「そうダス。ここはもっと大きなものを皆に出すダスよ」
「もっと大きなものダスか?」
「そうダスよ。向こうが東アジアで来るならこっちはダス」
こうしてお兄さんに自分の考えを言うのでした。
「アジア太平洋ダスよ」
「それダスか」
「これでどうダスか?ニホンさんのお家の鼻を明かすことができ
るダスよ」
「そうダスな。それではそれでいくダスよ」
オージー君も妹の考えに頷きました。これで決まりでした。彼は
早速次の日皆の前に出て言うのでした。
「皆、ワスに考えがあるダスよ」
「考え?」
「考えって?」
皆教壇のところに出たオージー君に顔を向けます。その彼が皆に
言ったことは。
「アジア太平洋の集まりを作るダスよ」
「アジア太平洋の集まりを」
「作るの」
「そうダス。間違ってもニホンちゃんのお家が言うような東アジ
アの集まりを意識したものではないダスよ」
さりげなく自分の考えを言ってしまっています。
「ワスの考えダス」
「自分で言ってるし」
「まあそんなのだろうって察しはつくけれど」
皆もその彼に突っ込みを入れます。オージー君はそれでも話を
続けるのでした。
「それで参加して欲しい人ダスが」
「それは」
「一体誰?」
「まずワスダス」
言いだしっぺが参加するのは当然です。それで皆そのことには
特に驚きませんでした。
「まあそれはね」
「当然だし」
「それで他には」
「ワスの第一の親友であるニュージーダス」
彼も外せません。それぞれのお家ができた頃からのお付き合い
の彼は当然です。ニュージー君もそれを聞いてにやにやとして
います。
そしてそれから。語られるメンバーは。
「ニホンちゃん」
「あっ、わたしもなの」
アジア太平洋というからには彼女は絶対だというのです。そし
てさらに語られていきます。
「アメリーにチューゴに」
「まあ当然だYOな」
「僕がいないと駄目ある」
二人はそれを当然といった態度で受けます。
「あとベトナ、タイラン、シンガ、インドネシア、マレーシア、
ブルネイ、フィリップダス」
ASEANメンバーも全員です。この人達もそれは当然だとい
った態度で受けます。そしてさらに言うオージー君でした。
「メヒコにチリにペルー、中南米のメンバーもどうぞダス。当然
タイワンもダスよ。パプワもだす」
「あっ、それって」
ニホンちゃんは今彼が言ったメンバーを聞いてはっとなりました。
これはポッポおじさん達の主張よりも大きいです。
「かなり凄いかも」
「ああ、勿論カナディアンもダスよ」
彼のことは危うく忘れるところでした。けれど土壇場で思い出し
たのでした。
そして最後は。皆が驚く彼でした。
「イン堂もどうぞダス」
「イン堂もかYO」
「それはどうかと思うあるが」
アメリー君とチューゴ君は彼の名前を聞いて少し嫌な顔を見せま
した。二人とは逆にイン堂君はにこにことしています。しかしこ
こでオージー君は大切な人を忘れていました。決してわざとでは
ありません。
「カンコもダス」
「当たり前ニダ。なじぇ最後になって出て来るニダ」
今にも名前が出ないのでファビョーーーンになりそうだった彼が
言い返します。
「全く。何を考えているニダ」
「悪気はないダス。それと御前の家はさっさと統一しておくダス
よ」
「そんなこと言われなくてもわかってるニダ」
これがメンバーだというのです。彼の話は終わりましたがここで
ニホンちゃんが考える顔で彼に尋ねるのでした。
「メンバーのことは聞いたけれど」
「何ダスか?」
「それいつもの集まりと大体同じメンバーじゃないかしら」
ニホンちゃんは首を少し左に傾げながら言いました。
「ぽっぽおじさんのあれもそう思ったりしたけれど」
「ま、まあそれはそうかも知れないダスが」
「中南米が入ってるだけだろ?要するに」
「最近の僕達の集まりにイン堂を入れただけあるぞ」
アメリー君とチューゴ君も突っ込みを入れます。
「まあ僕は参加みたいだしいいけれどな」
「思うところはあるが大体はいいある」
二人共さりげなくイン堂君を見ながら言います。やはりそれが
不満のようです。
「あたしも参加させてもらえるからいいけれど。何かベトナち
