彼女はそこに立っていた。
こんなに面白いイベント、今まで参加できなかった自分が悔しかった。
華やかな舞台が設けられる時、常に自分はそこに立つことを許されなかった。
舞台の下からスポットライトを鷹の目で眺め、
その中の存在を追いかけることを生きがいに今まで生きてきた。
だから、自分はこの島で起こる全てを外から眺めていたかったのだ。
しかし彼女はこの大会への参加を決意する。
「あの」鶴木屋会長、柏木千鶴の主催と聞いて居ても立ってもいられなくなったのだ。
彼女はそこに立っていた。
このようなイベントに、本来なら参加する意志は無かった。
華やかな舞台が設けられる時、常に自分はそこに立つことを許さなかった。
舞台の下からスポットライトを隼の目で眺め、
その中の存在を守り抜くことを生きがいに今まで生きてきた。
だから、自分はこの島で起こる全てを外から眺めていたかったのだ。
しかし彼女はこの大会への参加を決意する。
「彼女の」生きがい、森川由綺の参加を聞いて居ても立ってもいられなくなったのだ。
そして二人は出会った。
「…あっ、あの、篠塚さん…ですよね、緒方プロダクションの」
名を呼ばれた女性が、驚いた様子も無く振り返る。
暗闇の中から、髪をショートに切った女性が現れた。肩からカメラをぶら下げている。
(気配を感じませんでした…)
何故相手が自分を知っているのか。そのような事は考えなくても分かる。
彼女の顔を、弥生は覚えていたから。
「相田響子様…ですね。『週刊レディ・ジョイ』の」
相好を崩す事無く、弥生は突然の来訪者――相田響子の顔を見据えている。
長年のゴシップ記者生活が染み付いている彼女である。ちょっとした探偵まがいの隠行はお手の物なのだ。
「あ、私は鬼じゃないんで安心してくださいね。えーと、それにしても驚きましたよ、本当に。
あの!トップアイドルの緒方理奈、森川由綺がこの鬼ごっ…」
「森川を見かけませんでしたか?」
モリカワユキ、という単語は目の前の女性の心を溶かすのにあまりにも有効らしい。
響子は心の中でそう呟いた。
「いいえ、私は見ていませんが…やっぱり気になります、彼女の事?」
「担当のマネージャーとして当然の事と思いますが」
「それだけかしら?」
「…………」
「ま、結構です。ところで、これからの予定は何か?」
「私は森川を捜します。彼女が鬼になっていようと、彼女を守るのが私の仕事ですので」
「お邪魔していいかしら?」
「ご自由に」
【篠塚弥生 相田響子 行動を共に】
【篠塚弥生 由綺を捜す】
南とみどりは夕食のカレーとサラダを食べ終え、少々くつろいでいた。
「…ふぅ。ちょっとつくり過ぎてしまいましたね」
「そうですね。ちょっと私たちには多過ぎたかもしれません」
「どうしましょうか、残ったカレー…」
といって台所回りを漁り始めるみどり。
「あ、こんなところにタッパが。これに入れておきましょうか?」
「そうですね、この先どこで食事できるか解かりませんし」
なんて会話をしながらも、二人分の布団を敷いて着々と寝る準備をする南。
「南さん、お風呂どうします?」
「やっぱりシャワーくらい浴びたいですね」
「じゃあ、入ってから寝ましょうか」
「そうですね」
カレーの詰め替えを終えたみどりは、南とシャワー室へ向かった。作業員詰所のくせになかなか良い設備
がついているものである。
「あ、見張りとかどうします?」
「うーん…ここは公平にじゃんけんで決めましょうか」
「はい。それでは」
じゃーんけーんぽいっ、
「あら、負けてしまいました」
と南さん。
「それでは、2時間毎に交代でいいですね?」
「はい、わかりました。交代するときは起こしてくださいね」
とても疲れていたみどりが眠りに就くまでに、そう時間は掛からなかったそうな。南も同じなんだけどねw
【南 みどり 詰所内で就寝】
614 :
静か:03/03/23 00:15 ID:iW5d86ag
彩は目を覚ました。
いつのまにか眠ってしまっていたらしい。
意外と、自分の肝が太かったことに、少し驚く。
土壁にもたれながら、上を見た。
もう夜らしい。狭い空に、木々の枝。
眠っている間に、夜になっていたらしい。
また少し驚く。
立ち上がって、手を伸ばしてみた。
やはり、届かない。
ぎりぎり、届かない。
まったく、だれだろう。
こんな、人一人完全にはまりこむくらい、大きな落とし穴を作ったのは。
とりあえず怪我はない。
けれど、誰かに助けてもらわなければ、どうすることもできない。
「……」
彩は思った。
仕方ないから、ネタ出しをしていよう、と。
【彩、特大落とし穴の中】
「ぎりぎりセーフ! ――ですの!」
びっ!――っと、両手を横に大きく広げた、何故か袴姿の少女が叫んだ。
「あの、すばるさん? 何の話でしょうか?」
「鬼ごっこの事ですの! 存在をアピールしてないと忘れられてしまいますの! 桑島さんも今の内に目立って
おかないと、居なかった事にされてしまいますの!!」
「今更目立ってもという意見もあると思うのですが…」
リボンで髪を一束に結った女性が椅子に座り、苦笑を浮かべながら缶紅茶を啜っていた。
「ぱぎゅうっ…! 何でそんなに落ち着いていられるんですの!? こんな大イベント――目立たなければ損ですの!」
「…まぁ、某リレーSSでいきなりポアされたという屈辱故に、いきり立つのも解らなくはありませんが」
「――ポアって…、なんだか不穏当な発言だと思いますの。しかも何気なく死語っぽい気もしますの」
「余り御気になさらずに」
「…コホン――何れにせよ、ここは勿論狙うは優勝ですの! 大影流の奥義を駆使して鬼さん達を撃退しますの!」
「大怪我をさせる様な攻撃は禁止されてますよ?」
「ぱぎゅ…――そ、そうだったですの…。出来る限り手加減して放ちますの…地竜走破とか」
「…頑張って下さい。――では、私は寝ますね」
「ぱ、ぱぎゅう……。ずるいですのー…」
「三時間交代で寝ましょう。すばるさんは見張りをお願いします……お休みなさい」
「おやすみなさいー…ですの」
「………つまらないですの。…お歌を唄ってもいいですか? ですの☆」
「お願いですから止めて下さい…」
「ぱぎゅう…」
【御影すばる 桑島高子 街の一角にあるビル内で就寝…】
【すばるは、気が昂ぶってちょっと落ち着かない模様】
【二人は偶然出会ったという事にして下さい…(汗)】
彩は悩んでいた。
せっかくだから、この鬼ごっこをネタにした、なにか素敵な話を……と思ったのだが、
よくよく考えればいきなり穴に落ちてしまったので、ネタにするもなにもない。
それに土に囲まれた穴の中では気が滅入るばかりで、イマジネーションが刺激されない。
せめて星でも見ようかと空を見上げると、タイミング良く穴を覗き込んできた人物と、目が合った。
彩は目を見張る。
透き通るような白い髪は銀の光を受けてさらさらと流れ、小さな顔は人形の如く整い、それでいて可憐だ。
その正体は月の妖精だ、といわれても彩は驚かなかっただろう。
少女はそんな幻想じみた雰囲気を湛えていた。
「あの……大丈夫ですか?」
彩ほどではないがか細い声が、その口から零れる。
「……はい」
「ちょっと待って下さい、なにかロープの代わりになりそうなもの……」
少女はくるりと身を翻す。数分と待たず足音がして、三本寄り合わされたツタが投げ込まれる。
「多分これで切れないと思います。どうぞ、上がってきてください」
「分かりました……」
突然の救援の手に感謝しつつ、彩は軽くツタを引いた。思いの外丈夫そうで、切れることはないだろう。
彩は壁に足をかけ、ツタを掴んでのぼりはじめた。
そして。
穴の底の人間は、2人になっていた。
「すみません、お役に立てなくて……」
「いえ、私こそご迷惑をおかけして……」
少女のか細い、しかも病弱な腕では、彩の体重すら支えきることができなかった……。
【彩&白きよみ 仲良く穴の中】
お待たせしました、今日のリストが出来ました
が、サイズが半端じゃないのでまず連投に引っかかると思われます
すいませんがちょいと待ってください
現時点(
>>616)までの参加者一覧
【】でくくられたキャラは現在鬼、中の数字は鬼としての戦績、戦績横の()は戦績中換金済みの数
()でくくられたキャラは参加確定ながら未出キャラ、『』でくくられたキャラはショップ屋担当
レス番は最終行動及び存在確認、無いキャラは前回(
>>431-434)から変動無しです
fils:ティリア・フレイ、サラ・フリート、【エリア・ノース】
>>442 雫:長瀬祐介、月島瑠璃子
>>574-576、藍原瑞穂、太田香奈子、【新城沙織】、【月島拓也】
>>444-447 痕:柏木耕一、柏木梓、柏木楓、柏木初音、柳川祐也、日吉かおり、小出由美子
>>554-555、
相田響子
>>610-611、ダリエリ、【柏木千鶴:10】
>>589-592
エリア、月島兄はとりあえず千鶴さんカウントで
矢島、垣本の分のカウントはまだ入れてません
香里は描写からとりあえず所持金2万てことで
このリレーは余程の反則(電波で参加者を操る、魔法で自分を触れなくする、岩切限定終了まで潜水など)が無い限り
能力使用はOKです。ていうか基本ギャグで済ませましょう。目標NG0で。
能力に関してグレーゾーンな話を書く際には
『葉鍵鬼ごっこ議論・感想スレ』 へどうぞ
>
ttp://6821.teacup.com/hakagionigokko/bbs
625 :
漢への道:03/03/23 02:15 ID:hUARGfU1
「ふむ、ここいらで良いか」
男がそう言って足を止めたのはまさしく森の中心部であった。
「醍醐さん……?」
藤井冬弥は結構不安だった。
ようやく己を苛む孤独から救われたと思いきや、果たして何がいけなかったのだろう、
天が使わした救いの主は一般的な人間とは大きくかけ離れた……
端的に言ってしまえば類人猿みたいな男だった。
醍醐と名乗るこの男にお前を一から叩き直してやると宣言され、
そんなこんなで付き従って森の中を歩き回ること数時間、あれ以来誰とも会えていない。
出来れば逃げ出したいところだが、日の暮れた森に一人取り残されるのも嫌だし、
それに何より……
「俺のことは師匠と呼べと言っただろうが!」
振り返ると共に大声で一喝。
だが辺りを見渡す冬弥の仕草を認めると醍醐はその顔を大きく歪ませた。
「鬼が近くにいるかと心配か? 安心しろ、なるべく気配を避けてきたからな。
今のところは誰も俺達の居場所を把握してはいないだろうよ」
そうなのだ。
どうやら笑っているつもりらしいこの人、
外見はおろか中身の方まで常人じゃないらしく逃げ出す隙なんて一_もない。
鬼ごっこなんかよりどっかの奥地で実戦とかしていた方がよっぽど似合ってる。
(いったい俺はこの後どうなってしまうのだろう)
そんな冬弥の不安をよそに、醍醐は懐から何やらを取り出してこちらに放る。
慌ててキャッチしてみるといかにも薬局とかで売ってそうな固形食糧だった。
「味の方はそんなに誉められた物ではないが食っておけ。漢たる者、
常日頃から備えを万端にしておくものだ」
ずっと歩きづめだったし確かに腹は減っていたのでありがたく頂くことにする。
囓ってみると桃の香気。控えめな甘さだが以外と美味い。
626 :
漢への道:03/03/23 02:17 ID:hUARGfU1
ハムスターみたいに口をもごもごと動かす冬弥に向かって醍醐は淡々と告げた。
「食って、十分休憩したら修行をはじめる。いいな?」
思わず喉を詰まらせかけた。
「修行……ですか? 醍g……いえ師匠」
懸命に胸を叩いて嚥下し何とか命の危機を脱した冬弥の問いかけに、醍醐は答える。
「そうだ、修行だ。ちょうど都合の良いことにこの森のそこら中に罠が仕掛けてある。
ふん、どこのどいつの仕業だかわからんが、なかなか見事なもんだ」
言われて辺りを観察してみるが、幾ら注意してみても到底そこに罠があるとは思えない。
いぶかしげな冬弥の様子に気づいたのか、醍醐は渋い顔。
「信じられんのか? 貴様本当に鍛え直す必要があるようだな……
まあいい、俺はこれからお前に徹底的に罠の何たるかを叩き込んでやる。
鬼ごっこで勝利したいのなら死ぬ気で付いてこい!」
冬弥は慌てた。罠だって? 冗談じゃない、何が悲しゅうてそんな危険なことをしなけりゃいかんのだ。
「師匠! お気持ちはありがたいのですが鬼ごっこならば隠れ方など修練した方が良いかと思われますが!」
「口答えするな! いいか、この島にはあの糞餓鬼をはじめ凄腕の奴らがごまんといる。
お前のひよっこの気配断ちなんぞ一目で見破られてしまうわ!
