926 :
かなり ◆Zkbq51PB.2 :2007/05/14(月) 15:03:31 ID:605Tql1/0
コラ、お前等マジいい加減にしろよ。最初から気に入らなかったよ。死ね
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927 :
かなり ◆Zkbq51PB.2 :2007/05/14(月) 15:07:45 ID:605Tql1/0
コラ、お前等マジいい加減にしろよ。最初から気に入らなかったよ。死ね
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928 :
かなり ◆Zkbq51PB.2 :2007/05/14(月) 15:08:31 ID:605Tql1/0
コラ、お前等マジいい加減にしろよ。最初から気に入らなかったよ。死ね
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929 :
かなり ◆Zkbq51PB.2 :2007/05/21(月) 15:22:38 ID:8j7hsQ4e0
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930 :
かなり ◆Zkbq51PB.2 :2007/05/21(月) 15:24:02 ID:8j7hsQ4e0
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931 :
名無しさんだよもん:2007/05/24(木) 11:38:28 ID:whZ2liAN0
そろそろ次スレの時期かな?
このスレは多くの夢があってよかったぜ。過去スレも読みたかったなぁ
雪ちゃん虐待の人が最後の戦士だったが、もはや力尽きたようだな。
東方ゲリラが消え、ピンク頭の人が消え…。
東方ゲリラとかピンク頭人とか読んでみれば?
リトバが発売されれればクド調教もありえるかもしれん
東方ゲリラ以外にも名無しさんたちが頑張ってくれたからな。
て、いうか、東方ゲリラ消えたのは随分前だろwwww
新しいのが書けたのだが、ここに投稿するべきか、コンペスレに投稿するべきか迷う。
コンペスレに投稿する価値があるものでもなし(つまりクソSS)、
このスレに投稿するほどグロくもない。
チラシの裏にでも書いてろ
うるせーバカ。
つっても、ほんと過疎ってるっつーか死んでるよな、このスレ。
エロパロ板のそれっぽいスレに投下って手もあるよ
ジャンル葉鍵でもさほど拒否感無いみたいだから
「板違い葉鍵に返れ!!」とは言われないみたい
943 :
1/12:2007/06/20(水) 02:51:57 ID:9lQ/JXBI0
CLANNAD〜執り憑かれた街〜
春原陽平はカタカタと震えていた。それは自分がしでかした凶行に恐怖する震えだった。
「はは…これはなんかのま、間違いだよね」
ニヘラァ、と、おなじみの引きつった薄笑いを浮かべた春原。
彼の足元、図書室の色あせた板床の上には、有紀寧の死体が転がっていた。どす黒い血溜まりにとっぷりと浸った、
有紀寧だった肉の塊が。
「…春原…お前…」
か細い声のするほうに顔を向けると、岡崎朋也が立っていた。藤林杏も。
「こ、これはっ、あの、その、ま、や、いえ、そのあはははっ」
春原が頭を掻き掻きなにかを喚いていると、杏は懐から携帯を取り出し、迷わずに110をプッシュした。
「もしもしっひっっ、警察ですかっ、あっ、救急車も呼んでくださいっ、ナナン、ナイフ、じゃなくて、ふぉ包丁です、
女の子がっ、がっ、包丁で死んできゃあっっっ!!」
ドンッ!!
呆然と突っ立ってる朋也を突き飛ばし、春原は逃げた。その右手に、赤黒い血をベットリと付着させた包丁、
10分ほど前まで有紀寧がリンゴを剥いていた包丁を握り締めて。
……。
…。
944 :
2/12:2007/06/20(水) 02:54:09 ID:9lQ/JXBI0
その日の午後のうちに、有紀寧が春原に刺されて死んだ、という知らせは街中の不良たちに伝わり、広まった。
「なあはーーーっっ?!ユキ姉ぇが殺されたぁあーーーはっっ?!マジ?」
「おっごおおおおおおおお?!!」
「おおおおおおおおおおおおおん、あおーーーーっ、ウッ!」
「マッポに渡すんじゃねえぞ?!俺らで“ケジメ”とったらぁ・・?!」
「ゲラウトヒア・・」
“?!”
