>355
地方参政権付与論が蒸し返されるのは、95年の最高裁判決が、傍論部分で、永住外国人への
地方参政権付与は憲法上、禁止されておらず、国の立法政策にかかわる問題としているからだ。
だが、傍論は明らかに本論と矛盾し、法的拘束力もない。
傍論を根拠にした地方参政権付与の主張は、無理がある。
問題なのは、民主党内で、「自民、公明両与党分断の揺さぶりになる」という判断が加わって、
地方参政権付与の推進への積極的な動きが出ていることだ。
地方参政権付与を主張する公明党は既に法案を国会に提出しているが、自民党内に慎重論が強く、
たなざらしのままだ。だが、民主党が公明党と同様の法案を提出すれば、公明党は賛成し、
自民党も動揺する、と見ているのだろう。
国のあり方にかかわる問題に政略的な思惑で対処することは、許されない。
(2008年2月23日01時51分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080222-OYT1T00802.htm
【主張】日韓EPA 交渉を再開する時が来た
2008.2.24 02:31
25日の韓国大統領就任式にあわせ、福田康夫首相と李明博次期大統領による初の日韓首脳会談が
行われる。
「日韓新時代の地平を開く会談」(外務省)の中で、福田首相は、3年余りも中断している
日韓経済連携協定(EPA)の交渉再開を提案するという。
交渉中断は、経済的理由より韓国側の政治的な理由が主なものだっただけに、
韓国の大統領交代を機に、交渉が再開に向かうことを期待したい。
日韓は、それぞれが中国、米国に次ぐ第3位の貿易相手国である。
EPAは両国の利益だけでなく、アジアでの経済連携網充実にも役立つ。
日韓EPAは2003年10月の日韓首脳会談での合意に基づき、同年12月から交渉が始まった。
当初はモノの関税撤廃を柱とする自由貿易協定(FTA)と呼んだが、日本側はその後、
対象を投資規制緩和や経済諸制度の調和などにまで広げるEPAという呼称を主に使い、
早期合意を目指した。だが、交渉は04年11月の第6回交渉を最後に長期中断したままだ。
原因は日本が示した農水産物の関税引き下げの提案内容に、韓国側が不満を持ったためとされたが
盧武鉉政権のもとで竹島や靖国神社など歴史問題が障害になったとの見方が強い。
韓国側が日本の自動車など工業製品の流入を警戒したためとの指摘もあった。
しかし韓国はその後、いや応なく進展する経済のグローバル化に備えるため、保護主義より積極的な
自由貿易路線に方針を転換、東南アジア諸国連合(ASEAN)をはじめ各国と個別のFTAを次々と
結び、昨年は米韓FTAに最終合意し、現在は欧州連合(EU)とも交渉を進めている。
社説:盧前大統領 理念に埋没し現実から乖離
韓国の盧武鉉大統領が5年の任期を終え、青瓦台の官邸を去った。
新大統領には盧大統領の後継者ではなく、野党ハンナラ党の李明博氏がなる。
一市民に戻った盧氏は故郷慶尚南道へ帰る。「帰りなんいざ」という挫折感があるだろう。
盧氏は、初の戦後生まれ大統領だった。高卒で弁護士資格を得た努力の人だった。
「386世代」と呼ばれた青年層の支持を得て、慶尚道対全羅道の対立という古くからの地域政治
の枠組みを崩した。
盧政権を生み出した原動力は、韓国の発展が国民にもたらしたナショナリズムの高揚だった。
たまたま女子中学生が米軍車両にひかれて死亡し反米デモが爆発したことが、
盧政権誕生の追い風になった。
盧氏は、前政権の金大中氏から北朝鮮に対する「太陽政策」を継承し、民族統一の夢を追い続けた。
北の核開発という現実に目をつぶり成果は出なかったが、最後まで北朝鮮に融和政策を捨てなかった
のは盧氏のナショナリズム体質によるものだった。
反米、親北だけではない。
盧氏は対日関係では歴史問題に強いこだわりを持ち、外交関係は冷却した。
小泉純一郎首相時代に靖国神社への首相参拝問題や竹島(韓国名、独島)領有権問題で対立した。
これには、日本側のナショナリズムにも一因があろう。
>359
にもかかわらず、韓流ブームと言われたほど日韓両国民の相互往来、相互理解は進んだという
現実も厳然としてある。ところが、盧氏は歴史認識という理念の中に埋没し、現実から乖離した。
盧氏の歴史認識はナショナリズムと裏表だ。日本統治時代にさかのぼって「親日派」韓国人を
糾弾した。反日というより、親日派がいなければ韓国は日本の植民地にならなかったという、
屈折した自尊心の表現だ。日本海を「東海」と変えるよう各国に働きかけたのも同じ発想だろう。
日韓首脳のシャトル外交を試みたこともあったが、盧氏も小泉氏もナショナリズムに縛られて
望まないまま関係を冷却させた。北朝鮮の核開発を阻止するという戦略目標を共有できなかった。
米国に対しては在韓米軍の戦時指揮権を回収した。民族的自尊心による判断だったろうが、
イラク派兵で米国に協力し、米韓自由貿易協定(FTA)締結に踏み切っても、
信頼関係は築けなかった。
北朝鮮との関係も片思いだった。譲歩を重ねて形式的な南北首脳会談を実現しただけで、
国民の期待を取り戻せなかった。
新大統領の李氏は、盧氏と反対に経済重視、企業経営型政治を目指す。現実外交へかじを切るだろう。
だが、去りゆく盧氏の理想主義が韓国の世論から消えたわけではない。それを見落としてはならない。
毎日新聞 2008年2月25日 0時16分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080225k0000m070098000c.html
韓国の盧武鉉大統領退任 国民批判の中、故郷へ 南部・金海市(02/25 00:41)
【ソウル24日共同】韓国の盧武鉉大統領が24日、5年間の任期を終えて退任した。
北朝鮮との関係安定などで成果を生んだが、貧富の格差拡大を食い止められなかったなどとして
「失敗した政権」との批判が大きい。国民からの人気を保ったまま任期末を迎えた大統領が過去に
1人もいない韓国政治の歴史が繰り返されることになった。
盧武鉉氏は25日、李明博次期大統領の就任式に出席後、故郷の南部・金海市に帰る。
退任後ソウルを離れる大統領経験者は初めて。
今後、政策研究財団を設立、個人のホームページ(HP)を開設し市民との対話も始めるという。
保守系紙、朝鮮日報の世論調査では、盧氏が「よくやった」と答えた人は2割で、
評価しないとした人は6割に上る。ただ、盧氏の直情的な言動が国民に失望感と不安感を与え、
感情的な反発を生んだとの指摘も多い。
中立的論調の韓国日報は社説で「盧政権の国政目標と政策は正当性を持っていた。
結果の評価はまだ早い」と主張するなど、功罪を冷静に評価すべきだとの声もある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/77953.html
「抜け毛」に労災? 韓国の裁判所「兵役ストレス」認める
2008年02月24日 19:32 発信地:ソウル/韓国
【2月24日 AFP】韓国のソウル(Seoul)から50キロ南の水原(Suwon)の裁判所はこのほど、
兵役による「ストレス」で脱毛症になったとする男性(26)の訴えを認め、
国に補償金の支払いを命じる判決を下した。聯合(Yonhap)ニュースが24日報じた。
報道によると男性は2002年12月に入隊、2004年7月から髪の毛が抜け始めた。
男性は脱毛症が悪化したのは訓練のためだとし、政府に補償を求めていた。
男性は2005年1月に除隊している。
当局は、前例がなく兵役との関連性が認められないとして男性への補償を拒否したため、
男性は訴訟を起こしていた。
裁判官は「抜け毛が従軍中に始まったことなどさまざまな点を考慮すると、
脱毛症は軍隊生活における訓練や任務のストレスによるもの」とした。
