>>934 おいおいこれは…GJってレベルじゃねーぞ
>>934 ここに。
毎週金曜日と月曜日もVipに立っているからチェックするといいんだぜ。
>>934 これ素晴らしすぎるよ
また次回にすごく期待だ
GJ!
ということで素晴らしい後に気が引けるけど
こっちも1つ投下
つ【海水浴】
4レスほど借りるよ
ク「すまない。男よ。更衣室が混んでいてな」
男「待ってないよ。大丈夫だよ」
ク「しかし、今日は晴れてよかったな。絶好の海水浴日和だ」
男「うん。ちょっとシーズンずれちゃったけど、本当にいい海水浴
日和の天気だね」
ク「今日のために水着を新調したのだが、どうかな?」
男「クー…///…とっても…///」
ク「ふふ。顔を赤くしてしまって実にかわいいぞ。こんな幼児体型
の私でもそんなに魅力的かね?」
男「うん…///…クーは…///…とっても…///…かわいいよ…///」
ク「愛する君にそう言ってもらえるととても嬉しいぞ」
男「僕にはもったいないくらいだよ」
ク「君は素晴らしい男だ。もっと自信を持ちたまえ」
男「だけど…僕は他の男の人と違ってスポーツとかも出来ないよ。
他の男の人みたいにかっこよくないからなぁ…」
ク「スポーツの出来る者に心動く者もいるだろうが、君には君の誇
るべき所がある。私は君の優しさに心動いているぞ」
男「クーにそう言ってもらえるとうれしいよ…///」
ク「ふふ。君の白くて綺麗な肌が赤くなるのはやはりいいな」
男「クー…///」
ク「ただ、その綺麗な肌が紫外線で赤くなるのはいただけないぞ。
そこに寝たまえ。私が日焼け止めを塗ってやるからな」
男「大丈夫だよ。自分で塗れるよ…///」
ク「背中は無理だし、遠慮しないでくれ。それに私も君に塗っても
らいたいからな」
ク「ふふ。私の肌に塗る時に硬くなりすぎではないかね?」
男「だってさ…///」
ク「私が塗ってあげている時もそうだったな」
男「僕とクーの肌がさ…///…直接触れるし…///」
ク「ふふ。いつまでたっても君はうぶだな」
男「うー…。面目ないよ。クー」
ク「いや。私は君のそういう所が大好きだ。さて、せっかく海に来た
のだ。一緒に泳がないかね?」
男「ええと…。日焼け止めとか流れちゃうんじゃないかな?」
ク「大丈夫だ。こんなこともあろうかと、私の開発した日焼け止めは
強力ウォータープルーフだ」
男「ええと…。波とかさ…」
ク「今日は波は危険ではないぞ。…もしかして。男よ。私と泳ぎたく
ないのか」
男「そうじゃないよ。その…」
ク「正直に言ってくれ。私は君の全てを受け入れよう」
男「うん。じゃあ言うよ。…実は僕泳げないんだよ…。クーと一緒に
泳ぎたいけど…」
ク「そうだったのか。では、磯遊びとか波打ち際で…」
男「ねえ…。もしクーに迷惑じゃなければ、泳ぎ教えてくれるかな?」
ク「私の力が君の助けになるというのなら、私は非常に嬉しいぞ。う
まく教えられるかは分からんが。持てる力全てを使おう」
男「ありがとう。クー」
ク「顔を水にしっかりつけてだな…。足を伸ばして…」
男「クー。お願いだから、手を離さないでね」
ク「私が君を離すことなど絶対にありえないぞ。安心したまえ」
男「本当に、本当に離さないでね」
ク「君が公共の場でこんなに私の手を強く握ってくれるとは…。私は
嬉しいぞ」
------
男「クー!泳げたよ!一人で泳げたよ!」