ゴウンゴウン。がおがおーん。
爆音を鳴り響かせながら、街中の不良・暴走族総勢241人が“狩り”を“ゲームスタート”[はじめ]た。
有紀寧の弔いを口実にした、彼らの獣的な殺意と肉欲を満たすための遊びを。
「誰かアイツん妹の“ガラ”さらってこいや!たしか今コッチにいるんよ!人質だべ!おっおっ」
……。
…。
一方、春原は駅の向こう側にある小さな山の中の獣道を走っていた。足元を照らすものはなにもなく、ただ、
闇雲に斜面を駆け上っていた。
「なはんでボクがこんなことにっ、こんなことにっひばっ、ぶばぁあ」
チアノーゼ気味の春原であったが、彼はとにかく山頂を目指した。何故か、そこは安全だと思い込んでいたのだ。
警察の手から逃れられる何かがある―そう確信していたのだ。泥と汗にまみれた服をその身にまとわりつけながら。
945 :
3/12:2007/06/20(水) 02:58:21 ID:9lQ/JXBI0
どこかの廃屋の中。
「……」
殴られ、パンパンに腫れた目じりの肉が裂けて真っ赤な血が噴出しても、春原芽衣は泣きもしなかった。
ただ、痛い、そう感じただけだった。涙はもう流れなかった。春原が逃亡してからすでに6時間が経過、午後8時のことだった。
「っだぁおぅ、もうおしまいかよぉ」
ジンジンとしびれる右手をブラブラと振りながら、左手でズボンをたくし上げる不良。
「マンコももうガバガバだし、どうすっかなあ。意外と“使えねぇ”じゃん?」
不良グループのリーダーがピッ!と、M字開脚させられた芽衣の足元に吸殻をほうってボヤいた。
使えないのは当然であった。な〜にが人質だ、だ。彼らにとっては春原狩は遊びでしかなかったのだから。
芽衣はそのついでに、なんとなぁく攫ってその場のノリで犯してみただけだ。
春原が見つかれば集団リンチしてスッキリ、見つからなければ芽衣をテキトーに輪姦してその日の祭りは終了。
そんな程度の気分だったのである。事実、芽衣を拉致した連中は、有紀寧とはまったく面識がなかった。
彼らは、弔い合戦もクソもない、救い難い生ゴミどもだった。
「だからいったじゃないスか!サツとかだってヤバいっすよ、妹さらうとかマジありえねえって!」
「うっせえなゴミ、んじゃお前がコイツどっか山ん中にほうってこいよ」
「なんで俺っがぁっ?最初にいいだしたんは折原さんっしょお、ガラさらうとかいったの。責任とか折原さんのっスよぉ!?」
「おんがもんがあんのわぁっっ?!ぶしゃらなんじゃコラぁっっ!おっどお?!」
そんな、腐った連中の口論を耳の中に流し込みながら、春原芽衣は自分の死期を悟った。血の混じった一条の涎とともに、
殴られ蹴られ張られまくってジャガイモみたいに腫れあがった芽衣の顔を、涙が一筋静かに流れた。
946 :
4/12:2007/06/20(水) 02:59:59 ID:9lQ/JXBI0
翌日午前2時。
「春原よーへーいっっ、おとなしくナイフを下ろしてこっちにきなさーい。
…え?包丁?…ったく、あー、あー、すのはらよーへーいっっ、おとなしく包丁を下ろしてこっちにきなさーい」
春原は山頂付近にある崖に追い詰められていた。崖の下も警官。崖の上、自分の回りも警官と警察犬だらけ。
5台の小型投光機が彼を真っ白に照らしていた。
目の前には、なんだかスカした格好の、いかにも現場エリートです、みたいな風貌の若い警部がスピーカーでがなりたてていた。
春原の身の安全を唯一保障するのは、彼が自分の喉に押し当てた一本の包丁だけ。
自らの命を人質にすることしか、春原にはできることがなかったのだ。
「うるしゃああああああいっっ!ぜえええっっ!!こっちにぐんなああっっ!わああっ!」
叫んだ。そう、叫ぶこともまだできた。
涎、鼻水、脂汗、そして涙、恐怖と狼狽で顔をグシャグチャにしながら虚勢を張ることが。
「そんなこといーわないでぇ、ちゃんとお話しようよ、春原陽平くん」
軽薄そうで、そしてその実まさに軽薄な警部―縁なしめがねにオールバック、青白い顔に貧相な体躯―
のかる〜い声がガビガビとしたノイズと共に流れた。
「そんなもん振り回して、そっちの崖から落ちたらどうするのぉ、あぶないあぶない」
「ばあああああああああ!!うっしゃいうるじゃいるぁあ!」
包丁を握り締める春原の手の内がヌルリとぬめった。
「うんうん、うんうん、君の気持ちはわかるよ〜」
(警部、代わりましょうか?)
