「…あけましておめでとうございます、国崎さん」
遠野がそう言って、一礼する。
彼女と一緒に旅をして、迎える最初の新年。
と言ってもまだ半年も経っていないのだが、もう何年も一緒に旅をしているような、
二人で居ると、そんな不思議な気分になる。
「…というわけで」
彼女は鞄の中から、何やら封筒のような物を取り出した。
お年玉、と達筆で書かれた袋。
まさかこの年になって貰うことになると思わなかったな。
苦笑しながら、でも期待しつ封を開けてみると…中身は、お米券であった。
二人は旅館を出て、商売道具を持って街の広場に足を進める。
数日降り続いた雪はようやく今朝止んで、空は雲一つない爽やかな青空。
それでも路肩に残る雪のせいなのか、放射なんたらとかいう現象の
せいなのか、肌寒い。とにかく肌寒い。
コートの下にトレーナの重ね着と、厚めに服を着込んでも刺さってくるような
寒さである。
が…
「遠野、おまえその格好…」
そう、彼女は必要最低限といった感じの軽装なのだ。
上半身はブラウスの上にフリース。
下半身はスカートに生足。
町中で見かける女子高生などを見ても思うのだが、どうして女性はあの
スカートという露出の高い格好で平気でいられるのだろうか。
そんな俺の気持ちを察してか、
「はい、へっちゃらへーです」
遠野はそう言って、微笑んでみせた。
そんなこんなで、二人は広場に到着。
遠野は笛を、俺は人形を取り出してその場に並べる。
街には正月休みの人達があふれ、その何人かが興味深げにこちらの様子を見ている。
さて、準備完了。
「さあさあ皆さん、お立ち会い。これから楽しい人形劇がはじまるぞ」
「…お忙しい方も…ほんの一時だけ足を止めて、しばし不思議な世界に
浸ってみませんか?」
何度となく繰り返してきた呼び込み口上を唱えると、周囲には人だかりが出来る。
俺達は集まった観客に一礼すると、いつもの芸を開始した…
(・∀・)イイ!
「ぬぬぬぬ…怪盗チルチルの奴め、新年そうそう盗みに入るとは」
行進曲に似た笛の音とともに、コートとちょび髭をつけた俺の人形がその場に登場する。
「今日こそこの、ユキト警部が逮捕してくれよう」
程なくして、軽快でロマン漂う音楽と共に遠野の人形が登場する。
シルクハットに仮面、マントを身に付け、大きな袋を肩からさげた女性。
彼女こそ、怪盗チルチルその人である。
颯爽とユキト警部の背後に登場するも、彼はまだその存在に気づかない。
気の早い観客の子供が「後ろ、後ろ!」と声をあげる。
うむ、まずつかみはOK。
最近はこの怪盗と警部のシリーズ物が子供たちに好評であった。
「ん、後ろ?」
警部は首を右に曲げて後ろを見る。
怪盗は、すばやく彼の左側へ。
「あれ?」
今度は左に首を曲げる。怪盗は右側に。
「おかしいな…」
ぐるっと体を一回転させる警部。
しかしそれにあわせて、怪盗も一回転。
音楽に合わせて、そんなやりとりがしばらく続くと、
観客から、くすくすという笑いが漏れる。
このあたりの動きは、ディズニーアニメをレンタルして二人で研究したものだ。
らちがあかないと思った警部は、体を屈めて股の間から後ろを覗こうと試みる。
と、怪盗はピョンと空中高く舞い上がる。
そして警部が再び顔をあげたその時!
怪盗の脚が偶然?彼の顔にヒットした。
…ごろごろごろごろっ!
派手な効果音と共に、警部の体は激しく転がった。
「…びっくり」
呑気に怪盗がつぶやく。
「こ、こっちがびっくりだわ!」
がばっと警部が起き上がる。
「…ってき、貴様は怪盗チルチル?!」
「はい、あけましておめでとうございます」
怪盗は、ぺこりと一礼する。
「あ、あけましておめでとう…」
警部も礼を返す。
「って言ってる場合か!今日こそ貴様を逮捕してやるからな!」
「うふふふ…頑張ってください」
「き、貴様わしを馬鹿にしてるだろ?」
「…少しだけ」
「きききき貴様っ!覚悟しやがれぃ!!」
怒り心頭といった感じで、警部は怪盗に飛び掛かる。
が、彼女はひらりとその身をかわす。
怪盗と警部の追いかけっこに、盛り上がる観客。
しかし、それとは裏腹に遠野が少し辛そうな表情を浮かべる。
感情をあまり表に出さない彼女のことだ、実際はかなり辛いのだろう。
笛の音を操りつつ人形を動かすのは、かなりの集中力が必要だし精神力も浪費する。
それに俺は、彼女がこっそり夜中に練習しているのも知ってる。
普段はそんな素振りすら見せないが、そういった疲れも溜まっているのだろう。
しばらくして、予想された事態がやってきた。
ふいに糸の切れた操り人形のように、ぐらり、と倒れかける怪盗。
俺は方術を込めて、間一髪その身を持ちこたえさせた。
そして驚く遠野に、自分でも似合わないと思う笑みを浮かべてみせる。
物語の主役が、無様な格好は見せられないからな。
それに俺だって、これでも少しは鍛練をつんだんだ。
残り僅かの時間、二体の人形を同時に動かすぐらいなら…
そして物語はクライマックス。
この頃には人形二体は完全に俺の制御下になって、遠野は音楽担当に専念していた。
「はあ、はあはあ…」
動きまわって疲れた警部が、その場に座り込む。
「…お疲れ様です」
怪盗は小馬鹿にするように、手を振ってみせる。
「それでは警部さん、ごきげんよう」
「ま、まて…」
最後の抵抗とばかりに両手を伸ばす警部。
そのまま前のめりに倒れ、動かなくなる。
怪盗チルチルは軽快な音楽とともにふわりと宙に舞いあがり…そのまま遠野の待つ手の中に。
そして俺たち二人が観客に一礼すると、観客たちの拍手が出迎えてくれたのだった…
「ごめんなさい、迷惑かけました…」
「ああ、迷惑だったな」
遠野の言葉に、わざと感情を押し殺した口調で俺が答える
「あの…私…」
消え入りそうな声で遠野がつぶやく。
ちょっと言い過ぎたか?
けれど、もう一つだけ言っておかなければいけない事がある。
「済まないと思ってるなら、一つだけ約束してくれないか?」
「…何でしょう?」
「なんて言うか、さ。無理はするなよ」
「えっ…」
「頑張るのはいいけど、その何だ、足りない部分は二人で補い合うもんだと思うんだ。
お前一人に負担かけてさ、それで体調でも崩されたら申し訳ないから…」
俺はそう言いながら、我ながらなんて臭い台詞だろうと顔が赤くなる。
「国崎さん…」
遠野が嬉しそうに口を開く。
「…はい、約束します」
俺は照れて顔を背けているからその表情は分からないが、
きっと彼女は幸せそうな笑顔を浮かべているのだろうな、と思った。
イイ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
良作!!
新作キタ━━(゚∀゚)━━!
寡黙氏good job!
メンテナンス
期待さげ!
131 :
山崎渉:03/01/14 09:56 ID:V2LeKOI0
(^^)
保守
133 :
山崎渉:03/01/17 00:20 ID:PI7REEUl
(^^)
なぎー可愛いなあ。続きに期待して保守。
期待sage
あげてみたり・・・
いいねぇ。
さげてみたり
寡黙氏、志保スレに降臨中。
今度はどこへ行くやら・・・
hocyu
ぽきゅ
広場に櫓を組んで、それに火を放つ。
護摩をたく、という儀式のいわば簡易版である。
そして数人の僧が見守る中、法衣に身を包んだ一人の女性、
遠野 美凪は密教の経典を唱え始めた。
翼人に所縁のあるこの寺で、
彼女の方術は新たな段階へ向かおうとしていた。
この娘は本当に、色んな顔を見せるんだな。
凛とした彼女の態度を目の当たりにして、
方術では彼女の先輩でになる国崎 往人は、
嬉しさと、何故か少しの寂しさを感じていた。
翼を持った少女が空にいる。
彼女はいつも泣いていて、
いつか、その悲しみを解き放つ。
それが本来往人の、いや彼ら一族の本来の旅の目的であった。
最後の翼人は少女に生まれ変わり、夢を見る。
その夢は翼人の記憶をどんどん遡っていて、
やがてはその少女を死に至らしめる。
往人は最初、その少女が美凪と同じ町に住んでいた
神尾 観鈴だと思っていた。
けれどそれは違った。いや、違うと思いたかった。
だからこそ、再び旅を続けていれば、今度こそ翼の少女に
めぐり合える・・・そう信じていた。
けれど美凪がその話を聞いた時、珍しく強い口調で反論したのだ。
縁があれば出会う事もあるかもしれない。
でもどうして、自分から探そうとしないのか。
本来、方術とはその少女を救うためのものではないのか…と。
その後美凪は図書館で、翼人に関わる資料を調べあげた。
そして、この寺を見つけた。
突然の訪問に、寺の高僧たちは快く迎え入れてくれた。
いや、彼女たちが来るのを待っていたと言うほうが正しい。
何故ならこの寺こそが…
かつて往人の祖先、裏葉の修行した場所だったから。
やがて護摩はすべて燃え尽きて、
数時間と言う長い時をかけた儀式は、
静かに終わりを告げようとしていた…
寺の奥の待合室で、ただぼーっとしていた往人の前に、
着替えを済ませた美凪が姿を見せる。
先ほど儀式をしていた彼女とはまるで別人の、
いつもの美凪がそこにいた。
往人は何故か無性に彼女がいとおしく感じて、
このままぎゅっと抱きしめてしまいたい衝動にかられた。
「…どうしましたか、国崎さん?」
美凪にそう尋ねられ、
「い、いや…何でもない」
往人は顔を赤らめて、そっぽを向く。
「そ、それより遠野」
彼は無理やり話題を変える。
「結局、翼の少女は見つかったのか?」
「…はい」
美凪の言葉に、往人は目を大きく見開く。
「そいつは誰なんだ?やっぱり観鈴なのか??」
「いいえ、彼女ではありません」
静かに美凪が答える。
「多分、国崎さんの知らない人です…」
「そ、そうなんだ…」
安堵の表情で往人がつぶやく。
「…けれど」
彼女の話は続きがあった。
「私は…知っています」
彼女の瞳には、悲しみが宿っていた。
知ってはならない事を知ってしまった、
今にもそう訴えるかのように。
「その少女…いえ、その少女の父親を」
「えっ?」
「やはり私は、会わなければいけないのでしょうか…」
まるで独り言のように、消えそうな声でつぶやく美凪。
その表情は、いつになく辛そうであった。
そこで、往人はハッとする。
彼と美凪が旅を始める事になった、
そもそものきっかけを思い出して。
彼女には両親がいた。
父がいて母がいて、幸せな家庭があった。
けれど母親が美凪の妹を身ごもって…
流産して、それから一家は変わってしまった。
母親は亡くなった娘が忘れられず、気が触れてしまった。
そんな彼女に愛想をつかして、父親は出て行ったのだ。
「…なあ、遠野」
「はい?」
「ラーメンセットでも…食いに行くか?」
お腹がふくれれば気持ちもおさまるだろう。
不器用だが、彼なりの気遣いだった。
「…そうですね」
往人の優しさに美凪は微笑むと、
開いている彼の左腕にぎゅっと抱きついた。
…久々の美凪SSですが、いかがでしたでしょうか?
他スレのSSでは早急すぎる展開と突飛な設定で顰蹙買ってますので…
ここの話は大事にしたいなと…
新作キタ━━(゚∀゚)━━!
