1 :
名無しさんだよもん:
♪最後まで 笑ってる 強さを〜
♪もう〜 知っていた〜
♪グリコ グリコ グ・リ・コ
ちんぴょろすぽーん
昭和三十年代にKANONがあっても今現在蔵等は出てないんだろうなぁ…
昭和三十年代にLeafがあったら
5 :
名無しさんだよもん:04/01/15 10:21 ID:FVqbpSRD
痕 柏木耕平編
〜鬼の力だ 女を抱けや 温泉宿はもうかりまっせ〜
西岸良平風の絵が思い浮かんだ俺
美汐は違和感なく溶け込むであろう
むしろ戦前でも明治でも室町でも違和感なく・・・
パソコンが無いから
極極々限られた人しかプレーできないと思います
それを言い出したら媒体はなんなんだ(w
選択肢があって、その頁に飛んで読む本
ゲームブックなどと言う言葉はまだ無い
っていうか貸本
エロはー?
紙芝居版(全年齢)もあり
紙芝居って…
濡れ場をオサーンの声でやられたらイヤだなあ
秋子さんは満州帰り(名雪の父親はロシア兵)
髭は元・駆逐艦<雪風>乗り組みの水兵。
17 :
名無しさんだよもん:04/01/15 12:11 ID:hdp0nicO
ワラタ
18禁ゲトー
19 :
名無しさんだよもん:04/01/15 12:56 ID:amCV3yqx
よい子のテレビマンガ カノン
20 :
名無しさんだよもん:04/01/15 12:57 ID:rdSu2UcL
紙芝居かのんの舞編を大幅改編して黄金バットが産まれました
貸本検索してたらあゆみたいのがいてワラタ
22 :
がっくす:04/01/15 20:44 ID:imk5O8Lc
貸本漫画の予感.
水木しげるとか田河水泡とか杉浦茂が
もしも日本がさっさと開国とかしてたら実際に考えられたかもよ?と、
マジレスするテスト
【天野】「譬へば…空から、御菓子を降らせて見たり」
【祐一】「何だよ、其りや」
【天野】「夢ですよ、夢」
【天野】「空から、御菓子が降つて来たりすれば、素敵だと思ひませんか?」
【祐一】「思は無いね。路に落ちた御菓子は穢いし、交通機關が痲痺して了ふだらう」
【天野】「相澤さんは、現實的過ぎます」
【祐一】「否、然うでも無いよ」
【天野】「然うですか?」
【天野】「…然うですよね」
天野が、空を仰いだ。
俺達は、同じ夢の中にゐて、其処から歸つて来た人閧セつた。
【天野】「ぢやあ、相澤さんなら、何を御願ひしますか?」
くるん、と天野が體を捻つて、俺の顏を覗き込んでゐた。
【祐一】「然うだな…」
其んな事は極つてゐた。
その場合、どっかの植民地にされたと推定されるので
アメコミや欧州風のバタ臭いKanonになったでしょう。
ぐわ、2時間レスがないのに2分差で割り込まれる2chマーフィーの法則発動……
神田川テイストいっぱいのホワイトアルバム。
雨でロケが流れ、もしゃもしゃとキャベツばかりかじる由綺か。
…ありえるな。
29 :
名無しさんだよもん:04/01/16 08:05 ID:DcjwVq17
30 :
名無しさんだよもん:04/01/16 10:22 ID:6fRE5o1S
>30は銀座カンカン娘
大正期ならば、天野美汐ですらモダンガールと呼ばれるわけだな。
戦前の文化・風俗が好きな自分としては、モダンガール美汐非常に萌え。
……しかし戦前どころか、昭和30年代でもヒロインの髪の毛が黒1色に統一されそうでちょっと萎えかも。
>>33 塗り方次第で黒一色でも十分映えて見える(天いなとか)
むしろ黒一色だとキャラの書き分けが…
下駄を鳴らして、腰に手ぬぐいぶら下げてやって来る坂下
今でもそうだし
37 :
名無しさんだよもん:04/01/18 19:51 ID:YJPhXcW/
昭和二十年代の痕を見てみたい。
横溝正史風で。
玉音放送を聞いて涙するあゆ
>>37 真っ先に犬神家が思いついた
雰囲気は似てるかな
実家のそば屋の二階で雪緒たんがタクローを弾き語りで歌ってそう・・・
人間〜なんてラララ〜ラララ、ラ〜ラ〜・・・
昭和30年代の雰囲気があるoneのOVAは無視でつか。
ONEにOVAなんてあったっけ?
