1 :
七無しさんだよもん:
最後まで逃げ切った一人は賞金1億円!
その広告を見て、ある無人島に集まってきた葉鍵キャラ達
最後までに逃げ切り賞金を手にするのは一体誰だ!?
ルール、参加者は
>>2-10あたり
ルール
・制限時間はなし
・捕まったものは鬼となる
・島の外へ一歩でも出ると失格(鬼となる)
・特殊能力禁止(使用した場合鬼となる)
・新しく鬼となったキャラは定時放送で名前を呼ばれる
・始めの鬼は主催者側の用意したキャラがやる
↓リアル鬼ごっこ
ほとんど鬼ごっこ初体験な観鈴ちん。
周囲には同年代の子が多くて、密かにわくわくしている。
莫大な優勝賞金よりも、あくまで鬼ごっこが楽しみでしょうがない。
「みんなで協力して鬼から逃げ回ってるうちに、友情が芽生えちゃったりして。にはは」
<会場>
「え〜本日はお忙しいところ参加者の皆さんにはお集まりいただき(中略)
それでは最初の鬼は、公平にくじ引きで決めたいと思います……」
<一時間後>
ゲームスタートから数分後、目隠しをはずされた観鈴ちん(鬼・一人目)の目の前に広がるのは誰もいない砂浜。
「が、がぉ……」
というせつないシチュが思い浮かんだ。
最終目標は紙媒体化駄スレ
↑それ以前にただ鯖負担増やしただけだがなw
>>5 主催者側が用意したロボットとかでいいんじゃないか?
参加キャラ案
鍵
MOON.
天沢郁未 巳間晴香 名倉由依 鹿沼葉子 名倉友里 少年 巳間良祐 高槻
ONE
折原浩平 長森瑞佳 七瀬留美 椎名繭 上月澪 川名みさき 里村茜 広瀬真希 深山雪見 柚木詩子 住井護 南明義
Kanon
相沢祐一 水瀬名雪 美坂栞 沢渡真琴 川澄舞 月宮あゆ 美坂香里 倉田佐祐理 天野美汐 水瀬秋子 北川潤
AIR
国崎往人 神尾観鈴 遠野美凪 霧島佳乃 みちる 霧島聖 神尾晴子 橘敬介
10 :
名無しさんだよもん:03/03/17 14:41 ID:Dsi+vsI4
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ' 俺が鬼でいいから やらないか
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
少年か耕一が優勝。
特に少年。小説版じゃ飛べるらしいし。
12 :
名無しさんだよもん:03/03/17 14:46 ID:ggHQ2Cwl
葉
雫
長瀬祐介 月島瑠璃子 新城沙織 太田香奈子 月島拓也
痕
柏木耕一 柏木千鶴 柏木梓 柏木楓 柏木初音 柳川祐也
東鳩
藤田浩之 神岸あかり 長岡志保 来栖川芹香 来栖川綾香 保科智子 松原葵 姫川琴音 宮内レミィ マルチ セリオ 雛山理緒 佐藤雅史 矢島
ホワルバ
藤井冬弥 森川由綺 緒方理奈 篠塚弥生 澤倉美咲 河島はるか 観月マナ 緒方英二 七瀬彰
こみパ
千堂和樹 高瀬瑞希 大庭詠美 長谷部彩 猪名川由宇 芳賀玲子 牧村南 塚本千紗 桜井あさひ 御影すばる 九品仏大志
まじアン
宮田健太郎 スフィー リアン 江藤結花 高倉みどり 牧部なつみ
誰彼
坂神蝉丸 三井寺月代 砧夕霧 石原麗子 桑嶋高子 岩切花枝 杜若きよみ 御堂
まじアン、こみパは未プレイなんでよくわからん
誰か補完頼む
>>2 >・新しく鬼となったキャラは定時放送で名前を呼ばれる
つまり、最後まで名前を呼ばれなかった「地味な」キャラが勝ち残る、と。
長瀬一族がほとんど抜けてるようだが・・・
水の中有りならいわきり優勝。
>>14 長瀬一族は保留しといた
あいつらが必死こいて鬼ごっこしてる姿が想像できなかったんで…
書いとけばよかったな。スマソ
あとルーツとうたわれも一応保留
元ネタスパイシー?
18 :
名無しさんだよもん:03/03/17 14:54 ID:xSrjqJOP
また「俺のSS読んで」君のオナニースレか。
ハカロワの二番煎じ、つーか「死なないバージョン」だよな、コレ。
まあハカロワ読んだことないけどさ。
ということはどんどん鬼が増えていくわけなのか
タッチしても鬼じゃなくなる訳じゃないからな。
>>15 島から出ると駄目らしいから湖が無い限り勝てない気が・・・
マジで空を飛べるキャラが圧倒的に有利だな。
>>2で「特殊能力禁止」とあるけどまさか飛行能力を持つキャラまで能力制限するつもりなのか?
つーか心臓病の奴らを鬼ごっこに参加させるとえらいことに・・・
圧倒的に足の速いキャラ。これも空飛ぶキャラの次に有利だ。最速はミルトだな。
一億円がはした金の宗一とかは参加しないから
ミルトも参加しないだろう。アパッチ一機で20億するんだし・・・
Routesでは
皐月 ゆかり 七海 夕菜 いとっぷ 位か?
あとは強化兵がこういうのは得意そうだ。
敏捷性はもちろんだが気配を消すことに長けている。かくれんぼにも強い。
>>24 ミルトは誰も乗せてなくても自分一人で動けるから宗一は関係ない。
>>26 そりゃそうだが、あれが鬼になった日には何人死人が出るかわからん。
ミルト自体一体いくらするんだ?
特殊技能を制限するのもどうかと思うなぁ
>>27 む、確かに。
アレが時速300キロ超で「タッチ」しにきた時にゃ命がけだわ。
>>28 耕一とかが本気出すとタッチしたつもりが叩き潰してました、ってことがありそうで恐いぞ
>>28 もう少しルールを煮詰めてほしいよね。
でないとキャラ間で公平不公平が出てくるし、書き手も困る。
>>28 うむ、男女間の力の差もあるし。
女にはアイテム配布・・・は男にとられるし・・・
一般人には通り抜けフープみたいな便利系のアイテムが支給されるってのは?
それでそのアイテムを特殊能力を持ったキャラが使おうとすると、特殊能力と反発して触れないとか
…そんなことするなら特殊能力を制限したほうが早いか
>>32 いや、男女間で体力その他に格差があるのはしょうがないし、
そういう理由で男側にハンデつけたりするのはかえって不公平というものだ。
そうではなくて、キャラの個性である能力のどこまでを「特殊」ととらえるか。
それを早急に主催には示してもらいたいところ。
>>33 一般人がどうしても不利なのは最初から承知の上で参加してるはず。
だから便利アイテムなんかいらないと思う。せっかくのキャラの個性が薄まる。
36 :
名無しさんだよもん:03/03/17 15:40 ID:jd7bYKOL
初音たんトロ臭いからすぐに捕まりそう・・・
鬼でも出番はある訳だし、
アイテムはいらんね。
>>34 雫→毒電波
痕→鬼の力
まじアン→魔法
MOON.→不可視の力
Kanon→舞の超能力
この辺が制限されるべき力かな
微妙なのは強化兵ども
運動能力とかはエルクゥとかと比べると微々たるものだけど、あの超感覚は制限すべきかな
とにかく最初から厳格なルールをビシッと決めてもらわなくては。
後になってからもめても困る。
「特殊能力」の定義があいまいな
>>2のままでは絶対問題起こるぞ?>主催
40 :
雅史:03/03/17 15:48 ID:nGGU0pX+
とりあえずコソーリ逃げま・・・
なぜだろう
設定厨が
釣れまくり
>>41 その設定厨同士があとで揉め事起こさないように今のうちに膿を出してるわけだ。
我慢しろ。
絶海の孤島に建てられた巨大なホール。
ここから、史上最悪のサバイバル・ゲームの幕が今、開かれようとしていた。
「えぇ、これからお前達には、鬼ごっこをしてもらう」
マシンガンを持った男二人を横に連れ、ゲームの管理人、高槻は言った。
突然発せられたその言葉を殆どの人間が理解できなかった。
ただ一人だけ、瞬時に理解し、叫んだ者がいた。
084番、御影すばる。
「ちょっと、どういうこと!? 鬼ご……」
「タッチ」
高槻の手がすばるに触れる。
言葉を続けることなく、すばるはその場に立ち尽くした。
誰よりも理解が早かった結果、誰よりも早く鬼になった。
「どういうことって、こういうことだよ! わかったかい?」
ホール内を緊張が走り抜けた。
「ルールは簡単。ただこの孤島の中で鬼ごっこをするだけだ。
最後に残った人間には賞金1億円が与えられる。
脱出しようなんて考えないほうがいいぞ?
島の外へ一歩でも出ると失格、鬼になるからな。
これから読み上げた順に、鞄を持ってホールを出てもらう。
鞄の中には食料、水、島の地図が入ってる。
我々に刃向かったら即刻鬼になるので、そのつもりで。
鬼ごっこのプロばかりだから、勝とうなんて思わない方がいいぞ。
何か質問は?」
静かに手を上げる者がいた。
090番、水瀬秋子である。
「よろしいですか?」
「なんだい、かわいらしいお嬢さん。いや、奥さんだたか……クックッ……」
「お母さん!」
091番、水瀬名雪が隣で声を上げる。
秋子は「大丈夫」と目で言い、高槻に訊ねた。
「何の為にこんなことをするんでしょう? どうして私達が選ばれたのでしょうか?」
「何の為? 金持ちの道楽さ。深い意味はない。選ばれたのも、コンピューターが勝手にはじき出しただけだ」
「そうですか、ありがとうございます」
まだ緊張した面持ちで、席に座る。
「それじゃあ、ゲームスタートだ。せいぜい楽しませてくれよ!」
【現在の鬼:084番 御影すばる】
45 :
名無しさんだよもん:03/03/17 15:58 ID:Dsi+vsI4
そしてなし崩しに始めようとするのね…強引だわ、貴方(⊃Д`)
>>43‐44
盛大にワロタ
何だよ鬼ごっこのプロってw
まあ俺の個人的感情としては「なぜ鬼ごっこなのか?」という疑問はあるな。
ハカロワの二番煎じという評価(鬼)からは逃げられないだろうし。
最初から負けるのがわかってる鬼ごっこ。
いっそ「葉鍵横断ウルトラクイズ」みたいなものがよかったかもな。
知力・体力・時の運〜って感じで誰にでもチャンスがありそうだし。
ネタっすよ
無視して下さいっすよ…
>>48 いやハカロワ厨にはそんなもの通用しないぞ
とりあえず奴らがココで議論を始めるからソレが終わるまで待っとくのがが吉
じゃあもう一度ルールを練り直そう
・制限時間なし
・タッチされたものは新たな鬼となる
・島の外へ出るとタッチされたものとみなされる
・定時放送で新たに鬼となったキャラの名前が呼ばれる
・鬼は目印となるものを身につける(腕輪なりなんなり)
・毒電波、鬼の力、魔法、超能力、サテライトサービス、超感覚、不可視の力は制限される
・初回の鬼は主催者側が用意したロボット
こんなものでどうだろう?
一つ分かった事がある。
高槻は中国人だった!
この鬼ごっこの設定でいちばん気になる点は、
「鬼になった段階で、もうこのゲームに参加する意義(優勝)がなくなるので、
主催者が用意するいう最初の鬼以外は皆途中で帰ってしまう」んじゃないかと。
53 :
52:03/03/17 16:15 ID:NHjgNwtl
つまり、鬼の側にもモチベーションを高める何かが用意されてなければいけないんじゃないか、と。
そもそも優勝商品が賞金ってのが…
金持ちの奴とかいるわけだし。
鬼は、捕まえたキャラに対して何をしてもいいというインセンティヴを進呈。
これはSS書きどもへのインセンティヴにもなる一石二鳥という案配でさぁ、ダンナ方。
57 :
52:03/03/17 16:23 ID:NHjgNwtl
賞金よりも、何か別の……「ひとつだけ何でも願いをかなえる」とか。>優勝者
鬼のほうは……どんなのがいいかな?
58 :
52:03/03/17 16:24 ID:NHjgNwtl
>>55 俺だったら序盤に鬼になって女・子供をとっ捕まえまくるな。
3,400万は固いだろう。一億円狙って終盤引っかかるよりはマシだ。
60 :
52:03/03/17 16:27 ID:NHjgNwtl
とにかく
>>1の考えを聞いてからだな。
特殊能力禁止問題にしろ、鬼側のメリット問題にしろ。
>>57 うん。それが妥当かな
>>56 彰が美咲さん狙ったり、久瀬が佐祐理さん狙ったり、北川が香里狙ったりするわけか
それはいいな
まああとは、全員捕まえるまで島から出れないとか
鬼になった奴らは早く帰りたいから逆に必死で捕まえようとする
62 :
52:03/03/17 16:30 ID:NHjgNwtl
しかしヘタするとアリスソフトの「人間狩り」みたいな展開になるなぁ……
63 :
52:03/03/17 16:40 ID:NHjgNwtl
あとひとつだけ。
参加キャラは初めからリストアップするんじゃなくて、
参加したいキャラにだけ参加させるという「任意参加制」にしてほしいな。
そして各キャラが参加する時にはぜひコメント(インタビュー)を。
その時に「もし優勝したら何を望むか?」も表明してほしいところ。
で、
>>52はいつまで無意味に名乗り続けるのかが気になるところだが。
65 :
名無しさんだよもん:03/03/17 16:42 ID:6AJmpMYC
みさき先輩は
ど う す れ ば い い ん だ
>>63 いきなり会場から始まるんじゃなくて
鬼ごっこの企画を知る→参加を決意→会場
みたいな感じか
そっちのほうがキャラの目的(たとえば香里なら栞の病気を直すため)がはっきりするな
>65
絶望ォォォだねッ!
3人ほどがやけにノリノリです。。。
>>64 クイックモーションから牽制球が。足からベースに戻ります。ずざーーーっ!
>>66 徐々に盛り上げていくのが王道ですので。
しかしやっぱ鬼は千鶴さんでk
暴行禁止ルールとか作らねば
72 :
名無しさんだよもん:03/03/17 16:53 ID:RvoBfpxX
まぁこの手のスレには必ず来る奴等やね
そして1の思惑とは全く別の物になると
>>43-44 ハカロワパロかよ…(w
しかし、大の大人がおにごっこをするとけっこう戦略性が出て面白いと思うんだが。まぢで。
ところで、鬼が一人だと進行が恐ろしく遅くなりそうな気がする。
それと団体戦とか考えてみた。
・1チーム六人で構成し、そのうち最低一人は鬼役にする。
・鬼役が規定以上の敵を捕まえたら既に捕まっている仲間を一人復活させることができる。
(誰も捕まってないときに限り権利保留可)
・逃げている人全員捕まったら失格。そのチームの鬼も退場。
・途中の鬼役への転向可。ただし戻れない。
チームにするならキャラ混ぜて欲しいな、耕一が超絶的な運動技能を誇ろうと、蝉丸が完全に気配を殺そうと、
少年が正体不明だろうと、麗子がどれだけ長い間生きてようと、宗一がいかに情報を握ろうと、
足手まといをたくさんつければバランス取れる。
エルクゥばかり、強化兵ばかりってんじゃどうしようもないしな。
団体戦ということになるとスレの主旨ごと変わらざるを得ないので
>>1と相談してください。
二人一組にして手錠もしくは足かせをする。要するに二人三脚で鬼ごっこ。
なんてのも考えましたがちょっと難しい。
でも、ミルトのサイドミラーと手錠で結ばれるトウカ、とか想像すると楽しいにゃ〜。
俺達で鬼ごっこオフしようぜ。
結構楽しいよ。
何でオネの南が入ってて、由美子さんが入ってないんだよう(涙
鬼ごっこまだー?
>>74 チーム戦にするんだったら、いっそどろけいにすればいいんじゃないか?
あれだったら結構戦略性もあっておもしろいと思う
まあここらへんで誰かがスタートのSS書けばノリで続くと思うんだけどな。
>>50のを基本ルールにして
あんまり設定にこだわってるとクリスクロスの二の舞になる
>56
先ず、我先にと鬼になる陣営が現れるな。
梓を狙うアレとか。
で、>57みたいに賞金よりも何か一つ願い事系にすれば、
それなりに話面白くならない?
追加でルールに加えるとするなら、
主催者側の用意する鬼ロボットに捕まった者にはマイクロモニター追尾。
排泄から着替えまで鬼ごっこの間中追尾撮影したDVDを終了後参加者オークションに。
・・・ただし、このルールは開始直後に発表。
さて、これだけでも結構話が膨らまないか?
82 :
名無しさんだよもん:03/03/17 20:43 ID:feoSd18i
チームよりも普通のほうがいいんじゃないか?
序盤は進むのが遅くなりそうだけど少し過ぎて鬼が増えればスピードアップするだろ
83 :
名無しさんだよもん:03/03/17 20:46 ID:ipwS+o3M
「柏木家コンゲーム」 と言ってみるてすと
この板だと元ネタ知ってるやつはいないか
84 :
1:03/03/17 20:47 ID:K13zVXQw
最初の方ではなんとかなりそうとか思ったが設定厨の暴走で一気に糞スレ化しちまったなあ。
こんな自分じゃ書かねえくせに自分の好みや願望を押し付けてばっかのスレに誰が書きにくるんだよw
設定厨が書く話は総じてつまんない上に痛いからこいつ等だけで始めたって面白いわけねえし。
団体戦?願い事?アホか。
書いてて恥ずかしくなかったんか。
こういうのは勢いだけでやっちまった方が面白いのに。
参加キャラ案とか貼り付けてる未成年がきたあたりでやべえなあとは思ったが。
と、いうわけであとはおまいらで勝手にやれ。
最初の10レス分ほど書いて戻ってきたらこんなんじゃ投下する気にもならん。
テキストはもうゴミ箱に突っ込んだんでダメ出し合戦だろうが喧嘩だろうがご自由に始めてください。
それではどうぞ↓
いかん、名前が残ってた。おれはここの1じゃない。
おねメンバーに氷上が入ってないのは病人入れたら死にかねないからなかあ・・・
郁美も入ってないし。
いや、でも栞も入ってるし、みさきみたいなどう考えても不利なキャラも入ってる。
やっぱ何人かでチーム戦とか二人一組の方がいいかも。
氷上には浩平が付添いとかみさきには雪見が付添いとか
郁美には兄(雄蔵だっけ?)が付添いとか。
>84
1はコテがあるから「1」とは名乗らないと思われ。
>85
あ、すいません。
>>84 まあ落ち着けよ
とりあえず俺が
>>50のを基本ルールにしてスタートの話書いてみるから
とりあえずもうちょい待ってくれ
90 :
名無しさんだよもん:03/03/17 21:02 ID:F4Kvxi1E
またいつもの展開かよ・・・
まぁそれでも期待age
91 :
名無しさんだよもん:03/03/17 21:04 ID:Hxmb3yFV
>>88 期待して待ってるけど、肝心の「特殊能力禁止」の件はどうするのん?
>>50の条項ではなんか大雑把というか中途半端というか不安いっぱいだよ。
95 :
84:03/03/17 21:13 ID:K13zVXQw
>88
無駄だと思うぜ。>86とか>92>93みたいなのがいる限り。
途中で絶対ダクダクになるって。
くだらん厨設定みせつけられただけでボクもうお腹いっぱい。
当分は書かん。まあお手並み拝見。
>89
認めざるを得んだろうな。
目くそと鼻くそ、どっちがうざいか・・・どっちもか。すまんなw
例えば自前の翼で飛べるキャラが「飛ぶのは特殊能力だから禁止」と言われたら、
今度はその翼の重さが「かせ」となり、走って逃げる鬼ごっこには不利になってしまう。
だからこそ、後で問題が起こらないよう、試合の前にきちんと話し合って、
お互い納得いくルールにしたいわけで。
まあ試合自体は皆さんごひいきのキャラがそれぞれいるわけですから、
納得いく結果にはならないかもしれませんがね。
次善の策として「人間限定部門」と「人外無差別部門」に分けるという手もありますが、
これもどっちに振り分けるか難しいキャラも存在するし、にんともかんとも。
この手のオールスタースレは全作品やってないと
話をかけないのが辛いな。
>>97 それ!それが大きい。
全作品やってるなら何も問題ないんですが……例えば「飛べるキャラ」で誰を思い浮かべますか?
普通はウルトリィ、カミュ、神奈あたりを思い浮かべると思いますが、
この板では神奈(と「そら」)しか知らない人間も多いようで。
>>11にいたってはいきなり「飛べる=MOON.の少年」ですからねえ。しかも小説版の。
つ−か飛べたんですか!?今初めて知りましたよ!!>少年
99 :
86:03/03/17 21:47 ID:7FYn29QE
え?俺なんかまずい事逝ったか?
いや、別に能力使用はある程度はいいんじゃない。
まさか鬼ごっこごときに鬼の力だの不可視の力だの使うやつはいないだろうし(w
いや、たとえ使ってもこれだけ異能者がいりゃあ潰しあいになるだろう。
MOON.の小説版って今なかなか手に入らんしな。
しかし全作やってなくてもやってないやつのキャラだけ出さなけりゃなんとでもなるような。
リレーだし。ハカロワでもやってなくても書いてる書き手いっぱいいたし。
てっきり漏れは
モナ板の鬼ごっこスレっぽいヤツかと思ったんだが…
>>99 自分としてはキャラが持ってる能力のすべてを使わせることに賛成なんですがね。
各人の能力が特殊であろうとなかろうと。
だってそれがキャラの個性でありキャラの持ち味ですから。
問題は「特殊能力を禁止することが本当に公平と言えるのか?」ということ。
まあどこかで妥協はすべきなんでしょうけど。
>>100 >ハカロワでもやってなくても書いてる書き手いっぱいいたし。
ああ、それでいきなりすばるが死んでたわけね。なんとなく納得。
自分もDC版こみパは知らないけれど、すばるといえばKanonにたとえると
あゆみたいな立場のキャラなんでしょ? しかも武道の達人だっけ?
それ(武道の達人)を知ってたら普通は真っ先に殺せませんわ。だって説得力ないし。
俺も
>>99に賛成
耕一と柳川のハードな追い駆けっこが見たい
>>102 すばるが殺されたのはあの時点でDCこみパが出てなくてすばるがどんなキャラかからなかったからじゃないのか?
105 :
88:03/03/17 22:21 ID:1ZOUi9mm
ちょっと待ってくれ。やっと今バイトが終わったところだから
少なくとも今日中には投下する
>>104 あ、なるほど!(ポン!)
それは私の認識不足でした。謹んでお詫びいたします。
まじめにやるなら、いっそ鶴来屋主催のイベントとかでどうだ。
最初の鬼がエルクゥなら序盤の展開も早くて良かろう。
耕一から始めれば能力者といえども安穏として入れないだろうし。
逃げ切れたものには参加者に対する一日王様権。
鬼連中には成績優秀者上位に特典を出すことでモチベーションを保つ。
レギュレーションは、飛ぶ・精神操作による記憶改竄・各種攻撃行為以外はありありが適当じゃなかろうか。
そも飛ぶなんてうたわれ・神奈の異時代人省けば少年だけだろ?
しかも小説版に限った話しだし。
アレなら30秒以上連続飛行不可とかでもいいだろうな。
>>105 わーい!
あ、メシ食ってからでいいよん。慌てないでじっくりいってちょ。
>>107 うん、それも面白い。
で、ミルトは「ありあり」に入りますか?……そうですか……
しまった、スタート書こうと思ってたのに…
111 :
88:03/03/17 22:55 ID:ggHQ2Cwl
>>110 あっ、悪い…
俺まだ書き始めてないから、もし書いてあるんならどうぞ
あいやいや、俺もまだ書き始めてないし…
早い者勝ちにすべ?
113 :
88:03/03/17 23:13 ID:ggHQ2Cwl
うん。それがいい
それじゃ書いてきます
結局ルールは>50と>107どっちで逝くのん?
115 :
88:03/03/17 23:21 ID:ggHQ2Cwl
116 :
88:03/03/17 23:55 ID:ggHQ2Cwl
「はいこれで全員ですね」
この鬼ごっこを企画した巨大グループ・鶴来屋の美人社長、柏木千鶴がホールに集まった人間を見てそう言った。
ホールにはこの企画に参加した数多くの男女がいる。
みなそれぞれの想いを胸にこの鬼ごっこに参加したのだろう。
「わかってはいると思いますが、もう一度ルールを説明させてもらます。
基本的なルールは普通の鬼ごっこと同じです。
鬼にタッチされた人は新たに鬼となり、タッチした人もそのまま鬼を続けます。
鬼になった人は目印のために、こちらが用意したたすきをつけてください。
鬼ごっこをする範囲はこの島の中で、島から出てしまうと失格となります。
それと特殊な力を持っている人も何人か混じっているようですが、特に力を制限しません。
ですが、その力で他の参加者を攻撃した場合は失格とします。
それと他の参加者が容易に立ち入れない場所―たとえば湖の底などにずっと留まっていることも禁止します
――ここまでで何か質問ある人はいますか?」
117 :
88:03/03/17 23:56 ID:ggHQ2Cwl
「はい」
ホールの真中あたりにいたウェーブのかかったロングヘアーの女の子が手を上げた。
「はい、あなたは…美坂香里さんですね。なんでしょうか?」
「ルールは大体わかったわ。それで誰が最初の鬼をやるのかしら?」
「最初の鬼ですか?」
千鶴がその唇にふふっ、と笑みを浮かべた気がした。
「私、ですよ」
「え?」
「私が最初の鬼ですよ。何か問題でもありますか?」
「え…いえ、ないわ」
「あと言い忘れましたが、参加者の方々は鬼ごっこが終わるまでこの島から出れないので
鬼になった人は早く残りの人を捕まえたほうが得ですよ。
私は一時間後にここを出ますので、それまでにこの島のどこかに隠れてください。
――それではゲームスタートです」
【ゲームスタート】
【現在の鬼 柏木千鶴】
118 :
88:03/03/18 00:02 ID:9uY0np/a
何とか日付が変わる前に投下できた…
ヘボくてスマン
あと参加者は自由に書いて、出揃ったかな、ってあたりでリスト作ったほうがいいと思って
あえて参加者リストみたいなのは作らなかった
作る時がきたら俺が責任をとって編集します
119 :
110:03/03/18 00:04 ID:1YPcoQ1h
ぬわ、ウンコしてる場合じゃなかったか…
じゃあ116-117でケテーイかな
「けっけっけ……見つけたぜぇ坂神ィ」
「む、御堂か」
既にゲームが始まって一時間と少々。森の奥でかつてのライバルは再会した。
「どういうつもりだ? そんな殺気を放って。まるで俺を殺そうとしているようだ」
「俺ぁこんなゲームなんてどうでもいいんだよ……てめぇさえぶっ潰すことができればなぁ!」
「……成る程。説明場でお前を見た時は妙だと思ったが……そいういうことか」
「そうとも……全てはテメェと戦うため! 今日こそ俺が完全躰であることを証明してやる! 行くぜェ!!!!」
「来るかっ! いいだろう!」
地を蹴り、蝉丸へと迫る御堂。それを迎える蝉丸。
2人の躰が交錯する、刹那……!
「はい、そこまでです!!!!」
「なっ!?」
「ムッ!?」
2人の間に割って入った人影が、それぞれの躰に浅く触れた。
「タッチ! はい坂神蝉丸さん、御堂さんお二方はこれより鬼になってもらいます!」
そこにいたのは、ホールで説明をしていた女性……柏木千鶴だった。得意満面の笑みで二本のたすきを差し出している。
「ケッ、さっきの女か……言っただろう? 俺はこんなゲームは関係……」
「尚、言い忘れていました。ゲーム中は多少の喧嘩は可としますが、本格的な私闘は禁止とします。もしルール違反をした方は、即刻退場とさせていただきます」
「ハッ、くだらねぇ。なら俺は退場で結構だ。この場で決着を……」
「……ならばこのゲームに勝てばよいのです。あなたが相応の点数を上げることができれば、蝉丸さんとの決着の場をこちらで設けましょう……それこそ、気の済むまで戦える、何者の邪魔も入らない場所を。当方で用意しましょう……それではダメですか?」
「………………ケッ、よこせ」
つまらなそうに、御堂はたすきを受け取った。
「あなたはどうしますか蝉丸さん?」
「……ルールはルールだ。捕まってしまったのは残念だが、守らなければな……。俺もむかしは光岡と共に『韋駄天の蝉ちゃん』と呼ばれ、恐れられたた男だ。鬼ごっこには自信がある……
全身全霊、鬼としての責務を果たさせてもらう」
決意に満ちた表情で、たすきを受け取った。
「大変結構です……。ではお二方とも、ご武運を」
【蝉丸・御堂 鬼になる】
強さは原作準拠なの?
それともネタ有り? 有りだったらみさきや七瀬とかONEキャラが動かせ易くなるけど…
無しだったらキツイよ。
>>120 イイ!韋駄天の蝉ちゃんにワロタ。
>>121 キャラのイメージを崩さないことが大前提。あとは書き手次第・・・ってとこか?
ベースはあくまで原作、但し多少の誇張はOK。
……とか敢えて灰色決着で始めて、多少の故は目を瞑るのが長続きの秘訣かと。
121の例なら「見えないからこそ冴える聴覚で小さな音も逃さない」とか
「元剣道少女として鍛えた基礎体力が物を言う」くらいは余裕の方向で。
たかがネタスレ、されどネタスレ。
腰痛めた香具師を走らせるのは酷だと思うが。
根性で乗り切ります
自分、漢ッスからw
>>124 まあ鬼ごっこというものはとにかく鬼に捕まらなければそれでいいわけで。
必ずしも「走る」必要はない、と。
しかし最初っからエルクゥ一人と強化兵二人が鬼!?
そりゃ辛すぎやで!おっさん!
漢の中の人も大変だな。
「ところでオメェ……柏木、とか言ったか?」
「千鶴、で結構ですよ。御堂さん」
千鶴の場所から離れようとした御堂と蝉丸。だが数歩進んだところで不意に御堂はふり返り、一つ疑問を投げかけた。
「……なら千鶴。一つ訊いときてぇ。どうやらお前、俺らのことは下調べ済んでるようだが……俺の特技は、知ってるな?」
「ええ。射撃……ですね。陸軍時代はよく慣らしたそうで」
「わかっているなら話は早ぇ。率直に聞く。他の連中を追う時、ぶっ放してもかまわねぇのか?」
ジャキン、と懐から拳銃を見せて言う。
「ふむ……」
一方千鶴は手を顎にあて、考える仕草。
「確かに特殊能力で他の参加者を攻撃するのは禁止ですが……あなたのそれはあくまでも人としての『特技』の延長ですからね……。微妙なところ……。
そうですね……では、これでどうでしょう?」
と言いながら、千鶴は一丁のライフルを持ち出してきた。
「なんだこりゃ?」
「百聞は一見にしかず。説明するよりは実際見た方が早いです。……蝉丸さんを撃ってみてください」
「あ? いいのか? 私闘は禁止なんだろ?」
「構いません。撃ってみればわかりますから」
「そうか? なら……」
御堂はチャキッと慣れた仕草で銃を構えると、森の中に溶け込もうとしている蝉丸の背中に照準を合わせた。
(……死ねや坂神……!)
多少の殺気を込めつつ、引き金を……
ドン! べちん!
「うぐぅ!?」
「あ? これは……」
銃口から放たれた白い塊。それに絡みとられ、蝉丸は近くの巨木に打ち付けられた。
「な、なんだこれは……? う、動けん!? ……と、とりもちだと!?」
体にまとわりつくのは、ねばねばのとりもち。
「柏木特製とりもちガンです……どうぞそれを存分に使い、鬼としてのお仕事をお願いします……」
「けっけっけ……こりゃあいいや。よっしゃ、ならいっちょやるとするか!」
【御堂 とりもちガン装備】
「ウワーッハハハハ! あんな俗人どもにこの俺が捕まえられるかぁ!」
「…大声を出していると、即刻見つかるぞ」
海岸沿いの小道を二人の男が肩を並べて歩いていた。
一人は愉快そうな顔で大声をあげており、もう一人の男が冷静にそれを制止する。
「何を言う、一時間の間にこれだけ逃げたんだぁ! あの女がそんなに速く来る筈がないぃ!」
「お前は何時間経ってもその調子でいるだろう。 小声で話すクセを付けていろ」
「そんなマネができるかぁ! 俺はこのゲームに勝ってFARGOを再建するんだぁ! 高揚の余り自制など効かないぃっ!」
「…なら、俺はここで別れさせてもらう」
静かな方の男はいきなり足を止めたかと思うと方向転換して道を外れ、森の中へと入って行った。
騒がしい男は慌ててその背に叫ぶ。
「おい、何処へ行く気だぁ!」
「お前と一緒だと隠密行動など出来そうにない」
「なんだとぉ! お前はこの俺が俗人に捕まるとでも思っているのかぁ!」
「早い内にな」
「ええい、俺の才能が解からない奴は必要ないぃ! 新生FARGOの名簿に巳間良祐の名は無いぞぉ!」
「結構だ」
木々の間に消えていく巳間良祐の後ろ姿には一切の未練が感じられない。
一人残された高槻はさらに喚き散らした。
「なめるなよ巳間ぁ! 必ず最後まで残ってお前の鼻をあかしてやるぅ!」
【高槻、海岸沿いの小道を移動】
【巳間良祐、高槻と別れ森の中へ】
130 :
名無しさんだよもん:03/03/18 01:34 ID:X0j3sQqX
期待age
【現在の鬼 千鶴、蝉丸、御堂】
御堂強すぎだと思うんだけど…
確か数キロ先の的も射れるんだよね。
ふん…坂神も御堂もだらしないな」
二人が捕まる様子を遠く離れた茂みから見ていた岩切花枝が呟いた。
あの二人――得に蝉丸は終盤まで残ると予想を立てていたのだが、たった今それはあっさりと否定された。
「まあいいさ。優勝するのは私だ」
そしてその場を去ろうと、立ち上がったとき。
遠くにいる、千鶴がこちらを見ていることに気がついた。
あわててもう一度しゃがみこむ。
(見つかったのか…?いや気配は完全に消しているつもりだが…)
だが、千鶴はまだこちらをじっと見つづけている。
どうする?逃げるか?じっとしているか?
岩切が悩んだ、次の瞬間。
ダン!
いきなり地面を蹴りつけ、岩切に向かって疾走してきた。
「くっ!」
一歩遅れて岩切も駆け出す。
岩切も伊達に強化兵ではない。
瞬発力、持久力、どちらも一般人を遥かに凌ぐものを持っていた。
だが、千鶴は岩切のそれを超えるスピードで追ってきている。
(冗談じゃない!何者だ、あの女!!)
風のように森の中を駆け抜け、岩切との距離をどんどん縮める千鶴。
そしてあと一歩で手が届くというとき。
森が開け目の前に大きな川が姿をあらわした。
川幅もあり、流れも速い。
岩切は迷うことなくその川へ飛び込んだ。
ザッパーン!
大きな水飛沫があがり、岩切の姿はみるみる間に川の底へ沈んでいった。
「逃がしてしまいましたね」
川岸に立った千鶴は沈んでいく岩切の身体を見ながらそう呟いた。
「やっぱり、能力を持つ人を捕まえるのは難しいですね」
…まあ始めに運良く二人捕まえてしまったが。
それよりも、能力を持たない一般人を狙うほうが効率がいいだろう。
「…そうですね。そうしましょう」
そして狩人は獲物を探しに森の中へ戻っていった。
【岩切花枝 川に飛び込む】
千鶴さんを見る限り、ある程度の武器は隠されてるのかな?
じゃないと鬼になった能力者が武器まで持ったら最強だし。
あれ? 能力解放はありなの?
それこそこの三人から逃げ切れるやつはいないと思うんだけど…
期待sage
1000で
【初期の鬼
>>1 釣られてなった鬼>2-999】ってことにならんことを祈る。
システム的にロワ、サバ色が強いから強いキャラが鬼になるのに抵抗意識ありがちだけど
実際は強いキャラが早めに鬼になればテンポよく進む訳だ
あくまで目的は一人にする事だし鬼は鼠算式に増えるし
で、登場キャラはどうなったんだ?
見切り発車で確定はしてなかったと思うが
具体的に気になるのが
この手の企画で何故か外される痕被害者トリオとRoutesキャラなんだが
・自分で登場させる
・さりげなく話題に出す
>>135 鬼ごっこだから逃げ切れなくていい
最後までとどめをさされなければ優勝なんだから
そうなるとガイシュツだけど陰の薄いヤツが強そうだが(w
「はわわわわ〜、クーヤ様ぁ〜、どこですか〜?」
「はわわわわ〜、浩之さぁ〜ん、どこへ行かれたんですかぁ〜〜〜?」
十数分歩き、蝉丸が見つけたのは2人の女子であった。
「ムゥッ!? 参加者か!?」
反射的に近くの木陰に身を潜ませ、様子を伺う蝉丸。
「マルチちゃん……あなたのご主人さま、見つかった?」
「クーヤさんこそ……皇様は見つかりましたかぁ〜?」
……姿はともかく、しゃべり方の良く似た2人の少女が少し開けた場所で誰かを探している。おそらく連れの参加者であろう。
「あんな少女を手にかけるのは本望ではないが……これも勝負だ、仕方あるまい」
ガサリと葉を掻き分け、姿を現そうとした、それと同時に……
「お〜いマルチぃ〜、そこにいるのかぁ〜……」
少し離れた場所から、男の声が聞こえた。
(男子もいるのか……!?)
もう一度身をかがませる蝉丸。
「ひ、ひ、ひ、ひろゆきさぁ〜〜〜〜ん……!」
声がした方向に慌てて駆けていく耳飾の少女。
「ああっ、マルチちゃん……一人にしないで……」
残された兎耳の少女はかなり泣きが入っている。
(……勝機か……)
近くに連れはいるようだが、状況から察するに子供であろう。数人程度なら強化兵たる自分なら問題にならない。それに、倒すわけではないのだ。
体に、ちょっと……軽く触れるだけで、十分なのである。
「……ならば……」
小さく呟き、蝉丸は藪を出た。
「ううっ……クーヤ様、ちょっと様子を見てくるなんて言ったっきり……全然帰ってこない……
あたし一人のこんな状態で、鬼さんに見つかったらどうすればいいんでしょう……」
少女はマルチと呼ばれた女子が消えた方向に完全に注意を向けていて、背後に忍び寄る蝉丸には気がつかない。
ただでさえ察知しにくい彼の気配。余計な事を考えていれば当然の結果だ。
(あと5メートル……)
一歩、蝉丸が近づく。
(あと4メートル……)
また一歩、近づく。
「マルチさん……早く帰ってきてください……」
(すまないな。……これも勝負だ。あと3メートル……)
一歩、一歩、また一歩……
「うううっ、こんな森の中で……もし怖い人が鬼になっちゃってたら……クーヤ様無しじゃとても逃げ切れませんよ〜」
(ほほう、クーヤと言う奴はそんなに足が速いのか……。あと2メートル……)
そして、とうとうサクヤまであと一歩と迫った、その時!
……ズシン。
『何か』が大地を揺らした。
「あっ、クーヤ様!」
(な、何だこれは……?)
ズシン、ズシン……。
どこかで覚えのあるような、無いような感覚。
「クーヤさまぁー! こっちです! サクヤはここにいますよー!」
能天気に『それ』を呼び寄せるサクヤ。
(な、なんだ……!? なんだと言うんだ、この地響きは!?)
ズシン、ズシン、ズシン……!
「サクヤさぁ〜ん、お2人を見つけましたよ〜!」
「おう、遅くなったなぁ。スマンスマン。どっか隠れるのにちょうどいい場所探してたら……ちょっと遠出しちまってな」
そして先ほど消えた少女と、一人の少年が現れる。……同時に、『地響き』が一際大きく響いた。
ズシン!
……木々を押しのけ、大地を揺らし、暗闇の中から……『それ』は現れた。
「クーヤさまぁ〜!」
泣きそうな程に嬉しそうな顔の目の前の少女。
「こ、これは……!?」
蝉丸は目の前の光景が信じられなかった。目の前から現れたのは……『巨人』。そうとしか形容しようのない存在……ロボット。
『む、サクヤ。お前の後ろの男は誰だ?』
巨人はその巨体に似合わぬ、可愛らしい少女の声で言った。
「え?」
一同の視線がいっせいに蝉丸に、そして彼の付けているたすきに向けられる。
『…………貴様、鬼か……』
「あ、い、い、いや……」
後ずさりする蝉丸。その脳裏に、千鶴の言葉が思い起こされた。
(―――鬼にタッチされた人は新たに鬼となり、タッチした人もそのまま鬼を続けます)
(―――鬼にタッチされた人は新たに鬼となり)
(―――鬼にタッチされた人は)
(―――タッチされた人は)
(―――された"人"は)
「…………………」
目の前の巨人……の形をしたロボット。察するに、中に少女が乗っているのであろう。それと思わず目が合った。
『余のサクヤに……手を出すつもりかっ! この不埒者ぉ!!!!』
体に似合った大きさの大剣を振りかざし、駆け出した。
「てっ……転進! 転進! 一時撤退だ!」
踵を返し、今来た道を大急ぎで逃げていく蝉丸。
彼は叫んだ。この状況にもっとも相応しい言葉を。
「どうすればいいんだ!」
【クーヤ・サクヤ&浩之・マルチ 行動を共に】
【クーヤはアヴ・カムゥに搭乗】
【蝉丸 逃亡】
敵前逃亡は銃殺刑で。
>>140の
>「クーヤさんこそ……皇様は見つかりましたかぁ〜?」
これって(マルチ)「サクヤさんこそ……皇様は見つかりましたかぁ〜?」ではないかと感じる感情が・・・
>>144 ごめん。その通りだった。脳内修正たのんます。
オマイラ!!大事な事を忘れてるぞ!!
鬼になった女性キャラは
鬼 の コ ス に な る ん だ ろ ! !
「さてと」
森の方に駆けながらリサ・ヴィクセンは考えた
(皐月さんクラスの運動センスの持ち主も多いし
宗一と同等かそれ以上の実力を持つような参加者も何人かいるみたいだし油断は出来ないわ)
彼女とて人の能力を見誤っても何とかなるような生温い世界に生きていたわけではない
「まずは視界が開けてかつ逃げやすく見つかり難いところを探すべきね」
それが島での集合から鬼ごっこの開始までの間全ての参加者を観察した上での結論だった
(それでも宗一はきっと最初から無茶をしてしまっているでしょうけど)
年下のパートナーの事を考えてる自分に気づき笑みを浮かべた
が、即座に歴戦のエージェントの顔に戻る
(彼のように無茶をしたい気持ちもあるのだけれど参加したからには勝ちたいしまずは慎重に
二人で最後の勝負になるのも楽しそうだし
早いうちに脱落してくれるならそれはそれで有利
最後に二人で鬼ごっこっていうのも惹かれるしね)
雌ギツネは狡猾で慎重だった
【リサ 潜伏場所を探す】
>>131 鬼として好成績を残そうとしたら、数キロ先の奴は打っても仕方ない。
他の奴にタッチされてしまう危険性がある。
御堂は自分の脚力と相談し、誰よりも早くタッチできるであろう相手のみを
打つのがクレバーなやり方だ。簡単には手が出せないほど強い相手になら、
得点無視してでも打ち込むかもしれないが。
太陽の下をのんびり歩きながら、耕一はこのゲームに思いをはせた。
「相変わらず突拍子もない人だな、千鶴さんは…」
苦笑。
「まさか大学生になって鬼ごっこをするはめになるとは…」
しかし、その口調とは裏腹に耕一は燃えていた。
微かに鬼の力を開放し、その拡大された五感で油断なく周囲に気を配っている。
お祭り好きと言うことでは、人後に落ちない耕一。
狙うは優勝である。
「んっ? 誰か近くにいるな…」
表情が引き締まる。
なぜなら…
「こちらに気付いた!」
そう思った瞬間飛んでくるとりもち!
「クッ」
横に飛ぶ。
その一瞬後、耕一のいたはずの空間をとりもちが通過した。
「ケッ、やるじゃねえか。坂上や光岡以外にこんな奴がいたなんてな」
森の中から現れる御堂。
「鬼か…?」
耕一は二重の意味で問い掛けた。
しかし耕一の感覚は目の前の男が鬼…エルクゥではないと告げている。
「ああ、鬼だよ」
たすきを弄くりながらも、油断なく耕一を見据えている。
「ケッケッ、こんな奴らもいるのか。鬼になって正解だったな」
楽しそうな御堂。
それを前にやや考え込む耕一。
「特殊な能力者ってこのことか…
千鶴さんや柳川以外も決して油断できないみたいだな…」
「何をぶつぶつ言ってやがる」
覚悟しな…
御堂がそう言おうとした瞬間、耕一の気配が急速に拡大した。
「なんだ!」
それを敏感に感じ取る強化兵御堂。
刹那
「シッ」
耕一が跳躍した。
「逃すか!」
御堂が即座に反応しとりもちを撃つ。
しかしその跳躍は御堂の予想をもこえて俊敏だった。
一瞬で森に消える耕一。
「ケッ、逃がしたか……」
立ち尽くす御堂。
しかし、その顔に浮かぶのは不適な笑み。
「ケッケッケッ、ガキの遊びだと思ってたがな…
面白くなってきやがったぜ。
獲物は強いほど狩り甲斐があるってもんだ」
【御堂と耕一遭遇 耕一逃亡 御堂鬼ごっこに意欲を見せる】
ま た 御 堂 か 。
あっ、ライフルだったのか!?
耕一でも見てライフルはよけれないな。
どうしよう?
>そう思った瞬間飛んでくるとりもち!→そう思った瞬間全身が殺気に貫かれた!
こうすればいいかな?
また御堂か。
ええ御堂です。
その少女は、森の手前にある切り株の上に、ぽつねんと座っていた。
「鬼ごっこ…って言ってもなぁ…。こういう遊びは、私には無理だよね…」
呟きながら、苦笑する。そして、空を見上げた。…が、彼女の眼には――
ぱきっ――
「……?」
枝を踏む音。森の中から、誰かが出てきたらしい。切り株に座る少女は、座ったまま、体を音のした方へ向ける。
「………えっと…、鬼さん?」
「――いや、私は鬼とちゃう。まだ誰にも捕まってへん」
特徴的な言葉遣いのやや不機嫌そうな声が、そう答える。その答えに、切り株の少女は落胆の色を示した。
「…なぁーんだ。鬼さんだったら良かったのに」
「…? 何でやねん?」
「えへへ…、私、こういうゲーム苦手なんだ。…苦手っていうか、やるには無理があるの」
「無理? ただの鬼ごっこやろ? 逃げるか追いかけるかの違いだけ……簡単な遊び――」
「眼が見えないの」
ぽん――とばかりに、些か衝撃的な事実を口にする。森から現れた少女が驚いているのが、気配で感じ取れた。
切り株に座る少女は、それには特に構わず言葉を続けた。
「だから、早く鬼さんに捕まって、リタイアしちゃおうって思ってたんだ」
「…さよか」
「うん。――だから、私の事は気にしないで、逃げた方がいいよ? 私はここで――」
じっとしてるから――と言う声は、口に出る前に手を掴まれて飲み込んでしまった。
「? ……どうしたの?」
「逃げるんや。一緒に」
「えっ? ――いいよ、私は」
「ええ事ない。折角参加したんや、逃げて勝たな損やろ」
「でも……、足手纏いになるだけだよ、私」
「ええから…! 逃げ続けんでもええ。隠れる場所でも探して、ギリまで粘ろうやないか」
「うーん…」
森から現れた少女は、“眼が見えない”というハンデを負ったこちらの事を、放っておけなくなってしまったらしい。
その態度がちょっとつっけんどんだが、根は親切で優しい人なのだろう。――それを感じて、微笑みが浮かんだ。
「……うん。解った」
「なら、早ぅ立ち。さっさと逃げるで」
「私、川名みさき。貴女は?」
「…保科智子や」
「ほしな、ともこちゃん…――“智ちゃん”って呼んでいい?」
「………ええよ、別に」
ちょっと照れているらしい。――みさきは、そんな智子の様子を気配で感じ取り、えへへ♪…と笑った。
【川名みさき、保科智子と合流。共に行動する】
「さてどうするか?」
祐一は悩んでいた。
それと言うのも目前に野獣のごとき巨漢が存在するからである。
いやそれだけならただ逃げればすむことだ。(逃げきれるかどうかはさておき)
しかしその巨漢が紐で吊るされているとき、どう反応すればいいのだろう?
さらにその巨漢がタオルを噛まされている時、どうすればいいのだろう?
「さてどうするか?」
先程と同じ言葉を再び口に出し、再び悩む祐一。
このままにしておいてもいいような気はするが、残念ながら目が合ってしまった。
うーうー言ってる。
正直怖い。
この巨漢を自由にするのも、ほっといて後で報復を受けるのも。
「どうすればいいんだ……」
祐一は苦悩していた。
【祐一吊るされた巨漢(ハングドマン)を発見 苦悩中】
>>157 よかですな、委員長。
意外なペアだ。
晴子かと思ったのは秘密w
>>160 いろいろ禿胴。
「おっ智子」→「あれ晴子?」→「やっぱ智子じゃん」って感じ。
敗因は口調がぞんざい過ぎなとこかと。
これでやや砕けて口数増やすと今度は由宇になるので要注意。
颯爽と森の中を行く霧島姉妹。
そしてちょこちょこと奇妙な足取りで彼女達を追う未確認生命体ポテト。
「ねえお姉ちゃん、どこに隠れようかな〜?」
「そうだな… このゲームの参加者は裕に100人を越しているからな。 その人数から姿を隠せる場所は…」
「うぬぬ、難しいね〜… ポテトの意見も聞いてみたらどうかな?」
「それは名案だ。 人間とは異なる立場からの視線から、何かヒントが得られるかも知れないな」
「よ〜し! ねえポテト、ポテトは何処に隠れたら良いと思う?」
「ぴこぴこ、ぴっこり、ぴここっ」
「お姉ちゃん、犬小屋の中とかはどうかな」
「ふむ… 人が入れる大きさで、なおかつ入口が閉められればそれも良いかな」
「じゃあ、犬小屋探し隊を大結成するよっ」
「よし。 では佳乃隊長、ご命令を」
「あれ、ちょっと待って。 ポテトが何か言ってるよ〜」
「ぴこぴこぴっこり、ぴこぴっこり」
「向こうの方から何か来るって〜」
「…鬼か?」
聖は懐の内側からメスを数本取り出すと、佳乃を背に庇う様にして構えた。
それから数秒、ポテトが言った通りの方向から物凄い勢いで何者かが走って来た。
目を凝らし、その姿をよく確かめて見る。
短髪の少女だった。 ヘアーバンドが特徴的だ。
(佳乃と同じくらいの娘か… 胸の発育が良いな。 鬼のタスキは付けていない様だが… むしろあの必死な顔、何かから逃げている様にも見える)
走って来るのは二人だった。
最初に確認した少女の数メートル後ろにもう一人、別の少女がいる。
彼女は如何にも楽しそうな表情で、鬼だとすればこちらなのだが、やはりタスキを持っていない。
(鬼ではない者から逃げているのか… どういうことだ? ゲームと関係無いあちら側の都合か?)
考えている間に、走って来た二人の少女はそのまま聖達の傍らを通り過ぎて行った。
振り向くと、全く速度を落とさずに消えて行く少女達の背中が少しだけ見えた。
「わ〜〜… ポテト、なんなんだろうね、あれ」
「ぴこぴこ〜」
「うん、すっごく速かったね〜」
「…他人には他人の事情があるさ。 それよりも私達は私達が成すべきことをやろう」
「…そうだねえ。 …じゃあ、犬小屋大捜索部隊、出撃だよ〜!」
「あ〜ず〜さ〜せ〜ん〜ぱ〜い〜!!」
「あ、あんた鬼じゃないのに、なんで追いかけて来るんだよぉ!」
「そんなこと言われても〜! わたしは今までずっと梓先輩を追い続けてますぅ〜!」
「ゲームの趣旨に反するから、こっち来るなぁ〜!」
「大丈夫ですぅ〜! わたしは梓先輩に対してだけ鬼になるんですぅ〜!」
「ワケわかんないよ〜!」
【聖&佳乃&ポテト、犬小屋を探す(ほとんど遊び)】
【梓、かおりに追いかけられる】
「クックックック……おぉりはらぁ……」
「あの……一つお訊きしてもよろしいでしょうか七瀬さん」
彼にしてはしおらしく、折原浩平は目の前の女性におずおずと訊ねた。
「許可しましょう」
「では僭越ながら……(コホン)、まず、貴女様が肩から腰にかけて装着しているたすきは何なのでありましょうか」
「鬼の印でございまするわ」
「それではお次に……貴女様が右手に握りしめている竹で出来た刀、それは何なのでありましょうか」
「竹刀に決まっているではございませんか」
「そして最後に……先ほどからの貴女様には似つかわしくない言葉遣い、それは一体何なのでありましょうか」
「フフフフフ……私の中の乙女が! ほとばしる乙女が! 折原! お前を捕まえろと轟き叫ぶ! 幾千幾万幾億年の星霜を越えて! 折原……!
あんたが乙女である私にした数々の悪行! 今ここで成敗してくれる!」
びしいっ! と竹刀の切っ先を呆然とする浩平へと突き付ける。
「く、くそっ! 七瀬がこんなに早くに敵に回るとは……計算外だっ! まだ長森すら見つけていないというのにッ!
……つーかお前、なんでまたこんなに早くとっ捕まったんだ?」
とたん、七瀬の顔が真っ赤になった。
「………こ」
「…………あ?」
声が小さかった。聞き取れない。
「……っこ……」
「………なんだって?」
「………おしっこ」
「おしっこ? 小便か? ……ああなるほど、そこらで立ちションしていて捕まった……と。いやぁさすがは七瀬、俺の見こんだ漢だけはある。
さすがだ。完璧なる捕まりっぷりだ。まさしくお前は漢の鏡……」
「クケーーーーーーーー!!!!」
「うおわっ!?」
あまりの殺気に一歩後ろへ下がった浩平。一瞬前まで彼の頭があった空間を竹刀がかすめた。
「殺す! ぶっ殺す! 絶対殺す! 確実に殺す! この上なく殺す! ゾウリムシにでも生まれ変わって泥田の中で未来永劫の時を過ごしてろっ!」
「そうはさせるかっ! かつて長森相手に一週間逃げ切ったこの足……みすみすお前などに捕まってたまるかっ!」
【七瀬(漢) 鬼に。竹刀装備】
【七瀬(漢)→折原浩平 追跡開始】
どうでもいいが、浩平が鬼になったらかなりノリノリ&強敵になる気がする。
それこそ、下手な強化兵やエルクゥ以上に。
下手なエルクゥは想像つくが浩平より使えない強化兵は思いつかんなぁ。
いや浩平は自爆タイプ。
意表は突くけど結果は出ない感じ。
一番怖いのはベナウィかハクオロだろうな。
鍵では香里とか聖が怖そう。
ところで七瀬誰が捕まえたんだ?
「柏木…天沢…長瀬…、坂上蝉丸?戸籍上では優に五十を超えてるな、こいつもか… 国崎……方術? 他には……」
ブツブツいいながら端末を弄くる那須宗一。
「この少年の名前がわからんな、こいつも要チェック……」
しかし周囲への警戒は決して怠っていない。
「よしまあこんなところか」
一通り参加者たちの情報を確認し、頭に入れ終えた宗一はたちあがり軽く伸びをする。
「しかし、よくこれだけ集まったもんだよな。
醍醐隊長もいたし、リサもいたし、そういや宮田さんもいたっけ。
みんなお祭り好きだな」
そういい、薄い笑みを浮かべる。
ここに皐月がいたなら、「そういうアンタが一番好きそうよ」と言うことだろう。
「まあ、せっかく来たんだし優勝狙うか。
久々に面白そうだ」
そして世界ランクエージェント、NASTYBOYは移動を開始した。
【宗一 参加者の情報を入手 移動開始】
169 :
名無しさんだよもん:03/03/18 14:10 ID:QFwsoe9U
面白い話がひとつしかないんだが書き手の中に義務教育出てるやつ何人いる?
171 :
名無しさんだよもん:03/03/18 14:12 ID:QFwsoe9U
>>170 荒らしを放置できないあなたはお帰り下さい。バカだろおまえ?(・∀・)ニヤニヤ
172 :
名無しさんだよもん:03/03/18 14:14 ID:l+nhY8sy
ザッ、ザッ、ザッ・・・・・・
森の奥の茂みの中。
そこから土を掘る音を響かせているのは、北川潤と住井護だった。
擬態のつもりなのか、服全体に木の枝やら葉っぱやらをくっつけている。
「潤〜、こんなもんでいいだろ〜?」
先端に土のついた、太めの木の棒を片手に住井が情けない声を上げた。
「バカ。どんなやつが鬼になってるのかわからないんだぞ。トラップは多く作っておいたほうがいいんだ」
住井と同じように、木の棒を片手に持った北川が小声で叫んだ。
そう。北川の言うとおり、この二人はトラップ――落とし穴をゲームが始まってからずっと作っていた。
「そんなこと言ったってなぁ。いくらなんでも作りすぎだろ?」
二人を囲むように作られたそれは、ゆうに20個近くある。
「何言ってんだよ。トラップってのは作って作りすぎるってことはないんだよ」
「へいへい……」
北川に促されるまま、住井は再び落とし穴を掘り続ける
・・・いつか落とし穴が役に立つことを祈りながら
【北川潤、住井護 トラップ(落とし穴以外にも色々)製作中】
ぐぁ…名前欄書きなおすの忘れてた
上の話のタイトルは気にしないでください
下手なエルクゥって誰?
たぶん梓でしょ
梓しか考えられんだろ。
柳川じゃない?
今読んでて思ったんだが、七瀬は立ちション中に捕まったのか?
だったら捕まえた人が気になるんだが…
ていうか醍醐隊長序盤も序盤でまた吊るされたのか(w
しかも吊るされる経緯が全くない醍醐隊長に萌えw
やっべネタバレされる前にroutesやらんと・・・(;´Д`)
「参ったな」
祐介は一人呟いた
まとまって行動すると一人鬼になると連鎖的に全滅するからと説得して
一緒に行こうと言う沙織ちゃんや瑞穂ちゃんと別れたけれどこれからどうしたものか
沙織ちゃんに誘われて瑠璃子さんや瑞穂ちゃん、太田さんを誘って参加したはいいものの(勿論月島先輩もついてきた)
何が辛いって電波が事実上禁止なのが心情的に辛い
大半の参加者は何の力も無い一般人だから贅沢な考えなんだろうけど
鬼はあの千鶴さんだし異能の力を持つ参加者がそれなりにいるのに使えないっていうのはなぁ
抜群の運動能力を持ってる訳でもない平凡な学生にはちょっと辛いよ……
「ってよく考えたらただの鬼ごっこじゃないか」
条件を気にしすぎて大前提を見失ってたらしい
「だったらまずは……森かな」
【祐介 森へ】
>>88 とりあえず漏れ話書きつつ
やるかどうかは知らんけど放送用を兼ねて
参加者&鬼リスト(未出だけどいる事になってるキャラ含む)作ってるんだけどどうする?
