1 :
名無しさんだよもん:
リアルリアリティを求め、暴走を続ける超先生。
その一方で参加者の魂と魔力を集めようとする天使、ユンナの目的とは?
様々な思惑と迫り来るモンスターの中、果たして島に残された彼等は無事脱出する事ができるのか?
ジュ○シックパーク 各種漂流モノを元ネタとした葉鍵キャラによるリレー小説。
執筆ペースも上がってきて、物語は第8スレに突入!
・書き手のマナー
* これはリレー小説です。特に、キャラの死を扱う際は1人で殺さず上手くストーリーを誘導しましょう。
* また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
* 同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず全面的に禁止します。
* マイナーモンスター、武器を登場させる場合は話の中か後に簡単な説明をなるべくつけて下さい
* 投稿の最後に、【】で簡潔にキャラクターの現状を簡単にまとめて下さい。
* 初心者の方は作品を上げる前に誤字脱字や文法の間違いが無いか確認しましょう。
・読み手のマナー
* キャラの死に不満がある時は、あまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、理性的に意見してください。
* 頻繁にNGを唱えたり、苛烈な書き手叩きをする事は控えましょう。
3 :
名無しさんだよもん:03/03/21 23:31 ID:fxnynmrp
あげ
4 :
名無しさんだよもん:03/03/21 23:35 ID:SaGjYBxv
あげ。
____
ヽ=♪=ノ
(・−・)V
一応ツッコミ。
>>1 >執筆ペースも上がってきて、物語は第"8"スレに突入!
8 :
名無しさんだよもん:03/03/21 23:40 ID:cfqOXzv8
げっと
____
ヽ=♪=ノ
(・−・) === 3
スレ立て乙〜
即死回避保守
11 :
7-865:03/03/22 02:13 ID:2TS+YRUK
すいません。
だいぶ前に329話「Last Man Standing」の続きを
書こうとして、遅れてしまった者です。
出すタイミングを失って今まで放置していましたが、即死避けを
兼ねて上げてみようと思うのですが…どうでしょうか?
即死回避もかねてるしどうせアナザーだしいいんじゃないかな。
ってか、漏れも実は書いてたんだよアレの続き……
13 :
7-865:03/03/22 02:42 ID:7E4gW96u
『本施設爆破まで残り3分………』
無機質なアナウンスが、焦りを誘う。
「…オーケー、クールに行こう」
思わず口をついて出る、言葉。
昔テレビで見た、映画の主人公の台詞。
目の前の、固く閉じられた扉。
そのすぐ脇には、テンキーと網膜センサー。
俺達が…俺と香奈子さんが生き延びる為に必要な事は、
どうにかしてこの扉を開き、外に脱出すること。
それが出来れば、とりあえず当面の危機はクリア。
それが出来なければ、ジ・エンド。
タイムリミットは…3分。
(どうせ、死ぬのよ?)
諦める?
諦めて死ぬのを待つ?
せっかく藍原さんが助かるかもしれないのに。
香奈子さんを守ると約束したのに。
こんな、理不尽な最期を黙って受け入れて、
二人揃って、木端微塵に消し飛ばされるのを待つ?
「…諦めてたまるか!!」
反逆の雄叫びを上げ、矢島は所員室へ走った。
矢島が所員室に駆け込んだ時、香奈子は既に机の引き出しを
片っ端から開けて、パスコードの手掛かりになりそうなものを
探していた。
「コードは?見つかった!?」
香奈子は黙って首を振り、すぐに書類漁りを再開する。
あの時とは違う瞳で。濁りの無い、強い瞳で。決意を秘めた瞳で。
生きる為に、生きて瑞穂にもう一度会う為に、文字通り死に物狂いで
袋小路から抜け出す道を探している。
その光景を一瞬眩しそうに見た後、矢島はまだ手の付けられて
いない書類棚を次々と開け放つ。
『本施設爆破まで残り2分………』
目当ては、数字の羅列。ナンバーキーのLEDは7桁だった。
探すのは、7桁のそれらしい番号だ。
次から次へと、ファイルや机の上のメモ用紙、プリントアウト
されたまま放り出された書類に目を走らせ、整理の行き届いて
いない書類の山を鷲掴みにして、目を皿のようにして探す。
パスコードを探し、それらしい数字が無ければ片っ端から肩越しに
放り捨てる。
「香奈子さん、そっちは!?」
「まだ!見つからない!」
書類に目を走らせながら、香奈子が答える。
「くそ…違う…これも違う…これも…これも…くそっ!」
机と書類棚をかき回すようにして、矢島と香奈子はパスコードを
探し続けた。
『本施設爆破まで残り1分。カウントダウンを開始します────59,58,57…』
「矢島君!」
「ちくしょう!何で無いんだよ!!」
矢島が拳で机を殴りつける。
苛立ちが徒労感を呼び、焦燥は諦念に変わっていく。
(駄目なのか?)