男性には毎月の生活費や社会保険などが支給される。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2355302/2674677
アジア各国に駐在する北朝鮮大使館武官ら、次々と帰国 深刻な財政難が影響か
北朝鮮の財政難が深刻になっているとみられている。アジア各国に駐在する北朝鮮大使館の
武官らが、2007年12月から次々と帰国していることがわかった。
外交筋によると、インド、パキスタン、マレーシアなど、主に東南アジア各国に駐在する北朝鮮の
軍出身の武官らは、2007年12月から2008年1月にかけて、本国の命令で次々と北朝鮮に帰国した
という。
また、オーストラリアにある北朝鮮大使館は、2月いっぱいで閉鎖されることになっている。
その原因は、北朝鮮の財政難に加え、赴任地で他国の武官と交流する機会が多い駐在武官への影響
を警戒したものとみられている。
2008/02/21 13:08
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00127663.html
自宅に現金約21億円、南北事業担当の北朝鮮高官を聴取
ソウル――韓国との経済協力事業や貿易に携わる北朝鮮の委員会の責任者の自宅で
現金約2千万米ドル(約21億円)が見付かり、聴取を受けていることが22日分かった。
韓国紙の東亜日報が中国の消息筋の情報として伝えた。
調べを受けているのは「民族経済協力委員会」の鄭雲業委員長で、他の80人も聴取されている
という。同委は中国、ロシアに事務所を構えており、スタッフらが現金の出所などで調べられて
いるとみられる。
東亜日報は、北朝鮮内の銀行業務が十分に機能していないことから、見付かった現金は委員会が
保持する正当な活動資金の可能性もあると指摘。ただ、経済協力事業などに絡み韓国企業から
受け取ったわいろも否定出来ないとしている。
聴取は、朝鮮労働党の指揮下にある組織監査部門の幹部が指揮しているという。
韓国メディアは先に、金正日総書記が南北関係の担当機関の不正行為の調査を命じたとも伝えていた。
2008.02.22 Web posted at: 18:02 JST Updated - CNN
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200802220026.html
北朝鮮警備艇、ロシア貨物船を拿捕
2008年02月23日 17:19 発信地:ウラジオストク/ロシア
【2月23日 AFP】ロシア船籍の貨物船が23日、日本海を航行中に北朝鮮警備艇の立ち入り検査を
受け、拿捕(だほ)された。ロシア海難救助当局が同日、発表した。
同庁の発表によると、貨物船はロシア・カムチャツカ(Kamchatka)に登録されている
Lidia Demech号。日本の港で自動車を積み、ウラジオストク(Vladivostok)に向かって
北朝鮮の舞水端里(Musudan-ri)沖を航行していたところ、
同国警備艇の立ち入り検査を受けたという。貨物船には25人が乗っていた。
同船が拿捕された理由はわかっていないが、ロシア通信(RIA)は、太平洋艦隊関係者の話として、
貨物船が航路を誤り北朝鮮沿岸のミサイル発射試験基地に近付きすぎた可能性が考えられると伝えた。
(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2354885/2671139
韓国閣僚、秘書官に疑惑続出
2008.2.25 11:01
韓国の李明博大統領を支える閣僚や青瓦台(大統領官邸)秘書官の就任予定者に資産形成などに
関する疑惑が次々浮上、就任前日の24日には早くも女性相に内定した李春鎬氏が辞退した。
野党は深刻な疑惑を抱える人物の追及を強める構えで、こうした事態が続く可能性も。
「実用主義」を掲げ能力重視で選んだ人材が新政権の足を引っ張っている。
世論の批判は15人の閣僚内定者の資産が平均39億ウォン(約4億3000万円)に上り、
不動産価格上昇による不労所得が多かったことが公表されて始まった。
李春鎬氏は40カ所の不動産を所有、資産隠しをしたと報道されていた。
このほか、環境相に内定した朴銀瓊氏は所有が制限される土地を資格なしで保有し、
地価上昇により資産を増やしたとされ、
首相に指名された韓昇洙氏や統一相に内定した南柱洪氏にも投機疑惑が報じられている。
与党ハンナラ党は「資産が多いことが悪なのか」と弁護するが、
不動産価格を高騰させたと盧武鉉前政権を非難してきただけに分が悪い。
ほかにも大統領社会政策首席秘書官に内定した朴美碩淑明女子大教授には論文盗作疑惑が続出。
13人の男性閣僚中、南氏を含む5人が兵役を免除されている。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251059001-n1.htm
李明博政権中枢に日米通 3カ国協調重視を反映
2008.2.25 11:03
韓国の李明博大統領は日本と米国に多くの人脈を持つなど両国の事情に通じた人物を政権中枢に配し、
日米韓3カ国協調体制を重視する外交方針を反映した布陣を敷いている。
首相に指名された韓昇洙氏は駐米大使、外交通商相などを歴任。外交通商相時代の2001年には、
日韓関係が一時悪化した歴史教科書問題への対応に尽力した。東大で講義した経験があり、
政策研究大学院大(東京)シニアフェローを務めた「知日派」で、日本にも幅広い人脈を持つ。
外交通商相に決まった柳明桓氏は駐日大使からの抜擢。外務省(当時)の北米課長、北米局長、
在米韓国大使館の公使を務めた「米国通」だが、若いころ日本勤務の経験があり日本語も流暢だ。
外交通商次官として竹島(韓国名・独島)領有権問題をめぐる日韓対立の調整にあたった。
高麗大教授から大統領外交安保首席秘書官になった金炳局氏は米ハーバード大卒で米国の学界、
官界に広い人脈を持つ。同氏の下で外交秘書官を務める金在信氏は外交通商省の日本担当課長や
北東アジア局長を歴任した。
大統領報道官の李東官氏は有力紙東亜日報の元東京特派員だ。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251101003-n1.htm
李明博氏 貧困乗り越え夢実現 経済手腕に国民期待
2008.2.25 11:08
「やればできるという自信を持ち、国の雰囲気を変えれば、どんな困難も克服できる」。
幼いころに日本から両親と引き揚げ、朝鮮戦争(1950−53年)で姉と弟を亡くし、
貧困の中から大手財閥企業、現代建設の社長、会長に上り詰めた。
「夢」を次々実現する実行力と経済手腕に国民の熱い期待がかかる。
大統領当選後も「国民のため懸命に仕事をする」との約束通り、午前7時半までには出勤。
土日曜の区別なく仕事をこなし、朝の幹部会議は朝食を取りながら行うスタイルを貫いた。
対立政党から「強引」「急ぎすぎ」と攻撃されると、ソウル市長時代に市幹部の猛反対を
押し切って都心に清流「清渓川」を復元させた成功例を挙げて反論した。
日本の植民地時代の41年、7人きょうだいの5番目として大阪府で生まれ、
韓国南東部の浦項で育った。少年時代はマッチやのり巻きを売り歩き、苦学して名門高麗大を卒業。
日韓国交正常化反対デモで投獄されたこともある。
経済界から政界入りした後の道も平坦ではなく、92年に国会議員に初当選したが、
2期目に選挙違反で辞職。2002年にソウル市長として政界復帰を果たした。
「コンピューター付きブルドーザー」(コムドーザー)の異名を取るが、苦労して亡くなった
母親への思いは人一倍強い。金潤玉夫人(60)との間に1男3女。66歳。(共同)
>368
■ 李明博大統領