最初に言った通り
>>88が出揃った時点で挙げるなら趣味に留めるが
一つの黒い影が、薄暗い森の中をゆく。
長身で凶悪な顔立ち。
国崎往人だ。
「腹減った・・・・・・」
ゲーム始まってから、三時間ほど。
燃費の悪い往人は早くも空腹になっていた。
「ふぅ」
腹が減っては戦は出来ぬ。
とりあえず、手ごろな木の幹に背中を預け、座り込んだ。
「ラーメンセット」
・・・・・・。
「もしくはカツ丼定食かニラレバ定食だ。おっと、野菜炒め定食は邪道だ。あれはタンパク質が取れない」
「ラーメンセットでも取れないんじゃないですか?」
「いや、あれには餃子がつく。あれには肉が入ってるからな」
「そうなんですか?私、あんまりラーメン屋さんへ行かないんで・・・・・・」
「それは不幸な!・・・・・・ってあんた誰だ?」
今頃になって突然現れた声に疑問を持ち、往人は顔を上げた。
そこに立っていたのは、20代前半くらいの女性。漆黒のロングヘアーが美しく風になびいている。
・・・・・・そして肩にはたすきがかかっていた。
「マジか?」
「マジです」
自分の背後には木。前には鬼。そして自分は座っていて、相手は立っている。
この状況から逃げ出す術を知っている方がいたら、是非とも教えてくれないだろうか?
「国崎さん、ですよね?」
「ん、ああ・・・。よく知ってるな」
とりあえず逃げ出すことは諦めた往人が正直に答えた。
「一応主催者ですから・・・それで国崎さん」
「なんだ?」
「お腹減ってるんですか?」
「ああ。お腹と背中がくっつきそうなんだ」
その答えを聞いて、
それじゃ、こうしませんか?と千鶴は言った。
「国崎さんが、捕まえた人の数に応じて、こちらが食事を出しましょう」
「マジか?」
「私の手料理ですけど」
「よし、さっそく俺のたすきをくれ」
突然元気になり、素早く立ち上がる往人。やる気は満々だ。
そして千鶴からたすきを受け取る。
「それじゃ、行ってくるぞ」
「あ、ちょっと待ってください」
さっそく走り出そうとする往人を千鶴が引きとめた。
「これ途中で食べてください」
そう言って千鶴が取り出したのは、おにぎり。
空腹の往人にとってはごちそうだ。
「ああ、ありがたい」
「頑張ってくださいね」
そして今度こそ往人は出発した。
もぐもぐもぐ・・・
「うむ、美味い」
千鶴からもらったおにぎりを、往人は早速食べていた。
「これなら手料理も期待できそうだな」
そして往人は千鶴からもらった『梓』が作ったおにぎりを食べながら、森の中を駆け抜けていった。
【国崎往人 鬼となる】
188 :
88:03/03/18 15:39 ID:9uY0np/a
>>184 おお、サンクス
実は俺もこのあたりで一度リスト作ったほうがいいと思ってたんだ
お願いしまつ
じゃとりあえず載せる
一応【現在鬼】(未出キャラ)です
雫:長瀬祐介、(月島瑠璃子)、(新城沙織)、(藍原瑞穂)、(太田香奈子)、(月島拓也)
痕:柏木耕一、【柏木千鶴】、柏木梓、(柳川祐也)、日吉かおり
To Heart:藤田浩之、保科智子、HMX-12マルチ
WHITE ALBUM:
こみっくパ〜ティ:
NIGHT WRITER:
まじかるアンティーク:(宮田健太郎)
誰彼:【坂上蝉丸】、【御堂】、岩切花枝
うたわれるもの:アムリネウルカクーヤ、サクヤ
Routes:那須宗一、リサ・ヴィクセン、醍醐
MOON.(天沢郁未)、巳間良祐、高槻、(少年)
ONE:折原浩平、【七瀬留美】、川名みさき、住井護
Kanon:相沢祐一、美坂香里、北川潤
AIR:【国崎往人】、霧島佳乃、霧島聖
あ、勿論filsnownも0です
基本がお祭りでうたわれキャラが出てて祐介がLF97設定になってるので
出場は可だとは思われ
往人あわれな…
何人捕まえてしまうのかw
往人…・゚・(ノД`)・゚・
千鶴さんも罪なことをなさるw
小さな小屋があった。
大きいのは小屋じゃないだろうと突っ込みが入るかも知れないが、それは仕方ない。
その小屋に隠れているのは超先生の愛娘、三井寺月代だったからだ。
ハカロワじゃないんだから武器を探す必要はないが、なにか役にたつものがあるかも……と思って入ったのが運の尽き。
色々物色している最中、ドアの開く音が響き、月代は慌ててキッチン下の戸棚に隠れた。
鬼か同じ逃亡者かも分からないまま、息を潜め、通り過ぎるのを待つ。
が、その人物は腹が減っているのか、冷蔵庫を開け、戸棚を漁り、トントントンと、リズミカルに包丁の音を響かせはじめた。
月代の頭の上で。
――勘弁してー。
出るに出られず、心の中で悲鳴を上げる月代。
やがて、調理の音が止まった。
静まりかえった部屋に合わせ、月代は息を止める。
が、前触れもなく目の前の扉が開かれ、ぬっ、となにか突き出された。
心臓が止まりそうなほどに驚いた月代の目の前には、銃でも剣でも捕らえる手でもなく、皿に載ったサンドイッチ。
「……え?」
「食べる?」
その向こうには、河島はるかがいつものどこかぼーっとした顔つきで、しゃがみ込んでいた。
かくして。
2人は仲良くテーブルにつき、サンドイッチなどをパクついているわけだ。
「あのー、気づいていたんなら、気づいていたって言ってほしかったんですけど」
「ん……てっきり趣味かと思って」
「趣味?」
「キッチンの戸棚に隠れるのが」
「そんな人いませんよっ!」
「残念」
なにが残念なんだか分からないまま、月代は二つ目のハムサンドに手を伸ばした。
「それで、はるかさんはこれからどうするんですか?」
「んー、とりあえず腹ごしらえもできたし、どこか適当な場所で寝てようかな」
「寝ちゃうの!?」
「こういうのって、動いた方が見つかりやすいからね」
「むー、なるほど……」
「あ、トイレもすましといた方がいいと思う」
「は、はい」
さすがアウトドアに詳しい河島はるかならではだった。
2人は順番にトイレをすまし、余ったサンドイッチを包んで分けて、小屋を後にした。
あいにくと小屋には、他にめぼしいものはなかったし、
「あんなところ、見つけてくれって言っているようなものだしね」
「うう……」
成り行きとは言え、そこに隠れていた月代としては、肩身が狭い。
「どうする? 一緒に逃げる?」
「そうですね……じゃあ、しばらく一緒にお願いします」
同じ河田絵の貧乳キャラ2人は、仲良く肩を並べ、歩き出した。
「ちゃんと最後まで逃げ切れるかなぁ……」
月代の独り言じみた言葉に、
「大丈夫、大丈夫」
と、はるかが無責任に太鼓判を押す。
「この手の奴では、最初に目立った人は、大概最後まで残れないから」
「えーと、あのー……それは全然大丈夫じゃないんじゃ……」
【河島はるか&三井寺月代 しばらく共に行動することに。それぞれサンドイッチを入手】
広瀬真希は鬼ごっこに参加したときから決意していたことがあった。
実は広瀬、初代のハカロワの優勝である。
だがその理由は
『忘れられてた』
『影が薄かった』
などの悲しい理由だった。
そんな広瀬の想いはただ一つ!
「今度こそ絶対に目立ってやるわ!!」
広がる青空にそう誓いをたてた。
と、その時。
「タッチだ」
「へ?」
いつの間にか、となりに男が立ち、広瀬の肩に手を置いている。
肩にかけているのは鬼の印である、たすき。
そう、となりに立っていたのは蝉丸だった。
「大声を上げてくれたおかげでわかりやすかったぞ。さあ、我々と共に死力を尽くして参加者を捕まえようではないか」
放心状態の広瀬にたすきが、渡される。
「よかったではないか。これで目立つことができるぞ」
そう言い残して蝉丸は広瀬の前から姿を消した。
確かに初代ハカロワのように最後まで忘れられていることはない。
確かに本格的に始まったハカロワの時のように瞬殺されたわけでない。
鬼となり、参加者をどんどん捕まえていけば、それは目立つだろう。
だが……
「何か違う…。何か違うわ!」
うわ言のようにそう呟きながら広瀬はそこから離れていった.
【広瀬真希 鬼となる】
「スマンな小僧」
結局祐一は吊られた男を助ける事にした
勿論生来の困った人間を放っておけない性質から……ではなく
こんな怖そうな男を敵にまわして最後まで勝ち残るのは幾らなんでも無理だろうという判断からだ
「しかしクソガキと雌ギツネだけではなくあの傭兵vertical(縦)とacross(横)まで参加しているとはな、ぬかったわ」
「ええと、いったい何があったのか聞いてもいいですか?」
「ウン? なに、大した事じゃない、ろくでもない生き方をしていたから敵が多い、それだけのことだ」
「はぁ……」
わかったようなわからんような
「なんにせよ助けて貰った礼はせねばならんな。小僧、これをやろう」
「なんですか? コレ」
「暗視スコープだ。どうせこの茶番も一日では終わらんだろうしな、何かの役にはたつだろう。小僧、名は何という?」
「相沢祐一です」
「祐一か、いい目をしている。あのガキに勝るとも劣らんかもしれんな。俺は醍醐だ。祐一よ、縁があったらまた会おう。願わくばその時もまた逃げ手としてな」
そう言って醍醐は森の中へと駆けていった
【祐一 暗視スコープ入手】
【醍醐 吊られ状態から脱出、暗視スコープを祐一に譲渡、森へ移動】
そういや優勝商品は金でいいの?
「うぐぅ〜〜〜〜!!!! 誰か助けて〜〜〜〜〜!!!!!」
「待ちなさい!!!」
森の中の踏み固めて作られた細長い小道。そこを二つの人影が疾走していた。
「なんでボクを狙うの〜〜〜〜!?」
「ちょうどそこにいたからですっ!!」
追われているのは、月宮あゆ。
追っているのは、柏木千鶴。
当然鬼は、柏木千鶴だ。
「うぐぅ〜〜〜!? この人速いよ〜〜〜〜〜!」
「(二重の意味で)鬼をなめるんじゃありませんっ!」
しかしいかな食い逃げで鍛えられていようとそこはか弱い女の子。
足の速さでエルクゥたる千鶴にかなうはずもなく、その差は見る間に縮まっていった。
「……汝は……」
「ん? おお、そなたも空を飛べるのか」
一方そのころ、島の遥か上空。そこで一つの出会いがなされていた。
「汝は……オンカミヤリューの者か?」
翼の人間の片方……ウェーブのかかった金髪を揺らし、男が少女に問う。
「オンカミヤリュー? ……ああ、それは違うぞ。余は翼人一族の末裔、神奈だ。そういうそなたは?」
「私はオンカミヤムカイで哲学を志す者、ディーだ。一応オンカミ一族の端くれでもある」
「そうか……噂では聞いたこともあったが、オンカミの者。実際見るのは初めてだ」
「私もだ。翼人といえば星の記憶を受け継ぐと聞いたことがあるが……それは真か?」
「うむ、真も真。確かその通りだ。この羽を見るがいい」
と言いながら、神奈は背中の輝く双翼を見せ付ける。
「なるほど……確かに美しい。我らが純白とはまた違った輝きを放つ美しさだ」
「あまり褒めるな。くすぐったい」
「ところで……やはり汝も今回の『鬼ごっこ』、参加者か?」
「うむ。少々我らは今厄介な問題を抱えていてな。それを解決せんとここまで来た。ディー殿、貴殿は?」
「私も似たようなものだ……。ところで神奈、汝は連れがいるのか?」
「うむ、我が付き人と衛士が一人ずつ付いてきたのだが……いつの間にか見失ってしまった。全くあやつら、使えぬ奴らだ。余を放っておいて迷子になるとは」
ディーは目の前の少女の方が迷子になっている気がしたが、それは黙っていることにした。
「となると、その者らは羽は無いのだな……。どうだろう神奈とやら、ここは一つ、我らで手を組まないか?」
「どういうことだ?」
「ふむ。実は私の連れは二人ともオンカミヤムカイの巫(カムナギ)……ウルトリィとカミュ、と言うのだがな。2人とも当然オンカミの一族で、空を飛ぶことが出来る。
今回のゲーム、『鬼ごっこ』というルールを鑑みれば我らの『飛行』という能力はかなり有利だ。我らが協力すれば生き残るのも容易かろうと思うが、どうか」
「なるほど……悪くない話だ」
「うぐぅぅぅ〜〜〜〜!!! もうダメぇぇぇぇぇぇ……!」
「ハッ、そこですっ!」
ずしゃしゃしゃしゃしゃぁぁぁぁぁ……。
「うぐがぁ〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
派手な音と土煙を巻き上げ、千鶴の強烈なタックルがあゆの下半身に極まった。もんどりうって倒れこむ二人。
「うぐぅ……捕まっちゃった……」
千鶴に組み伏せられ、無理やりたすきを手渡されるあゆ。
「残念でしたねあゆさん……あなたは今から鬼になります」
「うぐぅ……たい焼き、食べたかった……」
「大丈夫ですよ」
千鶴は微笑み、ポンポンとあゆの体についた土を払いながら言った。
「鬼にはなってしまいましたが、まだまだたい焼きゲットのチャンスは残っています。これから頑張って、たくさんの参加者を捕まえればいいのです」
「ほんと……?」
「本当ですよ。そうですね……じゃあ、これからあゆさんが捕まえた参加者一人につき一匹、たい焼きをプレゼントというのはどうでしょう?」
(☆∀☆)!
「ホント!? ホント!? ホントにホント!?」
「もちろんですよ」
なでなで、とあゆの頭を撫ぜる。
「やった! ありがとう『おばさん』! ボク、がんばるよ!」
「………………」
……月宮あゆは知らない。今、自分が禁句を発してしまったことを。
「うむ、よろしい。ディー殿、では以後よろしく頼む」
「こちらこそ。高名なる翼人一族の末裔と手を組めるとは光栄だ」
がしっ、と2人の翼を持つものが握手を交わした。
……しかし。
『うぅぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………』
……奇妙な『声』が聞こえた。
「ん? 神奈、今何か言ったか?」
「いや……ディー殿こそ」
「私は何も言っていないが……」
『うぐがぁぁぁぁぁぁ……!』
「ほら、聞こえた」
「確かに……」
『うぐぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
「っっ! ディー殿! ディー殿後ろだ!!」
「なんだと!?」
神奈の視線に従い、瞬間ディーが後ろを向く。そこに見えたのは……
『うぐぐぅ! 誰か助けて〜〜!!!』
丸い玉と化し、今まさに自分に迫ろうとするあゆの姿だった。
「ぬっ、ぐうっ!」
反射的に両手を差し出し、がっしとあゆを受け止めるディー。
「……ふう。なんだこの小娘は? 羽も無い者が、こんなところまで……」
「あ……で……ディー殿……」
「ん? どうした神奈」
震える手で、神奈が指をさす。……あゆの装着している、一本のたすきに。
「……………」
「お、おじさん……た、タッチっ……はい、これ……たすき、ね……。や、やったっ! これで……たい焼きが……一個……。ガクッ」
息も絶え絶えにディーの首にたすきをかけ、あゆは気を失った。
「………それではこの話は無かったことに……」
何事も無かったかのように、この場を去ろうとする神奈。
だが……
「契約を破棄するのか、小さき者よ」
目の前の男は見逃してくれそうになかった。
【あゆ&ディー 鬼になる】
【神奈 大ピンチ】
ルール上飛行組の飛び過ぎと岩切の潜り過ぎは
鬼でも逃げ手でもルール違反になるはずなので一応注意
とりあえずスレがある程度進む度に0:00〜1:00に
>>189同様のリストを投下するつもりでつ
柏木楓は悩んでいた。
(千鶴姉さんの気配ならわかる…耕一さんや梓姉さんや初音が鬼になっても気配がわかれば
大丈夫だろう)
楓は家族の中でもエルクゥの精神的なモノに一番敏感であった。
しかし
(…一番近いのは耕一さん…合流しようと思えばできる…)
鬼ごっこというのは多人数で逃げるのが不利なゲームである。
隠密行動が取りにくい点や一人が鬼になって連鎖的に鬼になる点などデメリットが多すぎる。
(耕一さんが目の前で鬼になれば逃げ切れる自信は…ない…)
それに他の参加者の中にも人じゃない感じがする人が幾人か居た。
(彼らの気配まで感じることはできない…やっぱり)
楓は単独行動をとろうとした…矢先…
ガサッ
「誰!?」
「誰!?」
目の前にいたのは、中学生ぐらいだろうかショートヘアの黒髪がきれいな子だった。
「あ、怪しいもんじゃないわ。鬼じゃないし」
来栖川綾香は姉の芹香を探して森の中を歩いていた。
(ソレにしてもこの子…気配を感じなかったわね…只者じゃないってわけね)
「見た所あなたも鬼じゃなさそうね…ちょっと人を探してるんだけど…」
「はあ…どんな方ですか?」
「私の姉よ。あ、私の名前は来栖川綾香。姉は芹香っていうんだけれど…外見は
私によく似てるわ」
「すいません…心当たりがありません」
実際、楓はまだ一人も出会ってない。
「あんまりこういうの得意じゃなくてね〜…姉さんは。心配だから探してるのよ」
「姉ですか…」
「あ、そういえばアナタの名前は?」
「あ、すいません柏木楓です」
「柏木…ってあの?」
「はい…姉がご迷惑を…」
「そういえば何処となく似てるわね」
楓としては胸だけは似てほしくないのだが。
「それで、楓ちゃんは今からどうするの?」
「……えっと」
楓は口篭もった。特にやることを決めていなかったからだ。
「まだ、決まってないんだったら手伝ってくれない?」
「は…手伝うですか?」
「そ、姉さんを探すの」
多人数は不利。
先程、思考のすえに出した答えだ。
しかし―――――
「わかりました。一緒に行きましょう」
楓は仲間を作るほうを選択した。
【柏木楓、来栖川綾香と共に行動。芹香を探しに】
>>204 定時放送という形で投下すればいいんじゃないか?
祐介などの描写を見るにVN組はLF97準拠のようだったが楓と綾香は初対面なのな。
気配を感じた訳では無い。只、何気なく上を見上げてみただけだった。――素人目には解らないであろう、
高い木の上にある、葉や枝の影……
「……何かあるな…?」
枝葉の影に不自然な物を感じた蝉丸は、その巨木に登って調べる事にした。
…音を立てず、気配を殺して、慎重に――
影に隠れている何者かは、こちらに気付いた様子は無い。―― …登りきり、隠れていた者の様子を見て、
蝉丸は納得した。
――寝ていたのだ。
女だった。それも、際立って美しい。――だが、奇妙な箇所があった。頭の両脇からは、獣の様な耳が。
更には、尻の辺りから、大型猫科の獣を思わせる尾が。
(……先程の、兎耳の少女の仲間か何かか…?)
――それを思い出し、彼は少しばかり焦った顔で辺りを見回した。またあの『巨人』が現れるのではない
かと思ったのだ。…が、それらしい物が現れる気配は、無い。森の中であるし、現れたら木々をへし折る音
などですぐに解るだろう。ならば――
(…絶好の機会だ。悪く思うなよ…)
蝉丸は、眠る女の肩を叩く為、静かに手を伸ばした…―― が。
ぱちっ――
肩に触れる寸前、女の両眼が開き、蝉丸を見据えた。彼女の口元に、不敵な笑みが刻まれる。
ぶわきばきばきばきぃっっっ!!!――――
――次の瞬間、周囲の木や枝が爆発したかの様に弾け飛び、それらの破片やら何やらが蝉丸を激しく
叩き、視界を遮った。
「っ……!!?」
一瞬の出来事だった。その一瞬の間に、女は蝉丸の傍からも姿を消してしまっていた。
「なっ……何だとっ…!?」
蝉丸は愕然となった。こちらの事は勘付かれていたのだ。気配を完全に殺していたのに…!――
「――惜しかったですわね」
気配は森の中に溶け込みつつ、声だけが響いて来る。あの女だろう。
「…教えてくれ――いつから気付いていた?」
あとほんの数センチで逃げられた落胆は、流石に大きい。それを微かに声に滲ませながら、蝉丸は尋ねた。
「……気が付いたのは、触れられる寸前に――ですわ。貴方の気配の断ち方は、完璧でしたから」
「そうか…」
気配を完全に断っても、相手の直感によって勘付かれる時がある。その為、百%相手に気が付かれないと
いうのは、有り得ない事なのだろう。
「――俺の名は、蝉丸だ。…そっちの名は?」
「………カルラ、ですわ」
女――カルラの答えてくる声には、笑みが含まれていた。が、嘲弄する様な物では無い。好意的な響き。
「カルラ…―― ………次は必ず捕まえる」
「ふふっ、楽しみにしておりますわ、蝉丸さん…」
「………カルラ…。カルラ――か」
呟く蝉丸の眼差は、鋭く――しかし、愉しげな微光が、その奥で煌いていた。
【蝉丸、森にて。寸での所でカルラを逃す】
>>208 現在の鬼の定時放送ってここまでの流れを見る限り別にいらん気がするのと
あの形式にそれまでの最終行動レスがわかるようにした方が書き手的にやりやすいかなと
なんにせよ後ほど投下しますわ
「残念だったな」
御堂はたすきを二つ取り出した。
そして目の前の二人に渡す。
「あーあ、もう終わりか」
「残念だったね理奈ちゃん」
森川由綺、緒方理奈の二人のアイドルだ。
偶然出会って話し込んだところを御堂に狙われたということだ。
「け、じゃあ行くぞ」
どことなく居心地悪そうに御堂。
(全員が全員あの千鶴って女や、森の近くで会ったあのガキみたいな奴でもないみたいだな)
「鬼になっちゃったね」
残念そうな由綺。
「まあ仕方ないわね」
一方さして残念そうでない理奈。
「冬弥くんは大丈夫かな?」
「まあたぶん大丈夫なんじゃない? あれで結構抜け目ないところがあるし」
「あ、でも鬼は、冬弥くんにタッチしなくちゃダメなのかな?」
恋人とルールの間で悩む由綺に、トップアイドルは冷徹なメスを入れる。
「当然よ。鬼はどこまでも獲物を追い、そして狩るのが仕事よ」
それも切れ味抜群の。
「り、理奈ちゃん…?」
戸惑う由綺。
「小学校の頃どれだけ怖い思いをさせられたか……あの馬鹿兄貴、見てなさいよ…」
「ど、どうしたの理奈ちゃん?」
「由綺、ここからは別行動を取りましょう!
私が馬鹿兄貴! アンタが冬弥くん、どっちが先に狩れるか勝負よ!」
「いや狩るって… それに私は」
「クククク、仕返しのチャンスね…」
アイドルにあるまじき笑い声を出しながら、緒方理奈は兄を目指して去って行った。
「……緒方さん死ななきゃいいけど」
【理奈 ターゲット英二】
【由綺 ターゲット冬弥?】
「やはりサテライトサービスは、余り利用するべきではないようですね…」
セリオは、それ迄行っていた作業――衛星への接続を止めた。
そして、十メートル程離れた所に現れた柳川の方へと振り向く。
「どうかされたのですか、柳川さん? 何故身構えているのですか? 私は鬼ではありませんが――」
「…いや、何となく、…な。ここで身構えてなければいかん様な気がしただけだ…」
「仰っている意味がよく解りません。私が柳川さんを攻撃するとでも?」
「…だから、そんな気がしただけだと言っている。既視感みたいな物……気にするな」
「解りました」
無表情にそう答え、セリオは柳川の傍へと歩み寄る。自分の傍迄来た彼女を見下ろし、柳川は小首を傾げた。
「…? 何か用か…?」
「一緒に行動致しませんか?」
「…断る。一人の方が動き易いからな」
「私の目的は、鬼になる前に、芹香様や綾香様、マルチさんを探す事です。
柳川さん、貴方の目的は何ですか? 優勝賞金や商品ですか? それとも――」
「……よく喋る機械だ」
「申し訳ありません」
律儀に頭迄下げてくる。…そんな様子のセリオを見やり、柳川は、フン…と鼻を鳴らした。
「――俺の目的は、柏木耕一だ。ヤツと……サシで勝負したい」
「参加者同士の本格的な私闘は禁止されています」
「解っている。だから、優勝して、ヤツとの戦いの場を設けて貰う事にする。――金や商品なぞ、どうでもいい」
「では暫くの間、行動を共に致しませんか? 私のセンサー類を使えば、接近体の早期発見が可能となり、
安全性が上がります。柳川さん自身の鋭敏な感覚と組み合わせれば、更に効率的です」
やはり、変わらぬ無感情な表情のまま、セリオ。
――正直な所、セリオなど居なくとも逃げ切る自信はそれなりにあったのだが、複数の鬼達に追われた時、
その手を分散させるくらいには使えるだろうと考えいた。…恐らく、セリオの方でもそう考えているに違いない。
機械らしく、事務的に、冷徹に――ある意味、感情だの何だので着いて来られるよりは、良い。
「…いいだろう。共同戦線だ」
「有難う御座います。御協力、感謝致します」
「だが、来栖川姉妹やマルチを見つけたら、お前にとって俺は用無しとなる訳か。…今更ながら、ちょっと
不平等な契約関係だと思えて来たぞ」
「殿方が、一度結ばれた約束を一方的に破棄なさるおつもりですか? しかも相手は女性です。一人の大人
の男性として、そういう行動は如何な物かと」
「…本当によく喋る機械だな。……というか、お前が“女性”だと? 何の冗談だ、それは」
揶揄する口調で言ってくる柳川を見て、セリオは小首を傾げて見せる。…その仕草が、妙に人間臭い。
「私には、男性との性行為を行える機能が備わっています。妊娠する事は不可能ですが、世界に誇る来栖川製
――その使い心地はスリーAクラスというお墨付きが」
「誰もそんな事を訊いていない…!」
いきなり妙な事を口走るセリオに、柳川は思わず赤面してしまう。
「そうですか。失礼致しました」
…どうやら、思っていた以上に、セリオは“変わっている”らしい。彼女の周囲にいる人間達の影響を少な
からず受けているからであろうか…?
「…所で、バッテリーとかは大丈夫なんだろうな? 途中で動かなくなっても俺は知らんぞ」
「心配御無用です。予備バッテリ−を可能な限り積んであります。その所為で少々重くなっていますが」
「そうか」
「柳川さん――」
「…何だ?」
「周りに人気が無いからと言って、私が機械だからと言って、襲わないで下さいね?」
「誰が襲うか! ………そういう言動の入れ知恵は、来栖川の妹の方だろう、違うか?」
「よくお解りで」
「解らいでか」
「怒って、“もういい、キサマは死ね”――とか言わないで下さいね?」
「怒る気にもならんが…、来栖川妹の方に会ったら一つ二つ言いたい事があるな」
「……愛の告白でしょうか?」
「…もういい、黙れ」
【柳川、セリオと暫時共同戦線を結ぶ。――が、早くも少し後悔】
「鬼ごっこ〜鬼ごっこ〜♪」
何やら上機嫌なアホ毛……もとい触覚が街を行く
勿論グエンディーナの魔法使いスフィー・リム・アトワリア・クリエールその人である。現在LV5
「スフィーさん〜そんなに大きな声で歌ってたらすぐに見つかっちゃうよ〜」
「だって瑞佳!! 鬼ごっこだよ!? 始まったとたんに死んだりラスボス出現のための生贄になったりしなくて良いんだよ!?」
何の話だ
別にこの二人が一緒にいるのに深い理由は無く
開始直後健太郎やリアンを振り切りひたすら街に駆けたスフィーが空腹で騒いでいたところに
たまたま通りかかった瑞佳が持っていた飴玉をあげた後意気投合。一緒に行くことにしただけである。
「でもスフィーさん、これからどうするの?こんなところにいたらすぐ捕まっちゃうよ」
「んーそだね、とりあえず腹が減っては戦は出来ぬってことで食べ物さがそ」
【スフィー、瑞佳 とりあえず食べ物探し】
七瀬は竹刀を持っている事から千鶴がタッチして与えたとしてカウントしました。
時期的に強化兵ではなさそうだし。というか千鶴さん以外だと哀れすぎる……
光岡悟
>>150-151に関してはあれだけでは参加しているかどうか判断しかねるので今回は保留
忘れてるキャラや間違いを見つけたらつっこみお願いします
223 :
名無しさんだよもん:03/03/19 00:59 ID:+rib6BbU
結構キャラ増えてきたね
ここらで期待age
「どうだ裏葉、神奈の気配は掴めたか」
「申し訳ありません…この付近、あまりに特殊な気配が多く、神奈さまだけを見つけるのは
容易ではございません」
「裏葉の法術をもってしてもか。…何事もなければ良いが…」
「心配でございますか?」
「…そ、そりゃ随身として当然のことだろう」
「あらあらまあまあ……!(小声で)柳也さま!我々に近づいてくる気配が一人…」
「…神奈か?」
「神奈さまの気配ではございません。ですが、普通の人間と言うわけでもないようですわ」
ガサッ。
柳也たちから5メートルほど離れた草の茂みが不自然な音を立てた。
気配を消しているつもりなのだろうが、幾多の死線を潜り抜けてきた柳也にしてみれば
それは児戯にも等しい未熟な消し方であった。
「そこにいる奴。いるのは分かっている。出て来い。
来ないのならばこちらから行かせてもらう」
その殺気の篭った声に隠れているのは不利と判断したのか、茂みから1人の男が
姿を現した。
「…見つかったからにはしかたがない。悪いが俺の飯のためにも捕まってもらう」
「後半がよく言ってることが分からんが、その襷…鬼か」
「あらあらまあまあ…柳也さまに良く似た方でいらっしゃいますこと」
「「…なんだと?」」
対峙している男2人が同時に言った。
「…名を名乗れ」
「はぐれ人形使い純情派・国崎往人だ」
「…神奈備の随身・正八位衛門大志柳也だ」
このときはまだ、お互いに相手と自分との関係など知る由もなかった…。
すみません、さっきの名前は他の所で使ってた奴です。こことは関係ありません
「往人、と言ったな。悪いが、まだ俺達は鬼になるわけにはいかん」
「そうか。だがこっちにも事情はあるんでな。そうはいかない」
お互いに間合いを詰める。
「…裏葉、とりあえず逃げるぞ」
「承知いたしました」
そう言って、後ずさる2人。
「…逃がすか!!」
そう言って、往人は懐から人形を取り出す。
そして、おもむろに地面に置くと、念を込める。
人形はひとりでに動き出すと、柳也たちの方へ向かっていく。
これを見て、裏葉の顔に同様が走った。
「…!これは紛れも無く法術!!この方は一体…!?」
「(…法術を知っているのか?まあいいさ。こいつらがこの人形に気を取られている隙に、
俺は2人いっぺんに捕まえる。そうすれば俺のゲットできる飯は増えて俺はウッハウハだ)」
だが、世の中そう甘いものではなかった。
「…とりゃぁっ!!」
「…へっ?」
キラーン。
柳也に思いっきり蹴飛ばされた人形は、遥か彼方へと飛んでいった…。
「お、俺の人形が!!…くっ、勝負はこの次逢ったときのためにあずけておこう!!」
そう捨てゼリフを吐くと、人形が飛んでいった方向へ慌てて駆け出す往人であった。
「…今のうちに行くか」
「そうでございますね(あの法術…わたくしのとよく似ていました。いったい…)」
【往人、人形を蹴飛ばされて見失う】
【柳也と裏葉、往人を撃退。神奈捜索を再開するも、裏葉往人の正体に疑問を抱く】
そういえば、このルールだと逃げる側は武器禁止なんでしょうか?
柳也は長太刀持ってちゃいけないんですかね?
また、裏葉の法術で相手の動きを止めたり、幻を見せたりするのはOK?それとも反則ですか?
まるで海の底に閉じ込められたかと錯覚するほど暗い森の中に男がいた。
男は木によりかかり、腕組みをしながら定時放送(?)に耳を傾けた。
定時放送(?)が終わった途端に男の口が開いた。
「参加者一覧に『ABYSS BOAT』の名前がない。
ど う す れ ば い い ん だ 。 」
男――ビル・オークランド――は、自分の生みの親を恨みつつも、
――このまま大人しくしていれば(誰にも相手にされず)簡単に優勝できるのではないか?
と思いながら森の奥へと姿を消した。
その後ろ姿から何か寂しいものを醸し出しながら………
【ビル・オークランド 何気に参加していた。森の奥で静かに優勝の時を待つ。】
227 :
226:03/03/19 02:33 ID:WnS+CS99
駄文&超ネタ失礼。
勝手に参加ゲーム増やすのはまずかったですか?
ついでに
>>218-220が定時放送なのかどうだかも疑問なのだが。
さらに、俺はアビ様持ってないからどうすればいいんだの一人称が判らない。
ど う す れ ば い い ん だ w
>227
長い間一つのところに留まっちゃいかんので失格とかw(本人は連絡受けてないので知らない)
アビ栖持ってる人がいればネタ書けるから続けられるが。
>>226 別に大いにかまわんと思います。
リスト自体は基本的に依然入手可能で書き手がキャラを把握できそうなのをあげただけで
漏れ自身は伯斗龍二やアビス、同棲は認めないつもりはないです、が使う自身も無いなぁw
個人的には
>>215-217みたいなパロディノリで行きたいし
書き手のリレーでビルの人格を再構築するのもアリかと
とりあえずスレ住人の意見次第ですがとりあえずは次のリストに載せるつもりです
あとリスト自体は書き手読み手の現状把握用で放送ではないですが
まぁ超ネタやロワパロネタも普通に出てるしビルが知っててもいいんでないかと
「序盤であの『狂犬』を吊ることが出来るとは幸先がいいでゴザルな」
「全くなんだな。あの男は評判ほど愚かじゃないんだな。最後の方まで残られるとやっかいなんだな」
「そのかわり向こうが鬼となれば行動はわかりやすい。早いうちに脱落してもらうのが一番でゴザルよ」
醍醐を吊ったのはこの縦王子鶴彦と横蔵院蔕麿であった。
この二人、一見ただのオタク縦横にしか見えないが
――というより実際それ以外の何物でもなかったりするのだが
その実かつては高名な傭兵であった……らしい。
もっともその目論見は既に破れていたりするのだが
「しかし優勝したら他の参加者にある程度言う事きかせる事が出来るっていうのは魅力的でゴザルな」
「ブラザー2の千堂和樹やCAT or FISHの大庭詠美に望む本を描いて貰ったり……」
「それよりなにより我らが女神桜井あさひに特別に歌ってもらうことも……」
「お主も悪よのうなんだな」
「お代官様ほどではございませぬでゴザル」
「「フッフッフッ」」
その時前進を進める二人に思わぬ出来事が起こった
それに気づかなかったのは油断かそれとも妄想の真っ最中だったからか
どちらにせよ落とし穴に落ちた
人を呪わば穴二つというか何というか
「ぜーはーぜーはー、ようやく撒けたかな? かおりのヤツ何考えてんだか」
鬼ごっこ開始直後からひたすらかおりから逃げ続けていた梓もやっと一休みすることができた
すると近くの地面の底から人の声が……
「――ヘルプアスでゴザルよー」
「――助けて欲しいんだなー」
辺りを調べると結構手の込んだ大量の落とし穴と
それに落ちた見るからに目を背けたくなる二人組みの姿が
「……見なかったことにしよ」
「それはあんまりでゴザルよヤングウーメン」
「酷いんだなー」
そしてその場に接近する一人の影
その影は梓の姿を確認するや否や跳んで捕まえようと試みた
「梓せんぷわぁーーいっっ」
「ゲッ、かおり。もう来たのか?」
咄嗟に避ける梓
そして跳んだかおりの着地点には勿論落とし穴
「さ、逃げるかなーと。千鶴姉の事だしもう結構捕まえてるんだろうな。耕一や楓、初音は無事かな?」
「――ヘルプアスでゴザルよー」
「――助けて欲しいんだなー」
「――先輩、これも愛の試練なんですね。私負けません」
「負けてくれ、頼むから」
【梓 ようやくかおりの魔の手から脱出】
【かおり、縦、横 落とし穴の中】
234 :
226:03/03/19 04:18 ID:WnS+CS99
>>230 >男は木によりかかり、腕組みをしながら定時放送(?)に耳を傾けた。
>定時放送(?)が終わった途端に男の口が開いた。
男は木によりかかり、腕組みをしながら参加者リストに目を通した。
ひととおり目を通し終わった途端に男の口が開いた。
こんな感じに訂正すれば問題ないか?暗い森の中で見れるのか、っていう超設定になってしまうが。
リストにはこのまま敢えて載せない、ってのもネタになるし、書き手が現れなくっても問題なくなるしといろいろ都合がいいのではw
もちろん、リスト作る人の判断に任せますが。
どうせ「2ちゃんの恥は書き捨て」ですから・・・
「はぁ、はぁ、はぁ、文化部のくせに足の速い奴ね・・・!」
浩平を追っていた七瀬だったが、さすがに中身は漢といえども身体は乙女。途中でその姿を見失ってしまった。
「くっ、このまま引き下がったんじゃ乙女が廃るわ!まだそう遠くに逃げていないはずだから、絶対に捕まえて――」
ガサリ――。
「っ、折原!?」
音のしたほうに竹刀をむ、身構えた七瀬だったが――。
そこに現れたのはブツブツと何か独り言を呟いている広瀬真希だった。
「なぁに広瀬じゃない。あんた、もう捕まったの?」
広瀬の肩にかかっているたすきを見て七瀬はそう言った。
「違う・・・何か違う・・・」
「・・・・・・?まあいいわ。それより折原よ!あんたも折原捕まえるの協力しなさい!」
「・・・折原?」
折原といえば、クラスメイトの折原浩平のことだろう。そして折原浩平といえば、ONEの主人公で知名度も高い。もし捕まえることができたなら――。
(一気にあたしが目立てる!)
「どこ!?折原はどこにいんの!?」
さっきまでとはうって変わって、広瀬の瞳が輝きだす。
「え?ああ、ついさっきこのへんで見失ったばっかりだから、そう遠くにはいないはずよ」
「じゃあ、あんたはそのまま追跡を続けてて。あたしは向うから回ってみるわ」
言うが早いか、広瀬はその場から飛ぶように駆け出していった。
「いきなりどうしたんだろう、アイツ・・・。まあいいわ、協力者もできたことだし。ふっふっふ、折原覚悟しなさい!!」
そして七瀬も浩平の追跡を再開した。
【七瀬留美・広瀬真希 協力して浩平を追う】
おお、久々に来たら何だか楽しげに。
リアル鬼ごっこ? 長瀬は一人でいい、とか。
ABYSS BOATのキャラが参加できる。
ならば、ならば――
「私達だって、OKよね!?」
「・・・・少なくとも
>>230氏は反対してないけど・・・・・・・・他の人はどうかなぁ」
森の中、こそこそと――もっとも、片方は声のトーンを落としていないが――話をする男女1組。
女の名は皆瀬まなみ(標準設定)。男の名は山田まさき(標準設定)。
Tacticsの遺産、「同棲」のヒロインと主人公である。
彼女らの狙いは優勝して自らの知名度を上げること。
「鍵がなかなか新作を出さない今こそ、過去の作品に目を向けられるチャンス!」
まなみはやる気マンマンである。
――だが、彼らが優勝できる可能性はほぼゼロだろう。
マーダー役に狩られ、そのまま何処かへ消えてしまう可能性が非常に高い。
同棲って、ユーザー少ないし。
システムはアレだし。
シナリオもアレだし。
いたる絵大爆発だし。
総合スレは落ちたし。
「別に俺は、毎日まなみとHできればそれでいいんだけどな・・・・」
…主人公はヘタレだし。
美坂香里は思案する。
「さて、まずはどこかに身を隠さないとね……」
まずは辺りを見回してみる。
「ここは森の中……確かに敵から発見されにくいことはされにくいけど、それは同時にこちらからも敵を見つけにくいことになる……。
普段はいいけれど、もし遭遇戦にでもなったら距離が近いため圧倒的にこっちが不利」
美坂栞はアイスを食べる。こんな状況にも関わらず。
「がんばれば、おいしい」
それは違う奴のセリフだ。
「やはり高台が一般的には有利……だけど、それは相手も同じことを考える……。鬼と遭う可能性も、高くなってしまう」
「お姉ちゃんも一つどう?」
能天気にバニラアイスを差し出す妹。
「いらないわ。……この娘(バカ)は糞ほども役に立ちそうにないし、下手をすれば鬼の連鎖反応で足を引っ張られる破目に……」
「そんなこと言うお姉ちゃん、亜空間にバラまいてやります」
どこのヴァニラ・アイスだ。
「……まぁいいわ。栞、移動するわよ」
先頭に立ち、香里は歩き始めた。
「何処へ?」
「とりあえずもう少し開けた場所に行くわ。こんなところじゃ足の速い鬼と出会ったら逃げ切れ」
「ああっ、お姉ちゃん危ないッ!」
「え!?」
突如栞が叫び、香里の体を引っ掴んだかと思ったら自分の体の前に押し出した。
どん、べちっ!
「な、なななな……何これ!?」
次の瞬間香里の体に重い衝撃が走り、気づいたら近くの木に貼り付けられていた。……とりもちによって。
「うわあ大変です。お姉ちゃんが捕まってしまいました」
それを眺めながら呟く栞。
「な、何を能天気に見てるの栞! さっさと助けなさい」
「……………うーん、きっとこれは鬼さんの攻撃ですね。と言うことは、近くにいるってこと……」
顎に手を当て、ちょっと考える仕草。やがて、彼女はストールをはためかせてくるりんと半回転。
「……さようならお姉ちゃん。私、お姉ちゃんの分まで一生懸命逃げ切ります。だから安心して成仏してください」
……そしてそのまま立ち去っていった。
「栞……しおり! しおりーーーーーーーーーーっ! ちょっとアンターーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
【栞 逃亡】
【香里 とりもちに捕らえられる】
裏切りがギャグでできるのはいいね。
人死に絡んでないから
>>239 香里よ、開けたところの方が足の速い鬼からは逃げにくそうな気がするのだが。
発見されやすくなるしなぁ。
……いい妹を持ったものね
たすきをかけながら香里は自嘲した。
「逃げっていったのはお前の妹か?」
ズキンと香里の心に響く御堂のセリフ。
「そうね…」
「へっ、悪いが捕まえるぜ。今なら追いつける」
強化兵の御堂にとってそれは造作もないことだ。
「待ちなさい」
「け、逃がして欲しいってのか? 気持ちはわかるがな」
「違うわ」
「じゃあ……」
「あれは私の獲物よ」
それは御堂をもってして怖気を覚える声だった。
「おい、妹じゃなかったのか?」
「妹…? 姉を見捨てる妹を持った覚えはないわ」
その顔を見た御堂は、急に口元を笑みの形に歪めた。
「へっ、いい顔してるじゃねえか……
……いいぜあいつは譲ってやるよ」
確かに自分でもいい顔をしてると香里は思う。
今の自分を見たら、あの名雪ですら近づくのを躊躇することだろう。
「まあせいぜい頑張って妹を捕まえな」
それに香里は、邪悪な笑みで返答した。
「フフ、私に妹なんていないわ」
【御堂 栞を見逃す】
【香里 栞を狙う】
とりもちに捕まった香里を御堂がどうやって引き剥がしたのか気になる今日この頃
それ言ったら蝉丸も(略
しかし、今回の蝉丸はなんかいいな(w
「こんな所でノンビリしてていいのかなぁ〜…?」
両手の中にある温かい缶紅茶を見つめながら、吉井は不安げな声で呟いた。
「大ジョーブだって! むしろ下手に動く方が危ないわ」
「うんうん♪ (ちうちう〜)」
不安げな吉井とは対照的に、親友二人――岡田と松本は、実に楽観的だ。松本など、“天然”そのものといった、
にへら〜っとした笑みを浮かべ、缶のアップルジュースをストローでちうちうと飲んでいたりする。
――三人娘は、『鬼ごっこ』の舞台であるこの島の、街にいた。鶴来屋グループ所有のリゾートアイランド予定島
らしいので、街や建物があるのは当然なのだろう。…今は無人の様だが。
「こーやって建物の中に隠れている方が見つかり難いのよ。…………………多分ね(ぽそり)」
「……建物の中に隠れるってのは解るけど、こんな所にいてもいいの?…って言ってるのよ、私は」
そこは、ファーストフードショップ等の入居を予定しているらしいビルだったが、無論、中には誰もいない。念入り
に調べれば何か出てくるかも知れないが、取り敢えず目に着く物といえば、固定式の卓が幾つかと、一台の自販
機がぽつねんと寂しげに置かれているだけ。――三人娘は自販機で飲み物を買い、窓際にある卓の上へと腰を
下ろしていた。
「こんな窓際にいたら、すぐに見つかっちゃうと思うんだけど…」
「心配屋なんだから吉井は。ここからなら中に入って来る奴も見えるし、鬼が来たら裏口から逃げちゃえばいいし」
「安全そうな場所で見張りつつ、退路も確保済み――お主も悪よのぅ、岡田殿〜。ぬふぅふぅ…」
「くっくっくっ。そんなに褒めてくれるな、松本殿」
悪人ごっこ(?)で何やら盛り上がっている様子の二人を横目に、吉井は小さく溜息を吐き、頬杖を突いて窓の外
を見下ろした。
「っ…――――」
――その顔が、一瞬にして凍りつく。
…窓から顔を逸らさぬまま、吉井は隣にいる岡田の服の袖を引っ張った。
「何よ? “プレデター”でも出たぁ?」
冗談めかしく言いながら、岡田は吉井の見つめる先に目をやった。同じく、松本も。
――そこには、艶やかな漆黒の長髪を持つ、美しい女性。細身の体に掛けられているのは、“鬼の襷”。
「………千鶴……さん…」
搾り出されたかの様な呻き声……三人の内、誰が発した物であったのか。
二階席の窓越しに見下ろしてくる三人娘を見上げて、千鶴が笑った。
獲物を見つけた肉食獣――否、正に、“鬼”の様に、「にたり…」…と。
――少なくとも、三人娘には、そう見えた。
「っっっ………たっ…、退却…!!」
気の毒に思える程に顔を青褪めさせた三人娘は、バタバタと大慌てで、裏口に続く扉へと走り出した。
そして、非常階段を駆け下り、建物との間の細い道を猛ダッシュで駆けてゆく。
「だから言ったじゃない岡田のバカぁ〜っ!」
「つっ…ツいてなかっただけよ! 偶々よ!」
「ああっ!!」
「「何っ!?」」
「……りんごジュース、飲みかけのまま置いて来ちゃったよぉ〜…」
「「ンな物ほっとけ!!!」」
宮○アニメのキャラクターよろしく凄まじいダッシュで逃げてゆく三人娘は、街の奥へと消えた…
「フフ…♪ そうそう。そうやって逃げ回って下さい。でなければ面白くありません………フフフ♪」
美しい狩人は、そう呟いて不敵に微笑んだ。
>――三人娘は、『鬼ごっこ』の舞台であるこの島の、街にいた。
>鶴来屋グループ所有のリゾートアイランド予定島らしいので、
>街や建物があるのは当然なのだろう。…今は無人の様だが。
すいません。この↑設定、良くなかったでしょうか?
もしアレでしたら、この部分は見なかった事にして下さい(汗
――あ、書き忘れました(汗汗 ↓
【岡田メグミ・吉井ユカリ・松本リカ 千鶴に発見され、猛ダッシュで逃走】
【千鶴 三人娘を発見するも、敢えて見逃す…?】
「月代ちゃ〜ん、どこ行ったの〜」
森の中を歩きながら疲れた声を出すのは、ちょっとおデコの広い少女・砧夕霧である。
ホールを出た後は三井寺月代と一緒に行動していたものの、持ち前の運動神経でどんどん先へ進む彼女と何時しか逸れてしまっていた。
「もうっ… 誘ってくれたから来たのに…」
本当はこんな疲れそうなイベントに参加するつもりは無かった。
いつも一緒にいる月代の誘いがあったから、まあ良いかと思って参加者に応募したのだ。 一緒に行動しようと話もしていた。
ところがゲーム開始から時を経たずこの状況である。
最後まで逃げるのも鬼として好成績を上げるのも諦めて、夕霧はたらたらと歩いていた。
不意に、地面が無くなった。
何事かと思う間もなく全身に悪寒が走った。
いきなり木々が途切れていて、そこにあった小さな川に落ちたのだ。
腰ほどの深さも無く身体の何所かを打ち付けることも無かったのは幸いだが、身体中が水浸しになってしまった。
「ふぇぇっ…」
情けない気持ちになりながら、なんとか川から上がる。
服はぬるぬるして靴はがぽがぽ鳴って、折角のお下げがだらりと情けなく垂れ下がっていた。
何処で乾かせば良いものか… などと考えていると、ふと奇妙な違和感に襲われた。
「め、眼鏡、落としちゃった!?」
慌てて振り向いて川を見るが、高価かった眼鏡がそこにぷかぷか浮いている訳ではなかった。
「どうしよう…」
その場にぺたりと膝を付く。 事故と言うより、自分の不注意が招いた事態であることが余計にショックだ。
「あれ、あなたびしょ濡れじゃない」
途方に暮れている夕霧がその声に振り向くと、すぐ後ろに太田香奈子と藍原瑞穂の姿があった。
【砧夕霧、太田香奈子と藍原瑞穂に遭遇】
【夕霧は眼鏡を川に落とす】
私、すごくどきどきしてる。
なんでかな。
なんでだろ。
…やっぱり、鬼ごっこしてるからだよね。にはは。
みんなと一緒に遊べるんだもんね。
楽しいんだもんね。
往人さんどこかな。
お母さんもどこかな。
…うーん、実は私ってさびしいのかな。
やだな。
どうしようかな。
…とにかく、歩いてみようかな。
ふらふら歩いてたら誰か見つかるかもしれないもんね。
うんっ、観鈴ちんえらい、ぶいっ。
せっかく新しいどろり濃厚買ったんだもん、
みんなに飲ませてあげないとかわいそうだよね。
よしっ、それじゃどこに行こうかな。
…とりあえず、海の方に行ってみようっと。
れっつら、ごー!
【神尾観鈴withどろり濃厚冷やしあめ味 ひとりぼっち】
「鶴来屋さんのリゾートアイランドに無料で御招待――なんて言うから来てみたのに…
…まさか鬼ごっこをやる事になるだなんて」
その女性は、きょろきょろと辺りを見回しながら、海岸付近の道を歩いていた。
「スタート時にあかりや浩之ちゃんとはぐれちゃうなんて、失敗だったわ…。大丈夫かしら、あの子達…
でも――フフッ、ちょっと楽しみかも。鬼ごっこなんてどれくらい振りかしらね♪」
独り呟きながら、その女性――神岸ひかりは、海の方を見やった。眩しげに、目を細める。
道から海を見下ろしていたひかりは、流石に水着は持って来ていなかったが、波打ち際くらいなら
行っても構わないだろうと思い、砂浜へと続く緩やかな階段を下りて、砂浜へと足を踏み入れた。
「ん〜…、何て綺麗な砂浜。ゴールデンビーチね」
鬼に追われる身である事を忘れ、ひかりはおっとりと歓心したりする。
だが、確かにそこは美しい砂浜であった。穏やかな潮風も心地好い。
「――あら…?」
と、ひかりは、数十メートル程離れた所の砂浜の上に、誰かが座っている事に気付いた。
「誰かしら…? ……鬼さんでは無い様だけど…」
向こうは、ひかりに気付いた様子は無い。ぼー…っと、海の方を眺めている。
「こんにちは」
傍迄歩み寄ったひかりは、躊躇いも無く、砂浜に座る人物に声を掛けた。
「っが、がお……、びっくり」
「あら、驚かせちゃった? 御免なさいね」
砂浜に座る人物は、突然声を掛けてきたひかりに、見開いた目を向けて来る。
金髪蒼瞳、ポニーテールの、可愛らしい少女だ。
「私は神岸ひかり。――貴女は?」
「え、えっと……神尾――神尾、観鈴ですっ」
もたもたと立ち上がり、少女――神尾観鈴も、自己紹介を返して寄こす。
「あらあら、砂の上に座っていたから、お尻が砂だらけ。はい、ちょっと待ってね」
「が、がお…」
ハンカチを取り出し、ひかりは観鈴の服に付いた砂を払い落としてやる。観鈴は、遠慮する暇も無い。
「はい、綺麗綺麗♪」
「あ、有難う御座います。…にはは」
「どういたしまして♪ ――貴女も鬼ごっこの参加者でしょう?
こんな所でじっとしてると、すぐに見つかっちゃうわよ?」
「…解ってます。でも、逃げるの、得意じゃないし、鬼になって見つけるのも、得意じゃないから」
「あら、それは大変ねぇ…――じゃあ、私と一緒に逃げましょっか?」
「え…? あの……でも――」
「いいのいいの。ここで逢ったのも何かの縁。頑張って逃げ回りましょっ、ふふふっ♪」
ひかりの優しく明るい微笑みに、ほんの暫くの逡巡を見せた後、観鈴も微笑んで頷いた。
「観鈴ちん、おねえさんと一緒に頑張るっ」
「あら――おねえさんって呼んでくれるなんて、私嬉しいわ♪」
ひかりを見た観鈴は、せいぜい自分より少し年上くらいだろうと思ったのだが――
「こう見えても、もう“お母さん”なのよ?」
えっへんとばかりにちょっと胸を反らしてみせるひかりに、観鈴は再び目を見開かされた。
「み…観鈴ちん、びっくり…!」
「貴女と同じくらいの娘も居るしね♪」
「っ…!? み、観鈴ちん、だぶるびっくり…!!」
【海辺にて 神岸ひかり、神尾観鈴――合流】
【「どろり濃厚…」は、ひかりは飲んでくれるだろうか…!?】
どんなカップリングにするかで、作者の手腕が問われるな…。
ロワと違ってキャラ減らないから、ある程度絞り込んでおかないと
先に進むほど混乱する予感。
(まぁ、鬼同士が出会ったところで何も起きないと思うが…)
255 :
252:03/03/19 23:10 ID:/az9RJZb
申し訳無い…
>>255 ん、別に名指しで批判してるわけじゃないんだが。
これから自分が書くにあたっての、自戒の言葉。
正直ロワより面白いと思う
他で見られなかったコンビは結構楽しみにしてまつよ
あとこの鬼ごっこマタ〜リムードがなんか好き
中盤以降は、強敵を数で追い詰めるってのができそうだな。
「ふむ……3人か。まぁまぁのペースだな」
森の中に切り開かれた砂利道。そこの脇に置かれた岩に腰掛け、御堂は一休みしていた。辺りからは丸見えだが気にする必要はない。鬼が鬼に見つかる分には構わないのだから。
「このとりもちガンってもの……」
ジャキン、とマガジンを入れ直しながら、
「なかなかおもしれぇ武器だ。思いのほか射程も長げぇみたいだしな」
そしてチャキッと照準を合わせてみる。当然、何かを狙って、ということではない。あくまでも何気なく……やってみただけのことだ。
……そのスコープに、奇妙なものが映った。
まさしく『奇妙』としか言いようがない。いや、町中なら別段珍しいものではない。だが、この戦いの場である島においては、あまりにも……
「……屋台、だとぉ?」
ぱらぴ〜らぽ、ぱらぴらぽら〜♪
脳天気な笛の音と共に、ラーメンの屋台がノロノロと道をこちらへと向かってくる。
引いているのは……たすきをかけた女の子。ただ、たすきの色は一般的な鬼のそれとは色が違っていた。
「あ、こんにちは〜」
「お、おう……」
屋台を引く女の子……針金のごとく尖った頭髪を持つ金髪のその子は、満面の笑みで御堂に話しかけた。
「いい天気ですね〜」
「あ、ああ……そうだな……」
聞くべき事は山ほどあるはずだが、どうにも雰囲気に飲まれて言葉を発することが出来ない。
「鬼さんですか? たくさん捕まえましたか?」
「あ、ああ……3人ほど、な」
「それはよかったですね〜。今ならそれ、トップクラスですよ」
なんだ? なんだこいつは? という御堂の疑問をよそに、少女はあくまでもマイペース。
「ところで、お腹は空いていませんか?」
「腹?」
思わず自分の腹をおさえる御堂。
ぐぅ……と情けない音が鳴る。
「っつ……」
気にしてはいなかったが、いわれてみればそれなりに空腹だ。数時間歩き通しであったのだから。
翼人は3m以上飛んじゃダメっていうのはどう?
「そう言われてみりゃあ……ちょっと小腹が空いたかもしれねぇな」
「それはちょうどよかったです。では……」
女の子は嬉しそうに屋台を止めると裏手に回り、のれんをバッ! と上げた。
「……あ?」
そこには一般的なラーメン屋台の装備とは他に、数々の雑貨品が……
「行商人・柏木初音のお店『ヨーク・ザ・レザム』へようこそっ! 当社はキムチラーメンから捕獲・逃走用の兵器まで何でも取りそろえております!」
「……………………」
絶句。
「あ、ちゃんとお金は取りますからね。貧乏人に用はありませんよ」
「か、金だと!?」
「おっと、お客様は鬼でしたね。なら捕獲した参加者一匹につき1万ペリカに換金することも可能ですよ。さて、何かご入り用のものはありますか?」
【御堂 初音と出会う】
【屋台『ヨーク・ザ・レザム』 ラーメンから兵器まで】
【行商人柏木初音 お金は取ります】
ワラタヨ
初音というよりショップ屋ね−ちゃんみたいだ(w
というかこれ、初音と言われなければ誰だかさっぱりじゃw
いや、一応主催者の妹だしさ(w
言われてみればショップ屋ねーちゃんの方が向いてたかも。
>>貧乏人に用はありませんよ
この台詞を聞いて泣くキャラが少なくとも三人はいる。
>>捕獲した参加者一"匹"につき1万ペリカ
既に人を人と思っていない口調だ。
ところで、参加者一匹って現物交換なのか、
それとも、どこかで集計取られていて、最終結果から引かれるのかな?
いちおうまとめ
ミスあったら訂正おねがいします
許されてる能力
エルクゥ、強化兵、マルタのちょっとした身体能力、情報収集、鬼の武器所有
禁じられているもの
高空飛行、深海遊泳、電波、サテライトサービス
不明
方術、法術、術法、魔法、不可視の力、永遠、エクストリーム、コミケカタログ
水無月がみたら憤死しそうな初音だな、オイ(w
学園スレかどこかの初音しか知らんとみたがどうか。
ちょっとまて
女装した初音ストーカー北川かもしれない
ぐあっ…、初音ちゃん登場の話かいて投稿前にリロードしたら、既に初音ちゃんが…!(w
ぎゃーす、ミスったー
>>262までです
後個人的には
>>262は初音ちゃんではなくショップ屋ねーちゃんにした方がいいと思います
初音ちゃんだと読んでわからないっていうのは
初音ちゃんである必要がないと思うし
耕一、梓、楓の発言が間抜けすぎになるのでw
275 :
270:03/03/20 01:16 ID:7UbfDNNa
…あのー、差し出がましいかと思いますが、
もし
>>260(
>>262)さんや、他の方の了承が頂けるのなら、
初音ちゃん登場シーン投稿しますが…
さてこのスレ最初の問題が起こったわけだが…
とりあえず
>>260待ちか?
