日韓併合前の朝鮮について語ろう 4

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1露西亜河童 ◆LLRussian. @株主 ★

日韓併合前の朝鮮について語ろう 4

ttp://photo.jijisama.org/OldKorea.html
ttp://photo.jijisama.org/BeforeAfter.html
ttp://photo.jijisama.org/other.html

こんなにひどい未開の地だった朝鮮が、日韓併合によって
のちに文明国の仲間入りができるような国にしてもらえたのは事実です。

朝鮮人はもっと日本に感謝すべきではないのでしょうか?

事実を持って正しく歴史を認識しましょう。

前スレ
日韓併合前の朝鮮について語ろう 3
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/korea/1212415192/
日韓併合前の朝鮮について語ろう 2
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/korea/1197567723/
日韓併合前の朝鮮について語ろう
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/korea/1178064977/
2マンセー名無しさん:2009/07/04(土) 13:06:41 ID:eVWFH354
>>1
(゚д゚ )乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんたらかんたら

「併合前の日朝」転載スレ

韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた2ダ
http://www.soutokufu.com/cgi-bin/hogehoge/test/read.cgi/hangul/1241689987/

携帯の転載スレを作ると前スレで言ってた方、よろしければアドレスをお願いします。
3マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/07/04(土) 13:15:33 ID:Hkz4QdAj
 ●-、
r´ - ●
 ` =='\
  |    ヽ なんで、こんなに早く・・・と思ったら、500KB行ってたのね。
  UUてノ >>1乙。
4Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2009/07/04(土) 20:49:26 ID:6GUYvC7o
新スレおつ。

前スレ>>681
それは言いすぎだな。要は努力したか否かだよ。戦後アメリカの作った
世界秩序は、自由貿易体制であり、努力した者が報われる制度。

韓国は日米の支援を生かして努力し、世界13位の経済大国になれた。
北は努力を怠り、自由貿易体制に背を向けて、謀略テロに資金を浪費した。
自業自得だよ。
5マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:12:13 ID:axXN/els
>>1 乙です。前スレもう書き込めなかったので、こちらから始めます。
併合前の日朝(続き)

さて、7月3日、大鳥公使は作成した「改革方案綱領五条」に説明文を添えて朝鮮政府に提出。
この直後に日本政府から派遣された栗野政務局長が、日本政府作成の詳細な改革案を持ってき
たが、日本公使館で作成した改革案と内容的に大同小異なものであったので、その訂正はしな
いことにした。
ま、公使館作成案のほうが現地の事情をよく知る者らの手によるからより具体的。

第一 中央と地方の制度改革
 ・ 官職の権限を明確にすること。(今まではやりたい放題。ほとんど閔氏の専横)
 ・ 国政と宮中事務を区別すること。(これまでは宮中奉仕の内官らが政治に干渉し放題)
 ・ 外交の責任を負う大臣を定めること。(やれやれ)
 ・ 各部署の統廃合。
 ・ 地方自治区の統合。
 ・ 無用の官吏の削減。
 ・ 従来の因習によらず、広く人材を登用。(例えば東学党の全琫準と面会した日本
陸軍少佐は彼を登用するべきと言った)
 ・ 売官の廃止。
 ・ 官吏が俸給だけで生活が出来る給与。(雀の涙ていどの給料だったから、よけい賄賂が
横行したという面もあった)
 ・ 賄賂の厳禁。
 ・ 地方官の再教育。
とまあ以下、財政、法律、軍警、教育と五箇条ある。各個条ごとに詳細な項目が付き、更にそれ
ぞれの実行期間(10日から2年)までが書かれている。
で、その内容たるや、しごくまともなものばかり。もしこのとおりに朝鮮政府が実行するなら、
文字通り朝鮮は富強国に成長して自活できる内容。
6マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:14:33 ID:axXN/els
(続き)
ただこの国の一番問題なのは、貧にあらず、弱にあらず。ようするに、人がいない、というこ
と。
富国強兵を望みながらも優柔不断の性格から王妃とその一族である閔氏に翻弄されっぱなしの
国王。
その関心は自分が自由に行使できる権力と財のみにあった王妃。
そして王妃の縁戚関係と賄賂によってのみ登用される大臣たち。
まあ、金玉均ですらアレな人だしその上殺されたし、期待した朴泳孝もその後せっかく政府に
入ったのに自爆しちゃうしw
井上馨が期待した金宏集、金允植、魚允中も、いわゆる三履と称されて、用向きがすめば政府
から放り出される地位だし、金宏集にいたっては大院君と面会も許されぬ身分だったし。
しかし後にはこの改革を本気で実行させようと、井上馨の涙ぐましいまでの尽力が始まるのだ
が、それはまだ先の事。

で、案の定、朝鮮政府は改革案をやる気なし。しかもむげに拒絶する気力もなし、というてい
たらく。

趙督弁 「改革の事はひそひそ話でしたいニダ。どこまでも内々のものとして扱いたいニダよ」
大鳥公使 「そんなことよりも、とにかく改革取調委員会でも作られたらいかがか?」
趙督弁 「分ったニダ。政府で検討するニダよ」
で、7日に大鳥の勧告に従って、内務督弁や同協弁らを改革取調委員を選任したことを大鳥に
通知。
しかしその実態は、改革に意があるように見せて時間稼ぎをし、その間に諸外国に依頼して日
本軍を撤退させようとの策に出たものであり、朝鮮政府には改革に正面から取り組む気は全く
無かった。
7マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:20:23 ID:axXN/els
(続き)
で、この間も各国による調停合戦は続く。それを右に左に薙ぎ払う陸奥外務!w
北京総署は英国の調停に期待した。

英国政府 「清国政府は、日本政府の提議が朝鮮国の独立と乱の予防のことに止まり、清国と
の属国問題に論が及ばないなら、これを受理する用意があると言っている」

陸奥外務 「お申し入れの次第はほとんど矛盾いたしている。意味が理解できない。明瞭に説
明されるなら本大臣も受理するものである」

意味がよく分からないのだが、清国の言っている朝鮮国独立とは、即ちその内政に干渉しない
ことであって、属国論とは別のことである、と言うことであろうか。
 しかし陸奥は、「ハ? 独立した属国って何よ。何わけわからんこと言ってるんだろ」とい
う感じか。2ch風に言うなら、
陸奥外務「清国政府、馬鹿なの? 死ぬの?」
といったところか。

清国政府大臣 「アイヤー! 英国の調停も日本は聞かないアルよ!」
大臣 「まだ諦めるのは早いアル。他国にも依頼するアル!」
大臣 「それに日本の提案にも耳を傾けるアルよ!」
大臣 「何言っているアルか! 李鴻章の言ってたとおり、早く大兵を派遣して生意気倭奴をぶっ
たたくアルよ!」

ってなことで、清国政府内はようやく李鴻章の主戦論に同意し、早急に大兵派遣の準備しはじ
めたが、日本はそれらの動向を情報として正確に把握していた。それによれば大同江から上陸
して平壌へ。また牙山へ増派と。それで日本政府も師団派遣を決定。
8マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:23:45 ID:HUQ4eGZm
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
9マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:26:26 ID:axXN/els
(続き)
もはや戦争となるのは確実であったが、清政府は開戦準備の時間稼ぎのためか、それを秘しな
がら英国に再び調停を依頼。

で、英国の周旋により、清国政府は日本と談判の基礎について話し合う用意があると通知。
英国 「清国政府は、日本政府が清韓両国の宗属の関係にくちばしを容れないなら、日本の提
議を拒まない意向である」

よって、陸奥外務は、
陸奥 「日本政府から朝鮮独立問題を発議はしないので、清国政府もその宗属関係を発議しな
いこと」
などを条件に話し合いに応じることに。

よって7月7日、9日と在北京の小村寿太郎公使が清政府大臣らと会談。

小村 「英国公使オコール氏から承った。談判の基礎について意見があるとか」

大臣 「本国政府から本大臣の意見を電信すべきと訓令はあったアルか?」

小村 「そうではない。英国公使から聞いたので来た」

実は小村は日本政府からそのような訓令を受けていたのだが、敢えてこれを隠して様子を見た。

大臣 「今度の事件について閣下と協議が出来るだろうと英国公使から聞いたアル。たぶん英国
公使の誤解アルか」
10マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:28:27 ID:axXN/els
(続き)
小村 「誤解ではない。貴政府のご考案によっては、我が政府も特に委員を命じて談判の運び
にいたるやもしれない。我が政府は先に提案3カ条を出した。しかしこれを拒絶されたので、
今度はそちらから何らかの提案を出される順序であろう」

大臣 「よく政府で検討するアルよ」

で、翌々日、小村のほうから催促。

小村 「ご回答のはずなので面談を求めた」

大臣 「日清両国は隣国であり友好厚く、いまだかつて和を破ったことはないアル。この事件は
最も遺憾とするアルよ。第一に今このように多数の兵を派遣していては諸外国もいろいろ疑惑を
持つアル。いつ外国が干渉するかもしれないアル。第二に、両国の兵が衝突して和親を破る懸念が
あるから、談判を開く前に先に互いに撤兵するアルよ。乱も全く鎮定したアルから」

小村 「本官は貴大臣のご考案を政府に通知するだけの者であるが、ちょっと言いたい。乱民
は両国の兵が来たので全羅道の南部に退去して潜伏しているだけである。状況次第では鎮圧と
人民保護のために兵を置かざるを得ないことになると察せられる」

大臣 「牙山の葉提督からの報告によれば全羅道は全く鎮定したアル。その他の地においても賊
を捕らえて重刑に処したアル。もう乱は完全に鎮定したアルよ」

小村 「いったん両国が兵員を引き揚げるなら再び乱がおこるのは確実である。よって我が政
府は貴国政府と充分に協議して、再発の根元を絶ち、再度の出兵のないよう切望している」
11マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:30:28 ID:axXN/els
(続き)
大臣 「貴国の露国公使は、日清露の三国会議を申し入れたと聞く。どう回答されたか」

小村 「そのようなことは日本政府から聞いていない。本官一個人の考えとしても、そのよう
な提案は拒絶するだろう。貴政府はどうか?」

大臣 「もちろん我が政府もこれに応じる理はないアル」

小村 「聞くところによれば、李中堂は露国へ仲裁を依頼されたと聞く」

大臣 「そ、それはないアル。虚偽の説アルよ。我々はなるべく他国干渉は避けて貴我両国で妥結
することを望んでいるアルよ。露国はどうもこの件に干渉したい意がある」

小村 「我が政府は露国からの撤兵申し込みも拒絶したぐらいであるから、事が定まらない間
は決して撤兵しないだろう」

大臣 「貴国が撤兵したからといって協議を開かないつもりではないアルよ。先ず第一に撤兵し、
その後に貴我両国で朝鮮王に勧告して内政を改良させることについて協議するアル」

小村 「我が政府においても絶対に撤兵に応じないというのではない。しかしながら撤兵した
後に、どのような方法で朝鮮国の内政を改良し、また今後の内乱を予防するのか、その一定の
ご考案がない間は決して撤兵のことは承諾しないだろうと確信する。それを即時撤兵を言われ
るだけでは、せっかくの英国公使の尽力も無に帰しよう」
12マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:35:51 ID:axXN/els
(続き)
大臣 「この事件については貴国から提案を出されたアルが、我が政府はご同意し難いと回答し
たアル。それで貴政府から何らかの別の提案を出されるかと思ったアルよ。どのようにして朝鮮を
改良するかなど、この席で簡単に言える考案はないアル。まず撤兵した上で協議したいアルよ」

小村 「はあ? もはやこの件に関して一定のご考案を聞けないとはいたしかたない。その旨
を政府に伝達するだけである。ついては貴大臣の言葉は貴政府のご意見であるとして我が政府
に報告してもさしつかえなかろうか」

大臣 「然り。本大臣の意見は我が政府の意見に相違ないアル」

小村 「本日承ったご意見は、一言半句も間違いなく報告したいので、要旨をご書面にされた
い」

大臣 「本大臣らが陳述したことは明瞭にご承知なので、別に書面とする必要はないアル。また
このような事項を書面にした慣例もないのでお断りするアル」

小村 「それなら、貴大臣の要点を繰り返す。朝鮮の内乱は鎮定したので、日清両国から派遣
した兵員は、天津条約に基づき、直ちに撤回する必要があるだけでなく、駐在を続けるなら他
国からも派兵してくるおそれがあるので、談判は撤兵の後でなければ開き難い、と」

大臣 「そのとおりに相違なし」

これでは英国公使も面目丸つぶれ。宗属関係に触れないなら協議を開く用意があるというのは
最初から清政府の虚言であった。また、李鴻章がロシアに調停を依頼していたことを否定する
など、全く誠意のない単なる時間稼ぎの会談であった。
英国公使も話が違うと清国政府に文句を言ったが、清政府が頑として応じないので、ついに英
国は調停のことは抛棄した。
13マンセー名無しさん:2009/07/05(日) 22:41:33 ID:axXN/els
(続き)

7月12日、日本政府は小村公使の報告を受けて閣議を開き、清国政府への照会文を決定した。
後に陸奥が第二次絶交書と称したもので、事実上の最後通牒である。

「朝鮮国において内乱がたびたび起こるのは、その内政が治まらないからである。故に帝国政
府は、朝鮮政府に内政を改良させ、もって、変乱の根源を絶つしかないと信ずる。しかしこれ
を実行させるには、朝鮮国と密接な関係に共にある貴我両国の助力を与える他はないと思考し、
これを貴国政府に提議した。しかしどうしたことか貴国政府は断固として我が提議を排斥せら
れ、そしてただ撤兵だけを促された。この頃また、英国公使が貴我両国との友情を重んじ、好
意をもって周旋し、貴我両国の異議を一つに帰させようと努められた。しかし貴国政府は依然
として、ただ我が撤兵のことのみを主張され、更に我が意見を納れられようとする様子もない。
すなわち、貴国政府が事を好まないのならどうしてこのような時局に至ったろうか。もはや将
来において生じる事態は帝国政府の責任あるところではない」

ところで、日本政府が清国政府の要望を受け入れて、朝鮮の独立問題すなわち清国の属邦問題
を棚上げにするという所まで、一旦は譲歩したことは意外と言えば意外。それを言い出しっぺ
の清国政府の方が無視してどうするんだと。あ、時間稼ぎだったか。
(つづく)

>>8
いつもご支援感謝。
14Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2009/07/06(月) 16:21:49 ID:27poR2bO
>>6
>しかしその実態は、核廃棄に意があるように見せて時間稼ぎをし、その間に
>(イラン・シリア・パキスタン・ミャンマーなど)諸外国から資材や技術を
>入手して核兵器を完成させようとの策に出たものであり、朝鮮政府には核廃棄に
>正面から取り組む気は全く無かった。

なーんだ、六か国協議の経緯、そのまんまやん。
15マンセー名無しさん:2009/07/13(月) 01:10:32 ID:6TXwL718
併合前の日朝(続き)

さて、英国外務大臣の言によれば、清国は朝鮮の主権が清にあることや、その朝貢の礼のこと
に最も恋々としているという。
まあ、清はかつて戦争によって朝鮮を降伏させたのだし、それを他国が独立国に仕立てようと
するのを許すことは、とても出来ないことではあったろう。
で、英国政府からとんでもない折衷案が日本政府に知らせられたのは7月19日頃だった。

英国政府 「これはくれぐれも内密のことである。清国政府は我が国の勧告に対し、朝鮮分割
占領案に同意した。つまりは、朝鮮の南部は日本が占領し、北部は清が占領するというもので
ある。なお、京城だけは両国は占領せずにそのままにしておく。それで、このことは7月20日
の内に互いに話し合いをつける必要がある。ことは緊急である。もしこの案もまとまらないな
ら、清政府は12万人の兵を仁川に派遣するだろう」

つまり、「朝鮮を日清両国で分け合うってどうよ」と。その際、朝鮮政府の統治の及ぶところ
は京城内に限定されることになる。
う〜ん。案外これが当時の現実的な姿だったのかもw
しかしまあ、領土と主権に関する実に生々しい提案である。

陸奥外務 「という提案が英国政府からなされたと、英国駐在青木公使から言ってきてるんで
すが」
伊藤 「なんと露骨な提案じゃのう。いったい朝鮮を何と思うておるんじゃろ」
陸奥 「英国にとっては朝鮮などどうでもよいことなんでしょう。対露政策から考慮しても、
あの地域を清と日本で占めたほうがむしろよい、という判断では」
伊藤 「しょせん西洋国じゃの」
16マンセー名無しさん:2009/07/13(月) 01:12:17 ID:6TXwL718
(続き)
陸奥 「それに清政府の本音も見えたわけで」
伊藤 「日英間の条約がやっと改正できたばかりだし、その英国の提案だけにむげには出来ん
が、まあ無茶苦茶な話じゃなあ」
陸奥 「オキュペーション(占領)と言ってますからねえ」
伊藤 「temporary occupation(一時占領)なら99年間占領するという意味らしい」
陸奥 「一時と言っていないぶん、半永久的なのか、つまりは実質的に割譲となるのか、ある
いは今度の改革問題に関しての短期間の占拠とでもいうものになるのか」
伊藤 「どちらにしろお断りじゃい。実に不愉快な提案じゃないか。我が政府は朝鮮領土なん
ぞを求めているのじゃない。朝鮮が富国強兵の独立国となるのを望んでいるだけじゃい」
陸奥 「アハハ、総理は以前から朝鮮にはあまり関与したくないというお考えでしたな」
伊藤 「うん。まして朝鮮の領土に責任を持たねばならなくなるなら、日本の負担ははかり知
れん。それでなくとも日本はまだまだ富強国ではない。その上にあの貧国の面倒をみなければ
ならんというのは出来ぬ相談じゃ」
陸奥 「まあ、意味不明の提案と言うことで、返事をする必要もないのでは」
伊藤 「まったくじゃ」

後に陸奥は「蹇蹇録」でこの時のことを「この共同占領という英国の提案は、余は今に至るま
で、その何たる意味なのかを理解することが出来ない」と述べている。
(つづく)
17マンセー名無しさん:2009/07/14(火) 20:19:27 ID:mgOPcAi0
>>16
いつも乙。

博文公メダルが出るそうな。

【初代内閣総理大臣】 没後100年で伊藤博文メダル 19,000円で3,000個限定 造幣局が発行
ttp://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1247565086/
18マンセー名無しさん:2009/07/20(月) 17:21:40 ID:ge4IEvHC
捕手
19マンセー名無しさん:2009/07/20(月) 19:10:31 ID:PFh49vjL
20マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 00:08:26 ID:1QjoZ3Bm
>>17
没後百年の記念ですか。なんだか複雑な気持ちになりますねえ。


併合前の日朝(続き)

さて、朝鮮政府は日本から改革を勧告されて、しぶしぶその部署を設置したが、もちろん本気
で改革などする気はない。

大臣 「イルボンの公使がうるさいから改革委員を選んだニダ」
大臣 「しかし今こそ改革する時機じゃないニカ?」
大臣 「中央はともかく、地方はどうする? 政府には地方まで改革させる力はないニダよ」
大臣 「そうニダそうニダ。ウリたち一族(閔族)は地方のほうが力が強いニダよ」
大臣 「やってみなければ分らないニダ! 改革という善を見てこれを行わないのは悪ニダ! 
やってみて出来なければ止めればいいではないニカ!」
大臣 「おまえ一人なにをそんなに張り切っているニカ パカニダよ」
大臣 「李鴻章様からも、日本の言うことは一切聞いてはならんアル! と言ってきてるニダ」
大臣 「いいか、今度清国に使節を派遣するニダが、密書を持たせるニダ。ウリの国はけっして
宗主国様を裏切ることはしないニダと」
大臣 「それと援兵も要請するニダ。日本兵が何を始めるか分らんニダよ」
大臣 「もし宗主国様とイルボンとで戦争になって、イルボンの方が強かったらどうするニカ?」
大臣 「ロシア公使もいるニダ。清国の力の方が弱かったらロシアに頼るニダよ」
大臣 「そうニダ。イルボンなどおそれるに足らんニダ!」
21マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 00:09:35 ID:1QjoZ3Bm
(続き)
とまあ、清がだめならロシアがあるさ、という相変わらずの事大っぷり。独立だの改革だのと
うるさいことを言ってくる日本よりも、あらたな宗主国でも見つけた方が楽というものだった
らしい。
で、一人改革を熱心に説いたのは改革委員に任じられた申正熙という人。

この時の会議も秘密会議だったのだが、またも日本公使館に筒抜けに。

大臣 「アイゴー! またウリたちの話がイルボンに漏れたニダー!! いったい誰が密告し
ているニカー!!」

嬉々として日本公使館に情報をもってくる朝鮮人が多かった。謝礼がもらえるしw
また、改革を望む日本党のみならず、閔族の地位を自分たちが取って代わろうとする者も多く
おり、彼らもまた情報源であった。

杉村 「とまあ、朝鮮政府は相変わらずのようで」
大鳥 「何とまあ呆れた連中じゃのう。本気で改革のことを考えているのは大臣たちの中でも
一人だけか」
杉村 「ま、一人いただけでもましな方では」
大鳥 「しかし日本政府は改革の事も含めて今度の件では決意が固い。もし朝鮮政府に本気で
改革を実行させようとするなら、兵力で脅すぐらいのことはせねばならんだろう」
杉村 「それぐらいのことをせねば動くような連中じゃないですからなあ」
大鳥 「まだ改革案に対する正式な回答はないが、もし拒絶するという回答があった時は兵力
を用いねばならんかもしれん」
22マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 00:10:04 ID:MiRBMMST
紫煙
23マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 00:11:43 ID:1QjoZ3Bm
(続き)
それで大鳥公使は、拒絶の場合の2案を作成して日本政府に問うことに。
1、 朝鮮政府はその内政のまずさによって何度も乱をもたらした。さらには清国の支援を求
めたことにより、今までにも、また今度も危険を我が国に与えた。我が国は自衛のために朝鮮
の内政改革を促さざるを得ない。よって我が守備兵で王城の諸門を固め、彼らが改革を承諾す
るまで談判を行う。
2、 日朝条約違反として迫る。つまりは朝鮮の独立を侵害する朝鮮と清との宗属関係を撤廃
せよと迫る。また、清国と同様に、貿易便宜や権利特典を日本に与え、また朝鮮人による日本
人被害の裁判は日本側に裁判させるように迫る。また、電信条約違反のことを迫り電信架設を
要求する。このことの実行を朝鮮政府が保証するまで、我が守備兵で王城諸門を固める。

この内どちらを実行すればよいか、という伺いであった。
いずれも日本政府の決心の固さを知った大鳥公使の、掌を返したような強硬路線。

しかし後に日本公使館がとった手段は、かの国王実父にして朝鮮最大の実力者、大院君を王宮
に向けて放つことであった。さながら巨人兵を引きずり出すように・・・・。
(つづく)
24マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 00:13:30 ID:1QjoZ3Bm
>>22
いつもご支援感謝。今回も短めですが。
25マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 15:48:51 ID:EM4bUs+G
併合前
李氏朝鮮破綻
学校もなーい・文字も書けなーい
病院もない・寿命も短い
ライフライン全てなーい
何もなーい
26マンセー名無しさん:2009/07/27(月) 16:05:59 ID:KTpZrpBm
韓国は併合前も素晴らしい。
27マンセー名無しさん:2009/08/01(土) 23:54:03 ID:vC4bzf1O
併合前の日朝(続き)

さて、英国政府は、仏独米をも巻き込んで、どうでも日清の戦争を避けさせるために、日本の
提案を受け入れさせようと清国を説得していた。約束破りの清国大臣たちに呆れたり怒ったり
しながらもなかなか熱心。戦乱に乗じてどのように動き出すかも分らないロシアをこそ最も警
戒したからと思われる。
しかし交渉術に関しては清国の方が上らしい。譲歩を小出しにしては英国から日本に提案させ、
日本の反応を見てまた小さく譲歩し、その間の時間稼ぎで軍備を整えるという。翻弄されてい
るのは英国である。
ついに清国政府が改革の事は勧告に留めるとしながらも、日清協同委員の設置を承諾したとし
て、在日英国公使が外務省を訪れて日本政府にそれを伝えたのは7月19日だった。

もはや清国の陰険な引き伸ばし戦術にうんざりしている陸奥外務は、

陸奥 「改革の事はすでに我が国独力で始めているので、今さら日清協同の必要はござらんし、
勧告云々もナンセンスである。清国政府が今より5日以内(7月24日まで)に新たな提議を提出
しないなら、もう日本政府は交渉はしない。さて、もしこの間に清国が新たに兵を増派したな
ら我が国への威嚇と見なす」
と冷たく突き放した。すぐに英国外務大臣から返事が来る。

英国外務 「日本政府が今まで要求したことと矛盾している。また日本が単独で着手した改革
の事に清国政府が口出しできないとは、天津条約の精神を度外視するものである。もし日本政
府がその政策に固執して、そのために開戦を惹き起こすなら、その責任は日本に帰すほかはな
い」
と抗議。
しかし陸奥外務はその日の内に反論した。
28マンセー名無しさん:2009/08/01(土) 23:55:22 ID:vC4bzf1O
(続き)
陸奥 「何ら矛盾はしていない。第一に、改革を勧告しても何の益もない。なぜなら朝鮮国の
党派は清国の力のために動けないのであり、たとえ清国が表向きに日本と協同して改革を勧告
しても、裏では改革を排除するのは確実だからである。
第二に、清国使臣(袁世凱)は朝鮮政府に特権を持っている。その権利を濫用して日本に害を
もたらすことが出来る。ならば日本も同様の特権を必要とする。
第三に、最初清国は協同案を拒絶したのであり、それで日本はやむを得ず単独で改革を朝鮮政
府に提議したのである。提議した改革を清国が認めない限り日本政府は今さらスタート地点に
戻る気はない。
なお、天津条約は朝鮮派兵の手続きを規定するものであって、朝鮮の事件に関して両国で協議
することを規定するものではない。
 英国政府が責任は日本にあると言っても、それは当らないことと信じる。そもそも最初に清
国政府が日本の提議を受け入れるか、又は英国公使の斡旋により差し出した我が提案を拒絶し
なかったなら、このような重大な事態には至らなかったのである。以上」

 陸奥、軽く英国外務大臣を論破。

さて、戦争となることが確実となった場合、相手国が準備が出来ていないうちに速やかに開戦
することは極めて緊要な決断である。朝鮮駐在の露国公使ウェーバーですら杉村濬書記官にこ
う言った。

ウェーパー 「清国は老いた国ではあるが、守りにおいては兵は強いので軽く見れませーん。
貴国がもし清国との戦いを望むなら、よろしく急ぐべきでーす。もし開戦に躊躇して遅れるな
ら、清国の軍備はますます整うでしょー。今や清国政府は外には平和を装いながら、内では兵
の備えにやっきになってますねー」
杉村 「情報乙」
29マンセー名無しさん:2009/08/01(土) 23:56:46 ID:G5jNLvtp
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
30マンセー名無しさん:2009/08/01(土) 23:57:35 ID:vC4bzf1O
(続き)
陸奥外務 「とまあ、ウェーバーが密かにもらしたそうです」
伊藤総理 「ふふ。露政府の本音じゃろか? それともウェーバーの個人的なものか?」
陸奥外務 「おそらく個人的なものでしょう。ロシア政府はシベリア鉄道のこともありますか
ら現状維持こそ望んでいましょう」
伊藤総理 「ふー。鉄道が出来たら、満州・朝鮮と手を伸ばしてくるのは確実じゃろうか」
陸奥外務 「おそらくは」
西郷海軍 「ところで、宣戦布告前に開戦になっても問題はなかでごわすか」
陸奥外務 「すでにアルティマタム(ultimatum 最後通牒)に相当するものは出してますから
問題ないでしょうな」
西郷海軍 「24日期限を過ぎてではごわすが。もちろん清が増派した場合も」
外務書記官 「そもそも英国公法学者の説によれば、正式の宣戦は必要とせず単に国境に進軍
する意思の表明だけで十分とあります。フランスなどは『我が国は権利保護のために必要な処
置をとるだろう』との一片の表明だけでプロイセンと開戦した例もありますし」

 当時の国際法などというものは、所詮、西洋諸国の慣例や都合に基づくものでしかなかった。
しかもそれには表裏あることも日本政府は承知していたが、まあおつきあいしていくしかない。

伊藤総理 「朝鮮政府からの依頼を取り付けるという大鳥公使の工作はどんなか?」
陸奥外務 「かなり厳しく朝鮮政府に迫ってはいるようです。また朝鮮政府内の日本党の者ら
は大院君の王宮入りを望んでいるので、大院君への説得を始めているはずです」
川上陸軍 「朝鮮政府設置の京城釜山間の電信は使い物にならないので、軍で新たに架設する
積りですが、電信条約違反問題で強く迫る案はどうなりましたか?」
陸奥外務 「電信の件は大鳥も躊躇しておる。ちょっと難しかろう」
31マンセー名無しさん:2009/08/01(土) 23:59:49 ID:vC4bzf1O
(続き)
さて、朝鮮政府は日本の改革案に対して、「日本兵が撤退したら改革は自主で行うニダ」と正
式に回答。

杉村書記官 「あらま、自主改革なんぞ言っちゃって。無理無理」
大鳥公使 「清の属国に甘んじておきながら自主改革など出来るはずないわな」
杉村 「先日から朝鮮側と改革の事で協議したわけですが、ここに朝鮮政府が作成したその時
の議事録がありますが、まあひどいもんです」
大鳥公使 「ふむふむ。こちらの議事録と全然違うのお」
杉村 「実際の協議内容とは全然違ってますし、日本を罵る内容となっています」
大鳥 「何かね。これは改革委員の感想文か何か?」
杉村 「いや、議事録と称するものです。これが彼等のどうしようもないところなのです、昔
から。協議内容を正確に政府に伝えるのではなく、自分の意見をぐだぐだ書くのですな。そし
て協議での都合の悪いところや聞かせたくない所は書かないのです」
大鳥 「それじゃ記録にならんだろ」
杉村 「これがこの国の記録と称するものの実態です」
大鳥 「何か頭痛くなってきたぞ」
杉村 「まあ、事務も基本からの改革が必要なわけで」
大鳥 「果てしなき闇の国じゃのう」

本国政府に出張していた本野参事官が公使館に戻った。

本野参事 「ということで、日本政府ではすでに開戦を決しています。清兵を追い出すことを
朝鮮政府から日本政府に依頼するよう仕向ける策を急ぐように、とのことでした。まず属国で
あるということを日朝条約違反として朝鮮政府に迫る必要があるでしょう」
大鳥公使 「うん。すでに新たな要求案を作った。ここはガンガン行こう」
32マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:00:40 ID:G5jNLvtp
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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33マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:02:39 ID:extvuD7R
(続き)
で、その案とは、
1、済物浦条約に基づいて、日本軍兵営の建設要求。駐在日本兵にいつまでもテント生活を強
いているわけにはいかない。条約の実行を求める。
 2、日朝条約に基づいて、朝鮮国の自主独立を問う。清将の聶士成が牙山から全州にかけて
各地で布告文を貼ったが、それには「我が軍が来たのは、中国が属国である朝鮮を座視できず
に保護するためである」とあった。これを袁世凱に確認したら「その通り間違いない」と回答
した。これを朝鮮への主権侵害と見なし、即刻清兵を国外追放するように要求する。
なお、回答期限を22日とする、であった。

7月19日、これを朝鮮政府に要求したが、この日、朝鮮駐在の袁世凱は突然帰国した。

朝鮮外務 「(オロオロ)こ、こんな夜中に、どこに行かれるニカ? つ、ついに朝鮮を見捨て
られるニカ?」
袁 「ちょっと帰るだけアル! 今度来る時は大軍を引き連れてくるアルよ!」
朝鮮外務 「アイゴー!」
最後まで大言壮語が止められなかった袁世凱。この戦争で彼に与えられた任務は兵站だった。

7月20日、大鳥公使は更に、朝鮮の属国を明文化している清韓条約を、日朝条約違反として破
棄することを追加要求。

朝鮮大臣 「アイゴー。大鳥公使の要求はだんだん厳しくなってくるニダー!」
大臣 「なじぇにこんな無茶を言ってくるニカ? 大鳥公使はそんな人ではなかったはずニダよ」
大臣 「日本政府が言わせているニダ!」
大臣 「明日、和将台(日本公使館前の広場)で、友好の大宴会を開きたいとも大鳥公使は言
ってきているニダよ」
34マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:04:13 ID:extvuD7R
(続き)
大臣 「ご馳走が出るニダ。みんな行くニダよ。日本は朝鮮のことを大切に思っているニダよ」
大臣 「西洋樂の演奏付きの立食パーティーニダ!」
大臣 「ウリも行くニダ」
大臣 「日本との友好は大切にせねばならんニダ。ウリも行くニダ」

21日夕方、日本軍楽隊の演奏が南山にこだまする中に開かれた大宴会には、日本人官民はもち
ろん朝鮮人も大勢が参加した。欧米人は朝鮮政府雇いの者や宣教師のみで、公使領事館員は来
ず、清国館員も参加しなかった。事態は一触即発で今いまにも破裂するような状況であるから
無理もない。

金嘉鎮 「杉村しゃん杉村しゃん」
杉村濬 「おう金さん。今日は大勢で来られましたなあ」

金嘉鎮は杉村書記官の袖を曳いて人ごみを離れた。

金 「この宴会には何か深い意味があるはずニダ」
杉村 「ほ?」
金 「ほかの者たちはバカばっかりで意味を悟る者がないニダ。きっと近く事をなされるご都
合のはずニダ」
杉村 「んー」
金 「ウリだけに話されるニダ。ウリは日本党ニダ。日本政府のすることはあらかじめ知ってお
きたいニダよ」
杉村 「と言ってもねえ。まあ、状況はいよいよ切迫しているが、答えられるような場合にま
では至っていないから」
金 「ニカ? ・・・・とにかくその時はお知らせ願うニダ。ウリたちも内から尽力するニダ」
35マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:06:40 ID:extvuD7R
(続き)
そこにロシア公使館の通訳官のカーパークが来た。

カーパーク 「杉村さーん。今ごろこんなパーティーを開くのは何かあるからでしょー」
杉村 「ははは、あなたもまたそう考えますかな」
カーパーク 「そろそろ事を起こしますかー?」
杉村 「ははは、何のことやら。パーティーは友好親善として以前から開催を決めていたこと
ですよ」
カーパーク 「フフフ、しかし朝鮮人はのんきですねー。こんなに大勢集まって」

その時、天が俄かにかき曇り、たちまちザザーッと大雨が降り始めた。その勢いの激しさに、
衆客は先を争って退散し、会場はたちまち空っぽとなった。

開戦前夜にふさわしくなにやら凄まじい雰囲気漂う大宴会であった。

さて、この頃、京城に兵士を入れているのは日本だけではなく、英国や米国などもそれぞれの
公使館護衛のために続々と兵士を入城させた。そのただならぬ雰囲気に、難を避けんと家財を
負って京城を離れる朝鮮人が続出し、その人口は減りつつあった。

大鳥公使は杉村書記官を派遣して混成旅団長大島義昌少将と協議させた。

大島 「朝鮮政府から回答はありましたかな」
杉村 「まだ来ないが、おそらく満足な回答は出来ないでしょうな」
大島 「回答次第では兵を動かすしかないと」
36マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:07:15 ID:npHshASs
  ∧,,∧
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37マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:14:03 ID:extvuD7R
(続き)
杉村 「やむをえんでしょう。条約違反として迫るなら公使の意向はまさにその通りです。そ
して朝鮮政府を味方につけるには今の政府内を変えねばならんでしょう。日本党は中でその準
備を進めているようですし、こちらも何とか大院君を説得して王宮に入らせるつもりです。そ
の時の護衛も頼みたい」
大島 「一応、武威を示すということで、まず1連隊(およそ1400名)を移動させましょう」
杉村 「事前に朝鮮政府には、我が国の権利保護のために兵力を用いる、と通告する積りです。
また各国公使領事にもあらかじめ兵を動かすことを通知しておきます。龍山の兵を王宮の後ろ
の丘に駐屯させるために王宮に沿って向わせることになったと」

記録には、23日に「計画どおり実行せよ」と大鳥公使から電報があったとあるだけで、どの程
度の計画だったか、これ以上の詳細は不明。

期限の22日の夕方になっても、朝鮮政府から回答は無かった。深夜12時を過ぎ、つまりは23日
に入って以下のように回答があった。

まず、日本兵営設置の事には無回答、自主に関しては、
「内政外交が自主なのは中国も承知しているニダ。聶士成が貼りだしたという布告文のことな
どウリは知らんニダ。袁世凱の言は私語に過ぎないニダ。清軍撤兵のことは、撤兵を求めても動
かないのは日本兵も同じニダ」
とあった。

杉村 「案の定、こんな回答よこしやがりましたよ」
大鳥 「よし! 兵力を用いることを朝鮮政府に通告せねばなるまい」
38マンセー名無しさん:2009/08/02(日) 00:17:47 ID:extvuD7R
(続き)
通告文 「清韓条約中の属国云々のことで尋ねたことは貴政府も篤とご承知のはずである。ま
た、聶士成の布告文のことも各地に貼ってあるだけに貴政府も承知のはずである。それを知ら
ぬ存ぜぬでその責任を免れようとするのは、貴政府自らがその自主独立の権を捨て、同時に日
朝条約にある、朝鮮は自主の国であり日本国と平等の権利を有するという一説を無視するもの
である。本公使は決して同意できない。この際、貴政府に条約明文を遵守させるため、満足で
きる回答を求めるのは我が政府の当然の行為と考える。なお、貴政府より満足な回答を与えら
れないなら、適当な時に我が権利を保護するために兵力を用いることがあると、あらかじめご
通告申上げる」

大鳥 「行動開始じゃ! 大島旅団長に計画どおりに実行せよ」と電報を打て」
館員 「はっ!」
大鳥 「大院君の方はどうなっておるかね」
杉村 「すでに岡本柳之助が説得工作を始めていますが、困難なようです」
大鳥 「このことは公使が表立って出るわけにはいかんことじゃ。大院君を知る古参の君が行
くしかあるまい」

さて同日の23日、日本の佐世保基地では、
樺山軍令部長 「伊東長官! 清国が新たな援軍を船で牙山に送ったとの情報じゃ。海軍大臣
令は発せられたぞ! ただちに艦隊を派遣してこれを阻止せねばならん!」
伊東 「ただちに向うでごわす!」
樺山 「戦の先鞭をつけるとぞ! チェストーじゃあ!」
後に、日清戦争の戦時を何日からとするかが閣議にかけられ、当初はこの海軍大臣令日の23日
が案として出されたが、協議の結果、25日の豊島海戦をもって戦時と決議した。
(つづく)
>>29、32、36
いつもご支援感謝。
39マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 22:57:05 ID:U5nYfzV2
さて開戦寸前の日清戦争ですが、どうにも大物過ぎて全体を扱うのは難しいので、なるべく朝
鮮に関する出来事だけに絞って記述していこうと思います。


併合前の日朝(続き)

さて朝鮮政府に、兵力を用いると公文で通知したと同時に、杉村は日本党の金嘉鎮や安駉
壽らにも行動開始を知らせた。

午前2時頃、大院君の腹心中の腹心で、閔氏のために罰を受けて軟禁中の鄭雲鵬という者を説
得。最初ためらっていた彼は、国分書記生から朝鮮が置かれている状況を懇々と説かれて、「
分ったニダ。ウリは王命によって軟禁の身ニダが、それならば決死の覚悟で国家のために尽力す
るニダ」と大院君のもとに走った。
すでに大院君の邸宅では岡本柳之助が懸命の説得をしていた。

岡本 「すでに何度も述べましたように、この朝鮮国のみのことにあらず、東洋全体が西洋列
強国からの侵略を防ぐことが出来るかどうかの大なる機会でござる。きっと我が日本は清国を
打ち懲らし申す。しかし、けっして打ち懲らすことが目的ではござらん。清国自身が真に文明
開化して西洋列強に備えねばならんのです。一度、手ひどく殴って目を覚まさせねばならんの
です。宗主国とか属国とか、そのような古い国の関係のままですむ時代ではなくなったのでご
ざる」

大院君 「我が国は文物礼儀百般の事はこれを中華にならい、三綱五倫人道の教えこれを明国
の法にとっておるニダ。されば中国は我が恩国ニダよ。どうしてなお崇敬せずにおれようか」
40マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 22:59:15 ID:U5nYfzV2
(続き)
岡本 「それは国太公(大院君)殿の本音ではござるまい。明国なきあと貴国は聖教賢伝の宗
匠と自負してあるはず。東洋、否、世界の範とならんとしてあるはず」

大院君 「確かに余は今の清人を信憑せずというのみ」

岡本 「されば朝鮮は政治を建て直して名実共に独立国となり、まっこと富強の大国を目指さ
ねばなりますまい!」

大院君 「何度も言うように、余とても勝手に王宮に入るわけにはいかんニダ。国王の命がな
ければならんニダ」

岡本 「おそれながら、貴公には去る壬午の事変の時には兵を走らせ、これに命じて政府の非
道を正し、自ら王宮に入られて政を執られたと承知しますが」

大院君 「おぬしもしつこい男ニダよなあ。余が決して日本のはかりごとにはくみしないと言っ
たら、おぬしはどうするニカ?」

岡本は黙って懐から短刀をとりだし、膝の前に置いた。

大院君 「そ、それはどういう意味ニカ?!」

岡本 「あいや、公に向けるものにはあらず。これは我が日の本の国の古代からの慣わしであっ
て、使命果たせねばここで今自ら腹を切るだけであります」

岡本は静かに服をゆるめ始めた。
41マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:01:29 ID:AXBnfLC4
紫煙
42マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:02:22 ID:U5nYfzV2
(続き)
大院君 「アイゴ! ならんニダ! それはいかんニダ!」

岡本 「しかたござりません。御前を汚すはまことに心苦しうござるが」

大院君 「ならんならんニダ!!」

そんな所へ、先ほどの鄭雲鵬が駆け込んできた。

鄭 「国太公様! 禁を犯してウリが来ましたぞ!」

大院君 「おうおう、雲鵬、おまえは王命により謹慎の身ではなかったニカ?」

鄭 「我が国の一大事でございますぞ! 他のことではありませんニダ。国太公様には何とぞ
王宮に入られて閔族を追放されねばなりませんニダ!」

大院君 「お、おまえも日本党になったニカ!?」

鄭 「党派うんぬんではございませんニダ! ウリは国のために命を捧げる覚悟ですから言い
ますニダ! 閔氏こそ朝鮮を滅ぼす者ですニダ。今こそ国太公様には立つべきですニダ!」

岡本はその間も、粛々と服を広げて肌をあらわにし、短刀を手に取る。

大院君 「柳之助! 待つニダ!! いかんぞ! 余は今少しよく考えたいニダ!」

そこへ杉村濬書記官が来たとの報が入った。
43マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:04:17 ID:U5nYfzV2
(続き)
大院君 「それ岡本! 杉村殿を案内してくるニダ!」

岡村 「さよう仰せならば」

と岡村は杉村を案内してきた。

杉村書記官 「国太公殿には御機嫌うるわしゅう」

大院君 「うるわしくないっ!!」


さて、大島旅団の1連隊の方であるが、午前4時頃、大島少将は京城公使館に入った。連隊はそ
のまま王宮に向った。

大島少将 「大鳥公使。今、兵を王宮に向わせました。王宮の壁に沿って行進するように命じ
てあります」
大鳥公使 「1連隊とか。おそらく連中は震え上がって折れて来るでしょう」
大島少将 「こちらから先に発砲することは決してないですが、万が一攻撃を受けたら応戦せ
ざるを得ません。門を破壊して王宮の中にまで突入することになるでしょう」
大鳥公使 「止むを得んところですが、くれぐれも王宮内では発砲はなりませんぞ」
大島少将 「もちろんです。武田連隊長に国王王妃のご無事も確かめるように言ってあります
から」
44マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:04:35 ID:AXBnfLC4
紫煙
45マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:06:48 ID:U5nYfzV2
(続き)
最初の発砲音が聞こえたのは午前4時半ごろだった。王宮守備の朝鮮兵が、行軍していた日本
兵に向けていきなり発砲したのである。
まったくもう怺え性が無いというか、前後見境無しというか、そして発砲するぐらいなら死守
すればよいのに、応戦してきた日本兵の攻撃に対し、わずか15分ほどで朝鮮兵全員が王宮から
逃亡してしまった。

武田連隊長 「あらら、あっけねー! 国王を守護する兵が逃げるか?普通w」
杉村濬書記官は、それを見届けて大院君邸に向ったのである。

大院君は杉村に岡村柳之助を指して言った。
大院君 「この男は英雄豪傑の士ニダ。閣下がもう少し来るのが遅かったら、自刃していたと
ころだったニダ」

杉村 「もう多言を要しません。そもそも我が政府は東洋平和を思って貴国に内政改革を勧め
たが、今の閔党政府ではとても改革が実行できる見込みはない。それどころかこれを拒絶した
ことから今日のような事態となりもうした。今や内外の人望は独り国太公の一身にある。我が
国政府は貴公が進んでこの大任に当られることを希望する。貴公が出られるなら、朝鮮の中興
となろう。また東洋平和も維持できよう。それを拒まれるというなら、我が国は別の方法をと
らざるを得ない。しかしそれでは朝鮮の将来も危ぶまれることになろう。願わくば御熟考なさ
れたい」

岡本 「なにとぞ決起されんことを伏して願う!」
鄭 「国太公様! 千載一遇のことニダ!」
46マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:07:15 ID:dvbJjeMJ
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J

47マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:10:56 ID:U5nYfzV2
(続き)
大院君 「うーん。貴国のこの挙がはたして義挙ならば、閣下には貴国皇帝陛下に代わって、
我が国の領土を寸地も割かないと約束できるニカ!?」

杉村 「本官は一書記官の身分であって、皇帝陛下に代わってなど出来ないが、本官は確かに
大鳥公使の使いとして来た。大鳥公使はご承知のように日本政府を代表する者である。自分は
公使に代わって出来るだけの約束をすることは出来る」

大院君 「それならばここでそれを書にするニダよ!」

杉村 「よろしい。では、『日本政府の行動は義挙である。ゆえに事が成就した後は断じて朝
鮮国の寸地を割かず。 朝鮮国駐箚日本公使館書記官 杉村濬』と、これでよろしいか」

大院君はこれを一閲して言った。
大院君 「よし! これにて余は貴諭に応じて立つニダ! ただ余は臣下の身分なれば、王命
なくして入宮はできないニダ。願わくば勅使を発せられるよう取り計らわれたい」

杉村はただちに朝鮮政府内の日本党に連絡し、国王から勅使があるように宮中の都合をとるよ
う伝えた。

さて大院君は侍者に命じて朝飯を用意させ、ゆうゆうと飯を食い、終って便所に行った。なか
なか出てこない。
杉村 「う〜ん。長い!」
やがて勅使が来て国王から大院君に入宮を促す命があったのは午前10時頃であった。
48マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:13:58 ID:U5nYfzV2
(続き)
一方、武田連隊長は国王に謁見してその無事を確認。
その後、王宮内の武器を探すと、出るわ出るわ山のような量であった。大砲30門(クルップ山
砲8門、器械砲8門、旧式山野砲10門ただし不具合のものが多い)、小銃はモーゼル、レミント
ン、マルチニー、など2千余挺、その他火縄銃無数。
武田連隊長 「これだけの装備があって逃げ出すとは???」
国あって人なく、武器あっても壮なし、の国ですから。
なお、この戦闘によって日本兵1人が戦死、朝鮮兵にも数人の死傷者があった。

しばらくして国王は外務督弁趙秉稷を日本公使館に派遣。ただちに王宮に来るよう通知。
よって午前11時ごろ大鳥公使は王宮に入った。ほぼ同時刻、大院君も日本兵1中隊に護衛され
て入宮。

この時、大院君と国王の久々の対面というものは、共に手を取り合って感泣し、そして大院君
が怒声一喝、国王の失政を責め、国王はそれをひたすら詫びたと言う。この時のことを大鳥公
使は、芝居の一場面でも見るような姿であったと報告している。
なお後には、この時に王妃も大院君の膝にとりすがって泣いて詫びた、などという話も伝わっ
ているが真偽は不明。

やがて大院君は国王に代わって大鳥公使を引見。

大院君 「本日、国王は閣下を引見されるはずだったニダが、混雑の事情から余が代わって進
謁を受けるニダ」
大鳥 「国太公殿下には、ご無事入宮のほど恐れ入ります」
大院君 「余は国王から今より政務を統轄すべき旨命じられたニダ。内政改革のことについて
は、追ってくわしく貴公使とご協議におよぼうと思うニダ」
大鳥 「国王殿下のご無事をお祝い申上げる。また、国太公殿下のご執政を心から祝賀申上げ
る」
49マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:15:32 ID:AXBnfLC4
紫煙
50マンセー名無しさん:2009/08/03(月) 23:27:13 ID:U5nYfzV2
(続き)
翌24日には、大院君の采配によって赦免と処罰を含めた朝鮮政府人事改革が行われた。もちろ
ん閔族は遠島を申し付けられるなど悉く追放された。もっとも、すでに23日の内に閔氏一族の
ほとんどが屋敷を捨てて逃亡していた。
赦免されたのは、閔氏によって流刑に処せられていた金允植、尹雄烈、申箕善などであった。
(つづく)

>>41、44、46、49 いつもご支援感謝。

なお、岡本と大院君の会話は推測です。岡本はアジア主義的な考えの持ち主であることが窺えま
したので、このような説得内容としました。なお、岡本が自刃しようとしたことは本当で、後に
杉村が記述しています。
かつて大院君は国王をも暗殺することを画策したことがあるのですが、そこはやはり実の親子だっ
たからでしょう。閔氏のために久しく隔てられていたこともあって、涙ながらの対面であったと記
録されています。
51マンセー名無しさん:2009/08/04(火) 21:30:11 ID:E/D8/BZn
日韓併合時代に戻りたい人多いらしい
52マンセー名無しさん:2009/08/05(水) 14:15:03 ID:GSY/8d55
http://www.youtube.com/watch?v=94umHT7aBu4
日韓併合の真実があるよ。
53山本六平 ◆bsViUL4o4k :2009/08/05(水) 14:17:07 ID:nH+/ITby
次は土下座して頼まれても、二度と併合して助けてやらないから。
54マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 21:21:16 ID:SbCyDS1g

11月17日、日本の特命全権大使である伊藤博文は、駐屯中の日本軍をソウルに集結させ宮殿を取り囲んだ後、国王の高宗に向かって、「条約の締結を拒否されるのは結構だが、その後の事はどうなるか覚悟されたし」と脅迫した。
引き続き、大韓政府に条約締結を迫る閣僚会議を開かせ、駐韓公使林権助らと憲兵を従え、「可か、それとも否か!」と大声で恫喝した。
参政大臣の韓圭咼は毅然として拒絶したが、憲兵によって即刻その場から引きずり出された。
あとの2人は「否」と返事し、残る5人の中で積極的に三位を表明したのは、学部大臣李完用だけだった。
外務大臣朴斉純ら4人は返事もできずおびえていた。すると伊藤博文は、「5人は賛成した。これで採決された」と押し切った。こうして「乙巳条約」が調印された。
この時の、李完用、朴斉純らの5二名を、いまも韓国の人々は「乙巳五賊」(売国奴)と呼んでいる。
このように「乙巳条約」は、日本が武力を背景に、高宗や閣僚を脅迫して締結した不平等条約であった。「保護条約」といっても国家間の一般的な保護条約ではなく、保護を与える日本が韓国の外交権を奪うものであり
韓国の国際法上の地位を否定するものであった。大韓政府は日本の許可なくしては、国際的な性格を持ついかなる条約・協約も結ぶことはできなくなった。

『空白の北朝鮮現代史-白頭山を売った金日成-』 金基燐 新潮新書 P103〜P104

金基燐 
1938年神奈川県生まれ。東京の私立大学卒業後、朝鮮総連の専従活動家となる。
1986年、北朝鮮の独裁体制とそれに追随する朝鮮総連に幻滅し、組織を離れる。現在は焼肉店経営

突っ込みヨロ。参考文献が巻末になかったんだが…

55マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:09:00 ID:aY2GAP9p
併合前の日朝(続き)

さて、海軍大臣令によって佐世保基地を発進した帝国海軍艦隊。その中の第一遊撃隊の軍艦吉
野、浪速、秋津州は、牙山沖に向った。なお吉野には坪井航三少将が遊撃隊司令官として搭乗
していた。

艦隊の中の司令官クラスである少将以上の者が乗る艦船は将旗を掲げる。通常、軍艦が将旗を
掲げる艦船に遭遇した場合、礼砲(空砲)を発して敬意を表するのが西洋諸国を含めて当時近
代海軍を備えた各国間の礼義であった。

25日午前7時頃、豊島周辺で遊撃隊は、清国軍艦が牙山方面から来るのを発見。済遠、廣乙の2
艦。おそらく、清国陸兵増派のための輸送船を護衛に来たものと思われる。

両国の軍艦がようやく接近するに及んでも、吉野の将旗に対する礼砲が清国軍艦から発せられ
ず、逆に戦闘準備が認められたので、遊撃隊は戦闘運動を開始。
まず浅瀬を避けるために沖に転じ、清国軍艦が来るのを待つ。

やがて浪速と済遠が近づいたが、済遠のマストにスルスルと旗が掲げられた。見ると降伏を示
す白旗と続いて日本軍艦旗であった。
よって浪速はこれを砲撃するのを見合わせた。

その時、運送船が来るのを発見。浪速は運送船に対して号砲を発し、「止まれ。錨を投じよ」
との信号を発した。
この時に、降伏を示したはずの済遠が停船しないまま浪速に接近。やがて魚雷射程となる300
ヤードにまで迫った。よって、浪速は側面の砲を発してこれを数回砲撃。また吉野も砲撃。す
ると済遠と廣乙は反撃の砲を発しながら逃走を開始。吉野、秋津州はこれを追う。
56マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:10:18 ID:aY2GAP9p
(続き)
やがて済遠は白旗を掲げたまま吉野を振り切って威海衛方向に逃げ去り、秋津州が追う廣乙は
浅瀬に乗り上げて自爆。また運送船と共に航行していた旧式木造船の操江号も捕獲された。
この戦闘で、吉野が被弾、浪速も被弾したが不発。負傷者もなかった。

さて浪速から停船を命じられた運送船高陞号には、あのドイツ陸軍士官にして清国軍事顧問
コンスタンチン・フォン・ハンネッケンが乗っていたことはあまり知られていない。
後の彼の証言によっても、済遠が白旗と日本軍艦旗を掲げながら逃げまくっていたのは確かで
ある。
もっとも、なぜ白旗のみならず日本軍艦旗まで掲げたのかは不明。

さて、以上の戦闘報告が西郷海軍大臣に届いたのは29日。海軍ではおそらく以下のよう議がな
されたはず。

「分りにくい開戦状況じゃのう」
「ま、済遠が吉野の将旗に礼砲を行わずに戦闘準備をし、その後、白旗を掲げて降伏の意を示
しながらも魚雷攻撃の危険距離まで接近して来たことから、浪速が自衛の砲撃を開始したとい
うことですなあ」
「だから、これをそのまま国民に示しても、どちらが先に砲撃して戦争を始めたか、というこ
とが分りにくかろう」
「それはまあ確かに。しかし砲撃に限定すれば浪速が先ですが、その前に済遠が騙し討ちを謀
ったのは明らかなことですよ」
「このまま発表するなら、そのような説明を一々つけねばならんが」
「ま、ここは分りやすく、済遠が先に魚雷を発して攻撃した、ということにしましょう」
57銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/08/10(月) 23:10:38 ID:bHFfQ73a
  ∧,,∧
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58マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:11:20 ID:aY2GAP9p
(続き)
ということで、着電報告に添削を加え、「済遠号、浪速の艦尾に向い進んで凡そ300メートル
に来るや彼れ水雷を発せしも当らず。故に浪速、側砲を発して之を撃ち」
とした。以後、これが日清開戦となった豊島海戦の正式な報告となる。

けど、どちらが先に砲撃して開戦したかなど、実はあまり意味の無いことであってねえ。
すでに最後通牒に相当するものは出しているのだし、当時宣戦布告ということも関係なしに、
両者よろしく交戦を始めれば、それで戦時となるわけで。

で、これが運送船高陞号のことに関わってくる。つまりは戦時となれば、戦時法が適用され、
交戦国は戦時禁輸品を運送する中立国の船舶を停船させる権利を有するのである。

さて停船を命じられた高陞号は英国国旗を掲げ、英国船籍であることを示した。しかし船内に
は1100名の清軍陸兵がおり、また大砲10数門も積まれていた。この後、浪速艦長東郷平八郎大
佐の決断によって高陞号は沈められたのだが、その時の様子をハンネッケンの証言に基づいて
記すと、以下のようなものであった。

高陞号船長ガルス・ウォルズウェー 「停船! 投錨!」
浪速から信号 「そこに止まれ。そうしない時はその責を負え」
浪速艦の大砲は高陞号に向けられていた。
高陞号船長 「OK、OK、停船しましたよー」
浪速からボートが発せられた。
清兵司令長 「顧問官殿。我が兵は捕虜となるよりは、むしろこの海底に葬られることを望む
アルよ!。 これを船長に伝えるアル!」
清兵 「そうアル! そうアル! 我等は捕虜になるために来たのではないアル! 闘いに来たアル!」
清兵は激昂して騒ぎ始めた。
59銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/08/10(月) 23:12:42 ID:bHFfQ73a
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60マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:13:03 ID:aY2GAP9p
(続き)
ハンネッケン 「静まりなさーい! これからあの日本艦と談判があるはずでーす。今は秩序
を保つことが大切でーす!」
ハンネッケンは清兵を静めることで手一杯だった。

ボートが着くと、日本士官数名が船内に入り、船長室に来た。
ウォルズウェー船長 「この書類の通り、これは英国船ですねー」
日本士官 「では船長に伝える。我が軍艦に随行せよ」
その一言だけを述べて士官は浪速に戻った。

船長 「ミスターハンネッケン。日本艦に随行するように、との命令ですが」
ハンネッケン 「なんと! 出発港である大沽に引き返すことを要求する考えであったのに、
もう彼らは戻ったのですかー!?」
清兵司令長 「何だとー!! 我等はそのような言葉には従わないアル!!」
清兵 「船長が日本の言うことに従うなら、すぐにここで殺すアル!」
清兵らは西洋人の水夫や船長らに次々と剣や小銃を突きつけ、今にも殺しかねない騒然とした
雰囲気となった。
ハンネッケン 「待て! 落ち着きなさーい! 船長! 日本艦に、もう一度話に来るように
信号を出しなさい!」
船長が信号を発すると、ボートは再び来て士官が船の梯子に手をかけた。ハンネッケンは士官
が船中に入れば清兵がこれを殺害しかねないと思い、船上からボートの士官に向って叫んだ。
ハンネッケン 「船長は他の者から脅迫されていて、そちらの命令に従うことは出来ない! 
兵士らが許さない! 清兵司令長と兵士は出発港に帰ることを要求する! 船長と余の考えで
は、すでに宣戦布告があって戦時であるとしても、出発した時は平時であったので、この要求
は正当なものと信じる! これをそちらの司令官に報告されよ!」
日本士官はこれを聞いて浪速に戻った。
61銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/08/10(月) 23:14:49 ID:bHFfQ73a
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 ( `・ω・) ドキドキ
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62マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:15:11 ID:aY2GAP9p
(続き)
しばらくして浪速から信号。
「至急に船から去れ」
これは船長に向けての信号であった。船長は直ちに返信。
「自分はその許しを得ることが出来ない」
浪速はそれに対し回答旗を掲げたのみであった。(実はこれは攻撃を示す警告の赤旗であった)

浪速が運転を始めてゆっくりと接近し、高陞号の右舷正面ほとんど150メートルの距離に達し
て運転を止めた。

ハンネッケンは、その後、浪速から魚雷が発射され、それが到達する前に大砲が放たれて被弾
の轟音が2回し、そして魚雷は石炭庫に的中し、たちまち白昼は暗闇となり、炭粉や木片が飛
散して天に立ち昇った、と言っている。
ハンネッケンや船長と乗組員らはただちに海に身を投じて泳いだ。見れば高陞号は船尾から沈
み始めている。
その時、船に残る清兵らが、逃げる者たちを殺さんと射撃しているのを見た。乗組員のみなら
ず、泳ぐ清兵に対しても射撃しているのを見た。沈没船上の兵士らは、自分は死を免れられな
いので、泳いで逃げる同胞もまた生かしてはおかないという、残忍な観念に基づくものと思わ
れた。
また、日本艦からボートを降ろして多数の兵士を乗せてくるのを見た。ボートの日本兵士は沈
没船の残兵を射撃した。

その後、ハンネッケンは泳ぎきって岸に到達した。清兵の中で岸にたどり着いた者はわずか170
名ばかりだった、と言っている。また、他の西洋人で陸に達した者があったかは知らないとも。
63マンセー名無しさん:2009/08/10(月) 23:18:39 ID:aY2GAP9p
(続き)
しかし実は、ウォルズウェー船長と一等運転手(英国人)、同航海士(スペイン人ともマニラ人
とも)は銃撃戦の中に日本のボートに助けられていた。また、小島に泳ぎ着いた清兵数名も後に
日本の偵察船によって救助された。

で、この英国船を撃沈させたことで、英国世論が激昂、英国政府もカンカンと。

さて、25日のその頃、京城公使館の大鳥公使は朝鮮王宮に参内した。
国王裁可を経て朝鮮外務督弁は公文を提示して述べた。
外務督弁 「ここに日本政府に要請するニダ。朝鮮政府に代わって、牙山にいる清兵を朝鮮国から
撤退させてほしいニダ」
大鳥公使 「承知した。確かに日本政府にそのように通告する」

 とまあ、そういう意味で日清戦争は、朝鮮政府の正式な依頼による代理戦争とも言えるわけで。
(つづく)

>>銀河電鉄さん、いつもご支援感謝

>>54
明治38年の第二次日韓協約のことらしい。そこらへんに至るまで、あと何年かかるんだろかw
まあ、そういうことがあったという裏付けの資料の提示が無いかぎり、空想話乙、としか言いようがないわけで。
64マンセー名無しさん:2009/08/15(土) 14:13:11 ID:5/SOS0kf
続きはまだなの?
65マンセー名無しさん:2009/08/15(土) 15:33:31 ID:bKdUJRp8
請求すんな!黙って待て!
66マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 22:51:45 ID:Tm/4+Gve
>>64
お待たせです。なるべくペースを上げたいんですが、本サイトの方が大物にかかっているので
ちょっとしんどい。


併合前の日朝(続き)

で、ハンネッケンは魚雷も当ったと言ったが、実際は浪速の報告や後の英国海事裁判にもある
ように、魚雷は当らずに砲撃のみによって沈没したというのが事実らしい。

さて、高陞号を撃沈させたことが日本政府に伝わると、陸奥宗光が青くなったかどうかまでは
知らない。
ただちに在日英国代理公使を外務省に招き、
陸奥 「本件に関する詳しい調査をした後に、もし帝国軍艦の行為が不幸にも不当なものであ
ったことを発見した時は、帝国政府は相当の補償をすることを怠らないだろう」
と告げた。
軍艦浪速は救出した船長らを長崎まで送ったが、政府は直ちに身一つの彼らに救恤金を与えて
拘束することなく自由の身とした。
 で、これに関する日英談判は、また後で。

 さてさて、日本は朝鮮政府から公式に「牙山にいる清兵をイルボンが追い払ってほしいニダ
」と依頼を受けたが、前日の24日にはその依頼があることが確実となったことから、仁川、龍
山に露営していた帝国陸軍混成旅団は部隊長会議を開き、その時大島旅団長は次のように訓示
した。
67マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 22:52:53 ID:Tm/4+Gve
(続き)
大島 「行動は我が帝国の名誉に関することである。しかしまだ宣戦の公布はない。よってみ
だりに戦をしかけてはならん。
支那兵が弱いことは言うまでもない。しかし敵を軽んじて侮るは自ら敗れを招くもとである。
将校たるもの、慎まねばならん。
捕獲物は決して私有してはならん。一切を差し出せ。犯す者は軍律に問うだろう。
ここは外国である。一歩でも進むことはあっても退くことはならん。たとえ退いても敵の中で
あることに変わりはない。よって、兵卒は進んで死するの覚悟がなければならん。退いて生き
ようとする念を懐くなかれ」

後に牙山の清兵は成歓の戦闘で敗走するが、その時に日本軍が得た戦利品の中に清軍副将聶士
成の報告書があった。そこにはこう書いてあった。
「日本兵は大砲を頼みとしている。西洋銃は単発銃に過ぎない(清軍は連発銃が主)。兵を見
ると、だいたい皆が幼弱であって、仁川と漢城の間を行き来するのも疲れて弱る異常なもので、
我が兵のように良く労苦に耐える者はいない。もし両軍が馳駆奔走して戦うなら、勝負は問わ
ずして知るべきである。まして日本は外には強く見えても内面は弱いのであるから。
日本は我が軍が自重して軽挙をしないことにつけこんで、続々と大軍を送って配置しているが、
そのやり方は琉球を奪った時の狡智を再び見るようなものである。しかし、我が軍が兵を用い
ることになれば、日本は必ず畏怖して和議を請うだろう」

兵士に決死の覚悟を求める日本軍と、大国意識から逃れられない清軍と。
68マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 22:55:05 ID:Tm/4+Gve
(続き)
で、実は混成旅団がこの時に一番苦労したのは兵站である。そうさせたのはこの朝鮮という地
だった。
まず、以前から困っていたのが水である。井戸水が乏しいだけでなく、日本軍を撤兵させよう
と朝鮮官吏らが井戸にとんでもないものを投げ込んだりしていた。

日本兵 「おーい。水、水、のどがかわいたぞ」
日本兵 「ん? 井戸になんか浮いてるぞ。それになんか臭いなあ」
日本兵 「これ糞尿の臭いだろ!」
日本兵 「うひゃー! うんちだらけじゃん!」
7月15日時点で、仁川病院に赤痢で入院した兵士は20人。その他の病気入院が30人ばかりとな
った。

それに人夫を雇おうにも官吏がさまざまに妨害をする。
日本兵 「人夫募集! 人夫募集! 1日1円を出すぞ。大金だよ!」
朝鮮人 「くーっ! 応じたいけど応じられんニダ」
日本兵 「なんでだ?」
朝鮮人 「日本兵の望みに応じたら牢屋にぶち込むと役人が言っているニダ」
日本兵 「そりゃひどい!」

後に公使領事たちが官吏の横暴を厳重に抗議してからというもの、人夫となる朝鮮人はようや
く増えていった。
しかし25日に朝鮮政府の依頼を受け、いよいよ牙山戦に向うとなると、たちまち朝鮮人夫の内
には逃亡する者が続出した。
中でも第21連隊第3大隊では、糧食を積んだ馬54頭と共に朝鮮人夫が大量逃亡し、そのため兵
站責任者である古志正綱少佐が自刃するという事件となった。
69マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 22:57:52 ID:DGPorWpF
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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70マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 22:58:15 ID:Tm/4+Gve
(続き)
まあ、日本軍が朝鮮人の性情をよく知らないままあてにしたのが間違いじゃなかったろうか。
それに、当時朝鮮人の中で日本が大国清に戦争で勝つなどと誰が思っていたろうか。大院君で
すら日本が勝つとは思っていないし、おそらく日本党の者たちですらそうだったろう。
まして土民の人夫が途中で逃げ出すのは当たり前。それも満載の荷物ごと。
朝鮮人 「くーっ♪ 家族にお土産ができたニダ。だれが戦場なんかいくニカ! イルボンはパ
カニダよ」
とね。

それに、米や野菜などの徴発もままならなかった。というのも、これらは物々交換ではなく、
必ず韓銭で買わねばならないものだったからである。まず韓銭そのものがあまり流通しておら
ず、これを入手するのが困難だった。清軍の方は宗主国様ぶりを発揮して、勝手気ままに農民
から略奪していたが、日本軍が朝鮮でそれをするわけにはいかない。
しばらくは、「腹へったなあ、腹へったあ」が兵士のあいさつとなったかも。
まあ、周到な準備をして始めた戦争ではなく、成り行きで始めたようなものだから仕方がない。

