葉鍵 FINAL WARS

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1名無しさんだよもん
葉鍵の命運をかけて祐一が今立ち上がる!
2名無しさんだよもん:04/11/24 00:12:47 ID:DmmghycT
煮解堵
3名無しさんだよもん:04/11/24 00:15:45 ID:EGbpZgDj
惨解堵

なぜ祐一?
4名無しさんだよもん:04/11/24 01:06:51 ID:t3Tf0tbr
人気だから。
5名無しさんだよもん:04/11/24 01:57:07 ID:O+0HMtxj
打ち続く戦争と環境破壊、発達しすぎた科学は葉鍵環境を歪め、数多くのキャラの欲望を呼び覚ました。
特に異能者たちにその影響は強く現れ、各地で殺戮の限りを尽くしていた。
欲望を制した一部の葉鍵キャラは、彼らの脅威から葉鍵を守るべく防衛軍を結成。
対異能者用の戦力として、華音機関と呼ばれるネタや人気のあるキャラを中心とした部隊を組織した。
そして迎えた200XX年。古代遺跡で巨大生物の化石が発見された。
葉鍵から派遣された女性化学者の霧島聖は、華音機関の新鋭・相沢祐一の警護のもと、
その化石の調査・分析をすすめるが、その最中、各地に異能者達が出現!
防衛軍は全力で事態の収拾を計るが、噛ませ犬とはいえ、多数の異能者の猛威に防戦一方となってしまう。
そんな時、突如UFOが各地に出現。怪光線でつぎつぎとキャラを消滅させた。
やがて、UFOは葉鍵防衛軍の本部に飛来。
内部から非葉鍵ゲームの型月キャラ、そして異能者襲来の際に行方不明となった葉鍵最高権力者の秋子が現れた。
温厚そうな存在感を持つ型月キャラは、葉鍵との友好関係を提案。
秋子も熱狂的なまでに型月との友好を結ぶ事をアピールし、聴衆も熱烈に型月を受け入れた。
一方、型月に不審を抱く祐一らは、聖と報道キャスター・澪と共に行動を開始し、
秋子から摂取した血の分析結果から、秋子は替え玉であると断定する。
やがて本性を現し葉鍵征服を宣言した型月キャラは、各地に異能者を出現させた。
追い詰められた祐一らは、CLANNADの朋也に助けを求める。
朋也はこの事態を打開すべく、翼人、えいえんのせかい、幻想世界の封印を解くことを決意。
身の程知らずのキャラ達を駆逐するため、 葉鍵の未来をかけたファイナル・ウォーズの火ぶたが切って落とされた!
6名無しさんだよもん:04/11/24 02:24:08 ID:hPXfKmXZ
フィルスノーン、雫、痕、MOON、ナイトライター、うたわれるもの
敵はこいつらだな。
7名無しさんだよもん:04/11/24 14:57:10 ID:bHO6nT0O
ゲームボーイウォーズアドバンス1+2
もう待てない
8http://news13.2ch.net/test/read.cgi/news/1101362078/:04/11/25 19:38:09 ID:7nOkHGRS
DQ8のデータ流出中!?
詳細は名前欄のスレへ
9名無しさんだよもん:04/11/25 19:49:51 ID:EYhEiHGk
巨大化石がなんであるかは言うまでもない。
10名無しさんだよもん:04/11/26 00:54:11 ID:wc1AivRi
いわないでほしい
11名無しさんだよもん:04/11/28 17:03:57 ID:bUsZDS0T
型月キャラが悪役って時点で書く事を断念したわけだが…。
どうせなら、ハカギファイナルウォーズと言うからにはハカギだけで話を進めたほうが得策。
12名無しさんだよもん:04/11/28 17:20:29 ID:FGDv0FUT
>>11
じゃあ、型月以外。
13名無しさんだよもん:04/11/28 17:29:03 ID:bUsZDS0T
打ち続く戦争と環境破壊、発達しすぎた科学は葉鍵環境を歪め、数多くのキャラの欲望を呼び覚ました。
特に異能者たちにその影響は強く現れ、各地で殺戮の限りを尽くしていた。
彼らは次第に結束を固め、対には『針葉樹』という巨大な異能組織を結成。
それに対し欲望を制した一部の葉鍵キャラは、彼らの脅威から葉鍵を守るべく防衛軍を結成。
対異能者用の戦力として、『華音機関』と呼ばれるネタや人気のあるキャラを中心とした部隊を組織した。
そして迎えた200XX年。古代遺跡で巨大生物の化石が発見された。
機関から派遣された女性化学者の霧島聖は、華音機関の新鋭・相沢祐一の警護のもと、
その化石の調査・分析をすすめるが、その最中、各地に異能者達が出現!
防衛軍は全力で事態の収拾を計るが、噛ませ犬とはいえ、多数の異能者の猛威に防戦一方となってしまう。
追い詰められた祐一らは、CLANNADの朋也に助けを求める。
朋也はこの事態を打開すべく、翼人、えいえんのせかい、幻想世界の封印を解くことを決意。
葉鍵の未来をかけたファイナル・ウォーズの火ぶたが切って落とされた!

くらいが良いと思う。
14名無しさんだよもん:04/11/28 17:37:53 ID:bUsZDS0T
我ハ、何時カラココニイル…?
ナゼ、今ニナッテ眼ガ覚メタ…?

-----------声ガスル。

力ガ欲シイト声ガスル。
我ハマダ眠リタイ。
ダカラ、『力』ヲヤッタ。
ソレデ静カニナルナラト、アラユル『力』ヲクレテヤッタ。
ソレデモ、五月蝿イ声ハ一向ニ止マナイ。
モウ良イ。我ハソノママ、眠リニ付クコトニシタ…。
15666の憂鬱:04/11/29 02:23:13 ID:Dz5Dx2Hn
---------華音機関・研究施設-----------

「どうですか?聖さん。」
「ん?進展なし、といった所だ。それとも、遠回しな嫌味か何かか?」
研究施設の責任者である霧島 聖は、護衛である祐一の運んできたコーヒーを一口のみ、ため息をついた。
「そ、そんな事ありませんよ。俺だって華音機関に入ってしばらく経つけど、まだ何の役にも立ててないんですから。」
少年と女性は親子にしては年が近すぎるし、兄弟にしては容姿がまったく似ていない。
その二人の関係和と言えば、ただの護衛対象とボディーガード。
ただそれだけである。
しかし、それなりに馬が合うのか、仲が悪いようには見えない。
さっきの軽口にしてみても、聖の親愛表現であるらしかった。
「いや、君は良くやってくれている。お茶酌みとしては上出来だ。」
「おれは一応華音機関の新米エージェントなんですけどねぇ…。」
『華音機関』。
それは数年前から現れ始めた『異能者』似た移行するためのシステム。
異能者の多くは急に出現した異能の力を使い、欲望のまま犯罪に走った。
それを抑制するため、欲望に負けなかった異能者や、優秀な科学者などを集め、結成されたのがこの『華音機関』だ。

華音機関の結成により、異能者犯罪は激減。
このまま収拾がつくはずだった…。
しかし、現実とは非情。
彼ら『悪』の異能者は、華音機関に対抗するべく『針葉樹』という組織を結成。
異能者のギルドとも言うべきその犯罪組織は、瞬く間に華音機関に匹敵する大きさに成長していた…。

「ま、気長にいこう。あの化石から発せられている特殊な磁場が稲生者どもの生態パルスと同種の物であるのは明確だ。どういう関係が有るのかはまだはっきりしないが、解析できれば異能の力の根源が解るかもしれん。」
彼女が顎で指すのは、壁のモニタに映し出された化石。
祐一はいつも感じる。その化石は、きっと疲れているのだ。
なぜそう思うのかは、実のところ祐一自身にもわからなかった。
だが、今肝心なのはそこではない。
「異能の根源が解れば…。」
「十中八九、白雪姫の目を覚ます方法も見つかるだろうな…。」
『白雪姫』、それは華音機関の中枢に保管されている一人の少女のコードネームだった…。
1611:04/11/29 02:53:25 ID:Dz5Dx2Hn
とりあえずここまで。
何となく考えてるのは次回北川登場予定。
17名無しさんだよもん:04/11/29 12:36:16 ID:0btjZqgn
乙です
18666の憂鬱:04/12/01 20:23:19 ID:aTyCU63+
部屋が重い空気に包まれ、二人は沈黙した。
白雪姫『Snow White』と呼ばれる少女の名は『水瀬 名雪』。
彼女は世界各地に異能者が現れると同時に、深い眠りについてしまった。
原因は目下の所不明。
ただひとつ解っているのは、名雪の体に現れた何らかの『力』によって眠っているということ…。
華音機関は彼女のためにあるといっても過言ではない。
なぜなら、彼女は華音機関創始者である『水瀬 秋子』の一人娘なのだから…。
そして何を隠そう、相沢 祐一の恋人でもあった。

「な〜にしみったれた顔してんのさ、二人とも。」

急に声がする。それも、ごく至近距離だ。
しかし、部屋を見回しても人影はなし。
祐一と聖にはお馴染みの挨拶であった。
「…隠れてないで出てこいよ、北川。」
そう言うが早いか、少年の『首だけ』が空中に現れる。
「なんだよ、のりが悪いぜ相沢。もうちょっと明るくいこうぜ。」
宙に浮いた生首はニコニコしながら首をふよふよ動かす。
彼は『北川 潤』。
一応彼は祐一のパートナーとして聖の護衛をしている。
しかし護衛というよりは、彼の能力ゆえ聖に密偵として使われていた。
19666の憂鬱:04/12/01 20:23:39 ID:aTyCU63+
「チェシャキャットのマネはいいから、早く全部姿見せろよ気持ちわりぃ…。」
彼の能力は『チェシャキャット』。
光を操り、体を見えなくする能力だ。
他にもいろいろできるらしいが、長くなりそうなので省略。
「なんだよ、つれないねぇレジェンドクラスの『シックスナンバーズ』さんよ。」
『レジェンドクラス』。
それが祐一の階級。
彼らの能力名は、いわゆる『昔話』や『神話』から取られている。
北川の能力名は「不思議の国のアリス」のチェシャ猫から。
名雪にしても、読んで字のごとく「白雪姫」から来ている。
それらは下から順に『ファンタジークラス』、『イマジンクラス』、『レジェンドクラス』と分かれている。
例えば、同じ『炎を操る』能力者がいたとする。
ファンタジークラスの『ドラゴンフライ』(火吹きトンボ)と、レジェンドクラスの『フェニックス』(不死鳥)では天と地ほどの差が出るのである。
そして、『シックスナンバーズ』。それが祐一の有する能力名であった…。
「うるさいなぁ、イマジンクラスでも上の上だって言われてるお前と、レジェンドクラスの下の下の俺と、あんまりかわんねぇだろ…。」
「その壁は薄いように見えて厚いのさ、親友。」
20名無しさんだよもん:04/12/02 02:14:29 ID:hEfHt+dW
やばい、この物語に惹かれる漏れがいる。
21名無しさんだよもん:04/12/02 15:09:07 ID:yBZEBtsa
打ち続く戦争と環境破壊、発達しすぎた科学は地球環境を歪め、数多くの怪獣を呼び覚ました。
人類はかつての敵対関係を一掃し、怪獣の脅威から人類を守るべく地球防衛軍を結成。
対怪獣用の戦力として、M機関と呼ばれる特殊な運動能力をもつミュータント部隊を組織した。
そして迎えた200XX年。北海道沖で巨大怪獣のミイラが発見された。
国連から派遣された女性化学者の音無美雪は、M機関のミュータント兵・尾崎真一の警護のもと、
そのミイラの調査・分析をすすめるが、その最中、世界各地に怪獣が出現!
地球防衛軍は全力で事態の収拾を計るが、多数の怪獣の猛威に防戦一方となってしまう。
そんな時、突如UFOが世界各地に出現。怪光線でつぎつぎと怪獣を消滅させた。
やがて、UFOは地球防衛軍の本部に飛来。
内部からX星人と名乗る宇宙人と、怪獣襲来の際に行方不明となった国連事務総長の醍醐が現れた。
温厚そうな存在感を持つX星人は、地球との友好関係を提案。
醍醐も熱狂的なまでにX星人との友好を結ぶ事をアピールし、聴衆も熱烈にX星人を受け入れた。
一方、X星人に不審を抱く尾崎らは、美雪の姉の報道キャスター・杏奈と共に行動を開始し、
醍醐から摂取した血の分析結果から、醍醐は替え玉であると断定する。
やがて本性を現し地球征服を宣言したX星人は、地球各地に怪獣を出現させた。
追い詰められた尾崎らは、新・轟天号のゴードン艦長に助けを求める。
ゴードンはこの事態を打開すべく、南極に眠るゴジラを復活させるべく新・轟天号に搭乗。
人類の未来をかけたファイナル・ウォーズの火ぶたが切って落とされた!
22名無しさんだよもん:04/12/02 21:44:22 ID:hEfHt+dW
>>21
[国連事務総長の醍醐]
変な想像しちまった
23666の憂鬱:04/12/03 13:26:58 ID:rC/0H5J3
「さて、コントの最中悪いのだが、北川。」
聖が二人の馬鹿漫才に待ったをかける。
そもそも、北川が外に出ていたのは、ある任務のためであった。
「で、外にいるのか?」
「三人です。針葉樹のメンバーではないみたいっすけどね。」
この研究施設は化石が見つかった場所のすぐ近く、富士の樹海に作られている。
いくら国家機密とは言え、能力者が関われば華音機関関係の施設データも多少の漏洩は仕方のないことだった。
よって外には研究所を潰し、情報を針葉樹に売りつけようとするハイエナのようなフリーの能力者が三人…。
「そうか。どうする?」
「俺的には殲滅がオススメですが、わが親友が許しそうにありません。」
そういって、ようやく北川が全貌を現す。
その姿は祐一と同じ黒のスーツに黒のネクタイだった。
「当たり前だ。無益な殺生は何も生まん。聖さん、どうせなら生け捕りにして色々情報を引き出しましょう。」
「私も同意権だな。フリーとは言えど能力者だ。少なからず針葉樹とのかかわりもあるだろう…。」
いまの所、針葉樹には謎な部分が多すぎる。
創始者のプロフィールや能力者の数、その目的も『能力者を集めて悪事を働く』ということしか解っていない。
もしかしたら、もっと別の目的があるのかもしれない。
「で、相沢。捕まえるなら早く行ってこい。」
「な、何で俺が!?」
「俺はさっき働いて疲れてるんだよ。それに、俺は隠密とか殲滅には優れてるけど捕獲となると話しは別だ。」
別に、姿を消して近づき、クロロホルムでも嗅がせればいいのだが、北川の性格上面倒くさいらしい。
「お、俺だって捕獲専門の能力ってわけじゃ…」
「いいから、相沢早くしてくれ。相手が破壊に優れた能力を持ってる場合、見つかってからでは遅いだろう。」
聖の冷たい声を受け、祐一はしぶしぶ頷くしかなかった。
「俺って、こんなんで良いのかな…?」
2411:04/12/03 13:29:09 ID:rC/0H5J3
>>21
コレって…、ゴジラのパロだったのか!?
いままで気付かずオリSS書いてた俺って…。orz
25名無しさんだよもん:04/12/03 13:34:34 ID:QERW81C1
>>24
ゴジラファイナルウォーズ、明日公開だぜ。
デビルマン並の糞映画だと評判だが、みんな観てくれよな!
2620:04/12/03 17:35:28 ID:+kWbRd1J
>>24
ドンマイっす。
少なくとももれはこのSS読み続けますんで挫けないでください。
27666の戦闘:04/12/03 23:59:07 ID:rC/0H5J3
---------樹海・研究施設付近-----------

研究施設のある樹海の中。
蜘蛛の巣に掛かったとも気付かない愛らしい顔をした蝶が三匹…。
「ここら辺だな、華音機関の研究所が有るってのは…。」
「へい、兄貴。念視能力者からの情報だから確かでヤンス。」
「オデ、眠い…。」
もとい、蜘蛛の巣に掛かった醜悪なゴキブリが三匹。
しかし、雑魚の悪役にココまで忠実なメンバーもそう居ないだろう。
一人はわりとマトモな背の高い男。
細身の刀を所持している。これがリーダー格らしい。
二人目は小柄の男。
ヤンス口調がいかにも雑魚キャラをかもし出している。
手には爪を装備している。
三人目は大きな岩のような男。
たった一言で頭が悪いというキャラを確立している。
装備はこれといってないが、その巨体から繰り出される技は中々協力であろう。
そのころ、我らが蜘蛛様はというと…。
(さぁて、どうしたモンかねぇ?)
奴らの上空。木々の上から監視していた。
相手の能力が解らない以上、うかつに手も出せない。
そして、自分の能力がわからない以上、うかつに手を出せない…。
(さぁて、何が出るかな♪っと。)
28666の戦闘:04/12/03 23:59:44 ID:rC/0H5J3
「兄貴、中々見つかりやせんねぇ…。」
「お前、偽の情報つかまされたんじゃねぇだろぅなぁ…?」
「そ、そんな筈は…!」
「…Zzzzzz。」
「「寝るな!!」」
雑魚どもがコントをしているが、見つかるはずがない。
いまは北川の能力を最大限に使って、施設を隠蔽している。
しかも、周りの森を反射させて完璧に偽装しているあたり腐ってもプロである。
「どうする気だ、もう食料も残りすくねぇぞ…。」
「いったん引きやすか?」

『そうはさせねぇぜ。』

「!!、誰だ!?」
刹那、上から降ってくる人影。
リーダーはそれを避けるが、大男は動きが鈍く、避けそびれる。
そして、雷撃。
「ぐぉぉぉぉぉ!!」
「レイザー!?」
どうやら、大男の名はレイザーというらしい。
見かけによらずカッコいい名前だ。
そんな事はさておき、大男がドスンと倒れこむ。
その体からはプスプスと黒い煙が立ち昇っていた。
「ちっ!雷撃系能力者か!!」
みると、降りてきた人影、祐一には青白い火花が所々弾けている。
「まずは俺から行くでヤンス!!」
ヒュッと、小男が手に装着している爪を横に薙ぐ。
すると、瞬間的に祐一の皮膚が裂ける。
だが、出血はない。
29666の戦闘:04/12/03 23:59:58 ID:Wh2gYGN/
「!?、っく!!」
「わが『鎌鼬』の牙、受けるがいいでヤンス!!」
そう叫ぶと、手を乱雑に振り回す。
威力は少ないが、それだけ食らえばひとたまりも無い。
とりあえず、横へ転がって逃げる。
「無駄でヤンス!!」
しかし、逃げた先にも鎌鼬。
祐一が痛手を負っていないにしても、いつかは捕まるのは明白だ。
(そんなら!!)
祐一は地面に向かって雷撃を放つ。
地面すれすれのところで火花が弾ける、それも一箇所ではない。
その地面一面に広がっていた落ち葉を舞い上げた。
「な、何でヤンス!?」
目の前を落ち葉で隠された時には、もう遅い。
「遅ぇよ!」
いつの間にか下に迫ってきていた祐一に顔をつかまれ、再度、雷撃。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
「ふぅ、あと…一人。」
「く、クレイまでもが…。」
また何気にカッコいい名前だ。
「…良いだろう、小僧。直々に俺が相手をしてやろう…。」
3011:04/12/04 00:04:43 ID:zcd6CQg4
俺、戦闘シーンなんて書いたの始めてやで…。
ゴジラと懸け離れた内容だが、それでも>>20は良いと言ってくれるのかい・・・。
ありがたい事じゃて。
さて、気付いているかもしれませんが、祐一の能力は雷撃ではありませんよ。
次で明かします。
3120:04/12/04 01:24:04 ID:uxhC7bV+
ここまでくるとゴジラ関係ないっすよ。
ただ、オリとはいえ、このSSの元ネタが気になります(能力とか悪役とか)。
何はともあれ、乙です。
3211:04/12/04 02:58:00 ID:zcd6CQg4
元ネタと言われても、なんか色々有ったり無かったりで…。w
たとえば、炎を操る能力っていうのを書く時には『烈火の炎』的な感じをイメージして書くし、雷撃なら『ゲットバッカーズ』的な感じかな、とか。
光が操れたら、こんな事ができるんでないかい?とかそんな感じ。
この能力はこのキャラから持ってきたもの!とかってのは有りません。(たぶん
流石に『死が見える』とかあからさまな物は使いませんし…。

あと、雑魚三人に対しては勝手なイメージです。
リーダーと小っいのと大っきいの。(強いて言うならタイムボカンシリーズ?
33名無しさんだよもん:04/12/04 10:59:21 ID:+bA9B2bg
ムッハー
3420:04/12/05 01:05:08 ID:XEd/WhPA
了承っす。

個人的にバリア系の能力でないかな〜
と、思ってみたり。

ちなみに自分は能力について
「ルナティックムーン(電撃文庫、だっけ?)」を思い浮かべました。
3520:04/12/05 01:07:27 ID:XEd/WhPA
あ、あと「学校を出よう!(電撃文庫)」ですね。
36666の戦闘:04/12/05 22:44:59 ID:/6LuUxhf

リーダー格の男がゆらりと剣を構える。
「俺の名はユウザ。イマジンクラスの『ミノタウルス』だ!貴様は!?」
「誰がバラすか!!能力名聞けばどんな能力かも大体想像が付いちまうだろうが!!」
そう、能力名の元を知っていれば、どんな能力かを知るのは比較的たやすい。だが…。
「何を言っている?貴様はさっきから能力をひけらかしているだろう。行くぞ、『電気うなぎ』!!」
「誰が電気うなぎじゃ!!」
祐一が突っ込みを入れたときには、もう男は間合いを詰めようと疾走している。
これに対し祐一は、相手に向かって電撃を放つ。
「無駄だ!」
それをかわしながら肉薄してくる男。
「っく!!」
剣を下段に構え、上段に向けて一閃。
それをバックステップでよける祐一。
紙一重だが、祐一は確実に交わしていく。
そして、その先には広場には大きな岩が幾つか突き出している空地があった。
(『ミノタウルス』って言うからには『肉体強化能力者』な筈だ。だったら…。)
祐一は、岩の前までバックステップで近づき、一気に体制を落とす。
(これならテメェの馬鹿力で剣が折れちまうだろ!)
それは一瞬の出来事。
今度は真横に薙いだ剣先が、確かに岩に触れる。
祐一は、それを目の端で捕らえながら横に転がり、体勢を立て直す。
そして見た物は、

「…!?」

真っ二つに割れた。いや、真っ二つに斬られた大岩の姿だった。
3711:04/12/05 23:19:48 ID:/6LuUxhf
こんなオイシイ能力ザコに使うんじゃなかった…。orz
なんか剣に帯びる能力を考えてたら、こんな便利能力に…。
ってか、このままずっと、ザコ@のユウザは俺に『男』と呼ばれるに違いない。w

>>20
能力参考には、電撃文庫の『ブギーポップシリーズ』と『とある魔術の禁書目録』を参考にしてまつ。
障壁系能力は出すつもりですが、それは何のエネルギーを使うか考え中…。
でも、あんまり『絶対に勝てない』ような反則的な能力は作りません。
人を『見るだけで殺す』とか、絶対に打ち破れないシールドとか…。
能力は大きく分けて、『自然の法則』(火とか土とか水とか)を操る能力と、『人間の内なる力』を操る能力とに分かれています。
だから、自然は際限なく(とは行かなくともある程度)使えて、内なる力は精神を消耗して短時間しか使えません。
でも、唯一の例外は祐一だったりします。主人公特権です。(爆
3820:04/12/06 00:30:28 ID:f2UY2JIq
>>37
ブギーポップということはいずれ『マンティコア』がでるのでせうか?

…ところで、これ、リレー小説ですか?
それとも『葉鍵の野望』みたいなザッピング(?)形式ですかね?
>>1の人、どうするつもりだ。
39666の戦闘:04/12/07 15:25:49 ID:t7fhUFec
「な、なんだよこりゃぁ!?テメェ、肉体強化能力者じゃなかったのかよ!!」
非常に勝手だが、自分の予想に範囲た能力だったため、動揺と焦りとやり場のない怒りを男にぶつける祐一。
実に人間が小さい。
「誰がそんなこと言った?俺の能力は肉体強化でも物を切ることでもねぇ…。」
男は斬った岩の残骸に拳を打ちつける。すると、岩は砂のように粉々になり、サラサラと風に流されていった。
それを見て、祐一の顔が驚愕に染まる。
「…まさか、お前の能力は…!」
「…!?、これだけで気付いたやつは初めてだ。そう、俺様の能力は…。」
「『二重の極み』!?」
「『振動』だボケェ!!」

『・・・・・・・・・・・・・。』

その場に気まずい沈黙が生まれる。
まるっきり見当違いな答えを答えてしまった祐一。
しかも、一瞬『本当にあったんっだ!』等と思ってしまった自分が恨めしい。
思いっきり能力をバラしてしまった男。
しかも、前置きにわざわざカッコいい台詞を言っておいたからこそ、なおさらカッコが悪い。
「と、とにかく!行くぞっ!!」
男が再び剣を振りかぶり、襲いかかってくる。
さっきの話からすると、どうやら剣に微弱な振動を与え、高周波ブレードと同じ状態にしているらしい。
言われてみればなるほど、刀身が微妙にぶれて見える。
「チッ!」
剣技は中々だが、それでも新米とはいえエージェントである祐一には避ける程度たやすい。
だが、もし触れれば有無を言わさず切断されるだろう能力。
それは十分な恐怖だった。
(あと、三十秒…。)
祐一は時期を待つ。
男は気付いていなかったし、気付く暇も無かっただろう。
祐一から発せられていた『火花』が消えていたことを…。
40666の戦闘:04/12/07 15:26:10 ID:t7fhUFec
「どうした、電気うなぎ!!もう電撃は尽きたのか!避けてばかりじゃあ俺は倒せねぇぞ!」
「うるさい!」
(あと少し、あと少しだ…。)
じりじりと、祐一の手から焼けるような痛みが伝わる。
叫ぶほどの痛みではないが、張り付くような『苦痛』。
しかし、それでも高周波ブレードは執拗に追ってくる。
と、突然祐一の背中に衝撃が走った。
(い、岩!?)
時間に気をとられていたためか、祐一は岩まで追い詰められていた。
「まさに、策に溺れるとはこのことだな、うなぎ!!」
今度こそ、避けられぬように上段から剣を振り下ろす。
「これで、終わりだぁ!!」
「経った!!」
剣が当たる前に、祐一は右手を男に差し出す。
それはまさに紙一重。
「ふっとべぇぇぇぇ!!」
次の瞬間、男は宙を舞っていた。
「な、なんだとぉ!?」
男は地面に叩きつけられ、「ガハッ!」という無様な声を吐き出す。
「テ、テメェ!電気が能力じゃなかったのかよ!?」
男が叫ぶ。
なぜ、自分が吹き飛ばされたのか?それがまったく解らない。
「だれもそんなこと言ってねぇだろ?俺の能力は『ランダム』なのさ。」
『ランダム』祐一の能力は『シックスナンバーズ』。
それは聖書の『ヨハネの黙示録』にある「666の獣」を現していた。
赤い竜によって、全ての力と、全ての権威を与えられた獣…。
「何が出るかは解らんが、どんな能力も引き出す可能性がある。それが俺の『SIX NUMBERS』だ。」
「そんなの…、有りかよ…。」
その言葉を残し、男は沈黙した。
「さて、ていよく気絶させたし。回収して帰っかなぁ…。」

この後、携帯電話を施設に忘れたのに気付き、連絡が取れぬまま施設を探してさ迷ったのは、まぁ、別のはなし…?
4111:04/12/07 15:33:15 ID:t7fhUFec
とりあえず、666編は一段落…。
後付ですが、最後に見せた能力は『空気』の能力です。
空気を圧縮して相手に打ち出した結果、ああなりました。

ちなみに、マンティコアは出ません・・・。
能力参考にしているだけで、キャラごとは出しません。(葉鍵板だし)

リレー小説にするなら、もっと細かい設定付けないと。
>>1がのりで立てたスレっぽいし…。
42名無しさんだよもん:04/12/07 16:03:07 ID:t7fhUFec
忘れてたけど、祐一の能力について…。

『SIX NUMBERS』
何が出るか解らない能力。
能力を発動すると、手に001〜666までの数字が浮かび上がる。
この時焼けるような苦痛を伴う。
文字が完全に浮かび上がるまで30秒。それまで能力は使えない。
文字が浮かび上がりきれば、能力の使い方や知識が自動的に頭に浮かび上がる。
傾向として、数字が大きいほど能力が強い。(使い方にもよるが…。)
43七人の小人:04/12/08 01:09:38 ID:xohjkS+n

『SEVENS CHILDREN』 (ファンタジークラス)
七つの能力のうちランダムで一つが出る。
能力を発動する際に、右こめかみ、左肩、右手の甲、左手のひら、胸部、左脇腹、右膝の
いずれかに、子供とも老人ともとれる人面瘡が現れる。痛みは生じない。
その人面瘡一つ一つに能力が宿っている。
同時出しは不可能。しかし瞬時に能力を切り替えることができる。
能力を発動するあいだは、発現している能力の人面瘡の人格に精神をのっとられてしまう。
その際、ある程度の抵抗は可能である。
4420:04/12/08 01:18:26 ID:xohjkS+n
こんなん書いてみました。

…はい、パクリました。orz

ネタが思い浮かんだので、書いてみようかと思ったのです。
これからさき、『祐一と似たような能力を使う敵キャラ』がいたとしたらこんなかなぁ、と。

新作、乙であります。正直、祐一の能力は思ってもみなかったです。
またネタが出たら書き込むかもしれませんが、話の都合上、もしくは不快ならばやめます。
どうでしょうか?
4511:04/12/08 12:31:59 ID:2QNNabK0
不快などdでもない!
能力は同系機がたくさん居ますし、これだけ違えばまったく別の能力といって差し支えないと思います。
自分の特権奪われて混乱している祐一が目に浮かぶようですな…。w

それにしても、どうしましょう?続き書きましょうか…?
リレー小説ならしばらく他の人にゆだねても良いかな、と。
とりあえず、針葉樹側の話も考え始めないと…。(まだ鍵キャラ三人しか出ていないし…。)
4620:04/12/08 17:41:46 ID:xohjkS+n
了解です。続きは書いてほしいです。
11さんのオリジ要素メインなので、まだ設定が少なくてリレーするには書きにくいですし。

あと、補足です。
『七人の小人』はファンタジークラスなので、能力はとても低い。
ドラクエで言うなら、メラやヒャド程度。
けれども、ある条件をクリアすると、七つの人面瘡の全てが発現し、その姿を変え、
《レジェンドクラス『聖書の獣』(七頭十角の獣)》へクラスアップする。
その際、全ての能力が桁違いに強力になる。
そのかわり、そこに本人の意思は無く、完全に七つの竜(元は人面瘡)に操られている。

666(獣の数字)はこの獣を表す数字であり、
人面瘡たちは祐一を吸収して完全体になろうとしている。
ただし、人面瘡の宿主はそれを知らない。

後半のほうは考えても無かったことにしても結構です。
4711:04/12/08 21:16:14 ID:xZY0yjhp
どうしましょう…。
いまの所、『七頭十角の獣』って言うのは、あの話の中で祐一の事なんですよ。
でも、『七人の小人』の能力は展開的に、出てくるとかなりオイシイ能力なんですよね…。
なんか、本人は結構良い人なのに人面痣は性格極悪!みたいな。w
だから、これはもうちょっと改良を加えて出したいと思います。

で、後半の方なんですが…。
実は『RED DRAGON』(赤い竜)という能力を考えていたんですが、能力が決まらずに悩んでいました。
やっぱり聖書に出てくる関係で、ボスはこいつにしたいな、と。
でも、祐一と同じ能力じゃぁ意味ないし…。
で、たったいま能力が決まりました。
祐一を取り込むっていうのがかなりのヒントになってます。
こっちはもう出しますが、肝心な能力の詳細は出てきたときってことで…。(謎笑
20さん、ご協力ありがとうございます!
48赤の苦悩:04/12/08 22:24:08 ID:xZY0yjhp
--------針葉樹・本部--------

そこは廃墟。
周りには同じようなビルが立ち並んでいる。
誰がどう見ても、その中の一つの廃ビルが世に名をはせる『針葉樹』の本部であるとは思えなかった。
いまは夜。明かりは蝋燭の明かりと、月の光しかない。
その明かりの中、巨大なデスクの肘掛け椅子に座って居る男。
年のころは17〜18程だろうか。まだ若すぎるといっても過言ではない。
しかしこの男こそ、たった数年で『針葉樹』を立ち上げ、巨大な組織にまで育て上げた「藤田 浩之」その人であった。
「セリオ、もう一回まだ登録されていない能力者を洗い出してくれ。」
浩之は持っていた分厚い書類の束を、傍らに控えている女性に渡した。
しかし、その女性に気配はなく、目にも人間独特の輝きがない。
「了解しました、マスター。あかり様はいかがなされますか?」
「引き続き点滴と脳波測定を頼む。それが終わったら、充電して休んでくれて良い。」
「了解しました。」
そう、彼女は『HMX-13』通称セリオというメイドロボットだ。
裏で針葉樹のバックアップをしている『来栖川財閥』から貰い受けた。
部屋を出て行くとき、不意にセリオが立ち止まった。
「マスター、仕事のしすぎは体に毒です。あまり無理をしないようお願いします。」
それを聞き、祐一は思わず笑ってしまった。
「わかった。無理はしないから、もう行け。」
49赤の苦悩:04/12/08 22:24:32 ID:xZY0yjhp
「了解しました。」
再び、さっきと同じ答え方をして部屋を出て行くセリオ。
本当に、笑ってしまう。
『人間ではないもの』でさえ、人を気遣う心を持っている。
なのに、俺は何をしている?
悪人どもを囲って、手助けまでして…。
死人なんか腐るほど出ている。
それでも、『自分の目的』のためには止まる事など出来ない…。
「あかり…。」
『神岸 あかり』。
それは彼が生涯をかけて愛した少女。
いまは眠ってる、美しき『眠り姫』…。
彼女を起こすためならば、どんな手段もいとわない。。
そして、自分の能力と『ソレ』の能力を合わせれば、あるいは…。
浩之は窓の外を、窓の外の遠くに見える町の輝きを、その狂気に満ちた赤き目で見据える。

「どこだ…、どこに居る『666の獣』…!!」

彼は王子になりたかった。
『スリーピング・ビューティー』を助けるための王子になりたかった。
でも、王子では彼女を助けられない。
ソレを知った時、彼の心は『竜』に食われていた…。
50開幕〜美女と野獣の物語〜:04/12/08 22:27:35 ID:xZY0yjhp

