葉鍵ロワイアルII 作品投稿スレ! 5

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「フフ、なかなか楽しませてくれる」
篁は一人、口を歪めた。
彼の眼前には、まるでディレクター室のように、多数のモニターが鈍い光を放っている。
島のいたる所に小型カメラが設置してあり、この部屋へと映像が送られてくるのだ。

「いくら抗おうと、無駄な努力よ。貴様らの生死はわしが握っておるのだからな」
篁は脇へ目を落とす。そこには、参加者の人数と同じだけのボタンが並んでいる。
いや、同じではない。さらにその脇、ひときわ目立つ赤いボタン。
これこそ、島にいる参加者達の体内に埋め込まれた爆弾をすべて作動させる、悪魔のトリガーだった。

不意に、異音が篁の耳をかすめた。
「なんだ? ……こざかしい」
どこからか部屋に入り込んだのだろう、一匹の蠅が空気をふるわせていた。
部屋の主の周りを飛び交うその姿は、あたかも参加者達の、悲痛な声を代弁してるかのようだった。
「くだらぬ」
そう言って篁は、どこからともなくハエたたきを取り出し、身構える。
しばらく後、蠅は手近な機械の上で動きを止めた。
瞬間、風を切るハエたたき。
プラスチック特有の、パチンと響く軽い音の下、一個の生命が失われた。
564:04/07/04 01:01 ID:rZ5CzEAm
「フン」
篁は目を細め、満足してハエたたきを納める。
しかしそれからすぐに、自分の犯した過ちに気づいた。
潰れたハエの下にあるのは、悪魔のトリガー……あの、赤いボタンだった。

「真剣やべっ!」
ズガン!
篁が思わず口にした言葉が、外部からの爆発音にかき消される。
体内爆弾が作動した音だ。
ズガン!
ズガガン!
ズッガーン!
爆発音は止むことなく、島全体を揺るがした。
「(ノ∀`)アチャー」
篁は頭を抱えたが、もう遅い。
当然、爆弾を仕掛けられた側は即死。死に際のセリフなど口に出す暇もあるまい。
565:04/07/04 01:02 ID:rZ5CzEAm
やがて、爆発音は聞こえなくなった。
「まあ良いわ。もともとこの企画の目的は、A国に依頼されたあの爆弾の性能を試すことだからな。
 殺し合いなどという映画の真似事は、余興にすぎん」
気を取り直し、部屋を去っていく篁。
後ろのモニターには、焼け野原と黒い画面だけが、ただ映っていた。

【残り0人(全員死亡)】
566名無しさんだよもん:04/07/04 01:06 ID:kN2wwSgC
>>563-565は正式に採用されました。
理由は
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1087831397/796
をごらんください。
567あぼーん:あぼーん
あぼーん