法術力はすでになぎー>>>>最高なのか……
150 :
ノーマット゛ ◆yGAhoNiShI :03/01/26 06:41 ID:Qr6CcaIf
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|ヽ''~ ̄ ̄ ̄~`ヾ
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/: ━ ━ | ニ_} / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|:: ∈∋ ヽ | < まったく糞の役にも立たない人たちですね(怒)
//:: -=,=.ヮ. |ヽ、| \________
/'../:: /∠.._ |、.ノ この素晴らしき番組を見て
/':::|:::  ̄ ̄ |./ 少しは社会に貢献しなさい(怒)
!-'L|::. v' ===放送日程===
. ヾ:::.. / 東京 テレビ東京 (日)9:30〜10:00
. , ゞ、、;;;,,_,,,..._;;;;;__,,..ノ、 名古屋 テレビ愛知 (日)9:30〜10:00
'ー┐,,..、_ ノ l_,,,...、 _,,一`大阪 テレビ大阪 (日)9:30〜10:00
~ ~ ~ 福岡 TVQ九州放送 (日)9:30〜10:00
実況:
http://cha2.net/cgi-bin/test/read.cgi/choanitoku/1042918215/l50
151 :
ノーマット゛ ◆yGAhoNiShI :03/01/26 07:21 ID:XtaecPG0
l、、_ _,/'}
|ヽ''~ ̄ ̄ ̄~`ヾ
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|:: ∈∋ ヽ | < まったく糞の役にも立たない人たちですね(怒)
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実況:
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152 :
ノーマット゛ ◆yGAhoNiShI :03/01/26 09:04 ID:BVPV/QRE
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153 :
ノーマット゛ ◆yGAhoNiShI :03/01/26 09:10 ID:+2wEG//Q
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実況:
http://cha2.net/cgi-bin/test/read.cgi/choanitoku/1042918215/l50
154 :
ノーマット゛ ◆yGAhoNiShI :03/01/26 09:57 ID:jnRHDmmr
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実況:
http://cha2.net/cgi-bin/test/read.cgi/choanitoku/1042918215/l50
>>147 敬意を込めて書きますが、あなた何者?
よくこんなすごい文章思いつくなあ。
156 :
名無しさんだよもん:03/01/26 11:23 ID:mVDYRnTE
美凪みたいな脳みそいい奴が主人公のようなプーと
一緒になるのは可哀想だ。
>>155 …美凪への愛がなせる伎です(w
はっ…では、他スレSSが不評なのはキャラへの愛が足りないのでしょうか…
>>156 私はそうは思いませんが…
…いや、その反論は作品中で出来たらと思います。
今気づいたんですが、人称が「国崎 往人」から三人称に…
…久々に書いたからでしょうか(滅
しかも…ブラウザが●弾いてる(重滅
原点さんキター!
周囲の雑音に振り回されず、我が道を突っ走っちゃってください。
…どこぞの馬鹿のように余計なことしなければ(w
支持してくれる人が大半なんですから、自信持って下さいって。
良作!
漏れも前に男トーナメントで美凪ノーマルEDで書いたことあるけど、
比べるのもおこがましいくらいの良策でつよ。
期待してますからぜひがんがってください。
志保スレもチェキしてますから(w
いいですねぇ、寡黙さん。
自分は文才が無いものですから尊敬に値します。
いい仕事してますなぁ。
本編とかけ離れた設定を使うのはやめてね
このスレは美凪ノーマルED(あえてBADとは言わさん)のままストーリーが進行したら
どういう展開になっていたかを考えるスレですが、何か?
>>163 は栞&美汐スレのSF的展開を書いたのだと思われ。
その点、ここのSSは大丈夫でない?
まあ、なぎーが法術使う時点でアウトとか言い出すなら話は別だが。
翼人に関する資料が、現代まで残ってるはずがない
仮に残っていたとしても図書館に普通に置いてあるはずがない
裏葉が修行した場所も、千年前の時点で結界をつくり
外界から隠れるように存在していたのに
何故、現代で普通に存在しているの?
「消えたみちるの星の砂」を抱きしめて手放すことができなかった美凪
美凪夢現EDは、悲しみを抱えた美凪が
国崎との関係に「逃げる」EDだと思うのですが
「みちるの思い出が,いつもわらって思い出せるもの」になっていない美凪が
みちるの人形を作り、そしてその人形で劇をすることなど可能なんでしょうか?
久々に堪能しますた。
>>166 まあ、もちつけ。
そのものずばりの資料が残ってなくても、複数の文献からそれらしき記述を見つけて
例えば場所の特定や、法術の修行は可能と思われ。
みちるの件に関しても、そもそも最高が法術を一度失った所からこの話は始まってる。
人形作りは、彼女なりに葛藤しながらの結論だったんじゃないか?
第一、「つまらない」「面白い」の感想はあって当然だと思うが、
水を差すような世界観の揚げ足取りは、正直書く方も読む方も迷惑というか勘弁な。
…おとうさん。
大好きなおとうさん。
両手を広げて、ニコニコして、こっちに来いとよんでいる。
私はそこに行こうとして、行きたくて、でも行けない。
何かが後ろにある。
見てはいけないと思ってもふりかえってしまう。
おそうしき。
黒い人が並んで立って、そのおくには、かんおけがある。
亡くなったのは、おかあさん。
黒い人たちが、そのかんおけのすぐそばに、
私をつれて行こうとする。
いやだ、行きたくない。おねがいだから…
だだをこねても、みんなはきいてくれない。
いつのまにか、大きなかんおけが私の前に。
その中には、ねむったように安らかなかおのおかあさん。
まるで、今にもおきだしそうな。
…えっ?本当に、おきちゃった!!
にげだそうとするけど、体がうごかない。
さけびたいのに、こえが出ない。
そして、おかあさんは私の方を向くと、ニヤリとわらってこう言うのだ。
「待ってたわよ…みちるちゃん」
「…嫌ぁっ!」
がばっと飛び起きる、遠野 美凪。
「はあ、はあ…」
呼吸が整わない。
心臓がまだ、バクバクと音をたてている。
「…遠野?」
隣で眠っていた国崎 往人が、眠そうな目をこすりながらも心配して起き上がる。
「また、あの夢か?」
「…はい」
消えそうな小さな声で、美凪が答えた。
「ごめんなさい…また起こしてしまって」
「いいって、気にするな。…それより遠野」
「…はい?」
「一度、あの町にもどろうか」
「…えっ?」
驚く美凪に、なおも往人は言葉を続ける。
「いや、うまく言えないけどな」
彼はまるで、今まで二人が歩んだ道を振り返るように遠くを見つめる。
「俺たちはあの町に、大きな忘れ物をしてきてると思うんだ」
「忘れ物…」
美凪も、往人と同じ方向をじっと見つめた。
「…雪、ですね」
「ああ、雪だな」
町に辿り着いたのは夕方頃で、粉雪が舞っていた。
寄り添う、二つの傘。
知ってる人がいるかもしれないと、相合傘を却下したのは往人の方だった。
私の方が地元ですよ、と美凪に笑われながら。
「俺がこの町に来たときは、死ぬほど暑かったのにな」
「…この町は気温の寒暖が激しいんです」
往人の言葉に、美凪が説明を始めた。
「来月になればもっと…死ぬほど寒くなりますよ」
「マジかよ…」
今のうちに来て良かった、と往人はしみじみ思うのだった。
そんないつも通りの彼の態度に美凪は笑みを浮かべつつ、歩みは徐々に鈍くなる。
その理由は往人にもすぐ分かった。
彼女の実家が、近づいているのだ。
そして二人は、ついにその家の前に辿り着いてしまった。
無言のまま、何も出来ずその場に立ちすくんだまま、時間だけが過ぎていく。
けれど、いつまでもこのままでという訳にもいかない。
「そろそろ、な?」
「はい…」
意を決したように、二人がほぼ同時に呼び鈴に手を伸ばす…
と、その時。
「行ってきまーす!」
と声がして家の扉が開き、中から見覚えのある娘が姿を見せた。
「が、がおっ!」
娘は驚いた声をあげたが、驚いたのは美凪と往人の方であった。
「お、おい観鈴…なんでお前がここにいるんだ?」
遠野家の中から出てきたのは、
往人がこの町にいる時にお世話になった神尾 観鈴であった。
「それはわたしの台詞だよ、往人さん。と、遠野さんまで」
観鈴も、訳が分からないといった顔でそう言う。
「みちる?誰かお客さんかい」
家の奥から、そんな声が聞こえた。多分、美凪の母親だろう。
「ううん、何でもない」
観鈴は家の奥へそう声をかけると、扉を閉めた。
「ええと、ええとね」
二人をその場から連れ出した観鈴だったが、
「うーん、何から話したらいいかなぁ」
彼女は、こみいった事情を説明するのに苦労している様子であった。
「とにかく、色々あったんだよ。往人さんや、遠野さんがいなくなってから」
「そら、そうだろうな」
「でも、二人とも元気そうで安心したよ」
「お前もな」
「にははっ、観鈴ちんは元気なのがとりえだから」
彼女は嬉しそうに笑った。
そしてそんな彼女たちの様子を、美凪は穏やかな表情で見守っていた。
「でも、どうしようかな。わたし今、あまり時間がないんだ」
「では私から説明しようか」
ふいにそんな声がして一同が振り返ると、
そこには霧島診療所の女医、霧島 聖の姿があった。
「少々長い話になる。ちょっと、一緒に来てくれるか?」
「あっ、それじゃお願いします。わたしは急ぎますから」
観鈴は一礼すると、その場を去って行った。
冬の夜は早く、往人たち二人が霧島診療所に辿り着いた時には、
外はとっぷりと日が暮れていた。
「本来なら、君たち二人を責めるべきなんだがな」
静かな、しかし厳しい口調で聖は話を切り出す。
「だが君たちなりの事情があったのだろうし、それは言うまい。
まして遠野さんは、随分辛い思いもしてきたようだ、
逃げ出したくなる気持ちも分からないではない」
美凪はもとより、往人も無言で聖の話に聞き入っていた。
「だがな、少なくとも神尾さんには感謝しないといけないぞ」
「そうだ。あいつが、何かしたのか?」
往人が尋ねる。
「確か遠野の家にいて、みちるって呼ばれてたし」
「ほう、そこまで知ってるなら説明は早い。
彼女は今、遠野みちるになっているんだ」
「はぁ?」
目が点になる往人。
聖はそれに構わず話を続ける。
「遠野さん。貴方がいなくなってから、お母さんは半狂乱の状態になってな」
「…えっ?」
「町中で毎日のように、いなくなったみちるを探してたよ」
「そうですか…」
ややうつむき加減で、遠野が口を開く。
表情こそいつもの平静を装ってはいるが、
自責の念と、この期に及んでなお自分を拒絶している母への不信感、
それらが交じり合ったような辛い想いが、その瞳の奥に潜んでいた。
ずっと一緒に旅をしてきたからだろうか、往人にはそれが手に取るように解った。
そんな想いを聖も察したのか、
「…けれどな」
心配するな、とでも言うように、そこで彼女は一旦言葉の間合いを置いて、
語り掛けるように言葉を続ける。
「そんなある日、お母さんを見かけた神尾さんがこう言ったそうだ。
『みちるは、ここにいるよ』って」
「神尾さんが…」
「観鈴が、そんな事を」
つぶやくように二人が口を開く。
そう、観鈴は強くて優しくて、そして一人ぼっちの寂しさを誰よりも知っている。
だから、放っておけなかったのだろう。