277 :
270:03/03/20 01:59 ID:7UbfDNNa
ええと、明日仕事があります――7時には家を出ないと…
それまでに何らかの答えが出ているようでしたら、投稿させて頂きたいと思います。
勿論、「投稿の必要はない」という判断が下されても全く構いませんので。
(私の書いた話の中の初音ちゃん自体にも、そのキャラに自信を持てませんし…)
それでは、おやすみなさい…
失礼致しました…
小高い山道を一人の女性が歩いていた
「ここなら前方がよく見渡せるな・・・」
女性の名はトウカ、ハクオロの元に使える武士である
彼女もまた柏木家主催の鬼ごっこの参加者だった
「この鬼ごっことやら最後まで逃げ残れればいいのだな」
近くの手頃な石に腰をかけ
「聖上見ててください、このトウカ、武人の誇りに賭けて見事に逃げ抜いて見せます」
彼女が硬い決意をしたその時
「まぁてーい!」
後ろの崖から声がした
「たとえ一人でも、媚びることも、引くことも、省みることもせず、己の死に場所を探す・・・
人、それを武士(もののふ)という!」
「何奴っ!」
どっかで聞いた事のある口上を語りながら男は現れた
「美男子星よりの使者、折原浩平見参!」
「トゥ!」
浩平となのった少年は崖から飛び降りるとやや体制を崩しながら着地した
「・・・」
「・・・」
「やけにボロボロだな・・・」
その言葉通り浩平の体はあちこち傷がついており、ズボンや上着はところどころ破れていた
「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくれた。これは遡ること30分前・・・
広瀬と七瀬に追いかけられていた俺はモーリス・グリーンが惚れるようなスピードで逃げていた
懸命に走る俺だったが足元を良く見ていなかったため木の根っこに躓き倒れてしまったのだ
敵はその瞬間を見逃さなかった、奴らは獲物を追い詰めた獣のような顔をしながら俺に
襲い掛かかり・・・それからは地獄だった。蹴る殴る竹刀を尻に突っ込まれそうになる等の
暴行を受け何度も俺は意識失いそうになった。しかし俺は気を失わなかった。そして奴らの
一瞬の隙をつき見事生還をはたして今にいたるのだった・・・ 」
話を終え気付いたころにはもうトウカは10m程離れていた
「待てって、最後まで話を聞けって」
「このトウカ、武士の誇りに賭けてこんなトコでつかまる訳にはいかんのだ」
「武士の誇りに賭けてねぇ〜」
浩平は不敵な笑いを浮べてこう言い放った
「最後まで逃げ回った者を武士と呼べるだろうか?否!断じて否である!」
ドキャアーーーーーーーーーン
「・・・・・・!!!」
「武士たるもの敵を討ち、手柄を立てるべきでは無いだろうか!」
ズバキャーーーーーーーーーン
「某としたことが・・・」
「今、あんたがすべき事は俺から襷を受け取り鬼となって参加者を討ち取り手柄をあげる
ことではないのか!?」
元々、真面目だったトウカはまんまと浩平の罠にひっかかり
「見ててください聖上、このトウカ一番手柄を立てて見せます!」
すっかりその気になっていた
浩平=鬼になる トウカ=浩平の策略にひっかかる
書き込んでから気付いた
逃げたのになんで襷をもってるんだよ・・・
鬱だ・・・死のう
一度捕まっているからには、まずは襷で拘束されたとでも考えよう。
「うぐぅー大人しく捕まってよータイヤキ食べたいんだよー」
ダッフルコートに羽リュック、そして鬼の襷をかけた一人の少女が二人組を追いかける
「アンタバカァ? まだまだこれからだってのにアンタみたいなちんちくりんに捕まったらあたしらバカみたいじゃん」
「ぜぇぜぇ……さ、皐月ちゃん、それは言いすぎだと思いますよ? もっといい表現を……白痴?」
「「「…………」」」
「う、うぐぅっ!! 酷いよっ! あんまりだよっ!!」
「うん、ゆかり言い過ぎ。あたしもほんっっとにその通りだと思うけど。」
――――――
「あ、固まっちゃった」
「よし、今のうちに逃げよ」
あまりの言われようにしばし我を失ったあゆだが、少しして本人的には物凄い形相のつもりであろう表情に変わった
「う、うぐぅっ!!! もうボク怒ったよっ!! 普段タイヤキ屋のオジサンと追いかけっこしてる足を見せてやるっ! いくよっ!」
なんだかんだで100mはあったであろう互いの距離は徐々に縮まっていく
「わ、わ、皐月ちゃん。物凄い勢いで突進して来てますよ?」
「うわ、ホントだ。ってちょうどいい感じに妙に顔の長いRRな雰囲気漂わせてるオーノーな人発見!! ゆかり、やるよっ」
「う、うん。わかったっ」
だだだだだだだっ
「ん? なんだ?」
「ちょいとソコなどうすればいいんだの人、あたしたちのために尊い犠牲になってっ」
「ごめんなさい、よろしくお願いしますっ」
二人はビルの両脇を走り抜け後ろににまわるや否や思いっきりあゆの方に突き飛ばした
その直後猛突進してきたあゆと物凄い勢いで衝突した
「うぐぅーーーーーーーーっ!!!」
後に残ったのは目を回した鬼と苦悩した鬼だけだったという……
「うぐぅ……」
「 ど う す れ ば い い ん だ 」
【皐月、ゆかり 逃走】
【ビル 鬼になる】
【あゆ とりあえずタイヤキ一つ追加】
285 :
260:03/03/20 03:11 ID:OPthzpYp
「ふむ……3人か。まぁまぁのペースだな」
森の中に切り開かれた砂利道。そこの脇に置かれた岩に腰掛け、御堂は一休みしていた。辺りからは丸見えだが気にする必要はない。鬼が鬼に見つかる分には構わないのだから。
「このとりもちガンってもの……」
ジャキン、とマガジンを入れ直しながら、
「なかなかおもしれぇ武器だ。思いのほか射程も長げぇみたいだしな」
そしてチャキッと照準を合わせてみる。当然、何かを狙って、ということではない。あくまでも何気なく……やってみただけのことだ。
……そのスコープに、奇妙なものが映った。
まさしく『奇妙』としか言いようがない。いや、町中なら別段珍しいものではない。だが、この戦いの場である島においては、あまりにも……
「……屋台、だとぉ?」
ぱらぴ〜らぽ、ぱらぴらぽら〜♪
脳天気な笛の音と共に、ラーメンの屋台がノロノロと道をこちらへと向かってくる。
引いているのは……たすきをかけた眼鏡の女性。ただ、たすきの色は一般的な鬼のそれとは色が違っていた。
「はぁい」
「お、おう……」
屋台を引く女性……どことなく人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべるその女性は、何気ない雰囲気を装って御堂に話しかけてきた。
「いい天気ねぇ」
「あ、ああ……そうだな……」
聞くべき事は山ほどあるはずだが、どうにも雰囲気に飲まれて言葉を発することが出来ない。
「あんた鬼? たくさん捕まえた?」
「あ、ああ……3人ほど、な」
「そりゃあよかったわね、今ならそれトップクラスよ」
なんだ? なんだこいつは? という御堂の疑問をよそに、女性はあくまでもマイペース。
「ところで、お腹は空いてない?」
「腹?」
思わず自分の腹をおさえる御堂。
ぐぅ……と情けない音が鳴る。
「っつ……」
気にしてはいなかったが、いわれてみればそれなりに空腹だ。数時間歩き通しであったのだから。
286 :
260:03/03/20 03:11 ID:OPthzpYp
「言われてみりゃあ……ちょっと小腹が空いたかもしれねぇな」
「それはちょうどよかった。なら……」
女は嬉しそうに屋台を止めると裏手に回り、のれんをバッ! と上げた。
「……あ?」
そこには一般的なラーメン屋台の装備とは他に、数々の怪しげな物品が……
「出張ショップ屋『屋台ver』、ただいまの時間をもって開店しまーっす! 当店はキムチラーメンから捕獲・逃走用の兵器まで何でも取りそろえておりますよお客さん?」
「……………………」
絶句。
「あ、ちゃんと金は取るからね。貧乏人に用は無いわよ」
「か、金だと!?」
「おっと、お客さんは鬼だったわね。なら捕獲した参加者一匹につき1万円に換金することも可能よ。さて、何かご入り用のものは?」
【御堂 ショップ屋ねーちゃんと出会う】
【出張ショップ屋 ラーメンから兵器まで】
【ねーちゃん お金は取ります。貧乏人はあっち行け】
つーわけでお騒がせしました。
ちなみに行商人初音は某所SSであったネタで、あの性格はわかってやってました。
ま、こっちにした方が後腐れなさそうなんで。
それとペリカは冗談だったのですが、考えてみりゃあれだと逃亡者が自分の金を使えないんで、通貨は円にしときました。
いや、そもそも兵器って。
七瀬とかもそうなのだが人に危害加えちゃだめだろがw
ちょっとした足止めのトラップとかならまだしもタッチ即アウトの鬼ごっこで
肉体言語とかにもの言わしたらあかんよ、うん。
天野美汐は、そわそわしながら、やや上りの小道を歩いていた。
「真琴ったら、一体どこに行ってしまったのでしょうか…」
ゲーム開始直後から、美汐と見事にはぐれてしまったツインテールの少女。
あの娘を一人にしておくと心配ですからね、と独り言を言いながら歩き
続けていると、開けた場所に出た。どうやらここはなだらかな丘のようだ。
真琴はこういう場所が好きだから、ここに居るかもしれない。そう思って、
美汐は慎重にあたりを見回す。すると、丘の草むらの真ん中で、座っている
少女がいる。顔を見ようと、ゆっくりと美汐は近付いた。少女は青色の髪を
していた。残念ながら、真琴ではないようだ。彼女の足音に気付き、青髪の
少女はこちらを振り返った。
「誰…?」
二人の視線が交錯した。美汐もあまり感情を露わにしないので、まるで
人形のようだと、祐一にからかわれたものだが、目の前の少女は自分など
より余程、人間離れしていた。見ているこちらが吸いこまれそうになる瞳といい、
完璧なまでに整った造形美といい、とてもこの世のものとは思えない。
「失礼しました。私は天野美汐と申します」
「私は、瑠璃子。月島瑠璃子だよ」
そう言って、瑠璃子が微笑んだ。
「電波…?」
「うん。今日は天気も良いし、人が沢山いるから、電波が一杯届くんだよ」
突拍子も無い言葉だったが、美汐は彼女の言葉を信じる気になった。
もともと参加者の中には異能の者が珍しくなかったし、彼女が嘘を突いている
ようにも見えなかったからだ。それに―――美汐の身近にも、現実では信じられ
ないような者が存在しているではないか。
「あのう…」
おずおずと、美汐が何かを言いかけた。
「なぁに?」
「もし良かったら、真琴の居場所を探して頂けませんか?」
電波を使用しても、他の参加者を攻撃したり、精神操作によって記憶を改竄
しなければ問題はないだろう(
>>107、
>>116参照)。
「…恋人?」
「ちっ、違います!真琴は女の子です!」
意外な質問をされて、美汐は赤くなりながら否定した。
瑠璃子は自分の勘違いに気付き、くすくすと笑った。
「そうなんだ。てっきり男の子の名前だと思った」
「できますか?」
「うん、いいよ。やってみる」
瑠璃子がちょっと大きめの岩の上に立ち、目を閉じて集中し始めた。
息を呑んで、美汐がその様子を見守る。彼女には何も聞こえない。
だが、今は目の前のフランス人形のような少女だけが頼りだ。
静寂の中、時々鳥の鳴き声だけが聞こえていた。
しばらくして、ふいに瑠璃子が、我に帰ったように目を開けた。
「あ…」
「どうしたんですか?」
「ごめんね、変なの呼び出しちゃったみたい」
瑠璃子の表情が曇っている。一体どうしたのかと美汐が質問しようと
したその時。木陰から、下生えを踏みしめる音が聞こえてくる。
「瑠璃子。探したよ」
現れたのは、瑠璃子の兄―――月島拓也だった。
【天野美汐と月島瑠璃子が出会う】
【月島拓也が登場】
智子とみさきは、森の中にある小道を歩いていた。広い場所を歩くより目立たないし、隠れられる所も
多いと判断したからだ。――それが吉と出るか凶と出るか、まだ解らないが。
「――智ちゃんは、何でこのゲームに参加しようと思ったの?」
「…私は自分で参加しようと思った訳やない。級友にお節介な奴らがおってな。勝手に私もエントリー
されてもうたんよ」
智子は、その“お節介な奴ら”の顔を思い浮かべた。――彼等は今、どうしているだろうか。まだ逃げ
続けているのか、それとも、既に捕まって鬼役に回っているのだろうか…
「…ほんまは、早ぅ帰りたいんやけどな」
「でも、出たからには勝たなきゃ損――だよね」
先程自分が言った言葉をみさきが返してきたので、智子は微苦笑を浮かべた。
「そんな所や」
「ふふっ…♪」
「…そう言う川名さんは、何で参加しよう思たん? 川名さんは――…」
「ん? 私も智ちゃんと似てるよ。雪ちゃん――あ、深山雪見っていう私の友達なんだけど、その雪ちゃん
に誘われたの。“一緒に行動すれば大丈夫”って。…でも、スタートの時にはぐれちゃって。てへっ♪」
「…“てへっ♪”やあれへんがな…。人の友達悪く言うんは何やけど、ちょっと無茶な人やね、その深山さんて」
「ううん、いーの。確かにちょっぴり厳しい所もあるけど、本当は凄く優しくていいコなんだよ、雪ちゃん」
…実際に会った訳ではないが、みさきにとってその雪見と言う人物がどういった存在であるのか、彼女の
表情から充分に伺う事が出来た。親友――心の友とでも呼ぶべき存在なのだろう。
「…さよか。――なら、その人の事も探さんとな。きっと向こうでも、川名さんの事探しとるやろ」
「うんっ。でも、今は智ちゃんと一緒だから楽し――」
言い掛けた言葉を息と共に飲み込み、みさきが立ち止まった。
「――? 何やの…?」
訝しむ智子の視線の先――みさきの表情が、固い。緊張しているのだ。
「…今、何か音が聞こえた。……“森の音”以外の、何か…」
智子の耳にはこれといって妙な音は聞こえなかったが、視力が失われている分、みさきの聴力は人よりも
鋭い。――その耳が、何か異音を捉えたのだろう。智子の表情も強張る。
「鬼……?」
智子は、みさきの腕に自分の腕を組み付かせた。鬼であった場合、みさきと共に走って逃げ出す為だ。
「あの…、御免なさい――鬼じゃないです」
小道の脇にある、やや太目の木の陰から、一人の少女が姿を現した。智子やみさきよりも年下であろうか。
小柄な体にロングヘアー。金髪頭の天辺から髪の毛の一房が、みょんっ…とばかりに伸びて立っている。
「正確には鬼かも知れないんですけど…えへへっ」
「鬼さんなの? 鬼さんじゃないの?」
何やら支離滅裂な言葉の内容に、みさきが頭の上にでっかい『?』を浮かべていた。
「なんや、初音ちゃんかいな。ちょっとびっくりしたわ」
「…御免なさい。人が来る気配を感じたから、隠れてたんです」
「智ちゃんの知り合い?」
「ん…、以前に、ちょっと。――柏木初音ちゃんや。こっちは、川名みさきさん」
「初めまして、初音ちゃん♪」
「はいっ。こちらこそ初めましてっ」
「…柏木――って、あの社長さんの関係者なの?」
「はい。私達は四人姉妹で、一番上が千鶴お姉ちゃん。それから、梓お姉ちゃんと、楓お姉ちゃんがいます。
私は一番下なんですよ」
「へぇ〜、四人姉妹かぁ〜。賑やかで楽しそう〜♪」
そう微笑むみさきを見て、初音も笑顔になりながらも、「おや…?」という表情を浮かべる。――そして、
みさきの抱える“ハンデ”を、すぐに見て取ったらしい。感受性等といった物が鋭敏なのだろう。
「――あの、…私も一緒に居ても、いいですか?」
だが、みさきの眼については何も触れず、只、そう言って来る。
「勿論オッケーだよっ。断る理由なんて無いものね♪ ――智ちゃんは?」
「…ん? ああ、全然構へんよ? 初音ちゃんも一緒に行こか」
「はいっ♪」
輝く様な笑みを以て答える初音。
――彼女は何も言わずに、智子とは反対側のみさきの手を握り、共に歩き始めた。
(…ほんま、ええ子やねんな、この子。その分、苦労も多いみたいやし…)
そう思い、智子が目を向けていると、初音がその視線に含まれる物を感じたかの様な、はにかんだ笑みを返して来た。
「…鬼が近づいて来たら、一にも二にも走って逃げる。――ええな、初音ちゃん?」
「はいっ。私、これでも気配には結構敏感なんです。何かが近づいて来たら、すぐに解ると思います」
「ん、頼りにしとるよ」
「うんうん♪ 私も、耳には自信あるよー。あと、“鼻”もね」
「お鼻……ですか?」
「うん。特にカレーの匂いは絶対に逃がさないよっ!」
「あはははっ♪」
「――それと、初音ちゃん」
「はい?」
「丁寧語とか、使わなくても大丈夫だよ? 女同士だし年も近いだろうし、ざっくばらんに行こ?
それが地の喋りなら全然構わないけど…」
「そうやな。気楽な感じで行こ」
二人の言葉に初音は、暫く「うーん…」と考えていたが――
「――うん、解った。宜しくね、智子さん、みさきさん」
「ノンノンノン――“みさきさん”じゃなくて、“お姉ちゃん”って呼んで。
“みさきお姉ちゃん”――さん、はい」
「えっ……と、――みさきお姉ちゃん…」
「ほぁ〜〜〜ん……」
「……何をさしとんねん…」
「えへへ〜っ、なんか嬉しいのォ〜〜♪」
「あの…、智子さんは…?」
「…………初音ちゃんの好きにしいな」
肩を竦めながらの微苦笑と共に、智子はそう答えた。
【智子&みさき、森で柏木初音と出会い、合流】
僭越ながら投稿させて頂きました。
委員長と初音ちゃんは、面識があると言う事にしました。(LF97準拠)
「あーすっきりした♪」
浩平を殴…もとい、捕まえて満足げな七瀬(漢)とは対照的に広瀬はまた考え込んでいた。
(折原を…ONEの主人公を…男最萌優勝者を捕まえたというのに…
な ん で 数 行 し か 出 番 が な い の よ !)
「広瀬?」
(……もしかして折原のキャラに呑まれた?
だったら今度はあの…)
「どうしたの?」
「行くわよ」
「え?いきなり何よ?ていうかどこへ?」
「黄金時代の主役を狩りに」
「( ゚д゚)ハァ?」
【広瀬 次の標的を相沢祐一、藤田浩之に決める】
【七瀬(漢) 意味不明】
特殊能力を使って逃げるのはオッケー、ただし一般人が行けないところへの長期滞在はダメ。
空や湖以外にも、鬼の跳躍力で人が登れないところに上ったりするのもダメ。
特殊能力を使った攻撃はダメ。
人としての能力での攻撃はオッケー。私闘で傷つけ合うのはダメ。
電波通信とかはオッケーっぽいな。
サテライトも逃げるためであれば使えそう。
297 :
296:03/03/20 10:37 ID:TEJBSJJT
こんなところですか?
「飛ぶな」とアナウンス入れた方がいいかもね。
「鬼か…」
「ああ…」
二人の男から流れ出る張り詰めた空気。
それは今にもはち切れそうな一本の糸を思わせる。
「まさか韋駄天の蝉ちゃんとよばれる貴様がな…」
「光岡、悪いが俺は鬼として使命を果たす。捕まってもらうぞ」
「…面白い。かつては貴様にわずかに及ばなかったが、今の俺は一味違うぞ」
「お前がどれだけ早かろうと、俺は必ずタッチして見せよう」
「フフフフ、それでこそ坂上」
どこか楽しげなやり取りを交わす二人。
しかしその間にも、周りの空気はさらに緊迫して行く。
「よかろう、俺も必ず貴様から逃げ切り、かつての雪辱を果たすと誓おう!」
「うむ、それでこそ光岡。我が生涯のライバル!」
「この、『捷疾鬼の悟ちん』 やすやすとは捕まらぬ。たっちできるものならたっちしてみるがいい!」
…糸が切れた。
「いくぞッ! 捷疾鬼の悟ちん!」
「来い! 韋駄天の蝉ちゃん!」
そして二人は同じ時、同じ方向へ大地を蹴った。
【蝉丸&光岡 追いかけっこ開始】
>>299 飛ぶのはいいんじゃない?
ずっとそこにいるのがダメなだけで。
「どうしよう」
「どうしよう」
森の奥で全く同じ二つの顔が見合っていた。
「若様と」
「はぐれちゃったよ」
ほとほと困り果てた様子で。
「鬼ごっこだなんて」
「そんなこといわれても…」
「グラァ、矢は何本ぐらい持ってきてる?」
「うん、ええっと……結構あるよ」
「けどルール説明してたおばさんの説明によると、直接攻撃しちゃいけないんだよね?」
「ううん、攻撃すること自体はいいんだよ。けど……ウルトリィ様やカミュ様の術方、ああいうのを直接他人に使っちゃいけないんでしょ」
「じゃあ僕らは平気なんだね……とは言っても、怪我をさせるわけにはいかないから鏃は外しておこう」
グラァの矢を受け取り、一本一本鏃を外していくドリィ。
「あ、そうだ。僕ちょうどいいのを持ってたんだ」
「え……?」
これは名案とばかりに手を打ち、グラァは懐から何かを取り出す……
「これは……吸盤?」
グラァが取り出したのは、よくパーティーなどで使われる吸盤付の矢であった。
「うん、この間の飲み会で使ったのがちょうどよく残っててさ。これならガンガン射っても怪我はしないでしょ」
「よし、そうと決まれば早速付け替えよう」
黙々と2人で作業していくドリィ&グラァ。……そこに、近づく影があるのを彼らは知らない……
そう、場合によっては……彼らにとって……アヴ・カムゥよりも、ディーよりも、ウィツアネミテアよりも恐ろしい……彼女が。
「大体終わった?」
「うん、それじゃそろそろ出発しようか」
「とりあえずどこへ行く?」
「下を歩くのは危険が付きまとうから、木の上を通って移動……! ドリィ!」
叫ぶと同時にグラァは矢をつがえ、キリリと引き絞り近くの藪を狙う。
「ッ!?」
一瞬遅れ、ドリィも同じ動作。
「「誰? 誰ですか!?」」
「………にゃはは〜☆ バレちゃった〜?」
頭を掻きながらガサガサと、藪を抜けてきたのは……
「はっじめまして〜、あたし芳賀玲子。キミたちって、双子だよね? 男の子だよね〜?」
「え……? は、はい……」
「うん……」
思わず頷くドリグラ。
「い〜よ〜い〜〜よ〜〜、そういうのとってもいいよ〜。和服の似合う可愛い男の子……しかも双子! うおお萌え〜☆!」
(な、何なんだこの人は!?)
目の前のおおよそ今まで相対したことのない人種に戸惑う二人。
「お姉さんさぁ、キミたちみたいな子とっても好きだな〜☆ ねぇねぇ、一緒に行っても、いい? いいでしょ? いいよね? ハイけって〜☆ それじゃ、レッツゴー!」
言うやいなや、玲子は2人の間を抜けて森の奥へと歩き出した。
「あ、ちょ、ちょっと!?」
「お姉さん!?」
【ドリィ&グラァ 芳賀玲子と出会う】
【ドリグラ装備 吸盤付の矢】
「主役狩りよ。相沢祐一と藤田浩之…共に超大物」
「主役狩りね。今度は失敗しないわよ…絶対目立ってやるんだから」
燃えるONE戦闘娘コンビ。
「なあまなみ、あれ鬼の襷じゃないか?」
「本当だわ・・・・逃げなきゃ!」
「走るぞ!」
「うん!」
逃げる同棲主役級コンビ。
「…ところで七瀬、あそこに人がいるけど、どうする?」
「小物を狩ってもしょうがないわ。あたし達の狙いはあくまで主役級!」
…動かないONEコンビ。
「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・あれ?追いかけてこないな」
「ふぅ・・・・よかったじゃない。ちょっと休もう」
「そうするか・・・・」
「捕まらなくてよかったね」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・まさき?」
「どうも釈然としない・・・・」
「?」
【七瀬&広瀬 標的探しを続ける】
【まなみ&まさき 放置プレイ】
こうして七瀬広瀬が大物狙いで苦戦してる間に
浩平が二人の取りこぼしを確実にゲッツしてポイント稼ぐヨカーン
271-273を参考にまとめてみました。
現時点(
>>305)までの行動一覧
レス番は最終行動、備考、【】おおまかな場所、[] 所持品。中の数字は鬼としての戦績、()でくくられたキャラは参加確定ながら未出キャラ
一応レスの順に並んでます。
--単独行動--
高槻
>>129 【海岸沿いの小道を移動】
巳間良祐
>>129 高槻と別れる 【森の中へ】
リサ・ヴィクセン
>>147 潜伏場所を探す 【森】
柏木耕一
>>150-151 御堂と遭遇 【森に逃亡】
那須宗一
>>168 参加者の情報を入手 【移動開始】[携帯端末]
長瀬祐介
>>183 【森へ】
醍醐
>>198-199 暗視スコープを祐一に譲渡 【森へ移動】
相沢祐一
>>198-199 醍醐と遭遇【森】[暗視スコープ]
神奈
>>201-203 柳也&裏葉を捜す ディーと遭遇 大ピンチ 【上空】
カルラ
>>210-211 蝉丸と遭遇、そのまま逃亡 【森】
柏木梓
>>231-233 オタク(縦)(横)と遭遇、日吉かおりから逃亡 【森の奥へ】
日吉かおり
>>231-233 北川/住井のトラップで穴の中 【森】
美坂栞
>>239-240 香里を身代わりに逃亡 【森?】[ヴァニラ・アイス]
月島拓也
>>289-290 美汐、瑠璃子に遭遇 【丘】
光岡悟
>>300 「韋駄天の蝉ちゃん」と追いかけっこ開始 【森?】
--グループ行動--
藤田浩之・マルチ、クーヤ・サクヤ
>>140-142 蝉丸と遭遇 【森?】[アヴ・カムゥ]
霧島佳乃・霧島聖/ポテト
>>162-163 梓&かおりを目撃、犬小屋を探す 【森?】
住井護・北川潤
>>173 トラップ(落とし穴以外にも色々)製作中 【森】
河島はるか・三井寺月代
>>194-195 【小屋】 [それぞれサンドイッチ]
柏木楓・来栖川綾香
>>205-207 【芹香を探しに森の中へ】
柳川祐也・セリオ
>>215-216 逃亡来栖川姉妹やマルチを探す 【森?】
スフィー・長森瑞佳
>>217 とりあえず食べ物探し 【街】
柳也・裏葉
>>224-225 往人と遭遇、撃退 神奈を捜索 【森?】
縦王子鶴彦・横蔵院蔕麿
>>231-233 北川/住井のトラップで穴の中 【森】
岡田メグミ・松本リカ・吉井ユカリ
>>246-248 千鶴と遭遇 【町の奥へ】
砧夕霧・藍原瑞穂・太田香奈子
>>249 川に落ちたところを瑞穂&香奈子に発見される【川】
(夕霧は眼鏡を川に落とす)
神岸ひかり・神尾観鈴
>>251-252 【海辺】[どろり濃厚冷やしあめ味]
湯浅皐月・伏見ゆかり
>>283-284 あゆと遭遇 ビルを身代わりに逃亡 【森?】
【御堂:3 (千鶴)】
>>285-286 ショップ屋ねーちゃんと遭遇 【森】[とりもちライフル]
【坂神蝉丸 (千鶴)】
>>300 「捷疾鬼の悟ちん」と追いかけっこ開始 【森?】
【七瀬留美:2 (千鶴)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】[竹刀]
【広瀬真希:1 (七瀬)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】
--その他--
ショップ屋ねーちゃん
>>285-286 出張ショップ屋 ラーメンから兵器まで
【お金は取ります。貧乏人はあっち行け】
311 :
名無しさんだよもん:03/03/20 16:59 ID:0k+wPID8
「・・・隠れるところを探すぞ・・・こうなったら意地でも優勝してやる」
「・・・どうしたのまさき?」
脇役に小物だと見逃された主役。
彼はそのとき誰よりも燃えていた。
しかし、まさか彼らをあんな運命が襲おうとは・・・・・・
ビュン!
「あーれー」
「まさきー」
何かが近くを、高速で走り抜けたかと思うと、二人はそれが伴なって来た突風に飛ばされた。
存在感が薄いと余分に飛ぶのだろうか?
「主役をなめるな!」
「あっ」
しかしまさきはどうにか体制を立てなおし、まなみを掴んで着地する。
まさしく主役の意地である。
「ふう・・・」
「何だったんだろうね、あれ」
「さあ、テーマパークの猪かなんかじゃないか?」
「そっか、危ないね」
「そうだな・・・」
「逃がしてしまいましたか・・・ さすがは耕一さんですね・・・」
折原浩平については、七瀬・広瀬ともにポイントとして加算しました。
キャラクター一覧は
>>271-273を参考にして下さい。
間違いがあったら、指摘してください。
ビクゥッとした二人の前に、ヌゥッと現れる二十過ぎの女性。
二人は女性を知っていた。
「柏木千鶴・・・」
「あら、参加者の方ですか? ・・・・・・あれ? 参加者の方ですよね? おかしいですね・・・私、参加者の方々の名前と顔は全部覚えてるはずなのに・・・」
しかし女性・・・千鶴は二人を知らなかった。
その言葉に二人が呆然としている間に、千鶴は鬼のたすきを取り出した。
「まあいいです。はい、こちらが鬼のたすきですね」
そういい二人に渡す。
「頑張ってっ下さいね。たくさん捕まえればきっと知名度もあがります」
そういい、最初の鬼は二人のの前から去って行った。
呆然としてそれを見送る二人。
先に覚醒したのはやはり主役だった。
「・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・ひょっとして確信犯?」
その問いに答えるものはもういない・・・
【まさき&まなみ鬼に】
>>312 広瀬捕まえたのは蝉丸です。(
>>196-197)
つーことで
【坂神蝉丸:1 (千鶴)】
>>300 「捷疾鬼の悟ちん」と追いかけっこ開始 【森?】
【七瀬留美:2 (千鶴)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】[竹刀]
【広瀬真希:1 (蝉丸)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】
かと
316 :
313:03/03/20 17:05 ID:0k+wPID8
スマソ、七瀬の訂正忘れてた。
【坂神蝉丸:1 (千鶴)】
>>300 「捷疾鬼の悟ちん」と追いかけっこ開始 【森?】
【七瀬留美:1 (千鶴)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】[竹刀]
【広瀬真希:1 (蝉丸)】
>>305 ターゲット浩之/祐一 【森?】
まとめてる人おつ!
「やっと見つけた…」
国崎往人は呼吸を整えて、やっとの思いで見つけた人形を拾い上げた。
「やれやれ…あいつら、絶対に捕まえてやる」
そうやって復讐の炎を燃やしているときに、目の前にある植物に目が止まった。
「…これは?」
目の前には、真っ赤に熟れたある野菜。ビニールハウスの中ですくすくと育っている。
「…そういえば、走ったからまた腹が減ったな」
そう言って、野菜を失敬する。
「美味い…いい腕の人間が作っていたんだな」
そう言って、手いっぱいに抱えた野菜を一つ一つ食べていると、ふと上空に目に止まるものがあった。
「アレは……?」
ウルトリィは空を飛んでいる。開始直後は、カミュと一緒に居たのだが地上に降りて休憩しているときにはぐれてしまった。
「あの子は……恐らく、何か面白いものでも見つけたんでしょうけど」
そう言って、上空からカミュの姿を探す。それに、向こうも飛んでいれば嫌でも気が付くだろうし、何より、捕まる心配がほとんど無い。
「でも、空を飛べる人が鬼になっていれば別ですけど…そんな人はあまり居ませんよね」
そう呟きながら、優雅に空を飛ぶ。
「参加者か。しかし、空を飛んでいるとは…手が出せんぞ」
ぼやいた後、ふと自分が手に抱えているものが目に止まる。
「…距離的にはぎりぎりか。あまり高くは飛んでいないようだしな」
上空をじっと見据えながら、呟いた。
「これを作った人よ。すまない。食べ物を粗末にしてしまう」
空を飛んでいたウルトリィは、それに全く気が付かなかった。
「何処に居るんでしょうか…?」
べシャッ!
急に、翼に何かがぶつかった感触が全身を駆け巡る。
「何ですか!?」
自分の翼を見てみる。すると、べっとりと赤いものが付いていた。
「これは…」
ふと下を見る。すると、大量の赤い物体が自分めがけて迫ってきている。
「トマト!?」
気づいたときに遅かった。大量のトマトが、翼に当たって潰れていく。
「駄目っ! 翼が湿って…!」
叫んだとき、自分は落下していた。
「キャーーーーーーーーーー!」
もう駄目。目を閉じてしを覚悟する。と思った瞬間、落下速度が遅くなったような気がした。何か、ブレーキがかかったような。そして、地面に落ちる前に、誰かに抱きかかえられた。
「うーん、やっぱりトマトを飛ばすぐらいならいいがやはり人間を持ち上げるのは無理か…」
「…あれ? 私」
ウルトリィは目を開いた。そこには、多少目つきの悪い男性が自分を抱きかかえている。
「取り合えず、タッチだ」
その五分後、そこには異様な光景が広がっていた。
「全く…もし私の落下位置がずれていたりしたらどうするつもりだったんですか!?」
一人は、目つきの悪い男性。一人は金髪に素晴らしいスタイルの女性、そして翼が生えているのだがその翼はトマトが潰れて悲惨なことになっている。
「あぁ、私の翼が…染みになったらどうするんですか!? 責任とってください!」
二人ともたすきをしていることから、鬼だと推測できるのだが、二人とも正座しており男性のほうはひたすら小さくなっている。
「……すまん。しかし、これも鬼ごっこの一環として」
「本当に反省しているのですか!?」
美しい顔が怒りに満ちる。
「すまん…」
その後、女性はひとつため息を付いて、言った。
「…もういいです。キチンと抱きかかえてくださいましたから…怪我はなかったですし」
少し、頬を染めながら言った。
「しかし、それにしてもトマトを飛ばした力といい、私の落下速度を緩めた力と言い…何か特殊な力でも使えるんですか?」
「まぁな。法術、って奴なんだが…。まぁ、手を触れなくても物を動かせる力だ」
「まぁ…人間にもそのような力の持ち主が居るのですね」
感心したように言った。
「さて、そろそろ行くか。まだまだ捕まえなきゃいけない人間はたくさん居るしな。アンタも頑張れ」
往人はすっと立ち上がる。
「あら? 何処へ行かれるのですか?」
「だから、捕まえに…」
「先ほど、私言いましたよね。責任とってくださいと?」
すると、国崎は言葉に詰まりながらも、頷いた。
「取り合えず、私を水場まで案内していただけますか? この羽を洗いたいので。羽が乾くまでお付き合いしていただきます」
にっこりと微笑みながら、言った。
「……………仕方ない。わかったよ」
ため息をしながら、往人は言った。
【ウルトリィ 捕まる。ただいま翼がトマトまみれ】
【国崎往人 責任とる羽目に。翼が乾くまでウルトリィの護衛&エスコート】
【取り合えず、水場を探す】
ウルトは雨の中でもとぶんだが、まあこの辺りの変更は問題ないな。
でも国崎の攻撃は結構ルールスレスレじゃない?
能力を使っての攻撃禁止って条項があるし。
まあ、御堂のとりもちガンに比べたら、かわいいもんだから、
それほど問題はないと思うけど。
相手も飛んでるから微妙
常人じゃウルトリィは捕まえられなかっただろうし
葵は、森の中に居た。
スタート前迄一緒に居た綾香は、開始のどさくさに巻かれて見失ってしまった姉・芹香を探す為に
消えてしまい、同じくして一緒に居た坂下好恵とも、スタート直後に逸れてしまっていた。
「…まあ、焦っても仕方無いよね。気楽に行こう…」
そう呟きながらも、正直、少しばかり心細かったりするのだが。
先程、この付近でちょっとした追跡劇を見てしまった所為もあるのだろう。
――必死の形相で逃げる少年と、それを追う鬼役の少女二人。鬼役の二人からは、鬼として少年を
追う事以上の何かを、以外の何かを感じたりしたのだが。
特にツインテールの方は…――正に鬼気迫る物があった。
…何れにせよ、あんな顔で追い回された日には、暫く夢で魘されそうな気がする。
「あの男の人は……多分、捕まっただろうな…」
ゲームが進行すればする程に鬼役が増えるので、遭遇率は増し、逃げられる可能性はそれに反比例する。
鬼役に回ってしまえば楽だろうが…、葵にだって、勝ちたいという気持ちが無い訳ではない…
……が、
「藤田先輩や綾香さんが鬼になって追い掛けて来たら、どうしよう…。逃げ切れるかなぁ…?」
もしそんな事になったら、はっきり言って、逃げ切れる自信が無い。
「…とにかく、動くしかないよね。他の皆さんを探しつつ――」
と、森の中に伸びる小道へ出た所で、その道を挟んだ反対側の森から同じくして現れた少女と、目が合った。
ツインテール――それを目にした葵は、一瞬ぎょっとしたが、あの鬼役の少女とは全くの別人だった。
服装も違うし、何より髪の毛の色自体が違う。
「あ、あう……」
その黄金色髪ツインテールの少女は、あからさまに不安げな表情を浮かべていた。
「あ――ええっと、初めまして」
律儀に頭を下げた葵が一歩踏み出すと、少女はビクリと肩を震わせ、逆に一歩退いた。
…怖がっているのだろうか?
葵は、少女を安心させてあげる為に、微笑んでみせる。少し、ぎこちなかったが。
「私は、鬼じゃないですよ?」
「…う、うん。解ってる。たすき……掛けてないもん」
が、やはりどこか不安そうな顔のまま、少女は答えてくる。――もしかしたら、人見知りとかしてるのかな?
そう察した葵は、腰のウエストポーチ――絆創膏と消毒液が入っている――から、ここへ来る前に買っておいた、
ポッキーを取り出した。
「お菓子ですけど、食べますか?」
「………うん」
素直だ。
まだ少し不安げだったが、先程よりは緊張も解けているらしく、少女はお菓子を前にして目を煌かせている。
小道の真ん中で歩み寄り、葵はポッキーの小箱を開封し、中の小袋の一つを少女に差し出した。
「あ、ありがと…」
おずおずと受け取った少女は、小さな声で礼を言うと、早速食べ始めた。空腹だったらしい。
「――私は、松原葵と言います」
「……真琴。沢渡、真琴」
「はいっ。沢渡さんですね」
「…えっと、真琴――で、いいわよ」
「はいっ。真琴さんですね。じゃあ私も、葵――で、結構ですよ?」
ニコニコと朗らかな葵。
「あおい…、葵は、怖くないの? ひとりぼっちで」
「さっき迄は、ちょっと心細かったです。でも、真琴さんと会えたから今は心細さは半分になりました」
「そ、そう。真琴は別に怖くなかったわよ。真琴は大人だから」
「はいっ。安心ですね♪」
やはりニコニコな葵。そんな葵を真琴は、“変なの…”と思ったりしていたが、口には出さなかった。
何せ、お腹が減っている時にお菓子をくれた人だ。少なからぬ恩がある。
「心細かったのなら、真琴と一緒にいない? 真琴、他の皆と逸れちゃって」
「そうですね。私も、一緒にここへ来た人達を探そうとしていた所なんです」
「…じゃあ、真琴も葵の人探し、付き合ってあげる」
【松原葵、沢渡真琴と森で出会う。共に行動開始】
【葵の所持品…絆創膏、消毒液、ポッキー小袋・残り三つ――
「葵……ポッキー、もう一つ食べてもいい?」
「いいですよ。どうぞ♪」
…訂正 ポッキー小袋・残り二つ】
いいなその二人…
ほのぼの組ですな
>>国崎の術攻撃
まあ、俺はこのままで問題ないと思います。
しかし今後は使わない方が無難。
いかだを操るとか、葉っぱを使って目くらましとかになら使ってよさそう。
しかし今回のケースはマジで命に関わる。
SS補正で国崎の法術コントロール出力ともに上昇されてるみたいだが
もうこういう使い方はさせないほうがいいんじゃないかなぁ。
木に登ってる人にいきなりゴムボール当てて落とすみたいなものでしょ?
下で受け止めるつもりだったからってやって良い事とは思えないっす。
って以降そうこんなシチュはないと思いますが(w
「湖だ……」
水場を探して森の中を歩き回っていた往人とウルトリィ。
森の開けた場所でなんとか目当てのものを発見することができた。
「どうやら水は綺麗みたいだな」
湖の水を手にすくってみて、往人はそう言った。
往人の言う通り、その水は濁りなく澄み渡っている。これなら飲むこともできるだろう。
「本当に綺麗ですね……」
往人の隣にいたウルトリィも同じように水をすくいそう呟いた。
「それでは少しの間、ここを離れていただきませんか?」
往人も若い女性が水浴びをするのに、その場にいるなどという無粋な真似はしない。
「ああ。もう暗いから、気をつけろ」
いつの間にか、日は西の空に沈み、森には夜の帳が降りている。
「ふふ、お心遣いありがとうございます」
一方。
往人たちのすぐそばの森をゆく一つの影。
吊るされた男から貰った暗視スコープをつけた相沢祐一だった。
「この暗視スコープってやつ、便利なもんだな」
月明かりも、あまり届かない森の中が昼間のように見える。
これなら、他の参加者に比べて格段に有利だろう。
「あのおっさんに感謝しなきゃな……ん?」
突然森が途切れ、開けた場所に出た。
そしてそこにあるのは大きな湖。
「へぇ、森の中にこんな湖があったのか。気づかなかったぞ」
そういえば、喉が乾いたころだ。もしかしたら飲めるかもしれない。
そう思い、湖に近づいたとき――。
バシャ、バシャ…
水を弾く音。
「!!」
慌てて近くの茂みに身を隠す祐一。
(鬼か?)
音のしたほうに目を凝らす。
そこに見えたものは――。
(おお!こ、これは…!)
美しい金髪のロングヘアー。
無駄な脂肪がついておらず、かといって痩せすぎでもない理想的な肢体。
そして何よりも、そのふくよかな胸。
この世のものとは思えないほどの美しさを纏った女性の裸体だった。
(おっさん、感謝するぞ!)
相手から見えないのをいいことに、その女性をじっくり眺め回す祐一。
と、その時。
「ん…そこに誰かいるの?」
突然あらわれた第三者の声。
と、同時にその姿もあらわれた。
「鬼じゃないみたいね……。何やってるのあんた?向こうに何かあるの?」
あらわれたのは祐一と同じくらいの年の女の子。
名雪と同じく、腰のあたりまでのロングヘアー。
そしてこれまた美人だった。
「えっ、い、いや。鬼がこないか見張ってたんだ」
まさか女の子に『覗きをしておりました!』などとは口が裂けても言えない。…まあ男でも言えないが。
「何言ってるのよ。この先は湖じゃない。鬼がいるわけないでしょ。いいからちょっとどきなさい」
そう言って、強引に祐一をどかし、今まで祐一が見ていたほうを凝視する。
「ぐぁ……」
隣で何かうめいている祐一は無視して前方に注意をむける。そこに浮かび上がったものは。
月明かりの下、水浴びをしている女性のすがたがうっすらとだが見えた。
もちろん裸。
(い、今のうち逃げよう……)
だが。
「ちょっと待ちなさい」
背筋が凍るような声。
「は、はい。なんでしょうか」
精一杯の作り笑顔と共に、振り返る祐一。そこにいたのは
これまた背筋が凍るような顔をした女の子。
「あんた、まさか――」
一歩祐一に詰め寄る。
「覗き魔?」
祐一の頬を、つぅっ、と冷汗が一滴流れた。
【国崎往人 ウルトリィの近くに待機】
【ウルトリィ 水浴び中】
【相沢祐一 大ピンチ】
【女の子(天沢郁未) 祐一の覗きを発見】
書いてる本人に殺すつもりがないならべつにいいような気もするが。
まあ以後はまずないだろw
それに或る程度の能力補正は目を瞑ってもいいんじゃないかなあ・・・
さすがに国崎が方術で建物破壊とかならまずいがw
森の入り口で、ゆっくりと歩く人間が1名。
高槻と別れて単独行動を始めた巳間良祐である。
「…たまには一人もいいもんだな」
伸びをしながら森林浴。周りに人影も無く、状況は実に穏やか。
とは言え、いつどこから鬼が飛んでくるかわからないから、とりあえず妹の晴香を探して不可視の力で助けてもらおうと考えている。
――妹を頼るとは、我ながら情けない話だ。
そんなことを思いつつ、しかし自分は一般人で、参加者に化物も含まれていることを考えると仕方のないことだと言い訳する。
…と。
「ぜー、はー、ふぅ…」
少女が遠くで座りこんでいるのが見えた。鬼ではないようだ。
何やら疲れている様子なので声をかけてみることにする。
「そうか…いいお姉さんだな」
「はい。惜しい人を亡くしました」
彼女の名は美坂栞。
話によると姉が身を呈して彼女を助けてくれたらしい。近年稀に見る感動話だ。
それだけでも同情を誘うというのに、彼女は病弱で運動能力も低い。
しかし何より『妹』という属性が巳間良祐の心をくすぐった。
「ふむ…どうだ?今のところ行く当てもないだろうし、一緒に来ないか?」
「へ?」
「一人で行動すると何かと問題があってね。ちょうど同行者を探していたところだ」
「でも、巳間さんの足を引っ張ると思いますから…」
「そういう気遣いは不要だよ。君はお姉さんに助けられたんだから、お姉さんのためにもできるだけ長く逃げ延びることを考えるべきだ。それこそ俺を利用するくらいのつもりでね」
「えっと……はい。では、お世話になります」
かくして巳間良祐と美坂栞は同行することになった。
「あの、疲れて動けないのでおんぶしてもらえませんか?」(では、存分に利用させてもらいますよ…ニヤソ)
「ああ。構わない」(たまにはこんないいこともあるんだな…ハァハァ)
「ありがとうございます」(鬼が来たら、即刻見捨てて逃げちゃいましょう。今は知略の時代です)
「気にするな。今は疲れを癒すことだけを考えろ」(最後まで守りきって、いい関係になれるといいな…うまくいけば姉妹両取りだ)
良祐は栞の野心に気付いていない。
栞は良祐の下心に気付いていない。
しかし、これはこれで持ちつ持たれつのの関係が成り立っていると言えよう。
【巳間良祐と美坂栞が合流】
まぁ以降は能力の派手な使い方は自粛、ということでいいんでないの?
まぁ今回はロワやサバと違ってギャグですから。
舞の剣で殴られてもタンコブ作って痛いじゃないかと文句をたれ
爆発に巻き込まれても髪の毛アフロでドリフオチ。
基本的に人に危害を加えるのは無しとしても万が一の時はそんな
感じで気楽に考えるのが吉かとw
「……柏木千鶴………奴にはもう、出会いたくはないな…」
川辺――緩やかなその流れの傍らに膝を着きつつ、岩切は呻く様に呟いた。
「…しかし、随分下流の方迄泳いで来てしまったのは、流石にやり過ぎたか…。
今度やったら、反則負けにさせられるかも知れないな。以後は注意しないと…」
息を整え、彼女は立ち上がった。再び歩き出す――
かちっ…――
…と、足に何かが当たった。
「……?」
足元に目をやると、何かがキラリと光った。
「これは…、眼鏡か?」
誰かが川に落とした物が、ここ迄流れて来たらしい。
支流が幾つも奔っているので、どこから流れてきたのかは、解らない。
「……どこかで見た形状の様な気がするな…――」
【岩切、川から浮上。潜り過ぎたかと反省】
【夕霧の落とした眼鏡を拾う】
要するに相手に直接影響を及ぼす能力の使い方がまずいってだけの話じゃねえ。
国崎のはそのルールに違反しかけたわけだな。
筋力だけでやったのなら良かったんだけど。
能力補正は問題無し。
あれくらいなら常人トップクラスでもできそうだし。
スマン議論にならないことを祈る。
議論する気はないけどさ。
個人的希望。
>>336のいうように今回はんなシリアスものでもないし、
耕一VS千鶴とか
カルラVSトウカとか
綾香VS葵とか
裏葉VSウルトとか
祐介VS郁未とか
相手を傷つけなければ是非能力全開で戦ってほしい。蝉ちゃんと悟ちんのように。
鬱蒼と茂る森の中、一つの影が当ても無く彷徨っていた。
「ひえぇ…みなさんどこ行っちゃったんでしょうか…」
彼女の名は、名倉由依。
「晴香さんとはスタートの時に一緒にいませんでしたし、
郁未さんはさっき『面白いものを見つけた』ってどっか行っちゃいましたし…」
ぶちぶちと愚痴りながら、鬼に見つからないように森の奥深くを目指していた。
(鬼の人に追っかけられたらきっとすぐに捕まっちゃいますけど、
初めから追いかけられなければ良いんです)
彼女はそう考えて、どこか隠れられる場所を探して歩く。
そうして十数分歩いた頃だろうか、由依はうってつけの隠れ場所を見つけた。
それは、樹齢何百年かという大木の洞であった。
(このくらい大きな穴なら隠れられるはずですっ)
そう思った由依は、ごそごそとその小さな身体を洞の中に押し込んでいった。
残念ながら、彼女は鬼ごっこの実戦経験に乏しかった。
いかに隠れるかではなく、いかに逃げるか。
それがこのゲームの真髄であり、コツである。
彼女はそれに気付けない――
それからしばらくして、彼女は背筋を凍らせる音を聞いた。
何者かが草を踏みしめ、水たまりに足を踏み入れる音を。
(こ、来ないで下さいよぉ…)
心の中で祈り続ける。自分はこんな所で鬼になるわけにはいかないのだ、と。
しかし運命は時として残酷である。
「見つけたっ!」
「ひゃぁっ、ご、ごめんなさいごめんなさいっ!!」
「…………?」
「…………?」
様子がおかしい。鬼がいつまで経っても自分を捕まえようとしないのだ。
あの、と言いかけた時だった。
強い風が吹き、一筋の陽射しが洞の中に舞い込んで、由依の顔を照らし出した。
「………栞じゃない?」
「………晴香さん?」
「そうなんですか、妹さんを」
晴香に良く似た彼女の名は、美坂香里、と言った。なんでも裏切り者に血の粛清を、との事である。
彼女は由依がその妹、栞に似ていたことを説明すると、結局彼女を捕まえることなく解放したのであった。
「というわけだから、あなたもう行ってもいいわよ」
「あ、あの…どうもありがとうございます。その、香里さんも、お元気で…」
「そうそう、もうあんな所に隠れるのやめた方がいいわ。捕まるのを待ってるようなものよ」
「え、でもそれじゃぁ…どこに行けばいいんですか…?あたし心配です…」
「あなた貧乳だから大丈夫よ」
「どんな安心のさせ方ですかっ!」
【美坂香里 栞以外は眼中になし】
【名倉由依 森の中で命拾い、とりあえず森の外に移動】
「おーい、由綺ー、彰ー、はるかー」
藤井冬弥は結構寂しがり屋だった。
それゆえ森の中で迷った彼は、行けども行けども木、木、木の現状に嫌気がさしていた。
ゲームが始まって森逃げ込んで以降、全く人に会っていない。
今なら、たとえ鬼であっても喜んでついて行くことだろう。
「誰でもいいから出てきてくれよ…」
天はその願いを聞き届けた。
最初見たときはゴリラだと思った。
しかし服を着て、日本語を話す以上どうやら人間の男ではあるらしい。
その太い腕、厚い胸板、恐ろしく凄みのある顔、それらは到底同じ人間のものとは思えないが、とりあえず冬弥は男を人間だと思うことにした。
男は自らを醍醐と名乗った。
「迷ったのか?」
「はい、ゲームが始まってからずっと」
「…情けない。それで寂しがってピーピー泣いてたと言うことか」
「いえ泣いてはいませんが…」
「口答えするな。それでも男か?」
醍醐は目を閉じ「嘆かわしい」といいながら首を振った。
そしておもむろに、冬弥の方を見る。
「ついてこい」
冬弥の目に希望の光が浮かぶ。
「道を教えてくれるんですか!?」
しかしその答えは冬弥が期待したもののでは全く無かった。
「お前を鍛えなおしてやる」
「へっ?」
あまりのことに反応できない冬弥。
「我が全身全霊を持って、貴様を一端の男にしてみせよう」
「あの… 醍醐さん…?」
いまだに脳みそがおっつかない。
冬弥のそんな様子を見た、醍醐の目がクワッと見開かれた。
「違う! これから俺を呼ぶときは師匠と呼べ!」
果たして冬弥の願いを聞き届けたのは本当に天だったのだろうか?
【冬弥と醍醐の間に師弟関係成立】
水瀬名雪は、木の上にいた。
何故木の上にいるのか。
それは、人を捜すためであった。
「(祐一も香里も、みんなバラバラになっちゃったもんね。大丈夫かな…)」
祐一や美坂姉妹と一緒に参加したのだが、途中でみんなバラバラになってしまった。
そのため、名雪は鬼から身を隠すため、そして上から人を捜すために、(状況が状況だけに、
知り合いじゃなくても鬼以外なら行動を共にするつもりでいた)
森の中にある木の、地上3メートルほどの高さのところにある
太くてしっかりした枝の上に登ったのである。
葉もうまい具合に茂り、下からは見えにくく、上からは下が良く見えるという、いい場所である。
…もっとも、見つかったらとっさに逃げるのには向いてない場所ではあるが。
「(それにしても、いい天気だよ〜。葉っぱも意外と柔らかいし、こうして横になってると、
なんだか眠…く…なってき…)」
もともと、名雪はよく寝る人間である。
それに加えて、歩いて疲れていた体が、木の上という常識的に考えると危険な場所であるにも関わらず、
休息を取る準備を着々と始めていた。
よって、結論。
「…くー」
…こうなる。
まあ、枝は太くてしっかりしているから、よほど寝相が悪くなければ落ちはしないだろうが…。
【水瀬名雪、木の上で寝てしまう】
まぁ、この手のリレーSSでは、異なる作品間のカップリングというのが楽しみ方の定番であるわけだが。
「……(滂沱の涙)」
だが逆に、こんな状況でもなければ、主役を差し置いてヒロインとくっつくこともできない男などもいるわけだ。
「……(左手で小さくガッツポーズ)」
さっきから無言で鬱陶しいアクションを繰り返している男は七瀬彰。
本編では冬弥のために憎まれ役を買って、渇まで入れるナイスガイだが、ぶっちゃけて言えば振られた男。
だがしかし、ハカロワ、選択スレと、リレーSSにおいてナイスなポジションを手にし続けてきた彼は、ついに、本命ヒロインを相方とすることに成功した。
「……あの、七瀬君?」
不審な行動を取る彰に、控え目な声を投げかけたのは澤倉美咲。
言わずと知れた、彰の大本命である。
「大丈夫っ! 美咲さんは、僕が必ず守るからっ!」
そう、今まさに、彼は1人の騎士となったのだ。
「う、うん……」
そのテンションに、美咲はちょっとついていけない。
美咲にしてみれば、取って食われるわけじゃないし、最後まで残れるとも思えない。
早めに捕まった方が気楽なのだが、張り切る彰にそうは言えない。
それに1人で行動するよりは、顔見知りと一緒の方が心強い。
警戒の視線を左右に走らせながらエスコートする彰の後ろを、おずおずとついてゆく。
「ねぇ、七瀬君……これって、いつになったら終わるのかな?」
ふと、零れた美咲の一言。
「えっ? だから……最後の1人になるまででしょ?」
「ううん、そうじゃなくて……今日一日で、そこまで行くのかな……?」
と言われて、はたと気づく。
もしも最後の1人にならなかったら、日が暮れて、夜になって、んでもって、共に一夜を明かしたりもするわけか?
『美咲さんと2人で……』
『七瀬君と2人で……』
――一夜を過ごす!?
期せずして、同じ言葉が2人の脳裏に浮かび、互いに赤くなって、目があって、うつむいたりする。
思春期の小学生かおまいらは。
「あ、あはははは……」
なんか無意味に照れ笑いしてるし。
「だ、大丈夫っ! なんとかなるって! なんとかっ!」
「そっ、そうだよね……」
――なにが?
【彰&美咲 妙な意識をしつつ、一緒に放浪中】
>>346-347 書き手のつっこみが入る文章久々に見た。
グッジョブ。あんた文の才能あるよ。これからもがんがってくれ。
部屋の隅に置かれた冷蔵庫の中を見て、智子は溜息をついた。
「…あかんな。他には何もあれへん」
森を抜けてすぐの所に建っていた、小さな住居。
恐らく、森林管理員か何かの詰め所にする予定なのだろう。――無論、中は無人…
待ち伏せ等がいるかも知れないと危惧したのだが、初音が自信を持って人の気配が無い事を告げ、
三人は中へ入って家捜しを始めたのである。
何より――
「お腹減っちゃったよ〜」
…と、みさきが情けない声を上げ始めたし、実際智子も初音も、空腹を感じ始めていた。
家捜しの結果、出てきたのは――ビスケット三箱。1.5gペットボトルの紅茶一本。濃縮レモン汁。
新品の水鉄砲(外見は半透明の自動拳銃)。新品の紙コップが10個程。ズタ袋一つ。…以上。
「…食べ物はビスケットだけかいな」
「なんにも出て来ないよりかは、ましだよ」
「そうやな…」
苦笑しあう、智子と初音。
「ビスケットでもいいよ〜。早く食べたい〜」
みさきの訴えに反対する者は、一人もいなかった。
「千鶴お姉ちゃんの話だと、食べ物とか道具だとかが、色々な所に隠してあるんだって。
どこにどんな物が置かれているかは教えてくれなかったんだけど…」
「まぁ、そうやろな。そこ迄教えたら面白無いやろうし…」
「ぱくぱく♪ はむはむ♪ もぐもぐ♪」
「……よう食べるな、川名さん」
「うんっ。今はビスケットだけど、カレーだったら20杯はいけるよー♪」
「……健康で何よりやな…」
少し呆れつつ、智子は水鉄砲の中に濃縮レモン汁を、トクトクと注ぎ入れていた。
「? 智子さん、何してるの?」
「――ちょっとした武器作っとる」
栓を閉じ、引き金を引き絞る――ぴうぅっ!…と、意外に勢い良くレモン汁が発射口から放たれる。
「目に当てられたら流石にびっくりするやろ」
「うあ…、沁みそう〜…」
「でも、タバスコとかよりはマシかと思うわ。…ま、よっぽどの時にしか使う気ないけどな」
静かに言い、薄く微笑む智子。その不敵な横顔に、初音は思わず見惚れてしまった。
「食べた〜♪」
みさきが幸せそうな声をあげる。テーブルの上には、ビスケットの空箱が二つ。一箱が結構大きな物で、
智子と初音で箱の半分も食べれば良い具合にお腹が膨れる。…みさきはそれを、一箱半平らげたのだ。
「みさきお姉ちゃん…凄い!」
「ん〜、でも、まだちょっと足りないかなぁ〜…」
「最後の一箱は、あかんよ。念の為に取っとかんと。――というか、食い過ぎや川名さん。お茶でも飲んどき」
「うぅ〜、智ちゃん、雪ちゃんみたいだよー」
【智子・みさき・初音 森の傍にある建物の中で小休止】
【家捜しで手に入った道具 「ビスケットの大きな箱一つ」「1.5gPB紅茶一本(残り半分)」】
【 「新品紙コップ数個」 … それらを入れる「ズタ袋」】
【智子装備 濃縮レモン汁を詰めた水鉄砲】
「では早速・・・」
「まあ、待てって」
勇み足を踏み出すトウカを浩平が呼び止めた
「ここは手を組まないか?」
「なっ!・・・武士たるもの他人の手を借りる訳には・・・」
「あんたが武士ならなおさら俺と手を組むべきだろ」
「な、何故!」
浩平の言葉の意味が理解できずトウカは叫んだ
「考えてみろ、あんたは俺にタッチされ鬼になったんだぜ。つまりここを
戦場と例えたらあんたは俺に討ち取られた訳だ。本来なら死ぬ所を相手が
手を組まないかと頭を下げている。これを断るのが果たして正しい武士だろうか?」
「し、しかし某は討ち取られた訳ではない、それに貴公は頭をさげてないだろう」
もっともな意見であった・・・が
「じゃあ、戦場で卑怯な手段で討ち取られたらそれは卑怯だとあんたは抗議するのかい?」
理屈が通る相手ではなかった
「くっ・・・」
「その格好、さっきから出している殺気から判断してあんたは中々の手錬なのだろう?
