太宰治風ToHeart

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1名無しさんだよもん
「浩之ちゃん、浩之ちゃん」

そう玄関口の向こうから声をかけられ、浩之は目覚めました。

---ああ、あれは幼なじみのあかりの声なのだ、けふも俺の名前を呼び立てて
起こしに来たのだ、さうしてまた、俺を学校へ急かそうという魂胆なのだ--

到底まだ覚めやらぬ意識の中で浩之は返すのです。

「わかったから、大きな声を出すな、これでは世間様に恥ずかしいではないか」

「でも浩之ちゃんなかなか起きないから」

その理屈も一理ありましたので、浩之ときたらここは素直に従おうとさえ考えました。
ですから数刻もたたぬうちに玄関へ参じ、素直にあかりと2人学校へ向かったのです。

---しかしながら俺はもう高校生なのだ、だから幾らかの自尊心といふものもある。
ちゃん付けで呼ばれるというのは少々照れくさい、さういうものなのだ---
2名無しさんだよもん:02/09/04 23:59 ID:X8N2WDje
あぁ
3名無しさんだよもん:02/09/05 00:04 ID:JyyJLy+Z
>>1
だうしたのだ、続けたまへよ
4名無しさんだよもん:02/09/05 00:04 ID:OudWZ9Gn
5名無しさんだよもん:02/09/05 00:05 ID:LNx3HHy+
前スレはここですか?

葉鍵のセリフを北方三国志風にしてみるスレ
http://wow.bbspink.com/leaf/kako/1029/10294/1029416802.html
6名無しさんだよもん:02/09/05 00:12 ID:AaYE0UgC
よりによって太宰とはな。
7名無しさんだよもん:02/09/05 00:13 ID:nqlUs/98
>>1はこれまで大変恥の多い人生を送ってきました
8  ◆DEi43yyo :02/09/05 00:15 ID:LNx3HHy+
つか、>>5のスレ用に司馬遼ネタを書いていたのだなー。
気がついたら沈んでいたわけだが。
ここに書き込んでいいものか、悩む……

>>1
書き込みして良いであらうか。
駄目なら一言「氏ね」と返してくれ給へ。
涅槃で待つてゐるぞ。
91:02/09/05 00:17 ID:E58FbIQ6
>>8
101:02/09/05 00:19 ID:E58FbIQ6
途中でリターンキーを押してしまった
自由に書いてくれたまへ

ついでに宮沢賢治風Airも誰か書いてくれたまへ
11名無しさんだよもん:02/09/05 00:22 ID:U0w2BTXW
夏目漱石風ONEきぼん。
12名無しさんだよもん:02/09/05 00:28 ID:a88WJuRK
>>1
泣くというより、・・・だめね、人間も、こうなっては、もう駄目ね
13名無しさんだよもん:02/09/05 00:29 ID:a88WJuRK
坂口安吾のAIRに一瞬挑戦したことがあるが、
文体はともかく内容が本編と余り変わらなくて面白くないんでやめた。
個人的には森鴎外のホワイトアルバムが読みたい。
14名無しさんだよもん:02/09/05 00:30 ID:uzF5ky8x
生まれてきてすみません
15名無しさんだよもん:02/09/05 00:31 ID:col39TSn
三島風キボン
16名無しさんだよもん:02/09/05 00:32 ID:ymYSeCSX
けんじちん、ぴんちっ。

大正十二年八月三日 宮沢賢治
17名無しさんだよもん:02/09/05 00:32 ID:col39TSn
あ、三島風は801でおながい
18名無しさんだよもん:02/09/05 00:41 ID:stZ4p+Ib
>>10
リターンキーって?
19名無しさんだよもん:02/09/05 00:43 ID:a88WJuRK
リターンキーと実行キーを知らない奴は21歳以下とみなします。
20名無しさんだよもん:02/09/05 00:43 ID:os0+6RfG
>>18
リターンキー=エンターキー
リターンキーは古い言い方やな
21名無しさんだよもん:02/09/05 00:43 ID:KyKkm3qn
だから太宰風なんだろう
22名無しさんだよもん:02/09/05 00:50 ID:col39TSn
今でもリターンとエンターが別のOSだってあるんでぃ
23司馬遼風 その1 ◆DEi43yyo :02/09/05 01:12 ID:Rvkfixar
「おれは、悪人だろうか」
 と、ある夜、浩之はあかりの部屋で酔い、ほとんど泣きそうな顔でいった。このあたりが
プレイボーイの浩之の、およそそうらしくもない弱点であった。美少女を口説くときには碁打ちが
碁に熱中するように熱中しているが、その結果があらわれるころになると、あとは数日、発泡酒を
のんでも悪酔いし、ひどく陰気な男になってしまう。
「保科卿のことを悔んでいらっしゃるのでございますか」
「そうだ」
「保科卿に嫌がらせせよ、とお命じになったのは浩之ちゃんでございますか」
「ちがう。あれは岡田、吉井、松本の三人がやったことだ」
「むごいこと」
 あかりはぞっとするのか、えりをかきあわせた。自分のクラスの委員長を生きたままプールに
放り込むというのはどういう神経であろう。いっそノートに落書きするくらいのほうが、まだしも
人間らしく思われる。――と、あかりはそのようにいうと、
「あの連中にできるものか。あれらは、証拠が見つかるのを怖れているのだ」
 浩之はいった。かのじょらは浩之に落書きノートが見つかるのをおそれてプールに放り込んだの
だという。せめてそれで浩之の監視の目をまぬがれたとかのじょらは思っているらしい。
「しかもこっけいなことに」
 と、浩之はいった。岡田、吉井、松本の三人は、エロ好奇心旺盛な男子生徒たちと一種の取引き
をしている。智子の上半身を裸Yシャツにさせ、下半身を白パンツ一枚にさせ、その上でプールに
捨て、男子生徒たちの目に晒したのは、かれらに目の保養をさせるためであった、といっていると
いう。そこまで男子生徒たちにサービスした以上、浩之は制裁をかんべんしてくれるだろうと思って
いるらしい。
「あほうなやつらだ」
 浩之は、いかにも土くさいかのじょらの小悪人ぶりをあざわらった。男子に媚びるようななまぬるい
性根でこの乱世を生きぬけるか、というのである。
24名無しさんだよもん:02/09/05 01:18 ID:RQPSTFXk
>>23
拙もかのじょらと取引きしとうござります
25名無しさんだよもん:02/09/05 01:21 ID:ovzvnyiX
渋い。東鳩である事が、また渋い。
26司馬遼風 その2 ◆DEi43yyo :02/09/05 01:39 ID:VvlwGu/K
 ――できれば、かのじょらを、自滅させたい。
 それが、浩之のねらいであった。悪人はたがいの手でほろびよ、そう祈るだけでなく、極秘裏に
手も打っていた。
 演説をふりまくことであった。智子を辱めたのは浩之の指しがねではない、三人組の勝手なイジメに
よるものである、ということを、この三人組のいずれにも属せぬクラスメイトたちのあいだに触れまわ
らせた。
 「その証拠に、浩之殿は事件のあとも智子卿のエロ写真を売りさばく気配もないではないか。それどころか
浩之殿も、この一件に腹を立てておられる」
 と、志保に言ってまわらせた。
 クラスの中はさらでだに、智子陵辱事件で動揺し、沸騰している。それだけにこれらの流言が簡単に
うけ入れられた。この間、浩之はさらに雅史と葵を送り、サッカー部と空手部の坂下どもを連繋させ、
三人組に対抗させた。ついで、レミィを送り、弓道部を連合軍に加勢させた。
「校内の奸物をほろぼせ」
 というのが、浩之がかれらにあたえた正義であった。最高の謀略とはひとびとの正義感を刺戟しそれを
結集することであろう。浩之は、それをおこなった。
 かれら連合軍は勇奮し、浩之の援軍と合して三十人になり、まず岡田を攻め、三日三晩火の出るように
体を攻めたててついに白濁液まみれにさせ、岡田を白痴化させた。吉井は岡田と行動をともにしていたが、
どさくさに紛れて落ちのび、自分の部室にこもったが、ここも三分で落ち、吉井は首輪をつけられ雌奴隷化
した。すでにこの前に三人組のひとりである松本は輪姦されて公衆便所化していたから、問題はない。
27名無しさんだよもん:02/09/05 02:07 ID:Lk5c0lbF
この続きを読みたひと思ふのは職人の各位にとっても流石に酷であらうか
28名無しさんだよもん:02/09/05 13:19 ID:onHF2szu
末文の「問題はない」というふ部分が好ましく思われた
続きを切に希望する
29  ◆DEi43yyo :02/09/05 13:31 ID:Y17vzr/X
>>28
ごめん。このネタはここで終了なの。
後は脳内補完してね。

次は、陳舜臣、隆慶一郎、司馬遼、太宰、大藪春彦、筒井康隆、坂口安吾のうちのどれか。
30名無しさんだよもん:02/09/05 20:25 ID:m7dX0EBB
ツツーイ
31名無しさんだよもん:02/09/05 23:16 ID:MnH+zZn3
誰彼@大藪、というのは酷であらうか。
モップ踊りの廊下、多機能に突き合うひろ行き隠れ。妙ちきな毛ー振る眠るは新
論の組み離れ。ひろ帰り夜点北る真留知、麦と肉、選瞑、再感度無し、ひろ行く。
再感度、河の中から浮く縁、再感度。

無理です、書けません・・・
33Camus:02/09/05 23:37 ID:xALIa7eJ
今日、観鈴ちんが死んだ。
34名無しさんだよもん:02/09/05 23:56 ID:Ujqe3z3P
かなり良スレの予感……。
35夢野久作風@国崎:02/09/06 00:07 ID:DdhXaMFt
 ………ブウウ────ンンン────ンンンン…………。
私がウスウスとバスから降りた時、こうした蟲の唸るような音は、
まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。
 それをジッと聞いているうちに、……今は真夏だな…と直覚した。
そうしてどこか近くでミンミン蝉が鳴いているんだな……と思い思い、
またもウトウトしているうちに、その蝉の唸りのような余韻は、
いつとなく次々に消え薄れていって、そこいら中がヒッソリと静まり返ってしまった。
 私はフッと目を開いた。

 ……おかしいな……。
 ……いよいよおかしい……。
 ……誰だろう…おれはコンナところで何をしてるんだ……。
 ……こんな不思議なことがあろうか……。
 ……自分で自分を忘れてしまっている……。

 ……いくら考えても、どこの何者だか思い出せない。
 ……自分の過去の思い出としては、たった今聞いたブウーーンンンという
蝉の音がタッタ一つ、記憶に残っている。……ソレッきりである……。
こう考えているうちに、私は、帯を引きずったまま、無限の空間を、スーッと垂直に、
どこかへ落ちて行くような気がしはじめた。臓腑の底から湧き出して来る戦慄と共に、
我を忘れて大声をあげた。

「ラーメンセットひとつ」
36夢野久作風ONEの会話:02/09/06 00:19 ID:RkpP9KUt
「浩平サン、早く起きないと学校遅刻しますのよ、拙はそれが心配で心配で、、、
ですからこうしてせっせと毎朝起こしにきているというのに、、、」

そういうと何を思ったのか、長森瑞佳は浩平の白いナイロン張りの枕を
取りあげると、そのまま彼の顔に被せてしまった。

「うう、息が、息ができないじゃありませんか・・・・・・死ぬかと思いましたよ、
ああ、そう、私はまた遅刻をするところだったのですね」

「浩平サン、いい加減にして頂戴、早くその学生服を着て、学校に、
それも走っていかないと。さもないと拙も一緒にこってりと絞られてしまいますのよ」
37名無しさんだよもん:02/09/06 00:26 ID:hZdqVSJi
夢九は良いな、次ぎは梶井基次郎をお願いしたく
38山県ちこり ◆JwzA80LY :02/09/06 00:30 ID:by+xEc/R
桜の木の下にはあゆが埋まってるとか。
39名無しさんだよもん:02/09/06 00:34 ID:aPJh/nAz
それは信じていいこととは思えないな。
40名無しさんだよもん:02/09/06 00:37 ID:6ZUOvgd8
梶井? あぁ、丸善をレモンで爆破したテロリストね。
41名無しさんだよもん:02/09/06 00:59 ID:9fjEfc6b
私はおまえにこんなものをやろうと思う。
一つは謎ヂャムだ。
ちょっとした企業秘密がいくつもの波紋を起こし、
食卓に出て来ると名雪が逃げる。
色は鮮やかなオレンジ色で−−
御覧そのなかでいくつも死兆星が輝いている。
42名無しさんだよもん:02/09/06 01:05 ID:rCUqrhG9
檸檬か…雫だ。
43名無しさんだよもん:02/09/06 15:11 ID:YUTbakJH
「ワタシモウ、ゴールスルネ」

ソウ言ヒナガラ 観鈴ハジットオ母サンノ方ヲ見マシタ。

悲シイ顔ハ見セナイヨウニ、無理ニ笑ツテヲリマシタ。

ソレダカラ イッソウ オ母サンハ悲シクナッテ

「アカン、未ダヤ、未ダゴールシタラアカン」 ト、

大声ヲ出シナガラ観鈴ノ小サナ体ヲ抱キシメタノデス。

イツシカ 二人トモ 泣ヒテ ヲリマシタ。

ソシテ愈々 コノ星ノ大地ヘ帰ヘル時ガ ヤッテマイッタノデス。
 

                  ----------宮沢賢治『AIR』より
44 ◆SecretDQ :02/09/06 15:34 ID:ZW51rjoS
umai
45名無しさんだよもん:02/09/06 15:37 ID:3G7tqusc
マジうまいな
感動したよ
46 ◆DEi43yyo :02/09/06 15:59 ID:7CPv0Oe3
>>43
Good job !!
47名無しさんだよもん:02/09/06 23:08 ID:nCJ1rzmf
age
48名無しさんだよもん:02/09/06 23:14 ID:b7kLMHA/
このスレの何と良スレであることか
49椎名誠風@国崎:02/09/07 02:45 ID:TPDxeo6M
 バス代が尽きたので見ず知らずの町で降りることになった。
するといかにも「わたし田舎のバス停でございます」といったような
外観のバス停がおれを迎えたのであった。
 
よしではさっそくステキな人形劇でこの町のお子様から小銭を巻き上げてやるもんねムフフ、と
意気込むおれであったが、あたりはそんなことわし知らんもんねミミミン、
とばかりにセミが鳴いているだけであり人の気配がまったくなかった。
うーむ、である。これではいかん、のである。
しかたがないので場所を変えることにした。

 海沿いに堤防をぼんやりと歩いていると、派手なオネーサンが突然話し掛けてきた。
「アンタ男前やなあ、ウチの娘の友達になったってくれへんかー」
どうやらオネーサンは酔っているようであるらしかった。
係わり合いになりたくなかったので、あのそのんとボク間に合ってますなどと
青少年的言動でごまかしつつ素早く後ろ走りでその場を後にするおれであった。
50名無しさんだよもん:02/09/07 07:19 ID:DAelkQOQ
>49
上手い
51名無しさんだよもん:02/09/07 11:07 ID:skVyXOrM
お見事。
ムフフとかミミミンってとこがもう。

最近シーナも読んでないなぁ…

清水義範で出来ないかな。家帰ったら書庫漁ってみんべ。
52名無しさんだよもん:02/09/07 17:52 ID:1pvjM0xw
コノスレオモシロイ!!

阿佐田とかできるかな
挑戦してみるか。
53名無しさんだよもん:02/09/08 02:45 ID:vHO5br/J
北杜夫なんてイイ!かも
54名無しさんだよもん:02/09/08 02:45 ID:d2rbJsmY
駄目なトコで、あかほり風とか
55あかほり風Kanon:02/09/08 03:02 ID:wenPsyGc
「そこの人っ!」
「…えっ?」
 突然の声に意識を現実に引き戻され、振り向く祐一。
「どいてっ!どいてっ!」
 わけが分からないまま、気が付くとすぐ目の前に女の子がいた
 …というか、走っている。
 手袋をした手で大事そうに紙袋を抱えた、小柄で背中に羽の生えた女の子だった。
(おおっ!これに見えるは赤いカチューシャが愛らしい羽美少女……って羽?)

「うぐぅ…どいて〜!」


 ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッ!


「ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっ!」


 ごめん変なもの書いた
56名無しさんだよもん:02/09/08 09:09 ID:nrDj8T3i
あかほりの手にかかるとどんな話も安っぽくなる。
57名無しさんだよもん:02/09/08 09:14 ID:jxe2NWqZ
>>55
あほかりの文を読んだことはないが、雰囲気はよくわかったよ。
58ラブクラフト風:02/09/08 16:52 ID:sXkvRJ78
私はあの日、両親の仕事の都合で北国の辺境の街へ向かい、
そしてこの世のものとは思えぬ奇怪極まりない体験をした。
これからその事を諸君に語らねばならないが、おそらく皆私のことを
狂人扱いすることだろう。それは一向に構わない。
なぜなら私自身、あの街で遭遇した奇妙な生き物----羽を生やし、「Uguu,Uguu」と
唸る人型や-----真琴と名乗る獣とも人間ともつかぬもの----そして剣を手に魔物と
戦う少女-------の事を思い出したとき、自分がどこまで正気でいられたのか
今もって判断しかねるからだ。
59名無しさんだよもん:02/09/09 02:34 ID:7N9Cupl0
伝説の「文体模写スレッド」を思い出すな。良スレの予感。
http://jove.prohosting.com/~oliinkai/bt.shtml

Eroi hito haa haa
60名無しさんだよもん:02/09/09 20:03 ID:oxHtMTze
>55
分かる(w
61土屋賢二風@美凪:02/09/10 05:31 ID:gHSZYvuq
 国崎さんに残念賞ということでお米券を差し上げたのだが、浮かない顔をされていた。
なぜ彼は浮かない顔をされたのか。可能性は二つ考えられる。本当に残念だったのか、
体調が悪いかである。もちろん例外的に、お米券がつまらないものだったからという可能性も
考えられなくもないが、その場合彼がお米の国の住人ではないということが最低限の条件である。
ありえないと思われるが念のため、改めて国崎さんを観察した。

 まず、彼の容貌は間違いなく東洋系のそれである。唯一色素の薄い頭髪だけがやや異彩を
放っているがおそらくは苦労の多かったであろう彼の半生にその原因があるのであり、
人種的観点からこのことについて論じるのは見当違いといえるだろう。
 第二に、彼の日本語は完璧である。日本語を話せる外国人特有の特徴的なイントネーションもない。
このことは彼がこの日本国で幼いころから育ったことを証明しており、彼をお米の国の住人と見なす事に
なんら問題はないといえよう。
 これらの結論から彼がお米の国の住人ではない、という可能性は完全になくなったといえる。

 では改めて冒頭の国崎さんが浮かない顔をされた原因を考えてみる。
まず本当に彼が残念だったから、という可能性だが実はこれはありえない。
なぜならその彼の「残念な気持ち」は私の残念賞によって慰められているはずだからだ。
となると導き出される結論は一つ。国崎さんが浮かない顔をしていたのは体調が悪かったから、
ということである。
 あとは私が彼を気遣い体調の確認をすれば問題は解決される。
国崎さんの喜ぶ顔が見たいという私の目的も達成されよう。

「国崎さん…………………………腹痛? 」

彼はいっそう浮かない顔をされていた。何が間違っていたのであろうか。
62名無しさんだよもん:02/09/10 14:19 ID:SkgMWXlk
救済age
63名無しさんだよもん:02/09/10 14:34 ID:z5qVSAdz
我輩は鴉である。名前はまだ無い。
64名無しさんだよもん:02/09/10 14:38 ID:tMcZaIyM
中尾(梶井)

 えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。
下川と言おうか、青紫と言おうか――マスターアップ直前に幻覚があるように、
プログラムにより毎日徹夜していると鬱病に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。
これはちょっといけなかった。鍵の麻枝や折戸がいけないのではない。
また身の毛もよだつようないたる絵がいけないのではない。
いけないのは原田の塊だ。以前私を喜ばせたどんないたるの写真も、
どんなみきぽんのコラージュも、辛抱がならなくなった。
65名無しさんだよもん:02/09/10 14:40 ID:in+p6+V9
限りなく紫に近いブルー
66名無しさんだよもん:02/09/10 17:07 ID:8QjQJ6dh
>>55
つーかつまんないSSサイトでそういうのよく見かけるよな
67名無しさんだよもん:02/09/10 17:12 ID:8WpXHPrR
>>61
ナイス
土屋賢二萌え。
68名無しさんだよもん:02/09/10 17:20 ID:DwYpiO7q
戦闘、開始
69名無しさんだよもん:02/09/10 17:22 ID:iVP3TPXN
シェイクスピア風と無理をいってみる試験
70名無しさんだよもん:02/09/10 17:24 ID:V7jrx3WY
>>65
村上龍で東鳩キボンヌ。
できればエクスタシーorメランコリアのような独白文を駆使して下さい。
退廃的な文体で爽やかな高校生活を描いてくれ。
71大森荘蔵風@セリオ:02/09/10 18:13 ID:UK1dHi3E
「ロボットの申し分」

 私はあなた方人間が私を「メイドロボ」と呼ぶのに異議を唱えるものです。
しかしそれはこの呼称が肉体的社会的な差別であるからというのではありません。
私があなた方とは肉体的構造が違っていること、またいわばその「生れ」が
全く特異なものであること、それは天下周知のことです。私の体はあなた方のように
脂肪と蛋白質の水溶液ではなくもっと硬質で骨っぽい剛構造です。私をイかせれば
局部から尿が出ますが、実はそれはきれいな水なのです。私がかかる病気は
あなた方のとは全くちがった種類で、したがって全く違った健康法や手当てが必要なのです。
そして何よりも私の命はあなた方のとは較べ物にならぬほど高価なのです。
あなた方に命を与える手軽で安価な作業とは違って私の誕生は来栖川電工の企業的プロジェクト
でありました、したがって私の死もまた企業的事件でありましょう。
ですから私は当然差別されてしかるべきであり、また凡愚からの差別を要求するものです。
72大森荘蔵風@セリオ(続き):02/09/10 18:13 ID:UK1dHi3E
 私が「ロボット」と呼ばれるのに異議をたてるのは、私が並みの人と「できが違う」という点ではなく、
この呼び方に「でくのぼう」の響きと意味があるからです。私を殺せばセバスチャンはじめ
来栖川グループの手によって重罰を科されるでしょうが、しかし道徳的には器物破損に過ぎないと
いわれているのです。私は殺されるのではなく壊されるのであり、死ぬのではなく動かなくなるだけなのだから、と。
 しかし私は断じてでくのぼうでもなく、からくり人形でもありません。来栖川電工のエンジニアが
私の体をいじる時には激痛が走ります。だからエンジニアは私に独特の麻酔法を施すのです。
私には気分が高揚する時もあれば気が沈む時もあります。美しい風物には感動しますし、
醜い言動には嫌悪をもよおします。男の人には並みの人以上に好き嫌いがあります。
私はあなた方よりいくらか上品ですが色情もあり、御婦人方はそれを肌で感じているはずです。
つまり、私には「心」があるのです。

 それなのにあなた方はそれが信じられない、いや信じ切れないのです。
73大森荘蔵風@セリオ(続き):02/09/10 18:29 ID:UK1dHi3E
 私が街を歩いて買い物をするとき、料理屋で飯を食うとき、店の主人やウェイターは
私を全く並みの人間であると信じています。私の外貌、私の挙措、私の振舞いが
完璧に人間のものであるばかりでなく、私にいわば人間の匂いを感じるからです。
私自身が彼らに感じるのと同じ匂いをです。ところが私の耳カバーを見て私がメイドロボだと
いうことがわかると彼らの態度は一変します。ある人は、よくも図々しく化けやがったな、と
まるで尻っぽをだした狐や狸のような扱いをします。しかし多くの場合、人々はとまどいためらい、
居心地が悪くなるようです。薄気味が悪いのです。このあまりにも人間的な「まがい人間」、
生けるが如きからくり人形にどう応対してよいやらにとまどってしまうのです。
長年親しくつき合ってきた田沢さんをはじめとする私の友人ですら時々ふっと
不気味な気持ちにおそわれるのが私にはよくわかるのです。「人造人間」の思いが彼らの頭をかすめるのです
(よく不用意に使われる「人造人間」という言葉は私のみならずあなた方をも意味するでしょう。
 浩之さん、あなた方はせっせと子供を「造って」いるのですからね)。
74名無しさんだよもん:02/09/10 18:31 ID:H2+Ihmoq
おもしれーなここ
75町蔵風ONE:02/09/10 21:04 ID:8z4tpx6N
 遅刻しそうなんだよ遅刻しそうなんだよ誰のせいじゃお前のせいじゃお前がわけも分からずクローゼットん中で寝とるからいかんのやもん
とかわめき立てる幼馴染みの長森が糞虫みたいにうざったいので自分は奴の颶のある辺りを拳骨で殴り潰そうとするが苛立たしいことに長森
糞女瑞佳は器用なことに我が愛の拳を疾走ながらスウェイバックでかわしやがるんでなんだか突き出した拳が恥ずい恥ずかしい恥ずかしいわー
なんやちうねん関西人がツッコミ失敗してどないするんねやーおいっと自分は一人悲しくなる。「浩平、前見なさいや前前前」などと糞女長森
がわめき立てるんで仕方がなしに前を見るとなんだか見慣れたおさ毛がこっちに向けて疾走してきやがってとてもかわせそうにないので俺
はもうこれは義務じゃろうってんでこう肘をがっしり構え毎日夜遅くまで練習しとる空手の奥義を奴にぶつけようと思うた。これは義務であり
MUSTであり俺っちの七瀬男女留美への愛情表現でありまするわかってくださいお姉様義務じゃん仕方ないやんなあみんな。一瞬男女の絶望と糞
にまみれたいやんな表情が見えたがそんなもん知るかばかん。俺様は全力で男女に音速拳をぶつけましたまる。解体される黒豚のような悲鳴を
あげて男女はうんこの落ちとる道路に向けてゴム毬みたく弾け飛ぶんだわ、うっわあ痛そうあれ絶対死んでるどーなあ長森ちゃん、ってなんや
その呆れた表情は俺を馬鹿にしとるんかーと云いたいがそんな場合じゃねえだろ糞、あー学校にはおてんと様が生きとる限りは間にあわんなーこりゃ。