いかに隠れるかではなくいかに逃げるかだ。周囲にある物を最大限利用しろ、決断は素速く断固に行え。
頭はクール、心はヒートだわかったな!?」
何とか方向を逸らそうと口をはさんでみるが一瞬にして却下される。もの凄い剣幕に押され冬弥は
半ば自暴自棄に叫びを上げた。
「Yes,sir! よろしくお願いします師匠!!」
「よし、なに、これだけある罠を利用すれば幾らお前でも並大抵の相手ならすぐ身を守れるようになる。
安心しろ。ではまず罠の見極め方からだ」
醍醐はそのゴリラのような顔を心底愉快そうな形にした。
【藤井冬弥】 罠使いの修行開始
【醍醐】 冬弥へ「明日のための罠」伝授開始
627 :
訂正:03/03/23 02:18 ID:hUARGfU1
「漢への道」→「明日への道」に訂正お願いします。
「あれ〜おっかしいなー」
浩平が素っ頓狂な声を挙げる
「さっきもここを通った気がするのだが・・・」
「う〜ん、何故なんだ・・・」
「・・・つかぬ事を伺うが浩平殿、何故にこちらの方向だと
思われたのだ?」
同じ道を何度も通っているのだ、出て当然の疑問である
「フィーリング」
「ふぃーりんぐ?」
「直感的なもの?」
「拙者に聞かれても困る、と言うよりそんな理由でさっきから
歩いていたのか?」
「その通り!」
「・・・・・・」
呆れて言葉も出ないとはこの事だ
「正気か・・・?浩平殿」
「いたって正気、それよりなんで俺の名前を?・・・ハッ!まさか
あんた、エスパーだな!?」
「出会った時に大声で叫んでたでござろう」
「ぐあ・・・しまった、俺とした事が!」
「・・・・・・ちなみに拙者は・・・」
「うーん、どうしたものかしら」
「?何がですか?」
千鶴のつぶやきに、ショップ屋のねーちゃんが問う。
「いえ、そーいえば私、生き残った人への賞品をまだ言ってなかたなぁと」
「「「……」」」
てへっ♪と舌を出す千鶴に、いってなかったんかい!!と内心で突っ込む三人。
「一応、企画書には一億円としてあるけれど、芹香さんのような人にはあまり魅力のある賞品ではないですよね……
え、気にしなくていい、ですか?でもただお金というのも味気が無いですし」
「……あまり賞品は重要じゃない。みんな楽しんでいるから」
大根をハフハフさせながら舞がいう。
「あまり賞金が大きすぎるのも良くない……お金は心をすさませる」
毎日昼食を佐祐理に、夜食を祐一に、
そしてたった今芹香におごらせているという事実は棚にあげられたようだ。
「そうですね。まあ、幸いみなさん楽しまれていますから適当でいいかな♪
え、芹香さん、提案があるんですか」
「(こくこく)」
「……なるほど、優勝者の願いを一つだけ他の参加者と企画側でかなえてあげる、ですか。
面白いかもしれませんね」
「トウカさんだろ?初めて会った時に言ってぞ」
「解ってくれているのならいい」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ〜どこにいるんだよ!」
疲れと苛立ちから大声を挙げるが全ては自業自得である
「浩平殿、ここいらで休憩すべきではないか?闇雲にさがしても
どうにもなるまい」
仕方なく腰をおろすが気分は収まらない
「俺のシックスセンスは向こうらへんにいると感じたんだがなぁ」
浩平の指差した方向から
「あれ浩平?」
探してた人物がでてきた
「・・・」
「・・・」
二人に沈黙が訪れた
「流石、浩平殿、適当に歩き回っていたのではなかったのですね」
「ま・・・まあね」
まったくの偶然であった
「瑞佳知り合いなの?」
そばのちっこい少女が長森に尋ねている
「どうしたの浩平?ボロボロだよ、それにその襷・・・」
この発言に待ってましたといわんばかりに浩平が動いた
「いやー実は悪い奴ら(N瀬&H背)につかまって袋叩きにあったうえに
鬼にされてしまって困ってたんだ、長森助けてくれ〜」
迫真の演技である
「でも・・・浩平鬼になっちゃったし・・・それにスフィーさんもいるんだよ?」
ここでさらに押す
「そうか・・・ここにいるトウカさんは赤の他人なのに、鬼になってしまうから
俺に構わず行ってくれと言っても「怪我人をほっとく訳にはいかない」と俺を介抱
してくれたのに長年の付き合いで幼馴染のお前は俺を捨てていってしまうのか・・・」
常人にはバレバレな演技だがこの幼馴染には効果が抜群だった
「でも・・・」
「私は別にいいよ」
スフィーが瑞佳に言う
「頼むよ瑞佳、助けてくれ」
・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・はぁ、今回だけだよ?」
「悪いな〜いつも迷惑かけちゃって」
「本当だよ」
【浩平・トウカ=長森・スフィーを仲間?に】
【スフィーはLV1の状態に】
【浩平に撃墜数+2】
(本当に3回頼んだら言う事を聞いた・・・侮りがたし・・・浩平殿)
【トウカ=浩平を見直す】
べたな賞品ではあるが、確かに面白いかもしれない。
願い事に他の参加者の利害が絡むならば、様々な駆け引きが生まれてくるだろう。
半強制的に連れて来られた参加者たちに、
優勝者の願い事をかなえる義務が生じるかどうかは疑問であるが……
まあ、それはたいした問題じゃないだろう、多分。
「だけど問題もありますね」
ショップ屋のねーちゃんが口を挟む。
「キスしてほしいとか、デートしてほしいとかかわいげのある願い事ならいいですが、
○○死ねとかそういうことを言われたらどうします?」
「うーん、ある程度は常識に期待してもいいとは思うけど……」
常識が通じない人物がいるのも確かである。
高槻とか
高槻とか
高槻とか。
「まぁ、決めるなら早いほうがいいですよ。
鬼が増えすぎてから賞品を発表すると文句も出るでしょうし」
「そうですね、他の管理者とも相談して発表したいと思います、
それでは舞さん、芹香さん、アドバイスありがとうございました。がんばってね」
そういい残し千鶴は席を立った。
【千鶴、他の管理者と賞金について相談】
【舞&芹香 屋台でマタ―リ】
ごめんなさい、割り込んじゃいましたー
やべっ、ミスった。どうしよう?
×立川雄三
○立川雄蔵
じゃない?
633さんどうしよう?
直しますか?
暗い夜の森。
そこで喚きまわっている男が一人。
「うわぁぁぁ、暗いよ!恐いよぉ!」
この男の名をハウエンクアという。
狡猾なこの男。
昼間のうちに島を歩き回り、森に潜むのが安全だろう、と考えていた。
そこまでは間違っていない。
だが、一つ重要なことに彼は気づいていなかった.
自分が、とてつもない恐がりだということを。
「誰か!誰かいないのかい!?どうして僕を一人にするんだい!?」
誰もいないのは、自分がそういう場所を探して隠れたからである。
おまけに頼りの綱のアヴ・カムゥすら忘れてきてしまっている。
それが一層彼の恐怖心を煽っていた。
ヒュオ――
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!?お、お助け、お助けをー!」
風が吹くだけでこの始末である。
ともかくこれだけ喚きまわって、なぜ鬼に見つかっていないのか疑問が残るところだが――
ガサガサ…(葉っぱが揺れただけ)
「あぁ!?ごめんなさい、ごめんなさい!!」
まだ夜は長い。
【ハウエンクア 悶絶中】
638 :
633:03/03/23 02:31 ID:CIgS3LRM
>>636 割り込みそうでうかつに書き込めないな(苦笑
割り込んじゃってすまんです。
編集さんしだいだけどそのままでいいと思う…続きは感想板で。
がっしゃん、がっしゃん、がっしゃん、がっしゃん。
どごん、どごん、どごん、どごん。
木々が巨大な足音に合わせ、せわしなく揺れ動いていく。
掲示板では誰もツッコんでないが、限りなくルール的にグレーゾーンな武器……武器というより兵器、アヴ・カムゥ(クーヤ専用機)だ。
白亜の機体が月光に映え、非常に幻想的で美しい。それ以上に凶悪なのだが。
現在彼女は肩の上にサクヤ・マルチ・浩之の三人を乗せ、道を歩いて……というよりも、道を作りながら森を万進していた。
そんな折、外部マイクでクーヤがぼやきを漏らす。
「……つまらん」
「へぇ……マルチさんにはお姉さんがいらっしゃ……ってはえっ!?」
マルチの相手をしていたサクヤが慌てて反応する。
「ど、どうしましたかクーヤ様!?」
「つまらん。全くもってつまらん。サクヤ、貴様余に嘘をついたのか?」
「ど、どういうことですか?」
「貴様鬼ごっこというものはもっとハラハラドキドキエキサイティングワーオグレイトビュリホファンタスチックで、この上なく楽しいものだと言っていたではないか。
それがこの様はどうだ。追いかけ、追いかけられるどころか余らの前には人っ子一人現れもしない」
「ううっ、そ、それは……」
ツッコまれてほしくなかったところにツッコまれ、言葉に詰まるサクヤ。
正確には人っ子一人現れてないわけではない。いや、かなりの人数が一度はアヴ・カムゥに近づいている。近づいて『は』いる。
当たり前である。全高5Mを超える二足歩行の巨大ロボット。目立たないはずもない。
しかし……
「……まぁ、これを目の前にして戦おうっていう豪気な鬼もいないだろうな……」
浩之の呟きは当たっていた。
近づいてきた鬼……いや、鬼でなく参加者も皆間近でこれを見るとたちまち戦意を失い、触らぬ神にたたりなしと速攻で逃げていった。
(誰も気づかなかったが、無謀な特攻を試みた鬼がいる。……うぐうぐ鳴いて蹴飛ばされたのだが)
よって、クーヤからしてみれば……未だこの島には浩之たち以外の参加者はいないも同然である。
しかもクーヤを含め、肩に乗っていた浩之たちも気づいていないのだが、北川&住井のトラップブラザーズが作った罠……その数々にもかなり引っかかっている。
引っかかり、気がつかないうちに破壊していた。人間用の罠がアヴ・カムゥに通用する道理もなく。
「……それに……」
さらに一段階声を低くし、クーヤがぼやく。
「ま、まだ何かあるんですかぁ〜?」
かなり泣きそうなサクヤ。
「腹が減った。朝から食べたものと言ったらマルチが持っていたクッキーだけではないか。料理係を呼べ。余はかなりの空腹だ。もう我慢できん」
「そ、そんなぁ〜……」
空腹なのはサクヤも、そして浩之も同じだ。
「私は平気ですけどね〜」
ドゴッ!