ゃんやタイランがいつも主催してる集まりと結局同じメンバー
じゃない。何処がどう違うのよ」
「まあそれを総合的にしたものと考えればいいダス」
「それがエーペックじゃないの?イン堂以外皆出てる人ばかり
だし。ロシアノビッチも入るんでしょ?」
「そうダスが」
彼は今ウォッカで激烈に酔い潰れているのであえて名前を出さ
なかったのです。後で話すつもりでした。
「まあどうダスか?」
皆に突っ込まれながらもとりあえず聞くのでした。
「これは」
「いいと思うけれど」
「気になるところはあってもな」
「基本的にはある」
「いいじゃない」
皆大体賛成でした。皆にとっても悪いお話ではなかったからで
す。けれどそれでも言うのでした。
「ぽっぽおじさんのそれより広いけれど大体同じだし」
「メンバー同じで話すことも同じにならないか?」
「そういう集まりが最近幾つもあって同じ話にもなってるある
ぞ」
「だから。何か何処がどう違うのかって思うんだけれど」
皆そういったところを突っ込むのでした。結果として何ともオ
リジナリティがないということになってしまったオージー君の
今回の主張でした。
しかもこういった集まりになるといつもの個性も自己主張もど
いうわけか物凄く薄くなる人も言いました。
「毎度毎度ウリも参加してやっているニダが同じメンバーしか
集まらないニダか?」
「だから気にするなダス。そういう御前はさっさと統一してお
くダス」
「兄さんだけ集まりに来ないニダがどうしたらいいニダか?」
「ワスに言われても困るダス。とりあえず花火取り上げて無理
にでも連れて来るダス」
「それができたら苦労しないニダ」
何度話をしてもこの問題だけは解決できないのでした。本当に
変わり映えのしない今回のオージー君の主張でした。キャンベ
ラちゃんの閃きも空しく。
856 :
マンセー名無しさん:2009/12/05(土) 23:53:25 ID:0h5UC3wh
「ただ燃やしただけで」
皆それぞれお家のゴミの処分には困っています。とにかく色々な
方法でそれを処分しています。
これはニホンちゃんのお家でも同じでトウキョウの間から離れた
場所にユメノシマといったところがあります。
「ここでもずっと捨ててるけれど」
「何時まで捨てられるかな」
ニホンちゃんもウヨ君もそれがかなり不安になってきています。
それに二人はゴミについてまだ困ったことがあるのでした。それ
は何かといいますと。
「カンコ君のお家からね」
「そうなんだよな」
二人でこんな話をしていました。
その困った顔でカンコ君のところから流れてきているゴミの山を
見るのでした。お池を越えてやって来るそのゴミの山をです。そ
れはかなりの量です。
「あのゴミ何とかしてくれないかな」
「抗議しても無駄だしね」
ウヨ君はこうは言いますがそれでもです。チョゴリちゃんに対し
て言うのでした。
「御前の方でできるだけしてくれたらいいからな」
「わかったニダ。ウヨ君に言われるまでもないニダ」
やっぱりチョゴリちゃんはこうしたところは素直です。それでこ
の申し出を受け入れるのでした。そうしてカンコ家でもチョゴリ
ちゃんがゴミの処理をすることになりました。
859 :
マンセー名無しさん:2009/12/07(月) 22:42:34 ID:qtD+m8lf
それでですが。その処理の方法は。
ゴミを集めてそれを燃やすという方法です。古典的ではあります
がそれでも効果的なのは確かです。
そうしてゴミを集めてそこに灯油をかけて火を点けようとしまし
ただ。火が大好きなカンコ君がここで何処からともなくやって来
ました。
「何をしているニダ。燃やすニダか?」
「あっ、兄さん来たニダか」
「何か燃やすのならウリにやらせるニダ。こうした楽しいことに
呼んでくれないとは水臭いニダ」
カンコ君はすっかり遊びと勘違いしています。この辺り本当に彼
らしいです。
「兄妹ニダ。何で呼んでくれなかったニダ」
「家にあるゴミを燃やす為ニダ。お池に捨てたのがニホンさんの
ところにまで来て迷惑をかけているニダよ」
「そんなことはどうでもいいニダがとにかく燃やすニダな」