暗闇が、心を侵食する。
(もう駄目なのか?これで終わりなのか?俺達はここで死んでしまうのか?)
心身共に蓄積された疲労が、両肩に重くのし掛かる。
(どうせ、死ぬのよ?)
『56,55,54…』
書類を掴む矢島の手が、止まった。
「ちくしょう……」
矢島は奥歯を噛みしめて、立ち尽くす。
普通の人間ならおそらく一生知る事の無い、掛け値無しの絶望に
これ以上無いほど顔を歪ませながら。
「矢島君…」
香奈子が心配そうな眼差しで矢島を見る。
『53,52,51…』
「ちくしょう…あんな扉、誰が作りやがったんだよ!」
誰に当てたわけでもない、矢島の呪詛の言葉が、所員室に空しく響く。
その残響が、矢島の直感に共鳴した。
『絶体絶命』『出口無し』『もはやこれまで』『デッドエンド』
次々と心の底から聞こえてくる言霊の濁流に押し潰されそうな
矢島の頭脳に、微かな閃きの火花が舞った。
誰が……作った……?
(誰が作ったか?言うまでもない。超先生とか言ってたっけ、この施設の主だ)
いや……そうじゃない……
(実際に、この建物を『作った』のは…?そして、点検・保守・修理するのは?)
パスコードは……?
(網膜照合装置があると言う事は、ここの職員は網膜パターンとパスコードの
二段構えで認証を行っていたのだろうか。ならば、パスコードだけでは扉は開かない?)
本当にそうか?
(いや、それだけじゃない…たとえば…)
閃きが連鎖する。そして、導き出された、脱出への可能性。
現時点で思い付く、唯一の賭け札。
「まさか……」
一瞬、矢島は自分の正気を疑った。
荒唐無稽にも程がある。余りにも馬鹿げている。
万に一つどころの確率ではない。もし、自分の直感が正しいのであれば、
この建物を造るのに関わった連中は、超先生を筆頭として揃いも揃って
とんでもない大間抜けと言う事になる。
しかし。
「…このままじゃ、埒が明かないもんな」
閃きは確かな意志となって、矢島の命の動輪を再び回した。
「香奈子さん!」
呆然としたままの香奈子の手を取り、
「付いてきて!」
矢島は駆け出した。
矢島が走る速度を緩める。
着いた場所は、無慈悲な網膜センサーと無愛想なテンキーが立ち塞がる、脱出口の扉。
テンキーの前に、矢島が歩み寄る。
「矢島君、もしかして…」
香奈子が、希望と疑問がないまぜになった口調で尋ねる。
「パスコードが分かったの!?」
「いや、まったく」
矢島は肩をすくめて首を振る。
「だったら何で…!」
「生きて出られたら、後で教えるよ」
香奈子の言葉を遮りながら、矢島はテンキーに指を伸ばす。
「さてと……」
テンキーに矢島の人差し指が触れる。
指先が素早くテンキーの『1』を連打する。
『1111111』続いてエンターキー。
『パスコードが違います』ザラついた合成音声が、素っ気無い拒絶を示す。
しかし矢島は、落胆の素振りも見せず、続いてテンキーの『2』を連打する。
『2222222』エンター。『パスコードが違います』
『3333333』エンター。『パスコードが違います』
『4444444』エンター。『パスコードが違います』
『5555555』エンター。『パスコードが違います』
『20,19,18…』
香奈子は、愕然としていた。
「矢島君…」
まさか、出鱈目にキーを押して、偶然の一致を祈るつもり?