往人は驚きと同時に、何故か嬉しくもあった。
多分、美凪もそれは同じ想いだろう。
「その真摯な気持ちが届いたのか、お母さんは以来神尾さんのことをみちるだと思うようになった。
それで晴子さんに事情を話したら意外にも二つ返事で承諾が出てな、
今では遠野家の娘として暮らしてるというわけだ」
それが美凪の母親にとって、本当に良い事かは正直分からない。
けれど少なくとも、「置き去りにした」という美凪自身の、悔いを和らげる事は出来るだろう。
その証拠に、と往人は彼女の方を見る。
表情こそいつもの通りだが、肩の荷がおりたというか、穏やかな目をしていた。
しかし、往人にはもう一つの気がかりがあった。
「そう言えば」
そして思い出したように、往人が尋ねる。
「観鈴の奴何か急いでたようだったが、バイトでもしてるのか?」
彼女自身が幸せかどうか、それが往人の「大きな忘れ物」であった。
「彼女なら今、学校だ」
きっぱりと聖が言い放つ。
「こんな時間にか?しかも私服だったぞ」
「…定時制、ですか」
ふいに美凪が口を挟む。
「そうだ遠野さん。察しがいいな」
感心したように聖が声をあげる。
「君たちも知ってると思うが、彼女は通っていた学校内で孤立していた。
しかし定時制の学校は何らかの事情で学校に行けなかった、
もしくは辞めてしまった者たちが集う。
だから私が薦めたのだが…どうやら彼女の肌にも合っているみたいだな」
「そっか、みんな結構うまい事いってるんだな」
「…そうですね」
「まあ、個人的には…」
聖はそう言いかけて、
「…いや、何でもない」
目を丸くする目の前の二人を前に、あわてて聖は言葉をさえぎる。
そう、何でもないのだ。
自分の妹が抱えている問題など、この二人には関係のない話だから。
結局その日は霧島診療所に一泊する事になった。
帰宅した佳乃とも久々の再会をはたし、その日は楽しい夜を過ごしたのだった。
次の日の朝は、雲一つない快晴であった。
「にははっ、良い天気になったね!」
嬉しそうに観鈴が声をあげる。
「…そうですね」
美凪も静かにうなずく。
「良い旅立ち日和といったところか…」
そう往人が言いかけたその時。
「居候ーっ!」
声をあげながらバイクで近づいてくる、女性の姿があった。
「あ、お母さん」
「あっ晴子か。久しぶり」
「アホっ、何が久しぶりや!」
バイクから降りるなり、晴子はものすごい剣幕で往人に詰め寄る。
「あんたはうちに顔見せんと、また逃げるつもりか?」
「な、何だよ逃げるって?」
「うちの大事な娘を捨てて、その子と逃げたやないか。
ほんまやったら、観鈴があんたを殴る権利ぐらいあんねん。
だから代わりにうちが…」
そう言って、晴子は拳を握った。
「お、お母さん。わたしは別に気にしてないから」
狼狽する観鈴とは対照的に、
「…それなら、逃げた私も同罪ですよ」
真顔で美凪がそう答える。
「殴られるなら私も…」
「お、おい遠野」
「あー、あんたはかまへんよ」
晴子は笑顔で言い切る。
「この目つきも頭も悪い甲斐性無しに騙されただけやもんなあ」
「いつ俺が騙した、人聞きの悪い」
「やかましい!ほら、早う目を閉じて歯を食いしばりっ!」
「本当に殴る気かよ…仕方ないな」
そう言って往人は、目を閉じた。
「国崎さん…」
「ゆ、往人さん!」
美凪と観鈴が心配そうに見つめる。
「ええ覚悟や。ほな行くで!」
ぺちっ。
「へ?」
往人の頬に軽く触れる、紙の感触。
目を開けると、そこには一万円札があった。
「餞別や。時々は顔見せに来たってな」
晴子はニンマリと笑い、渡す物を渡すと観鈴を連れて、その場を去って行ったのだった。
「国崎さん…これからどうなさいますか?」
二人きりになった所で、美凪がそう尋ねてくる。
「さっきから考えてたんだが、またあの寺に戻っていいか?」
「ええ、構いませんけど…」
でもどうして、という表情をする美凪に、往人は言葉を続ける。
「いやな、もっと法術の修行したいって言うか、
自分の力を根本から見つめなおしてみたいと思うんだ」
「良い心がけですね…」
静かに美凪はうなずいた。
「…でしたら、良い師匠を紹介しますよ」
「師匠?」
往人は目を点にする。
「ええと、お前じゃないよな。お前は一応、俺の生徒のはずだし」
「…うふふっ、秘密です」
美凪はそう言うと、なおも呆然とする往人に嬉しそうに微笑むのだった。
いい仕事してますなぁ。
( ゚д゚)ポカーン
もう、どうでもいいや
好きなようにお話書いて下さい。
182 :
原点回帰:03/01/29 00:28 ID:DlPMwlYt
ここではROMっとこうと思ったけど、ちょっとだけお邪魔します、、、
>>168 >第一、「つまらない」「面白い」の感想はあって当然だと思うが、
>水を差すような世界観の揚げ足取りは、正直書く方も読む方も迷惑というか勘弁な。
寡黙氏がどうかはわからないけど、書くほうとしては、例えば
>>180みたいな感想?より、
>>166みたいな批評?の方が、参考になるし納得できると思うよ。解説や反論をする余地も出てくるし。
読む方としては確かに勘弁だけどねw
>>159 お願いだからそういうことしないで……
もう良いよこのSS
自己満足のオナニー話とゆう事が良く分かったから。
これからは、人様に発表するまえに自分で良く考えてから
書き込んで下さいね。
俺としては登場人物は往人と美凪のままでいて欲しかったかも。
観鈴とか晴子とかまで出てきちゃうと・・・
でも良作。
続きキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
漏れもここのスレROMってたヤシだけど
>>182に一言
人それぞれなのかもしれないけど、漏れはあまりSSの設定にケチつけられると凹む方
このキャラはオリジナルではこんなんじゃないとか・・・じゃあお前が書けよ言いたい
そういうの気にしだすと面白くなくなったり、最悪筆止まって書けなくなる
あくまでパラレルの世界の話なんだし、少しは自由に書かせろってのが正直な話
まあ、キャラに沿ったノリを維持しつつオリジナルを超える秀作は実際あるし、
そういうの書いてみたいと思うけどな
長文スマソ、ついでに言っとくが縦読み出来ねえぞゴルァ(w
ただ誉めてもらいたいだけなら、自分のサイトでもつくって
そこで公開すれば?
>あくまでパラレルの世界の話なんだし、少しは自由に書かせろ
限度があると思うのですが。
>このキャラはオリジナルではこんなんじゃないとか・・・じゃあお前が書けよ言いたい
あなたは小学生ですか?w
190 :
名無しさんだよもん:03/01/29 13:53 ID:/an/wzUl
原作の崩し方としてはそれ程悪く無いと思うがなぁ、
続きを楽しみにしてるよ、
それは、SSを書いてるあなたが一番正しいですよ、尊敬されているしね
社会的にも地位が高いあなたの言うことはみんな納得するはずです
学生の頃から優等生のあなたは下級生たちにとっても憧れの的でしたしね
一流大学を出て一流企業に就職されたあなたは皆の憧れの的でしたね
同窓会にもそのことを威張らず謙虚に行動されていましたし先生にも一目置かれていた存在でした
これからもその素晴らしい才能を発揮されて社会に貢献なさるのですね
そんな誰もが憧れるあなたが書いたSSは正しいに決まっているはずです
これからもお体には気をつけて下さい。
ほんとうに頑張ってください。
またこのような素晴らしいSSを書いて頂ける日を楽しみにしております。
>>166 翼人に関する資料がまったく残ってないとは思わないなぁ。
もちろん歴史資料としての公文書ではありえないけど
民間伝承として、あるいは雑誌「ムー」で取り上げられるような偽書の類として。(w
ただ、寺の場所なんかが図書館で開架されている資料をちょっと調べたぐらいで
出てくるとは思えないのは確かだが。
各地の図書館の閉架になっている資料や郷土史家、寺社を訪ね歩いて
やっと大まかなところが分かるぐらいか。
大まかなところが分かっても結界が生きてれば普通はいくら探しても見つからないだろうが
法術を持っている二人でもあるし千年間の魂を込められた(?)人形もあるし入れてくれるような気はする。
夢現EDが「逃げる」EDだというのには同意。
ただ、人形のことはともかく
これは美凪バッドエンド(あえてバッドと言わせてもらう)を
いかにノーマルあるいはもう一つのトゥルーエンドにもっていくかという話だと
勝手に期待しているので暖かく見守りたい。
194 :
原点回帰:03/01/29 19:44 ID:DlPMwlYt
>>189 了解。
そのスレ嫌いだから逝かないけど、ここで議論するのは迷惑だからね。
寡黙氏&住人諸氏スマソ。
寺の高僧達が待っていたとも書いてあるし
まあスピードワゴン財団、又はカプセル・コーポレーションな感じで宜しいのでは?
それに方術の才能が有るし調べる時も無意識に使用していた
(一発で必要な本が見つかり、ページを開くと必要な部分が書いてある、
それを元に又探すと、又一発でそれ関係の本が目に飛び込んで来る)みたいな
漏れもAIRのSS書いてるから、人事のように思えないのよ
漏れのは歴史の彼方に埋もれたもう一人の伝承者と言う話だから
全然本編と関係無いしさ、原作との差を楽しんでいるがね
寺の周囲にある山道をジョギングする、二つの影。
「はあ、はあ…おい、少し、休ませてくれ…」
息も絶え絶えに、国崎 往人はその場に座り込んだ。
「何と益体ない。まだ走り始めたばかりではございませんか」
美凪…いや正確には体だけ彼女の女性がそう口を開く。
彼女の体に憑依しているのは、裏葉という名の女性。
往人の遠い祖先で、彼らの使う法術の開祖というべき存在である。
彼女が凄いのは、一緒に走ってる筈の彼女自身が息一つ切らしていないところにあった。
「例えば呼吸の使い方一つで、体調をもコントロール出来るのでございますよ」
裏葉はそう説明を始める。
「往人さまはその分無駄が多すぎるから、すぐに疲れただの暑いだの寒いだの…」
「はいはい、分かりました…」
口で勝てる相手ではないと察したのか往人は立ち上がり、
足取りは重いながらも再びジョギングを始める
「分かっていただけてこの裏葉、嬉しゅうございます」
「…あんた、絶対楽しんでるだろ?」
「それはあまりにも酷いお言葉でございますぅ」
裏葉は涙を流したが、間違いなくうそ泣きだろうと思った。
「わたくしが心を鬼にして考えた折角の修行を、よりにもよって楽しんでるなどとは…」
いやこの女は絶対、俺の反応見て面白がっているよな。
「…ですから、面白がってないとおっしゃってるではありませんか」
「おい、心を読むなあっ!」
往人が声をあげる。
そう、この師匠は時々法術で心の中を読んでくるから始末が悪い。
おちおち愚痴も言えないどころか、思い付く事すらタブーである。
まったく、美凪も厄介な師匠を呼び出してくれたもんだ。
「厄介とは失礼でしょう。わたくしにも、美凪さまにも」
裏葉が不満気にそう口にする。また心を読まれたらしい。
「それに、呼び出したという表現は適切ではございません。
『時渡りの術』を用いて、半分はわたくしの力でこの時代に参ったのですから」
裏葉の説明によれば、例えば霊を体内に憑依させるのは高度な技術と体力を消費する。
それは多くの霊が、呼び出される事を拒むからである。
その点、時渡りの術というのは…
「そうでございますね、この時代の言葉を借りるなら『心だけたいむとりっぷ』状態とでも申しましょうか」
裏葉は、この時代の言葉を借りるという表現をよく使う。
勉強熱心な彼女にとってこの時代特有の言葉、特に横文字がお気に入りらしい。
「『時渡りの術』は、美凪さまとわたくしの法術を半分づつ用いて、わたくしの精神を遠い未来へ
…お二人様から見れば遠い過去から飛ばしているのでございます。
もちろん個々の負担が少ないとは言え、かなり高度な法術であるのは間違いないのでございますが」
それぐらい素質のある法術使いなのだと、彼女は美凪に言いたいようだった。
それは往人自身が思う事でもあったが。
「それにわたくしも、柳也さまを亡くしてから憂鬱な日々を過ごしておりました。
少しでも二人のお役に立てるのであれば幸いですし、何より楽しませていただいております」
「…やっぱり楽しんでるんじゃないかっ!」
往人の反論に、裏葉は笑って誤魔化すのであった。
ぱしっ!