カンコ君はそちらの方に関心がいっています。本当にこうしたと
ころが彼らしいです。
それで、です。チョゴリちゃんからそのマッチを貰って火を点け
ようとしました。ところがです。
「ええい、待つニダ」
「何を楽しそうなことをしているニダ!」
今度はカンコパパさんとカンコママさんが出て来ました。町内き
ってのお騒がせ一家勢揃いです。チョゴリちゃんを除いて。
「火を点けるのはウリナラの最大の娯楽の一つニダ。デモと並ぶ
娯楽ニダよ」
「そういうことこそ一家でするニダ。いいニダな」
何かよくわからない理屈を並び立ててとにかくこの人達が言う遊
びに参加します。チョゴリちゃんも何か予想できた展開なので特
に何も言いません。ですがこの一家は誰かが突っ込まないと、誰
かが突っ込んでも斜め上にかっ飛んでいく一家です。そしてそれ
は今回もなのです。
「ええい駄目ニダカンコ!」
「駄目ニダか?」
カンコ君はいきなりパパさんに言われてその今まさに火を点けよ
うとしたところで動きを止めてしまいました。
「そうニダ、駄目ニダ」
こう言い切るカンコパパさんでした。
「そんな甘い火の点け方では駄目ニダ」
「そうだったニダか」
「見るニダ、本当の火の点け方を」
こう言って懐から出してきたものはです。何とそれは。
火炎放射器でした。そう、まさにそれは。
「汚物は消毒ニダ!」
これを背負って装備した時に絶対に言わなければならない台詞、
それを出してきたのでした。カンコパパさんはまさにその鉄則
を守ったのでした。
そしてそれからすることはです。もう一つしかありません。そ
れは何かといいますと。
当然これです。火炎放射器を全力放射です。それでゴミの山に
一気に火を点けます。
「わはは、どうニダ!」
何処からか出して来たサングラスにかけてそれで誇らしげに言
うカンコパパさんでした。
「本当の燃やし方というのはこうするニダよ!」
「凄いニダ、アボジ!」
カンコ君もこれにはびっくりです。そうしてカンコパパさんを
褒め称えます。ところがです。
あまりにも勢いよく火を出したのでそれがゴミの山を炎の山に
変えてしまいました。そうしてそれでお家にまで火が点いてし
まいまして。
「な、何ニダ!」
「お家に火が点いたニダ!」
「大変ニダ!」
気付いた時にはもう遅かったです。あっという間にお家も紅蓮
の炎に包んでしまいました。
「しょ、消防隊を呼ぶニダ!」
「どうにかするニダ!」
こう言った時には手遅れでした。カンコ家はまたまた全焼して
しまいました。
「それでなのね」
「またなんだな」
火事と聞いて助けに来たニホンちゃんとウヨ君はお家が燃えた
のに巻き込まれてそれで全身煤だらけになっているカンコ君と
チョゴリちゃんのお話を聞いています。家を燃やしてしまった
カンコパパさんとカンコママさんはお巡りさんから話を聞いて
いますがやっぱり呆れられた顔をされています。
「あの漫画の真似したらなのね」
「ゴミの山を燃やすのに火炎放射器か」
「それが失敗だったニダ」
「何となく気持ちはわかるニダが」
チョゴリちゃんもカンコ家の人なのでそれは何となくわかるの
でした。
「それでも。ああなってしまったニダ」
「何ていうか。こうした時にあの漫画の真似は」
「止めた方がいいな」
「とりあえず今日はテントニダ」
カンコ君もいつものことなのでなれたものです。
「明日トンチャモンに建て直してもらうニダ」
「そうか。じゃあまたな」
「それにしても。毎回毎回なじぇこうなるニダ」
カンコ君はウヨ君の言葉を聞きながら一人呟きました。
「おかげでテント暮らしも慣れたニダ。どうにかならないニダ
か」
そうはいってもどうにもならないのでした。結局いつもの展開
になってしまったのでした。
867 :
マンセー名無しさん:2009/12/07(月) 23:36:58 ID:qtD+m8lf
「二人に囲まれて」
ニホンちゃんとタイワンちゃんの仲睦まじさはもう誰も
が知っているものです。暇があれば二人で楽しく遊んで
います。
それでカンコ君なんかはかなり嫉妬しています。けれど
そうしたことには疎いニホンちゃんはそんな彼のことに