「はわわっ!?」
余計な一言を漏らしたマルチは地面に投げ捨てられた。
「余は空腹だ。空腹だといったら空腹だ。即刻食事を用意せよサクヤ! 浩之! クンネカムンが皇、アウムリネウルカ・クーヤの名の下に命令する。食事を用意せよ! 今すぐにだ!」
かなりキレ口調。状況がヤバイのは付き合いが長いサクヤだけでなく、今朝会ったばかりの浩之にも聞いて取れた。
「そ、そんなこと……」
「言われてもな……」
「あっ、みなさんあれを見てください!」
「ん? どうしたマルチ」
地面で潰れていたマルチが顔を上げ、不意に道の……道になるであろう直線の向こうを、指さした。
「……明かり?」
目を細め、見通す浩之だが肉眼ではちょっと辛い。
「クーヤ様」
「うむ」
しかしクーヤはアヴ・カムゥのカメラアイを望遠モードにすると、照準をその光に合わせた。
「……む、あれは……」
「何でしたかクーヤ様」
「人がいるのか?」
「鬼さんですか? 参加者さんですか?」
訝しがる三人を尻目に、クーヤは静かに呟いた。
「……屋台だ」
「え?」
「あ?」
「かのん?」
「屋台だっ! 飯屋だっ! 飯が喰えるぞ! ……行くぞサクヤ! 浩之! マルチ……お前はさっさと乗れい!」
「そ、そんな……クーヤさんが落としたんじゃ……」
「ええいうるさい! 細かいことをグダグダぬかすと置いていくぞ!」
「ま、待ってくださぁ〜い!」
慌ててアヴ・カムゥの手に飛び乗るマルチ。
「では指令する。これより我等は目前の屋台に吶喊、夕餉の飯を手に入れる!」
【アヴ・カムゥ(クーヤ搭乗) 目前屋台へと吶喊(初号機、弐号機、参号機のいずれかは不明)】
【浩之・マルチ・サクヤ アヴ・カムゥの上に乗ってる】
「誰!?」
目の前にいたのは、中学生ぐらいだろうかショートヘアの黒髪がきれいな子だった。
「あ、…楓ちゃん?」
「あ、来栖川さんの…綾香さん?」
来栖川綾香は姉の芹香を探して森の中を歩いていた。
「見た所あなたも鬼じゃなさそうね…ちょっと人を探してるんだけど…」
「芹香さんですか?」
「ええ、会わなかった?誰かに聞いたとかでもいいんだけど」
「すいません…心当たりがありません」
実際、楓はまだ一人も出会ってない。
「あんまりこういうの得意じゃなくてね〜…姉さんは。心配だから探してるのよ」
「確かに得意そうに見えませんね」
「でもアナタも大変ね…お姉さんが鬼なんて」
「…ええ、まあ偶にはいいんじゃないでしょうか」
「そういえば楓ちゃん千鶴さんに似てきたね」
楓としては胸だけは似てほしくないのだが。
「それで、楓ちゃんは今からどうするの?」
「……えっと」
楓は口篭もった。特にやることを決めていなかったからだ。
「まだ、決まってないんだったら手伝ってくれない?」
「は…手伝うですか?」
「そ、姉さんを探すの」
多人数は不利。
先程、思考のすえに出した答えだ。
しかし―――――
「わかりました。一緒に行きましょう」
楓は仲間を作るほうを選択した。
【柏木楓、来栖川綾香と共に行動。芹香を探しに】
お騒がせしまして。修正が遅くなって申し訳ない
「それにしても――――深い森ねえ…」
「はい」
「お腹空いてきちゃった」
「私もです」
「こんなところにレストランがあるわけないし」
「そうですね」
「…………」
「…………」
「何で誰とも出会わないのよっ!!」
来栖川綾香と柏木楓は未だに森の中にいた。
「とりあえず千鶴姉さんの気配は近くにありませんから」
「それはいいんだけどね…姉さん今ごろ何してるのかしら」
「どこか広い場所に出てみますか?」
「うーん、危険なんだけど…楓ちゃん足、速かったわね」
「ええ」
鬼の力を使えばもっと速くなるが。
「まあそれなら大丈夫かな、私も足、速い方だし。それに『虎穴に入らずんば虎子を得ず』って言うしね。あと食料ね…」
綾香は知らない。
芹香がいま柏木千鶴と同じ場所にいることを。
そしておでんを頬張っていることを。
【楓、綾香 共に森の外を目指す】
上のから4,5時間後ってところでしょうか。
「なかなか見つからないわね」
鬼になってからずっと栞だけを追い続けてきた香里だが、もう既に半日以上
追い続けて未だに手がかりゼロであった。
これ以上時間を食うと栞が他の鬼に捕まってしまう可能性が格段に高くなってしまう。
ここで香里には2つの選択肢があった。
第一の選択肢は、今まで通り栞以外は無視していく方法。
第二の選択肢は、方針を一変してとにかく撃墜数を増やし、
早目にレーダー等の索敵アイテムを入手するという方法。
第一の選択肢の方法は、鬼の増加を防ぎ、他の鬼に先を越されないように
する効果がある。栞は最弱候補の一人であるので、今まで見逃してきた
相手でも本気で追えば栞はあっさり捕まってしまうであろうから、
結果的には作戦面から見ても今までの方法は悪くなかった筈である。
しかしながらこの方法ではこれ以上の追加装備はすっぱり諦めた方がいいだろう。
第二の選択肢の場合、香里自身の能力は普通であっても、強力な捕獲武器
を所持しているので、能力の高い相手でも狩ることが可能であり、本気で
狩りに専念すればかなり高性能なアイテムの入手が期待できる。ただし、
この場合鬼を量産してしまうので栞が他の鬼に捕まってしまう可能性が
高くなってしまう。
「選択肢は2ね」
香里は狩猟者となる道を選んだ。
普通の人間の能力ではこの広い会場の中から特定の一人を見つけるのは
困難であると判断したからである。しかも鬼の中には既に人間離れした
連中、いや本当に人外の連中までいるのだから、そいつらより先に栞を
捕獲するには、まずは彼らより高い能力を所持しなければならない。
それを可能にするのはショップ屋のアイテムしかない。
「それに、あたしが捕まえた人には栞に手を出さないようにさせればいいしね」
--従いそうにない相手は唐辛子攻撃で調教すればいいしね。
などと物騒なことを考えつつ香里は闇の中に身を躍らせた。
【香里 狩猟者モード突入】
>>642-643 おぉ、修正されていたのでつか。
乙です。
ところでご存知の通り綾香と楓ちゃんはおなじ年。
確か坂下以外の同年代に対する綾香の二人称はさん付けだったと思うのですが。
蝉丸は焦っていた。
―――さっき強化兵三つ巴戦で勝利したとはいえ、たった一人捕まえただけに過ぎない。
―――あのあとに御堂や光岡が二人にタッチしていたら、逆に差をつけられてしまっていることになる………
どんな相手であろうと、蝉丸の能力を持ってすればタッチする事などそう難しい事ではない。(既に例外に出会ってしまったが)
だが、誰にも会わないのであれば話は別だ。
「おかしい………」
あのあと参加者の誰にも会わない。鬼にも会わない。それどころか人の気配すらない。
―――確か御堂はあの時既に4人だったはず。
―――俺と御堂をタッチしたあの千鶴とかいうのも只者でない雰囲気を感じた。
―――光岡もいるし、他にどんな奴がいるのか解らない。
蝉丸は今の状況に焦る一方だ。
そんな時、鳥居が目に入った。
―――こんなところに神社か?
誰か隠れているかもしれない、そう思い鳥居の方へと向かった。
が、一目で期待は裏切られた。ここには誰もいない。
鳥居に小さい賽銭箱、それにお御籤の箱が置いてあるだけで社がない。隠れるようなところがない。
「なんだここは………」
鳥居に神社の名前らしきものがあるが、あまりに朽ちていてなんと書いてあるのか判らない。
―――それ以前に社なくって神社って呼べるのか?
どうでもいいことが頭の中を過ぎりながら鳥居をくぐった。
「………………………」
周りと何かが違う。ただ鳥居をくぐっただけなのに妙な違和感を感じる。
嫌な感じではない。むしろ何か心地よい。どこか落ち着く。
子供でも中に入れないくらいな大きさしかない賽銭箱に持ってた10円玉を投げ込む。
―――この鬼ごっこ、勝てますように………
何の神だか判らない上に、そもそもご利益のなさそうな鳥居と賽銭箱しかない神社(?)でお参りを済まし、立ち去ろうとしたが、
賽銭箱の隣にあるお御籤の箱に書いてある「無料」の字が気になって仕方ない。
―――無料?
詳しくはないが、100円くらいしてもいいのではないか?
やはりこの神社、何かおかしい。神社なのに社がないのもおかしければ、あまりに常識が通じないのも妙だ。
無料ならばとお御籤を引いてみた。
大吉だ。
何の神だか判らないが、大吉ならば悪い気などしない。
「大吉」下に何か書いてある。
「………………………」
読み終えたか否か、という時、突然蝉丸は消えた。
手に持っていたお御籤がひらりと落ちてくる。
そのお神籤にはこう書いてあった。
「困った時の超シナリオ
俺に任せろ
超先生<`ш´ >」
【蝉丸、超先生神社からどこかにワープ】
【蝉丸のワープ先は次の書き手にお任せします。蝉丸にとって有利なところへワープさせてもらえると有り難いです】
スイマセン、
>>646無駄に1行ごとに改行入ってしまいますた。
蝉丸は焦っていた。
―――さっき強化兵三つ巴戦で勝利したとはいえ、たった一人捕まえただけに過ぎない。
―――あのあとに御堂や光岡が二人にタッチしていたら、逆に差をつけられてしまっていることになる………
どんな相手であろうと、蝉丸の能力を持ってすればタッチする事などそう難しい事ではない。(既に例外に出会ってしまったが)
だが、誰にも会わないのであれば話は別だ。
「おかしい………」
あのあと参加者の誰にも会わない。鬼にも会わない。それどころか人の気配すらない。
―――確か御堂はあの時既に4人だったはず。
―――俺と御堂をタッチしたあの千鶴とかいうのも只者でない雰囲気を感じた。
―――光岡もいるし、他にどんな奴がいるのか解らない。
蝉丸は今の状況に焦る一方だ。
に修正おながいします。
さらに
>>648 誤「大吉」下に何か書いてある。
正「大吉」の下に何か書いてある。
吊ってきます。
同棲って板違いじゃないの?
「てめぇそこのなすびんとか言うヤツ! 大人しく脇役であるところのこのい
とっぷ様に捕まりやがれ!」
「ダメだ! 俺は最後まで逃げなければならないのだ! 貴様は負けても
最低限の生活は維持できるだろうが、俺は最悪一生日の目が拝めない場
所でじじいにケツの穴掘られなければならないのかもしれないんだぞ!」
「知るか!」
ということで、世界に名だたるエージェント・那須宗一を、そのクラスメイト
であるいとっぷこと伊藤は追いかけていた。基礎体力からして一般人レベ
ルではない宗一を平気で追いかけているいとっぷもかなり人間ばなれした
感があるが、それも脇役の意地というものだろう。
しばらく続いた均衡状態は唐突に終わりを告げる。
突如、目の前に白髪の男が現れた。
本当に、何もない空間から人が出現したのだ。びっくり。
しかもやっかいなことに、肩には鬼を示す襷なぞかかっていた。
これには宗一も度肝を抜かれた。
「げっ!! んなのアリかよ!!!」
そう言いつつも宗一は後方のいとっぷから注意を逸らさない。逆にいとっ
ぷはこれ以上ない好機に恵まれた――のだったが、
「あれは……確か『誰彼』主人公、坂神蝉丸」
なんでお前んなこと知ってるんだという大気のツッコミすら届かず、いとっ
ぷはどうすればいいんだと舌打ちする。んで当の蝉丸はというと、
「む」
とこれまた普段どおりの口癖を吐いた。少々の間を状況整理に当てた
が、しばらくして
「成る程。そういうことか」
と納得した。あの神社――超先生神社、とか言ったが、うまい具合に大
吉を引けば獲物のすぐ傍まで瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればや
ることはただ一つ。どんどん離れていくあの少年を追いかけるだけだ。
「ということで、大人しくつかまって貰おうか。そこの少年」
「だああっ!!! やっぱりこうなるのかああ!!」
【蝉丸 未捕獲の人間・宗一の傍にワープ→宗一フォックスワン】
【宗一 さらにややこしい状況で逃げる】
【いとっぷ 追っ手が増えるのはいいことだがしかしあれは主人公の蝉丸とかいう人だし様子見る限りじゃあの人もなんか人間離れしてそうだしなんかもーどうすればいいんだ的な(以下略)】
あー、すいません。
>>654の修正お願いします。
> と納得した。あの神社――超先生神社、とか言ったが、うまい具合に大
>吉を引けば獲物のすぐ傍まで瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればや
>ることはただ一つ。どんどん離れていくあの少年を追いかけるだけだ。
↓
「成る程。そういうことか」
と納得した。あの神社――うまい具合に大吉を引けば獲物のすぐ傍まで
瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればやることはただ一つ。どんどん離
れていくあの少年を追いかけるだけだ。
「ケッ、坂神に折角の獲物を獲られちまったぜ…。あの黒ずくめのガキも逃がしちまったしなぁ……ん?」
木の枝の上でブツブツと呟いていた御堂は、何かを視界に捉え、気の陰に隠れた。
「あれは………――けっけっけ、獲物発見だぜぇ〜」
「意外に紳士的な方なのですね。認識を改めました」
「…今迄一体どういう目で俺を見ていたのか解らんが」
「エルクゥの本能がどうたらこうたらとかで男性を薙ぎ倒し、女性を攫っては監禁して陵辱する様な方かと――」
「………喧嘩を売っているのなら買うぞ…」
「いえ、その様な事は決して」
森の中の、柳川とセリオ。二人は闇の中に紛れ込み、束の間の休息を摂っていた。エルクゥであっても、
アンドロイドであっても、休む時間は必要なのだ。
「――では、私はお先に失礼して、これより省電力モードに入ります」
「解った。…まだ充電の必要は無いんだな?」
「はい。まだ問題ありませんが、無駄にも出来ません。見張り交代の時間になったら――」
――その時、ピピピピピ…!――と、セリオのセンサーが何かを捉えて警報を発した。
間髪置かず、セリオは無言のまま柳川に飛び掛かる。
「――なっ…!?」
余りに急な行動であったので、柳川は対処に遅れた。なす術も無くセリオに組み付かれ、倒れ込む――その直後、
柳川の立っていた場所を何処からか飛来した白い物体が貫き、その後ろにあった巨木に激突した。
べちゃぁっ!!――
「…!? とりもち!?」
「索敵センサーの範囲外からの射撃でしたので、対処が遅れました。申し訳ありません」
「いや、いい。助かった。……鬼か…――ここに留まるのは危険だな…移動するぞ!」
「了解です」
二人は立ち上がり、逃走を開始した。
「――外した…!? ケッ…、あのメイドロボやるじゃねえか…!!」
獰猛な笑みを浮かべ、御堂もあの二人を追跡し始めた。
闇に沈む森の中を、二人と一人が疾走する。柳川・セリオ組を追う御堂は、執拗だった。
「チッ…! しつこい奴だ! っ!!――」
共に並んで走っていた柳川とセリオが、申し合わせた訳でも無いのに、同時に互いから離れた。
――次の瞬間、二人の並んでいた場所にとりもちが命中する。
「…このままでは何れ捕まるな! 二手に分かれるか!?」
「――いえ。それよりも、森が途切れます。そこで撃退しましょう」
「撃退だと!?」
「相手は夜戦に優れた強化兵です。“多少の無茶”は甘受して頂きましょう」
「……いいだろう」
セリオを見やり、柳川は楽しげに口元を歪めた。
「逃がしゃあしねえぜ! 森を出た所が、お前等の最期だ! けっけっけ!」
遮蔽物の少ない森の外でなら、確実にとりもちを命中させられるだろう。どちらか一方だけでも、結構な獲物だ。
前方に見える二人の後姿が森を抜ける。――御堂も跳躍し、一気に森から飛び出した。
「…もらったぜ!!」
着地後すかさず、とりもち銃を構える御堂。狙うはセリオだ――
「――!?」
一瞬足らず、御堂は眉を震わせた。セリオが逃げようとしていない。
――彼女の眼がこちらを見据え、キラリと光った様な気がした。
きんっ…!!――
空気を貫く音。そして眩い閃光が、御堂を一瞬だけ照らす。
ごっごごぶわぁああああっ!!!――
その音と閃光を感じるや否や、御堂とセリオの間の大地が爆発したかの様に吹き飛んだ。
「ゲーーーック!!! なんだこりゃあーーーっっっ!!?」
大量に降り注ぐ土塊と砂埃から眼を守りながら、御堂が叫ぶ。
――その隙に柳川がセリオを抱きかかえ、御堂の視界の外へと逃げ出していた。
「………チッ…! クソッタレめ…!!」
頭に乗っかった土塊を乱暴に叩き落とし、御堂は憎憎しげに毒づいた。
セリオを“お姫様抱っこ”しながら、鬼から離れる為に柳川は夜の中を走っていた。
「――衛星砲か。…反則じゃないか?」
「問題ありません。出力を抑えてありますし、命中させる気もありません。目眩ましになれば充分でした」
「なるほど…」
「それに、ああでもしないと彼から逃れるのは困難でした」
「同感だ。……それより――」
「何でしょうか?」
「…自分で言っていた通り、結構重いな」
「………失礼です、柳川さん。紳士的な方だと思っていたのに……また認識を改める必要がある様ですね」
「フン…、勝手にしろ」
「では、このままどこかの建物に連れ込んで、私を獣欲の赴くままに蹂躙するのですね?」
「何故そうなる!?」
【柳川・セリオ組 御堂に捕捉される――が、もう一歩の所で獲り逃す】
【柳川・セリオ組 逃走】
セリオを売ったらいくらになるだろう?