確かに可能性はゼロではない。しかし、それは『ゼロではない』と言うだけで、
限りなくゼロに近い、奇跡の一つや二つではとても足りない天文学的確率だ。
そんな幸運に縋る事しか出来ない暗澹たる現実に、香奈子の瞳が暗く沈んだ。
『6666666』エンター。『パスコードが違います』
「矢島君…」
香奈子は、矢島の右腕を引いた。
「もういいよ…もういい、から…」
瑞穂を守れなかった、矢島を巻き込んでしまった、自分自身さえ救う事が出来なかった、
無念と悔しさの入り交じった涙をその目に浮かべて。
『17,16,15…』
だが、矢島はテンキーを仇のように睨み続けて動かない。
「まだだよ…香奈子さん」
「え?」
「まだ終わってない」
矢島はそう言うと、続いて『7』のキーを素早く押した。
『7777777』エンター。『テストモード開始。扉の開閉チェックを行います』
軽薄なチャイム音。ロックが解除される金属音。続いて扉を開くモーター音。
矢島と香奈子を遮っていた壁。死から生へと続く道を塞いでいた壁がゆっくりと、
あっけなく開く。
『14,13,12…』
「……」
目の前で起きた事態を唖然として見つめる香奈子。
「よっしゃあ!!」
おそらく、今までの人生で最大の難関をクリアし、ガッツポーズを取る矢島。
『11,10,9…』
「さぁ、早く!!」
振り向いた矢島が、香奈子に手を差し伸べる。
差し伸べられた矢島の手を、香奈子は自分から握った。
『7,6…』
体の中で肺が弾む。心臓は疲労と極限の緊張で喉から飛び出しそうだ。
それでも、走り続ける。
諦めかけていた。自分の命を。生きる可能性を。
狂ってしまう事で現実に目を背け、瑞穂を残して自分勝手に生きることを
放棄しかけていた。
しかし、この手を力強く引いて、自分のすぐ前を駆ける少年が狂うことを
許さなかった。
彼は言った。「まだ終わってない」と。
彼の瞳は語りかけていた。「絶対に希望を捨てるな」と。
矢島の背中を一瞬眩しそうに見た後、視線を矢島の更に前方に向けて
香奈子は走り続けた。
『5,4…』
遂に外にでた。しかし足は止まらない。
これだけの建物を破壊するにあたってどれほどの火薬が使われるのか、
どれほどの爆発になるのか、見当もつかない。
爆風に五体を吹き飛ばされないように、また爆破で生じる破片に
潰されないように、出来るだけ遠くへ離れなければ。
『3…』
もつれそうな足を必死に前へ、前へと運び、走る。
『2…』
つないだ手が離れないように、走る。
『1…』
「香奈子さん、伏せて!!」
「きゃっ!」
矢島がひときわ強く手を引き、香奈子はバランスを崩して前のめりに倒れ、
その上に矢島が覆いかぶさった。
次の瞬間、視界が真っ白になり、鼓膜と内臓を轟音が揺すった。
何も見えず、何も聞こえない、閃光と爆音と暴風の白い闇が二人を包む。
爆破の衝撃が通りすぎた後も、暫くの間二人は激しい耳鳴りに耐えながら
倒れ込んだままの姿勢でいた。
はらはらと、コンクリートの欠片が辺り一面に降り注ぐ。
「……大丈夫?」
パチパチと言う、辛うじて残った建材が燃える音が聞こえてきてからようやく
矢島は香奈子に声をかけた。
「……うん」
それだけ答えると、香奈子は大きく息をついて言葉を続ける。
「矢島君」
「何?」
「ごめん、重たいんだけど」
「え…」
その一言で、矢島はうつ伏せになった香奈子の上に、自分もうつ伏せでのしかかる
体勢になっている事に気が付いた。
香奈子の柔らかい身体の感触、つい今しがたまでの全力疾走の余韻も覚めぬ荒い息遣い、
燃える火薬の匂いを押しのけて鼻をくすぐるほの甘い薫りにも今更ながら気付く。
「あ……ご、ごめん」
矢島は慌てて飛び退こうとしたが、先程のショックがまだ残っているのか
膝がガクリと落ち、香奈子の横に仰向けにひっくり返ってしまった。
「矢島君!?」
香奈子も体を起こそうとするが、こちらは腰が抜けてしまっているらしく、
起き上がることが出来ない。
緊張の糸が切れてしまったのだろう。
仕方なく二人は、呼吸が整い、体の感覚が戻るまでそのまま待つことにした。
「…ねえ、教えて」
地面に突っ伏したまま、香奈子が話しかける。
「ん、何を?」
大の字になって寝転がったまま、矢島が答える。
「パスコードのこと」
「…ああ、あれね」
閉じていた目を開き、矢島が言葉を続ける。
「メンテナンス・コードだよ」
「メンテナンス…コード…?」
「あれだけの建物、所員だけじゃとても管理しきれない。普段はともかく
どこかの装置が壊れたら、業者がここまで来て修理しなきゃならない」