そんなこんなで苦労しながら、成歓に接近したのが27日。まず七原南方において日本騎兵が清
騎兵と遭遇した。

日本騎兵 「敵じゃー! 斬り込めー!!」
日本騎兵 「うおおおおーー!!」
清騎兵 「日本兵だ! 怯むな! 首を取るアルよ!」
しかし日本兵の勢いが激しく清兵は隊列を崩して逃げた。
清騎兵 「に、逃げるアル!!」
71マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:00:11 ID:Tm/4+Gve
(続き)
日本騎兵 「蹴散らせー!!」
日本騎兵将校 「深追いすなー! よし! 戻れ!」

これを見ていた朝鮮土民らは、
土民 「おーっ! 日本軍は強いニダよ。日本軍マンセー!」
と喜んだとある。で、これが陸戦の最初かと。

28日、成歓手前の素沙場に部隊到着。土民の話では、清兵がいるのは成歓のみで牙山にはいな
いと。

樋口少尉が朝鮮土民の服に着替え、朝鮮馬に乗って斥候として成歓に向う。
夜、作戦会議で明日29日に成歓の清軍陣地を攻撃することに決定。
「今回の戦闘の勝敗は一に帝国の浮沈に関わることを肝に銘じよ!」
火酒を開け陛下の万歳を祝す。
「斥候はまだ戻らんか」
「まだ戻りません!」
樋口少尉は深夜を過ぎても戻らない。皆がすこぶる心痛する。
部隊長 「もうそろそろ出発せねばならん時間じゃが」
樋口少尉 「ただ今戻りましたー!」
部隊長 「やれやれ無事に帰ってきたか」
樋口 「遅くなりました。しかし清軍の陣地のほぼ全容は知れました」
部隊長 「よし! 報告してこい!」
樋口少尉は敵陣の様子を報告。
部隊長 「もう着替える時間もないぞ。おまえそのまま出発せよ」
72マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:00:27 ID:cqtFTIvE
で?ソースは?
73マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:01:24 ID:DGPorWpF
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74マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:03:07 ID:Tm/4+Gve
(続き)
樋口 「ええ? はあ」

まるで朝鮮小馬に乗って日本兵を指揮する朝鮮土民の姿。
兵士 「なんじゃあの朝鮮人は」
兵士 「日本語しゃべっとる?」
兵士 「ははは、ありゃ樋口少尉殿じゃ」
樋口小隊兵士 「うちらの小隊、な、なんかかっこ悪〜」
樋口少尉 「なんか言ったか!」
兵士 「い、いえ、ぷぷっ」

しかし敵陣容の大体は把握できたが、地理の詳細まではよく分らなかったらしい。午前2時に
は出発したが、道が狭く悪路の上、夜空は曇っていて真っ暗闇のため行軍は困難を極めた。

午前3時、日本軍右翼隊は前方まばらに民家が建つ村落から突然の銃撃を受ける。猛烈の射撃。
右翼隊は反撃しつつ田畑に散開する。しかし闇の中、沼や小川に落ちる者が続出。ついに溺
死者24人(将校1人を含む)を数えた。成歓の戦闘では弾などに当って戦死した者は総計10名
であったが、その倍以上がここで溺死するという悲惨さであった。
午前4時頃、右翼隊は民家に突撃し、ついに清兵を撃退する。民家を捜索し清兵2名を捕虜とし
た。ようやく東天が白みだす。
午前5時20分、左翼隊は成歓から東北7百メートルの高地に達し、ここに砲列をしいて敵陣地に
砲撃を始める。
75マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:06:19 ID:Tm/4+Gve
(続き)
清陸軍の戦闘隊形というものは、陣地には必ず旗やのぼりを翻して「われらはここにいるアルよ
」と示し、また部隊が動けば必ず旗やのぼりも移動してその存在を示し、またその銃撃も、射
程距離をはるかに越える所からやたらめったら撃ちまくる、というものであった。これは、日
清戦争ほぼ全般にわたってそうであり、1部が年明けての1月から、ようやく旗やのぼりを廃止
して、戦闘方法も日本軍のそれを真似しようとした部隊もあった。
しかしその古代さながらの戦い方では、装備は劣っていても近代戦術をマスターした日本軍の
前には、連戦連敗となることは必至であった。

もっとも、この成歓の闘いでは、清軍も活発に移動しながら日本軍の背後に回ろうとしたり、
前進する日本兵に高地から榴弾砲をあびせるなど、けっこう様々な動きをしている。ただし日
本軍は榴弾を浴びながらもかまわず突入し、よって清軍砲兵は大砲を捨てて逃亡しているが。
(つづく)

>>72
ソースは本サイト(きままに歴史)の方で。主にアジ歴からです。
76マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:07:06 ID:Pz4gg9Yn
四円
77マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:09:19 ID:p7j/xg+s
>>68
うひゃ〜
そんな場面でもうんこが登場なんすか〜

あくまで、うんこミンジョク〜

78マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:12:45 ID:67xbI7LI

日韓併合反対派の急先鋒

伊藤博文がチョンに暗殺されてしまったのが

運のつきw

併合されずロシアの植民地のままなら

チョンにとって一番幸せだったと思いますw
79マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:18:48 ID:cqtFTIvE
(Д´)[ちぇーすとー]
(∀´>[土人の馬鹿な突撃ニダ機関銃で皆殺しニダ]ババババババババババババババババババババババババババババババババババ゙バちぇーすとーグフッ]Д`)
<`∀´>
土人うぇの[ちぇーすとー笑えるニダ
80マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:24:00 ID:kkVgL+CL
乳丸出し
81マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:24:13 ID:cqtFTIvE
硫黄島の手紙
ギャグですか(笑)
[ちぇーすとー]て何なの?笑えるんだけど。
渡辺謙の[ちぇーすとー]
<`∀´>よかったよ
82マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:26:48 ID:cqtFTIvE
(Д´>[ちぇーすとー]
(Д´>[ちぇーすとー]
(Д´>[ちぇーすとー]
イルボン人[ちぇーすとー恥ずかしいんだな(笑)
83マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:30:55 ID:n2FHHtzx
コテを変えては荒らしを続ける、大鵬健太こと「残飯」ID:cqtFTIvEはスルーで
84マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:31:05 ID:hphYlCev
http://www.geocities.jp/furen1002/KoreaHistory.html
↑俺はこのサイト見てびっくりしたよ。
幕末の日本ってすごい大都市だったんだな。
85マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:31:30 ID:cqtFTIvE
陸上自衛隊も[ちぇーすとー]言うの(笑)
未だに銃剣使ってるのニムの国だけプッ
(Д´>[ちぇーすとー]
86マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:34:47 ID:cqtFTIvE
又捏造写真か。
87マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:39:21 ID:cqtFTIvE
イザベラは、金でイルボンに雇われたのだろうな。
子供がうんこで遊ぶという嘘偽り。
(Д´>[ちぇーすとー]
88マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:45:39 ID:Tm/4+Gve
>>69、73、76
いつもご支援感謝。

>>77
まあ報告原文では「汚穢物」なんですが、これは絶対あれだろとw
89マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:47:30 ID:cqtFTIvE
<`Д´>君が代は♪チョソにデクンに♪太極旗ぃぃのお♪檀君おわすぅぅ♪半万年のぉぉ歴史が記す♪
90マンセー名無しさん:2009/08/17(月) 23:51:05 ID:cqtFTIvE
(Д´>[ちぇーすとー]
大韓帝国マンセー
檀君様マンセー
91マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:15:13 ID:VeFplWkH
チョッパリは死ね 以上
92マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:25:07 ID:+VhG/cHW
大統領を含め前政権の遺物をフルボッコにするチョンらしい発言だなw
93マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:26:29 ID:SH5qWGkx
文化の起源を詐称するしかない韓国の無様さが全てを語っている。
94マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:38:17 ID:xtOU0xr9
>>88
汚穢物といったら、うんこに間違いないですねw

引き込まれるように読ませてもらいました。
続きを楽しみにしてます。
95マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:41:15 ID:nLgeHioo
cqtFTIvEはただの煽りなの?それともマジなの?
96セイラ・マス・大山:2009/08/18(火) 00:50:32 ID:jxv/be/K
>>95
本物の馬鹿だから、何をやっているのか自分でも理解できてないと思う。
質問しても本人には答えられないぞ、きっと。
97マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 00:56:16 ID:zAjYybQN
>>95
レスが欲しい、というか誰かに構ってもらいたいだけです。
言ってることに意味などありません
98マンセー名無しさん:2009/08/18(火) 01:11:15 ID:WKHXG+kK
若い子は乳出しチョゴリを着てくれ
99銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/08/18(火) 20:52:08 ID:61l2qPnJ
>>75
あのスレがあれだったんですか。何も気付かずブックマークしてました。
100マンセー名無しさん:2009/08/20(木) 09:07:56 ID:8CrYn5fs
別によろしいんじゃ
101マンセー名無しさん:2009/08/23(日) 22:27:55 ID:0nyIuE0y
併合前の日朝(続き)

さて日本軍は素沙場の南端に衛生隊と第2野戦病院を開設。

午前5時30分、右翼隊は村落を出て進撃。やがて400メートル先に敵200人が散開しているのを
発見して直ちに攻撃。

この頃左翼隊も前進し、成歓の芥子坊主山の清軍陣地の500メートル前まで接近する。この時
清兵部隊が旗をひるがえしながら背後に回るのを見る。しかしかまわず前進し、敵陣150メー
トル手前の高地に至り、そこから敵陣に猛烈の射撃を始める。その後、正面隊も到着し、同じ
く敵陣に200メートルまで迫って射撃。両隊併せて猛烈の十字砲火を浴びせる。
芥子坊主山の清軍陣地の兵は撤退しようとしたが別隊の清兵が増援。しかし日本軍の攻撃が激
しく、動けなくなる。

午前6時頃、成歓後方から清兵が退却を始める。それを別の日本支隊が側面から射撃する。
左翼隊の砲兵隊も芥子坊主山の陣地に榴散弾を猛烈に浴びせる。およそ百発。しかし、清軍も
この砲列に対して猛烈の射撃。

午前6時10分、先ほど左翼隊の背後に回ろうとした清兵部隊に対し1中隊を派遣し、敵から距離
500メートルの位置に待機させる。
この頃、右翼隊も森林の中に清兵400人を発見。ただちに一斉射撃。

日本別働隊の独立支隊も西北の高地に清兵部隊があるのを発見して一斉射撃。清兵は応射する
もしばらくして退却を開始、水田中に逃げ出す。それを追撃する。
102マンセー名無しさん:2009/08/23(日) 22:29:50 ID:0nyIuE0y
(続き)
午前6時30分、右翼隊と清軍の射撃戦最も猛烈となる。
午前6時50分、右翼隊の前方1200メートルの高地に陣を構えた清軍砲兵が、右翼隊に対し榴弾
を砲撃。右翼隊はかまわず前進する。砲撃はほとんど隊の後ろに着弾。

その頃、左翼隊が敵対する芥子坊主山からの射撃が弱まる。左翼隊の第6中隊と第8中隊が突撃
を敢行。ついに敵陣を奪う。
これを見た左翼隊背後の清軍部隊も逃走を始める。
陣取った左翼隊は、ただちに芥子坊主山ふもとの5個の清軍幕営を攻撃。清軍いっせいに逃走。

その頃、右翼隊は清軍砲兵に迫る。清軍砲兵は逃走。歩兵200人も逃走。

ついに全線において、清軍は敗走し日本軍は追撃に移った。
時に午前7時30分。
牙山方向に敗走する清歩兵を追って日本騎兵が襲う。次々と斬って捨てる。

午前8時、各隊が集合を始める。これで成歓は完全に日本軍が占領し、清軍は多くの死傷者を
残して敗走した。その数500人以上。日本軍は戦死者10人、溺死者24人、負傷50人(入院後に5
人が死亡)
成歓で捕獲したもの。大砲4門、小銃若干、弾薬多数、天幕90余り、書類など。
やがて、監視部隊を残して全隊が牙山方面に向う。

逃走の清軍はほとんど散乱したが、日本軍が牙山に向う途中、民家あるいは森林から射撃する
少数の清兵もいた。また、朝鮮人の服を奪って着替え、山中に逃げ込む者もいた。また、成歓
には留まった清兵もおり、監視部隊が各個で戦闘してそれらの清兵を殺傷している。
103マンセー名無しさん:2009/08/23(日) 22:31:46 ID:0nyIuE0y
(続き)
午後0時半。大休止。戦勝を大本営と京城公使館に伝えるよう命じる。給養隊が送ってきた昼
食を配る。この時に暴雨があり、人馬みな濡れる。

午後4時、右翼隊が牙山に到着して露営。左翼隊はその手前で露営。

7月30日早朝、左翼隊も牙山に着く。
清軍は既に逃げており、ここでは大砲8門、小銃30挺、弾薬、天幕多数、軍旗30などが残され
ていた。

捕虜とした清兵の供述によれば、昨日の兵数は蘆台の武毅軍5営、山海関の仁字軍2営の計7営
(3500人)であった。
で、日本軍の方はおよそ3000人であった。

さて、「大島旅団報告」を読むだけでは、清軍撃った、日本軍撃った、清軍逃げた、日本軍勝
った、という感じで、なんだか清軍の弱さばかりが目立つ。
しかし、「混成旅団戦闘詳報」の方を読むと、日清双方の軍が活発に移動しながら、よく戦い
合ったという印象に変わる。いやそれどころか、高陞号と共に沈んだ清軍大砲10数門と陸兵11
00名と、あのドイツ軍将校のハンネッケン顧問官が戦場にいたなら果たしてどうなっていたろ
うか、という迫力がある。
ハンネッケンこそ日本陸軍師匠たるドイツ陸軍の人である。この人の指揮が成歓の清軍に加わ
っていたなら、おそらく日本軍にとっては困難且つとんでもない事態となっていたかもしれな
い。
104マンセー名無しさん:2009/08/23(日) 22:35:48 ID:0nyIuE0y
(続き)
この後、敗走の清軍を追撃しなかったのは「(・A・)イクナイ 」、と言う人もあるが、それは無
理。兵站部が給養できない。それに第一、朝鮮政府からは「牙山にいる清兵を追い払ってほし
いニダ」と依頼されたのである。それを達成した時点で使命は果したのであり、これ以上の追
撃戦はかえって各地各所を荒らすことになりかねない。それにこの年の朝鮮大地は旱魃であっ
た。

日本軍部は、逃走の清兵が平壌の清軍に合流するだろうと見ており、その後の逃走経路も逐一
把握している。

8月5日、大島混成旅団は凱旋。龍山、南大門にいたる岐路には凱旋門が急きょ建てられ、日韓
両国の大旗が飾られた。凱旋軍は門外に整列。
朝鮮国王の勅使か歓迎の祝辞を述べる。大鳥公使が続く。また内田領事が居留民を代表して。
終わると軍楽隊が君が代を演奏。そして、
大鳥公使 「天皇陛下万歳!」
大島旅団長 「朝鮮大君主陛下万歳!」
趙羲淵勅使 「日本軍隊マンセー!」
各隊各兵士、また歓迎の日朝両民が和す。

終われば、朝鮮人が分捕りの清軍の鉦や太鼓を打ち鳴らして行進の合図とする。
京城守護の一戸大隊が歓迎整列する中、凱旋軍はこれまた分捕りの清軍旗を押し立て、清軍大
砲8門を牛に引かせて門をくぐり、軍楽隊の行進曲の演奏と共に行進して帰営の途についた。

日本軍が戦勝して清軍を追い払ったとの話は朝鮮人の間に瞬く間に広がり、人口が半分に減っ
ていた京城に、再び人々が家財を負って続々と戻ってきた。
(つづく)
105マンセー名無しさん:2009/08/24(月) 02:51:52 ID:kdAfznHa
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
106マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 20:45:45 ID:P+iNkYq9
これは請求じゃないからね。
ほしゅだからね。
107マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 23:34:48 ID:aOklWeQF
併合前の日朝(続き)

さて、成歓の戦闘前、今や朝鮮王宮に君臨する大院君は、政府に対して大鉄槌を加え、閔族一
統を薙ぎ払うように追放した。それが終われば、次は新たな政府の建て直しである。
ところが、この国には、国のことを心から思う人々がほとんどいないとはすでに述べたとおり。
ただ自らの栄達を望んで、日本党やにわか改革派の連中が大院君の下に殺到。また、首になった
旧官吏が哀れみを乞うて押し寄せた。

「国父さまー! ウリを政府にご採用されるニダ ウリは立派に働きますニダ!」
「国太公さまー! ウ、ウリの方こそよく働きますニダ。すでにこういうアイデアを持ってきて
いますニダ!」
「いや、ウリの方が!」
「ウリは首になりましたニダー! 今度はまじめに働きますニダー!」
「ウリのところには家族が10人いますニダー! このままでは飢え死にですニダー」
手に手に献上金品やら贈り物やらを持って、大院君に直接に陳情する者が引きも切らず。これ
には大院君も弱り果て、

大院君 「もううるさーい!! ウリは飯食う暇もないニダー!!」

で、見かねた杉村書記官が大院君に勧告。

杉村 「国大公殿が直接応対されるからです。ここはまず領議政(総理大臣)を選定し、また
その秘書官を数名選んで、通常の応対はこの秘書官にやらせるのです。そうすれば暇ができま
しょう」
大院君 「それはそうニダ! はやくそれを言うニダよ!」
そんなことすら考えつく人が大院君の側にもいなかった。
108マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 23:36:28 ID:aOklWeQF
(続き)
大院君 「で、領議政は誰にしたがよいニカ?」
杉村 「それはもう金宏集の右に出る人はありますまい。秘書官には兪吉濬とその他1名を選
ばれたらよろしいのでは」
大院君 「そんならそうするニダ」

そんなこんなて早くも新たな任官を得る者もおり、開化派や日本党が集まる王宮の集会所では

「ウリはもう任官されたニダー。ホルホル」
「ウリもニダー! ホルホルホル」
と誇る者らもいた。

王宮に泊り込んでいる岡本柳之助に杉村が尋ねた。
杉村 「どうだろうか。新政府のことは。話し合いは進んでいるだろうか」
岡本 「いやもう、各々が勝手な意見を言うだけで、まとまるということがない」
杉村 「やはりのう。それが朝鮮人というものじゃわい」
岡本 「まあ、ここは日本側が強く引っ張っていくしかないでしょうな」
杉村 「ですな。どうせ政府を立て直すとしても意見が割れるだろうから、ここは、そのため
の予備の議会を興すということで、取り敢えずその議員を選ぶということではどうだろうか」
岡本 「それはいいアイデアですね。ある程度は政府機能を持たせた評議員の形式にするのが
よいでしょう」

で、杉村がそれを皆にはかると、全員が同意したので、杉村は公使館に戻り、大鳥公使に内申
した。
109マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 23:37:33 ID:8lV8UKmE
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
110マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 23:38:24 ID:aOklWeQF
(続き)
大鳥公使 「よし。それがよい。明日にでも参内して大院君に説こう」

で、議員名簿を作って大院君に申し出たところ、大院君はこれを採用。

大院君 「ついてはこの評議員会を軍国機務処と名づけたいニダ」
大鳥公使 「ほう、軍国と」
大院君 「ニダ。我が国は今、軍事の時機となっているニダ。すでに日本軍への兵糧とその運搬
に便宜を与えるよう全道に命じたニダ。今こそ文武一体となった政府とならねばならんニダ」
大鳥公使 「まことにその通りであります」

で、その総裁に金宏集を任命して発足したのだが、軍国機務処はどこまでも評議員会であって
、行政機関ではない。よって、様々な改革のアイデアがひねり出されては採決され、大院君の
手を経て国王の裁可を得るのであるが、それを具体的に実行する機関がない。何よりそのため
の財源がない。つまりは机上に書類を積み上げるだけの政治であった。
やがて、アイデアも枯渇して空しく日時を重ねるだけとなり、官吏たちは、布団と枕が備えら
れた役所で昼寝に時間を費やす方が多くなった。で、時々起き上がっては、そばに置いた銅製
の便器にジャージャーとやる。中に大も落とす。で、それが溜まると窓からぶちまけるという、
いつもの朝鮮風景が繰り返されるだけとなった。
(つづく)
111マンセー名無しさん:2009/08/31(月) 23:41:23 ID:aOklWeQF
>>109
いつもご支援感謝。
短すぎますが今回はこれで。
112マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:52:41 ID:Q6Z7Kdhs
併合前の日朝(続き)

8月1日、日本政府は明治天皇の名で宣戦の詔を発表。
「朕、ここに清国に対して戦を宣す」と。
格調高く、しかし分りやすい文章。
中に、「国際法にそむことなく」とあって、近代国家としての戦争宣言であることを意味して
いる。
また、出兵の根拠も「明治15年の条約によって兵を出し」と、済物浦条約に基づいてのもので
あることを明記している。
巷には、「天津条約」によって、などの解説が氾濫しているけれども、日清戦争を語るのに宣
戦布告文も読んでいない証拠とw

また、「朝鮮に乱から永遠に免れて安を将来にも保たせ、以って東洋全体の平和を維持しよう
と望み、まず清国に告げたことは、協同して行うことであったのに、清国はいろいろと理屈を
つけてこれを拒んだ」とある。
天津条約第2条の内容に至った当時の伊藤博文と李鴻章の談判を見れば分るように、日清両国
は朝鮮が自ら治安を守ることが出来るように共に協力する、ということにあるのだから、日本
はこの条項に沿い、清の方は背いていることになる。

また、「清国の企ては、・・・・我が国が率先して独立国の列に並ばせた朝鮮の地位を、これ
を表示する条約と共になきものとせさ」とある。
当時、朝鮮の独立を明示しているのは明治9年締結の「日朝修好条規」である。これもなきも
のにせんと企てていることは疑いないことであると。
113マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:54:33 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
また、「よくよくそのするところについて深く考えるなら、実は初めから平和を犠牲にしても
清国はその(朝鮮に日朝条約を破棄させ、属国化を強化し、日本の権利と利益を損傷しようと
する)望みを遂げようとするものであると言わざるをえない」と。これは、明治初期以降の日
清関係を示唆したものとも言える。
で、「速かに戦いに勝って平和を取り戻し、以って帝国の光栄を全くせよ」と。

これによって日本全国に「我が国は仁義の軍を起こすものである」との声があがり、「朝鮮の
独立を助ける義戦」と見る世論が沸騰した。まあ積年の恨みもあるしねえ、「ちゃんちゃん坊
主をやっつけろー!!」との声でも満ち満ちたと。
で、ついには「ちゃんちゃん征伐当世流行節」「ちゃんちゃん征伐流行歌」「支那退治日本流
行節」「帝国万歳旭影、ちゃんちゃん坊主末路の凩」「日清戦端壮士ぶし、一名チャンチャン
たいじ」などの雑誌類が発行されて侮蔑言葉のオンパレードと。
まあ、人間の敵対感情とはそんなもんでしょ。

もっとも中には、
「朝鮮の改革を名として我が国の領土の拡張を計るべきじゃないのか」
とか、
「朝鮮はわが国の保護国とするべし」とか、あるいは
「いやいや、わが国から列国会議を招集して、朝鮮を欧州大陸のベルギー、スイスのような、
列国保障の中立国とするべき」とか言う者もあった。
しかし世論の大勢を圧倒的に占めたのは、「弱きを助けて強きをくじく! 朝鮮を真の独立国
とする戦いじゃーっ!」
という大声であった。
114マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:55:10 ID:P15CuhIV
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
115マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:56:05 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
で、清国も皇帝名で同日に宣戦布告と。

「朝鮮は大清国の属藩として200年余りになるのは国の内外で知られることである」
と、のっけから朝鮮はわが属国であると宣言し、その属国の王が土匪の乱の鎮圧を頼んだので
救援に行ったが、倭人は理由も無く漢城に兵を入れて、さらに増派し、朝鮮にいろいろ無理を
言ったと。
清国の公文では、通常は日本人のことを「日人」と書く。ここでは「倭人」となっていること
からも、「倭」とは蔑称かも。それとも「日の本」の意味を含む「日人」とは書きたくなかっ
たのかもw

で、兵士を運送していた高陞号撃沈の事にも触れて、騙し討ちと非難し、国際法を守らずに我
ままを働いて欺くものである、と。
この時点で、高陞号撃沈に関してはまだ海事裁判も結論を出しておらず、清国としては是非と
も日本が公法違反をしたとの審判結果を見たいところ。

また、「倭人が盟約に背いて血塗ることを始めたこの理不尽の極みの勢いを、もはや受け入れ
ることが出来ない」と。それで、李鴻章に命じて、厳しく装備を整え、雄志を多く集めて陸続
として発進させ、以って韓人の途端の苦しみを救えと。なお、命に背いて退く罪を犯すなと。

まあ、倭人からやられたから、やり返せ!と言っているような文章w
また、韓人の途端の苦しみを救えってねえ。
116マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:57:44 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
実は清兵が朝鮮に来たことで、各地で掠奪、強姦、虐殺が横行したんだが。なにより、李鴻章
自身がそのことを清将に手紙を書いて、現地軍の綱紀粛正を命じている。
「この頃から視察委員の報告によれば、義州と平壌の間では、人民は逃げ散り、地方官も隠れ
てしまったと聞くアル! これは先にわが大軍が通過した際に、略奪をし、婦人を拉致し暴行し、
また火を放って家屋を焼き、家財まで失わせたとの、まさに聞くも怒り心頭の思いアル! これ
では各軍は、人夫や牛馬の調達も出来ず、糧食の徴発も困難になるではないか!!」
とね。他にも平壌の朝鮮人らから、清兵の暴状を訴える声が相次いだ。
後に、平壌戦で清軍が敗退した後に、日本軍が清兵営で見つけたのは、莫大の韓銭。その余り
の大量さに、これは持参してきたというより、強盗しまくって得たのではないかと。

さてさて、いよいよ日清戦争が本格化し始めた頃、朝鮮王宮内では、なにやらまたきな臭いに
おいが・・・。

大院君 「孫よ。先々のことを考えねばならんニダよ。閔妃は、あれは、廃妃するに限るニダよ

孫とは、国王高宗の兄の李載冕の息子である李呵Oのこと。大院君はこの孫を溺愛していた。
この時24才。

李呵O 「おじい様もそう思われますニカ?」
大院君 「ニダ。それに、いずれおまえを国王に仕立てたいと思っているニダよ。」
李呵O 「おじい様が前からそのように考えてあることは知っていますニダ」
大院君 「それには手順があるニダ。今や日本はわれらと共にあるニダ。ここはひとつ、日本の
力を借りて閔族の粛清の仕上げをするニダよ」
李呵O 「皆と語らってその運動をしますニダ。大鳥公使とも相談しますニダ」
李呵Oは王家の一人であるから、その権力は並大抵のものではなかった。一声かければ多くの
徒党が集まる。
117マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:58:20 ID:P15CuhIV
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
118マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 21:59:30 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
やがて李呵Oはそれらの者に廃妃運動を命じ、自分は日本公使館に赴いて、大鳥公使にそのこ
とを打ち明けた。

李呵O 「というわけで、閔族一統を追放しても、肝心要の王妃をどうにかせねば何時また閔
族が政府の中に入り込んで来るか分りませんニダ」
大鳥公使 「言わんとするところは分ります。で、なにをどう協力するばよろしいのか」
李呵O 「どうニカ。公使から王妃の廃妃を迫ってもらえないニカ?」
大鳥公使 「なんと王妃殿下の・・・」
李呵O 「そうニダ。朝鮮政治には悪習があって、王妃の一族が権力をほしいままにして横暴
をふるうニダ。今、閔族を追放したと言っても、王妃を王宮から追い出さねば根本から悪習を
断つことにならんニダ」
大鳥公使 「ふーむ。ことは朝鮮王家の内情に関することですなあ」
李呵O 「日本政府の代表として公使から強く迫ってもらいたいニダ」
大鳥公使 「しかし筋が通らないことですなあ。国王殿下の御意向はどうなるのですか。その
ような意がおありになるとは思えませんが」
李呵O 「国王は何も出来ない人ニダ。王妃のいいなりニダ。国太公も歯がゆく思っておられる
ニダ」
大鳥公使 「しかし、とても日本がそこまで干渉することは出来ないことです。それに、今は
少しでも内政改革に取り組まねばならない時期です。王宮内の混乱は避けねばなりません」
李呵O 「改革を進めるためにも王妃を廃妃せねばらんニダ」
大鳥公使 「いやいや、国王殿下が承知されるはずもありません。甥御にあたるあなたがその
ような事を言うのははばかられるところです」
李呵O 「ご協力頂けないニカ?」
大鳥公使 「とてもとても、出来ないことです。いやそれ以上に、そのようなことには反対し
ます。王家の騒動になりますぞ。それに筋が通りません!」
119マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 22:01:00 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
大鳥公使は李呵Oを説得し、そのような画策には反対であると言い続けた。よって、李呵Oは
怒って公使館を後にした。
彼は以前から日本に好意を持っていた。7月23日に杉村濬が大院君邸に来た時にも、笑顔で迎
えたぐらいである。しかし、この件で自分の思い通りにならないことを知ると、掌を返したよ
うに日本を嫌悪し始めた。

大院君も孫の話を聞いて暫く考え込み、
大院君 「孫よ。で、この戦は日本が勝つと思うニカ? 清が勝つと思うニカ?」
李呵O 「さあ、それは分りませんニダ。いっそのこと清国が勝ったほうが、袁世凱殿も戻っ
てくるでしょうし、彼なら廃妃にも賛成しましょう」
大院君 「ウリは日本の味方となって王宮に入ったニダ。清国が勝ったらどうなるニカ?」
李呵O 「さ、それはそれ、大鳥公使らが勝手に担ぎ上げたのですニダ」
大院君 「ウリが日本の勢力に便乗したのは事実ニダよ。清国政府から責められることはないニカ?」
李呵O 「確かにその可能性はありますニダ」
大院君 「日本がもし勝った時のことも考え、又、もし清が勝った時のことも考えておかねば
ならんニダよ」
李呵O 「確かにそうですニダ」
大院君 「いいか、おまえは国王に接見して、国王から平壌に居る清将に手紙を出して清国大
臣に通じておくように説得するニダよ。それには、日本はわが朝鮮を奪い取る意向があるニダと
言って説き伏せるニダよ。それで清国の方に、わが王家はけっして清国を裏切るものではなく、
今は止むを得ず日本の言いなりにならざるを得ない事態に追い込まれているニダ、という趣旨
の手紙を出すように、とな」
李呵O 「なにやら難しい策のようですが、おじい様の言うとおりにしますニダ」
120マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 22:01:42 ID:ctOcVMBR
紫煙
121マンセー名無しさん:2009/09/06(日) 22:02:57 ID:Q6Z7Kdhs
(続き)
で、李呵Oは国王に接見して説得。

国王 「いやいや日本はそのような考え方をしていないニダよ」
李呵O 「それがそうなのですニダ。それで、大鳥公使はなんと廃妃まで考えているのですニダ」
国王 「ええ! わが妃の!」
李呵O 「そうですニダ。王妃様も閔族であるから、これを王宮から追い出さねばならん! 
と言っているのですニダ」
国王 「う〜ん」
李呵O 「それに日本はわが国を略奪する意がないとは言えませんニダ」
国王 「いや、日本政府にそのような悪意はない。わが国の独立を助けて富強国に導こうとし
ていると思うニダ」
李呵O 「いえいえ。日本公使館の内情を探れば、そのような野心があるよう思われますニダ。
朝鮮王室のことを考えると、早急に清国と結んでわが国を保たねばなりませんニダ!」

すでに風説として、日本公使館と李呵Oの不仲のことが巷では言われていた。国王としては外
国人よりも血筋の者が言うことを信ぜざるを得ない。事実は全く反対だったのだが。
ついに国王は李呵Oの言うことを信じ、平壌の清将に手紙を出すことにした。

国王 「すでに日本と軍事同盟を結んでいるのも同然ニダが・・・・」
朝鮮国王の重大な裏切りだった。
(つづく)

>>114、117、120
いつもご支援感謝。
122マンセー名無しさん:2009/09/08(火) 10:45:11 ID:aXQSDI6r
いつも乙
明治天皇キター 宣戦の詔キター

>>115
>韓人の途端の苦しみ
「塗炭」の誤変換ニカ? ウェーハッハッハ
123マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 21:58:50 ID:zAuOBIPB
>>122
あい。誤変換に相違ござりませぬ。ついでに申せば、>>112の「朝鮮に乱から永遠に免れて安を将来にも保たせ」の「安」とは「治安」の間違いでして。

併合前の日朝(続き)

さてさて、豊島沖海戦の時に沈めた運送船高陞号問題である。
英国マスコミは、「アジア人の海賊行為である」「日本は国際法を無視した」「日本軍
艦浪速の艦長を処罰すべし」と書きたてた。
しかし8月1日、ケンブリッジ大学国際法学者がタイムスに評論を掲載。

「宣戦布告前に開戦するのは悪習ではあるが、数世紀前から列強国は実際にそれをしている。
高陞号は局外中立国の船であるが、日本がそれを係争中の船と見なしたのは、すでに朝鮮をめ
ぐって清国と日本との間で起きている対抗的行為からも言えることである。高陞号の清国兵士
は船を引き渡すことを許さなかったという。日本はそれで軍事上必要な行動に出たのだとすれ
ば、その撃沈する行動の権利は妨げられない。つまりは、局外中立国の者が軍事行為に参画す
るなら、その敵対するものから危害を加えられても、損害賠償は請求できない。もし今後、ヨ
ーロッパ人が清国兵士を運送するような任にあたるとするなら、よろしく彼らと運命を共にす
べきである」
と、当時の日本の行為は法的に不可ではなく、英国人は損害の賠償も請求もできないと。
その後、別の法学者も軍艦浪速艦長の行為を合法とする意見がタイムズに掲載された。

しかし、英国政府は、3日に外務大臣名で英国駐在青木公使に書簡を送り、
英国外務 「英国政府は本件に関し、日本政府に責任を求めるものである」と表明。

よって青木公使はこれに反論する返書をし、同時に公使館雇いのバロン・アレキサンダー・シ
ーボルトを英国外務省に出頭させて、会談させることにした。
124マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:00:28 ID:zAuOBIPB
(続き)
青木公使 「シーボルト君、行ってくれるかね」
バロン 「がってんしょうちでござる。あっしに任せておくんなさい」
青木 「ww 君のその妙な江戸弁はなんとかならんのかねえ」
バロン 「イングリッシュは完璧ですから大丈夫ですよw」

バロン・シーボルトとは、あのシーボルト博士の息子である。少年時代から幕府の通訳として
働き、明治新政府となってからは外務省雇いとなった。日英条約改正にも大いに尽力した人で
ある。

8月7日、英国外務省において、外務次官バルチーと会談。

シーボルト 「何かそちらからご意見があると思って訪問した」
バルチー 「日本が海戦に勝利したとか。ま、別に新しい報せもないが」

バルチーは日本が豊島沖海戦で勝利したことを疑う表情を見せ、朝鮮の地図を手にとった。

シーボルト 「少し詳しく説明しよう。海戦だけではない。牙山の清国軍は壊滅し、今や朝鮮
南部の清国兵は追い払われた。つまりは京城近傍の戦争は事実上終局したのである」
バルチー 「我が外務大臣キンバレー卿は、我が国の船である高陞号が日本軍艦から撃沈され
たことについて、青木公使に書簡を出しているはずだが」
シーボルト 「その書簡の事は聞いている。しかしまあ、英国政府の望むような回答が得られ
ることはないだろう。確かに今度の事は実に不幸なことであって、自分としても遭難者に対し
ては気の毒に思っている。しかし軍事上のことであり、特に国際法上の観点から見れば、英国
外務省が抱く意見とは異なることとなるだろう」
バルチー 「この問題は簡単なことである。すなわち、日本の軍艦が、天津条約によって朝鮮
に出兵する権利がある清国政府の兵士を乗せた英国船を沈没させたのである。日本には、この
船を停船させたり、また清国が出兵するのを妨げる権利はない」
125マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:01:23 ID:pEUUr3AP
 ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
126マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:01:44 ID:zAuOBIPB
(続き)
シーボルト 「その通りなんだが、貴殿はひとつの事を忘れられている。かつて英国政府は、
清国政府が日清両国による朝鮮分割占領という最終提案をしたので7月20日までに返事がない
なら清国政府は朝鮮に新たに出兵するだろう、と述べられた。このことこそ最後通牒ではない
のか。つまりは交戦するぞとの脅迫であり、戦争の宣言ではないのか」
バルチー 「あるいはそうかもしれない。しかし、日本政府もまた以前に、わずか5日間とい
う猶予で清国政府に決意を促している。最後通牒は日本からもまた出ているのである」
シーボルト 「だからどちらが先に出したかは関係ないことだろう。自分が言いたいのは、最
後通牒が出たなら、いずれは戦争がはじまると覚悟せねばならんということだよ」
バルチー 「しかしまだ開戦の宣言は出ていなかった」
シーボルト 「それは認めよう。しかし国際法学者、特に英国の学者によれば、正式の宣戦は
必要なく、単に国境に進軍する意思表明だけで十分であるとある。それは過去の列強国での戦
争の始まり方を見れば明らかであろう。日本などはそれよりもはるかに丁寧な手続きを踏んで
いる」
バルチー 「しかし戦争はまだ起きていなかった」
シーボルト 「そうである。しかし済遠号が浪速艦に向けて魚雷を発射したのであり、これは
交戦となったことを意味すると考える」
バルチー 「しかしその事はまだ証明されていない」
シーボルト 「済遠号は白旗を掲げながら停船をせずに接近してきた。敵と見て攻撃しようと
する奇計であろう」

 実際は、済遠号は魚雷を発射していない。しかしそれ以前に日本軍艦の将旗に敬礼せず、戦
闘準備を始めたことは、交戦の意思の表明と見なされよう。最後通牒が出ている時点で交戦の
意思の表明はすなわち開戦であり戦時と見なせる。
127マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:02:48 ID:zAuOBIPB
(続き)
バルチー 「日本軍艦は先に高陞号を停船させた」
シーボルト 「順序を追って考えられたい。日清間の戦端は済遠号の行為によって開かれた。
その時から戦時の法律が適用される。戦時においては交戦国は戦時禁輸品を輸送する中立国の
船舶を停船させる権利を有する」
バルチー 「しかし沈没させて人を溺死させる必要はない」
シーボルト 「そのことは別問題である。すでに戦時となり、浪速の艦長は高陞号にボートを
派遣してついてくるように命じた。つまりは捕獲物としたのである。これは国際法の許すとこ
ろである」
バルチー 「そうであるが、沈没させるまでのことではない!」
シーボルト 「だからそれは別問題である。浪速艦長の命令を高陞号の船長は承諾した。しか
し清兵は降伏することを拒んで、これを妨げた。船長やハンネッケン氏の証言によれば明白で
ある。船長は船の指揮を失って清兵の捕虜となったのである。つまりは法律上から言えば、そ
の船を略奪した。ゆえに英国国旗を掲げていても、もはや英国の船ではない。浪速艦長が軍事
上の処置をしたのは全く当然である。つまりは敵兵が乗った、敵兵が所有する船舶に対して戦
闘するのは当たり前である」
バルチー 「しかし沈没させる必要はない!」
シーボルト 「あのね。感情と公法は区別せねばなるまい。浪速艦長は法律上において、少し
も責められるべき点はない!」

だんだんバルチーが朝鮮人に見えてきたw

バルチー 「そうであるが、水中に落ちた者にまで発砲したことはどうなのか!」
シーボルト 「それは船長の陳述によって明白となった。ハンネッケン氏は日本のボートの兵
士が沈没中の船に発砲したと言うが、船長の証言によれば明らかなように、清国兵が水中に泳
ぐ欧州人を発砲したためである。すなわち日本水兵はこれを救護する為に防護処置をしたに過
ぎない」
128マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:03:15 ID:pEUUr3AP
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
129マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:04:40 ID:zAuOBIPB
(続き)
泳いでいる者を、しかも自国の兵士まで撃ったのは沈没船上の清兵である。
シーボルトは、話題を転じて英国世論について話した。

シーボルト 「しかしまったく英国人が不公平な誤った電報に左右されるのは見ておられない
ものである。上海や天津からの電報であると言いながら、実は英国で作成されたものであるこ
とは、自分がよく承知していることである。初めは、水中に泳ぐ欧州人を日本水兵が銃撃した
と言い、次には、九死一生を得ようとして泳ぐ者を誰彼なしに撃ったと言い、ようやく今は、
射撃したのは沈没しつつある船からであるとなった。他には、船員は日本で囚人となって拘留
されているとか、みな嘘である。実際はそれらの人々は佐世保まで送られてそこで休息し、そ
の後長崎に送られて解放された。新聞がやかましく言っているような、英国海軍が引渡しを求
めよ、と言うような必要は全くなかったのである」

古今東西、新聞など大手マスコミによる弊害少なからず。もっとも、読み聞きする方が気をつ
けるしかないんだが。

バルチー 「自分らはそのような話は耳にしたことはない」
シーボルト 「ま、そうではあろうが、これは日本人に対して殊更に英国世論を激昂させた事
件と言える。自分は強く希望する。政治家というものは、このような状況に対しては虚心冷静
の判断を失わないことを」
バルチー 「よって自分はもう何も信じない。ただ詳細の報告が来るのを待つ」

しかしその後、バルチーはまたも「浪速艦は英国戦を停船させる権利を持たない」という論を
蒸し返して過去の米英間の事件なんぞを挙げたが、これもシーボルトが論破してけりをつけさ
せ、ついで、清国と日本の方針の違いを説明し、この事件によって日英間の友好関係が変わる
ようなことになるのは得策ではない、と論じた。
130マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:05:53 ID:zAuOBIPB
(続き)
シーボルト 「李鴻章などは、『アジアはアジア人のアジアである』という主義で、日本と協
力して西洋諸国に対抗しようと長年画策し、大いに日本を誘った。しかし日本がそれを拒んだ
ことで、欧州のみに親しもうと見える日本に対し、李鴻章は嫌悪を増したろう」

李鴻章が考えている実際のところは、「アジアはアジア人のアジアであるが、その盟主は中国
である」であり、日本と協力してというよりも、日本を従わせて欧州に対抗しようというもの
であった。この傾向は今も変わってはいないんじゃまいか?w

バルチー 「日本がそのような方針をとった理由はなんであろうか?」
シーボルト 「その理由は、ただ日本人は清国を信じていないということにある。まず、日本
は西洋文明から退歩するような国とは決して協同できない。それに日本人は清国の外交政略と
いうものに全く信を置かない。現に今度の朝鮮事件において、清国の本音を見たのである」

まあ、それまで長年、清から煮え湯を飲まされてきた当時の日本人としては当然のこと。

シーボルト 「それに比べて日本人は英国には感謝の念を抱いている。今度の日英間の条約改
正の件でも日本人がどれほど英国を好意的に思っているかは貴殿もご承知のはずである。よっ
て、高陞号事件のようなものは、談判が厳しすぎないことが英国の得策となろう。英国が圧力
を用いるなら日本人の好意を失うからである。日本は英国との親交を維持するためなら、正当
なことであるなら何事も躊躇はしない。しかし国威を貶めるようなことは決して承知しないだ
ろう」
バルチー 「それなら賠償金を払ったほうが日本も得策ではないか」
シーボルト 「賠償金などのことは権利上の問題として定めるほかはない。事件そのものにつ
いては、苦々しい議論をせずに懇意な方法で落着するのが得策であろう」
バルチー 「それなら、英国が要求する点で落着させようと、簡単に貴殿が言うことも出来る
が」
131マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:06:30 ID:pEUUr3AP
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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132マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:07:23 ID:zAuOBIPB
(続き)
シーボルト 「自分としてはそれは難しい。英国海軍将官なども、本件に対してどのような処
置をすべきか熟考ありたい」
バルチー 「英国人は理非を問わずにとにかく海軍将官を擁護せよと言うが、もし浪速艦長が
不当である時は日本人はこれを擁護すべきではないことを貴殿に申し置く」
シーボルト 「自分は、英国政府が自国の官吏に不当な行為があっても擁護するような、その
ような擁護の仕方は日本政府は好まないと信じる」
バルチー 「とにかく、英国政府は本件に関して当分の間は何の処置もしないだろう。まあ、
本件を決定するに足る詳細な報告を待つしかない」

これにて会談は終わった。
当時としては、白人には白人をもって議論させるのが良い方法であったのだろう。
シーボルトは公使館に戻り、青木大使に会談記録と共に詳細を報告。

青木公使 「シーボルト君。GJ!」
シーボルト 「ニッw」

これに先立ち8月4日、英国政府は長崎で英国海事裁判を開き、まず船長と船員には何の責任も
ないことで結審し、次に上海において再び海事裁判を開いて、日本軍艦の方の行為を審議し、
その結審が出たのは8月17日であった。

海事裁判審判員である英国海軍提督は本国政府に打電した。

提督 「高陞号への撃沈は正当であると思考するので、日本政府に対して何等の要求もしない
ことを勧告する」
133マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:08:29 ID:pEUUr3AP
  ∧,,∧
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 しー-J
134マンセー名無しさん:2009/09/13(日) 22:09:32 ID:zAuOBIPB
キンバレーやバルチーが苦い顔をしたかどうかは知らない。しかし日本政府はこれで安堵した

陸奥外務 「ほっ!」
(つづく)

>>ID:pEUUr3AP氏 いつもご支援感謝
135マンセー名無しさん:2009/09/14(月) 00:44:31 ID:S711y/8z
>>127
>だんだんバルチーが朝鮮人に見えてきたw


ちょうどそう思ってたところにツボな一言wwwww
136マンセー名無しさん:2009/09/14(月) 01:21:15 ID:hJl3KFO0
シーボルトは役に立つ男だなあ
137マンセー名無しさん:2009/09/16(水) 07:01:06 ID:R+64Rcx9
俺は6年前ほどになるが、韓国人の人妻を妊娠させてしまったことがある。
現在韓国で旦那に育ててもらっているが、かなりの美人(韓国にしては)だったため
はめてしまった。他にも韓国の女を100人程度はめた。
韓国の30前後の女性はいいと思うよ。韓国社会って村社会で、30になって結婚してない女性
をものすごく差別的な目でみる。韓国は差別が非常に激しいが、韓国の女性は
それに生まれたときから耐え続けている。もともとマザコンの国だから結構
韓国の女性が日本へ男漁りにくる。彼女たちは真剣だよ。
俺の知り合い(禿げた55歳のおじさん)は韓国の元ミスと結婚した。
彼女も非常に幸せそうな顔してた。相手が日本人だからだろう。
韓国の女性は解放されていないから、解放されたら、国からみんな逃げだすと思う。
やはり彼女たちは日本人じゃなきゃだめらしい。在日とか韓国人はお断りらしい。
優しさとセックスが違うとのこと。息子はそこそこでかいし、遅漏だからなぁ。
俺も韓国女に強制結合させられたが、当時も日本は韓国に併合をお願いされ仕方なく併合した。
韓国の女が俺の息子を触ってくるしつこさと同じだよ。本国へ帰れば
「私の息子は日本人の血が流れている。」とか言って自慢しているらしい。
そんなもんだよ。「日本のいい男から誘った。」とか言うんだろ。
日本から併合を申し入れたとかとでも言うんだろ?韓国人はいつまでたっても
独立心がない。アメリカが、、、日本が、、、北朝鮮が、、、と言い続ける。
138マンセー名無しさん:2009/09/18(金) 19:18:33 ID:jhgREkwF
ああ、ご苦労様。
139併合前の日朝、中の人:2009/09/26(土) 23:13:24 ID:4GuY/MJn
やっと王妃殺害事件の全容の輪郭が見えてきた。
併合前の日朝の続きは明日か明後日に。
140マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 00:44:11 ID:7L18p+eh
>>139
おまちしております。
「風雲児たち(併合編)」みたいで楽しみですw
141縄文 ◆MpJtqvTec2 :2009/09/27(日) 02:32:42 ID:C8DAIdOW
滅多に書き込みませんが、密かに楽しみにしてます。
142マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:00:52 ID:85XSW0Ss
>>140
>>141
どもども

併合前の日朝(続き)

8月7日、日本政府は閣議を開いた。7月23日の王宮小戦闘で取り上げていた武器を返却するこ
とについて。

陸奥外務 「我が帝国政府が派兵したのは、朝鮮の積年の悪弊を改革させて党争内乱の原因を
断ち、それによって独立を維持させ、自主を強固なものにすることであって、そもそも独立自
主権を侵害するつもりでないことは、初めから閣議で決定していたことである。また欧米各国
にもそう公言している。そこで、このまま朝鮮軍隊の兵器を取り上げていては、いささかその
独立主権を侵害していることになろう。で、そろそろ返還するってことでどうよ」
大山陸軍 「兵器を返すのはよいけんど、朝鮮兵は武器もろくろく使えない連中じゃが」
井上内務 「それ以前に根性がなっとらんお。自分の国の王を守るべき近衛兵がわずか15分戦っ
ただけで逃げ出すかJK」
伊藤総理 「じゃから、そこらへんのことも含めて我が国の指導が必要じゃろう」
大山陸軍 「分かりもした。我が士官を送って教練させよう」
陸奥外務 「ただ、気を付けねばならないのは、それを外国から干渉がましく見られてはいけ
ないわけで」
井上内務 「まずロシアが文句を言うかもしれん。我が国が朝鮮との条約に基づいて派兵した
のに、ロシアは、日本と同じ隣国だから俺んところも派兵する権利がある、などと無茶言うた
ぐらいじゃから」
西郷海軍 「しかしシベリア鉄道もまだ未完成でごわす。ロシアが動き出す前に早う自立させ
て、自らの手で独立を維持させるようにせねばならん。強兵は国家独立の要でごわすぞ」
143マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:02:53 ID:85XSW0Ss
(続き)
陸奥外務 「そこんところも含めて、当面は日韓軍事同盟とでも言うものを結ぶ方向に誘導し
ようと思う。それと同時に兵士教練のことも朝鮮政府から依頼させるように大鳥公使に指令し
たいが」
一同 「異議なし」

ってなわけで、あの時取り上げた兵器はまず小銃だけでも返すことにし、指令は直ちに大鳥公
使と大島旅団長に伝えられた。

大鳥公使はそれを朝鮮政府に伝え、なお、日本政府へ次のような意見書を提出した。
大鳥 「根本的改革をするのもよろしいが、民度に応じたものでなければならんでしょう。高
尚な法律を制定させたり民情に適当でない制度は設けさせない方がよろしいかと。旧制度廃止
のことも、そこら辺の配慮が必要かと」

これは大鳥のみならず、当時も後も日本政府の一貫した考え方。それで併合後も、たとえば「
笞刑」なんかは、それまでは男女養老問わずに行われていたのを、軽犯罪の制裁として男子に
限って年齢制限を設けて大正時代まで続けられた。まだまだ民情に合っていたし。

朝鮮人 「<#`Д´>  あんな悪いやつは笞でしばかねばならんニダ!! 痛い目にあわせね
ばならんニダよ!!」
って声が多くてねw

大鳥 「改革事業はなるべく朝鮮人の手に任せるのがよいでしょう。深く立入って干渉すれば、
朝鮮人は日本人を嫌忌するでしょうし、他国からの抗議を招くおそれがあります。我が国が誠心
誠意をもって勧告するなら、朝鮮人は永く改革事業に取り組んでいくことでしょう」
144マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:04:45 ID:85XSW0Ss
(続き)
大鳥圭介はあまりにも日本人らしい日本人であった。その日本人には通じる考え方も、けっし
て朝鮮人には通じず、この後の改革も遅々として進まず、むしろ停滞し、軍が戦果をあげてい
るのに比べて、改革の成果があがっらないことに、やがて日本世論はこれを大鳥公使のせいだ
と非難し、「このもうろく爺」とまで罵るようになる。

大鳥はその他、日本から送る財政、兵制、法律などの顧問官についての注意と、欧米の感情も
考慮して米国人顧問官も雇わせてはいかが、などの意見も述べた。

改革の進め方に慎重なのが大鳥公使なら、陸奥外務などは「朝鮮のような国が果して善く満足
なる改革をなしとげるかどうか疑っていた」人。陸奥はそれよりも日清戦争への外国からの干
渉をこそ恐れていた。
だから、ここでは大鳥と意見が合って、干渉がましく朝鮮に改革を実行させないこととし、そ
れで、朝鮮政府ががまんできないような無理な改革要求はしないってどうよ、と、これも閣議
にはかった。8月15日であった。

陸奥外務 「ってことで、それに朝鮮は同盟国なので、当地での軍需物資や必要品は、必ず満
足すべき代償を与えて、決して略奪などのないように深く注意をせねばならんでしょ」
大山陸軍 「それはもう注意しておることでごわすぞ」
陸奥外務 「それに、朝鮮の独立権を侵害するような行為は、たとえ軍事上の不便があっても、
また不経済となるようなことであっても、これを避けねばならないかと」
大山陸軍 「具体的にどういう軍事上の不便でごわすか」
陸奥外務 「つまりは兵を上陸させるのは釜山からなどに限るということですよ。国際公法を
逸脱しないようにせねばなりません。外国からの干渉の隙を与えないことです」
大山陸軍 「敵は今は平壌に集結しとるでごわす。いずれ平壌が次の決戦場となろう。そん時
は元山からも上陸させねばなりもはん。これは戦術上のことであるが、多方面からの攻撃を考
慮せねばならんことじゃ」
145銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/09/27(日) 23:08:09 ID:rZQigeKH
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
146マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:09:29 ID:85XSW0Ss
(続き)
陸奥外務 「ですから元山も開港していますから、ここもよろしいでしょう。あくまで公法に
反するような朝鮮での軍事行動は避けてもらいたいということですよ」
西郷海軍 「我が帝国海陸軍ほど公法を守る軍が他国にあろうか。西洋国なぞは口ばっかりで
ごわんど。で、こちらが公法を示すと、腕力で答えるだけでな」
井上内務 「それは分かっとるお。じゃからこそ公法を遵守して、つけいる隙を作らんように
せねばならんお」
伊藤総理 「ふーむ」

それまで黙って聞いていた伊藤が口を開いた。

伊藤総理 「そもそも、我が国は朝鮮をどうするつもりなのかのう?」
一同 「・・・キョトン?」
伊藤総理 「我らは、いったい朝鮮をどうしたいのか。どうするのか。朝鮮への方針は?」
井上内務 「それは朝鮮を独立させて出来れば富強国にして、その上で中立国とすることと決
まっとることだお」
伊藤総理 「だから、そういう漠然としたものでなく、まあ戦争に勝ってからのことじゃが、
まず支那に朝鮮の独立を認めさせて、それから具体的にどうする? これは大鳥公使からも、
そもそも朝鮮に対する政府の方針をはっきりと聞きたいと言って来ておるが」
陸奥外務 「・・・そちらが先でしたなあ」
伊藤総理 「支那に独立を認めさせたら、もう朝鮮の自主に任せるのか。あるいは我が国から
間接直接に指導するなり援助するなりして、独立を維持させるのか。その他いろいろと、どう
よ」
井上内務 「・・・・その通りじゃ。将来朝鮮をどうするべきか。陸奥君。あんたが案を作っ
てくれ」
147銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/09/27(日) 23:11:12 ID:rZQigeKH
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
148マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:11:52 ID:85XSW0Ss
(続き)
とまあ、ここに至って「将来朝鮮を如何すべきや」ということが閣議にはかられることになっ
た。

で、「そんなの決まってる、最初から朝鮮の支配権をめぐる戦争なのだから、支配を強めるに
決まってる」って後世の「れきしにんしき」なんぞがあるが。あるいはまた、「西洋列強国の
支配からアジアを守るため清国を覚醒させる戦争だった云々」などなどのご意見も。
けど、そんなことあまり考えてもいなかったのが、この戦争における日本政府なわけでねえw

それを窺わせるものが、翌日16日に陸奥が大急ぎで案を作成して閣議に提出した文章の冒頭に
あった。

「朝鮮事件は当初大鳥公使の赴任に臨み籌画せられたる所の廟算に比すれば外交上に於ても軍
事上に於ても荐りに局面の変遷に遭遇し歩々深入遂に今日の形勢とはなれり」
と。
<#`Д´> 「ウリにも分かるように現代語訳するニダよ!」

だからね、「朝鮮事件は、当初、大鳥公使を赴任させるにあたって政府の予想したことにくら
べて、外交上においても軍事上においても、何度も事態が変わるという事に遭遇し、徐々に深
入りして、ついに今日の形勢となった(つまりは、ついに清国との戦争となった)」と。

ようするに、成り行きで戦争になっちまったと。
まず、「朝鮮事件」と言っているように、当時の日本政府外交史において日清戦役は「第四回
朝鮮事件」という位置づけともなっている。
第1回朝鮮事件が江華島での雲揚号への砲撃事件(雲揚号の砲撃事件じゃないよ!)
第2回が、大院君の乱(壬午の乱)、第3回は朴金の乱(甲申の変)
149マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:14:15 ID:85XSW0Ss
(続き)
そして第4回が、この朝鮮における東学党の乱に端を発して、いろいろあってついに日清戦争
となったのが、この事件であると。

だから将来朝鮮をどうするつもりなのかという方針も何もなし。それを戦争が始まって20日以
上も経ってから、どーすべかー、と議論したと。

まず、戦争勝利は確実として、
1、戦後は朝鮮の自主に任す。
2、日本単独で間接直接に朝鮮独立を援助し続ける。
3、日本単独でなく、日清両国によって朝鮮独立を担保する。
4、ベルキーやスイスの如く、欧米や清国も誘って、朝鮮を独立中立国と認めさせる。

で、これが一長一短あって侃侃諤諤の議論、いっこうに結論が出ない。おそらく数日を要した
とw

井上内部 「で、どうするんじゃい。このことは!」
大山陸軍 「じゃから、シベリア鉄道が開通したならきっとロシアは動き出しもうす! 朝鮮
の自主などに任せておれんでごわすよ!」
井上内部 「だから、それはわかってるっつーーの!」
伊藤総理 「まあまあ。要するに結論は出ないということじゃが・・・・・」
西郷海軍 「とにかく戦争に勝利することが先決でごわす! 朝鮮のことはそれから考えもそ

井上内部 「だが改革事業はもう始めとるんじゃ。・・・・結論は出んが、とにかく仮のもの
としてでも方針がないと」
150銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/09/27(日) 23:14:35 ID:rZQigeKH
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
151マンセー名無しさん:2009/09/27(日) 23:15:53 ID:85XSW0Ss
(続き)
伊藤総理 「仮でもよいからどれかひとつ・・・・正式には終戦後に決めるということで」
井上内部 「陸奥君が考えた案じゃ。あんたが決めるお」
陸奥外務 「仮ですか。そうですなあ。ま、当面は、2の、日本単独で間接直接に朝鮮独立を
援助し続ける、ということで」
一同 「よし、それでよかろう」
井上内部 「やれやれ一番むつかしい方針を行くか・・・・」

てなわけで、閣議決定せず、陸奥の責任においてこれを仮の方針とした。で、やっと21日にな
って、先の陸奥の議案が閣議決定して大鳥公使に指令しているから、おそらくこの「朝鮮のこ
とは将来どーすべかー」の方の議論は3日間は続いたのかもw
(つづく)

>>銀河電鉄氏 いつもご支援感謝。
152銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/09/27(日) 23:28:18 ID:rZQigeKH
先達たちも苦労したんですねえ。乙です。
153マンセー名無しさん:2009/09/28(月) 10:03:51 ID:nOH8z6lG
日本が経済発展したのは在日のおかげ
日本が戦後復興したのは在日の力
154マンセー名無しさん:2009/10/01(木) 02:41:57 ID:ELRdQmIQ
つうことは… 在日は祖国のために何もしなかった裏切り者ということでFA?
155マンセー名無しさん:2009/10/08(木) 01:26:38 ID:+13iWv+C
貴サイトを参考にして
「やる夫が日清戦争をするようです」を作りたいのですが
よろしいでしょうか?
156併合前の日朝&きままに歴史 中の人:2009/10/08(木) 22:31:57 ID:Gzc7L0fL
>>155
「やる夫・・・・」シリーズ、検索して始めて知りました。
日本酒吹いたw
どうぞどうぞ、目次頁に「転載・編集はご自由に」とあるとおりです。
「出典資料記述」云々も、やる夫シリーズには無粋なものでしょうから、ご自由に。
おもしろいの期待してますw
157マンセー名無しさん:2009/10/09(金) 12:31:08 ID:GweOnNYp
ほす
158155:2009/10/10(土) 22:53:40 ID:/nnfcY75
>>156
ご返答ありがとうございます
発表は来年始めぐらいになりそうですが
がんばって作ってみます
159マンセー名無しさん:2009/10/10(土) 22:57:29 ID:S8AjEP22
>>158
あ、傍観者として岡目八目

やる夫で学ぶ日露戦争
ttp://version45.blog85.fc2.com/blog-category-14.html

つうのがあります。 できればこういうのでなく
ヤル夫をメインに据えて欲しいであります。
160マンセー名無しさん:2009/10/12(月) 13:15:25 ID:JPIUv34K
韓国の人は、この歴史的な事実を知ったら、どんな反応を示すんだろ。
161銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/10/12(月) 13:19:35 ID:PruZDNDg
捏造謝罪賠償千恵子
162マンセー名無しさん:2009/10/12(月) 13:23:44 ID:MZqgy6pN
頭悪いな、専門卒か?
そんなに連れ添って、今更稼ぎの差に驚いて専業主夫なんて考えるかよ
よって、まだ結婚して日が浅いと考えるのが普通
163銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/10/12(月) 13:35:24 ID:PruZDNDg
日本語でOK
164マンセー名無しさん:2009/10/12(月) 13:41:59 ID:4eczf9FV
チョンに文化があった×
チョンが文化を捏造 ○
165併合前の日朝&きままに歴史 中の人:2009/10/12(月) 21:14:50 ID:HCuOuzj2
>>143
「男女養老問わずに」ってw もち「男女老幼問わずに」なのだ。

併合前の日朝(続き)

さて、日本としては戦争もせねばならん、朝鮮の面倒もみにゃならん、と大忙し。改革のこと
についてもあちらこちらから意見が出てくるし。

京城領事内田定槌 「朝鮮人が独力で改革をなしとげるのは無理でしょう。日本人を朝鮮官吏
として雇わせてはどげんでしょうか? それでもこれが外国から内政干渉と見られてはなりま
せんから、日朝間で新たに条約を結んで、条約上の権利として内政に関与するとですよ」

伊藤総理 「内田領事とはどんな男じゃろうか」
陸奥外務 「まだ30才まえですが優秀な男ですよ」
井上内部 「ありゃあ潔癖漢じゃ。・・・・俊輔とはちょっと違うぞw」
伊藤総理 「おっと下ネタの話はそれまでじゃw」
陸奥外務 「どうしてそれが下ネタになるんすかw」
伊藤総理 「いいからw とにかく彼の上申してきたアイデアはよい}
井上内部 「朝鮮の財務、軍務、立法、司法、教育、通信、運輸、殖産、興業、その他に関し
て、こちらの現職官吏の中で学識経験に富む者を採用させることとな」
陸奥外務 「ついては・・・朝鮮政府も財政上いろい苦労もあろうかと」
井上内部 「顧問官として採用させて、日本政府からは出張中ということにすればよい」
伊藤総理 「やれやれ手弁当か。まあしかしそうするしかないじゃろなあ・・・なあ大蔵大臣」
渡邊大蔵 「むー」
166併合前の日朝&きままに歴史 中の人:2009/10/12(月) 21:17:12 ID:HCuOuzj2
(続き)
ってなわけで、大鳥公使に指示して朝鮮政府と話し合わせることに。
それでできたのが「内政改革に関する暫定合同条款」。20日調印と。
中に面白い条もある。
「本年七月二十三日、王宮近傍に於て起りたる両国兵員偶爾衝突事件は彼此共に之を追究せざ
る可し」と。
つまりは、先月7月23日の王宮における小戦闘の事は日朝共にあれこれ追究せずに、事件は不
問に処すとw ようするに解決済みの事件となったわけで。

で、26日には、ついに「対清攻守同盟協約」を締結して、日朝両国は軍事同盟を結んだ。
まあ軍事同盟といっても、清国に対してそれぞれ、あなたドンパチする人、ウリはイルボン兵
がご飯を調達できるように便宜をはかるニダ、ぐらいなもの。
それでも朝鮮はこれで正式に清国に敵対することとなった。

そんな頃、陰謀好きの大院君爺っちゃんは、

大院君 「なあ、孫よ。平壌の様子はおまえもいろいろ聞いとるだろ」
李呵O 「おじい様、いろいろ聞いているニダよ。すごい数の清兵が集まっているらしいニダ」
大院君 「そろそろイルボンの兵も平壌に向うらしいニダ。成歓の戦闘ではイルボンが勝った
が、この戦ではどちらが勝つと思うニカ?」
李呵O 「平壌城は難攻不落の城砦と言われていると聞くニダ」
大院君 「そうニダ。前は大河で後ろは山ニダ。あそこに篭られるとなかなか落とすのは難しか
ろう」
李呵O 「清兵の持つ銃は連発銃と言って、5、6発を連続して撃てるものですニダ。日本兵の
は単発銃ですニダ」
大院君 「ほう」
167併合前の日朝&きままに歴史 中の人:2009/10/12(月) 21:18:25 ID:HCuOuzj2
(続き)
李呵O 「それにガトリング機関砲も何門も持っていると聞くニダ」
大院君 「ほう。孫はいろいろ詳しいのう」

李呵Oはこの頃、いちおう京城中央軍トップの地位にあった。

李呵O 「強固な砦もあちこち築いているでしょうし、どうみてもイルボンが不利ニダ」
大院君 「ほう。そんならここは一つ考えねばならんニダよ。平壌戦で清軍が勝ったら次はど
うなるニカ?」
李呵O 「それは、いよいよ京城のイルボンを殺しに来るニダ」
大院君 「ニダ。それでウリたちはどうなるニカ」
李呵O 「それはおじい様の指示どおり、この前、平壌の清将に手紙を出しておいたから・・・」
大院君 「それだけでよかろうニカ?」
李呵O 「さあ・・・・」
大院君 「孫よ。ウリたち王家の者は清国の味方であることを見せておかねばなるまいニダよ。
イルボンと手を組んだのは政府の大臣たちが勝手にやったことで、王家の真意は違っていたとな」
李呵O 「手紙だけではならないと・・・」
大院君 「ニダ。清兵が京城に向ったら、同時にウリたち朝鮮人もイルボンを攻めるニダよ」
李呵O 「おじい様、残念ながらウリの国の兵はあまりに弱小で・・・」
大院君 「ふふふ、なんのなんの、万人、10万人の兵がウリの国にはおるではないか」
李呵O 「ええ? ど、どこに?」
大院君 「・・・・・ほれ、あの東学党じゃ」
李呵O 「東学党?・・・あのならず者ども?」
大院君 「ならず者でも軍兵と互角に戦ったではないニカ?」
李呵O 「・・・・確かにニダ」
168銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/10/12(月) 21:20:32 ID:PruZDNDg
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
169併合前の日朝&きままに歴史 中の人:2009/10/12(月) 21:23:24 ID:HCuOuzj2
(続き)
大院君 「あの連中なら、5万いや10万は集まるニダ」
李呵O 「でもどうやって味方に・・・」
大院君 「いいか孫よ。閔政府の時に何人か捕まって牢屋に入っている奴がおるニダ。それを
赦免してやって、適当な役職を与えてやるのよ。あの連中は民のためとか何だとか言ってるが、
要するにいい身分になりたいだけというのが、人の心というものニダよ。そうしてそいつに手紙
を持たせて、各地の東学のボスどもに連絡させるのよ。いいかその手紙はおまえの名で出すニダよ。
今こそ我が国の赤子であるおまえたちは、我が宗社の恨敵イルボンを倒すニダー!と。5万10万と
集合して指令を待つニダー! 国太公様のご命令ニダーとな。なにせウリの名は朝鮮全道に轟いてい
るでな」
李呵O 「・・・な、なるほど! さすがはおじい様ニダ! 人を使う天才ニダ!」
大院君 「ふふふふ、あははははニダーーー!」

やがて大院君は、牢屋に入っていた東学党の首領格2名を赦免し、内務衙門主事と議政府主事
という結構な役職につかせた。2人は躍り上がって喜び、感泣し、李呵O部下の指示に従って
地方の東学党との連絡に走った。

人をうまく利用するという点で、この国の貴族や王家の者は実に優れた才能があった。自分は
働かずにいかに人を働かせて貢がせるか、いかに人のものを取るか、ということにおいて。ま
して、当時大院君の権威はその名と共に人々の間に知れ渡っていた。

しかしこの大院君の陰謀は、後に東学党を日本軍が掃討するなかで押収した手紙によって日本
側に明らかとなる。また、清将に出した国王や大院君の手紙も、日本軍が手に入れることになる。
やがて朝鮮に公使として乗り込んでくる井上馨の前に、国王も大院君も震え上がることになるつ
まらぬ陰謀であった。
(つづく)
>>168 いつもご支援感謝ニダ
170マンセー名無しさん:2009/10/13(火) 00:12:52 ID:9DpJwz8s
街には豊かなうんこがあふれていたニダ
171マンセー名無しさん:2009/10/21(水) 01:21:55 ID:DZOwha1g
保守∩゚∀゚∩age
172マンセー名無しさん:2009/10/21(水) 08:05:18 ID:owb0DqjT

【外国人参政権】【人権侵害救済法案】についての
反対署名が下記HP(署名TV)で始まりました。
住所本名を晒さなくても署名ができるようです。

今月開催の臨時国会で提出されてしまう危険の高い法案です。
出来るだけ多くの署名および拡散協力をお願いいたします。

http://www.shomei.tv/pro■ject-1300.html

            _,‐/.|       ヽ.,лi'\,‐i
           ノ   .|      ,ノ   ('A`) ´i
          /    `'‐´`'-,_,‐'v'‐-ー,__,、,-、_`'!_ _
    _ __ノ‐-ー'     ,‐^'‐‐,iー,,l´        ~   ,}
 ‐‐=''‐'`フ   中国  ,‐´     `\   朝鮮  /"
     .t_   . i`ヽ_/   < `∀´ >  ~j      `i、
     .л)   .`j     ___,,,--、   '‐!      ζ
    __| . jヽ‐'´~    /''     `ヽ  ヽ, ,,---'´´~
    `フ `i      ノ        ヽ, /  ※軽犯罪法違反、韓国は日本の44倍
    `'''ーt´   ,‐,/~          .i /
      <   _j 
『あなたの隣町が上九一色村になってしまうかもしれません・・・』
173マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:36:02 ID:fWHQe6bU
今日は予告編ってことでw
併合前の日朝(続き)

予告編【閔妃殺害】王城事変【老将軍の嘆き】

わずか数十名の壮士らによって一国の王宮を占拠!?
王宮守備の8百人の兵士はどこに!?