「さて、それではひとまずどこへ行ったものか。夜襲と、夜露を同時に防げるような場所……」
やや背の高めの草むらの中を、セリオを抱きかかえた柳川が疾走していた。
「森の中はやめるべきでしょう。先ほどのようにアウトレンジからの奇襲を受けた場合、逃げ出すのが困難になります」
「そうだな……。なら……」
柳川が自分の意見を述べようとした、それと同時に、
「! 柳川さん……下が……!」
突然セリオが叫……
『殺(シャ)――――――――――ッ!!!!!』
「な、なにィっ!?」
突如前方の草の影から、一人の……ガスマスクをつけた……鬼が現れた。
「しまった! 待ち伏せか!」
いくらエルクゥの力と言えど、こうスピードが乗った状態で急な方向転換は出来ない。
どうしようもないかと思われた、その瞬間————
「柳川さんッ!」
どん、とセリオが柳川の胸から弾けるように飛び出し……セリオの体は鬼に向かい……柳川の体は後ろにはね飛ばされた。
『逃がさない! はぁぁぁぁぁぁっ!』
ガスマスクの鬼——香里は目の前に迫るセリオを張り手一発で打ち払うと、一歩分距離が離れた柳川に向かい、銃口を定める。
『私のために……死になさいッ!』(※死にません)
ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「ッ!? 火炎放射……いや違う!?」
一歩分。その一歩分で状況を判断する"間"が出来た柳川。その一瞬で十分だった。
迫る紅い霧をしっかと目視。目にもとまらぬ速度で身を翻し、霧を抜けた。
『クッ!?』
エルクゥに駆け出されては人の身である香里に追いつけようはずもなく、たちまち柳川の後ろ姿は草原の彼方へと消え去っていった。
『……逃したか……。まぁ、一人捕まえたから、よしとしましょう……』
後ろをふり返る、と、そこにはセリオが憮然とした表情で佇んでいた。
「……あなたは、美坂香里様ですね」
『……そうだけど……何で知ってるの? というか、この唐辛子の中よく平気で立ってられるわね』
「私はメイドロボですので。ガスその他の兵器は私には効果がありません」
『なるほど……』
「お一つ、お聞かせ下さい」
『なに?』
「なぜあなたはこの状況下、ああも正確に私たちを待ち伏せ出来たのですか?」
心底不思議そうなセリオ。だが香里は、さらりと言ってのけた。
『さっきの閃光、あれ、あなたのしわざ?』
「閃光……」
先ほどの情景を思い出す。
「……はい、あれは私が放ったサテライトキャノンです」
『サテライトキャノン……。また無茶な。……それはともかく、次はあの手の武器を使う時は周りに気をつけることね』
「なぜでしょうか?」
『あの光とあの音。自分たちの位置を辺り一帯に知らしめてるようなモンよ』
一言残し、颯爽と去っていく香里。
……が、ふとその足を止め、ふり返った。
『あなた、メイドロボだとか言ってたわね』
「はい。来栖川製のHMX-13型・セリオです」
ガスマスクの下、香里はニヤリと唇を歪ませる。
『……あなた、探知機とかセンサーの類……。装備してない?』
【香里 セリオをゲット】
【セリオ 鬼になる】
【柳川 逃走】
ハクオロ達は森に入る前に美凪の提案で屋台に寄ることにした。
…お腹が空いては何も出来ません…ハクオロはその通りだなと思う。
お米券を握っていそいそと買い物に出かける美凪をハクオロとみちるは近くで待っていることにした。
暫く前からみちるはハクオロをジロリと睨んでいる。どうやら美凪と仲良くなったことを気に食わないらしい。
ハクオロはそんなみちるが可愛らしくなり、みちるの頭をぽんぽんと軽く撫ぜてやった。
「気安くみちるに触るな!!このロリコン仮面!!!」
みちるエルボーがハクオロのみぞおちに突き刺さる。
「ぐふうぅ」
あまりの痛みにハクオロが涙を流してうめいているとき、美凪が折り詰めをもって帰ってきた。
「…お待たせしました。ハクオロさん、お寿司でよかったですか?」
「ぐほっ、ぐふぉっ、……ああ収まった。……これがスシか、とても旨そうだ。有り難く頂戴するよ」
「お前も金ぐらい払えっ、このヒモヤローー!!」
みちるがハクオロの足を思い切り踏んづけた。
「痛っーーー!!美凪、金ならここに」
ハクオロが片足でピョンピョンと飛び跳ねながら、懐から金子を取り出そうとする。
しかし、美凪は両手でそれを制した。
「みちると仲良く遊んでくれた…お礼です」
「そうか」
ハクオロは美凪の気持ちを受け取ることにした。
「美凪ーーっ、みちるはこんなヤツと仲良くなんてなってない!」
ぷくぅとみちるは頬を膨らませた。それでもみちるは空腹には勝てないらしく、ハクオロと美凪とみちるの三人で一緒に食事をとることにした。
美凪は草むらにビニールマットを敷き、ちょこんと正座をすると寿司をひざの上に置き、一つの寿司パックをみちると仲良く食べ始めた。
ハクオロはあぐらをかくと股の間に寿司を置き、手づかみで頬張る。
「美凪ーーっ、ここでは鬼はおそってこないのか」
ご飯粒を飛ばしながらみちるが訪ねる。
「…このあたりはギリギリ安全地帯です…制限時間いっぱいまで粘ってやりましょうね」
そう言いながら美凪はみちるの顔についたご飯粒をハンカチで拭いてやった。
賢い娘だな、とハクオロは思った。三人が食事をしているところは小高い丘になっていて、周りが見渡しやすい。攻めるには難しく、逃げるには容易い場所だ。
「屋台の匂いに釣られたアルルゥがこっちに来るかもしれない。暫く休憩だ」
「ハクオロ、エルルゥとアルルゥって何者なのだ」
好奇心を抑えきれなくなったみちるがハクオロに訊ねる。
「家族だよ」
ハクオロはそう答えた。
「………奥さんと子供さんですね」
「ああ」
「こらハクオロ、妻子持ちの分際で美凪に手を出したら許さないからな」
そう言ってみちるはハクオロを両頬を指でびろんと引っ張った。
「げふっ、げふぅっ」
むせるハクオロ、とうやら気管に飯が詰まったらしい。
「ハクオロさん、どうぞ」
美凪から渡されたお茶をハクオロはぐいっと飲み干した。
結局、みちるは美凪の分の寿司もほとんど一人で食べてしまい。それで満足したのか爪楊枝で歯をシィーシィーと掃除始めた。
「それにしても寿司とは旨いものだな、アルルゥにも食べさせてやりたかった」
「…まだお寿司は1パック残っています……娘さんに進呈」
「いいのか、お前の分だろう?」
「…ハクオロさんのお寿司がまだ残ってます…一緒に食べていいですか?」
「ああ、二人で食べよう」
仲良く食べ始める二人、満腹で幸せなみちるは特に文句を言わなかった。
空には満天の星が瞬いている。ハクオロと美凪は星を見上げながら寿司を食べた。
「…お星様……綺麗…」
「…………」
「ハクオロさん…奥さんと子供さん……心配ですか?」
「──彼女達は辺境の女、私よりもずっと逞しいよ。
…ただ、一緒に遊んでやる約束があるからな」
「約束…ですか。その後、私達はサヨナラですね……」
「私達三人はもう友達だ、エルルゥもアルルゥもきっと二人を気に入るさ」
「……お友達……」
美凪は星を見上げた。
ハクオロはいなり寿司がことのほか気に入ってしまい、ちょっと行儀が悪いなと思いながらも残った分を全てもうひとつの折詰めに入れ始めた。
星を見上げてボーとしていた美凪は、それに気付かずに今まで寿司のあった所へ手を伸ばした。ハクオロの股間へと……。
「……………あっ」
「……………美凪、それは私の…」
「なにがそれは私のお稲荷さんだ!この変態仮面!!!!!」
みちるがハクオロの股間を蹴り上げる。
「────ッッッウウゥ」
ハクオロは声にならない悲鳴を上げた。
「…ハクオロさん…私、気にしてませんから……
………ハクオロさんの奥さん…可哀想…」
「ぐさあっ」
ハクオロは思い当たるところがあるのか、心身共に大きく傷ついた……。
【ハクオロ お寿司1パック入手。心身共に大ダメージ】
【美凪 ハクオロの好感度↑】
【みちる 美凪を変態仮面から守る使命を持つ】
三人はこの後、森を目指す。
この前の話のタイトルです。
402:星をさがして
よろしくお願いいたします。
「うぅ〜すっかり暗くなっちゃったよ…」
年の頃は二十歳前後だろうか、ショートカットの青い髪をなびかせながら、一人の女性が闇の中を走っていた。
と、突然走るのを止めた。なぜなら小屋を見つけたからだ。小屋というには些か大きいかもしれないが、
彼女にはそれ以外に形容の仕方が……あった。しかも昨日届けに行ったところによく似ている。
「工事現場の詰所みたいね…電気はついてないけど、誰かいるかも」
彼女はその詰所へ向けて歩き出した。
「みどりさん、そろそろ交代ですよ」
「…ん。あ、もうそんなに経ちましたか、早いですねぇ」
「二時間なんてあっという間ですよ…あら?」
見張り用に開けた窓から一人の人影が見えたことによって、南の視線が鋭くなった。
「…鬼でしょうか」
「わかりません…でも、逃げる準備はしておいた方が良いですね」
「せめて朝までいられれば良かったのに…」
「私なんて寝てませんしね」
と言って、先ほどのカレーや飲料水の入ったリュックを手に取る南。
みどりは詰所内にあった傷薬や消毒液の入った箱を持った。
しかし、それは杞憂だったようだ。みどりが声を上げる。
「あ、鬼じゃないですね」
「…そうですね、良かった。でも、あの人どこかで…?」
人影はだんだん近付いてくる。その内、頼りない声が聞こえてきた。
「あの〜誰かいらっしゃいませんか〜?」
その声を聞いてやっと納得がいったように、南はぽんっ、と手をたたく。
「あ、もしかして鈴香さんですか?」
「その声は南さんですか!?良かった〜、やっと知り合いに会えました」
どうぞどうぞ、とみどりが窓から手招きしつつ、南が戸を開けた。
とりあえず中に入る鈴香。
「ところで南さん、あの、こちらの方は…?」
「あ、自己紹介がまだでしたね。鈴香さん、こちらは高倉みどりさんです」
よろしくお願いします、と言ってにっこりと微笑むみどり。
「みどりさん、こちらが風見鈴香さんです」
こちらこそ、と丁寧にお辞儀をする鈴香。
「ところで鈴香さん、おなか空いていますか?」
「は、はい、半日何も食べていなくて…」
「じゃあ、まだ鍋の中にカレーが残っていますので、それを食べてください。サラダは冷蔵庫の中です」
「どうもすみません。ありがとうございます!」
「いえいえ、どうせ余りものですから。それじゃあみどりさん、見張りがんばってくださいね」
「はい、任せてください」
南は布団へ、みどりは窓辺へ、鈴香は食堂へ、それぞれ向かって歩きだした。
【みどり 見張り】
【南 詰所内で就寝】
【鈴香 食事中】
「というわけで、だ。優勝するのは俺だ」
「気合入ってるわね。巳間や高槻やあの子にばかりいいところをとられたくないのね」
