僕らは性犯罪者を集めた獄舎の中の更にある奥の離れに通された。
「ここが…天沢、郁美の住まう場所、ね。」
太田さんが感慨深げに呟く。彩さんは怖いというので外で待ってもらってる。
離れのドアに手をかけた時、外人の刑務官が声をかけてきた。…意外にもニホンゴできるようだ。
「言っておきますが、彼女はサインできませんので、あしからず」
…どういうことだろう。まぁ世界が恐怖した犯罪者だし、しょうがないのかな。
太田さんがドアを開く。おっといけない。僕も彼女に続いて中に入った。
そこには、日本人と思われる女性が檻の中に入っている姿があった。
しかし、ただ入っているのではない。
頭には金属製の帽子に目隠し。
更に拘束衣。その上から更に鎖でグルグル巻きにしてある。
「これは…なんというか…」
「驚きましたか?」
刑務官が声をかけてくる。「ええ、まあ…」といい加減な答えを返した。
「でしょうね…コイツはね、エスパーなんですよ。
それも、この檻の鉄柵を見ただけでへし折ったり、何人かここの同僚も食われました…
その結果、離婚したり振られたりして…ジーザス!!」
成程…それを防ぐためのあの物々しい装備なんだな。特殊素子を仕込んだ帽子な訳か…
僕は電波で一方的に太田さんに話しかける
(どうする?この状況では引き込むなんて無理じゃないか?)
太田さんは右手で鼻を掻く。コレは…
A 肯定の合図だ
B 否定の合図だ
C 結論保留の合図だ
D 危険!の合図。…え?
誤字
郁美 → 郁未
C
D
A!
せっくすせっくす言ってた頃の何かが引っかかったんだ!
確かこの仕草は迷っている時のもの。
「やめておくわ」
「何を……です?」
「少しくらいなら話せるかと思ったんだけど、ちょっと無理そうね」
ちらっと僕の方を見て来る。
「そうだね」
「今日はまだいいわ。是非話がしたいけどね」
まだ、保留ということだ。賛成。
「……では、他の受刑者も見ていきますか?」
「そうね。でも今度はもう少し穏やかなのがいいわね」
僕達が次に向かったのは
A.連続酒樽窃盗犯、怪力のカルラ
B.大量虐殺犯、通称少年
C.世界的詐欺犯、折原浩平
D.連続猟奇殺人鬼、柳川刑事
E.いや、ここはもういい。施設を見学
A
C
えいえんのトリックを求む!
「あ、あの人いるかしら? 一人で酒しか盗まなかったのに1000万ドルの被害を出した」
「カルラ……ですか」
あ、知ってる。別に高い酒を盗むだけでなく安い酒も見境無く盗んだというあの女盗賊。
「まあ、いるにはいますが……」
刑務官は何か困った様子だったので訊ねてみる。
「何かあるんですか?」
「いや、しっかり拘束してるからダイジョウブではありますが、見れば分かりますよ」
そして、10分後にはカルラが入っているという独房に着いた。
「……なるほど……」
「なるほどねぇ」
「確かに」
覗き窓からちらりと覗いたが、カルラは少し取り乱していた。体全体が震えている。
「彼女、アル中なんですよ。仕方ないのでたまに飲ませますが」
「今、飲ませてもらえます?」
太田さん……アル中引き込むつもりですか?ちりちり
太田さんは大丈夫、と口だけ動かした。
「ええ、できますよ。ただし、中に入れるのは一人だけです。私が付き添います」
サインをもらえると言っても相当に厳しいようだ。
さて、どちらが中に入るべきか。
A 僕。主人公だもん。電波使えるぜ。
B 太田さん。ヒロインだもん。頭いいぜ。
C 怖いからやめようよぅ
C
「あの、太田さん。怖いからやめようよ」
……止まった。空気とか時間とか色々。
「長瀬君……ここまで来てそれはないでしょう」
おそらく太田さんの好感度は4は下がった。
刑務官の人もはぁ?といった感じだ。彩さんは、無表情でよく分からないけど。
いやでも怖いし。相手は素手壁ぶち抜くような怪物だよ? 怖いじゃん。
と、怯えたウサギのような目で訴えていたら太田さんが折れてくれた。
「はぁ、仕方ないわね。いいわ。やめましょう」
良かった。でもどうしよう。なんかここにいてもしょうがないかも。
A いや、まだ会う。前の選択肢の受刑者から選んで
B 帰る
AでC
こうへいをてにいれろ!
B
彩は外で待っています。
「どうしますか? もう帰りますか?」
刑務官が僕を戦意喪失と見て声をかけてくる。
「い、いや大丈夫ですよ。あ、実は会いたい人がいたんですよ。あっはっはー」
「本当かしら?」
うぅ、太田さん突っ込みきつい
「本当さ。ええと、折原……祐一だっけ?」
「浩平よ。世界的詐欺犯。確かにこれなら怖い相手じゃないわね? 長瀬君」
うぅ、そんな目で見ないで太田さん。
「折原受刑者でしたら、確かに安全ですよ。かなりの曲者ですが」
「でも、折原浩平って何したのかしら」
A 結婚詐欺の常習者さ。
B サミットや国連すら踊らすほどの大詐欺師だよ。
C あれ、僕も忘れたな。まあ、会えば分かるよ
D あれ、折原ってだれだ?
彩は外か。すまん。
C
「あれ、僕も忘れたな。まあ、会えばわかるよ」
「それもそうね」
僕らは、折原浩平の独房に着いた。
「え?2人で入っていいの?立ち会いナシで?」
「はい、彼はすごい腕力があるとかありませんし」
「なるほど」
僕らは遠慮せずに2人で入った。
「ん?誰だ、あんたら」
中には僕と大して年がちがわなそうな少年。
「私は太田香奈子。このでくの棒と一緒に世界征服を狙ってるの」
「でくの棒…一応、彼氏のはずなのに」
「ま、男はどうでもいい。しかし、世界征服とはでかく出たな」
「まぁね」
「で、戦力は?」
「今のとこ、こいつと、長谷部彩って子だけ。面会した天沢郁未はフン縛られてるし、カルラはアル中だし」
「あん?カルラがアル中?あの人は、ザルだぜ?」
「どういうこと?」
「酒飲むために演技してるんだろうな……俺もそうしよっかな」
「え、演技だって!?」
「あぁ、間違いないな。それに、天沢も確か時々男を喰いにはいかいしてるって噂があったな」
「つまり、実際には色々抜け道があるわけね……」
「ま、そういうことだ。で、俺にはそんなこと聞きに来たのか?」
A.仲間に誘う
B.もっと捕まっている人についての情報を聞く
C.何をしたのか、経歴を聞く
D.サインをもらう
彩は…郁未のいる性犯罪者ゾーンには入らなかっただけと取れるぞ。
B
B
あとあそこに挙げられた以外で誰が居る?
「まずはB.大量虐殺犯、通称『少年』だ。 本当に名前が無くてそう呼ばれているんだ。
何でも怪しい新興宗教の御輿で天沢郁未を上回るサイコキネシスの使い手だ。
で、その宗教団体の連中を皆殺しにして、手に負えなくなったところを軍を呼んで尚且つ
対能力者専門の連中を呼んでやっと押さえ込んだ正に『化物』と呼ぶのに相応しい奴だ。
その時は1個大隊が壊滅したって言う噂だ。機密情報だから詳細は知らないが。
そして、この刑務所の奥深くで厳重に封印されていて、面会ですら大統領命令が必要なんだ」
「あの…そんな事喋っていいの?ほら、あれ」
太田さんは部屋の隅に設置されている監視カメラを指した。
「くっくっく…俺を誰だと思っている?折原浩平だぜ。 俺は人を騙すだけじゃない、世界すら騙せる
男だ。 監視カメラには俺達が他愛のない世間話をしているようにしか見えないさ」
この人…一体何者だ?
A 能力の詳細を聞いてみる
B いや、こいつは危険だ。これ以上は止めておこう
C さらに受刑者について聞く
C
「柳川刑事。コイツはヤバイな。あいつは人間じゃない」
「人間じゃない…非道すぎるとかそういうこと?」
ちっちっち、と指を振る折原。
「いっぺん、ここで大立ち回りがあったんだよ、柳川が脱走しようとしてな。
その時、危険だからってんで中庭に集合させられたんだが…
塀の上で大暴れしていた受刑服の柳川刑事の体がぶくぶくと筋肉で埋め尽くされて…
次の瞬間、熊より大きな生物になってたぜ…
そのあとスタン・グレネードの連続攻撃で何とか取り押さえられたが…
あれはなんと言えばいいのか…「鬼」だな 」
そう…と太田さんが考え込むポーズに入った。あ、やな予感。
「長瀬君!行くわよ!」
「ど、どこにですか!?」あわてて敬語調になってしまう僕。
「だから、柳川の独房よ、そんな面白そうで使えそうなやつこんなところで眠らせておくのは損失よ!」
A OK、わかったさ…
B その前に…あんたは何をやったんだ?折原さん。
C NO、危険すぎる
D ドアが開く。「貴方の服に付けた盗聴器に不審な言動が聞こえましてね…」
C
B
「いや、それは危険すぎるよ太田さん」
「何よ、さっきから意気地なし!」
太田さんが僕を顔を真っ赤にして掴みかかる。うう、こっちの方が怖いかも…
「くっくっく…そこのボウズの方が正しいぜ、お嬢ちゃん。 柳川の奴が最初に現れたのが日本の隆山。 そこから海を渡り、
中国、ベトナム、インド、アフガン、イラク、トルコ、ユーゴとユーラシアを横断しつつ殺戮を繰り返し最後にフランスでお縄に付いた。
それまでに殺した人間の数は分っているだけでも1万人。 個人で物理的に殺した数では世界最多だ。 おまけに完全な無差別殺人、
他人に制御できるもんじゃないぜ」
独房の中を沈黙が支配する。それを聞いた太田さんも流石に大人しくなった。こいつらに
比べれば僕や、嘗ての月島さんなんて子供のようだ。
「どすした、ボウズ。 怖気づいたか?」
彼はニヤニヤしながらこちらを見ている。
A はい
B いいえ
C あんたは何をやったんだ?
D もう帰る
C
どんどん長瀬がヘタレ化していきそうだなw
「あなたは何をやったんですか?」
彼らと同じ牢獄に投獄されている、世界的詐欺犯である折原浩平。
でもその語りを聞いているとどうしてもそんな人には見えない……
少し口の悪い、でも気のいいお兄さんにしか見えないんだ。
「ふ……さしづめ、そんな男には見えないと思ったんだろ?」
「!?ど、どうしてそれを?」
まさか……僕が電波を操れるように、彼はテレパス能力が操れて
その力で他人の心を読んで巧妙に騙していた!?
「……なるほど、今長瀬君は折原さんに騙されている最中なのね」
「へえ、そちらの女の人はなかなか賢明なようだね」
「えっ?あ、そうか、そういう事なのか……」
「そう、俺は他人と接するときに意識的に相手の認識を変えるよう
巧妙に立ち振る舞う事が出来る。それも口調や表情ではなく
存在そのものを……そう、自分が望めば永遠に喪失させる事も出来るんだ」
ふと彼……折原浩平が遠い目をする。
僕はこの目に見覚えがある。拓也さんと瑠璃子さん……
何かを失い、それと引き換えに何かを手に入れた者だけが持つ目だ。
A ……いや、これも僕を騙すための演技に違いない。
B いや、この瞳は多分嘘じゃないと思う。
C これ以上彼に深入りするのは危険だ……ここを去ろう。
A
443 :
名無しさんだよもん:04/02/13 01:34 ID:X1YfYrp/
B
……いや、これも僕を騙すための演技に違いない。
「…僕はまださっきの答えを聞いてませんよ?」
「何をやったかって…だから、ちょおいと、詐欺をな」
「詐欺でこんなトコに捕まる事ってあるのかしら?」
「残念ながらあるようだな。この俺がその証拠だ」
「…!そういうことじゃなくて!反語!」
またしても愉快そうにくっくっく笑う折原さん。…なんだか腹が立ってくる仕草だな。
「ああ、詐欺だよ。本当なら後一歩でこの国の州一つ手に入るトコだったんだが…
CIAのイキのいいのにとっ捕まっちまってな。以来、自戒の念も込めてここで大人しくしてるってワケさ」
「州を…」 そりゃまた大きく出たもんだ。
「ねぇ貴方…ここから出たくはない?」
「…あんたらの手下になれと?」
無言で、鷹揚に頷く太田さん。しかし凄い度胸だよなあ。
「そうだなあ…やる気になれば一人で出れるんだよ、こんなザル警備。
だが、あんたらの心意気は嬉しいぜ、正直」
「じゃあ…!」
「まぁ落ち着け。俺はあんたらが気に入った。
でも、俺はあんたらの腕の程を知らない。だからちょっと試させて欲しいんだ」
「…まあ、いいわ。なにをすればいいのかしら?性的なサービス以外なら大抵OKよ」
A このライターの火を消さずに外に持っていきな
B 俺以外の凶悪犯を誰でもいいからここから連れ出しな
C じゃんけんでいいや
D 柳川の髪の毛を持ってきてみな
B
「俺以外の凶悪犯を誰でもいいからここから連れ出しな。 だが、奴らもで要と思えばここから簡単に出れるはずさ。
奴らがここから出たがらないのは外の世界に求める物がないからさ。 ま、俺も似たようなものだが。
だから、説得するには結構骨が折れるぜ。 特にカルラや柳川辺りなんかな。
そう言えばお前は何の為に世界を狙う?その辺はっきりしておかないといずれは俺達の仲間入りだぜ」
僕の…目的?
A ハーレム!それしかない
B 能力者が差別されない世界を作る為
C この世は荒野だ!唯一野望を実行に移す者のみがこの荒野を制することが出来るのだ!!
D な、何となく…
E それが粋ってもんでしょう?
E
Cでへたれ脱出を図る
449 :
名無しさんだよもん:04/02/13 01:53 ID:X1YfYrp/
「そうか、……そこまで言うんだったら、」
Aやっぱ”少年”頼むわ。世界を掴むんだろう?
Bでもお前等ならあの柳川位が妥当だな。
C長瀬って奴を。
D宮内って奴を。
E手組んでやるよ。もしお前等が口だけのヘタレなら俺が使い捨てればいいだけだし。
Bでたまには怖い柳川を見てみたい。
「それが粋ってもんでしょう?」
僕が一瞬とまどっている間に太田さんに答えられてしまう。
「あの、僕は……っ!」
「しっ!こういう問答が好きなタイプと見て間違いないわ。私に任せて」
うう、お尻をつねられた。本気で尻に敷かれてるなぁ……
でも口下手な僕より太田さんが向いていそうなのも確かだし
もう少し様子を見ることにしよう。
「ふーん、粋か。たかが世界征服とでも言いたげな物言いは確かに粋だな」
本当だ、折原さんはなにやら関心を示しているようだ。
「俺もたかが州取ろうとして捕まったくらいでびびっちゃいられないな。
よし、時が来たらお前さんのために世界を各地の支配者から騙し取ってやるぜ!」
「ほ、本当ですか?」
「ああ。でかい事を平気な顔で腹心が吐いているのに
文句のひとつも言わずそいつに交渉を任せるお前さんの度量も凄いしな」
……尻に敷かれてて反論出来なかっただけなんだけどな。
「それはともかくとして、約束は約束よ。誰か囚人を連れてこないと」
「お、太田さん、別に力を貸してもらえるなら……」
「約束を反故にするような人は、味方に欲しくないわ」
うわ、なんか太田さんのほうが僕より乗り気になってませんか?
>>449はあんまりなので、これを
>>449の前に挿入してください。
ここまで書いて消すのも勿体無いので……
>451それは駄目だろ。気持ちは分かるが。
「でもお前等ならあの柳川位が妥当だな。」
「…わかりました、では…」
「ああ、ちょっと待ってくれ。もう一度聞くけどよ…本当にそれだけなのか?」
「ご不満ですか?「粋」では。他に何か理由がなければ征服とは出来ないものですか?」
折原さんは感じ入ったように目を閉じ…再び目を開き、続けた。
「…目的のための征服ではなく、目的そのものが征服…という事か?」
「ええそうですよ。別に支配欲も選民思想も共産主義も僕の頭の中にはありません
マロリーって登山家の名文句、知ってるでしょう?
『なぜエベレストに登るのか?』『そこにそれがあるからだ。』 コ ノ ホ シ
そういうことです。そこに人がいるなら。手に入れるだけです、 地 球 を!!」
ぽかんとしていた折原さんだったが、プッ、と噴出すと、笑いが止まらなくなったように
「くく……あははは…ハーッハッハッハ!!気に入ったぜ、兄ちゃん!
俺は大人しく柳川が脱出するのを待とうじゃねえか!テレパスで伝わるから報告はいいぞ」
僕たちが去るときにはこんな感じだった。
さて…どうしようか
A 一旦出て、準備
B このまま独房に
>>452 今までも展開が上手く繋がってればOKという時もあった。
ただ、あくまでもリロード忘れでかぶった場合に選択肢で決めた。
ということで
>>451を通す?
A了承
B却下
B
囚人が間違ってるのは幾らなんでも酷い
(長瀬は主人公、宮内は未登場)
ああ、449じゃなくて451か。
確かに、早い者勝ちがココのルールだが、あまりにも短文とか、酷すぎる間違いは注意したいとこだな。
一旦出て準備する事にした
A 柳川の素性を調べる
B 刑務所の警備を調べる
C 恩赦の条件を調べる
………
え?だってどの文にも繋げられる一行レスが許されるんだろ?
うーむ
じゃあはっきり言うよ。
俺はスルーしてもいいが、ならID:X1YfYrp/はどうなんだ?
age選択に一行レス、しかも事前の選択折り込み皆無でだぞ。
まだ俺のレスのほうが事前の選択を反映して書かれていると思う。
ID:X1YfYrp/はそのあたり、荒らしでないなら的確な解説しろ。
出来ないor荒らしなら俺と共に双方スルーで進めてくれ。
>>463 支援板に行こうぜ。X1YfYrp/も見てたらな。
選択は漏れさっき選んだばっかだから次の奴に譲るね。
C
「とりあえず恩赦の条件を調べてみよう。合法的に連れ出せるんならそれが一番いいよ」
「意気地がないわね」
「うぅ……」
「けどあなたらしいといえばあなたらしいわ。それじゃ、ちょっと調べてみましょうか」
というわけで僕らは刑務官に尋ねてみた。
「ん? 恩赦の条件? そうだなぁ……」
A ここの所長に素手で打ち勝てば囚人の一人ぐらい出してもらえるかもな。
B 10000000000000000000000000000万ドルも持ってくればどんなヤツも釈放されるさ。
C 囚人の面倒を見れることを証明できれば連れ出すことも許されるかもな。
D ンなモンはない。アルカトラズをなめるな。
A
「ここの所長は腕自慢でね。自分に勝ったヤツの願いは何でも叶えるって言ってるんだ」
「なら……」
「うん。所長にガチで勝負を挑んで勝てば囚人の一人ぐらい出すのはわけないと思うよ」
「なかなか粋な所長さんね」
「うん。男らしいね」
「どうだい? やってみるかい?」
「……どうしよう太田さん」
「そうね……ここは……」
A 頑張りなさい長瀬くん。
B 長谷部さんお願いできる?
C やはりここは私自ら。
D 別の手段を探しましょう。
469 :
名無しさんだよもん:04/02/13 06:29 ID:h2wVfjOy
Bの方向で
「長谷部さんお願いできる?」
私は長谷部さんに所長と戦うようお願いしてみた
「…無理です」
葉鍵のヒロインになかには化け物みたいな戦闘能力を持った人もいますがこの人は基本的の普通の人です
戦闘は向いていないみたいです、なんでこんな無茶なことを頼んだんでしょう?
「………」
太田さんが困っています
どうしましょう
A こんなときに頼りになる知り合いに連絡(人物要指定)
B あきらめて別の場所に行きましょう
C それより早くバイトに行きましょう
C
「それより…早くバイトに行きましょう… 」
そう告げる彩。だが――
「済みません、彩さん。僕たちはサンフランシスコ店には行けないようです」
「…!それは、どういう…?」
「店長から聞いていないんですか?いや、どっちでもいいか…
ちょっとやりたいことがありましてね…本当はそっちの仕事もしてからにしようと思ったんですけど、
折原さんとちょっと約束しちゃいましたし…残念ですが、あなたはここで帰ったほうがいい」
「…納得できません。…なぜ、そんなにも…急ぐのですか?」
「…だから言ったでしょう。約束したからだって。それに…成田を発った時から僕たちの戦いは始まっているんです
目の前に豊穣たる草原が見えるんですよ。最高の気分です、もう誰も止められない」
静かに、しかし激しく燃える、瞳の中の野望を感じ取ったのか、彩さんはやれやれとばかりに立ち上がった。
「…わかりました…残念です…」
肩を落として告げる彩さん。…少し悪いことをしたかな…
「ゴメンなさいね、長谷部さん」
太田さんもたまらず一声かける。
「・・・いえ、お気になさらず。では、お二人とも、息災で…」
そういって、彼女は僕たちにあてがわれた社宅から出て行った。
「さて…とっとと所長を負かしてこの街から出ないとね!」
暗めの雰囲気を吹き飛ばそうと、殊更明るい声で太田さんが言う。
…やっぱりいい女だなあ。
「…?、にやけてんじゃないわよ!
…で、どうする?そんな無茶な条件設定してあるだけあって、相当腕っ節に自信があるんじゃないかしら?」
太田さんが話してるのは恩赦の所長の話だろう。
「僕の電波を使えば、何とか」
「でも、あの天沢さんみたいに能力を防ぐ帽子とかを使われたら…」
「いや、そうじゃない。僕ら自身に使うんだ
体のリミッターを外す事で人間を超えた動きを可能に出来るんだ」
「…そうか、そんなことも出来たのね」
「ただ、その後がちょっと大変なんだ。拳が砕けたり足の筋が断裂したりすることだって
考えられる…出来れば使いたくないけど…」
「そうね…」 と太田さんはイスから立ち上がり、部屋をぐるりと回った後に、
僕にいくつかのプランを話してくれた。
A それで行きましょう。
B このシスコで格闘戦のエキスパートを探して見ましょう
C 脱獄させるしかないわね…私とあたなのパーティじゃそっちのが確率高いわ
C
あ、あたなって誰だー!
476 :
473:04/02/13 09:10 ID:+1faR2ae
ギャーーーッス
――深夜、サーチライトが夜闇を切り裂き、刑務官は犬を連れ巡回をしている。
ここはアルカトラズ。南北戦争時から続く由緒ある獄舎。…それが受刑者にとって幸せなのかは分からないが。
「暇だ……」
そんな中、一人の日本人男性が読んでいた本を伏せ、呟いた。
史上最狂にして最凶の殺人犯、柳川その人だった。
以前の脱走事件以来、スゥイートとまでは行かないが、なかなか庶民には手の出ない
ホテル並みの独房が用意されているのだった。もちろん壁の奥に特殊複合合金製の板が仕込んであったり、
そこかしこに監視カメラが付いていたりする事を除けばだが。
「まぁ仕方ないか…」
そう、彼も抜け出そうと思えばそんなことは容易いのだが―――彼はあえてそれをしなかった。
立ち上がって冷蔵庫の中からワインを取り出す。冷えたグラスに注ぎ、再び窓際まで戻った。
手にした赤ワインを眺めながら、柳川は昔のことを思い出していた。そう、濃密な血の記憶を…
ガチャン!…手にしたグラスが割れている。無意識のうちに握りつぶしてしまったようだ。
「い、いかん…!ヤツが…」
柳川は突如頭を抑え、その場にうずくまった。
(よぉ…つれねえじゃねえか…どうした?こんな所に閉じこもってよ…
お前の力ならこんなチンケな刑務所の一つや二つ…)
「黙れ!!」 必死に叫ぶ柳川。だが脳内の声は止まらない
(なに善い子ぶってるんだよ…お前は大量殺人鬼だろうが…
その手で男も女も老人も、ましてや甥、姪すら手にかけたお前じゃないか…!)
「うるさい!俺は…もうコロシはしない!!」
悲痛な叫び。だがその声は広い室内にむなしく響き渡っただけだった。いつの間にか脳内の声も失せている。
「ははは、は……」 思わずこぼれる自嘲。なぜこんな醜態を晒して自分は生きているのだろう…
鬼としての生存本能?笑わせる。自分で死ぬ度胸がない言い訳だ。
「オッ死んででやるさ…」といって柳川はダッシュボードの上の錠剤を手に取る。
「この睡眠薬を飲んで、直後に首でも手首でも切り裂けば…流石に死ねるだろう…」
そうだ、もっと早く決断すればよかった。そうすれば俺は…
「繰言だな。…さて…」 右手の先だけ「鬼」へと変化させた。錠剤を手に取り口に放り込もうと――
「待ってください!柳川さん!!」
「!?」
突如自分を呼び止める声が聞こえ、柳川はその手を止めた。
そこにいたのは…高校生くらいの男女がひとくみ。えらく場違いな組み合わせだった。
「何だ貴様ら…どうやって入った?」
「…企業秘密ですよ、柳川さん」 と男の方が答える。
「…そうか、貴様、サイキッカーだな。で、何だ?俺に何の用だ?」
「柳川さん、貴方の力を貸して欲しい。そのために脱獄の手伝いに来ました」
真正面から柳川を見据え、堂々とした口調で少年は彼に告げた。
それはこの少年の見た目の印象を裏切っていたため、柳川は少々呑まれていた。
「…やめとけ。俺は自分の殺人衝動を自分でも制御できなくなってる。
いつ爆発するか分からない、リモコンをなくした爆弾みたいなもんだ…」
「…つまり、貴方は殺しを止めたがってるんですね?
…よかったぁ。流石に真性の人はちょっと手間が折れるからなあ…」
「?何を話している」
「僕は貴方の言うところの「リモコン」を持っているサイキッカーなんですよ。
…柳川さん、僕の目的のためには貴方の存在が必要だ。…来てもらえますね?」
柳川は…
A 目的は…何だ?
B 分かったよ、その目には嘘は無さそうだ
C 証拠を見せてもらおうかい
D 駄目だ…
こんな重要な選択が30分以上も放置されてるなんて!!
まずはAで様子見
「目的は…何だ?わざわざこのアルカトラズに喧嘩を売り
世界でも指折りのシリアル・マーダーに声を掛けるほどの目的とは」
「世界征服です。世界を相手にするには、世界に通用する人材が必要です」
世界征服なんで突然言い出しても普段なら単なる誇大妄想に思われるだろうが
既にアルカトラズの独房に侵入している事実が
それが単なる妄想でない事を裏付けてくれているはずだ。
「……世界に通じる才能というのは人殺しの事か?」
柳川の声が重く沈んだようになる。
(ふざけた野郎だろ?お前に人殺しをさせるために来たんだ)
柳川の心の中で、何か別の存在が囁きかける。人とは明らかに違う波長……
そのあまりに強烈な意思は、余波が電波と化して僕まで伝わってくるほどだ。
「長瀬くん……」
意思は読めなくともその只ならぬ気配は伝わったのか
太田さんが不安そうに僕の手を握る。
汗に湿った手の平の感触が彼女の抱いている恐怖を物語っていた。
……そう、幾ら僕を尻に引くくらい積極的で頭の回転が速くても
彼女は何の特殊能力も持たない女の子なんだ。
(殺しちまおうぜ?何百何千も殺すよりは、二人で済ませたほうが気が楽だろ?)
「うっ、うぐぐぐっ!」
まずい。もうひとつの意思に柳川さんが屈してしまいそうだ。
既に部分的に筋肉が肥大し始めている……
A 先手必勝、電波で謎の意思の活動を押し込める!
B いや、自分の葛藤は自分で解決して欲しい。電波で柳川さんの心に話し掛け応援しよう
C 敢えて襲わせて、電波はあくまで攻撃を逸らすために使い柳川さんの能力を観察しよう。
D 奥の手……太田さんに電波を浴びせて、伝説の戦闘モード再来だ!
B
Dキターーーーーーー!!!!!!!!!!
僕に物理的に何かしてやれることは何もない。
もともとこれは柳川さんの心の問題。
自分の殺したいという欲望を抑えられないことがもう一つの意思として
柳川さんに干渉しているのだ。
なら……精神的に柳川さんの中に入り込み、柳川さんの応援をするのみ。
僕は自分の中で電波を集め始めた。
その動作をしている最中にも、柳川さんは苦しみ蹲りながら体が変わっていく。
僕は月島さんの時と同じ要領で柳川さんの意識の中に入っていった。
……暗い。
あたり一面闇で覆われている。
これが、柳川さんの心の中? 辺りには何も見えなくて、まるで……絶望の底みたいじゃないか。
……と、こんなことを考えている場合じゃない。柳川さんを見つけないと。
暫く彷徨っていた僕だったが、柳川さんはいた。
何か巨大な黒いものと対峙している。それは一言で表すなら……鬼。
浩平さんが言っていたのは……比喩でも何でもなく、ありのままの姿だったのか!?
「お前もがんばるなぁ。だが、もうそろそろ終わりが近づいているぜ」
「まだまだっ……!! おまえを外に出すわけにはいかん!!」
「いや。お前はもう負けている。あとは俺が最後の理性であるお前を裂き、この闇の中に閉じ込めておくだけだ」
「ぐぅ……!!」
……柳川さんが圧倒的に劣勢だ。
もともと欲望というものは強大だ。そう簡単に抑えられるはずもない……。
「柳川さんっ!!」
僕は意を決して二人の会話に割り込んだ。
「……長瀬君!?」
「何だ……貴様?」
「柳川さん! 気をしっかり持って!! ここは意思の世界、
少しでも弱気になればそれで負けて柳川さんの存在は消されてしまう!!」
「ちっ……ガキが、余計なことを」
そう、ここは精神の世界だ。あの鬼も相当な強さなのだろうが、
この精神世界では僕のように相手の精神に干渉できる力がないと意味をなさない。
「……ありがとう。少し弱気になっていたようだ、私はまだ戦える」
柳川さんの目に光が戻った。
この殺人衝動の象徴ともいえる鬼を抑えられているわけではないのだろうが、
先程よりは随分マシな状態になっただろう。この人は……勝ったのだ。
なら……僕が少しばかりでしゃばってもいいかな。
僕は鬼のほうをきっと見据えた。
「……何をする気だ? 俺もお前も同じ精神。どんなに憎もうと俺を消すことなど出来はしないのだぞ」
「五月蝿い」
そうだ……この鬼だ。
この鬼さえいなければ……柳川さんは人を殺めることはなかったろうに。
僕は鬼ににじり寄り……
「僕だって世界征服は目指しているが……畜生に堕ちてまで成し得ようとは思わないよ!!」
「な、何を……!?」
突き飛ばした。
鬼は……
A 陶器のように粉々に砕け散った
B 何ともなかった
B
そう。人の精神なんてもろいものさ。
その辺においてある花瓶や壷のように、結花に叩きつければ簡単に砕け散る。
……だが、現実にはそうは行かなかった。
なんと、鬼は少し後ろによろけただけで、何ともなかったのだ。
「……なんだ、ただのこけおどしか」
……バカな!?
僕は電波というものに触れてから人の精神構造はよく分かっている。
ならばこいつは……僕でさえも壊せない、生きるための本能!?
たいした敵だ……勝てる方法はただ一つ、柳川さんが自力でこいつを闇の底に押し込めることだけだ。
「柳川さん!」
柳川さんは僕のほうを向く。
「こいつをなんとかしたいですか!?」
「無論!」
「ならば……全力でこいつに向かってください!!」
「!?」
「精神力がこの本能に打ち勝てば……あなたはこの鬼を二度と出てこられないように出来ます!!」
正直言って雲を掴むような話だった。
理論上は不可能じゃない。人間も性欲を理性というもので押さえたりしている。
だが……相手は本能、生半可な相手じゃない。
「勝てなかったら?」
そう聞いてきた。ここは正直に言わなければなるまい。
「……あなたは理性の象徴。その存在は二度と表に出ることはありません」
「…………そうか」
柳川さんは少し沈黙してからそれだけ言った。
言葉は閉じ込められるように言ったが、消えるのと同じようなものだ。
「どうしますか? 全てはあなたの決断次第ですが」
「ああ、もう答えは決まってるよ」
やはり……。
次に柳川さんから出てきた言葉は
A 「一か八か! やってみるさ!!」
B 「すぐにこの精神世界から抜け出てくれ……私は自決する」
C 「絵空事のようだが……こいつと共存を試みてみる」
A・・・と言いたいがCで頼む
今気付いたとてつもない誤字_| ̄|○
結花→床
まあ、奴にぶつけても簡単に(ry
結花に叩き付ければ精神は砕け散るのか…
そりゃあのハイキック食らえば大抵の香具師の精神は崩壊するわな(w
「絵空事のようだが……こいつと共存を試みてみる」
「共存……バカな! そんなことは無理に決まって―――」
「長瀬君」
柳川さんが僕の言葉を遮った。
「なら言わせて貰う。君の世界征服とやらも傍から見れば無理に決まっている。
だが、君は不可能ではないと考えている。それと同じことさ」
……柳川さん。あなたは……。
そうだ。確かに僕の野望も普通に考えれば無理だ。
だからって僕が歩みを止めることはまずない。これは理屈じゃない。
やってみなければ分からないから、少しでも可能性があるから挑むんだ。
少なくとも失敗するまでは無理と決まったわけじゃないんだ。
柳川さんは、それを言いたかったんだろう。
「……分かりました。自力で、できるところまで頑張ってみてください。
そいつの干渉も気にならなくところまで」
「……ああ。やるだけやってみるさ」
「おいおい、いいのか。俺をこのまま野放しにしてよ? いずれこいつに取って代わるぜ」
鬼がまだ何かしゃべっているが、無視だ。
柳川さんは、自分から辛い道を選んだ。
本能と戦うといえば聞こえは良いが自分の欲望から目を背けているだけだ。
背けるのではなく向き合うのはかなり辛いものがあるだろうが、大丈夫だろう。
少なくとも僕は信じている。
さて、現実世界へ帰還だ。
僕は自分の意思を体に戻した。
先ほどから時が止まったかのように、部屋には何の変わりもない。
蹲っていた柳川さんも、すぐに起き上がった。
先ほどからの体の変化は元に戻っている。
「ふう……ひとまず礼を言っておこう、長瀬君。
私は先ほど言ったとおり、奴との共存を目指してみる」
「ええ。もう止めはしません。……ですが、先ほどの件について、ご返答を頂きたいのですが」
「俺の力を借りたいということか……」
柳川さんの一人称が変わった。
それは他人行儀な話し方から私的な話し方に変わったととっても良いのかな?
柳川さんの答えは……
A いいだろう。君には借りが出来たからな
B 悪いが、それは出来ない。これからの戦いに君を巻き込むわけには行かない
B
「悪いが、それは出来ない。俺が奴と戦っている間は
恐らく頻繁に情緒不安定な状態になり、時として暴走するだろう。
そんな危険な戦いに、君を巻き込むわけにはいかない」
「そうですか……」
「なに、この独房の中でなら多少暴走しても他人に被害は出ないだろうし
最悪この戦いに屈して俺が完全なる殺戮者と化したとしても
別の独房にいる奴等が総出で止めてくれるだろう……待遇改善と引き換えに、な」
柳川さんが自嘲めいた笑みを浮かべる。
もしかしたら、柳川さんの独房の設備がこんなに整っているのも
以前暴走した際に偶然やっかいな他の受刑者を始末したからかもしれない。
「だが、俺に再び自分と立ち向かう勇気をくれた事には感謝している。
何か力になれる事があれば是非とも協力してやりたいが……」
「ああ、それでしたら……」
A 浩平さんと約束しているんです、彼にテレパスで事情を説明してください。
B 世界を巡る間には知り合いも出来たはずです、能力のある人を紹介してください。
C 何かの参考になるかもしれません、あなたの力の由来を教えてください。
B
「世界を巡る間には知り合いも出来たはずです、能力のある人を紹介してください」
「能力のある人……?」
「はい。世界征服のために有能な人材を探しています。
柳川さんを引き入れることに失敗したのは残念ですが、あなたなら誰か最適な人を知っているのではと」
「能力者か……そうだなぁ」
柳川さんは暫く考え込んだ。そして、
「俺がここまでやってくるのに随分と殺した。正直言うと敵は多いが味方はいない」
少し自嘲めいてそういった。
「やっぱりいないのですか……」
「いや待て。誰もいなかったが、それは日本を出てからだ」
「え!?」
「以前俺は刑事をやっていた、隆山という場所でだ」
「はい、それは存じています」
「何だ、調べていたのか。
当時は仕事柄いろいろな場所に行くことが多くてな。そこで面白い奴に出会った」
少し勿体つけているようだ。
こっちがちょっともどかしくなってくる。
「その面白い奴……とは?」
「それはな……」
A 天沢という超能力使いだ。ここに押し込められていたと思ったが
B 立田と言ったかな、そいつに会えば分かる
C 月島という奴がいた。電波とかいった不思議な力を使う男だ
D 光岡という男だ。なんでも不老不死らしい
E 名前は忘れたが、異様に偉そうな奴がお前と同じように世界征服を目指していた
こい光岡ー!