「……」
「でも、業者の担当はいつも同じ人とは限らない。特にこんなテーマパークの
建設に絡むような大きな会社になれば、担当者なんて毎回変わる。
工事担当者の網膜パターンをいちいち記録させるより、パスコードだけを使った方が
手っ取り早いだろ?」
「……」
「で、オートロック式のマンションなんかだと、管理会社が普通のパスコードとは
別に動作テスト用のコードを入れておくんだ。普通はランダムの数字にするんだけど、
たまにいい加減な業者がいるらしくてさ。『1111』とか、そんな番号なら
メモる必要も無いし忘れる事も無いからって、ぞんざいに決めちゃってるんだって。
前にテレビでそんなニュースを見たのを思い出して、試してみようかなぁ、と」
「……それだけ?」
「うーん…うん、それだけ」
しれっとした顔で矢島は言う。
「他に何も思い付かなかったし、もうイチかバチかで試すしかないと思ってさ。
正直あんまり自信なかったけど、何もしないで死ぬよりはマシだろ?」
香奈子が、矢島の横顔を心底呆れた表情で見る。
そんな根拠…いや、根拠と言うのもおこがましい咄嗟の思い付きひとつに自分の
命を惜しげもなく賭けるなんて。
豪胆?勇敢?違う、それは『考え無しの暴挙』と言うのだ。
「それで、あんなに自信満々で居られた訳!?信じられない!」
地面に突っ伏したまま、香奈子は凄い剣幕で矢島に突っかかる。
「こうして出られたんだから良かったじゃないか」
「そう言う問題じゃなくって!そんな出たとこ任せでいいと思ってるの!?
もうちょっと何か考えてると思ったのに!」
「……ふふ」
「何がおかしいのよ!?」
「よかった」
「?」
「その調子なら…もう大丈夫そう、だね」
矢島はゆっくりと顔を右手で覆って、呟くように言った。
「よかった…ホントに…よかった……」
何かを堪えるような、先程までとは明らかに違う細く弱々しい声。
顔を覆う、震える右手。ガチガチと鳴る奥歯。
指の間から頬を伝う、一筋の雫。
香奈子は、言葉を失った。
自分を引っ張る手が余りにも力強く、自分を見つめる瞳が余りにも
生きる意志と勇気に満ちていたから今まで気付かなかった。
見たところ香奈子とほとんど年の変わらない、ごく普通の少年だ。
平和な日本で、生まれてからずっと、ごくありふれた日常を繰り返して
いたであろう、どこにでも居そうな少年だ。
怖くない筈が無かったのだ。何度も絶望しかけ、死の影に怯え、
全てを諦めかけて居た筈なのだ。つい先程までの自分と同じ様に。
ならば何故、あんな状況で全身の勇気をかき集めて走る事が出来る?
何故、在るかどうかすら分からない可能性に全てを賭けられる?
何故、あんなに真っ直ぐな眼差しで困難に立ち向かえる?
そんなことを自問しながら、香奈子は矢島の言葉を思い出していた。
(俺も太田さんも、死んじまったら意味がないんだ)
香奈子の肩に、矢島の手の温もりが蘇った。
「…よっこらせ、っと」
目をゴシゴシこすった後何とか立ち上がった矢島が、首や肩を回して
手足をブラブラと揺らす。歩く分には支障は無さそうだ。
「まーしかし、7の7ケタとはね。縁起がいいと言うか出来過ぎと言うか」
さっきの涙を誤魔化すように、矢島は苦笑いを浮かべながら軽口を叩き、
香奈子の元に歩み寄って手を差し伸べる。
「香奈子さん、立てる?」
香奈子は少し考えた後、穏やかに微笑んで
「うん」
身を起こしてその手を取り、大地を踏みしめた。
【研究所、爆破。建物は全壊】
【矢島&太田香奈子、脱出。茜たちと合流するべく移動開始】
26 :
7-865:03/03/22 03:15 ID:7E4gW96u
以上、即死避けアナザー「JACKPOT」でした。
SSどころか学校の作文もまともに書いた覚えのない漏れですが
(実際、初めて書いたSSです)、即死避けの埋め草程度にはなると
思って書き込ませていただきました。
それでは回線切って七輪焚いて逝ってきます。失礼しました。
>>27 うむ。アナザーなので特に内容には文句はつけないしなかなかだと思うが
はっきり言ってリレーSSとで10レスoverは長すぎるですな。精進めされよ。
香奈子×矢島ペアはもっと弄りたかっただけに本編では残念な死であります。
29 :
名無しさんだよもん:03/03/23 16:39 ID:XW/GXSsJ
保守あげ
30 :
名無しさんだよもん:03/03/24 15:19 ID:lp2uMs2I
保守
保守しる
作品を書けるのが一番いいんだがいかんせん時間が。
保守?
