1 :
告らん :
02/01/14 16:20 ID:cE9bhyHS 脳卒中総合スレです。 脳卒中を担当する医師/co-medicalの皆様。「これは脳卒中では?」 という疑問をお持ちの一般のかたがたの書き込みをお待ちしておりま す。
2 :
告らん :02/01/14 16:32 ID:cE9bhyHS
最近気になったニュース Psychological Distressは致死性脳卒中のリスクファクターである。 Does Psychological Distress Predict the Risk of Ischemic Stroke and Transient Ischemic Attack? Stroke. 2002;33:7 うつ病なんかは脳卒中や虚血性心疾患のリスクになるといわれていますね。
3 :
こくらん先生に質問 :02/01/14 17:14 ID:6ZGsbeWu
先生。 もしafでエンボリでmassiveな梗塞になった人がいたとして、 TEEしたらもやもやエコーだったとします。 ヘパリンはいつからやりますか。
4 :
告らん :02/01/14 17:57 ID:cE9bhyHS
現在までの「あらゆる」RCTで、虚血性脳血管障害に対して直ちにヘパリンを使用
することの有用性は証明されていません。International Stroke Trial(IST)と
いう19435例が割り付けられたRCTですらヘパリンの有効性の証明に失敗しています。
むしろ有害と結論されています。
ISTのposthoc analysisでは、心房細動を合併している症例へのヘパリンの皮下注
射の効果についても言及しています。ヘパリンは14日以内の虚血性脳血管障害の発生
を減少させますが、出血性梗塞の発生を増大させ、その効果は相殺されます。また6ヶ月
後のsurvivalも有意に変化させません。
しかしいくつか問題もあります。
ISTでの出血性梗塞とは、症候性のものも無症候性のものも全て含んでいます。無症候性の
出血は生じても何ら問題はありません。なお、心原性脳塞栓症に続発する出血性梗塞は発
症後48時間以内にひとつのピークがあり、2週間後にもうひとつのピークがあります。前者
は閉塞血管の再開通によるもの、後者は毛細血管床の再構築によるものとされています。
後者に関しては特に症候性であることは稀です。
慢性期の抗凝固療法は心房細動合併例の二次予防としては必須です。いずれ何らかの抗凝固
療法を導入する必要があります。
ですので、急性期に闇雲にヘパリンを投与するのはエビデンスが無いということには同意で
きますが、いずれ抗凝固療法が必要なAFを伴う脳梗塞症例にいつからヘパリンを開始すべき
かということには結論が出ていないのです(少数例を対象にしたretrospective studyなら
ありますが)。
我々はこのようにやっています。
発症後少なくとも24時間を経過していること。
症候性出血は除外する。
CT上出血が確認できないこと。
無症候性出血が確認された場合、さらにCTをフォローし血腫の拡大が見られないこと。
こういった症例にヘパリンを少量投与しています(10000単位以下)。
なお、左心耳内血栓が確認された場合、深部静脈血栓症の合併が明らかだった場合、
TAT,D-Dimerの高値が確認された場合はより積極的に抗凝固療法を行っています。
The International Stroke Trial (IST): a randomised trial of aspirin,
subcutaneous heparin, both, or neither among 19435 patients with acute
ischaemic stroke. International Stroke Trial Collaborative Group
Lancet 1997 May 31;349(9065):1569-81
Risk of early death and recurrent stroke and effect of heparin in 3169
patients with acute ischemic stroke and atrial fibrillation in the
International Stroke Trial
Stroke 2001 Oct;32(10):2333-7
http://www.strokecenter.org/trials/TrialDetail.asp?trialName=list/trialPage78.htm
5 :
3 :02/01/14 18:12 ID:6ZGsbeWu
いやあ、よっくわかりました。 こくらん先生最高ですね。 文献読んでみます。 ありがとうございました。
6 :
告らん :02/01/14 18:24 ID:cE9bhyHS
7 :
卵の名無しさん :02/01/14 18:43 ID:Ux07Cdwk
8 :
卵の名無しさん :02/01/14 20:12 ID:Ow48CFGU
告らん先生ファンです。 カッコ(・∀・)イイ!!
9 :
循内 :02/01/14 21:13 ID:Yzw35xTL
時々参加させて頂きたいと思います。 みなさま、宜しく。
10 :
告らん :02/01/14 23:55 ID:mLt8gBLg
>>7 Cochrane Stroke groupのそのabstract集はとても重要なリンクです。重宝して
います。若いStrokologistたちにも大変勉強になるリンクです。
他にも
www.strokecenter.org
前にも書きましたがお勧めです
日本人に適応できるかどうか、これは確かに永遠の議論の的ですね。我々の仕事の
ひとつです。微力ながら頑張ります。
止まってしまったので、次いきます。 Embolismの患者さんの二次予防ですが、warfarinizationをどの辺りに置くのが 適切でしょうか。
12 :
卵の名無しさん :02/01/15 14:08 ID:0WrBNEGd
>>11 補足:
TTを指標にするか、ISTを指標にするべきか。またその場合の数値に関してご教授下さい。
13 :
告らん :02/01/15 23:39 ID:fKCJRQDQ
NVAF患者の抗血栓療法のRCTは各国で多数行われてきました。代表的なものはSPAF-III (1 ですが、これらのRCTのmeta-analysisがあります (2。これによると、NVAFに対するワー ファリン治療は再発を68%減少され、一方でアスピリンは21%しか減少されないことがわかり ました。 当然、次に求められるのがそのintensityです。 もともとSPAF-IIIで設定されたPT-INRは2.0-3.0で長くこの強度が受け入れられてきました。 しかし、日本で行われた班研究により、1.6-2.5というより安全で効果のほとんど変わらない intensityが打ち出され、少なくとも日本ではこれが最も受け入れられるべきだと考えます。 1) Stroke Prevention in Atrial Fibrillation Investigators. Adjusted-dose warfarin versus low intensity, fixed-dose warfarin plus aspirin for high-risk patients with atrial fibrillation: Stroke Prevention in Atrial Fibrillation III randomized clinical trial. Lancet 1996; 348: 633-8 2) Prevention in stroke in patients with nonvalvular atrial fibrillation. Neurology 1998; 51:674-81
14 :
告らん :02/01/15 23:42 ID:fKCJRQDQ
なお、施設間のばらつきが大きく、凝固能が抑制されるほどに感度の鈍いトロンボ テストは指標としては危険です。再三WHOなどが勧告を出していますので、是非PT-INR (International Normalization Ratio)を採用してください。 もはやTTは国際的に相手にされない指標です。
あ、、、あもうだめって言ったでしょ?
16 :
卵の名無しさん :02/01/15 23:59 ID:nNy3BifU
ところで、ブッシュの発作は結局脳血管障害なのですか? お菓子が詰まったのは原因でなく結果だと。
17 :
卵の名無しさん :02/01/16 00:02 ID:7+lhudzQ
>16 違うと思うよ 今、既出のレス出しますよ
18 :
卵の名無しさん :02/01/16 00:03 ID:VUQuxDte
循環器内科医ですが、質問です。 例えば、40歳・男性、心房細動のみで器質的心疾患なし(lone Af)。糖尿病や高血圧もなし。 もちろん、塞栓症の既往もなし。 こういった患者さんに、告らんセンセは、ワーファリンだしますか? アスピリンでOKと想われますか?
19 :
>16 :02/01/16 00:03 ID:7+lhudzQ
20 :
告らん :02/01/16 00:09 ID:gJLj0Ph/
ワーファリン治療の原則は前述のとおりですが、患者背景によってはいくつか
の修正されたプロトコールがあります。
>>13 のneurolgyのレポートで提唱された
ものですが、
60歳未満の孤立性心房細動は無治療(1st)またはアスピリン325mg(2nd)とし
ています。でもTEEくらいはやっておいてもよいでしょうね。
21 :
卵の名無しさん :02/01/16 00:15 ID:VUQuxDte
告らんセンセ、早速のお返事ありがとうございます。 TEEやるのは、OKなんですが、何年に一度くらいすればいいんでしょうね? そんなこと、どこのガイドラインにもなかったように想われ。 でも、TEEのこと、神内のセンセに尋ねているなんて。 漏れ、循内だったな(藁。 情けない。カテばかりしていると、どんどんアホになります。こんじゃ、外科並だ。 鬱だ氏脳。
22 :
告らん :02/01/16 00:18 ID:gJLj0Ph/
>>21 AFは全部TEEやれというエビデンスはないですね、たぶん。
でも、「アスピリンでいいや」と思っていた患者さんにでっかい左心耳内血栓が
あったら、やっぱ慌ててワーファリンにしちゃいますからね・・・
23 :
知んない :02/01/16 00:37 ID:uq3INcrv
>>22 時に迷うのですが、告らん先生、左心耳にでかい血栓があったとき、
外来warfarizationで全く普段どおり仕事とかしてもらってていいのですしょうか?
>>18 40歳、loan Af、基礎疾患なし、エコーで左房拡大なし、心機能正常で、
Afはいつからか不明の時、やはり、除細動は試みないのでしょうか?
最近はchronicでも若年のときはtryしているようにも思うのですが。
24 :
告らん :02/01/16 00:43 ID:gJLj0Ph/
>>23 ソースを忘れてしまいましたが、左心耳内血栓のある症例が階段をぴょんぴょん
飛んで降りていて脳塞栓を発症したという例を聞いたことがあります。治療域に
到達するまでは入院安静のほうが無難かもしれませんね。
25 :
循内 :02/01/16 01:04 ID:43FO2ofB
>>23 先生のご指摘の通り、一回は試みてもよいと思います。
最近はchronicでも除細動している施設はあります。
どこかは忘れちった、スマソ
>>18 私は無加療で逝きます。
外来でTEEかぁ。うちみたいな慢性マンパワー不足だとなかなかなぁ・・・。
まずは経胸エコーで経過観察して、左房拡大や心機能低下
が出れば内服開始ですかねぇ、、。
26 :
卵の名無しさん :02/01/16 01:05 ID:FFhGxTQw
27 :
告らん :02/01/16 22:51 ID:gJLj0Ph/
閑話休題。 今日ニュースを見ていると、病院側が敗訴した医療訴訟のことをやっていました。 理由は、ミスとなった医療行為が「合理的なものではない」ということ。 いずれ、危険因子を持つ心房細動に対する経口抗凝固療法をやらなかったことで訴 訟になる時代がくるかも知れません。明らかに抗血小板療法よりも合理的なワーファ リン投与を行わなかったからと敗訴するかもしれません。 「合理的な」エビデンスを学んで、患者さんの生命と自分の医師生命を守る必要が あります。
28 :
卵の名無しさん :02/01/16 23:01 ID:WisF6uNs
21の、カテ屋の循内ですが、今夜も質問させてください。 大腿動脈から診断カテするとき(インタベではありません)、少量のヘパリン(1000から2000Uくらい)を使う施設って多くありませんか。 漏れも、そう習ってきました。昔、指導医いわく、脳塞栓のリスクを減らすためだよ、って。 この少量ヘパリンは、意味あるのでしょうか? ACTなどは、いちいち計っておりません。 また、アンギオ後は、すぐにシース抜去し、止血ですから、利かせすぎてもいけません。 先生は、アンギオのとき、ヘパリンどのくらい使われますか?
29 :
告らん :02/01/16 23:14 ID:gJLj0Ph/
>>28 良く知らなかったのでPubMedに頼りました(藁
Systemic heparinization during percutaneous coronary angiography:
evaluation of effectiveness in decreasing thrombotic and embolic catheter complications.
Cathet Cardiovasc Diagn 1975;1(1):35-45
95の冠動脈造影検査をrandomizeし、ヘパリン化の有無に割付したRCTです。下肢
動脈塞栓の有無で評価したところ、優位にヘパリン化したほうが勝っているという
結果でした。
何分古いペーパーなので、デバイスが長足の進歩を遂げた現在と単純に比較は出来ない
でしょうね。PTCAスレで質問するといいかもしれません。
30 :
卵の名無しさん :02/01/16 23:26 ID:WisF6uNs
28です。お忙しい中、調べていただいてすみません。 自分で、PubMedすればよかったと反省しております。 でも、少量でも、ヘパリン逝っとかないと、 万一、塞栓症おこしたとき、ヤバそうですよね。 PTCAスレですか? ときどき遊びに逝っていますが、なんせ職人の住処なんで、 告らん先生の方が、学問的に答えてくださると想ったもので(藁
31 :
告らん :02/01/16 23:36 ID:gJLj0Ph/
PTCAスレで勝手に質問しちゃいました(藁
32 :
ぷろとん :02/01/16 23:37 ID:XbGg2Z8O
告らん先生、最高です。ファンです。 えと、当方神経内科医ですが、若輩者です。これからもよろしく お願いします(ぺこぺこ)。 うちの循内は、いまだにTTです。ふう。 ところで、質問です。馬鹿な質問で、すみません。 グリセオール、全例に使ってますか? 当方、初日にDWIとれません。放射線科との折り合いの問題らしいですが。 ラクナかなあ、とか、思っても、意外に皮質梗塞だったり、外すこと多しです。 初日の治療として、迷うことがあるのですが、どうでしょう?
33 :
告らん :02/01/16 23:44 ID:gJLj0Ph/
>>32 わたしも若輩者ですし、神経難病領域はタコですからそうへりくだらないで下さい・・・
グリセオールには少なくとも虚血性脳血管障害のエビデンスはありません。ですので
全例に使う理由はありません。容量負荷に耐えられる患者さんで、脳浮腫が高度の場
合は使っても良いと思いますし、実際使ってはいますが(この辺が実地臨床がエビデ
ンスのみではいかないと思いますが)、あまり期待しないほうがよいでしょう。
DWIについては是非放射線科と交渉しましょう。なんと言っても虚血性脳血管障害の
病型分類に最も貢献するのはMRI特にDWIであり、急性期治療を左右します。是非!