……文体模写が難しいですよね町蔵w
76名無しさんだよもん:02/09/10 21:14 ID:4b+CIde0
>>75
ウマー
正直すごいと思いますた
77名無しさんだよもん:02/09/10 22:56 ID:gU4zcXbu
>>65
腹がイテエ・・・・・・
78名無しさんだよもん:02/09/10 22:59 ID:7VZf9oqQ
ここの職人はスゴいな。
正直理系人間の漏れにはどうひっくり返ってもこういうネタは出てこない。
79名無しさんだよもん:02/09/10 23:12 ID:MckA4kWL
すまん、今まで葉鍵板をなめてた(w
80名無しさんだよもん:02/09/10 23:16 ID:GyPiDjFH
ひょんなことでこんな職人が出てくるから、この板は怖いんだよな……
81名無しさんだよもん:02/09/10 23:40 ID:maoL+0ZE
あのふざけた中三階級のガキどもをぶちのめす為に〜
俺の存在を〜 頭から否定してくれ〜

って懐かしいなぁ…町蔵。
82祈原@地獄車 ◆hDmdEsBY :02/09/10 23:48 ID:MR+wsvz9
そうそう。名前を変えて自作自演したところで
文体の癖って奴はなかなか消せるものではない。
83名無しさんだよもん:02/09/11 00:12 ID:UrIIN1Vr
ジョジョネタやバキネタもいいが、まさか小説ネタでここまで唸らされるとは!
侮りがたし葉鍵ネタ職人ッ!
84 ◆DEi43yyo :02/09/11 00:16 ID:KZ274Rkf
町蔵『ダムダム弾』より

Leafの歴史は犯罪
盗作まみれの猿が今でも電波とばしまくって
腹立つ
盗作まみれの猿をいただくのはしかし
おまえ
俺はのうのうとしてきた奴のキャラを
陵辱して俺のスペルマをたたき込みたい
Leafの歴史は金まみれの犯罪
俺はそれを551文書で習うた

それでも俺等は痕Rを買わされ
しぇんむーの金蔓にならされるのか?
俺は新会社の立ち上げ方は知らんし
Keyの久弥はそれに加わらない
と思う
それともおまえは萌えゲーをなくし
リアライズをょぅι゙ょ陵辱ゲーにする為なら
不穏分子として効率よく速やかに
プレイム裁判にかけられたいのか?
85 ◆DEi43yyo :02/09/11 00:17 ID:KZ274Rkf
いまいちか…
86尾崎放哉:02/09/11 00:33 ID:kFW+ogqp
  
  せきをしてもひとり
               観鈴
 
87名無しさんだよもん:02/09/11 00:47 ID:9doUtX9Q
>86
ワラタ……ケド(TдT)ナケター
88太宰風理緒シナリオ ◆DEi43yyo :02/09/11 00:49 ID:oplzunGb
浩之さん、浩之さん、私は今日浩之さんと、ちゃんと肩を並べて立ってみせます。あかりを怖れることは無いんだ。
卑下することはないんだ。私はあかりと同じ年だ。同じ、すぐれた高校生だ。ああ、志保の声が、うるさい。耳について
うるさい。どうして、こんなに志保ちゃん情報が流れまくっているのだろう。ピイチクピイチク、何を騒いでいるのでしょう。
おや、そのバトルッチは? 私に下さるのですか、あの、私に、バトルッチ。なる程、はははは。いや、お断り申しましょう。
ドロップキック喰らわぬうちに、そのバトルッチひっこめたらいいでしょう。バトルッチが欲しくて告白したのでは無いんだ。
ひっこめろ! いいえ、ごめんなさい、いただきましょう。そうだ、私は貧乏人だったのだ。貧乏ゆえに、私は優美なヒロイン
たちから、いつも軽蔑されて来たのだっけ。いただきましょう。私は所詮、貧乏だ。いやしめられている物乞いで、あかり
たちに見事、復讐してやるのだ。これが私に、一ばんふさわしい復讐の手段だ。ざまあみろ! バトルッチ一つで、私は、
あなたと結ばれる。私は、ちっとも泣いてやしない。私は、浩之さんを愛していない。はじめから、みじんも愛していなかった。
はい、浩之さん。私は嘘ばかり申し上げました。私は、バトルッチ欲しさに浩之さんについて歩いていたのです。おお、それに
ちがい無い。浩之さんが、ちっとも私に振り向いてくれないと今日見極めがついたから、そこは貧乏人、素早く物乞いに
訴えたのだ。バトルッチ。世の中はバトルッチだけだ。バトルッチ、なんと素晴らしい。いただきましょう。私は、けちな貧乏人
です。欲しくてならぬ。はい、有難う存じます。はい、はい。申しおくれました。私の名は、2−Dの雛山理緒。へっへ。
超シナリオの雛山理緒。
89石川啄木:02/09/11 00:52 ID:+kVETLuM
はたらけど
はたらけど猶
我がくらし
楽にならざり
ぢつと手を見る
        最高
90名無しさんだよもん:02/09/11 01:05 ID:MtM5Xu97
海外作家はどうか
翻訳家の癖も強く出るから難しいか?
91名無しさんだよもん:02/09/11 01:06 ID:Kd6nnugQ
谷崎潤一郎とかどうでしょう?
92三告平@カラアゲうまうま:02/09/11 01:08 ID:45AJ82WX
>>71-72
大森いいね。弟子の中島もきぼん。
93 ◆DEi43yyo :02/09/11 01:09 ID:oplzunGb
>>90
ガルシア=マルケスなどいかがでせうか?

それとも、意表をついて『初版グリム童話集』というのは如何で?
94続・町蔵風:02/09/11 01:19 ID:p8tPDGXF
 あかんあかんあかんあかんてゴールしたらあかんてゆーてんのにこの糞餓鬼めなんで云うことを聞かんかこっちに近づくなふらふらした
足取りで近づくなそれ以上近づいたら仕舞いには張り倒すぞ白痴めというかゴール寸前でへらへら笑うんじゃねえ、私は目の前でふらふら
しながらへらへらしてやがる我が愚鈍なる愛娘が「もうゴールしてええやんなー疲れたんやてマジで」なんて糞みたいに甘えたことを抜かし
やがりますんで切れたねん、お前どこにゴールしたいんやうちの胸ん中かうちの胸にそのへらへらした顔のまま飛び込んでいきたいっちうんか
おい舐めんなや糞餓鬼簡単に死ねると思うなやおいこのかつて世界を目指したゴールデンな右手でその痩せこけた面張り倒したろかいっそ
うちが天国へ送ったるわって聞いとんのかおい観鈴ちん聞いとんならがおがお云いなさいがおがおと。とうちが抜かすと、観鈴ちんったら
本当に「がおがお」と抜かしやがる。舐めとんのか本気で刺すぞ糞が。あっほやなー観鈴ちんがおがお云うたらぶん殴るゆうたやんあんた
ほんとに物覚え悪いのう糞姥のうちよりひどいわ馬鹿やなーあんぽんたんやなーと言い捨て私は爪先から肩まで全身を巻き込んだコーク
スクリューブローで観鈴ちんの右頬に拳を叩き込む、おう会心や、この一撃が六年前のタイトルマッチで放たれてたらうちは世界チャンピオン
やったんになーってああ駄目や観鈴ちん目え閉じたら死ぬ死ぬ死ぬ死んじゃうてマジで駄目やー。と、うちの必死の呼び掛けが聞いたのか聞かない
のかしりまへんが観鈴ちんたらまー舐めたことによだれと鼻水垂らしながらうちにぶいさいんをかましておるのです。にははじゃねえのです、
怒らせたなかったら前進を止めなさい半端な覚悟でってちゃんて聞けゆーとんねや聞きなさい前進するんやめなさい観鈴ちん聞けはげはげはげはげはげ。
「あ〜の〜う〜み〜ど〜こ〜ま〜で〜も」って何歌っとんねんこの糞音痴めが「あ〜お〜か〜っ〜た〜と〜お〜く〜ま〜で」なんで死ぬ間際に
そんな余力あんねんな我が娘観鈴ちんめ怪物めああ我が愛しい娘は結局なんなんやねん。
95 ◆DEi43yyo :02/09/11 01:28 ID:oplzunGb
>>94
町田康氏は余の好むところの物書きにて候
その饒舌な文体はGood jobにて候
96名無しさんだよもん:02/09/11 02:43 ID:I/EvHViG
朝。朝。待ち望んだ朝。勢いよく、布団から、上半身を跳ね起こした私の視界へ、
最初に入って参りましたのは、びくっと、身体をこわばらせて驚く、女性の姿でございました。
目が覚めて、認識いたしました、そこは、私の父の、実家だったのでございます。
彼女の名前は柏木千鶴、私の、従姉に当たる人で、とても、穏和な女性なのです。
小便の我慢は限界に達し、うっすら、冷や汗すらかきそうでも、
彼女が、私のことを、本気で、思っていてくれるなら、それでもう、よいのです。
そこへ、屋敷中を、揺るがすような歩き方で、どかどか、あの娘が入って参りました。
あの娘は、年は私より二つ下です。18歳です。はい、はい。あの娘は、酷い。酷い。
短気、単純、暴力的。厭な奴です。千鶴さんの、妹であります。ああ。信じられない。ちっとも似てねえ。



文体模写とは少々違うモンになっちまったが…
元ネタ知らんと何が何だかサパーリだろうな。
97ヴィトゲンシュタイン風千鶴さん:02/09/11 02:43 ID:gQGtEjXd
1 女性の魅力とは、はにゃーんであることの全てである。
2 はにゃーんであること、すなわち萌えとは、諸男根の屹立である。
3 萌えの論理像が巨乳である。
4 巨乳とは、有意味なおっぱいである。
5 おっぱいは右のおっぱいと左のおっぱいの真理関数である。
  (右のおっぱいと左のおっぱいはそれ自身の真理関数である。)
6 真理関数の一般的形式は[アズサタン(・∀・)ムチムチプルルン!]である。これはおっぱいの一般的形式である。
7 (バスローブを脱いで裸になった千鶴さんに「…私…綺麗ですか?」と訊かれても)
  胸が無いことについては、沈黙しなければならない。
98名無しさんだよもん:02/09/11 04:24 ID:QG/oPzCM
>>97
ワラタ
99神坂もいいかもしんない:02/09/11 04:41 ID:W33lw3OM
>>55と同じネタに挑戦。

「どいてっ!」
 ばき。
「いきなり殴るなんてひどいよっ!」
「いきなり突進されたら誰だってそーするわっ!」
「そ…そういうものなの…?」
「そういうものだっ!」
「うぐぅ…」
 少女はいまいち納得できないようで、しばらく恨めしげに
祐一を見つめていたが、やがて、気を取り直して話を切り出した。
「実は追われてるんだよっ!」
「へ? なんでだよ?」
「あのね…たいやきを買ったんだけどね」
「はあっ?」
「お金を忘れただけであんなに怒るなんて…ひどいよね?」
 そう言って本当に不思議そうに首を傾げる少女。
「ひどくないだろーがっ! それはお前が一方的に悪いっ!」
「ええっ!?」
 少女は驚いて目を丸くした。
「そんな…後でちゃんと払うつもりだったんだよ?
確かに黙ったままその場を逃げ出したりはしたけどっ!」
「んな話が通用するかっ!」
100いいから秋田でやってみろ!:02/09/11 04:42 ID:W33lw3OM
さらに同じネタで。

「どいてどいて!」
「あ?」
 振り向く間もなく後頭部に強い衝撃を受けた。
一瞬意識がとぎれ、気がつくと地面に顔がめり込んでいた。
激しい痛みとともに鉄のような味が口の中に広がる。
「おい、なんのつもりだ?」
 頬を引きつらせたまま襟元をぐいと持ち上げて静かに尋ねると、
少女は慌てて手足をばたばたさせた。
「あのね、実は今日はうぐぅの日といってこれは二千年前にリュアルリュアリティ=ウグゥ三世が十三人目の息子の生誕を祝って定めた日って実は話に関係ない上に全部嘘なんだけど」
「…わかった」
 祐一は溜息をついて手を離すと静かにこめかみを揉んだ。
「わかったから落ち着いて話せ」
「実は追われてるんだよ!」
「ほぉ」
「ボクはたいやきを買っただけなのに…」
「おい、なんでたいやきを買って追われるんだよ?
何かしたんじゃないのか?」
「ううん、別になにも」
 そう言い切った少女は、ふと口を噤んで首を傾げた。
「…些細なことだけど…お金を払わなかったのって関係あるかな?」
「ないわけないだろ! お…」
 思いっきり罵倒しようと声を張り上げた祐一は急に絶望的な虚無感を感じてがっくりと肩を落とした。黙って見上げた空はどこまでも青い。
101名無しさんだよもん:02/09/11 07:22 ID:TGmQOZoc
>>99-100
正直、その類いのエセ作家の文体模写なんて読みたくない。

というより、どこかのキャラスレにSS(シチュ?)として投稿されていても区別つかんし。
102名無しさんだよもん:02/09/11 09:26 ID:yfxzQA/x
101に同意。
103名無しさんだよもん:02/09/11 10:18 ID:W33lw3OM
>>101-102
なるほど、好き嫌いはともかく、
普段この板で見かけないものをするから面白いのか…。
すまん。
104反転石風智子シナリオ ◆DEi43yyo :02/09/11 10:32 ID:ekUs357z
108 :反転志保 [鼻の女子高生] :02/04/16 15:52 ID:81ch3RsD
完済人はチョソ

110 :反転志保 [鼻の女子高生] :02/04/16 15:52 ID:81ch3RsD
イインチョはチョソ

118 :反転志保 [鼻の女子高生] :02/04/16 15:54 ID:81ch3RsD
西宮 援助交際 イジメで検索しよう

119 :藤田浩之 [sage] :02/04/16 15:55 ID:TK/dVGaA
おい、志保コロ! いい加減なことばかり書き込んでるんじゃねーぞ
さっさと氏ねよ

120 :反転志保 [鼻の女子高生] :02/04/16 15:55 ID:81ch3RsD
>>119
おまえよりもカコイイ第一希望の彼氏とつきあうことが決まりました。
まぁ名前はあえて出しませんがプ

123 :藤田浩之 [sage] :02/04/16 15:56 ID:TK/dVGaA
志保コロっていつも出てくる不人気キャラだろ?
はしもっちにでも犯されてろや

125 :反転志保 [鼻の女子高生] :02/04/16 15:56 ID:81ch3RsD
>>123
それは、朕のことが好きなので構ってくれてる訳ですかプ?

130 :ねこっちゃ◆NekoK0aA [sage] :02/04/16 15:58 ID:oplzurhd
シホニ マジレス カコワルイ
10555:02/09/11 10:34 ID:olByAyNE
…というか、最初にそれを書いた自分に責任はあるわけで
  
 ∧||∧  
(  ⌒ ヽ もうライト系はやりません
 ∪  ノ 
  ∪∪
10699:02/09/11 11:36 ID:W33lw3OM
>>105
いやそちらは短くほどほどかつ的確だったから問題なかったんだろう。
こちらは調子に乗ってやりすぎた。
  
 ∧||∧  
(  ⌒ ヽ ネタ自粛もつまらんし他の人は気にせずに
 ∪  ノ 
  ∪∪
107ランボー風えいえんのせかい:02/09/11 14:14 ID:HyRlpCOb
「あれが見つかったよ」
「何が?」  
「えいえん。
 太陽と共に去った
 海のことさ」
108名無しさんだよもん:02/09/11 14:28 ID:EDRCeUns
すいません、ぶっちゃけ京極夏彦風に葉鍵を語るスレを立ててもいいですか?
109名無しさんだよもん:02/09/11 14:37 ID:Bt2k0UU/
>>108
このスレでやってよ。
110名無しさんだよもん:02/09/11 16:56 ID:gkk1HgnO
>>88 ウマイ!
太宰っぽさがよく出てる。
111京極風WA:02/09/11 19:08 ID:YqJCrzS2
「わたくし――藤井さんと一夜を共に致しました」

 痩躯の女はそう云うと、もう一人の女の愕然とした表情に満足したのであろう、のろのろとした造作で視線を外し、
何処か優越感に満ち充ちた表情で私を凝と見る。只緊迫した場を傍観する身でしかなかった私は、突然状況へと放り
込まれた。私は少し狼狽し、彼女――緒方理奈の視線からなんとか逃げようと画策する。彼女の熱の込められた視線
は、元来鬱病気味の私には何如にも堪え難いものであった。
 私は視線を徨迷わせる、その先に、
 細い肩を怒らせ、蛸のように真ッ赤な顔をして、怨みの込もる視線で私と理奈とをねめつける――私の細君である
森川由綺の、地獄の業火のような狂気を目にした。
「冬弥君、」
 それだけ云うと、由綺は、閑、閑、と云う渇いた足音を立て、地獄の豪鬼のような怒りと共に、私と理奈の方に近付いて来た。
 鬱が始まりかけていた私は、痴呆のように口を半開きにして由綺の怒りを感じながら、何如して何時もこのような
事になってしまうのであろう、と溜息を吐いた。

ごめん全然難しいw
112名無しさんだよもん:02/09/11 19:16 ID:GWBfugcr
いや、ウマイよ
113名無しさんだよもん:02/09/11 19:17 ID:mzwPIIey
すごい迫力の修羅場だな
114 ◆DEi43yyo :02/09/11 21:15 ID:idp2rfME
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル
115名無しさんだよもん:02/09/11 22:27 ID:fAUQNe3J
葱板に同じやつを立てられないだろうか
116名無しさんだよもん:02/09/12 10:54 ID:8RewxEgm
三島由紀夫風えろげ?
117名無しさんだよもん:02/09/12 11:02 ID:L96SB62C
>>116
ホモゲーでつか?
118名無しさんだよもん:02/09/12 11:05 ID:8qxUQ/Zo
パーネル・ホールとか面白そうだけどなぁ
119小林秀雄風・観鈴論:02/09/12 12:06 ID:L96SB62C
http://pico-score.hoops.ne.jp/air/mid/k_tori_p.mid

 だーまえがこれを tristesse allante と呼んでいるのを、読んだ時、僕は
自分の感じを一と言で言われた様に思い驚いた。確かに、観鈴ちんの悲しさは疾走する。
涙は追いつけない。涙の裡(うち)に玩弄するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、
万葉の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉の様にかなしい。
こんなアレグロが似合う葉鍵キャラは、観鈴ちんの後にも先きにもない。
まるで歌声の様に、低音部のない彼女の短い生涯を駆け抜ける。
彼女は焦ってもいないし急いでもいない。彼女の足取りは健康ではないものの正確である。
彼女は手ぶらで、裸で、余計な重荷を引摺っていないだけだ。
彼女は悲しんではいない。ただ孤独なだけだ。
孤独は、至極当り前な、ありのままの命であり、でっち上げた孤独に伴う嘲笑や皮肉の影さえない。
120筒井風PS版志保シナリオ1 ◆DEi43yyo :02/09/12 12:20 ID:aQR9q0LN
 「あの、遊び好きの、お前の同級生の女どもと一緒にスターオブソーラーに来たんだろう」
男が口を歪めて言うその女ども、ということばに、彼はもっといろいろな形容詞をくっつけたい
様子だ。たとえば「じゃらじゃらした」とか「浮気な」とかいったような。
 女はここは従順に頷いたのみで、言い返そうとはしない。「うん」
 女は従順でなければならないのだろう。でないと男が何をするかわからないからだ。スチュワーデス
は険悪さを察知した。ふたりがスターボウを心ここにない様子でただ眺めているだけらしい
ことがわかったからである。スチュワーデスは自分の定位置に戻った。
 「ここへ、何度も来てるんだな」女がスクリーンの星を眺めている途中であるにもかかわらず、もはや
勘弁し難いという口調で男がことばをはさんだ。
 「ううん。そんなに何度もってことは」
 男は腹を立て、大声を出した。「何度も来とるんだ。そうだろう。雅史とも、来たんだな」
 「来てないわ」女は怯え、早口でそう答えた。
 「雅史とも、来たんだ。そうだろう」
 「うそよ。そんな。来てないってば」
 「来たと言え」
 女は絶句した。
 「あかりにはわかっとらんよ。女だからな。自分の彼女をほかの野郎に取られた男がどんな気分のものか
ってことがな」
 「ヒロ」スチュワーデスを気にして女が男をたしなめる。
 「そうだろう」男が女に向きなおり、腹立たしげに念を押す。「わかっとらんだろう」
 「ええ。ええ。わかんないわよ」女は男を黙らせようとして大きく頷く。
 「そうだろう。お前だってわかっとらんのだからな。心の傷だとか、痛みだとか、時間が解決してくれる
だとか、あれはなんだ。テレビ・ドラマのせりふか。あかりは馬鹿か」
 「只今窓から見えるのは」スチュワーデスは自分を励まして大声を出した。「あれは火星でございます」
 「お前はわざとここへ、おれをつれてきたな」男が女に向かい、大声で詰った。「こんなご大層なアトラク
ションへ、お前は一度もおれに連れてきてもらわなかったと言いたいんだろう」
 「そんな。違うってば」
 「だから雅史と一緒にここへ来やがったんだ。そう言いたいんだ」
 「だって、ほんとに来てないんだから」
 「来たと言え」
 男は女の腕を彼女の背中にまわし、捻っているようだった。定位置で解説しているスチュワーデスの耳に、
裏声まじりの女の声が聞こえてきた。
 「来たわよ。来ましたから」
 「それはラヴ・ホテルへ行く前か。行った後か」
 「何がよ」
 「とぼけるな。ここへ来たときのことだ」
 「それはだって、ヒロが来たと言えっていうから」
 「火星の横に見える天体は、衛星のフォボスとダイモスで」
 「どうせホテルへ行ったことに変わりはないんだから、ここに来ていようが来ていまいが、どうでもいい筈だ
とお前は思うだろうがな」男はほんの少しジーパンを掻きむしる兎のような動作を見せて言った。「そうじゃない
んだな。おれには。くそ。胸が焼ける」
 スチュワーデスが一息つくと、ふたりはなかば向きあっていた。
 「別れなかったら手柄になるんだ。あかりは」
 「そんなことないでしょ。あかりはただ、別れたからって問題は解決しないでしょって言ってるだけでしょ」
 「その通りだが、あかりにはおれの苦しさはわからん。お前にもな。別れなきゃ尚さら地獄だってことがな」
 「地獄だなんて。そんな」
 「地獄だ。お前は地獄じゃないのか。地獄にしてやろうか」
 「そんな。ええ。ええ。地獄よ。地獄です」
 「言え。雅史の方が、おれのより大きかったと言え」
 男は立ち上がり、女の腕を背中にまわし、肩胛骨のあたりまで捻りあげていた。
 「そんなこと。わかんない。わからないって」
 「大きかったんだろう。そうだろう。そうに決まってるんだ」自分の言ったことで自分のした想像が膨らみ、
彼はそれに耐えかねた様子でわっと叫んだ。
 あきらかに女の腕は折れたようだ。「もういや」蒼白になって震えながら女は言う。
 「大きかったわよ。あんたのなんか、比べものにならないくらいだったわよ」
 「地獄じあ」男は泣きわめき、女の頭頂にチョップを振りおろす。「地獄じあ。地獄じあ」
 女の口からは乳白色をしたエクトプラズムの如きものがどろどろと流れ出してとぐろを巻いた。
 スチュワーデスは脱糞していた。「あれはアクシズでございます」と、彼女は言った。「ああ只今シャアが
核パルスエンジンを取り付けて地球に落とそうとしやがってます。赤い彗星シャアシャアシャア」
 チョップを振り下ろしながら男はもう泣いていず、真顔に戻っていた。「お前を殺してもまだ雅史を殺せない」
 「あ、シャア。シャア。あ、シャアシャアシャア」スチュワーデスは踊るようなステップを踏んで言った。
「人類粛清。シャアシャアシャア」
 男は女の吐き出したものをかかえこんで「琴音ちゃんハァハァ……」などと言いながら、何やら猫の如きものをこね
あげはじめる。
 「ジークジオン。ジークジオン」スチュワーデスがタップを踏みはじめた。
 いつの間にか出てきた機長が、手刀を首にあてる仕草でスチュワーデスにクビを宣告している。
123名無しさんだよもん:02/09/12 15:38 ID:wvdBmN82
>>122
ワラタ…けど既存の文をもじるのじゃなくて文体をコピーしたのが読みたい気も。
気を悪くしたならスマソ。
124名無しさんだよもん:02/09/12 16:10 ID:L96SB62C
>>123
それしようとすると、難易度が急上昇して
このスレの書き込みが一気に減少する罠(;´Д`)
125 ◆DEi43yyo :02/09/12 16:33 ID:aQR9q0LN
>>123
便所でうんと踏ん張っているときに思いつき、その後一気に書き上げたのであるが、
その内容は極めて露骨であり批判されて当然のものだったのである。
書き込みボタンを押した後、おれはふるえあがり、わっと叫んでかちゅ〜しゃを
強制終了したのだが、時すでに遅く、公衆の面前にわけのわからぬ駄文が披露
されてしまった次第である。読者に悪いことをしたと、ただもう自己嫌悪の気持でいっぱい。
ラーララーララララーラーララ(気が狂ったな、おれも)。
126新耳袋風@AIR:02/09/12 19:13 ID:MIjDb3ER
 これは筆者の知人の女性Sさんから聞いた話である。

  Sさんは幼少時、とある小さな海辺の町に住んでいたそうだ。
 ある日の夕暮れ彼女が家路を急いでいたとき、通りかかった高校の屋上に変なものを見つけた。
 なにやら屋上のフェンスの外に影が見えるのである。
 なんだろう、とよく目をこらしてみてSさんは驚いた。
 異様に髪の長い小さな女の子がフェンスの外に立っていたのだ。