「まだまだ、雑念が混じるようでございますわね…」
そう言って往人は、裏葉に棒のような物で叩かれる。
朝の食事の後は、寺での座禅。
床に座って心を無にする修行なのだが、彼は何回、いや何十回叩かれたか分からない。
「そう言われてもな…難しいぜ。心を無にするなんて」
往人は不平を口にする。
「そこまで申されなら、見本を見せていただきましょうか。
…美凪さん」「…はい」
まるで冗談のように、目の前の女性が自問自答する。
ちなみに今のは、憑依している裏葉が一時的にその精神を開放したのだ。
そして彼女はその場に座り込むと、目を閉じる。
「…これは見事な無の体現ですな」
そばにいた高僧が、関心したようにそう口にする。
「マジかよ…」
往人はそうつぶやいたが、同時に少し安心もした。
彼女に出来るなら俺にだって…
「…などとは、安直に考えない方が良いと思われますよ」
美凪の、いや彼女の体を借りた者の声がする。
「う、裏葉?」
「ええ。…美凪さまはこの時代の言葉を借りるなら『えりぃと』なのです。
簡単に真似出来るとは思わないでいただきたいものです」
エリートの言葉の使い方を間違っているような気もするが、それはさておき。
「そう言われてもな…そうだ、何かヒントみたいなものはないのか?」
「ひんと…この時代の言葉で言う、手がかりの示唆でごさいますね」
裏葉は腕を組んで考え込む。
その仕種は美凪そのものなので、妙な違和感を感じでしまう。
「でしたら、一つだけ考えてくださいませ」
「はい?」
「ですから、何も考えまいとするから色々考えてしまうのでございます。
ならば一つの事だけを集中して考え、その考えを取り払う事が出来るなら無にもなれましょう」
「あー、まあ理屈は何となく分かった様な…よし」
そして往人は座禅を組んで意識を集中させる。
ぱこんっ!
「痛い…」
往人は、即効で裏葉に殴られた。
それも、かなり強く。
「…だからって、誰が食べ物を煩悩たっぷりに思い浮かべろと言いましたか。
もっと真剣に考えるべき事があるでしょう」
少し怒ったように裏葉が言う。
そう、往人はラーメンセットにその意識を集中させていたのだ。
「まあ、美凪さまの裸身に集中しなかっただけ褒めてさしあげましょうか…」
裏葉が呆れたように言葉を続ける。
往人自身、実はそれとどっちにしようか迷っていたのだが。
「…それはそれで見たかったような気もいたしますが」
「はい?」
そんなこんなで、一週間が経ったある日の事。
寺内の広場に座禅を組んで座る往人。
その周囲を数人の僧が取り囲む。
その手には木刀。
叩かれても死ぬことはないだろうが、かなり痛いに違いない。
そして、取り囲んだ僧たちが彼めがけて木刀を振り下ろした、
まさにその刹那。
ぼっ!
と音をたてて、その木刀が着火する。
驚いて手を離す者、それでもそのまま振り下ろそうとする者など反応は様々だったが、
その木刀のいずれもが、往人の体に到達する前に燃え尽きてしまったのだった。
「お見事です、往人さま」
物陰から裏葉が顔を出し、声をあげる。
そう、往人が会得したのは炎の法術であった。
「よく短期間でここまで…まずはそれが率直な感想でございますわ」
静かに、裏葉が言葉を続ける。
「法術は代々、その多くを女性が継承しておりました。
その為でしょうか、水や風のように和やかな法術が主に伝わっていったように思います。
ですが本来、法術とは優しさだけでなく強さを兼ね備えてこそ本来の力を発揮するもの。
神奈さまをお救いするのには、往人さまのような荒ぶる法術も必要なのかもしれませんね」
「そ、そうかな…」
褒められて少し照れくさい往人であったが、いつまでもそうしてる訳にもいかない。
「でも、実際どうなんだ?」
真顔になった彼は、思い切って尋ねてみた。
「俺はこの力で1000年続いた彼女の呪いを、終わらせられるのか?」
「そうでございますね…」
裏葉は腕を組んで考え込む。
その仕種は美凪そのものなので、やっぱり違和感を感じでしまう。
「往人さまの力はまだまだ粗削りでございます。付け焼き刃といってもいいでしょう。
その程度の力で呪いに立ち向かうなど、縫針を片手に幽鬼に戦いを挑むようなもの」
「…おいまて」
思わず往人は声をあげる。
そのたとえを信じるなら、全然駄目じゃないか。
「けれどあなたには…この時代の言葉を借りるなら、大事な『ぱあとなあ』がいるではございませんか」
「パートナー…?遠野の事か」
「はい。彼女の力もさる事ながら、互いを信じる想いこそが、きっと良い結果を生み出すはずでございますわ」
「そういうもんかね…」
今一つピンとこない往人であったが、彼女の言葉を信じる事にした。
「ところで裏葉、過去に複数の法術使いがいた時はなかったのか?」
「ええ、一度だけございました。でもあの子たちは…」
裏葉はそう言いかけて、
「あっいえ、今の話は忘れて下さってかまいません」
少し辛そうな顔をしたので、往人自身も、あえてそれ以上突っ込まない事にした。
それより、もっと楽しい話でもしよう。
「しかし炎の法術ね…」
「何か、気になる事でも?」
「いやなに、今なら出来るかもしれないと思ってな」
往人はキランと目を輝かせ、ポーズを決めて言い放った。
「そう、法術やきそばがなっ!ぼぼぼぼーっ!」
「…それはぜひ試食してみたいです。
と、美凪さまがおっしゃってますわ。わたくしもぜひ一口…」
「あのすいません、そこ『出来るかー』って突っ込む所なんですけど…」
往人が困ったようにそう言うと、裏葉と、そして体を貸している美凪も多分笑っていた。
次の日の朝。
荷物をまとめた美凪と往人は、僧たちに見送られながら寺を後にした。
「…それで、寺に残っていた文献を読んだのですが…」
寺から降りる山道を歩きながら、美凪が説明する。
この彼女が昨日まで裏葉だったんだなと思うと、往人は奇妙な気分になる。
「…話、聞いてますか?」
少し抗議するような口調で美凪が言う。
「…ん、ああ。続けてくれ」
「わかりました…」
気をとりなおして、美凪は説明を続ける。
「…その文献によれば、かつて双子の姉妹の法術使いがいた時代があったそうです。
不幸だったのは、その時翼の少女は男性に転生していたのです…」
たしか裏葉も、同じような事を言っていた気がする。
「で、どうなったんだ?」
大体の予想はつくが、あえて往人は尋ねてみる。
「その美貌に魅せられた姉妹は男性を取り合う関係になり、憎しみ合うようになりました…」
「それで自滅したって事か…」
「はい。それが、翼人による呪いの影響かはわかりませんが…」
そう言うと美凪は言葉を区切り、立ち止まる。
「…でも私は、信じていますから」
美凪は真っ直ぐな瞳で往人を見つめる。
「…何があってもあなたの事を、いつまでも。だから……っ!」
ふいに彼女の言葉が途切れる。
往人の両腕に、ぎゅっと抱きしめられて。
「国崎…さん?」
「俺は口下手だからな。これが答えじゃ、駄目か?」
その言葉に、美凪は首を横に振った。
朝の山道の肌寒い空気の中、
それでも差し込む日差しは少しだけ暖かくて、
そんな微かな光に包まれながら、二人は唇を重ねた。
…イカがたこ焼きで生姜?
もとい、いかがだったでしょうか…?
今だから話しますが…最初この物語はもっとふっとんだ話を考えてました。
…丁度私が逆転裁判2にはまっていた時期で、美凪や往人にサイコロックやら霊媒やら、
あるいは他の葉鍵系の不思議少女も登場させて、海外に翼人の末裔に探しに行く…
…今考えると、やめといて正解でしたが(w
それでも…今回を含めた最近2・3話に関しては正直冒険した部分があり唐突感は否めず…批評も多いだろうなと覚悟はしてました。
…これに関しては、書きたい物を抑えられなかったと理由もありますが(w
それ以上に、二人が残してきた者への後始末…また今後の展開へ繋がる準備という点で必要な過程であったと…自分の中では結論づけております…
…AIRの今後が書かれたSSやDNMLは多数存在しますが…準備不足で敗れ去っていく話があまりにも多いように思うので…
…少々長話が過ぎました。
もう少し物語は続きますので、お付き合い下されば幸いです…
続きキタ━━(゚∀゚)━━!最近ハイペースですね、
今回も楽しく読ませて貰いました、原作を上手く活かしてますね、ウラヤマスィ
そんなに原作を無視してるようには見えないのですがね、
この位なら全然許容範囲ですよ、漏れの昔書いたSSなんて・・・
殆どオリジナルだし、南アジア大陸での冒険物ですから
確か古代天竺や唐にも翼人が居たと言う話が原作で有ったし
一応地球最後の翼人は神奈だと言う事が何処かで言われていたはず
その前に今で言う冷凍睡眠をした翼人を探して、ヒマラヤ、チベットを冒険する
AIRの出る前にTRPGでやったネタをAIR物に改造した物ですがね(殆ど別物)
考えてみれば往人は余り良い修業をして来なかっただけで
1000年目の約束を果たす者なんで、けして弱い訳ではないんだよなー
kamoc● さん、続き、楽しみにしてまつ、頑張ってー!
寡黙のダンナ、面白いっスよ。
お、続編来ましたね。
裏葉様が出てくるとは思いませんでしたよ。
取りあえず続きに期待大です!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
>198-206
続編楽しみにしてますのでがんばって下さい。
信者以外いなくなったなw
おまえがいるじゃん
むしろ221も信者
225 :
名無しさんだよもん:03/02/05 20:47 ID:ayj8VoGs
ホシュー
保守はあげんでもええぞ(w
もきょ
むきょ
はきゅ
めきゃ
免停
バス停
「この島にいるんだな」
「ええ…」
俺の問いに、遠野は大きくうなづいた。
鉄道関係の仕事を辞め、家族を放棄した彼女の父親は
彼女の義理の妹と二人で、ここで生活しているのだという。
そこは南国の孤島。
桟橋に吹き抜ける潮風は、
まだ二月だというのに、上着が必要ないほど暖かい。
「で、あてはあるのか?」
「…歩いていれば出会いますよ。
それが運命ですから…」
彼女は意味深な言葉をつぶやく。
裏葉と接触後、遠野はその不思議な雰囲気にますます磨きがかかった。
はたから見れば、よりとっつき難くなったとも言える。
けれど一緒に旅を続ける俺にとってそれが心地良くもあり、
またそんな態度を見せつつも彼女の内面は別の所にあって、
俺だけが知る事が出来て独占出来る、
そんな彼女の態度に奇妙な喜びを感じていた。
「それじゃ、気楽に観光でもしようかねえ」
「ふふっ…でしたらご案内しますよ」
呑気な俺の言葉に、さらに呑気な口調で遠野が答える。
「小さい頃…何度か父に連れて来てもらってますから」
春…いや初夏をも思わせる穏やかな気候。
開発途上で手付けずの場所が多く残された、美しい自然。
リゾート地としても名をはせているという遠野の説明も、
成程この場所ならと納得させられた。
そして俺たちは島唯一の商店街を歩く。
商店街と名は付いているもののこじんまりとした一角には、
それでも島唯一の娯楽を求めて多くの観光客で賑わっていた。
この人手を目にしては、人形芸人として黙っていられない。
そんな気持ちを遠野も察したのか、
早速鞄から小道具を取り出して準備を始めていた。
人形劇はおおむね盛況。
商店街の人からも歓迎の声をかけられ、俺たちは笑顔で応える。
この島には当分滞在する事になるから、
またお世話になる事もあるだろうと思った。
気が付けば日は西に傾いて、水平線を赤く染めていく。
とりあえず今晩の宿さがしなど始めようか、
そう思っていた矢先、俺たちは一人の男とすれ違う。
苦労が顔ににじみ出ている、やつれた顔の中年男。
その面影は、とても似ていた。
俺の隣にいる彼女に…
ゆっくりと遠野がその方を向く。
視線が合った男は、大きく目を見開いた。
そして明らかに脅えた様子で震え出し、
次の瞬間、その場から逃げ出そうとしていた。
「…お父さん」
遠野の言葉に、男はぴたりと足を止める。
やはり、彼が遠野の父親なのだろう。
「…私は貴方を責めに来たのではありませんよ」
諭すように静かに、遠野が口を開く。
「むしろ助けに来たのです…私の、義理の妹を」
「ああ…」
彼女の父は、その場に膝をついてうなだれる。
遠野はゆっくりと父に歩み寄ると、その頭を優しく撫ぜた。
「…どこまで知ってるんだ?」
遠野の父が、俺たちにそう尋ねた。
それは俺自身の疑問でもあった。
彼女はどれくらい知っているのだろう。
父親と、そして血の繋がらない妹の事を…
「…それは意味のないことです」
遠野はきっぱりと言い放つ。
「言ったでしょう…私は貴方を責めにきたのではありません。
だから貴方や妹の歩んできた人生を詮索する気もない」
厳しい言い方だが、その通りだと思った。
俺だって無意味な父親の愚痴に付き合わされるのは勘弁だ。
それより大事なのは…
「でも…妹が大変な事になっているのは知っています。
だから会わせてください…」
その言葉に遠野父は困ったような、そして悲しそうな表情を浮かべたが、
「わかった」
と、観念したように自分の家に俺達を案内した。
その家の二階に彼女、遠野の義妹の姿はあった。
年の頃は10歳前後といったところか。
ろくに手入れのされてないボサボサの髪に分厚いメガネをかけ、
部屋を開けてもパソコンに向かったまま、
「美智(みちる)」
そう父が声をかけても、こちらを向うともしない。
「…何年も前からこの状態なんだ」
父親はそう言うと、深いため息をついた。
「引きこもりというのか、学校も行かず一切外に出ようとしない。
再婚の母親を早くに亡くしたせいか、行き始めたばかりの学校で
何か嫌な事でもあったのか…」
そして、そんな父親の話を表情も変えず聞き入る遠野。
おそらくは、彼女の知る範疇の事態ということなのだろう。
俺自身は、脇目もふらずパソコンに没頭するこの少女に
やや恐怖すら感じているのだが。
「なあ美凪」
懇願するような瞳で、遠野父が口を開く。
「お前はあいつを助けに来たと言ったよな?