年配刑事が、アホ警部にそっと尋ねた。上司のあまりのバカさ加減を見かねたのだ。
947 :
5/12:2007/06/20(水) 03:01:47 ID:9lQ/JXBI0
(はぁーあ?)
思いきり小ばかにした視線を年配刑事に突き刺した警部。
年配刑事は、そのなまっちろい手からスピーカーをぶんどり、バカ上司をおもいっきりぶん殴って
やりたい衝動に駆られたが、我慢した。そんなことをしたらクビが飛んで年金もパーなのでなんとか堪えた。
「なんでえええええええええ!!なんでえええええ!なんでなんでなんでえええ!?」
春原は泣きながら吼えた。誰に問うでもなく。ただ、聞いてもらいたかったのだ。
この状況、このやんぬるかな状況に陥ってしまった自分の苦悩を。
「ヴぉくはさあーあ、たにゃ、ゆきねしゃんに、すきだっていいたかたたけなのにひぃ」
「うんうん、君の気持ちはわかるってばあ、だから、ね?こっちにきてお話をきかせて?」
「れも、ゆきねひゃんは、ごめんにゃひゃい、っていってええええろくにひんごを剥いてくれへえ」
春原はぎゅ、と包丁を強く握り締めた。鼻くそが鼻腔に引っかかって、ちょっと息苦しかった。
「なんでなんでなんでええええええ!だからこう、こう、こう、こうやってえええええ!!」
包丁を振り回しながら、ぶみゃあああああんんっ、と天に向かって吼え、春原は崖淵へと3歩ほどあとじさった。
(こりゃあ、ダメだなwww)
警部は内心大笑いした。愉悦…!春原のようなダメ人間、負け組を安全な場所から嘲り、
大笑いするのがエリート警部(「趣味はガーデニングです(爽(嘘」)の唯一の楽しみ、
ゴミ掃除でしかない警官としての仕事にやりがいを与えるものであった。
無論、春原に死んでもらっては困る。目の前で自刃されるなんてもってのほか。
彼の輝かしいキャリアにクソミソをつけるようなことをされるのだけは勘弁してもらいたかった。
948 :
6/12:2007/06/20(水) 03:04:13 ID:9lQ/JXBI0
と、いうことで:
(しょうがない、おい、そろそろ“イク”ぞ、お?)
(…わかりました。おいっ、“そろそろ”!そろそろ!)