護るは侍衛隊! 伝統衣装アレンジの華麗なる制服を纏う!
教官ゼネラル・ダイ「ヤンキー魂でーす!」
攻めるは禹範善らが率いる訓練隊! 帝国日本陸軍の鬼教官が育てた!
楠瀬中佐 「わしがそだてた」

時は明治28年10月8日午前3時!
侍衛隊のお雇い教官、米合衆国陸軍中将ウィリアム・ダイ将軍は王宮外に訓練隊が集まってい
るとの報せを聞いた。
王宮の一番奥にある国王王妃寝殿近くの居宅に泊まっていたゼネラルダイは何事かと老体を起
し(彼はこの年64才)、衣服を整え制帽を手にとり、鏡の中の自分を見つめた。

ダイ 「うん。きまっとる」
侍衛隊兵 「将軍さま! い、異変ニダ! ついに王宮の外の兵士どもが壁を越えて入ってき
てるという話ニダ!!」
ダイ 「そうか。昨日の昼からただならん様子が感じられたが・・・」
侍衛隊兵 「ど、どうしたらいいニカ!?」
ダイ 「まあ、落ち着け。こんな時はまず・・・・」
ダイ将軍は棚からバーボンの瓶を取り出すと、グイッとあおった。
174マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:37:02 ID:hMKMVohT
紫煙
175マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:37:34 ID:fWHQe6bU
(続き)
ダイ 「ふーっ。今そちらに行くから」
侍衛隊兵 「ゴクリ。ニ、ニダ」

ダイ将軍は落ち着き払ってゆっくりと歩み、彼のためにあてがわれた居宅を出ると国王王妃の
おわす坤寧閤の門の前に来た。
隊長玄興澤 「ゼネラルダイさまが来られたニダーーー!!」

侍衛隊兵 「将軍さまニダ!」
侍衛隊兵 「ほっ、将軍さまが来られたニダ」
侍衛隊兵 「将軍さまー!」
ダイが姿を見せると、各門を守衛していた侍衛隊兵士が続々と彼の周りに集まってきた。

隊長玄興澤 「賊どもが大勢王宮の中に入ったとの報せが来ているニダ!」
侍衛隊兵 「こちらに向っているらしいニダ!」
ダイ 「よしよし。まあ落ち着け。どれほどの人数か、どこに向っているか、武器を携えてい
るか、などは分かっているのか?」
侍衛隊兵 「とにかく暗いからよくわからないニダが、日本兵という話もあるし、訓練隊の連
中という説もあるニダ」
侍衛隊兵 「刀をさげた日本人もいると聞くニダよ!」
そこにあわただしく走り込んできた官吏が言った。
官吏 「こここここここ、こく、国太公さまの姿を見たという説があるニダー!」
侍衛隊兵 「?だだだだだだ、だい、大院君さま?ーーーー!!?」
ダイ 「おちつけ! う〜ん。こら本格的だわ。クーデターだのう」
侍衛隊兵 「どどどどどどど」
ダイ 「どうするか、だって? まあとにかく国王王妃両殿下をお守りするしかない!」
176マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:38:26 ID:OmvwImuj
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
177マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:39:20 ID:fWHQe6bU
(続き)
官吏 「昨日、王后殿下の命によってついに訓練隊を解散させたニダ。それで訓練隊の連中が
怒って起ったに違いないニダ」
ダイ 「解散させられたぐらいでのう?」
官吏 「解散の後は、隊の将兵らは粛清されるニダよ。つまりは殺されるニダ」
ダイ 「なんと! やっぱりそうか。ふう、あたら日本軍が刻苦訓練した兵士をのう」
官吏 「教官の日本軍将校も怒っていると聞くニダ。三浦公使もすごい顔で安軍部大臣を睨ん
だと聞いたニダ」

米国陸軍中将であったダイが朝鮮政府に近衛兵の教官として雇われたのは1888年。この国では
政府要人ですら殺し殺されるのが当たり前のように行われているのは今まで何度も見てきた。
文明の遅れた貧しい国ではよくあること、と彼は思っている。べつに変ったことでもないと。
まあ、何ヶ月も遅滞していた給料がやっと支払われたのも日本政府が援助したおかげなのだが。
彼はアメリカ人らしく一度肩をすぼめて言った。
ダイ「よし! それぞれ守備につけ! これはちょっとした戦になるかも分からん」
侍衛隊兵 「ニダ!!」
皆が小銃を抱えて守備に戻る。
ダイ 「よし! 隊長! 皆に弾ごめを命じよ」
隊長玄興澤は大声で命じた。
隊長 「よーしっ! 皆よく聞くニダー!! 弾ごめ始めー!!」
兵士が一斉に腰の皮バックルから弾丸を取り出して銃に装填する。

で、案の定♪
178マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:40:35 ID:hMKMVohT
紫煙
179マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:40:43 ID:fWHQe6bU
(続き)
誰かがいきなり撃った。誤って引き金を引いたのだ。
ダーン!! 闇の中に銃声一発が轟く!
侍衛隊 「アイゴー!! もう撃ってきたニダー!」
侍衛隊 「もう、敵がそこにいるニカ!?」
皆が一斉に撃ち始める。もう誰が誰だか分からない。銃火が光った闇に向ってめくらめっぽう
に撃つ。
ダーン!ダダダーン!ダーン!
侍衛隊 「ギャア!!やられたニダー!」
侍衛隊 「ウ、ウリも脚を撃たれたニダー!!」
隊長玄興澤の目の前でも1人が即死する!
玄興澤は必死で応戦する。
「撃てっ!撃てっ!撃つニダ!」

すべてが味方同士の撃ち合いだった。
もう大混乱。ついに、2人死亡、数名負傷。
侍衛隊 「アイゴー! こ、ここは逃げるニダー!」
侍衛隊 「に、逃げるニダー!」
侍衛隊 「アイゴ! ふ、服をぬがないと!」
それぞれが兵士の制服を脱ぎ捨て、あっというまに全員が逃げ散ってしまった。

乾清宮門の前で1人ぼっちになったダイ将軍。
ダイ 「ぽっかあ〜〜〜〜〜〜んんんんんん」
乾清宮の中は恐怖で大騒動となっており、人々が必死で何か叫ぶ。
180マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:41:27 ID:OmvwImuj
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
181マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:43:55 ID:fWHQe6bU
その時乾清宮内で2発の銃声が響いた。ピストルの音に思われた。しかも王妃の居間あたりで。
老将軍に愕然たる思いが駆け巡る。

やがて、闇の中からこちらに向ってくる集団があった。乾清宮に近づくにつれ、訓練隊兵士数
十名と分かった。ついで日本軍士官らしい姿、また洋服和服の人々、手に手に剣を携えている。
中には自分の身長ほどもある太刀を持つ者もいた。
老将軍はただ呆然として彼らを見ているしかなかった。
\__ _____________________/
     V
内田領事 φ(.. )メモメモカキカキ「ふんふん。そうだったのね」
ダイ将軍 「これ以上なにも申すことはないでーす」
内田領事 φ(.. )メモメモカキカキ「そうすると、誰かが誰かを殺害したのは見てないのね」
ダイ将軍 「味方同士の撃ちあいを見ただけでーす」
内田領事 φ(.. )メモメモカキカキ「しかしそのピストルの音、気になるなあ」

さて!さて!どうなる国王! どうなる王后陛下! どうする大院君! 洋服和服姿の日本人
そして朝鮮人! どうなる!

つづきは○月○日封切りの本編で! 乞うご期待!
182マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:44:58 ID:OmvwImuj
>>181
ヽ(´,,,,`)ノマンセー♪
183マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:46:51 ID:fWHQe6bU
フムフム・・・さんと紫煙さん、いつもご支援感謝。
この「つづき」もいつになるやら。
184マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:48:01 ID:OmvwImuj
>>183
今回は今井君ニムではなく三合徳利がフムフムしましたw
185マンセー名無しさん:2009/10/23(金) 00:00:40 ID:fWHQe6bU
>>184
あ、ども。今日は日月以外に上げましたから。なお、次回はいつも通りの続きとなる予定です。
186マンセー名無しさん:2009/10/23(金) 00:02:38 ID:OmvwImuj
>>185
楽しみにお待ちいたしまするm(_ _)m
187マンセー名無しさん:2009/10/23(金) 16:17:17 ID:ftUKgRoJ
合併前?そりゃぁトンスル天国だったんだろWWW
188マンセー名無しさん:2009/10/23(金) 21:30:09 ID:hBFY+yjk
ホントの事を知ったらファビョると思います。
台湾人の書いた本を読みましたが、朝鮮人と何かあったの?と聞きたくなるような内容でした(ので著者名書きません)。
庶民は縦穴式住居に住み、みずぼらしい家に住んでいたようです。
韓国人が騒ぐのは脳内妄想ではなく、学校で、朝鮮はキレイな所だったと習うからだそうです。

189銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/10/23(金) 21:33:55 ID:wp9gARBg
いよいよ閔妃?
うはw
190マンセー名無しさん:2009/10/27(火) 16:47:50 ID:GgBnZeUv
>>181
わろた。
近衛兵の自滅逃亡w
けど、本サイトの王妃殺害関連の資料膨大すぎて
どう読めとw
191マンセー名無しさん:2009/11/01(日) 10:58:24 ID:FICLbpxP
>>188
最近はこういう写真付きの記事も出始めてるけど、どこまで耐えられるかねぇw

【韓国】西欧人らが表わした朝鮮の日常と戦争…私たちの目にも見慣れないその時その姿[11/01]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1257038284/

【韓国】[帝国の黄昏‘100年前私たちは’][45]100年前外国人目に映った私たちの姿[10/31]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1256993115/
192マンセー名無しさん:2009/11/07(土) 21:49:58 ID:18DpXGh/
保守
193マンセー名無しさん:2009/11/08(日) 23:50:32 ID:M2j4rHZ0
>>190
まあ、資料はテキストにしておけば後から何かと便利ですし。通読されたらどうでしょうか。

併合前の日朝(続き)

さて、日清戦争となってからというもの、朝鮮の地は戦場と化した。人々は不安におののき、
特に平壌戦に向う日本兵が行軍する沿道では農民らも仕事が手につかないありさまであった。
また、日本兵は規律が行き届いていたが、人夫に雇われた日本人の横暴がひどく、京城でもた
びたび不満の声が朝鮮人の中で上がった。

杉村書記官 「とまあ、こんな状態で、中には略奪まがいのことをする人夫もいるそうです」
大鳥公使 「それはいかんなあ。けしかんらんことじゃ」
杉村書記官 「で、朝鮮人が抗議すると、俺たちはおまえの国のために戦争してるんだぞ!と
言い出すしまつで」
大鳥公使 「うーむ。いかんなこれは。政府に言って何らかの処置をせねばならん!」

ってことで、大鳥公使は、取締りの警官を百人ほど送るよう政府に上申。また、被害をこうむ
っている朝鮮人や、生業に影響が出た朝鮮人の農民や商人などへの救済も要請。
よって日本政府は日本人取り締まりのための警官百人を急派することにした。
また、京城内外の人民戸数5万戸の内、被害戸数を1万戸と見て、各戸に3円づつと白米を供与
することとした。

杉村書記官 「ということで、これらを配りたいけど、名簿つくってね」
漢城府官吏 「こ、これはカムサハムニダ。さっそく調査して作成するニダ」
その名簿から交付札を発行してそれぞれに配り、それによって交換することにした。8月から
開始して9月中までには配布し終わった。その費用およそ3万円であった。
194マンセー名無しさん:2009/11/08(日) 23:51:26 ID:M2j4rHZ0
(続き)
こんな所にまでいろいろ気を使ってるところが日本人らしいのかも。一方、清兵は相変わらず
略奪しまくっていたが。
それでも朝鮮人はけっして支那人の恨みを言うことはない。で、日本人には恨みを言いつづけ
る。彼らが膝をつくのは決して恩情や親切な行いに対してではなく、ただただ力の前に屈する
のであってねえ、おそらく、
朝鮮人 「イルボンが米や金をくれるらしいニダ。ウリへの貢物ニカ? いらないけどもらって
やるニダ」
ではなかったろうか。

さて、いよいよ平壌戦。清軍はおよそ15000人。日本軍はおよそ14000人であった。
ここで日本軍が一番苦労したのは相変わらず韓銭が手に入らないということ。韓銭がないから
人夫を雇うにしろ、渡し舟を調達するにしろ、なかなかままならない。

実は平壌には戦争前の7月初めから清軍は集結し始めていた。牙山と平壌の清軍で日本軍を挟
み撃ちにするのが当初の作戦だったようである。東学鎮圧を理由に牙山に軍を集結させつつ、
京城に日本軍が来ることも考慮して布陣するというなかなかのもの。
しかし平壌に充分な配備がなされない内に、大島混成旅団によって牙山の清軍は打ち破られ、
多くの死傷者と大量の武器弾薬を打ち捨てて逃走した。豊島沖海戦での高陞号の清兵1100人と
大砲12門などの撃沈と共に、日本軍の速戦が決した勝利であった。

それにより守勢に転じた清軍は策を平壌の防禦に決し、大工事を始めて陣地を築造するなどし
た。
日本政府は先に、1旅団を加えて1師団とすることに決して師団長野津道貫中将と共に釜山経由
で京城に派遣していたが、新たに混成旅団を元山からも上陸させて平壌に向わせることに決し
た。
195マンセー名無しさん:2009/11/08(日) 23:53:35 ID:M2j4rHZ0
(続き)
やがて9月1日までには全軍が平壌に向ったが、すでに日本騎兵斥候が清軍歩兵と遭遇するなど
散発的な戦闘となっていた。

清将兵 「日本軍の斥候がこちらに向っているアル。待ち伏せするアルよ」
清歩兵が草むらに隠れて日本兵が来るのを待つ。そこにやってきた日本騎兵斥候十数人。一挙
に取り囲んで攻撃する。

日本兵 「囲まれたぞ! 押し破れーっ!」
清将兵 「撃て!撃て!」
日本騎兵はあっという間に撃ち倒され、10人が死傷。戦死者は7人を超えた。捕虜となった者
もいた。

後の平壌戦で清兵が敗走した後、日本軍が平壌内に入ると、この時捕虜となった日本兵が遺体
で発見された。手足胴体はばらばらにされ、頭部はさらし首となっていた。
捕虜への取調の報告書も残されていた。まず名前を聞き、牙山戦のことを訊問したが、名前は
言ったが訊問に答えなかったので梟首刑とした、というものであった。

捕虜扱いに関しては、1864年、スイスのジュネーブにおいて12カ国で締結された、戦地に於け
る負傷者と疾病者の治療のことを定める赤十字条約に、日本政府も明治19年(1886)11月に加
入している。その第6条には、「負傷し又は疾病に罹りたる軍人は、何国の属籍たるを論ぜず
之を接受し看護すべし」とある。つまりは敵国の兵であろうと負傷者などは救護すると。
日本軍は牙山戦での80人ほどの清兵負傷者を収容し、軍医や看護兵が治療にあたった。まさか
自分の負傷を敵から治療してもらえるとは夢にも思っていなかった清兵は、両手を合わせて彼
らを拝んだという。
196マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/11/08(日) 23:56:35 ID:O4l8sH26
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
197マンセー名無しさん:2009/11/08(日) 23:58:39 ID:M2j4rHZ0
(続き)
だが、捕虜となっても反抗したり乱暴を働いた者は容赦なく処刑するということがあった。そ
れは10月以降のことであり、日本軍がこのように捕虜に対して厳しくなったのも、清軍におけ
る日本兵捕虜への残虐な扱いのことも影響していたかもしれない。

9月10日には日本軍は元山支隊、朔寧支隊、混成旅団、師団本隊と、4方面から平壌を包囲する
形で迫りつつあった。
決戦日は15日と決定した。

11日、師団本隊が大同江の渡河にかかる。かき集めた韓銭を握って工兵が船の調達に行く。
朝鮮人 「あの船ひとつを貸すニダよー」
日本兵 「これだけ出すのに、あんなちっぽけな船一艘かよ」
朝鮮人 「文句があるならもういいニダよ」
日本兵 「分かった分かった。あれでいいから」
朝鮮人 「ウリの船はデリケートニダ。扱いには気をつけるニダよ」

ようするに今にも壊れそうなボロ船であった。
そんなこんなでかき集めた船は大小合わせて20隻。やっと渡河をはじめたが、

日本兵 「おーい。これ大丈夫か? 水がもれてるぞ!」
日本兵 「汲み出すしかなかろう! 岸までもてばいいが」
日本兵 「おーい! あの船、馬が乗ったまま流されてるぞー!」
なんと3分の1が壊れて使い物にならなくなった。
198マンセー名無しさん:2009/11/09(月) 00:01:17 ID:M2j4rHZ0
(続き)
将兵 「師団長殿、というわけで、これでは遅れてしまいます。先に渡った兵士に糧食も送ら
ねばなりません」
野津師団長 「よし! 工兵に伝えよ。断然愛を絶て!と」

工兵 「愛を絶てって、どういう意味じゃろ?」
工兵 「つまり、朝鮮人への情など捨てろってことさ」
工兵 「あ、そういうことか」

工兵は銃を突きつけて朝鮮人に船の調達を厳命した。「アイゴー!」
たちまち、大きな船がいくつも集められた。

将兵 「なんだ、ちゃんとあるんじゃないか」

野津師団長には、朝鮮王宮から派遣された50数人の朝鮮兵が師団長護衛の名目でついて来てい
た。隊長は李斗璜。翌年の10月8日の王城事変で訓練隊隊長として禹範善と共に訓練隊
を率い大院君を擁して王宮に討ち入った人である。

野津 「とまあ、無理やりだったが、こうせねば船は手に入らないし、作戦が遅れては大変な
ことになるので」
李 「いえいえ、ウリの国の者の方が行き届かずあいすまんことだったニダ。すでに日本とは
軍事同盟を結んでいるニダ。こんなことはここの官吏が率先して協力せねばならんニダが、ウリ
の国では中央政府の命令はなかなか地方にまで行き届かないニダ。なにしろ、地方は地方で勝
手に政治をしているニダよ」
199マンセー名無しさん:2009/11/09(月) 00:04:10 ID:v+bVDDzu
(続き)
しかしこれによって行軍に遅れが生じ、15日の同時攻撃開始に師団本隊が間に合わなくなるの
は確実となった。
このことを知った大島義昌混成旅団長は、決意を表明。
大島 「師団本隊が15日の決戦に間に合わなくなったことが確実となった。元山、朔寧の支隊
の兵は少ない。当日に清軍がこれに対することをなるべく避けさせねばならん。また我々の包
囲戦を気付かぬようにもさせねばならん。よって我が混成旅団は全力を挙げて敵の注意をこち
らにひきつける戦をする。当然のこと苦戦とはなろうが」
平壌戦において大島混成旅団に最も戦死者が多かった理由はこれであった。
(つづく)

>>196
いつもご支援感謝。
200マンセー名無しさん:2009/11/16(月) 23:15:25 ID:QZTaGwtG
保守ついでに、王妃殺害の首謀者は大院君ということでOK?
201マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:28:50 ID:hP/h3NxL
>>200
首謀者は。その爪牙となったのは日本人かと。


併合前の日朝(続き)

さて、大島混成旅団が平壌に接近し、大同江付近、平壌から東南に位置する所に着いたのが9
月12日。営を築くと、さっそく牙山・成歓で分捕った大砲を並べる。

砲兵隊長 「ようし。あそこに撃ち込んだれ! 支那が高い金払って買うた鋼鉄製の優秀品じゃ。
自分達の大砲で撃たれるとは思わんじゃったろうw」

平壌南端の清軍大砲陣地に向って砲撃する。すぐに清軍の大砲も応戦した。しかし50発ほど撃
ち込むと沈黙してしまった。かたや清軍の大砲はまったく見当違いの所にばかり着弾した。

砲兵隊長 「わはははは。砲兵の技量がまるきり違うじゃあないかw」

午後8時頃、突然、平壌清軍が盛んに小銃を撃つ。また平壌東端から大同江を渡った所の船橋
里でも猛烈に銃撃音が響く。

大島旅団長 「ん? 誰か船橋里あたりに出張っていった者がおるのか?」
将校 「いえ、どの部隊も営から出てはおりません!」
大島旅団長 「斥候は?」
将校 「まだ出しておりません」
大島旅団長 「ふむ。支那兵は演習でもやっとるのか?」
機関砲の音も聞こえる。
大島旅団長 「ふん。あれはガトリング機関砲じゃな。それも複数」
202マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:29:53 ID:hP/h3NxL
(続き)
その頃、清兵陣地では大混乱となっていた。
清兵 「撃て撃て! 倭兵アル!」
清兵 「倭兵がもう来たアルか!撃つアル撃つアル!」

実は全くの誤認であった。無人の原野を撃ったのか、味方を撃ったのかは定かではない。

清兵 「アイヤー! 敵などいなかったアルよ!!」

よっぽど悔しかったのか、その後、遠く大島旅団営陣地に向って榴弾砲を何発か撃ったが、あ
たるはずもなかった。

15日午前3時20分、各部隊の布陣を整えた混成旅団は、ついに総攻撃を開始し、大同江前に築
かれた清軍堡塁を猛攻した。事前に探り得てなかった巨大堡塁も存在して苦戦したが、全軍を
投入しての攻撃は猛烈を極めた。

この平壌戦で結果として戦死者128負傷者290を出した大島混成旅団。それは攻撃のまずさによ
る苦戦というよりも、それほど攻撃が激しかったことによる。
まあ、北から攻撃するはずの元山・朔寧の支隊に向う清軍を、出来るだけこちら側に引きつけ
なきゃならんのだし、野津師団本隊は遅れてるんだし。

後に捕虜となった清兵の話によれば、巨大堡塁に対する日本軍の攻撃は猛烈を極め、とりわけ
榴散弾の雨によって清兵は大混乱となり、めくらめっぽうに撃ったり、逃げ隠れする場所もな
く空しく死を待つのみという悲惨さであったという。
203銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/11/25(水) 22:30:05 ID:AYZ62jmL
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
204マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:31:21 ID:hP/h3NxL
(続き)
確かに清軍も数に任せて猛烈の射撃を混成旅団に向けて行ったが、堡塁に閉じこもっているだ
けに、まして所属部隊の旗を高々と掲げて戦っていては、格好の攻撃目標となるだけだった。

平壌城内に運び込まれる兵士の死傷者の多さに、城内の清軍は怖気づき、早くも逃亡すること
を考える者が出始めた。

しかし混成旅団は、7時半頃には弾薬の欠乏を生じ、8時までには小銃弾薬の殆どを使い果たし、
銃剣を装着して清兵の突撃に備えるに至った。堡塁の清軍も積極的には撃ってこず、完全なこう
着状態となった。

一方、立見尚文少将率いる元山、朔寧支隊は14日に平壌北部付近に到達し、元山支隊の佐藤
大佐と連絡しながら、15日午前1時には陣容を整えて平壌城に接近。午前5時には攻撃を開始し
た。平壌北部城外に設置された敵堡塁を次々と抜いていく。
元山支隊は力押し。しかし朔寧支隊は無理をせずに進む。

さて、遅れた野津師団本隊はようやく午前6時半ごろに、部隊前衛が平壌西南手前1.5キロに接
近した。平壌清軍から砲弾が来る。直ちに大砲を布陣し、敵砲を沈黙させるよう命ずる。歩兵
大隊の後半部はまだ数キロ後ろを来ている。
7時半過ぎ、歩兵連隊がようやく接近する。しかし、白日の中に敵堡塁を攻撃するのは不利と
見て、山陰でしばし様子を見る。
7時45分、突然平壌城から敵騎兵500が突進してくる。ただちに砲兵が榴散弾を浴びせ、歩兵が
急射撃をしてその過半数を倒す。
8時、今度は1500の敵騎兵が再び疾駆してくる。しかし野津師団の砲兵と歩兵の雨のような猛
射に、一騎も余すことなく倒された。

おそらくこの時にあの左宝貴将軍も倒れたと思われる。
205銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/11/25(水) 22:32:20 ID:AYZ62jmL
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
206マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:34:48 ID:hP/h3NxL
(続き)
 いったい清軍はなぜにこのようなまずい攻撃を仕掛けたのか、城内で何があっていたのか、
それらのことは不明。

この後、清軍には逃亡兵が相次いだ。三方の囲みの中の唯一開いている真南からである。

実は野津師団長らによる作戦計画の段階で、南はわざと包囲を空けていた。平壌にいるのは清
兵だけではない。多くの朝鮮人が生活しており、もし清兵が退路を断たれたことを知れば死に
物狂いになるだろうし、それでなくとも掠奪や婦女暴行などが横行している。この上の危害は
避けさせねばならない。よって退路を残してやって、速やかに平壌から清軍を敗走させること
こそが目的であった。
朝鮮政府としても、清軍が朝鮮から出て行ってくれればよいのである。また、日本軍としては
逃げる清兵を先で待ち伏せして殲滅すればよいのである。しかしこれは野津師団本隊の到着が
遅れたため、待ち伏せは一部でしか出来なかった。それでも、元山・朔寧支隊方向に逃亡した
清兵はほとんど全滅した。

さて、元山・朔寧支隊は平壌北部城外の堡塁をすべて占拠したが、北を守る清軍は牡丹台から
ガトリング機関砲などでをこれを猛射していた。そこに日本砲兵隊が正確に大砲攻撃をくわえ
る。たまらず清兵は牡丹台を放棄して退却した。午前8時過ぎであった。日本歩兵2中隊が占領
した。また佐藤大佐の元山支隊は玄武門を占拠。

野津師団長 「牡丹台が落ちたか。早いなあ。まだ戦闘開始から5時間あまりしかたっとらん
ぞ」
将校 「平壌南門から大同江ぞいに逃亡兵が相次いでます! 追撃の兵を出しますか」
野津師団長 「よかよか、布陣が間に合わんかったんじゃから仕方ない。ほっとけ。平壌を落
とす方が先じゃ。このペースじゃ明日までには何とかなろう」
207銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/11/25(水) 22:36:52 ID:AYZ62jmL
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 しー-J
208マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:37:10 ID:hP/h3NxL
将校 「あっけないもんですなあ」
野津師団長 「清軍は戦術というものを知らんようじゃ。こりゃあ弾みがついたのう。大本営
がすぐにでも支那領土に進軍せえと言い出すぞ」
将校 「うは! 行きましょう!北京まで!」

平壌戦における清軍の総大将は、牙山・成歓から逃げてきた葉志超将軍であった。
彼は平壌に逃亡しながら、左宝貴将軍に手紙を出している。それには、倭兵をしたたか痛めつ
けて千人余りを殺した、とある。しかし実際は34人である。
更には李鴻章ら上層部あての手紙には、倭兵千数百人を殺したと書いた。
すると、上層部からの返事には、「そうか。貴殿は倭兵を千7百人あまりも殺したアルか。がん
ばったアルよ。そのまま平壌に入って全軍を指揮するように」とあった。

まるで馴れ合いである。支那人は実数というものを求めず、割り増しをしてどんどん数を増や
していくらしいw

逃げるときに大砲はもちろん小銃までうっちゃらかしていったことは手紙に書かなかった臆病
将軍葉志超。平壌に入ると総督として指揮をしたが、いざ戦闘が始まると、何と真っ先に身を
隠して行方知れずとなっている。これには他の将軍達もさすがに呆れたらしい。

ところで、7月に清軍が平壌に入ってきた時、街にはアヘンを喫煙させる「煙館」というもの
が4軒開設されている。清兵御用達ということらしい。1日平均2500人ほどが利用したという。
アヘンは脱力感、倦怠感をもたらすと言われている。これではまともに戦意が湧くはずもなか
ったろう。葉志超も常習者だったのかも。
朝鮮も腐敗していたが、支那のそれはもっと深刻であった。
209銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/11/25(水) 22:38:21 ID:AYZ62jmL
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 しー-J
210マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:40:25 ID:hP/h3NxL
(続き)
そこで左宝貴が通達を出したのは賞金制度。倭兵の銃を奪った者には銀12両、その首をとった
者には銀30両、生け捕りにした場合は銀60両を与える、とした。もちろん生け捕りは訊問をし
た後に首をちょん切ってさらし、胴体手足バラバラとするのである。
平壌清軍には金銀は豊富にあった。後にうち捨てていった金銀だけでも、金塊銀塊を充たした
75キロの大箱が4個、馬蹄銀112キロが1袋、その他の銀が120キロ。韓銭に至っては銅銭550万枚とい
う莫大の量。
一方、平壌に向う野津師団本隊が苦労して苦労して交換などで集めた韓銭はわずかに21万枚で
あった。

さて、白日の下での城砦攻撃は難しい。立見少将は無理な攻撃は控えるよう元山・朔寧支隊に
命じた。午後になって清兵200人ほどが打って出ることが2度あったが、いずれも猛射して撃退
した。

野津師団長 「よし。夜になったらいよいよ総攻撃に移るぞい。まあそれまではのんびりやっ
とれ」
将校 「混成旅団のほうは布陣を引揚げる様子が見てとれますが」
野津 「うん。おそらく弾が尽きたんじゃろう。大島どんはようやった。明らかに清兵の主力
はあちらに向いとった。とにかく後は師団本隊の出番じゃ」

ところが、夕方4時過ぎた頃、平壌北部城壁に乱立する清軍旗が次々と倒れ、代わって白旗が
掲げられたのを見た。

立見少将 「あらら、もう白旗かい。ようし、全隊に射撃中止を命じよ。さて、軍使は来るか
いな?」
将校 「朝鮮官吏のような者が佐藤大佐の支隊の方に向ってます」
211マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:43:23 ID:hP/h3NxL
(続き)
この時、突然雷が鳴って雨が降り始めた。篠突く雨の中、朝鮮官吏が書をささげて元山支隊の
佐藤大佐のところに来る。平安道観察使閔丙奭という者。閔一族の一人である。

閔 「ウリは平壌府使に代わって来たニダ。この書を差し上げるニダ」

佐藤大佐が受け取って開くと、雨に濡れて字がにじんで読みづらかったが、

閔 「書を大日本司令官閣下に致す。今、中華兵は万国公報に照らして休戦を願い、撤退する
を望む。すでに白旗を掲げて国に帰ろうとする。これに対して銃火を開かないことを望む」
とあった。

佐藤大佐 「降伏したなら城を明渡してもらうのが先じゃ。次には投降すること!」
閔 「とにかく清将の申すことニダ」
そこにちょうど師団本隊から伝令が来た。
佐藤大佐 「師団長に伝えられよ。敵が降伏旗を上げたので、支隊はこれから入城するつもり
であると」

玄武門から南に300メートルの内門に、副官と兵士若干をつけて派遣する。城壁には清兵が銃を構
えていた。門戸を押すと少し開く。それ以上は内側に砲車が横たえてあって開かない。
中の清士官が筆談して言った。
清将 「本日はすでに日も没しようとしている。しかもこの大雨なので明日来て欲しい」
副官 「はあ? 門を開いて明け渡さないなら、白旗を立ててても意味がないぞ。速やかに降
伏したあかしを見せよ!」
清将 「かぎを取ってくるのでしばらく猶予してほしいアルよ」
清将は合掌して去った。
212マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:48:08 ID:hP/h3NxL
(続き)
ところがいつまで経っても戻って来ない。ついに日も暮れた。副官は支隊にもどった。
この間も清兵の逃亡が相次いでいた。

佐藤大佐 「逃亡するための時間稼ぎじゃろう。逃亡兵を見逃すな!」
立見少将も降伏旗を上げたのは逃げるためと見て、警戒を厳にさせた。

立見少将 「相変わらず卑怯な連中じゃなあ」
豊島沖海戦で清軍艦が白旗を掲げながら攻撃しようと接近したり逃げ回ったことはすでに有名
な話であった。

これらの報告を聞き、野津師団長は全軍に命じて言った。
野津 「明朝3時に各門に対して強襲をする!」

午後9時過ぎ。元山支隊の守備線を破って逃亡しようとする清兵数百が押寄せた。佐藤大佐は
前線に兵を増強しながらこれを撃ち平らげる。しかしいくらかは死線を越えて義州方面に逃げ
去る。以後、3、40分、また1時間ごとにこれを繰り返し、ついにそれは夜明けまで続いた。清
兵の戦死者は多すぎて数えることも出来ない。

師団本隊は午前0時半には前進し、途中やはり逃亡を図る清騎兵や歩兵を倒しつつ各門に至る。
城壁を登って門を開けばちょうど午前3時であった。城内に入ればすでに清兵の大軍はなく、
残っていた数百が投降した。

夜がすっかり明けると、平壌の北部から西南にかけて清兵の死体が大量に散乱していた。混成
旅団と戦った船橋里の巨大堡塁にも死体の山が残された。
213マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 22:55:05 ID:hP/h3NxL
(続き)
清軍の戦死者およそ2千名。負傷者はおよそ4千。捕虜は500名あまりであった(なお日本軍は
戦死174人、負傷501人)。捕獲品は先の金銀銅銭の外、ガットリング機関砲6門、山砲、クル
ップ野砲などあわせて40門。その他大量の小銃弾薬刀剣類。また、精米が400トン余り。雑穀
が90トン近くと莫大。

兵站部 「やったのう。これで兵糧不足は一気に解消じゃあ」
兵士 「少尉殿、支那人の人夫が何か言ってきてるようですが」
見るからに困窮した様子の支那人が立っていた。
支那人 「に、人夫に雇ってもらいたいアルよ」
少尉 「おお、ちょうどいい。人夫不足で困っていたところじゃ」
支那人 「ついては先に米をわけてもらいたいアル」
少尉 「ん? ずいぶんやつれているようだが、腹が減っているのか?」
支那人 「グーッ」
少尉 「今まで給金や食い物の給与はどうなっていたのか?」
支那人 「奉天で雇われてから給金は一文も貰ってないアルよ。1日に古米を2椀と塩をもらうだ
けアル」
少尉 「ええ? 1日たったそれだけだったのか?」
支那人 「ここでは畑から青菜を取ってきて飢えをしのいでいたアルよ」
少尉 「ひどいもんじゃのう。おまえ1人じゃなかろう。人夫仲間に言えばよい。皆雇ってや
ると。先に米も給与するから」
支那人 「謝々、謝々」

清兵捕虜から話を聞いても、兵卒の給与は日本兵の半額だった。その上、食費を差し引かれる
ので僅かな給金しか貰えない。これでは殆ど食べることすら窮するありさまだった。清兵が略
奪に走るはずである。莫大の金銀銅を貯めこみ、大量の糧食がありながら、これを給与しない
。これが清軍清将、中国の英雄たちの実の姿であった。おそらく政府支給の兵卒への給与分ほ
とんどを私腹に入れていたと思われる。
214マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 23:05:58 ID:hP/h3NxL
(続き)
支那人人夫車夫をはじめ、日本軍に雇われたり、行動を共にした支那人は少なくない数にのぼ
った。日清戦争後、日本政府は清政府に、これら日本側に立った支那人を処罰しないよう求め、
身の安全を約束させている。また、戦闘時や病気などで死傷した雇いの支那人にも救恤金や
弔慰金を与えている。

兵站部 「おーーい飯じゃああ。飯の時間じゃあ」
日本兵卒の食事は以下の食材からの組み合わせであった。
 通常の兵食
精米、牛肉、獣肉魚肉缶詰、干し魚、高野豆腐、切昆布、干瓢、梅干、ラッキョウ、味噌漬、
紅生姜、沢庵、奈良漬、茄子芥子漬
 携帯口糧
パン、獣肉・魚肉缶詰、佃煮、干し魚、食塩

 他に補助食品として鰹節、砂糖、醤油、醤油エキス、茶など。

(つづく)

銀河電鉄氏、いつもご支援感謝。
215マンセー名無しさん:2009/11/27(金) 00:13:54 ID:UvhExPks
やっぱ面白いし、勉強になる。
いつも乙です。
216マンセー名無しさん:2009/11/28(土) 18:51:32 ID:SrgJvnJP
日露戦争物語なんか読むと日本軍が苦戦したみたいな印象があったけれども、考えたら2日で平壌は落ちたわけで、これって楽勝ですよねえ。
217マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 08:35:59 ID:pPGIVbgW
ほしゅ
218マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 13:19:00 ID:xSogXjrC
日清日露戦争は朝鮮兵士のおかげで勝った戦争だよ 本当はね
219熱湯 ◆NettobIFhI :2009/12/09(水) 13:36:19 ID:9UmB93GM
日清戦争で朝鮮兵士ねぇ…
俗に言う「下関条約」の第一条を読んでみることをお勧めしますよ

|-`).。oO( まぁ、朝鮮兵士さんたちが清側というならわかりますけど…
220マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 14:11:37 ID:Jot74/Ew
>>219 団長 居たとしたら あれっすか
明智を討ち取ったという野武士とかwww
221熱湯 ◆NettobIFhI :2009/12/09(水) 14:25:28 ID:9UmB93GM
明智を討ち取ったのは、盧 武士(ノ ムサ)と言う韓国人とわかっていますw

|-`).。oO( ぶっちゃけ、日露戦争でも「朝鮮兵士」っていうのはオーパーツですけどね。
222マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 14:32:03 ID:PVVgf27u
>>221
バード女史によれば、ロシア領にいた朝鮮人は働き者だったそうですよ、っと
223マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:11:25 ID:sZTtLm3R
>>219
実は平壌戦では、日本軍に投降して捕虜となった者の中に朝鮮人が14名います。おそらく清兵
にこき使われた平壌駐在の朝鮮兵かと。

さて、テレビでは「坂の上の雲」が始まり、没後100年の伊藤公も星の名となるなど、少しは
愉快な心持となっておりますが。

併合前の日朝(続き)

このころ北京のアメリカ公使館書記官ハワード・マーチンは、北米評論雑誌に論文を寄稿して
次のように述べた。
「日本は、朝鮮の政治・外交・商業の進歩発達を企画し、これを進めている。しかし朝鮮人は
無気力で、なかなか動こうとしない。また一方では悪辣なる清国がその動きに反対している。
そのため日本はまだその願いを容易に達することが出来ないでのある。もしもこの戦争で清国
が勝利するなら、朝鮮は再び退歩して、東洋固有のものである怠慢と迷信・無知、そして排外
的な思想から脱することが永く出来ないだろう。要するに日清両国の戦争は、日本が代表する
近世の文明と、清国が代表する古代陳腐の文明、いやむしろ野蛮との衝突であると言わねばな
らない。言い換えれば、日本は務めて国際法を遵守維持せんとし、清国は漫然として属国に対
する思想を通そうとするものである」

日清戦争は文明と野蛮の衝突である、という米国人の評価。
この言葉が初めて彼によって言われるようになったのかは分らないが、日清戦争を象徴する言
葉ではあった。

しかしまあ後世では、韓国併合という結果に視点を置いて朝鮮侵略の一環であったなどと言う
人もいますけどねえw また満州進出のための、ともw
224マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:15:04 ID:sZTtLm3R
(続き)
さて、その朝鮮の政治・外交・商業の進歩発達を進めようとしている内政改革の方だが、こち
らはさっぱり捗らなかった。彼の国の人が無気力なだけでなく、改革を進めようとしてる人々
もあったのだが、なにせ大院君がねえ。

朝鮮腐敗の元凶たる閔族を政府から追い払い、閔族の広告塔でもあり司令塔でもある王妃の口
を封じ、更に優柔不断の国王を補佐する人として、大院君の存在ほど有効なものはなかった。
しかしこのじっちゃん。根っからの守旧派の人。そして陰謀家。ひとたびこの人から睨まれる
と次には暗殺される危機が迫るという。
だから政府の者は大院君の前では、びくびくしてろくに反対意見も言えない。
彼には改革によって解散となったはずの旧捕盗庁の捕卒(旧警吏)80人余りが手足となってい
た。つまりは私兵のようなもの。

大院君 「このごろ、ソウルで金重孝という者が商売でもうけてずいぶん金持ちとなったと聞
くニダ。おまえたち、あいつの息子を捕まえて身代金を払わせるニダよ」
捕卒 「はっ! すぐに行ってきますニダ!」

ってことで、適当に罪をでっちあげて捕らえ、13万両(日本円で当時5,200円)を徴収した。

大院君 「ん。ご苦労ニダ。これはおまえたちへの手当てニダ」

大院君はその内の3万両を彼らに与えた。その後も、朴汝道、金東旭、金基永という者から、
それぞれ5万両を徴収したことが日本公使館書記官によって報告されている。いずれも、捕ま
えて身代金を取るやり方だった。
あるいはまた、裏切り者の場合は同様に財産の没収のみならず死も与えられたが、必死でそれ
を逃れて釜山まで逃げてきた者があると、日本軍情報部の報告にある。
225銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/12/09(水) 21:20:07 ID:Us9wKCPD
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
226マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:20:23 ID:sZTtLm3R
(続き)
王族や両班にとっては、これが普通の生活手段であった。しかし改革を指導する日本公使館に
とってはどうにも我慢のならない悪弊であった。
そういう中、朴泳孝帰国の話が持ち上がった。何より日本世論がそれを求め、また彼も朝鮮に
帰って改革に携わることを望んだ。日本政府もこれを賛成しその手立てをはかった。なにせ、
明治17年の朴金の乱以降、朴と同志者何人かは反逆者であり朝鮮政府の指名手配犯なのである
から、そこをまずどうにかせねばならない。

陸奥外務 「ってことで、大鳥公使。朴泳孝を朝鮮に呼戻す準備をそちらではかるように」
大鳥公使 「分りました。朝鮮政府を説得してみましょう」

しかし、朴はその返事も待たずにさっさと釜山行きの船に乗った。

陸奥外務 「あらら、勝手に帰っちゃったよ」
外務省職員 「他に同志の朝鮮人5人と日本人2人が同行してます」
陸奥はあわてて釜山領事に電報を打ち、朴一行に便宜を与えるように指示した。警官数人が護
衛につけられた。

井上内部 「どうやら朴は大院君と手紙のやり取りをしておったらしい。まあ、あちらでは大
院君が赦免のことなどをはかるんじゃないかな」
陸奥外務 「朴がほんとうに改革のためになってくれればよいですがねえ」
井上内部 「まあ、日本で様々に学んだわけだし、金玉均とは違って、熟など開いて朝鮮留学
生を教えていたぐらいじゃから、大丈夫じゃろう」

それが大丈夫じゃないのが、この国の人なわけでw
227マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:23:11 ID:EhV5qSCS
にゅ?
228マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:23:18 ID:sZTtLm3R
(続き)
釜山に着くと朴は騎馬で京城に向った。おそらく道中各地の実情を探る意図もあってのことだ
ろう。
朴が京城についたのは8月23日。大院君はただちに人をやって、
大院君 「貴殿らは今は罪ある身なれば、余は早速に赦免がなるよう取り計らうニダ。その間
は余の孔徳里の別荘で命を待つように」と申し送った。
朴らは別荘で歓待された。

3、4日後、朴ら赦免の勅旨があった。しかしその後、朴は急に別荘を去った。どうやら大院君
と仲たがいしたらしい。なんでも、大院君孫の李呵Oが朴を味方につけようとして、脅すよう
に迫ったのを怒ってのことらしかった。

その後、様々な人々が朴泳孝に面会し、日本の後ろ盾を得ている彼にとりいって、何かと役職
を得ようとする者が相次いだ。朴はだれかれ区別なく会って、次のように公言した。

朴泳孝 「今の内閣を更迭させ、多くは地方の名士によって内閣を組まねばならんニダ」「王
妃は廃せねばならんニダよ」「大院君がもし専権の傾きがあるときには、これを斥けねばなら
んニダ」「刑罰を厳にして政府の威厳を立てねばならんニダ」「今の政府が立てた新官制などは
廃して、旧に復させねばならんニダ」

心に思っていても今は公言すべきものでなく、またそれが出来ないはずの立場の朴泳孝だった
がw
大鳥公使 「チョ、おま・・・」

さっそく米露公使が日本公使館を訪れて、
229銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/12/09(水) 21:26:16 ID:Us9wKCPD
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
230マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:26:26 ID:sZTtLm3R
(続き)
米国公使 「大鳥さーん。朝鮮政府では朴泳孝が来たことで、日本が国王を廃して大院君をそ
の位に立てるとか、国王を殺そうとするものであるとかの、噂になってまーす」
露国公使 「朴泳孝が任官を国王に迫り、採用しない時は日本兵を率いて王宮に迫ると言った、
などという噂が朝鮮政府にありますぞー!」
大鳥公使 「ご承知のように王宮という所は、事を誤って物事が理解出来ない人々の集合所の
ようなものですぞ。嫉妬疑惑の分子で充満している所です! どうして朝鮮人1人に我が国の
貴重な兵士を貸しましょうや。王宮護衛の日本兵士は8月24日に撤退させて、すでに朝鮮兵4百
名に代わらせておりますぞ。武器も既に返還させております! そもそも朴泳孝の任官は、大
院君の依頼によるものであって、日本政府にとってはなんら関係ありませんぞ。いろいろ尋ね
る朝鮮人があれば日本公使館に案内されよ。そうすれば直接説明しましょう」

米露公使 「とにかく7月23日の事件によって人々が不安になったのは日本のせいなのですか
ら、これを治めるのは貴国の責任でーす。うまく善処してほしいでーす。しかしまあ、今の大
鳥さんの話を聞いて少しは安心しました」

しかし単なる噂というよりも、やはり朴泳孝の言動がその原因となっていた。
9月になって国王が密かに送った勅使に対して朴泳孝はこう述べた。

朴 「目下朝鮮は危急存亡の時期が迫っているニダ。村々は疲弊し人々は殺伐となり、何より
乱が絶えないのがその証拠ニダ。国王はご存知か? 国の内情を。また世界各国の実情を! 
我が国が独立独歩することを許さぬのは清国のみならず、露国もまた我が国を属国としようと
狙っているニダ! 我が国を救わねばならんニダ! そのためには、一大決心をもって我が国を
改革せねばならんニダ! 自分はこれを座視するに忍びないニダよ。よって国王から改革担任の
御委任がありたい。よって明日にでも何らかのご沙汰を頂きたいニダ。もしこれが延びるなら、
自分は同志を引き連れて参内するニダ!」
勅使 「と、とにかく大君主殿下に申上げるニダ」
231マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:28:46 ID:sZTtLm3R
(続き)
国王 「泳孝は過激すぎるニダ。同志を引き連れて来るってどういうことニカ?」

これを聞いた大鳥は、
大鳥公使「はあー、そんなこと言ってたか。朴泳孝はちょっと軽率すぎるのう」

大鳥は当初、日清開戦を避けようと努力した平和路線の人でもあった。ま、彼に与えられた伊
藤総理からの内訓がそうだったのだし。
大鳥はまた、朝鮮内政改革についても混乱を避けるために慎重に進めるべしと言う意見の人で
もある。それに、日本の不当な内政干渉と露国などから見られることを恐れて、強引に朝鮮政
府に改革を求めるようなことはしなかったし。

しかし緒戦の勝利に酔う日本世論は、朝鮮内政改革に対しても同様の成果を見ることを求め、
それが進まないのは大鳥公使のせいであると非難を始めた。

日本世論 「このもうろく爺! おまえなんぞやめちまえ!」と。

伊藤総理 「ま、そろそろ潮時かのう」
陸奥外務 「ここはやはり、高い地位と力のある人が公使として赴任せねばならんでしょうな
あ」
伊藤総理 「つまりは元勲クラスで弁が立って朝鮮との関わりが深い者といえば・・・・一人
しかおらんのう」
井上内部 「・・・・分ったっちゃ。俺が行くしかないお」
陸奥外務 「それはもう井上さんなら」
伊藤総理 「聞多さんには、またもご苦労をかけるが」

明治8年の江華島事件の処理と条約締結に、副大臣として当って以来の永いつきあいと。
232銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/12/09(水) 21:29:22 ID:Us9wKCPD
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
233マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 21:32:39 ID:sZTtLm3R
(続き)
井上内部 「直には行かんお。みっちり情報を集めてからじゃ。平壌戦後に清営に残っておっ
た書類の中からとんでもない手紙が出てきたとのことじゃし」
大山陸軍 「それが朝鮮国王と大院君が清将に宛てた書簡でな、内容は、朝鮮が日本と同盟し
たのは政府の者が勝手に結んだのであって、自分達の本意ではない、というものじゃった」
伊藤総理 「ほほう、それはそれは」
陸奥外務 「むー」
井上内部 「ハハハハハ。まことに朝鮮らしい話ではないか。日清どちらが勝ってもよいよう
にしとるだけじゃわい」
伊藤総理 「しかしこれは極秘中の極秘とせねばなるまい。もし国民か知ったら、一気に朝鮮
征伐の論が起ろうぞ」
大山陸軍 「で、ごんすな。軍でも厳重に緘口令をだしておりもす」
井上内部 「ま、そういうことじゃが、これは大院君の頭を押さえる材料にもなるでな。まあ
今はいろいろと考え中じゃ」

さて、朝鮮では朴泳孝がますます過激の言を発するようになり、大院君はいよいよ絶対権力者
としての行動が目立つようになっていった。
(つづく)

銀河電鉄さん、いつもご支援感謝。にゅ?wさんにも感謝。
234マンセー名無しさん:2009/12/15(火) 17:21:08 ID:VX/waXuz
ほしゅ
235マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:39:16 ID:83t1jUpA
併合前の日朝(続き)

さて、大院君の権力によって、王妃一族と閔派の者はことごとく政府内から斥けられたが、中
に王妃から親しく声をかけられる者として、李駿弼という者がいた。彼も大院君から地方に赴
任するよう命じられたが、それには従わず、朴泳孝が帰国してからは朴に接近した。
どうやら、王妃がそれを命じたようで、大院君によって力を削がれた今、日本の支援を受けて
いる朴泳孝を味方につけるのが得策という考えによるものらしかった。それに、朴泳孝は身分
としても先代王の娘婿であり、閔妃が幼少の頃から親しくしていた縁故もあった。

一方、朴は、李駿弼が王妃のみならず国王からも親しく扱われていることから、李に対しても、
自分に改革担任の委任状が渡されることを取計らうよう依頼し、世界情勢と朝鮮国が置かれ
ている立場、また国内改革問題を懇々と説いた。

李駿弼 「我が国がそのような位置にあることは全く知らんかったニダ」
朴 「ということで、何としても国の改革を急がねばならんニダ。この戦争は必ず日本が勝つ。
そうすれば我が国は独立国となるニダ。しかし今度はロシアが我が国に進出してくるニダよ。
なにせ、ロシアを睨んでいた清国が我が国から手を引くからな。当面は日本の力を借りるニダ
が、必ず我が国が自立自衛出来るような体制に整えていかねばならんニダ。もう一刻の猶予も
ない!」
李 「まことにその通りニダ。ウリからも国王様を説得するニダよ」
朴 「まずは改革のことをウリに一任されたいニダ。そして今は改革派のような顔をして、自
称日本党と言っている連中、実は権力を握りたいだけのやつらニダ。このにせもの改革派を政
府から一掃せねばならんニダ」
李 「たしかに改革改革と口にするだけで、働かない連中ニダよ」
朴 「よって、国王にこれらのことを説得されたいニダ」
236マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:40:34 ID:83t1jUpA
(続き)
というわけで、朴泳孝にすっかり感化された李駿弼は、国王のもとに走った。

李駿弼 「国王さまー。そのようなわけで、日本党のふりをして実は権力を握りたいだけの、
ほんとうの改革の邪魔になっている金嘉鎮、安駉壽、趙羲淵、李允用、権濚鎮を
政府から追放して、自分に改革担任をされたいとのことですニダ」
国王 「・・・・・・」
李駿弼 「お聴き入れられないニカ?」
国王 「だから泳孝の言うことは過激すぎるニダよ。おまえもすっかり朴派になったニカ?」
李駿弼 「・・・お耳汚し、あいスミマセンニダ」

李は朴のもとに行き、それを伝えた。

李駿弼 「というわけで、一新したばかりの政府をすぐに改編するわけにはいかないし、担任
のことも無理とのことニダ」
朴泳孝 「・・・・・そうか。そうおおせられたニカ。かつて甲申の年(明治17年)に、今は亡
き金玉均らと決起し、清に事大する政府の悪漢どもをやっつけ、独立革命を敢行したことがあっ
たが、1000人以上の清兵のために敗北した。あの時ウリの兄泳教は最後まで国王そばを離れな
かったために終に支那党に処刑されたニダ。忠義の臣下は殺され、おべんちゃらを言ってへつら
う者がのさばっているのがウリの国ニダよ」
李駿弼 「・・・・ニダ」
朴泳孝 「あの時、国王殿下も独立の意思を示され、ウリたちを信任され、ほれ、このように
信任状を下さったニダ」

朴はそういうと、懐から国王の印である玉璽が押された白紙を取り出して見せた。
237マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:42:27 ID:83t1jUpA
(続き)
李駿弼 「こ、これは玉璽!」
朴泳孝 「ニダ。これは当時、ウリと金玉均、それと護衛兵を率いて来た日本公使の竹添氏に
も殿下自ら押されて下されたものニダ。信任の証ニダ。あの時、日本公使は120人の兵士を率い
て国王を護衛したニダよ」
李駿弼 「そうだったニカ」
朴泳孝 「まあ、今は京城には多くの日本兵がいることだし、今度は300人ほど引き連れて王
宮に入ることも出来るニダ」
李駿弼 「兵を連れて!」
朴泳孝 「貴殿は今夜ひっそり国王の寝殿に行って国王に拝謁し、この玉璽を見せてウリが言っ
たことを奏上されたらよいニダ」
李駿弼 「こ、これを持っていって!」
朴泳孝 「忘れてはおられないはずニダ。あの時に独立の御心を表されて泳孝をご信任なられ
たはず。今度は300人ほど兵を引き連れて行きましょうかと」

李駿弼はその夜、王宮最奥部にある国王寝殿に行き、そのとおりに実行した。
夜中と言っても国王は必ず起きていた。明治15年の大院君の乱以来、国王は夜を恐れて寝につ
かず、寝るのは朝になってからだったのである。また王妃も国王側室で王子義和宮を生んだ張
嬪を暗殺してより、闇を恐れてやはり夜は眠られず、しょっちゅう宴会を開いては朝まで起き
ていた。

しかし李駿弼の話を国王が聴き入れるはずもない。このことは、ひそかに聞いていた大院君派
の内官から大院君の耳に入った。

大院君 「なにーニカ?! けしからん不逞のやつニダ。李駿弼を捕らえて首をねじ切るニダよ!」
238マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/12/20(日) 17:44:40 ID:CvD57SgC
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
239マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:48:06 ID:83t1jUpA
(続き)
すぐに部下の旧警吏に命じた。やがて李駿弼はあっけなく殺された。

杉村濬書記官 「朴君! 君の言動は周囲に害を及ぼしすぎぞ! もっと慎みたまえっ!」
朴泳孝 「杉村さん。ウリは何のためにこの10年間を過ごしてきたと思われるニカ! 米国で学
び、日本で学び、チャンスを待ちに待って再起をはかって来たニダ。我が国のために今立たね
ばいつ立てようか!」
杉村 「だからそれは分っておる! 今少し待ちたまえ。物事には手順というものがあろうが。
君ら朝鮮人は極端から極端に走りすぎる。君が内政改革に必要な人物であることは日本政府も
認めていることじゃ。必ず周旋があろう。それを待たれよ。だいいち、赦免の取り計らいをし
てくれた大院君と仲たがいするなんぞ、義にもとる行いぞ」
朴泳孝 「あれは孫の李呵Oがウリを脅したのが悪いニダ。王太子の地位を狙ってウリを味方
につけようとしたからニダ。無知のかたまりのようなあんなガキの味方になるなんぞ御免こう
むるニダ」
杉村 「だから断るにも、ものの言いようがあるでしょうが。いま大院君を怒らせて何の利益
があるというのか」
朴泳孝 「言葉が厳しいのはウリの性格ニダ」
杉村 「はあー。君がこの国に必要欠くべからざる人物だから言うのにねえ。今まで10年も待
ったのだから、いま少しぐらい待てないことはなかろう」
朴泳孝 「・・・・・分ったニダ。当分おとなしくしておくニダ」

しかし今度は日本人に向かって、内政改革が進まないのは公使館が改革に消極的だからだと説
いてまわった。朴泳孝を支援し、また期待する日本人は少なくない。いよいよ大鳥公使の更迭
を求める声は大きくなった。
240マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:50:18 ID:83t1jUpA
(続き)
そんな中、平壌戦で日本軍は大勝利し、また黄海海戦においても、清軍艦4隻を沈めるなどして
勝利したが、黄海海戦の方は、上海西洋新聞記事に載った清軍艦同乗の西洋人の話から簡単に。

「清艦隊が勇を鼓して奮闘したのはもちろんだが、交戦中、終始戦術の妙をつくす日本艦隊に
は到底くらべられるものではなかった。また轟然たる爆裂の音は耳をつらぬき、炎々たる火焔
は柱状となって高く天空に昇り、我々にはほとんど何が起きているのかが判断できないありさ
まだった」
「日本艦隊が、操舵に困難な艦を僚艦で救援して戦外に避けさせた方法は実に巧妙を極めた。
しかし清艦隊は日本艦隊に接近することすら出来なかった」
「清艦隊は外国人の言行に励まされていたが、その勇気は一死を顧みずというまでには至らな
かった。砲手はすでに砲長を失って出鱈目に発射し、将校は運用術がへたなために、自ら艦の
運命を敵に制させることになった。一方、日本艦においては、発射は精確でほとんど命中しな
いものがなかった」
「定遠は火災にかかり一時大きく炎上し、ようやく消火して敵の砲弾射程外に逃げた。旗艦鎮
遠に乗り組んだ丁提督とハンネッケン少佐は負傷した。その他、将校水兵の大半は戦闘中に死
傷した。外国人で戦死した者は2名、負傷した者も数名あった。また、2隻の巡洋艦も火災にか
かった。致遠は砲弾のためにあえなく沈没した。来遠、超勇もこれと運命を同じくした。揚威
は、艦の沈没を防ぐために浅瀬に乗り揚げた。全乗員がこれで逃れたが、火災にかかっていた
のでやむを得ない処置であったと言うべきである」
「午後6時に近い頃、砲撃の声は一艦より一艦と次第に静まったが、これは双方が弾薬を消費
しつくしたためであろう。そして日没に至って砲声は全く止み、日清両艦は互に離れた」

しかしかえって、日本滞在の外国人ほど悔しさいっぱいで記事を書く者もいた。
241マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:52:49 ID:83t1jUpA
(続き)
「鎮遠には浪速に深い恨みを持つあのハンネッケン少佐が乗り込んでいた。少佐は必ず浪速に
対して秘術を尽して砲撃したはずである。これから見ても、浪速が沈没などの何らかの損害を
受けてないはずはない」

願望を記事にしてどうするw  浪速は戦死者0、負傷者0、なのであった。

日本軍の連戦連勝に日本人は歓喜沸騰し、明治天皇は「黄海の大捷」と題する歌を作られるに
至った。
またこの事は西洋人を驚かせ且つ複雑な思いに駆らせるものでもあった。まるで賞賛と嫉妬の
入り混じったかのような。
もっとも、イギリス船籍の高陞号撃沈事件ではごうごうたる日本非難記事を書いていた英国紙
は、いっせいに日本を賞賛する記事を書き綴った。

タイムズ紙 「日本の努力は実に戦勝の報酬を得た。将来において日本国は東洋に雄飛する一
大活力となるのを認めざるを得ない。日本国の利益はすなわち大部分において英国人の利益と
なり、また遠からず接近の関係を生じるだろうから、英国人は島国人民と蔑視することなく、
かえって深交を求めねばならない」

いや、あんたんとこも島国なんだがW

パルマガゼット紙 「英国は日本に教えた。今や日本は再び英国に対して報いるに、指導者と
してつとめねばならない」

デイリーテレグラフ紙 「やがて平和を結ぶことを勧告し、清国において充分に平和の条件が
整い終わるまで、日本は台湾を占領するべきである」
242マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 17:55:32 ID:83t1jUpA
(続き)
台湾のことは、日清戦争のどさくさに紛れてフランスが占領しようと狙っていたが、それを知っ
たドイツが、先に台湾と清国膠州湾の併合を検討する中、やがてロシアが干渉問題を発案したこ
とにより、これに参加。そして三国干渉に発展していく。
このことは、後に(大正時代)なってドイツ外交文書の公開によって明らかとなった。
(つづく)

>>238
いつもご支援感謝。
243マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/12/20(日) 17:56:10 ID:CvD57SgC
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +  そういや、今夜あるんだっけ・・
 と__)__) +
244マンセー名無しさん:2009/12/20(日) 18:03:20 ID:83t1jUpA
>>243
ええ、ゆっくり観たいので早めにあげておきました。
245マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/12/20(日) 18:11:22 ID:CvD57SgC
>>244
 ●-、
r´ - ●
 ` =='\  私は、早めのお風呂を済ませましたw
  |    ヽ
  UUてノ
246銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2009/12/20(日) 18:22:37 ID:g4H7lDni
乙です。今夜は寝かせないぞw
247マンセー名無しさん:2009/12/26(土) 01:35:04 ID:WDCrzmly
保守
248マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:45:08 ID:h+FCj2J2
併合前の日朝(続き)

さて、大院君が東学党に工作した証拠をはじめに見つけたのは警務庁だった。トップは李允用。
後に閔妃の手先となる人であるが、この頃からそうだったのかは不明。警務使李允用は大院君
が清将に内通していた事実もつかんでいた。
9月25日、安駉壽が日本公使館を訪れ、それらの情報を杉村書記官に話した。
むつかしい問題である。それに対してすぐに公使館がどうこう大院君に言うわけにもいかな
い。
さらに李允用は、東学党工作に直接動いた者達を捕縛して一大疑獄事件を起そうとした。おそ
らくは王妃の秘密裏の反撃だったのかもしれない。しかしそれを事前に知った大院君は激怒。
李允用を排除せんとチャンスを待った。

9月28日、大院君が王宮から外出する際、門の警吏が挙手して敬礼をした。大院君はそれをギ
ロリと睨み、やがて王宮に戻ると、軍国機務所に命じて言った。

大院君 「警務使を罷免するニダ。京城門外に出せ。追って処置をするニダ」
軍国機務所員 「あ、あのー、な、なにかございましたニカ?」
大院君 「ウリが王門を出る際に、警吏がウリに礼もせずに奇妙な動作をしおったニダ。無礼ニ
ダ。」
軍国機務所員 「・・・・・あ、そ、それは新式敬礼ではないかと思いますニダ」
大院君 「あ〜ん? 新式? そんなものは知らぬ。部下の無礼は警務使の無礼ニダ。李允用
とか言ったな警務使は。閉門申し付けるニダ!」

かくて警務使李允用は罷免されて京城門外に蟄居となった。このままでは確実に殺されるだろ
う。
自分達にも被害が及ぶかもしれないと、安駉壽と金嘉鎮が日本公使館に飛んできた。
249マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:47:41 ID:h+FCj2J2
(続き)
安 「ウ、ウリも仲間と思われているニダ。国大公さまから口封じされるニダ!」
金 「新式敬礼のことを言い出したのはウリニダ。日本の警察制度をまねただけニダ。けど軍国
機務所で正式に決定して国王殿下にも裁可されたニダ!」
杉村 「おそらく例の件をつかんだことを大院君に知られたんだろう。公使。このような暴挙
は止めねばなりません」
大鳥 「うーむ。では新式敬礼のことは大院君殿の手を経て裁可されていたんだな」
金 「確かにそうですニダ。国大公様もご存知だったはずニダ!」

警務庁は、改革の一環として腐敗した捕盗庁というものを廃止して新たな警察組織として立て
たものである。しかし守旧派の大院君はもとより新式など好むものではない。それに旧警吏の
組織は依然として大院君の支配下にあった。いつ暗躍するかも図り難い。

大鳥公使は杉村書記官に命じて王宮に行かせ、大院君と面会させた。
杉村は大院君に対し、国王裁可の可否の大任にある者が、いったん裁可されたものを認めない
のは不都合であると責め立て、ついに大院君はしぶしぶ李允用の閉門を解いて元に復した。
しかしこれ以降は、いよいよ政府の者は縮み上がり、大院君にもの申すのは、法務大臣代理の
金鶴羽という剛直者を除いていなくなった。

この金鶴羽という人物。権威の前に臆する人ばかりの中にあって、大院君の前に出てもいささ
かもたじろがず、正しくないものは正しくないと、頑として主張する人物であった。大院君も
内心煙たいことを言うと思いながらも、剛直なだけに気に入っていたのであるが、大院君が愛
する孫の李呵Oを事実上の内務大臣ポストにつけた時に、またも金鶴羽が、
250マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:49:45 ID:h+FCj2J2
(続き)
金鶴羽 「これまでのように地方官の進退の推薦や上奏などを、内務大臣に一任するのは弊害
があるニダ。やはり内閣会議の同意を経て、総理大臣からするべきニダ」
と、その権限の大きさに断固異議を唱えた。
地方官の進退を自由にできる地位とは、すなわち李呵Oがこれまでの絶対権力者である「勢道」
の地位につくも同じである。地方を握るとはすなわち朝鮮全土を握るも同然であった。

しかし満座の中に目の前でそういう意見を聞かされた李呵Oは、
李呵O 「ふん! そんならウリは辞任するニダ!」
と席をけって出て行った。

李呵O 「おじいさまー! 金鶴羽から皆の前で恥をかかされましたニダー!」
大院君 「よしよし。そうニカ?! う〜ん」

これで大院君はついに金鶴羽にどす黒い感情を抱くようになった。なにせこの孫だけを溺愛し
ていたのが大院君であったから。
そこで大院君は腹心の部下に相談したが、部下は、今の軍国機務所そのものが大院君の力を削
いでいるとして、こちらの方をどうかせねばならないと進言した。

