お兄ちゃんなんて…、大好き…… 折原みさおスレ

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971名無しさんだよもん
ピンポーン
「……はーい。今開けます……(ガチャ)……どちらさまで……あら? あなた確か……柚木さん?」
「はい。こんにちは、由起子さん。おひさしぶりです」
「こんにちは……あー、今、浩平もみさおもいないのよね……どうしましょうか」
「あ、いいんです。今日は由起子さんに話があって来ましたから」
「私に? ……えっと、んじゃとりあえず上がる?」
「はい。おじゃまします」

「それでさっそくなんですが」
「うん?」
「実はあたし、さっきみさおちゃんを見かけたんですよ」
「……なるほど」
「一瞬誰だか分かりませんでした。あんな姿初めて見ましたから」
「まあ、そうよね……」
「なんか元気が無かったんです。病人じゃないかってくらい赤い顔で、、
 俯きながら負のオーラを漂わせて、そして、死んだ魚のような目をしていました」
「……気持ちは分からないでもないけどね」
「それで声を掛けるかどうか迷ったんですけど、ちょっと様子を見てると、
 みさおちゃんの後を全身黒尽くめのサングラス男が電柱に隠れるようにしてついて行ってました」
「……」
「それは置いといてみさおちゃんの方に目を戻すと、前から長森さんがやってきたんですよ。
 みさおちゃん、それに気付いた瞬間、反転してものすごい速度であたしの視界から消え失せました。
 ああ、アレ付いててもあんなにスピード出せるものなんだなぁって、ちょっと感心しちゃいましたよ。
 そのスピードにあわせて尾行を続けていた黒尽くめの人もスゴイといえばスゴイんですけどね。
 あ、結局長森さんはみさおちゃんに気付かなかったみたいでした」
「……要するに、補助輪付きの自転車で恥かしさに頬を染めつつ知り合いに会わないように走っていたみさおと、
 もう夏だというのにその変装はないんじゃないのってくらい失敗した格好をして後をつけていた浩平を目撃して、
 なんか面白そうだからその理由を私に聞きに来たというわけね」
「はい。話が早くて助かります」
972名無しさんだよもん:03/11/24 00:53 ID:/S7ErPBJ
「いいわ、説明しましょう……といってもたいした理由じゃないんだけどね。ズバリ、罰ゲーム」
「罰ゲームですか?」
「そう。ここだけの話ね、みさお、自転車に乗れないのよね。それで最近浩平と二人で特訓してるんだけど」
「成果は芳しくないと?」
「まーね。そこで浩平が考えたのは荒療治第三段、人生ゲームで負けたら補助輪付きの自転車で町内3週激作戦。つまりは羞恥プレイね」
「……なるほど。ちなみに他の二つは?」
「お兄ちゃんによる鬼コーチ大作戦とご褒美で釣ろう超作戦。あ、ちなみに考えたのは浩平ね。
 名前の通り必要以上に厳しく指導したり、ご褒美で釣ろうとしたりしたんだけど……」
「駄目だったわけですか」
「そう。で、さっき人生ゲームをやって、二人で組んでみさおに大勝したわけよ」
「それであんな状況に……」
「そ。にしても羞恥プレイの一つや二つで自転車に乗れるようになるわけないんだけどね、実際」
「……えーと? ……なんで止めなかったんですか?」
「決まってるでしょ、そっちの方が面白そうだったからよ。
 ま、休日に一人で暇するはめになったんだけど、こうして柚木さんが来てくれてちょうどよかったわ。
 せっかくだからいろいろ話していかない? ちょうど手作りのケーキが出来上がるところなのよ」
「あ、いいですねー。では、お言葉に甘えさせてもらいます」

一方その頃
「(キコキコ)うう……どうしてわたしがこんな目にぃぃぃ……(キコキコ)」
「みさお頑張れ、兄ちゃんが見守ってるぞっ」←電柱の影から
973名無しさんだよもん:03/11/24 00:54 ID:/S7ErPBJ
>>636
みさおと浩平はその日も二人で夕食を食べていた。由起子はいつものようにまだ仕事だ。
食事は和やかなムードで進み、特に何事もなくその日の夕食が終わろうとしていた。
浩平はもう食べ終わり、みさおも最後の麦茶に口をつけ、そして麦茶を口に入れたその瞬間