本当に、何とかなるのか?」
「…なあ、いっそ荒療治ってのはどうだ?」
ふいに俺が口を挟む。
おどおどしたこの男の態度には、いい加減イライラしていた所だ。
「俺の法術なら、あのパソコンを破壊するくらい造作もないぞ」
「…それも一つの手段かもしれませんね」
まるで他人事のように、遠野も冷たく言い放つ。
「そっ…そんなっ!」
遠野父は震える声で、しかし抗議を込めた口調で言った。
「そんな事を、されたら…あいつは…」
「そうですね、支えを失った彼女が暴走するかもしれません…
…そうなると少し厄介でしょう」
「だったら…」
「だったら…」
ふいに俺と彼女の父の口調が重なる。
そして彼女の父は、脅えたように眼をそらす。
俺、そんな怖い顔してるかな?
それとも、度重なる不幸が彼をすっかり弱気にさせたのか。
「お父さん…この家のパソコンは彼女の一台だけですか」
ふいに遠野がたずねる。
「…あっ、い、いや」
ふいをつかれた遠野父が、声をあげる。
「パ、パソコンなら、私が仕事に使ってるノートがあるが…」
「…それを貸して下さいませんか」
「あ、ああ。ちょっと待ってろ…」
遠野父はそう言うと、1階に降りて行った。
「どうするんだ、遠野?」
俺がそう尋ねても、彼女は静かに微笑むだけであった。
やがてしばらく待っていると、
「持って来たぞ、これでいいのか?」
父親が、一台のノートバソコンを抱えてあがってきた。
遠野はこくんとうなづくとそのパソコンを受け取り、
床にそれを置いて電源を入れる。
そして、何やらカタカタと入力しはじめる事数分。
今までパソコンに向かっていた少女が、
ふいに驚いたようにこちらを向いた。
驚く俺と父に理由を説明するように、
遠野はパソコンの画面を指差す。
そこに書かれていた文字は…
ナギ:おはこんばんちわ
ミチ:あんた、誰?
ナギ:あなたの姉です
ミチ:姉?
ナギ:すぐそこにいますよ
「そ、そんな馬鹿な」
父は驚いたように声をあげる。
俺はコンピュータにあまり詳しくないが、
たしか他のパソコンと繋がるには配線やら設定やら、
何かとややこしい事をするのが必要だった筈だ。
だとするとこれは…法術なのか?
そんな凄い事をしている遠野は相変わらず無表情だったが、
してやったりという表情が瞳に写っていた。
しかし少女はすぐさまパソコンに向き直ると、
ミチ:あっそ
とパソコンで返事を返してきた。
ミチ:そういえば、そんなのもいたって父さんから聞いたっけ
なかなかこいつは手強いようだ。
腹違いとはいえ、さすが遠野の妹。
ミチ:で、何の用?
その言葉に美凪は少し考えて、こう打ち込んだ。
ナギ:最近、つばさの少女の夢を見るでしょう?
刹那、パソコンを打つ少女の手が止まった。
241 :
名無しさんだよもん:03/02/08 21:05 ID:94BRLjHa
ヒッキーみちるキタ━━(´◕ω◕`)✪Д✪)◕∀◕)♉A♉)☼Д☼)❝_❝)◉。◉)▣_▣)☉∀☉)━━!!!
寡黙氏降臨。
AIRの世界観をこれ以上壊すのは、やめてくれ・・・・・・
嫌なら来なければ良いのに・・・
そもそも読まなければ”壊れてる”かどうかなんて判らないんだから
途中で読むの止めれば良いんじゃない?
漏れは「さあ!どう出る?どう料理する?」みたいな感じでワクワクしてるけどな
面白いッすよkamoc● さん、次回もきたいしてまつ
>嫌なら読むな
まさにその通りだな。俺は大分前に読むの止めたよ。
まだこのスレにいるのはこのシチュに未練があるから。
寡黙氏を否定するわけじゃないが、他の職人さんの作品が読みたいな・・・
後半は同意、kamoc● さんの作品は好きだ
でも、他の人ならこの”材料”をどう言う風に料理するのかと言うのも気になる
数人が書けばお互いに切磋琢磨しあうかもしれないし
まあ、それならSSコンペスレで事足りる訳だが
この作品好きなので素直にガンバレって言いたいんですが、
この状況下で伝わるかなぁ・・・・・・。
(・∀・)オモロイ!って思ってる人は沢山いますよ。書いてませんがw
アンチだけしか書き込まないってのもまた悲惨な話で(;´Д⊂
kamoc●氏はマルチと同一人物ということで株を落とした。
裏がある人だとSSにも素直に感動できなくなる。
ミチ:…何をわけのわからないことを。
美智は何事もなかったかのように、パソコンで打ち返してくる。
けれどその指先は、心なしか震えているようでもあった。
ミチ:仮に私が、その夢を見たとしてあんたに何の関係があるの?
少女の問いに、遠野はキーボードを打って返答する。
翼の少女のこと、法術のことなどを事細かに…
しかしそんな彼女の説明も、
ミチ:法術?ばかばかしい
鼻で笑うかのように、少女はあっさりと否定する。
ミチ:そんな物があるなら、ぜひ証拠を見s
…彼女がその先を、パソコンに打ち込む事はなかった。
ふいに足元に感じた違和感。
その方を見て、思い切り椅子から転げ落ちたからだ。
そこにいたのは、遠野の動く人形。
まるで猫のように、少女にじゃれついている。
「…い、い、いやあああああっ!!」
少女は始めて声を発し、逃げるように部屋の奥へと後ずさる。
論理的に物を考える人間にとって、こういった説明不能で
非科学的な存在はカルチャーショックだったに違いない。
普段は集まったお客たちを楽しませるこの人形も、
彼女にとっては悪魔の使いに見えた事だろう。
「…かわいいでしょう?」
嬉しそうに遠野が口を開く。
「こ、こっ、この人形を早くどけてっ!お、お願いだから…」
しかし少女は、泣きながら懇願する。
「がっくし…」
遠野は本当に残念そうにそう言うと、人形を自分の手元にひき戻した。
「美凪、今のは…」
遠野の父も、本当に驚いた表情でそう尋ねる。
「種もしかけもありません…国崎さんから授かった能力です」
遠野はペコリと一礼する。
いや、俺が授けたって訳でもないけどな。
「…それより」
遠野はそう言うと、壁にかかったまま放心状態で座り込んでいる
自分の義理の妹に歩み寄る。
すっかり脅えた様子で、どうしていいのか分からないといった感じだ。
やがて遠野は義妹のすぐそばまで来ると、その場に座り込む。
そして義妹と同じ目線になった彼女は、優しくこう言った。
「…辛かったら泣いてもいいんですよ。
私は…あなたを救いに来たのですから」
「うっ、うっ…」
そして義妹は、あきらかにその言葉に反応した。
「…うわああああああああああんっ!」
遠野に抱き着くと、まるで堤防が決壊したかのように激しく
泣き出したのだ。
「ねえ助けて!あたしを助けてよぉっ!」
悲鳴のようにそう叫ぶ彼女をしっかりと抱きしめて、
遠野はよしよしと静かに頭を撫ぜた。
「変な夢を、見て…そしたら体が痛くなるようになって…」
まだぐずぐずと泣きながらも、美智(みちる)は話始めた。
「ネットで調べたり、ネット仲間にも聞いたけどわからなくて…
ううん、あいつらは面白がって話を聞いてるだけだし…」
家にこもってばかりの彼女にとって、
唯一の外界の接触はインターネットだった。
相手の顔も見えないその世界の中で彼女は、
どんな人間関係を築いていたのだろう。
そっちの世界はまるで想像もつかないが、
それは多分、仲間といっても薄氷のような危うさと
隣り合わせだったに違いない。
…彼女はいつもひとりぼっち。
やはり、どこかあの神尾 観鈴に似ていた。
あの翼を持つ少女の宿命を、
この娘もまた背負っているからなのだろうか。
「…おねえちゃん」
ふいに美智が、そう遠野の事を呼んだ。
「おねえちゃんは、本当にわたしを助けに来てくれたの?
…からかいに来た訳じゃ、ないんだよね?」
そう言って不安げに顔をのぞく彼女の表情は、
年相応の小学生の顔になっていた。
ただの生意気なガキかと思ったら…いや、やっぱガキか。
クソガキが素直なおこちゃまになったのは確かだが。
遠野は、返事の代わりにごそごそと服のポケットを探り、
「…進呈」
と美智に封筒をさし仕出した。
「これ…何?」
驚く彼女に、遠野は微笑んで答えた。
「…今までよくがんばったで賞」
続きキター!
・・・が個人的には志保スレ住民でもあるので、あっちの続きが見たい。
>他のSS書き
一応二人はROMってるみたいだしね。
書いてくれたら寡黙氏への風当たりも少しは弱まる、かも?
イイ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ !!!!
キャラの名前と設定を使ってるだけじゃん
で、面白いとか、良いとか言ってる人は
具体的にどこが面白いとか言えないのですか?
( ´,_ゝ`)プッ
>>256 帰っていいよ。
…と吊られてみる(w
美凪EDの後日談を書いたSSってあまり見たことなかったし、設定をうまく消化してよく書けてると思う。
ま、ここのアンチの多くはデフォ設定に固執して、こんな美凪嫌だっていうヤシが大半だろうから、
だったら読まなければいいわけで。
ただ、他の人も書いてたけどここのSS書きが一人ってのも問題あるよなぁ。
信者とアンチが真っ向からガチンコするから。
某しおみしスレみたく、読者が二次創作のかけあいできるような雰囲気が理想なんだけどね。
・・・寡黙タン、人望なさそうだからなあ(ボソ
で、つまらないとか、ダメとか言ってる人は
具体的にどこがつまらないとか言えないのですか?
