ここんとこの妙に長いgdgdの話ってどこが面白いの?
長い話が面白いとは限らない
ただ言えることはこのスレの話はつまらない
たぶん
>>365は文弱なんだよ
じゃあおまえがお手本を見せてみろ。
このスレを応援しているワケじゃないけど、
>>366 みたいなヤツは存在そのものが害悪だ。
>>367 俺は本スレで作品投下してあるから探してみ?
ヒントはサヨックおじさんな
>>368 そっかそれは残念なお知らせだった。
いままで比較的楽しみにしてたんだが、これからはあのスレを読むときに
こんなゲスの書いた作品かも知れないと頭をよぎることになるんだな。
作家の人格と作品は別物だけど、
>>366 みたいなことをやるヤツの人格は永久に認められんな。
370 :
マンセー名無しさん:2009/09/23(水) 21:17:27 ID:qpk9/gJ6
>370
具体的にどの作品が左翼擁護なの?
>364
全然面白いと思わないけど、ここは坂田の隔離スレだから仕方ない。
隔離スレで仕方ないなら、こなけりゃいいじゃん。
隔離スレにわざわざ来てなに言ってんのおまえ?
ID:qpk9/gJ6
つまらないと書いただけでゲス呼ばわりするなんて、
とんだ翼賛スレですねw
そう書いた「だけ」が問題なんだ。そうなんだ。w
おまえも日本人の端くれなんだろ? だったらその安い挑発なんとかしろよ。
大人の日本人がそんなので本気で悔しがると思うのか?
そもそもニホンちゃんは左翼擁護とかなに言ってんの?
右の言い分が正しい時も、左の言い分が正しい時もあるのが当たり前なんだから、
是是非非に決まってるじゃん。
右翼は常に正しくて、左翼は常に間違ってると思ってんなら、もう少し世の中見た方がいいぞw
ひょっとして自分宛?
自分はそんなこと一言も言ってないが?
言ってたなら例示してくれ。そうでなかったらいい加減黙るよ。邪魔だろうし。
アンカーつけてないと、誰に発したレスかどうかも判らないのかよ。
安い挑発とやらに半日以上噛みついて、いい大人が御立派な事ですw
うん。わかった。おまえがどういうヤツかってコトが。
朝鮮人と変わらんぞ。
やっすい認定だな。
鮮人扱いすれば相手にダメージ行くと思ってんのか?
「うにょうにょ」
あまりにも目立たないことではクラスでトップクラスと言っても
いいカナディアン君ですが何とそのカナディアン君が皆を自分の
お家に招待してきました。
「カナディアンの家って何処だったかしら」
「確かアメリー君のお家のすぐ側だったと思うけれど」
同じタイヘイ池のメンバーの筈のタイワンちゃんやニホンちゃん
ですら知らなかったりします。それはカンコ君も同じであったり
します。
「そういえば何回か行ったことがあるような気がするニダ」
「ってあんたチョゴリちゃんにしろあんたにしろ結構勉強とかを
しに行ってるじゃない」
「それはそうニダが」
タイワンちゃんからの突込みにも今一つはっきりしないカンコ君
であります。
とりあえずメンバーはこの三人にアメリー君とチューゴ君がいま
す。あとイン堂君もいます。
「何か皆嫌な予感がするって言ってこないんだYO」
「確かに僕も嫌な予感がするあるが」
「まあどうとでもなるよ」
イン堂君だけ実に落ち着いています。
「それはそうとカナディアン君の家って何処なんだろうな」
「実は僕も知らないんだけれどな」
何とお隣の筈のアメリー君も知らなかったりします。そんな状況
でしたがそれでも何とかカナディアン君の丸太作りの家に着きま
した。チャイムを鳴らすとすぐにカナディアン君が待っていまし
たとばかりに皆を出迎えてお家の中に案内してきました。
「いやあ、待ってたよ本当に」
「そんなに皆が来たことが嬉しいの?」
「そうなんだ。実はね」
ここでカナディアン君が何か言おうとしたらでした。いきなり上
から何か細長いものがぼたり、と落ちてきました。それも家の中
なのにです。
「んっ、何今の」
「何か落ちたニダよ」
タイワンちゃんとカンコ君がすぐにそれに気付きました。
「細長いものだけれど」
「紐ニダか?」
「紐じゃないんだ、これが」
カナディアン君は暗い顔になって皆に話してきました。皆そのを
聞くのでした。
「実はね。今僕の家は人間以外で一杯一杯なんだ」
「人間以外って何なんだYO」
「お化けでもいるあるか?」
「それがね」
アメリー君とチューゴ君に答えようとしたその時でした。また上
から何かが落ちてきました。それはカナディアン君の頭上に落ち
たのですが。それは。
「カナディアン君、それって」
「うん、そうなんだ」
ニホンちゃんはその細長いうにょうにょ動くものを見て顔を真っ
青にしてしまいました。何とそれは。
「蛇がね。出て来てね」
「蛇って・・・・・・」
気付けばです。皆の周りには無数の蛇がうにょうにょと蠢いてい
ます。床にも壁にも窓にも天井にもテーブルの上にも。至る場所
が蛇だらけです。
「な、何よこれ」
「御前の家は蛇の巣になったニダか?」
「蛇を養殖したら増えちゃってね」
ニホンちゃんと同じく顔を真っ青にさせてしまったタイワンちゃ
んとカンコ君に対して答えるのでした。
「それでもう家の至る場所がね」
説明するその側から蛇達がぼたぼたと落ちてきます。そしてそれ
ぞれ絡み合いうにょうにょと動き舌を出し。挙句には皆の身体に
よじ登って蠢いてきます。
「お、おいちょっと待て」
「幾ら何でもこんな話は聞いていないあるぞ」
流石のアメリー君もチューゴ君も全身をキングコブラが巻いてき
ましたので怖くて動けません。他にもサンゴヘビやヒャッポダ、
ハブにサイドワインダーと怖い蛇がオールスターです。しかも数
が半端ではありません。
カンコ君は全身蛇だらけになっています。これには彼も白目をむ
いて口から泡を吹いています。ニホンちゃんとタイワンちゃんも
その白い足に無数の毒蛇が絡み付いてきていまして。
「今ちょっとでも動いたら」
「噛まれるわよね」
皆蛇に絡まれて身動き一つできません。カナディアン君もそれは
同じです。
「皆、どうしたらいいかな」
「どうしようもねえYOこんなの」
「今まで生きた中で屈指の恐怖体験あるぞ」
この二人ですらそうなのです。あまりにも恐ろしい今の状況にも
う皆どうしようもありません。そう、一人を除いて。
こんなSS面白いと思ってる奴は頭が悪いか
それともリアルで精神疾患持ちぐらいじゃねえ?
ここでイン堂君が何処からか笛を取り出してきました。そうして
笛を吹くと。蛇達は皆から離れて一つの場所にまとまりだしまし
た。彼が窓を開けてそこから吹くと家の全ての蛇達がそこから出
てしまいました。
「蛇使いの笛を使ったんだ」
「うん、そうなんだ」
イン堂君の得意技がここで出ました。それで皆を救い出したので
した。こうニホンちゃんに対して答えるのでした。
「よかったよ、おかげでね」
「ええ、それにしても」
「ほっとしたニホンちゃんはここで言います。
「もうこんな目には二度と遭いたくないわ」
「全くよ。そりゃあたしの家だって蛇は多いけれど」
「ショック死するニダ。冗談抜きで何処をどうやったらこんなに
蛇が多くなるニダ」
「しかも毒蛇ばかりよ。危ないどころじゃねえYO」
「今度はから蛇を増やすことは止めるあるぞ」
皆まだ真っ青になっている顔でカナディアン君に対して言います。
流石に今回は彼に対してかなり強く注意します。
「ちょっと観光にいいかなって思ったんだけれどね。蛇が多かっ
たら皆興味を持って来るかなって」
「そのうち噛まれて死ぬわよ」
ニホンちゃんは真剣な顔でカナディアン君に注意します。
「毒を持ってる蛇だって多いんだし」
「そうだよね。それに他に」
「他に?」
「こんなのもいるしね」
ここで出て来たのは何と。二十メートルを超えるアナコンダでし
た。これは一匹でもかなり怖いです。
「ど、何処をどうやったらこんな巨大な蛇が出て来るんだYO!」
「伝説上の生き物あるか!」
アメリー君もチューゴ君も目を大きく見開いてその髪の毛を逆立
てています。
「早く何とかしろおい!」
「本当に一口あるぞ!」
「だよねえ。どうしようかな」
「ってカナディアンもう飲み込まれだしてるじゃない!」
「に、逃げるニダ!食われるニダよ!」
「カンコ君、そこからまた一匹巨大アナコンダ出て来たわよ!」
「しょうがないなあ。また僕がここは笛で」
最後もイン堂君頼りでした。かくして皆カナディアン君に対して
二度と蛇を育てないように注意したのでした。誰もが蛇には懲り
懲りになりました。
392 :
マンセー名無しさん:2009/09/24(木) 23:29:24 ID:lmHNxeOP
「アメリー家の伏兵」
今日も誰かの家でお呼ばれ、明日の誰かの家でお呼ばれ、何
かと誰かの家で遊ぶことの多い五年地球組の面々ですが今日
はアメリー家で楽しく遊んでいます。何といってもクラスで
一番の子ですしそのお家も町内で物凄い力があります。です
から彼と表立って仲の悪い人達以外は皆来ています。
「やっぱりアメリー君家が一番色々あるわね」
「そうよね」
タイワンちゃんとニホンちゃんがコーラとハンバーガーを片
手にあれこれと話をしています。
「食べ物は癖があるけれど一杯あるし」
「飲み物もだし」
味は満足できないこともありますがとにかく何でもたっぷり
とあるので皆そのことに満足しています。
その中で皆ダンスとか音楽も楽しんでいます。けれどその中
で食べ物をガツガツと食べていたカンコ君が。何か黒くて小
さい蜘蛛が手についているのに気付きました。
「?何ニダこれ」
その時は別に何とも思わずに払おうとしました。ところがこ
こでその蜘蛛がいきなり。
払おうとしたその手の指を噛んできたのです。カンコ君はそ
れで少し痛いと思いましたが結局その蜘蛛を払ってしまいま
した。しかしそれを見た当のアメリー君がここでカンコ君に
対して言うのでした。
「おいカンコ」
「何ニダ?」
ここで彼が言った言葉とは。
)\( (ヽ ( (\γ/レ//ノlノlノ)__
)\ (ヽ \、,》) 《 ( ノ ノ ノ
ノ / ' 》 》 ミ ゝ
ノ (( 巛 《《 ) lll ゝ
~( ノ (川 ) ) ) ヽ)
ノノ 彡 ノ ヽ )) ノノ )ノ )ノ)ν
ノ ノノ 》)》 νν■■■/
< 川/⌒> ノ <(タ) ,(ゝ
)( )) || | ⊂\ | ヽ
ノ( (( (~ ヽ| ヽ
(( 川 \\ ~、|| , >
ノ |`ー´ (~ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ノ) ノノ (( 」 | ・/ < おまえはもう氏んでいる
< 」 | /) \___________
((( ( (ゝ | <
((ヽ((vV 、_ ヽ
/ :  ̄ー、_)
⌒ 彡ヾ\ ;: : |⌒⌒ー、
彡ヾ\ ;: : | ⌒ヽ
彡彡ヾ\ ;: <⌒⌒ー、_
声:神谷明
こうでした。いきなりそう言われたカンコ君、まずはその目
を思いきり顰めさせて言うのでした。
「どういうことニダ?一体」
「今御前を噛んだ蜘蛛な、クロゴケグモっていうんだよ」
その蜘蛛の名前をカンコ君に話します。
「猛毒の蜘蛛でな。うちの家じゃ毒蛇よりずっと恐れられて
いるとんでもない蜘蛛なんだよ」
「ニダッ!?」
そう言われてカンコ君まずはあんぐりです。その口を物凄く
大きく開けてしまいました。
「毒蜘蛛ニダか!?じゃあウリは」
「本当にそのままじゃ死ぬかもな」
アメリー君は実にあっさりと言うのでした。
「まあ安心しろ、今は」
「た、大変ニダーーーーーーーーッ!!」
死ぬと言われたカンコ君、アメリー君の言葉をよそに大騒ぎ
になりだしました。
「早く何とかしないとウリが死ぬニダ!皆どうしたらいいニ
ダか!」
「安心するある。今から漢方薬を調合するあるぞ」
「ちょっと待ってなさいよ」
狼狽することしきりのカンコ君に対して最初に助け舟を出し
てきたのはチューゴ君とタイワンちゃんでした。
「ちゃんとそういう解毒剤も作れるある」
「ちょっと待ってなさいよ」
「そうニダか」
カンコ君はそれを聞いてまずはほっとしました。けれど二人
はここで言うのでした。
「まあ三日は待つよろし」
「その間寝ていて」
「三日もあったらその間にウリは死んでしまうニダ」
流石にそれだけかかればお話になりません。カンコ君は二人
の申し出は断らざるを得ませんでした。
「漢方薬は駄目ニダ。どうするニダか」
「大丈夫だカンコ」
今度はウヨ君が出て来ました。
「そういう場合はだ。傷口を切ってそれで毒の侵攻を防ぐ。
荒療治だがこれがいい」
「傷口をニダか」
「少し痛いが我慢しろ」
言いながらいつも持っている刀を抜いてきました。そうして
その刀をカンコ君の噛まれた方の手の肩に当てて。
「このままばっさりといけばいいからな」
「・・・・・・待つニダ」
ウヨ君の100%本気の目を見てすぐに止めたカンコ君でし
た。
「切ったらそれでウリの手は」
「それでも御前は助かる、安心しろ」
「安心しないニダ。そうなったらそれはそれで大変なことニ
ダ、絶対に駄目ニダ」
「そうか、ならいいが」
「当たり前ニダ、御前は一体何を考えているニダ」
流石に今回ばかりはカンコ君の言うことの方が正しいと言え
ました。
けれど騒いでいる間にも毒は身体の周りに集まってきます。
ニホンちゃんはさりげなくカンコ君にオオバコを食べさせて
います。けれどこれも。
「薬草も効かないニダ」
「駄目なの、やっぱり」
「このままでは本当に死んでしまうニダ」
カンコ君はいよいよ焦ってきています。
「どうしたらいいニダ?ウリはこのままじゃ」
「だからな。ほら」
ここでアメリー君がカンコ君のその噛まれた方の手を注射
でブスリとしました。それで一気にお薬を入れるのですた。
「これで大丈夫だからな」
「これでニダか?」
「血清だからな。暫く安静にしてれば大丈夫だ」
注射をしたうえでカンコ君に対して言います。
「全く。人の話は聞け」
「そうだったニダか」
「大体確かに下手をしたら死ぬけれどな。そうそう死ぬ
わけでもないから安心しろ」
そのうえでこの蜘蛛のことをカンコ君に説明するのでし
た。
「確かに毒は持ってるけれどな。一番問題なのは毒があ
るから、噛まれたからって焦ることなんだよ」
「うう、確かにその通りニダ」
アメリー君の正論の前にカンコ君は言葉もありません。
「そうだったあるか」
「てっきり物凄い蜘蛛って思ったけれど」
チューゴ君もタイワンちゃんもここでそのことをようや
くわかったのでした。
「案外怖くないのあるな」
「本当に死ぬって思ってたけれど」
「わざわざ腕を切り落とす必要もなかったんだな」
「・・・・・・御前は冗談抜きにもう少し安全な方法を
考えるニダ」
珍しいカンコ君の突っ込みがウヨ君に炸裂します。
「本当に腕を切ってどうするつもりだったニダか」
「生えるだろ、御前の生命力なら」
「ウリをプラナリアみたいに言うなニダ」
確かにプラナリア並の生命力を持っていますがだからと
いって切られるつもりもないカンコ君でした。当然と言
えば当然のことです。
「とにかく助かったからいいニダが」
「そういえば最近わたしの家にもこれに近い蜘蛛がいる
けれど」
ニホンちゃんはふとこのことを思い出しました。
「まず大騒ぎするよりどんな蜘蛛なのか勉強してわかっ
てそのうえで冷静に対処するべきなのね」
「そうだよ。まずは焦らないこと」
アメリー君もこのことを真面目に言うのでした。
「焦ったら取り返しのつかないことになるからね」
「そうよね、本当に」
「全くある。それを思えば今回の騒ぎは」
「いい勉強になったわね」
チューゴ君もタイワンちゃんも頷くことしきりです。
「俺も騒ぎ過ぎだな」
「当たり前ニダ。もっともウリが一番騒いだニダが」
ウヨ君とカンコ君は反省することしきりでした。楽しい
パーティーの中での一幕でした。
405 :
マンセー名無しさん:2009/09/26(土) 23:37:15 ID:8PkfSIXE
このセアカゴケグモもマスコミが煽ってるっぽい?ので気になったので書きました。
とりあえず蜘蛛の毒は蠍に比べたらましっぽいようです。
変な奴が棲み付いちゃってるな
毒が問題ではなく、外来種であり定着してしまったことが問題なんだがな
「助っ人まふゆちゃん」
「いいや、駄目ダス」
「絶対あかんに決まってるやないか」
今日もオージー君とニュージー君のタッグがニホンちゃんと
いがみ合っています。この二人は最近あるお魚のことでニホ
ンちゃんと対立しているのです。
「絶対に食べるわ。緑豆君が来てもね」
「そう言うダスか?なら本当にこっちもやるダスよ」
「緑豆呼んで三人で邪魔したるで」
「それならこっちだって」
ニホンちゃん普段と違います。何か今にも刀を抜きそうな程
です。皆それを見て顔を青くさせます。
「まさかニホンちゃん本当に」
「あの二人だと絶対に適わないわよ」
クラスの皆はニホンちゃんの実力をよく知っています。身体
は細くても力は物凄いですしスピードもあります。技のキレ
はその二つよりも凄いです。一言で言うと物凄い強さなので
す。その彼女が切れるとなると。
「血の雨が降るぞ」
「どうしよう」
緑豆君が来ても同じです。三人分の棺桶が必要なのかも、と
まで思う人すら出ていました。その時でした。
「ねえニホンちゃん」
「どうしたの?」
二人に今にも何かを仕掛けそうなニホンちゃんに声をかけて
きたのはまふゆちゃんでした。ニホンちゃんはここで一気に
冷静になりました。
「お魚の肉なら私が持ってるけれど」
「えっ、そうなの」
「よかったらね」
それでニホンちゃんにさらに言うのでした。
「売ってあげようか?」
「えっ!?」
まふゆちゃんのこの言葉を聞いて驚いたのはニホンちゃんだ
けではありませんでした。
オージー君とニュージー君もです。二人も今のまふゆちゃん
の言葉を聞いて驚きの声をあげたのです。
「ど、どうしてダスか?」
「何であんたがニホンちゃんに売るねん」
「いいじゃない、私だってあのお魚食べてるわよ」
まふゆちゃんはニホンちゃんのすぐ隣に来て二人に対して言
うのでした。何時の間にか二対一から二対二になっています。
このこともオージー君とニュージー君にとっては計算外のこ
とでありました。
「それで何で私には何も言わないの?」
「うっ、それはダスな」
「まあ何ていうかや」
こうまふゆちゃんに言われると急に口ごもってしまう二人で
した。けれどまふゆちゃんはさらにオージー君達に対して言
うのでした。
「まさかと思うけれどニホンちゃんがアジア丁の人で私が欧
州丁の人だからってことじゃないわよね」
「えっ、まさかと思ったけれど」
「あんた達」
これを聞いたクラスの皆の目の色が一変しました。そうした
考えはクラスでは一番嫌われることだからです。今ではそう
なっているのです。
「ニホンちゃんがアジアだからって」
「若しそうだったら」
「ち、違うダス」
「それは誤解やで」
二人も慌てふためいた顔で皆に言い繕います。若しそういう
考えの人ということになれば二人は明日からクラスの除け者
になってしまうからです。
「ワス達はあくまでダスな」
「その、あのお魚を大切に思ってや」
「けれど私には何も言わないじゃない」
まふゆちゃんの突込みは容赦がありません。まさに氷の冷た
さで二人に突き刺さり続けています。
「それだったらニホンちゃんが採って食べても文句はないわ
よね。そうね」
「うう、そ、その通りダス」
「そやったら」
こうして二人は遂に敗北を認めました。こうしてまふゆちゃ
んはニホンちゃんにそのお魚を売ることになったのです。
この言い合いの後でニホンちゃんはそっとまふゆちゃんのと
ころに来て。こう言うのでした。
「有り難う、助けてもらったしおまけにあのお魚まで売って
くれて」
「いいのよ」
まふゆちゃんは二人に向けたものとは正反対の穏やかな笑み
でニホンちゃんに応えました。
「だってね」
「だって?」
「お魚食べるのもあれじゃない。それぞれのお家の大切なな
らわしじゃない」
「ええ」
それだというのです。ニホンちゃんはまふゆちゃんのその言
葉を大きな黒い目をぱちくりさせながら聞いています。
「私のお家だってあのお魚食べるんだし」
「あとノルウェー君もよね」
「あの二人は私やノルウェーには言わないのにニホンちゃん
にだけ言うじゃない。あのことが前からおかしいって思って
いたのよ」
こうも言うのでした。彼女も思うところがあったのです。
「それに」
「それに?」
「ニホンちゃんあの時あの二人に向かおうとしていたじゃな
い」
このこともニホンちゃんに対して言うのでした。ニホンちゃ
ん自身のことをです。
「あれも見てだったのよ。私がお魚を売ってあげようって思
ったのは」
「わたしがオージー君とニュージー君の言うことに反対した
からなのね」
「前のニホンちゃんだったら何も言えなかったじゃない」
今よりもずっと気の弱いニホンちゃんだったらということで
す。確かにその時のニホンちゃんだったら無理だったでしょ
う。けれど今は。
「それでも。言ったから」
「それでなの」
「自分を出していいよ。見ている人は見ているからね」
「うん」
まふゆちゃんのそのとても温かい言葉に満面の笑顔で頷く
ニホンちゃんでした。二人の間に今ささやかな友情が芽生
えたのでした。
417 :
マンセー名無しさん:2009/09/28(月) 23:39:00 ID:93IZm2+s
「元気ですかーーーーーーっ!」
日之本家には恐ろしいことに誰をビンタしても絶対に問題に
なったりしない人がいます。恐ろしいことですがそうした人
が本当にいたりするのです。
それどころか。皆ビンタされて喜んでいます。
「有り難うございました!」
「気合い入れてもらいました!」
感謝すらしています。男の子が主にビンタされますがそれで
も皆このようにその人に感謝の言葉を述べます。
「あの人にならな」
「ビンタされて光栄だよ」
皆その顔に物凄い赤いビンタの跡を貰って喜んでいます。
そんな人がいる日之本家ですがある日お家の前に。こんな看
板が出ていました。
『コスチューム指定自由。ニホンちゃんが彼女になってくれ
ますよ』
完全に危ないお店の看板です。けれど本当にこんな看板が出
ているのでした。
「ニホン家ってこんなに困ってたのかな?」
「流石にこれは危ないんじゃないの?」
皆首を傾げるどころではありませんでしたがそれでも興味が
出たのも事実です。しかも男の子だけでなく女の子まで出入
りできるというのです。
「それでしたら」
「ものは試しですわね」
まずは町内きってのプッツンお嬢様コンビエリザベスちゃん
とフランソワーズちゃんが名乗りをあげます。そうしてお家
の入り口でコスチュームを指定します。
「そうですわね。ここは」
「BASARAですわ」
「あとは金色夜叉ですわね」
「それとライフ」
「こっちは女同士ですわよ」
二人はそれにすることにしました。ニホンちゃんのコスチュ
ームをBASARAに指定して中に入りますと。お部屋にあ
の軍神の格好をしたニホンちゃんが待っていました。
「よくぞいらっしゃいました(声:朴路美)」
声まで似せてニホンちゃんが出て来てくれました。もうそれ
だけで二人はうっとりです。
「素晴らしいですわ」
「何て凛々しいこと」
どうやらこの二人はこのキャラがお気に入りみたいです。そ
うして早速ニホンちゃんと交際するバーチャリリアルティに
入るのでした。
「今までよくぞ頑張ってくれました、我が剣よ」
「いえ、ニホン様」
「わたしくしはただニホン様の為を思って」
周りに薔薇が咲き誇り実に宝塚な光景が繰り広げられていま
す。そうして日之本家の砂浜やそうした場所を回り続いては。
「ええい、駄目だ!」
「そんな・・・・・・」
「あんまりですわ」
今度は金色夜叉です。エリザベスちゃんもフランソワーズち
ゃんも学生服にマント姿のニホンちゃんに邪険にされて泣い
いる演技を楽しんでいます。何だかんだで二人共かなりMな
のかも知れません。Sでありながら。
そして最後はライフです。今度はプラットホームでミニの制
服姿のニホンちゃんを必死に抑えて。
そのうえで平手打ちです。完全に絵になっています。そうし
て女同士を楽しむのでした。
気付けば楽しい時間は終わっていました。二人は完全に恋人
同士になって楽しみました。実に堪能したのでした。
「これはいいですわね」
「また行ってみますわ」
「是非共」
二人の話を聞いてそれで皆こぞって行ってみることにしまし
た。ウヨ君やニホンママさん、アイヌちゃんにリューさん、
それにニホンパパさんと様々な相手とシチュエーションを楽
しむことができるようになっていました。本当に一歩間違え
ると怪しいお店です。
「ええと、スクールウォーズに仮面ライダーにエヴァンゲリ
オンにエースをねらえに暴れん坊将軍に」
「本当に色々なシチュエーションと格好があるんだな」
皆そのことに驚いてすらいます。鏡の世界の中で幸せになり
たかっただけなのに、と恋人を覗きながら消え去ったり上様
に祝ってもらったりもう何でもありです。ないのは本当に危
ないお店のシチュエーションだけです。
そしてその中で男の子達が行くのは。あの人のところでした。
「僕あのホーガン戦で!」
「俺はアリ戦!」
そのビンタをしても許される人のところに殺到するのでした。
皆どんどんその人のところに並びます。
「ダーーーーーーーーッ!」
「元気があれば何でもできる!」
この人はこんなことを言いながら男の子達に延髄斬りに卍固
めを決めそしてビンタをします。最後の最後のこのビンタが
最も人気がありました。
「有り難うございました!」
「また来ます!」
町中の男の子達が満足して帰って行きます。中にはニホンち
ゃんのビンタを受けたいという男の子もいます。
「馬鹿っ!」
彼女という設定のニホンちゃんにもバシーーーーーンと叩か
れて。両方の頬に跡をはっきりとつけて帰るのでした。
「いやあ、あの人だけでなく彼女って設定のニホンちゃんに
ビンタされるって」
「この世の極楽よ」
「あたしまた行くわよ」
「ウリもニダ」
何気にタイワンちゃんとカンコ君もニホンちゃんのビンタを
受けて御満悦です。カンコ君に至ってはあの人のビンタまで
受けています。
「じゃあ明日もね」
「行くニダ」
こうしてニホンちゃんのお家はかなり稼いでいました。とこ
ろがそんなある日。
ヨハネ君が日之家に来たのです。そうして厳かな声でお家の
皆に伝えました。
「できればこれで止めて欲しいのですが」
にこりとした顔です。けれどその後ろには上半身は屈強な裸
身をそのままにして不気味な黒い覆面を被った男の人達が並
んでいます。その手に得体の知れない不気味な道具まで持っ
ています。その人達を後ろに従えてニホンちゃん達に告げる
のでした。
「宜しいでしょうか」
「わかりました・・・・・・」
流石にヨハネ君に言われては日之本家の皆も頷くしかありま
せんでした。風俗上よくないとヨハネ君が思ったからです。
こうしてこのサービスは終わりました。皆そのことを心から
残念がりあの人のビンタだけで我慢するようになりました。
428 :
マンセー名無しさん:2009/10/01(木) 00:44:06 ID:f/elvQ2+
オリジナルっていうか捏造ですね。笑えます。
「ベトナちゃんの漫画好き」
最近ベトナちゃんは漫画に凝っています。時間があるといつも
何かしらの漫画を読んでいます。
漫画といえばニホンちゃんですがベトナちゃんが読んでいるの
もそのニホンちゃんのお家の漫画です。彼女がとりわけ凝って
いるのは。
「これなの」
「それなのね」
「ええ、この漫画が一番面白いから」
こう言って出してきたのはニホンちゃんのお家で昔から大人気
のネコ型ロボットの漫画です最早不滅の存在と言っても差し支
えのないものです。
「これ、面白いから」
「あとこの漫画も読んでるのね」
「ええ」
他には現代を舞台とした忍者漫画も読んでいます。それはウヨ
君が描いたものです。
「この漫画も。烈火と紅麗って」
「面白いでしょ。わたしはどっちかっていうよ紅麗が好きだっ
りするけれど」
「私も。格好いい」
今まで色々な辛いことがあったベトナちゃんはそうした過去が
あったキャラクターに感情移入するようです。その漫画も読ん
でいますがやっぱり一番のお気に入りはそのネコ型ロボットの
漫画なのでした。
「この漫画がやっぱり」
「一番面白いのね」
「とても。ほのぼのしてるし明るいから」
こう言いながら今も読んでいます。ニホンちゃんもその漫画を
覗き込んで読んでいます。
可愛い女の子が二人仲良くしています。そしてここでもう一人、
やって来たのは。
「ニホンさん、また漫画見て欲しいニダ」
「あっ、チョゴリちゃん」
それはチョゴリちゃんでした。彼女が描き終えた原稿用紙を持
ってきたのです。
見れば絵はかなり奇麗です。かなりニホンちゃんの絵柄に似せ
ている感じですが上手なことは上手です。ニホンちゃんがその
漫画を読んでみると。
「何かストーリーが前と同じじゃないの?」
「そうニダか?」
「ええと、これ武士かしら」
見ればウヨ君そっくりの男の子が出ています。その男の子がこ
れまたチョゴリちゃんそっくりの転校生に一目惚れして。
その娘がカンコ家の女の子だったので日之本家の男の子はそれ
こそ必死にカンコ家の言葉を勉強してその娘に告白する。そう
したあらすじです。
「前は確か」
ニホンちゃんはその漫画を読みながら思い出すのでした。
「わたしそっくりの女の子が主人公でカンコ君そっくりの男の
子に告白する為に」
それでカンコ家の言葉を勉強するというあらすじだったのです。
その前の漫画も大体において同じあらすじでした。
「そうだったような」
「気のせいニダよ」
けれどチョゴリちゃんはにこりと笑ってそれを否定するのでし
た。
「ウリは別にニホンさんやウヨ君をモデルにはしていないニダ
よ。それは完全に気のせいニダ」
「そうなの」
そう言われても今一つ、いえ二つは信じられないニホンちゃん
でした。
そして今もベトナちゃんが読んでいる漫画を見て。チョゴリち
ゃんは言いました。
「ウリナラに似たようなのがいるニダが」
「トンチャモンだったわよね」
「前から気になっているがあれは何ニダ?ニホンさんもベトナ
さんも知ってるニダか?」
「知らないわ」
まず答えてきたのはベトナちゃんでした。
「チョゴリちゃんもこのロボットが好きなのかしら」
「それは好きニダが何か違うニダ」
チョゴリちゃんは首を傾げさせてベトナちゃんに答えました。
「何で色が青でないのかそれがわからないニダ。オレンジのネ
コ型ロボットなんていたニダか?」
「一応チューゴ君のお家にいるのがそれ?」
何かネコ型ロボットは他のお家にもいるみたいです。今度はニ
ホンちゃんが考えながら言いました。
「オレンジだったわよね。アメリー君のところにいるのが黄色
でブジリー君のお家にいるのは緑色で。確かそうだったと思う
けれど」
「ネコ型ロボットはあちこちのお家にいるニダか」
「けれどチョゴリちゃんのところにはずっといるのよね」
このことがかなり謎めいているのです。
「それがよくわからないけれど」
「兄さんはネコ型ロボットはウリナラ起源って言ってるニダよ」
それはいつものことです。
「あれはいつものあれニダか?」
「そうだったと思うわ。他にもフランソワーズちゃんのお家に
怪盗のロボットもいるけれど」
「何が何かわからないニダ」
チョゴリちゃんは本当に頭がこんがらがってしまいました。ど
うも自分のお家にいるロボットはニホンちゃんのお家の公式の
ロボットではないみたいでしかも他にも一杯ロボットがいると
わかったからです。
「けれどまた漫画は描かせてもらうニダ」
「ええ、またね」
とりあえずそのお話とチョゴリちゃんの漫画のことはそれで一
件落着でした。そしてそのうえで。
チョゴリちゃんはあらためてベトナちゃんが読んでいる漫画を
見てみました。そのネコ型ロボットの漫画です。
「やっぱりニホンさんのお家の漫画の中でもこれが一番面白い
ニダ」
「そうね」
ベトナちゃんもチョゴリちゃんの今の言葉にこくりと頷きます。
そのうえで今度は三人でそのネコ型ロボットの漫画を読むので
した。それはやっぱり面白いものでした。
439 :
マンセー名無しさん:2009/10/02(金) 23:55:58 ID:U+Fkbb65
で、このgdgdの垂れ流しっていつまで続くの?