地面が揺れた。

「ぶっ」

口の中にあった麦茶は全て飛んだ。浩平の方向に。
浩平が「ぐあっ」とか叫んだが、みさおはそれには気が回らなかった。
彼女の頭の中で「地面が揺れた=地震」と理解されると、どうしていいか判らなくなったのだ。
みさおは昔から雷とか地震のような天災が苦手で、硬直した後パニックに陥るのが常だ。
今回も例外ではなく、地面が揺れてる中、目に涙を浮かべながら視線を右往左往させている。
彼女の目に兄がタオルで顔を拭いているのが見えた。気がした。

”汗でもかいたのかな……あ、汗といえばこの前テレビでやってたっけ。
 そのほとんどは水分で構成されているが、わずかな尿素が含まれているとかなんとか。
 ……尿素……尿……おしっこ……うっ”

なんか余計なことを考えたせいか、トイレに行きたくなってきたらしい。
でも、今は無理だった。なにしろ地震の最中だ。トイレなんかに行ってる場合ではない。
だいたい地震の最中といったら

”あっ”

そこで彼女は気付いたらしい。

”地震が起こったときはテーブルの下に隠れないといけないんだっけ”

みさおは今さらながら、のろのろとテーブルの下に身体を隠した。
974名無しさんだよもん:03/11/24 00:54 ID:/S7ErPBJ
「……みさお、隠れるんならちゃんと全身隠れろ。思いっきり尻が出てるぞ。
 スカート短いからぱんつ丸見えだし……ていうかもうほとんど揺れは収まってるんだが」

兄に何か言われた気がしたが、それどころではない。
みさおは半泣きでテーブルの下、ひたすらガクガクブルブルしていた。

数秒後、再び浩平の声がした。やたらと優しい声だった。

「おーい、みさおー。もう揺れてないから出ておいでー」
「……本当? 騙してない?」
「……いや、騙してどうする。ていうか自分で判らないのか?」

彼女には判らなかった。あまりに恐怖を感じていたので体の感覚がおかしいらしい。
とりあえず深呼吸してみる。

「……本当だ。揺れてない」
「な、言ったろ。大丈夫だから出て来い」
「うん……」

みさおはノロノロとテーブルの下から這い出てきた。
そこには兄の呆れたような笑顔が。
みさおは兄に抱きついて、わんわん泣いてしまった。

「お兄ちゃんっ……も、もう二度と会えないかと思った……う、うえぇぇぇぇん……」
「……いや、まったく意味がわからんぞ」
「ぐすっ……だって……だって」
「泣くなって。ほら、よしよし」
975名無しさんだよもん:03/11/24 00:55 ID:/S7ErPBJ
そうしてしばらく浩平に頭を撫でられると、流石に少し落ち着いてきたらしい。

「えへへ……」
「落ち着いたか」
「うん、ごめんねお兄ちゃん。もう大丈夫だよ」

そうして完全に落ち着いて、気付いた。

”そういえばなんかぱんつの感触がおかしいような気がする。……なんだっけ?
 ……
 …………!!”

みさおの顔が瞬間沸騰した。

「みさお? なにを突然赤く?」
「ご、ごめん、お兄ちゃん! わたし今日はもう寝るねじゃあおやすみっ!」
「? あ、ああ、おやすみ」

浩平のあいさつを聞き終わらないうちにみさおは即行で部屋に戻り、
とりあえずスカートを脱ぎながら、さっきの自分の醜態を思い出して微妙に泣きそうな顔になったあと、
どさくさにまぎれて兄に抱きついて頭を撫でてもらったことに思考を移して笑顔になり、
そして自分の部屋に急いで戻ってくるはめになった原因に辿りついて今度は本当に泣き出し、
その原因、濡れてしまったぱんつに手をかけるのだった。