34 :
告らん :02/01/17 00:05 ID:ZOfiImbI
>>32 なお、24時間以内の虚血性脳血管障害を対象とした拡散強調画像の敏感度/特異度は
それぞれ88%、94%であり、さらに6時間以内に限れば94%、100%との報告があります。
この報告の時代よりもさらに良好な画質が得られるようになった現在は、もはや、脳
卒中は病歴とハンマーで診断する時代ではなく、あらゆる名医を拡散強調画像が凌駕
する時代です。是非このデータをもとに放射線科を説得してください。
Clinical experience with Diffusion-Weighted MR in patients with acute stroke.
AJNR 19: 1061-6, 1998
35 :
告らん :02/01/17 00:07 ID:ZOfiImbI
age忘れ
36 :
ぷろとん :02/01/17 00:36 ID:jyiCy+E0
ほんとにありがとうございます。 今後も精進します。 このスレが沈みませんように。
いや、コクラン先生。下げといた方が変な虫がつかないから良いですよ。
38 :
告らん :02/01/19 22:04 ID:mjUeBO6v
http://dailynews.yahoo.com/h/nm/20020117/hl/sex_2.html セクースとStrokeの関係をprospectiveに検討するため、1979年から1983年にエントリー
された900例の男性を20年間追跡したstudy。
観察期間を通じて、週に2回以上セクースをする中高年男性の7%がstrokeを、逆に月に一回
以下しかしない群では9%、その中間の群では6%に生じ、いずれも有意差なしと結論され
ています。
大まじめに20年間こういうstudyをやるところが凄いです。本気で感心しました。
腹上死にstrokeは含まれないということですな(藁
39 :
卵の名無しさん :02/01/19 22:42 ID:+Jl2t5jz
>>38 をを.まじめな告らん先生が
こんなことも調べてるなんて
ちょっと親近感が湧きますね
ところで先生神内ではラジカットの評価は
どんなもんなのでしょうか?
当方非神内のためまだ使ったこともありません.
40 :
告らん :02/01/20 00:30 ID:DA/I/pcO
>>39 この薬については
>>6 にリンクをあげた【脳梗塞で入院、担当は泌尿器科医!】
スレにかなり詳しく書きました。まだhtml化されていないようなので、そのう
ち見てください。
今、我々のもとに届いている添付資料を見ると、かなり良いデータが書いてあ
りますが、Stroke Scaleの評価がされておらず、エントリーした症例よりかな
り少ない例数でデータを出しており、ランダマイズにも問題があると睨んでお
ります。
なんにせよ、まだ論文になっていない以上、メーカーさんのデータのみを鵜呑み
にするわけにはいきません。
自分で使ってみた感想では、やや軽症の人の回復が早い感じがします。重症例で
はよく分かりません。良くなった人も悪くなった人もいます。あくまで、個人的な
感想は自分自身のものも含めてなるべく信じないようにしていますので、この薬の
評価はまだ決めていません。
41 :
39 :02/01/20 00:48 ID:rM/1vcVf
ありがとうございました そっちのスレ見ていなかったもので..
42 :
非神経内科医 :02/01/20 01:09 ID:OAU9D0SO
2chanもたまに役に立つスレがありますね。DWIですかあ。ふーん。 最近、小さい小脳梗塞を、ラジカットのみで2w治療してみました。 酔っ払いみたいな呂律の回らないおっさんになりましたが、結構しっかり歩いてます。 これって、神経内科医からみると、ガサツすぎるんだろうなあ。 いかにも勉強不足ですが、なんか文句あるか! どうぞ叱ってやってくださいまし。
43 :
告らん :02/01/21 00:59 ID:yHfRmXZ3
>>42 小脳の梗塞は、サイズが小さいものはほとんど全快しますね。半年くらい経ってから
症状が残っている人はほとんどいません。
>これって、神経内科医からみると、ガサツすぎるんだろうなあ。
いえいえ、神経内科医も初回だけはしっかり所見をとりますけど、あとはがさつなもん
です(私だけかな?)。それより、リスクファクターをきちんと評価して、適切な二次
予防治療を導入してあげることがとても重要です。
44 :
知んない :02/01/21 22:44 ID:pW8oa1TG
教科書には小脳出血は外科的適応が多い(例えば3cm以上)、と書かれていますが、 経験上は小脳出血より小脳梗塞の方が、外科のお世話になったことが多いように思います。 意識が悪くなったら、即、減圧してもらうのが良いかと。 で、「脳幹は大丈夫なんやろね」とか云われて、 「いや、MRが撮れてないんで、まあ、エコーではbasilar通ってましたから」となるのですが。
45 :
告らん :02/01/22 01:20 ID:+CVtOJ7r
>>44 おそらくその記載は、テント上の実質内出血と比べて小脳出血は外科的適応が多い
という意味だと思います。
小脳実質の支配血管は、一側あたり3本(SCA,AICA,PICA)がありますが、変異が
非常に多く、一本が半球のほとんどを支えていることすらしばしばです。おそらくこう
いった血管への、特に塞栓症は、非常にmass effectが問題になります。臨床的に遭遇
する小脳半球の大梗塞はおそらくこういう基盤があるのだと思います。
46 :
告らん :02/01/22 23:28 ID:+CVtOJ7r
知んない先生にこういうレスをつけるのは大変恐縮ですが、他にも見てくれて いる方がいるかもしれませんので・・・ 追加ですが、テント下はぜひともMRで見るべきです。CTだと骨のartifact が非常に読影の妨げになります。どうしてもCTでしか見れない場合は5mm以下の スライスにすべきです。MRでもエコープランナー法で撮ると、歪みのため病変が 隠されてしまうことがあります。この場合は2方向(冠状断を追加)撮りましょ う。 こういった工夫はテント下の出血だけでなく、脳幹の評価全般に有効な手段です。
ラジカットって本当に効くのか? あんなのボッタクリとしかおもえのだが・・・
48 :
告らん :02/01/22 23:47 ID:+CVtOJ7r
49 :
↓どんなもんでしょ? :02/01/23 00:03 ID:I0Rv33dZ
ラジカットにtherapeutic time windowがあるということなんですが、 その根拠は?。知っていたら、教えてください。それとtPAやUKの実際の 適応はどう考えてますか
51 :
卵の名無しさん :02/01/24 01:37 ID:L0n0s7Og
>>47 ちなみに、東京の社保ではエダラボンと、オザグレルまたはアルガトロバンの
併用を容認するとの事です。
52 :
知んない :02/01/24 23:51 ID:dFwbFcH9
現在、急性脳梗塞の治療として有効であるというevidenceがあるのは、 tPAを除くと(日本では使えないので)、aspirinだけです。 一応、これを重んじて、私は、aspirin内服(のめなければNG tubeで)を用いています。 血中濃度がすぐに上がるんかいな、とも思っているので、 日本でのみ承認されている注射剤も併用していますが。 入院症例は、ラクナでも、少なくとも当日は持続点滴としています。 心原性塞栓についてはaspirinの効果に疑問も感じているので、 ヘパリン(10000 U/d以下のいわゆる少量ヘパリン)を使っていますが、 これは、告らん先生の言にもある通り、有効性は認められていません。 えだらぼんについては有効症例もあると考えておりますが、 小梗塞ではとくに効果なさそうなので、短期間の使用にとどめています。 randomizeされた大規模studyの結果を押えておくのは当然ですが、 少なくとも自施設の治療成績は明文化しておく必要があると感じている今日この頃です。 皆様のところでは如何でしょうか?
53 :
卵の名無しさん :02/01/24 23:54 ID:cPDOE1wU
tPAをいまどき使えない本当の理由は?
54 :
告らん :02/01/26 00:22 ID:NQ8VgVje
>>53 tPA、具体的にはalteplaseの発症3時間以内の虚血性脳血管障害への
適応拡大はまだなされていません。すでにアメリカでの認可から6年
遅れています。
2002年4月ごろから、alteplaseのcontrolled studyが始まる予定
です。この治験が終了すれば、認可が下りる予定です。
安全性のみについての試験だそうです。
55 :
告らん :02/01/26 00:39 ID:NQ8VgVje
56 :
卵の名無しさん :02/01/26 00:41 ID:kP7SHvFg
そーゆーのが早くできるといいね
57 :
告らん :02/01/27 00:52 ID:Y7SlvQpY
>>52 私はargatrobanにかなり期待をしています。
国内の治験では相変わらずレベルの低いエビデンスしか出ていませんが、いまアメリカ
でARGIS-Iという、きちんとしたRCTが進行中です。
58 :
卵の名無しさん :02/01/27 22:42 ID:EWS90jDq
プロサイリン(prostaglandin I2 analog)ってありますよね。 あれの副作用で脳出血(0.1%未満)ってありますが、実際どうですか? 今日、当直にきた病院で、1人怪しげなのがいるのですが・・・ #putaminal hemorrhage (91F historyにhypertension) -> 転倒(外傷あり) -> ipsi. acute subdural hemorrhage (max.thickness 0.5cm程度、CT上はhcontusionはっきりしない) -> その翌日 消化管出血あり -> さらにlevel dowmn・瞳孔不同あり、 subcortical hemorrhageにて開頭血腫除去 contusion -> DICではないかと思うのですが、 入院時のFDP等の精査はされていない様子 (爆 #田舎の開業医なのでそこまでしないのです。。。 もっとも、現在は出血傾向なしということで、様子を見ているのですが。 多発性脳出血にて、ワーファリン等の投与を受けたか看護婦に聞いてみましたが、 どうも、プロサイリンを処方されていたとのこと(他は、降圧剤など) 出血には禁忌ということで、投与は入院当日に中止されているようです。 どなたか、PG-I2 analogにて出血された経験をお持ちの先生いませんかね?
59 :
告らん :02/01/28 00:18 ID:sz4Cig48
>>58 PGI2での出血の経験・・・無いですねえ。
御提示の症例はCushing ulcerではないのですか?
60 :
告らん :02/01/28 23:37 ID:9b24HyoY
問題とは違いますので、皆さんがどう思うのか自由にレスを下さい 架空症例です 【症例1】 46歳男性。35歳から高血圧を指摘されていたが放置。 日中テニスをしていたときに急に後頭部痛を感じ、その数分後からめまいを感じ その場にうずくまってしまった。発症後4時間で来院。右半身の温痛覚低下と左 半身の触覚の低下、嚥下障害、運動失調、眼振を認める。運動麻痺なし。来院時 の脳CTでは異常を指摘できなかった。 本例の診断・治療方針はどうしましょうか?
61 :
>60 :02/01/28 23:52 ID:LrM4bL0v
PICAのdissection MRA、CTA、またはアンギオで確定診断 血圧が高ければ降圧、抗血小板療法... といったところでいかがでしょうか?
62 :
61 :02/01/28 23:58 ID:LrM4bL0v
訂正です PICAじゃなくてPICAをinvolveするVAのdissectionですね この5〜6年でdissectionに遭遇する頻度が増えたような...
63 :
告らん :02/01/29 00:10 ID:0XVCsl31
続いて(藁 【症例2】 66歳女性。2型糖尿病のため通院中。 半年前より時々左眼全視野が数分間真っ黒になることがあったが、糖尿病性網膜症の ためとされ、そのまま保存的治療を継続された。 夕食時に家人と会話しているときに、突然うまく喋れないことを自覚。やく20分間続 いた。直ちに救急外来を受診。神経学的には正常。右頸動脈雑音を聴取。 脳CTでは両側の白質病変とPVLを認め、脳MRI拡散強調画像で、左前頭葉皮質下の小病 巣が発見された。脳アンギオと頸部エコーで右内頚動脈の完全閉塞と左内頚動脈起始部 の90%狭窄(遠位部の内頚動脈と比較)が明らかになった。 入院後抗血小板療法を施行し、発作は2週間生じていない。 本例の治療方針は?
64 :
卵の名無しさん :02/01/29 00:13 ID:FsT2/PB0
30代の主婦です。こんばんは。 2週間ほど前から、手の親指から甲にかけて、何となくしびれた 感じがしています。皮膚が一枚厚いような感じです。 他には特に気にならないのですが、放っておいても直らないし ひそかに「脳梗塞?」とか思って不安です。 子供もまだ小さいし。 病院に行ったほうがいいでしょうか?
65 :
>>63 :02/01/29 00:18 ID:pdOANOCu
アスピリン100mg〜300mg 内服。 後は神に祈るのみ。
66 :
告らん :02/01/29 00:19 ID:0XVCsl31
>>64 この情報だけではなんとも判断できませんが、脳卒中であれば「突然」生じます。
また、30台の脳卒中はゼロではありませんが、高齢者に比べるとずっと頻度が低い
ものです。
頚椎症によるもののような印象を受けます。
神経内科を受診することをお勧めしますが、ご質問からはそう重症な印象はうけ
ません。お大事に。
>>63 右頚動脈雑音−>左に訂正
67 :
卵の名無しさん :02/01/29 00:24 ID:FsT2/PB0
>66 レスありがとうございます。 スレ違いで怒られるかも・・と ドキドキしてたんですが。 安心しました。様子をみます。
68 :
>63 :02/01/29 00:26 ID:/1gRVIaH
自費診療で左のStenting!といいたいところですが、 アスピリンかワーファリンで様子をみるかCEAをするか、 本人に決めてもらいます。
69 :
卵の名無しさん :02/01/29 00:50 ID:FsT2/PB0
告らん先生。67です。 すいません、もうひとつだけ。 たまに気になるのですが、 手首などをぎゅっとつかんで血行を少し止めて、その後 つかんだ手を離すと、勢いよく血が流れ出してジワッと熱くなる ような感じがしますよね。 まさしくあの感じが頭の中で突然起こることがあります。 脳の小さい血管切れてんのかな・・。 頭の中で何がおこっているんでしょうか。 先生にとってはあまりにもくだらない質問なのは 重々承知です。すいません!
