カップ麺を買ってきた

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1H/cU6V5GQU代理
蓋をめくると、中から小さな女の子が出てきた
これは、心温まる僕と彼女の二週間の物語です
2ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 02:37:10
2だな
3ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:03:00

 ∧ ∧∧ ∧
 (゚Д゚≡゚Д゚) < 続きが気になる…
   |し |つ
  ⊂__ |
      し'
4ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:19:12
もちろん豚キムだよな?
5ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:21:32
続きщ(゚Д゚щ)カモォォォン
6ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:27:22

 ∧ ∧∧ ∧
 (゚Д゚≡゚Д゚) < 気になって寝れない…w
   |し |つ
  ⊂__ |
      し'
7ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:30:05
      ジャー     ____
           つ/__ o、 |、
     ( ・w・)ノ .ii | ・ \ノ
     (      □| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

             ____
            /__ o、 |、
     (・w・ )   .| ・ .\ノ
     □   )   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
8ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:30:38
     ズルズル   ____
            /__ o、 |、
     (・π・ )  .| ・ \ノ
     O□=と)   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


     マズー     ____
            /__ o、 |、
     (>w< )   .| ・ \ノ
     O□=と)   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
9ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:31:49
       ?    ____
            /__ o、 |、
      ( ・w・)  .| ・ \ノ
     O□=と)   .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


        /_  ○、 | 、
          | お  \ノ
          | 茶   |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

             ____
            /__ o、 |、
     ( ´・ω・)  .| ・ \ノ
     □    )  .| ・  |
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
10ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:34:54
ちゃんと3分待って食えよww

つ旦~
11ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:41:27

 ∧ ∧∧ ∧
 (゚Д゚≡゚Д゚) < グッジョブd(・ω・´o)
   |し |つ
  ⊂__ |
      し'
12スティッチ:2005/09/22(木) 03:45:40
面白い。。
13へた:2005/09/22(木) 03:49:29

 ∧ ∧∧ ∧
 (゚Д゚≡゚Д゚) < そろそろ寝るか〜。>>1続き楽しみにしてるぞゴルァw
   |し |つ
  ⊂__ |
      し'
14ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:51:41
「こんばんわ」
!?僕は驚き蓋を閉めた。見間違い?そう思いもう一度蓋を開けると
「イタイナ〜急に閉めないでよ〜」
(・_・)エッ......?
「ちょっと此所からだしてよ〜」
僕は覗きこむ。女の子?
「見てないで出してってば〜」
15代理:2005/09/22(木) 03:54:44
中から出てきた女の子は小さく呟く……

「おいおい 料理つくってくれる人もいないのかよ。独男かよ〜」

怪訝そうな顔を見せる彼女に僕は顔を
しかめた……

「じゃあ あたいが代わりにつくってやるよ
目玉焼き」
この料理をきっかけにぼくらの恋が急速に
進んでいくことになるとは…この時は
思いもしてなかった…
16ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 03:57:12
カップネコに見えた(`・ω・´)rz
17ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 04:08:49
「ちゃんと栄養つけないとダメだよ〜」
そう言い台所へ連れて行けと言う。
仕方なく僕は台所へ向う
「卵出して〜」
冷蔵庫にはキャベツとマヨネーズと調味料だけ・・・
「卵も無いの〜?・・・買いに行きますか〜」
18ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 04:19:01
買いに行く前に僕はこの不思議な現実を理解出来ていなかった
「何ボォ〜としてんの?あ〜、あたいに惚れたな〜笑」
惚れるも何も君は誰なんだ?何故カップ麺の中に?僕は問いただす
「何で中に居たかって?ンフフ〜ヒ・ミ・ツだよ〜」
ヒミツ?ヒミツも何も中に居たのは事実。僕は更に問いただす
「もぉ〜しつこいな〜。しつこいと嫌われちゃうよ〜」
19代理:2005/09/22(木) 09:07:04
「ねぇ 何で中にいたの??」

しつこく問いだす僕に彼女はキレた

バキィィィ

「しつけぇって言ってんだろこのボンクラ野郎があああ!!」

キレた彼女は僕にドロップキックをかます

さぁどうなる??
20 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/22(木) 12:33:18
え、と
皆優しいレスをありがとう

ちょっとずつだけどあの僕にとっての二週間を皆に聞いてもらえればと思う
そしてこの場を与えてくれた>>1と温かいレスをくれた皆、本当にありがとう

誰にでもある、人生の中で大切な二週間
僕にとって、本当に一番大切だった二週間

ひろみ、皆に聞いてもらってもいいよね?
21黒井ネコ ◆SW2AgLvBPM :2005/09/22(木) 12:35:46
なんか、ドキドキしてしまうわ…!!(・ω・;)
22 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/22(木) 12:50:12
あれは今より少しだけ寒くなった12月、僕は「今年も一人だな」なんてぼんやり考えてたのかもしれない

12月11日 土曜日
巷はクリスマスクリスマスと浮かれだして、寒さも手伝った例年のあの気持ち
それに負けないように葛藤しながら、僕はコンビニへ向かった
いつもと変わらないあの道
何が嬉しいのか、何かを売りたいのか、街の派手な飾りつけを横目で殺しながら、僕はいつもと変わらない空気を脳内で描いていた

コンビニのお姉さんの顔もまともに見れず、いつもの通りの食料調達をレジで済ます
おつりをもらう時、手が触れない様に気を付けながら、俯いた僕は本当に惨めなんだろうな
ふと、自分が無理矢理描いている自分とかけ離れた本当の自分が見えて僕は人知れず自嘲した

「カップ麺、食べよう」
ごまかす様に僕は何度も何度も頭の中で繰り返しながら家に帰った
23黒井ネコ ◆SW2AgLvBPM :2005/09/22(木) 12:58:11
sage進行なの??
24 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/22(木) 13:03:05
家に着く。灯りはつけたままにしている
ものぐさだなんて嘘だな。本当は寂しいだけなんだ
テレビではその日何をやっていただろう
僕にとっては静寂を覆い隠す道具にすぎないテレビ
ちょっとだけ気弛い空腹にまかせ、カップ麺の蓋をはぐってみた


そこには女の子が居た


僕は噴いた。ありえない
なぜカップ麺の中に?
乏しい聞きかじりの知識が頭を巡る

答えなんてあるはずもないのに



すいません。続きはまた明日
25黒井ネコ ◆SW2AgLvBPM :2005/09/22(木) 13:52:59
(・ω・;)ドキドキ
26ほんわか名無しさん:2005/09/22(木) 15:06:53
何これ何これ!
Σ(・ω・;≡・ω・)゚。
27代理:2005/09/22(木) 18:08:51
そして開いた瞬間 彼女は大きな瞳を
見開いてこう呟く…

「元気があれば何でもできる…」

僕は突然の出来事に口をパクパクさせて戸惑った
「元気があれば…何でもできる……」

何回も、まるで呪文のように呟く言葉…

僕はいつのまにか聞きいってしまった

すると

いきなり彼女は大きな声で叫び出す

「ぅう元気ですかあああああああぁう!!」

僕はその音量に眉をひそめ顔をしかめた

叫んだと思いきや また「元気があれば何でもできる…」

と呟きに入る…

僕は理解できなくて、とりあえず
落ち着こうと思いの、蓋をゆっくり閉めた
彼女もまるで当てはまるようにカップ麺
の中に消えていった…
僕は長い間 考えても理解することはできなかった─────
つづく
28ぬるぽ ◆Qii/KpYmWU :2005/09/22(木) 18:13:50
良スレの悪寒w
29>>28 ガッ:2005/09/22(木) 19:12:36
一応w
30 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/23(金) 12:10:43
>>23
自分は、この板にスレ立てを依頼した訳ではないので、この板の事は分かりません
age書きでご迷惑をかけないのであれば、指示してもらえば従います