1941年12月19日、日本の大阪府生まれ、66歳。戦後、韓国・慶尚北道の浦項に引き上げた。
小学校時代から菓子を売るなどして苦学しながら夜間の商業高校を首席で出、高麗大商学部を卒業し、
当時、零細企業だった現代建設に入社する。同社ではブルドーザーと呼ばれる働きぶりで現代グループ
の創設者・故鄭周永会長に認められ、36歳で社長にまで上り詰めた話は韓国の「サラリーマン神話」
となっている。
1992年に政界に転じ、98年に不明資金問題で議員辞職したこともあるが、
その後2002年にソウル市長となり、行政手腕を発揮。下水になっていたソウル市内を流れる川、
清渓川を復元して観光名所にしたほか、交通網の整備などで市民から高い評価を受けた。
大統領選出馬では「大統領として5年間ほんとうに死ぬほど仕事がしたい」などと語り、
「CEO(最高経営責任者)型大統領」をアピール、昨年12月の大統領選挙では対抗馬に
500万票以上の大差を付けて圧勝した。金潤玉夫人との間に1男3女。
兄の李相得氏もハンナラ党議員で国会副議長。(ソウル 久保田るり子)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251106004-n1.htm
李明博大統領就任対北政策 硬軟両様で対応
2008.2.25 11:42
【ソウル=久保田るり子】韓国で25日、10年ぶりの保守政権として発足した李明博政権は、
北朝鮮に対し「実用外交」の立場から核放棄とひきかえに、新たな南北関係の構築を促していく
方針だが、北朝鮮は韓国新政権発足について、なお沈黙したままだ。
李新大統領は就任に先立つ23日、ゴー・チョクトン・シンガポール前首相との会談で、
「新しい政府がスタートするからといって北朝鮮が緊張する理由はない。新政府は、南北間の和解と
平和を維持すべきだという考えに代わりはない」と述べた。これは北朝鮮の対応次第で、
強硬一辺倒ではなく柔軟にも対応するという大統領の「新たなメッセージ」と受け止められている。
新政権は、対北政策の最優先課題として、核問題の解決を挙げ、そのうえで北朝鮮に対し改革・
開放政策への転換を求めている。さらに核放棄を行えば、対北大規模支援を実施し、
10年間で北朝鮮の国民所得を3000ドルに引き上げるとの構想や、そのための資金として
400億ドル(約4兆3000億円)規模の国際協力基金設立も検討するとしている。
一方、北朝鮮は今年の新年の共同社説等で、昨年10月の盧武鉉前大統領との首脳会談で
合意した共同宣言の意義や、韓国からの経済協力の拡大・発展を呼びかけたものの、
李次期大統領については触れてなかった。
また、5年前の盧武鉉政権スタート時には、就任式前日の24日、北朝鮮は同国北東部から
日本海に向けて地対艦ミサイル1発を発射、新政権の気勢をそぐような牽制の態度をみせた。
北朝鮮は李政権が日米韓の連携を強める姿勢を見せていることにも警戒感を持っているとみられ、
李政権の主張する南北関係における相互主義、実用外交の行方が注目されている。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251140005-n1.htm
韓国・李明博政権が発足「先進化元年」を宣言
2008.2.25 11:54
韓国の李明博大統領(66)の就任式が25日午前、ソウルの国会前広場で開かれ、
李明博政権が発足した。李大統領は就任演説で建国60周年を迎える今年を「先進化元年」と宣言。
「理念の時代を超え、実用の時代へ進む」と述べ、経済再生に最優先で取り組むと表明。
北朝鮮に対しては核放棄と開放を強く促し、非核化に向け金正日総書記との南北首脳会談にも
積極的に応じる考えを示した。
韓国初の経済界出身大統領で、10年ぶりの保守政権。任期は5年。
外交政策では、米韓同盟の「戦略的発展」を強調。「アジア諸国との連帯も重要だ」とし、
日本、中国、ロシアを順に挙げて「一様に協力関係を強化する」と述べた。
さらに資源エネルギーの安定確保や国連平和維持活動(PKO)への積極参加を掲げた。
大統領は北朝鮮との南北関係について「北が核を放棄し開放の道を選べば、
南北協力に新しい地平が開ける」と述べ、核問題を最優先に取り組む姿勢をあらためて強調した。
一方で、核放棄を条件に国際社会も巻き込んだ大規模な経済協力により、北朝鮮住民の所得を
引き上げるとする「非核・開放3000」構想に言及。南北の相互尊重と統一に向け、金総書記に
「南北の首脳がいつでも会い、心を開き話す必要がある。その機会は開いている」と呼び掛けた。
また、韓国社会が「産業化と民主化を成し遂げた」と評価する一方「経済再生が何より急がれる」
と述べ、高度成長による雇用創出を約束。さらに「小さな政府、大きな市場」を目指し、
減税や規制緩和を通じた企業の投資環境を改善すると表明。一方で労使の協調を要請、
市場開放は不可避とし自由貿易協定(FTA)の締結拡大を進めるとした。
式典には市民ら約4万5000人が参加。盧武鉉前大統領ら歴代大統領のほか、海外からは
福田康夫首相やライス米国務長官、中国の唐家●(=王へんに旋)(とうかせん)国務委員、
ロシアのズプコフ首相、中曽根康弘元首相らが出席した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251158006-n1.htm
李明博大統領が就任式典 北に核放棄と開放求める
2008.2.25 12:57
【ソウル=久保田るり子】韓国の第17代大統領に25日、李明博氏(66)が就任した。
この日午前11時(日本時間同)から、ソウルの国会議事堂前広場で行われた就任式で、
李大統領は、建国60周年となる今年を「先進化元年とする」と宣言。
さらに北朝鮮問題について、「南北関係はこれまでよりさらに、生産的に発展しなければならない」
と述べ、北朝鮮に核放棄と開放路線を選択するよう求めた。
演説で新大統領は南北関係について、「南北統一は7000万(南北)国民の念願」
「統一の基盤をつくるのがわれわれの目標だ」などと述べ、北朝鮮が核を放棄し、開放を行えば、
10年以内に北朝鮮の国民所得を3000ドルにするため支援を行うとする「非核・開放3000」
構想を改めて強調した。
そのうえで、「南北首脳はいつでも会い、心を開き話さねばならない。機会は開かれている」
として、北朝鮮の金正日総書記との首脳会談にも応じる姿勢を示した。
外交政策では、米国、日本との関係強化の必要性を強調。とくに対米外交では、
「米国とは伝統的な友好関係を、未来志向的な同盟関係に発展、強化させていく」として、
前政権で悪化した韓米関係の立て直しに努める姿勢を示した。
また、アジア外交の重要性を強調し、日本だけでなく、中国、ロシアとの関係強化など
国際社会と協調していく姿勢を示し、「東アジアの平和と共同繁栄を模索していく」と述べた。
一方、内政では「理念の時代から実用の時代」への転換の必要性を述べ、経済成長のために
「小さな政府、大きな市場」で効率的な成長戦略をとることを言明。また、減税や公務員削減、
具体的には規制緩和などの政策を挙げた。
新大統領に大きな拍手 韓国
2008.2.25 13:42
【ソウル=久保田るり子】韓国は今年で建国60周年を迎えることから、李明博新大統領が
就任演説で、「大韓民国大統領として、新たな60年を始める初年の2008年を大韓民国の
先進化元年と宣言する」と力強く訴え、会場を埋め尽くした市民らの喝采を浴びた。
式典会場の最前列に陣取ったソウル在住の劉永柱さんは、「私は李大統領と同い年だから、
何としても式に出たかった。国民の期待は大きい。経済の再生や国民の和合だ」と、
新政権誕生の瞬間を見守った。
ソウルの国会前広場で行われた就任式典は、25日午前10時から伝統舞踊などの催事が始まった。
