(続き)
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すると噂の張本人,キムチ禁止令の影響か,ちょっとやせたような感じのす
るカンコ君がちょっと遅れてプールに登場したのです。
「遅れてすまないニダ〜。ロシアノビッチ君との話し合いが長引いたニダ〜」
と言いながら,プールサイドに駆け寄ってきました。
「カンコ,遅いぞ。合同演習はもう始まってるんだぞ!?」
とアメリー君がビーチボールをカンコ君に投げつけて言いました。ああ,合
同演習というのはただのキャッチボールだったりしますが,アメリー君は何故
か合同演習って言いたがります。
「ん?カンコ,その傷は?」
ゲルマッハ君がカンコ君の脚をさして聞きました。たしかにカンコ君の脚に
はちょっとばかり傷跡がありました。
「ははは,これニダか? これは戦士の証ニダ!」
「戦士の証?」
エリザベスちゃんが首を傾げます。
「そうニダ! ウリはテコンドーを習ってるニダ。テコンドーは脚を使う武術
ニダ! 脚に傷があるというのはそれだけ修行を積んだ戦士の証ニダ!」
おおーーっと,みんな,感心して声を上げます。あのカンコ君が口だけでは
なく,真面目に武術を習っているとは思ってもなかったのです。
「テコンドーは最強の武術ニダ! ウリの家ではみーんなテコンドーをならっ
て居るニダよ! だから,ウリの家ではみーんなすねに傷を持っているニダ!
みんな勇敢な戦士,というわけニダ!」
とそれはもう鼻高々にカンコ君は自慢します。
そんな中,ニホンちゃんは
『あ……あはははーーー "すねに傷をもつ"……かーー
私の家の言い方じゃアレなんだけどなー そっかー みんなすねに傷もって
いるのねーー
なんかやだなあーーーー』
と一人,プールの中で乾いた笑いを発していました。
(了)