それをを見込んでの頼みだ」
「・・・」
「頼む、手を貸してくれ」
「・・・」
「頼む」
「・・・・・・・・・何をすればいい」
長い沈黙の末、トウカは口を開いた
「その返事はOKととっていいんだな?」
「・・・ああ」
「よし、じゃあ今からやる事を説明するぞ」
【トウカ、浩平の口車に乗りまんまと騙される】
【浩平、トウカ移動開始】
めちゃめちゃ更新が早ですね。
誰か、まとめサイト作ってくれないかな…(他力本願スマソ)
確かに。しかし、4日でここまで軌道に乗るとは思わなかった。
ほんとに誰かまとめサイト作ってくれないかな?(同じく他力本願スマソ)
今作っている途中でつ
少々お待ちください
>355
マジでつか!?楽しみにしてます。
357 :
ごめん:03/03/21 01:21 ID:4+MeFa61
※ 音声放送でお送りしております。
「…………………………………………………………………………………………………………」
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「…………………………………………………………………………………………………………」
「…………………………………………………………………………………………………………」
「…………………………………………………………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………………はちみつくまさん」
「……………………………………………………………………………………………………はい」
【芹香&舞 行動を共に】
ん、七瀬は蝉丸に犯されたの?
長い無言の間にディープキスをかましていると妄想して激しく興奮
ぐわ、【七瀬留美:1】の間違いです
帰ってきて急いでやるとろくな事がない……
「……そんな所で何をしているのですか?」
頭上からの声に、穴の中の三人は同時に顔を上げた。
「落とし穴に落ちてしまったでゴザルよ…!」
「どうにもこうにも脱出は無理なんだな…!」
「助けて下さい、美しいおねえさま〜!!」
通り掛りに奇妙な気配を感じたかと思い、穴を覗けば、これである。縦長のと横長のと、そして一見普通の
女子高生が一人ずつ。
「…さて、どうした物かしら…」
カルラは少し憂鬱げに髪を撫で、呟いた。――彼女の鋭い勘が、ここ以外にもそこいら中に落とし穴が
掘られていると告げている。…手が込んでいると言うより――
「随分と…暇な酔狂者がいる様ですわね…」
呆れた様に小さく嘆息し、カルラは再び穴を見下ろす。
「少しばかり待っていて下さいな。今、縄の代わりになる物を探して来ますので」
捨て置くのも後味が悪いので、カルラの気紛れは穴の中の三人を助ける方へと転がった。
気紛れでも何でも、穴の中の三人にとっては正に神の救済に等しい事である。
「をををを〜っ!! 感謝するでゴザルよぉぉおおっ!!」
「た、助かるんだな! とってもとっても嬉しいんだなっ!!」
「ああんっ、おねえさまぁ〜っ! かおり何でもシちゃいますぅ〜♪」
…何と言うか、鬱陶しいくらいの熱気めいた何かが、穴の中から吹き上げて来た様な気がした。
「……助けない方がいいかしら…?」
ちょっとげんなりとしながら、カルラは縄として利用出来そうな物を探し始めた…
――程なくして戻って来たカルラは、蔓を幾重にも編んだ物を手にしていた。それを穴の中へと垂らし、
しっかりと握り締める。
「――さぁ、一人ずつ登っていらして」
カルラ自身の握力には問題無い。三人が同時にぶら下がっても、蔓を手放したりはしないだろう。
むしろ蔓の耐久性が問題で、一人ずつしか登れない。
その為、全員が穴から脱出するのに、随分と時間が掛かってしまった。
「助かったでゴザルよ…!」
「ほ、本当に、感謝の念が絶えないんだな…!」
縦横のオタコンビは、救出してくれたカルラに深々と礼を述べた。…が、かおりは、その何百倍以上も
情熱的であった。
「カルラおねえさまぁ〜♪ かおり、助けてくれたお礼に、もぉイロンナコトして差し上げちゃいますぅ〜!」
突進して抱きつくなり、カルラの豊かな胸に顔をぐりぐり擦り付ける。軽く退かそうとするも、意外にパワー
のあるかおりの腕に、微かに眉を動かすものの、更に力を込めてやんわりと体から離してやった。
「お気持ち――」
…は、嬉しいのですが――とは、流石に言うべきではないと判断したか、一瞬だけ言い澱むカルラ。
「――だけで結構ですわ、かおりさんとやら…。そちらのお二方も。…それでは失礼」
そして、颯爽と身を翻して助走もしないまま跳躍し、手近の木の枝を掴んでくるりと回転。枝の上へと
足を下ろす。
「…そうそう、ここら辺は落とし穴ばかりの様ですから、立ち去る際には充分にお気を付けて――」
その言葉を最後に、カルラは木々の枝から枝へと飛び移り、森の奥へと消えた…
「むう…、颯爽とした御仁でゴザルな。礼も求めずに行ってしまわれるとは…」
「す、素晴しいんだな。ちょっと惚れちゃいそうなんだな」
…実はカルラは、かおりのアツイ眼差がなんとなく危険な物に見えた為、早くこの場から離れたいと
思っていたりしたのだが――彼等にそれが解る筈も無い。
「カルラおねえさま…素敵っ♪ 何時の日か必ず、貴女の身も心もげっちゅーしてみせますぅっ!
でも今は梓先輩が何に於いても、最 優 先 !! ――梓せんぱぁぁぁ〜〜〜いっ!!!」
ずどどどどどど……!!―――と、かおりは森の中を疾走し、あっという間に見えなくなってしまった。
「………我々も行動を再開するでゴザルか…」
「………そ、そうするのがいいんだな」
【縦王子&横蔵院&かおり 通り掛ったカルラに落とし穴から救出して貰う】
【カルラ……かおりに気に入られてしまう…】
>>364 いや、毎回緻密な集計、凄いと思いますよ。
感謝しております。これからも宜しくお願いしますね!
>>307で集計してた者です。
間違いが多くて、どうもすみませんでした。
今日は暇だったので、集計してみましたが、とっても大変でした。
(もう一度、読み直したら花枝タソ抜けてました… ∧||∧ )
>>364さん
緻密な集計すばらしいです。
大変だと思いますが、これからも頑張ってください。
それでは、回線切ってROMに戻ります。
深い森の中をそれぞれ周りを警戒しながら進んでいた3人が
ほぼ同時に小さな空間になっているところに辿り着きその瞬間互いを認識した……
「「「――――!!!」」」
「って梓。鬼じゃ……ないな、あービックリした」
「耕一! あんたも鬼じゃないんだね。よかったー」
(えーとこの二人は知り合いって事は私って数合わせ?)
そして一人取り残されたもう一人は江藤結花である
篠塚弥生、石原麗子、深山雪見を期待した人いたら残念でした
「でさー、開始直後からかおりに追いかけられ続けて散々だったわけよ」
数分後、耕一と梓、それに二人とすっかり打ち解けた結花の三人は
その場で休憩することにし梓と結花それぞれのの手作り弁当を食べながらお喋りしていた
そして食事も終わって食休み中
「しっかし梓と結花ちゃんてホント似てるなぁ。料理はうまいし性格も」
「そうだねーあたしもビックリだよ」
「ただむn
「 耕 一 さ ん 何 か 言 っ た ? 」
「イエ、ナンデモナイデス……ところで梓、今何時だ?」
「え? ええと
「これぞまさに!! 8時ちょうどの梓2g
「 鉄 拳 制 裁 !!! 」
「 チ ェ イ サ ー !!! 」
勿論言い終える事も出来ぬまま梓の鉄拳と結花のハイキックを喰らった耕一は
薄れ逝く意識の中こんな事を考えていた
(やっぱり赤い3号V3はRoutesの湯浅皐月ちゃんなんだろうか……
あんたバカだし弐号機赤いし。あれ?V3なのに弐号機とはこれ如何に?)
それを言いだすと梓と結花の技と力も逆だと思うが
【耕一、梓、結花 森の中で休憩中】
【耕一 気絶】
…ああ、いい気持ちだ。
…これは膝枕だな。柏木の家で楓ちゃんや初音ちゃんにしてもらった。
…今は近くにいた結花ちゃんか梓ってとこか。
…どっちかなあ。ムフッ、ちょっと見てみるかな?
「よ、次郎衛門! 久しぶり」
男がいた。時が止まった。
…………
………
……
…
「きさまダリエリ!」
「おう、さすが我が宿敵、わかったあ?」
「何が『わかったあ?』だ! 貴様どうして…?」
「いや、俺ってレザム中央体育大学で鬼ごっこ専行してたジャン。だからさ、鬼ごっこやるって聞いてどうしてもやりたくなっちゃってサー」
「そんなことを聞いてるんじゃない! 方法を聞いてるんだ!」
「いやヨークに頼んだら、体つくってくれたぜ。鬼ごっこの間だけだけど」
…おい、山神様よ…
「じゃあ、どうやって参加したんだ!?」
「いやリズエルに頼んだらすぐに登録してくれたぜ」
…おい、千鶴さんよ…
「お前らだけ、体もって鬼ごっこに参加するなんでずるいじゃん」
「……」
「ここは本場の鬼ごっこって奴を見せてやらなくちゃって思ってな」
「………」
「…おーい、どこ行く。マイライヴァル?」
無言で去る耕一についていくダリエリ。
なんつーか、色々だいなしだった。
【耕一 梓と結花ほってかれた後、ダリエリと遭遇】
【ダリエリ 耕一とある意味運命の再開】
ダリエリ(・∀・)キター
鬼の襷を持ったまま、頭を抱えている男女が一組。
総合スレどころか関連スレも潰えそうな同棲主役コンビである。
颯爽と現れた千鶴にタッチされ、その彼女にもやはり放置プレイを食らい。
「「どうせいっちゅーねん」」
何とか気を取り直し、作戦会議に入る。
より多くの参加者を捕まえるために、これから二人は…
「二手に分かれよう」
「二人で協力しましょう」
――意見が分かれた。
「二人で一人を追っても効率が悪いだろう?それなら別々に行動したほうが」
「一人で追いかけても捕まえられなかったら意味ないじゃない。ここは人海戦術よ」
――典型的な平行線。
「・・・・・・・・む・・・・」
「・・・・・・・・むぅ〜」
どちらの案も一長一短。だからこそ、こういった話し合いというものは纏まらないものなのだが。
「・・・・まあ、もう夜だし、今は二人でいようか」
とりあえず妥協案を出す男。いつのまにか日は沈んでいる。
「そうね」
妥協案に従う女。この、互いの自己主張の少なさが莫迦ップルの秘訣か。
ともかく夜は二人で過ごすと決めた同棲コンビ。
――しかし、夜を越そうにも近くに建物らしい建物はない。
「もしかして、野宿?」
「そうだな・・・・嫌か?」
「ちょっと嫌、かな」
「じゃあ、もう少し歩こう。こんな森の中よりはいい場所が見つかるはずだ」
「ううん。大丈夫。まさきがいれば、どこでも平気」
「まなみ・・・・」
「・・・・」
「・・・・わかった。俺は見張っとくから、まなみは先に寝ておいてくれ」
「うん。・・・・ねえ、まさき」
「ん?」
「私が寝てる間に、どこかに行っちゃ嫌だよ」
「まさか。そんなことするわけないじゃないか」
「うん・・・・ごめんね。ちょっと不安になっただけ」
「わかってる」
「まさき・・・・」
「なに?」
「大好き(はぁと)」
「俺もだよ(はぁと)」
嗚呼――莫迦ップル。包丁投げつけてやりてぇ。
「おやすみなさぁい」
ぎゅっ――と、まなみは、まさきに抱き着いて眠る。それこそ逃げられないように。
(・・・・結局信用されてないんじゃないか?)
そんな疑問を抱きつつも、まさきは「いきなりBGMが変わってHに突入病」の発作が起こるわけでもなく、比較的まともに見張りとしての役割を果たそうとしている。
右見て、左見て、前見て後ろ見て…。異常無し。
「くー」
しかし、すぐ上から発せられる寝息には気付かない。
【まなみ&まさき 野宿開始】
【名雪 まさきたちの真上】
時間はちょっとさかのぼって、夕暮れ時。
長岡志保は島の東にある砂浜を歩いていた。
「ふふふ。勝負の秘訣は相手の裏をかくことよ。
おそらく、大多数の参加者が隠れる場所の多い森に入っているはずよね。
…まさか、こんなに見渡しがいい砂浜沿いをどうどうと歩いているとは誰も思わないでしょ」
志保は、もちろん勝つ気満々であった。
今のところ彼女の目論見どおり、この海岸を歩いていても誰一人見つからなかった。
そして、その途中で志保は海岸に流れ着いていたと思われるロープを拾っている。
長さにして約5メートル。志保はそれを輪にして肩に掛けながら、砂浜の探索を続けていた。
「他に何か落ちてないかしらね。この志保ちゃんアイは、何者も見逃さないわよ〜」
だが、役に立ちそうなものはこれといって見つからない。
「駄目ねぇ…そういえば、夜になるのもそう遅くないのよね。
…どこか休めるところ無いかな?」
…15分も歩いただろうか。
岩場が多くなってきた地点で、志保は洞窟を見つけた。
海風が気の遠くなるような時間をかけて作ったものだろうか?
入り口に寄ってみる。意外と奥の方まで続いているようだ。
中から人の気配や物音は聞こえない。
「…ん?」
入り口近くに、人が腰掛けられるのには丁度いい岩があった。
その上に、明らかに人工物が置いてあった。
それは、どう見ても…
「…懐中電灯?ははーん……」
懐中電灯が3本置いてあった。点検の結果、いずれもちゃんと灯りが点く。
ここで考えられるのは、主催者があらかじめ用意していたものだということだ。
誰かがこの洞窟を見つけることを予測し、危険が無いようにと灯りを用意してくれたのかもしれない。
こういう状況で、人の行動タイプは大体二通りに分かれる。
1つは、中に危険が(この場合、鬼の待ち伏せなど)あるかもと思い、立ち去るタイプ。
もう1つは、好奇心満々で中を探検しようとするタイプ。
「ふっふっふっ…志保ちゃんチェー――ック!!」
長岡志保は…
言うまでもなく、後者であった。
懐中電灯の一本を手に取ると、さっそく洞窟の中へと足を踏み入れていったのだった…。
【志保、海岸を探索中、洞窟を発見。中に入る。(ロープ&懐中電灯取得)】
勝手に島の東に海岸があるって設定作ってしまったけど、構わないですか?
一度、島のちゃんとした構造を決めておくべきですかね?
川、湖、森、町、小屋などがあるのは出てきたけど、それが島の『どの辺り』にあるかは
よく分かっていませんし。
それとも、各職人さんたちに適当に任せても大丈夫ですかね?
それと、島の地図ってアイテムとして出していいものでしょうか?
小屋とか大木の幹の中に島の地図が隔してある、という設定も面白いかなとは
思ったんですが。
漏れはアリだと思う。ハカロワもたしかそんな感じだったし。
>>378 とりあえずは職人さんに任せていいんじゃないでしょうか?
まだ、ほとんど森の中ですし。
もう少し、キャラが出揃ってからでも遅くは無いでしょう。
ある程度地形はぼかした方が、適当に話を進められていいような気がしないでもない。
設定は決めれば決めるほど、話に制約をつけるだけだし。
それ故の醍醐味というのはもちろんあるが、軽いノリのこの話にはあまり必要ないのでは。
むぅ、議論スレが欲しいところだなw
ところで時間経過、どうしようね。
辻褄合わせが面倒だから、”今から夜!”と宣言して、それ以降は夜を舞台にした話、みたいに切り替えた方が楽だと思うのだが。
このタイミングは協議の上で。あるいは現実時間の一日が六時間、とかぐらいで。
というのはどうだろうか?
地図は出すにしてもあまり精密なものでなく、ただ単に大雑把に地形を記したぐらいものがいいと思う。
それと議論スレ(感想スレも兼ねるかな?)だけど立ててもいいんじゃない?
この勢いならしばらくは寂れることも無いだろうし、寂れたら寂れたでそれで落ちたら本スレと統合すればいいだけのこと。
少なくとも議論で投稿の邪魔をするべきではないだろうと思う。
正直感想スレ立てるよりは学園みたく外部に掲示板作った方がいいと思います
一書き手としては鬼ごっこは議論するより話を進めたい
前の話との整合を考えつつ脳内保管で充分
下手に説明の文入れるよりも勢いを続けたいので
(七瀬(留)を誰が捕まえたとか綾香と楓がなんで初対面ぽいのかとか)
>>329-331の祐一の暗視スコープ使用周りの発言と
>>369-370のちょうど8時から
今の話って既に夜になってると認識してたんだけど
ついでで今まで影も形も無いけどアビス、同棲キャラと比べりゃ出てておかしくないキャラ一覧
fils:ティリア・フレイ、サラ・フリート、エリア・ノース、デューク・ボルト、インディ、フィーユ
痕:相田響子、小出由美子、阿部貴之
TH:神岸あかり、宮内レミィ、姫川琴音、雛山理緒、佐藤雅史
WA:観月マナ、篠塚弥生
こみパ:高瀬瑞希、牧村南、猪名川由宇、長谷部彩、塚本千紗
御影すばる、立川郁未、九品仏大志、立川雄三、澤田真紀子、風見鈴香、金森弥太郎
NW:城戸芳晴、コリン、エビル、アレイ、たま、フランソワーズ、メイフィア・ピクチャー、イビル、ルミラ・ディ・デュラル、ユンナ
まじアン:高倉みどり、牧部なつみ
誰彼:桑島高子、石原麗子、杜若きよみ、きよみ
うたわれ:ハクオロ、エルルゥ、アルルゥ、ユズハ、ベナウィ、クロウ、デリホウライ、ヌワンギ
Routes:立田七海、梶原夕菜、エディ、高井鈴美、伊藤
MOON.:名倉友里、鹿沼葉子
ONE:里村茜、上月澪、椎名繭、柚木詩子、氷上シュン
Kanon:倉田佐祐理、水瀬秋子、久瀬
AIR:遠野美凪、みちる、橘敬介
げ、あかり消すの忘れてた
ミス続きすぎなので逝ってきます
Λ‖Λ
「ショップ屋?」
「そうよ。ラーメンから兵器まで、無い物以外は取りそろえてるわ♪」
「……それは当たり前だけど……」
森の中の少し開けた草むら。そこ小さな明かりを発見した香里は、何か栞の手がかりが無いかと思い調べてみることにした。
しかしそこで出会ったのは栞ではなく、屋台を引くショップ屋ねーちゃん。
御堂と同じような説明を聞き終え、香里が第一声に発したのは……
「武器よ、武器。なんかいい武器は無い? あの小娘を奈落の底へ突き落とすような、強力無比なリーサル・ウェポン」
「武器……ね。ちょっと待って。ええと……あなたに向いてそうなのは……。ああ、こんなのはどうかしら?」
言いながらねーちゃんが取り出したのは、鉄の輪が大量にくくりつけられた手形の……
「……メリケンサック?」
「そうよ。これをつけて憎いあんちくしょうの横っ面ぶん殴れば、非力な女の子でも一発KO♪ 今なら安くしとくわ」
「……タッチすれば終わりの鬼ごっこで殴打武器が何の意味を成すって言うのよ……」
普段通りの冷静なツッコミ。しかしねーちゃんは悪びれもせず
「まあそれもそうね、冗談よ。あなただから見せてみただけ。そうね……あと、あなたに使えそうなのって言ったら……」
「火炎放射器?」
香里が渡されたのは、タンクがついた寸胴の……一見、火炎放射器に似た両手持ちの銃だった。
「まあ見た目は似てるけどね。放射するものは違うわよ」
「……試し撃ち、していい?」
腕の中で銃を転がし、調べながら一言。
「ええどうぞどうぞ。試射はタダよ。あ、射程は10Mちょっとだから」
「十分ね」
チャキッと安全装置を外すと、ニヤリと唇を歪め、香里は近くの草むらへと照準を合わせた。
「…………びくっ!?」
一瞬、薮が揺れたようにも見えるが、気にしない。
「………汚物は消毒よ!」
ブッシャァァァァァァァァァァァァ!!!!!
引き金を引くと同時に、銃口から真っ赤な霧が放射状に放たれた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…………………!!! あああああ!!!!!!」
次の瞬間、薮の中から苦しげなうめき声が漏れ、まさしく七転八倒にのたうち回りながら一人の少女が転がり出てきた。
「唐辛子噴霧器。今なら安くしとくわよ」
「……いいわねコレ、気に入ったわ」
「ゲホガハゴホゲヘッ! ガッ、ガッ、が……の、喉がっ! 喉がっ!」
後ろで悶え苦しむ少女を無視し、女2人は商談を進める。
「おいくら?」
「税込みで4万円でどう?」
「……4万か……」
「目、目が見えないっ! 目、めがっ! めがっ! 祐君! ゆうくん助けて! たすげ……ごはっ! 喉が! 目が!」
財布を覗き込みながら……
「今2万と5千円しかないの……もうちょっと勉強出来ないかしら?」
「ん〜……2万5千か……。あ、そうだ。ならその後ろに転がってるのを捕まえなさい。さっきも言ったけど、鬼は捕まえた参加者一匹につき一万円に換金可能よ。
あなたの手持ちと合わせて3万5000円。それで手を打ちましょ」
「OK、了解よ。商談成立ね」
言うと香里はやおら悶える新城沙織の頭をグリッと靴底で踏みつけ、その体の上にたすきを放り投げた。
「あぐっ、がは……ぐふぅっ……!?」
すでにさおりんは言葉を発することのできる状態ではない。
「それじゃあ、これを一匹換金して、それと……これで、この唐辛子噴霧器、買ったわ」
財布から取り出した諭吉券2枚と漱石券を5枚、ねーちゃんに渡す。
「ひい、ふう、み……ん、確かに。まいどあり〜♪ 今ならサービスでガスマスクも付けとくわ。これでイ●クの大量破壊兵器も怖くない、ってね」
「…………ありがとう」
既に受け取っていた噴霧器に加え、ガスマスクを装着し……香里の背中は、夜の森へと消えていった。
「さて……と……」
一仕事終えたねーちゃんは、未だ足下で悶えている沙織の隣にかがんだ。
「目が……喉が……。誰か……だれ……か……。お水……水……ちょう、だい」
「いらっしゃい。こちらショップ屋、出張屋台バージョンよ。水がご入り用? 今なら安くしとくわよ」
商売人は、どこまで行っても商売人であった。
【新城沙織 鬼になる。現在唐辛子の霧をもろに浴びてすごい状態】
【美坂香里 唐辛子噴霧器とガスマスクを購入。沙織を捕まえるもすぐに換金。残金無し】
「――おお、そこに居るのは、まいしすたー瑞希ではないか」
「ん…? あ、大志じゃない」
振り向いた高瀬瑞希の目に、巨木にもたれかかった九品仏大志が映った。
「しかしあれよね。この年になって鬼ごっこなんかやる事になるなんて。――ま、良い運動にはなるかも知れないけど」
瑞希は肩を竦めて苦笑を浮かべながら、辺りを見回した。
「しかし、馬鹿みたいに広い島ね。鶴来屋さんのリゾート予定地らしいけど、住んでる人とかいないのかしら…?」
「さあな。――ときにまいしすたー」
大志が、ゆったりとした動きで身体を起こす。
「――誰かと会わなかったかね?」
「…え? いや、まだ誰とも会わなかったわよ?」
「そうか……それは残念」
大志がやや顔を俯かせ、呟いた。
「………?」
――と、何故か険しい目付きでこちらを睨んで来る瑞希に気が付き、大志は怪訝そうに眉を動かした。
「…何ゆえに、そんな険のある眼差を向けて来るのだ、まいしすたー瑞希?」
「何となくよ。妙な物でもブッ放して来るんじゃないかと思ってね」
「はっはっはっはっは、また妙ちくりんな事を。我輩はまだ鬼ではない。
大体、まいしすたー瑞希ともあろう者に、問答無用で攻撃を加える事など有り得んだろう」
「――どうかしらね」
「…随分な言われ様であるな。
ふむ…?――そうか、近頃迄は同志和樹も創作活動で多忙であったからな。
やっと出来た余暇を利用して鶴来屋リゾートアイランド無料ツアーに誘ったは良いが、
いきなり鬼ごっこなどをやらされる事になってしまった挙句、スタート早々逸れてしまい、
これ迄溜まって来た若々しい肉体的欲求不満もあいまって感情がささくれ立っているのであろう!?
違うかまいしすたー瑞k――」
かおりん、ハカロワのマーダー並に怖い…(((( ;゚д゚))))ガクガクブルブル
「……一緒に和樹を探して貰うわよ」
静かな声で口にする瑞希の手にずるずると引き摺られているのは、ぼっこぼこに畳まれた大志。
顔が無惨な迄に腫れ上がっているのに、何故かあの例の眼鏡だけはしっかりと無事であったりする。
「――まぁ、口は災いの元と古来より言われている事であるから、この程度の報いは甘受するが」
「解ってんだったら止めなさいよ…」
「今は手元に無くて幸いしたが、我輩の尻にバット等を捻じ込むのだけは勘弁して貰おう、まいしすたー瑞希」
「…黙れ」
【高瀬瑞希 九品仏大志 森にて合流】
【大志 軽傷(笑)】
「あ、アルちゃんにユズっちだ。お〜い」
のそりと動く獣とその背に乗った2人の少女に上空から声がかかる
「アルちゃん、この声……」
「ん、カミュち〜」
「よかった〜、姉様とはぐれちゃったからどうしようかと思ったよ〜」
だがしかし友達との再会を祝うまもなく近くから悪物笑いが起こる
「フフフフフ……」
「そこの黒羽のオンカミの娘、カミュ殿とお見受けするが?」
「う、うん。そうだけど……」
すぐ近くの茂みから出てきたのは鬼の襷をつけた神奈であった
「余の名は神奈。
そなた自身には特に恨みは無いがそなたの同朋ディー殿に結局タッチされた屈辱をはらすため
そして鬼としての責務を果たす為そなたらをタッチさせて貰う」
「あわわわわ……」
「アルちゃん……カミュち〜……」
一瞬の沈黙の後最初に行動したのはアルルゥであった
「カミュち〜、ユズっち、ガチャタラ、捕まる。ムックル!!!」
「ヴォフッ」
森の主と呼ばれるその獣は3人と小動物一匹をその背乗せてるとは思えない程のスピードで駆け出した
「む、待つのじゃ〜」
対する神奈もその自慢の翼で対抗する
【アルルゥ、カミュ、ユズハ、ムックル、ガチャタラ 逃走】
【神奈 追跡】
御堂は、狙いをつけている。つい先ほど、獲物を発見した。中肉中背の少年だった。
(…やれる)
迷わず、引き金を引いた。しかし、その瞬間その少年はくるりと振り返って驚異的な跳躍力でそれをかわす。
(何っ!)
「危ないね。しかし、始めて鬼にあったけど…ずいぶん面白い物を持ってるね」
木にへばりついたとりもちを見ながら少年は呟く。
「ケッ、貴様も普通じゃない人間のクチか」
「出会い頭、ずいぶん失礼なことを言うね。そういう貴方もそうなんじゃないのかな?」
御堂は、何も答えず横っ飛びに跳躍しながら、引き金を弾く。
「物騒だね!」
その少年は、人間離れした動きで木の後ろに隠れる。
(さすがに銃弾ほどの弾速は無いようだね。まぁ、発射するものがするものだし)
(チッ、あのガキ…一筋縄じゃないかねぇな)
両者が、一瞬の間に考えをめぐらせ、動き出す。今度は、かなり強く地面をけって一気に少年のサイドに回りこみ引き金を引…こうとした。
「!」
その瞬間、御堂と少年の間に、木が倒れてきた。何もしていないのに、急にだ。
「さよならおじさん。残念ながらまだ捕まるわけに行かなくて」
そう言って、少年は木の向こう側から手を振り、一気に駆け出した。
「逃がすか!」
御堂も、強化兵としての身体能力をフルに発揮し、地面を思いっきり蹴り、木を飛び越え少年を追いかける。
【御堂 追いかけっこ開始。ショップで何を買ったかは後の人にお任せ】
【少年 追いかけっこ開始】
「まったく…詩子は何処へ行ってしまったのでしょうか…」
鬱蒼とした森の中をとぼとぼと歩きながら、里村茜は一人ごちた。
「なぜここに来てまで鬼ごっこをしなければならないのでしょうか…」
元はといえば、詩子が“鶴来屋リゾートアイランド無料ツアー”と書かれたチラシを学校に持って来た
ことから始まった。ノリの良い浩平はもとより、瑞佳や七瀬、住井まで次々と名乗りをあげ、あっとい
う間に決まってしまったのだった。茜自身は最初から乗り気ではなかったのだが、当地限定の特製ワッ
フル食べ放題に心を惹かれ、即座に参加したのだった。
しかし、ホールに集められるなり鬼ごっこをする羽目になって早数時間。茜はヘトヘトに疲れていた。
元より体力に自信の無い茜にとって、このゲームは過酷だった。詩子とは「一緒に行きましょう」なん
て言ってていたにもかかわらず途中で逸れてしまい、茜としては、早く鬼に捕まりたかったのだった。
…ガサガサッ…
と、前方の草むらが盛大に動いた。
「誰…ですか?」
と言うや否や、大粒の涙を浮べた澪が草むらから飛び出し、走り寄ってきた。
『先輩なの!』
と書かれたスケブを見せながら、突然澪は茜の3メートル程手前で止まった。
「?どうしたんですか?」
茜は訊ねた。すると、見るからに恐る恐る、という感じでスケブを見せてくる。
『……ナイフは無いの?』
「…そんなものは持っていません」
『…ほんとなの?』
「本当です」
茜は両手を上下に振った。すると満面の笑みで茜に抱きついてきた。
『会えて嬉しいの』
「それよりどうしたんですか?こんなになって…」
『その……雪見先輩が、いきなり襲ってきたの』(えぐえぐ)
「雪見先輩?もしかして演劇部の人ですか」
『そうなの。部長さんなの』
すると、少し離れた森のほうで、何かを叫ぶ声がした。
「澪ちゃ〜ん!何処にいるの〜!?逃げても無駄よぉ〜〜!!」
「…そういうことですか」
『そうなの…』(えぐえぐ)
「それでは、私と一緒に逃げますか?」
『いいの?』
「はい。結構です」
澪はうんっ、と大きくかぶりをふった。
【茜 澪と行動開始】
【雪見 澪を求めて行動中】
「参ったぁっ!俺は参ったぁっ!何故ならいきなりょぅι゛ょに抱きつかれてしまったからだぁっ!」
「みゅーっ!みゅーっ!」
「なんか泣いてるしっ!どうすりゃいいんだ、俺はっ!こうやって猿のように引き剥がしにかかるしかないだろうっ!」
「みゅーっ!」
「だーっ!俺じゃないぃっ!俺が泣かしたんじゃないぞぉっ!」
「みゅーっ!」
「おい!こら!そこのょぅι゛ょ!」
「みゅーっ!」
「ええぃ泣くなっ!喚くなっ!これでは鬼にばれてしまうではないかぁっ!」
「みゅーっ!」
「ぐぁぁぁぁぁぁっ!髪を引っ張るなぁっ!」
「みゅぅぅぅぅぅぅっ!」
【繭 暗闇が怖くて大泣き】
【高槻 しがみ付かれる】
>>396 雪見部長が演劇部スレ仕様だ(w
となると、かなりの極悪n……
----ゴスッ!ゴスッ!ゴスッ!!
「一番使える物を」
「高いわよ?」
ショップ屋の次なる客はごく普通の高校生に見えた。
しかしショップ屋ねーちゃんはその少年から敏感に金の匂いを感じ取る。
「いくら?」
「200万」
本当は百万まで下げてもよい。
しかしこのバイトを引き受けた時の条件『売上は自分のもの』。
できるだけ高く売りたい。
先程は唐辛子噴射機も実は、三万円までなら売るつもりだった。
…さあどう来る?
僅かに身構えるショップ屋ねーちゃん。
「小切手でいい?」
「え?」
しかし意図に反し、あっさり少年は小切手に0を六つ書きこんだ。
ショップ屋ねーちゃんもさすがに呆然としたが、そこは歴戦の商売人。
すぐに気を取りなおし、商品を取りだし説明をはじめる。
それはドラ○ンレーダーのようなものだ。
「これは鬼とまだ捕まってない参加者に反応する探知機よ。中央が自分、赤い点が鬼、白い点がまだ捕まってない参加者。
鬼になってからも使える、最高のアイテムよ」
「確かに使えるな。欠点は?」
「ずばり雨に弱い。雨のときは全く使えないと言ってもいいわね。
あとは、電池がそんなに長くは持たないってことね。普段は電源落してて、ここぞと言うときに使った方がいいわよ」
「たく、ふっかけといてそれか…」
「……わかってた?」
「そりゃね…、…まあいいやもらってくよ」
小切手をおいて少年は去って行った。
【那須宗一 探知機入手、そのブルジョワ具合を見せ付ける】
鬼の襷が鬼の褌に見rgんjfど;あrんlg
優勝候補の一角、ハクオロは途方にくれていた。
(ここがこの島で一番高い所か…エルルゥとアルルゥはどこへいったんだ?もう日も暮れた。暗くてよくわからぬかな)
「一番星。見つけましたか?」
「うん?」
「美凪ーっ。そんなあからさまに怪しい仮面の男に声をかけたらダメ。そいつ変態鬼だ!」
「…鬼さん?」
「いや、こんな仮面を被っているが鬼ごっこの鬼ではないな」
「…では、天体観測のお仲間ですね」
「人探しだ。ひとりは長い黒髪の若い娘、もうひとりは女の子でな…」
「わたしとちるちるですね。見つけられてしまいました」
「新手のナンパのつもりか、コンチクショーウ!!」
「いや、いいかたが悪かった。耳がこう垂れていて、しっぽがあってだな」
「…残念ながら、該当する人物を検索できませんでした。みちるは?」
「知るもんか」
「そうか…、もう完全に暗くなった。ここからでもわからないな。仕方ない、地道に探そう。世話になったな、そこの二人」
そう言って森のほうへ降りていこうとするハクオロ。しかし…
「…待ってください」
「どうした」
「ひとりよりふたり。ふたりより三人で探すほうが、きっと早いです…」
「いいのか?そりゃ助かるが」
「美凪ーっ、おにごっこはどうなるのだーーっ」
「人探ししながら逃げま賞、進呈します。お名前、聞かせてもらえますか?」
「私の名前はハクオロ。書状、ありがたく受け取っておくよ」
「これはお米券です。…わたしは遠野美凪。みちる、ご挨拶なさい」
「あっかんべろべろべーーっ」
【ハクオロ エルルゥとアルルゥを探しに森へ】
【遠野美凪とみちる ハクオロといっしょに二人を探す】
夜である。
いつのまにやら夜である。
夜といえば、星やら獣やら幽霊やらの時間であり、人間共はこそこそ家の中にすっこんでろい、という時間である。
そしてすっこんだ人間たちにとっての夜とは、睡眠に当てられる時間であり、同時に男と女の時間でもあるわけだ。
奇しくも昼間、河島はるかが通過した小屋。そこに七瀬彰と澤倉美咲は身を潜めていた。
目立つから灯りをつけるわけにはいかない。ただ星と月とが僅かな光を差し込んでくる、そんな静かな闇の中で。
二人は言葉少なに、パンとジュースの食事をとっていた。
「やっぱり……こんな食事じゃ、ちょっと味気ないよね」
「そ、そんなことないよっ。いやぁ、このパンなんか、高級ホテルで売ってるだけあって風味が段違いだねっ」
「その……それ、この前コンビニでも売っていたけど……」
気まずい沈黙はさておき。
こんなこともあろうかと、と、ホテルで千鶴が動く一時間の猶予の間に、美咲が売店で仕入れた食料である。
さすが細かいところに気がつく、理想のお姉さん澤倉美咲。
缶詰だけ持ってきて缶切りを持ってこないのび太以下の、なにも準備していない彰とは大違いだ。
ホテルだけあって割増料金だったが、とりあえず2人の飢えと乾きを満たすには十分であった。
さて食事も一通り終わり。あとは何をするかといえば、テレビもないこの小屋でできることなどたかが知れている。
狭い小屋だが、寝室らしきものはあった。そしてそこにはベットが一つ。
そう、一つしかないのだ。
ベッドを前に、黙り込んでしまう2人。
眠るか寝るか。似て非なるこの言葉が彰の脳裏を駆けめぐる。
これはチャンスだ。天が与えた配剤だ。今を逃したら一生巡ってこない最後の機会かもしれない。
鬼ごっこの最中に愛の告白などと、歴史上類をみない快挙だろうが、状況が状況だけに仕方ない。
七瀬彰よ、今こそ(いろんな意味で)男になってしまえと、脳内天使と悪魔が喧嘩もせずにGOサインを下す。
猫も杓子も読者も筆者も、早くも18禁解禁かと期待しているに違いない。
「にゃあ……」
そう、猫も。む?
「え?」
「な、なにっ!?」
鳴き声に驚いた美咲が、彰の後ろにすがるように隠れる。
「だ、大丈夫。ただの猫だよ……」
犬ならともかく、猫には結構人間強気になれるものだ。
邪魔すんな、三味線にしたるぞゴルァ(゚д゚) と視線に恨みを込めて、ベッドの隙間を覗き込んだ彰の耳に、
「すう……」
と、穏やかな寝息が届いた。
「はい?」
ベッドと壁の隙間に挟まるようにして――おそらくは転がり落ちたのだろう――小さな女の子が眠っていた。
その胸にはしっかりと、小型の三毛猫が抱かれている。
「……女の、子?」
「え?」
「うにゃあお」
「ん……どしたの、太助……」
かくして。様々な思惑と期待は、1人の少女と1匹の猫の前に敗れ去った。
少女の名はさおり。性は不明。東鳩PS版に出てきた、新城沙織によく似た少女というか、幼女である。
鬼ごっこ大会と言うだけでうっかり参加したはいいものの、まさかこんな危険なものだとは夢にも思わなかったのだろう。
暗闇に怯えてむずかるさおりを、美咲が抱いて宥めて添い寝することになり、
「それじゃ、僕は居間の方で見張りしているから……」
と、彰は撤退を余儀なくされた。
「あの、無理しないで、彰君もゆっくり休んで」
と美咲は言ってくれたが、ゆっくり休むどころの精神状態ではなかった。
もはや天を呪い、地を呪いながら、抱え込んだ膝を涙で濡らす夜を過ごすしかないだろう。
そう、世の中そんなに上手くいくわけはないのだ。
不吉なことに、彰スレも今朝落ちたし。
【七瀬彰&澤倉美咲 さおり&太助を保護? 小屋で一夜を明かす予定】
【ついでに彰、睡眠不足】
誰も居ない建物の中。そこには、静寂たる闇が満ちていた…
「……逃げ切れたかな…?」
「多分ね…」
「………ったく、だから言ったのよ。あんな所に居たらやばいって…」
「しつこいわね、あんたも…! 巧く撒けたんだから、もういいじゃないっ…!」
「ねえねえ、二人ともぉ〜」
「「何よ…!?」」
「――んばぁ♪」
闇の中にいきなり浮かび上がったのは、ライトアップされた女の顔。
「「○△◇@☆□▽――――――――――――――――っっっっっっ!!!!!???!?」」
「…ううぅ〜……痛いよぉ〜…。本気で殴ったぁ〜…」
「当たり前でしょ…!? 仲間を驚かせてどーすんのよっ!」
頭にでっかいタンコブをこさえた松本が、涙目で殴られた箇所を撫でていた。それをプンスカと叱るのは、岡田である。
「…この懐中電灯、どこで見つけたの?」
松本が発見した懐中電灯は、今は吉井の手の中にあった。
「え〜っとねぇ、隣の部屋に置いてあったよー?」
「でかした、松本! 流石はこの岡田軍団の右大臣!」
「〜♪」
褒められたと思い、先程脳天に食らった岡田の鉄拳の事など忘れて、にへら〜っと微笑む松本。
「…(小さな溜息) ――で、他には何か無かった?」
「え〜? 解んないよ。暗かったし」
「何の為に懐中電灯を見つけたんだか…」
…多分、懐中電灯を見つけた時、先程の様にこっちを驚かせる事が真っ先に思い浮かんだのだろう。
出たての芸人かいこいつわ……と、吉井はへらへら微笑む松本を見やり、また溜息をついた。
「よし。じゃ、千鶴さんも撒けたし、何か使えそうな道具とか探してみましょっか」
「隠れてるんじゃないの? さっきは下手に動く方が危ないって」
何やら意気込んでいる様子の岡田を見て吉井が小首を傾げるが、岡田はふんぞり返ってきっぱりと答えた。
「ものの見事に気が変わったのよ」
「行き当たりばったり…」
先刻隠れていた建物には稼動している自販機があったのだが、今、岡田達の居る建物には、
電気は通っていない様だった。壁にあるスイッチを入れても、電灯が灯る気配は無い。
「真っ暗だねぇ〜。怖いよー、ドキドキ♪」
「全く怖そうに見えないわよ、松本」
「ちゃんと捜しなさいよ…、岡田も松本も」
「だって、懐中電灯持ってるの、吉井じゃない」
「いえぇ〜いっ、がんばれよっしー♪」
「あーもぉ、はいはい…」
三人は部屋から部屋へ渡り歩き、家捜しを行っていた。
実際に捜索しているのは懐中電灯を持っている吉井一人だけだったが…
「んー………何にもないわねー…」
「食べ物とか出て来ないかなぁ〜…(ぐぅ〜…」
「そーいえば、お腹空いて来たわね…」
カタン……――――
何かの音。――その音に、三人は身を強張らせる。
吉井が、音のした方へ――部屋の出入り口の方に懐中電灯を向けた。
「………だ……誰…?」
「あ…、えっと、僕だよ」
ひょっこり姿を現したのは、柔和な顔立ちに微苦笑を浮かべた、佐藤雅史だった。
「ああ〜っ、佐藤君たぁ〜♪」
抱き着かんばかりに喜んだのは、天然娘の松本である。
「皆、元気そうだね」
「佐藤君……、その……藤田君は…?」
「ん? 浩之なら、スタートの時に逸れたマルチを捜しに行っちゃったよ」
その返答に、吉井が残念そうに嘆息した。
「ふーん…。――で? その手に持ってる袋は何?」
――と、目敏い岡田が雅史の持っている袋を見やり、指差す。
「ん? これ? 食べ物だよ。缶ジュースに菓子パン。
早く食べちゃった方が良いと思って、置いてあったのを全部持って来ちゃったんだけど…」
言ってから雅史は、夢見る乙女の様なキラキラした眼差で跪きながら見上げて来る三人娘に気が付いた。
「…あー、…えーっと、――お腹空いてる?」
頷かない娘は、一人も居なかった。
【岡田・吉井・松本 街の建物の中で佐藤雅史と出会う】
【吉井 懐中電灯装備】
【雅史 懐中電灯装備 食べ物は三人娘と分け合い、無くなる】
「……開いてる?」
「ん、いらっしゃ……ってああ、オーナー。毎度おおきに」
ねーちゃんが仕込みの準備をしているところに、暖簾を開けて入ってきたのは……今回のゲームの主催者、柏木千鶴その人。
「ふぅ……どっこい、しょっと」
年相応の年寄り臭いかけ声と共に屋台の小さな席に腰掛ける。客は彼女一人だけ、貸し切りだ。
「調子はどう? 順調?」
手を休めることなく、千鶴の相手をする。
「まぁ……ぼちぼち、ってとこかしら。それなりに鬼も増えてきたし」
「今の鬼は……19人、と。そのうち7人がオーナー。さすがねぇ」
「ま……ちょっと疲れちゃったから、ね。この辺りで少し休憩というわけよ」
「じゃ、これをどうぞ」
コトリ、とねーちゃんは千鶴の目の前に湯気の立つおでんを置いた。
「え? まだ……」
注文をしていない……と続く千鶴の言葉を遮って、ねーちゃん
「サービスよ。サービス。オーナーにはいつもお世話になってるから」
「そう……ありがとう……」
千鶴は少し影のある笑みを浮かべると、さらに注文する。
「じゃ……あと熱いのを一本、つけてもらえるかしら?」
「はい、熱燗一本ね。……これは金取るからね」
「はいはい、わかってますよ」
フフフ……と年増の2人が、微笑み会う。
「ところでショップ屋さん?」
燗を3本ほど空け、ほんのりと頬を桜色に上気させた千鶴さんが呟いた。
「ん? どしたの?」
付き合いで徳利半分ほどの酒を空けたねーちゃんが、それに答える。
「あの参加者の子……那須宗一君、だったかしら?」
「ああ、あの金持ちのボンボン」
「……あの子に売った探知機……正直、あの手のゲームバランスを崩しかねない商品はあまり扱ってほしくはないんだけど……」
「あれか……あれはまぁ……こっちがちょっと注意不足だったかもしれないわね」
「?」
「まさかひょいと二百万も出すとは思わなかったからねぇ。もうちょっと機能を絞った商品出しとけばよかったわ」
「それもそう……ね。まさか誰も二百万をぽんと出すとは予想がつかない……か」
「ま、これからはもうちょっと注意してやるから。勘弁してほしいわね」
「あんまり気にしなくてください。私の見通しの甘さもありましたし」
「それじゃ、そういうことで」
「そうね」
「ああ、あと……」
一層頬を紅く染めた千鶴さんが、やや座り気味の目つきでもう一つ疑問を、ねーちゃんにぶつけた。
「なに?」
「私……あなたに参加者たちへの食糧供給用に……確かに屋台の出動を要請したけど、まさかこれ一台だけ?」
「んなわけないでしょ。……今頃は……」
「はい、みんな準備はいい?」
島の海岸。そこで怪しげな一団を前にして命令を飛ばす女性の姿があった。
「私たちの仕事は、この三つの屋台を手分けして引いて、参加者たちに食料の供給・販売をすること! 細かいルールは各屋台の裏側に張り紙にまとめて書いてあるわ!」
女性の名はルミラ・ディ・デュラル。かつて名門と歌われたデュラル家の当主である。
「はい質問」
そのルミラに向かい、メイフィア・ピクチャーが気怠そうに手を挙げて質問を投げかけた。
「なに?」
「……仕事を受けてからこんなことを言うのもなんだけど、この仕事、給料いくらなの?」
そうだ、それが一番重要だ、と他の一同も頷く。
「完全歩合制よ。売れば売るほど給料が出る上、働き如何によっては特別出血ボーナスが出るそうよ」
歩合制! ボーナス!
その言葉を聞いた瞬間、一同の目がキュピーン! と光る。
「それじゃそろそろ出発するわ! くれぐれも金を落としたり使い込んだりましてや屋台を破壊したりするのはぜっっっっっっっったいしないこと! わかったわね!」
「「おう!」」
……返事だけはよかった。
「それじゃ出張ショップ屋屋台バージョン支店「デュラル軒」(長い名前ね)……一号車から三号車、出撃ッッッッッ!!!!」
【柏木千鶴 出張ショップ屋本店で食事中。ほろ酔い加減】
【デュラル家ご一行様 商売開始(屋台は三つ)】
「……ねぇ…ココ、何処よ?」
「あ?んな事、知らねぇっつーの」
「どうやら…森のようですね…」
赤、青、黄の髪色の女性三人は周りを見渡しながら呆然としていた。
その三名の名はティリア・フレイ、サラ・フリート、エリア・ノース。
「…で、何かガディムっぽい気配はある?無いよね?無いよね?」
何故か涙を流しながらティリアは他の二人に必死に話し掛ける。
「……どうみても、ただの森だな…」
「しかし、邪気の反応があったから異世界のこの地に来たわけですし…」
「でも、ガディムじゃないなら私達に関係ないんだし…」
「……そうだな、帰ろうぜ…」
「う゛…私も…今回は転送先を間違えただけのような気に…」
三人共、元の世界へ帰ろうと思い、エリアは転送魔法『シュイン』を使おうと魔力を溜める…が、魔力は一向に溜まらなかった。
「あ、あれ?…どうしたんでしょう」
「ちょっとエリア…ふざけてないで、ちゃんとやってよ」
「あぁ、どうでも良いから早く帰りてぇ…」
文句(?)を言われ、もう一度……が、結果は同じ。
「…だ、駄目です!!誰かがこの世界の魔法理論で結界を張っているみたいで…私達の世界の魔法は使えません…」
「だ、誰よそんな事したの!!私は勇者なのよ!!光の勇者なのよ!!偉いのよ!!」
「あぁ、どうすればいいんだ…」
錯乱する光の勇者と、落ち込む大盗賊。
「とにかく、結界を張っている人を探して解いてもらうしか…」
エリアが結論を言った途端、
「善は急げよ!!」
「待ってろよ、何処かの迷惑な魔道士!!」
「あ、ちょっと!!」
ティリアとサラは走って何処かへ行ってしまう…しかも別々の方向に…
まぁ、あの二人は魔法よりも素手が化け物並に強いから…何があっても大丈夫だろう…
と、エリアは安心する………だが、気付いてしまった。
「わ、私…魔法を取ったらただの人間じゃないですか!?」
一方、その結界を張った人物。
「……それ何?」
「……」
「……封魔結界?…魔を封じるの?」
「……」
「……!?…光った」
「……」
「…異界の生命体…?……魔物?」
「…(フルフル)…人という事もあります…」
「……もし魔物なら斬る…人なら…一緒に行動する…」
「……(コクコク)」
どうやら、芹香嬢が結界を張ったようです。
(あらゆる人が集まる所には、異質な力や異質な生命も集まりやすい…
そうなれば鬼ごっこどころじゃないですからね…)
その異質な力で結界を張った芹香は一人、心の中で呟いた。
えっと…つまりは能力制限開始ですか?
蝉丸と光岡が駆けて行く。
夜は強化兵の時間だ、その速度は人の及ぶところではない。
野を越え、木を越え、山越えて。
蝉丸は途中何人かの参加者を見かけたが、光岡との決着が先だとそれらを見逃した。
二人の速度は全くの互角。
積年のライバルだけのことはある。
「さすがだ光岡…」
「やはり韋駄天の名は伊達ではないな、坂神…」
二人は互いの実力を再確認し、そして心の中で賞賛し会う。
そこは誰も入り込めない聖域だった。
しかしその聖域は、光岡が右足のバランスを崩したことにより崩壊してしまう。
慌てて跳躍する光岡。
しかしそれは彼にしては、あまりにもおそまつで力のない跳躍だった。
…今だッ!
その隙を逃さず、一息に間合いを詰める蝉丸。
間合いを詰めてきた蝉丸から伸びる手を必死に回避しようとする光岡。
その不利な体勢から蝉丸の両手片足を使ったタッチを五回にわたって避けた光岡は賞賛に値する。
しかし蝉丸6度目の神速の手刀は、光岡の左腕を僅かにかすめた…
……
「…」
「お前の勝ちだ、韋駄天の蝉ちゃん… フ、やはり捷疾鬼は韋駄天に捕まるのか…」
「馬鹿な! お前がその罠を踏みさえしなければ、勝負はわからなかった!」
そこにはいわゆる落とし穴が掘ってあった。
おそらく参加者の誰かが仕掛けた物だろう。
光岡は落とし穴を踏みこそしたものの、驚異的な反射神経で体制を立てなおし、残った足で跳躍した。
しかしそのような状態での跳躍は、普段の半分ほどの力もなく、蝉丸に追い付かれてしまう原因となったのである。
「罠に気付かなかったのも、罠を踏んだのも、罠から逃げれなかったのもお前ではない、俺だ」
「全力疾走中だ! 気づかなかったとしても無理はない!」
「フ、そうではない。やはり俺はお前に及ばなかったということだ。実力と運、双方でな」
「馬鹿な!」
納得のいかない蝉丸を前に、光岡の様子が少し変化した。
「…しかし韋駄天よ、俺はこのままで終わるつもりは無いぞ」
「光岡…?」
「貴様は、何人捕まえた?」
「……何を急に? …まあ、お前もあわせて二人だな」
「なんだそんなものか。そんなものではすぐに追いぬいてしまうぞ」
「光岡…」
「我が名は「捷疾鬼の悟ちん」。すなわち最速の鬼だ。
再び勝負だ韋駄天の蝉ちゃん。どちらが多く捕まえることができるかな?」
「…………く… くくくく、くっははははっ! さすがは捷疾鬼の悟ちん。それでこそだ!
面白いこの勝負受けてたとう!」
普段の彼からは考えられないくらい大笑いする蝉丸。
光岡もそんな蝉丸を不敵な笑みで見つめる。
「では勝負開始だ」
「おお!」
【蝉丸&光岡 狩り勝負開始】
なにい!異能禁止!
おもっきり使わせてるよ!
でもその異能封じと言う異能はルール違反くさくない?
なんとなく国崎の方術で建物崩壊臭も匂うし。
「ふみ〜、ちーちゃんお腹いっぱいでち〜。おねーちゃんもお酒のむでち〜」
「い、いや……私は……」
柏木千鶴は、酔っていた。
「もっともっとお酒飲むでち!。ガンガン持ってくるでちぃ!!」
ガンガンガンガン!! ほとんど手加減もせずに屋台の骨組みを蹴る、蹴る、蹴る。
「ああっ、オーナー、もっとお手柔らかに……」
「酒っ! 酒っ! おちゃけ〜〜!!!」
思いっきり、酔っていた。
「………誰か何とかしてよこのおばさん……」
ねーちゃんは屋台の裏にかがみ込み、頭を抱える。
千鶴と酒を飲むのは初めてだが、まさかここまで酒癖が悪いとは思わなかった。
笑って暴れて絡んでまた飲む。飲む飲む飲む。
「ぐびぐびぐび……」
今は与えた安酒を一升瓶から直接ラッパ飲みで啜っている。だが、これが切れたらまた暴れ出すのは目に見えている。
「……仕方がないわね」
一つ決意を固めると、ねーちゃんはからしのチューブを手に取り、煮えたぎるおでんの中からガンモドキを取り出した。
「ぷはーっ、いっぱい飲んだでちー。けどまだまだ足りないでちー。もっともっと酒……」
「はいはいちーちゃん、お酒の前におでんのサービスでちゅよー。これをどうぞー」
言いながら、先ほどからしを山ほどねじ込んだガンモを差し出す。
「うわー、ガンモはちーちゃんの大好物でちー。それじゃ、いっただきまーす♪」
閑話休題。
てんてれんてん♪ てんてれんてん……♪
「……おや?」
もの見事にぶっ倒れた千鶴の懐から、鬼神楽の音が聞こえてきた。
「着メロ……オーナー、オーナー! 携帯鳴ってるわよ!」
ゆさゆさと揺さぶるが、一向に起きる気配を見せない。
「仕方がない……」
ねーちゃんは今度はねりわさびを取り出すと、チューブの口を千鶴の鼻の穴に合わせ、思いっきり握った。
「?Rふぇ?g9ふあvばぽdfhじゅあ9え8j@え、あ:;い9jq2あ9ぺyfはn!!?!??!」
鼻を押さえて悶絶する千鶴。
「オーナー、オーナー、転げ回ってる場合じゃないわよ。電話、電話、携帯電話」
「ば、ばい……!」
それでも一応彼女は一つの会社を率いる会長。しかも今回のゲームの主催者。苦しんでばかりいるわけにもいかない。気力を振り絞り、携帯を取り出してボタンを押した。
「もじもじ……?」
ただ、鼻をつまんだまま故かなり鼻声だ。
『……会長? お声が……?』
「ぎにじないでぐだざい。ぞれより、なにがあっだのでずが?」
『は、はい実は……』
しばらくの間千鶴は部下と思しき電話の相手と話し込む。
最初は涙目であったが、時間が経ったこともあるだろう。しかしそれ以上に電話の内容が深刻だったのか、徐々にその表情が引き締まっていった。
「はい……はい。わかりました。ティリアさん達ですね。はい、面識があります。……突然現れた? はい……はい……」
相手の言うことに何度も頷いていく。そしてやがて……
ピッ。
「どうしたの?」
「……ちょっと厄介な問題が発生しました。あなたはご存じでしたよね? あの……以前異世界からやってきた、ティリアさん達」
「ああ、あの自称光の勇者様」
「彼女らがなぜかこの島内に紛れ込んでしまったようです。……はぁ、もう一度ルールの説明をしに行かなければなりません……というわけで、ちょっと行ってきます」
そのまま千鶴は疾風と化し、夜の闇の中へと消えていった。
「がんばってね〜……」
ハンカチをひらひらと振り、のんきに見送るねーちゃん。
「………………………ん?」
しかし、何か忘れている。
「…………………ええと……」
何か、何か重要なことが。
「…………………………あ」
思い出した。
「お勘定!」
【千鶴 酔いが覚める。ティリア達のもとへルール説明に】
421 :
無口な二人 1:03/03/21 23:45 ID:HA4BvFZg
「では、とりあえず市街地の方まで走りましょうか」
『わかったの』
というわけで、雪見の上月澪包囲網を突破するためまず走ることにした二人。しかし、この二人に共通
していること。それは、体力に自信が無い、というか体力自体が無いということだった。
しかも、茜はとても疲れていた。そんな二人が無闇に走り出したところで、現役の演劇部部長の雪見には
かなうはずもなく、結局、
「澪ちゃんみぃ〜つけた!逃げても無駄よぉ〜〜!」
となってしまうのでる。
「やはり演劇部だけあって体力がありますね。」
『嫌なの、怖いの〜〜!!』
「ちょっとそこの人、その子をおとなしく私に渡せばあなたには危害を加えないわ」
雪見は少し隙を突かれたものの、演劇部で鍛えた体が遺憾なく発揮され、二人との差をぐんぐん縮めていった。
「…嫌です。澪は渡しません」
『勘弁してほしいの!』
「…交渉決裂ってヤツね。仕方ないわ、あなたには悪いけど実力行使でいくわよ!」
と言うと、足に気迫を込めて地を蹴った。そして彼女は宙を舞った。
それは華麗な弧を描きつつ、二人の直上を越え、遥か前方へ着地し、消えた。
「??」
『??』
二人は動揺を隠せなかった。日ごろ極悪人と呼ばれ、みさきやどっぺるにいいように使われている雪見がここまで。しかも消えるなんて。
恐る恐る雪見の着地地点へ向かう二人。
そこには…ぽっかりと穴があいていた。中で何かが蠢いている。
「み、澪ちゃ〜ん。助けてくれないかしら?」
『嫌なの。極悪人は反省するの!』
「うぅ…あの、そこの人、もしよかt」
「嫌です。澪、早く行きましょう。日が暮れてしまいます」
「ま、待って〜〜!薄情者〜〜!」
【茜 澪は市街地へ向けて行動中】
【雪見 落とし穴にはまって行動不能】
sage忘れた、マジすまん。ちなみに上のは「無口な二人 2」です。
「あ、江美さん」
「ん、芳晴か」
普段通りのように挨拶を交わす二人
いつもと違う事と言えば芳晴は鬼ごっこ中でエビルはイビルと一緒にショップ屋係をしているという位だろう
……普段通りから結構外れてる気もしないでもない
「あれ、江美さんたちは鬼ごっこに参加してないんですか」
「ああ、今回はみんなと一緒に売店係だ」
「そいうこと。退魔師の兄ちゃんなんか買ってってくれよ。生活かかってんだ」
「よろしく頼む」
勿論愛しの江美さんの頼みとあれば断れない芳晴
「ええとどんな物売ってるんですか?」
「鬼ごっこに役立つものから食いモンまで、色々揃ってるぜ」
「食い物って?」
「うむ、ラーメンから焼きトウモロコシまで色々あるぞ」
既に開始から暫くたち、芳晴自身空腹を覚えていたところだったのでその発言は渡りに船だった
(ちょうど腹も減ってきたところだし江美さんの作るラーメンかぁ、よし!)