70 :
告らん :02/01/29 00:54 ID:0XVCsl31
>>69 脳自体には感覚がありません。切られようと潰れようと、脳そのものの痛みを感じ
ることはありません。脳を覆ういくつかの膜や血管では痛覚を感じます。ただし、こ
の部分の痛みはしばしば激痛です。
>>69 さんの感じているような感覚が脳や脳血管の危険信号である可能性は無いと思わ
れます。おそらく頭皮などの感覚です。
71 :
69 :02/01/29 01:00 ID:FsT2/PB0
告らん先生。 ありがとうございます。 私はすっかり先生のファンになってしまいました。 この良スレがいつまでも続きますように。 先生もお忙しいと思いますが、どうかお体に気をつけてくださいね。
72 :
58 :02/01/29 17:21 ID:om0Io20y
遅れました。 ガスターは処方されていましたが、Cushing ulcerも当然考慮に入れました。 Nsの報告によれば下部消化管出血のようでした。これ書き忘れです(謝 もっともすでにオムツは処分されていたので、自分で見たわけではないのですが。 現在はもう出血はないようです。 ともあれ御高診ありがとうございました。 >63 この症例の妙は、右内頚動脈の完全閉塞と左内頚動脈起始部の90%狭窄。 治療の手段ってよりは、どちらから行くかということが問題の趣旨のような。 やるとしたら、左stent後、右CEAですかね。 cross flow良好であれば右はどうかというのもありますが。。 2chの脳血管の先生方はどうお考えでしょうか? いやしかし、どこかの研究会でこの話を聞いたような? はっ まさか!
73 :
卵の名無しさん :02/01/29 18:49 ID:ulp7aLmW
>63 左はstent。できればself typeのもので、右は完全閉塞なのでCEAは 適応なし。無理にやれば、hyperperfusionの危険性あり、SPECTでrest, diamoxで右脳のCBFをみて、ミザリーあれば右STA-MCA anastをする。
74 :
58 :02/01/29 22:42 ID:5xy8d9pk
>73 そうですか。勉強になります。 当方2年目につき勉強不足 よってsage("nige"とも言う)
【症例1】は
>>61-62 さんの御解説とまったく同じ意図を持っていました。動脈硬化
を背景として、頸部の激しい運動を契機に発症した椎骨動脈解離によるLMI(Lateral
Medullary Infarction)を想定しています。そういやHorner書き忘れていた・・・
解離の診断はなかなか難しいです。血管撮影まで行っても明確なpseudolumenを見逃す
場合がしばしばあります。おそらく、現在利用可能な画像診断技術で、最も診断精度の
高いのはMRAで動脈に垂直な断面図を再構成することです(MPR画像といいます)。3D-
CTやrotational angiographyでも同様の処理ができますので、これでもいいと思いま
すが、侵襲の少なさからいってMRAが第一選択と考えます。
治療は難しいですね。虚血だからすぐに血圧を下げるなという意見がある反面、解離
の進行を抑えるために降圧せよという意見もあります。抗血栓療法(特に解離腔はslow
flowなので抗凝固療法と言われる)を行うべきだという意見がある反面、出血、特にく
も膜下出血のリスクを恐れ、なにもしてはならないという主張もあります。
脳血管解離の診断の不確かさのため、治療が確立していません。ここはこれからの課
題です。
私は降圧と抗凝固療法を支持します。
【症例2】は盛り上がっているようなので、少し静観・・・
77 :
卵の名無しさん :02/01/30 09:23 ID:HDqqdpT/
73です。付け足しです。 現段階では、脳梗塞に対するbypassの有効性は証明されておりません。 数年前の論文で否定されました。 よって、本当は左stentのみであとは経過観察が現状かもしれませんね。 ただ、現在全国規模でbypassの有効性は証明するためのJapanese EC-IC bypass trial study (JET study)が進行中で、1-2年後には結果が出ます。 多分今年の脳卒中の外科学会で中間報告があるでしょう。 これに期待する意味も込めての答えでした。
78 :
卵の名無しさん :02/01/30 21:32 ID:zIIfLg60
age
79 :
知んない :02/01/30 22:49 ID:9rmE0pFF
カゼひいてしばらく見ていませんでした。 動脈硬化が背景になくともVA解離はおこりやすく(解剖学的に)、 LMIをみたら必ずVA dissectionを疑ってください。 LMIの最も多い原因であり、LMIが比較的若年でriskの少ない人に多く、再発が少ないのは 機械的なdissectionによることが多いからです。 (というか私はそういう報告をしました。) 自験例では50%程度でしたが、山形大学の細矢先生はもっと多いと報告しておられます。 PICAをinvolveしている必要はありません。 ここが、LMIの興味深いところですが、 VAの閉塞でかなり離れた延髄の外側の一部分だけが決まってinfarctに陥ります。 (もちろん、小脳など他のPICA領域が障害される場合もありますが) 治療については、もう疲れてきたので、また今度。 あ、症例2については、 misery perfusionというのは代謝(酸素消費)と血流の差異をさしていうPETの用語なので 負荷SPECTでみてるのは脳循環予備能でしょう。 ただ、lt ICAの狭窄部位はembolic sourceになっているようなので、 CEAをとりたいところですが、riskが高いですかね?
80 :
68 :02/01/30 23:58 ID:MUBmT3p+
頚部内頚動脈狭窄症に対してStentingを第一に考えている先生方にお尋ねしたいのですが、Stentingは今のところは保険未承認ですよね? 手技料はバルンカテーテルによる経皮的脳血管形成術として請求するとして、Stentの材料費はどのように処理しておられるのでしょうか? 私はそのあたりの事情を正直に説明して、自費診療に同意してくれる人にだけ行っています。混合診療を行って発覚したときに病院にかける迷惑は私の首が飛ぶぐらいじゃ済まないでしょうからね。
81 :
卵の名無しさん :02/01/31 11:32 ID:GnMHtc8I
CEAを施行する場合、症候性90%の狭窄なので、ECSTでopeによる合併症 riskが6%未満のDR以外のopeは不可能です。反対側のICの閉塞があるので それだけで、危険度が1.8%あるので相当腕のたつ人が手術しないと きびしいですよ。
82 :
卵の名無しさん :02/01/31 22:54 ID:uA/oO8gd
age
83 :
卵の名無しさん :02/01/31 22:57 ID:Hxjy21I9
>> 80 (68) stentingのとき、distal protectionはどうしていますか? 外国でのライヴをみていると、distal protectionは必須のように思えますが。
84 :
卵の名無しさん :02/01/31 23:32 ID:+Ov3SgAh
御相談です。 症例は40歳代男性、小脳虫部梗塞発症後10日経過しての紹介で来院しました。 入院希望あり、glycerolの点滴で加療し、眩暈感が消失の後に退院としており ます。 NVAF、心房内血栓等は否定済み。Aortic arch~cerebral arteryのMRAでは 明らかな異常なく、thin slice CE-CTでもdissectionは見つかりません。 小児期にASDの既往があるとの事で、奇異性脳塞栓でもありR->L shuntの関与 も疑ったのですが、TTEのレベルでは何も見つかりませんでした。 凝固異常症、自己免疫疾患等も否定しています。 二次予防の方針に苦慮しておりますが、どう考えれば宜しいでしょうか。 指南頂きたく、お願い致します。 (現在はbufferin 81mg x1を処方しています)
85 :
知んない :02/01/31 23:33 ID:5My13uI/
>>81 確かにその通りです(6%でしたっけ、もう少しひくかったような)。
ただ、逆に言うと世界のevidenceが30%の成功率でも、そこが100%ならOKなわけで。
やはり、自施設の治療成績はちゃんと明示すべきかと思います。
私がみている限りではCEAで大きなcomplicationはありません。
あ、20年後くらいにaneurysmができた例をみたことがありますので、わかりませんね。
stentはcomplication多いです。
もちろんhigh riskをやっているということもあるのでしょうが。
86 :
どう? :02/01/31 23:35 ID:3V2rmlf/
ラジカットって流行り?
87 :
68 :02/02/01 00:16 ID:F1WDYNAj
>>83 バルーンカテでdistal occlusionしたうえで4Frのカテを別にいれて
salvageしています。それでいまのところdistal embolismの経験はありません。でも、うちは原則として自費でやっているので症例数は少ないです。
88 :
告らん :02/02/01 00:40 ID:whmqgehz
【症例2】について
NASCET(North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial)が見出した
エビデンスによると、75%以上の症候性狭窄に対してのCEAは内科治療に勝るという結果
です。ただし周術期合併症率は6%以下を要求され、これを上回る施設ではすべてのCEA
のbenefitが消失します。
また、CEAはbilateral lesion、tandem lesionに対しては更に有効だと結論されてい
ます。逆に眼症候のみの症例ではbenefitが減少します。
これに当てはめて考えると、本例はCEAの適応と考えます。
これが私の意見だったのですが・・・・みなさんさすがですね。stentingでこんなに盛
り上がるとは・・・
>>79 知んない先生
【症例1】の深い読み、さすがですね。こんなに明快に私の意図を見透かされるとは(藁
別スレでもmesial temporal lobeの循環について教えていただいてありがとうござい
ます。先生が「神内」を名乗っているのが残念です(藁 こっちの世界にきませんか?
【症例2】でembolic sourceという判断も凄くいいです。この点CEAというのは賛成です。
ただ、両側性病変で、本当にCEAよりstentが安全なんでしょうか? 正直知りません。
89 :
告らん :02/02/01 01:01 ID:whmqgehz
>>84 Stroke以外まで考え出すときりが無いので、Strokeとして考えます。
《AFの否定について》
経験的に・・ですが、PAFの場合24時間のホルター心電図で見落とすことがしば
しばあります。入院しているのであれば、72時間以上のモニター監視をお勧めし
ます。
《心房内血栓・右左シャント》
これについては経胸壁心エコーはほとんど無力です。ぜひ経食道心エコーを施行し
ましょう。バルサルバ負荷下でコントラストを使用すると更にシャントの検出率は高
まります。我々が経食道心エコーで診断した右左シャントの症例は、ほとんど全てが
経胸壁心エコーでは正常でした。また、経頭蓋ドップラーでHITS(high intensity
transient signal)を拾いながらコントラストを負荷すると、右左シャント症例の
診断ができることがあります。
注)この場合のコントラストはただの(微小な)気泡を含んだ生食のことです。
また、深部静脈血栓症の検索(下肢静脈シンチ、下肢血管エコーなど)、肺
血栓塞栓症の検索(ガス、肺血流スキャン)なども非常に参考になります。
《dissectionの画像診断について》
前述しましたが、3D-CTやMRAのMIP画像だけではdissectionを見落としがちです
ぜひ元画像を見てください。これで診断がひっくり返ることもたびたびあります。
また、他の血管病変の評価のために、ぜひ血管撮影をしてください。
眼の付け所はとてもよいですね。若年の患者さんで右左シャントを原因とした心原
性脳塞栓症やdissectionを疑うのは正しいと思います。診断は難しいですが、まと
めると
「TEEと血管撮影をお勧めします」
90 :
エビデンスはどこまで有効? :02/02/01 01:05 ID:EvU+Y6+W
>> 88 心臓のインタベを生業にしておりますが、勉強のため、ちょっとよらせていただきました。 エビデンスに関する議論が盛んですが、術力をどのように考えられますか? 薬剤なら、(人種差の問題さえのぞけば)誰が使おうと、 用量・用法さえ一定なら、治療効果・副作用も一定でしょう。 ところが、手術やインタベは、術者の術力で、成績は大きく異なります。 CABGで、もっとも長期開存率がよいはずのLITA-LADを、 まともにつなげられない心臓外科医を何人となく見てきました。 また、多くのエビデンスの故郷たるアメリカにおける、インタベに対する考え方は、一般的に、 誰でも一定の研修をすれば、一定の結果がだせそうなこと、が目標で、 標準的な術力は、日本を大きく下回ると思います。 例えば、冠動脈疾患に対するDCAの有効性が、アメリカでのトライアルで否定された数年後、 熟達した術者をそろえた日本のトライアルで、見事に肯定されました。。 一般的な心臓外科医のCABGより、LMTを安全かつ有効に治療可能なインタベ医も存在します。 小生は、薬剤ならともかく、手術やインタベが絡んだ治療戦略を、 エビデンスのみから論ずるのには、少々疑問を感じる次第です。 エビデンスは、あくまでトライアルの平均的な術者の術力に対する答えであって、 それを大きく上回る(下回る)術力の場合、回答は全く異なってくるのではないでしょうか?
91 :
告らん :02/02/01 01:15 ID:whmqgehz
>>90 もう、感涙するくらいいいレスです。
CEAに関しては、
>>88 のように6%以下の周術期合併症を要求します。これをクリアー
した場合、75%以上の狭窄で明らかなbenefitが、50-75%の狭窄でも、明らかにsignificant
ではないが内科治療を凌ぐといわれており、NASCETやECSTが行われた90年代より技術が
進歩した現在では、更に適応は広がっていると血管外科医たちは主張しています。
なお欧米と日本のCEAの適応は単純に比較できない難しさがあります。日本全国のCEAの件数
はフロリダ州ただひとつで行われている件数を下回ります。決して普及した手術とは言えま
せん。また、日本人は内頚動脈・外頚動脈の分岐が比較的高位にあり、直達手術が難しいと
も言われております。
寄り道をしましたが、
>エビデンスは、あくまでトライアルの平均的な術者の術力に対する答えであって、
>それを大きく上回る(下回る)術力の場合、回答は全く異なってくるのではないでしょうか?
全くそのとおりですね。
92 :
90 :02/02/01 01:24 ID:EvU+Y6+W
>> 91 ありがとうございます。そんな風におっしゃっていただくと、恐縮しちゃいます。 お時間のあるときは、また、こっちにも遊びにいらしてくださいね。
告らん先生に質問です。 ソースを示せないので恐縮ですが、60歳以下で心肺疾患のないAf患者の脳卒中を 起こす確率は15年間で1.3%と聞きました。 このような低確率でもワーファリン投与のbenefitがriskを上回るのでしょうか?