保守
保守
保守
ところで、編集サイトはどこまで更新されてるんだ?
前スレのラストまで入ってると思う。
てか、劇的にそのRTOさんの書きこみを最後にDAT。
サイトは七日目のラストまで入ってますね
本当は名鑑も更新したかったんですが時間と体力がありませんでしたすいません。
というか今回は本気で生きて日本の土を踏む事がないかも知れませんのでもしそうなったら
サイトどうするかなぁと本業そっちのけで考えてます。
イラクにでも出張ですか?
保守。
保守
編集サイトの340と341の内容が同じに見えます。
で、過去ログ見てみたのですが7から8の間に、どこか別の場所が使われてたりしたのでしょうか?
ごっそり抜け落ちている様に見えます。
編集サイトでまとめて読んでるので詳しく分かりません。
当時の事を知っている方が居たら教えてください。
保守
保守。
46 :
名無しさんだよもん:03/03/30 21:06 ID:N+0sRj5i
保守
保守のみよりは、雑談でもしといた方がマシかな?
で、ネタふり、もしくは質問だが。
・終了時に何人ぐらい残ってれば納得できる?
数が少なくないと納得出来ないと言うのも難儀な話ではないか?
サバは減らす事が目的ではないから、脱出OR全滅に論理性なり一貫性なりあれば、
ゼロでも全部でも構わないと思うが。
保守。
>48
>サバは減らす事が目的ではないから、脱出OR全滅に論理性なり一貫性なりあれば、
>ゼロでも全部でも構わないと思うが。
同意。
保守
51 :
マケナイ拳:03/04/03 00:32 ID:7fUg5hfs
いざ対峙してみるとその無謀さがよくわかる。
太古の王と呼ばれた「それ」は体重十数トンにも及び、体長約7メートル位はあると思われる。
片やこっちは鍛え上げられた大人二人とはいえ所詮人間。比べる方がおかしい。
グルルゥゥゥ…………オオオオオオオオォォォォーーーーーーーーーーーーーンン!!!!
大地を震わす咆哮。某怪獣映画に勝るとも劣らぬその声は生で聞くとより一層のインパクトを
二人に無理やり与えた。並の人間ならばその場で座り込んでしまっても仕方ないだろう。だが今
この場でT-REXに対峙する二人は並の人間ではない。例え恐怖を感じても退がらず、勇猛果敢に
挑む。その極限の精神状態に身を置いていた。
「立川殿、正直に申します。これは勝てる戦いではありませぬぞ!」
「…だがやるしかない。それは今この場から退こうとしないあなたを見ればわかります」
「フ……かたじけない。こんな年寄りと運命を共にするとは見上げた心意気! では…」
「…応!!」
二人が応じた瞬間にT-REXの凶暴な顎がすぐそこまで迫る。咄嗟に回避行動をして左右に散らば
る。思った以上のスピードを持っているので少々面を喰らったが、避けきれない程ではない。
勿論簡単と言う訳にもいかず、喰らったら即、死に繋がるであろう。それは先程T-REXの口の中
で見つけた女物の衣類の切れ端を見たので想像がついた。
「おかしい…」
52 :
マケナイ拳:03/04/03 00:34 ID:7fUg5hfs
セバスは一人呟く。何か見落としがあった気がする。そう、決してありえない事。
だがT-REXの激しい攻撃により考えるのもままならない。圧倒的な体力の差がある。無尽蔵とも
言えないが、少なくとも先に疲労するのはこちらの方だ。避け続けているのも無理がある。いずれ
はあの顎の中へ収まってしまうだろう。そうなる前に何かしらの策を労せねばならない。
「むぅん!!」
セバスの方に注意が向いていたので、雄三はすかさず渾身の力を込めた拳をT-REXの足に叩き込む。
すると多少の効果はあったのだろうか、低い唸り声を上げてT-REXの瞳は雄三の方へと向く。
そこでセバスは自分の直感を信じた。
「立川殿!! 聞いて下され!! その巨大蜥蜴に勝てるかもしれませぬぞ!!」
T-REXの攻撃を紙一重でかわしながら雄三は「どうすればいい!?」とセバスを促す。
「とにかく………そう、脚。立川殿が先程攻撃した脚を攻めて下され!!」
「それだけか!?」
「今は何も言わずにこの『神の拳』の言葉を信じてはくれまいか!」
言うや否や今度はセバスの拳が先程雄三が攻撃した脚に打撃を打ち込む。するとT-REXは標的を