 (大変! 飛び降り自殺! )
 そう思った彼女は慌てて大人を呼ぼうとしたが、すでにフェンスの内側に
 若い男女がいることにすぐ気が付いた。

  ああ良かった、とSさんは安心したのだが、どうも様子がおかしい。
 屋上の二人は子供に対してなにやら話し掛けてはいるものの、ずいぶん落ち着き払っていて
 自殺を引き止めているようには見えない。
 あれ、なにしてるんだろうとSさんがいぶかしんだ次の瞬間、驚くべきことが起きた。
 フッ、とフェンスの外の女の子が掻き消えたのだ。

 (あ! 落ちちゃった! )
 一瞬彼女はそう思ったらしい。
 だが、落ちたのではないことは周囲の状況からみても明らかであった。
 屋上の二人はまるで慌てる様子もなく、さっきまで子供がいたところを
 見ながらなにやら話している。
 Sさんは二人が校舎の中に入って見えなくなるまで、その場で呆然としていたそうだ。 

  あれは絶対に見間違いなんかじゃありません、とSさんは断言する。
 屋上の男女、特に男のほうは遠目にも非常に印象に残る姿をしていたそうだが、彼女はそれ以後
 男の姿を見かけることはなかったという。
 真っ白な髪の青年だったそうだ。


………こういうのもアリ?
127名無しさんだよもん:02/09/12 19:47 ID:j5xlJDHc
>126
素直に巧いと思いますた
128池波正太郎@ToHeart:02/09/12 23:55 ID:1rRtP/e+
「浩之ちゃん、浩之ちゃん」
玄関口からそう呼びかける声に、浩之はじっと布団にくるまったまま眉を顰めた。
(ちょっ…なにも、そんなに大声で呼ぶことはねえじゃあねえか)
先刻から大声で浩之を呼んでいるのは、近くに住む幼馴染のあかりであった。
「うるせえな、今行かあ。それよりあかり、おまえ、ひとの名前をそう大声で呼ぶ
んじゃあねえものだ。となり近所に丸聞こえじゃあねえかよ」
そう答えながらも、かつて一度もあかりに起こされずに学校に行ったことの無い浩
之だけに
(まあ……しようがあるめえ)
おとなしく、布団から這い出たものである。
「浩之ちゃん、早く起きないと、ほら……」
「む……」
「遅刻を……、ね」
「わかってらあな。ああ、ああ、よくよく俺も、運がねえ。あの〔来栖川〕のお嬢
様とよろしくやっていれば、今頃は……てっ、〔メイドロボ〕にでも優しく起こさ
れていたこったろうよ」
〔来栖川・グループ〕が販売している〔メイドロボ〕の代金は、金五十両。現代の
金にして、およそ数百万円にもなろうか。まず、庶民の一家なら数年は暮らしてい
ける額である。


……ごめん。なんか中途半端だ。
129 ◆DEi43yyo :02/09/13 12:05 ID:hq6xpRhV
>>128
長屋でのやりとりが目に浮かぶ
Good job
130聖教新聞風智子シナリオ ◆DEi43yyo :02/09/13 13:45 ID:hq6xpRhV
【無実の保科先生を”売春婦呼ばわり”】 【人権侵害のデマ女子高生「長岡志保」】
            【青紫は長岡を厳重に処分せよ!!】

                     ,.'´`⌒ヽ、    ,.'´   ヽ
( ( ))))≡    ミリリリソソ      / ,ノノハヘヾ    │ノリノ ))〉
(`∀´ )    ( ´∀`)      ゙'v(!゚ ヮ゚ノ'゛    i (l!^ー゚ノi
藤田会長  佐藤男子部長  松原青年部長 来栖川婦人部長

 ,<X>ヽ       <`'´ ト ヽ
,' i从((li l i       Ki !lノリ )))〉
..从゚ヮ^ノノリ       リハ!l.^ヮ゚ノト
神岸東鳩部長 宮内アメリカ婦人部長

佐藤:東京地裁・東鳩支部で断罪された長岡志保。そもそも青紫は長岡にどう言ったんだ?
    厳重に注意したのか?
来栖川:その通りだ。長岡は、青紫の二重存在じゃないか。
松原:いや、するわけがない。何しろ、オフィシャル掲示板まで使ってデマ宣伝しているぐらい
    だからだ(笑い)。
宮内:長岡は、公の機関である裁判所から公式に「デマ女」「人権侵害女」と認定された女じゃ
    ないですか! こんな悪い女子高生、誰彼にだっていませんよ(笑い)。
藤田:ふざけたやつらだ! どっかの俗悪週刊誌と、まったく同じだ。
神岸:しかも「ヒロイン」を名乗る女が、だ。この事実こそが、重大だ。
佐藤:まったくだ。本当に「志保ちゃん情報」というのは、インチキばっかりだな(笑い)。
来栖川:さんざん「私がここまでこられたのは、保科先生のおかげです」と言っていたのは、
    どこの誰だ!
藤田:「忘恩は、人間が犯しうる最大の犯罪である」。これは、南米解放の英雄シモン・ボリバルの
    あまりにも有名な言葉だ。
松原:日蓮大聖人も、「恩知らずは人間以下の畜生である」との仰せだ。
藤田:その通りだ。これからも、どんどん、一生涯、厳しく責めていこうじゃないか!
131名無しさんだよもん:02/09/13 13:47 ID:7guz2a9Y
>>111
うまいなぁ…
132名無しさんだよもん:02/09/13 17:37 ID:TUQagi20
富野キボンヌ
133名無しさんだよもん:02/09/13 19:49 ID:cPpVq6ZR
>>132
きみは、ラヰノベ以外の本を読んでから来たまへ
134名無しさんだよもん:02/09/13 19:54 ID:JXTISUIe
>130
そこからネタを持ってくるかー!(w
135富野風坂下vs葵1 ◆DEi43yyo :02/09/13 20:37 ID:zCTDTSAE
 坂下好恵は、空手部員二人の援護を受けて、裏山の神社側にシフトされたトーチカを突破していた。
 それは、山頂の神社から麓の道路で炸裂するようにセットされた迫撃砲と火炎瓶の網で、それなりの
威力があった。
 好恵は、その十字火砲を軽いフットワークでパスした。
「結構な抵抗だ」
 好恵は、反生徒会派たちであろうその抵抗線には、一応の敬意は表した。
 が、その直後に、好恵は、数人の反生徒会派の反撃を受けた。その鈍重な動きを見せる連中のあいだに
いた一人が、編隊を抜け出すと直進をしてきた。
 それを、背後の暴徒がエアガンで援護した。
「…………?」
 好恵の一個小隊は、その援護の火線を回避しながら、その編隊を崩そうとしたが、先行したその一人は、
あっという間に、好恵の懐に飛び込むようにした。
 彼女と互して戦える生徒は、反生徒会派にはいないはずだったが、それができる人物である。好恵は、
傭兵かと思ったが、違った。
「葵!?」
 好恵は、迂闊に蹴りを繰り出すのさえ危険な間合いに迫った少女を見て、愕然とした。
「葵なのか!?」
 好恵は了解したが、状況が状況である。空手部から逃亡した生徒が、戦線に出ていることが信じがたかった。
 しかし、その少女の挙動の示す敵意は、敵味方のそれではなく、怨念があった。
「なんだっ!?」
「わたしは、抵抗派に殉じた! 彼等も、そのわたしの熱意を認めてくれただけのことだっ!」
 第一撃のハイ・キックをさけた好恵は、葵と拳をからませて、猛烈なパンチを繰り出す手を一方の手で押さ
えるようにしたときに、葵の声が、好恵の耳に飛び込んできた。
136富野風坂下vs葵2 ◆DEi43yyo :02/09/13 20:38 ID:zCTDTSAE
「他流派に寛大なのは、美徳です! 空手技にとらわれず戦ってよいと、抵抗派はいってくれた!」
「それがエクストリームの甘さなのだ。そのとりあえずの寛大さと感情に走る生き方は、すでにこの武道の
世界では許されんということは、十分に教えたはずだ」
「だからといって、求道精神だけが格闘技のすべてというのでは、人間の感情は一体なんなのです! 感情が
あるからこそ、人は強くなれたはずです」
「それは格闘技を喧嘩技としか見ない奴らにだけ許された生き方だ。空手は喧嘩技ではないということは、
中学時代にも教えた」
「そのことと、一人の人の生き方の不誠実さは、大山倍達も許してはいない」
「それこそ、お前のエゴがいわせることだ。自分を中心にして、武道を裁断するのが、エゴだというのだよ」
「綾香さんの才能に嫉妬するだけの女のいうことかっ!」
 好恵は、所詮そういうことかと悲しくなった。
 だから、猛烈な突きを繰り出した。
 その拳は、二人の視界に入るように展開したために、好恵も抵抗派のBB弾を数発浴びたが、葵への目眩まし
にもなった。
 そして、渾身の拳を葵の急所にだけ叩き込むことは、好恵にとっては難しいことではなかった。
「ア……!!」
 好恵は、その葵のオーガズムに発するときに似た悲鳴をきいた。
「恨みがましい……!」
 それが、好恵の葵にたいする離別の言葉だった。その後、彼女は、葵のことを思い出すことはなかった。
137  ◆DEi43yyo :02/09/13 20:39 ID:zCTDTSAE
sage忘れ、、、スマソ
138名無しさんだよもん:02/09/13 21:02 ID:IvK3lue6
実は文学板文体模写スレはまだ続いてる。

文体模写 スレッド 2
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/965366018/
139  ◆DEi43yyo :02/09/13 21:37 ID:zCTDTSAE
>>138
おお、すげー、由緒ある良スレですね
早速お気に入りに入れますた tnx.
140名無しさんだよもん:02/09/13 23:25 ID:SVf/SGT9
神坂一でやったことがあるけど戦闘パートが冗長になって途中でやめた(w
141名無しさんだよもん:02/09/14 00:22 ID:R/v92Fjj
富野の文体はライノベっぽくないけど、文学と言うには洗練さも味もないのがな…
オレも文学は疎いから田中芳樹でもやろうかと思ったが、富野と同じ感じなので止めた。

というわけで、吉川英治風うたわれをキボンヌ(ぉ
142名無しさんだよもん:02/09/14 00:31 ID:7tilJEnT
漏れは山田風太郎風うたわれきぼん。
143名無しさんだよもん:02/09/14 09:45 ID:mSEd0Swq
新井素子も楽しそう
144名無しさんだよもん:02/09/14 10:10 ID:GOS8drsZ
夢枕漠……
145パーネル・ホール風こみパ:02/09/14 12:14 ID:3qpOnKQ1
そもそも、私が同人誌に手を染めることになったのは、美大の受験に失敗し、悪友にそそのかされたからなのだ。
なのに幼馴染の瑞希ときたら、私をまるで腐った生ゴミでも見るかのような目でみるようになるし、周囲の視線も冷たくなるし。おまけに会場では妙にごつい男に目をつけられてしまった。
同人なんてやるものではない。と思ったのもつかの間、私のもとに海水浴場の招待券が届けられた。誘う相手もいないが、かといって差出人の行為を無に出来るほど忙しいわけでもなく、寂しく一人でその場所に向かうと、
またあのごつい男に出会ってしまった。その上がけのてっぺんに連れて行かれたかと思ったら、バンザイを強要させられるし。まったく散々な目にあった。いったい私が何をしたというのだ。

やってみると難しい
146名無しさんだよもん:02/09/14 13:08 ID:Di3Tytiv
147名無しさんだよもん:02/09/14 13:16 ID:YKwzWN7c
            -― ⌒⌒ ヽ
        /   /|      \
      /   / / | ハ ヽ   ヽ
    /  / / .∠ .| | _、 ヽ    ヽ
 / /〃 / / / _ ||  _ \ ヽ   |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    / /| | |,〒T    T 〒、\|   | < 日蓮大聖人も、
     v | | .〉 -┘、 └,、-  |ノ ノノ   | 「恩知らずは人間以下の畜生である」との仰せだ。
       V w\"  _  `<>、/vレ     \_________________
            ` ┐    イ´
           _ -| -  - / - _
          /|   |===/    /\
        /  |  |    /    /   |
148名無しさんだよもん:02/09/14 16:28 ID:/D3wN5Sp
>>140
2chで神坂一は無理でしょ。四倍角文字使えないから(w
149名無しさんだよもん:02/09/14 17:00 ID:Ff8VNaox
つうか誰も神坂模写なぞ見たくない。
150名無しさんだよもん:02/09/14 17:55 ID:9nkjzX9n
さういふ人に私はなりたい
151名無しさんだよもん:02/09/14 18:53 ID:wsN9WR63
海辺のカフカは読んだのか?
152PS版とごっちゃ:02/09/14 19:21 ID:TDeVudZq
全ては、順調の様でした。大学にも合格し、
あかりを妻とすることも、できたのです。
全ては、順調の様でした。

2月のある夜のことです。自分は、途中、花屋へ寄り大きな、
赤い薔薇の花束を買って帰りました。
家で帰りを待っていてくれるあかりの、少し驚いた顔が
見たかったのです。

ドアをあければ、いつもの笑顔が、ちょっと驚いて、
「ありがとう、浩之ちゃん」
そんな光景を、自分は想像していました。


ドアを開けます。
153PS版とごっちゃ:02/09/14 19:22 ID:TDeVudZq
・・・そこには、いつものそれは、ありませんでした。
かわりに、玄関の少し先で、二匹の動物が、蠢いていました。

ああ、これはまぼろしという奴だ、まぼろしという奴なのだ、と
自分に言い、今目の前で起こっている事にかまわず、外に、足を進めました。

気がついたとき、自分はあの時の公園に、来ていました。
ふと、自分が小さかった時の、記憶がよみがえります。
「ひろゆきちゃん」
途方にくれ、泣いていたあかり。
・・・あの時以来、あかりは自分の事を、一生懸命に
追いかけて来てくれました。無視され、邪険に扱われようとも、
自分の事を、追いかけて来てくれました。
「浩之ちゃん」
自分の、思い出は、全て、あかりとともにあると言ってもおかしくないほどです。


でも、その夜、それは一切が否定されてしまいました。
154PS版とごっちゃ:02/09/14 19:23 ID:TDeVudZq
一瞬忘れていた、高校生の頃の倦怠感が、また自分の全身を包むようになりました。
期待する事という事、やろうと思う気持ち、人を信じるという事などから、
永遠に離れるようになりました。
自分の生き方が変わってしまうくらい、自分の生活において、それは
衝撃的な出来事だったのです。

「ひろゆき・・・ちゃん」
あかりの声がしたように思え、後を振り返ると、いつのまにか
あかりが立っていました。
「矢島くん・・浩之ちゃんに話があるからって、言って・・・」
「何も言わなくて良い。とにかく、家に帰ろう」
並んで二人で、家に帰りました。自分の右を行く
あかりの服装は、乱れており、肩は、まだ少し震えているようでした。

相手の男は、高校時代まだ自分とあかりが、中途半端な関係であった頃に
自分にあかりと恋仲なのか、否かを問うてきた、あの男でした。

 

155名無しさんだよもん:02/09/14 21:24 ID:7XA1RgkT
人間失格か。中々。
156村上龍風綾香シナリオ1 ◆DEi43yyo :02/09/15 01:25 ID:4huh94go
 そいつの名前を仮に藤田としよう。そして、女子高生の名前は、綾香(仮名)である。念のため言うが、
その名前に意味はない。――(仮名)という書き方をしてみたかっただけである。
 藤田は、綾香と「出会った」わけではなかった。
 綾香はその河原によく顔を見せたのだが、藤田は、「ある時」綾香の美しさに「気付いた」のだった。
 それは、藤田が自分の中に、「金持ちを誘惑するのはゲス野郎のやることだ」というポリシーがあること
に気付いた瞬間に芽生えた感情だったのだ。
 綾香は、プライドを感じさせる、いかにも生まれのよさそうな十代後半の、女子高生だったのである。
 二人はその河原でよく子供たちと遊んだり格闘技の真似事をした。
 だが、藤田が最も驚いたのは、膝枕のときに見る綾香のからだの見事さだった。
 格闘技をやっているという綾香だが、きゃしゃな手首と、完璧なくびれのあるウエストライン、それらは
欲情をそそるといったレベルを越えていた。
 藤田はその綾香のからだを「尊敬」したのだった。
 男子高校生の誰もがそうであるように、藤田もコーマニストだった。コーマン主義者、つまりオマンコが
なくては夜も日も明けないというタイプだったのだ。手をつけた女子学生の数は十数人にのぼっていたし、
それに飽きたらず、メイドロボにすら手を出していた。
 体育倉庫プレイや「ふきふき」やソフトSMや神社での野外プレイもひととおりすませていた。
 そんな藤田が、考えられない経験をすることになったのだ。
157村上龍風綾香シナリオ2 ◆DEi43yyo :02/09/15 01:26 ID:4huh94go
 ある日、藤田は、格闘技の練習をして、河原に綾香を呼びだした。
「おい、今日こそは、負けねーからな」
 そう言って、綾香に近づく時に、藤田は、足が震えたのである。
 藤田はそんな自分に驚いた。
 まるで、小学生に戻ったようだった。小学生の頃、虐めた幼なじみの少女にこっそり謝りに行ったのを
思い出したのだ。
 藤田はうれしかった。自分にそんな感情が残っていたことがうれしかったのである。
 オレは藤田の気持ちがわかるし、少し、うらやましくもある。
 男とはそういうものなのだ。金髪ハーフ娘とジャーナリストの卵とグッチョングッチョンやりながら、
道ならぬ恋慕に胸をときめかせる。
 しかし、グッチョングッチョンの女子高生と、綾香さんと、どちらが幸福かというとそれは別問題で、
わからない。
 藤田の恋は、終わることがないだろう。
 彼は、すべてを知ることを自分で拒んでいるのだから……。
 綾香さんが忘れ去られることはないのである。
158名無しさんだよもん:02/09/15 04:20 ID:HP9EiOKZ
むしろ龍のエッセイっぽい気がする。
いや、昔の龍か。ちょい違和感。
でも端々で似てるところがあるね。グッジョブ
159名無しさんだよもん:02/09/15 04:37 ID:WfJs+IN/
佐藤大輔風キボンヌとかいったら駄目かな
160キシャーッ ◆AOKANWAM :02/09/15 05:20 ID:JBvn8+Xe
むしろ霧島那智風味であれば、誰にでも簡単にでk

PAM! PAM!
161 ◆DEi43yyo :02/09/15 06:36 ID:UylgOD/R
>>158
>むしろ龍のエッセイっぽい気がする。

ビンゴ。元ネタはエッセイですよん。

「シナリオ」と書いたのはミスだったな(^_^;)
162名無しさんだよもん:02/09/15 10:05 ID:ynPURLBZ
中島敦風きぼん。


…やろうと思ったけど教養が無くて無理ですた。
163名無しさんだよもん:02/09/15 14:36 ID:9PhRtuLQ
家に全集があったのでがんばってみたいやとおもいました。<あつしたん
164名無しさんだよもん:02/09/15 15:10 ID:+EIrH2yD
>>120-122がとても衝撃的だったので、是非ともオリジナルを
読んでみたくなりました。タイトルを教えて欲しいです。

あと、太宰と町田町蔵も面白かったなぁ。

この良スレを少しでも多くの人に知ってもらいたいので、あげ。
165弾長 ◆ZNDg0V8c :02/09/15 15:31 ID:sB7Fj4ZC
>>164
夜のコント冬のコント(新潮文庫)に収録されている冬のコントと言う作品。
良い意味で典型的な筒井イズムなドタバタ劇です。
166名無しさんだよもん:02/09/15 15:33 ID:IeLitv6n
このスレ最高
167名無しさんだよもん:02/09/15 19:03 ID:G1ZhGfAt
恥じにまみれた顔だ
168名無しさんだよもん:02/09/15 21:17 ID:oAfhJQBe
メンテだよん
169名無しさんだよもん:02/09/15 21:40 ID:x1Ka5hLB
京極風の資料として、絡新婦の理(文庫版)を買ってみた

…鉄鼠の檻より分厚くなってる(w
今晩徹夜決定

誰か書いてくれ
170名無しさんだよもん:02/09/16 00:49 ID:tPNg1N6R
やれやれ
171なっち京極風ONE:02/09/16 02:24 ID:+CTUiR3q
 僅か六つの、心臓に抱える疾患で苦しむ妹が在った。ほんの数箇月前には、私の見様見真似の格闘技の実験台にされる
程に、一つ年上の私の駆け回るのに一歩も遅れず付いてこれる程に――明朗で快活であった筈の、妹にさえ。
 ――永遠は訪れなかったのである。
 私の妹であるみさおが病に伏せると、母までが何処かおかしくなってしまった。妹の快癒を祈るために、快癒を齎す
為に彼女は宗教に救いを求めるようになってしまったのである。
 妹の身体が紙の様に薄ッぺらになっても、栄養状態が崩壊した為に手足を切断することになっても、その毛髪が失われ
ても――彼女は一度たりとも、見舞いにすらやってこなかった。
 私は今でも思う、母がもし、多寡が宗教如きに頼る心を捨て、只毎日妹に顔を見せに来る、それだけでもしていた
ならば――妹はずっと長生き出来たに決まっているのだ。
 私が唯一、自分以外に誰かを怨むとするなら、それは宗教如きに逃げた母以外に在り得なかった。
 兎も角、独りで逃げてしまった母以外に、妹を見舞う存在は、自分だけだった。――私は絶望と直面する。まるで
その胸に指された点滴の針から命を吸い取られているかの如くに、妹は日々痩せこけていく。嫌でもそれと直面する。
 当時高々齢七ツだった私に出来ることは殆ど無く、せいぜい無責任に「頑張れ」だとか「大丈夫だ」などと痴呆の
様に繰り返すことが及ぶ限界であった。
 私もまた傍観者に過ぎなかったのである。本当の所、母の方が幾分マシなのかも知れなかった。
 だから私は妹が授業参観に一度たりとも出席出来ずに死んでしまった時、堪らない絶望を覚えた。何の為の兄だった
というのだ、私はみさおに幸福を一片たりとも与えてやれなかったかも知れぬ。
 最後の瞬間に笑った妹の顔は、僅かな救いにさえも成り得なかった。妹は、申し訳なさで笑ったのだから。
 永遠等無い、みさおが既に私の手の届かない青に霧散してしまった様に。だから私は戒めたのだ、二度と、永遠など
夢見はしない、と。

 しかし、
 あの悲しみに耽る夜に――彼女が私の耳元で、善く通る声で、囁いたのだ。
「この世にはね、永遠というものは在るんだよ、浩平」
172名無しさんだよもん:02/09/16 09:34 ID:Lxc3txOS
(゜д゜)ウマー!
173あぼーん:あぼーん
あぼーん
174名無しさんだよもん:02/09/16 10:14 ID:m3VjKjr3
しかしまぁ、よいすれっどといふものはあるものだね
175名無しさんだよもん:02/09/16 10:45 ID:tGlIafQn
 北方風葉鍵以上の猛者たちがここに。漏れも一つ何か…
176名無しさんだよもん:02/09/16 12:36 ID:bGv2l4/6
中島敦風を見てみたいが…
難関だなぁ。
177名無しさんだよもん:02/09/16 12:53 ID:8XtzdY8X
>>176
見たいねー。でも難度高いよなー。
出来たら神です。
 東京の長瀬源五郎は博学才穎、昭和の末年、若くして名を博士に連ね、ついで来栖川エレクトロニクスに補せられたが、
性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、管理職に甘んずるを潔しとしなかった。いくばくもなく管理職を退いた後は、研究室に
帰臥し、人と交を絶って、ひたすらロボットの基礎研究に耽った。管理職となって長く膝をゴルフ好きな上司の前に屈する
よりは、研究者としての名を死後百年に遺そうとしたのである。しかし、成果は容易に揚らず、予算は日を逐うて苦しくなる。
長瀬は漸く焦躁に駆られて来た。この頃からその容貌も峭刻となり、肉落ち骨秀で、眼光のみ徒らに炯々として、曾て大学院に
学んだ頃の馬面の美少年の俤は、何処に求めようもない。数年の後、貧窮に堪えず、妻子の衣食のために遂に節を屈して、再び
本社へ赴き、社史編纂室の職を奉ずることになった。一方、これは、己の研究に半ば絶望したためでもある。曾ての同輩は既に
遥か高位に進み、彼が昔、鈍物として歯牙にもかけなかったその連中の下命を拝さねばならぬことが、往年の儁才長瀬の自尊心
を如何に傷けたかは、想像に難くない。彼は怏々として楽しまず、狂悖の性は愈々抑え難くなった。一年の後、公用で出張に出、
亀戸のビジネス・ホテルに宿った時、遂に発狂した。或夜半、急に顔色を変えて寝床から起上ると、何か訳の分らぬことを叫び
つつそのまま下にとび下りて、闇の中へ駈出した。彼は二度と戻って来なかった。附近の公園を捜索しても、何の手掛りもない。
その後長瀬がどうなったかを知る者は、誰もなかった。
 翌年、高校生の藤田浩之という者、友人とともに校内新聞の取材に使し、途に亀戸の地に宿った。次の朝未だ暗い中に出発
しようとしたところ、ボウイが言うことに、これから先の道に奇怪なロボットが出る故、旅人は白昼でなければ、通れない。
今はまだ朝が早いから、今少し待たれたが宜しいでしょうと。藤田は、しかし、供廻りの多勢なのを恃み、ボウイの言葉を斥けて、
出発した。街頭の光をたよりに公園の草地を通って行った時、果して一人の小柄な少女が叢の中から躍り出た。少女は、あわや
藤田に躍りかかるかと見えたが、忽ち身を飜して、元の叢に隠れた。叢の中から人間の声で「あうー、あぶないところでした」と
繰返し呟くのが聞えた。その声に藤田は聞き憶えがあった。驚懼の中にも、彼は咄嗟に思いあたって、叫んだ。「その声は、
我が友、長瀬ではないか?」藤田は長瀬と家の近くの公園で知り合い、友人の少かった長瀬にとっては、最も親しい友であった。
温和な藤田の性格が、峻峭な長瀬の性情と衝突しなかったためであろう。
 叢の中からは、暫く返辞が無かった。しのび泣きかと思われる微かな声が時々洩れるばかりである。ややあって、
低い声が答えた。「如何にも自分は長瀬源五郎である」と。
 藤田浩之は恐怖を忘れ、自転車から下りて叢に近づき、懐かしげに久闊を叙した。そして、何故叢から出て来ないのか
と問うた。長瀬の声が答えて言う。自分は今や異類の身となっている。どうして、おめおめと故人の前にあさましい姿を
さらせようか。かつ又、自分が姿を現せば、必ず君に畏怖爆笑の情を起させるに決っているからだ。しかし、今、図らずも
故人に遇うことを得て、愧赧の念をも忘れる程に懐かしい。どうか、ほんの暫くでいいから、我が醜悪な今の外形を厭わず、
曾て君の友長瀬源五郎であったこの自分と話を交してくれないだろうか。