「ああ。ここはFARGO唯一の良心の俺がだな…」
「…たまたまクラスA担当だっただけなんじゃないの?」
「それを言うな」
「大体ね。いくら顔があるかないかが出場できるかできないかの大きな基準だからって名無しキャラがぼこぼこ出てきていい、ってことは無いのよ」
「それは、そうだが」
「確かにあなたは、ズンパンし放題のFARGOにいながらたかが鹿沼さんのおぱんちゅなんかでハァハァやってて、高槻辺りよりは全然マシな人間だけど」
「うぐっ…」
「そんなにハムスターパンツが気に入ったの?」
「うぅ…」
「ちなみに、FARGO出身の女性のうち天沢さんはお手つき。巳間さんはブラコン。由依は貧乳。私は名無しキャラなんかと付き合う気はない。ということで鹿沼さんを狙うのは悪い選択肢じゃないわね」
「いや、あの」
「……って、そんなこと言ってても仕方ないわね。ここは森の入り口。隠れる戦法を取るには森に入らないといけないし、走って逃げる戦法を取るなら森から離れた方がいいわ」
「………名倉友里。1つ問おう」
「どうぞ、A棟の巡回員さん」
「なんでそんな説明口調なんだ」
「………はっ!あそこにいるのは私の妹の由依!」
「…あ、そう」
「ああ、由依が隠れもせず、かつ辺りに注意を振りまきながら私に近づいてくるわ!」
「…まあ、確かにそうだな」
「あ…あの抗う術を知らず周囲の風に流され 人形のように生きるしかできなかった由依が!」
「いや、それは違う…」
「じゃあ訂正。あ…あの鬼ごっこの術を知らず周囲の建物に隠れ かくれんぼのように遊ぶことしかできなかった由依が!」
「………」
【巡回員・名倉友里・名倉由依 森の入り口で合流】
「はわわわ、とても高いですぅぅぅぅ」
「クーヤ様、もうちょっとスピード落として戴けるととっても幸いだったりする
のですがぁぁぁぁぁ」
「ええい黙れ! 余はもはや限界寸前まで腹が減っておるのだ!!!」
「嗚呼、水平線だ。海が見えるぜ……」
クーヤはアヴ・カムゥの全能力をもってして、前方に鎮座する屋台に向
かって突進していた。突進されるほうもたまったもんではない。
「…げ。なんかデカいのが来た」
「…………はちみつくまさん」
「…………(コクコク)」
「いや、あんたたち随分余裕かましてるけど大丈夫なの?」
5メートルのデカブツが腹を空かせて猛烈に突っ込んでくるというのに、
客の二人は黙々とおでんをつついている。
「クッ、クーヤ様ぁぁ、この勢いだと屋台ごと食べ物もぺしゃんこになっちゃ
いますよ〜〜!!」
「…何ッ!? そ、それはまずいな。非常にまずい」
「今さら気付いたんかい。」
浩之の投げやりなツッコミ。もーどうでもいいやといった感じだ。
「屋台にいる方たち、逃げてくださあぁあぁいいい…」
マルチのひ弱な叫び声(叫び声?)が聴こえたのかどうかは判らない
が、その声に反応して二人の女性が暖簾から出てきた。
「……! ありゃ先輩じゃねーか!」
屋台まで5メートル。慣性の法則によってアヴ・カムゥと屋台の衝突は避
けられそうにもなかった。
「芹香さーーん、逃げてくださああああひいいいいいぃ」
あと3メートル。
「クーヤ様ぁぁ!」
「……余のごはんがっ…!」
「13……だ」
ぺらっ。
「フフフフフ……ダウトだな、それは」
「SHIT!! なぜバレた」
「カカカ、この篁を騙せる人間などおりはせぬわ!」
「何ィ!?」
「大統領、すぐ顔に出ますからねぇ。あ、一服宜しいですかな?」
「……あれ?」
土煙が徐々に晴れてゆく。浩之は閉じた目を開いて辺りを見回した。よく
みるとアヴ・カムゥは屋台の30センチ上でぴたりと静止している。何かの
力によって持ち上げられている感じだが、その正体は分からない――
「あっ、そうか」
先輩。
オカルト好き。
でかいのが空中静止。
つまり、魔法。
「や…やったぜ先輩! すげぇぞ!」
「浩之さん、たすかったんですか……?」
「クーヤ様、クーヤ様」
「……その者青き衣を来て金色の野に降り立つべし――言い伝えは本当
じゃった」
当のクーヤは訳の分からんセリフを吐きながら、のされていた。
「……二人がいたから今回ばかりはよかったけど、流石にこんなデカブツ
乗りまわされたらたまんないわね」
屋台の横に置かれているアヴ・カムゥをショップ屋のねーちゃんはちらり
と見る。ざっと見ただけでも自動車20台ぶんくらいの重量はありそうだった。
「――んー、主催者がココにいないからなんとも言えないんだけどねぇ、あ
たし個人の考えでは……あんま使わないほうがいいわよ、あれ」
「あー、先輩もそう言ってる。静止させるのにムチャクチャ魔力使ったそうだ
ぜ」
「……はちみつくまさん」
皆の視線がクーヤの方に集中する。
「……………むー」
「クーヤ様」
「……サクヤも、そう思うか?」
「思います。むしろ徒歩で移動した方が鬼ごっこらしくなりますよ」
サクヤまでそう言った。
「…………………………わかった。そうする」
これにはクーヤも諦めざるを得なかった。ムチャクチャ悔しそうではあった
のだが。
「っむはぁ」
「…なんじゃ浩之、その意味深なため息は」
「うんにゃ、なんでもねーっすよ?」
「……、クーヤ様! 食べ物がありますよっ」
慌ててサクヤが取り繕う。ここらへんは慣れたもので、とにかく腹を空か
せている人間には物を食べさせるのが一番手っ取り早い対処法だ。
攻撃色全開の王蟲の如きクーヤもおでんの味を知った途端に大人しくなってしまったのだった。
【浩之・マルチ・サクヤ・クーヤ 屋台(@ショップ屋ねーちゃん)到着】
【舞・芹香 アヴ・カムゥを食い止めた際に魔力消費】
【クーヤ アヴ・カムゥを降りる】
>>666まで更新、タイトルのつけ直し完了しました。
とりあえず自分で書いた話にもタイトルふってみたりしました
>>674 乙カレー!
スレの回転がはやいからさぞ大変だったでしょうねw
うげっ、なんか知らんけど良スレになってる!
「Wow baby baby〜♪」ずこっ。
「FlashBack to me〜♪」ざくっ。
かくがくしかじか以下略な訳で、住井護と北川潤によるスーパーユニット・地雷
原ブラザーズはキリングマスィーン香里美坂によって鬼にされてしまった。とはい
えこの二人のやってる事と言えばゲーム開始からトラップばかり作っているくらい
で、結局のところ鬼だろうが何だろうかあんまり関係がなかったりするのである。
「Baby baby baby〜♪」ふんぬっ。
「FlashBack to me〜♪」ずべしっ。
東の空はもう既に明るみかけている。これ以上ないほど空は澄み渡り、今日も
一日いい天気になりそうな気配を見せていた。早朝の林の中は少し肌寒かった
が、少し運動すれば爽快な自然の空気に変貌する。
「Wow baby baby〜♪」ずこっ。
「FlashBack to me〜♪」ざくっ。
二人はかのカップヌードル平原を抜けた後、適当な所を見つけて適当に眠っ
た。鬼の彼らはもう周囲を心配する必要がなく、彼ら自身にしてみればむしろ鬼
のほうが様々な面でメリットが生じたりもした。言わば地雷原ブラザーズは真の
意味で地雷原と化してしまったのだ。
「Baby baby baby〜♪」むべらっ。
「Disco Disco Disco Disco〜♪」ごろちゅあっ。
んで。
こいつらはさっきから一体何をやっているのかというと。
「住井ぃ、歌ってないで今度はちゃんとメモッとけよ〜」
「ういー」
懲りずに掘っていた。落とし穴を。
住井は時計を見てから北川に声をかける。
「う〜し、ちょっくら休みますかー?」
「おーう。この穴掘ったらなー」
「んじゃ先にそこの倒れてる木んところで待ってるぞー」
「りょーかい」
住井に遅れる事数分、北川がシャベル片手にやってきた。いかにも満足そうな
笑顔を浮かべている。肉体労働の後だというのに足取りは妙に軽い。
「むむむむっ、…どうなされた北川殿」
「いやなに、歩いてる途中にオモシロトラップをいくつか思案していたのだがね」
「それは誠に重畳」
「はっはっは。かく言う住井殿も一計を案じる目つきをしておるぞ?」
「然り。拙者もここでみねらるうぉーたーなど戴いている間に一計どころか百計を
巡らせておったのじゃ」
「おぬしも悪よのう」
「いえいえお代官様ほどではござりませぬ」
黒い空気が流れていた。こんなにもすがすがしい朝だと言うのに。
「では住井殿。ここでネタバレするのも面白くない故」
「獲物が引っ掛かった時に、お互いの罠を発表するということで」
「心得た」
「ではっ」
そう言って二人は別の方角に向かっていった。
【住井&北川 最初とは違う森に落とし穴をしかける。二人の罠の位置は微妙に異なる。
ネタ満載のトラップ(内容は後続SSに任せます)】
【時間→早朝】
「人、きませんねぇ」
「……そうですね」
穴の中で彩ときよみは他にする事がないので睡眠もとり暇を持て余していた
「…………」
「…………」
続く沈黙、そして彩が意を決して言った
「それでは、歌います……」
「はい」
「緒方理奈でS.O.D.……」
パチパチパチ
「ちゃららら〜ら、ららちゃらららら〜ら
(以下暫く前奏なので略)
愛とい〜う〜形ないもの捕らわれている〜♪ 心臓が止まるよな恋があること知ってる〜♪」
こみパキャラが全員驚愕するほど緒方理奈にそっくりな歌声が穴の中に響く
そしてその歌声に導かれ一人の白髪の男が穴を覗き込んだ
「あれ、そこにいるのは理奈かい?」
「いえ……違います……」
「こんばんは。いえ、もうおはようございますですね」
【彩 S.O.D.熱唱】
【英二 穴の中の彩ときよみを発見】
ショーケース内のケーキを6割ほど食べた三人は、食にありつけた充実感からか食後のひとときをマターリと
過ごしていた。
「たくさん食べましたね…もう食べられません」
「私、もうおなかいっぱいだよぉ〜」
『当分ケーキは食べたくないの』
「…噂通り、やはりあのワッフルは美味しかっt」
「茜!あのワッフルのことはもう言わないで…」
『あんな凄いの初めて食べたの…一口食べただけでノックアウトなの』
商店街の方までは、まだあまり鬼も来ていないようである。事実、まだ一人も店の前を横切っていない。
そこで、鬼の居ぬ間になんとやら、で夜を明かすことにした3人だった。
しかし、詩子は少し経つとすぐに店の中をさぐりに行った。恐らく、風呂場かシャワー室を探しに
行ったのだろう。
「茜〜、こっちにシャワーがあるよ〜」
「シャワーですか。澪は浴びますか?」
『汗でベトベトなの。はやく浴びたいの』
「そうですか。詩子、私たちも入るので、先に入ってください」
「りょ〜かい。じゃ、お先〜」
といって詩子は風呂場へと消えていった。
【茜 澪 店の奥にある座敷でマターリ】
【詩子 シャワー中】
【早朝になる約7時間前】