多分熱血君が死ぬまで永遠に続く。
>>395とかの流れ見て、ID:TMnWISKsとかはゲラゲラ笑ってんの?笑ってんの?
ある意味そのセンスに脱帽だわ。
>>440ー441
ヲチでやれ。
ここはネケツのステージ。
観客は舞台に上がっちゃダメだろ。
この人熱血君て言うの?ヲチスレってどこ?
「一応チョゴリちゃん」
ウヨ君が作っている同人ゲームでかなり人気のものがあります。
学校の有名な人がそれぞれキャラクターになって戦うゲームで
これはもう昔から大人気です。
「僕のサマーソルトを浴びて吹き飛ぶんだね。クーロイやパツ
キンも出ていたりするよ。パツキンの奴は兜被ってるけれさ」
「僕の暗殺拳の切れ味は1から健在あるよ。香も出ているある
から見るよろし。当初は僕が女装してたあるが」
「わたしはまあセーラー服着てるけれど。どっちかっていうと
武士が主役のゲームだし」
「俺はやっぱりスクリューパイルドライバーだよな。あれを決
めるのが一番気持ちいいんだよ」
こういう顔触れです。
他にはフラメンコ先生が忍者で出ていたりタイラン君がスキン
ヘッドと片目になっていたりします。とにかく色々なキャラに
なって出ています。
ところがここで一人出ていない人がいます。それもお家単位な
ので不満爆発です。
「なじぇウリが出ていないニダ!」
カンコ君は新作が出る度に怒りを爆発させていました。
「餓狼○説やキング○ブファ○ターズやフ○イターズヒス○リ
ーでは出ていたのになじぇストリ○○ファ○ターでは出ないニ
ダ!よく見たらウヨはマッス○ボマ○にもウリもチョゴリも出
していないニダ、これは差別ニダ!」
カンコ君はいつもの如く猛抗議をします。
「思えばウヨはサムライ○○リッツや月○の剣○でもウリ達を
出していないニダな。アメリー君やチューゴ君だけでなくフラ
ンソワーズやゲルマッハまで出しているというのにこれは差別
ニダ」
「御前さっきから全然伏字になってねえじゃねえかYO。あと
ワール○ヒーロ○ズにも御前出てねえだろ」
「しかも最後の二つはあれでもかなり強引だったあるぞ。フラ
ンソワーズも強過ぎたあるぞ」
その横からアメリー君とチューゴ君が呆れ果てた顔で突っ込み
を入れます。しかしそれでも彼に付き合ってあげるのでした。
「ええと、御前テコンドーだよな」
「そうニダ」
アメリー君の問いにはっきりと答えるカンコ君でした。
「ウリが出て来る時はこれニダ。というよりかはこれ以外で出
た記憶がないニダ」
「鉄球を振り回して爪を使っていたことはあったあるな」
チューゴ君はこのことを突っ込みます。
「今回はそれはなしあるか」
「やっぱり脚メインでいきたいニダ。あの二つの役はどうもイ
ロモノ過ぎたニダ」
あまりにもイロモノで完全にお笑いになっていました。カンコ
君としても不本意だったのです。
今度はロシアノビッチ君が尋ねます。出て来るとまずレスラー
である彼が。
「で、力はいいのかよ」
「それより技とスピードニダ」
カンコ君はテコンドーらしくそれを求めるのでした。
「それで一気に攻めていきたいニダ。いつもみたいな調子で」
「やっぱり一撃でどかっと減らすのがいいんだけれどな」
さりげなく自分の好みを言うロシアノビッチ君でした。
「じゃああれか。毒霧吹いたり爪で回転したりとかいうのは
駄目か。俺としちゃ魔法使うのもありだけれどな」
「それはロシアノビッチ君のワ○ルドヒ○ローズでの役では
ないニダか?」
カンコ君ゲーム、それもニホンちゃんのお家のゲームにはや
けにくわしいです。こうした子はクラスに絶対に一人はいま
すけれど。
「そうではなくて正統派ニダ。一作だけ出てそれで以後隠れ
キャラになってるようなのじゃなくて餓○伝説やキング○ブ
フ○イターズの時みたいにずっとレギュラーでいられるキャ
ラがいいニダ」
「だから全然伏字になってねえぞおい」
「モロバレあるぞ」
ここでまたアメリー君とチューゴ君の突込みが入ります。
「それによ。一作だけでもあの髭の親父さんはすげえインパ
クトあったろうがYO」
「娘の応援に毎回来てくれたり時空を超えて友情出演までし
てくれる素晴らしい人あるぞ」
二人にしてもニホンちゃんのお家のゲームにやけに詳しいよ
うです。男の子だからでしょうか。
「何ならあれするか?トランクス一枚で闘うハチマキバカ」
「ウヨのキャラの一つあるが主役の一人あるぞ」
「ああ、あれな。御前よくトランクス一枚になるしケツ出し
たりするからぴったりじゃねえか」
「あいつは却下ニダ」
こう言ってアメリー君とチューゴ君とロシアノビッチ君のア
ドバイスを退けるのでした。
「あくまで正統派キャラニダ。何ならチョゴリを使ってもい
いニダよ」
「ああ、チョゴリちゃんか。それもいいな」
「チョゴリちゃんだったら正統派キャラもいけるある」
「御前だったら二メートル七〇の身長に体重五十五キロでウ
エスト三十三センチのキャラとかにもなるしな」
何気にサムライのゲームではこんな無茶なキャラも出してい
たことのあるウヨ君でした。
「じゃあ決まりだな、チョゴリちゃんな」
「よし、では早速ウヨの奴に提案してみるある」
「感謝しろよ、俺達にな」
何はともあれ三人は好意でウヨ君に提案することにしました。
カンコ君はとりあえずはこのシリーズにもウリナラの人間が
登場できてホルホルでした。ところが。
実際に画面に出てきたチョゴリちゃんを見ると。何かが微妙
に違うのでした。
「・・・・・・何ニダ?これは」
「んっ、おかしいか?」
カンコ君に画面を見せるウヨ君がカンコ君に尋ね返します。
その画面に映っているのは。
何かが違います。上はブラだけでテコンドー着を着ていませ
ん。下にテコンドーのズボンです。しかしその顔といい髪型
といい。
「これは香ニダか?」
「チョゴリだけれど何かおかしいか?」
「名前もゲームのうえでの香に似ているニダ。とにかくその
顔がチョゴリじゃなくて香そっくりニダが」
「気のせいだ」
ウヨ君はきっぱり言い切ったのでした。
「俺も色々キャラ作ってるんだからな。そう見える時もある
だろ」
「いや、これは香ではないニダか?どうしてもそう見えて仕
方ないニダ。動きにしろ」
「気にするな、そんなこと」
しかしウヨ君は全く取り合おうとしません。
「ちゃんとチョゴリ出したんだからな。気にするな」
「いや、そうは言ってどう見てもチョゴリには見えないニダ。
これは訂正を要求するニダ」
「わかったわかった、出すまでにはなおしておくからな」
「本当ニダな?覚えておくニダよ」
「俺が覚えていたらな」
どうにもあまりやる気がなさそうなウヨ君です。
「やっておくからな」
「本当に本当ニダな。ちゃんとチョゴリにしておくニダよ」
かなり食い下がるカンコ君でした。果たしてウヨ君はちゃん
と訂正するのでしょうか。どうもあまりその気はないようで
すけれど。
454 :
マンセー名無しさん:2009/10/04(日) 23:52:15 ID:xoiSL2cl
「昔のニホンパパさん」
ニホンパパさんのお仕事は大学の学者さんです。とても優しくて
温厚でニホンちゃんにとってもウヨ君にとってもとてもいいお父
さんです。
そんなニホンパパさんですが今でこそ学者さんとして有名ですが
昔はもう一つ職業を持っていました。それは。
「えっ、またですか」
「そう。そこを頼むよ」
「けれど今何作も書いてるので時間が」
「君しかいないんだよ。だからね」
トウエイさんに頼まれてそのショーや紙芝居の脚本を書いていた
のです。むしろこちらが本職みたいでした。
「あなた、またなの?」
「うん、またなんだ」
こうニホンママさんにも答えます。
「また仕事が来たんだよ」
「今でも何本脚本頼まれてるの?」
「さあ。どの位かなあ」
本人ですらそれがわからない位頼まれて引き受けているのです。
そのうえでまた頼まれたのです。
「何か忍者ものとかライダーとかあるけれど」
「多いわね、本当に」
とにかく色々あって何が何なのかわからないまでの忙しさなので
した。ニホンちゃんもウヨ君もまだ小さかった時です。
それでもニホンパパさんは書きます。その前に景気付けにお酒を
一杯ぐい、とやってからです。
そのうえで書きはじめますが何と一本の脚本を僅か三時間で書い
てしまいました。物凄い速さです。
それからすぐに別の脚本を書きます。それを続けていきます。と
ころがその中でストレスが溜まってというかあまりにも書かない
といけない量が多くて。
「あなた、トウエイさんから原稿の催促が」
「親父が死んだって言っておいて」
まずは自分の親を死んだということにしたのでした。それで催促
から逃げようというのです。
その次は自分の兄弟で祖父母で人が次々にいなくなって。挙句に
はニホンママさんの御両親、つまり婿入り先の両親までもが。
「お義父さんが死んだってことにして」
「わしはまだ生きているぞ」
この頃は御存命だったニッテイさんが横から呆れて突っ込みまし
た。流石に今の言葉には唖然としています。
「君、幾ら何でもそれはないだろう」
「すいません、とにかく今仕事に追われていて」
「というか昨日も君の脚本のショーで今日も君の脚本の紙芝居を
観たのだが」
そんな有様でした。そして今度は。
「娘のさくらが死んだから」
「息子の武士が死んだから」
これが親の言葉です。とにかく催促に追われて周りの人をどんど
ん殺していって。奥さんもその中に入って遂には殺す人がいなく
なってしまいました。しかし催促は終わりません。
「流石カイグンさんの下にいただけはあるよ、あの人も」
「けれどあなた、もう殺す人がいないわよ。私も死んだしさくら
だって武士だって死んだし」
「困ったなあ、どうしようかな」
そしてニホンパパさんが採った最後の手段、それはもう究極の手
段でした。
「えっ、逃げたんですか?」
「はい、今何処にいるのか」
何と逃亡でした。ニホンパパさんは原稿の催促から逃げてしまっ
たのです。トウエイさんもこれには弱ってしまったのですがここ
でニホンママさんに言った言葉は。
「わかりました。ではお伝え下さい」
「はい、何と伝えればいいのでしょうか」
「死んでしまえ!とお伝え下さい」
こう伝言を頼んでそのうえで帰るのでした。けれどニホンパパさ
な逃走先でもちゃんと原稿を書いていました。何だかんだで書く
速さは物凄かったのです。
お酒を飲んでは書き飲んでは書き。そんな一種無頼な状況でした。
とにかく書いて書いて書きまくりました。
中でも忍者が出て来るものとライダーが得意で最期にリクグンさ
んやカイグンさんを思わせる姿を見せるヒーローが多くトウエイ
さんも満足していました。けれど勢いは何時までも続きませんで
した。
「流石にもうね。疲れたね」
「じゃあ脚本のお仕事は」
「もう止めようかな。大学の方も忙しくなったしさくらや武士も
大きくなったしね」
こうニホンママさんに言うのでした。
「それにまた子供が欲しくなったしね」
「あら、嫌だわ」
今の御主人の言葉に頬を赤らめさせるニホンママさんでした。
「三人目だなんて」
「だからね。もう脚本の仕事はね」
「そう。引退するのね」
「子供達には悪いって思ってるけれどね」
それでも引退したのでした。書いた量はかなり膨大でしたがその
引退は案外早いものでした。こうしてニホンパパさんは脚本家の
仕事を辞めました。
ニホンパパさんは脚本家を辞めました。けれどその脚本は今も子
供達の心を離しません。皆今もニホンパパさんの脚本による作品
を観ています。
「ところがどっこいライダーマンも生きていた!」
「やったあ!」
「生きていたんだ!」
この台詞を聞いて子供達はいつも狂喜乱舞するのでした。
「生きていたんだな!」
「本当に死んだと思っていたよ!」
ニホンパパさんのその脚本は今も生きています。そして生きてい
るのは脚本だけではありません。
464 :
マンセー名無しさん:2009/10/06(火) 23:34:36 ID:kFW9Dc+m
ニホンちゃんとウヨ君の二人が今脚本を書いています。この二人
もどっこい生きていたのです。というよりかはニホンパパさんが
強引にそういうことにしたのですけれど。
「じゃあシンケンはここでイエローとピンクを一緒にさせて」
「よっし!753だ!音也もここで出してだ!」
今は二人が日之本家のヒーローショーやお芝居の脚本を担当して
います。お父さんに代わって。
「僕の次は子供達が書くなんてね」
「血は争えないのかしらね」
「そうかもね」
そんなニホンちゃんとウヨ君を見て目を細めさせるニホンパパさ
んでした。とりわけウヨ君がニホンパパさんの血を濃く引いてい
るようです。
465 :
マンセー名無しさん:2009/10/06(火) 23:35:17 ID:kFW9Dc+m
「破壊神降臨」
その朝、一日は何事もなくはじまりました。そう、彼女が来る
までは。
「おはようございますですわ」
フランソワーズちゃんが登校してきました。しかし今日の彼女
は普段とは違っていました。どう違うかといいますと。
「ええと、今度はさ」
「何のファッションなのかな」
皆彼女の格好を見てとりあえずまたか、でした。まずその服で
すが昔のドレスです。みらびやかでフリルや刺繍も豪奢な見事
なドレスを着ています。
そして髪型、これが問題でした。何とその上に帆船が乗せられ
ているのです。アバンギャルドと言う言葉すらおこがましい有
様になっています。
「その船だけれど」
「海賊?」
「海賊ではありませんことよ」
フランソワーズちゃんは閉じられた扇子を右手に持ってそれを
お口に当てて優雅に述べました。
「これこそがファッションでしてよ」
「ファッションねえ」
「っていうかそれが」
皆まずは唖然でした。フランソワーズちゃんの訳のわからない
行動はいつもですがそれでも今回はかなり驚くものがありまし
た。
そのインパクト抜群の髪型を見て皆何と言っていいのかわかり
ません。批判できる領域を超えていました。
「どうでして、この素晴らしい髪型は」
「素晴らしい、ねえ」
「何ていうか」
皆唖然としたままです。そしてフランソワーズちゃんは皆のそ
の反応をこう解釈したのです。
「そうですのね。あまりにも素晴らしくて声も出ませんのね。
わたくしの美貌と合わさって」
「何処をどうやったらそう思えますの?」
かろうじて宿敵(とも)エリザベスちゃんがこう言い返すことが
できただけです。そしてこれははじまりに過ぎませんでした。
それからフラソワーズちゃんは派手なドレスにその訳のわから
ない髪型で毎日学校に来るようになりました。髪は小麦粉で真
っ白にしてしかもどんどんうず高くなって洒落にならない装飾
まで一緒につくようになりました。
その装飾がこれまた。
「ええと。お池なんだ」
「水車まであって」
「如何でして?」
皆が唖然としているのを賛美と受け取っているのは変わりませ
ん。この辺りが流石フランソワーズちゃんです。
「素晴らしいものでして?」
「ま、まあ」
「何ていうか」
何も言えない皆でした。
そして彼女の髪はさらに高いものになっていきある日。クラス
に入る時にその入り口を破壊してしまったのです。
「何ですの?この入り口は」
その入り口を普通に通っただけで髪で破壊してしまいおかんむ
りのフランソワーズちゃんです。
「こんなに脆いなんて」
「貴女の髪の毛の中には何が入っていまして?」
その上にまとめた髪だけで入り口を破壊してしまったフランソ
ワーズちゃんに目を点にさせながら尋ねるエリザベスちゃんで
した。
「何故入り口がこうも簡単に」
「壺を入れていますの」
フランソワーズちゃんは教室に入りながら憮然として答えまし
た。
「陶器ではなくて銀の。頭の上のお花の水の為ですわ」
「そうですの。銀の」
それで入り口を破壊したというのです。確かに銀ならばそれも
可能です。しかし銀です。かなり重いです。
「よくそんなものを頭の中に入れておけますわね」
「重いですわ、確かに」
フランソワーズちゃん本人もこのことは認めます。けれどです。
「ですけれどこれがファッションでしてよ」
「それがですのね」
「ええ。ですから」
やっているというのです。しかしです。
ここでその銀の重さで頭を揺らしてしまいました。すると。
「ぐわっ!」
「うわっ!」
フランソワーズちゃんの頭が動いたらそれだけでまさに丸太が
動いたのと同じです。その方角にいたクラスの何人かがそれだ
けで棒に叩き潰された様になってしまいました。
「えっ、どうしましたの!?」
「お、御前の髪が」
「何て威力なんだ・・・・・・」
打たれた皆はあまりもの衝撃にのびてしまいます。最早髪型で
すらなくなろうとしています。
そして頭をあげそこねてまたバランスを崩して。そちらにいた
人達も叩き潰してしまいました。
「あげっぱ!」
「いでぐ!」
皆奇声と共に吹き飛ばされます。フランソワーズちゃんは何と
か頭を起こそうとしてまたしてもバランスを崩してしまい。今
度は何とか体勢を途中で立て直そうと頭を回したから大変です。
皆を窓ガラスや机や椅子ごと吹き飛ばしてしまったのでした。
「うわあああああーーーーーーーっ!!」
「うわあああああって」
忽ちのうちに大惨事でした。フランソワーズちゃんは頭のバラ
ンスを崩しただけでクラスを阿鼻叫喚の地獄絵に変えてしまっ
たのでした。
この悪夢の後でフランソワーズちゃんは頭を完全に固定されま
した。それで大怪我を負った皆から言われました。誰もがその
頭や腕か足に包帯やらギプスやらをしています。車椅子やギプ
スをしている子までいます。
「もうさ、その髪型はさ」
「なしにしてくれないかな」
「迷惑ですのね」
「うん」
皆一斉にフランソワーズちゃんの問いに答えました。
「その通りだよ」
「だからね。止めてよね」
こうして皆フランソワーズちゃんの髪型を止めさせるのでした。
これで一件落着かといいますと。
「わたくし反省しましたのよ」
まずはこう言ったのですが。
「それで皆さんにも大人しめの髪型をと思いまして」
そう思って皆の髪型を強引に変えてきました。女の子も男の子
も髪型も格好も無理矢理ベルサイユの薔薇にされてしまったの
です。
皆強引にドレスやみらびやかな服以外には似合わない髪型にさ
れてしまった笑うに笑えません。というよりか泣いてさえいま
す。
「こんなんじゃラフな服着れないよ・・・・・・」
「っていうかお家の服なんてとても・・・・・・」
「おーーーーほっほっほっほっほっほ、やはりわたくし一人で
なくて皆さんと一緒なのが一番ですわ」
とりあえず大人しい髪型で高笑いするフランソワーズちゃんで
した。しかし皆がどう思っているかはわかっていないのがまさ
に彼女でありました。
476 :
マンセー名無しさん:2009/10/08(木) 23:18:56 ID:hFVJSCoA
「無理にでも」
パレス=シナ君のお家は最近になってやっと持つことができ
そうになったという状況です。まだ予断は許しませんがとり
あえずは、というところはです。
それでもまだ紫苑ちゃんがあれこれと介入してきたりして本
当にどうなるかはわかりません。それで彼が飼っていた縞の
鼠さん達も紫苑ちゃんの彼だけでなくお家への度重なる攻撃
の中でいなくなってしまいました。
「何で鼠まで攻撃するんだよ!」
「鼠!?そんなのいたの?」
紫苑ちゃんはそんなことは一切お構いなしでした。
いたことは最初から考えていませんでした。とにかく彼とそ
のお家を追い出すことが目的だからです。そんな彼女が鼠の
ことなぞ考える筈もないのです。
だから鼠がいなくなってもです。本当に平気な顔です。勿論
パレス=シナ君に謝ることすらしません。
「鼠位何だっていうのよ」
「何だよ、その言い方!」
「私はね、ずっといじめられてそれこそ何かを飼っていたら
そのペットだっていじめられてきてものも取られてきていた
のよ」
紫苑ちゃんのとても悪い癖が出ました。彼女は都合が悪くな
ると自分が過去いじめられてきたことを言ってそれを楯にす
るのです。
このことを言えば皆黙ってしまうからです。この娘はあくま
で自分を被害者にして逃れようとするのです。
ですから今回も。こう言うのでした。
「鼠位その辺りで見つけてきたらいいでしょ」
「御前のせいでいなくなってもかよ!」
「そうよ。どうせ見つかるでしょ」
こう言って平気な顔でその場を後にします。後に残ったパレ
ス=シナ君はまず紫苑ちゃんに対して怒り心頭でした。
「見ていろよ」
怒りと憎しみに満ちた目で紫苑ちゃんの背中を見ています。
「何時か御前を絶対に潰してやるからな。それこそ何があっ
ても許さないからな」
こう強く誓うのでした。そうしてそのうえでいなくなってし
まったその縞のある鼠達を探します。
けれどその鼠達は見つかりません。一匹もです。それで彼も
落胆してしまいました。
「参ったなあ」
家中探しても見つからず溜息をついてしまいました。
「本当にいないや。どうしよう」
そうした鼠達はアフリカ丁にいるのですがそこから買う余裕
はありません。彼のお家はできたばかりで貧しいのです。
それで困っていましたが遂に最終解決手段を考えだしました。
それが何かというとです。
「これしかないな、やっぱり」
こう呟きながら普通の白い鼠達を手に入れてです。そこに絵
の具を出しまして。
そうして数日後。彼のお家にやって来た皆が見たものは何か
といいますと。
「あれっ!?」
「その鼠は」
「うん、そうなんだよ」
少し照れ臭そうな顔で皆にその鼠達を見せるのでした。
「実はね。少し考えたんだけれど」
「へえ、普通の白い鼠に色を塗って」
「それで縞の鼠にしたんだ」
「そうなんだ」
そうしたというのです。皆に対してその少し照れ臭そうな顔
で説明を続けます。
「どうかなって思ったけれどね」
「いいんじゃない?」
「ねえ」
皆はその鼠達を見て言い合います。とりわけチューゴ君が満
足そうです。
そうして言うのでした。
「いいアイディアあるぞ。僕も同じことやったあるがな」
「いや、あれは何か」
「チューゴがやるとちょっと」
けれど皆彼に対しては辛口の評価なのでした。
「あからさまに怪しいし」
「おかしいってものじゃなかったし」
何かこの辺りに彼とパレス=シナ君の違いが出ています。パ
レス=シナ君の評価は悪いものではないようです。むしろも
う一方の娘の方が、というのが口には決して出さないクラス
の皆の考えの様です。
「大体さ、あの縞の鼠達がいなくなったのって」
「紫苑のせいじゃない」
「ねえ」
皆ここで紫苑ちゃんをジロリ、と見ます。皆に見られた彼女
は流石にバツが悪そうです。
「な、何よ」
怯みながらもそれでも必死に虚勢を張って言うのでした。
「私が悪いっていうの?私だってね、以前はいじめられてい
たけれどそれでも今は自分が生きる為にね」
「それでも鼠達にまで被害を与える必要ないじゃない」
「パレス=シナが鼠を手に入れるのも邪魔したんだろ?」
皆よく知っていました。それで紫苑ちゃんを批判する目で見
てそのうえで言うのでした。
「じゃああんたが悪いじゃない」
「そうそう」
「本当に最近やり過ぎだよ」
アメリー君はあえて黙っていますが紫苑ちゃんはこうして責
められました。そうして皆あらためてパレス=シナ君に顔を
戻してそのうえで言うのでした。
「じゃあさ、この鼠と一緒に」
「写メールとかさせてくれるかしら」
「うん、いいよ」
皆の問いににこやかに頷くパレス=シナ君でした。例え本物
がいなくとも、なのでした。
488 :
マンセー名無しさん:2009/10/10(土) 23:47:41 ID:uFpfTMf9
>>477 実は違います。というかその話は紹介してもらってはじめて知りました。
本当にロココ文化のみを扱った作品です。それはそれで面白いとは思いますが
作品とは関係がありません。
489 :
マンセー名無しさん:2009/10/11(日) 01:57:53 ID:aOOqmuqi
「間違いを正す」
カンコ君とチョゴリちゃんは今は一緒に住んでいます。です
からその参考書も社会の地図も時々意識せずとも見てしまう
こともあります。
そんな中ふとカンコ君の目に入ったチョゴリちゃんの使って
いる地図。そこに描かれている地図はカンコ家と日之本家の
場所のものでした。そこを見てみますと。
カンコ君はもうそれだけで激怒しました。それが何故かとい
いますと。
「なじぇ東池になっていないニダ!」
それが理由なのでした。
「そこは東池ニダ!ニホン池ではないニダ!」
「兄さん、またそれを言うニダか」
チョゴリちゃんはそれを聞いてまずはうんざりとした顔にな
って言葉を返しました。
「何度も言っているニダが誰もそんなことはわかったって言
わないニダよ」
「ええい、うりゅしゃいニダ!」
チョゴリちゃんの言う言葉も全く聞きません。こうしたこと
ではいつものことですが。
「ここは東池ニダ!一体何時からその地図を使っているニダ、
答えるニダ!」
「二ヶ月程前からニダ」
こう兄に答えるのでした。
「それ位ニダ」
「そんなに使っていたというニダか!?今すぐ東池に訂正し
ておくニダ、さもないと許さないニダ!」
「もうわかったニダ」
兄があんまりにも五月蝿いので仕方なく頷くチョゴリちゃん
でした。本当に仕方なくというのがその顔にもはっきりと出
ています。
それでわざわざマジックを出してそのうえでニホン池という
部分を消してそのうえで東池と書きますこれで一段落と普通
は考えるところですが。残念なことにカンコ君は普通のこと
はまずしません。ここがポイントです。
「それでこれは誰の作った地図ニダか?御前の作った地図ニ
ダか?」
「アメリーさんの作った地図ニダ」
事実をそのままカンコ君に対して答えるのでした。
「それでアメリーさんから貰ったものニダよ」
「そうニダか。アメリー君ニダな。とりあえず相手はわかっ
たニダ」
「とにかくこれで訂正はしたニダ」
チョゴリちゃんはそれで話を終わらせようとしてきました。
もういい加減うんざりしてきたからです。お兄さんのあまり
ものファビョりっぷりに。
しかし一旦火病を起こしたカンコ君はそう簡単には収まりは
しません。それで。
「よし、ウリは決めたニダ」
「また近所迷惑を起こすことニダか?」
「近所迷惑ではないニダ」
妹の突込みにも怯むところはありません。というか全く意に
介していません。
「ウリが町中に正しいことを教えてやるニダ」
「それを近所迷惑というニダよ」
チョゴリちゃんが正論なのですがカンコ君にとってはそうで
はありません。それで彼が翌日採った行動とは。
まず学校に入って皆が集まっているのを見届けてからすぐに。
教壇の前に来ていきなりこう言うのでした。
「皆は東池のことを知ってるニダか!?」
