連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目

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245風と木の名無しさん
「戦士,カンコ」
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 今日も元気な太平洋高気圧のお陰様でお空は真っ青。蒼空に浮かぶは真白き
入道雲。降り注ぐ日光が夏を演出してくださいます。
 そんななか,地球組のみんなは市民プールに来ていました。せっかくの夏休
み,水と戯れ遊び尽くそうというアメリー君の提案でした。その提案にみんな
は大賛成,今日の運びとなったわけでございます。マカロニーノ君なんかはそ
れはもう大変な気合いの入れようで,行くことが決まったその日から,ああで
もない,こうでもないと自分に似合う水着を選んできました。
「照りつける太陽,光り輝く水飛沫!そして素晴らしきセニョリータ!
 ここで頑張らねば男にあらず!」
 ゲルマッハ君は別にあまり気にしないのか,黒い水泳パンツというシンプル
な出で立ちですが,そのクールな外見で周囲の注目を集めています。(どこか
らか「きゃぁー♪」という如何にも萌えてますという歓声が聞こえたりしまし
たが)
 そしてまたフランソワーズちゃんやエリザベスちゃんは言うに及ばず,タイ
ワンちゃんやベトナちゃん,そしてニホンちゃんもきゃぁきゃぁ♪と楽しそう
に遊んでいます。まあ,ちょっとばかりゴタゴタもありましたがね。カンコ君
にキムチ禁止令が言い渡されたりしたのですよ。ええ,別に大したことじゃあ
りません。プールがキムチ臭くなるのはまっぴらごめん,と匿名の投書があっ
たからなのですが。いぢめはいけませんよ,いぢめは,ねえ,キッチョム君。
246風と木の名無しさん:2001/08/02(木) 10:06 ID:qJ19u4jw
(続き)>>245
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 すると噂の張本人,キムチ禁止令の影響か,ちょっとやせたような感じのす
るカンコ君がちょっと遅れてプールに登場したのです。
「遅れてすまないニダ〜。ロシアノビッチ君との話し合いが長引いたニダ〜」
 と言いながら,プールサイドに駆け寄ってきました。
「カンコ,遅いぞ。合同演習はもう始まってるんだぞ!?」
 とアメリー君がビーチボールをカンコ君に投げつけて言いました。ああ,合
同演習というのはただのキャッチボールだったりしますが,アメリー君は何故
か合同演習って言いたがります。
「ん?カンコ,その傷は?」
 ゲルマッハ君がカンコ君の脚をさして聞きました。たしかにカンコ君の脚に
はちょっとばかり傷跡がありました。
「ははは,これニダか? これは戦士の証ニダ!」
「戦士の証?」
 エリザベスちゃんが首を傾げます。
「そうニダ! ウリはテコンドーを習ってるニダ。テコンドーは脚を使う武術
ニダ! 脚に傷があるというのはそれだけ修行を積んだ戦士の証ニダ!」
 おおーーっと,みんな,感心して声を上げます。あのカンコ君が口だけでは
なく,真面目に武術を習っているとは思ってもなかったのです。
「テコンドーは最強の武術ニダ! ウリの家ではみーんなテコンドーをならっ
て居るニダよ! だから,ウリの家ではみーんなすねに傷を持っているニダ!
みんな勇敢な戦士,というわけニダ!」
 とそれはもう鼻高々にカンコ君は自慢します。
 そんな中,ニホンちゃんは
『あ……あはははーーー "すねに傷をもつ"……かーー
 私の家の言い方じゃアレなんだけどなー そっかー みんなすねに傷もって
 いるのねーー

                       なんかやだなあーーーー』

 と一人,プールの中で乾いた笑いを発していました。

(了)