ついていつもこう言うのです。
「何であんなに怒るのかしら、わたしとタイワンちゃん
が一緒にいたら」
「ああ、気にしなくてもいいから」
タイワンちゃんはその理由を知っていますがそれでもで
す。こう言って真実を言わないのです。
「あいつのことはね」
「気にしなくていいの」
「そうよ。それでだけれどね」
タイワンちゃんはあらためてニホンちゃんに対して言い
ました。
「今日あたしのお家に来てくれる?」
「タイワンちゃんのお家に?」
「ええ。ちょっと見て欲しいものがあるのよ」
何かを隠しているような思わせぶりな微笑を浮かべてニ
ホンちゃんに対して言うのでした。
「それでいいかしら」
「うん、わたしは別に」
ニホンちゃんも特に異論なく応えました。
「それだったら今日は」
「あたしの家で遊びましょう」
「そうね」
こうして今日の予定は決まりました。本当にツーカーの
関係にまで至っています。
そんなニホンちゃんとタイワンちゃんを見てそっと出て
来たのは誰かといいますと。いつものカンコ君ではあり
ませんでした。
「ウリも行きたいニダ」
チョゴリちゃんです。楽しげにお話をする二人を見てこ
う呟くのでした。
「ニホンさんのマンファならウリもかなり読んでるニダ。
だからウリも」
こう言ってそれで彼女もタイワンちゃんのお家に向かう
ことにしました。その前に自分のお家に帰ってです。ど
うも話が動きそうです。
そしてニホンちゃんとタイワンちゃんはです。タイワン
ちゃんのお家に入ります。まずはそのお茶とお菓子を楽
しみます。それからです。
「それでね、見せたいものがあるのよ」
「うん、何なの?」
タイワンちゃんのお部屋で仲良くお話をする二人です。
「これ、見て欲しいんだけれど」
「あっ、これって」
「そうなの。ニホンちゃんのお家の言葉をね」
それを原稿用紙に書いているのでした。その字も文章も
見事なものです。そしてそれを書いたのは誰かというと
です。
「あたしが書いたんだけれど」
「えっ、これタイワンちゃんが書いたの」
「そうなのよ」
見れば見る程見事な文字と文章です。それをタイワンち
ゃんが書いたというのです。これにはニホンちゃんも驚
きです。
「どうかしら」
「いや、凄いよタイワンちゃん」
その驚きをそのままタイワンちゃん本人にも告げます。
「こんな文章や文字が書けるなんて。わたしよりも上手
いんじゃないかしら」
「あはは、流石にそれはないわよ」
本家のニホンちゃんには流石にかなわないというのです。
けれど確かに上手です。
「それはね」
「けれど。本当に」
その上手さに感嘆の言葉しか出ません。そしてここでチ
ョゴリちゃんも来たのでした。
「ニホンさん、ウリはニダ」
「あれっ、チョゴリちゃん」
「来たの」
「お邪魔しますニダ」
ここで二人に対してぺこりと頭を下げるチョゴリちゃん
でした。こうしたお行儀のよさもこの娘のいいところで
あります。
そのチョゴリちゃんがです、自分のお家から持って来た
ものは。
「これニダが」
「あれっ、これって」
彼女が持って来たそれを見て声をあげるニホンちゃんで
した。それが何かといいますと。
「漫画じゃない」
「それも全部」
タイワンちゃんがその漫画を見て言います。それは誰が
描いたものかといいますと。
「武士が描いたのが多いわね」
「ニホンちゃんが描いたのもあるけれど」
「ウリもあと内緒ニダが兄さんも最近ニホンさんの漫画
に今まで以上に凝っているニダ」
にこりと笑ってこのことを話すチョゴリちゃんでした。
「そのことをニホンさんに知ってもらいたかったニダ」
「それであたしの家に来たのね」
タイワンちゃんもこのことがよくわかったのでした。
「成程ね。だからね」
「タイワンさんだけじゃなくてウリもニホンさんのお家
の文化は勉強しているニダよ」
漫画も立派な文化です。ですからチョゴリちゃんは今こ
う言ったのです。
「やっぱりニホンさんのお家の文化は素晴らしいニダよ。
ウリは大好きニダよ」
「ありがとう、チョゴリちゃん」
チョゴリちゃんに言ってもらってニホンちゃんもにこり
と笑います。
「そう言ってくれて」