その皆に尋ねるのでした。
「東池のことを。どうニダか?」
「ああ、あれだよな」
「ニホン池だったよな」
「あの池なら知ってるよ」
「あれはニホン池ではないニダ。あれの正式な呼び名は東池
ニダ。ウリがいつも言っている通りニダ」
このことを言い続けるのでした。その皆に対して。
「なじぇ皆ウリの東池の名前にしないニダ。今日は皆にそれ
を訂正してもらう為にこうして言っているニダ」
「御前それ一週間で一回は絶対言ってるじゃねえか」
「何かもう聞き飽きたけれど」
「それは皆が訂正しないからニダ」
話が完全に噛み合っていません。しかしカンコ君はなおも言
い続けます。
「だからこうしてウリは皆に対して言うニダ」
「やれやれ」
「まあ聞いてあげるわよ。用事しながらね」
皆自分達のやっていることを聞きながらですがそれでも彼の
話を聞くのでした。何か皆本当に手馴れたものです。
それぞれのやることをしながら聞いている皆に対して言い続
けるカンコ君です。最早完全に独壇場です。
「皆の地図をチェックさせてもらうニダ。そもそもあの間違
いを正さないとウリは」
「今日そうした授業じゃないから地図持って来てないんだけ
れどさ」
「それでも訂正しろっていうの?」
「そうニダ。ウリは自分の家の地図は全部書き換えたニダ。
だから皆も家に帰ったらするニダ」
「面倒臭いなあ」
皆の本音が出ました。そしてここで。カンコ君の独壇場が見
事終わってしまうのでした。
「それじゃあいいかしら」
「ニダ?」
「ホームルームはじめるわよ」
フラメンコ先生がやって来たのです。そうしてそのうえで教
壇で言い続けているカンコ君に対して言うのでした。
「自分の席に着きなさい。いいわね」
「ううむ、時間切れニダか」
「はい、いいわねカンコ君」
「仕方ないニダ。わかったニダ」
こう応えて大人しく自分の席に着くカンコ君でした。これで
この話は終わったのですが彼の横の席のニホンちゃんが一言
呟きました。
「もっと他にやることないのかしら」
こう一言漏らしたのでした。今日はそのニホンちゃんの溜息
からはじまりました。
499 :
マンセー名無しさん:2009/10/12(月) 23:48:58 ID:gUpylmQd
「そんなことをするから」
今エリザベス家のあるお水溜りのすぐ側でスコット君とアイル
ちゃん、それにウェールズ君の三人が集まっています。そうし
てそのうえで水溜りに向かってクラブを振ってそのうえでボー
ルを水溜りの中に放り込んでいます。
「なあ」
「どうしたの?」
ここでスコット君がアイルちゃんに対して声をかけてきました。
アイルちゃんもすぐにそれに応えてきます。
「いやさ、この水溜りな」
「わかってるわよ」
まずはこう返すアイルちゃんでした。
「あれでしょ?出るって話よね」
「あれデマだったんだけれどな」
「らしいわね、確か」
相変わらずゴルフボールを水溜りの中に打ち入れながら兄弟の
言葉に応えるアイルちゃんでした。
「確かね」
「ああ、あれいないんだ」
ここでそれまでボールを打ち込むことに専念していたウェール
ズ君も話に加わってきました。水溜りの周りはとても澄んでい
て実に奇麗な場所です。エリザベス家の中でも屈指の美しい場
所ではないでしょうか。
「本当のところは」
「いや、俺は確かに見たんだけれどな」
スコット君はこう言いはします。
「それにここあれだぞ。俺の部屋がある場所じゃないか」
「そうだけれどね。そういえば昔からいるんだっていう話だっ
たわね」
「そうだよ。俺は確かに見たんだよ」
スコット君は見たと言います。かなり真剣に言っています。少
なくとも彼は自分が嘘をついていないことは信じています。そ
れだけは間違いがありません。
「何度もな」
「何度もね。まあ私もウェールズも見た記憶がないわけじゃな
いしね」
「それは確かにね」
アイルちゃんだけではなくウェールズ君も応えてきました。実
際のところは三人共それを見た記憶があるのです。
「僕だって。それにエリザベスお姉様だってね」
「何であの馬鹿姉貴は自分も確かに見たのにそれを否定しやが
るんだ?」
スコット君はこのことが不思議で仕方ありませんでした。何し
ろ彼女も一時期は確かに見たと言っていたのですから。
ですが今彼女はそれを否定しています。見間違いだったという
ことにしているのです。そうしてあくまでいないと言い切って
いるのです。
「何でなんだよ、いるんだよ」
「実際のところどうなのかしらね」
とはいってもアイルちゃんもこの辺りは確信が持てなくなって
しまっています。何しろ最近それをめっきり見なくなってしま
ったからです。それで本当のところはいないんじゃないのか、
見間違いなんじゃないかと思うようになっています。
「いるのかしらね」
「どうだろうね」
スコット君もです。本当にいるのかどうかわからなくなってき
ているのです。
そんな話をしながらボールを水溜りの中に打ち入れていきます。
するとそうしているうちにでした。
不意に水溜りの水面が騒がしくなってそこから。それが出て来
たのでした。
「ほらなっ、いるだろ!」
「ええ、確かに」
「いるね」
それを見て喜びの声をあげるスコット君に対してアイルちゃん
とウェールズ君が応えます。今その目で見ては流石に否定する
わけにはいきません。
「間違いないわ、いるわ」
「まさか本当にいるなんて」
「俺は間違っていなかったんだ。凄いぞ!これは本当にいたん
だ!(声:田中真弓)」
興奮するスコット君。しかし少し落ち着いてきたアイルちゃん
とウェールズ君はここで。彼に対して言うのでした。
「いるのはいいけれど」
「怒ってるよ、あれ」
「何っ、怒ってるのか?」
二人にそう言われて我に変えるスコット君でした。そういえば
水溜りから出て来たそれの雰囲気はかなりむっとしたものであ
ります。
「そういえば確かにな」
「そうでしょ。何かこっちに来てるし」
「逃げた方がいいんじゃ」
「いや、待て」
ところがです。ここでスコット君は言うのでした。
「せめて携帯で写メールしてな」
「何言ってるのよ!食べられるわよ!」
「そうだよ、早く逃げないと!」
「おい、せめて携帯位はな」
「き、来たわ!」
「逃げないと!」
そんな悠長なことをやっている暇はありませんでした。こうし
てスコット君はそれを写真に撮ることができずに逃げ出すこと
になってしまいました。
そのことをエリザベスちゃんに三人でお話します。ですが彼女
は全く信じようとはしません。
「そんなものがいる筈がありませんわ」
「ちっ、見たって言ってんだろうが」
「それなら写真は何処ですの?証拠になるものは」
エリザベスちゃんは冷たい言葉をスコット君に対してかけるの
でした。
「ありませんわね。それではわたくしを信じさせることなんて
できませんわよ」
「ちっ、何てこった」
こうなっては何も言えません。実際にスコット君達は証拠を持
っていないのですから。それでは何も言えなくて当然です。
こうして結局それがいるということはエリザベスちゃんに納得
させることはできませんでした。しかしここで彼女は三人に対
して言うのでした。
「それでゴルフボールですけれど」
「掃除ですか?」
「御免なさい、水溜りに打ち込んで」
「いいえ、今度からしないだけでいいですわ」
掃除はいいというのです。
「貴方達の話は信じませんけれど。それでも万が一ということ
があってはいけませんわ」
「えっ、じゃあお姉様」
「やっぱり」
アイルちゃんとスコット君はここでエリザベスちゃんの本音を
見ました。
それはスコット君もです。それでもエリザベスちゃんはこう言
うのでありました。
「どうしてもというのなら」
「どうしてもかよ」
「今度はわたくしに確かな写真を持って来ることですわ。そう
したら信じてあげましてよ」
スコット君に微笑んでの言葉でした。
「宜しいですわね」
「ああ、わかったぜ」
エリザベスちゃんのその言葉に頷いてみせるスコット君でした。
中々本音は言わないお姉さんであります。
511 :
マンセー名無しさん:2009/10/14(水) 23:57:13 ID:21VQdEAr
「普通は売らない」
ある日カンコ家の前で。カンコ君が色々なものを出店に並べて
いました。
「さあ、買った買ったニダ!」
ハリセンではたきながら大声で売りに出しています。
「徐々に値を上げていくニダよ。さあ、どれが欲しいニダ!?」
「んっ、今度は何だ?」
「何やってんだ?あいつ」
皆そのカンコ君を見てまずは興味を惹かれました。
「また訳のわからねえことやってんのか?」
「どんなパフォーマンス見せてくれるんだ?」
皆完全にお店とは思っていません。見世物だと思っています。
そうしてお店を覗くのでした。
「おい、今度は何なんだ?」
「どんな見世物あるか?」
まずはアメリー君とチューゴ君が彼に尋ねます。
「何か色々売ってるけれどYO」
「売り物あるか?」
「売り物だけれど売り物ではないニダ」
カンコ君は二人に対してまずはこう答えたのでした。
「オークションニダよ」
「これオークションだったのか」
「叩き売りかと思ったぞ」
とりあえずカンコ君にしてはオークションだったのです。
「オークションはもっとこう洒落た場所でするものではなく
て?」
「これでは本当に出店ですわよ」
エリザベスちゃんもフランソワーズちゃんもそんなカンコ君
に対して怪訝な顔になって述べます。
「バナナでも売っているみたいなお店ですけれど」
「色々売っていますわね」
「とにかくこれはオークションニダ」
とにかく自分ではこう言い切るカンコ君です。頭にねじり鉢
巻をしてお腹には腹巻で白いシャツですから何処からどう見
てもテキ屋さんでありますが違うようです。
「さあさあ、皆何が欲しいニダ?」
「何が欲しいって言われても」
「強引に話進め過ぎでしょ」
ニホンちゃんとタイワンちゃんは今の展開にとりあえず何と
言っていいのかわかりません。
「とりあえず。そのオークションの品物は何かしら」
「またキムチとかホンタクとかスケキヨ丼とかそんな訳のわ
からない料理じゃないわよね」
「料理がオークションになるニダか」
カンコ君は今のタイワンちゃんの突込みにはむっとした顔で
返しました。
「大体御前は無茶苦茶を言うのにも限度があるニダ。それで
ニダが」
「オークションよね」
「そうニダ、はじめるニダ」
カンコ君はニホンちゃんの言葉に答えて頷いてみせました。
「まずはこのコップニダが」
「えっ、そのコップって」
ニホンちゃんが最初に気付きました。
「シンタローおじさんがカンコ君のお家にプレゼントしたガ
ラスのコップじゃないの?」
「えっ!?」
「嘘だろ、それ」
皆今のニホンちゃんの言葉にまず驚きの声をあげました。
「この花瓶もお皿も鍵も。全部わたしのお家から貰ったもの
じゃないの?」
「そういえばこれは」
「これだって」
皆カンコ君の言葉に気付いてでした。お店に並べられている
ものを見てみますと。
「これうちからカンコ家に贈った黒猫の像じゃねえかYO」
「これは確かカンコにやった千年狐の襟巻きあるぞ」
まずアメリー君とチューゴ君が気付いたのでした。
「ロンドン塔の石、貴方にあげたものでしたわね」
「アンリ四世叔父様が刺されて怪我をしたあのナイフも」
エリザベスちゃんとフランソワーズちゃんも自分達がカンコ
君やカンコ家にあげたものがあるのに気付きました。
「ちょっとバカンコ、この読んだらそれだけで百日は寿命が
縮まる新聞あたしがあげたやつじゃない」
「それはニホンの家のものではないニダか?」
カンコ君さりげなくタイワンちゃんに対して突っ込みを入れ
ました。
「大体皆ニホン以外は呪われたものばかりウリにくれてない
ニダか?全部あまりいいものではないニダぞ」
「うるせえ、そんなことはどうでもいいんだYO!」
「問題はそこではないある!」
「そうですわ。人がプレゼントしたものをオークションに出
なんてどうかしていますわよ」
「一体何を考えているんですの!?」
皆口々にカンコ君を責めだしました。
「最近ずっとする機会がなかったけれどYO」
「お仕置きあるな」
「覚悟はできていまして?」
「今度は容赦しませんわよ」
「いいわね、バカンコ」
ニホンちゃん以外の皆がここでカンコ君を取り囲んでしまい
ました。
「さて、言い残す言葉はありまして?」
「冥途の土産に聞いてあげますわよ」
「いえいえ、皆さん」
ところがです。ここで小さな男の子の声が聞こえてきました。
それが誰かといいますと。
ヨハネ君でした。真っ黒いオーラをその全身にまとっていま
す。そのうえで目が全く笑っていない笑みを浮かべてそこに
立っていました。
「この鉄の処女は確か私から貴方に差し上げたものだったと
思いますが」
「げっ、ヨハネ」
「御聞きしたいのですが。何故競売にかけられていたのでし
ょうか」
「そ、それはニダな」
「さて、お話はこうして御聞きしましょう」
ヨハネ君の後ろから早速屈強な上半身裸の覆面の男の人達が
出て来ました。その人達はすぐにカンコ君を捕まえてしまい
ました。
「さて、それでは御聞きしましょうか」
鉄の処女の扉が開かれます。そこには無数の針が見えていま
す。中に入ればどうなるか言うまでもありません。
「何故でしょうか。競売にかけられていたのは」
「か、かけられていないニダ」
カンコ君は必死にこう言います。
「ただ家の前に並べていただけニダ。別にそんなことはして
いないニダよ」
くくられてそのうえで今にもその怖いお人形の中に入れられ
てしまいそうになる中で必死に言うカンコ君でした。
「それだけニダ。何もないニダよ」
「まあそう言うだろうな」
「誰でもあれには勝てないあるぞ」
さしものアメリー君もチューゴ君も今は見ているだけでした。
ヨハネ家の折檻の恐ろしさは町一番だからです。
「だから何でもないニダ。すぐになおすニダ」
「わかりました。それでは」
ヨハネ君はカンコ君の今の言葉を聞くとにこやかな笑みに戻
りました。そうしてその屈強な男の人達を連れて静かに帰る
のでした。
「まあ。お話は終わりましたし」
「早くなおすことですわね」
エリザベスちゃんもフランソワーズちゃんも少しだけ戸惑う
ものを残しながらカンコ君に対して告げました。
「ほら、さっさと片付けなさい」
「壊れ易いものもあるから注意しないと」
まずはタイワンちゃんとニホンちゃんが出て来て。それから
皆もなおすのを手伝ってあげました。カンコ君も今回ばかり
はしおらしくなりました。
521 :
マンセー名無しさん:2009/10/16(金) 23:54:41 ID:RDotkwYE
「サウナ天国」
今日は皆はフィンランちゃんのお家にお呼ばれです。そう
してまずはフィンランちゃんのお家のお料理を食べてから
本格的な催しとなりました。
「まあありきたりだけれど」
「ありきたりっていうと?」
「皆でお風呂に入らない?」
こう皆に言ってきたのでした。
「お風呂に。どうかしら」
「お風呂ね」
「いいんじゃないの?」
皆それを聞いてまずはとりあえずはといった様子ではあり
ますが賛成しました。
「言ったら何だけれどこの辺りって冷えるし」
「お風呂はやっぱり有り難いわよね」
「そうよね、確かに」
皆それぞれ言います。こうして皆でフィンランちゃんのお
家のお風呂に入ることになりました。
そのお風呂はというと。湯舟がありません。サウナがそこ
にあるのでした。
「スオミのお家のお風呂ってこれなのよ」
「サウナだったの」
「そうなの。これでいいわよね」
ストーブの上に焼いた石があります。そして側に柄杓とお
水も。何に使うかは明白でした。
皆もう水着になっています。男の子は男の子で、女の子は
女の子で。それぞれ入ります。
サウナルームにはそれぞれ据わる場所に敷物があってその
上に座って。それからあったまるのでした。
「へえ、これがね」
「あんたのお家のサウナなの」
「サウナの本場なのは知ってるかしら」
こうタイワンちゃんとインドネシアちゃんに対して言いま
す。当然この娘達も水着です。タイワンちゃんは白の、イ
ンドネシアちゃんは赤の競泳水着です。体型がはっきりと
出ています。
「スオミのお家がそうだってのは」
「ああ、そういえばそうだったわね」
「サウナってあんたのお家が本場だったわね」
「そうよ。皆これであったまるのよ」
二人の言葉に微笑んで答えます。彼女はお家の色を表して
いるのか水色と黄色のフリルのあるワンピースです。とて
も子供らしい水着です。
「まずは思いきりあったまってね」
「うう、確かに」
「もう汗だく」
「そしてよ」
あったまって終わりなのがサウナではありません。まだあ
るのです。それが何かといいますと。
外に出るとそこにはフィンラン家名物の湖が広がっていま
す。フィンランちゃんがまずその湖の中に飛び込んだので
した。
「それっ!」
「それって」
「湖の中に!?」
「そうよ。気持ちいいわよ」
湖の中から皆に声をかけます。
「だからね。どんどん飛び込んでよ」
「それじゃあ」
それに最初に応えたのはニホンちゃんでした。この娘は
ピンクのセパレーツですがその胸のなさがとりわけ強調
されてしまっています。けれどそのスタイルはとても女
の子らしいです。
「いくわ」
「はい、来て」
奇麗な水泳の飛び込みで中に入ったニホンちゃん。入っ
て最初の感想は。
「気持ちいい・・・・・・。熱い場所から一気に冷たい
場所に入って」
「そうでしょ?これがサウナの醍醐味よ」
さりげなくニホンちゃんの側に来て抱きつきながら言う
フィンランちゃんでした。
「だから一緒に冷たくなりましょう」
「そうね。このお水の中でね」
雪さえ降ってきています。身体を冷やすのには絶好の状
況です。そこに他の皆も飛び込みます。
こうして身体を冷やしてまたサウナであったまって冷や
してを繰り返してサウナを満喫しました。女の子達はサ
ウナから出て来た時にはもう皆お肌もすべすべでした。
「はい、どうぞ」
フィンランちゃんがほっとしている皆に対して飲み物を
出してきました。ミルクです。
「いいでしょ、スオミのお家のサウナって」
「ええ、確かに」
「満足させてもらったわ」
タイワンちゃんもインドネシアちゃんもそのお肌がツヤ
ツヤとしています。
「いつもよりずっと奇麗になった感じで」
「また来たい位よ」
この辺り実に女の子らしいです。
そんな話をしてお風呂の後のほっとした一時を過ごして
いる時に。ふとニホンちゃんが言ってきたのでした。
「そういえばだけれど」
「あれっ、ニホンちゃん」
「どうしたの?」
「男の子達どうしたのかしら」
男組はまだ誰も帰ってきていないのでそのことに気付い
たのでした。
「まだサウナかしら」
「あれっ、そういえば」
「いないわね」
そうなのでした。まだ誰も帰ってきていません。その時
彼等はどうしていたかといいますと。
皆まだサウナにいました。しかし顔が真っ赤です。どう
もお酒が相当入っているようです。
「おいロシアノビッチ」
「これでいいんだよな」
「これがサウナの正しい入り方なんだよな」
「ああ。まずは入る前に酒を潰れるまで飲む」
ロシアノビッチ君はサウナの中で皆に説明しています。
彼はサウナに入る前に必ずお酒をこれでもかと飲むので
す。もっともそれは普段からですが。
「そしてだよ。汗をふんだんにかいてだ」
「ああ」
「今みたいにだよな」
「そしてだ」
皆にそのロシアノビッチ流サウナの入り方を講義してい
きます。
「これでもかというまで汗をかいて」
「そして?」
「どうするんだ、今度は」
「いくぜ野郎共!」
サウナの扉を開けるとでした。そのまま湖にダイビン
グです。なお男同士なので皆真っ裸です。
「ウラーーーーーーーーーーッ!!」
叫び声をあげて湖の中に飛び込みます。それで身体を
一気に冷やすのでした。
「こうやって身体を冷やすんだよ。それでまたサウナ
に入ってだ」
「汗かくのかよ」
「そうやって酒を抜くっていうのかよ」
「ああ、そうだ」
まさにそうだと皆に答えるのでした。その氷さえ浮か
んでいる湖の中から。
「さあ来い!そしてロシアノビッチ流のサウナの入り
方を満喫しやがれ!」
「よし、それならだ!」
「やってやるぜ!」
その酩酊状態のまま氷の湖にダイビングです。そうし
て身体を冷やしてまたサウナに入って汗を流してまた
氷の水にダイビングして冷やしてサウナであったまっ
てを繰り返します。そうしてその結果。
「だ、駄目だ・・・・・・」
「死ぬ・・・・・・」
皆サウナから出て服を着たところで力尽きてしまいま
した。
「し、心臓が・・・・・・」
「こんなのできるかよ」
男組は全員ダウンでした。見事に枕を並べて討ち死に
状態です。
いつもこれが普通のロシアノビッチ君だけ平気で。お
風呂あがりのウォッカをストレートで飲みながらそん
な皆に対して言うのでした。
「だらしねえな。こんなので音を上げてどうするんだ
ってんだよ」
「というかあんたそれ自殺行為だから」
横からフィンランちゃんがそのロシアノビッチ君に対
して突っ込みを入れました。男組のサウナは壮絶な結
果に終わったのでした。
534 :
マンセー名無しさん:2009/10/18(日) 23:44:51 ID:e5TVHTwd
ネッケツ君イッテQ見たんだなw
「花札を見ただけ」
カンコ君のお家では花札がかなり人気です。それがウリ
ナラ起源という主張はいつものことですが何はともあれ
花札を皆でしています。
それで学校でもしていたりします。けれどニホンちゃん
は最近花札を殆どしなくなったので何が何なのかよくわ
からなくなってきています。
「虎の褌兎のパッチ?」
「また懐かしい漫画ね」
ふとこんなことを言ったニホンちゃんに対してタイワン
ちゃんが突っ込みを入れます。
「茶臼山ポンコツにエテコが真似してあさっぱち?」
「せっせせーーーのよいよいよいってね」
「最近ではニホンのオオサカの間でも知っている人が少
なくなっていないニダか?その漫画は」
カンコ君も思わず突っ込みを入れてしまいました。とに
かくもうこんなネタはかなり古くなっています。
じゃあこれ?」
ない胸にサラシを巻いて紫の着物に袴になったニホンち
ゃんでした。今度は何かといいますと。
「少し古いかな」
自分でも心当たりがあるようです。
「この格好って」
そう言いながらもその手に刀を持っています。ただしそ
の持ち方は左手が前で右手が後になっています。この持
ち方もかなり珍しいです。
そのうえで上着は脱いでいます。その結果さらしの胸が
露わになっています。
その格好で技を出すと花札が出たり鳥の姿が出て来たり
します。
「一つ、二つ、三つ。猪鹿蝶!」
「そんな感じよね」
「他にも技一杯使えるけれど」
これまた随分と懐かしいものを出すニホンちゃんでした。
「これ位しかないけれど。もう花札で知ってるのって」
「けれどあんたはかなり知ってるのよね」
「そうニダ」
こうそのニホンちゃんとタイワンちゃんに答えるカンコ
君でした。
「まあ毎日みたいにやってるせいニダ。それでニダが」
「それで今もやってるの」
「何かねえ」
見れば皆カンコ君のお家に集まっています。それでその
花札をしているのでした。流石にお金とかはかけてはい
ませんが。
「こうしたゲームってもうトランプばかりだからかえっ
て新鮮よ」
「わたしも。何か本当にはじめてするみたい」
ニホンちゃんもでした。本当に花札から離れて久しいの
でした。
「これはかなり」
「けれどどうニダ?面白いニダな」
「ルール中々思い出せないけれど」
「何か悪いことしてる気分ね」
ニホンちゃんとタイワンちゃんが答えます。他の皆にし
ても大体同じ気持ちでした。
そんな皆忘れてしまっているか知らない花札をしていま
すと。そこにカンコママさんがやって来ました。丁度皆
にメッコールとお菓子を持って来たのです。
カンコママさんは皆が花札をしているのを見て。いけな
い遊びをしていると怒るどころか子供達を押しのけてそ
の中に入りました。そうしてです。
「これはやり方があるニダ」
皆を集めて言うのでした。
「まずはこうして出したい札をあらかじめ懐の下に隠し
ておくニダ。そうしてから」
「いかさまの方法なのね」
タイワンちゃんはカンコママさんのそのお話を聞いてわ
かったのでした。
「何かって思えば」
「勝負は勝てばいいニダ」
それに対するカンコママさんの返答は実にカンコ家の人
らしい言葉でした。
「だからそうして。後はいざとなったら暴れて勝負それ
自体をなかったことにするのも手ニダ」
こうした遊びにおいて一番やってはいけないことを堂々
と子供達に対して教えています。そうしてカンコママさ
んの言う正しい花札の遊び方を皆に教えているとです。
最近またお家の会社の経営がやばくなって気が立ってい
るカンコパパさんがお家に帰って来ました。車に乗って
いますがそれでもお酒も入っています。
「なじぇ働いても働いてもよくならないニダ」
とりあえず自分に原因があるとは考えていません。これ
また実にカンコ家の人らしいです。
そうして家に近付いてきて二階の窓を見てみますと。カ
ンコママさんが子供達と一緒に花札をしているのが見え
てきました。子供達と楽しくです。
それを見てその和やかな様子に微笑むのでもなく悪いこ
とを教えていると怒るのでもなく。いきなりファビョー
ーーーンしてしまったのです。
「また花札をやっているとはどういう了見ニダ!」
こう叫んで激怒して何を血迷ったのかしでかしたことは。
「家長の怒りを受けるニダ!」
お家に車で突入しました。一階が忽ち全壊してしまい二
階も底が抜けてしまいました。カンコ家はまたしても潰
れてしまったのでした。
「花札をやっているのがけしからんニダ!とにかくそれ
が許せないニダ!」
「そんなこと言って飲酒運転をした言い訳になるニダか!
家の再建費用はどうするニダ!」
「そんなのウリが知るかニダ!」
全壊した一階で取っ組み合いの喧嘩をしているカンコパ
パさんとカンコママさんでした。底が抜けてしまったの
で一階に放り出されて全身埃だらけのぼろぼろになって
しまった皆は。
「何で車で突っ込んで来たの?」
「あんたの親父さん何考えてるのよ」
「ウリにもさっぱりわからないニダ・・・・・・」
カンコ君は泣きそうな顔でニホンちゃんとタイワンちゃ
んの問いに答えます。
「どっちにしろアボジ、もうお酒も車も止めて欲しいニ
ダ。誰が言っても聞かないニダが・・・・・・」
家が壊れて悲嘆にくれるカンコ君でした。前に見える夕
焼けだけが奇麗でした。花札のお月様に何処か似ている
そんな夕陽なのでした。
545 :
マンセー名無しさん:2009/10/20(火) 23:54:50 ID:0rg5+BbM
坂田って自分がみじめにならないの?