                その物語は、二人の『眠り姫』を助けようとした二匹の『獣』の物語。
                           おなじ目的を持って、同じ年頃。
                           それでも、彼らの行く道は真逆。
                                一匹は信念を貫き、
                                一匹は自分を貫いた。
                       その先に何が待っているのかはまだわからない。
                 ただ、それは悲劇の幕開けだという事は、ハッキリとわかっていた…。

                               『葉鍵FINAL WARS』
                             〜Beauty and the Beast〜

                            願わくば、これが最後の闘いに…。
5120:04/12/08 22:30:40 ID:xohjkS+n
いえいえ、そちらの都合に関係なく、ネタを先出ししてしまったようですし、
気に入るように改良されて結構です。

ただ、欲を言えば、『赤い竜』は国崎住人を希望です。

聖書の獣

マスターテリオン(でもんべいん)

緑川光

国崎住人

ツナガ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッタ━━━!!!てことで

例によって無視してもかまわんです。
5211:04/12/08 22:30:52 ID:xZY0yjhp
とりあえず、これで本格的な開幕デス。
前置き長ッ!w
これから、どんどん葉鍵キャラを増やして行こうと思いますが、まだやってないゲームが…。(泣
クラナドとかルーツとかやってねぇ!!どうしよう…。
まぁ、ハカロワ読んだんで、何となく解ったりわからんかったり。(曖昧
そこら辺、間違っていたら注意してやてください。
5320:04/12/08 22:33:14 ID:xohjkS+n
すいません、リロードミスで変なタイミングで書き込んでしまいました。
新作、乙です。
5411:04/12/08 22:37:04 ID:xZY0yjhp
20さん早いっすね…。
いや、こちらこそなんかタイミングが悪くて…。
とりあえず、葉鍵ウォーズなので、基本的に唐鳩VS華音って形にしたかったんで、赤い竜は浩之君に…。
そして、住人さんには『レイブン』(大ガラス)か『スケアクロー』(カカシ)というポストを用意してあります。
能力はまだ未定ですが、悩み所ではある…。
5520:04/12/08 22:38:42 ID:xohjkS+n
浩之ですか…、ちょっち意外。

自分はクラナド、ルーツ、うたわれならわかりますが、そちらはどうですか?
5611:04/12/08 22:43:03 ID:xZY0yjhp
葉は雫、痕、トゥ ハート、うたわれるもの、誰彼、こみぱ。
鍵はONE、KANON、だけです。
でも、さっきも書いたんですが、葉鍵ロワイヤルを読んでいたのでAIRキャラも許容範囲です。
でもクラナドが…。
5711:04/12/08 22:44:13 ID:xZY0yjhp
あと、『まじかるアンティーク』もわかります!
5820:04/12/08 22:48:56 ID:xohjkS+n
じゃあ、残る葉は天いな、まじアン、アビスポート
鍵はMOONですね。

…だれかあと二・三人くらい来ないかな。

クラナド、ルーツで話を書くかもしれないし、ネタだけ出すかもしれません。
どうですか?
5920:04/12/08 22:52:12 ID:xohjkS+n
また失敗orz
まじアンは自分「アルあそ」でしかしらないです。

それと書き忘れましたが、自分、AIRはプレイ済みです。
6011:04/12/08 23:00:38 ID:xZY0yjhp
な、なにぃ!そんなに有ったのか…。
リレー小説風味なんで、それはもう大歓迎ですよ。
なんか住人少ないけど、一回agaたほうが良いのか…?
6120:04/12/08 23:09:51 ID:xohjkS+n
荒らされる可能性が大いにありですけどね。
でもやはりageてみるのも良いかもです。

葉鍵でこの手の小説を書くならRoutesはやってみたほうがいいです。
主人公とボスの強さは、現時点で、うたわれるものと1・2を争います。
6211:04/12/08 23:12:48 ID:xZY0yjhp
やりたいんだけど、暇とお金が無くてねぇ…。
暗殺者とかっていうキーワードは大好きなんだが。(泣

下手に書き溜まってからageても、最初から読むのに嫌気がさすだろうし、いまのうちにageます?
ぬぅ、悩みどころ…。
6320:04/12/08 23:22:49 ID:xohjkS+n
自分としてはageに賛成です。
今現在、11さんメインですし、そちらの好きなようにしていいと思います。

すいません。自分、今日はこれで落ちます。
おやすみです〜。
6411:04/12/08 23:25:14 ID:xZY0yjhp
おやすみなさい〜&aga
65いまやるべき仕事:04/12/10 01:02:12 ID:GRz6q+DD
ある日の昼下がりのこと。
一人の男性がとある新興住宅地を歩いていた。
童顔に黒いスーツ服の、人目を引く男であった。
その男は一見すると…実際にそうなのだが…まだ年若い少年にしか見えない。
だが、解る者が視れば、その男が出しているオーラに気付いただろう。
彼もまた、異能者である。
「目的地に到着、だね。」
彼はあるアパートの前でそう言った。
階段を上り、ある部屋の前に立つ。そこが彼の目的地。
ドアのインターホンのボタンを押す。
典型的な効果音が流れた後に、インターホン越しにその人物の声が聞こえた。

『ハイ、どちらさまですかー。』
「株式会社Red Leafの者です。お聞き願いたいお話があるのですが。」
『……勧誘ならお断りだ。』

まだ若い男子の声がした。カチャと音がしてそれきり反応が無くなる。
66いまやるべき仕事:04/12/10 01:03:28 ID:GRz6q+DD
だが、もちろんこの程度で引き下がるわけがない。再度インターホンのボタンを押す。
「勧誘ではありません。あなたに仕事の依頼をしたいんです。」
もちろんクリーンな仕事です。と付け加える。
『……………。』
しばらくの沈黙の後、ドアが開き、目的の人物が姿を見せる。
「中に入りな。」
ぶっきらぼうにただそれだけを言うと、中に案内される。

客観的に観れば、怪しいセールスマンと、とある一人暮らしの青年の姿である。
だが、真実は違う。
『RedLeaf』とは、かの異能者組織『針葉樹』のカモフラージュ名だ。
そして彼が訪れたアパートの一室。
その表札に書かれた名前は【那須宗一】。
かの世界ランク1のA級エージェント、『スサノオ』の住処である…。
6720:04/12/10 01:11:55 ID:GRz6q+DD
こんなん書いてみました。
お目汚しすいませぬ。
実はまともにSS書くのはこれまで数回しかありません。
それでも読んでくれるのならばお付き合いくださいませ。

…誰か来るかなぁ。
6811:04/12/10 02:47:08 ID:rfezUvNH
新作乙です。
もう何というか…やっと後継者が現れましたね。(ぉ
冗談です。もっと書きます。
『那須 宗一』って、ルーツなんですね。早くやりたいものだ…。(遠い目
さて、今回俺の知らないキャラが出てきて、なんともステキな物語を期待してます。
しかし、このスレの住人は俺を入れて二人だけなのか…?

とりあえず補足として、能力者には『登録済能力者』と『未登録能力者』が居ます。
基本的に、華音機関や針葉樹上層部は未登録能力者で、自分の地位を上げたい、何かの理由で名を上げたい能力者などが登録済み能力者です。
もちろん、争い事はイヤン!っていう弱いのや博愛主義者も『未登録』の場合があります。
能力者ランキングで上位に居れば居るほど、良い仕事が回ってきます。ウハウハです。
ランクを上げるには、自分より上のランクの能力者と戦闘をします。
不意打ちでも強襲でも、勝てばランクアップです。
負けた場合、ランクが一つ下がります。
ちなみに、能力がファンタジークラスでも身体能力の高さと実戦の感で上位にランクインしている人も居るとか居ないとか…。(適当
6911:04/12/10 02:54:13 ID:rfezUvNH
ちなみに、能力によって、部門が異なり、『戦闘系能力者部門』と『探査系能力者部門』に分かれてます。
『戦闘系』は読んで字のごとく、戦闘・護衛などに特化した能力者が登録されています。
『探査系』は物を探したり、未来を占ったり、人の精神に干渉するなどの能力者が登録されています。
探査系の審査基準は、戦闘ではなく仕事の功績や依頼者アンケートからなります。
便利なやつほどランクが高い。

こんな設定を後から付けられても困るかと思いますが、この位無いと審査基準が曖昧なんで…。(何にも考えなかった俺が悪い…。
7020:04/12/10 03:22:53 ID:GRz6q+DD
宗一は、実際にゲーム中で1エージェントなんですけど、まさかAC(アーマード・コア)のアリーナ形式だったとは…。
その形式で行くと、宗一は「探査系」になってしまいます。戦闘系のつもりなんですが。(w
宗一の戦闘能力は上の中です。
『エージェント』の1ですから。
7120:04/12/10 03:33:16 ID:GRz6q+DD
強さで宗一に勝る者は結構いるけど、仕事の功績では誰にも負けない。そんなキャラです。
もちろん実力あっての功績ですけどね。

「エージェント」は和訳すると『代理人』。
探偵やらスパイ活動やら潜入工作などの、世界の『裏方』的存在です。
その活動はおおっぴらにされていないので、権力者や裏の道に通じる者だけが彼らを利用するという設定です。
7220:04/12/10 03:44:20 ID:GRz6q+DD
11さんの考えたランク表には、実名が載っておらず、全員コードネームで表記されている。
また、詳細能力も掲載されてはいない。

と、いうことでよろしいでしょうか?
そうじゃないと一般人は外を出歩けなくなってしまうので…。

それでもスーツ服の男は宗一を探し出したという設定です。
彼は何者か、次で出す予定です。
かなりルーツ関係になるかもです…。
7320:04/12/10 03:46:48 ID:GRz6q+DD

自分11分ごとに書き込んでたっすね。
ホントは漏れ書き込むの激オソっす・・・orz
7420:04/12/10 03:58:36 ID:GRz6q+DD
あ、>>72に、顔写真すらも載っていないという設定も付け足して欲しいです。
7511:04/12/10 12:34:57 ID:rfezUvNH
なるほどなるほど。
ちなみに、『探査系能力者』でも『戦闘系能力者部門』に登録するのは可能です。
っていうか、二つとも同時登録するのも可能です。
『先読み』の能力とかは探査系ですが、ソレを使って戦闘するのも可能ですから。
あと、「顔写真もないのにどうやって能力者を探すか?」って所は大体二通りですね。

@『情報屋』から情報を買う。情報屋は探査系能力者の場合も、一般人の場合もあります。
A自分(もしくは仲間)の能力を使う。探し人を探す能力とかちょっとした未来予知とか…。

むぅ!世界設定が見えてきましたね!!(今までは見えてなかったんかい…。
では、20さんが掲載している間に、俺は書き貯めしとこ〜っと…。
7611:04/12/10 20:12:29 ID:rfezUvNH
ただいま執筆中。なんですが…。
女性キャラの扱いが難しい…。orz
バトル=男という概念が邪魔してステキな戦闘する女性がなかなか書けない…。
頑張ろう…。
7720:04/12/10 21:55:10 ID:GRz6q+DD
こちらも執筆中&書き直し〜。
もうしばらくお待ちを…orz
78いまやるべき仕事・3:04/12/11 01:04:03 ID:cWjGFuHn
「悪いが、茶は出さないぜ。」
「かまいません。そんなに長居するような用件でもありませんので。」
そりゃよかった。と宗一は言った後、テーブルの向側に胡坐をかく。その反対側、テーブルを挟んでドアに近いほうに黒スーツの男は正座する。
「さて、自己紹介してもらおうかな」
そうですね。と男は頷き、名刺をだした。
「僕はRedLeaf所属の佐藤雅史といいます。呼び方はご自由にしてかまいません。」
「…佐藤雅史、だと? あんたがあの『佐藤雅史』だってのか…」
宗一の顔に驚きの表情が表れ、その男の顔をまじまじとみつめる。
「そんなに見つめちゃ困りますよ、那須宗一さん。…いえ、Nasty boyとお呼びしたほうがいいでしょうか?」
“Nasty boy” それは那須宗一の登録されているコードネームである。
「…自由に呼んでくれ。それと、隠す必要は無い。『針葉樹』だってことはわかってる。」
そうですか。と雅史は笑顔でそう言った。
目の前にあの『佐藤雅史』が座っている。それは宗一を動揺させるには十分な出来事だ。
『佐藤雅史』、それは知る人ぞ知る『針葉樹』の幹部の名である。
宗一のデータベースによれば、針葉樹設立当初からの参加者であり、針葉樹のトップである『藤田浩之』に最も近い男。詳細能力は不明。
だが、まさか彼が直に訪ねてきて、しかもこんな童顔の優男だとは思ってもみなかった。
しかし、彼の体からにじみ出るオーラが、目の前の男は「本物」だと告げていた。
「…大幹部様が、わざわざ俺を訪ねてくるとはね。用件はなんだい? まさかあんたほどの人が出張っておいて、今更いつもと変わらない話を聞かされるのは勘弁だぜ。」
宗一はきわめて冷静に努める。
79いまやるべき仕事・4:04/12/11 01:06:31 ID:cWjGFuHn
実の所、針葉樹の組織とコンタクトをとるのは初めてではない。
手紙やエージェント用の依頼掲示板、裏の業界での紹介等、何度も「針葉樹に協力してくれ」といった類の勧誘に出会っている。
宗一はその申し出をことごとく断ってきた。針葉樹の活動は、彼にとって敵とみなすものであったからだ。
彼は「正義」のエージェントである。これまでいくつもの異能者組織を潰し、いくつもの町を、市を、政府を、夢を、そしていくつもの国家を救ってきたヒーローなのだ。
そんな自分を誇りにする彼が、針葉樹に加担するわけが無かった。
彼を敵に回すことは、その背後にある某大国をも敵に回すことになる。よって、今まで針葉樹も強制的に彼を引き入れようとはしなかった。
彼は、『エージェント』である。依頼を受けない以上は華音機関にも与しない。中立の立場を貫くという少し意固地なプライドが、今のところ針葉樹にとって救いになっている状態である。

「先ほども言いましたが、純粋に、エージェントととしてのあなたに依頼があるのです。」
佐藤雅史は語り始めた。
「…あなたに、人探しをしてもらいたいんです。」
「………は?」
それは予想外の申し出だった。
自分は探査系能力ではない。そんなことは“Nasty boy”を調べた時にすぐ分かることである。なにより、
「…それは冗談かい? 俺の家を探し出したんだ、それほどの情報屋か能力者がいるんだろう?」
那須宗一の個人情報は、戸籍や住民票にいたるまで、何重ものプロテクトがかかっている。
それらを潜り抜け、実際に家まで来られたのは雅史が初めてなのだ。
宗一の家を探し出せるほどの情報屋か能力者がいる。それは「探し出すこと」に関しては宗一よりも上級の技術を持つ者たちを囲っている証拠である。

「冗談ではありません。話を、聞いてもらえますか?」
雅史はその依頼の詳細を伝えた。
80いまやるべき仕事・5:04/12/11 01:08:28 ID:cWjGFuHn
捜索対象は『666の獣』。
とある重要人物を救うためにこの能力者が必要(重要人物の詳細は黙秘)。
以前よりエージェントを雇い、その能力者の捜索、捕獲に当てていたのだが、先日、人員のうち三人が失踪。
その三人は、華音機関の研究施設に潜入しようとしていたことが分かっている。
『過去聴き』の能力者を遣わせて調べたところ、戦いのあったと思われる地点で『ランダム』の能力者の存在が発覚したとのこと。
宗一にはその研究施設を訪れて(『那須宗一』ならば、喜んで見学させてくれるだろう)、ターゲット『666の獣』がいるかどうか「だけ」を教えてほしい。
いなければそれでいい。いた場合は、あくまで捕獲は針葉樹がおこなう。
これならば、宗一の信念に反することは無い……。

「なるほどね、俺なら潜入できるな。確かに俺は中立の立場だが、誰もが華音機関よりだということを知ってる。捜索対象がいるかどうかだけを報告するのなら、研究施設の機密を得た上で俺は現状維持、中立のままってわけだ。」
雅史は頷き、話を続ける。
「それと、これは個人的な用件なのですが……、『666の獣』がいた場合、捕獲して欲しいんです。」
雅史は口を濁しそう言った。
81いまやるべき仕事・6:04/12/11 01:10:57 ID:cWjGFuHn
「はぁ? あんたいきなり矛盾してるぜ。」
宗一が言い終わるか終わらないうちに、雅史は床に(カーペットだが)頭をついて土下座をした。
いきなりのことで宗一は面食らってしまう。
「お、おい、あんた」「無茶なお願いということは分かっています。けれども、どうしても僕たちには『666』が必要なんです!」
雅史は一気にまくしたてる。
内容はこういうことだった。

もともと針葉樹はその「重要人物」を救う手段を探すために結成された組織であった。
しかし、その手段が見つからずに数年。善意の資金援助があるものの、その活動は、異能者やゴロツキを雇って汚い仕事を引き受けるほど腐敗。まさに目的のためなら手段を選ばない「悪の秘密結社」と化してしまった。
それがようやく『666』の能力者の存在で光が見えてきた。詳しい事情は話せないが、『彼』さえ手に入れることができれば、目的は達成され、きっと針葉樹も解散する。
これはあくまで「佐藤雅史」個人の『依頼』である…。

「僕は、昔のように仲間と笑ってすごしたいだけなんだ。ひろ…彼を、元の優しかった彼に戻したい…。」
雅史の顔をもう一度見る。それは、嘘をつく人間の顔ではなかった。
決意した男の顔、本音をぶつけている少年の瞳がそこにあった。

「…わかったよ。雅史さん。」
宗一が初めて雅史の名を呼んだ。
「それじゃあ、受けてくれるんですか!」
「あー、いや、そのー…。」
期待に満ちた表情で宗一を見つめる雅史。

だが、現実は時として非情。

「すまない、俺は今、この仕事を引き受けるにはいかない。」
8220:04/12/11 01:14:44 ID:cWjGFuHn
とりあえずここまで〜。
つかれたーーおわらねーー。 orz
もう少しお付き合いくださいませ。
8311:04/12/11 09:03:17 ID:3RkHCVbZ
うぉう!雅史カッコいい!!
これで666の居場所のあたりは付いたわけですね。
このことを浩之は知っているのでしょうか…?(ソレによって色々変わって来るはず)

針葉樹大幹部は四人ぐらいで良いっすかねぇ?
雅史を入れて『針葉四天王』!!みたいな。(笑)
あぁ、能力を考えるのが難しい…。
84名無しさんだよもん:04/12/12 21:38:19 ID:zhf3CjK6
 ――昔話をするとしよう。『機関』も『針葉樹』もなかった頃の、平和な時代の物語…

 晴子に聞いたのは正解だったかもしれない。「橘敬介」という名に明らかな反応があった。
「居候、そこ座り」
 言われるままにテーブルの前に座るとグラスがひとつだけ出てきた。晴子のほうは一升瓶を抱えて向かいに座っている。すっかり習慣となってしまった夜の酒盛の光景だった。
「今でこそ『異能者』やとかなんやとかゴチャゴチャ言うとるけど、大騒ぎになる前からそういう不思議な力、使える奴はいてたんよ」
「そうなのか?」
「大して多くはなかったけどな、今みたいに精神バランス壊れたチンピラみたいなんはいてへんかったわ」
 すでに酒臭いため息を漏らす。
「…姉貴がそうやった」

 十数年前、春。百花屋にて。
「…それにしても能力を駆け落ちなんかに使ったのはあなたが初めてなんじゃないですか?橘さん」
「水瀬さん、それは言わないでくださいって」
「言うたれ言うたれ、語り草にしたってもええ位やろ」
「ぐ…晴子だってあの時は反対しなかったじゃないか」
「そらな、おもろかったもん、あの泣き虫が姉貴をどうやってたらしこん」
「あらあら、郁子さん顔真っ赤ですよ」
「え、あ、も、戻ってたのか」
 ジャンボパフェを囲んで談笑する3人の男女の傍らに、洗面所から戻ったらしい女性が赤面して立っている。
同窓会帰りの親友同士のような和やかな雰囲気。さりげない動作で椅子を引いた青髪の
女性の名を水瀬秋子、顔から湯気を出さんばかりの表情でその椅子に座った女性の名を
橘郁子といった。同じく顔を朱に染めている男性が橘敬介、それを執拗にからかっている
のが郁子の妹、神尾晴子である。
「ふっるい映画よろしく娘さんをいただきに参ります、やろ?柄に合わんこと甚だしいわな」
「僕の力じゃああするしかないだろ、それとも何かい、他に方法があったとでもいうのか、晴子?」
「あんたみたいな甲斐性なしに教えたれる策なんてあれへんわ」
85名無しさんだよもん:04/12/12 21:39:13 ID:zhf3CjK6
 なおも言い合いを続ける二人を前にして、秋子と郁子はそれぞれの娘――名雪と観鈴という名であった――の小皿にパフェの苺を分けていた。
「しかし水瀬さんが能力についてね…」
「ええ、ほんとに、驚きました」
「にわかには信じられんわ」
「たしかにそうでしょう、それに私は――危惧してもいるのですよ」

「水瀬秋子がその時点で能力者探しをしていた?」
「詳しいことはよう分からん、姉貴とは年だいぶ離れとったさかい姉貴の同窓生や言われてもピンと来んかったし。そやけどな」
 一気に瓶を呷る。
「あいつと、敬介と姉貴の力のこと、うち知っても驚かんかった。なんとなく納得してたんかもしれん、こんな世界中巻き込んだ大騒動になるなんて思ってもみんかったしな」

「危惧している、というと?」
「能力発現の例はまだ数える程度ですが確実に増えています、これがもしも何らかの悪影響を社会に及ぼすことになったら…」
「いきなりスケールでかくなったけどたしかに大事やわな」
「…能力の悪用、それ自体をとめることは難しいでしょうね」
「確かに。今僕たちがこうやって集まったところで予防するなんてことはできないだろうしね」
「ええ、でもこれは私のエゴなのかもしれません」
 秋子は微笑んだ。
「あの娘には辛い思いはさせたくありませんから」
「その話…あとで聞かせてもらえませんか?何らかの対策だったらいまからでも取れるかもしれない」
 コーヒーカップを置いた敬介が言う。
「お互いの娘のためにも」

「『機関』の前身、か」
「今思うとそうやったのかも知れん、うちが水瀬さんに会うたのはそれきりやけどな」
86名無しさんだよもん:04/12/12 21:39:39 ID:zhf3CjK6
「さて、それでは失礼します。名雪ちゃん、ばいばいね」
「こちらこそ、お呼び立てして申し訳ありませんでした」
 寝入ってしまった名雪をおぶった秋子に、敬介は手を振った。
「いえ、そう遠くはありませんし、あ、よかったら僕が送りますが…」
 郁子がこのときすでに手にした雨傘を広げていたことに、秋子は気づいた。
「すいません…お願いできますか?『The Wizard of Oz』に『Mary Poppins』」
 刹那、風が渦を巻いた。

「『オズの魔法使い』か…竜巻で異世界に家ごと飛ばされる話だったな」
「その頃は今みたいに無茶苦茶な力なんてあれへんかってん、今うろついとる化けもんに比べたらかわいいもんや」
 ぴたりと、会話が止んだ。
 その数年後突如として増加した異能者犯罪という「化けもん」が、結果として郁子を死に至らしめたこと。
 彼女の死後、観鈴を晴子に託して敬介が失踪したこと。
 『機関』と『針葉樹』という二大組織が異能者合戦を繰り広げ、治安が悪化の一途を辿ったこと…。
「うちな、怖いねん。いつかうちもああなってしまうんやろか、思うとな…いや、うちのことはどうでもええ」
 晴子が小さく、しかし強く首を振った。
「あんたも知るっとるやろ、観鈴の癇癪。あれが…そういう力の影響やったら、思うとな」
 心地よいはずの夜風が、重く感じられる。虫のかすかな声がこの沈黙の中では救いだった。
「あーあ、酔いさめてもうたわ」
 晴子のわざとらしい大声が、思考を遮った。
「…なんだったら付き合うぞ」
「もうええやろ、あいつの話も力の話もうちの前ではせんといて」
 ぴしゃりと閉じられたふすまを見つめながら、往人はグラスを置いた。
87外伝的に:04/12/12 21:41:48 ID:zhf3CjK6
親世代の話を書いてみました。
"The Wizard Of Oz"
 竜巻による空間転移能力、ただし能力者自身は原典の「気球」にあたる能力者とペアでない限り転移しない。
初期発現能力者のためクラスはファンタジーであったが、ペアでの行動ではかなりの力を発揮していた。
原典はその名のとおり『オズの魔法使い』。
 敬介は以前"Mary Poppins"こと郁子と組んで「華音機関」の前身で対策を講じていたのだが、
彼女の死後、謎のメッセージとともに幼い観鈴を晴子に託して失踪。どうやら遺品の傘が未だに「気球」の役を果たしているらしい。
「華音機関」創設者たる水瀬秋子とは旧知の仲であるということなのだが…

"Mary Poppins"
 傘で風に乗り、空を飛ぶ能力。こちらも原典はその名のとおり『メアリ・ポピンズ』シリーズ。
クラスは同じくファンタジーで、初期発現能力者。すでに他界。遺品の傘は敬介が所持。

 秋子・晴子・往人の能力の有無、詳細はぼかしてみましたがこんな感じでいいのでしょうか。
8820:04/12/12 22:25:15 ID:sft/bZIS
87さん乙です〜。
いや、充分っすよ、もう!

未だに続きができておらず、スレを停滞させているような、
はっきり言って未熟者な自分にとっては救いっす!

…こんなレスしてないで書けって?
そっすね… orz もうちょっと待ってne…。
89いまやるべき仕事・7:04/12/13 01:01:30 ID:RMF7LhmW
「すまない、俺は今、この仕事を引き受けるにはいかない」

「…そう、ですか…」
もちろん雅史とて、彼が一筋縄ではいかない存在だということはわかっている。
それでも誠意を見せ、想いをぶつけたならばきっと道は切り開けると信じていた。
だからこそ自らの組織の機密をも打ち明けたのだ。

「ならば、仕方ありません…」
期待してなかった、と言えば嘘になる。
しかし、針葉樹の幹部である自分の言葉を、かの“NastyBoy”が信じてくれるとは、到底思えないことだ。
…初めから、自分の為すことは決まっていた。
「…あなたを倒して連れ帰ります」
オーラが部屋に吹き荒れる。
宗一の部屋を、アパート全体を雅史のオーラが包んでいく。
いや違う、〔汚染〕していく。
あらゆる雑音が消える。そのくせアパート全体が揺れる音がはっきり聞こえる。

<協力が得られぬようであれば、宗一を倒し、連れ帰り、洗脳、調教を施す>

それが今回雅史に与えられた任務である。
まともに闘って無傷でいられるとは思っていない。
だが、密閉空間であるならば、自分の『Typoon』から逃れる術は存在しない。
雅史は覚悟を決めた。
90いまやるべき仕事・8:04/12/13 01:02:52 ID:RMF7LhmW
だが、宗一はオーラの奔流の中、何事も無かったかのように話を続ける。

「まぁ、そんなに力むなよ、せっかちだな…。こっちの話を聞いてくれたって良いだろう?」
オーラの嵐が止む。
「何を焦っているかは知らないけどさ、そんなんじゃ相手は話を聞いてくれやしないぜ。依頼するのなら尚更だ。両方の言い分を聞いて、互いに譲歩しあう。それが理想的だと俺は思うんだが、どうだい?」
雅史は「譲歩」という言葉に反応する。
アパートを覆っていたオーラが消えていった。
宗一の言い分は確かに正しい。自分は焦っていたようだ。
短絡的に行動に移すなど、普段の自分からは考えられない。雅史は気持ちを落ち着ける。
「…それは、どういうことですか?那須さん。僕はてっきり、…その、断られたのだと」
「俺は、あんたを信じるよ。個人的にあんたの力になりたいね。」
「それじゃあ…! でも、それなら何故!?」
雅史は宗一をじっと見る。
それに対して、宗一は目を合わせずに窓の外を見ながら言った。

「エージェントは私情じゃ動けない」
「……っ!!」
それは雅史にとって絶望の言葉。
だが、話はまだ続いていた。

「俺があんたらの勧誘を断るときに、なんて言い続けたか解かるかい?」
もちろんそれは報告で知っている。いつも同じ言葉を繰り返すのみだった。
「『いまやっている任務が忙しい』との一点張りで…。……まさか!?」
宗一が雅史と目を合わす。
「その通りなんだ。今、俺は重大なミッションを抱えている。嘘なんかじゃない」
「そんな…、でも!」
「悪いが、順番だ。任務の内容は教えられないが、同時進行できない類のものだと言っておくよ」
そんな…、と一言を漏らし、雅史は呆けた表情で固まってしまう。
宗一は気にせずに話し続ける。

「だから、その任務が終わったら次はあんたの依頼を受けるよ」
91いまやるべき仕事・9:04/12/13 01:05:24 ID:RMF7LhmW
「ほ、本当ですか!?」
雅史の目に光が戻る。
宗一の顔、友達に笑いかけるような、まだ少年の笑顔がそこにあった。
「ああ。もしそん時になってとっくに『666』が手に入ってて、それでも針葉樹がまだ活動してたら…、そんときは俺が組織をぶっ潰してやるよ。約束だ」
「那須さん…!」
「んじゃ、組織をブレイクする約束の記念に、ブレークタイムでカンパイといこうか」
おもむろに席を立ち、台所のドリッパーに手をかける。
「…あの、那須さん?」
「茶は出さないって言ったけど、コーヒーを出さないとは言ってないからな」
しばらくして、コーヒーを二つ用意してテーブルに置く。
「飲むだろ?」「…はい!」
いただきます。と雅史はコーヒーを飲み込む。
が、すぐ止まり、かわりに口を押さえて一言。
「…にがい、です…」
「人生ってのは甘くないもんさ」

ハハハハと二人の笑い声が部屋にひびく。
能力者二人の、奇妙で平和な光景であった。
9220:04/12/13 01:11:38 ID:RMF7LhmW
終わったー!!
と見せかけてまだ続くーorz

雅史の能力を勝手に決めました。
『typoon』 知る人は知る台風の語源とも言われている
ギリシャの怪物(神だっけ?)です。
詳細能力はまだ不明ということでよろしくです。
93街に出よう:04/12/13 14:30:31 ID:N446V1YB
都合、彼の近くには色々な能力者が訪れる…。
針葉樹の設立目的は犯罪支援でも世界征服でもない。
「能力者との接触と、情報確保」これに尽きた。
『眠り姫』となって眠り続けるあかりを助けるための能力。
ソレを探すために、まだ若い浩之は針葉樹などという組織を作ったのだ。
さいわい、資金援助はあかりと浩之の共通の知り合いである来栖川 芹香が協力してくれた。
なにを隠そう、芹香は世にも名高い「来栖川財閥」のご令嬢なのである。
そんな後ろ盾が有ってか、針葉樹はどんどん大きな組織になっていった。
能力者保護という名目で、能力者たちの支援をする。
最初はそれで良いと思っていた。
しかし、針葉樹によってくる者は大半が欲望をあらわにした者たち。
いつのまにか、針葉樹は悪人能力者の巣窟になっていた。
それでも、都合が良いのは変わりがない。
針葉樹の能力者が問題を起こせば、華音機関が動かざるをえない。
ソレは現実の事となった。
針葉樹が雇った(小物ではあったが)エージェントが『ランダム』の能力者と接触して失踪したとの情報があった。
『過去聴き』の能力者の情報だから、確かにそのような能力についての会話が行われていたのは確実だ。
しかし、その情報はいまだ浩之には届いていない。
雅史が危惧して情報をとめているからだ。
もし、もうその場に居なかったり、万が一でも間違った情報なら…。
それでも、その情報を聞いたら浩之は単身でもすぐに乗り込んでいただろう。
それほど浩之は『飢え』ていた。
もちろん、単身で乗り込んでも『負ける』とは限らない。
むしろ、無関係な可能性の人間を、浩之が殺すのを雅史は我慢できなかった。
94街に出よう:04/12/13 14:32:42 ID:N446V1YB
「中々うまくいかねぇもんだな…。」
浩之はそう呟き、ため息を漏らした。
いまは真昼。
そこは針葉樹本部の浩之の部屋。イメージ的には社長室だ。
スチール製の本棚の中には、能力者の詳細や能力が事細かに記載されているファイルが大量に仕舞ってある。
昨晩と同じ、巨大なデスクに肘掛け椅子。
そこに日が当たると、何とも『社長』という感じである。
座っている人物の年齢は若すぎるが…。
悪の組織が日の光に当たっている内に活動するのは、何とも滑稽な物だと思う。
一応『創設者』として針葉樹の頂点に君臨している浩之だが、事実上雑務をこなしているのはセリオだ。
針葉樹内の不穏分子の殲滅にしても、浩之自信が動くことは滅多に無い。
そういう仕事は針葉樹の上位四人(針葉四天王などとフザケタ名で呼ばれている)がやってくれるからだ。
もっとも、適当に行動不能まで追い詰められた後、浩之の前に引っ立てられるのだが…。
「まったく、昼行灯ってのはこういう事かねぇ…。」
時々、退屈で仕方が無くなる。
もちろん、暇を見てはあかりの見舞いに行っているが、あまり行き過ぎても女々しい感じがする。
それに、「いつも大変ねぇ」などとあかりの面倒を見ていてくれる石原 麗子女史に冷やかされるのもゴメンだった。
そんなこんなで、創始者様は一定の間隔で暇をもてあます事になっている。
「さぁて、どうした物か…。」
こういう時に登録をしておけば暇つぶしくらいにはなったかも知れないが、自分の能力では順位変動どころでは済まなくなる。
読書も浩之のガラではない。
こういうとき相手になってくれる雅史も、用事があるとかで出かけている。
「しゃあねぇ、こんな時は街にでも繰り出すか…。」
針葉樹の主な仕事は夜。
だから、たまには外を歩くのも悪くないかもしれない。
そうすれば、『666』の事も何かわかるかもしれないと、一抹の希望を抱いて…。


一方その頃、祐一は一人で街を歩いていた。
95街に出よう:04/12/13 14:37:09 ID:N446V1YB
否、最初は二人だった。
なぜ、二人が一人になり、祐一が膨大な量の買い物袋を運んでいるのか…。