DD
ああ、久々だな光岡…
よりにもよって今まで伏線のなかったキャラを……まあ、提示した俺が悪いと言えば悪いんだがw
まあいいんじゃない?
CやEだとあんまり話進まなそうだし。
「…光岡という男だ。なんでも不老不死らしい。今は日本を出ているらしいが」
といって柳川さんはメモ帳に住所を書き込んでいく。
「取りあえず私の名前を出せば無下には断れないはずだ。
一筋縄ではいかないが…後はお前たち次第だ」
「…わかりました。ありがとうございます!」
どちらともなく差し出される右手。そして、シェイク・ハンド。熱いぜ、ブラザー!
「ってちょっと待ってよ!柳川さんが出ないと浩平さんも仲間になってくれないじゃない!?」
あ、そういえばそうだ。…とはいえどうした物だろうか…
「浩平?どういうことかな?」 柳川さんが尋ねてきた。仕方なく簡潔に約束のことを話す。
「ふむ…成る程な。長瀬祐介君、君は…サイキッカーだな?
ならばこうヤツに伝えてやってくれ、まずは、…ひも」
紐?何だか分からないけど…ちりちり…これで届いたはずだ。
「なにか彼から反応は無いか?」
「ええ…何も無いです」
「では次はこうだ…4月3日、新宿」
またしても言われた通りに電波を流す。ちりちり…
「まだ反応無いかね?」
「…ええ、何も」
「ふぅ、仕方ない、では長瀬君…
『やめんかーーーー!!柳川ーー!!』
うっ…突然頭に響くテレパス。浩平さんだ。
『おっと、お前に怒鳴っても仕方ないよな…しゃあねえ、不本意ながら手伝ってやるよ…世界征服』
「!?本当ですか?」
「嘘言ってもはじまらねーだろうが、あとそこの不良刑事に伝言だ。ファック・ユー!とな!」
ブツン!と音を立てて交信が切れる。荒っぽい能力者だなあ。
「その様子だと協力してくれるようだな、浩平は」
「…何の弱み握ってるんです?」
「それは秘密だよ、ふふふ…」
「そして僕らは別れを告げ、刑務所から脱出したんです」
ここは僕らの社宅。目の前には太田さん、浩平さんが座っている。
「ふう…内緒にしとけっていったのによ…」 さっきから愚痴ってばかりの浩平さん。
僕らがここに帰ってきたときには既にこの家に転がり込んでビール飲んでたのだった。
「…で、これからどうするんだ?大将」
「取りあえず柳川さんの教えてくれた能力者の下に向かいます。
住所は…
A テキサスの牧場
B 中南米のバー
C ニューヨークの…マンハッタン島?
D アラスカ
D
何したんだよ浩平 w
Bで
アラスカ。
北米大陸のかなり北方に位置し、アメリカの華ニューヨークやラスベガスなどからはかなり遠い地域。
こんなところに光岡と言う人が……?
それに考えてみると不可解だ。
旧軍関係者といえば、あまりアメリカへの渡航は好まない人が多いと聞いたが。
それに……ここは北極海。
こんなところに好き好んで人がいるとは思えない。
……えっ、お前たちサンフランシスコ店はどうしたんだって?
そんなもの大志さんに頼んで他の人に頼んでるよ。
しかし本当に何もない。
ただ単に氷が辺り一面広がっているだけだ。
ん……あそこにイグルーがある。
こう何もないところにぽつんと一つ、明らかに怪しい。
これは入ってみるしかないな……。
僕と太田さんはイグルーに入ってみたが、絶句した。
中で最初に目に付いたのは……
A 人が氷付けになっている、これが……光岡さん!?
B 何だか床に穴をあけて氷を溶かしている人。一体何をやっているのか
C 普通に食事中の場面だった。ちょっと間が悪かったな
今度は床を間違えんぞw
光岡かどうかはわからんがAで
不思議な光景だった。
イグルーの中には大きな氷柱。その中に人が入り込んでいた。
よく漫画とかで見られる光景だが、一般人が実際に目の当たりにすることはおそらくないだろう。
とにかく、筆舌に尽くしがたいものがあった。
「この人が……光岡さん?」
「たぶんな。見ろよ祐介、こいつの着てる服を」
浩平さんに言われ、服装などを良く見てみる。
……この服は僕も知ってる、旧軍の軍服だ。
ということは、やはり……この人が。
「とはいえ、いったいどうしたものか。
この氷を溶かすのにはかなり時間が掛かるぜ。それにこんなことされちゃ流石におっ死んでんじゃねえの?」
「う〜ん……とりあえず僕が電波で呼びかけてみるよ」
「おっ、頼むぜ」
そう、死人に電波は届かない。
生死の確認ぐらいは……できる。
ちりちり……
僕は光岡さんと思われる人に電波を送ってみた。
暫く反応はない。……やっぱりだめか。
と思っていたその時だ、
『誰だ……俺の眠りを覚ます奴は?』
答えてくれた!
『すみません……早速で申し訳ないのですが、あなたの力を借りたいんです!』
『…………』
『柳川さんが言っていました。あなたならきっと協力してくれると! お願いです光岡さん!!』
光岡さんは……
A 『世界征服か……ふっ、いいだろう』
B 『俺はもう人と関わるつもりはない、去れ』
C 『理由ぐらい話してみろ。話はそれからだ』
D 『光岡? 間違えんじゃねえ、俺の名は御堂だ!』
B
…なんてーか、断られてばっかな気が…人徳ないんかよ…長瀬
いや、「一緒に世界征服しましょう!」なんて誘われても、普通の人なら断るぞ。
そう言えばそうだ。至極当然の事なのに何故こうも簡単に忘れてしまうのは
俺が穢れているからだろか?
『俺はもう人と関わるつもりはない、去れ』
『……何故ですか!? せめて理由を聞かないと……!!』
『聞きたいのか? 柳川の知人』
不意にそんな言葉を投げかけられた。
何か……世の中を悟ったような、そんな口ぶりだった。
『まあ、このまま帰るのも納得がいかんだろう。理由を聞かせてやる。
…………女だ』
『女?』
『ああ、俺には好きな女がいた。きよみと言う名の。
だが……俺はあの日親友に裏切られたんだ!!』
あの日……そう、俺が柳川と出会ってから一ヶ月ぐらいか。
俺と親友は同じ女を愛していることにお互い気づいていた。
そして感じていた、いつかは決着をつけねばならない、と。
そして……来るべき日が来たんだ。
どちらがきよみにふさわしいか……剣で勝負をつけることにしたのだ。
「蝉丸さん……どうしても退く気はないの?」
「笑止。俺と光岡の前に言葉はいらぬ。刀で語るのみだ」
今思えばきよみが蝉丸を止めに入っていたのも、俺を気遣ってのことだったのかもしれない。
勝負は互角だった。
お互い紙一重で交わし、体には細かい傷が見受けられた。
今俺の体についている無数の傷がそれの名残だ。
そして、最後の勝負に出ようとしたその時だ。
運が悪かったのかもしれない、俺は先ほどからの戦いでついた血によって足をとられた。
だが自分の失敗を運のせいにしても始まらない。勿論親友もそれを見逃すはずもない。
俺は負けたと思った。だがその時だ。
「駄目えぇーー!!!!」
結局きよみのその言葉が決まりだったな。
俺は剣では負けたが勝負には勝ったのだ。親友は最後の太刀を振り切れなかった。
それから俺は田舎にでも新居を建て、きよみとつつましく暮らそうと考えていたのだが……。
A きよみを親友に奪われたんだ!
B きよみを親友に殺されたんだ!
C 親友がきよみを引き連れ入水心中したんだ!
C
『親友がきよみを引き連れ入水心中したんだ…
酷い裏切りだろう…なぁ、そうは思わんか?
理由は…これからずっと永遠を生きていくことに耐えられん…だとか。
そんなことなら始めから…!いや、繰り言だな。
と言うわけで、俺はもう人と関わるつもりはない、去れ』
『そうですか…それは済みませんでした…』
『いや、謝る必要は無い。あるとすればそれは俺だ
…世界を狙っているといっていたな、ならばこの俺には最早無用の長物となった…
俺の蒼龍、そしてヤツの鳳凰…そこの日本刀を持って言ってくれ。
それが俺に出来る柳川へのギリギリの恩返しだ…』
確かに壁には、いかにも使い込んでいる、という印象を受ける日本刀が二振り、立てかけられていた。
『わかりました…では、御機嫌よう、いつかまた会えたら…』
『…もう、来るな、私は静かに眠りたいだけだ…』
…悲しい話だ…
「長瀬君?どうだって?」
「いや…素気無く断られたよ…
ま、「一緒に世界征服しましょう!」なんて誘われても、普通の人なら断るだろうからね。
次からはもう少し変化球でいってみようかなあ…」
実を言うとそんな問題だけでもないのだが。まあいい。
そう言って僕は日本刀を手に取り、イグルーを後にした。
…しかし、重い。非運動部の僕にはキツいよ、光岡さん…
そして僕らは四輪の車で北を目指すことになった。
太田さんが「せめて綺麗な北極海が見たい!」と言ったからなんだけど。
現地のガイドに聞くと、北極海ならイヌヴィックという町がお勧めらしい。
エスキモー語で「男の土地」と言うそうだ。
うわああああ、蝉丸最低だぁぁぁぁぁ
浩平さんが車を運転しながらこっちに話しかけてくる。もちろん、口頭で。
「しかし…前から聞きたかったことがあるんだが」
「?何ですか」
「いやぁ…お前らって…何処まで行ってるんだ?」
「ど、何処って…ナンノオハナシデスカ?」
「だからアレだよアレ。…どうなんだ?え?」
A それはもう、最後まで
B き、キスまでなら…
C そ、そんな、手を触れるなんて恐れ多い!!
D ボカ!ああ、運転中の浩平さんが背後からの打撃でダウンしてしまった!
A
割り込みの上に意味無しレスすまない…
罰として三日ほど断ハバネロするよ…
むしろハバネロを一気食いすべし。
了解。ついでに炒めてくる
ブレアの5時ソースもやる…これをかけて炒めなさい
「それはもう、最後ま『わ───!!』」
後部座席の太田さんが僕の言葉を大声で遮る。狭い車内に耳をつんざく様な声が響く。
「いきなり何を言い出すのよ、長瀬君!」
「ご、ごめん。思わず…」
「おいおい、最後まで行ってるのに苗字で呼び合うのかよ。 普通は名前で呼びあうとか
あだ名で呼び合うとかするだろ?」
折原さんは大声を平然と聞き流し、僕らを茶化す。そう言えば僕らが付き合った経緯とか
心情的な事情と色々あって名前で呼び合うのにはちょっと抵抗があったんだ。僕らは
折原さんの思いもよらない言葉にお互い見つめあいながら固まってしまった。
どうしよう?
A 「か…香奈子…」と呼んでみる
B やっぱり恥ずかしい。止めよう
C 「か…かなぴょん」とか呼んでみる
D 突然、車の進路を遮るように何者かが現れる
C
……ちょ、ちょっと恥ずかしいけど。
「じゃあ……か…かなぴょん」
数秒、沈黙が場を制した。
そして……
「ぶわははは!! 面白い、面白いセンスだ!!
おまえ七瀬や沢口より面白い、面白いよ!!」
「な、長瀬君!!」
ガスッ。太田さんの鉄拳が僕にジャストミートする。
……言うんじゃなかった。
「しかしどうするか。結局は収穫が刀二本だろ?
どんなにいい業物だって使える奴がいなきゃただの棒っきれだぜ?」
ナイス浩平さん。ありがとう話を変えてくれて。
「それはそうだけど……」
これで……光岡さんは戦い合ったのか。
そう思うと、胸が悲しくなる。この二本の刀、
たしか蒼龍と鳳凰って言ったっけ。
「やっぱ堅実的に言うならば刀使える二番手が欲しいんじゃねえか?
どこぞの海賊の頂点を目指す漫画だって最初は三刀流の刀使いだったぞ」
それは関係ないけど……たしかに持ち主がいないとこの刀も寂しいよね。
とくにああいう話を聞かされたばかりだからなおさらだよ……。
A とりあえずは店に戻ろう。暫く空けちゃった、というか一度も行ってないし
B アルカトラズにもう一度いってみるよ。あそこなら他にも凄腕がいそうだ
C ……ん、後ろから誰かが追ってきている。……光岡さん!?
B
「アルカトラズにもう一度行ってみるよ」
あそこなら他に有能な人材がいる。……僕には分かる。
「またあそこか? たしかにな……でもあそこは当たりも多いが外れだって多いぜ?
柳川とか見て分かってると思うが、性格に問題がある奴だっている」
あんたもね……。
「でも、行ってみるよ。当たりが多いんでしょ?」
「まあ、な……」
「でもその前に、行くところがある」
「行くところ?」
「イヌヴィックだよ」
太田さんの希望最優先さ、僕は。
「ほぅ、ここが……」
というわけで、イヌヴィックに来たわけだけど……
A 何もすることがないね
B 何だか人だかりが出来てる、行ってみよう
C ここでも有能な人材がいるかもしれない、探してみよう
B
僕らはイヌヴィックに着いた。車を駐車し、街へ出歩くと、以外な程に人が多かった。
だが、彼らはどう見ても地元の人間、と言うようには見えない、ごつい男や重武装の人が、
街を闊歩していた。何だか人だかりも出来てる。
「これは…何だろう?」
「その辺の人に聞いてみるわ」
太田さんはその辺の人をとっ捕まえて事情を聞いて回った。5分もすると戻ってきた。
「えっと、何でも化物のような白熊が現れて、そこら中に被害が続出しているらしいわ。
並みのハンターじゃ相手にならないから、困った市長がその熊に賞金を掛けたら…」
太田さんは顎で厳つい野郎共を指す。その結果が全米からハンターが集まった。
と、言う事らしい。
「けど、これってチャンスじゃない?ここで腕利きのハンターを仲間に引き込むのも
いいし、賞金をゲットするのも悪くはないわよ」
…言われてみればそうかもしれない。どうする?
A 止めておく。観光だけにしておく
B やろう。仲間も賞金もゲットだ
C そんな事を言っていると誰かが話しかけてきた※人物指定
C
アメリカだしレミィあたりが妥当かな。
「Hey!アナタたち、日本人だよネ?」
僕らに話しかけてきたのは、おそらくは僕らと同年代の金髪の女の子だった。
驚くべき事に、日本語で、だ。
「え、ええ、そうですけど、なんでわかったんですか?」
「長瀬君、面白い事言うね?私達、日本語で話してたじゃない」
「そういうことダヨ。ワタシはレミィ・クリストファ・ヘレン・ミヤウチ。アナタ達のお名前は?」
「太田香奈子よ、ミヤウチってことは日系人なの?日本語も上手だし」
「Yes,I am」
「わざとわかりにくく答えてる?」
「アハハ、冗談ダヨ。うん、私のお母さんが日本人なの」
「ふぅん…父親が外人なのに、いい胸してるな……」
「……アナタ、視線がいやらしいよ」
「いやらしいとは失礼だな、褒めてるのに。あ、ちなみに、俺は折原浩平。世界をまたにかける男だ」
「そして、僕の名前は…」
「ねぇ、アナタ達もハンティングに参加するの?」
「ええ、まあ、そういうつもりですけど。で、名前…」
「なら、ワタシ達と一緒にやらない?ワタシの家族も一緒に来てるんだけど…」
「そうね……
A.是非一緒にやらせてもらうわ
B.いいえ、悪いけど、他の人と組みたいから
C.いいえ、誰とも組むつもりはないの、ごめんなさいね
D.う〜ん、ちょっと考えさせてくれる?
E.「そ、そんなことより僕に名乗らせてくださいよ!」
E
頑張れ主人公(w
「そ、そんなことより僕に名乗らせてくださいよ!」
なんか無視されてないか不安になったので自己主張してみた。
「……ゴメンネ、無視するつもりはなかったんだけど
なかなか自己紹介しないから、てっきり単なるガイドかと思ったの」
無視よりひどかった。一応僕がリーダーのはずなんだけどな……
でもここは自己紹介で存在感を示して挽回するチャンスだ、
僕は気を取り直し、いかにもリーダーらしい引き締まった表情を作った。
「僕がこのメンバーのリーダー、長瀬祐介です」
「俺より知略に欠けるけどな」
「私より交渉で劣るしね」
み、みんなひどいよ……反論出来ないだけになおさら辛い。
「ン?じゃあ、なんでアナタがリーダーをやってるの?」
A 言い出しっぺだから
B 調整能力があるから
C 電波が操れるから
B なんてどうだろ
「それは調整能力があるからさ」
それに内に秘め熱き野望があるからさ。と、心の中で付け足す。
「フーン…」
宮内さんはじろじろと僕を眺める。品定めをしているのだろうか。
「で、一緒にやるの?やらないの?」
「やらせてもらうわ。 渡りに船とはこの事ね。 いいわよね、長瀬君」
と、太田さんは僕に同意を求めてきた。獲物の情報も分らないし、狩りについても
よく分らないから協力したほうがいいだろう。どの道反論の余地はないだろうしね。
そんな事を思いながら、太田さんに踏まれた足を見る。
「それじゃ、ダディたちに紹介するから──」
A 街のホテルへ行こう
B レストランで待ち合わせしているからそこで
C 街の外でキャンプしているからそこで
A
僕達はレミーに先導されホテルへと向かった。
それなりに設備の整ったホテルだが、やはりここにも
ハンティングで一攫千金を狙いに来たらしい猛者がごろごろしている。
中でも、ラウンジの中央に陣取った顎鬚を蓄えたおじさんなんて
ショットガンを抱えながらコーヒーを飲んでいる。
金髪だけど、なにやら昔のマタギのような豪傑さが
「ダディ、スタッフになってくれる人達を連れてきたヨ」
……ダディ?
「HAHAHA、一気に3人も連れて来るとは思わなかったぞ!」
ショットガンの人が返事しているから彼がダディで間違いないようだ。
参ったな、こんな濃い人だとは思わなかったよ……
「えっと、僕がリーダーの長瀬です。こっちが太田さんで、こっちは折原さん……」
「オリハラ?……OH!NO!貴様の顔はCNNで見た事があるぞ、このペテン師め!」
しまった、良く考えたら逮捕された稀代の詐欺師なんて報道されてて当然だ!
ダディの人がいきなりショットガンの銃口を向けるのも無理はない……
ごめん、やっぱりあるよね。
「いや、別に俺は今回は騙して賞金奪おうなんて考えてないから」
「ゴメンネ、ダディはアタシが説得するから……」
…修羅場を何度も乗り越えているであろう折原さんや家族である宮内さんは意外と冷静だ。
じゃあここは当事者達に任せて、このホテルで……
A ロビーに他にどんなハンターがいるか調べよう
B 出没する白熊についての情報を集めてみよう
C そ、そうだ!二人部屋を押さえれば太田さんと二人きりに……
C
そ、そうだ! 二人部屋を抑えれば太田さんと二人きりに……!!
(太田さん、今からぼくらは二人部屋でチェックインだ。そうすれば二人っきりだよ!)
僕は太田さんに耳打ちする。
だが、太田さんは呆れたような表情で言い放った。
「……あのねえ、そんなお金どこにあるの?
私たちは旅行するお金がなくてバイトをしていたの、忘れた?」
……う、うぐっ。痛いところを……
「い、いや……勿論電波でちょいちょいっと」
「電波。また電波。いい加減にしたら?
確かにあなたの電波は強力よ、それは誰だって認めるわ。
だけどね、切り札でしょ? そうこんなところでやすやすと見せるものじゃないわ。
だれかに対策でも立てられたら正直言って長瀬君はお荷物になりかねないわよ」
……今のは、ちょっと心に響いたよ太田さん。
うん、負けた。負けたよ。
……二人部屋は我慢しよう。とっととハンティングを終わらせてアルカトラズに戻るに限る。
さて、向こうのほうはうまく話がまとまってるかな……?
「とにかく、ペテン師と共闘は御免だ!!」
「へっ、俺だってあんたみたいな偏屈親父と組むなんて勘弁だ!!」
いや、全然まとまってないね。
それどころか二人ともヒートアップしてるよ。浩平さんあなたそれでも話術に長けてるんですか?
宮内さん、あなた一体どこに? 止めてくださいよ!
「……いや〜、大変なことになっちゃったネ」
「あ、宮内さん。なんか収拾がつかなくなってるんですが?」
「ダディも曲がったことが嫌いだからね。コウヘイとは話が合わないんダヨ」
……交渉の余地なし?
「あれじゃあ、宮内さんと組むのは不可能ね……」
「う〜ん、仕方ないネ」
A 「無理に頼んで見るヨ」
B 「諦めるしかないネ」
C 「私がダディたちとは別行動をとるヨ」
よしB
「諦めるしかないネ。全く方向ベクトルが違う二人を一緒にしても軋轢が生じるだけダヨ」
「そうかい……残念だな」
宮内さんはこのハンティングが終わったら密かに仲間に加わってもらおうと考えていたのに。
まあ、宮内さんの父さんと浩平さんがとっても一緒にいられる雰囲気じゃないし仕方がないか。
「うん、ゴメンネ」
「気にしなくても良いよ。元はと言えば、浩平さんにも問題があるからさ……」
僕はちらりと浩平さんを見る。
まだ口論していた。ちょっとここら辺で退いたほうが良いな、収拾もつかないし。
「それじゃ、宮内さんまた。縁があったらまた会いましょう」
「うん、マタネ」
僕らは宮内さんとは別れて行動することになった。
「……ったくあの親父、詐欺における心理戦の素晴らしさを分かっちゃいねえよ。ペテンだペテンだってさ」
「まあまあ、抑えて抑えて」
「俺だって州を手に入れる直前まではアメリカ国民に絶対的な支持を得ていたんだぜ? 多分あのおっさんだってそうだろ」
「うん、すごいすごい」
「おいおい、冗談じゃないんだぜ」
「分かってる。分かってるよ」
数十分後、僕らは車に乗っていた。
これからの予定は……
A 白熊を退治するついでに、この件を使える人材を探す
B 白熊退治はしない。アルカトラズに行き、再び有能な人材を探す
C いちどサンフランシスコ店のほうも見てみる
C
いちど『げるまんずサンフランシスコ店』を見てみる事になった。
僕としては、なんとなく沈んだ彩さんが支店長で大丈夫なのか気になっていたし
太田さんも活動予算不足に頭を悩ませていたらしく、意外とあっさり承諾した。
折原さんも「それじゃ俺がアメリカのOTAKU相手に一稼ぎしてやるか」と
乗り気で……その乗り気はまずいような気もするけど、とにかく話がまとまったんだ。
数日後、シスコ郊外。
「でも、いまさら戻っても雇ってもらえるかな?」
「良く考えると、あそこで社宅に残る権利があったのは
社員の彩さんだったのに、話の流れで何となく追い出しちゃったしね」
「過ぎた事は気にするな、話せば分かってもらえるさ」
三人で歩きつつ『げるまんずサンフランシスコ店』の住所に辿り着くと
A 民族こそ違え、同じ志を持つOTAKU達で普通に繁盛していた
B む、むしろ今シスコは内気系がブーム!?彩支店長効果で大賑わいだ!
C 彩さんには支店長の荷が重かった……閑古鳥が鳴いてます
D やばい、むしろライバル店に店舗がM&Aされちゃってる……
Dです
なんだか様子がおかしい。
似たようなげるまんずとは雰囲気が違うんだ。
サンフランシスコ店だからと言えばそれまでだが、なんというか、違う。
……いやね、その前に看板が違うってのはどういうこと?
あれ? 店の前に彩さんが困ったような顔で立ち尽くしている。
とりあえず僕は声を掛けてみることにした。
「彩さん?」
彩さんは僕に声をかけられると、びくっと体を震わせた。
振り向いて、声を掛けたのが僕だと分かると、少しほっとしたのか途切れ途切れに答えだした。
「……長瀬さん」
「何か、様子がおかしいけど一体どうかしたの?」
「……非常に…言いにくいのですが、サンフランシスコ店はM&Aをされました」
M&A。
主に、将来発展が望めるにもかかわらず、跡継ぎがいない企業とかが
第三者に好意的にその企業を譲れる……以下略。
つまりは……ここは引き抜かれたってことか?
「すみません……私が、私が……不甲斐ないばかりに……」
彩さんがそのまま泣き崩れる。この人も辛かったのだろう。
確かにこの人が管理していたが、無闇に責めるものじゃないな。
「祐介。まさかここを黙ってみてるとか……」
「分かってるよ浩平さん」
浩平さんはそれを聞いて、にやりと不敵な笑みを浮かべた。
……考えていることは同じか。僕は太田さんに目配せする。
太田さんも「しょうがないわね……」といった表情だ。ありがとう、太田さん。
「ほら、彩さん。泣かないでさ、僕たちに任せなよ」
「……え?」
「最強の電波使いと」
「世界を揺るがす大詐欺師がここにいるんだぜ」
「ちょ、ちょっと私も忘れないでよ!!」
M&Aだか何だか知らないが、僕らが何とかしてやろうじゃないか。
まずは敵を知ることだ。それには……
A 日本にいる大志に連絡、ライバル店の詳しいことを聞き出す
B ライバル店に入って直に見て回る
C アルカトラズにいた柳川さんなら、何か詳しいことを知ってるかも
D 浩平さん、世界を股にかけたあなたなら何か知ってるんじゃないんですか?
B 行動あるのみ
まあBだな
「ライバル店に入って直に見て回る事にしよう」
幸い僕達はまだ一度もこの店舗には出入りしていない。
特に小細工しないで普通に客として入れば
げるまんず側の人間だと気が付かれる事はないはずだ。
「彩さんは待っていてください、流石に元支店長の顔は知られているでしょう」
「はい……よろしく、お願いします……」
で、とりあえず入店してみたのだが……
「あまりげるまんずと代わり映えしていないなぁ」
そう、マスコットのキャラクターと店のロゴが変わったくらいで
日本でみたげるまんずの店舗内とあまり変わった点が見られないのである。
「投資額と工期を抑えるために、既存店舗を設備ごと買収して
部分改装にとどめる事で迅速な店舗拡張を狙ったってところみたいね」
「……太田さん、なんか経済アナリストみたい」
「長瀬くんも普通に授業で習ったはずよ?新聞の経済面にもよく出る話だし。
電波に頼るばかりじゃなくて、もっと社会勉強しないと駄目なんだからね」
う、説教されてしまった……
「ま、逆に言えば名義さえこちらに取り戻してしまえば
げるまんすとして営業再開するのは容易いだろうからな。
ご親切にリフォームしてくれたと思えばいいんじゃないか?」
すでに取り返せると確信したかのような、浩平さんの言葉。
いや、僕も必ず取り返す、そう信じないといけないんだ。
そのためにもまずは……
A この店の支店長と話をしてみよう
B ライバル系列のオーナーと交渉してみよう
C げるまんず本社に連絡をとって指示を仰いだらどうかな?
B
「ライバル系列のオーナーと交渉してみよう」
僕らはげるまんずの代表としてライバル店のオーナーの元を訪ねた。
「ギワハッハッハ!俺様がケシナコウルペ社のメディア部門代表のヌワンギ様だ!
げるまんずのクズ共が何のようだ? 俺様の軍門に下りに来たのか?」
ライバル店の代表はケシナコウルペ社と言うかなり大き目のグループの系列の人だった。
何でも社長の親戚らしく、その権力を使って横暴を繰り返しているとの事。僕らはその横柄な
態度に腹を立てたが、ぐっと堪えて彼と交渉をすることにした。
「いえ、我々げるまんずとしてはあの店舗を取り戻したいので、その交渉に…」
因みに九品仏さんの了解は既に取れている。回答は『自らの野望の前に立ちはだかる者は
全て粉砕せよ』との事。確かにこんな所で躓いてられないからね。
「ふん、あそこは俺様が大金をはたいて買い取ったんだ。 誰がお前らなんかにやるか
ほら、さっさと帰んな」
彼は手振りで追い払うような動作をした。取り付く島もない。
「ったく、何なのよあの馬鹿は!」
太田さんがブチ切れているよ…相変わらず怖いなぁ…
「だが、観察した限りじゃ典型的なお坊ちゃま社長だ。 社員からもそんなに好かれていはいない
みたいだ。 付け入る隙はいくらでもあるぜ。それこそ、合法、非合法問わず」
希代の詐欺師が言うと何だか怖いなぁ…けど、こんなところで戸惑っている暇はない。
さっさと片付けよう。で、どんな方法でいく?
A 合法
B 非合法
C 九品仏さんに助けを求める
A
A
ケナシコウルペな。
ヌワンギキタ――(。A。)――!
BBB
「俺に任せてみないか?あんなガキ一捻りだぜ」
何か不安だけど…折原さんはこういうのが得意そうだから任せてみよう。
「じゃぁ、お願いします。けど、くれぐれも法に触れるような事は控えてくださいよ」
と、一つ釘を刺しておこう。
「非合法な手段の方が手っ取り早いんだが…まぁ、リーダーさんのお願いだ。
ちょっと時間をくれ。 情報とか段取りとか色々あるからな」
そう言うと折原さんは僕らと一旦別行動を取り出した。取り残された僕らは
げるまんずの社宅へと彩さんと一緒に向かった。こちらはどうも買収されなかった模様で
しっかりと残っている。
「部屋は…二人一組なので…太田さんとご一緒にお願いします」
何ですと!?こ、これは願ってもないチャンス!ど、どうする?
A やっちゃう
B 男になる
C 狼になる
D 誘う
E 「そんな暇はないでしょ」、と断られた
F 部屋を空けると獣耳の女性が…カルラ?
D
ここは「や ら な い か ?」だな
ここは誘うしか! 僕らは部屋に入った。
まず見受けられたのは、ビジネスホテルにでもありそうなベッドが二つ。……ダブルじゃないのね。
彩さん……もう少し気を利かせて欲しいよ。
「今日は疲れたわね……朝一にサンフランシスコまで来たと思ったらアルカトラズへ、それからアラスカまで」
ちなみに、とても一日じゃ無理だと言う突っ込みはなしね。
「でも、これからもっと忙しくなってくるよ……」
そういいながら僕はベッドに腰掛ける。
「あ〜あ、学校休学届けだしとけばよかったわ。あまりに急な話だもの、許可もらえずにきちゃったけど、
この分じゃ早くしないと留年しちゃいそうよ? 一日や二日ならまだ良いけど」
太田さん……世界征服するのにそんな学校のこととか考えなくても……。
と、話はそこじゃない。もっと大事な話しがあるだろ僕。男としての沽券に関わる大事な話が。
「あのさぁ、太田さん。僕らも暫く……その……あれしてないわけじゃない? だからさ……」
……何だか言うのは気恥ずかしい。まるで中学生みたいだな、僕。
「……あのねぇ、長瀬君。今日は長旅で疲れているんだけど」
そう言いながらも服を脱ぎ始めてくれる太田さん。
なんだかんだ言って分かってくれている。僕もそれに精一杯応じないとね。
その頃、壁の向こう側では……
「…………すごい。長瀬さん、おおきい」
…………。
「あっ……いきなり胸から」
…………。
「え……? もう終わり? 長瀬さんて、早漏?」
…………。
「あ、二回戦が始まる……良かった」
…………。
しっかり彩には見られていた。壁の穴から。
翌日……僕は早くに起きる事が出来た。
げるまんずの件は浩平さんに任せてある。彼ならきっとうまくやってくれるだろう。
僕が早くに起きたのは他でもない。仲間集めだ。
よくよく考えたら仲間は今のところ浩平さんだけじゃないか、寂しすぎる。
こんなことじゃ世界征服など夢のまた夢だ。
という訳で……
A またアルカトラズに向かい、誰かを引き入れることにした
B またアルカトラズに向かい、柳川さんをもう一度説得してみることにした
C アラスカに赴き、光岡さんにもう一度頼んでみることにした
D アラスカに赴き、白熊の件は解決したのか見に行ってみることにした
E 店長に連絡し、有能な人材について相談してみることにした
迷うがB
「また君たちか」
あからさまに迷惑そうな顔を浮かべ、柳川さんが言う。
ちなみに今日の彼の格好は、何故だか知らないがスーツにカウボーイハットという
エキセントリックな格好だった。
「もう俺は君らに同行しないと言ったはずだし、浩平と光岡の紹介で話は済んでるだろうが…」
まあそうなんですけど…と、もごもごと聞き取りづらいであろう口調で僕は言った。
「まあいい。折角だ。茶でも飲んでいけ」
席を立った柳川さんは急須と湯飲みを携えて戻ってきた。
「…で、光岡には会えたのか?」
「…はい、断られちゃいましたけど」
そうか。と柳川さんは言って視線を外に向ける。そこにはサンフランシスコの海が広がっている。
何がこの人と光岡さんを結びつけたのだろう…
「そういえば…光岡さんから剣を貰いましたよ」
「剣…跋扈か」 少し驚いた後、ふむ…と考え込む柳川さん。
考えがまとまったのか、ゆっくりと顔を上げてこちらに話しかけてくる。
「あの剣、どうするつもりだ?」
「え?まあ僕には扱いきれないんで、誰か剣を得物にしている人に
託そうかと思ってますけど」
「そうか…
A テキサスの大金持ちが欲しがってたぞ
B 実はあの剣、人間が術で固められたものなのだが
C いい剣士を知ってるぞ。
D 俺にくれないか。そうすれば同行してやる。
C
「いい剣士を知ってるぞ。 俺が昔、隆山で刑事をやっていた頃、ある事件で共に
戦った少女だ。 いや、もういい女だろうな。 4年も前のはなしだからな…」
その少女との思い出に浸ったのか、柳川さんはどこか遠い目をしていた。
「紹介状を書こう。 君ら次第だが、上手くいけば力になってくれるだろう」
そう言うと、柳川さんは机から万年筆を取り出し、紹介状を書き出した。
「これでいいだろう」
彼は出来たてほやほやの紹介状を僕に手渡した。
「あの〜彼女は今何処に?」
「ああ、すまん。忘れていたな。 風の便りではこのアメリカにいるらしい」
「アメリカの何処ですか?」
「それは──」
A ロッキー山脈で山篭り
B グレートプレーンズでインディアンと共に暮らしている
C ラスベガスで用心棒
D ロサンゼルスにいると聞いた
B
※柳川24時は関係ありません(w
Bで修羅の刻と洒落込もうかw
「グレートプレーンズでインディアンと共に暮らしている筈だ」
「はぁ、漠然としすぎてて良くわかりませんね。まぁ覚えていたら寄ってみます」
そういって席を立った。
「もう来るなよ!」 とは柳川さんの声。いつもながら厳しいな。
しかしドアに手をかけた時、彼の方から声が聞こえ始めた。
「馬の運命は過酷なものだ…
ただ走り続けることでしか己を示すことが出来ない。
どれだけ速い馬であっても、だ。
そして、もし脚を折ったなら…頭に銃弾。それで御仕舞いだ」
「…わかってます・・・走り続けますよ、新聞に載る日を楽しみにしていて下さい」
ドアを押し開く。
「祐介!」
「ん?」 振り返る。
その瞬間、彼の投じたハットが僕の頭にかぶさった。
「つまずくなよ…最後まで」
アルカトラズからの船を降りた僕は、さて、どうしようか?
A 先に剣士の元へ行ってみる
B 太田さんに会う
C 浩平さんに進行状況を聞く
D こっちに来ているおじさんに会う。
A
A
柳川さん譲りの帽子を手に、やってきました、グレートプレーンズ。
ロッキー山脈から眺める景色は素晴らしい!
つうか、馬鹿に広いよ、柳川さん。
貰った地図を頼りに、インディアン保護区にたどり着いた。
「…結構ヒマがかかったわね」
「そうだね……浩平さんはもうげるまんずを取り返してるかもね」
「長谷部さんもおいてきたわね……」
「まぁ、彼女を見つけ次第、すぐに戻ろうよ」
「それもそうね」
話しながら歩いていると、インディアンの部族と遭遇した。
その中には、一人異彩を放つ女性。
「すいません、あなたが……
A.剣豪として名高いエヴェンクルガのトウカさんですか?
B.かつての学生美少女剣士、川澄舞さんですか?