94 :
卵の名無しさん :02/02/01 21:27 ID:3dl4vbwC
>>89 告らん先生、ありがとうございます。
モニターは2週間の入院期間中、最初の1週間は装着しておりましたが、
みつかっておりません。
御指摘の通りTEEは必要と思います。特にValsalva manoeuvreを併用
しての、超音波造影(三活を挟んで生食と少量の空気を入れたシリンジで
グジュグジュと泡立てたもの)での検査は以前Strokeでも有用性を指摘
されていたので、必要と感じています。
なお、dissectionにつきましては御指摘の通り、3Dではなく、thin slice
(元画像)での評価です。放科からも、3D-reconstructionは見せ物だから
と言われてしまいました:-)
カテはPtの意向で今回はパスになってます。
肺血流や下肢静脈の検索はとても参考になりました。
確かにR->L shuntがあれば、この辺りからの飛散は充分に考慮すべきでした。
特に、町病院でありながらSPECTのとれる施設に派遣になっている身として
私は、思い付かなければアフォですね。
今後検索の上で、方針決定に向かいたいと思います。
95 :
告らん :02/02/03 00:51 ID:B7MDOCHR
>>93 いいえ、その場合は無治療またはアスピリン投与でオーケイです。
厳密に言えば、高血圧、糖尿病、脳血管障害の既往、うっ血性心不全の既往、
冠動脈疾患、このいずれも有しない65歳以下の心房細動には抗凝固療法の
benefitは見られていません。
(AFI/ACCP consensus)
96 :
卵の名無しさん :02/02/03 01:05 ID:IYq+hctA
97 :
告らん :02/02/03 01:06 ID:B7MDOCHR
激しく間違えてるのは私も一緒でした。「65歳以下」が正解です。
イギリスの「鉄の女」サッチャー元首相がminor stroke起こしていたんですね。
お昼休みにニュースサイトを見ていて、初めて気付きました。
http://abcnews.go.com/wire/World/reuters20020126_122.html LONDON (Reuters) - Former British Prime Minister Margaret Thatcher,
dubbed the "Iron Lady" at the peak of her power in the 1980s, has
suffered a mild stroke, her daughter Carol told the BBC on Saturday.
[...]
Thatcher was taken to hospital after her husband noticed his wife was
having problems with her co-ordination and her speech was slurred.
The Times newspaper quoted doctors as saying she had made a full recovery.
この記事の内容を信用すると、協調運動障害と構音障害が初期の徴侯で、完全回復した
ことになります。発症時のNIHSSは2-4点(藁 NIHSS6点以下の症例は完全回復が期待
できるとされていますので、典型的な臨床経過ですね。病型までは・・・さすがに情報
がありませんね。
101 :
きりー・ばんばん :02/02/04 13:14 ID:Yl62FNZR
101… URLありがとう
102 :
no-ge :02/02/04 17:16 ID:P2rGWtt7
告らんさんへ 1997年の日本脳卒中学会で決めた脳卒中重傷度スケール(Japan Stroke Scale) はどうなんでしょう?実際使っているところはあるんでしょうか? あまりに細分化されて使いにくいし、いちいち数字を覚えてられません。 また、臨床的意義はあるのでしょうか? 質問ばかりですいません。
103 :
>>98 :02/02/04 18:31 ID:PRH/oiE+
下の文献のdiscussionにてセロトニンと血液凝固能について言及されていました。 既にご存じでしたらお許し下さい。他、セロトニンと血液血管関係の文献を御紹介します。 Prospective Study of Depressive Symptoms and Risk of Stroke Among Japanese Stroke 32: 903-908 抗うつ薬SSRI、高齢者への投与では重度の消化管出血に注意 80歳以上の超高齢者や消化管出血の既往のある高齢者が、SSRIの ような新しいタイプの抗うつ薬を使うと、阻害力の強さに応じて 上部消化管出血による入院が増えることがわかった。約180万人の 高齢者を対象としたコホート研究によるもので、カナダOttawa病院の C. van Walraven氏らが、British Medical Journal(BMJ)誌9月22日号に発表した。 SSRI服用は心筋梗塞リスクを下げる? 症例対照研究が示唆 米国で約650人の急性心筋梗塞(AMI)患者を対象に行われた症例対照研究で、 AMI既往のない対照群と比べ、症例群では抗うつ薬であるSSRIの服用者が少ないことが 明らかになった。SSRI服用者のAMI発症リスクは、非服用者の約3分の1になるという。 「Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Myocardial Infarction (Circulation. 2001;104:1894.)
104 :
卵の名無しさん :02/02/04 23:24 ID:1wGxtwly
>>102 JSSのパイロットに参加した某大学病院の医局員(出張中)です。
全例JSSを大学では付けていましたが、極めて煩雑です。
専用のシートを病棟に準備してあり、記入してカルテに入れて
おき、後で退院サマリと一緒に提出って形でした。
御存知の通り、JSSは簡便性は目的の中心に据えられておらず
致し方ないと考えます。
長期的には、Palm等のhand held deviceにアプリとして入れ、
病棟でパパパと入力、後でsyncした時にはraw dataとJSSの
スコアがそのまま記録・集計、なんて形になるかなと思って
います。
逆にここまで来ないと、市中病院では実用にはならないと思っ
ていますが、いかがでしょうか?> all
>>102 >>104 JSSはご指摘のように煩雑です。我々の病院でもNIHSSとJSSを同時に評価できる
シートを作成し、データを取っていますが、指数をかける煩雑さもあり、実際の
臨床現場で役に立つシチュエーションは少ないように思われます。
また、Strokeなどの文献に採用されるStroke Scale・・・NIHSS、Barthel、
Rankinなどの既に評価の定まっているものをどうしても使用せざるを得ないのは
自然な流れかと思います。
私個人の考えとしてはJSSは滅びると思います。
>>103 へー御紹介ありがとうございます。
SSRIsって、「高齢者にも安心使いやすい抗うつ薬!!」って
感じで売られてて、うちの病院なんかでも内科の先生が
結構使ってたりする。気をつけよっと。
##そいでダメなら私の出番。
SSRIいいですねえ。消化器系の副作用以外は、さして注意を払わずに使える印象が
あります。
脳卒中を生じた後には、一説によると60%に抑うつが生じるとされています。また、
抑うつを生じた患者さんは、生命予後・機能予後が不良との報告もあります(疲れ
たのでrefなし)。積極的に治療すればoutcomeを変えられるかというところに興味
は尽きませんが、
>>103 は非常に参考になりますね。面白いです。
>>106 消化管出血の文献を出したのはまずかったかな。
セロトニンが血液凝固と関連しているのではないかというのが御紹介の本意でした。
depressionで血中のセロトニンが減少するのかと言えばそうではないですけど。
>>103 の冒頭の文献では鬱のスクリーニングレベル以下のSDSのスコアでも
虚血性脳卒中と相関するようで、無症候性梗塞だらけの鬱のMRIも考えると、
抗うつ剤とアスピリンを一緒に出した方がいいかなと思ったりするんですが。
もっとも、そうすると消化管出血が怖いけど。
>>84 thin slice CE-CTって、3DCTAのsource imageのことでしょうか?
元絵をwindow levelをしっかり広げて見ると分かりやすいと思いますよ。
告らん先生のおっしゃる通り、MIPの絵だけ眺めててもよく分からないですよね〜。
でもTOFの元絵見ると、たまにIntimal flapと紛らわしいことはありますね。
しかしな〜、MRA、全部ステレオで見て、元絵も全部見てると、頭痛がしてくる‥
>>109 はにわ先生はじめまして(かな?)。
MIPのステレオ視って大事ですよね。解剖が良く分かりますし、血管の重なりに
騙されにくくなります。でもMIPってそれだけの価値しかないような気がします
ね。source imageやMPRに慣れてしまうと、もういらないように思えちゃいま
す。
ウチ放射線科ってMIPを14°ずれで作ってくるんですよ・・・寄り眼が大変で確かに
頭痛がします。年取ったらできませんな・・・こりゃ
111 :
ぷし公 :02/02/08 01:43 ID:PCDUwGdk
セロトニンと凝固系かあ。。。それならダイレクトにつながりますねえ。。 う〜ん。面白い。
112 :
卵の名無しさん :02/02/10 10:37 ID:SQ7Kqduz
114 :
卵の名無しさん :02/02/12 01:51 ID:ybTz9n+m
自分のあさはかな推測ですが聞いてください。 ・過去に2回stroke attackがある。 ・心臓病を持っていた。 ・サングラスと左手の三角巾。 ・今回死に至るまでの経過が比較的早い。 などから、過去に心原性塞栓を右MCA、さらに両側PCA領域に起こし、 今回さらに死に直結するような重度の梗塞を呈したのではないでしょうか。 入浴中に火傷をしているようですが、これも関連があるかもしれません。
115 :
no-K :02/02/12 02:07 ID:g+8y3UvZ
記事には脳梗塞を起こして入院し,心臓に問題が起こったために亡くなられたと 書いてありますね。確か数年前に脳梗塞が原因で失明してますよね。ということは, 元々Afが存在したか,posterior circulationに問題があったか? 1.単なるAfによるemboli + Afの改善がなかった。 2.元々弁膜症があり(MS),emboliを合併しまた左心不全も伴った。 3.元々VA occlusionとstenosisがあり,今回は残りの1本がつまってしまった。弧束核 付近には心臓抑制中枢が存在し,そこが刺激されれば迷走神経優位となり,心抑制 に陥る。逆に抑制されれば交感神経優位となり肺水腫等を起こし心不全に陥る。 そんなとこでしょうか?
116 :
卵の名無しさん :02/02/12 13:58 ID:atL+vWF+
http://news.bbc.co.uk/hi/english/uk/newsid_1249000/1249388.stm によると、左片麻痺があった様ですね。
"Suffered sight problems"との記載があり、失明、半盲、複視の別は分かりません。
サングラスの着用はocular positionのズレを隠すためだとしたら、複視でも良い
かもしれません。
視覚障害(lateralityは不詳)を半盲と取り、片麻痺とあわせるとMCAの比較的大きな
梗塞が想像されます。尤も、これだとあらゆる記事に記載されている"minor stroke"
とは矛盾しますが。また The Timesの記事(告らん先生のリンク先)によると、昨年
クリスマス頃に目撃された時には"Her face also appeared puffy"とあり、この
頃既に心不全が合併していたのかもしれません。
All-in-allでは、no-K先生の(2)が"most likely cause"ではないかと思います。
逆に、小梗塞で全部カバーしようとすると、PCA領域のminor attackを繰り返し、
動眼神経麻痺や後頭葉梗塞で視野障害、脳幹逝って片麻痺、でも良いかもしれません。
#でも、"paralysed down her left side"で"minor"はないだろ、と思ってしまいます。
マーガレット王女の病態特定への皆様のご尽力に感服いたします・・・
さて、私の妄想全開の憶測は・・・
1.Strokeを反復している。内容は不明。
2.下肢の火傷を負っている
3.失明?している
4.最後のStroke発症直後に心疾患のため死亡した。
致死性脳卒中の原因は多くは心原性脳塞栓症と、脳実質内出血、クモ膜下出血ですが
「反復している」点から、後者2つは違うと思います。この辺は皆さんと同じ推論で
すが、気になるのが直接死因が心疾患であるということです。心房細動があったと
して、それが直接死に結びつくものかなあと思います。やはり、ここは虚血性心疾患
の合併を考えてしまいます。
失明のポピュラーな原因は糖尿病性網膜症ですが、Strokeがあるということで、頸部
血管病変による虚血性眼症もリストアップしておきましょう。高度の頸部血管病変は
冠動脈病変をしばしば合併するので、一元的に考え易くなります。
さらに(ここ妄想全開)、やけどの跡が写っていると思われる写真を見てみると・・
http://europe.cnn.com/2001/WORLD/europe/UK/01/20/princess/index.html?related え・・ASOに見えませんか・・・やけどは大本営発表ということにしたいな・・・
ええと、全く自信はありませんが、皆様と別の推論を出してみます。
DM、や喫煙習慣などの危険因子を背景として、頸部血管病変、冠動脈病変、閉塞性動脈硬化症
が基礎にあり、Stroke、虚血性心疾患、ASO、虚血性眼症(または糖尿病性網膜症)を次々に
生じた。直接死因はLMTの閉塞によるMI。
この間の学会で、MRAのMIPではなくヴォリュームレンダリングの報告があった。 なんだか3DCTAみたいでカコよかったですよ。絶対MIPより見やすい、と思った次第です。 マーガレット王女って、ローマの休日のモデルだった? (スレ違い、ごめんなさい) LMTかあ、うみゅう‥
>>118 最近ウチのMR担当医が時々やってるみたいです。確かに見やすいですね。でもやっぱり
ソースかMPRを見ちゃうなあ。
>マーガレット王女って、ローマの休日のモデルだった?
そーそー。ウチの母親もそんなこといっていた気がします。若かりしころは素敵
な王女様だったんでしょうね。
120 :
卵の名無しさん :02/02/15 12:40 ID:lyO4m++h
age
>110 うちではMRA、15度ずれです。 外眼筋をきたえましょう‥ お互いに。
122 :
卵の名無しさん :02/02/16 23:30 ID:R+RIajWH
良スレage
MRAでMTをかけるべきかどうか悩んでいます。 Magnetization Transferは実質信号を抑制しますので、MIP画像では血管コント ラストが上昇して良好な画像が得られますが、MPRで見ることを前提で考えると、 実質信号を残しておいたほうが良いようにも思えます。誰かアドバイスありませんか?