セバスに変え、強靭な尾をセバスの頭目掛けて振ってきた。一歩間違えればスイカ割りのスイカに
なっていた所だが間一髪、スライディングをして避ける。
53 :
マケナイ拳:03/04/03 00:35 ID:7fUg5hfs
何度そんなピアノ線の上を素足で渡る危険を侵したのだろう。もしかしたら自分の考えは間違え
ていたのではないのか? と望みを失いかけた時、確かに見た。T-REXの巨体が横にズレたのだ。
唸り声を上げながら二人を睨みつけて巨大な顎で噛み砕こうとするが、先程までの俊敏な動きは
見られない。明らかに動きが遅くなり、脚にダメージを受けている事がわかる。
「立川殿!」
「承知!」
攻撃が効いていると見るや二人は更に拳を打ち続ける。
何発叩き込んだのであろう。やがてT-REXの片方の脚は使い物にならなくなり、支えが無くなった
巨体は地面に倒れ込む。その衝撃で砂埃が立ち一時視界が見えなくなるが、太古の王はその場で二人
を見ている事しかできなかった。その双眸から力は失われていないが動く事は無理だろう。
「長瀬殿…」
「…何でしょう?」
荒く息を吐く太古の王を視界に収めながら雄三は尋ねた。どうして弱点が脚だとわかったのかを。
「正確に言うと、脚ではないのです」
「?」
「最初、お嬢様を守りに私が彼奴の口の中へ収まったでしょう。そこで耐えた。数秒でも耐える事
ができた。それこそが最大のヒントだったのです」
「………」
54 :
マケナイ拳:03/04/03 00:36 ID:7fUg5hfs
雄三はまだセバスの言っている意味がわからなかったので先を促す。するとセバスは自慢の髭を
指で整えつつ言う。
「つまり、ありえない事が起きたのですよ。普通いくら鍛えたからと言って所詮は人の身。恐竜に
力で勝てるはずはありませぬ。その口の中に入った=死に直結するのが当然です」
そこまで言われて何となく雄三は気付いた。つまりは本来の力を持っていなかったのだ、と。
雄三の顔を見たセバスは頷き、更に自分の見解を述べる。
「そう。気付いたみたいですな。この蜥蜴は本来の力を持っていなかったと考えられます。
でなければ人間の攻撃など効くはずもないでしょう。しかし…」
セバスの顔が少し翳る。
「事実私達の攻撃は効き、そして事実、ジープに迫るほどその動きは速かった」
セバスは思い出していた。芹香達の運転するジープに追いつかんばかりのスピードを出して走っ
ていたこの恐竜の姿を。何かの本で見た覚えがある。T-REXの時速は精々出二十キロ程。人間が全力
疾走すれば撒けない事もない。だが目の前で倒れているその恐竜は優に五十キロ以上は出ていた。
実際本に載っている恐竜の事柄なんて憶測で書いてあるにせよ化学的に考えて考慮したものであ
り、信憑性は疑いようが無いはずである。それが目の前で覆された。
55 :
マケナイ拳:03/04/03 00:37 ID:7fUg5hfs
「長瀬殿…」
「………多分、品種改良と呼ばれるものかもしれませぬ」
そう。今二人の前にいるT-REXはアトラクション用に細胞に手を加えたものであったのだ。
長瀬の見解通り、異常な速さを身に付ける代わりに本来の力を失ってしまったものであった。
「…郁美が心配だ」
「お嬢様、無事でいらっしゃると良いが…」
二人は動けなくなっている太古の王にはもう目もくれずに歩き出した。それぞれの守るべき者の
為に。
【雄三、セバスチャンかなりの疲労。とりあえず二人一緒に行動】
【T-REXその場で倒れている。死んではいない】
56 :
m.o.e:03/04/03 00:44 ID:7fUg5hfs
久振りのハカサバ。何だかちょっと書き手が少ないみたいですね。
保守がてらに投下させて頂きました。以前の活気が戻るといいな。
あ、いきなり脱字が…。
>>54の、精々出二十キロ程。を精々出て二十キロ程。に訂正して下さいませ。
保守
前回、無茶だとか叩かれてたT−REX関係に
フォローをいれたのは評価できるような気がする。
けど、倒すトコまで行っちゃうのはどうかな…。
敵キャラヘタレ化現象が更に促進してしまったので
個人的にはプラマイ0だったり。
>>58 ヘタレ化とは言っても、セバス&雄三が全力で何発も
打ち込んでやっとREXの片足一本でしょ?