C.水中戦に強い強化兵の岩切花枝さんですか?
A
A
刀使いには思えないので、逆にあえてC
「あなたが、剣豪として名高いエヴェンクルガのトウカさんですか?」
「いかにも、某がトウカだが……貴殿らは?」
「あの、僕たち、柳川さんから貴方を紹介された長瀬祐介と」
「太田香奈子よ」
「ふむ…で、長瀬殿に太田殿、柳川殿から紹介とは…某に何用かな?」
「単刀直入に言います。僕たちの世界征服に力を貸して欲しいんです」
「世界征服だと!?」
「ええ、剣はあっても剣士がいないの。力を貸してくれない?」
「断る!義なき戦いに参加したとあっては、エヴェンクルガの名折れ!」
「義なきって…」
「世界征服をたくらむなど、悪漢のすること!いかなる義があるというのだ!?」
く、かなり正義感が強い人だったようだ…
A.そんなことを言わずに、まずは、この刀を見て欲しいんです
B.世界を平和にするためなんだ!
C.太田さん、説得をお願いします
D.浩平さん、テレパスでヘルププリーズ!
E.そういえば、カルラの名前を出すといって柳川さんが言ってたか?
A
B
C、生徒役員の力を見せ付けてやれ!
そういって僕は包みを解いた。そのまま彼女に差し出す。
「む…なんと…!」
鞘を見ただけでこの驚きよう。やはりあの剣は相当の業物だったのだろう。
鞘から引き出し刀身を眺めるトウカさん。ややあって、鞘に収めた後、こちらに視線を寄越した。
「…いや、眼福だった…それで、なんなのだ、見せびらかすだけではあるまい」
厳しい視線。まあ当たり前の反応か。さて、今回は変化球で誘うって決めたから…
A 「なんでインド人(インディアン)の集団がこんなトコにいるんです?」
B 「その剣を思う存分振るってみたくはありませんか?」
C 「柳川さんからメモを貰ってましてね…まず、耳栓…」
D そうですか。回れ右して去る。
A
D
「え…だからインディアンはアメリカにいるのだろう…?」
「いや、今そう言うと怒られるんですよ、だからアメリカ先住民の人は、
ネイティブ・アメリカンと呼称されるのですよ」
太田さん、解説サンキュー
そんなわけでこの問答をしている間にも、ターバンを巻いたりのインド風人々が
いつの間にか僕らを囲んで見物している。
「う…では、某がインディアンであると考えていたものは…」
「はい、恐らく違うものだと…」
「クケーーーー!」 ああ、壊れた。
「ニホンの方、ですか?」
!?なんだ。背後から話しかけられたから驚いてしまった。
肩を叩いたのは若者(無論インド人)だった。
「私は、マサーシといいます。トウカさんに何かご用事ですか?」
「ええ…彼女の剣の腕を聞いてスカウトしに来たんですけど…」
といって壊れたトウカ」さんを横目で見る。マサーシさんは苦笑した。
「はは…でも確かにあの人の剣術は凄いですね。
まあ、ああなった以上しばらくはあのままでしょう。カレーでも食べません?」
A いや、柳川さんと約束した通り、立ち止まるわけには行かない。
B そうですね、いただきます。
C マサーシさん、なんでこんなトコにインドの方が集団で来たんですか?
A
Aすすめ
B
「いや、柳川さんと約束した通り、立ち止まるわけには行かない。 僕らには立ち止まっている暇はない」
「そうですか…残念です…」
マサーシさんがちょっぴりがっかりしている。ちょっと悪かったかな?
「そう言えば何でトウカさんを雇ったんですか?」
そんな事が僕の頭をふと過ぎった。
「それはですね…」
『ギワッハッハッハ!インディアン共、ここを出て行く準備は出来たか!』
マサーシさんが口を開こうとしたその時、何やら聞き覚えのある耳障りな笑い声が聞こえてきた。
「クッ、ヌワンギめ!またしても来おったか!某が成敗してくれる!」
トウカさんはすぐさま復活し、刀を手に外へと飛び出した。
「ヌワンギ!?」
「…世間は狭いわね」
僕らは思わず顔を見合わせる。そして、トウカさんの後を追って外へと出た。
「俺様がお前らに金払ってやるっていってんだ。 そんな悪い話じゃないだろ、さっさと出て行きな」
ヌワンギとこの保護区の長老が何やら口論をしている。
「断る、お前達は我々をこんな所に押し込んだだけでは飽き足らんと言うのか?」
「ふん、昔の奴の事なんざ知ったことか。 お前達にこの土地の価値がはわからんだろうが、どけジジイ!」
ヌワンギは長老を押し飛ばそうとするが、それをトウカさんが腕を掴んで止める。
「それ以上の無法はこのトウカが許さん。 ここは大人しく立ち去るが良い」
トウカさんのひと睨みにびびったのか、ヌワンギはたじろぐ。
「くっ、いいか!俺は諦めねえからな!」
捨て台詞を吐いて、ヌワンギは配下の者と共に立ち去った。
「トウカさん、彼は?」
「ん?ああ、奴はケナシコウルペの者でこの土地に眠るレアメタルなる物を欲して彼らを追い出そうと
しているのだ。 某がここにいるのは彼らを奴の手から守る為なのだ」
「長瀬君…相手が奴なら話は別よ。 ここはいっちょギャフンと言わせちゃおうよ」
「そうだね…僕としても許せないね。 トウカさん、奴は僕らの敵でもあるんだ。 ここは協力するよ」
「そうか…かたじけない。 だが、奴らは州政府にも顔が利き、我々は劣勢だ。 どうにかならぬものか…」
うーん、州政府も味方につけているのか…どうしよう?
A 電波でGo!
B 折原さんに聞いてみる
C マスコミだ!メディア戦略で奴らを窮地に陥れる
D 実力行使だ!今度来た時にコテンパンにしてやる
ここで出さないとエイエソに放置されそうだからB
「折原さんに聞いてみよう。 彼なら政治絡みとか強そうだし」
僕は長老さんに電話を借りて彼に電話を掛けた。緊急連絡用に教えられた
携帯番号で、僕らしか知らない。数回のコールですぐに繋がった。
『あーハロー、こちら折原。 ただ今裏工作の真っ最中。 どうした、祐介』
「ええ、実は…」
僕は現状を彼に話した。
『へー、いいぜ。 今ちょうど奴等を陥れる裏工作をやっている所だ。 ここは俺に
任せておけ。 お前達は奴らに追い出されないように頑張りな』
忙しいみたいで、電話はすぐに切られた。
「げるまんずを取り返す為に奴等を陥れるってさ。 だから奴等が嵌ればここも大丈夫
だからそれまでやられないように気を付けろってさ」
「…一体何をやるつもりなのかしら?」
「気になるでござる」
あの折原さんだからね。合法とは言ってもグレーゾーンや犯罪スレスレの手段も
世の中にはある訳だから。あまり無茶しなければいいけど…
A トウカと話す
B ヌワンギ視点へ
C 折原視点へ
D カレーを食べてみる
D.
ちなみにトウカは「ござる」は使わないのでご留意を。
某とした事が!
もう2年も前だからな…すっかり失念してしまったよ。
このトウカは飛天御剣流の使い手ということで
さて、しばらくする事もないし、腹が減ってはいくさはできぬ。カレーでもご馳走になるかな
そう考えた僕はマサーシさんの家でカレーを食べさせてもらう事にした。
「どうぞ、たくさんありますのでいっぱい召し上がってください」
そういって差し出されたカレーライス、カレーの本場のインドの人が作っただけあって、とても美味しそうだ
最近はやたらと移動が激しく、疲れが溜まっているせいか食欲が落ちぎみであったたが、
カレーという料理は不思議なもので、どんな状況であろうとも食欲をそそる、そんな魅力があるのだ
そんなこんなでカレーを食べ始める一同
「「「いただきまーす!」」」
パクパク モグモグ
「そういえば、インドの主食って米じゃなくてナンっていうパンじゃありませんでしたっけ?」
「うちはお米派なんだよ。」
「ふーん。」
パクパク モグモグ
「これ、牛肉入ってますけど、ヒンズー教って牛食べるの禁じられていませんでしたっけ?」
「うちは無宗教なんだよ。」
「ふーん。」
パクパク モグモグ
「ところでマサーシって名前、インド人っぽくないですよね。」
「うん、よくいわれるよ。」
「ふーん。」
パクパク モグモグ
「…日本語ペラペラですけど、いったいどこで覚えたんですか?」
「……」
A、実をいうと僕は日系2世なんだよ。
B、フハハハハ、バレちゃあしょうがない!
C、実は、記憶がないんだ…
D、え?君がヒンディー語をペラペラと話しているんじゃないか!
D
「え?君がヒンディー語をペラペラと話しているんじゃないか!」
「そ、そうか、僕がヒンディー語を喋っていたのか」
「……はぁ、そんなわけないでしょ」
太田さんが呆れ顔でため息をつく。
「どこからどう聞いても日本語を話していたわよ」
「ははは、冗談が通じない人は寂しいな」
「真に受けちゃう人もいるから、あまりたちの悪い冗談はよしてよね」
真に受けちゃった……
いや、電波で心に直接話しかける事が出来ちゃたりすると
自分の話している言語の感覚がいい加減になる時があるんだよね。
「それじゃ、冗談じゃなくて少し真面目な話を。
これはこの地域古来のネイティブアメリカン部族に伝わる伝説なんだけど……」
マサーシさんが急に真顔になって、こんな話をはじめた。
A 「この土地では、夜な夜な麻雀を愛する魔物達が徘徊しているんだ」
B 「この土地には、ガディムと呼ばれる異世界の魔人が眠っているんだ」
C 「この土地は、月に一度グエンディーナと呼ばれる異世界への門が開くんだ」
C
つうか、こいつらネイティブでなくてインディアンでは?
あ、言い方が悪かったかも。
ネイティブ・アメリカンでなく、インド人なのでは?
Aで
「この土地は、月に一度グエンディーナと呼ばれる異世界への門が開くんだ」
おもむろに語り始めるマサーシさん、その目は真剣そのもので、こっちまで萎縮してしまうほどである。
「僕達をこの土地から追い出そうとしていた奴が、
この土地にはレアメタルが眠っている、って言っていたことを覚えてるかい?
その鉱石が発掘される洞窟にその門は夜な夜な出現するんだ。
そしてその門から大量の鉱石をばら撒いて消えて行く。
さて、なんでその門はレアメタルをその洞窟に置いていくんだと思う?長瀬君。」
突然話をふられて思わず慌ててしまう。少しパニックになっているせいか、答えが浮かんでこない
何でもいいから言わないと・・・
「え、ええと、ゴ、ゴミの日だったからかな?」
トンチンカンなことを答えてしまった…隣では太田さんがヤレヤレとため息をついている、ああ〜恥ずかしい!
マサーシさんもわなわなと震えてる。真面目な話をしててくれていたのに…怒らせちゃったかな?
そこでマサーシさんはパッと表情を明るくしてこう言い放った
「その通りだよ!!!」
「「え?」」
「そう、そのレアメタルとは彼ら世界での産業廃棄物だったんだ、笑っちゃうだろ?
僕達にとっては大変貴重な物が彼らにとってはゴミでしかないんだよ?アハハハハ」
あまりのオチに事態が飲み込めない僕と太田さん、二人してキョトンとした表情でマサーシさんを見つめる
「このお話の教訓は、自分と同じ価値感を他の人が持っているとは限らない。という事だよ、ためになっただろ?」
「あの、えーと、つまり今までのは作り話だという事ですか?」
「アハハ、当たり前だろう!月に一度宝の山を届けてくれる門なんてあったら、今ごろ僕らは大金持ちだよ。」
う、嘘だったのか、一気に拍子抜けしてしまった…
だったらそんなに真剣な表情で話さないでよマサーシさん…
カレーも食べ終わり、マサーシさんにお礼を言って家を出た二人組は次に
A、トウカに話しかけた
B、浩平に電話を
C、長老に会いに行ってみた
D、二人きりで甘い時間を…
A
マサーシって…雅史か?ホモか変態魔王なのかぁ〜?
「トウカさん……」
僕はトウカさんに話しかけた。
「長瀬殿か、何用だ?」
「えぇ。僕らはこれから協力してヌワンギを倒すことになりそうですが、
もしよろしければこの戦いが終わった後も僕に力を貸して欲しいんです」
「……つまりは、仲間になれと言うことか?」
「簡単に言えばそうです」
僕がそういったとき、トウカさんは呆れた目で僕を見た。
「何度も言わせるな。某は世界を狙う悪漢の手助けなどするつもりはない」
「……なら、言わせて貰いますが、世界を征服することが本当に悪なのですか?」
「なに?」
「確かにトウカさん、あなたは世界征服を悪だと考えている。
だけど、僕が世界征服に成功したら世界は一つになる。それが本当に悪と言い切れますか?
自分の考えていることがいつも正しいとは限らない。
この世の中自分の価値観だけで全てを図れるって訳じゃないってことですよ」
「…………」
トウカさんは考え込んでしまった。
マサーシさんの受け売りだけどね。でも、これで説得できそうだ、ありがとうマサーシさん。
「さて、難しい話はそれまでにして、聞きたいことがあったんですよ」
「聞きたいこと?」
僕は話題を変えた。こういうことはじっくり僕が言った言葉を噛み締めてもらっていたほうが効率が良いだろうと踏んでだ。
今焦ったら成るものも成らなくなる。慎重に、だ。
「あなたは、柳川さんとどうやって知り合ったんです?」
「柳川殿か……」
トウカさんは懐かしそうな表情をする。おそらく昔を思い出しているのだろう。
「あれは忘れもしない、四年前のことだ。
その当時某は武者修行で世界を旅していた。そして、日本の隆山に立ち寄った時に事件は起きたのだ」
A 某は柳川殿に命を助けられたのだ
B 柳川殿が敵と戦っていた、その時に助太刀したのが某だ
C 偶然泊まっていた旅館に凶悪犯が舞い込んできて、その時に共闘したと言うわけだ
D ……いや、やめておこう。昔の話だ
B
当時、某は若かった。自分の力を過信していて、自分こそが世で最も強いと考えていた。
そんな折だ、某は隆山の雨月山に立ち寄った。何のことはない、ただの観光気分だった。
修行と言ってもその当時某はそれすら疎かにしていた状態だったからな。
山に分け入ると、なにやら人の声が聞こえてきた。
某は不審に思い、その場に近づいてみた、それが全ての始まりだった。
鬼が二匹、いたのだ。
なお、ここでの鬼というのは比喩ではない。絵本などに良く出てくる鬼、正にあれだ。
某は初め震えた。自分より強いものもなくなり、本当に戦える敵がいなかった当時、
あの鬼たちには見惚れた。この者らなら、某と互角以上に戦える……と。
暫く観戦していた某だったが、一匹の鬼がもう一匹の鬼の腕に爪を刺した。
致命傷ではなかったが、あれはかなりの深手だ。勝負は決まったか……!!
と思っていたその時だ。
「ぐぅ……!!」
刺されたほうの鬼が姿を変え、ひとりの人間の姿になったのだ。
初めは某も自分の目を疑った。信じがたかったからな。
「ちっ……制御を失った鬼め、
哀れな殺人鬼と化す前に俺が止めを刺してやりたかったがもはやここまでか……!!」
その言葉を聞いた時、ぞくっとした。
あんな化け物が人里に降り立てば何人もの犠牲者が生まれるだろう。
そう考えた某は……うしろから鬼に切りかかった。
卑怯者だとせせら笑うがいい。いくら人のためだといえども……某は一対一の真剣勝負を汚したのだ。
まあ、分かっているだろうがその時助けたのが柳川殿だ。
「お前は……」
「某の名はトウカ。武者修行の途中に貴殿を見かけたまでだ。
正直すまぬ、一対一の真剣勝負だったが、見兼ねて剣を挟んでしまった」
柳川殿は某を見極めるように見回した。
「……ひとまず礼を言っておこう。俺は警視庁の柳川だ。正直君には命を助けられた」
「それについては気にしなくてもいい。しかしあの鬼は一体何者だ? 見たところ、柳川殿も同族のようだが」
「……見られてしまったからには仕方がないな。全てを話そう」
それから柳川殿は語ってくれた。
この地には鬼の血を引くものが住んでいることを。
本来なら濃い血を受け継ぐ自分とその甥姪たち以外にはあのように力を発揮することはないらしいが、
ここ最近原因不明の鬼の血を継ぐ者の大暴走が相次いでいるらしい。
鬼というのは本来人を狩るのを本能とする種族。自分もまた内からの鬼の干渉におびえ暮らしている。
そう某に説明してくれた。
「今ここにいた鬼もここの近所の高校生だ。こうやって凶暴性を発揮する時に俺が密かに
狩って回っている。表向きは失踪ということにして……な」
柳川殿はその時陰りのある表情を見せた。
いくら正気を失い、暴れるだけの鬼と化しても元は人。斬るのはとても心苦しいことだったのだろう。
某はそれから柳川殿と行動を共にすることにした。
そのような話、武人としては捨て置けぬ。それから柳川殿と協力し、事件を共に解決した。
「……まあ、そんなところだ。柳川殿はやはり隆山にいるのか?
柳川殿ほどならもう警察署長になっていたっておかしくはない。それは……少し褒めすぎか?」
そうか……トウカさん、柳川さんがアルカトラズにいること知らないのか。
多分柳川さんがトウカさんと一緒に行動したのも、ただ単に腕が立つからだけじゃなく、
もし自分が暴走した場合トウカさんに斬ってもらうためだったのだろう。
トウカさんに本当のことを言うべきか……柳川さんが一万人の辻斬りをしたことを。
A 柳川さんは、訳あってアルカトラズに収容されてます。と少し隠し気味に答える
B 柳川さんはその後制御を失い、大量虐殺を行いアルカトラズへ入りました。と全てを答える
あえてB
「トウカさん……あなたは知らないのでしょうが、柳川さんは……」
「ん? 柳川殿がどうかしたのか?」
「柳川さんはその後制御を失い、史上最悪の大量虐殺を行いました」
「な、何だと!?」
トウカさんはいきり立って僕の襟首を掴んだ。
「そんなはずはない! 柳川殿は、柳川殿は最後の別れの時も笑っていた。
『大丈夫、どうやら俺は生まれつき鬼を制御できるタイプだったようだ』と答えてくれた!
柳川殿が、柳川殿が……そのような人の道に外れたことをするものか!!」
「トウカさん、あなたは人として柳川さんを尊敬していたのですね……。
でも事実です。柳川さん本人はそれについて深く後悔し、今はアルカトラズに収容されています。
もともと正義感の強かった柳川さんは、いちどは自殺まで……」
「や、柳川殿が!?」
「もっとも、今は僕らが説得して鬼との共存を目指しているみたいですが」
「まさか、柳川殿が……」
だいぶショックを受けているみたいだ。まあ、仕方がない。
今まで尊敬していた人物が自分の本意ではないとは言え大量虐殺を引き起こしたのだから。
少し気がひけるけど、説得するためだ。厳しくいかせて貰ったよ。
「そう言えば、柳川さんは房の凶悪な問題児を殺してしまった時に待遇が良くなったって聞きました」
「……それがどうかしたのか? 極悪人を斬ったのだ、そうなってもおかしくはないだろう」
「先ほどの虐殺の話では大罪です。しかし、その時の場合には待遇改善。
この差はいったい何なのですか? 相手によっては殺してもいい場合とよくない場合がある。
おかしくないですか? 殺人が悪である場合と悪ではないという場合があるというのですか?」
「そ、それは……」
「もうお分かりでしょうが、僕が言いたいのはそのことです。
トウカさんの先ほどの論理でいえば、悪はどのような場合でも悪のはず。
しかし現実はこうです。悪が悪たり得ない場合も確かに存在するんですよ。
……以上を踏まえて、僕についてきてくれませんか? 僕が悪となることはないと、誓いますから」
トウカさんは暫く考え込んだ。そして……
A ……分かった
B 暫く考えさせてくれ……
今度こそ仲間を!A
「分った…この件が終われば、長瀬殿に力を尽くそう。 だが、もしそなたのやり方が
某の義に反すると判断したら、その時は…斬る!それでよいかな?」
「…はい、分りました」
僕を見つめるトウカさんの双眸はまるで僕を射抜くように鋭い。だが、あの柳川さんが
褒めたほどの剣士だ。全く使えないと言う事はないだろう。僕がこの力に溺れない限りは
力を尽くしてくれるはずだ。
「それと…そろそろこちらからも動く必要が出てきましたな」
「え?」
「東方より軍氣が…恐らく奴等であろう」
僕も彼女が示した方角を電波で探ってみる。…明らかな敵意がこちらに向かってきている。
結構早いな…車かなんかで来ているんだろう。数も…数十人はいる。
「業を煮やした奴等がついに実力行使にきたようですな。 どうなさる?」
A 僕らだけで迎撃
B 皆を起こして防衛
C 先手必勝。奇襲だ
A
「僕らだけで迎撃しましょう。 皆さんに協力を求めればここを守るのは容易ですが、少なからず
とも犠牲者が出る可能性があります」
「うむ…その通りであるな…よし、我々だけで戦うとしよう」
僕らはすっかり闇に染まった大平原へと飛び出した。
「ギワハッハッハ!インディアン共め、金を貰って穏便に済ませればよかったのによぉ…
俺様の邪魔をするから無意味に命を落とすことになるのさ」
ジープに乗って耳障りな笑い声を飛ばすのは坊ちゃん社長のヌワンギ。地元のマフィアを
動員して、インディアン達を皆殺しにしようと画策した。その兵力は銃器で完全武装の兵隊が
30人。後始末も州政府の高官に鼻薬を嗅がせてあるのでバッチリだ。某部族が突然の集団失踪
と言う見出しが新聞の片隅を飾るだけ。
「さすが俺様だぜ、さて、久しぶりに人間狩りと洒落込むかな」
自分の策に微塵の揺らぎも無いと思っていたが…
「むむ…かなりの数であるな…」
「一人でも抜かれると危険ですね…」
「で、どうなさる、長瀬殿?」
A 威風堂々と名乗りを上げて戦いを挑む
B まずは奇襲で混乱させる
C 大将を倒して一気に勝負を決める
C
「頭を狙いましょう。そうすれば他の雑魚は霧散する」
「なるほど……承知した」
……そう言えば、浩平さんはどうしてるんだろうか。
まさかこれをけしかけたのが浩平さんで、これをスキャンダルにする……とか。
はは……まさかね。……………………ありうるけど。
「トウカさん、早速だけどこの剣を」
僕はトウカさんに剣を差し出した。
蒼龍と……鳳凰。先ほど見せたのは鳳凰だけだったが、今度は二本とも見せた。
この二本のどちらかを使って欲しい、ということだ。
「かたじけない、ありがたく使わせてもらう」
トウカさんは二本の刀に目を向けた。
そしてしばらく考えた後に二本を手に取り……静かに鳳凰を置いた。
「……戦友、光岡殿の刀だな。まだ覚えている」
「光岡さんを知っているのですか!?」
「先ほどの話……あの事件には光岡殿も手を貸してくれたのだ!」
そう言い放ってからトウカさんは敵側に走る。
……そうか、だから柳川さんは光岡さんと知り合いだったのか。
トウカさんは相手の陣の中心に切り込んでいく。おそらく敵の頭はヌワンギだろう。
このように敵側にも手札があるのに目立つ大行進をするのはバカと相場が決まってる。
だが、数は厄介だな。
絶対に奥のテントまでは行かせない。中には太田さんが眠ってるんだ。
太田さんに僕の活躍を見せられないのは残念だけど、絶対にここを通すものか。
しかし……トウカさん、他は僕に止めろって言うの? 僕は辺りを見回した。
A あ、あそこにヌワンギの姿が……まさか中心近くのでっかい車はダミー!?
B ん……あれは、アルカトラズで見たカルラさん! 厄介だな……何故彼女が
C 取り分けて凄そうなのはいない、ただの烏合の衆か。楽勝だね
D いやね、確かに同じ制服だったさ。だけどさ……何で日本で見かけた立田七海ちゃんが!?
A
「ゴロツキとは言え相手にも犠牲者が出るのはあまり喜ばしい事じゃないしね、ここは
大将を倒して一気に勝負を決めよう」
「うむ、それは正論であるが…問題はあれでしょう…」
トウカが見た先には車のライトに照らされ、堂々と鎮座しているヌワンギとその周りを
囲むようにジープと併走する配下の車。これでは簡単に近づく事は出来ないだろう。
「ゴノレゴでもいたらここから狙撃して終わりなんでしょうけど…」
「おまけに走行中の車ですからな。 乗り込んで一気に切り伏せると言うのも無理がありますな」
どうする?
A 電波だ!
B 投石
C 刀を投げる
D トウカのエヴェンクルガ航空殺法だ!
ぎゃふん。負けた
>>619 リロード推奨です、ここは。俺も一体何度苦しんだか……。
しかし今日は長文結構書けたな……そろそろ選択に回ろう
「ヌワンギ、その首をもらうっ!!」
トウカさんが中心の巨大なジープに向かっていく。
周りの雑魚をなぎ倒しながら進んでいく。……やっぱり凄い。柳川さんの言っていたことに嘘はないみたいだ。
この分ならすぐにかたがつくな……そう思っていた。
ふと、ぽつんと別の場所に小さなジープが走っているのが見えた。
……何かおかしい。別働隊にしてはこちらに近づいてくる気配もない。
僕は目を凝らしてよ〜くみてみた。……ヌワンギ!?
ということは・・・…まさかあの大きいジープは囮!?
「ま、待ってトウカさん! わなだっ!!」
トウカさんには僕の静止も聞こえずついにジープの上に飛び乗った。
「……ヌワンギがいない!?」
巨大なジープの上には、ぽつんとトウカさん一人だけ取り残されていた。
その時だ。
ばばっと周りから大勢が短刀を構えてトウカさんを取り囲む。
その数……数百人。ちっ……隠れていたのか。
「バカな奴だ!! 俺様がそんなあからさまに来ると思ってたのか!?」
そして、先ほどのジープから拡声器でそんな声が聞こえてくる。
……正直、甘く見すぎていた。
「やいトウカ! いくらおまえでもこの大人数じゃどうしようもないだろ!?」
そういわれてトウカさんが少し汗ばむ。
「くっ……某としたことが罠に落ちるとは」
「単純で助かったぜ! お前ら、やってしまえ!!」
ヌワンギさんの声で、一斉に手下がトウカさんに向かっていく。
だけどね、ヌワンギ……お前も詰めが甘い。
A トウカさんを甘く見すぎだよ
B 僕の電波については知らなかったようだね
C 伏兵を隠してたのは君だけじゃない。……浩平さん、いるんだろ?
Bでたまには活躍しろと
僕の電波については知らなかったようだね。
一対多数は僕の最も得意とする分野さ。
僕は十分に電波を集める。何せ何百人分だ。
「くっ……!!」
トウカさんは必死で応戦してる。ごめん、もう少しだけ待ってくれ。
「絶体絶命だな! これでここは俺様のものだぁっ!!」
……実に五月蝿い。耳障りなんだよ。
…………さて、電波も集まってきた。
いくかっ!!
ちりちり…………
僕は頭の中で「止まれ」という信号を作り出し、その電波を周りに広げる。
「…………!?」
「どういうことだ、体が!?」
「な、長瀬殿!? こ、これは……!?」
……トウカさんにまでも電波が伝わっちゃったけど、仕方ないね。
「な、なんだぁっ!? 一体何をしやがった!?」
ヌワンギのほうまで届いてる。十分だ。
「ああ、トウカさんごめん。僕の技はその性質上、対象を絞れないんだ。
ある程度ならできるけど、そこまで密集されてるとね……。
だけど……心配しなくていい。僕の力だけでも勝てるから」
「……分かった、信用する。これほどの力を見せられては信用しないわけにもいくまい」
「ありがとう。すぐに終わらせるよ……」
「おいお前、俺の質問に答えろっ!」
……本当に五月蝿い。いっそのこと壊してやろうか。
「ふふふっ、いいだろう。僕はこの話をするのが大好きなんでね。
まあ、いわゆる自慢話で恐縮なんだが……」
お決まりの前口上をまず述べる。
うん、言っていて気持ちいい。月島さんの気持ちが分かったような気がした。
「僕は、人ぐらい簡単に操れるんだ。そう、文字通り思いのままに」
「……なんだとぉっ!! 今俺はお前の術中にはまってるっとでも言うのか!?」
「ご名答。よく出来ました……」
僕はヌワンギに近づく。
「さてと、君には相当借りがあったよね……。
げるまんずの乗っ取りとかもしてくれちゃってさ……」
「……思い出したぞ!! おまえはげるまんずにサンフランシスコの店を返せとか言ってきやがった……!!」
……てか、忘れてたんですか。
確か、昨日……といってももうすぐ一昨日か、のことだと思っていたんですけど。
なおさら許しがたい。
「さて……今度は僕のほうから言わせて貰うよ。
用件は二つ、一つ目はげるまんずにサンフランシスコ店を返すこと。
そしてもう一つはここをインディアンたちに譲り、二度とここへ来ないこと。
……ちなみに、逆らったらどうなるか分かってるね。君の精神を……木っ端微塵に壊す」
「精神を壊すだと!?」
「ああ。僕は人の精神も思いのままに操れる。
君の考え方を根本的に変えさせることも出来るし、君を壊して廃人に追い込むことだってできる。
それで、君は用件を飲むのか、それとも飲まないのか?」
ちなみに言うと、前者は試したことないのでよく分からない。
理論的に可能なんだろうけど……自信がないな。まあ、体を操るのと同じ要領でやれば出来ると思うけど。
さて……ヌワンギはどう動くかな?
A ちっ……分かった
B ふざけるな! 俺は最後まで俺だ、誰がてめぇの言うことなんか聞くか!!
A
「そんな馬鹿な…」
ふん、これだけの力を見せ付けられてまだ信じられないってのかい?ちょっと痛めつけてやるか。
チリチリチリチリチリチリチリチリ…………
「あがががががが!!」
ヌワンギがもがき苦しむ。この程度は序の口なんだけどね。
「で、どうするんだい?」
「ちっ……分かったよ!返せばいいんだろ!」
「それがお願いする方の立場なのかなぁ…」
ムカついたんでまたちょっぴり電波を浴びせる。
「ぐげげげげ!す、すみません、返させていただきます。 ここにももう二度と手を出しません」
今までの強気は何処吹く風。哀れに泣きじゃぐって懇願するヌワンギ。
「じゃぁ、頼むよ。 あ、そうだ。 念の為に念書を取っておかないとね」
僕は懐からデジカメを取り出した。300万画素のクリアな画像が撮れるステッキーなやつだ。
「ま、まさか…」
「多分君の期待通りだと思うよ」
そして、僕は彼に向かって電波を放った。
彼は「チクショー!覚えていろよ!」、と言う典型的な捨て台詞を放ってここから逃げ去った去った。
彼の体を操り、あられもない姿をデジカメのメモリ一杯に撮りまくった。もし、約束を違える事があれば
これを今回の経緯と共に世界中に配信すると言う脅しをかまして。
「こ、これで大丈夫だと思うのだが…その…長瀬殿…」
トウカさんは顔を真っ赤にして俯く。もしかしてこう言うのに免疫無いのなか?
「本当に念書取っても反故にされる可能性があるからね。 こう言った脅しが一番だよ、あの手合いには」
これで暫くは大丈夫だろう。彼が約束を本当に守るとは思えないけど、少なくともこれでここは大丈夫なはずだ。
A 暫くここにいよう
B サンフランシスコに戻ろう
C 折原さんから電話が『準備OKだ』
D ヌワンギの復讐が…
C
保護区に戻ると、長老さんの電話に折原さんからの呼び出しがあったと言う。僕は急いで電話に駆けつけた。
『おお、祐介か。 準備は万端だぜ。 上手く行けばサンフランシスコ支店どころか奴等のグループを丸々
乗っ取れるぜ』
電話の奥で折原さんが嬉々として語っている。流石は希代の詐欺師だ。
「で、一体何をやるんですか?」
『株だよ株。 偽情報を流して仕手戦を発生させる。 で、程よく株が上がった所で更に情報を流して
株を暴落させる、空売りを交えて金を市場から吸い上げて、底値に入った所で株を買い上げる。
それで奴等のグループごと乗っ取るって訳さ』
……法律には触れないんだけど…やっぱりあくどいなぁ…まぁ、任せよう。
「じゃぁ、お願いします」
『おうよ。 じゃぁ、大船に乗ったつもりでどーんと構えてな』
詐欺師が言うと泥舟に思えるのは気のせいだろうか?けど、もう彼に任せるしかないか…
〜翌日 ケナシコウルペ社 社長室〜
「社長、先日から我社のグループの株が不自然な上昇を続けているのですが…」
社長室の主の席に座るはアフロデブ。突然やって来た闖入者に機嫌を悪くする。
「にゃも〜ベナウィよ、朕の頭の手入れの最中に入ってくるなと申しておるじゃろう」
その闖入者は鋭利な目を持つ、知性と鋭気が溢れる若き青年であった。
「……失礼しました。 ですが、この株価上昇は不自然です。 どこかの投資グループが動いているとしか──」
「うるさいにゃも! 株価が上がって悪い事などある訳無いにゃも! 折角良い感じに
手入れされた髪がお前のせいで台無しにゃも! さっさと出て行くにゃも!」
「……分りました」
そう言われた青年は渋々と社長室を出て行った。
(…とは言えこの株価の動きは不自然ですね…探りを入れる必要がありますね…)
そして、彼が取った行動は?
A その投資家グループに探りを入れてきた
B 株価上昇の原因となった情報に探りを入れてきた
C だが、折原の動きは更にその一歩先を行っていた
B
どーでもいいことかもしれないが、
最初に祐介の浩平への呼称は「折原さん」じゃなくて「浩平さん」だったような気が……。
途中から変わるとなんか違和感を感じるな。
(株価上昇の原因となった情報に探りを入れましょう…若しかしたら内部に協力者がいる可能性がありますからね)
「クロウ、株価上昇の原因を探ってもらえませんか?」
「あいよ、大将」
ベナウィの呼びかけに現れたのは、普通の人より一回り大きいオールバックの気の良さそうな青年であった。
目には目立つ一条の傷があった。
「大将、どういった手段で行きますかい?」
彼が求めているのは、暗に法的な処罰以外…暗殺、拉致などに対する許可である。
「クロウ、出来るだけ穏便に済ませなさい」
「あいよ、任せてくれ」
「くっくっく…皆、俺の手の上で踊ってるぜ…」
浩平はパソコンのモニターの前で歪んだ笑いを漏らす。その画面に映るのは右肩上がりのグラフ。対象銘柄は
『ケナシコウルペ・メディア・エンターティメント』…通称『K.M.E』。ケナシコウルペグループのマルチメディア系の
会社でヌワンギが社長を務める会社である。
「証券の世界のハイエナ共は、先んずる為に憶測に近い情報でも食いついてくるからな…上手くいったぜ」
彼が行ったのはK.M.Eが制作した新作映画の情報である。これをネットや鼻薬を効かせた評論家などを使って
いかにも期待の新作に見せかけて、投資家を煽ったのだ。最初の時点で大口で株を買い込み、恰も機関投資家
が介入したように見せかけて、噂に真実性を持たせたのだ。程よく株価が上がった所で切り札を切り、株価を
一気に暴落させるのが彼の目的なのだ。そして、その直前で売り抜き、底値で株を買占め。
晴れて乗っ取り完成だ。さて、その彼の切り札は──
A K.M.Eの粉飾決算の証拠
B 社長ヌワンギのスキャンダル情報
C 実はその映画はクソつまらない
D 社員に対する過酷な扱いの情報
C
実を言うとその映画はクソつまらないのだ。つまらないと言う次元が違う。作っている時点ですでに
駄作が確定していると言っても過言ではない。それは社長が現場に口出ししまくった挙句、制作期間と
費用だけがズルズル掛かってしまったのだ。おまけに社長はこの映画が成功すると信じて疑っていない。
スタッフも社長の不興を買って解雇されるのを恐れて口に出せないと言う。浩平はいち早くこの情報を
掴んで、策を巡らしていたのだ。先行公開の日が4日後…株価は最早彼の操作の手を離れ、暴騰を
続けている。地下に潜ったり、複数の中継点を使って取引をしている彼の動きを探るのは非常に難しいだろう。
「しかしお久しぶりですね、浩平さん。 急に私に会いに来たのでびっくりしましたよ…アルカトラズにいると
聞きましたが…何故急に出られたのですか?」
彼の傍らには落ち着いた感じの金髪でお下げの女性がいた。ここはニューヨークのあるアパートの一室。
浩平はこの部屋の主の里村茜の部屋を借りて株取引を行っている。
「ああ、ちょっと面白い奴が来てな。 素で野望は『世界征服です』と言い放った奴だ。そいつに誘われてな」
「まるで浩平さんみたいですね」
茜は思わず苦笑した。
「いや、州乗っ取りくらいでとちってムショに入れられたくらいでいじけた俺とは別物さ」
「これからどうなさるんですか?」
「そうだな…そろそろ場所を移した方がいいかもしれないな。 昔、結構マンハッタンで派手にやったからな。
俺が帰ってきたと知ったら恨みを持った連中がやって来る可能性が高いしな」
「つまり、私は巻き込まれたと」
無言&無表情で浩平を睨みつける茜。そこからは激しい怒りのオーラが読み取れる。
「はい…ごめんなさい」
そんな話をしていると──
A 祐介から電話が
B 突然襲撃が
C 小包が送られてきた
D 今回の件の仲間の詩子から連絡が
Aで繋がるな。
シナリオなら、浩平
普通は折原君
で、同級生ね。考慮してくれ。
…すまん
るるるるるる…
浩平の胸ポケットから電子音が響く。
「っと悪いな、失礼するぜ」
通話ボタンを押し、声をかけた。
「もしもし?折原だが」
『浩平さん?長瀬です。…そっちの進捗はどうですか?そっちの動き次第で、こっちの行動も変わるので…』
「おう、待たせたな。いまNYで最終的な打ち合わせ中だ。あと4、5日、それで全てが決着するぜ」
『ニューヨークですか!?いつの間にか僕らより先に進んでますね…』
「なぁに、昔のコネでな。確かに俺は騙す人間だったが、同時に鼠小僧じみた事もやってたから
それに恩を感じてくれる酔狂なやつが多くてな。おかげで今、助かってる。
塀の中に入ったくらいでなくなるような人脈は持ってないんだよ」
『それは凄い…、で浩平さん。話は変わるんですが、
僕らはどう行動しますか?なんならこっちから合流に出向きますけど』
「…いや、俺はこの街に敵が多いものでよ、そろそろ離れようと思ってたところだ」
『?ヌワンギさんの手の者ですか?』
「…それもあるな。手前味噌になるが、なかなかここまでの仕掛けを出来るやつはいない。
その線で辿れば――直に、そっち方面からも追っ手が来るか。ゲ、落ち着いてる場合じゃなかったのな」
「浩平…」
表情は変えないながらも、茜からにじみ出る迫力に、冷や汗が流れる。
『…やはり合流しましょう。場所は…』
「ああ、俺がそっちに出向く。ここまで来ればネットがあれば問題ない。」
『分かりました…ところで
A 迎えを出しましょうか?