ソレはニ時間程前にさかのぼる…。

「北川、相沢。お前ら街まで買出しに行ってこい。」
いつものお笑いコンビは、聖にこう命ぜられた。
「…えぇ、解りました。」
「聖さんのためならこの北川 潤、何の苦労も問いません。」
「「でも、なんでこいつと一緒なんですか!?」」
二人の声が見事に重なる。
某双子の有名タレントもビックリだ。
「ココは国崎君が居るから大丈夫だろう。そろそろ薬品と食料がつきてきたんだ。」
「国崎 往人」とは、この研究所を守っているエージェントの一人。
レジェンドクラスの中でも上位に類する能力、『レイブン』を使いこなす凄腕である。
この研究所に「神尾 美鈴」と「神尾 晴子」という親子と共においてもらう事で、護衛として甘んじている。
もっとも、晴子の方は能力研究者として華音機関に貢献しているので、どちらかと言えば保護されてるのは往人の方である。
目付きは悪いが、人柄は悪くない。
さっきも、一升瓶を抱えた晴子に和室に引きずられて行ったのを目撃されている。
「まぁ、あの人なら戦車が五台くらい来ても大丈夫だろうけど…。」
「だろう。だから二人で行って来い。荷物が多くなりそうなんだ。」
そう言ってニッコリと笑う聖の手には、いつの間にかメスが三本ほど指の間に挟まっていた。
(この人って本当は…)
(能力者なんじゃねぇの…?)
二人は無言でメモを受け取り、スゴスゴと買い物へ出発した…。

実際の所、街に出るのには依存なかった。
華音機関お抱えエージェントとしての仕事内容は『研究施設、及び霧島 聖の護衛』であり、滅多に外に出ることはない。
そのため、このような機会は二人にとって絶好の息抜きになるのである。
だから自然、街を歩いているとこのような会話になる。
96街に出よう:04/12/13 14:39:01 ID:N446V1YB
「さて、時に相沢君。」
「なんですかな、北川君。」
二人とも、いつもの黒スーツではなく普通の私服を着用している。
一目見ただけでは『エージェント』などという言葉とはまったく結びつかない。
「このまま買い物をしていたのでは二人とも『時間』の無駄遣いという物だと思わんかね?」
「もっともですな。」
「片方が買い物をし、片方が遊ぶ。これこそ時間の有効使用!!」
「肩書きは良いから、早くしろ。」
「コインだ。表なら俺が買い物。裏ならお前が買い物。」
「のった!」

結果、地獄のような顔を浮かべる祐一と、朗らかな笑顔をうかべる北川。

「じゃ、俺この後美坂と約束があるから!」
「わーったよ!さっさと行ってしまえ!!」
祐一、半泣きである。
当たり前だろう。片方はデート、自分は買い物。
そりゃあもう、祐一の世界の半分は憎しみで出来ていた。
97街に出よう:04/12/13 14:39:19 ID:N446V1YB
しかしココで一つ、おかしいことに気付く祐一。
そう、ナゼ事前に香里と約束などしているのか…?
まるで、事前に「遊べる」事を知っていたような…。
「ちょっとまて北川、何でお前が遊べると決まっていたかのように約束が取り付けてある…?」
「………。」
沈黙。北川の顔には冷や汗がダラダラたれている。
怪しい事この上ない。
「北川、ちょっとさっきのコイン見せてみろ。」
「グッバイ、親友!!」
「ちょ、お前…なに透けてんの!?」
だんだんと透けていく北川の体。
パッと消えないのはただたんに嫌がらせであろう事請け合い。
「ちょ、ちょっと待て!!貴様、卑怯だぞぉ!!」
「ハッハッハッ、また合おう、相沢君!!」
その声を最後に、完全に北川は消えうせていた。
「畜生…、ハメられた…。」

そんなこんなで、結局買い物は祐一の役目に成り下がったのであった。
9811:04/12/13 14:55:03 ID:N446V1YB
ちょこっとギャグ風味。
住人も増えて、87さんの親世代の話は激しくGJです!
ちなみに、この話しは雅史が那須に交渉している時と同時刻です。
ですので、同時進行書きOKなんで、20さんどんどん書いてください!!
この後、浩之と祐一が遭遇します。さて、どうなるんでしょう?
あと設定的に、往人が親世代の話を聞かされていたのは、引きずられて行った少し後の話ということで。
まぁ、研究所に和室があるのかどうかはともかく…。(w

住人の能力『RAVEN』の原典は、ギリシャ神話の星座に出て来る大ガラスですね。
能力的にはアホみたいに強く、戦車五台でも相手に出来るそうです。
まぁ、能力詳細は後ほど…。

あぁ!女の子キャラの存在感が薄い!
バトル物で女の子使うのって難しいんですね…。orz
9920:04/12/13 17:04:30 ID:RMF7LhmW
やられた〜。
実は>>91の後で、祐一が部屋までやってきて(実は宗一の弟子)、
雅史とバッタリ会ってしまい、
宗一は、祐一の能力がバレないように孤軍奮闘する
(「そういえばあなたもやっぱり能力者…」「はい!、もう一杯コーヒーどうぞー!」
という風なギャグ)、
みたいな展開を考えてました。

書き直し  orz
10011:04/12/13 17:22:51 ID:RKf5wb5V
ぬぁ!?
ソレは申し訳ないことを…。
いや、買い物の後、遊ぶために荷物を置きに行ったとかっていうシュチエーションは・・・?
出てこないとなるとメチャメチャ残念だ…。orz
10120:04/12/13 21:46:54 ID:RMF7LhmW
いや、こうなるともうシリアスで通しますわ。
そのまま話進めちゃって下さいな。スンマソン

それと100ゲトおめ〜。
102名無しさんだよもん:04/12/14 17:54:50 ID:d4LkyyYT
 能力研究者であるにもかかわらず、能力の話を持ち出すと決まって不機嫌になる。
 神尾晴子のもっぱらの評判である。その評判が誇張のない事実であることを往人は身をもって知っていた。
 自分が『レイヴン』であることを彼女に明かすはかなりの賭けだったのだが…
「結果オーライってとこか」
 華音機関所属の研究施設守護エージェント。悪くない待遇だ。
 そして何より、機関中枢に近い立場。神尾家に偶然転がり込んでからというもの、事態は加速度を増していた。
 なんとしてでも、水瀬秋子に会う必要がある。会って確かめたいことがある。
 一度置いたグラスを手に取り、斜めにしてそっとテーブルに置く。手を離すとそれは倒れることなく等速回転を始めた。
 手を触れずに物を動かす能力。数年前に発現した「異能」とは別の、母親から受け継いだ力だった。

 十年ほど前。異能者の発現例が急激に増え、それに比例する形で軽重問わず犯罪が横行した時期があった。
そのほとんどが散発的なものだったが、とりわけ当時の社会を騒がせたのが後に言う「能力者狩り」である。
 欲望のまま異能を振るう者たちが力を誇示するためであったか、他の異能者を「狩る」と称して襲撃する事件が相次いだ。
実際、異能者同士の戦闘はランク制という形で現在まで残っているのだが、システムの存在しない当時、異能とは異なる能力を持つ者や一般人までもが「狩り」の対象とされたのだった。
 「能力者狩り」による混乱は『機関』の設立によって収束に向かっていった。しかし多くの事件が未解決のままである…。
103名無しさんだよもん:04/12/14 17:55:50 ID:d4LkyyYT
 グラスはなおも回転を続けている。ふと目をあげるとじっとその回転を見つめる少女と目が合った。
ふと思いつき、往人は回転速度を上げ始めた。グラスを追う少女の目もつられて動いている。
ぱっと手を伸ばしてグラスを止める。
「わ」
 我に返った少女、神尾観鈴は神妙そうな顔をしていた。
「…目がまわる」
「馬鹿正直に目で追うからだろ」
「がお、何でそんなことするかな」
 ぽかり、と音がした。
「いたい…」
「晴子に頼まれてるからな。で、何の用だ」
「うん、また夢見ておきちゃったから」
「またか」
「うん…聞いてくれる?」
 観鈴の夢語りを聞いてやることはすでに往人の日課になっていた。最初のうちは晴子にでも話せばいいだろと突き放してはいたのだが、「空の夢」の話になってからはまじめに聞いている。
104街に出よう〜赤編〜:04/12/14 17:56:01 ID:DRFIuzxD
「たまには、外を歩くってのも中々良いもんだな。」
そう呟き、浩之はぐぅっと伸びをする。
そこは青々とした木々が生い茂る公園。
散歩は読書と同じくらい浩之の柄ではないが、近頃デスクに座りっぱなしの浩之にはちょうど良い運動だった。
が、静かな公園に『ぐぅぅ』という音が響く。
「ぐぁ…、そろそろ小腹が空いてきちまったな…。」
時計を見れば時刻は午後二時。
昼食をとっていない浩之にとって結構ツライ時間帯である。
「さて、どっかに食い物売ってる店をみつけにゃ…。」
『…うぅぅぅ』
どこからか声が聞こえる。
「…なんだ?」
『…ぐうぅぅぅ』
その声はだんだんと近づいてくる。
「うぐぅぅぅ!!どいてぇ!!」
ソレが後ろから聞こえると気付いた時には、もう遅かった。
「がはぁ!?」
「うぐぅ!?」
ドシーンという漫画っぽい効果音と共に、吹っ飛ばされる被害者と一緒に転がる加害者。
「イッタタタタ…。」
「うぐぅ…、痛いんだよ…。」
「そりゃあこっちの台詞じゃあ!!」
「ご、ごめんなさい!」
105街に出よう〜赤編〜:04/12/14 17:56:14 ID:DRFIuzxD
見ると、神をも殺す勢いでぶつかってきたのは小柄な女の子。
確かにまだ少し寒いが、ソレは行き過ぎじゃないかと言うダッフルコートに、羽の付いたカバンを背負っている。
そして近くに落ちている女の子の所有物と見受けられる紙袋。
何だか美味そうな匂いを漂わせている。
とりあえず起き上がり、女の子も助け起こす
「まったく…、で、どうしたんだ?」
とりあえず起き上がり、女の子も助け起こす。
「そ、そうだったんだよ!」
叫んだかと思うと、浩之の後ろに隠れた。
ソレはさながら、何かから身を隠すように…。
「な、なんだよ!?」
「ちょっと、隠れさせてよ!」
「だか何で!?」
などとギャーギャーやっていると、女の子が来た方向から大きなお兄さんが来るのが見えた。
「ボクはココに居ないよ!ボクのこと忘れてください!!」
「いや、バレるだろ…。」
「オイ、兄ちゃん。」
ついに声をかけられる。
見るからに凶悪な顔だ。腕っ節も中々に強そうではある。
しかし、浩之にとっては見慣れた種類の顔だ。
「後ろに居る譲ちゃんをだしな。」
「うぐっ!ばれてる…。」
「当たり前だろ!…こいつが何かしたのか?」
すると男は、ニヤッと笑って言い放った。
「そいつは、俺様の獲物を横取りしやがったのさ。」
「獲物?」
106名無しさんだよもん:04/12/14 17:56:37 ID:d4LkyyYT
「…観鈴」
「なに?」
「晴子には話さないのか、夢のこと」
「うん…お母さんに迷惑かけたくないから」
「迷惑?」
「でも往人さんは大丈夫だよ、多分。いきなりいなくなったりしない」
 にはは、と笑う。
「往人さん、強いから」
「俺は…」
「だからいくらこき使ってもいいって」
 再びぽかり、と音がした。
「ってお母さんが…しかもがおって言ってないのに」
「…今のは晴子に回しとけ」
「無謀だと思う」
「悪かったな」
「…お茶、いれようか」
「頼む」
 再び閉まるふすまから視線をはずし、畳に寝転がる。口から出掛かった「俺は強くなんかない」という言葉を押し殺しながら往人は先ほど晴子から聞いた水瀬秋子と橘夫妻の話を思い出していた。
10711:04/12/14 17:57:59 ID:DRFIuzxD
ぬぁ!ビックリするほどバッドタイミングで書き込んでしまった!?
10887:04/12/14 18:04:48 ID:d4LkyyYT
うわ、混ざってしまった
親世代編ちょっと進めてみます。
国崎、一匹狼的な立ち位置になります。組織にとらわれずに動ける立場の人間がいてもよさそうということで。
 この話で出てきた「異能」と葉鍵に原典のある各種能力との折り合いをつけるために「能力者狩り」の過去設定を出しました。痕組などを絡めて出すことができるかもしれません。
109街に出よう〜赤編〜:04/12/14 19:01:23 ID:DRFIuzxD
「俺が鯛焼き屋から奪ってきた鯛焼きを、そいつはひったくって行きやがったんだよ!」
「…はぁ?」
「うぐぅ!ちがうもん!!鯛焼き屋のおじさんに返してあげようと思ったんだもん!!」
まったく、なんだかどっちもどっちである。
だが、こんな昼間っからわざわざ犯罪なんて犯すということは…。
「…お前、能力者か?」
「…だったらどうする?」
「能力名と能力詳細は?」
ダメ元で聞く。言わなくても力づくで聞き出す気だったが、相手は思いのほか頭が悪かったらしい。
「冥土の土産に教えてやろう!俺の能力は『ZAB-ZAB BIRD』!!殴ったものを問答無用で吹っ飛ばす能力だ!」
なるほど。鞄に羽が付いてたし、だから女の子が吹っ飛んできたのだな、と納得する浩之。
「お前も、吹っ飛べぇ!!」
殴りかかってくる男。
しかし、幾つもの修羅場をくぐって来た浩之には止まって見える。
ソレを下方にいなし、近づいてきた頭を鷲づかみにする。
「さて、腹ごしらえ。」
少女は見ただろう。
背筋の凍るような、とても嬉しそうな笑顔…。


『ゴギンッ』
110街に出よう〜赤編〜:04/12/14 19:01:54 ID:DRFIuzxD
とたん、男の頭の中に鳴り響いたその音は、まるで何かの撃鉄をおろした様な音。
何かが奪われ、残されたのは喪失感。
自分の大切な何かを捕られて。否、『喰われて』しまった…。
ソレは刹那の出来事。時間にして約二秒かそこら。
それでも。
怖い。自分の無くしてしまった物が。
恐い。目の前に居る、この得体の知れない男が。
頭を掴んでいた手を振り解かんと無様に暴れる。
「な、何を…、俺に何をしたぁぁぁ!!」
浩之の魔手から逃れた男は、再び腕を振りかぶった。
『ガッ』と言う効果音と共に、拳があたる感触。
あたった!!これで相手はなすすべも無く吹っ飛ぶ。
…ハズだった。
「…、イテェよ。」
「な…、何で吹っ飛ばない…?な、なん…で…?」
「ゴチャゴチャ言ってねぇで、吹っ飛べ。」
今度は浩之の拳が、男の顔面に突き刺さる番だった。
男が吹っ飛ぶ。40mほど吹き飛ばされ、木にぶつかった男は、気を失っていた。
11111:04/12/14 19:30:06 ID:DRFIuzxD
いや〜、87さん乙です。
今回、87さんの新設定をまとめると…。
『先天的能力者』と『後天的能力者』がいる。
美鈴は『夢』を見る能力者である。
往人は『先天的能力者』で、『後天的能力者』でもあるため、
『物を動かす能力』と『レイブン』の二つの能力を所有している。
(それとも、『レイブン』=『物を動かす能力』なのかな…?)
往人の目的は秋子に合うことであり、そのためならスパイチックな事もOK。
『異能者狩り』の被害者である先天的能力者や一般人の存在。
こんな所でしょうか。

さて、浩之の能力『RED DRAGON』の詳細です。
原点はもちろん聖書の『ヨハネの黙示録』です。
能力は『能力を喰う能力』。
最初から能力が内包されている祐一とは違い、後々から能力を継ぎ足していけます。
喰った(取り込んだ)能力は100%コントロール可能で、五つまでストック可能です。
ストックしないと一時間で食った能力は消化されて消えてしまう。
能力を食われた能力者は一生能力が使えなくなります。
ちなみに、あかりの能力『スリーピング・ビューティ』を喰おうとしたところ、あかりの場合能力が精神と直結しているため、
能力と共に精神を取り込んでしまったり、そうならなくとも精神に大きなダメージが行くと止められました。
そのため、彼が探しているのは『能力を消去する能力』であり、該当する能力者は能力者狩りの時代に死亡が確認。(コレは今考えた…。)
そのため、後天的能力者の能力を網羅しているであろう祐一の能力を狙っています。

あー、あと上のはミスタイプで『ZAB-ZAB』になってるんですが、正確には『JAB-JAB BIRD』。
原点は「不思議の国のアリス」に出てくる『ジャブジャブ鳥』です。
この鳥は、『ジャバウォックの森』に近づくものを追い払おうと五月蝿く騒ぎ立て、醜悪な言葉を吐く人面鳥だそうです。
ま、別にどうでもいい能力ですが…。w
11220:04/12/14 22:25:56 ID:pS9rukSg
ああ、あわれたい焼き屋。

11さん87さん、二人とも乙〜。

ちょっと質問。
能力名、英語じゃなくてもいいっすかね?
「スサノオ」とか「アマテラス」とか、「ヤタノカガミ」とか考えてるんですけど。
どないなもんでしょ?
11387:04/12/14 23:08:25 ID:d4LkyyYT
補足説明を試みてみます。

・能力の先天性後天性
 葉鍵原典に描写のあるものをとりあえず先天的なものとしてみます。
 原典ストーリー中に発現する能力(電波、不可視等)も含まれることになります。
 この話で後付されたものを「異能」とし、これをめぐる物語が現在進行中、と。
 往人については『レイヴン』の設定待ちです。
・観鈴と夢
 AIR本編に描写があるため、今のところは「能力」としないほうがよさそうです。
 それを能力と絡めてストーリーを進めるもよし、あくまでAIRに沿って翼人周辺を描写するもよし
そのあたりはストーリー進行を見守りたいです。
・「能力者狩り」云々
 現在のランク制が「異能者」たちにとってガス抜きになることから、ランク制はあくまで非公認の
ものであり、『機関』が黙認しているのはこういう過去があったから…と穿った見方をしてみました。
 葉鍵原典のストーリー進行以前に死んでいるキャラクターを絡めると話が深くなるかもしれませ
ん。とりあえず往人の母親や「初期発現異能者」な郁子あたりは巻き込まれていそう。

 妄想始めるときりがないのでこちらが想定している設定はSSでぼちぼち描写していければと。
原作儲な設定厨でスマソ。
 『能力を消去する能力』…過去編で使えそうな設定いただき。
114いまやるべき仕事:04/12/15 01:55:24 ID:8oQ8kbBK
「それでは失礼します。今日は本当にありがとうございました」
「ああ、でも会うのはこれっきりだ。お互いバレたらやばいからな」
「はい、それでは那須さん、お元気で」
「雅史さんもな」
二人は握手を交わす。
そして雅史は扉を閉めて帰っていった。
バタンと音がした瞬間、宗一の肩から力が抜ける。
「行ったか・・・」
宗一は疲れていた。まるで42.195`走ったかのように疲れていた。
何故かというと。

「あんな危険なやつ寄こすなー!! なんだあの能力!反則だろコラー!!ヽ(`Д´)ノ」

宗一は、雅史が能力を発動しようとしたときに、極めて冷静に、クールに、気持ちを落ち着けて、必死になって、一生懸命「虚勢」を張っていたのだった。
雅史をなだめたのはエージェントの貫禄ではなく、宗一が、精一杯バトルにならないように雅史に気をつかっていたのだった。

「あ〜マジ疲れた。勢いで約束しちまったし…まあいいか」
実際に自分の諸々の事情を考えても、雅史の依頼を受けることにデメリットは無い。
それに、機密を手に入れることができたのだ。十分得るものはあった話し合いだった。
なら、今自分のすべきことは…

「やっぱ篁か…」
宗一は机のパソコンを起動させる。
データベースから目的の情報を検索する。
115いまやるべき仕事11:04/12/15 01:56:54 ID:8oQ8kbBK

ここで篁(タカムラ)について簡潔に話しておこう。
『篁エネルギー』。
華音機関ができる以前、世界各地で出現した異能者、その力を悪用する者たちによって世界は破壊の限りをつくされ、混沌とした時代を迎えたことがある。
それは未曾有の不景気、大恐慌をもまねいた。
そんな折、華音機関が結成され、経済が安定するかしないかの頃、
『篁エネルギー』という名の企業が現れたのだ。
かの会社は半ば壊滅状態だった石油、天然ガス、電気等のエネルギー関連企業を吸収、再生させ、日本のエネルギーをほぼ全て掌握した。
その活動は日本にとどまらず、現在では全世界の70%のエネルギーが『篁エネルギー』
の関連企業になっているほどである。
現在、『篁財閥』は『来栖川財閥』をしのぐ巨大な企業となっているのだ…。

「やっぱ針葉樹の資金源はこいつか…」
最初、宗一は『針葉樹』の資金源を『来栖川財閥』によるものだと思っていた。
だが、調べたところ針葉樹には『来栖川』の息がかかっていない。
確かに針葉樹のメンバーには来栖川の令嬢がいる。それも二人もだ。
でもそれだけ。
エージェントを数十人も動かすには億単位の金が必要だ。
だが、その金はどこから来るのか。銀行強盗でもさせているにしてはあまりに多すぎる。第一、ここ最近はそんなニュースは入っていない。
そうやって調べているうちに宗一は『篁財閥』にあたりをつけた。
篁総帥には妖しい噂があったのだ。

曰く、私設の軍隊をもっている。
曰く、黒ミサをひらき、参加者(各種企業の重要役人等)を洗脳する。
曰く、黒ミサで『能力』を与えることができる。異能者の増加はそのせいである。
曰く、針葉樹に加担している・・・。

調べてみれば、篁の私設軍は確かに存在し、そのメンバーの一部が『針葉樹』に入っていることが確認できた。
そして、雅史と話して確信を得た。
「善意の資金援助・・・ね。決まりだなこりゃ」
椅子の背もたれに体重をかけてつぶやく。
116いまやるべき仕事・終:04/12/15 01:58:51 ID:8oQ8kbBK
実際、宗一の推理は当たっていた。
来栖川の援助は『眠り姫』の医療、研究施設、その他の維持費についてが『芹香』、『綾香』姉妹のポケットマネーから出されているにすぎない。
組織の活動資金は、『篁総帥』の小国の国家予算に等しい巨額なポケットマネーから、針葉樹に入り込んだ工作員を伝って送り込まれているのだ。
もちろんトップの藤田浩之は喜んで(なりふりかまっていないのだが)その資金援助を受けているのだった。

「篁総帥が『666』を手に入れてどうするのか…。ま、想像に難くは無いわな」
宗一は続ける。
「今やってるミッションが終わらなきゃ、どうにもなんねぇか。このままじゃ『華音』の負けだ」
窓の外を見ながら呟く。
「雅史さん。あんたの勘、正解だよ。…『666』はそこにいる」

宗一が現在請けているミッション。
それは『篁と針葉樹の関係をあばき、篁を倒す』こと。
かの華音機関からの依頼であった。
11720:04/12/15 02:05:07 ID:8oQ8kbBK
やっと書けた・・・
この世界観が書きたかった・・・

実際に来栖川が資金援助してたらとっくに資産凍結くらってますもん。
篁にはエネルギーを握られているだけあって、政府もおいそれと手出しできないですからね。

実は宗一は『眠り姫』も『666』もとっくに調べがついている設定です。
おいしい役どころですね。
118『テュポーン』:04/12/15 02:21:27 ID:8oQ8kbBK
『TYPOON』
レジェンドクラス。
自分の周囲に嵐を巻き起こす。その際、事前にオーラで汚染した範囲にのみ嵐がおきる。
だが、この能力の真の力は、オーラで汚染した空間そのものを嵐に変えることである。
嵐というよりは、ミキサーに近い。
オーラを体の表面にのみ纏わせた場合、触れるだけで相手は切り刻まれることになる。
雅史のオーラの絶対量では、周囲50bをミキサー状態にすることも可能。

もう、ばらしちゃいます。
密閉空間で、障害物があればあるほど強くなる能力です。
11911:04/12/15 13:41:22 ID:NhayzONR
20さん乙です!
宗一は裏の主人公ですのう。
来栖川の資金援助で動いてるわけじゃなかったんだ…。
なるほど、確かに来栖川なら凍結されとんよな。(考え無し)
ちなみに、能力名は別に英語じゃなくても良いと思います。
何となく、雰囲気なんで…。
『スサノオ』でも『素戔嗚』でも『オロチ』でも『大蛇』でも気に入ったもので良いと思います。

87さん、俺も原作は大事だと思いますよ。
だからこそ女の子キャラが使いづらくて…。orz
過去編はかなり楽しみにしてますよ!
12020:04/12/15 15:20:12 ID:8oQ8kbBK
このままいくと、篁財閥に針葉樹がのっとられちゃったりするかも。(w

俺も今度は女性キャラ書きたいなぁ…。
121街に出よう〜666編〜:04/12/16 16:42:49 ID:Tg6G9Viq
「重い!!」
祐一は思わず叫んでいた。
両手に荷物、背中に荷物。
果ては首にも荷物をぶら下げた壮絶な格好で街を歩く。
何とか根性で買い物を終わらせたが、時刻は二時ちょっと過ぎ。
まだ施設へ帰るにはいささか早すぎる。
「荷物持ったまんまウロウロするのもゴメンだしなぁ…。」
もうすでに虚ろな目になってきている祐一。
どっかに荷物を置く場所があればいいんだけど…。
と、一つだけ思い当たる場所がある。
「師匠の家…か…。」
『師匠』。ソレはエージェントとしてのノウハウや対術を叩き込んでくれた師匠。
その名も「那須 宗一」先生。
「…いや、あの人のことだ。なんかまたイザコザに巻き込まれてるんだろうし、触らぬ神に祟り無しって言うしなぁ…。」
なんとも殊勝な心がけである。
しかし、そうなると荷物が離れない。
「コインロッカーなんかに入る量じゃねぇしなぁ…。」
122街に出よう〜666編〜:04/12/16 16:43:01 ID:Tg6G9Viq
ソレもコレも…。
「あんのアホアンテナのせいだ…。」
とりあえず、人の邪魔にならない様な場所へ移動。
ケータイを取り出し短縮ボタンを押して北川へTEL。
呼び出し音三回ほどで北川が電話に出た。
『はい、こちら幸せ絶頂中の潤ちゃんですが。』
向こうの方で「ちょ、北側君なに言ってるのよ!」等と香里の声が聞こえる。
顔は真っ赤であろうこと請け合いである。(萌えポイント高し)
「てめぇ、後で覚えてろよ…。」
『騙される方がワ・ル・イ・ノ・さ☆』
更に殺意が芽生えたところで、とりあえず話を切り出す。
「で、時に北川。ここら辺で荷物を置いておくようなところはないだろうか?」
『あぁ?なんだよ、もう買い物終わったのか。』
「こちとら早く遊びたくて堪らんのだ。早く教えろ。」
北川の話によると、最初の駅付近に文房具屋があり、そこなら北川の名前を出せば荷物ぐらい置いてくれるだろうとの事。
「了解。で、何時にどこで落ち合うんだ?」
『そうだな…、八時に駅の改札前だな。それまで俺は美坂としっぽりゲブファッ!』
向こうで香里に北川が殴られたらしい。
(ありがとう美坂。少しだけ胸がスッキリしたよ…。)
祐一はケータイを切り、問題の文房具屋へ向かった。
12311:04/12/16 16:54:01 ID:Tg6G9Viq
荷物問題は悩みに悩みました。
旧水瀬家に置きに行こうかとも思いましたが、富士の樹海が近いところに雪の降る町はないな、と。
結局北川に登場していただきましたが、そこの文房具屋との関係は…?(考え無し)
『11の文章の半分は思いつきで出来ています』。
まぁ、思い付きが肝心なのは確かだと思うのですが、それを使って行き当たりばったりなのはどうかと思います。(爆

さて、どうやって祐一と浩之を合わせようかな…?(バトルにはしないつもりですが…。)
124名無しさんだよもん:04/12/16 17:10:02 ID:HNzsO4/9
11さん乙〜。

そっか静岡か…忘れてた。(オイ
この話の舞台というものを全然考えて無かったよ…
だめじゃん自分 orz

能力を考えるのが難しい…。
自分、どんな話ができるのやら。
12520:04/12/16 17:16:35 ID:HNzsO4/9
↑名前が名無しのままだった…orz

ttp://www.geocities.jp/nommy999/routes/nastyboy.html

ルーツスレで見つけました。貼っときます。(注意!ネタバレ
12620:04/12/17 22:38:39 ID:22gGrG6R
【能力名】
◇能力者名:『』
◇能力属性:
◇総合威力:
◇能力射程:
◇能力特性:
◇詳細能力:

こんなん作ってみました。
12720:04/12/17 22:40:03 ID:22gGrG6R
雅史の場合

【TYPOON】
◇能力者名:『佐藤雅史』
◇能力属性:風
◇総合威力:B
◇能力射程:B
◇能力特性:対風防御
◇詳細能力:前もってオーラで汚染した区域に嵐を起こす
       嵐というよりミキサーに近い
その区域にある物体はことごとく切り刻まれることになる
体表面にのみ発生させることも可能


どうでしょ?
12820:04/12/17 22:41:44 ID:22gGrG6R
  ↑ ずれた orz
【TYPOON】
◇能力者名:『佐藤雅史』
◇能力属性:風
◇総合威力:B
◇能力射程:B
◇能力特性:対風防御
◇詳細能力:前もってオーラで汚染した区域に嵐を起こす
       嵐というよりミキサーに近い
      その区域にある物体はことごとく切り刻まれることになる
      体表面にのみ発生させることも可能
12920:04/12/18 00:06:20 ID:eIuVGmQ2
だれも来ない・・・さみしい。
130携帯からですが…:04/12/18 01:17:24 ID:khdS+pYB
え〜と…読んでるだけですけど一応いますよ
昨日1から読みましたけど最高におもしろいです浩之がこれからどうなるか楽しみです
13111:04/12/18 04:03:34 ID:hiP9lbGp
20さん、夜間あんまり来れんですんません…。(汗
もう何というか、宗一の動きが気になってしょうがないので、早めに今回のを終わらせたいと思います。
…中々そうは行かないかも。(ぉ

>>130さん、応援してくれる人が居ると心が潤いますよ…。
いや、結構20さんとかに迷惑かけたり我侭とおさしていただいたりしてるんで…。
個人的にちょっと独りよがりかな?なんか思ってたんですが、このスレを一人でも好いてくれてる人が居るのは嬉しすぎですよ!
ご期待にそえるよう、頑張ります!!
13211:04/12/18 04:22:52 ID:hiP9lbGp
では、こちらは未公開だった『レイブン』を…。
いつ出せるか解ったものではありませんから。(汗

【RAVEN】
◇能力者名:『国崎往人』
◇能力属性:炎
◇総合威力:B
◇能力射程:A
◇能力特性:消火不可
◇詳細能力:黒い炎で模られた鳥を操る。(本人は黒朱雀のつもりらしい)
        鳥は最大七匹出せるが。鳥に実体を持たせるには七匹分使用。
        大きさは自由で、小さな隙間さえあればどんな所でも入っていける。(実体の時は一時的に炎に戻る)
        黒い炎が燃え移ると、水で消すことは出来ない。
        燃やす、燃やさないは術者の自由で、普段触っても燃えない(熱くない)こともある。
        能力射程は非常に広く、偵察用にもなる。
133街に出よう〜666編〜:04/12/18 11:11:54 ID:hiP9lbGp
(ここ、か…。)
そこは『鳥坂文具店』というどこにでもありそうな文房具店だった。
コレといって北川のような輩が好んで入る種類の店には到底見えない。
「あいつ、こんな所と何のつながりが…?」
とりあえず入ってみる。
中はいたって普通。どこにでもある文房具店だ。
奥の方では印刷屋も兼ねているらしい。
とりあえずカウンターの女性に話しかける。
「あの、すいません…。」
「…あ、はい。」
「あの…」
(北川って知ってますか?って聞いて通じるのか?)
少しのあいだ思案する。
もしも『何だ?このイカレ頭。ナンパか?』等と思われたらどうしよう…。
ただでさえ大量の買い物袋を体中に装備している怪しい状態だというのに…。
「あの…、なにか?」
「あっ、いえ!あの…ですね…、北川ってやつの紹介で…、来たんですけれども…?」
自分でもだんだんと声が小さくなっていくのが解る。
「…あぁ、北川さんのお友達ですか。」
そういって、微かに微笑む女性。
年のころは祐一よりも少し上だろうか。
黒く長い髪を黄色いリボンで束ねた女性は中々に可愛らしく、祐一は不覚にもドキッとした。
だからこそ不思議だった。
「あ、あのぉ…、ココって北川とどういう関係が…?」
「え?」
「いや、何で北川みたいなヤツが文房具店と親しいのかな、と思いまして。」
「あぁ。北川さんはこの店の常連さんなんです。」
常連?北川が?文房具店の?
「常連…、デスか…。」
134街に出よう〜666編〜:04/12/18 11:12:17 ID:hiP9lbGp
「はい。この前のこみパでもお世話になりましたし…。」
いま、何か面白いものが聞こえたような…。
「…『こみパ』、ですか?」
「はい。」
深く知っているわけではないが、『こみパ』の単語ぐらいは知っている。
たしか、日本最大規模の同人誌即売会とか何とか…。
同人誌って言うのは自分で作った本のことだったハズだ。
「…じゃあアイツって本とか…。」
「えぇ。すごいんですよ。北川さんって大手だから。」
「アイツが…ねぇ…。」
そういえば、北川は一定の期間で聖に頼み込んで休暇をとっていた。(主に夏と冬)
その上、部屋に篭ると3日ほど出てこない事もあった。(おそらく修羅場)
ある時期が来るとFAXを多用していた。(原稿を送っていたと予想)
そう考えると、思い当たる節も幾つかある…。
「あの…その荷物、重くないですか?」
考えているところに困ったように尋ねられ、祐一もようやく自分が何をしに来たのかを思い出す。
「あ、そうだった!あの〜、この荷物しばらく置いておいていただけませんか?」
「え?」
「あぁ、ダメならいいんです。北川に『荷物置いておける様な所はないか』って聞いたらココを教えてきたんで。いや、すいませんでした。」
内心ちょっとがっかりしながら店を後にしようとする。
「あ、ちょっと待ってください。」
「え?」
「そこに居ると」
「にゃぁぁぁぁ!どいてくださ〜い!」
気付いた時にはもう遅い。
bPエージェントの弟子である祐一は、一般人の台車による奇襲で吹っ飛んでいた。
「にゃぁぁぁ!?」
その上、台車の上に積んであった本詰めのダンボールが崩れて、倒れている祐一の上に降り注ぐ。
「ぎやぁぁぁぁぁ!!」
その中のダンボールの一つが祐一の頭を強打。
これ異常ないという追い討ちに、祐一の意識はブラックアウトしていった…。
13520:04/12/18 11:22:30 ID:eIuVGmQ2
11さん、さっそく使ってくれてありがとっす。
なんでか作ったのは自分なのに俺がやるとずれまくるんだよなぁ orz
それと携帯から見てる人、レスを返してくれてありがとっすー。
観てくれる人がいるとやっぱ違いますもんね。