大院君 「ニカ? では上疏をさせるニダよ。よしよし文はわしが書いてやるニダ。で、誰かに
これを上疏させるニダ」

上疏とは直訴のようなものであった。一身を賭して政府や政府の者を弾劾する文を読み上げ、
国王に直訴する唯一の手段である。
上疏で指弾された者は、身は大臣であっても一応は辞任状を提出して京城門外に蟄居し、国王
の沙汰を待つというのが慣例であった。一方、上疏した者は、世を騒がせた罪で杖たたき百回
という刑を受けた。ほそい笞ではなく杖である。つまりは死も覚悟せねばならないものであっ
た。
251マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2009/12/27(日) 23:50:22 ID:JbRmrUvy
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
252マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:53:49 ID:h+FCj2J2
(続き)
大院君の部下が見つけてきた者は、守門将の金基泓という者であった。
部下 「いいニカ。これを読んで上疏におよぶニダ。礼金はこの通りニダ。これで借金を払って家
族を助けるニダよ」
金 「に、ニダ。・・・・け、けど、ウ、ウリは漢文が読めないニダけど・・・」
部下 「はあ?・・・おまえも両班のはしくれではないニカ?」
金 「に、ニダ(汗)」

両班皆が漢文をすらすらと読み書きできるものではなかったことはすでに述べたとおり。

部下 「まあ、しかたないニダ。頭のところだけでも覚えるニダよ。いいか。甲申の年(明治1
7年)には四兇(朴泳孝、金玉均らのこと)現わる。今年また八奸(金宏集、金允植、朴定揚、
金宗漢、安駉壽、金嘉鎮、趙羲淵ら軍国機務所の開化派要人)あり。朴泳孝らと符同
し、ひそかに倭と結び、事変を作為す。実に痛憤に堪えないことである。これらの売国のやか
らどもを速やかに誅殺せねば、国家千年の患いをのこさん!とな」
金 「甲申の年には四兇現わる。今年また八奸・・・・ブツブツ」
部下 「後はその書を差し出せばよいニダ」
金 「に、ニダ!」

金基泓が上疏におよぶと、金宏集ら8人はいっせいに京城門外にでて蟄居し、国王の沙汰を待っ
た。
すぐさま大院君は国王に彼らの解任を勧めた。しかしこの時ばかりは国王は肯かなかった。王
妃が強く止めたと思われる。

国王 「この国政多事の時ニダ。蟄居などしてはならんニダよ。すぐに復職させねばならんニダ」
253マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:55:59 ID:h+FCj2J2
(続き)
国王は、8人の者に罪のないことを懇々と説いた留任勧告の布告文を出して慰留に務めた。
8人が復職したのは3日後だった。
一方、上疏した金基泓は法務局に送られて厳重処分が命じられたが、調べるとろくに文字も読
めない人間と分ったので、ただの使い走りと見なされ、杖たたき刑を免じて身分を庶人とする
だけで落着した。

ところで、この頃、もう1人の者が上疏に及んだと記録されている。壮衛正領官という軍幹部
の禹範善である。
禹範善は、後に王妃殺害事件となった王城事変の時に、大院君を擁して訓練隊を率いて王宮に
討ち入った訓練隊大隊長となる人である。
上疏の内容は、軍国機務所は無用のものであるとするものであったが、内容的に朴泳孝の主張
に似ており、おそらくこの頃から、過激な改革派である朴派の人間であったと思われる。なお
上疏の結果、彼がどのような処分を受けたのかは分らない。いずれにせよ、後に朴泳孝から取
り立てられて大隊長に任ぜられたのだろう。

さて、明治27年10月25日、井上馨は、特命全権公使として仁川に到着した。10日の日に大鳥公
使は解任となった。
事前にそのことを知らされていた朝鮮政府は、最大限の配慮をしてこれを迎えた。政府からは
外務協弁金嘉鎮が仁川で井上を迎えた。

井上は儀礼的なあいさつもそこそこに、すぐに内政改革の話を金嘉鎮にした。

金 「このたび貴政府には我国のためを思われ、特に我が国の事情に明るい閣下を駐箚公使と
して派遣されたと聞いて、我が政府はせつに閣下の来着を待ちましたニダ。なにとぞ今後は何
事も閣下を頼りたいニダ」
254マンセー名無しさん:2009/12/27(日) 23:58:05 ID:h+FCj2J2
(続き)
井上 「貴殿は久しく我が国におられたことがあったから、我が国の事情もよく知っておられ
よう。実に今日は日清開戦中であって国事多端のおりである。拙者も内務大臣として国政に片
時も暇のない身である。それを我が天皇陛下の命によってここに来たのは、そもそも、日清が
交戦に至った原因は貴国の内政にある。この内政改革がなされないなら、我が国が数万の兵を
出して血を流し、幾千万円の罪を費やしても、全く水泡に帰すだろう。改革は頗る困難の大業
である。王家一致、当局者同心協力、一意一心をもって当らねばならない。なお拙者はどの党
どの派はと肩入れすることはない」

金 「今日の我が国の事実は嘆息にたえないことニダ。改革に奔走する者もいるニダが、口には
開明主義を説くも、内に入っては必ずしもそうではないニダ。ほとんど絶望の淵に沈もうとし
ているニダ。しかし幸いにも閣下が来られたニダ。我々も国家のために一層奮発するニダ」

井上 「貴国には、もはや今日のような好機会は二度と来ないだろう。いたずらに猜疑、離間、
党争、復讐などに日を送り、改革の実行を見ることが出来ないなら、貴国の前途は、察するに
艱難辛苦の歩みを極めることになろう。拙者がどれほど力を尽しても、到底望みはないと判断
すれば、我が天皇陛下の御思し召しにそむくのも致し方ない。進退を決するだろう」

金 「まことに貴意のとおりですニダ。この時機を失うなら再び我が国のことは望むべくもな
いことになるニダ。何分にも閣下を頼んで改革の実効をあげたいニダ」

「改革は頗る困難の大業である」と。
明治維新を断行して新国家体制の構築に取り組んできた元勲の一人たる井上馨のこの重すぎる
言葉が、果たしてこの国の誰に通じたであろうか。
日本と朝鮮では、あらゆる面において余りにも国柄人柄が違い過ぎた。
(つづく)
>>251 いつもご支援感謝
255マンセー名無しさん:2009/12/28(月) 00:21:16 ID:AyW1Opl4
>>254
おっと「幾千万円の罪」は「幾千万円の財」でした。
256マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:31:41 ID:w4xZfT9i
皆さんあけおめです。おもしろおかしくコントのように始まった「併合前の日朝」も、途中か
らは、だらだらとした文章で続けております。今年もぼちぼち書きますのでよろしく〜。

併合前の日朝(続き)
日清戦争について語る人は少なくないが、この時の朝鮮内政改革について解説するものを殆ど
みない。今日の韓国に至っては、この時、内政改革に取り組んだ金宏集内閣を、日本の傀儡政
権という一言で片付けてしまって、きちんと評価することはない。
しかしちょっと待って欲しい。「傀儡」とは「人の手先になってその意のままに動く者」とい
う意味であるが、そもそも当時の朝鮮人が、日本人の手先になってその意のままに動く人々で
あったろうか。そのようなメンタリティーの者たちであったろうか。
筆者、資料を読む限り、当時の朝鮮人とは、実に頑固で融通が利かず約束は守らず、その上怠
慢であり、且つ人と仲違いばかりするという印象しかない。とてもとても日本の傀儡となるほ
ど気が利くような人々ではないのである(笑)

日本政府はこの内政改革でも成果を上げるべく、この戦時の重大時にわざわざ政府の重鎮たる
井上馨を派遣し、本格的に内政改革に取り組ませた。そして朝鮮政府内でも、井上の助言を受
けて、真剣に改革に取り組んだ人々もいた。もしもこの改革が、朝鮮で有効的に実行されて継
続していたなら、後々の日韓併合もなかったかもしれない。それほど重大な意味を持っている。

様々に取り組まねばならない改革事項の中で、井上がまず手をつけたのは、朝鮮の権力構造で
あった。
257マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:33:15 ID:w4xZfT9i
(続き)
朝鮮は形としては絶対君主制の国であったが、しかしその内情というものは、国王の采配のみ
ならず、大院君などの王家の者が力を揮い、また王妃閔氏ら外戚らが口出しをしては気ままに
政治を左右にするという構造となっていた。また、政府も各党派が勝手に政治を行い、たとえ
ば、清国に事大する党は、国家として清国から借金をしながら自分達だけでそれを占有すると
いう有様であった。かつて金玉均が日本政府に外債を申し込んだのも、朝鮮政府としてという
よりは、日本党が占有する資金を求めたに過ぎなかったと思われる。
このような多岐にわたる権力構造が、内政の混乱と腐敗を招き、外交に於いても一貫性のない
小児の外交と評される事態を招いていた。

これを改めて内閣政府に権力を集中せさ、政府合議と国王の裁可による立法と行政、また司法
も独立させること。これが井上の最初の取り組みであった。
それには、国王・王妃・王家・政府が協同一致して改革に取り組まねばならないことである。
もし一致できない場合は、すなわち大院君の口を封じ、王妃の政治への口出しを禁じ、人事に
関する国王の専断を止めさせねばならない。
ようするに井上としては、朝鮮を立憲君主制の方向にむかわせることを考慮していたと思われ
る。
もっとも後に国王は、権力が思い通りにならなくなったことから、ついに政府の者に向って、
「おまえ達で勝手に共和制でもやればよい!」と腹を立てる一幕もあったがw

さて、10月27日に京城公使館に着いた井上行使に、早々に面会を求めたのは大院君孫李呵Oで
あった。おそらく、大院君が井上の人となりを探らせるために遣ったのだろう。
258マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:35:56 ID:w4xZfT9i
(続き)
井上は金嘉鎮に語ったと同様のことを述べ、次に、

井上公使 「貴国の人は口にこそ改革々々と言うが、実際は私党をたてて互いに争う者があり
、また自家の利欲に汲々とする者があり、或いは権力の争奪に忙しい有様だお。このような状
態のまま国政改革の実効をあげないなら、もう二度と再び時機を得られず、貴国の前途は終に
再び収拾できないことに至るかもしれないお」

李呵O 「(汗)そ、そうニカ?」

井上公使 「東洋の世界ははまさに多事多難だお。貴国の当局者たる者は眼を大きく見開いて、
世界の形勢に注目し、この多事の際に当って同心協力し、速やかに国運の挽回に努めないなら、
実に後悔してもしたりないほどの嘆きとなるお。貴下に多く望まねばならない理由は、貴下の
一門は王室の尊族であって、世間も重きを置いている前途多望の紳士だからだお。誠意をもっ
て奮発して国家の事に尽力されたいお」

李呵O「ウ、ウリはかつて一歩も国外に踏み出したことがないニダ。それで、もとより識見に
乏しく東洋の形勢すら多くはよく知らないニダ。今日、閣下の懇篤な教えを得て大いに開ける
ところがあったニダ。今少し早く目を開いて進歩的改革に努めていたら、ウリの国もこうまで
憐れなる境遇には沈まなかったろうニダよ。思うに汗顔の外はないニダ。貴国の御厚意と閣下の
有益なる勧告には謝する辞もないニダ」
259マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:41:43 ID:w4xZfT9i
(続き)
次いで午後、金允植外務大臣が訪問して対談。
井上は、朝鮮が置かれている状況を再び語り、国王との謁見に付ても求めることがあった。

井上公使 「儀式的な謁見に限らず、必要ある時は特に内謁見を賜ることを願いたいお」

金大臣「承知したニダ。すでに大鳥公使の時に内謁見は許されているニダ。また我が内閣の会議
にも出られて有益の助言を与えられたいニダ」

公使 「喜んで列して各大臣の意見を聞き、また鄙見をも述べたい」

金大臣「我が国には独立主義に2派があるニダ。ひとつは開明主義であり、強固なる独立国を
作って国の権利を他から侵害されないようにするもの、またひとつは守旧主義であり、旧規を
よく守って、これによって独立を求めるにあるニダ」

井上公使 「本使は貴政府に対して、全て欧米式の開明主義を求めるものではないお。国には
洋の東西あってそれぞれに風俗習慣も違って適否があるものである。しかし国政に利があると
するなら、これを取り入れる事を望むべきだお。貴国の因襲制度習慣は貴国の政府政治に腐敗
を来たしたではないか。それを旧規にこだわって国政を維持できると思うようなら、今の危機
を救うことは出来ないお。かくて貴国の前途を知ることになろう」

金大臣 「ウリの国も独立しようとしていろいろと取り組んでいるニダが・・・・」
260マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:45:07 ID:F8YdQvfB
紫煙
261マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:46:55 ID:w4xZfT9i
(続き)
井上公使 「しかし、わずかに一部の東学匪徒の乱すら鎮定できずに他国に力を借りたではな
いか。貴国の姿を見れば、あたかも重病人であって内患すでに重く、その上さらに外患が加わ
る日がないとはいえない。家中が火事であって、その上に強盗が外から迫っているようなもの
だお。軍国機務所の議事はよく進行しているが、ただ議論多弁であって、この3ヶ月間になん
の実行もなかった。まあ、ほとんど文具のようなものだお。いかに議論が有益であっても、そ
の法案が高尚なものであっても、実行されないなら、むしろ軍国機務所などない方がましであ
る。今後は無責任の言行を止めて協同一致して国事に当り、互いが猜疑して私怨にこだわり或
いは分断策を行うような、あたかも婦女の痴話にもひとしい振る舞いのないように願いたいお」

井上の言葉は、厳しいが常に真実の事を歯に衣着せずに語るものであった。

金大臣「誠に公使の言のように重病人ニダ。改革を実行したくても、いかんせん財力が欠乏し
ているニダ。これまでの議案中にも民生に有益なものがないではないが、目下、慶尚道、全羅
道、忠清道は東学徒の乱により、平安道、黄海道は日清交戦により通路を妨げられ、改革を民
心に訴える機会がないニダ」

この頃、東学党は再び各地で乱を起し始めていた。その主なるものは、大院君の扇動に答える
形で始まっている。この後、朝鮮政府は乱の鎮圧を日本に依頼した。

井上公使 「財政困難から改革実行でき難いとは、それはそうであろうが、他にもいろいろと
原因があろう。いかに財力があっても用途が間違っているなら何の益にもならないどころか、
却って弊害を来たすこともあるお」
262マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:49:08 ID:F8YdQvfB
紫煙
263マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:49:18 ID:w4xZfT9i
(続き)
杉村書記官「直接に日本で顧問官を雇おうとしていた件と、外債募集もしようとしていた件は、
もう停止されたか」

金大臣「日本政府の助言を受けて直に停止したニダ」

公使 「そもそも顧問官のことは、この際には注意を要するお。日本の民間人で朝鮮顧問官と
なるのを渇望する者は多いが、その選択は最も注意しなければならない。必ず本使の手を経る
ことを要するお。そうでないなら我が政府はこれに応じないとの条件をここに付す。また外債
のことも充分将来の見込みをつけた上で着手することであって、追って篤と御協議するところ
があるだろう」

金大臣「我が国は顧問官として西洋人を雇って10年以上になるが、何の利益も我が国に与えて
いないニダ。習慣が異なるからからだろうか、その利点を知らないニダ。しかし今や貴国から適
当なる顧問官を雇うことができれば、必ず我が国のために大なる益を得ると思うニダ。追って
御相談の上、最も適当な顧問官の推薦にあずかるなら国家のために幸福ニダ」

公使 「顧問官に多額の給料を与えながら何らの効果を見ないのは、人に応じた仕事を与えな
いからである。雇われる者の罪ではなく雇った者の罪である。貴政府において顧問官を雇うこ
とは最も急務であろう。しかしその人に応じた職務とその権限を与えないなら無用の長物とな
ろう。充分思慮をつくして実効ある働きをさせることが肝要である」
264マンセー名無しさん:2010/01/03(日) 19:51:30 ID:w4xZfT9i
(続き)
と、最後まで厳しい助言であった。
だがすでに述べたように、後に日本政府は優秀な官僚などを顧問官として朝鮮政府に派遣するこ
とになるが、その給料は日本政府がすべて給与した。
ちなみに、別の件で有名な人となった石塚英蔵日本法制局参事官とその他日本顧問官の協力に
よって、朝鮮法律第一号である裁判所構成法が成立したのは、明治28年4月19日であった。
(つづく)

>>260,262
いつもご支援感謝です。
265Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/01/04(月) 11:15:49 ID:8pRPAw6G
あけましておめでとうございます。 
かような労作をアップされ、大変お疲れ様です。
今年も楽しみにしております。

>>256
「カイライとなる能力すらない者たち」とは、きつい評価ですなあ。
しかし言われてみれば、そうかも知れません。

虚栄心や欲だけが彼らを動かす原動力で、その欲ですら、先を見通せない
近視眼の目先の欲で浅薄な策を立て、失敗ばかりしている。

私利私欲ばかりで思想や信念というものがないから、状況次第では平気で
前言をひるがえす。 だから朝鮮人を信じた者は、後で必ず馬鹿を見る。

彼らに利益を与えてカイライにしたつもりが、あっさり裏切られて後悔する
のはいつものこと。 油断をするとすぐに主人に噛み付く。

ハーグ事件の高宗しかり、中ソを手玉に取った金日成しかり、アメリカを
困らせた李承晩しかり、日米韓反共同盟を破壊した盧武弦しかり。

今では日本の政権がそうなってしまったのは、何とも皮肉です。 小沢さんは、
金正日や盧武弦のやり方を見て、「これだ!」と真似したのでしょうか?
民主党に投票した日本人も、朝鮮人化しているのは間違いないようです。
orz
266マンセー名無しさん:2010/01/08(金) 09:26:16 ID:mKH/zXYK
>>265
うはっ 納得w
267マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/01/16(土) 22:41:52 ID:JIFcx7Mo
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   保守
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
268マンセー名無しさん:2010/01/16(土) 22:59:10 ID:Y7pazFGK
保守
269マンセー名無しさん:2010/01/18(月) 23:50:09 ID:coIiGlYo
併合前の日朝(続き)

さて、井上公使の国王への謁見は28日と決まった。
で、井上が仁川に着いた時に米国新聞記者が、王妃は朝鮮政治に強い影響力を持っている、と
告げたことがあった。

井上公使 「王妃の人となりを知る人に誰かいようか」
杉村書記官 「米国公使館書記官のアルレンス氏はどうでしょうか。彼は医者として国王や王
妃に時々接していると聞きます」
井上公使 「ふむ。よし」

井上は腹心の斎藤修一郎秘書官を米国公館に訪問させた。

斎藤 「今、朝鮮で主流となる勢力を代表するものは何でしょうかねえ」
アルレンス 「まあ国王、王妃、大院君、そして朴泳孝でしょー。中でも国王と王妃は一心同
体と言ってもいいでーす。王妃は意志が強く聡明な人ですねー。王妃と大院君の間でこれまで
の怨みを捨て、一致協力して国家のためをはかるなら、実に朝鮮は改革が進むことになりまし
ょー」
斎藤 「両者が協力するとしても、どちらかが主とならねばなるまいが」
アルレンス 「大院君はすでに75才ですし、その上この老人は信頼できないですねー。ご承知
のように清国や日本を愚弄する人でーす。それに対して王妃は、言ってみれば国王も同然でー
す。どうして大院君にあごで使われる人でしょうか」
斎藤 「分りました。ここらへんは最も注意せねばならんということですなあ」
アルレンス 「国王王妃から親しく色々と話を聞いて分ったのですが、ご存知のように王妃す
なわち閔氏は清国の血筋の人でーす。しかし1882(明治15年)以降は清国を排斥する主義とな
りました」
270マンセー名無しさん:2010/01/18(月) 23:52:33 ID:coIiGlYo
(続き)
斎藤 「それは始めて聞いた。どうして排清主義となったのでしょうか」
アルレンス 「清は大院君を軟禁しましたが、その後、大いに朝鮮に干渉しました。王妃はか
えって独立心がある人です。朝鮮を愛していまーす。それで衝突して、ついに清国は、王妃は
手に合わない人であるしとて、大院君を朝鮮に帰して王妃の押さえとしましたー。それからは
いよいよ干渉を増して、それで王妃は全く清国を排斥する心となったのでーす」
斎藤 「よく分りました。では、井上伯爵が国王王妃に対して、日本には野心がないこと、ま
た日本を頼むべきこと、そして王位は安泰であると信じさせれば、朝鮮の者はすべて協同一致
して改革の実をあげることになるという意味でしょうか」
アルレンス 「その通り。君の言葉は自分が思っているとの同じでーす」
斎藤 「日本が朝鮮に対するに、この数十年間の平和主義は君もよく知るところでしょう。我
が国は東洋の安定を望むがゆえに、朝鮮国の確固たる独立の基礎を立てること以外に何も願い
はないと信じます。我が皇帝は井上伯を派遣した。井上伯は公明正大、国王であっても、はば
かることなく、善は善、悪は悪と言う人です。また演壇に立って弁ずる器ではないが、互に膝
を交えて対話するなら、その誠意を人の心に深く感じさせる特質をもつ人です」
アルレンス 「日本皇帝がそのような人物を派遣されたのなら、この国にとってまことに幸い
でーす。もし井上伯が王妃と対話される機会を得るなら、結果は重大となりましょー。なぜな
ら王妃はそのような人物を認める知能を備えているからでーす」

この時、米国公使シルがアルレンスに言った。
シル 「何とかして井上伯爵に王妃謁見のチャンスを得させることは出来ないものか」
アルレンス 「うーん。確かではないですが、出来ないことはないと思います」
斎藤 「貴殿は国王のみならず、王妃の健康も診察すると聞いているが」
アルレンス 「王妃の診察は一度したきりで、それ以来お断りしました」
斎藤 「ほう、なぜ?」
271銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/18(月) 23:52:34 ID:9MSAyBON
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
272マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:00:34 ID:Q/wSN0rg
(続き)
アルレンス 「診察といっても、御簾の内から舌を出したのを診察するのですから、これでは
誤診するのは免れないと思って止めました」
斎藤 「ハハハハ、確かにそれでは診察しようがない」
アルレンス 「王妃の話は常に御簾の内からであって、直接面談したのは一度だけでーす」

斎藤が礼を言って去る際にシル公使とアルレンスは共に言った。
「日本政府の精神が、貴殿の言うように誠実なものであるなら、我が公使館は全力を上げて支
援するものでーす」

いろいろと興味深い話であった。
それにしても、通説では閔妃は驪興閔氏の人であって、その本貫である出身の地は京畿道南東
部の驪州とされているはずなんだが。
もしアルレンスが言うように清人の血筋というのが本当なら、ちょっとおもしろい。実は清国
政府が国王にあてがった者だったりしてw
それに1882年以降、閔妃が独立志向で清国を排斥する考えとなったとするなら、明治17年の朴
金の乱(甲申事変)のことも何となく合点がいくかも。当時国王も朴金の行動に同調していた
ようだし、そのように国王を操ったのは当然こと閔妃だろうしw

で、日本公使館に戻った斎藤はこれを井上に報告。

斎藤 「とまあ、そういうことでした」
井上 「ふーむ。国王の人柄なら大体は知っちょるつもりじゃが・・・・いずれ王妃との謁見
のことも考えねばならんな」
斎藤 「まあ、御簾の内ですから国王謁見の際の会話は聞えていましょうが」
井上 「ふむ。よく聞えるように大きな声で話さにゃならんのw」
273銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:01:00 ID:8Op4mB/b
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
274マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:04:29 ID:Q/wSN0rg
(続き)
28日午後3時。井上は王宮にて国王と謁見した。

井上 「井上馨は国務大臣の一人であって、身は一時も国を離れてはならない地位であるが、
特命全権公使として貴国王城下に駐在することになった。我が皇帝陛下の聖意は貴国の悪弊を
排除して独立の実を強固とすることに他ならない。そもそも今日に日清間で戦争することに至っ
た主な原因は・・・・」

井上はここで明治となってからの日朝間のトラブルの経緯を長々と語り始めた。すなわち、江
華島事件を機に朝鮮国を自主独立国と認定して条約を結んだこと。明治15年の事変には不意の
攻撃を受けたが平和的に解決したこと。また、このことを機に朝鮮政府の望みに応じて明治17
年には多少は貴国の独立を補助しようとしたが、朝鮮は猜疑を起こして清国に依頼し、それに
よって日清両兵の戦闘となったこと。また天津談判では朝鮮が後の害を受けるのを防止するこ
とに努めたことなどなど。

井上 「その後のことも含めて過去を顧みれば、わが国は貴国に対して、怨みに報ゆるに徳を
もってしたのは、それぞれの事跡をよく考えられれば明瞭であろう。一方、清国はそうではな
く、貴国を属邦であると主張し、日朝間に事件の生じるたびに内政に干渉する度合いを強め、
ために両国人民の通商にも害をきたすなどした。また東洋の問題として不安定となり、衣装に
例えれば、とりつくろった衣がさらに破れているのを何とかほころびを縫っているようなもの
である。ここは新しい衣に着替えるか、または大裁断して補修するしかないと、つまりは貴国
の自主独立の妨害となっている原因を除去せざるを得ないのである」

その後、世界列強国とアジア情勢の動きから清国のダメぶりを説明。話は、大鳥公使との交代
を告げる国書奉呈の儀式に留まらず延々と続いた。
275銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:04:50 ID:8Op4mB/b
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
276マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:07:21 ID:Q/wSN0rg
(続き)
井上 「よって、貴国の内政に改良を加えて独立の実を挙げるには、その基礎を強固なものと
せねばならないのであって、その第一には、王室が強固であることが必要なのである」

ここで国王が身を乗り出してうなずいた。

国王 「そうである、そうである。王室を強固にすることにあるニダ」

井上 「王室の強固とはどういうことかと言えば、すなわち大君主はじめ中宮や世子の御三人
と、大院君との間が親密とならねばならないということである。お互いの間にいろいろと疑念
を抱かれて、不相応な他の者を招き入れるようでは、王室が強固となることはない。聞けば陛
下と大院君の間は長い間ご疎遠と聞くが」

宮内大臣 「世間に言うほどでもないことニダ」

井上 「また、中宮陛下との御間においても、いとうべき風説すらある」

宮内大臣 「(汗)」

井上 「これらは王室の安寧にとってすこぶる痛嘆せねばならないことである。けっしてこの
ようなことがあってはならない。両陛下ご夫婦の間柄、また大院君との御父子の間柄、これは
人倫の上においても、最も御親密でなければならないものである。また世子宮は王位ご相続者
であって、すなわち後の大君主となられる方である。申すまでもなく、最も御親愛されねばな
らないのである。このようであってこそ、朝鮮国の国益と民の幸福は共に受けることになるの
である」

井上公使、正論過ぎw
277銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:08:25 ID:8Op4mB/b
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278マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:09:43 ID:Q/wSN0rg
(続き)
井上 「このようなことを申上げるのもどうかと思うが、とかく貴国の人の性情として、それ
ぞれが陰謀を企て、暗に自他を傷つけ、互の疑心から暗鬼を生じてせめぎあうものがあるよう
に思う。これでは貴国独立の実をあげるという陛下の中興の大業も望みはないであろう。以後
は皆が打ち解けて互いの疑念を一掃し、内政改革につくされることを望みたい。もしそれがな
らないなら、我が日本がどれほど兵を失い、血を流し、巨億の軍費を惜しまず費やしたとして
も、素志は水泡に帰すだろう。この馨はけっして誰彼に偏らず、貴政府内の党派何党を助けよ
うとか、排斥しようとかいう不公平の気持ちはない。ただただ国政改良の実をあげることに務
めるのみである」

国王 「貴国の多事の際に、卿が要職の身をもってウリの国に駐在されるとは、貴国皇帝陛下
の聖意の程がおしはかられることニダ。まことに感謝にたえないニダ。卿は貴国維新に当って国
事に力を尽され、国家の元勲としてその名はウリの国にも名高いことニダよ」

井上 「どうか大君主陛下におかれては、この馨を普通の公使とは見なされず、我が皇帝陛下
の特別の御親任によって派遣された者として、充分にご信用され、一人の顧問官として、いつ
でもお召しあって御下問あるなら、不肖ながら赤誠をささげてお答えいたしたい」

国王 「今日はまさにウリの国の創業の時も同然ニダ。この時に卿によってウリの国の改良を
得ることになるならどれほどの幸いニカ。この上は朕は卿の言葉を喜んで受け、今後は顧問官と
して引見したい。卿もまた朕の政府の大臣とよく交わって、隔意ない勧告と智恵を授けらるこ
とを望むニダ」

とまあ、井上馨は国王の顧問官を信任されたと。
で、ここで国王は椅子を出して井上に勧めた。それまで立ったままの長話。
279銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:11:55 ID:8Op4mB/b
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280マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:12:28 ID:Q/wSN0rg
(続き)
井上 「賢明なる陛下のお言葉に感銘しました。本使の言葉を了解されたと我が皇帝陛下にも
ご報告申上げたい。なお一言申上げたい。我が政府は明治9年以来、貴国に対しての主義は一
貫していて決して変えることはないことである。すなわち今日においてもやはり最初の目的は
引き続いている。つまりは我が政府は、貴国に対して無限の好意を表するものである。それゆ
え、貴国の不利益となる事柄はどこまでも正し、また貴国の利益となると思われる事柄は強い
てお勧めせざるを得ない」

「無限の好意」と。
日本政府が一貫して求めた朝鮮の独立と中立。また日朝修好条規の精神を、井上流に表現すれ
ばそのような言葉になろうかと。
その後、井上は朴泳孝が兵を率いて王宮に迫るとの風説にも触れ、決してそのような事には至
らせないので、安心されるようにと懇々と説いた。

国王 「卿の言うことは一つ一つが適切なものニダ。朕も大いに安堵したニダ」

井上 「今日、我が軍はすでに貴国の国境を越えて清国に入った。虎山で勝利し、九連城を占
領し、なおも進攻しつつある。しかし貴国の内政改良は3ヶ月たっても一つも実は上がってい
ないと聞く。幾多の法案もまるで文具のようなものとも」

国王 「朕も時々これを憂えて政府大臣に督促しているニダ。すみやかに実効をあげるように
命じおいたニダ」

井上 「東学党の匪徒は益々盛んと聞く。しかし東学党のある者の話を聞けば、地方官の苛斂
誅求に耐えられずに怒りの余りに乱に加わった者も少なくないと。これまた紀綱のゆるみがさ
せているものであって、国政の改良が急ぐことが、一日も早く良民を塗炭の苦しみから救う道
であると信じる」
281銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:14:33 ID:8Op4mB/b
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282マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:15:26 ID:Q/wSN0rg
(続き)
国王 「東学の匪徒は宗教をもってするものニダが、中には卿の言うように、地方官の失政が
原因となっているものが往々にしてあるニダ。これは朕の不明によるニダ。全く慙愧のことニダ
よ」

井上 「はからずしも今日は微衷を披瀝して長時間となり、聖聴をけがしました。恐懼にたえ
ません」

国王 「否々、朕は卿と会ってその言うことを聞くのは嬉しいことニダ」

謁見は2時間あまりに及び、井上が公使館に戻った時には、すでに午後6時を過ぎていた。

さて、この頃には東学党の乱は再び盛んとなっていたのだが、これ以前の平壌戦前の9月10日
頃、1人の日本人が出征中の弟を訪ねる途中、東学党の大幹部である全琫準と面会して
いる。
だいたい日本人は東学党に同情する者が多く、悪政にあえぐ人々がやむを得ず乱を起こしたの
であって、人民による維新の行いである、と見るものが少なくなかった。

面会したのは日本陸軍歩兵少佐渡辺鉄太郎という人。そのリポートによれば次のようなものだ
ったという。
全琫準はすでに渡辺少佐の知人数人と面会しており、まだ大院君の陰謀による再乱の指
示が届く以前の頃であった。全は喜んで渡辺を迎えた。
会話は筆談によった。
283銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:15:58 ID:8Op4mB/b
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284マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:18:14 ID:Q/wSN0rg
(続き)
渡辺 「かつて貴殿のことを友人から聞き、一度会うことを渇望していた。今回は京城から来
た。今、東洋の情勢を見るとき、朝鮮の置かれている立場は容易なものではない。貴国が富強
国となる方法を共に考えたい。貴殿の考えはどうか」

全琫準は地方で学問を教える知識人であった。農民ではない。

全 「ウリたちは、閔族が政府の要職にあって権力を乱用し、私腹を肥やすのを見て憤慨にた
えないことだったニダ。同志を集めてこれを斥けようとして政府に訴えたが、一切顧みられる
ことはなかったニダ。これは閔族どものために国王にウリたちの意見が通らないのだとみて、
ついに君側の奸臣を除くとの名義によって兵をあげたニダ。しかしそれによって終に日清間で
戦争となったのは、ウリたちが最も遺憾とするところニダ。しかし日本は幸いに高い義をもっ
て我が国の政府に勧告し、また我が国のために尽瘁せられることとなり、大いに閔族を斥けて
、大院君を起こし、悪弊を改革して法を正そうとしているニダ。ウリたちの望みも多くは違わ
ないニダ。しかし日本のすること、大院君のすること、政府の動向、いまだよく詳細を知らな
いニダ。先日から貴公の知人数人と会っていろいろと話を聞いたニダ。永年の悪夢も晴れたよう
な気持ちがしたニダ。また今日このように貴公の来訪を受けて大いに感激するニダ」

渡辺 「貴殿は忠義の士である。僕の実に感じるところである。ただ今日の朝鮮が衰弱に向っ
ているのを、まったく閔族のせいであると言われるのは理解できない。まさしく国が亡ぶの滅
びる日があるからではない。衰えるのは衰える日があるからではない。朝鮮の今日に至ったの
は、その数百年間に悪弊あっても、これを改めず、革新する者なく、守旧となって世界の情勢
を理解せず、ただ因習に従うのみで、ついにこの悲しむべき境遇に沈んだのである。閔族のす
ることは憎むべきことであるが、これは言ってみれば、糞の中の蛆虫のようなものである。貴
殿は、糞をそのままにしてただ蛆虫だけを殺そうとしている。僕は貴殿のためにそのような考
えを惜しむ」
285銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:18:52 ID:8Op4mB/b
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286マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:22:09 ID:Q/wSN0rg
(続き)
全「まことに貴公の言うとおりニダ。糞を捨てることはまだ考えていなかった。それではうか
つではないかと笑われてもしかないニダが、貴公の考えを聞きたいニダ」

ここで渡辺少佐は考えを述べたが、全はそれを聞いて顔色を変えて激したとあるから、おそら
くその後の渡辺の話なども合わせて考えると、明治維新のような倒幕を伴う国体の大変革を図
ることを勧めるような話でもしたのであろう。

全 「貴公の考えるのようなことは、ウリのような国王臣子の口にすべきところではないニダ。
もしそれを実行するなら、大義はどうするニカ! 名分はどうするニカ!」

渡辺 「貴殿はそう言うが、そもそもこの国の最初はどうであったか。太祖と言われる朝鮮王
はこのような人だったではないか」

渡辺はそう言って懐から一書を取り出し、これを全に読ませた。それは、朝鮮太祖李成桂が高
麗国の武官であったのが、高麗王を倒して朝鮮を建国したことを記す史書の一節であった。

しかし全は黙読して2、3行読んですぐに突き返し、座を立たんとした。渡辺はその袖を引いて
留め、

渡辺 「聞くところによれば、貴殿は王道を唱え、書経を読むと。それでは殷の祖である湯王
はどうだったか。周の祖である武王は果して何をしたか!」

全は再び座についてしばらく眼光するどく周囲を見ながら唸った。
287銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:22:57 ID:8Op4mB/b
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288マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 00:24:45 ID:Q/wSN0rg
(続き)
渡辺はこれにて話題を転じ、

渡辺 「貴殿らが全州を去ったのはどうしてなのか。また近頃、東徒再乱の噂があるが」

全 「全州を去ったのは国王の軍である京城軍に抵抗するのに忍びないものがあったからニダ
。また東徒再乱は偽者ニダ。きゃつらは東学の名をも盗む者ニダよ。ウリたちが関知するところ
ではないニダ」

さらに西洋事情などを問答し、饗宴となって酒肉を喫し、やがて渡辺少佐は別れを告げて去っ
た。

全の話からは、反日とか排日とかは微塵も感じられない。むしろ日本の行動に好意ある評価を
している。後の再乱において日本兵と戦闘となったのは、ひとえに大院君の命に応じたことに
よるものであった。命に応じて立てば念願の東学党の布教公認は確実となると考えたろうし、
また彼なりに朝鮮王道に忠義であろうとしたとも思われる。
(つづく)

銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
289銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/01/19(火) 00:26:20 ID:8Op4mB/b
>>288
乙。
文体といい、本当にリアリティが溢れていて面白いニダ。
290マンセー名無しさん:2010/01/19(火) 14:49:01 ID:4IFkK+n5
ハイチ大地震があったのでハイチの歴史についてwikiで見てみたら
あまりに酷い歴史なので泣いた

1492年にクリストファー・コロンブスがイスパニョーラ島を「発見」したとき、この島には
アラワク人(タイノ人)が住んでいたが、それから四半世紀のうちにスペインの入植者
によって絶滅させられた。金鉱山が発見され、インディアンのカリブ人が奴隷として使
役され、疫病と過酷な労働で次々と死んでいった。その後、スペインは主に西アフリカ
の黒人奴隷を使って主に島の東部を中心に植民地経営をした。島の西部をフランスが
1659年以降徐々に占領していったが、衰退の一途を辿るスペインにはそれを追い払う
余力はなく、1697年のライスワイク条約で島の西側3分の1はフランス領とされた。この
部分が現在のハイチの国土となる。フランスはここを、フランス領サン=ドマング
(Saint-Domingue) とした。この植民地は、アフリカの奴隷海岸から連行した多くの黒
人奴隷を酷使し、主に林業とサトウキビ・コーヒー栽培によって巨万の富を産みだした
。(参考ページ:黒人奴隷クンタの20年間 =「世界商品」の生産と黒人奴隷制度=)
291Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/01/23(土) 13:28:35 ID:WaUyIuyk
おつれす。
朝鮮人は明成皇后が日本人に殺されたウンヌンはしつこく言うのに、
清国によって大院君が天津に拉致されたことは、なぜ言わないのか。
292マンセー名無しさん:2010/01/29(金) 00:29:58 ID:BuUJDmoW
ほす
293マンセー名無しさん:2010/01/31(日) 23:22:11 ID:2yjhGVUV
捕手
294マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:03:44 ID:y2kDxOJI
>>291
たしかに当時の執政であった大院君を拉致するなんぞは、普通で言うなら極めて重大な主権侵
害なんですがねえ。
しかしまあ、へたに追及していくと、その時に清国皇帝に対して高宗自らが自分を「臣」と称
して土下座せんばかりに泣いて大院君の赦免を哀願したりとか、いろいろ清国との宗属関係が
はっきりしてくることになるから、あまり触れたくないんでしょうねえ。
しかし今日のETV特集もひどいものでしたねえ。腹を抱えて笑いながら見ました。学者というの
が、実は資料もろくろく読まずに歴史を語っていることにw


併合前の日朝(続き)

さて、翌日29日午前、井上は英国総領事ヒリヤーと対談。朝鮮に対する英国政府の意向を探っ
た。
まず、日清戦争となった経緯と日本政府の朝鮮への方針と朝鮮内政改革の必要性を説明した。

ヒリヤー 「この国は最も貧乏でーす。財源なくては何の事業も起せないですから、閣下には
国債でも起されますかー」
井上 「今日のような悪弊があっては、どれほど財源があっても有益なことには使われんでし
ょう。まず中央と地方の組織の改革が先ですな」
ヒリヤー 「この国に顧問官を用いさせることになるでしょうが、貴国以外の外国人が入るの
もOK?」
井上 「各部の行政や事情がつまびらかになってからのことですな。顧問官のことを急ぐ考え
はありません」
295マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:04:56 ID:RggytAp6
(続き)
ヒリヤー 「実はこの国では税関だけはよく整っている。まあ、管理しているのは清国の総税
使となっている英国人ハアト氏の部下たちで、多くは英国人ですからw 。で、税関組織も変え
るとなると我が英国政府は大いに不快を感じることになりますがー」
井上 「税関のようなものは急いで着手する必要はないでしょう。まあ改革事業の進捗にとも
なって、いずれ貴殿らと意見交換することがあるかも」
ヒリヤー 「1点だけご参考に申上げたいでーす。以前、朝鮮政府は英国の某シンジケートと
の間に、鉄道敷設と鉱山開発をすること、および外債を起すとの件で約定を結んだことがあり
まーす」
井上 「聞き及んでおる」
ヒリヤー 「ところが、朝鮮政府は何ら具体的な行動は起さず、ついに契約期限も過ぎてしま
いました。それで自分はこれを破棄しましたねえー」
井上 「それも聞いている」
ヒリヤー 「いやはやでーす。それで今は我々他国が手を出すより、日本が指導者として朝鮮
を開明に導く改革事業が一段落してから、通商のことなど何かと利益をひとしく受けられるこ
とになるのを望んでまーす」
井上 「忌憚ない意見をサンキュw」

まあ各国がそれぞれ国益と勢力拡大に汲々とするのは当然の務めであってねえ。ま、正直に述
べてくれたものだと。
それにしても、鉄道敷設云々の件はいつ頃のことかは不明。約束破りはこの国の常道。さぞイ
ギリスはがっかりしたろうw
296マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:05:54 ID:vn+bNJ8D
紫煙
297マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:10:37 ID:RggytAp6
(続き)
大院君 「貴国の公使は、せっかく親密となったかと思うと、すぐに交代となって交際が続か
ないのは遺憾ニダよ」

ここで同席の杉村濬書記官を見てニヤニヤしながら、

大院君 「この杉村書記官は長いこと在勤しているニダが、彼は余とは考えが反対の人なので
余は彼を好かんニダ。なにとぞ閣下には末永くご交際されることを望むニダ」

大院君いきなりの嫌味w

井上 「閣下と親密な交際をすることは余も希望している。そもそも杉村を好かないのは、彼
も永く在勤して、貴国の裏表の事情をよく知っているから閣下はお嫌いなのだろう。余も永く
在任して内部の事情に精通したなら、あるいは閣下から嫌われることになるかもしれないw」

井上の返しに大院君は苦笑しながらw、

大院君 「余が杉村を喜ばないのは、余への彼の贈り物が少ないからニダよw」

案外本音だってりしてw

大院君 「まあとにかく、今度貴国がウリの国のためにご尽力くだされているのは感謝にたえ
ないことニダ。しかし思うに、平和手段によってされたなら一段とよかったニダが、このような
兵力をもってされたことで、ウリの国の民心が沸騰するに至ったのは残念なことニダ。閣下の
ご高名はよく承知しているニダ。これからは閣下のご尽力により事が成就することを望む。そ
れで余の意見は簡単なものニダ」
298銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:11:28 ID:d+sip4I0
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299マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:11:37 ID:RggytAp6
続き)
大院君はそう言って、杉村書記官に筆と紙を求め、それを手にとると、さらさらと漢文をした
ためた。

大院君 「これすなわち余の意見ニダ」

それには、「漢の高祖の天下を治める心得として、まずもって、法は三条だけでよいことを知
るべきである」とあった。つまりはなるべく簡単な法を立てて治めるように、という意味らし
い。

井上 「今回、我が皇帝陛下が、特に重要な任にある余を貴国に派遣せられたのは、深い叡慮
のあらせらるところである。そもそも我が国が億の財を惜しまず、人命を賭してこの挙に出た
のは、まったく貴国の独立を強固なものにして、もって東洋の平和を保全せんがためである」

大院君 「貴国の挙が、ウリの国を自主の国として独立国とし、欧州に対して東洋の安全をは
かるために出られたのは、余はすでに承知しているニダ。貴国皇帝陛下の思し召しのことも恐
れ多いことニダ。しかし閣下の説くところは、いわゆる豪傑の士の高説であって、余のような
狭量の者には恐怖の念を抱くのみでお答えしようもないことニダ。また貴国皇帝陛下と貴国政
府との間にはその思し召しに相違するところもあろうと思うニダ」

井上 「陛下の思し召しはすなわち政府の意である。御聖慮の外に政府の意があること更にな
し。余は閣下とは胸襟を開いて腹蔵なく話し合うことを望む。閣下が我が皇帝の思し召しに恐
れ多いと言い、また恐怖の念を抱くのみと言うのは、つまりは閣下にはここに壁を設けられて
いるのである。これでは余は閣下と議論も出来ない。我が政府が億を費やし人命を賭してこの
挙に出たのは何のためであると思われるか! これでははじめから意見は合わない」
300銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:12:30 ID:d+sip4I0
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301マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:13:05 ID:RggytAp6
(続き)
大院君 「いや決してそうではないニダ。ただ余が狭量なるがためニダ。余の意見は、今書いた
漢の高祖の法三章を、とのことのみニダ。閣下のご意見はいかに」

井上 「今日の天下はかの時代とは違うものである。それを2千年前の政治を今世紀に行うこ
とを望むのは誤りであろう。多事にわたる今の時代にあっては、法は千も万も規律として必要
であって、政治が多岐にわたるを扱い、また各方面から勝手なことをしないように、その組織
の権限なども明らかにせねばならない。閣下はそのような法三章ぐらいのことで国政が治まる
と思われるか」

大院君 「余は頑固ニダ。世人は余を頑固の張本人と称するニダ。しかし開化が必要なことはよ
く承知しているニダ。たとえば鉄道を通し鉱山を開くなどは余が一番願うことニダ。よって余は
これも計画しているニダ。しかし事は急速ではいけないニダ。民心が混乱するかもしれないニダ
。7月13日以来というもの、軍国機務処や議政府がしたことは、日本が2、30年かけてした事業
をすぐにやろうしているようなものニダ。だからこそ、すでに百日経っても成果はあがらず、
ただ服の袖を細くしたぐらいと、警務庁を設けたことぐらいニダ。しかし巡査の制服を変更し
たことも、皆が驚いてずいぶんと民心が乱れたニダ。巡査服制などもゆるゆると変えていけば
好都合と思うニダ」

井上 「余は今日、巡査服制などの細かなことを談ずる者にあらず! 貴国の王座を強固にし
、貴国国体の本を確立することを論じるを望むのである。この百日間のことで聞くのは、ただ
徒に権力を争い、党派それぞれ猜疑離間するのを聞くのみ。このようなことではどうして国体
の本を確立し、王室を強固にすることが出来ようか」
302マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:15:26 ID:RggytAp6
(続き)
大院君 「余はすでに齢75才であって老いた者ニダ。国政のことは議政府や機務処がするニダ。
余は国政に干与してないニダ」

井上 「それなら、どのようなお考えで王宮に入られたのか。すなわち閣下のご意志は国政に
当られるご決心であることは疑えないことである。それを国政に干与せずとはどういう意味な
のか。また国政を論じるのに年齢の高低が関係あるのか」

議論になると井上は容赦がない。この後、井上は江華島事件後の訪朝と明治15年事変(壬午事
変)の話を始めた。

井上 「・・・・こうしてついに日朝修好条規をむすんだのであるが、閣下にも当時の事情は
よく御記憶であろう。また、壬午の年には我が国の公使が襲撃を受けたが、このことがいかに
非礼であったかは閣下もご承知であろう。それもこの事件は貴国の高官の教唆によって起きた
ことは事実である」

大院君 「話が既にすんだ事に溯るのは言うのも益のないことニダ。今の事、将来の事につい
てを望むニダ」

井上の話は、江華島事件後、黒田井上が日朝談判のために訪朝した時に、大院君がこれを暗殺
せんと刺客を放っていたことを思い出させるものw。また、壬午事変すなわち大院君の乱のこ
とも大院君が一番触れてもらいたくない事件だしw

井上 「いやいや、既往の歴史にも触れねばならない。その原因も知らねばならない」
303マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:15:41 ID:vn+bNJ8D
紫煙
304マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:19:09 ID:RggytAp6
(続き)
大院君 「ふう。今日はあいさつで参上しただけニダ。余は少々体の具合もよくないニダ。お話
は後日に譲られたいニダ」

と逃げにかかった。

井上 「胸中を聞く対談をしようと思っていたが、まあ、お疲れとあれば、ご老体のことでも
あるし後日の再会としよう。その時は胸襟を開いて腹蔵なく話して、互いの意見が合うことを
望む。でなければ、今後貴国と王室はいよいよ難しい成り行きとなるやも」

大院君 「余も閣下と意見の合うことを望んでいるニダ」

井上 「さあ。閣下は余と対談するのを好まれないようなので、はたして意見が合うかどうか。
まあ今日はお疲れとのことで他日に再会を期したい。その時は貴国大臣たちと一堂に会した
席にご臨席ありたい」

大院君 「それは出来ないニダ。余は政府の者ではないので大臣たちと議することは出来ない。
これは国法ニダ」

井上 「それならば閣下は大臣と国政を議すことはないのか」

大院君 「もちろん各大臣と政治は議している。しかし大臣は余の所に来て稟議を求めること
を例とするニダよ。一堂に会するなどは身分が違いすぎて、各大臣は余の前で座ることすら出
来ないニダ」
305銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:19:38 ID:d+sip4I0
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306マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:20:27 ID:RggytAp6
(続き)
井上 「国政を議するのにどうして地位が問題となるのか。昨日に余が国王陛下に謁見した時
には各大臣も列席したが」

大院君 「謁見は違うものニダ。とにかく余が出るのは法によって出来ないことニダ」

井上 「ようするに閣下は余と協議するのを好まれないのだろう。さような小事の小儀式が法
によるというのもおかしなことである。目下、東学党がのさばっているが、貴国政府が自国の
力で鎮圧できずに日本の兵を頼まれたのは、これも法なのか」

大院君 「それは余の意ではないニダ。大臣の意であり、そのことを大臣から申し出たので、
余は単に肯いただけニダ」

井上 「閣下が肯いたとは、つまりは閣下が責任をもって許可した命令ではないか。閣下はそ
れも関係ないと言われるか」

大院君 「とにかく閣下に願いたいニダ。2つの条件をあるニダ。ひとつは改革は徐々にするこ
と。もうひとつは朴泳孝のことである。同人に対しては余は充分のことをしたニダ。閣下には
なるべくこれ以上のことは猶予されたいニダ」

井上 「それは今はお約束しがたい。閣下が各大臣と同席して余と協議することを望む。それ
とも閣下には余と協議するのを好まれないのか」

大院君 「いや余は協議を望むニダ。それなら一堂の場で余は屏風の陰から拝聴するニダ」
307銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:21:33 ID:d+sip4I0
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
308マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:22:15 ID:RggytAp6
(続き)
井上 「この国家危急存亡の時に、屏風の陰で聴くなどと言われるような子供じみたことは理
解できないことである。今は児戯を談ずる場合ではないはずである」

大院君 「それならば貴意にしたがって会同することにするニダ」

井上 「その場所は問わない。場所は余が関しないことである。しかし、各大臣が起立してい
る時も、余は椅子に座るのを望む」

大院君 「さて、余は閣下の意見を受け入れたニダ。閣下には改革のこと、朴泳孝のことは御
承知されるニカ? ご承知されないなら民心はますます乱れることになるニダよ」

井上 「今はお約束は出来ない。これは大本を定めないうちに枝葉のことを定めようとするも
のである。また、民心のことを言われるが、東学党が四方で蜂起するのを見られよ。結局は地
方官吏らの悪政が起因しているのである。民心が穏やかでないのはそのためである。ゆえに先
ず改良の実を挙げ、国家の基本を定めねばならない。国の基礎が確立すればおのずと民心は静
まるものである」

大院君 「余は民心を静めることを先にすることを望むニダ。しかし閣下はこれを後にすると
言われるニカ」

井上 「もちろんである。諸々の事が改められ、改良があらわれるなら民心は自然と鎮定する
からである」
309銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:23:35 ID:d+sip4I0
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
310マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 00:24:08 ID:RggytAp6
(続き)
大院君 「とにかく後日再会の時に詳しいご意見を伺いたいニダ。本日は単にあいさつとして
参上したのに、このような議論を受けるのは誠に面白くないニダ」

井上 「余も甚だ不愉快である。事は危急の時であるから話をした。しかし話が枝葉のことに
終ったのは遺憾である。後日再びご面会することにしよう。余は正当とするものなら直ちに進
む性分である。不正不当は好まぬ」

大院君 「余とてもそうニダ。また後日会見して互いに話すことにするニダ」

おそらく大院君にとっては初めてだったかも。自分に対してこんなにずけずけともの言う人は
井上はこの時の対談を陸奥に書簡で報告した。

陸奥外務 「ははは、聞きしに違わずなかなか老獪なご人らしいですなあ、大院君は」
伊藤総理 「井上さんも遠慮なくもの言う人じゃが、大院君もなかなかのもんじゃのw」
陸奥外務 「ところで、平壌にいた清将に国王と大院君が送った例の書簡を、山縣大将の方か
ら自分に送ってもらいたいと井上さんが請求してますが」
伊藤総理 「ふふふ。写しじゃなくて現物がいるということは、それを見せて迫るつもりじゃ
なw」
陸奥外務 「まあ日本政府に対する重大な裏切りと言える動かぬ証拠ですからねえ」
伊藤総理 「それと実はこれも山縣さんからの報告にあったんだが、大院君は東学党に命じて
日本人を襲撃せよというような命令も出しているとのことじゃ」
陸奥外務 「何と! また何かそんな書簡でも見つかりましたか」
伊藤総理 「朝鮮政府の依頼を受けて東学党を掃討し始めた我が軍が、東学党の連中が遺棄し
ていったものに、幹部どうしの連絡書簡があったが、中にそういうのがあったらしい」
311銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/02/01(月) 00:25:09 ID:d+sip4I0
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
312マンセー名無しさん:2010/02/01(月) 16:21:52 ID:RggytAp6
(続き)
陸奥外務 「あらら、またそんなあの老獪爺の首根っこを押さえつけるような証拠をw」
伊藤総理 「うむ。これでほとんど大院君の権力を抑えることができるのは間違いなかろう。
何というても金宏集内閣の者はあまりに大院君を恐れて、ろくに改革の実行にも移れなかった
ようじゃから」
陸奥外務 「金宏集、金允植、魚允中の3大臣が中心ではありますが、果してこの金魚内閣に
改革ができるかどうか」
伊藤総理 「ははは、金魚かあ。陸奥君は内政改革には懐疑的だよねえ。まあ、井上さんが金
魚ならぬ鯉の滝登りでも見せてくれるかもしれん。ここは期待しておこう」

平壌戦で清軍が敗北したことは大院君の予想を大きくはずれるものであったが、手なずけて放っ
た東学党幹部は各地に大院君の命令を伝えて回っていた。
(つづく)

おっと、>>295の最後に、
>続いて井上は午後、訪問してきた大院君と会見。両者遠慮なく意見をぶつけ合う会談となった。
という文を入れ忘れました。


紫煙氏、銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
連投規制にひっかかったので遅くなりましたw
313マンセー名無しさん:2010/02/11(木) 17:44:20 ID:UPzaLll1
捕手
314マンセー名無しさん:2010/02/11(木) 17:45:23 ID:UPzaLll1
上げ忘れた  orz
315マンセー名無しさん:2010/02/11(木) 17:52:25 ID:+Ug1G8I6
!!今、テレビニュースで話題の
宮城県石巻市での18歳少年による元交際相手拉致監禁+殺人事件は
ゼッタイに在日チョンコ〜少年の仕業である!!

マスゴミは正しい報道をしていない。
在日チョンコ〜少年のチョンコ名前を公表して
在日チョンコ犯罪の醜さを
堂々と報道するべきである!!

日本人被害者の名前や顔写真まで公表するなら
在日チョンコ犯罪少年の名前や顔写真まで公表する義務が
日本のマスゴミには必要である。

まるで日本人による犯罪だと誤解させる報道を
マスゴミはしている!!
316Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/02/11(木) 20:06:36 ID:gss4xMCN
寄らば屏風のかげ〜♪
317Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/02/17(水) 20:29:19 ID:+OgdAdoB
ほす
318Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/02/20(土) 18:50:12 ID:uFDWozqY
めす
319マンセー名無しさん:2010/02/23(火) 22:02:11 ID:UKI4xtLM
捕手
320Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/02/28(日) 16:38:51 ID:ch7Y09EP
喪主
321マンセー名無しさん:2010/02/28(日) 20:48:08 ID:ycXOchiA
期待あげ
322マンセー名無しさん:2010/02/28(日) 23:53:33 ID:FfEjK5qZ
ちょっとさぼりすぎましたw

併合前の日朝(続き)

大院君が国王の名をもって東学党に発した命令書には、当然のこと玉璽が押されていた。当時、
政府議決の裁可に当って、国王印である玉璽を扱うことができるのは大院君のみであった。

東学党幹部 「ふう。国王様からの密命書が来たニダ」
幹部 「玉璽が押されているニダ! ほんものニダ!」
幹部 「それに全琫準殿の添え書きもあるニダ」
幹部 「なになに『なんじら王家の恩をこうむる民ども。その恩徳を忘れずば、倭寇が王宮を
犯し、国の命運は危機にひんしており、朕は信頼できる臣もおらず一人天を仰いで慟哭するほ
かない今、なんじら兵を起こしてただちに馳せ来るべし!・・・・』とあるニダ」
幹部 「なんと国王様は、日本に組する政府の奸臣どもに取り囲まれて孤立してあるニカ!!」
幹部 「ここでウリたちがしっかり働けば、東学が国王様から公認されるのも間違いないニダ
よ!」
幹部 「ニダ!! とにかく党員を糾合させるニダ!!」

密命書は次々ともたらされ、各地の東学党幹部に回覧された。もちろん国王はこんな命令は発
していない。この後に国王は井上公使に言った。

国王 「なーんか、このごろはウリの偽の命令書があちこちに出回っているらしいニダよ〜」
323マンセー名無しさん:2010/02/28(日) 23:55:40 ID:FfEjK5qZ
(続き)
10月に入るとこの偽の決起命令に呼応して起つ東学党集団も少なくなかった。次々と蜂起し、
各地で官庁を襲い、民家を焼き、武器、食料、財貨を奪いながら移動し、全州は再び陥ち、公
州、清州に迫る勢いとなった。これが第二次東学党の乱である。もっとも、乱は乱を呼び、東
学党でなくとも浮浪者や貧困の者たちが集まって各地で略奪を働いた。

朝鮮政府内では危機感が募り、乱の鎮圧を日本軍に依頼するべきとの議論が盛んとなった。し
かしこれには大院君が頑として反対した。

大院君 「東学の民も我が宗廟の民ニダ。殺してはならんニダよ」
大臣たち 「しかし、彼らは乱賊ですニダ。この賊どもから官民ともに殺され、官民ともに財
貨を奪われ、田畑まで荒らされていますニダ。兵力をもって抑えるしかありませんニダ」
大院君 「うるさいニダ! 旧例にならって鎮撫使をやって、よく話して乱暴をやめさせるニダ
よ。国王の権威をもって説き伏せることが昔からの習いニダ」
大臣たち 「そんな、今さら鎮撫使など送っても・・・・・」
大院君 「(ギロリ)何か言ったニカ?!」
大臣たち 「・・・・・・」
大院君 「あー、すでに鎮撫使は決めてあるニダ。すぐに出発させるニダよ」

それは、大院君が恩情を与えた例の旧東学党幹部、すなわち朴世綱、朴東鎮であった。
もちろん東学党鎮撫のためというのは表向きのことで、大院君の密命を帯びた2人は東学党根
拠地を訪れ、県令など地方官が立会う場では乱民を説得したが、裏では東学党幹部に対し密か
に決起することを呼びかけた。
324銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:00:47 ID:VnnlIhUW
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
325マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 00:01:47 ID:D4kxkV1j
(続き)
朴世綱 「さっき、役人の前では皆におとなしく解散するように説いたが、本当のところはそ
うではないニダよ。国父さまからも出来るだけ多数の兵を集めて京城に来るよう命じられたニダ

東学党幹部 「そうだったニカ。すでに密命は頂いているニダ。それでさっきはあんたらが解散
を説くので何故だろうと思ったニダが、さすがは国父さまニダ。敵の目を欺くためのものだった
ニカ」
朴東鎮 「ニダ。それで5万、いや10万でも足らんニダ。数10万人は連れてくるようにとの国父
さまの仰せニダ」
幹部張斗在 「分かったニダ。とにかく従う仲間が何万人いるかは分からないニダが、呼びかけ
るニダ」

しかし政府派遣この二人の挙動がおかしいことはすぐに県令の知るところとなった。

県令 「なんと密かに東学党どもに決起を促しているとのことニカ!! すぐに二人を捕らえる
ニダ!」

かくて朴世綱と朴東鎮は牢屋にぶち込まれた。
県令は直ちに政府に通報。
するとそこにやって来たのは、勅命を受けた大院君腹心の役人であった。役人は二人を取り調
べることもなく直ちに斬首刑にした。
ようするに大院君による口封じであったと。
326銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:04:19 ID:TmAOlihf
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
327マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 00:06:32 ID:D4kxkV1j
(続き)
そんなこんなで、乱はいっこうに治まらず、鎮撫使派遣も何の効果もなかったことから、政府
内ではさすがに大臣たちも大院君への不満を口々に漏らし、日本軍に鎮圧を依頼することで大
臣たちの意見は一つとなり、強行にこれを主張するに至った。

大院君 「(しぶしぶ)分かったニダ。では、おまえたちの意見を国王に取り次ぐニダーよ!」

国王は直ちにそれを裁可。ついに乱の鎮圧を日本政府に依頼した。
しかし日本政府としては日清戦争の真っ最中でもあり、そうそう大部隊を鎮圧に差し向けるわ
けにはいかない。また朝鮮人の反感を買うことも得策ではない。よって、数10人の小隊規模、
多くても1中隊の派遣にとどまったが、それでも鎮圧には十分な力を発揮した。
朝鮮人にとっては、何せ恐れていた宗主国の兵を蹴散らした日本軍である。日本兵と聞くと、
乱民は浮き足立ち、村民は、清兵や自国の兵と違って食料の略奪などせず、韓銭を払って食料
などを購入する日本兵の方を歓迎した。

後世、南北両国が声だかに叫ぶ民族主義など、当時の庶民にとってはあまり意味のないことで
あって、現実生活での安泰こそが切実な問題であった。乱暴を働く自国の兵より、強盗をする
同胞より、治安をもたらして仁慈を行うならば、それが外国人であっても歓迎したいのが人の
情というものであろう。

朝鮮兵は地方兵の場合、兵と言ってもろくに訓練も受けておらず、力において武器を持った乱
民とほとんど同じであった。
全羅道の左道水軍営城内には朝鮮兵300人がいたが、そこを東学党千人余りが取り囲んだこと
があった。朝鮮兵は撃って出て東徒を蹴散らすこともなく、城内にとじこもったまま孤立して
いる状態であった。
328銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:09:15 ID:TmAOlihf
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 ( `・ω・) アラマア・・・
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 しー-J
329マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 00:10:55 ID:D4kxkV1j

(続き)
朝鮮軍官は兵士に日本人の服装をさせて守備していた。そのため、東学党は日本兵と見て恐れ
て攻撃をためらっていたが、やがて城内の者が東学党に内通してそのことを知らせた。それよ
り東学党は攻撃を開始。しかし城内の朝鮮兵も必死に防戦したため、東徒は城内に入ることは
出来なかったが、周囲の民家400戸ばかりを焼いて一旦は退いた。
しかし近く再襲来の情報を得た軍官は、近くの島で水産加工所を設けて漁業をしていた日本人
漁師17人に応援を依頼。よって漁師は集合して城内に入った。
そのころ、ちょうど日本軍艦筑波(1947トン 乗員300人)が慶尚道固城県統営港に来て碇泊してい
た。
それが日本人漁師からの情報かどうか定かではないが、それを知った軍官の一人はそこに急行
して援助を依頼。艦長黒岡海軍大佐はただちに艦を進めて左水営港に着き、陸戦隊を編成して
上陸させた。
すでに東徒は数千人の規模に膨れ上がっており、近々襲来するとの情報があった。
艦長は積極的に撃って出ることを指示。よって陸戦隊は朝鮮兵250人を率いて進軍し、徳陽駅
という所で、東学徒が本営と陣地を設けているところを発見し、ただちに両方を襲撃。突然の
攻撃に東学徒は蜘蛛の子を散らすように山間部に逃亡した。
しかし日没ころ、留守隊が守備する左水営を別の東学徒が襲撃。陸戦隊らはすぐに撃って出て
これを撃退。味方に負傷者なく、東徒は大砲2門、小銃、弾薬、米、牛馬を放棄して逃亡。接
収したものの中に東学党本部からの命令書も発見。
それによれば、この左水営への攻撃が東学党全力をあげての攻撃であったことが判明。
深夜になって進軍していた部隊も左水営に戻った。
その後、人民総代が嘆願書を携えて艦長に面会を求めた。
330銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:12:59 ID:TmAOlihf
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
331マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 00:14:30 ID:D4kxkV1j
(続き)
人民総代 「このたびのご尽力には感謝する言葉もないほどニダ。この上はなにとぞここに留
まってウリたちを守ってほしいニダ。賊どもは連日襲来して5百あまりの民家を焼いたニダ。今
や数万の民の命が危険にさらされているニダ。伏してここに留まることをお頼み申しますニダー」

もともとここ全羅道の人民は、以前から親日の人々が多いことで知られていた。東学党の大規
模な襲撃はそのことも関係していたのかもしれない。

艦長 「わかった。そうしよう」
艦長は漁船を雇って釜山に送り、樺山軍令部長に連絡用に汽船一隻の派遣を電信で要請した。

後々、この時の東学党に参加していた人民らは自ら東学党の幹部3人を殺し、その首を携えて
大挙して投降し、謝罪を乞うた。

東学党の乱鎮圧の戦闘記録は多数残っている。全琫準も11月頃に、ようやく1万名あま
りを集めて日本兵1中隊(130〜150人)と交戦したが、蹴散らされて追撃され、ついに彼の率い
る集団は解散している。

もっとも、日本兵と言っても、武器をほとんど持たない兵站部の部隊が襲われた場合は、非常
に苦戦をしている記録もある。
(つづく)

銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
332銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:18:16 ID:TmAOlihf
>>331
いえいえ、こういうリアルな感覚が大好きです。
333マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 00:24:07 ID:D4kxkV1j
>>332
そう言って下されればありがたいです。なにか詳しくなりすぎているようで、どうしたもんだろかと悩んでいるところだったのでw
334銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/01(月) 00:27:08 ID:TmAOlihf
>>333
これからもよろしくです。あなたの文章は本当に心が躍ります。
335マンセー名無しさん:2010/03/01(月) 12:53:23 ID:Bp1gALgl
>村民は、清兵や自国の兵と違って食料の略奪などせず、韓銭を払って食料などを購入する日本兵の方を歓迎した。

変な考え方になるけど、これが「ダメ」だった気がするんだよな…
殴りつけて徴収しとけば「謝罪汁!賠償汁!」を言い出さなかったような希ガス
336マンセー名無しさん:2010/03/03(水) 00:04:23 ID:KSylYfh9
復活の呪文!
337マンセー名無しさん:2010/03/07(日) 17:52:29 ID:CmNByNMB
捕手
338マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:03:36 ID:p4JLoyJR
併合前の日朝(続き)

さて、井上馨公使が大院君と初の会談をして数日もたたない10月31日夜、一人の朝鮮人が日本
公使館に駆け込んできた。

朝鮮人 「ウ、ウリは法務協弁(法務大臣)金鶴羽さまの家僕ニダ。た、たいへんニダ! お医
者をお願いしたいニダ!」
館員 「どうしたの?」
家僕 「金鶴羽さまが刺客に襲われたニダ!」
館員 「なんとっ!」

公使館ではただちに居留地の井田軍医と国分書記生を急行させた。しかし、金鶴羽はすでに死亡してい
た。

国分書記生 「家人の話では、ちょうど金氏には来客があっていたようで、その来客の1人が
重傷、もう1人が軽傷で、井田軍医が治療にあたっています」
杉村書記官 「犯人のめどは?」
国分 「抜刀した6、7人の者がなだれ込んできて、いきなり切りつけ、ゆうゆうと去っていっ
たそうです。家人の者は見覚えのない連中だったと」
井上公使 「この金鶴羽という人はどういう人物だったの?」
杉村 「朝鮮人としては珍しい人物です。けっして徒党を組まず、曲がったことが大嫌いで、
まさに孤高の硬骨漢という感じで、国王や大院君の前でも決して臆することなく議論をする、
まさに法務大臣としてはうってつけの人物でした。まことに朝鮮にとって惜しい人を失いました」
井上 「・・・・・そうか」
杉村 「まあ、この人を目障りに思う者は少なくなかったかもしれませんが」
339マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:06:09 ID:p4JLoyJR
(続き)
井上 「とにかく、政府大臣が暗殺されるというような事件はあってはならんことじゃ。わが
方からも武久警視を警務庁に派遣して協議し、日韓共同で犯人検挙に全力をあげるように!」