B そちらに誰かいらっしゃるんですか?
C やはり合流地点は中間にしません?
D 今日の日本の新聞の一面、どれでもいいから見ましたか?
Bカナ
Bカナ
「そちらに誰かいらっしゃるんですか?どうも話し声が聞こえますが」
「昔馴染みの家に厄介になってるんだが…ここも足がつくかもだ。
一時的にそっちに連れて行こうと思うが…いいか?」
『ええ、幸い場所は有り余ってますからね、一人や二人増えたところで大した事はありませんよ』
「そりゃあ良かった、じゃあ、一両日中には着くと思う、それじゃあな」
『ええ、お気をつけて』
プッ…という音を残し、通話が切れる。――さて、
「茜…聞いたと思うが…」
「はい。分かってます」
見ると既に茜は旅支度を整えつつあった。
「もうここまで来て愚痴を吐いても仕方ありませんから。
それより何処へどうやっていくのです?まさかサブウェイで行ける場所ではないでしょう?」
「…適応早いな…昔からそうだっけ?」
「いえ、昔はそうでもありませんでしたけど…
誰かさんが色々連れまわしたり、トラブルに巻き込んでくれたせいじゃ無いかと私は睨んでいるんですが」
「う…まぁいいや。取りあえず空港だ。急ぐぞ」
浩平も自分の荷物を鞄に放り込みながら言った。
「ここからどのくらいあったっけか?」と後ろに声をかけつつドアを引き開けた瞬間。
「コウヘイ・オリハラ。間違いないな?」そこには一人の巨漢がいた。
「お前は――」
「ケナシコウルペの者だ――といえば分かるだろう?」と言って、ニパッと笑いかける。
「大人しく付いてくれば何もしねぇよ…ん?奥にも誰かいるのか?」
奥の鞄に気づいた男が、部屋を覗き込んだ瞬間だった。
ぐぁああん…
「ぐをぉぉぉっ…!!」
「茜!」
そう、ドアの影には中華鍋を構えて待ち構えた茜の姿があったのだった。
「今のうちに!」茜がバッグを持って部屋の外に走り出す。
「おう!」浩平もこんな程度の苦境は何度も経験している。茜の後を追って、部屋の外に飛び出した。
「浩平!まだ目標は空港ですか!?」
「そうだな…あの男、一人で来たってことは、そんな大動員したってワケじゃなさそうだ。
網を張るほど人数は割いてないんだろう」
「で、空港まではどうするんですか!?」
A 地下鉄
B タクシー
C 走る
B
CLANNADスレが乱立しそうなので保守しておく
「タクシーだ!特別速いのを呼んである!」
浩平が手を上げると、すぐさま寄ってくるタクシー。側面には特別なロゴが入っている。
「…CKO…アメリカ最速と名高い裏タクシーですか……」
「お、さすが茜、知ってたか」
「こういうことを覚える事になったのは誰のせいです?」
「ま、まぁ、話し込んでる場合じゃないぞ?さっきのが追ってくるかもしれん」
言うが早いか乗り込む浩平と茜。
「ご使命ありがとうございま〜す。どちらへ?」
「柚木!?」
「そういえば、運転手は日本人女性という噂がありましたが……まさか詩子だったなんて」
よく考えれば、CKO……シーこ…詩子と書いてあったではないか。
「あれ?折原君に茜じゃない。新婚旅行?」
「俺は独身貴族だ!」
「浩平、急ぐのでしょう?詩子、空港までとばしてください」
「ん〜〜何かワケアリって感じだね?ね、私も一枚かんでいい?」
「…ちゃんと空港につけたら考えてやる」
「オッケー!ジェット機より速く着いてみせるわ!久々に楽しくなりそうね〜」
「…できる限り安全運転でお願いします」
音も無く発信すると、グングンスピードを上げるタクシー。
鼻歌交じりに運転されるタクシーの速度が200kmを超えたような気がするが、茜は気のせいだと自分に言い聞かせた。
「……柚木、もっととばせないか?」
「ん?どうしたの、折原君」
「一台追ってきてる……あのフォルムは、確かケナシコウルペ社のベナウィのシシェ…」
「えぇ〜っ!?あの人に追われてたの!?」
「有名なんですか?」
「こっちの世界ではアメリカ最速の男って言われてるわ…」
「で、まけるか?」
A.ふふん、詩子さんは世界最速の女よ!カーチェイスでまいてみせるわ!
B.ココらへんは私の庭よ、裏道を駆使してまいてやるわ!
C.このタクシーには数限りない武装があるのよ?悪いけどシシェ命運は尽きたわね!
Cしかなぁぁぁい!
「このタクシーには数限りない武装があるのよ?悪いけどシシェ命運は尽きたわね!」
ふふん、と呟いた詩子は、ハンドルのボタンを押す。
ハンドル中央には電話のダイヤルのようにAからGまでのボタンが並んでいる。
「さ〜て、どれにしようかなっと。ねぇ折原君、チェーンガンとグレネードってどっちが好き?」
「そうだな、好みから言うとチェーンガンのが…ってちょっと待てーー!!」
「え?」 と振り返る詩子。だが遅い、既に彼女の指はCボタンを押さえていた。
バリバリバリバリ―!!
ボンネットが割れ、そこから顔を覗かせた回転式機関砲――チェーンガンが火を噴いたのだった。
勿論砲手などいないから適当に後方に弾をばら撒いたということなのだが。
その放たれた弾丸は、今さっき詩子の追い抜いた一般車両に吸い込まれるように命中し――
チーズのようになった哀れな一般車両は横転し、さらに対向車を巻き込んでしまう。
轟。という爆音。振り返るそこには地獄絵図のような光景が広がっていた。
「おいコラ、柚木!何考えてんだ一体!?」
「え、え〜と、あはは。…正当防衛ってことには…」
「なるか!」「なりません!」 二人同時に突っ込みを受ける詩子。
「…流石に追っては来ないか。だが柚木ィ…お前までお尋ね者になってどうすんだよ?」
「そ、それを言うなら折原君だって懲役200年の大悪党じゃない!?」
「もう、いい…この騒ぎだと空港もテロ対策とかで止まってんだろうし…
柚木、匿ってやるから、指定した場所に行ってくれ。遠いぞ、取りあえず西だ」
そして世にも危険なタクシーは、中部のインディアン居留区に向かったのだった…
「っ!」
慌てて急ブレーキを踏むベナウィ。目の前を吹っ飛んでいく乗用車が通過する。
一拍おいて、轟音と閃光。――無茶苦茶だ――ベナウィは柄にも無く混乱していた。
あのまま付かず離れずで空港まで付け回し、いざ飛行機に乗り込むところで先回りさせておいた
部下に捕らえさせる算段だったのだが…コレだけの騒ぎを起こして尚空港に向かうことはまず無いだろう。
「流石は希代の詐欺師。策士・折原といったところですか」
ぴぴぴぴぴ…
胸の携帯電話が電子音を奏でる。
「はい」
「大将?クロウでさあ。…首尾は?」
「いえ、見失いました」
「…まさか、この煙はあいつらが!?」
「そのようですね…私もここまでは読めませんでした」
「…するてぇと、ここで追跡は御仕舞いですか?」
A ええ、遺憾ながら。そこまでの働きは給料に入ってませんよ
B …ヘリを出します。
C 実は発信機を埋め込んであるんです。
A
Bで武装カーとバトルだ!
回転式機関砲はガドリングガンの事ね。銃身を幾つも束ねているやつ。
チェーンガンはボルトを外部動力とチェーンで繋いで強制的に装弾、激発、排莢を
行うやつ。こっちは単銃身で主に戦闘ヘリや戦闘車両に搭載されてたりする。
どっちも外部動力で発射している事には変わらんが。
軍ヲタですまんがな、一応。
651 :
647:04/02/16 23:56 ID:Bv5TJ0V/
なんか昔読んだラノベで、こんな武装カーがあってな。
そこから色々借用したのだが…そこにはCでチェーンガンと書きつつも
回転式機関砲とあったから、そのまま使ってしまったよ。ああもう。
「ええ、遺憾ながら。そこまでの働きは給料に入ってませんよ」
ベナウィはそれよりもやるべきことがあった、先ほどの攻撃で道路は地獄絵図である
チェーンガンを撃たれでミンチよりもひどい死体になった運転手、その隣で泣き崩れる家族たち
巻き込まれた対向車は道路に突っ込み通行人を引いてしまっている
玉突き事故となり後ろの車も何台か事故を起こしてた
血と肉の焼けるにおいと悲鳴と怒号が満ち溢れていたその場をベナウィは見過ごすことができなかった
「……」
A 救助活動をする
B 泣いている女の子に声をかける(要人物指定)
C まずは警察に連絡をする
C
市民の義務
「まずは警察を呼ぶ必要がありますね…私だけでは手に負えない」
ベナウィは携帯を取り出し、おもむろに警察へと連絡を取った。
『もしもし、こちらニューヨーク市警』
「もしもし、警察でしょうか。 マンハッタンの○○ブロックの〜で事故が起こりました。 死傷者も多数出ています。
至急、こちらに来ていただけませんか?救急車と消防車も加えて」
炎上している車もあり、所々で燃料に火が付いて盛大な炎を上げている。
『事故?ああ、既に何件かこっちにも来ているが…詳しいことは分りますか?他の人達は興奮していたりしていて
どうも要領を得ないんです』
ベナウィは少し躊躇した。「車のボンネットから機関砲が迫出し、銃を乱射して事故が起こった」こんな漫画みたいな
状況を信じるだろうか。とは言え生真面目な彼はありのままに報告せざるを得ないと思い、ありのままに話した。
『ふむ…分りました。 犯人について何か分る事はありますか?』
ベナウィはこれはチャンスだと思った。これなら警察はすぐに非常線を張って、彼を瞬く間に捕まえてくれるだろう。
「ええ、車の色、車種は〜で、犯人はあの『コウヘイ・オリハラ』です」
『なんだって!?あ、失礼しました。 分りました。 詳しい事を聞きたいので暫く現場にいてください』
(…これで彼らを捕まえる事が出来るでしょう)
だが、ベナウィの期待は大きく裏切られる事になった。それは──
A 詩子カーには超加速モードがある
B 詩子カーは水の中を走行できる
C 詩子カーは空を飛べる
D 詩子カーはその重武装で追跡者を悉く粉砕
停滞したから次を書いていいよね?
Dしかあるまい
浩平たちはあれから通報を受けたパトカーに追跡を受けていた。アメリカの犯罪の風物詩のカーチェイスの始まりである。
「茜!後部座席の裏にグレネードランチャーがあるからそいつぶっ放して!」
「何でこんな物が…」
後部座席を空けるとそこにはU.S. M79グレネードランチャーが入っていた。中折れ式のグレネードで
重さ、大きさとも手ごろで女性の茜でも充分扱える物である。他にも武器があり、選り取りみどりの状態であった。
「こいつは後ろには攻撃できないの、早く!」
詩子の叫び声をかき消すように銃声が響く。街中であるにもかかわらず既に発砲許可が出ているようだ。
車の足回りを狙うように着弾の火花が幾つも飛び散る。
「く…しかたありません」
茜は窓から乗り出し倒立式の照準を立て、後ろから追い立てるパトカー群に狙いを定める。
「…!ごめんなさい」
花火を打ち上げた時のような重い音と共に、銃口からグレネードが飛び出し、白い煙を出して茜の視界を白く染める。
数瞬遅れてグレネードがパトカー群の中に飛び込み、信管を作動させ、大爆発を起こす。
「やりぃぃぃ!」
「ビンゴ!!」
助手席と運転席の二人が歓声を上げる。この追跡劇に二人は完全にヒートアップしている。パトカー群はその大爆発に
よって横転したり、追突したりなど大事故を起こし完全に止まった。
「これでしばらくは安心ですね」
茜は胸をなでおろす。だが、安心したのもつかの間。彼らに新たなる危機がやって来た。
A 検問。車止め付き
B 戦車出動
C ヘリで追跡された
D FBIの対能力者班出現
カーチェイスといえばやっぱりC。
バルルルルルルルルルルルルルルルルルル
まるでバオー来訪者のような擬音をたてながら空から青いヘリがやってくる。
「あ、あれは!?」
「知っているのか柚木!?」
「あれは世に聞くエアーウルフ!」
20代前半の視聴者のための参考資料→
ttp://www.hi-ho.ne.jp/maro99/ 「ヤバい! ヤバいぞアレは! 柚木、何とかしろ!」
「何とかしろって言われてもねぇ……手段は選ばないけどいい?」
「何をいまさら!」
「おっけー。茜、アレ行くよ」
「……気が進みませんが、仕方ないですね」
そして詩子がとった次の行動は?
A 車のボタンを押して「行くよキッド!」と叫ぶと、車が「はいマイケル」と答えた
B トランクに潜ませてあった地対空ミサイル一斉射撃
C 柚木家に伝わる家訓、「逃げるんだよおおおおぉぉぉぉ!!」
D 今週のビックリドッキリメカ出動
E 全自動全面降伏マシーン“白旗壱号”作動
D
パトカーの追跡を振り切った彼らの頭上から空気を叩く爆音が響く。その音に気付いた浩平が
窓から乗り出し、空を眺める。
「柚木!上だ!ヘリが追って来やがってる!」
その頭上にはニューヨーク市警のヘリが彼らを追跡していた。このまま追いかけられては
非常線を張られ、包囲されてお陀仏だろう。
「詩子!何か武装はないの?」
茜が後ろから尋ねる。
「それは──」
A ステルス迷彩があるわ
B 茜、今度はスティンガー出して
C 「詩子カーの力、見せてあげるわ」と、言って”F”と記されたボタンを押した
D …無いわ
ぎゃふん
「今週のビックリドッキリメカ〜!」
詩子が叫ぶと
「……ぽちっとな」
茜がボタンを押す。これは確かに気が進まないかもしれない。
それはともかく、ボタンを押すとトランクが開き、道路まで階段が伸びる。
高速走行中なので、階段の一端が地面に触れてガリガリ音を立てている。
そしてトランクから出撃する今週のビックリドッキリメカは!?
A 赤くて角があって3倍のアヴ・カムゥ
B HMX-12 マルチ
C HMX-13 セリオ
D 身長57m、体重550t、巨体が唸って空も飛ぶ詩子ロボ
E 出るや否や自爆してしまったので正体がわかりませんでしたガクー
出遅れた悔しさをCを選んで晴らし今日は寝る
それは来栖川の誇るHMX-13 セリオだった、高速移動中にもかかわらず器用に階段を降り道路に立つ
「よし、これで何とかなるのか?」
浩平が詩子に聞く、だが詩子の顔は蒼白だった
「どうしよう…」
車は高速移動中だったのだ、詩子が命令を下す前にセリオは置き去りにされてしまった
遙後ろに命令を待っているセリオが豆のように小さく見える
「アホーーーーーー!!!」
折原が叫ぶ中、エアーウルフが詩子カーにロケット砲を打ち込んだ
A 命中、哀れ三人は死んでしまう、主人公の祐介視点へ
B 命中はしなかったが車は横転、茜がロケット弾の破片で死んでしまった
C 命中はしなかった車は横転、詩子がロケット弾の破片で死んでしまった
C
ちゅどーーーーーーん!!!!
周囲に響きまくる音を立ててロケット砲は道路に突き刺さる。
直撃こそしなかったものの、衝撃から車は横転どころか回転。ごろんごろん。
そこにロケット砲の破片が飛来。詩子のアタマにストライク。
浩平と茜が車から投げ出され、とりあえず高校の柔道の授業で習った受け身のおかげで無傷で立ち上がる。
そこで二人が見た景色。美しくて悲しい景色。
幼なじみだったり腐れ縁だったりする詩子が、頭から血を吹き出しながら、拳を天に突き上げていた。
「我が暴走生涯に一片の悔い無し!」
そう叫んで、詩子は絶命していた。未だに詩子の頭からピューッと血がシャワーのように噴き出している。
A 「実は蘇生術が使えるんです」と茜の衝撃の告白
B 「グラッツェ! 詩子!」最大限の感謝を込めて、とりあえず逃走再開
C エアーウルフの追撃。現実は非情である。
D 祐介一行に電話、蘇生術師に心当たりはないか聞いてみる
E そこでもうぶち切れですよ。エアーウルフ相手に全面闘争開始
C
>>664 この誰かが死ぬしかない選択肢はちょっと酷くないか?
>>668 その前の選択肢でセリオを選ばなければ誰も死なない選択肢が現れたかもしれないね。
>669
さらに言えばもう少し前の選択肢で、タクシーに武装があるって選b(ry
ま、言い出したらきりが無いし仕方ないわな。
後、今気づいたが詩子がうったチェーンガンで阿鼻叫喚にしたのもこの人だ。
個人的な意見なので多くは言わんがネタ創作で殺伐とするのは好かんなぁ…
「詩子!」 慌てて駆け寄ろうとする茜を、浩平が車の陰に引き戻す。
「馬鹿!アレが見えないのか!?」
そう、彼らの前方には尚ホバリングを続ける空の狼が、未だその牙を隠そうともせず
地面に這う彼らを見下ろしていた…
「でも!詩子が!」
「馬鹿野郎!お前まで蜂の巣になる気か!?
これ以上俺にだけ罪の意識ひっ被せておっ死ぬ気かよ!?」
「……」
沈黙する茜。
しかし……「ジリ貧だな、こりゃ」 浩平が呟く。だがまぁここで死ぬのは正直ゴメンだな…
車から零れ落ちていたマシンガンを手に取る。
「浩平?」 茜が不審に思ったのか、声をかけてくる
「悪いな、こんな土壇場にまで巻き込んでしまってよ」
「いえ…本当に安全に生きていきたかったら、あなたの顔を見た瞬間アパートのドアを閉めれば
良かったんです。半ば覚悟してましたし――詩子と同じ場所で死ぬのも悪くはありませんから」
ここから見える柚木はもう倒れこみ、ピクリとも動かない。血はどんどん広がっているのにだ。
浩平は幽かに眉を上げ何か言おうとしたが――止めた。
「じゃ、せめて最後っ屁くらい派手に行こうか!」
そういって車の陰から飛び出そうとした瞬間だった。
どがぁぁぁあぁん!
突如ヘリの側面に爆発。「な、何だぁ!?」 視線をヘリの向こう側に向ける。そこには――
「HMX-13!?」
そう、セリオが備え付けの腕ミサイルでヘリを爆撃する姿があった。
どがぁぁぁぁぁん!
セリオの肘より少し上の部分が折れ曲がり、砲口が顔を見せ、続けて第二撃が放たれた。
だが――ヘリはまだ堕ちない。
ホバリングしながらヘリは向きを反転させ――セリオにその火力を叩き込まんとする!
「うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
浩平がマシンガンの弾をヘリの背面に撃ち放つ。無論効きはしない。
「くっ!ジーザス!」
彼の前に見た仕様書によれば、メイドロボシリーズは本来護衛用。対空用の重装備は、
あのミサイル二発のみの筈。あのヘリはセリオにその武装をぶつけ、その後速やかにこちらを攻撃するだろう。
「というかなんであいつら俺たちを殺す気満々なんだよ…」
ぼやていてもしょうがない。茜の手をとり立ち上がる。
「逃げるぞ、取りあえず建物の中だ」 そういって茜を立ち上がらせた瞬間――
突然、セリオの靴の下からジェット噴射が放たれる。
そのままの勢いでセリオはヘリの高度を超え――そして、
ガシャアァァァン!ヘリのガラスを叩き割り、コクピットに潜り込む。
数発の銃声の後、ヘリはそのコントロールを失い――地面に大激突した。
大爆発。ハリウッド映画そのままな感じの爆発が巻き起こる。丁度詩子が倒れていた辺りに。
炎の中から――セリオが姿を現す。主を最後まで熱さから護ろうというのか、、
詩子「だった」モノの近くにうずくまると、そっ、と抱きしめ、その身を炎に包ませていった…
「詩子!!」
「もう遅い…それより、今だ、逃げるぞ!」
浩平は茜の手をとって走り出す。浩平は携帯電話をプッシュしながら走り続ける。
「ハロー?Mr.カーチス。お久しぶりで、実はちょっとお力をお借りしたくて…」
「詩子…さよなら」 そして、茜は親友に別れを告げた。
A 祐介視点へ
B このまま浩平視点
C ベナウィ視点へ
うぎゃぁ、割り込み超スマソ&ナイスフォロー。
Bでアメリカ映画っぽく。
「え、今ハリウッドにいて撮影がある?抜け出せませんか…」
浩平は旧知の知り合いに連絡を取っているが状況は芳しくない
「……もういいです、投降しましょう?」
茜が言うのも無理は無い、車も無く人間の足では到底逃げ切れるものではなく、それに後から来た警察の部隊がすぐそこまで来ていた。もはや二人は詰んでいるのは浩平にもわかっていた。
「いたぞ!!二人だ」
「しまった、見つかったか」
三人の警官が現れ銃口を向けている、狙いはマシンガンを肩からかけている自分だ
「…だめぇぇ!!!」
そして三人が弾丸を放った
A 茜が自分をかばって銃弾をすべて受けた
B 無情にも浩平に全弾命中、「俺はここで死ぬのか…茜、ごめんな」
「ハロー?Mr.カーチス。お久しぶりで、実はちょっとお力をお借りしたくて…」
「おお、コウヘイか?久し振りだな。この間の漁業権問題では世話になった。
とうとうシャバへ復帰かい?だとしたら喜ばしい事だが――楽しい話では無いのだね?」
「ええ、ちょっとヘタ打ちましてね。いまサツの追走を振り切って逃走中です。
ちょっと中部の―― カンザスの方に仲間がいましてね。そこまで…出来ればサツを振り切って逃げ込みたいんです」
電話口でしばらく考え込むカーチス氏。そして、
「わかった。君にはだいぶ世話になった事だ。ここらで一肌脱いで恩を売るのも悪くない。
今はどこにいる?…よし、その近くにカフェがあるだろう?そこに私の名前を出して匿ってもらいなさい
後の指示はおいおい出そう」
「…ありがとうございます!!」
「礼はいい。いずれ返してもらうのだからな、ワッハッハッハ…」
そして、カーチス氏は豪快に笑ったのだった。
そして二人は指示されたとおりのカフェへと潜り込んだ。
その店名を「エコーズ」という。
「いらっしゃいませ…!」
店内には日本人のマスターと従業員一人のみ。その従業員は驚いたようにこちらを見ている。
まぁ、擦り切れた服にかすり傷だらけの顔をして息を切らせた男女をみて平然としている
マスターの方が異常か。
「カーチスさんの紹介だ。匿って欲しい!」
「……」マスターは黙ってカウンター奥の扉を指差す。
「その扉の奥はただの倉庫ですが、右奥のスミの箱をどけると地下室にいけます」
「わかった。ありがとう!」
すばやく潜り込む二人。
そして暗闇の中で隠れること十数時間、床がノックされ、さっきの店員が顔を見せた。
「生きてますか?」
「…ああ、なかなか快適だよ」 やつれた顔で浩平が声を上げる。
「この店にも警察は来ましたが…とぼけておきました」
「サンキュ…立てるか、茜?」 茜に手をさし伸ばし、立ち上がらせる。
先程から茜は全く元気が無い。当然といえば当然なのだが。
「カーチスさんから指示が来ました。
A この店の地下室から下水道に抜けられます。そこから市外へ
B この店のトラックの荷台へ。
C 警察に鼻薬を嗅がしたそうで。とある一箇所の検問が緩くなっています。
D カーチスさんの自家用セスナを使え、とのことでした。
A
さっきから空気読まない短文連発者がいるな。
それはそうと
>>676が正規ルートになっちまうのか?
いい加減アレも考えたいと思うのは過敏かね。
『死でしか感動を演出できないものは二流だ』
何処で聞いた言葉だったか。本か、映画か、漫画だったかもしれない。
目の前に映る光景を見ながら、浩平はそんな言葉を思い出していた。
茜が自分をかばって銃弾をすべて受けるのを、浩平はただ、眺めることしか出来なかった。
「手前ェら…」
浩平は反射的にマシンガンの引き金を絞っていた。
マズルフラッシュ、射撃音の嵐、それらが通り過ぎた後、そこに残っていたのは4体の死体と、浩平だけだった。
「茜、茜ェ!!」
しゃがみ込んで必死に声をかけ続ける浩平。
しかし、その体からは刻一刻と熱が消え失せていくのが分かる。
「こ、こうへ…い…」
「茜!?」
「…私は…もう、ダメ、です」
「何を言うんだよ!さ、たて、立ってカンザスの向こうまで行くんだろ?」
「分かってるでしょう?…それより、…浩平… あなた…なにをして…いるんですか?
詩子が死んで…私も死んで…二人も踏み台にして…あなたまで死にたいというのですか…?
そんな無駄は…嫌いです」
「あか、ね…」
「立って!そして、逃げなさい!
こんな死体に構っている暇は無いんじゃないですか?
あなたは…もっとふてぶてしい顔で、皮肉気な顔で…胸を張って…生きて…
好きでしたよ、あなたのこと」
茜の首が力を無くし、側面に顔が倒れる。
……浩平はゆっくり立ち上がると、茜の瞼を下ろし、わずかに黙祷した後――
昼尚薄暗いNYの路地を走り始めた。
A 祐介視点
B このままの視点
一旦今の流れを断ち切ろう。Aで
殺伐ついでに聞きたいんだが、カーチスって何者?
>683
支援サイトの掲示板によると、無意味にキャラ増やしてもしょうがないので
名前があればいいやって感じのオリキャラとのこと。
俺的には ID:qssE4qHEの書いた文章全てのリコールを提案したいのだが…
相変わらず殺す展開、選択肢しか書かないし
これはこのスレ的には許容範囲内なのか?
>>685 遡ってはともかく、以後はスルーでいいかもな……
もっとも、串刺されたらお手上げだが。
>>686 文体で大体分ると思うが。
まぁ、変に荒らす展開じゃなきゃ大丈夫だと思うが。
それとレミィみたいに別れさせるだけで退場できるから、殺す必要はないと思う。
>684
んー。
やっぱり紛らわしくなるから葉と鍵のみで構成した方が良かったかな、カーチス。
>678が採用されてたら、さっさと退場するように書こうと思ってたのだが。
さて、皆さんお久しぶり。
長瀬祐介です。ヌワンギたちから居住区を死守した僕たちは……
といっても僕の電波で苦労も何もしてないんだけど。
とにかく、僕たちは浩平さんを待っているわけだ。
何でも連れが出来てるみたいだけれど、まあ問題ないだろう。それにしても遅いな。
「長瀬君、そろそろ行動を早めたほうがいいみたいよ?」
「え?」
「ほら、朝刊とって来たんだけど……」
太田さんに言われ、朝刊を手にする僕。
「…………ごめん、読めない」
ああそうさ。僕は天才でも秀才でもないよ、どうせ基本設定学力中の下さ!
「写真ぐらいならあなたも見えるでしょ!」
太田さんが怒りながら新聞の一面を見せる。
そこには浩平さんの顔があった。
「……浩平さん?」
「つまりね、浩平さんがアルカトラズから脱走したのが載っちゃったわけ。
うかうかしてると警察の手がやってくるわよ? そしたら勿論私たちだって共犯扱いだわ」
う〜ん、それはマズイな……。
大概のことなら電波でうまく誤魔化せるけど……。
「長瀬殿、その浩平殿という人物はアルカトラズにいたというのか?」
トウカさんが聞いてきた。
「はい。一癖も二癖もある人だけれど、柳川さんを紹介してくれたりしましたし、
ケナシコウルペの連中を叩き潰すのに一役買ってくれてます」
「むぅ……。確かに柳川殿のように褒められるべき人間が牢に入れられることもあるが……」
難しい顔をしながらトウカさんが悩む。
この人は正義感が強いからなぁ、詐欺師の浩平さんとはあまり話が合わないかもね。
さて、浩平さんもなかなか来ないしどうしているべきか。
A まだ奴らが襲ってこないとは限らない。見回りだ
B トウカさんに柳川さんと解決したと言う事件の話でもしてもらう
C そんなこといっている間に浩平さんが到着した
C
そんなこといっている間に地平の彼方から人影が見えた。目を凝らしてみると…
「浩平さんだ!おーい、浩平さん。 こっちです」
手を振りこちらへ誘導するが、反応が無い。歩みもどこかおぼつかない。
「まさか…怪我をしているのではないか?」
そんな疑問が僕らの頭に浮かんだと思ったその時、浩平さんは崩れ落ち地に伏っした。
「あ、倒れたわよ。早く助けなきゃ」
「うむ」
僕らは倒れた浩平さんの下へと駆け寄った。
「……かね…茜ぇぇぇ!!」
「気がついたみたいよ」
「…え?こ、ここは?」
あれから僕らは倒れた浩平さんをテントに運び、治療を施した。幸いにも深い傷は無く、倒れた
原因も主に疲労だと言う事が分った。
「随分うなされていたようだが…大丈夫であるか?」
トウカさんが浩平さんの顔を心配そうに覗き込む。
「……ああ、大丈夫だ」
「随分とうなされていたようですが…ニューヨークで何かあったんですか?」
すると、浩平さんは何か思う所があるのか急に黙り込んでしまった。
「色々と…あったのさ。 気にするな。 それよりも早くサンフランシスコへ行くぞ。 ここからが正念場だ」
だが、浩平さんの顔色は冴えない。やはり何かあったのかもしれない。
「けど…浩平さんは…」
「俺の事はいい!折角この俺がお膳立てしてやったんだ!全てを無駄にする気か!!」
突然浩平さんは激昂し、僕に掴みかかってきた。その真剣な表情に彼からはその決意が汲み取られた。
「…そうですね。 では行きましょう。 やつらとの決戦です」
僕らはそのまま一路サンフランシスコへと急いだ。
〜ケナシコウルペ本社〜
「そうですか…見失いましたか。 それでは引き続き彼の行方を追ってください」
ベナウィは本社において浩平を追尾していたクロウからの報告を受け取った。
「結局…彼の動きを掴みきれませんでしたね…」
彼は様々な手を尽くしたが結局浩平の動きを掴みきれなかった。大規模にK.M.Eの株に関して
介入している所までは掴んだが、ヌワンギの非協力的な態度も併せてそれがどういったものかは分らない。
「…株価は暴騰してる…だが、ここから何が起こるというのでしょうか?」
すると、彼の執務室に血相を抱えた社員が入り込んできた。
「ベナウィ様、大変です!K.M.Eの株価が…暴落を始めました」
「……!何ですと!?詳しく話しなさい」
「はい、今日の取引開始から急激に低下を初め、今やストップ安で取引を中止しています」
あまりに急激な売り注文に、取引が中止してしまったのだ。
(…これが彼の狙いだったのか…どうする?)
A 社長の判断は待っていられない。独断で市場介入。買い支えに走る
B ヌワンギに忠告を入れる
C 社長へ進言をする
D まずは原因を探る
E だが浩平の手は更にその先を行っていた
祐介が今後の動向をどうするか熟考していると、突然、浩平さんからの電話の音が鳴り響いた。
電話の内容は、「もうすぐそちらに着く、美味い飯と美人の看護婦を用意してくれ」、との事。
数分後、遠くの方から一台のハマ―がこちらに向かって来ている事に気がついた。
そこで僕は驚愕の光景を目にする事となる。
ハマーから出てきた浩平さんは――まるで戦地から生還を果たした負傷兵さながらの格好をしていた
全身のいたる所に擦り傷と切り傷が赤々とその存在を主張していて、見るからに痛々しい。
右肩には銃創、幸いにも弾は貫通しているようだったが、いまだに出血は治まっていないようだ。
服はビリビリやぶれていて、残った部分も浩平の血で真っ赤に染まっていて、以前の色はまるでわからない。
そして右肩に担いだマシンガン、今の彼にはとても似合っている…怖いくらいに
あまりの光景にしばらく呆然と眺めていたが、ふと我に返ると、あわてて僕は浩平さんに声をかけた。
「大丈夫ですか!?一体何があったんです、何でこんな酷いことに…」
そんな僕の問に、浩平さんは以外と平然そうに答えた。
「はは、連中を巻いてくる時に少し色々あってな…」
Eで男をみせろ
ぎゃー!リロードしそこねand負けたー!
その頃、サンフランシスコげるまんず社宅――
「悪いな、PC占領しちまって」
浩平はPCの前に構えながら、彩に言った。
「……いえ、これもげるまんずのためです。心行くまでどうぞ……」
「……ああ。やってやるさ……茜と柚木のためにも、な!」
浩平は株価の暴落をのんびりと見つめている。
効果は上々。今や誰もが我先にと株を売りにてんやわんやだ。
勿論自分が買った株は既に全額売り払っている。
少し売るのが早かったかもしれないが、それでも十分だ。
全員がK.M.Eの株を売り、激安値となった株全てを買い取るのには十分な額がある。
「ヘへへ……ざまあみやがれってんだ」
まだこの騒動は、終わりそうにはない。
「どうですか、浩平さん?」
「祐介か。こちらの思惑通りってところだ」
「まあ、任せますよ。浩平さんは性格があれでも一応そういったことはプロですから……」
「性格があれと入ってくれるな。だけどな、俺に出来ないことが一つあるんだ」
浩平が真面目な顔をして祐介を見る。
「出来ないこと?」
「ああ。もう奴らに打つ手はない。俺の流した情報は殆どが真実だからな、誤魔化しようがないんだ。
したがって、後は今の株主が手放した株を根こそぎ買い集めるだけなんだが、知っての通り俺は脱獄犯だ。
だから表に立つことは出来ない。つまり、お前らの誰かの名義でのっとりを成立させることになるんだが……」
A 祐介、お前にそれを頼みたい
B 俺の見たところ適任は太田、お前だ
C そこの、トウカと言ったな。お前の名義を使わせてくれ
最近目立ってないのでB
株が暴落してから、初めてのケナシコウルペ株主総会。
だが、その光景は余りにも異様だった。
今までの大株主たちが姿を消し、筆頭株主には高校生くらいにしか見えない女性がその座を占めていたのだ。
「にゃ、にゃも!?どういうことにゃも!?」
(折原浩平の手のもの……あるいは、折原があの少女の手先なのでしょうか…?)