「ゴールデンコンビ」
ロシアノビッチ君の妹の一人であるリトアニアちゃんは
いつも一緒にいる人がいます。それが誰かといいますと。
「それじゃあ今日も一緒にね」
「はい、遊びましょう」
ポーラちゃんです。クラスの中では弱々しいとか今一つ
頼りないとか思われている彼女がそのリトアニアちゃん
のパートナーだったりします。
その関係は思ったより深くてしかも長いです。それこそ
リトアニアちゃんが物心ついた頃からです。ですから本
当に長い付き合いです。
その頃リトアニアちゃんは周りに誰もいませんでした。
ロシアノビッチ家はロシアノビッチ君自身も大変な状況
でモンゴル君と長い間揉めていました。他の妹達にして
もあれやこれやとそれぞれ大変でした。
リトアニアちゃんはその中で一人だったのです。けれど
その彼女に声をかけてきたのがポーラちゃんだったので
す。
彼女はそっとリトアニアちゃんのところにやって来て。
こう囁いたのです。
「一緒に遊ぶ?」
「うん」
これがはじまりでした。二人は一緒にいるようになった
のです。
二人は一緒になるとすぐにバチカンのおっさんのところ
に向かいました。そうしてそこでバチカンのおっさんの
教えを受けました。
「これで私達一緒なのよ」
「一緒なの」
「そう、何時でも一緒にいられるのよ」
こう言ってリトアニアちゃんに微笑むポーラちゃんでし
た。
「その代わり色々と私に合わせてね」
「うん、それじゃあ」
こうして二人は一緒にいるようになりました。二人は長
い間一緒にいました。
けれどロシアノビッチ君が落ち着いてくるとリトアニア
ちゃんを自分のお家に引き取ったのでした。
「待たせたな、これからはずっと一緒だぜ」
「えっ、けれど私」
ここでポーラちゃんの方を見ます。彼女はゲルマッハ君
やアーリアちゃんの方に引き取られようとしていました。
「ポーラさんと」
「決まったんだから逆らうな」
これ以上は言わせないロシアノビッチ君でした。
「いいな、それなら来い」
「うん・・・・・・」
頷くしかありませんでした。けれどまたポーラちゃんの
方を見ます。見ないでおれませんでした。
ポーラちゃんも泣きそうな顔でリトアニアちゃんを見て
います。その顔で彼女に言うのでした。
「また何時か一緒に遊ぼうね」
「はい・・・・・・」
この時にはポーラちゃんの方が年上だとわかっていまし
た。それで言葉遣いが変わっています。その言葉使いで
彼女に応えるのでした。
「また一緒に」
「遊ぼうね」
こう言い合ってそのうえで別れた二人でした。それから
リトアニアちゃんはずっとロシアノビッチ家にいました。
ポーラちゃんは独立したりしなかったりです。そうして
それからは。
ロシアノビッチ家はとても厳しかったです。リトアニア
ちゃんもしょっちゅう折檻を受けました。けれどお家が
一回破産してしまってリトアニアちゃんを含めた妹達は
自由になりました。そうするとでした。
家を出ても遊び友達のいなかったリトアニアちゃんのす
ぐ側にいたのは。あの時と同じで。
「また一緒に遊ぶ?」
ポーラちゃんでした。静かに笑って彼女に対して言って
きたのです。
「よかったら」
「はいっ」
リトアニアちゃんは笑顔で応えました。こうして二人は
また一緒に遊べるようになりました。
二人は今日も一緒に遊んでいます。リトアニアちゃんの
いるところにポーラちゃんがいてポーラちゃんがいると
ころにリトアニアちゃんがいて。そんな仲睦まじい二人
です。
皆そんな二人を見て言います。
「ポーラちゃんにもお友達いたんだね」
「リトアニアちゃんにも」
いつも仲よく遊んでいる二人を見て微笑みます。
「何かああして二人で遊んでいるの見てると」
「そうね」
皆自然と笑みになっています。
「微笑ましいっていうか」
「パートナー同士っていいよね」
大抵の人が喜んでいます。けれどロシアノビッチ君だけ
は今一つ面白くないようです。
「ちぇっ、俺から離れるのかよ」
こう言ってウォッカを飲みながらリトアニアちゃんをか
なり残念そうな目で見ています。
「俺なんかよりポーラの方がいいっていうのかよ」
「というか御前はちょっと駄目兄貴過ぎるぞ」
「そうよ。もうちょっとしっかりしなさい」
その年がら年中お酒を飲んでいる彼に皆が一斉に突っ込
みを入れます。
「さもないとリトアニアちゃんだけじゃなくて」
「妹さん達皆離れてくわよ」
「げっ、そうなったら」
そのことを言われてロシアノビッチ君もやっと気付いた
のでした。
「家事する人間がいなくなるじゃねえかよ」
「わかったらもう少ししっかりしたら?」
「せめてお酒を控えてね」
「これだけは止められねえよ」
ロシアノビッチ君はこう言って皆のその言葉をはねつけ
るのでした。
「そんなのわかってんだろうが」
「駄目だこりゃ」
「わかってたけれど」
皆そんなロシアノビッチ君にやれやれといった対応です。
けれどあらためて二人を見て。
「まああの二人は」
「今度こそね。ずっと一緒に」
「仲良く遊んでいて欲しいわよね」
皆が温かく見守る中を楽しく遊んでいる二人でした。今
二人はとても幸せでした。
558 :
マンセー名無しさん:2009/10/22(木) 23:52:31 ID:o7Ac4qb2
「浮気をしたら」
クラスで一番女の子が好きな人といえばやっぱりこの
人です、マカロニーノ君です。
「ニホンちゃん、今度オペラでもね」
「タイワンちゃん、いつもお肌が元気だね」
「ベトナちゃん、シャンプー変えた?」
「アーリア、また絵のモデルになってよ」
「エリザベス、テニスのパートナーになってくれない?」
「フランソワーズ、このお花あげるよ」
「インドネシアちゃん、この前の笛のことだけれど」
「紫苑、このブローチあげるよ」
まさに風の中の羽根の様にです。女の子達の間をく
るくると動き回っています。
それで皆からどう思われているかといいますとはっき
り言って女好きです。軟派男とも言われていますしか
らっきり力がないことも知られています。喧嘩では何
しろ女の子あっさり負けてしまう程度です。
アーリアちゃんには何かある度にぶん殴られています。
そんな彼であります。
それでも懲りないで今日も女の子達の間をひらひら。
夜も昼も飛び回っています。
「夜も昼も飛び回り、花の心惑わす」
「あら、モーツァルトね」
その曲を聴いたハプルブルク先生が笑顔になります。
「流石ね。音楽は完璧ね」
「いや、今度先生のお家のウィーンの間で歌いますか
らね。是非にって思いまして」
「期待してますよ、マカロニーノ君」
「はい、先生」
当然ハプスブルク先生にも笑顔で応えます。けれどこ
の先生に笑顔を向けたのは少し失敗でした。
笑顔で先生に応えたマカロニーノ君に対して。普段は
これといって彼には何も言わないロシアノビッチ君が
やって来て後ろから彼の肩にぽん、と手を当ててきて
言うのでした。
「ハプスブルク先生に声をかけるのはちょっと止めて
欲しいんだがなあ」
「あれっ、ロシアノビッチいたんだ」
「さっきからな。とりあえず今の俺の話だけれどな」
そのハプスブルク先生のことです。
「わかったな。ちょっとばかり止めて欲しいんだよ。
俺としちゃ他の娘に声をかけるのは構わないんだが
な。まあフランソワーズはちょっと止めて欲しいって
思ったりもするがな」
こんなことをマカロニーノ君に対して言います。どう
も彼も二股かけているっぽいです。
「わかったな。そこんところはな」
「参ったなあ、可愛い女の子や美人さんには誰でも声
をかけないと僕は死んじゃう特異体質なのに」
「それはもう特異体質どころか変態じゃねえのか?」
ロシアノビッチ君は今のマカロニーノ君の言葉に突っ
込みを入れるのと一緒に首を傾げてしまいました。
「そんな体質聞いたことねえぞ」
「実際にそうなんだから仕方ないじゃないか。とにか
く僕は誰にでも声をかけないと本当に死んじゃうんだ
よ」
「だからハプスブルク先生とフランソワーズだけはな」
話は平行線になっています。そんな二人を見てクラス
の女の子達は言うのでした。
「何ていうか」
「どっちもどっちっていうか」
「まあそういう連中だってのはわかってるけれど」
呆れていましていささか軽蔑さえ見せています。
「全く」
「相変わらずね」
けれど皆それで止めていました。ですが皆のナ化にいる
ブルネイちゃんだけは違いました。クラスで屈指のお金
持ちの家の娘でしかもその家訓がとても厳しい家として
知られています。
「許せないことじゃない」
彼女は怒って皆に言います。
「二股とか誰にも声をかけるとか。裏切りじゃないの?」
「裏切りって」
「それはちょっと大袈裟じゃないの?」
皆今の彼女の言葉には少し言い過ぎなものを感じてしま
っています。
「そこまでは」
「ねえ」
「それでも浮気じゃない。浮気は許せないわよ」
その家訓の厳しさがここでも出て来ています。それで彼
女はこんなことも言うのでした。
「浮気者は鞭打ちにするべきよ」
「鞭って」
「それはちょっと」
「実際に今持ってるけれど」
言いながら早速何処からか鞭を出してきました。しかも
先が九つに分かれた物凄い鞭です。
「キャットナインテイル・・・・・・」
「それなの・・・・・・」
「浮気したらこれよ」
ブルネイちゃんは目を怒らせて言います。
「これでひっぱたいてやるわよ」
「ちょっとそれは」
「ねえ」
皆やっぱり賛成できかねるものがあります。
「そこまでは」
「確かに浮気はよくないけれど」
「けれど私のフィアンセは言ってるわよ」
ブルネイちゃんはこのことも言います。
「浮気したら本当に鞭打ちにするべきだってね。だから
それもいいのよ」
こう言いながらです。マカロニーノ君とロシアノビッチ
君を見据えます。すると普段は乱暴者のロシアノビッチ
君も大人しくなってしまいました。
「ま、まあそうだな」
明らかにブルネイちゃんを意識してすごすごと去ろうと
しています。
「マカロニーノ、そういうのはよくないよな。やっぱり
一人にしないとな」
「あれっ、急にどうしたの?」
けれどマカロニーノ君は気付いていません。この辺りに
どうも二人の違いが出ています。
「そんなに大人しくなって」
「何でもねえさ。それじゃあ」
「何だろう。おかしなロシアノビッチだなあ」
「ねえマカロニーノ」
いぶかしむ彼の後ろからです。ブルネイちゃんがにこに
こと笑ってやって来ました。両手を後ろにやってです。
「一つ聞いていいかしら」
「あっ、ブルネイ何かな」
何も気付いていないマカロニーノ君は軽やかにブルネイ
ちゃんの方を振り向いて応えます。
「何かあるの?デートの誘いかな」
「そうよ。あのね」
その彼に対して尋ねます。
「私とニホンちゃんとタイワンとベトナとネシア。一体
誰とデートしたいかしら」
アジアンガールズの中から選べというのです。これが彼
女の罠でした。
「誰がいいかしら」
「そんなのとても選べないよ」
マカロニーノ君はいつものマカロニーノ君でした。本当
にいつもの彼でした。
「そんなの。皆と一緒にデートするよ、絶対にね」
「駄目だこりゃ」
「鞭打ちも仕方ないわね」
それを見ていた女の子達は呆れて匙を投げてしまいまし
た。これで彼の運命は決まったのです。
「だからさブルネイ、皆を呼んでよ」
マカロニーノ君は能天気にブルネイちゃんに対して言い
ます。やっぱり気付いていません。そしてブルネイちゃ
んはこう彼に答えます。
「わかったわ。じゃあ皆を呼んでね」
「うん、皆を呼んで」
「鞭打ちにしてあげるわ!」
ここで今まで後ろ手に持っていたその鞭を出すのでした。
キャットナインテイルをです。
「浮気は許さないわよ!」
「浮気じゃないよ!自由恋愛だよ!博愛主義的自由恋愛
なんだよ!」
「一緒のことよ!覚悟しなさい!」
「そんなーーーーーーっ!」
かくして鞭を持って振り回すブルネイちゃんから逃げ回
ることになったマカロニーノ君でした。女好きは時とし
て我が身を禍に導いてしまいます。
572 :
マンセー名無しさん:2009/10/24(土) 23:56:24 ID:IxQTWx/Q
「脚本家募集」
エリザベスちゃんのお家の魔法学校の映画はそれこそ
町の皆に大人気です。これは彼女のお家が元々魔法や
そういったものへの造詣が深いからそれが下地になっ
からです。
「まあわたくしも魔法は」
「使えまして?」
「さて、わかりませんわよ」
フランソワーズちゃんの問いにあえて思わせぶりに返
すだけです。とにかく彼女のお家のこの映画のシリー
ズはかなりの人気です。
それでお金の入りもかなりのものなのですがそれを見
て羨ましいと思う人もいます。こうした話になるとい
つも出て来るこの人です。
「あれだけ人気が出てお金持ちになっておまけに自分
の家のものを宣伝できるなんてかなり凄いニダ。羨ま
しいニダよ」
「兄さん、また何か考えているニダか?」
チョゴリちゃんがカンコ君を少し警戒しながらそのう
えで見ています。
「まさかと思うニダが」
「よし、決めたニダ」
そのまさかでした。例によってです。
「チョゴリ、ウリも魔法映画を作るニダよ」
「またパクリニダか?もう誰も飽きて形式通り突っ込
んで終わりニダよ」
「今回は違うニダ。そう、大々的なプロジェクトを実
行に移すニダよ」
「こう言っていつもまともにいったためしがないニダ。
もうパターンになっているニダ」
チョゴリちゃんの言葉を無視してまたしても何かをは
じめるカンコ君でした。早速学校で皆を前にして何や
ら物凄いことを言います。
「ウリは全く新しい話を作るニダよ」
「ふうん」
「そうか」
皆教壇の上からこう宣言したカンコ君の言葉に対して
実に素っ気無く返します。
「それで今度はどんな超絶展開になるんだ?」
「クラス爆発させたり学校倒壊させるの?」
「それはしないにだ。特撮もありニダがとりあえずそ
れは考えていないニダ」
皆の突っ込みは冷めていますがカンコ君はいつも通り
熱いです。その熱さで言うのです。
「それでニダが」
カンコ君は言うのでした。
「エリザベスの魔法映画を作るニダ」
「物真似ですわね」
それを聞いたエリザベスちゃん速攻で突っ込みを入れ
ます。極めてクールです。
「魔法学校の映画ですの?前にニホンさんのアニメを
そのまま真似ていましたわね」
「気のせいニダ」
それを強引にそういうことにしてしまって話を続けて
いくのでした。こうしたところは本当にいつも通りで
あります。
「とにかく新しい話を作ってそこから映画やアニメや
ドラマやゲームにして大儲けするニダ」
「いきなりそれかよ」
「お金の話なのね」
皆そのことにまずいつも通りだと思いますがそれでも
話を聞きます。
「それでまずは脚本ニダ。ウリはそれを大々的に募集
したいニダ。一番いい脚本を書くたらそれを採用して
それから映画とかにしていくニダ」
これがカンコ君の考えた壮大な計画なのです。何はと
もあれまずは脚本でした。
「誰でもいいから持って来るニダ。よかったら本当に
採用するニダよ」
「そうはいいましても」
今度はフランソワーズちゃんがカンコ君に対して突っ
込みを入れました。
「貴方のお家のドラマで成功しているものはニホンさ
んのお家のものを元にしたばかりではなくて?」
いきなりこのカンコ君が一番気にしている事実をつく
のでした。こうした容赦のなさが流石です。
「そうではありませんこと?」
「だからそれを何とかしていく為ニダ」
だからこそというのでした。
「ウリナラの脚本家を育てる為にも。それで募集を
するニダ」
「じゃあ何で僕達に募集を?」
「皆から集めるんじゃなくてあんたが書けばいいん
じゃないかしら」
「そうよね」
「だからウリやチョゴリも書くニダ」
何か話がおかしな方向に流れてもいます。
「その中で一番いいものを決めるニダよ。何なら皆
も審査員になってみるニダ」
何かかなり強引に話を決めるカンコ君でした。こう
して何はともあれみんなが書いた脚本から一番いい
ものを選ぶことになりました。
そうして選ばれたのは。カンコ君のものでもなくチ
ョゴリちゃんのものでもなく。この人のものでした。
「よし、じゃあ是非使ってくれよ」
「何でこうなるニダ・・・・・・」
審査委員長のカンコ君はウヨ君の脚本が一番になっ
てしまって甚だ残念でした。
「ウリのでもチョゴリのものでもなくてウヨの脚本
が一番になるニダ」
「けれど兄さんもウリもウヨ君のが一番いいっては
っきり言ったニダよ。この雰囲気がいいってはっき
り言ったニダ」
へこむ兄に対してこのことを言うチョゴリちゃんで
した。
「そうではないニダか?言ったニダよ」
「その通りニダ。ウヨの脚本は確かに面白いニダ」
これはカンコ君も認めるところでした。意外と公平
なところもあるみたいです。
「おまけに書くのが速いニダ。こちらの言い分もか
なり聞いてくれるニダ」
「じゃあうってつけではないニダ?とにかく兄さん
も選んだニダよ」
チョゴリちゃんの言うことはまさに正論です。けれ
どカンコ君はこう言わざるを得ませんでした。言わ
ないとどうしても自分で納得できないからです。言
っても納得しない人ですが。
「どうしてウリやチョゴリが書いたのより面白いニ
ダ。おまけに同時入賞はニホンだったニダよ」
「何かへこんでるようですけれど」
「脚本は決まったことですし早く作ることですわ」
「わかってるニダ。けれど何か納得がいかないニダ」
同じく審査員にいるエリザベスちゃんとフランソワ
ーズちゃんにも突っ込まれます。それでも気落ちす
るものが残っているカンコ君でした。横ではチョゴ
リちゃんがやれやれといった顔をしています。そん
なお兄さんを慰めながら。
584 :
マンセー名無しさん:2009/10/26(月) 23:59:04 ID:zJWWg9qO
「胸よ届け君の心に」
男の子は皆女の子の胸が大好きです。まず嫌いな人はいま
せん。
五年地球組の皆もそれは同じで誰もが女の子の胸をこよな
く愛しています。当然カンコ君も同じです。
「全く以ってけしからんニダ」
「いきなり何よあんた」
タイワンちゃんがいきなり言い出したカンコ君に対して突
っ込みを入れます。
「あんたの頭の構造がけしからんのはどうしようもないか
ら諦めなさい」
「ウリの頭のことではないニダ」
まずはこのことを否定するのでした。
「御前もそうニダがウリの周りにいるのはどいつもこいつ
も貧乳ばかりニダ。それがけしからんニダ」
「さて、北斗七星のあの横にある星まで飛ばしてあげるか
ら覚悟しなさい」
面と向かって貧乳と言われたタイワンちゃんはゆらりと立
ち上がりました。そのうえで指をボキボキと鳴らし顔の上
半分が暗くなったところに目を銀色に輝かせています。今
にも殺さんとしています。
「一撃で済ませてあげるから」
「ウリ個人としてはいいニダが」
ですがカンコ君はタイワンちゃんの今の言葉を聞かずに一
人こう言うのでした。
「それでもチョゴリといいコユンといい。あまりにも胸が
なさ過ぎるニダよ」
「僕を呼んだのか」
「何ニダ?兄さん」
凄く久し振りに登場のコユンちゃんとチョゴリちゃんが彼
のところにやって来て尋ねます。
「名前を呼ばれた気がして来たが」
「胸がどうとか言ってるニダか?」
「ウリナラの二枚看板も胸はないニダ」
カンコ君は二人が来たところでまた言うのでした。随分と
失礼な言葉を出し続けています。
二人もいきなり貧乳と言われてです。むっとした顔になっ
てしまいました。そのうえでカンコ君に対して言うのでし
た。
「胸の大きさで人を判断するのはだ」
「あまり感心できないニダよ。すぐに訂正するニダよ」
「大き過ぎても駄目ニダ」
ところがです。カンコ君は独り言を続けます。そうして今
度はこんなことを言いました。
「程よい大きさというかそうニダな」
珍しく思想家になっています。とはいってもその言ってい
ることも考えていることも幾分あれではありますがそれで
も思想家にはなっています。
その思想家カンコ君が言うのでした。思索に耽りながら。
「それを考えるとタイワンの胸は程よいニダな」
「へえ、あんたも見る目あるじゃない」
自分の胸を褒められてタイワンちゃんもさっきまでの凄ま
じい殺気は消しています。
「見直したわよ、今の言葉は」
「コユンもチョゴリもニダ」
今度はお家のその二枚看板について言います。
「やっぱり胸は大き過ぎない方がいいニダよ。二人もそれ
を考えれば合格ニダ」
二人もなのでした。
人というものは褒められるとやはり気分が悪いものではあ
りません。二人もこれで機嫌をなおしました。
「ふむ、君も進化したようだな」
「そうニダよ。胸が小さいのもいいニダよ。それがわかる
兄さんは立派ニダよ」
カンコ君を褒めさえします。彼はその中でさらに言います。
そう言いながら見ているのは。
ニホンちゃんです。言わずと知れた貧乳クイーンです。彼
はそんなニホンちゃんを見て言うのでした。
「まあニホンはあれニダな」
「わたし?」
ここでカンコ君に気付いたニホンちゃんでした。
「どうしたのカンコ君、わたしの胸に何かあるの?」
「ニホンの胸はあれニダな。ウリの好みからすれば少しば
かり小さいニダよ」
ニホンちゃんにも気付かず言うのでした。
「やっぱりBカップはないと寂しいニダ。Aカップも悪く
はないニダがもう少しだけ欲しいニダ」
「胸のことは」
全く自信のないニホンちゃんは言われて困った顔になって
しまいます。けれどカンコ君はまだ言うのでした。
「最近ニホンの家でも巨乳アイドルが多いというニダ。ウ
リナラでもそうニダがウリはあえて言うニダ!」
ここまで言ってです。いきり立ったカンコ君は実際にその
場から立ち上がりました。そのうえで宣言するのでした。
「そう、貧乳こそが男の目指すものニダ!そのよさがわか
らないのはそれだけで人生の楽しみを知らない奴ニダ!巨
乳しか見れないのはそれだけで人生を悲しみの渦の中に置
いてしまっているニダ!」
こう宣言するのです。それを聞いたニホンちゃんの感想は
といいますと。
「ええと。胸の大きさを言ってるの?」
「そうなのよ。何でも貧乳がいいってさっきから」
「独り言を言っていたのだが」
「いきなり叫びはじめたニダ。何かおかしな宗教に目覚め
てしまったみたいニダ」
タイワンちゃんとコユンちゃんとチョゴリちゃん、まさに
ニホンちゃんも入れて貧乳四天王が揃っています。
その貧乳四天王が見守る中でカンコ君の宣言は続きます。
さらに言うのでした。
「ウリは今こそ高らかに言うニダ。貧乳の素晴らしさを、
それに勝るものはありはしないということを。ウリのこ
の考えに賛同するものは今ここに集まるニダ!」
「わかったぞ、カンコ!」
何と最初にその言葉に応えたのはウヨ君でした。感激し
た様子でやって来てカンコ君の両手を自分の両手で握り
締めて叫ぶのでした。
「御前の高邁な思想、俺の心に届いたぞ!」
「ウヨ、わかってくれたニダか!」
「当然だ!」
普段は犬猿の仲の二人がです。今刎頚の交わりを結ん
でいます。
「俺も常々思っていたんだ」
「そうだったニダか」
「見るんだ、タイヘイ池にいる女性陣を!」
これまた随分と範囲を広げています。話がかなり広範
囲になってしまっています。カンコ君の高邁な思想を
今ウヨ君が広げています。
「ベトナさんもインドネシアさんもだ。ブルネイさん
もペルーさんも皆どうだ!」
「貧乳ニダ」
カンコ君は胸を張って言います。
「チリもそうニダな。ケベックもベガスもその胸はあ
まり大きくはないニダ」
「ラスカはわからない。しかしタイヘイ池は貧乳で溢
れているんだ」
語るウヨ君の目がきらきらと輝いています。
「キャンベラも香もだ。この貧乳の花園において俺達
は何故巨乳を追い求めるんだ?何故そんな愚かなこと
をする必要があるんだ」
「その通りニダ。ウリ達は今まさに貧乳の素晴らしさ
をこの世に広めていくニダ」
完全に何かの宗教になっています。
「その為にはウヨ」
「ああ、カンコ」
二人は顔を見合わせて言い合います。
「ウリ達は共に戦うニダよ」
「貧乳の為にだ!」
また手を強く握り合います。その絆は何処までも強く
熱いものになろうとしています。
「さあ、いざ同志達よ立ち上がるニダ!」
「今ここに貧乳の輝かしい夜明けがはじまったぞ!」
朝日が見える岸壁で高らかに言う二人でした。今彼等
はその朝日が昇るのを見ています。
そんな二人を見てニホンちゃんは。呆然となったまま
言うのでした。
「ええと、二人共そんなに貧乳が好きだったんだ」
「そうみたいだけれどこれは何か」
「突き抜け過ぎだろう。完全に意味がわからないぞ」
「ウヨ君も兄さんも同じ男の子ということニダか?何
かおかしいニダよ」
タイワンちゃんもコユンちゃんもチョゴリちゃんもそ
んな二人を見て呆れるばかりです。けれど今二人はそ
の絆を固めあったのでした。それも強く熱く。
597 :
マンセー名無しさん:2009/10/28(水) 23:58:41 ID:tph7WRAO
598 :
マンセー名無しさん:2009/10/29(木) 06:10:47 ID:9U00S0Va
>>598 スレチ。
ここはネケツの隔離スレだよ。
「皆に御願いしたいことが一つできたある」
チューゴ君はまず皆に対してこう言ってきました。何か
えらく物々しい感じです。
「困ったことあるが」
「何だ?キッチョムの馬鹿がまた何かやったのかYO」
アメリー君はあまり緊張せずにチューゴ君に対して問い
返しました。彼は本当に何でもないといった口調で彼に
尋ねています。
皆もです。この町での騒動なぞいつものことですから。
それで穏やかに彼の話を聞いているとです。
チューゴ君の顔は深刻なままです。そうしてこう言って
きたのです。
「うちの家で飼育している動物が一杯逃げてしまったあ
る。四十六匹もある」
「何よ。兎?それとも蛙?」
タイワンちゃんも彼に軽く尋ねます。
「そんなのだったら罠仕掛けたら一発じゃない。あんた
だったら簡単に捕まえられるでしょ」
「そうよね」
ニホンちゃんもそうじゃないかと思いながらタイワンち
ゃんの言葉に頷きます。
「そんな大した動物じゃないんじゃないかしら。お家で
飼ってるんだから」
「それでだけれど」
今度はイン堂君がチューゴ君に尋ねます。
「何かな、その動物って。犬?それとも猫?」
「じゃあ何か餌用意したらいいよね、それで終わりじゃ
ない」
「そうよね」
またタイワンちゃんとニホンちゃんが言います。けれど
ここでチューゴ君が言った動物は。
「鰐ある」
これでした。
「鰐が僕の家から逃げたある。全部で四十六匹である」
「・・・・・・おい待て」
鰐と聞いて皆まずは硬直です。その中でアメリー君が皆
を代表してチューゴ君に突っ込みを入れます。
「鰐って何なんだよ。人食うだろうが」
「だから大変ある。捕まえたらどうしてもいいから皆鰐
を捕まえるのに協力して欲しいある」
「物騒な話だね、また」
流石のイン堂君もこれには呆れてしまいました。
「鰐って。下手しなくてもこっちが食べられちゃうじゃ
ないか」
「あんた、あたし達も食べられるわよ」
タイワンちゃんからは先程までの軽さは消えています。
「そんなの捕まえるなんて」
「とにかく鰐は何をしてもいいから捕まえて欲しいある。
皆に御願いあるよ」
「仕方ないなあ」
「それじゃあ」
皆かなり不満ですがそれでもチューゴ君に協力してその
うえで鰐を捕まえることにしました。
実際に捕まえようとしたらやっぱりかなり大変です。ま
ずお池の中やお水の中にいる時は手出しできません。も
し落ちたらそれで終わりです。
「このっ!」
アメリー君がボートの上から銛を放って鰐を仕留めます。
随分と慣れた動きです。
その鰐を引き寄せてそのうえでボートの上に引き上げま
す。見れば結構な大きさです。
「上手いあるな、また」
「まあな」
一緒にいるチューゴ君の問いに応えます。ボートの中に
は他にタイワンちゃんとニホンちゃんがいます。この三
人も結構上手に鰐を捕まえています。けれどアメリー君
の銛捌きは傑出していました。
「昔取った杵柄だしな」
「昔って?」
アメリー君の今の言葉にすぐに反応したニホンちゃんで
した。何か引っ掛かるものを感じたからです。
「私が取って食べることには反対してるのに」
「よし、チューゴも上手いな」
しかしアメリー君はそんなニホンちゃんの言葉は耳には
入っていません。他の皆が鰐を捕まえていくのを見て自
分もまた捕まえていきます。陸ではイン堂君達が頑張っ
て見事全部捕まえました。
そして捕まえると。チューゴ君が皆に対してこう言って
きたのです。
「では食べるあるぞ」
「ああ、そうだな」
「それじゃあ食べましょう」
チューゴ君の提案に最初に乗ったのはアメリー君とタイ
ワンちゃんでした。
「僕はステーキがいいな」
「あたしは何でも。ニホンちゃんはどうするの?」
「そういえば鰐って美味しいんだっけ」
「美味しいあるぞ」
チューゴ君がニホンちゃんに太鼓判を押してきました。
「鶏みたいな味ある。食べてみて損はないあるぞ」
「そう。だったらわたしも何か作ってみるわ」
ニホンちゃんもそれに乗ることにしました。ただイン
堂君はここで一つこだわりを見せました。
「僕はっぱりカレーにしないとね」
他には欧州町の面々があまり乗り気ではない感じでし
たが鰐がいるお家の子達は皆それぞれ鰐を捌いてそう
して料理にしていきます。
そうして出て来た鰐料理の数々。鰐のお刺身にステー
キに葱焼きにスペアリブにお刺身にお寿司、そしてカ
レーです。ホルモンやデザートまであります。
当然お刺身やお寿司はニホンちゃんが作ったものです。
自分で作ったけれど味にはあまり自信がありませんで
した。
「大丈夫かな」
「ああ、大丈夫だって」
「食べたらびっくりするあるぞ」
けれどそのニホンちゃんに対してアメリー君とチュー
ゴ君が今から食べるのを楽しみにしながら言ってきま
した。
「本当かしら」
そう言われても半信半疑だったニホンちゃんですが勇
気を出して食べてみますと。これが。
「あっ、本当」
「でしょ?美味しいでしょ」
今度はタイワンちゃんが微笑んで言ってきました。見
れば皆とても美味しそうに食べています。
「鰐って」
「ええ。柔らかいしあっさりした味だし」
「爬虫類ってそうあるぞ」
「結構食べるんだよね」
チューゴ君とアメリー君も機嫌よく食べています。
「だからどんどん食べるある」
「カレーはどんな感じなんだ?」
「うん、こっちもいけるよ」
イン堂君は自分が作ったそのカレーを皆にも勧めます。
このカレーもまた。
「美味しい。鰐って美味しいのね」
「でしょ?じゃあ鰐はたっぷりいるし」
「そうね。皆で食べましょう」
明るい笑顔になって頷くニホンちゃんでした。意外な
ところに美味しい動物がいたのでありました。
611 :
「逃げた食べ物」11:2009/11/04(水) 00:53:00 ID:nhYdtouu
「マジで奇麗!」
タイラン君はとても変わった趣味があります。どんな趣味か
といいますと女装が好きなのです。よく女装してその姿で皆
の前に出たりします。
「どうかな。今日の女装は」
「奇麗って言わないとタイガーショット出すから褒めるしか
ねえじゃねえかYO」
「ムエタイと女装の組み合わせは反則あるぞ」
まずはアメリー君とチューゴ君が突込みから感想を述べるの
でした。
「けれどまあいいじゃねえのか?」
「似合ってるあるぞ」
二人も認めはするレベルです。つまり彼の女装は中々いけて
いるのです。
そのいけているタイラン君が今度は皆を女装にしてそのうえ
で大会を開くというのです。それを聞いた皆は。
「また変な大会開くなあ」
「相変わらずって言えば相変わらずだけれど」
「それでだけれどね」
皆の困惑した声をよそに話を続けるタイラン君でした。
「皆女装して来てね。楽しみに待ってるからね」
「それで審査か」
「何か凄いのになりそう」
皆タイラン君の強引さに戸惑いはしますがそれでも参加する
ことは参加するのでした。かくして男組は全員参加したので
ありました。
とはいっても女の子は参加できません。その場合は弟やお兄
さんが参加することになっています。日之本家で参加する人
といえば。
「俺か」
「武士、頑張ってね」
ニホンちゃんがウヨ君にエールを送っています。
「武士だったら可愛いから絶対に大丈夫よ」
「いや、可愛いって言われるのは」
気恥ずかしいウヨ君でした。そういうことを言われると男ら
しさを追求している彼にはあまり気持ちいいものではないの
です。
けれど参加することは決定しています。それで大会までにダ
イエットもして服も選びます。鶴の様な白い服も用意してそ
のうえで。
「うわ、凄いじゃない」
「そんなにいいかな」
「ええ、最高にいいわよ」
ニホンちゃんのお家の歌舞伎のヒロインの一人雪姫になりま
す。これが最高に合っています。
「揚巻とか静御前とかでも面白いけれどね」
「うん、これにするよ」
そう言ってその雪姫の格好でいざ出陣となったのでした。
そしてタイラン家に行くと。まずは奇麗なドレスを着た大柄
なブロンドの美女がいました。顔が真っ赤です。
「俺・・・・・・いや私はもう主人がいますから」
「オネーギンのタチヤーナか。とするとロシアノビッチか」
ウヨ君はその大柄な美女がロシアノビッチ君だとすぐにわか
ったのでした。
さらに行くとです。ごてごてしたきらびやかな服を着て実に
濃い京劇そのものの化粧をしたお姫様がいます。彼は。
「この宮殿の奥において」
「トゥーランドットということはチューゴか」
今度は彼でした。そして今度は。
「ジャック=ランス、あんたは博打打ちだったわね」
赤い服を着て銃を隠し持っている威勢のよさそうな酒場の女
姉御がいます。彼はといいますと。
「西部の娘だからアメリーだな」