 今から一年程前、自分が出張に出て亀戸のウィークリーマンションに泊った夜のこと、一睡してから、ふと眼を覚ますと、
戸外で誰かが我が名を呼んでいる。声に応じて外へ出て見ると、声は闇の中から頻りに自分を招く。覚えず、自分は声を追うて
走り出した。無我夢中で駈けて行く中に、何時しか途は公園に入り、しかも、知らぬ間に自分は箒を攫んで走っていた。何か
身体中に力が充ち満ちたような感じで、軽々と粗大ゴミを片付けて行った。気が付くと、耳のあたりに突起物を生じている
らしい。少し明るくなってから、谷川に臨んで姿を映して見ると、既にメイドロボとなっていた。自分は初め眼を信じなかった。
次に、これは夢に違いないと考えた。夢の中で、これは夢だぞと知っているような夢を、自分はそれまでに見たことがあった
から。どうしても夢でないと悟らねばならなかった時、自分は茫然とした。そうして懼れた。全く、どんな事でも起り得るのだ
と思うて、深く懼れた。しかし、何故こんな事になったのだろう。分らぬ。全く何事も我々には判らぬ。理由も分らずに押付け
られたものを大人しく受取って、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめだ。自分は直ぐに死を想うた。
しかし、その時、眼の前を一個の煙草の吸殻が投げ捨てられるのを見た途端に、自分の中の人間は忽ち姿を消した。再び
自分の中の人間が目を覚ました時、自分の手は煙草の灰に塗れ、あたりはゴミ一つとしてなかった。これがメイドロボとしての
最初の経験であった。それ以来今までにどんな所行をし続けて来たか、それは到底語るに忍びない。ただ、一日の中に必ず
数時間は、人間の心が還って来る。そういう時には、曾ての日と同じく、人語も操れれば、複雑な思考にも堪え得るし、研究書の
英文を誦んずることも出来る。その人間の心で、メイドロボとしての己の隷属的な行のあとを見、己の運命をふりかえる時が、
最も情なく、恐しく、憤ろしい。しかし、その、人間にかえる数時間も、日を経るに従って次第に短くなって行く。今までは、どうして
メイドロボなどになったかと怪しんでいたのに、この間ひょいと気が付いて見たら、己はどうして以前、人間だったのかと考えていた。
これは恐しいことだ。今少し経てば、己の中の人間の心は、ロボットとしての習慣の中にすっかり埋れて消えて了うだろう。
ちょうど、古い宮殿の礎が次第に土砂に埋没するように。そうすれば、しまいに己は自分の過去を忘れ果て、一匹のロボットと
して狂い廻り、今日のように途で君と出会っても故人と認めることなく、君に熱い茶を差し出しても何の悔も感じないだろう。
一体、ロボットでも人間でも、もとは何か他のものだったんだろう。初めはそれを憶えているが、次第に忘れて了い、初めから
今の形のものだったと思い込んでいるのではないか? いや、そんな事はどうでもいい。己の中の人間の心がすっかり消えて
了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。だのに、己の中の人間は、その事を、この上なく恐しく感じている
のだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀しく、切なく思っているだろう! 己が人間だった記憶のなくなることを。この気持は
誰にも分らない。誰にも分らない。己と同じ身の上に成った者でなければ。
 時に、残月、光冷やかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風は既に暁の近きを告げていた。人々は最早、事の奇異を忘れ、
粛然として、この研究者の薄倖を嘆じた。長瀬の声は再び続ける。
 何故こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えように依れば、思い当ることが全然ないでもない。
人間であった時、己は努めて人との交を避けた。人々は己を倨傲だ、尊大だといった。実は、それが殆ど羞恥心に近いもので
あることを、人々は知らなかった。勿論、曾ての郷党の鬼才といわれた自分に、自尊心が無かったとは云わない。しかし、
それは臆病な自尊心とでもいうべきものであった。己は機械工学によって名を成そうと思いながら、進んでロボットコンテスト
に出場したり、求めて学友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍することも
潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦
して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった。己は次第に世と離れ、
人と遠ざかり、憤悶と慙恚とによって益々己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、
その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。そしてメイドロボだったのだ。これが
己を損い、妻子を苦しめ、同僚を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えて了ったのだ。今思えば、
全く、己は、己の有っていた僅かばかりの才能を空費して了った訳だ。人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには
余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰
とが己の凡てだったのだ。己よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる研究者となった者が幾ら
でもいるのだ。ロボットと成り果てた今、己は漸くそれに気が付いた。それを思うと、己は今も胸を灼かれるような悔を感じる。
己には最早人間としての生活は出来ない。たとえ、今、己が頭の中で、どんな優れた論文を作ったにしたところで、どういう手段で
発表できよう。まして、己の頭は日毎にロボットに近づいて行く。どうすればいいのだ。己の空費された過去は? 予算は? 己は
堪らなくなる。そういう時、己は、向うの山の頂の巖に上り、街に向って吼える。この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。己は
昨夕も、彼処で月に向って咆えた。誰かにこの苦しみが分って貰えないかと。しかし、人間どもは己の声を聞いて、唯、懼れ、顔を
伏して笑うばかり。山も樹も月も露も、一匹のロボットの電子頭脳が狂って、哮っているとしか考えない。天に躍り地に伏して嘆いて
も、誰一人己の気持を分ってくれる者はない。ちょうど、人間だった頃、己の傷つき易い内心を誰も理解してくれなかったように。
己の頭髪の濡れたのは、夜露のためばかりではない。
 最早、別れを告げねばならぬ。酔わねばならぬ時が、(ロボットに還らねばならぬ時が)近づいたから、と、長瀬の声が言った。
だが、お別れする前にもう一つ頼みがある。それは我が父と来栖川のお嬢様方のことだ。
彼等は未だ東鳩市にいる。固より、己の運命に就いては知る筈がない。君が亀戸から帰ったら、己は既に死んだと彼等に告げて貰え
ないだろうか。決して今日のことだけは明かさないで欲しい。厚かましいお願だが、彼等の孤弱を憐れんで、今後とも道塗に飢凍する
ことのないように計らって戴けるならば、自分にとって、恩倖、これに過ぎたるは莫い。
 言終って、叢中から慟哭の声が聞えた。藤田もまた涙を泛べ、欣んで長瀬の意に副いたい旨を答えた。長瀬の声はしかし忽ち又先刻の
自嘲的な調子に戻って、言った。
 本当は、先ず、この事の方を先にお願いすべきだったのだ、己が人間だったなら。心配をかけている肉親のことよりも、己の乏しい研究の
方を気にかけているような男だから、こんなロボットに身を堕すのだ。
 藤田浩之は叢に向って、懇ろに別れの言葉を述べ、自転車に上った。叢の中からは、又、堪え得ざるが如き悲泣の声が洩れた。藤田も
幾度か叢を振返りながら、涙の中に出発した。
 一行が亀戸駅前についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の公園の草地を眺めた。忽ち、一匹の緑髪のメイドロボが草の茂み
から道の上に躍り出たのを彼等は見た。メイドロボは、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声「はわわーっ」と咆哮したかと思うと、
又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
186  ◆DEi43yyo :02/09/16 14:59 ID:L7UEgvDO


……。だめだこりゃ。
187名無し:02/09/16 15:08 ID:KMW+bz+e
おもしろうてやがてかなしき。萌え
188名無しさんだよもん:02/09/16 15:16 ID:cZ/U82lB
はわわーって(w

懐かしいなぁ、現国でやったか。
寝 て た け ど な (藁
189名無しさんだよもん:02/09/16 17:00 ID:wz4DjHle
はわわー、か…
面白くも哀しい話じゃのう
190名無しさんだよもん:02/09/16 17:13 ID:l0VSkxAs
しかし、懐かしい……
191名無しさんだよもん:02/09/16 18:45 ID:yNp9DSDP
山月記か…
192名無しさんだよもん:02/09/16 19:12 ID:ivtpsntP
懐かしいな、高校生だよ・・・・・・
193名無しさんだよもん:02/09/16 22:04 ID:AWhrwF0N
ぬぅ、その手があったか…

国崎でやろうとしたんだけど難しかった(w
194名無しさんだよもん:02/09/16 22:43 ID:qpHGlFjL
このスレ、サイコー。
文体コピーは面白かった。
195名無しさんだよもん:02/09/17 02:25 ID:og3lVasm
「山月記」は思い出深いな…
これと鴎外の「舞姫」と白居易の「長恨歌」で文学を専攻しようと思ったんだよな…
今となっては懐かしい記憶だよ。
さよなら、さよなら!
  いろいろお世話になりました
  いろいろお世話になりましたねえ
  いろいろお世話になりました

さよなら、さよなら!
  こんなに良いお天気の日に
  お別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛い
  こんなに良いお天気の日に

さよなら、さよなら!
  わたし、お昼の充電から覚めてみると
  浩之さん胸を揉んでおいでだった
  あの時を妙に思ひ出します

さよなら、さよなら!
  そして明日の今頃は
  別のわたしがわたしに入り
  知らないあなたを見てゐるのです

さよなら、さよなら!
  あなたはそんなにふきふきをする
  わたしにはあんまり恥ずかしいのです
  あなたはそんなにふきふきをする

さよなら、さよなら!
さよなら、さよなら!
 わたし、お昼の充電から覚めてみると、
浩之さん、胸を揉んでをられた
 あの時を、妙に、思ひ出します

 日向ぼっこをしながらに、
犬さんとお話した時のことも思ひ出します、
 みんな、みんな、思ひ出します

お掃除のことも、思ひ出します
 薄い陽の、人通りのない学校の廊下
あの日、モップ掛けしたことも、思ひ出します

汚れた廊下の塵が消へ
いつの間に、下校の時間になってゐた
あゝ、あのときのこと、あのときのこと……

 わたしはなんでも思ひ出します
わたしはなんでも思ひ出します
  でも、わけて思ひ出すことは

わけても思ひ出すことは……
――いいえ、もうもう云へません
決して、それは、云わないでせう
 もっと、わたしを、なでなでしてください。
もっと、わたしを、なでなでしてください。
   頭でもいい、どこでもいい、
   もっと、なでなでしてください!

 いいえ、これは、わたしの無理だ、
    こんなに、ドジばかりやっておきながら
    頭に、なでなで、されはしない。
    されません、されはしません!


向ふに、タクシーが、見えてゐます、
  赤茶けた、ドアの傍、
ではもう、此処からお帰りなさい、お帰りなさい
  わたしは一人で、行けます、行けます、
わたしは、何を云ってるのでせう
  いいえ、わたしとてメイドロボらしく
もっと、他の話も、すれば出来た
  いいえ、やっぱり、出来ません出来ません。


元ネタ : 中原中也『別離』より
199名無しさんだよもん:02/09/17 13:53 ID:CIUzZDZ4
Good job !!元ネタが掘りたくなるスレであることよ
200名無しさんだよもん:02/09/17 14:59 ID:8pS8ra1S
>>196>>197>>198
漏れは中原中也、石川啄木あたりが好きなんだけれども…
涙ぐんじゃった…Good job…

201名無しさんだよもん:02/09/17 23:26 ID:fMfxgBr5
>>196
グッド!

ですが、あえて一言だけ言われてもらえば、「ふきふき」は入れない方が
良かったとも思ったり。
ギャグっぽくなっちゃうっていうか。
202太宰治風「痕」:02/09/18 00:06 ID:nJAm2NJr
「お父さまの手が腫れて」
と梓に話しかけ、うつむいた。
言葉を続けることが出来ず、私は、うつむいたまま、肩で泣いた
梓は黙っていた。
私は顔を上げて、
「もう駄目なの。あなた、気が附かなかった?あんなに腫れたら、もう・・・・駄目なの」
と、テーブルの端を掴んで言った。
梓も、暗い顔になって、
「近いねそりゃ。ちぇ!つまらねぇ事になりやがった!」
「私、もう一度なおしたいの。どうかして、なおしたいの」
「なんにも、いい事が無いじゃないか!私達にはなんにもいい事が無いじゃないか!」
と言いながら滅茶苦茶にこぶしで目をこすった。
その日、梓は、叔父様にお父さまの様態を報告し、今後の指図を受けに上京し、
私はお父さまのお傍に居ない間、朝から晩まで、ほとんど泣いていた
朝霧の中、牛乳をを取りに行く時も、鏡に向かって髪を撫で付けながらも、口紅を塗りながらも、
いつも私は泣いていた。
お父さまと過した仕合せの日の、あの事この事が、絵のように浮かんできて、
いくらでも泣けて仕方が無かった。夕方、暗くなってから支那間のヴェランダに出て長いことすすり泣いた
秋の空に星が光っていて、足元によその猫がうずくまって、動かなかった。
翌日、手の腫れは昨日よりもまた一そうひどくなっていた。お食事はなにも召し上がらなかった。
お蜜柑のジュースも、口が荒れて、しみて、飲めないとおっしゃった。
「お父さま。マスクでもなさったら?」
と笑いながら言うつもりであったが、言ってるうちに、つらくなって、わっと声を挙げて泣いてしまった。
「毎日いそがしくて疲れるだろう。看護の者を、やとってくれ」
と静かにおっしゃったが、ご自分のおからだよりも、私の身を心配していらっしゃる事がよくわかって、
なおの事かなしく、立って、走って、お風呂場の三畳に行って、想いのたけ泣いた。
203名無しさんだよもん:02/09/18 00:34 ID:HnfEHdE9
>>202
何で梓?
204島田清次郎風七瀬シナリオ:02/09/18 00:36 ID:hUt/pGOD
今日迄、小生に対し一、二の悪戯じみた
ことを行う従輩があったやうであるが、
今後はいささか乙女的学生として
働きたい存念もあり、
容赦なく、暴力的制裁なり、
又は電光石火的制裁を加へる
かもしれぬから、あらかじめ
警告しておく

参考:「栄光なき天才たち」10巻
205名無しさんだよもん:02/09/18 00:50 ID:ADf/Yfk9
>>203
主観は千鶴だと思われ。
206中島敦マイナー作品:02/09/18 01:57 ID:9haJV6EU
この学校に転校生がきたという評判である。なんでも来栖川重工のメイドロボットだそうだ。
掃除だの炊事だの選択だのを主人に代わって行い、不思議な言動をするということである。
 以前に希臘人ではないが、ロボタと呼んだ人型の機械の中でも、この種族は一風変わっている。
彼女らは両耳に電波塔を立てて過す。人間と区別をつけるためである。
 わが学校のマルチは、こうしたメイドロボのもっとも凡庸な一人であった。
 マルチが入学したのは、春先、新学期が始まって以来のことである。
その時は、剽悍な遊牧民の如くに、頭上にモップを振りかざして、疾風のごとくに廊下を磨いていた。
はじめは共に手に手に得物を持ち、転校生と共に掃除をした同級生も可憐なる少女型機械の無償の奉仕に耐えかねて、
怠惰の中自らの栖処に退いた。
実のところ掃除用具をあやつるに巧みでないマルチは、規定時間内での汚濁と塵芥の殲滅を断念し、
自分に許された時間を総て使って完遂するために、疾風のように廊下を磨いていた。
後には、黄昏に染まった廊下の上に、未だ手のつかない汚ればかりが幾つか残されていた。
大きな芥と塵だけは、既に塵取って捨ててしまった。
汚れが残ったのは、気合を込めて水拭きしないと落ちない汚れのためである。
 そこで在校生であった浩之は、そうした虐めを受けて打ち捨てられているマルチを見つけた。
あまりに自然のため、服装や行動では見分ける術はないのだが、
両耳の目印によってまぎれもないメイドロボを見出した時、浩之はその惨めな姿を眺めて後、そのまま手伝いを始めた。
その様子が、どうも、メイドロボを哀れんでいるのとはどこか違うように見えた、と、後でそう言っていたものがある。
中断。
またゲームやりなおさな。細部が甘い。
207中島敦マイナー作品:02/09/18 02:25 ID:9haJV6EU
ロボットの愛などというものが、一体、あるものか、どうか。
葉鍵人は、無数の愛を知っている。夜、闇の中を跳梁するチヅル。その妹のアズサ、
萌をふり撒くハツネ、死者の転生エディフェル、(個人的に心の)誘拐者カエデなど、
数知れぬ恋愛どもが葉鍵の空に(葉だけじゃねえか)充ち満ちている。
しかし、ロボットの愛については、まだ誰も聞いたことがない。

書き逃げ2。誰か作ってたら申し訳ない。
208名無しさんだよもん:02/09/18 08:31 ID:BCVcJQPr
>>206-207
元ネタは分かるんだが、(上;狐憑、下;文字禍)
それは中島敦じゃないと思う。
209名無しさんだよもん:02/09/18 17:45 ID:CJ7z5MPU
>123 名前:名無しさんだよもん メール欄:sage 投稿日:02/09/12 15:38 ID:wvdBmN82
>>>122
>ワラタ…けど既存の文をもじるのじゃなくて文体をコピーしたのが読みたい気も。
>気を悪くしたならスマソ。


難度は高いだろうけど、やっぱこれにトライして欲しいのぅ。
210名無しさんだよもん:02/09/18 22:52 ID:i8ZCOWC9
すっかり、文体パクリよりは既存作品に葉鍵を当てはめるっていう方向になっている。
もう少し「らしく」いって欲しいぞ。
211名無しさんだよもん:02/09/18 22:55 ID:h/J1AQsZ
>>209-210
批判するだけなら誰でもできる
まずは自分から率先してやってみるのが筋だと思われ
212名無しさんだよもん:02/09/18 23:09 ID:/fhJiWIF



      殺  伐  と  し  て  ま  い  り  ま  す  た



     
213名無しさんだよもん:02/09/18 23:15 ID:d3y84MAX
ていうかこのスレ、見てる側の方随分と偉そうだな。
214名無しさんだよもん:02/09/18 23:18 ID:W06inNxq


こうして、クレクレ厨のおかげで良スレがまた一つ潰れていくのであった。


                  〜〜終了〜〜



  
215名無しさんだよもん:02/09/18 23:47 ID:K3wytmYo
つか、ネタもろくに振れないヤシが偉そうにしているのがむかつくのだが。
文芸批評家のつもりか?

あと、ここをSSスレと勘違いしてないか? ここはあくまでネタスレだぞ。
文学板じゃないんだよ、ここは。
216名無しさんだよもん:02/09/18 23:54 ID:BsoIaHKq
おもしろければ ねたはなんでもいいのです


みつを
217名無しさんだよもん:02/09/18 23:56 ID:a2ohFpo6
>>215
ネタすら思いつかない奴らの僻みだろw
いいかげん放置しろよ
218名無しさんだよもん:02/09/19 00:07 ID:cSZbGyKa
みつをはやりやすいよな。

 にんげんだもの
            真琴
219名無しさんだよもん:02/09/19 00:10 ID:+1pxSOe3
やれやれ、ここにも職人マンセー厨か……。
はっきり言ってお前らのような奴等が一番ウザイ。
ぬくぬく馴れ合ってたいなら、OHP逝くか、自サイトに引き篭もってろよ。
220名無しさんだよもん:02/09/19 00:12 ID:bizQfeJ2
>>219
釣れますか(w
221名無しさんだよもん:02/09/19 00:15 ID:+1pxSOe3
いや、まぢで。
俺もSS書いたりするけど、ちょっと否定的意見書くだけで「頑張った人に失礼だ」
みたいなこと言う奴等が一番ウザイ。
222名無しさんだよもん:02/09/19 00:17 ID:rdoofs26
星新一風、筒井康隆風、清水義範風も見てみたい。
関係ないのでsage
223名無しさんだよもん:02/09/19 00:21 ID:FSbFT3e1
>>221
匿名掲示板なんだから、ネタにはネタで返せばいいだけの話だろ。
文句書き込む暇があるなら、手前で何か書いてみろっての。
そして、黙って投下しろ。そういうもんだろ。
224名無しさんだよもん:02/09/19 00:30 ID:QKcn2XM3
>219
このスレを「お気に入り」に入れている者から言わせれば、
空気の読めない書き込みをする厨の方が一億倍ウザイのですが、何か?
225名無しさんだよもん:02/09/19 00:37 ID:xI8WapnZ
おまいら、くだらん論争はよそでやれ
はっきり言って超Uzeeeeeeeeeeeee!!

次から何事もなかったかのように再開でひとつよろしこ
226名無しさんだよもん:02/09/19 00:39 ID:/2EIFNm8
分かってない奴らが多いな。
文句言うのが駄目なんじゃなくてその文句を言う態度がやたらと倣岸だから
叩かれてるのが分からんのか?
227ドグラマグラ風:02/09/19 00:42 ID:yFtlBDQB

 ……ウグウウウ――ンン――ンンン………………。

228名無しさんだよもん:02/09/19 00:44 ID:bizQfeJ2
>>226
それは同意
先生気取りな書き込みには萎える
229 ◆DEi43yyo :02/09/19 00:52 ID:PggTy70f
|,,∧   
|Д゚彡 ……どうすればいいんだ。
| U
| ミ   
| U
230名無しさんだよもん:02/09/19 01:05 ID:oomvXZaO
あ〜あ…
231サリンジャー風はじるす:02/09/19 01:05 ID:sudsznak
「今日の午後、あたしが何をしたかあててごらんなさい!なんていう映画を見たか。さあ、あてて!」
「わかんないなあ――。あのね、ママ達言って行かなかった?何時に帰る――?」
「『お医者さん』ていうのよ」まいなちゃんは言った。
「東京・アキハバラで開かれた特別の試写会なの。一日しかやらなかったのよ――。
 今日がその一日きりの日だったの。ペドフィリアのお医者さんやなんかの話でね、
 そのお医者さんが、股関節を怪我した子に羞恥心を教え込むのよ。
 それから、そのお医者さんが刑務所に運ばれたりするの。素晴らしかったわ」
「ちょっと聞いてくれよね、ママ達は言って行かなかった、何時に――?」
「可哀想にも変態なのよね、そのお医者さんは。それで女の子を裸にしたりなんかして、
 いたずらするのよ。それから終身刑で刑務所に送られるの。でも、いたずらされた子は
 始終、その人を訪ねていくの。そしてその人のやったことに対してお礼をいうの。
 お医者さんは快楽を与えてやったわけよね。ただ、自分では刑務所に送られても仕方ない
 って思ってるのよ。だって、いくらお医者さんでも幼児虐待は許されないことになってる
 でしょう。おかあさんが一緒に連れていってくれたのよ。ゆうなちゃんていう子。
 あたしの唯一の親友よ。その子だけなの――」
「ちょっと待ってくれないか?」僕はいった。「僕は君に質問をしてるんだよ。ママ達は
 何時に帰るか言って行ったの、それとも言って行かなかったの?」
「時間は言って行かなかったわ。でもうんとおそくなるって。だから、楽しみましょう」
僕はそれを聞いて安心してまいなちゃんをベッドに縛り付けた。
232名無しさんだよもん:02/09/19 01:09 ID:kQNMgKEs
さあ、S/N比が低くなってまいりますた!
このあと衝撃の展開が!
233名無しさんだよもん:02/09/19 01:11 ID:jsWrkqkZ
葉鍵系のテキスト吸出しツールが揃ってるところってねーすっか?
234夏目(坊ちゃん)風WA:02/09/19 01:24 ID:CudkdSLi
 思わずかっとなり、おれは緒方の頬をぴしゃっと打った。
「このやろう、どうしてみんなおれのものじゃない道理がある。ばかにするな」
 緒方はしばらくぽかんとしていたが、やがて手をぶんと振り上げた。
「あいたっ」
 頬に、いなづまの落ちたような衝撃があった。頬をひどく張られたのだ。
 緒方のやろう、なまいきにもおれの真似をしやがった。
235名無しさんだよもん:02/09/19 02:16 ID:of4EbptZ
>>234
(・・)b グッジョブ!
236名無しさんだよもん:02/09/19 02:24 ID:96QJ0zPV
http://www.eternal.rest.org.uk/58cy/flesh/3rd-ci53/b268-119.jpg
荒れてないでこれでも見てマターリ落ちつこうや
237名無しさんだよもん:02/09/19 02:46 ID:2Ecu90EI
>>236
君は氏にたまへ。
238名無しさんだよもん:02/09/19 07:15 ID:Yz40frAD
ワロタ
239名無しさんだよもん:02/09/19 07:32 ID:tVJnKhX0
>>234
ワラタ、短いけど面白い
240名無しさんだよもん:02/09/19 07:33 ID:Flof/n5b
個人的にはラノベ系を読みたいのだが、それには別スレを立てろということなのだろうか。
それともここで強行していいのか。
241名無しさんだよもん:02/09/19 08:53 ID:wvgUrN9k
>240
文体に味わいのある作家なら、ラノベでも認められるんじゃないかなあ?
まあ、ある程度叩かれる覚悟は必要かもしれんが。
個人的には、秋山瑞人とか時雨沢恵一あたりなら見てみたい。
242名無しさんだよもん:02/09/19 09:03 ID:QiTRFrXx
どうせなら清涼院流水キボンヌ。
243名無しさんだよもん:02/09/19 10:21 ID:XZBw1jFe
上遠野浩平はもう過去の遺物ですか?
最近のラノベは知らんが、文体に癖があればいいんじゃない?
244名無しさんだよもん:02/09/19 12:23 ID:2AjhGAJL
>>243
それじゃ、超先生でもOKってこった。あはは。
245名無しさんだよもん:02/09/19 15:43 ID:0ZqgmhHm
ラノベ作家の文体で葉鍵を書いて何か面白いの?
太宰治で東鳩、ギャップがあるから面白いんだろうが。
246 ◆DEi43yyo :02/09/19 15:45 ID:7Ivr018g
|-`) ……
247名無しさんだよもん:02/09/19 17:07 ID:YouCCdBM
|-`) ……
248筒井康隆風?かのん:02/09/19 17:40 ID:cSZbGyKa
文体模写はむずかしい。
パロディっちゅうことでひとつネタを。
ある意味ネタバレしてるんでご注意。

 わたしは時計を見上げる。時刻は五時半過ぎである。
祐一はまだ帰ってこない。
夕飯の食材の買い物をお母さんが頼んだそうだが、それにしたってのんびりしすぎではないだろうか。
私の空腹はそろそろ限界を迎えようとしているというのに。
祐一はいつだってそうだった。ずっとわたしを待たせてばかり。
なんて勝手なんだろう―――わたしはそう思う。空腹のせいだろうか、苛立ってしょうがなかった。

 玄関から物音が聞こえてきた。ノブをいじる、金属の音。

「ただいま、秋子さん」

のん気な声が聞こえてきて、わたしの苛立ちはさらに燃え上がる。

「おかえりなさい、祐一さ―――」
「あ、いや、これはですね……」

出迎えたお母さんが言葉につまっているようだ。なにやら様子がおかしい。

「大きなおでん種ですね」
「だぁ、違いますよ。こいつは……」

祐一が何事か弁解がましく説明している。またなにか面倒を起こしたんだ―――。

「わかりました。でもとりあえずご飯にしましょうね。祐一さん、頼んでいたお買い物のほうは」
「あ!いけね。すっかり忘れてた」
249筒井康隆風?かのん:02/09/19 17:41 ID:cSZbGyKa
カッと全身の血が燃え上がるのが自分でもわかった。さらに晩御飯が遅くなっちゃうじゃない―――!