「じゃあラーメンお願いします」
「わかった、3分待ってくれ」
「500円貰うぜ」
そしてエビルがカップラーメンにお湯を注ぐ……
(とほほ……)
「出来たぞ」
「頂きます。あ、ところでさっき変な魔力の波動感じたんですけど江美さんたちですか?」
「いや、違う。確かに封印魔法が使われたらしいが元からの参加者には全く影響が無かったのでそのままだそうだ」
「へぇ、そうだったんですか」
【芳晴 カップラーメンを食べてる最中】
【エビル、イビル 芳晴相手にとりあえず商売成立】
【芹香の結界 filsチーム以外には全く効果なし】
何か、困ってる人がいるようなので説明っす。
俺が勝手に書いた結界は『異世界の力』を封じる結界です。
いわゆる、外国からの密輸を押さえる制限みたいな感じ。
『この世界』の異能、特能、魔法は使えます。
つまり『スフィー&ティリア達&ルミラ達』のような、
明らかにバランスを崩しそうな奴らの魔法は却下です。
(ウィルドバーンなんか使われたら島が崩壊しそうだし)
まぁ、
「……!?」
「…どうした…?」
「…誰かが、私の結界以上の力を出してます」
「…?…どうなるの?」
「……結界が、壊れます…」
その言葉と同時にこの島に透明なガラスのような粒子が降り注いだ。
まるで雪のように…
「はぁ…はぁ…はぁ…こ、このスフィー=リム=アトワリア=クリエール様を舐めるなぁ…」
そういうと数日分の魔力を使い果たし、スフィーは地面へと倒れた。
とか…適当に作ってくれれば結界破壊OKですんで。
あんまり固く考えないで下さい。
「…」
「え?…MP切れ?…」
とかでも良いですし。
では、使いづらい設定を作って申しわけ無い。
穏やかで静かな歌声が響いていた。
ひかりと、彼女の膝枕で眠る観鈴ちん。歌声の主はひかりである。
二人は今、森の中の開けた場所に居た。そこに何故かあったベンチに腰を掛け(恐らく、森の遊歩道の為に作って
あるのだろう…)一休みしていたのだが、何時の間にやら日も暮れてしまい、観鈴も眠ってしまい…
すやすやと眠る観鈴の体には、ひかりの着ていた上着が掛けられていた。
「疲れちゃったのね、観鈴ちゃん…」
優しい微笑みを浮かべ、ひかりは手に持っていたそれを口に付ける。――『どろり濃厚冷やしあめ味』
「…なかなか独特だけど、クセになりそうな飲み心地ね。ご馳走様、観鈴ちゃん♪」
空になったパックをベンチに置き、観鈴の頭を撫でてやりながら、ひかりは空を見上げた。
――街の光が無いここでは、夜空が穢されぬままに広がっていた。幾億もの、星々の煌き。絢爛たる輝きは無いが、
楚々たる小さな輝きが集まり、深い夜空を彩っている。
「あの海岸に、この星空――来た甲斐があったわ。カメラも持ってくれば良かった」
少し残念そうに呟いた。………その時――
ガサッ――
森の中から茂みを掻き分けて、一人の少女が現れた。
唐辛子噴霧器を装備した香里である。
「今晩は。……あら、鬼さんだったの? 困っちゃったわね…」
香里が掛けている鬼の襷を目にして、ひかりは困った様な微苦笑を浮かべた。
――が、困惑していたのは、香里も同じであった。彼女はひかりの膝枕で眠る観鈴を見やり、そして目を伏せる。
「タッチするには、気が引けますね」
「見逃してくれるの?」
「…まぁ、そうなります」
「有難う、優しい鬼さん♪ ――私は、神岸ひかり。この子は神尾観鈴ちゃんよ」
「…美坂香里です。…お邪魔しました」
「あら、もう行っちゃうの? 歩き詰めで大変じゃない? 少し休んでいったら?」
「いえ、そういう訳にもいかないでしょう…。――ああ、そうだ、神岸さん。髪の毛がこれくらいの、ストールを
体に掛けた女の子、見ませんでしたか?」
「………ん〜、見てないわ。スタートしてからは、この子にしか逢ってないし」
「そうですか…、どうも。…じゃあ、私は失礼します」
「――お友達?」
ひかりのその言葉に、香里は歩き始めた脚を止めた。
「……いえ、…………私の――私の『獲物』です。あれは――私が狩らなくちゃ、いけない…」
「…そう。香里さん――御武運を」
「…有難う」
そして、香里は森の中の闇へと消えていった。
「――…優しい鬼さんは、眠る少女を見逃してくれて、また森の中へ帰っていきましたとさ…」
唄う様に呟き、ひかりはまた、夜空を見上げた。
夜空はやはり美しかった。
【ひかり・観鈴 森の中で休止】
【ひかり、観鈴から貰った『どろり濃厚冷やしあめ味』ご馳走様】
【香里 二人を発見するも、見逃す。栞追跡を続ける】
AIR:【国崎往人:1】、神尾観鈴
>>429-430、霧島佳乃、遠野美凪
>>402 (神尾晴子)、霧島聖、みちる
>>402、【神奈】
>>392、柳也、裏葉
流石に所持金まで書くのは勘弁して下さい
とりあえず香里は今0円なので捕まえない限りはショップ利用不可
遺憾ながら宗一の所持金はゲーム中は尽きる事はないでしょうがそれもまた個性
後、獣類も増えすぎるとリストが大きくなるので削りました
確認したところ前回のはレス番ミスが結構多かったり
正直申し訳ないです
このリレーは余程の反則(電波で参加者を操る、魔法で自分を触れなくする、岩切限定終了まで潜水など)が無い限り
能力使用はOKです。ていうか基本ギャグで済ませましょう。目標NG0で。
能力に関してグレーゾーンな話を書く際には
『葉鍵鬼ごっこ議論・感想スレ』 へどうぞ
>
ttp://6821.teacup.com/hakagionigokko/bbs
リスト編纂おつー。
436 :
暴走娘:03/03/22 00:38 ID:dgMUyhjp
雪見と分かれてから数十分。やっとのことで市街地に辿り着いた二人だったが、日もとっぷり暮れて、
行動が出来なくなってしまった。しかし、商店街の街区だけは街灯に明かりが燈っていた。それが唯一の
救いである。
「なんとかここまで来ましたが…日が暮れてしまいましたね」
『でも明かりがついててよかったの』
「そうですね。でも、夜を過ごすにはどこかのお店にお邪魔しないと」
『あのお店は?』
といって指差したのは、本格的な寿司屋然とした店だった。もちろん、まだ開業前であるのでネタはもち
ろんシャリもないだろう。
「澪、そこはだめです。水くらいしかないでしょう」
『(えぐえぐ)』
「…あそこなら何かありそうです」
変わって茜が指差したのは、小洒落た西洋風の店だった。看板に大きく「山葉堂」とかかれている。
『自分だって同じなの』
「何か言いましたか(氷の眼差し)」
『な、何も言ってないの』(ふるふる)
「では行きましょう」
そう言って店の中へ入っていく茜。遅れて澪。しかし、そこで茜は衝撃的なものを見ることになる。
「うぅぅ…ハトは嫌いだよぉ…」
「…!詩子!?」
【茜 澪は山葉堂の店の中へ。中で詩子発見】
【詩子 ハトにたかられたらしく気絶中】
月下の夜空を、翼をはためかせて飛ぶ一人の男がいた。
大神+空が飛べる+術使いなどの有利な条件をそろえ、優勝候補の一角かと思われつつも一瞬の油断をつかれ、
「あんな小娘に……」
捕まってしまったディー、その人である。
ディーは考える。
「……ふーむ……」
契約を破棄した者、神奈を捕まえることには成功した。
「……うーむ……」
本来ならオンヴィタイカヤンにでもしてやりたいところではあるが、正確なウィツァルネミテアの契約ではないのでそれは許してやる。
「……しかし……」
崇められ、うたわれるものである自分がこんな座興で負けるわけにはいかない。意外に彼は負けず嫌いであった。
「ルールを思い出してみるか……」
虎の子の
「汝等、動くな」
を使えば他の参加者捕まえるのは簡単である。だがそれはモロにルールに引っかかる。
「フン……」
目の前を飛んでいた鳥が固まり、まっ逆さまに落ちていったが、彼が指をパチンを弾くとまた翼をはためかせ始めた。
「だが……」
他人に対して直接能力を使うのは確かにルールに違反する。
「この翼……」
飛行することそれ自体はなんらルールに違反しているわけではない。森が多いため多少は手こずると思われるが、それでもやはり空から策敵が可能なのは大変有利だ。
「参加者がどんどん鬼に代わっていくことを考えると……鬼として勝利するためにはこのゲーム、序盤が肝要だ」
そう考えると、ひょっとすると序盤で捕まったのは幸運だったのかもしれない。
「よし、見てろよ我が空蝉、ウルト、カミュ、ゲンジマル。私がお前たちに目に物見せて……」
その時。
ひゅるるるる……ぐさっ! ぐさっ! ぐさっ!
「ぐっはあ!?」
突如飛来した数本の矢が、ディーの背中に突き刺さった。
そのまままっ逆さまに地上へ吸い込まれていく。
「Hitネ! 捕まえたよ!」
狩人、レミィ・クリストファー・ヘレン・宮内。
彼女曰く。
「動く獲物は得意だヨ!」
【ディー レミィに撃墜される】
【レミィ 弓矢装備】
住井「なあ北川?」
北川「ん?どうした?」
住井「俺たちゲーム開始からずっとトラップを作ってきたわけだが、これで何個目だ?」
北川「100から先は数えてないが森だけで大小合わせてその倍はある筈だぞ」
住井「落とし穴に捕獲網に花火…我ながらよくやったものだ」
北川「食料を餌にしたブービートラップも設置しておいたぞ」
住井「で、だ。そのトラップの位置を全部把握してるか?」
北川「何!?お前が記憶してたんじゃないのか?」
住井「……」
北川「……」
住井「ここは危険だな。移動するぞ。」
北川「そうだな。で、どこに移動する?視界が広いと不利だぞ。」
住井「なら建物がいいな。物資や死角が多いから罠の設置に便利だ」
北川「…まだ作るのか?」
住井「当然だ。普通にやったら逃げ切れない相手が多いからな」
北川「…今度はしっかり罠把握しような」
住井「…ああ」
【住井&北川 移動】
【森 罠だらけ】
期せずして、十メートルほどの距離を挟んで、ばたりと出会った三人の女性。
「おひさ」
「昼間会ったばっかりだけどね」
「あのー、知り合いの方ですか?」
「ん」
河島はるかと森川由綺。
本来なら藤井冬弥包囲網の一角を担う親友同士であるが、2人の間に飛び交うのは友情の代わりにただならぬ緊張感。
やはりあの斜めにかかった鬼を示す襷が原因だろう……と、月代でなくても予想はつく。
「あっさり捕まっちゃったんだ」
「御堂さんにはちょっと勝てないよー」
「そういう特殊な人には、ちょっとハンデが欲しいところだね」
「ほんとほんと」
あはははは。と、声を合わせて笑っている場合だろうかと月代は思う。
それにしてもよりによって御堂とは。月代にしてみれば、ルート次第では犯される相手だ。
この人も汚されちゃったのかな、などといらぬ心配をしてみる。
「ところではるか、冬弥くんはみなかった?」
「んー、残念ながら」
営業スマイル全開の由綺と、いつもの通りぽややんなはるか。
そのはるかの袖を、月代がくいくいと引っ張り、小声で囁く。
「あの、逃げた方がいいんじゃ……」
「んー、でもきっと、由綺は優しいから、友達のよしみで見逃してくれるに違いない」
「そう言いつつ、じりじりすり足で後退しているのはなんでですか?」
「由綺がじりじりとすり足で迫ってきているから、かな?」
姿勢はさりげないが、ステージの広さを記憶するほど鍛えられた足が、絶妙の空間把握能力で間合いを詰める。
ファンを魅了する百万ドルの笑顔が、かえって恐い。
「できればはるかにも、冬弥くんを捜す手伝いをして欲しいんだけどなぁ……」
「んー、でも適度に手を抜きつつ、さりげなく好成績を残すのが私の主義だし。ここで捕まっちゃうのはちょっと早いかな」
「はるかってそういう抜け目ないところあるよねー」
「それほどでも」
笑顔の下に、ドロドロ渦巻く愛憎劇。さすがホワルバのキャラは一味違う。
天真爛漫を絵に描いたような月代には、ちょっとついていけない裏の世界だ。
芸能界って恐い。と、的はずれな感想を脳裏に描く。
「交渉決裂、かな?」
「こっちになんのメリットもないのは、交渉とはいわないと思う」
「じゃあ、実力行使しかないね」
「戦争反対」
「欲しいのは石油じゃなくって冬弥くんだけど……ねっ!」
さりげなく現実を皮肉りつつ、襲いかかってきた由綺。
間髪入れずはるかは身を翻し、月代の手を引き走り出す。
さすがに「命の盾」とか言いつつ生贄にほっぽりだすわけにはいかない。
「きゃうっ」
由綺はなにもない空間にダイブして、草に足を取られ転倒した。さすがにここらは鈍くさい由綺の本領発揮だ。
その間に、はるかと月代は快速を利して、見る間に距離を引き離した。
――やがて、完全に振り切ったと思えた頃、月代は恐る恐るはるかに聞いた。
「あの……普段から、あんな感じで裏のある会話をしているんですか?」
「普段はそうでもないけど……やっぱり人間、追いつめられるとああなっちゃうのかな」
「……なんか、嫌ですね、そういうの」
「ん、由綺の隠された本性をかいま見てしまった」
「あたし、ちょっと汚れちゃったかも……」
そうして人は大人になってゆくのだ。多分。
そして見事に攻撃をかわされた由綺は、そのまま草むらに座り込み、
「ふふふ……逃がさないからね、はるかも、冬弥くんも」
命がかかっているわけでもないのに、なにやら変にテンパりつつ、由綺はゆらりと立ち上がり、追撃を開始した。
【由綺 はるか&月代?をロックオン】
「ふう、やっと見つけました」
「あれ、千鶴さん…?」
…千鶴さん、説明中…
「あの…じゃあ私の魔法は…?」
「それは一般の参加者さんがやっちゃった事ですからねぇ…。特別な力ではありますが攻撃に使った、というわけでもないですし…。」
「えぇ!じゃあ、私はこれが終わるまで魔法が使えないってことですか!?」
「そうですねぇ、鬼になってその人を捕まえて頼めば解除してくれるかもしれませんが…」
「…それでいいです」
「わかりました。では鬼用のたすきを渡しておきます。あと特別に、こういうことが出来そうな人の心当たりを参加者リストに印付けてあげますね」
そういうと参加者リストに○を付けていき、それをエリアに渡した。
「あ、ありがとうございます。…そういえば千鶴さんの力には影響ないんですか?」
「そうですね、さっきあなたがたを見つけるとき力を使いましたけど特に影響はないみたいです、他の参加者にも影響はないみたいですし」
「そっかぁ…じゃあ私達だけ使えなくなっちゃったのかなぁ」
「おそらくそうでしょうね」
「ん?さっき『あなたがた』って言ったけどあの二人にも会ったんですか?」
「ええ。エリアさんと同じように説明をしたら二人とも『私はせっかくだから普通に参加する』と仰いました」
「あー、あの二人ならそゆこと言いそう」
「では説明も終わったのでこれで。それでは頑張ってくださいね」
「はい、ありがとうございました」
「…鬼にしておいてお礼を言われると変な感じですね。あ、それと参加したからには魔法が使えるようになっても勝手に帰ったりしないでくださいね」
そういうと千鶴さんは行ってしまった。
「それじゃあ、まずはこの印がついてる人たちでも探しに行こっかな」
【ティリア・サラ 普通に参加】
【エリア 魔法を使えるようになるため、鬼になる】
【エリア 印付き参加者リスト所持】
【千鶴 三人に説明完了】
ひっそりと静まり返った、森の外れ。
月明かりの下、2人の男が焚き火に向かい合いながら食事を取っていた。
「…なあオボロ君。これは本当に食べても大丈夫なのかい?」
「ああ。このキノコは昔何度か食べたことがある。毒は無いから大丈夫だ」
「…こっちは野生の山ぶどうかな?…うん、ちょっと酸っぱいが美味い」
「食ったこと無いのか久瀬?」
「ああ。…正直、僕は今までアウトドアとはかけ離れた生活を送ってきたからね。
普段なら君のようなタイプの人間は苦手なんだが、今は心から羨ましいと思うよ」
「…ふん、大したことじゃない」
ちょっと照れたように、オボロが焼いたキノコにかじりつく。
オボロと久瀬。
ハッキリ言って、かなり異色なコンビであることは否定できない。
オボロは妹・ユズハを捜すため。
久瀬は想い人・倉田佐祐理を捜すため。
お互いに単身で森を捜索していた二人は、互いの目的のために行動を共にしているのだった。
「…やはり心配だ。今から捜しに行くべきか…?」
「いや、ユズハ君や倉田さんだって適切な状況判断は出来るはずだよ。
きっとどこかで元気にやっているさ。それより、こう暗いと動くのはかえって危ない」
「…だといいがな」
「夜が明けたらまた捜せばいい話だ。それより、用が済んだら火は消そう。鬼に見つかるかもしれない」
「…そうだな。こう暗いと見つかるものも見つからないしな。…なら、交代で見張るぞ。
最初は俺が辺りを見張ってる。お前は少しでも睡眠をとっておけ、久瀬」
「…すまない。そうさせてもらう。何かあったら起こしてくれ」
頭の回転は速く冷静だが、やや頑固でアウトドア経験など全く無い久瀬。
ぶっきらぼうで周りを見失いやすいが、敏捷性に優れサバイバルにも長けているオボロ。
かなりの凸凹コンビではあるようだが、以外にも上手くやっているようだ。
【久瀬&オボロ、行動を共に。自分達で採った食糧で休息を取る】
「お兄ちゃん…」
来なくて良いのに、という瑠璃子の呟きは、美汐にしか聞こえなかった。
美汐はちょっと驚いたように、二人を交互に眺めた。彼の襟元を見て、
何かに気付いたように眉をひそめる。
「ちょっと待ってください」
近付こうとする拓也を制する美汐に、初めて気付いたかの如く彼は答えた。
「何かな、お嬢さん」
「コートの下で首に巻いている、その布は何ですか?」
「これかい?…その、何だ。今日は春先とはいえ、まだ寒くてね」
「美汐ちゃん、どういうこと?」
不思議そうに尋ねる瑠璃子に、美汐は教えた。
「あれは多分タスキです。あの人は、鬼なんですよ」
「……お兄ちゃん、また姑息な手を使ったんだね」
「うう、そんな目で見るな!これはお前のためを思ってだな」
「私の事をどう思えば、騙し討ちしようなんて思うの?」
妹の突っ込みに、兄は開き直った。もう本音を言うしかない。
「この大会はどう転んだところでお前の電波ごときが優勝を狙える
代物ではないからだ」
「……!!」
「強大な能力を持った鬼に追いかけられる過程で、大怪我でもしたら
どうするんだ。瑠璃子が他の人間に傷つけられるなど、到底我慢できん。
僕はこんな大会などに興味はない。だから、あえて柏木千鶴に投降して、
自ら鬼になることを望んだのだ。さあ、瑠璃子。早く一緒に家に帰ろう」
「……嫌」
これほどそっけない拒否もそうは無いだろう、というくらい明快な返事だった。
「何だって?」
「お兄ちゃんのそういうところ、大っ嫌い。だから絶対に帰らない」
「何を言ってるんだ、瑠璃子!僕はこんなにお前のことを愛しているのに」
思わぬ兄妹喧嘩の勃発に、見かねた美汐が口を挟んだ。
「月島さん、妹さんを心配する気持ちはわかりますが、あまりにも勝手じゃ
ありませんか?少しは瑠璃子さんの意思を大事にしてあげて下さい」
「何を言う!愛というのは、ゆらい勝手なものだ。愛ほど排他的なものが
他にあるか」
わけの分からない理屈をこねて、近寄ろうとする拓也。美汐と瑠璃子は
顔を見合わせて、身を翻して走り始めた。
「あっ!待て!」
拓也も追跡を開始する。
見晴らしのいい場所へ逃げても、男相手では到底逃げ切れない。
二人は木立の中をひた走った。だが、二人ともあまり運動が得意な方
ではない。全力疾走も、そう長い事は続かず、心臓が悲鳴を上げる。
「あっ!」
瑠璃子が木の根っこに躓いて転んだ。美汐が慌てて彼女の上半身を抱き起こす。
「瑠璃子さん!」
「痛ッ……!!」
瑠璃子の白い膝から血が流れ出している。足首も軽く捻ったようだ。
(悔しいけど、お兄ちゃんが言ったとおりになっちゃった)
でも、この人まで巻き込みたくない。瑠璃子が決然とした様子で言った。
「美汐ちゃん、私を置いて逃げて」
「何を言うんですか!?」
「お兄ちゃんが追ってるのは私だけだから、あなた一人なら逃げられる。
二人で捕まる必要なんかないよ。」
「…」
「あなたの探している人、見つかると良いね。……さあ、早く行って」
「駄目です!」
美汐の峻拒の声に、瑠璃子の体が、一瞬びくっとする。
「可能性があるうちは、最後まで決して希望を捨ててはいけません」
昔の私は、何もかも諦めていた。生きている事すら物憂げだった。
今は違う。希望を捨てなければ、奇跡はきっと起こる。あのお節介で
素敵な男性と、向こう見ずで無垢な少女に、そう教えてもらったから。
「美汐ちゃん……」
「あなたを探している大切な人の為にも、ここであなたを見捨てる
訳には参りません。二人で助かる方法を考えましょう」
痛みをこらえて、瑠璃子がちょっとだけ笑顔を浮かべた。
「……うん、わかった。もうちょっとだけ頑張ってみる。……有難う」
「いえ、生意気言ってすみません」
「感動のシーンはもう終わりかい?」
拓也の声が聞こえてくる。遂に二人に追いついたのだ。
美汐が瑠璃子を守るように、しっかりと肩を抱いた。当の瑠璃子は、
拓也の方に顔を向けて、再び精神を集中させていた。それを見て、
出来の悪い生徒に対する先生のような表情を拓也はした。
「おや、僕を操作するつもりかな?ルール違反はいけないなぁ。将来、
ロクな大人にならないぞ。まあ、好きなだけ頑張ればいいさ。どうせ
僕には効かないんだからな。そんな事よりも、早く怪我の治療をしない
とな。その綺麗な足が化膿でもしたら大変だ。さあ、見せてごらん」
拓也は自信たっぷりと二人に向かって近付いた。
その瞳には妹しか映っていない様であった。
(―――今だ!)
「お兄ちゃん、上…」
「うん?上が一体どうしたと…うわたぁ!?」
拓也の頭上にある樹の枝から、黒いロープのようなものが落ちて来た。
それはちょうど上を向いた彼の顔に乗っかる形となった。
「!!!」
拓也は声にならない奇声を発した後、速やかに気を失った。
「なにも電波で操作するのは人に限らないよ」
瑠璃子は電波を使って蛇を呼び寄せたのだった。
ふう、と安堵の息をもらす彼女に、美汐が尋ねた。
「瑠璃子さん、怪我は大丈夫ですか?」
「何とか」
「医療道具があれば良いのですが…ともあれ、この場から離れましょう」
【鬼の月島拓也、気絶する】
【天野美汐と月島瑠璃子、逃走に成功】
ライバルである綾香と、後輩の葵の行方がわからない。
「…ちょっとしくじったわね…」
正直、一人で行動するのは鬼に見つかりにくくて良いのだが…寂しい…と、心のどこかで感じてしまう。
こういう時、綾香がいれば五月蝿いほど騒ぐし、葵でも格闘技の話題で盛り上がれる。
「…くそっ!!」
ドンッ!!
好恵は思い切り近くにあった木を叩いた…
「うおっ!?」
上で何か声が聞こえる…見てみると…大学生っぽい男が今にも木の上から落ちそうだった。
「うわっ、ちょ、ちょ」
というか、これは落ちる…
「だ、大丈夫?」
自分がやった事だから一応心配してみる。
「だ、駄目だ!!退いてくれ!!」
「え?ま、待って!!」
このとき、声を出さずに避ければよかったのだが…
「「ぐわっ!?」」
上から落ちてきた人間と一緒にヒキガエルのような声を出すはめになった。
「い、痛てぇ…大丈夫か?」
「…だ、大丈夫…じゃないかも…」
空手で鍛えてるとはいえ、急に肺を圧迫されるのには慣れていない好恵は苦しみながら答えた。
……もちろん落ちてきた人間の下で…
「なるほど、好恵ちゃんか…」
「ちゃんは止めてくれませんか…えっと…」
「俺は宮田健太郎…気楽にダンディー宮田様と」
「健太郎さんと呼ばせてもらいます」
「あ、あっそう…」
「そういえば…食料とか持ってます?」
「……あるといえば…幼なじみ特性のホットケーキが10枚ぐらいかな…知り合いが食う奴だけど…」
【坂下好恵&宮田健太郎、行動を共に…】
【ホットケーキにて、この日の食事を済ませる】
夢。夢を見ている。
お受験戦争の始まった子供のころ。
クラスの中でガリ勉と後ろ指さされた少年時代。
彼女も作らず、ただひたすらに書庫に籠もった学生時代。
ああ、懐かしい……
そして時は進む。
哲学者としての成功。
突然の大抜擢。
王女である巫(カムナギ)の家庭教師。
微笑がまぶしいウルトリィ。
天真爛漫なカミュ。
ウルトの……胸。
カミュの……胸。
胸。
胸。
胸。
言い方をかえれば、おっぱい……
「うう……」
やや頭痛を覚えつつ、ディーは目を開いた。
目の前には、たわわな2つのメロンが……
「おっぱい……」
「Hey! そろそろ薪もいいあんばいネ! 今夜はブロイラーチキン! マイ・フェイバリット!」
「……………あ?」
目の前で金髪碧眼の少女が飛び跳ねてますそうですか。
そのたびに胸の2つのボールがばいんばいんと揺れます素晴らしい。
ウルトとカミュにも引けを取りませんワンダフル。
「じゅるる……それにしても近年希に見る大物ネ! 今日の私はついてるヨ!」
しかし何と言いますか。
私を見る目つきが人を見るソレでは無いのです。
確かに私はオンカミヤリュー、ちょこっと人じゃない部分もあります。
いや、というよりも……
「燃えてる! 燃えてる!? 燃えてるゥゥゥゥゥ!?」
私の真下でくべられた薪がボウボウと燃えてるんですよ!
「Wowビックリ! Chickenが喋りました!」
「ば、馬鹿者! わ、私は人間だ! むしろお前たちに崇められうたわれるアチチチチチ!!!」
「Oh,ヒロミ=ゴーね! アーチーチーアーチ、燃えてルンだろうかー♪」
「消せ! 消せ! さっさと消せ! 熱ちぃぃぃぃぃぃ………………!!!!」
「A-ha、ゴメンね! 空を飛んでたから鳥と間違えちゃったヨ!」
「全く……なんという小娘だ。私だからよかったようなものを、他の羽のある者達だったら死んでいたぞ……」
「Sorry,Sorry,ベリーソーリー、私もついHunterの血が騒いじゃってネ!」
「血が騒いだで……済むか! この大神の身を傷つけた罪、死すら生ぬるい!」
「え……?」
ゴゴゴゴゴ……とジョジョっぽい擬音とともに、ディーが魔力を集中させる。
「永劫、醜い肉塊と化して地を這いずるがいい! オンヴィタイカヤン光線! 照射っ!」
「Wooooooooooow!!!!!!!」
そして見る間にレミィの体が崩れて……
「……………………………」
「……………………………」
「…………あれ?」
「…………What?」
いかなかった。
「ああっ!?」
何かおかしいと思い、背中に手を回したディーが悲痛な悲鳴をあげる。
「羽がッ! 私の……羽がないっ!」
そう。ディーの羽は……骨こそ無事だったものの羽毛部分は全てむしり取られ、見るも無惨な状況だった。
「きっ、キサマっ! むしったのか!? 私の羽をむしったのか!?」
「ウン! むしったヨ! 上手でしょ?」
「きっ、きっ、きっ……」
切れた。ディーの中で、何かが切れた。
「きさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! オンカミヤリューの羽は法力の源! それをむしるとはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
レミィに躍りかかり、術が使えないならばと鉄拳制裁……
「う、うぐぅ……」
数十秒後、倒れたのはディーだった。
「お兄さん弱いネー。ダメだよ、もっとお肉を食べて運動しなきゃ」
「だ、ダメだ……勉強ばかりしていたこの体……すっかり鈍ってしまっている……術が使えなければ……こんな……こんな小娘にも勝てぬとは……」
優勝候補の一角は一転、最弱候補の一角へと転落した。
【ディー 術が使えなくなる。レミィに負ける】
【レミィ 2人とも気付いてないが、鬼になってます】
よう、俺の名は伊藤。通称いとっぷ
雫の太田さんルートで消えるクラスメイトAでもなければONEの漢字テスト上位者でもないぞ
Leaf大阪期待の新作Routesの主人公の友人キャラだ。立ち絵だってある
そんな葉鍵友人キャラ一影の薄い俺だが今絶対絶命のピンチだったりする……
事の始まりは1月前
親友のなすびんが鶴来屋さんのリゾートアイランドに無料で御招待なんて話を持ってきて
クラスメイトの伏見さん、そして我が愛しの君湯浅さんも行くということでは黙っていられない
俺は親友にねじ込み無理やりついてくることに成功した
そして始まった壮大な鬼ごっこ
俺は普段はマイナスでしかないこの影の薄さを生かし優勝を狙ってたんだが……
「む、悟ちんに御堂か」
「まさかこんなところで会うとはな」
「ゲーックちょうどいい。ここで一勝負といこうじゃねぇか」
屈強な白髪の男の鬼3人に囲まれて絶対絶命なのです
あんまりだ
そして……
その後の事はあまり思い出したくないんだけど
中年ぽいおっさんが俺と他の二人にトリモチを放ち、俺と某RPGのラスボスっぽい人はそれをくらったんだけど
もう一人がその隙に俺をタッチした、だから今俺は鬼をやってる
だがこんな事でへこたれちゃいられない
俺はやるよ、湯浅さん!!!
【伊藤 鬼になる】
【蝉丸 強化兵三つ巴戦勝利】
郁未「覚悟はできてるかしら?」
指をポキポキ鳴らせて祐一に近づく郁未。徐々に後退する祐一。
一触即発の雰囲気の二人の視界に往人が入る。
二人「「鬼?」」
二人同時に気がつく。これが祐一がこの危機から脱出する言い訳になった。
祐一「な?鬼がいただろ?」
先程までとは一変してしれっとのたまう。
祐一「今ここで騒ぐと気付かれる。この場を離れよう」
郁未「…まあいいでしょう」
この場で覗きについて追求したかったが仕方なく頷く。
そして森の中に入っていく二人。
一方往人は
往人「腹減った」
相変わらず燃費の悪い男である。
【ウルト 水浴び中】
【往人 空腹】
なし崩し的に一緒に行動するようになった郁未と祐一は森の中を移動する。
話題はやはり先程の覗きについてだった。
郁未「まだ言い訳する気?」
祐一「いや、だからあれは…」
と、ふと足元に違和感が…と思った瞬間
パパパパパン!!!
いきなり炸裂する何か。
郁未「きゃあ!一体何?」
ねずみ花火だった。これも住井・北川組のトラップだった。
そしてその中に敢えて身を投じる祐一。
祐一「はっ!?何故俺はこんな事を…」
郁未「こっちが聞きたいわよ!!」
祐一のあまりの行動に思わずツッコミを入れる郁未。
そしてその騒ぎを聞きつけ近づく2つの影。
その声は小声だが興奮していた。
??「相沢祐一に天沢郁未。2人とも主人公よ!大物だわ!」
声の主は言わずもがなである。ならば当然相方も。
七瀬「念願の主役狩りね。一気に行くわよ」
広瀬「OK!3…2…1…GO!」
主人公ペアに襲い掛かるONE戦闘組。
七瀬・広瀬「「その首貰った!」」
奇襲のタイミングはほぼ完璧。咄嗟の事に対応できない主人公組。しかし…
パパパン!!
今度は鬼二人が花火トラップを踏んでしまった。
祐一「今だ!逃げるぞ!」
鬼の勢いが削がれたのを好機とみて逃走する祐一と
郁未「あ!待ちなさい!!」
それに続く郁未。
七瀬「逃がさない!」
広瀬「追跡よ!もっと目立つわ!」
執拗に追撃する鬼2人。こうして決死の追いかけっこが始まった。
【祐一 郁未 逃走】
【七瀬 広瀬 目標ロックオン】
【祐一 七瀬 広瀬 花火トラップにより小ダメージ】
457 :
355:03/03/22 03:43 ID:S1Pqdp1S
とりあえず完成しました>編集サイト
>>429-430までまとめてあります
不都合なところがみつかったら指摘してください
458 :
355:03/03/22 03:45 ID:S1Pqdp1S
>>458 登場キャラのところはちゃんとビル・オークランドになってるのに、
過去ログ0〜49のところの026と037がビル・オーランドになっとる
IP晒し乙
面白い。
職人さんガンガレ
>458
マメな仕事乙ッス〜。
ちなみに過去ログの登場人物紹介、複数箇所で光岡が三岡になってますよ。
いとっぷキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
とりあえずそろそろ嫌な予感がするから釘を刺させてもらう。
文句は出てから言えばいいと言う意見もあるかもしれんが、今回の仕様を考えると予防が最善だからな。
能力のSS補正はいい。
オ リ キ ャ ラ だ け は 勘 弁 し て く れ よ 。
あとはオリジナル追加設定とかもな。
468 :
355:03/03/22 11:25 ID:S1Pqdp1S
28話→29話のリンク切れ
ビル・オークランド
光岡悟
修正しておきました
ミスがあって申し訳ないです
あと議論・感想スレのリンク張っておきました
題名つけていかない?
編集サイト見ると、ほとんど無題だった
オリキャラって?
オリジナルキャラの事じゃないのか?
いや、何故そこでオリキャラの話が出るのかなぁーって。
まあ、予防のためって言ってるし。
森の中、木に寄りかかる同棲の主人公、山田まさき(標準設定)
彼に抱きつきつつ眠る同棲のヒロイン、皆瀬まなみ(標準設定)
まさきは律儀にも寝ずの番をしているが…
「俺達、もう鬼なんだからこんなことしなくてもいいんじゃないか?」
と、そんなことを考える。
「………」
まあ、追い剥ぎ対策と考えればいいだろう。やたらと人数が多いこの鬼ごっこ、参加者の中に不届き者がいてもおかしくない。
そう思うことにした。
そう思わないとこうやって眠気に耐えている俺が馬鹿みたいじゃないか。
気合入れて辺りを見回す。…ちなみに、頭上の名雪にはまだ気付いていない。
数分後。
「……眠い…」
毎晩ほぼ決まった時間に眠るまさきにとって、この眠気はいかんともしがたい。
「眠いぞ…」
眠気覚ましの方法としては、目の前のまなみとズンパンすることが一番なのだが…そうすると体力の20%近くを消耗する。明日走り回ることを考えるとそれは避けたい。
それに、野外での行為は少し抵抗が…
「……あ」
野外プレイで思い出した。理恵は参加しているだろうか。あと恵とか智美とか。
知らない人のために説明すると、同棲に出てくる浮気可能な3人娘である。
あの3人なら、俺が頼めば何らかの形で協力してくれるはずだ。
うん。間違いない。
間違いないが…。
「すー」
まなみはいい顔をしないだろうな。俺の目の前で喧嘩なんてされちゃたまらない。
できれば探しに行きたいが、どうしたものか。
そもそも彼女達が参加していなければ無駄足だし、その可能性の方が高いのだが。
「…うーむ」
そう言えば、リレーSSでは、異なる作品間のカップリングというのが楽しみ方の定番である――と、誰かが言っていた。
「うむ」
そして、この手のリレーSSでは、登場する男に対し女の割合が非常に高い。
「つまり」
男が適当にほっつき歩けば、女の子と出会ってカップリング成立。
「なるほど」
ならば、1人で行動すると非常に喜ばしい展開になる可能性が高い。
新しい恋が始まる。もしくは、運良く先の浮気3人娘に出会ってあれやこれや。
「そうと決まれば」
まなみを置いて、今すぐ出発だ。俺は主役だ。一人の女に縛られてちゃいけない!
すっくと立ちあがり――
――立ち上がれない。
「…そうだった。まなみに捕まれてるんだっけ」
「――そうよ」
「流石はまなみだな。俺の性格を良く知ってる」
「――そうね。中学からの付き合いだもの」
「…ああ。そうだな。もう随分になる」
「――いろいろあったわね」
「…いろいろあったな」
「――たくさん喧嘩もしたけど、結局仲直りして」
「…ああ」
「――で、その喧嘩の原因の」
「…ほとんどが、俺の浮気だったな」
「―――」
「………」
「――ねぇ、まさき」
「はい」
「浮気の打算なんて、口に出して言う事じゃないわよ」
「…どれくらい、聞こえてました?」
「地の文も含めて全部」
「…エスパーかお前は」
「―――ねぇ、まさき」
「はい」
「殴っていい?」
「ちょっと、勘弁してもらえませんかね」
「駄目」
「そんなこといわれても」
「――駄目」
まなみのこうげき!
まなみはみぎストレートをはなった!
シュッ!
「っ!」
ミス!まさきはこうげきをかわした!
ばきっ!
…まなみのパンチが木にちょっとめり込んだ。木がちょっと揺れた。
「にゅ?」
木の上で眠っていた名雪が、ちょっと目を覚ました。
で、ちょっとバランスを崩した。無意識に枝を掴もうとするが、間に合わない。
「…ぇ?あれ?……にゅー!?」
案の定、落ちた。
落下点は、まさきの頭上。
「ひでぶっ!」
まさきはきをうしなった。
【まさき 気絶】
【まなみ 立腹】
【名雪 落下】
>>161 智子→私
由宇/晴子→ウチ
だと覚えてもらいたい。と超遅レスしてみる。
じゃ、漏れの書いた話のタイトル
>>355お願いします
006:雌ギツネ
014:電波と鬼ごっこ
018:醍醐再動
024:生きてるって素晴らしい
027:逝く道にあるワナ
037:どうすればいいんだ……
065:駆ける少女たち
059:8時ちょうどの……
078:お湯を入れて3分間
>>453:三つ巴
では、一応タイトル書込み。
>>411:光の勇者御一行
>>412:迷惑な欠陥結界
>>448:空手少女と骨董屋店主とホットケーキ
では…(結界の時はマジで申し訳なかったっす)
スンマセン便乗させていただきます
009:ハングドマン
012:NastyBoy
022:鬼のアイドル
031:私に妹なんていないわ…
042:韋駄天と捷疾鬼
045:忘れられた参加者
052:師弟関係成立?
060:時を越えて…
069:これだから金持ちって奴はよう…
075:韋駄天と捷疾鬼。決着…そして…
読み返して自分の文章の下手さに絶句。
精進しよう…
では、私めも…
029:過去からの便乗者
044:所詮、鰯の頭
049:打算者二人
061:恋は盲目
068:光る白衣が運の尽き
それでは自分も書いた話にタイトルを。
034:決意、ほんのり味
051:You Only Live Twice
――自称世界一のエージェント、NASTYBOYこと那須宗一。ムチャク
チャな行動で知られている彼は今、独り海岸線を歩いていた。穏やかな波
が月明かりを微弱に反射して幻想的な輝きを見せている。月見酒とでも洒
落こみたい夜だ。
「で、なんで『自称』なんだよ。思いっきり世界ランカーじゃねぇか」
――いや、あんた結構アフォでしょうが。
「アフォ言うな! 一見アフォに見えていようがあれは大いなる布石なのであっ
て」
――いいわけカコワルイ。
「何を言う。…ていうかお前Routesプレイしたのかよ。那須宗一大活躍じゃ
ないか」
――コンプしましたよちゃんと。確か宗一君は理k
「それ以上言うな。ネタバレになる」
そんな誰に話しているのかさっぱり判らない問答にも飽きた彼は、なんと
なく先ほど手に入れたレーダーを起動させてみた。なんというかこの道具、
違う意味でヤバイ気がする。著作権とか。
「中央が俺。赤い点が鬼。んで白い点が逃げる方、ね」
さっきのねーちゃんの説明を思い出す。確かに正常に機能してるようだ
が、一つだけ妙な所があった。ディスプレイ右上に謎の数値が表示されて
いる。
004/005。
なんじゃこりゃ。試しに別のボタンを押してみる。
003/005。一つ減った。
「……ものすごく厭な予感がするんですけど」
――彼の予想は見事的中していた。つまるところ、それは使用回数の
残り数を示していたのだ。ちょうどシェアウェアのお試し版のような感覚と
いって差し支えない。
「待てやオイ。ちゃんと金払ったぞ俺は」
――そんなこといわれても。
「……いや、ちょっと待てよ」
――どうすればいいんだ。
「……………あ。そういえばあの口座、この間閉鎖しちゃったんだっけ」
――やっぱりアフォだ。
「うるさい!」
と、傍から見ればかなりアブナイ人に見える会話(会話?)を一段落させ
て、彼はもう一回画面を除きこんでみた。今度は左端に白い点が光ってい
る。左を見る。海岸線が伸びていたが、それらしい姿は見えない。
レーダーの走査範囲はかなりすごいらしい。ただ、先ほどの通り使用制
限がある事と、リアルタイム更新ではないという点が弱点だ。無駄遣いは
出来ないな、と彼は呟く。
「……ん?」
画面真上、宗一のちょうど前方にあたるところに一つの黄色い光点が
あった。だがしかし、それはあり得ない筈だ。だってそっちは。
「海」
バカみたいに広い海があるじゃないか。さっきの参加者の距離から割り
出せば、そこがもう失格ラインを超えていることは明白だ。んじゃ誰が
………って、黄色?
宗一が気付くのとほぼ同時に島の上空を轟音が切り裂いた。慌てて見
上げたその先には――ホーネットが六機、何食わぬ顔で飛行していた。
「あーー……なんかとんでもなくいやーんな予感がしないでも」
彼の予感はまたもや見事的中した。参加者が居る筈の無い方角を向い
て、良ーく目を凝らして見る。そこには先日就役したばかりの、人類最後の
巨艦と謳われた人造物がさりげなく浮かんでいた。
ニミッツ級原子力航空母艦、エンタープライズIV。
と、いうことはですね奥さん。僕こと那須宗一のステキ思考ロジックから
考察するに、あの空母のなかでウイスキーでもひっかけながら優雅にこの
島の様子を眺めているのはですね、つまりあの
『私がUnited States of America大統領、アレックス・グロリアである! 諸
君らの奮闘は我が合衆国の誇る軍事衛星、U2スパイ偵察機などによって
逐一監視してある。万が一参加者の生死に関わる事態が発生した場合は
速やかに対処するので心置きなく頑張って欲しい! なお、この大会が終
了の暁には60分のドキュメンタリー番組を編集する予定だ。笑いあり、涙あ
りの素敵なTVプログラムにするので楽しみにしていて欲しい。あとマルチ
ちゃん初音ちゃん千紗ちー頑張ってね〜』
黙れロリコンが!!!
と宗一のツッコミも聴こえるはずが無く、島全土に爆音で出力された放送
が切れた。全くあのロリコンはお祭り好きだ――
『那須の宗一よ!! 聴こえているか!? 篁だ。私も貴様の奮闘ぶりをこ
こで監視しているから思う存分戦ってくるが良い。――思えばあの頃の貴
様は実に可愛いものだった。あのまま幼さの残る姿のまま一生私の手元
に居てくれれば良かったのに……なぜ逃げ出した!!! 万が一最後ま
で逃げなれなかったならば貴様一生この私の元で』
言葉の続きはホーネットの爆音にかき消されてしまった。
何だ!? 俺は一生何をせにゃならんのだ!!!?
『……と、いうことで那須宗一よ。死力を尽くして頑張って欲しい』
最後は日本有数の財閥の長らしい口調だった。それを合図にして上空の
ホーネットがアクロバティック飛行を開始した。カラースモークの代わりに
『マルチ萌えー』『千紗ちー萌えー』等と書かれた横断幕を引きながら。
「…たく、呑気なもんだな」
その様子を見上げつつ、彼こと那須宗一はなんとも言えない気分になっ
たらしい。とにかく、鬼になることだけは彼の本能が危険と告げていたそう
だ。
【那須宗一 海岸】
【エンタープライズ(ていうか合衆国) 鬼ごっこ前面サポート】
【合衆国大統領アレックス・グロリア 島全土に放送 あとロリコン】
【篁 同上】
合衆国及び篁財閥はゲームの進行自体に関しては不干渉ということで。
…ダメ?
あ、スマソ。追加で。
【ドラ○ンレーダー 使用回数あと3回 リアルタイム表示ではなく、押した時の状態のみ表示】
藁田
来栖川や高倉も全面支援なんだろか
あ、あと篁は炉というよりはショタなんでないかとw
んでは
【ドラ○ンレーダー 使用回数あと3回 リアルタイム表示ではなく、押した時点の状態のみ表示】
【那須宗一 海岸】
【エンタープライズ(ていうか合衆国) 鬼ごっこ全面サポート】
【合衆国大統領アレックス・グロリア 島全土に放送 再起不能のロリコン】
【篁 島全土に放送 実はショタコンだったり】
ということでお願いしまつ。
「ハッハー! 俺は勝つ。絶対勝つ! 絶対勝って、あのいけ好かねぇ仮面野郎を足に敷き、エルルゥを俺様にふり向かせてやる!」
「あっそう。それはよかった」
ここは海岸近くの森の外れ。そこに一組のアベックがいた。
「ところで麗子、今の放送は何だ?」
「どこぞの馬鹿が調子に乗ってるだけでしょう。私たちには関係ないわ」
世にも意外な組み合わせ。ヌワンギ&石原麗子、その2人である。
「……で、ヌワンギ君。私たちはこれからどうするべきだと思う?」
「むぅ……そうだな……」
この奇妙な2人。何故行動を共にしているかと言うと……
『クッソォ!? 誰だこんなところに落とし穴なんて堀やがったのは。誰かが引っかかったらどうするつもりなんだ!?
ていうか俺様がかかっちまっただろ! 俺様の歩く場所に罠なんてかけるんじゃねぇよ! ていうか出せ! 誰か出せ! 俺様をここから出せぇぇぇぇ!!!』
『五月蠅いわね』
あまりにもやかましいから、助けた。それだけだ。
今からタイトルをつけるのは、まとめサイト管理人さんの仕事を増やしてしまうような
気もしますので、私のは余裕があったらで構いません。
とりあえず私の投下した作品のタイトルを。
025 時を越えた出会い
053 木の上の眠り姫
062 洞窟探検開始
麗子としては別に自分は参加者であろうが鬼であろうが構わない。はっきり言えばどうでもいい。ゲームなどに興味はない。
「まぁ、大神や星の記憶を紡ぐ者まで集たみたいね……。よくやるわ」
超先生の超先生による超先生のための超設定。その申し子とも言える彼女。はっきり言えば、優勝することなど造作もない。
「けどねぇ、ズルして無敵モードのゲームなんてやったって面白くも何ともないのよ」
他の連中。異能の者、神まで含めた者共はどうやら真面目にゲームに打ち込んでる様子だった。
「ようやるわ」
よって、彼女は適当な頃合いを見計らって鬼にでもなり、あとはどこぞに隠れ、静かに過ごすつもりだったのだが……
「うっしゃ! まずはエルルゥだ! エルルゥを探すぞ! 付いてこい麗子。俺様を助けた褒美に、特別にお前には俺様と同行する許可をやろう!」
「はいはいありがと。それじゃ行きましょうか」
その平穏も、この小うるさい男のおかげで破られた。
「感謝しろよ麗子。俺様はいずれ皇(オゥルォ)になる男だ! テメエみたいなペーペーの平民がおいそれと口をきける相手じゃねぇんだぞ!」
無知とは恐ろしい。一分でも麗子の正体を知る者ならば、彼女にこんな口の聞き方は出来ないであろう。
「はいはい感服しますわヌワンギさま」
しかし麗子は一向に気にしない様子でヌワンギの後を付いていく。この男とは二、三言葉を交わしただけで器の小ささ、人間の浅さは見抜けたが……
海は深い部分ばかりではない。
海を知る者は深きも浅きも知り、認める必要がある。そういうことだ。それだけのことだ。
麗子は、この明かに小悪党な男をしばらく観察することにした。
「ふふっ……。たまにはこういうのもいいかもね」
「あ? 何か言ったか?」
どうやらこのゲーム、思ったよりも退屈せずにすみそうだ。
【ヌワンギ&麗子 行動を共に。とりあえずエルルゥ探し】
各葉鍵ゲーでならした俺達端役部隊は、影の薄さを指摘され存在を抹消されかかったが、
えいえんの世界を脱出し、この島に潜った。しかし、目立たずにくすぶっているような俺達じゃあない。
出番さえあればプライドかなぐり捨ててなんでもやってのける命知らず、
無個性を個性にし、巨大な悪(主人公)を粉砕する、俺達、端役野郎M(マイナー)チーム!
俺は矢島。通称当て馬。
バスケットボールとフラレっぷりの名人。
俺のようなイベントに絡むキャラでなければ無個性軍団のリーダーは務まらん。
俺は垣本。一応サッカー部。
自慢のルックスに、雅史もイチコロだといいなあ。
ハッタリかまして、フォワードから不審船撃沈まで、なんでもカマしてみせるぜ。もうホモでいいです。
ようおまちどう。俺様こそ城島司。属性は幼馴染(茜と)
えいえんの世界に消える腕は天下一品!
小説版のみ?ドラマCDは声がグリーンリバーライト?だから何。
俺は南。通称沢口。
名前を間違えられる天才だ。プレイヤーでも騙してみせらぁ。
でも机を高く積み上げられるのだけは勘弁な。
俺達は、最強主人公どもにあえて挑戦する、
頼りになるのかどうか分からない神出鬼没(すぎて誰も気づかない)の4人組、端役野郎Mチーム!
ちょうどいいやられ役が欲しい時はいつでも呼んでくれ。
「……と、意気込んだのはいいが……」
暗い森の中、溜息をつくのは矢島。
「まさか……こんなことになるとはね……」
同じく溜息をつくのは垣本。
二人は声を揃える。
「「まさか、城島と南が出場規定に引っかかるとは……」」
理由は簡単。個性が無さすぎたから。
「……なあ兄弟。俺は今、たとえ半端でも個性が……いや、立ちグラがあってよかったと思ってるよ」
「俺もだ……兄弟」
……端役野郎Mチーム、ゲーム開始前に半壊。
そして……
「なんで俺を誘ってくれないんだよ……」
家の隅で橋本は一人でいじけていた。
【矢島・垣本 仕方ないので二人で参加】
【橋本 家でいじけてる】
わ、よりによってタイトル間違えた。
端役Mチーム→端役野郎Mチーム
で、お願いします。
えーっと、では私も便乗して…
008:みさきと智子
021:眠れる森の…
023:迷コンビ誕生?
032:岡田軍団 いきなりピンチ編(笑)
035:美しき浜辺にて
040:子鬼、出現
047:ポッキーの結ぶ友誼
050:流れ着いた落し物
055:レモン銃
058:気紛れが招いた物は…?
064:大志と瑞希 仕返し編?
072:岡田軍団 空腹編
079:星空の『優しい鬼』
…何も考えずに勢いとかだけで書くと、タイトル付けるのに悩みますね…
それに、あんまし他の方とリレーしてない気がするし、タイトルセンス無いし…(汗
私のも、お手空きの時にでもちょちょっと、って感じでいいです。と言うか、無題のままの方がいいかも…
001:スーパー誰彼ブラザーズ〜弟の名前なんだっけ?〜
002:上上下下左右左右BA〜自爆することもあります〜
005:タケヤリ・アタック→「いっき〜鎌の方が強いし〜」(変更)
011:超兄貴〜漢の中の漢〜
019:スペランカー〜一瞬の油断が命取り〜
030:シスタープリンセス〜お姉ちゃん大好き〜
036b(アナザー):アトランティスの謎〜永遠に謎〜
038:ショップ屋ねーちゃんの大冒険〜落ちてるモンは喰うなよ〜
043:やおれるもの〜ノーコメント〜
057:ごめん→「サイレント・ヒル〜彩にするか迷った〜」(変更)
063:Sister2〜カオリの逆襲〜
073:がんばれちーちゃん!〜独り酒〜
076:デスチヅルゾン〜せっかくだから〜
>>450:ディーの食卓〜楽園放逐〜
まぁ、暇な時で構いませんので。
デス様と来たか・・・(w
「俺は不潔ないい男〜♪」ふりふり。
「いい男ったら(・∀・)イイ!男〜」すばしっ。
住井&北川の歩く地雷原ブラザーズは次の敷設ポイントを求めて彷徨
う。とりあえず無事に森林を抜けることが出来たため自分達のトラップに自
ら嵌まってしまうといった愚行は避けられたが、逆に見通しの効く場所に出
た事で他の鬼たちに発見される可能性も高くなった。
「角刈り頭で女投げ〜♪」んがっ。
「デンジャラス、デンジャラス」しゃきーん。
既に二人は次の敷設箇所を建物と決めている。とすれば彼らの向かう先
は必然的に平坦な地形の方になるわけだ。少なくともこれまでの所、この
先にある建物の殆どは港近くの開けたところでしか見かけていない。
「便所の花でプロポーズ〜♪」むはーん。
「でーでっででっ、でっででで」しょぴーん。
舞台は夜だ。誰かが夜だと言ったのだから何がどうしようと夜なのだ。つ
まるところ別の誰かが朝だと言えば、途端に島は朝を向かえるという可能
性を示唆しているのだが――そんなことはどうでもいい。
要は辺りが暗くて発見される確率も低くなっているということだ。その要因
の一つに二人が阿呆みたいに掘りまくった落とし穴の影響があるのも確か
だったが、しかし彼らは自らの作り出した罠にどれほどの人間が餌食に
なったかなど知る由もない。もしトラップに敵に回してはいけない人物が
引っ掛かってしまったら――多分、一生追われる身になるだろう。いろんな
国のいろんな組織から。
「歯糞を飛ばしてアイラヴユーベイベ〜♪」あちょー。
「鬼ィ〜ッ!!」きゃーうわーいえーい。
だみだこりゃ。
こんな感じで、一歩間違えれば有害指定を受け兼ねない自律歩行爆発
危険物二体は一軒の民家に辿り着いてしまった。
「北川、建物だぞ建物だぞ建物ですぞ建物キタ━━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(゚∀゚)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━━ !!!!!!!」
再び参加者を泥まみれに出来るとなって住井はもはやエレクト寸前だっ
た。なんというか、悦の入った表情がヤバイ。
「HAHAHA、落ち着き給へ同志スミイよ。何事にも順番というものが肝要
だ。まずは段取を練ろうではないか」
一瞬にして配役を悟った北川は、上官らしい優雅な足つきで同志スミイ
の後を追う。彼は今やバルティック艦隊司令官ロジェストウィンスキー中将
の霊が乗り移ってしまったかのようだ。
もはや当初の目的である鬼ごっこからかけ離れつつある二人は一通り民
家を調べキッチンに置かれた卓についた。
「さて、タヴァリシチ・スミイよ。貴官はこのハウスをどう処理する腹づもりか
ね? ん?」
「サー、玄関のドアに黒板消しなどいかがでしょうか。サー」
「うむ。基本だな」
「サー」
住井と北川は若干間違った知識を用いつつ、奇妙な会議を進める。
「サラダオイルをありったけぶちまけるというのはどうかね?」
「サー、それは引火する危険がなきにしもあらずであります」
「ニチェヴォ! そうか、そうであったのだな」
大袈裟に頭を抱える北川。東郷艦隊がやってきたのだ。
「サー、我々はビックリハウスを作りに来たのではありませぬ。あくまでも
我々は、参加者どもを小一時間ばかり困惑させ、逡巡させ、ついでに女性
ならばひと肌ふた肌露出しちゃうようなトラップを敷設するのでありますから
して、人死にが出てしまってはいけません。サー」
「全く同意見だ。よく言ってくれた同志スミイよ」
「サー」
「ならば我々は目的に相応しい素晴らしきトラップを建造しようではないか」
「サー」
それから二人はたっぷり30分ほどかけて、その民家をトラップハウスに仕
立て上げた。
「これでこの民家に入った者は素晴らしいことになってしまうだろうッ!」
「やったな北川!」
いつの間にかロシア兵からケイン・コスギと宍戸開に役を変えて二人は
手を組み、声高らかに去っていった。真っ暗闇なのにやけに眩しいのは気
のせいだろうか。
20分後。
「痛ぇ!なんでバスケット部員たるこの矢島ともあろう者がこんな格好しな
きゃいけないんだ!」
「なんなんなんなんだよこの家はあああだだだだ」
「垣本、大丈夫か!? いだだ」
「ダメだぁぁぁだだ――嗚呼、目の前が真っ暗になってゆく…」
「垣本ォ!! そんな格好で失神したらまんまマゾだぞ! 起きろ! 垣
本ォォォォォォ……」
次の日、大の男二人が天井に亀甲縛りでつるされて悶絶していた所を鬼
の一人が発見、捕縛させられたらしい。
「――なんで同じ脇役のアイツラにやられなきゃなんないんだ。――バスケ
か? バスケが悪いのか!?」
「コロす……キタがワ…スミい…コろス……ウゴァガアあアアぁァァァ…!」
【地雷原ブラザーズ さらに撃墜数を増やす】
【垣本・矢島 悶絶→開始早々鬼に 地雷原ブラザーズに復讐を誓う】
まあ確かに南と司はほとんどオリキャラにならざるをえんからなあ。
505 :
絵描きと耳むすめ:03/03/22 16:53 ID:ZS4P168y
森の中を一人歩いていたエルルゥ。
木にもたれかかっていた、一人の男性と出くわしていた。
エルルゥにとっては、不幸と幸福の狭間というところか。
深い森の中。エルルゥにとっては、いやな思い出のある場所だから。
開始早々、ムックルに乗ってどこかへ行ってしまった妹を捜して、他の友人たちとは別れてしまった。
結局一人は不安で、だから、知り合いじゃなくても人と出会えたのは、良かったこと。
が……
いきなりその彼が、スケッチブックを取り出して、自分のことを絵に描き始めた場合、いったいどういう反応をすればいいのだろうか?