会場には各国首脳、閣僚のほか、インターネットなどで申し込んだ一般国民1000人を含めた
約4万5000人が参席し、11時からの就任式に臨んだ。人々が手をつないだ絵柄をバックに演説
した李大統領が、「ともに進もう、国民が成功を収める時代」と呼びかけると、大きな拍手に包まれた。
李明博大統領の任期は、式典に先立って25日午前0時(日本時間同)に始まった。
ソウル市内にある鐘楼「普信閣」で、新大統領就任を記念して、全国16の市と道の代表らが
1回ずつ計33回の鐘を鳴らした。就任に伴って軍の統帥権も李明博氏に移った。
一方、大統領としての全権を李明博氏に引き継いだ盧武鉉前大統領は、就任式終了後、ソウル駅から
列車で故郷の慶尚南道金海市に向かった。地元では地域住民や文化芸術団体が退任の歓迎行事行う。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251339009-n1.htm
大統領就任式 国民に勝ち抜こうと訴え 「私たちはやり遂げられる」
2008.2.25 14:30
「私が前に立ち、国民が一つになれば、必ずやり遂げられる」。25日、ソウルの国会議事堂前での
大統領就任式。薄曇りの寒空の下、韓国の新たなリーダーとなった李明博大統領の緊張した声が響く。
経済再生の期待を背負う「CEO(最高経営責任者)型大統領」は、困難な現実を直視し、
変化の中を勝ち抜こうと訴えた。
李大統領は、世界最貧国から経済発展し、民主化を成し遂げた歴史を誇らしいと振り返った後、
韓国の現状を指摘。「油断している間に世界はわが国を追い越して行く」
「競争力が落ち、庶民生活は厳しく高齢化社会が近づいている」と厳しい評価を続けた。
演説の4分の3は経済問題。「その日の食事にも困った田舎の少年」だった自分が大統領として
立っていることを思い起こさせ、夢を持ち実現のため努力を続けようと呼び掛けると、
大きな拍手が起きた。
参列者で貿易会社を経営し日本とも取引がある金明七さん(69)は「日韓関係は必ずよくなるし、
私も関係改善の力になりたい」と笑顔を見せた。
就任式に出席した盧武鉉前大統領は、会場からまっすぐ故郷の慶尚南道金海市へ。
途中、ソウル駅でイメージカラーの黄色い風船を持った支持者からねぎらいを受けた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251426010-n1.htm
李大統領の就任演説骨子と要旨
2008.2.25 14:32
韓国の李明博大統領の25日の就任演説骨子は次の通り。
一、「先進化元年」を宣言。理念の時代を超え、実用の時代に進む
一、経済再生を最優先。高度成長により雇用を創出
一、北朝鮮が核放棄、開放に進めば大型経済協力。
南北首脳はいつでも会い、心を開いて話し合うべきだ
一、米韓同盟を強化。日本、中国、ロシアとも関係強化 (共同)
◇ ◇
>377
韓国の李明博大統領の25日の就任演説要旨は次の通り。
一、与えられた使命に身命をささげる。国民に仕え、経済発展、社会統合を実現する。
文化、科学技術を発展させ、安保と平和統一の基盤を固める。国際社会と人類共栄に貢献する。
一、韓国は建国60周年を迎える。私たちは世界史上、最短期間で産業化と民主化を同時に果たした。
最貧国が世界10位圏の経済大国になった。奇跡でも神話でもなく私たちの努力のおかげだ。
一、今年を「先進化元年」と宣言する。理念の時代を超え、実用の時代へ進む。
政府が国民に仕え、経済が活気に満ち、労使が弱者に配慮する国。
優秀な人材を育て世界へ送り、世界の人材を呼び入れる国が先進一流国家だ。
一、急変する時代の流れを冷徹に認識し、変わらねばならない。
油断している間に世界は私たちを追い越して行く。
国家競争力は落ち、資源と金融市場の不安が、わが国経済を脅かしている。
一、中産階層は委縮し、庶民生活は厳しく、葛藤(かっとう)は続いている。
少子高齢化社会が近づき、分断国として負う荷も重い。
一、経済再生が最も喫緊の課題だ。新成長の動力を確保し雇用を創出しなければならない。
「小さな政府、大きな市場」で効率性を高める。減税、規制撤廃を進める。
一、投資が進むよう市場と環境を改善。中小企業を中堅企業に育成。
一、労使は車の両輪。「闘いの時代」を終え「パートナーの時代」を開くべきだ。
労使は協調すべきだ。
>378
一、市場開放は避けられない流れだ。
輸出産業が経済の多くを占める韓国は自由貿易協定(FTA)で国富を増やさねばならない。
一、能動的、予防的な福祉が必要。青年層と高齢者の雇用創出に努める。
一、教育改革が早期に必要。
グローバルスタンダードを受け入れ、教育現場に自律と創意、競争を取り入れる。
一、国土構造を未来志向に変える。二酸化炭素(CO2)の排出低減に積極的に加わる。
政策全般を親環境的に変える。
一、米国とは伝統的友好関係を未来志向的な同盟関係に発展、強化させる。
アジアとの連帯も重要。日本、中国、ロシア、中央アジアと協力関係を強化。
一、資源外交を進め、国連平和維持活動(PKO)に積極参加、政府開発援助(ODA)を拡大。
一、南北統一は7000万(南北)国民の念願。南北関係はより生産的に発展しなければならない。
理念でなく実用の物差しで解決を図る。南北統一の基盤作りが目標。
一、「非核・開放3000」の構想通り、
北朝鮮が核放棄と開放の道へ向かえば南北協力に新たな地平が開かれる。
国際社会と協力し、10年以内に北朝鮮住民の所得が3000ドルになるよう助ける。
一、南北首脳はいつでも会い、心を開き話さねばならない。機会は開かれている。
一、その日の食事にさえ困った田舎の少年が大統領になった。韓国は夢を実現できる。
先進化に向けた大前進が始まった。
「漢江の奇跡」を超え、新たな神話に向け、ともに進もう。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251430012-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802251430012-n2.htm
韓流ざんまい:南大門と「心の傷」の復元=堀山明子
2月10日夜。ソウルの“ど真ん中”で、国宝1号が5時間あまりで焼け落ちた。
南大門(正式名称・崇礼門)火災を韓国メディアは「韓国版9・11テロ」と報じた。
放火という悪質な犯罪だったからだけではない。
消防車が95台も出動しながら、なぜ全焼を防げなかったか。
テレビの生中継を見て、やり場のない怒りや無念を募らせた韓国国民が多いからだろう。
国民が受けた心の傷は深く、復元計画にも敏感な反応を見せている。
現場に出入りを制限するフェンスが張られると「被害の現状を隠した」と反発が広がり、
フェンスに「のぞき窓」が付けられた。文化財庁は火災翌日、「今後2〜3年で200億ウオン
(約23億円)かけて復元する」と迅速に対応策を発表したが、「安易な見積もり」と逆効果。
李明博次期大統領(25日に就任)が募金を呼びかけると「国民への責任転嫁」と批判が相次ぎ、
発言撤回を余儀なくされた。南大門は李氏がソウル市長時代の06年から一般公開されたため、
安全対策が不十分だったという不信感があるからだ。李氏の支持率は火災前後で約10ポイントも落ちた。
南大門の復元より、国民の心を癒やす方が難しいかもしれない。火災のさなかに
「たまらなくなって」現場を訪れたという知人の会社社長は、「傷ついたのは国民の自尊心。
復元は単なる元通りではなく、新しい意味を生み出すプロセスにならなければ」と話す。
文化財庁は、日本植民地時代に壊された城壁を100年ぶりに再建する計画だ。
復元に新しい意義を吹き込む一つのアイデアといえる。
インターネットでは文化財への国民意識を高める募金方法をめぐって活発な議論が続く。
>380
そんな中、日本の市民団体「姫路城を守る会」が「南大門復興募金箱」を城内に設置し、韓国でも
注目された。現在の姫路城は徳川時代、かつて豊臣秀吉が建てた天守閣があった場所に築城された。
韓国で秀吉は、朝鮮出兵を命じて王宮などを破壊した侵略者。そのゆかりの地で韓国の文化財保護が
始まったことになる。守る会の黒田耕司さん(49)は「姫路城を訪れる韓国人観光客は年間2万人。
日韓往来が増えた今、お互いの文化財を大切にする気持ちを育てなければ」と語る。
支援の輪が日本でもっと広がれば、文化財をめぐる日韓の歴史は変わるかもしれない。
黒田さんの言葉を聞きながら、日本でも「意味ある復元」への協力ができる気がした。(ソウル支局)
毎日新聞 2008年2月25日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/opinion/horiyama/news/20080225dde012070018000c.html
韓国の船会社相手に損害賠償請求 庄内沖コンテナ問題、県が提訴へ
2008年2月25日(月) 20:15
庄内沖の沈下コンテナ問題で、県は25日までに、コンテナの撤去関連費用3億8600万の支払いを
求め、コンテナを積んでいた韓国貨物船の船会社に対し、損害賠償を求める訴訟を起こすことが
分かった。県議会2月定例会での議案審議を経て、新年度に提訴する予定だ。
県生産技術課によると、船会社は韓国の「ヒュンガーシッピング社」。
2002年11月、荒天で貨物船からコンテナ13個が荷崩れし、鶴岡市加茂の沖合約 20キロ地点に
沈んだ。底引き網漁の優良漁場で、タラ漁などに支障を来したため、一昨年、
県が事業主体となって撤去作業を行い、問題となっている3個のコンテナを引き揚げた。
撤去費用は、国と県、沿岸3市町、地元漁業関係者が負担した。
これまでに県は、督促も含め、撤去費を請求し続けてきたが、
同社は「法的な根拠なく、撤去義務はない」などとして、請求を拒否している。
県は、損害賠償請求訴訟に踏み切ることを決め、22日に開会した県議会2月定例会に、
議案として提出。県が訴訟を起こすためには、県議会の議決が必要となっている。
山形新聞ニュース
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200802/25/news20080225_0413.php
李政権に期待感 ブッシュ米政権
2008.2.25 19:15
【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米政権は韓国の李明博大統領が就任したことについて、
北朝鮮の核問題での連携を進めるなど、米韓同盟の強化を図りたい考えだ。盧武鉉前政権との間では
首脳同士の関係は良好とはいえなかったが、保守政権が発足したことで期待を強めている。
ライス米国務長官は訪韓に先立つ22日の記者会見で、韓国との間では安全保障分野で協力関係を
推進し、米韓自由貿易協定(FTA)交渉を進め、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議でも協力して
きたと指摘した。
米韓は昨年2月、米軍が保持する戦時作戦統制権を2012年に韓国軍に移譲し、
既存の米韓連合司令部を解体することで合意した。同じく昨年6月にはFTAに調印した。
ただ、昨年4月まで国家安全保障会議(NSC)アジア部長を務めたジョージタウン大の
ビクター・チャ教授が「指導者間の相性が悪かった。『北東アジアのバランサーの役割を果たす』
との盧前大統領の主張は、戦略的ではなく、米国を困惑させただけだった」と述べるように、
ぎくしゃくぶりも目立った。
ブッシュ大統領は1月に、李氏の特使として訪米したハンナラ党の鄭夢準議員と面会するなど、
「李大統領にはかなり期待を寄せている」(米政府高官)という。
北朝鮮問題では、6カ国協議の再開のメドがたたないなか、北朝鮮に「完全で正確な核計画の申告」
を求めていくためにも、日米韓3カ国の連携強化を新政権発足を機に図りたい考えだ。
北朝鮮に対する支援でも、盧前政権と異なり足並みをあわせていくことが可能だとみている。
NYフィルが平壌入り 26日に初の北朝鮮公演
2008.2.25 20:17
米国の名門オーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニックが25日午後、
北京からチャーター機で平壌国際空港に到着した。26日夜に初の北朝鮮公演を行う。
北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議で段階的な非核化プロセスが始まり、米朝関係改善への流れが
生まれたことを背景に実現することになった今回の公演は、関係改善をさらに強める契機になる
可能性がある。
北朝鮮側は空港で宋錫煥文化省次官らが出迎え、芸術公演や夕食会などの歓迎行事で歓迎。
これまで訪朝したロシアや中国の音楽芸術団体の公演をたびたび観覧している金正日総書記が
公演に姿を見せるかどうか大きな関心を集めている。
メータ代表や指揮者のロリン・マゼール氏が率いる楽団員は平壌中心部の東平壌大劇場で
26日午後6時(日本時間同)から公演。NYフィルの代名詞となっているドボルザークの
交響曲第9番「新世界より」のほか、米朝両国の国歌や朝鮮民謡「アリラン」も奏でる予定。
また、楽団員が北朝鮮の音楽学生に演奏を指導、マゼール氏が北朝鮮の国立交響楽団を相手に
タクトを振る交流事業なども準備されている。
各国の報道陣約80人が同行。公演は国外へ生中継されるほか、
北朝鮮国内でも中継準備が進められている。27日には次の公演地ソウルに向かう。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080225/amr0802252016011-n1.htm
米韓連携強化で一致 李明博新大統領と米国務長官
2008.2.25 20:23
【ソウル=久保田るり子】韓国の李明博大統領は25日、ライス米国務長官と会談し、
北朝鮮問題などで意見交換した。
李大統領は「米韓関係はよくなければならないが、この間、不足していた部分もあった。
米韓関係が良好なことは南北関係にもよいことだ」と指摘。ライス長官も「同感だ」と応じた。
ライス長官はまた、米韓関係の発展、強化を強調した李大統領のこの日の演説を「すばらしい」
と表し、「ODAなど対外援助の増額方針を高く評価したい」と述べた。
北朝鮮問題で両者は、李大統領が「緊密な米韓関係を基盤に(北朝鮮の)非核化を最優先とする
原則として実用主義の対北政策を推進する」と言明。ライス長官は「米韓は6カ国協議で共同の
目標を達成することができると考える」と、今後の対北政策での米韓関係の協調を確認した。
米韓関係は盧武鉉政権で自由貿易協定(FTA)合意や基地移転問題での合意、
韓国軍のイラク派兵などの「成果」があったにもかかわらず、良好な関係を築くことができなかった。
特に北朝鮮の核開発に「北朝鮮の言い分にも一理ある」と言ったり、
「米国に言うべきことはいう」などという盧前大統領独特の挑発的な言葉が米国の神経を逆なでし、
「米韓関係は離婚直前の夫婦関係のようなもの」(韓国政界筋)とまでいわれた。
韓国の保守層のみならず中道派も米韓の“すきま風”に危機感を募らせてきたため、
韓国内には李明博政権の対米重視政策や首脳外交への「米韓正常化」への期待が高い。
こうした空気を知るバーシュボウ駐韓米国大使も李政権誕生前に
「新政府は軍事協力レベルを超えた同盟関係を発展させていくべきだ」などと語っている。
米韓の当面の課題は、6カ国協議で遅滞している核計画の申告問題にどう対応するかの調整となる。
米韓FTAの両国の批准問題も予断を許さない。韓国側は現実的には来年4月の総選挙後の批准を
予定しているが、米大統領選での民主党ヒラリー、オバマ両候補とも米韓FTAに反対しており、
米議会の雰囲気は不透明だ。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080225/kor0802252023015-n1.htm
在日コリアン:川崎「トラヂの会」が10周年 桜本小で祝いの会 /神奈川
◇ハルモニ(おばあさん)やハラボヂ(おじいさん)、歌や劇披露
◇高齢者交流の場に
川崎市立桜本小学校の敷地にある「まちなか交流センター」(川崎市川崎区)で続いている
在日コリアン(韓国・朝鮮人)の高齢者交流クラブ「トラヂの会」が10周年を迎えた。
23日には記念の「ミニ発表会とお祝いの会」が同小で開かれ、ハルモニ(おばあさん)や
ハラボヂ(おじいさん)たちがこの日のために準備した歌や劇を披露。
設立に尽力した日本人男性は「次の10年につながる会」と手応えを感じていた。【吉住遊】
かつては互いにつながりを持っていた川崎の在日コリアンたちは、10年ほど前には高齢者が
集まる場所がなく、孤独に陥っていた。こうした状況を変えようと、在日コリアンや外国人の活動を
支援している川崎市ふれあい館(川崎区)に勤務する三浦知人さん(53)を中心にトラヂの会が
つくられた。準備会を経て98年1月に約50人の高齢者を集めて結成、今では約90人が会員に
登録している。週1回、一緒に食事をしたり体を動かす。トラヂはハングルでキキョウの意味。
「会が根を張るように」と願いを込めた。
お祝いの会では、カラフルな民族衣装などを着た約80人のハルモニやハラボヂが昨年暮れごろ
から用意していた扇の舞、芝居、フラダンスなどを披露。家族や関係者ら約300人を沸かせた。
最後に全員がレクリエーションリーダーの愼玉熹(シンオッキ)さんに合わせて会オリジナルの
「トラヂたいそう」をして盛り上がった。
10年前から会に参加している金福順(キムボクスン)さん(83)は「日本に来ていろんな
苦労をしたけど今は幸せ。この会でいろんな友達ができて、こんな風に楽しめるんだから」。
劇に参加した朴貞玉(パクチョンオク)さん(72)は
「会は元気の源。会に来て病気が治った人もいる」と笑顔を見せた。
【社説】“ポリ容器漂着”不法投棄の可能性が高い以上強く抗議し、再発防止要求を−北國新聞[02/25]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1203916103/l50 ポリ容器漂着 強く抗議し、再発防止要求を
石川県などの海岸線に濃塩酸が入ったポリ容器などが大量に漂着していることに憤りを覚える。
中国や韓国からの漂着ごみは年々増える一方であり、劇物指定の危険な薬品を投棄する悪質さは
容認できない。
日本の排他的経済水域(EEZ)では、韓国の密漁船が投棄した網やバイカゴが膨大な数に
上っている。環境庁は容器の漂着について、韓国に原因究明と再発防止を求めるとしているが、
その程度では不十分だ。ポリ容器の三分の一近くにハングル表記があり、
不法投棄の可能性が高い以上、強く抗議し、再発防止を要求する必要があるのではないか。
福田康夫首相はきょう韓国を訪問し、李明博次期韓国大統領の就任式に出席後、会談を行う。
首脳同士が相互訪問する日韓シャトル外交も再開の見通しという。満足な対話すらできなかった
盧武鉉政権時代が終わるこの機を逃さず、ごみの不法投棄や密漁船問題についても外交上の主要な
テーマとして取り上げてもらいたい。
海上保安庁の調べでは、ポリ容器は一月以降、石川県をはじめ日本海側から九州沿岸にかけての
十五府県に約二万三千個が漂着した。このうち三分の一近くにはハングルで、「過酸化水素水」
「硝酸」などと書かれていた。
ポリ容器の漂着は、今年に限ったことではなく、過去九年の累計で十五万個以上が漂着している。
三年前には石川県以西の五県に、針が付いたままの注射器や薬品のビンなど医療廃棄物約千五百点
が流れ着いたこともあり、このときは中国語の表記が多数見られた。
中国や韓国でも、川や海にごみを捨てる行為は禁止されているが、モラルはまだまだ低いとされる。
>389
水産庁によると、日本の排他的経済水域の海底清掃で見つかった刺し網は
東京―福岡間の二・五往復分、バイカゴは積み上げると富士山二十個分もあった。
いずれも韓国の密漁漁具であり、わが者顔で違法操業が行われている現実が見て取れる。
日韓シャトル外交の再開は結構なことだが、言うべきことをきちんと言わねば何のための正常化か
分からなくなる。
福田首相は海洋ごみの不法投棄や密漁について、李次期大統領に強く是正を求めてほしい。
ソース:北國新聞・きょうの社説 2008年2月25日付
http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
【社説】日本と韓国 今度こそ「未来志向」の関係を−愛媛新聞[02/25]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1203915195/l50 日本と韓国 今度こそ「未来志向」の関係を
きょう、韓国の新大統領に保守系ハンナラ党の前ソウル市長李明博氏が就任する。
訪韓中の福田康夫首相は首脳会談を行う予定だ。
日韓の首脳同士が定期的に相互訪問する「シャトル外交」の再開などで合意する見通しだ。
政権交代を機に両国関係が改善することを期待したい。
最近の日韓関係は屈折した道筋をたどってきた。二〇〇三年に就任した盧武鉉大統領は
「未来志向」の関係を掲げ、小泉純一郎首相との間でシャトル外交を展開した。
しかし、竹島(韓国名・独島)領有権問題や小泉首相の靖国参拝などで盧政権は対日強硬路線に
転じ、関係は一気に冷えてシャトル外交も途絶えた。後任の安倍晋三首相の訪韓で一応修復したとは
いえ、根本的な改善がないまま盧政権の任期切れを迎えたのが実情だ。
これに対し、李氏が「今後の日韓関係はより未来志向的に進まねばならない」と関係改善に意欲を
見せているのは好ましい。福田首相もアジア重視を唱えている。新しい日韓関係がスタートを切る
のは歓迎だ。
もちろん竹島や靖国参拝、歴史認識などの懸案が政権交代で解消されるわけではなく、
これからも解決へ向けて地道な努力と謙虚な姿勢が求められるのは当然である。
ただ、「未来志向」の前向きの関係を築くこともそれに劣らず重要といえる。
関係が改善すれば、おのずから懸案解決への道も開けよう。
以前のように挫折することなく、両国関係が成熟することを望みたい。
>391
経済界出身の李氏が大統領選で「経済の立て直し」を訴え、支持を得た点にも注目したい。
韓国経済は表面的には成長を続けているものの、非正規労働者が被雇用者の過半数を占めるなど
格差が拡大し、国民の不満がたまっているという。
年7%の経済成長を目指すとした李氏が、日韓の間でも実利的な経済外交を行う方針なのは
自然な成り行きだ。
日本としても経済交流の促進には異存がないはずだ。中断している経済連携協定(EPA)締結
交渉の再開などもいずれ日程に上るだろう。経済を柱に政治、文化など各方面の交流を活発にしたい。
とりわけ重要なのは日韓関係の緊密化によって北朝鮮や中国を含めた北東アジアの平和・安定を
図ることだ。
李氏は北朝鮮に対し金大中、盧両政権のような「包容(太陽)政策」とは差別化を図るとしており、
北朝鮮の核放棄や人権問題について従来より強い態度で臨むとみられる。
北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は「すべての核計画の申告」という条件が実施されずに停滞して