射程や威力についてですが、五段階式+αでお願いします。
攻撃の能力じゃなかったら威力:E 触れなきゃいけないのは射程Eってかんじで。
【JAB−JAB BIRD】
◇総合威力:D (ふっとばすだけ)
◇能力射程:E (殴らなきゃ効かない)
こんなかんじですかね。このほかに、A+やSランクの能力者がいたりするわけです。
…いかん、Fateっぽい(汗

あ、それと、FLASHどでした?
13620:04/12/18 11:25:59 ID:eIuVGmQ2
うお、書き込んでたらそのあいだに新作きてた!
11さん乙〜。
13711:04/12/18 11:48:58 ID:hiP9lbGp
哀れ祐一…。
千沙ちぃ&長谷部さん登場。
彼女らは能力者ではない予定…かな?(ぉ
次回は『こみパ』あの男の登場です。こっちは葉鍵四天王の一人のつもりです。
能力名は『クロノス』だったり。

北川についてですが、大手です。(爆
サークル名は『触角堂』。
出している本はもちろんムフフ系です。歳は誤魔化してます。
ここら辺は俺の脳内妄想なので、気にしないでやってください。(痛い系一直線)

いえいえ。こういうマスターシート(って言うのか?)が有ると見やすくていいと思いますよ。かなり乙です。
俺はギコナビ使ってるので、プレビュー見ながらやってるだけで…。俺がうまいのではなくギコナビの性能差です。(笑
フラッシュは中々良かったです。宗一カッコイイ…。
でも、今の俺のPCは故障中で音が出ないんです。(泣
今度友人宅で改めて見てきます。
138名無しさんだよもん:04/12/18 12:16:37 ID:eIuVGmQ2
俺はwordで地道にやってます。

パソコン音でないんすか! かなりおもしろいんで早めに見てくだせーな。
もう一つのほうもね♪
13920:04/12/18 12:23:05 ID:eIuVGmQ2
↑また名無しだったぜチクショウ orz
140ペニー・レイン 前編:04/12/18 13:19:34 ID:DMJXSnXZ
 あの日、何があったのか知るものは少ない。それを語るものはさらに少ない。
 二重写しになる夢。青い、空の夢。
「それじゃ、いってくるね」
「外は危ないから、気をつけて」
「大丈夫、心配ないから。んー…これはひと雨きそうかな」
「傘はいつも持ってるだろ、それともまた僕に届けさせるつもりかい」
「あー、それは言いっこなし」
「ま、雲の上を行けばいいしね。観鈴、ママにいってらっしゃいは」
 ふわりと浮かび上がるように、逆に流れる雲を足元に見ながら。
「迂闊に散歩もできない、か…いつになったらもう一度つれてってあげられるんだろうね、観鈴?」
 ここには、誰もいないから。もう、いないから。
 今は見えないその雲の先が、悲しい色で満ちていることをずっと前から知っていた。

「観鈴ー、折角やし女先生のお茶も入れたげぇさ」
「そうだな、幸い極上の茶葉だけはストックが山ほどある。中休みとしゃれ込むとしようか」
「ええと、どこにあり…ま…すか?」
「そう形式張らなくてもいいぞ、公式の場じゃないからな。茶葉なら棚の中だ」
「あー、ありました」
 ぱたぱたと慌ただしく遠ざかる足音に、聖は苦笑をもらした。
 殺風景な研究所の一室。たまに顔を合わせる同僚の娘の行動に何かを刺激されたのか、
「佳乃もいればよかったのだがな」
 ぽつり、と呟く。
「妹さんやったっけ?本部所属の」
「そういうことだ…護衛に向いていないということで置いてはきたが」
「そら、まあ心配やろな」
「あの子にもいろいろあるのさ」
「なんやのな、うちに含むところでもあるんかいな」
 重い沈黙。しかしそれはすぐに破られた。
「…お見通しというわけか」
 苦笑以上微笑未満の表情を浮かべると、聖は晴子に分厚い紙束を寄越した。
141ペニー・レイン 前編:04/12/18 13:20:47 ID:DMJXSnXZ
「娘さんの癇癪だが――やはり一般的な医学では対処のしようがない」
「…力の影響か、やっぱり」
「それなんだが…どうも腑に落ちない」
「どういうこっちゃ」
「それはこちらが聞きたいところだ――神尾さん」
 再び沈黙。それを破ったのは晴子のため息だった。
「確かに観鈴は正式には機関所属やない、ここに連れてきてること自体越権行為ってやつかも知れん。でもな」
 にやり、と笑う。
「それはうちだけと違うんとちゃうの、女先生」
 三度の沈黙は訪れなかった。二つの笑い声にかき消されたからである。
「なるほど、お互いさまというわけか」
「ま、そういうことにしとこか」
 その笑い声に「お茶入ったよー」という観鈴の声が重なった。

142ペニー・レイン 前編:04/12/18 13:21:25 ID:DMJXSnXZ
 緑茶の香りが鼻をくすぐる。ありあわせのお茶菓子の彩がモノクロームを基調とする研究室では一段と映える。
 さながら小規模なティーパーティである――窓から見える景色が鬱蒼とした樹海でなければ。
「ふむ、上手いものだな」
「にはは、観鈴ちんこれしか能ないから」
「いや、上等だろう。一家に一台ほしいところだ」
「女先生、それはうちのやでー」
「がお、もの扱い…」
 ぽかり、いい音がする。
「その口癖直しっていつも言うとるやろ」
 といつものように叱った晴子は「おかしくてたまらない」という風情の聖を見てあることに気づいた。
「護衛のガキどもはどないしたん、そういえば」
「彼らなら買出しだ。たまにはいいだろう、ということさ」
「居候は…ああ、連れてくるわ」
「国崎君か、彼も疲れているんだろう――ところでその「女先生」という呼び方は」
「ええやんええやん、うち先生なんて柄とちゃうしなー」
 とは言うものの、専門とする分野こそ違えどこの二人は能力研究に関しては第一線級の人材なのである。
 ひらひらと手を動かしてドアから出て行く晴子を眺めやると、聖は湯飲みを置いた。
「さてと、ごちそうさま…ところで国崎君には持っていってやらなくていいのか?」
 からかい気味に尋ねると観鈴は顔を赤くした。
「わ、忘れるとこだった」
「早いとこもっていってやるんだな、晴子さんには追いつけるだろう」
 慌しく盆を抱えあげる観鈴と同時に、聖は席を立つ。
「あ、ど、どちらに?」
「ただの散歩だ、たまにはな」
143ペニー・レイン 前編:04/12/18 13:22:09 ID:DMJXSnXZ
 とはいうものの、そう遠くまで「散歩」ができるわけでもない。
 研究所の見える範囲。樹海では迂闊な行動が命取りになる。
 ましてや聖は機関側の重要人物なのだ。護衛なしで外に出ることなどこれまでなかったはずなのだが…。
「ふむ、この辺はあまり変わらないか」
 平然としたものである。研究室の人工光の下であろうが、樹海の薄暗がりの中であろうが彼女は彼女だった。
「変わりようもないな、確かに」
 独語する。他愛もないことであるのだが聞いている人間がいるのといないのとではずいぶん違う。
 聖がたまにする息抜きである。
「さて、戻るか」
 普段ならもう少し長居をするところなのだが先ほどまでのお茶会でだいぶ疲れが取れたようだった。
 白衣を翻して研究所に向かう。と、その視線を何かが横切った。
「…佳乃?」
 樹海の暗がりの中に一瞬見えたその黄色に妹を連想して、聖はその方向に向き直った。
 ざわり、と木々が音を立てる。風が強まっていた。
 不自然なまでに急激な変化。それは即ち…
「…異能者か」
 視線の先。その木の陰に聖は何かを捉えた。
 横に飛ぶと同時にメスを投げる。放たれた三本のメスはその影に向かって一直線の軌跡を描く…はずであった。
「何ッ」
 軌跡が、途切れていた。
 見ると、メスは三本とも狙った人影の横の木に刺さっている。
 そしてそのメスをくいくいと引っ張って回収していた壮年の男が、こちらを見て苦笑していた。
「危ないですよ」と。
144名無しさんだよもん:04/12/18 13:35:04 ID:DMJXSnXZ
 ひとまず投下、祐一や宗一が苦労している間ヒマヒマ星人のはずのひじりんを動かしてみます。
そして妙なところで切っています。続き書かねば、です。
 何というか私が書くとギャグもバトルもできず陰謀劇になっていくような。精進します。
 そして先立ご両人ともおつかれさまです。こうなってきたらバトルシーン丸投げしてしまおうか…
14511:04/12/19 00:56:40 ID:TVlcsvc5
>>144さん乙〜。
えっと、前の87さんでいいのかな?
まぁどっちにしろGJです!!
なんだか文がキレイで羨ましいぜよ…。orz
バトルシーンまる投げですか!?それは俺にとって逆に勇気があるなと思います…。(汗
まぁ、もともと聖は戦闘向けのキャラではありませんし、書くならば往人さんを使ってくれてもかまいません。
能力は>>132参照でお願いします。。
あぁ、メス引抜いたのが誰かめっさ気になる…。
146街に出よう〜赤編〜:04/12/19 01:52:39 ID:TVlcsvc5
浩之と女の子は公園のベンチに座って鯛焼きを食べていた。
「…ちょっと待て。」
「どうしたの?」
「…なぜ俺たちは『盗品』である鯛焼きを食している?」
すると、女の子は平然と答える。
「冷めると美味しくないからだよ。」
「…コレって、犯罪なんじゃねぇのか?」
「うぐぅ…、君も共犯だよ。」
「………。」
確かに浩之は腹が減っていた。
鯛焼きを食べるかと聞かれて即刻で『食う』と答えた。
腹に何かが入って、落ち着いた今ならわかる。
これはれっきとした犯罪だ。
「…そういえば、まだ名前を聞いていなかったな。」
結構な時間一緒にいた気がするが、まだ隣に座る少女の名前も知らない。
なのに、違和感もなく話せたのが不思議といえば不思議だった。
「あれ?そう言えばそうだね。僕の名前は「月宮 あゆ」。君は?」
「俺の名前はふ…」
「…ふ?」
一瞬『藤田浩之』と答えそうになって止まる。
浩之は知る人ぞ知る裏世界の大物だ。(本人にあまり自覚はないが…。)
もしも「藤田浩之という男と接触した」等と情報が流れれば、目の前の少女がどうなるか解ったものではなかった。
「ふ…、「藤沢 佑介」だ。」
とっても適当だった。
完璧なまでにこじつけだ。
しかし…
「…ふじさわ?ゆうすけ?…ップ!ハハハハハハハハハ!!」
少女----月宮あゆは突如笑い転げ始めた。
(な、何だ!?俺は何かそんなにオカシナ事を言ったのか!?)
147街に出よう〜赤編〜:04/12/19 01:54:13 ID:TVlcsvc5
内心かなりオドオドな浩之。
「ハハハハ!ご、ゴメン!まさか名前まで似てるとは思わなかったんだよっ!!」
ゴメンといいつつも、何がおかしいのか笑い続ける。
(似ている?俺が?何に?)
「はーっ!はー可笑しかったぁ!!」
怪訝顔であゆを見つめる浩之。
人間の名前でココまで笑ける人間を始めて見たからであるのは言うまでもない。
「あ、別にボクは変な子じゃないよ!」
「いや、十分変だぞ。」
「ほら!似てる!!」
「だから誰にだ!!」
そこで、少女はまだ自分が話題の主語を出していないことに気付いたらしい。
やはり変な子である。
「あのね、ボクの友達に相沢 祐一君っていう子がいるんだ。」
「…。」
なるほど。相沢 祐一と藤沢 佑介。似ていないことも無いかも知れない。
「で、名前が似てたから笑い転げてたのか?」
「うぐぅ…、違うよ。なんだか…雰囲気が似てるんだよ。」
148街に出よう〜赤編〜:04/12/19 02:01:37 ID:TVlcsvc5
「雰囲気、ねぇ…。」
「うん、ボクの揚げ足とって意地悪したりするのもそっくり。」
なんだか…、それは馬鹿にされてるのだろうか?
「あとね…、なんだか時々、哀しい目をするのも、似てるんだよ…?」
そういって、少し俯き気味になるあゆ。
(哀しい、目…か。)
「そうか、そんなヤツが居るのか。そいつは…、良いヤツか?」
「うん!」
「…男前か?」
「…う…ん。」
「何で自信なさげなんだ?俺に似ているからには男前なナイスガイだろ?」
なんとも自分勝手な設定である。(といっても、確かに二人とも端整な顔立ちではあるが…。)
「顔はあんまり似てないよ。佑介君の方が少し大人っぽいかな?」
「やはり、俺にはかなわないと見える。」
「でも中身は二人とも子供っぽいよね。」
「何ぃ!?」

(俺と、似た眼をした男…、か…。一度会ってみたいな。)

そんな思いを馳せながら、穏やかな午後の一時はすぎて行く…。
14911:04/12/19 02:08:35 ID:TVlcsvc5
さて、ココまで延びると思わなかった浩之&あゆ編!
これから浩之と祐一の書き分けをするためにKANONドラマCD水瀬さんちを聞いて、唐鳩再プレイだ!!(アホ
さて、あの二人本当に引き合わせられるのか…?
時間の都合上会わないかも…。
ちなみに、あゆの姿は幽体(?)の時のカッコで、ねこ帽子&オーバーオールではないのです。
本体はどうなっているかというと…、これまたヒミツです。
ヒミツ要素多すぎですね…。

それにしても浩之、君は本当に『冷酷な創始者』なのかい?
なんだか頑張ってる雅史が哀れで…。(涙
まぁ、今はあゆに引きずられて一時的に明るくなってるだけでしょう。(多分
15020:04/12/19 02:59:39 ID:MwF60l/d
11さん乙〜。

ちょっと質問。浩之にぶっとばされた雑魚キャラ再利用していいっすか?
ようやく話の続きが思い浮かんだんで。
15111:04/12/19 09:55:24 ID:TVlcsvc5
ぜんぜんOKっスよ!
でも彼は能力喰われて普通の人間ですよ?それでも良いなら使いパシってやってください。(鬼
では、祐一編を執筆〜。
15220:04/12/19 11:31:42 ID:MwF60l/d
了解っす。
あとは現在連載中のお二方の出方しだいで…
ぶっちゃけ今何も書いてないんで。orz
ではヨロシコ。
153街に出よう〜666編〜:04/12/20 20:37:05 ID:4TU7m64n
「うぅ…、ん…。」
眼が覚める。
視界には、白い天井。
だが、別に病院というわけではないらしい。
「にゃぁ!起きたですぅ!」
「おわっ!?」
すぐそばから聞こえた声に、少し驚きつつも祐一は体を起こす。
その声は、どうやら自分が寝ていたベッドの隣。
ショートカットのサッパリとした髪型の少女から発せられた声だった。
「あ…、ごめんなさいです…。」
途端、しょんぼりとしてしまう少女。
まだ幼さの残ったそのしぐさは、可愛らしいという言葉がピッタリだった。
しかし、ココはどこなのか?まったく見たこともない部屋だ。
「あの…、ココって…?」
「あ、ココは『鳥坂文具店』の二階にある千沙の部屋ですぅ。」
目の前の少女はどうやら『ちさ』という名前らしい。
見回すと、確かに男の部屋ではなさそうだ。
154街に出よう〜666編〜:04/12/20 20:38:04 ID:4TU7m64n
「俺…!」
数刻前の光景がフラッシュバック。
台車に引かれて吹っ飛んだうえ、その上の荷物に追い討ちをかけられて見事な敗北を喫した光景が…。
「ぐはっ…。」
「ま、まだどこか痛いんですかっ!?」
少女が体を気遣ってくれるが、『ぐはっ』は祐一の照れ隠し…、というかちょっとした癖なので体が痛むなどという事はない。
「い、いや大丈夫だよ。」
「よ、よかったですぅ…。」
ホッと胸をなでおろす少女。
しかし、こんな時に祐一はどんな対応をしたものか…。
「えっと…、俺、もう大丈夫だからさ、そんなに気を使ってくれなくても…。」
「うにゃあ…。」
何とも気まずい空気だ。
そんな時に救世主が現れる。
ドアがノックされ、誰かが訪れたことを告げる。
「にゃ?はーい。」
「マイシスター千沙。入るぞ。」
…救世主というのはまったくの見当はずれだったかもしれない…。
15511:04/12/20 20:42:55 ID:4TU7m64n
なんか何の動きもないシーンだけに、ココまで書くのにメッチャ時間かかりました…。
次回『大志』登場ですが、なんか極端に反則くさい能力の予定。
宗一とは違うカタチで『中立』な人物にしようかと思ってます。
もうちょっとお付き合いくださいネ☆(死
っていうか、『悪人』出さなきゃ…。orz

ってことで20さん、長くなってえろうスンマへん…。
15620:04/12/20 23:17:50 ID:9gNMNHu1
おつかれ〜
15720:04/12/20 23:21:56 ID:9gNMNHu1
書いてる途中で送信してしまった。orz

とりあえず自分は悪人出すつもりです。
んでそのあと放置するかも(オィ
こみパ勢がどう絡むのか楽しみにしますね〜。
158街に出よう〜666編〜:04/12/21 19:11:30 ID:WtssmNrz
「こ、この声は…。」
祐一はこの声に聞き覚えがある。
華音機関本部で話した『あのヒト』の声…。
こんな独特の喋り方は二人と居ないであろう。
「ちょ、ちょっと俺ベッドん下に隠れるから!絶対あのヒトには言わないでくれ!!」
「にゃ、にゃ!?ちょっと」
まるでゴキブリのような速度でベッドの下に隠れる祐一。
間一髪のところでドアが開き、珍妙な男が入ってきていた。
「…おかしいな、怪我人を運び込んだのではなかったのか?」
「にゃ!?そ、それが…。」
「…?」
(あっぶねぇぇぇ!)
ベッドの下で祐一は冷や汗をかいていた。
今でも目の裏に焼きついている。緑に染めた髪を片方だけ上げ、独特な形の眼鏡に黄土色のスーツ。
彼に関わるのは出来るだけ避けたい。
「まぁ、良い。所でマイシスター、今度のマイブラザーの新刊の話しだが…。」
「は、はい…。」
「今回北川の所とユニットを組もうと考えている。だから追加で一冊頼みたいのだが…?」
(北川!?っていうか、ユニットってなんだ?)
159街に出よう〜666編〜:04/12/21 19:11:44 ID:WtssmNrz
「は、はい!店長さんの頼みならいくらでも印刷するですぅ!」
「てんっ…!?」
「…いま何か聞こえなかったか?」
「にゃにゃ!?な、何も聞こえてませんよ!!」
祐一は思わず「店長っ!?」と叫びそうになったのを必死に抑え、また気配を殺す。
気付かれたらあの『悪夢』が再来する…。
「…フム。まぁ、良い。あぁ、所で千沙君。」
「にゃ?」
「今回は豪華ゲストを呼ぶ予定だ。」
「『げすと』、ですか?」
「あぁ、とてもステキなゲストだ。その名も…。」
もったいぶった大志の様子に、つい祐一も聞き耳を立てる。
「…相沢 祐一君だ!!」
「何でだぁぁぁぁぁ!!」

沈黙。

「……はっ!」
「やはりか、マイブラザー祐一。」
『にゅっ』っとベッドの下を覗き込んだ顔に、祐一は凍りついた。
その顔を誰が忘れようか…。
「この私、『九品仏 大志』から逃れようなど100年早いぞ。マイ同志。」
ちなみに、祐一の名誉のために言っておくが、大志の言う意味での『同じ志し』など持ったことは一度としてない無い。
まぁ、確かに違う意味で『同志』というのはあっているが…。
「ど…どうも…。」
「まったく、早くそこから出てきたまえ。」
大志に引きずり出された祐一は、とりあえず正座していた。
「で、なぜココに祐一がいるんだ?」
「にゃぁ、それが…。」
とりあえずさっきまでの事情を話して聞かせた。
16011:04/12/21 19:13:24 ID:WtssmNrz
大志が出たことでちょっとだけ書きやすくなった気がする。
しかし、書く量少ないくせに長ったらしくなる俺のダメなところを治さねば…。orz
161暗黒よりいでしもの:04/12/22 02:54:55 ID:QKm/K9vn
深夜の路地裏にその男はいた。
ビルの壁に背中を預け、座り込んでいた。
うつむき、両の手で肩を抱いている。
そのがっちりとした体躯に似合わず縮こまっている姿は見る者の哀れを誘う。
その男の心を占めるのは疲労と絶望、そして憤怒、憎しみ。
「畜生…なんで、なんでこんなことに!」
その呟きはこの暗闇の中に吸い込まれ、誰も聴く者はいない…

はずであった。
だが、その老人はそこに佇んでいた。

「力が欲しいかね?」
男は驚き、その路地の先、暗闇の中を見つめる。
コツコツと音がして、誰かがこちらに向かってくる。
やがて、齢50程であろう白髪に、白い口ひげをした老紳士が現れた。
歩きながら紳士は質問を繰り返す。
「君が望むのならば、私が力を与えてやろうぞ。私は君のような素材を探し続けておるのだ。どうだね、その君の力、埋もれさせておくには少々惜しい…。」
男は神妙な顔をしてその老紳士の話を聞いていた。
あっけにとられていた。
そしてそれ以上に、その紳士の持つオーラとカリスマ性にすっかりあてられていた。
162暗黒よりいでしもの:04/12/22 02:56:06 ID:QKm/K9vn
この男は、この界隈のゴロツキのボスだった男である。
「だった」という言葉が表すように現在はボスの座ではない。
今まで自分の右腕と信用していた男にあっさりと追い立てられてしまった。
自分の居場所を追われ、ボロ雑巾のような姿になりはて、
今まで部下だった奴らから追い立てられ、精一杯逃げ出して、
こうして小さく隠れているしかなかった。
どうしてこうなったのか?
それは、彼が能力を失ったからだった。
『JAB JAB BIRD』。
殴ったものを問答無用で吹き飛ばす《概念能力》。
それが彼の能力だった。
だが、その能力は『喰われて』しまった。
今日の昼下がりのことだ。あまつさえその能力を使われて、自分はあっけなく敗れてしまった。
その噂は瞬く間に広がっていって、現在にいたる。

「力を、くれるのか? この俺に?」
「今、この場所に、君以外の誰がおるのだね?」
老紳士は、不気味に笑う。
「もちろん見返りは期待するとも。なに、そうたいしたことではない。君に私の兵になって欲しいのだよ。」
「兵…、あんたのために働けってことか?」
「そうだ。君には素質がある。その力、私の元で役立ててみないかね?」
老紳士は男を勧誘していた。
「…あんたが俺に力をくれて、その力はあんたのためにだけしか使うなってのか?」
「いや、そこまで強制はせんよ、力を与えて少しばかり猶予期間を与えよう。その間にやりたいことを済ませるもいい。猶予期間が終わった後、能力が気に入らなければ、力を返してくれさえすればいい。悪い話ではなかろう?」
163暗黒よりいでしもの:04/12/22 02:57:57 ID:QKm/K9vn
男の目に光が戻る。
「本当に、力をくれるのか?」
能力をどうすれば人に与えることができるか、なんてことは考えてもいない。
力が欲しい。自分をこんな目に合わせた奴をぶっ飛ばす力が欲しい。
彼の思いはそれだけに集約されていた

老紳士の目が邪悪に光る。
「ああ、勿論だとも。」
老紳士はパチンッと指を鳴らす。
暗闇の向こうからトランクを抱えた随従が現れた。
随従は男の前にトランクを持ってきて、その中身を晒す。

そこには、『宝物』が入っていた。
短剣、鏡、宝石、花瓶や時計、皿、フランス人形などが入っていた。
「これは…」
「『まじかるアンティーク』という物だよ。」
老紳士は答える。
「神社のご神体や長年の間大切に扱われてきた宝物。人がその思いを込め、幸せを願う心が込められ、人から人の手に渡ってきた、本物の『力』が込められたアーティーファクト。」
老紳士はその宝物、『まじかるアンティーク』の一つをその手に取る。
「これらの宝物は、実際に人の願いをかなえることができると信じられてきた物達なのだ。」
老紳士が手にしたのはエメラルドの指輪だった。
男は純粋にそれを美しいと感じた。
だが、それも一瞬。
「フンッ!」
ぐしゃっと鈍い音がした。
164暗黒よりいでしもの:04/12/22 02:58:27 ID:QKm/K9vn
見ると、指輪は老紳士の手の中で粉々になっていた。
あまりの出来事に男は声も出ない。
あんなに美しい宝石を壊すなんて、
いやそもそも宝石を壊すという行為が人にできるものなのか?
困惑が男の頭を占めていく。
だが、それよりも信じ難い出来事が目の前で起きていた。

「これがその『想い』の結晶だ…。」

それは淡く光る球体。
粉々になった指輪から『光の玉』が現れ、老紳士の手に握られている。

「さあ、願うがいい、己の胸のうちにある願いを。
 心に広がる憤りをぶつけるがいい。
 己の欲する力を念じるのだ。
 それだけで、君は以前より優れた力を持つことができるのだよ…。」

老紳士は男に『光の玉』を渡す。
男は完全に雰囲気に飲まれていた。
言われるがまま光の玉を受け取り、
そして願った。
あの少年を、自分から能力を奪った男を、
あの赤い目をした男を倒すことのできる能力を―。

光が男に吸い込まれていく。
―老紳士、『篁総帥』の哄笑が夜の闇に響いていった―
16520:04/12/22 03:04:40 ID:QKm/K9vn
まじアンとルーツと蔵を混ぜてみました。

非難ごうごうかもしんない…。

俺は年末年始は実家に帰ってしまうので、先に書いちゃいました。
たぶんむこうじゃあんまり書き込めないので…。
時間設定は考えないで、自分のストーリーをお二方は進めちゃって下さいな。
遅れましたけど11さん乙〜。
大志に期待ですー。
16611:04/12/22 17:01:02 ID:dm/H4Ram
ここで『まじアン』が出るとは思わんかった…。
このアイデアはマジでスゲェ…。
コレで能力者は三種類。

@先天的になんらかの能力を持っていた者。
A後天的に『謎の化石』(ウィツァルネミテア)によって能力を与えられた者。
B後天的に『まじかるアンティーク』に籠められた『人の想い』によって能力を与えられたもの。

補足ですが、浩之は@とBの条件によって発現した能力は『喰え』ません。
あと、祐一の中にも@とBによって発現した能力は入ってません。
さ、俺も書き物書き物…。
167街に出よう〜666編〜:04/12/22 18:59:46 ID:dm/H4Ram
「ふむ、なるほど…。」
「だから、私が悪いんですぅ…。」
千沙はしょんぼりと俯いてしまう。
しかし、祐一の職業を知っている大志はそうは行かない。
「いや、それは祐一が悪いな。」
「……。」
「にゃ?」
「こいつの職業柄油断は禁物なのだ。油断が死に繋がるからな。」
ココに来て、やっと千沙にも疑問が浮かんだらしい。
「あの、お二人ってどこで知り合ったんですか?」
「あぁ、私たちはとある組織のエージェントなのだよ。マイシスター。」
「いっ!?」
確かにそうだ。
確かに目の前の大志は『華音機関』お抱えのエージェントだし、本部に行った時に知り合った。
しかし。
(『それをバラす』のはどういうことだ!?)
エージェントの任務は基本的に『極秘』。
人にばらせば『任務成功率』も下がる上、任務内容によっては所属機関や依頼主に抹殺されることもある。
(そ、それをあっさり…この人は…。)
祐一が絶句している。
しかし、その沈黙を破ったのは以外にも千沙だった。
「…ぷっ!にゃははは!店長さんは相変わらず冗談がうまいですぅ!」
「…へ?」
「ははははは。」
肯定も無く否定も無く、ただただ楽しげに笑う大志。
それはあたかも『冗談がウケて嬉しい』人間のようで…。
「…あ。」
「まぁ、色々とワケ有りな知り合いなのだよ。」
「にゃるほどです。仲が良いんですか?」
168街に出よう〜666編〜:04/12/22 19:01:01 ID:dm/H4Ram
「まぁ、和樹の次ほどにはな。」
正直に話すことで、『逆に』冗談として受理させる。
これなら『仕事関係』の話が少し漏れたぐらいでは『いつもの冗談』としか扱われないだろう。
「にゃぁ。じゃぁ私はお仕事にもどるです。祐一さんもゆっくりしていってくださいですぅ。」
ドアを開け、千沙は部屋を出て行った。
残されたのは必然、祐一と大志。
「で、なぜ祐一がココにいる?」
「それはこっちの台詞ですよ。華音機関の『クロノス』がなんでココに?」
「我輩は『潜入捜査』と言った所か。この街の『能力者』の情報を集めるためにしばらく前からココで働いているのだ。」
たしかに、街の中心に近いココなら人を監視するなら絶好の店構えだ。
「でも、こんな店どうしたんですか?」
「あぁ、実際の店長は我輩の親戚でな。『私はRと共に修学旅行に行ってくるぞ!』等と謎の言葉を残して我輩に店を押し付け失踪してしまった。だから正確には『店長代理』なのだ。」
それは確実に九品仏家の血を引いているだろう。
どうやら大志に負けず劣らずの変人らしい。
「で、和樹さんは?」
「和樹はいま修羅場中でな。家で原稿を描いている頃だろう。」
千堂 和樹は(大志の要望で)大志とワンセットで扱われる可愛そうな男の名前である。
二人とも祐一の先輩に当たる人間で、戦闘より情報収集などのスパイ的な活動を主としている。
もっとも、二人ともかなりの能力者であり、ただ単に争いを好まないだけなのだが…。
「あの、何で原稿なんて…?」
「次回のこみパのために決まっているだろう?」
「何でこみパなんかに…?」
「フフフ。良くぞ聞いてくれた!!」
(しまった!!)
前回の悪夢が頭をよぎる。
大志と会うのはコレで数回に及ぶが、親しく話し始めたのは前回会った時からだった。
前回は漫画を抱えていた大使に漫画の事で話しかけ、『ある能力』によって数時間にわたって『同人誌の素晴らしさ』や『最近のこみパ事情』等を延々と話され続けた。
これは、この後も祐一のトラウマとして彼を苦しめ続ける事になる…。
169街に出よう〜666編〜:04/12/22 19:02:05 ID:dm/H4Ram
「こみっくパーティーには一日に約六万人もの人間が訪れる!六万人もの人間が集まれば能力者も居るのは道理!!」
なるほど。理にかなっている。
どうやら、今回は前回のように延々とした話にはならないようだ。
「そういう訳で、これも立派な『任務』の一環なのだよ。」
「な、なるほど…。」
「そういう祐一こそ、こんなところで何を?」
大志のことだ。祐一が何処でどういう任務についているかなどはお見通しだろう。(北川も来てるみたいだし)
聞いているのはなぜ『鳥坂文具店』に居るかだ。
「あぁ、俺は食料の買出しです。」
「食料の買出しだと?ご苦労なことだがココは文具店だぞ。」
「解ってますよ!荷物置いとける所が無いかって北川に聞いたらココを教えられたんです!!」
「なるほど。で、ココに荷物を置いて何処に行くのかね?」
「まぁ、とりあえず遊びに…。」
と、壁にかけられている時計を見る。
時刻は六時。自由時間はあと二時間しか無い。
「げっ!!」
170街に出よう〜666編〜:04/12/22 19:02:24 ID:dm/H4Ram
「荷物のことなら気にするな。我輩が責任を持って預かろう。」
「ま、マジですか!!ありがとう御座います!!」
ベッドから飛び起き、外に向かって走る。
ドアを開け、廊下を抜けると階段が有り、それが店の裏に繋がっていた。
どうやら二回は従業員のアパートになっているらしい。
「さて、取りあえずゲームセンターに」
言いかけたところで、視界が変わる。
白い部屋。そこはさっきまで自分がいた…。
「…え?」
「まったく、忘れ物だ。」
そこには大志が立っていた。
手に持っているのは祐一の上着。財布もその中だ。
対して祐一はベッドの上…。
『さっきとまったく同じ場所』にいる。
「…ビックリするからその能力使わんといて下さい…。」
大使の能力『クロノス』は、突き詰めれば『前の状態に戻す能力』。
合計で一日一時間分まで、自分の半径10m内を自由に『戻せる』らしい。
時間は戻らないが、それが時を操っているように見えることから『クロノス』の名を関している。
祐一はつくづく想う。
この能力だけは、『敵』に回したくない…。
「ほら、我輩がせっかく能力まで使って時間を短縮したんだ。早く行くがよい。」
「あ、どうもすんません。」
上着を受け取り、再び部屋を出る祐一。それは何だかひどく奇妙な気がした…。
171クロノスとトト神:04/12/22 19:03:02 ID:dm/H4Ram



部屋に残された大使は、取りあえず一息。
「まさか、この街に『666』が来ているとは…。まずいな…。」
大志は電話を取り出す。
提示連絡の時間だ。
数回呼び出し音が鳴り、女性が電話に出る。
『はい、こちら『Red Leaf』本部です。』
それは、セリオの声。
その電話の番号は、『内部の者』しか知らないハズの本部直通の電話番号…。
「おや、今日は浩之殿はお休みかね?」
『…『トト』様ですか。提示連絡ですね。』
セリオは冷静に対処していく。
「ああ。今日の成果だが、新しい能力者は発見できなかった。ただ、気がかりなのは能力者が一人『消えた』…。」
『死んだのですか。』
抑揚のない声。
『死』という物を何とも思っていない。
「いや、それならまだ話は早いのだがな。能力が『消えた』らしい。コレは浩之君が探す能力者か、彼本人かは知らんがね。」
『浩之様である確立97%です。今日は街にお出かけなさっていますので…。』
「そう…か。まぁ取りあえずそれだけだ。」
『そうですか。近いうちに針葉樹上層部での会議がありますので、出席していただきます。』
「…了解した。」
『トト神』。それは古代エジプトで『時を操る神』。
二つの名を持つ能力者。
それが彼、『九品仏 大志』だった…。
17220:04/12/22 21:28:12 ID:QKm/K9vn
うわ〜、大志がコウモリ(二重スパイ)だったとは…。
これからどう動くんだか気になる〜。