ベナウィは状況を冷静に見据えていた。
株価が暴落した際に、買い支えにはいったのだが、実際に抑えられたのは2割程度だった。
(しかも……いえ、それはつまり、もともとその程度だった、ということでしょうか)
社長ササンテは、株価が最高の時に、持ち株をあろうことか全て売り払った。
株価の大暴落の一因は、実は社長にあったのだ。
社長に諫言する間も惜しんで動いたが、いっそ株を自分名義にした方がこの社のために良かったのかもしれないなどと思ってしまう。
「何度も言わせないで。社長の解任を要求するわ」
少女……太田香奈子は、何の感慨もなく言い放った。
「そ、そんなことは許されないにゃも!」
「筆頭株主の意見を無視するとは、大した度胸ね?」
「社長……諦めてください。我々の負けです」
「にゃ、にゃも、ベナウィ、なにを言ってるにゃも!?お前がしっかりしてないからこうなったにゃもよ!?」
「社長……」
「ちゃんと朕の社長の座を守るにゃも!今までどおり、朕のいいように朕に尽くすにゃも!!」
「社長、お言葉ながら」
「にゃも?」
「……私が尽くしてきたのは、この社そのもの
この社と社員に平穏と繁栄を。
それが私の願いであり使命だと自負してきた為。
社長に従ってきたのも、仮初めながらも社員の生活を維持するのに不可欠だったからです。
そして株への介入も、この社の転覆を抑え、多くの犠牲(リストラ)を出したくなかったから。
ですが今なら確信しています。我々は、この社に巣くう蟲だということを・・・・
さぁ、この社の明日の為、社員たちの幸せのため、我々は消えるといたしましょう」
「ま、なんだかオイシイトコもってかれた気もするけど、そういうこと。わかった?」
「い、嫌にゃも嫌にゃも〜〜!!」
「おっと、失礼」
泣き狂いやかましいササンテに、ドス、と当て身を食らわせたのはクロウ。
「お見苦しいところをお見せしました」
「いいわ、貴方はまともそうだし」
「で、コイツが社長をクビになると、誰が次の社長になるんすか?姐さんが筆頭株主だから、決めるんすよね?」
「ああ、それは…
A.げるまんずの支店長候補でもある、長谷部彩さんよ
B.有能そうだから、貴方よ、ベナウィさん。
C.私の日本にいる友達よ(人物指定)
D.さっき、そこらでスカウトしてきたわ(人物指定)
ベナウィのセリフにワラタ。Aでいってみよ
たいしたことじゃないが、一応。
アフロはササンテではなく、インカラのはず。
し、しまったにゃも!
間違ってスマソ
「げるまんずの支店長候補でもある、長谷部彩さんよ」
「私…ですか?」
一連の事件に関連して太田さんと共にこの株主総会に付いて来た彩は、突然の指名に
驚きを隠せなかった。
「あたしたちにはまだやる事があるからね。 因みにこの事は九品仏さんの了解は取ってあるわ」
「……はい…頑張ります」
「役員達を納得させる事は出来るのでしょうか?」
「それはベナウィさんたちがサポートしてくれれば、納得させられるわ。 さて、もう一つ筆頭株主
としてこの場を借りてする事があるわ」
と、言って太田さんは役員席の隅に座った二人の人物を見据える。その視線に反応し、
その二人は目を逸らし、身を縮こまらせる。
「株主代表訴訟制度って知ってる?取締役が違法行為をして会社に損害を与えた場合に、その会社
の株主が会社に代わって取締役に損害賠償を求める訴訟なんだけど」
「さ、さぁ。 身に覚えがねえなぁ…なぁ、叔父貴」
「にゃ、にゃぷ〜知らないにゃぷ〜」
知らん振りをするヌワンギとササンテの二人。グループ中枢の役員でもある二人はこの場に
呼び出されてきたのだ。今回の件の発端と言ってもいい。彼ら二人もこの仕手戦で儲けよう
として、株を手放してしまったのだ。更に言うと浩平の調べで違法行為に関してもネタが上がっている。
恐らくここで追求すればベナウィたちも協力してくれるだろう。
「あら、ネタは上がっているのよ。 惚けても無駄よね、ベナウィさん」
「はい、そうですね」
しかも、発行株の6割を持つ太田さんが一旦訴訟に及べばほぼ確実に二人の処罰は決まる。
「で、あんたたちだけど…」
A クビ
B ムショ行き
C ウガンダ支社へ左遷
A
「クビ」
香奈子は軽く言い捨てる。
「にゃ、にゃぷ〜!?」
「なにぃ!?オ、俺はエルルゥのために、そんなことはできねぇんだ!
今までだって…俺のサクセスストーリー映画を無理して作らせて、エルルゥと一緒に、それの先行試写会を見て
ラストシーンで本当に指輪を渡すために、地上げ屋を雇ってでもレアメタルを手に入れようとしたり
オタクどもから、俺たちの新婚生活資金を巻き上げようと、げるまんずを乗っ取ったり…」
「……それも罪状よね?」
「語るに落ちましたね」
「く、くそぉ!」
激昂して、香奈子に襲い掛かろうとするヌワンギとササンテ。
「おりゃぁ!」
「一族揃って、似たようなことしか出来ないのですか…」
腹にクロウの拳を、首にベナウィの手刀を受けて、それぞれくずおれるヌワンギとササンテ。
「ま、てきとーに捨てといて。じゃ、長谷部さん、A&Cコーポレーションをよろしくね」
「A&C?」
「ちょっと耳貸して……浩平さんたっての希望なのよ、その社名」
「はぁ……」
「よくわからないんだけどね、すごく深刻そうな顔してた」
「…そう、ですか……」
「うん、だから、社名変更をしてから、頑張ってね」
「……わかりました」
「お疲れ様、太田さん」
「ふぅ…ちょっと疲れたわ。ねえ、浩平さん、あの社名、結局どういう意味なの?」
「まぁ……ちょっとな」
「浩平殿?」
「ま、気にするな。だ」
A&C。Akane&CKO。
茜と詩子の犠牲があっての、彼らの会社乗っ取りであることを、浩平は残したかった。
深い事情を知るものは、浩平だけだが、それでもよかったのだ。
「で、これからどうしようか?」
「経済を抑えたんだから、次は政治じゃないの?」
「いや、警察を今のうちに抑え込んでおくべきだな…抱え込んでもいいけどな」
「某にはそういうことはわからないのだが……戦士を増やすべきではないのか?」
「長瀬君、どうするの?」
「じゃあ…
A.太田さんの言うとおり、政治関係で行こう。
B.浩平さんの言うとおり、警察関係で行こう。
C.トウカさんの言うとおり、腕の立つ仲間を探しに行こう。
Bで。野望の王国の柿崎みたく。
「警察ですね。 上手く行けばかつてのジョン・エドガー・フーバーのように大統領すら
支配する事が出来ますしね。 このアメリカを僕の世界征服の足がかりとします」
「フーバーって言うと…FBIよね…今の長官って誰だっけ?」
「確か…」
A 公正明大で知られるウルトリィ
B その冷酷無比な性格と辣腕で知られるニウェ
C 冷静沈着な頭脳を持つ初の日系人長官のクゼ
D 同じく日系人で科学捜査のスペシャリストのヒジリ・キリシマ
Aで巨乳
D!
「公正明大で知られるウルトリィという女が勤めている筈だ。
名門・オンカミヤムカイの力をバックに、近い将来、
大統領選への出馬も考えており、初の女性大統領も夢ではない、うら若き才女――それがウルトリィだ」
「ふーむ…どう接触しますかね?」
「そうだなぁ…生憎、このオンカミ家には俺もつながりが無くてよ。
まあコンタクトを取ろうと思うなら…正面からじゃ無理だろう」
「――となると、搦め手」
「そうね、その人の自宅で待ち伏せとか…多少強引な手を使わないと無理そうね」
「浩平さん、また何かネタは無いんですか?」
おいおい…と浩平は苦笑する。
「何から何まで俺に頼ってるようじゃこの先思いやられるぜ…
まぁ今は土台も満足に出来ていない状況だしな――案はいくつかある。まず――」
そうして、浩平の語ったプランは以下のようなものだった。
A 彼女の妹を秘密裡に誘拐。一人で交渉に応じるよう要求。
B 自宅にて待ち伏せ
C 執務中の彼女を電波でおびき寄せる
D 彼女の恋人と噂される男を使って繋ぎを取る。
とりあえず一番平和的な B
些細なことなんだがな、公正明大じゃなくって、公明正大だと思うぞ。
ぐぎゃぁ、些細どころの問題じゃないよ…すまん
さぁてこの知略戦がどう展開していくのか楽しみだ
「相手はあのウルトリィだ。 犯罪じみた手や裏技は通用しない。 ここはいっちょ真正面からぶち当たるしかない」
「彼女の事を随分知っている割には消極的ね。 彼女と何かあったの?」
太田さんが不思議そうな顔をしている。確かに相手の弱点を嫌らしいほどに突いてくる浩平さんにしては
随分消極的な意見だ。
「…実は俺が捕まったのはあいつが原因なんだ。 あいつが作った対能力者捜査班によってな…
尤も、俺の能力は戦闘向きじゃないから尻尾掴まれればアウトだしな。 あいつには裏金も効かない上に
スキャンダルも無い。 人身掌握に長け、部下も彼女を慕っている。 上司である司法長官の信頼も厚く
民衆にもファンが多い」
浩平さんはネットで彼女の事について記されたサイトを見せる。はっきり言って賞賛の嵐であり、ファンサイト
まである。その人気は日本まで及んでおり、日本語のサイトも多く見られた。
「そして彼女自身も強力な能力者で術法を操りその戦闘力は計り知れない。 はっきり言って完璧超人だ」
「そのような立派な方が世界征服の野望に加担してくれるのだろうか…」
トウカさんが一同を不安にさせる言葉を放つ。 一瞬にしてその場の雰囲気が重くなった。
「裏金も駄目、引き摺り下ろすのも駄目、排除も駄目じゃ取り付く島も無いじゃないの」
「いや、手段が無い訳でもない」
浩平さんの一言に一同が耳を傾ける。
A 大統領選挙の為の金策に困っている
B 実家の企業の経営が傾いている
C 想い人が中々振り向いてくれなくて困っている
ここでC
「想い人が中々振り向いてくれなくて困っているそうだ。 そこを切り口に説得なりすれば何とかなるかも」
「その想い人をこちら側に引き込んで、そいつに説得させる。 若しくはその人との仲立ちを条件に
こちら側に付くように説得するって所でしょうね」
「うーん…色恋沙汰か…まぁ、恋は盲目って言うからね。 望みが無い訳じゃないわ。
で、長瀬君はどっちがいいと思う?」
「僕は──」
A 想い人をこちら側に引き込んで、そいつに説得させる
B 想い人との仲立ちを条件にこちら側に付くように説得
本文がとことん短い上に選択肢が2つしかないあたりに書き手の無能さを感じますな。
ああ、俺はそんな安直な選択肢を選ぶ気はないんで。他の誰かに任せますよ。
面白そうだからA
「想い人をこちら側に引き込んで、そいつに説得させるのがいいと思います」
「そうか。そうだな。確かに上手くいけばそれが一番勝算が高いやり方だろう」
「とはいえ、その人が誰なのか、どんな人なのかがわからなければやりようがないわ。堂々巡りをするわけにもいかないし」
「そうだね。それで、そのウルトリィさんの想い人というのはどなたなんですか?」
「ああ。オレにも正体はわからん。が、一つだけ。そいつの仇名だけは聞いたことがある」
「仇名ですか?」
「ああ、なんでもそいつは―――――」
A ―――――空蝉、とか呼ばれてるらしい。
B ―――――分身、とか呼ばれてるらしい。
C ―――――始祖様、とか呼ばれてるらしい。
D ―――――大神様、とか呼ばれてるらしい。
Cが気になる・・・Cで
B
くっ、このRXWが敗れるとは・・・
「……その前に一つ、確証は取れてない情報なんだが……」
不意に、浩平さんが声を潜めた。
「……どうしたんです?」
その異様な雰囲気に気おされ、思わず僕も小声になる。
「情報……というより噂だな。根も葉もないかどうかはわからないが……」
「……もったいぶらずに、さっさと話しなさいよ」
ちょっとイラついたようすの太田さん。
「ああ。なんでも、あのウルトリィ―――――」
「―――――レズ、ってな噂があってな」
「ええと、まあそれはともかく、どうにかしてその始祖様さんを探さなければいけませんね」
「そうだな。しかしわかってるのが『始祖様』ってな仇名だけじゃな……このままじゃどうしようもない」
「そうね。ここはこうしてみたらどうかしら」
「え?」
A ウルトリィに近い筋の人間に当たり、『始祖様』の正体を探る。
B ウルトリィ邸宅前に張り込み、怪しい人間が来ないか待ち伏せする。
C ウルトリィ本人にストーキングする。
D 2chをチェックする。
B
深夜――ワシントン郊外。ウルトリィ長官が海外勤務から舞い戻り、仮の住処としている
高級マンションの入り口から数十メートルばかり離れたところに、一台のトラックが停車していた。
「浩平さん――遅いですね、彼女」 僕こと長瀬祐介が呟く。
「そうだな――遅いな。多分、俺を捕まえようと忙しいんじゃないか?
NYのド真ん中で大爆発事故&ヘリ撃墜だからな。
長官が早々と帰ってくる方がどうかしてる。評判どおりの御仁のようだな」
ふぅ…とため息を一つ。フロントガラスから彼女のマンションを見上げる。
彼女の部屋には灯りの一つも点っていない。…長丁場になりそうだな…
コンコン
「ん?」
窓の外を見るとそこにはマグライトを持ってサングラスをかけた東洋系の警官がいる。
「職質だな。…ちょっと待て」 浩平さんは付け髭を付け、帽子を目深に被って寝たフリをする。
「よし…いいぞ」 浩平さんから声がかかる。僕は自動車のウィンドウを降ろした。
「どうしたんですか?今、寝不足の相棒が寝付いたトコなんで騒がしいのは…ムグ!!」
突如その警官は銃を抜くと、僕の口中に押し込んできた。
「むーー!ぬーー!!」 浩平さんに知らせようと声を立てる…が、
「フリーズ!」
もう一人警官が現れ、フロントガラスの前に銃を構えて立っている。
…お手上げだ。大人しく手を挙げる僕と浩平さん。
「あなたたち…ウチの長官を張るたぁいい度胸してるわね…
わざわざこんな格好してきた甲斐もあったってものよ」
…この人たちは…FBIか。
「いいから大人しく付いてきて頂戴…ここんトコ失点続きで、
そろそろ左遷の危機なのよ。あなた達のことはKME乗っ取りの頃から目を付けてはいたけど…
こんなに早く馬脚を現すとはね…迂闊もいいところよ、あなたたち」
フロントガラス側の警官が浩平さん側の窓を開け、話しかけてくる。
「ま、いいわ。とりあえず長官のところに連れて来いって命令だし…
行くわよ、○○!」
「あいよ、△△!」 そう、もう一人の男が声を上げる。
さて、僕たちの運命はどっちだ…?
○○、△△の中身は?
A 北川、香里
B 緒方兄妹
C 宗一、皐月
D 健太郎、結花
C
そんなわけで、僕たちは仲間に連絡を付ける事も出来ず、彼らの乗ってきた車で
夜の道路をひた走っていた。
ワシントンも中枢に入った頃、運転していなかった男の方に、電話が入った。
「はい、こちらナス…長官ですか。今、確保したところで…はぁ、有り難うございます…
目的地変更ですか?…エ!?あ、はい…わかりました」
ピッという音を立てて携帯電話が切れる。
「宗一?本部じゃないの?」相棒さんらしい女性が声をかけた。
男の方は、呆然とした様子でそれに答える。
「ああ…ペンシルヴァニア・アベニューの…白い館、だ…」
「「「えええ!!??」」」
僕らは一斉に声を上げた。
そして、数十分後――さまざまなチェックを受け、あらゆる電子製品を没収された僕らは、
誰もが一度は映画やドラマで見たことがあるであろう、オーパル・オフィス…執務室に立っていた。
隣にはヒゲを付けたままの浩平さん、さっきのFBIコンビもいる。
…なんて夜だよ。そんなこと考えながら手錠を戯れにガシャガシャ鳴らしていると、後ろから尻を蹴飛ばされた。
「ちょっとあんた、これから誰が来るか分からない訳じゃないんでしょ!?
もっと犯罪者は犯罪者らしく、大人しくしてなさいよ!」
「っと皐月、お前こそ静かにしたほうがいいぞ。これ以上お前の暴走で給料が下がるのは納得行かん」
「宗一もこいつらの味方?だってこいつ等悪者だよ?
なんでこいつ等があたしが将来主になる予定の部屋に足を踏み入れてるワケ!?」
…なんだか、騒がしい二人組みだった。
そんな二人の口論が、ピークを迎えようとしていた時――ドアが、開いた。
まず入ってきたのは、写真でも確認した聡明な美女・ウルトリィ長官。
そして…世間知らずな僕ですら知っている、アメリカ合衆国大統領――
A アレキサンダー=D=グロリア
B ニウェ
C デリホウライ
D 杜若裕司
Dはあり得ん、面白いが絶対にあり得んぞ!!
笑いすぎた。選択はスルーするw
D
日本一の弟がとうとう世界一の弟に。
やったね超先生。草葉の陰から見守っていてください。
そーいえばきよみは既に光岡の回想で出てきてたけど、どう関わってくるかがみどころだ。
……すいません、あれ書いてきよみと蝉丸頃したの俺です。
アメリカ合衆国大統領 ユウジ・カキツバタだ。取り合えず両親が合衆国民じゃないとか
米国生まれじゃないと大統領にはなれないか言う突っ込みは禁止の方向で。選択を尊重しないとね。
「…誰に向かって言ってるんだ?」
浩平さんが不思議そうにしているけど気にしない。突込みが入る前に釘刺しておかないとね。
「あなた方をここに呼んだのは他でありません」
ここで初めて大統領が口を開く。英語ではなく流暢な日本語を。
(まさかK.M,Eの乗っ取りの件…いや、あれは充分すぎるほどの合法だ。 あれくらいはウォール街
じゃ日常茶飯事だ。 じゃぁやっぱり機関砲ぶっ放した件か?いや、あれは詩子がやった訳だし…)
己が犯した様々な悪事を思い出して脂汗を流す浩平さん。脱獄が抜けているのは仕様ですか?
「あなた方の罪状ですが…コウヘイ・オリハラさんについては殺人、脱獄その他諸々を含めてほぼ死刑が
確定です。 そちらの少年の方は調べてみないと分りませんが、彼の共犯なので罪状は出てくるでしょう」
淡々と僕らの罪状を読み上げるウルトリィさん。その言葉を聞いて僕らは顔を真っ青にする。
「って、ちょっと待ってください。 僕は何もしてませんよ」
「あ、祐介!てめえ一人だけ逃げるつもりか!?お前も共犯だ、この野郎!!」
手錠を繋がれたまま醜い言い争いを続ける僕ら二人。その光景を他の4人は呆れた表情で眺めていた。
「取り合えず…私の話を聞いてもらえますかな?」
大統領の一声で僕らは一旦諍いを止めた。どうも僕らをムショにぶち込むのが目的ではないようだ。
「あなた方にはある人物を探して頂きたいのです。 その結果次第では罪の減刑…もしくは無罪
にしても構いません」
「司法…取引ってやつか」
「ええ、そうです。 私としては不本意ですが…」
公明正大で通っている彼女としては納得がいかないのだろう。ウルトリィさんはかなり苦い表情をしている。
「それは…この写真の人です」
大統領が見せた写真にはある少女が映っていた。
「これは…きよみさん?」
「…!君は姉を知っているのかね?」
「ええ」
そう、光岡さんと電波で会話してきた時にイメージとして一緒に流れ込んできた人物だ。だが…
「彼女は…蝉丸さんと一緒に…」
「ええ、そうです。 姉は確かにあの時…ですがこの写真はごく最近…1ヶ月前に撮られた物なのです」
「そんな…?これは?」
僕はその写真に映るきよみさんを見てある違和感を感じた。
「確か…光岡さんのイメージのきよみさんは白髪だった…この写真のきよみさんは黒髪…それにどこか
雰囲気も違う。 まさか…別人?」
「そう、それをあなた方に確かめてきて頂きたいのです。 了承していただけますか?」
「くっくっく…とんだ狸だな、爺さんよぉ」
「貴様、何がおかしい!」
後ろに立っていた宗一と呼ばれていた人が浩平さんに突っかかる。
「唯の人探しにわざわざ俺達を使おうって時点で裏があるに決まっている。違うか?」
浩平さんは大統領を見据えたまま不敵な笑みを見せる。
「…流石はコウヘイ・オリハラ。 簡単には騙されませんね。 実は──」
A 何者かがが合衆国転覆を狙っている
B 何者かが死んだはずの姉さんを邪法をもって蘇らせようとしている
C 何者かが大規模テロを計画している
D 何者かが能力者を集めて良からぬ事企んでいる
Cかな?
「実は何者かが、大規模テロを計画しているようなのです」
「テロ!?」
耳慣れた、しかし非日常の言葉に驚きを隠せない僕。
しかし、僕たちは世界征服を考えているのに、今までテロなんて思いつかなかったなぁ、などと暢気に思う自分もいた。
「何者か、とは随分ぼかしてくれるな?本当は目星ついてんじゃねえのか?」
「そうですね、確かに、それらしい人物はいます」
「ですが、証拠はありません。それに、私は信じられません……」
ウルトリィが形のいい眉を顰めて言う。
「ま、下手な先入観を持った捜査は、失敗の元だぜ?」
「な〜に偉そうに会話に参加してんのよ!ややこしくなるから黙ってなさい!!」
「ぐぅ、首を絞めるな…ロープロープ……」
「…ま、まぁ、ソウイチさんの言う通りです。ただ、確実にわかってることが無いわけではありません。
テロの時間・場所などについては故意に情報が多く流されているようで確定できていませんが、彼らに共通の理由がありました」
「というと?」
僕は促した。テロリスト達のテロの理由は…
A.大統領の解任要求
B.FBI長官の解雇要求
C.彼らの宗教信仰への抑圧に対する反発
Aなだ
「大統領、すなわち私への解任を要求しています」
「へぇ……」
やや大仰に、浩平さんが嘆息を漏らす。
「そりゃまたご愁傷様で」
「ふざけないでいただきたい」
「おおコワっ」
虚勢か本心かはわかりませんが、こうして隣で道化を演じてくれてる方がいるとこっちも慌てないですむ。
「で、僕たちにそれを阻止しろって言うんですか?」
「そういうことになります。見事テロ組織を壊滅させていただければ、あなた方の罪は不問といたしましょう。いかがです?」
(うーん、またベタベタな取引だなぁ。
というかこの人たち僕らも国家転覆狙ってること知ってるのかな? どちらかってーと僕らもテロリスト側に属すると思うんだけど。
状況はピンチといえばピンチだけど、逃げ出せないわけじゃないし……
さすがの僕も『彼の共犯なので罪状は出てくるでしょう』で連行されちゃちょっとムカっ腹も立つしなー。
……浩平さんは?)
チラリと隣の彼の表情を盗み見る。
(…………)
(『お前に任せる』、かー。
うーん、どうしたものかなぁ。ここで彼らに協力するのも手だけど、いずれは打ち倒す人たちだし……
うぅ〜〜〜ん……)
A 取引に応じる。
B 取引を拒否する。
A
Aだな。とりあえず乗って利用とかもあるし。
「わかりました。謹んでお受けさせていただきます」
「そう言っていただけるとこちらとしても嬉しいです。私も血なまぐさいことはあまり好みませんので」
とりあえずホッとした様子の大統領。
「だからオレたちにやらせるってか?」
……の表情が、浩平さんの一言で一気にゆがんだ。
「……私からの話は以上です。長官、後は頼みましたよ」
不機嫌そうな顔のまま、大統領は部屋を後にした。
「さて、というわけで」
その後の話を、変わらず表情だけはにこやかなウルトリィ長官が続ける。
「あなた方にはこれから一生懸命働いていただきます。塀の中に入りたくなければ頑張ってテロを未然に防いでくださいね。
上手くやれば無罪放免どころかFBIでの働き口を世話してあげても構いませんよ?」
「はーぁ、お堅いウルトリィ様がまたこーんな詐欺師しかも殺人罪の疑いつきに随分とお優しいこって」
「ふふふ、相も変わらず減らない口ですね、オリハラさん。私はこう見えてもあなたの実力は評価しているつもりですよ?」
「………」
押し黙る浩平さん。
「稀代のペテン士、コウヘイ・オリハラ。その頭と口を国のために使えばすばらしいことだと」
「思わないね」
「………」
今度は、ウルトリィ長官が固まった。
「………まぁいいです。とにかくあなた方の進退は私の一存にかかっていることをお忘れなきよう。
早速仕事に取り掛かっていただきたいところですが……あなた方に好き勝手させれるほど私は楽天的ではありません。
そこで、裏切り防止策として」
A NASTYBOYとその妻を助太刀兼目付け役として同行させる。
B あなた(長瀬)の恋人をここに残していってもらう。
C 某ロワイアルよろしくボタン一個で爆発する首輪を装着してもらう。
D「楔」を打ち込む。
Aかな
難しいな。
Bで。
「NASTYBOYとその奥方を助太刀兼目付け役として同行させます」
「NASTYBOY?確か、世界トップランキングエージェントとかいう?」
「そうそう、それそれ」
「で、確か名前は那須宗一。皐月って嫁さんの尻にしかれてるさえない男、だよな?」
「折原、てめぇ、言ってくれるじゃねえか?」
「え?あなたがそうなんですか!?」
「あぁ、ここにいる皐月が俺のハニー」
「二人合わせて無茶苦茶夫婦〜♪」
「FBIじゃあ?」
「ま、仮の姿って奴だよ、な、ウルトリィさん」
「ええ、ちゃんとお給料も払ってますけどね」
「う……」
「浩平さん、宗一さん、皐月さん、それに祐介さん。どうか、お願いしますね」
その時の、真摯な目が、なぜかとても印象に残った。
「で、だ。宗一と皐月。実際のトコどうなんだよ、首謀者の目当ては?」
白い家から出て、開口一番。浩平さんはそう言った。
「先入観を持つべきじゃないて言ったろ?まぁ、一応目星を大統領から聞いてはいるが…裏づけをするか」
「裏づけは当然だな…ん?大統領からだと?なんで上司に…ウルトリィに聞かないんだ?」
「ウルトリィさん、答えてくれなかったのよ」
「浩平さん。なんだか、ウルトリィさんの様子、変じゃありませんでしたか?」
「かもな……ま、とにかく調査だ。急ごうぜ」
簡単に、調査の結果は出た。
そう、驚くほど簡単に。
「ふぅん、大統領の姉さんってのは、強化兵とかいうのの研究に関わってるのか……何やってんだかはまだ不明と。
追調査が必要だな………そういやぁ、俺の姉さんは今頃何やってんのかなぁ…」
「宗一のシスコン」
「はぁ!?いきなり何言ってんだよ!」
「ん?何か聞こえた?それよりもさ、首謀者の方がオドロキだったよ、簡単にわかっちゃったんだもん」
「よくよく考えれば、大規模テロの予想が出来てるのに、首謀者の確信がないってのも変だったんだよな…」
「もしかして、ウルトリィさんは信じたくなかったのだけなのかもしれませんね」
「ああ、公明正大つっても、やっぱ人の子だよな」
そしてテロの首謀者は大統領から聞いたという目星と同じだった。
そう、首謀者は―
A.『始祖様』……ウルトリィさんの想い人だった
B.ワーベ……ウルトリィさんの実の父親だった
C.FBIの先代長官だった(人物指定)
A。
このままだとムツミの伏線放っておかれそうなので
まあ「彼」は一応、というかまんまテロリストだしな。
「首謀者の名、それは―――ムツミだ」
「ムツミ? どなたですか?」
「聞いたことない? 『始祖様』っていう通り名では結構有名だと思うけど」
覚えのある言葉に直され、僕と浩平さんは目を丸くする。
「始祖? まさか……」
「……そう、ウルトリィ恋人……いや、それだけじゃない。妹でもあり、恋人でもある――――その奴だ」
「妹、恋人……って、ということは」
思わず顔をしかめた僕を見て、皐月さんの鋭い言葉が飛ぶ。
「どう思うかはあなたの勝手よ。けど、愛の形は人それぞれということを忘れない方がいいわね」
「…………」
思わず押し黙る。まぁ……月島兄妹の延長線上の存在だと思えばいいのかも知れないが。
「ちなみに妹とは言ってもムツミは性格には妹の別人格。ま、そこまで背徳的でもないだろ」
「あんまり変わらないと思いますけど……」
「ま、人様の恋路に口を出すのは仕事じゃない。さし当たっては居場所と計画の詳細を掴まなけりゃな。
はてさて、今頃どこで何をしているのか――――――――――」
ううんと伸びをする宗一さん。
「…………」
浩平さんは、何かを考えているのか結局押し黙ったままだった。
――――一方その頃。
「さて、どうやらとうとうFBIもなりふり構っていられなくなったようだな」
暗がりの中、男が呟いた。
「うん、まさか犯罪者まで使うとはね。しかも引っ張ってきたのがこの間脱獄したって言う稀代のペテン士、コウヘイ・オリハラ。
これはちょっと一筋縄ではいかない相手かもね」
それを受け、少女が呟いた。
「だがそれは同時にあちら側の手が残り少なくなったことを意味している。ここで一押しできれば、計画は成功だろう」
心なしか、男は微笑んでいるようにも見えた。
「……お父様がそういう顔するっていうことは、もういい手は考え付いてるんだよね?」
キョトンとした無表情で、少女が問う。
「無論だ。―――その前にムツミ、元々オリハラを捕まえ、アルカトラズへ放り込んだのは誰か――――知っているか?」
「えーと、確か……ウルトリィ?」
「その通りだ。オリハラ……己を捕まえた当人の依頼を聞かされ、その心持ちはいかほどだと思う?」
「面白くないだろうね」
「そういうことだ。切り崩すのならば内部から……奴とその連れをこちら側に引き込む余地、十分にあるだろう」
「うん、さすがはお父様。いい考えだね。そうだね、それじゃ誰を使おうか……」
A 交渉上手のなチキナロ、がんばって。
B リサ、地獄の女狐の実力を見せて。
C ルミラ、借金返したいなら働いて。
D お父様、直々に行ってちょうだい。
A
↑良スレ
お父様ってことはディーだよな?Dだけに(w
「チキナロ」
「ハイ、控えておりますよ、ハイ」
「聞いていたでしょう?…コウヘイ・オリハラの勧誘。頼んだわよ」
「ハイ、畏まりました、ハイ」
そしてチキナロの姿が闇に溶ける。
「さて…お前はどう見る?」
「確率?そうね…半々ってところじゃない?」
「さて…で、どうするんだ?実際」
「そうね…こっちでも調べてることは調べてるけど…なかなか尻尾を見せないのよ
まぁ、でなきゃあんたなんかに頼ることはないけどね」
成る程…期待されていたのは浩平さんの情報収集能力って事か。
…ということは、僕の力は知られてない?
(そういうことだ) !?…浩平さんか。
(おまえのその力は俺たちのワイルドカード。ここ一番で使え)
「で、オリハラ。聞いてるのか!?」
「ああ…『輝ける翼』の事だろ」
「『輝ける翼』?」僕の知らない単語だ。
「さっき話してた解任要求を仕掛けたテロ組織の名前だよ。
表向きはただの新興宗教を装ってはいるけどな。
…そうだな、まだ脱獄してから日がそうないから詳しくは調べてないが…
メキシコとの国境付近が活動の主体じゃないのか?」
「って、なんであんたがそんな極秘中の極秘を知ってんのよ!」
がぁーーと噛み付く皐月さん。
「俺を誰だと思ってるんだよ。『始祖』のキーワードで反応しない俺なんてウソだぜ。
だからFBIも俺の力を必要としたんじゃないのか?」
…本当はテレパスなんだろうけど。
「ま…そういうことだ、皐月。あんま気にするな。…で、メキシコ?」
「ああ、むしろ本部はあちらさんにあるのかもな」
「わかった…車とお前らの分の身分証を手配してこよう…」
そして宗一さんが僕を手招きした。
「ちょっとお前だけ来てくれ。写真が欲しい」
「はい。じゃあ、浩平さん」
おう。と手錠をジャラジャラ言わせて手を振る浩平さん。
「いい加減止めなさい!」
拳骨が俺の頭に突き刺さる。…痛い。
「いてーな…何も殴ることないじゃねーか、皐月さん」
「しょうがないじゃない、あんたがあたしの神経刺激するのが悪いのよ」
やってられん…と浩平が視線を下に向けた時だった。
「……!」
「どうかした?」
「い、いや…なんでもない…便所に行かしてくれないか?」
「便所?宗一が来るまで我慢しなさい」
「い、いやもう駄目だ。さっきは緊張してて何が何だかわかんなくてさ〜
頼むよ、プリーズ!ヘルプ・ミー!」
「わ、分かったわよ。早く出てきなさいよね」
…そして俺は、入り口に皐月を置いて、男子便所に入った。
小便器の前に立っておもむろにファスナーを開く。
「……いるんだろ?」誰にでもなく声をかける。すると…
「ハイ、やはり気付かれておりましたか」
目の細い、痩せた感じの男が背後に居た。
「何の用だ?殺しに来たって訳じゃ無さそうだな」
「ハイ、ヘッドハンティングです。ハイ」
A …断ったら?
B 「遅いわよ!なにしてんの!?」マズい、皐月だ。
C …帰んな
D 話してみな。
C
「……帰んな」
チョロチョロと小便を便器に吐き出しながら、浩平はそれだけ呟いた。
「いえいえ、お話ぐらいは聞いてくださいよ。ハイ」
「オレは忙しい」
にべも無く言い切る。
「そう言われましても。なにぶん私もこれが仕事ですので、ハイ」
しかし男も食い下がる。
「……聞かなきゃ返さないつもりか?」
「いえいえ、そういうワケではありませんです、ハイ。とりあえずあなたを傷つけるなと厳命を受け賜っておりますので、ハイ」
「とりあえず、ね……」
「とはいえ私が命ぜられたのはあなたを我ら方に引き込むことでありますので、ハイ。どうにかしてあなたとの話し合いの場所は用意させていただくことになりますです、ハイ」
どうやら、手段を問うつもりはないらしい。
「……勝手に言え。それをオレが聞くかどうかは別問題だがな」
「ハイ、ありがとうございます。ハイ。では勝手に言わせていただきます」
気にした様子も無く、用意していたであろう口上を男は述べ始めた。
「ハイ、折原様、あなた様のお噂は私どもの間にも轟いておりますです。ハイ。国を取りかけた稀代のペテン士、折原浩平様。お会いできて光栄であります、ハイ。
ああ、申し送れました。私、チキナロと申しますです、ハイ。現在はあなた方が追う組織『輝ける翼』に所属しておりますです、ハイ」
「…………」
ピクッ、と浩平の眉が動いた。
「ええとですね、あなた方がすでに私たちを叩き潰す目的でFBIに雇われてたというのは聞き及んでおります。ハイ。
しかし私が思うにあなたはあまり乗り気でないはずですね、ハイ。違いますか?
なにせかつてあなたを捕らえたのは長官であるウルトリィ様ご本人、あなたが苦い感情を持っていないワケがありませんね。ハイ。
大方司法取引で半ば無理矢理引き込まれたのでございましょうね。ハイ。
元を正せば、そして未確定情報ながら今のあなた『方』も……。私どもに近い立場のはずですね、ハイ。
いかがでしょうか? ここは日陰者同士手を組み、FBI、ひいては国に立ち向かうというのは。
このまま上手く私どもを倒せたとしても無罪放免、それだけでございますね。ハイ。あるいはFBIに働き口でも求めてみますか?