まず三人に気付いたウヨ君でした。皆が皆それぞれみらびや
かな格好で集まっています。皆化粧も上手くて本当に女の子
に見えます。
「何か私達よりも奇麗?」
「そうかも」
「何か嫉妬」
それを見た女の子達の感想です。見れば確かに皆物凄い美人
になっています。
それでコンテストに参加して皆が皆そのそれぞれの姿を披露
したりタイラン君のお家の服に着替えたりして審査をしてい
きます。エントリーされるごとに皆の前に姿を現わします。
当然ウヨ君もその一人で。その雪姫の格好や鶴の姿、それに
タイラン君のお家の姿で出て来て皆に見てもらいます。その
感想は。
「恥ずかしいな」
やはり女装には抵抗があるのでした。
「俺は男だし。こんな姿で皆の前に出るのは」
「何言ってるのよ、凄く奇麗よ」
けれどニホンちゃんはこう言って彼を褒めるのでした。
「若しかしたら優勝するかも知れないわよ」
「優勝って」
「そうよ。武士前優勝できなかったでしょ」
「まあそれは」
実は前はそれができなかったのです。
「そうだけれど。前の前だったかな」
「今回はリベンジよ。絶対にね」
こう言って弟を励ますニホンちゃんでした。
そしていよいよ結果発表です。自分も参加して女装もして
いるタイラン君が発表します。
「さあ、発表わ」
「私よ」
「私に決まってるYO」
「私あるよ」
ロシアノビッチ君もアメリー君もチューゴ君も完全に女の
子になりきっています。
「ここまで奇麗なんだから」
「ミニーはいいヒロインよ」
「タイトルロールを舐めたら駄目あるよ」
三人も必死の顔になります。そして優勝は。
「ウヨ君!」
「えっ、わたし!?」
ライトで照らされてその中で驚いた顔になるウヨ君でした。
「わたし!?わたしが優勝なの」
「よかったわね」
すっかり女の子になっているタイラン君が彼・・・・・・
いえ彼女を抱擁してから告げます。
「奇麗よ、とても」
「ありがとう」
すっかり女の子になってトロフィーを受け取るウヨ君でし
た。
「わたし、頑張ったかいがあったわ」
「そうよ。美は頑張れば頑張るだけいいものになるのよ」
タイラン君も言うのでした。
「だから皆も。今回は駄目だったけれどもっと奇麗になっ
てまた来てね」
「ええ、わかったわ」
「今度こそは私が勝つわYO」
「優勝するあるよ」
ロシアノビッチ君もアメリー君もチューゴ君も次回こそは
と誓うのでした。
そして雪姫の格好でニホンちゃんとトロフィーを持ってツ
ーショットを撮るウヨ君の姿は。
「本当に美人姉妹になっちゃったね」
「うう、喜んでいいのか悪いのか」
男の子に戻ったウヨ君は。どうも複雑な気持ちでした。
622 :
総督府より転載:2009/11/04(水) 22:56:40 ID:nhYdtouu
なかなかヨカタwww
はるな愛さん、おめでとうございます。
後、SS面白かったw
「これこそ予定調和」
今日ニホンちゃんと皆はメヒコ君のお家に集まっています。ニホン
ちゃんがメヒコ君のお家に桜の木を植えるのです。
「僕の家にもあるからな、ワシントンの間の庭に」
「僕の家にも結構植えられてるあるぞ」
アメリー君とチューゴ君がまず言います。皆でニホンちゃんがその
桜の木を植えるのを見守っています。
「やっぱり奇麗なんだよな、桜は」
「全くある。何だかんだでやっぱりあれは切れないあるよ」
この二人も認める桜の奇麗さと美しさ、桜の木はやっぱりニホンち
ゃんのお家の木です。
皆集まっていますがここで一人だけ。その集まりに来ていない人が
います。それが誰かというと。
「全くあいつは」
タイワンちゃんが呆れた声で言います。
「またいないのね」
「いつものことだけれどね」
インドネシアちゃんが彼女の言葉に応えます。
「カンコの遅刻は」
「たまには時間通り来なさい」
いない本人に対しての言葉です。
「まあいたらいたらで五月蝿いけれど」
「確かにね」
そんな話も出ています。とにかく今は皆でニホンちゃんが桜の木を
植えるのを見守っています。
そして木を植え終わると。メヒコ君がニホンちゃんのところに来て
明るく楽しい声をかけるのでした。
「有り難う」
「これでメヒコ君のお家にも桜が咲くのね」
ニホンちゃんはメヒコ君の御礼を受けながら微笑みます。するとこ
こで風が吹いてそれで。
満開の千本桜から花びらが散ります。そうしてそのうえで青い空を
桜色に染め上げます。
地面にも落ちお池にも落ちて辺りを桜色に染め上げます。皆それを
見てうっとりとします。
「やっぱり桜はいいよね」
「奇麗でそれでいて華やかで」
「全く」
ここでベトナちゃんが言います。
「ニホンちゃんそのものね」
ニホンちゃんを見ながら話すその顔は微かに笑っているように見え
ます。
「この桜は」
「そうよね。日之本さくらだし」
タイワンちゃんもベトナちゃんのその言葉に笑顔で頷きます。
「そのままよね」
「ええ。そのニホンちゃんが植えた千本桜」
インドネシアちゃんもうっとりとして花びらが舞うお空を見上げて
います。
「本当にそのままよね」
こう言うのでした。
女の子達がうっとりしていると男組も。今日ばかりは静かになって
集まってジュースを飲んでいます。
「こういうのもたまにはな」
「いいものある」
「ああ、全くだぜ」
ロシアノビッチ君はお酒です。
「酒が美味いぜ、おかげでな」
「それにしても。奇麗だよ」
タイラン君もいます。
「本当にニホンちゃんの心が舞ってるみたいだね」
「ああ、だよな」
「その通りある」
アメリー君もチューゴ君も今日は大人しいです。タイヘイ池に面し
ている一同がうっとりとしています。
とりわけ桜を植えてもらったメヒコ君は御満悦です。桜の中に立っ
てそれでニホンちゃんに言います。
「何時までもこうしていたいよ」
「そうね。この桜の中で」
赤い袴とその桜色の振袖姿のニホンちゃんの周りにも花びらが舞っ
ています。何処までも幻想的な風景が続きます。そうしてその幻想
の中で。
遂に出て来ました、彼が。その桜吹雪の中から遂に出て来たのです。
まさに主役は遅れてやって来る、とはいっても遅刻して来ているわ
けなのですけれど。
「やあ皆、出迎え御苦労ニダ」
「誰も出迎えてねえから安心しろ」
「というか遅れて何を堂々としているあるか」
いきなりアメリー君とチューゴ君の冷たい突込みを受けて参上した
のはカンコ君でした。桜吹雪の中から颯爽と現れたのです。堂々と
遅刻してきて。
「とにかくよ。御前も祝うんだな、メヒコのこと」
「ニホンちゃんが植えた桜のことあるが」
「当然ニダ、ウリが祝わなくてどうするニダ」
カンコ君は胸を張って言うのでした。
「大体ニホンのこの桜はソメイヨシノニダな」
「ええ、そうだけれど」
ニホンちゃん本人がカンコ君の問いに答えます。
「ひょっとしてそこから先の言葉は」
「ソメイヨシノはウリナラに生えていた桜がき・・・・・・」
「それはない」
ここでタイワンちゃんがカンコ君の言葉を遮って突っ込みを入れ
ました。
「あんた大昔にそれ言って自爆したでしょ。繰り返しはギャグの
基本だけれどもういい加減使い古したネタを何度も言うのは止め
なさいよ」
「何っ、ウリが言うのをネタだというニダか!?」
「あれっ、ネタだったんじゃないの!?」
「そう思ってたけれど」
タイラン君とベトナちゃんもこう言い返します。
「だって毎回毎回自爆して笑い取ってるから」
「そうだとばかり」
「・・・・・・ウリは今猛烈に悲しいニダ」
ネタを言われたことがとにかく残念なようです。どうも彼にして
みればそうではなかったようです。
「これはネタではないニダ。ソメイヨシノはウリナラの」
「ええと、ここに急に何処からか出て来た図鑑があるけれど」
演説を再開しようとしたカンコ君に対してメヒコ君が言ってきま
した。
「カンコ家にあったのはオオシマザクラとエドヒガシの雑種とか
王桜だよね。ソメイヨシノはまた違う種類じゃない」
「これ前聞いたぜ、おい」
ロシアノビッチ君も酔ってはいてもこのことを覚えていました。
「何ていうか繰り返しだけれどよ」
「確かさ、あたし前言ったけれど」
タイワンちゃんが話を収めにかかりました。
「大体あんた昔ニホンちゃんのお家の人が植えた自分の家の桜の
木をニホンちゃんの家のものだからって切り倒していっていたん
じゃなかったかしら」
「うう、それはそうニダが」
「ああ、もうこれで話は終わりな」
「お花見再開するあるよ」
話が終わったところでアメリー君とチューゴ君が皆に言います。
「ほらカンコ、御前も入れ」
「ジュースとお菓子をたっぷりと楽しむよろし」
「はい、どうぞ」
メヒコ君が早速お菓子を差し出してコップには。
「どうぞ」
ニホンちゃんがにこりと笑ってジュースを注いでくれるのでし
た。そのジュースの中に花びらが一枚落ちてきて。
それを見たカンコ君まずはそのジュースを一気飲みしました。
そしてそれから言うのでした。
「・・・・・・ニホンの味がするニダな」
「美味しいの?わたしの味って」
「まずいニダ。だからもう一杯寄越せニダ」
こう言ってコップをニホンちゃんに突き出してもう一杯催促を
するのでした。ニホンちゃんもそのコップにジュースを注いで
あげて。メヒコ君のお家でのお花見はこうしてつつがなく終わ
ったのでした。
636 :
マンセー名無しさん:2009/11/05(木) 23:55:57 ID:+TBiQfwe
「タイツの魅力」
アメリー家には物凄く大きな舞台があります。町中で有名
なこの歌劇場はニューヨークルームにあります。その名前
はメトロポリタン、物凄く多いレパートリーと広さで有名
な場所です。
ここでアメリー君はよくオペラを上演します。町中から歌
を歌う人を集めていつも華やかに上演しています。
今日はチューゴ君の家を舞台にしたマカロニーノ君のお家
の作品である『トゥーランドット』です。演出はチューゴ
君で指揮はアメリー君です。そして主役はクラスでも屈指
の歌い手であるマカロニーノ君です。
配役は万全です。何の問題もありません。ところがここで
演出担当のチューゴ君と主役である王子役のマカロニーノ
君が対立したのです。それは何についてかといいますと。
「だからその服じゃないと駄目なんだよ」
「僕の家の作品あるぞ。その服は不自然ある」
マカロニーノ君が主張してチューゴ君が受けません。とに
かくお互い言い合ってそれで引きません。何かえらいこと
になっています。
「おい二人共どうしたんだい?」
あまりにも騒ぎが続くのでアメリー君が二人の間に入りま
した。
「そんなに喧嘩して。どうしたんだYO」
こう尋ねるとでした。
「マカロニーノがタイツをはきたいと言って聞かないある。
それも黒タイツあるぞ」
「だからさ。それがいいんだよ」
だというのです。どうもマカロニーノ君がタイツをはきた
いと言って我儘を言っているようなのです。それでチュー
ゴ君が反対しているのです。
「あれはスタイルがはっきり見えるからね。僕の脚線美が
お客さんにはっきり見えるじゃない」
「だから。僕の家に黒タイツなんてないあるぞ」
チューゴ君はあくまでこう言って反対します。
「普通の服ある。あのゆったりとした僕の家の服ある」
「けれどさ。主人公の王子はあれじゃない」
マカロニーノ君も引きません。
「モンゴルの家の人になるんだよね。だったら君の家の服
の必要はないじゃない」
「モンゴルの家の人でもタイツはないあるぞ」
この辺りはチューゴ君に分があります。
「だから駄目ある。この作品では絶対にタイツは駄目ある
よ」
「いや、僕がタイツだったらお客さんがね」
お互い引く素振りは全くありません。そんな二人の対立を
見て遂にアメリー君が言いました。
「マカロニーノ、今回はチューゴが正しいぞ」
「正しいって?じゃあタイツをはいたら駄目なのかい?」
「大体何なんだよ。いつもタイツはきたがるじゃないか」
アメリー君も彼のこのことを指摘するのでした。
「どんな作品でも。確かにヨーロッパ町の作品ならいいけ
れど古代が舞台のとかこうしたチューゴの家の作品とかだ
と無理が有り過ぎるよ」
「そうある。じゃあ西部の娘でも蝶々夫人でもタイツある
か?無茶苦茶あるぞ」
「そうだよ」
何と西部劇の作品でもニッテイさんの時代のニホンちゃん
のお家の作品でもそれだというのです。これはまず有り得
ない話です。
それでもマカロニーノ君はタイツだと言うのです。聞く様
子は全くありません。
「だからタイツじゃないと人気が出ないじゃないか。僕が
その格好で出たら皆来るじゃない」
「どうする?」
「ここまで言うなら仕方ないあるか?」
流石にアメリー君もチューゴ君も折れようとしてきました。
マカロニーノ君があまりにも強く言ってしかも引かないか
らです。この二人ですら引かせるのでした。
「じゃあもうわかった」
「タイツでいくよろし」
こうして黒タイツで出ることになったマカロニーノ君。そ
の評判はどうでしょうか。
何と彼の言った通りでした。皆そのタイツ姿を見てうっと
りです。女の子達、年配の人達は特にその黒タイツのマカ
ロニーノ君にうっとりです。
「いつもスタイルいいわよね」
「そうよね。特にあの脚」
「タイツ姿がいいのよ」
こう言って惚れ惚れするのでした。彼の甘いマスクや見事
な歌いぶりも大人気です。しかし何といってもその黒タイ
ツ姿が人気の的でした。
それで拍手も歓声も彼が独占です。歌えばもうそれで舞台
が中断される程でした。
舞台が終わってカーテンコールでも彼が中心です。指揮を
していたアメリー君や演出のチューゴ君はおろかタイトル
ロールのノーベル君のお家の人までも圧倒してしまってい
ました。
「実際に大人気だったな」
「舞台は大成功だったある」
アメリー君もチューゴ君もそれは認めます。二人にとって
もこれはとてもいいことです。
「けれどな。あいつばかり目立ってな」
「他の人は全く目立たなかったあるぞ」
こう言うのでした。
「考えてみればこれって我儘な話だよな」
「その通りある。何か腑に落ちないある」
周りにはそんな不満の残る舞台でした。しかしその翌日の
同じトゥーランドットの舞台でノーベル君のお家の人と歌
で競争して負けて大荒れになったマカロニーノ君、一旦舞
台から下がって喚き散らすのでした。
「僕にあんなことするなんて!絶対に許さないからな!」
「だからおめえはちょっと舞台のことになると我儘過ぎる
んだ!大人しくしろYO!」
「皆のこと考えるよろし。舞台が滅茶苦茶になるあるぞ!」
今度は彼に怒る二人でした。とにかく舞台や指揮になると
とても困った人のマカロニーノ君です。
「毛が抜けるぬいぐるみ」
「兄上、大変なことになったぞ」
アーリアちゃんがゲルマッハ君に対して言ってきました。
「極めて深刻な事態だ」
「深刻だというのか」
「そうだ、これを見てくれ」
こう言って出してきたのは熊のぬいぐるみでした。二人がいつも
大事にしているそのぬいぐるみがです。
何と身体の毛がなくなっているのです。それも一本もです。それ
を見てゲルマッハ君は言いました。
「これはどうしてなんだ?」
「私にもわからない」
アーリアちゃんも険しい顔で首を横に振るだけでした。
「だが、これはだ」
「そうだな」
事態が大変なことはもう言うまでもありませんでした。
「何とかしなければならない」
「しかし兄上、私にはどうしていいのかわからないが」
「僕もだ」
二人共そもそも原因がわかりません。ですから解決案もわかり
はしません。本当に困ったことになりました。
しかしこのぬいぐるみは二人にとってお気に入りですし何とか
したいです。それで考えに考えた二人が採った解決案とは。次
の日の学校において。
「それでだ」
「皆の意見を聞きたいのだが」
そのぬいぐるみを見せて皆の意見を集めることにしたのでした。
自分達ではどうしていいのかわかりかねたので皆に聞くことに
したのです。この辺りはいい判断だったと言えます。
皆もこれにはまず驚きました。誰もがそもそも原因についてわ
かりかねました。
「ええ、何でなの?」
「何でぬいぐるみの毛が抜けたの?
それがわからないのです。生きているものの毛が抜けるのなら
わかりますがぬいぐるみとなるとです。誰もそれがどうしてな
のかさっぱりわかりません。
従って皆首を傾げています。ところがここで誰かが言うのであ
りました。
「呪いかな」
「呪いか」
それを聞いたゲルマッハ君の顔がぴくりと動きました。
「それでぬいぐるみの毛が抜けるというのか」
「何ていうかゲルマッハ家の」
「あっ、そういえば」
「確かに」
皆ここではっと気付きました。そういえばゲルマッハ君の額は
です。かなりまずいです。
「その額、前よりも」
「そうだよね。何かさらに」
ゲルマッハ君の額は次第に次第に広くなっています。そのこと
に呪いの理由を見たのです。
「その呪いがぬいぐるみにも」
「まさか」
「いや、それは違う」
ゲルマッハ君は意固地な声でそれを否定しました。
「僕のこれは至って普通だ。それは気のせいだ」
「いや、気のせいじゃないかも」
「だよね、これは」
「間違いないよ」
話が変わってきました。ぬいぐるみからゲルマッハ君の額につ
いてです。しかしその話はある人の登場によって中断させられ
ることになりました。
「いえ、それは関係ありませんよ」
「むっ、ハイチか」
「はい」
アーリアちゃんが彼女に気付きました。ここで皆の前に出て来
たのはハイチちゃんだったのです。
彼女は皆の前に出て来ると。こう言ったのです。
「このぬいぐるみの毛が抜けた理由は私にもわかりませんがゲ
ルマッハさんの髪の毛とは何の関係もありません。またゲルマ
ッハ家にはそうした呪いはありません」
「あれっ、ないの」
「そういった呪いはないの」
「はい、ありません」
はっきりとした言葉でまた皆に答えてきました。
「そうした呪いはです」
「何だ、そうだったんだ」
皆これで話を元に戻すことになりました。
「けれどこの毛はどうしたらいいんだろう」
「原因はわからないにしても」
「解決方法はあります」
しかしハイチちゃんはこう皆に言うのでした。
「それは私に任せて下さい」
「えっ、あるの!?」
「このぬいぐるみの毛をどうするか方法が」
「あります。これをです」
言いながら出してきたのは何かお薬みたいなものでした。それ
を皆の前に出してきたのです。
そうしてそのうえで。皆に対して話すのです。
「これを塗ればいいのです」
「そうなのか」
「それを塗れば毛が元に戻るのか」
「ええ。それでは」
ゲルマッハ君とアーリアちゃんに応えながら早速そのぬいぐる
みを受け取ってです。ぬいぐるみにそのお薬を塗るとでした。
そうすると。
何と毛が見る見るうちに生えていきます。そうして元通りにな
ったのでした。
「何と」
「本当に元に戻るとはな」
ゲルマッハ君もアーリアちゃんもこれには驚いています。どう
してそうなったのかびっくりしています。
当然皆もです。それでハイチちゃんに尋ねるとです。
「ニホンさんのお人形を見てです」
「わたしの?」
「はい、毛が自然に生えるお人形がありますね」
「え、ええ」
ハイチちゃんのその質問に答えます。
「実際に何で生えるのかわからなくてとても怖いって思ってる
んだけれど」
「それの謎でもあるのです」
ハイチちゃんはニホンちゃんにも話すのでした。
「それがこれなのです」
「これって」
皆話が読めなくなってきています。それで彼女の話をさらに聞
くのでした。
「どういうことなの?ニホンちゃんのお家のお人形からわかっ
ったって」
「何か話が」
「ニホンさんの髪の毛が生えるお人形に塗られているお薬には
髪の毛を伸ばす成分が含まれているのです」
それだというのです。
「それを塗ったのです。それなのです」
「ああ、それでなんだ」
「それでぬいぐるみの毛も」
「その通りです。これで事件は解決しました」
ハイチちゃんは皆に言いました。ついでにニホンちゃんのお家
の人形の謎も解けました。しかし事件は解決したとはいえ結局
ぬいぐるみの毛が抜けた原因はわからずじまいなのでした。
656 :
マンセー名無しさん:2009/11/07(土) 23:43:19 ID:GBbuTrZJ
「クールメイド」
「いらっしゃいませ」
紫苑家に行くとです。まず紫苑ちゃんがいつものクール
な表情でそれで。メイド服を着て皆を出迎えてきたので
ありました。黒と白のそのコントラストと可愛らしいデ
ザインのそのフクがとても似合っています。
「何か普段と違ってこれまた」
「凄くいいよな」
「ああ、かなりな」
男組はそんな紫苑ちゃんを見てまずドギマギです。なお
メイド服のスカートは当然ミニでその下にはガーターで
白ストッキングで脚を覆っています。
そんな艶姿の彼女が現れてです。こう彼等に囁いてきた
のでした。
「御主人様、これなぞ如何でしょうか」
「御主人様!?」
「何か凄い新鮮っていうか」
「紫苑にそんなこと言われるなんて」
これまた皆にとっては強烈な一撃を持った言葉でした。
こうして彼等は忽ちのうちに陥落してしまいました。こ
れはメイド服の魅力もさることながら紫苑ちゃん自身の
そのクールビューティーな魅力が大きかったようです。
やっぱりこの娘もかなりの美少女であります。
そうして勧めてきたものはといいますと。
「ええと、これ?」
「これ買えばいいのか」
「その通りです、御主人様」
また御主人様と呼ぶ紫苑ちゃんでした。こうした細かい
心配りは流石長い間商売で生きてきたお家の娘だけはあ
ります。
「お肌がすべすべになるわよ」
「ああ、化粧品なんだ」
「それなんだ」
お肌と聞いて何なのかわかりました。青い容器やチュー
ブに入ったそれはよく見れば本当にそういったものでし
た。
「うちのお家の塩がたっぷり入ったプールから採ったも
のだから。自然でいいわよ」
「ううん、けれどなあ」
「僕達男だし」
「こうしたお化粧の類は」
ところが皆ここで難色を示しました。皆男なのです。で
すからこうしたお化粧品は買ったりしないのです。それ
でも紫苑ちゃんはそのクールなままで皆にお化粧品を差
し出してそのうえで言うのでした。
「どうぞ、御主人様」
「うっ、これは」
「かなり」
男心の壺を付くことニホンちゃんのお家のアイドルの如
しです。しかもです。
紫苑ちゃんは只者ではありません。何とここで更なる手
を打ってきたのです。それは。
「どうぞ、御主人様」
「このお化粧品は如何ですか?」
「お母様や妹さんにお似合いですよ」
何とニホンちゃんにタイワンちゃん、ベトナちゃん、イ
ンドネシアちゃんにトル子ちゃん、アジアンガールズが
一斉にメイド服で皆の前に現われたのです。その服は二
ホンちゃんがピンク、タイワンちゃんがイエロー、ベト
ナちゃんがブルー、インドネシアちゃんがレッド、トル
子ちゃんがグリーンです。見事に色分けまでされたミニ
のメイド服です。
しかもその手にはやっぱりその紫苑ちゃんのお家のお化
粧品があります。
一人だけでもかなりの威力なのにそれが六人になりまし
た。これで皆の命運は決まりました。
「も、もう我慢できない!」
「終わりだ、負けた!」
「買うよ買うよ!」
こうして皆紫苑ちゃんのお化粧品を買ったのでした。結
果として紫苑ちゃんの思い通りの展開になりました。彼
女は皆が帰った後札束のお札の数を数えながらにっこり
としています。
それもメイド服のままです。これだけを見ればやっぱり
奇麗な女の子だな、と思えるのですがここで。後ろから
そのアジアンガールズが彼女に言ってきたのでした。
「あのさ、いい加減帰りたいんだけれど」
「私も」
タイワンちゃんとインドネシアちゃんがむっとした顔で
紫苑ちゃんに言ってきました。
「お仕事終わったし」
「もういいわよね」
「帰られないわよ」
けれど紫苑ちゃんはそう言う彼女達に対して実に冷たい
声で告げるのでした。
「まだうちの家喧嘩してるし」
「あんたのせいで帰られないんだけれど」
今度はトル子ちゃんが言ってきました。五人共まだメイ
ド服のままです。
「皆でレバノンの家に遊びに行っていたら急にあんたと
あんたのお家の人達が喧嘩売ってきてそれでここにいる
んだし」
「まだ終わらないの?」
ベトナちゃんはぽつりと紫苑ちゃんに尋ねます。
「まだ」
「まだよ」
紫苑ちゃんの返答は冷たいままです。
「もう少し我慢していて」
「もう少しって」
ニホンちゃんは紫苑ちゃんの今の言葉に難しい顔になり
ました。
「晩御飯までにお家に帰られるかしら」
「じゃあお家の人には私から連絡しておくから」
相変わらず札束のお札を数えています。その姿はまるで
人買いです。
「それで安心できるわね」
「何かそれでずっと働かされそうで」
「全然信用できないんだけれど」
ニホンちゃんやタイワンちゃんだけでなく女の子皆が思
っていることでした。とはいっても何とかお家の人達が
迎えに来てくれて帰ることはできました。
666 :
マンセー名無しさん:2009/11/09(月) 23:29:07 ID:UdCErrcN
667 :
マンセー名無しさん:2009/11/09(月) 23:31:46 ID:UdCErrcN
「飛ばせ風船」
ニホンちゃん達は小学生といっても学生さんであることには
変わりありません。従ってテストからは逃れることはできま
せん。これはまさに学生の本分です。
「うわあ、また一日近付いたよ」
「テストの日が近付いてるわね」
皆そのことにかなり怖がっています。
「勉強はしないといけないし」
「悪い点取ったら恥ずかしいし」
「恥ずかしいで済めばいいけれど」
話はさらに暗いものになっていきます。
「下手をしたらお母さんに怒られるから」
「お小遣い減らされたりおやつなしにされたり」
「最悪折檻とか」
話が次第に剣呑なものになっていきます。
「そういうのあるからね」
「絶対に頑張らないと」
「それでもねえ」
皆溜息と共に言葉を出していきます。
「調子のいい悪いもあるし」
「知らない問題ばかり出るとかね」
テストには付き物の悩みはまだあるのでした。
「だから運のいい悪いもあって」
「どうなるかわからないのよね」
「おまじないでもしようかしら」
誰かがこんなことを言いはじめました。
「何か効き目あるのない?」
「お祈りするとか?」
「そういうのかな」
「ううむ、何かあるかな」
こう悩んでいるとです。いつもの彼が出て来たのでありま
した。
「皆それならいい方法があるニダよ」
「ってカンコ」
「今度はどんな芸を見せてくれるのよ」
「芸とは失礼ニダな」
いきなり芸とか言われたカンコ君はまずは不機嫌な顔にな
りました。
「ウリは別に芸なぞしてはいないニダよ」
「そうだったのか!?」
「いつもそうだと思ってたけれど」
皆この辺りはかなりシビアというかカンコ君にとっては偏
見です。どうやら皆の方が正しいようですが。
そんな皆の目にもめげず。彼は言うのでありました。
「それでおまじないニダが」
「それでどうするんだ?」
「何かまた動物のぬいぐるみ引き千切ったりお池の中に飛
び込んだりとかいった奇妙なパフォーマンスするの?デモ
の時みたいに」
「そんなことはしないニダ」
またしても皆の言葉をムキになった顔で否定します。
「今回使うのは風船ニダ」
「風船!?」
「今回は案外まともだよね」
「そうね」
皆その話を聞いてまずはこう言い合いました。
「またうんことかそんなかもって思ったけれど」
「意外にまとも」
「っていうかまとも過ぎて拍子抜けだけれど」
「それでニダが」
カンコ君はさらに皆に話します。
「風船にテストの点が上がるように書いてそれをお空にま
で飛ばすニダよ」
「本当にそれだけ!?」
「それで終わりなの」
皆いつもがいつもなので中々信じようとしません。
「それで終わりって」
「何かカンコじゃないみたい」
かなり失礼な言葉も出てしまっています。
「それで終わりって」
「文字書いた風船をお空に飛ばすだけなんて」
「では皆いいニダか?」
カンコ君は早速何処からか風船とペンを取り出してきて皆
に告げます。
「風船に文字を書いてお空に飛ばすニダよ」
「まあそれでテストの点数がよくのならいいことだし」
「それじゃあ私も」
「僕も」
皆とりあえず風船にお願いごとを書くだけで本当にテスト
の点数が上がるのならいいことだと思い風船にそれぞれ点
数がよくなることを書きました。そしてその風船にガスを
入れて。
皆で風船を一斉にお空に飛ばします。それぞれの字が書か
れた風船が一斉にお空に上がりました。
「何かこれだけで終わりって」
「呆気ないっていうか」
「拍子抜け?だよね」
「平和が一番ニダ」
クラスで一番訳のわからないエンターティメントを引き起
こしている人の発言です。
「これで皆がテストの結果がよければいいニダ。ついでに
ウリもそうニダ」
「まあ確かに」
「その通りね」
皆今回ばかりはカンコ君の言葉に頷きました。このまま話
は平和に終わりました。
と思ったら。
急にお空に烏達が出て来ました。そうして皆の風船に次々
に襲い掛かって。
一つ、また一つと割っていきます。皆この展開には凄く嫌
な顔になりました。
「これがオチ?」
「だとしたら凄く嫌なんだけれど」
「御願いした風船が破られるって」
「しかも烏にって」
皆このことに本当に嫌な顔になります。かといってもお空
のことですのでどうにもなりません。
流石のカンコ君もこの事態には呆然となっています。まさ
かここで烏が出て来るとは思わなかったのです。
そしてその呆然となった顔で呟くのでした。
「・・・・・・なじぇここで烏が出て来るニダ?」
「わからねえけれどよ」
「物凄く不吉な気がするけれど」
「これ以上ないまでに」
その烏の羽根の真っ黒い色を見て不吉なものを思わざるを
得ませんでした。誰もが。
「どうしようかしら、これって」
「御祓いする?ついでに成績祈願もう一回して」
誰かが言いました。
「それでどうかしら」
「それならウリナラのそうしたグッズをあげるニダ」
流石に今回ばかりは烏のことはどうしようもないまでも自
分がやったことで気落ちしているのでカンコ君が皆に言っ
てきました。
「今度は流石に烏は出ないニダよ」
「ああ、じゃあそれで」
「御祓いと祈願にするわ」
「それで頼むニダ」
こうしてあらためてカンコ君から成績上昇祈願グッズを貰
って何とか気を取り直した皆でした。さて、それでテスト
の結果はどうかというと悲喜こもごもでありました。
679 :
マンセー名無しさん:2009/11/11(水) 23:58:40 ID:LFCuKtap
「誰も気付かない」
今ニホンちゃんのお家でぽっぽおじさんがこんなことを言い出した
のです。それは何かと言いますと。
「東アジア町の皆で一緒にやっていこう」
こんなことを言ったのです。それで皆大騒ぎになっています。
「皆っていうと」
「具体的には誰が入るのかしら」
「それが問題だけれど」
それでぽっぽおじさんの飼い犬フラン犬はこんなことを吠えていま
した。
「アメリーイラン、アメリーイラン」
最早犬の吠え声ではありません。しかしその顔はあの人面犬です。
フランケンの顔の犬ですから。
けれどこう吠えています。つまりアメリー君は入れないというので
す。
これにアメリー君が気分を悪くしたのは当然です。この犬はどうも
ニホンちゃんのお家の人よりもチューゴ家の人達になついているの
です。実のところあまり頭がよくないんじゃないかと噂する人もい
たりします。
それで皆この犬は何なんだと思っているとです。
当のぽっぽおじさんはこんなことを言いました。
「アメリー君も参加してもらうよ」
フラン犬の吠えているのはなかったことにするのでした。どうやら
まだこの人の方がフラン犬よりはましみたいです。
ですがこれはこれで騒動の元でありました。
「ええと、アメリー入れたら」
「東アジア町じゃないんじゃ?」
「そうだよね」
しかしここでこの二人が言うのでした。
「わす最初から入ってくれって言われてるダスよ」
「わいもやで」
オージー君とニュージー君が出て来ました。
「わす達東アジアだったダスか?」
「オセアニアやったと思うんやけれどな」
「だよな。確かに」
「そういえば」
皆この二人の話を聞いて言うのでした。
「それにチューゴ、あんたって」
「何あるか?」
チューゴ君はタイワンちゃんの言葉に顔を向けます。
「自分独自で最近アメリー君と付き合ってるわよね」
「まあ色々と付き合いは深めているある」
実はこの人もこの人でこんなことをしているのでした。
「それは事実あるしちゃんと皆にも言っているあるぞ」
「じゃあぽっぽおじさんのあれはどうなの?」
「何かどう言っていいのかわかりかねているところもあるのは
事実あるが基本としていいと思っているあるぞ」
「そうなのね。あたしは」
ここでタイワンちゃんは自分のことも考えます。
「そもそもあのおじさんの構想に入ってるのかしら。あの馬鹿
犬はあたしを露骨に嫌ってるけれどね」
「あと僕の考えだけれど」
今度出て来たのはシンガ君でした。
「アメリーは参加させるべきだと思うよ」
「そうダスな。やっぱりアメリーは必要ダスよ」
「まあ別にええんちゃうか?」
「何だかんだでアメリーは入っていいと思ったりもするある」
意外とチューゴ君もそれにはやぶさめではないようです。どう
も彼個人でアメリー君と付き合いを深めているせいでしょうか。
それを聞いてアメリー君もまんざらではないようです。結構そ
の機嫌をよくしてきました。
「だったら僕もかな」
「いいと思うよ。君が入っても」
彼本人にも言うシンガ君でした。
「あとベトナやタイラン、マレーシア達も入るし」
「考えてみれば相当賑やかになるわね。けれど」
ここでタイワンちゃんはあることに気付きました。
「けれどこれっていつもの集まりと一緒の顔触れじゃないの?