皆さん、宜しければ今日も少しだけお付き合いくださいね

出逢わなければよかった
ありきたりに耳にする使い捨てのセリフ

愛する人と愛すべき日々
それを失うのはとても辛い事だ

だけど、失う事が辛いほどの喜びや出来事
そして、きみとの日々

それが最初から無かった事だったのならどちらがより辛いんだろう
僕には今はまだ分からない

ただ、分かるのはあの日々がずっと続いて欲しかった大切な日々だったって事

それだけだ
31 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/23(金) 12:26:06
カップにコンパクトに収められた麺
その上に少し窮屈そうに、折り畳まれるように少女は眠っていた
「おまけ?ねえこれおまけ?」
誰に問う訳でもなく発された僕の第一声
今の僕なら何て言うんだろうか
きっと、君の顔を見れば僕は何も言えずに泣き出してしまうんだろう

君はそんな泣き虫な僕を笑うんだろう
32ほんわか名無しさん:2005/09/23(金) 12:39:15
        ∧ ∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜′  ̄ ̄( ゚Д゚)< 気になって眠れない
  UU ̄ ̄ U U   \_____________
33 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/23(金) 12:40:35
今まで見た事が無かった、女性の裸がそこにあった

小さな頃、近所の女の子がいつも大切そうに持っていた着せ替え人形を思い出した
ある日公園に犬が迷いこんだ
みんな浮かれてしまってわーわーと犬のそばに集まった
その時、女の子はなぜか人形を置いてきぼりにした
僕はこっそり、滑り台の下のほら穴で人形の服を脱がしてみた

あの時の、気恥ずかしいような嬉しいような、そんな気持ちだ
だけど、今ここにあるものはそんな人形よりももっと精巧な、まるで生きているようなただの女の子
直視出来ない

「まるで女の子みたいだな」
その時の僕はそう思っていたのかも知れない
34 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/23(金) 12:56:57
そっと指先で膝下をつつく
ピクッと動き、彼女は目を覚ました

驚いた。生きていた

少しの温もりと彼女が動いた事に対する衝撃
その時の指先の感覚は忘れない

僕はおもむろに、お気に入りのシャツを引っ張り出すと、それを小さく切り、缶バッチと一緒に彼女に渡した

何が起こったのか理解出来なかった僕は必死だった
35代理:2005/09/23(金) 16:19:23
優しくそれを渡す僕に、彼女はこう吐き捨てた
「んなもんいらねぇべ。裸が楽だから裸で
いるんだよ悪いかスカタンゴミ野郎」

僕は一瞬の沈黙とともに「ごめんなさい…」

とあやまっていた…彼女はそれを確認する
なり、さらに愚痴を続ける
「つかよぉ…何で開けんだよお前もよぉ」

「いや カップ麺だし…食べたいし…ハイ」
両者 黙りこんだ静寂を切り裂くように
小さな女の子は言う

「お前 名前なんていうんだよ オイ」
「あ 中山慎太郎です」
ふぅんといった感じで僕の顔をみる…

「あっ あなたは…?」

「何でてめぇに私がチアキって名前でA型の
内気な女の子って事 わざわざ教えなきゃいけねんだよ」
「…」
「で チアキさん…」
「その名前で呼ぶな!!その名前は2年前に
捨てたはずだぜ…慎太郎…」
「(知らねぇよ…)」
こうして沈黙が続くなか、外から妙な音がした
つづく
36 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/24(土) 12:08:46
起きたばかりの彼女にあわてていた僕が発した言葉は多分届いてなかった
今はそう思う

どれ位時間が流れたのだろう
僕は彼女の方を見れないでいた
正直なところ、目のやり場に困っていてかなり目が泳いでいたかもしれない
静寂をやぶるように声が聞こえてきた
本当は、テレビも灯いていたし全然静まってなんかいない
だけどまるで僕の周りだけ時間が止まったかのように、僕は何も出来ず、何処も見れずにいた

「なあなあ」

これが彼女の最初の言葉だったと思う
聞こえないはずはない。だけど僕には聞こえないふりしか出来なかった
追い討ちをかけるように彼女は続けた

「なあなあ」

渋々見た先に居た彼女は、僕が無造作に切ったシャツを綺麗にまとめ、右肩のところで結んでいた
「これ、無理」

彼女が指さしたものは、何か留めるものはと渡したピンバッチ
そうだな。彼女には大きすぎる
それに彼女の力で安全ピンを開くのは危険だ

分かるはずもない
何しろ何処にでも居る生き物じゃないから

そう。何処に行っても出会える事のないキミだから
37 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/24(土) 12:18:06
「これ、邪魔だよな」
僕はバッチの部分を引きちぎり、はだけている裾の部分に安全ピンをつけてやった
彼女に触れる指先が少し温かかった
彼女との思い出は、いつも彼女の温かさから始まる

ちょっと照れくさいけど、冷静だった
これが、さっきまでレジでの支払いも人並みに出来ない男だとは思えない
人を想う時、人は強くなる
キミが教えてくれた事だね
これが、その始まりだったのかもしれないね
38 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/24(土) 12:26:06
落ちついてきたかのように空腹がかすかに蘇ってきた
「飯、食おうか」
何故だろう。何故か彼女の前では平然として居られた
まるで昔から知り合いだったかのように自然と口をついたその言葉

僕が女性の前で自然に振る舞える事なんて滅多にはない
キョドってしまう

カップの中には、麺しか無かった
僕はスープを作る事にした
あり合わせの野菜と一緒に
39 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/24(土) 12:39:28
つまようじを二本取り出すと、僕はさっきシャツを切ったカッターでそれを削った
可愛らしい箸が出来あがる
それを持ち出すと蓋付きのアルミ缶の蓋を外し、投げやりな汚さが滲み出ている台所で綺麗に洗った

「まっじーなコレ」

よく言うよ。スープもかやくも無いカップ麺で僕が作ったんだ
それに、食えない味じゃない
我ながら良く出来たと感心していたところだ
おまえが食べられるように箸と丼も作った
人の苦労も知らずに

そんな事を考えながら、不思議な君を見てたんだよ
あの日


「うっせーよ」と僕も返す


文句を言いながらも、君は綺麗に食べてくれてたよね
それに気付いたのは即席で作った君の食器を洗う時だった
40代理:2005/09/24(土) 12:42:23
と 思ったけどスープはめんどいので
やっぱり彼女を無視してMDを聴くことにした
すると彼女はいきなりカップから飛び出し
、僕のアゴに鋭いアッパーをかます

驚いた僕に彼女は

「てめえ なに無視してくれてんだああああ」

ドスのきいた声で怒鳴る彼女は物凄い顔だ

「だいたい馴れ馴れしいんだよお前よぉ」
彼女は愚痴を続ける

「いつ誰がお前の知り合いになったよ えぇ?コラ」

僕は泣き出した

「なっさけねぇ男だなてめうはよおおぉ」

なきしゃぐる僕に彼女はスープをつくってくれた…
僕は黙ってそれを口に注ぎこんだ…そして

僕「('A`)ヴェノア」
彼女「失礼なやつだなてめえはよおおぉ!」
と言い、鋭い水平チョップを僕の頭に入れた
つづく
41ほんわか名無しさん:2005/09/24(土) 13:36:09
何かだんだん面白くなくなってきた
42ほんわか名無しさん:2005/09/24(土) 20:51:37
すげーすき
〇〇がいなければ 続きしりたいです
43ほんわか名無しさん:2005/09/25(日) 03:25:35
つづきは?
44ほんわか名無しさん:2005/09/25(日) 04:35:47
つづきー!!
45ほんわか名無しさん:2005/09/25(日) 04:50:10
まぁまぁ・・・
静かに待ちましょうよ。
46ほんわか名無しさん:2005/09/25(日) 05:00:22
あるんですかね…?なんかほんわかする
47 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/25(日) 12:15:17
>>41
すいません。自分には起こった事をそのまま書く事しか出来ないし、文章力もありません
自分には見ていて面白い人生を歩んでる様には思えないのですが、
もう少しだけ続けたいと思っています
でも、見ていてくれて有難うございます
>>42
彼はこの場所にスレを立ててくれ、毎日来てくれます
そして、こんなに温かい皆さんと出会わせてくれました
最後まで語ると彼に約束したから、僕は今ここにいます
顔も名前も知らないけど、大切な友だと思っています
>>43-46
本当に有難うございます。本当に嬉しいです
きっとあいつも