ク「君は実に上達が早いな。本当に素晴らしいぞ」
男「クーのおかげだよ。本当にありがとう」
ク「いや。これは君の実力だ。私はそれを少し助けたに過ぎない」
男「でも、クーの力、あってこそだよ。ありがとう。クー」
ク「大好きな君に評価されるのは本当に嬉しいぞ」
男「あのさ、クー…。まだ、足手まといかもしれないけど、一緒に泳
いでくれるかな…」
ク「願っても無いことだ。ただ、自分のペースを考えたまえ。私は君
にあわせるし、君に何かあったら私は嫌だからな」
男「ありがとう。クーは本当に優しいね」
ク「私の優しさは君の優しさに比べればまだまだだ」
男「そうかな…///…クーに褒められるのはうれしいよ」
ク「君は素晴らしい男だ。もっと自信を持ちたまえ。泳ぎだってうま
くできたんだぞ。さあ、一緒に泳ごうではないか」
男「本当にこの夕焼けはきれいだね。クー」
ク「綺麗なのは夕焼けだけなのかね?」
男「えっと…///…その…///…クーも…///」
ク「ふふ。全て言わなくてもその顔で分かるぞ。本当に今日は素晴ら
しい日だった」
男「僕も今日は普段以上に楽しかったよ」
ク「うむ。磯遊びも出来たし、そして何より、君の力になれて、君と
一緒に泳げた事が良かった」
男「今日は本当にありがとう。クー」
ク「なに、私の方こそ君と一緒で素晴らしい日を今日も送れた。私の
方が君に感謝を述べたい」
男「でも、クーのおかげで泳げるようになったんだ。今日は本当にあ
りがとう」
ク「今日は公共の場で恥ずかしがる事なく、私の手を握ってくれたの
だ。これに勝ることはないぞ」
男「あのさ…その事なんだけど…。クー。手握ってもいいかな…///」
ク「恥ずかしがりやの君からそんな言葉を聞けるとは…。実に嬉しい
ぞ。さあ、好きなだけ握ってくれ」
男「どうかな…///…クー…///」
ク「ふふ。泳ぎの練習で強く握るより、優しく包んでくれるこの握り
方の方が君らしくて、素晴らしいぞ」
男「えへへ…///…僕もこっちの方が…///…安心できるよ…///」
ク「君が手を握ってくれたんだ。私もお礼に…」
(チュッ)
男「クー…///」
ク「ふふ。夕焼けのように顔を赤くして、本当に君はかわいいな。夕
焼け以上に君に見とれてしまいそうだ」
ということで【海水浴】は終了
しかし、今年も海の側まで行ったけど海にはいけなかったなぁ…
実にアマアマだw読んでて恥ずかしくなるほどに
945 :
1:2007/08/30(木) 02:32:22 0
「放課後、体育館倉庫脇の塵処理施設にて待機、以上!」
隣の席で、僕に指を差して言い放った彼女。かるく目が据わってた。
瞬時に僕は、行かなければ何をされるかわからない、と感じた。この彼女が言い放った漢字のオンパレードは恐怖だった。
彼女は現在高校一年生にして生徒会長。当学園のカリスマ的存在である。
学力は学園トップ。ミスひがんばな受賞者で男子学生の憧れの的。
僕に差していた指を引っ込めると、彼女は一度うつむいて目を瞑った。頭をかいて、イキナリ近距離に顔をやった。
「君に用事があれば仕方がないが、来ないのであれば……それはそれで、非常に困る」
唇をへの字に曲げ、とても残念そうに呟いた。
「行ってもいいけど、その体育館倉庫の裏に何があるの?」
いったら、彼女はそれは目を爛々と輝かせた。しかし目が据わっている。
なんだろ――彼女が嬉しそうにみえるのは僕の勘違いだろうか?
「そうだね、何が在るって? 二者択一だ」
「二者択一?」
「そう……体育館倉庫脇塵処理施設には愛、もしくは地獄が君を歓迎している」
彼女は一人頷いている。
「他に選択肢はないの?」
「残念、無いな。私のお薦めは、愛だ。君も幸せ私も幸せ、利害に一致している」
本当に残念な結果になっていた。いや、しかし――僕は地獄への可能性を見出してみることにした。もしかすれば、愛よりも確かな手応えがあるかもしれない。
946 :
2:2007/08/30(木) 02:34:03 0
放課後、例の体育館倉庫の傍にあるゴミ捨て場に着いた。すでに彼女は仁王立ちで待っていた。
彼女は額に汗を滲ませていた。彼女の横にある焼却炉から煙があがっている。
「この可燃焼却装置の外面は異様に熱を持つな。だともいって、この場所を指定した手前、離れる訳にもならないし、実に困った」
僕は、その彼女の姿に、いたずら心が芽生えた。なんとなくみてていようと、草むらに隠れた。
「遅い……暇だ……。体育館と対区間って似ているな。結構、字面が恰好良いな」
「暑い。早く来ないものかな。このままでは愛の前に、私が地獄を味わってしまう。これは奥ゆかしい問題発起だ。ああ、こうなれば、この可燃焼却装置に水道水をぶちまけてやろうか。
いや、待て。そうなればバックファイヤーの可能性が生じてしまう。このような形で身を焦がしてしまうのはアイツに対して失礼に当たる。私はアイツで身も心も焦がしたいのだ。燃え上がる情熱、素晴らしい。――しかし困った」
雑草の隙間から彼女をみているが、彼女のここまではっきりした独り言は、僕に聴かせているんじゃないかと思わせる。
とりあえず、上着を脱いだらいいんじゃないだろうか。
僕は草むらから飛び出して、彼女にいった。
「遅くなってゴメン。思うんだけどさ、あつかったら上、脱いだらいいんじゃないかな?」
彼女はピタリと固まった。そうして手を叩き「ホントだ! バックファイヤーの危険性を思考している場合ではなかった。そうだ、脱げば良かったんだよ」と、関心した面持ちで僕をみた。
947 :
3:2007/08/30(木) 02:35:55 0
彼女はブレザーのボタンを外し、リボンを解いた。そのまま、彼女はブラウスのボタンに手を掛けた。
「え? ちょっと待ってよ。なんでブラウスまで」
「正直にいうと、君が想像するこの暑苦しさ、不愉快感。私はその先を越えている。君に私のエロティックを魅せつけたい想いも確かにある、それは否定しない。が、もぅ熱くて堪らん。脱ぐ!」
ブラウスを脱いだ彼女は、木の枝にブレザーとブラウスを掛けた。彼女の淡いクリーム色のブラが胸を包み込んでいた。
そのはちきれんばかりのバストに僕は引き寄せられる。胸の谷間の中心にフロントホックがある。手を伸ばして外したい、そう思わせるほどの魅力的な彼女の姿。
これが愛なのか。
だが、僕は堪えて、地獄の扉を開けようとしている。彼女のエロティシズムに呑まれかけている僕には、その選択が正解なのか間違っているのか、それはわからない。ただ、地獄の可能性を導き出した僕自身に嘘は付きたくなかった。
僕は彼女の姿、瞳から目を逸らして、訊いた。
「地獄を選択してみます」
948 :
end:2007/08/30(木) 02:36:44 0
彼女は、ことなしげに言い放った。
「あー地獄? 駄目駄目、先ほど味わった。あれは身体に悪いわ」
「えー!」
「君は愛を選択というか、選択肢がなくなったため愛を味わって頂きましょうか」
「えー」
「まあ、気を取り直して、ホック外してくれないか?」
突き出された胸は、拘束具であるブラジャーを解き放って欲しそうに、僕の視界の中で揺れていた。
∩ :・:∵
⊂、⌒ヽ∴: L/ ,r=''""゙゙゙li,
⊂( 。Д。)つ > 、、,,_ ,r!' ...::;il!.
V V ; Y⌒r!'゙゙´ `'ヾ;、, ..::::;r!.'゙ ┏━━┓┏━┳┳┓
グハッ ,i{゙‐'_,,_ :l}..::;r!゙ ┃┏┓┃┗┓┃┃┃
. ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:.... :;l!:;r゙.. ┃┣┻╋┓┃┃┃┃
,rジ `~''=;;:;il!::'li ┃┗ ┃┗┛┣╋┫
. ill゙ .... .:;ll:::: ゙li ┗━┻┻━━┻┻┛
..il' ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!:: ,il!
..ll `"゙''l{::: ,,;r'゙
..'l! . . . . . . ::l}::;rll(,
'i, ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、
゙i、 ::li:il:: ゙'\
゙li、 ..........,,ノ;i!:.... `' 、 Λ素Λ
`'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ `(=゜ω゜)
`~''''===''"゙´ ~`'''' ヽ ノつ
〜( ,,(~)
ヽ)
>>948 何かすごく不思議な雰囲気で素敵だw
GJ
保守
954 :
ほんわか名無しさん:2007/09/08(土) 03:00:55 O
保守
955 :
ほんわか名無しさん:2007/09/09(日) 13:52:11 0
ほ
最近VIPに応酬シリーズが投下されない件
957 :
ほんわか名無しさん:2007/09/11(火) 19:51:03 0
応酬シリーズと言われても何のことだか全然わからない
958 :
ほんわか名無しさん:2007/09/12(水) 00:46:44 0
恐らく「クールな応酬」シリーズだと思う
シュールで新シリーズ書いてた
シュールも見に行けばいいじゃない
ここでクールシュール共に保守役を承っている俺が登場
クルーが保守
もうすぐ1000だけどあえて投下する。とりあえず8レス前後借りるよー
【ただのクール → 素直クール】
「――これで本日の生徒会を終わる、解散」
自分以外のほとんどの生徒が退出していき、すぐに教室が閑散とする。
とりあえず手に持った書類に目を通して文化系の部に対する部費の問題に頭を悩まし始めた。
「すみません会長、ここの計算なんですが――」
「ああ、ここはこちらの諸経費が――」
いつものように下級生からの質問に答える、頼られるのは確かに嬉しい、嬉しいのだが……
「はい、ありがとうございました! 会長」
「なに、また分からないことがあったらいつでも質問してくれ」
――いつからだったろうか、こうして優等生であり続けることに苦痛を感じ始めたのは。
自分では実感できないものだが周りの生徒や教師は私の事を『優等生』と呼んでくれる。
一応それなりの努力はしてきたつもりだし親も褒めてくれる、私はその事を誇りに思ってさえいる。
しかし、もし私がどうしようもなく辛い問題に当たった時、苦しくてしょうがないとき、
私は他の誰かに頼ることは出来るのだろうか、『優等生』は誰かを頼っても良い存在なのか……
ふと、気がつくと時刻は午後六時を回っていた、いくら会長とはいえおいそれと校内に残っていては教師に叱られる時間である。私は慌てて荷物を片付け教室を出ようとして、
角の方に座っている男子生徒に気づいた。
その生徒はうんうんと唸り書類とにらめっこしている、
もし本当ににらめっこしているのなら書類の方が意表を突かれて負けそうなほど真面目な顔だ。
「こんな時間までどうしたんだ?」
「えっ、かっ会長さん!? ……いや、その……」
いきなり声を掛けられ相当驚いたと見える、よく見ると書類の他に真っ黒に汚れた
計算用紙があった。 なるほど、この生徒もさっきのと同じところでずっと悩んでいたのだろう。
男子生徒の方はというとずっと取り乱している。
「まったくこんな時間まで考えているなんて……質問なら私にいくらでもしてくれればいいんだぞ」
口を突いて出た台詞……嘘だ、本当は嫌だ、そうやって優等生を作ろうとしている自分が嫌だ、
果てには自ら質問されることまで望んで――苦しい、けど、誰も頼るわけにはいけない。
無意識に拳に力が入る、爪が皮膚に食い込んで痛いくらい――
「いえ、大丈夫です。僕の力だけでやってみますから」
「――え?」
その時はよく分からなかったが、まるで死刑宣告を下されたような気分だった。
「何故だ!」
「わわっ! ど、どうしたんですか!?」
どうして叫んでしまったのか分からない、ただ、その言葉は自分にとって余りにも致命的……優等生だったからこそ、
頼られていたからこそ私は人と関わっていられた。でも、誰かを頼ることすら出来ない私が頼られることすらなくなったら……私はどうすればいいんだ!?
「頼む! 答えさせてくれ! 私を……使ってくれっ!」
「……かい、ちょう」
「私は……私は……そうでもしないと……私は……っ!」
自身を縛る『優等生』と言う名の檻が憎かった、誰でもいいからこの苦悩をぶちまけたかった。
……気がつくと涙が出ていた、情けない、止めなければ、積み上げてきた物が崩れる前に。
「……いやです」
「! どうしてだっ! 使ってくれればそれで良いんだ!」
思わず身を乗り出す、自分自身何をしたいのか分からないくせに。
「いやったらいやです!」
「っ!」
突如、彼の外見からは想像も出来ないほどの気迫を浴びせられて思わず身がすくむんだ。
「……どうして? どうして私を頼ってくれない」
「……実は、見てしまったんです。一ヶ月前、会長さんがここでしていたことを」
私は思わず息を呑む。
「見られていた……のか」
一ヶ月前、私はここで満点のテストを思いっきり破り捨てた、跡形もなく。
自分を『優等生』と呼ばせてしまうそれを、自分が『優等生』として居ることになる場所で。
「あの時に分かったんです、会長さんが苦しんでいるってこと……でも、僕には何も出来ない。
会長さんが笑っていたことがないと分かっていたけど、一介の生徒である僕じゃ何の慰めも
与えられない! きっと下手なことを言えば会長さんは傷ついてしまうから……今以上に苦しんでしまうから……」
彼も吐き出すように続ける、今度は彼自身の苦悩が出てくるように。
「だから……せめて僕の分だけでも、会長さんに『苦労』はかけたくないと……」
ぽつり、ぽつり、俯いたままの私の耳に聞こえてくる懺悔の声。
「そう思ってきたけど、でも僕は……聞いてしまったから。会長さんの本心を聞いてしまったから。だから、僕も言う」
涙は止まらなかったが、彼の声はよく聞こえた。
「お願い、だから無理しない、でよ……あんな『優等生』な会長さん、は、見たくないよっ……」
興奮していたのかすっかり敬語が外れた口調で叫んで、彼もまた……俯き、泣いていた。
その場をしばらく、ポタポタと零れおちる水音だけが支配している。
「もう少しで良いからヒック……素直になってヒック……みんなを頼って、誰だって会長さんのこと好きだから……あんな、あんな顔をしないで……」
涙でくしゃくしゃになった顔で訴えかけてくる、そうか……一人だと思いこんでいたのは私だけだったのか……私は同じように涙でくしゃくしゃになった顔を上げる、溢れる涙を止めようなどとは思わずに。
「……すまない。でも……ありが、とう、本当に、ありがとう」
そう言って私は彼を思いっきり抱きしめた、しがみつく様に、寄り掛かる様に。
「……!!? かっかかいかか会長さんっ!?」
個人的には抱きついた、と表したいところだが同学年でも生憎私の方が少し背が高い。
構図的には抱きしめたと言わざるを得ないだろう。でもその抱きしめた体は私の体よりずっと、ずっと立派なもので満ちている。
「すまない、でも少しだけ……少しだけでいいから、こうさせてほしいんだ」
彼の肩辺りに顔を埋めてまた泣く、彼もまた嫌がらず私の方に寄りかかってきてくれた。
……嬉しかったんだとても、何より、私の為に泣いてくれる人が居ることが。
「――それにしてもいきなりで、びっくりしました」
ようやく落ち着いた私たちは二人一緒にお茶を飲んでいる、鍵がかかるのは七時なのでもう少しは居てもバレない。
「いやすまない、嬉しかったものでつい――本当にすまなかった」
「あ、いやいや、その――嬉しくはあったんですけど、その、ムネが」
「む――――――このエロ」
「あわわわわわ違います! 僕はそんなつもりじゃ!」
慌てて否定する彼、少しイタズラ心が掻き立てられた。
「冗談だ、でも悪いと思うなら一つお願いがある」
「え?」
ビクッとして身をすくませる彼。
「敬語はやめて欲しい、同学年でもあることだしな」
「う……わ、分かったよ、善処するね」
彼の態度を見ていればわかるがこういうのは苦手のようだ、少しイタズラが過ぎたかな?
「……それにしても、大胆なことするんだね」
「うん、君が言うようにもう少し素直になってみようと思ってな」
楽しい時間が過ぎるのは早いと言うのは本当のようだ、もう七時とは信じられない。
「――そろそろ帰ろうか、君のご両親も心配するだろうし」
「そうだね、今日はいろいろとごちそうさま」
「いやいやこちらこそ」
持ってきていた水筒を鞄にしまう、彼とならこうしてまたお茶をするのも悪くない――
「っとちょっと待て、そう言えばすっかり忘れていたが君の名前は?」
「僕は男っていう名前、目立たない方だから知らないと思うけど……」
その名前を脳裏によく刻み込んでおく、大切でしょうがなくなったその名を。
「男か、覚えた。ちなみに私はクーと言う、気軽にそう呼んで欲しい」
「分かったよ、クーさん」
「クー」
「あうぅ……分かったよ、クー」
それから数週間、私に特に目立った変化は無い。強いて言うなら以前より頼られるのが心地良くなったことだろうか。今も生徒会が終わったところに早速下級生がやってきた。
「かいちょーう、これ今年度の予算表と次の委員会の資料です。それと……」
「ん?」
「疲れているだろうと思ってココアなんて入れちゃいましたー! バーホーデンのやつを良く練って
ミルクと砂糖アリアリに入れたバージョンですよー」
「今の台詞どこかで……まぁいいか。今の時期はまだ冷え込むからな、ありがたく頂くとしよう」
口の中に甘い香りが広がる、……少し甘過ぎか?
「そういえば会長、今日は男先輩居ませんね? いつもは会長が仕事を終えるまで一緒に傍に居てくれるのにぃ〜」
ごつん。
「痛い〜〜〜〜! 会長何するんですか〜! 暴力反対〜! ガンジーに殴られろ〜!」
非暴力者に暴力行為をさせてどうする、なんて野暮なツッコミはやめておくことにしよう。
「男なら居なくて当然だ、私が委員会が終わったら屋上で待つように言ったんだからな」
「え? この寒空の下に? ……男先輩、寒いからって逃げ出してなきゃいいけど」
「大丈夫だ、男は約束を守る人間だぞ。だって――」
「だって、何ですか?」
「そこは、乙女の秘密ということにしておこう」
乙女の秘密……多分今までの私なら決して出てこなかった言葉だ、イメージに合わないかもしれないな。
「え〜〜〜っ! ズルいですよっ!」
そんなやりとりをして私は教室を後にする、向かう先は決まっている、足取りは軽い、男が風邪を引かない程度には急がなければ。
……程なくして屋上前に着き、扉を押し開ける、そこに待っていてくれるのは私の大切な人。私を素直にしてしまった魔性の男性。
だから私は素直に打ち明けさせて貰うことにしよう、この想いを、大好きな人に。
「男、改めてお願いしたい……私と――正式に、付き合ってくれないか?」
そのお願いに、彼はその小さな首を一つ縦に振って答えてくれた――
GJ!
というわけで【ただのクール → 素直クール】は終了。
>>972は 【ただのクール → 素直クール 8】の間違いです、失礼。
普段文を書かない人間がただでさえ書いたことのないシリアス風味を書くと
これだけしかなくても2時間もかかるという恐ろしい罠っ……!
あ、あと遅れたけど
>>964 GJ
>>975 また間違えてた、【ただのクール → 素直クール 7】の間違いだった……しっかりしろ、俺。
ついでに言うと
>>968にも誤植があった、なんなんだ、すくむんだって
GJ!!
ヘルシングネタワロタww
クー「そういえば男。君は重度のガンダム好きだったよな」
男「まぁ」
クー「そうだなぁ……ハマーン、なんだかお股がヌルヌルするぅー」
男「なぜミネバ様。しかもエロネタ」
クー「これは嘘の話しなんだが、君の友人に言えと強要されてだな、仕方なく」
男「あ? お前、誰に強要されたんだ。明日見つけだして、ぶっ殺してやる」
クー「えー! 心の準備もなく、いきなりのノリツッコミは心臓に悪いぞ」
男「たまには逆にプレッシャーを与えてみるのもいいかな、と」
クー「君が急に怒りだすと、胸がキューっと締め付けられて、涙が出てくる」
男「クー。ちょっとふざけすぎた。ごめんな」
クー「わかった。なぁ切ないぐらい痛いから、痛いの痛いの飛んでいけやってくれ。胸の谷間に手をやって」
男「……痛いの痛いの飛んでいけ」
クー「しまった! このままでは死んでしまう!」
男「なんだよ」
クー「飛んでいった痛いのが、唇とお股と胸に転移した。痛いよー痛いよー」
男「……」
クー「お兄ちゃん。お股がジンジンするー」
男「答えはNO! だ」
クーがあほの子みたいだwwwwwwGJ!
>>978 コイツは素直クールじゃないッ!!
コイツは…アホの子クールッ……!!
>>978 (゚д゚)……
ピノだ、ピノ持ってこい!
ピノ懐かしいなwww
とはいえ、ピノの話は新ジャンル学園でだぜ
バカな子ほどかわいいってのはこういうことだったのか