」
浩平「オレの目の前にいる、女顔でツインテールの七瀬 累君以外に誰がいると言うんだ」
七瀬「それに、あんたとそんな仲になった覚えはないっっ!」
浩平「どうして、どうせ帰るんだろ?なら一緒に帰ろう」
七瀬「お生憎様。今日は用がある」
……
七瀬「なぁ」
浩平「……ん?」
七瀬「どうして後、ついてくるんだ」
浩平「いや、深い意味はないけど…」
七瀬「なんか、あからさまに怪しいけど…」
浩平「気のせいだよ」
男子学生「あ、七瀬さーん、帰りーっ?」
廊下の突き当たりで、ミーハーな男子学生が叫んでいる。
七瀬「うぅーん、もう少し用があるーっ!」
男子学生「残念ーっ、今度、家教えてねーっ!」
七瀬「機会があればね〜っ!……ふぅ」
浩平「相変わらず、女の子のフリしてんのか」
七瀬「それじゃまるで俺が男みたいじゃないか」
浩平「いや男じゃん」
七瀬「うるさいっ!」
浩平「そんなに男にモテたいのかよ」
七瀬「あんたには永遠わからないさ、この女心は」
浩平「いや、だからお前男だって」
154 :
名無しさんだよもん:05/02/03 07:56:50 ID:HOFSAkFn
七瀬「で、どこまでついてくる気だ」
浩平「いや、別についていってるつもりはない」
七瀬「あたしは今から茶道部の見学に行くんだ。だから暇人の相手してられるのも、ここまでなんだよ」
浩平「茶道部…?そんなものがおまえに務まるか、やめとけ」
七瀬「……」
浩平「おまえだったら片手を腰なんぞにあてて…」
浩平「『こんなチマチマ飲んでられるかーっ!』とか叫んで、
豪快に、ごが〜っ!って茶を一気に飲み干してしまいそうだ」
七瀬「……」
浩平「そうだな。牛乳部にいけ。よっぽど似合いそうだ」
七瀬「もぅ、ほっといてくれッ!!」
稲光が落ちた、ような気がした。
七瀬「もう金輪際俺に話しかけるな、いいかっ!?」
浩平「いや…ただおまえの適正を見抜いてやっただけじゃないか」
七瀬は怒りに顔を紅潮させたまま、茶道部の部室のドアを思い切り開くと…
七瀬「一回死ね、アホッ!」
と吐き捨て、こんどは思い切りバンッ!とそのドアを閉めた。
数分後、力無くそのドアが再び開く。
七瀬「……断られたぁ…」
泣きそうな顔で七瀬が現れる。
浩平「まあ、あれだけ凶悪な登場の仕方をすれば、断られるのも当然だ」
七瀬「……」
浩平「一回死ね、アホッ!、はないだろう」
七瀬「……」
七瀬は黙ったまま階下へと降り、こんどは美術室の前に来る。
浩平「こんどは美術部か…。結局なんでもいいのか?」
七瀬「…はじめから美術にも興味があったんだよっ」
浩平「しかし美術部にしても同じだろう。どうせおまえのことだ。
『こんなチマチマ描いてられるかぁ〜っ!』とか叫んで、モデルに絵の具ぶっかけて、
うおりゃー!ってキャンバスに叩きつけるんだろう」
七瀬「……」
浩平「魚拓部へいけ。よっぽどストレス発散できるぞ」
七瀬「だから、ほっとけって言ってるだろっ!!」
浩平「いや、次々と活きのいい魚たちを魚拓にしてゆくお前の姿を浮かべると、
あまりに似合ってたもんでな」
こんどは美術室のドアを思い切り開けると…
七瀬「100ぺん死んで、ウジ虫にでも生まれ変わって、肥溜めで過ごしてろっっ!!」
と吐き捨て、再びバンッ!とそのドアを閉めた。
数分後、力無くそのドアが再び開く。
七瀬「……断られたぁ…」
泣きそうな顔でまた戻ってくる。
浩平「まあ、予想はついていたが…」
七瀬「……」
無言で、あからさまに肩を落とし、廊下を歩いてゆく七瀬。少し可哀想にも思えてきた。
浩平「七瀬、元気だせ」
その肩をぽんぽんと叩く。
七瀬「お前に言われたら泣けてくるよ…」
浩平「七瀬にもいいとこ沢山ある。オレにはわかるよ」
七瀬「何言ってんだ…」
浩平「例えば…例えば、か……」
七瀬「なんだよ…」
言えない…こう睨みつけられては、とてもじゃないが…しかも男に可愛いなどと…
…よしておこう。励ますにも嘘はいけない。嘘は。
七瀬「何だよ、たとえば、で止まって…」
浩平「え?あ、ああ…えっと、例えば…制服が可愛い」
まあ、二次的対象に向かっては容易に言える。
七瀬「え、制服が?」
浩平「そう。制服」
七瀬「あ…まぁ、俺も好きだからこうやって着続けてるんだけどな」
変態め。
浩平「うん、そうだよなぁ。その制服があってこその七瀬だよなぁ。その制服がなかったら
七瀬じゃないよなぁ」
なんだか誉めてるのか、けなしてるのかわからなくなってきた…。
七瀬「あのな、この制服はな、スカーフのところがな…」
うっ…突っ込まれた話をされてはボロがでるぞ…オレ…。
浩平「あ、もうこんな時間だな、七瀬っ!」
腕時計をうおりゃ!と七瀬の顔面にぶつける勢いで突きつける。
七瀬「…そんなに近づけたら見えないぞ」
浩平「ということだから、帰るな、オレ」
七瀬「あ、そうか…?」
浩平「ああ。七瀬は?」
七瀬「俺、まだ用あるから」
浩平「じゃあ、また明日だな」
七瀬「ああ」
浩平「じゃあな」
七瀬「おぅ、じゃあ…」
オレはそそくさとその場を後にする。
なんだか少しだけ距離が縮まったような気もするなぁ。
激しく萌えた
原文から殆ど変わってない辺りが……
激しく萌え
男の子ハァハァ(;´Д`)
保守
つーか、これもうゲーム化してしまおう
男→女、女→男にしてさ
何も知らん腐女子だったら普通に高評価だと思うぞ
住井まもり
南明代
164 :
名無しさんだよもん:05/02/16 17:49:38 ID:vr6F379/0
AGE
165 :
名無しさんだよもん:05/02/18 11:41:52 ID:vDwtY0Gn0
住井まりも
>162
腐女子に対応するのは、女→男、男→男、ではないかと...
さあ、七瀬の投票イベントをどう再現するのか
保守
ほす
浩平「七瀬…お前の制服をくれ」
七瀬「ウホッ」
保守
ほ
も
さ
ぶ
176 :
名無しさんだよもん:05/03/14 12:14:22 ID:UHAceNtU0
れ
銘菓
HS!
保守
保守
こういうスレって需要が無いから諦めたのか単に飽きたのか微妙なところだな
保守
干す
184 :
誘導:2005/05/05(木) 18:28:15 ID:HYl/Yfi+0
いまさら何を
保守
こういうスレをネタもなしにただ保守してるのも荒らしみたいなもんだよな。
書き手自身が保守すんのも馬鹿だけど。
188 :
名無しさんだよもん:
瑞希「ちょっ…浩平、何でそんな大きくなってるんだよぉ…」