よかったら今日もお付き合い下さい
48 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/25(日) 12:35:53
片付けを済ませると、僕はテーブルまで戻った
食器を洗うなんて久しぶりだった
ノートパソコンと雑誌、まとめられもせず放置された配線と細々した色んな物で散らかっているテーブルに、彼女は座っていた
僕も腰を降ろす

「おまえ、名前は?」

ふと口にした
あるのか無いのかさえ分からない
親しい友人に口にするように、それは何の考えも無しに僕の口からこぼれ出た

「よいしょっ」
彼女は立ち上がるとテーブルをウロウロしはじめた
「これでいいや」
指差した先には一通の手紙

僕の家には、たまにダイレクトメールが来る
闇金だったり、アダルトビデオだったり、結婚案内だったり、架空請求だったり、色々だ
彼女が指差したその一通の葉書には「浩実」と書いていた
僕の名前は浩二だ。
どこから情報が漏れたのか、僕の名前は女性のものとして、その葉書は送られてきていた

借家はそれでも手紙が届くのだから、業者には便利な時代かもしれない
49 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/25(日) 12:50:37
僕は「そうか」とだけ言った
詮索はしなかった
しても仕方ないし、どうせ何も分かるはずもない

「おまえは?」
彼女が言った
麺から出てきていきなりおまえ呼ばわりかよ
「おれ、コウジ。その葉書は何か俺の事勘違いして来たんだよ」

「まあ、おまえの名前なんかどうでもいいけどな」
なんだよこいつは。なんなんだよ
聞いたのはおまえだろ!
それからヒロミって名前がださいのは僕のせいだと、自分でつけた名前を乏し、最終的には僕の容姿にまでケチをつけ初めた
その間、僕はずっとおまえ呼ばわりだ
名前を聞いてきたにも関わらず

頭にきた僕は彼女の頭を指先ではじいた
50 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/25(日) 12:59:23
「痛っつー……」
彼女は頭を押さえてしゃがみこむ
力の加減がよく分かってなかった。僕は後悔した
だけど強がってみせた
本当は心配でたまらなかったくせに、あまり心配してないフリをした
「大丈夫か?」
つまらないプライドで、威厳を見せなきゃと思っていたのかも知れない
「なんだよその位で」
精一杯の抵抗

しばらくして彼女が落ちついた時、本当は心の底から安心していた
51 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/25(日) 13:12:15
それから少しばかりくだらない話をした

密かに安心した僕はふと、立ち上がる
一緒にラーメンを食べていた時に気付いた事があった

眠そうな彼女を座布団に移し僕はちょっとした作業を開始する

「なあ」
部屋を往き来する僕に彼女が声をかけた
「ん?」
古雑誌を抱え振り返る僕
「今日、すげー楽しかったぞ」

意外だった。意表をつかれた
何が楽しかったのか僕には理解出来なかった
それどころか、僕は彼女に少しだけ酷い事をしたのかも知れない
だけどあいつは、確かに「楽しかった」と言った
なぜか僕も嬉しかった


次に部屋で彼女を見た時、彼女は眠っていた
暖房のおかげで寒くない部屋だけど、僕はさっきのシャツの余りをさっきより少しだけ丁寧に切ると、それを彼女にかけた

「明日は休みか」
作業を終えた僕はそんな事を思いながら眠りについたのかも知れない
52ほんわか名無しさん:2005/09/25(日) 23:23:22
えーと
出版してください
53代理:2005/09/26(月) 05:59:30
そして翌日―――

彼女はそこにはいなかった。なんてことない
ただそれだけのこと だけどただそれだけ
の事実が僕を焦らせた
家中を探し回った

それでも彼女はいなかった…なんだか、
変な気持ちだ…友達が遠くにいってしまったような感覚――――

途方に暮れた僕は、涙を流していた
静かに、それでいて、僅かな声とともに…

すると、何か近くに寝息を感じた…
「………?」 彼女は僕の胸ポケットにいた

流された涙の粒が彼女に落ちて、彼女は目を覚ました…

「もう朝かあ…?ってまだ5時じゃねえか!てめえはすごい元気なおじいさん
か馬鹿野郎があああああああ!!!」

といって、得意のアッパーを喰らわす。

僕はふたたび涙を溢した。「痛み」からじゃない

君がそこに居た事実に、だ。

なんてことない。ただそれだけのことだ
54ほんわか名無しさん:2005/09/26(月) 06:15:36
代理バージョンもなかなかいいな
55ほんわか名無しさん:2005/09/26(月) 06:41:02
>>54
うん、ぐっと良くなってるな

56ほんわか名無しさん:2005/09/26(月) 06:55:59
元気なおじいさんに笑ったwww
57 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/26(月) 12:23:47
君はとにかく何にでも喜んだ
時にそれは僕の不意をついて喜んだ

僕にとっては当たり前の時間と、ちょっと可愛らしいゲスト
その中から色んなものを拾いあげては君は笑ってくれた
いつからだろう
君に笑って欲しくて一生懸命になったのは
時に、君の重荷にもなったんだろうね

だけど、君の事を思い出そうとするとき
決まってあの笑顔が、ほんとうに嬉しそうな笑顔が浮かんでくるんだ

12月12日 日曜日

「おい!おいっ!」
僕はそんな言葉で目を覚ました
58 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/26(月) 12:50:18
僕は寝起きはよくない
ある時は下の階で消防車が来るボヤ騒ぎの中、爆睡していたほどだ
その時は、心配して電話をかけてくれた知人の電話で起こされた
広がってたなら死んでたな

彼女は僕の頭をゴツゴツ蹴っていた
痛くはない
「ん?」
半開きの目で彼女に返事をした
「おまえ、気がきくよなアレ」
まっすぐに僕を見つめるあの笑顔
そういえば僕に喜びを伝える時、いつもこの顔をしていた

あいつにしか出来ない、あの笑顔

それはトイレの事だった
昨日、一緒に飯を食べる時に気づいた事だ
彼女には不便すぎるトイレに僕は溜まった雑誌で階段を作ってみた
少しずつずらして積み上げた雑誌の山
それはウォシュレットのBOXまで続く

この時ほど安い借家に浮いた存在感を放つ、手元で流せるこの無駄に豪華な仕組みを有難く思った事は無い
もっとも、僕にとってはトイレが狭くなっただけで何も便利な訳じゃないけど……
59 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/26(月) 12:57:43
「ん?ああアレな」
そう言いながら開けっぱなしのドアを閉めて寝起きの排泄作業
すごく狭い
可愛らしくちぎられたトイレットペーパーが目につき、寝ぼけながらも笑った

まだ朝の7:12
僕は、(そんな事で起こすなよ)って思っていた
60 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/27(火) 12:23:38
僕は用事を済ませると、また温かい自分の寝所へと戻る
冬場の自分のぬくもりと、自由な時間
ニ度寝が心地よい

「寝るの?」
「休みだしな」

素っ気ない会話を交わす
ふと、ウインドウズの起動音が聞こえる
半分閉じた目で顔だけ彼女の方を見ると、彼女はキーボードの手前のマウスで器用に操作していた
あれを使う人を初めて見た
他の人がどうかは知らないが、僕にとっては無駄な機能にすぎない

何をしようとしてるか分からないが、たいした事には使ってないPCだ
とっておきのエッチ画像もCに入れているし大丈夫か

それよりも、この眠さが凄く心地よい
61 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/27(火) 12:54:29
カチャカチャと音が聞こえる
音だけで行動を追いかける僕