命令を受けた年配刑事は腹をくくった。
退職まであと半年。この修羅場さえくぐり抜ければ、あとは何事もないだろう―
そう覚悟を決め、部下たちに配置につくように、とヤニ臭い口でボソボソとささやいた。
「なにやってんんおおおおおっほ!?はぁ、はぁ」
崖の淵からもはや1mもない地点で、春原は周りの警官たちの不審な動きに勘付いた。
そう、警官たちは春原を囲み、刺し違える覚悟で取り押さえようというのであった。
もちろん、スピーカーを持って突っ立ってるだけの若造警部は安全だ。マンモスラッキー(はぁと
「ん〜ん、ちょっと、君の家族とお話をしたいかなあ、と思ってね。ははっ、リラックスルィラァ〜ックス♪」
もちろん嘘だった。春原の両親は田舎にいたし、芽衣は別の山中の奥に放り出されている最中だったのだから。
ちなみに、春原の両親は息子を説得しに現場にくることを拒否していた。
「……」
春原は一瞬にして凍りついた。自分の家族のことを思い出したのだ。田舎にいる両親、
今、寮で自分のことを待っているであろう妹のことを。
しかし、その思いは春原をより深く追い詰めるだけであった:
(うふふ、うへっ、俺ってほんと…ダメだなヤツかも)
例の薄笑いを浮かべ、また一歩、崖の淵へとあとじさった。
949 :
7/12:2007/06/20(水) 03:07:17 ID:9lQ/JXBI0
えば、自分がこのような状況にあるのも、有紀寧を刺したのも、なにもかも、自分がチャランポランだったから、
本気で、自分の気持ちや感情と向き合ったことがなかったからではないのか―春原は、最後の最後で悟り始めていた。
本当は、有紀寧のことなんて好きでもなんでもなかった、フられてもよかった、たまたま、
ムシャクシャしてたから、たまたま、有紀寧がそこにいたから刺してみた、ただ、それだけのこと。
思い返せば、サッカーを始めたのも、続けたのも、辞めたのも、なんとなぁく、だ。
岡崎と喧嘩して仲良くなったのも成り行き、なんとなぁく、。
田舎のクソみたいな中小企業に就職の内定をとったのもなりゆき、なんとなぁくだ。
なりゆき、なりゆき、全てなりゆき。
そんな、なんとなぁくな日々、腐り水のような毎日に激しい怒りを抱いていたのだ。
心の奥底で。マグマのような怒りを。そして、その怒りを分かち合う仲間のいない孤独に耐えられなかった。
だから、有紀寧を刺してみたのだ、春原陽平は!
フられたのは口実、怒りを爆発させるキッカケでしかなかった。
そう、春原が本当に愛していた、せめて、愛していたような気がする相手は有紀寧ではなく、美佐枝さんだったのだから…!
(美佐枝さんのおっぱいぷーるぷる…)
そんな自分の姿、裸のココロを悟った春原は、すう、と、その顔を穏やかに緩めた。
ブリーチ金髪をサラリと、晩秋の涼しい夜風がなでそよいだ。
明鏡止水の心意気。春原の胸中には、相楽美佐枝への愛だけが燃えていた。
何一つ真剣に取り組んでこなかった春原の中の唯一の真実、ただ、ソレだけが燃えていた。
(今度生まれ変わったら、猫になりたい。猫になって、寮に戻って、美佐江さんと…)
950 :
8/12:2007/06/20(水) 03:17:58 ID:9lQ/JXBI0
アホといえども、腐っても鯛。警部は、春原の顔がやけに弛緩しはじめているのに気がつき、次の瞬間、
「お゛っ!」
と上ずった裏声で命令を下した!春原を取り押さえろ!という命令を!!
が。稲妻のように飛び掛った警官たちの青白く毛むくじゃらの手は宙を切り、春原は宙に舞っていた。
「やったあ!!」
警部は思わず叫んだ。
それは
―飛び降りてくれるなら、安泰。自分のキャリアはさほど穢れずに済んだ!―
との思いがさせたことだった。
そう、15mの崖下には、分厚いマットを広げた警官たちが待ち構えていた。まず死ぬことはないだろう。
だが残念!春原は落下するほんの数秒の間に、自分の腹に包丁を突き立て、
まるで真剣を使って切腹シーンの撮影に臨んだ勝●太郎のように、腹を横一文字に思い切りよく引き裂いたのである。
(感じているよ命のリズム、君がボクの心の中にいる限り…)