いる。韓国の路線の変化は、こうした状況を打開する上でプラスに働く可能性もあるのではないか。
李氏は日本人拉致問題について日本の立場を「理解、支持する」としている。
新しい日韓関係をテコに拉致問題での進展も大いに期待したい。
社説2008年02月25日(月)付 愛媛新聞
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200802253929.html
天皇陛下が韓国大統領へメッセージ
韓国の李東官大統領報道官は25日、天皇陛下から李明博大統領に対し、
在韓日本大使館を通じて24日に就任祝いのメッセージが送られてきたと発表し
「非常に異例なこと」と強調した。
報道官は2003年の盧武鉉前大統領就任時にはなかったとしたが、日本政府筋は
「メッセージは実務的なもので、歴代大統領の就任時にも送られているはずだ」としている。
韓国側としては、日本が李明博政権を極めて重視している事例として取り上げることで、
両国関係進展をアピールしたい思惑もありそうだ。
報道官によると、メッセージは「大統領就任を心からお祝いし、大統領の成功と幸福、
貴国の繁栄を祈る」との内容という。
[2008年2月25日22時28分]
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080225-327371.html
韓国:李大統領、総選挙最初の関門 野党、徹底抗戦の構え
【ソウル中島哲夫】李明博韓国新大統領は25日、経済活性化への国民の期待を追い風に船出した。
韓国で企業経営者出身の大統領は初めて。ただこの「異色さ」は、旧来の政治風土となじまない側面
もある。これを突破して新時代を築けるかどうかは、4月9日の総選挙に左右される。
40日余りの短期決戦が新政権を難破船同然にしてしまうかもしれないのだ。
李大統領は就任演説の中で「政治が変わらねば先進一流国家になれない」「消耗的な政治慣行と決別
しよう」と訴えた。党利党略に走る政治家の姿勢を非難したものだ。具体的には李大統領が推進しよう
とした中央省庁の統廃合や閣僚人事が「不当に妨害されている」ことを指す。
確かに、大統領選で敗れた2党が合併した統合民主党は、議会第1党という数の力で省庁改編に抵抗
し、統一省などを存続させた。閣僚候補も国会の聴聞会で徹底追及し、一部は「落馬」させる構えだ。
既に1人が多すぎる資産と土地投機疑惑で指名を辞退した。これらは総選挙に向けた示威行動といえる。
統合民主党の党首、孫鶴圭氏はハンナラ党出身で、同党と激しく戦ってこそ地位を守れる。
ハンナラ党に対する「金持ち政党」批判はしばしば庶民の共感を集めた。旧来の政治感覚で見れば
「分かりきったこと」である野党の抵抗に対処し損なった李大統領らを「素人」と見る向きもある。
総選挙は、最近の世論調査で支持率50%前後のハンナラ党が有利だが、国会定数の3分の2を
奪うような「圧勝」の予測は薄れつつある。企業寄りの李大統領を警戒する急進労組など野党勢力は
徹底抗戦の構えで、新政権のイメージ低下が続けば、過半数割れも排除できない。
その場合、韓国国会には解散がないため、議員任期4年の間、国政運営には強烈な逆風が続く。
李大統領にとっては悪夢のようなシナリオだ。
毎日新聞 2008年2月25日 22時57分
http://mainichi.jp/select/world/news/20080226k0000m030143000c.html
社説:日韓首脳会談 未来志向の「新時代」を築こう
福田康夫首相は25日、ソウルで行われた李明博(イミョンバク)韓国大統領の就任式に出席後、
新大統領と初めて会談し、首脳が相手国を相互に訪問する「シャトル外交」を再開することで合意
した。相互理解を深め、未来志向の協調関係を構築するための再スタートとして歓迎する。
両国首脳が、歴史問題に区切りをつけ未来志向の関係づくりに歩み出そうとしたのは
10年前のことである。当時の小渕恵三首相と金大中(キムデジュン)大統領の会談で、
首相が過去の植民地支配への「反省とおわび」を伝え、大統領が受け入れた。
それを受けて発表されたのが「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」と題した
共同宣言だった。小泉純一郎元首相・盧武鉉(ノムヒョン)前大統領政権下の04年7月、
韓国・済州島を皮切りにスタートしたシャトル外交もそうした流れの中で実現したものだ。
シャトル外交が途絶えたのは、歴史認識や靖国参拝、竹島(韓国名・独島)の領有権問題などに
よる対立が原因だった。その意味で、李大統領が「成熟した韓日関係」のために、
歴史問題で日本に改めて謝罪や反省を求めない姿勢を示していることは評価したい。
同時に日本も、大統領が「日本の謝罪は形式的だった」と指摘していることに留意する必要がある。
福田首相が言う「日韓新時代」を言葉だけでなく実のあるものにするには双方の強い意志と努力が
求められるのは言うまでもない。
李大統領は新政権の運営方針に「実用主義」を掲げ、対外関係では米国との同盟強化とともに日本、
中国、ロシアとの関係強化を柱にすえている。対米と対アジアを重視する姿勢は福田首相も同じだ。
そこで日韓両首脳がまず問われるのは北朝鮮問題への対応だろう。
>395
盧前大統領は北朝鮮支援に積極的な一方、日本や米国との連携には慎重だった。
これに対し、李大統領は対北支援について「核放棄」と「開放政策の進展」を条件にしている。
前政権の対北融和政策の転換とみることができる。
新政権のこうした姿勢は北朝鮮の核放棄を目指す6カ国協議の方向と違いはない。
両首脳は日米韓3カ国の連携を再構築するとともに、国際会議の場から分離して独自開催することが
決まっている日中韓首脳会議を活用し、中国との連携強化も図る必要がある。
福田首相は李大統領を7月の北海道洞爺湖サミットに招待する考えを伝えた。
シャトル外交の再開により、国際会議の場を含めれば日韓首脳が会談する機会は今後かなり増えそうだ。
両国間には排他的経済水域(EEZ)の境界画定問題や中断している経済連携協定(EPA)
締結交渉の再開問題などがあるが、普段着での首脳交流が軌道に乗れば難題処理にも役立つはずだ。
毎日新聞 2008年2月26日 0時11分
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080226k0000m070161000c.html
韓国新大統領―期待の風圧に負けぬよう
韓国の新しい大統領に李明博氏が就任した。さまざまな期待の風を帆いっぱいに受けての船出である。
第一の期待は、前政権の後半から社会にたれ込めた厚い雲を吹き払ってほしいということだろう。
ここ数年というもの、前任の盧武鉉氏の支持率は20%前後に低迷した。
「歴史見直し」といった理念先行の政策に凝り固まり、批判されるとけんか腰で向かっていく。
国民の多くはそんな印象を抱き、5年間という大統領任期の長さを嘆く声がよく聞かれた。
それがようやく終わり、新しい政治が始まる解放感があるのは間違いない。
もっと大きな期待は、経済の立て直しにある。日本から眺めていると実感できないが、
韓国経済の現況に対する国民の不満は想像以上のものがある。
李氏もそれを十分に意識している。就任演説の大半を費やして経済再建や、福祉などの社会の安心、
安全策に力を入れていくと語った。
苦学生から身をおこし、大統領の座に上りつめた自分の成功物語に触れ、国民を鼓舞した。
「漢江の奇跡」と呼ばれた戦後の経済発展を超えて「韓半島の新たな神話」をつくろうとまで訴えた。
大統領選で朝鮮半島を縦断する大運河構想をぶち上げた李氏を「コンピューター付きブルドーザー」
と呼ぶ人もいる。田中角栄元首相になぞらえた評価だが、列島改造論を掲げつつ金権批判に倒れた
田中政権と似た不安もなくはない。
実際に企業や行政を動かしてきた実行力に国民が望みを託すのはもっともだ。だが、そうした期待が
大きければ大きいほど、短期間のうちに成果を上げられなければ国民の失望を招きかねない。
期待先行の危うさと背中合わせの船出でもある。
>397
李大統領のキーワードは「実用主義」だという。理念に走るのではなく、合理的に判断して利益を
追求していく。実利主義、現実主義と言っていいだろう。
外交路線で早くもその姿勢は伝わってきた。
「北朝鮮が核を放棄し開放の道を選べば、協力の新たな地平が開かれる」。
民族統一への熱い思いは持ち続けつつも、ギブ・アンド・テークで北朝鮮に臨もうというわけだ。
まっ先に福田首相と会談したのは、対日関係重視のメッセージだろう。
歴史問題で途切れた首脳のシャトル外交の復活を確認し合ったのはいいことだ。
米国との同盟を固め、中国やロシアとの近隣外交も強めていくという。
そうした現実的な外交を歓迎する。
日米韓あるいは日中韓の協調にも強い関心を見せている。
その試金石は北朝鮮をめぐる6者協議であり、核放棄に向けての共同歩調づくりだろう。
新大統領は4月下旬にも訪日し、7月の洞爺湖サミットへの参加も検討されている。
首脳同士の頻繁な接触で両国間の信頼感を増してもらいたい。
(-@∀@)新聞社説 2008年02月26日(火曜日)付
http://www.asahi.com/paper/editorial20080226.html
李大統領就任 日米韓の連携再構築の好機だ(2月26日付・読売社説)
韓国の李明博・新大統領が就任式の後、直ちに福田首相やライス米国務長官と会談したのは、
日本や米国との関係を今後、重視していく姿勢を打ち出したものだろう。
理念や自らの立場に固執して、対日、対米関係を不必要にぎくしゃくさせた盧武鉉前政権の
外交姿勢との違いを、強く印象づけた。
「実利外交」を唱える李大統領の誕生を機に、日韓は両国関係の停滞を脱し、関係強化を図るべきだ。
あわせて、北朝鮮の核廃棄など重要な課題に取り組むため、日米韓3か国の連携を再構築していくこと
が重要である。
李大統領は就任演説で、焦点の対北朝鮮政策について、北朝鮮の核廃棄と開放を前提に、
国際協調で大規模支援を実施する構想を改めて示した。北朝鮮に核廃棄を迫り、
朝鮮半島を安定させることは、韓国が最優先課題とする経済再生にとっても必要なことだろう。
問題は、いかにして北朝鮮の金正日政権に核兵器の開発を断念させるか、だ。
李大統領は、米韓同盟の強化を主軸に対処する考えのようである。
盧前政権は、北朝鮮の核・ミサイル問題で金政権を弁護する発言を繰り返し、米国の不信をかった。
揺らいだ米韓同盟を修復することは、韓国外交の喫緊の課題となっている。
対米外交について、李大統領は、就任演説で「信頼を土台に、戦略的同盟関係を強固にしていく」
と表明した。4月に初の外国訪問先として米国を予定しているのも、その強い意志の表れだ。
米国以外では、「とくに日本、中国、ロシアと等しく協力関係を強化する」とした。
あえて「等しく」と強調したところに、日米との関係強化に神経をとがらす中国への配慮がうかがえる。
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初の日韓首脳会談では、両首脳が頻繁に相互訪問するシャトル外交の再開で一致した。
4月の李大統領訪米後の来日がその第1弾となる。
日韓の経済連携協定(EPA)交渉の再開に向けて予備的協議を開くことでも合意した。
日韓の貿易・投資の促進に加え、民間の経済団体同士の連携を深めることも重要となる。
李大統領は、「韓日が協力すれば、国際社会で大きな力となる」と強調した。
北朝鮮問題や環境、途上国援助などで、具体的成果を上げることが大事だ。
過去に「未来志向の日韓関係」を何度も掲げながら、挫折してきた教訓を踏まえ、歴史や領土の
問題が両国関係の発展を阻害しないよう、日韓双方が常に、注意を払い続ける努力も必要だろう。
(2008年2月26日02時17分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080225-OYT1T00808.htm
【主張】韓国新大統領 今度こそは“過去離れ”を
2008.2.26 03:16
韓国で新しく李明博大統領が誕生した。新大統領は就任演説で、韓国がすでに
「世界10位圏の経済大国」になり「助けを受ける国から施す国」に成長したことを強調した。
その通りである。新韓国の行方は国際的にも注目されている。
李明博大統領は「世界に貢献する韓国」の新指導者として、世界の期待にぜひ応えてほしい。
韓国は今や「世界の中の韓国」だ。韓国企業は世界中で活発なビジネスを展開し、
韓国製品は世界の市場に進出している。韓国人は世界中に出かけ、イラクやアフガニスタンなど
紛争地を含め韓国人がいないところはない。文化やスポーツも注目されている。
しかしこれまでの韓国はどこか余裕がなく、国際社会で不平や不満ばかりいっているような印象が
あった。日本とのぎくしゃくした関係がそんな印象を与えてきたように思う。近年は米国との関係も
必ずしも順調ではなかった。「自主外交」という名の下に肩に力の入った対外姿勢が目立った。
しかし韓国の発展は米国や日本との提携、協力の結果であることは国際的には周知の事実だ。
李明博大統領がこの現実に立って日米との関係改善、強化を約束しているのは心強い。
韓国はこれまで日本については過去の被害イメージで日本批判を繰り返してきた。
しかし李大統領は就任演説で今後の韓国について「今や自信を持って未来に向かおう」と述べ
「過去の束縛」から抜け出ることを国民に訴えている。
韓国国民の多くも近年、日本との活発な往来を通じ日本が過去の日本ではないことをよく知っている。
お互い、この素直な現実を踏まえて新たな協力関係を築こうではないか。
李明博大統領は実務的で現実主義者だ。過去ではなく未来を重視する。対外経験が豊かで国際感覚
にもすぐれている。新韓国は過去ではなく現実と未来で日本を見るとともに、国際的常識の下、
北朝鮮の自由・民主主義・人権問題にもちゃんと目を向けてほしい。
その意味で日本人拉致問題解決のための協力は、新しい両国関係に大きくプラスするだろう。
【社説】李大統領就任 「日韓」でアジア安定を
「創造的な実利主義」を旗印に掲げる李明博大統領が就任した。経済と外交の立て直しへの期待は
大きい。特に「未来志向」の日韓関係は、北東アジアの安定実現などの実利をもたらす。
「建国六十年を迎えることしを『先進化元年』と宣言する。理念の時代を超え、実用の時代へ進む」
李大統領は、韓国で初めての実業界出身の大統領だ。就任演説でも経済再生に最優先で取り組む
姿勢を鮮明にした。
経済の混迷や友好国との関係悪化など盧武鉉前政権の「負の遺産」は深刻だ。
それだけに、内外からの新大統領に対する期待は強い。
すでに李大統領は、閣僚人事を発表し、経済活性化、行政改革の基本方針を示した。
一方的な対北朝鮮融和政策を見直し、日米中などへ特使を派遣し、連携強化を図った。
そこに見られるのは、実務経験が豊富な人材を多く起用して、足元を見据え、合理的、
実利的な政策を目標にする「実利主義」だ。「理念偏重」からの転換は評価したい。
とくに、対北政策では「北が核を放棄し、開放の道に向かえば、南北協力に新しい地平が開かれる」
と、核放棄を呼び掛けた。
ここでも「理念でなく実用の物差しで解決を図る」と実利尊重の基本姿勢を示している。
六カ国協議で約束した北朝鮮の「核計画の完全な申告」は、大幅に遅れている。
北朝鮮の核放棄は容易でないが、前政権で生じた日米韓のぎくしゃくが、時間稼ぎを許した一因だ。
日米韓それに中国との間の連携強化のきっかけにしたい。