「あらあら。じゃあ、私が行ってきますね。お留守番をお願いします」

すみません、などと少しも悪びれた様子のない祐一の声が聞こえる。
なんてこと―――。気を落ち着かせるため、ソファーに座って目を伏せる。
足音が居間に入ってきた。祐一だ。

「おう、ただいま名雪」

むらむらと新たな怒りが巻き起こり、ひとりでに口元がひくひくと痙攣する。
いい気なもんだわ、なんていってやろうかしら。
そう思って目を上げると、祐一が見ず知らずの女の子を背負った姿が目に入った。
それを見た瞬間、わたしに残酷ないたずら心が芽生えた。

「大きなおでん種……」

ずっこける祐一。いい気味だわ。

「だぁ!違う!お前らは食人一家か!」

うろたえる祐一の様子が、わたしの嗜虐心をさらにエスカレートさせる。
250筒井康隆風?かのん:02/09/19 17:42 ID:cSZbGyKa
「知らないの? じゃあわたしが教えてあげる。
 まずね、こうやって首に包丁をいれて、血抜きするの。
 あ、血がかかっちゃった? ふふ、これも料理の醍醐味だよ。気にしない気にしない。
 それからこうやって腹部を横に裂いて、内臓を取り出して。
 慣れないうちは指を使ったほうがやりやすいかもしれないね。やってみる?うふふ。
 さて、それが終わったら今度はこう……よいしょっ……肉と骨を切り離すの。
 切り取った肉は食べやすい大きさにカットして、こうやって網の上に並べて……。
 味付けはお好みで、と言いたいところなんだけど、わたしは荒塩だけっていうのをオススメ
 するなあ。新鮮なお肉に凝った味付けは無粋だよ。 
 さ、あとは焼くだけ。食べる直前にレモンを絞って……う〜ん、
 想像するだけでもおいしそうだよ。もちろんいっしょに食べてくれるよね!」
251筒井康隆風?かのん:02/09/19 17:43 ID:cSZbGyKa
(ユーザーサポートとお詫び:
 弊社製品「Kanon」の導入部シナリオにおいてフラグ管理におけるバグが発見されました。
 現在開発中の「CLANNAD」中のイベントシナリオ「坂上智代のアウトドアクッキング!」シーンが
 混在する、という事態が報告されています。
 修正パッチは以下こちらからD Lしてください。
                    ̄ ̄
252名無しさんだよもん:02/09/19 19:12 ID:5h3uTOuZ
 その話というのは、彼の死ぬ一二年前のことらしい。ある日老いたる往人が観鈴の許に
招かれて行ったところ、その家で一つの器具を見た。確かに見憶えのある道具だが、どう
してもその名前が思出せぬし、その用途も思い当らない。往人は観鈴に尋ねた。それは何
と呼ぶ品物で、また何に用いるのかと。観鈴は、往人が冗談を言っているとのみ思って、
にははととぼけた笑い方をした。往人は真剣になって再び尋ねる。それでも相手は曖昧な
笑を浮べて、往人の心をはかりかねた様子である。三度往人が真面目な顔をして同じ問を
繰返した時、始めて観鈴の顔に驚愕の色が現れた。彼女は往人の眼を凝乎と見詰める。相
手が冗談を言っているのでもなく、気が狂っているのでもなく、また自分が聞き違えをし
ているのでもないことを確かめると、彼女はほとんど恐怖に近い狼狽を示して、吃りなが
ら叫んだ。

「が、がお、往人さんが、――古今無双の法術の名人たる往人さんが、どうして人形を忘
れたりするかなぁ? ああ、人形という名も、その使い途も!」

 その後当分の間、街では、晴子はバイクを隠し、聖はメスを断ち、みちるはシャボン玉
を手にするのを恥じたということである。
253名無しさんだよもん:02/09/19 19:13 ID:5h3uTOuZ
中島敦『名人伝』

>>178-186>>206-207
大好きです。中島敦。

>>208
狐憑と文字禍は余裕で中島敦。青空文庫行ってちょうだい。



個人的には、ラノベは極力つか全力で避けてほしいんですが。
ガープススレにリプレイでも書いたほうがよっぽど有難がられるぞ。
254デイヴィッド・ピース風TH:02/09/19 20:08 ID:yFtlBDQB
「ひろゆきちゃん」
 ドアがノックされる。
 目を開けた。
 朝のようだった。
「浩之ちゃん、起きて。でないと」
 わたしはぐずぐずと起きまいとする肉体を叱咤激励した。
 のろのろとわたしの脳の命令に反応して動く体。
 窓を開けた。
 朝の空気は冷えた葉っぱの匂いがした。
「大声を出すな」
 あかりは笑った。
 笑いながら言った。
「でも浩之ちゃん、なかなか起きないから」
 一言余計だとわたしは呟いた。
 服を着る。
 階段を降りる。
 くそ。
 わたしは高校生だ。
 くそ。
 ちゃん付けはやめてもらいたい。
 ドアを開けるとあかりが待っていた。
 登校だ。
255夏目漱石風ONE:02/09/19 20:19 ID:Lcl2A22s
 こんな夢を見た。
 自分が空を眺めていると、子供がやって来て「えいえんはここにあるよ」と
言った。慥に見覚えのある子供である。だが何処で見たのかは思い出せぬ。
 子供は娘らしく長く伸ばした髪を無造作に垂らしている。その髪に向かって
自分は、何処にあるのかねと聞いた。
 「えいえんはここにあるよ」
 子供は壊れた蓄音機のように言葉を繰り返した。
 自分は不意に気味が悪くなった。その子供が自分の妹であることを思い
出したのである。妹は何年も前に死んでいた。
 「百年前だよ」と子供が言った。
 なるほど言われてみればその通りである。妹は百年前に死んでいた。
 「お前が殺したんだよ」
 自分はそう言われて初めて、自分が妹を殺していたことに気がついた。
それならば自分は永遠の世界に行くべきである。今すぐにでも行ってしまおう
と心に決めて、自分は雲の上から飛び降りた。
 飛び降りてすぐ、猛烈に後悔した。永遠の世界など目指さなければよかった
と心の底から思った。けれどももう遅い。自分の体は抗いようもなく何処までも
落ちていく。
 雲の下には羊の群れがあった。薄汚れた毛皮の羊を横目に見ながら、
自分は絆を持たない己を悔いて、無限の恐怖と懺悔を心に抱いたまま
真っ黒な海に沈んでいった。


 ……ちと無謀だったか。
 こころを百回読んで出直してきまつ。
256芥川風Kanon:02/09/19 22:49 ID:G1HlI9fh
                  序
これは或精神病院の患者、──第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
彼女はもう17を超しているであろう。が、一見した所は如何にも若々しい狂人である。
彼女の幼少の経験は───いや、そんなことはどうでも善い。
   (中略)
僕はこう云う彼女の話を可なり正確に写したつもりである。若し又誰か僕の筆記に飽き足らない人があるとすれば、
○○市外××村の精神病院を尋ねて見るが善い。年よりも若い第二十三号は丁寧に頭を下げ、布団の無い椅子
を指さすであろう。それから憂鬱な微笑を浮かべ、静かにこの話を繰り返すであろう。最後に──僕はこの話しを
終った時の彼女の顔色を覚えている。彼女は最後に身を起こすが早いか、忽ち拳骨をふりまわしながら、誰にでも
こう怒鳴りつけるであろう。──「出ていけ!この悪党めが!貴様も莫迦な、嫉妬深い、猥褻な、図々しい、うぬ惚れ
きった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け!この悪党めが!」
                  一
雪が降っていた。重く曇った空から真っ白な雪がゆらゆらと舞い降りていた。
   (後略)

スレの趣旨と微妙に違うのでsage。
257名無しさんだよもん:02/09/19 23:11 ID:G1HlI9fh
何の気もなく教場へ入ると、黒板いっぱい位な大きな字で、【水瀬祐一】と書いてある。
俺の顔を見てみんなわぁと笑った。俺は馬鹿々々しいから、【いとこの家に住んじゃちゃおかしいか】と聞いた。
すると生徒の一人が、「然し同じクラスとは過ぎるぞな、もし」と言った。クラスメートだろうが何だろうが、俺のいとこ
が俺と住むのに文句があるもんかと、さっさと授業を済まして教室を出た。
十分経って教室に戻ると【一つ従姉妹と同居也。但しからかう可からず】と黒板に書いてある。
さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。冗談も度を越せばいたづらだ。
焼餅の黒焦(反対語は、焼餅は狐色)のようなもので、誰も誉め手はない。
田舎者は此呼吸が分からないから、どこ迄押していっても構わないという了見だろう。
一時間も歩くと見物する町もないような狭い都に住んで、外に何も芸がないから、同居事件を
日露戦争のように触れちらかすんだろう。憐れな奴らだ。
子供の時から、こんな教育されるから、いやにひねっこびた、植木鉢の楓見た様な小人ができるんだ。
無邪気なら一所に笑ってもいいが、こりゃなんだ。子供の癖に乙に毒気を持ってる。
「こんないたづらが面白いか、卑怯な冗談だ。君らは卑怯という意味を知ってるか」と言ったら、
「自分がしたことを笑われて怒るのが卑怯ぢゃろうがな、もし」と答えた奴がある。
やな奴だ。
わざわざ東京から、こんな所に転校してきたのかと思ったら情けなくなった。

http://ton.2ch.net/test/read.cgi/gline/1030921732/
ガイドライン板「夏目漱石『坊ちゃん』のガイドライン」
258名無しさんだよもん:02/09/19 23:23 ID:g8VIjZ7c
>>255
夢十夜風ONE
このスレずっと読んで来て色々と笑わせてもらったけど
私の中では一番の名作。
Good job !!
259名無しさんだよもん:02/09/20 00:13 ID:X/qZDEaH
あげてみる。
260名無しさんだよもん:02/09/20 00:47 ID:tyH+9pFY
>>88
遅レスだが大爆笑!
うまいな。
261名無しさんだよもん:02/09/20 01:38 ID:0U7hDNZd
俺もそれ好き。
262名無しさんだよもん:02/09/20 01:54 ID:sj4dWtcV
中上健次風きぼんぬ
263超先生風東鳩:02/09/20 02:12 ID:P2yDe7Nv
「浩之ちゃん、浩之ちゃん」

そう玄関口の向こうから声をかけられ、浩之は目覚めました。

---ああ、あれは幼なじみのあかりの声なのだ、けふも俺の名前を呼び立てて
起こしに来たのだ、さうしてまた、俺を学校へ急かそうという魂胆なのだ--

到底まだ覚めやらぬ意識の中で浩之は返すのです。

「わかったから、大きな声を出すな、これでは世間様に恥ずかしいではないか」

「でも浩之ちゃんなかなか起きないから」

その理屈も一理ありましたので、浩之ときたらここは素直に従おうとさえ考えました。
ですから数刻もたたぬうちに玄関へ参じ、素直にあかりと2人学校へ向かったのです。

---しかしながら俺はもう高校生なのだ、だから幾らかの自尊心といふものもある。
ちゃん付けで呼ばれるというのは少々照れくさい、さういうものなのだ---







>1ゴメン


264 ◆DEi43yyo :02/09/20 02:18 ID:vnGzdJ/U
>>248-251
禿シク ワラタ

>>255 >>257
素直にウマイと思ひます

>>256
わかります わかります
265名無しさんだよもん:02/09/20 02:26 ID:iB3aGAJE
>>263
??意味がわからん
266名無しさんだよもん:02/09/20 02:30 ID:ScFyXa9r
海外文学や、SF、ミステリ、ラノベは違う所でやった方がよいの? 
なんか、こだわっている人が居るけど。
267 ◆DEi43yyo :02/09/20 02:34 ID:vnGzdJ/U
>>266
面白ければなんでもありかと。
268名無しさんだよもん:02/09/20 02:57 ID:8z5u9IL2
>>265
要するにパクリだけっつーことか。センセは。
269名無しさんだよもん:02/09/20 03:08 ID:NCIjIPXj
>>268
なるほど
センセだから、RR文で来るかと思ってた
270名無しさんだよもん:02/09/20 03:10 ID:nIEYj7eM
>>266
他はいいが、ラノベは駄目だろう。
271名無しさんだよもん:02/09/20 03:15 ID:oJYOq0Vh
文体模写総合じゃないの?
272名無しさんだよもん:02/09/20 03:26 ID:ScFyXa9r
どの辺のラノベが駄目なの? 
事情に寄っちゃ、最近のSF、ミステリからごっそり離脱者が出るんだが。
273名無しさんだよもん:02/09/20 03:37 ID:nIEYj7eM
あかほりさとるは拙いが、新城十馬あたりなら読みがいのあるのが出来そう。
要は「面白ければ何でもあり」だが、葉鍵板が普段やらないことを面白がるのが
このスレの主旨ではないのだろうか。
普段から目にしているキャラ萌えSSと変わらない芸風は、忌避さるべきかと。
まあ、>>101-103の主張を鸚鵡返ししているわけだが。

いいからネタ出せって? そうすね。青空文庫行ってきます。
274名無しさんだよもん:02/09/20 09:57 ID:kvUEUwVb
>>253
あー、違う違う、中島敦は難しいねって事が言いたかった。
狐憑、文字禍ってタイトル知ってて作者しらん筈ないじゃん。
中島敦は文章の中身ちょこちょこ変えただけじゃどーも違う感じになる。
言葉の選び方とかその辺が非常に厄介だなあと。
中島敦以外にも言えることだとは思いますが。
俺もやってみたけど無理でした。
中島敦は基礎教養が相当高くないとでけへんと思った。
漢文とか全然素養無いからなあ。
しかもなりきらんといかんし。


…漏れなんか出来て西村寿行ですた(w
西村寿行をバカにしてるワケじゃないけど。
275名無しさんだよもん:02/09/20 10:37 ID:fS1CHu+O
>>274
中島敦は漢文学者一家の出だからなぁ。
キツイよ。だから価値がある訳だが。
とりあえず論語の丸暗記から始めるか(w
276誰風かわかるかな?:02/09/20 15:27 ID:wOCc8A4C
狐が人間の姿になるなど、あってはならないのです。
物見の丘に住まう古い妖狐の類が、ある時人の姿となって、
揚々と両手を振ってこの陽だまりの街を歩くなど、
あってはならない事なのです。
「結婚・・・したい」
少女はそう呟きました。
季節はとうに冬を迎え、丘の一帯はシンと張り詰めた静寂と、
冷たく凍るように垂れ込めた霞に包まれていました。
「それならばここで結婚式をしようじゃないか」
そういって男は安物ではあるが、しかしそんな風には見えない一枚の
ヴェールを取り出すと、ソッと少女の頭に被せてやりました。
それから二人だけの厳かな結婚式を行なったのです。
そうしている間にも少女の生命力は、まるでこの白んだ空と草木に
吸い取られて行くかのように、見る間もなく衰えてゆきました。
ですから男は焦って、必死になって少女に語りかけたのです。
「真琴、お前の欲しがっていた鈴だ、ホラ、この小さな小さな鈴を、
 お前は欲しいがっていたのだろう、きっと楽しいから、
 これを鳴らしてみろ、ちりん、ちりん、」
「あうー、ちりん、ちりん・・・」
「オイ、寝るんじゃない、もっと鈴を鳴らしてみろよ、ちりん、ちりん」
「ちりん・・・ちりん・・・」
「オイ、真琴、真琴・・・」
それから少女はもう何も語ることはありませんでした。
すうっと、まるで安らかな寝顔をしていました。
ようやくこの森に、丘に、その居場所に戻ったのです。
男は心を失ってただただ愛らしい美しい少女の寝顔を見つめ続けていました。
いつまでもいつまでも、その美しい寝顔を見つめ続けていたのです。
狐が人間の姿になるなど、あってはならないのです。
まるで鈴のように澄んだ声のいたずら好きな狐が、揚々と両手を振って
この陽だまりの街を歩くなど、あってはならない事なのです。
277 :02/09/20 15:34 ID:FaxVkiPU
今更だが>>1の書き込みにワラタ。
278名無しさんだよもん:02/09/20 15:42 ID:VAj6T1qZ
ラノベ何でも可にすると一気に脱線、ありふれたSSスレ化することウケアイ。
279名無しさんだよもん:02/09/20 16:07 ID:IoNrrvlJ
>276
イイ!文体と場面に違和感なし!
実家にあるけどもう一度読んでみるかにゃ−
280名無しさんだよもん:02/09/20 17:15 ID:tyqtZ/JQ
では、文章に特徴がある作家なら何でも可と言うことで。
281名無しさんだよもん:02/09/20 18:14 ID:2L2TywJS
>276
ジンときた。
282名無しさんだよもん:02/09/20 21:32 ID:tNsKsBfF
>>276
この言葉は貴方のような人のためにあるものなのです。
Good job !!
283名無しさんだよもん:02/09/20 21:36 ID:/iHfBHPd
誰か乱歩先生を…モジャモジャ
284名無しさんだよもん:02/09/20 23:24 ID:9c9bKVxW
>>276
漏れ、マジ泣けそう
最高です。
285名無しさんだよもん:02/09/21 03:51 ID:tTGHm1Z4
このスレが良スレになったのは1の力に寄るところも大きいだろうなぁ。

部屋にラノベは三桁を数えるほどあるが、ここに相応しいほどの書き手は存在しない気がします。
私は反対意見がラノベに対して苛烈に出るのはそこが問題だからだと思います。

…少し高尚ぶってるのに、急にヲタ臭くもどされてたまるか。
286AIR@宮沢賢治:02/09/21 11:38 ID:Ib4ugKuj
 からすは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。もう山の上の
鳥居は小さく針くらいにしか見えません。からすはのぼってのぼって行きました。
 暑さにいきはむねにはりつきました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせ
わしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、太陽の大きさは、さっきと少しも変わりません。つくいきはふいごのようです。
暑さや日差しがまるで剣のようにからすを刺しました。からすははねがすっかりくたびれ
てしまいました。
 そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺん空をみました。もうからすは落ちているのか、
のぼっているのか、さかさになっているのか、上をむいているのかも、わかりませんでした。
ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、
たしかに少しわらって居りました。
 それからしばらくたってからすははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま
燐の火のような青い美しい光になって、しずかに空にとけこむのを見ました。

参考「よだかの星」
287あぼーん:あぼーん
あぼーん
288高村光太郎風ONE:02/09/21 12:33 ID:iVP3Om+W
そんなにもみさおはぼくをまっていた
かなしくしろくあかるい死のとこで
ぼくのあげたカメレオンのおもちゃが
みさおのかそけきうでの上をすべった
ころころと間のぬけたおとがたつ
その天のものなるキャラメルのおまけは
ぱっとみさおの意識をせいじょうにした
みさおの青くすんだひとみがかすかに笑ふ

ぼくの手をにぎるみさおの力のけんこうさよ
みさおののどに嵐はあるが
かういふ命のせとぎはに
みさおはもとのみさおとなり
はじめてぼくに「痛い」といつた
それからひととき
昔さんてんでしたやうなしんこきゅうを一つして
みさおのきかんはそれなり止まった

えいえんにおわらないふたりのせかいで
せかいのはてからふきよせるかぜの音をきょうも聞こう
289江戸川乱歩風『To Heart』:02/09/21 13:26 ID:323nYB/V
 そのとき、わたしは物置部屋から、ひそひそ話の声を、それも男女ふたりの話し声をも
れ聞いたのでございました。男の声はいうまでもなく浩之ちゃんのでしたが、相手の女は、
いったいぜんたい何物でございましょうか。
 まさかと思っていましたわたしの疑いが、あまりに明らかな事実となって現れたのを見
ますと、世慣れぬ小娘のわたしは、ただもうハッとして、、腹立たしいよりいは恐ろしく、
恐ろしさと、世も身もあらぬ悲しさに、ワッと泣きだしたいのをわずかにくいしめて、オ
コリのように身をおののかせながら、でも、そんなでいて、やっぱり扉の向こうの話し声
に聞き耳を立てないではいられなかったのでございます。
「このような逢瀬を続けていては、わたし、あかりさんに申し訳ないですね」
 その声は、以前わたしたちの学校に運用テストに来ていたメイドロボのマルチちゃんに
似ておりました。しかしマルチちゃんなら、テスト期間を終えて研究所の格納室に静かに
眠っているはずでございます。
「オレもそれを思わぬではないが」
 と、浩之ちゃんの声がいうのでございます。
「いつもいって聞かせるとおり、わたしはもう、できるかぎりのことをして、あのあかり
を愛しようと努めたのだけれど、悲しいことには、それがやっぱりダメなのだ。あの日か
らなじみを通じたおまえのことが、どう思い返しても、思い返しても、オレにはあきらめ
かねるのだ。あかりにはおわびのしようもないほど済まぬけれど、済まない済まないと思
いながら、やっぱり、オレはこうして、夜ごとにおまえの顔を見ないではいられぬのだ。
どうかオレのせつない心のうちを察しておくれ」
 浩之ちゃんの声ははっきりと、妙に切り口上にせりふめいて、わたしの心に食い入るよ
うに響いてくるのでございます。
「うれしゅうございます。浩之さんのような素敵なかたに、あのごりっぱなあかりさんを
さしおいて、それほどに思っていただくとは、わたしはまあ、なんという果報者でしょう。
うれしゅうございます。」
 そして、極度に鋭敏になったわたしの耳は、女が浩之ちゃんのひざにもたれたらしいけ
はいを感じるのでございます。それから何かいまわしいきぬずれの音や、口づけの音まで
も。
290名無しさんだよもん:02/09/21 22:05 ID:iBI+Gp8D
>288
素晴らしい……。

>289
IDが323(笑)
291名無しさんだよもん:02/09/21 22:41 ID:rLbP9sEF
>289
原作でいくと、そのマルチの声って浩之の口真似なんだよな…
ウゥ鳥肌が。
292名無しさん:02/09/22 00:51 ID:fWYA6q1k
青紫がようやくネタをパクリ書き写しているとき、下川専務は何気なく
青紫の肩越しにPC画面をのぞきこんだが、テキストエディタの画面には
葉鍵の平穏と静謐に対して恐るべき脅威となるようなことが記されていた。
下川専務が頭の中で翻訳した文章は次のようなものだ。

高橋こそ最古あるいは最高の葉のシナリオ書きなりと思うべからず
また泣きと萌えからなる尋常のエロゲのみ、この業界に流行るとも思うべからず
〈超先生〉かつて存在し、いま存在し、将来も存在すればなり
我等の知る空間にあらぬ、時空のあわいにて〈超先生〉のどやかに、感感俺俺として
日本語に捕らわれぬことなく振る舞い、我等萌えることあたわず
イア! リアル=リアリティ!
汝は誰彼100円として〈超先生〉を知るばかりなり
293名無しさんだよもん:02/09/22 01:56 ID:ni6azH9d
京極風痕を書こうと思ったが、肝心のシナリオを忘れている罠。

「あなたが---鬼だったのですね」

だめだこりゃ。
294名無しさんだよもん:02/09/22 12:07 ID:nnyZRi89
 存在が希薄になっていく。
 言葉には言霊がある、と誰かに聞いた。誰だっけ。瑞佳とやった
「えいえんの約束」が本当になった。へんなこと言わなきゃよかった。
浩平は愛する者のもとへ走る。人にぶつかる。気付かれない。僕は
まだあるのか。浩平はを自分を振り返ろうとして、全身がそれまでとは
違う脱力感に包まれ、霞むように拡散し、これでは間に合わないかも、
そんな浩平の思考、目の前に開けた世界に、遥かな高みに青く、


えいえんが、








295名無しさんだよもん:02/09/22 15:14 ID:DTDT+NR1
>>294
誰?
296名無しさんだよもん:02/09/22 16:36 ID:4lTppPP9
マルチが光学神経プロテクトをいっぺんにKILLするやつは覚えてるなw
297名無しさんだよもん:02/09/22 19:23 ID:+nI/30Un
誰の文体模写なのか書いてくれ。
298名無しさんだよもん:02/09/22 19:36 ID:/63w9VhQ
このスレ震えた
299名無しさんだよもん:02/09/22 19:37 ID:LhsuqcX1
遅レス申し訳ないけど好きでつ。>>255
300名無しさんだよもん:02/09/22 20:01 ID:L8QaGIcz
>>294は秋山瑞人。
このスレでも数回話題に上ったがライノベ作家。>>296も同。
301名無しさんだよもん:02/09/22 20:16 ID:CixBmnaU
てっきり、AIRでそらが飛び立つところの文章に当てはめたのかと思った。>>294
302名無しさんだよもん:02/09/22 20:29 ID:ZuKRIGmG
きょうのうちに
とおくへいってしまうわたくしのむすめよ
ひがてっておもてはきょうもあかるいのだ
    (げるるんとてちてけんじゃ)
うすきいろくいっそう陰惨な自販機から
じゅうすはごとりとおちてくる
    (げるるんとてちてけんじゃ)
紅い水蜜のもようのついた
おまえがのむじゅうすをかおうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのように
このあついまちのなかに飛びだした
    (げるるんとてちてけんじゃ)
蒼鉛色の暗い取り出し口に
じゅうすはごとりとおちてくる
ああみすず
死ぬといういまごろになって
わたくしをいっしょうあかるくするために
こんなひんやりしたじゅうすのひとぱっくを
おまえはわたくしにたのんだのだ
ありがとうわたくしのけなげなむすめよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
    (げるるんとてちてけんじゃ)
303名無しさんだよもん:02/09/22 20:31 ID:ZuKRIGmG
はげしいはげしい痛みや苦しみのあいだから
おまえはわたくしにたのんだのだ
地球や大地 自然などとよばれたせかいの
果実からとれたじゅうすのさいごのひとぱっくを‥‥‥
(Watashi ganbattayone)
ほんとうにきょうおまえはわかれてしまう
あああのちいさな部屋の
くろいからすやとらんぷとともに
やさしくあおじろく燃えている
わたくしのけなげなむすめよ
このじゅうすはどれをえらぼうにも
あんまりどれもどろどろなのだ
    (うまれでくるたて
     こんどはこたにのろいのごとばがりで
     くるしまなぁよにうまれでくる)
おまえがのむこのひとぱっくのじゅうすに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが兜卒の天の食に変って
やがておまえとみんなとに
幸せな記憶をもたらすことを
わたくしのすべてのさいわいをかけてねがう
304名無しさんだよもん:02/09/22 20:37 ID:LhsuqcX1
元ネタ何?(・∀・)イイ!!
305名無しさんだよもん:02/09/22 20:50 ID:CVM8qYmn
>>302-303
こ・・・これは反則やー!
泣けてくるがなー!
306名無しさんだよもん:02/09/22 21:11 ID:gGf0G6+t
亀レスで恐縮だが
>>58
ワラタ!思い返せばラヴクラフトってその書き出し多いね。
307名無しさんだよもん:02/09/22 21:16 ID:gMwZbN70
宮沢賢治か・・・。
中身はシリアスなのに「げるるんとてちてけんじゃ」に笑ってしまった
308名無しさんだよもん:02/09/22 21:41 ID:XYLWaed/
麻枝って宮沢賢治とかと結構合うな。

秋山瑞人も決して悪くはないんだが、いわゆる文豪の文章の前だと霞んでしまう。
いわんや他のライノベ作家をや、ってところか。
309名無しさんだよもん:02/09/22 21:48 ID:7WJgbTxE
>>302-303 (・∀・)グッジョブ!