( ´,_ゝ`)プッ
言ってもいいなら言うけどさ。
もう止めようぜ、不毛なあおりあいは。
読んでて嫌悪感を堪えるのに苦労するようなSSですね
突然、登場人物に別人が乗り移ったかのような場面が多い・・・
あんまりにもちぐはぐで、見てて痛いったらありゃしない。
_ _ ___
__// ,ヘヘ―/ベ ヽ
/ / / /l l H i7/〃l l l |
/ / / / '  ̄ヽ
. i / /,// , / / / i 、ヽヽ 、\
l / / // _l.L⊥Ll_ l i」⊥」_l lヽ
. l / / / ,'T | /l| |l l l l l l T ||
l l /l ,' l、lV、| V / lノ /リ ノレ'|/l/
| v l l l " ̄[]` " ̄[]`/∨ |
. l| l 、| | l_ノ l/l
l| l l l|ヽlヽ. _ ノ | | | |
. l.| l l |l l _F`- . _ ,. イ |l | | /l
l | l|l |"三三t二二}ヾ⊥_l |li | |
l| l/ l.l l/ ̄〔 〕 ̄`ヽ ヽ、l/
. l //' lヘ、| ,/イ⌒lヽ、 / ハヽ、
アンチ諸君、いちいち酷評を書くの、やめれば〜。
アンチは独りでがんがってる
まあ、賛否両論なのは分かりますがまったりしませんか?
俺はつい最近AIRをやったんだけど、ここは良スレですね〜。
寡黙氏SSの感想を書いときます。
導入は素晴らしく、ノーマルEDを見ずに終わった俺には再インストールの機会となりました(w。
正直、ヒキコモリの妹の章からオリジナルとの距離が広がった感がしましたが、
それは物書きとしての挑戦だと捉えています。
オリジナルのテーマである(と思った)『絆の深さ』に
現代ならではの問題を絡めて昇華していくのかなぁ、と。
keyの作品は大切なものが何かを教えてくれてはいるのだけど
俺は作品世界に閉じ込められちゃってリアルとは何も繋がってなかったので、
もしシナリオの根幹には触れないネタであったとしても
(超個人的だけど)こっちに連れ戻してくれるフィーチャーになってて良いと思いました。
これからも楽しみにしてます。>寡黙氏
けど、確かに他の作品も読んでみたいな〜。他の神は(・о・)イネか!!
笑えないし、感動もしないし、何か心に訴えることもなかった…
かといって駄SSとも思わないし、でも名SSとも思わないし…
結局はこのSSは何を言いたかったのだろうと考えさせられたわけで…
でも結局は何も思い浮かばなかったわけで…
今思うと麻枝氏はこんな凄い人だったんだぞっていうメッセージなのかな
って考えさせられたりもして…
って感じ。
ま、とどのつまりはあってもなくてもいいSS。一度読んだららもういいや。
なんかここのアンチって、原点氏の儲が多い気がする。
そろそろこないかな
期待sage
漏れも何か書いてみようと思ったっす。
まぁ、寡黙タソや某原点タソにはかなわんと思うっすが。
逆に漏れのヘタレ文章で、アンチの矛先がこっち向くなら
スレ的にはいいし、
名の売れてるコテタソと違ってプレッシャーもないっすからねー。
書いて書いて。遠慮なく書いて。
>>270 気合が入ったなら書くべきだ!
アンチのカキコが一つなら、マンセーはその数倍いると思って書いとくれ。
現に俺は、マンセーの場合は何故か書き込まんのだ。
273 :
名無しさんだよもん:03/02/18 09:31 ID:KxNoJEC4
ヽ(´∀`)(´ー`)ノ
274 :
名無しさんだよもん:03/02/18 12:56 ID:PNfAwd3l
275 :
270:03/02/18 14:38 ID:yAmS97tc
みちる「みちるとっ!」
美凪「…美凪で」
2人「フュージョンッ!」
み凪「…どう?!」
往人「どうもこうも、頭だけひらがなになっただけだが」
美ちる「じゃ、これは…?」
往人「あんま変わってないし」
美ちる「…そんな事言う人嫌いです」
往人「いや、それゲーム違うだろ!?」
276 :
270:03/02/18 14:45 ID:yAmS97tc
往人「どわぁ!な、何だ!? 美凪が7人?」
美凪「…フュージョンが不評でしたから、逆に分裂してみました」
往人「7人の○ナかよっ!しかし何というか…」
美凪「…おはこんばんちわ」
美凪「…進呈」
美凪「…ぽっ」
美凪「…何ですか?」
美凪「…どうも」
美凪「……」
往人「7人いても同じキャラだったら意味ねーだろっ!」
美凪×7「…がっくし」
277 :
270:03/02/18 14:51 ID:yAmS97tc
∧||∧
( ⌒ ヽ しまったぁ!
∪ ノ 美凪じゃなくて遠野っす
∪∪
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや・・・ま、ま、まあ、こういうのもありかな・・・(汗
乙
_
_ '´ ヽ んにゅぅあげ!
'´´)) iノノノ))〉ヽ
.卯 jヽゞ^ヮ゚ノゞl l
,イl〉l⊂)∀(つ l l
l! /_lつi_jlリ. リ ・・・でも実は
|! lく_し'ノ. ageてなかったりします。
し'ノ
……ああ! なるほど!
>逆に漏れのヘタレ文章で、アンチの矛先がこっち向くなら
そういうことだったのか。
はっはっは、おぢさん勘違いしちゃったよいけずぅ
自分も書こうと思ったが、
一気に敷き居が高くなった感じだな(w
>>278みたいな書きこみ、普通だったら嫌いなんだけど、
今回は、ちょっと同感。。。
いやまぁ、別にどうでもいいんだけど、(w
書くならできればスレタイに沿った設定で書いてくれ。
「見せたいものがあるって?」
「…はい」
遠野に呼ばれ、俺は美智の部屋に案内される。
そして、そこに待っていたのは…
「ど、どうかなぁ?」
少し顔を赤らめて、美智が尋ねてきた。
長い髪を両サイドで束ねた髪。白いワンピース。
その姿は、まるで「みちる」と瓜二つであった。
「に、似合わねー」
それが俺の、率直な感想であった。
「もっとお前が幼かったらともかくな、年を考え…ぐわっ!」
俺がそういい終わる前に、彼女の回し蹴りが俺の後頭部に炸裂した。
「失礼だぞ、国崎往人っ!」
大声で怒鳴る美智。
意識してそうしているのか、あるいはこれが彼女の地なのか、
最近の美智は、その言動がますます「みちる」に似てきていた。
「…そうですよ、国崎さん」
非難するような目つきで、遠野も口を開く。
「こんなに可愛いのに…」
「ホント?美凪は気に入ってくれるの?」
「…もちろんです」
遠野がそう言うと、美智は本当に嬉しそうな笑顔を浮かべて
その場を跳ね回った。
遠野が作ったハンバーグをみんなで食べて、そして迎えた夜。
俺は彼と、遠野は美智と同じ部屋で眠っていた。
まあ嫁入り前の娘を男と一緒に寝かせるわけにはいかないだろうから
当然といえば当然なのだが、正直、ちょっと残念だった。
「…美凪はいい子だろう」
ふいに、隣で寝ていた遠野父が尋ねてくる。
「ええまあ…」
俺はあいまいな肯定をした。
いい子だと思う。俺にはもったいないくらいに。
「親はなくても子は育つというが…本当なんだな」
自嘲気味に言う遠野父。
何と答えていいか解らず、俺は無言のままだった。
「…娘の事、よろしくたのむ」
「当然です」
自分でも驚くほどに、俺は即答していた。
次の日、俺は遠野一家と一緒に、海岸に遊びに来ていた。
楽しそうにはしゃぐ姉妹と、その父親。
一家は本来の家族の姿を取り戻し、笑顔に満ち溢れた
幸せを取り戻した…はずであった。
けれど、何かが不足している気がしていた。
今後の俺達の運命に関わるであろう、
重要な鍵になりそうな何かが。
「まあ、いいか」
難しい事を考えるのは苦手だ。
結局、それが何かわからないまま、
俺はそれ以上深く考えることをやめていた。
それから数日は楽しい日々が続いた。
けれど、それが長続きしないだろうという予感はあった。
少女はいずれ弱っていく。
深く関わるほどに、関わった者を巻き込んで。
…それでも。
束の間かもしれない幸福を、今は楽しませてあげようと思った。
もちろんその間に、答えを探さなければいけない。
愛する人の、大事な家族。
その笑顔を守ることが俺に課せられた使命なのだと、実感するのだった。
それからさらに数日が過ぎて…
「どうして」
俺は天を仰いだ。
迎えた運命は、予想外のものであった。
美智の部屋で、身動きをとることも出来ずに寝たきりの姉妹。
本来なら、弱っていくのは法術の正当な継承者である
俺の方ではないのか。
俺はぴんぴんしているのに美智と遠野は苦しそうで、
それに対して俺はあまりにも無力で、
いまだに答えは見つからなくて…
「…呪いというのは多分そういうものなんですよ」
悟ったような口調で遠野が言う。
みえみえの作り笑いが、余計に痛々しい。
「関係する者にとって、一番理不尽で残酷な形をとって発動する…」
「認められるか!そんなのっ!!」
俺は思わず、声を張り上げて叫んでいた。
「国崎さん…」
遠野は驚いたような、けれど嬉しそうな目で見つめてきた。
俺はその目に少し照れて狼狽しながらも、
「な、なあ…何か方法はないのか?」
彼女にそう尋ねた。
「きっとあるはずだ。お前を助けて、もちろん美智も救う方法が」
「…一つだけ、思い当る方法があります」
遠野が遠くを見つめるようにつぶやく
「ど、どうするんだ?」
「貴方の荒ぶる精を、私に分けてください…」
「わかった、精でも何でもくれてやる」
彼女が欲するなら、俺は心臓だって与えてやるつもりだった。
「で、どうすればいいんだ?」
遠野は少し間を置いてから、自分の枕元に俺を呼ぶ。
そして隣に寝ている美智に聞こえないくらいの小声で、
顔を赤らめたまま俺の耳元にこうささやいた。
「…えっちな事ですよ」
293 :
名無しさんだよもん:03/02/19 20:02 ID:0GrIkmpz
えっちなのはいけないと…
嘘です、すごく読みたいです!
ここ21禁だからもーまんたいです!!
あげんなって。
漏れも読んでみたいが、寡黙タンは18禁いけるのか?
295 :
名無しさんだよもん:03/02/19 22:14 ID:fp81gSSh
18禁キター!
流石にこのスレ寡黙以外誰もssを落とさないな(w
nuaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
(*´д`*)
寡黙氏が来るまでの場つなぎということで・・・
「…一つだけ、思い当る方法があります」
遠野が遠くを見つめるようにつぶやく
「ど、どうするんだ?」
「貴方の荒ぶる精を、私に分けてください…」
「わかった、精でも何でもくれてやる」
そう言うや否や、俺は自分のズボンに手を掛け、ベルトを…
バキャッ!!
「・・・・・・ッ!・・・・・・美ち・・・」
ズカッ!!!
・・・ばたっ・・・
「…変態誘拐魔」
―俺はいったい何をしていたのだろうか?
なぜだか目の前がぐるぐる回っている気がする…
―地に足がついていない感覚…
身体がだるい…
―身体を動かそうとしても動かない
俺はいったいどうしてしまったのだろうか?
意識が闇へと飲み込まれていく…
俺は最後に遠野の…
美凪の声を聞いた気がした…
「国崎さんに…てごめ券進呈」
そうして俺の意識は…闇へと消えた…
国崎!全ての精を美凪に注ぎ込め!!