ああそうか、CDか
目は閉じたままで見当をつけた
僕の散らかったテーブルの上には、よく聞くCDが何枚か置いてある
その予想通り、音楽が聞こえてくる
聞こえてきたのは、アミエルのLOVE SONG

今年の始めからたまに聴いていた
彼女が鼻歌混じりに歌う
ファッキンラブソングの所だけは分かるらしく、はっきりと歌っていた
すごく可愛らしい

それは、気だるい眠気の心地よさと調和して、甘い甘い子守歌になっていく
こんないい日曜日は久しぶりだ
いつもは、よくも悪くも空気のような、無駄に時間だけが過ぎていく
そんな日曜日

とはいえ、僕はこうして二度寝で少しだけ無駄な時間を過ごす事になる

とても柔らかくて心地がよい、彼女との時間を

その後も色んな曲が続く
時に彼女は合わせて歌ったり、静かに聞いたり
当たり前なんだけど、何度となく聞いた曲ばかり
だけど新鮮だった。

やがて、平井賢の想いが重なるその前にが流れる頃、僕は眠りについた

そこまでは覚えている
62代理:2005/09/28(水) 05:22:22
僕はふいに目を覚ました。ぼけっとした
僕の今の顔はさぞかし不細工だろう

何時間くらい眠っただろう…まだ意識が
ちゃんと戻らない

気付けばCDはとっくに止まってるらしい

なんだかまた眠くなってきて、大きなあくびをしていると
ある事に気付く。彼女がいない。またポケットにいるのか

と、探すもいない…。何だか凄い焦りを感じて、起き上がると

彼女は僕の横で静かに寝息をたてていた

安心して、もう翌日の4時を過ぎてた事に
気付く。

「…もう寝れないな」

そう思い、コーヒーを飲もうとすると
パソコンがつきっぱなしだったらしい
「…まったく…ちゃんと消してから寝ろよ」

そう思ったのもつかの間、画面に表示
されてるページに目がいった。
「こ…これって…?」

つづく
63ほんわか名無しさん:2005/09/28(水) 05:53:27
おはようございます。
あいかわらず素敵なお話ですね、引き込まれます。

代理さんバージョンもおもしろくていいですね。
64代理:2005/09/28(水) 05:55:11
>>63 おもしろがるのはわかるが、これは
彼に起こった事実の2週間だからな?
65ほんわか名無しさん:2005/09/28(水) 06:16:45
キモいよ(;_;)この私小説
66ほんわか名無しさん:2005/09/28(水) 08:34:06
>>65 キモいよ(;_;)お前の面
67 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/28(水) 12:29:13
えっと

自分には、この場所が与えられているだけでとても幸せなんです
とだけお返事しておきます

68ほんわか名無しさん:2005/09/28(水) 12:32:52
偉い 偉すぎる
69 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/28(水) 12:45:28
すごく長い間眠った気がする

どの位眠ったんだろう
とても心地がよかった

TVつけたのか…
彼女は番組欄が見たいが為に僕が買ったチケット雑誌のくだらない記事を、読んでいた
つけてるだけのTV、僕と一緒だな

だけど、そこから流れる誰かの笑い声は、いつものような僕の寂しさを紛らわせる雑音では無かった

目を覚ますと君が居た
それだけなのに、何故か嬉しかった

僕が目を覚ました事に気付いているのか気付いていないのか
僕は雑誌を読む君を少しの間だけ、寝起きのぼんやりした頭で眺めていたんだよ

とても、幸せに

あとで何を読んでたか聞いてみよう。僕は番組欄しか見てないや
70ほんわか名無しさん:2005/09/28(水) 13:35:17
おもしろい!密かに応援してるけど、更新
が少ない&遅い…代理のも楽しんでるw
71 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/29(木) 12:05:48
>>70
有難うございます
72 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/29(木) 12:19:09
ぼんやりと見ている僕に気付くと、彼女は言った
「おはよう」

おはよ でも、おはよー でもなく、すごく静かではっきりとした口調だった
柔らかくはにかんで見せる彼女の顔が胸の奥の方をチクチク刺した

彼女はテーブルから物伝いに飛び降りると、駆け寄って僕にパンチ
「朝から元気だな」って僕が言うと、彼女はシャドーボクシングをしてふざけてみせる

僕の頭は、一発で寝起きから日常に切り替わった
僕は洗面台に行くよりも、水分をとるよりも先にちょっとの時間だけ彼女とはしゃいだ
73 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/29(木) 12:47:45
どれだけ遊んでいただろうか
本当は、ほんの少しの時間だったのかも知れない
僕は少し遅い朝食とも昼食とも言えない食事をとる
パンと目玉焼き
そういえば、僕にとっては普通の食事だけど、彼女は腹へってたのかもな
そんな事を考えながら二人でつつく目玉焼きは、まるで鍋みたいだ

おかしさと可愛らしさの混じった気持ちで僕がニヤけていると、すかさず彼女がつっこむ

「何にやけてるの?」

そういえば、僕は部屋で一人で居る時、どんな顔をしているんだろう
きっと、悲しそうな顔や深刻そうな顔、ひとりでにやけてる顔、様々な時に様々な表情をしているんだろうな
誰にも見つけられる事もなく

「や、鍋みたいだなって」
そう言うと彼女は口の中の物をちょっと吹きそうになった
慌てて飲みこむと、腹を抱えて笑いだした

僕はその仕草に釣られるように笑った
それから、ひどく盛り上がって僕も彼女も何を言っても面白いらしく、
自分の言葉を、笑いを押さえながらどうにかこうにか吐きだしつつ、会話に会話を乗せていった

いつでも楽しい思い出の、きっかけなんて些細なものに過ぎない
今考えても、鍋みたいだってそんなに面白い事じゃない
それでも鍋みたいだって言葉は、この瞬間から僕にとっては特別な言葉になった

いつでも意味なんてものは、突然訪れるエピソードの前には無力なものだ
74 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/30(金) 12:19:03
一通りの楽しい食事を終わらせた僕は身支度をはじめた
きっと一人の日曜日ならここで三度目の眠りにつくところだったんだろう
まるで棒立ちの間に、貴重な休日は過ぎていく
そう考えると、今日はもう普段の一日分ぐらいは充実している
すごく得をした気分になった

僕は用事もないのに外に出るような人間じゃない
いつもは面倒くさいばかりで、出なければいけない外の世界
だけど、今日はその用事を鬱陶しく思う気持ちは、不思議と起こらなかった
75 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/30(金) 12:38:51
「どこか行くの?」
彼女が聞いてきた

今考えれば、本当は一緒に来たかったのかも知れない
僕だって一緒に行きたいに違いない

(おまえの日用品を見に行くんだよ)

口には出さなかった
それは、ちっともそんな事なんて頭にない彼女を驚かせたい。そんなせこい気持ちだったのかもしれない
僕がどこからか仕入れてきた誰かの体験談や創作物語
僕が指をくわえて見ている事しか出来なかった体験した事のない世界
そんなものを彼女に押しつけて、擬似的に再現してみたかったんだろう

「うん、まあな」

僕は素っ気なくそう言った
76 ◆H/cU6V5GQU :2005/09/30(金) 12:59:27
「おみやげ買ってきてなー」
彼女は冗談だよって顔に出してニヤニヤしながら僕にそう言った

「え?何?」
と僕も返す
「ずうずうしいな」と僕が言うと、彼女は待ってましたとばかりに行ってらっしゃいの敬礼をした
僕もすかさず真似をする
「こんなにノリがいいのは今日だけだぞ」
思いがけずとってしまった行動に対する照れ隠しのように僕はそう言った
彼女はニヤニヤしていた

「大人しく、してろよな」僕はそう吐きすてると家を出た

玄関のドアを閉めた後、「いってらっしゃーい」と、彼女のとても小さな声がドア越しに聞こえた

それは、外の雑音に混ざりながらとても微かに聞こえてきた
77 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/01(土) 12:19:16
駅までの道のり
コツコツと徒歩で行く
先週、自転車を盗まれてからはずっとこうだ

僕の頭の中では何度となく彼女との会話がシミュレートされる
僕がこう言うと、あいつはこう返すだろうからこの言葉を用意しておく
実際は、いつもその予想は裏切られていくんだけども
そして、だからこそあいつの事をこんなに大切に思えるようになったのかもしれない

ちょっと気持ち悪いかも知れないけど、彼女の事ばかり考えてた
その時には気付いていなかったけど

駅に着くと、いつものように駐輪場を見渡した
僕の自転車はやっぱり無かった
78 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/01(土) 12:48:09
僕が向かったのは玩具店
人形用のものが色々ないだろうか
そう思った
予想した通り、望みのものは見つけられそうだった

いつも、外に出ても居場所のないような気持ちがつきまとっていた
誰も僕の事なんて気にしてないのにビクビクしてばかりだったと思う
決して籠もっている訳じゃないけれど、外出は嫌いだった

だけど今日はそんな気持ちじゃなかった
多分、目的があったからなんだろう
あいつの為の買い出し、ただそれだけが嬉しかった
誰かに自慢したいほどに

(やっぱり人形用は生地が悪いな)
そんな事を考えながら人形の服を物色する僕はさぞかし気持ちが悪い男なんだろう
だけどその時僕には、辺りを気にするような考えは全くなかったんだろう
79 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/03(月) 12:13:47
僕はその質の悪そうな洋服の中から、生地の良さそうな物をいくつかと
それから、あいつに似合いそうだと勝手に思った洋服を一つ選んだ

いたずら心のような、そんな気持ちだったと思う

日用品も、やはり玩具としてはよく出来ているけども粗悪なものばかりだった

ミニチュア関係のものを、真剣に吟味しながらみている僕は女の子の居る父さんにでも見えるだろうか

それから、玩具店を出た僕はホームセンターであれやこれや思いを巡らせて、家に着く頃には暗くなりはじめていた

ずっと彼女に渡す事だけを考えてはひとりで浮かれていた
早く帰りたかったけど、彼女の事を考えれば考えるほど時間はかかってしまった
80 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/04(火) 12:14:24
家に着いた
冷えきったドアノブは、いつものように訴えかけようとしたが口を開きかけてやめた

「中にはあいつが居る」

本当は理由もなく浮かれていたんだけど、僕は出来るだけ平静さを装いドアを開けた

ぽつんとテーブルの上に座る彼女は、僕の頭の中で何倍にも膨れ上がったそれとは違った
座りこんで雑誌を読んでいた彼女が振り返った時、なんだか寂しさと、愛しさの混じった変な気持ちが押し寄せてきた
彼女はとても静かだった
そして、僕がただいまを言うよりも先に「おかえりー」と言ってくれた
81 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/04(火) 12:31:21
「ただいま」

ばっさりと荷物を降ろす僕
食べものが入ったコンビニ袋だけ、少し丁寧に角度を調整して、だけど大雑把に置いた

まずは食事
彼女と二人、贅沢な鍋料理
まあコンビニ弁当なんだけど

どこに行ってたかなんて聞かれない
どうでもいいのかな?
僕はそれを聞いてくれたなら、いつでもそこにある袋を開けてみせるのに

結局、こうして二人でつつく鍋も費えると、僕は出来るだけさりげなく袋を開いてみせる事になる
82 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/04(火) 12:56:00
まずは洋服を彼女に見せる

きっと僕のセンスだとかをケチョンケチョンにけなすんだろうな
もしかしたらこんなもの着れないなんて言い出しはしないだろうか
そんな不安があった

「ほい」
素っ気なく彼女に見せると彼女は凄く喜んだ
「えっ?」
「いや、服」
照れくさくって、言葉少なくそう返した
びっくりした彼女を見てびっくりしたのは僕だった
まるでしてやられた。全く予定外だ
もっとさりげなく喜ぶと思っていた
だけど彼女は全身で喜んでいる。とにかく照れくさい
もっと注文をつけたりして欲しかった
「おみやげ、買ってこいつってたじゃん」
悔しくってそう言った

僕は喜んでくれている事が嬉しかったんだけど、なるべく冷たくしてるつもりだった
そんな事は全く眼中にないほど彼女は浮かれて、僕に開けて開けてとせがんでいた

こうして、あれほど楽しみにしていた「渡す事」は、彼女が予想以上に喜んだ事で僕の惨敗となった

喜んでほしかったんだし、びっくりしてほしかった
大成功のはずなんだけど、凄く照れくさくて気恥ずかしくって僕の惨敗だった

83 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/05(水) 12:27:16 O
「なあこれ着てみていい?」
冗談混じりに買ったあの服だ
凄く照れくさいから「風呂入ってからにしろよ」って言った
ホームセンターで買ってきたおニューの洗面器の出番だ
彼女の浴槽
そして登場する小物達であっとゆう間に彼女のバスルームは出来あがる

ピンを外し、買ってきた洋服を用意すると
「見るなよ」と彼女は言い、布の結び目に手をかける

おいおい、僕は昨日無防備で寝ているおまえを全部見ちゃってるんだよ
それを今更…
「バカ!頼まれても見るかよ」
本当はもっと色んな事考えてた僕は君にどう映っていたのかな

君は中指を立ててみる
僕はそそくさと部屋に戻る

もっと沢山の幸せな、本当に今思えば幸せな気持ちを抱えて部屋に戻ったんだろう
84 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/05(水) 12:53:27 O
風呂を済ませ、着替えて出てきた彼女はとても可愛いかった
僕の記憶が組み立てた彼女なんかよりも数倍上手で、思わず
「おまえ、思ったより可愛いな」
って言ってしまった
彼女は「なんだそれ」ってケラケラ笑うから仕方なく僕は風呂に逃げこんだ

僕の目の前には、彼女しか居ない訳で
今までそんなに身近に誰かが居た訳じゃなくって
だから体験したことの無い恋愛感情のようなものを感じたくって
彼女の事を好きなんだと錯覚しはじめている
あいつはきっと僕の事なんてなんとも思っていないのに

僕が独りで浴室で考えた事は、多分そんな事だったと思う
85ほんわか名無しさん:2005/10/06(木) 03:00:58 0
こんばんわ。いつも楽しく読んでます。
この話は本当にあったことだそうですが、それにしてもこんなに上手に感情を表現できるなんて
これを書いている方はすごく感受性が豊かで表現力に溢れている方ですね。
これからもがんばってください。
86 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/06(木) 12:10:59 O
>>85
有難うございます
ここに書き込みをしてる間だけ、あの頃に帰れるような気がしています
>>1にも、最後まで投げださないと約束をしました
それでも、時々このまま続けていいのだろうかと思う時があります
誰かのレスを見ると、少しだけ安心します

87 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/06(木) 12:20:05 O
風呂を終えて出て来た頃、彼女は僕が箱から出して並べていた服を並べていた
続けて食器を見せる
「ちょっとチャチだけどな」
吟味したつもり
だけど、本当に彼女が使う物としてはそれはお粗末な食器だった

「いいじゃん、二人の時は鍋しようぜ!」
「せっかく買ってきてくれたんだけどね」

続け様に二言そう言われ、僕は何も言えなくなる
さっき独りで考えた事が頭をよぎって、僕はまた作りものの冷たい顔でごまかした
本当に素直じゃない
88 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/06(木) 12:37:56 O
僕は読みかけの漫画を手にとると、寝そべってくつろいだ
他にも買ってきたもの、しようと思った事、いっぱいあったけど今日はもういいや
少しずつでも

彼女は何か服を見て独り言を言っていた
僕に向けられた言葉を僕が聞き流していたのかも知れない
しばらくすると彼女が呼んだ

「なあなあ」
彼女はいつもなあとか、おまえとか僕の事を呼んだ
僕はいつも一度目は聞こえないフリをした

そんな些細な事さえ、今は大切な宝物だ
89 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/06(木) 12:50:53 O
僕が振り返ると、彼女の独り舞台が始まった
キャットウォークってゆうんだろうか、モデルさんがフアッションショーで歩くあの動き
散らかった、テーブルの上で

鼻歌を歌いながら、ごきげんな顔で僕の方を見つめ歩く

「テレビの人しかしねえぞ。それ」
本当は凄く彼女の方を見ていたかったけど、すぐに漫画に目線を戻す
そんな事はお構いなしで、さっきから浮かれ続ける彼女
僕は喜んでは欲しかったけど、たいした事したつもりは無かった
だから肩身の狭いような喜んでくれる事がもったいないような
そんな気持ちだった

静まった彼女の方を振り返ると、雑誌の小高い所に腰かけていた

「うざいから外行ったかと思ってた」
ぽつりと彼女は言った
笑顔のままだったけど、どこか寂しそうに僕には映った
90 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/06(木) 12:58:48 O
こうして一日は終わる

今日は僕にしては動いた
いつもだったらどうだろう
寝すぎて眠れず、胸やけのような胃のダルさと戦いながら布団でもがいているんだろうか

疲れた。僕には凄く疲れた
だけど充実していた
明日は仕事だ

「なー?」
「ん?」
珍しく一回で返事をしてみる

「今日は、ありがとう」

まただ!
あいつはいつもそうやって寝込みを襲う
おかげで30分睡眠時間は縮まってしまうだろ

「ん。大した事はしてやれんが」

そっけなくそう返すと、僕は思い出せないほど色々考えた
そして、気付いた時には眠っていたようだ
91ほんわか名無しさん:2005/10/06(木) 14:33:25 0
ここを私物化してるのは問題です。ブログにでも書けば?
せっかく良いもんなんだから。
92ほんわか名無しさん:2005/10/06(木) 18:22:01 0
>>91
私物化では無いと思うぞ。
少なくとも楽しみに読んでいる人間がいて、
その感想を書いたり、返事を貰えたりする場所が
ここであってはいけないと言う理由は無いと思うが。

>◆H/cU6V5GQU さん
出しゃばりだったらスマン
93 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/07(金) 12:26:33 O
この場で、数少なですが今まで皆さんには自分には勿体無いようなレスを戴いてきました
多分この板では占有目的でのスレの使用は禁止されていると思います
しかし、別の場で別の人間によって構成されていたならば皆さんのような方々には出会えなかったのかも知れないと思います
本当に感謝しています

自分には、これが閉鎖的使用にあたるかは判断しかねます

ひとつのレスをないがしろにした結果、板がどうなってしまうのか
>>1も、僕も十二分に熟知している事と思います
ここで終わるなら、それも理解してもらえる事であると思っています
また、誰かの意向を無視し推し進めるならば、僕の物語は空言にすぎないと思います

方法は、幾らでも有ると思います
一定の期間を空け、スレが落ちるならば僕の物語はそれまでです
このまま続けて、且つ削除依頼を出し、運営が占有と判断するならば僕の物語はそれまでです

どちらにしろ、あいつは僕の中に居ます
そして、その結末は温かな皆さんにはきっと見えると信じています

書く事でしか思い出せない自分が悪いのかもしれません

今日は書けません
次の約束は出来ません

答えが見つかった頃、もしどこかでお会い出来たなら
その時は温かく見守ってやって下さい

本当に有り難うございました
94ほんわか名無しさん:2005/10/07(金) 13:05:08 O
ここ無くなっちゃうの?
ROMるだけでレスしなかったけど、けっこう楽しみにしてたよ。
他の場所に逝っちゃったら、見つける自信ないな。
できれば、このままこのスレで書いてほしい。


それに、私はスレが立った以上、このスレが1000いくまでは、
名無しだけでも続けなければと思うんだけど、なんか、それか責任だとオモ。
95ほんわか名無しさん:2005/10/07(金) 15:39:41 O
俺も帰ってきて欲しい
ダメなら名無しで1000目指そうよ!!
いや、帰って来て下さい
続きをお願いします
96ほんわか名無しさん:2005/10/07(金) 20:42:56 0
私も◆H/cU6V5GQU さんに書き続けて欲しいです。
他の名無しさんがいる以上、閉鎖的使用になるとは思いません。
◆H/cU6V5GQU さんが戻ってきてくれるまで、このスレを守りたいと思います。
少なくとも現時点で削除依頼は出ていません!
ほの板にそぐわない内容のスレだとは思えません。

お願いします。話の続きを書いて下さい。
97ほんわか名無しさん:2005/10/08(土) 02:43:07 0
85です。
こんばんわ。そもそもほのぼの板なのでこういったスレが1つくらいあってもいいと思いますよ。
(私物化云々の問題より、荒れているスレが乱立している方がよほど問題ではないでしょうか?)
ここの物語を楽しみにROMっていた方って沢山いらっしゃると思います。
続きを楽しみにしています。




98ほんわか名無しさん:2005/10/08(土) 04:32:25 O
見てるひとこんなにいたんだ…
誰かがレスしてる以上私物化にはならないのでわ?
私はじゃましちゃいかんと思ってレス控えてましたが…
99代理:2005/10/08(土) 11:08:37 O
やめたいなら俺が続けようか?ww
ずっと来てなかったがかなり書いてるな
ここまできてやめるなんて許さん。

もうちょい頑張れよ。
100代理:2005/10/08(土) 11:17:13 O
「ん?なんだ?」
彼女の小さな呼び掛けにこたえる。

「なんでホタルすぐ死んでまうん?」

悲しそうに問いかける彼女の表情に僕まで
悲しくなってきてしまう。
「単に、生命力が弱いんじゃないか?
大体あんなもん映画であって実際に〜〜」

僕は彼女を傷つけてしまうくらいにながっ
たらしく現実を説明を続けた。

「つまりあんなもん架空の話なんだよ。
なに信じてんだ馬鹿たれが。勉強しろや」

突き放された彼女は悲しそうな表情をして
口を開いた――――

「実は私…ホタルなの。」

その言葉を聞いた瞬間、僕にはそれを理解
できなかったらしく、呆然と立ち尽していた
101ほんわか名無しさん:2005/10/08(土) 11:20:11 O
センスない
102ほんわか名無しさん:2005/10/08(土) 11:26:25 O
>>101
(´・ω・`)σギャハハ━━━━━wwwwwww
103ほんわか名無しさん:2005/10/09(日) 18:37:56 0
そうか?おれはけっこう好きだったが
104 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/11(火) 12:26:55 O
結構、沢山の人が見ていてくれていたんですね
嬉しくもあり、恥ずかしくもあります
本当は少し前から様子は拝見していました。
だけど、自分にはどうしたら良いのか分かりませんでした
自分にとって、このスレはすごく良いスレだと思っています
それは、自分の糞みたいな回顧録ではなく、そこに埋もれている皆さんの温かいレスがあるからです

答えはまだ分かりません
だけど、やれる所までやってみるべきではないかと思っています

明日から、また頑張ってみてもいいですか?
甘えかもしれません

占有と考える方は削除依頼を出して下さい
そして、ご一報願えたなら幸いです

自分は、その時点で伝えたい最良の事を綴ろうと思います

いえ、いつもそうあるべきかも知れませんね

つまらない奴ですが、よかったらまた宜しくお願いします
105 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/11(火) 13:01:10 O
2005年 10月10日 月曜日

海に来ていた
君の事を思い出したくて海に来た

海といっても、ほんの小さな田舎町の貿易港
外国人らしき人達が行き交い、今はもう中に入れる雰囲気ではない
一年もあれば景色はまるで変わってしまう
あの頃、ここは何もない寂れた港だった
釣り人と僕達以外は誰も居ない、本当に静かな僕の秘密基地だった

潮風が喉の奥で少し塩辛い
懐かしい臭いだ

きっと、君にとってはこの場所はそれほど大切な場所じゃなかったんだろう
だけど、僕にとっては今も大切な場所なんだ
君と静かに他愛ない話をだらだらと話していた、ただそれだけの場所
そんな時間がとても大切だった

景色はこんなに変わっていくけれども
106 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/11(火) 13:02:53 O

あの頃、目につかなかった灯台に目がいく
赤い灯台と白い灯台
きっとずっと変わらずにそこにある

2つの灯台は、てんでバラバラに光を放つ
片方が光ると、片方が消えようとする
また片方が光ろうとすると、片方は消えようとする

だけど、一瞬だけ、どちらも輝いてる時間があるんだ

僕達も、てんでバラバラな二人だったと思う
考え方も、なにもかも
だけど、僕達はいつだって繋がっていた
107ほんわか名無しさん:2005/10/11(火) 14:40:51 0
良かった・・・戻ってきてくれて。
これからも見守っています。頑張って下さい!
10885:2005/10/11(火) 15:23:58 0
こんにちわ。
また再開されたんですね^^
いつのまにかこれを読むのが日課になっていました。本当によかった。
109 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/12(水) 12:18:36 O
外に出たいと君が言った
外の世界が見てみたいと

あの時、あの場所は大切な場所に変わった
本当に一人で来ても何ひとつない、つまらない場所だ
だけど、僕は時々一人でこの場所に来てみるんだ

全て覚えているつもりでも忘れてしまっている君に、少しだけ会える気がするから

2004年 12月13日 月曜日

少しだけ早起き
彼女の弁当を作っておく
小さな小さな弁当だ
僕は米粒に絵を描く職人を思い出して独りでクスッと笑った

はしゃぎ疲れたのか、彼女はまだ寝ている
僕には、こっそり作っておきたいとゆう悪戯心が生まれる
110 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/12(水) 12:37:00 O
思惑は大成功に終わる

シーツと大格闘した、つはもの共が夢の跡
そこにぽつりと眠る彼女の寝顔を見つめてみた
普段、なんだか照れくさくてこんなには見つめられないだろう
結構可愛い

額に痣を見つけた
僕につけられた傷
痛かっただろうな。彼女は何も言わないし痛そうにもしない
なんだか、あいつの優しさみたいなものと解釈した
本当はちょっと抜けているだけかも知れない

僕は少し切なくなった
111 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/12(水) 12:53:37 O
身仕度が済んだ頃、彼女は目を覚ました

今日は早起き。少し時間がある
弁当の事を伝えておこう
こうして僕は、誰しもの寝起きの恒例行事を彼女が済ませるのを待った

「でけえよ」
彼女は寝起きらしいぼんやりとした笑いで僕にそう言った

そして、「ありがとう」といつもの複合技を持って来る

時計が気になる
昨日はそっけなく家を出れた
だけど今日はもう少しこうしていたかった

「そろそろ行かないとな」
声に出してしまえばどう思っていようがそれが僕の言葉だから不思議だ

僕は自ら自分の大切な時間を断ち切ってしまった
112 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/13(木) 12:08:40 O
「あたしも行く」

思いがけない言葉だった
「おまえが仕事してるとこ見てみたい」
いつもの底抜けに明るい顔でそう言った

全く理解出来ない
僕の仕事場に来て何が面白いのだろうか
僕が仕事をしている間、一体何をしているつもりなんだろうか
僕には無い思考に彼女を感じた
こう思ったんじゃないかな?といったものならあるが、正解は彼女しか知らない
113 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/13(木) 12:32:20 O
大体、外の世界の人々が彼女を見たらどう思うんだろう
絶対に連れて行けない
そんな事は考えないんだろうか
全く屈託が無い
僕が友好的な人間じゃないだけなのかも知れないが

「無理に決まってるだろ」
そう言うと彼女は笑った
僕にとっては笑う所でもなんでもない
普通に向けられた呼びかけに普通に返しただけだ
僕が意地悪い事でも言ってると思っているのだろうか
そんな顔

全てが新鮮だった
いや、今まで僕が他人を受け入れ無すぎたのかも知れない
彼女は彼女であって僕ではない
すごく当たり前の事

一つだけはっきりしていた事は、拒む気持ちではなく受け入れる気持ちだったって事
彼女の事を知りたくなった

何故そう思ったか、それは今でも分からない
114 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/13(木) 12:42:57 O
本当に連れて行かないと言ってる事を知ると、彼女はがっかりしたようだ

僕だって君の望みは叶えてやりたいよ
申し訳ないような、悔しいような
そんな気持ちだったと思う

「帰ったら、どこか行こうな」
思わずそう言ってしまった
行く場所なんて見当もつかない
僕自身が楽しい場所なんてそれほど知らない
まして、こいつと何処に行こうとゆうのか

だけど何故かそう言った
僕は何処に行くのかを模索しながら、いっぱいいっぱいで家を出た
115 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/14(金) 12:12:03 O
その日といえば仕事どころじゃなかった
どこに行けばいいのか、いつも片隅で考えていた
ただ、周りの人達に指摘を受けたように僕はニヤけていたんだろう

1日は長かった
同時に早かった
あっとゆう間に家に着く

本当はもっと色々な事があった1日だったんだろう
だけど、何をしていたのかもう覚えていない
116 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/14(金) 12:26:49 O
同時に、忘れたくない事も次第に忘れていってしまう
きっと今あるあいつとの思い出も、ところどころを寄せ集めたツギハギの物
覚えているつもりでも、忘れている事は沢山あるんだろう
いつも想うから、思い出すから、覚えている
それだけの話なんだろう

残したい記憶と残さなくていい記憶を自由に選べたら面白いかもしれない
僕はどんな記憶を残すんだろうか
117 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/14(金) 12:36:09 O
彼女は食事を終えると、待ってましたとばかりに口を開く

その日は弁当屋で買ってきた、幕の内のようなもの
どちらかと言えば何処の何でも唐揚げの僕
だけど二人で食べる事を考えて食べたくもない幕の内

僕にとってはコンビニ弁当よりワンランク上のごちそうだ
コンビニより安くつく
だけどコンビニの方が色々勝手が利くので買う事が面倒くさい
たったそれだけの理由だけどごちそうだ

不摂生には変わりない訳だけど
118 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/14(金) 12:44:30 O
「なあ?もうすぐクリスマスだよな」

何を見たのか、そんな事を言いだした
それでずっと意地悪そうにニヤニヤしてたのか
あてもないのが見透かされてるようでカチンときた
「ああ。そうだな」
ゴミを片付けながらの生返事
「予定は?」
彼女の方は見ていない。だけど声がなんだか馬鹿にしているように聞こえる
「あるよ」
ない。全然ない。
生まれてこのかた、小学校低学年以来ない
119 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/14(金) 12:56:26 O
「そか。あたしはまた留守番?」
急にトーンダウン
「どした?」
ちょっと気にはなったけど、ガサガサしながら生返事
「や、予定ないんなら一緒に何かしてやろうかなと」
ニヤニヤしていた意味が分かったのと、格好悪い僕
彼女の気持ちが届いてみると、凄く寂しくなった
「おう。頼むわ」
「いや、でも…」
「おまえがせっかくそう思ってくれてるならな」

感情的にしてしまったこんな約束
大切な日を作ったのは、こんな何げない普段の会話だった
120 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/15(土) 12:11:18 O
片付けを済ませ部屋に戻ると、彼女は僕の靴下にすっぽり入っていた

「…」
無言で、顔で語りかける彼女
僕は自分の靴下に入っているのがなんだか恥ずかしかった
「馬鹿っ!汚いよ。早く出ろ」

面白がるように彼女は潜るような素振りを見せた

「さあ!行くぞ!」
その場を逃げたいとか、そんな気持ちだったと思う
そう言うと彼女は靴下からぱっと飛び出した

この日から、洗濯物は片付ける習慣がついた
121 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/15(土) 12:34:45 O
どこに行くといったあてなんて無かった
とにかく人目につかない場所がよかった
僕自身が人混みが嫌いだって事もある
あれだこれだ考えていた1日だったけど、この頃には約束したからって以外にもう理由は無かった

そんな訳で僕はあの海へと向かった
122 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/15(土) 12:45:35 O
海までは車で移動
前に車に乗ったのはいつだっただろう
維持だけでも馬鹿にならないけど、全く無ければ困る

途中、僕の嫌いな賑やかしい通りを通った
ただ、誰が騒いでる訳じゃない
夜でも明るいだけなのに活気が漂うあの通り

彼女はそれをすごく楽しそうな顔で眺めていた
僕もなんだか、この大嫌いな通りの雰囲気を楽しもうと思ってみた
123 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/16(日) 12:19:41 O
まるでウインドウショッピングのように賑やかな通りを抜ける
途中、細い路地で何度か迷いそうになりながら辿りついた海
ぽつりぽつりと何台か車が停まっているだけの静かな場所
中には人が居るのだろうか
海辺に停まっている車にはきっと誰か居るんだろう

全く人の気配がしない
ただ、僕と彼女と真っ暗な海以外は何もない世界
周りがそうしているように車の灯りを消すと、本当に君さえもよく見えなくなって
僕の声と君の声だけになった
124 ◆H/cU6V5GQU :2005/10/16(日) 12:35:38 O
その日何を話したかよく覚えていない
彼女は僕とは何もかもが違って
それがすごく新鮮で、ただ楽しかった

何も無い場所、部屋と何ら変わりない他愛ない会話
何がどう楽しかったのか
ただ海に行ったそれだけ。

帰る途中に彼女は楽しかったと言った
ありがとうと

「おまえの事、今は好きかもな」


好きの意味も、どんなつもりで言ったのかも分からない
今も分からない
多分、楽しかった事をそう表現した
そんなとこだろう

家に着くと疲れがどっと押し寄せて少し遅めだが泥のように眠った
僕も、彼女も
125ほんわか名無しさん:2005/10/18(火) 11:17:43 0
キモイ奴のブログ?
126ほんわか名無しさん:2005/10/18(火) 11:41:38 0
だな

ここを見て楽しんでいる人もいるかもしれんが

それはブログで書けばいいこと。


ほの板でやることでもないと思う。
127ほんわか名無しさん:2005/10/18(火) 12:13:27 0
700になったら埋めに来る
128ほんわか名無しさん:2005/10/18(火) 12:15:08 O
醤油ラーメンおいしいねん。
129ほんわか名無しさん:2005/10/18(火) 21:02:46 0
今日のブログまだですか?
130ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 11:52:12 0
>>124
僕も、彼女も


そのあとは?
131ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 12:25:08 0
せ、せつねぇ・・・・ うわーん!!!
132ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 12:51:02 O
主の方いなくなっちゃったんですか?
133ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 12:51:26 0
出版日はいつですか?
134ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 13:21:17 O
>>125-127
てめぇの物差しで計るな
そんなのより糞スレ乱立する香具師をどうにかしろ
文句あるなら削除依頼出せば済むだけだろ。
それで消えるなら仕方ないかもしれんが、このスレを楽しみにしてる奴がたくさんいるのは忘れるな
135ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 14:49:09 0
なんで外野が削除依頼出さなくてはあかんの
スレ立てて糞スレか、場違いなスレならば
スレ主が責任持って依頼出せよ
自分がウンコしたら人に拭いてもらってるのかよ
136ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 15:01:37 0
わけわからんだが(´・ω・`)

独断の物差しで計られる場合もあっても、致し方あるまい。
独断で立てられたスレなんだから。
文句があればすぐ依頼で済む問題なんかな
そのような煽りというか擁護というか
逆にスレを楽しみにしてる漏れを含めた人に失礼。
ちなみに>>1さん書き込めないなら責任は取るべき。
137ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 15:02:37 0
糞スレと感じるのはその人次第です
糞スレと思う人が、削除ガイドラインに基づき削除依頼を出すべきでしょう

依頼をしない人は糞スレと思っていないわけです
138アリス:2005/10/19(水) 15:11:47 O
チキンラーメンまいう〜(・∀・)ィィ!!(・∀・)ィィ!!(・∀・)ィィ!!
139ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 15:13:40 O
シーフードヌードルおいしいねん。
140ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 15:16:56 O
お腹がへったぁ   誰かラーメンかってきて
141ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 16:53:54 0
なんでこんなにほのぼの出来無くなっちゃったのかなぁ・・・(T_T)
142ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 17:29:43 0
>>141
携帯厨かPC厨の識別じゃなく
そのまんまのID表示が出れば
まだ、ほのぼの出来るんじゃないかな?

ほの板も変わってほしいねー
143ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 17:38:28 O
昔はほんとにほのぼのしてたけど、板の人口増えるとどうしてもね。
でも余所の板に比べたらまだまだ別物だよ。2ちゃんじゃないみたいだし。
ほの板以外の荒れまくった板見てから帰ってきたらスゲー分かるもん。
144ほんわか名無しさん:2005/10/19(水) 20:13:11 0
>>142
ほの板はIDが無いから良かったのにぃ・・・

>>143
電車男以来人口増えすぎだよね・・・
ほの板以外はあまり行かないから良く分からないけど^^;
145ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 02:36:25 0
歯医者って香具師と相違スレ
146ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 02:45:27 O
うぜぇ糞スレ!!!!!
テメェの妄想小説を見てもらいたいならホムペかブログでもやれよ
147ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 03:00:45 0
>>146
そんな事言っても通じないよ
>>134が現れて擁護しまくるぞ
148ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 03:05:15 O
このキモいスレsageて
ageないでキモいから
149ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 03:07:30 O
>148了解( ̄Λ ̄)ゞ
150ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 08:01:22 0
梅さん
151ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 08:07:31 O
sageろよ
152ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 08:12:49 O
さげるか・・・
153ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 08:18:53 0
キモスレage
154ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 08:26:13 0
ume
155ほんわか名無しさん:2005/10/20(木) 13:39:11 0
あげもさげもフリーダムだあああああああああああああ
156歯医者 ◆ozOtJW9BFA :2005/10/20(木) 13:45:08 O
キンテツさん本人は自分の悪口でもいいから、書き込んで欲しがってますよ。話題にしてあげませんか?
もう今日だけどおまいらのブリヌリウンコ食いたい金払うし
157ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 05:50:49 0
続きマダー?チンチン.........
158ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 05:52:30 0
おなじく・・・
159ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:20:27 O
ここはチンポを哀願するスレになりました
160ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:25:17 0
>>159
おいお前!こっちこっち!!

名無しがまたーり(ry
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1129724322/
161ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:49:06 0
おじーちゃん誘導されてるよワロタwwwwwww
162ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:51:07 0
>>159
今夜のMVPだわwww
163ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:54:07 O
【ぬ】かみそってミラク【ル】美味いいっ【ぽ】いよね
164ほんわか名無しさん:2005/10/21(金) 06:55:28 0
>>163
【ガ】【ッ】【!】
165ほんわか名無しさん:2005/10/22(土) 22:05:54 O
スレ主さんへ
もうやめたんですか?
見ているなら御一報お願いします
166ほんわか名無しさん:2005/10/24(月) 20:43:52 O
またもどっておいで>>1
167ほんわか名無しさん:2005/10/25(火) 04:50:37 0
>>165
夢、独り言板で続き書いてるらしいよ
168ほんわか名無しさん:2005/10/25(火) 05:02:57 O
元々版違いだったからな
169ほんわか名無しさん:2005/10/25(火) 20:14:21 0
>>167
どれ?(T_T)
170ほんわか名無しさん:2005/10/26(水) 23:46:38 O
放置はひどいよスレ主さん
171ほんわか名無しさん:2005/10/29(土) 01:55:02 O
ありえねえ
172ほんわか名無しさん
はやくかえってこい