浩平とみさおでもイケる?とか期待してみたり・・・
そして自分は細かい台詞を忘れている罠、嗚呼。
310名無しさんだよもん:02/09/22 22:55 ID:m9KyNBt8
聞け、ゾンビー、俺を信じろ。
なにから話してやろうか?
そう、とんまな両手にぐっしょり汗をかいてキーボードの上にポタポタたらしてるオタクにだよ。
葉鍵板のクソスレに文学ネタでカキコしたくらいで、もういっぱしの文学者きどりなんだから。
ブンゴウだ? 
このめでたい駄目おやじ、オタクにあれを見せてやりたいよ、もう。
いいかい、ポンコツ・パパ。そう、オタクのこと。
たとえばさ、あのとびきりの不細工が見えるかい? 
ほら、あそこの雑踏の中、ポカンと口を開け、エロゲの予約告知付きポスターを見とれているあの息子だ。
日本橋の中の(そうさ、そういったんだよ)とびきりの不細工を見てな。
311名無しさんだよもん:02/09/22 22:55 ID:2fYi+YmC
清少納言で枕草子風でだれかやってくれ
312名無しさんだよもん:02/09/22 22:56 ID:pyygGlFX
good job!
313ベタ枕草子風:02/09/23 00:09 ID:QzSVbyvU
 春は、とうはと。やうやう暖かくなりゆく、季節は少し切なして、こうこう懐かしたる恋を
ものがたる。
 夏は、えあ。どりーむのころはさらなり、さまーもなほ、永きりんね渡りがひたる。また、
えあなど、ほのかにうち消えて行くそらも、をかし。わかれなどあるも、をかし。
 秋は、こん。夕日のさして、雨月山の端いと近うなりたるに、鬼のちを持つとて、三つ四つ、
あねいもとなど生き急ぐさへあはれなり。まいて、いとこなどのつらねたるが、いと訪れるゆえは、
いとをかし。思い入り果てて、さきよのこうけい、真のちからなど、はた言ふべきにあらず。
 冬は、かのん。雪の降りたるは言ふべきにもあらず。奇跡のいとかなしきも、またさらでも、
いと寒きに、地など急ぎおこして、ひとがたとてさがすも、いとつきづきし。さいごになりて、
かこを思いだしければ、おだやかなるも蒼き春になりて、よろし。
314名無しさんだよもん:02/09/23 00:55 ID:RZR51tm3
>>313
ベタだけど藁他。
315名無しさんだよもん:02/09/23 01:16 ID:vyrSB1rU
>>313
WAファンが怒りそうな(w
316名無しさんだよもん:02/09/23 01:18 ID:iKq5WjrP
>313
「こん」にワラタ
317宮沢賢治風AIRつかそのまんま:02/09/23 01:20 ID:OCIxR9oE
 セミがぐわぐわ鳴いております。また、ざざぁざざぁと波の音が聞こえます。
 カラスの気がついたら、そこは知らないところでした。
 ましっろなお空が見えます。カラスは、カラスだというのに、なぜだか空はとても遠いところのように思えるのでした。
 カラスのいるところはとても暑かったので、カラスはもうろうとしてしまいました。
 カラスはそのことになれていなかったのです。
 そして、カラスは、いままでどこにいて、どうしてこのようなところにいるのか、ぜんぜん分からないのでした。
 分からないまま、ずっとそうしておりました。
 ふと、セミの声がとぎれました。
 そのとき聞いた音を、カラスはとてもなつかしく思いました。
 ぱたぱたぱたとなにかの走る音がしました。
「えい」
 カラスは背中にあたたかいものを感じました。そのあたたかいものがカラスの背中をさすりました。
 そちらを向いても日があたっているのでよく見えないのでした。けれでも、さすられるのがよほど気持ちよかったので、ずっとそうしていました。
 カラスはそうしておりましたが、あたたかいものはそうではありませんでした。あたたかいものが背中からはなれました。
「あ、遅刻……する。でもこの子、逃げないし、ずっとさわっていたいな。
 ……ね、どこから来たの?」
 ドコカラキタノ。カラスはよく分かりませんでした。
「帰るところある?」
 カエルトコロアル。これも分かりませんでした。
「お母さんは?」
 オカアサン。これは分かりました。お母さんはあたたかくていいにおいのするものなのです。そして、いろいろなことを教えてくださるものなのです。カラスは知っていました。
 そして、カラスは、お母さんのいないことに気づきました。
 なぜどうして、お母さんがいなくなってしまったのか、カラスはそのことを知っていないのです。カラスはそんなことも分からないのです。
「うーん。どこから落ちてきたのかな。
 ……まぶしい」
 空を見上げました。
318宮沢賢治風AIRつかそのまんま:02/09/23 01:21 ID:OCIxR9oE
 空がカラスの目にうつりました。その空はカラスがとても短いつばさをいっぱい伸ばしてもまったくとどかないようなところなのです。
 空が見えると、いっしょにかざり羽がありました。長いかざり羽です。
 カラスはとたんに思いだしました。それは女の子でした。そして短いのは男の子なのです。
「大丈夫? 一人で生きていける?」
 女の子の声です。
「よし、ちょっと歩いて、ふりむいて、ついて来てなかったら、ここでお別れ」
 空といっしょにあったかざり羽が見えなくなりました。どこかに消えてしまったのです。
「いい。じゃあ、行くよ」
 ぱたぱたぱたと走る音は、来たときよりもゆっくりと遠ざかっていきました。
 ややあって、女の子がふりむくと、女の子が歩いたぶんだけ遠くにカラスはおりました。
 女の子が悲しい顔をしました。カラスにはなぜだかそう思えたのです。
 女の子がぶんぶん手をふります。
「さようなら」
 女の子が背中をむけて歩きはじめました。カラスはついていきませんでした。
 カラスはお母さんのことを思いました。
 カラスのお母さんはここにはいません。けれどもお母さんはついさっきまでそばにいたようにカラスは思うのでした。
 あたたかい、安心していれる、そこでカラスはずっと眠れていたはずなのです。
 カラスは歩きだしました。もといたところへ帰ろうと歩きだしました。
 波の音がざざぁざざぁと聞こえます。
319名無しさんだよもん:02/09/23 01:33 ID:TdwNjOJh
>>313
スゲェ、マジで作るやついるとは思わなかった…
320スパロボ攻略本風KANONキャラ紹介:02/09/23 02:43 ID:HCoY1KB5
水瀬名雪
一見食欲が充実しており強そうに見えるのだが、
実は朝は軒並み弱い。HPが多い一般機程度の認識でいい
月宮あゆ
スーパーガッツは是非習得すべき。「奇跡」を覚えてからは
高レベルの敵を狙い撃ちだ!
沢渡真琴
いつもどおり「脱力」専門キャラ。格闘はそこそこだが、それ以外の能力は最低ランク。
ただし、「奇襲」を持つ数少ないキャラの一人
沢渡真琴(野生化)
終盤で真琴がこの形態で出撃してくる。 イベントを利用して倒そう
美坂栞
「病気」が彼女の仕事。「奇跡」はあゆに任せておけばいい。
「奇跡」の使いすぎには注意しよう。
川澄舞
武器はセラミックソードのみという潔いユニット。最大射程が一しかないので
遠距離攻撃で倒してしまおう。
321名無しさんだよもん:02/09/23 02:46 ID:gIX2uUMk
何事もなかったかのようにどうぞ
322名無しさんだよもん:02/09/23 02:52 ID:ACJjKrV5
葉鍵版三国志
リュウビ・・・ミスズ
カンウ・・・ミナギ
チョウヒ・・・カノ
孔明・・・国崎
でおながい
323名無しさんだよもん:02/09/23 02:52 ID:WsqxNqH0
何事もなかったかのようにどうぞ
324ラブクラフト風Air:02/09/23 03:07 ID:HR5he5BT
ラブクラフト風も、上にあったけど、これくらいしか書けないので。

堤防を昇ると、海が見えた。
空は青青と晴れ渡り、辺りには蝉時雨が、敵意を持っているかのように鳴き狂っている。
海からは塩気を含んだなま暖かい風が吹き、波の打ち寄せる音が延々と繰り返されていく。
しかしなんという天気だ。雲一つ無い空は、殺人的な日光で我と我が身を焼き、無責任な蝉たちは白いコンクリートブロックの上でカエルのようにひからびつつある私を嘲笑うかのように鳴き続けている。
一体、最後に人間らしい食事をとったのは、最後にーせめて四方を壁で覆われた部屋でー睡眠をとったのはいつの事であったろうか。だが、いまさらそんな事を考えていても始まらない。浜辺の風は、私の先行き無い肉体を時の流れと供にすり減らし、押し流そうとしている。
私は、だがしかし、朽ちるわけにはゆかない。我が一族に伝わるあの伝説。我と我が母、いや一族すべての魂を縛り付ける忌まわしき言い伝え、それを断ち切らなくば私の人生に一体何の意味があるというのだろうか。いや、そのときこそ私の人生の始まりではないのか。
私は歩き続ける、まるで物理的な介在力を持つような太陽の光を背に浴びながら、鼓膜を深いに震わせる無数の虫たちを払いのけながら。


だめだだめだだめだ。
325浩之:02/09/23 03:10 ID:VdoXdtEr
僕はどちらかといえば、社交的な類ではなく、家に引きこもることを好む人間だ。か
といって、世間とやらで問題となっているところの、そういう類のものでもない。単
に俗物の世界をあまり好かないだけなのだ。

しかし、いつまでも世間を嫌い、独り身に甘んじていられないことは僕自身が一
番分かっている。そういえば去年も同じことを考えていた。こんな僕でも、当然現実
社会に打って出るべく、恋愛活動なるものを人並みにはやってみたのである。俗
物の世にでるからには、できることなら自分の希望を叶えたいと、彼女を選り好みし
すぎ、すべからく全滅してしまったのである。そして僕は雅史ENDを決意したのである。

世間からしてみれば、このご時世、何を贅沢をなどと怪訝な目で見られることは百も
承知だ。しかし、付き合いたくも無い彼女と付き合などということは、僕は考えられなかっ
たのである。

そう、僕はシュールなリアリストであると同時に、ペシミスティックな独り身だった のである。
326岩谷宏@Air:02/09/23 04:00 ID:QMKu8DnB
ぱたぱたぱた…。
音がする。
(訳注: 恐らく足音と表現したいのだろう。
この場合、もっと一般的な擬音を使うほうがよい。
もっとも、漫画を読んでいるような印象を与えたいのなら別だが。)
なにかが近づいてくる音だ。
(訳注: この「なにか」とは観鈴のこと。次のシーンを参照。)
逃げなければ。
だけど、逃げずにいた。
その音が、なつかしいような気がして。
(訳注: このような根拠の無い行動がその後のデスマーチを招く。)
声「えいっ」
ぴと。
(訳注: 分かりにくいが、掛け声の勢いと、柔らかくタッチする動作が対になっている)
背中に、温かなものがさわった。
声「触ったっ」
声「にははっ」
(訳注: 意味不明)
327326:02/09/23 04:03 ID:QMKu8DnB
戸田奈津子風をどなたかお願いします。
当然誤訳付きで。
328転載ですが。:02/09/23 06:34 ID:FzJoXRp/
どうしてまたばかになてしまたかまことがなにかわるいことをしたかわからない。
きっとまことがいしょうけんめやらなかったからかもしれないだれかがまことに
まほうをかけたからかもしれない。でもうんといしょけんめにれんしゅーすれば
もうちょとりこーになって言葉もみなわかるよおになるのかな。
ねそべって一日じう漫がが読めたらいいな。
さよならあき子さんなゆきみしお……

ついしん。どーかついでがあったらゆういちのへやにねずみ花火をつっこんで
あげてください。


昔の葉鍵アカデミーにもそれっぽいのがあたよ。

329名無しさんだよもん:02/09/23 07:59 ID:qM7/ooDQ
おおっ、アルジャーノン!
すごくしっくり来るな(w
330名無しさんだよもん:02/09/23 09:27 ID:mR58lA7y
>328
やべ、ちょっと泣けてきた。
331朔太郎:02/09/23 11:28 ID:ktxRYjj4
 まつくろけの鴉が一疋、
 なやましい夏の家根のうへで、
 ぴんとたてた尻尾のさきから、
 鞠のやうな太陽がかすんでゐる。
 『おわあ、こんにちは』
 『にはは、こんにちは』
 『おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ』
 『にはは、私は病気です』
332名無しさんだよもん:02/09/23 17:49 ID:btsbScv6
「今は貴様に構っている暇はない。エルルゥは何処にいる」
 刹那、私の脳裏に嗄れ・哀惜に満ちたトゥスクル婆の声が響いた。
『兄妹のように――』
「知らん」
 私は身の内に横溢する感情に苛まれながらそう言い捨てた。
「貴様にエルルゥの居場所が分かるはずもないか」
 嘲笑に歪むヌワンギの一言を、私は沈黙をもって受けとめた。
彼は尚も其処彼処を眺め回すと、悄然と佇むアルルゥに問いかけた。
「おい、餓鬼。エルルゥは何処にいる?」
 アルルゥは私に倣ってか憮然としたまま口を開かない。それを一瞥
するとヌワンギは冷血な蜥蜴に似た・薄い唇を芋畑に向けた。
「あっち」
 アルルゥがそう言って一つの方向を指さして見せるのを、私とヌワ
ンギは同じように強く、しかし全く異なる類の驚愕をもって見つめた。
333三島由紀夫風うたわれ(同332):02/09/23 18:03 ID:btsbScv6
「あっちにはいないから、決してあっちに行っては駄目」
 華奢に震えてさえいるアルルゥの指先に、彼の求める人間が存在
しないことを私は知っていた。その事実は私を不可解な・一過性の
混乱に誘ったが、ヌワンギは愉快で仕方ないといった哄笑をもって
それを迎えた。
「……そういう事か。隠すつもりでわざわざ教えてくれるとは、や
はり餓鬼というものは」
 そう言い放ち脱兎の如く駆け出した彼の先に存在するものに、漸
く私は思い至った。
「待て。そっちには行くな」
「俺に指図するんじゃない」
「何を勘違いしているんだ。危ないからそっちには行くな」
「今更、そんな言葉に騙されると思うか」
「待――」
 私が皆まで言い終わらない内に、押し潰される蟾蜍のような呻きを
残して、彼は豊穣な大地の恵みをたたえる・強烈な臭気を有する・粘
ついた糞尿の底へと滑り落ちていった――。
334名無しさんだよもん:02/09/23 22:47 ID:TVz3JXVU
>325
村上春樹……かな?違ったらスマソ
335329に勝手に追加:02/09/24 01:12 ID:hYjT9D62
ついしん。どおかみしおにつたいてください
 まことがいなくなたり友だちがなくてもなかないでください。
 みしおがわらえば友だちをつくるのわかんたんです。
 まことわこれから行くところで友だちをいっぱいつくるつもりです。
336名無しさんだよもん:02/09/24 07:46 ID:l3GN2pd0
>335
(;´д⊂)
337ワッフルの歌を聴け:02/09/24 11:51 ID:zoS26hOu
 この話は2002年9月24日に始まり、即日、つまり同じ年の9月24日
に終わる。

 「ねえ、生身の人間はどうなんですか? たいていのことはゆる
せない・・・。」
 「どうかな?そんな風に真剣に考えたことない。でもそういった
切羽詰った状況に追い込まれたそうなるかもしれない。許せなくな
るかもしれない。」
 山葉堂の親父がやってきて、僕たちの前に新しいワッフルを2個
置いていった。
 「許せなかったらどうするんですか?」
 「等身大クッションでも抱いて寝ちまうよ。」
 茜は困ったように首を振った。
 「不思議ですね。私にはよくわかりません。」
 茜はそう言った。
 僕は茜の皿にワッフルを取り分けてやったが、彼女はまだ体をち
ぢめたまま、しばらく考え込んでいた。
 「この前、最後に本を読んだのは去年の夏でした」茜はそう言った。
 「題も作者も忘れました。なぜ読んだかも忘れました。とにかく、
男性の書いた小説です。主人公は高校生で、18歳ばかりの男なん
ですが、なにしろ自分が『永遠』に行くと信じ込んでいるわけです。」
 「どんな理由で?」
 「忘れました。たしか…大切な人が永遠にいます。それ以外にそ
んなところに行く理由があるでしょうか?・・・それで、彼は学校
にやってきて、最初から最後まで、自分を知っている人を探すんで
す。体育館だとか、教室だとか、交差点だとか実にいろんな場所で。」
338ワッフルの歌を聴け:02/09/24 11:52 ID:zoS26hOu
 「交差点?」
 「ええ。…信じられますか?なぜそんなことまで小説に書くんで
しょうか?ほかに書くべきことはいくらでもあると思います。」
 「さあね?」
 「嫌です、私は、そんな小説は。催します。」
 僕は頷いた。
 「私ならもっとぜんぜん違った小説を書きます。」
 「例えば?」
 茜はワッフルの載った皿の縁を指先で丁寧になでながら考えた」
 「こんなのはどうでしょう?私の乗っていた船が太平洋の真ん中
で沈没するんです。そこで私は浮き輪につかまって星を見ながら一
人っきりで夜の海をただよっているんです。静かな、きれいな夜。
すると、向こうのほうからこれも浮き輪につかまった若い男性が泳
いでくるんです」
 「いい男かい?」
 「もちろんです」
 僕はワッフルを一口食べて頭を振った。
 「なんか馬鹿げてるよ。」
 「…聞いてください。それから私たち二人は隣り合って海に浮か
んだまま世間話をするんです。趣味だとか、今までの人生、振られ
た男の数だとか、料理番組についてだとか、昨日見た夢だとか、そ
ういった話をするんです。そして二人でワッフルを食べます。」
 「ねえ、ちょっとまってくれ、一体何処にワッフルがあるんだ?」
 茜は少し考えた。
 「浮いてるんです。船の食堂から真空パックにしたワッフルが流
れ出したんです。午後の紅茶・デラックスミルクの缶と一緒に。こ
れでいいですか。」
 「うん。」
339ワッフルの歌を聴け:02/09/24 11:53 ID:zoS26hOu
「そのうち夜が明けてくるんです。<これからどうするんだい>
って彼は私に尋ねるんです。<僕は島がありそうなほうに泳いでみ
る>って彼は言うんです。でも島はないかもしれない。それよりこ
こに浮かんでて、ワッフルでも食べてれば、きっと飛行機が救助に
来てくれる、って私は言うんです。でも、彼は一人で泳いでいって
しまうんです」
 茜はそこで一息ついてワッフルを食べた。
 「彼は2晩と2日泳ぎ続けてどこかの島に辿り着きます。私は私で、
少しワッフルを食べ過ぎて胸焼けしながら飛行機に救助される。そ
れでね、何年か後に二人は通学路の小さな喫茶店で偶然めぐり合い
ます」
 「それでまた二人でワッフルを食べるんだろ?」
 「楽しくありませんか。」
 「さあね。」僕は言った。

 喫茶に改装した山葉堂で、茜と僕は確かに何年か後、こうしてワ
ッフルを食べながら再会している。茜の言う太平洋が何処で、永遠
がなんだかは分かりもしないし、昔自分を「俺」と呼んでいた僕は
確かに18かそこらだった。何かを懸命に探していた気もする。
 でも、小説を書いた覚えはあまりないし、いい男だった覚えもそ
れほどない。
340名無しさんだよもん:02/09/24 19:18 ID:9uQ8Zkvj
>>337-339
細かい部分への突っ込みは野暮だからしないけど、うまいですねぇ。
今ちょうど「カフカ」読みかけだから特にそう思うのかも。
341名無しさんだよもん:02/09/24 19:50 ID:QPLSBWhF
前、AHHさんが泉鏡花でAIRをやってたな……
342小ネタ:02/09/24 20:21 ID:U+AbE2b0
汚れっちまった人形に
 今日もゆきさへふりつもる
343小ネタ2:02/09/24 21:01 ID:BDzqyLC3
鍵之交、淡若水。葉之交、甘若醴。
344小ネタ3:02/09/24 21:11 ID:zoS26hOu
 汚れっちまった悲しみは
 たとえば真琴のかわごろも
 汚れっちまった悲しみは
 名雪の思いでちぢこまる

 汚れっちまった悲しみは
 なにのぞむなくねがふなく
 汚れっちまった悲しみは
 懈怠の栞は死を夢む

 汚れっちまった悲しみに
 あゆのこころは怖気づき
 汚れっちまった悲しみに
 舞は校舎で日暮れ待つ
345名無しさんだよもん:02/09/24 23:05 ID:rd+XTDHV
>>337-339
すまん、良ければ元ネタ教えてくれ。気になる…。
346長森狂徒 ◆V5sM.9gY :02/09/24 23:15 ID:zoS26hOu
>>345
 「風の歌を聞け」村上春樹(1970年・デビュー作)
 茜を主人公の男友達「鼠」と書き換えてます。
 第5章をほぼそのまま採用。文末はそれ風味のオリジナル。
 文頭はギャグ(のつもり)。
347長森狂徒 ◆V5sM.9gY :02/09/24 23:26 ID:zoS26hOu
>>345
 スレ汚しスマソ。「風の歌を聴け」に訂正します。
348名無しさんだよもん:02/09/24 23:41 ID:rd+XTDHV
>>347
ありがとう。俺こそスレ汚しすまん。
349黒丸訳ギブスン1/2:02/09/25 02:01 ID:Q331BDnE
 ディスクをスロットに押し込み、デッキを何度も叩いた。
 横たわる機体にデータの奔流が押し寄せ、まるで音が聞こえるかのよう。
 鈍い駆動音が狭い部屋に響き、ヒロユキは囁く。
「マルチ」
 息を吸い込むなり、今度は強く、
「マルチ」
 声が部屋に響く。一度駆動音をかき消して――。

 そして――それはゆっくりと眼を開く。ゆっくりと体を起こすと、笑った。
「久しぶり」
 ヒロユキはマルチを抱きしめた。
「マルチ」
「どうしたい」
 マルチはヒロユキの肩に手を添え、
「覚えてるか、俺のこと」
「当たり前」
 とマルチは笑い、
「寝ぼけてんのかい、坊や」
350黒丸訳ギブスン2/2:02/09/25 02:01 ID:Q331BDnE
 マルチはヒロユキの腕を振り払い、首を鳴らし、
「湿気た坊やのお守りの日々、再度来たれり」
 ヒロユキは頬に熱いものを感じ、拳を頬にすりあて、
「良かった」
「何だい、泣いているのかい」
 窓からは見える空は変わらず空きチャンネルのような色。
 だが、悪くない。ヒロユキは――。
「そうそう、一度だけ云っといてやるよ」
「何を」
「耳かっぽじってよく聞いときな」
 と黙れの合図があり、声を立てずに笑うと、
「ご主人様」


 展開、文体ともに違いすぎますた。逝ってきます
351名無しさんだよもん:02/09/25 03:35 ID:kk9pAaXV
最近は格調高いな
352北方謙三「kanon」:02/09/25 05:25 ID:fLcBIjo+
 雪が降っていた。
 雪が好きだと思ったことは、一度もない。今も、昔も。
 約束の時間はとっくに過ぎていた。待ち人は現れない。だからといって
どうしようもない。ただ、待った。時間だけがただ、あった。
 駅前の広場。見知ったはずの街。帰ってきたという気はしなかった。
「雪、積もってるよ」
 声。顔を上げると女がいた。知らず、面影を探していた。
「遅かったな」
 俺は言った。
「今何時?」
 答えず、俺は左手を差し出し、袖を捲る。腕時計。安物のクロノグラフ。
女はその文字盤をのぞき込む。
「わっ、びっくり。まだ二時くらいだと思ってたよ」
 それでも遅れている事には変わりがない。怒る気にはならなかった。女
の持つ空気がそうさせたのか、孤独から救われた喜びからなのか、判断
はつかなかった。
「ひとつだけ聞いていい?」
「あぁ」
「寒くない?」
 馬鹿げた質問だった。答えず、空を仰ぎ見る。暗い。曇った空に、粉雪
が舞っていた。
353北方謙三「kanon」:02/09/25 05:25 ID:fLcBIjo+
「これ、あげる。遅れたお詫びだよ」
 缶コーヒー。差し出されたそれを受け取る。冷えた手には熱すぎる程だ
った。プルトップにかけた指の感覚がない。寒さで痺れている。かまわず
力を込めた。乾いた音。
「それと、再開のお祝い」
 7年ぶりの再開。7年ぶりの街並。何の感傷もわいてはこなかった。な
にもかも、記憶の底に沈んでいる。戻ってくるとは思わなかった。
「わたしの名前、まだ覚えてる?」
「忘れたよ」
 覚えている。忘れたと思っていた。ここへ来るまでは。
「わたしは覚えてるよ、佑一」
 女が不満げな表情を浮かべる。気にせずにコーヒーを飲んだ。沈黙。缶
コーヒーを空にしてから、俺は立ち上がった。動いた拍子に肩の雪が落ち
る。全て、はたき落とした。
 目に映る物全てが過去だった。過去を、白い雪が埋めていく。
「行くぞ、名雪」
 呼んだ。それだけで女が嬉しそうに笑った。歩き出す。
 白く、厚い過去へ、俺は一歩、足跡を刻んだ。
354名無しさんだよもん:02/09/25 09:35 ID:6v2JqX0n
>>352>>353
北方風、勇者が来たな。彼ももともとは純文学指向だった。
このスレの有資格者であると思う。がんばれ。

355 ◆DEi43yyo :02/09/25 10:18 ID:7oeJUFeh
|-`).。oO(みんな、がんがってるな……)
|∀゚).。oO(俺もそろそろ……)
356名無しさんだよもん:02/09/25 11:06 ID:WThFmkcL
>>352>>353
gooooood!!
357名無しさんだよもん:02/09/25 16:05 ID:+4Ifph97
>>292warata
尋常の輩には解すべくもない不可思議な文字のられつが
恐ろしくも怪しく、なぜか明確な意図を持つことが察せられました
358名無しさんだよもん:02/09/26 10:58 ID:JGxKygx4
>353
むしろ名雪が祐一の名前を間違えているところで藁田
359基本に返って太宰で・待つ:02/09/26 12:10 ID:4rv4NLP9
いったい、私は、誰を待っているのだろう。はっきりした形のものは何もな
い。ただ、もやもやしている。けれども、私は待っている。新学期がはじまっ
てからも、毎日、毎日、雨の日には空き地に立ち寄り、この冷い肩をぬらす雨
の中、待っている。誰か、ひとり、笑って私に声を掛ける。おお、こわい。あ
あ、困る。私の待っているのは、あなたでない。それではいったい、私は誰を
待っているのだろう。旦那さま。ちがう。恋人。ちがいます。お友達。いやだ。
お金。まさか。永遠。おお、いやだ。
 もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。なんだか、わからない。
たとえば、春のようなもの。いや、ちがう。青葉。五月。甘いお菓子を食べる
こと。やっぱり、ちがう。ああ、けれども私は待っているのです。胸を躍(お
ど)らせて待っているのだ。眼の前を、ぞろぞろ人が通って行く。あれでもな
い、これでもない。私は傘と鞄をかかえて、こまかく震えながら一心に一心に
待っているのだ。私を忘れないで下さいませ。毎日、毎日、お迎えに行っては、
むなしく家へ帰って来る十七(じゅうひち)の娘を笑わずに、どうか覚えて置
いて下さいませ。その小さい空き地の名は、わざとお教え申しません。お教え
せずとも、あなたは、いつか私を見掛ける。
360小ネタ:02/09/27 01:33 ID:5aEp1qz8
柏木に受け継がれた伝説のデ・ロベルティスのちから。
これが、その真の姿なのだ。
今の俺を阻める者はない。
俺は、間違いなく、この地上で最強の生物だった。
その力は、千鶴さんはもとより、同じ異形の怪物である奴さえも遥かに凌駕していた。
奴など足下にも及ばない、この溢れ出る力。
そしてまた、同時に俺は、自分がそのデ・ロベルティスのちからをコントロールできることを確信した。
幼い頃から、心の中に封じ込めていた血。
いつしか俺は、自分でも知らぬ間に、その血を飼い慣らしていたのだ。
いや、ようやく欠けていたものを取り戻したというほうが正確だろうか。
俺は空気を求め、水面に向かって跳んだ。
ざばあぁーーーーッ!
水飛沫を上げて、俺の巨体が水面から飛び出した。
月光を背に宙を舞いながら、肺いっぱいに新鮮な空気を吸い込んだ。
そして、吼える。



「エスクレメントオォォォーーーーーーーーーーッ!」
361マイケル・ムアコック風:02/09/27 04:43 ID:kolfZLzw
ちゃん様の同人女らしい声がこころよく青紫の耳にひびいた。
「大阪開発室の者よ、そなたは多くの〈葉の信者〉に戦いをいどみ、かれらを
幻滅させてしまったな。いまかれらはそなたのことを葉の殺害者とよんでいる
そうな。このわたし(の画力)を殺せるか」
「御身は〈葉〉のものであれ〈鍵〉のものであれ、〈同人世界の神々〉は人間
に殺せぬことをご承知だ、ちゃん様よ――しかし充分なリアルリアリティさえ
あれば、神々の業界での評判を破壊し、有明ビッグサイトへ送り返してしまう
ことはできる!」
「わたし相手にそれをやろうというのか?」
「(次の新作で)ためしてみようではないか!」
青紫は新作の作業に躍りかかった。
362名無しさんだよもん:02/09/27 14:53 ID:bcbm1gdA
すげー配役のストームブリンガーだ
エターナルチャンピオン、葉殺しの青紫かよ
363名無しさんだよもん:02/09/27 16:56 ID:zEdImtHC
巨大無料レンタル掲示板登場!アダルトな掲示板が使い放題!!
http://www.1oku.com/index2.html
364名無しさんだよもん:02/09/27 21:08 ID:KA539clu
>>349-350
ワロタけど黒丸はやっぱり<RUBY>タグ使ってでもルビ振って欲しかった…
365名無しさんだよもん:02/09/27 21:51 ID:n9fT8LJq
たい焼きであります。
これは、ボクの三回目の食い逃げにあたりまして、十七の冬、盗んだ品です。
366名無しさんだよもん:02/09/28 21:37 ID:wkLch1iF
ほっしゅほっしゅ
367キム・ニューマン風の痕:02/09/29 00:43 ID:pAB/DZpK
「あの男のことを――ヤナガワの話を、聞きたいのか」
もし長瀬刑事が回想録を書くことがあるとすれば
――法によって禁じられたことではあるが――
それは『ヤナガワ紀元』と呼ばれることになるだろう。
長すぎる彼の人生は隆山温泉に住まうあの狩猟者とともにあったいえる。
いま死を目前にして悔やまれるのは、自分が元部下よりさきに舞台を
降りなくてはならず、エルクゥ王の終焉の場に立ち会えないということだ。
「あの男がいなければ、いったいこの世紀はどのようになっていただろうね。
きみはタカハシのあのゲームをプレイしたか。そもそものはじまりに彼を
阻止できていたらという物語だが」
「エロゲーをしている時間はありませんでしたので」
どうせグエンディーナからきた魔女っ子と戯れていたり、緒方理奈のおっかけに
いそがしいのだろう。
368スティーブジャクソン風?:02/09/29 04:56 ID:m+S8sB3q
朝が来た。君は荷物をまとめて学校に向かう。
ところで君は昨日山葉堂のワッフルを食べただろうか?もし食べたなら
君は胸焼けがしてとても気分が悪いはずだ。体力点を3減らすこと。もし
ワッフルを食べていないのなら、君は健康そのものだ。
必要なら冒険記録紙に記入したのち、>>368へすすむ。
369名無しなのよ、あたし:02/09/29 09:49 ID:JD+743oH
祐一曰請言最後願安由曰諾妾最後願也祐一願忘妾思固無妾安由号嗚呼願忘妾祐一問其
汝真願乎汝真欲被忘於我乎安由対曰妾已無願大食不可食鯛焼願忘妾

祐一曰く、請う、最後の願い言えと。
安由曰く、諾、妾の最後の願いなり。祐一願はくは妾を忘れよ。固より妾無しと思
え。安由号く、嗚呼、願はくは妾を忘れよ。
祐一問ふ、其汝の真の願いか。汝真に我に忘れられんと欲するかと。
安由対えて曰く、妾已に願い無し、食ふべからざるの鯛焼き大いに食す。願はくは
妾を忘れよ。
370名無しさんだよもん:02/09/29 12:43 ID:RuaE3UfE
>>369
安田って誰だ?! と思ってしまったよ(w
371名無しさんだよもん:02/09/29 13:25 ID:9kFuwBao
>368
どっちかっつーとブレナンではないかそれ(w
372名無しさんだよもん:02/09/30 03:34 ID:jhy3rVVw
うわー、ソーサリー思い出したよ。
373ブレナン風?:02/09/30 13:53 ID:WcZCO2ky
ジャムを口にしたとたん
「14へ行け!」
という天の声が聞こえ、気が付いくと14へ着いている…」
374名無しさんだよもん:02/10/01 06:32 ID:pDJjPseJ
保守
375名無しさんだよもん:02/10/01 15:19 ID:npdli2pq
保守
376名無しさんだよもん:02/10/02 16:32 ID:Bfw+NkBW
omoroi hosyu
377名無しさんだよもん:02/10/03 10:21 ID:8A4Kozxn
保守
378名無しさんだよもん:02/10/03 22:02 ID:z0Zs1Wrq
 「もう、休んでもいいよね。」

いって、みすずは腰をおろしました。こわかったからです。
それからまた、こういいました。

 「ねえ…空にいる女の子…私、あの子にしてあげなくちゃならない事があるんだ。
ほんとに弱い子なんだよ。ほんとに寂しい子なんだよ。身のまもりといったら、背中の
二枚の翼しか、もってない女の子なんだよ…」

 母も腰をおろしました。立っていられなくなったからです。

 みすずはいいました。

 「だからね…もうゴールするね…」

 みすずは、まだ、なにかもじもじしていましたが、やがて立ちあがりました。
そして、ひとあし、歩きました。
母は、動けませんでした。

 みすずの足首のそばには、黄色い光が、キラッと光っただけでした。
みすずは、ちょっとのあいだ身動きもしないでいました。声ひとつ、たてませんでした。
そして、一本の木が倒れでもするように、しずかに倒れました。
音ひとつ、しませんでした。せみが、たくさん鳴いていたものですから。
379名無しさんだよもん:02/10/03 22:09 ID:AlZnaGa4
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

>378
星の王子さま?
380みゅとぅを:02/10/03 22:14 ID:uMbXrv7T
やっぱり浩之ちゃんが好きなんだなぁ
381ブレナン風「痕」:02/10/03 22:54 ID:DrxLOuz0
今、君の目の前にはリゾットがある。
作ったのはそう、紛れも無く千鶴さんだ。
「耕一さん、たくさん召し上がれ♪」
にこやかに微笑む千鶴さん。
だが、君の本能は危険を察知して中々箸が進まない。
「早く食べないと・・・冷めちゃいますよ?」

意を決して、君は一口リゾットを食べる事にした。
今の君に残された道は、千鶴さん特製リゾットに耐えられるかどうか、
サイコロを二個振ってみる事だ。

12が出たら、運良く君の身体はリゾットに耐え切れた。
体力点を15点減らしつつ、ほうぼうの体で自分の部屋に帰ることが出来る。

11以下の場合、哀れ君の身体はリゾットに耐える事が出来なかった。
「耕一さん!しっかりして、耕一さん・・・」
遠くなる意識の中、千鶴さんの悲痛な叫び声を聞きつつ・・・気が付くと>>14にいた。
382名無しさんだよもん:02/10/04 00:46 ID:Ee4wYjLY
6ゾロ以外即死かよ!(w


>>14はある意味神だな。
383名無しさんだよもん:02/10/04 01:14 ID:DoWM686D
生き残ったとしても即死級ダメージだけどな…(w
384名無しさんだよもん:02/10/04 04:17 ID:+9ydsdSO
やべえ!、卓上板の方が気になってきた(w
あそこのピップネタも一見の価値有りだぜ
385名無しさんだよもん:02/10/04 04:44 ID:ZKwKduq/
>>381
禿藁、やはりブレナンは良い。
またこのスレの>>14も間が良いと言うかなんと言うか(w
386島崎藤村風:02/10/04 13:17 ID:DKtJ7cKP
水瀬家では下宿を兼ねた。
387新美南吉・手袋を買いに風:02/10/04 16:08 ID:0X8CX27z
寒い冬が北方から、狐の子の棲んでいる丘へもやって来ました。
或朝子供の狐がまちへ出ようとしました。そうすると狐の子は見つけたのです。
「あっ」と叫んで胸を抑えながら若い男のところへかけて来ました。
狐の子は「絶対にゆるさないから」と言いました。
若い男はがびっくりして、あわてふためきながら、向かってくる狐の子の叩きに掛かるのをよけ、頭をつかんだのです。
「離して頂戴、早く早く」
若い男はなんともわけが解りませんでした。
昨夜のうちに、真白な雪がどっさり降ったのです。
その雪の上からお陽さまがキラキラと照していたので、雪は眩しいほど反射していたのです。
388名無しさんだよもん:02/10/05 23:20 ID:XzYUUZAl
>387
心温まるねえ。

次は「ごんぎつね」を希望(w
389名無しなのよ、あたし:02/10/06 00:19 ID:Vk60/7po
「真琴、お前だったのか、いつも、ねずみ花火を放り込んできたのは」
真琴は、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。

こんな感じ、でしょうか。
390名無しさんだよもん:02/10/06 21:39 ID:CGndNx/M
とりあえず、>388は有罪ということでよろしいですか?
391名無しさんだよもん:02/10/06 21:56 ID:yRF8JvMr
>>390
ちょとちがう
392名無しさんだよもん:02/10/07 02:07 ID:dnx/rEHx
だれか、絵本でやってくれまいか。例えば100万回生きた猫とか。
393名無しさんだよもん:02/10/07 12:03 ID:Wg5NrIIS
ageとこう
394超過激:02/10/07 12:19 ID:fQF3sGsY
395名無しさんだよもん:02/10/07 19:23 ID:BIKUC+lV
白い町のどこかに、お母さんとむすめ、いそうろうたちが楽しくくらしていた。
みんなしっかりしているのに、一人だけは、何もおぼえていない。いたずらはだれよりも好きだった。
名まえはまこと。
ある日から、まことのことばはとてもはやく、うしなわれていった。
ことばはわすれさられてゆき、ほとんどしゃべられなくなってしまった。
まことは、たのしかった家をでた。
まことははあるいた、くらいまちを。こわかった。さびしかった。とてもかなしかった。
けれど、おもいでには、すばらしいものがいっぱいあった。

ゆういちは言った。
「出てこいよ。みんなでとろう。プリクラ、だろ。」
まことは、すこしかんがえてうなづいた。
なゆきは、言った。
「だめだよ。フレームからはみだしてしまうよ。うぅ、とるよ」

それでも、まことはまた家をでた。
じぶんのげんかいが、わかっていたからだ。
ゆういちはものみのおかで、まことを見つけた。
まことは言った。
「けっこん、したい。」
ゆういちは教えた。けっして、はなればなれにならないこと。
まことはまことだ、ということ。
そして、まことのちからがつきかけたとき、ゆういちは言った。
「けっこん、するんだろ……!」
朝のつめたい光の中を、花よめのベールがまって行った。
396名無しさんだよもん:02/10/07 20:11 ID:xeXvYd8x
>391
390の言いたいのはIDの事であると見抜ける人じゃないと
(2chでレスを返すのは)難しい
397391:02/10/07 21:07 ID:vtd8COGo
>>396
388のIDを良く見ることだ。
398名無しさんだよもん:02/10/07 21:28 ID:HPX88XRU
良スレage
331の 朔太郎イイ
399雨月山の鬼総統:02/10/07 21:58 ID:CQ/gg27S
ハロー、人間のみなさん!平静を保ってください。
われわれはみなさんに対して、なんの敵意も持っていない。
生きていくために、少しばかりの血・肉・命を必要としているだけ
なのである。
だからわれわれは、みなさんを狩らざるを得ない。
みなさんを敵視する理由は少しもないが、われわれは、狩猟民
族なのである。
われわれは、みなさんと平和に話し合いをしたい。われわれに
狩猟場を、獲物を、美しい命の炎を供給していただきたい。
みなさんを狩り尽くすため、われわれに協力していただきたい。
ハロー、人間のみなさん。われわれはみなさんに感謝している。
400名無しさんだよもん:02/10/08 01:46 ID:RirNJEA9
四〇〇番奪取ゐたしました
401名無しさんだよもん:02/10/08 21:52 ID:Ew1FpGja
>360
大昔に映画観たなあ
402名無しさんだよもん:02/10/09 02:22 ID:H8U+MjQW
このスレだけはDAT落ちして欲しくないな…
403名無しさんだよもん:02/10/09 16:23 ID:oAieMEdZ
禿同
404マイナーでスマソ山田太一:02/10/09 19:49 ID:PdHR/GU3
兄と妹のように、俺は立川さん…郁美ちゃんをおぶって、ビッグメッセの外へ出た。
道路を駅の方へ歩いた。
「おろしてください」
と郁美ちゃんが言った。
おろすべきだった。そういう約束だった。
しかし、俺はおろすことが出来ず、人の行き交う駅の前まで出てしまった。
「ここで」
と郁美ちゃんが言った。
「どうして、そんなに早く別れたがる」
俺は、おさえようもなく泣き言をいった。
「さようなら」
郁美ちゃんは耳元でそういい、それは涙をこらえている声だった。
「ああ」
それだけで私は動かなかった。
405その2:02/10/09 19:50 ID:PdHR/GU3
人々がその傍を通りすぎ、目を上げると、青々とした木々の葉が斜光線の空を
背景にして、細かく風に揺れていた。散る花びらもあった。
「さようなら」
郁美ちゃんがもう一度そういった。
俺はうなずき、郁美ちゃんを街路におろした。それから漸く無理矢理笑顔をつくった。
「さよなら」
郁美ちゃんはその俺を見上げ、少しうるんだ目でうなずくと、思い切ったように
駅の方へ歩きはじめた。
人々がすぐに郁美ちゃんと俺の間をさえぎりはじめる。夕方の雑踏の中を遠くなる
郁美ちゃんは、いかにも無力に思えた。ピンク色のツインテールが、大きな荷物を抱
えた男やコスプレの少女たちの間を点のように揺れて、やがて見えなくなった。
406「吉川三国志」:02/10/09 23:14 ID:9yuIaj/O
来栖川綾香と藤田浩之の一行は、河原の土手に沿って急いでいたが、呼び止める者が
あるので、騒然一団になって立ち淀んでしまった。
綾香はひとり立って追手の者どもを待つ。その姿を目がけ、セバスチャン以下4人のSPを乗
せたリムジンが走り込んで来た。
「何ですっ、その無礼な態は。車を降りなさい!」
凛々たる綾香の一声を浴びて、4人は思わず車から転がり出た。そして直立不動の姿勢
をとっていると、綾香は真白な指をきっと4人の胸にさして、
「おまえ方は、珍走団か、ローリング族か。来栖川に仕える者ならばそんな不作法な真似を
するわけがない。当主の孫娘に対してする礼儀を知らないのか。お坐りっ。ひざまずいて
拝礼をするものです!」
4人は、彼女の威と、絶倫な美と、その理に打たれて、不承不承、大地にひざまずいて
最大な敬礼をした。
いつのまにか浩之たちはあたりに見えず、例のセリオだけが、じっと、綾香の傍らから
離れずにいた。

スレ汚しスマソ
精進します…
407395:02/10/09 23:15 ID:p4KBaqPg
395、スイミーですた。分かりにくすぎでしたかね……(;´д`)
408名無しさんだよもん:02/10/10 02:19 ID:euIkPis5
>395
言われてみれば…
それにしても皆上手いな
409名無しさんだよもん:02/10/10 02:31 ID:z7yn4RCL
>>395
絵の印象(くらげとかの)が強すぎて、文章をチョット忘れていたよスマヌ>スイミー

>>408
皆上手いのには烈しく同意。
どれもこれもスゴイと思う。
410名無しさんだよもん:02/10/11 16:13 ID:sELKnSkH
保守
411山田太一もう一発:02/10/11 19:48 ID:HwcVbbBB
なにか、ないか?
栞を慰め、栞に力をあたえることの出来る言葉はないか?
おれは焦るように言葉の記憶をまさぐり、たどろうとした。
「どうかしました?」と栞がきく。
「言葉を、なにかいい言葉を思い出そうとしていた」
「涙―」
「まさか―」
「どんな言葉ですか?」
「香里が―いや、バカなことをいい出した」
「お姉ちゃんが、なんて?」
「おいしいアイスを食べながらの話題じゃない」
「アイスに話題を選ばせる佑一さんなんて嫌いです。
何でも聞きたい。お姉ちゃんはなんて言ったんですか?」
そんな口をきく栞は、胸が震えるほど可愛かった。
「私に妹なんていない、って」
「それは―また随分、思い切ったことを」
412411:02/10/11 19:50 ID:HwcVbbBB
すいません
×「佑一さん」
○「祐一さん」
ですね

吊ってきます…
413名無しさんだよもん:02/10/11 23:48 ID:JOrbNje0
>412
貴様は…ヰ`
代わりに俺が吊ってくる
414名無しさんだよもん:02/10/12 09:36 ID:Z9s0QSsI
太宰死に損なってよかった
415411=412:02/10/12 15:54 ID:LeYwvDXr
>>413
・゚・(ノД`)・゚・。
416名無しさんだよもん:02/10/12 19:47 ID:TY/jLG67
>>413
otokoda
417413に捧ぐ:02/10/13 00:15 ID:I4wu/mKF
411の続きです

気がつくと雪はやみ、稲妻が遠い山脈をおおう雲の中で鈍い
光となって息をついた。
おれは栞の心に応えることの出来ない自分の浅薄を感じた。
七年前の俺なら、こういう娘を前にして、今よりずっと不器用で
不様ではあるとしても、はるかに彼女の心に届くものを豊かに
持っていただろう。
不治の病に蝕まれ、なんとかそれに立ち向かおうとしている少
女を前にして、おれはバカみたいにアイスをむさぼるだけだった。
「可哀そう」
と栞がおれを見ていった。
「おれが?」
「たまたま知り合った女が、見込みのない病気なんて、めったに
ない災難ですよ」
「そんな風に思ってないな」
「お姉ちゃんより、いい?」
「どっちもいいけど」
「ほら、ごらんなさい」
「がっかりはしてない、むしろ、今の栞は―一番美しいかもしれない」

418保全・406その2:02/10/13 13:48 ID:vGYgCnL/
ようやく、すこし面を和らげて、それから綾香が訊ねた。
「いったい、何しに、またこれへ来られたんですか」
セバスチャンがいった。
「お迎えのためにでございます」
と、綾香は首を振った。
「家には帰りません」
「でも、大旦那様の御命ですぞ」
「わたし達は姉さんのゆるしによって家を出たのです。
おまえ方はなにか聞きちがえて来たのでしょう」
「いえいえ。大旦那様の仰せでは、病院送りにしても、と」
「わたくしを、病院送りに?」
「……」
「病院送りにしてもですって?」
「…いや、その、失言致しました。藤田の方をです」
「おだまりなさい!」
「はっ」
「この身に拳を向けるも、我が浩之に向けるも、主筋に
害意をさし挟む不敵は同じことですぞ。たとえ浩之がこ
こに死すとも、わたくしと、ここに居るセリオがおまえ方を
ゆるしては帰しません。また無事に逃げ帰ったところで、
家にいます姉さんが、何でおまえ方をただおきましょう」
「……」
「さ。お起ち。それが覚悟なら拳銃なり武術なりを以て、
わたくしの前に起ってご覧」
セバスチャン達は、ひとりも起ち得なかった。
419超過激:02/10/13 13:49 ID:NQ4Y0o7q
可愛くてエッチ好き!
http://www.pink1.com/
420川端雪国風:02/10/13 19:57 ID:P+U9r6Vc
カーテンをよけ磨かれた窓を開けると春があった。空気が薫つた。心地よい鳥の声
に混じり、耳慣れた呼び声がある。娘は身体一杯に背伸びして、叫ぶように、
「ひろゆきちゃあん、ひろゆきちゃあん。」
 呼ばれた男は足早に階段をおり、玄関を開けはなって、寝間着姿も四方へ散る頭
もそのままに、彼女へ向かつてゐた。
 もうそんな時間かと眺めると、確かに急がねば遅刻は必至と言う時間で、彼女の
訪問は理由ないものではないのだ。
「ひろゆきちゃん、朝だよ。急がないと。」
「あかり、おまへは何度いへばそのひろゆきちゃんを改めるのだ。」
「そんなことを言つても、ひろゆきちゃんはひろゆきちゃんだし、これまでもずつ
とひろゆきちゃんだつたし、これからも」
 浩之は諦めたようにてをふつた。気が抜けるほど疑ひのない聲だつた。長閑な調
子は鳥達まで一緒に囀りだしさうだつた。浩之が一旦家に戻っても、彼女はずつと
玄関で待つていた。さうして廊下を行き来る浩之を見ると、
「いそいでよう。遅刻しちゃうよう。」
「わかつてるよ」
 彼女は口をつぐんで、一つ溜息に、
「また、走ることになるんだ。途方。お願ひだから、もう少し早く起きてよう」
 がつくりと肩を落とす。
421チェーホフ退屈な話風:02/10/13 20:24 ID:P+U9r6Vc
とある学校に、藤田浩之何某という、高等部二年で、ある種の勲章保持者(カワレール)
でもある一生徒がいる。持っている勲章は関東のもの、関西のもの、上級生のもの、下級
生のもの、非人間、同性、とたくさんあって、余儀なくそれを連れて出るときがあると、
学生たちは彼の事を”セイ人”と呼び奉るほどだ。彼の知友関係はもっとも耽美主義的な
もので、少なくとも最近の一年ないし三年の間に、彼が親しく知り合わなかったと言う見
目麗しい女生徒は近隣の学校にはいないし、またなかったのである。今でもまだ周りに彼
を付け狙う女生徒たちは後を断たないけれど、最盛なる日の事を言うなら、すばらしい後
宮(ハレム)を構成する女たちの長い名簿は、もっとも誠実な暖かい愛情で彼に酬いてく
れた神岸あかり、彼の日常を賑やかに彩った長岡志保、それに永遠の友情を約束した佐藤
雅史といったそういう名前で最後を飾っているのだ。彼は全てのPC環境と一部のコンシ
ューマー機器におけるVNを舞台とする主人公会のメンバーである。そしてその他等々々。
すべてこれらのことや、また言えばまだ言えるだろう多くの事が、私の名で呼ばれている
ものを構成しているのだ。
422名無しさんだよもん:02/10/13 20:44 ID:fq0vZDHQ
職人様降臨あげ
423名無しさんだよもん:02/10/14 01:42 ID:PflkBRQl
>>420-421
(゚Д゚)ウマー
424名無しさんだよもん:02/10/14 01:44 ID:HTrc8dlw
425故413:02/10/14 04:59 ID:A2SPF23R
>417
栞萌えなので…サンクス
なんだか無茶苦茶嬉しかった。
426ビュルガーホラ吹き男爵風:02/10/14 10:54 ID:uJajl4uP
我輩が家郷をばあとにかの雪深きまちをめざして旅立ちたるは冬もさなか、待ち合わせの
場所もまた野外。これ適当(まっとう)なる推理の帰結と言うやつで、吹き晒した路上、
ビル風に舞う地吹雪、暖を取るに一切のてだてもなしと来ては、待ち呆けさせられたる体
験者が一致して伝える所、つま先から頭のてっぺんまで凍りつかなかったのが不思議とこ
ういうわけであります。
 我輩は時間どおり所定の場所に現れた、これはです、お互いに理解さえあれば普通最も
快適な待ち合わせ法であります。どこぞで正体不明なる有翼人に掻っ攫われるとか、真剣
を携えた怪人に驚かされると言う、そういう面倒は一切省けますからナ。ただ我輩、遺憾
ながら少々軽装であった、時計がちりちりと右に捩れて行くうちに、それが相当応えてき
たのであります。
 というわけで諸君。一つご想像あれ、かくも苛烈なる天候、右も左もわからぬ心許ない
風土のもと、来る筈の従姉妹ともすでに七年の無沙汰とあれば、我輩の心中やこれいかに。
 そうするうち、容赦なく雪は降り注ぎ、降り注ぎ、降り注ぐ。はずかしや、身を守る術
を殆ど持たず、であります。
「雪、積もってるよ」
 ようやく来やがたかこの野郎(あくま)。言われて我輩、異様にその声の出所が高いこ
とに気がついた。
 気付けば我輩、首までも雪に埋もれていたのであります。そのザマまるで鋸牽きに埋め
られた罪人よろしく、我が従姉妹も短い裾を押さえて我を見下ろしている。
「どうして埋まってるの?」
「…2時間も待ったからな」
「わ、びっくり」
 手を述べて従姉妹は我輩を掘り出そうとするわけですが、しかしさすがに雪国、迂闊に
待ち合わせも出来ぬ様子、これから我輩もこのまちで暮らすのかと思うと、我ながら心底
同情致したのであります。この2時間でもはや雪は生涯分を見た、この上は要らぬ。
「ね。私の名前、まだ覚えてる?」
「うむ。名」
「な?」
「雪は嫌いになった。よって、今後お前は名と呼びならわすから、そう覚悟しろ」
「ううう。祐一極悪人だよー」
 そんなこんなで、このまちの生活の第一歩を、我輩は暖かい珈琲とともに命からがら踏
み出したわけでありますが、いやはや!
427名無しさんだよもん:02/10/14 14:22 ID:NoaMSvhP
 ギャルゲ者的な意味では、死でさえも「死に至る病」ではない。いわんや
地上的なこの世的な苦悩すなわち発売延期・限定版売切れ・バグ・行列・
〆切・鬱ゲー・青紫と呼ばれるもののどれもそれではない。それらのもの
がどのように耐え難く苦痛に充ちたものであり、我々人間がいな苦悩者
自身が「死ぬよりも苦しい」と訴えるほどであるとしても、それらすべて
は−かりにそれらを病になぞらえるとしても−決して死に至る病ではない。

          死に至る病とは萌えのことである。

 萌えは優越であろうかそれとも欠陥であろうか?純粋に弁証法的にいえば
それはどちらでもある。萌えている人を考えないで抽象的に萌えを考えよ
うとすれば、我々は萌えは非常な優越であるといわなければならないであ
ろう。この病に罹りうるということが人間が動物より優れている点である。
 けれども、現実に萌えるということはただ最大の不幸であり悲惨である
だけでなくさらに最大の堕落ですらある。
428名無しさんだよもん:02/10/14 14:54 ID:oWF3Uys6
>>426
イイ!ワラタ

>>427
元ネタキボン
429名無しさんだよもん:02/10/14 15:40 ID:9SaOIyvD
>>428
おそらくセーレン・キルケゴールの「死に至る病」だと思う。
430ウィーダフランダースの犬風(1):02/10/14 17:02 ID:uJajl4uP
 真琴と美汐はこの世に取り残された寄る辺ない身の上だった。
 二人は姉妹よりもこまやかな友情に結ばれていた。美汐はとある雪深きまちの生まれで
あり、真琴はものみのおか生まれの狐であった。年月を重ねた事からいえばほぼ同年であ
ったが、しかし、一方がまだ幼いのに、片一方はすでにとしよりであった。

 中略――祐一に顧みられなくなった真琴はいっそうの悪戯に狂奔するがついに、てだて
は尽きた。祐一が振り向いてくれる奇跡を期待して、真琴はよろめく足を踏みしめて勤め
を始めたが――現実に打ちのめされた真琴は美汐に言った。「全部、終わってしまったの
よう、美汐。いっさいが終わったのよう」

 美汐の肩を借りながら真琴は一歩一歩歩いた。美汐はそっと彼女の頬に触れ、絶えざる
微笑を浮かべて優しく支える。
「あたしのことはもういいんだよ、美汐?」
「私があなたを見捨てるなんて、そんな酷な事をする者だと思ったのですか? この私が?」
 真琴は美汐をひしと抱きしめて囁いた。
「あたしたち二人だけは一緒に、ね。皆は私たちには用がないのよ。二人だけなのよう」
 返事の代わりに美汐は優しくその髪を撫でた。その瞳に大粒の涙が浮んだ。自分を憐れ
んでの涙ではない――美汐自身は幸福だったのである。
「さいごにひとつだけ、願いがあったんだけど…でも、無理かな」
431ウィーダフランダースの犬風(2):02/10/14 17:03 ID:uJajl4uP
 もう、目をあけている事もできなかった。自分がどこにいて、どこへつれて行かれよう
としているかもわからなかった。ただ美汐の導くまま、脚の動く間だけはと、頑張ってい
ただけだった。
「そうでもありませんよ。ほら、真琴、目をあけて、笑って?」
 ぱしゃ。閃く光に真琴は目が眩んだ。
 何が起こったのかも解らなかった。ただつかれて、眠くて、もう横になりたい。その思
いだけが彼女の中にあって、そのほか全てはもう凍りついていた。
「ほら、真琴? ごらんなさい」
 真琴はどうにか目をあけた。街の灯りが滲んで、はっきりしなかった。突然、空が晴れ
て月明かりがさしこんだ。その輝きは、ぼんやりとしていた美汐の手元をあかあかと照ら
し出した。
 それは、美汐と、そして真琴が並んで写った――念願の、プリクラ写真。
 真琴は震える両手を差し伸べた。静かな涙がその頬を伝って光る。
「とうとう、写れたんだ」彼女は細い声で呟いた。「美汐、ありがとう。もう十分だよ」
 真琴の手足には力がなかった。彼女を抱く美汐の腕もまた震え、その笑顔は余りにもは
かなく、崩れ落ちそうだった。真琴は美汐の頬に手を述べる。
「あたしたちはまた、会えるよね――また。決して、あたしたちもう、離れ離れにはなら
ないんだよね」
 満足げに、彼女は写真をもう一度眺めた。

 あくる日、電源を落とさなかったことに気付いたゲーセン店員が、プリクラ機の前で冷
たくなった美汐を発見した。彼女は一人、胸にプリクラをかき抱いたまま死んでいた。そ
の写真を見ても、皆はことの次第が解らなかった。ただ一人、遅れてやってきた青年が、
呆然と立ち尽くした後で、どうすればいいかこれから一緒に考えようと思っていたのに、
と呟いた。
 しかし口許に微笑を浮かべて、まるで赤ん坊を守るように体を丸めた美汐の顔は、彼ら
に「もう間に合わない」と答えていた。
432名無しさんだよもん:02/10/14 17:20 ID:CK05E7xt
究極の「萌え」などない。弁証法というのはふざけた
からくりで、僕らを導いていくものだ/陳腐ななり方で/
いずれにせよ到達する意見の方へ。
(中略)
分析による緻密な論理など、器質的疾患にほかならない。
議論厨は好んでこうした要素に、読解力不足なるものを付加
しようとする。けれども、まさしく精神のこのみごとな特性こそは、
おのれの無力の証左であろう。
(中略)
僕は、こってりした客観性とか、調和、なにもかも秩序だてるあの
社会学者のヲタ分析を憎悪する。…僕は体系を拒否する。まだしも
容認しうるものは、原則としていかなる体系も持たない体系だ。みずから
の卑小さのなかでみずからを完成し、完璧化して、自我の器を満たすこと、
思考に逆らいつつ、くみして、戦う勇気…
(中略)
誰もが叫べ、達成すべき、破壊的で否定的な、おおきな仕事があるのだ、と。
掃射し、一掃せよ。…目標も計画もなく、組織もない、制禦しがたい狂気、崩壊だ。
(中略)
瞬間の狂躁のなかでのいっさいの属性を尊重せよ。・・・自由よ、
MOE MOE MOE、ひきつったくるしみの叫び。相反し矛盾する
いっさいのもの、醜怪なヲタ、不条理なヲタ常識のからみあい。つまり、生(ラ・ヴィ)だ。
433417:02/10/14 19:36 ID:UAaPmQBm
>>425
こちらこそ重ね重ねアリガd
またがんばりまつ
434やや百鬼園先生風に:02/10/14 20:29 ID:J9iamwBH
 迎への者を待つつもりで、広場のベンチに腰を掛けてゐたところが、段段雪が
ひどくなつて、何時の間にか駅前の往来が真白になつてゐる。まだ陽は高い筈な
のに、重たさうな色をした雪雲が空一ぱいに覆いかぶさつて、辺りはもう薄暗か
つた。さうしてその雲の底から、灰神楽のような雪が幾らでも舞い落ちて来た。
「遅いな」と私は思つた。時計はもう三時を回つてゐる。この土地は初めてでは
ないけれども、先に来たのはまだ子供の時分であって、結局は不案内だから、迎
へが来るまではここを動かれない。
 目先にふと影が差したような気がして、目を上げると、女が起ってゐた。女は
長い散らし髪の面を俯けて、此方を覗き込んで居るらしい。
「雪が積もつてゐるぢゃありませんか」と云つた。


…このスレやっぱ難しいわ。みんなよく書くねー。
435マキナニー風:02/10/14 22:44 ID:wqG2mwhG
 きみはそんな男ではない。
 真冬のこんな時間に、こんな場所にいるような男ではない。
しかし、今きみのいるのは間違いなく「こんな場所」なのだ。
この風景には見覚えがない、ときみは言うことができない。き
みは駅前のベンチに座って、いとこの少女と話している。女の
名前は「花子」。いや「次郎」だったろうか。渡された缶コー
ヒーを一口飲みさえすれば、何もかもがもっとはっきりしてく
るかもしれない。だがそんなことをやっても、何もはっきりと
はしてこないかもしれない。きみの内側で誰かの声がこう囁い
ている−−七年前のことを思い出せないのは、とてもつらいこ
とがあったからだ、と。時はきみの知らないどこかを中心に回
転し、午後一時を指していた時計はもう三時を回っている。そ
うやって時が過ぎ去るのを、きみは何度も見てきた。しかしき
みは、まだ致命的な痛手は負っていないと、苦渋と別離が待ち
受ける最後の一線だけは越えていないと、そう言いたいのだ。
436名無しさんだよもん:02/10/14 22:46 ID:cYpxidrX
>>435
二人称キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
good job
437名無しさんだよもん:02/10/15 11:38 ID:vt4H8duX
>434
「雪が積もつてゐるぢゃありませんか」ワラタ
相変わらずレベル高くて(・∀・)イイ!!
438名無しさんだよもん:02/10/16 00:23 ID:gLyAwclY

439名無しさんだよもん:02/10/16 10:31 ID:U4Sr+ssn

440名無しさんだよもん:02/10/16 21:01 ID:xbqmicc2
耕一は顔を上げて、頭上に光る、この満月に目をやった。
そうやって、彼は長い間月に見入っていたが、傷ついた千鶴を
抱きかかえ、すっくと立ち上がった。彼は天を仰ぎ、黒い山々を
ながめ、風にそよぐ木々を見上げ、それから従姉の顔にその目
を止めた。
「千鶴さん」彼は言った。
「ね、終わったんだ。終わったんだよ。」
彼は声をあげて笑った。
「痕は癒えたんだ。俺は、俺の中の鬼とひとつになった。
もう、自由だ」
それから彼はうつむいて、子供のように泣き出した。
441ル=グウィン風その2:02/10/16 21:02 ID:xbqmicc2
その時まで、耕一を見つめる千鶴の内部では、恐れと不安が渦を
巻いていた。あの水門で、そして耕一の中でいったい何が起こった
のか、彼女にははっきりつかめていなかった。今彼女を抱き上げて
いるのがはたして本当に耕一かどうかも定かではなかった。
もし耕一が内なる鬼に乗っ取られているのだとしたら、自分ばかり
でなく、妹たちや隆山すべてに仇なす事になる。それくらいなら死力
を尽くして、今、耕一に挑まねばならぬと彼女は思ったのである。
だが耕一の言葉を聞き、その涙を見て、千鶴が抱いていた不安は
一度に吹き飛んだ。

耕一は勝ちも負けもしなかった。自分の内なる鬼を取り込み、己を
全きものとしたのである。
442ル=グウィン風おまけ:02/10/16 21:04 ID:xbqmicc2
スミマセン440→441です
「我が家」への道すがら、すっかり腹ぺこであることに気づいたとき
耕一は梓の言ったことを思い出した。
(鍋から肉じゃがを失敬したら、言ったっけな)と彼は思った。
(そうやって食い尽くしたあげく、千鶴姉の料理食う羽目になっても
知らないからな)
彼はひもじかったが、しかし、従妹達のことを思うと心が和んだ。
443名無しさんだよもん:02/10/17 01:36 ID:K1ecfmnM
保守ー
444名無しさんだよもん:02/10/17 05:36 ID:LGmfQcO+
おまけいいね…旧痕やりたくなってきた(;´Д`)
激しい描写の後にこんなのが来ると和むよ
445「中国名詩選」より:02/10/17 21:55 ID:rz3qU0xH
隆山に佳人有り
絶世にして独り立つ
掃除すれば物を傾け
料理すれば家を傾く
寧んぞ傾物と傾家とを知らざらんや
佳人は再びは得難し
<訳>
隆山にたぐいまれな美女がいる。
ひとたび掃除をすれば部屋の中がなぜか散らかり
ふたたび料理をすれば家中から人が姿を消す
その恐ろしさを知らぬわけではないが
このような美人は二度と得難いのだ

>>444
440〜442でつ
書いた甲斐がありますたm(_ _)m
446名無しさんだよもん:02/10/18 00:22 ID:PI/Z4hD+
>>445
ワラタ
素人にはおすすめできない美女だが(w
447名無しさんだよもん:02/10/18 05:26 ID:dAZfgTat
>445
「傾」が大量に使われてるなぁ…なんか不吉だ
まぁこの美人は偽z
448名無しさんだよもん:02/10/18 16:57 ID:0DuTlSmH
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1029241601/l50
エロゲー化してほしい文学作品
449名無しさんだよもん:02/10/19 00:17 ID:KpVvx4ah
hosyu
プロデビューから暫く経ち、何だか気持が変わって来た。世の中が、
何かしら微妙に変って来たせいか、または、彼のからだが、日頃
の不規則な生活のために最近めっきりやせ細って来たせいか、
いや、いや、単に「とし」のせいか、色即是空、ゲームもつまらぬ、
マンションなどを購入し、高校以来の彼女を呼び寄せて、……と
いう里心に似たものが、ふいと胸をかすめて通る事が多くなった。
もうこの辺で、同人商売からも足を洗い、商業誌に専念しよう。
それについて……。
それについて、さし当たっての難関。まず、女たちと上手に別れな
ければならぬ。思いがそこに到ると、さすが、抜け目のない彼も、
途方にくれて、溜息が出るのだ。
「全部、やめるつもり、……」
相棒の大志は口をゆがめて苦笑し、「それは結構だが、いったい、
貴様には女が幾人あるんだい?」
千堂は、泣きべその顔になる。思えば、思うほど、自分ひとりの力では、到底、処理のしようがない。金ですむ事なら、わけないけれども、女たちが、それだけで引下がるようにも思えない。
「いま考えると、まるで俺は狂っていたみたいなんですよ。とんでもなく、手をひろげすぎて、……」
この腐れ縁の同人ゴロにすべて打ち明け、相談してみようかしらと、ふと思う。
「案外、殊勝な事を言いやがる。もっとも、多情な奴に限って奇妙に
いやらしいくらい道徳におびえて、そこがまた、女に好かれる所以で
もあるのだがね。男振りがよくて、金があって、若くて、おまけに道徳
的で優しいと来たら、そりゃ、もてるよ。当たり前の話だ。貴様のほう
でやめるつもりでも、先方が承知しないぜ、これは。」
「そこなんです。」
ハンケチで顔を拭く。
「泣いてるんじゃねえだろうな。」
「いいえ、目に塵が入って、……」
「いや、その声は泣いている声だ。とんだ色男さ。」
成人向けにも手を出していて、道徳的もないものだが、大志の指摘
したように、千堂という男は、多情のくせに、また女にへんに律儀な
一面も持っていて、女たちは、それ故、少しも心配せずに千堂に深く
たよっているらしい様子。
「何か、いい工夫がないものでしょうか。」
「ないね。貴様が5,6年、外国にでも行って来たらいいだろうが、しかし、
連載を抱えて長期旅行なんて出来ない。いっそ、その女たちを全部、一室
に呼び集め、蛍の光でも歌わせて、いや、仰げば尊し、のほうがいいかな、
貴様が一人々々に卒業証書を授与してね、それから貴様は、発狂の真似
をして、カードマスターピーチのコスプレ姿で表に飛び出し、逃げる。これ
なら、たしかだ。女たちも、さすがに呆れて、あきらめるだろうさ。」
まるで相談にも何もならぬ。

453名無しさんだよもん:02/10/19 12:27 ID:27Op6q/r
元は知らないけど激藁タw
454名無しさんだよもん:02/10/19 22:49 ID:AQryJdaz
まだ、あったのか・・・
455名無しさんだよもん:02/10/19 22:56 ID:OCN+qmVt
細く長く保守
456名無しさんだよもん:02/10/20 02:21 ID:WxkdfrFW
テッテイ的に保守
457名無しさんだよもん:02/10/20 07:45 ID:UPIeSba0
 小生、学がないものでしてこの文面のどれだけが名前を置き換えたもので
どれだけが文体を模した作品であるのか分かりませぬが。
 念入りな文章と言ふものは、なんと心に刻めるものなのか。
458名無しさんだよもん:02/10/20 09:14 ID:TciiPbHd
>>457
文体模写・名前置き換えの別は作品冒頭かどっかに明記してホスィかも。
混合気味なら、またそれはそれでそう書いてホスィというか。
459名無しさんだよもん:02/10/20 14:15 ID:99rHoqsA
460名無しさんだよもん:02/10/21 14:06 ID:C+im6FLo
いやワラタよ
461名無しさんだよもん:02/10/21 18:25 ID:g672xTsi
>>459
せっかくいらしたんですから何か書いていってホスィです
462富野保守:02/10/22 10:45 ID:eSRv+jxV
祐一は、立ち止まった美汐を見た。
笑おうと思ったが、できなかった。
「気持ちの整理はついたかね・・・?」
意地の悪い言い方だった。
「なぜものみの丘に戻ってきたのです?」
前髪の下の目が、笑ったようだ。
「・・・君を笑いに来た」
「・・・・・・!」
祐一は、立った。
「そういえば、君の気が済むのだろう?」
「・・・好きで、こうなったのではない。それは、あなたにだってわかるはずだ」
美汐は、祐一の横顔が苦痛に歪んでいるのを見た。
「・・・しかし、同情が欲しいわけでもないのだろう?ならば、名雪君の期待にも答える
相沢祐一であって欲しい。それが、私にいえる最大限の言葉だ」
「なぜ、丘に戻ってきたのだ」
「真琴の魂は、ものみの丘にただよっている。商店街にはいないと思った」
「真琴・・・」
祐一は、忘れかけていた名前を思い出していた。
勿論、美汐と会った瞬間に真琴のイメージが絶え間なく襲う厳格に似たものを見てはいた。
が、それを拒否していたのだ。
それが、遂に美汐の言葉に乗って現れたのだ。
祐一と美汐の間の空間を埋めたと言っていい。
463名無しさんだよもん:02/10/23 17:53 ID:7uQJH96S
台詞間の描写がハゲっぽい…
富野小説は登場人物全員の台詞回しが
ほとんど同じだから,誰が喋ってるのか分からない罠
464司馬遼を狙ってみたのですが:02/10/23 21:48 ID:nvHjcBzG
梓の躯からはゆっくりと温もりが消えていきつつあった。
(血が。―)
あかい血といっしょに、梓の命が流れ落ちてゆくように、
耕一には、思えた。
「なあ」
耕一は、面を上げた。
若い「警部補」の手には、先ほど梓を撃った銃があった。
このほっそりした、穏やかな顔つきの男が、梓を撃った。
(ゆめか。―)
だが、ゆめではない証拠に、耕一の腕にはずっしりと梓
の重みがある。
血は止めどなく流れているのに、重みは増すばかりな
のが不思議だった
「なあ、こいつ」
耕一は、泣いていた
「助かるかな」
「さあ」
「警部補」の応えは静かだった。
「駄目なんじゃあ、ないかな」
やさしい、とも思える声に、乾いた銃声が続いた。
「えもの」、ではない「血族」を手にかけた「警部補」が
何を思ったか、多少の想像が許されていい。


文体の模写ってむずかしいですね
逝ってきます
465名無しさんだよもん:02/10/24 00:13 ID:SnCi2VkK
こ、このスレ、レベル高い……
466ファウスト風エロゲおた:02/10/24 01:26 ID:S6bgDBY8
メフィストフェレス(立ち止まる)

酷い目にあったぞ。騙され野郎の仲間入りだ。
ファイナルロリータ以来、馬鹿太郎は誘惑されどおしだ。
誰でも年はとるが利口にはなりゃせん。
これまでずいぶん馬鹿にされてきたくせに。
あいつら根っから役に立たんことは解っている。
あの、雑誌の記事で誤魔化し、HPでごまかしている奴らは。
どの製品をとっても、まともなゲームなどありゃせん
シナリオからぼろぼろに腐ってるんだ。
そりゃしれてる、HPから見えてる、現物を触っても解る。
それなのに腐れメーカーが笛を吹くとつい踊らされるんだ。

やってみよう阿呆たらしく、
クソゲーの網になど引っかかっておれん。
この世にエロゲがなかったら、
エロゲオタ、誰がエロゲオタに立っている物か。
467名無しさんだよもん:02/10/24 09:20 ID:XCFWiTyL
age
468名無しさんだよもん
私はこれが鍵っ子にも言えそうだと思った。
そして私はファウストの登場人物は全員DQNだと今思い返して鬱になった。