ほら、APECとか」
「確かに」
「言われてみれば」
「そうよね」
皆このことに気付いたのでした。
そして今まで黙っていたニホンちゃんも。ここでやっと口を開
くことができたのでした。実はこの娘もこの場にずっといたの
です。
「それわたしも気になってたけれど」
「あのおじさんはそれに気付いているの?」
「ううん、かなり怪しいと思うわ」
首を横に捻ってタイワンちゃんの問いに答えるニホンちゃんで
した。
「実際のところね」
「そうよね、やっぱり」
「ああ、あの犬の吠えていることは気にしないで」
ニホンちゃんはここでこのことを皆に言いました。
「最近御本家にも吠えたりしてもうおじさんも流石にどうしよ
うもないってなってるっぽいから」
「そうなの。じゃあ無視するわね」
「ええ。それでだけれど」
「あとウリもいるニダが」
もう一人出て来ました。カンコ君です。
「この話ウリもいるニダよ。ついでに言えばウリは賛成ニダよ。
それは言っておくニダ」
「そういえば御前あのおじさんに可愛がられてるしな」
「だからあるな」
アメリー君とチューゴ君がそのカンコ君を見て言いました。
「だからなんだな」
「それでわかったあるが」
「まあとにかくウリは賛成ニダ」
カンコ君はどうも結構流されて言っているようです。けれど自
分の考えはちゃんと言うのでした。
「それは言っておくニダよ」
「わたしは。どうかしら」
当人であるニホンちゃんも困った顔になっています。
「アメリー君が入るのはいいけれどそれって東アジアじゃない
んじゃないの?」
「そもそも僕達だって厳密には東アジアじゃないよ」
シンガ君がここで言います。
「はっきり言えばね」
「そうよね。オージー君達は」
「絶対に違うダスよ」
「それもはっきりしてるで」
「それであたしはどうなるのかしら」
タイワンちゃんはそもそも参加するのかどうかという時点でも
う疑問になっています。
「まだまだ問題山積みっていうか。だからAPECとかとどう
も変わりがないけれど」
「それでもウリはいいと思うニダよ」
「僕はとりあえず参加でいいんだな」
「基本は賛成あるぞ」
「本当にどうなのかしら」
「とりあえず何処まで東アジアダスか?」
「訳わからんで」
「アメリーが入るんならまずいいとしてだよ」
皆が皆言います。ところがここで。あれこれ言ってしかも考え
が決まっていない人もいる中で何処からか声が聞こえてきたの
でした。
「僕も入れて欲しいな」
「バカンコ、あんた今何言ったのよ」
「ウリは何も言ってないニダよ」
カンコ君がすぐにタイワンちゃんに言い返しました。
「というか今の言葉にはニダが付いていないニダよ」
「そうよね。じゃあ誰よ」
「あの、その集まりに僕も入れて欲しいな」
「また聞こえたぞ」
「誰あるか?」
アメリー君とチューゴ君は周りを見回しました。けれど誰も見
当たりません。今いる顔触れ以外にはです。
「誰ダスか?」
「幽霊ちゃうか?」
オセアニアコンビも怪訝な顔になっています。
「だとすると怖いダスな」
「まさか幽霊も参加したいちゅうんか?」
「だから僕も参加希望なんだけれど」
「また聞こえたけれど」
「やっぱり誰もいないし」
ニホンちゃんとシンガ君も遂にここでおかしいと思いはじめま
した。
「武士の筈もないし」
「キッチョムはそもそも論外だし。誰なんだ?」
「あの、皆本当に僕に気付かないの?」
誰かの声は何とか皆に気付いてもらおうと必死になっています。
けれど本当に誰も気付いていません。
「参ったな、どうしようかな」
「声は聞こえど誰もいない」
「まさか忍者ニダか!?ウリナラの」
「それは二重の意味でないわよ。忍者はニホンちゃんのところ
でしょうが」
すかさずタイワンちゃんがどさくさ紛れに忍者の起源を言い出
したカンコ君を注意します。
それでもです。本当に誰もいません。
「誰かしら。何か怖くなってこない?」
「確かに。声はすれどってのはな」
「あまり気持ちがよくないあるな」
ニホンちゃんの言葉にアメリー君とチューゴ君が頷きました。
「じゃあここは」
「場所を変えるあるか」
「そうだね。君子危うきに近寄らずっていうのはこの場合に使
う言葉じゃないけれどね。怪しいものからは逃げるのが一番い
いよ」
シンガ君もそれに賛成します。こうして皆とりあえずその場所
から立ち去りました。
そして一人残ったのは。カナディアン君でした。
声の主は彼だったのです。けれど彼のことには誰一人として気
付かなかったのです。
「何で皆いつも僕に気付いてくれないのかな。折角仲間に入れ
て欲しいって言ってるのに・・・・・・
木枯らしが吹き木の葉が彼の前を舞います。一人寂しく残され
たカナディアン君でした。
694 :
マンセー名無しさん:2009/11/13(金) 23:59:02 ID:O03ZBHxK
「究極水着相撲」
最近紫苑ちゃんはあちこちと喧嘩し続けていますがその中で
美容にも気を使っています。それで結構食べ物にも気を使っ
ていたりします。
「そういう場合にはね。恋をすればいいよ」
「それで誰とかしら」
言い寄るマカロニーノ君にいつものクールさで返します。
「私と付き合うからには。戦場にいる気分でないと大変だと
思うけれど」
「ううん、相変わらず紫苑は冷たいなあ」
「とにかく今はそのつもりはないから」
こう言ってとりあえず彼は下がらせます。
それでも美容は重要です。太ってしまうのは彼女も嫌なので
す。それでどうしようかと思っていますと。
「何か悩んでるって本当ですか?」
そこにウヨ君がやって来ました。
「それも喧嘩以外のことで」
「まあね。悩んでいないって言ったら嘘になるわ」
喧嘩のことでも家同士のお付き合いのことでもないので今は
素直に答える紫苑ちゃんでした。
「それはね」
「それで何のことですか?」
「ちょっと太らないかどうかって」
かなり率直に答えたのでした。
「それを気にしてるんだけれど」
「ああ、それだったらですね」
ここでウヨ君は紫苑ちゃんに対して言いました。
「一ついい考えがありますよ」
「それはどういったものかしら」
「相撲しませんか?」
こう紫苑ちゃんに提案するのでした。
「相撲。俺の家のですけれど」
「相撲っていったら」
紫苑ちゃんはそれを聞いてあることを思い浮かべたのです。
それが何かといいますと。
「男の人が褌になって裸でぶつかり合うあのレスリングみた
いなものよね」
「はい、それです」
少し違うと思いながらもそうだと答えるウヨ君でした。
「それですけれど」
「それをすれば痩せるの?」
「見るものはあると思いますよ」
ウヨ君はこう紫苑ちゃんに対して答えました。
「だからどうですか?」
「そうね。それじゃあ」
ウヨ君のその言葉を聞いてです。紫苑ちゃんも決めました。
その決断は。
「じゃあそのお相撲をね」
「どうします?それで」
「やってみるわ」
その神秘的な微笑で言うのでした。やはり普段の彼女はクラ
スの皆と同じ様にその顔立ちも雰囲気もとても整った奇麗な
ものです。少なくともその顔立ちはかなりの美少女でありま
す。
その彼女が相撲を、というのです。ウヨ君はそれを聞いてま
ずはかなり戸惑いました。
「あの、相撲をですか」
「そうよ」
その奇麗な神秘的な微笑みはそのままです。
「実際にやってみるのよ」
「あの、相撲はですね」
ウヨ君は戸惑ったまま彼女に対して言いました。
「相撲って褌一枚ですけれど」
「やり方はあるわ。まあ見ていて」
「そうですか」
その神秘的な笑みにはウヨ君も適いません。琥珀意色の瞳の
輝きも見事なものです。こうしてその笑みでウヨ君に自分の
やりたいようにやると言った紫苑ちゃんは早速皆を集めまし
た。するとです。
まず騒ぎだしたのはです。男の子達でした。
「おい、これはかなり」
「何ていうか」
「ないんじゃないか?」
今にも鼻血を出しそうな様子でそれは何故かといいますと。
彼等は普通の格好です。はっきり言って面白くとも何ともあ
りません。ところが女の子達はです。
全員水着です。それぞれ奇麗だったり可愛らしかったりきわ
どかったりする水着です。女の子は皆水着でそこに集まって
いるのです。
「いいよこれは、人生最良の日だよ」
紫苑ちゃんにいつもの肘鉄を受けていたマカロニーノ君はそ
なことは忘れて感涙しています。
「皆の水着が見られて。こんなことってないよ」
「さて、いいかしら」
そこには主賓の紫苑ちゃんもいます。彼女は自分のお家の旗
の色の青と白のきわどいワンピースです。その格好で皆の前
にいて微笑んでいます。
「これからやるのはね」
「何なのよ、一体」
「私達だけ水着だけれど」
「女だらけの水泳大会でもやるの?」
随分と懐かしいことを言う娘もいます。何気にこうしたこと
も知っているようです。
「それで何をするのよ」
「プールとかも近くにないけれど」
「お相撲よ」
紫苑ちゃんはクラスメイトの女の子達に対してくすりと笑っ
てそのうえで述べました。
「お相撲をするのよ」
「相撲って」
「わたしのところなの?」
「そうよ。武士君から聞いてなかったかしら」
紫苑ちゃんはこうニホンちゃんに対して尋ねました。
「それは」
「そういえば昨日何か言っていたような」
ニホンちゃんもそのことを思い出しました。ニホンちゃんは
ピンクの白いフリルの付いた可愛らしいワンピースの水着を
着ています。
「お相撲がどうとか」
「流石に褌はどうかと思ったから水着でね」
「それでお相撲するの?ここで」
「そういうことよ」
微笑みをそのままにしてまた皆に答えます。
「それでどうかしら」
「まあいいけれど」
「褌じゃないし」
女の子達はそれでまあいいか、と納得しました。お相撲をす
る方はこれで納得です。そして男の子達はどうかといいます
と。
「いいんじゃないか?」
「そうだよな」
特に反対する理由はないのでした。
「それでな」
「別にな」
それぞれこう言って紫苑ちゃんの案に賛成したのです。こう
して話は決まりました。
そしてはじまりました。
「はっけよい、のこった!」
女の子達は水着姿でお相撲をはじめます。するとです。
「なっ、これは!」
「いいよな、これ!」
「ああ、最高だよ最高!」
「ブラボーーーーーーーーッ!」
男の子達が俄然騒ぎだしました。それは何故かといいますと。
まずはっけよい、の時にお尻を突き出します。それを後ろか
ら見ると物凄い光景なのです。
そして組むとさらにです。何と言っても水着姿の女の子達が
肌を重ね合わせ打ち合うのです。これはもうかなり刺激的な
光景です。
男の子達が騒ぐのも当然です。マカロニーノ君に至っては何
処からかビデオカメラまで持ち出してきて。
「いいよそこだよそこ!」
録画まではじめています。けれどこれは流石に紫苑ちゃんに
怒られてしまいました。
「ちょっとマカロニーノ」
水着姿のままの紫苑ちゃんが彼にクレームをつけるのでした。
「それは流石に駄目よ」
「やっぱり駄目?」
「そうよ。どうしてもというのならお金払いなさい」
こんなことを言うのでした。何と禁止ではありませんでした。
「わかったわね、それでね」
「えっ、お金払えばいいの?」
「そうよ。わかったわね」
「うん、じゃあ」
こうしてマカロニーノ君はお金を払って録画を続けました。
女の子達はそれを見まして。
「撮影って待ってよ」
「それはないじゃない」
「いいじゃない、見られて減るものじゃないし」
紫苑ちゃんが言ったとは思えない言葉です。
「それにお金は取ってるから私のお家は儲かるし」
「儲かるって」
「じゃあ」
「この水着相撲、いいわね」
得意のお金の話にもなっているので紫苑ちゃんはにこりと
しています。
「これからもしていいわね」
「やれやれ、結局こうなるのね」
「現金なんだから」
皆そんな紫苑ちゃんに呆れてしまいました。けれどその笑
顔はとても奇麗な笑顔なのでした。
709 :
マンセー名無しさん:2009/11/15(日) 23:54:17 ID:VTPqV4oB
「ブスじゃない」
皆誰が奇麗なのか可愛いのかとても関心があります。他の人
のことについてもそうですがそれは自分自身についても同じ
です。
それで誰かがあるものを考えつきました。それはこの人は本
当に美人だとちゃんとチェックして出してくれる機械です。
これまた随分と便利な機械であります。
「何か本当に便利なものができたよね」
「御都合主義みたいに」
「確かに」
皆そう言いながらもその機械に注目しています。それは間違
いのないことでした。
その機械に皆登録しようと考えていました。その中にはエリ
ザベスちゃんもいました。
「まあわたくしでしたら」
いつものお嬢様然とした格好と凛とした顔立ちでの言葉です。
この雰囲気はやはり彼女ならではです。
「チェックされるまでもないですわね」
「それで若し駄目だったらどうしますの?」
その横からフランソワーズちゃんが少し意地悪に彼女に尋ね
てきました。
「その時は一体どうしまして?」
「そんなことは有り得ませんわ」
エリザベスちゃんはフランソワーズちゃんのその言葉を軽く
笑って一蹴しました。
「絶対に。何がありましても」
「あら、余裕ですわね」
「わかっているからこそですね」
ふふん、という微笑みがその自信を何よりも見せています。
そんなことは有り得ないと完全に信じています。
「何がありましても」
「では早速登録してみれば宜しいですわ」
「ええ、ではフランソワーズ貴女も」
「わかっていますわ。それでは」
二人はいつも通り優雅に連れ立ってその機械のところに向か
います。見ればもう皆登録をはじめています。
今のところ目立つのは男組です。ノーベル=スウェーデン君
やブジリー君にデンマー君、それとマカロニーノ君といった
顔触れです。
「ラテンや北欧が多いですわね」
「そうですわね」
エリザベスちゃんはフランソワーズちゃんの言葉に頷きます。
まだ女の子は少ないです。
「何故かフラメンコ先生もいますわね」
「どうしても自分を美人としたいみたいですわね」
幾つになっても気の若い先生であります。その先生を横目に
見ながら早速登録に入ります。
まずはフランソワーズちゃんです。登録したところ順位まで
出て来ました。やっぱりこのクラスは美男美女ばかりなので
登録自体はすんなりといけました。そしてその順位はといい
ますと。
「七位ですの!?このわたくしが」
その順位に思いきり不満な顔になりました。
「何ですの、これは」
「あらフランソワーズ、残念ですわね」
ライバルのその順位にくすりと意地の悪い笑みを浮かべてみ
せるエリザベスちゃんでした。
「けれどレディーたる者順位にこだわってはいけませんこと
よ。あくまでいつも優雅に」
「わかってますわ、そんなことは」
ぷりぷりしながらも返すフランソワーズちゃんでした。
何時の間にかアーリアちゃんも来ています。彼女は少しその
顔を恥ずかしそうにして言うのでした。
「まあ私もな」
「いいのではなくて?」
頬を赤らめさせている彼女に対してにこりと笑って応えるエ
リザベスちゃんでした。
「それも」
「いいのか」
「誰だって気になるものですわ。わたくしも同じですし」
「そうか。それならだ」
「ええ。一緒に登録致しましょう」
こうしてエリザベスちゃんとアーリアちゃんは一緒にその機
械に登録することにしました。
そうしていよいよそれがわかろうとします。さて、エリザベ
スちゃんは何位でしょうか。アーリアちゃんも。
順位はすぐに出ました。それは。
「な・・・・・・」
「そんな・・・・・・」
二人は思わず絶句してしまいました。何と出て来た順位はエ
リザベスちゃんが二十位でアーリアちゃんが二十一位であっ
たのです。なお男の子も女の子も今のところその順位は二十
一位です。つまりは。
「わ、わたくしがブスですって!?」
「私が、そんな・・・・・・」
二人は呆然となってしまいました。
「これどういうことですの!?この機械何かおかしいのでは
なくて!?」
「確かに期待はしていなかったが。それでもことは。どうに
もならない」
二人はそれぞれ言います。とりわけエリザベスちゃんはかな
り怒っています。
「誰ですの、こんな機械造った人は。出ていらっしゃい、抗
議してあげましてよ!」
「ちょ、ちょっとエリザベス」
そのあまりもの剣幕にフランソワーズちゃんもいつもならこ
こで茶々を入れるところで止めに入っています。それだけ今
の彼女は壮絶なのです。
「そんなこと言いましても。まあ機械には機械の都合という
ものがありましてよ」
「しかも美人かどうか!?それを見たら」
二十分の三という確率で美人だとされました。これがエリザ
ベスちゃんをさらに怒らせてしまったのは言うまでもありま
せん。
「赦しませんことよ、これは!」
「おい、俺の順位何だよ!」
見ればロシアノビッチ君もいました。彼は最初から酔ってい
ましたがそれ以上に怒りでその顔を真っ赤にさせていました。
これはかなり危険です。
「誰だ、こんな機械造りやがったのは!妹達だけ高くて何で
俺だけやたらと低いんだ!」
「あちらもですわね」
「ううむ、見れば兄上もだ」
アーリアちゃんはここでゲルマッハ君に気付きました。
「かなり。不満そうだな」
「順位にはこだわらないが」
一応こう言いはしています。
「何故こんなに低いのだ。僕はそんなにいけていないのか」
「額のことを今言ったら大惨事ですわね」
そんな彼を見てフランソワーズちゃんはこっそりと呟きまし
た。これはもう火を見るより明らかです。
とにかくエリザベスちゃんにロシアノビッチ君、そしてゲル
マッハ兄妹は不満を露わにしています。そんな一触即発の中
で皆も次第に。
「これ何か偏ってるし」
「おかしいよ」
「これデンマーが造ったらしいけれど」
「偏ってない?」
やがて批判は開発者に向かってきました。
「エリザベスは確かにとんでもない部分やたらと多いし」
「料理下手だし」
「いつも幽霊が絡むし」
「かなり馬鹿なところあるし」
皆何気にぼろくそ言っています。
「それでも顔は悪くないよ」
「性格は問題だらけだけれどね」
「どさくさに紛れて随分と言ってくれますわね」
当然皆の今の言葉はエリザベスちゃんの耳にも入っています。
それでさらに不機嫌になっています。
「とにかくデンマー。これはおかしいのではなくて?」
「そうかな。僕はそんなにおかしくはないけれど」
「おかしいですわ。何とかしなさい」
「じゃあ君が造ってみる?僕は僕の目から見てちゃんと基準
を決めてるしね」
どうやらこれが問題だったみたいです。とにかくこれで謎が
解けて皆納得しながらもデンマー君のこの機械は以後は彼か
ら見ていけてそうな人以外は使いませんでした。
722 :
マンセー名無しさん:2009/11/17(火) 23:24:03 ID:OGuqBiL0
723 :
マンセー名無しさん:2009/11/17(火) 23:38:26 ID:046/BG+8
ここの人、病院いかなくても大丈夫なの?
今次スレについて総督府議論中です。住人の方よかったらいらして議論に参加して下さい。
「スカートちらり」
ある日のことです。タイワンちゃんのお家に向かう船のガイドを
タイワンちゃんがしていました。ところが今日のタイワンちゃん
の格好は普段と違いました。
「あれっ、どうしたの今日は」
「お客さんにいつもより多く来てもらう為なのよ」
にこりと笑ってニホンちゃんに応えるタイワンちゃんでした。
「だからなのよ」
「それでその格好なの」
「そうなの。似合うかしら」
お船のうえでくるくると回ってみせながら今の自分の服をニホン
ちゃんに見せるタイワンちゃんでした。
見れば服はです。白い上着に青いミニスカート。タイワンちゃん
の脚線美が露わになっています。これはかなり目を惹くものです。
目だけでなく心も惹いてしまいます。まさに悩殺とも言っていい
姿です。
それを見てニホンちゃんもです。同じ女の子であっても目も心も
奪われて思わずごくり、と喉を鳴らしてから。そのうえでタイワ
ンちゃんに尋ねました。
「あの、その格好」
「どうかしら、この格好」
タイワンちゃんはにこりと笑ってそのニホンちゃんに対して言葉
を返します。
「注目するかしら」
「とても。っていうか」
またタイワンちゃんの脚を見て。また言うのでした。
「凄いよ、その脚」
「脚なのよね」
何とここでそのスカートをちらりとあげて脚をさらに見せてみせ
ます。するとお客さん達がわっと集まります。
「な、何だ!」
「凄いじゃないか!」
「可愛いじゃないか」
これでお客さんがわっと集まりタイワンちゃんのお家に向かいま
す。タイワンちゃんはそれを見てまたにこりです。
「こういうことなのよ」
「お客さんを集める為なんだ」
「そういうこと。やっぱりあれよ」
またニホンちゃんに笑って言ってきました。
「注目されないと来てくれないからね」
「けれど凄い格好ね」
そのミニスカート姿がだというのは言うまでもありません。ただ
でさえ奇麗な脚線美がさらに際立っているからです。けれどここ
でタイワンちゃんもニホンちゃんに対してこう言ってきたのであ
りました。
「ニホンちゃんだってね」
「わたしも?」
「そうよ。やってみたらいいじゃない」
こうアドバイスしてきたのです。
「脚を見せてね」
「脚を」
「ニホンちゃん脚凄く奇麗だし」
実は自分であまり自覚がなかったりするニホンちゃんです。彼
女は胸がないのでスタイルには自信がないのですがそれでも脚
にしろ身体全体でそのスタイルはかなりいいものがあるのです。
それは間違いありません。
タイワンちゃんもそれを見て彼女に言うのです。
「どうかしら」
「ううん、わたしはちょっと」
ニホンちゃんは首を傾げながらタイワンちゃんに対して応えま
す。けれどここでそんなニホンちゃんにアドバイスして来た人
がいます。その人は。
「そうだね。いいんじゃないかな」
「ヲタ君・・・・・・」
ヲタ君でした。おそらくタイワンちゃんの色香に誘われてそれ
でここまで来たのでしょう。それでニホンちゃんに対してアド
バイスするのでした。
731 :
連投支援:2009/11/20(金) 00:48:02 ID:d7INTdZy
熱血「2chが出来て10年、ニホンちゃんスレができて○年、
その中で、僕はスレッドはまさに生きとし生ける者、
コテハンのみならずすべての名無し、
ある意味では生命がないものに対しても
存在しているものだと思っておりますが。」
彼が言うにはです。
「お客さんも集まるしね。それに」
「それに?」
「皆喜ぶから」
こんなことも言うのでした。
「だからいいと思うよ」
「わたしがミニスカートになることが」
「うん、それもね」
ここでさらにアドバイスするヲタ君です。やはりこうしたこと
になるとかなり強いです。というよりはまさに専門分野と言っ
ていいものであります。
「学校の制服をミニにしてね。あとは」
「あとは」
こうしてニホンちゃんにアドバイスしていきます。そうして次
の日ニホンちゃんはお家のお仕事の一貫であるCDの宣伝を学
校でするのでした。その格好は。
「うっ、これは・・・・・・」
「鼻血出そう・・・・・・」
皆ニホンちゃんのその格好に興奮しています。何と中学校や高
校のそれを思わせる制服姿で赤いスカートはミニです。もうぎ
りぎり見せそうです。
その格好で皆に言うのです。
「皆わたしの家のCD買ってね。御願いね」
言いながらちらしを渡しています。あまりにも刺激的なミニス
カート姿に呆然となっている皆はちらしを受け取ってしまいま
す。しかもCDのことも頭に入ってしまいます。
おまけにそのスカートの下はです。黒いブルマーです。もうこ
れは辛抱たまりません。
ちらりと見えるそれが目に入っただけで男の子達はノックダウ
ンです。そして学校が終わるとすぐに日之本家に行ってCDを
買うのでした。ニホンちゃんの戦略は大成功です。
「こんなに上手くいくなんて」
「それだけミニスカートは威力があるんだ」
アドバイスしたヲタ君が大喜びのニホンちゃんに対して話して
います。
「それがわかってくれたかな」
「けれどちょっと恥ずかしかったけれど」
ニホンちゃん顔が真っ赤です。やっぱり制服タイプの超ミニに
ブルマーというのは彼女も恥ずかしかったのです。
「それでも。お家の売り上げには役に立てたのね」
「そうだよ。男の子は皆脚に弱いんだ」
そのものずばり言ってしまうヲタ君でした。
「タイワンちゃんもそれがわかっていたからね」
「だからいいのね。ううん、それを考えたらブルマーも」
「恥ずかしくても威力はあるんだ」
何故か戦略兵器みたいに言うヲタ君でした。
「ブルマーが嫌でもミニスカートはね。こういう時には基本な
のはわかってくれたかな」
「うん、それはね」
ニホンちゃんもわかりました。けれどそれを見て複雑な顔をし
ている人がいました。
「ううん、どうしたものかな」
ウヨ君です。彼は困った顔でそんなお姉さんを見ています。そ
の顔は困ってはいますがそれと一緒に何処か嬉しそうな、そん
な複雑な顔であります。
そしてその顔で。言うのでした。
「姉さんがあんな格好をするのはな」
まずはニホンちゃんの格好についてです。
「嫌なんだが。見ていたら」
「こうも思うのは男の子ならではです。
「いかん、姉さんが相手だ。こんなことを考えたら駄目なん
だ。しかしそれでも」
煩悩というか邪念が渦巻いてもいます。これは絶対に言うこ
とができませんけれど。
「あの姿には見とれてしまう。それに売り上げにかなり貢献
しているのは事実だ。俺はどうすればいいんだ」
それに悩んでいるとです。当のニホンちゃんが彼のところに
来て言うのでした。しかもその格好で、です。やっぱりニホ
ンちゃんは無防備です。
「武士、何があったの?」
「な、何もないよ」
慌てて顔を真っ赤にして応えるウヨ君でした。
「別に。何もないから」
「そう。だったらいいけれど」
「うん。だから気にしないでくれ姉さん」
ニホンちゃんから顔を必死に背けて応えるウヨ君でした。彼
もそろそろ難しい年頃になってきたみたいです。
738 :
マンセー名無しさん:2009/11/20(金) 01:28:50 ID:PrFK8Cj2
「何を血迷ったのか」
「ねえ武士」
「どうしたの?姉さん」
「ナラの間のことだけれど」
お家の中でこうウヨ君に話し掛けるニホンちゃんでした。
「いいかしら」
「あのマスコットのことかな」
「ええ、あれのことだけれど」
やはりそれでした。あの可愛くないだの気持ち悪いだの言われて
いるとても評判の悪いマスコットのことでした。
「今度ね、あれでね」
「何か作ったの?」
ウヨ君は不吉な予感を感じる顔でお姉さんに問い返しました。
「まさか」
「ええ、そうだけれど」
予感的中です。まさにその通りでした。
「いいかしら」
「それでどんなものかな」
嫌な顔をしながらお姉さんに応えるウヨ君でした。
「今度のあれは」
「抱っこしてるものなの」
それだというのです。
「それをね。作ったんだけれど」
「あのマスコットで抱っこ」
想像しただけで不気味なものがあります。
「それって一体」
「こんなの」
言いながらそれを見せてきました。もう早速作っていたのでした。
ある意味仕事が早いです。
「これだけれど」
「うわ・・・・・・」
それを見てまずは唖然となるウヨ君でした。
「姉さん、それ絶対に」
「駄目かな」
「駄目とかそういうの以前だよ」
こう言うしかないウヨ君でした。
「気持ち悪いにも程があるよ」
「そう、やっぱり」
実は自覚のあるニホンちゃんでした。
そうしてその自覚のままに。ニホンちゃんはまだ言うのでした。
「問題あるよね」
「そのマスコットの存在自体がね」
ウヨ君もこれまでになくきついことを言います。
「というかこの前だってカンコが凄く嫌がってたじゃない。それ
こそ家の庭に封印してたし」
「じゃあこれ売りに出したら」
「売れないと思うよ」
これまたはっきりと言いました。
「絶対に」
「けれどこのマスコットのグッズって」
ところがここでニホンちゃんは言いました。
「売れてない?結構」
「不思議にね」
ウヨ君も知っていることでした。
「売れてるよね、実際に」
「何でかな、これって」
「気持ち悪過ぎてかえって人気が出ているからね」
世の中何が人気になるかわかりません。何とこのマスコットは
実際に大人気だったりします。これが二人には全くわからない
ことだったりします。
「だから作ったんだ」
「ひょっとしたらって思って」
「ゴーヤーマンは可愛かったけれど」
ウヨ君は何気にリュー君が昔作った懐かしのマスコットを話に
出してきました、
「けれどこれはどう見ても」
「無理かしら」
「皆カンコとかチョゴリみたいな態度取ると思うよ」
ウヨ君には想像できている未来でした。
「だって怖いから」
「ううん、けれど作ったし」
「仕方ないから今回も売る?」
「売ってみるわ。家の景気の足しになるかも知れないし」
「それじゃあ」
こうしてニホンちゃんはその抱っこしているポーズのマスコ
ットを売りに出してみました。
そのマスコットを見た皆の反応は。まずはウヨ君の予想通り
でした。
「こ、今度は抱っこちゃん!?」
「ふ、不吉な!」
「ゆ、夢に出るわよ!」
皆思い切り引いています。ニホンちゃんとウヨ君が売り子を
していますがここで二人は言いました。
「やっぱり」
「こうした反応だろ?俺の言った通りじゃないか」
本当にその通りでした。ウヨ君の危惧は当たりました。しか
も予想より酷くです。
けれど皆ドン引きから立ち直って。そのうえで少しずつ戻っ
てきて。そのうえで言うのでした。
「何か少し見たら」
「まあ確かに気持ち悪いし」
「可愛くないけれど」
「トラウマになるし」
この評価は変わらないのでした。誰がどう見ても気持ち悪い
ものは悪いのです。
それでも皆その抱っこマスコットを一つずつ手に取ってその
うえで買っていくのでした。
「じゃあこれ」
「頂戴」
しかもちゃんとお金まで払ってです。
こうして瞬く間にマスコットは皆売れてしまいました。気付
けばもう二人の前にはお金だけが残っていました。
ウヨ君もこれにはびっくりで。目が点になったままニホンち
ゃんに対して言うのでした。
「ええと、売れたね全部」
「そうね。本当に全部」
「何でなんだろう」
あらためてこのことを考えるウヨ君でした。
「こんな気持ち悪いのが売れるなんて」
「今回もね」
「俺にはそれがとてもわからない」
そう言って憚らないウヨ君でした。
「だって全然可愛くないじゃない。というか夢に出る位気持
ち悪いし」
「インパクトがあるからじゃないかしら」
ニホンちゃんはそれが原因かと考えるのでした。
「それでかえって」
「インパクトか。それで人気が出て」
「だってあんまりにもインパクトあるじゃない、あのマスコ
ットって」
「まあそれはね。何でもまずはインパクトか」
「だと思うよ。それがないと人だって中々人気が出なかった
りするし」
最後は何気にカナディアン君のことを意識しないうちに言っ
てしまったニホンちゃんでした。何はともあれこのマスコッ
トのグッズは今回も好評でした。
749 :
マンセー名無しさん:2009/11/21(土) 23:04:25 ID:PmRlARof
750げと
「カンコ君開催テスト」
「この度ウリはニホンの家において」
「何でわたしの家なの?」
「毎回何かと理由をつけて来る奴だな」
すぐにニホンちゃんとウヨ君からの突込みが入ります。この
展開はいつも通りです。
しかしそれでめげるカンコ君ではありません。ケンチャナヨ
精神でさらに言うのでした。
「それでニダが」
「何をするというんだ?」
とりあえず何かをしようというのはわかります。そしてそれ
がとんでもないものだということもです。
「それでだ」
「テストをするニダ」
それだと言うのです。何かニホンちゃんのお家でやるのには
随分と場違いなテストのようです。
「ウリナラの歴史のことをどれだけ知っているのか皆をテス
トするニダ」
「ってわたし達をテストするの!?」
「何でまた急にそんなことをするんだ」
「成績優秀だった受験者にはカンコ家の史跡跡や工場を訪問
するというプレゼントもあるニダよ」
二人の話を聞かないままさらに言うカンコ君でした。
「それでどうニダか?」
「だから何でわたしの家でするのかしら」
「それが謎なのだがな」
しかしテストを開くことを強引に決めてしまいました。そう
して皆を集めてテストです。
「ニホンちゃんの家のイベントで何で御前が主宰をやってる
んだ?訳わかんねえYO、おい」
「しかもテストあるか。じゃあ何あるか?とどろけ一番みた
いなとんでもテストあるか?」
まずアメリー君とチューゴ君が不満爆発です。他の皆も同じ
です。ザイ君やザイニーちゃんもいますが大体の人は嫌々と
いうのを顔にはっきり出しています。
「しかしYO、カンコの家の歴史ってな」
「何かあったあるか?僕の家の召使いだったばかりだったと
思うあるが」
「で、答案用紙がこれ?」
タイワンちゃんもかなりうんざりした顔です。
「何よ、滅茶苦茶な出題ばかりじゃない」
「いいや、それは真実ニダ」
例によって例のカンコ家の歴史のことばかりが書き殴られた
答案が皆の前にあります。ウヨ君もそれを見てかなり不機嫌
な顔になっています。
「正直に書いていいんだな、本当に」
「正解を書くニダ」
ここでもう見事なまでに齟齬が出ています。
imifumei
「わかったニダな。真実を書くニダ」
「わかった。真実だな」
ウヨ君もそれに頷きます。ニホンちゃんも席に着いています
がはあ、といった顔です。
「あのカンコ君、どう考えても問題の内容が」
「正解を書くニダ。正解はウリがいつも言っている通りのも
のニダ」
「じゃあ架空のことばかりじゃねえかYO」
「作り話は歴史ではないあるぞ」
またしてもいつもの二人からの突っ込みです。
「何だ?一万年の歴史?」
「ダン君と熊?いきなり間違いあるな」
二人はもう最初から正解を目指してはいません。
それはタイワンちゃんも同じです。もう正解はわかっていて
も自分の思ったことを書いていきます。
「ええと、リシさんは馬鹿やってニホンちゃんのお家に助け
られたと」
「ええい、それは間違いニダ!」
「正解じゃなくてもいいわよ。とにかくあたしはあたしの書
きたいことを書くからね」
「俺もだ。というか何から何まで滅茶苦茶じゃないか。カン
コ、これが歴史なのか」
「歴史ニダ」
「架空戦記の小説やゲームのテストじゃないんだな」
「ウリの家の歴史ニダ」
何があってもこう言い張るカンコ君でした。
「わかったらさっさと正解を書くニダ」
「真実を書いてやる」
見れば殆どの人が真実を書いています。こうしてテストは進
んでいきます。そしてテストが終わって回答となったのです
が優秀者は。
「ザイとザイニーニダ」
「よし、やったニダ!」
「豪華プレゼントは貰ったニダ!」
「ああ、そうか」
「よかったあるな」
「おめでとう」
アメリー君もチューゴ君もタイワンちゃんも心の底からどう
でもいいといった顔です。
「優秀者出たのか」
「あれで」
ウヨ君とニホンちゃんもそれは同じでした。
「とにかくそれで誰か満足したんならいいんじゃないか?」
「そうよね。それでいいのなら」
「しかしニダ」
ところがカンコ君は圧倒的多数の合格しなかった落第者に対
して怒った顔で言うのでした。
「皆何故ニダ。正解を書かなかったのは何故ニダ」
「だからどこにも真実がなかったからだYO」
「今回は嘘を書くつもりはないある」
「そうよ。だから試験の内容が滅茶苦茶じゃない」
すぐにいつもの三人がカンコ君に突っ込みを入れます。
「何だ?町全体に影響を及ぼした文化とかな。しかもその長
がどれだけあるんだYO」
「何で僕のアパートのかなりの部分が御前のものだったある
か?」
「それでニホンちゃんの対馬パンツがあんたのものになって
たりするし」
三人の突っ込みは容赦がありません。
「しかもニホンちゃんの名前ばかり出て来たな」
「主役かと思ったあるぞ」
「おまけに何かニホンちゃんやけに強かったし」
「そういえば確かに」
ニホンちゃん本人もカンコ君の答案に自分の名前がやけに
出ていることには気付いていました。
「何かわたしが出て来てカンコ君しょっちゅういじめてる
のはカンコ君がいつも言ってる通りだけれど」
それはいつもの話なので皆何が正しいのかはもうわかって
います。
「それでもわたし自身が知らないことまで書いてるし」
「御前姉さんの下着の色とか何で知ってるんだ?」
ウヨ君もそのことをカンコ君に尋ねます。
「何故か俺がいつも褌なのを知ってるしな。何処でそんな
ことを知ったんだ?」
「そ、それはたまたま誰かから聞いた話を書いたまでニダ。
それだけニダ」
随分と苦しい言い訳です。
「それだけニダ。気にするなニダ」
「わたしのスリーサイズとかお風呂入ったら何処から洗う
かとか髪の長さとか髪の毛の質とか好きなパジャマの柄と
かまで」
「知り過ぎてないか?どうやってそんなことまでわかった
んだ?」
「だから気のせいニダ。それはウリがただ聞いたことをそ
のまま出しただけニダ」
こう言い繕うとします。しかしです。
ここでザイ君とザイニーちゃんが言うのでした。
「兄さんいつもニホンさんのことばかり見てるニダよ」
「そのせいニダ」
何故いつも見ているのかはもう殆どの人が知っています。
それを知らないのはここでは二人だけです。その二人が
言うのでした。
「何でわたしのことばかり見るのかしら。嫌いで嫌いで
仕方がないっていつも言うのに」
「本当にわからない奴だな。どうしてなんだ?」
「まあわからないならいいニダ」
「とりあえずはニダ」
最後にザイ君とザイニーちゃんの言葉がかかりました。
何はともあれテストは終わりました。殆どの人にもうば
れてしまっていることをまだ何とか言い繕うとしている
カンコ君をそのままにして。
763 :
マンセー名無しさん:2009/11/23(月) 23:53:55 ID:lhp3sQnP
吹いたじゃないかwww
まだまだカンコ君はこんなことをやってるんだなw
「こういう才能はあります」
今日はニホンちゃんのシズオカの間でピアノコンクールを開いて
います。皆それぞれのピアノの腕を見せようと躍起になってその
場にいます。
「今回は僕が勝つよ」
「いいえ、私よ」
お互いにはじまる前からライバル心を発揮し合っています。つい
最近まではEU町の人達ばかりだったのですが最近ではアメリカ
町やアジア町の皆も参加するようになっています。
そしてその中にはです。一見するとこうした世界には最も縁が遠
いと思われる人もいるのでした。
その人が誰かといいますと。クラスで最高最大のエンターティナ
ーと呼ばれている人です。そう、この人です。
「何でこいつがピアノ弾けるんだ!?」
「世の中何かおかしいわよ」
「ええい、うりゅしゃいニダ」
カンコ君です。タキシードを着て今そこに立っているのでした。
本当に場違いとしか思えないのですがそれでもこの人はピアノや
クラシック関連にはかなり凄いものがあるのです。
「指揮だってできるしな」
「それもかなり凄いし」
皆それを目で見て耳で聴いても全然信じられないのでした。
「何でなんだ?こいつに芸術のセンスがあるなんて」
「異常っていうか」
「異常と思うのならウリのピアノを聴いてみるニダ」
本人も自信があるようです。その顔には緊張もあります。本当に
本気なのがわかります。
「わかったニダな。まずは聴いてみるニダ」
「そうよね。カンコ君のピアノも指揮も確かに凄いし」
このことはニホンちゃんも素直に認めることでした。ニホンちゃ
んは今は白いドレスを着ています。当然彼女もこのコンクールに
参加するのです。ですからドレスを着てこの場にいるのです。
そんな中で遂にカンコ君の出番です。しっかりとした足取りで皆
の前に置かれているそのピアノの前に来て。そうして演奏をはじ
めるのでした。
その演奏はといいますと。
「凄いな」
「奇麗だししかも繊細だし」
「見事っていうか」
皆を脱帽させるに相応しいものなのです。何とカンコ君の演奏は
優雅にして繊細、しかも大胆で気品もあるという普段の彼からは
全く想像もできないものなのです。しかし皆それが見事なことは
認めるしかありませんでした。
「いや、凄いよ」
「今日は特に凄いし」
「そうよね」
評価はもうかなりのものです。まるで優勝するのかどうかさえ決
まっていないのに皆こうしたことを言っていきます。それだけの
ものがもうあるのです。
そしてその一位を決める時ですが。一位は当然。
「やっぱりな。自分の耳には嘘をつけないからね」
「そうよね。もうね」
「決まりだよ」
皆カンコ君を見て言います。彼は見事シズオカの間でのコンクー
ルで一位となったのでした。
それで開催家のニホンちゃんからトロフィーが授けられます。カ
ンコ君はもうにこにことしています。そしてその顔で言うのであ
りました。
「ウリが一位というのは誇らしいニダ。まさに皇帝ニダ」
「ここでそれを言わなかったら本当に凄いって尊敬さえできるん
だけれどな」
「皇帝というのは僕の家のことあるがまあ才能だけは認めてやる
ある」
当然ながらこのコンクールにはアメリー君やチューゴ君も参加し
ていました。けれど二人は残念ながら一位とは至らなかったので
す。今回のカンコ君があまりにも凄過ぎたからです。
「けれど本当に御前のこうしたピアノとか指揮とかの才能は凄い
よな。見事なものだよ」
「僕も最近そっちでも実力を発揮してきたあるが御前には負ける
ある。それは認めるあるよ」
「そうよね。カンコ君だけじゃなくてチョゴリちゃんも歌とか凄
く上手いし。血筋なのかしら」
ニホンちゃんも言います。ニホンちゃんにまで言われてカンコ君
はさらに上機嫌になります。そしてその上機嫌のままこんなこと
を言ってきたのでした。
「実はニダ」
「実は?」
ニホンちゃんだけでなく皆がその言葉に注目します。
「ウリには夢があるニダよ」
「夢って?」
それを聞いてまずはニホンちゃんがその目をしばたかせました。
それから皆もです。
「夢って何なんだよ」
「いきなりあるが聞いてやるある」
アメリー君とチューゴ君もそれに応えます。
「何かわからないけれどよ」
「何でも言ってみるよろし」
「ウリは実はニダ」
二人の言葉と見んなの声に応えて言うカンコ君でした。その夢が
何かといいますと。
「ピアノ演奏家とオーケストラの指揮者を目指しているニダ」
ドッカアアアアーーーーーーーーーーーーーーン
その言葉を言った途端にシズオカの間が大爆発を起こしました。
皆その中で派手に吹き飛ばされます。
しかし言った本人はです。至って平気な顔で言うのでした。
「ウリは本気ニダ」
「おめーーの本気は言っただけで大爆発を起こせるのかYO!」
「流石に今のは受けきれなかったあるぞ!」
アメリー君もチューゴ君も黒焦げになって折角セットした頭も
タキシードもボロボロになった姿で突っ込み返しました。
「それだけは絶対に似合わないだろうがYO」
「幾ら上手くてもある」
二人の言葉に何とか爆発から生き残ったクラスの皆も頷きます。
流石にそれは合わないのでした。
「カンコ君、それ本気よね」
ニホンちゃんも爆発の中でセットした髪も奇麗なドレスもすす
だらけになってしまっています。
「その将来の夢って」
「その通りニダ。ウリはやるニダよ」
「そうなの」
それを聞いてニホンちゃんも呆然となっています。
「ま、まあ頑張ってね
「ウリはやるニダよ。そしてトスカニーニやブーニンを超える
指揮者、演奏家になるニダ」
今その決意を決めるカンコ君でした。才能や素質はともかくど
うにも誰が想像できないものがあるようです。
775 :
マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 23:47:36 ID:T1z8Jvqy
776 :
マンセー名無しさん:2009/11/25(水) 23:49:24 ID:T1z8Jvqy
>>764 カンコ君は永遠にカンコ君です、また同じ事をするでしょう。
今度は一体どんなものか、それも御期待ですね。
「まさにニホンちゃんならでは」
ニホンちゃんは絵が描くのがとても得意なのはもう皆が知っている
ことです。その絵は漫画だったりアニメだったりしますがとにかく
物凄く上手いです。
しかもかなりの独創性も持っています。その彼女が今自分のお家の
机の上で考えていました。
「ううん、そうねえ」
「どうしたの姉さん」
「うん、ちょっと考えたんだけれど」
部屋にたまたま入って来たウヨ君に対して言うのでした。
「ほら、最近私色々なもの人間にして書いてるじゃない」
「そうだね」
このことはウヨ君もよく知っていることでした。
そのニホンちゃんが言うのです。ペンや紙を前にしてです。そう
して言うことは。
「今度はね」
「今度は。どうするっていうんだよ」
「皆を書こうかな」
こんなことを言うのでした。
「ちょっとね。皆をね」
「皆っていうと?」
「だから皆よ」
返答はまずはオウム返しでした。それでもニホンちゃんははっき
りとウヨ君に対して言うのでした。
「クラスの皆を書こうかなって思ってるのよ」
「それって姉さんのクラスの皆!?」
「そう、皆」
まさにその皆だというのでした。
「皆を書こうと思ってるの。しかも」
「しかも?」
「女の子にしてね」
何かさりげなく物凄いことを言うニホンちゃんでした。
「皆を女の子にしてみて。それでどうかしら」
「ええと、姉さん」
とりあえず何とか落ち着きを保ちながらそのうえでお姉さんに対
して問い返すウヨ君でした。
「俺の耳がおかしいかも知れないけれど」
「多分おかしくはないわよ」
「いや、さっき皆を女の子にするって言ったよね」
このことを問い返すのでした。
「今確かに」
「そうよ。そのつもりだけれど」
「あの、姉さん」
またニホンちゃんに対して問い返すのでした。それもかなり切羽
詰まった様な真剣な顔で。
「それってアメリーとかチューゴもかな」
まずはその二人を話に出すのでした。
「あの二人も」
「こんな感じでどうかしら」
「えっ・・・・・・」
その二人の女の子になった姿を見て顎が外れんばかりに驚いてし
まったウヨ君でした。それを何とか抑えてニホンちゃんに対して
言いました。
「それがあの二人って」
「可愛いわよね」
「いや、可愛いとかそういうのじゃなくて」
ここにウヨ君とニホンちゃんの認識に決定的なずれが生じてしま
っていました。それはもう絶望的なまでに、ナラの間のマスコッ
トとシガの間のマスコット位開いてしまっていたのでした。
「もう。何ていうか」
「とりあえずクラスの皆描いていくから」
「どうしてもなんだ」
こうしてニホンちゃんの暴走がはじまりました。それはまさにブ
レーキが外れたダンプカーでした。こうなったらもう誰にも止め
ることはできません。
次の日クラスの皆にその絵を見せてみます。すると皆もウヨ君と
全く同じ顔になってやっぱり顎が外れんばかりに驚いてしまった
のでありました。
「な、何それ!?」
「それが僕!?」
「私そんな服いつも着てないわよ」
皆が皆一斉にニホンちゃんに対して突っ込みを入れました。
「僕の女性化ってそんな格好なんだ。金髪のチアガールで」
「チャイナドレスにお団子頭あるか。基本ではあるが」
まずはそのアメリー君とチューゴ君が難しい顔になっています。
言いたいことをどうしても言えない顔になっています。さしもの
二人もです。
それにカンコ君もです。今回ばかりは何を言っていいのかわから
ず呆然となってニホンちゃんに尋ねます。
「ニホン、一応聞くニダが」
「何かな」
「これは本当にウリニダな。チョゴリではなくてウリが女の子に
なったらこうなるということニダな」
まるで爆弾を扱う様に慎重にニホンちゃんに対して尋ねるのでし
た。
「本当にこれニダな。どうして下半身が茄子になっているのかが
どうしてもわからないニダが」
「まあそれは感性だけれど」
「そうニダか」
(ニホンの家の声優さんの絵みたいニダな)
心の中でこんなことを思わずにはいられないカンコ君でした。あ
の伝説の画伯のことをです。
見ればかなり可愛らしい、チョゴリちゃんに勝るとも劣らないそ
の女の子になったカンコ君が描かれています。本人ですら唖然と
なってしまうその美少女を見てさしものカンコ君も言葉がなくな
ってしまっていました。その下半身が茄子になているのも見て。
女の子の中ではエリザベスちゃんはメイドさんの服を着ています。
皆それには一斉に疑問の声をあげます。
「こいつがメイドなんかする訳ねえ」
「意地悪お嬢様とか魔女とかだろ」
「他には黒太子とかな」
「絶対そんなのだ」
「何故わたくしがそんな悪役めいたものなのでして?」
皆が言うのでエリザベスちゃん至っておかんむりです。幾ら何で
も例えが悪過ぎます。
「どうもわたくしやフランソワーズになると急に評価がおかしく
なるのは気のせいでして?」
「いや、気のせいじゃねえ」
「実際におかしいから。おめえにメイド服なんてよ」
どうも人望という点において非常に問題があると思われるエリザ
ベスちゃんです。
とにかく彼女のメイドイラストは皆から全力で否定されています。
幾ら何でも有り得ないと。
「あれだろ。マカロニーノの家のオペラに出て来たエジプトの王
女様とかフラメンコ先生の家の公女とかな」
「アムネリスやエボリ公女ですわね」
どちらも物凄い性格の激しいキャラクターです。どちらかという
とそれだというのです。
「わたくしは」
「ああ、それだよ」
「絶対にな」
皆こう言ってはばかりません。そうしてです。
最後は皆一番驚きました。登校拒否なので今もクラスにはいない
キッチョム君ですがその姿は。
「アタシは悪くないもんって」
「このミニスカートの軍服の女の子が
「あいつって」
「どうかな、これで」
描いた本人が一番あっけらかんとしています。
「可愛いでしょ、これって」
「いや、可愛いっていうか」
「あの肥満した欠食児童のあいつがあれって」
「有り得ないわよ」
皆口々にこう言うのでした。つまりキッチョム君が一番有り得
ないというのです。
「やっぱりこれは」
「何ていうか」
「ニホンちゃんって・・・・・・」
皆のニホンちゃんを見る目が変わりました。呆然となっていま
す。ニホンちゃん自身の自画像も着物で何か派手な感じです。
それもまたあれです。
そうして描いてもらってない人は描いてもらってない人で言う
のでした。
「あたし描いてもらってないけれど」
「御免なさい、ちょっと事情があって」
「事情って」
タイワンちゃんなんかは寂しい顔になっています。とにかく今
回は皆に何と言っていいのかわからなくさせてしまったニホン
ちゃんなのでした。彼女もやる時はやります。全く別の意味に
おいても。
789 :
マンセー名無しさん:2009/11/27(金) 23:50:39 ID:SetH5tr5
ネッケツを煽って自作自演するなマキナ
確固とした証拠もなしに、なんでもかんでも結びつけたがる連中って、
どうしてこう頭が悪そうに見えるんだろう。
委員会乙
なんでもいいから商標阻止しろよ、マキナが仕掛けてきてるのに話全然すすんでねーし、
どぜうマキナ委員会の3文字しか繰り返せない、オウム並の無能だってバレちまうぞwwww
795 :
マンセー名無しさん:2009/11/28(土) 16:09:14 ID:OYys7RwM
そっちでgdgd話してたら、マキナが商標とり下げて詫び入れてくると思ってんの?
散々正統とか不当とか威勢よく追求してたのは、ポーズだけか?
議論なんていいんだよ、クソの役にもならねえよ。
今まで息まいてた通り、さっさと異議申し立てするなりマキナをリアルで追求なりしてこいよ。
自演乙
「多分違う」
「凄い発見がありました」
ヨハネ君が三年地球組の皆に言っていました。
「我が主のあの衣がです」
「えっ、あの衣って」
「まさか!?」
皆それを聞いて一斉に驚きました。
「ヨハネ君のお家のあの最初の人!?」
「昔にいたっていう」
「はい、あの方です」
まさにその人だというヨハネ君でした。彼は疑うことなくその
話をするのでした。
「あの方のです。本物だという証拠が遂に見つかったのです」
「死んだ時にくるまれていたっていう?」
「っていうかあの人生きていたんじゃ」
「そんな話もあったわよね」
クラスの皆はヨハネ君の話を聞きながらひそひそと話をしてい
ます。
「けれどそれが見つかったって」
「マジで!?」
「神はおられるのです」
いつもの様に深い信心と共に語るヨハネ君でした。その信仰は
とにかく本物です。
「それでです」
そのヨハネ君が言い続けます。
「その衣ですが」
「今あるの?」
「ここに」
「はい、あります」
厳かな声でこう答えるヨハネ君でした。
「実はお兄様が調べてくれまして」
「お兄様って」
「ああ、マカロニーノさんのことだね」
皆中々覚えていないし忘れているヨハネ君の血縁関係につい
ても思い出しました。
「そういえばヨハネって」
「マカロニーノ家の三男さんだったんだ」
「それでバチカンに養子に入って」
「そうだったね」
この辺り結構複雑だったりします。
「それでマカロニーノさんなんだ」
「けれどマカロニーノさん!?」
「あの人が調べたの!?」
皆今度はこのことについて考えたのでした。
「大丈夫かな、それで」
「そうよね」
マカロニーノ君の性格は後輩の子達の間でももう充分以上
に知れ渡っていますのでこう言われるのでした。
「あの人が調べたって」
「しかもマカロニーノさんってお家まんまバチカンのおじ
さんの宗教だし」
「何か贔屓してそうじゃない?」
「そうよね」
皆このことも危惧するのでした。とにかく怪しいと思うこ
としきりです。
けれどここにマカロニーノ君も来て言うのでした。三年地
球組の皆に対して。
「僕も真面目に調べたんだよ。それでその時の文字もしっ
かりとあってね」
「そうですか?」
皆そのマカロニーノ君をかなり懐疑的な目で見ています。
「それでわかったんですか?」
「その主さんが亡くなられた時の服だって」
皆どうしても信じられません。それで皆少しだけその衣を
見てみるとです。ウヨ君がふと言うのでした。
「待て、この主は十字架の主の顔だな」
「それがどうかしたのですか?」
それを言われたヨハネ君は何でもないといった顔でウヨ君
に言葉を返します。
「主の顔について何か」
「マカロニーノの家の顔だな、あの主は」
そこを指摘するウヨ君の目は鋭いものになっています。
「そうだな。その顔だな」
「はい、そうですね」
「それがどうかしたのかい?」
ヨハネ君だけでなくマカロニーノ君もウヨ君に対して問う
のでした。
「当然ですが」
「そうだよ。主の顔はね」
「あの人は確か紫苑さんの家の人だったな」
ここでウヨ君は誰もが知っていることを話したのでした。
この事実をです。皆このことは知っていますがそこから深
く考えたことはなかったりします。
「そうだな。あの時の」
「はい、それもその通りです」
「そういえば紫苑とは最近あまりデートしていないな。今
度しようかな」
マカロニーノ君は能天気にこんなことを思ったりもします。
しかしウヨ君の目はさらに鋭くなりそれで二人に対して言
うのでした。
「それで何故主の顔がマカロニーノさんの家の顔なんだ?
紫苑さんの家の生まれなのに」
「あっ、そうか」
「そうよね」
皆ウヨ君の今の言葉にはっとなったのでした。
「紫苑さんのお家の人なのにマカロニーノさんのお家の顔
っておかしいわよね」
「それも昔だと余計に」
「どういうことかな、それって」
皆このことに首を傾げてしまいました。言われてみればこ
んなにおかしなことはありません。となるとその衣にある
主の顔もです。
「あのお顔じゃないんじゃ」
「となると偽者!?」
「そうよね」
そう考えだしたのです。確かにその顔であるとはちょっと
考えられないからです。
それでもマカロニーノ君は言います。彼も信じているもの
がかかっているので必死になっています。それで彼が言う
にはです。
「いや、主の人の傷跡とこの衣にある跡が一致してるよ。
それに」
「それに?」
「まだ証拠が?」
「はい、あります」
ヨハネ君も言ってきました。彼はお兄さん以上に真剣な顔
になっています。流石に今はいつも連れている上半身裸で
覆面をしている大きな人達はいませんが。それでも言うの
でした。
「私が頼んでじっくりと見てもらった結果もあります。そ
の結果で」
「そうだったの?」
「その時代の?」
「はい、そうです」
そうだというのです。
「ですから間違いありません」
「しかし昔のあの人の顔はだ」
ウヨ君はさらに言います。彼も引きません。まさに彼とヨ
ハネ君、マカロニーノ君の対決になっています。それはも
うかなり熾烈です。
「髭のない若い人に描かれていなかったか?今みたいな顔
になったのはもっと後だったんじゃないのか?」
「うっ、それは」
「つまりですね」
「じゃあおかしいな」
ウヨ君が次に言ったのはそのことでした。昔のその人の顔
を描いた絵は髭がないというのです。しかし今のその人は
御承知の通り髭を生やしています。ですから。
「やっぱりそれはおかしいんじゃないのか?その布は」
「いや、じっくり調べたからね僕も」
「間違いありません、これは本物です」
あくまで引かない二人でした。そうして最後まで本物かど
うかわからないままでした。この衣、果たして本物なので
しょうか。
811 :
マンセー名無しさん:2009/11/29(日) 23:37:35 ID:ZpzB28zZ
>>811 > こんな顔になるとか、実際だと。
「みんなでぱらいそさいくだ」の人によく似ています。
「妹を抑えられません」
皆お兄さんがいたりお姉さんがいたり弟さんがいたり妹さんが
いたりしています。それはクラスでもとりわけ目立たないカナ
ディアン君も同じです。
けれど今は彼が目立たないことについてのお話ではありません。
その困った妹さんについてです。
ケベックちゃんは実はカナディアン君の本当の妹ではなくあの
フランソワーズちゃんの妹さんです。
「つくづく悪の血脈だな」
「あの家とエリザベスの家には本当に碌なものがねえし碌なも
のが生まれねえな」
これが皆の感想です。
「全くな」
「とんでもねえ家だぜ」
本人を前にしていてこの発言です。当然ながらフランソワーズ
ちゃんは切れそうですがそれはとりあえず放置されています。
そうしてそのうえで皆ケベックちゃんを見ます。
見れば見る程お姉さんにそっくりです。その顔立ちや髪の色だ
けでなく服装も仕草も何もかもです。冗談抜きで地味さが特徴
と言っていいカナディアン家には場違いです。
「わたくしフランソワーズお姉様になりますわ」
本人も実際にこんなことを言います。すっかりお姉さんを模範
にしています。
そんなケベックちゃんなので皆かなり呆れてしまっています。
しかもお兄さんの言うことは全く聞きません。間違ってもそん
なことはしません。
「わたくしにはお兄様なんていませんわ」
「いつもこんなのなんだよ」
泣きそうな顔で皆に話すカナディアン君です。
「どうしたらいいかなあ。皆どう思う・・・・・・って」
皆その彼に気付きもしません。社交ダンス部でも太平洋町の集
まりでも何処でも彼には誰も気付きません。異常なまでも影の
薄さです。
「幾ら何でも相談の時位気付いて欲しいんだけれど」
こう言っても誰も気付かないのでした。
「あの、皆聞いてる?」
「あれっ、今誰が喋ったんだ?」
「おかしいわよ、クラスには皆いるのに聞き慣れない声がす
るなんて」
「やっぱり気付いてもらえないし」
こんな有様です。ケベックちゃんのことは知っていても彼のこ
とは全く気付きません。知ってもらう前の段階だったりします。
「相談すらできないなんて・・・・・・」
このことに最高に落ち込んでいるとです。やっと気付いてくれ
た人がいました。たまたま彼の机にぶつかってしまったニホン
ちゃんでした。
「あれっ、カナディアン君この席だったの」
「そうだよ。この席だったんだよ」
「そうだったんだ」
「だから何で皆気付いてくれないんだろう・・・・・・」
このことに落胆しきりのカナディアン君でした。まずここから
して問題でした。
「ケベックがまた家から出るとか言ってるのに」
「ああ、ケベックちゃんが」
「いつも言うんだよね。どうしたらいいかな」
そのまま話の流れでニホンちゃんにお話します。こうした時に
は優しく相談に乗ってくれる彼女はやはりクラスではかなり有
り難い人です。
「それでだけれど」
「そうね。要するにカナディアン君のお家の人とケベックちゃ
んだけがいるからよくないんじゃないかしら」
ニホンちゃんはふとこんなことを言うのでした。
「わたしの家なんか色々な人がいるじゃない」
「そうだね。個性的な人ばかりいるよね」
シシローおじさんにシンタローさんにヲタ君にドキュソちゃん
にチンソー君にサンケー君にヨミちゃん。ウヨ君やニーちゃん
だけではないのです。リュー君にアイヌちゃんといった人達も
います。とにかく個性的な顔触れの多いニホンちゃんのお家な
のです。
「二つだけだと問題になることって多いのよ。実際にわたしだ
ってね」
「そうだね。カンコ君と一緒にいたらね」
そもそも歩くトラブルクリエイターです。彼と一緒にいたらそ
れだけで何か怒ると思っていいです。
この人はかなり極端ですがその他の人ともです。二人だけだと
どうもトラブルが起こりやすくそれが深刻なことになりやすい
ことに気付いたカナディアン君でした。
「ううん、考えたんだけれど」
「どうするの?それで」
「僕も色々な人に来てもらうよ」
にこりとした笑みになってこうニホンちゃんに言うのでした。
「今からね」
「色々な人に?」
「そうだよ、アメリーの家みたいにね」
そうするというのでした。
「よし、じゃあ早速」
それによってケベックちゃんの存在の割合を減らしてそれと
一緒に彼女の我儘を抑えてもらおうと思ったのです。そうし
て早速色々な人達を家に呼んでみました。
「さあ、誰が来てくれるかな」
うきうきしながらその人達が来るのを待つのでした。
そしてやって来たのは」
「よお、遊びに来たぜ」
「誰でもいいというから来たあるぞ」
「ここは涼しくて過ごしやすいと聞いたから来てやったニダ。
感謝汁」
「えっ、何で君達が?」
やって来たのはアメリー君にチューゴ君にカンコ君というク
ラスで屈指の騒々しい顔触れです。しかもそれぞれお家の人
達まで一杯連れています。
「じゃあ早速バーベキュー焼いてだ。ああ、これいいから貰
っておくな」
「中華料理作るある。場所も借りるあるぞ」
「家の木を借りてちょっと焚き火をするニダ」
三人共勝手なことをしだしています。早速滅茶苦茶なことに
なっています。
「あの、ちょっと」
「ああ、パパやオバマおじさんも来てくれたな」
「さあ、ここにも我がチューゴ家の部屋を作るある」
「うわっ、火が強過ぎたニダ。火事になりそうニダ!」
カナディアン君の言葉をよそに三人が三人で滅茶苦茶なこと
をしてです。お家の中は滅茶苦茶になっていく一方です。
そして三人はケベックちゃんに全く気付きません。自分達の
ことだけをしています。ということは。
「ではわたくしは独立しまして」
「全然解決になってないじゃないか!」
カナディアン君もこの展開に大弱りです。事態はさらに悪化
してしまっていました。
そんなこんなで瞬く間に滅茶苦茶なことになってしまったカ
ナディアン家。最早その三人とそれぞれのお家の人の方が有
名な程です。やっぱり彼自体は覚えてもらえません。
「だから何でいつもこうなるの、僕の場合!」
「あっ、カナディアンいたのかよ」
「何でここにいるあるか?」
「遊びに来たニダか?」
「だからここ僕の家なんだって!」
もうすっかり馴染んで図々しく居座っている三人に対して叫
びます。叫んでも無駄ですが。しかもケベックちゃんは。
「わたくしもきっとお姉様みたいに」
「だから何でこうなるんだよ!誰か相談に乗って!」
こう嘆くことしきりのカナディアン君でした。彼にとって幸
せとは縁の遠いもののようです。
825 :
マンセー名無しさん:2009/12/01(火) 23:07:54 ID:LPGcy613
826 :
マンセー名無しさん:2009/12/01(火) 23:14:19 ID:LPGcy613
>>812 あっ、そうなのですか。気付きませんでした。
>>813 少なくともこのスレのテンプレは一切の商業利用を禁止となっています。
商業利用についての議論は今自治スレで行われています。
「女の勝ち」
ニホンちゃんがクラスの皆を美少女にしてしまった本を
出してから暫く経ちました。殆どの人が何だかんだでそ
れを受け入れていました。
それはアメリー君やチューゴ君も同じで。確かに思うと
ころはありましたがそれでも受け入れていることには偽
りはありませんでした。
「考えてみればな。女の子になるっていうのも」
「悪くないことある」
こう言ってそれでもいいと考えるようになっているので
した。そしてこんなことまでするのでした。
「そういえばあるが」
「ああ、それな」
ここでチューゴ君は変わったステッキを出してきました。
見ればアメリー君も同じものを持っています。その先に
はピンクのハートがあってきらきらとしているそんな不
思議なステッキでした。
「そのニホンちゃんのお家のおもちゃ屋さんから買った
ものあるが」
「番台さんだよな」
そのニホンちゃんのお家のおもちゃの世界でかなりの売
り上げを誇っているその人です。二人共その人のお店で
買ったのです。
「他にも変身ベルトとかあったよな」
「あれは何かヒーローになるあるがこれは女の子になる
ものあるからな」
本当に色々なものを売っているニホンちゃんのお家です。
変身できるものまであるのでした。
「じゃあこれを使ってな」
「あの姿になるある」
こう言い合ってそれでステッキを構えてから振ります。
そのうえでそれぞれ言うのでした。
「アメリースターパワーメイクアップ!」