「確かにいいのよね」
タイワンちゃんは二人を交互に見ています。
「ニホンちゃんのお家のものってね。洗練されているっ
ていうか格好いいっていうか」
「ウヨ君のがそうでニホンさんのは奇麗で優しいニダ。
確かそれは」
ここでチョゴリちゃんが言葉が出ないでいるとです。タ
イワンちゃんが言ってあげたのでした。
「たおやめぶりよね」
「あっ、そうでしたニダ」
タイワンちゃんに言われてこの言葉をやっと思い出した
チョゴリちゃんでした。この言葉がちょっと出て来なか
ったのです。
「その通りニダ。それでウヨ君はニダ」
「ますらおぶりね。まさにね」
「その両方が好きニダよ」
「わたしも武士もなのね」
ニホンちゃんがそれを言われてにこりとなっているとで
す。タイワンちゃんもその彼女に対して告げてきたので
した。
「あたしも両方共よ。両方共ニホンちゃんのお家のいい
ところだからね」
「ありがとう、二人共」
二人に囲まれてあらためて自分の中のものがわかったニ
ホンちゃんでした。彼女にも日之本家にもいいものは一
杯あるのです。
879 :
マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 23:44:20 ID:zU2vF3N7
「巫女巫女サンマリノちゃん」
「ううん、いいねえ」
五年地球組で女の子が大好きといえばこの人、マカロニー
ノ君です。今日はニホンちゃんのお家のキョウトの間にお
いて目を細めさせています。
「あの赤い袴に白い上着がいいんだよね。如何にもニホン
ちゃんって感じでね」
「けれど兄さん」
そのニホンちゃんを見ながら微笑む彼に妹のサンマリノち
ゃんが突っ込みを入れます。
「兄さんって女の子なら誰でもそう言ってるけれど」
「女の子は皆花なんだよ」
こうあっさりと言ってしまうのがまさにマカロニーノ君で
す。
「皆ね。だから巫女のかっこうもね」
「いいっていうのね」
「その通りだよ。いや、本当にいいね」
「そうなの。それにしても確かに」
お兄さんのその視線の先の巫女姿のニホンちゃんを見て。
サンマリノちゃんも思うところができたようです。
「いいわね」
「そうだろう?巫女には巫女のよさがあるんだよ」
マカロニーノ君はにこにことして話を続けます。
「本当にね」
「そうね。何か私も」
ここでサンマリノちゃんはあることを決意しました。
そうして次の日です。今度は一人で日之本家に来てそのう
えでニホンちゃんに対して御願いしました。
「えっ、巫女さんになりたいの?」
「はい、昨日のニホンさんのお姿を見て」
こう言うのでした。
「それでなりたいと思いまして」
「昨日のわたしのあれを見てなのね」
「はい、兄さんが物凄く気に入っていて」
「ああ、マカロニーノ君がね」
彼がどういった人なのかはクラスの誰もが知っています。
まさに女好きといえば彼です。
「そういえば昨日ずっと見ていて横で武士が警戒していた
わね」
「それでなんです」
あらためて言うサンマリノちゃんでした。
「私も巫女さんにって」
「そうね。それじゃあとりあえずは」
「はい」
「神主さんに御聞きして」
それからはじめることにしました。こうしてキョウトの間
の神主さんに御聞きするとです。神主さんは穏やかな声で
ニホンちゃんに答えました。
「いいと思うよ、私もね」
「いいんですか」
「この娘はただ純粋に巫女さんになりたいんだね」
そのサンマリノちゃんを見て言うのでした。彼女も一緒に
神主さんの前に来ていたのです。
「それだったらね」
「いいんですか」
「そうだよ。それに」
神主さんはサンマリノちゃんをさらに見ました。見ればそ
の目は澄んでいてとても奇麗です。そしてこんなことも思
ったのです。
「この娘だけじゃなくてね」
「他の娘もいいんですね」
「ニホンちゃんのお友達でなりたい人を呼んできて」
こうまで言うのでした。
「お行儀とか言葉遣いとか服の着方はニホンちゃんが教え
てあげればいいから」
「はい、わかりました」
こうしてです。何とサンマリノちゃん以外にも巫女さんに
なれることが決まりました。それを聞いて巫女さんに志願