「ふわぁぁあっ、もう朝か」
彼女の名は観月マナ
葉鍵全体では勿論、WAの中でも影の薄いキャラだが生き残り系リレーでは
ロワでは霧島聖、サバでは月島瑠璃子、柏木楓と程よくいいキャラと組む事になるかなりの強運の持ち主である
まして今回は企画支援者である米大統領アレキサンダー=D=グロリアのれっどぺんそーが一人である
……まぁそれはあんま関係ないけど
ていうか大統領はちゃんとマナちんとレベル1すひーを応援すれ
そして今回、彼女が組む事になったキャラは……
「そうね、それじゃ朝ご飯にしましょうか」
鞄からカロリーメイトを出し分け与えているその人、葉鍵国産最強の乳を誇る編集長澤田真紀子と
「いらん、それより早く姉上を探すぞ」
シスコンの大半のキャラが妹なのに対し希少価値の高い姉シスコンの二大巨頭の一人デリホウライであった
因みにもう一人は那須宗一
……なんていうか微妙
【マナ、真紀子 必死なデリホウライを諌めてとりあえず朝食】
もう東の空が明るみ始めていた。高台にあるこの詰所からは港から周囲の島々、水平線までが一望できる。
今日は晴れていることもあって、日の出は絶好の眺めになるだろう。
「…すぅ…すぅ…すぅ…」
ゴンッ!(窓枠のアルミサッシに)
「んぎゃっ!?あ、私寝っちゃてたんだ…」
慌てて室内を見まわす鈴香。しかし、荒らされた痕跡も無いし、鬼の襷もなかったのでホッと胸をなで下した。
そしてワンテンポ遅れて窓の外の景色に感動する。
「わぁ…きれいだなぁ…」
まったくもって普通の感想である。もっと別の表現の仕方があろうに。
数分間景色に見とれていた鈴香であったが、何か思い出したのか急に時計を取り出す。
そしてストップウォッチ機能のボタンを押した。時計は2時間と4分を刻んだ。
「南さん、みどりさん、そろそろ交代ですよ」
「こんば…あ、もう朝ですね」
「ふぅ…よく眠れました」
「では、見張り頑張って下さい。おやすみなさい」
「「おやすみなさい」」
鈴香はもぞもぞと布団へもぐり込んだ。南とみどりはというと…
「うわ〜、すごい眺めですね〜」
「本当に素晴らしいですね」
景色に感動していた。
【みどり 南 起床→見張り 景色に見惚れる】
【鈴香 就寝】
「憶えてなさいよ〜っ、ゼッタイ捕まえてやるんだから…!」
御堂の追跡を振り切った少年の耳に、そんな声が聞こえて来る。
「……? どこからだ…? この付近みたいだけど…」
「だぁれかぁーっ、誰か居たら、ここから引き上げてぇ〜!」
…声はどうやら、地面の下の方から聞こえて来ている様だった。少年は辺りを見回し…「ふむ…なるほど」と
肩を竦め、微苦笑を漏らした。森の中は罠だらけなのだ。――自分は問題無い。が、他の“普通人”な参加者
にとっては、いたる所にびっくり箱状態であろう。
「鬼の追跡を阻止する為なのか、それとも鬼が獲物を追い詰める為に作ったのか……ま、何れにせよ…」
声のして来た方へと澱みなく足を運びながら(罠をしっかりと避けながら)、ぽっかりと開いた地面の穴を覗き込む。
「…大変だね」
「ああっ!? 人!? ひと〜っ! ――あの、悪いんですけど、ここから引き上げて貰えません?」
穴に落ちていたのは、緩いウェーブのロングヘアー姿の少女。――鬼でも無いのに鬼っぽく澪を追跡中、
不覚にも落とし穴に落ちてしまった雪見である。
「君は鬼? それとも――」
「見れば解るでしょう…!? それとも暗くて見えない? 鬼じゃないわよ。そんな事より、早く引き上げて〜っ!」
「ま、いいか。――解ったよ。今から “そっちに行く”から」
「…へ?」
――と、唖然とする雪見の目の前に、少年がふわりと降りて来る。穴の中に、だ。
「なななっ…!? 何で降りて来るの!? 貴方まで降りて来たら誰が引き上げて――」
「こっちの方が早い」
少年は問答無用で雪見の体を抱きかかえると、そのままぴょんっ…と跳躍。一瞬にして穴の外へ飛び出すと、
森の地面に着地していた。――少年に抱きかかえられた雪見が、目を点にしている。
「………み、見掛けによらず、パワフルなのね。何者なの…?」
「説明すると厄介だから、ノーコメント。想像にお任せするよ」
雪見を地に立たせ、ふふっと笑う少年。
「…と、取敢えず、お礼を言っておくわ。有難う。私は深山雪見。貴方は?」
「ん〜、無いんだよね。名前が。他の人は『少年』って呼んでるけど。」
「……は?」
雪見の目が、また点になった。
早朝の光が差し始めた森の中、ぷりぷりと肩を怒らせて歩く雪見がいる。彼女から数歩遅れて、
微苦笑を浮かべながら歩くのは、落とし穴から彼女を助け出した少年。
「んっふっふっふっふ…。よくもよくも、こんな夜明けまで落とし穴に落としてくれちゃって…」
「………」
「澪ちゃぁ〜んん、捕まえたら、じっくりたっぷり話し合わなくちゃねぇ〜。ふふ…、うふぅふぅふぅふぅ」
「……その澪ちゃんを捕まえたら、どうするつもりなんだい?」
――と、尋ねる少年に、肩越しに目線だけをやる雪見。その妖しげな眼光に、少年が肩を竦めて笑う。
「何をするつもりか知らないけど、穏便にね」
「……言われる迄もないわ…。………探すの、手伝ってくれるんでしょ?」
「? 何で?」
「…じゃぁ、何で私に着いてくるの?」
「ん〜、何となく、かな? (……その澪ちゃんって子を見てみたいというか、彼女が澪ちゃんになにを
しでかすのか心配というか………好奇心って言ったら、怒るだろうしね)」
雪見は、暫く少年を胡乱げな眼差で見据えていたが、再び歩きだす。
「………ま、いいわ。でも、着いて来るからには探すの手伝って貰うw――」
と、言葉の途中で少年に手首を捕まれ、引き寄せられた。
「――なっ、何をするのよっ…!」
引き寄せられて抱きすくめられた雪見が、顔をほんのり赤くさせて叫んだ。
「罠――だよ」
少年が適当な木の棒を拾い、雪見が歩こうとしていた先の地面に放り投げる。――と、“しゅばんっ!”と
落ち葉が舞い上がり、捕獲用のネットトラップが舞い上がった。
「…あ、有難う」
ぷらーん…と揺れてぶら下がるネットトラップを唖然として見つめ、呻く様な声で、雪見。
「どう致しまして」
その後、雪見は、少年と腕を組んで歩く様になった…
【少年 落とし穴に落ちていた雪見を発見 彼女を救出】
【雪見 少年と行動を共に】【少年は好奇心で雪見に同行】
【夜明け】
ゲンジマル。ニウェ。
いずれ劣らぬ猛者二人。
どちらも、いまだに鬼ではない。
どちらも、それぞれの得物を抱えている。
どちらも、完全武装である。
少なくとも、鬼ごっこに参加するような格好ではない。
しかし、彼ら二人とも、歴とした参加者である。
「おぬし、何故わしについてくる」
ニウェが聞いた。
「おぬしは危険じゃからな」
ゲンジマルが答えた。
「いざとなれば、おぬしを止められる者が見張っておらねばならぬ」
「それが、おぬしという訳か、エヴェングルガの戦士よ」
「おお。シケリペチムの皇よ」
突然上から降ってくる丸太。
一刀のもとに斬り捨てて、言う。
「罠が多い」
「まったくだ」
森の中。
二人は並んで歩いていく。
【ゲンジマル&ニウェ、剣呑な雰囲気で罠を壊しながら進んでいる】
「センサーですか? はい、周囲の人影を探知することぐらいなら可能ですが」
去り際に投げかけられた香里の問い。セリオは馬鹿正直に答えた。
「ただし、あまり射程には自信がありません。美坂様の待ち伏せの直前、襲われたのもそれが原因でした」
「フフ、上等よ。ついてきなさい」
香里はガスマスクを付けたまま顎をしゃくり、自分の先をセリオに示した。つまりは『行け』ということだ。
「……美坂様?」
「あなたには『情報』がある。私には『武力』がある。お互いの力を最大効率で発揮するためには行動を共にした方が得策だとは思わない?」
「……なるほど、一理ありますね。確かに私は身体能力も一般人並み、今回は武器となるようなオプションパーツも装着しておりませんから」
「そうよ。そして私には武力はあるけれど情報収集能力がない。私たちが力を合わせれば……」
「効率的に参加者を狩ることが出来そうですね」
…………ガシッ!
草原のど真ん中、ガスマスクの女と耳飾りの女が固く握手を結ぶ。
その2人を、昇る朝日が眩しく照らし出していた。
「早速行くわよ。夜討ち朝駆け奇襲復讐は戦いの基本。まだこの時間なら寝ている参加者も多いはず。寝込みを襲うわ」
「了解しました。では策敵を開始します。………ええと……」
キィィン、とセリオの頭脳が思考音を鳴らす。
「はい、完了しました。現在この周辺には2人:1人:3人の3組の他参加者が潜んでいます」
「鬼と参加者は区別出来ない?」
「さすがにそこまでは……」
「仕方がないわね……なら、3人組のところを襲うわよ」
「なぜですか? 狩りならば単独行動をしている方を狙った方が……」
「このゲーム、タッチすれば終わりというルールを考えると、あまり人数を増やしすぎるのも考えものだわ。鬼の連鎖反応が起きかねない。
さっきあなたが眼鏡のお兄さんを突き飛ばしたのもそれがあったからでしょう?」
「…………………………」
もしもハカロワ設定のままであるならば、小学生と勘違いしていた柏木初音を
それでもなお犯した経験のあるロリコンであり鬼畜である七瀬彰は、美咲さんの
胸の中ですうすう眠っているさおりちゃん8歳(推定)を犯し倒さなければいか
ん筈なのであるが、そもそもロリコン鬼畜であるという設定など彰にはないし、
襲うならばむしろさおりちゃん8歳をぎゅっと抱きしめながら、可愛らしい寝顔
を見せている、狼の前の兎のように、無防備な姿を晒している美咲さんである。
もしあと少し彰の心臓に毛が生えていれば、きっと、しっかり組まれた美咲さん
の膝をちょいと崩して、ストッキングという名の薄絹の向こうにある神秘を探求
している筈である。風のクリスタルは僕たちの心の中にある!! と彰は心の内で
叫ぶ。そして、もし彰の肝が藤田浩之か藤井冬弥くらいに大きければ、数千年前
から人間が、いや生物すべてが営み続けてきたラヴの行為を紡ぐことが出来る筈
なのである。さおりちゃん八歳が起きようがウォッチしようが知ったことか。そ
んなことは彰の人生には一寸たりとも引っかからない些末な問題だ。
なのに七瀬彰は何も出来ずに哭いている。何なん。何で自分はこんな目に遭う
ねん。やっとだぜ。長く葉鍵キャラをやってるが、その長い時間の中でも相当稀
な美咲さんとの二人きりだったんだぜ。WA本編ばかりか、二次創作ですら殆ど
僕×美咲さんは無い。そもそもWAの二次創作が少ない。何でだ。しかも何故冬
弥主役のSSばかりなのだ。ってそんなことを怒っていても仕方がない。問題は
何故自分には幸せな状況が訪れないのか、ということだ。何故肝心な時に邪魔者
が現れるんだよ。そういう星の元に生まれついているのか?