あまり大した違いはありませんでしょうね、ハイ。子飼いの狗として使われるだけ使いつぶされ、いつしか骸をどこかの野に晒す破目になるだけでしょう、ハイ。
でしたらいかがですか? 私どもの同士になれば。計画成功の暁にはあなたには確固たる立場を約束いたしますよ、ハイ。
とはいえあなたは権力の座には興味はございませんでしたな。でしたら『自由』という名の地位を。我が主の力であなたに『解放』を差し上ようと思うのですが、いかがでしょう?」
早口で、しかし聞き取りやすいハキハキとした口調でチキナロは言い切った。
すでに浩平も小便を終えており、チャックを閉めるとそのまま振り向くことなく洗面所へ向かう。
「言いたいことはそれだけか? 生憎今オレは仲間と行動を共にしてるんでな。そんな安い勧誘に引っかかるオレじゃない。じゃあな」
流水に手をさらし、水滴を振り落としながら外へと出かける、が……
「ああそういえばあなたのお仲間……。里村茜さんとそのご友人柚木詩子さん……いやはや、痛ましい事件でした。ハイ」
「!」
覚えのある名前を聞き、浩平の目の色が変わった。
「てめぇ……!」
若干怒気の孕んだ声にも怯まず、変わらぬ口調でチキナロは続ける。
「いやああれは酷い事件でしたね。ハイ。
必死に逃げるあなたがたをエアーウルフで追撃、あげくロケットで直接砲撃、さらに警官らによる集中砲火。見事な満貫でございますです、ハイ。
さしもの口が立つあなたがたでも実際迫る鉛弾は如何ともできなかったようで、連れの方々は皆死亡、警官を殺し、あなただけ生き残った、と……ハイ」
「……オレを怒らせるつもりか?」
勤めて静かに、己を御する浩平。
「いえいえ、私はただ事実を述べただけでございますです、ハイ。
しかも現在あなた様は彼女らを殺めた官憲の方々と行動を共にしているのと同義でございますね、ハイ。
いえ、さすがは稀代のペテン士折原浩平様。きっと彼女らはただの捨石だったのでございましょう。
彼女らを犠牲に、見事某社の乗っ取りを成功させ、なおかつ官憲と取引をして己の罪は清算する……。
さすがの手並みございますね。ハイ。私も見習いところでございます、ハイ」
「てめぇは……!」
珍しく浩平の表情が憤怒のソレに変わる。怒りに任せて懐から拳銃を取り出すと、チキナロに突きつけた。
「それ以上言ってみろ! いいやがれば……!」
「おや? 何をお怒りになっているのでしょうか。
私はただ事実をのべ、感心しただけでございます。ハイ。どちらかというとあなたの手並みを賞賛したつもりだったのですが、何かお気に触りましたでしょうか、ハイ」
「茜と……詩子はな!」
チャキッと撃鉄を上げる。
……ここで、チキナロの目つきが変わった。
「と、このような見事な手並みを見せてくださった折原様ですが、もしいまだに彼女らの菩提を弔いたい、仇を討ちたい気持ちがあるのなら、ここは公僕の手先になっている場合ではないと思われますが。
いかがでしょう? かつてのあなたの夢、否、野望。『国取り』を成功させ、彼女らの墓前にささげるというのは。彼女らを殺めた連中に仇を返すというのは。
……私どもにご協力いただければ、その夢は叶います。あなたが加われば鬼に金棒、計画の遂行もスムーズに行くというもの。
さて……折原様、いかがなさいますか?
権力の狗に成り下がるか……はたまた権力を奪い取るか。
ご決断を、お願いします。ハイ」
「ッ……!」
浩平は……
A 発砲した。
B 銃を下ろした。
C ここで皐月が異変に気づいた。
B
「………」
『何故か』はわからない。
チキナロの弁舌に引っかかったのか、彼は元からのペテン士だったのか、復讐を望んだのか、野望に再び火がついたのか。
それは、本人にもわからない。
ただ、事実は一つ。
浩平は、銃を下ろした。
「………ちっ」
「わかっていただけたようで大変ありがたく思いますです。ハイ」
チキナロの顔が元の細めの面構えに、いや、心なしか綻んだソレに戻る。
「……約束は、守ってもらえるんだろうな」
「ええ、ええ、もちろんですとも。ハイ。私どもは信用が命。
少なくとも用事が済めば部下だろうとなんだろうと塵のように捨てる公権の方々に比べれば、若干マシかと。ハイ」
「ふっ……確かにそうだな。
……で、まずはオレの仕事はなんだ。お前たちはオレに何を求めている?」
「ハイ、それですが―――――」
A ―――――スパイとしてNASTYBOY,及びFBIの情報をこちらに流し続けていただきます。
B ―――――すぐに私どもの本拠地へと向かい、同士たちと合流していただきます。
A
「―――――スパイとしてNASTYBOY,及びFBIの情報をこちらに流し続けていただきます。ハイ」
「……予想通りだな」
「まぁ当たり前でございますね。ハイ。誰もあなたに最前線でドンパチやらかすような活躍は期待しておりませんです、ハイ」
「期待されても困るがな」
「ですが、ある意味あなたの仕事はそれに匹敵、否、それを凌駕するものでございます。ハイ。
あなたほどのお人なら情報は力を生むこと、いえ、情報と力は同義であることぐらいご存知でしょう。ハイ」
「……まぁな。だがその分危険も大きい」
「それはもちろん、ハイ。ですから稀代のペテン士折原浩平様に白羽の矢を立てたわけでございます、ハイ。
きっとあなた様なら成功させると。私も、我らが総帥様も信奉していますです、ハイ」
「フン……やるだけやってやるさ」
「というわけで、まずはこれをどうぞ」
「これは……?」
不意にチキナロが差し出したのは、小さな小さなピンバッヂだ。
「盗聴器、でございます。ハイ。同時に発信機にも、超小型カメラにもなっております。ハイ。
どこか目立たないところにそれを身につけ、是非ともNASTYBOYやFBIの方々から情報を引き出していただきたく存じますです、ハイ」
「なるほど、用意のいいこった……」
「ハイ。お褒めの言葉ありがとうございます、ハイ。何か追加の指令がありましたらまた私が赴かせていただきます。
それまではひとまず現状を維持。彼女らとも仲良くやっていただきたく存じます。ハイ」
「彼女ら……」
『折原君! いつまでトイレに時間かけてるの!? ひょっとしてウ……大きい方!?』
「……なるほどな」
「ハイ。よろしくお願いします。ハイ。では、私はこれで……」
スッ、と闇に溶けるチキナロ。しかし、それは浩平の言葉が阻んだ。
「……最後に一つ、訊きたいことがある」
「ハイ、なんでございましょう」
気を悪くした風もなく、再び現れる。
「……長瀬。オレの仲間だ……あいつらは……」
「ハイ、それは折原様、あなた様次第でございます。ハイ。
誘うもよし、嵌めるもよし。同じく我らの仲間になってくださるのなら、我らも歓迎いたしましょう。
しかし、もしも敵になるというのなら……」
「……いい。わかった。じゃあな」
「ハイ、それでは失礼します。ハイ」
今度こそ、チキナロの姿は闇に消えた。
「さて……面白いことになってきたな」
洗面台の蛇口を再び捻り、手に受けた水を強く顔に叩きつける。
「長瀬……どうしたものか」
A すぐに説得にかかる。
B ひとまず黙っておく。
B
(ひとまず黙っておこう…奴等の動向を調べるのが先決だ。 どちらに付くか決めてからでも遅くない)
彼の今までの人生は騙し騙されの連続だった。結論から言えばどちらも信用できない。いや、カードを明かしている
分だけまだ政府側の方が信用できる。テロリスト共はまだカードを明かしていない。手札次第ではより危険だ。
「俺を…舐めるなよ…どっちも手玉に取ってやるぜ。 俺に首輪を着けられると思ったら大間違いだ」
浩平は…この機会を利用しどちらも疲弊させ、そして最後に漁夫の利を得る方を選択した。
「だが…お前達は本当に復讐を…望んでいるのか?」
彼の中の彼女たちに問いかける。しかし、思い出の中の彼女達は何も答えることはない。
「…止めよう。 今は前に進むだけだ」
「いやー悪い悪い。 でっかいほ…」
その瞬間、皐月の右フックが唸りを上げ浩平のこめかみを撃ち抜く。
「何なのよ、この変態!セクハラ!」
「よせ、皐月」
宗一が皐月を後ろから羽交い絞めにする。それに抵抗し、皐月は激しく暴れる。
「まぁ、皆さん落ち着いて。 取り合えず何処から調べましょうか?」
「そうだな──」
A その前に太田さんに電話
B テロリストのテロ計画の全貌を調べる
C そのきよみさんらしき人物を調べる
D 輝ける翼の全貌を調べる
パス
パス2!とノリたい衝動を押さえつつ、A。
「まずは俺たちの仲間に連絡させてくれ」
「…駄目だ。お前なら世間話をしているように見せかけて、逃亡計画を練ることくらい
平気でこなすじゃないか。却下だ却下」
「む…じゃあ、あんたがかけてくれ。番号教えるから」
「…まぁいいや。用件を簡潔にまとめてみろ」
そして僕と浩平さんはしばらく身柄を拘束されFBIに同行すること。
僕らが解放されるまで『あの土地』(インディアン居住区)に潜んでいるように。
という事を伝えてもらえるよう頼んだ。
「…そういうことだ。…なにか伝言はあるか?」
目の前では宗一さんが太田さんに電話をかけている。
「…いいのか?」
「なにがです?浩平さん」
「いやな、愛しのハニーの声が聞きたくてたまらないじゃないのか?と思ってよ」
「…まぁ、否定したらウソになりますけど…」
と言っていると、宗一さんが僕の目の前に受話器を突き出していた。
「お前に替われとさ。替わらないとFBI本部に強襲かけると言われたよ」
そして、宗一さんが肩をすくめて横目で地図を見ている皐月さんを見る。…この人も色々あるんだろうなあ。
「もしもし?」
「長瀬君?無事なのね!?」 突如響く大声。しかしその声は僕のことを心配してのものだろう。
「ああ、身体はなんともないよ。お勤めを済ませてとっとと帰りたいもんだよ」
「そう…」 安堵したような溜息。そして、
「私の知らないところで死んだり傷ついたりすることは許さないからね、分かった?」
「う、うん」
「声が小さい!!」
「い、生きて帰ります!!」
「よし!本当に無事でね………祐介」
「え!?」
プツン
そして電話は切れた。……今の、最後のって…
「ほら、用事は済んだんだろ。とっとと行くぞ」
そんなわけで僕は会話の余韻を楽しむ間もなく、車に押し込められたのだった。
そして僕らは長いこと車に揺られて、テキサスの南部に到着した。
車はいかにも安ホテルといった建物の駐車場に停車する。
宗一さんが部屋をとり、僕らは本来2人用の部屋に収まった。
「…で、オリハラ。輝ける翼…知っていることを話してもらおうか」
「これは俺が塀の中で掴んだ情報だ。多少劣化してたりすると思うがその辺は諒解しとくれよ…」
「『輝ける翼』
その主義主張は、人はありのままの姿で生き、死ねというもの。
とはいえ、彼らも現代文明全てに異を唱えているわけではなく――
遺伝子操作やバイオ技術。そういったものを邪悪だとする主張で、
遺伝子組み換え製品の対応に頭を悩ませる南部の農家を中心に爆発的に広まっている。
特に高額の上納金や土地建物を要求することはない。どうやら大きなバックが控えてるようだ。
俺がアルカトラズ入りした頃は大した事はしていなかったが…ここ最近、バイオ関連の施設への
テロ活動を行うようになった。今回の解任要求も臓器移植のためのクローン人間計画を推進している
カキツバタ大統領への不満からだろう。」 そこまで言って浩平さんは宗一さんを見る。
…そんなに驚いた様子は無い。ここまでの情報は掴んでいるということなのだろう。
「本部は北部の高温乾燥地帯…砂漠との噂だ。
そして、やつらがここまで強気に出られる理由、それは――
A 凄腕の傭兵たちを雇ったらしい
B 衛星レーザー砲を手中に収めているとか
C 本部が難攻不落の要塞と化している
D メキシコ政府が秘密裏に支援していると
B
ここらで王大人が欲しいところだな
わんたーれん?
神ってことか?
死亡確認した人が復活するからある意味神だなw
「衛星レーザー砲を手中に収めているらしい。まだ確証を得たわけじゃないが間違いないだろう。
精度、威力ともに明らかじゃないが、強気に出られるということは相当の威力を発揮するとみていい。
俺が掴んだのはこれぐらいだ」
そこまで浩平さんが言ってから、宗一さんが驚いた顔つきで浩平さんを見た。
「いや、感服した。昨日今日までブタ箱にはいっていた奴が、
まさかそこまで掴んでいるとは……」
「俺もこっち側の道で食っていたんでな。いくつかそういう情報を仕入れるルートを知ってるんだよ。
そんなことぐらいあんたなら察しがつくだろ」
浩平さんはそれからぷいっと横を向いた。
「まあな。……まあ、そこまで仕入れていりゃ上等か。
とにかく今回の大統領の依頼は情報第一だからな。あんたには期待してるぜ、大統領は。
『輝ける翼』とのドンパチは俺たちに任せろよ。おまえらじゃ正直言ってどうにもならないだろ?」
……正直言うと、電波を駆使すれば戦えたりするんだが、今それを明かすのは得策じゃないな。
宗一さんはどうやら僕らの切り札は浩平さんの情報網だけだと判断してるみたいだ。
まあ、そのほうがもしもの場合に好都合だけど。
もしも面倒なことになっても、太田さんの今の立場はA&Cの株主筆頭。
それにそばにトウカさんだってついてる。当面は心配ない。
「しかし解せないな」
突如浩平さんが口を開いた。
「ん、どうした?」
「俺たちは最初、大統領からは人探ししか頼まれなかった。
だが、実際にはお前たちは俺たちの身分証をこさえ、さらには車の手配までして、
テロ集団のアジトへ生かせる気満々だ。
俺たちの罪の減免という大贔屓は大統領の私情で片付くとして、その矛盾はどう説明するんだ?」
そう浩平さんが言ったら、宗一さんは息を詰まらせたような表情をした。
そして困ったような表情で頭を掻く。
「論点のすり替えも詐欺師にはつうじねぇか。実はな、その大統領の姉が目撃されたって話、
なんでも『輝ける翼』と一枚噛んでるんだ……。流石に極秘事項だからマスコミには知れ渡っていないが。
言いにくいが最悪の場合……彼女が『輝ける翼』の一員である可能性もある」
「そう言う事か……」
……つまりは、大統領を下ろそうとしているのはその姉という話か。
話としては三流だ。しかし……きよみさんは、光岡さんの話だと……入水したはずだ。
だとすると……
A きよみさんは実は生きている
B きよみさんに似ているものが間違えられているだけだ
C 『輝ける翼』側が偽情報を流しこちら側を撹乱させている
D そもそも光岡さんの話が嘘だと言うことだ
Bなんてどうよ
黒きよが複製身だっていう原作設定は選択肢のうちにさえ入れてもらえないのか?
いや、祐介の仮説の時点で祐介がそれを知っていたらおかしいだろ。ということで入れなかった
おかしいのはわかるが、せめてクローンとかいれない?
仮説っていっても、それを事実として進めないと、選択肢無視になるんだぜ?
悪いが、仮説には見えないよ、書き方が断定的だから。
きよみさんに似ているものが間違えられているだけだろう。
光岡さんも死んだと言ってたことだし。ただ――
大統領の推進しているクローン計画とそれに対抗するテロ組織。
何かまだ裏がありそうだった大統領とその姉に良く似た女性。
なにか引っかかるような…
そして翌日。国境を何事もなく通過した僕たちは、現地へと向かっていた。
「で、どうするんだ?」と、浩平さんが尋ねる。
「どうするもこうするも…テロ実施の日までそう間はないんだ。早速下見と行くさ」
事も無げに宗一さんが言ってのける。
「ん?えーと、応援とかって無いんですか?」
「状況次第ではな。だがここは一応アメリカ国内じゃないから…」
そういってハンドルを切り、車を左折させる宗一さん。その交差点には大きな看板で、
『輝ける翼』という意味のスペイン語が印されていた。
そしてその建物は砂漠の真ん中にそびえていた。僕らは高台からソレを見ていた…
「ははぁ…こりゃ又大層な物作ったもんね…」皐月さんは半ば呆れているようだ。
「まぁな…もっともコレくらいやらなきゃ我が国民の皆様方のような派手好きは心動かないんじゃないか?」
「あたし、この国のそういう大味なところだけはどうかと思うのよね…」
砂漠の真ん中に佇むその威容は、砂漠の上に鎮座まします空母とでも言えそうだ。
「…しかし、僕、メキシコでこんなの目にするとは思いませんでした…」
「ああ、俺も話には聞いてたが、実際目にすると正気を疑うよ、幹部の」
目の前にある、その本部。それは――
A ニホンのお城
B 西洋のお城。跳ね橋付き。
C 紫禁城っぽいモノ。
D ピラミッド…
事実と真実を混同していないか?
持っている情報の違うAとBがいたとき、Aの視点から見た事実とBの視点から見た事実は違う。
だからこそ「事実関係を確認する」や「裏側に隠された真実」なんて表現があるわけだ。
原作通りの黒きよみ設定が出したいならそれを知りうる人間に出させろ。
ここで祐介が思い浮かべるのは幾らなんでも飛躍し過ぎ。本気で電波だぞ?
A
>>780の選択肢は現時点での祐介の「脳内の予測」を選んだに過ぎない。
それが合ってるか間違ってるかは現時点では判らないわけだ。
実際、こういう例は過去に幾らでもあったしな。
日本城だった。
砂漠に中に堂々と立つその様はとても不自然で、不気味に見えた。
「くくっ……天守閣までバッチリ再現してるじゃねぇか」
浩平さんが含み笑いを洩らす。
「で、宗一さんよ。このままつっこむのか?」
「冗談。何のためにお前らを使ってると思ってるんだ?
大統領のほうのご依頼も済ませておかなきゃいけねぇだろ」
「確かにな……」
宗一さんはまた車に乗り込み、僕らに乗れと合図する。
「今は敵の顔見せに着ただけさ。まず、町で大統領の姉さんの情報集めが先だ」
「違いない」
僕らも、宗一さんに倣った。
そこから車で十分もかからなかった。
町に着いたが、お世辞にも賑わってるとは言いがたく、どこか寂しげな雰囲気だ。
「写真はここで取られたものだ。だから、一番可能性が高いとすれば……ここだな」
写真の女性、本当にきよみさんによく似ていたが、果たして似ているだけなのだろうか……。
どうも、何か重大な勘違いをしている気がする。何か、見落としているような……。
「それで、やはり聞き込みか?」
「そうだな。……俺とオリハラ、皐月と祐介の二組に分かれて聞き込んでいくか」
「ちょっと待て、俺はてめぇとか!?」
浩平さんがいきり立って宗一さんに文句を言う。
「冷静に考えるとそれが妥当だからな。お前だけは油断がならない。
皐月のような単純なお人よしじゃちょっと荷が重いんだよ」
「こらっ! 誰が単純よ!!」
すぐさま湯浅さんの方から厳しいツッコミが入る。
……これがホントの夫婦漫才だね。
「そーいえば、あんたとはまだあまり話してなかったわね」
「そういえばそうだね」
僕らは二手に分かれた後、こうして聞き込みをしているわけだが、
不意に湯浅さんのほうから僕に話しかけてきた。
「あんた……何者? あのコウヘイ・オリハラを懐に抱えてるなんて……只者じゃないわよ?」
「いや、ただの健全な学生だよ」
「嘘。学生が長官の家の前で張り込んだりはしない」
「学生証見る? 本当にただの学生だよ」
さきほどからいろいろと湯浅さんは僕のことを勘ぐってくる。
……この強引な雰囲気、太田さんと沙織ちゃんを足して2で割ったような感じだ。
宗一さんも考えたな、僕が押しに弱いと僅かな会話で判断したんだな。
だけど、さすがにこればかりはばらすわけにはいかないよ……。
暫くいろいろと聞かれたが、諦めたのか湯浅さんは話題を変えた。
「でも……あんたたちだけじゃ正直不安よね。あんたじゃ戦闘は出来ないし、
私だって戦いが得意なわけじゃないから、実質戦力は宗一一人だけ。駒が足りないなんてもんじゃないわ」
……流石に電波のことは黙っていたほうがいいな。
だが、確かに駒が少ないのは問題だな。
最悪僕の力を使うにしても、近づかれて肉弾戦で来られたりしたら不利なのは変わらないし。
……まぁ、今更考えてどうにかなる問題じゃないけど。
さて、これから……
A もう少し町の人に聞き込みでもしてみようか
B 腹が減った、腹ごしらえでもしようか
C 駒が足りないのなら……トウカさんをここに呼んでみたらどうだろうか?
Cにしたいがいまさらだしなあ。Bで。
「あのさ、そろそろお昼にしない? 流石に腹が減ったよ」
「え? もう?」
僕がそう提案すると、呆れたように湯浅さんが僕のほうを見た。
「まぁ、でも確かにそろそろそんな時間だし……しょうがないわね」
「とりあえず、そこの食堂にでも入ろうよ。いろいろと聞き込みだって出来るしさ」
食堂の中にはまばらだが人がいた。
とは言っても、どこか活気が感じられない。
まぁ、この町はもともと郊外で都市からも遠く際立った名物もないので人が来なく、労働意欲がないだけだろう。
それが周りの客にもあまり良い影響を与えていないといったところか。
「あんたは何を頼むの?」
「湯浅さんに任せるよ」
僕はそれだけいってテーブルに着いた。
正直に話すと……スペイン語が分からないんだよ。だからそう言っただけさ、カッコぐらい付けさせてくれ。
暫く待つと、料理が運ばれてきたんだが……タコス?
たしかにこれはメキシコの料理だったけど……まいいか。
暫く僕らは料理を堪能した。
「さて……そろそろ聞き込みを開始しようか」
「そうね。……誰にする?」
なお、前述の通り僕はスペイン語が話せないので、湯浅さんに会話の全てを任せる。
……この人がスペイン語を話せるのも納得いかないが。
「そうだね……」
A やはりマスターに。ここに来た人の話とかは聞けるだろう
B そこの酔っ払いの中年とかは? こういう場面で聞き込みと言ったら酔っ払いにでしょ
C 恥に黙って座ってる男。……ってあの姿は光岡さん!?
D そこでメシ食ってる二人組みに……って浩平さんと宗一さんかよ!
Cカナ Cカナ
「光岡さん?」
端に黙って座っている男……まぎれもなく、アラスカで見た光岡さんだった。
光岡さんのほうは、僕に気がつくと……ふっと笑った。
「誰かと思ったらその声……姿は見なかったが分かる、俺が剣を託した男だな」
「はい、長瀬祐介といいます」
「……まさか、こんなところで会うとは奇遇だな」
口ではそういっていたが、明らかに狙っていた。
僕の行く先で現れるのはあまりにも出来すぎている。
「……そう不審がるな。きよみが絡んでいるのだ、俺が動かないわけにも行くまい」
そうか……人との関わりを断つ道を選んだ光岡さんを動かした理由、
やはりきよみさんか……。多分大統領の差し金だろう。
きよみさんと親しい仲だった光岡さんだ。大統領が光岡さんを知っていても不思議ではない。
「ねぇ、この男は?」
「光岡さん。きよみさんと……恋仲にあった人だよ」
不審がる湯浅さんに、そうフォローを入れておく。
「はじめ写真を見たときには俺も目を疑った。正に俺が生涯愛することを誓ったきよみに瓜二つだ。
敢えて違いを上げるとすれば頭髪の色だけだが……あれは絶対に他人の空似等ではない。
この俺ですら見誤ったぐらいだ。絶対に、何か関わりがあるはずだ……」
「しかし……たしかに話が出来すぎているとはいえ、確証がないんですよ」
「いや、これはまだ仮説の域を出ていないが俺と裕司で話し合った結果、一つの意見が浮かびあがった」
「その意見……とは?」
「複製身だ」
淡々と光岡さんは言い切った。
「人をそっくりそのまま写し取る技術、クローンによって作られた人間だというのなら矛盾が解決するのだ。
まず、裕司も姉のためだ。総力を上げて写真の女について探っていた。しかしなにも結果は上がらない。何故だと思う?」
僕はしばらく考えてみた。
たしかに顔すら割れているのに手がかり全くなしというのは……どうもおかしい。
「つまりは、その写真の女は個人情報すら存在しない人間だった、というわけだ。
個人情報すら存在しない人間ということは……
誕生したことすら隠しておきたい、生まれたことを公に出来ない人間だということだ」
「そうか……クローン人間といえば倫理上の問題などからそれにぴったり当てはまる」
「そうだ。裕司はクローン技術の推進をしている。彼女はクローンだ。相当人権を踏みにじられてきただろう。
彼女は自分と同じような境遇の存在がまた生まれることを危惧して、テロ活動に参加しているとしたら……」
「なるほど、全ては繋がりましたね」
クローンか……。
「とはいえ、それは仮説の域を出ない。全ては推測だからな。本物が生きているという可能性も否定しきれん」
だからアラスカから出てきてしまったわけだ。
……と、光岡さんは自嘲気味に呟いた。
光岡さんのためを思うのなら、きよみさんが実は生きているといった説が真実であってほしいが……。
結局は乗り込んで見なければ分からないといったところか。
光岡さんは確か相当の実力者だ。
過去に柳川さんやトウカさんと難事件を解決したというし、イメージで見た剣の腕もトウカさんに引けを取らない。
今参入してくれるのは、正直言って非常にありがたい。
思わぬところで助けを得た……。
A ひとまず、浩平さんたちと合流しよう
B ……だけど、光岡さんの剣はトウカさんが持っているんじゃ?
C 急に妙な奴らが食堂に入ってきた。……まさか、『輝ける翼』がもうかぎつけたのか!?
A
「…つまりは、探し人もあの城の中に居るって事か?」
事情を説明して、開口一番に宗一さんが言った言葉がそれだった。
「出かけられると、どうしようもありませんけどね。…その可能性は高いと思います」
「ふーむ…」
しばらく考え込んだ宗一さんだったが、
「皐月」 と顔を上げ呼びかけた。
「これは…イキか?」
皐月さんはその質問を待ち構えていたかのように、
「あったりまえよ!」 とのたまわったのだった。
「…え、イキって…忍び込むんですか?」
「まさか?俺の二つ名を知らないのかい?」
「Nasty…って!?」
「そう、無茶苦茶小僧!煮詰まったら行動あるのみ。それが俺の実践躬行」
「まあ、ここであれこれやってても、いつかはあそこに入らなきゃいけないんだしね
早い方がいいんじゃない?」
「で、でも。仮にもテロ組織の本拠なんですから、武装兵とか護衛とか居ると思いません?」
「ああ…まぁ居るだろうけど…」
「それにアメリカお得意の長距離爆撃を行おうにも、内部にきよみが居たとも成れば、
無闇に手を出すのは危険だろう」 これは光岡さん。
「ああ、心配しないでくれ。爆撃なんてしないさ…似たようなものかもしれないけどな」
同日、夕刻。 城内にて――
「で、チキナロ。彼の盗聴器の方は?」
「ハイ。それがですね…NastyBoyはここに直接乗り込むつもりだと」
「無駄なことを…後は?」
「ハイ、光岡様を仲間に引き入れたようであると」
「光岡――アイツ、アラスカで隠居したんじゃ…いえ、そうね可能性だけで論じるのは下作だわ」
畳敷きの上に行燈。いささか時代錯誤な様子ではあるが、怪しい雰囲気だけは十二分に出ていた。
障子をあけた窓には大きな月が映っている。
その――祐介たちが写真で確認したきよみと呼ばれていた女が再び口を開く。
「で――どう攻めるって?」
「ハイ…それに関しましては、NastyBoyとその相棒が小声で相談したようで、
彼自身知らされてはおりません様で、ハイ」
「ふ…ん、まぁそうだよね」 これはまた別の少女。
「なんにせよ…ここにはマシンガンで武装した同志たちが交代で番をしている。
正門は勿論、全ての出入り口は磐石だ…」 と、チキナロでない男が言う。男は続けて、
「きよみ――ヘンなマネはよせ。今は大事な時だ。
あと少しで、あの計画の主体となる遺伝子研究所の占拠の準備が整う日も近いのだ」
「わかってるわよ…」 忌々しげに応えるきよみ。ふと、窓の外に視線を移す。
目の前には壮大な城が広がっている。正門からはアスファルトの道が伸びていて、幹線道路に――
「!見て!!」 きよみが大声をあげる。
「何事…む!」
「イイ〜〜ヤッホ〜!!」
皐月さんが楽しそうに声を上げる。…こっちはそんな余裕は、無い。
「なんでこんなのが、「知り合いの家」に置いてあるんですか!?」
「あるんだからしょうがないじゃない」 事も無げに言ってのける皐月さん。ああ、そうですか。
そう、僕らは今ジープに乗っている。まあただのジープならいいよ。でも…
「さ〜て、そろそろ打ち合わせの時間ね…祐介!」
皐月さんはブレーキを踏み、ジープを正門の前で停車させた。
「……」
僕は言われたとおり助手席から降り、耳を塞いで口を開ける。
「ああ…ダメダメ。無反動砲は後ろにガスを噴射するんだから。焼け死ぬわよ」
はい、と答え僕はトコトコと車の横に移動する。
「あれ、皐月さん…見張りの人が感付いたようですけど…」
「もう遅いわ…ファィッヤアアアアッ!」
その瞬間、皐月さんの指が引き金を引き、後方に噴出した爆炎が世界を揺るがし、
砂塵を巻き上げ、沈みきった夕日に代わり、夜空を赤々と染めた。
「めいちゅ〜!!祐介、乗れ乗れ!」
僕の頭に鉄兜を乗っけると皐月さんが運転席に身を躍らせる。
僕が助手席にしぶしぶながら座りった後…ヘッドライトで照らし出された煙の中へジープを発進させた。
「さぁーあ、いっくわよーー!」
なんてえスピード!?視界無いのに!?
「うわぁぁぁ、死にたくないぃぃぃ!」
「大丈夫、ハリウッドでは血と硝煙の中での正義の襲撃者は無敵だから!」
「根拠が無い〜〜!」
――その頃、宗一は、浩平と共に居た。あと光岡も。
三人は同じものを見つめている。
「なぁ…大丈夫なのか?こんなので」不安そうに浩平は尋ねる。
「ああ…大丈夫…な筈」
「まぁここまできて悩んだところで後戻りは出来ん…俺は行くぞ」
そういって光岡は己の運命を託すことになるソレを覗き込んだ。
「うう…仕方ないか…」
「まぁそう嘆くな。成功すれば一気に天守閣だぞ」
そう、彼らが使用する乾坤一擲のスーパーアイテム。それは――
A 人間大砲
B パラシュート。今はセスナの機中。
C プロペラ機
D ニンジャの愛用品、鉤縄
スーパーアイテムって感じじゃないかもしれんが、Bで
パラシュートだ。今はセスナの機中。ここから一気に空挺作戦を行い奇襲を行う。
下で皐月たちが暴れまわっているのでこちらには気が回っていない筈だ。既に日は落ち辺りは闇に覆われている。
黒塗りのセスナと完全夜間仕様の装備の浩平たちを目視するのは難しいだろう。こちらは暗視装置を装備
しているので昼同然に眼下の城が見渡せている。
「暗視装置に黒塗りセスナetc…相変わらずアメリカは装備に関しては贅沢だな」
「まあな。 お陰で多少無茶しても経費で落としてくれるし」
「…降下の時間だ。 いくぞ」
光岡の合図と共にセスナのドアが開かれ、機内に高空の冷たい空気が流れ込む。
「これから行うのは高高度落下低高度開傘と言って上空10000mから降下し、地上400m程で開傘する。
一気に降下し、開傘降下中に攻撃される可能性を低くし、目的地に到達するものだ。タイミングを外すと
地上に激突だ。 心して掛かれよ。 では…行くぞ!」
皆が酸素マスクを装着し、ゴーグルを填める。高高度から落下するのでマスクが無いと気絶してしまうのだ。
まずは光岡が降下を始め、ほぼ間髪いれず宗一、浩平と続く。あっという間に降下速度は時速100kmを越え、
暗視装置越しに眼下の城が大きくなっていく。僅か数分で高度をどんどん下げ、1000mを切った所で各自
開傘の準備に入る。そして、一気に腰の紐を引っ張り、パラシュートを各自開く。落下速度が急激に落ち、
体がパラシュートに引っ張られるような感覚が体を襲う。そして──
A 無事天守閣の屋根に着陸
B 一人だけ落下位置がずれてしまった※人物指定
C 対空砲火が襲ってきた
B 浩平
Cでジャブローのように
急に一人、落下位置が大きく逸れた者がいた。……浩平だ。
「おいっ! 何やってる!?」
宗一が無線機でそう叫ぶも、
「……悪いっ! 制御不能、後で合流する!!」
浩平はそう返した。
流石に空中ではこの事態に対処できず、浩平は天守閣ではなく、
城の中庭の部分に落下していった。
「浩平とは離れちまったな」
天守閣の屋根、他のメンバーは無事そこに着陸した。
「浩平さんなら多分大丈夫ですよ。ああ見えて、かなりしぶといですから」
「まぁ、俺も大丈夫だとは思うが……何か引っかかるな」
宗一は頭を捻った。
先ほどは突風もなく風に煽られるといったことはない。
なのに何故浩平だけ落下位置がずれてしまったのだろうか。
まさか、パラシュートの基本操作を知らなかったというわけではあるまい。
「……ここから乗り込めばすぐに敵と鉢合わせになる。準備は良いか?」
光岡が姿勢を低くし、中の様子を伺う。
「いつでもOKだぜ?」
「余裕よっ!」
「……ええ。大丈夫です」
「よし……。乗り込むぞ」
光岡は腰に差してあった一刀の太刀を抜き、居合いに構える。
「あれ……? 光岡さんの刀はトウカさんが……」
「ふっ。お前にやったのは親友の鳳凰、俺の蒼龍だが、俺にはもう一刀太刀がある。
麒麟……いわば隠し玉みたいなものよ。今まで会った殆どのものにも見せたことはない」
それだけ答えてから、光岡は窓の格子を斬った。
ガラスが張ってあるわけでもなく、素材も簡素な木材だった窓は簡単に両断された。
「へぇ……すげぇな」
「ほら、感心してないで乗り込むわよ!」
「へいへい」
光岡、祐介、皐月、宗一の順で中に入る。
そして……
A 写真にあったきよみを思わせる女と鉢合わせした
B 多数の敵兵に取り囲まれた
C ウルトリィの想い人? ムツミが祐介達を出迎えた
D 浩平視点に移る
B
僕たちは中に入ったのだが……その途端、
「……Freeze」
低い声で、そう聞こえた。スペイン語ではなく、英語で。
僕も英語はあまり得意じゃないが、この単語の意味ぐらい……分かる。
月明かりが辺りを照らした。
闇の中に隠れていたのは、多数の敵兵だった。
その一人一人が重火器を装備していて、はっきり言うと分が悪いなんてものじゃない。
「…………」
先頭の男が何か喋る。
「宗一さん、その男はなんと?」
「……光岡さんを見て『これが日本の武士か? いくらカタナを持ってきても銃の前には形無しだな』だとさ」
……確かに、この大人数相手ではいくら光岡さんが剣の達人でも……。
「……どうする? 流石に俺の麒麟ではこの人数相手には不足だが」
どうすると言っても……こう取り囲まれちゃ……。
「……ここは捕まりましょう。殺す気なら最初から止まれなんていわないわ。
少なくとも、相手方の用が済むまでは命は保障される……」
「いい判断だ、さすが皐月。……といってもそれ以外にどうしようもないがな。
それに、ちょっと癪だがあいつはまだ捕まってないだろ? 賭けてみるか」
あいつ……浩平さんのことだ。
さすがに固有名詞を出すと相手方にばれる可能性があるので出さなかったのだろうが。
「……分かった」
光岡さんはそう呟くと刀を鞘に納め、相手側に投げた。
本当のところ、僕が電波を使えば何とかならないこともなかったが、
今は様子を見ようと思いそれはしなかった。
僕の力は両手両足をふさがれていても何の問題もないしね。
両手を上げながら僕たち四人は敵兵の先導に従った。
おそらく御殿まで連れて行かれるのだろう。さて……鬼が出るか蛇が出るか。
「Stop」
先導の兵のその言葉で僕らは立ち止まった。
目に映ったのは御殿への入り口。……やはりか。
「Come In」
中に入れ……か。
先陣を切って入ったのは宗一さん。少し遅れて光岡さん、湯浅さんも続く。
……覚悟を決めるしかないか。まさか、入ってすぐに殺されるなんてことはあるまい。
僕も三人の後に続いた。
そして僕が中に入って初めに見た者は……
A 翼を生やした男。こいつが首謀者か……
B 翼の生えた少女。この子がウルトリィさんの……
C きよみさん? ……いや、写真に写っていた女性か
D 不敵な笑みを浮かべる浩平さん。……何故、彼が!?