「うぅ……ぐすっ……」
976名無しさんだよもん:03/11/24 00:56 ID:/S7ErPBJ
「みさおっ! 今日は真空飛び膝蹴りごっこにかわる、あたらしい遊びをかんがえたぞっ」
「えっ……それってまた痛い遊びなんじゃないの? みさおもういやだよ」
「だいじょうぶだって。たぶんそんなに痛くないと思うから」
「たぶんって……いったいなんて名前の遊びなの?」
「名づけてっ! 地獄車ごっこ!」
「……なんかものものしい名前だね、お兄ちゃん。どんな遊びなの?」
「それは"地獄車を教えてください"とぐーぐるに祈れば分かるらしいぞ」
「どーゆー意味?」
「まあいいから祈ってみろ」
「…………あ、すごい。本当に分かった……でもこれ、危なくないかな?」
「1と2をやらなければだいじょうぶだろ。布団も二つならべてるし。
 じゃあぼくは下になるから、みさお、乗っかれ」
「あ、うん。……えっと、足首をつかめばいいのかな?」
「ぼくもよく分からないけど、いいんじゃないか? ぼくも足首をつかむんだっけ?
 ……うん、準備できたな。じゃあ回るぞ。……よっ……んっ……うんっ……くっ……」
「……なかなか回れないね……あ、お兄ちゃん。
 3の絵からすると、一人は足首を持ってちゃいけないんじゃないかな」
「あ、そっか。技をかける方と、かけられる方があるんだっけ。
 えっと、技をかける方の人が、太ももでかけられる方の顔をはさめばいいのかな?」
「そうみたいだね」
「そうか……なら、みさお、たまにはみさおがぼくに技をかけてみるか?」
「えっ? いいの?」
「うむ。ぼくもお兄さんなんだし、いつまでも妹に技をかけているばかりというのも格好悪いし」
「ありがとうお兄ちゃん! じゃあ太ももでお兄ちゃんの頭をはさんで……
 あ、あははははっ、お、お兄ちゃん、息がかかってくすぐったいよっ」
977名無しさんだよもん:03/11/24 00:57 ID:/S7ErPBJ
「ちょっとぐらい我慢しろって。よ……うーん、やっぱり回れないな。よっ……と……」
「ひゃっ! 顔を動かさないで、ただでさえ息でくすぐったいのにっ……あはははははははは」
「そんなつもりじゃなかったんだけど……」
「はははははっ……や、やめてってば……ははははははははは……し、しかえししてやる……」
「ぶっ……ははははっ……く、ホントにくすぐったい……あ、あはははは……や、やめろって
 そ、そんなところに顔をこすりつけるのは反則だっ……ははははははは」
「やだよ……ははははっ……お兄ちゃんこそ、くぅ、やめてよ……ははははは」
「こ、こうなったら我慢比べだっ……あはははっ……先にギブアップした方の、負けだぞっ……」
「い、いいよっ……ぜったい負けないもん! ……ははははははは」

ガチャ
「ただいま……………………」

母はどう思っただろうか。
布団の上で互いの太もも、ていうか股間に顔を擦り付けあっている自分の子供達を。
……今となっては知る術はない。
「……こぉうへぇぇいっ! あんたぁ!! 何やってるの!!!」


○月×日
きょうはじこぐぐるまごっこをしておかあさんにしぬほどおこられた。にどとするなといわれた。
でもけっこうおもしろかったので、かくれてまたやろうってみさおとやくそくした。

※地獄車ごっこ
二人の人間がアレな体勢で、互いのナニとかソレに自分の頭をこすりつけてくすぐらせる遊び。
相手をギブアップさせた方の勝ち。
978名無しさんだよもん:03/11/24 00:59 ID:/S7ErPBJ
出来心だったんです。ごめんなさい。

ところで
スレが終わりに近付くと、マイみさおテキストフォルダをざっと見返してみるのですが、
なんか自分で書いた覚えがないものがいくつかあるのです、なぜか。不思議だ。
↓これなんかタイトルpppppだし、何を書きたかったんだろう、オレ。

「はっはっは、まさか本当に当たるとは思わなかったな」
「笑い事じゃないよお兄ちゃん、」

 ていうか、あれはどっちかっていうとお前の自業自得のような気もするが……」
「何言ってるの。お兄ちゃんが悪いに決まってるじゃない」
「くっ……オレはさっきから生死の境をさまよっているというのに、
 お前はなんでそんなに元気なんだ?」