というシチュエーションをキボンヌ
また思いついてしまったので…寡黙氏スマソ
「…一つだけ、思い当る方法があります」
遠野が遠くを見つめるようにつぶやく
「ど、どうするんだ?」
「貴方の荒ぶる精を、私に分けてください…」
「わかった、精でも何でもくれてやる。
遠野が望むなら、俺はアナルだって、三角木馬だって…」
そう言いながら、おもむろに鞄から国崎スペシャルを…
サクッ……
「・・・・・・・・・・・カハッ!」
俺はひざから崩れ落ちる。
「…残念だったで賞」
――目の前の景色が紅くゆがむ
「・・・・・・やおいにすれば良かったのか?」
――世界が完全に音と光を失う直前
「……惜しかったで賞」
誰かがそう言ったのが…聞こえた気がした……
>>300面白かったっすよ。
てごめ券がツボ(w
ということで、続きです。
俺は今、ダブルベッドのあるホテルの一室にいる。
これからする行為のために、一泊予約をいれたのだ。
「お待たせしました…」
浴室から出てきた遠野は、素っ裸の上にバスタオル一枚という姿であった。
タオルの上からでも、その体のラインがはっきり解る。
見つめるだけでどきどきして、まともに顔があわせられない。
「…じゃ、じゃあ俺もシャワー浴びてこようっかなぁ!」
俺は逃げるように、その場を飛び出した。
浴室に滑り込んでから、心の中で舌打ちした。
付き合ったばかりの純情少年か俺は。
しかし恥かしい話だが、遠野をあの街から連れ出した
あの時以降、彼女との肉体関係は一切なかったのだ。
合意の上とは言え、無理矢理犯してしまったようなものだ。
後ろめたさに似たものが、正直あった。
だからさらに恥かしい話なのだが、
隣で遠野が寝静まったのを見計らって、
一人自慰行為にふける夜も珍しくなかった。
もっとも、勘の鋭い遠野のことだ、
そんな俺の行動などとっくにお見通しに違いない。
でも逆に、彼女の方はどうだったのだろうとも思う。
やはり俺の事を思って夜中にこっそり…
って、そんな事考えてる場合じゃないだろう!
俺は少し頭を冷やすべく、少し冷たいシャワーを浴びた。
それでも、膨らみ始めた股間のものを抑える事は出来なかったのだが。
「待たせたな、遠野…」
そう言い掛けた俺だったが、そのまま絶句する。
バスタオルを巻いたままベッドに寝転んでいる彼女の表情は
いつになく苦しそうだったから。
「お、おい遠野!」
「大丈夫ですよ…」
そうつぶやく彼女の顔は青ざめ、全然大丈夫そうではなかった。
俺は間違っていたのだろうか。
考えるべきは性欲よりまず、彼女を治癒する事ではなかったか。
「よ、よし今楽にしてやるからな」
俺は腰に巻いたバスタオルを脱ぎ捨てると、
彼女に覆いかぶさるように近づいた。
けれど。
「…嫌です」
遠野はそう言って、逃げるように俺から離れる。
「どうして?」
拒絶。
俺はその意味が解らなかった。
そして、沈黙。
「…私だって女ですよ。作業的なエッチなんて嬉しくありません」
ふいに彼女が口を開いた。
「遠野…」
「その呼び方もやめてください」
追い討ちをかけるように、彼女がピシャリと言い放つ。
「…往人さん」
「えっ?」
俺は驚いて声をあげる。
彼女に下の名前で呼ばれたのは、初めてではなかったか。
「私は、あなたを愛しています」
畳み掛けるように、彼女がいつになく強い口調で言葉を続ける。
「だからあなたに、一人の女性として愛されたいんです。だから…っ!」
俺は返事の代りに彼女を強く抱きしめて、その言葉をキスで塞いだ。
相変わらず卑怯なバカの一つ覚えだと思ったが、
不器用な俺にはこれぐらいしかできなかった。
「…俺も愛してるよ、美凪」
けれど唇を離したときに自分でも自然に、その言葉がこぼれた。
そうとも。
儀式とか治癒とか、本当は二の次なのだと思った。
今のお互いにとって一番大事なのは、心から愛し愛されたいと願う事。
そんな簡単な事に気づいたら、いつしか俺の肩の力も抜けて、
不思議なくらい楽な気持ちになっていた。
「…ひゃんっ!」
刹那、美凪が声をあげる。
いや俺、まだ何もしてないんだが?
あ、ひょっとして。
「美凪、お前耳が感じるのか?」
肩の力を抜いた時の吐息が、たまたま彼女のそこに当たったのだろう。
「…そんなことありません」
そう答えた美凪だったが、彼女にしては珍しく視線を泳がせる。
そんな見慣れない仕種が可愛くて、つい意地悪をしたい衝動に駆られた。
ふーっ。
「…い、嫌っ」
ふふーっ。
「…きゃうんっ!」
先ほどまで青ざめていた彼女の顔はいつしか真っ赤になって、
すねたような視線を俺に向けてくる。
そして彼女は、体を横にして息を吹きかけられた耳を隠してしまった。
ぱくっ。
「…あっ!」
俺は開いている方の彼女の耳たぶを、唇で甘噛みする。
「だ、駄目ですっ…」
はむはむはむ…
「…ひゃうん、あん、ああっ…」
耳だけでこんなに敏感に感じてしまう彼女に、俺はさらなる興奮を覚えた。
「な、何を?…やぁん!」
俺はバスタオルの下から、彼女の股の間に手を滑らせる。
茂みの中のスリットをなぞる指に、しっとりと濡れたものが絡みつく。
「ふふ…美凪は悪い子だな」
「だって…往人さんが…あっ!」
俺は開いているもう片方の手で、バスタオルの上から美凪の胸を揉みはじめた。
スリットに触れていた先ほどの手はそこを離れ、太ももの内側をなぞる。
楽しみは後にとっておいた方がいいからな。
そして両手を駆使しつつ、唇で再び耳への責めを開始する。
「…ああっ、はうううっ…」
慣れない三ヶ所への性的刺激に、彼女は敏感に反応していた。
俺は徐々に刺激の密度を濃くしていく。
耳を弄んでいた唇を、首筋からさらに下へ。
タオルの上から揉んでいた胸をはだけさせ、指は胸の外輪をなぞり、徐々に内側へ。
そして、太ももにある指を徐々に内側へと滑らせていく。
「…はああっ…往人…さんっ…」
与えた快楽に対して、美凪はやや控えめな声をあげる。
自制を失うまいと、耐えているようでもあった。
そんな彼女が意地らしくて、だからもっと気持ちよくしてやろうと思った。
彼女の美しい尻にもひけを取らない、形の良い乳房の中の乳首。
俺はその片方を唇で咥え、もう片方を指先で摘みながら転がす。
そして開いている手で、彼女のスリットの奥にある突起物を擦って刺激を与えた。
「…そっそれ…すごく、あんっ!…感じ…すぎて…あっ…ああんっ!」
荒くなる呼吸に甘美な声を載せて、美凪が喘ぐ。
悶えて動く体に、巻きついていたバスタオルはすっかりはだけてしまい、
股の間のシーツにはシミが広がっていた。
……!
俺はふと、股間に冷たいものを感じて動きを止める。
「…往人さんばっかり、ずるいです」
にんまりと笑う美凪。
そう、彼女が俺の股間の固いものに、両手で包み込むように触れていたのだ。
「み、美凪!?」
「ふふふ…おかえしです」
そして片方の手で竿の部分を、そしてもう片方で袋の部分を揉み始めた。
「…気持ちいい…ですか?」
その手つきはぎこちなかったが、されているという行為そのものが精神的に気持ちよかった。
だから返事の代りに、彼女への愛撫を再開する。
「はぁん…往人さん…上手です…」
俺はそんなに女性経験はないし、テクニシャンだとも思っていなかったが、
そういわれて悪い気はしなかった。
おそらく女性のほうが快楽を得られる箇所が多いから、余計気持ちよくなれるのだと思う。
そう考えると、少し羨ましい気もした。
ならば、もっとお互い深い快楽を得られるように…
ふいに俺が体を離したので、驚いたように美凪が見つめる。
快楽の責め苦から開放された安堵感に、少し残念そうな表情も込めて。
俺は彼女のとなりにごろんと横になると、口を開いた。
「美凪、一つお願いがあるんだが…」
「こう…ですか?」
美凪が俺にまたがるような格好になった。
しかし彼女の頭は俺の股間の方を向いていた。
つまり、彼女の尻がまさに俺の顔に突き出されているのだ。
いわゆる、69の体勢である。
「…往人さん?」
久々に見る彼女の尻だが、こうして目の当たりにしても本当に美しい。
「あの…」
世界一の美乳と言っても過言ではないだろう。
「…聞こえてます?」
「え?あ、す、すまん!」
慌てて俺は返答する。
「いやー、つい美凪の美しい尻に見とれてしまってな」
「…そうですか」
美凪は呆れたような、でもまんざらでもないといった口調で答えた。
「…往人さんのここも」
「へ?」
「おっきく、逞しくなってます…」
「そりゃ、美凪が魅力的だからな」
「…私が?」
「まあ、エッチな体というか…って、それより…っ!」
俺がそういい終わる前に、美凪は既にコトを始めていた。
その柔らかい手で俺の竿をそっと握って、先端部分に何度もキスをするように舐めてくる。
まるで猫がミルクを飲むような、ぴちゃぴちゃという音が聞こえてくる。
それが余りにも卑猥な響きを含んでいて、ますます俺の下半身に力が篭る。
美凪にもそれが解ったのだろう。
「…ぽ」
一瞬その動きが止まり、うっとりした表情でしばらく俺のそれを見つめていた。
かぷっ。
「み、美凪…っ!」
彼女はいきなり竿の傘の部分までを口に含むと、驚く俺にお構いなしに、
それをはむはむと咥内で弄び始めた。
時々舌なども使いながら。
「ううっ…み、美凪…」
「ふぁう…んっっ…ふわぁ…」
本来なら快楽を与えられている俺のほうが気持ち良くなるはずなのだが、
(いや、実際気持ちいのだが)
咥えている美凪のほうがより恍惚の表情を浮かべているように見えた。
俺は目の前にある彼女の美尻を両手で揉むようにして広げる。
うっすらとした茂みと控えめなスリットが、目の前に姿を見せる。
「…ふぁんわり(あんまり)…ふぃわいふぇ(見ないで)ふわふぁい(ください)…」
俺のあそこを咥えたまま、美凪がそう口を開く。
「どうして?可愛いよ、お前のここも」
そう言うと俺は、スリットをすーっと手のひらでなぞる。
「…ふぁうっ!」
「ほら美凪、休んでないで続ける」
「…ふぃいわうえふ(意地悪です)」
そう言いつつも美凪は、はむはむと俺の下半身への刺激を再開する。
刹那、俺は彼女のスリットの割れ目へ舌を滑り込ませた。
「…ふぁわん!」
大きく体を仰け反る美凪。
それが引き金になったかのように、
俺は執拗に彼女のスリットの奥の蕾を唇で刺激した。
時に啄ばむ様に、時にこすり付けるように。
「ふぁうん!…ふわぁ…ふゃっ!…あう…ふゃん!…ふぁわ…あふうっ!」
強い快楽が与えられるたびに、跳ねるような声をあげる美凪。
それでも彼女は健気に、俺への奉仕を続けていた。
が、しかし。
「…ふはあっ!」
ついに美凪は、咥えていたものを口から離してしまう。
「…はああ…わ…私っ!…も…もうっ!…」
荒い呼吸に混ざる、切れ切れの声。
おそらく絶頂が近いのだろう。
「…いいぜ、このままいっちまいな!」
俺はそう言うなり、激しく首を振ってさらなる刺激を彼女に与えた。
「…だ、駄目っ!…あ、ああっ!も、もうおかしく…や、やああんっ!」
彼女の股の間は、俺の唾液なのか彼女の中から染み出したのか解らないほどの大洪水であった。
「…ああんっ!…い、いっちゃうっ!…あっ、はああああああああんっ!!」
ひときわ大きな声をあげて、彼女はそのまま気を失った。
「…往人、さん」
ようやく目を覚ました彼女は、空ろな瞳で俺を見つめた。
「気が付いたか?」
「…はい。って、あ、あの…」
「ん?ああ、これか?」
彼女の意識が戻るまで、俺は彼女をぎゅっと抱きしめていたのだ。
「こういうの、嫌か?」
「嫌じゃないです…」
そう言うと美凪は手を広げて、俺の体をぎゅっと抱き返してきた。
「往人さんの体、広くてあったかくて気持ちいいです…」
「美凪の体も、柔らかくてすべすべして気持ち良いぞ…」
美凪の言葉に、俺も一瞬だけクールに答えてみる。
が、しかし。
「…さーてお前も目を覚ましたし、これからもっと気持ち良い事しようか」
どうもシリアスな雰囲気は俺には長続きしないらしい。
話題転換のつもりだったのだが。
「往人さん…ムードぶち壊しです…」
すねたように美凪が言い、
「あははは…」
俺は苦笑いで答えるしかなかった。
いくらなんでも、無理があったか。
「…でも、いいですよ」
「えっ?」
不意をつかれて声をあげる俺に、
美凪が顔を赤らめてなおもこう言う。
「もっと気持ちいいこと…したいです」
(;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ
(;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ
(;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ
(;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ (;゚∀゚)=3ハァハァ
本人がキタ…
>>312 なんか、まさに国崎往人といった感じだなあ・・・
さてさてこれからどうなるか(w
一箇所誤字発見。
>>309 ×美乳
○美尻
頼む、見なかったことにしてくれ。
みなぎシリスキーにあるまじき失態・・・
突然ですが、Hシーンにリアルってどれくらい必要でしょうかね?