11さん乙っす。
『人の想い』は、できるなら『光の玉(byCLANNAD)』と呼んで欲しいっす。
できるだけ蔵等につなげていきたいので。
ではでは。
17311:04/12/22 22:03:15 ID:OQHJoIyw
色々あって書き込みが遅くなってしまいますた。orz
『光の玉』ですね。了解です!
蔵等やりて〜。大まかなことも知らんからなぁ…。

大志は宗一とは違う『中立』としての動きが見せられたら、と思い書き始めました。
彼の真の狙いはまだ考えてません。(爆

書きたいことがいっぱい有って大変です。
北川の動きも書きたいし、やはり祐一と浩之の出会いも…。
移り気すぎですんません…。

あと、俺も来週末から田舎へ行くのでしばらく(と言っても一週間ほどですが)来れません。
ケータイで何とか書き込めたらと思いますが、どうなるかは解りません…。

ではでは。
174名無しさんだよもん:04/12/22 22:35:28 ID:QKm/K9vn
自分、携帯電話がどういうわけかiモードに繋げられません。orz
実家のパソ使えるかなぁ・・・。
17511:04/12/23 01:50:40 ID:rL65kL4Q
ダメそうなら、しょうがないですよ。
俺も、いま携帯止められて来年の一日まで使えません…。orz
では、大志の能力説明を…。


【KRONOS】
◇能力者名:『九品仏 大志』
◇能力属性:時
◇総合威力:E
◇能力射程:B
◇能力特性:空間逆行
◇詳細能力:自分の範囲10m内を『さっき』の状態に戻す能力。
        戻せる時間は一日合計一時間。一分、十分など小出しして使える。
        戻した時間が一時間分を超えると、次の日になるまで能力は使えない。
        相手の逃走を防ぐ、相手の攻撃を強制的にキャンセルする、仲間の怪我を無かったことにする等、色々なことに応用が効く。
        割れた花瓶なども元に戻るため、『一時間以内に死んだ人間』なら復元も可能。
        しかし、時間は逆行せず、その場の『存在』や『状態』が逆行するだけなので、直接の『時間』には干渉できない。
17620:04/12/23 01:58:18 ID:hEng3t/H
死んだ人間も蘇らせますか。すごいっすね。

お疲れ様で〜す。
17720:04/12/24 00:28:56 ID:80ibXW27
自分、明日実家に帰ります。
しばらくカキコは(たぶん)無理です。

では、よいクリスマスを。アディオス
17820:04/12/24 00:30:43 ID:80ibXW27
明日じゃねーよ。もう今日だよorz

ではシーユー
179ポストマン ◆mGZfoq5fBY :04/12/24 15:11:52 ID:X5Q3YZR/
1000スレ突破記念火気庫ヽ( ´∀`)ノ ボッ
18011:04/12/24 18:16:37 ID:V3vMZJ1i
20さん行ってらっしゃいです!
帰ってきた時に楽しめるよう頑張って終わらせておきます!!
181チェシャ猫のワルツ:04/12/25 00:27:07 ID:LO5bIi84
その話は、少し前にさかのぼる。

駅前。
人が盛んに出入りする中、何人かの人間は動かず、ただ立っている。
それは人と待ち合わせをしている人々。
その中に、華音機関本部の『美坂 香里』は居た。
彼女が待っているのは言うまでも無く、『チェシャキャット』の北川 潤。
しかし、一向に彼の姿は見えない。それもその筈…。
「美坂〜、まったぁ?」
「きゃっ!?」
すぐそばから声をかけられるが、北川の姿は見えず。
「ちょ、北川君っ!?脅かさないでよ!!」
「いや〜、ゴメンゴメン。」
す〜っと姿を見せ始める北川。
祐一から逃げた後、ずっと姿を消したままだったらしい。
見れば、触覚も申し訳なさそうに垂れ下がっている。
彼の感情や調子を量るためには非常に重宝するが、本当に髪の毛なのかどうかは目下のところ不明である。
「まったく…早く行くわよ。」
「あぁ、映画館からかな。」
「北川君…、本来の私たちの目的、忘れてないわよねぇ…?」
その眼が殺気の篭った視線を叩きつけている。
おそらく、ポケットに入れた手には香里お得意のメリケンサックが握られているだろう。
「わ、分かってるよ!だからその手をポケットから出せ!暴力反対!!」
香里は疑わしげな目を北川に向けつつ、ポケットから手を取り出す。
そう、今回二人が待ち合わせたのはデートなどではない。
北川が聖に頼まれたある極秘任務。
それは昨日の夜の事だ…。
182チェシャ猫のワルツ:04/12/25 00:28:01 ID:LO5bIi84

北川は一人、聖に呼び出され研究室に居る。
対外こういう時は祐一とセットで呼び出されるのだが、その日は違っていた。
「北川、お前に頼みがある…。」
「なんですか?不純な行為お誘いなら喜んで」
「何か言ったかね?」
「…いえ、何でもございません。」
なにか不穏な発言があるたびにメスを出すのはどうか、と北川は思うのだが、悪いのは北川なので何もいえない。
「あした、お前と祐一を街へ行かせる。表向きな理由は買出しだ。」
「…『表向き』、ですか?」
「あぁ。で、お前には『裏向き』な理由を遂行してもらいたい。」
そういって北川にあるメモを数枚渡す。
それは街の大型病院の地図だった。しかも地図は一枚ではなく複数枚…。
「コレは…。」
「お前にはその病院を回ってもらい、『ある症状の患者』が何人入院しているのかを調べてもらいたい…。」
「…。」
「コレは相沢には極秘で行いたい。したがって、明日は適当に相沢をまいてお前と本部の人間で行ってもらう。」
本部の人間。
はっきりいって気乗りはしなかった。
なぜなら、『本部の人間には変人が多い』事で知られているのだ。
彼の盟友(一方的)たる九品仏 大志も明らかに『変人』で有るのに間違いは無い。
むしろ、変人の極みであるといっても良いであろう。
「あの…、本部の人間って…?」
恐る恐る聞いてみる。
「あぁ、『美坂 香里』君にお願いした。彼女は今回の任務には欠かせない人物だからな。」
北川の目が点になる。
その名前は知っているどころの話ではない。
まだ一般ピーポーだった時からの知り合い。
そして片思いの相手。
っていうかLOVE。
183チェシャ猫のワルツ:04/12/25 00:28:55 ID:LO5bIi84
「ま、マジですか!?」
「マジ以外の何があるというんだ?」
「い、いやもう嬉しすぎて!!…でも、何で美坂なんですか?」
彼女が華音機関本部でしている仕事は知っている。
しかし、それはおおよそ『エージェント』とは懸け離れた内容だ。
「あぁ、それは今回の任務内容に関わってくる。よく聞け…。」


と、言うわけで今に至る。
理由を聞いてみれば、なるほど確かに香里は適任であった…。
「さて、取りあえず一つ目の病院に行ってみっか…。」
「えぇ。本来の任務を思い出してくれて嬉しいわ。」
ニッコリと笑う香里。しかしその笑顔の裏には殺意が見え隠れ。
それでも、北川の香里を愛しく思う心に変わりは無い。
困ったことに、香里もなんとも朴念仁で、北川の必死なアピールにまったく気付かない。
まぁ、彼の普段の素行も原因の一つなのだが…。
「で、まずどっから…。」
と、北川のケータイが鳴り始める。
「だれ?」
「あぁ、相沢だろ。はい、こちら幸せ絶頂中の潤ちゃんですが。」
「ちょ、北側君なに言ってるのよ!」
電話の相手にいきなりアホな事を言い始める北川。
しかし、以外にも朴念仁のハズの香里はこういう言葉の裏籠める言葉に敏感であり、顔を少し赤らめている。
北川的にコレだけでご飯三杯はイケる。
184チェシャ猫のワルツ:04/12/25 00:29:10 ID:LO5bIi84
『…てめぇ、後で覚えてろよ…。』
北川は言葉ってこれだけ憎しみを籠められるんだ、などと感慨深げに思う。
「騙される方がワ・ル・イ・ノ・さ☆」
少しの間の沈黙には、更なる殺意が籠められることも、確認。
とりあえず、後で殴られないように気を付けておかないとならないだろう。
『で、時に北川。ここら辺で荷物を置いておくようなところはないだろうか?』
「あぁ?なんだよ、もう買い物終わったのか。」
さっき祐一と別れてから三十分弱しかたっていない。
よっぽど遊びほうけたかったのだろう。哀れ祐一。
『こちとら早く遊びたくて堪らんのだ。早く教えろ。』
やはりか。
とりあえず、知り合い(と言っても祐一も知り合いには変わりない)の文房具店を教える。
まぁ、ちょっとドッキリビックリなことも有ったり無かったりだろうが、その事に関して北川は感知しない。
『了解。で、何時にどこで落ち合うんだ?』
まぁそれは帰りの駅前で良いだろう。
「そうだな…、八時に駅の改札前だな。それまで俺は美坂としっぽりゲブファッ!」
いきなり隣の美坂に殴られた。(メリケンサック装備)
殴られ、意識が遠のくなか、美坂の真っ赤な顔を見てどこか満足な気分に浸っている自分を確認する北川だった…。
18511:04/12/25 00:32:02 ID:LO5bIi84
『チェシャ猫のワルツ』第一部終了!
とりあえず、北川の裏の話。
これから浩之と祐一が出会うのを書いて、『ワルツ』の二部を少し書いて終わりです。長っ!!

えぇ、みなさま少し遅れましたが、メリークリスマス!!
彼女欲しいヨォォォォ!!(泣
186名無しさんだよもん:04/12/25 11:16:31 ID:STV/MPc3
おつかれさま。本部の動きを見極めたいのでペニーレイン後編はワルツのあとになるかと。
秋子さんの動向がどうにも解せないためもしかしたら機関内も胡散臭いことになってるのかな。
18711:04/12/27 10:44:42 ID:6l3XLAhl
張り切って言った割にぜんぜん文章が進まんとです…。
華音機関内はキナ臭い事だらけだと思いますよ。(爆
創始者の秋子さんは浩之以上になりふりかまってない節もありますし、華音機関乗っ取りを考えるやからも居ると思われます。
まぁ、そこら辺はまったく深く考えてませんが…。
188赤六の宴:04/12/28 12:03:53 ID:iiZSHKpj
浩之は一人、夕の街を歩く。
時刻は六時半。すでに暗くなりかけた空には、星の瞬き。
それでもまだ、西の空には沈もうとする日の光。
東の空にはもうすでに出ている三日月。
相対するものがまみえているこの時間。
この瞬間が、浩之は何とも言えず好きだった。
昔、学校帰りにあかりとみた空の色…。
「さて、次は何処に行くか。」
あゆは日が暮れ始めると、『そ、そろそろ帰らなきゃだよ!!』と言ってまた走ってどこかへ消えてしまった。
いきなりの行動に追いかけては見たが、少し見失った後、その姿は霞のように消えてしまっていた。
まぁ、彼女のことだ。元気でないことは無いだろう。
夜闇が刻々と迫ってくる…。
その闇から逃れるように、目に止まった店へと足を運ぶ。
「…雅史に土産でも買ってくか…。」

「さて、息巻いては見たものの、どっこに行こうかねぇ…。」
祐一は一人、夕の街を歩く。
時刻は六時半。いささか気絶している時間が長かったらしい。
まだ明るい空には月が見え始めている。
こんな空はいつ依頼だろう。
ザワザワと胸躍るような、紫色の空。
その空を見ていると、暴力的な感情になる自分に気付く…。
「さて、取りあえずコンビニでも行きますか…。」
祐一はその胸騒ぎに耐え切れず、最寄のコンビニエンスストアへ足を運んだ。

二人は気が付かなかった。
大きなビルに設置されている大型モニター。
そこに映し出されている番組が、この街で起こった『銀行強盗』のニュースであると言うこと。
そして、その犯人グループは今だ捕まっていないと言う事を…。
189赤六の宴:04/12/28 12:04:32 ID:iiZSHKpj
そのコンビニは『ランブル』という全国的チェーン店。
何の変哲も無いその店内には、二つの『爆弾』が来店している事を、他の客、並びに店員は気付いていなかった。
まずは、爆弾その@。
ヨハネの黙示録において名を馳せる『666の獣』。
その獣は漫画雑誌を立ち読みしている。
彼は漫画などとは無縁の樹海内で暮らしているため、こういった時にしか娯楽用品は買い求められない。
この後、漫画、CD、ゲーム(携帯用)、そして『夜の御供』を購入してからゲームセンターに繰り出す予定だった。
もちろん『夜の御供』選びには三十分は使うつもりだ。

次に、爆弾そのA。
同じく、ヨハネの黙示録にて名を馳せる『赤い竜王』はジャンクフードの詰まったカゴをその手にぶら下げ、肉まん等が入った保温機を見つめていた。
彼の場合、食事などはセリオが面倒を見てくれる。
もちろん味は上等で、そこいらのレストランより格段にうまいであろう。
しかし、やはりこのようなポテトチップス等のチープな味はやめられない。
セリオに頼んでも、『健康を害しますので』と言って買ってきてはくれないのだった。

誰が、この二人を見て『華音機関エージェント』だと…、『針葉樹の中枢人物』だと思うだろうか…?
否、思いもよらないだろう。
本人たちですら、自分の『敵』が居るなど思っても見なかった。
そして、『思っても見なかったこと』がもう一つ…。
「いらっしゃいま…」
扉が開き、走りこんできたのは二人の男。
二人とも黒いライダースーツにフルフェイスのヘルメット。そして大き目の拳銃を持っている。
相違点は、片方が少し大きめのカバンを腕に提げていること…。
「テメェら動くなよ!一歩でも動いたら頭吹っ飛ばすぞ!!」
あまりの状況に、店員、客共に固まってしまっている。
中にはヘタレこみ、床に座ってしまっている客も居る。
そう、二人を除いて…。
一人はその場で立ち読みを続ける祐一。
もう一人は、肉まんとカレーまんをどっちにしようかぶつぶつと悩んでいる浩之。
190赤六の宴:04/12/28 12:05:35 ID:iiZSHKpj
「お、お前ら動くなっつってんだろ!!」
もう外には警官が数人。なにやら咽んで連絡している。
どうやら、『立て篭もり』は成立らしい。
「お、おい!もうすぐサツが…!」
「解ってる!おいテメェ!動くなって」
「お前らは『一歩も動くな』って言っただろ。俺は一歩も動いてねぇぞ。」
漫画を読みながらのたまう祐一。
「右に同じ。」
それに続く浩之。
この失礼な物言いに、胆を冷やしたほかの客&店員が更に固まる。
「…テメェら…俺達は能力者だぞ!!ぶっ飛ばされたくなけりゃぁ手を上げてこっちに来い!!」
拳銃を突きつけたまま喚く犯人。
しかし、浩之はそんな事意にかいさない様子で、
「アホ。強盗するのに拳銃が必要な能力者がどこに居る。」
と言い放った。
そう、いかに『ファンタジークラス』と言えど、一般人に対しては拳銃以上の恐怖。
強盗を働くのに『武器』は必要ない。
それ以上に、祐一や浩之に比べ、目の前の犯人には『戦闘経験』が明らかに不足していた。
「ま、俺としては『こっちに来い』てのは賛成だな。」
祐一は本を置き、トコトコと犯人二人のもとへ歩いていく。
その体に、不気味なものを込めた異物が近づいてくるような不快感。
「う…うわああああああ!!」
犯人は、自分でも気付かないうちに持っていた拳銃で殴りかかっていた。
「解りやすすぎ。」
フッと、祐一の姿が男の視界から消える。
何が起こったのかわからない。
解らないうちに、自分の『真横』から内臓をえぐる様なボディブローが飛んできた。
それで、おしまい。
男の意識は、そこで途絶えてしまった。
191赤六の宴:04/12/28 12:06:15 ID:iiZSHKpj
見ていたものには、何が起こったか解らないだろう。
祐一はただ、男の直前で横に入り込んだだけ。みんなの目にはそう映った。
そう、浩之以外には。
(入り身…、か…。)
日本の古流柔術に伝わる『入り身』。
ただ歩いているように見えて、視界から一瞬にして消える歩法である。
祐一のクラスになるまでには何年とかかるだろうが…。
「な、何しやがるテメェ!!」
もう一人が祐一に向かって発砲しようとする。
「フッ!!」
「ぐぁぁっ!!」
犯人が拳銃を取り落とす。
その手にはボールペンが刺さっていた。
すかさず祐一が胸を掌手で胸を強打。
男も倒れてしまった。
祐一がボールペンの飛んできた方向を見る。
そこにはカウンターに肘をついて手の平をヒラヒラさせている浩之が居た…。
192赤六の宴:04/12/28 12:06:27 ID:iiZSHKpj

〜同時刻、病院の公衆電話〜

「どういうことですか!!」
一人の男が受話器に向かって怒鳴りつけている。
むろん、それは北川 潤である。
何事かと、他の患者達も驚いている。
「き、北川君、もうちょっと静かに…。」
「それどころじゃ無いだろ!聖さん、答えてください!!」
いつもの北川らしくない、混乱と絶望と、驚愕が入り混じった複雑な感情が噴出す。
美坂も戸惑ってはいるが、内容の主旨をあらかた予想していたので北川ほどではない。
しかし、ソレは明らかな『異常』だった。
「なぜ…、なんで…。」
喉からその言葉を搾り出す…。
「何でこの病院には…『水瀬と同じ症状』の人間が三人も居るんですか…!」
19311:04/12/28 12:56:27 ID:iiZSHKpj
あぁ、新事実発覚。
最初に行った病院にて『眠り姫』を三人も発見した北川&香里。
まぁ、どういうことでそんなんになってるかは次回のワルツにて…。

はぁ、ノって来るとスラスラ書けるんだけどなぁ…。
上のを書いたの一時間半くらいか?どうしようか悩んでいた二日間っていったい…。
あと、『入り身』は実際に存在する歩法です。熟練者に通用するかどうかは謎ですが、普通の人には消えたように見えるとか。
まだまだ長いわ…。
194チェシャ猫のワルツ:04/12/29 14:21:34 ID:f2YTGR+k
何でこんな事になったのか…。
そう、まずは美坂の仕事について話そう。
美坂は本部で水瀬の世話をしている。
俺の相方の恋人である水瀬は、数年前に異能者が現れると同時に眠りについた。
その後、水瀬の御袋さん、秋子さんが『機関』を立ち上げた。
何だか知らないが、とてつもなく巨大なバックボーンの元、水瀬の世話をしていたのは何かと忙しい秋子さんだった。
そんな時だった。美坂が水瀬の世話役に志願したのは…。
秋子さんも、娘の親友って事からか、すんなり就職が決まった。
俺もソレを追いかけ、機関にエージェントとして就職。
まぁ、悪銭身に付かずというか何と言うか、結局美坂とは離れちまったがソレもしょうがない。
で、今日は久しぶりに会って秘密の任務を遂行していた…。

「あぁ…、まだアッタマ痛いわ…。」
「だ、だから!ゴメンって言ってるでしょう!!」
うむ。後頭部はまだ痛いが、ソレはソレ。
美坂の顔が真っ赤で可愛らしいから許す。っていうかLOVE。
「まぁソレは良いとして、まだ俺今回の任務対象聞いてないんだけど?」
そう。まだ俺は、「『ある症状の患者』が何人入院しているのかを調べてこい」としか言われていない。
なぜ祐一に内緒なのかは何となくだが、わかる気がする。
せいぜい、水瀬の症状の手がかりでも見つかったんだろう。
だが、病気と能力と何か関係が有るのか?
「…私も知らない。無駄な詮索はよした方がいいわ。貴方は一応私の護衛と、聖さんへの報告役。」
「へいへい。美坂は何か隠し事とか悩み事があると人のこと『あなた』呼ばわりするよな。」
「そ、そんな事無いわよ!!」
「まぁ、将来的にはオールラウンドで『あ・な・たv』とハート付きで呼んでくれれば何も問題は無い。」
また顔が赤い。
色恋沙汰に滅法弱いのはやはり変わらないようだ。
しかし、なぜ俺の必死なアピールが伝わらんのか…?
「ば、馬鹿言ってないで早く行くわよ!!」
あぁ、もうカワイイなぁ!!
195チェシャ猫のワルツ:04/12/29 14:22:10 ID:f2YTGR+k
で、ここ『中央部総合病院』に付いた。
とりあえず中に入って受付に。
「私達、こういう者です。」
二人して華音機関証明パスを見せる。
残念ながら、戦闘員の俺の手帳と、研究員扱いの美坂の手帳は多少デザインが違うのが残念。
もちろん、紛失したら大変なことになるため、細心の注意が必要。
でも、この前カップラーメンのふた押さえにしてたのはナイショだ☆
「え!ちょ、ちょっとお待ちください、いま院長を…!」
受付の看護婦さんはあわてて奥へ引っ込んでいった。
いまや華音機関は警察より権力がある。
華音機関支部は至る町にあって、能力者犯罪を取り締まっているからだ。
まぁ、警察にも能力者が居ないでもないが、対能力者用に戦闘訓練を受けた華音機関には敵わない。
そのうえ、華音機関は公務員では無いので給料や待遇もいい。
そんなもんだから、ほとんど華音機関に再就職してしまうのだった。
まぁ、お役所仕事より待遇がいいのは確かだな。
「…遅いわねぇ…、何してるのかしら…。」
「なんか後ろ暗い事でもあるんじゃねぇの?慌てて怪しげなカルテとか裏帳簿とか隠してんだろ。」
あんまり暇なもんで、通り過ぎる看護婦のナース服を頭の中で再生。
美坂に着せてみる。バーチャル着せ替えごっこ。萌え。
「お、お待たせいたしました。こちらへ。」
エレベーターを上り、連れて行かれたのは応接室。
割腹の良いおっさんが出迎えてくれた。
「いや、お待たせしてすいません。私がこの病院の院長の『上坂』と申します。」
「いえ、こちらこそお忙しいところ失礼いたします。」
名詞を受け取る美坂。
何だかデブった爬虫類を連想させるおっさんだ。美坂と『坂』の字が一緒なだけで寒気がする。
「あの…、失礼ですが確かに華音機関の方なのですか?ずいぶんお若いようですが…?」
まぁ、今は私服なわけだし、怪しむのもわかる。
ガキに頭下げるのも大変だろうに。
196チェシャ猫のワルツ:04/12/29 14:22:37 ID:f2YTGR+k
「えぇ。このパスが何よりの証拠です。それでも信じられないというなら…、北川君。」
「ホイ来た。」
俺は美坂の真意を受け取り、首から上だけを残して他の視覚域の光を屈折させる。
すると体だけ透ける、という訳だ。まぁ、何も知らない人間が見たら不気味な事この上ないだろう。
サービスで、バタッと前受身。首が転がったように見えるだろう事請け合い。
「ヒッ!!」
「どう?コレでわかったぁん?」
スッと立ち上がり、光の屈折を元に戻す。
「わ、解りました…。で、今回当院にお越しくださった目的はいったい…?」
「えぇ。本部から手紙を預かっています。」
美坂は院長に一枚の封筒を渡す。
その中の手紙を見て、院長はホッと胸をなでおろした。
「なんだ、そんな事ですか…。えぇ、このような症状の患者なら脳外科の患者を扱っている病棟に居るはずです。」
「…ソレは何人くらいですか…?」
「えぇ…、三人ほど、でしょうか。」
なんだ?『そんな事』?ってことは病院側にとって知られちゃまずい事ってワケでもないんだな…。
「では、その方たちの病室を教えていただけませんか?」
「解りました。しばらくお待ちください。」
また、応接室を出て行くおっさん。
今回はそれほど長くなく、五分くらいで帰ってきた。
「この紙にそれぞれの患者の病室番号が書いてあります。」
「ええ、ありがとう御座います。この病院は華音機関に対して非常に協力的であったと上に伝えておきます。」
「そ、それはそれは!では、これからも宜しくお願いします。」
応接間を出て、脳外の病棟とやらに向かう。
しかし…。
「社交辞令とはいえ、変わるな〜。」
「しょうがないでしょ。女は幾つもの顔を持つ生き物なのよ。」
なんだかキャリアウーマンっぽくって、アレはアレで良し。
「で、まず何号室からなんだ?」
「246同室からね。ま、何を見ても驚かない事。私の予想が当たっていれば…何でもないわ。行きましょう。」
197チェシャ猫のワルツ:04/12/29 14:23:06 ID:f2YTGR+k

246号室。そこは個室で、ベッドに点滴を受けている少女が眠っている…。
「おい、起こしちゃ悪いぜ。他のところから…。」
「…!!」
美坂は眠っている少女の下に駆け寄り、頬を一発。
『パシン!』
「なっ!何やってんだよ美坂!!」
「…やっぱり…。」
美坂の顔が青ざめていく。
俺には何が何だかわからない。
「ちょ、どういう事だ美坂!いくら可愛い子だからって殴る事…」
「この子…名雪と同じだわ…。」
「…え?」
少女を見る。
そこには美坂の張り手で赤くなった頬を押さえようともしない。
安らかな眠りについている少女が居た。
「で、でも事故とかで意識が戻らないままとか…。」
「…。」
198チェシャ猫のワルツ:04/12/29 14:23:18 ID:f2YTGR+k
美坂は携帯電話ぐらいの機械を取り出す。
「…コレは能力者のだす特殊なパルスを計測するものなの。本部で渡されて、まさかとは思ったけど…。」
携帯電話のアンテナにあたる部分を少女に向ける。
すると、その画面に出ている波が大きく揺れはじめた。
「…!」
「…間違いないわ。」
「…あぁ、確かに認めよう!!この子は水瀬と同じなんかの能力が原因で眠っている!」
解りたくない。本当は認めたくない。
「だけど、他の二人は違うかもしれない!」
俺は、相沢が苦しむ姿を一番近くで見てきた。
休みが取れた日にはわざわざ本部まで見舞いに行くのも知っている。
「…えぇ、そうね。だから…、私達は確かめなくてはいけないわ。」
そんな思いをしている人が、相沢のほかに何人も居るのを、認めたくない…。
「あぁ、次だ。」
「425号室。」
部屋を出て次の病室へ向かおうとする。
その前に、患者の名前ぐらい見ておいたほうがいいか。
患者の名前は…、『月宮 あゆ』。
どこかで聞いたような名前だが、いつか目覚める事が出来るように、俺は祈っておこう…。
19911:04/12/29 14:25:35 ID:f2YTGR+k
ワルツ二章終了!!
とりあえず、コレで北川の話はひと段落。
あとで、浩之&祐一の帰館編で聖さんとの電話の内容が出て最後だす。

なんかもう、矛盾点とかありまくりな希ガス…。orz
200街の日は落ちて…。:04/12/29 21:37:25 ID:f2YTGR+k
「さっきのあれ、『入り身』だろ?」
浩之は祐一にコーヒーを渡す。
そこは例のコンビニの近くの公園。
さっき浩之が居た公園より格段に小さく、シーソーや滑り台があるだけの質素な公園。
その公園のベンチに赤の竜と666の獣は座っていた。
近くの自販機で買ってきたコーヒーのタブを開け、一口。
「ああ。わかるのか?」
「まぁな。色々かじってるんで。」
「はっ、ボールペンを棒手裏剣ばりに投げられるやつが『かじってる』かよ。」
思わず苦笑いが口をつく。
目の前のこの男は、ただの棒手裏剣でさえ投げるのが難しいのに、それを棒手裏剣より軽いボールペンで遣って退けたのだ。
「しかし、街中にこんなに腕の立つヤツが居るってのは中々無いぞ。なんだ?現役高校生ってワケでもないだろ?」
「まぁ、色々とな。そっちだって、似たようなもんだろ?」
「はは、ちげぇねえ。」
二人はコーヒーを飲みながら他愛ない話を続ける。
何だか昔から知っている友人のように話が弾む。
「マジでか!?」
「マジも大マジ!その後、北川が捕まって…!」
夜の公園に笑い声が響く。
それは、年相応の少年達の姿。
「はぁ、こんなに笑ったのはいつ以来だったか…。」
「なんだよ、最近楽しい事ねぇのか?」
「…。」
とたん、浩之は黙り込む。
「…あ〜、何だ。聞いたら悪かった、か?」
「…いんや。たださ、俺には目的があってさ。そのために探し物をしてて周りが見れなくなってたんだわ。」
「探し物、ねぇ。でも、周りが見れてなかったのに気付けたんだろ?」
浩之は自嘲的な笑みをこぼす。
それは、その身を一生何かに捧げた者の笑み…。
「気付いても、もう遅いさ。俺はソレを見つけるまで止まれないんだ。」
201街の日は落ちて…。:04/12/29 21:37:57 ID:f2YTGR+k
「…へぇ。」
二人は黙ってコーヒーを飲む。
ソレはもう二缶目に突入していた。
「…探しものってのは何なんだ?俺、職業柄顔広いから、見つけたら連絡してやんよ。」
「そうか…。」
一瞬、浩之は聞くことを躊躇する。
浩之は、目の前の男を巻き込みたくなかった。
針葉樹ほどの機動力で見付けられないのだから、それを探すものには危険が伴うかもしれない。
しかし、あかりの為には形振り構っていられないのも、また事実。
「…お前、ろ」
「君達!もしかしてさっきの子達じゃないかね!?」
浩之が切り出そうとしたときに、声をかけてきた男。
その男は警察官の服を着ている。
よく見ると、ソレはさっき犯人を引き渡した警官だった。
「君達、困るよ!事情聴取とかまだなんだから!!」
「…やっべ、取りあえずここでお別れだな。」
「みたいだな。」
浩之と祐一は、申し合わせたかのように左右に散って走っていく。
「な、コラァ!」
「じゃ、またな!!」
「縁があったらな!!」
こうして、獣と竜は互いの正体を知ることなく、分かれる事となった。
次に合う時。
それが、どういう結果になるかも知らずに…。
202街の日は落ちて…。:04/12/29 21:38:27 ID:f2YTGR+k
本部に帰る途中、浩之は雅史と会った。
「雅史?おーい、雅史!!どうしたんだよこんな所で?」
「ひ、浩之!?」
「ど、どうしたんだよそんなに驚いて…?」
そりゃあ驚くだろう。
浩之に気付かれないよう抜け出したつもりが、帰りに出くわしたら何の意味も無い。
「な、なんでも無いよ!それより、浩之こそどうしたのさ?自分から外に出てくなんて珍しいじゃない。」
「あ?あぁ、まあたまにはな。お、それより土産だ!普段は中々喰えない菓子を買ってきたぞ!!」
「そ、そんな事のために外に出たの…?」
呆れた。と、雅史が語っている。
まぁ、実際思いつきで外に出たので、何も言い返せないが…。
「てめぇ、やらねぇぞ?」
「あ、ゴメンって!!頂くよ。でも…」
「…?『でも』なんだ?」
不思議な感じ。
ソレはしばらく忘れていたような…。
「浩之、少し昔に戻った?」
「なんだそりゃ?俺はいつもこのままだぜ?」
「…そうだね。うん。なんでもないよ。」
「…?変なヤツ。」
こうして、夜は更け、裏の世界への扉は開く…。


そろそろ時間だったので、祐一は駅の改札前へと向かう。
そこには、もう香里と分かれたのか、北川が立っていた。
「よぉ、彼女もち。お楽しみタイムはどうだったんだ?」
「そりゃあもう激しくしっとり愛し合いますた。」
「言ってろボケ。」
近づいて解ったが、北川の触覚がしょんぼりしている。
(なんかあったんかな?)
203街の日は落ちて…。:04/12/29 21:38:57 ID:f2YTGR+k
「北川、喧嘩でもしたのか?元気ねぇなぁ?」
「そ、そうか…?」
「あぁ、特に触覚が。」
「…。」
北川の脳裏に、聖との電話が思い浮かぶ。
アレは、祐一に話す事は出来ない…。


要するに、解ってしまえば簡単な事だった。
『…北川。神様っていうのを信じるか…?』
「…こんな時に何を!」
『まぁ、聞け。あの化石が神様、もしくはあらゆる事が出来る存在だと仮定しよう。』
「…。」
『だが、アレは今何をしている?生体反応からまだ生きている事は確認済みだ。驚きだがな。だが、アレは今『何もしていない』。』
「…どういう事ですか?」
『いいか。何かをするには常に『エネルギー』が必要だ。だがアレは眠っている。食事もとらなければ何もしていない。そんな物が、日本中の人間に異能力を与えるのは不可能だ。』
「でも、神様なら地球のエナジーがどうとか。」
『神様というのは地球の化身だろう?自らの命をわざわざ削るとは思えんがな。』
「…。」
『アレから出ているのは常に一定のパルスだけ。今回、そのパルスが何をしているのかが、ぼんやりとだが解ってきた。』
「ソレは…。」
『…人間から『想い』を取り除き、異能力のエネルギー供給にあてている。アレは…、そういう物なんだ…。』
「じゃあ…水瀬やこの病院の女の子達は…。」
『さしずめ、『イケニエ』という所か…。』
絶望した。
名雪を救うには、あんまりにでっかい存在を敵に回さなきゃならない事。
そのためにはそんな物にでも立ち向かうであろう親友。
なにもかも、馬鹿げていた…。


204街の日は落ちて…。:04/12/29 21:41:04 ID:f2YTGR+k
「さぁて、帰ろうぜ。聖さんにどやされちまう。」
「…そうだな。今日は買い物して食料も有り余ってるし、ご馳走かもな。」
「あぁ、すき焼きを想定して一式かい込んでおいた。」
「でかしたぞ相沢!!で、その荷物はどこにあるんだ?」
「…あぁぁぁぁぁ!!」
「ばぁか、待っててやるから早く取り行って来い。」
「くっ、スマン北川!!」
走って取りに行ったのは祐一一人。
別に、取りに行くのは北川でも良いのを気付いたのは、荷物を電車に積み終わってからだった。
けっきょく、最後までどこか抜けている祐一であった。…。
20511:04/12/29 21:44:46 ID:f2YTGR+k
『付け焼刃』ってこういう事だなぁ…。
なんか、皆眠っちゃってたのはこういうことです。
なんか、文が全体的に無茶苦茶なカンジ。今日一日で頑張ったんで、そこら辺は許してくだせぇ…。orz