力関係の加減から言えばこれくらいが丁度いい気がする。
これ以上REXが強ければ逃げるか死ぬかしか道は無し、
逆に弱ければそれこそヘタレスパイラル確定。
60 :
59:03/04/04 22:33 ID:EQWgcvMm
×→片足一本
○→足一本
というか、2人ともギャグっぽいところから始まったから
正直、強さの設定を決めにくい。
セバスは開始直後に超先生の居所探し当て、すべてのセキュリティーをかいくぐり、
超先生を滅殺した香具師。
雄三はこの島まで遠泳してきた香具師。
どちらも人間ばなれしたレベルだ。
んで、作品中一つ気になったところ
セバスはなぜ武器を使わなかったんだろう?
すとりいとふぁいたぁだから?
63 :
m.o.e:03/04/07 02:41 ID:zRo8E79p
>>58 あ、倒すと言っても死んだ訳ではなく、片足を壊しただけなので後々使えるかな、と思いまして。
勝手な考えですみません。伏線が多すぎですよね。次回から気を付けます。
>>61-62 えっと、武器については失念していました。
でも例え武器を持っていようとも一応は「神の拳」と「拳王」って名が付いているのですから、できるだけ
己の肉体のみでどうにかしたいと思いました。それでも無茶だったのかもしれません。今後は留意したいと思います。
64 :
名無しさんだよもん:03/04/07 08:30 ID:VZzd/zJv
あげてかないとおちそう
65 :
名無しさんだよもん:03/04/07 08:35 ID:lMHLDSca
小さなことだが…
雄三じゃなくて「雄蔵」ね。
火薬の、そして煙草の臭いで、奴はこちらの動きを把握している。
確定した情報ではないが、今はそれがこの状況を打開する、唯一の突破口に思えた。
「高槻っ!」
「……なんだ……っ!」
続けざまに跳びかかって来たキメラの爪を、高槻は何とかかわす。
だが、顔にはびっしりと汗が浮かび、足元はふらついていた。
「くそ、どうして……はぁはぁ……俺だけこんなめに……どわっ!」
喋っていたせいで集中が途切れたのか、次の一撃を高槻は避け損ねた。
爪で裂かれる事はなかったものの、その巨躯にぶつかり、壁に叩き付けられる。
「うげぇ!!」
蛙が潰されたような声をあげ、高槻は床に突っ伏した。
肺の中の空気が搾り出され、高槻は呼吸困難に陥る。
霞んだ目を上げた瞬間、黒い巨体が自分に向けて跳びかかってくるのが見えた。
「………!!」
一瞬、凍りついた高槻の脳裏を、FARGOの研究で“潰して”来た被験者達の顔が浮かぶ。
何て嫌な走馬灯だ、と毒づくより早く、それはやって来た。
凄まじい突風が全身を覆う。
「ぐがががぁぁっ……!?」
突風によって生じた真空に巻き上げられ、高槻はもみくちゃにされながら床を転がった。
「だだだ……な、なんだぁぁっ!?」
「しっ……静かに」
少年の鋭い声に、高槻は慌てて口を噤む。
全身の打撲から耐えがたい痛みが生じていたが、高槻は呻き声を何とか押し殺し、身を起こした。
そして、目線だけで少年に疑問を訊ねる。
グルルルル、と地の底から響くような唸り声をあげ、キメラは顔を巡らせた。
その鼻がピスピスと動いているのを見て、高槻ははっと少年を見る。
「そうかぁっ! 奴は臭いで俺を狙っていたのかぁっ!!」
「っ……馬鹿!!」
瞬間、キメラは弾かれたように高槻に顔を向けた。
そして、そのままの姿勢から再び跳びかかってくる。
「どわあああっぁっ!!」
騒々しい悲鳴をあげながら、高槻は少年の方にもんどりうって転がった。
そのすぐ真後ろを、キメラが突風と共に突き抜ける。
高槻がさらに何か言おうと口を開いたので、少年は慌てて手で塞いだ。
そして、可能な限り小声で、高槻の耳に囁く。
(高槻、声を出すな。気付かれる)
(……なにぃ……)
再び獲物を見失ったキメラを見て、高槻は眉根を寄せた。
今度はその耳が音を探るように蠢いているのを見て、ようやく理解の色を浮かべる。
(……臭いと音で獲物を探っていたのかぁ……)
(臭いは風で壁を作れば、ある程度は遮れる。けど、音を消そうと思ったら真空の断層が必要だ)
奴が俺を仕留めそこなったのは、こいつが風の壁を作って臭いを遮ったからか、と高槻は気付いた。
しかし、だからと言って礼を言うような人間ではないのだが。
(奴は恐らく、鉄砲を警戒している。だから、あんな遠距離から跳びかかってくるような真似をするんだ)
(ヒットアンドアウェイという奴かあぁ……だが、俺はもう弾は無いぞ?)