例えば処女喪失後すぐ気持ちよくなってるなんて、よほどのテクニシャンでもない限りあり得ない。
お前童貞ちゃうんかと、思わずライターに突っ込みたくなる。
かといって、完全リアルに書こうとすると実は結構ショボーンな部分てあって、萌えないのも事実なんだな。
その辺りを踏まえたうえで(言い訳とも言う)続きをお楽しみくださいませ(w
美凪にとっては、まだ2回目のセックス。
まして、前回からかなり期間が開いている。
個人差はあるが、数回の経験を経て慣らさないと
挿入は痛いものだという。
俺は彼女を気持ちよくさせてあげられるだろうか?
ためしに、俺は彼女のスリットへと手を伸ばす。
そして人差し指をその奥へと埋めていく。
ぴくんっ、と体を硬くする美凪。
そして指を二本にして再び挿入しようとしたところで、
「くあっ…」
明らかに快楽ではなく苦痛で彼女の表情が歪む。
俺の股間の物は、この二本指より確実に太いのに。
「…私、大丈夫ですから…」
そんな俺の動揺を察したのか、美凪が健気にも笑みを作る。
もう少し、彼女のここをほぐしてやる必要がありそうだ。
俺は指を離すと、代わりに彼女の股の間に顔を埋めた。
「…往人さん?…あっ…はあんっ!」
蕾を舐め取ると、彼女は可愛い鳴き声をあげる。
「…あん…あっ…あん…あっ…あん、あうっ!はあっ、あうっ!はあんっ…」
俺は次第にその刺激の強さと、回転をあげていく。
「…あああんっ!あああんっ!!あ、あんっ!あ、あんっっ!!」
先ほどの69の体勢より、感じやすくなっているようであった。
体のほうも、かなりほぐれてきたようである。
「…だっ、駄目ですっ!わ、私またっ!…はあん!はあ…っ?」
俺はそこで、一旦彼女の体から顔を離す。
「…今度は、一緒にいこうな」
そう言って俺は笑みを浮かべる。
そして無言でうなづく彼女の唇を、激しく求めた。
股間の物を弄んだお互いの口同士、特に俺の方は彼女の愛液で
顔までびっしょりだったが、全然気にならなかった。
口内に舌を割り入れて、貪るように吸い合う。
そうしているうちに興奮して、すごくドキドキして、
一刻も早く彼女と一つになりたい気分になっていた。
それは美凪の方も同じだったらしく、
目が合うと、求めるような瞳で見つめてきた。
俺は彼女の両足を広げさせると股間の物をあてがい、
躊躇せず一気に刺し貫いた。
「…んぁっ!」
たまらず悲鳴をあげる美凪だが、まだ俺の全部が入ったわけではない。
その両足を抱えるようにしながら、ぐいぐいと腰を沈めていく。
「…んんっ!…くはあっ!」
十分に濡らして、体もほぐして、それでも男性の物を受け入れるには、
まだ彼女の体が慣れていないのだろう。
俺の物が入って行くたびに、彼女は苦しそうであった。
そして、ようやく俺の物が彼女の中に全部埋め込まれた時には、
彼女は額に汗びっしょりになって、目尻に涙を浮かべていた。
「…よく頑張った」
それが俺の、彼女に対する偽らざる感想だった。
そしてしばらくの間、そのままの体勢で彼女をぎゅっと抱きしめた。
「…あん…はあっ…」
ぎゅうと俺を締め付けていただけの膣内も次第に硬さが取れて、
まるで俺を取り込むかのように断続的な煽動を始めた。
「あんっ…往人さんが…私の中で…はあっ…動いて…」
だから彼女のこの言葉には色々突っ込みどころがあるのだが、
言葉の代わりに、俺はゆっくりと股間の物をグラインドさせ始めた。
「あうっ…ゆ、往人さんっ…」
「まだ痛むか?」
「…そうじゃなくて…嬉しくて、切ないです…」
「はい?」
「入ってくる時は体の中に満たされて…出て行くときはそれが去っていって…」
言ってることは意味不明だが、何となく気持ちは分るような気がした。
俺は次第に、腰の回転を早めていく。
「…ああっ!…往人さんっ…はあんっ!…」
「美凪のあそこ、気持ちいいよ」
「…わ、私もっ…はあっ!…すごく…い、良いですうっ…」
「もっと激しく動くからな」
「…はいっ…もう…めちゃくちゃにして…はあっ!…くださいっ…ああっ!はああんっ!!」
その言葉に、俺の理性のタガが弾け飛んだ。
「あうんんっ!…ゆ、ゆき…と…さんっ!…すごいっ、あうっ、はうっ…ああんっ!」
欲望の赴くまま、俺は一心不乱に腰を振る。
「…はんっ!あうんっ!!はあっ、ひゃんっ!ああっ、ああんっ!!」
「み、美凪…俺、そろそろ…」
「はあんっ、いいですっ…わたしの、なかにっ…してくださぁい」
荒い吐息に混ざった甘い声で、彼女がそう答える。
「わ、わかった…くっ、そろそろ出そうだ!」
「わたしもっ…はあんっ!もう…い、いっちゃいますっ!」
「ああ、一緒にいこうな」
「…はい、うれしい…ですっ……はうんっ!あああっ!」
「くおおおおおっ!」
「…い、いやああああぁぁぁぁんんんっ!」
そして俺たちは、同時に果てた。
刹那、俺と美凪の体が光に包まれる。
と同時に、少しづつ意識が遠のいていく。
不思議と驚きと怖さはなく、むしろ心地よさを感じた…
目を覚ました時、俺は神社と思しき境内の中にいて、
まるで中世の侍のような和装を身にまとっていた。
「こんなところにおったのか」
ふいに声がして俺が振り返ると、そこには巫女姿の少女が立っていた。
「…お前、誰だ?」
「何をたわけた事を!おまえは仕える主君の顔も忘れたか」
「はあ?」
少女の剣幕に、俺は訳がわからず目を丸くする。
「…神奈さま。柳也さまは連日の多忙な勤務でお疲れなのですよ…」
助け舟を出すように、部屋の奥から声がする。
ややあって、和服姿の女性が姿を見せた。
会った事はないはずなのだが、何故か彼女には妙な親近感を覚えた。
「うむ…余をからかういつもの冗談かと思ったが、そうではないようだな。
まあ、よかろう」
少女はようやく納得したようにうなづいた。
「しかし裏葉、そなたも何というか…いつもと雰囲気が違うぞ」
「…気のせいです」
少女の言葉に、裏葉が微笑んだ。
…裏葉だって?
驚く俺に、彼女は目配せする。
そして俺は、瞬時に情況を理解した。
目の前にいるのは、翼の少女の神奈。
そして侍女である裏葉…と言うより、
「美凪…なんだな」
小声でそう尋ねると、裏葉=美凪はこくりとうなづく。
どうやら俺たちは、その意識だけが過去の時代へと迷い込んだようだ。
神奈と美凪の三人で簡単な世間話をした後、おれは美凪と二人きりになる。
「これは、チャンスかもしれないな」
俺はそう口を開く。
「このまま俺たちがここに留まっているうちに、歴史を変えてしまえばいいんだ。
そうすれば呪いなんて起こらない」
嬉しそうな顔をする俺とは対照的に、美凪は何故か暗い表情を浮かべていた。
・
・
・
・・・にょわっ、またやっちまった!!
318と319の間、次の数行が抜けてます。
なくても文章的に通じる気もするですが、よかったら脳内保管してくださいまし。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「そろそろ、動くぞ」
俺がそう言うと、こくんとうなづく美凪。
「痛くしないように、少しづつするからな」
彼女は、こくこくと首と縦に振る。
そして俺は、股間のものをあまり抜き差ししないように気をつけながら
体を彼女の蕾の部分にこすり付けるようにした。
膣内刺激の経験の薄い女性には、こちらのほうが感じるらしい。
エロシーン、キター!
『超人戦隊バラタック<オープニングテーマ>』
超人戦隊バラタック
作詞:浦川しのぶ 作曲/編曲:小森昭宏
歌:水木一郎 コロンビアゆりかご会
好きなんだ バラタック!
強いんだ バラタック!
バラタック バラタック
大きな声で バラタック
みんなが呼べば バラタック
俺はロボット ことばはでないが
からだに流れる 正義の力
行くぞ悪党 怒りの一撃
「くらえ ビーム!」
「うけろ ミサイル!」
大空 海原 地の底までも
変身合体 つき進む
俺はバラタック 超人戦隊バラタック
326 :
原点回帰:03/02/24 14:13 ID:gxQBscqJ
あ、原点たんだ。
向こうのスレでのHシーン激しくきぼん。
修羅場に追い討ちかける陵辱・・・無理か?(w
色々あって、板から出ていくことになりました。
続きは、私のHPで書くことにします。
>>328 行政書士、勝手に晒すのもやめていただけるとありがたいのだが。
漏れが書いたのもあるんで。それだけ消すから教えてくれとか言われると困るがね。
他のまでとは言ってないがね。
狙ってやってるなら最後までたいしたもんだ。
何度もゆうが、自分の部屋でオナニーしてようと文句をゆうつもりはない。
あと、挨拶回りウザイ。そーゆーとこがオナニーだってのに。
まあ最後だとゆうならほっとくが。最後なら。
じゃ、さいなら。
332 :
原点回帰:03/02/26 02:41 ID:9R+PAkfi
まじかい。なんだかやたら叩かれてたしな……
でも別に自分で書いた美栞スレや志保スレのSSを消す必要は無いと思うんだが……
それに俺のSSも消したのね。自由にしてよかったんだけど。
まあ、どっちもあんたが消したいと思ったならそれが一番いいんだろうけどさ。
最後に、もしまだ見てたら一つだけ聞かせてくれ。
栞スレのあれはなんだったんだ?
俺があそこにいても別に不思議は無いと思うんだが。
前のカキコで最後のつもりでしたが、原点さんへの質問だけ答えてから消えます。
・・・あれ、ただの勘違いでつ(w
何か気になってたらごめんなさい。
栞スレ逝ったのあれが最初で最後だったので、常連さんだったの知らなかっただけでつ。
しかし寡黙氏もストーカー紛いの粘着につきまとわれて大変でしたね。
まあ気を落とさず頑張って下さい。
どんだけ恨みがあるのか知らないが、陰険なやり口だよな。
なんつーか、こういう粘着系のやつ生理的に嫌だわ。
気分悪い。