>>123 えとですね、一般的にはMTCかけた方がいいと思います。
でも、例えばhemifacial spasmとかでは、外した方がいいと思うんですよね。
うちではcase by caseにして、外したい時は別に指定するようにしてます。
>>124 なるほど。勉強になります。NVCを見る場合にはMTありにするということですね。
ついでにもひとつ。NVCを見る場合にPSIFのシーケンスで高速にheavyT2を取得
する場合がありますよね?これの撮像パラメーターってどうなってます?もし、
分かればで結構ですが・・・
冬場って脳出血多いですねえ。最近80ccとか100ccとかの巨大な血腫が次々にやって きます。NIHSS 30点台とか、とんでもないのがやってきます。当然合併症多く、死 亡率高し・・・ 脳出血は40-50歳台にもかなり見られるので、みなさんも気をつけてください。
127 :
no-K :02/02/18 23:56 ID:P1mG+r3w
>>126 本当に増えてきました。ただ告らん先生のおっしゃるような、大きな出血は
うちではあまりみられません。特に最近はBP controlがしっかりされている
患者が増えているせいか、そのような傾向があるみたいですね。また、putaminal
hemorrhageが激減したように思えるのは、わたしだけでしょうか?なんか
thalamic hemorrhageが相対的に増えているのか?目立ってしまうのか・・・
>>127 ウチでは80台後半とか90歳台の皮質下出血が目立っています。アミロイドアン
ギオパチーかなあとか思ったりもします。
余談ですが、アミロイドアンギオパチーを疑ったときは、MRIでT2*(スター)強調
画像を撮像しています。通常のT2強調画像で分からなかった、ごく小さな皮質下出血
が面白いように分かります。
129 :
no-K :02/02/19 00:12 ID:0dvU2Y8L
やはり高齢者のsubcoticalはアミロイドアンギオパチーを疑いますね。 ところで最近はsucortical hemorrhageをlober hemorrhageと表現する 先生がいらっしゃいますが、同じなのでしょうか?新しい概念なんですかね。 勉強不足ですみません。
130 :
no-K :02/02/19 00:42 ID:0dvU2Y8L
付け足しなんですが、2年程前にfamilialなアミロイドアンギオパチーの報告 がありましたよね。アイルランド型とオランダ型の2 typeがあって、どちらも 常染色体優性遺伝で若年発症をし、どちらか忘れましたけど片方がβアミロイド で一方がγ-traceの沈着が認められるようなんですが・・・ どうしても若年者のsubcorticalはcavernous angimaを疑ってしまうんですが 先生のおっしゃるT2*(スター)強調画像で鑑別は可能なのでしょうか?
>告らん先生 PSIFのシーケンスとは、何でしょうか? 教えていただければ幸いです‥ heavyT2といえばSASとか?? 撮像パラメーターはやっぱり機種によりますよねえ。 >130 cavernous angimaだったらT2WIで鑑別可能と思うのですが?どうでしょうか? T2*はヘモジデリン沈着を見てるだけだと思いますしねえ。 造影はした方がいいと思いますけどね。結構Venous angiomaの合併多いですしね。 少しは造影されることもありますしね。
>>131 私もそんなに詳しくないので、今日勉強しました。
FISP(Fast Imaging with Steady state Procession)という信号取得法があり
ます。GREのシーケンスで、横磁化が残存している状態で次々に励起パルスを当て
ると、通常のGRE信号のほかにSE信号やSTE(Stimulated Echo)信号も生じます。
横磁化が残っている状態でRFをかけるので、TRもTEも非常に短くすることができ、
極めて高速に信号が取得できます。
これを利用してGRE信号を得る方法がFISP
これを利用して、GREのシーケンスでありながらSEやSTEを取得する方法がPSIFです。
PSIFのシーケンスはFISPのシーケンスと傾斜磁場のかけ方が時間軸で逆転していると
いう特徴があり、スペリングを逆転しただけだそうです(藁
非常に高速にSE信号が得られ、flow voidを抑制するため、hydrography関係のシーケ
ンスで利用されることがあるようです。
完全な受け売りですが・・・
参考:MRI「再」入門
び、びっくりした。 久しぶりに書き込もうとしたら、過去ログ倉庫にあった。
>>132 亀レスでごめんなさい。
えと、FISPはシーメンスのシークエンスですね。
同じようなGRE系を、TosshibaはFE,GEはGRASSといいます。
この辺はもう、固有名詞みたいなもんなんでしょうか。
シーメンスはあんまり自分で撮影条件動かせなくて、その代わり
プリセットのシークエンスが沢山あるのです。
って、ちょっとスレの趣旨と違いますかね〜。
>>134 ご指摘のようにFISPやPSIFはSiemens社の用語ですが、他社も使い始めているよ
うですね。もう論文では(true)FISPというのは普通に使われています。
しかし、冬場は重症が多い。疲れたよ・・・Sterbenが多くて、嫌な季節です。
ope適応の到底無い大出血。来院時からmass effectが著明な心原性脳塞栓。
虚血性心疾患や腎不全の合併例。重症肺炎・・・・いやはやへばります。
そうですね、論文ではよく見ますね、そういう表記。 >告らん先生 お疲れさまです‥ 冬は辛いですね。でも今年は暖かかったのかな、去年の方が厳しかった! あと少しでほんとに暖かくなります。頑張ってくださいね。
137 :
若年放火 :02/02/23 02:25 ID:yp1hlpG2
ちょっと教えて戴けませんか? 頚部血管エコーって最近する機会が増えてきたのですが、 勿論プラークや血栓をみるのは判るんですが、どこまで評価が必要なのですか? 文献でなんか内膜肥厚のindexみたいなの(IMTだったかな?)を見た事あるのですが、 そういうの日常臨床でもやっぱり必要ですか?? 最近は椎骨動脈もみることあって、確かに見えるんですけど...あの時間的制約が...
138 :
告らん :02/02/23 22:54 ID:MAAOMN3F
>>137 頸部エコーの意義は、高周波プローべで、かなり広い範囲の頸部血管を優れた空間解
像能で検索することができることだと思います。この点、MRAもCTもかないませんね。
というわけで、
・総頚動脈の全長、内頚動脈の頭蓋外の部位のプラーク・狭窄を検索する。特に
塞栓源になりそうな病変は見落とさないように(潰瘍病変やLow Echoic Plaque)
(これが最重要)
・Flow Study 関心領域外であっても狭窄の予測ができる。左右差に注意。
IMTはこの次ですね。動脈硬化の初期変化と言われていますが、あったから、何か
治療が変わるわけでもなしですからねえ。
椎骨動脈は慣れればすぐ見えますよ。stealなんかが見つかることもありますし、
是非やってみてくださいな。
139 :
告らん :02/02/24 00:10 ID:tZP2Dt/N
連続カキコスマソ。 今日のNHKの21:00からの番組面白かったです。リハ室で歩行訓練をしていても、病棟 では車椅子という患者さんは最終的に歩行を獲得するのは5%に過ぎないが、病棟でも 歩行をさせると80%が歩行を獲得できる。ただし理学療法士と看護スタッフはとても 大変・・・ やはり、一日50分の訓練だけでは不十分ですね。
140 :
卵の名無しさん :02/02/24 09:40 ID:sRx4ZzK5
141 :
卵の名無しさん :02/02/24 23:36 ID:g8HvEHdR
ageときます。 うちの「ベテラン」婦長は、PTからこの患者は歩けるよと言われても リハ室まで車椅子で送り迎え。やめてくれ、と時々もめる。
142 :
no-K :02/02/25 15:53 ID:j+kGwrKC
ちょっと前の論文で脳梗塞の急性期(2w)はリハビリさせないほうが、梗塞範囲を 広げずにすむという論文が出ましたが、どうなんでしょう?理由はリハにより 完成していない脳梗塞部位(たぶんペナンブラ)が、興奮性アミノ酸の放出 により、neurotoxityにさらされる。ということなんですが・・・ 2wも寝せっぱなしじゃ、ADL良くならないのではとおもいます。いかがでしょう。
143 :
卵の名無しさん :02/02/26 21:23 ID:wH5JXyn3
age
144 :
卵の名無しさん :02/02/27 01:15 ID:VJc4NSSt
上げ、御相談です。 若年発症の脳梗塞で、dissectionやあきらかなembolic source、不整脈は否定、 抗カルジオリピン抗体が正常上限二倍程度、他はprot S, prot Cの活性や抗核抗体は 正常範囲。 脳梗塞は初回。二次予防はどうすべきでしょうか? 成書(Stroke, 3rd Ed, Pub. Churchill-Livingstone)では複数の病変やeventがあった 場合には抗凝固療法が適切と記載がある一方、単回発作に対してのsuggestionはASA( optimal doseは不明!)との事。確かにASAやticlopidineで要す見るのもテかな、と 思う一方、再発を考慮して、warfarinにすべきか、少々(かなり?)迷っています。
>>144 もうすこし情報を頂けますか?これだけではちと判断が難しいです。
皮質梗塞なのか、深部梗塞なのか。
主幹動脈閉塞や狭窄があるのか無いのか。
再灌流が明らかなのか不明なのか。
TIAやminor strokeの先行があるのかないのか。 などなど
146 :
12x12 :02/02/27 08:44 ID:UTdcOohj
告らん先生、ありがとうございます PICA末梢の小脳梗塞です。 主幹動脈の病変なし、再灌流は不明、初回であり、先行するischaemic eventは ありません。他のrisk factor はsmoking以外見つかっていません。家族歴もなし。
147 :
no-K :02/02/27 10:19 ID:P5bzh3U7
APSの可能性はあるので、女性であれば流産の経験や、不妊(流産に気付かない) がないか?LA, β2ーGPIやPlt減少を調べましょう。ヘパリナイゼーション、 ワーファリゼーション中であれば、LAが出ないこともあります。 もう一度DSAを見て、vasculitisがないか確認した方がいいです。 またAPSの場合僧帽弁異常を伴う場合があるので精査したほうがよいでしょう。 aCL陽性者ではSLEがbackgroundに存在する場合があります。また梅毒でも 上昇します。その他喫煙も関係することがあります。aCL陽性者の 脳梗塞riskは正常者の約2.31倍(APASS報告)とか、文献によっては4倍の報告があります。 慢性期の治療はまだstudy中かな(Warfarin Aspirin RecurrentStroke Study)? 急性期は一般のstrokeと同様か、ステロイドや血漿交換、γglb等があります。
みなさま、いつもお世話になります。 >no-Kさま 正確な文献は持ってないのですが、機能的良肢を保つのもリハビリのうち。 その観点からすれば、本来は発症翌日からリハ対象になってもいいはずと、 昔オーベンに言われました(耳学問に近いですね、ごめんなさい)。 2週間寝かせっぱなしというのはどうかと‥
149 :
no-K :02/02/27 17:44 ID:ox0CilLd
>>はにわ先生 先生の言う通りなんですよ。難しいのは、『梗塞範囲を広げない』と『ADLを確保するため 機能的良肢を保つ』をてんびんにかけて、どちらに傾くか?ということなんですね。これは 梗塞部位、範囲、患者背景により変わりますよね。ただ我々の早期離床という固定概念は 実際、私もリハビリに関してそうとう疎いため上からの言い伝えによるものなんですよね。
>no-Kさま レスありがとうございます。 “リハによりペナンブラが、興奮性アミノ酸の放出により、neurotoxityにさらされる” どうしてなんでしょうか? 何かイメージできないんです、ううう(私がDQNなだけ‥???) BBBが破綻してるとはいえ‥ autoregulationが壊れてるとはいえ‥ もし文献お持ちでしたら、教えてください。私も探してみます。 ラジカット使いながらなら、相殺されませんか?(w
急性期リハビリテーションのEBMの文献も、経過中の梗塞体積拡大の文献もあるはずですが、 今日は弱っているのでご容赦を・・・ 梗塞体積が増大してもADLが拡大するのであれば、そっちをとりますけどね(藁
>告らん先生 どうなさいました? お大事にどうぞ。
疲労と花粉症ですね(藁 今週は重症例の転院やらが続いて、けっこう忙しかったんですよ。でも2ちゃんには はまる(^^;
>153 お疲れ様です! 今年は花粉、すごいみたいですねえ‥
155 :
卵の名無しさん :02/03/03 00:59 ID:Ps0j2ce3
告らんさん! 上げないと倉庫逝きだよ。
156 :
告らん :02/03/03 01:16 ID:rFn+IaFt
>>156 今ちょっと携帯なので、その文献見られないのですが、それってA-IIアンタゴニストを継続して投与したんですか?または来院時に1回投与しただけ?
158 :
告らん :02/03/03 13:27 ID:rFn+IaFt
>>157 まだJournalには載っていないようです。詳しいmaterial&methodは不明ですが、多分
継続して投与したんでしょうね。
159 :
知んない :02/03/04 00:27 ID:KrUyC4Lj
>>156 下がっているようなので、少し質問。
実際のところ、みなさん、脳卒中急性期の血圧管理はどうされていますか?(薬は何を使う?)
1)内服できない脳出血(とりあえず手術適応なし):ついでにglycerolは即、使いますか?
2)脳梗塞:これは病型、合併症、発症前血圧等によりいろいろでしょうが、
まずラクナ;250/130とかでも下げませんか?
心原性塞栓症;血栓溶解した時としてない時
160 :
no-K :02/03/04 23:49 ID:0TWwgJNS
今晩は
>>159 以前は症例によって様々でしたが、最近は忙しいのとパスなんかの導入により、
ファーストはペルジピン使ってます。SAHやICHは持続、或いはポトルに10mg
入れちゃいますね。CIの場合は200以上で下げますが無理に下げたりはして
ません。
また3日目ぐらいから経管いれます。内服はCa拮抗剤(アムロジン・ノルバスク)
がファーストです(数年前に有意に延命効果ありの論文が出たので・・・)。
また最近ではブロプレスも使っています。
グリセは出血、梗塞(主幹部閉塞)使いますが、脳卒中に対するEBMはないですね。
またSAHのope適ある人や術後は使いません。SAHのspasm対策にペルジピンの
低容量持続静注のEBMあるようですが、血圧下がるのがこわいのでやってません。
今月号のclinical neuroscienceに急性期の栄養管理は胃ろうが優位差をもって
体重増加が認められ、熱発を防ぐ報告がのっていたので今後検討します。
血圧管理も気になりますが、みなさんDIVの中に何を混注しているかも気になったりして・・・
ニコリン、ソルコ、ルシド、H2-blocker・・・そうそうみなさんオザグレルって
何に混注してます?なんか相性とかあるみたいですけど・・・
161 :
卵の名無しさん :02/03/05 22:46 ID:e5d18YW4
あげ
162 :
卵の名無しさん :02/03/06 20:08 ID:XUxjXgSn
先日、69才の男性でめまい、嗄声を主訴に来院した患者さんなんですけど、 左失調 +、左Horner +、舌偏位 -、カーテン徴候 -、右温痛覚障害 -、 左顔面 V2 areaのnumbness +、嗄声 +、吃逆 +、嚥下障害 +です。 Wallenbergだと思うんですが・・・ もちろんCTでは何もありません。MRI明日撮ります。 uncompleteなWallenbergってあるんですかね?特に対側温痛覚障害を 認めない症例ははじめてみましたので・・・スレてみました。
163 :
卵の名無しさん :02/03/06 23:20 ID:lHYakykS
>>162 どんな疾患をを考えてどういう治療をはじめたのよ?