では、今日の午前三時から田舎へ向けて出発します。
車なので五時間程かけて行って来ます。
ではでは、皆様よいお年を…。
20611:05/01/01 22:50:56 ID:BESLgRKr
ケータイで初カキコ。
あけましておめでたうごじゃります。
皆さん来てませんね。正月で忙しいのでしゃうか・・・。
20720:05/01/02 00:00:11 ID:EXSEfMU6
同じくケータイで初カキコ。あけましておめでとうございます。パケットって金がかかるなぁ…。
208ペニー・レイン 後編:05/01/06 02:06:41 ID:ja+BJu3r
「危ないですよ」
 そう笑いかける男の格好は場違いなことこの上なかった。
 ワイシャツにネクタイ。昼食時のオフィス街でなら珍しくもない「普通」さが、かえってこの場では異質に思える。
「…何のつもりだ」
「単なる通りすがりだ、といっても信じてもらえないだろうね」
「樹海をあてどなく彷徨う通りすがりの異能者か。なかなかウィットのきいた冗談ではあるな」
 皮肉を返しつつ聖は体勢を立て直していたのだが、男は意に介する様子もない。
「やっぱり分かりますか、能力者だって」
 職業柄、聖は能力者と顔を合わせることが多い。それは経験からの直感だったのだが…
「答えてやる義理はない」
「…でしょうね、持ち手をさらすような真似はできないだろうし」
「もう一度聞く、何の意図があってこんなところを通りすがったと?」
「樹海で休憩中の謎の女医さんに答える義理があるとお思いですか?」
「フフ…違いないな」
 不敵な笑みを浮かべつつ警戒に刃毀れを生じさせない聖に対して、男は両手を軽く上げてみせた。
 右手には引き抜いたメス、左手には細身の傘。
 手が両方とも塞がっているせいか、そのジェスチャーはひどく滑稽に見える。
 とはいえ、相手が能力者である以上そんな行動で警戒心を解くことなどできようはずもなかったが。
「あ…そうか、これお返ししますよ」
 それに気づいたのか否か、男は右手を差し出すようにそっと動かす。
 来るか――
 しかし投げてよこすにはその動きはあまりに遅すぎ、かつ軽すぎた。せいぜいものを手渡す程度の――
 かすかな空気の流れを感じて、聖は右手を引いた。そこに握られていたのはメス3本の柄の部分。
「驚かせてしまいましたか」
 無理もない。男の立っている位置からだいぶ離れている聖にものを「手渡す」ことなどできるわけがないのだ。
 通常なら。
「なるほど…転移能力か」
「まあ、そんなものですか。もっとも、最近ではごくありふれたトリックですがね」
 さびしげに笑うと、男はおもむろに傘を広げた。
209ペニー・レイン 後編:05/01/06 02:07:44 ID:ja+BJu3r
 雨を降らすでもなく晴れ間を見せるでもなく、ただ力なく拡がるだけの雲。
 そんなものを連想させる笑みは、傘の影に隠れてもう見えない。
 聖に背を向けて歩き出した男が、何かを思い出したように振り返った。
「魔法が使えたら…って思ったこと、ありませんか?」
「な…」
「…と、先ほど聞かれましてね。どうやら僕はその宿題を片付ける生徒役3号さんらしい」
 その一言を聞くや否や聖の表情が鋭さを増した。そのことを知ってか知らずか、男は続ける。
「この力も――ある種の魔法なんでしょうかね。その娘は空を飛びたいと言っていましたが…
僕は人を飛ばすことはできても独りでは家に帰ることすらできない、と言ったら笑われましたよ」
「…その娘は黄色いバンダナをしていたか?」
「ああ、たしか手首に――!」
 あわてて避けた男の横の木に、先ほどと同じような形でメスが3本突き刺さっていた。
 見ると、聖は凄惨な笑みを浮かべている。
「佳乃に何をした」
「やれやれ、危ない女医さんだ。僕は何もしちゃいませんよ。ただ…」
「ただ?」
「空を見せてあげた、ただそれだけです」
「そうか。言い訳はそれだけだな?」
 笑みをたたえたままの聖。その手にはいつしか手には4本目のメスが輝いている。
 突進、跳躍、そして斬撃。メスの刃が描く銀色の弧は男を捉えていたのだが――
「風、だと!?」
 突然体が浮き上がるような感覚を覚え、聖は斬撃の手を止めた。
 葉を巻き込んだ風。竜巻の中心にいると気づいたときには、その風はすでに消えかけていた。
「だから言ったでしょう…危ないですよ、って」
 背後から聞こえた男の声に振り返った聖が見たのは、木に刺さった3本のメス。
 前方にあったはずの男の姿はその場所にも見当たらない。
 風は、ぴたりと止んでいた。
210ペニー・レイン 後編:05/01/06 02:09:05 ID:ja+BJu3r
「――ちゃ――ぁん」
 暫しの間自失していた聖を現実に引き戻したのはどこからともなく聞こえる声。
「――おねぇ――ちゃ――」
「佳乃かっ!」
 聞き間違えようのない声は確実に近づいている。
「――おねえちゃぁぁん、どいてー!」
 それが上から聞こえると気付いた時には、もう遅い。
 派手な音を立てて聖の最愛の妹は姉の上に降ってきたのだった。

「あはは、着地失敗だよぉ」
「いや、あれはむしろ成功だろう。私の上に落ちなかったら今頃どうなっていたか…」
 佳乃を危険な目にあわせやがって、とべらんめぇ調が抜けきらない聖を、佳乃がなだめる。
「あのおじさんも悪気はなかったんだと思うよ、それにあたしが頼んだんだ」
「ふむ。ところで…本部を抜け出して大丈夫なのか?」
「あー、そのこともね、あとで話すよ。とりあえず今日は大家族でお食事だね」
「そうだな、今日は豪勢にすき焼きでもするか。実は買出し部隊1号2号をすでに派遣してある」
「さっすがおねえちゃん、仕事が速いなぁ」
「ふふ、隙がないといってもらおうか」
 ほのぼのとした姉妹の会話である。背景が夕暮れの通学路でなく鬱蒼と茂る樹海であることを別にすれば、だが。
「魔法が使えたら…か」
「え、答え見つかったの、宿題解決特殊部隊隊員1号さん?」
「いや、なんでもない」
「そっかぁ、残念」
 研究所にもどって北川からの連絡を受ける、その電話はできれば佳乃には聞かせたくない。
 自分が今研究している化石、万能の存在、人の想い、エネルギー、生贄…
 やはり佳乃の夢遊病にも関係することなのだろうか。
 あの羽根が小なりと言えどもあの化石と同じ影響を及ぼすものであったら?
 …もし私に魔法が使えるなら、と考えかけて聖は頭をひとつふる。
 研究者である聖にとって、それはあまりにばかばかしい考えだった。
211ペニー・レイン 後編:05/01/06 02:10:12 ID:ja+BJu3r
「それどころじゃ無いだろ!聖さん、答えてください!!」
 中央部総合病院ロビー。公衆電話の受話器に向かって激昂する少年と、それをなだめる少女がいる。
 驚く患者たちの中に混じって、閉じた傘を杖代わりに立つ無表情な男がいることに、気づいた者はいただろうか。
「何でこの病院には…『水瀬と同じ症状』の人間が三人も居るんですか…!」
 その男の視線は途切れることなく少年に注がれている。正確には言葉をつむぎだす口に、である。
「でも、神様なら地球のエナジーがどうとか」
 神様。その単語を拾った男は口端を吊り上げる。なるほど、そのような考え方もあるかと言いたげに。
 妙な気配を察した少女――美坂香里がロビーを見渡したときには、男の姿はすでになかった。
21211:05/01/06 12:39:25 ID:Nb8ZJ0yt
ただいま我が家ぁぁぁ!!
しかも新作キタ---(゜∀゜)-----!!
ペニーレインで佳乃登場!!
謎の男の正体は!?そしてその能力は!?
謎が謎を呼ぶ新展開ですが、俺のほうはまだな〜んにも考えてません!!
どうしよう…。orz
213名無しさんだよもん:05/01/06 17:59:56 ID:ja+BJu3r
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。いつかの87でございます。
20氏の「まじアン=光」をAIR系に援用できないかと考えて観鈴・佳乃の能力がらみの
描写を意図的に後回しにしています。
佳乃の夢遊病の原因になった羽根は神社のご神体でしたし。
謎の男については、晴子さんが気づいてくれることでしょう。
・・・さて、ここからどう動かすか…
21411:05/01/07 11:38:19 ID:R0ybOsgL
さてさて。
これから20氏の『ジャブジャブ』の男がどんな能力を持ってるのかによって動きが変わってきますね…。
なかなかアイデアが浮かばないのも原因ですが…。
なんかリクとかアイデアとかないですかね?
21520:05/01/07 21:10:23 ID:tXmUiV7e
ただいま我が家ぁぁぁ!! その2---(゜∀゜)-----!!
正直『ジャブジャブ』の男の新能力はあんまし考えてないです orz
とりあえず宗一とのバトルを書こうかと思ってます。

こんな設定どうでしょう

「開放型能力」
能力を発動する際に自分のオーラを開放する、流し込む等の必要がある。
このタイプの多くが威力の強い能力である代わりに、エネルギー消費量が多く、
スタミナ不足に陥りやすい。

「発現型能力」
炎や電気など、自身の回りにオーラを変化させた「現象」を造りだし、操作する。
その「現象」にある程度の付加能力(消火不可など)をつけることができ、応用しやすい。
21620:05/01/07 22:08:19 ID:tXmUiV7e
「概念型能力」
個々の条件をそろえた時に発動するタイプ。
「現象」を起こす能力が多く、いざという時に使えないことが多い。

「特力型能力」
転移や時間の巻き戻しなど、上記の三つの能力別タイプにあてはまらない能力型。
なかなかに珍しく、貴重にされることが多い。

以上四つの能力タイプを考えてみました。

くそ、なぜか規制を喰らってた orz
21711:05/01/07 23:51:08 ID:4JEFc93O
20さんお帰りぃぃぃ!
能力の系統は俺も考えてました。
ちょっと判断が難しいものとかありそうなので、敬遠してたのですが、この際話し合って決めちゃいましょう。
さて、能力系統は今のところ「開放型能力」 「発現型能力」 「概念型能力」 「特力型能力」 の四つがあがっていますね。
で、ジャブジャブバードのような『当てたら吹っ飛ぶ』等の能力は「概念型」ですよね。
では、『先読み』とか『透視』の能力。あと、眠っている少女達はどれに入るのでしょう?
なんか、どれも上記のうちに当たらないような感じですが、これらは新しい系統を付け加えた方が良いか否か。
まず、コレですね。

今のところ出ている能力は下記ですね。
21811:05/01/07 23:55:17 ID:4JEFc93O
「開放型能力」
佐藤雅史

「発現型能力」
北川潤
国崎往人
ザコA(鎌鼬)

「概念型能力」
『ジャブジャブ』の男(笑)
ザコ@(振動)

「特力型能力」
相沢祐一
藤田浩之
九品仏大志

ペニーレインの『敬介』さんや『郁子』さんは元ネタのMOON,、AIRをまだやってないので省かさせていただきました。
だって、本名もキャラもわかんないんだもん…。orz

あと、前に書き忘れてたんですが、大志は時間を巻き戻しても自分の状態は巻き戻せません。
周りが治っても自分は傷付いたままです。そこが唯一の弱点か・・・?
219名無しさんだよもん:05/01/09 02:41:45 ID:RZ+ckliy
糞スレ皿仕上げ
220名無しさんだよもん:05/01/09 08:17:03 ID:pobCydG7
なんていうかほんと糞スレ、糞スレの中の象の糞スレ。
発現型能力? 概念型能力? 特力型能力?
お前らkanonやTo Heartでそんな単語見たことあるか?
お前らたいしてKanonとか好きなわけじゃないだろ?
だからこんなの書けるんだろ? だからこんなの支援してるんだろ?
やるなら一次創作でやってくれ。
頼むから、ほんと頼むからこれ以上オレの大好きなKanonやAirを汚さないでくれ。
どうしてもキャラの名前を借りたいなら自分でサイト作ってそこで自己満足に浸ってくれ。

なんかもうほんと頼む、マジ頼む。
221名無しさんだよもん:05/01/09 09:21:03 ID:67yT5/ZV
220よ・・

     


      そ う い う こ と は ロ ワ U の 時 に 言 っ て く れ


222名無しさんだよもん:05/01/09 09:51:15 ID:4dh0Zf2u
ここは葉鍵板だが?
一次創作は板違いですよ。
223名無しさんだよもん:05/01/09 10:20:41 ID:pobCydG7
誰がここで一次創作やれっつったよ。
224名無しさんだよもん:05/01/09 10:41:38 ID:/aIQzabl
潔癖厨キモッ
225名無しさんだよもん:05/01/09 10:56:49 ID:kt2JDnVq
レバーとフォアグラの違いがよく分かりません。
226名無しさんだよもん:05/01/09 12:57:06 ID:ktrqq8MY
スレタイでどんなスレか予想つきそうなもんだが。
嫌なら読まなきゃいい。

叩き煽りしたいだけなら何も言わんが、原作をダシにするのはやめてくれ。
227名無しさんだよもん:05/01/09 13:23:26 ID:pobCydG7
>嫌なら読まなきゃいい。
読むわけねーよ。

こんなスレとこんなもんを書いてる奴らが許せん。
マジうざい。
228名無しさんだよもん:05/01/09 13:25:18 ID:zlmPaoSf
U-1ほどじゃない
22911:05/01/09 13:28:30 ID:IMPaQRK5
能力が云々の単語を。kanonで見た事あるか?ないよ?
いや〜、そういう場所なんだし、しゃあないしゃあない。
それに、見る見ないは勝手だが、ココには220の好きなkanonとかAIRは無い。
でも、俺の好きなkanonやAIRはある。そんだけのこと。

まぁ、これからもマイペースにまったり更新していきまつよ。
ちなみに、レバーは動物の肝臓、フォグアラはガチョウのでっかくなった肝臓さ☆
230名無しさんだよもん:05/01/09 13:39:49 ID:ktrqq8MY
どうでも良い話だが。
俺はAIRの神奈が好きなので、葉鍵板にあるAIR関連と思われるスレは一切見ない事にしている。
ちなみにキャラスレも例外ではない、むろんハカロワみたいなのは嫌い。
231名無しさんだよもん:05/01/09 13:43:01 ID:g+ZXFoKA
なんて言うか…
チラシの裏かココ?
232名無しさんだよもん:05/01/09 13:43:53 ID:IcvOy1OX
能力って単語は無いけど力って単語はKanonにはあるよ。
舞がバリバリ使ってます。
AIRだって神奈はとんでもだし、東鳩も琴音は聴力者。

超常的な力が皆無な作品ではないのですが。
233名無しさんだよもん:05/01/09 13:48:02 ID:zdTJTa8D
>>231
該当スレでどうぞ
嫌いな葉鍵SSを告白するスレ20
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1096033732/

【100 OF】U-1SSスレ Part18【QYESTION】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1103816561/
234名無しさんだよもん:05/01/09 14:00:44 ID:pobCydG7
>>229
お前にはこれがKanonに見えるのか……?w

まぁがんばってオナニーしててくださいwww
23511:05/01/09 14:28:57 ID:IMPaQRK5
見える見えないって言うか、あくまでKanonやAIRの『亜種』として書いてますから。
自分の書いたものでは抜けません。w
236名無しさんだよもん:05/01/09 14:36:13 ID:YEy1DDcp
鎮火したいならあんたも一々突っかかって相手するなよ。
237名無しさんだよもん:05/01/09 16:43:18 ID:GN3oLIRb
感想落とすのは自由。
こういう感想がイヤか、スルー出来ないなら、巨大掲示板でこんなリレーSSは書かないほうがいい。

クソストーリー&サル文章だと思うけど、書きたいなら書けばいいんじゃないか。
でも、もし俺にスレを追い出す権限があるのなら、絶対葉鍵板から追放する。
極少数の内輪回しがあからさま過ぎで、実質的にコテ同士の馴れ合いスレと化してるから。

感想
・タメ多すぎ。…とか。―とか。タメ表現が安易杉&バリエーション皆無とも言う。
・語り口調多すぎ。神の視点で神様が酔っ払っちゃ駄目だろ。
・どの場面でも導入というもの自体がされてない。
 長編でオリ設定の嵐なんだから、一次作品ばりに世界観の導入に文章割いたらどうなんだ。
・会話文で現在形進行の実況解説だけが文章表現かよ。
 ADVゲームじゃなくて一応は小説なんだから、もうちょっと色々と書き方があるだろ。

こういうのって、事前に場面構成をしっかり考えるとか、全体を見ながら推敲をするとかの
『普通の小説の書き方』を守っていれば絶対出てこない欠点だよなぁと、つくづく思う。
小説の書き方系サイトを読むくらいはしたほうがいい。


……で、ここからはスレへの感想。
住人には嫌われ者の自覚が、アンチには地雷を避ける注意が必要。例えばネット上のダーク系SSのように。
でもこのスレタイじゃ避けられないって。戦争なんて言葉はそれなりに日常的に使われるんだから。

そんなことを思いながらスレタイ候補を考えてみた。ここから適当に煽り成分を抜いてくれ。

『え? あの祐一達が珍能力者になって帰ってきた?
 でも帰ってきた場所はぼくらのKanonじゃなかったYO!スッドレ
    〜大いなる悲劇のBeauty and the Beast〜 獣一匹目』
238名無しさんだよもん:05/01/09 16:52:33 ID:JPC1vm4a
とりあえず最後の見て真面目に読んだ自分がアホだと思った。
239名無しさんだよもん:05/01/09 17:03:07 ID:Z0qiMFzR
小説だと思っているところがおめでたい。
24020:05/01/09 20:34:49 ID:x5PY9V64
ま、感想なんてこんなもんだ。
237さん、ありがとう。勉強になりました。
241名無しさんだよもん:05/01/13 00:13:51 ID:0KS6cKm0
ひとまず保守。
242名無しさんだよもん:05/01/13 09:16:17 ID:7mkBJf9v
くだらねーよ、これ
243名無しさんだよもん:05/01/13 19:53:00 ID:h1hxJ1Mq
このスレ見た時点でお前の負け。
244ペイパー・ムーン 前編:05/01/13 23:52:05 ID:ctdkw0/6
 これは夢だから、絵に描いた空とおなじ。本物になることはない。
 そう、分かってる。これは――夢だ。
 どこを見ても果てなく続いている空にわたしはいる。
 ここでは雨も降らないし、曇る事もない。雲は足の下だから。
 たぶん、いまのわたしは「もうひとりのわたし」。
 消えた場所から雲は生まれて、生まれた場所へと消えていく、そんな長い繰り返しをずっと見ている。
 …そんな夢が、二重写しに見えたのはいつのことだっただろう。
 
 何かがおかしいの。
 ずっと続いていた繰り返しが突然ゆっくりになって、雲が、動かなくなった。
 もしかしたら動いてないように見えるだけで足元の雲は新しくなっているのかもしれない。
 でも、一面雲だらけで区別がつかないの。
「あは、また忘れてきちゃった」
 …え? 今の声は…
「これは…取りに帰ったほうがいいよね、でもまたからかわれるんだろうな…」
 この声は…わたし?
「まさかこんな所まで『能力者狩り』がうろついているとは思えないけど、用心用心」 
 わたしじゃない、「もうひとりのわたし」でもない…空飛ぶ傘を持った、三人目の「わたし」…
 
 ―――わたしは、だれなの?

245ペイパー・ムーン 前編:05/01/13 23:52:43 ID:ctdkw0/6
 カタカタと、盆の上の茶器が軽妙な音を立てる。
 淹れた茶をひっくり返さぬよう慎重に歩いているつもりでも、観鈴の足は無意識のうちに速くなっていた。
 自然、茶器の音もつられるように速くなる。
 カタカタ…カタカタ…ガチャン!
「わわっ!」
 しりもちこそつかなかったものの、観鈴が追突した反動で盆の上の湯のみ同士がぶつかり、大きな音がたった。
 そんな状態でも盆を手放さなかったおかげで、被害のほうはこれ以上大きくならずに済んだが。
「壊れ物持ってるときくらいしっかり前見て歩かんかい」
 唯一の被害者が呆れ顔でたしなめる。ごめんなさいと晴子に謝った観鈴は半開きのふすまを覗き込もうとした。
「居候ならいてへんで」
「え?」
「うちが覗いたときにはもういてへんかった」
「…トイレ、かな?」
「かもしれんな…ところで、聖センセはどないしたん」
 往人の分にしては多すぎる湯のみに気づいたのか、晴子が訊く。
「聖先生ならお散歩だって」
「はぁ? …って、まさか外に?」
 こくりと頷く娘に晴子は頭を抱えた。いつもなら護衛の「ガキ二人」に、聖に気づかれぬよう様子を見に
行かせるのだがいまはその「ガキども」、とくにこのような局面で使い勝手のよい北川はいない。
 そもそも往人を呼びに席を立ったのも、聖を護衛なしの状態にしないよう気をまわしたからではなかったか。
「ったく、それをあの無駄飯ぐらいの居候が――」
246ペイパー・ムーン 前編:05/01/13 23:53:37 ID:ctdkw0/6
「誰が無駄飯ぐらいだ」
 唐突に、後ろから声がした。
 色素の薄い長めの髪、長身。好青年というには目つきに剣がありすぎる。国崎往人だった。
「何や、仕事ほっぽり出してどこぞへ消えとったくせに」
「その仕事中に酒なんぞ飲ますやつの台詞か」
「はん!コップ一杯で泣き言かい。見掛け倒しやなー」
「勤務中に平気で一升瓶空ける酒豪には分からんだろうな」
「まだ口答えするかこの居候が。まったく誰が食わしたっとると思とんのやろなー」
「すいません…ってなぜ俺が謝る。それに給料分の仕事はしてるぞ、言われなくてもな」

 意味ありげに笑い、廊下の向こうを眺めやる。
 黒い鳥が一羽、低空飛行でこちらに向かってくるのが見えた。
 カラス程度の大きさだろうか。見たところ普通の鳥なのだが早さが尋常ではない。
 一度まばたきをすれば過ぎ去ってしまうように思えて、観鈴は食い入るようにそれを見つめている。
 鳥は止まる気配を見せない。と、その体が大きく膨らみ、はじけた。
 羽根の代わりに舞い散ったのはゆらりとゆらぐ実体のない7つの黒いかたまり――炎。
 その炎のかたまりはなおも先ほどの鳥の意思を宿しているかのよう飛び続け――往人の掌に吸い込まれていった。
 黒い炎で模られた鳥を操る能力。『レイヴン』と渾名され恐れられる、往人の『異能』である。
 破壊力はすさまじく、長い射程を生かした偵察もこなせるという。
「あー…いつにもまして腹減った」
 燃費に、多少の問題があったが。
247ペイパー・ムーン 前編:05/01/13 23:54:26 ID:ctdkw0/6
「往人くーん!ひっさしぶりー」
 廊下の向こうに、霧島聖と大きく手を振るショートカットの娘――霧島佳乃の姿を認めると、
往人は晴子に向かってにやりと笑いかけた。
「これで超過勤務分だな」
「却下」
「何故だ」
「警護いうのは体使うてナンボやろ、なんでうちがあんたを雇うたと思とるん」
「たまたま俺が『異能』持ちだったからじゃないのか? 現に晴子がその話を持ってきたのは俺が
『レイヴン』だって明かした後だっただろ」
 晴子の表情が、怒りのそれに変わっていることに往人は気づかなかった。
「…『異能』なんてのはな、人を不幸にしかせぇへんねん」
 そう吐き捨てると、晴子は研究室へと足早に去っていく。それをなおも追おうとする往人の肩に、手が置かれた。
 いつしか近くに立っていた聖である。
「君の失点だ、国崎君」
 ぴしゃりと言い放つ。返す言葉のない往人に向かって、聖は続けた。
「晩御飯はすき焼きを予定していたが、このままでは君の取り分は大幅な減少を余儀なくされるだろうな」
 先ほどとはうって変わって苦笑交じりの皮肉っぽい口調。
「うわ、往人さん、ぴんち」
「あはは…だねぇ」
「…すまない、聖」
 ぽん、と往人の肩を叩くと、聖は研究室に足を向けた。
「お姉ちゃん、晴子さんに?」
「ただの電話だ――買出し部隊に、材料の追加をな」
 振り返ったその顔に浮かぶ笑みは、照れ隠しのそれであったか。
「勘違いするな、佳乃の分だ」
 余計なことを、聖は言った。
248名無しさんだよもん:05/01/14 00:06:29 ID:x88hQ7NN
249名無しさんだよもん:05/01/14 00:09:35 ID:lcHAwyJB
はい、盛大にチラシの裏をお届けします。
もっとも、チラシが小さすぎてまた前後編に分けることになってしまいましたが。
指定された能力描写、相当難しいのですが…伝わったかどうか心配です。
やっぱり私には力をひょんなことから手に入れてしまった一般キャラたちの苦悩や
その周りに位置する人たちの葛藤やその他もろもろを描くほうが能力バトル描くより性にあってるようです。
とりあえず後編で聖が北川に電話をかけて、街編裏パートは終わりになります。
すき焼きパーティーは…誰かに押し付けたく存じます。

と、こういうあとがきも癪に障るのでしたら今後慎むほうがいいのかしら。
代わりに話の本筋に織り込む暗喩やら皮肉やらがますます増えそうで怖いのですが。
250名無しさんだよもん:05/01/14 00:21:28 ID:YWMk/Euv
やりたいようにやればいい。

どうやらキミは積極的に挑発するのがお好きなようだが。
それがどういう結果を生み出すかは考えるまでもないがね。
25120:05/01/14 00:51:09 ID:4/D6DOcg
乙です〜。
自分としては、話し合うのは大切だと思うのでむしろ歓迎です。
楽しくやっていきましょうよ。
252名無しさんだよもん:05/01/14 10:04:08 ID:5sVJ0inL
>>250
何だこのゴミ。
25311:05/01/14 18:12:23 ID:SMJXPez6
『ペイパー・ムーン』乙です!!
まぁ、気長にやって行きましょう。ココが踏ん張りどころ。
もちろん新しい作者さんも歓迎です!

>>237
自分の文章表現がつたないのは全面的に認めますです。
だからこそ、この場を借りてスキルアップを図りたいと思います!
まぁ、練習にはチラシの裏も結構便利なもんですよ。
254名無しさんだよもん:05/01/14 19:26:00 ID:8pAUYqPX
>>250
U-1スレから出てこないように。
他人に迷惑をかけないでオナニーしてなさい。
25520:05/01/14 23:47:47 ID:4/D6DOcg
削除が来たけど生き残ったぜ!!
いやっほーーーう!!
256名無しさんだよもん:05/01/15 20:47:11 ID:6CkSnQwN
あははは
おもしろいねーーこのスレ最高だよ
257純白の翼・前編:05/01/15 22:45:30 ID:PuBpScKt
ドオオオオォォン!
「のわあああああ!!」
「きゃああああああぁぁぁ!?」
宗一は少女をかばい、今いた場所から瞬時に飛びのく。
コンクリートで舗装された地面を爆炎が穿っていく。
閃光、爆音、衝撃が轟く。
「こんのぉ、何だってんだよいったい!?」
体勢を立て直しながら、煙の向こう、今しがたこの爆発をおこした張本人を見据える。
「フ、フフフ、ヒヒ、ヒヒヒヒィィ〜」
その目は、明らかにイってしまっていた。
「我と、我と闘え、戦え、たたかえ、タタカエェェーー!!」
その男は、理性の無いイってしまった表情のまま、その表情には似つかわしくないほどの流麗な動作で刀を正眼に構える。
「オイ嬢ちゃん、早く逃げろ!!」
「う、うぐぅーーー!!」
少女は座り込んだまま(たぶん悲鳴)唸っている。
男が近づいてくるのに逃げないのは、おそらく腰が抜けたのだろう。
「くそっ!」
腹をくくった。
宗一は男に向かって突進する!
「ヒヒィィィ!!」
男がすれ違いざまに袈裟切りを仕掛ける・・・。
258純白の翼・前編:05/01/15 22:48:11 ID:PuBpScKt

ことの始まりは、エディからの定期連絡だった。

「強盗事件? ああ、ニュースで聞いたよ。
捕まったんだろ? なんか問題があんのか?」
『イヤ、ソレがな、その場に『666』と『竜』がイタらしくテナ』
「ブフーーー!!?」俺は盛大にコーヒーを吹いた。
『キタネェなあオイ!!』
モニター越しに何言ってやがるかこの相棒は。
そして何やってるんだあの弟子は。
エディに詳細を聞くところによると、どうやらお互いの素性がバレたわけではなさそうだ。
ひとまず安心。いやほんとよかった。
一つ間違えれば町が消失していたところだ。
「ンデ、こっから仕事ノ話。ソーイチ?」
「ん? ああ、OK、何?」
俺たちは話を続ける。

『……ソウイウわけで、姐さんが言うニャア、篁が『五月雨堂』に寄ッテクらしいゼ』
「キモイからニャアを片仮名で言うなよ。五月雨堂か…まあ、ここいらじゃあ有名だしな。」
五月雨堂は、この界隈では品揃えと品質の良さ(それと看板娘の可愛さ)で注目されている骨董屋だ。
かの篁総帥が骨董品を集めているなら、おかしくはない。
『デ、どうするんだ? マサカ、ただ傍観するワケじゃネーダロ?』
「当然! ここは大胆に行ってみますかね!!」
259純白の翼・前編:05/01/15 22:49:14 ID:PuBpScKt
「ありがとうございましたーー。」
俺は、五月雨堂のレジ打ちをやっていた。

「さんきゅ、宗一君。かなり助かるよ」
「いやいや、こっちも仕事だしね。気にしないでくれ」
「へぇ〜、そーいちって結構エプロン似合うじゃない。けんたろよりもカッコいいよ」
「ははっそりゃどうも」
「お茶でも飲むかい?」
「あ、いただきます。」
出されたほうじ茶を飲み干し、一息つく。
俺は五月雨堂の臨時のバイトとして潜入している。
もちろん、篁の動向調査の仕事だと、五月雨堂の主人達に前もって言ってあり、
その上で協力してもらっている。
「しかし、エージェントって結構地味な仕事だね〜。あたしはもっと、ババーン!!と、敵をやっつけるヒーローみたいなのを想像してたんだけどな」
「俺みたいな半人前には、そんな仕事は回ってこないよ。それはもっと一流のエージェントの仕事だよ」
さすがに素性の全てを晒すわけにはいかないので、そういうことにしてある。
ちなみに、主人の健太郎さんと俺は知り合いです(本当)。
260純白の翼・前編:05/01/15 22:51:29 ID:PuBpScKt
夕方になった。
看板娘はアニメがあるからと奥に引っ込んでいる。
右耳と襟にセットしてある通信機で連絡をとる。
「おい、本当に篁は来るんだろうな…?」
もうすでに閉店30分前である。
『…よく考エたら、普通こういうノハ、よっぽどのことが無イ限リ下っ端にやらせるヨナァ…』
「その下っ端っぽいやつも来ねーぞ…」
『・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・」
きまずい沈黙がおりた…。

残り15分。店の扉が開いた。
「いらっしゃいませー…」
「うぐぅ、あの、聞きたいんですけど…」
入ってきたのはカチューシャをつけた女の子だった。
「…探し物? それだけじゃあ、ちょっと分かんないなぁ…」
健太郎さんが困った様子で受け答えしている。
さすがにもうこの辺で帰ろうかとしたとき、ようやく、その男は現れた。

それは、いやな眼をした壮年の男だった。
「ゲーーック、遅れて悪いな。連絡を入れていた篁財閥のもんだが、今大丈夫か?」
26120:05/01/15 22:59:02 ID:PuBpScKt
どうも、チラシの裏をお届けします。

書いてて思うんですが、案外クロスオーバーできるもんですね。
あゆは『探し物』を探しに五月雨堂にきたけれど、
導入で書いたとおり、バトルに巻き込まれるわけですね。
おまけにタイトルが意味深…。

あと、自分、誰彼は未プレイです。 orz
それでもいいならお付き合いくださいませ…。
262名無しさんだよもん:05/01/16 04:00:56 ID:+7nNzc1C
あんたさぁそんなに波風たたせたいの?そんな挑発ばっかりしてさ
未プレイだけど書くなんてよくできるな
26311:05/01/16 04:33:26 ID:YvTdgZdS
20さん乙〜。
誰彼プレイ者なので「ゲーック」で誰なのかわかりました。w
俺は別に本編をやっていなくても、キャラの性質とか特質を理解してれば良いんではないかと思います。
俺も、AIRやってないけど必死でKEYの公式@アプリでケータイに話しかけてます。(怖
なんとかキャラの話し方や特徴は理解しましたです。
まぁそんなわけで、俺もそろそろ書かねば…。
264名無しさんだよもん:05/01/16 08:38:14 ID:3inwmuxv
まあ何年も葉鍵板にいればある程度は理解できると思うけど。
キャラスレとか見たりして。
265名無しさんだよもん:05/01/16 21:28:22 ID:Hb4OzfaU
原作やりこんだからマトモなSS書けるってもんでもないからな。
266名無しさんだよもん:05/01/16 21:59:53 ID:rYVm/IAl
>>265
だがその命題の裏は決して成り立たないと思うのだが
267名無しさんだよもん:05/01/17 01:40:56 ID:WCjd4LhU
駄目な奴は何しても駄目ってことだな
268名無しさんだよもん:05/01/17 22:20:26 ID:3TdknbhH
チラシの裏なら自分でしたらば借りてやってくれって感じだな……
普通につまんねーよこれ。
269名無しさんだよもん:05/01/17 22:34:10 ID:PehVOwaC
じゃあ読むな。
270名無しさんだよもん:05/01/17 22:36:56 ID:3TdknbhH
読むわけねーだろ。即放棄だこんなもん。
アホか。
271名無しさんだよもん:05/01/17 22:41:26 ID:PehVOwaC
なら無視すればいい。
ツールならスレごとあぼーんもできる。
厨じゃなけりゃ放置ぐらいできるだろ?
272名無しさんだよもん:05/01/17 22:51:59 ID:IOfhQA1X
273名無しさんだよもん:05/01/17 23:06:58 ID:3TdknbhH
なんだそりゃ。マンセー感想は歓迎だがヘイトは駄目、スレごと無視しろってか。
お前の都合に合わせてやる義理なんてねーよ。
ガキは帰れ。
274名無しさんだよもん:05/01/17 23:52:03 ID:IOfhQA1X
本当に駄目な子だな。
275名無しさんだよもん:05/01/17 23:53:19 ID:PehVOwaC
やれやれ、誰がマンセー意見だけなんて言った?
批判はすりゃいい、だがしたらばに行けだの言うならそうすりゃいいと言ったまでだ。
このスレがお前の都合に合わせてやる義理もないしな。
276名無しさんだよもん:05/01/18 00:28:16 ID:eJ99Zd0i
11さん大人気ないですよ。
27720:05/01/18 00:37:26 ID:3ZYENvPG
正直、まったり進行で行きたいです…。
278名無しさんだよもん:05/01/18 02:53:20 ID:+FP9boTf
え? ここってU-1スレ住人を釣るためのスレじゃなかったの?
279名無しさんだよもん:05/01/18 06:29:38 ID:CHuJNLvB
>>○○が××の都合に合わせてやる義理もないしな。

それが大前提だから命令の混じったカキコをするんだっつーの。

ココはお前の日記帳じゃねえ、チラシの裏に書いとけ、な?
こういう文が気に入らないんなら、単にツマンネとでも脳内変換しとけ。
280名無しさんだよもん:05/01/18 06:39:11 ID:CHuJNLvB
と思ったけど、俺も>>269>>271の命令に律儀に反応してたな。
最初からシカトしとくべきだったか。

>>270以降の俺のカキコは全部「超ツマンネ」にでも変換しといてくれ。
281名無しさんだよもん:05/01/18 10:49:37 ID:4IWB0e8h
その前のからしておくよ。
どっちにしても俺が書いてるわけじゃないしなあ。
突撃厨にうんざりしてるだけ。
282名無しさんだよもん:05/01/20 11:53:55 ID:Cs9zrLIN
                 ,,_ , - ''  ̄ ̄` - 、_ 静まれーぃ!静まれーぃ!
              /´           ヽ,, この紋所が目に……静まれぃー!
        O    。 /    i        ヾ, `ヽ, 皆の者〜、静まれっ!
             /,      l i i,       ヽ_  ヽ,      ,、 静まれーぃ!
         o  /   / ,/| l, l   ヽ,  \ヾ ヽ ,li  , -ノ_,/ノ このお方をどなたと
      O      i /   | l l j ヽ   i、 ヾ \__l  li/ i/-/ 静まれーぃ!
       ゜      l l   ーi-l、|_|リ  ト_ 、, 、,y__ノ-、ll////∠-、_ ええぃ!静まれっ!
       。     |ii,  l li i _ヾヽ,ヽヽ_>__ヾ,_ `-ノゝ_´`-/ 静まれ!静まれーぃ!
          o    ||l .l リ 〃、 ::l`ヽ ヾ`, イっ::ヽ_ ソー|ソ/≡l i i 先の副将軍、
            ll,l ii li ` i:;;;;:l    ` l::;;;,:/r,/  !/〃 | /l l 水戸の御老……静まれーぃ!
     __,─── 、_ゝi  トi C`'´   ,   `ー'っ/l i |ソ丿 i/ i/ 静まれーぃ!皆の者、静まれーぃ!
   r'~´       ~l   |`>,,   r,─ 、   /<i, l |ヽ、_ 水戸の……静まれーぃ!静まれーぃ!
   |         /'i.  i, l、ゝ、,_ l _ ノ , イ::::::| ,/ll:::///
  , ─ー- 、=====| ヽ トl ヾ:::::|` ─. ''´ ,/:::::::l /:/:///\ みんなっ静まれ〜〜ってばぁ〜〜!!!
  (_,-ー<_   _ _ ヽ_ ト lヾ::::::::|_=====/:::::::,ノ::/ /~  \
  (__ ,_ '/ヽ////:::::::l/ヾ、|ヾ、:::::::ヽ   /  ,/r/      \
   (   ノヽ/// ::::::|) i `ヽ_==,\ /==-ー'  l       \
   l ロ二´ 、_  `  ::::::l  /    二>-i''::┬,<_    ,|        \
   (__ , ノ    :::::::l 丿 ,-- ':::::''::::,i::: lヾ;;::::::`ヽ,_ l'          \
     i , -'´ ̄ ̄ ̄`` j' /::::::::: :::/:::/r j、::::::::::::::::::/\_          \_
28320:05/01/21 23:55:58 ID:UwTS/8u2
課題&テストがあるのでしばらく更新できず
とりあえず保守

>>282
心が安らぐ…GJ
284名無しさんだよもん:05/01/22 11:37:50 ID:98cUnBEB
ここは同人サークル「はちみつくまさん」の著作物、AirRPGを違法に改造・配布した
赤帽(本村)大佐と、その改造物のプレイ記を投稿して、同人サークル「はちみつくまさん」と
葉鍵板「はちみつくまさん」スレッドの住人に多大な迷惑をかけた
プレイ記(真一)に関する隔離スレです。
違法な改造データ(以下ver3)に関する情報交換等してダウンロードしないようにしましょう。
また改造、配布等行わないようにしましょう。
質問する場合はまず過去ログを読み、マナーを守って質問してください。
★sage進行でお願いします。

★AirRPG v e r 3 なるものには「はちみつくまさん」は一切関知しておりません!!