C
「きよみ…さん?」
「あら、ご存知とは嬉しいわ。そう、私はきよみ。
光岡さん?そんなに驚いた顔をしないで。あなたの知っているきよみと私は別人なのだから…」
「…どういう、事だ…?」
「大統領と話したのよね…なら、大統領がクローン開発を推し進める理由。…聞いてない?」
「ぞ、臓器移植や、食糧問題の解決のため。ではないのか?」
その答えを聞くと、きよみさんは堪え切れないとばかりに笑い始めた。
「アハハハハハッ。まさかまともに信じるとはね…もう少し疑ってかかった方がいいわよ、貴方」
「な、なッ!?」
「いいこと…私はクローンによって生成された存在…じゃあ、誰が私を作ったと思う?」
「そ、そんなことは、知らん」 どもりながら光岡さんが即答する。見ると、顔には動揺が色濃く出ている。
――この人でも、動揺するのか。僕はぼんやりとそんな事を考えていた。
「ミスター・プレジデント。そう、カキツバタ大統領その人が、私を作ったのよ。
…信じられないって顔してるわね。でも、コレが真実、信じたくなければ好きにして頂戴」
「馬鹿な!!祐司が…まさか…」
苦悩し始めた光岡さん。
そして、また一人、この部屋に人間が現れた。
「続きは私が話そう…光岡さん、よろしいかな?」
その男の人は、背が高く、理知的な顔立ちをしていた。学者とか言われるとパッと来そうな容貌である。
「私は名をディー、という。元、オンカミ記念遺伝子研究所の研究員をしていた」
「そ、それが、何だ?」 尋ねる光岡さんの顔は蒼褪めて、幽鬼のようだ。
「私はかつて、クローンの開発に携わっていた。とはいえ、元々はただのしがない大学の助手なんぞを
勤めていたが――突然引き抜かれてね。後で、大統領だったカキツバタの手によるものと気付いたのだが」
ディーはこちらに歩み寄りつつ話を止めようとはしなかった。
「そこで私に課せられたテーマは一つ。この毛髪の持ち主を複製すること。とね」
ご丁寧なことに年齢まで指定してくれたよ…と呟きながら、メモ帳を取り出す。
「当時の私は熱心だった。まさに昼夜も無く努力を重ね…とうとう大きな進歩を得た。
その毛髪に含まれる遺伝子はある程度損傷していたので補いながらだったが…
人間の形を成すことに成功したのだ。…今になっては後悔しているがな」
「それじゃあ…」と僕は口を挟んだ。嫌な顔も見せずにディーは頷く。
「そう、このきよみがその成功作だ。…完成して、今の形に落ち着いた頃、大統領ドノが
研究所にお見えになった。…彼女の出来栄えを確かめようという心積もりだったのだろうが」
「私にそのときの記憶は無いわ…ただ、ディーに聞くところによると…」
「そう、私は正直耳を疑った。『髪の色が若干濃いように思える。やり直したまえ。コレは廃棄だ』、と。
その夜、私は親しいスタッフ数名と、きよみ…そして別プロジェクトの被験者を連れ、研究所を脱出していた」
「それじゃ…テロは…」
「そう、最早あの非道なるあの男の歪んだ妄執を放ってはおけん。
そう感じた私はあの研究所に関する情報を ひたすらに調べた。
その結果、大統領と彼女の姉とその恋人たちの事情を知るものとコンタクトを取ることに成功した。
そして、私はあのような歪んだ計画をこの世から滅却し、地獄の業火に包むため、テロに手を染めたのだ」
「…………」
「そんな、では大統領は…何の目的で…」
「おおかた貴重な実験体であるきよみの回収だろう。きよみの近くには私も居ると確信しての、な」
「さあ、光岡さん…私をどうするの?そこのNastyBoyでもいいわ?大統領に引き渡す?」
「………」
A 「何を迷う、NastyBoy!!」 突然空からスピーカーの音声が!…大統領!?
B 「確かに…大統領は許せんな…」
C 「ああ…こちらも商売なんでね…悪く思うな」
D 「ちょいと待ちな!」浩平さん!?
C
「ああ……こちらも商売なんでね……悪く思うな」
言葉を継ぎづらい雰囲気の中、宗一さんが口を開いた。
「そうか……君は私が思ったとおりの人間だ。なかなか仕事熱心だな」
「それで……俺の任務、大方察しはつくよな?」
「ああ……残念だ。別の形で出会っていれば、お互い敵対することもなかったろうに。
私の娘はFBI長官が御執心だから彼女から大統領に説得が行くと思っていたがそれも失敗。
結果彼女は私情を殺し君らの突入を黙認。……今の大統領には勿体無いほどできた部下たちだ」
ディーが指を鳴らす。
両側のふすまが開かれ、そこから表れた多数の兵が一斉に僕らに銃口を向けた。
なるほど……それならば生きて返す気はないってことね。
彼が日本語で話してくれたので僕にも聞き取れた。……結構流暢に喋るな。
「私は平和的解決を望みたい。このきよみ、クローンとはいえ私が作ったようなものだ。
いわば我が子も同然。残りかすのように扱われて誰が我慢できようか……。
だから言おう。このまま見なかったことにし、すぐにここから立ち去ってくれ」
きよみさんが悲しげな表情で俯いた。
……果たしてこの人らに、罪はあるのだろうか……。
僕にはただ、普通の生活を送りたい『親子』にしか映らない。
まるで……テロ活動が正しく、大統領が悪のようではないか。
「平和的解決ねぇ。そんな銃を構えられて平和なんていわれても反吐が出るな。
あんたらの活動で研究所関係者は何人か逝っちまってる。それが平和のためだってのかい?」
「……そう、残念だわ」
きよみさんがそう言い放った。
そして、ディーが兵に命令を出そうとしたその時、
「待ってください!」
……自然に、そう自然にその言葉が出ていた。
「祐介!?」
「……君は? 見たところここに不釣合いの学生のようだが」
その場の流れで「待って」といってしまったものの……。
正直、どうする? 今の僕にはこの場の全員を電波で縛ることは可能だ。
逆に宗一さんたちだけを眠らせてこの場から去ることも可能だ。
相手……そう、ディーの言葉、あれが真実か否かなのが問題だけど……どう動けばいいんだ。
……迷っていても仕方がない!
A 兵たち全員を眠らせる
B 宗一さん達を眠らせ、この場から去る
C ……ちょっと待て! という声が。……浩平さん!?
C
「ちょっと待て!」 …浩平さん!
その瞬間、屋根の一部が抜ける。そこから落ちてきたのは…浩平さん。
穴の空いた位置は、丁度ディーの真後ろ。…テレパスで位置を把握していたのか。
彼の手には小口径の拳銃。すばやくディーのアタマに狙いをつける。
部屋中のマシンガンが銃口を浩平さんの方角に向ける。
「Don't move!」 と怒鳴る浩平さん。
「さぁて…ディーさん…直に会うのは初めてになるね…宜しく、コウヘイ・オリハラだ」
「ああ…こちらこそ世話になった。結局情報は生かせなかったがね…」
「まぁそれについちゃあNastyBoyのセンセイの突飛さと実行力を誉めてやってくれや…
と、そんな話をしたいんじゃないよ…俺も今しがた天井裏から大体は聞かせてもらった」
神妙な顔でコウヘイさんは言う。
「確かにその行動も頷けるものがある…そこでだ」
浩平さんは一同をぐるっと見回して、とんでもないことを言った。
「一旦、この組織、バラさないか?」
「なッ!!」
「馬鹿じゃない?そんな事呑むと思う?」 馬鹿にしたようなきよみさん。驚くディー。
「まぁ、聞け…そこのFBIのお二人と俺の受けた依頼は、「テロ組織の壊滅」なら、解散してしまえばいい」
「しかし…我らの目的は…それに同志は…」
「そこでコウヘイ・オリハラ&ユースケ・ナガセから求人のお誘いだ。
…俺たちは新たに団体を作ろうと画策している。目的は、世界だ。
既に金づるはデカいのが一本できてる…だが、全然人手が足りなくてな…
そこでオープニングスタッフを今ここに募集しよう。ここのメンバー全員…
そうだ、宗一夫妻もどうだ?依頼は済んだし。給料も今の3倍くらい出すぞ」
「な……」 一同呆然。そりゃそうだ。
「ちゃんとアメリカも潰す。遺伝子産業もな…さぁ、どうだ、両陣営の方々…?」
A ディーはOK 宗一拒否
B 宗一OK ディー拒否
C 両方OK
D 両方拒否
C
「いいだろう…だが、その言葉、忘れるな。違えたその瞬間、我らは独自の行動に移るぞ」
「OKOK…宗一夫妻は?」
「…そうだな、エディが去ってから、正直やり甲斐のあるミッションも請け負ってなかったところだ…
いいか?皐月、お前は」
「宗一が決めたなら、あたしはそれでかまわないよ」
「よし…そうと決まったら話は早い…逃げるぞ!」
「え…何故です?」
「バカ!あの腹黒大統領が今の会話聞いてないと思うか?
俺ら4人の誰かに盗聴器つけるなぞ平気でこなすぞ。
…きっと今頃、空軍に出撃命令を下したか、ミサイルの発射装置を押したはずだ…」
「…!!わかった。こっちに秘密の抜け穴がある!」
そういってディーは掛け軸をめくる。そこには取っ手が。思いっきり引くと…
ガゴン!広間の片隅に大きな穴が出来ていた。
「滑り台の要領で地下通路に逃げられる!行け!」
次々に飛び込む兵士たち。その間にディーは城内放送を入れる。
『繰り返す、全員脱出せよ、全員脱出せよ。これは演習ではない
各自パターンBの状況で避難せよ!おって指示を出す!』
「祐介!お前も来い!」
「ええ…ディーさん!」
「うむ!」
そして広間の全員がその穴に飛び込んだ。
どがぁぁぁぁん!!
巨大な日本式の城郭が炎に包まれる。
僕らは砂漠に伏せながらその光景を眺めていた。
「…無念か?ディーさん?」
「いや…あれは協力者が無理やりプレゼントしたものだ、さして感慨は無い」
「で、これからどうするんだ?大将?」
僕は答えない。ぐるんと引っくり返って仰向けになる。
僕は空を見上げる。そこには夜明けの青空が一面に広がっている。
この空の下を全て僕のものに。野望の火はまだ消えない。
「…とりあえずはアメリカか…」 なんとなく、呟く。
高揚も武者震いも無いが、果てしなさにドキドキしてくる。
「ああ…でも、今は…」
彼女の顔が見たいな、と、素直に思った。
A エピローグへ
B 太田さんの下へ。行く?
A
折原浩平は、テレビを見ていた。場所は南太平洋の小島。
水着一丁でプールサイドでジュースを啜りながらだった。
アナウンサーが興奮を隠しきれない様子で話し続ける。
『ロール・コールはいよいよ最終州…
カキツバタ71票!ベナウィ128票! 合計得票は…1845-2252!
我が民和党は、第○○代合衆国大統領候補として…
ベナウィ氏を、指名いたしますッ!』
鳴り響く大歓声。まぁ分かりきってた結果か…と、一人ごちて、電源を切る。
まぁこれでヤツの再選はもう無い。あとはディーの好きにすればいい。
「やはりきよみ直々のインタビュー放送が効いたかな…」
そう言って浩平はサングラスをかけ、大空を仰ぎ見る。燦燦と輝く太陽。
「どうでした、選挙」
「祐介か…ベナの勝ちだ。分かりきってたコトだろ」
「ま…そうですけど」
「それより、太田の姐さんはいいのか?」
「ああ…ちょっと飲み物取ってきてくれるそうです」
そういって祐介も腰を下ろす。浩平は身体を起こし、祐介に話しかける。
「…で、次はどうする?」 と、まるで夕食のメニューでも決めるように話しかけた。
「そうですね…」 と考え込む祐介。そこへ…
「お〜い!買ってきたわよ、お茶と…ピザも」 盆を持った水着姿の太田も現れた。なかなかにセクシーだ。
「ピザか……イタリアなんてどうでしょう?」
――まだまだ彼らは止まらない。
成田を経った時から彼らの戦いは始まっている。
さぁ…彼らの行く手を阻むものは!?九品仏の台頭は!?
世界は英雄を待っている――
行け!長瀬祐介!世界をその手に――
END
では次回作の主人公を……
A フィルスノーン
B 雫
C 痕
D To Heart
E White Album
F こみっくパーティー
G ナイトライター(with 雀鬼's)
H まじかる☆アンティーク
I 誰彼
J うたわれるもの
K Routes
L 天使のいない12月
M MOON.
N ONE
O Kanon
P AIR
Dだ
A 藤田浩之
B 神岸あかり
C 長岡志保
D 来栖川芹香
E 来栖川綾香
F 姫川琴音
G 佐藤雅史
H 保科智子
I 雛山理緒
J マルチ
K セリオ
L 長瀬主任
M セバスチャン
N 宮内レミィ
O 松原葵
P 坂下好恵
……これで全部か? 忘れてるのあるかもしれないけれど
P
Gでいってみよう
827 :
826:04/02/23 00:05 ID:QeENKtTK
遅かったか…orz
あたしの名前は坂下好恵。空手の道を極めんと日々努力しているわ。
さて、そんなあたしだが、今何をしているかと言うと…
A 山篭りしていたら迷った
B 綾香と決闘
C 葵と決闘
D 道場破りの旅に
E 真の格闘は空手であることを知らしめる為にエクスストリームに出場
B
そう、今あたしは宿命のライバル綾香と拳をあわせぶべらっ!!
「あらあら、こんな状況で考え事なんて余裕ね」
あたしのボディに前蹴り決めた綾香がニヤニヤしている。嫌がらせか? 殺すか?
A とりあえず反撃
B カウンター狙いで待ち
C ダメージ回復狙いで待ち
D いきなり超必殺技
E そのままあたしはダウン
E
よわっ
前蹴り一発でそのままダウン。
畜生。今日の空はやけに青い。
倒れたのはうつぶせだけど。
A エピローグへ
B まだだ、まだ終わらんよ!
C 修行の旅に出るか
D その場に乱入してきた者が!
そのままあたしはダウンした。綾香がニヤニヤしている。
えぇい! 今日のために重ねてきた猛特訓の成果を1つも出さずに終わるなんて、そんな事出来るか!
A 速攻で立ち上がる
B カウント9まで待って立ち上がる
C カウント19まで待って立ち上がる
D 実は野試合なのでレフェリーはいない。綾香が追撃してくる
まぁ…Bで
さらに負けてるし_| ̄|○
「まだだ! まだッ!」
力の入らない下腹部に無理矢理丹を込め、立ち上がる。
「……さすがね、好恵」
綾香も軽い口とは対照的に、慎重な構えを整える。
「……ハアッ!」
一足飛びで間合いを詰める。先程の一撃、見かけ以上にダメージは大きい。
数少ない綾香に対するアドバンテージ、体力面でも不利は明白。
ならば! 短気決戦で勝負をつける!
いざ、乾坤一擲の一撃!
狙いは……
A クロスカウンターで顔面を狙う。
B レバーを狙って悶絶させる。
C ローで脚を狙う。
D なんとここで寝技に持ち込む!
Dで
綾香の寝技(wの方が上だったりして。
空手使いにはDはないな。地味にCで
そう! 寝技!
真っ向勝負でかなわないのなら、不意の一撃が最も効果的!
「そこっ!」
綾香の鋭いワンツー! 空気を切り裂きあたしに迫る!
けど……
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
かわさない! 頭を低く、そのまま綾香の懐に飛び込む!
「えっ!?」
拳が背中を打つ。だが、この程度!
「タックルする時は、腰から下ァァァーーーっ!!」
昔どこかで聞いた台詞を叫びつつ、全体重を綾香の腿にぶつける!
「くうっ! まさか、そんな手を!」
やった! さすがの綾香もこれには面食らったようだ! そのまま地面に引きずり倒し、見事グラウンドに持ち込んだ!
……と、ここで、
A しまった! あたしは空手使いだったじゃないか! 寝技なんて一つもできない!
B 実は密かに寝技も練習していた! このまま一気に決める!
C なんか綾香の手つきが怪しい!
俺にはCしか見えないw
「もらった綾香! 今日こそあたしが勝ァつ!」
状況を把握させる暇なんて与えない!
一気に襟を引き寄せ、そのまま腕を絡め取る!
いざ! 密かに日々練習した、腕ひしぎ逆じゅ……
「……え?」
腕を極めようとして綾香の袖を取ろうとしたその刹那、いきなりあたしの胴衣のズボンがすぽんと落ちた。
「きゃ、きゃああああっ!!!!」
パン! ツー! ○! 見え! 黙れポルナレフ!
慌てて引き上げる、が固定できない! お、帯が! 帯が無い! 帯はどこ!
「ここよっ!」
と声のした方向を振り向いてみれば、綾香が後光をまといつつ高々と……あぁたしの命より大切な黒帯を掲げてるぞコノヤロウ!
「あ、綾香! か、返しなさいっ!」
一応、言ってみる。
綾香は……
A 問答無用に襲い掛かってきた。
B 勝負は公正に、と帯を返してくれた。
C そのまま帰ってしまった。
D 「来栖川神拳奥義! 千手観音愛撫!」なんじゃそりゃあ!
C
c
祐介の話の題名考えてみたんだが
A アメリカ横断ウルトラ電波
B 世界征服への道 まずはアメリカから
C 祐介な日々
D 断られてあちこち彷徨
E お前センスなさ杉。俺が考える[ ]
Aで
「をーほほほ! どうやら今日も私の勝ちのようね! これで99戦99勝! 私の腐敗神話は崩れない!」
綾香はあたしの黒帯を握り締めたまま、所謂『お嬢様笑い』で勝ち誇っている。
「そ、そんなことより帯を返しなさい!」
もじもじと太ももでずり落ちるズボンを押さえつつ、詰め寄ってみる。
「フフフ……そして次こそ! 次回こそ記念すべき100勝目! 好恵! 楽しみに待っていなさい!!」
「いいから帯を返しなさいっての!」
もう勝負どころじゃない!
「おっともうこんな時間。葵との約束があるんだったわ。それじゃ好恵、バァイ♪ 不意の寝技だけは見事だったわよ。
ま、けど日頃葵とベッドの上で鍛えてる私にかなうものじゃないけどねをーーーほほほほほほ!!!!」
悠然とこの場を立ち去ろうとする綾香。
「だーかーらー! おーびーかーえーせー!!!!」
慌てて追いかけるが……
「わっ……つっ!」
膝に胴衣が引っかかり、そのままべちんとみっともなく倒れてしまった。
「をーーーーほほほほ! また今度会いましょう!」
「くっ……! 覚えてなさい綾香! 次こそ……次こそあたしが勝ってみせる!」
そして、綾香の背中は夕日の中に消えていった。
……喧騒が過ぎ去ってしばし。
「……はぁ」
ズボンがずり落ちた情けない状態のまま、あたしは大きく息を吐いた。
また……負けてしまった。
99戦99敗……もう笑いたくなってしまうような結果だ。ふがいない自分に腹が立つ。
「はぁ……」
もう一度大きく息を吐く。
……これからどうしよう。
A 家に帰る。
B 神社で一休みする。
C 修行を続ける。
D 街をうろつく。
傷心で街をさ迷う坂下に何が!?そんな感じでドラマティックにD。
「…………」
とりあえず神社で制服に着替えた。さすがにパンツ丸見え+胴衣というよくわからない格好で街中をうろつくわけにはいかない。
「……はぁ」
またもや大きなため息。さすがに99敗目はショックだ。しかも今回は不意打ちまでは上手くいったのに……
「綾香……どうすれば……」
立ち技でも、寝技でも勝てない。いったいどうすれば勝てるのか……
ぐぅぅ〜……
……悩んでいても、お腹は減る。
まだ夕飯までは時間がある。あたしは、街中に出てみることにした。
「何にしようか……」
鞄を背負ったまま駅前をうろついてみる。
仕事帰りの時間に当たったらしく、真っ赤に染まる街中はいつも以上の人でにぎわっていた。
老若男女、色々な人があたしの廻りを通り過ぎていく……。
嬉しい人、怒った人、哀しい人、楽しい人、色々な人がいるのだろう……。
……大勢の人に囲まれても、あたしの心が晴れることはなかった。
と、その時。
「ドロボーーーーーーーーーーーーー!!!!」
街の喧騒を切り裂く物騒な一言。見れば、真正面少し離れたところで女性がハンドバッグを引っ手繰られていた。
「捕まえてーーーーーーーーーーー!!!!!」
帽子深く被った犯人は……こっちに向かってくる!
廻りの人間はオロオロと困惑するばかりだし……
ここは!
A 許さん! 真正面から迎え撃つ!
B 逃さん! 脚払いをかける!
C 触らぬ神になんとやら。道を空ける。
A
ここで逃げたら拳が廃る! あたしは何のために空手をやっている!?
捕まえてみせる!
「……来いッ!」
バッ! と鞄を投げ捨て、即座に半身の構えを取る。
犯人は変わらず、道行く人を押しのけながらこちらへとまっすぐ向かってきている。
問題ない。カウンターで水月への正拳突き。一撃で静めてみせる。
「ハッ!」
大きく吼え、己を鼓舞する。
犯人がこちらを気づいた。……だが、構わず迫ってくる。
女だからって甘くみたら……痛い目に遭うってことを教えてあげるわ!
「セアッ!」
タイミングを合わせ、一歩踏み込む。
右肩を通して拳に全ての力を込め、全身全霊のいちげ……
「……!!!」
……と、そこで犯人の右手に何か光った。
あれは……
「ナイフ!?」
刃物! しまった! これは……!
「まずい!」
素人の刃物はある意味何より危険だ。
かわせない。このままじゃ……!
「クッ!」
奥歯をかみ締め、覚悟を決めた、その瞬間!
ゴッ!
衝撃というより唸りを伴った旋風があたしの頬をかすめ、そのまま犯人の顎に直撃した。
悶絶することすら許されず、人体にあるまじき縦回転をかまして数メートルを空中遊泳。犯人は頭から石版に落下する。
「…………」
呆然とするあたしの目に映るのは、一瞬前まで犯人の顔があった位置に静止する、誰かの足。
……見事な回転回し蹴り。非の打ち所が無い。
脚の根元にいるのは、一人の人間。
「フン、気をつけろ。生兵法は怪我のもとだ」
頭をすっぽりとフードで覆っているため、その顔をうかがい知ることはできない。
だが、声からするに若い男のようだ。
男は、それだけあたしに言うと……
「…………」
無言のまま、その場を後にした。
A フードの男を追う。
B 犯人を捕まえる。
C 引っ手繰られた女の人の様子を見る。
D 面倒なことにならないうちにこの場を去る。
気になるがここはB
「……そうだ!」
呆けている場合ではなかった。まだ犯人には一撃を見舞っただけ。
ここはしっかりと捕まえて警察に……
「…………」
その必要はなかった。
歩道の上で寝る犯人。その顔の下半分は……形容しがたい状態になっており、ここは警察というよりも
「きゅ……救急車! 誰か! 救急車を呼べ!」
通行人の誰かが叫んだ。確かに、ここは警察というより医者の出番だった。
その後、駆けつけた救急車を見送った後、警察官にお叱りの言葉を受けた。
確かに……不注意だった。最近の犯罪者は何を持っているのかわからない。真正面から止めようなんて無茶もいいところだった。
実際、あの時の男の人がいなかったらどうなっていたかはわからない。
まぁ悪いことをしようとしたわけではないので一応褒めてももらえたが……あたしの頭の中はそれどころではなかった。
夕飯後、風呂に入る。
家に帰ってからも頭の中はあれのことばかりであった。
そう……あたしを助けてくれた男の人。
あの見事な回し蹴り。間違いない……相当の使い手だ。
あたし、いや、ひょっとすると綾香以上の……。
でも、何故だろう。何故こんなにもあの人が気になるのか……
まさか、これは……あたしが感じている感情は……
A 恋!? 見知らぬあの人に一目惚れ!?
B 格闘家としての血が騒ぐ!? あの人と戦いたい!?
C 綾香攻略の光が見えた!? あの人に師事したい!?
D 生兵法とか言われた! あの人に復讐したい!?
A(w
恋!? 見知らぬあの人に一目惚れ!?いてもたってもいられなくなったあたしは次の日
の放課後に、彼を探した。見た目かなり怪しかったので30分程聞き込みをするとすぐに所在が
分った。河川敷の陸橋下にダンボールハウスを建ててそこに住んでいた。
「すみませーん、誰かいませんか?」
そこに呼びかけると男が中から出てきた。今はヌードを被っていない。その人は──
A 頬に傷を持つ白髪の精悍な青年
B 仮面を被った青年
C スネオカットの痩せすぎの青年。腕には…子供?子持ちなの?
D 猫背のボロいカーキ色の服を着た白髪の男
フードだって…被るヌードって何だよ…
A
「……なんだ?」
ブルーシートをめくって出てきたのは、頬にでっかい痕を持った白髪の青年だった。
体つきも背負う雰囲気もなかなか逞しい人だ。
「……何だ?」
しまった。訝しがってる。
まあ、顔見て押し黙ってればそれは確かに怪しまれてしまうのも無理はないかもしれないわね。
「あ、あのっ!」
「……誰だ?」
……え? 覚えてませんかお兄さん?
昨日あなたに助けられた者なのですが……
それじゃ、ここは
A 口と口で語り合う。
B 拳と拳で語り合う。
C 実はお礼の粗品を持ってきた(※物品指定)
D と、その時橋の上を葵が通りかかった。
Cでメロン
「はい、私は昨日あなたに助けられた者です!
つまらないものですが、これをどうぞ!」
ビシッ! と決めつつお礼の粗品を渡す。
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
長い沈黙ね。
「…………ああ、昨日の」
やっと思い出せたようだ。
「いかんぞ、女があんな危ない真似をしては」
「は、はい。すいません!」
女がという言葉には若干の抵抗があるけど、確かに昨日はあたしの不注意も大きかったから。
ここは素直に頷いておこう。
「と、とにかく。私の気持ちです。これをどうぞ!」
もう一度ビシッ! と決めつつメロンの入った箱を差し出す。
実は先程八百屋に寄って買ってきたのだ。若干財布に響いたが、命の恩人にと思えばこの程度。
「……いらん。当然のことをしただけだ。そんな気を使うな」
う、奥ゆかしい。
けど、ここで引き下がってはあたしの面子も立たない!
「いえ、私の気持ちです! どうぞ受け取ってください!」
「いや、いらん」
「そう言わずに!」
「いらん」
「どうぞ!」
「いらん」
「受け取ってください!」
「…………」
しばしの沈黙。
「……わかった」
やった!
「どうやら受け取った方がお前の気がすむようだ。ここはありがたく頂いておこう」
「はい、どうぞ! メロンです!」
「む。メロン……?」
ポリポリと顎を掻きつつ、しばし逡巡。
ややあって、
「……上がっていけ。茶ぐらい出すぞ」
ダンボールハウスの中に案内される。
思ったよりは片付いており、外ほど寒くもない。居心地は悪くなさそうだ。
「飲め」
卓袱台の上の茶飲みに緑茶がそそがれる。
「は、はい! いただきます!」
「そう緊張するな……」
ズズズ……と一杯啜る。……苦い。
「さて、それでは早速だがお前の持ってきたメロンを頂くとしよう」
「は、はい! どうぞ!」
そして台の真ん中に置かれるのは瑞々しいマスクメロン。
「…………」
押し黙ったまま、男性は……
A 果物ナイフを取り出した。
B 日本刀を構えた。
C 手刀を繰り出した。
D 丸齧り。
A
「…………」
男の人は無言のまま果物ナイフを取り出すと、メロンに刃を入れた。そのまま慣れた手つきで切り分けていく。
「…………」
うう……何も話すことがない。沈黙が痛い……。
「……そら」
しばらくして、メロンが一切れ、あたしの前に置かれる。
「いただくぞ……」
と、男性はメロンの切れ端にそのまま齧り付いた。
「い、いただきます」
一瞬遅れ、あたしもそれに倣う。
しゃくしゃくしゃく……
しばし、メロンを咀嚼する音のみが室内を支配する。
……このままでは埒があかない。
よし! ここは!
A 「あなたに惚れました! つき合ってください!」と一気に胸の内を告白してみる。
B 「申し遅れました! あたしは坂下好恵です!」ととりあえず自己紹介してみる。
C 「どちらからいらっしゃったんですか!?」と日常会話をふってみる。
D 「格闘技の経験がおありですか!?」と訊いてみる。
ここはAだぁ!!!
A
正々堂々、真向勝負をモットーとしている自分に回りくどい真似は似合わない!
そう考えた坂下は、ここはあえて直球勝負、人生初の大博打に打って出た。
「あなたに惚れました! つき合ってください!」
男の動きがピタッと止まり、辺りに静寂が流れる…息を飲む坂下
賽は投げられた、正確には自分が投げたわけだが、それが吉と出ようが凶と出ようが
あとはその結果を黙って受け取るだけだ、悔いは無い。
そう思い、坂下は男の返事を待つ。
待つこと数十秒、静寂を打ち破るかのごとく、男が口を開く
A、「こんな俺で良いのなら…」
B、「悪いがその申し出を受け入れることはできない」
C、「お前の感じている感情は精神的疾患の一種だ」
D、「時間をくれないか?」
E、「クッ、ククク…ハーッハッハッハァ!」
Dだ
「……時間をくれないか」
重々しく口を開いたその様子から、真剣に考えてくれたのだとわかる。
「そ、そうですよね……昨日の今日で付き合うも何も……」
急に、ひとりで舞い上がっていた自分が恥ずかしくなった。
「そうだな。まずはお互いのことを知らなくては」
「お互いのことを、知る……」
う、何故か顔が熱くなってきた。
しかし……真面目な話、どうしよう?
A. とりあえず、自己紹介から……
B. 恋愛の基本、デェトに誘う
C. 私には肉体言語しかない!
基本はAだろ
「そう言えば、自己紹介もまだでしたね」
そう、私はこの人の名前も知らない。
いいかげん代名詞じゃない呼び方もしてみたい。
「私は坂下好恵。学生です。まだまだ未熟ですが、空手をやってます」
ごく簡単な自己紹介をして、彼の言葉を待つ。
「俺の名は坂神蝉丸。職業は……」
A. 「……無職だ」
B. 「格闘家だ」
C. 「探偵だ」
D. 「エージェントだ」
A
「……無職だ」
ダンボールハウスの中を、冷たい風が吹き抜けていった。
この暮らしぶりを見たときから予想はしていたけど、実際に聞くとやっぱりシビアだ。
それでも私の気持ちは変わらないけど。
「情けないな……客を迎えても、茶ぐらいしか出すことができない」
坂神さん自身、かなり気にしているようだけど……
何か就職できない理由でもあるんだろうか?
落ち込む彼のために、私ができることと言ったら……
A. 仕事のあてを探してみる
B. 手料理をごちそうする
C. 自分の家に居候させる
Cを選んで蝉丸国崎化計画(w
私にできることと言えば…そうだ!彼を家に居候させれば良い。
そうすれば、彼も寒さで凍え死ぬ心配も無いし、
あたしとしても彼の事をもっと知ることが出きる、いわば一石二鳥だ!
思い立ったが即実行、早速蝉丸さんにそのアイデアを伝えてみる
「蝉丸さん、あたしの家に来ませんか?」
蝉丸はしばし考えた後に、こう答える
「残念だがそれは無理だな」
ガーン、という擬音語が聞こえんばかりに落ち込む坂下、そこに蝉丸が一言付け加える
「君や君の家族にまで迷惑をかけるわけにはいかないさ、
それにこんな素性も知れない男をいきなり連れこんだら、ご両親がびっくりするだろう。」
すかさず坂下が食い下がる
「あたしは迷惑だなんて思ってはいません!それに向こう1週間ほど家族は温泉旅行に行ってて
家にいるのは私だけです。家族に迷惑はかかりません。これなら大丈夫ですよね?」
そう、つい先日、母が商店街の福引で「七泊八日家族で行く熱海温泉旅行」を当てたため
家族は全員出払っているのであった…空手の大会が近い彼女を除いて。
ご都合主義ここに極まれり、である。
ふむ…と考え込む蝉丸。そして彼は…
A、申し出を受け入れた
B、申し出を断った
A
「一週間か……それだけあれば何処か住み込みで働ける場所も見つけられそうだな。
今のままでは身支度もままならないので困っていたところだ、ここは素直に君の申し出を受ける事にしよう」
蝉丸は傍らの背負い袋を引き寄せると周囲の雑貨をテキパキと収納する。
「あの、何かあたしの家へ運ぶようなものはありますか?」
「身軽なものでな、荷物といえばこの背負い袋に入るので全部だ」
あれだけの腕前を持ちながら背負い袋に納まるほどのわずかな荷物のみで放浪する。
よほどの訳があるのだろうか、それともストイックに旅をするからあれだけの腕前になるのか。
坂下はこの風変わりな蝉丸という男にますます興味を惹かれるのを感じていた。
A 坂下邸に移動する途中、蝉丸は商店街に寄っていた。
B その夜、ちょっとした事件が坂下宅で起きる事になる。
C 翌朝、蝉丸は坂下宅で初めての朝を迎えた。
B
蝉丸の名字が坂上だったらちょっと面白かったのになぁ
「いい家だな」
居間に通された坂神さんは開口一番そう言った。
「そ、そうですか? ありがとうございます」
メロンの残りを冷蔵庫にしまいながら、私は嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちになった。
ああ……こんなことになるとわかってたら、もっとちゃんと掃除しておいたのに。
「そろそろ夕食の支度をしますね。あ、坂神さんはゆっくりしててください。私がやりますから」
恥ずかしさをごまかすように早口でまくしたてて、私は台所に向かう。
エプロンをつけて料理するのなんて家庭科の授業以来だな……
「何から何まで、すまないな」
ソファーに浅く腰かけた坂神さんが言う。
手持ちぶさただったのか、やがて彼はテーブルの上に置きっぱなしになっていた古新聞に目を通し始めた。
居間で新聞を読む坂神さん。台所で料理を作る私。
まるで夫婦みたい――なんて思って、私はまた赤面した。
この時は、あんなことが起こるだなんて予想もしていなかった……
まさか、
A. さらに別の来客があって、坂神さんがその応対に出てしまうなんて。
B. 精魂こめて作ったはずの料理が大失敗するなんて。
C. 干してあった洗濯物が下着泥棒に狙われるなんて。
D. あのメロンに遅効性の毒が盛られていたなんて。
A
「……すまないが、便所はどこだ?」
ややあって、新聞をたたみながら坂神さん。
「あ、はい。トイレは玄関の右隣です」
「うむ」
たかがトイレに行くのに似合わぬ厳格な雰囲気を背負ったまま、坂神さんはソファを立った。
しばらくするとガチャ、バタンというドアが閉まる音に続いて水音が聞こえてくる。
……変な想像をしてはいけない。あたしはそんなにはしたない娘ではなかったはずだ。
と、そこで。
「こんにちは、失礼します。坂下さんはいらっしゃいますか?」
玄関から覚えのある声が聞こえてきた。
これは……まさか
「葵!?」
ま、まずい! このタイミングは! タイミングはまさか……!
エプロンを外すのもそこそこ、急いで玄関へ向かう。
そこであたしが見た光景は……!
「む。来客か」
「……え、と?」
トイレを出た坂神さんと目を合わせ、呆然とする葵の姿だった。
とりあえず葵を居間に上げ、テーブルを挟んで3人で向かい合う。
「……それで葵、今日はいったい何の用なの?」
「あ、あ、はい、その、坂下さん今日からしばらく一人暮らしになるそうなので、何かと大変だろうなー……と差し入れを持ってきたのですが」
といいながら取り出したのは一つの鍋。ここまでいいにおいが漂ってくる。
「……ありがとう」
それはありがたい。うん、ありがたい。あたしとしては万事オッケーだ。
しかし……葵の目は納得していない。
「それで……坂下さん」
来た。……怪訝な目で坂神さんを見やりながら。
「こちらは……どなたですか? 確か、坂下さんにはご兄弟はいらっしゃらないと思いましたが……」
まずい……なんて答えよう。
A 「困っていたところを助けた」
B 「実は恋人」
C 「実は従兄弟」
D 「実は伯父の奥さんの妹の幼馴染のルームメイトのメル友の甥だった気がする」
まあB
どこの馬の骨ともわからないような男と一つ屋根の下で暮らしてる、なんて言ったら
生真面目な葵の事だ、心配だから私もしばらくここで泊まります、なんて言い出すかもしれない。
葵には可哀想だが、ここは適当な事を言って誤魔化すことにした。
「私とこの人は…実は…そう!恋人同士、恋人同士なのよ、アハ、アハハハ…」
言い終わってからもう少し上手い誤魔化し方があったのではないか?と後悔したが、
いまさら遅いのでそのまま誤魔化し通すことにする
心配なのは蝉丸さんだ、私の意図がわかってくれれば良いのだが…
坂下は蝉丸に向けてウインクでパチパチと合図をした、
ワ タ シ ニ ハ ナ シ ヲ ア ワ セ テ ク ダ サ イ
その思いが届いたのか、にっこりと笑う蝉丸、ホッとする坂下
「嘘はいけないぞ、好恵」
……通じていなかったらしい
坂下の努力も空しく、結局は蝉丸が、自分の素性、坂下と出会った経緯、
ここに至るまでの過程を、葵に洗いざらい話してしまう事となった
「そんな事があったんですか…」
「うむ、そういう訳で、今は好恵の家に世話になっている。
好恵には本当に感謝している、ありがとう。」
「そ、そんな…私は大した事はしていませんよ。」
思わず顔が赤くなる、こっちとしては多少なりとも下心があってやっている事に
そこまで感謝されると、逆にはずかしくなってくる
「それにしても…暴漢を一撃で倒すなんて、蝉丸さんお強いんですね!」
…マズイ…葵までもが泊まりだす、という展開は何とか免れそうだったが
もう一つ恐れていた事態が現実のものになるかもしれない…
その、恐れていた事態とは…
A 葵が蝉丸に格闘技の師匠になってもらうように頼むこと
B 葵も蝉丸に惚れてしまうこと
C 葵経由で綾香に蝉丸の事が知られてしまう
B
今は微妙に袂を分かっているものの、武道を志しているという点は葵も私と同じ。
「強さ」に憧れて坂神さんに好意を抱いても全く不思議じゃない。
そう思いはじめると、葵の熱っぽい視線にも違う理由があるように見えてきて……
恋のライバル登場? どうする私!
A. 「さ、坂神さんをかけて勝負よ葵!」
B. 坂神さんは義理堅そうだし、既成事実を作ってしまえばこっちのもの!
C. 「そう言えば葵、最近藤田とはどうなの?」と釘を刺す
D. 「お願い、このメロン(半個)あげるから彼のことは諦めて!」と駄目元で
C
C
「そう言えば葵、最近藤田とはどうなの?」
咄嗟に口を付いたのはそんな言葉だった。
そうだ!葵には藤田というなんでだかわからんが憧れてるヤツがいるじゃないか!
坂神さんは誠実そうだし、葵に付き合っている男性がいると知れば、ライバルにはなりえないはず…。
「どう、ですか?」
「そうよ、どうなのよ?」
「はぁ、センパイには時々エクストリームの練習につきあってもらってますけど…」
「いや、そうなんだろうけど、ホラ、もっとあるでしょ?」
「えっと……最近は、組み手もしてますけど」
それも練習だろ!というツッコミはなんとか抑える。
葵、藤田に惚れてるんじゃないのか!?
「だから、恋人なんでしょ、他にやることとかあるでしょうが!」
勢いとはいえ、凄いことを聞いたものだ、あたしも。
葵の答えは……
A.「あ、え、っと、その、…」と言葉につまり、顔を赤くしてしまう
B.「私じゃとてもセンパイに釣り合いませんよ……それにセンパイにはちゃんとお付き合いしている人がいますよ?」と少し寂しげに言う
C.「恋人じゃないですよ。だって、私がお付き合いしているのは綾香さんですから」と何故か顔を赤くする
D.「恋人じゃないですよ。だって、私の好きなのは好恵さんですから」と熱い視線を向けてくる
Cで
B
「恋人じゃないですよ。だって、私がお付き合いしているのは綾香さんですから」
と何故か顔を赤くしながら葵が言った。
少しの間部屋に沈黙が訪れる。
そして時は動き出す。
「え〜っと、葵……。じょ、冗談は良いから」
「冗談じゃありませんよ」
屈託の無い笑みで答える葵。
「そ、そう……」
私はこの質問にどう答えてあげればいいのでしょう、神様?
A.「まぁ、今は自由恋愛の時代だしね」と応援する
B.「女の子同士でエッチなのはいけないと思います!」と断固反対
C.「え〜と、蝉丸さんはどう思いますか?」と蝉丸に意見を求めてみる
A
そういう性癖とは…この子の将来が真剣に心配になってきた
しかし、これで恋敵は減った事になる、素直に応援しようじゃないか、うんうん
「まぁ、今は自由恋愛の時代だしね、スールの契りで百合百合な世界でも愛は愛よ、私は応援するわ!」
「私はレズじゃありません!ただ、自分より強い人しか愛せないだけです。
それが今は綾香さんでも、いつかは私や綾香さんよりも強い男の人が現れてくれるかもしれませんよ…ハア…」
ウットリとした表情で中空を見上げている葵、何やら妄想中のようだ。やはり将来が心配である
それにしてもこれは危険だ、自分より強い人がタイプだなんて、蝉丸さんなんか、ど真ん中直球コースである
いくら綾香という恋人(?)がいるとはいえ、十分危険因子になりうる。はてさてどうしたものか…
・
・
・
「それじゃあ私そろそろ帰りますね。」
あれこれ考えているうちに時間が経ってしまっていたようだ
いつのまにやら葵が持ってきた鍋が空になっている…自分が食べた記憶が無いのは何故だろう
ふと横で満足そうな顔で腹を押さえている蝉丸さんを見て、何となく自己解決する。
立ち上がり、食べ終わった鍋をそのまま持ちかえろうとする葵、それを慌てて引きとめる。
「ちょっと待って、せめてその鍋を洗ってからでも
良いんじゃない?食べ終わったそのままの状態で返すなんて悪いわ。」
「お気遣いは嬉しいんですけど、今日は急ぎの用があって、もう出ないと遅刻してしまうかもしれないんですよ…」
用事があるのに私の事を心配して家に来てくれるなんて…
葵の心遣いに感動し、少し涙がでてくる坂下であった
しかし、それなら余計に鍋を汚いまま返すなんて失礼なことは出来ない!
そう考えた坂下は次のように提案した
A 後で私があなたの家に届けに行くわ
B 明日の休みにあなたの家に届けに行くわ
C 1分だけ、1分だけ時間を頂戴!
B
「明日の休みにあなたの家に届けに行くわ」
そう、明日は日曜日。
今日洗って明日届けに行けば丁度いいだろう。
こちらも何か料理を入れて返す、という手もある。
「すみません、明日は一日出かける用事があって……」
葵は申し訳なさそうに私の提案を断った。
「そうなの……その用事って?」
A. 「エクストリームの試合を観戦しに行くんです」
B. 「綾香さんと、とことん組手を……」
C. 「実は、アルバイトで……」
D. 「私より強い奴に会いに行く!」
一日出かける用事か…
Aでよろ。
「エクストリームの試合を観戦しに行くんです」
葵は目を輝かせて楽しそうに私に言う、まるで4月27日の鍵っ子のようだ。
「そう…それじゃあね、葵」
ああ、葵に早く綾香を倒して空手のすばらしさを見せ付けなきゃどんどんエクストリームなんかに染まっちゃうじゃない。
「それでは、失礼します坂下先輩、お鍋はまた明日以降取りに行きます」
葵は礼儀正しくお辞儀をして玄関から出て行った。
さて、これで坂上さんと二人きりになれたのだが。
……
どうしよう?
A そうだ、坂上さんにお風呂に入ってもらって私が背中を流そう。
B とりあえずテレビを見ている坂上さんにお茶とお菓子を出す。
C そういえば母の持病の関係で睡眠薬が…はっ、私ったら何を考えているの?
B
ついでにツッコミ
坂上→坂神
とりあえず私はリビングでテレビを見ている坂神さんにお茶とお菓子を出すことにした。
まずはお菓子を探さないと…戸棚を探したが煎餅しかなかった。
お茶は…玉露とか何かいいお茶はないかと探してみたけどいつも飲んでる番茶しかない。
はぁ、本当はもっといいものを出して喜んで欲しかったんだけど仕方がないか。
気を取り直しお盆の上に番茶と煎餅を載せてリビングに入ると坂神さんは熱心にテレビを見ていた。
「あの、これどうぞ」
「ああ、ありがとう」
坂神さんの前にお茶と煎餅を置き私も湯飲みを持って隣に座る、これってなかなかいい雰囲気じゃないの?
私も坂神さんが観ているテレビを一緒に観よう…どんな番組を観てるのだろう。
A 「そのとき歴史が動いた」を観ていた、今日は日本海海戦を挙げている。
B 意外にも歌番組を観ていた、あ、緒方理奈が歌っている。
C これまた意外、芸能ニュースを観ていた、へぇ、森川由綺に彼氏がいたんだ。
Aで
坂神さんは、MHKの歴史ドキュメンタリー番組を見ていた。
今回の題材は「日本海海戦」らしい。
画面を見つめる坂神さんの表情は、怖いくらいに真剣だ。
「何か……特別の思い入れでもあるんですか?」
思わず尋ねた私に、彼が返した言葉は――
A. 「ああ。信じないだろうが、実は俺は……」
B. 「……かつて、歴史の研究をしていたことがあってな……」
C. 「いや。この後の番組が見たいので、早く終わらないかと思っていただけだ」
D. 「む? 速報が入ったようだな」
B
「……かつて、歴史の研究をしていたことがあってな……」
私の目を見ずにそう言う坂神さん。
嘘をつくのが下手な人だと思う。
何か別の、軽々しく口にできない理由を隠しているんだろう。
会ったばかりの私に話してくれないのは当然だけど、やっぱり少し寂しかった。
やがて番組が終わって、坂神さんはテレビを消した。
「……そろそろ休もうかと思うのだが、俺はここで寝ていいのか?」
A. 「はい、このソファーで休んでください」
B. 「父の寝室が空いていますから、どうぞ」
C. 「わ、私の部屋で……」
C
長い沈黙が訪れた。
「……冗談だとしても、年頃の娘がそういうことを言うものではない」
「じょ、冗談なんかじゃありません!」
「なお悪い」
「うう……」
大胆なアプローチは裏目に出たようだ。
しかし、ここで引いては女がすたる!
「で、でも、お客様をそんなところで寝かせるわけにはいきません!」
「いや、俺はこの長椅子で充分だ」
しばらく揉めに揉めた結果……
A. 何故か二人してソファーで眠ることになった。
B. 気付けば私は、あとさき考えず家を飛び出していた。
C. 近所の人が苦情を言いにきた。(人物指定)
Cで木田兄妹
…即死しそうだけどな
……個人的にもっと長く書いて欲しい。
いくらなんでもないよう短すぎるんじゃ……
ぴんぽ〜ん
私と坂神さんが揉めているとチャイムが鳴った。
きっとうるさくて近所の人が文句を言いに来たのだろう。
私はリビングを出て玄関に行き、ドアを開ける。
「あのう、もう少し静かにしてもらえませんか?」
「すみません、お騒がせしちゃって」
玄関にはおそらく高校一年生くらいのかわいい女の子とその兄らしきやる気のなさげな顔をした男がいた。
その男には見覚えがあった、同じクラスの木田といかいうやつだ。
「不真面目」とか「無気力」が服を着て歩いているようなやつでよく授業をエスケープしてどこかでサボっているらしく私のもっとも嫌いな人種だ
しかしまさかこんなご近所さんだったとは…
「分かってくれればいいんです、帰ろう、お兄ぃ」
眠そうな目を擦りながら妹さんの方が木田を促す。
「ああ、そうだな、ったくエミ公はちょっとうるさいくらい我慢しろよ」
けだるそうに木田が妹さんに返事をした、向こうは私がクラスメイトだと気づいてないのだろうか?それともそんな事どうでもいいのだろうか?
やれやれとドアを閉めようとしたとき、坂神さんが玄関に来て最悪のタイミングで最高のことを言ってくれた。
「…やはり君の部屋で寝てもいいだろうか…すまない、たまにはまともな寝床が恋しくてな」
なんでそれを今お客さんがいる場面で言いますか、さっきも失敗したでしょう…
うわ、流石に木田が意味ありげな目線でこちらを見ている。
A 「木田君、ちょっと来て…」とにかく口止めしなきゃ
B 「こ、こちらは親戚のオジサンなの」とにかくごまかさなきゃ
C 木田はどうでもよさそうに妹と家に帰った
そりゃB
「こ、こちらは親戚のオジサンなの、ちょっと今日は泊まりに来てるのよ」
あわてて私は木田をごまかそうとした。私が見知らぬ男と同じ部屋で一夜を過ごすなんて事がみなに知られたら大変だ。
「さ、坂下蝉丸っていってね、考古学者でいろいろと全国を歩き回ってるのよ、さ、最近は日本海海戦のことを調べていてね、神奈川県の横須賀にある『三笠』を見学に行ったりもしたのよ、本当よ」
流石に今回は坂神さんもこちらの話にあわせてくれるみたい。
なんかもう暑くもないのに汗が滝のように流れるし、ひざが笑いかけているし、手も震えている。誤魔化そうとしているのがまる分かりだ。私ってこんなに単純な人間だったっけ?
「嘘だろ」
木田がつぶやく。でも誤魔化さなきゃ。
「そ、そんな事ないわ、本当よ」
「日本海海戦ってさっき『そのとき歴史が動いた』を観たんだろ」
うっ、駄目だ完全にばれている。
「大体、そんな態度じゃ誰だって誤魔化そうってしていると分かるぞ」
「………」
「まぁべつにどうでもいいんだけどな、俺には、じゃあな」
「えっ?あ、ちょっと待ちなさいよ」
「?何だ?」
「……誰にも言わないでよ」
「ああ、別にそんなこと言わないよ、めんどくさい」
ふぅ、助かった。誤魔化せはしなかったけど黙ってはいてくれるみたいだ。
木田兄妹が帰り、私は玄関のドアを閉めた。
A 「すまない、また面倒を起こしてしまって」坂神さんが謝ってる
B 「今の人たちは?」坂神さんは木田兄妹のことを尋ねた
C 「さてと、寝る前にお風呂に入ってください」私は坂神さんに入浴を勧めた
Aで
「すまない、また面倒を起こしてしまって」
坂神さんは少し落ち込んでしまっているみたいだ、
責任感が強そうな人だから、こういった事はこたえるのだろうか…
「やはり俺がいると迷惑になるのかもしれない…やはり出ていったほうが…」
「そんな事ありません!坂神さんがいてくれるだけでも私は嬉しいんです!」
…何やら大胆な事を言っているような気がするのは気のせいだろうか?
しばし沈黙する…くっ、何だか恥ずかしくなってきた、ええい!そんな事よりも
「坂神さん!さっきの言葉、忘れていませんよね!」
そう、何とかここまでこぎつけたんだ、このチャンスを逃す手はない!
「ああ、そのつもりだが…そこの部屋は何だ?」
「そこですか、そこは両親の寝室ですけど…あ…」
「そうか、じゃあ俺はそこで寝る事にする。さっきの話は忘れてくれ。」
……あたしはバカだ……
がっくりとうな垂れる坂下を尻目に、蝉丸は手荷物を寝室へと運び込んで行った
くっ、まだまだ、1週間の内の初日じゃないか!時間はある、落ち込んではいられないさ!
そう言って、自分に渇をいれる。
…さて、特にする事もないので、この後はどうしようかと考える…
このあとは…
A 風呂
B 寝る
C 蝉丸と語らう
D 空手の自主錬
どうでも良いが、天いなネタはあと4ヶ月ぐらいは自粛じゃなかったか?
本当にどうでもいいな
C
まだ夜は長い。
坂神さんと語り合って相互理解を深めよう。
明日は休みだし、いっそ語り明かしたっていい。
だけど、ただ部屋を訪ねただけでは
「もう寝るから」とすげなく追い返されてしまうかもしれない。
何か、坂神さんの気を引けるようなプラスアルファの要素が欲しいところだけど……
A. そうだ、手土産にお酒を持っていこう。
B. そうだ、相談ごとを持ちかければ親身に応じてくれるかもしれない。
C. そうだ、やはり私自身の魅力で気を引こう。
C
木田兄妹って聞いたこと無かったけど東鳩の端役だと思ってた
天いなのキャラだったの?
主役の名前くらい知っとけ
私自身の魅力か…
どうすれば坂神さんの気を引けるのだろう…
空手の演舞をしてみる…あたしは馬鹿か
やはりここは「女」としての魅力で気を引かなければならない
それなら…
こん、こん
「失礼します、坂神さん、入ってもいいですか?少しお話がしたいんですけど」
「ああ、どうぞ」
そしてドアを開けた坂神が見たものは
A な、なんと、下着エプロンの坂下だった
B どこにそんなものがあったんだ?バニーガールの坂下だった
C 正気か?スクール水着を着た坂下だった
Cだああああ
スクール水着…それは、セクシーな服や派手な服を一着も持っていない坂下にとっての
いわばリーサルウエポン、使う事に決死の覚悟を要する諸刃の剣、心は背水の陣である
その坂下の姿を見て一瞬キョトンとする蝉丸、だが次の瞬間
「く、くくく…あーっはっはっはっは…」
と何故か大笑いする蝉丸、その蝉丸の態度にカッとなり、詰め寄る坂下
「ナヅェワラウンディス?ザガガビザン?」
思わずオンドゥル語が飛び出す始末、その質問に蝉丸が笑いながら答える
「す…すまない…知り合いに今のお前と同じような格好を
年中しているような奴がいてな、それを思い出してつい笑いが…くっ…くくく…」
こっちは必死の思いでこんな格好をしたというのに…それにしても、
年中スクール水着って、その知り合いとやらはどういう神経をしているのだろうか?
何だかバツが悪いのでパジャマに着替えて坂神さんの部屋に戻る
改めて思うが、自分はこの人の事を何も知らない…結構複雑な事情をもっているみたいだし、
過去の事は話したくないのかもしれない、でも私はこの人の事をもっと知りたい!
ここは意を決して質問をしてみようと考えた、でも何の事について質問しよう?
A 出身
B 年齢
C ホームレスになった理由
D ドキュメンタリー番組を真剣に見ていたことについて
坂下の一人称って、あたし、だっけ? それとも私、だっけ?
過去ログ読んでも両方が混在していて分からないのだが…。
930 :
名無しさんだよもん:04/02/25 23:58 ID:hOfvqeR2
しまった、書いていたら先を越されたか。
Cで。
ホームレスになった理由を聞いてみよう
坂神さんって見たところ若いしそれなりに学もあるみたいだし、体力は一般人を遙に飛びぬけている。
その気になれば働き口を見つけられそうなはずなのにどうしてダンボールハウスに住んでいるのだろうか?
いや、ダンボールハウスから必要最小限の荷物を小さく機能的にまとめる様子を見ても、ただのホームレスには思えない。
何か事情があるはずだ。
「…実は旅をしているんだ、海なら民宿で住み込みで働いたり山ならテントを作ったりもするんだが街だと逆にそういうのが難しくてな、ダンボールを集めて臨時の浮浪者をしているんだ」
「旅人ですか…でも、なんで旅をしているのです?何か目的があるのですか?」
「いや、旅をする事が目的なんだ、一箇所に留まってずっと同じ人と暮らすのは俺には無理だからな…」
「どうしてです?」
「…信じてもらえないだろうが、俺は不老不死なんだ。どんな恋人も友人もやがて老いて死んでゆき自分だけが残ってしまう…だから旅人になったんだよ…」
いきなり不老不死なんて単語が出てきちゃいました。冗談かと思ったけど坂神さんの目は真剣です。
「すまない、君にあんな曖昧な返事をしてしまって。改めて返事をさせてもらうがやはり君の気持ちには応えられない。もう明日には出るよ………」
そ、そんな、私の初恋もこんなところで終わるの?
A 「だったら、坂神さんの温もりを一晩だけください」
B 「………」何もいえず私は部屋を出た
C 「そうだ、これをあげよう」坂神さんは私に日本刀をくれた…なんで日本刀?
A
Aも良いがここはBだな
「だったら、坂神さんの温もりを一晩だけください」
私は意を決してお願いした、こんな形で初恋が終わってしまうのなら、せめて、一生忘れない思い出が欲しかった。
「いいのか?、どこの馬の骨とも知れない男なんだぞ」
「大丈夫、坂神さんなら私、幸せになれます。例え坂神さんがいなくなって、新しい恋をしても決して後悔なんてしません」
坂神さんが真剣な目で私を見る。私も真剣な目で坂神さんに返事をした。
「そうか…」
そして、坂神さんは私を抱いてくれた………
A エロ描写してくれる職人を待ってみる
B 翌朝、私は坂神さんの胸に顔をうずめながら目を覚ました
B
意識を取り戻した坂下、今、彼女の目前にはがっしりとした蝉丸の背中が広がっている
ああ、この背中も今日には見られなくなってしまう、私の初恋はこんな形で終わってしまうの?
そんなのはいや!
蝉丸のかたをキュッと握る、だが、蝉丸の反応はない、目からは自然と涙が溢れてくる…
…坂下はベッドからそっと抜け出して部屋を出た
蝉丸が目を覚ますと、そこに坂下の姿はなかった
居間に出てみると、簡単な朝食が一人分用意されていた、だが、やはり坂下はいない
姿を見ると未練が残るから顔を出さないのだろう、そう考えた蝉丸は朝食を食べ
さっさと荷物をまとめて、坂下家を出ることにした
「礼くらいは言いたかった…」
玄関を1歩踏み出す、明け方の寒い風が少し堪える、少し延びをして、
さあ出発しようときびすを返すとそこには――胴着を着て額に鉢巻をした坂下の姿――
「どうしても出て行くと言うのなら…私を倒していってください。これが…これが私の最後のお願いです」
それに対し蝉丸は…
A 「いいだろう、やるからには手加減はしない」そういって左手を前に出し中腰に構えた
B 「俺は女は殴らない」坂下に背を向けて歩き出した
C 「……」そのまま何も言わずに立ち尽くしていた
a
しまった、背中じゃなくて胸にすべきだった…
「……いいだろう。やるからには手加減しない」
荷物を置き、蝉丸が構えを取る。
「ありがとうございます」
好恵も静かに構え直す。
二人の間の空気が張り詰める。とても昨晩情を交わした男女とは思えない。
じり、じり、と。本当にゆっくりと、両者の間合いが詰まっていく。
好恵は冷静に考える。
(初撃が、最後――)
自分と蝉丸の力の差は歴然としている。勝負は一瞬で終わるだろう。
ならば、その一瞬に全てを賭ける。
この男に、坂下好恵をぶつける。
そう――
A. 正拳だ。
B. 回し蹴りだ。
C. タックルだ。
B
(回し蹴りだ)
いかに坂下でも正拳突きで坂神を一撃で倒す事は無理だ。
だからといってタックルをして時間をかけて責めるのも無理である。
となれば取る手段は一つ
『成功率が低くても一撃で倒せる可能性のある技を使う』
である。
坂下は坂神向かって全力でダッシュし、左足を踏み込み、右足を横から回して坂神の頭部を狙った。
坂神が対処する前に最高のスピードで決める、『先の先』を取ろうとした。
だが坂神は素早く見切りバックして紙一重で回し蹴りをかわし、カウンターで坂下に掌底を決めた。
「がふっ!!……」
約束どおり手加減をしていない攻撃に坂下は崩れた。
ひざを突き、うずくまってしまう坂下。坂神は声をかけようとする。
「あ、ありがとうございました!!」
坂下は泣きながら笑顔で坂神に礼を言う。その涙は掌底の痛みではなかった。
「……ありがとう、さよなら」
坂神はそれ以上声をかけることができなく、また放浪の旅を続けた。
A しばらくして、坂下は部屋に戻り一人ベッドで泣いた
B しばらくして、とりあえず気分を紛らわそうと一人でテレビでも見ようと思った
C しばらくして、とりあえず気分を紛らわそうと散歩に出かける事にした
a
坂下は自分の部屋へ行き、2時間眠った……
そして……目をさましてからしばらくして
坂神蝉丸が放浪の旅に出たことを思い出し……
……泣いた……
A 第二部「青春編」へ
B 逆に考えるんだ、「旅に出たからいいさ」と考えるんだ
C なんかムカつくから綾香に決闘を挑む
D 私は人間をやめるぞ! 蝉丸ーーーーッ!!
Dにしたいが、あえて「C」で。
そうよ、こういうときこそ私の目標である「打倒綾香」に専念するべきだわ
こんなところでいつまでも泣き崩れていては坂神さんに申し訳が立たない
早速いつものように寺女で待ち伏せして決闘を申し込まなきゃ…って今日は休日じゃない
どうしよう、いつもは下校時間に校門で待ち伏せ→下校してきたところに決闘を申し込む のパターンだから自宅も電話番号も知らない。
A 明日になればいつもどおり待ち伏せできる。明日まで待つ。
B そうだ、葵のいったエクストリームの試合に行けば綾香がいるかもしれない。
C とりあえずお昼の用意でもしようかな
b
私が会場に行くとすでに大会は終わっていたようだ。
エキショビジョンとして綾香も一試合したらしい。
残念、私がいたらその場で試合を申し込んで乱入していたかもしれない。
とりあえず綾香の控え室があるそうなので探してみる。
………
やっと見つけた、こう広いと中々見つからない。
入ろうとすると先客の声が聞こえる……どうやら葵みたい
閉めそこなったドアから少し覗いてみる。
「お疲れ様です、綾香先輩」
「ありがと、葵、やっぱり見に来てくれたのね」
「もちろんです、綾香さんかっこよかったですよ」
邪魔しちゃ悪いかな…そう思って立ち去ろうとしたとき私は信じられないものを見た
「相変わらず可愛いわね、葵・・・んっ」
綾香は葵とディープキスを始めたのだ、葵ももう慣れているらしく舌を絡め合わせている
唇が離れた後、葵の目はとろんとしている
「ふわっ、綾香さん、こんなところで…」
「大丈夫よ、もう大会が終わってしばらく経ったし、こんな探しにくい控え室に誰も来ないわよ」
「それに、たまにはこういう場所でするのもいいでしょ」
「綾香さん…」
葵は上気した顔でキュロットと上の服を脱いで下着姿になり綾香も手早く下着姿になる。
今度は二人でシックスナインの体形になりお互いの秘部を舌で愛撫し始めた。
(どうしよう、とんでもないものを見ちゃった…)
坂下はどうすればいいか分からなかった。
A とりあえずこのまま二人の様子を見る
B ばれないようにこの場から立ち去る
C 勢いよく扉を開けて入ってみる
A
綾香は上から葵の秘部を愛撫し葵は下から綾香の秘部を愛撫している。
たちまち二人のショーツはぐしょぐしょになる、唾液だけではない、明らかに二人の愛液が染み出していた。
始めは二人とも同じように愛撫をしていた、だが、上からの方がやりやすいのか単に上手いのか綾香の攻めが激しくなってくる。
葵のショーツをずらし直に秘芯を舐め、舌を奥まで入れ大陰唇や小陰唇を丹念に愛撫する。
そして、指で葵のクリトリスの皮を捲りやさしく舐め始めた。
葵の愛撫がやんでいく、綾香は止めとばかりに葵の可愛らしい突起を甘噛みした
「ふぅうぁぁっ…綾香さん、わたしぃ、だめですぅっ!」
もはや愛撫を続けられず、綾香の責めにより葵はイってしまった。
「ふふふ、だらしないわねぇ、葵」
綾香の秘芯から流れ落ちた愛液と自らが流した愛液で体中液まみれの葵を綾香が見下ろす
「ハァハァ、だって、綾香さんは胸のほうが感じるじゃないですか」
一息つくと葵は起き上がって綾香を押し倒し赤ん坊のように胸にむしゃぶりついた。
左胸にむしゃぶりつき、余った右の胸を手で揉みしだく。綾香の巨乳はたちまち形を変えてゆく。
「ああ、葵ったら、そんなに激しくしないでっ・・・あああっっっ!!!」
葵がさっきのお返しとばかりに桜色の乳首を甘噛みする、あわせて指も右の胸の乳首をやわらかくつねる。
胸が敏感なのは本当のようだ、先ほどの愛撫も収まっておらず今度は綾香が絶頂に達したようだ。
「綾香さん…」
「葵…」
その後もお互いに責めあい存分に愛し合った。
A なんかとんでもないもの見たし、とりあえず今日は帰ろうかな
B 卑怯も武の内、体力を消耗した今こそ試合を申し込むべき
C なんかわたしも体が火照ってきてしまった
Aよろ
うーん、葵が綾香のことが好きなのは聞いていたけどまさかあんなに進展しているとは…
これは私が綾香に勝って空手のすばらしさを教えてももう手遅れかもしれない。
とりあえず私は二人に気づかれないようにその場から去り、家へと帰ったのだった。
「ただいまーって、今は誰もいないのよね」
帰りに買った食材で料理を作る。材料費は母から多めに貰っているのでちょっと豪勢にステーキ肉を買って焼いた。
それにニンジンでキャロットグラッセを付け合せに作り、ジャガイモで粉吹き芋を作る。あとはホウレン草がたっぷり入ったホウレン草のポタージュだ、生クリーム少々と冷凍してあったスープとで手早くできてしまう。
出かける前に米は洗って水につけてあるのですぐ炊飯できる。
中々豪華な夕食だった。デザートに最近有名になってきたケーキ屋『維納夜曲』のアップルシュトリューデルというケーキをいただいた。
「坂神さんにもこれくらい豪勢な食事をご馳走したかったなぁ」
そんな事をつぶやきながらボーっとテレビを見る。
A あまり興味のない歌番組だった。森川由綺がホワイトアルバムを歌っている
B 子供向けのアニメ「カードマスターピーチ」を放送している
C バラエティー番組でケーキ屋の特集をしている、あ、『維納夜曲』がでている
952 :
名無しさんだよもん:04/02/26 06:21 ID:Wc4vFQT5
c
奇遇なことに、というか、画面の中に今日訪れたばかりの建物が現れた。
どうやら、近頃話題のケーキのおいしい店として取り上げられているらしい。
やがて、内装の紹介のための無人の映像から
普段の、店員たちが立ち働く様子へと切り変わる。
そこで。
私の目は釘付けになった。
なぜなら、画面の端に――
A. 坂神さんの姿を見付けたから。
B. 同級生の姿を見付けたから。
C. ニュース速報の文字を見付けたから。
A
画面の本当に端の方。
後ろ姿がほんの数秒映っただけ。
それだけで、私には充分だった。
白く長い髪。今朝目に焼き付けた、広く逞しい背中。
「坂神、さん……」
体が固まったのは一瞬のこと。
次の瞬間、私は――
A. 維納夜曲に向かって走り出していた。
B. ただ黙ってテレビを消した。
B
私はただ黙ってテレビを消した。
維納夜曲の営業時間はもう終わっている。今から向かっても仕方がない。
それに……今日、私が維納夜曲を訪れたとき、坂神さんとは会わなかった。
おそらく彼の方で私を避けて、店の奥の方に控えていたのだろう。
「二人はもう会わない方がいい」――そう判断して。
私は……どうしたらいいんだろう……
ソファーに横になって途方に暮れていると、
ピンポーン……
唐突にインターホンが鳴った。
玄関先に立っていたのは――
A. 来栖川綾香
B. 木田時紀
C. 木田恵美梨
D. その他(人物指定)
D 坂神蝉丸。何しに来たねん?
扉の向こうに立っていたのは、意外すぎる人物だった。
「さか、がみ、さん……?」
ついさっきまで「もう会えないかもしれない」と思っていた相手が目の前にいる。
嬉しさよりも、何故?と疑問に感じる気持ちの方が先に立った。
坂神さんは無表情で、その心境はうかがえない。
私はじっと坂神さんの目を見つめて、彼の言葉を待った。
しばらくの沈黙の後、紡がれた言葉は……
A. 「……訳あって、もうしばらくこの街に留まることになった……それを伝えにきた」
B. 「ひとつ、忘れたものを取りにきた」
C. 「……宿代を払いにきた」
C
次スレの1はどのキャラにする?
A 無難に葵と綾香
B 意外性で木田兄妹
C オマエには任せられん
みられるものかアメリカ横断からじゃないのか?
まあCか。
OK
浩平か太田さんもしくは両方で行ってみよう。
A浩平
B太田さん
C両名
Dお前にも任せられん
まあCやね
次は「ぱい」ですか。
……ぱい……カミュ……Aで。
さて、じゃあ新スレ立つまでこのスレをどうしましょうか
A もったいない。ギリギリまで使い切ろうぜ
B いや、ここらで一度今後の選択スレの望まれている方向性について話し合ったほうが良いんじゃないか
C 過去を振り返ってみるなんてどうだ? 今更遅すぎて言えなかった過去作品の懺悔や感想とか
D おいまとめ屋、こういうときこそお前の出番だ。キャラの登場順位発表してくれ
BとDじゃ駄目?
一位 10回 藤田浩之
二位 7回 柏木千鶴
神尾観鈴
川澄舞
高槻
月島瑠璃子
ヌワンギ
柳川裕也
九位 6回 猪名川由宇
岩切花枝
大庭詠美
柏木梓
那須宗一
御堂
森川由綺
十六位 5回 天沢郁未
オタク横
柏木楓
柏木初音
川名みさき
霧島聖
国崎往人
九品仏大志
倉田佐祐理
来栖川芹香
坂神蝉丸
佐藤雅史
スフィー
セリオ
千堂和樹
月島拓也
ディー
長岡志保
長瀬祐介
ハクオロ
雛山理緒
保科智子
宮田健太郎
以下略っ!
A ご苦労だったな、茶でも飲んで落ち着け
B 略すな。もっと深いところまで掘り下げろ
B
三十九位 4回 相沢祐一
アルルゥ
インカラ
ウルトリィ
オタク縦
オボロ
柏木耕一
神尾晴子
神岸あかり
北川潤
久瀬
クロウ
上月澪
沢渡真琴
狩猟者
住井護
トウカ
遠野美凪
長瀬源四郎
姫川琴音
藤井冬弥
牧村南
御影すばる
みちる
水瀬秋子
ムツミ
柚木詩子 ……これ以上はキリがないのでやめておきます
次スレが立ったようだけど天いな問題はどうすんの?
>>973 いやあ、乙。お茶でも飲んでくれ。
浩之の登場回数の多さはなんなんだろうな。
人気作の主人公&他キャラに絡ませやすいからなんだろうか
んなことよりも、以外に出番多いな那須宗一…柏木耕一とか相沢祐一より上だよ
>>974 ちゃんとスレが機能しているのなら問題など無いと思うが
木田兄妹もひとまず大丈夫だったし、あのケーキ屋も
多分大丈夫だろ。無理っぽければちょっと名前出しただけで、って事もありだろう
俺的にはしのぶキボンヌ
いきなりキボンヌされても話の流れもあるからな……
無理に投下したら結果は
>>968のCなわけで。分かる?
CじゃなくてBだったか
今現在での木田兄妹は単なる隣人A、Bに過ぎんからな
これ以上踏み込むようなら問題が起きるやもしれん
上手くいくかもしれん
時紀と恵美梨(てか天使キャラ)は使い様によっては面白くなりそうな予感
それは誰でも同じだと思うが。
んだ
新しいゲームのキャラはその使い様が難しいってのが証明されたばっかりだから
こう話してるんだろうて
坂下と木田が同じクラスってことは透子やしのぶもか
>985
新しいキャラだったから問題発生したわけじゃないと思うけどな、ここ数作は。
989 :
名無しさんだよもん:04/02/28 23:42 ID:M7mDoGcz
雑談しようぜ雑談。
,.ィ_,. ヽ、
// /´ \
〃 / / / / ヽ
/ 〃 / / / / // ,1 /{ ! ヽ
l ! / ' /_/ ァ7トくi | l ! {__}1┼!、 ! ! ',
! | i l イ/ {l / |!| l!ハ l ! i| ! | |! | ヽ / i i !
V | l ! l { |i ! |i l | ヽ l | | ヽ{{ ! ! |! l ! l }
', ! !| ! |、 ィ!--l ヽヽ \!|、! | -- ハ l {{ | | l i !
ヽヽ V! ヘ〃 ̄ヽ ヽ r'´ ̄ヽ!rヒ|l | リ, ,'
____ ヽ、\ハ / l __' / l ゙ ヽハ ! // /
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l| ー ー ー | l l ハ l ,' r-テ/イl |
,j、.気お知!Vl! l ヽ i / ,.-‐/ l |
/ /i に前っ!ィl ! |ヽ、 ノ _,.ィTT´ l |
( / !.いのて! |! ! ._ l i ` r-, _,. -r 7 | | l |
/ / } ら態い! 〉} .l ヽ\! /´! l`ヽ l i l |
Y / ! な度る !' / .ノ-‐ \` < { `ーv─ '´ トr 、_」⊥.. __ l |
V ! いがが| / \ ヽ、 / Y´! // \|
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iヽ /ト、 ヽ ヽ、〈 / / ! /' / / / }!
ハ `ー--' ト、 ヽ } `ヽ/ /! ヽイ / 〃/ / !|
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