やがて翌年2月に犯人は逮捕されるが、それにより政府によって王族が裁かれるという前代未
聞の事態に発展していく。

さて、11月2日、井上公使は金宏集総理大臣と対談した。金宏集は先の上疏を受けて一時公務
を離れていた。

井上公使 「この国家多難の時に、大臣たる者が一個人の上疏ぐらいで辞表を出すようでは嘆
かわしいことではないか」

明治17年の朝鮮事変談判から10年ぶりの邂逅である。

金総理 「そうであるが、このようなことは多くあることではないと思うニダ」

井上はいつものように、明治8年の江華島事件以来の日朝間の歴史を語りだした。
とりわけ明治15年の朝鮮事変の後に、朴泳孝が謝罪大使として日本に派遣されたが、その時に
国王の依頼として賠償金の減額と借兵を申し込んだ件を、井上は詳細に語った。

井上公使 「このようにして我が皇帝陛下には国王の申し込みを了承したのであって、その時
の親書は貴政府にも保存してあるはずである。よって明治17年の事変においては、国王の求め
により我が公使は護衛兵を派遣して尽力したのである。しかるに貴国の人々は、表で日本と結
び、裏では清国と通じ、そのためついには京城で日清両兵が干戈を交えることとなった」
340マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:12:09 ID:p4JLoyJR
(続き)
金総理 「・・・・閣下の話によって借兵のことの件の詳細を初めて知ったニダ」
井上公使 「当時、我が政府の感情はいかにあったか。貴国のその陰険さには大なる不快を覚
えたものである」

これ以降、日本政府が朝鮮への積極支援を取りやめ、放任傍観する方針に変えたことはすでに
述べたとおり。

金総理 「もしも閣下がその件を国王にお話されるなら、おそらく国王には赤面して当惑され
るに違いないニダ。もうそのことはご寛恕頂きたいニダ」
井上公使 「既往のことなので今さら国王や当局者にこの話をむしかえすつもりはない。ただ
両国の歴史を語るついでに話したのであって、閣下の耳に留められたいだけである」

なおこの時の親書などは日本外務省の方には当時から保存されていない。密約であるから井上
が処分したとも考えられる。なぜなら、もし朝鮮国王との密約によって借兵に応じた結果が、
朝鮮兵と清兵と合同による日本公使への攻撃であったことが世に明らかになったなら、当時の
世論は朝鮮への宣戦布告を求めて暴走し、とても政府が抑えることは出来なかっただろう。

次いで井上の話は朝鮮の内政改革の事、独立問題などに及んだ。

井上公使 「・・・・朝鮮はベルギーやスイスとは違う。この2国はヨーロッパの強国の間で
よく自主独立を保っている。それは内政を整えているからである。しかし朝鮮は内政のまずに
よって他国に乗じさせる機会を作ることになりかねない。日朝両国には通商の条約があるが、
我国の商民が貴国のために利益を害された実例は枚挙にいとまがない。これは貴国の内政が乱
れ綱紀がゆるんでいることによる」
341マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:13:51 ID:NsS1Ue9/
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
342マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:18:58 ID:p4JLoyJR
(続き)
金総理「閣下の言われることを聞いて、貴国の我が国に対する厚意を思い、また朝鮮の臣民た
るもの、どうして奮発して国家のために尽さないでおれようニカ。ただ我が国の人は教育がなく、
疑惑猜疑の淵に溺れて決断力に乏しく、事にのぞんで逡巡するのは、結局は世界の時勢を知ら
ないからニダ。まったく不明の至りニダ」

井上公使 「一番に貴国の大弊害は権力が多岐にわたっていることである。まず大院君の地位
を明らかにせねばならない。大院君は摂政なのか国王の補佐なのか」

金総理「勿論、摂政などというものではないニダ。国父として君主を補佐されるのであって、
国政には関係ないニダ。しかし執権時代の甘味がまだ胸中にあるようで、ともすれば執権がま
しき動きに出られて、まことに嘆息のいたりニダ」

井上公使 「拙者もそう思う。大院君と会話したが随分頑固な老人で、支那流の大言壮語を用
いて人を篭絡せんとするようである」

井上は大院君との会談内容をつぶさに述べた。

井上公使 「・・・大院君が民心のことを何度も言うが、民が黙っているからといって民心を
得ているわけではない。大院君が民心を得ると言うのは、人を畏怖させて無理に自分に傾かせ、
その意に反するなら、獄に投じて暗に殺害するような、文明の世に適しない手段を使うことで
ある」

金宏集は「そのとおりニダ」と同意し、大院君はたいへん頑固であると述べ、一段と声を低く
して話した。
343マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:22:31 ID:p4JLoyJR
(続き)
金総理 「大院君に人望があると言うニダが、それは閔氏政権によって綱紀は乱れ政令は不正
となり、無実の民を害することがたいへん多かったので、むしろ大院君執政の時がましである
との念を起させたものニダ。大院君の執政といえども、ひどい惨状がなかったのではないニダ。
比較的に大院君の方が優れるという意味ニダ。閣下には大院君に時々会って充分にその旧夢を
払ってもらいたいニダ。とてもとてもウリたちの力では、また君臣の関係からも、いわゆる国
父として任ずるこの人の気持ちを翻すことは出来ないニダ」

まあ大院君という人は、人を殺すのを大根を切るぐらいにしか思っていないし。そしてそれ以
上に閔氏政権はひどかったと。

金総理 「もし大院君の勝手気ままを押さえて開明主義を理解させたなら、数百数千の開化党
よりも力になるに違いないニダ。それに王宮の中にあって薬ともなると思うニダ」

それは暗に、王妃の政治への口出しを防ぐには大院君が必要であることを示す言葉だった。

井上公使 「拙者は先日から大君主に謁見した時に、王室内の和合協同を説いた。王妃として
は、今は閔氏が権力を自由にする時代とも異なり、頼るべき親戚もなく、孤独の境遇にあって
恐らく心細く不安に思われているだろう。先ず以て王室の一致協和こそ望ましい。王室が安定
すれば、政府大臣も安心して職務を行うことが出来よう」

その後井上は、金総理とはとりわけ内部事情もよく話し合いたいので、自分を公使として見る
だけでなく朝鮮国の顧問官同様に見て相談してもらいたいと述べ、その他両者は、朝鮮政府に
よる顧問官招聘のことを話し合った。
井上は最後に一言述べたいとして、
344マンセー名無しさん:2010/03/14(日) 23:26:23 ID:p4JLoyJR
(続き)
井上公使 「およそ独立という文字は、独り立つ、という意味なのであるから、隣国がいかに
それを助けようとしても、貴国自らが独立する覚悟がなければ結局は無益である。そうである
から、朝鮮臣民は同心協力してこの機に立たねばならない。今こそ空前絶後の最好機と思うか
らである」
金総理「了解したニダ」

以上で会談を終えた。

およそ人材のない朝鮮政府内で、井上が一番買っていたのがこの金宏集である。より親密な談
話を試みようとしていることが窺える対談であった。
もっともこの頃は、金宏集のみならず政府の者はみな、朝鮮全土に蔓延する腐敗をそれはそれ
で理解していた。ただ、どこをどう何から手をつけたらよいのか分からず、ただ立ちすくんで
呆然とするか、そういう状況であるからこそもはや自己の利権を守るのに汲々とするのみであ
ったと思われる。
この後の会談で金宏集は言った。
金宏集 「実はもう政府の力などというものは何百年という昔からありはしないのであります
。ことに人物の如きも、達見博識の人というものもなく、国力というものは全くなかったので
あります」と。
(つづく)

>>341
いつもご支援感謝です。
345Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/03/20(土) 21:02:09 ID:ujC7keBf
おつ&保守
346マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:15:49 ID:JStFhxDw
併合前の日朝(続き)

11月4日、井上公使は王宮におもむき、内謁見におよんだ。王妃との対談を試みるつもりであっ
た。

国王 「昨日は貴国皇帝陛下の天長節とのこと。朕もこの慶賀を祝するニダ」

井上 「我が皇帝陛下には、広島大本営で大勢の将校とともにあってこの祝いを受けられ、清
国の鳳凰城における我が軍勝利の報告もあって、庶民歓呼の中にひとしお喜ばれたものと思わ
れます」

井上は持参した地図を開き、陸軍海軍の報告を説明した。

井上 「もはや貴国は我が国と同盟を結び、清国との条約も破棄され、戦闘をともにすること
こそないが、事実上、清国に対しての宣戦布告国なので、大君主殿下には時々刻々の戦争状況
をお知りになられたいと思います。そのつど大臣を経るか私自ら上奏する機会も多いでしょう」

国王 「そうニダ。我が国の独立の実を挙げんとしてついに日清の交戦となり、特に貴国皇帝
陛下の御苦慮のほども察せられるニダ。朕ももちろん時々の戦況を詳しく知りたいので奏聞に
あずかりたいニダ」

井上 「今日は内々で奏上したいことがあります。聖聴いただけましょうか」

国王 「ニダ」
347マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:18:01 ID:JStFhxDw
(続き)
井上 「願わくは、大君主殿下と世子殿下以外は席をはずして頂きたいのですが」

国王 「わかったニダ。大臣らはしばらく退席するニダよ」

井上 「貴政府内部を知れば、絶対の開化主義を唱える者あり、あるいは絶対の守旧主義を唱
える者あり。要するに極端から極端との間で衝突しているようであります。また権力が多岐に
わたっており、各人は疑惑にかられている状態と。これでは陛下が改革を熱心に望まれても実
効をあげるのは困難でしょう。開化も守旧もともに時局の情況をよく見て、一致協和すること
に努めねばなりません。陛下にはどうすることも出来ないと思し召されていましょうが、要は
陛下の御決心次第であります。そもそも御決心が先にあってから、勅令があるのです。今、貴
国の兵力では内乱を鎮定できず、政府内はばらばらとなり、猜疑し、権力を争う状態であって、
ほとんど陛下の臣下には頼むに足る者が一人もいないも同然でしょう。しかし陛下の御決心は
私井上馨を御信用あって御依頼あると信ずる。馨は個人は微々たる者ですが、その背後には日
本政府があります」

国王 「まことに卿の言われるとおりニダ。ウリの国の実情をよく心得ているニダ」

井上 「この際、私が奏上することは、中宮陛下(王妃)にもお聞き頂きたい。両陛下は一心
同体、またこの国の父母としてあるのでありましょう。国政上の方針について、感情を一つに
してお聞き取り下されたい」

国王 「卿の言うことはもっともであるが、なにせウリの国の慣例は男女の区別が最も厳重で
あって、民たちでさえ往来で婦女の顔を見ることをはばかるニダ」
348マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:19:01 ID:vP9hETDk
紫煙
349銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:19:20 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
350マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:22:10 ID:JStFhxDw
(続き)
しかしこの時王妃は背後の障子を自ら少し開き、

王妃 「今は井上卿の求めに喜んで応じ、席について談話を聴くことを望んでいるニダ。けれ
どもウリの身の上には王大妃も大院君もおられるニダ。それを差し置いて先例を破って外国使
臣を引見したとなれば、軽率のそしりを免れないニダ。またそれは国民に対してもはばかられ
ることニダ。それで列席は出来ないニダが、ここで話はすべて聴いているので、同席しているも
同様ニダ。何事も話されたい。余も言葉で応答するニダ」

井上 「強いて謁見を望むものではありません。そこでお聞きならば直接お話をしているも同
然でしょう。なお陛下のためになることも少なくないのでよく御傾聴いただきたい。また忌憚
ないことを申し上げるかもしれません。しかし良薬も口に苦しと、辛抱してお聞きくださるこ
とを希望します」

王妃 「卿が貴国忠良の人であるだけでなく、我が国にも誠心あることは知っているニダ。大
君主もまた必ず卿の言をいれて、その味の甘い苦いによらず必ずつとめられると思うニダ。我
が国には何もとりえはないが、古来から国民の頭脳にあることは、君主の命令であるなら必ず
行うことニダ。内政改良のことや開化のことは、君主が一度これを命じれば必ず下々の万民は
従うニダ。よって目的を達するには、君権によるものが良い手立てと思われるニダ」

この「君権」という言葉。国王の権力のことを指すんだが、実際は王妃の実権のことを意味す
る。同族の閔氏政権が崩壊したのみならず、君権は抑えられて内閣政府に実権が移行したこと
から、王妃としては何とかこれを取り戻すべく、やがてさまざまな手立てを講じ、ついには、
露国の力まで利用しようとすることになる。
351銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:22:58 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
352マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:26:24 ID:JStFhxDw
(続き)
王妃 「それなのに、この7月23日以来、君主はほとんど空位となり、ただ事の成り行きを傍
観するしかなくなったニダ・・・・」

国王 「まことに中宮(王妃)の言うとおりニダ。開化党のすることを見れば、国家のために
誠を尽くしているとはいい難いニダ。したことと言えば各衙門の名称を変えたぐらいのことニダ」

王妃 「このようなことは大君主の望まれることではないニダ」

国王王妃が最も不満に思っていたのは、以前のように自由に人事のことに影響力を行使できな
くなったことであった。

井上 「君権と言い、また国権というもの、これを詳しく述べるなら数時間を要します。いず
れ次の謁見のときにでも説明いたしましょう。ここに一言を中宮陛下に奏上いたしたい」

王妃 「何であろうか」

井上 「今日では、陛下のご一族なる閔氏が威権を振るっていた時代と違い、大院君が立ち、
また開化党やさまざまな人々によって政府は組織され、中にずいぶんと不敬の言葉を弄して陰
険な手段をする者もありましょう。ですから、王家としては孤立したかのような思いにもなら
れましょうし、不安にも思われましょう。しかし、閔氏、李氏、その他も含めて、ようするに
これらは陛下の使臣であります。よろしく同心協力して国家に忠とならねばならないことであ
ります。かりにも自家の権力消長を願って益々私怨を結んで対峙し、両陛下もまた憎んだり偏っ
たりされることがあるなら、内部の紛擾は止む時なく、内政改革は大成しないまま終わりましょ
う。これは私が両陛下のために最も猛省を望むゆえんであります。今はもう大院君は御高齢で
あって、その老体の身は国父として、申すなら中宮陛下の舅君にあらせられる。ならば、御孝養
を尽くされるのは勿論、あえて世間に波風が生ずるようなことになっては相済まないことである
と、本使はひそかに憂慮するものであります」
353銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:26:40 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
354マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:31:47 ID:JStFhxDw
(続き)
嫁として舅への孝養をつくすべし、なんぞと井上のお説教w しかし王妃は、

王妃 「およそ人の心というものは量られないものニダ。壬午の年のような事もある(明治15
年の大院君の乱のこと)。我が国ではいついかなる事件があるか予想も出来ないことニダ。今
は余は卿の保護が厚く及ぶことを信じているニダ。国太公(大院君のこと)への孝養などは余
が励み励めることであって、充分怠りなく熱心にしているニダ。卿はそのことを思う必要はな
いニダ」

まあ、大院君の乱の時には、その舅から殺されかけるし、明治20年頃には国王ともども再び暗
殺されかけるし、そう簡単に和解できるような関係ではないよなあ。

井上もかろうじて、
井上 「陛下のその賢明なる御意をうけたまわっては、もう何を憂いましょうか」
と言うほかなかった。

井上 「さて、国家行政のことは、公にすべきものと、秘密にしておくべきものがあります。
もし外部に漏れては国家に重大な害を及ぼす場合もある。しかし貴国は国柄としてこの秘密を
守るということはきわめて困難であります。政府内のことはおろか宮中の出来事すらたちまち
世間人民に知れ渡り、ついには外国使臣まで知ることとなっております。よって、両陛下が最
も信用する誠実な人物を選んで、日本公使館との間の連絡に使用されたい。今日はこのように
大臣たちに退席を望んだのも秘密を保ちたいからであります」

国王 「そのように便宜をはかるニダ。そのことは朕の方から述べるつもりだったニダ」
355銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:33:04 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
356マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:33:14 ID:vP9hETDk
紫煙
357マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:34:56 ID:JStFhxDw
(続き)
井上 「さてまた、公務公職には職務権限というものがあります。これが定められねば内政改
良などのことは困難なものとなりましょう。たとえば、貴政府の者が誰彼なく勝手気ままに権
力を行使して他の権限をおかし、己の意見に反する者は獄に投じ、あるいは暗殺し、政府の大
臣に対しても気にいらねば官位を剥奪して罪科を課し、酷刑に処するなど、また、人民に対し
ても、不当に酷税を徴収し、また生命と財産を奪うなど、このような陰険凶暴の害があっては、
人々は不安をつのらせるばかりです。このような中に内政改良を説いても人々は疑惑のままに
妨害するだけでありましょう。まずもってこのような専横を許さないよう、職務権限を厳正な
ものにせねばなりません」

もちろん、「たとえば」でなく、実際、朝鮮はこのとおりだったんだが。

井上 「財政についても申し上げたい。今、王室や政府各部署は、需要のたびに制限なく消費
している。しかし歳計というものを考慮せねばなりますまい。貴国の財源は窮乏しているので
あるから、最も厳格に制限して乱費を防がねばなりません。今日のように、地方官が酷税を課
して略奪するなら、国民は進んで富を求めて財産生命を危うくするよりも、むしろ貧乏である
方が得であると思いましょう。これでは国利民富の道もとざされて、国力も不振となりましょ
う。国民あっての王室であり政府であります。いかに王室が裕福であっても、人民が無法の略
奪による貧苦に満足するはずもありません」

井上のお説教は続く。
358銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:36:10 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・井上さんはご苦労だなあ。
 / ∽ |
 しー-J
359マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:37:04 ID:JStFhxDw
(続き)
井上 「まったくもって貴国はこのとおりであり、重病人、いや死病に瀕していると言えましょ
う。これを直ちに健康体に復させることが出来るはずもなく、しかも病因は一つにあらず、肺に
胃に心臓に、あるいは頭も悪い。脚も病んでおり血液の循環もよくない、というありさまで、身
体は衰弱しきっており、一部を治そうとすれば、他の部分に影響し、劇薬を用いようとすれば、
薬毒のために倒れるおそれもある。まことに良医であってもこれを治療するのは困難のきわみ
であります」

国王 「重病人との比喩は今日のウリの国の情勢を言うのに当たっているニダ」
王妃 「まことにその通りですニダ」

いや、重病人どころか、もはや死に瀕しているのw

国王 「今、卿がウリの国情を全て知られているにおいて、ここに良医を得たも同然ニダ。今、
朕の政府は、不経験の人によって組織され、開明主義の歩みをはじめたのであり、ここに貴国
人の中から適当なる人物を推薦して顧問官とする必要があるニダ。これを卿に相談したい」

この時、王妃は書をしたためて国王にささやき、これを持たせて井上公使に与えさせた。
それは国王が井上を信認することを証した「信票」というものであった。

国王 「この頃はウリの偽の命令書などが出回っているニダ。よって人々の疑惑を卿の上に招
かぬよう、特にこの信票を卿に授けるニダ」
360銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:39:35 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
361マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:42:00 ID:JStFhxDw
(続き)
井上 「多謝。それで、政府各部署で適当な人物を得るのは難しいでしょう。なぜなら、開明
主義などというものは、貴国にとって新規のことであって、今日まで旧夢にさすらうような時
代にあって、この新事業のために相当なる人物を得るのはまず望めないでしょう。だからといっ
てこれを更迭しても、やはり次も同様の人でありましょう。よって、この際、現任の諸大臣は
そのままにしてみだりに変更しないほうがよいでしょう。顧問官のことも、今のような状態で
は、その取り組むところも結局は反対の声に押されて無駄に終わりましょう。かえって貧窮の
国財に負担となるだけであって、これが顧問官の必要を認めながら、今は私がまだ推薦しない
理由であります。それよりも先にせねばならないことがあります。貴国の公職の職務権限を明
らかにし、組織秩序を整頓することです。その上で、成功する見込みがあるところに適当なる
顧問官を招聘されるよう尽力しましょう」

国王 「卿は全権を日本政府から委任されたと聞くニダ。朕もかならずその必要に応じて適当
なる推薦があると信じて疑わないニダ」

井上 「今日奏上しましたことは、このように人払いまでいたしましたから、秘密が保たれて
いると信じます。しかし、奏上した中では、陛下がご信用される人物を私の所に時々派遣して
聖意を伝えられるようにすることと、中宮陛下に直に拝謁したこと以外、秘密を要するほどの
ことはありません」

しかし、この時井上が王妃と対談したことは、ちゃーんと大院君の耳に入っていた。おそるべ
し大院君の情報網、というか朝鮮人の秘密漏洩癖w
362銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:42:58 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
363マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:46:47 ID:JStFhxDw
(続き)
井上 「最後に一言述べたいことは、両陛下と大院君または政府諸大臣と御意見の衝突がある
か、また改良の組織上で悩まれることもありましょうが、本使をただの公使と思われず、一人
の顧問官として御諮問されたい。また各大臣にも本使と万事協議するようにさせられたい。利
害を論じ、事が破綻せぬように出来るだけの対処はしましょう。また、公使ではなく、顧問官
としてご諮問されれば、他国の公使が故障を言い立てる恐れもなくなりましょう」

顧問官としての立場なら公使と違って内政干渉にもならないしねえ。

井上 「今日、貴国の独立を強固なものとするために内政を改革するに、再びこのような好機
はありますまい。もしこの時機を失うなら、再びこのような機会の到来があるかどうか」

後に甲午改革・乙未改革と称されたこの内政改革は、1896年2月に至って頓挫する。筆者とし
ては、どうもこれで「朝鮮オワタ\(^o^)/」という感じがするんですがねえ。

井上 「思えば陛下には、去る15、17年以来、幾多の難局に遭遇せられたでありましょうか。
私、馨は、陛下のために歎息せざるを得ません。なお望みますことは、再び同じような事態の
再演がないようご注意あることを望みます。もし仮にこの後に生ずべき不幸があるとするなら、
これまでのことに比ぶべくもない、いっそうの惨禍となって現れ、どのような不詳事を見るこ
とになるかも知られません。そこのところは、おそらく陛下の聡明なる、おのずから御思慮の
至るところがありましょう」

これにて内謁見を終わった。実際は井上の話は多岐にわたり、長時間のものである。
364銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:47:45 ID:9C6PN3jZ
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
365マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 22:52:58 ID:JStFhxDw
(続き)
それにしても最後の言葉が重い。
もはや日清は戦争となり、大量の血が大地に流れ、莫大な軍費も消費され、これまでのような、
日朝間のトラブルが修復容易だった状況とは、全然違った事態となっているのだから、よくよく
考えて注意を払うように、との井上の警告である。
はたして国王が、聡明といわれた王妃が、この時の井上の言葉をよくよく噛みしめただろうか。

なお報告によれば、井上は王妃に対してまだいろいろと話をしたらしいが、「ことさら表明する
必要がないので、これは明かさない」と結んでいる。
(つづく)

紫煙氏、銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
366銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 22:56:19 ID:9C6PN3jZ
乙です。明治の人は粘り強いなあ。
ウリなら職務放棄したいわ。
367マンセー名無しさん:2010/03/23(火) 23:05:05 ID:JStFhxDw
井上馨は非常に誠意あふるる人だと思うのですよねえ。この数十年の彼の言動を読んでみて。
しかしその誠意もかの国の人にはねえ・・・・。
368銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/23(火) 23:09:52 ID:9C6PN3jZ
「雷親父」なんていうあだ名は一面的だったんだろうねえ。
勉強になります。
369マンセー名無しさん:2010/03/24(水) 22:24:30 ID:NdIR27aR
>>365 何時も楽しい話乙ニダ 
これは漫画にするのは台詞が多すぎるしカットしずらいだろうから
アニメにしたいねえ
誰かやってくれんかな
370マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:15:55 ID:Wf/mYDMP
併合前の日朝(続き)

井上が国王と謁見した4日後、日本公使館に、金宏集総理大臣、金允植外務大臣、魚允中度支
大臣(財務)が来館した。

金総理 「日増しに寒くなってきているニダ。公使閣下にはご健康に気をつけられるニダ」

井上 「多謝。充分そうするつもりである」

金総理 「さて、ご承知のとおり、忠清道・全羅道の東学党はますます狂乱し、地方官を殺傷
し、良民の財を奪うなど、横暴を極めているニダ。ウリの国の兵は微弱により、どうすること
も出来ないニダ。ついては、これの鎮圧について貴慮をわずらわせざるを得ないニダよ」

井上 「仁川の兵站監長にいろいろと尋ねて聞いている。京城にいる日本兵は守備のために動
けないので、改めて大本営に増軍を依頼しているところである」

金外務 「お手数をかけるニダ」

井上 「いろいろ調べたが、この東学党というのは、元は閔氏政権の政府に反対してこれを倒
そうという趣旨であったのが、地方の官吏が虐政を行うから民の苦しみを救おうとか、日本兵
が来て朝鮮を混ぜ返すので、これも追い返そうなどということになったらしい」

金総理 「だいたいそのようなことニダ」
371マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:18:22 ID:Wf/mYDMP
(続き)
井上 「そして乱民はなるほど多数なのであるが、地方の人民に対して東学党の幹部や党員が、
おまえも党に入れと勧め、それを断れば直ちに殺されるので仕方なく入り、それでこのような
多数となっていると聞く。命惜しさに仲間となるが、それでも秋の収穫を取られてしまうとい
うありさまである」

金総理 「まことにその通りニダ」

井上 「それで、朝鮮政府の兵であるが、これもほとんど食料も給金もなく、乱の鎮圧に出て
も、まず民の収穫を奪うという。つまりは人民は、東学党に奪われ、次には鎮圧の兵に奪われ
ておる。地方官などは、日本兵なら対価を払ってくれるので、鎮圧の兵は日本兵が来るのを望
むということである」

金総理 「東学党というのはひとつの宗教から起きたものですニダ。地方官の悪政から民を救
うと言って、愚民を集めているのです。この頃ではむしろ強盗をはたらき、むやみと人の物を
盗るようになっているニダ。地方の官吏が東学党員となり、地方官がその官吏から殺されたこ
ともあったニダ。

井上 「地方の兵士は城内にこもっているだけで、鎮圧には向かわないとも聞く。それで中央
政府から兵を出したところが、これが民から略奪していると」

金総理 「京城から兵を出したのですが、これが規律が良くないニダ。政府の責任であります
が、なにせ指揮官である士官がまともでなく、軍規を正して兵をまとめることが出来ないニダ
。その上、軍糧は地方の租税をもってあてたので、苦しめるつもりではないけれども、結局は
良民に迷惑をかけていることは恥ずかしいことニダ」
372マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:23:27 ID:Wf/mYDMP
(続き)
井上 「なるほど、まあそんなところでしょうな」

金総理 「貴国の兵が少数でも東学党に対して大いに戦っていることは聞いており、有り難い
ことと思っておりますニダ。昨日の報告にも、槐山郡で4千人の東学党が群集して襲撃し、そこ
に来ていた日本兵21人と戦闘となり、多勢に無勢の中に日本兵は戦死1人負傷2人を出しながら、
郡守李容奭を守護し、郡守の印璽を保持し、50里(朝鮮里、約20キロ)隔てた地までこれ
を無事保護されたとのことニダ。これが朝鮮兵だったなら、郡守も殺され印璽も奪われたに違
いないニダ。貴国の兵の勇気あること、自らの損害を省みず困難の中を郡守を救い出されたこ
とに、改めて今日お礼を申し上げますニダ」

井上 「今度、外務大臣からご依頼もあったことなのだが、政府から新たに京城兵500人、江
華島兵100を出すので、日本からも兵を出してほしいということで、私は、大院君の孫の李
鎔さんが率いる京城兵は役には立たないから出さないほうがよいと答えた。それよりも我が士
官佐伯大尉が訓練している教導兵200人を出すように命じた。士官は、まだ訓練は充分ではな
いけれど今晩でも立ちましょうと答えたので、実地の訓練にもなるからそれがよいと言ってお
いた」

金外務 「それは承知しましたニダ」

井上 「朝鮮の兵と言えば、敵に会えばすぐに逃げるという風であるが、我が日本士官から訓
練を受けた者までそういうことになれば、これはもう朝鮮の兵は人足同様ということになる。
人には名誉というものがなければならぬ。また、国王に対して忠義の志を持たねばならぬ。国
を愛するという精神も持たねばならぬ。そして士官の命令をよく守らねばならぬ。そこをよく
心得るようにと、日本士官と教導隊隊長の李振鎬に申し聞かせておいた」
373マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:37:35 ID:Wf/mYDMP
(続き)
金総理 「それはもう全くその通りですニダ」

井上 「ところで、兵の給与や糧食はどうかといえば、給料は3ヵ月が未払いという。そして
糧食は10日分しか受け取っていないという。これでは途中までの糧食にもならないので、部署
と掛け合って何とか整えさせるようにしたが、今朝になってもまだ整っていないという。それ
で我が書記官を派遣して催促をさせたのである」

金総理 「まことに貴意をわずらわせることばかりで・・・゙」

井上 「それでまずお聞きしたい。本当に東学党を鎮圧するご意志が真からあるかどうかであ
る」

金総理 「お言葉までもなく、むろん討伐せねばならぬのでありますニダ。今から2、3ヵ月前か
らでも、充分にやっておれば、今日のように大乱を極めるようなことにはなっていなかったニダ
聞けば忠清道の木川天安などは最も激しく、このままではいつ京城にまで押し寄せてくるかも
知れず、それが貴国の兵士3中隊が駐在しているから、それを頼みに枕を高くして寝られてい
るのであって、もしそうでないなら、人民は戦々恐々たるありさまとなるニダ。実にウリの国
の実情がここに至ることは実に恥ずかしいことニダが、こうしてウリが公使閣下に恥を顧みず
お願いする次第なのでありますニダ」
374マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:43:37 ID:Wf/mYDMP
(続き)
魚度支 「もうこれは実に馬鹿げたことであったニダ。まるで東学党を養ってきたようなものニダ
昨年の暮れに、忠清道に東学党が集まっているから、おまえが行って説諭して解散させよ、と
のことで、それで行って何とか解散させましたニダが、ところが今年の春になって、全羅道の
古阜というところで民乱が起きたニダ。その民乱たるや地方官の悪政に反対したのであるニダが、
ところが、その地方官は、どういうことを政府に言ったかというと、己の非を覆うために嘘を
言ったのである。それで全羅県司が討滅にかかったが効果がない。そこで京城から政府の兵を
出すということになって、朝鮮兵を差し向けたところが、かえってこの兵が随分と地方民を苦
しめるようなことをしたニダ。それで却って反抗を増し、怨みを買うことになって段々と乱民
が増えて、ついに清兵の力を借りるということになり、清兵が来るので日本兵も来るというこ
とになりましたニダ。そこで朝鮮の人は、そら大変が起きた、この東学党は一時起こったがもはや
治まった、もう何ともないと言いふらして、清兵も早く返えさねばならぬ、日本兵も返えさな
ければならぬ、ということで鎮圧もしなかったことから、いよいよ乱民が倍々と増えてしまって、
今日の場合になったのでありますニダ。原因を尋ねてみれば、まったく自分たちで養ったような
ものニダ」

井上 「なるほどそれが事実だと思います。ところで、総理大臣は東学党を討滅せねばならな
いということであるが、外務大臣はどうでありますか」

金外務 「この東学党のために国庫に租税というものが一つも入りませんニダ。穀物も銭もな
い来年は、どうして政治をやっていくか、その見込みがないニダ。各地方では人民は塗炭の苦し
みにあるニダ」
375マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:50:29 ID:Wf/mYDMP
(続き)
魚度支 「今年の6月のことでありましたニダ。鎮撫使というものを出して東学党を説諭すると
いうので、書き付けを持って回ったニダ。何であれほど盛んなものが、ただ鎮撫するなどとい
うぼんやりしたもので治まろうか。それで40日費やしたところで効果はなく、ますます東学党
は盛んとなっていったニダ。東学党が言うのに、日本兵が来て荒らすから打ち払わねばならな
いとか、外国人は国の害となるからこれを追い払わねばならんないとか言っておるニダ。そも
そも皆が皆、東学とかではなく、ずいぶんと付和雷同している者が多いことは、ウリも鎮撫使
として行ったからよく知っておりますニダ。つまりは根本を絶つことが必要ニダ。東学の巨魁を
倒すことに力を用いらねばなりませんニダ」

井上 「よく分かりました。しかしまだ一つ疑いがあります。大君主(国王)はこれを討滅せ
ねばならないと本当にお思いか」

金総理 「むろん大君主も民を安堵させねばという深い思し召しであるということは、自分に
詔勅を下さったニダから、そうであると思うニダ」

井上 「それは兵を出して討つということでしょうか」

金総理 「そういう思し召しでしたニダ。先に大院君が、これも我が宗社の民であるから、こ
れを殺すのは忍びないということで、なんとか説得して帰順させるとのことで、勅諭文を出し
て人を遣わせたが、結局は効果がないということで、今はすでにこれを討たねばならないとい
うことになりましたニダ」

井上 「その大君主の下された詔勅とはどういうものでしょうか」
376マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 00:57:59 ID:Wf/mYDMP
(続き)
金総理 「それは、国王の命令と言って日本兵を追い払えとか、開化主義の者を殺せとか、そ
ういうことを地方に言いふらす者を、速かに捕獲せよという詔勅でありますニダ」

井上 「大院君も、良民を苦しめる者は、これを討滅するほかはないと言われるのか」

金総理 「そうでありますニダ」

ここで井上は、大院君がはたして東学党を討伐する気があるのかどうかに疑問を呈し、大院君
が自分との対談で言を左右にし、話題そらしをしたことなどを長々と述べた。

井上 「・・・・というようなことで、大院君は、東学党鎮圧のための兵を日本に依頼したの
は、大臣たちの意によって出たことであって、自分はただ頷いたに過ぎないなどと言われる」

魚度支 「・・・とにかく、腫れ物が出来たなら早く治療をせねばならないニダ。病毒が全身
に回らないうちに。どうしてもここで東学党を打ち倒しておかねばならんニダ」

金総理 「もう猶予がないニダ。公使にもご尽力を願うニダ」

井上 「いやそれはもう貴公らの心はわかったが、まず大院君とはどういう地位でどういう人
なのか。支那を世界最上無比の国と思い込み、今日にいたっても、支那に隷属していれば東学
党は起きなかったという考えから、日本に依頼して東学党を殲滅するのは不利であると思って
いるのではないか。これは私の推測であるが、おそらく外れてはいないだろう」
(つづく)
377マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 23:38:40 ID:Wf/mYDMP
併合前の日朝(続き)

金総理 「どうにもそれについては何ともお答えできかねるニダ。大院君がそうだとは申しか
ねるニダ。ただ我々が思いますことは、大院君という人は、朝鮮国をよくせねばならないとい
う考えを持っておらねばならない地位にある人ということニダ」

井上 「外務大臣としてはどういうお考えか」

金外務 「いかにも支那主義の人であり、支那どおりにやってもらいたいと言う人ニダ。しか
し今日、そんなことをやられてはたまらんニダ」

正確に言うと、大院君は清国ではなく、先の明国主義と言っていい。清国は野蛮な満州族の王
朝に過ぎないとひそかに思っている。

金総理 「もう老人であるから古い考え方が多いニダ。しかし力があれば支那式にやることも
あるニダが、もうしかし力はないからそれは出来ないニダ」

井上 「諸君らはそう言うが、大院君は第一に権力が強いではないか。金宏集さんが今は総理
大臣であっても、大院君が嫌うならすぐに退けるでしょう。魚允中さんを憎いと思うなら直ぐ
に退けるだろう。また意に染まないなら直ぐに捕縛してしまう。あるいは、政府から東学党鎮
撫の命令を受けて派遣された人に、その鎮撫をさせずに、逆に東学党をそそのかす内命を与え
たり、また人を殺すのでも、犬を殺すか大根を切るぐらいにしか思っていない、権力が一番強
い人でありますぞ」

金総理 「それは地位が高いためでありますニダ。20年前にはずいぶんと残酷なこともされま
したが、今は前のような考えでやっていくことは出来ないと分かっておられますニダ」
378銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/30(火) 23:41:28 ID:1ymHPrRj
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
379マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 23:44:45 ID:Wf/mYDMP
(続き)
井上 「貴政府が日本から顧問官を雇うという話もあるが、大院君がこれを気に入るはずもな
い。かえって日本がうとまれるだろう。ま、支那を崇拝していることは証拠があるから後で話
す」

金総理 「それについてはあまり深くおとがめなさらず、大院君がその意を翻すようにして下
されたいニダ」

魚度支 「ウリはかつて大院君に言ったことがあるニダ。ウリは勤めがほしくてやってるので
はないニダ。国家が骨肉ならウリたちは国家の皮膚ニダ。だから勝手なことは出来ないニダ。ウ
リたちが嫌なら退けられてもよろしいが、国家の皮膚と思ってウリたちの言うことを聴かねば
ならないニダ、と言いましたニダ」

魚允中は、これぐらいのことは大院君に向かってほんとに言う人。

井上 「大院君は古い学問ばかりして老耄していると言われるが、その老耄した者が勝手に振
舞っては政治がみだれる。また日本が勧告して貴公らが政治を執られるなら、貴公らも倭党と
言われる迷惑を受けるだろう。その他の人も改革を言う人は全て倭党と言われよう。貴公らが
倭党であろうが、アメリカ党であろうが、英国党であろうが、そんなことは私はかまわない。
ただ私は朝鮮政府が強固となるならそれでよろしいのである」

そうなんですよねえ当時の日本政府の意としては。朝鮮が何主義でもかまわんのですよ。ただ
富強国かつ独立中立を保ち、日本の安全保障を脅かす存在でなければねえ。貿易つうたって大
したものはないんだし。虎の皮やヒョウの皮なんぞそんなにいらんしw もっとも、国民や政党
などでは、大陸に覇を求める声はけっして小さくはなかったが。
380銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/30(火) 23:45:23 ID:1ymHPrRj
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
381マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 23:49:28 ID:Wf/mYDMP
(続き)
井上 「政府が強固となるためには、他から勝手な命令が下されないように職務権限をもうけ
ねばならない。たとえ君主であっても、意のままに勝手に命令を下すなら、その君主は暴君で
ある。まして大院君が老耄して命令を下すなら、それが妨害となって職務はつくせないであろ
う。ゆえに有用な人物でも身命が危うくなって、ついには職を辞して地方に逃れることになり、
その赤心を国のために尽くすなどということが出来ないありさまではないのか」

井上はここでいくつかの書簡を取り出した。国王、大院君、李載冕による書簡であり、朝鮮が
日本と対清戦争の軍事同盟を結びながら、清国政府に通じるために、ひそかに平壌の清将に送っ
たものである。さらに大院君のものには往復した痕跡すらあった。

井上 「ざっとこれらを見られよ」

金総理ら3人は見る間に顔面蒼白となった。

金金魚 「・・・・こ、こ、これは・・」

井上 「これは平壌戦の時に入手したものである。本書は東京に送ったとの事で、山縣大将か
らは写しが送ってきたが、写しでは効力が薄いので、更に電報を打ってここに本書を取り寄せ
たのである。つまりは大院君がどこまでも支那を頼るということはこれによって証拠立てられ
よう。さあ、大院君は老耄しても時々こういうことがあるではないか」

金総理 「それはその時は大院君はそういう考えだったかもしれないニダ。しかし今ではそう
ではないと思いますニダ」

金宏集はそう言いながら、国王からの書簡を掌にのせ、

382銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/30(火) 23:51:12 ID:1ymHPrRj
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
383マンセー名無しさん:2010/03/30(火) 23:54:23 ID:Wf/mYDMP
(続き)
金総理 「なにとぞこの書簡一通をウリにお譲りくださいませ」

井上 「それは大本営にある書簡なので、呈上することはお断りする。もっとも、これをもっ
て日本政府が貴政府に難問を発するものではない。しかし貴公らもずいぶんと困難な立場にあ
るのう。この老耄した人の妨害から何としても助けたいが」

金総理 「何とか公使から説得していただきたい。かならず悟りを開かれるでしょうから」

井上 「もうひとつある。李呵Oさんはずいぶん悪知恵の働く人じゃあ。先日から来訪して言
うのに、こちらから何も言っていないのに、自分たち一家が東学党に通じているなどと悪口を
言う者があるが、けっして信じないように、とか、協和一致して国の安寧をはからねばならな
いとか何度も言った。それで色々調べていくと、大院君の命によるものかどうか今は分からな
いが、李呵Oさんは東学党をそそのかしていることが分かった。その証拠の通信書も入手して
おる。先ほど、李呵Oさんが率いる京城軍を出しても役には立たないと言ったのはこういう理
由からである」

金総理 「それはどのようなものニカ? ウリたちには分かりかねるニダ。彼は知恵のある人で
はありましょうが、なにしろ年も若いし、見聞も狭く、よく考えないでやったかも知れません
ニダ。書簡などがあったとしても偽書などが行われることですから、ここでそうでしょう、と
は言われんニダ」
384銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/30(火) 23:55:24 ID:1ymHPrRj
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 しー-J
385マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:01:05 ID:QNvqKjkH
(続き)
井上 「それは充分証拠があってのことである。東学党は軍用電信を妨害し、兵站部を襲い、
また日本人の罪もない商人や人足なども数十人殺している。よって通常の刑事事件とは大いに
異なるので、領事を立ちあわせて取り調べさせた。通信の本書は今は領事が持っているからす
ぐにここでお目に掛けることは出来ない。先日から李秉輝なる者を調べてみると、大院君のほ
うから手を回しており、もしそのことが知られると大変だから決して話すな、話せば命を取る、
言わなければ罪を免じて役人にしてやると、内命を伝えている。このほか、色々と発覚するの
を防ぐことを画策している。このようなことでは、日本政府が誠意をもって勧告しても何の効
果もあるまいし、自分が公使として駐在する必要もない」

金総理 「李呵Oという人はさっきから申す通り、見聞も狭く年も若いニダ。あるいは間違い
から東学党と書簡を往復したようなことがあるかも知れんニダ。また彼を傷つけようとして手
紙を偽造した者があるかも知れないニダ。しかしながら、大院君がやらせたということは無い
だろうと考えるニダ。大院君自身がそういうことをすれば、実に国家の存亡に関するというこ
とは知っておられるはずニダ。そしてまた国家と存亡を共にする御方であるから、東学党を引
き入れてやるようなことはないと考えるニダ。しかし古い考えの人であるから、支那を崇拝す
るということはそれはあったろうと考えるニダ。この上は大院君に、充分考えを翻えして改革
をしなければならぬということを悟らせるようにしてもらいたいニダ。また大院君もそれを悟
れば、改革を自ら進めて行くという方に向われるだろうと思うニダ」

これはこれで金宏集という人の誠実な人柄がうかがわれる言葉であって。
386銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:02:32 ID:1ymHPrRj
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387マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:04:37 ID:QNvqKjkH
(続き)
井上 「大院君はすでに75才の高齢であるが、人を殺すということを、あたかも大根を切るぐ
らいに思っている人である。東学党を引き入れたことを知られるのを防ぐのに、鄭允徳という
者もまた隠している。それやこれやで、とにかくこのような人物を打破しようとしてもなかな
か難しいことであろうと思う。ここはどうでも証拠を突きつけて謝罪させたなら、あるいはそ
の暴威を抑えることが出来るかもしれない」

金総理 「なにとぞ、公使からよくよくお話いただきたいニダ」

井上 「また、閔氏政権時代はどうであったかといろいろ調べたが、大院君同様か、またはそ
れ以上であって、閔氏が勢道として君臨し、人を殺して金をとるというような非道の政治を行っ
ていたが、大院君はそれに劣らない人である。また、大君主に謁見して様子を見ると、王妃が
障子を隔てて影からあれこれと国王に言葉を添えている声が皆聞こえる。してみると、王妃も
なかなかの才物であろう。閔氏の勢力すなわち王妃の勢力は強かったのであるが、今は大院君
の暴威によってこれを押さえているのは、要するに、大院君という毒で閔氏の毒を押さえて
いるに過ぎない」

金総理 「・・・・(汗)」

井上 「また、世子宮という人もどういう判断が出来る人かは分からないし、貴公らはまった
く前途困難な立場にあろうと思う。しかし私も着手の仕様がないので、やむを得ず貴公らを責
めねばならない。それで、井上はやかましいことばかり言うので困る、という考えも起こるだ
ろう。実に私も困難である。とても半年や1年駐在したところで始末のつくようなことではな
い。今言った人らが政治に関与しないように出来るかどうか。もしそれが出来ないとするなら、
日本はもはや貴国の改革のことはあきらめて、今、我が国が清国に対するようなことを、貴国
に対しても行わねばならないような大不幸を見出すようなことも計られない」
388銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:05:42 ID:4uCeQh+D
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389マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:10:18 ID:QNvqKjkH
(続き)
金総理 「一々もっともでありますニダ。私の身分としては憚られるような言葉ですが、外の
国からこの国にこのようにまでお尽くしなさるのですから、これらの人らもこの国のために充
分尽くさねばならないのは当然ですニダ。しかし我々の力の充分及ばぬことでありましたニダ。
しかしこれは我々の責任でありますニダ。今ここで貴国がこの国を見捨てるようなことになっ
ては実に大変ニダ。ここまでお話するのは恥ずかしいことではありますが、恥をしのんで一言
申さねばならんニダ。今日まで貴国の力によってこの国の体面は維持できたのでありますニダ。
それを今ここで放棄されては、それこそ功を一簣に欠く(最後の一骨折りを欠かすこと)とい
うようなものでありますから、充分になされたいニダ。また、大院君に対しても、それで暴威
を振るわれなくなるというなら、これも充分にしてもらいたいニダ。それから大君主陛下の後
のことは、今の世子宮の御世となりましょうが、これも諸事整頓して基本が建ったならば維持
できるでありましょうニダ。まず基礎を立てて段々と発達させて、この国を維持していくこと
が出来るように致したいニダ」

魚度支 「この国は目下重病人同様でありますから、これを治療する手段は閣下の諒察あって
適当なる薬を与えてもらわねばならないニダ」

いやだから、重病人というより今まさに死に瀕しているんだってw

井上 「薬を用いるのも難しいことで、大院君を悟らせたら大丈夫と言われるが、なかなか面
倒なことである。政治にあまり関与せずという最も苦い薬を与えねばならぬ。これは大院君が
非常に苦悩し、また付随する頑固党の者らもみな不快を抱いて終始不平が起こるということに
なろう。そうして国王にしても王妃にしても、政府の人々にしても、貴公ら3人はよろしいが、
後は頼みにならない。そして私は医者にも看病人にならねばならず、ずいぶんと困難を感じる
が」
390銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:12:52 ID:4uCeQh+D
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391マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:19:54 ID:QNvqKjkH
(続き)
魚度支 「閣下は日本の維新の元勲でありますニダ。閣下がここに来られたということは、ま
ことによい医者を得たようものニダ。閣下が処方箋をお出しになるなら、私の身は何も惜しい
とも思わないので、その処方箋をもって大院君とその他に忠告して用いさせますニダ」

井上 「もし私が朝鮮の臣民なら、こんなふうに職務を尽くすなら悪人や奸物あつかいされよ
う。そして尽力したことは国のためになるやら害になるやら分からなくなって結局は断念する
ことになりかねない。そして金鶴羽のような剛直な人物はみな命をとられるということになる。
とりわけ大院君に付随する頑固者らか看病人まで殺してしまうかもしれない」

金総理 「大院君がいよいよ悟りを開かれたならば、そうでもあるまいと思いますニダ」

魚度支 「朝鮮という国は、昔から君権が盛んであって、ついに政府は有名無実となり、政府
はあってもなくてもよろしいという有様ニダ。支那もその通りで、いっこうに政府が何なのか
が分からないようで、つまりは国威ということも思わず、ただ王室によって政府の仕事をする
習慣になっているニダ。しかし貴国はこれと全く違うニダ。幕府というものによって王室の光輝
が失われたために改革が行われて維新となり、政府組織も整い皇室の威厳も明らかとなったと
聞くニダ。この国はそれと違って何百年とこのような風に慣れきってしまって、これを一朝一
夕で改革することは困難なことニダ」

井上 「日本の維新は薩長の武力で幕府を破壊して今日に至ったのである。幕府の権力もなか
なか盛んなものであったが、また全国大名というものが、みなそれぞれで兵を養っており、各
藩の組織もあった。それで貴国の事情とは大いに違いがある。貴国の場合、勢道(執権職)に
李氏、閔氏、金氏などがいて、君権を借りて勢道となり、一族のために勢力争いに騒動するの
みであった。また兵力もない。それで日本のような変化は出来なかった」
392銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:20:56 ID:4uCeQh+D
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393マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:26:19 ID:QNvqKjkH
(続き)
魚度支 「我が国はまったく全てのことが文具のようなものである」

金総理 「実はもう政府の力などというものは何百年という昔からありはしないのであります
ニダ。ことに人物の如きも、達見博識の人というものもなく、国力というものは全くなかった
のでありますニダ」

井上 「どの国でも臣下に人物が出るときもある。出ないときもある。共和政治の国でもそう
である。そこで寒暖計のように、良い人物が出れば国位が上がり、悪い人物が出れば国位が下
がる。上がったり下がったりするということになる。であるから、そうならないように、政治
の基礎を定め、一つ一つ法を立て、全てのことをそれに照らして行い、また君主であってもそ
の法に従うような政治を良しとするのである」

井上は朝鮮を立憲君主制の方に向かわせることを考えていた。しかし後に君権を政府に奪われ
たような気がした国王王妃は、これを拒絶して君権を取り戻すことに必死となる。そしてそれ
が後の王城事変(含む王妃殺害事件)を生むことになる。

金総理 「今日は有益なお話を承りましたニダ。また2、3日内にはお話を承りたいニダ」

午後2時に開始して、すでに6時半となっていた。

魚度支 「病人についてお話を伺ったニダ。ただここで処方箋を出してくださることを望むニダ。
今日はこれまでとしますニダが、どうか処方箋を」
394銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:27:16 ID:4uCeQh+D
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395マンセー名無しさん:2010/03/31(水) 00:33:53 ID:QNvqKjkH
(続き)
井上 「貴公らもお疲れではありましょう。しかし食事は用意してあります。食事をなされて
から、まだお話することがあります」

再開したのは午後7時20分であった。井上がなおも話したいことは財政の問題であった。
(つづく)

>>銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝。

この井上馨による朝鮮内政改革の取り組みは、これまでの20数年間における日本政府の対韓政策の集大成でもあり、総括でもあると思いますので、少々詳しく記述するつもりです。
もしこの改革が挫折すれば、もはや日本としては朝鮮が真の独立国として自立することを諦めざるを得なくなります。
つまりはその外交と内政に干渉して保護国とするほかはもう手立てがなくなるわけで。
396銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/03/31(水) 00:35:01 ID:4uCeQh+D
>>395
乙です。楽しみにしております。
397Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/04/10(土) 15:54:17 ID:8agxBeHd
おつニダ
398マンセー名無しさん:2010/04/15(木) 21:56:10 ID:fbvw0cUe
保守
399マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 15:11:34 ID:jl3F2Hk9
400マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 20:17:41 ID:V95aQ0ME
401マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:34:10 ID:TZBDIZXy
併合前の日朝(続き)

井上 「さて、大院君に政治には口を出さないよう約束させ、また、大君主も温厚な方である
から、裏から王妃があれこれと指図するようなことがないようにせねばならない。そして、中
央政府の権限も定めたとする。それで、では政府の税収は方はどうなのか。全羅、忠清と東学
党のために荒らされ、平壌なども支那兵が来て財を奪って民家を焼いているから、ここも税収
の見込みはない。山縣大将の報告にも、平壌から義州までは激しく焼けているとある。支那兵
のすることであるから、地方官も取り締まりはできまい。なにせ昔から崇拝しておったからの
う。まあ、日本兵は代価を出して購入するから迷惑はかけてはおらんが、支那兵の方からはず
いぶん被害をこうむっておるだろう。そうするとほとんど税収はないのではないかと想像する。
政府で東学党討伐のため兵を出すというなら、給与も食料も十分出さねばならない。冬になれ
ばテントや防寒具も必要となろうし、その費用も多くなろう。それで、会計上においてどうす
る積もりかを聞きたい」

魚度支 「平壌以北と、忠清、全羅、慶尚はまず望めないニダ。それに平時であっても我が国
の租税は豊かではないニダ。それで、紙幣を発行しようと思うニダ」

井上 「ほう。紙幣を発行すると。しかし、紙幣というものは何時でも正金と交換できねばな
らん。とりわけ外国人の求めに応じて引き換えることができねば信用を失うことになる。紙幣
には交換できる原資が要る。そのための金か銀の用意があるのかどうかを知りたい」

「困ったニダ。お金が足りんニダ・・・・ピコーン☆! そうニダ! 紙幣を刷ればいいニダ」っ
てかw
(続き)
402マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:37:16 ID:TZBDIZXy
魚度支 「閣下にはそういうことにはお詳しいから何か適当な方法を伺いたいニダ」

現代の北と違って、当時は井上馨が朝鮮にいたからよかったねえ(笑)

井上 「まずよく調べた上でないと名案も立てられない。国庫にこれだけ確実に収まるとか、
また、税の中でもこれは増税できるとか、そして王室や政府の費用もこれだけとか、それらが
はっきりしなければならない。聞くところによれば、王室には女が700人もいるという。また、
各役所には無用の役人もたくさんいる。無駄な費用は節約せねばならん。合併したり廃止した
りすることも必要となろう。まずは詳細な調査結果が明らかとならなければ立案は難しい」

魚度支 「朝鮮は前は今のように銅銭を用いなかったニダ。すなわち物品を金銭とみなしてい
たニダ。税は米や絹や木綿で納め、雑穀はあまり税としては取らなかったニダ。それで銭を用い
るようになっても、やはり銭で払う地方は少ないニダ。銭で払うのも、京城まで物品を持って
きてそこで売って納めるニダ。それで1年の歳入ニダが、税関収入を除き、また地方の経費や給
与を差し引いて、京城に入ってくるのはおよそ日本円で500万円ニダ。その内で国庫に収まるの
は少しで、後はみな王室に入り、その内のある部分は王妃のために使われるニダ。であるから、
京城の役人の給与は極くわずかなもので、それで地方に行って地方官となって財を作るように
しているので、ウリたちは今日までどうにかこうにかやって来たニダ。しかし今後は節減せねば
ならんニダ」

朝鮮中央政府の者の給与は薄給であった。たとえば明治17年当時、政府最高位の領議政ですら
米・大豆・銅銭合わせて90円位で、在朝鮮日本代理公使の4分の1程度であった。
403マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:37:32 ID:Trn1Gzn5
( ^ω^) おっおっおっおっ
404マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:40:53 ID:TZBDIZXy
(続き)
井上 「まあ、そうせねばならないでしょう。それに王室経費も定めねばならないが、この頃
から50万円にしたと聞いた。しかしそれに対して大院君が、『それでは王室の尊厳が欠ける。
日本が300万円なら、朝鮮は倍の600万円にせねばならん』と言ったとか。このような誇大な考
えでは経済は成り立たない」

大院君はじめ守旧派の朝鮮人には、朝鮮は日本より上位の国であるとの観念があった。文化に
おいて遥かに格が上だとね。で、このわけの分からない観念は今日までも受け継がれておりま
す(笑)

井上 「日本の去年の歳入は8000万円であった。皇室費はその内の300万円であり、維新以来
の改革は皇室にも及んで非常に節減した。しかしこの国ではこの前も国王に謁見した時に、高
級なテーブルと高級なテーブル掛けがあった。これはよほど高い金を出したであろう。つまり
は無用な役人が無駄遣いをしたのである。こういったものを取り除くことが出来るかどうか。
総理大臣、外務大臣にも、そのご決心があろうか。小さいことを言うと思おうが、小さいこと
から大きいことまで経済は関係する」

魚度支 「それはもう実にごもっともニダ」

井上 「王室には兵もいくらかいるが、これが本当に役に立つのか。また小吏も極めて多い。
また各衙門も同様であって、その実態は遊び人製造所と言っても過言ではないだろう。国の経
済のことは大蔵大臣のみでなく、王室の人も、各大臣も、その脳裏に置いておく必要がある。
まず、第一に王族が政治に口を挟むことを禁じること、次に王室費の削減であり、また無駄な
人員を削減することである。これだけでも非常に苦い薬であろう。まして各衙門にも地方にも
その苦さは波及するだろう。しかしこの国の自主独立を強固なものとするためには、これが出
来るがどうかである。この薬をうまいと思って飲む者は一人もいないだろうし」
405マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:45:17 ID:TZBDIZXy
(続き)
金総理 「この国も元はこうではなかったニダ。役人を採用するのも、各省大臣から奏上して
君主の裁可を仰いだニダ。国王が直接に選ぶなどということはかえって恥ずかしいことだったニ
ダ。税を取り立てるのも、王宮の修復も、むやみやたらと勝手にすることも決してなかったニダ
ここ3、40年前まではそうであったニダ」

井上 「今おっしゃるとおり、国務大臣が責任を負い、過失があっても国王に迷惑をかけない
ようにし、また国王も充分に大臣を庇護して、その職を尽くせるようでなければ、責任を負う
ことは難しいことである」

金総理 「まことにそのとおりで、君主が大臣を任ずるのも、信用して政務を委ねるからニダ」

金外務 「王は上にあって安んじ、臣は下で苦労する、ということもあるニダ」

魚度支 「どうもこの頃のようではどうにもならないニダ。たとえば外国との交渉は外務がす
ることなのに、宮中が直接に行っている。実に驚くべき事態ニダ」

井上 「私の意見も諸君らの中で明瞭となったろう。薬は幾種類とあり、非常に苦くなる。そ
うして、大院君、王妃、李呵Oなど、その他の妨害が多くて、実に至難となろう。しかしそう
なっては、私としてはむしろ改革のことなど放棄して帰国し、天皇陛下に、朝鮮の独立を強固
なものとするのは無理であると、その理由ともども奏上した方がよい、との思いが強くなる」

金総理 「ウリたちは随分と危険な立場であるが、公使は外国のお人であるから、その点、ま
だよいニダよ」
406マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:49:15 ID:rPaATRDz
韓国や中国の言い分にちゃんと耳を傾けて,日本は反省しなくちゃならないな
今ならまだ間に合うと思うよ
きっちり謝罪と補償すべきなんだよ日本政府が
そうすれあ支持率はupすると思うな
407マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:50:11 ID:TZBDIZXy
(続き)
魚度支 「貴国の交誼は終に日清の交戦となって今日に至ったニダ。すなわち我が国のために
こうなったニダが、また日本のため、東洋諸国のためにもされたのであるから、ここで貴国が
断念なさっては、せっかくのご厚意が不本意なことに終わるニダ。公使が日本からの義使であ
るということは世界にも知られているから、この際充分に我が国を幇助されたいニダ」

井上 「今日、どの国でも富国強兵をはかり、害をするものは排除し、利益は拡張することは
当然のことである。日本が義侠心で貴国を独立させるということも、貴政府が自ら独立を口に
唱えられることも、その実を挙げることに努めないなら、日本政府としては、やむを得ず朝鮮
に対する政策を変更せねばならなくなる。すなわち我が国への害は兵力によって我が国を守り
国益をはからざるを得ない。また将来何年間も貴国の用達をするような義務はないのである」

金総理 「それで私などは、極く単純な考えでここに来まして、けれども段々と話を聞いてみ
ると、まことに公使の話はもっともなことですニダ。第一に、まず妨害となっているのを排除
せねば仕事は出来ませんニダ。この基礎を作らねばならないことは大いに分かりましたニダ。こ
の病が何であるかが明らかとなって、そして病を治す薬を求めるようなもので、まことに今は
危急存亡の時ですから、私らは充分に考究いたしますニダ」

井上 「三人でご相談がついたら私もご相談にあずかろう。度支大臣は財政のことをよくよく
ご考究されたい」

金総理 「私の方から言わねばならないことを、閣下の方から言われて恐れ入るニダ」

散会したのは夜10時40分であった。

朝鮮の内政改革というものが、いかに困難なことであるか。また第一に何に取り組まねばなら
ないのか。それを金総理たちもようやく自覚しだしたということだったろう。
408マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:52:57 ID:rPaATRDz
NGワード TZBDIZXy
409銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 21:55:38 ID:MidiQpzs
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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410マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:56:11 ID:TZBDIZXy
(続き)
翌日11月9日、井上公使は今度は岡本柳之助に大院君が平壌清将に送った書簡を持たせ、大院
君の元に派遣した。まず岡本から私的に大院君に問いただせたのである。

大院君 「な、な、なじぇにそんなことを言い出すニカ!」
岡本 「国太公殿はなぜに支那を頼みとされるのですか! 本意ではありますまいが、情けの
うございますぞ」
大院君 「岡本、待て! ウリがなにをしたというニカ! たとえその方でも、ぶ、無礼を言う
と許さんニダ!」
岡本 「日本と同盟を結びながら支那とも結ぼうというのは、あまりに欲張ったお考えではな
いか!」
大院君 「だ、だからウリが何をしたと言うニカ!!?」
岡本 「やれやれ、国太公殿がこの柳之助にも腹の内を明らかにされぬとは。7月23日に日本
軍と共に王宮に入られた時点で、もはや日本と運命を共にされたも同然とは思われなかったの
ですか。そういう決断をされた裏で平壌の清将に通じようとされる。朝鮮独立のための日本の
義挙をお裏切りになるとは」
大院君 「!! !・・・(汗)だ、だから・・・」

岡村は井上から預かった大院君の手紙を取り出した。

岡本 「この手紙は国太公殿のものに違いありますまい」
大院君 「!!そ、それは! なぜおまえが!!」
岡本 「王族はあげて清国を頼みとしているということを本国の大臣へ通知するよう清将に依
頼する内容となっておりますなあ。同様の内容で大君主陛下のものもありますぞ。これらは平
壌戦で敗退した清将が残していったものの中から見つかりました。山縣有朋陸軍大将が預かっ
ておられましたが、井上公使がこちらに取り寄せたのです」
411銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 21:56:38 ID:MidiQpzs
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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412マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 21:58:53 ID:jl3F2Hk9
中共「われわれはチベットを近代化し、経済発展させた」

おまいら「日本は朝鮮を近代化し、経済発展させた」

よく似てるね侵略者の言い分は
413マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 22:08:47 ID:TZBDIZXy
(続き)
大院君 「!!(大汗)・・・・・」
岡本 「朝鮮の地で日清が戦となったことで、その苦衷が分からぬ柳之助ではござりませぬ!
日清交戦の勝敗が分からぬ時でありましたから、そのような工作をなさるのもまた無理はあり
ませぬ。しかし今日、清軍は連戦連敗のありさま。日本軍は清領をすでに深く進入しておりま
す。結果は明らかでしょうぞ」
大院君 「はあーーー」
大院君は肩を落とし背を丸めた。それは岡本がはじめて大院君に見た一人の孤独な老人の姿で
あった。
大院君 「・・・・柳之助・・・ウ、ウリはどうすればいいニカ?」
岡本 「詫びるほかありますまい。誠意をこめて」
大院君 「・・・・それしかないニダ。当時の情勢からやむを得ずに書簡を出したもので、今
これが発覚した以上、もう一言もないニダ」
岡本 「さよう正直に仰せになれば、この上とがめられるような井上公使ではござりませぬ」
大院君 「ウリは見誤っていたニダ。まさか日本の兵がこれほど強いとは」
岡本 「日本兵が強いのではありませぬ。海軍をイギリスに学び、陸軍をドイツに学び、軍事
のみならず、政治、経済、工業、法律、その他百般について国民の心を一つにして維新以来わ
が国は大改革に取り組んできました。その力が外に現れたに過ぎませぬ。世界をよくよくご覧
なされませ。世界の国々は一時も歩みを止めることなく、国家の進歩発展に励んでおりますぞ。
しかしここ東洋ではその流れも淀み、支那なんぞは古臭い考えのまま、まるで居眠っておるよ
うなものです。たとえ領地は広くとも、それだけでは強国とは言えませぬ。世界に冠たるかの
大英帝国も、本国は日本とほとんど同様の土地しかない小国ですぞ。それが今では世界を縦横
無尽に走り、巨大な領土を持つに至っているのですから」
414銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 22:09:40 ID:MidiQpzs
中共はいつチベットを近代化したんだ?
415銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 22:10:10 ID:MidiQpzs
  ∧,,∧
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416マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/04/18(日) 22:14:46 ID:rLbaSR9F
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 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

>>414
さわらない、さわらない。
417マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 22:14:52 ID:TZBDIZXy
(続き)
岡本は更に朝鮮の世界における地位やその将来について懇々と語り続けた。
7月23日以来、岡本柳之助は大院君と親交を深め、大院君が深く信頼する日本人の一人となっ
た。後には朝鮮全大臣の前で大院君に代って演説をすることすらあった。

岡本は公使館を訪れ、大院君の強気が挫けてひたすら謝罪したことを報告した。

井上 「よし。次は国王だのう。これは金総理たちから国王に問わせるがよかろう。杉村書記官。この国王の書簡を持って君が議政府に行き、金宏集総理と金允植外務に面会して説いてくれ」
杉村 「分かりました」
(つづく)

>>諸氏にはいつもご支援感謝です。
418銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 22:17:04 ID:MidiQpzs
お疲れ様ニダ。
419マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 22:17:10 ID:oaxbZyLc
後出しジャンケンで歴史を見るとおかしくなる件
420銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/18(日) 22:18:13 ID:MidiQpzs
>>419
確かにそうだな。韓国の歴史認識などはまさにそのいい例だな。
421マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/04/18(日) 22:19:31 ID:rLbaSR9F
 ●-、
r´ - ●
 ` =='\
  |    ヽ
  UUてノ乙でした。

422マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 22:26:23 ID:rPaATRDz
(´・ω・`)日本は朝鮮に酷いことをしたよね
http://live23.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1271596333/
(´・ω・`)日本は朝鮮に酷いことをしたよね
http://live23.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1271596333/
(´・ω・`)日本は朝鮮に酷いことをしたよね
http://live23.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1271596333/
423マンセー名無しさん:2010/04/18(日) 22:43:15 ID:9BzD5ufv
会員100万人といわれる韓国最大政党である「一進会」は日韓併合推進派だった。
会員100万人といわれる韓国最大政党である「一進会」は日韓併合推進派だった。
会員100万人といわれる韓国最大政党である「一進会」は日韓併合推進派だった。
424マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:12:55 ID:CjfUagw5
併合前の日朝(続き)

10日、杉村書記官は王宮に赴き、議政府にいる金総理、金外務に面会した。

杉村 「今日は井上公使の命で来た。ほかの事ではない。この書簡の件である」

金宏集らとの付き合いはもう10年以上になる。公使館きっての古参の杉村であるから、もの言
いも遠慮がなかった。
カバンから国王と大院君による清将への内通書を取り出し、金総理らの眼前に突きつけた。

杉村 「これらの書簡が発覚した以上は、これをそのままにしておくことは出来ない。何とか
始末をつけねばならないだろう。特にこの内には大君主陛下の御親筆もあり、これを不問とす
るのは難しい。貴大臣らはどうされるつもりか」

金宏集は深くため息をついて言った。

金宏集 「これらの手紙がもしウリたちのような臣下の手から出たものであるなら、これを死
刑とするなり、流刑とするなりして処分をし、もって貴政府に謝罪する道もあるニダが、いか
んせん、君主の手から出たものなので、ウリたちがどうこう処分できるものではないニダ。貴
政府がもしこの手紙をもって厳責されるというなら、ウリたちも国王と運命を共にするだけニダ。
他に道はないニダよ」

杉村 「はあ? 今日国家の重任にあるのは貴大臣らではないのか。君主のなされたことでも
しも過失があるなら、これを何とか繕って国家の威信に傷をつけないようにするのが、貴大臣
らの尽くすべきことではないのか。それが臣下の道ではないか!」
425マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:15:36 ID:CjfUagw5
(続き)
金総理 「こ、これは言葉に行き届かないところがあったニダ。まことにそのとおりニダ」

杉村 「また大院君の書簡についても何とか処分することを考案されたい。もしほうっておく
なら却って後日の患いを残すだろう」

金総理 「そのことも分かったニダ。とにかく明日に大君主陛下のご意向を伺い、明後日に公
使館に参って返答するニダ」

翌日、金総理は国王の下に伺候し、手紙のことを奏上した。
国王はほとんど失神せんばかりに驚愕し、ひたすら謝罪の意を述べるよう金総理に命じた。

国王 「今からすぐに行って朕の意を伝えよ!」

だいたい朝鮮はものごとにルーズな国である。翌日と約束すれば翌々日となり、明後日と決め
れば必ずと言っていいほど明明後日となった。
それが、この時ばかりは約束より1日早く金総理が公使館を訪れることになった。いかに国王
が焦ったかが分かろうというもの。

金総理 「本日、我が大君主陛下の旨を報じて公使に面会するのは、先日閣下から示された親
書の件ニダ。陛下には深く後悔なされ、いかにも相済まないことと思し召され、なにとぞ公使
閣下から貴国皇帝陛下に電報でこの不始末をおわびして下され、とのことニダ。またウリから
も代わっておわび申せとの御意なので、そのへんをご諒察いただきたいニダ」

井上 「承知した。しかし、詫びるということは、国王陛下には今後は清国に隷属することを
絶って、独立を強固なものにさせるとの意なのか」
426マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:17:25 ID:2TaMIDPK
C
427マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:20:04 ID:CjfUagw5
(続き)
金総理 「国王は以前から独立することに熱心であり、そのための内政改革にも尽くされると
思うニダ」

井上 「大院君のみならず、中宮陛下(王妃)にも、政治や人事に口を挟まれないことはもち
ろん、国王もまたみだりに政府大臣の職務権限をおかさないようにするべきである。このこと
を奏上されよ」

金総理 「それは承知したニダ。ただ、臣下が父母としてつかえるお方に、臣下から直接お話す
るのも難しいニダ。大君主に向かって、中宮殿が政治に関係するのはよくないからお止めなさ
い、などとウリの口から言うのははばかられるニダ。ただなるべく覚られるようにはお話するニ
ダ」

井上 「『君主につかえるに父母につかえるが如し』とは言うが、ではその父母が家計を乱す
ようなことをしても、子は義務として黙っていなければならないという道理もあるまい。まし
て君子に諫言するは臣下の務めである。しかし貴公らがそれを難しいと言うのであれば、井上
がこう言っていたと話せばよいのである。ま、それも言いにくいなら私が直接言いましょう」

金総理 「それはもう、ウリは臣下として自分の身命を捧げているのですから、それは私が言
うニダ。公使に話してくれとは恥ずかしくて言えないニダ」

井上 「事情ある者に無理面倒を起こすことは好まぬ。私が詳しく上奏するから、貴公らは大
略を話しておかれたらよい。ただし、内謁見の場では、そこに大院君も中宮殿下もいてもらわ
なければならないが」
428マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/04/28(水) 21:20:35 ID:BdBjLzgK
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 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
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429銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:25:32 ID:IiN2FGbR
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430マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:31:09 ID:CjfUagw5
(続き)
金総理 「ウリが公使の言われるとおりに充分詳しく申し上げるニダ」

井上 「貴公を疑うわけではないが、大君主が平壌の清将に親書を送られたのを悔悟されてい
るとの言葉は直接確かめておきたい」

金総理 「承知したニダ」

井上 「そもそも明治17年の事変というものは、明治15年事変の和約後に、国王が親書をもっ
て借兵を申し込んだことに起因しているということがある。あえて問うなら、その騒乱の原動
力になったのは誰だったのか。当時、そのことは曖昧なまま埋没した。しかし今度のことは確
実なものとしておかねばならない。でなければ、また同様の手段を見ることになるかもしれな
い」

明治15年にこの親書をもたらした朴泳孝はその時21才。彼が国王に進言して国王に親書を書か
せたとは考えにくい。つまりは事変騒乱の原因は国王自身によるものということになろう。

井上 「とにかく謁見して国王が悔悟しているという言葉と、王妃と大院君が政治にくちばし
を容れないことを確かめねばならない」

金総理 「ごもっともニダ。謁見のことは内奏するニダ」

井上 「その時には各大臣もご列席ありたい」

金総理 「皆ではなく、ウリと魚度支と軍務大臣などに列席させましょう」
431銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:32:02 ID:IiN2FGbR
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432マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:35:53 ID:CjfUagw5
(続き)
金允植外務 「誰だと言わずに、大臣全員とした方がいいニダ」

井上 「その方がよろしい。公明正大にするほうが良い」

金外務 「昨日、大院君に会いましたニダ。政治にくちばしを容れるのはよろしくないという
話をしたニダ。すると大院君は、今までのことは悪かった、これからは政治に関係しないから、
お前から井上公使に会って話をしてくれ、と言われましたニダ。宮内大臣の李載冕も来て、自分
も保証する、父の言う通りである、と申しましたニダ」

井上 「大君主陛下は決して咎められるような人ではない。また李載冕という人も篤実温厚な
人であるから私は決して咎めない。しかし大院君が最初に面会した時に、男らしく淡白に謝罪
していたら私はそれで納得しただろう。それを無いことのように言い、東学党を教唆した件で
も、悪事が露見しないように工作をしている。東学党を京城に引き込もうというのなら、私は
それはそれでよろしいし、支那へ手紙を出して兵隊を借りるのもよろしい。どうぞ日本に敵対
なさいと言いたい」

金総理 「ウ、ウリの考えでは、李呵Oは年も若く考えも足りないところから東学党と関係し
たと思いますニダ。しかし大院君は孫可愛さに李呵Oを庇ったのであって、東学党のことは知
らなかったと思いますニダ」

井上 「そういったことでも正直に言うのなら何でもないが、いつまでも庇い立てるから私も
言わねばならない。大院君はこの事で取り調べを受けている者に、こうこう言えと指示してい
る証拠がある。最初から自分が悪かったと正直に言えばこんなことまでしないが、なおも誤魔
化そうとするから、私は東学党掃討の日本兵に、証拠書類を押収せよ、東学党員を殺すよりも
首謀者を捕らえよ、と訓示しておいた」
433銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:37:36 ID:IiN2FGbR
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434マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:40:35 ID:CjfUagw5
(続き)
金総理 「な、なにか証拠があがりましたニカ」

井上 「いくら隠しても分かる。この通り証拠があがって来ている」

井上は東学党幹部の連絡通信文を取り出して金総理らに見せた。それは明らかに大院君や李
鎔の関与を示す内容のものであった。
金総理は深いため息をついた。

井上 「日本と朝鮮が同盟を結んで支那と戦争中なのに、最も重要な通信線を切断したり、兵
站部を襲撃したり、罪のない商人や人足を殺しているのは誰か。すなわち東学党である。それ
を貴政府が、朝鮮兵ではどうにもならないからどうか鎮圧してくれるよう願う、と言って依頼
しながら、このように東学党を教唆していては、これは場合によっては領事を立ち合わせて取
り調べなければならない。通常の犯罪とは違うのであるから」

金総理 「ごもっともなことでありますニダ」

井上 「本人らが謝罪改心するならよろしい。しかしどこまでも庇い立てするというなら、日
本政府が誠意をもって朝鮮を助けるという必要はない。東学党鎮圧のために我が兵を出す必要
もない。貴国の官民は朝鮮国の自滅を企てるような道を歩みつつある。悪事を隠蔽するのに情
で訴えても、私はそのようなものには屈服しない」

金総理 「実に私は、公使のお話を聞き、そのように証拠をあげて説かれることに、あたかも
氷が火によって溶けるように釈然といたしましたニダ。どうかあの人らもこのようになるのを
望みますニダ」
435マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:40:57 ID:2TaMIDPK
C
436銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:42:17 ID:IiN2FGbR
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437マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:46:26 ID:CjfUagw5
(続き)
井上 「私がこのように難しく言い出すのも、彼らが道理に逆らうことをしているからである。
およそ過ちというものは聖人でないなら誰でもあるだろう。そしてその過ちを改めるのに憚ら
ないのも真正の人というものである。すなわち、日本の誠意は了解した、どんな苦い薬でも飲
んで独立国の実を挙げることに一心不乱となると。やれ日本党だ、やれ支那党だというような
ことは言わず、ただ独立党であると決心すると、真心もって明言されればよろしいのである」

金総理 「私もあの人らがよく悟りを開くように言って聞かせますニダ。あの人らは、どんな
大事になるか分からないと心配して、ますますまずい考えにおちいるのでしょう」

井上 「疑心、暗鬼を生ずる、ということがある。自分がしたことを人から知られてはならな
いようにせねば、という心に鬼が生ずるのである。私も難題を持ち出して朝鮮を奪い取ろうな
どと考えているのではない。また、日本政府の意向も、国民の意思も皆そんなところにあるの
ではない。しかし法務衙門にまで呼び出されて調べられはせぬかと疑って隠蔽しようとするか
ら問題が難しくなるのである。もっとも、一時の謝罪ですませて後はどうでもよいという心な
らば、ついには国家の安危にかかわる岐路となろう。まず、大院君と李呵Oが謝罪に来るのが
第一であろう」

ところが李呵Oは、後々に金鶴羽法務大臣暗殺の件などで法務衙門から起訴されることになる。

金総理 「それはもう公使の意はそうだと考えていますニダ」

井上 「これらのことを大院君らへお話されたい。私は公使の資格でなく顧問として意見する
のである。また後日には、大君主、王妃、王族、大臣らの皆が臨席する中に謁見することを希
望したい。そのような一同列席の中で大君主に奏上するのは、まず朝鮮政治改良の基礎を作ら
ねばならないからである」
438銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:46:39 ID:IiN2FGbR
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439マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:51:29 ID:CjfUagw5
(続き)
金総理 「承知したニダ。そのような謁見の形をもうけるようにするニダ」

井上 「ところで、大院君は米国公使やドイツ・イギリスの領事を招いて、日本公使の内政干
渉が強くて困るなどと言ったと聞く。私は王室や政府や大院君また王妃の陰謀などは大概のこ
とはみな耳に入る。朝鮮の外交を司るのは外務衙門のはずだが、これでは外務衙門などあって
も意味はない。およそ物事は一つの道から出なければ弊害を生じよう」

金総理 「しかし外務の方は他の衙門よりいくらかましかもしれませんニダ」

そそ。王族に利用されていないだけ外務衙門はましな方かも。他の衙門はもう王妃や大院君の
言いなり、なすがまま。

金允植外務 「明日に大院君がここに来られるはずニダ。その時に公使からお話になった後、
私もまた同君へ申しますニダ。その後、各大臣らも臨席した場で確かめることを話されたらよ
ろしいニダ」

井上 「承知した」

金外務「これまで大臣らが出席する時には大院君は決して出席したことがないニダ。それは同
君の席がないからニダ。しかし今はそんなことは言ってられない。国王の後ろに控えるのがよ
いと、大院君にお申し置きを願うニダ」
440銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:54:10 ID:IiN2FGbR
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
441マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 21:56:15 ID:CjfUagw5
(続き)
井上 「よろしい。また私は決して王妃に面会したいのではない。障子の内からでもお聞きな
されたらよい。後になって王妃から私は聞かなかったなどと言われては困るから」

金総理「聞けば全羅道の方で東学党が落とし穴を沢山造ったそうであります。よって貴国の兵
も注意されることを望む」

こと国王夫妻のことになると口にするのも憚られるのか、話題そらしをするのが金宏集。

翌12日、大院君が公使館に謝罪に来た。
(つづく)


>>いつもいつも諸氏にはご支援を感謝します。よい連休を。
442銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/04/28(水) 21:57:28 ID:IiN2FGbR
>>441
よい連休をお過ごしください。
しかし、念の入った外交だな。今の政府にも学習してほしいものだ。
443マンセー名無しさん:2010/04/28(水) 23:50:18 ID:CjfUagw5
これはもう外交と言うより、井上馨が国王顧問として本気で朝鮮内政改革を進めようとするプ
ロセスの一端なんですよねえ。まあ、あまりに肩入れし過ぎて、後には伊藤総理から「ちょっ
と独断専行じゃね?」と疑われるようなことにまでなるんですが。
444マンセー名無しさん:2010/04/29(木) 07:48:06 ID:65rlvze0
いつも乙

>>443
井上馨はそういう性格だから仕方ないお
短気な癖に面倒見よすぎ
445マンセー名無しさん:2010/04/29(木) 12:30:21 ID:KL+qhiM5
臨場感に溢れ、大変面白い読み物となっていて、有難く拝読しています。

ここに描かれている井上像は真に頼もしく、立派である。
ただ、巷間に流布されて日本の庶民に知られている井上像は晩年のものなのか
、ここの描写とはかなり乖離がある様に感ぜられる。

折があれば、その辺りについても、記述して頂きたい。
446マンセー名無しさん:2010/05/01(土) 01:18:21 ID:Xnnvms/P
保守
447マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 19:40:24 ID:l4fLndwh
>>445
筆者は巷の井上像なるものは寡聞にして知りません。
ここでは当時の公文書資料である談話筆記録を、現代語訳するなどして読みやすいように書い
ているだけで、多少削ってはいますが井上の言葉はだいたい記録どおりです。
では、これらがどのような方法で記録されたかは、ちょうど次の井上馨と大院君との会話の中
でそのことが話題となって出てきます。


併合前の日朝(続き)

大院君 「さて、今日こうして参ってきたのは、拙者が8月中に平壌監司の閔丙奭からの書簡に
返事をした手紙の不始末についてお詫びを申し上げるためニダ」

井上 「閣下が最初から、とても日本兵は支那兵に勝てないだろう、朝鮮は小国であるし、後
で支那から詰問されても困ると思っていたからである、というように淡白に話されていたら、
私としてはどうも思わなかったのである」

大院君 「最初岡本が来て、ウリに支那兵に手紙を送らなかったか、と聞いたニダ。それでそ
んなことはないニダと答えたニダ。最初から平壌監司に手紙を出したか、と聞いていれば、それ
は自分は出したニダと淡白に答えていたニダ。とにかく当時は日本の処置をあまり心持ち良くは
思わなかったニダ。支那兵に対しても音信不通のままにしておくわけにもいかんかったニダ。そ
れで自分は日本に不平の思いを抱いたまま手紙を出したのであって、これは自分の誤った感情
からおこったことニダ。とにかく岡本が最初に平壌監司に手紙を出したか、と聞いておれば、
実は淡白に話したことニダ」

言い訳必死w
井上は大院君の書簡を取り出し、それを見せながら、
448マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 19:44:46 ID:l4fLndwh

(続き)
井上 「私は貴下を深く責めるのではない。しかしこの書簡には2通目を示す印があるから他
にも手紙があったようだが・・・・」

大院君 「・・・・・」

井上 「日本政府は朝鮮を独立させ、その基礎を強固なものとしようという誠意から、ついに
はご承知のとおり兵を出して支那と戦争をしておる。これは東洋における力を平均化する平和
維持の策でもある。もしそれが破れる所があるとすれば、すなわち朝鮮である。もうすでに朝
鮮は破れつつある。ゆえに日本は充分に力を尽くしておる」

大院君 「・・・・・」

井上 「そもそも7月23日に、閣下は国民の尊敬を集める国父であるから、岡本らが閣下の所
に行って、閣下が出るならこの国は独立が出来るであろうし、改革も出来るであろうというこ
とで入宮を勧め、ついに閣下も起って入宮し国政に預かるようになったはずである。しかし一
方では支那に隷属することに努め、清兵と東学とが合同して一挙に日本兵を追い出す策も企て
たことは、押収した書簡で判然としている。つまりは日本の誠意に対して報いるに、このよう
な悪意をもってされたことは承知できないことである。もし最初から日本が朝鮮を取るという
野心があるならば、すなわち我が国はこの事を表明して名義を作るようなことはたやすいこと
である。このとおり国王を補佐するような人である大院君までがこのようなことを行い、また
李呵O氏が東学党にまで関与するということならば、もはや朝鮮は敵国同様であるとするに最
も都合の良い名義であろう。しかし日本は決してそのような野心はない!」

大院君 「ニ、ニダ」
449銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 19:47:01 ID:DOArlViG
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450マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 19:52:48 ID:l4fLndwh
(続き)
井上 「閣下や李呵O氏は初めはそれを隠しておいて、このように進退窮まり、証拠が出てき
たために悪かったと仰る。それでも私は深くは咎めはせぬ。また日本がこれを理由に朝鮮政府
に難題をおこすようも意もない」

大院君 「この手紙も私が出したことは相違ないニダ。このようなことがあって、手紙もご入
手になって、こういうことで日本政府ははなはだ不愉快であると、朝鮮が日本に疑心を抱いて
支那に好意を通じた、言わば婦女が姦夫をしたというようなことであるから、これを名として
戦を起こして不義を問うということになっても、実に一言の申し訳もないニダ」

井上 「うむ」

大院君 「しかし7月23日はどうなることやらと実に驚いたニダ。ほとんど虎に襲われたような
心地がしたニダ。まず武器という武器は一切取り上げられ、ほとんど身動きも出来ないから、
人民は散乱して、実に困難な中に平壌監司から手紙が来たニダ。それで支那にいた時に知り合っ
た米慶という人に名刺を送ったニダ。また監司に当時のありさまを知らせたのである。実に貴国
の我が国への好意であることは相違ないが、その時は大いに驚き恐れ、また人民も大いに驚き、
それでその時の感情を言えば、やはり快くはなかったニダ。不快であった。今は何を言われても、
この不義については仕方ない次第ニダ。それでウリは今日こうして悪かったと申して釈然として
お解け下されれば幸いニダ。しかしそうでなくてどこまでもということであれば、それはウリは
殺されても仕方がないニダ」

あれ? その虎にまたがって王宮に攻め入り、大嫌いな王妃の頭を押さえつけ、にっくき閔族
一党をことごとく追放したのは大院君本人だったよねえw
451銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 19:53:52 ID:DOArlViG
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452マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 19:57:32 ID:l4fLndwh
(続き)
井上 「書簡の中には、『奸徒を掃うよう、この意を清大臣にいたせ』とあるがねえ・・・」

大院君 「(汗)」

井上 「まあ、貴下が淡白に、不義であり悪かったと言われるなら、日本政府においても朝鮮
国を略取しようとか、危険な地位に立たせようとか、そういうような悪意はない。私も深く責
めるつもりはない」

大院君 「それで安心しましたニダ。それで平壌に手紙をやったか、ということを問われたな
らば、そのことは言ったのでありますニダ。しかし支那の将官に手紙をやったことはないかと
問われたから、それはやったことはないと言ったわけですニダ」

井上 「書簡の中には、『奸徒を掃うよう、この意を清大臣にいたせ』とあるが。まあしかし
ながら閣下の中で、日本は決して野心はない、どこまでも朝鮮独立の基礎を強固なものにしよ
うとする以外にない、ということが明瞭となり、釈然とした、と答えられれば、私もまた釈然
とする」

将官どころか大臣に通じよという内容の書簡なのに、大院君は空惚けるばかりw

井上 「そもそもこの戦争の起こりは、第一に支那が朝鮮を隷属視するということから起きた
面倒である。隷属視されては東洋の平和は保てない。第二に、我が国と一衣帯水の近きにある
朝鮮国であれば、日本国の利害に関することから起きたのである。ついては閣下においても、
断然、支那に隷属する心は真に断念し、朝鮮独立の基礎を固めねばならない必要があるとの決
心は確固たるか」
453銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 19:57:56 ID:DOArlViG
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454マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:20:10 ID:l4fLndwh
(続き)
大院君 「当時、支那の士官が平壌に来て、それで私が支那に4、5年いた時に知り合った人で
あるから、あいさつのために手紙を監司に手紙を送ったニダ。日本の兵隊は嫌いだと書いたの
ではないニダ。しかし支那の方に通じるとの言葉があった以上、なんとも申し訳ないニダ。誠に
これはウリが悪かったと謝しますニダ。それで充分謝して後のことをご相談しなければならんニダ。
まずもって過失は謝しますニダ。そうして疑いが釈然となるのが男子たるものと思いますから、
ウリは今日は閣下に謝するしだいニダ」

謝しているのか要求しているのかよく分からない朝鮮人式謝罪w

井上 「だからそれはよく分かりました。私が一番知りたいのは、支那が属国視しておるが、
朝鮮も属国に甘んずるということは断念し、独立の基礎を固めねばならないというご決心であ
るかをお尋ねするのである」

大院君 「それは誰が独立を好まないでありましょうニカ。もとより独立することは充分やらね
ばならんニダ。ウリはこれまで支那に辱めを受けたことはあっても恩はないニダ。どうでも早く
独立の基礎を固めねばならないニダ。貴下にもこのようにお出でになったから、充分改良の道
を進むことを願いたいニダ。なかなかウリたちの力の及ぶところではないから」

井上 「独立の基礎を立てて実を挙げるには、第一に内政の改良が必要である。今日の有様で
は実を挙げることは出来ない。失礼を申し上げるが、体にいろいろ病巣があると同じで、ここ
に一つの腫れ物が出来た。これを切断すれば健康になるというなら治療は容易であるが、全身
が腐敗したに至っては、これは10年や20年の間に腐敗したのではない。よほど以前から積み重
なってきたことで、されば心臓も肝臓も肺も脳も手足もよく働かない。ほとんど全身に病気を
生じているようなものである」
455銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:23:08 ID:DOArlViG
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456マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:24:31 ID:l4fLndwh
(続き)
大院君 「ごもっともニダ。病人の例をもってお話がありましたが、そのとおりで、もう手も
足もきかなくなって、かろうじて命脈がある、命を保っておるというだけニダ」

井上 「治療には急を要するものと時間をかけねばならないものとがある。夜中に日光を見る
ような、すぐに日本のようになるのを勧めるのではない。まず民力が堪えられるか。今日、民
政のことは地方官に委任してあるが、裁判も兵力も地方に任せ、また中央政府に納めるべき租
税も少量で、後は勝手に徴収して勝手に地方で使用するという有様である。このようなことま
で改良を要する。そうすれば段々と苦い薬を勧めることにもなろう。しかし薬を飲まねば健康
体に回復することは出来ないのである」

大院君 「まことに少しは血液の循環も与えるために薬を飲むというようなものニダ。しかし
東学党のために人民は騒ぎ、租税は入らないニダ。政府の財力も窮乏しておって、匙で薬を盛っ
ても反応するかどうかという有様ニダ。ウリはとにかくこの国のために尽力するのであるから、
ウリは一切を依頼いたしますニダ。どうなりとも始末をつけてほしいニダ。人民をこのようにせ
よと言うならそれもやりますニダ。ともかくウリは老人であってまことに不案内であるから、政
事上のことにくちばしを挟まず、閣下にご依頼いたすしだいニダ」

井上 「そのようにご依頼されれば、まことに釈然とする。一点の疑いもない。とにかく血液
の流れが悪くては困難である。今日のように財政上窮乏しているといって、人民からひどい徴
税をするということでなく、財源を起こすことも必要であるけれども、まず王室の費用も無用
なものを大きく減らすことが最も必要なことである。また政府の事務もなるべく無用の費用を
減じなければならない。私が見たところ、王室の兵隊や政府のたくさんな役人を見ると、あた
かも遊び人を製造する場所のように感じる。そもそも国を富ませるとは、人民を富ませるとい
う実を施さねばならない。そうでなくては、王家も民も日に日に衰弱を極めて、自立すること
はできないだろう」
457銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:28:54 ID:DOArlViG
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458マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:28:57 ID:l4fLndwh
(続き)
だよねえ。国民が豊かとなってはじめて富国なんだが、しかしこれは朝鮮王族貴族が終に理解
することはなかった。

大院君 「ウリが今から20年ぐらい前に、10年間ほど政府に立って仕事をしたことがあったニダ。
その自分に濫費を防ぎ倹約して全道に40万石の米を積み、京城内にも10万石ばかり積んで飢饉の
備えをしたニダ。それで収税法も正しく定めたニダ。しかしその後の閔政権が国財を濫用して、
ついに米穀の余蓄も皆使ってしまったニダ。また収税も私腹を肥やすことだけで、結局は綱紀が
乱れてそうなったニダ」

20年前ではなく30年前。それに当時朝鮮財政が疲弊した大きな原因は、大院君が無理して景福宮
を再建したことにあるはずなんだが。

大院君 「それでひとつお尋ねしますが、苦い薬を公使にお勧めしたならば、公使はそれをお
飲みでありますニカ?」

井上 「健康体となることを望むなら、これを飲むのは当然である」

大院君 「甘い薬があってそれで回復することが出来ればどうニカ?」

井上 「それは甘い薬があって回復するなら、これほどよいことはない。人情として誰でもそ
うであろう」

大院君 「先日から岡本に『六典条例』という本を差し出したニダ。あの本はウリが多少は手
を入れた法典ニダ。あの通り規則正しく行われるなら国のために甘い薬となるニダ」
459銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:30:46 ID:DOArlViG
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460マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:32:57 ID:l4fLndwh
(続き)
井上 「私は読んでみたが、あの通りに行えるところもあり、不適当なところもある。閣下が
先だってお出でになった時に漢高帝のことを話された。私はそれが誤りであると答えた。すな
わち時代が違うから、時代に応じた法を設けざるを得ない」

大院君 「そうニダ。今日はウリは書簡のことでお詫びに来たのでありますニダ。であるからそ
の他のことは又お眼にかかってお話を承ることにするニダ。それで、ウリの孫が東学党を教唆
して日本兵を追い出そうなどという悪心があることについてもウリは少し信じがたいニダ。孫
が浅学であるところから下の者から誤らされて、そういう方向になったろうニダ。孫のしたこ
とは反逆ということになるから、これは王族にある者なら出来ることではないニダ。部下の者
共に謀られたのであるニダ。しかしこれはウリも落ち度があるニダ。子供であるからウリが気を
つけておれば、そういうことにはならんかったニダが、ついに勝手をさせて嫌疑をこうむるこ
とになったニダ。この責任はウリが受けるべきものニダ。どうぞそのように思われたいニダ」

井上 「それもよく分かりました。しいて領事を立ち合わせて調査追及するにも及ばないので、
金宏集氏にも金允植氏にも話して、許Yや李秉輝の取り調べも中止させましょう。しかし私は
証拠のないことは申さない。ただ悪かったと言い、李呵Oも下の者に欺かれてそんなことをし
たということならば、私は深く咎めません。しかし李呵O氏も年が若いし、将来役立つ人にな
らねばならない。ただ王族だからということで年をとるのはよくない。将来他国の学問をせね
ばならない。ただ尊大にかまえてばかりでは身のために良くない」

大院君 「下の者から謀られたと思われるニダが、彼もそれほど考えのないものであるという
ことニダが、ウリもいささかこの若年の者の愛に溺れるということがあるニダ。ご存知の通り、
面白くないことニダが李氏というものもウリを含めて3人しかいないニダ」
461銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:34:25 ID:DOArlViG
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462マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:37:17 ID:l4fLndwh
(続き)
井上 「それはそうである。閣下は宗家のこともお考えにならなければならない。離間策にか
かるようなことがあってはならないから私は言うのである。また、王妃でも政治に口を出すよ
うなことがあっては政治は常に乱れてしまう。閔氏が王妃を楯にして政権に専横を極めること
になり、またその臣下の者が地位を得ようとか身を立てようとかして様々な弊害が生じた。こ
のことも次の謁見の時に王妃の耳に入るよう言わねばならぬと思う。こういうことが『政治多
門より出る』ということである。また閣下にも学問も経験もあろうが、時勢に合わないことが
多い。だから閣下の方もあまり政治に口を出さない方がよいと思う。私にこの国の独立の基礎
を強固にする依頼をしたいとのことであるから、私は隔意なく直言するのである」

大院君「それは一々ごもっともなお話ですニダ。ただ一つ言いたいのは、公使が内謁見される
時に中宮が政治に干渉のなんのと言うてくださるなということニダ。それというのも、公使が
前の謁見の時に、大君主、王妃、世子宮に言われたことがあるニダ。それは、『もとより均し
く臣民であるから李氏、閔氏、金氏だからいけないということはない、皆が一致協力して』云々
と言われたニダ。それを中宮が聞いて、では閔氏を用いてはならないという理由はない、と主張
するに至ったニダ。それでまた王妃は口を出すべからずと明言されるなら、ウリが公使に会って
頼んだように中宮は疑うだろうニダ。ついては、ウリが担当してほどよく言いますから、公使に
は謁見の時に話されないよう願いたいニダ」

井上 「しかしそれは言わねばはっきりしない。また私は閔氏を用いるような言葉は使ったこ
とはない。王家とは大君主、中宮、世子のご一族で、閔氏、李氏、金氏でも皆王家の一族であ
るとの理由を述べたのであって、そのような勝手な判断をされるなら、それだからこそ王妃に
対して明言することを望む。今閔氏を採用するなら混乱を再演し、まさに牝鶏の晨(あした)
して家みだれることになろう。だからこれは言っておかねばならない。私は、国政というもの
はこうである、王室はこうである、職務権限はこうでなければならぬ、とそれら分限を明らか
に言うつもりである」
463銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:39:30 ID:DOArlViG
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464マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:42:14 ID:l4fLndwh
(続き)
大院君「閔氏が政権をほしいままにして地方官を売買することになったのは、つまりはこの牝
鶏の鳴き始めであって、その結果今日の有様になったのでありますニダ。私はそれで今は勅令
に目を通して防いでいるニダ。今は十中八九までは改まったニダ。それで公使が来られたのに私
が頼んで言ってもらったようでは具合が悪いから、私が公使の御意志を分って申し上げますか
らその積もりで願いますニダ。今では役人の任免のことには中宮殿は関係せず、政府大臣が行っ
ているニダ。また閔氏だからといって全く用いないのではないニダ。政府の役に立つ人なら用い
ても宜しいニダ。ただ中宮殿の干渉さえなければよいニダ」

井上 「まだ閣下には君主の権のことを詳しく申していなかった。従来の習慣で最も専制の弊
害があって、ただ我意によって生殺与奪をすることを君主の権とは言わないことである。これ
には定義のあることなのでよくお話しなければならない。それでは謁見の時には、『王族や外
戚なども政治には関係ないようにありたい、もし政治に口を出せば政治が乱れますからと大院
君にも言っておきましたから、お聞きありたい』と言いましょうか」

大院君「そのように願いたいニダ。以前のようにまた勢道のような者が政治を執るなら、再び7
月23日の王宮の変が来ますから、そのへんはよくご忠告されたいニダ」

井上はそのことを了解し、大院君はまた、自分が書いた候補として選んだ人物のことや、岡本と
の談話記録を読むことなどを要望した。で、一段落したところで大院君は2人の会話を速記して
いる日本人書記官を見て言った。

大院君「もし朝鮮がこのような速記術のように速やかに進歩するなら、今日のような亡国とは
ならなかったのであるが、なかなか朝鮮の人はこういう技術に取り掛かることはしないニダ。
それでウリはさっきから速記者の書くのを見ているニダが、実に言葉を直ぐに写す一種の技術
ですなあ」
465銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:45:31 ID:DOArlViG
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466マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:51:18 ID:l4fLndwh
(続き)
井上 「これも前から日本にあるものではありません。欧州から来たもので政府議院などで弁
論を速記することに用いておる」

大院君「朝鮮人にはこういうことは出来ませんニダ」

このように当時の対談記録が速記録によるものであることは原文からもうかがえ、ところどこ
ろに口語体で記述されている部分が見られる。
筆者の知る限り、このような対談記録から浮かび上がってくる人物像、すなわちこれもまた井上
馨なわけで。

さて、守旧の人である大院君がそのような新しい技術に関心を示したからか、井上は言葉を弾
ませて言った。

井上 「私は今日の天気のように爽快を感じます。閣下の心も一点の疑惑もない。これからも
時々御面会しましょう」

大院君「それでウリも今日は実に心が釈然としましたニダ。もうわだかまりがないニダ。今後は
何でも打ち明けてお話しますから、閣下にも心情を吐露して下さることを願いますニダ」

井上 「多分ご承知ではありましょうが、私は決して婉曲に物事をするようなことは出来ない
性質です。昨日も金宏集氏、金允植氏にも、いよいよ内政改革の実を挙げて独立を強固なもの
とすると言うならば、まず大君主に謁見をしなければならない、その意思をよく確かめねばな
らない、書簡のことは悪かったというだけでは効果はないからと、謁見を申し込んでおいた。
その席にも大院君もお出でになって王妃も障子のかげでもよいから、また各大臣も出席して聞
いておかれたい。およそ物事は公明正大であることが必要だからである」
467銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 20:53:07 ID:DOArlViG
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468マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:53:52 ID:iLsY2Eeb
支援、更新中に初めて遭遇した。
469マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 20:59:05 ID:l4fLndwh
(続き)
大院君「それはよろしいお話ですニダ。そういうことにするとして、大君主のそばに居るとい
うことは今までの例では難しいので、後ろの方に居って聞きましょう」

井上 「ご老人のことですからそれでも宜しい」

大院君「私は何でもないが大君主が遠慮されようから、私はすぐ後ろの一間でお話を聞き、ま
たお答えしましょう」

井上 「強いてとは言わないが、なるべく出られたほうが良い」

大院君「私が世子宮の後ろに居ては大君主が困ろうから、近くの部屋で聞きたいニダ」

井上 「それならそれで宜しい。強いてとは言わない」

大院君「謁見室のそばに部屋があるから、椅子に座って聞くことにしますニダ」

井上 「それで宜しい」

面倒な人である。

その後、大院君は、「それで明日ここに孫が来るが、孫を少しの間でも流罪にでもしようかと
思うニダ」と李呵Oのことに触れ、井上はそのようなことはしないほうが良いと止めた。大院
君はそれを謝し、井上は学問を学ばせるように進言した。
470銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 21:00:19 ID:DOArlViG
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471マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 21:03:53 ID:l4fLndwh
(続き)
大院君「だんだん馬鹿なことに関与しないようになりましょうから、それで孫を閣下の孫と思
われて指導していただきたいニダ」

井上 「その積もりで私も嫌なことを申しましょうが、政府の不和、王家の不和となるような
ことは言いませんから御安心なさい」

大院君「私も閣下のことは明治9年以来聞いていましたが、こうしてお会いして話をして、晴
天白日一点の疑いもありませんニダ。私は包んで隠すことができずに何でも打明けて話す方ニダ。
またどの党にも偏ってはならないという考えですニダ」

井上 「それで、日本党だの頑固党だのと言うことは閣下にも考えないで欲しい。将来政府で
日本人を顧問官に入れなければならないが、それで日本党などという念があってはならない。軍
国機務処というのもあまり適当な仕事をしているとは言えない」

以下、井上は更に軍事のことや財政のことについても話題にして終了した。

だいたい大院君の人となりも粗方見えてくるような。
自分が東学党を教唆した張本人であることはついに打ち明けず、すべて孫のせいにしたが、井上
もそれ以上は追及しなかった。もっとも、この時点ではまだ証拠は完全に揃っておらず、これら
が収集できて、東学党に大院君らが関係した詳細な報告書が内田領事の手によってまとめられた
のは翌年の9月である。
472銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 21:05:02 ID:DOArlViG
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473マンセー名無しさん:2010/05/02(日) 21:08:00 ID:l4fLndwh
(続き)
それでも井上は、東学党への教唆は大院君の指示によるものであると確信しており、この後の
陸奥外務大臣へ宛てた書簡の中で、この事について、
「口と心とは常に相違して決して信用を置く能わざるは朝鮮人の常に候えば、敢て安心とは申
難く候」と、「今日の天気のように爽快」とは反対の心情を述べている。

まあ、この頃朝鮮との外交に携わる日本人の間では当たり前の共通認識なのであってねえ。
(つづく)

>>銀河電鉄今井氏、いつもいつもご支援感謝です。
>>468
ようこそです。
474銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/02(日) 21:09:45 ID:DOArlViG
お疲れです。
井上さんは本当に粘り強い人ですねえ。今の人間にこんな事できるのかなあ。
475マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/05/02(日) 21:10:22 ID:laImlamn
 ●-、
r´ - ●
 ` =='\
  |    ヽ
  UUてノ乙です。

476マンセー名無しさん:2010/05/03(月) 01:38:21 ID:wt7vtWA7
>>447

>筆者は巷の井上像なるものは寡聞にして知りません。

史料とは言えない雑文、映像で、鉱山の払い下げに関ったり、三井銀行から返済し切れない借り入れがあったり、
等の記述を見た様に記憶しています。その他の事蹟を詳しく知らないまま井上像を描いておりました。

意外なご返事を頂いて、反井上派のプロパガンダが延々と語り継がれている可能性に思い至りました。
明治期は、欧州の陰謀手法も流れ込み、明治政府がこれを封じるのに苦労していただろうと想像しています。
477マンセー名無しさん:2010/05/09(日) 22:58:03 ID:ZCx5GIoy
併合前の日朝(続き)

翌13日、大院君孫の李呵Oが謝罪に来た。この時24才、いちおう京城朝鮮軍のトップである。

李 「この頃から来ようと思っていましたニダが、日も短くなって朝に王宮に出ると夕方には
すぐ暗くなるので、どうにも来られませんでしたニダ。けど昨日大院君が行って来いと言われ
ますし、金允植さんもそう言いますので、王宮を休んでこちらに来ましたニダ」

井上 「なるほど」

李はそれ以上何も言わず、井上もまた黙っている。両者の間でしばらく沈黙が続いた。

李 「・・・・あー、公使に会ったなら不都合があってはならんニダと大院君から言われまし
たニダ。あー、それで朝鮮の昔からの言い方で言うと、腰をかけてタバコをすうことも出来な
いニダ、ということで、しかし今日、朝鮮の古いことばかりしてもいられないと思いますから
お許しくだされたいニダ」

言ってる意味がよく分からないのだが、なんだか年寄りくさいことを言う若者であった。

井上 「そのようなつまらぬ朝鮮式の礼で私と交際することは無用である。貴公のことは大院
君さんをはじめ金宏集さんらにも申したことです。大院君さんは貴公のことを、まだ若年であ
るし、下の者からそそのかされて東学党と関係したのであろう、それで罰として流罪にしよう
か、と話されたが、私はそんなことはなさるな。不問にされるがよろしいと言っておいた。そ
れで大院君は、どうぞ自分の孫と思って頼みますと言われた」

478銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/09(日) 23:00:21 ID:yW5kV7it
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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479マンセー名無しさん:2010/05/09(日) 23:04:50 ID:ZCx5GIoy
(続き)
李 「カムサハムニダー。ウリは経験もなく、学識もないニダ。外に出て世を知ることもないし
、つまりは人の話を聞いて知る程度ニダ。今度のことは7月23日のことで大いに驚いて、ウリも
不快に思う中に、田舎の者がウリのところへ来ていろいろと話してこうなりましたニダ。けど
過失を悟ったらこれを改めるは美しいことニダ。これまでのことは悪かったと思えば、その過
ちを改めるのですから、その過失を改めて、これからは皆さんのお話もよく聞いて、このよう
なことがないようにいたしますニダ」

李呵Oは東学党ということを最後まで言わず、田舎の者という言葉で通した。
また、7月23日とは大院君が日本兵に擁護されて王宮に入った事変であるが、この時に大院君
を説得に来た杉村濬を喜んで出迎えたのはこの人である。当時彼は日本に好意を抱いていたが、
後に、王妃を廃妃とする工作を大鳥公使に反対されてから、日本に不快を抱くようになったの
は既に書いたとおり。極端から極端に振れる朝鮮人らしい人と。

井上 「そのようにおっしゃれば、貴公の心もよく分かります。7月23日で不快を感じたと言
われるが、それはそうかもしれない。しかし閔勢力というものには、日本の兵なくしてはこれ
を圧倒することは出来なかったであろう。また日本兵が王宮に入って、大君主も李氏一族も、
閔氏一族も、皆を虜にして朝鮮を奪おうというものではなかったことはお分かりであろう。そ
れを大院君さんは後に何をされたかというと、平壌の監司に手紙を出されて清将に依頼なさり
・・・・・」

もうここからは井上の長い長いお説教であった。手紙の詳細を述べ、またなぜ日清戦争となっ
たかを説明し、朝鮮の置かれた位置、その独立問題、内政改革について、王族と政府の権力の
あるべき姿などを懇々と説いた。
480銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/09(日) 23:05:43 ID:yW5kV7it
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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481マンセー名無しさん:2010/05/09(日) 23:12:20 ID:ZCx5GIoy
(続き)
李 「ウリの国も元はこうではなかったニダ。政府が権力を失い、独立も出来なかったのは、
王族とその外戚が役人となって権力を私し、それで政府には権力がなくなったニダ。それも君
主が好んでそうしたのではなく、まったく臣下が悪くて下の者も悪いために、そうなったニダ。
今は大院君や父の宮内大臣の考えは、まったく国王を補佐するだけにして、政府には関与せず、
すなわち大臣というものが仕事をするようになることを考えておりますニダ」

井上 「そうでなければならない。やはり職務権限というものが明確になれば、誰一人勝手に
することは出来ない。たとえば税も勝手に徴収して勝手に費やすという、いわゆる取り勝ちと
いうことは出来なくなる。度支衙門(大蔵省)が国の経済に責任を持たねばならぬ。兵も軍部
の命によって動かねばならない。それが王族から命令が出たり、政府の一個人から出たりして
動かすようなことがあってはならない」

李 「本来、朝鮮には兵制度などはないニダ。兵はいても規律はなく訓練もないニダ。とても軍
隊と呼べるものではないニダ。将官という者はいても兵法などは知らず、無教育の将官と兵士
がいるだけで何の役にも立たない無駄なものニダ」

おそらく読者諸氏が、この頃の朝鮮をイメージされているであろうそれが、まさにその通りで
あることは、当時の井上の報告やその対談記録にある、国王や大院君など王族また金宏集など
の政府関係者の話によっても、だいたい裏付けられます。まあ一言で言えば「腐敗」というこ
とになりましょうかねえ。
とてもとても独立国として自立ができるような状態ではないです。この国が国として立ち行く
か否かは、ひとえにこの時の内政改革が成功するかどうかに掛かっており、もし失敗すれば、
後はロシアの保護国となるか、日本の保護国となるか、という道しか残っていないのではない
かと。
482マンセー名無しさん:2010/05/09(日) 23:18:08 ID:ZCx5GIoy
(続き)
李呵Oの謝罪は大院君のそれよりも一段と歯切れが悪かった。しかし井上はそんなことは問題
とせず、懇々と諭すように個人教授を続けた。朝鮮将来の役に立たねばならない立場にある人
であるからという配慮からであったが、それはもう、まるで孫をさとすような姿であった。
最後に井上は、3人の日本人を呼んで紹介した。

井上 「これらは皆ヨーロッパに行って学問をし、世界の事をよく知っているから。こういう
人を貴公のところにあげるから、貴公の朋友とされたらよい。そしてヨーロッパの歴史、アメ
リカの歴史、ドイツという国にはどういう変化があったか、イギリスもこういう時代があった
が今は人民の権利がこうなったとか、色々な新しい話を聞かれたらよい。朝鮮と支那の空気の
中だけで学ぶなら、せっかくの聡明も埋没することになるから」

3人は後に朝鮮政府の顧問官となった。そしてその給与は日本政府から支給された。

さて、その後井上は、朝鮮全大臣が大院君邸に集合して会合するよう通知した。
大院君が政務に関与することを辞退することになったことを知らしめるためであった。
(つづく)

今日は短いですがこれで。

>>銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
483マンセー名無しさん:2010/05/16(日) 14:05:59 ID:ZDf8zPd4
捕手
484マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:00:46 ID:4vvKjgRn
併合前の日朝(続き)

井上 「岡本君。君が行って大院君の立会人をしてきてくれ。以後は政治には関与しないとい
う話を、大院君は皆に向かってするはずだから」
岡本 「分かりました。先日来から大院君ににらまれていた安駉壽氏と趙義淵氏らも、
大院君と和解できたようです」
井上 「どんな様子だった?」
岡本 「まず両氏が大院君に御無礼があったと謝罪しましたら、大院君もあっさりしたもので、
自分も過失がなかったわけではない、すんだことは忘れて今後は皆が一致協力して国のために
励んでもらいたい、との弁でした」

かつて東学党への工作が発覚するのを恐れた大院君が、工作のことを調べていた安駉壽
らを一掃しようとして、王宮門の警吏が新式敬礼をしたことを口実に、彼らを追放処刑しよう
とし、それを大鳥公使が止めた事件のことである。あれ以来、大院君の追求は止まず、安らは
もうすっかり怖気づいていた。
それがようやく和解に至ったのであった。

井上 「そうか。それはよかった。大院君は約束を守ったようだのう」
岡本 「大院君の閣下への信頼は大きいものがあるようです。これ以後は閣下に依頼したから
自分はもう口を出さない、閣下の言われることをよく聞いて協力してくれ、と言って、それは
もう謙虚なものでした」
井上 「よし。全大臣たちには、君が前もって経緯を説明してやって、それから大院君から話
をさせてくれ」
岡本 「承知しました」
485マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:02:19 ID:7vn3gBIN
つC
486マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:03:57 ID:4vvKjgRn
(続き)
11月18日午後1時、大院君邸には金宏集総理大臣はじめ各大臣が集合した。
はじめに岡本が演説に立ち、これまでのいきさつを説明した。

岡本 「・・・・・・ということで、国太公には井上公使を深く信頼されることとなり、内政
改革のことは井上氏に一任するとのことで、以後ご自分は政務に関与することは辞退されたい
とのことであります。それでそれを貴公らに伝えんとされて、このたびこのような席を設けら
れたのであります。それでは国太公からお言葉を賜ります」

大院君 「大臣たち。政治が一新してからすでに百余日となるニダ。しかし未だ政策実施に至
っていないニダ。以後は政府下の各衙門は、それぞれが任ずる権利を互いに侵すことなく、よ
く協議して事を定めることが必要ニダよ。井上公使は維新の元勲ニダ。東洋の先覚ニダ。我が政
府がよろしく虚心坦懐に相談すれば、必ずウリたちが行うべきことは明らかになり、国家統治
のために有益となるニダ。諸公よこれに勉めよ」

一同 「ニダーーー」

これ以降、大院君は人が変わったようにおとなしくなり、陰険な画策などもしないようになる
。そして彼が再び立ち上がるのはおよそ1年後である。

さて、京城公使に就任してわずか半月経たない内に、大院君と李呵Oの政治への口出しを封印
するという辣腕を振るった井上が、いよいよ国王の専断と閔妃の政治への関与を止めさせるべ
く、また内政改革要綱を採用させるため、大院君、李呵O、全大臣が臨席の上で、国王への内
謁見をしたのは21日であった。
487三合徳利 ◆Tokurin8P2 :2010/05/17(月) 01:04:21 ID:7vn3gBIN
  ∧,,∧
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488マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:06:47 ID:4vvKjgRn
(続き)
井上 「先日から、我が大本営に送らせた書簡について、金総理らと会見した時にこれを見せ
たが、大君主陛下には、金総理をもって不都合を謝罪され、大院君もまたご自分の書簡のこと
で謝罪された。それで私は思います。謝罪されたということは、これからは清国に隷属する心
を全く絶たれ、独立に専念され、そのための内政改革の実を挙げねばならないはずであります。
この内政改革ということは、きわめて困難な事業でありますが、大君主陛下のご決心はいかか
でありましょうや。いや大君主のみならず、王族また諸大臣の決心も同じでなければならない
はず。先ず改革要綱のことを述べるに先立ち、ここに大君主ならびに諸大臣のご決心と、また
それに従事する勇気があるのかないのか、このことをあらかじめ伺いたい」

国王 「然りニダ。朕は書簡のことは後悔するニダ。朕はもちろん内政改革を行って国の歩みを
進ませたいと願っているニダ」

井上 「国の歩みを進ませるとは、つまりは独立して進むという意味である。たくさんの困難
をおかし、どのような障害に遭うとも、この中興の業を成就させんとするにあたり、絶対に途
中で気落ちするようなことはないとの、その勇気と決心がなければなりません」

国王 「然りニダ」

井上 「陛下のご決心がすでにそうであるなら、諸大臣の決心はどうか。陛下の御前で大臣た
ちの意見を聞くことが出来るなら幸いである」

この時、王妃が障子の内から国王になにかをささやいた。とたんに国王は怒りの表情をあらわ
にし、大臣たちに向かって言った。
489三合徳利 ◆Tokurin8P2 :2010/05/17(月) 01:07:09 ID:7vn3gBIN
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490マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:10:22 ID:4vvKjgRn
(続き)
国王 「列席の大臣たちよ! ウリは7月23日以後はほとんど国務上なんの権利も行使するこ
とはなかったニダ。これは国政全てを大臣たちが掌握したからニダ。それで、一国の君権を汚す
ようなことはなかったニカ! 朕の政令はほとんど国の上に行われなかったというではないか。
これはいったい誰の罪ニカ!? 外国使臣をしてウリの国のことで心配をかけるようにさせたと
はどうしたことニカ!? しかし朕は井上公使を顧問官と見ているので、ウリの国のために衷情
をあらわされるのを感謝するニダが、それに比べてウリの臣下の不忠を責めずにはおれないニダ!」

金総理 「我が不明と重任に堪えられないことを謝罪しますニダー」

大臣たち 「真におそれいりますニダー」

魚度支 「陛下。諸大臣たちに充分な職権を与えられた上で、それでも職責をはたせなかった
ならば、その時は官職を剥奪されてよろしいニダ。すんだことはともかく、将来のことに関し
ては、陛下のご決断如何ニダ。ウリたちはどうしてこれを決行しないでありましょうや」

井上 「国政のことは、ただ陛下の臣下を責めることは出来ません。陛下には臣下をしてその
国務に努めさせる権があると同時に、これを信任し親愛して、また充分に保護を与えることが
なされねばならんでしょう。陛下にはその点をお分かり頂きたい」

国王 「まことに卿の言うとおりニダ。朕も充分に親愛して相当の保護を与えるのは勿論のこ
とニダ」
491三合徳利 ◆Tokurin8P2 :2010/05/17(月) 01:10:48 ID:7vn3gBIN
  ∧,,∧
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492マンセー名無しさん:2010/05/17(月) 01:14:22 ID:4vvKjgRn
井上 「ここに一言申し上げたいことは、日清交戦もご存知のように我が軍の連戦連勝となり、
いよいよわが国の威力が加わる今日、私が公使としてこの国に来てからというもの、もし内政
改革の実行にあたり、私が脅迫して君権を押さえるような、そのようなことをするかもしれな
いとの疑惑を、大君主陛下はじめ、大院君や諸大臣に生じさせるようなことがあっては、我が
皇帝陛下の誠意に背き、我が政府と全国民の希望に反するものであって、貴国の将来は極めて
嘆かわしいことである。このことはあらかじめご了解されたい」

国王 「先ほどのことはさておき、卿が貴国の重要な地位にあるにもかかわらず、特にウリの
国のために駐箚されるという、貴国皇帝陛下はじめ貴政府の主意あるところ、朕はすでにこれ
を知っているニダ。どうしてウリの国の上下の者の間に、一点の疑惑をはさむ理があろうニカ。
卿には深く考えられるな」

よって井上は、いよいよ朝鮮国内政改革要綱20個条を述べることとした。
(つづく)

>>諸氏にはいつもご支援感謝です。
493三合徳利 ◆Tokurin8P2 :2010/05/17(月) 01:16:05 ID:7vn3gBIN
>>492
いつもながらの簡潔ながらも鋭い着眼
次回も楽しみにしております。
494マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:01:46 ID:fhjrXySg
併合前の日朝(続き)

井上 「それでは申し上げる。まず、清国に隷属する心を断ち、今後は朝鮮国の独立を強固な
ものとすることを図るため、緊要の条項20個条を申し上げる」

1. 政権は総て一つを源流とすること。

井上 「大君主は政権を統一し、号令は大君主の親裁から出ることは当然のことである。これ
までのように『勢道』と言われる地位の者から出たりするなど、大君主以外から命令が出てい
ては混乱となる。これまで朝鮮国では数人の君主がいるありさまであった。すべての弊害はこ
こから出ていた。これを速やかに改めねばなるまい。また、大院君は君主にあらず臣下にあら
ず、決して国政上にくちばしを容れられないように。王妃もまたご同様であることは、このた
び大院君と宮内大臣に申し込んでおいたので、よくお聞き取りあらせられたと思う。このこと
は必ず守っていただきたい。さて、陛下には思し召しは如何でありましょうや」

国王 「もっともなることであるニダ」

井上 「各大臣のお考えはどうか」

金総理 「陛下において御意ある以上、ウリたちも異存あるはずもないことニダ」

一同 「ニダーーー」

しかし王妃と閔族にとって、大院君が口を出さなくなることこそが最も重大事であった。その
ことが本当かどうかを確かめようとして、後で王妃はさっそく国王に口出しをすることになる。
495銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:03:26 ID:AeRpnagO
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496マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:06:13 ID:fhjrXySg
(続き)
2. 大君主は親裁する権があると同時に、法令を守る義務があること。

井上 「これは第1条に関連しており、大君主が親裁するについては、法を守り、法によって
ご処分されるべきことである。すべて国政は大君主が各大臣を諮詢された上でご裁可され、か
りにも大君主の専横によってご処分されたり、ご意志のままに進められてはならない。専横と
は、あの者はよいので採用しよう、あの者は好かないので免官しようなどと、各大臣に諮詢さ
れずに専断されることを言う。物事には順序というものがあります。また、百官と人民に法令
を遵守させるためにも、ひとたび法令規則を出されたときは、その法令を変更しない限りは、
人民はもちろん、官吏また各大臣、たとえ大君主たりともみだりにこれを破られることは、理
においてもしてはならないことである。よって大君主は法令を出される者であると同時に、ま
たその法令の範囲内で政事を行うべきであり、すなわち法を守るべき人である。陛下の思し召
しはいかが」

国王 「文明諸国は皆そうだと聞くニダ。朕もまた今後はそのようにするニダ」

一同 「ニダーーー」

ところが後にこれが国王と王妃が最も不満に思うことになる条項。自分の好き勝手に出来ない
ことに、だんだんと腹が立ってくるのである。

3. 王室事務を国政事務から分離すること。

井上 「貴国の従来からの習慣により、人民の生命と財産は、王室の命令一下に与奪されるの
で、上は君主から下は人民の脳裡にまで、王室以外に国家はないという考えとなっている。こ
れは王室と国政とを混合していることから生じる大弊害である。すなわち、承候という者や内
官などが国政や官吏の進退にに干与するような弊害は速やかに廃止するべきである」
497マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:08:14 ID:yrcxz+98
紫煙
498銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:08:20 ID:AeRpnagO
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499マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:11:16 ID:fhjrXySg
(続き)
国王、このとき大臣に向かい、
「承候とは何ニカ?」

井上 「貴国の官政に、承候官という者があるのではないか?」

金総理が井上に言った。
「承候官ではなく、承旨という者でしょうニダ。承旨は王の命令を運ぶことを職とするニダ」

国王 「それなら承候とは何ニカ?」

金総理 「とにかく、政治に干与してはならない者が干与するというのは、よいことではない
という意味でありましょうニダ。ただ承候とは官職のことでなく、国王そばに待機することを
言うのだと思いますニダ」

井上 「文字の違いはとにかく、宮内官でない者が国政や官吏の進退などに口を入れることは
弊害のもとである。このようなものは廃止せねばならない。これはみな王室と国政を混合する
ことから生じておる。王室事務は宮内府が行い、国政事務は総理大臣と各衙門大臣が行い、決
して宮中の官吏から国政にくちばしを挟ませてはならない。よって大君主には、法令規則や手
続きをはなれて、みだりに各大臣など国政に預かる重職以外の者に、国政上のことをご相談さ
れないことが最も大切である。陛下の思し召しはいかがか」

国王 「もっとものことニダ」

一同 「ニダーーー」
500銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:12:38 ID:AeRpnagO
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501マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:15:47 ID:fhjrXySg
(続き)
ま、宦官など、側近の者が小権力をふるうのはよくあること。しかし国政の重大事まで口を出
すようになってはたまらない。

4. 王室の組織を定めること。

井上 「王室の強固は、すなちわ国家の強固である。よって、王室に関する制度と組織を定め
ることがである。王室制度なるものを設ければ自ずと明瞭となると思う。このことについて陛
下の思し召しはいかがか」

国王「もっともニダ」

一同 「ニダーーー」

5. 議政府と各衙門の職務権限を定めること。

井上 「議政府は内閣であって、各大臣が参集し、君主御臨席されて国政を執られる所である。
議政府および各衙門は職務権限を定めることがいる。職務権限とは、外務衙門は外交のことを
つかさどり、度支衙門は財政のことをつかさどることを言う。たとえばここに海関税のことが
あるとすれば、税のことは度支に関しており、外国との事は外務に属する。よってそれぞれの
衙門が協議して、外務大臣が交渉することを言う。すなわち職務とは各衙門の取り扱い事務を
指し、権限とは事を委任されてこれを行うとの意味である」

国王 「内閣とはどういうものニカ?」
502マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:16:55 ID:yrcxz+98
紫煙
503銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:17:57 ID:AeRpnagO
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504マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:21:52 ID:fhjrXySg
(続き)
井上 「内閣とはすなわち国王が御親臨され、各大臣を集めて国政を議する所であります」

国王 「それならば宮中に設けねばならんニダ。内閣という語は確か明の時代に始まったと思
うニダ。ウリの国にも昔は常参というものがあって、大官を集めて国政を議したことがあったニ
ダ。宮中内殿で集会する制度だったニダ」

金総理 「御意の通りでありますニダ。内閣の語は明代に創られたものですニダ」
魚度支 「常参のこともその通りですニダ」

井上 「語源はとにかく、内閣は大君主御親臨あって各大臣が議する所を言う。内閣と申し上
げてお分かりなくば、つまりは議政府と申してもよし。そしてこれら各大臣の職務権限を定め
ねばならない」

金総理 「職務権限という言葉についてウリが説明しますニダ。先ほどのことのように、外交
のことは外務衙門、財政のことは度支衙門がつかさどるのであって、外務が財政に、度支が外
交に口出しをしてはならないということですニダ。それぞれの職務にはその権に委任と同時に限
度もあってこそ、政治の乱れを防ぐことなりますニダ」

井上 「とにかく組織と職務権限を定める法令規則を制定されねばなりません。ただ今申し上
げたことは、学校で政治学の講義を受けるような、なかなか難しいことでありますが、法令規
則を設けたなら自ずと明瞭になることです。陛下の思し召しは」

国王 「至極もっとものことニダ。そうするニダ」

一同 「ニダーーーー」
505銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:23:19 ID:AeRpnagO
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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506マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:28:49 ID:fhjrXySg
(続き)
6. 租税など一切の税は、度支衙門で統一して扱うこと。また人民に課する租税は一定の率で
すること。どのような名義があろうとも、これ以外に徴収しないこと。

井上 「従来から貴国では、租税を徴収するところが宮内府やその他7、8ヶ所もある。そして
税収したものはそれぞれで支出している。その他、通行の貨物に税を課して臨時徴収する許可
証を春坊明礼宮から発行するなどしている。このように勝手に徴収出来るようにしては、経済
の基礎を乱して弊害を生じさせましょう」

国王 「収税のことニカ・・・・」

井上 「自由勝手に各自で支出するなら、第一に王室と国政との費用を混合させ、第二に財政
の統一を欠くものとなる。これからは収入支出とも、度支衙門の権限に属させるようするべき
である。さらに、租税のほかにも官吏が私事で奪っている」

国王 「ニダ」

井上 「甚だしきは、これを拒む者があらば監禁処罰までしている」

国王 「まったくニダ」

井上 「これでは人民は安心して生業につけない。幸福になることもできない。結局は国が富
むことにもならない。人民が安心して生業できるようにするには、みだりに人民の財産を侵犯
しないように一定の税率を定めることである。そうしてこそ富国の基礎が立つのである」
507銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/05/23(日) 23:29:20 ID:AeRpnagO
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
508マンセー名無しさん:2010/05/23(日) 23:37:28 ID:fhjrXySg
(続き)
国王 「ウリの国では以前から勝手に各衙門などで徴収することはないはずニダ。春坊明礼宮
などのことも」

井上 「陛下の御意はそうあらせられようが、これは大弊害のものであって、陛下はご存知な
いかもしれないが、私はすでにこれらの大弊害があることを発見している。このようなことは
一掃されるべきものである。陛下の思し召しは」

国王 「まことに公使の言われるとおりニダ」

一同 「ニダーーー」

国王が知っているのかとぼけているのか定かではないが、春坊明礼宮などは、王宮が売って収
入としている徴税許可証であった。
その他、この国では中央から地方に至るまで、人民から奪う手段というものは奇怪だらけのもの
であった。
(つづく)


>>諸氏にはいつもご支援感謝です。
509マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 16:09:05 ID:EgIEgx31
電子戦隊デンジマン 第10話 1/3 魔法料理大好き!?
http://www.youtube.com/watch?v=u6S3KyM87yM
電子戦隊デンジマン 第10話 2/3 魔法料理大好き!?
http://www.youtube.com/watch?v=l22On9kNi_I
電子戦隊デンジマン 第10話 3/3 魔法料理大好き!?
http://www.youtube.com/watch?v=k3Hfwq7j0pw

ヘドロ風呂=うんこ風呂は必見
http://www.youtube.com/watch?v=l22On9kNi_I#t=3m00s

不潔な朝鮮人は日韓併合前に風呂に入る習慣なんてなかっただろう
ですよね?
イザベラバードさん♪
510マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:17:10 ID:8561BMck
併合前の日朝(続き)

7. 歳入歳出を計って財政の基礎を定め、国家予算を組むこと。

井上 「入るを量って出るを制するは、どの国でもやっていることである。しかし貴国は出る
を量って入れるを決めています」

国王 「よく意味が分からないニダが」

金総理 「陛下。つまり収税の量に応じて、出費もそれに合わせるということですニダ」
魚度支 「税率を一定とすれば収税額も予想できますニダ。そこから支出する予定のものを割
り当てていきますニダ」

井上 「支出に合わせて人民から税を徴収するなら、ついには酷税を課して強奪するようなこ
とにもなりかねません。よって毎年の歳入を予定して財政の基礎を定め、ここから王室や各衙
門の政務に必要な経費を支出することです」

国王 「ウリの国の政務の内容はどうなってるニカ。書いたものが何かないニカ」

朴主事 「陛下。ここに一覧表を持ってきていますニダー」

国王はそれを手に取ると熱心に眺めた。

井上 「宮内府と各衙門の経費は議政府において予算を組み、これに陛下のご決裁を頂いて確
定するものであります。そしていったんご決裁頂いた以上は、たとえ誰であろうとこれを勝手
に増減変更はできないことであって、各大臣もその額の範囲内で一切のものを支弁せねばなり
ません」

511マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:19:41 ID:fo0LUt2E
紫煙
512マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:20:29 ID:8561BMck
(続き)
金総理 「陛下。ですから来年の分を今年のうちに予算して定めることになりますニダ」

井上 「思うに貴国の王室と政府には官吏の数が多すぎます。適した人数を定めるなどし
て、経費を削減せねばならないでしょう」

金総理 「陛下。事務を執っていない無駄な官吏が多くおりますとのことでございますニダ」

国王 「ニカ? なるほど、無駄は省かねばならんニダ。また地方官のような者もよく調べて少
なくせねばなるまいニダ」

井上 「このことについて陛下の思し召しは?」

国王 「委細承知したニダ」
一同 「ニダーーー」

8. 軍制度を定めること。

井上 「兵権というものは全て陛下一手のもとになければなりません。今のように各将のもと
に分属させてはなりません。そして軍備というものは国の基礎を立てるに欠かせないものです
ので、少なくとも内乱を鎮圧するに充分の兵力を養うことが必要であります。よって予算節減
をした上で、歳入からどれくらいが軍備費に充てることが出来るかを算定せねばなりません」

これまで朝鮮には明確な軍制はなかったらしい。将が率いる私兵の集団のようなものが朝鮮軍
であり、まともな訓練もなく、その手にする武器もろくに手入れがされてなかった。かつて始
めて日本士官が京城を訪れた時の記録に、門の守衛兵は錆びて朽ちたような火縄銃を持ってい
た、とある。
513マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:21:33 ID:fo0LUt2E
紫煙
514マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:23:31 ID:8561BMck
(続き)
井上 「また軍備の基礎を立てるには、先ずは士官を養成せねばなりません。今は我が士官が
訓練している貴国の教導中隊なるものがあります。この頃から東学党を征討するための演習を
しているのを見ましたが、なかなか訓練がよく出来ている。しかしこれを統率する貴国の士官
がいない。兵学や測量技術など軍事上の知識は皆士官に属します。この士官を養わねばなりま
せん。清兵というものは一人一人は強壮なものですが、これを率いる士官はみな兵学を知らな
い連中ですから、たとえ砲をたくさん並べたところで戦術も何も知らないために敗れるばかり
です」

国王 「まったくその通りニダ。思えばウリの国でも古い話であるが、日本から堀本なる者を
招聘して士官の教育をしたことがあったニダ。士官の教育はまことに必要ニダ」

朝鮮政府の依頼で明治13年に渡韓し、別技軍と称する朝鮮兵精鋭100人を教練した帝国陸軍工
兵少尉堀本礼造のことである。15年の大院君の乱(壬午事変)でこの上ない残酷な殺され方を
したが、今もこの時のことを、別義軍と旧軍との間に著しい待遇の差別があったために軍乱と
なった、などと言う人があるようで。
この国王の言によるなら、これは士官養成であったということになりますねえ。士官と一般兵
卒に待遇の違いがあって当たり前。そして待遇も何も、当時兵卒の給与は王妃閔族の一人兵曹
判書(軍部大臣)閔謙鎬がみな私腹に入れるばかりで、ほとんど支給していなかったのだから。
腐敗しきった閔氏政権、そしてそれを憎悪する西洋嫌いの大院君。日本人はそのとばっちりを
受けたようなもので。

井上 「それでも歳入を無視して軍備を拡張しようとしては財政を乱すことになります」

国王 「まことに然り。財政を考えてのことでなければならんニダ」
515マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:25:18 ID:fo0LUt2E
紫煙
516マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:28:09 ID:8561BMck
(続き)
井上 「まだ陸軍制度も出来ないうちに海軍を立てるなどは無用のことであります。まず陸軍
の基礎を整え、それで歳入の余裕があるなら海軍を立てるべきであります」

国王 「もっともニダ」

井上 「この軍制度について陛下の思し召しは」

国王 「至極もっとものことニダ」
一同 「ニダーーー」

9. 全てのことに虚飾を去ること。誇大を改めること

井上 「虚飾というのは、ぜいたくや虚礼を重んじて外観を飾るなどのことであって、貴国で
はこの種のことが特に多い。たとえばガトリング回転砲を買って王宮にすえたり、電気点灯器
を宮中に置いたりするなどは、急いでする必要もないものである。しかもただ購入しただけで
結局は放置されて何の役にも立たないことになっている。造幣局を設けたことも莫大の費用を
使っただけで何もしていない。その他多くの事業がこのような有様であって、これでは虚飾と
言うほかはない」

7月23日の王宮事件の時に、王宮内には大砲や機関砲が50門以上もあったのに、朝鮮兵はわず
か15分の戦闘で逃げ散ったからねえ。ただの飾りも同然だったと。
517マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:29:53 ID:fo0LUt2E
紫煙
518マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:33:07 ID:8561BMck
(続き)
井上 「誇大ということも、これはおそれ多いことではあるが、世子宮が蒸気船を見られたい
ということで、小蒸気船を宮中の池に浮かべられたとか。もし世子宮が蒸気船を見たいと言わ
れるなら、仁川に赴かれて、外国軍艦を見られればよろしいことであって、これをわざわざ池
に浮かべるなどは誇大なことと申し上げるほかはない。それに世子宮が外出されることもない
とは養育上にもよろしくないことであります」

国王 「あの蒸気船は日本から寄贈されたものニダ。すでに他所に持ち出されたと聞くニダ。世
子が外出しないのは、警察も充分でなく、またウリの国の習いでもあるからニダ」

花房義質公使時代に蒸気機関研究のために贈られたもの。しかし世子のおもちゃになっちゃっ
たと。

井上 「外出のことのみならず、我が国皇太子殿下は臣下の子弟と共に華族学校で机を並べて
勉強されている。しかし貴国ではそのようなことはなく、全てを誇大にして深宮の内に置かれ
ているだけであります。つまりは勢力の争奪や猜疑や復讐などという悪環境の中でお育ちになっ
ては、それが性質にならないとも申されませぬ。ここはご注意申し上げずにはおれません」

国王 「日本太子がそうだとは聞いているニダ。朕もしだいに世子をそのようにしたいニダ。学
問もさせるニダ」

井上 「現に李呵O氏は王族の一人であります。王室を強固なものとするに直接の関係がある
お方であります。それなのに王宮の尊大な仕組みの中に置かれてあります。彼はお年も若いの
ですから、この後は充分に学問をされることは最も必要なことであります。この頃からは日本
に数年間留学なされたいとのことを聞きましたが、それがよいと思います」
519マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:33:31 ID:fo0LUt2E
紫煙
520マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:38:04 ID:8561BMck
(続き)
この場には李呵Oも出席してたが、落ち着きがなく何度も席を離れた。そのつど井上は出席を
求めて座らせた。

井上 「とにかく王室から各衙門に至るまで、誇大と虚飾を得意とするのは貴国の癖でありま
す。このために無駄な経費の出費が多い。すみやかに改めねばなりますまい。まず王室から率
先して節倹に勉められ、もって臣民への模範を示されるべきであります」

国王 「まことに奢侈と華美の多さは驚くべきことニダ。節倹に勉めるとは甚だ必要なことニダ。
公使の言われることは一々もっともなことニダ。この癖のために人民にも同様の傾向があるニダ」

井上 「私が申し上げているのは、人民の誇大虚飾を申しているのではありません。王室邸内
のことを申し上げているのです。この虚飾誇大の出費が多いために、人民は実に苦しみに堪え
られない状態となっていることは嘆かわしいことであります」

国王 「民は国の本なりとは古の語にもあるニダ。民を苦しめるのは朕の心外とするところニダ」

王妃には少しく耳の痛い話であったろうか。ま、そんなはずもないかw

井上 「まことに陛下のお言葉のように、民は国の本である。民あって国があり、そうして王
室があることをよくよくご留意されたい。よって、これらの弊害はすべて一掃されねばならな
いことであります。陛下の思し召しは」

国王 「一々もっとものことニダ」
一同 「ニダーーー」

話は翌日に持ち越した。また李呵Oが出席していない。井上は出席させるよう求めた。
521マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:39:13 ID:fo0LUt2E
紫煙
522マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:42:42 ID:8561BMck
(続き)
井上 「昨日は陛下のご面前でいろいろと言上し、さだめし不敬と思われたことと存じます。
また長時間となったので陛下にはお疲れのことと存じます。また各大臣もご同様にお疲れのこ
とと思います」
国王 「いろいろとよい話ばかり聞いたニダ。けっして不快なことではなかったニダ。みな当然
行うことばかりニダ。遠慮はいらんニダ」
井上 「それでは申し上げる」

10. 法律を定めること

井上 「刑法民法を定めることが必要であります。刑法は悪事をした者を処分する法律であり、
民法は動産不動産に関して人民相互の権利と義務、また政府に対し、王室に対し、貸し借りを
規定することなどを言います。まず刑法は200から300ヵ条で足るでしょう。しかし、民法は
1000ヵ条あまりは必要であって、その制定は大事業となります。とてもすぐに出来るものでは
ありません。よって、先ずは他国の刑法を参考にして旧律を改定し、国情に適した刑法を定め
ることが当面は必要となります」

たしかこの時の刑法制定によって、あの恐るべき凌遅処死刑も廃止になったのでは。もっとも、
笞刑は残ったけど。なにせ国情民情に適しているということでw

井上 「しかし完全なる民法を制定することもなおざりにしてはなりません。今や貴国の人も
外国に渡航しているのですから、法律というものは最も注意を要するものです。すなわち今は、
自国の人は外国に行って外国の法律に従わねばなりませんが、外国人が朝鮮にいても朝鮮の法
律で支配することは出来ません。およそ国の法律というものは、国内にいる外国人であるとな
いとにかかわらず、一様にこれを支配すべきものであります。しかし外国人は外国の法律に支
配されている。つまりはこれが治外法権の害を生じているのです。よって、刑法、民法、商法
など、諸法律を世界情勢に合わせて適合するようにせねばなりません。外国の法律も参考にし
て制定することは、将来、治外法権を撤去されて国体を保つ基礎であります。けっしておろそ
かにしてはなりません」
523マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:44:53 ID:fo0LUt2E
紫煙
524マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:54:12 ID:8561BMck
(続き)
国王 「日本は今は外国の治外法権を撤廃しつつあると聞く。もうすべてそれが出来たニカ?」

井上 「近頃から英国との間で条約改正がなってすでにこれを撤廃しました。諸外国とも交渉
中です。遠からず全てを撤廃するこになりましょう。これは我が国が法律を鋭意制定したこと
によります。貴国もまたこれを制定されて、将来、治外法権を撤去されることをお勉めになら
れて、もって国体を保つようにされねばなりません。しかしこれはなかなか大事業で、5年10年
で出来るものではありませんから、とりあえずの急務は刑法を制定されることです」

日朝修好条規を不平等条約などとレッテルを貼ることの無意味さがここにある。そもそも文化
も習慣も違う国家間で完全なる平等条約を結ぶとするなら、刑法や民法上のこともある程度共
通しなければならないはず。まして、西洋文明が支配するも同然の当時にあって、斬首するの
に剣で60回も刻むような死刑方法を外国人が受け入れるはずもなし。これでは治外法権すなわ
ち領事裁判権の設置を条約に盛り込むのは当然のこと。これを撤廃するには、朝鮮が文明の時
代にあった法律に改革していくしか外に道はないのであってねえ。
で、あの石塚英蔵日本法制局参事官ら多くの日本人顧問官の登場となる。最初に制定された朝
鮮法律第1号は、裁判所構成法であった。
(つづく)

>>いつもご「紫煙」感謝です。
525マンセー名無しさん:2010/05/30(日) 21:55:42 ID:fo0LUt2E
何時も興味深く読ませていただいています。
526マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:27:17 ID:QwqHNK2X
併合前の日朝(続き)

11. 警察権は一つと定めること

井上 「そもそも警察は、行政と司法に必要なもので欠かせないものである。その主な務めは
人民の生命と財産を保護し、犯罪を捜査することであって、一つの機関とせねばならない。よっ
てそれ以外の者がしてはならない。今のように警務庁以外に巡補すなわち別巡検と称するもの
があってはならない。これらは職務権限を乱す基である。すべて廃止せねばなりません。警察
の職権と登用に関する規則は別に定めることが必要です」

国王 「大臣たち。ウリは知らないニダ。別巡検というものがあるニカ?」

内務大臣 「別巡検は巡検の下にあって使役されているものですニダ」

国王 「朕は少しも知らなかった。巡検と別巡検とがあるニカ」

井上 「巡検を置き、さらに別巡検を置くなど、警察権を一つにしないことから弊害が生じて
いる。たとえば金鶴羽が暗殺されたのは、これらの者の仕業という。そもそも警察権がなぜ行
政上必要なことかと言えば、たとえばここに病人が発生して感染する恐れがあるとすれば、そ
の予防のために病人の家に消毒法を実施させ、また交通遮断し、家を掃除して病人の衣類など
を焼き捨てねばならないこともあろう。これら感染予防については警察の権力を使用するしか
ない。その他いろいろと行政の上に警察権は必要欠くべからざるものであります」

国王 「その必要なことは大概了解したニダ。日本でも盛んに警察というものが行われている
と聞くニダ」
527マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:33:23 ID:QwqHNK2X
(続き)
井上 「法務大臣に対して問いたい。警務庁は貴衙門に属するという。それでは巡検と別巡検
と2つあってよろしいのか」

法務大臣 「巡検は警務庁新設によって出来たものニダ。まだ盗賊の捜査や逮捕が不慣れなの
で、以前の捕庁時代にそのことに従事していた巡補をそのまま別巡検として使っているニダ」

井上 「貴大臣はさっきから私が述べていたことを聞かれていたか。捜査や逮捕もまた警察の
仕事である。それなのに巡検と別巡検と2つに分けるのは何の理由からか」

法務大臣 「警務のことは警務使がいてこれを主管しているニダ。ウリが関係するところでは
ないニダ。詳しくは知らないニダ」

井上 「奇怪なる話である。そもそも警務庁は法務衙門に属し、貴殿の監督の下にあるのでは
ないのか。それなのに知らないとは理解できない」

法務大臣 「まだ創設したばかりで何も定まっていないニダ。順次定めるとするニダ」

井上 「目下、最も緊急のものであるのに、順次定めるとはいよいよ理解できない。一日も早
く事務を整頓して定めねばならないのではないか」

金総理・金度支 「これまでのことは仕方ないことニダ。これよりは改めることにするニダ」
528マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:44:27 ID:svZ1VjRI
紫煙
529マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:45:08 ID:QwqHNK2X
(続き)
金鶴羽前法務大臣殺害の犯人検挙が進まないことへの井上の苛立ちかと。

井上 「陛下が私の申し上げたことをご採用されるなら、まず警察のことは急務なので、それ
について希望があります。今、現に派遣してある武久警視のことであります。同人は警察事務
に精通しており、その能力は充分貴国の警察制度設立のためになると思いますので、顧問官と
して招聘されればよろしいと考えます。もっとも、今は貴国財政困難の時なので、俸給などは
定めなくとも差し支えありません。このことについて陛下の思し召しは」

国王 「警務のことは最も急務ニダ。公使の言に従って顧問官とするニダ。大臣たち、左様する
ニダよ」
一同 「ニダーーー」

井上 「ただちに採用されたいと申し上げるのではありません。私が改革意見をすべて述べた
上でいよいよこれを用いられ、ご実行されることにご決定あらせられた後のことと承知いただ
きたい。さて次に」

12. 官吏の服務規律を設けてこれを厳行すること。

井上 「官吏たるもの、職務を尽くし、且つ清廉を守るべきものであります。賄賂などが横行
するのは政治が乱れる基であります。考えを改めねばなりません。官吏に清廉にさせるには、
それぞれに相当の俸給を与え、これによって地位にふさわしい衣食住を充てることです。今の
ように地方の官職を買ったりするなどのことは、速やかに改めねばなりません。地方官吏組織
の改正は、租税賦課の法改正と共に最も必要なことです。このことについて陛下の思し召しは」

国王 「もっとものことニダ。そのようにせねばならないニダ」
一同 「ニダーーー」

まず無理だろこれw
530マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:50:04 ID:svZ1VjRI
紫煙
531マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:52:38 ID:QwqHNK2X
(続き)
13. 地方官の権力を制限し、中央政府に集中させること。

井上 「従来からの慣例によって、地方官は兵権と裁判権を有している。その上、政府に納め
る税以外に勝手に酷税を課して取っている。これらはみな売官から来ている。地方官に就く者
はみな巨額の金銭を納めるので、これを取り戻すために人民から取り上げるという結果になっ
ている」

この時、なぜか国王はニヤニヤしたらしい。

井上 「売官の弊害は7月23日以来改革して厳禁したはずが、今もなお続いている。厳重な制
度を設けねばなりません。地方官は過度の権力をほしいままに使い人民に疾苦をもたらしてい
る。よって、適当なところまで権力を中央に戻し、内務、度支などで監督する法を制定された
い。このことについて陛下の思し召しは」

国王 「それらの弊害は一切厳禁にするニダ」
一同 「ニダーーー」

金宏集と大院君の話によれば、この売官を始めたのは王妃閔氏である。もちろん閔政権の時で
あるが、払った金はみな王宮と政府閔党に入っていた。当然、賄賂なども王妃と閔党に集中し
た。なにか役職に就くにも必ず賄賂も出さねばならず、たとえ閔族であっても賄賂の少なかっ
た者は官職に就くことは出来なかったという。
大金を払って地方官となった者は、それを取り戻すために過酷の重税を人民に課し、中央政府
に納めるべき税も時に横取りし、その収税のための土地も年々縮小して申告し、中央に納める
べき量を少なくして差額を私腹に入れる。それで中央には税が集まらないようになる。よって
政府閔党はますます売官売職に励む。朝鮮が貧困と腐敗にまみれるに至った主な原因がこれら
しい。
しかしまあこの改革も無理でしょうねえ。
532マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:54:34 ID:svZ1VjRI
紫煙
533マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:57:11 ID:QwqHNK2X
(続き)
14. 官吏登用ならびに免職の規則を設け、私意によってこれをしないこと。

井上 「賄賂などを厳禁にすると同時に、官吏の登用と免職を公平なものとせねばなりません。
官吏の進退に私意をはさむことは、自分のことのみを顧みて、国家を顧みないという弊害を生
じる。ですから、大君主陛下が大臣を進退するにも、大臣が所属の官吏を用いる用いないも、
個人的な恩義や私怨で行ってはなりません。職務に適しているかどうかをよく見て、規則に照ら
して公平に扱うことを唯一とし、かりにも一点の私心があってはなりません。このことにつき、
陛下の思し召しは」

国王 「いずれもそうせねばならないことニダ」
一同 「ニダーーー」

しかし朝鮮の実情を思えば思うほど、無理なことばかりに見えてきたw 出来ないなら出来ないと
大臣たちも言わないとw
(つづく)


>>いつもご「紫煙」感謝です。
534マンセー名無しさん:2010/06/06(日) 22:59:55 ID:svZ1VjRI
次回も楽しみにしております
535マンセー名無しさん:2010/06/09(水) 20:52:11 ID:5NCOpQX+
>>533
勉強になります。
536マンセー名無しさん:2010/06/16(水) 23:45:03 ID:K7uOUZAK
捕手
537銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/17(木) 14:38:13 ID:SNLRZTwW
ぬるぽ
538マンセー名無しさん:2010/06/17(木) 20:25:19 ID:AmbOLWIS
にゃっ!!
539マンセー名無しさん:2010/06/19(土) 19:41:19 ID:7SZlpiSE
   <丶`∀´>   | | ガッ
  と    )    | |
    Y /ノ    人
     / )    <  >__Λ∩
   _/し' //. V`Д´)/ ←>>537  (_フ彡        /
540ブル☆:2010/06/19(土) 19:46:22 ID:GZ+Ll9qx
なんかアフリカで牛糞の家に住んでる人達が居るって聞いた
それで臭い者同士でぇ〜♪
そそw バッチシ両想いで(笑) 相思相愛ですぁ 混血増えたのか?w

( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ 
541マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:06:18 ID:+N9f0QWB
併合前の日朝(続き)

15. 勢力争奪の悪弊を止め、政治の上での復讐心を抱かないこと

井上 「国の政治というものは公明正大でなければならない。私心を挟んではならない。勢力
の争奪や政治上の復讐心は、みな私欲や私怨から生じておる。国家が乱れる元もここにある。
私がここに来てからいろいろと観察しただけでも、誰は大院君邸に出入りし、誰は日本公使館
に出入りし、誰がどう彼がこうと猜疑しては何派何党と勢力を争うばかりである。これではと
ても国政の実があがるはずもない。この観念は一掃されねばならない。

国王 「まことにそうニダ。今後は猜疑とか党派の字を捨てねばならんニダ」

井上 「仰せの通りであります。日本党だの頑固党だの、あるいはまた、大院君党だの開化党
だの呼び合って猜疑離間するばかりでは政事がはかどりません。これからは、何れも独立党と
いう名の下に立ち、協力同心して国事にあたるべきである。各大臣におかれてはいかがか」

一同 「ニダーーー」

うーん。これもそう簡単にはいかなったことが日清戦後の朝鮮事情でねえ。

16. 工務衙門はまだ必要と認めないこと

井上 「今はまだ工務の事務を置く必要はないだろう。それで今の工務衙門を農商務衙門か他
の衙門に合併してはどうだろうか。大臣らのお考えは?」
542銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:11:17 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・こんな時間に珍しいニダ。
 / ∽ |
 しー-J
543マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:12:15 ID:+N9f0QWB
(続き)
魚允中 「工務は今は公使の言われるとおり事務もないニダが、いずれは出来ていくと思うニダ。
それで存続させたいと考えるニダ」

井上 「財政の点はどう考えられるのか。一衙門とすれば大臣も要れば副大臣も参議も要る。
その他、相応の官吏も必要であって、それだけ費用もかかろう。私はなにも工務は全く必要な
いと言っているのではない。今は財政困難の折であるから、名ばかりのところに費用は必要な
いと言っているのである」

魚允中 「財政の点からすればそうニダが、工務衙門は今は事務はないとしても、この後、鉄
道を開通し、鉱山採掘もあると思うニダ。それに電信のことは事務があるニダ。また郵便なども
将来は工務衙門によって開始するつもりニダ。今は必要ないとしても将来は必ず必要となるの
で、これを廃することはないと考えるニダ」

井上 「この件は度支大臣がまっさきに同意されると思ったが意外である。まるで子供が生ま
れてもいないのに名前をつけるようなものであって、実のないことではないか」

魚允中 「そうニダ。しかし子という名はすでにあるニダ」

井上 「工務を廃止しようということではない。しかし子という名があっても、生まれてもい
ない子に名をつけるようなものであって、今は急ぐことではない。工務は他衙門の一部とすれ
ばそれで充分である」

金総理 「国王の前なので、そのように争われなくともよいニダ」
544銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:13:06 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
545マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:16:18 ID:+N9f0QWB
(続き)
魚允中 「各大臣とも協議するニダ」

国王 「一同、どうニカ。農工衙門とすれば字句の上ではどうニカ。とにかく皆で協議するニダ」

井上 「それではそのようにされたらよろしいでしょう。私がこのような争いをするのも、こ
れは国政に関しては、このように君主の前でもはばからずに争うように議論することが大事だ
からであります。君主の怒りを恐れて、御前では体裁よく唯々諾々ということでは、臣下は君
主に対して不忠ということになります。これでは国政が進むということはない。私は、各大臣
が充分ご議論されて、時には争う議論を尽されることを望みたい」

 ま、硬骨漢の魚允中だからこその反論と。また、むりやり承諾させた改革案でもないという
証と。

17. 軍国機務処の組織権限を改めること。

井上 「軍国機務処の組織を改定し、法令などは各衙門で立案するよう改定されたい。今のよ
うに機務処で法令を議決して、それを議政府や各衙門に執行させるような形では、機務所の権
限が政府を凌駕することになりかねない。これは国政の乱れの元となる。よって、各衙門で立
案したものを機務処で可否を諮詢し、そして機務処可否の議決を採用するかどうかの権は、各
衙門の大臣にあるとすればよろしいと思う」

国王 「日本の元老院のようにすればよいニダ。議政府よりも権限があるのはよくないニダ。こ
れも公使の言われることに従うニダ」
一同 「ニダーーー」
546銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:16:50 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
547マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:19:53 ID:+N9f0QWB
(続き)
18. 事務の必要に応じ、各衙門の事務に練熟した顧問官を聘用すること

井上 「この事について陛下の思し召しは」

国王は朴主事が渡した国政一覧表を何度も見た。

井上 「宮内府と各衙門の経費は、各衙門と議政府でこれを予算し、陛下の御裁可を経て確定
します。すでにご裁可された以上は、何人たりともこれを変更することは出来ません。各大臣
はご裁可された範囲内で一切の支弁を行うことになります」

国王 「聘用することとするニダ」
金総理 「以前すでに聘用のことはお定めになられていましたから、異議はございませんニダ

一同 「ニダーーー」

19. 留学生を日本に派遣すること

井上 「顧問官のことは一時のことであります。その間に、ぜひとも人材を養成して、以後は
顧問官を必要としないようになる準備をしておかねばなりません。これまで日本に留学した貴
国の学生も多いのですが、いずれも自分勝手に修業するので学んだことに偏った傾向がありま
す。それで、あらかじめ科目を定めて修業させるようにされたらよい」

国王 「この事は最も急務ニダ。ただちに派遣することとするニダ」
一同 「ニダーーー」
548銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:20:53 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
549マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:23:20 ID:+N9f0QWB
(続き)
明治9年の日朝条約締結後の会談で、日本側が朝鮮大臣たちに朝鮮国の富国強兵策を改めて勧
告して以来およそ20年。この間、様々な技術書などの贈呈、技術者派遣、また日本の近代施設
を見学させるなど、日本政府の一貫した朝鮮近代化支援の中に、この留学生のことも含まれて
いる。その最初は明治13年に花房公使が、朝鮮から人を選んで西洋なり日本なりに留学させて
人材を育成するようにと勧めたことに始まる。

井上 「私が言上するのは以上の19ヶ条であります。陛下はじめ各大臣にはこれらを御実行さ
れましょうか」

国王 「いずれもよろしいことニダ。世界の大勢がすでにこうなった以上は、ウリの国とても
改革を実行せねばならないことは当然のことニダ」

井上 「これを口にするのは簡単ですが、実行するとなると実に難しい。陛下がこれを実行あ
らせられるとするなら、非常なる困難に耐えるご勇気とご決心がいります。第一に、大院君や
李呵O氏など王室の方々、又外戚の方々とも、国政上のことは関係をお断ちになるご覚悟がい
ります。そのご決心がなければなりません。もし、井上が来て強いてこのようにせよと迫るの
で、ともかく行おう、などというようなことでは、とうていこの貴国独立を強固なものとする
大事業は成就しないでしょう。一時のご決心で着手して、弊害にさえぎられて途中でお止めに
なるなら、最初から着手しない方がよいと考えます。しかしもし陛下が必ず断行されるとのご
決心があれば、独立が強固なものとなるだけでなく、貴国の中興の大事業は成し遂げられるこ
とになるのは疑うまでもありません。陛下の思し召しはいかかでありましょうか。大臣方のご
意見は」

この時、国王背後の障子から王妃がしきりと国王に何かを耳打ちした。
550銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:24:05 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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551マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:27:51 ID:+N9f0QWB
(続き)
国王 「およそ事を挙げんとするなら、事を執って直ちに行うべし。もし行われないときは、
ウリの国もそれまでニダ」
金総理 「行われない時はすなわち国がほろびるニダ。ぜひとも行うべきと存ず」

改革頓挫すれば亡国となると。まさにその通りになるんだが。

国王 「公使の言の委細を承知したニダ。これを行うについては困難もあろうニダ。しかしそれ
ほど心配するにおよばず」

井上 「このように私が言上することを一々ご採用あらせられるなら、なおここに一つ申し上
げたい。すなわち、独立の基礎を強固にするために内政改良を行い、清国との関係を絶つとの
国是のご変更を、父祖宗廟に誓われ、そしてまた、全国に宣布されることをもって、すなわち
要項の20ヵ条目とされたい。貴国官吏ですら国是のあるところを知る者なく、まして国民一般
に於いてはなおさらでありましょう。ぜひこのことをなされたい」

国王 「宗廟に誓うとは?」
金総理 「我が国にて宗廟に告げることです。このような大事にあたっては、我が国の古例に
よれば、宗廟に告げてから国中に布告されねばならないことですニダ」

国王 「それならそうすべし」

井上 「今ひとつは、去る7月23日に、陛下が大院君に下されたご委任状の件であります。そ
のままではご親政とはなりませんので、これのお取消しをお伝え下されることは特に必要と思
います」
552銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:28:51 ID:hqKTxHz8
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
553マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:31:29 ID:+N9f0QWB
(続き)
国王 「伝え下すでいいニカ?」
金総理 「大院君は位の尊いお方なので、伝え下すでは同君の面目に関わりましょうニダ。こ
のことは、公使が申されたことを大院君に申し上げられたら、同君よりご辞退されることとな
っておりますニダ」
李載冕 「すでに大院君もご承知のことですニダ」
金総理 「公使殿、とにかく、ご委任のことを解かれるようにすれば手続きは何でもよろしい
と思うニダが」
井上 「さようである」

国王 「それではそうすべし」

井上 「政治上のことで、王族また外戚の口出しを断たれて、この1か条1か条をご実行あらせ
られるは至難のことであります。よくよくご決心されるべきものであります。陛下がこの至難
の事業をご成就あらせられ、独立の基礎を強固なものとされれば、これはすなわち貴国中興の
大事業の成就であって、実に貴国のために非常なる幸福となるのみならず、我が皇帝陛下のご
叡慮も達せられ、駐在する本使においても面目の至りであります。どうかよくよくお考えなさ
れますよう願います」

国王 「世界の情勢がこのようである以上は実行すべきニダ。大臣たち。これの実行を命じるニダ」
一同 「ニダーーー」

井上 「それでは言上したものを漢文にして差し上げます。疑問の点などあればいつでも参内
をご下命ください」
554銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:33:47 ID:hqKTxHz8
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555マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:35:34 ID:+N9f0QWB
(続き)
国王 「用があれば招くニダ。また公使にも用があるなら何時でも来るべし」

井上 「今日もまた長時間となりました。これにて退出します」

さて、以上のようにして井上の内政改革案勧告を、国王大臣たちともども、ほとんど議論らし
い議論もしないまま了承したのであるが、これがいかに大変な事業となるかがはたしてよく理
解が出来ていたかどうかは大いに疑問であってねえ。
井上も、これまでのことも含めて、その感触があまりよくなかったらしい。
かくて井上は陸奥外務に報告書を提出したその中で、
「この朝鮮の内政改革こそ非常なる難事である。数百年来の習慣となった悪弊の根幹を、一朝
一夕に改革することなど出来ないことは、元より当然の理なのではあるが、それにしても、内
政の改革に関して、官庁の職務権限や君主権などのことを説明したが、その文字の意味すらも
理解出来ていない。君主権といえば、ただ思うがままに人民の生命と財産を与奪するの権と誤
解し、このような専横な権力は制限するべきですと説けば、すぐに国会を開設して、諸事を諮っ
て人民の承諾を要することと誤解するなど、その愚かなること、実に予想外であった。心中ただ
自己あることを知り、国家がなにものであるかを知らない頑愚に向って、内政の改革などを説く
のは、あたかも小学校の児童に向って、政治談義をなすようなものである」
と述べた。痛烈である。

陸奥外務 「だから私などは最初から朝鮮内政改革など重く見ておらんのです。それに朝鮮の
ような国柄が、果して善く満足な改革をなしとげるかどうか疑ってます」
伊藤総理 「陸奥君のその個人の見解は理解できる。しかしもう始めてしもうたんじゃ。今更
あとにはひけまい」
陸奥外務 「井上さんにはご苦労をかけますが」
556銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:36:25 ID:hqKTxHz8
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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557マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:39:43 ID:+N9f0QWB
(続き)
伊藤総理 「いずれ顧問官なども派遣せねばなるまい。給与もこちらもちでなあ」
渡邊大蔵 「はあー。そのほかにも、朝鮮は旱魃のこともあって税金はまともに納まるまいか
ら、日本から政府予算の分は貸与せねばなるまい、とも言ってきておられますなあ。この大変
なときにー」
陸奥外務 「しかしやるなら徹底して改革を進めさせねばなりますまい。顧問官なども優秀な
者からどしどし送るべきです」
伊藤総理 「そうしよう」

かくて、法律顧問として石塚英蔵などが派遣されたのだが、日本法制局としても必要な人材だっ
たらしく、
末松長官 「石塚君早く返してよー! こちらが困るじゃん!」
杉村書記官 「法制局長官からこんなに言ってきてますが」
井上 「いかんいかん。今しばらくはいるんじゃ。そんなの無視しとけ」
末松長官 「もう!」

11月26日、井上は漢訳の改革案条項を持参して国王に内謁見した。
(つづく)

>>銀河電鉄今井氏
遅くなりました。いつもご支援感謝です。
558銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:41:21 ID:hqKTxHz8
乙です。昔の人は認識がリアルだねえ。
559マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 18:42:59 ID:LtA11nkA
うお、確かにこんな時間に珍しいニダだわ。
しかし、それをも見逃さずに、毎回しっかり
フムフムしてる銀河電鉄二ムも凄いニダ
560銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/20(日) 18:48:24 ID:hqKTxHz8
>>559
毎回ではないニダが、ウリにとっては最重要スレッド。
561マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 19:04:48 ID:LtA11nkA
中の人も今井氏も乙です。なんか感動したニダ。
これからも頑張って下され。
562マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 20:10:19 ID:sWcI/lSJ
今の害有省の椰子ら一人一人に纏めた物でも
渡してやりたいねえ
外交とはどんなものか 下手な外交史よりも余程役に立つw
563マンセー名無しさん:2010/06/20(日) 20:20:39 ID:N0jr0DQY
おお、意表を突かれてしまったw、そんな時間にとは。orz
次回楽しみにしております。
564マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 08:45:57 ID:ctjl7rbE
保守上げ
565マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 17:49:44 ID:B3kXrnU8
朝鮮人は日本に感謝すべきだよね
566マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 19:00:11 ID:YyjobhDh
差別書き込み!気色悪いなぁ。こんなの書いてる奴らって、
よっぽど暇で、人に愛されてなくて、孤独で、自分の精神状態が安定して
ないんだろうなぁ。
567銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 19:22:27 ID:Vrrw/1Cn
何が具体的に差別なんだろう?
568マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 21:52:29 ID:KJM3SZ8t
併合前の日朝(続き)

井上 「先日から長時間の奏上をしました。陛下にもお疲れになられましたでしょう」

国王 「いや、朕は有益な談話を好むニダ。疲れなかったニダ。公使の労を感謝するニダ」

井上 「宮内大臣を除いてお人払いを願います」

国王 「内官らは退出するニダよ」

井上 「さて、まだ職務権限を決めていませんから、くれぐれも大臣らをお責めになりません
ように。たとえば法律制度なども1、2ヵ月で出来るものではありません。法律というものは国
の風俗習慣に適合するものでなければなりません。まずは西洋の法律を参考にして、国の民度
に合った法律にする必要があります。また法律が出来てからも、実施してみれば適当でないと
ころがあることも分かりましょう。そこで逐次に修正しながら年度を経ればやがて完全なもの
となりましょう」

国王 「ニダ。卿が言われる通りニダ。そうした方が時勢に合うことになるだろうニダ」

井上 「先日も申しましたように、陛下の親政とはすなわち大臣一同が会して日程を定めるな
どして国政を諮詢され、また上奏するものであって、従来のように国王と大臣の間に内官を置
いて一々取り次ぐようなものではなりません。今日はここに来る途中で勤政殿との額を掲げた
建物を見ましたが、この堂はかつては国王と臣僚が会して政務を執られた所と想像しますが、
いかがでしょうか」
569マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 21:57:25 ID:KJM3SZ8t
(続き)
国王 「ウリの国も昔の2代国王時代には、国王自らが堂に出て大臣らと国政を議したものニダ。
しかしこの例はいつしか廃されて、今はその跡さえとどめてないニダ。それで、朕はここにこ
れを復活させ、大臣らを召集し、椅子を与えて互いに膝を交えて国政を談ずることに定めるニダ。
勤政殿は君臣が会して元旦や冬至などの時に百官の参賀を受ける所で、国政のことではないニダ」

ここで井上は改革要綱の漢訳文を提出して言った。
井上 「意味のよく分かられないところなど、質問が必要なところはいつでもご下問されたい。
先日も申したように、これを実行することは善いことでありますが、言うはやすく行うのは難し
いものです。これからどれほどの困難にあおうとも、不撓不抜の精神で大難を克服せねばなりま
せん。もし途中で阻喪するならばこれほど弊害となるものも他になく、むしろこの事業は最初か
らしない方がよろしいでしょう。すなわち祖先の神霊を欺き、国民の信を失い、また陛下自らも
その心を欺き、ひいては私をも欺かれるに至りましょう」

果してこの難事業に取り組む意志があるのか、という重ね重ねの確認である。そして改革が出
来なかった場合のことを次のように警告した。

井上 「もしそうなれば、私もやむを得ず失意のうちに日本に帰り、そのことを皇帝陛下に報
告するだけであります。おそらく我が政府の方針も一変して、日本は朝鮮に対してもはや厚意
を尽す手段もなくなったとして、全く反対の行動に出るような結果となるかもしれません。ま
た貴国内も内乱民乱頻発して、ついに外患をも誘発して収拾できない事態に至りましょう。よ
くよく考えねばなりません。実に不遜なことを申していますが、私の率直な性格上、あらかじ
め陛下の猛省と再考を求めるゆえんであります」

早い話が、もし改革を始めて途中で止めるならば朝鮮は亡国の道を歩むことになるぞ、と。
570マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/06/27(日) 21:58:58 ID:mOUYtAhA
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  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
571マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:02:45 ID:KJM3SZ8t
(続き)
国王 「このさい、もし朕の政府大臣も大奮発して断然この内政改良をしない時には、国家の
前途がどうなるかも知られないことニダ。また今日このままであっても、国として立たないこ
とであるニダ。朕はすでに決意したニダ。どれほどの困難があろうとも前進することを覚悟して
いるニダ。朕は卿の奏上を聞いて、大いに貴政府の厚意を感ずるニダ。同時に後悔しているニダ。
なぜに早くから改良に取り組まなかったかと」

だいたいこれまでの国王の言を見ていくと、この人は考えとしてはまともな方であるという感
じ。ただその性格の弱さから、王妃閔族に牛耳られ、内官らに振り回されと、周囲の意見に左
右され過ぎたという印象。ま、最後までそうだったのだが。

国王 「せめて壬午(明治15年)から、上下一致して国政の改良に熱心に取り組んでいたなら、
今日には多少の進歩となって貴国の賞賛を受けていたろうニダ。実に嘆息の至りニダ」

井上 「日本軍は今月21日に旅順口を攻撃し翌日には占領しました。敵の弾薬大砲無数のもの
が我が手に落ちました。旅順口の要塞は西洋式の堅固なものでしたが、わずか2日で陥落した
のです。貴国の人はじめヨーロッパ人も思っていたことでしょう。この広大で大人口の清国に
対して、とうてい日本のような小国が勝つはずもないと。旅順の事を聞いて、北京政府は大い
に驚愕し、遷都のことも議論されていると聞きます。我が国の皆が思っていました。いずれ貴
国のことで一度は清国とは干戈を交える日が来るだろうと。私もそうです。この十数年間とい
うもの、兵備に怠りなく今日に至ったのも、けっして偶然ではありません。特に今年、我が皇
帝陛下には帝室費から30万円を割与して軍艦製作費に加えられましたことなども同様のもので
す」

日本が日清戦を想定し始めたのはとりわけ明治17年以降である。ただし朝鮮が自治自衛できる
だけの力を養ってきておれば、この戦争は起き得なかったのだが。
572マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:08:38 ID:KJM3SZ8t
(続き)
井上 「貴国は清国を崇拝し、隷属することすら甘んじてきました。しかしもう清国は頼むべ
くもない境遇となりました。だとすれば、清国のことはもう断念するしかないでしょう。どう
か眼を東洋全体にそそぎ、そして自ら進んで自家独立の基礎を強固なものとする政策を講じね
ばなりません。我が日本は貴国に対して常に無限の厚意を表してきました。貴国もまた我が国
を信頼されて、内政を整頓されることが得策と考えます」

国王 「旅順口の勝利を聞くは朕もはなはだ爽快ニダ」

井上 「陛下が快く思われるならば、下々の者もまたそうでしょう。君子の徳は風であります。
小人の徳は草であります。風が吹くなら必ず草はなびきます。国政改良のことも、率先して
王宮内の虚礼や悪習を改革し、もって下流もまた清澄となることを図らねばなりません」

その後、井上は再び大院君の立場、また王妃の立場を述べ、政治に口出しするなどのことなく、
もって王宮内の事情を清廉潔白なものとし、下の者の模範とならねばならないと説いた。
この時、急に世子が眩暈がすると言って立ち上がり、奥に入ろうとして昏倒しかかった。井上
はあわてて駆け寄って体を支え、

井上 「宮内大臣殿! 宮内大臣殿!」
李宮内 「ニ、ニダー!!」
宮内大臣李載冕は、世子を抱きかかえて内殿に入った。
573マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/06/27(日) 22:09:43 ID:mOUYtAhA
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 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
574銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 22:10:00 ID:Vrrw/1Cn
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575銅川銀通古君:2010/06/27(日) 22:10:32 ID:Zw27+AyO
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576マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:14:25 ID:KJM3SZ8t
(続き)
井上はそれを見送りながら、
井上 「陛下と臣との間柄というものは、互いに愛情というものがなくしては成り立ちません。
君権が過ぎて、誰もこれに逆らうことが許されず、そして事の善悪関係なく、大臣らも唯々諾々
と命令を聞くだけというようなことであっては、国政上の弊害は免れられません。世に名君と
いい、忠臣というは、君子は善く廷臣の諫言を容れ、廷臣はまた諫言を憚らないことを言うの
です。これと反対に、君子が己の意にならない者を排斥し、こびへつらう者だけを親愛するよ
うでは、亡国となるのを免れられません。君臣の義というものは愛情から来ねばなりません。
この愛情というものはまた、君臣の間が密接したものでなければ生じようがありません。私は
望みます。陛下がよく臣下の諫言を容れられ、臣下と互いに親愛され、上下和睦し、もって内
政改良の道を歩まれることを」

内官も大臣もいない場での、国王と王妃に対するものであり、井上の誠意あふれる言葉であった。

国王 「卿が言われるように、君臣の情というものはそうでなければならんニダ。朕もまたこ
こに意を注いで、大小の事をはかるニダ」

井上 「なお、日本と欧州各国にあける、皇后王妃また王族のしていること、その姿に関して
詳細を申し述べたいのですが、本日は日暮れとなり、世子にも御不快の様子なので、他日また
謁見した日にお譲りします」

国王 「朕、この20ヵ条の漢文を熟覧し、もし不明瞭なことがあるなら次回の謁見の時にで質
問するニダ」

井上はこれにて退出した。
で、翌日27日。
577銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 22:15:00 ID:Vrrw/1Cn
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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578マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:20:36 ID:KJM3SZ8t
(続き)
井上は杉村書記官を議政府に派遣した。
井上 「では杉村君。くれぐれも、金総理らとよく協議して、国王から大臣召集があった日に
私が参加した上で、大臣協弁などの人事異動を任命するようにと言って来てくれたまえ」
杉村 「分かりました。今までのような国王専断の人事をやめて、政府合議したものを奏上し
て裁可を頂くということですね」
井上 「うん。度支協弁や工務などのこともよく協議して決めねばならんから」

ところがその後、公使館に情報が入った。国王が新たに度支協弁、法務協弁、工務協弁、内務
協弁、農商協弁を任命した、という話である。

井上 「ん? 杉村君。度支協弁のことはともかく、他の4人の任命の話は金総理らは知ってた
のかね」
杉村 「いえ、そんなふうではなかったです。閣下が顧問官として居られる場において、人事
のことは政府内で協議するということは、皆が承知していることでしたから」
井上 「う〜ん。まさかとは思うが。ただの噂話かもしれんが、金総理のところに言って確か
めてくれんか」

井上はただちに手配して調査を始めた。すると、どうやら噂ではなく事実のようであった。

金総理 「それは寝耳に水ニダ! ほかの大臣らも聞いてはいないニダよ。さっそく参内して大
君主にお尋ねするニダ」

杉村 「ということでした、金総理は」
579銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 22:21:58 ID:Vrrw/1Cn
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 しー-J
580マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:26:28 ID:KJM3SZ8t
(続き)
井上 「いろいろ調べたが、どうやら大院君が政事に参与するのを辞退したから、閔党が王妃
によって権力を取り戻そうとして、前の兵曹判書(軍大臣)閔泳韶が、まず大院君がほんとに
横槍を入れないかどうか様子を見るために王妃に勧めたらしい」
杉村 「はあーっ orz しかし懲りない連中ですなあ」
井上 「しかし国王はあれだけはっきりと専断の人事はしないと俺に約束したのにのう」
杉村 「いや朝鮮の人が約束するなどという、そんな言葉すら朝鮮語にはないですよ」
井上 「ないんかい!」
杉村 「漢字にしても字句の意味が通じないところがたくさんあるんですよねえ」
井上 「う〜む」
だんだんと井上の表情が険しいものになってきた。

翌28日、それでも、まさかと思っていた井上の一遍の望みは、朝鮮政府の官報によって粉々に
砕け散ってしまった。正式の任官発表であった。

井上 「!!・・・・馬鹿めっっっ!!!」

ついに井上の癇癪が爆発。
井上はすぐに金総理宛の書簡を書き、
井上「官報で任命のことを読んで、本使は甚だ驚いた。前に大君主に謁見した時に、本使を顧
問官と見て諮詢し、そして政治をするとのことであった。しかし本使はこれらの任命のことは
何も聞いていない。どうしてこうなったのか。国王に奏問した上で返答ありたい。もし返答が
ないか、遅れでもしたなら、その時は前に提出した改革要綱を取り消すだろう」
と。
581銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 22:26:57 ID:Vrrw/1Cn
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
582マンセー名無しさん:2010/06/27(日) 22:33:05 ID:KJM3SZ8t
(続き)
言葉は激しくなかったが、改革要綱を取り消すという言葉がただならない意味を示している。
その結果どうなるか。
翌29日、その意味が理解できる金総理は、
金総理 「任命のことは奏問はまだだが、政府ではこれらの協弁の出仕を不許可としたニダ」
と返答。午後には、金総理、金外務、魚度支3人で謝罪しに公使館を訪れた。

金総理 「われら3人、国王の意を奉じて井上卿におわびに来たニダ」
しかし井上はこれを拒絶。
それに、出仕を不許可としたとは、これはこれで国王の任命を無視した大臣たちの越権であって、
井上 「何も分っとらん馬鹿者どもが・・・」

30日、井上は杉村を議政府に派し、大臣らはこの問題をどう処置するのかを問わせた。国王は
ようやく事の重大さを知り、3大臣に「ウリの意を奉じて謝罪に行くしかないニダ」と再び公使
館に向わせた。
しかし井上は再び拒否。
その後、宮内大臣から、国王が12月1日に内謁見を望んでいるとの通知があった。
それに対し井上は、睨むような表情で黙って頷いた。このままでは国王に面と向って雷を落と
しかねないと、杉村書記官は内心ハラハラしながら、参内する旨の返答を王宮に送った。

12月1日午後1時、井上は参内した。列席は、金宏集総理、金允植外務、朴定陽内務、魚允中度
支の4大臣のみ。
(つづく)

>>ワクワクテカテカ氏 フムフム・・・氏、いつもご支援感謝です。
583銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/06/27(日) 22:34:49 ID:Vrrw/1Cn
井上君、気持ちはよく分かる。
584マンセー名無しさん:2010/06/28(月) 02:15:12 ID:sQ+pO6Yw
韓国への支配権って桂・タフト協定で対外的に認められてんだろ
585マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:36:06 ID:YeSoeUN3
併合前の日朝(続き)

この時の謁見の記録では、時候の挨拶もなく、いきなり井上がこう切り出している。

井上 「官報で見たが、官吏の任免については政府組織整わない前には軽々しく行わないこと
を先日も奏上して御同意を得、総理大臣にもよく勧告していたはず。それにもかかわらず、こ
のような更迭を見るのは甚だ奇怪である。大君主には最早私を信用されないようであるから、
勧告も水泡に帰した。このようなことなら貴国の将来は望みはないと断念した。当国の情況を
察っすれば改革のことも挫折するのは明らかである。ついては先日に漢訳文を呈した20ヵ条は
廃案となったので私にお返しされたい」

改革は断念したので案文を返せというのである。

国王 「各衙門に欠員があってはならんと思って、4人は学識もあって評判もよかったから、
総理大臣の同意もあったので命じたニダ。朕が専断したのではないニダ。公使がだめと言うのな
ら止めるニダよ」

しかし欠員していたのは暗殺された金鶴羽の法務協弁のみであって、残りは移動人事であった。
それに金総理は何の相談も受けていなかった。この国では国王もまた平然と嘘をつく。

国王 「改革案のことは朕はこれを国家のために断然実施するニダ。だから撤回しないよう望
むニダ」
586マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:40:29 ID:YeSoeUN3
(続き)
井上 「今はまだ簡単に人事更迭しないように注意していたはずである。私は着任以来、当国
の内部に関して聞くところというものは、事毎に不愉快なものが多過ぎる。表では内政改革を
断行すると言いながら裏では妨害があり、終に途中で挫折するのは眼に見えている。いろんな
陰険手段はどれほど陛下が決心されようとも、巧みに陛下を動かすだろうことはもう私が信じ
て疑わないことである。貴国の内政改革のことは終に無効に帰した。これまでのことも考慮し、
弊害か多いこともよくよく考えて、充分に将来を考察した上で申し上げている。どうして軽挙
にも断念の語を吐こうか。陛下にはこれを諒されよ」

国王 「王妃が内政に干与するようなことは今後は決してないニダ。必ず政府大臣と審議するニ
ダ。また卿が勧める20ヵ条は断じて実行するニダよ!」

 うっかり口を滑らしてしまったのか、やはり王妃の干渉によるものだったことを自分でばら
してしまったw

井上 「陛下には反省されよ! 言うは易く行うは難しである。言って行わず、行って達しな
いなら、最初からしない方がよい! いかに陛下が改革を断行すると仰せられても、では明治
15年の時はどうであったか。明治17年の時はどうであったか。また本年7月23日はどうであっ
たか。その時にはそれなりに陛下の御決心はあったであろう。しかし事実は果してどうだった
か。まったく改革はできなかったのではないか。私が聞くところによれば、貴国が崇拝する清
国の使臣である袁世凱がこの国に居る時、内政について時々勧告し、李鴻章もまた袁氏から忠
告させたことがある。しかし陛下はこれを容れないだけでなく、これを嫌い、密かに人を北京
に送って北京政府の有力なる親王に賄賂を贈り、袁氏を帰国させようと企てるなど、実に卑劣
の手段に出たことがあると。李鴻章の威権をもってしても忠告は容れられず、袁世凱は終に貴
国のことはどうすることも出来ないと匙を投げて嘆息したと聞く」
587マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/07/04(日) 22:43:21 ID:pXSByz47
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
588マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:47:33 ID:YeSoeUN3
(続き)

明治15年事変は、腐敗した軍に不満を持った兵士を大院君がそそのかして乱となったものであ
り、これを期に独立の実を挙げんと図ったはずであった。まあそこから17年の朴金のクーデタ
ーになったのだが、その失敗は国王の変節によるところが大きい。7月23日の閔政権崩壊も改
革のチャンスであったが、結局は大院君がのさばっただけであった。
 全て国王の優柔不断さがもたらしたものであると言える。

井上 「貴国の内政改革はこのように難しい。私の苦心も水泡に帰すことになって遂には私が
世間の笑いものになろう。我が皇帝陛下に対してもまことに恐れ多いことであって、もし私が
貴国の改革に従事し始めたなら、その責任は免れられない。むしろ今これを断念した方が私も
よいのである。ゆえに提出した20ヵ条は返されたい。もし陛下がそれでも改革を必要とするな
ら陛下自らが着手されればよいのである。そもそも民の父母である君主が一国の民生の疾苦を
救うのは当然の職務であって。しかし私は関係ないので20ヵ条の還付を求める。もし陛下が前
々から内政改革をしたかったとしたら、私が勧める前にすでに着手されていたろう。しかし何
もなされず今日に至っているので、陛下の意は内政改革ではないことを知られる。しかし改革
のことは私が言い出したことによって初歩を踏んだが、20ヵ条を基本として採用して施行しよ
うとするようなことは、私にとっては甚だ迷惑である。このことはお断りしたい」

国王 「貴国とは隣国の友好を厚くしてきたニダ。貴国の元勲である卿がウリの国に来ると聞
いて朕は深く信じたニダ。必ず卿がウリの国のために力を尽されると。ウリの国の上下の者は
襟を正して卿がされることを待ち望んでいるニダよ。それを今まったく断念されるとするなら
、大いにウリの国の人の希望と反するものニダ。意を転じてウリの国のために尽くすことを朕
は卿に強いて求めたいニダ」
589マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:47:52 ID:PcWu5Yd+
紫煙
590マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:52:16 ID:YeSoeUN3
(続き)
そもそも朝鮮人が上下あげて望んでいるのなら、さっさと自主的に改革すればよいのであって
ねえ。

井上 「私が貴国内政のことは成功しないと思って断念するに至ったのは一朝一夕の考えから
ではない。いろいろと熟慮した結果であるから、今更意を翻すことはできない。ものには表裏
がある。陛下が断行されようとしても、裏ではそれを求めずに妨害があるのは火を見るより明
らかである。よって今から私は顧問官としての内政事務には関与はしない。陛下には、中宮な
り、大院君なり、その他何人なりと結託して勝手に国政を議されたらよい。また閔氏は東学党
なり何なりと共謀して権力を回復するもよいだろう。私はその代わり、貴政府の要請に応じて
出した東学党討伐の兵も引き揚げ、一兵たりとも貴国のために尽力することを停止する。もっ
とも、東学党のために殺害され利益を害された我が国の人もいるので、私は当然の職務として
貴政府とどこまでも談判せねばならない。もし貴政府がこれに応じなかったら、我が兵力をもっ
て罪を問う手段に遠慮はしない。まったく今からは貴国に対する誠意も投げ捨てるほかはない。
そこんところをあらかじめ承知しておかれたい」

だいたい最初からこのようにしてた方がよかったのかもw
それにしても、後ろの障子の影で聞く閔妃にとっては痛烈な言葉であったろう。なお、閔族が
東学党と共闘しようと画策しているとの情報も井上は得ていた。

国王 「今、日本は進出して東洋の盟主となっているニダ。ウリの国もまた頼むところは貴国
にあるニダ。それなのに卿の言はどうしてそんなに無常ニカ どうか考え直して朕の望みにそっ
てほしいニダ。古昔から言うニダ。唇のない歯は寒いと。貴我両国はその地勢からも唇と歯のよ
うに深い関係があるものニダ。ウリの国の興亡は実に貴国の利害にも関係してくるニダ。まして
東洋で国をなすものは僅かニダ。ウリの国の存立が危ういならば東洋に影響するニダ。だから東
洋のためにも貴国が奮発してウリの国を強固たる独立の地位にせねばならんニダよ。考えなお
してほしいニダ」
591マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:53:51 ID:PcWu5Yd+
紫煙
592マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:56:18 ID:YeSoeUN3
(続き)
井上 「時には唇が滅びる時節が来ることを知っておかねばならない。貴国の衰退は、結局は
自らが招いたものであって、他からの忠告をいれない結果であるから、他を怨むのは筋違いで
ある。もちろん私が貴国の独立にどれぐらい熱心だったかは一朝一夕のことではない。しかし
この厚意は貴国に用いられず、むしろ貴国の内情は、これを嫌う傾向にある。たとえば貴国の
人は言うに違いない。今は井上が公使として内政改革を強要していると。これに従わないなら、
どのような手段に出られるか分からないから、しばらくは言うことを聞いておこうと。これが
貴国の内情である。一時は勧告を採用しても、すぐに昔の習慣に戻り、その悪弊が本性を顕す
のは確実である。これはつまりは国の病気であって、その病原をあげれば、どれほどあるか、
まさに数知れないものである。それを一々言う必要も今はないので、ここでは省略する。もし
私がそのようにいろいろと弊害を知っていると言うなら、陛下には思うだろう。誰か政府大臣
の中で井上に密告する者がいるのだろうと。また、今の大臣たちは日本党だからだろう、とか、
いろいろと疑惑も生じよう。しかし、私は大臣相手に病原を探ることはしない。いや、大臣た
ちのような、私が胸襟を開いて貴国の内政を談じているにもかかわらず、どうかすれば国辱な
どという狭い考えから事実を覆い隠し、また言い訳をする。それで一つも事実を私に明かさない。
それで大臣からは知られないことが分った。しかし私は他に手段もあるので、どれほど覆い隠
しても無駄である。また、それが出来る私であるから我が皇帝陛下は私を派遣されたのである。
私が着任以来というもの、宮中に大小の弊害があることはもちろん、政治上どれほどか妨害と
なる事柄があるかを知っている。まあこのように申すなら、私を嫌悪する念がいよいよ増し、
ついには暗殺手段に出るやもしれない。しかし私はそんなことに恐れを抱いて主義を曲げる者
ではない。ただ言っておく。万一、私に危害を加える日があれば、朝鮮が亡国となる日であることを
記憶しておかれたい」

この時、金総理大臣が国王に耳打ちした。
593マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 22:57:42 ID:PcWu5Yd+
紫煙
594マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 23:00:24 ID:YeSoeUN3
(続き)
国王 「と、とにかく王妃が内政に干渉することは今まではとにかく、今後は決してないニダ。
朕は誓って明言するニダ。また20ヵ条は明日から大臣に実行するよう命じるニダ。内政のことも
すぐに議するニダ。卿もこれを了解してウリの国の助けをされるよう希望するニダ」

おそらく金宏集は王妃のことをもっとはっきり言うように言ったと思われw

井上 「陛下が何度繰り返されても私は断じて貴国の改革は成功しないと信じた以上この決心
は動かない。それに私が信じないことをさせて途中で挫折したとあっては、個人としての私は
ともかく、日本政府を代表する公使の面目に関わる。私は貴国の内政改革に従事するような愚
を学ぶ人間ではない」

国王 「朕がいかに不徳であるにせよ、大臣たちもこの席にいる。内政改革に決心した以上、
卿にも少しは意を曲げて信用してはどうニカ。なにとぞ再考を望むニダ」

不徳なんてぇものどころじゃあ、ありゃせんぜよ。

井上 「さて、以上述べたように、どうにも私の決心は変わらない。20ヵ条の返還を強いて求
めるほかはない。もっとも、いったんは差し上げたものなので、あえて戻される必要はない。
御採用がないないら強いては求めない。その代わり、20ヵ条を採用されないで頂きたい。なお
再考しても決心は変わらない。一度決心したものは容易に変更できない性格である。この席に
いる魚允中氏はたいへん強情な人であるが、おそらく私の強情には及ぶまい。この通り直言し
て憚らない人間である。それにしても、実に貴国の内部の腐敗は昨日今日始まったものではな
い。病根を直そうとすれば、一方の病気を刺激して却て命を縮める。切断しようとすれば痛み
にたえられず、途中で止めれば死を早める。むしろ自然に任せて、その病のために衰弱死する
方がよい。とにかく今日は他に奏上することもないので、これで失礼したい」
595マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 23:03:15 ID:PcWu5Yd+
紫煙
596マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 23:05:24 ID:YeSoeUN3
(続き)
国王 「そ、それでは困るニダ。せっかく今日は公使を招いていろいろと有意義な話を聞くつ
もりだったニダ。なにとぞ他のことも話すことを切に望むニダ」

ここでようやく金総理が口を開いた。

金総理  「我が大君主には恐れ多くも誓って中宮殿が内政に干渉されないと明言されたニダ。
また内政改革のことも臣に速やかに着手すべしの命令があったニダ。公使にもご承諾あって我
が陛下を助けて大業を成就されたいニダ。日暮れにもまだ時間があるので、ゆるゆるとご退出
あってしかるべきニダ」

井上 「貴殿はじめ各大臣も反省されよ! 私がここまで決心するのは、いわれがないとは言
えまい! 各大臣も内心では改革は成就すると確言できまい。いやむしろ無効となるだろうと
認めていると推測する。だったら陛下の御前だからとて、何でこうも追従するような軽率の行
動をするのか」

金総理 「ウリは昨日も閣下に御面談した時に述べたように、父母に病あれば、どうして医薬
をほどこさない理があろうニカ。たとえウリの身を裂いて血を流すことになろうとも、ウリはあ
えてこれを辞さないニダ。閣下にもどうかウリたちの孤独を憐れみ、ここに一片の力を貸され、
この大局を乗り越えるようご尽力されることを望むニダ」

井上 「諸君は朝鮮の臣であるからそうであろう。しかし私は外部の人間である。外部の者が
どうすることも出来ないことは諸君も容易に分かるはずである。この難局にどのような打開策
があるかと言えば、今までの経験からしても、まず無理である。特にこの国の慣例としてある
君臣の厳格な虚礼というものはどうしようもない。何事も君主の命令とさえ言えば、ただその
命に従うだけで、事の是非善悪を判断することがない。ただ唯々諾々とすることを臣下の勤め
としている。このようなことならば、まず内政改革を見ることは出来ないことは明らかである。
よって私の決心は変わらない」
597マンセー名無しさん:2010/07/04(日) 23:09:16 ID:YeSoeUN3
(続き)
国王 「ウリの曽祖である定祖大王の時代には、大臣から小官にいたるまで、君主の非行や失
政への諫言は聞き入れたものニダ。いつかこのような風はなくなって遂に今日のようなありさ
まとなったニダ。朕はここに旧習慣を一新して、つとめて大臣たちの諫言をいれるニダ。卿には
これを承知されるニダ」

井上 「私はもう何も奏上することはないので、これで失礼したい」

国王 「それならば強いて止められないことニダ。ただもう一度熟考するを望むニダ」

井上 「再考せよとあれば再考いたす。しかし他に道はないと私は信じている」

国王 「強いて再考を望むニダ。ぜひとも思慮を求めたいニダ。それでなければ朕は甚だ遺憾ニタ
゙」

これにより井上は帰館した。まさに朝鮮国王王妃大臣たちへの大喝であった。
(つづく)

>>マーキュリー号氏、紫煙氏、いつもご支援感謝です。
598マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/07/04(日) 23:11:17 ID:pXSByz47
 ●-、
r´ - ●
 ` =='\  乙でした。
  |    ヽ そのまま、関わらなきゃどんな歴史を刻んだのだろうか・・・orz
  UUてノ
599マンセー名無しさん:2010/07/07(水) 01:38:41 ID:Ex408ZuB
中の人いつも乙です。

>この国では国王もまた平然と嘘をつく

今に至るまで連綿と続く伝統のお家芸ニダが、
御上から下々まで国中例外なく受け継いでるって、
ある意味たいしたもんニダねー。
600名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:26:45 ID:Hu/ZnS4P
訂正
>>590 の国王の弁「無常」→「無情」
>>596 の井上の弁「行動」→「言動」

併合前の日朝(続き)

翌12月2日、金允植外部大臣が公使館に飛んできた。
金外部 「公使殿ー!! 王命によって来たニダー! なにとぞ内政改革のことをーー!」
井上は会おうともしなかった。
金外部 「アイゴー!」
翌3日、今度は金総理が王命を奉じて公使館に来た。しかし井上はこれもまったく取り合わな
い。それどころか次のような書簡を2人宛に出した。

井上 「本使は繰り返し考えたが、やはり決心をひるがえすことは出来ない。陛下が改革に熱
心でも、その背後から阻害する者があって決して成就しないだろう。もはや本使は断念した。
それで改革綱領を返還されたい。それから貴政府から委託された東学党討伐のこともお断りす
る。そのうち兵を順次引き揚げていく。で、貴両大臣にはそのことを了解されたい」

その「背後から阻害する者」と。国王背後の障子のかげにいる王妃のことであるのは言うまで
もないw
で、今度は頑固者の魚度支が公使館に赴き、趙義淵軍務大臣代理も公使館の門を叩いて公使と
の面会を求めたが、無駄であった。

国王はじめ大臣たちは頭を抱えた。
601名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:32:40 ID:xkuG6PBa
紫煙
602名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:33:08 ID:Hu/ZnS4P
(続き)
金総理 「井上卿の決心は固いようですニダ」
国王 「アイゴー! 何とかおまえたちが説得するニダよ!」
金総理 「陛下のお言葉をもって説きたいのですが」
国王 「ニダ。とにかく公使の厳しい決心に朕は大いに悩んでいるニダ。改革綱領はもう政府各
官に示して命じたので、もう返すことは出来んニダ。匪賊討伐のことも朕の不徳のために国内
大乱となって隣国の兵を借りることになったニダが、願わくは日本兵の力を借りてこの妖気を
払いたいニダ。もし今途中で止めるとなればウリの国は危機となるニダ。公使には何とぞ耐え忍
んでもらいたいニダ」

金総理はそれを書簡にして井上に。しかし井上は返事として、前回謁見時に自分が痛烈に批判
した言葉をわざわざ書き出してまとめたものを送付。なお決心は変わらないとの言葉も添えた。

国王 「アイゴー! もう引見して直接ウリが頼むニダ! 宮内大臣、井上公使に内謁見する
よう言ってくるニダよ」

国王の兄である李載冕宮内大臣は日本公使館に飛んでいった。

李宮内 「ということで、大君主には卿の内謁見を希望されているニダ」
杉村書記官 「あー、あいにく井上公使にはご病気でなー。謁見できませんと伝えてもらいた
い」
李宮内 「はあーーー」orz
もちろん仮病である。これも昔よく朝鮮官吏が日本外交官に対してさんざん使ってきた手w

国王 「ど、どうすればよいニカーー!」ジタバタ!
603名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:33:40 ID:xkuG6PBa
紫煙
604名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:41:18 ID:Hu/ZnS4P
(続き)
大臣たちも大いに焦った。
趙義淵軍務代理大臣 「こ、これは大変なことになるニダよ! もし日本兵が力を貸してくれ
ないならば、東学の匪賊どもを抑えることはとても無理ニダよ! な、何とかせねばならんニダ!」
金外部 「しかし公使の決心は固いニダ! 何とか話し合いだけでも出来るようにせねばなら
んニダが」
趙軍務 「そもそも、ウリたちの心の底を井上公使は見透かしているニダよ。はたしてウリた
ちがどれぐい本気で内政改革をしようというニカ!」
兪吉濬 「内政改革をせねば朝鮮国の独立は成り立たないニダ! 絶対に必要なことニダ!」
魚度支 「経済上のこともそうニダ。今日本の援助がないなら改革しようにも何も出来ないニダ」
趙軍務 「ここはウリたち政府の者だけでも公使に向かって誓わねばならんニダ。必ず必ず改
革に取り組むと! 誓約状をまとめて公使に差し出すニダ」
兪吉濬 「もう我が政府がどうのこうのということではないニダよ。大臣や官吏だけの問題で
はないニダ。もう朝鮮全体の、ウリたち朝鮮人というものの問題ニダよ」
金外務、魚度支 「ニダ! 連名して出すニダ!」

そんなこんなで、連名の誓約状が作成された。題して「ウリら朝鮮人の粛然たる誓い」という
ストレートなもの。原文も「惟我輩朝鮮人粛然其誓」と。
曰く第1箇条に「清国に使役されることを脱し、独立の根幹を建て、この中興の大業を翼賛し、
王室を護り、国是を確かなものとすることに、不撓不屈の精神で万難を排しても力行する」とい
う箇条書きで始まるもの。

第2は、国家の基礎固めに全員で取り組むと。
第3は、王妃や親族が政府に干渉するのを斥けると。
第4、王や大臣の職責とその権限。
第5、清廉潔白有能な人材の登用、私的に任免はしない。
第6、国民平等の法を立てる。
605名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:43:22 ID:xkuG6PBa
紫煙
606名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:45:57 ID:Hu/ZnS4P
(続き)
その他15箇条の改革要綱を羅列し、井上の20箇条にもそったものであった。
で、金総理、李宮内、金外務、魚度支、趙軍務代理の各大臣が連名して神明に誓うというもの。
提出を受けた井上は、いくつか語句などを修正して返した。修正して返したということは、井
上がOKサインを出したことになる。
金総理は大急ぎで国王にもこれを見せて賛同を得、直ぐに井上公使に知らせた。
よって井上は宮内大臣に内謁見を要請した。とにかくまずは王妃が本当に口出しをするのを止
めたのかを確かめねばならない。

12月8日内謁見。同席の大臣は、金総理、李宮内、金外務、魚度支、趙軍務など

井上 「前回の後、4大臣が繰り返し公使館に来て、本使の決意をひるがえそうと、それはも
うほとんど脅迫同様の強談判でありました。また誓約と改革箇条もあり、その意見に同意して
改革に従事することにし、本日は内謁見を求めた次第であります」

脅迫同様だった、とは井上のジョークか?w
(つづく)

>>紫煙氏いつもご支援感謝。
短いですが今回はこれで。
607名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:48:46 ID:xkuG6PBa
次回も楽しみにしています
608マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:34:32 ID:bESMZ/zZ
併合前の日朝(続き)

井上の言葉に応えて国王高宗は固い決心を示した。

国王 「我が国の上下の者は、ここは同心協力して改革にあたることで団結しているニダ。も
う決心は動かないニダ。幸い卿にもこの大業を翼賛するとは、朕のこの上ない満足ニダ」

ま、この決心も半年余りで崩れるんだけどねw

国王 「大臣たちは席を退くニダ。公使と内話があるニダよ」
各大臣 「ニダーーー」

国王は井上にすぐ側に席を近づけるよう求めた。

国王 「大臣たちが出した改革要綱でよかったニカ?」

井上 「こことここをこのように修正しました。この方がよいでしょう」

国王 「ニダ。卿の言うのが道理ニダ」

改革要綱に関する説明を一通り終えた井上は言った。

井上 「さて本日は充分秘密も保たれていると思うので、本使は赤誠を吐露いたそうと思いま
す。両陛下にも馨の言葉を虚心に御聴聞されたい」
609マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:37:38 ID:c/MVm8G2
                -ーー- 、
             ./三 -ー- \
           __/二 /-、  r- Y
           {_|三/ ー-  -‐ |
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      ./      ヽ_!_!_j_}  └|_!_!_!j      \
610銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/07/18(日) 23:38:25 ID:kVz1qY6v
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
611マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:39:39 ID:bESMZ/zZ
(続き)
国王 「ニダ。よく虚心に聴くニダ」
王妃 「朕もここで耳を傾けるニダ」

国王背後の一間にいる王妃も答えた。

井上 「よくよく王室のありさまを見れば、とかく両陛下には、常に心を憂えられ、懸念にた
えられないかのようである。物事すべてが疑惑の種となってはいないかという思いが私の胸中
に浮ぶが・・・」

国王 「その通りニダ」
王妃 「そうニダ」

井上 「それはこういうことからでありましょう。大院君の孫である李呵Oが7月23日の事変
後に、王妃を廃することを図って大鳥公使や杉村書記官に働きかけたが、ついに公使等の同意
を得られなかったことから、日本公使を嫌い、また自分の陰謀を知られたことを後悔し、大院
君から清国に通じさせ、東学党をも教唆して、共に日本兵を排斥しようとしたことは証拠もあ
って歴然たるものであります。それで彼の陰謀は廃妃だけでなく、世子の位も奪おうという下
心があったらしい。これらのことが両陛下の耳にも達していて、悩ませられるは当然でありま
しょう」

国王 「そうニダ」

井上 「そしてまた、朴泳孝が兵を率いて王宮に入るなどという風説があったことも、驚きの
種となったと」
612銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/07/18(日) 23:39:54 ID:kVz1qY6v
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
613マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:44:00 ID:bESMZ/zZ
(続き)
国王 「そうニダ」

井上 「このようにして両陛下の意思を阻喪させ、中宮陛下には、ご一族、つまりは閔氏を引
き寄せて難を避けようとされたのだろうと思われるが。つまりは両陛下のお身の上は、まこと
に孤独であって頼む者も少ないことから、信用できる、つまりは外戚に依頼されることになられ
たのでしょう」

国王 「まことにそうニダ」
王妃 「その通りニダ」

井上 「ご心痛はそうもあろうと思う。しかしながら、閔氏が国政を行った当時はどうであり
ましたか。閔氏は多くの罪のない民を悲惨の境遇に沈めさせ、生命や財産を奪うような非道を
しました。しかし両陛下には当時はどう思われていたでしょうか。地方の官位を売り、収税の
許可証を売り、いろいろな特権を売って収入として、そしてそれが王宮の需要にかなうものと
思われていたのでは? しかしそんなものがどうして道理にかないましょうや。みな不正に得
たものであります。その証拠に民間の感情というものは、閔氏を憎み、また間接には中宮陛下
が怨みの対象とならないでありましょうや」

国王 「ニ、ニダ・・・」
王妃 「・・・・」

井上 「そうであるから、もしまた閔氏を頼って内政に関与させようとの思し召しなら、これ
は民心をしてさらに王室への怨みを深くさせるものですぞ」
614銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/07/18(日) 23:44:42 ID:kVz1qY6v
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 ( `・ω・) フムフム・・・
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 しー-J
615マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:50:11 ID:bESMZ/zZ
(続き)
王妃 「ニ、ニダ・・・」

井上 「では両陛下は何によって安心を得られることになりましょうか。すでに何度も奏上し
ましたように、中宮陛下には宮中にあってただ大君主の徳をたすけるだけであって、内政には
関与されるようなことがないなら、私は両陛下と世子の地位を保護いたしましょう。私個人に
は何の力もありませんが、馨はすなわち日本国を代表する者であります。日本政府が有する力
は、必ず両陛下を安心させるに足ると信じます」

国王 「然り然り、そうニダ。卿の言うとおりニダ。李呵Oのことは朕は疑わずにおれないニダ。
彼は7月の事変後に、朕にしきりと言うことが、『日本公使は廃妃することを考えているニダ。
あるいは朝鮮の国土を略奪する気がないとも言えないニダ。よく注意して軽率の挙があっては
ならないニダ』と。それで朕は『いやいや、日本政府にはそのような悪意はないニダよ。ウリ
の国の独立を助けて富強国に導くものニダよ。懸念はないニダ』と言ったニダ。しかし彼が言う
には『いえいえ、自分が公使館に探りを入れると、どうも野心を持っていると思うニダ。それ
で朝鮮王室のことを考えると、ここは速やかに清国に通じて結託し、我が国の安全を保たねば
ならんニダ。清兵が平壌に来るのが幸い、ここは親書を送っておくのが得策ニダ』と、何度も言
うニダ。それで、朕もついに呵Oの言うことを信じて一通の書簡を送ったニダ。今日は公使には
心を打ち明けて秘密のことも話したいと思うニダ」
王妃 「かつて李呵Oは袁世凱と結託して、廃妃だけでなく、直に国王を廃して、自分がこれ
にとって代ろうとする陰謀もあったと聞くニダ」
国王 「彼はまだ若年で前後のことも考えず、どうかすれば隠然として密計をたくらむような
ことがあるのは、まったく嘆息ニダ」
616銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/07/18(日) 23:50:33 ID:kVz1qY6v
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 しー-J
617マンセー名無しさん:2010/07/18(日) 23:58:58 ID:bESMZ/zZ
(続き)
井上 「彼のような陰謀家をこのまま京城に置くのはよろしくない。時機を見て外国に出し識
見を広めさせるのがよい思う」

陰謀家は李呵Oというより大院君爺っちゃんなんだがw
国王と井上は彼を外国に留学に出すことについて話合った。すると、王妃が先程の閔氏に関す
ることで反論するかのように、突然語り始めた。

王妃 「まだ日本との条約(明治9年日朝修好条規)を結ぶ前の頃、両国がぎくしゃくしてい
るのを憂い、朴定陽を密かに東莱釜山に行かせて探らせたニダ。また朕の一族の閔承鎬をも送
り、慶尚道に至るまでの間、各地で熱心に日本との交際を勧めたニダ。しかし、このことは何
時しか排日主義の者を刺激し、終に陰謀を企てた者があって、一夜の内に朕の親子三代が火薬
爆発のもとに倒されたニダ(明治6年、王妃の義兄で宰相の閔升鎬が爆弾テロで殺害された。大
院君の指示によるものらしい)。しかし丙子年(明治9年)、江華島で両国の全権大臣による
会談があって、韓日の講和は成ったニダ。朕と朕の一族の希望も達することが出来たニダ。この
ように朕が貴国との交際を親密にさせ、我が国の富強を図らんとしたのは一朝一夕のことでは
ないニダ。今や卿は我が国に駐在して大いに尽すところがあろうとしているニダ。これ以上の幸
いはないニダ。朕は卿の言葉に従い、内政への関与をしないことはもちろん、朕はただ内政の
ことが着々と歩みを進めて国家が隆盛となることを希望するニダ。卿が言ったように、我が国
は何時どのような事変があって王室に危険を生じるか知られないので、常に危惧の念は知らず
知らずに種々の疑惑を生
じ、女性が浅ましくも同族の庇護を必要とするとの念を起させるに至ったニダ。もし王室が万
全を得て始終平穏ならば、どうして外戚に国務を掌握させる必要があろうニカ。卿はこれを理解
されよ」
618銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/07/19(月) 00:00:47 ID:8Ojd6wXl
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 しー-J
619マンセー名無しさん:2010/07/19(月) 00:03:54 ID:bESMZ/zZ
(続き)
井上 「とにかく今は御不安から閔氏を頼られたいとのお考えも無理ないことであるが、残念
ながら、貴国の官民は皆、閔氏が以前から残酷な施政をしてきたことは実に嫌悪するところで
あって、もしまた再び閔族を王宮に引入れて密議をはかるようなことがあっては、人々は疑惑
を抱き、ついには王室の安全の妨げともなりましょう。それに閔氏には東学党を利用して、失っ
た権力を取戻そうと画策してる者があると聞きます」

井上は、密かに王宮に出入りして内外の連絡をとりながら様々に画策している者の名を連ねた名
簿を取り出して国王に見せた。
情報収集に関しては井上の能力は驚異的。朝鮮国の事情の裏も表も暴きつくして止まない。
(つづく)

中途半端ですが、今回はこれで。
>> 銀河電鉄今井氏、いつもご支援感謝です。
620マンセー名無しさん:2010/07/19(月) 00:23:10 ID:rrKPPMoA
>>619
おまけです。

「もしまた再び閔族を王宮に引入れて密議をはかるようなことがあっては、人々は疑惑
を抱き、ついには王室の安全の妨げともなりましょう」と。
果して10ヶ月後、王妃は再び閔族を王宮に入れた。案の定、これに憤慨した大院君が動
き、改革派も動いて兵力を動員し、日本壮士も加勢して、ついに王妃殺害事件にまで至っ
た。
621Venom ◆vr7wMBGNJ2 :2010/07/25(日) 13:47:53 ID:fPy3YwC1
誠に興味深い。
岡本柳之介もそうだけど当時の日本には、法律や経済や科学技術に通じている
者は限られていたろうけど、信念や名誉のためには平然と生命を投げ出す者なら
ゴロゴロいたんですねえ。 考えて見れば、恐ろしい国だったんですね。
622マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 14:04:33 ID:MYrVJ+ny
ダウト・ジャパン乙
623マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:18:25 ID:mx6CwAh0
併合前の日朝(続き)

井上 「これらの者の内、この閔応植ら8人は王宮に入って陛下に接近している者である。閔
泳韶などは玄興沢などを各国公館に往来させて何事か企てている。また閔応植ら3人は、東学
党を教唆している疑いがある」

国王 「閔氏が東学党に近づいているとは不思議ニダ。なぜなら東学党は乱を起こすや言うこ
とは『閔氏は国賊ニダ、これを倒さねばならんニダ』と言っている。閔氏とは全く相容れない間
柄ニダ。それを両者が結託するということがあろうニカ」

井上 「東学党の初めの口実はそうだったようです。しかしもともとは不平を言う者らであっ
て、その主義も必ずしも一定していない。閔氏は政権を失うと、その一門は満腔の不平を抱い
て地方に散った。主義が合うというよりは、むしろ不平と不平が意気投合するのはいわれがな
いことではありません」

国王 「そう言えばそうニダ。しばらく観察して手掛りを得るべきニダ。また、閔泳韶は世子妃
とは叔父と姪の間柄ニダ。閔泳煥は中宮と従兄弟ニダ。それで出入りすることが多い。しかしそ
れで疑惑を招いているのなら今後は止めさせるニダ」

井上 「そのような人物らが王宮内に出入り、御信任などがあっては、やがては疑心暗鬼を生
じましょう。また、内官などの言も容易に信じられませんように。それを信じて各国公館へご
内意を通じられるようなことは、宮内の秘密と秩序を保つ上でたいへん害があります。先日か
らも、私が改革は望みがないと断言した翌日、宮中の内官の1人が使者として英国公館に行っ
て、日本公使の怒気を解く道がないかと話したという。これは陛下がお申しつけられたのでは?」

国王 「然り。それについては心当りがあるニダ」
624マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:21:40 ID:mx6CwAh0
(続き)
井上 「陛下や中宮殿はこれまでも、内官を各国公館に直接送って外交上の密議をさせられた
と聞く。もし外交を担う外務衙門を差置いて君主自らが外国使臣と交渉するなら、それは外国
人に向って、我が国の大臣は信任していないと表明されたも同然であり、また内容次第では大
困難を生じることがありましょう」

国王 「な、なるほど。そのようなことが前になかったわけではないニダ。以後はきっと謹むニダ」
王妃 「ち、朕も謹むニダ」

井上 「今や東洋の大勢を見ると、支那はすでに内部の腐敗から今日の戦争に連敗してほとん
ど収拾できない境遇に沈んでいる。貴国はもうこの国を頼ることは出来ないでしよう。それな
らどこを頼ればいいかと言えば、やはり我が日本国を頼るのが第一の得策でしょう。我が国を
頼られるなら、日本は従前からの好意を引き続いて出来るだけのお世話をするのは当然であり
ます。しかし貴国が終始疑惑の淵をさまよって、我が国の歓心を失うような挙動があるなら、
ついには日本の好意も水泡とならざるを得ない。たとえばここに1人の美しい婦人がいたと仮
定する。その婦人が数多の男子に向って愛を説き媚びを売るなら、終には1人の男子も喜ばな
いでしょう。国のことはこれとやや似たところがある。一意一心を定めずに各国に向って愛嬌
を振りまこうとするなら、終には一国の信も得られなくなりましょう」

表現が露骨だけど、美しい婦人と言っているだけ、まだましかw かつて竹添進一郎公使なん
ぞは、朝鮮を芸妓にたとえ、それを巡って清と日本で競うようなことではつまらない、それ
に芸妓もよく見たらブスなんだし、なんつうことを言っていたし。

国王 「卿の言うとおりニダ。ウリの国の上下の者は、共に今は貴国によって国歩を進めよう
と決心しているニダ。どうして他意があろうニカ」

この時、王妃が国王に何事か耳打ちした。
625マーキュリー号 ◆fXMERCURYM :2010/07/25(日) 23:26:37 ID:+3au9SHc
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
626マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:35:08 ID:mx6CwAh0
(続き)
国王 「そうニダ。朕はまた近いうちに朴泳孝を採用するつもりニダ。卿の考えはどうニカ。もし
同意ならばそうするニダ」

井上 「朴泳孝については私も申上げるつもりでした。陛下から先にそのような寛大なお言葉
があったのは幸いです。同人は長く他国に滞在し、多くの辛酸もなめて経験を積み、国家を憂
いて奔走し寝食を忘れるほどです。私が着任した頃、噂として、朴が『日本兵を借りて王宮に
入り王妃を廃さねば改革は出来ない』などと口外した、というのがありましたから、本人に問
いただしましたところ、そのようなことは神明に誓って口外したことがない、誰かが離間策と
して広めたのである、とのことでした。同人は王室に忠誠を誓い国家に尽すこと以外に他意は
なく、少しも疑われる所はないと思います。それで、国家多事のこの時にこのような人物を採
用されれば大いに有益となると信じます」

国王 「卿がすでに同人をそのように信用するならどうして疑おうニカ。大臣に命じて爵位を復
させ、任用するよう計らうニダ」
王妃 「朕も朴を信じているニダ。もともと朕と泳孝とは幼なじみニダよ」

井上 「早速のご採用に私は満足します。必ず彼が王室に誠意を尽して決して異心ないことは
私が保証いたします。復爵の上は速やかに謁見を賜り、『既往のことは朕は論じない。今後は
国家のために誠実を尽すように』とのお言葉を賜るなら、同人は両陛下の徳に感泣して、必ず
一身をなげうって王室に忠誠を尽そうという心になりましょう。なお、甲申年(明治17年)の
事変に関係あった人々は残らず御赦免あって、両陛下の寛大なる特典を受けられるよう希望し
ます」
627マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:40:48 ID:mx6CwAh0
(続き)
国王 「朴泳孝を赦免して復爵させるからには、他の者もそうせざるを得ないニダ。特に朴泳
孝は先代国王の娘婿という身分なので、朕はすぐに謁見しよう。また中宮も幼い時から親しん
でいたのでそれを早く望んでいるニダ」
王妃 「実は昨日に玄興沢を遣わして、礼服の胸牌(品位階級を表す徽章のようなもの)を泳
孝に贈ったニダ。本人は落涙して感謝したと言うニダ」

こういう手回しの良さはさすがである。もっとも、逆にこういう王妃の賢さが後の不幸を呼ん
だのかも。しかしまあこんなわけで、朴泳孝の登用は先に国王夫妻が決めていたことと。

井上 「さもありましょう。両陛下がこのように同人を御信愛されるなら、必ず同人も両陛下
の恩顧に感泣して必ず両陛下の御安泰をはかりましょう。また、そのことを私も同人によく言
い聞かせておきましょう」

国王 「今日の卿の言われることは、朕が大いに釈然とするものだったニダ」
王妃 「朴泳孝に卿からわざわざ忠告されるのを感謝するニダ」

これにて井上は退出した。

さて、このようにして朝鮮内政改革は、国王の言によれば「朝鮮の上下を挙げて」取組むこと
になったわけだが、なぜか現代ではこの時のことを、井上が改革を強要した、という「れきし
にんしき」になってるらしい。まあ、東学党掃討の兵を引揚げるとか、少々は脅迫的ではあっ
たかw
しかし、このように認識してる人は同時に、日本兵が東学党を殺戮しまくったなどとも言って
るようなので、日本兵を引き止めた国王たちの方が問題じゃないの? それに改革に同意する
よう「脅迫」同様に迫られたのは井上なんだしw
とにかく井上が改革要綱を提出した時点で、すでに井上は国王が直接依頼した朝鮮政府顧問官
という立場だったのであって。
628( ´,,,,`)y─┛~~ ◆Tokurin8P2 :2010/07/25(日) 23:43:47 ID:Cq+F3CJQ
しえん
629マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:46:38 ID:mx6CwAh0
(続き)
さて、何事も極端から極端に走りがちなのがこの国の人々。国王も、「王宮から率先して改革
するニダ!」と大勢いた内官をいきなり王宮から一掃し、そのため雑事まで国王王妃が自らす
るという以下のような珍事があっている。

12月9日、井上が内謁見におもむくと謁見室に火が入っていない。この日はとりわけ寒気が強く
謁見室もひどく寒かった。

井上 「寒ーっ! どういうわけ?」

出御した国王が笑いながら言った。
国王 「先ず王宮内を改革しようと思って、内侍内官を全て廃したニダ。しかし随分と不便ニダ。
薬を飲むにも命じる者がいない。オンドルを焚こうにも焚く者がいない。それで昨夜は朕が
オンドルを焚いたニダ。まるで君主と雑役を兼ねているようなことで、おかしなことニダw」

井上 「はあ?」

国王 「しかし君主がこのように不自由しているのに、大院君の所には召使も多いのは不釣合
いなことニダ」

井上 「貴国はすべてにこの通りであります。何事も直に極端に走りやすい。私はそのような
突然の改革を実行されるようには言っておりません。秘密を保つために内官の整理が必要で
あると奏上したのです。ものには秩序と順序があり、内官らを即日に路頭に迷わせるようなこ
とは酷いことである。勤務上の長短、年限等を調べて、廃する者には相当の手当てを与え、ま
た用途に合わせて残す者などの準備が必要です。いずれ宮内府の官制制度によって充分人物を
選んでお残しあるべきであります」
630マンセー名無しさん:2010/07/25(日) 23:51:19 ID:mx6CwAh0
(続き)
国王 「ニカ? しかし大臣らが言うのに、『1日も内官らを留めてはなりません。これは日本
公使の意向であります』と。それで公使の考えもそうであろうと信じて、早速断行したニダ。
しかし今の卿の話を聞いて納得したニダ。それでまあ、内侍を10人ほど、それと使いに立つ者
を10人か20人呼戻そうと思うニダ。このままで衣服の着替えにも差支えがあると心配していたニダ」

井上 「20人30人の内侍をしばらく置かれたとて、どれほどのことでありましょうや。とにか
く大臣にも、そのように極端に走らないよう申込んでおきます」

国王 「まず安心したニダ。これで今日からまた君主の勤めだけに戻ったニダ。もう雑役を兼ね
ることはなくなったニダよ。アハハハハwww」

井上 「はあー orz(わけわかめ)」

何か大臣たちへの面当てだったのかも。しかしこんなことでも馬鹿正直にやりかねないのが
高宗という人という感じがしないでもないw
(つづく)

>>マーキュリー号氏
>>( ´,,,,`)y─┛~~ 氏
いつもご支援感謝です。
631( ´,,,,`)y─┛~~ ◆Tokurin8P2 :2010/07/25(日) 23:52:42 ID:Cq+F3CJQ
>>630
なんというか… 人物像むき出しの文章には感心いたしますw
632マンセー名無しさん:2010/07/26(月) 09:18:35 ID:JAmKEXQb
>>630
お疲れ様です。
避難所の方のまとめスレが新スレに移行しました。

韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた 3マ
http://www.soutokufu.com/cgi-bin/hogehoge/test/read.cgi/hangul/1280102899/
633日本が植民地支配の謝罪と賠償をするべきだよ:2010/07/28(水) 11:18:04 ID:PHxfBrYH
やはり日本が植民地支配の謝罪と賠償をするべきだよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11531911
やはり日本が植民地支配の謝罪と賠償をするべきだよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11531911
やはり日本が植民地支配の謝罪と賠償をするべきだよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11531911
やはり日本が植民地支配の謝罪と賠償をするべきだよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11531911
634マンセー名無しさん:2010/07/31(土) 18:01:00 ID:5UdY34IL

日韓歴史問題の真実

Truth of Historical issues between Japan and Korea (3-1) sub
ttp://www.youtube.com/watch?v=Ai10BUe9NDY

Truth of Historical issues between Japan and Korea (3-2) sub
ttp://www.youtube.com/watch?v=UdyMz_hxuV4

Truth of historical issues between Japan and Korea (3-3) sub
ttp://www.youtube.com/watch?v=meMPCt-nP5o
635マンセー名無しさん:2010/07/31(土) 18:08:20 ID:WretErOG
在日韓国人「さようなら」の歌
http://www.youtube.com/watch?v=VzJ8Lxa4F5w&feature=player_embedded#!

        ∩∧_∧∩
        \ ヽ`∀´>ありがとうニダー
   :::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
   ::::::::::::::::::::::::::::
    :::::::::::::
             , ──     さよなら〜
               /       ヽ                     , ── 、
            |        |                /       ヽ 二度と戻らないでねっ!!
            (\     /) ∩/)ヽ          |        |                  m
〜〜〜〜〜〜〜〜 ヽ、\へ/ノ/  /〜〜〜〜〜〜〜(ヽ      /、 m 〜〜〜〜〜  __∩   !
〜〜〜〜〜〜〜〜〜 l──l/\/〜/  ̄ ̄ ̄` \  / !\,へ/\) ノ 〜〜〜   /vv、  `ヽノ
             /  ̄ ̄ ヽ/   /            ヽ ∨_l二二l/ヽ/ 」\       /ヽ  |    i
           /ヽ|     |   i               | / |     | /  \  \   (⊃  ||)    |祖国の土になれよ。
         ⊂  /|  ─  |.   |              l/ヽ.|     |.      /\  \. |─┐ \__ !
          ///  |  ̄ ̄ ̄|   ヽ           /  /───ヽ  __o/ヽノ >   \ヽ、 _____|
              |___|  ◯ヽ         /◯/      \\_-´||)   / /⌒ヽ── ヽ
              |  | |  |   \ `━━━━━ /   ̄|. ̄| ̄| ̄   /   l 、/  /        |
             __|─| ヽ/\   |        |′   |   |  |  ∩  ̄/二二l  / \ /       |
            ( =|_|  ヽ/⌒ヽ  |      o    |   _|─||─| 三 | ̄ )   | /  /         |
636マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 22:20:20 ID:jr5YKiva

【社会】 「日韓併合条約は無効!菅首相は8月に談話発表を!」声明について、日本メディアは無関心…和田春樹「日本の反省必要」★2
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1280407612/
637マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:19:05 ID:ugyBTbXY
うっかりでした。>>629は12月19日でした。

併合前の日朝(続き)

さて、12月10日夜、井上は公使館に、金総理、李宮内、金外務、魚度支、李農商、趙義淵、の
5大臣と金嘉鎮、安駉壽、兪吉濬を招き、これに朴泳孝を加えて晩餐会を開き、その場
で内政改革の方針と将来の心得などを演説した。

17日、朝鮮政府は新内閣を発表。人選は、朝鮮国の独立主義をとる者であって、なるべく外国
事情に通じて外国語を理解する者を撰んだという。
なお、朴泳孝は内務大臣に抜擢された。また、外務協弁(副大臣)には李完用があてられた。
李はかつて米国駐在代理公使を勤めている。
また、井上が当面は必要ないのではないか、と言った工務もすえおかれた。
この時すでに、それぞれ大院君派、王妃派、日本派、露米派と色分けできる人選である。つま
りは発足当初からして問題をはらんでいるわけで。しかし後世には、これが日本傀儡政権と呼
ばれるようになる。まあ、ろくに詳しく調べもせずにレッテルを貼るのが好きな人は少なから
ずと。

同日、改革を国中に公布する条例や、軍制改革、軍国機務処の廃止などの勅令を発布。
18日、井上は、大院君が政事に干渉しないことを再び確かめるために大院君邸を訪問、そのこ
とを確認した。
また、朝鮮王政典範を制定する必要があると説得した。

大院君 「王室の典範は王室一家の典範ニダ。国王と王族自らがこれを制定すべきものであっ
て、臣下にくちばしを容れさせるものではないニダ。まして卿のように外国の使臣の関与を受
けるのは、まず受入れられないことニダ」
638マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:24:24 ID:ugyBTbXY
(続き)
井上 「それはもっともであります。しかし王室の典範というものは、本来、王室の継統の秩
序を保ち、永く安泰を期すためにもうけられるべきものであって、すなわち王室の乱れはひい
ては国家に波及し、国家の変乱は結局は王室に及ぶことになりましょう。私は朝鮮王室の安泰
を望むからこそ制定を申上げているのです」

大院君 「卿の言われることも理解できないことはないニダが、こればかりはウリたちの手で
すべきことニダ。外国の人や臣下が言い出すことではないニダよ」

井上 「それでは仕方ありません。ではご参考までに、我が国の皇室典範を訳したものを閣下
に差上げましょう」

大院君 「なかなかウリの国と日本とは国の仕組が違いすぎるので、果して習うべき所がある
かどうかニダが」

井上 「とにかく閲覧されることを希望します」

3日後、大院君はやっとその皇室典範の訳本を開いて読み、そして驚愕した。

大院君 「こ、これは全くよく出来ているニダ!」
明治22年に制定。皇位継承と即位に関して、皇室経費、皇室訴訟と懲戒、また皇室会議など12
章からなる皇室の家法である。詳細且つ行届いたそれは大院君の心を大いに揺さぶったらしい。

大院君 「だ、だれか使いをするニダ!」
大院君は書簡をしたためて岡本柳之助にこれを送った。
639マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:30:04 ID:ugyBTbXY
(続き)
岡本は公使館におもむき、

岡本 「ということで大院君からこのように、先日の失言を謝罪する、私から公使にわびて
くれ、との書が来ましたが」
井上 「うん。大院君なら理解できると思っていたが、素直に認めたか。けっこうけっこう」

で、19日の凍える謁見室での話となる。
寒さにもめげず、国王王妃井上の談話は長時間に及んだ。

国王は、改革を誓う式典を王室の霊廟である宗廟に行って執り行うことなどを井上に相談した。

国王 「ところで、改革の誓いのことニダが、来る冬至の日に、宗廟に行幸して誓文式を執り
行うニダ。その後、朝鮮全道臣民に向って誓文を発表するニダ。同時にこれからは新政治を行う
ことを一般臣民に下すことにするニダ。こういう手順を踏んだがよい思うニダが、卿の考えはど
うニカ?」

井上 「御新政の詔勅は必要なことなので、ぜひそのように」

国王 「宗廟での誓文は、全く従来の弊政を改めて新政すなわち開化に向うということニダか
ら、中宮も輿を共にして夫婦で式場に向うという事にするなら、卿はどう思うニカ?」

井上 「両陛下の行幸は大典をあげられるにふさわしいでしょう。まったく同意致します」
640マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:36:28 ID:ugyBTbXY
(続き)
その後国王は、日本宮内省官制の訳本を開いて、宮内省部署についていくつか質問。続いて、

国王 「卿にひとつ言うことがあるニダ。今後は卿とは互いに一家同様ニダ。それで朕の不徳な
ところは何でも忌憚なく忠告を受けたいニダ。朕も必ず卿の諫言を受入れて改めるニダ」

井上 「私が直言して憚らない者であることは陛下にもすでに御承知と思います」

国王 「ニダ。この先もそうであること強く望むニダ。これからは大臣たちが奏上する法令のこ
となど、その書に卿が認めたという捺印があるならよいと思うニダが、どうニカ?」

井上 「ごもっとなことです。各大臣に相談いたしましょう。また、いつでも私を招いてご下
問されたい」

国王 「そうするニダ」

また、朴泳孝について。

国王 「一昨日、朴泳孝を引見したニダ。泳孝が言うのに、『今日再び天顔を拝す。今死して
も怨みなきなり。今より身を国家に捧げ、死力を尽して国恩に万分の一でも報ぜんのみ』と、
涙をこぼしながら言ったニダ。赤誠を感じたニダ。誠に頼もしく思ったニダ」
王妃 「朴泳孝の邸宅は朕がすでに準備をしておいたニダ。これを下賜するニダ」

王妃のいつもの手際の良さ。
641マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:43:38 ID:ugyBTbXY
(続き)
国王 「朴には、朕の不徳に対しては遠慮なく諫言せよと言っておいたニダ」

井上 「同人は決してこびて甘言をするような人ではありません。充分信頼されてよいと思い
ます」

国王 「朕も信じるニダ」

次に李呵Oのこと。当初、その野心を改めさせるために日本に留学させるということであった
が、むしろ公使として日本に駐在させてはどうかという話になっていた。

井上 「李呵Oを公使として派遣することについて、本人が言っているのに、『自分は公使と
なって日本に行くのを大いに望むが、しかし中宮陛下がこれを好まないようなので、思いとど
まる』と。はたしてこの通りでありましょうか。どうも同人が外国に行きたくないために口実
を言っているように思えますが」

王妃 「朕は決してそのようなことはないニダ。おそらく卿が推測されたように、同人が口実
をもうけるためにそう言ったに違いないニダ」
国王 「それというのも、同人を日本公使として派遣することは大院君の耳に入り、朕に向っ
て『外国使臣と内輪話をして自分に相談もないのはどうしてか』と語気も荒かったニダ。卿に
はこの事を口外されたニカ?」

井上 「私が、公使として派遣してはどうかと宮内大臣と外務大臣には申しました」

国王 「それだからニダ。ここは改めて宮内大臣から老父を説き聞かせてはどうニカ?」

国王が大院君のことを「老父」と言うのを井上が聞いたのはこの時が初めて。
642( ´,,,,`)y─┛~~ ◆Tokurin8P2 :2010/08/01(日) 23:48:42 ID:DSmmngFj
紫煙
643マンセー名無しさん:2010/08/01(日) 23:52:29 ID:w6vTsy1i
(続き)
井上 「そのことは御憂慮に及びません。つごうよく取りはからいましょう」

続いて、軍制改革について。井上は、近衛兵のこと、国王が大元帥として軍を掌握すること、
世子宮が軍務経験を積むこと、などを説いた。

国王 「貴国の近衛大将は親王と聞くニダ」

井上 「そうであります。近衛総督は世子宮自らがその任に当られるべきであります。そうす
れば王室を強固なものとするに最も適切です」

国王 「軍務に関しての総てのことは卿に一任するニダ。楠瀬(公使館付武官楠瀬幸彦陸軍中
佐)、岡本を顧問官とすることも朕は同意するニダ。世子宮を近衛総督とすることもせねばな
らんニダ。回顧すれば、去る壬午年(明治15年)貴国より堀本中尉を招き、我が士官と生徒及
び軍隊の調錬をさせたことがあるニダ。もし彼が引続いて今日にまで至っていたら、ウリの軍
隊も進歩していたニダ。返す返すも残念なことだったニダ」

井上 「ときに、世子宮には体がお弱く常に健康でないと聞きます。将来ある御方ですから遺
憾にたえないことです。この際じゅうぶんに療養されて速やかに壮健になられるよう、来春に
でも折りを見て、私の知人の中には有名な医者も多くおります。なかでも橋本、ベルツ、など
は医者の中の大家ですので、呼び寄せて一応診断のうえで養生法を求めさせてはいかかでしょ
うか」

国王 「卿の親切がそこまで行届くとは。朕は深く感謝するニダ」
王妃 「世子は今はどこに病状があるとは分らないニダ。それで薬を用いるのもどうかと懸念
するニダ」
644( ´,,,,`)y─┛~~ ◆Tokurin8P2 :2010/08/01(日) 23:54:48 ID:DSmmngFj
─┛~~
645マンセー名無しさん:2010/08/02(月) 15:47:31 ID:+N66j+d1
?
646( ´,,,,`)y─┛~~ ◆Tokurin8P2 :2010/08/02(月) 15:49:43 ID:cd6YsIM2
昨夜>>644の直後に鯖移転があり、スレ復活までかなり時間がかかったので
主が寝てしまったようです。
647マンセー名無しさん:2010/08/02(月) 20:29:45 ID:9amTdfRE
(続き)
井上 「いえ。医者が診断したとして直ちに薬を用いることはありません。まず病原をつきと
めて、適当な養生法を見いだすのです。いずれ世子宮には近衛総督として軍務にも就かれまし
ょう。身体に故障が多くては職務も行えません。勇壮活発に軍隊の学問もされて、武官の勤め
や戦事上のことなど、それらの学問も必要となりましょうからご健康を望むのです」

国王 「それは一度その大家の診断を受けさせたいニダ」
王妃 「ぜひその周旋を願うニダ」

これにて井上は退出した。国王王妃が今までで最も打解けた雰囲気での謁見だったという。
なお、橋本とは橋本綱常のことと思われ。またベルツとは、エルヴィン・フォン・ベルツのこ
とと思われ。
(つづく)

>> ( ´,,,,`)y─┛~~氏、いつもご支援感謝。
>>646 まったくその通りです。
648銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/02(月) 20:35:53 ID:BiA4lVQu
>>647
乙です。
しかし、井上という人はウリのイメージでは豪放磊落という感じだったのだが、繊細な人だなあ。
今の外交官もこういうところを学んでほしいね。
649マンセー名無しさん:2010/08/02(月) 22:13:54 ID:9amTdfRE
>>648
井上卿に関する記録を読んですでに久しいのですが、一言でいえば、誠意ある人、という
印象が強いですねえ。豪放磊落かつ繊細もさることながら、腹を割って本音を吐露すると
いう感じで。なかなか魅力ある人でした。
それにしても、明治の政治家から役人に至るまで、当時の人々は「公の心」が非常に強かっ
たことが感じられますねえ。
650銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/02(月) 22:32:07 ID:BiA4lVQu
>>649
>公の心

それこそがまさに今の日本において最も求められるものだと思っています。
この感覚がわからない人は、日本を読み誤っているのではないでしょうか。
651縄文 ◆MpJtqvTec2 :2010/08/02(月) 23:23:04 ID:1JSOjw0z
毎回、楽しみにしております。
支援の人もお疲れ様です。
652安崎ワンコー守 ◆Nyago/LmVE :2010/08/03(火) 08:52:20 ID:jU47igC7
>>650
>>公の心
>それこそがまさに今の日本において最も求められるものだと思っています。

 個を何よりも優先し、公を蔑ろにするというのは、戦後民主主義教育が目指したものです。
 これと高度成長に伴う急速な核家族化が両輪となって、日本から地域共同体が消失し、同時に「公の概念」が希薄なものになって行きました。
 その結果が、近年急増する「生活苦に拠らない」家族殺しです。
653マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:14:22 ID:Y41fT0Ez
「公の心」に関して。
基礎教育の賜でしょうねえ。当時の人々はまだ誰もが子供時代に実語教や童子教を習って育っ
た世代の筈ですから。まず人としての考え方の根本が現代とは違っていたように思います。

併合前の日朝(続き)
さて、22日の冬至の日に国王等あげて宗廟に向い改革を誓うはずであったが、厳寒の中に国王
はオンドルを焚くのも不自由な珍事となったためか、国王は重い風邪をひき、延期となった。

陸奥外務 「病気で延期となったと聞いたが、またなんぞその・・・・・」と電信。
井上公使 「いや、仮病じゃないお。前日の21日にも謁見したが、顔も腫れて具合悪そうじゃっ
たから、ほんとに病気だお」
金総理も、「大君主はほんとに病気ニダ。決して宗廟誓告のことをおろそかには思っておられ
ないニダ。病が回復すれば必ず絶対に実行されるニダ。信じてほしいニダ」と必死。

なにせ嘘の多い国だから信頼というものが容易には成り立ちにくい。でも本当に病気だったら
しい。快復後の明治28年1月7日(朝鮮暦12月12日)に遂にその事が行われた。
国王は、王妃はもとより、世子宮、大院君などの王族、また大勢の文武官を引き連れ、昌慶宮
に隣接する宗廟に詣で、ここで誓告文を奏上した。

国王 「開国503年12月12日、朕は皇祖列聖の霊に誓うニダ・・・・・」
朝鮮の興国と自主独立を誓い、もって国家隆昌と人民福祉を計り、そのために14ヶ条の洪範(
大法)を実施することを誓うというものであった。それをいくつかあげると、

1、清国に依頼し付属する念慮を断ち、自主独立の基礎を確立する。

この時、日清戦争はまだ終っていない。しかし日本の勝利は確実であり、すでに11月には、清
政府が日本との講和の仲介を各国政府に打診していることを日本政府は知っていた。
654銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/08(日) 23:15:20 ID:5xicztys
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
655マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:19:53 ID:Y41fT0Ez
(続き)
在独清国公使 「我国と日本との戦争について、ドイツ政府の仲裁を望むアル」
ドイツ外務大臣 「清国はどういう条件で講和を求める覚悟がありますかー?」
清国公使 「朝鮮の独立を認めること、軍費を賠償すること、この2件アル」
ドイツ外務 「しかし今や日本は連戦連勝の勢いでーす。その2条件だけでは容易に満足はし
ないでしょー」
清国公使 「では、どういう条件なら適当であると思うアルか?」
ドイツ外務 「それはー私が答えることでないでしょー。清国政府が直接日本政府に問えばよ
いのですよー」
その他ロシアなど各国に対しても、各清国公使らは仲裁を求めたが、答えはドイツ政府と同様
なものであった。

この時点で、すでに清国が朝鮮独立を認めざるを得なくなっていることは明らかであった。し
かし問題は朝鮮国が、相手が清国に限らず他国に「依頼し付属する念慮を断ち」ということが
出来るかどうかであった。なにせ、「ピコーン☆! そうニダ! そん時はロシアに保護を依
頼するニダ!」となりがちなのがこの国の人だからw
まあ、今は大国清に戦勝しつつある日本に事大し、その言われるままに独立することを誓った
のかもw もっとも、独立派の人々は真剣だったが。
とにかく、かくて後の日清講和条約第一条にも「清国は朝鮮国の完全無欠なる独立自主の国た
ることを確認す」となった。

2、王室典範を制定して王位の継承と王族や外戚の地位の分別を明らかにする。

王室典範のことは最初大院君が嫌がったが、日本の皇室典範を知ってから考えが変ったらしい。
どうもこの人は守旧派の頑固者というイメージがあるが、この改革を通して井上馨と接し、一番
変化したのは大院君かも知れない。改めるに躊躇せずというところがあるのは強い決断力による
ものか。溺愛する孫李呵Oを世子宮に代えることにも大院君はいざきよく見切りを付けた。
656銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/08(日) 23:22:22 ID:5xicztys
  ∧,,∧
 ( `・ω・) フムフム・・・
 / ∽ |
 しー-J
657マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:25:50 ID:Y41fT0Ez
(続き)
3、大君主は正殿に出て自ら政務を各大臣に諮詢して裁決し、そこに王后や王族外戚の関与
を容れないこと。

すなわち君主は、専断せず、王妃、王族、外戚の関与をいれずと。
もしこれが本当に守られて継続したなら、内政改革は成功への歩みを確実なものにしたと
思われる。

その他11ヶ条。先に井上が提出した改革要領が随所に生かされる条文となった。

さて、9条には「王室費及び各官府費用は予算を立て財政の基礎を確立する」とある。
つまりは今まで王室や政府には予算というものを立てることなく、随時に収税し、あるいは売
官して財源にあてていた。これを改めるというのだからもう大変w
経済通の井上としても、朝鮮の財政問題に取組まざるを得ない。

井上 「魚度支大臣。そもそも貴国の歳入と負債はどうなってるの?」
魚度支 「額ニカ? 額は歳入がだいたい日本円で5、6百万円ぐらいと思うニダ。債務は外国から
借りているのが70万円ほど、で給与などの未払いが・・・・」
井上 「各官にどれぐらい給与を払ってないの?」
魚度支 「さ、3ヶ月・・・ほどニダ」
井上 「3ヶ月も!!」
魚度支 「に、ニダ」
井上 「とにかく正確な数字がほしい。明細を作って提出されよ」
魚度支 「に、ニダ。た、ただ今年は干ばつと東学の乱と日清の戦地となっていることから、
税収は京畿、江原の租税あるだけで、他からはほとんど税収が望めないニダ」
井上 「う〜ん」
658マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:31:10 ID:Y41fT0Ez
(続き)
やがて朝鮮政府が提出したものは、負債は、清国政府や日本の銀行、清英合同の銀行などから
の借財、雇い外国人(米国人)給与などおよそ70万円余り、政府各衙門の経費未払い166万円
ほどであった。なお平年の収入は750万円となっていた。

金総理 「そ、それで、給与未払いとなっているのを先に何とかしてやりたいニダ」
井上 「・・・・・」
金総理 「何とか日本から借入れが出来ないニカと」
魚度支 「そろそろ年末ニダ。雇い外国人への未払いも含めて30万円ほどあれば何とかなるニダ
が」
井上 「う〜ん。日本紙幣でなら何とかなろうが」
魚度支 「そ、それは困るニダ。銀貨でないと両替できないニダ」
井上 「しかし我が国の紙幣は正貨である。いつでも銀貨と交換できるものであるが」
魚度支 「実際はこれだけの金額を一度に銀貨と交換するのは難しいことニダ。ここは何とぞ
銀貨で」
井上 「しかし、我が国は戦争の真っ最中であって、巨額の軍費を消費しているところである。
諸外国からの軍器などの購入は銀貨か銀塊でないと出来ない。とても今政府がそのような金額
の銀貨を貸せるものではない」
金総理 「そ、そうニカ。・・・・今年は海関税のみをあてにしていたニダが、戦地となったこ
とから我が国の貿易もわずかばかりとなって・・・」
魚度支 「何とか貴国でどうにかならないものニカ」

井上は、すぐに他国に依頼するのは朝鮮の悪い癖であると何度か突っぱねた。
しかし問題は兵士への給与未払いであった。すでに朝鮮兵の雰囲気は険悪なものになりつつあっ
た。ふりかえれば明治15年の壬午事変の発生は、当時の軍のトップ閔謙鎬が兵士の給与を私腹
に収めていたことがそもそもの原因であった。
もっとも、もし軍乱とでもなれば日本軍は即座に鎮圧したろう。これを機に朝鮮を日本の保護
国に向かわせる道もある。兵権の掌握はまさにそれを意味する。
659マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:36:18 ID:Y41fT0Ez
(続き)
しかし、井上は、
井上 「しかたない! 何とかしよう!」

井上は京城と仁川の日本第一銀行の支配人を公使館に呼び、税関を抵当に30万円を朝鮮政府に
貸出すように相談したが、
支配人 「いや、東京本店の指示によれば30万円は井上伯爵の申し出としても無理かと」
井上 「なぜ?」
支配人 「銀行条例に抵触します。貸出しとして大金過ぎるのです」
井上 「・・・・だめか orz」
しかし後に、
支配人 「本店から20万円までならお貸しできると言ってきました」
井上 「そうか!♪」
支配人 「もっとも紙幣のみですが、利子は1割以上でないと相談できません」
井上 「紙幣で! しかも利子高っ!・・・うー」

ところでこの頃、日本の郵船会社が朝鮮政府所有の汽船(小型の汽船数隻)を借りて沿海の航
路を営業する計画を朝鮮政府に申し込んでいた。井上は、財政整理に関係しているから話に応
じるように勧めていた。だが、魚允中度支大臣は頑として応じない。

井上 「しかし船を遊ばせておくこともあるまい。ここは貸出してチャーター料ぐらい稼いで
はどうなのか」
魚度支 「その件は卿の仰せでもお断りしたい」
おそらく魚度支としては、将来自国で航路営業したいとの意があったと思われる。しかしその
資金はない。
660マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:38:58 ID:cFgfH4pL
C円
661マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:42:47 ID:Y41fT0Ez
(続き)
井上 「だからその見込みがつくまではしばらく貸出してはどうなのか」
魚度支 「とにかくお断りしたい」
井上 「魚度支は相変らず頑固者だのう」

で、魚度支が頑固なら、井上は自分はもっと頑固だとばかりに、もう30万円の件は知らないと
言い出した。
年の瀬はいよいよ迫ってくる。兵士はいよいよ険悪な雰囲気になってくる。さすがにこれはも
うやばいぞと、朝鮮政府は、「アイゴー、井上公使、何とかしてほしいニダー!」と何度も哀
訴してくる。
金総理 「汽船の貸出しと、航路営業のことは応じるニダ。なにとぞここは卿のご尽力を煩わ
したいニダ。なあ、魚度支大臣、この件はそういうことで」
魚度支 「(しぶしぶ)ニダ」
井上 「しかし給与だけなのか。雇い外国人の分も含めて。外にはもう・・・」
魚度支 「じ、実は30万円と言ったニダが、王宮や各衙門が購入した物品代の商民たちへの未
払いが97万円余りほど・・・・」
井上 「はあ?・・・・はあーー」
魚度支 「まことに嘆息の至りニダ・・・・・」
井上 「とにかく、皆に正月を迎えさせてやらねばならん。年越しのためにいくらかでも・・・」

で、未払い全額でなくとも1か月分だけでもと、第一銀行に再び掛け合った。
井上 「半分を銀貨として13万円ならどうかね」
支配人 「う〜ん。それならよろしいでしょう。ただし利子はやはり1割と言うことで」
井上 「金利は・・・どうにもならんか」
支配人 「ええ、どうにもなりません」
662マンセー名無しさん:2010/08/08(日) 23:49:12 ID:Y41fT0Ez
(続き)
朝鮮政府が清国から借入れている金利は1割以下であった。それを上回る金利のものを朝鮮政
府に借入れさせることは井上としては出来るものではない。
そんな井上の窮状を聞いて、先の郵船会社の支配人が訪ねて来た。

郵船会社支配人 「お困りと聞きました。私どもの件が無事に契約できましたら、極く低利で
8万円ほど融通できますが」
井上 「おお、それは助かる。しかし13万円いるのだ。・・・・・そうだ。何とかなるかもし
れん!」

井上は第一銀行の支配人を再び呼出し、まず郵船会社から13万円の半額を年利6分で第一銀行
に預けさせ、その代りに年利8分で朝鮮政府に13万円を貸し出す、という条件を受入れさせた。
支配人 「よろしいでしょう。それで抵当は何でしょうか」
井上 「そこは朝鮮政府と話合わねばならんが、おそらく、元山、釜山、仁川の海関税を抵当
にすることになろう」
支配人 「それもよろしゅうございます。では手続きを」

杉村書記官が王宮に走った。金総理、魚度支ら大臣は歓喜し、すぐに井上に礼を述べるために
公使館に向った。

朝鮮文武官 「ふーっ。やっと給料が出たニダ。何とか正月を迎えられそうニダ♪」
もちろん、かつての明治15年のような粗末な雑穀混じりの支給ではなかった。
(つづく)

>>銀河電鉄今井氏、>>660 いつもご支援感謝。
663マンセー名無しさん:2010/08/09(月) 02:52:58 ID:als/rIqY
いつも楽しみに読んでます。
>>655
> ドイツ外務 「しかし今や日本は連戦連勝の勢いでーす。その2条件だけでは容易に満足はし
> ないでしょー」
(中略)
> その他ロシアなど各国に対しても、各清国公使らは仲裁を求めたが、答えはドイツ政府と同様
> なものであった。

うわーなんか三国干渉が「日本乙wあとはよこせや」っていう計画的な行動に見える
教科書にありがちな「日本の台頭に脅威を感じた列強は」なんてカマトト芝居だったんじゃないかとも。
664マンセー名無しさん:2010/08/09(月) 06:59:33 ID:Y4pHeTpK
ええ、領土的野心を露わにするのは西洋国の常ですから。
この頃、実はフランスが日清戦争のどさくさに紛れて台湾を奪い取る野心を抱きます。ところ
がこれを知ったドイツ皇帝も、先に台湾を併合することを政府に検討させます。しかし在清国
ドイツ公使は台湾よりもむしろ清国山東半島南の膠州湾を併合した方がよいと進言します。こ
れは後に実行に移されます。その後、日清戦後のことを見極めたロシアが、やがて清国分割競
争となると見て優位を占めようと対日干渉を決定し、諸国に呼びかけます。当初、英独仏露の
4国でしたが、英国は武力行使してまで干渉することは出来ないとして離れます。結果、露独
仏の三国干渉となるわけで。ドイツ皇帝などは、英国が離れた時にこれを嘲笑したと言います。
665マンセー名無しさん:2010/08/09(月) 15:54:43 ID:als/rIqY
なるほど。フランスの野心は清仏戦争のリベンジというか延長戦ですね。
一時占領した台湾の一部と澎湖諸島がよっぽど気に入ったんでしょうか。
遼東半島はロシアが狙っていたし、ドイツも山東を睨んで日本を牽制したかった。
三国干渉に至る動機は各国ともかなり具体的ですね。
これに加わらずのちに日本と同盟するに至る英国ですら自力で威海衛を
取ったわけですから、日清戦争とその後の流れに便乗していますね。
みんな日本が流した血を上手に利用しているw
ではまたよろしくです。
666マンセー名無しさん:2010/08/10(火) 12:32:09 ID:dMdPENL4
667マンセー名無しさん:2010/08/10(火) 20:31:51 ID:yJdN7+3u
>>666 洗脳マンガだな。日本がもし日露戦争で負けていたら朝鮮半島はどうなっただろうか。
おそらく 今でもロシアの自治共和国であろう。 朴前大統領は日本を選んだのはベストでは無いが
ベターだったと述懐していた。
668マンセー名無しさん:2010/08/10(火) 20:40:33 ID:QhggD+I3
朴前大統領って誰?
669銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/10(火) 21:10:28 ID:uBym0eA7
>>667
自治共和国?そんないいものじゃないでしょ。
670マンセー名無しさん:2010/08/10(火) 22:36:06 ID:y75zCzfr
>>666
「欧米と同じように植民地獲得に走ったのです。」
「待て!日本は朝鮮を植民地にしたんじゃないぞ。合法的に一緒になったんだ。」
「さて、それが問題です。
   ↓
現在の世界的な価値観は欧米によってつくられたのに当時の欧米の植民地を否定
そして結局感情的な説明だけで最後まで併合が合法的じゃない理由の説明なし


「日本は朝鮮を併合すると「朝鮮教育令」という法律を作り、朝鮮の公立学校で朝鮮語の授業を禁止した」
   ↓
ハングルを奪った日帝
http://photo.jijisama.org/hg.html


「きわめつけは、「創氏改名」を強行して、朝鮮人の名を日本風に改めさせたことです」
   ↓
洪思翊
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%AA%E6%80%9D%E7%BF%8A
671マンセー名無しさん:2010/08/10(火) 23:00:30 ID:jcYrwScS
>>666
 >日本は武力をもって朝鮮に迫り、
最初に武力行使したのは朝鮮側でしたが、何か?
 >江華条約を結び、開国させた。
開国してませんが、何か?
 >閔妃は
宮中の侍女の絵を描いてどうする?
 >日本が影響力を強めるのを嫌ってロシアと接近
内政改革で政治に口出し出来なくなったことを嫌ってロシアに事大し、総理や諸大臣暗殺を計
画し
 >その態度が不満な日本人が、宮廷に
内政改革の頓挫と李王家の危機を感じた大院君、朝鮮改革派、朝鮮軍、日本人壮士らが、宮廷
に、
 >日本領事が計画し、指導した
りょ、領事? 事変解明に尽力した内田定槌領事がカワイソス(´・ω・`)
て、いうか。これ内田領事の子孫の人にとっても名誉毀損ものですよねえ。
 >当時の朝鮮は日本に対して何も対抗策を取れなかった。
当初王妃殺害を隠蔽し、三浦・岡本らだけが処罰されるのを気の毒に思って、率先して朝鮮人
主謀者らを死刑宣告したのは朝鮮政府ですが、何か?
 >日本の武力が圧倒的だったから
ロシアの方が圧倒的だったんですがw
 >当時の日本の朝鮮に対する姿勢がはっきり表われています。
当時日本は朝鮮の独立しか考えてませんでしたが、何か?

以下、もう、突っ込みどころが多すぎて書くのもめんどいw
これ、小説「閔妃暗殺  角田房子」にほんとにみんな書いてあんの?
672青い空 ◆9MrwdYes4c :2010/08/12(木) 09:31:10 ID:RJNNy0W7
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2010/08/11/0400000000AJP20100811000900882.HTML

このように「ソースはないけれど証拠はきっとある」。
これからも絶えずに出てくるでしょう。真実を隠しても、捏造しても「真実は真実」。
673マンセー名無しさん:2010/08/12(木) 09:47:23 ID:+4LdhBEA
>>672
トリ違うな。
なぜ?
674マンセー名無しさん:2010/08/12(木) 10:25:22 ID:Wmo5Qj4p
>>672
議会で承認し、首相が決定した法案にお飾りでしかない朝鮮王がわがままで判押さなかったってだけじゃん。
議会制民主主義とか立憲君主制とかわかってないのな。
675青い空 ◆9MrwdYes4c :2010/08/12(木) 10:39:20 ID:RJNNy0W7
x
676青い空 ◆FWQ/K7xQ4c :2010/08/12(木) 10:42:51 ID:RJNNy0W7
変ですね。同じトリだったのに。
677マンセー名無しさん:2010/08/12(木) 23:13:10 ID:BIJFxd0a
まあ、結論を言えば、日露戦争でロシアが勝ったとしたら、当然朝鮮半島はロシア領になる。
その後ロシア革命が起きたのだからソヴィエトの自治共和国となっただろう。ソ連化が進み釜山は重要な軍港となる。
日本はロシアを脅威に感じ、米国英国に防衛を依頼する。そして1990年ソ連崩壊で朝鮮半島が独立出来ると朝鮮人
は思う。しかし半島はロシアにとって軍事的最重要地で有るため独立を許さない。
で、2000年になって独立闘争が始まるのである。 つまり宗主国がロシアだったら未だ韓国は独立出来ないと云うこと。
日本が宗主国でよかったね。
678マンセー名無しさん:2010/08/12(木) 23:17:27 ID:Myn61qXx
↑それで「日本は植民地支配の被害賠償せよ」だってw
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=132060&servcode=A00§code=A10



679マンセー名無しさん:2010/08/12(木) 23:50:35 ID:eD/Q2vGG
 せめて日韓併合なんて他国の誇りをつぶすようなことをせず、第二次大戦後
アメリカが日本にしたみたいに、形だけでも韓国のままにしておけば、
話はこんなにこじれなかっただろうな、残念なことだ。
680マンセー名無しさん:2010/08/13(金) 14:37:42 ID:IJc2xVOK
>>679
他国の誇りをつぶすも何も少し前の朝鮮半島は清の国の一部ですが?
http://photo.jijisama.org/dependency.html

日清戦争
下関条約 第一条
清国ハ朝鮮国ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトヲ確認ス因テ右独立自主ヲ損害スヘキ朝鮮国ヨリ清国ニ対スル貢献典礼等ハ将来全ク之ヲ廃止スヘシ
(清国は、朝鮮国が完全無欠なる独立自主の国であることを確認し、独立自主を損害するような朝鮮国から清国に対する貢・献上・典礼等は永遠に廃止する。)


大韓帝国から日韓併合へ

一進会
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E9%80%B2%E4%BC%9A
681マンセー名無しさん:2010/08/13(金) 15:17:55 ID:6CfA+bBs
 半島の人は中国にどんな搾取蹂躙されてもストックホルムシンドローム状態なので、
日韓併合と比べてどうのとか言っても通じないよ、そんな病的な関係には言及しないで
そっとしておくのが大人ってものだよ
682青い空 ◆FWQ/K7xQ4c :2010/08/13(金) 23:41:34 ID:2WqJoe/A
同じ親日派でも一進会の李容九、宋 秉o、李完用らは国を売った売国奴として
国民は許さないけれど金 玉均、朴 泳孝らは国民から尊敬されてる。クドイけれど
同じ親日派なのにどこが違うのかな。日本人でも知ってると思うが日本人の中で嫌韓人は
知ってても知らん振りだろう。都合が悪いからね。
683マンセー名無しさん:2010/08/14(土) 01:36:47 ID:LEMxWXeG
金玉均は当時の朝鮮の最大の癌は閔妃だったということを証明するだけだと思うがいいのか?
684青い空 ◆FWQ/K7xQ4c :2010/08/14(土) 02:01:09 ID:yv8V0x8S
金玉均が「朝鮮の最大の癌は閔妃だった」という表現を使ったのかどうかはわからない。
そう言ったと自信があるなら録音テープでも聞かせて。しかし金玉均は閔妃派ではない。
親日派だからね。で、「いいのか?」って、何が?国民に尊敬されてる親日派だけど
問題でもある?俺が言ってるのは尊敬されてる親日派と恨まれてる親日派の違いは何か、ということ
だけどね、>>683のあなたはわかる?
685マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:02:57 ID:PuK8StTW
併合前の日朝(続き)

さて、銀貨の話が出たついでに言えば、当時、朝鮮を進軍する日本軍に日本政府から送る金銭
はみな銀貨であった。朝鮮で物資を購入するには更にこれを韓銭に交換して使用するのである。
当初その韓銭が入手困難だったことは既に述べた。
問題は朝鮮で運搬する銀貨が頻繁に紛失したことであった。たとえば平壌と順安の間の運搬だ
けでも4千円が紛失し、あるいは盗まれたりした。ついには翌年1月まででその全額は13000円
にのぼった。

兵站部 「朝鮮人に注意せぇー! 日本人にも注意せぇー!」

運搬を監視するのに多くの兵を割くわけにもいかない。朝鮮官吏も目を光らせてくれるのだが、
なかなか止むことがない。
そして銀貨のみでなく物品の盗難も少なくなく、慰問袋などからも抜き取りが相次いだ。なに
せ内地の人々が心を込めて贈った品々であって、現地の兵士らも楽しみにしてるものだけに士
気にかかわることであった。
これらの盗難は、たいてい集団によって行われていた。
やがて1月半ば頃、日本憲兵らが朝鮮人人夫が宿にしている家などを捜索して日本の軍需品を
発見。毛布52枚、靴下331足など。よって朝鮮人容疑者20名ほどを調べ、その内9人を逮捕して
朝鮮官吏に引渡した。

平壌監司 「厳重に処分するニダ!」
憲兵 「頼むよほんと」

官吏は笞刑や懲役を申しつけるだけでなく、主犯2人には斬首刑を言渡した。
686マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:09:43 ID:PuK8StTW
(続き)
官吏 「首ちょんぎるニダ!!」
憲兵 「おいおい」
憲兵 「まじかよ」
平壌監司 「ついては、日本兵站部士官の人にも処刑立会いを願うニダ」

平壌において日本軍兵站副官が立会う中、朝鮮官吏は斬首刑を執行した。
これが大きな戒めとなったらしい。以後は盗難がぐっと減ったのみならず、

朝鮮人 「これが落ちていたニダ」
運搬荷物が落ちていたと届ける朝鮮人までが現れた。
兵站部 「あ、有難う。よく届けてくれたのう」
朝鮮人 「ほんとに落ちていたものニダよ」
兵站部 「うん。わかった、わかったw」

毛布や靴下を盗んだぐらいで死刑になる国ってねえ。

 ところで、朝鮮人人夫を雇うのに1人1日1円とは、本国兵站部もそう認識していた。それで
何とか経費を削減しようと、半額の50銭で日本人人夫を募集して集め、これを朝鮮に送り始め
たが、現地兵站部は困惑。というのも、朝鮮人の場合は手弁当、それで荷物を運んで目的地に
着けば、その場で給与を払って解散。しかし、日本人の場合、朝鮮という未知の地で手弁当に
させたり放り出すわけにもいかず、往路帰路ともに食事を支給しながらの運搬であった。で、
その食費に給与とは別に50銭がかかった。
687マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:15:18 ID:PuK8StTW
(続き)
兵站部 「結局は日本人も朝鮮人と同じ経費がかかりもうす」
日本本営 「朝鮮人の方の給与を減らすわけにはいけんのかのう?」
兵站部 「やってみましょう」

開戦当初、1日1円でもなかなか集らなかった朝鮮人人夫も、日本の戦勝が重なるにつれ募集に
応じる者が多くなり、段々と給与を下げていって、ついに50銭となっても募集に困ることはな
くなった。
戦費全体からすれば大した金額でもない取組みであったが、なにしろ巨額を消費している戦時
である。たとえ少しでもあっても節約せねばならないところであった。

一方、朝鮮政府の財政であるが、次年度予算はどうにも見通しの立ちようもないもの。
なにしろ先ず税収が見込めない。

給与未払いの残りは依然としてあり、支払えないままいたずらに日月を重ねていくのみ。

改革に伴う無駄な官吏の免官などにも、手当を支給するなどの資金が要る。

干ばつの被害は朝鮮の穀倉地帯で最も被害が多かった。このままでは飢饉がくる。これまで朝
鮮政府は、飢饉の際にはこれを天災と称して、ほとんど何の救済もせずに人民が飢死するに任
せてきた。近年で最も深刻だったのは明治9年の大干ばつの年である。当時外交部である礼曹
参判の洪祐昌は代理公使の花房義質に言った。
洪 「国民が餓死すること殆ど半分に及び、わずかの者が麦の熟するのにありつけた」と。
さすがに半分は大げさだろうが、それでも沿海の大小の村落を訪ねた花房義質は、大半の者が
餓死している事実を知って驚き、政府の対応が無策であったことに唖然としている。
しかし、井上が政府顧問となった今、そのような無情の政策を執れるものではない。
688マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:21:15 ID:PuK8StTW
(続き)
また、暴れ回って略奪を繰り返す東学農民などがいる一方、まじめに生業に励んでいる多くの
良民がいた。彼らを扶助せねばならないし、ためには巨額の資金が要る。

また外国からの借金の返済もせねばならない。

もちろん都合の悪いものは見えない聞こえないのが、なおも今日まで続くこの国の人の特徴で
あろうし、改革の困難さと共にその財源をどうするのか、いやそれどころか当面の飢えを凌ぐ
問題をどうするのか、その経費をどう捻出するのか。
実はそれらのことを真剣に悩んでいたのはほとんど井上馨一人だったのかもしれない。

井上 「うー。戦争が終った後に清からの賠償金の一部でもあてがう道もあったが、こうまで
切羽詰った財政状況ではなあ。間に合わん! やっぱり日本で公債を募集するしかないか」

先に、もう改革を諦める!と言って怒鳴り散らした後で、実は井上は日本政府に公債募集の件
をすでに上申している。それは、「再三の誠実の忠告にも関わらず朝鮮が改革しない時には、
東学討伐の兵も引揚げ傍観するだけとし、そうすれば李氏も閔氏も東学によって蹂躙されて自
滅するであろうから、その時に改めて李氏の後胤でも擁して政府を立て直すための資金とする
ために」などという、怒りモード全開のものw
 それがまあ、国王始め政府全員が改革を誓ったことから、怒りを去って誠実に援助せざるを
得なくなったわけでw

杉村 「つまりは、内政改革の成功も含めた朝鮮の将来に対し、何とか国民の援助を仰げない
かと」
井上 「うん。そこを大いに強調せねばならん。独立のための戦争のみならず、独立のために
内政改革も勝利させねばならんと」
689朝鮮の聖地『DNQ南山』住民((嘘((キリスト教信者:2010/08/17(火) 00:21:16 ID:2wHcwDhz
中国が韓国のパクリ文化を大批判
http://www.youtube.com/watch?v=WLKbdYCHbAg&NR=1

どこでも問題児だな朝鮮人よ(馬韓)
690セイラ・マス・大山:2010/08/17(火) 00:22:06 ID:/+RZtCTP
金玉均は日本で女郎屋通いしまくって、福沢諭吉を呆れさせたんじゃなかったか?
691マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:36:59 ID:PuK8StTW
(続き)
杉村 「いくらぐらいの額になりましょうか」
井上 「今、日本銀1円に対する韓銭のレートはいくらぐらいなっとる?」
杉村 「戦争以前は、銀1円で韓銭3貫5000文ぐらいには交換できたのですが、戦争需要で相場
が上がって、一時は1貫500文までになりました。で、この2月になって我が軍はほとんど清領
に移動しましたし、東学もかなり沈静化しましたので、ようやく2貫500文ぐらいに下がってき
ました。しかしまだ、前より1貫目以上高いです」
井上 「しかたないのう。まあ緊縮財政ということではあるが、免官した者への手当てなども
要るし、良民扶助の資金も要る。先に上申したように、ざっと銀貨500万円ほどもあればよか
ろう」
杉村 「銀貨で500万! 大金ですなあ」

さて、朝鮮内閣は新体制となり、政治改革要綱も定り、国王、王族、政府百官らが、こぞって
誓いを告げ、これを国民に公布し、いよいよ挙国一致体制とも言える改革の取組みとなった・
・・・はずもないのが、ここまで読了された読者諸氏なら容易に想像できようというもの。
またもトラブルメーカーは朴泳孝であった。
まったく金玉均にしろ朴泳孝にしろ、親日家だか愛国者だか知らんが、どうしようもない問題
を惹き起して、周囲を混ぜっ返すのが大好きなんじゃなかろうかと思うぐらいw
 そもそも日本政府としては、親日家などというものはかえって迷惑なものであった。もし朝
鮮政府がすべて親日派でしめられることになったなら、そのすること言うことは日本の責任に
関わってくる可能性がある。かつて清国が朝鮮を属国としながらも、各国に対しては、朝鮮は
その外交と内政は自主の国である、という詭弁でも弄して責任回避をするのと同様の政策をと
らねばならなくなろう。だからはじめから、中立であることこそが望ましかった。その点、清
国にもロシアにも日本にもことさらなびこうとしない金宏集や金允植、魚允中という朝鮮中立
派というぐらいの人こそが日本政府としても望ましかった。
692マンセー名無しさん:2010/08/17(火) 00:44:48 ID:PuK8StTW
(続き)
朴泳孝は先ず王妃に近づき過ぎたところに問題がある。もちろん、改革を歓迎しない人々が離間
策を企てたことも。そしてそれが王妃が考えだした離間策だったかどうかまでは分らないが。
まず、金宏集総理、金允植外務、魚允中度支らはどちらかと言えば旧派保守派と言われるように
なり、朴泳孝内務、徐光範法務は改新派として新派を形成した。
また、金嘉鎮、安駉壽、趙義淵は旧日本派として中立に位置したが、ともすれば互いの意
思疎通に欠けるところかあり、新内閣発足してより2、3週間しても、新派からは「旧派は事を進め
るに新任各大臣に相談しないニダ」と苦情を言い、それで井上馨は、3日に1度は内閣会議を開いて
協議してから裁可を仰いではどうか、と勧告した。

井上 「やれやれ、政治のイロハから教えにゃならんw」

(つづく)

>>変ったご支援感謝。
693マンセー名無しさん:2010/08/18(水) 08:32:27 ID:/o4p9d5K
いつも長編お疲れ様です。
ぼちぼち500KBですね。
694銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/18(水) 19:21:55 ID:FHNLwIUT
>>693
では次スレ立てますわ。
695銀河電鉄今井君 ◆NSQBzYTb6I :2010/08/18(水) 19:24:57 ID:FHNLwIUT
日韓併合前の朝鮮について語ろう 5
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/korea/1282127016/

次スレです。
いよいよ佳境。楽しみですね。
696マンセー名無しさん:2010/08/18(水) 20:53:35 ID:enM961Z/
>>696なら藤井ダーツが刺さって取材班が来る
697マンセー名無しさん:2010/08/18(水) 22:41:34 ID:KtRC+Cu0

【政治】日韓の国会議員が東京で討論会 日韓併合は不当で無効との共同宣言発表の準備も
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1282133076/
698マンセー名無しさん:2010/08/18(水) 23:24:11 ID:/OeSUbWh
         <''`∀´''>
699マンセー名無しさん:2010/08/22(日) 23:31:42 ID:aRrT+5+2
併合前の日朝(続き)

朴泳孝は国王王妃の近親者であり、とりわけ王妃に謁見できるということは、これまでの慣例
に照らしても極めて異例であった。よって反朴派は、朴泳孝がかつての勢道のような権力者と
なっていると批判し、あるいは金総理を批判する人らは、金総理は大院君と組んで朴派を暗殺
しようとしている、などという噂を流し、ために互いに疑いはつのり、いよいよ疑心暗鬼を生
ずるに至った。
そもそも朝鮮王室では、古来から国王に接近できる者は、王族、王妃一族、内官、寵愛の近臣
のみであり、国務大臣であっても国王に会って言葉を交すことはまれであった。だからこそ国
王王妃は内官や近臣の嘘話にも惑わされ、国外の事はもちろん国内の事情すら正確に知り得な
かった。

そんな中、1月から2月にかけて一悶着があった。

趙義淵軍部大臣 「ということで、日本公使館武官楠瀬中佐から訓練を受けている我が軍の訓
練隊もずいぶんと技量が向上して頼もしい兵士らになったニダ。ついては、訓練大隊長の申泰
休を参領(日本軍の少佐に当る)に任じて、その統率力にふさわしい地位に置きたいニダ。承
認されようニカ?」
金総理 「どうニカ? 一同異議ないニカ?」
大臣一同 「異議ないニダ」
金総理 「では大君主陛下のご裁可を求めてくるニダ」

金総理 「ということで、ここに上申しまして陛下の御裁可を仰ぎますニダー」
国王 「ん? 申泰休? ん、分ったニダ。裁可するニダ」
金総理 「感謝しますニダー」
700マンセー名無しさん
(続き)
ところが金総理が退出した後、
王妃 「陛下。先ほどの申泰休という名前、思い出しましたニダ。ほら、今から9年ほど前の国
太公様と袁世凱の・・・・」
国王 「ん? あの時? 父上と袁世凱?・・・・・ああ!! あの時の将兵か!!」
王妃 「そうですよ!!」
国王 「こ、これはけしからんニダ! 許さんニダ。なんで参領などに!」
王妃 「けれどもう陛下は裁可されて玉璽も捺されまたニダ!」
国王 「取消しニダ! 取消しニダ!! 何とか出来んか!!」
王妃 「・・・・朴泳孝から話させてはどうでしょうニカ?」
国王 「そうニダ。誰か! 泳孝を呼ぶニダ!!」

国王の内意を得た朴泳孝は、すぐに内閣会議で申泰休を参領としたことの撤回を求めた。

金総理 「何がどういけないのか、さっぱりわけが分らんニダよ。前は何も反対しなかったで
はないニカ? それにもう陛下の裁可を頂いたというのに」
朴内務 「思い出したニダ! あの者は去る甲申年の決起の時(明治17年朴金の乱)に、袁世
凱の先鋒となって兵を率いて王宮に攻入った者ニダ! ウリがどうして忘れられようか!」
金総理 「あの11年前の時の・・・・・。しかしあの時に申はただ将兵としての命令に従った
だけではないニカ?」
朴内部 「いや許されないことニダ。あのような者が参領となるどころか、大隊長であること
そのものが!」
趙軍務 「申泰休を大隊長に抜擢して、参領に推挙したのはウリニダが・・・・・」
朴内務 「とにかくあの者の免職を求める!! もし免職とならないなら、ウリは内務大臣を
辞職するニダ!」 
金総理 「そ、そこまで考えなくとも・・・」