葉鍵RPG製作委員会
ttp://kokeru.hp.infoseek.co.jp/main.htm
(AirRPGを違法に改造、配布した赤帽大佐のHP 現在AirRPGの類似物をシェアで製作中)

プレイ記(真一)・・・改造物のプレイ記を投稿してスレ住人に迷惑をかけた嫌韓厨。
プレイ記を葉鍵板に投稿した時点では氏は21歳未満。
※現在は嫌韓日記等を載せていたHPを閉鎖し逃亡中。
285名無しさんだよもん:05/01/22 11:38:45 ID:98cUnBEB
ここは株式会社「エンターブレイン」の著作物、RPGツクール2003を違法に改造した
りんばらと、その改造物の作品を販売して、株式会社「エンターブレイン」と
健全な一般ツクールユーザーに多大な迷惑をかけた
同人サークル「はちみつくまさん」に関する隔離スレです。
違法な改造作品(以下ToK)に関する情報交換等して購入しないようにしましょう。
また改造、配布等行わないようにしましょう。
質問する場合はまず過去ログを読み、マナーを守って質問してください。
★sage進行でお願いします。

同人サークル「はちみつくまさん」
http://ayumoe.chat-jp.com/
(RPGツクール2003を違法に改造、それを使いゲームを作成したりんばらのHP 現在ToKの後編をシェアで製作中)

はちみつくまさん・プログラミング班
ToK次回作でツクールから脱却。その為のツール開発という名目で集められたメンバーですが
ToKのマニュアルの後書きに意味もなく顔を出していたりと、彼らによってRPGツクール2003が
改造されたことが予想されます。

退魔塔神 ハチクマToK・・・違法な改造を施したRPGツクール2003により作られた二次創作RPG作品。
独自のアプリ「ToK.exe」での起動を必要とし、2003デフォの「RPG_RT.exe」ではマップ上を動けなくなる、
最大5000の筈のデータベースに設定されている変数が50000になっていたりと様々な箇所に改造の痕跡が窺えます。

286名無しさんだよもん:05/01/22 11:41:45 ID:BYmeL8vf
                ,,_ , - ''  ̄ ̄` - 、_ 静まれーぃ!静まれーぃ!
              /´           ヽ,, この紋所が目に……静まれぃー!
        O    。 /    i        ヾ, `ヽ, 皆の者〜、静まれっ!
             /,      l i i,       ヽ_  ヽ,      ,、 静まれーぃ!
         o  /   / ,/| l, l   ヽ,  \ヾ ヽ ,li  , -ノ_,/ノ このお方をどなたと
      O      i /   | l l j ヽ   i、 ヾ \__l  li/ i/-/ 静まれーぃ!
       ゜      l l   ーi-l、|_|リ  ト_ 、, 、,y__ノ-、ll////∠-、_ ええぃ!静まれっ!
       。     |ii,  l li i _ヾヽ,ヽヽ_>__ヾ,_ `-ノゝ_´`-/ 静まれ!静まれーぃ!
          o    ||l .l リ 〃、 ::l`ヽ ヾ`, イっ::ヽ_ ソー|ソ/≡l i i 先の副将軍、
            ll,l ii li ` i:;;;;:l    ` l::;;;,:/r,/  !/〃 | /l l 水戸の御老……静まれーぃ!
     __,─── 、_ゝi  トi C`'´   ,   `ー'っ/l i |ソ丿 i/ i/ 静まれーぃ!皆の者、静まれーぃ!
   r'~´       ~l   |`>,,   r,─ 、   /<i, l |ヽ、_ 水戸の……静まれーぃ!静まれーぃ!
   |         /'i.  i, l、ゝ、,_ l _ ノ , イ::::::| ,/ll:::///
  , ─ー- 、=====| ヽ トl ヾ:::::|` ─. ''´ ,/:::::::l /:/:///\ みんなっ静まれ〜〜ってばぁ〜〜!!!
  (_,-ー<_   _ _ ヽ_ ト lヾ::::::::|_=====/:::::::,ノ::/ /~  \
  (__ ,_ '/ヽ////:::::::l/ヾ、|ヾ、:::::::ヽ   /  ,/r/      \
   (   ノヽ/// ::::::|) i `ヽ_==,\ /==-ー'  l       \
   l ロ二´ 、_  `  ::::::l  /    二>-i''::┬,<_    ,|        \
   (__ , ノ    :::::::l 丿 ,-- ':::::''::::,i::: lヾ;;::::::`ヽ,_ l'          \
     i , -'´ ̄ ̄ ̄`` j' /::::::::: :::/:::/r j、::::::::::::::::::/\_          \_

28720:05/01/22 11:57:48 ID:+4nPTWBT
>>284>>285
なぜこのスレで…? 誤爆か? 荒らしか?
288名無しさんだよもん:05/01/22 12:21:39 ID:Gsqj4Uzv
>>287
はちくま厨はすぐ暴れるから。
今公式BBSで暴れまくり。
289名無しさんだよもん:05/01/22 12:23:20 ID:BYmeL8vf
アンチが抜けてる。
29020:05/01/22 12:29:05 ID:+4nPTWBT
ID:BYmeL8vfさんよ、愛佳AAをありがとう。すっごく安らぐ。
291名無しさんだよもん:05/01/22 12:34:17 ID:b2SXDAFD
>>288
ttp://network.sagiri.com/dobbs/dobbsr.cgi?a=view&topic_id=1106122727
これか……まぁぶちゃけアンチだ信者っていうより、改造なんかするサークルに問題があるんだと思うが。
292名無しさんだよもん:05/01/22 17:53:51 ID:gQp1Dj9I
まだ決まってわけでもないしつこい奴だな。
293名無しさんだよもん:05/01/23 00:35:06 ID:EIaEUw7E
大志の能力ってパイツァーダストだっけ?
4部のボスの能力に似てるな。
294名無しさんだよもん:05/01/23 00:42:05 ID:kq3i+Mh3
ジョジョかよw
295名無しさんだよもん:05/01/25 14:10:47 ID:D0uYyuN2
保守
296秋に咲く炎:05/01/26 10:26:43 ID:B7sIotz3
夜半、華音機関本部に帰ってきた美坂香里は、秋子本人に調査結果を報告した。
「調査の結果、中央病院には三人。他の病院には合計で二人が名雪と同じ症状の患者がいました…。」
「…そう、ですか。」
秋子は机に腕を突いて、口の前で手を組んだ状態で、香里の報告を聞き続ける。
彼女にとって、その内容はある種残酷なものであり、その反面『娘だけが』というわけではない事に少し安堵している自分が憎くもある。
名雪が眠りに付いてから数年、最初はいつもの寝坊だと思った。
昼をすぎても起きない娘。それきり、目覚める事が無いなんて、思っても見なかった…。
「このぶんだと、全国的な規模で見ても百人単位の患者がいると予想されます。
なお、今回見つかった患者の共通点は『女性』である事と、眠りについた当時の年齢が十五歳〜十八歳程の少女である点です。」
「女性、ですか。コレは能力者の多くが男性であるのと何か関係しているのでしょうか…?」
「現段階では判断しかねます。他の町の病院を調べ、男性の患者が見つからないとも限りませんし、能力者の中には女性もいるのは確かですから。」
そう、まだまだ不明瞭な部分が多すぎる。
樹海の研究所では『化石』の研究を進めているが、アレが能力者の発生に一役買っているのは確実だ。
それにしても、近年の『能力者』の増加率は度を越している…。
「美坂さん、ご苦労様でした。その報告書は能力者研究所の方に提出しておいて下さい。」
「了解いたしました。では、研究員『美坂香里』、今日の職務を終了いたします。」
ビシッと敬礼する香里。
「はい、ご苦労様。」
秋子に微笑まれるなり、香里も全身の力を抜き、さっきの事務的な印象が嘘のようにいつもの調子に戻る。
彼女は『ビジネス』と『プライベート』を分ける主義なのだ。
「じゃあ秋子さん、私は名雪を見てから寮に戻りますね。」
「はい、宜しくお願いします。」
香里が出て行った後、秋子はそのまま動かずに物思いにふける。
どんな手を使ってでも、名雪を助け出して見せる。
それは奇しくも、針葉樹と同じ目的で作られ、針葉樹と同じ目的を持つ女性の信念であった…。
29711:05/01/26 10:36:55 ID:B7sIotz3
ものっそ短いですが、保守がてら投下。
なんか、これからどう動かしたらいいか悩んだ末、いまだ登場していなかった秋子さんを出してみました。
大志の話とどっちにしようか悩んだんですが、奴ほどシリアスにした時動かしにくいキャラもいるまい…。

>>276
大人気なくてスンマセン。orz
自覚症状は有るんですが…。もっと大人になれるよう努力しますです。

>>282
俺も癒されました!GJ!!

>>293
お察しのとおり、元ネタは吉良吉影です!
当初大志は、『時系の能力』ってのは自分の中で決まってたんですが、『時を止める』だとあからさますぎるし…。
結局、バイツァ・ダストより簡単に扱える時間逆行能力って事でああなりました。
ジョジョは能力の参考に結構使ってますです。

長々と御目汚しスマソ。
298名無しさんだよもん:05/01/26 16:17:00 ID:XDCcm6Mt
age
29920:05/01/26 20:59:06 ID:uY8nMLcj
11さん久しぶり&乙〜。

質問があります。
これって、寝ているキャラ(あゆを除いて)自由に決めちゃっていいんすかね?

それと、質問というより相談なんですが、
炎を操る能力で、良いネーミングないですかね?
「フェニックス」と「飛縁魔・於七」ぐらいしか思いつかないけど、
どれも御堂のイメージに合わない… orz
どうでしょうか? 駄文スマソ。
30011:05/01/26 22:49:50 ID:B7sIotz3
20さんお久しぶり〜。
勝手に決めちゃってOKです。
それこそ、男でも女でもヒロインでもサブでも自由っス。w

火を操る能力…『ジャバウォック』とか『阿修羅』とかは火を操る上バーサーカーっぽい感じで良いんじゃないかと。
『不動明王』は浄化の炎で御堂とはちょっとイメージが違うかな…?まぁそんなとこだと。
301名無しさんだよもん:05/01/26 23:02:13 ID:r6cGAH9E
フェンリル…御堂と言うよりむしろ醍醐か。
キャラクターから辿るとすると出典は西洋系でないほうがよいのかな?
30220:05/01/26 23:11:12 ID:uY8nMLcj
お二方どうもありがとっす。
ランクでいうとイマジンあたりで欲しいんすよ。
水系なら結構思いうかぶんですけどね。ペガサスとかクローセルとか

どうせなら出典は東洋系がいいです。
わがまま言ってすんません。
30311:05/01/27 01:05:21 ID:i/QSF1LY
『片輪車(かたわぐるま)』
牛車の車輪の真ん中に頭の禿げた男の顔があり、夜の通りを炎を上げながら走り回るといわれる。

コレなんかどうでしょ?あとは狐火かな。狐みたいに可愛くないけど。
30420:05/01/27 11:06:51 ID:wVtd/bB1
サンクス。
テスト期間なんで書き込むのはもうちょっとお待ちくださーい。
たぶん合間に書き込みますわ。
ではでは。
30511:05/01/29 20:01:45 ID:0jP2s1fG
20さん楽しみに待ってます!
ぬぅ…、秋子さんの話ももそっと書かねばならんし、大志の動向も…。
難しいものですじゃ…。
306名無しさんだよもん:05/01/29 22:05:47 ID:rzuqZfZ2
がんがれ
307名無しさんだよもん:05/02/02 23:42:46 ID:nPMLZCY+
保守保守。
308略して『すきパ』:05/02/05 12:38:29 ID:GI6Fcr6b
研究所に帰ると、そこには美少女が一人増えていた…。
そう、それだけなら良い。むしろ歓迎だ。だが…、
「あのぉ…、コレはどういう…?」
「催し物なんでしょうか…?」
いつも食事を取る食堂には、折り紙で作った鎖や、カラフルな紙製の花などが飾り付けてある。
クリスマスはとっくに終わっているし、誰かの誕生日ではないはずだ。
…意図が読めん。
「どうもこうも、可愛い佳乃が私の元へ戻ってきたんだ。コレくらい当然だろう。」
しかも主催者は聖さんらしい。更に読めん。
確かに、いつも聖さんが座るであろうテーブルの上座には聖さんの妹さんが座っている。
その上には、明らかに手作りのプレートに『祝!佳乃が私の元に返ってきたパーティー』と書いてある。
…もしかしたら聖さんは思ったよりコワレタ人なのかもしれん…。
「えへへ、なんか照れるね…。」
まぁ、妹さんも満足しているようなので良いとするが…。
ちなみに、さっき会った時に一応自己紹介はしたのでどんな娘なのかは少しだけわかっている。
『買出し部隊一号さんと、二号さんだよね。』
と良い笑顔で言われた時には、すでに俺の中で『変な娘』にカテゴライズされていた。
まぁ、俺の変な娘カテゴリには何人もの娘が入っているのだが…。
「あはははは。すき焼きが出来ましたよー。」
これまたいい笑顔でキッチン(厨房)からすき焼きなべを持って出てきたのは、研究員、兼食事係のさゆりさん。
本名『倉田 さゆり』。俺の一個上で、研究員としても一流。料理の腕も一流。
正確よし、容姿よしのスーパー超人だ。
「倉田せんぱぁい!もう愛してるぅ!!」
北川がいつものノリで、二つ目のすき焼きなべを取りに行こうとするさゆりさんに抱きつこうとする。
まぁ、北川も解ってやってるんだろうが…。
「……。」
「あの〜、川澄先輩?解りましたから首筋の剣をどけていただけませんか?」
抱きつこうとした上体のまま静止している北川も技だが、いつのまにか北川の背後から剣を首筋に当てている舞も技だ。
川澄 舞。彼女も俺の『変な娘カテゴリ』の中の一人だ。
309略して『すきパ』:05/02/05 12:39:18 ID:GI6Fcr6b
彼女も研究員だが、能力者じゃ無いのにやたらと強い。剣術は俺達二人でもかなわないだろう。
ちなみに、彼女はさゆりさんと同い年で、やはり一つ上なのだが結構前からの付き合いなのでいつの間にか『舞』と呼ぶようになっていた。
「あはは〜。舞、私は大丈夫ですから、もう話してあげてくださいね〜。」
そういって普通にすき焼きなべを取りに良くさゆりさんは『大物』にカテゴライズだ。
「……。」
「あぁ、川澄先輩のその冷たい目がカ・イ・カ・ン!!」
北川は『変態』にカテゴライズ…。


「さて、大方集まったか。」
テーブルを見渡す聖さん。
しかし、神尾さんと国崎さんの間の席が空いている。
その席に座るのは…。
「あの、神…美鈴さんが居ないんですが?」
そう、テーブルには神尾さんの娘さん、美鈴さんの姿が無い。
「あぁ、アイツなら具合が悪いから後で喰うそうだ。」
国崎さんが簡潔に言い放つ。しっかし、目付き悪いな…。
多分、町の不良程度なら眼光だけで殺せるだろう。
美鈴さんの事は…まぁ、ちょくちょくある事なので詮索はしないが…。
「まぁ、気にせんといてじゃんじゃん喰ってや。」
「あの、買いに行ってきたのは俺だし、作ったのはさゆりさんなんですが…。」
「なんや、細かいこと言うなや!チッサイ奴やのぉ。」
「そうなんですよ、だから修学旅行の風呂なんて可愛そうで直視できなくて…。」
「なんや、ほんまにちっさかったんか。そら悪いこと言うたなぁ…。」
「北川、いっぺん氏ね。」
この二人が居ると一気に下ネタが蔓延するから要注意だ。
っていうか、俺は小さくない。
「まぁ、コレでとりあえず全員か。じゃあ一人ずつ自己紹介をしろ。」
一瞬、全員が固まる。(さゆりさんと舞を除く)
え、だって…ココはどこの学校ですか?
310略して『すきパ』:05/02/05 12:41:43 ID:GI6Fcr6b
「じ、自己紹介って…。」
「言葉どおりだ。一人ずつ自分のことを佳乃に紹介しろ。ちなみに、元から知り合いの国崎君もだ。」
「なっ!俺は嫌だぞ!!」
「本来、君はこの席に座ってはいけないはずだったのだが…?」
「やらせていただきます。」
弱い。顔の割りに立場は結構弱いんだよなこの人…。
「じゃあ、まずは相沢からだ。ほれ、立て。」
くっ、仕方ない。俺もすき焼きは食いたいからな…。
席を立って、自己紹介を始める。
ココはエージェントらしく真面目にキメルか。
「本名、相沢祐一。年齢は17歳であります!任務はこの研究所における研究員の護衛、警護。これから宜しくお願いします。」
最後に敬礼して決める。
なんというか、人によってギャグとも取れるし真面目にも取れるので、相手の出方で性格がわかる。ハズ。
「はい、買出し部隊一号さん。よろしくね。」
…変な娘カテゴリに固定。
「あの、買出し部隊一号はちょっと…。」
「えぇ〜、じゃあ何一号さんがいいの?」
「普通に名前で読んでください・・・。」
「え〜、じゃあ祐一君…。」
「そ、そんな残念そうに…。」
「佳乃、そんな奴のいう事を聞くまでもない。好きなように呼ぶがいいぞ。」
「うん!」
「そんな殺生な…。」
311略して『すきパ』:05/02/05 12:44:24 ID:GI6Fcr6b
結局、俺は何かの一号らしい…。
「さて、次は北川か。」
「はぁい!この研究所で一番の男前、北川 潤と申します!!」
「君は買出し部隊二号さんなんだよね♪」
「そうです!しかし、僕はもっと他の『一号』になりたい…。」
「?」
こいつ・・・、まさか!馬鹿な!自殺行為だ!!
「僕は…」
佳乃ちゃんの隣に行き、ひざまずいてその手を取る北川。
「アナタの『恋人一号さん』になりたい…。」
『ヒュカッ!!』
北川の鼻先をかすめて、一本のメスが向こうの壁に突き刺さった。
北川の鼻の頭からは血が一本の筋を作っている。
「すぐにその手を離さなければ、今度は頭を狙うが…?」
怖!!殺気が尋常じゃねぇ!!
「すいませんでした…。」
スゴスゴ席に戻る北川。
佳乃ちゃんはそれを見てケラケラ笑っている。コレを思うのは何度目だろうか?やっぱり変な娘だ。
「面白いね。じゃあ、北川君は『ギャグ要因一号さん』ね。」
なんか、更に不名誉な称号が増えた…。
31211:05/02/05 12:46:34 ID:aLnip4Ey
すき焼きパーティー投下〜。
なんか、佳乃の性格がうまくつかめてないかもです。orz
とりあえず、もうちょっと続きます。
31320:05/02/07 10:22:56 ID:XP4vJomx0
久しぶりに乙っす〜
まだテストが終わらないんできっついきっつい。orz
頑張らねば…

ところで「美鈴」じゃなくて「観鈴」ですよ〜。
31411:05/02/07 13:42:56 ID:tHg6TJOBO
ぬぉ!ミスったぁ!!
「観鈴」に脳内変換お願いします・・・。orz

20さんテスト頑張ってください!!
315略して『すきパ』:05/02/11 16:13:47 ID:oqLctDUQ0
「次は国崎君だな。この発表によって肉が食えるか食えないかが決まるからちゃんとやるように。」
非常に嫌そうな顔をしながら、国崎さんが立ち上がる。
北川は付き合いも長いし、それなりに傾向はわかっていたんだが…、この人に関してはまだちゃんと性格も把握できていないからな。
目つきは悪いけど、そんなに悪い人ではないてのは、解る。
取っ付きにくそうな反面、時々北川のような反応も見せる…。
要するに、変な人なワケだが…。
「三番、国崎 往人。特技は法術。」
そう言うと、国崎さんはポケットから小さな人形を取り出して…動いた!?
「おぉ!」
「すげぇ!」
「わ〜!すごいですっ!ね、舞?」
「…うん、すごい。」
「なんやまたソレかいな…。」
「在り来たりだな。」
「久しぶりに見たよぉ〜。」
意見が真っ二つに割れたところを見ると、俺、北川、舞、佐祐理さん以外は知っていたらしい。
しかし、どうやって動いてるんだアレ…?国崎さんの能力は物を操作する能力じゃないはず…。
こういうときは聞いてみる。
「あの、ソレどうやって動いてるんですか…?」
国崎さんは一瞬考えた後、
「…トリックだ。」
一瞬神尾さんのほうを見たような…。
「でもさっき法術って…。」
「法術という名のトリックだ。」
うっわ、めっちゃ目ぇ逸らしてる…。
「まぁ、俺の紹介はそんなところだ。これからもよろしくな。」
「うん、よろしくだよ。」
「四十点といったところか。まぁ良いだろう…。とりあえず、この三人がこの施設の『お笑い護衛カルテット』だ。」
まぁた勝手な事を…。
しかし、聖さんてこんなキャラだったか…?いや、ちょっと前はもっとこう…クールで知的な…。
316略して『すきパ』:05/02/11 16:14:48 ID:oqLctDUQ0
「次、神尾さん、お願いします。」
「やっぱりウチもかいな…。まぁしゃあないな。ウチは神尾 晴子ココの雇われ研究院やらしてもらっとる。」
「晴子さん、だね?よろしくっ。」
「まぁ、よろしく頼むで。女先生、こんなところでええのん?」
「そうだな。次、研究院コンビ。」
ひとまとめにされてるし…。
良いのか?
「あ、今度は佐祐理たちの番だよ。」
「はちみつくまさん…。」
どうやら良いらしい…。
「私の名前は、倉田 佐祐理です。こっちに居るのが、親友の舞。」
「…よろしく。」
「私達も、この研究所で研究員をやってます。今後とも、よろしくお願いしますね。」
「…よろしく。」
「こっちこそ、よろしくね。」
「うむ。コレで今のところ全員だな。」
そう。とりあえず、コレで全員の自己紹介が終わった。
今この研究所に居るのは、全部で俺、北川、舞、佐祐理さん、国崎さん、観鈴さん、晴子さん、聖さん、佳乃ちゃんの9人。
「さて、自己紹介が終わったところでみんなメシにするか。」
うち、観鈴さんは欠席だから8人で二つの鍋を囲む。
楽しいすき焼きタイム。の筈なのだが、二つの鍋には一人ずつ『鬼』が憑いていた…。
317略して『すきパ』:05/02/11 16:16:41 ID:oqLctDUQ0
『ガガガガガガガガッ』
『ガガガガガガガガッ』
片方の鍋には舞。もう片方には国崎さん。
ものっそい勢いでかっ込んでいく…。
「舞〜、そんなんに急がなくてもいっぱいあるから、ゆっくり食べてね。」
「せやで居候!見っとも無いからやめぇや!」
二人ともしぶしぶ普通のペースに戻る。
「それでえぇんや。さて、ウチも肉食お〜。」
『スッ』
「…よっ」
『スッ』
「…なんで肉が逃げんねん!!」
「それは俺の肉だ。」
「やっぱりお前かぁぁい!!」
肉も動いてるじゃん…。いったいどういう…?
そんなこんなで、すき焼きパーティーの夜は更けていく…。



『おまけ』
「だれか〜!メシ食わせろ〜!!」
「でやんす〜!!」
「オデ…、ハラヘッタ…。」
研究所地下、隔離室。
三日ほど前に捉えられたザコ三人組。今日はすっかり忘れられ、一食も食べていない…。
「もう…、無理…。」
「おやび〜ん!!」
「シヌ…。」
次の日、三人は佐祐理さんが運んできた料理により命を救われ、佐祐理さんの後光に当てられて色々と話すのだが…。
それはまた別のお話…。
31811:05/02/11 16:20:29 ID:oqLctDUQ0
すきぱ終了〜。
とりあえず、研究所メンバーを固定したくて書いたこの話。アホです。すいません…。
なんか、佳乃もぜんぜん活躍していない気が・・・。orz
精進します…。
319名無しさんだよもん:05/02/12 01:21:16 ID:fqrI/3vH0
ヽ( ・∀・)ノ ウンコー
320'ヽ/ヽ:05/02/12 11:06:08 ID:iJlHke5F0
観鈴
321名無しさんだよもん:05/02/14 17:55:13 ID:LMqeg7PS0
えっと、とりあえずみんなで超能力バトルしているわけね?
322名無しさんだよもん:05/02/14 19:37:42 ID:2ca9mhDz0
11さん乙〜
遅レスですいません…なんか自宅のパソからログインできませんぜ… OTZ
現在、テストが終わって、天いな・東鳩2……とスパロボを友人から借りました。プレイ中です。
宗一の続きはもうちょい待って下さいな。

>>321
まあそんな感じっすね。
323名無しさんだよもん:05/02/14 19:56:51 ID:7czWkHf60
ロードオブザハカギ 葉鍵物語
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1108376561/

兄弟?
32420・322:05/02/14 22:52:16 ID:7mpqKA/e0
ようやく書き込めた…
>>322が名無しだよ… orz
325名無しさんだよもん:05/02/20 18:18:35 ID:zohxg1Gr0
>>323
それはただ葉鍵キャラでそれをやってみようってだけのスレだろ。
定期的に類似が立つ。
32611:05/02/21 22:22:24 ID:TrQmqDoI0
俺もルーツ購入〜!
まぁボチボチやってみます。
皆さんの新作を期待してます!!
32711:05/02/21 22:23:26 ID:TrQmqDoI0
ageてしまった…。orz
328名無しさんだよもん:05/02/22 13:18:22 ID:NdveqE4N0
ルーツは一つクリアするごとに最初からやったほうがいい。
329名無しさんだよもん:05/02/22 18:27:13 ID:/1eolreP0
ルーツはこういうスレは向いてるだろうな。
33011:05/02/23 00:06:46 ID:lHU79b7c0
>>328
アドバイスセンキューです。出来るだけじっくり味わいつつ急いで終わらせます。(矛盾

>>329
みたいですね。エージェントってテーマもまんまですし。
逆に、『うたわれるもの』は中心にあるくせに絡ませづらい事この上ない…。w
まぁ、この世界が『うたわれ』とは完全にアナザーなのか、うたわれの世界に続く話なのかは今後の展開しだいってことで…。
33120:05/02/24 03:27:59 ID:b44RmmM70
11さん頑張ってください。
ルーツはバカップル好きな自分にとっては名作の一つですよ。
宗一の能力どうしよ…orz
332純白の翼・中篇:05/02/26 01:11:07 ID:bmblJ6nj0
さて、いったいどうしたものか…
「その、篁様はどうなさったのでしょうか…?」
「あの御方は良い獲物(コマ)が…じゃねぇ、その、なんだ、用事ができたんで
俺に任せてそっちのほうに行っちまったのさ。なんだ? 俺じゃ不満か?」
「いえ、そんなことは…」
「ケッ、まぁいい、早いとこブツを見せてくんな」
篁財閥の使いを名乗る人物は健太郎さんが応対をしている。
どうも無愛想で乱暴な物言いで、健太郎さんはちょっと臆しがちだ。
そして俺は…
「あの〜どうしましたか…?」
「いえ、なんでもないですよお客様。…で、なにをお探しでしたっけ?」
「その、あの…、それがよく…わかんなくて…」
そんなこと言われてもどうしろっていうんだよ。
俺は羽リュックの女の子の対応を任されていた。でもこんなの本当にどうりゃいいんだ?
「うぐぅ…ごめんなさいぃ〜」
「いや、そんな泣かないでくださいよ。その、大切な物なんですよね?」
「はい…。詳しくは言えないんですけども、とても大切な物なんです。
それを探して、取り戻して、えっと…その、」
…まぁ詳しくは聞かないというのがエチケットなんだろうけど、場合が場合。
きちんと聞かなければならない。
「えっと、骨董屋に来てみるからには価値のあるものですよね?」
「えっ? えっと、た、多分…?」
ナゼに半疑問形なのか。
「それを一度は所有してたんですよね?」
「あ、は、ハイ! おそらく…?」
「…いつ頃所有していたの?」
「えっと…七年前?」
見たところ中学生っぽいし(苦笑)、幼稚園をあがるかあがらないかくらいの年齢なら
記憶になくても仕方ないか…。
…今の誰の苦笑? ま、いいか。
333純白の翼・中篇:05/02/26 01:12:58 ID:bmblJ6nj0
「えっと、それって」

「“いわく”つきの物品をお求めでしたよね?」
「ああそうだ。いろんな念が込められたモンがどうとかいってたな。内容の良い悪いはともかく集めてんのさ」

「……!!」
白髪の男は健太郎さんに答えた。
いわくつきの品。篁総帥はそういったものを買い漁っているという情報は入ってきている。
“表”も“裏”も、その筋のマーケットでは既に有名な事実。だが何の為かは未だに判明していない。
一説には、黒ミサで悪魔を召喚するための触媒として使われているなんて噂もある。
和洋区別無しなのでそれは無いと思うが。

「えっと、こういう事を聞くのもなんですが…、何故そういった物品をご所望で?」
「さあな、俺は単なる兵た…ゲーック! 単なる使いだからなぁ」
その言葉を信じるなら、どうやら下級兵には知らされていないことになる。
だがこの男の物腰、威圧感、下級兵とは思えない。まだ情報を引き出す余地はあるはずだ…。
もうしばらくは様子を「あのー、どうかしました?」
「え、ああすいません! えっとどこまで話しましたっけ?」
しまった、こっちの女の子の応対あったんだった。
「…エディ、録音しといてくれてる?」
『オウヨ! ちゃーんと録音に録画もしてっからヨ、目の前の障害から片付けナ!』
気付かれないよう小声でエディと会話。文明の利器ってのは便利だねぇ。
「七年前?ってとこからです」
「あー、そうでした。えっと、誰かからのプレゼントか何か?」
「!! そ、そうです! 確かそうです!」