七瀬彰は哭いている。一人で過ごさなければならない夜の寒さに震えている。
「だから腕に、あるいは脚に自信のある人は、単独行動をとった方が効率がいい。逆に一般人……身体能力にあまり自信のない連中ほど、群れる傾向があると思っていいでしょう。
そして……栞、あの子は確実に誰かと組んでいる。大方どっかのスケベな男をくわえ込んで、好き勝手に操ってるわ」
「栞……様? それは、美坂様の妹さんの?」
「そうよ、そして忌むべき我が怨敵でもある」
香里はガスマスクを装着しているため、始終表情を読みとることができない。しかし、その時は……
本来感情が薄いはずのセリオでも、薄ら寒い戦慄を覚えるほどであった。
「というわけで私たちはこれからその3人組に襲撃をかけるわ。方向は?」
「まっすぐ東です」
「OK,太陽に向かって出発ね」
というわけで女2人は連れだち、立ち上る朝に向かって歩いていった。
【香里&セリオ 共闘。『3人組』に襲撃をかける】
【香里 ガスマスク装着&唐辛子噴霧器装備】
【セリオ センサー装備】
うっわ、ネタ被った死のう
>691放置で
その空間は、少女達の香り――それも、湯上りの甘い匂い包まれていた。そこに男がいたら、
冷静でいるのは些か困難であったに違いない。
幸か不幸か、そこには男が一人もいなかったが…
「これからの行動やけど…」
「動いても見つかるかも知れないし、ここに留まってる訳にもいかないし…」
「えーっと、街の方に行ってみない? 食べ物とかカレーとかがあるかもー」
智子、みさき、初音の三人である。彼女等は結局、森林監視員詰め所で夜を明かし、
みさき・初音組、智子という順番でシャワーを浴び(使えるシャワールームがあったのだ)、
これからの行動を話し合っている所であった。
「カレー…ほんまに好きなんやな」
「うん♪」
「あはは…♪ じゃあ、街の方に行ってみない?」
「さんせー♪ 行こ、智ちゃん、街に行こうよぉ〜」
みさきはすっかり街に行くつもりの様だ。
智子、暫し黙考……
「……ま、ええか。初音ちゃん、街の方角は解るん?」
「うん、なんとなく……そんなに遠くないよ」
「ん、ほんなら出発。鬼が来たら、問答無用でダッシュ。――ええな?」
その言葉に、ずびしっ!――と、みさきと初音がカッコ付けて敬礼して見せた。
「「了解! 隊長!」」
「誰が隊長やねん…!」
【智子・みさき・初音チーム 森林監視員詰め所から出発 街を目指す】
695 :
遁走:03/03/23 19:08 ID:iW5d86ag
「眠った?」
「眠った」
「よし、それじゃぁ行こう」
「うん。起きる前に」
ドリィとグラァ。
玲子に引っ張り回されること丸一日。
罠にはまった玲子を救出したり、
ショッピングセンターで着せ替え人形にされかかったり、
用を足すのをのぞかれそうになったり、
その他あれやこれや……猛烈な苦労の末ようやく、テンション高まりに高まってなかなか寝なかった玲子が、夜明け間近になって、寝付いてくれたのだ。
この隙を見逃せるはずがない。
二人は、隠密らしい忍び足でもって、起こさないようにその場を去っていった。
「でも」
「うん」
「結構楽しかった……かも」
「うん……」
「ああいう格好したら」
「若様、喜んでくれるかな……?」
……気にしないでおこう。
「おおおおおおおおおおおお!」
「いないっ! 二人がいないっ!」
目を覚ました玲子が、二人がいないことに気付いたのは、もう日も高く昇った頃のことだった……
【ドリィ、グラァ。玲子をまいてどこかへ。変な感化されたかも】
【玲子さんは昼まで寝てます】
「ん〜、きれいなお星様だねー」
「ええ、そうね(きゅるる…)」
「あはは、おなか鳴ってる〜」
「(恥)うるさいっ!……いいわよね、あなたはさっき食べてるし」
「それ食べればいいのに。おなかすいたら力が出ないよ?」
「…わたしは茸、嫌いなのよ」
「そっか。かわいそうだね。おいしかったのに」
「………ハァ」
ああ。全くもって、なんでこんなことになってしまったのかしら。
誰だと聞きたそうな顔をしているので、聞かれる前に答えておくわね。
わたしはおせっかいを焼くのも焼かれるのも大嫌いな美少女、杜若きよみ。
アレとは違って、つつましく可愛いおでこがチャームポイントよ。
「なんだ黒いほうか」って言うな!
ええそうよ。なんだかんだで私もこの金持ちの道楽に参加することになったのよ。
でもこれはいい機会。
軽ーく優勝して、あの仙命樹憑きってだけで余裕風吹かせてる
お人好しの白っちゃいあいつよりも、わたしの方が格上ってことを思い知らせてやるわ。
動機がベタだと言わないように。
なんであれ目標を設け、それに向けて行動するのは、倦怠なき人生を送るのに大切なことよ。
で。
無能な他の誰かとのたのた固まって鬼に見つかるなんて愚の骨頂。
(そこ、友達いないからだろって言ったわね!?後ではたくわよ!!)
ゲーム開始後、とりあえずいい具合に木々の密生した小山のほうに移動して
しばらく身を隠していたら…
ついてたわ。偶然大木の根に自生していた、あれを見つけたのよ。
そう。実はけっこう博学なわたしは、それがなんであるか知っていた。
ひょっとしなくても、あの茸!
某所では最速死亡候補の一人に賢知と心胆を与え、最後まで生き残らせた究極の天然B兵器!
ごめんなさいね他の書き手さんこんなに序盤から出して。
もちろん聡明このうえないわたしには無用な代物。…私が自分で使う分にはね。
バカと茸は使いよう。
例えば。御堂や岩切みたいなのや、主催者の鬼女みたいな凶悪極まりない手合いが
鬼として問答無用で襲い掛かってきた。そんな時うまくこれを食べさせることが出来れば、
たちまち人畜無害、わたしを捕まえようなんて思いもしない、いいひとに早変わり!
そんな茸がこの手に3つも!これはもう勝ったも同然で笑いが止まらないわ
悔しい?悔しいわよねもう一人のわたし!?んもーざまみなさいったらウェーハッハッハ、と
少し嬉しくなったわたしが、勝利の勝鬨(RR)を何時の間にか口に出していたら…
そうよ。
「あら、面白い物もってるじゃない」っていきなり空から降りてきたのよ!
この今は私の横でのほほんと幸せそうな顔してる、ユンナって女が!
大チャンスから大ピンチに垂直落下だったわ。
社交辞令程度のやり取り(「こんにちわ。その茸くれないかしら?」「いやよ」)の後、
こいつったら問答無用で襲い掛かってきたんだから!
鬼の襷をしていなかかったのこそ幸いだったけど
こんな奴に逆に茸食わされて無力化されたりした日には、優勝なんて夢また夢の水泡よ!
わたしだって必死に抵抗したわ。ええしましたとも。
けど、こいつ空飛ぶし、変な魔法だか法力だか使うしで
わたしのような箱入り育ちにははっきり言って荷が重いのよ!ていうか反則よ!
屈辱にも早々に逃げの一手しか出来なくなり、それもみっともなく転倒してしまい
何も出来ないところに圧し掛からってこられて…恥ずかしながら、恐慌状態に陥ってしまったわ。
だから、茸を持った右手を無我夢中で突き出していたのも、気が付かなかった。
そこにユンナの顔、いや口があったんでしょうね。
ぐぽっ。もぐもぐもぐ。…ごっくん。
…………………………………………………………………………………………。
わずかな静寂が永遠にも感じられて。
ユンナ「………………あれ?えーっと…
…ごめんね。こんなひどいことしちゃって…ケガ、してない?」
黒きよ「…………………………あは、は…」
こうしてわたしは、別の某所ではラスボス同然なこの超凶天使を性格反転、
目論見通りに無力化してやったってわけ。流石よねわたし。
でも、その後の展開はどうしたものかしら。
反転してから彼女、何か知らないけど「ねーねー」とか言ってわたしになついて
ずっとついて来てるから、鬼に見つかるかと思うと下手に動けないじゃないの。
第一山に陣取ったのはいいけど、こうなると
平地に出たとたん狙われそうで、迂闊に動けなくなったかも。
そうこうしているうちに日が暮れて夜だし。
おなかは減るし。目の前のB兵器は食べられないし。この後天性無邪気さんは五月蝿いし。
ああ、もう!
反転ユンナキタ━ !!!!!!!
…ちょっと待ってわたし。
さんざんひどい目にあわせてくれた彼女の特殊能力だけど、
味方となれば一転、有難すぎるわ。
上手く丸め込めば偵察なりボディガードなりに役立ってくれるかも。
しかも元の性格がどれだけ賢いというか腹黒かったのか、
今は人を信じて疑わない、善意溢れるあったか頭になってるみたいだし。
なんでこんな名案をもっと早く思いつかなかったのかしら。
黒きよ「ねえ、あなた」
ユンナ「なぁに?(にっこり)」
黒きよ「(うっ…)こうして会ったのも何かの縁だわ。
わたしたち、一人ずつだと鬼から逃げ切るのも大変だけど、
二人が力を合わせればもっと多くのことが出来るわ。
わたしたち、一緒に組んで、この鬼ごっこに勝ち残りしょう(にっこり)」
ユンナ「うん!一緒にがんばろうね!(どにっこり)」
よし、勝機は我にありよ!(なんだか少しだけ気は引けないでもないけど)
とりあえずはご飯の調達お願いしようかしら。
【黒きよみ、ユンナ コンビ結成。
現在は小山の中腹あたり。時間軸は初日夜10時前後くらい】
【ユンナ 性格反転】
【黒きよみ セイカクハンテンダケ所持(残り2個)】
(この山や、他の場所にもまだセイカクハンテンダケがあるかは不明)
回転速いな…
つまるところここは
「ハカロワで出来なかった事をするスレ(企画)」
てことでいいんだな?
>>702 あちらさんとはベクトルが違うから何とも言えん。後はノリと雰囲気でお察しくだせぇ。
>>702 なぜハカロワと一緒にする?いや、別にハカロワは大好きだが。
「待て、少年よ!」
「マジか!? まだ追ってきてるぞあのおっさん!」
NAS(以下略こと那須宗一は逃げていた。そりゃもう恥も外聞もかなぐり捨て
た、一心不乱の大逃走である。
後ろから追ってくるのは割と最強っぽい強化兵・坂神蝉丸。ようやく獲物にリー
チをかけたためか、けっこう嬉しそうだ。
「なかなかやるな、少年!」
その男は落ちることないペースで宗一を追う。スタミナを使いきらせてバテバテ
になったころをタッチしようという魂胆だ。彼もまた宗一から只ならぬ気配を感じ
取ったらしく、少しでも弱らせておくという現実的な手段を採った。
「ぬぐぉぉぉ…っ!」
宗一の体力も徐々に底が見えてきた。
だがそれは、彼の計算のうちに入っていた。とりあえずは。
「おおおーい。そーいちくーんやーい」
――無。
「うおーーいいいいいい」
「もうひとりの少年をあらかじめ振り切っておいたのは正解だったな、少年よ」
「あんまま、おっさんも捲かれてくれりゃあよかったのに、ね」
たかがいとっぷ一匹でも鬼は鬼だ。触れてしまえば即地獄行き。片道きっぷde
死出の旅。厭すぎる。
「ふんっ!」
宗一は脇に生えてた木にいきなり手をかけ、強引にUターンした。肩の付け根が
ミシミシと音を立てる。右足、次いで左足と着地。体勢を整えてからちらりと様子を
様子を
「ふっ、甘いぞ少年よ」
「ぎゃー!!! 人間鯉のぼりー!!」
蝉丸は全く同じ行動を、宗一の数段上のスピードでやってのけた。勢い余って
両足が宙に浮き、人間スリングよろしく一直線に飛んでくる。
「覚悟!」
びよーん。
どすっ。
蝉丸はさらに距離を縮めてしまった。宗一はなんか違う意味で彼を人間ではな
いように思った。
【宗一 依然として不利な状況】
【蝉丸 宗一追撃中】
【夜明け5時間くらい前】
「がっ、ぎっ、ぐっ………」
「あぁ、いぃ、うぅ………」
漆黒の森の中を疾走する2人。先ほどから一進一退の攻防を繰り広げているディー(ウィツァルネミテア仕様)としのまいか(ょぅι゛ょ仕様)である。
一見すると、と言うよりも完璧に、ただの危ないおじさんが獲物となるょぅι゛ょを追いかけているようにしか見えない。
しかし、その2人は違った。
「げっご……待てぃそこのょぅι゛ょ! 諦めて神妙にお縄に付け!」
「いやぁぁぁぁぁん! なわとかいってるよぉ! このおじさんほんとにへんたいだよぉ! えすえむあいこうしゃだよぉ!」
「だから人聞きの悪いことを言うなーーーーーーーー!!!!」
おそらく泣くであろう。現在の彼を見たら。
厳しくも優しく彼を育てた両親。
若いうちに彼の才能を見抜いた恩師。
哲学者として彼が師事した師匠。
彼を心底尊敬しているウルトリィ。
小憎らしいながらも彼に懐いているカミュ。
そして、彼の空蝉たるハクオロ。
誰にもこのような姿など見せられない。
しかし彼は進む。勝利。ただひたすらに、その二文字に向かい。
「あ……っ、ああっ!?」
ガッ、とまいかが足下の木の根につまずく。なんとか体勢を立て直すが、一瞬走る速度が落ちた。
見逃さず、キュピーン! ディーの目が光る。
「勝機ッ! その首、もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
最後の力を振り絞り、ディーは萎えきった両膝に力を込めると飛んだ。
飛んだのだ!
まさしく彼は飛んだ。この一瞬、彼は飛んだのだ!
飛んだ! 飛んだ! ディーが飛んだ!
(ああ、飛ぶのってこんなに心地よかったんだ……)
恍惚とした彼の表情。放送コードギリギリだ。
(そうか。私はもはや飛ぶのが当たり前になっていて、飛ぶことの本当の素晴らしさを忘れ……)
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
回想に入っても、時は止まってくれない。ディーはそのまま強烈なタックルをまいかにぶちかまし、彼女を抱きかかえる格好になってゴロゴロ転がっていった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
頭と背中と腰を打ち付け、ようやく我に返るディー。しかし勢いは止まらない。
「うおっ!? あおっ!? くおっ!? ぬおっ!?」
「いやぁん! あはぁん! うなぁん! きゃあん!」
醜い叫び声と可愛い鳴き声。2人がぐちゃぐちゃに絡み合い、泥だらけになったころ……先にあった巨木の幹にぶつかり、ようやく回転は止まった。
「がっ!………ふぅ………」
「あんっ! ああんっ!」
そして2人は気を失った。眠ったとも言う。疲れもあったのだろうが、もう昏々と。
「あ、Good Morning! D! 目が覚めた?」
「む……ゥ……?」
目を覚ましたディー。最初にその目に映ったのは……
「おっぱい……」
「モウ、昨日はいつの間にかどこかに行っちゃうから心配したんだヨ! ズルイよD! 1人でまいかちゃんと遊んでただなんて!」
「まいか……? 遊んだ……?」
体にかけられていた毛布を払い、ようやくディーの目の前に現れたのは……
「ああん、ダメだヨまいかちゃん。お姉さんは今朝ご飯作ってるンだから」
「んーん、あそんでれみぃおねえちゃん。まいか、ずっとひとりでさみしかったの」
絡み合うょぅι゛ょと巨乳娘。
「うん、それはいいんだケド……。これから包丁使うし、まいかちゃんもご飯食べられないのは嫌でショ? だから今は、Dと遊んでてね」
「でぃー? ……あのおじさん?」
「ウン! 昨日はあんな泥だらけになるまで遊んでたんだから……2人とも、仲がいんでしょ?」
「…………………………ふーん………」
まいかの冷たい視線がディーを射抜く。
「…………なんだ?」
「……まけないよ、おじさん」
(………何に関してだ。主語を言ってくれ、主語を。ょぅι゛ょよ)
【ディーVSしのまいか追撃戦 ディーの勝利。現在は朝。レミィはご飯の準備中】
まいか萌える!
そろそろ次スレの季節だな。
俺はDに萌えた。
どうせ俺の頭はょぅι゛ょ仕様さ…
次スレを立てる際には、テンプレでの「葉鍵鬼ごっこ過去ログ編集サイト」のアドレスに
気をつけて下さいね?
アドレスの文字内に、「トマト」に引っ掛かるNGワードがあります。(参考
>>458 >>464)
ディー萌える!
>>713 テンプレには病弱者の「ナースコール」も記述したほうが良いと思いまつ。
「ふぅ〜、シャワー気持ちよかったよ〜」
そんなことを言いながら、詩子が風呂場から戻ってきた。頬がほんのり上気している。
「それじゃあ詩子、私はシャワーを浴びにいってきます」
「うん。じゃあ澪ちゃん、茜があがるまでこのトランプで遊ぼっか」
おもむろにトランプを取り出す詩子。行きに浩平達と遊んでいたヤツだ。
『なにするの?』
「う〜ん、ここはやっぱり大貧民が王道なんだけど、二人じゃねぇ…あ、スピードやる?」
『知らないの』
「え…そなの?じゃ、このトランプマスター詩子さんが教えてあげるからやってみよ?」
『うん!』
ところ変わって風呂場。茜はシャワーを浴びることもなく生まれたままの姿で固まっていた。なぜなら、
風呂場の小窓に○代よろしくビデオカメラが取り付けてあるからだった。千鶴さんの仕業には思えないが…
「…詩子はこれに気が付かなかったんでしょうか?」
さすが詩子だ、と思いつつ、茜は問答無用でカメラをお湯を張った桶の中に突っ込んだ。
後始末は詩子がやってくれるだろう。気を取り直して体を洗いはじめる茜。
「♪〜〜♪〜」
茜はいつの間にか鼻歌を歌っていた。茜がこうして明るくなれたのも、以前のように他人にあまり冷たい
態度を示さなくなったのもひとえに浩平のお陰だろう。
「(…浩平は、いま何処に居るんでしょうか?)」
ふとそんなことを考えてしまう。と、風呂場の窓の方からなにか物音がした。
「…誰ですか?」
そう言いながら、おもむろに窓を開ける茜。鬼のことはすっかり失念していた。
「へへ…ぬわっ!?」
浩平だった。茜は条件反射で窓を閉めた。茜は浩平のことを考えている途中だったので、それを妨害されて
少々ご立腹のようだ。
「まったく……って浩平!?」
窓を閉めてから数瞬。茜はやっと浩平の存在に気付いた。
しかし、もう一度窓を開けたものの、そこには浩平の姿はなかった……
その頃、浩平ご一行。
「やべぇ、茜に見つかるところだった…あんな所で捕まえたら、それこそ一生口きいてもらえねぇぞ…」
「浩平殿、どこへ行っておられた?」
「ばかっ、浩平、心配したんだよ」
「とりあえず商店街の方を見てきたが、誰もいなかった。あそこは駄目だ。」
「おお、偵察とは。さすが浩平殿」
「偵察に行くんだったら最初からそういってよー」
「ああ、そうする…(それにしても茜の裸体は素晴らしかった…(´д`;)ハアハア)」
「?」
【詩子 澪 座敷でマターリとトランプ→就寝】
【茜 シャワー中→就寝 浩平に覗かれるも、本人の自覚なし】
【浩平 トウカ 瑞佳 スフィー 商店街の方へ向かうも、引き返す】
×ら
○れ
予定を上回ってしまった…
723 :
名無しさんだよもん:03/03/23 20:39 ID:iW5d86ag
次スレが立つまで、新規SS投下は中断した方が良いんでないかい?
あと9KBしかないしね。
SS投下スマソ
新スレに移行しました。
さて、どうやって埋め立てましょう。
なにか新スレに役立つネタ振りでもします?採用されたネタはみんな新スレで使ってみよう、とか。
<<同棲コンビ>>に一票。
当方ケーブル。
そんな俺は最萌厨。
<<ディー>>に一票
人気か?
いろんな意味の【最弱】かも・・・
Dはいいよな。
狙いは緑髪の女の子。
プライドが高いからなのか、他の三人とはちょっと離れたとこに寝てたし、
なによりその風貌から感じる気の強さが
ちょっと皐月ちゃんを思わせるとこもありましたし。
そろそろと足音を忍ばせ彼女に近付いていく僕。
10メートル…
9メートル…
まだ僕には気付いてないみたいです。
8メートル…
7メートル…
そのカワイイ寝息がもう聞こえてきそう。
6メートル…
5メートル…
もうあと少しでタッチ出来る…
と、その時!
近くの草むらから全身黒ずくめの男達の影が、ザザッと現れて!
「!?」
「我等がちゃんさまに指一本触れさせはせん!」
「そう、我等したぼくーず、ちゃんさまを守るのが使命なり!!」
叫ぶなり僕、かつぎあげられて運ばれています!
わっせ! わっせ! わっせ!
「あ、あの〜、君たちも参加者な…?」
「参加者でも管理側でもない、まあいわば
詠美ちゃんさまの特殊能力と思っていただきたい!」
「我々は歌舞伎の黒子と同様、空気のようなモノ。
存在は気にしないでいただきたい!」
「比較的通常人が多いこみパキャラに於いては
我々の能力くらい認めていただきたい!」
「あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜」
僕、伊藤。なんかさらわれちゃってます…。
「…ふみゅ? なんかいま物音がしなかった?」
「気のせいやろ。なんやまだ暗いやないか、もうひと寝入りや…」
「ふみゅ〜ん…」
【いとっぷ、したぼくーずにさらわれ中】
【詠美、由宇、志保、琴音 まだ就寝中】
誤爆スマソ。本スレへ逝ってきます。
はいとっぷ
このスレの良い埋め立て案は無いの?
デカイAA張りまくる。
_,,,.. - .,,_
,,.. - "´ 、` 、
/ )、、 \
/ ノ ヽ ヽ、
/ ル' ヾ ヽ
/ / ゙i, ゙i
j ,ィ/ ゙i, |
lィ' ,ィ/j/ | iリ
| /l / '"` | |l
リ! ./,ノ _,、=''~`ヘ ,リ
゙! l/ ,:-=ー-ミ、.,,_,.ノ /(,,.. (:)‐V
ヽ,/`ヽヽ .ト、 (_,. (::)- 、,.-ト!´ ,ノ
, ヘ ゙iヽl `ヽ,r'´ ノ ヾー--‐''゙|
,,.く ゙i ゙i ヽ、 __,,、-'" 〉 i / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ハ'´ ゙! ゙i ,! ´ ´ i.......,,,,,,,,____| 鬼ごっこに私も参加できるとは本当かね?
゙、゙i,__r'゙゙>ー┬-! r _______ , ,!;\;;;;;;;;;;;;;;;;| ・・・ほぉう!
,゙V" ゙ヽ;;;!::::ヽ `ー─''''"´ /;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;< はっはっは!!
,.、;;'";;;;ヽ. - ''^゙~ ゙ヽ.、 ,,.、-─‐- .〈;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;| 上出来じゃないかっ!!!
,.、;;;'";;;;;;;/;;r'´ -‐‐'''"´~ヾ 、 (.r‐'''""゙"''''y.);;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;;;\____________
;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;| _,,..、-‐^ヾ 、 ヽ ,/'゙!;;;;;;;;;;;;∠、;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;j;;;;| ,⊥丶-ー ゙i :レ' ゙!;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;:;| -‐''"´ ゙)ゝ、、 ! !. !;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
「議論・感想スレ 」では言いづらいことを書くのはどうか。
とりあえず、外道だな、まなみw
D一家はどこまで異次元を歩み続けるのだろうか。
ハウエンクアにあんな事やると後から復讐されそう。
穴の中で逃げ場無いし。
まあ、なんだ。
ハウエンクアって何のキャラよ?
>>745 うたわれにでてくる典型的敵キャラ。
見ての通りのナルシスト。
ありがd。
いとっぷがかなり好きでつ
いいなーこっちは書き手が多くて…
感想スレが外部にあるとやりづらい・・・
>>750 本スレにレス番号つきのほうが見やすいと思ったり。感想。
確かに直後の感想はそっちの方がいいかもな。
2ちゃんじゃねえとかくきしねえんだYO!
>>756 なんでもなにもあーた、ここ2chじゃんよ。
混乱してんなw
pink鯖はいちおう2chじゃなかったりするんだけどね。
まあ揚げ足なんで漏れはとくにどうこう言う気はないけど。
>>758 うむ
そんなのこっちも承知で言ってんだけどな
いちいち2ちゃんじゃねーよ見たいな突っ込みする奴いい加減ウザイ
鯖が違うだけで一応2chとして運営されてるんじゃないノ?
埋まるか?
埋めるんだ!
>>763 そのスレが立てられた日にちと(一部を除いた)スレ住人の言動をみてから言えよ・・・('A`)
>>763 タイトルに思わず大爆笑してしまったよ。
766 :
名無しさんだよもん: