>>212 約束 〜再会〜
あの日の別れから4年後。
僕は夢を叶え、教師となった。
あの時、僕に教師になる夢を確かなものにしてくれた彼女。
ちょうど、今年だろうな。
桜の満開になった校庭を見ながら思った。
あの日の約束。僕はまだ覚えている。
幼い彼女のまっすぐな言葉。
「好きです。一生、添い遂げて下さい」
凛とした女性の声。
おろしたての制服に身を包んだ少女。
初めて会うはずなのに、何処か懐かしかった。
「約束。果たしてもらいに来ました」
「まさか、僕の赴任先を受験していると思わなかったよ。おめでとう、クー」
「いっただろ。必ず探し出してみせるって」
桜の舞う季節。
僕は彼女と再会した。
あぁ、約束か。僕は履行のしるしとして彼女と唇を交わした。
以上です。
原文丸写し&sage忘れ申し訳ございません。
221 :
ほんわか名無しさん:2010/03/26(金) 23:45:19 0
>>212の派生した話、ありがとう
過疎ってたから誰も反応してくれないかと思ったよ…
素敵ついでに社会人二年目を励ます感じのもお願いします。
>>221 二年目の君に
「もう、一年が終わるね」
「早いものだね。あんなにあたふたしていた春が嘘のようだ」
「やめてよ。恥ずかしい」
「ふふふっ。可愛かったよあのときの君は」
「クー。僕、まだ不安だよ」
「うん。でも、少しずつ成長していると感じているはずだよ」
「うん」
「私は、待っているよ。君が、準備できるのを」
「もうちょっと、待たせるかも」
「構わないさ。君の成長を見守るいまが楽しい。共に生きるのは少し先でも変わらないさ」
「クー。花見に行こうよ。良い天気だから」
「そうだね。行こうか。桜餅を買ってから」
桜並木を歩く二人。
新しい道を歩みだして2年目の二人を。
桜はやさしく包み込む。
223 :
ほんわか名無しさん:2010/03/28(日) 15:25:07 0
>>222 何か元気出てきたー
ところで俺のクーはどこですか…
お前らGJ!!
規制解除きたから投下すんぜ!!
女「おや?」
男「どうしたの、クー」
女「ここに置いてあった私の下着を知らないか?」
男「(ドキッ)いや、知らないなぁ……」
女「……君は嘘が下手だな」
男「ごめん……」
女「私の下着、どこへやったんだ?」
男「マスターベーションに使って、そのまま洗濯機に…」
女「全く、私というものがありながら、下着で自慰とはやってくれる」
男「すみません……」
女「罰として、今夜は寝かさないから覚悟しておくように」
男「はい……」
男「桜、綺麗だね」
女「あぁ」
男「なんか、去年も同じこと言った気がするね」
女「あぁ」
男「覚えてる? クーと同棲するって決めた時も、桜が綺麗な季節だったよね」
女「あぁ」
男「……クー、聞いてる?」
女「すまない。君があまりに素敵で、桜以上に見とれてしまっていたよ」
男「それは俺の台詞だよ」
女「駄目だ、ちゃんと言葉にして言ってくれ」
男「じゃあ、可愛いって言われるのと綺麗って言われるのと、どっちがいい?」
女「もちろん、君が囁ける愛の言葉全て」
男「欲張りだね」
女「まだ足りないくらいさ」
女「男、好きだぞ」
男「知ってる。俺も好きだよ」
女「男はどのくらい私のことが好きなんだ?」
男「そうだね。地球を回って、月に飛び出すくらい好きかな」
女「それじゃあ私は、この宇宙から溢れ出るほどの愛情を君にあげよう」
男「はは、それは困るなぁ」
女「な、何故だ?」
男「だって、クーの愛情でいっぱいになったら、俺の愛情の行き場がなくなっちゃうよ」
女「大丈夫だ。宇宙は私の愛で絶えず膨張している。だからいかんなく私に愛を注いでくれ」
男「…それはちょっと怖いなぁ」
228 :
ほんわか名無しさん:2010/04/08(木) 02:15:42 O
GJの嵐
君と見た桜
「こんな風に、過ごすのも悪くないよね」
「そうだな、満開の桜の下で君と弁当を食べる。風流だ。だが、」
「君とならどんな時も楽しい。でしょ」
「むっ、先に言われてしまった」
「何年付き合ってると思ってるの」
「数えるのが野暮さ」
「そうだね。毎年同じように過ごす。これが楽しみ」
「繰り返しのつまらなさ。誰かはそう言う。けれど、私は君と繰り返し過ごす日々。それが楽しく、大好き」
余韻がいい
GJ
花の冷える春に
「寒い。抱いてくれ」
「はいはい」
「うん。ぬくぬくだ」
「本当に、寒いよね。4月もなかばになるのに」
「まったくだ。くしゅっ」
「風邪?」
「違うと思う」
「気をつけなよ。気温差激しいんだから」
「風邪ひいても、君がいるから大丈夫。そして、君が風邪ひいても大丈夫」
「二人して風邪ひいたら?」
「なんとかなるさ。それよりも、もっと強く。うん、ぬくぬく」
春の花が冷える寒い夜中。
夜明けを待つ二人。
夜を越すための温もりは二人の体温。
232 :
ほんわか名無しさん:2010/04/21(水) 20:41:54 0
>>231 「クー、もうだめだ・・・頑張れない・・・」って言おうと思ったけど、
あなたのおかげでもう少し頑張れそう。
乙!!
貴様の書くクーにはいつも萌え尽かされるぜ…
葉桜の下木洩れ日の中で
「そういえば、今年は桜を見にいけなかったね」
「うん。忙しかったから仕方がない。でも、こうしてゴールデンウィークに休みが取れたんだ。いいじゃないか」
「そう考えれば、結構大きな報酬だね。クーは、どこに行きたい?」
「いまさら、宿は取れないだろうからね。家で君と過ごすもの悪くない」
「DVDでも、借りようかね」
「うんっ。おっ」
「どうしたの? 急に見上げて」
「日差しが、葉桜を通してやさしく感じてね」
「きれいだよね」
「桜は、見れなかったけど。葉桜もきれいだよね」
「クーも、きれいだよ。木洩れ日に照らされる笑顔も、葉桜のきれいさに気付くところも」
「ははっ。今日は、少し暑いね」
「天気がいいからね」
皐月の日差し。
桜木の下。
やさしい木洩れ日は。
二人を包む。
アイスクリーム
「あっ、クー。アイスクリームの割引やってるよ」
「本当だね。行こう。もちろん、君のおごりだね」
「了解しましたよ」
……
「うん、暑い中で食べるアイスは格別だね」
「だね。クー、そっちはおいしい?」
「美味しいよ。一口どうだい」
「戴きます。…うん、おいしいね」
「じゃ、私も一口貰おうかな」
「どうぞ。んっ!」
「……むっ。私のアイスと同じ味だ」
「それはそうでしょ。僕はクーのアイス食べた後なんだから」
「失敗。早く自分のアイスを食べる作業に入るんだ!」
「いいけど、キスはお断りします」
「いけず〜。そういうなら、こうだ」
「あ〜。一気に半分。もう…」
「うん。おいしい」
悪戯な笑顔で笑う彼女。
父親のような困り顔で笑う彼。
皐月の空の下。
暑い、青い春のひとこま。
GJ!!子供っぽいクーも可愛いねwww
母の日 騒がしき六重奏
「クー。今日は母の日だけど、何かしてあげるか決めたの?」
「カーネーションを考えている。母は、花が好きだからね。君は?」
「無難に、ケーキかな。母さん、カーネーションの鉢植えとか買っても枯らすだけだろうし」
「いや、わからないぞ。君のお母さんに送ってみるといい」
「でもなぁ」
「よし、こうしよう私が君の義母さんにカーネーションを送る。そして、君は私の母にケーキを買ってあげてくれ」
「なんか、一部含みある言い方が聞こえたけど、それもいいかもね」
「うん」
……
「お母さん。いつもありがとう」
「あらあら、クーちゃんありがとう。大事に育てるわね」
「お母さん、僕からも」
「まぁまぁ。お義母さんですって! きゃ〜! あなた〜、聞いて聞いて! クーちゃんの彼がお義母さんですって! 今夜は赤飯よ〜!」
「はははっ。めでたいねぇ。でも、お母さん待ちなよ」
「おじさん」
「君はよそよそしいなぁ。気軽にお義父さんと呼んでくれよ。お母さんばかりずるいよ。お母さん、鯛の尾頭付きも忘れちゃいけないよ」
「クー、止めて」
「ふふふっ。甘美な時間を止めるような野暮な真似を私はしないよ」
「大変なことになっているような気がするんだけど」
「気にしない。早いか遅いかのだけだ」
「気にしてよ」
「そんなことより、次は君の家だな」
「はい」
「お母さん。はい、母の日の」
「今年もケーキか。貴様は、あたしを太らせたいのか?」
「母さんは、太っていないでしょ」
「言ってみただけだ」
「お義母様。これは私から」
「おっ、カーネーションか。こいつはこういうのをくれないからな単調すぎる。ありがとう、義娘よ」
「お義母様。もし、世話が苦手なのでしたら私がお世話しに来ます」
「んっ〜。気の効く良い子だ。でも、あたしはもっと欲しいものあるな」
「えっ? なに?」
「孫」
「いますぐにでも」
「クー、今すぐなんて生物学的に無理!」
「来年頼むわ〜」
「お母さんもたきつけないで!」
「うーん。お父さんからもよろしく」
「お父さんも便乗しないで」
「よし、さっそく子作りに行こう」
「まって、今夜は家族で焼肉だから」
「精をつけて頑張るわけだな。私は君を見直したよ」
「男なら肉なぞに頼るな」
「お父さんのすっぽんドリンクいる?」
「こらこら、それは今夜使うだろ。おっ、そうだ。せっかくだ、クーちゃんちのご両親と一緒にしよう」
「いいですね。では、さっそく連絡してきます」
「良い子だな、ほんと」
「だねぇ。昔のお母さんそっくりだよ」
「こら、恥ずかしいことを言うな」
「はははっ。照れる君も可愛いよ」
「……車準備しとく」
「じゃ、母の日にかんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」」
「さぁ、君はいっぱい食べるんだ。そして私と子作りへ」
「行きません」
「貴様にありがたい言葉をやろう。『据え膳食わねば男の恥』だ」
「お母さん。耳つままないで」
「あらあら、クーちゃんダメよ〜」
「おばさん」
「結婚式挙げてからじゃないと、きれいなドレスが着難くなっちゃうわよ」
「そっち!」
「むっ。それもそうだ。どうしよう?」
「潤んだ目で僕を見ないで」
「大丈夫だ、来月6月だから来月式を挙げたらいい6月の花嫁で粋だろ。そしてからつくれば来年に間に合うさ」
「お父さんたち止めて」
「いや〜、悩みますなぁ。うちは娘一人だから男の子がいいなぁ。息子とキャッチボールが夢だったんですよ。娘が相手してくれたんですけど、物足りなくて」
「はははっ。だったら、うちの倅を変わりに使ってください。私も同じ夢をもってましてね。かなえましたよ」
「大リーグ養成ギブスもどきをつけてキャッチボールが夢だったのか父さん……」
「孫が生まれるとなると、ランドセルを買ってあげる権利にも悩みますね」
「そうですねぇ。爺として何かしたいですしねぇ」
「よし、こうしましょう。私は娘にランドセルを買いましたので、男の子だったら私が。女の子だったらおたくが、というのは」
「そうしましょう。運ですから、公平ですしね」
「あぁ、皆暴走している」
「大丈夫だ。私は、いつも冷静だ。さぁ、肉もいい感じに焼けたぞ」
「クー。ありがとう」
「結婚式の費用も、出産の費用も心配ない。母とお義母様がそういってくれたぞ」
「問題解決してないけど、ある意味解決してしまったね……。クー、結婚しよう」
「よろこんで」
騒がしき六重奏
奏でるは愛の歌
演じるは喜劇
劇はまだまだ続く
>>239は母の日騒がしき六重奏2/3です
昔のハンドルが残ってました。申し訳ない。
脳内保管よろしくお願いします。
>>238です。
たびたび申し訳ない。
母の日に滑り込み書き込み出来てよかったです。
皆さんと皆さんの母に幸あれ!
お前らGJ!!俺も書きたいのに規制がウゼェ
仕方ないから皆の書いたクーでしばらくニヨニヨしとく
243 :
ほんわか名無しさん:2010/05/12(水) 00:13:27 0
しかし、素直クールな娘が出てくるアニメとか無いものかなぁ……
ダイエット 〜ドラマみたいな恋愛に〜
「クー、何しているの?」
「んっ? ストレッチだよ。んっ」
「けっこう、ハードな動きだよね」
「ダイエットにもなるらしい。んっ、あっ」
「クーはダイエットする必要ないでしょ」
「かもな。でも、この体形を維持したいんだ」
「どうして?」
「君のためというと少しうそになるね。ドラマのさ」
「うん」
「主人公がどんなに冴えない男でも、ヒロインがきれいならそこでドラマが広がる。私は、君とずっとドラマを演じていたい。そんな独り善がりな理由さ」
「クー、意外とロマンチックだね」
「意外とは失礼な。私だって女の子なんだ。ドラマみたいな恋愛もしたいさ」
「僕で、いいのかな? そのドラマをつくる相手は」
「君じゃないと意味がないさ」
「ありがとう。でも、恋愛ドラマがおわった後はどうするの?」
「ホームドラマが待っているさ。なんなら、今からホームドラマに変えるかい?」
「そう急がなくてもいいんじゃないかな。現実はドラマのようにシナリオどおりにはいかないんだから」
「そうだね」
彼と彼女が演じるドラマ
それはながいながい終りの知れないドラマ
今日も二人は演じている
ダイエット 〜そのままの君で〜
「クー、ダイエットってどうしたの?」
「少し、太った気がするのでな」
「んっ〜。僕は今の肉付きが好きだけどなぁ」
「君はたまにいやらしいことをさらっと言うな」
「いやらしいかなぁ。まぁ、いやらしいかもしれないけど。僕は今のままでもいいと思うよ」
「ありがとう。でも、決めたからには少しは運動しようと思う」
「なら、僕も付き合うよ」
「うん」
ダイエット
昼下がりの公園
並んで歩く二人
きっと、彼女は幸せ太り
やせる道は
まだまだ遠い
246 :
ほんわか名無しさん:2010/05/22(土) 01:23:58 0
GJ!!
素直クール懐かしいな。
248 :
ほんわか名無しさん:2010/06/02(水) 20:47:18 O
ひさびさの規制解除なので一言いいですかね?
GJすぎ
書き込めたらお題募集する!
>>249 素直クールの愛情表現百連発!
うん、無茶振りだとは思う
251 :
ほんわか名無しさん:2010/06/11(金) 22:20:40 0
解
夏の入り口
「夏だな」
「そうだね」
「梅雨が来て、梅雨があけて、夏が来る。君との思いが膨らむばかりだ」
「クーは、どんな風に過ごしたいの?」
「梅雨に相合傘をして、夏の海で君を悩殺して、祭りを君と楽しみたいな」
「風流だね。でも、悩殺は勘弁して欲しいかな」
「黒のビキニとブラジル水着とスクール水着の準備は出来ている」
「何故、そんなものを」
「両親の助言で」
「素直に訊かなくていいから」
「君が喜ぶと訊いて。君はいやか?」
「嫌いじゃないけど、クーは恥ずかしくないの?」
「君が喜んでくれるのなら、どんな格好でもするよ」
夏の入り口
暑い夏は始まったばかり
クー最高
>>250 君とつづる物語
君に毎朝味噌汁をつくって
君に目覚めのキスをして
行ってきますのキスをして
同じ道で出かけて
同じ空の下で昼食をたべて
夕焼けの中二人であるいて
夕食を一緒に食べて
一緒にお風呂に入って
一緒に寝る
そんな毎日を送ることが出来るなら私は幸せさ
小さな愛も積み重なれば大きくなる
もっとも、私の君に対する愛はいつも大きいんだけどね
理想を語る彼女
その理想を本当に実行しそうで
彼は照れながら笑った
そんな夏のある日
あいまいな関係
「好きだと伝えて、二つ季節が過ぎた。けれど、答えはもらっていない」
「うん」
「こうして、二人で会うということは君は私を嫌いじゃないと思うのだが」
「うん、好きだよ」
「あいまいな関係にけりをつけよう。改めていう、私と付き合いってくれないか。長い長い付き合いを前提に」
「はい、よろこんで。ごめんね。返事し忘れて」
「まったく、普段しっかりしている君がどうしてこんなにも」
「居心地が良かったんだよ。クーと自然体でいれる関係だから」
「私は、たまに不安になってたよ。まったく、君は意地悪だ」
「かもね。これからも、お願いします」
あいまいな関係
新しく始めるための明確な線引き
確かめたい彼女と
そのままにしたかった彼
新しい関係のはじまり
うおぉぉぉぉぉぉぉぉシベリアからGJうぅぅぅぅぅ!!
無茶なお題の華麗な消化に脱帽・最敬礼!!
反面、最近の素直三姉妹スレの過疎っぷりが悲しい俺がいる
規制早く解けやがれ……
257 :
1/2:2010/06/20(日) 21:20:59 0
クーが勉強を教えろと言う。
「いや、全然構わないけど、お前の方が成績良くなかったか?」
確か、前のテストで学年一位だったような。つか、学校でも飛び抜けて頭が良かったような。天才と称される人物だったような。
「大丈夫。問題ない」
「いや、何が」
「いいから教えろ。クーに教えろ」
「は、はい」
ずずずいっと押しきられる形で、クーに勉強を教えることになった。
「えーっと、じゃあ英語でも。不定詞の用法とか」
ぺらぺらと英語の教科書をめくってると、クーが口を開いた。
「to+動詞の原型だな。名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法がある。それぞれ〜すること、〜するための、〜するために、といった意味になるのだな?」
「…………」
「どうした? もっとクーに教えるがいい」
「……あー。えっと、じゃあ、現在完了とか」
「完了、結果、継続、経験を表すときに使うのだな。have(has)+過去分詞で表される。少々理解し難いが、よくテストに出るので頑張って覚えた方がいいのだな?」
「……あの、クー」
「なんだ? いっぱい勉強を頑張ったクーを褒めるか? いいこいいこするのか?」
「しません」
「馬鹿な!? 不可解だ……」
「そんな力いっぱい驚くことか。ていうかだな、クー。これのどこが勉強だ?」
「クーがオマエにいっぱい教わっている。どこをどう見ても勉強だ」
「俺が教えようとした事柄を、全て即座に説明されることのどこが勉強だ」
「違うのか?」
「違います」
「むぅ。まぁいい、続けろ。クーはもっとオマエに勉強を教わりたい」
「いや、だからこれは勉強でも何でもなくてだな」
「ああ、そうだ。思い出した。勉学の際は、こうした方が能率が上がるというのを以前論文で見たことがあるような気がするということにする」
クーは突然立ち上がると、てってここちらまで歩み寄り、俺の膝の上に座った。
「うむ。これで能率は格段に向上するに違いない」
「酷すぎる言い訳はともかく、あの。クー?」
「なんだ? ……ああ、そうか。クーも同じ気持ちだ」
何も言ってないのに、クーは俺にべそっと抱きつき、すりすりとほお擦りした。
258 :
2/2:2010/06/20(日) 21:21:42 0
「いやいや。いやいやいや。俺が言いたいのはだな」
「……むぅ。クーはちゅーがしたくなってしまった。するぞ?」
「ダメだ」
「不可解だ!?」
「イチイチ叫ぶな。ていうか、なんで俺の方を向いてんだ」
勉強をするのなら、机の方を向いてなくちゃ当然できない。だというのに、クーは何を血迷ったのか俺の方を向いている。つまり、お互い抱き合った形で収まっている。
「クーはいつだってオマエを見ていたいんだ」
「それは大変にありがたい話ですが、勉強教えろって話じゃなかったっけ?」
「ああ、それはもういい。そもそもクーには不要だ。クーの成績を知らないのか?」
「俺が最初に言いましたよ」
「忘れた」
しれっと抜かしやがりましたよ、コイツ。でこぴんしてやれ。
「にゃっ。……女の子に暴力を振るうだなんて、オマエは酷い奴だ」
クーはおでこを押さえ、ちょっぴりうるうるしながら俺を責めた。
「クーだけの特別扱いだ」
「……むう。酷い特別だが、それでも特別という響きが、なんだかちょっぴり嬉しいぞ」
「そいつぁよござんした」
乱暴にクーの頭をわしゃわしゃなでる。
「おお、おおお。クーはそれ好きだ。オマエになでられると、心がぽわぽわする」
「奇遇だな、俺もクーをなでるとぽわぽわする」
「うむ。一緒で嬉しい限りだ。……クーは嬉しいが、オマエも嬉しいか?」
「そうでもないよ?」
「不可解だ!?」
「だから、叫ぶなっての」
適当言ったらまた驚かれたので、むにむにとほっぺをこねて叫ぶのを防ぐ。
「うに、うにー。……オマエはクーが理解できない初の生物だ。だから、今日も勉強と銘打ち、オマエを観察しようとしたのだが……どうしてこうなっている?」
俺にほっぺをむにむにされながら、クーはどこか残念そうな口調で言った。
「俺に抱っこされた時点で狂ったのではないかと思います」
「やはりか。やはりオマエがキーか。うぬぬ、もっともっと観察する必要がある。だから、今日泊めろ。一緒にお風呂も入れ。寝るときも一緒だ。朝もちゅーで起こせ」
「全部お断りします」
「不可解だぞ!?」
とてもうるさいクーだった。
GJ!!正直勃起した
一人称がクーの素直クールって何だか斬新
何もない時間
「クー、珈琲と紅茶だったらどっちがいい?」
「君が入れてくれるならどちらでも、というところだが今日は紅茶かな」
「了解」
……
「ねぇ」
「なに?」
「こうして、茶葉が開く時間。幸せだと思わないかい?」
「どうして?」
「何もない時間。待つだけの時間。時間がたてばあるのは幸せなひと時。でも、その前の何もない時間が幸せだと思わないかい」
「うーん。僕はこうしてクーとしゃべっているほうが好きかな」
「ふふふっ。嬉しいことをいってくれる。何もしなくても幸せを感じれる関係。傍に入れる関係。私はそれを誇りたい」
「あ〜。なんというかなぁ。当たり前って感じになってるんだよね。クーといるのが」
「それが、幸せだと私は思うんだ」
何もない時間
感じるのは当たり前な時間
でも
それは幸せな時間
選挙へ行こう
「よしっと、投票終了。クー、お待たせ」
「おつかれさま。じゃあ、晩御飯を食べてから帰ろうか」
「そうだね。ところで、クーはどこに入れたの?」
「秘密だよ」
「入れた後なんだし、教えてくれたっていいじゃないか」