しに来たのはです。
「ニホンちゃんとこの巫女さんに一度なってみたかったの
ね、あたしもね」
「私もある。こういうことってやっぱり憧れるものある」
「ウリ前から巫女さんになったニホンさんが奇麗だと思っ
ていたニダ。だからウリも」
タイワンちゃんに香ちゃんにチョゴリちゃんもです。この
三人がサンマリノちゃん以外の巫女さん志願者でした。そ
の四人を見てニホンちゃんは思わずこれんなことを言うの
でした。
「世界連合巫女さんジュニアね」
「ニホンさん、それはリングにかけろニダな」
チョゴリちゃんはニホンちゃんの今の言葉から元ネタをす
ぐに言ってみせました。やはりニホンちゃんのお家の文化
にかなり強いです。
「それニダな」
「そうなの。それでとにかく巫女さんだけれど」
「はい、御願いします」
サンマリノちゃんが応えます。こうして四人はニホンちゃ
んに巫女のなり方を教わりました。そうして。
マカロニーノ君がまたキョウトの間にお邪魔した時です。
そこで待っていたのは。
巫女姿のニホンちゃん、本当に白い着物と赤い袴がとても
似合っています。そしてその他には。
「えっ、サンマリノ!?」
自分の妹がいることにまずは唖然となります。
「どうしてサンマリノがここに?」
「ああ、兄さんまた来たのね」
そのサンマリノちゃんがにこりと笑ってマカロニーノ君に
応えます。
「どうかしら、似合うかしら」
「何か意外なんで何て言ったらいいかわからないけれど」
こうは言いますがそれでも。彼はその妹を見て言いました。
「奇麗だよ」
「有り難う」
「それにしても。他にも」
お部屋の中を見ればです。そこにはタイワンちゃんや香ち
ゃん、チョゴリちゃんもいます。そして彼女達もまた。
皆巫女姿です。それを見たマカロニーノ君もう完全にエキ
サイトです。
「何だよ皆、僕をおもてなししてくれる為にその格好をし
てくれてるのかい?」
「何でそうなるのよ」
彼の今の言葉にはタイワンちゃんが少し冷たく言い返しま
す。これもいつものことです。
「あたし達だってあれよ。巫女さんに憧れてね」
「それでなんだ」
「そうよ。これ着られて物凄く嬉しいのよ」
「正座が少し辛いけれど」
サンマリノちゃんはこのことには苦笑いです。それはどう
しようもないみたいです。
「けれどそれもこれからの練習だし」
「とにかく巫女の服を着られて嬉しいある」
「何だかんだで兄さんも許してくれたニダ。また巫女さん
になりたいニダ」
香ちゃんもチョゴリちゃんも巫女姿でにこにこです。その
五人に囲まれてマカロニーノ君はさらにご機嫌になって。
「じゃあ皆、僕と一緒に記念撮影しようよ」
「記念撮影?」
ニホンちゃんがそのマカロニーノ君の言葉に対して首を傾
げさせます。どうしてここでこんなことを言うのか少しわ
からなかったのです。
「どうしてなの?それは」
「だってこんな可愛い女の子達が可愛い服を着ているんだ
よ」
これこそまさにマカロニーノ理論です。
「その娘達と一緒に写真を撮らないと駄目じゃない」
「それでなの」
「そうだよ。さあ皆集まって」
かなり強引に五人を集めてそれで。
神主さんに御願いして写真を撮ってもらうマカロニーノ君
でした。当然彼が真ん中になって女の子達に囲まれて御満
悦です。右にニホンちゃん、左にタイワンちゃんです。自
分の前には妹のサンマリノちゃん、そして右端が香ちゃん
で左端がチョゴリちゃんです。
それで撮ってもらおうとします。しかしここでニホンちゃ
んとタイワンちゃんをそれぞれの手で抱き寄せようとしま
す。
「えっ、ちょっとそれは」
「いい加減にしなさい」
ニホンちゃんは戸惑うだけでしたがタイワンちゃんは違い
ます。すぐにむっとした顔でマカロニーノ君の頬をつねる
のでした。
「煩悩退散、巫女に何てことするのよ」
「いてて、ちょっと位いいじゃない」
「全く兄さんは相変わらずなんだから」
最後に溜息をつくサンマリノちゃんでした。丁度この頬っ
ぺたをつねられて溜息をつく場面が写真になりました。
893 :
マンセー名無しさん:2009/12/11(金) 23:46:01 ID:WxJ0LarP