(火薬の臭いと自分が受けたダメージを繋げるだけの知能はある。けど、弾数制限がある事まではわからないんだ)
(しょせんは獣か……だが、風の壁何ぞという子供だましでは、そう長い時間持たんぞ)
高槻の言う通りだった。
奴は“臭い”目掛けて、遠距離から一直線に跳びかかってくる。
だから、自分達の前後に風の渦でできた壁を作り、臭いを掻き混てやれば、位置までは特定できなくなる。
後は騒音さえ出さなければ、奴は手を出せないだろう。
だが、お互いに睨み合っている状況に耐え切れずに、高槻は少年の首根っこを掴む。
(貴様の不可視の力で、奴を爆砕できんのか!!)
(出来るならとっくにやってるよ。肉体が強靭過ぎる。奴の息の根を止める前にこっちがやられる)
冷静な少年の言葉に、高槻はギリギリと歯を噛み鳴らそうとして……音を出さない為に、代わりに爪を噛んだ。
(僕の破壊の速度より、再生の速度が速ければやられる。
よしんば僕の破壊の力の方が上回っていても、あれだけの巨体を粉みじんにするには時間が掛かりすぎる。
何か、マシンガンでもサポートがあれば別だけれど)
少年に言葉に、高槻は一瞬難しい顔をして、ぎろりとキメラを睨む。
その時、キメラに生じた異変に、ぎょっと目をむいた。
「おいっ…!」
歯の間から絞り出すような声で、高槻はキメラを指差す。
何事かと指差す方向に目をやった少年は、同じく言葉を失った。
(目が再生している!?)
銃弾で穿たれた穴が、徐々にではあるが元の形を取り戻しつつあった。
まだ眼球は白く濁っていたが、ほどない間に視力が再生するのは間違いない。
キメラ自身もそれがわかっているのか、高槻の声を聞きとがめていても、攻撃しようとはしない。
高槻はバリバリと歯噛みすると、物凄い形相で頭を掻き毟る。
「うぐぐぐ……くそぉ、せめて郁未の奴がいれば……」
「不可視の力は体力を奪う。今の郁未じゃあ、足手まといにはなっても役には立たないだろう。
高槻だってそう思ったから、こうしてわざわざ僕達だけで動いてるんじゃないか」
急に高槻は頭を掻くのをやめ、半眼でギロリと少年をにらんだ。
「おい、奴の足止めなら、どのくらいできる」
「………状況にもよるけど、こっちに来させないだけなら、5分はいけるよ」
「身動きひとつできないぐらいなら」
「さぁ。1分ぐらいかな」
高槻は一瞬沈黙し、キメラに目をやった。
その瞬間、キメラの眼球と、まともに目が合う。
「奴の真横の部屋に入るっ!! 援護しろ!!」
「高槻!?」
突然叫んだ高槻に、キメラが反応した。
それと同時に、高槻はキメラに向けて走り出す。
瞬間、視力を取り戻したキメラが、獲物に跳びかかる獣のように、身を縮めた。
「―――――――!!」
跳躍する寸前を狙って、少年は不可視の力をぶつけた。
出合い頭をまともに潰され、仰け反ったキメラは床に頭から激突する。
人間なら間違いなく頚椎が折れていただろうが、キメラは何事も無かったかのように身を起こした。
「止まれ高槻!!」
少年の叫びに、高槻は慌てて急停止する。
キメラの目に真正面から睨まれ、高槻は硬直した。
(うげえっ! やっぱり無謀だったかあぁっ!?)
【高槻 何か策アリ。キメラの脇の部屋に入ろうとする】
【少年 キメラの押さえ役に】
【キメラ もう少しで眼球再生】
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名無しさんだよもん:03/04/11 14:00 ID:uTOiXleW
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