診断よりも大事とちがうの?なにを期待してMRとるのよ。
明日、呼吸止まっているかもしれないよ。この患者。
164 :
知んない :02/03/06 23:33 ID:KV2gmebN
>>162 古い日本の分類に早川の分類というのがあります。
LMIでよいと思いますが、LMIは(全ての脳血管障害が、ですが)etiologyが大切です。
できうる限り早く血管の評価をしたほうが良いと考えます。
165 :
卵の名無しさん :02/03/06 23:45 ID:+ETnHV4g
>>162 発症して3日たってからの来院なんですよ。もちろんJCSはclearですよ。
CTでは何もありませんので(延髄レベルはわかりません)、脳梗塞を
考え、オザグレルとラジカット併用で開始してます。
もちろん急性期で来院していればDSAやりますが、VA-BA系のemboliに対しての
溶かしはEBMあるんでしょうか?もちろんT-PAは特許ないのでむこうの論文しか
ないですよね。またWallenbergであればVA occlusion>PICA occlusionですが
3日たってバイタル落ち着いているので、対側VAがしっかりしているか、PICA
なのかな〜って思っています。不完全なWallenbergはPICAが多いんですかね?
dissectionで進行すれば呼吸止まるかも知れませんが・・・
166 :
165 :02/03/06 23:48 ID:+ETnHV4g
>160 出血にもペルジピンですか? あのー、禁忌ではなかったでしょうか‥?? >162 uncompleteなWallenberg沢山あります。 むしろ完全なWallengbergの方が少ないかなあ。 普通、VAって、片側が優位なんですよね。左が優位な人が6割くらい。 あと左右同等と、右優位が半々くらい。VAがPICAで終わってることも多いですし。 まあ、でも、MRAを下の方を余裕を持って撮ってもらえば、解決しますよね。 dissectionでないことを祈りますが。
168 :
卵の名無しさん :02/03/07 02:48 ID:r0066oKw
>>167 ペルジピン、禁忌になってますよね。出血だけでなく、「脳
卒中」ってなってませんでしたっけ?
うろ覚えですが、血管床の拡張により脳圧亢進に繋がるため
禁忌とされていたと思います。本当はアポプロンが良いので
しょうね。でも使っている事が結構あります。
169 :
知んない :02/03/07 20:10 ID:BQXvwGrU
>>167 ,168
そーなんですよ。
ペルジピンは「止血が確認されていない頭蓋内出血、脳卒中急性期の脳圧亢進患者」には禁忌とされています。
だから、「これで出血が増大した」とか「脳ヘルニアになった」とか訴えられたら負けるんですよね。
事実、ペルジピン持続で脳圧はあがります。
で、いつも困るんですよね。
170 :
卵の名無しさん :02/03/07 21:37 ID:cu2GZag1
うちの大学でもペルジピンつかってます。 #いかんと言われながら、ほとんど慣習化 つーか ヘルベッサーではあかんのですか?
>169,170 普通、ヘルベッサー持続で十分だと思うのですが。 まあ、SAHのときはペルジピンivで使うとしてもですね、 ICHの時はどうかと‥ うちの脳外科ではヘルベッサーです。 告らん先生、どうでしょうか??
172 :
知んない :02/03/08 21:47 ID:7/IWxMuj
>>170 ,171
ヘルベッサーはrate controlには良いですが、降圧はちと弱いかと。
確かにヘルベッサーは高血圧緊急症の適応があるのですが。
(ペルジピンは手術時の異常高血圧のみだったかと)
で、私はミリスロールを推したいのですが。
173 :
告らん :02/03/08 23:38 ID:hktxl9Wm
ぺルジピンは禁忌なのに使われている。降圧は確かに強力ですね。ヘルベッサーに は禁忌の記載はありませんが、降圧効果はやや弱く、心抑制があります。ミリスロー ルは脳圧亢進がささやかれ、耐性ができやすいと。なんだか一長一短ですが、 脳出血に対する降圧のエビデンスは確かgrade III、recommendation C(2-3年前 のAHAのrecommendationによる。手元に文献ないです・・)。とりあえず、160mmHg を越す高血圧は、20mmHg程度の降圧を目指すが吉かと・・薬剤は心疾患がある場合は ヘルベッサーやミリスロールを使い、それ以外はぺルジピンが使いやすいかなあ。
174 :
卵の名無しさん :02/03/10 14:16 ID:u7Yi9kE4
age
175 :
卵の名無しさん :02/03/11 09:02 ID:CdHJ4uOp
"AHA Scientific Statement"より(1 The writing group recommends that blood pressure levels be maintained below a mean arterial pressure of 130mmHg in persons with a history of hypertension (level of evidence V, grade C recommendation) ・level of evidence Vはcase reportの集積から得られたレベルで、エビデンスとしては 最も低い部類です。 ・grade C recommendationはIII-Vのevidence levelから得られるもので、これも最も低 いgradeです。(1 1) Guidelines for the management of spontaneous intracerebral hemorrhage. A statement for healthcare professionals from a special writing group of the stroke council, American Heart Association. Stroke 30:905-915, 1999 2) Rules of evidence and clinical recommendations on the use of antithrombotic agents. Chest 102:305S-311S, 1992
177 :
卵の名無しさん :02/03/16 01:04 ID:5ftNEYXH
メンテあげ だけじゃつまらんので・・・・ みなさんは発症してから数日たってから来院された脳梗塞の患者さんに どの様な治療をされてますか? なんか点滴とかしないと「ちゃんと治療を受けられなかった!!」 みたいな事を言う患者さん(というよりその家族)が多くてね。はぁ〜鬱だ。
優良スレあげましゅ〜
数日経って来院する理由は、大抵は軽症だからですね。心原性脳塞栓症などの皮質枝 領域の大梗塞は、ほとんどが発見されるとすぐ来ます。ということで、抗凝固療法の適 応は無いという前提が成立するかな(藁
180 :
卵の名無しさん :02/03/17 05:14 ID:U9FDX0p2
左MCAの、しかもSSDだった患者さん。Af持ち。 f/u CTで出血性になってたのでグリセだけで我慢してたら 今度は左ACAにもう一発。これもまた出血転化。 ヤになっちゃいました。 最近のCTで、漸くmass effectも取れて、血腫も可成り 吸収されており、Warfarinization開始出来る日を心待ち にしてたりします。
>>177 リハと続発予防のために、基本的には軽症でも入院を勧めてましたが、
過剰診療だったかもしれません。
182 :
177 :02/03/17 12:00 ID:Co+ZPrWy
>>181 帰したら帰したで
「脳梗塞なのに入院させずに帰宅させる極悪病院」
と言われそう。
再梗塞でも起こそうもんなら
「医療ミス!」
かな?
183 :
知んない :02/03/17 14:11 ID:rUzhepY2
>>177 ,181
原則、入院してもらって、発症原因明らかにして、治療決めて、risk checkして
が、いい思います。
でも、ベッドが・・・
虚血性脳血管障害は原則全例入院です。 Strokeの再発や増悪が高頻度に生じます。軽症例でも虚血性心疾患を生じる場合が あります。 虚血のetiologyが不明なのに外来でフォローするのは危険です。もし、大動脈解離 や感染性心内膜炎、心臓に由来する塞栓源が隠れていたら、最初は軽症でも重篤な卒中 が引き続くことがありえます。 多くの症例は、高血圧、糖尿病などのリスクファクターを抱えており、心疾患や閉 塞性動脈硬化賞が潜んでいることもしばしばあります。内科的評価は「首から上」だ けにとどまりません。全身のケアが必要です。 etiologyが特定されれば、二次予防治療が必要です。抗血小板療法や降圧療法だけ なら容易に導入できますが、抗凝固療法は厳密なコントロールを要するため、原則入院 で導入すべきです。 こういったことを考えれば、急性期に外来で管理することや入院を待つことががいか に恐ろしいかがおわかりかと思います。Strokeは"Brain Attack"です。その場で緊急 入院の適応となる疾患です。
というわけで
>>182 >「脳梗塞なのに入院させずに帰宅させる極悪病院」
には激しく同意です(藁
186 :
卵の名無しさん :02/03/18 01:15 ID:lB2rM7Fb
>>185 しかし入院させても検査以外することなし。
検査時以外はただ寝てるだけ。
「キチンとした治療を受けられなかった!」はどうするべ?
つ〜か、こういうこと言ってくる奴って点滴しないと気が済まないようだけどね。
187 :
卵の名無しさん :02/03/18 09:19 ID:KNQ63VOB
うちでは、亜急性期だろうが単なるめまいだろうが、大きな合併症がない 限り全例ラジカットDIVしていますが、特に問題となることはありません。 3日ぐらいで良くなった(特にめまい)って帰る人もいます。かえって、 感謝されますよ。DIVは指示だすだけでしょ?特に面倒なものとは感じませんが。 早く帰れそうなひとや、帰りたさそうにしているひとは検査を至急で(3日間) でやっちゃいますよ。こういう患者がいるからこそ、平均在院日数が短くなり、 ベットの稼働率が良くなると思います。
188 :
知んない :02/03/19 00:05 ID:VSMsj0Dx
>>186 いや、187が言うとおり、3日間くらいで、MRI,MRA,SPECT,頭頸部血管エコー,でHITSでもとって、
経胸壁心エコー(+経食道心エコー),ホルターECG,負荷ECG,24時間BP測定、下肢ドップラー
で必要あればangiographyでもやれば患者さんもかなり忙しいよ。
点滴については、原則持続点滴です。発症後、数日以上たってれば、持続はしないかもしれないが、
embolismだったら、ヘパリン持続だし(evidenceなし)、
evidenceのある治療はアスピリン内服ですが、
初期にはオザグレル点滴を併用したほうがいいように思います。
189 :
卵の名無しさん :02/03/19 00:15 ID:ct89Hmer
190 :
卵の名無しさん :02/03/19 10:28 ID:W5IVNB1N
頭の検査であれば3日あれば十分です。心臓の検査は循環器紹介して、 通院でも可能で、入院の必要性あれば転科させてます。
>>190 「今日MR,明日MRA,明後日SPECTをやりたい」放科に言っても
「出来ません」「無理」「来週中なら」
こんな返事しかこないのでは?
192 :
卵の名無しさん :02/03/19 17:47 ID:NnpTKs2R
>>191 うちは緊急の場合は放科を通さなくてもいいんです。読影もあとまわしで
さきに脳外がみます。ただ技師さんは大変ですよ。昼休みなしでとったり、
17時まわってから撮ったりしてます。確かに、以前はだめなことが多かった
のですが、放科の先生方ときちんと話し合って(けんかしたのだが)
撮れるようになりました。
>告らん先生 長い間お疲れさまでした。ほんとうに有難うございます。 正直、寂しいです。先生のご活躍を心からお祈りしています。 お体に気をつけて、頑張ってください。 いつか、どこかでまた、お会いできれば‥‥!
>>193 ご丁寧にありがとうございます。本気で引退のつもりでしたが、なんとか数日に一度
は書き込めそうです。
またStrokeネタをいろいろ探ってきますね。
196 :
卵の名無しさん :02/03/23 00:08 ID:dIdfDUoZ
>>告らんfanによりスレ存続ねがってあげます。
197 :
卵の名無しさん :02/03/26 07:49 ID:93YLKFVj
メンテage
Use of ramipril in preventing stroke: double blind randomised trial
BMJ 2002;324:699
http://bmj.com/cgi/content/abstract/324/7339/699 PROGRESSに引き続き、ACEIの脳卒中二次予防のevidenceが発表されています(HOPE study
の一部です)。心血管疾患、高血圧、糖尿病などリスクファクターを有する9297例にramipril
を投与。降圧効果は-3.8mmHg程度のごく僅かなものであったが、stroke riskを32%減少さ
せた。
ACEIの脳保護作用はいよいよ本当のようですね。
199 :
いんたべヴァカ :02/04/01 00:07 ID:9df5oH1k
>>198 告らんセンセ、こんばんわ。お久しぶりッス。
HOPE studyは、循環器医にとっても、良い意味で、なかなか衝撃的な結果でした。
広く、心血管系の二次予防についてということで、2つほど、質問。
1.ラミプリル以外のACEIも、同様に有効と思われますか?
ちなみに、スタチンの二次予防試験は、どれでも大抵positiveですが、
慢性心不全のβ遮断剤による予後改善は、negativeな薬剤もあって、
実証されているのは3剤だけですよね。
2.慢性心不全における予後改善を調べたELITE II試験からすると、
ARBは、ACEIとほぼ同様の有用性ですが、
空咳に代表される副作用は少ない、という位置付けでしょうか。
ARBも、ACEI同様、2次予防に有効、とお考えですか?
どっちも、エビデンスないので、印象・予想で結構です。
漏れは、両方、yesと想っています。
>>199 いんたべヴァカ先生
1. β遮断薬はβ1/β2選択性とか、ISAとかいろいろ細かく分かれますからひとくくり
にはできないと思いますが、ACEIの作用の点では大きな差異があるとは考えていま
せん。細かく言い出せば、T/P比とか代謝経路とかあるのでしょうが。
ですので、どのACEIも同様に有効だと思います。但し、EBMの考え方からは、今の
時点ではPROGRESSでevidenceが立証されたperindoprilを使うべきだと考えます。
2. ARBはRAA系の別のpathway(キニン−ブラジキニン系とかだったかな?)への作
用を持ちません。必ずしも同じ薬理学的効果があるとは言い切れないので、保留です。
ただし、
>>156 に示したACCESS studyでは著しい高血圧を伴う急性期虚血性脳血管障
害例への顕著な効果を示しています。まだ紙になっていないので、結論は保留します
が、急性期治療と二次予防の両方にACEIと同等か、さらに優れている可能性が高いと
考えています。
201 :
ご感想を :02/04/03 21:20 ID:ssY14Tbc
Structure of Bax: coregulation of dimer formation and intracellular localization. Suzuki M, Youle RJ, Tjandra N. Biochemistry Section, Surgical Neurology Branch, National Institute of Neurological Disorders and Stroke, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA. Apoptosis is stimulated by the insertion of Bax from the cytosol into mitochondrial membranes. The solution structure of Bax, including the putative transmembrane domain at the C terminus, was determined in order to understand the regulation of its subcellular location. Bax consists of 9 alpha helices where the assembly of helices alpha1 through alpha 8 resembles that of the apoptosis inhibitor, Bcl-x(L). The C-terminal alpha 9 helix occupies the hydrophobic pocket proposed previously to mediate heterodimer formation and bioactivity of opposing members of the Bcl-2 family. The Bax structure shows that the orientation of helix alpha 9 provides simultaneous control over its mitochondrial targeting and dimer formation.