「チューゴメタモルフォーゼ!」
七色の光に包まれ幻想の中で姿を変えて。二人は女の子
になりました。
あのチアガールとチャイナドレスの女の子にです。まさ
にその姿になってうえで笑顔になって言い合うのでした。
「これでいいわね(声:水谷優子)」
「ばっちりある(声:久川綾)」
にこりと笑ってさえいます。
「それじゃあこの姿でいくわよ」
「わかっているあるよ」
声や喋り方まで女の子になってしまっています。そうし
てその姿で街に出てすることはです。
「さあ皆アメリー家に来て鼠ランドで楽しんで!」
「チューゴ家の料理を楽しんで下さいある!」
ミニスカートやスリットから生脚を見せて扇情的に動き
ながらお家のアピールをするのでした。
それを見た街の人達の反応はといいますと。やはりチア
ガールとチャイナドレスの威力は抜群でした。何といっ
てもこれにつきます。
「へえ、いいねえ」
「じゃあ行ってみようかな」
見事な看板娘です。男の子のままだとあれこれと言われ
いる彼等も女の子になればです。もうそれだけで大人気
となっています。
「男の子の姿だとこんなのなかったわよ」
「そこが複雑な気持ちある」
それでも人気者になれたので二人共満足しています。そ
うしてその満足のままです。
いよいよ本命に向かいます。その本命とは誰かといいま
すと。誰かのお家に行くのが大好きで誘いを断れなくて
おまけに他のお家ではかなり気前がよくなる娘です。そ
んな都合のいい娘がいるかといいますと。
これがいます。誰かといいますともうこの人しかいませ
ん、ニホンちゃんです。
「ニホンちゃんは何処あるか?」
「ちょっと見ないわね」
女の子の姿のままで周囲を見回す二人です。
しかし人は探せば時として見つかるものです。そうして
見つかったニホンちゃんはといいますと。
あの着物を着て携帯電話を持って髪をアップにしていま
す。薔薇と真珠の髪飾りまでしています。
「いつもの格好じゃないわね」
「すっかりあの服装に馴染んでいるあるね」
かくいう二人も女の子の姿に完全に馴染んでいます。ど
うもかなり気に入っているようです。
「とにかく見つけたからには」
「早速声をかけるある」
こうしてその女の子の姿で声をかけようとします。けれ
どその間にニホンちゃんは何か携帯で誰かとお話をして
いました。そのお相手は。
「うん、じゃあここで待ってるから」
「すぐ行くわね」
どうも誰かとお話しているようです。二人は何かと思っ
てそれで様子を見守っているとです。白いコートに帽子
とマフラー、黒いタイツに赤のミトンと靴のフィンラン
ちゃんがやって来ました。
「スオミのあの服も」
「あの本の服ある」
二人はフィンランちゃんのその格好を見てすぐにわかり
ました。何と男の子だけでなく女の子達の絵もかなり描
いてたのです。こういうところは流石ニホンちゃんです。
「服のセンスかなりいいわね」
「私達の服もそうあるが」
すっかり別人というか性別を変身で変えてしまっている
二人も思わず唸ります。
「しかももう一人来たわよ」
「あれは」
実に都合よくもう一人来ました。今度は誰かといいます
とキューバちゃんでした。
「あの娘も」
「奇麗な服着てるある」
ベレー帽に軍服みたいな上着と半ズボンとタンクトップ、
それにブーツといった格好です。手にしているのは吸っ
てはいませんが葉巻です。明らかにお姉さんの下原知恵
さんをイメージしたこれもニホンちゃんの格好です。
「呼んだ?二人共」
「うん、よかったら」
「スオミのお家でオーロラ観ない?」
二人はにこりと笑ってそのキューバちゃんを誘うのでし
た。
「アーリアちゃんも来るし」
「アイスクリームもあるわよ」
「勿論よ」
二人の誘いに満面の笑顔で応えるキューバちゃんでした。
彼女にとっても願ってもない誘いだからです。
「それじゃあ今からね」
「ええ、じゃあ」
「三人で」
行こうとしたところにまた一人です。何と車に乗ったア
ーリアちゃんが登場です。ベンツのスポーツカーから三
人に対して颯爽と声をかけます。
「よかったら乗っていくか?」
袖のない上着とロングスカートが似合っています。これ
またニホンちゃんデザインです。
「スオミの家だったな。ニホンからメールを受けてやっ
て来たぞ」
彼女もまたニホンちゃんに連絡を受けてだったのです。
アメリーちゃんもチューゴちゃんも完全に取り残されて
しまっています。
「あの娘どうして車に乗っているの?」
「多分花形満やキグナス氷河ある。子供でも車を運転し
ていることが漫画やアニメの世界では時々あるある」
どうやらその様です。何気に物凄いことをしてしまって
いるアーリアちゃんです。
その二人をよそに元々女の子の彼女達はきゃっきゃっと
可愛くお話をしながらアーリアちゃんの車に乗ってその
ままフィンランちゃんのお家にオーロラを観に行きます。
後に残ったのは折角のカモを獲られてしまった二人だけ
でした。
二人は作戦失敗を認識するととりあえず撤退に入ること
にしました。そのまま帰ろうとしますと。
「少し遅かったわね。もう少しでニホンちゃんを誘えた
のに(声:山口由里子)」
「んっ、今度は」
「誰あるか?」
「私よ」
また女の子です。何と今度は長身で大人びたお姉様でし
た。厚い赤と黒のコートの下は何と上半身は裸で胸が見
えてしまいそうになっています。下はこれまた赤のロン
グスカートですがスリットが凄いことになっていてそこ
から赤いガーターと黒のブーツが露わになっています。
見事なブロンドにはこれまた赤と黒の毛皮の縁のない帽
子がありましてまさにクールビューティーといった顔に
ある目は赤です。彼女は。
「折角ウォッカを御馳走しようと思ったのに。残念だっ
たわ」
「ウォッカってあんたひょっとして」
「ロシアノビッチあるか!?」
「ええ、そうよ」
女の子になってもでかいロシアノビッチ君は二人を見下
ろしてにこりと笑ってみせるのでした。
「私よ。ロシアノビッチよ」
「ぜ、絶対嘘よ!」
「そんな筈がないある!」
二人はまずそのことを全力で否定しようとしました。
「あんたがロシアノビッチの筈がないわ!」
「何処をどうやったらそうなるあるか!」
流石にこればかりは納得できない二人でした。最早ここ
までくると誰かわかりません。本当にニホンちゃんの才
能は凄いです。あらゆる意味におきまして。
841 :
マンセー名無しさん:2009/12/03(木) 23:56:34 ID:1fYcwuTZ
「顔触れも内容も」
ぽっぽおじさんが言い出したその東アジア町での集まりですが
アメリー家も参加していいということになって何かもう東アジ
アじゃないんじゃないかといった話になっています。それでニ
ホンちゃんのお家の中でも色々と言われています。
「やっぱりこれって」
「だからさ、あのAPECとかと変わらないよ」
「そうよね。おじさんそのことに気付いてるのかしら」
「多分気付いてないよ。下手したら三歩歩いただけで何もかも
忘れてしまいそうだし」
「それは鶏なんじゃないかしら」
「鳩でもそうなんじゃないの?」
こんなお話になっています。そしてそれを聞いた人がいました。
最近ニホンちゃんと大きなお魚のことで揉めていたりするオー
ジー君です。彼はニホンちゃんとウヨ君のこうしたお話を聞い
早速キャンベラちゃんと自分達でも話し合うのでした。
「ニホンちゃんのお家が今何を言っているか知っているダスな、
キャンベラ」
「勿論ダス、あの東アジア町の集まりダスな」
やっぱりキャンベラちゃんも知っていました。オージー家にも
関わりのあるお話だったからです。
「あのままアメリー君までニホンさんの主導で入ったら」
「今後ワス達のお家はニホンちゃんのお家のリードに従うこと
になるダスよ」
オージー君はそれを危惧しているのでした。
「オセアニア町のリーダーの座にあるというダスに。それでも
ニホンちゃんのお家の言葉に従うようになってしまいかねないダ
スよ」
「それは困るダス。オージー家にもプライドがあるダス。このま
まニホンさんのお家の言うままになったらワス達の影が薄くなっ
てしまうダスよ」
二人共実に困った顔でお話を続けます。
「この事態を避けるには」
「どうしたらいいダスか?」
兄妹であれこれ悩みましたがやがて。キャンベラちゃんがふと気
付いたのでした。
「そうダス。ここはもっと大きなものを皆に出すダスよ」
「もっと大きなものダスか?」
「そうダスよ。向こうが東アジアで来るならこっちはダス」
こうしてお兄さんに自分の考えを言うのでした。
「アジア太平洋ダスよ」
「それダスか」
「これでどうダスか?ニホンさんのお家の鼻を明かすことができ
るダスよ」
「そうダスな。それではそれでいくダスよ」
オージー君も妹の考えに頷きました。これで決まりでした。彼は
早速次の日皆の前に出て言うのでした。
「皆、ワスに考えがあるダスよ」
「考え?」
「考えって?」
皆教壇のところに出たオージー君に顔を向けます。その彼が皆に
言ったことは。
「アジア太平洋の集まりを作るダスよ」
「アジア太平洋の集まりを」
「作るの」
「そうダス。間違ってもニホンちゃんのお家が言うような東アジ
アの集まりを意識したものではないダスよ」
さりげなく自分の考えを言ってしまっています。
「ワスの考えダス」
「自分で言ってるし」
「まあそんなのだろうって察しはつくけれど」
皆もその彼に突っ込みを入れます。オージー君はそれでも話を
続けるのでした。
「それで参加して欲しい人ダスが」
「それは」
「一体誰?」
「まずワスダス」
言いだしっぺが参加するのは当然です。それで皆そのことには
特に驚きませんでした。
「まあそれはね」
「当然だし」
「それで他には」
「ワスの第一の親友であるニュージーダス」
彼も外せません。それぞれのお家ができた頃からのお付き合い
の彼は当然です。ニュージー君もそれを聞いてにやにやとして
います。
そしてそれから。語られるメンバーは。
「ニホンちゃん」
「あっ、わたしもなの」
アジア太平洋というからには彼女は絶対だというのです。そし
てさらに語られていきます。
「アメリーにチューゴに」
「まあ当然だYOな」
「僕がいないと駄目ある」
二人はそれを当然といった態度で受けます。
「あとベトナ、タイラン、シンガ、インドネシア、マレーシア、
ブルネイ、フィリップダス」
ASEANメンバーも全員です。この人達もそれは当然だとい
った態度で受けます。そしてさらに言うオージー君でした。
「メヒコにチリにペルー、中南米のメンバーもどうぞダス。当然
タイワンもダスよ。パプワもだす」
「あっ、それって」
ニホンちゃんは今彼が言ったメンバーを聞いてはっとなりました。
これはポッポおじさん達の主張よりも大きいです。
「かなり凄いかも」
「ああ、勿論カナディアンもダスよ」
彼のことは危うく忘れるところでした。けれど土壇場で思い出し
たのでした。
そして最後は。皆が驚く彼でした。
「イン堂もどうぞダス」
「イン堂もかYO」
「それはどうかと思うあるが」
アメリー君とチューゴ君は彼の名前を聞いて少し嫌な顔を見せま
した。二人とは逆にイン堂君はにこにことしています。しかしこ
こでオージー君は大切な人を忘れていました。決してわざとでは
ありません。
「カンコもダス」
「当たり前ニダ。なじぇ最後になって出て来るニダ」
今にも名前が出ないのでファビョーーーンになりそうだった彼が
言い返します。
「全く。何を考えているニダ」
「悪気はないダス。それと御前の家はさっさと統一しておくダス
よ」
「そんなこと言われなくてもわかってるニダ」
これがメンバーだというのです。彼の話は終わりましたがここで
ニホンちゃんが考える顔で彼に尋ねるのでした。
「メンバーのことは聞いたけれど」
「何ダスか?」
「それいつもの集まりと大体同じメンバーじゃないかしら」
ニホンちゃんは首を少し左に傾げながら言いました。
「ぽっぽおじさんのあれもそう思ったりしたけれど」
「ま、まあそれはそうかも知れないダスが」
「中南米が入ってるだけだろ?要するに」
「最近の僕達の集まりにイン堂を入れただけあるぞ」
アメリー君とチューゴ君も突っ込みを入れます。
「まあ僕は参加みたいだしいいけれどな」
「思うところはあるが大体はいいある」
二人共さりげなくイン堂君を見ながら言います。やはりそれが
不満のようです。
「あたしも参加させてもらえるからいいけれど。何かベトナち
ゃんやタイランがいつも主催してる集まりと結局同じメンバー
じゃない。何処がどう違うのよ」
「まあそれを総合的にしたものと考えればいいダス」
「それがエーペックじゃないの?イン堂以外皆出てる人ばかり
だし。ロシアノビッチも入るんでしょ?」
「そうダスが」
彼は今ウォッカで激烈に酔い潰れているのであえて名前を出さ
なかったのです。後で話すつもりでした。
「まあどうダスか?」
皆に突っ込まれながらもとりあえず聞くのでした。
「これは」
「いいと思うけれど」
「気になるところはあってもな」
「基本的にはある」
「いいじゃない」
皆大体賛成でした。皆にとっても悪いお話ではなかったからで
す。けれどそれでも言うのでした。
「ぽっぽおじさんのそれより広いけれど大体同じだし」
「メンバー同じで話すことも同じにならないか?」
「そういう集まりが最近幾つもあって同じ話にもなってるある
ぞ」
「だから。何か何処がどう違うのかって思うんだけれど」
皆そういったところを突っ込むのでした。結果として何ともオ
リジナリティがないということになってしまったオージー君の
今回の主張でした。
しかもこういった集まりになるといつもの個性も自己主張もど
いうわけか物凄く薄くなる人も言いました。
「毎度毎度ウリも参加してやっているニダが同じメンバーしか
集まらないニダか?」
「だから気にするなダス。そういう御前はさっさと統一してお
くダス」
「兄さんだけ集まりに来ないニダがどうしたらいいニダか?」
「ワスに言われても困るダス。とりあえず花火取り上げて無理
にでも連れて来るダス」
「それができたら苦労しないニダ」
何度話をしてもこの問題だけは解決できないのでした。本当に
変わり映えのしない今回のオージー君の主張でした。キャンベ
ラちゃんの閃きも空しく。
856 :
マンセー名無しさん:2009/12/05(土) 23:53:25 ID:0h5UC3wh
「ただ燃やしただけで」
皆それぞれお家のゴミの処分には困っています。とにかく色々な
方法でそれを処分しています。
これはニホンちゃんのお家でも同じでトウキョウの間から離れた
場所にユメノシマといったところがあります。
「ここでもずっと捨ててるけれど」
「何時まで捨てられるかな」
ニホンちゃんもウヨ君もそれがかなり不安になってきています。
それに二人はゴミについてまだ困ったことがあるのでした。それ
は何かといいますと。
「カンコ君のお家からね」
「そうなんだよな」
二人でこんな話をしていました。
その困った顔でカンコ君のところから流れてきているゴミの山を
見るのでした。お池を越えてやって来るそのゴミの山をです。そ
れはかなりの量です。
「あのゴミ何とかしてくれないかな」
「抗議しても無駄だしね」
ウヨ君はこうは言いますがそれでもです。チョゴリちゃんに対し
て言うのでした。
「御前の方でできるだけしてくれたらいいからな」
「わかったニダ。ウヨ君に言われるまでもないニダ」
やっぱりチョゴリちゃんはこうしたところは素直です。それでこ
の申し出を受け入れるのでした。そうしてカンコ家でもチョゴリ
ちゃんがゴミの処理をすることになりました。
859 :
マンセー名無しさん:2009/12/07(月) 22:42:34 ID:qtD+m8lf
それでですが。その処理の方法は。
ゴミを集めてそれを燃やすという方法です。古典的ではあります
がそれでも効果的なのは確かです。
そうしてゴミを集めてそこに灯油をかけて火を点けようとしまし
ただ。火が大好きなカンコ君がここで何処からともなくやって来
ました。
「何をしているニダ。燃やすニダか?」
「あっ、兄さん来たニダか」
「何か燃やすのならウリにやらせるニダ。こうした楽しいことに
呼んでくれないとは水臭いニダ」
カンコ君はすっかり遊びと勘違いしています。この辺り本当に彼
らしいです。
「兄妹ニダ。何で呼んでくれなかったニダ」
「家にあるゴミを燃やす為ニダ。お池に捨てたのがニホンさんの
ところにまで来て迷惑をかけているニダよ」
「そんなことはどうでもいいニダがとにかく燃やすニダな」
カンコ君はそちらの方に関心がいっています。本当にこうしたと
ころが彼らしいです。
それで、です。チョゴリちゃんからそのマッチを貰って火を点け
ようとしました。ところがです。
「ええい、待つニダ」
「何を楽しそうなことをしているニダ!」
今度はカンコパパさんとカンコママさんが出て来ました。町内き
ってのお騒がせ一家勢揃いです。チョゴリちゃんを除いて。
「火を点けるのはウリナラの最大の娯楽の一つニダ。デモと並ぶ
娯楽ニダよ」
「そういうことこそ一家でするニダ。いいニダな」
何かよくわからない理屈を並び立ててとにかくこの人達が言う遊
びに参加します。チョゴリちゃんも何か予想できた展開なので特
に何も言いません。ですがこの一家は誰かが突っ込まないと、誰
かが突っ込んでも斜め上にかっ飛んでいく一家です。そしてそれ
は今回もなのです。
「ええい駄目ニダカンコ!」
「駄目ニダか?」
カンコ君はいきなりパパさんに言われてその今まさに火を点けよ
うとしたところで動きを止めてしまいました。
「そうニダ、駄目ニダ」
こう言い切るカンコパパさんでした。
「そんな甘い火の点け方では駄目ニダ」
「そうだったニダか」
「見るニダ、本当の火の点け方を」
こう言って懐から出してきたものはです。何とそれは。
火炎放射器でした。そう、まさにそれは。
「汚物は消毒ニダ!」
これを背負って装備した時に絶対に言わなければならない台詞、
それを出してきたのでした。カンコパパさんはまさにその鉄則
を守ったのでした。
そしてそれからすることはです。もう一つしかありません。そ
れは何かといいますと。
当然これです。火炎放射器を全力放射です。それでゴミの山に
一気に火を点けます。
「わはは、どうニダ!」
何処からか出して来たサングラスにかけてそれで誇らしげに言
うカンコパパさんでした。
「本当の燃やし方というのはこうするニダよ!」
「凄いニダ、アボジ!」
カンコ君もこれにはびっくりです。そうしてカンコパパさんを
褒め称えます。ところがです。
あまりにも勢いよく火を出したのでそれがゴミの山を炎の山に
変えてしまいました。そうしてそれでお家にまで火が点いてし
まいまして。
「な、何ニダ!」
「お家に火が点いたニダ!」
「大変ニダ!」
気付いた時にはもう遅かったです。あっという間にお家も紅蓮
の炎に包んでしまいました。
「しょ、消防隊を呼ぶニダ!」
「どうにかするニダ!」
こう言った時には手遅れでした。カンコ家はまたまた全焼して
しまいました。
「それでなのね」
「またなんだな」
火事と聞いて助けに来たニホンちゃんとウヨ君はお家が燃えた
のに巻き込まれてそれで全身煤だらけになっているカンコ君と
チョゴリちゃんのお話を聞いています。家を燃やしてしまった
カンコパパさんとカンコママさんはお巡りさんから話を聞いて
いますがやっぱり呆れられた顔をされています。
「あの漫画の真似したらなのね」
「ゴミの山を燃やすのに火炎放射器か」
「それが失敗だったニダ」
「何となく気持ちはわかるニダが」
チョゴリちゃんもカンコ家の人なのでそれは何となくわかるの
でした。
「それでも。ああなってしまったニダ」
「何ていうか。こうした時にあの漫画の真似は」
「止めた方がいいな」
「とりあえず今日はテントニダ」
カンコ君もいつものことなのでなれたものです。
「明日トンチャモンに建て直してもらうニダ」
「そうか。じゃあまたな」
「それにしても。毎回毎回なじぇこうなるニダ」
カンコ君はウヨ君の言葉を聞きながら一人呟きました。
「おかげでテント暮らしも慣れたニダ。どうにかならないニダ
か」
そうはいってもどうにもならないのでした。結局いつもの展開
になってしまったのでした。
867 :
マンセー名無しさん:2009/12/07(月) 23:36:58 ID:qtD+m8lf
「二人に囲まれて」
ニホンちゃんとタイワンちゃんの仲睦まじさはもう誰も
が知っているものです。暇があれば二人で楽しく遊んで
います。
それでカンコ君なんかはかなり嫉妬しています。けれど
そうしたことには疎いニホンちゃんはそんな彼のことに
ついていつもこう言うのです。
「何であんなに怒るのかしら、わたしとタイワンちゃん
が一緒にいたら」
「ああ、気にしなくてもいいから」
タイワンちゃんはその理由を知っていますがそれでもで
す。こう言って真実を言わないのです。
「あいつのことはね」
「気にしなくていいの」
「そうよ。それでだけれどね」
タイワンちゃんはあらためてニホンちゃんに対して言い
ました。
「今日あたしのお家に来てくれる?」
「タイワンちゃんのお家に?」
「ええ。ちょっと見て欲しいものがあるのよ」
何かを隠しているような思わせぶりな微笑を浮かべてニ
ホンちゃんに対して言うのでした。
「それでいいかしら」
「うん、わたしは別に」
ニホンちゃんも特に異論なく応えました。
「それだったら今日は」
「あたしの家で遊びましょう」
「そうね」
こうして今日の予定は決まりました。本当にツーカーの
関係にまで至っています。
そんなニホンちゃんとタイワンちゃんを見てそっと出て
来たのは誰かといいますと。いつものカンコ君ではあり
ませんでした。
「ウリも行きたいニダ」
チョゴリちゃんです。楽しげにお話をする二人を見てこ
う呟くのでした。
「ニホンさんのマンファならウリもかなり読んでるニダ。
だからウリも」
こう言ってそれで彼女もタイワンちゃんのお家に向かう
ことにしました。その前に自分のお家に帰ってです。ど
うも話が動きそうです。
そしてニホンちゃんとタイワンちゃんはです。タイワン
ちゃんのお家に入ります。まずはそのお茶とお菓子を楽
しみます。それからです。
「それでね、見せたいものがあるのよ」
「うん、何なの?」
タイワンちゃんのお部屋で仲良くお話をする二人です。
「これ、見て欲しいんだけれど」
「あっ、これって」
「そうなの。ニホンちゃんのお家の言葉をね」
それを原稿用紙に書いているのでした。その字も文章も
見事なものです。そしてそれを書いたのは誰かというと
です。
「あたしが書いたんだけれど」
「えっ、これタイワンちゃんが書いたの」
「そうなのよ」
見れば見る程見事な文字と文章です。それをタイワンち
ゃんが書いたというのです。これにはニホンちゃんも驚
きです。
「どうかしら」
「いや、凄いよタイワンちゃん」
その驚きをそのままタイワンちゃん本人にも告げます。
「こんな文章や文字が書けるなんて。わたしよりも上手
いんじゃないかしら」
「あはは、流石にそれはないわよ」
本家のニホンちゃんには流石にかなわないというのです。
けれど確かに上手です。
「それはね」
「けれど。本当に」
その上手さに感嘆の言葉しか出ません。そしてここでチ
ョゴリちゃんも来たのでした。
「ニホンさん、ウリはニダ」
「あれっ、チョゴリちゃん」
「来たの」
「お邪魔しますニダ」
ここで二人に対してぺこりと頭を下げるチョゴリちゃん
でした。こうしたお行儀のよさもこの娘のいいところで
あります。
そのチョゴリちゃんがです、自分のお家から持って来た
ものは。
「これニダが」
「あれっ、これって」
彼女が持って来たそれを見て声をあげるニホンちゃんで
した。それが何かといいますと。
「漫画じゃない」
「それも全部」
タイワンちゃんがその漫画を見て言います。それは誰が
描いたものかといいますと。
「武士が描いたのが多いわね」
「ニホンちゃんが描いたのもあるけれど」
「ウリもあと内緒ニダが兄さんも最近ニホンさんの漫画
に今まで以上に凝っているニダ」
にこりと笑ってこのことを話すチョゴリちゃんでした。
「そのことをニホンさんに知ってもらいたかったニダ」
「それであたしの家に来たのね」
タイワンちゃんもこのことがよくわかったのでした。
「成程ね。だからね」
「タイワンさんだけじゃなくてウリもニホンさんのお家
の文化は勉強しているニダよ」
漫画も立派な文化です。ですからチョゴリちゃんは今こ
う言ったのです。
「やっぱりニホンさんのお家の文化は素晴らしいニダよ。
ウリは大好きニダよ」
「ありがとう、チョゴリちゃん」
チョゴリちゃんに言ってもらってニホンちゃんもにこり
と笑います。
「そう言ってくれて」
「確かにいいのよね」
タイワンちゃんは二人を交互に見ています。
「ニホンちゃんのお家のものってね。洗練されているっ
ていうか格好いいっていうか」
「ウヨ君のがそうでニホンさんのは奇麗で優しいニダ。
確かそれは」
ここでチョゴリちゃんが言葉が出ないでいるとです。タ
イワンちゃんが言ってあげたのでした。
「たおやめぶりよね」
「あっ、そうでしたニダ」
タイワンちゃんに言われてこの言葉をやっと思い出した
チョゴリちゃんでした。この言葉がちょっと出て来なか
ったのです。
「その通りニダ。それでウヨ君はニダ」
「ますらおぶりね。まさにね」
「その両方が好きニダよ」
「わたしも武士もなのね」
ニホンちゃんがそれを言われてにこりとなっているとで
す。タイワンちゃんもその彼女に対して告げてきたので
した。
「あたしも両方共よ。両方共ニホンちゃんのお家のいい
ところだからね」
「ありがとう、二人共」
二人に囲まれてあらためて自分の中のものがわかったニ
ホンちゃんでした。彼女にも日之本家にもいいものは一
杯あるのです。
879 :
マンセー名無しさん:2009/12/09(水) 23:44:20 ID:zU2vF3N7
「巫女巫女サンマリノちゃん」
「ううん、いいねえ」
五年地球組で女の子が大好きといえばこの人、マカロニー
ノ君です。今日はニホンちゃんのお家のキョウトの間にお
いて目を細めさせています。
「あの赤い袴に白い上着がいいんだよね。如何にもニホン
ちゃんって感じでね」
「けれど兄さん」
そのニホンちゃんを見ながら微笑む彼に妹のサンマリノち
ゃんが突っ込みを入れます。
「兄さんって女の子なら誰でもそう言ってるけれど」
「女の子は皆花なんだよ」
こうあっさりと言ってしまうのがまさにマカロニーノ君で
す。
「皆ね。だから巫女のかっこうもね」
「いいっていうのね」
「その通りだよ。いや、本当にいいね」
「そうなの。それにしても確かに」
お兄さんのその視線の先の巫女姿のニホンちゃんを見て。
サンマリノちゃんも思うところができたようです。
「いいわね」
「そうだろう?巫女には巫女のよさがあるんだよ」
マカロニーノ君はにこにことして話を続けます。
「本当にね」
「そうね。何か私も」
ここでサンマリノちゃんはあることを決意しました。
そうして次の日です。今度は一人で日之本家に来てそのう
えでニホンちゃんに対して御願いしました。
「えっ、巫女さんになりたいの?」
「はい、昨日のニホンさんのお姿を見て」
こう言うのでした。
「それでなりたいと思いまして」
「昨日のわたしのあれを見てなのね」
「はい、兄さんが物凄く気に入っていて」
「ああ、マカロニーノ君がね」
彼がどういった人なのかはクラスの誰もが知っています。
まさに女好きといえば彼です。
「そういえば昨日ずっと見ていて横で武士が警戒していた
わね」
「それでなんです」
あらためて言うサンマリノちゃんでした。
「私も巫女さんにって」
「そうね。それじゃあとりあえずは」
「はい」
「神主さんに御聞きして」
それからはじめることにしました。こうしてキョウトの間
の神主さんに御聞きするとです。神主さんは穏やかな声で
ニホンちゃんに答えました。
「いいと思うよ、私もね」
「いいんですか」
「この娘はただ純粋に巫女さんになりたいんだね」
そのサンマリノちゃんを見て言うのでした。彼女も一緒に
神主さんの前に来ていたのです。
「それだったらね」
「いいんですか」
「そうだよ。それに」
神主さんはサンマリノちゃんをさらに見ました。見ればそ
の目は澄んでいてとても奇麗です。そしてこんなことも思
ったのです。
「この娘だけじゃなくてね」
「他の娘もいいんですね」
「ニホンちゃんのお友達でなりたい人を呼んできて」
こうまで言うのでした。
「お行儀とか言葉遣いとか服の着方はニホンちゃんが教え
てあげればいいから」
「はい、わかりました」
こうしてです。何とサンマリノちゃん以外にも巫女さんに
なれることが決まりました。それを聞いて巫女さんに志願
しに来たのはです。
「ニホンちゃんとこの巫女さんに一度なってみたかったの
ね、あたしもね」
「私もある。こういうことってやっぱり憧れるものある」
「ウリ前から巫女さんになったニホンさんが奇麗だと思っ
ていたニダ。だからウリも」
タイワンちゃんに香ちゃんにチョゴリちゃんもです。この
三人がサンマリノちゃん以外の巫女さん志願者でした。そ
の四人を見てニホンちゃんは思わずこれんなことを言うの
でした。
「世界連合巫女さんジュニアね」
「ニホンさん、それはリングにかけろニダな」
チョゴリちゃんはニホンちゃんの今の言葉から元ネタをす
ぐに言ってみせました。やはりニホンちゃんのお家の文化
にかなり強いです。
「それニダな」
「そうなの。それでとにかく巫女さんだけれど」
「はい、御願いします」
サンマリノちゃんが応えます。こうして四人はニホンちゃ
んに巫女のなり方を教わりました。そうして。
マカロニーノ君がまたキョウトの間にお邪魔した時です。
そこで待っていたのは。
巫女姿のニホンちゃん、本当に白い着物と赤い袴がとても
似合っています。そしてその他には。
「えっ、サンマリノ!?」
自分の妹がいることにまずは唖然となります。
「どうしてサンマリノがここに?」
「ああ、兄さんまた来たのね」
そのサンマリノちゃんがにこりと笑ってマカロニーノ君に
応えます。
「どうかしら、似合うかしら」
「何か意外なんで何て言ったらいいかわからないけれど」
こうは言いますがそれでも。彼はその妹を見て言いました。
「奇麗だよ」
「有り難う」
「それにしても。他にも」
お部屋の中を見ればです。そこにはタイワンちゃんや香ち
ゃん、チョゴリちゃんもいます。そして彼女達もまた。
皆巫女姿です。それを見たマカロニーノ君もう完全にエキ
サイトです。
「何だよ皆、僕をおもてなししてくれる為にその格好をし
てくれてるのかい?」
「何でそうなるのよ」
彼の今の言葉にはタイワンちゃんが少し冷たく言い返しま
す。これもいつものことです。
「あたし達だってあれよ。巫女さんに憧れてね」
「それでなんだ」
「そうよ。これ着られて物凄く嬉しいのよ」
「正座が少し辛いけれど」
サンマリノちゃんはこのことには苦笑いです。それはどう
しようもないみたいです。
「けれどそれもこれからの練習だし」
「とにかく巫女の服を着られて嬉しいある」
「何だかんだで兄さんも許してくれたニダ。また巫女さん
になりたいニダ」
香ちゃんもチョゴリちゃんも巫女姿でにこにこです。その
五人に囲まれてマカロニーノ君はさらにご機嫌になって。
「じゃあ皆、僕と一緒に記念撮影しようよ」
「記念撮影?」
ニホンちゃんがそのマカロニーノ君の言葉に対して首を傾
げさせます。どうしてここでこんなことを言うのか少しわ
からなかったのです。
「どうしてなの?それは」
「だってこんな可愛い女の子達が可愛い服を着ているんだ
よ」
これこそまさにマカロニーノ理論です。
「その娘達と一緒に写真を撮らないと駄目じゃない」
「それでなの」
「そうだよ。さあ皆集まって」
かなり強引に五人を集めてそれで。
神主さんに御願いして写真を撮ってもらうマカロニーノ君
でした。当然彼が真ん中になって女の子達に囲まれて御満
悦です。右にニホンちゃん、左にタイワンちゃんです。自
分の前には妹のサンマリノちゃん、そして右端が香ちゃん
で左端がチョゴリちゃんです。
それで撮ってもらおうとします。しかしここでニホンちゃ
んとタイワンちゃんをそれぞれの手で抱き寄せようとしま
す。
「えっ、ちょっとそれは」
「いい加減にしなさい」
ニホンちゃんは戸惑うだけでしたがタイワンちゃんは違い
ます。すぐにむっとした顔でマカロニーノ君の頬をつねる
のでした。
「煩悩退散、巫女に何てことするのよ」
「いてて、ちょっと位いいじゃない」
「全く兄さんは相変わらずなんだから」
最後に溜息をつくサンマリノちゃんでした。丁度この頬っ
ぺたをつねられて溜息をつく場面が写真になりました。
893 :
マンセー名無しさん:2009/12/11(金) 23:46:01 ID:WxJ0LarP