「政治の話は、好きじゃないんだ。後は、開票されるのを待つだけだしね」
「そうだね。住みやすくなるといいよね」
「まったくだ。でも、君がいれば何とかやっていけるかな」
「なんとかやっていかないとね」
「一人で生きていくのが難しい世の中だろうけど、君がいれば私はずっとやっていけるよ」
「クー」
「年老いて、孫が生まれて、私達と同じような恋愛が出来る世の中だといいなぁ」
「そうだね。未来を、つないでいかないとね」
手を握る二人。
一つの権利で願うは遠くまでの幸せ。
幾多の義務を背負うは生きゆく生業。
想い馳せるは遠い未来。
先に続く幸福。
暑い日 熱い二人
「暑いね」
「まったくだ。シャーベットが美味しい」
「クー、僕にも一口」
「んっ……」
「ぷはっ。逆に暑くなったんですけど」
「ふふふっ。熱く燃え上がろう。まぐわう方が涼しいらしいぞ」
「あー。それもいいかもねぇ」
「むっ。今日は積極的な」
「あーっ、クーの肌気持ち良いー」
「こら、私で冷をとるな。私のときめき返せ」
「勘違いさせているのはクーのほうでしょ。厚いからじっとしてよう」
「そのかわり、このままだぞ」
「はいはい」
夏の一日
連日の暑さ
二人の愛は熱く燃える
熱中症の騒ぎが出ていますので、皆さんお気をつけください。
水分、塩分をこまめに取って無理をしないでくださいね。
夏休み。付き合って半年の先輩クーさん。今は女子大生だ。
彼女の部屋で俺は昼下がり、受験勉強をさせてもらっていた。
「ふむ。男君、よくやった。これで今日のノルマは達成だ」
「ふぅ……ありがとう、クーさん」
「さて今日は七月二十六日なわけだが」
「いや、それ昨日」
「む、訂正しよう。七月二十六日だったわけだが」
「うん。なに? なんかあった?」
「ヒントを出そう。エレキテル」
「は? 唐突ですね。歴史の問題か……うーん」
「1945年のポツダム宣言ではないぞ」
「いや、それ習ったけど日にちまでは知らなかったよ」
「そうか。ならば、次のヒントだ。夏バテ防止」
「んん? エレキテル……って平賀源内?」
「そうだ。良いぞ」
「それで、夏バテ防止って言えば……」
「言えば、なんだ?」
「四谷怪談?」
「……全てが違う。君に期待したわたしが馬鹿だった」
「ひどいな。解ってますよ、ウナギでしょ。土用の丑の日」
「なんだ、解っているならちゃんと答えてくれ」
「てか、クーさんこそ、遠回しに言うなんて珍しいじゃないですか。
ウナギが食べたいなら、いつもみたいにストレートに言えばいいのに」
「……君はどちらかというと、遠回しのほうが好きなのだろう? 慎み深くて女の子らしいじゃないか」
「……俺はどっちでもいいです。だって……」
「だって?」
「どっちもクーさんだから」
「そうか……。うむ、ありがとう。では、一日遅れだがウナギを食べに行こう。わたしのおごりだ」
「え、あ、ありがとうございます」
そうして、俺達は暑い中、歩いて商店街に行き、小さな鰻の店で鰻丼を食べた。旨かった。
店を出ると、クーが俺を見てわずかに口元をほころばせた。
「なんだ、男君。唇の端に米粒が付いているぞ。取ってやろう」
そう言って彼女は俺の唇の米粒を取って、自分の口に入れた。
擬音にするなら、ヒョイパクッという感じだ。
「って……食べるんですか、俺の顔に付いてたのに」
「ん? 当然だろう。お米は大事にしないとな。それに君の顔に付いていたんだから、
余計に食べたいに決まっている」
「うう……」
「どうした。こういうストレートな言い方も好きなんだろう。
だから、わたしはわたしらしいと思うほうを選んだんだ」
「はい。そうですね、それが一番だと思います」
「ふむ。さて、帰ったら今度は君のウナギを食べさせてもらおうか」
「そうですね……って、えええっ?!」
またほんのわずかに口元を緩めて歩き出す、彼女の涼しげな横顔に、
俺は一生勝てないな……と思った。
268 :
ほんわか名無しさん:
>>267 ストレートな言い方・・・大好きに決まってる。