昭和30年代にOVAなんてあったっけ?
安保。
>>44 そもそもどれだけビデオデッキが普及していたんだ?
>>47 当時一般用はおろか、業務用ビデオデッキすら開発されていない。
どっちかってぇと、当時はカセットテープすらなくオープンリールの時代だしな?
電卓も値段も大きさも今のノートパソコン並みだった罠!
いっそアレだ、生録ラジオドラマ
声優が一同に集まって演じるの
じゃあ、アニメもアレだな。
アニメーターさんがセル画をすごい勢いでめくりながら、
その後ろで声優さんが一同に集まって演じるの。
犬神家並に因習に囚われた山間の小さな温泉街で起こる連続猟奇殺人事件
首のすげ替えトリックで主人公を犯人です
しかし語り部が犯人ってのはどうかと思うんだけどなぁ…
えーと…
色々アレだけどまぁいいや。
ゴジラとかオリンピックとか新幹線とかのワードがでてくるんだろうな
この時代に東鳩が有ったらどんな話になってたんだろ。
特にマルチ、セリオは学天測レベルになりそうだし。
志保は安保闘争の闘士。
共産党のスパイだしな。
レミィ一家は町中から珍奇の目で見られそうだな。
「アメリカさんだ〜っ」「テレビとおんなじだ〜っ」
って感じで近所の子供が寄って来たり。
コミケはこの時代から有ったよな?
AIRはそのまま。国崎の祖母が主人公。
テレビは白黒、望遠鏡は自作、バイクはメグロ、自動販売機はタバコ。
この頃は同人を書くような香具師はガロとかに投稿してそう・・・
それとか貸本向けの出版社に寄稿とかだな?
彩は言わばつげ義春っぽいのを書いてそうだから、まさにガロ向け!
理緒レベルの生活をしているキャラが他にももっといるはず。
みちるはまさにあの時代の子供って感じだよなぁ?
最近のガキは逆上がりすら出来ない香具師が9割もいるって言うしな・・・
>>66 ニュー速+板にこう言うスレが立っていたから間違いないと思われ。
【社会】逆上がり9割できない…小学生の体力低下例を報告へ★2
http://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1075005391/l50 埼玉県で開幕した日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)で、
小学生児童の体力低下を示す実例が、25日から始まるテーマ別の分科会で報告される。
クラスの大半が鉄棒で逆上がりができない、長距離走が完走できないなどの深刻なケースで、
基礎体力向上のため、ユニークな授業に取り組む実践例なども紹介される。
体力低下の実例を報告するのは、福島市立杉妻小の佐藤晃一教諭(47)。
3年生の4つのクラスで逆上がりをさせたところ、出来た児童は1クラス(33人前後)あたり、わずか4―5人。
中には腕力不足から自分の体を支えることができなかったり、逆上がりに恐怖感を訴えたりする児童もいた。
このほか、長距離走では、途中で走るのをやめ、座り込んでしまう子も珍しくなく、
マット運動では体の柔軟性がないため、真っすぐに回転できないケースも見られたという。
佐藤教諭は「幼少期に遊びの中で基礎的な体力を身につけていない子が増えている」と指摘している。
こうした中、静岡県藤枝市立葉梨小の山下雅史教諭(39)は今年度、2年生のクラスで「忍者の修行」という
授業を行った。体育館に「山越えの術」など、跳び箱や平均台、マットなどを組み合わせた12のステージを用意。
全ステージをクリアした児童には「免許皆伝」の賞状を贈った。
山下教諭は「遊び感覚で体力づくりをさせられたと思う」と話している。
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040125i301.htm
68 :
コテとトリップ:04/01/30 20:43 ID:2zMBVvbF
69 :
御旗は田畑:04/01/30 21:04 ID:Xzx4ulGI
ひでぇな。
それぐらいの時期、鉄棒技なら
うしろ回り、足掛け後ろ回り、連続前転ぐらいやってたぞ。
俺は比較的できる方だったが、半分は坂上がりぐらいできた。
あと、砂場のでっかい鉄棒でグライダー。これ最強。女子にはおすすめできない。
マットならヘッドスプリングもやってたな。さすがに前転とかは高学年になってからだが。
SFC世代だが、基本は外を走り回ってた。
一度、建設現場につくっていた秘密基地の火の始末のし忘れで消防車を呼んだことがあるが
今のガキはそういう経験ないんだろうな。いや、あるほうが問題なんだろうが。
70 :
コテとトリップ:04/01/30 21:15 ID:2zMBVvbF
だれもおまえの回顧録なんて希望しとらん、すっこめ
森の奥に秘密基地みたいな場所を作って遊んでるとき、大きな木の上から落ちて死にかけた
ことならあったよ。
救急車が入ってこれない上に、雪が深く積もってたから救助が大変だったみたい。
まあ、その雪のおかげで衡撃が暖和されたから助かったんだけどね。
>71はあゆ
漏れも逆上がりできないよ!
今までできたこともないよ!
ついでにマット運動の後ろまわりもできないよ!
だって運動オンチだもん!
ところで下手なことを音痴っていうけど
音楽が下手ってこと以外に使う音痴って意味不明だよね!
>>71次は水場で遊んでて溺れて死にかけた香具師だな
マジレスすると、
>ところで(音楽が)下手なことを音痴っていうけど
この定義自体が既に間違っているのだが。
77 :
コテとトリップ:04/01/31 07:51 ID:D5IFIlVP
音「楽」じゃねえだろっていいたいのかね?
おれもよくわからん、詳細キヴォン
オイラの持ってる旺文社国語辞典によると
【音痴】
@音の感覚が鈍く、歌を正しく歌えない事。またはその人。俗に、歌の下手な人。音聾(おんろう)。
Aある種の事に、感覚が鈍い事。またはその人。「方向−」
「運動音痴」はAに当てはまる為、必ずしも「音楽」以外に適用しても間違いではないと思われ。
歌は下手だけど、演奏は上手とか。
言われてみれば、確かになんで音痴なんだ?
運動+音痴って言葉がでてくるってのはなんか妙な感覚。
鯛焼き屋の親父が南方帰りになる。
もともとは1の意味で、そのうち2の意味も含まれるようになったんじゃないかね
「丸1日掛かってしまったな。」
真っ暗なホームに降り立つと生ぬるい夜風が夏草の匂いを運んでくる。
甲高い汽笛を上げながら徐々に汽車が遠ざかっていく。
「ふーっ、何ともやり切れん暑さだな。扇風機の1つでもあればいいのだが・・」
胸ポケットからハンカチを出し頻りに、首の下を拭う。
(十年ぶり・・いや、もっとか?)
元々、ここいらの出身であった親父は旧制高校へ進学するため上京し、そのまま召集を受けた。
復員後小さな商社に勤め、そのまま居ついたため、俺もそこで生まれた。
俺が10歳の時叔父夫婦が不慮の事故で亡くなると、親父は家業を手伝うため
単身で帰郷した。
田舎に慣れない母のためだとか言っていたが、どうだか知れない。
親父は一度も東京に足を運ばなかったし、母はいつも寂しそうに
父からの近況を伝える手紙を読んでいた。
だから、子供時分に父の理不尽さを憎みもしていた。
親父の訃報は十日前の電報で知った。既に葬儀を済ませているということだし、礼状
の一枚でも送ればよいと軽く考えていた。十年ほとんど、音沙汰の無かった父は俺の
中ではほとんど他人だったのだ。
三日前、下宿に帰った俺は薄ら笑みを浮かべた奥さんから手紙を渡された。
文字は細い女の字体で書かれており、謎の笑いの意味が分かった。
「奥さん、これは違いますよ。私の田舎の従姉さんからの手紙です。」
「あら、柏木さんはこちらのご出身だと伺ってましたけど、どちらの田舎ですか?」
奥さんはからかうように尋ねた。
「お、親父の実家です。」
急いで二階に駆け上がり息をつくと早速、封筒を開け確認してみる。
手紙は一番上の従姉妹の千鶴さんからのものだった。
手紙の内容は想像していた連絡1つ寄越さない俺の不義理を責めるようなことは一切書いてはいないが、言外に
帰郷を促すような内容になっていた。財産に関しては母方の叔父から学資を受けていた俺は
半ば意地も合り、受けるつもりは無かったので大して行く用事もなかった。
しかし、一度も息子が来ないっていうのも外聞が悪いのかもな?
「行ってみるか・・・」
親父の実家は北陸の山間にある温泉地だ。昔は湯治にくる物好きがチョコチョコ来る程度の
寂れた集落だったが、祖父の代に駅ができたことで少しは人の入りがあるようになったらしい。
叔父には4人の子があり、いずれも女だった。そのせいか子供の頃遊びに行くとよく可愛がられた。
年上の千鶴さんも一緒になって世話を焼きたがるのには、子供心に照れ臭く辟易したものだった。
千鶴さんは地元の大学を卒業した才媛で、東京で働くものだとばかり思っていたからあの鄙びた
温泉街で働くと聞いたときには、少しがっかりしたものだった。
ガス灯が一本あるきりのホームを風呂敷と小さな手提げを持ちながら歩く。
「やはり、懐かしいものだな。」
忌避してきた土地だが、降りた時から不思議な懐かしさと安堵のような気持ちがこみ上げて来る。
軽い足取りで改札をくぐり、誰もいない駅を出ようとしたその時不意に声を掛けられた。
「あの・・・柏木・・耕一さんですか?」
「えっ!?」
誰もいないと思っていた薄暗い駅舎の中で急に人の声を聞き、つい変な声をあげてしまった。
見ると隅には夏物のセーラー服をきたおかっぱ頭の女の子が立っている。
「あ、俺は・・・」
女の子は両手で持った写真のようなものと俺を見比べ
「お久しぶりです。遠いところをお疲れ様でした、柏木楓です。」
とゆっくり小さな声で言った。
「まさか、楓ちゃんだったとはなぁ!」
「姉さんは旅館の方がまだありますので、手の空いている私が来ました。」
「しばらくだったね、楓ちゃん。いや、大きくなったね」
楓ちゃんは一瞬、俺の顔を見るとすぐ目をそらし
「16になりました」
とだけ言った。
「そうか、もう十年経ってるんだからね。最後に会ったのはまだ小学校に上がる前だったか」
夜目でもきくのか楓ちゃんは夜道を淀みなく歩くが、俺との距離はほとんど変わらない。
たどたどしい俺の歩みを急がせまいとする配慮だろうか。
「久しぶりに会えて嬉しいよ。あ、けど楓ちゃんと初音ちゃんはもう覚えてないかな?」
前を歩く楓ちゃんが急に足を止める
「どうしたの?」
楓ちゃんは少し俯いたまま
「そんなことは・・ありません」
とつぶやく様に言うとまた歩き始めた。
>もともとは1の意味で、そのうち2の意味も含まれるようになったんじゃないかね
書き方が悪かったかも。
何でそんな拡張がされたのか? って話。
って、いい加減スレ違いだな。
アカデミースレにでも逝ってくる。
うまいね。
(楓ちゃん、随分おとなしいな。お年頃なのかもな)
田んぼ道も終わり、子供の頃遊んだ鎮守の森の道を抜ければ柏木邸が見えてくるはずだ。
昼間、懸命に日を浴びようと伸ばした木々の枝は足元を一層暗くしていた。
俺は楓ちゃんの白い制服の背中を頼りに慎重に歩いた。
「ここも懐かしいね、小さい頃ここで遊んだのをよく覚えているよ」
「はい」
「うん、森の入り口にある丘も鎮守さまの傍の大きな木も、道沿いの四つ子地蔵も・・・」
「耕一さん」
「何だい?」
「ここの道沿いにお地蔵様はありませんよ?」
「え?」
確かにそうだ。ここまで地蔵なんか見当たらなかった。
俺は何を勘違いしていたんだろう。記憶を辿るうちに混濁したのだろうか?
・・・・いや、はっきりと俺の脳裏には紅い頭巾と前掛けをした地蔵の光景が目に浮かぶ。
「う〜ん、勘違いだったかな?」
「昔、そういうものがあったという話は聞いていますが、お祖父さんの幼い頃にどこかへ移してしまった
そうです」
「じゃあ、以前その話を聞いていたのかな。言い訳がましいけど、駅に降りて以来何か不思議な感じ
がしてならないんだ。」
「どこか身体の調子が悪いのですか?」
「いや、そういうわけではないんだ。笑われるかもしれないけどね、何かこう昔見た夢の中を
歩いているような・・・そんな気分なんだ。」
「昔、見た夢」
楓ちゃんは意味が分かりかねる様に反芻した。
「あっ」
前を行く楓ちゃんが何かに躓いたのか急に体勢を崩した。
「おっと」
俺は荷物を放し、楓ちゃんの両肩を掴み自分の胸に引き寄せる。
その瞬間、頭の中に鮮明な光景が流れ込んだ。
木々を抜けてひたすら走る、背後の山は真っ赤に燃えている。一緒に走っている男は何故か鎧を着込んでいる。
俺は河原の石を飛び越え・・・
「・・さん、耕一さん?」
「あ、ああ、ごめん。」
慌てて楓ちゃんを掴んでいた手を放し、地面の風呂敷を拾い砂埃を軽く払った。
「楓ちゃんがあんまり可愛いからすぐ放すのが、惜しくてね。」
楓ちゃんはちょっと困ったような顔で俺を見て、すぐ前を向き
「ありがとうございます。」
と言い歩き始めた。楓ちゃんの手には俺の手提げ鞄が握られている。
深い木立を抜けるとようやく月明かりも戻り、朧だった楓ちゃんの姿もはっきり見えてくる。
白く蝋たけたうなじは陶器のようになめらかな光を湛え、月光の青い陰影に映えて艶めかしさをかんじる。
(いかんな、仮にも親父の菩提を弔いに来てるのに年少の近親者に。不埒な劣情だ・・・)
「やあ、ようやく明るくなったね。月夜に提灯とはよく言ったもんだ。これなら人の明かりなど必要ないな。」
自分の内の感情を打ち消すように陽気に言う。
「月に群雲、花に風ともいいます。あまりに大きい月は美しすぎて、却って不安になります。」
「満つるを見て欠けたるを思うというわけだ、楓ちゃんは慎ましやかだな。」
「いいえ、ただ大きな月に良い思い出がないのかもしれません」
江戸時代に国家老の別邸として建てられた柏木の屋敷は、武家の没落後持ち主を転々とする廃屋になっていた。
祖父はこれを只同然の捨て値で買取、職人をいれ土蔵以外はほぼ建て替えてしまった。
ただ棟割自体は元の屋敷を踏襲したらしく、広い庭と頑丈な門構えを持っていた。
「ごめんください、東京の耕一です、遅くなりました。」
奥に向かって、一声掛けるとパタパタと廊下を駆けて来る音が近づいてきた。
「いらっしゃい、耕一さん!」
玄関に飛び跳ねるようにやってきたのは一番下の初音ちゃんだ。
そのまま抱きつかんばかりの勢いで俺目掛けてやってくる。
「初音、まず挨拶をしなさい」
奥から落ち着いた穏やかな声が響く、千鶴さんも既に帰っているらしい。
「あっ!えっと・・・?柏木初音です。ご無沙汰してました・・・?」
「ははは、ご無沙汰はお互い様だね。可愛くなったよ初音ちゃん。」
「えっ、そんなことないですよ、へへへへ。」
初音ちゃんは可愛く両手を前でもじもじさせながら照れる。
「初音、耕一さんの冗談ですよ。さっき私にもそう仰いました。」
楓ちゃんはサッサと靴を脱ぎ終わると、横目で俺を少し睨むと奥へ行ってしまった。
(ん、はしゃぎ過ぎたかな?)
「えーと、エヘヘへ・・じゃ奥で梓姉さんが夕ご飯準備してるから一緒に食べましょう」
「あ、そ、そうだね。お邪魔しまーす」
ちょっと気まずいな。
俺は初音ちゃんの案内で洗面所で軽く顔を洗い、客間に荷物を置く。
「ふー、さっぱりした。初音ちゃん、案内ありがとう。先に行っててもいいよ。」
「うん、じゃあ早く来て下さいね。」
俺の後をピッタリくっついてた初音ちゃんは、ちょっと名残惜しそうに戻っていった。
(いい娘だな、素直で人懐っこくて。小さい頃は梓のおまけみたいだったから分からなかったけど。)
遅レスになるが、GJ。
教養人な耕一と楓に萌え。
痕の登場人物の場合、現在よりも数段ハイソな立場になるんだな