「あの……」
「じっとしてて」
「はぁ……」
森の中、闇は深い。
いくら森になれているとはいえ、あまり動き回りたくはない。
しかし、いきなりこんな行動とりはじめる男性と、一緒にいて大丈夫なのだろうか?
エルルゥは、答えを出せず、ただじっと座っていた。
【エルルゥ、千堂一樹と出会う】
【自己紹介もしてません】
南はともかく、司はちゃんと性格が決まってるだろ。
斉藤はどうなるかね・・・はちくま仕様なら可か?
508 :
酒盛り:03/03/22 17:18 ID:ZS4P168y
「そうか、兄ちゃんも苦労してるんやなぁ……」
「ええ……毎日仕事に追われる毎日ですよ……皇がもう少し仕事をこなしていただければ……」
「そうかそうか……飲みや飲みや、兄ちゃん。こんなお祭りの時くらい、ぱぁっと気ぃ抜かなあかん」
神尾晴子は、ルミラ&アレイの引く、屋台一号車で、酒を飲んでいた。
相方は、理知的で落ち着いた顔立ちの若者……ベナウィである。
「ありがたくいただきます。……ですが」
「金のことは気にしたらあかん。うちが奢ったるさかい」
「……すみません」
「ええからええから。一緒に飲んでくれたらそれでええ」
ベナウィは、コップの中の透明な液体を、一息に飲み干した。
「ええ飲みっぷりやなー」
すでに、二人ともいい感じに酔っている。
「悪くないものですね……こういうのも」
大勢での宴会はしばしば経験している。
彼の心酔する(いろいろ問題はあるにしても)皇と、二人で静かに飲んだこともある。
しかし、まったく面識のない相手と、二人だけで飲むというのは、初めてだった。
はじめはなし崩しだったが……悪くない。久しぶりに、心地よく酔うことができていた。
「はんぺんと卵、あとだいこん」
「はいはい」
晴子からの追加注文。ルミラ様は大喜びである。
おでん二人前に追加注文が次々、それに純米吟醸酒、二本。
大売れである。
(これで売り上げ一位は間違いなく私たち! あいつらには絶対負けないから)
二・三号車の面々の顔を思い浮かべながら、ルミラは思った。
【ベナウィ、晴子と飲んでいる。二人ともほろ酔い加減】
【ルミラ様売り上げにご満悦】
507>却下だろ。さすがに。
こんにちは。僕いとっぷです。
――とか言ってるような状況ではありませんよ。
え、なにがって? いやだからさっき説明した通り、へんな集団に捕まっ
て囲まれて撃たれて速攻タッチされてこうやって鬼ライフを満喫してるわけ
なんですよ。いや全ッ然満喫出来てないんですが、なんていうんですか?
日々刻々と移り変わり行くこの社会に於いて一つの事象にとらわれるこ
とがいかに多大な労力を要するか――って、そんなこたぁどうでもいいです
が。
とにかくあのおじいさん(ずいぶん元気だったな、しかし)にトリモチ銃を剥
がしてもらって、『これでおめぇも鬼だな。ケケッ』とか言いながら襷渡され
て。――しかしヘンなデザインだなこれ。もっとちゃんとしたのにすればいい
のに……って、また話が逸れましたね。
おじいさんと別れてからはまあ鬼っぽい行動に出てみたわけですよ。他
の逃げてる人達を追撃してみたり、こっそり待ち伏せしてみたり。そりゃ俺
だって脇役とは言え一人の人間ですからそれくらいはしますよ。でもね、
ちょっと一言云わせていただけますか? あ、いいですか? んじゃ云いま
す。えーと、あ、これマイク入ってます? そうですか。それでは改めて。
――特殊能力者多すぎなんだよ。
いやね、もーどうやって捕まえろって云うんですか? だって宙にういてる
んですよ!? なんか羽とか生えてるし。もうね、バカかと。アフォかと。お前
ら何様のつもりなんだと小一時間問い詰めたいね。お前ら羽毟ってやるか
らちょっと降りてこいと。まーでも仕方なかったりするわけですよ。だって彼
らが居なかったら面白くならなじゃないですか。そしたら当然僕らの知名度
も下がる。仕方ない。世の摂理ですよ。
脇役中の脇役のこの俺から言わせてもらえれば今、脇役の間の流行は
やっぱ脇役狩り。言わば同志撃ち。ブルーオンブルー。これだね。ヘンな特
殊能力持ってるわけでもないし、例え捕まえても後腐れない。で、ある程度
数集まったら一緒になって主役狩る。これ最強。
しかしこれをやると最終的に登場するキャラが脇役だらけになって結局あ
まり目立てない罠。素人にはオススメ出来ない。まあお前ら他ゲームキャ
ラは大人しく脇役に徹してなさいってこった。
「……ねえ、皐月ちゃん。あれ伊藤君じゃない?」
「あ、ホントだ。あいつも来てたのね」
「うわ、ひどいこと言いますね皐月さんも」
「そう?」
「うわ、自覚ないし。………伊藤君はさっきから何をやってるのかな?」
「さあ? なんかブツブツ一人事喋ってるみたいだけど」
「……あんまり近寄らないほうがいいかな? 鬼になっちゃったみたいだし」
「そね。気付かれないうちに逃げよ」
【いとっぷ トランス気味 二人に気付いてない】
【皐月&ゆかり いとっぷと遭遇 気付かれないうちに離れる】
諸君、久しいな。
汝らに崇められうたわれるもの、ウィツァルネミテアの分身ことディーだ。
残念ながら開始早々、私は一瞬の油断によって鬼になってしまった。
だがそれでも構わないと私は思う。元より私に逃げる姿勢など似合わない、徹底的に他の参加者を追いつめ、狩り、鬼としてスコアを稼いでこそ私らしいというものだろう。
しかし……しかしな……
「ヘー、お兄さんディーって言うノ?」
「ああ、そうだ……」
「じゃあこれからはDって呼ばせてもらうネ!」
……私のことを妙な発音で呼ぶ目の前の小娘。レミィとか言うそうだ。
私と同じ金髪。カミュと同じ碧眼。そしてウルトを超える……
「……! ……から、……たち!」
ぼいん、ぼいん、ぼいん。
……おっぱい。
「D! ……D! 聞いてるの!?」
「ん? あ、ああ……すまない」
「モウ! ちゃんと頼むヨ! これから私たちはパートナーなんだから!」
……は?
今何と言った?
この小娘は、なんと言った?
私に矢を射かけ、撃ち落とし、あまつさえ焼いて喰おうとしたこの女はなんと言った?
「私とお前が……パートナーだと?」
「そうだヨ! HuntingっていうのはHunterとHoundが一致団結しなきゃ成功しないんだから!」
いや、それはわかる。
「……で、なぜ私がお前と……」
と当然断ろうとする私の口。
「いや……待てよ」
私は鬼として撃墜数のトップに立たねばならない。というか、ウィツァルネミテアのプライドに賭けて他の小さき者どもなどに負けるわけにはいかない。
だが……
「せいあっ!」
「……What's the matter D?」
ためしに手のひらに魔力を集中させ、レミィにぶつけようとしてみるが、そもそも魔力自体が集束しない。
「…………まずい」
非常にまずい。
撃墜数トップどころか、体力・魔力ともに衰えきったこの体、まともに走ることすら出来るかどうか不安になってきた。
……もうちょっと運動しておけばよかった。
「後悔先に立たずとはよく言ったものだ……」
「それじゃD! そろそろ出発するヨ!」
「むっ! 待てレミィ! 私を置いていくな!」
……仕方がない。
この小娘……せいぜい利用させてもらって得点を稼ぐとするか……。
五分後。
「もうD! 遅いヨ! 何やってるの?」
「ぜー、はー、ぜー、はー、ぜー、はー………」
……果てしなく不安だ。
【レミィ・ディー 主従関係を結ぶ】
518 :
名無しさんだよもん:03/03/22 18:28 ID:TCQ2VzTf
ぢつは…岡崎朋也、斎藤、南、橘敬介ネタ考えてたんですが…NGですね?
書いたモン勝ちよ。
>>519 過度に不条理でなければOKなんでないですか?
雰囲気的に斎藤はちくま仕様はNGっぽいけど。
とぼとぼと歩いている内に辿り着いたのは、島の高台にある広場だった。恐らく、公園か何かにする予定
なのだろう。ここから見下ろす景色は、さぞや綺麗な物に違い無い。
…が、今は夜である。リゾート化が進めば美しい街の夜景などが見えるかも知れないが、まだ充分に開
発されていない島は、静かな闇の中に沈んでいる。――代わりに、空を見上げた。
「わぁ…、綺麗……」
素直な感動を言葉に紡ぐ少女――神岸あかり。
スタート早々、浩之は見失うし、志保はあっという間に消えてしまうし、雅史とも逸れ、母も行方知れず…
ここに来る迄誰とも遭遇しなかったし、鬼に追い掛けられる事も無かった(…途中の森で、木々の間を凄
まじい速さで跳び回る二つの影を見たが、何だったのかは解らない)。ある意味、幸運とも言えるのだろうが、
誰とも遭遇しないというのは、それはそれで悲しくもあり、寂しくもある。
何れにせよ歩き詰めで、もうくたくたであった。あかりは、今晩はここで休む事に決めた。危険な事は無い
だろう。只の鬼ごっこだ。何も殺し合いをしている訳では無いのだから。
星の光を頼りに座れそうな場所を探すと、視界の隅にベンチを見つけた。
「ふう…、よっこらしょ…っと」
些か年寄り臭い声を放ちながら、あかりはベンチに腰を下ろす。…すると、今迄の疲れが一気に沸き上が
り、体に重く圧し掛かって来る。同時に、眠気も――
「――誰だい?」
その声に、あかりは肩を震わせた。緊張が、疲れをどこかに吹きやってしまう。
「えっと……」
声には何となく、聞き覚えがあった。
「……雅史ちゃん?」
「…いや、僕は雅史と言う人ではないよ。 ――君は、鬼じゃないんだね?」
「は、はい。鬼じゃないですよ」
「…ん、なら、いいか」
がささっ…――と、ベンチの傍の茂みから、一人の少年が姿を現す。あかりと同じ位の年頃だろうか?
妙に線の細い…というか、儚げな印象を与える人だった。
「改めて初めまして。僕は氷上シュン。――君は?」
「あ、はい…――神岸あかりです」
「――そうか…。友達と逸れちゃったんだね。フフ…、でも、他の皆も同じ様な状況だと思うよ。神岸さん
だけじゃなく…」
「そうだね…」
二人はのんびりと会話をしていた。同年という事もあってか、互いの口調は自然と砕けた物となっている。
…星空の下で若い男女が二人きり――という状況であるにも関わらず、互いはごく自然体であった。あかり
の人懐っこい性格も然る事ながら、シュンがナチュラルな物腰を崩さない為であろう。
「…でも、君が鬼じゃなくて良かった。鬼だったら逃げ切れなかっただろうから」
「? どうして? 私、走るのあまり早くないよ?」
「僕は走れないんだ。心臓の病気でね」
シュンの口調には、澱みも翳りも無い。
言うなれば、晴れ晴れとした絶望――そんな雰囲気の何かが、彼の横顔にはあった。
「――ああ、そんな顔をしないで欲しいな。君を悲しませる為に言ったんじゃないから」
「で、でもっ…、こんな――鬼ごっこなんてしちゃ、いけないよっ? 激しい運動とかは、その――」
「万が一の事があっても大丈夫だよ。…」
――と、シュンが何かを懐から取り出す。掌に包める位の筒状の物で、筒の片側に大きなボタンがある。
「“ナース・コール”――やばいと感じた時にこれを押せば、待機している医療チームの人達がすぐに駆け
付けてくれる。他にも僕と同じ様な病気の女の子もいたから、その子も持っているはずさ」
「そんな…、そんな物まで持たせて参加させるなんて、千鶴さん…酷い」
非難する――と言うより、悲しみの余り眉を垂れ下げるあかりを見て、シュンは優しく微笑んだ。
「誤解しないで。柏木さんは、そんな酷い事はしないよ。このゲームには、僕自身の意志で参加する事に決
めたんだから。もう一人の女の子もそうだと思うよ。…君達にはある意味“ドッキリ”だった訳だけど、僕には
来る前に、実は鬼ごっこをやるんだって事が知らされていたからね」
なるほど、彼は無理矢理にではなく、自分の意志で参加を決めた訳か。…しかし――
「…でも、それでも、………体は、大切にしなきゃ、駄目だよ」
「…僕は――」
――あかりの瞳には、同情ではなく、本気で心配してくれている光があった。そんな目をしてくれる少女の
前では、とても言えない言葉。…シュンはその言葉を飲み込み、あかりから眩しげに目を逸らせて夜空を
見上げた。
「――僕だって、鬼ごっこがしたいんだ。楽しい想い出になる…――それじゃ、駄目?」
ふざけた様なにっこり笑顔が返って来て、あかりは、ぷぅっと頬を膨らませた。
「そ、そういう事じゃなくて…!」
「フフっ。まぁ、僕にだって鬼ごっこを楽しむ権利って物があるって事だよ、神岸さん」
「むぅ〜………」
納得がいかない様子のあかりを見やり、シュンはどこか楽しげに微笑む。
「確かに走り回るのは無理でも、見つからない様に巧く隠れて移動するっていうのも、なかなか楽しい物だよ?
実際、僕は今迄そうして来た。何度か鬼を見掛けたけど、そうやってやり過ごして来たんだ」
――確かに、彼の言う通りでもある…。『鬼ごっこ』とは、追い掛け追い掛け回される遊びであるが、同時に
“隠れんぼ”の要素も多分に含んでいるのだ。走り回らなくても良い。要は見つからなければ良いのだから。
「…うん。解った。じゃあ、私も走り回るのはちょっと苦手だから、氷上君と一緒に動くね?」
「いいよ。さっき話してくれた、“浩之ちゃん”を見つける迄ね」
悪戯っぽく笑って言うシュンに、あかりの顔が夜目でも解る位に赤くなった。
【神岸あかり 氷上シュン 高台にある公園予定地で出会う】
【シュン 万が一の場合に備えた『ナース・コール』所持】
ほぼオリキャラとなってしまうような連中はさすがにNGだろ。
他の作者がそのキャラの絡んでるシーンを描けなくなるし、反発も多い。
割り込みすいません
528 :
522:03/03/22 18:55 ID:pdadAb8o
ところ変わって鶴来屋の一室。
「皆さん楽しんでいるようですね。」
多数のモニタを眺めながら心底楽しそうに呟くのは水瀬秋子だった。
彼女は『皆が楽しんでいるのを見守るほうが楽しい』という理由で
審判員としての参加を申し出ていた。
確かにこの人数の競技の運営を千鶴一人で監視するのは難しく、
その補助が必要なのは明確だった。
審判員の仕事は監視カメラによる反則の監視、鬼の撃墜スコアのカウント、
非常時の参加者の救助などが挙げられる。
氷上シュンのようにいつ様態が急変してもおかしくない者が参加できるのは
影ながら支える彼・彼女らのおかげである。それ以外にもサバイバル能力の
無い参加者が危険な状態になることも十分考えられ、その対策も重要な
任務である。
人外、あるいは普通の人間でも何をしでかすか分からん連中が多い
ので、そういった連中を集中的にマークしているのは秘密である。
…という事になっているが、傍目には秋子は観戦して楽しんでいるようにしか見えない。
「皆さんがんばってくださいね」
参加者達全員にエールを送る秋子の瞳はどこまでも暖かかった。
【水瀬秋子 審判室 運営サイドとして参加】
「おのれー高野山!」
「許すまじー高野山!」
「おおおお前ら言ってることが訳分かんないぞ!」
「いいから無駄口叩いてないで逃げることに専念しなさい!」
さてさて始まりました真夜中の追走劇。逃げましたるはおなじみ我らが主
人公、相沢・天沢(娘)組。これを追いましたる鬼畜米英いやさ可憐なお嬢
様方、七瀬(留美)・広瀬組。先手を取ったのは天沢郁未嬢。陸上部で鍛
えた自慢の脚が今日もうなります。
「遅い! 弾幕薄いよ! なにやってんの!」
「お前までそんなこと言うのかー!」
やや遅れて相沢祐一。7年間の空白を屁にも思わない鬼畜っぷりは賛否
両論ありますが、とりあえずこの状況下では特に問題ありませんね。
「待ちなさい! 今日こそ脇役と言う殻を突き破って大空に羽ばたく時が
やってきたのよ!」
続きまして夢見る少女、広瀬真希嬢がこれを追います。普段は想像もつ
かないほど猟奇的な雰囲気を醸し出しつつかけぬける様はまさに鬼と言う
にふさわしや。
「ちょ、あんたたち速すぎ…!」
殿は意外にもあの七瀬留美嬢。某リレー小説で人類最強と謳われたクリ
リン的存在の彼女ですが今日は幾分調子が劣るように見受けられます。
生理?
「違うわ!」
そうですか。
各車第一コーナーを曲がり、程なくして地雷原を抜けます。縦に大きく広
がっていますが相変わらず先頭は郁未嬢。全くペースが衰えません。後方
の相沢、先頭に遅れる事5馬身。ややペースが衰えております。変わって
広瀬嬢が猛烈な追い上げを見せます。相沢までおよそ10馬身といったとこ
ろでしょうか。
「ヲイテゲー」
「広瀬、それ会社違う…!」
その間にも郁未嬢は淡々とピッチをあげます。陸上部らしい、走りに特化
したフォームで着実に独走態勢へと移行しております。
「走るのがこんなに気持ちイイことだったなんて……」
妙にえっちい声で呟きつつ天沢嬢は逃げる逃げる。
「んっふっふ…遂にこの時が! 脇役キャラが主人公を喰うその時が…!」
こっちもこっちで違う意味でアヤシゲな表情を浮かべております。
「おい、待ってくれっての!」
逃走劇もはや数分が経過し、徐々に疲れの色も見え始めております。そ
の中で留まるところを知らない郁未嬢。と、彼女は不意に後ろを見ます。
笑って、ます。
この女、なんか笑ってやがります。
相沢、ものすごーい悪寒が走ります。
「……まさか」
「そうよ。私はこのまま逃げるから。残念だけど生け贄になって頂戴♪」
かなりの勢いでランナーズハイな彼女と広瀬嬢との距離は既に追いつく
のが困難なほどに遠ざかっております。
「相沢君、あなたの勇姿は決して忘れないわよー!」
わざわざご丁寧に手まで振ってやがります。
嗚呼、もはや相沢に残された道は死しかないのでしょうか?
と。
「んべらっ」
およそ少女らしくない情けない声と衝撃音を上げて、突然郁未嬢は倒れ
こんでしまいました。前方の木に正面から激突してしまったのです。もちろ
ん広瀬嬢がその隙を逃がすはずはありません。あっという間に広瀬は追い
つき――
白目をむいた郁未嬢の前で、彼女はこう言ったと伝えられています。
「Girl……小便はすませたか? ガタガタ震えながら命乞いする準備はOK……?」
「ぎゃーーー!!!!」
「フハハハハハハ、仲間を裏切ろうとするからこうなるんだ! 相応の制裁
ということだな! では、さらばだ!」
そう言って相沢は姿を消しました。
郁未嬢が断末魔をあげている時、
「あだだだだ…こ、腰が…」
七瀬(留美)は一人おいてきぼりを食らったそうです。のたうちまわりながら。
【相沢 逃走】
【郁未 木にバンザイアタック 鬼になる】
【広瀬 郁未の始末完了】
【七瀬(留美) 腰痛が祟ってダウン 横になってしばらくすれば痛みは引くレベル】
そう来たか。
確かにそれなら最強秋子系の人達も納得だな。
活躍は全くできないけど。
夜の帳が島を覆い尽くした頃。
「参ったなぁ」
言葉の割にはまったく参った様で、ポケットから出した煙草に火を付ける。
男の名は、緒方英二。
「理奈も由綺ちゃんも弥生姉さんも勤労青年も居る筈なんだがなぁ…」
この島に着いてから、何の因果か偶然か、たった一人の知り合いにも出会うことなく
半日が過ぎてしまったのだ。
その間に追いかけっこに興じる鬼らしき姿や屋台で酔いつぶれている鬼などは発見したが、
幸いなことに見つかることなくどうにかやり過ごしてここまで来た。
(それにしても、鬼ごっこ、ねぇ…)
懐かしい響き。
毎日のように理奈に追い掛け回された日々を思い出す。まぁ、今も案外そうなのではあるが。
「ま、せいぜい頑張らせてもらうとするか」
英二はそう言うと咥えていた煙草を踏みしめた。
やるからにはトップを取らなくては意味がない。
「3代目ジェームス・ボンド、ロジャー・ムーアかく語りき…」
眼前にそびえる森を敢えて避け、遠回りをしながら昼の間に見えた丘を目指す。
闇夜の森に進路を取るのは、切り裂きジャックと夜道を歩くようなものだ。
それは彼のダンディズムではない。
「Live and let Die(死ぬのは奴らだ)」
【緒方英二 丘へ】
「うーむ、美味い」
「やはりチキンラーメンは最高だな」
「ああ。人類文化の極みだ」
少し背の高めの薮の中。そこでラーメンをツルツルとすする2人の男がいた。
体中を泥だらけにして今日一日の活動を終えた北川と住井。脇役コンビ(上)である。
「それにしても今日はよく働いたな」
「ああ。俺たちでもいくつ、どこに作ったのかわからん程の罠だ。せいぜい俺たちは森の中心部には行かないようにしようじゃないか」
ちなみに脇役コンビ(下)の連中は今頃罠の中でもがき苦しんでることだろう。
「にしてもこのゲームはよくできてるな。一時は食料はどうなることかと思ったが、まさか屋台までかり出してるとは」
「……少し高かったがな」
「ああ……」
……そう。屋台の食い物は軒並みそこらのコンビニより割高だった。学生たる2人の財布にはややキツイ。
「それよりも……」
チュルルッ、と住井が汁を飛ばしながらぼやく。
「確かに美味いことは美味いんだが、もうひと味ほしいな」
「うーむ、確かに。さすがにこれのみは少しさみしいな。そうだな、タマゴか……」
「あるいは、七味あたりを……」
『それはちょうどよかったわ』
コー、ホー……
「……なあ北川、今何か聞こえたなかったか?」
「うむ。聞こえた。というよりも今の声。なんだか俺には聞き覚えがあるような……」
しばらく無言で見合う2人。
「………逃げ……!」
ぶっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
「「うぐおぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉ……………!?」」
慌てて立ち上がり、逃げようとした2人であるがとても間に合わず、たちまちあたりは真っ赤な霧に包まれた。
「な、なんだこ……がっ、ごはっ!? の、喉が……」
「ぬおおおおっ! 目が……目が見えん!」
喉と目を押さえ、それぞれ悶え苦しむ住井と北川。
『ひと味足りないんでしょう? 七味がほしいんでしょう? ……だから差し入れに来たのよ』
「お、お前は……」
『こんばんは北川君。いい夜ね』
くぐもった声で普段通りに挨拶をする——しかし、その顔と手に握っている物は確実に非日常の存在である————
美坂香里!
「クッ、み、美坂……まさかお前がこんなに早く……鬼になるとは! 誤算だった……!」
『……私だって、本来の予定ではもう少し粘るはずだったのに……だったのに……。あの娘……』
俯いたその表情。ガスマスクのせいで読みとることができない……が、北川は何やら空恐ろしいものを感じた。
『まあそんなことはどうでもいいわ。ところで北川君、栞は見なかった?』
「栞ちゃん……? いいや……見てない。一緒じゃなかったのか?」
『一緒よ……一緒だったわよ! ……そのせいで……。そのせいでッ!』
突如様子の急変した香里は近間の木を殴りつけた。
『……まあいいわ。見てないんだったら仕方がない……。いい北川君。もし栞を見つけても……捕まえてはダメよ。あの娘は、私の獲物。私以外には指一本触れさせないんだから……!』
「わ、わかった。わかりました。了解しました香里様」
『よろしい……では、北川君、そしてそのお連れの方。鬼のお仕事……がんばってね』
そして香里は全く普通に、日常的な動作で北川と住井の肩をポン、ポン……と叩いた。
『探知機の類は値段が高いのよ……。あなた達だったら捕まえても、良心が痛まないしね』
【北川・住井 鬼になる】
【香里 二万円ゲット】
538 :
535:03/03/22 19:52 ID:6m8Hqn9l
打ちミスしました。
誤:言葉の割にはまったく参った様で
↓
正:言葉の割にはまったく参った様がない姿で
失礼しました。
539 :
名無しさんだよもん:03/03/22 19:53 ID:KY0IhFky
屋台の周辺って、鬼は捕まえられないんじゃないの?
>>539 そんな細かいことを気にしてたら生きていけないぜ。小物が。
>>539 ノリと勢いでGO!!
ノリ方間違えないように気を付けないと。
542 :
536:03/03/22 20:01 ID:btDmptjO
「屋台でチキンラーメン買って別の場所で食べてた」んだが情景描写が足りなかったか……
543 :
539:03/03/22 20:04 ID:KY0IhFky
スマソ。読解力不足だった。
「全く芳晴の奴、何が「お前と一緒だとすぐに捕まる」よ。この正義の天使コリンちゃんを舐めてるわね…アレは」
ルミラ一家狩りのことは最早忘却のかなたらしい。
自分に都合の悪いことは忘れる……コリンの特技である。
「そもそもあいつはなってないわよ! エクソシストの癖に死神といちゃいちゃして…」
天使の癖に人を騙すコリンも似たようなものだ。
「見てなさいよ…絶対優勝してやるからね…」
自分内芳晴に向けての決意表明。
まあ、実際コリンは鬼ごっこに向いている。
特に逃げるのには。
ただでさえ飛べる上、その特殊能力も非常に使い勝手のいいものがそろっていた。
先程も「タイヤキ、タイヤキ」言ってた鬼に、泳ぐタイヤキの幻を見せて逃げてきたところだ。
いや、泳ぐタイヤキの幻に騙される方にも問題はあるが…
「こーんなに役立つ相棒を放置プレイなんて… あとで後悔しなさい芳晴!」
感情が高ぶってきたのか、ちょっと間違ったことを大声で叫ぶコリン。
「ふむ、一人見つけたな」
その声に誘われて、セフィ…いやいや光岡が一体現れた。
まあ芳晴の気持ちもわかろうというものだ。
【光岡 コリンを発見】
【コリン ピンチ】
「水道も電気も生きてて良かったですね」
「本当。冷蔵庫にもたくさん食べ物がありますし」
あたりはすっかり暗くなり、周辺の草むらから虫の鳴き声が聞こえてくる。
高倉みどりと牧村南は、港から少し離れた高台にある作業員詰所のようなところにいた。簡素な
プレハブ建築ではあったが、夜と寒さは十分凌げるだろう。
それはさておき、なんでこのような組み合わせの二人ができたかというと、それは数時間前のことである。
ちょうど南とみどりは同じ森の中を歩いていたのだった。
「あら?」
「あら?」
とまあ、こんな感じで鉢合せしてしまうのは必然であって、
「あ、あの――こんにちは」
「こんにちは。鬼…ではなさそうですね」
「はい。鬼ではないですよ」
「そうですか…それでは、一人では心許ないですし、もし良ければ一緒に行動しませんか?」
「良いですね…私もそう思っていたところです、そうしましょうか」
となってしまうのだった。
その後簡単な自己紹介を済ませ、とりあえず丘に登ってみることにしたのだが、如何せん体力の無い
二人にとっては些か無理があったのかいつの間にか日が暮れてしまい、仕方なく近くの詰所に身を
隠したのだった。
「南さん、カレーができましたよ」
「サラダも出来ました。やっぱりカレーはアウトドアの基本ですよね。」
こんな時でもどこか抜けてる二人であった。
【南 みどり 詰所の中で食事中】
【詰所内の食料 1/5消費】
その夜、七海は散歩をしていた。
「コックさん〜♪ コックさん〜♪」
歌っている歌はかなり謎なのだが、楽しそうに歌いながら跳ねるように歩
く様は、ある種の人間を魅了するには――有り体に言えば『萌える』状態
に陥れるには――十分過ぎた。というか、既に一人犠牲が出ていた。
「あ、そーだ。だいとーりょーにアメもらったんだっけ」
そのだいとーりょーが何を意味するのか多分彼女は理解してなかっただ
ろう。だいとーりょー=アメくれた=良い人。しかもだいとーりょーとそーいち
さんは仲が良いらしい。優しそうなおじさんだったし別にどうってことはない
だろう。うん。
そんな感じで七海は何の危機感もないままにそこらへんを歩きまわって
いた。純粋に楽しかったのだろう。
547 :
萌えとは:03/03/22 20:30 ID:V20g+WcX
「あれ、なんだろ。あのコ」
由綺の目の前に、これ以上ないほど無防備で歩いている子供がいた。別
に誰から逃げてるとかそういった様子ではないらしい。手にはキャンディの
包み紙が握られている。
「うーん、どうしよっか」
このままでははるかたちを追うことは難しい。ただでさえ運動能力に違い
があったし、そのうえやたらと走りづらいところを逃げていくのだ。気付けば
完全に見失ってしまったのだった。
「あ、転んじゃった」
完璧なフォームで(そんなものがあるのか知らないが)七瀬は転んだ。草
原は慣れていないらしい。少し悩んだ後、由綺は様子を見て近づく事にし
た。
「あの…えっと、だいじょうぶ?」
恐る恐る訊ねてみる。うつ伏せのままで返事がない。
「ね、聴こえる?」
もう一度訊いてみる。その娘はゆっくりと起き上がった。
「たいじょうぶ? 怪我とかない?」
「…あ、ありがとうございます。ちょっと痛いけど、これくらいならがまん出来
ますっ」
そういって笑った。ちょっと涙目だ。どこか擦りむいたのだろうか。
「あ、血でてる。ちょっといい?」
由綺はポケットのハンカチでかるく拭いてやった。消毒液でもあればいい
のだけど、あいにくそんなものはない。代わりにペットボトルのミネラル
ウォーターで洗い流して、一枚だけ残っていたばんそうこうを貼った。
「あ…ありがとうございましたっ」
その手際に見とれていた七海だったが、作業が終了するとハッと気付い
てお礼を述べた。
「そんな、たいしたことしてないって……て、あっ」
548 :
萌えとは:03/03/22 20:31 ID:V20g+WcX
由綺は気付いた。そういえば自分は鬼だったんだっけ。
「え…っと、名前は?」
「七海っていいます」
丁寧に地面に字をかく。所々歪んではいたが読めなくはない。
「七海ちゃんっていうんだ。――ごめんね七海ちゃん、私鬼役なの」
申し訳なさそうに、由綺はあやまった。
「鬼役ってなんですか?」
「…へ?」
一瞬呆然とする由綺。
「なに…って、鬼になった人はなってない人を捕まえるんだよ?」
「そーなんですか!?」
「えっ……知らなかったの?」
「はい、知りませんでした」
「えーと………たっち」
「?」
「七海ちゃん、鬼」
「わたしが鬼さんですか?」
「うん。私も鬼だもん」
「そうなんですかー。……じゃあ、わたしも他の人をつかまえればいいんで
すか?」
「そういうことになるね」
うーんと頷く七海。ちゃんと状況を把握してるのだろうか。
「ねえ七海ちゃん、もしよかったら私と一緒に行く?」
「え、でもお姉さんはいいんですか?」
「私なら構わないよ」
「ほんとにほんとですか?」
「ほんとにほんとだよ」
「じゃあ行きますっ」
「うん」
549 :
萌えとは:03/03/22 20:31 ID:V20g+WcX
「お姉さん」
「由綺っていうんだ」
「じゃあ由綺さん、ポッキー食べますか? だいとーりょーにもらったんですよ」
「え、だ、大統領?」
「そーですよ。どーぞ」
「あ、ありがとう」
こうして七海と由綺の、父性本能くすぐりまくり☆超絶萌鬼コンビが誕生
することになったのである。当面の目標は――未定らしい。
【七海&由綺 共に行動開始】
あ、出そうと思ってたキャラ使われた。
キャスト変更せねば。
ナナミハ(゚∀゚)モラッタ!
嘘嘘。続き書きまくってください。
うまくいけばアナザー候補になるかも。
小出由美子は、注意深く辺りを見まわしながら森を進んでいた。
かなり深い森だ。
一応道らしきものはあるが、それは獣道とほとんど変わらない。
おそらく、このイベント終了後に整備するのだろう。
しかし趣味の旅行で田舎をまわることも多い由美子にとっては、それ程苦にはならない。
しかもLF97で戦闘キャラから外されて以降、ハカロワを含む企画でとことん冷遇されてきた彼女の燃えるような目立とうパワーの前では、この程度の難所などゴジラの前の国会議事堂に等しかった。
女性にしてはかなりのスピードでザクザク歩く。
「え?」
そのとき由美子の目に一本の大木が飛びこんだ。
道をそれたところにあるそれは、一見ただ太いだけのごく普通の木だ。
しかし由美子の日ごろから注意深く物事を見るセンサーはその木に反応する.
道をそれて木に近づく。
(ただの木よね?)
そう思いながら、じっくりと木を観察する。
するとちょうどその木に隠れるように鉄板が落ちているのが見えた。
(いや… あれは鉄のドアね)
認識を修正。
それは地面につけられた鉄のドアだった。
鍵はついていない。
「開けても大丈夫…よね?」
誰に聞くでもなく呟きながらも、もう既に開け始めている好奇心の強い由美子。
そして中を除きこむ。
「地下道?」
以外にもそこは光に満ちていた。
人口の床と壁が見える。
「地下道みたいね」
由美子は確信と共に呟いた。
【由美子 地下道を発見】
はははは。
ごめんなさい。吊ってきます。
店の前から奥の座敷に移された詩子は、茜と澪の看病の結果一時間後に意識を取り戻した。
「…んぅ…?あ、あれ?茜?澪ちゃん?」
「詩子、やっと気が付きましたか」
『気が付いてよかったの』
「あれ?私、突然ハトに襲われて…?」
「そのままお店の前で気絶していましたよ。でも良かった。やっと会えましたね」
「そうだよ〜。森の中歩いてたらいきなりいなくなっちゃうからびっくりしたよ」
「ごめんなさい」
「いいっていいって。茜も私を助けてくれたし」
『私も助けたの』
「澪ちゃんもありがと〜」
『えへへ、なの』
「ところで詩子、何か食べ物を持っていますか?ここには何も無くて…」
「食べ物?それだったらそこにあるじゃない」
指を差した先には、ショーケースの中に入ったショートケーキ、モンブラン、ザッハトルテ、etc…であった。
もちろん、茜のお目当てである特製ワッフルも含まれていた。
茜と澪は詩子の看病に忙しく、店先まで目が及ばなかったのだ。
「…盲点でした」
『気付かなかったの…』
「まあまあ。じゃ、早速食べようか」
「もう大丈夫なのですか?」
「うんっ、詩子さんは復活が早いよ〜☆」
【茜 澪 詩子 店内のワッフル及びケーキを食らう】
「はぁ……あああっ……た、助けてください……」
「うぐっぐっぐっ……(※笑い声)。そうはいかないよ……。今のボクにとってきみはたい焼き一匹と等価値なんだ。見逃すわけにはいかないんだよね……」
月明かりに照らし出された砂浜。ここの岩場の端に、2人の少女の人影があった。
「あのっ、その……わ、私……心臓が悪いんです。もう……そんなに長く、生きられないんです……。
最後の思い出に……精一杯、この鬼ごっこを楽しみたいんです……。もう少し、もう少しだけ……お願いします」
海縁に追いつめられているツインテールの少女、立川郁美は泣きそうな声で追いつめている……月宮あゆに懇願する。
しかし……
「うぐっぐっぐっ……(※笑い声です)。いいよ、楽しめば……逃げればいいじゃない……。とは言ってももう先は無い……それとも海に飛び込むぅ?」
獲物を目の前にし、あゆの目は物欲の迸りによって濁りきっていた。もはや彼女の目の前の『参加者』は人間でなく、『たい焼き』でしかない。
「そっ、そんな……」
「うぐっぐっぐっ……(※しつこいですが笑い声です)。どうしたのどうしたのもう逃げないの? なら……ここでTHE ENDだッ! ボクのたい焼きになるがいいっ!」
とうとうあゆの食欲が暴走を起こした。逃げ場のない郁未に向かい、食い逃げで鍛えた足腰で迫る。
(ああっ……!)
一方郁美の足に、もはや彼女の体を動かす力はない。ただ、運を天に……いや。
(お兄ちゃんッ……!)
兄・立川雄三に任せるしかない……
「うぐぉぉぉぉぉぉぉ!!!(※叫び声です) たい焼き一匹、ゲットだ………」
願いは通じた。……半分ほど。
誤:指を差した先には、ショーケースの中に入ったショートケーキ、モンブラン、ザッハトルテ、etc…であった。
正:指を差した先には、ショーケースの中に入ったショートケーキ、モンブラン、ザッハトルテ、etc…が鎮座していた。
ははは、私も吊ってきます。
「そこまでだぜっ……お嬢ちゃん!」
ドガッ!
「ぜうぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?」
突如浅瀬を飛び越え割り込んできた巨大な影。あゆは『それ』が振り回した長い棒によって、一撃で海の彼方へとはじき飛ばされた。
「バイバイキーーーーン!」
「乗りな!」
「え? え!? ええええっ!?」
『それ』は腕を伸ばして郁美の体を抱き上げると、勢いを殺さずそのまま岩場を駆け抜けていった。
状況がイマイチ掴めぬまま、それでも顔を上げ、自分を抱き上げた人の顔を見る……思わず郁美は、叫んでしまった。
「お……お兄……ちゃん?」
「おっとすまねぇなお嬢ちゃん。俺はアンタのお兄ちゃんじゃないぜ。俺はクロウってんだ……以後よろしくなっ!」
クロウは自己紹介しながらも乗っている馬……のようなトカゲに鞭を入れてさらに加速を付け、一路どこかへと向かっていた。
【郁美 クロウに保護される】
【クロウ ウォプタルに乗馬。槍を装備】
【あゆ 遠くへさようなら】
割り込んだ!?ホントにダメだ…吊ってきます(エイエソヘ・・・
にゃあ〜、鬼ごっこが始まって丸一日たつというのに、千紗まだなにも食べてないですよ。
夜に出た屋台もお金のない千紗は門前払いです。
このままでは鬼ごっこどころか、お腹と背中がくっついてしまいますですよ。
──くんくん、くんくん。
テラスのほうからいい匂いがしてきます。
テーブルの上に紅茶と天ぷらが用意してありますですぅ!!
きょろきょろ。
まわりには誰もいないみたいですね。
きっと神様のお恵みですよ。
にゃあっ。エビフライなんて猪名川温泉に招待されたとき以来ですぅ。
い た だ き ま す。
「それは、わたしのです…」
ふにゃあああああああぁっっ!!!
空間がしゃべったですよ!!!
千紗、誰もいないはずのテーブルのほうをみました。
そこにはさっきまでいなかったはずのお姉さんがお茶をのんでます!
「…これは不可視の力です」
千紗、お姉さんの話を聞くことにします。
「お姉さんは不可視の力で空気になれるのですか?」
「…いいえ、空気になったわけではありません。
心を無にして完全に気配を消す。長年の修行の成果です。
こうすることによって、私がいることを誰にも認識できません。
ここでお茶を飲みながら競技が終わるのを待っているだけで自動的に優勝できるのです」
にゃあ。このお姉さんまるで忍者ですよ。千紗びっくりです。
「でも千紗には見つかってしまいましたです」
「そうですね、料理の気配を消すのを忘れていました。…これからは気をつけないと」
「エビフライ、好きですか?千紗しっぽでいいからほしいですぅ」
あやや、黙ってしまいましたよ、お姉さん。千紗、おしゃべりすぎたでしょうか?
「…私はもういいです。残ったのはご自由に」
千紗にくれるんですか☆にゃあ、最初の印象と違って、優しいお姉さんです。
「しかしお姉さん凄いです。不可視の力って、千紗でも使えるようになるんですか?」
「それは難しい質問です。この力は誰でも使えるわけではありません。
FARGOに選ばれた信徒が長い修行を積み…………」
お姉さん、自分の世界に入ってしまいました。
ん、服がごそごそすると思ったら、千紗これをすっかり忘れてましたですよ。
お姉さんは自分の話に夢中になってます。千紗、急いで渡されてたモノを掛けました。
「…………あなたもFARGOに入れば可能性はあるかもしれません」
「不可視の力があれば鬼ごっこに優勝できるですか?お姉さん」
「容易いことです」
「でも、千紗、もう遅いんです」
そういって、千紗はお姉さんに鬼の襷をかけました。
「……これは?」
「さっき銃をもった軍人さんに捕まったとき渡されたんです。千紗、ドジだから今まで服に掛けるのをすっかり忘れてました…」
「………」
「騙したみたいでごめんなさい………千紗…なんて謝ったらいいのか」
「…………」
「では頑張ってくださいです☆」
千紗、さっそく一人捕まえました。鬼になってから幸先いいスタートです。
今日はいいことありそうです。長い髪のお姉さん☆
【塚本千紗(鬼) 鹿沼葉子を捕まえる】
【鹿沼葉子(鬼) 襷を持ったままボーゼンとしている】
管理室の扉がノックされた。中にいる秋子さん、穏やかな声でそれに答えると、
「夜食を持ってきました、水瀬さん」
「あら、足立さん。すみません」
「どうですか。様子は」
「特に、トラブル等はありませんよ。順調に進んでいます」
「そうですか」
机の上に、夜食の盆を置き、部屋の隅から椅子を引っ張ってきて座る足立さん。
「少しお休みになったらどうですか? 水瀬さん。長瀬さんたちも、二人を残して休憩に入られましたよ」
「ふふ、大丈夫ですよ。それに……」
「それに?」
「こんな面白いこと、見逃すわけにはいきませんよ」
一瞬間をおいて、足立さんは軽く笑う。
「あなたらしいですね。お疲れになったら、言ってください。私が交代しますから」
「はい」
盆を取って、体の前に置く。
「あらあら……名雪ったら、あんなところで寝ているからですよ」
くすりと笑って、鬼リストの中に、自分の娘の名を追加した。
【名雪、鬼になる】
【長瀬一族も運営者として参加中】
郁未と葉子が鬼なら少年も捕まえられるかも
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る
やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつらも
そいつらみんなをびしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまへ
はがねを鍛へるやうに新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ――
「嗚呼……いい事いうなぁ…」
いとっぷは宮沢賢治の詩集を閉じた。彼は宮沢賢治の数ある詩のなか
でも特にこの詩が気に入っていた。びっくりするくらい自分の事を言ってい
る気がしたからだ。と、いうことはつまり他の大部分の脇役キャラにも十分
あてはまるのだが生憎いとっぷはそこまで考えていない。
「俺もここで一身発起、なんとか名をあげることが出来れば、なぁ…」
人はなぜ、悲しくなった時に海を見たくなるのだろう。いとっぷは波打ち際
に一人腰を降ろしていた。肩にかかった襷が風と戯れる。いとっぷの朴訥
フェイスにも潮の香りが当たる。
中空には、上弦の月が輝いていた。三日月よりは大きく、かと言って満
月ほど明るいわけでもない。
「なんか……俺みたいだな…」
そういっていとっぷは力なく笑う。まるで全身の筋肉がその役目を忘れて
眠りこけているようだ。
もう一度詩集を開く。もちろんさっきと同じページだ。もう何百回と開いた
所為でページは手垢にまみれている。少し黄がかってもいる。夜目に慣れ
てしまえば月明かりで本を読むのは難しくなかった。いや、詩の一語一句
に至るまで完全に暗記しているいとっぷにしてみれば目を通す必要すらな
いのだ。
「あれ、いとっぷだ」
唐突に後ろから声があがった。もちろんその声を聞き違えるはずがない。
「何こんなところで妄想にふけってるんだ……って、やべっ」
いとっぷの肩に下がった襷を見て、声の主は立ち止まった。いとっぷは振
り向く。
「よう、なすびん」
「あ、ああ。よう、伊藤君……………………………………そいじゃまたね」
「――待てやゴルァ!!!」
「うわ、なんで怒ってるんだいとっぷー!!」
一目散に逃げる宗一をいとっぷこと伊藤はとてつもない速度で追いかけ
始めたのだった。
【いとっぷ 宗一ロックオン→フォックスワン】
【宗一&いとっぷ 海岸線を離れる】
「あははー」
「……」
「あははー」
「……」
「あははー」
「……負けました……」
藪の中で息を潜めていた理緒は、ついに佐祐理の前に進み出た。
「タッチです」
「はぁぁぁぁああぁああああぁぁ」
「どうしたんですか?」
「最後まで生き残りたかった……」
「あはは。佐祐理と出会ってしまったのが運の尽きです。あきらめてくださいね」
差し出されたたすきをかける理緒。
「それでは、がんばってくださいねー」
まったく楽しそうに、歩き去っていく佐祐理。
肩を落としている理緒の前には、万札が5枚、石に押さえられて置かれていた……
「お金持ち……」
石の下から札を拾いながら、心からの叫びを放った。
「お金持ちなんか嫌いだぁぁぁぁぁ!」
そしてお腹が鳴った。
【金の誘惑に負けた理緒、鬼になる】
【佐祐理も鬼】
佐由理を捕まえたのは誰かは、他の人にお任せです。
「待てェェェェェェェェ!!!」
「いやぁぁぁ……たすけてぇ……だれかぁぁぁぁ、たすけてぇ! こわいおじさんがまいかのことをさらおうとしているよぉ〜! ひとさらいだよ〜!」
「人聞きの悪いことを言うな! ちょっと触らせるだけでいいんだ! 別に怖いことも痛いことも何もしないっ!」
「いやぁぁぁぁぁん! しかもへんたいさんだよぉ、ぺどふぃりあだよぉ!」
久しいな諸君。こんばんわだ。
私の名前はディー。オンカミヤムカイの哲学者。汝等に崇められ、うたわれるものウィツァルネミテアの分身でもある。
とても偉いのだ。
「はぁ、ひぃ、はぁ、ひぃ……まっ、までぇぇぇぇぇぇぇ!!! さっさと諦めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「はぁっ、はあっ、はあっ……い、いやだよぉぉぉぉぉ!!!」
「がっ、くっ、ふっ……く、くそっ、目が……かすんできた。……肺が……胸が、痛くなってきた……」
「はぁっ、ひぃっ……つ、つかれてきたよぉ……」
状況を説明しようか。
簡単なことだ。レミィを配下に従えた私は、的確な状況判断によりとりあえず今は休憩を取るべきだと判断した。
どの道鬼であるわけだから夜襲などに怯える必要はない。夜風をしのげる場所であればよいのだ。
「がっ、ぐぁっ、ひっ……は、吐き気がしてきた……」
「あくっ、ふっ……あ、あのへんたいさんしつこいよぉ」
ほどなくして岩肌に適当な洞穴を発見した。素晴らしい、さすがは私の洞察力、我ながら感服する。
しかし食料が必要なのも確かだ(あの時のレミィの視線は思い出したくない……)。よって合理的判断により、レミィは食料調達、私は寝床作成と手分けして行動することになり、早速私は準備に取りかかった。
そして柔らかい葉や適当な枝を探していた、その折……
『……む? 誰だ、貴様は』
『あっ……わっ!? みつかっちゃった!』
今私が猛追跡しているあの子供……を発見したわけだ。
「がっ……くっ、待て……待てぇぇぇぇぇ! 子供だろうと空蝉だろうと! 一人は一人っ! 得点に差はない! 私の物になれ、そこの子供ぉぉぉぉぉ!!!」
「いやぁぁぁぁぁん! だれかぁ、だれかぁ、たすけてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
【ディー しのまいかと壮絶なデッドヒート中】
肩を貸し合って歩く瑠璃子の息が、少し荒い。彼女の額が薄っすらと汗ばんでいるのが、夜闇の中ででも解る。
美汐は、何も言わなかった。只、内心で――
(……ついていません)
脚を負傷し、お荷物となっている瑠璃子と共にいる事が――では、無い。休めそうな場所が見つからないのだ。
見つけたと思えば、鬼が近づいて来る気配。そして逃げる。また鬼の気配……悪運続きだった。
「……私はいいから、美汐ちゃん逃げて…」
一度ならず瑠璃子がそう口にしたが、そこで見捨てていける美汐ではない。
「言ったはずです。最後まで決して希望を捨ててはいけません…と」
だが――瑠璃子の体を支えながら歩き詰め、既に夜である。美汐の体力も限界に近付きつつあったし、何より、
瑠璃子の脚もちゃんと治療処理しなければならない。
「…仕方ありません。この辺で休みましょう…」
これ以上歩き続けるのは無理だと判断し、美汐は立ち止まって小道脇にある木の根元に瑠璃子を座らせた。
「近くに水辺などがあればいいのですが…――」
――呟いた時である。
人が近づいて来る気配。声――美汐は、緊張に身を強張らせた。鬼であったら、もう逃げ切れない。…そうなったら、
まず初めに瑠璃子の治療を頼もう。残念だが…
『…だんごっ、だんごっ、だんごさんきょうだい♪』
…歌声? なんてのん気な――と思いかける美汐だった…が、この声は――
「でもー、この歌随分古くない〜?」
「今流行の歌はあまり知らなくて…」
(――真琴…!?)
聞き覚えのあるその声。…だが、真琴が二人居る様な感じがするのは何故だろうか?
美汐は、しかし、そんな疑問は頭の片隅へと追いやり、叫んでいた。
「真琴ですか…!?」
――気配が緊張を帯び、止まるが、
「……美汐? 美汐なの?」
不安げな声と共に、再び近づいて来る。
「…あ――美汐だ♪」
曲がった小道の木の陰から、ひょこっとツインテールが顔を覗かせた。
――その後ろから、もう一人が姿を現す。
ショートカットの、真琴よりもほんの少し小柄な感じな少女。
「まだ鬼になってなかったんだね。よかった」
「真琴…」
一日足らず会っていなかっただけなのに、真琴の笑顔がやけに懐かしく、眩しく見える。
…美汐は、目頭が熱くなるの感じていた。
「――怪我をしているんですか?」
いきなり礼儀正しく訊いて来る真琴の声に、美汐がビクリと肩を震わせた。
――が、小走りに近付いて来るのは、あのショートカットの少女だ。
少女は瑠璃子に駆け寄ると、負傷している脚の具合を診始める。
「…擦り傷と、軽い捻挫ですね」
その声を聞いて美汐は、「ああ……なるほど…」と、内心で独りごちた。
声の質や感じが、真琴と似ているのだ。
「だいじょーぶ、美汐?」
心配そうな声で訊いて来る真琴が、美汐の腕に抱き付いて来た。
その柔らかさと温もりが、心地好い…
「……少しだけ、疲れました。…ですけど、真琴にまた会えて、元気が出ました」
「嬉しいって事?」
「そう……ですね」
にぃ〜っと笑いながら顔を覗き込んで来る真琴に、美汐も微笑み返した。
「……葵ちゃん、ごめんね…」
葵に背負われた瑠璃子が、やや弱弱しい声で詫びて来る。――彼女の膝の怪我は、葵の持っていた消毒液
と絆創膏で処置し、捻挫の方も枯れ木と蔓を利用して添え木を当てていた。
こういった怪我の応急処置は、葵の得意とする所だった。伊達に格闘技等を嗜んではいない。
「気にしないで下さい。月島さん」
「ふふっ、瑠璃子でいいよ…葵ちゃん」
「はいっ、瑠璃子さんっ」
「助かります、葵さん…」
「美汐さんも、気にしないで下さい。皆で助け合って、逃げ回りましょうね♪」
「そうですね…」
信頼出来る人物である葵と出会え、真琴とも再会出来た。…ようやく、悪運も離れて来たらしい。
……思えば、散々な一日だった様な気がする。あの瑠璃子の兄は、今頃どうしているだろうか…
「取り敢えずー、休める場所探そっ?」
疲れを濃く滲ませている美汐の横顔を見た真琴が、敢て元気な声を掛けてくる。
「はい…。その意見に、私も賛成です…」
答える美汐声は、半分あくび混じりだった。
【美汐・瑠璃子 森の小道で、葵・真琴と出会う】
【瑠璃子の怪我は、葵所持の消毒液と絆創膏で処置。軽い捻挫も、蔓と枯れ木を利用して添え木処置】
「うーん」
少女が2人、小川に行く手を遮られていた。双子としか思えないほどよく似ている少女たち。
たった一つ違いがあるとすれば、1人は制服で、1人は裸であるというところだろうか。
もう完全に。やましいことなど何一つないというように、ごく自然に裸体を晒している。
制服姿の少女も、それを気にした様子もない。
牧部なつみと、彼女の本心&魔力が分離して形を取った少女、ココロであった。
なつみは上流、下流と、交互に左右を眺めるが、どちらの先も、視界は木々に遮られ、方向を定める指標にはならない。
「こっちでいいかな」
とりあえずは流れに引かれ、下流に向けて、歩き出す。
『そうそう。下流に沿って歩いていけば、いつかは人里につくと思うよ』
「べつに道に迷ったわけじゃないんだけど……」
と軽く掛け合い漫才しながら歩を進める。
彼女のおかげで1人でも寂しくないのはいいが、
――店長さん、どうしてるのかな。
なんてうっかり考えてると、
『無人島に取り残された男と女。自然の中に解き放たれた一組のカップルは、荒々しい獣欲に身を任せるのだった……』
と、妄想にブーストかけて、なつみをからかいにくる。
彼女の本心と言うだけあって、なつみの心はなんでもお見通し、である。
最近どうもからかい癖がついて、変な方向、変な方向へと持っていくのは困りものだが。
「妙なナレーション入れないで……無人島じゃないし」
『独り身は寂しいな……早く店長さんにあって、思いの丈を伝えたい……』
妙なしな作ってるし。
「ココロっ!」
と叫んだ声が、1人の鬼を引き寄せた。
草むらを蹴り散らす音が、なつみとココロに警戒信号を飛ばす。
見られてあんまり嬉しいものでもないので、ココロを心に収容し、警戒しつつ、後ずさる。
敵か味方か、鬼か逃げ手か。いつでも逃げ出せる体勢を取って、草むらの向こうから現れる影を待ち受ける。
20メートルほどの距離を挟んで対峙した女性は、胸に襷をかけていた。
流れるツインテールに気品のある顔立ち、自信と優美さが見事に調和した、素人目にもなにかのオーラが見えるような……、
『うわ、緒方理奈だ』
アイドルに会うのは生まれて初めてだが、会えて嬉しい状況ではない。
理奈は怪訝そうになつみを見ると、話しかけてくる。
「あなた、1人?」
「う、うん……」
「変ね……誰かと話していたような感じだったけど」
ぎくり、と二人して後頭部に汗を垂らす。いや、ばれてもそんなに害はないと思うのだが。
「まぁいいわ。それよりも、聞きたいことがあるんだけど」
「? なに?」
理奈はすう、と息を吸い込んで、
「若いくせに白髪頭で眼鏡をかけて、タレ目気味で嫌らしい笑いを口元に浮かべた、
皮肉混じりの言動のくせに言ってることは正論で、人を振り回すのが大好きという悪趣味な、
そのくせ才能だけはそこらの天才十人分はあるという非常にやっかいな、だらしない感じのおっさんくさい男を見なかったかしら?」
身内ならではの容赦ない修飾語の羅列が、マシンガンのように繰り出される。
いまごろ英二はくしゃみの一つでもしているだろうか。なつみはちょっと目を白黒させながら、
「え、ええと……見てないけど」
「そう」
あっさりと理奈は納得し、これなら見逃してもらえるかな、と思ったのもつかの間。
「まぁ、それはそれとして、せっかくの獲物なんだから、捕まえなきゃ損よね」
「っ!」
「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
ボク飛んでるよ。
なんだかとっても気持ちがいいんだ。
このまま……ずっと飛んでいられたらいいな。
宮田健太郎。
一人である。
誰がなんといおうと一人である。
とりあえず、しばらく前に民家に侵入して、大量に作ったホットケーキを鞄に入れて、スフィーを探し歩いていた。
いや、別にリアンでも、なつみでもいい。
みどりさんなら尚良い。
結花は……微妙だ。
「まぁ……誰かと合流できればそれで良いかな」
場所は丘の中腹。
だだっ広い場所である。
そして運命は交錯する。
健太郎が、丘を歩いていた。
あゆが空を飛んでいた。
まったく運の悪い男である。
彼にとってはこれで二度目。
空から降ってきた少女に、
まともに直撃したのだから。
……俺、死ぬのか……
そうだな……天使が……天使が見える……
【健太郎、空から降ってきたあゆと激突】
【健太郎、ホットケーキを大量に所持】
【いや、死んでないよ? 死んでないからね?】
言うが早いが襲いかかってくる理奈と、逃げ出すなつみ。
獲物を狩る牝豹モードに入った理奈は、そんじょそこらの女子高生をとっつかまえるなど容易いことだ。
丈の高い草むらの中に駆け込んだなつみを追って、躊躇なく自らもその中に飛び込む。
草に遮られ、なつみの姿は見えないが、草を掻き分ける音は徐々に近づき、やがて褐色の頭が隙間から見える。
――もらった!
満を持して飛びついた理奈……のはずが、その手は宙を掻き抱き、なにもない空間に身を躍らせる。
「へっ!?」
その先に待っていた流れの速い小川が、理奈の身体を受け止めた。
どっぽーん。
「なっ、何よ今のっ!」
見る間に流されていく理奈の姿を、くすくす笑いながらココロが見送る。
「ふぅ……ありがと、ココロ。助かった」
ふふっ、といたずらっぽい笑顔でなつみに答え、
『急流や、理奈の飛び込む、水の音』
一句詠んだ。
「季語は?」
『……理奈?』
「……私に聞かないで」
【なつみ&ココロ 参戦 2人で一組】
【緒方理奈 下流に流される】
「さて、オレ達は鬼になってしまったわけだが、ここからは美坂を支援するぞ」
香里が去った後、おもむろに切り出す北川。
「それは別に構わんが、どうするつもりなんだ?」
聞き返す住井。二人ともつい先程香里の唐辛子攻撃を食らった直後とは
思えないほどピンピンしている。今回の大掛かりな舞台はこの2人の
お祭り男としての魂に無限の活力を与えているのだろうか?