そんな意味不明の台詞をつぶやきながら。
「E゛〜〜〜〜ッッ?!」
崖上からその様子を見た警部の叫び声が山中にこだまし、春原は脂汗にギトリと濡れた顔をニヤリと歪め、
マットの上にドサリと落ちた。落ちた瞬間、その衝撃で春原の腹の切込みから内臓がぶゆゆとはみ出た。
「ばばく搬送ッッ!ひぃっっ!!病院ああんっっ!!搬送ッッ!!はやぐぅーーーっ!ぎいいっっびゃばぁーっっ!」
年配刑事は、若い上司のヒステリックな狂態に眉間を押さえ、はぁ、とため息をついた。
951 :
9/12:2007/06/20(水) 03:19:55 ID:9lQ/JXBI0
……。
…。
2日後。
春原陽平の葬儀が、おーいおいおいと嘆き悲しむ幸村以外、誰一人の参列者もいないまま、しめやかに執り行われた。
犯罪者・身元不明者専用の総合葬儀場で。
(なんということだ…こんなことになるとは…誰一人、見送りにこないとは…)
幸村は、自分が春原の“親友”岡崎朋也を買いかぶっていたことを理解した。
そして、人を殺した春原陽平よりも、もっと冷徹で残酷な何かを、岡崎の中に見出したような気分になった。
そう、怠け、悩み、人を刺し、自ら命を絶った春原には、まだ、人間味があった。
しかし、岡崎はどうか。女生徒と乳繰り合い、泥濘のように弛んだ日常に身をまかせたまま、
友の最後の最後の姿を見取ることもなく、この空の下で暮らしている。とても、まともな感覚の持ち主ではない。
なにが、朋也だ。朋の文字が泣くではないか。
幸村は、手鼻を噛みながらそんな激しい怒りと失望を感じた。
たとえ、それが幸村の思い込みであったとしても、それを非難することは誰にもできなかった。
事実、岡崎朋也は葬儀に現れなかったのだから。それだけで、怒りを燃やすには十分ではないだろうか?
「おつかれさまでした。以上をもちまして、春原陽平の葬儀の全過程を終了いたします」
火葬と納骨も終わり、一人、とぼとぼと曇天の下、葬儀場から去る幸村。
バス停へと向かう途中、春原のような金髪の少年とすれ違った。
テニスのバッグを背負い、友達らしき少年と談笑する少年と。
しかし、春原はスカスカに燃え尽きたた白い骨となり、おそらくは誰にも参られることなく、永久に、
ガラスでできた納骨棚の隅に置かれたままだ。実家の墓に入れることを、春原の両親は拒んだのだから。
友達にも見捨てられ、家族にも捨てられた。誰一人として彼に話しかけることはない。
二度と…ないのだ。
952 :
10/12:2007/06/20(水) 03:23:11 ID:9lQ/JXBI0
そんな春原の哀れを思うと、幸村は肩を震わせ、嗚咽を漏らすことしかできなかった。
道端でぐじぐじと泣く老教師。彼一人だけが、この世で唯一人、失われた春原陽平の命のために涙を流していた。
そして、彼だけが想ったのだ:
(何とかしなければ…。この街を救わなければ…)
(春原がああなったのも、元はといえばワシの力不足…。そして、この街が冷たいからだ…)
そう、悟ったのであった。幸村俊夫はこの世の現実に。
その時…!!
そんな幸村の手のひらに、一つの光の玉が舞い降りた。幸村はそれを握り締めた。暖かかった。
(人を思いやる気持ち、人を心の奥底から想う気持ち…!それをとりもどさなければ…!)
こぼれ流れる熱涙もぬぐわぬまま、幸村俊夫は灰色の空を決意の視線で仰ぎ見た。
光の玉を握り締めた拳を天に突き上げながら。
「なぁにぃ、あのオヂィサン。痴呆?きゃはははっ」
デブスのDQN主婦がその姿を指差して嘲笑った。
……。
…。
さらに数日後。
春原芽衣が沢から転落死したこと、死ぬ数時間前に酷い暴行を受けていたことをニュースで知った幸村は、
春原の写真を懐に入れ、iPodのスイッチを入れて「だんご大家族」をヘッドフォン越しに大音量で聞きながら
ホームセンターにゆき、小型電動チェーンソーを二本買い、この街に愛を、
人々の間にココロの絆を取り戻す手始めに学生寮へと向かった。
まずは、あんなに傍にいたにも関わらず春原の魂を救えなかった相楽美佐枝の“光の玉”を回収する。
回収しなくてはならない!!
途中で立ち寄った和菓子屋で買ったみたらしだんごを頬張りながら、幸村俊夫はそう決心した。
953 :
11/12:2007/06/20(水) 03:25:22 ID:9lQ/JXBI0
リンリーーーン。カチャリ。
暗い顔をした相楽美佐江がドアを開けると、人間らしさというものをすべて零してしまったかのような、
無表情な老人が目の前に立っていた。
「あら、幸村先生…」
「相楽さん…。ちょっと、いいかな?」
ヴィンッ、ヴィンヴィンヴィンヴィーーーーーン!!
ビチビチビャビャグチュグチュギチュガリガガガガブチャ
……。
…。
「立てこもっているのは…老人の…」
「警察は現在……関係者の話によると……」
「それでは、軍事評論家の柘植さんに再びお話を…」
「…だから、わしはいってたんだよ、老人による犯罪はだなあ…喝!!…」
寂れたラーメン屋で一人、芳野祐介は塩ラーメンをすすりながら、学生寮に男が立てこもった云々と、
報道する昼のワイドショーを見ていた。
もう二度と、春原陽平のような孤独な魂を見捨てない、作らない。そのための戦い。
どんな孤独な魂も安らぎを得られる場所―CLANNAD―を作るための聖戦が開始された。
幸村俊夫によって、冷たすぎる世界に対する反逆の狼煙が上げられたのだ。
一人ぼっちの孤独な戦いの始まりを告げる狼煙が。
そんな尊い行いを、ワイドショーはまるで凶悪犯罪であるかのように生中継で扱っていた。
954 :
12/12:2007/06/20(水) 03:39:08 ID:9lQ/JXBI0
そんな、無理解な世間に対して深い失望と悲しみを感じながら、芳野祐介はぐぐっと、
ドンブリをもちあげてスープをゴクゴクと飲んだ。
(なにもかも変わらずにはいられない。嬉しいことも。悲しいことも。
願わくば、老人に勝利を。
願わくば、聖戦の果てにみんなみんなの幸せがありますように)
そんなことを思いながら、塩ラーメンを食い終えた芳野祐介は、金も払わずラーメン屋から出た。
店主は店の奥で冷たくなっていた。三歳の孫娘と共に、大型スパナで脳天をカチ割られたまま。
「喝だ、喝!!」
テレビからは、御意見番きどりのハゲジジィがバカみたいに喚いていた。
老人斑だらけの弛んだ顔の肉をぶよぶよと震わせながら。
終わり
なんというファンタジー
心温まる現代の童話ですね
スレの最後に良いものを見れた。thx
現実に即するならこれくらい最悪ルートがあってもいいよね。
957 :
名無しさんだよもん:2007/06/24(日) 11:24:42 ID:uD+MJAOD0
また芳野かよ
マスターブレイカーズさんが404なんだけど・・・
・・・もしかしてなくなった?
今週末中に一本投下したいです。
962 :
名無しさんだよもん:2007/07/08(日) 00:25:50 ID:WaTr2NqB0
今日も、隣の部屋から祐一とあゆちゃんの楽しそうな声が聞こえる…
お母さん、わたしどうしたらいいの?
もう、この家にはいたくないよ…
私、ここにいちゃ迷惑だよね?
祐一に迷惑かけたくないから…私、死ぬよ…。
祐一のことはずっと好きだから…でも祐一はあゆちゃんが好きなんだもんね…
ごめんねお母さん…私も…そっちへ行くけど…許してね…
初めて名雪に萌えた
そのまま自殺するところまでじっくりお願いします
>>825 なるほどーこれはわかりにくい…
むしろその響きだとオークの声は違うのか…プレイしたこと無かったので知らなかった
どうもありがとうございました。
素で誤爆('A`)
久々に北。
>>958 実物持ってる件。あのサークルここんとこコピ本率が高くて困る。
967 :
名無しさんだよもん:2007/08/09(木) 15:28:48 ID:LqfA3VCb0
春原暴走ワロタagewww
968 :
名無しさんだよもん:2007/08/22(水) 11:31:16 ID:hxNM7tKs0
過疎ってるな
>>966持ってるならZIPでくr・・いやください