「これは『フィルスソード(レプリカ)』と云いまして、とある地域で天地創造を行なったとされる伝説の剣を模したもので…」
「ほう、そりゃすげぇが…聞いたことねぇな」
334純白の翼・中篇:05/02/26 01:14:36 ID:bmblJ6nj0
やっとまともな回答が得られたか…じゃあ次は、
「誰からのプレゼント?」
「えっと、その、…いっ、痛っ! 痛い!」
「え? ちょ、どうしたの!?」
女の子はいきなり頭を抱えて蹲った。

「なんだこりゃあ? シャ●ザ●? しかも正座かよ」
「それは神道系のとある大学で学生寮の神棚を開けてみたところ、いつ誰が御神体とすりかえたのか、
中で鎮座していたプラモデルでして…」
「何でそんなモンまで置いてんだよ!?」
「毎日拝まれていたせいか、処分しようとしたり持ち帰ろうとした人は例外なく不幸が重なり、夢にまで出てきてうなされるらしいんですよ。
初回生産品の限定モデルらしくて価値は高いのでお祓いを受けた後にウチに流れ着いたんです」
「さすがにいらねぇよ…」

隣は楽しそうだなー…。
と、そんなこと考えてる場合じゃなかった!
「大丈夫ですか!?」俺は女の子を助け起こす。
「あ、はい、だいじょうぶです…。すいません」
う、そんな顔でみつめないでくれ。なんか胸がキュンってくる。
…これが“萌え”か!?
なーんてバカいってんじゃねーつーの俺!
「あの、そこの所を思い出そうとすると、なんか、頭が痛くなって…その先を考えられないんです。」
「え、そうなの? んーまいったねそれは。他には何か思い出せない?」
「えっと、うーん…」
「他に思い出そうとすると頭痛がするようなことはある?」
「う、うぐぅ〜、ごめんなさい…。もうよく分かんない」
「あ、そう…」
今度はこっちが頭を抱える番だった。
335純白の翼・中篇:05/02/26 01:25:32 ID:bmblJ6nj0
「あ、でも、ちょっと思い出しました! うん、確か人形です!」
「お、少し進展したね! で、どんな人形?」
「えっと、…それはまだ、です」
そう言って頭に手をあてて舌を出す。なんか可愛いなぁもう!
いつのまにか俺の口調がフレンドリーになってるが気にしない。
気にするな、うん。
俺ってばカウンセラーでも食っていける、そういうことにしとけ。

「お、こりゃあ…!!」
「あ、それは『無銘・妖刀』といいまして…」


――そして事件は起こった――

「んーと、それじゃあね〜……!!?」
その瞬間、とてつもない殺気を感じて振り向いた。
「えっ…」

「ふ、フヒッ、ヒィ、ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒィーー」
理性を失くした鬼が、日本刀を構え、嗤っていた…。
33620:05/02/26 01:31:55 ID:bmblJ6nj0
前回の書き込みから一ヵ月半…。
ごめんなさい、「かなり」遊んでました。orz
なんかあゆの性格が透子になってます。
ごめんなさいごめんなさいホントごめんなさい。
話はまだ続きます。駄文ですいません。
こんな自分でよければもうちょっと付き合ってください。
33720:05/02/26 02:56:36 ID:bmblJ6nj0
タイトルが「編」じゃなくて「篇」になってるよ
もうダメ過ぎ TワT)
338名無しさんだよもん:05/02/26 11:13:31 ID:R4lS4Wg90
おつかれさま。うまい具合にもとネタから引っ張る形になってていいなぁ。
クロスオーバーの醍醐味ってやつかなと。
さて、こちらも前半でとまっておりますがプロット練ってたらAIRミステリーな話になってきてしまいました。
クロスもあまりしてくれませんし。秋子さんの動向をどう処理するか……
「うたわれ」なんですが確かに中心に居座っている割にはキャラクターを登場させる下地を作るのが大変かなと。
あの化石が出てきた時点でもしかしたら「進化」とかそういったものがキーワードになってきて
能力の自然属性があのゲームでの「火神・水神・風神・土神」に絡んでくるのかなーと妄想したりしてました。
「火神同士での戦いで周囲の書類や巻物が燃える」なんてエピソードもあったことですし。
33920:05/02/26 20:00:28 ID:bmblJ6nj0
逆に自分はクロスするだけしてほったらかしになりそうな話ばかり浮かびます
どうしようか、ホントに。

うたわれもちょっと考えてます。
…なんか葉がメインだな自分。葉のゲームそんなにやってるわけじゃないのに。
>>338
うたわれのキャラの能力は地水火風にまつわるものにしたほうがいいのかな?
まあ書いたモン勝ちですけど(苦笑
ちなみに今書けませんけど(鬱 orz
340名無しさんだよもん:05/02/28 07:47:45 ID:UnifdMSk0
>>339
能力、という風に特別視しないですでに自然に身についているものとしてしまうのも一案ですね。
あくまで描いたもの勝ちですが。
34111:05/03/01 00:14:18 ID:wdJ6WpbnO
携帯から失礼。
パソコンが完全に逝かれたようで、インターネットに接続できず、大変です・・・(泣

20さん乙です〜。
おぉ!御堂はてっきり極悪キャラだと思ったら、結構ぬけたキャラなのか!?w

AIRミステリーも楽しみです!
うたわれの属性は盲点でした・・・。その手があったか・・・。

俺的妄想では、華音と針葉問題が一段落した後、どっちかの研究員が『アイスマン』(ハクオロ)になったり等妄想したり。

新作投稿はパソが直ったらと言うことに・・・。
ではまた(^_^)/
34220:05/03/01 15:20:06 ID:+BR0nGn70
パソが壊れてたんすか…
Routesをやったからっすか?(汗
ちなみにどこまで進みましたか?

>>340
別に全員能力をムリにつけることもないんですよねぇ…
ニウェとかゲンジマルとか素で強そうだし。
343純白の翼・本編導入部:05/03/04 00:37:11 ID:logSxDOI0
「それは無銘・妖刀といいまして、とある侍の怨念…というより、執念が宿っていた刀です。
除霊はしてあるので触れても大丈夫ですよ」
「へ、刀か…。あの野郎を思い出すぜ」
そう言い、男は刀を手に取ってみる。
『ドクンッ』
「ん?」
「ちなみに刃は落としてあるので殺傷力はありません。ご期待には添えない代物かと思いますが…」
『ドクンッ  ドクンッ』
(なんだ、こりゃ…。血が、騒ぐ?)
「お客様?」
店主が話しかけてくるが、男は気付かない。
―シャラッ
男が、おもむろに刀を鞘から抜いた。


「うわっ、なによこれ!?」
スフィーはその様子を見て叫んだ。
悲鳴が聴こえてきたのでただ事ではないと感じ、降りてきたところ、目に入ったのは
刀を持った男が暴れて店をメチャクチャにしている様子だった。
「フヒ、フヒィー、ヒヒヒヒィー!」
一目で分かる。完全に理性を失っていた。
刀を振り回して壷や皿が割られていく。
「あ、ス、スフィー!」
「けんたろ!? いったいどうしたのよこれ!?」
健太郎がスフィーのもとに駆け寄ってくる。
「かくかくしかじか! こういうわけでいきなり暴れだして!」
「かくかくしかじかで分かるわけないでしょうが! ええいもう!」
このままでは埒があかない。
スフィーは手を前にかざし、呪文を唱え始める。
344純白の翼・本編導入部:05/03/04 00:39:08 ID:logSxDOI0
「お、おい、魔法は」
健太郎は脇に目をやると、宗一が女の子をかばった状態で店の隅に避難していた。
まだ他に二名いるのだ。魔法のことを知られてしまう。
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ! えーい!!」
スフィーの魔法が炸裂する。
「まじかる☆さんだー!!」
「ガァッ!?」
指先から放たれた電撃が男に命中した。
「アッ、グァ…」
「よし、命中!」
そのまま男は倒れていく…かに見えた。
ダンッ!
「あ、あれ?」
男は倒れかけた際、一歩前に踏み込みそれを堪える。
「ヒィイ、ヒャァー!」
そしてそのまま体勢を低くし、刀を突きのカタチに構えて一気に走り寄ってきた。
その狂った目に、スフィーを映して…
「え?」
「スフィーーー!!」
突然の男の行動にスフィーは動けない。
とっさに健太郎がスフィーをかばう。
そして、

「そりゃーーー!!」
「ブゴァァッ!?」
宗一の跳び蹴りが、男の顔面に炸裂した。
34520:05/03/04 00:46:09 ID:logSxDOI0
というわけで本編への導入部。ここまで書き込んどきます。
次は将に本編となるバトルに入る…んですけど、

バ ト ル が む ず い 。ヽ(`Д´)ノウワァァァァン

…くそぅ orz
34611:05/03/05 23:11:01 ID:/7/7ix+d0
友人宅からカキコです。
いまだPCは直らず。
原因はやはり、三年ほど前に超特価のMeを買ったので、もう寿命という事でしょうね。
なんか悪化させるのが怖いのでまったく触っていないので、まだルーツも最初のヒロイン紹介で止まってたり…。
ノーパソほしいわ…。

20さん本編乙です。
バトル楽しみに待ってますよ〜。w
347名無しさんだよもん:05/03/17 13:49:26 ID:QnRDbwkkO
ホッシュ
348名無しさんだよもん:正暦1016/04/01(金) 23:40:00 ID:D2jwLHKtO
保守保守。
349名無しさんだよもん:正暦1016/04/02(土) 11:45:23 ID:FOFPFvmG0
がんがれ
350名無しさんだよもん:2005/04/05(火) 02:44:27 ID:Y9IbdNyr0
糞スレ皿仕上げ
351名無しさんだよもん:2005/04/06(水) 11:33:04 ID:ZLlmRR9i0
もう終わってもいいんじゃない?満足したろ?
352名無しさんだよもん:2005/04/06(水) 23:22:15 ID:eV+tWEjU0
保守ですよ
353名無しさんだよもん:2005/05/01(日) 22:52:03 ID:JaSY4XaD0
ホス
354機械人形とクロノスのロンド:2005/05/06(金) 19:03:18 ID:MDd7r6uL0
男が一人、暗い路地裏を歩く。
そこは本来、危険すぎて一般人は近寄れない場所。
昼に住む住人でなく、夜に住む住人たちに溢れ、力だけがその絶対のルール。
いつもなら夜のこの時間は、ちょうど『住人』たちが活発に活動する時間だった。
だが、今は人の影も見えない。
いや、気配はそこらかしこにある。隠れている。
それは、身の危険を察知し、巣に戻っていく穴蜘蛛のように…。
一人でその道を歩く『絶対捕食者』、九品仏 大志が在るが故に…。

「お待ちしておりました。『トト』様」
裏路地の巨大な廃墟ビルに入った大志を出迎えたのは、セリオだった。
彼女は会いも変わらず無表情ないでたちで、隙というものが見出せない。
実を言うと、大志はセリオが少し苦手であった。
「セリオ君、さっきは言い忘れたが、我輩を呼ぶときは『ジェフティ』とエレガント且つ力強く呼ぶようにと言っているはずだが?」
「しかし、私の正式な能力者データには『トト』と記載されています」
「だから書き換えてくれたまえと前々から言っているだろう」
「登録データの書き換えは私の一存では修正する事はできません」
「だいたい、私はまだ『トトサマ』と呼ばれるような年ではないのだよ」
「トト様の年齢なら婚姻している人間は大勢いるはずですが」
こちらです、とセリオが案内しながらビルの中を移動する。
毎回会議を行う部屋は違う。突然の奇襲に備えるため、毎回浩之の独断と偏見で決定されるのだ。
それにしてもつくづく苦手だ、と大志は思う。
いつもハイテンションで、どこか人を食った所がある大志だが、それが通用しない人間にはめっぽう弱い。
あの冷たい無機物な目に自分が移りこむと、どうにも自分が滑稽に思えてしまう。
自分は、目の前にいる機械人形より道化なのではないかと…。
「『トト』様」
不意に声をかけられ、ハッと我にかえる。
どうやら、いらない事を考え込んで上の空だったらしい。
「ここです。」
「あぁ、了解した…」
355機械人形とクロノスのロンド:2005/05/06(金) 19:04:07 ID:MDd7r6uL0
とんだ失態だ。もっと気を引き締めなければ。
「…」
ふわりと、柔らかい物が額に触れる。
「なっ…」
それはセリオの手のひらで、優しい温もりが大志の額を包む。
大志は、自分の顔にカッと血が上るのを感じた。
「トト様、少しお熱があるようですが」
「な、なんでもない。大丈夫だ」
バッと後ろに下がり、セリオの手から逃れる。
なぜ、自分が機械人形にうろたえなければならないのか?
それにしても、暖かかった。
機械とは思えぬほどに…。
「そうですか、では、中で浩之様達がお待ちです」
「解っている」
大志は、目の前にあるドアを開けた…。
自分の中に芽生える心を、振り払おうとするかのように…。
35611:2005/05/06(金) 19:07:48 ID:MDd7r6uL0
大復活!!
結局PCは直りませんで、新しいのを買いました。
これでようやくルーツが出来る…。
さて、ずいぶんスパンが空きましたが、ここまだ見てくれている人要るのかしら…?

20さん、なんだか期待はずれな奴ですいません…。
これからがんばってやって行きます!(ルーツを)w
357名無しさんだよもん:2005/05/07(土) 00:43:36 ID:GOD3Dvkb0
age
35820:2005/05/07(土) 02:01:54 ID:OmaZFoeq0
うわ! こちらこそ全然更新せずにすいません!
ここしばらくACネクサスとACEとSRWαUをやってました…orz

なるべく早くに続き出しますよう頑張ります!!
35911:2005/05/11(水) 19:01:17 ID:BFeEENsi0
俺も頑張ります!
せめてDed落ちせぬよう頑張らねば・・・。
360名無しさんだよもん:2005/05/12(木) 23:13:45 ID:4rKcBOiN0
20と11以外に誰かいるのかを知りたい。
361ペイパー・ムーン 中編:2005/05/18(水) 23:47:01 ID:WYfdMRrh0
 聖が去った後、佳乃はこれまでの経緯を簡単に説明した。
 樹海で迷子になりかけたこと、奇妙な男のこと、空から落ちたら丁度姉の上だったこと。
「でも空の上にいたときあのカラスさんに気づいたから迷子にならなくてすんだんだよぉ、
 だからあたしが無事だったのはぜーんぶ往人くんのおかげ……なんだけど」
「そういうことはもうちょっと早く言ってくれ、こっちは死活問題なんだ」
「大丈夫だよぉ、お姉ちゃんにどーんと任せて大船に乗った気分でいれば」
 余計に不安だったが、口から出たのは別の言葉だった。
「で、俺の黒朱雀を追って戻ってきたというわけか」
 さりげなく佳乃の偏見を訂正しつつ往人は訊く。
「そうそう。『青い鳥』の童話みたいだねぇってお姉ちゃんと話してたんだ」
 『青い鳥』。幼い兄妹が幸運を招く青い鳥を探して旅をする話だね、と観鈴が教えてくれた。
「うん、最後に家に帰って鳥を見つけるとこまでそっくりだったから」
 往人くんのは青じゃないけどね。そう言って佳乃は笑った。
 その笑顔のまま、ふと浮かんだ異なる表情に往人や観鈴は気づいただろうか。
「思うんだ、お姉ちゃんも往人くんもいるここがあたしの家なんだなぁって」

「往人さんの力って、やっぱりすごいと思う」
 この研究所にいるはずの友達何号さんだかにあいさつしてくる、と佳乃が席を立った後、観鈴が言った。
「だってそれは往人さんじゃないとできないこと。他の誰にもまねできないことだから」
「……そうでもない、現に相沢みたいなやつもいるだろ」
「ううん、そういう意味じゃなくて」
 言葉を選ぶかのようなわずかな沈黙。
「たとえばね、相沢さんだけじゃなくてこの世界のみんなが往人さんと同じ力を使えたとする」
「仮定からして無意味だろ、そりゃ」
「分かってる。でも、もしそうだったとしてみんなはその力をどう使うと思う?」
「……どういう意味だ」
「最初はその力をただ使ってみたいと思う。簡単に大きな力が使えると分かったら、
 今度はどうしようとするかな」
「……」
「お母さんは、たぶんそれを気にしてる。いつもあんなきつい言い方になっちゃうけど」
 そこまでいって、観鈴はあわてたように首を振った。
362ペイパー・ムーン 中編:2005/05/18(水) 23:48:08 ID:WYfdMRrh0
「ええと、なんか変なこといったね。気にしないで、往人さん」
 その笑顔が、いつになく引っかかった。
「観鈴」
「え、なにかな」
「……怖かったのか?おまえ」
「……」
「黙ってちゃ分からん」
「……にはは」
 会話の間にできた気まずい空白を埋めようとするかのごとく立ち上がる。
「お茶、冷めちゃった……また淹れなおしてくる」
「いい」
「え?」
「これで、いい、ごちそうさま」
 観鈴が手を伸ばすより早く、往人の手が湯飲みをつかんでいた。
 どうしてそんなことするかな、と言いたげな観鈴に何も言わず、ただじっと待つ。
 やがて、観鈴はぽつりと話し出した。

 燃えている。
 影と見紛う暗色の炎が視界を包んでいく。
 公園の木立を、シーソーを、ブランコを、ジャングルグローブを同じ色に塗りつぶしていく。
 降り出した雨すらも、火を消すことができずにただ飲み込まれていくように思えた。
 傍らにいたはずの人はそこにはいない。
 レインコート姿の女の子が一人、公園の真ん中で泣いている。
 その風景の中で、何をなすべきかも分からずに、ただ立ちつくしていた。
363ペイパー・ムーン 中編:2005/05/18(水) 23:48:58 ID:WYfdMRrh0
 ……ぽつり、ぽつりと。
 徐々に描写されていくその風景を、往人は見たことがあった。
 いつの話かははっきりとは覚えていない。
 しかしあの時光とともに消えた母親の言葉に従って、自分は今ここにいる。
 あの日何が起こったのか。母親の遺言めいた言葉は何を意味していたのか。
 そう、水瀬秋子に会いさえすれば、話を聞きだしさえすれば全てがわかるはずなのだ。
 しかし……
「観鈴、それは……夢なのか?」
 その声に、いつもの「夢語り」のときと違ってずっと目を合わせまいとしていた観鈴が顔を上げた。
 頭を横に振る。
「たぶん、違う。あれは……」
 そういいかけた表情が突然固まる。
「怖くないから、怖くなんてないから……」
 その言葉に続くのはとめどない嗚咽だけだった。

 観鈴の癇癪。
 「故あって居候」の身分から「故あって護衛役」に転身した往人にとって、それは初めてのことではなかった。
「あれが始まったら、収まるまで放っておくしかないんや」
 晴子から散々聞かされたことである。人と仲良くなれそうになると起こる原因不明の発作。
「一人にし続けるしか策あれへんねん、あの子は……」
 一度だけ、親なら何らかの策を打つべきではないのかと晴子を詰問したことがあった。
 あんたに何がわかる、とつっぱねられるのが関の山だと思っていたが、以外にも穏やかな口調で晴子は続けた。
「やさしい娘や、他人の痛みとかそんな、感じへんでもええようなことまでみな自分の中に溜め込んでしまう
 ……あの発作起こるたびにそう思うんや」
 冷気の澱んだ廊下でひとり、息をつく。
 そのときは「あんたとは大違いだな」などと返して晴子にどやされる羽目になったのだが、
 今思えば「他人の痛み」という表現が当を射ているような気がする。
 それほどに、観鈴の描き出した光景は鮮明で、まるであの場にいたかのように五感に訴えてきた。
 黒い炎。黒い火の鳥。
 幸せを運ぶことなどできない黒い鳥。
「怖くなんてない」の後に、観鈴は何と続けようとしたのだろうか。
 ふすま越しに、かすかな嗚咽はなおも続いていた。
364ペイパー・ムーン 中編:2005/05/18(水) 23:50:00 ID:WYfdMRrh0
「まったく、君という人もずいぶん女の子泣かせじゃないか」
 至近から不意に声をかけられる。廊下に響くその声はどこか愉しげで、それが少々神経に障る。
 目をむけると通○閣と大書きされたボリュームのある胸部が見えた。
「違うぞ、これは」
「わかっているさ。例の発作だと言いたいんだろう? 主治医をそうそうなめないでくれたまえ」
 その声の主――霧島聖は手に持った箱の角でで往人の胸をこつこつとたたいた。
 両手でその箱を受け取る。
「なんだこれは」
「何の変哲も無いただの折り紙セットだが? まさか菓子折を期待していたわけでもあるまい」
「ラーメンセットなら常時大歓迎だ」
 腹立ちまぎれ、というには何かが余計な態度で往人は箱を押し付けて返そうとした。
 しかしそれは未遂に終わる。聖の敏捷さは腹を減らした往人にかなうものではなかった。
 鼻先にメスをつきつけられ、箱を持ったまま両手を上げる。
「罰当番だ、買出し部隊の帰還までに食堂兼ホールにパーティー用の飾り付けを済ませること。
 椅子は9人分、上座は佳乃の席だからソファを使うように。……それと」
 メスが引かれると同時に、硬質の板がこちらに飛んできた。
「飾り付けの中央に使ってくれ。私が丹精こめて書いたものだ」
「……謹んで」
『祝!佳乃が私の元に返ってきたパーティー』と書かれたそのプレートを手に、一礼する。
 明らかに無茶苦茶な注文ではあったが、逆らうことのできる立場に現在の往人はないのだった。

 目の前には色とりどりの紙の束。
 響くは己の腹の虫。
「俺はいったい何やっているんだ……」
 肩書き上は華音機関所属の研究施設守護エージェントであるはずなのだが現状は小間使いとさして変わらない。
 つまり、これも飯の種の一部ではある。
 あるのだが。
 いくら睨み付けたところで、折り紙セットがご馳走に変わるわけでもない。
 いっそのこと『マッチ売りの少女』のごとくこのいまいましい紙束を焚き付けてしまえば少なくとも
 ご馳走の幻影だけは味わえるのではないかと埒も脈絡もないことを考える。
 ……そこまで落ちぶれることは、できそうになかった。
365名無しさんだよもん:2005/05/18(水) 23:50:39 ID:WYfdMRrh0
 紙を手にとり、飾り付けを一から作っていく。と、こちらに向かって何かが飛んできた。
 反射的に受け止める。がさがさと音のする軽いビニールパック。
「……おつまみセット」
 思わず声が出た。捨てる神あれば拾う神あり。
 このような粋な計らいをしておいて眩い笑顔で「あはは〜」と受け返す研究員はこの施設には一人しかいない。
「感謝感激雨霰です倉田さ……」
 語尾を飲み込む。予想していた人物にあるまじき据わった眼光に冷や汗が流れた。
「悪かったな、倉田さんやのうて」
 どっかと往人の隣に腰をおろしたのは紛うことなきこの施設の女ボスの片割れ――神尾晴子であった。
 
「居候、らしくないことしとるんやなー」
「飯の種だ」
「にしてはヘタクソやなー。どれ、手伝うたろか」
「余計なお世話だ」
「人の好意ってのはな、素直に受けとくもんやで」
「……」
 怒っている様子はない。往人をからかって楽しんでいる。……ように見える。
「あ、今もう大丈夫かなーとか思うたやろ」
 見透かされていた。
 往人が返答に窮している間に、晴子は手際よく色とりどりの紙を飾りつけの花に変えていく。
「……その」
「悪かったな、怒鳴ったりして」
「は?」
「あほ、なに呆けた声出しとんねん。晴子さんが素直に謝っとるんや。もうちっと別の反応があるやろ」
「あ、ああ……こっちこそ済まない」
「ほれ居候、手がお留守やで。もともとあんたの仕事やろが」
 気づくと半数ほどの色紙が飾り付けへと姿を変えている。
 まるで、手品のように。
「観鈴がな、しゃくりあげながら言うねん。『往人さんは悪くないから』ってな……
 まったく、この女泣かせが」
「観鈴は、もういいのか」
「一段落はついたみたいや、今は寝とる」
366ペイパー・ムーン 中編:2005/05/18(水) 23:51:20 ID:WYfdMRrh0
 ふと、晴子の視線が逸れた。その先にあったのは――手書きのプレート。
「霧島センセのか」
「ああ、妹がきたくらいでパーティーははしゃぎすぎだろ。おかげで俺の仕事が増えちまったわけだが」
「あんた、聞いてへんのか、佳乃ちゃんのこと」
「エキセントリック魔法少女さん一号だ。それがどうかしたのか?」
 冗談のつもりだったのだが、晴子は乗ってはこなかった。
「さっき電話あってん、本部の天野さんからや――佳乃ちゃんが、そっちに向かってへんかって。
 どうやら佳乃ちゃん、天野さんの担当してる……真琴ちゃんやったか、の首、絞めてもうたらしい」
「なんだと!?」
「本部で例の夢遊病がでたみたいなんや。真琴ちゃんのことは心配要らんから――
 そう佳乃ちゃんに伝えてほしいちゅうことやった」
 抜け出してきた理由を話さない佳乃、唐突過ぎるパーティー、『青い鳥』。
 聖の独裁者ぶりにも、合点がいく。
 そして。

 ……公園の真ん中で、影の炎に塗りつぶされた木立の傍で、少女が一人泣いていた。
 ……何をなすべきか分からずただ佇んでいた。
 ……そこにいながら、何もできなかった。
 ……その少女が誰なのかは今でもわからない。

「晴子、観鈴と佳乃を――呼んできてくれ」
(だってそれは往人さんじゃないとできないこと。他の誰にもまねできないことだから)

 ……しかし――今自分が何をなすべきかは、わかった。
36720:2005/05/20(金) 23:50:29 ID:a8y309j60
遅ればせながら、新作乙であります。
なんか展開がすげぇー

いいかげん自分も早く仕上げねば…
駄文でどうもすんませんorz
368360:2005/05/21(土) 01:45:29 ID:aXHZxiIb0
誰かいるのかを知りたい…
俺みたいなヲチャもどきでない人の誰かを…
ただそれだけだったのに…

>>360は洒落にならんかった。以後romります。すまん。
36911:2005/05/23(月) 17:28:15 ID:RibtzcQM0
『紙月』新作乙です〜。
むぅ、普通に文章表現とか匠っすよね。俺もガンバロ…。


>>360さん、そんなことないですよ?
何か思うことがあったらバンバン書き込んでください!
それに、俺もどのくらいの人が来てくれてるのか知りたいし・・・。

さて、次のどうしようかな…?
370名無しさんだよもん:2005/05/30(月) 04:16:30 ID:qRyL3zVK0
書きたいシーンが断片的に出てくるもののどう接ぎ合わせたものか頭抱えています。
中編への感想多謝です。裏パートとして書いているのですきパ以前にはそう大事が起こっているわけではないはずなのですが
なんやら急展開になってしまいました。平にご容赦。
>>360
 「20と11以外に〜」というところにつっかかっていきなり本文だけ落とすなんて大人気ないことしてしまってごめんなさい。
 ”俺まだいるよ”な気分だったのです。確かに本文は遅々として進みませんが……。

ところでネタ出しとか雑談とかで定期的にレスしてかないとスレ保持数が減った都合でdat落ちの憂き目に遭いそうですが如何?
37111:2005/05/30(月) 17:07:44 ID:F2l56+ZI0
そうですね。ソレは避けたいところ。
雑談とかでも何でも保守しなければ!!
さて、これからの展開的にどう持って行ったら良いものか…。

あと、ここ見てくれている人で 絵が描ける人って居ませんかね?
挿絵とか描いてくれる人が居たらすっごくうれしいですよ!!
あと、まとめサイトとかいつか作りたいっすね。
372名無しさんだよもん:2005/05/31(火) 00:24:36 ID:RJ/fEGOH0
今のところリレーというよりオムニバス形式だからね。
不特定多数が書いている形ではないし……
今はまだここのリサイクルネタスレで細々とやるくらいがちょうどいい思う。
イラストとかまとめとかは読んでくれてる人間がそこそこ増えてからでも遅くはないんじゃない?
37320:2005/05/31(火) 02:36:05 ID:ebx6kJpS0
どうしよう、自分だけ続きが出てない・・・ orz
話の展開の道筋は、脳内でちゃんとできてあるんですけど、
バイトに授業にレポートに忙しく・・・って、言い訳にしかなりませんよね・・・

確かにイラストは欲しいですね。でも現状だとまだ早いですかね。

↓とりあえず、やっつけの繋ぎを投下します。
374名無しさんだよもん:2005/05/31(火) 02:36:47 ID:ebx6kJpS0
「嬢ちゃん! あんたは逃げろ。いいな!」
「ふぇ? は、はい!」
スフィーちゃん(どうやら能力者だったらしい)の攻撃が男に命中した。だけど、あれではダメだ。あの男には効いていない!

―――【スサノオ】起動―――

「ヒィイ、ヒャァー!」
「スフィーーー!!」
とっさに健太郎がスフィーをかばう。
そして、

脚部出力を50%に設定。
開放。
宗一は床板を踏み抜く勢いで、駆ける。
そして、翔ける。

「そりゃーーー!!」
「ブゴァァッ!?」
壁を使っての三角跳び。宗一のとっさの跳び蹴りが、健太郎の頭上を飛び越えて
男の顔面に炸裂した。
「なっ…!?」
男は吹っ飛び、店のドアを破って道路へと飛び出していった。
375純白の翼:2005/05/31(火) 02:37:59 ID:ebx6kJpS0
「…大丈夫?」
「あ、う、うん。だいじょうぶ…です」
突然の出来事。そして瞬間移動のように目の前に登場した宗一に半ば呆けた状態で答える看板娘。
それは彼女を抱きしめている(庇っている)健太郎も同様のようだ。
だが、現在そんなことはどうでもよかった。
「そう、そんじゃ悪いけど店のなかで下がっててくれ。 
…あの男、あのくらいじゃくたばんねぇよ」
そう言って宗一は男を見据える。
「ヒ、ギ、ガハッ、ギヒッ、ヒ、ヒヒヒヒヒヒ、フヒイイ〜」
男は刀を杖代わりにして、よろけながらも立ち上がろうとしていた。
「…宗一君、これって、なにがどうなってるの?」
「それはこっちが聞きたいですよ。…あの刀、何なんですか?」
「あ〜、あれはね……」
健太郎は口ごもりながらも簡単に説明した。
「人の体をのっとる古の妖刀!? 確かにいわく付きの代物でしょうけど、
なんでそんなもの触らせるんですか!!」
「ちゃんと成仏したんだよ! もう妖気は消えたようだったし! それに変だよあれ…。
以前暴れた時はちゃんと理性があったんだ。なのにあんなに狂ったようになるなんて…」
「とにかく、こうなったら…」
宗一は手近にあったフィルスソード(レプリカ)を掴み、店の外へ駆け出す。
「バイト代、はずんで貰いますからね!!」
「フヒヒィーー!」
宗一が店を飛び出すと、その後を追って男が駆けてゆく。

そのまま二人は、夜の街に消えていった……。
376純白の翼:2005/05/31(火) 02:39:19 ID:ebx6kJpS0
「…ねえ、けんたろ…」
「…どうしたスフィー」
「…どうすんのコレ?」
二人の目の前には、しっちゃかめっちゃかになった店内の惨状、
そしておしゃかになった骨董品の数々…。
「…とりあえず、後で請求しよう…」
「…どっちに…?」
健太郎は横目で、宗一が踏み抜いた床板と壁と壊れた扉を見やる。
「…両方に、だな…」

ちなみにこの後、『御堂さん』の行方がつかめず、全額を宗一が支払うことになるが、
それはまた別のお話である。
37720:2005/05/31(火) 02:46:59 ID:ebx6kJpS0
とりあえずここまで。
未熟で稚拙な文章ですが、ご勘弁を。 orz

少しネタバレすると、某ロマンホラー漫画のネタで逝こうと思っています。
37820:2005/06/07(火) 17:13:09 ID:5mq252hA0

村八分くらったかな漏れ・・・ OTL


続き書かずに書き込んでる自分が悪いんだけどさ
379名無しさんだよもん:2005/06/08(水) 07:21:02 ID:Uo/OpO3k0
恥ずかしい糞スレ晒しアゲ
38011:2005/06/09(木) 11:07:57 ID:oMlvSHjK0
20さんゴメーンっ!!
いや、中間テストでしばらくネットにこれませんで、村八分とか村九分とかそういう訳ではないんですよっ!?
ともあれ、新作乙です。
某ロマンホラー漫画と言われると、ジョジョ第一部しか思い浮かばない俺の頭。
とにかく、続きに期待です!!
381名無しさんだよもん:2005/06/09(木) 11:20:33 ID:XqJxV5tt0
>>中間テスト
歳のばれる発言は止めなさい。
38220:2005/06/12(日) 21:11:46 ID:sCLHlAsh0
>>380
そうですか・・・、それはお疲れ様です(´・ω・`)
こちらもレポート溜まっていますので人のこと言えないですけど、ガンガってください。

続きは…ガンガります。 orz
ジョジョ第三部です。(;´Д`)
383名無しさんだよもん:2005/06/22(水) 22:50:37 ID:dZYD67rw0
保守
384名無しさんだよもん:2005/07/16(土) 10:43:23 ID:NYDhDCDV0
hosyu
385名無しさんだよもん:2005/08/06(土) 21:42:05 ID:mVTU4jAX0
保守あげ
386名無しさんだよもん:2005/08/09(火) 23:38:54 ID:Wutlhaz10
超がんばれ
387hage:2005/08/10(水) 13:53:38 ID:C6mus4QCO
なんだこのスレ…(||| ̄Д ̄)ただのU-1隔離スレじゃねーか…
とりあえず晒しage(ゲラ
388名無しさんだよもん:2005/08/10(水) 15:48:26 ID:CoTTWJAs0
そんなこと言って、本当は盛り上げたいくせにw
389名無しさんだよもん:2005/08/10(水) 17:38:23 ID:tYPexhUd0
いいじゃんよ別に、好きでやってるんならさ
390名無しさんだよもん:2005/09/03(土) 13:50:59 ID:PcELLjYe0
hosyu
391名無しさんだよもん:2005/10/04(火) 23:24:45 ID:Px8eQ66Y0
一ヶ月も更新止まってる。

さすがU−1SS!
392名無しさんだよもん
揚げ