「まあ聞け、同士住井。美坂は自分で栞ちゃんを捕まえたいらしい。この場合他の鬼が障害となる」
「確かにな。俺達が捕まえなくても他の鬼が捕まえる可能性はあるな」
「しかも鬼が増えれば増えるほど残りの人間は捕まりやすくなる」
「となるとさっきの美坂さんが妹さんを捕まえる前に誰かが捕まえてしまうか」
「その通りだ。悪いことに、そろそろ鬼が増え始める頃合だから、爆発的に鬼が増えるのは
時間の問題だ。そうなった後ではいくら美坂でも他の鬼より先に栞ちゃんを
捕らえるのは難しいだろう」
北川の言う通り、このゲームは一般に鬼が放物線的に増加する。
「で、俺達に何が出来るんだ?」
「オレ達で他の鬼の妨害工作を行う!鬼の増加を防ぐことで美坂が栞ちゃん
を捕らえるまでの時間を稼ぐ」
「…マジか?」
さすがに唖然とする住井。
「マジだ。オレ達がマトモに栞ちゃんを探すよりは可能性が高い」
平然と答える北川。
「とは言うが同士北川、直接攻撃はダメだし、何か良い方法があるのか?」
「何を言っているのかね同士住井、オレ達にはトラップがあるではないか!
捕獲系トラップで鬼を捕らえて行動不能に陥れる!一度捕らえてしまえば
逃げる側が開放する筈はないし、他の鬼もライバルを増やす理由はないから
放置する。さらに、万一にも栞ちゃんが釣れれば万々歳だ」
「結局やることは今までとあまり変わらないな。まあいい、そうと決まれば行くか」
鬼になっても普通には行動しないあたり、彼等らしいといえば、その通りかもしれない。
【北川 住井 鬼狩り開始】
ダンディーおじさま緒方英二。
彼は鬼ごっこを心から楽しんでいた。
「…大の大人が空母までひっぱりだして、島ひとつ使って鬼ごっこするんだ
ぞ? 実に滑稽な話だとは思わないか? ま、それだけ手間隙かけたん
だ。面白くないわけないだろ、青年」
もし仮に藤井冬弥がここにいたりしたらそんなこと言ってみたりしたのだろ
う。だが青年はここにはいない。代わりにあるのは、彼の普段生活している
範囲では決して手に入らない自然の空間。人造物ではなく、世界がありの
ままに残されたただの丘。一年の殆どを建物の中で過ごす彼こと緒方英
二にとって、これほど心踊るイベントもそうそうないだろう。
丘の頂上にはこじんまりとした東屋が建っていた。
「そういえばこの島、観光名所としてオープンするとか言っていたな」
そうなってしまえばここも、じきに大勢の人間達によって踏破されてしまう
だろう。増えすぎた人間は次々と生態系を破壊してしまう。地球の裏側で
は今も森林が伐採されているだろうし、地底深くに眠る石油の上では小さ
い子供が銃を持って戦っている。ここも然りだ。
「――はは、珍しいじゃないか」
そういって英二は自分の考えを笑った。人間社会と言う現実を、それこそ
日本でも五指に数えるほど注視してきた俺が地球環境について考えてい
る――ずいぶんな構図だ。
「ま、地球の平和はとりあえず横に置いとこうか」
東屋のちょうど反対側にあった巨大な岩に背中を預け、英二は一服つい
た。一瞬の明るみのあと、すぐさま闇が訪れる。
「あー…――何か落ち着くものがあるな」
と、呑気にため息なんかついてみたり。
「〜〜」
適当に思いついた旋律を頭の中で再生してみたり。
「……俺も随分と固くなったな」
ストレッチなどしてみたり。
とにかく、日本中にその名を知られている緒方プロダクションの長、緒方
英二はを楽しんでいたのだ。
【緒方英二 丘の上】
>>587 ぎゃぁ! 本当だ。
ごめんなさい。
改訂して、使っても良いですか?
だめならNGで。
まさかなつみも、あらぬ妄想をしている間に、健太郎が死にかけていたとは夢にも思うまいw
芹香「………」
舞「…(こくこく)こっちから匂いがする」
食べ物に関しては犬並みの嗅覚を有する舞。
屋台に向かってまっすぐ向かっていた。
一方、その頃…
「はい、これまでのお勘定です」
「まいどー」
説明を終え、戻ってきた千鶴は、再び屋台で飲んでいた。
もちろん、ショップ屋ねーちゃんからの厳しい取立てが待っていたが。
「…で、まだ飲むんですか?」
「ええ。さっき参加者の1人・倉田佐祐理さんを捕まえた記念です」
…別に捕まえて無くても飲んでたでしょあんた、という突っ込みは心の中に封印。
再び酒とおでんをふるまうねーちゃんであった。
ガサッ
森の奥から、2人の人間が姿を現した。
黒く長い髪が美しい、2人の少女であった。
「へい、いらっしゃい!」
「…屋台」
「…(寄りますか?)」
「…はちみつくまさん」
屋台の前に設置してある椅子に座ろうとする2人。
「ん〜?お客さん?」
…と。
テーブルに突っ伏していた柏木千鶴が起き上がった。
屋台の側という事もあり油断していた舞と芹香は、千鶴と目が合ってしまった。
すばやく舞が芹香の手を取り逃げようとする。
とりあえず改訂してみました。
〜
宮田健太郎。
坂下好恵と一緒に歩いている。
とりあえず、連れはできたものの、やはりそこは初対面の相手、しかも異性である。
さすがに、そうやすやすとうち解けるのは無理だった。
結構険の強い相手でもあるし。
というわけで、結構無言のまま、である。
民家に侵入して、ホットケーキの補充はしておいた。
これでスフィーを釣る餌にできる。
もちろん、リアンでもなつみでもいい。
みどりさんなら尚良い。
結花は……微妙だが、後ろを歩く少女と馬が合いそうな気がする。
とにかく……知り合いと合流できればそれでいい。
健太郎はそう思っている。
場所は丘の中腹。
だだっ広い場所である。
〜
【坂下、あまりの事態にさすがに固まっている】を追加。
無理矢理つじつまを合わせてみました。
439 大自然の罠
454-456 エンカウント
529 見守るもの
583 結成!オーガキラーズ
とりあえず漏れが書いた分にタイトルつけてみますた。
「ああ、ちょっと待って!大丈夫。ここでは鬼も手出しできないから!」
客を逃がしてなるものか、と慌ててねーちゃんが引き止める。
「……」
「ええ、本当ですよ」
鬼の聴力で芹香の疑問を聞き、千鶴が答える。
「食糧を確保しなければならないこのゲーム、屋台ほど鬼が待ち伏せしやすいところはありません。
しかし、それでは鬼があまりに有利ということで、屋台の半径100メートルくらいの範囲では、
鬼は参加者にタッチできないことになっています。ほら、屋台にもちゃんと張り紙が」
「ん、ここね」
ねーちゃんが屋台に貼ってある紙を指差す。
「………(こくこく)」
「………(こくこく)」
了解した、とばかりに頷く2人。
「それに、ここから立ち去る際も、鬼は参加者の姿が完全に見えなくなってからじゃないと
追いかけてはいけないことになってます。だから、安心して食事を取ってください」
その言葉に安心し、とりあえず椅子に腰掛ける2人。
「…おでん1人……芹香も?…やっぱり2人前」
「うふふ、私もご一緒していいかしら?」
「「…((こくこく))」」
【舞&芹香、屋台にて千鶴と遭遇】
【屋台の周囲ではタッチできないため、千鶴も手出しせず】
【佐祐理を捕まえたのは千鶴】
「なるほどー!? ここはこんな所に繋がってた訳ね!」
現れたのは、洞窟に潜って行ったまま行方不明になったかと思われていた、歩くワイドショーこと志保さまである。
「いずれは洞窟探検コースとかいうお題目で客を歩かせる気ね! きっとそーだわ! そーに決まってる!
そーに決まった! この志保ちゃんが言うのだから間違いない! ――――だから誰かここを開けてーっ!!」
「…扉の向こうから声がしますね」
「おお〜っ!? これは怪奇現象やなぁ〜。どないするー、詠美〜?(ケケケケケ…!」
「ふみゅっ! ふみゅう〜っ! 開けないでよ!? 絶対開けちゃ駄目なんだからぁ!」
『開けないとタタるわよノロうわよ〜!? 夜明けまで枕元で志保ちゃんニュースを読み上げコロスわよぉぉぉ〜!?』
「なかなかガッツのありそな幽霊はんやないかー? 気に入ったでぇ! よっしゃ、手伝いぃねこっちゃの!」
「ねこっちゃ言わないで下さい…!」
「ふみゅ〜!? 何で開けるのよぅ〜!!」
「おもろいからに決まっとやろが!! アンタも手伝いっ! おおばか!」
「…っていうより、この声には聞き覚えがあります」
ガコンッ!――と、重いハンドルを回してロックを外すと、勢い良く扉を開けて志保が転がり出て来た。
ごろごろーっ!っと転がり、最後は『プラトーン』のポーズでキメる。
「…私は、生きて、帰った…わ!」
「………やっぱり、長岡先輩でしたか…」
「何や…知り合いかいな、ねこっちゃの」
「…ねこっちゃ言わないで下さい!」
――そしてその脇では、腰を抜かして伸びている詠美ちゃんさまが。
【志保 洞窟から生還(笑) ――洞窟奥は岬の灯台へと続いていた】
【灯台には、猪名川由宇 大庭詠美 姫川琴音の三人が】
うっ、また直前でカブタ。
>>593の数時間前の話って事でよろしく。
猪名川由宇と姫川琴音は、休む場所を探して、森の中を歩いていた。
日が沈み、大分暗くなってきた。不安そうな琴音を、由宇は何やかやと
励まし、いいお姉さんぶりを発揮していた。もっとも、片時も黙っていられ
ないのは、由宇の習性なのだろうが。
「姫やんくらい可愛かったら、男どもが放っておかんやろな」
「そんな……私なんて暗いから、高校でも友達なんて少ないし……」
「いやいや、明るい奴に限って、考えが周りの影響を受けて、個性を失って
まうんや。いくら友人がおっても、そんな奴は面白くもなんともあらへん」
「そんなものでしょうか……」
「ああ、姫やんやったら、ええ芸人になれるで」
そんな誉め方されても、嬉しくありません―――そう言おうと思った琴音
だったが、不意に表情を変えた由宇を見て、口をつぐんだ。
「姫やん、アレ見てみ」
「何ですか?由宇さん」
由宇の指差した方向を見て、琴音は驚いた。
それは異様な光景であった。人間が一人、地面に頭を突っ込んで、
もがいているのだ。肩まで地中に埋まっていて、自力では抜けそうに無い。
「あれは……詠美やな」
「随分と体を張った笑いに挑戦してますね」
「一体何の為に、こんな事してんのやろ?」
「ヨガの行者さんなんでしょうか?」
「鬼ごっこの最中に、ヨガの修行する奴なんかおらんて」
「もしや、鬼から身を隠すためとか」
「全然隠れて無いやん。丸わかりやん」
「じゃあ、普段は地底に住んでいて、穴に入ろうとして頭が詰まったとか」
「なんで地底人やねん。テレスドンでも操っとるんか?」
「パイルドライバーで地面に打ち付けられたんでしょうか?」
「土中にめり込む勢いでプロレス技かけられたら、死ぬって」
「う〜ん、それではスピン・ヘッド・ベリアルの犠牲者かもしれませんね」
「よもやオリンポスの奥義を伝える者がおったとは……って、男塾かい!
何でそんな古いネタ、知っとるんや」
二人は案外、良い組み合わせなのかもしれなかった。
【猪名川由宇と姫川琴音 漫談中】
【詠美 放置される】
「って、いい加減助けなさいよ、この温泉パンダー!!」
「自力で出てこれてるやんか、詠美」
「全く、こんなところに落とし穴作ったの、誰よぉ…」
【詠美 落とし穴から脱出】
597 :
593:03/03/22 22:56 ID:pdadAb8o
「……ちょっと、そこの金髪碧眼でかんなりグラマラスな体形したお姉さん」
「何?」
仰向けになっている超アイドルが、その横に座ってる超美人に声をかけた。
「助けてくれたのには感謝するわ。確かにあのまま流されれば桃太郎は拾
われなかったというこれ以上ない不条理なバッドエンドを見せられるところ
だったし」
「そう」
「どうもありがとう」
「You're Welcome.」
「で、私が質問したいのは」
「何?」
「……なんですっぽんぽんの裸一貫なの?」
「私はちゃんと服着てるんだけど」
「私よ! わ・た・し! W・A・T・A・S・H・I!!」
起き上がる。乳谷が揺れる。
「濡れた服着てると風邪引きやすいって、知ってた?」
「知ってるわよ」
「じゃあOK」
「んな訳ないでしょ!」
「どうすればいいんだ」
「服出しなさいよ! 無表情でそんなセリフ吐かないでよ!」
「さっきから叫びっぱなしね。喉大丈夫? Ms.Rina Ogata」
「あーっ! もー! ……………………疲れた」
結局理奈は、彼女の鞄に入っていたバスタオルを巻いた。賢明な読者諸
兄にお見せ出来ないのが非常に残念なくらいセクシィなかっこをしていた。
どれくらいセクシィかというと――例えることが出来ないくらいセクシィなの
だ。要は。濡れてしまった服は焚き火の近くで乾かしている。
「……なんか5年分くらい叫んだ気がするわ」
「私なんか10年分くらいボケ倒したわよ」
「……そういえば、アメリカの衛星だかが24時間監視してるって言ってたよね?」
「3km沖には原子力空母なんかもいたり」
「……ウソ」
「さらにその中には合衆国大統領なんかもいたり」
「……」
「ホント」
「……世界一スケールの大きい鬼ごっこね――って言ってる場合じゃない
でしょ。こんなかっこしてたらとんでもない事に…」
日本を代表するアイドル、緒方理奈がほぼすっぽんぽん。
確かにとんでもない。
「Dont't Worry」
「なんでよ」
「大統領は視覚的に見て15歳以下の女性は基本的に目に入らないという
特殊改造を施されたメカ大統領だから」
「なによそれ」
「地球語に直せばロリコン」
「英語じゃないの」
「気のせいよ」
こうしている間にも、その金髪の女性は理奈には触れない。服を脱がす
時も細心の注意を払ったのだ。
「っていうか、何であなたがそんな事知ってるのよ」
「世界を又にかける超一流エージェント、リサ=ヴィクセンとは私の事よ」
「…っ、なにそれ」
理奈はそれを何かの冗談と受け止めた。まあ普通の人ならそうとって当
たり前だろう。もちろんそれが嘘偽りない事実だとは知る由もないのだが。
「まあ、なんでもいいか。兎に角助けてくれてありがとう」
「どういたしまして」
理奈は手を差し出す。リサは握手をしなかった。
「あれを見たら触れるわけにはいかないでしょ?」
そういって、服と一緒にかかっている襷を指差した。
「そうね」
そう言って、二人は笑った。
【理奈 リサに拾われる】
【リサ 理奈を拾う。直接触れてはないので鬼ではない】
「それで?どうすればいいのだ?」
トウカが口を開く
「まずは仲間を探すべきだな」
「仲間・・・?」
「ああ、そうだ」
「何故だ?」
疑問を持つのはもっともであった
この鬼ごっこで、鬼になったものはまだ鬼になっていない
参加者を捕まえる事で報酬を得る。つまり鬼が増えるという事は
自分の分け前が減るという事である
「仲間といっても単純にただ仲間を増やすわけじゃない、無償の
仲間を増やすんだ。」
「・・・・・・そんな人間がいるのか?」
怪訝そうに浩平に尋ねる
かなりあきれているようだ
「そうだな・・・・・・あんたの知り合いに足の速い奴はいるか?」
「足の速い人物・・・・・・確かオボロ殿がかなりの足だと思ったが」
「そのオボロって奴の家族、親友又は恋人はこの鬼ごっこに参加してるか?」
「ユズハという妹が参加しているはずだが・・・それがどうしたのか?」
「簡単な事だ、人を落とすときはまず周りからというだろ?ユズハって娘を
仲間にできればオボロって奴も妹の為なら!と手助けしてくれるだろ」
「・・・成る程」
「ちなみに俺には3回頼めばどんな願いも聞いてくれる長森という幼馴染
がいる。あいつも探そうと思う」
【浩平、トウカ=ユズハと長森を探す】
605 :
子ネタ。:03/03/22 23:37 ID:V20g+WcX
「……源四郎さん」
ビクッ。
「ダメですからね?」
「…はい・………」
606 :
子ネタ。:03/03/22 23:38 ID:V20g+WcX
【長瀬源四郎 本部でお茶汲み】
>>604 他の人と連携するのは初めてなので嬉しいです。
さて、こちらは腰をやって悶絶している七瀬嬢であります。
広瀬嬢に置き去りにされ、暗い森の中で、寝ころんでおりました。
「誰か、助けて……」
いつもの彼女からは想像できないほど、弱々しい声で、彼女はいいました。
さて。その光景を木々の影から見ていた女性がおります。
いや、少女と呼ぶべきでありましょうか。
水色の髪をした、華奢な少女であります。
心優しい彼女。普段であれば、うめいている人など見れば、直ちに救助に赴いたことでしょう。
しかし、メガネをかけた少女は、近寄ることができませんでした。
近寄ってしまえば、自分も鬼にされてしまうからですす。
しかし彼女は、苦しむ人を放っておいたまま、その場を去ることのできるような性格の持ち主ではありませんでした。
結局、
「あ……れ?」
七瀬嬢の腰の痛みが、急激に引いて参りました。
先ほどまでの痛みはどこへやら。地面に手を付き立ち上がり、軽くジャンプしてみたのです。
「痛くない」
痛みは完全に消えているようでした。
「……なんで?」
ともあれ、これはラッキーです。
七瀬様は、鬼としての責務を全うすべく、その場を去ってゆきました。
リアンは、魔法を使ったことによる疲労によって、その場に座り込んだのでした。
そしてそのまま、木々の陰に隠れたまま、眠ってしまったのでした。
【リアン、魔法で七瀬の腰を治療。そのまま就寝】
【七瀬(漢)行動再開。リアンには気付かずどこかへ】
【七瀬の腰は、完治したわけではない】
嬉しいのはわかったから感想掲示板行こうや。
彼女はそこに立っていた。
こんなに面白いイベント、今まで参加できなかった自分が悔しかった。
華やかな舞台が設けられる時、常に自分はそこに立つことを許されなかった。
舞台の下からスポットライトを鷹の目で眺め、
その中の存在を追いかけることを生きがいに今まで生きてきた。
だから、自分はこの島で起こる全てを外から眺めていたかったのだ。
しかし彼女はこの大会への参加を決意する。
「あの」鶴木屋会長、柏木千鶴の主催と聞いて居ても立ってもいられなくなったのだ。
彼女はそこに立っていた。
このようなイベントに、本来なら参加する意志は無かった。
華やかな舞台が設けられる時、常に自分はそこに立つことを許さなかった。
舞台の下からスポットライトを隼の目で眺め、
その中の存在を守り抜くことを生きがいに今まで生きてきた。
だから、自分はこの島で起こる全てを外から眺めていたかったのだ。
しかし彼女はこの大会への参加を決意する。
「彼女の」生きがい、森川由綺の参加を聞いて居ても立ってもいられなくなったのだ。
そして二人は出会った。
「…あっ、あの、篠塚さん…ですよね、緒方プロダクションの」
名を呼ばれた女性が、驚いた様子も無く振り返る。
暗闇の中から、髪をショートに切った女性が現れた。肩からカメラをぶら下げている。
(気配を感じませんでした…)
何故相手が自分を知っているのか。そのような事は考えなくても分かる。
彼女の顔を、弥生は覚えていたから。
「相田響子様…ですね。『週刊レディ・ジョイ』の」
相好を崩す事無く、弥生は突然の来訪者――相田響子の顔を見据えている。
長年のゴシップ記者生活が染み付いている彼女である。ちょっとした探偵まがいの隠行はお手の物なのだ。
「あ、私は鬼じゃないんで安心してくださいね。えーと、それにしても驚きましたよ、本当に。
あの!トップアイドルの緒方理奈、森川由綺がこの鬼ごっ…」
「森川を見かけませんでしたか?」
モリカワユキ、という単語は目の前の女性の心を溶かすのにあまりにも有効らしい。
響子は心の中でそう呟いた。
「いいえ、私は見ていませんが…やっぱり気になります、彼女の事?」
「担当のマネージャーとして当然の事と思いますが」
「それだけかしら?」
「…………」
「ま、結構です。ところで、これからの予定は何か?」
「私は森川を捜します。彼女が鬼になっていようと、彼女を守るのが私の仕事ですので」
「お邪魔していいかしら?」
「ご自由に」
【篠塚弥生 相田響子 行動を共に】
【篠塚弥生 由綺を捜す】
南とみどりは夕食のカレーとサラダを食べ終え、少々くつろいでいた。
「…ふぅ。ちょっとつくり過ぎてしまいましたね」
「そうですね。ちょっと私たちには多過ぎたかもしれません」
「どうしましょうか、残ったカレー…」
といって台所回りを漁り始めるみどり。
「あ、こんなところにタッパが。これに入れておきましょうか?」
「そうですね、この先どこで食事できるか解かりませんし」
なんて会話をしながらも、二人分の布団を敷いて着々と寝る準備をする南。
「南さん、お風呂どうします?」
「やっぱりシャワーくらい浴びたいですね」
「じゃあ、入ってから寝ましょうか」
「そうですね」
カレーの詰め替えを終えたみどりは、南とシャワー室へ向かった。作業員詰所のくせになかなか良い設備
がついているものである。
「あ、見張りとかどうします?」
「うーん…ここは公平にじゃんけんで決めましょうか」
「はい。それでは」
じゃーんけーんぽいっ、
「あら、負けてしまいました」
と南さん。
「それでは、2時間毎に交代でいいですね?」
「はい、わかりました。交代するときは起こしてくださいね」
とても疲れていたみどりが眠りに就くまでに、そう時間は掛からなかったそうな。南も同じなんだけどねw
【南 みどり 詰所内で就寝】
614 :
静か:03/03/23 00:15 ID:iW5d86ag
彩は目を覚ました。
いつのまにか眠ってしまっていたらしい。
意外と、自分の肝が太かったことに、少し驚く。
土壁にもたれながら、上を見た。
もう夜らしい。狭い空に、木々の枝。
眠っている間に、夜になっていたらしい。
また少し驚く。
立ち上がって、手を伸ばしてみた。
やはり、届かない。
ぎりぎり、届かない。
まったく、だれだろう。
こんな、人一人完全にはまりこむくらい、大きな落とし穴を作ったのは。
とりあえず怪我はない。
けれど、誰かに助けてもらわなければ、どうすることもできない。
「……」
彩は思った。
仕方ないから、ネタ出しをしていよう、と。
【彩、特大落とし穴の中】
「ぎりぎりセーフ! ――ですの!」
びっ!――っと、両手を横に大きく広げた、何故か袴姿の少女が叫んだ。
「あの、すばるさん? 何の話でしょうか?」
「鬼ごっこの事ですの! 存在をアピールしてないと忘れられてしまいますの! 桑島さんも今の内に目立って
おかないと、居なかった事にされてしまいますの!!」
「今更目立ってもという意見もあると思うのですが…」
リボンで髪を一束に結った女性が椅子に座り、苦笑を浮かべながら缶紅茶を啜っていた。
「ぱぎゅうっ…! 何でそんなに落ち着いていられるんですの!? こんな大イベント――目立たなければ損ですの!」
「…まぁ、某リレーSSでいきなりポアされたという屈辱故に、いきり立つのも解らなくはありませんが」
「――ポアって…、なんだか不穏当な発言だと思いますの。しかも何気なく死語っぽい気もしますの」
「余り御気になさらずに」
「…コホン――何れにせよ、ここは勿論狙うは優勝ですの! 大影流の奥義を駆使して鬼さん達を撃退しますの!」
「大怪我をさせる様な攻撃は禁止されてますよ?」
「ぱぎゅ…――そ、そうだったですの…。出来る限り手加減して放ちますの…地竜走破とか」
「…頑張って下さい。――では、私は寝ますね」
「ぱ、ぱぎゅう……。ずるいですのー…」
「三時間交代で寝ましょう。すばるさんは見張りをお願いします……お休みなさい」
「おやすみなさいー…ですの」
「………つまらないですの。…お歌を唄ってもいいですか? ですの☆」
「お願いですから止めて下さい…」
「ぱぎゅう…」
【御影すばる 桑島高子 街の一角にあるビル内で就寝…】
【すばるは、気が昂ぶってちょっと落ち着かない模様】
【二人は偶然出会ったという事にして下さい…(汗)】
彩は悩んでいた。
せっかくだから、この鬼ごっこをネタにした、なにか素敵な話を……と思ったのだが、
よくよく考えればいきなり穴に落ちてしまったので、ネタにするもなにもない。
それに土に囲まれた穴の中では気が滅入るばかりで、イマジネーションが刺激されない。
せめて星でも見ようかと空を見上げると、タイミング良く穴を覗き込んできた人物と、目が合った。
彩は目を見張る。
透き通るような白い髪は銀の光を受けてさらさらと流れ、小さな顔は人形の如く整い、それでいて可憐だ。
その正体は月の妖精だ、といわれても彩は驚かなかっただろう。
少女はそんな幻想じみた雰囲気を湛えていた。
「あの……大丈夫ですか?」
彩ほどではないがか細い声が、その口から零れる。
「……はい」
「ちょっと待って下さい、なにかロープの代わりになりそうなもの……」
少女はくるりと身を翻す。数分と待たず足音がして、三本寄り合わされたツタが投げ込まれる。
「多分これで切れないと思います。どうぞ、上がってきてください」
「分かりました……」
突然の救援の手に感謝しつつ、彩は軽くツタを引いた。思いの外丈夫そうで、切れることはないだろう。
彩は壁に足をかけ、ツタを掴んでのぼりはじめた。
そして。
穴の底の人間は、2人になっていた。
「すみません、お役に立てなくて……」
「いえ、私こそご迷惑をおかけして……」
少女のか細い、しかも病弱な腕では、彩の体重すら支えきることができなかった……。
【彩&白きよみ 仲良く穴の中】
お待たせしました、今日のリストが出来ました
が、サイズが半端じゃないのでまず連投に引っかかると思われます
すいませんがちょいと待ってください
現時点(
>>616)までの参加者一覧
【】でくくられたキャラは現在鬼、中の数字は鬼としての戦績、戦績横の()は戦績中換金済みの数
()でくくられたキャラは参加確定ながら未出キャラ、『』でくくられたキャラはショップ屋担当
レス番は最終行動及び存在確認、無いキャラは前回(
>>431-434)から変動無しです
fils:ティリア・フレイ、サラ・フリート、【エリア・ノース】
>>442 雫:長瀬祐介、月島瑠璃子
>>574-576、藍原瑞穂、太田香奈子、【新城沙織】、【月島拓也】
>>444-447 痕:柏木耕一、柏木梓、柏木楓、柏木初音、柳川祐也、日吉かおり、小出由美子
>>554-555、
相田響子
>>610-611、ダリエリ、【柏木千鶴:10】
>>589-592
エリア、月島兄はとりあえず千鶴さんカウントで
矢島、垣本の分のカウントはまだ入れてません
香里は描写からとりあえず所持金2万てことで
このリレーは余程の反則(電波で参加者を操る、魔法で自分を触れなくする、岩切限定終了まで潜水など)が無い限り
能力使用はOKです。ていうか基本ギャグで済ませましょう。目標NG0で。
能力に関してグレーゾーンな話を書く際には
『葉鍵鬼ごっこ議論・感想スレ』 へどうぞ
>
ttp://6821.teacup.com/hakagionigokko/bbs
625 :
漢への道:03/03/23 02:15 ID:hUARGfU1
「ふむ、ここいらで良いか」
男がそう言って足を止めたのはまさしく森の中心部であった。
「醍醐さん……?」
藤井冬弥は結構不安だった。
ようやく己を苛む孤独から救われたと思いきや、果たして何がいけなかったのだろう、
天が使わした救いの主は一般的な人間とは大きくかけ離れた……
端的に言ってしまえば類人猿みたいな男だった。
醍醐と名乗るこの男にお前を一から叩き直してやると宣言され、
そんなこんなで付き従って森の中を歩き回ること数時間、あれ以来誰とも会えていない。
出来れば逃げ出したいところだが、日の暮れた森に一人取り残されるのも嫌だし、
それに何より……
「俺のことは師匠と呼べと言っただろうが!」
振り返ると共に大声で一喝。
だが辺りを見渡す冬弥の仕草を認めると醍醐はその顔を大きく歪ませた。
「鬼が近くにいるかと心配か? 安心しろ、なるべく気配を避けてきたからな。
今のところは誰も俺達の居場所を把握してはいないだろうよ」
そうなのだ。
どうやら笑っているつもりらしいこの人、
外見はおろか中身の方まで常人じゃないらしく逃げ出す隙なんて一_もない。
鬼ごっこなんかよりどっかの奥地で実戦とかしていた方がよっぽど似合ってる。
(いったい俺はこの後どうなってしまうのだろう)
そんな冬弥の不安をよそに、醍醐は懐から何やらを取り出してこちらに放る。
慌ててキャッチしてみるといかにも薬局とかで売ってそうな固形食糧だった。
「味の方はそんなに誉められた物ではないが食っておけ。漢たる者、
常日頃から備えを万端にしておくものだ」
ずっと歩きづめだったし確かに腹は減っていたのでありがたく頂くことにする。
囓ってみると桃の香気。控えめな甘さだが以外と美味い。
626 :
漢への道:03/03/23 02:17 ID:hUARGfU1
ハムスターみたいに口をもごもごと動かす冬弥に向かって醍醐は淡々と告げた。
「食って、十分休憩したら修行をはじめる。いいな?」
思わず喉を詰まらせかけた。
「修行……ですか? 醍g……いえ師匠」
懸命に胸を叩いて嚥下し何とか命の危機を脱した冬弥の問いかけに、醍醐は答える。
「そうだ、修行だ。ちょうど都合の良いことにこの森のそこら中に罠が仕掛けてある。
ふん、どこのどいつの仕業だかわからんが、なかなか見事なもんだ」
言われて辺りを観察してみるが、幾ら注意してみても到底そこに罠があるとは思えない。
いぶかしげな冬弥の様子に気づいたのか、醍醐は渋い顔。
「信じられんのか? 貴様本当に鍛え直す必要があるようだな……
まあいい、俺はこれからお前に徹底的に罠の何たるかを叩き込んでやる。
鬼ごっこで勝利したいのなら死ぬ気で付いてこい!」
冬弥は慌てた。罠だって? 冗談じゃない、何が悲しゅうてそんな危険なことをしなけりゃいかんのだ。
「師匠! お気持ちはありがたいのですが鬼ごっこならば隠れ方など修練した方が良いかと思われますが!」
「口答えするな! いいか、この島にはあの糞餓鬼をはじめ凄腕の奴らがごまんといる。
お前のひよっこの気配断ちなんぞ一目で見破られてしまうわ!
いかに隠れるかではなくいかに逃げるかだ。周囲にある物を最大限利用しろ、決断は素速く断固に行え。
頭はクール、心はヒートだわかったな!?」
何とか方向を逸らそうと口をはさんでみるが一瞬にして却下される。もの凄い剣幕に押され冬弥は
半ば自暴自棄に叫びを上げた。
「Yes,sir! よろしくお願いします師匠!!」
「よし、なに、これだけある罠を利用すれば幾らお前でも並大抵の相手ならすぐ身を守れるようになる。
安心しろ。ではまず罠の見極め方からだ」
醍醐はそのゴリラのような顔を心底愉快そうな形にした。
【藤井冬弥】 罠使いの修行開始
【醍醐】 冬弥へ「明日のための罠」伝授開始
627 :
訂正:03/03/23 02:18 ID:hUARGfU1
「漢への道」→「明日への道」に訂正お願いします。
「あれ〜おっかしいなー」
浩平が素っ頓狂な声を挙げる
「さっきもここを通った気がするのだが・・・」
「う〜ん、何故なんだ・・・」
「・・・つかぬ事を伺うが浩平殿、何故にこちらの方向だと
思われたのだ?」
同じ道を何度も通っているのだ、出て当然の疑問である
「フィーリング」
「ふぃーりんぐ?」
「直感的なもの?」
「拙者に聞かれても困る、と言うよりそんな理由でさっきから
歩いていたのか?」
「その通り!」
「・・・・・・」
呆れて言葉も出ないとはこの事だ
「正気か・・・?浩平殿」
「いたって正気、それよりなんで俺の名前を?・・・ハッ!まさか
あんた、エスパーだな!?」
「出会った時に大声で叫んでたでござろう」
「ぐあ・・・しまった、俺とした事が!」
「・・・・・・ちなみに拙者は・・・」
「うーん、どうしたものかしら」
「?何がですか?」
千鶴のつぶやきに、ショップ屋のねーちゃんが問う。
「いえ、そーいえば私、生き残った人への賞品をまだ言ってなかたなぁと」
「「「……」」」
てへっ♪と舌を出す千鶴に、いってなかったんかい!!と内心で突っ込む三人。
「一応、企画書には一億円としてあるけれど、芹香さんのような人にはあまり魅力のある賞品ではないですよね……
え、気にしなくていい、ですか?でもただお金というのも味気が無いですし」
「……あまり賞品は重要じゃない。みんな楽しんでいるから」
大根をハフハフさせながら舞がいう。
「あまり賞金が大きすぎるのも良くない……お金は心をすさませる」
毎日昼食を佐祐理に、夜食を祐一に、
そしてたった今芹香におごらせているという事実は棚にあげられたようだ。
「そうですね。まあ、幸いみなさん楽しまれていますから適当でいいかな♪
え、芹香さん、提案があるんですか」
「(こくこく)」
「……なるほど、優勝者の願いを一つだけ他の参加者と企画側でかなえてあげる、ですか。
面白いかもしれませんね」
「トウカさんだろ?初めて会った時に言ってぞ」
「解ってくれているのならいい」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ〜どこにいるんだよ!」
疲れと苛立ちから大声を挙げるが全ては自業自得である
「浩平殿、ここいらで休憩すべきではないか?闇雲にさがしても
どうにもなるまい」
仕方なく腰をおろすが気分は収まらない
「俺のシックスセンスは向こうらへんにいると感じたんだがなぁ」
浩平の指差した方向から
「あれ浩平?」
探してた人物がでてきた
「・・・」
「・・・」
二人に沈黙が訪れた
「流石、浩平殿、適当に歩き回っていたのではなかったのですね」
「ま・・・まあね」
まったくの偶然であった
「瑞佳知り合いなの?」
そばのちっこい少女が長森に尋ねている
「どうしたの浩平?ボロボロだよ、それにその襷・・・」
この発言に待ってましたといわんばかりに浩平が動いた
「いやー実は悪い奴ら(N瀬&H背)につかまって袋叩きにあったうえに
鬼にされてしまって困ってたんだ、長森助けてくれ〜」
迫真の演技である
「でも・・・浩平鬼になっちゃったし・・・それにスフィーさんもいるんだよ?」
ここでさらに押す
「そうか・・・ここにいるトウカさんは赤の他人なのに、鬼になってしまうから
俺に構わず行ってくれと言っても「怪我人をほっとく訳にはいかない」と俺を介抱
してくれたのに長年の付き合いで幼馴染のお前は俺を捨てていってしまうのか・・・」
常人にはバレバレな演技だがこの幼馴染には効果が抜群だった
「でも・・・」
「私は別にいいよ」
スフィーが瑞佳に言う
「頼むよ瑞佳、助けてくれ」
・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・はぁ、今回だけだよ?」
「悪いな〜いつも迷惑かけちゃって」
「本当だよ」
【浩平・トウカ=長森・スフィーを仲間?に】
【スフィーはLV1の状態に】
【浩平に撃墜数+2】
(本当に3回頼んだら言う事を聞いた・・・侮りがたし・・・浩平殿)
【トウカ=浩平を見直す】
べたな賞品ではあるが、確かに面白いかもしれない。
願い事に他の参加者の利害が絡むならば、様々な駆け引きが生まれてくるだろう。
半強制的に連れて来られた参加者たちに、
優勝者の願い事をかなえる義務が生じるかどうかは疑問であるが……
まあ、それはたいした問題じゃないだろう、多分。
「だけど問題もありますね」
ショップ屋のねーちゃんが口を挟む。
「キスしてほしいとか、デートしてほしいとかかわいげのある願い事ならいいですが、
○○死ねとかそういうことを言われたらどうします?」
「うーん、ある程度は常識に期待してもいいとは思うけど……」
常識が通じない人物がいるのも確かである。
高槻とか
高槻とか
高槻とか。
「まぁ、決めるなら早いほうがいいですよ。
鬼が増えすぎてから賞品を発表すると文句も出るでしょうし」
「そうですね、他の管理者とも相談して発表したいと思います、
それでは舞さん、芹香さん、アドバイスありがとうございました。がんばってね」
そういい残し千鶴は席を立った。
【千鶴、他の管理者と賞金について相談】
【舞&芹香 屋台でマタ―リ】
ごめんなさい、割り込んじゃいましたー
やべっ、ミスった。どうしよう?
×立川雄三
○立川雄蔵
じゃない?
633さんどうしよう?
直しますか?
暗い夜の森。
そこで喚きまわっている男が一人。
「うわぁぁぁ、暗いよ!恐いよぉ!」
この男の名をハウエンクアという。
狡猾なこの男。
昼間のうちに島を歩き回り、森に潜むのが安全だろう、と考えていた。
そこまでは間違っていない。
だが、一つ重要なことに彼は気づいていなかった.
自分が、とてつもない恐がりだということを。
「誰か!誰かいないのかい!?どうして僕を一人にするんだい!?」
誰もいないのは、自分がそういう場所を探して隠れたからである。
おまけに頼りの綱のアヴ・カムゥすら忘れてきてしまっている。
それが一層彼の恐怖心を煽っていた。
ヒュオ――
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!?お、お助け、お助けをー!」
風が吹くだけでこの始末である。
ともかくこれだけ喚きまわって、なぜ鬼に見つかっていないのか疑問が残るところだが――
ガサガサ…(葉っぱが揺れただけ)
「あぁ!?ごめんなさい、ごめんなさい!!」
まだ夜は長い。
【ハウエンクア 悶絶中】
638 :
633:03/03/23 02:31 ID:CIgS3LRM
>>636 割り込みそうでうかつに書き込めないな(苦笑
割り込んじゃってすまんです。
編集さんしだいだけどそのままでいいと思う…続きは感想板で。
がっしゃん、がっしゃん、がっしゃん、がっしゃん。
どごん、どごん、どごん、どごん。
木々が巨大な足音に合わせ、せわしなく揺れ動いていく。
掲示板では誰もツッコんでないが、限りなくルール的にグレーゾーンな武器……武器というより兵器、アヴ・カムゥ(クーヤ専用機)だ。
白亜の機体が月光に映え、非常に幻想的で美しい。それ以上に凶悪なのだが。
現在彼女は肩の上にサクヤ・マルチ・浩之の三人を乗せ、道を歩いて……というよりも、道を作りながら森を万進していた。
そんな折、外部マイクでクーヤがぼやきを漏らす。
「……つまらん」
「へぇ……マルチさんにはお姉さんがいらっしゃ……ってはえっ!?」
マルチの相手をしていたサクヤが慌てて反応する。
「ど、どうしましたかクーヤ様!?」
「つまらん。全くもってつまらん。サクヤ、貴様余に嘘をついたのか?」
「ど、どういうことですか?」
「貴様鬼ごっこというものはもっとハラハラドキドキエキサイティングワーオグレイトビュリホファンタスチックで、この上なく楽しいものだと言っていたではないか。
それがこの様はどうだ。追いかけ、追いかけられるどころか余らの前には人っ子一人現れもしない」
「ううっ、そ、それは……」
ツッコまれてほしくなかったところにツッコまれ、言葉に詰まるサクヤ。
正確には人っ子一人現れてないわけではない。いや、かなりの人数が一度はアヴ・カムゥに近づいている。近づいて『は』いる。
当たり前である。全高5Mを超える二足歩行の巨大ロボット。目立たないはずもない。
しかし……
「……まぁ、これを目の前にして戦おうっていう豪気な鬼もいないだろうな……」
浩之の呟きは当たっていた。
近づいてきた鬼……いや、鬼でなく参加者も皆間近でこれを見るとたちまち戦意を失い、触らぬ神にたたりなしと速攻で逃げていった。
(誰も気づかなかったが、無謀な特攻を試みた鬼がいる。……うぐうぐ鳴いて蹴飛ばされたのだが)
よって、クーヤからしてみれば……未だこの島には浩之たち以外の参加者はいないも同然である。
しかもクーヤを含め、肩に乗っていた浩之たちも気づいていないのだが、北川&住井のトラップブラザーズが作った罠……その数々にもかなり引っかかっている。
引っかかり、気がつかないうちに破壊していた。人間用の罠がアヴ・カムゥに通用する道理もなく。
「……それに……」
さらに一段階声を低くし、クーヤがぼやく。
「ま、まだ何かあるんですかぁ〜?」
かなり泣きそうなサクヤ。
「腹が減った。朝から食べたものと言ったらマルチが持っていたクッキーだけではないか。料理係を呼べ。余はかなりの空腹だ。もう我慢できん」
「そ、そんなぁ〜……」
空腹なのはサクヤも、そして浩之も同じだ。
「私は平気ですけどね〜」
ドゴッ!
「はわわっ!?」
余計な一言を漏らしたマルチは地面に投げ捨てられた。
「余は空腹だ。空腹だといったら空腹だ。即刻食事を用意せよサクヤ! 浩之! クンネカムンが皇、アウムリネウルカ・クーヤの名の下に命令する。食事を用意せよ! 今すぐにだ!」
かなりキレ口調。状況がヤバイのは付き合いが長いサクヤだけでなく、今朝会ったばかりの浩之にも聞いて取れた。
「そ、そんなこと……」
「言われてもな……」
「あっ、みなさんあれを見てください!」
「ん? どうしたマルチ」
地面で潰れていたマルチが顔を上げ、不意に道の……道になるであろう直線の向こうを、指さした。
「……明かり?」
目を細め、見通す浩之だが肉眼ではちょっと辛い。
「クーヤ様」
「うむ」
しかしクーヤはアヴ・カムゥのカメラアイを望遠モードにすると、照準をその光に合わせた。
「……む、あれは……」
「何でしたかクーヤ様」
「人がいるのか?」
「鬼さんですか? 参加者さんですか?」
訝しがる三人を尻目に、クーヤは静かに呟いた。
「……屋台だ」
「え?」
「あ?」
「かのん?」
「屋台だっ! 飯屋だっ! 飯が喰えるぞ! ……行くぞサクヤ! 浩之! マルチ……お前はさっさと乗れい!」
「そ、そんな……クーヤさんが落としたんじゃ……」
「ええいうるさい! 細かいことをグダグダぬかすと置いていくぞ!」
「ま、待ってくださぁ〜い!」
慌ててアヴ・カムゥの手に飛び乗るマルチ。
「では指令する。これより我等は目前の屋台に吶喊、夕餉の飯を手に入れる!」
【アヴ・カムゥ(クーヤ搭乗) 目前屋台へと吶喊(初号機、弐号機、参号機のいずれかは不明)】
【浩之・マルチ・サクヤ アヴ・カムゥの上に乗ってる】
「誰!?」
目の前にいたのは、中学生ぐらいだろうかショートヘアの黒髪がきれいな子だった。
「あ、…楓ちゃん?」
「あ、来栖川さんの…綾香さん?」
来栖川綾香は姉の芹香を探して森の中を歩いていた。
「見た所あなたも鬼じゃなさそうね…ちょっと人を探してるんだけど…」
「芹香さんですか?」
「ええ、会わなかった?誰かに聞いたとかでもいいんだけど」
「すいません…心当たりがありません」
実際、楓はまだ一人も出会ってない。
「あんまりこういうの得意じゃなくてね〜…姉さんは。心配だから探してるのよ」
「確かに得意そうに見えませんね」
「でもアナタも大変ね…お姉さんが鬼なんて」
「…ええ、まあ偶にはいいんじゃないでしょうか」
「そういえば楓ちゃん千鶴さんに似てきたね」
楓としては胸だけは似てほしくないのだが。
「それで、楓ちゃんは今からどうするの?」
「……えっと」
楓は口篭もった。特にやることを決めていなかったからだ。
「まだ、決まってないんだったら手伝ってくれない?」
「は…手伝うですか?」
「そ、姉さんを探すの」
多人数は不利。
先程、思考のすえに出した答えだ。
しかし―――――
「わかりました。一緒に行きましょう」
楓は仲間を作るほうを選択した。
【柏木楓、来栖川綾香と共に行動。芹香を探しに】
お騒がせしまして。修正が遅くなって申し訳ない
「それにしても――――深い森ねえ…」
「はい」
「お腹空いてきちゃった」
「私もです」
「こんなところにレストランがあるわけないし」
「そうですね」
「…………」
「…………」
「何で誰とも出会わないのよっ!!」
来栖川綾香と柏木楓は未だに森の中にいた。
「とりあえず千鶴姉さんの気配は近くにありませんから」
「それはいいんだけどね…姉さん今ごろ何してるのかしら」
「どこか広い場所に出てみますか?」
「うーん、危険なんだけど…楓ちゃん足、速かったわね」
「ええ」
鬼の力を使えばもっと速くなるが。
「まあそれなら大丈夫かな、私も足、速い方だし。それに『虎穴に入らずんば虎子を得ず』って言うしね。あと食料ね…」
綾香は知らない。
芹香がいま柏木千鶴と同じ場所にいることを。
そしておでんを頬張っていることを。
【楓、綾香 共に森の外を目指す】
上のから4,5時間後ってところでしょうか。
「なかなか見つからないわね」
鬼になってからずっと栞だけを追い続けてきた香里だが、もう既に半日以上
追い続けて未だに手がかりゼロであった。
これ以上時間を食うと栞が他の鬼に捕まってしまう可能性が格段に高くなってしまう。
ここで香里には2つの選択肢があった。
第一の選択肢は、今まで通り栞以外は無視していく方法。
第二の選択肢は、方針を一変してとにかく撃墜数を増やし、
早目にレーダー等の索敵アイテムを入手するという方法。
第一の選択肢の方法は、鬼の増加を防ぎ、他の鬼に先を越されないように
する効果がある。栞は最弱候補の一人であるので、今まで見逃してきた
相手でも本気で追えば栞はあっさり捕まってしまうであろうから、
結果的には作戦面から見ても今までの方法は悪くなかった筈である。
しかしながらこの方法ではこれ以上の追加装備はすっぱり諦めた方がいいだろう。
第二の選択肢の場合、香里自身の能力は普通であっても、強力な捕獲武器
を所持しているので、能力の高い相手でも狩ることが可能であり、本気で
狩りに専念すればかなり高性能なアイテムの入手が期待できる。ただし、
この場合鬼を量産してしまうので栞が他の鬼に捕まってしまう可能性が
高くなってしまう。
「選択肢は2ね」
香里は狩猟者となる道を選んだ。
普通の人間の能力ではこの広い会場の中から特定の一人を見つけるのは
困難であると判断したからである。しかも鬼の中には既に人間離れした
連中、いや本当に人外の連中までいるのだから、そいつらより先に栞を
捕獲するには、まずは彼らより高い能力を所持しなければならない。
それを可能にするのはショップ屋のアイテムしかない。
「それに、あたしが捕まえた人には栞に手を出さないようにさせればいいしね」
--従いそうにない相手は唐辛子攻撃で調教すればいいしね。
などと物騒なことを考えつつ香里は闇の中に身を躍らせた。
【香里 狩猟者モード突入】
>>642-643 おぉ、修正されていたのでつか。
乙です。
ところでご存知の通り綾香と楓ちゃんはおなじ年。
確か坂下以外の同年代に対する綾香の二人称はさん付けだったと思うのですが。
蝉丸は焦っていた。
―――さっき強化兵三つ巴戦で勝利したとはいえ、たった一人捕まえただけに過ぎない。
―――あのあとに御堂や光岡が二人にタッチしていたら、逆に差をつけられてしまっていることになる………
どんな相手であろうと、蝉丸の能力を持ってすればタッチする事などそう難しい事ではない。(既に例外に出会ってしまったが)
だが、誰にも会わないのであれば話は別だ。
「おかしい………」
あのあと参加者の誰にも会わない。鬼にも会わない。それどころか人の気配すらない。
―――確か御堂はあの時既に4人だったはず。
―――俺と御堂をタッチしたあの千鶴とかいうのも只者でない雰囲気を感じた。
―――光岡もいるし、他にどんな奴がいるのか解らない。
蝉丸は今の状況に焦る一方だ。
そんな時、鳥居が目に入った。
―――こんなところに神社か?
誰か隠れているかもしれない、そう思い鳥居の方へと向かった。
が、一目で期待は裏切られた。ここには誰もいない。
鳥居に小さい賽銭箱、それにお御籤の箱が置いてあるだけで社がない。隠れるようなところがない。
「なんだここは………」
鳥居に神社の名前らしきものがあるが、あまりに朽ちていてなんと書いてあるのか判らない。
―――それ以前に社なくって神社って呼べるのか?
どうでもいいことが頭の中を過ぎりながら鳥居をくぐった。
「………………………」
周りと何かが違う。ただ鳥居をくぐっただけなのに妙な違和感を感じる。
嫌な感じではない。むしろ何か心地よい。どこか落ち着く。
子供でも中に入れないくらいな大きさしかない賽銭箱に持ってた10円玉を投げ込む。
―――この鬼ごっこ、勝てますように………
何の神だか判らない上に、そもそもご利益のなさそうな鳥居と賽銭箱しかない神社(?)でお参りを済まし、立ち去ろうとしたが、
賽銭箱の隣にあるお御籤の箱に書いてある「無料」の字が気になって仕方ない。
―――無料?
詳しくはないが、100円くらいしてもいいのではないか?
やはりこの神社、何かおかしい。神社なのに社がないのもおかしければ、あまりに常識が通じないのも妙だ。
無料ならばとお御籤を引いてみた。
大吉だ。
何の神だか判らないが、大吉ならば悪い気などしない。
「大吉」下に何か書いてある。
「………………………」
読み終えたか否か、という時、突然蝉丸は消えた。
手に持っていたお御籤がひらりと落ちてくる。
そのお神籤にはこう書いてあった。
「困った時の超シナリオ
俺に任せろ
超先生<`ш´ >」
【蝉丸、超先生神社からどこかにワープ】
【蝉丸のワープ先は次の書き手にお任せします。蝉丸にとって有利なところへワープさせてもらえると有り難いです】
スイマセン、
>>646無駄に1行ごとに改行入ってしまいますた。
蝉丸は焦っていた。
―――さっき強化兵三つ巴戦で勝利したとはいえ、たった一人捕まえただけに過ぎない。
―――あのあとに御堂や光岡が二人にタッチしていたら、逆に差をつけられてしまっていることになる………
どんな相手であろうと、蝉丸の能力を持ってすればタッチする事などそう難しい事ではない。(既に例外に出会ってしまったが)
だが、誰にも会わないのであれば話は別だ。
「おかしい………」
あのあと参加者の誰にも会わない。鬼にも会わない。それどころか人の気配すらない。
―――確か御堂はあの時既に4人だったはず。
―――俺と御堂をタッチしたあの千鶴とかいうのも只者でない雰囲気を感じた。
―――光岡もいるし、他にどんな奴がいるのか解らない。
蝉丸は今の状況に焦る一方だ。
に修正おながいします。
さらに
>>648 誤「大吉」下に何か書いてある。
正「大吉」の下に何か書いてある。
吊ってきます。
同棲って板違いじゃないの?
「てめぇそこのなすびんとか言うヤツ! 大人しく脇役であるところのこのい
とっぷ様に捕まりやがれ!」
「ダメだ! 俺は最後まで逃げなければならないのだ! 貴様は負けても
最低限の生活は維持できるだろうが、俺は最悪一生日の目が拝めない場
所でじじいにケツの穴掘られなければならないのかもしれないんだぞ!」
「知るか!」
ということで、世界に名だたるエージェント・那須宗一を、そのクラスメイト
であるいとっぷこと伊藤は追いかけていた。基礎体力からして一般人レベ
ルではない宗一を平気で追いかけているいとっぷもかなり人間ばなれした
感があるが、それも脇役の意地というものだろう。
しばらく続いた均衡状態は唐突に終わりを告げる。
突如、目の前に白髪の男が現れた。
本当に、何もない空間から人が出現したのだ。びっくり。
しかもやっかいなことに、肩には鬼を示す襷なぞかかっていた。
これには宗一も度肝を抜かれた。
「げっ!! んなのアリかよ!!!」
そう言いつつも宗一は後方のいとっぷから注意を逸らさない。逆にいとっ
ぷはこれ以上ない好機に恵まれた――のだったが、
「あれは……確か『誰彼』主人公、坂神蝉丸」
なんでお前んなこと知ってるんだという大気のツッコミすら届かず、いとっ
ぷはどうすればいいんだと舌打ちする。んで当の蝉丸はというと、
「む」
とこれまた普段どおりの口癖を吐いた。少々の間を状況整理に当てた
が、しばらくして
「成る程。そういうことか」
と納得した。あの神社――超先生神社、とか言ったが、うまい具合に大
吉を引けば獲物のすぐ傍まで瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればや
ることはただ一つ。どんどん離れていくあの少年を追いかけるだけだ。
「ということで、大人しくつかまって貰おうか。そこの少年」
「だああっ!!! やっぱりこうなるのかああ!!」
【蝉丸 未捕獲の人間・宗一の傍にワープ→宗一フォックスワン】
【宗一 さらにややこしい状況で逃げる】
【いとっぷ 追っ手が増えるのはいいことだがしかしあれは主人公の蝉丸とかいう人だし様子見る限りじゃあの人もなんか人間離れしてそうだしなんかもーどうすればいいんだ的な(以下略)】
あー、すいません。
>>654の修正お願いします。
> と納得した。あの神社――超先生神社、とか言ったが、うまい具合に大
>吉を引けば獲物のすぐ傍まで瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればや
>ることはただ一つ。どんどん離れていくあの少年を追いかけるだけだ。
↓
「成る程。そういうことか」
と納得した。あの神社――うまい具合に大吉を引けば獲物のすぐ傍まで
瞬間移動出来るらしい。成る程。とすればやることはただ一つ。どんどん離
れていくあの少年を追いかけるだけだ。
「ケッ、坂神に折角の獲物を獲られちまったぜ…。あの黒ずくめのガキも逃がしちまったしなぁ……ん?」
木の枝の上でブツブツと呟いていた御堂は、何かを視界に捉え、気の陰に隠れた。
「あれは………――けっけっけ、獲物発見だぜぇ〜」
「意外に紳士的な方なのですね。認識を改めました」
「…今迄一体どういう目で俺を見ていたのか解らんが」
「エルクゥの本能がどうたらこうたらとかで男性を薙ぎ倒し、女性を攫っては監禁して陵辱する様な方かと――」
「………喧嘩を売っているのなら買うぞ…」
「いえ、その様な事は決して」
森の中の、柳川とセリオ。二人は闇の中に紛れ込み、束の間の休息を摂っていた。エルクゥであっても、
アンドロイドであっても、休む時間は必要なのだ。
「――では、私はお先に失礼して、これより省電力モードに入ります」
「解った。…まだ充電の必要は無いんだな?」
「はい。まだ問題ありませんが、無駄にも出来ません。見張り交代の時間になったら――」
――その時、ピピピピピ…!――と、セリオのセンサーが何かを捉えて警報を発した。
間髪置かず、セリオは無言のまま柳川に飛び掛かる。
「――なっ…!?」
余りに急な行動であったので、柳川は対処に遅れた。なす術も無くセリオに組み付かれ、倒れ込む――その直後、
柳川の立っていた場所を何処からか飛来した白い物体が貫き、その後ろにあった巨木に激突した。
べちゃぁっ!!――
「…!? とりもち!?」
「索敵センサーの範囲外からの射撃でしたので、対処が遅れました。申し訳ありません」
「いや、いい。助かった。……鬼か…――ここに留まるのは危険だな…移動するぞ!」
「了解です」
二人は立ち上がり、逃走を開始した。
「――外した…!? ケッ…、あのメイドロボやるじゃねえか…!!」
獰猛な笑みを浮かべ、御堂もあの二人を追跡し始めた。
闇に沈む森の中を、二人と一人が疾走する。柳川・セリオ組を追う御堂は、執拗だった。
「チッ…! しつこい奴だ! っ!!――」
共に並んで走っていた柳川とセリオが、申し合わせた訳でも無いのに、同時に互いから離れた。
――次の瞬間、二人の並んでいた場所にとりもちが命中する。
「…このままでは何れ捕まるな! 二手に分かれるか!?」
「――いえ。それよりも、森が途切れます。そこで撃退しましょう」
「撃退だと!?」
「相手は夜戦に優れた強化兵です。“多少の無茶”は甘受して頂きましょう」
「……いいだろう」
セリオを見やり、柳川は楽しげに口元を歪めた。
「逃がしゃあしねえぜ! 森を出た所が、お前等の最期だ! けっけっけ!」
遮蔽物の少ない森の外でなら、確実にとりもちを命中させられるだろう。どちらか一方だけでも、結構な獲物だ。
前方に見える二人の後姿が森を抜ける。――御堂も跳躍し、一気に森から飛び出した。
「…もらったぜ!!」
着地後すかさず、とりもち銃を構える御堂。狙うはセリオだ――
「――!?」
一瞬足らず、御堂は眉を震わせた。セリオが逃げようとしていない。
――彼女の眼がこちらを見据え、キラリと光った様な気がした。
きんっ…!!――
空気を貫く音。そして眩い閃光が、御堂を一瞬だけ照らす。
ごっごごぶわぁああああっ!!!――
その音と閃光を感じるや否や、御堂とセリオの間の大地が爆発したかの様に吹き飛んだ。
「ゲーーーック!!! なんだこりゃあーーーっっっ!!?」
大量に降り注ぐ土塊と砂埃から眼を守りながら、御堂が叫ぶ。
――その隙に柳川がセリオを抱きかかえ、御堂の視界の外へと逃げ出していた。
「………チッ…! クソッタレめ…!!」
頭に乗っかった土塊を乱暴に叩き落とし、御堂は憎憎しげに毒づいた。
セリオを“お姫様抱っこ”しながら、鬼から離れる為に柳川は夜の中を走っていた。
「――衛星砲か。…反則じゃないか?」
「問題ありません。出力を抑えてありますし、命中させる気もありません。目眩ましになれば充分でした」
「なるほど…」
「それに、ああでもしないと彼から逃れるのは困難でした」
「同感だ。……それより――」
「何でしょうか?」
「…自分で言っていた通り、結構重いな」
「………失礼です、柳川さん。紳士的な方だと思っていたのに……また認識を改める必要がある様ですね」
「フン…、勝手にしろ」
「では、このままどこかの建物に連れ込んで、私を獣欲の赴くままに蹂躙するのですね?」
「何故そうなる!?」
【柳川・セリオ組 御堂に捕捉される――が、もう一歩の所で獲り逃す】
【柳川・セリオ組 逃走】
セリオを売ったらいくらになるだろう?