202 :
卵の名無しさん :02/04/04 13:52 ID:0CBL37AF
SAHの時はnimodipine使いませんか。
>>201 この手の論文?を読むための基礎知識に欠けるので、いやはやなんともはや・・・
NINDSも基礎研究を盛んにやっておるのだなあという感想です(藁
ACEIの空咳、上手く使うと誤嚥防止にも有用らしい。
>>204 誤嚥性肺炎を反復する高齢者に、わざと「カプトリル」なんて出したりした
もんです(藁 流石に最近はEBMの出たperindoprilを使うようにしています
が。
206 :
:02/04/08 23:14 ID:c8tBCzOo
そうそう、うちの科に入院していたじいちゃん、 やっぱり誤嚥性肺炎を繰り返してたんだけど、 カプトリルだっけか、少量投与してました。 えらく血圧が低い人だったから『おいおい、いいのか?』 って思ってたけども…。
NEJMより。
軽微低体温療法(32-34℃)は重症脳虚血や脳外傷例で劇的に回復するchampion caseが
あることが知られていながら、EBMは不十分でした。ところが、
VF徐細動後症例を対象に無作為にhypothermia群とnormothermia群に割り付けしたとこ
ろ、6ヵ月後の死亡率/神経学的重症度のいずれもhypothermia群が優位に勝っていたと
の結果。
Mild Therapeutic Hypothermia to Improve the Neurologic Outcome after Cardiac
Arrest. New Engl J Med 346:549-556, 2002
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/346/8/549 次は虚血性脳血管障害のデータが待たれます。
>>207 何例かやってみた体験からいいますと、管理がとっても大変ですぜ>手痛い温療法
医師がやることよりも、どっちかと言うと茄子が管理すべき要素が多岐にわたるので。
いずれ脳虚血に対する結果が出て、実際に効果ありだと判明しても、それなりの茄子がそろっている施設でしか実施できないでしょう。SCUとか。
うーーーーむ 脳卒中学会準備難航中のため、2ちゃんねるに逃避・・・
>>208 十分な鎮静下の呼吸管理、スワンガンツカテーテルでの心機能のモニター、脳温の監視。
神経学的所見のフォロー、山のようなライン・モニター類をつけてのCT撮影。
腸管麻痺、感染症のコントロール(特に復温時)、血小板減少、やることは死ぬほどあり
ますなあ。多くのマンパワーを投入する高額医療ですから、きちんとしたevidenceが出ない
と迂闊に手を出せません。
きちんとしたevidenceが出たとしても、適応は、自費で治療費払える人のみに してほしいなり。 こんなのが標準療法になったら、保険が破綻する。
>>210 大丈夫でしょう。
年齢・重症度・発症からの時間などで、大きく縛られるはずです。
ついでに言えば、保険が破綻する前に、あまりのマンパワーのために医療従事者の
ほうが破綻するでしょうね(藁
212 :
no-K :02/04/15 02:00 ID:Ze08z7H5
告らん先生へ こちらは脳卒中の外科学会の準備急いでやってます。 お互い大変ですね。 なかなか臨床だけでは済まないようですね。 雑用が多いのは仕方ないですね。 今年はうちの大学の神内の教授も最後ですし(脳ドック学会主幹)、盛り上がり そうですね。 私はスライド係りやってますので・・・もしお暇でしたら声をおかけ下さい。
>>209 Kのコントロールモナー
あと、脳圧計(通称デムパ塔)も結構ちょっとした事でズレやすいのよ。。。何とかしてホスィ。
でわみなさん、仙台で会いましょう(ただし2chネラらしく殺伐とナー)
214 :
教えて君ですまそ :02/04/17 23:17 ID:lXnr+zUB
告らん先生、教えて下さい。 最近、”脳梗塞でfollow中”なんて申し込み用紙に書いてあるのに、明らかな梗塞巣がわからない脳CTよく見るんです。 で、前回CT見てみると、これをひっかけるのか-、と思うような小ーさなlow densityだったりするんです。 あんまり小さいと血管周囲腔との区別も難しいですよね。 逆にMRIだと、大脳白質にT2延長域が多発してたりして、梗塞ととるかどうか迷ったりしませんか? 告らん先生は小さな梗塞巣は何を基準に判断されてますか?
215 :
no-K :02/04/18 00:13 ID:P/nhv2tx
>>214 Etat cribleは通常は不整な形は示さないし、3mm以上は少ないです。
一番いいのは梗塞巣はプロトン、FLAIR で、病巣中心部が髄液同等の低信号で、
周囲にhighを伴いますが、Etat cribleでは全体が髄液同等の低信号領域を
示し周囲にhighを伴わないことが多いですよ。
216 :
告らん ◆EBMRIGas :02/04/19 01:01 ID:zT163lmR
>>214 すでにno-K先生が素晴らしいレスをしておられますが、もうひとつ付け加えるとす
ると、血管周囲腔の拡張では、T2高信号がlinearに観察されるというのも鑑別のポ
イントになります。
217 :
卵の名無しさん :02/04/21 17:10 ID:Mjo5souZ
SCUはつぶしたらあかん。揚げておこう。
218 :
214 :02/04/21 23:07 ID:aOZZSd44
御丁寧なレスありがとうございます。 所で、皆さんは脳梗塞でfollow中、っていうPtの脳CTに明らかな異常がない、って事有りませんか? もしあったなら、そんな時どうしてます?
>>218 それらしい症候、すなわち、突然発症・完成型の神経脱落症状があり、他の要因が
否定的であれば、画像診断がnegativeでも脳卒中と判断しています。あと、私はMRI
オタなんで、急性期ならDWI、亜急性期ならCE-T1WI、慢性期ならFLAIRといろいろ
駆使して、意地になって探します。
なお、最近の拡散テンソル画像から得られた知見では、虚血でもNAWM(normal appearing
white matter)の存在が示されており、虚血病変が従来の画像診断で必ず捉えられ
るわけではないことが明らかになっています。
222 :
告らん先生、ありがとうございます。 :02/04/22 00:22 ID:8yBmne/0
>>219 んー、では臨床的に脳卒中と診断がついていても、脳CTではnegative、というcaseは有り得ると、言う事ですね?
もう一つ質問、すみません。上記と逆のcaseになると思いますが、
MRIのT2WI/FLAIRで大脳半球白質にhyperintensityが散見される時は、小梗塞巣との区別はどうしてますか?
色々教えて君ですみません。
ちょっと横レスですが。 某サッカー選手関係で、海外・代表サカー板の住人の方々のうち若干名が医者板を覗きに来そうですなあ。 ここのスレはともかくとして、他にあまたある煽動的なスレ名の数々に、目を回さないかしらんといらぬ心配をしとります。
224 :
通りすがり :02/04/22 08:43 ID:CG6ZRvQE
>222 T1WIでlowでなければ、梗塞巣とはとれないようですよ。
ちょうどMRIの話になっているので、ヲタらしい発言をします。 MRで扱う水と脳実質の関係です。 脳実質は、大体T1が800msec、T2が200msecくらい。 水はT1もT2も2500msecくらいです。 T2強調画像(横緩和が長いものが高い信号を呈する)では実質の緩和が水に比べて 極端に短く、実質の信号は低く、灰白質と白質といった信号の差もつきにくい画像 です。 T1強調画像(縦緩和が短いものが高い信号を呈する)では、T2強調よりは実質の緩 和と水の緩和が接近しており、実質内の構造による信号の差もかなり明瞭に判断で きます。しかし、水と実質のコントラストの差は、T2よりはつきにくいです。 もし手元にT1強調画像があれば、灰白質と白質のコントラストが明瞭についている のを確認してみてください。 ちょっと難しい概念ですが、T2強調画像では、緩和が長くなる方向への変化(水の 増加)を明瞭に捉えることが得意で、T1強調画像では逆に緩和が短くなる方向への 変化を明瞭に捉えることが得意です。(続く)
ガドリニウム投与による緩和の短縮をT1強調画像で判別するのはこういった背景が
あります。短くなる方向へは、T1が得意です。
さて、脳虚血部位の変化ですが、慢性期に至ってくると、神経細胞や軸索の脱落、空
砲変性、グリオーシスといった病理学的変化の結果、組織の自由水が増加し、緩和が
延長します。これを鋭敏に見つけ出すのはT2強調画像です。T1強調画像は緩和の延長
に対してはかなり鈍感で、確かにT2強調画像で見出せる変化が全く分からないことも
あります。
>>224 さんのレスにあるように、T1WIで低信号になっているようなものは、高度な自
由水増加を反映し、より強い粗鬆化を反映していると考えてよいでしょう。T2WIのみ
でしか見られないものは、慢性期の虚血の結果としては軽微な変化です。(続く)
さて、ではMRIでのT2WI高信号は梗塞か? というところですが、結論から先に言うと 「否」です。少なくとも臨床的な脳梗塞という概念は、突然発症の脳局所の虚血の結果、 神経症候が24時間以上持続することであり、はっきりいえばMRI所見は参考に過ぎませ ん。いくら大きな白質病変があっても無症候であれば、それは画像診断上の異常所見に すぎません。脳梗塞というものは臨床で定義され、画像診断で支持されるものなのです。 左中大脳動脈の高度狭窄があり、失語を伴う右片麻痺が30時間継続したが、MRIでは全く 脳実質の異常を見出せなかったものは、アテローム血栓性脳梗塞です。 心房細動の患者さんに、15分間だけ左1/4盲があり、拡散強調画像で右後頭葉に明ら かな高信号病変があった場合、一過性脳虚血発作です。 冠動脈バイパス術後の患者さんに、突然左上肢の感覚障害のみが出現し、左半卵円 中心に拡散強調画像で小さな高信号を見出した場合、脳梗塞ではありません。 すなわち、発症した時の病歴と神経学的所見の観察が極めて重要であり、画像診断 上、異常を説明しうる病変のありなしは参考所見なのです。
もうすぐ仙台〜♪ 牛タン以外にいいものあるかなあ・・美味しい情報キボンヌ
脳梗塞の発症時期とFlairとT2強調像の意義について教えて下さいませんか? あとうちの放火がルーちぃんでFlairとT2強調像をとりますがこれの意義について脳室周囲の病変描出以外で 理由がわかるかた教えて下さい。すみませんが宜しくお願いします。
>>228 さん
仙台は冷やし中華の発祥地です。(おいしいかどうかは別(笑))
ずんだ餅もおいしいですよ。(もちろん店によりけり)
仙台市内の某○イエーの近くで笹かまを自分で焼いて食べれる笹かまの
お店がありまふ。
牛タンは。。。太助というお店がオススメですが、きすけもおいしいですよん。
〜何気にこのスレのふぁんより〜
杜の都〜 青葉〜 仙台って綺麗なところですねーいっぺんで気に入りました。トンペーで採用して くれないかなあ・・・ すでにホヤが出始めているそうです。さっそく今日のつまみにしました。脳卒中学会 出席の皆様よろしくねー
232 :
:02/04/24 08:57 ID:jYjhZrbf
そろそろ始まるよーage
233 :
卵の名無しさん :02/04/24 09:08 ID:UbF7PUaK
告らん先生。詳しいご解説、有り難うございます。 では、無症候性脳梗塞とはどのような定義になるのでしょうか?
234 :
:02/04/24 17:53 ID:jYjhZrbf
学会会場で鱒ゾ江用壱ハケーン
一日目おつかれー。トンペーの先生方もご苦労様でした。
>>234 本物?のわけないよね。誰のことかいな?
236 :
no-K :02/04/27 02:20 ID:z+nIWwHS
みなさんお疲れ様でした。 ちなみに脳出血学会は今年度をもちまして終了とさせて頂きます。 次回の脳ドック学会でお会いしましょう。では・・・
237 :
告らん :02/04/27 23:43 ID:mpWqX+e3
JSA感想どうよ?age 個人的には、HackeとWarachの講演が聞けて大感激でした。自分でひとつひとつ 論文を読んで勉強するのは大変ですが、学会だと一度にたくさんの知識が、系統 的に入ってきます。すごく触発される場で、有意義でした。 仙台は美味しいものもたくさんあって、綺麗な街でいいですね。その意味でもと ても良かったです。
238 :
卵の名無しさん :02/04/29 20:49 ID:WApZlitd
脳卒中学会どうだった??
dat入り防止age
ご質問をいくつか無視していました。申し訳ありません。
>>229 ・FLAIRでは原則としてくも膜下腔が無信号になるので、皮質病変の検出に優れます。
・もし、くも膜下腔に水以外のものが存在すれば描出される可能性があります。近年、
閉塞血管が描出されたり、くも膜下出血が描出されることが明らかにされており、特に
後者に関してはCTよりも鋭敏だと考えられています。
・FLAIRはT2強調に近いコントラストになりますが、厳密には少し違います。シーケンス
の最初に180°パルスがかかっているので、T1も比較的強調されます。これはT1コントラスト
の混入のため、通常は良い特長ではありませんが、ごく早期の出血ではメトヘモグロビン
を検出できる可能性があります。
T2強調の代用とするのには賛成しかねますが、以上のような良い特長があり、是非とも
急性期に加えるべき撮像法だと思います。
>>233 今回の脳卒中学会でも、「白質病変」「ラクナ」「無症候性脳梗塞」「虚血性
変化」などさまざまな用語が乱れ飛んでおり、定義が混乱しています。私はこの
分野は無学にして、詳しくは知らないのですが、無症候性脳梗塞については定義
としてリファレンスの論文を出している先生がいました(覚えていませんが)
大まかな言い方では、症候がない比較的大きな病変ということなのでしょうけど・・
うーん ごめんなさい。
告らん先生ファンです。 カッコ(・∀・)イイ!!
ところで、ブッシュの発作は結局脳血管障害なのですか? お菓子が詰まったのは原因でなく結果だと。
ageageageageageageage ageageageageageageage ageageageageageageage ageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageage ageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageageage
246 :
:02/05/18 11:43 ID:9MEMsVnO
(・ω・)モウネタナイノー?
保守
第21回脳神経超音波学会が開催中です(広島)。
ここ1年ばかりの話と思いますが、TCDで中大脳動脈に超音波をあてることにより、
線溶剤による血栓溶解の開存率を上昇させ、あるいは単独でも血栓を溶解する効果が
あることが分かってきています。さすがというか、早速特別講演にその内容がありま
すね。面白そうです。
残念ながら不参加ですが・・・
>>248 ありがとうございます。しかし凄いトリップですね・・・
250 :
鬱だ光 :02/05/24 02:16 ID:9nh3P1bW
>>249 おいおい、、そんなこと自慢げにここに書かなくてもゲラ
国際脳卒中学会でとっくに発表されてるし、いつだったか忘れたけど
にちゃんでもいわれてたろ?放射線科未来スレのパート2くらいで。
定期age
253 :
卵の名無しさん :02/06/06 22:07 ID:NYjCNkLf
age 最近はネタなしでしょうか?
254 :
告らん :02/06/07 13:02 ID:v/C5AfdN
ハンパじゃなく時間がないです(泣 おちついたらDP mismatchをネタにカキコします。メンテ感謝
255 :
鬱だ光 :02/06/08 00:16 ID:NYCkTPzF
>254 今時DP mismatch? 3時間を過ぎた脳底動脈閉塞における、スネアによる塞栓子除去とか(3月のフロリダ) 脳梗塞の既往のある患者で尿酸値が心疾患による志望とか(イギリス発)あるじゃん。 キセノンガスで神経細胞のダメージが減らせるかも、っていうトライアルが始まることに関しちゃどうよ? もっと言えばMRIの話するのならプロペラ法とかFAST IRなんかは興味ある??
256 :
鬱だ光 :02/06/08 00:28 ID:NYCkTPzF
訂正「心疾患による志望の予後因子に鳴るとか(イギリス発)」 に置き換えてくれ。
>>255 >今時DP mismatch?
確かにさして新しい話題でもありませんが、未だ臨床に普及しきれていない概念の
なかで、最もclinical implicationの高いものだと思います。
すでに、DWIのみ、もっと言えばADCの定量のみで、超急性期の虚血脳組織が最終的に梗
塞に陥るかを判断することは困難であろうと考えられています。主に再灌流例で、一旦ADC
が低下した組織が梗塞に陥らないことがあることと、逆に超急性期のDWIでの高信号領域が
しばしば拡大することの相反する現象が知られています。
ところが、ADCに加え、perfusion MRIで得られたいくつかの定量的指標を組み合わせる
ことにより、最終梗塞に陥るかどうかがacuuracy 80%前後で予測可能という報告が、なさ
れています(MGHのDr.Sorensenらなど)。いまやDP mismatchを定量的に評価することに
より、ischemic penumbraが画像化できる時代になりつつあるのです。
>3時間を過ぎた脳底動脈閉塞における、スネアによる塞栓子除去とか(3月のフロリダ)
う、知らない。
>キセノンガスで神経細胞のダメージが減らせるかも、っていうトライアルが始まることに関しちゃどうよ?
これまた知らない。ここはひとつ語ってみませんか?
>もっと言えばMRIの話するのならプロペラ法とかFAST IRなんかは興味ある??
PROPELLER(Periodically Rotated Overlapping ParallEL Lines with Enhanced
Reconstruction)は、非常に重要な撮像技術だと思います。位相/周波数エンコード
方向にそれぞれ特有のアーティファクトを360°に分散させることが可能です。よくこ
んなこと思いつくなと感心してしまいます。
Multishot Diffusion-Weighted FSE Using PROPELLER MRI
Magn Reson Med 47:42-52
手元にこんな文献がありますが、この方法で撮像されたDWIは歪みも磁化率アーティファクト
も少ない、極めて美麗な画像です(但し45分かかるそうですが)。SENSEと併用して、速くなん
ないかなあ。
うわーい、告らん様復活♪ (済みません皆様、専門的なお話じゃないですね。ではでは)
260 :
:02/06/21 01:57 ID:l4dOGtWQ
毒キノコが書きこんだあとは廃虚と化す罠。
261 :
卵の名無しさん :02/06/23 10:41 ID:hyp1CKrZ
age
262 :
_ :02/06/25 02:27 ID:KNCjAFyY
毒キノコが書きこんだあとはストーカーが騒ぐ罠。
263 :
卵の名無しさん :02/06/29 17:34 ID:8NB8ZzKk
age
基礎の方々,ラジカットってどうよ?
265 :
卵の名無しさん :02/06/29 23:21 ID:dM6d2PuB
もっと具体的にお願いします。
>>264 まずは1-phenyl-3-methyl-5-pyrazolone OR edaravone OR MCI-186で検索して
みて、なにか疑問点を整理してみたらいかがでしょうか?
267 :
はげ :02/07/07 04:53 ID:kMG30Xuz
あげ
急に暑くなったせいか、脳梗塞再発が増えて来ましたな。
近日中に再開予定age
>>268 ちょっと増えてきたかな。ここ1-2日ですけど。その前までは夏枯れというか、随分
楽させてもらってました。
しかし、AHAの〆切がだんだん迫ってくる。ヤバ
あげ
ちくろぴじんしんぽぢうむ 参加した人います? どんなネタだった?
272 :
卵の名無しさん :02/07/18 22:11 ID:aeoBiLbG
273 :
脳下界 :02/07/19 13:22 ID:+MCZF16S
stroke centerということなので SAHでもいいですか? 先日、DINDで一人失いました 来院時 H&K Gr II Fisher 3でした Acomにあり、右全党即答回答でオペ 4日目より意識障害出現 tripleH、アルブミン、一応、カルシウム拮抗材もやった 7日目CTにて両側ACA領域に梗塞巣、14日目に両側MCA 左PCAがアボーン 重篤なDINDを治療するいい方法はないですか まじレスキボンヌ
274 :
卵の名無しさん :02/07/19 23:18 ID:u0XFshY+
spasmですか?動注はやってみた? 効くか効かないかはわからないけど
275 :
脳下界 :02/07/21 11:56 ID:PJlvBeJa
道中は、2回ひどい目に会ったので やってない なぜかはわからんが 2例とも genuのあたりに出血したんだよな ソレニ,一時しかきかんだろ えんぱぱ まじで、いい方法ないかな 先日の症例45歳だったんだよな 妻、子供を見てたら泣けてきたよ
276 :
いのげ :02/07/21 12:16 ID:ElUGALaF
イソゾールとかどうよ?
277 :
卵の名無しさん :02/07/21 23:07 ID:ub0oRoyI
動注はいちどやってしまうと spasmがくるたびに何度でも やり続けなければならない…
278 :
告らん ◆EBMRIGas :02/07/22 00:10 ID:jzDD9sjP
数年前に、脳表をウロキナーゼで灌流してspasmを予防するなんてのもありましたが いかがなもんでしょ?
279 :
いのげ :02/07/22 00:16 ID:x1c34ZeM
福島の児玉先生の世界ですな。ぺーぱーもいぱーいあるしい よくききまっせ 灌流できたら スパはすくないきがする。
直感的には恐ろしいですがね>ウロキナーゼ灌流 破裂した血管があるところに線溶剤を24時間流しているわけですから。
281 :
いのげ :02/07/22 01:12 ID:x1c34ZeM
もちろん クリッピングできてからです!! ところで 抗リン脂質抗体の脳虚血には 抗凝固と抗血小板のどっちがいいんですか? 神経内科医にきかれてこたえられなかった(゚д゚)マズー
283 :
脳下界 :02/07/22 09:07 ID:Rw71qTl6
ウロキナーゼ還流ですか・・・ 入れた分だけ、ドレーンから出てこなくちゃいけない めちゃめちゃ面倒だと聞いたのですが・・・ やっぱり、だめなのかななにやっても >いのげせんせい 専門医のときは抗凝固と覚えたのですが… ちなみに、先生はhigh positionのAcom AIHですかpterional appですか?
284 :
:02/07/23 20:13 ID:Lr+x79Rs
ivtpa治験開始!、しかし、controlなしのopen trialで、NINDS t-pa study groupの結果よりも症候性脳出血が少なければよろしいというもの。 ticlopidine 異例の二度目の緊急安全情報! クロピドグレルは間に合うか! ミスチル桜井君、小脳梗塞に散る? など、再びこの業界も騒がしくなってきたage
ラジカットで死亡例3例! 原因は肝不全・腎不全 ってのもありますな。
《ラジカットについて》 edaravoneの治験はどうも怪しいところが多すぎます。エントリーの症例数の約1/3 の症例しか解析していない。NIHSSなどのstroke scaleが評価されていない、など です。まだ、英文論文も発表されていません。 実際にうちのグループでラジカットを使用した経験では、その半数以上にトランス アミナーゼの変動が出現しています。一部は投与期間中に中止しています。発売当初 の添付文書には肝機能障害の記載がなく、2001/11に追加されましたが、これも、実 感として非常に肝機能障害が高頻度に生じる割には、なにか遅すぎる対応のように思 えます。 どうも不透明さをぬぐいきれません。 今回の死亡事例ですが、10万人ほどの使用経験のなかで3例であれば、そこまで怖が らなくても良いかもしれませんが、どうもこういった情報の不確かさから、私は積極 的に使う気になれない薬物です。
じゃあCESの治療はどうしてるのさ?
289 :
いのげ :02/07/28 10:54 ID:U722yRpM
ラジカットは発症当日の投与ではSPECTでCBFが下がるので 翌日からの方がいいそうな それまでぺなんぶらがもつんかいな?
>>288 血栓溶解ができればやる。基本的には抗凝固療法が中心。あとは補助的に浸透圧
利尿剤の投与とか、低体温療法とか。重症例にはラジカット使いますよ。
>>290 今年の脳卒中学会で、edaravoneの脳血流に与える影響はいくつか発表がありまし
たね。内容は・・・忘れた(w あまり印象に残っていません。
PETで検討してみるといいんだけどねえ。
話題もないがageとくか
293 :
卵の名無しさん :02/08/14 01:56 ID:85PkyrGj
原因でなく結果だと。
294 :
いのげ :02/08/14 01:59 ID:VxW/yTRU
告らんグループのえだらぼん使用症例数はなんぼですか?
295 :
CCM :02/08/14 03:04 ID:vnB0xHWf
AGE
>>294 どうだろ? えだらぼん発売後100例くらいは使ってるはず。確かに脳浮腫出ないナア
って症例さんもいますけどねえ。
297 :
卵の名無しさん :02/08/16 19:46 ID:7mHsiqr9
>>296 そうか?2、3年後には消えてなくなってそうな気がする。
ニコリンと大してかわんねえじゃん
298 :
ふみぽん :02/08/17 06:36 ID:v9Gu7QNI
>告らん先生 超急性期脳梗塞のdiffusionについてですが、ischemic penumbra同定のために 無条件でそのままperfusionを施行する場合と、FLAIR画像と比較して適応を決める場合と、 diffusionとルーチン撮影のみで終わりという所と、施設により様々のようですが、 先生のところではどうされてますか?
299 :
きゃお :02/08/19 15:10 ID:6w+SZ1mw
困っていまちゅ。深部静脈血栓症か心原性塞栓に伴う両側傍正中視床梗塞なのでちゅがTATのみ高値でどうしようかにゃ? うち、下肢静脈エコーもエアバブルチェックもできないし−−−。こういったさいにワーファリンなど使いまちゅか?
>>298 発症6時間以内であることが確実であれば、FLAIRでの病変描出の有無にかかわらず、
DWI/PWIを是非とも撮像すべきだと考えます−>血栓溶解療法の適応が生じうるため。
T2での信号変化が生じていることを理由に血栓溶解をためらうエビデンスはありま
せん。
6時間を越えた症例では、実際に生じている梗塞よりも症候が重症である場合や、主
幹動脈病変がある場合は撮像の適応となると考えますが、この場合はSPECTやPETの
方が定量性に優れるため、あえてPWIを選ぶこともないと思います。
>>299 Top of the basilar syndromeを疑っているというところでしょうか。
もし明らかな再還流があれば、塞栓性脳梗塞を疑い、抗凝固療法をやるべきでしょうね。
また、そうでなくても、塞栓源となりうる基礎心疾患(心房細動、心内血栓を生じる心
筋症や心室瘤、右左シャント)があれば、原因が特定できなくても抗凝固療法をすべき
でしょうね。
でも、患者さんはひょっとしてバリバリの意識障害ではありませんか?
302 :
ふみぽん :02/08/24 09:32 ID:UHB4ytk7
>>301 丁重なレス、誠にありがとうございました m(_ _)m
何だかDAT落ちになりそうな
304 :
卵の名無しさん :02/08/30 15:12 ID:SrT/foUL
保全age
やばいやばい、DATに逝ってしまう
306 :
卵の名無しさん :02/09/08 21:33 ID:V3/WFnlc
閉鎖ハンターイ
dat 落ち防止
308 :
無神経外科医 :02/09/11 15:54 ID:f0nL5V2k
お初です。 皆さん出血性脳卒中の降圧は何をお使いでしょう? 最近、長らく愛用していたペルジピンの静注が引っかかるようになりました。 まあ能書き見れば出血性疾患は「禁忌」と書いてあるわけですが… ヘルベッサーよりも使いやすくて良い薬だと思うんですがねぇ。
普通にぺるじぴん使ってますが、何か?
310 :
無神経外科医 :
02/09/13 14:39 ID:UgSxpngl