「さて、それではひとまずどこへ行ったものか。夜襲と、夜露を同時に防げるような場所……」
やや背の高めの草むらの中を、セリオを抱きかかえた柳川が疾走していた。
「森の中はやめるべきでしょう。先ほどのようにアウトレンジからの奇襲を受けた場合、逃げ出すのが困難になります」
「そうだな……。なら……」
柳川が自分の意見を述べようとした、それと同時に、
「! 柳川さん……下が……!」
突然セリオが叫……
『殺(シャ)――――――――――ッ!!!!!』
「な、なにィっ!?」
突如前方の草の影から、一人の……ガスマスクをつけた……鬼が現れた。
「しまった! 待ち伏せか!」
いくらエルクゥの力と言えど、こうスピードが乗った状態で急な方向転換は出来ない。
どうしようもないかと思われた、その瞬間————
「柳川さんッ!」
どん、とセリオが柳川の胸から弾けるように飛び出し……セリオの体は鬼に向かい……柳川の体は後ろにはね飛ばされた。
『逃がさない! はぁぁぁぁぁぁっ!』
ガスマスクの鬼——香里は目の前に迫るセリオを張り手一発で打ち払うと、一歩分距離が離れた柳川に向かい、銃口を定める。
『私のために……死になさいッ!』(※死にません)
ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「ッ!? 火炎放射……いや違う!?」
一歩分。その一歩分で状況を判断する"間"が出来た柳川。その一瞬で十分だった。
迫る紅い霧をしっかと目視。目にもとまらぬ速度で身を翻し、霧を抜けた。
『クッ!?』
エルクゥに駆け出されては人の身である香里に追いつけようはずもなく、たちまち柳川の後ろ姿は草原の彼方へと消え去っていった。
『……逃したか……。まぁ、一人捕まえたから、よしとしましょう……』
後ろをふり返る、と、そこにはセリオが憮然とした表情で佇んでいた。
「……あなたは、美坂香里様ですね」
『……そうだけど……何で知ってるの? というか、この唐辛子の中よく平気で立ってられるわね』
「私はメイドロボですので。ガスその他の兵器は私には効果がありません」
『なるほど……』
「お一つ、お聞かせ下さい」
『なに?』
「なぜあなたはこの状況下、ああも正確に私たちを待ち伏せ出来たのですか?」
心底不思議そうなセリオ。だが香里は、さらりと言ってのけた。
『さっきの閃光、あれ、あなたのしわざ?』
「閃光……」
先ほどの情景を思い出す。
「……はい、あれは私が放ったサテライトキャノンです」
『サテライトキャノン……。また無茶な。……それはともかく、次はあの手の武器を使う時は周りに気をつけることね』
「なぜでしょうか?」
『あの光とあの音。自分たちの位置を辺り一帯に知らしめてるようなモンよ』
一言残し、颯爽と去っていく香里。
……が、ふとその足を止め、ふり返った。
『あなた、メイドロボだとか言ってたわね』
「はい。来栖川製のHMX-13型・セリオです」
ガスマスクの下、香里はニヤリと唇を歪ませる。
『……あなた、探知機とかセンサーの類……。装備してない?』
【香里 セリオをゲット】
【セリオ 鬼になる】
【柳川 逃走】
ハクオロ達は森に入る前に美凪の提案で屋台に寄ることにした。
…お腹が空いては何も出来ません…ハクオロはその通りだなと思う。
お米券を握っていそいそと買い物に出かける美凪をハクオロとみちるは近くで待っていることにした。
暫く前からみちるはハクオロをジロリと睨んでいる。どうやら美凪と仲良くなったことを気に食わないらしい。
ハクオロはそんなみちるが可愛らしくなり、みちるの頭をぽんぽんと軽く撫ぜてやった。
「気安くみちるに触るな!!このロリコン仮面!!!」
みちるエルボーがハクオロのみぞおちに突き刺さる。
「ぐふうぅ」
あまりの痛みにハクオロが涙を流してうめいているとき、美凪が折り詰めをもって帰ってきた。
「…お待たせしました。ハクオロさん、お寿司でよかったですか?」
「ぐほっ、ぐふぉっ、……ああ収まった。……これがスシか、とても旨そうだ。有り難く頂戴するよ」
「お前も金ぐらい払えっ、このヒモヤローー!!」
みちるがハクオロの足を思い切り踏んづけた。
「痛っーーー!!美凪、金ならここに」
ハクオロが片足でピョンピョンと飛び跳ねながら、懐から金子を取り出そうとする。
しかし、美凪は両手でそれを制した。
「みちると仲良く遊んでくれた…お礼です」
「そうか」
ハクオロは美凪の気持ちを受け取ることにした。
「美凪ーーっ、みちるはこんなヤツと仲良くなんてなってない!」
ぷくぅとみちるは頬を膨らませた。それでもみちるは空腹には勝てないらしく、ハクオロと美凪とみちるの三人で一緒に食事をとることにした。
美凪は草むらにビニールマットを敷き、ちょこんと正座をすると寿司をひざの上に置き、一つの寿司パックをみちると仲良く食べ始めた。
ハクオロはあぐらをかくと股の間に寿司を置き、手づかみで頬張る。
「美凪ーーっ、ここでは鬼はおそってこないのか」
ご飯粒を飛ばしながらみちるが訪ねる。
「…このあたりはギリギリ安全地帯です…制限時間いっぱいまで粘ってやりましょうね」
そう言いながら美凪はみちるの顔についたご飯粒をハンカチで拭いてやった。
賢い娘だな、とハクオロは思った。三人が食事をしているところは小高い丘になっていて、周りが見渡しやすい。攻めるには難しく、逃げるには容易い場所だ。
「屋台の匂いに釣られたアルルゥがこっちに来るかもしれない。暫く休憩だ」
「ハクオロ、エルルゥとアルルゥって何者なのだ」
好奇心を抑えきれなくなったみちるがハクオロに訊ねる。
「家族だよ」
ハクオロはそう答えた。
「………奥さんと子供さんですね」
「ああ」
「こらハクオロ、妻子持ちの分際で美凪に手を出したら許さないからな」
そう言ってみちるはハクオロを両頬を指でびろんと引っ張った。
「げふっ、げふぅっ」
むせるハクオロ、とうやら気管に飯が詰まったらしい。
「ハクオロさん、どうぞ」
美凪から渡されたお茶をハクオロはぐいっと飲み干した。
結局、みちるは美凪の分の寿司もほとんど一人で食べてしまい。それで満足したのか爪楊枝で歯をシィーシィーと掃除始めた。
「それにしても寿司とは旨いものだな、アルルゥにも食べさせてやりたかった」
「…まだお寿司は1パック残っています……娘さんに進呈」
「いいのか、お前の分だろう?」
「…ハクオロさんのお寿司がまだ残ってます…一緒に食べていいですか?」
「ああ、二人で食べよう」
仲良く食べ始める二人、満腹で幸せなみちるは特に文句を言わなかった。
空には満天の星が瞬いている。ハクオロと美凪は星を見上げながら寿司を食べた。
「…お星様……綺麗…」
「…………」
「ハクオロさん…奥さんと子供さん……心配ですか?」
「──彼女達は辺境の女、私よりもずっと逞しいよ。
…ただ、一緒に遊んでやる約束があるからな」
「約束…ですか。その後、私達はサヨナラですね……」
「私達三人はもう友達だ、エルルゥもアルルゥもきっと二人を気に入るさ」
「……お友達……」
美凪は星を見上げた。
ハクオロはいなり寿司がことのほか気に入ってしまい、ちょっと行儀が悪いなと思いながらも残った分を全てもうひとつの折詰めに入れ始めた。
星を見上げてボーとしていた美凪は、それに気付かずに今まで寿司のあった所へ手を伸ばした。ハクオロの股間へと……。
「……………あっ」
「……………美凪、それは私の…」
「なにがそれは私のお稲荷さんだ!この変態仮面!!!!!」
みちるがハクオロの股間を蹴り上げる。
「────ッッッウウゥ」
ハクオロは声にならない悲鳴を上げた。
「…ハクオロさん…私、気にしてませんから……
………ハクオロさんの奥さん…可哀想…」
「ぐさあっ」
ハクオロは思い当たるところがあるのか、心身共に大きく傷ついた……。
【ハクオロ お寿司1パック入手。心身共に大ダメージ】
【美凪 ハクオロの好感度↑】
【みちる 美凪を変態仮面から守る使命を持つ】
三人はこの後、森を目指す。
この前の話のタイトルです。
402:星をさがして
よろしくお願いいたします。
「うぅ〜すっかり暗くなっちゃったよ…」
年の頃は二十歳前後だろうか、ショートカットの青い髪をなびかせながら、一人の女性が闇の中を走っていた。
と、突然走るのを止めた。なぜなら小屋を見つけたからだ。小屋というには些か大きいかもしれないが、
彼女にはそれ以外に形容の仕方が……あった。しかも昨日届けに行ったところによく似ている。
「工事現場の詰所みたいね…電気はついてないけど、誰かいるかも」
彼女はその詰所へ向けて歩き出した。
「みどりさん、そろそろ交代ですよ」
「…ん。あ、もうそんなに経ちましたか、早いですねぇ」
「二時間なんてあっという間ですよ…あら?」
見張り用に開けた窓から一人の人影が見えたことによって、南の視線が鋭くなった。
「…鬼でしょうか」
「わかりません…でも、逃げる準備はしておいた方が良いですね」
「せめて朝までいられれば良かったのに…」
「私なんて寝てませんしね」
と言って、先ほどのカレーや飲料水の入ったリュックを手に取る南。
みどりは詰所内にあった傷薬や消毒液の入った箱を持った。
しかし、それは杞憂だったようだ。みどりが声を上げる。
「あ、鬼じゃないですね」
「…そうですね、良かった。でも、あの人どこかで…?」
人影はだんだん近付いてくる。その内、頼りない声が聞こえてきた。
「あの〜誰かいらっしゃいませんか〜?」
その声を聞いてやっと納得がいったように、南はぽんっ、と手をたたく。
「あ、もしかして鈴香さんですか?」
「その声は南さんですか!?良かった〜、やっと知り合いに会えました」
どうぞどうぞ、とみどりが窓から手招きしつつ、南が戸を開けた。
とりあえず中に入る鈴香。
「ところで南さん、あの、こちらの方は…?」
「あ、自己紹介がまだでしたね。鈴香さん、こちらは高倉みどりさんです」
よろしくお願いします、と言ってにっこりと微笑むみどり。
「みどりさん、こちらが風見鈴香さんです」
こちらこそ、と丁寧にお辞儀をする鈴香。
「ところで鈴香さん、おなか空いていますか?」
「は、はい、半日何も食べていなくて…」
「じゃあ、まだ鍋の中にカレーが残っていますので、それを食べてください。サラダは冷蔵庫の中です」
「どうもすみません。ありがとうございます!」
「いえいえ、どうせ余りものですから。それじゃあみどりさん、見張りがんばってくださいね」
「はい、任せてください」
南は布団へ、みどりは窓辺へ、鈴香は食堂へ、それぞれ向かって歩きだした。
【みどり 見張り】
【南 詰所内で就寝】
【鈴香 食事中】
「というわけで、だ。優勝するのは俺だ」
「気合入ってるわね。巳間や高槻やあの子にばかりいいところをとられたくないのね」
「ああ。ここはFARGO唯一の良心の俺がだな…」
「…たまたまクラスA担当だっただけなんじゃないの?」
「それを言うな」
「大体ね。いくら顔があるかないかが出場できるかできないかの大きな基準だからって名無しキャラがぼこぼこ出てきていい、ってことは無いのよ」
「それは、そうだが」
「確かにあなたは、ズンパンし放題のFARGOにいながらたかが鹿沼さんのおぱんちゅなんかでハァハァやってて、高槻辺りよりは全然マシな人間だけど」
「うぐっ…」
「そんなにハムスターパンツが気に入ったの?」
「うぅ…」
「ちなみに、FARGO出身の女性のうち天沢さんはお手つき。巳間さんはブラコン。由依は貧乳。私は名無しキャラなんかと付き合う気はない。ということで鹿沼さんを狙うのは悪い選択肢じゃないわね」
「いや、あの」
「……って、そんなこと言ってても仕方ないわね。ここは森の入り口。隠れる戦法を取るには森に入らないといけないし、走って逃げる戦法を取るなら森から離れた方がいいわ」
「………名倉友里。1つ問おう」
「どうぞ、A棟の巡回員さん」
「なんでそんな説明口調なんだ」
「………はっ!あそこにいるのは私の妹の由依!」
「…あ、そう」
「ああ、由依が隠れもせず、かつ辺りに注意を振りまきながら私に近づいてくるわ!」
「…まあ、確かにそうだな」
「あ…あの抗う術を知らず周囲の風に流され 人形のように生きるしかできなかった由依が!」
「いや、それは違う…」
「じゃあ訂正。あ…あの鬼ごっこの術を知らず周囲の建物に隠れ かくれんぼのように遊ぶことしかできなかった由依が!」
「………」
【巡回員・名倉友里・名倉由依 森の入り口で合流】
「はわわわ、とても高いですぅぅぅぅ」
「クーヤ様、もうちょっとスピード落として戴けるととっても幸いだったりする
のですがぁぁぁぁぁ」
「ええい黙れ! 余はもはや限界寸前まで腹が減っておるのだ!!!」
「嗚呼、水平線だ。海が見えるぜ……」
クーヤはアヴ・カムゥの全能力をもってして、前方に鎮座する屋台に向
かって突進していた。突進されるほうもたまったもんではない。
「…げ。なんかデカいのが来た」
「…………はちみつくまさん」
「…………(コクコク)」
「いや、あんたたち随分余裕かましてるけど大丈夫なの?」
5メートルのデカブツが腹を空かせて猛烈に突っ込んでくるというのに、
客の二人は黙々とおでんをつついている。
「クッ、クーヤ様ぁぁ、この勢いだと屋台ごと食べ物もぺしゃんこになっちゃ
いますよ〜〜!!」
「…何ッ!? そ、それはまずいな。非常にまずい」
「今さら気付いたんかい。」
浩之の投げやりなツッコミ。もーどうでもいいやといった感じだ。
「屋台にいる方たち、逃げてくださあぁあぁいいい…」
マルチのひ弱な叫び声(叫び声?)が聴こえたのかどうかは判らない
が、その声に反応して二人の女性が暖簾から出てきた。
「……! ありゃ先輩じゃねーか!」
屋台まで5メートル。慣性の法則によってアヴ・カムゥと屋台の衝突は避
けられそうにもなかった。
「芹香さーーん、逃げてくださああああひいいいいいぃ」
あと3メートル。
「クーヤ様ぁぁ!」
「……余のごはんがっ…!」
「13……だ」
ぺらっ。
「フフフフフ……ダウトだな、それは」
「SHIT!! なぜバレた」
「カカカ、この篁を騙せる人間などおりはせぬわ!」
「何ィ!?」
「大統領、すぐ顔に出ますからねぇ。あ、一服宜しいですかな?」
「……あれ?」
土煙が徐々に晴れてゆく。浩之は閉じた目を開いて辺りを見回した。よく
みるとアヴ・カムゥは屋台の30センチ上でぴたりと静止している。何かの
力によって持ち上げられている感じだが、その正体は分からない――
「あっ、そうか」
先輩。
オカルト好き。
でかいのが空中静止。
つまり、魔法。
「や…やったぜ先輩! すげぇぞ!」
「浩之さん、たすかったんですか……?」
「クーヤ様、クーヤ様」
「……その者青き衣を来て金色の野に降り立つべし――言い伝えは本当
じゃった」
当のクーヤは訳の分からんセリフを吐きながら、のされていた。
「……二人がいたから今回ばかりはよかったけど、流石にこんなデカブツ
乗りまわされたらたまんないわね」
屋台の横に置かれているアヴ・カムゥをショップ屋のねーちゃんはちらり
と見る。ざっと見ただけでも自動車20台ぶんくらいの重量はありそうだった。
「――んー、主催者がココにいないからなんとも言えないんだけどねぇ、あ
たし個人の考えでは……あんま使わないほうがいいわよ、あれ」
「あー、先輩もそう言ってる。静止させるのにムチャクチャ魔力使ったそうだ
ぜ」
「……はちみつくまさん」
皆の視線がクーヤの方に集中する。
「……………むー」
「クーヤ様」
「……サクヤも、そう思うか?」
「思います。むしろ徒歩で移動した方が鬼ごっこらしくなりますよ」
サクヤまでそう言った。
「…………………………わかった。そうする」
これにはクーヤも諦めざるを得なかった。ムチャクチャ悔しそうではあった
のだが。
「っむはぁ」
「…なんじゃ浩之、その意味深なため息は」
「うんにゃ、なんでもねーっすよ?」
「……、クーヤ様! 食べ物がありますよっ」
慌ててサクヤが取り繕う。ここらへんは慣れたもので、とにかく腹を空か
せている人間には物を食べさせるのが一番手っ取り早い対処法だ。
攻撃色全開の王蟲の如きクーヤもおでんの味を知った途端に大人しくなってしまったのだった。
【浩之・マルチ・サクヤ・クーヤ 屋台(@ショップ屋ねーちゃん)到着】
【舞・芹香 アヴ・カムゥを食い止めた際に魔力消費】
【クーヤ アヴ・カムゥを降りる】
>>666まで更新、タイトルのつけ直し完了しました。
とりあえず自分で書いた話にもタイトルふってみたりしました
>>674 乙カレー!
スレの回転がはやいからさぞ大変だったでしょうねw
うげっ、なんか知らんけど良スレになってる!
「Wow baby baby〜♪」ずこっ。
「FlashBack to me〜♪」ざくっ。
かくがくしかじか以下略な訳で、住井護と北川潤によるスーパーユニット・地雷
原ブラザーズはキリングマスィーン香里美坂によって鬼にされてしまった。とはい
えこの二人のやってる事と言えばゲーム開始からトラップばかり作っているくらい
で、結局のところ鬼だろうが何だろうかあんまり関係がなかったりするのである。
「Baby baby baby〜♪」ふんぬっ。
「FlashBack to me〜♪」ずべしっ。
東の空はもう既に明るみかけている。これ以上ないほど空は澄み渡り、今日も
一日いい天気になりそうな気配を見せていた。早朝の林の中は少し肌寒かった
が、少し運動すれば爽快な自然の空気に変貌する。
「Wow baby baby〜♪」ずこっ。
「FlashBack to me〜♪」ざくっ。
二人はかのカップヌードル平原を抜けた後、適当な所を見つけて適当に眠っ
た。鬼の彼らはもう周囲を心配する必要がなく、彼ら自身にしてみればむしろ鬼
のほうが様々な面でメリットが生じたりもした。言わば地雷原ブラザーズは真の
意味で地雷原と化してしまったのだ。
「Baby baby baby〜♪」むべらっ。
「Disco Disco Disco Disco〜♪」ごろちゅあっ。
んで。
こいつらはさっきから一体何をやっているのかというと。
「住井ぃ、歌ってないで今度はちゃんとメモッとけよ〜」
「ういー」
懲りずに掘っていた。落とし穴を。
住井は時計を見てから北川に声をかける。
「う〜し、ちょっくら休みますかー?」
「おーう。この穴掘ったらなー」
「んじゃ先にそこの倒れてる木んところで待ってるぞー」
「りょーかい」
住井に遅れる事数分、北川がシャベル片手にやってきた。いかにも満足そうな
笑顔を浮かべている。肉体労働の後だというのに足取りは妙に軽い。
「むむむむっ、…どうなされた北川殿」
「いやなに、歩いてる途中にオモシロトラップをいくつか思案していたのだがね」
「それは誠に重畳」
「はっはっは。かく言う住井殿も一計を案じる目つきをしておるぞ?」
「然り。拙者もここでみねらるうぉーたーなど戴いている間に一計どころか百計を
巡らせておったのじゃ」
「おぬしも悪よのう」
「いえいえお代官様ほどではござりませぬ」
黒い空気が流れていた。こんなにもすがすがしい朝だと言うのに。
「では住井殿。ここでネタバレするのも面白くない故」
「獲物が引っ掛かった時に、お互いの罠を発表するということで」
「心得た」
「ではっ」
そう言って二人は別の方角に向かっていった。
【住井&北川 最初とは違う森に落とし穴をしかける。二人の罠の位置は微妙に異なる。
ネタ満載のトラップ(内容は後続SSに任せます)】
【時間→早朝】
「人、きませんねぇ」
「……そうですね」
穴の中で彩ときよみは他にする事がないので睡眠もとり暇を持て余していた
「…………」
「…………」
続く沈黙、そして彩が意を決して言った
「それでは、歌います……」
「はい」
「緒方理奈でS.O.D.……」
パチパチパチ
「ちゃららら〜ら、ららちゃらららら〜ら
(以下暫く前奏なので略)
愛とい〜う〜形ないもの捕らわれている〜♪ 心臓が止まるよな恋があること知ってる〜♪」
こみパキャラが全員驚愕するほど緒方理奈にそっくりな歌声が穴の中に響く
そしてその歌声に導かれ一人の白髪の男が穴を覗き込んだ
「あれ、そこにいるのは理奈かい?」
「いえ……違います……」
「こんばんは。いえ、もうおはようございますですね」
【彩 S.O.D.熱唱】
【英二 穴の中の彩ときよみを発見】
ショーケース内のケーキを6割ほど食べた三人は、食にありつけた充実感からか食後のひとときをマターリと
過ごしていた。
「たくさん食べましたね…もう食べられません」
「私、もうおなかいっぱいだよぉ〜」
『当分ケーキは食べたくないの』
「…噂通り、やはりあのワッフルは美味しかっt」
「茜!あのワッフルのことはもう言わないで…」
『あんな凄いの初めて食べたの…一口食べただけでノックアウトなの』
商店街の方までは、まだあまり鬼も来ていないようである。事実、まだ一人も店の前を横切っていない。
そこで、鬼の居ぬ間になんとやら、で夜を明かすことにした3人だった。
しかし、詩子は少し経つとすぐに店の中をさぐりに行った。恐らく、風呂場かシャワー室を探しに
行ったのだろう。
「茜〜、こっちにシャワーがあるよ〜」
「シャワーですか。澪は浴びますか?」
『汗でベトベトなの。はやく浴びたいの』
「そうですか。詩子、私たちも入るので、先に入ってください」
「りょ〜かい。じゃ、お先〜」
といって詩子は風呂場へと消えていった。
【茜 澪 店の奥にある座敷でマターリ】
【詩子 シャワー中】
【早朝になる約7時間前】
「ふわぁぁあっ、もう朝か」
彼女の名は観月マナ
葉鍵全体では勿論、WAの中でも影の薄いキャラだが生き残り系リレーでは
ロワでは霧島聖、サバでは月島瑠璃子、柏木楓と程よくいいキャラと組む事になるかなりの強運の持ち主である
まして今回は企画支援者である米大統領アレキサンダー=D=グロリアのれっどぺんそーが一人である
……まぁそれはあんま関係ないけど
ていうか大統領はちゃんとマナちんとレベル1すひーを応援すれ
そして今回、彼女が組む事になったキャラは……
「そうね、それじゃ朝ご飯にしましょうか」
鞄からカロリーメイトを出し分け与えているその人、葉鍵国産最強の乳を誇る編集長澤田真紀子と
「いらん、それより早く姉上を探すぞ」
シスコンの大半のキャラが妹なのに対し希少価値の高い姉シスコンの二大巨頭の一人デリホウライであった
因みにもう一人は那須宗一
……なんていうか微妙
【マナ、真紀子 必死なデリホウライを諌めてとりあえず朝食】
もう東の空が明るみ始めていた。高台にあるこの詰所からは港から周囲の島々、水平線までが一望できる。
今日は晴れていることもあって、日の出は絶好の眺めになるだろう。
「…すぅ…すぅ…すぅ…」
ゴンッ!(窓枠のアルミサッシに)
「んぎゃっ!?あ、私寝っちゃてたんだ…」
慌てて室内を見まわす鈴香。しかし、荒らされた痕跡も無いし、鬼の襷もなかったのでホッと胸をなで下した。
そしてワンテンポ遅れて窓の外の景色に感動する。
「わぁ…きれいだなぁ…」
まったくもって普通の感想である。もっと別の表現の仕方があろうに。
数分間景色に見とれていた鈴香であったが、何か思い出したのか急に時計を取り出す。
そしてストップウォッチ機能のボタンを押した。時計は2時間と4分を刻んだ。
「南さん、みどりさん、そろそろ交代ですよ」
「こんば…あ、もう朝ですね」
「ふぅ…よく眠れました」
「では、見張り頑張って下さい。おやすみなさい」
「「おやすみなさい」」
鈴香はもぞもぞと布団へもぐり込んだ。南とみどりはというと…
「うわ〜、すごい眺めですね〜」
「本当に素晴らしいですね」
景色に感動していた。
【みどり 南 起床→見張り 景色に見惚れる】
【鈴香 就寝】
「憶えてなさいよ〜っ、ゼッタイ捕まえてやるんだから…!」
御堂の追跡を振り切った少年の耳に、そんな声が聞こえて来る。
「……? どこからだ…? この付近みたいだけど…」
「だぁれかぁーっ、誰か居たら、ここから引き上げてぇ〜!」
…声はどうやら、地面の下の方から聞こえて来ている様だった。少年は辺りを見回し…「ふむ…なるほど」と
肩を竦め、微苦笑を漏らした。森の中は罠だらけなのだ。――自分は問題無い。が、他の“普通人”な参加者
にとっては、いたる所にびっくり箱状態であろう。
「鬼の追跡を阻止する為なのか、それとも鬼が獲物を追い詰める為に作ったのか……ま、何れにせよ…」
声のして来た方へと澱みなく足を運びながら(罠をしっかりと避けながら)、ぽっかりと開いた地面の穴を覗き込む。
「…大変だね」
「ああっ!? 人!? ひと〜っ! ――あの、悪いんですけど、ここから引き上げて貰えません?」
穴に落ちていたのは、緩いウェーブのロングヘアー姿の少女。――鬼でも無いのに鬼っぽく澪を追跡中、
不覚にも落とし穴に落ちてしまった雪見である。
「君は鬼? それとも――」
「見れば解るでしょう…!? それとも暗くて見えない? 鬼じゃないわよ。そんな事より、早く引き上げて〜っ!」
「ま、いいか。――解ったよ。今から “そっちに行く”から」
「…へ?」
――と、唖然とする雪見の目の前に、少年がふわりと降りて来る。穴の中に、だ。
「なななっ…!? 何で降りて来るの!? 貴方まで降りて来たら誰が引き上げて――」
「こっちの方が早い」
少年は問答無用で雪見の体を抱きかかえると、そのままぴょんっ…と跳躍。一瞬にして穴の外へ飛び出すと、
森の地面に着地していた。――少年に抱きかかえられた雪見が、目を点にしている。
「………み、見掛けによらず、パワフルなのね。何者なの…?」
「説明すると厄介だから、ノーコメント。想像にお任せするよ」
雪見を地に立たせ、ふふっと笑う少年。
「…と、取敢えず、お礼を言っておくわ。有難う。私は深山雪見。貴方は?」
「ん〜、無いんだよね。名前が。他の人は『少年』って呼んでるけど。」
「……は?」
雪見の目が、また点になった。
早朝の光が差し始めた森の中、ぷりぷりと肩を怒らせて歩く雪見がいる。彼女から数歩遅れて、
微苦笑を浮かべながら歩くのは、落とし穴から彼女を助け出した少年。
「んっふっふっふっふ…。よくもよくも、こんな夜明けまで落とし穴に落としてくれちゃって…」
「………」
「澪ちゃぁ〜んん、捕まえたら、じっくりたっぷり話し合わなくちゃねぇ〜。ふふ…、うふぅふぅふぅふぅ」
「……その澪ちゃんを捕まえたら、どうするつもりなんだい?」
――と、尋ねる少年に、肩越しに目線だけをやる雪見。その妖しげな眼光に、少年が肩を竦めて笑う。
「何をするつもりか知らないけど、穏便にね」
「……言われる迄もないわ…。………探すの、手伝ってくれるんでしょ?」
「? 何で?」
「…じゃぁ、何で私に着いてくるの?」
「ん〜、何となく、かな? (……その澪ちゃんって子を見てみたいというか、彼女が澪ちゃんになにを
しでかすのか心配というか………好奇心って言ったら、怒るだろうしね)」
雪見は、暫く少年を胡乱げな眼差で見据えていたが、再び歩きだす。
「………ま、いいわ。でも、着いて来るからには探すの手伝って貰うw――」
と、言葉の途中で少年に手首を捕まれ、引き寄せられた。
「――なっ、何をするのよっ…!」
引き寄せられて抱きすくめられた雪見が、顔をほんのり赤くさせて叫んだ。
「罠――だよ」
少年が適当な木の棒を拾い、雪見が歩こうとしていた先の地面に放り投げる。――と、“しゅばんっ!”と
落ち葉が舞い上がり、捕獲用のネットトラップが舞い上がった。
「…あ、有難う」
ぷらーん…と揺れてぶら下がるネットトラップを唖然として見つめ、呻く様な声で、雪見。
「どう致しまして」
その後、雪見は、少年と腕を組んで歩く様になった…
【少年 落とし穴に落ちていた雪見を発見 彼女を救出】
【雪見 少年と行動を共に】【少年は好奇心で雪見に同行】
【夜明け】
ゲンジマル。ニウェ。
いずれ劣らぬ猛者二人。
どちらも、いまだに鬼ではない。
どちらも、それぞれの得物を抱えている。
どちらも、完全武装である。
少なくとも、鬼ごっこに参加するような格好ではない。
しかし、彼ら二人とも、歴とした参加者である。
「おぬし、何故わしについてくる」
ニウェが聞いた。
「おぬしは危険じゃからな」
ゲンジマルが答えた。
「いざとなれば、おぬしを止められる者が見張っておらねばならぬ」
「それが、おぬしという訳か、エヴェングルガの戦士よ」
「おお。シケリペチムの皇よ」
突然上から降ってくる丸太。
一刀のもとに斬り捨てて、言う。
「罠が多い」
「まったくだ」
森の中。
二人は並んで歩いていく。
【ゲンジマル&ニウェ、剣呑な雰囲気で罠を壊しながら進んでいる】
「センサーですか? はい、周囲の人影を探知することぐらいなら可能ですが」
去り際に投げかけられた香里の問い。セリオは馬鹿正直に答えた。
「ただし、あまり射程には自信がありません。美坂様の待ち伏せの直前、襲われたのもそれが原因でした」
「フフ、上等よ。ついてきなさい」
香里はガスマスクを付けたまま顎をしゃくり、自分の先をセリオに示した。つまりは『行け』ということだ。
「……美坂様?」
「あなたには『情報』がある。私には『武力』がある。お互いの力を最大効率で発揮するためには行動を共にした方が得策だとは思わない?」
「……なるほど、一理ありますね。確かに私は身体能力も一般人並み、今回は武器となるようなオプションパーツも装着しておりませんから」
「そうよ。そして私には武力はあるけれど情報収集能力がない。私たちが力を合わせれば……」
「効率的に参加者を狩ることが出来そうですね」
…………ガシッ!
草原のど真ん中、ガスマスクの女と耳飾りの女が固く握手を結ぶ。
その2人を、昇る朝日が眩しく照らし出していた。
「早速行くわよ。夜討ち朝駆け奇襲復讐は戦いの基本。まだこの時間なら寝ている参加者も多いはず。寝込みを襲うわ」
「了解しました。では策敵を開始します。………ええと……」
キィィン、とセリオの頭脳が思考音を鳴らす。
「はい、完了しました。現在この周辺には2人:1人:3人の3組の他参加者が潜んでいます」
「鬼と参加者は区別出来ない?」
「さすがにそこまでは……」
「仕方がないわね……なら、3人組のところを襲うわよ」
「なぜですか? 狩りならば単独行動をしている方を狙った方が……」
「このゲーム、タッチすれば終わりというルールを考えると、あまり人数を増やしすぎるのも考えものだわ。鬼の連鎖反応が起きかねない。
さっきあなたが眼鏡のお兄さんを突き飛ばしたのもそれがあったからでしょう?」
「…………………………」
もしもハカロワ設定のままであるならば、小学生と勘違いしていた柏木初音を
それでもなお犯した経験のあるロリコンであり鬼畜である七瀬彰は、美咲さんの
胸の中ですうすう眠っているさおりちゃん8歳(推定)を犯し倒さなければいか
ん筈なのであるが、そもそもロリコン鬼畜であるという設定など彰にはないし、
襲うならばむしろさおりちゃん8歳をぎゅっと抱きしめながら、可愛らしい寝顔
を見せている、狼の前の兎のように、無防備な姿を晒している美咲さんである。
もしあと少し彰の心臓に毛が生えていれば、きっと、しっかり組まれた美咲さん
の膝をちょいと崩して、ストッキングという名の薄絹の向こうにある神秘を探求
している筈である。風のクリスタルは僕たちの心の中にある!! と彰は心の内で
叫ぶ。そして、もし彰の肝が藤田浩之か藤井冬弥くらいに大きければ、数千年前
から人間が、いや生物すべてが営み続けてきたラヴの行為を紡ぐことが出来る筈
なのである。さおりちゃん八歳が起きようがウォッチしようが知ったことか。そ
んなことは彰の人生には一寸たりとも引っかからない些末な問題だ。
なのに七瀬彰は何も出来ずに哭いている。何なん。何で自分はこんな目に遭う
ねん。やっとだぜ。長く葉鍵キャラをやってるが、その長い時間の中でも相当稀
な美咲さんとの二人きりだったんだぜ。WA本編ばかりか、二次創作ですら殆ど
僕×美咲さんは無い。そもそもWAの二次創作が少ない。何でだ。しかも何故冬
弥主役のSSばかりなのだ。ってそんなことを怒っていても仕方がない。問題は
何故自分には幸せな状況が訪れないのか、ということだ。何故肝心な時に邪魔者
が現れるんだよ。そういう星の元に生まれついているのか?
七瀬彰は哭いている。一人で過ごさなければならない夜の寒さに震えている。
「だから腕に、あるいは脚に自信のある人は、単独行動をとった方が効率がいい。逆に一般人……身体能力にあまり自信のない連中ほど、群れる傾向があると思っていいでしょう。
そして……栞、あの子は確実に誰かと組んでいる。大方どっかのスケベな男をくわえ込んで、好き勝手に操ってるわ」
「栞……様? それは、美坂様の妹さんの?」
「そうよ、そして忌むべき我が怨敵でもある」
香里はガスマスクを装着しているため、始終表情を読みとることができない。しかし、その時は……
本来感情が薄いはずのセリオでも、薄ら寒い戦慄を覚えるほどであった。
「というわけで私たちはこれからその3人組に襲撃をかけるわ。方向は?」
「まっすぐ東です」
「OK,太陽に向かって出発ね」
というわけで女2人は連れだち、立ち上る朝に向かって歩いていった。
【香里&セリオ 共闘。『3人組』に襲撃をかける】
【香里 ガスマスク装着&唐辛子噴霧器装備】
【セリオ センサー装備】
うっわ、ネタ被った死のう
>691放置で
その空間は、少女達の香り――それも、湯上りの甘い匂い包まれていた。そこに男がいたら、
冷静でいるのは些か困難であったに違いない。
幸か不幸か、そこには男が一人もいなかったが…
「これからの行動やけど…」
「動いても見つかるかも知れないし、ここに留まってる訳にもいかないし…」
「えーっと、街の方に行ってみない? 食べ物とかカレーとかがあるかもー」
智子、みさき、初音の三人である。彼女等は結局、森林監視員詰め所で夜を明かし、
みさき・初音組、智子という順番でシャワーを浴び(使えるシャワールームがあったのだ)、
これからの行動を話し合っている所であった。
「カレー…ほんまに好きなんやな」
「うん♪」
「あはは…♪ じゃあ、街の方に行ってみない?」
「さんせー♪ 行こ、智ちゃん、街に行こうよぉ〜」
みさきはすっかり街に行くつもりの様だ。
智子、暫し黙考……
「……ま、ええか。初音ちゃん、街の方角は解るん?」
「うん、なんとなく……そんなに遠くないよ」
「ん、ほんなら出発。鬼が来たら、問答無用でダッシュ。――ええな?」
その言葉に、ずびしっ!――と、みさきと初音がカッコ付けて敬礼して見せた。
「「了解! 隊長!」」
「誰が隊長やねん…!」
【智子・みさき・初音チーム 森林監視員詰め所から出発 街を目指す】
695 :
遁走:03/03/23 19:08 ID:iW5d86ag
「眠った?」
「眠った」
「よし、それじゃぁ行こう」
「うん。起きる前に」
ドリィとグラァ。
玲子に引っ張り回されること丸一日。
罠にはまった玲子を救出したり、
ショッピングセンターで着せ替え人形にされかかったり、
用を足すのをのぞかれそうになったり、
その他あれやこれや……猛烈な苦労の末ようやく、テンション高まりに高まってなかなか寝なかった玲子が、夜明け間近になって、寝付いてくれたのだ。
この隙を見逃せるはずがない。
二人は、隠密らしい忍び足でもって、起こさないようにその場を去っていった。
「でも」
「うん」
「結構楽しかった……かも」
「うん……」
「ああいう格好したら」
「若様、喜んでくれるかな……?」
……気にしないでおこう。
「おおおおおおおおおおおお!」
「いないっ! 二人がいないっ!」
目を覚ました玲子が、二人がいないことに気付いたのは、もう日も高く昇った頃のことだった……
【ドリィ、グラァ。玲子をまいてどこかへ。変な感化されたかも】
【玲子さんは昼まで寝てます】
「ん〜、きれいなお星様だねー」
「ええ、そうね(きゅるる…)」
「あはは、おなか鳴ってる〜」
「(恥)うるさいっ!……いいわよね、あなたはさっき食べてるし」
「それ食べればいいのに。おなかすいたら力が出ないよ?」
「…わたしは茸、嫌いなのよ」
「そっか。かわいそうだね。おいしかったのに」
「………ハァ」
ああ。全くもって、なんでこんなことになってしまったのかしら。
誰だと聞きたそうな顔をしているので、聞かれる前に答えておくわね。
わたしはおせっかいを焼くのも焼かれるのも大嫌いな美少女、杜若きよみ。
アレとは違って、つつましく可愛いおでこがチャームポイントよ。
「なんだ黒いほうか」って言うな!
ええそうよ。なんだかんだで私もこの金持ちの道楽に参加することになったのよ。
でもこれはいい機会。
軽ーく優勝して、あの仙命樹憑きってだけで余裕風吹かせてる
お人好しの白っちゃいあいつよりも、わたしの方が格上ってことを思い知らせてやるわ。
動機がベタだと言わないように。
なんであれ目標を設け、それに向けて行動するのは、倦怠なき人生を送るのに大切なことよ。
で。
無能な他の誰かとのたのた固まって鬼に見つかるなんて愚の骨頂。
(そこ、友達いないからだろって言ったわね!?後ではたくわよ!!)
ゲーム開始後、とりあえずいい具合に木々の密生した小山のほうに移動して
しばらく身を隠していたら…
ついてたわ。偶然大木の根に自生していた、あれを見つけたのよ。
そう。実はけっこう博学なわたしは、それがなんであるか知っていた。
ひょっとしなくても、あの茸!
某所では最速死亡候補の一人に賢知と心胆を与え、最後まで生き残らせた究極の天然B兵器!
ごめんなさいね他の書き手さんこんなに序盤から出して。
もちろん聡明このうえないわたしには無用な代物。…私が自分で使う分にはね。
バカと茸は使いよう。
例えば。御堂や岩切みたいなのや、主催者の鬼女みたいな凶悪極まりない手合いが
鬼として問答無用で襲い掛かってきた。そんな時うまくこれを食べさせることが出来れば、
たちまち人畜無害、わたしを捕まえようなんて思いもしない、いいひとに早変わり!
そんな茸がこの手に3つも!これはもう勝ったも同然で笑いが止まらないわ
悔しい?悔しいわよねもう一人のわたし!?んもーざまみなさいったらウェーハッハッハ、と
少し嬉しくなったわたしが、勝利の勝鬨(RR)を何時の間にか口に出していたら…
そうよ。
「あら、面白い物もってるじゃない」っていきなり空から降りてきたのよ!
この今は私の横でのほほんと幸せそうな顔してる、ユンナって女が!
大チャンスから大ピンチに垂直落下だったわ。
社交辞令程度のやり取り(「こんにちわ。その茸くれないかしら?」「いやよ」)の後、
こいつったら問答無用で襲い掛かってきたんだから!
鬼の襷をしていなかかったのこそ幸いだったけど
こんな奴に逆に茸食わされて無力化されたりした日には、優勝なんて夢また夢の水泡よ!
わたしだって必死に抵抗したわ。ええしましたとも。
けど、こいつ空飛ぶし、変な魔法だか法力だか使うしで
わたしのような箱入り育ちにははっきり言って荷が重いのよ!ていうか反則よ!
屈辱にも早々に逃げの一手しか出来なくなり、それもみっともなく転倒してしまい
何も出来ないところに圧し掛からってこられて…恥ずかしながら、恐慌状態に陥ってしまったわ。
だから、茸を持った右手を無我夢中で突き出していたのも、気が付かなかった。
そこにユンナの顔、いや口があったんでしょうね。
ぐぽっ。もぐもぐもぐ。…ごっくん。
…………………………………………………………………………………………。
わずかな静寂が永遠にも感じられて。
ユンナ「………………あれ?えーっと…
…ごめんね。こんなひどいことしちゃって…ケガ、してない?」
黒きよ「…………………………あは、は…」
こうしてわたしは、別の某所ではラスボス同然なこの超凶天使を性格反転、
目論見通りに無力化してやったってわけ。流石よねわたし。
でも、その後の展開はどうしたものかしら。
反転してから彼女、何か知らないけど「ねーねー」とか言ってわたしになついて
ずっとついて来てるから、鬼に見つかるかと思うと下手に動けないじゃないの。
第一山に陣取ったのはいいけど、こうなると
平地に出たとたん狙われそうで、迂闊に動けなくなったかも。
そうこうしているうちに日が暮れて夜だし。
おなかは減るし。目の前のB兵器は食べられないし。この後天性無邪気さんは五月蝿いし。
ああ、もう!
反転ユンナキタ━ !!!!!!!
…ちょっと待ってわたし。
さんざんひどい目にあわせてくれた彼女の特殊能力だけど、
味方となれば一転、有難すぎるわ。
上手く丸め込めば偵察なりボディガードなりに役立ってくれるかも。
しかも元の性格がどれだけ賢いというか腹黒かったのか、
今は人を信じて疑わない、善意溢れるあったか頭になってるみたいだし。
なんでこんな名案をもっと早く思いつかなかったのかしら。
黒きよ「ねえ、あなた」
ユンナ「なぁに?(にっこり)」
黒きよ「(うっ…)こうして会ったのも何かの縁だわ。
わたしたち、一人ずつだと鬼から逃げ切るのも大変だけど、
二人が力を合わせればもっと多くのことが出来るわ。
わたしたち、一緒に組んで、この鬼ごっこに勝ち残りしょう(にっこり)」
ユンナ「うん!一緒にがんばろうね!(どにっこり)」
よし、勝機は我にありよ!(なんだか少しだけ気は引けないでもないけど)
とりあえずはご飯の調達お願いしようかしら。
【黒きよみ、ユンナ コンビ結成。
現在は小山の中腹あたり。時間軸は初日夜10時前後くらい】
【ユンナ 性格反転】
【黒きよみ セイカクハンテンダケ所持(残り2個)】
(この山や、他の場所にもまだセイカクハンテンダケがあるかは不明)
回転速いな…
つまるところここは
「ハカロワで出来なかった事をするスレ(企画)」
てことでいいんだな?
>>702 あちらさんとはベクトルが違うから何とも言えん。後はノリと雰囲気でお察しくだせぇ。
>>702 なぜハカロワと一緒にする?いや、別にハカロワは大好きだが。
「待て、少年よ!」
「マジか!? まだ追ってきてるぞあのおっさん!」
NAS(以下略こと那須宗一は逃げていた。そりゃもう恥も外聞もかなぐり捨て
た、一心不乱の大逃走である。
後ろから追ってくるのは割と最強っぽい強化兵・坂神蝉丸。ようやく獲物にリー
チをかけたためか、けっこう嬉しそうだ。
「なかなかやるな、少年!」
その男は落ちることないペースで宗一を追う。スタミナを使いきらせてバテバテ
になったころをタッチしようという魂胆だ。彼もまた宗一から只ならぬ気配を感じ
取ったらしく、少しでも弱らせておくという現実的な手段を採った。
「ぬぐぉぉぉ…っ!」
宗一の体力も徐々に底が見えてきた。
だがそれは、彼の計算のうちに入っていた。とりあえずは。
「おおおーい。そーいちくーんやーい」
――無。
「うおーーいいいいいい」
「もうひとりの少年をあらかじめ振り切っておいたのは正解だったな、少年よ」
「あんまま、おっさんも捲かれてくれりゃあよかったのに、ね」
たかがいとっぷ一匹でも鬼は鬼だ。触れてしまえば即地獄行き。片道きっぷde
死出の旅。厭すぎる。
「ふんっ!」
宗一は脇に生えてた木にいきなり手をかけ、強引にUターンした。肩の付け根が
ミシミシと音を立てる。右足、次いで左足と着地。体勢を整えてからちらりと様子を
様子を
「ふっ、甘いぞ少年よ」
「ぎゃー!!! 人間鯉のぼりー!!」
蝉丸は全く同じ行動を、宗一の数段上のスピードでやってのけた。勢い余って
両足が宙に浮き、人間スリングよろしく一直線に飛んでくる。
「覚悟!」
びよーん。
どすっ。
蝉丸はさらに距離を縮めてしまった。宗一はなんか違う意味で彼を人間ではな
いように思った。
【宗一 依然として不利な状況】
【蝉丸 宗一追撃中】
【夜明け5時間くらい前】
「がっ、ぎっ、ぐっ………」
「あぁ、いぃ、うぅ………」
漆黒の森の中を疾走する2人。先ほどから一進一退の攻防を繰り広げているディー(ウィツァルネミテア仕様)としのまいか(ょぅι゛ょ仕様)である。
一見すると、と言うよりも完璧に、ただの危ないおじさんが獲物となるょぅι゛ょを追いかけているようにしか見えない。
しかし、その2人は違った。
「げっご……待てぃそこのょぅι゛ょ! 諦めて神妙にお縄に付け!」
「いやぁぁぁぁぁん! なわとかいってるよぉ! このおじさんほんとにへんたいだよぉ! えすえむあいこうしゃだよぉ!」
「だから人聞きの悪いことを言うなーーーーーーーー!!!!」
おそらく泣くであろう。現在の彼を見たら。
厳しくも優しく彼を育てた両親。
若いうちに彼の才能を見抜いた恩師。
哲学者として彼が師事した師匠。
彼を心底尊敬しているウルトリィ。
小憎らしいながらも彼に懐いているカミュ。
そして、彼の空蝉たるハクオロ。
誰にもこのような姿など見せられない。
しかし彼は進む。勝利。ただひたすらに、その二文字に向かい。
「あ……っ、ああっ!?」
ガッ、とまいかが足下の木の根につまずく。なんとか体勢を立て直すが、一瞬走る速度が落ちた。
見逃さず、キュピーン! ディーの目が光る。
「勝機ッ! その首、もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
最後の力を振り絞り、ディーは萎えきった両膝に力を込めると飛んだ。
飛んだのだ!
まさしく彼は飛んだ。この一瞬、彼は飛んだのだ!
飛んだ! 飛んだ! ディーが飛んだ!
(ああ、飛ぶのってこんなに心地よかったんだ……)
恍惚とした彼の表情。放送コードギリギリだ。
(そうか。私はもはや飛ぶのが当たり前になっていて、飛ぶことの本当の素晴らしさを忘れ……)
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
回想に入っても、時は止まってくれない。ディーはそのまま強烈なタックルをまいかにぶちかまし、彼女を抱きかかえる格好になってゴロゴロ転がっていった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
頭と背中と腰を打ち付け、ようやく我に返るディー。しかし勢いは止まらない。
「うおっ!? あおっ!? くおっ!? ぬおっ!?」
「いやぁん! あはぁん! うなぁん! きゃあん!」
醜い叫び声と可愛い鳴き声。2人がぐちゃぐちゃに絡み合い、泥だらけになったころ……先にあった巨木の幹にぶつかり、ようやく回転は止まった。
「がっ!………ふぅ………」
「あんっ! ああんっ!」
そして2人は気を失った。眠ったとも言う。疲れもあったのだろうが、もう昏々と。
「あ、Good Morning! D! 目が覚めた?」
「む……ゥ……?」
目を覚ましたディー。最初にその目に映ったのは……
「おっぱい……」
「モウ、昨日はいつの間にかどこかに行っちゃうから心配したんだヨ! ズルイよD! 1人でまいかちゃんと遊んでただなんて!」
「まいか……? 遊んだ……?」
体にかけられていた毛布を払い、ようやくディーの目の前に現れたのは……
「ああん、ダメだヨまいかちゃん。お姉さんは今朝ご飯作ってるンだから」
「んーん、あそんでれみぃおねえちゃん。まいか、ずっとひとりでさみしかったの」
絡み合うょぅι゛ょと巨乳娘。
「うん、それはいいんだケド……。これから包丁使うし、まいかちゃんもご飯食べられないのは嫌でショ? だから今は、Dと遊んでてね」
「でぃー? ……あのおじさん?」
「ウン! 昨日はあんな泥だらけになるまで遊んでたんだから……2人とも、仲がいんでしょ?」
「…………………………ふーん………」
まいかの冷たい視線がディーを射抜く。
「…………なんだ?」
「……まけないよ、おじさん」
(………何に関してだ。主語を言ってくれ、主語を。ょぅι゛ょよ)
【ディーVSしのまいか追撃戦 ディーの勝利。現在は朝。レミィはご飯の準備中】
まいか萌える!
そろそろ次スレの季節だな。
俺はDに萌えた。
どうせ俺の頭はょぅι゛ょ仕様さ…
次スレを立てる際には、テンプレでの「葉鍵鬼ごっこ過去ログ編集サイト」のアドレスに
気をつけて下さいね?
アドレスの文字内に、「トマト」に引っ掛かるNGワードがあります。(参考
>>458 >>464)
ディー萌える!
>>713 テンプレには病弱者の「ナースコール」も記述したほうが良いと思いまつ。
「ふぅ〜、シャワー気持ちよかったよ〜」
そんなことを言いながら、詩子が風呂場から戻ってきた。頬がほんのり上気している。
「それじゃあ詩子、私はシャワーを浴びにいってきます」
「うん。じゃあ澪ちゃん、茜があがるまでこのトランプで遊ぼっか」
おもむろにトランプを取り出す詩子。行きに浩平達と遊んでいたヤツだ。
『なにするの?』
「う〜ん、ここはやっぱり大貧民が王道なんだけど、二人じゃねぇ…あ、スピードやる?」
『知らないの』
「え…そなの?じゃ、このトランプマスター詩子さんが教えてあげるからやってみよ?」
『うん!』
ところ変わって風呂場。茜はシャワーを浴びることもなく生まれたままの姿で固まっていた。なぜなら、
風呂場の小窓に○代よろしくビデオカメラが取り付けてあるからだった。千鶴さんの仕業には思えないが…
「…詩子はこれに気が付かなかったんでしょうか?」
さすが詩子だ、と思いつつ、茜は問答無用でカメラをお湯を張った桶の中に突っ込んだ。
後始末は詩子がやってくれるだろう。気を取り直して体を洗いはじめる茜。
「♪〜〜♪〜」
茜はいつの間にか鼻歌を歌っていた。茜がこうして明るくなれたのも、以前のように他人にあまり冷たい
態度を示さなくなったのもひとえに浩平のお陰だろう。
「(…浩平は、いま何処に居るんでしょうか?)」
ふとそんなことを考えてしまう。と、風呂場の窓の方からなにか物音がした。
「…誰ですか?」
そう言いながら、おもむろに窓を開ける茜。鬼のことはすっかり失念していた。
「へへ…ぬわっ!?」
浩平だった。茜は条件反射で窓を閉めた。茜は浩平のことを考えている途中だったので、それを妨害されて
少々ご立腹のようだ。
「まったく……って浩平!?」
窓を閉めてから数瞬。茜はやっと浩平の存在に気付いた。
しかし、もう一度窓を開けたものの、そこには浩平の姿はなかった……
その頃、浩平ご一行。
「やべぇ、茜に見つかるところだった…あんな所で捕まえたら、それこそ一生口きいてもらえねぇぞ…」
「浩平殿、どこへ行っておられた?」
「ばかっ、浩平、心配したんだよ」
「とりあえず商店街の方を見てきたが、誰もいなかった。あそこは駄目だ。」
「おお、偵察とは。さすが浩平殿」
「偵察に行くんだったら最初からそういってよー」
「ああ、そうする…(それにしても茜の裸体は素晴らしかった…(´д`;)ハアハア)」
「?」
【詩子 澪 座敷でマターリとトランプ→就寝】
【茜 シャワー中→就寝 浩平に覗かれるも、本人の自覚なし】
【浩平 トウカ 瑞佳 スフィー 商店街の方へ向かうも、引き返す】
×ら
○れ
予定を上回ってしまった…
723 :
名無しさんだよもん:03/03/23 20:39 ID:iW5d86ag
次スレが立つまで、新規SS投下は中断した方が良いんでないかい?
あと9KBしかないしね。
SS投下スマソ
新スレに移行しました。
さて、どうやって埋め立てましょう。
なにか新スレに役立つネタ振りでもします?採用されたネタはみんな新スレで使ってみよう、とか。
<<同棲コンビ>>に一票。
当方ケーブル。
そんな俺は最萌厨。
<<ディー>>に一票
人気か?
いろんな意味の【最弱】かも・・・
Dはいいよな。
狙いは緑髪の女の子。
プライドが高いからなのか、他の三人とはちょっと離れたとこに寝てたし、
なによりその風貌から感じる気の強さが
ちょっと皐月ちゃんを思わせるとこもありましたし。
そろそろと足音を忍ばせ彼女に近付いていく僕。
10メートル…
9メートル…
まだ僕には気付いてないみたいです。
8メートル…
7メートル…
そのカワイイ寝息がもう聞こえてきそう。
6メートル…
5メートル…
もうあと少しでタッチ出来る…
と、その時!
近くの草むらから全身黒ずくめの男達の影が、ザザッと現れて!
「!?」
「我等がちゃんさまに指一本触れさせはせん!」
「そう、我等したぼくーず、ちゃんさまを守るのが使命なり!!」
叫ぶなり僕、かつぎあげられて運ばれています!
わっせ! わっせ! わっせ!
「あ、あの〜、君たちも参加者な…?」
「参加者でも管理側でもない、まあいわば
詠美ちゃんさまの特殊能力と思っていただきたい!」
「我々は歌舞伎の黒子と同様、空気のようなモノ。
存在は気にしないでいただきたい!」
「比較的通常人が多いこみパキャラに於いては
我々の能力くらい認めていただきたい!」
「あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜」
僕、伊藤。なんかさらわれちゃってます…。
「…ふみゅ? なんかいま物音がしなかった?」
「気のせいやろ。なんやまだ暗いやないか、もうひと寝入りや…」
「ふみゅ〜ん…」
【いとっぷ、したぼくーずにさらわれ中】
【詠美、由宇、志保、琴音 まだ就寝中】
誤爆スマソ。本スレへ逝ってきます。
はいとっぷ
このスレの良い埋め立て案は無いの?
デカイAA張りまくる。
_,,,.. - .,,_
,,.. - "´ 、` 、
/ )、、 \
/ ノ ヽ ヽ、
/ ル' ヾ ヽ
/ / ゙i, ゙i
j ,ィ/ ゙i, |
lィ' ,ィ/j/ | iリ
| /l / '"` | |l
リ! ./,ノ _,、=''~`ヘ ,リ
゙! l/ ,:-=ー-ミ、.,,_,.ノ /(,,.. (:)‐V
ヽ,/`ヽヽ .ト、 (_,. (::)- 、,.-ト!´ ,ノ
, ヘ ゙iヽl `ヽ,r'´ ノ ヾー--‐''゙|
,,.く ゙i ゙i ヽ、 __,,、-'" 〉 i / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ハ'´ ゙! ゙i ,! ´ ´ i.......,,,,,,,,____| 鬼ごっこに私も参加できるとは本当かね?
゙、゙i,__r'゙゙>ー┬-! r _______ , ,!;\;;;;;;;;;;;;;;;;| ・・・ほぉう!
,゙V" ゙ヽ;;;!::::ヽ `ー─''''"´ /;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;< はっはっは!!
,.、;;'";;;;ヽ. - ''^゙~ ゙ヽ.、 ,,.、-─‐- .〈;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;| 上出来じゃないかっ!!!
,.、;;;'";;;;;;;/;;r'´ -‐‐'''"´~ヾ 、 (.r‐'''""゙"''''y.);;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;;;\____________
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;;;;;;;;;;;;;;;;j;;;;| ,⊥丶-ー ゙i :レ' ゙!;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;:;| -‐''"´ ゙)ゝ、、 ! !. !;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
「議論・感想スレ 」では言いづらいことを書くのはどうか。
とりあえず、外道だな、まなみw
D一家はどこまで異次元を歩み続けるのだろうか。
ハウエンクアにあんな事やると後から復讐されそう。
穴の中で逃げ場無いし。
まあ、なんだ。
ハウエンクアって何のキャラよ?
>>745 うたわれにでてくる典型的敵キャラ。
見ての通りのナルシスト。
ありがd。
いとっぷがかなり好きでつ
いいなーこっちは書き手が多くて…
感想スレが外部にあるとやりづらい・・・
>>750 本スレにレス番号つきのほうが見やすいと思ったり。感想。
確かに直後の感想はそっちの方がいいかもな。
2ちゃんじゃねえとかくきしねえんだYO!
>>756 なんでもなにもあーた、ここ2chじゃんよ。
混乱してんなw
pink鯖はいちおう2chじゃなかったりするんだけどね。
まあ揚げ足なんで漏れはとくにどうこう言う気はないけど。
>>758 うむ
そんなのこっちも承知で言ってんだけどな
いちいち2ちゃんじゃねーよ見たいな突っ込みする奴いい加減ウザイ
鯖が違うだけで一応2chとして運営されてるんじゃないノ?
埋まるか?
埋めるんだ!
>>763 そのスレが立てられた日にちと(一部を除いた)スレ住人の言動をみてから言えよ・・・('A`)
>>763 タイトルに思わず大爆笑してしまったよ。
766 :
名無しさんだよもん: