1 :
日本@名無史さん:
民衆の視点から日本中世史をとらえ直す独自の研究で知られた歴史家で元神奈川大特任教授の網野善彦氏が27日午前、東京都内の病院で死去した。76歳。山梨県出身。自宅は東京都練馬区関町南4ノ5ノ31。葬儀・告別式の日取りは未定。
東大文学部卒。都立高校教諭、名古屋大助教授、神奈川大特任教授などを歴任。日本常民文化研究所を足場に、従来の歴史学が軽視してきた遍歴職人や芸能民、漁民ら非農業民に着目。独自の社会史研究で注目を集めた。
通説にとらわれない考察は、中世における自由と平等の問題を追究した「無縁・公界・楽」、中世の天皇の支持基盤を再検討した「日本中世の非農業民と天皇」などに結実。それまでの歴史学に見られた天皇を頂点とする国家像や稲作中心の単一民族観を根底から問い直した。
民衆の具体的生活に即した歴史観は“網野史学”と呼ばれ、1980年代に中世史ブームを起こすとともに、故隆慶一郎氏の小説やアニメ映画「もののけ姫」などのモチーフにも影響を与えた。(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040227-00000125-kyodo-ent
2 :
日本@名無史さん:04/02/27 14:23
驚いた。
残念です。
3 :
日本@名無史さん:04/02/27 14:24
やっぱり本当だったんだ…
4 :
日本@名無史さん:04/02/27 14:33
江藤淳が自殺して後の日本、
網野が自然死して後の日本、
時代は変化するよ。
その一つの象徴だな。
網野説にはいろいろ感じることがあったけどとりあえずご冥福を
でもなんで「エンターテインメント」部門のニュースにするんだ?>やほー
6 :
日本@名無史さん:04/02/27 14:38
結局、「日本」という名称の代案については何も言わなかったにゃ〜
7 :
日本@名無史さん:04/02/27 14:44
副島隆彦がはしゃいでいそうだな。
「岡田先生の、文章を剽窃した、罰です」とか。
8 :
日本@名無史さん:04/02/27 16:08
ただただ驚いています。
ご冥福をお祈りします。
76だから大往生だろう。
>>5 >「エンターテインメント」部門のニュース
分からんでもない、と言ったら叩かれるか・・・。とにかくご冥福をお祈り致します。
古代の倭国がどのやうな経過と事情で日本国になったか.
これにはっきり答へられる日本人はおそらくゐまい.
誰しも歯切れの悪い説明しかできぬ以上,代案がないからといって網野氏を責めることもできまい.
ずっと臥せってらっしゃったそうだから・・・とは思っていたけど。
もう少しで桜も咲くというのに。
ご冥福をお祈り申し上げます。
13 :
日本@名無史さん:04/02/27 18:10
体調悪そうだったが、とうとう…
ショックです。
14 :
日本@名無史さん:04/02/27 18:27
中世のいろんなお仕事を教えていただきありがとうございました。
政治以外が政治史を動かすことに気付かせてくれました。
ご冥福をお祈りします。
天皇と被差別民の密かなつながりを暴いた勇気ある人だったな。
今後、この研究を引き継いでくれる人がいればいいけど。
ご冥福をお祈りします。
あの世で平泉澄に怒られていなければいいが。
18 :
日本@名無史さん:04/02/27 18:43
がんとの闘病、壮絶だったのでしょう。
遺著はやはり講談社「日本の歴史」になるのでしょうか。
19 :
日本@名無史さん:04/02/27 18:52
阿部謹也さんの方は大丈夫かな。
あの人も最近、世間論を振りかざしすぎな感じがして気になるんだが。
20 :
日本@名無史さん:04/02/27 19:28
>>20 やはりと言うかさすがニュー+と言うべきか、
ウヨ坊くんたちが何とかして網野先生を否定しようと躍起ですな ヽ(´ー`)ノ
>遺著はやはり講談社「日本の歴史」になるのでしょうか。
何か縁起でもないなw
N速+みてきた
ひでーもんだな。
現在が日本史を多面的に見ていい時代ではない、のかと思った。
ま、こちらの板ではマターリと故人への思いを語りつつ、ご冥福を祈りましょうよ。
これから氏の著作を読みます。
ご冥福をお祈りします。
大学1年の時『異形の王権』でレポートを書かせていただきました。
俺は人権問題板の方からこの人を知ったなぁ
改めてご冥福をお祈りいたします(´人`)
27 :
日本@名無史さん:04/02/27 20:31
浪人時代、日本史の教科書の内容があまりに硬直的で
日本史の勉強がイヤになりかけてた頃、
本屋でふと見かけた網野氏の著作に惹きこまれて
日本史への関心を取り戻した思い出がある。
結局日本史専攻には進まなかったが、間違いなく影響は受けたなぁ。
(ー人ー)
続・日本の歴史を読み直す は我がバイブルでした・・・ご冥福をお祈りします。
>>23 どうせどっかで誰かが評論したのを、自分の意見かのように語っているだけだろ。
ご冥福をお祈りいたします。
氏の作品を読まなかったら、今の自分はここにいない。
心からご冥福をお祈りいたします。
今日は麻原死刑判決に時間を奪われてるからある程度は仕方ないけど、
NHKニュース、7時でも9時でも網野氏の訃報には触れずじまいだった。
9時の場合、元東証理事長竹内道雄氏の訃報は流したんだが。
NHK的にはこちらの人物の方が網野氏より重要だと判断したという事か?
もののけ姫への影響って具体的にはどんなものですか?
35 :
日本@名無史さん:04/02/27 21:34
亡くなられてしまったのか。
中世研究には素晴らしい功績を残されたが
アズマや東国独立?王国の元ネタになった
東と西の歴史が語る日本史で行った
一種の歴史捏造(本文終末311ページ〜313ページにあきらか)は残念でした。
ご冥福をお祈りします。
36 :
日本@名無史さん:04/02/27 21:40
東西論の跳躍はアミノ酸先生の
ここでいう「煽り」「燃料」だって。
初めて読んだ歴史学者さんの本は網野さんだった。
最近はおんなじことをひたすら書いてた
39 :
日本@名無史さん:04/02/27 21:47
でかい煽り方だな
40 :
日本@名無史さん:04/02/27 21:49
>>33 アミノ的世界をアニメで表現すると「もののけ姫」になる、と言っても過言ではないように思う。
宮崎駿はずいぶん勉強したんだな、と感心したもんだ。
>>38 有名になると執筆依頼が膨大になるからなぁ。
同じ文章使いまわすようになるんだろうな。
大家の晩年によくあるパターン。
ああ、本当に亡くなったんだ。とりあえず黙祷。
ま、あれだけ書いてれば、言い残したことなどほとんどないだろうし、
そういった意味ではもう半分過去の人だったかも知れんけど、でも、やっぱ少し寂しいな。
最期まで左っぽい人生だったね。合掌。
「もののけ姫」のエボシ御前は、
『異形の王権』の後醍醐天皇だと思って見ていた漏れ。
45 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:19
この先生が代表者だった日本史のシリーズはどうなったの?
回収された本があったけど、最後までいったのかな?
このシリーズは読む価値ありですか?
46 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:20
あれを左だと思う人って・・・
嗚呼昭和は遠くなりにけり
か
47 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:21
>>43 確かに左っぽい人ではあるが、どちらかというと右の漏れ
でも、つい引き込まれてしまう面がある。
本も面白いが、さすが高校の先生をやっただけあって、講演会も面白い。
なかなか両方面白い史学の先生はいないとオモフ。ご冥福をお祈りします。
ご冥福をお祈りします。
49 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:26
網野先生は西洋史の方でも有名な先生だたよ。
左っぽいとか言うが、戦後の史学はマルクス主義の影響が尋常じゃなかったからなぁ。
みんな多かれ少なかれマルクス主義の洗礼を受けてるのは仕方ないだろ。
今若い人はそんな戦後学界の状況なんか想像もつかなくなってるんだろうな。
マルクス主義の洗礼 →マルクス主義の影響
52 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:43
このスレに来て左っぽいとかわざわざ言うのは、変な人だろ。
左で悪質、みたいのは他の人だろ。
N+で知ってこっちに来た。あそこはほんと酷いね、最近。
なんでこのニュースでウヨサヨ論争になるのやら。
氏の著作を本当に読んだことがあるのかなぁ。
ともあれ、慎んで冥福をお祈りいたします。
54 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:48
マルクス史観も、いまとなってはいくつかの選択肢ということで
コミュニティー(大小問わず)は否応なく不滅ですから。
謹んで冥福をお祈りいたします。
薄汚い論理で日本の侵略戦争及び戦争犯罪を正当化する
糞コヴァどもを論理的にぶっつぶせる人がまた一人逝かれたか・・・残念だ
57 :
日本@名無史さん:04/02/27 22:54
NHKキター!(AAry
網野さん、自分でマルクス主義だといってたじゃん。
自分でも保守に対抗する姿勢を明確にしてたし、左か右かでいったら、左で
いいんじゃないの。ただ、そんな区分なんて全然意味ないけどね。
天皇制、国民国家、それらの強固さを認識するからこそ、それらに否定的な
見解を持っていたはず。
それなのに、中世史に通じた皇太子など、思いかけないファンがついてたな。
皇太子は西尾幹二なんかよりよっぽど歴史の勉強している、とコメントして
いたのは何の本だったっけ。
皇太子も公式には何もできないだろうが、こっそりお悔やみの言葉でも送って
いるのではないか。
しかしこんな世相で往ってしまうなんて。
自衛隊の戦地への派遣、開き直る小泉首相、
つくる会にウヨ厨が勢いを増し・・・
実のところ無念だったんじゃないか。
時代は杉山正明
阿部謹也の追悼文とかないの
まぁあのくらいの年の人は、若い頃にマルクス思想の洗礼を
一度は受けているものだからね。時代だったんだよ。
そして今亡くなったのも一つの時代の終わりだったのだろう。
64 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:04
>>58 網野さん、進歩史観を疑問視していたようだけど?
いつの話ですか?
王太子もファンだたのか、日王家の一員ってのは
気に入らないがまあこn点については認めてやらんでもない
ところで網野氏はコリア系渡来人(現在の在日コリアンも含む)
の日史への影響を著していたのだろうか
66 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:07
67 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:08
学問としての「日本史」と、体験からきたナショナリズムへの嫌悪を
ごっちゃにしていた部分もないとはいえなかった、と思う。この人。
無縁・公界・楽・アジール……これらを実証することで、今の日本人の根っこに
はいまだ中世的心性が残滓として残り続けていることを我々に明らかにしてくれた。
日本中世史を勉強することは現代日本を理解することに繋がる、そんなことを教えて
くれた人。漏れにとっては遠い恩師でもある。
69 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:11
なんで日本史板では
「日本なんて単語を使うな」とかいう売国学者を
サヨでないという人が多いのだろうなあ
>>65 あのお、「日王」とか「コリア系渡来人」とか「日史」とかいう用語をお使いになるのはどういう集まりに多いんでしょうか?
内輪ではそういう用語が飛び交うんですか?まさか中世史の研究者?
日本という国名について下らない牽強付会をやっていたが、
では、てめえが編集委員長になった講談社の日本の歴史は
一体どういうことなんだと思った。
日本列島の歴史とでもしておけばよかったんだ。
言葉狩りの典型的左翼だったと思う。
はいはいはい、マトモに著書も読んだこと無い人間はニュー+にお逝きなさい
73 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:18
>>71 あんたのやっていることも言葉狩りだがなw
74 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:19
>>69 「日本なんて単語を使うな」っていつどこで言ったのですか?
75 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:21
朝日新聞「社」の「日本の歴史」での大陸からみた日本てのは
オーストラリアの地図なみにビクーリした。
76 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:22
>>67 体験的にも学問的にもナショナリズムを否定してたのだからいいのでは
77 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:23
暗殺だよ
あまりにイデオロギー色が強くて、その説の裏には
実に歪曲した精神が見え隠れしていて、薄気味悪い。
ま、公平な史家でないことは確かだわな。
どこか、極端で、実証を飛び越えたところがある。
79 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:26
>>69 「日本なんて単語を使うな」なんて言ってたっけ?
6世紀頃までは「日本」という国号はなく、よってそれ以前を「日本」と呼ぶことは
おかしいんじゃないか?っていうのなら知ってるけど
ナショナリズム否定の部分にファビョったコヴァかな?
82 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:27
「日本」という字面と紀元に対してなんかいってた(詳細忘れスマソ)
で、それのどこが攻撃対象になるのやら。
代替がなけりゃ「人委」で困ることなかろ。
>>80 意地悪く、どうでもいいことを殊更に強調したのさ。
自分はまったく畑違いだけど、人間的に素晴らしい人だと思った・・・。
ご冥福をお祈り申し上げます。
詳しくは知らんが、日本全国から古文書かりっぱなしで
それを返す旅をしたそうだが、そんな杜撰なことでいいの
かな。全部返したのか心配だ。
元祖在日こと渡来人が作った以上倭を「日本」と同一視するのは間違ってるだろうな
コヴぁゃιぃよしのり曰く「日本人は縄文人から連綿と続く民族」らしいんだがなw
網野発言にファビョってるのもコヴァだろう
網野さんの著作に感銘を受けた人って多いみたいだね。
おれはアミノ酸はちょっと苦手で、中公の竹内理三の『武士の登場』に感銘を受けたたちだが、変わってるのかな?
>>64 ごめんウロ覚えなので違うかも。
従来のマルクス主義歴史学の捉え方に、マルクス主義の立場から
疑問を持った・・・というような話だったような。
だいぶ昔の話。
89 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:37
>69
文系ですから。
>>71 >講談社の日本の歴史は
だからこそ第00巻として一巻を費やして無自覚無反省な〈日本〉概念に再検討を加え、
そこを出発点として各時代の通史を記述する記述してゆく構成になっていたわけだろうに。
読んでもいない本の題名だけをあげつらって揚げ足を取ったつもりか、厨房が。
92 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:41
コヴァが威勢良く乗り込んできたはいいが、マトモな
住人に論破、迎撃されている様は笑えるのぅw
コヴァって言うか、ニュー速+のウヨサヨ厨房って感じだな
95 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:44
ウヨからもマルキストからも叩かれる
貴重な存在だったなあ
>>91 その解説ではぜんぜん駄目だな。せめて、アミノの執拗な主張に
よるならば、日本の国号ができるまでの時代の巻は日本の歴史と
称することはおかしいということになる。
つまり、そういう主張してもいいが、別にだからといってどうでも
いいことだ。言葉遊びにちかい。
97 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:48
しかし彼(先生)の訃報スレがここまで伸びて、
N速+でメタ糞いわれてるのは
社会政治の表舞台に立ちづらい歴史学者にすりゃ凄すぎっていったらいい杉。
>>92 「日本」という国号や「天皇」という称号は七世紀に作られたものであり、
古代の日本を「大和朝廷」によって統一された国家として描くのは誤りだ。
↑まじか・・・・・・・・・・・・・・
この人古事記読んでないのか????
天皇は火遠理命の子孫、要するに火の元だから日ノ本って出てるのに・・・・・・・
アミノは日本の国号ができるまでの列島は日本ではないと主張した。
しかし、自らが編集の長をつとめる講談社の日本の歴史は、日本の
国号ができるまでの時代の巻であるのに日本の歴史というシリーズ
名がついている。
よって、これはちょっと変だと素朴に思った。
別にどうでもいいことだが。
100 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:52
専攻が異なるのでいわゆる網野史学にはあまり影響を受けなかったが、
『古文書返却の旅』はよかった。
もうちょっと後の時代を続編で書いて欲しかった。
>>96 現在の日本領土の歴史という意味では「日本の歴史」でも別に構わないだろう。
でも、それが過去に遡って均一な社会であったという誤解を招く恐れがあるということだろう。
>>98 古事記って8世紀に書かれたものじゃなかったっけ……?
日ノ本って単語、古事記にすでにでてるよ。
>>98 ねえ、古事記編纂されたの何年?
で、7世紀っていうのは何年から何年?
105 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:56
>>102 ごめん。読み間違えた。
「日本」という国号や「天皇」という称号は七世紀に作られたものであり
↑17世紀だとオモタ。
>>98 さてここで問題です。『古事記』の成立は何世紀だったでしょうか?
……って、98は煽りだよね? まさか天然じゃないよね?w
107 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:58
真面目に天然ぽくてコワイw
108 :
日本@名無史さん:04/02/27 23:59
>>106 だから見間違えたって言ってんだろ
「じゅうななせいき」と間違えたんだよ(藁
アミノは自説と日本の歴史という書名とに生ずるズレに
葛藤したと思う。
で、常識的に日本の歴史とした。ま、当然だな。
111 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:00
勢い込んだわりにお粗末だなw
112 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:04
葦原中国あるいは倭でええやん。
113 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:05
有名人死亡記念カキコ。
>>112 「倭」なんて「日本」以上に大問題を含んでるだろ
>>110 ずれてないって。例えば沖縄や北海道の歴史も「日本の歴史」だろ。
韓国が併合されていたら、韓国の歴史も「日本の歴史」だろ。
その場合の「日本」と、昔から「日本」だったというのは違うだろ。
従来はそういう考えが薄かったんだよ。日本は大昔から日本だったと
なんとなく考えていた。それに対しての問題提起だろ。
日本の歴史以外の書名だったら、きわもの扱いされるか、
訝しがられて売り上げも落ちたろう。
で、常識的な書名におさめた。
そんなとこだろう。
117 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:07
とすると、お次は西洋中世史のあちらさんの番ですか?
>>117 縁起でもないこと言いなさんな(汗
…しかしあの方も最近は「世間」「世間」とそればかりいい続けて…何だかなぁ。
119 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:11
>>115 だな。まぁ、どうしても呼称でいちゃもんつけたい厨房は絶えないだろうが。
月報かなんかで《日本の歴史》というシリーズタイトルに
忸怩たる思いのある事を吐露してたりしてなかったっけ?
まぁ、たとえば《日本列島における諸社会の歴史》では、
とても市井の一般人には受け入れてもらえなかっただろうから、
教養書としてはあるていどの妥協は仕方なかっただろうけど。
121 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:15
それくらいでめげてたら
こんなに話題になるか?
職能とそのパトロンという観点は、
鎌倉以降(現在まで含む)の土地を中心とした
正規の体制とは異なる能力が存在したらしい
というのだけはよく分かる。
122 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:18
さて、今晩は田中義成でも読んで寝るか。
123 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:19
逆説の日本史最新刊が出たけど、今でも逆説は面白いのかな?
秀吉編に突入したけど、戦国時代に疎くてね。
教えて。
124 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:21
甥っ子の中沢新一が深くコミットしていたオウム真理教の
麻原に死刑判決が下った日にお亡くなりになったのも、
何かの因縁のような気がするわけで・・・
125 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:22
平泉せんせいの本を読みながら寝ましょうか
南北朝あたりで完全に寝れん!
自衛隊の派遣とか関係無いじゃんw
127 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:34
逆説の日本史最新刊が出たけど、今でも逆説は面白いのかな?
秀吉編に突入したけど、戦国時代に疎くてね。
教えて。
逆説の日本史最新刊が出たけど、今でも逆説は面白いのかな?
秀吉編に突入したけど、戦国時代に疎くてね。
教えて。
>>127 スレ違い。てか戦国時代に疎いのなら入門書読めよ。
131 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:37
逆説の日本史は停滞中。最近はあまり切れ味がよくない。
史料が多すぎる時代なのか、ありきたりのことしか書けてない感じ。
網野先生、お疲れ様でした。
西洋近代史専攻の私でしたが、先生の存在は大きく感じられました。
…それにしてもN+のスレは色んな意味で酷過ぎる…こっちに来てほっとしたよ。
てか厨はなんで批判してるの?ろくに読んでいるとも思えないが。
誰かが批判してるのの受け売りじゃないのか?
そこんとこ詳しくないんで教えてください。
134 :
日本@名無史さん:04/02/28 00:51
日本地図逆さまにしたのが、原因じゃあないの?
>>133 「日本の同一性にイチャモンつけてる左翼的歴史家」
っていう風にどっかから聞きつけて、それがカンに触ってるんだと思う。
ニュー+良く読んでないから分からないけど、
網野氏の「日本」という国名は7世紀に成立したものだから、
それ以前は「日本」と呼ぶべきじゃないという説に対し、
ウヨ厨がサヨ的だ!けしからん!とでも吼えているのでは?
>>133 正論でも田中なんとかいう美術史の奴が堂々批判。
西尾幹二はホームページ上でも批判。
などなど。
138 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:06
網野先生、浪人時代にあなたの岩波新書3冊を教科書にして
日本史論述の勉強をしました。
結果は合格。一度講演とか聞いてみたかったなあ・・・。
ご冥福を祈ります
140 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:10
142 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:19
>>141 皇太子と網野善彦氏のチンコの大きさが気になります
143 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:19
お勧めの著作は何ですか?
>>143 『異形の王権』(平凡社ライブラリー)
『日本の歴史をよみなおす』(ちくまプリマーブックス)
極東アジア史・・・
フランス史や、イギリス史、アメリカ史、朝鮮史、中国史なんかも成立しなくなる
網野先生の言いたいことも分かるけど、“日本史”で良いと思えるのだが。
言葉、表現を大切にしたいという気持ちも分かる。満州を「中国東北部」と呼びたくないし。
うーむ。ジレンマだ。
147 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:22
そうなると
別に皇太子はアミノファンではない
西野氏には非常に含むところがある。
こんなとこか?
そもそもよく学習院が企画したね、つぎは靖国で講演もあったのにかもね。
>>141 網野の家に抜き刷り贈ったりなんてこともあったんだよ。
(もちろん公式には宮内庁だかどこだかが送ってることにして)
ファンとまではいかなくとも、わざわざ講演に行ったのだって、
わざわざ質問したのだって、それなりにごきょーみがなければね。
嘘か本とか、史料見る便宜をはかったなんて話もずーっと前に
この板にあったけど。
ところでリンク先はどういう意味よ。
149 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:26
>>147 皇太子と網野善彦氏のチンコの大きさが気になります
150 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:27
>>148 皇太子と網野善彦氏のチンコの大きさが気になります
>>137 サンクス。西尾幹二のHP見たけど思い込み激しいなあ。
俺が思うに、網野氏は「日本」や「天皇」を新しい視点でとらえ直すことを提唱している
のであって、別にそれが直接に否定するものであるとは思わないんだけどな。
もちろんそういう選択肢もあるわけだが。
俺は保守で天皇制支持なわけだが、西尾氏はただの頑迷固陋なジジイにしか見えない。
西尾氏は「民衆」だとかに脊髄反射している厨かよ。
日本古来の思想というよりも、尊皇攘夷思想の影響をもろに受け継いでいる感じ。
網野氏は確かに固定観念の強い人間には、そこら辺にいる左翼と同じに見えるかもしれないが、
実際は全然違う。網野氏は未だに正しい理解をされていないのだろう。理解した上での
批判をされていないというのが氏の悲劇だったと思う。支持している人でも変な理解してる人もいるし。
まあ西尾氏の場合、歴史教科書を批判されたんで頭に血がのぼっているのかも
しれないけどね。
中世荘園史やってた皇太子が
網野氏の研究に関心持ってなかったってことはまずありえないだろうけどな。
ただ、皇太子も一介の研究者だったわけだから、
漏れらみたいなミーハーな「ファン」という感じじゃなく
「研究をする上で対峙しなければならない先人」という意識なんだろうけど。
153 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:31
皇太子と網野善彦氏のチンコの大きさが気になります
海上交通をやっていたという話だが。
荘園史になったん?
海上交通なんてモロ網野にかぶるし、
右翼が嫌いそうな非農業民など庶民の
歴史にかぶるし、学習院はよく許したな
と思ったんだが。
155 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:35
>>151 おいおい。網野氏は朝日新聞発行「論座」で
「天皇制は自然消滅すればいい
無くなってしまえばいいと思ってるし、将来はそうなると思う。」と
語ったぞ。
156 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:35
歴史の教科書については
「自分が正しい」という方が負けに見えるのは日本的メンタリティかな
まあ意固地な方がアホにみえるよね。
歴史みたいに視点や観点が勝負の世界じゃ。
157 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:36
>>154 非農業民
とは何ですか?俗に言うエタ非人のこと?
>>157 網野先生の追悼スレでその質問はないだろうよ・・・
161 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:44
>>160 中世史の本を読むと網野さんの著作が
必ず出てくるので興味はあるのですが、まだ一冊も読んでない。
ただの歴史スキなので・・・
162 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:44
>>157 農業民は今で言う農家や家畜で生計を立ててる人たち。
「非」がつくのは、エタヒニンでok!
164 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:49
>163
え?一応は正しいでしょ。
>>151 >網野氏は「日本」や「天皇」を新しい視点でとらえ直すことを
>提唱しているのであって
そういうことだろうな。しかしその上で網野は、ゆくゆくは天皇
制が消滅することを理想としていたことは
>>155のとおりだな。
しかし、天皇家が一つの伝統ある家として存続することまでをも
否定しているわけではないかと。問題は天皇制。
166 :
日本@名無史さん:04/02/28 01:57
ヒアルキーって何?ヒエアルキィーだったかな?
意味分る人いますか。
167 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:00
東西文化の違いを半島の南北分断に重ね合わせて、
天皇および国民国家批判を展開するのも
かなりアクロバティックな事だと思います。
しかし、ある著作で神人=非人としたかと思えば、
別の著作では神人/犬神人(=非人)としたりもする。
寺社の構成はそんなに一般化出来るものではないのに、
供御人制とか変な事を言い出したりもする。
明治以降の重農主義的歴史観に異を唱えたのは分かりますが、
一体、何をやりたかったのかね、この人は。
ヒエラルキーな
ピラミッド型の階層をあらわす
あかん頭イタもう寝る
(ー人ー)
169 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:10
>>168 ありがとう。「ヒエアルキー」で正しいんだ。
だから網野氏が論座で「天皇制はヒエアルキーだから自然消滅して
無くなってしまえばいいし、そうなって欲しい。」と語ったのでした。
胸のつっかえが取れた。168さんお休みなさいませ。
170 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:11
今頃アズマ野郎はショックで打ちひしがれていることだろう。
171 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:13
>>169 だから「ヒエラルキー」だよ。
ヒエアルキー×
172 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:20
アズマ野郎とは誰を指すのですか?
右翼?
173 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:22
網野氏の言ってることって別にそんなに目新しいことじゃないでしょ。
実証的に農村史とか研究していた人ならずっと前から知っていたはず。
174 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:25
>>173 農家をやってる人たちの愛読者でもあったそう。
なんか読むと仕事に精がでるんだってさ。
仲間にも参考書替わりに薦めたいそうだ。
百姓=農民じゃなかったって驚いてる奴は
漢文も勉強したことないドキュソ
176 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:43
戦前は民族主義の運動の中心人物だった。
だから長い間沈黙することになった。
>>176 誤爆? 網野先生が大学を卒業したのは戦後の話ですけど。
ぎりぎりで旧制学士なんだよな。
178 :
日本@名無史さん:04/02/28 02:54
永原慶二よりも先に逝くとはな。
「中世史研究の第一人者」とかいう新聞見出しにはひそかに憤ってるかもしれんぞw
>>165 そうだね。
網野氏は「天皇制」だけでなく、天皇そのものにも否定的だったのかもしれないけどね。
だけど、網野史学を発展させれば、そういう結論には結局ならないんじゃないかと俺は思う。
良い研究仲間に恵まれ、第一線で仕事をして研究史に足跡を残し、
後進によって所説が批判され乗り越えられるところを見届けた。
学者の本懐ではないだろうか?
誤りや危うさも含めて愛される人だったようだ。
合掌
>>173 百姓=農民でないというのは、そりゃ昔からわかっていた。
だが、なぜか百姓=農民という意識が常識として通用していた。
コロンブスの卵のようなもんではないのかな。
337 :日本@名無史さん :01/11/28 01:02
網野さんは、本人のアイデンティティーとしては
日共の党員がすくなくともシンパだよ。
でも、客観的にいうと、彼の学問は戦後にタブー(ってほどでもないが)
戦前の平田澄とかの皇国史観の系統なんだよ。(もっとはっきりいえばパクリ)
そんなこたあ学界ではみんな知ってるし、だから浮いちゃってるって部分もある。
だから、そのことと自己規定とのズレを、周囲に言い訳しなきゃいけない立場に追いやられてる。
たとえば、気心の知れた同人誌に書く時とか飲み会とかの席では
「俺はマルキストだっ!」とか「天皇制はいずれ潰れます」とかしょっちゅう言ってるんだよ。
本人の自己規定としては正真正銘のアカ。
でも学問的業績としてはウヨを喜ばすものばかり。
かわいそうな人なんだよ。そりゃストレスで癌にもなるだろう。
ハイアラーキーともいうよね
184 :
日本@名無史さん:04/02/28 03:30
追悼論文集とか出るのかな?
185 :
日本@名無史さん:04/02/28 03:34
百姓と農民ってどう違うんですか?
「農民」を辞書を引いたら
・・・農業に従事する人。百姓
と書いてあったのですが。馬鹿な質問ですういません
186 :
日本@名無史さん:04/02/28 03:36
マルクスの「ヴェラ・ザスーリッチへの手紙」から「無縁」のヒントを受けた
という網野はやっぱ屈折したマルキストのはずなのだが。
「無縁・公界・楽」と新書の「中世の風景」しか読んでいない。10年ちょっと
前で学生だったけど、レポート作成の為に活用しました。専門外だけどこの
人の研究は影響は学外にも大きかったんじゃないかなぁ・・・。
188 :
日本@名無史さん:04/02/28 03:39
あっと、「中世の風景」は西洋史研究者との対談をまとめたものだったかな?
マルキスト=共産党系という図式は正しくない。
網野はインディーズ系でレーニン以降のマルクス主義とは一線を画した。
それにしても平田って誰だよ?平泉だろうに。
>>189 阿部謹也との対談じゃね?
いまは平凡社ライブラリー
昔はどうだったかは知らないが、
進歩史観を否定した時点でマルキストじゃないのでは?
193 :
日本@名無史さん:04/02/28 04:16
ニュース板見てきたけど、
ソースもなくとんでもない電波カキコしてる厨房がいるので
笑わしてくれるな。
たとえば、
何 じ ゃ こ れw
↓ ↓ ↓ ↓
269 :名無しさん@4周年 :04/02/28 01:08 ID:GMEGHTjW
この人は関西弁は朝鮮語の方言の一種で
関東弁とは起源が全く異なるってことあるごとに主張してたよね。
194 :
日本@名無史さん:04/02/28 04:36
図書館で著書を借りてきた日に亡くなるとは奇遇だ。
>>194 お前が本を借りたから死んだんだ
この人殺しめ
アミノ酸を返せ!
196 :
日本@名無史さん:04/02/28 05:27
ヒエラルキーってどう書くの?とか、
辞書で百姓を調べたけどわからんとか、、、、
中学生の自由研究じゃないんだからさ、わかんない厨は質問スレで質問すれや
197 :
日本@名無史さん:04/02/28 06:14
>196
まあ、追悼スレが立ったのを見て始めて自らの歴史観に疑問を抱いた人間なんだろう…
暖かく見守ってやれよ。
百姓は漢語では「すべての民衆」をあらわし、農民だけではなく商工業者なども含む。
しかしDQNな教科書では短絡的に「百姓=農民」と捉え「江戸時代の農民比率98パーセント」
などという誤った記述をしている。しかし網野先生の調査によればこれは誤りである。
というのが網野説の骨子。詳しくは「日本の歴史をよみなおす」(筑摩書房)参照のこと。
198 :
日本@名無史さん:04/02/28 07:06
ニュー速の住民は本なんて読まないね。
199 :
日本@名無史さん:04/02/28 07:12
>>198 即興で脳内妄想こさえる才能に満ちあふれてはいると思う
200 :
日本@名無史さん:04/02/28 07:39
>>197 何だか「ほねこ」を説明していそうで微妙にズレている気がする。
江戸時代は全て農業還元主義がとられて、農業やっていない人たちも
無石の農家という把握がされていて、近代の歴史研究もそれを引き継いだ
っていうんでしょ。
269 :名無しさん@4周年 :04/02/28 01:08 ID:GMEGHTjW
この人は関西弁は朝鮮語の方言の一種で
関東弁とは起源が全く異なるってことあるごとに主張してたよね。
↑
これ、「西と東の語る日本の歴史」に一説として引用されている意見が元になった誤解。
「関西弁なんか朝鮮語の方言だよ」と冗談を飛ばした学者がいたということを網野氏は書いている。
自分の説ではないし、更に「ことあるごとに主張」ということはない。
ニュー速はこれだから。
202 :
日本@名無史さん:04/02/28 08:58
この人左翼でしょ
本業以外の
現代史に関する従軍慰安婦とか南京大虐殺とかの
売国発言はすべきでなかったのじゃないかな。
>>124 中沢新一は甥だったの?ヘェー
歴史学者でNHKニュースで訃報が流れる学者なんて、もうしばらく出ないんでは。
ご本人は今頃あの世でどう思ってるか知らないが
日本史学者としたら最強の「勝ち組」でしょうな。
205 :
日本@名無史さん:04/02/28 09:28
今朝の新聞で初めて知りますた・・・
ご冥福をお祈りします。
ただただ、残念でつ・・・
206 :
名無し募集中。。。:04/02/28 09:41
網野「日本中世の民衆像」
石井「中世武士団」
笠松「徳政令」
高橋「清盛以前」
橋本「平安貴族」
千々石到「板碑とその時代」
網野っち追悼として復刊してください
207 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:00
網野 善彦 あみの よしひこ 1928〜2004
東京大学史学科卒。名古屋大学助教授,神奈川大学短期大学部教授,
神奈川大学特任教授を経て,歴史研究者。
著書 《中世荘園の様相》(塙選書,塙書房 1966),《中世東寺と東寺
領荘園》(東京大学出版会 1978),《異形の王権》(平凡社ライブラリー
1993),《増補 無縁・公界・楽》(平凡社ライブラリー 1996),《日本社
会の歴史 上中下》(岩波新書 1997)
208 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:14
網野さんは何故最初高校教師をやっていたの?
209 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:25
学会の対応としては、百姓≠農業民というのは語義的には
正しいが、近世から現在にかけてはそのように捉えられていたので、
便宜上従来の意味で使用している、と。
だから、網野氏が百姓=農業民を否定しようと思ったのなら、
織豊政権期−江戸期−近代における
農本主義成立の研究をしなければならなかった。
それなのに中世非人や海民の研究とは…。
210 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:28
網野さんの、飢饉の話は面白かった。
妙法寺記を読んだら米が値上がりして飢饉になったと書いてあるだとか、
京都周辺の農村に食料が無くても京都にはあったとか。
中世社会の見方を変えていくキッカケをくれた。
211 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:30
とりあえず、大した知見があるわけでもないけど、追悼の意を書きこまずにはいられない。
ご冥福をお祈りします。
>>209 別に農本主義成立の面から百姓≠農業民を証しようとしたわけじゃ
なかったからじゃないの。
213 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:48
>>209 海人や漂泊民の存在に注目していた柳田國男を継承した議論だよね。
でも柳田が近代以前の話にとどまっていたのと同様に網野氏もそこでストップ。
214 :
日本@名無史さん:04/02/28 10:52
215 :
日本@名無史さん:04/02/28 11:14
研究者崩れってこと?
216 :
日本@名無史さん:04/02/28 11:17
前の職場がなくなったので転職したそうな。
218 :
日本@名無史さん:04/02/28 11:26
この人学部卒なんだね。
219 :
日本@名無史さん:04/02/28 11:30
だって旧制だし
N+は言論統制されて以降、厨の書き込むスレがなくなって発狂しとるな。
221 :
山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :04/02/28 11:55
あの板はイデオロギーが絡まないとスレが伸びないのが悲しい・・・。
222 :
日本@名無史さん:04/02/28 12:09
アミノ酸って党員だったの?
223 :
日本@名無史さん:04/02/28 12:20
日本のアナール派
朝鮮系渡来人が必死になって開拓した東倭の島々を
現在の原住土人どもの末裔が「ニホンノレキシ!ニホンノレキシ!」と自慢に必死
なのには萎え萎え
旧制の学部卒というのは、中等教育を修了した後に
高等学校3年間+大学3年間の計6年の高等教育を受けているので、
現在の感覚だと修士修了に近い。
というか、進学率やら考えると、新制修士より旧制学士の方が優秀だと見なすべきかも。
旧制は新制とはまったく別物だよ。
教養のレベルもまったく違う。
227 :
日本@名無史さん:04/02/28 13:31
網野って「と」なわけだな。
228 :
日本@名無史さん:04/02/28 13:35
あぁ、ガチンコファイトクラブの
229 :
名無しさん名無しさん@腹打て腹 :04/02/28 13:39
網野寛道だったっけ?「水くださぁ〜いぃぃぃぃぃぃ」のw
そういえばあれも横浜出身だったなw
231 :
日本@名無史さん:04/02/28 14:25
とにかくいろんな意味で立派な歴史家だったと思います。
私が最も尊敬する人の一人です。
網野先生、おつかれさま。
そして、ありがとうございました。
232 :
日本@名無史さん:04/02/28 14:33
たしか定職に就く前はあの歴研の事務所でバイトなんかもしてたはず・・・
233 :
日本@名無史さん:04/02/28 15:00
適齢期に達しててそろそろ次は危ないかなって日本史界の大物は誰よ。
佐藤進一、永原慶二、色川大吉
『無縁・公界・楽』って、笠松宏至『日本中世法史論』で
数行書かれていることを膨らましたものだって聞いたことがあるけど、本当?
>>235 まぁ、『無縁〜』での〈エンガチョ〉に関する網野先生と笠松先生のやりとりって、
どこまで冗談でどこからマジなのかちょっと気にはなってるw
>>235 しかしそれが本当だったとしたら、どうだというのだ?
238 :
日本@名無史さん:04/02/28 16:54
すっごくビックリした
数年前、大学で講演聞いて懇親会で会話したこともあったけど
ただただご冥福をお祈りいたします
240 :
日本@名無史さん:04/02/28 18:12
>>239 世界史でおなじみの山野さん。女帝スレで戦ってください
>>240 既に学問板のスレとしての様相を呈していないようなので無理です・・・。
もう日本史に正義はないのでしょうか
ほんとに日本史界の痛手…。ここまでの理論と史料に対する目配りのよさ。。ダイナミックな論の展開…
もう網野さんの論文読めないと思うと、悲しくてしょうがない。
著作集を平凡社あたりからだしてくれるかな?全巻そろえよう!!っと。
同じ中世史を専攻する息子さんに大きな期待を持ってます!!頑張れ!息子!!
244 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:05
遺著は暮れに岩波から出た『宮本常一〈忘れられた日本人〉を読む』でOK?
数年前のセミナーの記録だけど、あとがきは昨年十月に書いてる。
こんな凄い学者が、なんで東大に戻れなかったんだろう?
246 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:17
妄想史家が死んだね。
247 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:17
>>243 研究者としてはスペイン南米史の長男か人類学の長女の方が上。
日本中世史の次男坊は(以下略
大丈夫!以下略の意味しってるから!!
でも中世史をやってるだけに頑張ってほしい。
250 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:31
思いつきと見解のブレのひどい人でしたね。網野氏は。
251 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:33
ま、君たちより偉い人なのは確実だよ。
250のように言う人って結構いるよね。研究者にも。
でも新聞にもあったように、中世史の新しい像を提出し様々な層の人々に日本史を近付けた人というのは確か。
研究面では確かに見直さなければならない点は多々あるけれども、上記の点でいえば網野さんの仕事は大きいものだったよ。
253 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:34
アラキモリアキの批判は妥当?
時代も分野も専門外なので知りたい。
煽りでも釣りでもなく。
254 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:40
この人は、パイオニアであるがゆえに不可避的に、いかがわしさをも兼備していた。
いかがわしさというものは何かの先駆者の常。
255 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:41
256 :
日本@名無史さん:04/02/28 19:41
そうだね、確かに網野氏には、ある種のいかがわしさがあった。
いかがわしさがなければ、新書があんなに売れないな。
今新書が売れてる養老さんもなんかいかがわしいように。
258 :
日本@名無史さん:04/02/28 20:02
>>247 中沢新一もたしか父親は民族学者だったし、
なんだ、学者だらけの一族なんだな。
人の死に触れて、涙がこぼれたのは久しぶりだ。
一番優秀なのは長女か。
長男の人格は・(以下自粛
261 :
日本@名無史さん:04/02/28 21:19
奥様がいい方でした。
旧常民研のスタッフどうし知り合われたとか。
研究者としては才を表すこと無く家庭に入ったけど
内助の功は想像に余りある。
ご看病お疲れ様でした。
262 :
日本@名無史さん:04/02/28 21:28
明晰で、先駆的で、いかがわしくて、愛おしい。
こんな歴史学者が今までいたか?
ただ、ただ御冥福を祈る。
新聞なんかに寄稿が載ったら教えて、つか全文UPって欲しい。
本物の学者が網野史学をどう捉え、これからの展望にどのような考えを持っているのか知りたい。
人の評価は、棺を覆った時に決まる。
立場の異なるさまざまな方から、これほど惜しまれるということが、
故人の業績を雄弁にもの語ると言うものだろう。
衷心より、お悔やみを申し上げます。
学会誌では中世史の網野を追悼して日本論の網野はスルーされそうだが
「四人組」でご健在なのもお二人だけになってしまいましたね…
ご冥福をお祈りいたします。
267 :
日本@名無史さん:04/02/28 21:57
南北正潤論とかいいかねないご時世だから、
中世の網野せんせでも充分でさう。
そこだけでも風当たりつおいし。
しかしサヨっぽい人たちからずいぶん持ち上げられている印象があった
ことは否めない。やっぱそっち系の人なのかなってずっと思ってた。
実際はどうなの? 教えて詳しい人。
269 :
とある掲示板より:04/02/28 22:19
Re: 網野善彦氏逝去 京極夏彦 - 02/28(土) 21:19 PC
網野先生と対談を――そんな企画を過去、三度もいただきました。
「なんで私ごときに」と、その時は思ったのですが、どうも私が民俗学と歴史学の
接続(えむら先生の仰る社会史と郷土史リンク、と言い換えてもよいかもしれませんが)に関して不遜にもわあわあわめいていたのがお耳に入ったようでした。
対談というよりお話をお伺いしたい、いや、お目にかかるだけでもいいと思い、役者不足を承知でお引き受け致しました。
しかし残念ながら一度は私のスケジュールが合わず、残りの二度は先生の体調不良によって流れてしまいました。三度目の時は日時まで決まっていたというのに。
「元気になったらぜひ」とご伝言をいただきました。
でも、とうとうお目にかかることは叶いませんでした。
セッティングをしてくれた編集者から、「とても悔しいです」という書き出しの訃報を貰い、しばし沈黙した次第です。
ご著書を読み返しながら、あれこれ想いを巡らせております。
ご冥福をお祈り致します。
270 :
日本@名無史さん:04/02/28 22:26
哲学者・梅原猛さんの話
これまでの中世史研究は農民中心だったが、狩猟採集民、商人といった重要な要素を取り入れ、独自の学説をうち立てられた。
その業績には学ぶことも多かった。
私の縄文史観に似た面もあったと思う。
あの柔軟な研究姿勢を古代などに広げられると、さらに面白くなりそうだと期待していた。
また共同の出版構想もあっただけに、残念だ。
上田正昭・京大名誉教授の話
彼が東大を卒業したころから親しく付き合ってきた。
漁村の研究を通して、政治史や外交史とは違う視点から海を介した東アジア各地の繋がりを見ていく研究には大いに共感し、影響も受けた。
中世史の研究に次々と問題提起を続けていただけに、非常に残念だ。
朝日新聞より
271 :
産経新聞より:04/02/28 22:40
日本中世史の第一人者、網野善彦氏が死去
民衆の視点から日本中世史をとらえ直す独自の研究で知られた歴史家で元神奈川大特任教授の
網野善彦(あみの・よしひこ)氏が27日午前、東京都内の病院で死去した。76歳。山梨県出身。
東大文学部卒。都立高校教諭、名古屋大助教授、神奈川大特任教授などを歴任。日本常民文化
研究所を足場に、従来の歴史学が軽視してきた遍歴職人や芸能民、漁民ら非農業民に着目。独自
の社会史研究で注目を集めた。
通説にとらわれない考察は、中世における自由と平等の問題を追究した「無縁・公界・楽」、中世の
天皇の支持基盤を再検討した「日本中世の非農業民と天皇」などに結実。それまでの歴史学に見ら
れた天皇を頂点とする国家像や稲作中心の単一民族観を根底から問い直した。
民衆の具体的生活に即した歴史観は“網野史学”と呼ばれ、1980年代に中世史ブームを起こす
とともに、故隆慶一郎氏の小説やアニメ映画「もののけ姫」などのモチーフにも影響を与えた。
著書は「無縁・公界・楽」「異形の王権」「歴史を考えるヒント」など多数。「日本の中世」「日本の歴
史」などのシリーズで編集委員を務めた。
272 :
日本@名無史さん:04/02/28 22:51
この人、外国語できんのよ。
あちゃらの現代思想やニューヒストリーを介せず
自前で同じところにたどりついたとこが凄いと思う。
海外の流行の翻訳なんかじゃなく、書くものに肉声がこもってた。
マルクス思想を介してたという説もあるが。
274 :
京都新聞より:04/02/28 23:02
▽考古学者の森浩一さんの話
『日本民俗文化体系』(1983年刊行開始)の編集委員として初めてお会いし、以後シンポジウムや
対談で何度もご一緒した。中世史に限らず『日本社会の歴史』で日本通史に取り組むなど、日本文化
全体に興味を抱き、地域や年代、事柄についての広がりを持つ学者だった。古文書を読むだけでなく、
書かれた土地を重視し、何度も足を運んで背景の歴史を読み取る姿勢は、ぼくの遺跡学重視と共通
しており、50−60代には網野さんから最も刺激を受けたし、アドバイスももらった。最後の学友が亡
くなり、実に痛い。
自称マルキストですから。
だから何だって話ですけど。
276 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:10
うむ・・・産経もそれなりに評価はしているのかな。
ともあれ、ご冥福をお祈り致します。
氏の著作は、新書系のものしか読んだことはないけど、何故に「日本」と
いう国号をあんなに嫌っているんだろう… とは、よく思ったな。
過去スレでは、単に国号成立以前の状態を「日本」と呼ぶのに反対していた
だけ、と主張する人がやたらといるけど、日本という国号は中国を意識した
相対的な命名法で付けられているから、改めるべきだ、という主張は普及版
的な本を読めば、ほとんどの作品に書いてありますよ。
日本、という国名が永遠に続く訳では無い、ともよく書いてあって、この人
は革命か侵略でも起きてほしいと思っているのかな ? と考えてしまうのは…
我ながら邪推だとは思うけど。
>>272 ま、日本史学者だから古文書が読めればいいんじゃない?
近代史だったらまずいけど。
そのことを知ってたからといって網野氏の史学の理解には大して役立たないけど、
それすらも知らない人が網野ってサヨクだろ?とか言ったりするわけですね。
275へのレスです。すみません。
彼が日本という国号を相対化したかったのは、自らの研究の対象が
社会史であったためであるとは思う。しかしながら、だからといって
現実に日本と普通に呼ばれているものを替えるのだといくら一般人
に語りかけてみたところで、それに賛成するのは現在日本をおとしめたい奴ら
ばかりになるのは当たり前だ。普通の人はそんなことは考えない。
いわば歴史家の空論に過ぎない。
そういう意味で、すでに常識を通り越したところへいってしまった。
282 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:20
>>76 「日本とは何か」で自身も書いていたけど、網野さんは、日本というものへの反感という「個人の感情」を
持ち込んじゃったんだよな。
283 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:30
えらい前のレスにレスしたな。
いままでの業績が
「従軍慰安婦は歴史的事実だ」
という一連の発言ですべて消し飛んだ。
国民の総意で国名の変更は可能だと主張していたのは知ってるが、
国名を変更すべきだと主張していたとは初耳だな。
読んでみたいので出典を教えてほしい
286 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:37
287 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:44
網野の暴言その@
「中世から近世への大転換に較べれば、明治維新・近代化などまったく大したことではない」
ということで「日本社会の歴史」はあのようなドキュソな構成になった。
288 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:50
>>287 ん?アミノ酸の言う通りだと思うが。
社会史の観点から言って、近世が民衆にもたらした意識変化ほど大きな変化は近代にはないね。
289 :
日本@名無史さん:04/02/28 23:58
せっかくだから
アミノ酸が嫌いなひとにその理由を聞いてみたいんだが
なんか日本史でなくて日本人精神生理史なりそうな気もするが。
290 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:05
で、おまいらは
イラク派兵反対
憲法9条改正反対
小泉靖国参拝に反対
北朝鮮への経済制裁反対
特定船舶入港禁止法案に反対
自民党は野党に転落してほしい
アメリカ大統領は民主党候補がなるべき
なんだろ、糞サヨ。
ああ、物事をウヨサヨ、親韓嫌韓、親米反米の二元論でしか語れない
N速+の厨がここにも・・・・・・sigh
二つ三つ反対なんだが
全部マンセーってやつぁ
いないだろ。
「 もちろん人はあちこちで時おり新しい考え方に対する非理性的な偏見に出会うことがある。とくに自分の
意見を固執する傾向をもつ高年配の科学者たち――これは科学者に限ったことではないが――の間で多く
みられる。しかし、ある科学者が無意識のうちに、ひょっとすると彼の全生涯をかけた仕事を時代おくれの
廃物にしてしまうかもしれない理論に反対したからといって、彼を責めることができようか。偉大なガリレオ
でさえ、惑星が楕円をえがいて動くというケプラーの理論を、支持する証拠がすでに十分強力になっている
というのに、うけ入れようとしなかった。だが幸いなことに、アルフレッド・ノイエスのことばを借りれば、「たい
まつの火をリレーしようと待っている足の速い若者たち」がいつもおり。彼らが科学革命の先がけとなって
走ることができるのである。」
「奇妙な論理」(社会思想社)
>289
嫌っている人の大部分は、多分著書を読んでないと思う。
「網野?ああアイツ確か共産党だろ?遅れたサヨクじゃねぇか、今時話にもなりゃしねぇや、駄目だよ」という程度の
認識でしかないのではないか。
中西輝政氏は「周辺や枝葉の出来事にとらわれていて、日本とはどういう国かという
全体的な視点が欠落しているのはイクナイ」ということを確か言っていたと思う。
まぁ、確かにそれはいえる(能登半島の突端や対馬・松浦半島など、網野氏は取り上げる例が辺境に
偏っていることは事実だから)。
別に研究対象が辺境に偏っていてもそれはそれとして網野善彦は偉大な学者であったことには間違いないと思うよ。
漏れは中西・網野ともに尊敬し、愛読してます。
森へお帰り、ウヨ厨
ここはお前の住む世界ではないのよ
仲間に入りたいのなら明日図書館に行って網野氏の著作を読んでいらっしゃい
都合のいいところだけ抜き出してきちゃダメよ
サヨだのウヨだのうるせーよ。ぼけ。関係ねーんだよ、そんなもん。
人を簡単に枠組みにはめこんで何がおもしろいんだよ。わけわかんない色メガネでしかものをみれないやつは、網野の仕事の面白さなんかわかんないね。
297 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:14
昇天系、昇天系、網野式
>>271 >>276 産経の記事は共同通信の発信した文そのまんまなの。
といっても、この記事に限らずいろんな記事で時事か共同そのままパクリ。
間違ったこと書いて責任取りたくないか、独自取材できる記者がいないのだろう。
共同通信がその後、葬儀をしないという趣旨に書き換え
詳しい住所を伏せたけど、産経はそのまんま。
>>294 >嫌っている人の大部分は、多分著書を読んでないと思う。
こういう人たちは網野先生以外が相手でもこうなんでしょうね・・・。
「うさんくさいというか、きなくさいが面白い」ぐらいが大半の認識でしょうかね?
300 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:19
律令体制の崩壊自身が日本では近世以後でもあったわけだしょ。
近代の地租改正もそれのフカーツと捉えてもいいけど。
301 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:25
>>294 中西輝政に言われてもな。
何か言える立場にあるのか、つらつら考えてしまう。
>284は何がいいたいの?
従軍慰安婦は網野さんの発言をもとめるまでもなく、歴史的事実だよ。
303 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:28
>>302 大日本帝国は栄光の歴史であって、何一つ間違ったこともしていないし、
他国から文句を言われるようなこともしていない。
と、いう歴史観を持つことが愛国心なんだという政府のキャンペーンが始まっているね。
網野善彦は「大いに議論の余地はありますが…」と、どちらかと断じる訳でもなく、
逃げ腰の態度をとっていたよ。
>>290 >憲法9条改正
>小泉靖国参拝
>北朝鮮への経済制裁
>特定船舶入港禁止法案
この辺は全部賛成なんだが、イラク戦争に反対しただけで
サヨ呼ばわりされるご時勢だからな。
サヨウヨと必死で分類するのは、個別で考えられないかわいそうな人なんだろうな。
どうも彼の考え方はついて逝けない。
確かに全体の数%〜十数%に過ぎないものを調べるのは学術的には意味があり、重要かもしれん。
実際そんなものに目を向けている人は少ないからな。
けど、その数%で全体を判断するのはちょっとなあ。
所詮末端の下っ端や、地方が日本を動かしたわけではあるまい。
>>294 >>306 常民の奥能登の調査はたしかに辺境かもしれないけれど、
あの調査であきらかにしたのは、諸年貢史料に「水呑」と記される時国
家が江戸時代を通じて、何艘もの船を有して大規模な交易に従事していた事実だよ。つまり、辺境の史料は用いているけどそれまでの稲作中心にした強硬な身分支配というイメージに一石を投じるものだったんだよ。個別的な研究から全体的、相対的な問題へと進化させる、地域史の
理想的な調査研究が奥能登の調査なんだよ。もっとしかり勉強したまえ
294っす。
めんどくさくなったんで別の板で名乗っているこてを名乗ります。
>産経の記事は共同通信の発信した文そのまんまなの。
所々変えて有るんだけどね。隆慶一郎のところとか。
>といっても、この記事に限らずいろんな記事で時事か共同そのままパクリ。
間違ったこと書いて責任取りたくないか、独自取材できる記者がいないのだろう。
産経新聞は共同通信加盟新聞社だから、共同から配信されている記事を載せるのは
パクリでもなんでもない。別のスレでもあなたの御意見を拝見しましたが随分と
偏った意見をお持ちの方ですね。
>共同通信がその後、葬儀をしないという趣旨に書き換え
詳しい住所を伏せたけど、産経はそのまんま。
紙媒体の新聞では、住所が伏せて有りますよ。
309 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:39
>>306 小渕首相の時に制定された国旗国歌法案は、首相の家の周りに祝日
日の丸が掲げられているから、日の丸は国民に浸透しているんだと、
それこそ針小棒大の理屈がまかりとおりましたが、何か?
310 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:40
>>306 でも、日本史に新しい視点を生み出したアミノ酸の業績を否定はしないだろ?
日本史全体をアミノ酸の史観で総括しても、それで日本史の全文脈をトレースできないのは自明だと思うんだが
311 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:41
網野の暴言そのA
(発展段階論を否定していながら)
「中世の貨幣経済はあらたな段階に突入した!」
などと宣う自己矛盾
by石井寛治大先生
否定するだけならいくらでも突っ込めるんだよな。
これだから批評家は楽だ。
>常民の奥能登の調査はたしかに辺境かもしれないけれど、
あなたのおっしゃることは大体わかります。私も上時国家の網野氏の調査や
畠山に関する研究には敬服しております。
ただ…
あなたは能登=日本のスタンダードだとでも思っていらっしゃるのでしょうか。
頭振=廻船問屋という事実が確認されているのは能登だけだったのではないのでしょうか。
ある地域で行われたことを、そのまま無批判に日本全体に敷衍するのは安直じゃないでしょうか。
後、用語は正確に使ってくださいね。能登では頭振であって水呑じゃないです。
>もっとしかり勉強したまえ
それはこっちの台詞ですよ…
313
文章よめないの??
>> あなたは能登=日本のスタンダードだとでも思っていらっしゃるのでしょうか。
いいえ、そんなことかいてません。あくまでも地域史であり、個別的で
確かに辺境であるということは認識していますが、画一的に水呑=貧困というそれまでのイメージに一石を投じる研究であったといっているのです。
だれも無批判に日本全体に敷衍しようとおもってませんし、さっきの
レスのどこをどうよんだら、あなたのような理解になるかわかりませんな(#^O^#)
315 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:52
日本全体に敷衍させてるかねぇ、網野さんは。
むしろ今まで「日本全体に敷衍」とか「日本のスタンダード」とかされてきたものは
ホントなのか?というのがその立場だと思うが。
>>307 新たな見方を示したという意味では評価してるよ。
けど、それだけだったというだけで。
>>310 業績は評価している、ただ考え方についていけないだけ。
歴史は下から見るものではなく、上から見るものだと俺は思っているので。
317 :
日本@名無史さん:04/02/29 00:58
もっと大雑把なもんでしょ
天皇を頂点とした律令制と公方とその郎党、律令の徒花である荘園。
税金としては米を払っている連中が多数ではあったが全部じゃない
という当たり前を気付かせてくれただけでしょ。
体制批判と見える人は、日本という体制を単純に感じてるだけなんでは?
>>285 あなた自身、
> 国民の総意で国名の変更は可能だと主張していたのは知ってるが、
と書いているじゃないですか。
現在の日本という国号を変えたいと思っていなければ、こんな主張はしない
でしょ。
>314氏
あなたは
>個別的な研究から全体的、相対的な問題へと進化させる
とはっきり書かれているのですがね。
後、水呑じゃなく頭振ね。
まあ、言葉尻を捕らえて不毛な議論をするのは本位では有りませんからどうでもいいです。
この話ここまで。
話を変えますが、みなさんが一番印象に残っている網野本はなんでしょうか。
私は高校生の頃読んだ『日本の歴史をよみなおす』ですね。
>>313 頭振=廻船問屋じゃないでしょ。頭振∩廻船問屋だってだけ。
論理記号は正(ry
321 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:00
宮本民俗学の方が多元的な気がするんだが。
宮田と組んでケガレ説を採ったのも
かなり罪深いと思うよ。
>新たな見方を示したという意味では評価してるよ。
新たな視角で論じるというのは
学問としては決定的に重要なことだと思う。
それを
>けど、それだけだったというだけで。
とおっしゃるあなたは
失礼ながら、学問とは何かをご存じないのではなかろうか。
>313なんかミスを鬼の首をとったように指摘して悦にいってるやつって私のゼミにもいる…ちょっとワラタ
> 新たな見方を示したという意味では評価してるよ。 けど、それだけだったというだけで。
でかいこといいますね。。。歴史を上から見るか…。そういう人がおおくなったらきっと網野さんのような面白い研究がなくなるんだろうな…
私にとっては『日本中世の非農業民と天皇』です。
それまで想像もしなかった視点を見ることが出来ました。
325 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:02
おまいら釣られすぎ。
中西なんか尊敬してるヤツが、網野氏の真意読みとれるはずないだろ。
私は、愛国心があってもいいなら憎国心があってもいいと思う。
六畳一間の安アパートに一家四人で暮らし、食うにもことかいていて、
この国に生まれたこと及びこの国が憎くて憎くて憎くてたまらない・・・・・
という気持ちもあっていいと思うけどなあ・・・
>頭振=廻船問屋じゃないでしょ。頭振∩廻船問屋だってだけ。
そうですね。ああ間違ったトホホ。
>宮本民俗学の方が多元的な気がするんだが。
多元的というか、あの方は基本的に一元的に史観としてまとめられる
ような何モノかを公表することができずに世を去った(宮本氏は晩年そのことを
苦にしていたと佐野真一は書いている)方ですけどね。
「全体的、相対的な問題へと進化させる」を「日本のスタンダード」とか「日本全体に敷衍」と結び付けるあなたの論の構造が全くわからない。
俺がいいたかったのは、このイメージの大きな動揺を得る事で、研究者個人が自身の無意識下での先入観に自覚的になれる契機があたえられ、
新しい視点で史料を見つめることができるようになったと主張したんですが?
これは全体的、相対的な問題へと進化(深化)させることになるでしょうが!
329 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:08
age
>日本中世の非農業民と天皇
うーん、これはまだ読んだことがないなぁ。岩波のサイトの紹介文を読むと、
網野中世史の根幹をなす論文みたいですね。
>中西なんか尊敬してるヤツが、網野氏の真意読みとれるはずないだろ。
ほぉ。なんか、ですか。おもしろいですねぇ。中西氏のどこらへんがいけないんですかねぇ。
網野氏の真意ってなんですかねぇ。
>>318 国民の総意で現在の国号を認めていたとしても不適当だから変更せよだなんて
主張はしてないだろ。
「憲法は改正可能」と「憲法は改正されるべきだ」は同じことなのかい?
網野:共産党のおちこぼれ
中西:自民応援団
>328
まぁわたしゃ釣りは好きですけどね、あなたみたいに無理やりつっかかってくる人は
厄介だなあ。なんかあなた段々に口調が乱暴になってくるしね…
>俺がいいたかったのは、このイメージの大きな動揺を得る事で、研究者個人が自身の無意識下での先入観に自覚的になれる契機があたえられ、
新しい視点で史料を見つめることができるようになったと主張したんですが?
あなたの文章から、そこいらへんの無意識下の話を読み取るのはとってもムズカシイですね。
後、あなたの日本史に対するイメージってのは奧能登の例一つだけでガタガタと崩れ落ちるような
程度の脆弱なものだったわけなんですかね。網野善彦をあなたは無条件に信奉しているだけで、
そこには批判精神が絶無ですね。あなたは歴史がしばしば嘘をつくということをご存じないようですね。
334 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:19
憲法は改正可能だろう、
改正反対論者においてもそれは変わらんはずだ。
「無意識下での先入観に自覚的になれる」=「ガタガタと崩れ落ちる」??あいかわらずぶっとんでますね。
あなたはオーバーですね。フルタチイチロウですか?
>>322 いや、なにを今更っていうか、だからどうしたって感じで。
誰も掘った事のない鉱脈は、所詮誰にも価値のない鉱脈でしかないといった感じか。
まあ、早い話が、歴史に対する姿勢の違いなんだろうね。
世界史を勉強していたら、日本史がみみっちく感じてきたっていえば分かるかな?
(あ、俺は日本史に関してはそうじゃないけどね、余計日本史が知りたくなったし)
細かいものをいくら調べても、日本史は分からない。
日本を語るなら、もっと上を調べるべきだって意見なのさ。
337 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:26
気楽に大雑把にいきましょうや
日本という社会が上(朝廷になるのか幕府なのか?)
だけで捉えるには複雑怪奇だた。
ということを自己の判断で認めるかどうか?
だけにみえるんだか
338 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:29
西尾幹二がネットで網野を暴いていたが、この人左翼系なの。
近現代史はよくしらんが、中世史は立派だと思ったけどな。
339 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:34
西尾幹二・・・。
中西に続きこんなのまで出現とは。
偉大な歴史家の追悼の場には似つかわしくない面々だな。
>>338 考え方は左だな。
今でいえば、日本経済を語るのに、政治家や企業の重役には目を向けず、
労働者、それも零細で何時潰れるかも分からない、会社の下っ端に、
スポットを当てた研究をしているようなもの。
網野さんが亡くなった…。この人、学部にはいりたてのころはかなり抵
抗あったな。バカみたいに史料からわかったことだけで手一杯だったか
ら…。でも院にはいって、あらためて『日本中世の非農業民と天皇』を
読んでみて、自分の勉強の甘さを思い知らされた。一つの史料からここ
まで読み取ることができるのかって…。確かに非農業民を聖性に収斂
させていくところは納得できないところもあるけど、アジール概念の
理論構築や奥能登調査、二神島調査などの近世史料の発掘なんか網野さ
んにしかできなかったことだと思う。神奈川大学が今年からCOEに
選出された矢先の訃報…。ものすごく無念だったと思う…。合掌
298だが
>>308 別スレでこんなことかいてないけど?
>>339 論壇人の話題は荒れるだけだからやめとけよ
>>339 いやいや、西尾や中西程度まで引きつける影響力、これこそ
網野さんの存在感の大きさを物語ってるんよ。
345 :
日本@名無史さん:04/02/29 01:42
政治史ときの政治家の意思のみで動くと思うのは
織田さんの楽市楽座がかれの独創だとおもうような視点か
>>308 隆慶一郎のところも全く一緒だよ。
このスレの
>>1を見てごらん。これは共同が住所等を伏せる前に書いた
記事を転載したもの。今は違う記事に置き換えられているけど。
>>340 政治家や企業の重役だけで経済を語れると思ってるのもアレなんだけどな
>>342 わかったよ!パパ!宣周くんがほんものの厨房というやつなんだね…。
先生、豚にも歴史はあります
どちらかというと資本金や従業員数で企業をくくるだけじゃ経済はわからん
って話に近いんだが。
>資本金や従業員数で企業をくくるだけじゃ
これ、網野の研究と質が全然違うと思う・・・
謹んでお悔やみ申し上げます。
高校・予備校時代に愛読しました。
当時は日本史はあくまでも趣味の一環でしたが、後年、思いがけないきっかけで
日本史隣接分野の研究者となりました。あらためて偉大さを噛みしめています。
>>311 発展段階論って意味わかって使っているのか?
354 :
日本@名無史さん:04/02/29 02:50
自己の体験から近現代史を語っていないような気がした。
その点では司馬遼太郎と同じ。
>>331 いやだから… 網野氏は、「日本」という国名の成り立ちについて批難
している訳ですよ。こんな名付け方をしている国は、他に無いって。
そういう人物が続けて「国名は変更可能」って言ってるんだから、網野氏
個人としては、「日本と言う国名は変えた方が良い」と思っているのは間違い
ないと思うんだけど。
ただ、それがいわゆるサヨク的な反日思想から来ているのか、逆に中国を
意識した国名だから気に食わないのかまでは、私には分からないけど。
ことさらに指摘しなくても国名が変更可能なのは誰だってわかってる。
しかし、自らのアイデンティティを変更する馬鹿がどこにいるのだ
ろうか? それは伝統を消し去っても顧みることもない愚か者の
脳内にだけ存在する浮世離れした思考なのである。まあ、文化大革命
と同じ発想であり、歴史学と現実の社会革命を結びつける実に危
険な思考法である。常識では誰もことさらに記そうともしない考えだ。
などということを考える人もいるんじゃないか?
>>355 別に批難はしてないと思う。そうでなくて「日本」という国名を我々は
漠然と使っているけど、それについてあんまり深く考えてこなかったってことでしょう。
そもそも「国」ったって、時代によって概念は違っている。現代の「日本」が
過去とどうつながっているかってことが「日本とは何か」ってことではないのか。
網野氏自身は「日本」という国号に否定的かもしれないが、あくまで問題提起を
しただけで、結論はまだ出ていない。「日本とは何か」を読んだ限りでは、
それはこれからの課題だと認識していたと思う。
>>357 深く考えるっていうのは、どういうことです ?
聖徳太子の隋への国書にあるように、「日の出づる国」だから日本、という
国名になったということは、たいていの人は知ってると思いますが…。
一般的には、それで十分では ?
網野氏の挙げる、他の国の名付け方に従えば「大和」が国名として相応しい
ことになると思うのだけど… 何となく氏はそれには反対しそうだなぁ。
手元にあった日本史辞典(角川)で「民族」を引いてみると、ヨーロッパにおいての多少とも広い社会階層が
民族意識をもつのは19C.のフランス革命以後とされ、農民を含む国民的な深さで広がったのは
19C.末以降であり、どうして村や教会への帰属意識が民族への帰属意識に変化したのか、
民族への帰属意識が高まったか、などの諸問題には研究の余地ありとある。
国名云々はともかく、日本史においても民族意識の歴史は重要なんじゃないかと思うんだが。
読売の記事読むと、まるで日本史学会がDQNのように見えるな。
百姓=農民、単一で均質な島国日本民族文化、天皇中心の国家像が、網野が覆すまで
日本史の常識だったと。
すいません。フランス革命は18C.です。
>359
戦争が変わったからだろ。常識。
関係ないアナロジーで語るな
364 :
日本@名無史さん:04/02/29 09:49
網野氏=日本の歴史人類学者と考えるのは僕だけでしょうか?
山口昌男って元気かな
366 :
日本@名無史さん:04/02/29 10:30
>>365 山口昌男のいう近代日本の歴史人類学なるものがさっぱりわからない。
人的ネットワークがあった、ということしか言っていないじゃない?
例の「挫折」「敗者」の二冊。
それで歴史人類学?
歴史社会学と並んで謎の双璧です。
日高晋が「挫折」は山口の挫折だ
と酷評していたな。
そういえば、山口は網野の親戚でもある
中沢を溺愛していたな。
速+も速+だがこっちはこっちでなぁ…
生前ここでは「電波」とか「学会の少数派」
と散々ぶっ叩かれたからね。
その反動で弔辞が多くなるのだよ。
いろいろ異論はあるけれど
名物男だったのは間違いないわけで、
喪失感は大きい。
古代の倭国がどのやうな事情で日本国になったか.これにはっきり答へられる日本人は
ほとんどゐまい.
隋書は,日本といふ名はでてこない.
『旧唐書』の倭国日本伝も,そのあたりの事情についてはまことに歯切れが悪い.
日本書紀からは,国名については旧唐書ほどの情報すら見いだせない.
倭国が日本国になった経過や事情について,はっきりしたことがなにもわからなくても,
日神への信仰,それも朝日を神聖視する人々が東進したといふ歴史的事実が,この国名の成立に
深く関与してゐるのだといふことだけは,たしかにいへさうだ.
西に対して日本人は,根深い感情を抱く.縄文以来,大陸や半島から渡来してきた人々を
祖先に持つために,日本人にとって西はつねになつかしい方向とされる.東征し負傷した
ヤマトタケルは故郷の西空を望んで「やまとしうるはし」と望郷の歌をうたふし.近代に
なってから東進した虚子だって「月落ちる西の空我が古里と」と故郷をなつかしむ.
太田裕美/木綿のハンカチーフでも,東への列車にのって旅立った「ぼく」は,もう西には「帰れない」.
このやうに,日本人にとってつねに「東は,すすみゆく方向.西は,なつかしむ方角」であった.
>>372 それは日本に限らず、中国、インド、マヤ文化でも同様では?
374 :
日本@名無史さん:04/02/29 12:29
>>372 ちょっと思ったんだけど、文を旧かなで書いてるのに、なんで「っ」は小さいままなの?
それともこういう書き方もあるの?無知なもんで…。
癖とか
376 :
日本@名無史さん:04/02/29 12:40
虚子は松山出身だから、東京で西を懐かしむのは当たり前。
>日本人にとってつねに
都が京都にあった室町時代に
東を進み行く方向と捉えている文献を出さないと駄目だと思うが。
>>358 >「日の出づる国」だから日本
まあそれ自体にも疑問があるけど、それはともかく、そこで言う「日本」は
現在の「日本」と同じものなのでしょうか?
記紀を読んだって、沖縄が日本であるとは書いてないでしょう。
エミシは日本人なのだろうか?
俺は現在の日本に住み、日本国籍を有している人間を「日本人」と呼ぶことには
何の異存もないが、それを過去に当てはめてしまっては「日本とは何か」が
見えなくなると思う。
現代の「日本人」とは、近代以降の概念での「日本人」であって、それ以前に
日本列島に住んでいた人達を同じ「日本人」という感覚で理解するのは、
そりゃ普通は構わないが、歴史を理解しようとするには、誤解を招くこともある
のではないかと思う。
そのことに日本人はあまり関心を持っていなかった。国境線がたびたび変化する
ヨーロッパとかでは、自分が何者であるかは重要なことだったが、日本では、
日本人とは日本人のことだで通用してきたからではなかろうか。
379 :
日本@名無史さん:04/02/29 12:52
まあそういう意味では、小熊英二の修士論文が与えたインパクトもそれに
近いものがあるな。
>>377 もちろん,「つねに」といふ断定に違和感をいだく人がゐたり,
「日本人は」といふくくり方に,ひっかかりを感じる人がゐて当然なのです.
すべての日本人が東進の記憶を共有してゐるわけではない.
日本といふ国名は,はたしてすべての日本人にとって自明のものか?と問はれる契機も
ここにあるでせう.
>虚子は松山出身だから、東京で西を懐かしむのは当たり前。
これはね,作者が虚子だといふことを忘れても,この句は望郷の句として成立するでせう.
しかし,この句を東西をいれかへ「月のぼる東の空わがふるさとと」と改作してみると,
これは俳句として成立しない.なぜだらう? 東と西の非対称性が,やはりあるといはざるを
えない.
アジール研究で有名だった平泉たんはなんで
あんなドキュソになってしまったんでしょうか?
382 :
日本@名無史さん:04/02/29 14:49
まあ晩節を汚したという評価は動かないな
>>380 >断定に違和感をいだく人がゐたり
断定しても構わないのですよ、根拠さえ明確に提示されておればね。
>これは俳句として成立しない
これは月が昇るか沈むかというイメージの違いによると思いますよ。
したがって東進とか東征とかの歴史的記憶の問題ではなかろうと思いますが。
ヤマトタケルと高浜虚子と太田祐美を同列に論じている
ドキュソがいるスレッドはここですか?古代の人物と明治時代の人物と
現代の人物を一緒くたに論じることに意味が有るのだろうか?
それから、東方瑠璃光浄土を礼賛していた人々についてはスルーですか?
後、「東進の記憶」を証明する史料はないのですか?
386 :
日本@名無史さん:04/02/29 15:54
「従軍慰安婦」だの「日本による朝鮮半島からの強制連行」だのを確定した史実だと
思ってる人って歴史学を真剣にやってるって言えるの?
信頼できる資料など何も無いのに。
そんな人間が網野さんの本を読んでも何も得られないと思います。
近現代の歴史に関する議論でしか歴史学を語れない奴って可哀相だなあ
語源的には,「にし」とは「いにし」=「いに」(去)+「し」(方角)なのですね.
「古の昔」と書いて「いにしへのむかし」とよむのもこれと同じ.
「西表」(いりおもて)といふ地名も,「いにし」→「にし」の名残でせう.
平安から鎌倉にかけては「西方浄土」といふ思想もはやりました.「西」といふ言葉には「死」のイメージも
まとはりつくが,生まれるまへにゐた場所に帰る感覚もあるのだらうか?
「ひとりずつ西へ向かふや月の原」(三谷昭)
俳句はわずか十七音からなる短詩ですから,二音からなる「にし」もかなり強い言葉です.
技巧的な話にはなりますが「西」を強烈なイメージを放つ象徴語として機能させない手は無いでせう.
弟橘を悼んで東(吾妻=アヅマ)なんじゃなかったっけ。
西国出身の割には東国に対する思い入れが強いですね。
西日本沿岸部ではあの世の事を広島といいますね。
日本国の事は敷島ですか。
それと太陽信仰というのは大日如来信仰で神仏習合の結果じゃないの?
これが吉田神道によって天照大神−大日如来−天皇家となっただけでは?
暦なんかもつい最近まで太陰暦だったでしょう?
天皇家が穀物祭祀を司っていたとしても月齢で行われていたものね、
太陽がどこから出るかというのはあまり関係ない。
そもそも、聖徳太子伝説も江戸期に流布したものだし。
>「西方浄土」といふ思想もはやりました
この思想は中国から流入したものだが。
>>385 >一緒くたに論じることに意味が有るのだろうか?
つぎのやうなことを考へるための契機.
たんに古代における東進の事実に基づいてゐるのであれば,「日本」といふ名は
東進しなかった人々にとっては(とくに「東進されてしまった側の人々」にとっては)
必然性が無く,アイデンティティの問題も生じよう.
反面,「にし」「ひがし」の非対称性の感覚を日本文化の長い歴史の中でつくられた集団的無意識として
とらへ,それをふまへてあらためて「日本」といふ国名について考へるならば,日本人の特徴づけとして
かなりいけてるネーミングであるといへるかもしれない.
>暦なんかもつい最近まで太陰暦だったでしょう?
旧暦は太陰太陽暦。
24節気は天球上での太陽の位置で決まる。
394 :
日本@名無史さん:04/02/29 16:40
ニュー速+の訃報スレではウヨ厨が
「バチが当たって肺ガンで悶え苦しみながら死んだんだ」とか
狂喜しててキモかった。
>>178 >「中世史研究の第一人者」とかいう新聞見出しにはひそかに憤ってるかもしれんぞw
しかし、今回の訃報で永原慶二先生にコメントを取ろうという
蛮勇にあふれたマスコミ関係者はさすがにいなかったのか?w
>>378 突然ヨーロッパが比較対象に出てくるのは、よく分からないですね。
各国の王家が姻戚関係にあって後継問題に介入したりもしている訳ですから
東アジアよりも○○人という意識は希薄だったように思えますけど。
キリスト教社会という上位概念も共有していた訳ですし。
「中世史研究の鬼才」と書き換えたなら、皆許可してくれるかも・・・
398 :
日本@名無史さん:04/02/29 17:28
網野氏の遺体は、網野氏の業績などまったく知らない医学生によって解剖されるのだろうか・・・
>>395 永原氏と網野氏は、なにか深刻な仲違いでもしていたの?
病理解剖は断れるはずだが。
献体とかの申し出をされていたのだろうか。
401 :
日本@名無史さん:04/02/29 17:43
>>400 日本史像の再検討を迫る独自の社会史的アプローチで歴史研究に大きな影響を与えた
日本中世史学者で元神奈川大教授の網野善彦(あみの・よしひこ)さんが27日午前2時
7分、肺がんのため東京都内の病院で死去した。76歳。
遺志により献体する。葬儀は行わない。自宅は公表しない。(毎日新聞)
とのこと
>>396 ○○人という意識が希薄だということはどういうことを意味するのでしょう。
昔の人にとってのアイデンティティーは国籍ではなく、宗教だとか血族だとか
職業集団であったということですよね。
日本でもそれは当てはまるはずです。日本人が均質的であったというのは
幻想であって、様々な集団が存在していた。
と、ここまでは左翼でも納得いく主張で、支配者によってその幻想が作られたと
いうような感じで受けとる人が多い。逆にいわゆる右翼は反発する。
しかし、俺は上下ともにその幻想を作り出す必要性を感じていたからこそ、
そうなったと思うのであり、そこに天皇の必要性を感じる。
403 :
日本@名無史さん:04/02/29 18:10
>>398 人体の不思議展で樹脂漬けのミイラみたいになって展示されてたりして。
>>399 個人的なお付き合いのレベルではどうなのかわからないけど、
学説の面では、永原さんはかなり強烈に網野さんを批判してるよ。
『20世紀日本の歴史学』を参照されたし。
405 :
Revolution21:04/02/29 18:20
亡くなられましたか。無念です。
晩年は肺ガンと右翼団体の脅迫との闘いでしたね。
>>402 それそこ立場によって違うのではないですか。
たとえば支配階級や知識階級、およびその周辺は、ある程度の世界観と、
その中での民族的アイデンティティを持っていたと思いますよ、それこそ
飛鳥時代の頃から。
しかし、自分の生まれ育った町や村くらいしか知らない一般庶民では、交易
していた人たちを除けば、近代になるまで外国の存在そのものを意識すること
がなかったのでは。
民族的・国家的アイデンティティと言っても、両者の間には千年以上の差が
ありますから、どちらの立場から議論するのかを明確にしないと、なかなか
噛み合わないと思います。
407 :
日本@名無史さん:04/02/29 18:32
日本地図をさかさまにしたやつがあったが
あれは、紙の上のものでも意識の中で「上・下」という重力が働いている関係で
湖のように見えるのは当たり前なんだそうだ。
遺志により献体する。葬儀は行わない。自宅は公表しない
ってのが実にサヨっぽい。普通こんなことしない。やるのは左翼が多い。
よくサヨっぽい文化人とやらがこんなことをやる。
普通葬式ぐらいするぜ。なんか変だ。
ま、死者に鞭打つようなことはやめるが。
マルキストだったのだから、ごくごく自然のことだと思うが…。
410 :
名無しちゃん・・・電波届いた?:04/02/29 19:05
甥っ子の中沢新一がチベット密教ニンマ派に則って
「鳥葬」にするとみた。
そういえば、藤沢令夫も死んだな。
>408
>ま、死者に鞭打つようなことはやめるが。
言行不一致の極みだな。書いてて恥ずかしくないか?
葬儀そのものをやらない、てのは珍しいが・・・
しかし、専門・思想を問わず、大学の先生なんかは
近親者だけの密葬てのは最近非常に多いぞ。
新聞の訃報記事毎日よく見てみい。
まともに葬儀やると教え子とかが大挙押しかけてきて、
香典返しやら何やら大変だからな。
それから、神道系やプロテスタントだったりすれば、
当然仏式に較べて葬儀は簡素になる。
ウヨサヨとかそういう次元の問題ではない。
414 :
日本@名無史さん:04/02/29 19:51
漏れも献体は嫌だが葬儀なんて別にしてほしくない
そういう人最近多いと思うけどね
417 :
日本@名無史さん:04/02/29 20:20
まあ、遺族に迷惑かけたくないから葬式(゚听)イラネ、ってのもありだろう。
どうでもいいことだが
葬儀というのは残された遺族のためにあるというか
遺族が近親者の死を受容するためのものだと思う。
だから死にゆく者は、葬儀のありようについては何も言うべきではないと私は思っている。
面倒ならやめればいいし、盛大にやりたければやればよい。
こっちはもう死んでいるんだから、文句の付けようがないし。
419 :
日本@名無史さん:04/02/29 20:28
おまいら、スレ違いだぞ。
ところで、網野さんの研究を受け継ぐ正統な研究者って誰がいるんだろうね。
民俗学プロパーなら宮田登だがとっくに逝っちゃったし、歴史学もこれといった
のは見あたらないし。ちょっとキワモノだが小熊はどうかな(近現代だが)。
421 :
日本@名無史さん:04/02/29 20:37
>正統な研究者
名大を辞めた時点で
この国の伝統的システムに依拠して弟子を育てるという発想からは
自由になったのではという気がする。
422 :
日本@名無史さん:04/02/29 20:44
>>420 たぶん、赤坂憲雄あたりがおいしいところかっさらってくと思う。
まあここいらがやはり2ちゃんねるですなあ。
佐々木潤之介の美味しいところを誰がかっさらうかなんて話題にならないわけですし。
直接師事してなくても勝手に心の師と仰いでいる研究者は大勢いるだろうしね。
でも、神奈川大の独立大学院(歴史民俗資料学研究科だっけ)で
ちゃんと研究者が育ってるのかどうかはちょっと気になってる。
425 :
日本@名無史さん:04/02/29 21:02
「四人衆」は笠松先生と勝俣先生だけになりましたか。
しかし「日本中世史の第一人者」というのは、永原慶ニ先生はともかく四人衆の
師である佐藤進一博士に失礼ではないかと。ご存命なのだし。
まあ網野先生が「遥かに見上げる高峰」と敬慕した佐藤先生の一般的知名度は皆
無に等しいですからなあ。
>>424 >ちゃんと研究者が育ってるのかどうかはちょっと気になってる。
「私淑」という言葉も知らないような人は
そういう心配をする必要はないと思うが。
427 :
日本@名無史さん:04/02/29 21:06
>>423 佐々木潤之介には美味しいところなんか全然残ってなかっただろ。
豪農・半プロ論をどう乗り越えるかというのは大きな課題なんですがねえ。
>>406 >自分の生まれ育った町や村くらいしか知らない一般庶民
それに疑問を投げかけたのが網野氏でしょう。
430 :
日本@名無史さん:04/02/29 22:46
>>429 それにあまりこだわりすぎちゃうと、
今あちこちで叩かれてる柳田国男の「常民」論と同じになっちゃうのだが。
あれ、網野って柳田についてはどう評価してたのだろう。
あまり見かけたことないな。
431 :
日本@名無史さん:04/02/29 22:53
>>426 理系のように組織的に研究者を養成するシステムが弱いところが、
人文系の弱みでもあろうか。
『日本の中世』シリーズの月報に
網野氏の書いた石井進氏への追悼文が掲載されている。。
そこには
のちに石井氏が東大国史学科に進学したことを聞いた柳田が、
「民俗学は今後の支柱となるべき人物を国史に取られた」と歎いたという逸話が伝わっているが、
これはまさしく事態を象徴的に物語っているといえよう。
と書かれている。
433 :
日本@名無史さん:04/02/29 23:30
しかし、共産主義がどうのと いう論がまだあるね。
日本国民として充分ストライクゾーンだろ。
>>429 そのことは意識したから「交易していた人たちを除けば」と書いたつもり
だったんですが。
それはともかく、民族や部族的アイデンティティと現国家のズレというのは、
別に日本に限った現象ではないと思いますけどね。
>自分の生まれ育った町や村くらいしか知らない一般庶民
農民にしても流動的だった、という考え方だっと思うんですが。
近世でも農繁期だけ請け負う援農という労働形態がありましたから。
これなんかは網野氏の大好きな被差別民が関与していたりもします。
硬直化した講座派的立場に立てば、土地緊縛なんていう話になってしまうわけで。
>>434 いやだから、「交易していた人たちを除けば」と言うが、
それは今まで考えられていたよりも、ずっと多数だったということで、
日本人の大多数は閉鎖的な自給自足経済で暮らしていたという
これまでの考え方は否定されてきているということで。
まあ網野氏に対する誤解の多くがそのへんにあるとも思われるが。
>別に日本に限った現象ではないと思いますけどね。
だからこそ、その視点で見なけりゃならないということで。
てか、西尾幹二氏は網野氏を批判しているが、西尾氏自身も「ローマ人」とか
「中国人」とは何かということに関してはそれなりに理解してるんだよね。
そこが不思議。
近世の農村社会の移動性の高さは
速水融氏の仕事からも明らかです。
>日本人の大多数は閉鎖的な自給自足経済で暮らしていた
これは80年代以前の近世史像ですね。
>>386のようなことをいうやつがまだいたとは…。
確かに「強制連行」はキーになる史料不足で研究者の中にも
若干の意見の相違はあるが、「従軍慰安婦」については吉見義明が
『従軍慰安婦』(岩波新書 1995)で国会図書館に残っていた慰安婦
関連史料の発掘から、史料批判、それから歴史的事実としての従軍慰安
婦とその存在の実相をかいている。もちろんそれはよんでるよね?
>>437 すいません。私の書き方も確かに悪かったですが、今まで議論してきたのは
俗に言う「日本」という枠には納まらない意識とか交流の話ですよね ?
日本の枠の外の世界に触れなければ、日本という国家意識とか帰属意識
とかナショナリズムは育たないわけですから。
そういった枠を越えて活動していた人が大多数だったということでしょうか。
>>437 西尾氏のローマ人やら中国人やらのコメントは知りませんが、被支配民族
やマイノリティの話を突き詰めて行ってしまうと、国家分裂とかにしかなら
ないと思いますけれど…。
網野先生・・・
本当に巨人でした(身長もあったし対面すると威圧感が)
私も心の師と仰いでます
443 :
日本@名無史さん:04/03/01 05:50
国家が分裂して何が悪いの?
今の日本が、天皇を中心とする神の国であるなんて無理がありすぎ。
ゆるい連合国という形でないと、一億人以上の国家はやっていけない。
日本が単一民族という幻想は捨てよう。 うちの一族は二千年ほど
天皇とかを侵略者だといって嫌ってきたし。
444 :
日本@名無史さん:04/03/01 05:53
↑
奈良県人だよ。 アイヌとかウチナンチューではない。
445 :
日本@名無史さん:04/03/01 06:49
>>408 そのうち鴎外までサヨにされそうだな w.
平泉に「豚に〜」って言われたのは網野なの?
>>358 「聖徳太子の隋への国書」なんて存在しないんだけど。
447 :
日本@名無史さん:04/03/01 08:15
448 :
日本@名無史さん:04/03/01 09:52
「単一民族ではない」なんて誰でも知っていることを独自の史観のように
ふりまわし、古代にまで自虐史観をまぶす学者は死んでせいせいした。
449 :
日本@名無史さん:04/03/01 10:16
ということは、「誰でも知っていること」=「自虐史観」で、それをどうにかして
否定したいというわけかw
>>440 いや、あなたの話と俺の話のすれ違いがどこにあるのかは理解できる。
あなたはどうやら、「少数派」とか「異端」の話として捉えているようだ。
そうではなくて、日本人一般が多様だということ。
それを「百姓=農民」として、日本人のほとんどが「農」であったという視点で
考えてきたのが今までの歴史。
その多様さを分裂というか、多様でありながら一つのまとまりになっているというかでは
いろいろな見解があるだろう。
それを研究することが「日本とは何か」ということになるだろう。
ローマ人や中国人の話は、一口に○○人といっても、時代によって中身は違っているということ。
初期のローマ人はもちろんローマ地方に住む人だったが、異民族を服従させ、市民権を与えることで
変質していった。今のヨーロッパ人はローマ文明を自分達のルーツだと考えている。
日本だって、例えば東北地方に住んでいた人たちは、かつては異民族扱いされていたが、
今では立派な日本人だ。逆に言えば日本人の中身も変化したということ。
左翼が「被征服民」などと言って、差別として捉えるから反発するのだろうし、
俺も同意できないが、そうではなく、「多様な日本人」として捉えれば抵抗感は少なくなるだろう。
>>420 小熊は史料の扱いが杜撰杉。あの時代をやるなら外国語文献が読めなきゃ
話にならない。「日本人の境界」を自分で作ってる(w
>>430 網野は宮本常一に私淑してるから、柳田とは相容れないのでは?
聖徳太子の日本国号や東進論(例えば将門の乱)は
江戸期に形成された皇国史観に基づくものだから、
歴史的事実と考えてはいけない。
どちらかといえばイデオロギーであり虚偽表示。
外圧以前に幕府官僚と違って海外との交渉のない、
在野勢力(草莽)や地方外様大名の吏員からこういった
思想が勃興してきた点が問題点だろう。
山口の庶民などは外国人と一緒になって砲台を破壊したぐらいだからね。
国家(国民)意識というのは人為的なものだよ。
ただ、その意識を現在において破棄できるか、
その選択が妥当であるかどうかは別問題。
学問的に正しくなくても現実において有効なら強弁するし、
無効になったら別の方策を立てる。
その際に使えるかどうかが学問の強度。
ただ、それだけ。
>「単一民族ではない」なんて誰でも知っていることを独自の史観のようにふりまわし
昭和を知らなかったのか?
ウリナラマンセー!
>454
N速+におかえり
456 :
日本@名無史さん:04/03/01 17:59
>>454 おいおい漏れがこのスレの443だよ。 奈良県には長髄彦の子孫とか
宇陀の猾の子孫とかいう伝承をもってるのがいて、天皇(チョン)を
嫌ってるんだよ。 逆に天皇マンセーな十津川の連中もいるけど。
町村合併で、橿原神宮による橿原市という名称になるのを嫌っている
町長もいるしな。 あんなイカサマ神社を有難がるのは、皇民化教育に
毒された余所者だけ。 天照関係の神社が本土で最も少ないのが奈良県
だし、あいつらが侵略者(チョン)って実感してるのが、奈良の原住民。
457 :
日本@名無史さん:04/03/01 18:07
>>451 柳田を読んでいると、漂泊民のこととか多民族によって構成されて
いた日本とか、網野史学のモチーフが結構見つかるんだけど。
悲しいかな宮本にはそういう話はないし。
個人的には柳田+宮本=網野と理解してます。
458 :
日本@名無史さん:04/03/01 18:19
田中優子って同じ系統ですか?
459 :
日本@名無史さん:04/03/01 18:28
うん
理解できました
461 :
日本@名無史さん:04/03/01 18:50
うちの教授が昔網野氏と大山喬平氏を結婚式に呼んだんだってさ
二人は朝まで激論を交わしたらしい
>>461 をいをい
式場にとっては迷惑な二人だなw
次の披露宴が控えてるっつーの
いくらなんでも式場で激論したわけじゃねーだろ
つーか佐藤進一(1916年生)と遠山茂樹(1914年生)がまだ存命なことを
知ってびびった。
465 :
日本@名無史さん:04/03/01 19:48
>>457は前期柳田と後期柳田の区別がまったくついていないのダメ。
後期柳田が唱えた「一国民俗学」概念がはらむ問題性をちゃんと理解できてる?
むしろ網野史学は柳田を批判的に乗り越えたところから出発してるのだよ。
網野さんには悪いけど、私は石井進さんにもう少し長生きしてもらいたかった。
網野さんの場合は、前からお悪いと聞いていたし
本人も自分の寿命についてはわかっておられたと思う。
石井さんの場合は、まさに急逝でしたから。
467 :
日本@名無史さん:04/03/01 20:02
網野さんは3、4年前にガン発覚してたらしいね
468 :
日本@名無史さん:04/03/01 20:03
>>465 赤坂じゃあないし、前期後期なんて別にどうでもいいや。
「世相篇」にも網野氏が強調するようなトピックが色々示唆されているしね。
火の無いところに煙は立たない。それならなぜこの人にウヨサヨがらみの
意見が多く寄せられるのだろう。やはりこのネタからは切り離せないものが
あるのでは。
470 :
日本@名無史さん:04/03/01 20:48
歴史学に関わっている人たちは何がしたいの?
朝鮮や中国からの捏造した歴史に基づく言い掛かりに何一つ反論できない。
拉致された国民一人すら取り返せない情けない国をさらに貶めようと熱心に活動。
単なる歴史オタクなら専門分野に篭って、日本の社会に害を与える行動だけは慎んで欲しい。
472 :
日本@名無史さん:04/03/01 21:04
日本史板なのに朝鮮がらみのネタばっかり書くヤツの方がウザイ
一線級の研究者はこんなところにはいないと思うので
ここに書いても無駄だと思うのだが。
N+見てて思ったんだが、この調子だと
「縄文前期に、現在の九州と朝鮮半島との間で物資交易が存在した」
とか言うだけでサヨ認定されそうだな。
「世界に誇る縄文文化の民が下賤な半島民と交易などするか!」
とか言ってな。
縄文時代という認識自体サヨちゃんです。
476 :
日本@名無史さん:04/03/01 21:44
なんせアナール派が今やサヨ認定だからな。
ちょっとスケールとコンテキストはは違うが、
美濃部や滝川、津田左右吉といった人たちの学説が最初は普通に受
け入れられたのがだんだん途中から赤認定になっていったのはこん
な感じだったのかいな。
477 :
日本@名無史さん:04/03/01 22:05
>>476 あれは社会全体の振り子が右にずれていったことによると思うけど、
この体たらくはね・・・。
サヨとかウヨとか、そういう言葉を使ってみたい年頃なんだよ。
478 :
日本@名無史さん:04/03/01 22:05
漏れも読んでて美濃部達吉を連想してたw
天孫降臨や万世一系に不都合な学説は
何でもサヨ認定を受けます。
ナショナリズムとはそういったものです。
でも、網野の場合はGHQによる分割統治の可能性や
朝鮮半島の現状から東西二元論を補強してみたり、
天皇「崩御」の記述をを批判したりと、
自身の中世史研究とはあまり関係のない
脱線時評が多かったものね。
右派から見たら「喧嘩売ってんのかっ!」という事になる。
>479
天孫降臨や万世一系なんか本心ではどうでもよくて、その場で自分の意見を押し通す
のに役立つから権力者が使ってるだけで、そういうのはナショナリズムではない。
本物の右翼、本物のナショナリストなんて元々殆んどいないし。
481 :
日本@名無史さん:04/03/01 22:21
天孫降臨とか万世一系がないと愛国できないのかねえ
どっちが自虐史観だか
在日のヤクザを子分にしてた児玉誉志夫もサヨ。
483 :
日本@名無史さん:04/03/01 22:23
>>477 >サヨとかウヨとか、そういう言葉を使ってみたい年頃なんだよ。
それならいいんだけど、総合論壇誌を読んでる層に対する西尾
みたいなのの全般的なポピュラリティを考えるとあまりぞっと
しない。
あとある種の反主知主義につながるような、実証的学問の作業
を馬鹿にしきった態度も気になる。ウヨサヨを越えたモラルハ
ザードの問題じゃないかと。
資料の発掘とか、フィールド調査とか、文書の徹底的読み込み
とかにだけでもせめてある種の尊敬をもってほしいよ。
どっちにせよこんな厨房時代を過ごすのは不幸だな。
484 :
日本@名無史さん:04/03/01 22:42
なんでもかんでもウヨかサヨに分類しないと認識できないのか?
>>484 頭の悪い厨房は何でも二項対立に持ち込みたいんだよ
そうしないと理解できないから(w
アカデミック側が何かと政治的な一言を加えずにはいられないのが
一般人の反主知主義を加速させてるような気もするけどね。
>>483 ホフスタッターの向こうを張って、
誰か『日本の反知性主義』なんて本を書いてくれないだろうかw
>>134 それ地理学者かなんかもNHKの番組でやってた。
従来の視点ではユーラシア大陸から離れていくようにみえる日本列島
しかし逆さまにすることで、大陸に寄り添うようにみえる日本列島
多角的なモノの見方は重要だなと思ったもんだけど。
>>473 障子や壁にも眼や耳があるんです、これが。
2ちゃん以外の真っ当な掲示板で一線級の研究者がニヤニヤしてるの見たことあります。
自分はドがつく素人。
>>486 逆じゃないのかな?
反主知主義が進んだからこそ、アカデミック側の政治的一言が気にされて
目立つようになったように思うんだけど。
>>480 いや、ナショナリズムというのは
大衆社会の病理現象で排他的かつ権威主義的なものだよ。
ああいったものに理を説く事自体無意味。
所謂ウヨ厨の網野批判なんか論をなしていないもの。
まあ、サヨクの方も厨は似たようなものですが。
491 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:06
少し趣を変えて、今日の毎日新聞夕刊に掲載された阿部謹也氏の追悼文。
網野善彦さんはもうこの世にはおられない。この日がいつか来ることは解っていたのだが、そのときになってみると改めて「どうして」という疑問が頭をもたげてくる。
私が初めて網野さんと顔をあわせたのは平凡社の会議室で対談をした時だった。1977
年のことであった。大きな身体に大きな目でじっと見られると私の心の中まで読み取られ
るような気がして、ひるみがちであったが、私は横綱の胸を借りる幕下の気持ちでぶつか
っていった。このとき私たち二人のあいだに共通の問題が意識されたのだと思う。
492 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:06
あの頃日本の歴史学会は「戦後史学」という言葉で民主化や自由と平等の問題にかかわっ
ていたが、それと同時に世界史と日本史のかかわりが問題となっていた。この頃までもっ
ぱらドイツ史の枠の中で仕事をしていた私は網野さんによって日本史との関係を問われ、
答えに窮していたからである。網野さんも当時ペルーを訪問され、世界史の扉を開こうと
されていた。当時日本は高度経済成長も終わりを告げ、新しい段階に入りつつあった。
その後の網野さんの仕事ぶりは圧倒的である。1978年には『無縁・公界・楽』を出さ
れ、中世社会の中に自由と平等の痕跡を探られた。この頃まで日本史家の仕事はその分野
から切り離された形で行われていたが、この書物によってその枠が取り払われ、文学やそ
のほかの多様な分野の研究者が「無縁や公界」の問題に発言するようになった。
493 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:07
1984年には『日本中世の非農業民と天皇』を刊行され。1986年には『異形の王権』
と次々に問題作を発表された。それまで農民が中心とされていた日本中世史の研究に職人
や娼婦など移動する人々を登場させ、被差別民と社会の接点を研究する道を開かれた。
これらの高度に専門的な研究を発表されながら、網野さんの学問には若い頃の国民的歴史
学運動の中での活躍の記憶が息づいていた。都立の高等学校で教えていた時、生徒から質
問され、それに答えられなかった自分をいつも振り返っておられた。高度な専門的研究の
中でも生徒の素朴な疑問に答えようとされていたのである。
この頃私たち夫婦と網野さんのご夫婦とは互いに訪問しあい、定期的に顔をあわせていた。
平凡社の対談の続編も依頼されていた。しかしこの頃から私と網野さんの間で歴史の解釈
の問題をめぐって考えが違ってきていた。一例を挙げれば私はヨーロッパ史と日本史の違
いを強く意識していたが、網野さんはヨーロッパ史と日本史の共通性を見ようとしておられた。
494 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:07
それだけでなく、歴史叙述の問題についても基本的な違いが互いに認識されていた。その
ために対談は中断された。私と網野さんの間には今でも膨大な対談の原稿が眠っている。
二人ともそれを再開する気はなかったのである。このような事情のために二組の夫婦の間
の関係も疎遠となり、近頃は会う機会も少なくなっていた。
網野さんは実証史家としてゆるぎない地位を占めておられる。しかし同時に歴史研究がそ
のまま夢の実現となるような視野の中で仕事をしておられた。そのような夢を語られる網
野さんのイメージはこうした関係の変化にもかかわらず今でも私の中に生きている。
数年前、私の著作集の出版記念会に際して網野さんは私の小学校の同級生の高梨豊さんと
一緒にその発起人を務めてくださった。この会を私は生前葬と位置づけ、その旨の挨拶を
した。こうして葬儀が終わった人間が追悼の文章を綴ることになるのは皮肉な話である。
死は人を生者から隔てるように見えるが、そうではない。死によって世間的な付合いがな
くなっただけ、以後は純粋な付合いができるようになる。今後も網野さんとの会話を続け
てゆきたいと思っている。
495 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:30
>>491 −
>少し趣を変えて
くれてありがとう。
厨房にかかずるのはやはりほどほどにしないとこっちがあほになる。
>私はヨーロッパ史と日本史の違いを強く意識していたが、網野さ
>んはヨーロッパ史と日本史の共通性を見ようとしておられた。
もさることながら
>それだけでなく、歴史叙述の問題についても基本的な違いが互いに
>認識されていた。
あれこれ考えさせられる
496 :
日本@名無史さん:04/03/01 23:35
筑紫哲也の多事争論「網野史学」来ましたよ
急いでテレビつけたけどもう終ってた。
498 :
日本@名無史さん:04/03/02 00:06
>>490 そういう風に高い所から見下た気になってりゃ気分いいだろうな。
>>498 あなただって自分の流儀で気分良くなるために書き込んでるでしょう?
500 :
日本@名無史さん:04/03/02 00:25
>>456 うちの母方の郷里の新潟は奴奈川姫の治める越の国だった。
>>498 うん?
ごく普通の平地を歩いてるつもりでふと下を見たら、とんでもないクレバスが開いててぞっとしてるだけだが?
>とんでもないクレバス
まあ日常世界ではありませんので
どちら様も冒険家精神がないとやっていけないでしょうねえ。
過ぎたるは及ばざるが如し
悪い方での見本が、日本海の向こうにあるのに
もっとも昨今のナショナリズムの噴出は
9割方、左派勢力の責任だと思うがね。
まあ、左端から右端へと急激に振れているわけです。
しかし、ニーチェの研究者が世論をこんな風に煽って良いものか?
網野にせよ西尾にせよ、
自分の専門外の分野で無責任な事を言ってはいけない。
505 :
日本@名無史さん:04/03/02 01:36
なんか急にレベル下がったな。ウヨ厨が流入してきたせいか?
506 :
名無し募集中。。。:04/03/02 03:08
まあおまえら、まず「板碑とその時代」を読め
507 :
日本@名無史さん:04/03/02 04:05
門外漢でスマソ
>近世の農村社会の移動性の高さ
今、長野県の山奥に住んでますが、
かつての「塩の道」なんて
現在は人の移動が全然なくなってますけど、
昔の方が今よりも盛んに人が移動してたってことでつか?
ちなみに、漏れは関西→関東→信濃と、随分移動しました。
>>504 まぁでも、ここ 20 年くらいの左への偏向振りも相当酷かったと
思いますけどね。
今、任那って言葉使えなくなってるでしょ。書いてあってもほとんど
() 付き表現止まり。宋書や好太王碑でも使われる地域名なのに。
バランスが悪いと言うか、左右両極に分裂してるような感じ。なんで
こうもデジタルに 0/1 になっちゃうのかな。
>任那って言葉使えなくなってる
もう右とか左以前の話だな。つーか全然関係ない。
西尾の著作をそこそこ読んでる読者なら、最近の彼の言説を丸ごと
肯定なんてしないって。2000年あたりを境に、それまであった安定した
視座を欠いてしまった感があるし。
今でも分からんではないと思う部分も結構あるけど、牽強付会が目立つ。
しかしこのスレで西尾がでてくる必然性はやはりようわからん。
西尾?
『ヨーロッパの個人主義』(講談社現代新書)の頃は,きちんとした説得力のある文章を
書いてゐたよね.
20年といふ歳月は,ひとりの男の知性をかくも錆らせるに足るほどの長さだ.
512 :
日本@名無史さん:04/03/02 08:27
西尾センセイは当然もののけ姫も否定?
514 :
日本@名無史さん:04/03/02 09:47
渡部昇一といい西尾幹二といい、どうやったらこういう立派なキ印に
なれるのか・・・。
戦前の蓑部胸喜みたいなゴロツキだよな。
渡部?
あれはデビューのときから,すでに痴呆だったな.『痴呆生活のすすめ』てなバカ本を書いてさ.
歳月のせゐではないw.
516 :
日本@名無史さん:04/03/02 10:41
アミーの著作は残ってるんだから、本人が死んでもどうでもいい。
518 :
日本@名無史さん:04/03/02 11:55
>>516 宮沢俊義先生の『天皇機関説事件』に、美濃部博士を攻撃する
蓑田胸喜のことを「蓑田狂気」だと評した人のことが
書かれていましたな。
あの宮沢先生が引用とはいえこんなことを著書に書くくらい
狂気が支配した時代だったんでしょうな。
519 :
日本@名無史さん:04/03/02 12:01
戦前の言論弾圧に蓑田に関わっていないものはないね。
美濃部、矢内原、河合、滝川、津田・・・。
とあげていけば切りがない。
こういう手合いがまたゾロ跋扈する時代に戻りつつあるような悪寒。
520 :
日本@名無史さん:04/03/02 12:27
機関説事件でいえば、貴族院における菊池武夫の質疑も凄かった。
>学者の学問倒れで、学匪となったものでございます。
>私は名付けて学匪と申す。(中略)
>欧羅巴心酔も汚らわしい。日本人ということが言えますか。
これに対する美濃部博士の答弁に
>斯くの如き言論が貴族院に於いて公言せられまして
>それが議長からの取り消しの命令もなく看過されますことが
>果たして貴族院の品位のために許され得ることかどうか
>疑うものであります。
と、博士としてはかなり激烈な表現を使っているが、
その声は結局黙殺された。
ちなみに議長は“あの”近衛文麿ね。w
網野はアナール学派で左翼だとか、
宮台はフランクフルト学派でフーコーと同じ(?)
国家解体論者だ
といったレッテル貼りの批判ばかりだからなぁ。
522 :
日本@名無史さん:04/03/02 16:57
だいたい「アナール学派」ってくくりが大ざっぱすぎるんだよ。
日本史板はこれだから困る。
世界史板の連中に笑われるぞ。
アナールってのは基本的には人脈(機関誌)に基礎を置いた一派で、
かならずしも統一的な方法や概念が共有されてるわけじゃないぞ。
数量経済史もいれば心性史もいたりするんだからな。
ついでだが、日本の数量経済史の第一人者・速水融は
実は長年にわたる網野のひそかな同志。
たしか若い頃に水産研究所とかで一緒に仕事してたんじゃなかったかな。
括ったのはここの住人じゃなくて西尾だよ。
その西尾の言をまともに受けて
網野史学を徹底すると国が滅びるとか言い出す厨のせいで
スレが変な方向に行ってるの。
524 :
日本@名無史さん:04/03/02 17:14
>>522 速水融の研究には多大な尊敬を抱くんだけど、いかんせんお人柄が。
お顔付きも札付きのワルみたいだし(w。
かつての塾長小泉信三といい、慶應は「恐い」人揃い?
網野さんの功績は大きいが、まだ道半ばだった。
バカウヨどもは網野さんを左翼扱いしているが、
これなどはバカウヨのバカたる所以の証左だ。
はっきりいって網野さんですらまだ「日本中心」史観の持ち主だった。
朝鮮半島の諸王朝の属国としての倭という実態、
吸収はもちろん、近畿圏までが朝鮮王朝の領土であった事実に目を背けていた。
しかし朝日の追悼文にも書かれていたが、「ひとつの時代が終わった」のだ。
これからは日本の古代とは奈良百済イコール倭であるという図式が日本史の常識となる。
アジアの歴史家達によって日本は無かったことが証明されていくのだ。
西尾ってそんなに読まれてるの?
俺読んだことないよ。
っーか、この人が左翼認定されてるのって東海、南京、従軍の意見のところだけを取ってだろ?
ステレオタイプに嵌る快感というのがあるんでしょうかねえ。
私なんかは、たとえ便所の落書きであっても
オリジナリティにあふれるものを書いたり読んだりしたいと思うのですが。
ニュー速版の電波 525 キタ
530 :
日本@名無史さん:04/03/02 18:08
>>524 常民研ははじめ慶應が招致する予定だったが
(中略)という事情で網野が神大に持ってきたw
>>529 わかりやした
鬼神を敬して之に遠ざかる。知と謂うべし
>>483 西尾は実証的だろ。反主知主義でもない。
銃・病原菌・鉄を読んだあとに知ったので、
どこが新しいのかいまいちわからんかった。
535 :
日本@名無史さん:04/03/02 21:56
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。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚., . ゚ , 。 。 . .
゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚
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536 :
日本@名無史さん:04/03/02 22:09
>>532 釣りか?
古文書ひとつまともに読む訓練を受けなかったものが、二次文献、三次文献
から自分の都合のいいところだけあさって脳内で組み立てた史観とやらをふ
りまいているのが「実証的」か?
537 :
日本@名無史さん:04/03/02 22:17
西尾さんたちとその支持者の方々が日本的なアイデンティティを強調されるのは結構だが
端から見てると、水に落ちた犬を打つ人々にしか見えない。
1950年代60年代ならいざ知らず
今や左翼の脅威を強調する必要があるのだろうか。
日本人のアイデンティティを強調するなら
弱体化した左翼勢力より
鎮守の森、白砂青松、兎追いし彼の山、小鮒釣りし彼の川
これらを総て破壊してきた戦後の土建政治に異議を申し立てるべきではなかろうか。
今こそ真の保守主義が望まれるときだ思うのだが。
538 :
日本@名無史さん:04/03/02 22:31
>>537 西尾は「民衆生活史叙述」を批難してるし、
神話と政治史、日本を古代からの先進国にみせるための
都合のいいデータにしか興味ないからその方向からはほ
ど遠い。
>>536 ニーチェ研究が実証的だった位の意味でしょう。
「国民の歴史」はもちろん「全体主義の呪い」
とかも酷いものね。
門外漢が世間の風潮に乗って出鱈目をやってはいけない。
評論家ならともかく、西尾は一応学者なのだから。
540 :
日本@名無史さん:04/03/02 23:25
まあ「自由主義史観」とやらは「自由民主党」史観の謂いだからね。
541 :
日本@名無史さん:04/03/02 23:27
自民党よりもはるかに狭い層を代表してるっぽいけどね。
>>539 西尾は昔からバリバリの保守だぞ。
世間の風潮など気にしない香具師だ。
つか世間の風潮が、西尾側に吹いたというべきだろう。
だからこそ俺は西尾が好きなんだが。
それに西尾は学者ではあるが、専門は史学じゃなくて文学なんだから、あんまり史学にケチをつけるのもなあ。
543 :
日本@名無史さん:04/03/02 23:38
>>542 >だからこそ俺は西尾が好きなんだが。
>それに西尾は学者ではあるが、専門は史学じゃなくて文学なんだから、あんまり史学にケチをつけるのもなあ。
西尾氏を支持しているのか批判しているのかどちらなの?
史学が専門でもない西尾が、史学の研究者である網野にケチつける方がどうかと。
545 :
日本@名無史さん:04/03/02 23:40
文学的感性で意固地になってる人たちが政治社会に進出してるだけだしょ。
専門か否かといったらアミノだって同じ穴の狢
>>542 だから真の保守なら土建行政を批判せよ。
>>543 支持する事と、無批判なのは違うぞ。
自民党支持者だろうが、自民党批判をしないわけじゃあるまい。
>>544 ンな事言ったら、網野氏も近代史に口を出さなければ叩かれる事はなかったと思うのだが。
彼の専門は中世だろ。
>>542 >西尾は昔からバリバリの保守だぞ。
そう、本来は保守主義者のクセに
自由主義とか言うのはね…。
個人主義を徹底化したいのか
文化的連続性や民族の共同性を維持したいのか
サッパリ分からんね。
>>547 土建行政は問題だが、日本にイチャモン付ける、左翼と中韓の方がウザイので後回しっす。
日頃専門に固執する者のことを専門馬鹿呼ばわりする奴が、ある時は専門でも
ないのに専門家でもないのに嘴突っ込んで呼ばわりをする。
専門だろうとなかろうと言論の自由であって何を言おうといっこうに
構わない。
例え専門があったとしてもそれを研究する人間の立場・思想が専門に
縛られる必要はない。それぞれの思想信条によって行うまでであるし
専門外について語るも別に勝手だ。
>>537に書いたように、今や左翼の力なんかたかが知れている
郷土の破壊を放置して、何が日本人のアイデンティティだ
てめえらこそ売国奴だぜ。
>>549 保守と自由は別に相反するものではあるまいに。
戦時下でさえ、右翼が朝日新聞で東条批判をして、当局にパクラレたりと、
言論の自由を盾に活動していたしね。
まして真の保守なら、自由を守るのは当然だろう。
>>552 俺アズマじゃねーんだよな、郷土主義じゃなくて、国家主義者。
555 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:00
>>554 じゃあ君のいう日本人のアイデンティティって何?
国体さえ護持されれば
南極でも北極でもいいのかい?
556 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:01
半島、サヨちゃんより土建関係(あえて使おう)よりあとまわしにするセンスはわからんなー
日本という国が好きなのかな?
557 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:09
君たち!
死者のスレで言い争いとは、失礼だと思わんのか!!
>>555 つーか天皇すらもどうでもいい。
民族主義でもないから、純血にも拘らん。
文化とは変容するものってのが俺の持論なんで、昔のモノを大事にするって感覚はあまりないんだよね。
まあそうは言っても、俺も昔のものとか色々集めたりしているわけだが、他人にそれを強要したり広めたりするつもりはない。
日本という国の発展を望んでいるだけだね。だから無駄な公共事業は憎むが、
(そういった国賊は、売国奴として左翼と共に私刑)
発展の為の被害なら、仕方ないと諦める。
559 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:10
この国における国家主義として公租公宗を念頭に置いた
皇室中心主義以外にならざるを得ないのか
俗にいう右翼さんたちに聞いてみたいのだが。
>>558 君の思想はそれでいいけど、国民の歴史なんか読むと西尾の中では
縄文以来の日本の国土と歴史は、日本国とは不可分なんだよね。
だからこそ、
>>537のようなレスが付く訳だが
>>558 じゃあ社会主義的発展でも良いわけだ。
君の言う発展とは何?
>>560 俺も国民の歴史持っているけど、別に西尾氏と完全に意見が一致しているわけじゃないからね。
広義で同じ保守派だから擁護しているだけだよ。
そして少なくとも網野氏よりは意見が近い。
>>559 そもそも皇族自体いらね。皇族廃して、
三種の神器を変りに祭っても全然構わん。
563 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:20
>>551 >専門だろうとなかろうと言論の自由であって何を言おうといっこうに
構わない。
もちろん構わないが、歴史学は心情の吐露とは違う。一応歴史的事実と
いうのを想定して実証的な手続きが必要としている。
ニーチェ学者だろうが、テレクラの研究家だろうが、乳首の形マニアだ
ろうが、学問的批判の手続きを満たしていれば量子力学の論戦に参加し
たって、ビッグバンを論じうようとかまわない。ただし電波本は書ける。
歴史学にしても学問としての最低の基準の上で批判というものがある。
西尾はその基準を満たしていないのに一部のメディアのバックアップだけ
を背景に自分の思い付きをふりまいているのが問題。
おれはサヨちゃんよりなのだか558氏にはやや近い。
ただし、国家という概念が今だにわからん。
ちょっとスレの主人公の主旨に近付いた?
>>562 >>537だが
国土はどうでもよいという君の見解なら西尾擁護になってないよ。
同じ保守派だからと言って、無理に擁護する必要はないんじゃないのか。
俺は左翼の側から批判しているわけじゃないんだし。
基準を満たしてない?どの辺りが?
文が1コ抜けた。
手続きを満たしていなければ参加資格はない。ただし電波本は書ける。
ないことをあるというのは左翼陣営も同じだ。
あるいは強調して実に大きくクローズアップするのも常套手段。
569 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:28
そういう雑な論法は荒れる元w
>>566 作る会の教科書の悲惨さをみればわかる。
一個一個やればいくらでもネタはある。
だいたい網野が一次資料で積み上げたものを、左だという
レッテルばりだけで斬ってすれる西尾の態度はどうだい。
ごめんよこれから出かにゃならんもんで、続きは個別に今度。
>>568 左翼がやっていいなら保守もやっていいの?
んじゃ、どっちも信じない方がいいって事ですね?
572 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:37
単純に今の脅威が左右のどっちにあるかだな。
現在においては共産国に日本がなるより、
安易なお国自慢国家になる可能性が他界気がする。
>>570 だから具体的に、なにが批判する基準を満たしてないのかと小一時間。
俺には西尾だからとレッテルはって斬って捨てているようにしか見えない。
574 :
日本@名無史さん:04/03/03 00:41
>>565 貴方の立ち位置がわからんのでね。
まあ少なくとも、つくる会の支持者ではあるし、西尾氏には共感している部分もあるから、
批判されていれば擁護する。
>>561 最も日本を発展させるのは社会主義ならそれもいいんじゃないかな。
ただ俺は競争化社会マンセーだからアカは嫌いなんだ。
そして所詮アカはアカ。駄目なもんは駄目なんだよ。成功した社会主義は日本だけと皮肉られるくらいだしね。
網野が西尾のニーチェ研究とかを批判して
「これだからニーチェ研究者はいかん。哲学の研究はいかん。」
とでもいったら、歴史学者からも「おいおい」とつっこみが入るでしょう。
西尾は歴史学に対してそれをやっているから批判されてると違うの?
(しかも専門の研究者にしたらお話にならないお話をされる)
左翼とレッテル貼って思考停止するのは、すくなくとも学問板にはそぐわない議論だな
579 :
日本@名無史さん:04/03/03 01:03
>>575 つくる会の教科書(市販本)のさいごにある「−歴史を学んで−」に
日本は外国の軍隊に国土を荒らされたことがないので、
外国を理想にしても、独立心を失わない幸せな国だったと前に書いたが
大東亜戦争(太平洋戦争)で敗北して以来、この点が変わった。
全土で70万人もの市民が殺される無差別爆撃を受け、原子爆弾を落とされた。
戦後、日本人は、努力して経済復興を成し遂げ世界有数の地位を築いたが、
どこか自信をもてないでいる。
このように書かれている。
外国に国土が荒らされたことはつくる会の人々にとって決定的な意味を持つが
その復興の過程で日本人自らが国土を破壊したことに彼らは言及していない。
これはおかしいのではないか。
彼らは戦後歴史学を自虐史観と呼ぶ。
だが民族のアイデンティティの重要な一部である国土を自ら破壊したことは自虐ではないのか。
その点で私は彼らの主張を胡散臭く思う。
真の保守主義者の登場を願うものだ。
583 :
日本@名無史さん:04/03/03 01:25
保守ってえのは、古いもの、伝統を守るもんだ。
今の保守を標榜する連中のほとんどは単なる利権主義だよ。
リベラル派の外交は危なっかしくて見てられないから
消極的保守支持です。
西尾氏ら自称「保守」が守ろうとしている「伝統」とは、
単純には言えないが、大雑把に言えば江戸中後期以降に作られたもの。
実は存在しない架空の「伝統」。
虚像を理想像として、空理空論を唱えるのはマスクス主義者となんら変らない。
つまり実体は左翼に限りなく近い。
網野氏は本当の「日本とは何か」を追究し、そこからあるべき日本像を見つけ出そうと
模索していた。保守主義というものを真に理解していたのは網野氏。
西尾幹二の行動原理は物語の希求かと。だからいつを起点に
伝統と捉えているのかを批判してもあまり意味がないと思う。
最近は必ずしも支持できるわけではないけど、それでも突っ走るあたりは
好きなんだが他者への攻撃を表に出しちゃうのはなあ。
誰かが書いていたけど、Webに文章を掲載しはじめると歯止めがなくなるのか、
箍が外れるような気がする。自分は出版されたものしか読む気にならない。
書きたいことを書くというのは楽しいのかもしれないけど、やっぱ内圧が上がりきった
ところで噴出してきたものを文字にした上で推敲に推敲を重ねたものや、編集の目を
経てからの文章の方がいいわ。
>>586 >西尾幹二の行動原理は物語の希求かと。
別にそれはそれでいいけど、そういうのは保守主義とは言わないのではないのだろうか?
「物語」を伝統として捉えることは、必ずしも悪いこととは限らないとは思う。
例えば、「人は生まれながらにして平等である」なんてのは、
聖書の精神として初めから存在したものなのかもしれないが、
長い期間、そんな考えは尊重されてこなかったのであり、むしろ「新しい思想」であろう。
理想を過去に求めるのは、洋の東西を問わず行なわれてきたことで、
日本では「延喜・天暦」、中国では「堯舜」、西欧では「古代ギリシャ・ローマ」などに
模範を取ろうとする思想があった。しかし、その実体は「保守」というよりも
むしろ「革新」思想と言ったほうが適切であると思う。
網野氏と絡めて話をするなら、佐藤氏・石井氏・笠松氏・勝俣氏、アラーキー
など、もっと関係が深いというか適当な人がいると思うのですが…
なんで西尾の話なんかしてるの?
>>589 きっと、ろくに網野氏の著書をろくに読んだこともない人が、西尾氏の話を鵜呑みにしているんでしょ。
西尾氏についてはニュー速に任せたらどうですか?
593 :
日本@名無史さん:04/03/03 18:31
>>573 作る会の教科書の検定意見の事実に関する部分だけみても、プロとして
の基準を満たしていないとしかいいようがない。ペリーの白旗のずさん
な文書の扱いなんかはもう散々やられている。
これなんかほとんど電波
http://www.jfir.or.jp/j/research/seminar1/conver_4.htm 文明の生態史観風になった皇国史観を基調に、日本自慢ならなんでも
つまみぐい。
>日本の場合には、中国帝国は続いているというふうに迷信が存在し
>ておりますけれども、唐の崩壊以降、日本の文化に決定的影響を与
>える古代帝国中国の影はもはやなくなってしまいます。つまり、隋
>と唐から学んだ影響だけが日本に残るのであります。幸か不幸か、
>両文明は消滅してしまったといってもよいのでございます。
宋学の研究家がみんな失業しちまう。
>最近は網野善彦などという人が、島国のこのような文化の純粋性を
>否定しようとして、さまざまなことを言っております。
結局これにつきるようですね。この人の網野批判は。
>>592 スレ汚しでスマン。これ以上はニュー速にまかせましょう。
網野の掘り起こした問題をもっとまったりと個別に議論するのがこの
スレにふさわしいと私も思う。
594 :
日ペンの美子ちゃん:04/03/03 18:49
ならぬ、日本ペンクラブの井上ひさし怪長の奇説は、反日思想丸出しの電
波だが「表現の自由」がこんなだものとは全く呆れたことだな。
*「正論4月号」水間正憲氏の投稿参照。
「網野氏はバカである」♪バカは氏ななきゃなおらな〜ぁ〜い(二代目・廣澤寅蔵)
595 :
日本@名無史さん:04/03/03 18:56
>「正論4月号」水間正憲氏の投稿参照
ここは学問板なのだから
人の尻馬に乗らずに、自分のオリジナルな見解を書くべきかと。
俺は網野氏の著作を読むより前に、アメリカの新保守主義(いわゆるネオコンとは違う)の学者の
書いた本を読んでいて、先入観なしに網野氏の本を読んだのだが、網野氏が書いていることと、
保守主義の思想家の書いていることが驚くほど似ているのに驚いた。
保守主義が宗教組織・ギルド等の多様な集団と個人の関係を尊重するのに対し、
革新主義は国家による一元的な管理を志向する傾向にあるという点だ。
日本の「保守主義」はなぜか後者に属する主張をする人間が多い。
サヨクが「左翼」でないのと似ている。
たいした影響力など最初からない「反日」やら「左翼」やらを排撃して
悦に入っている香具師は寝た子を起こす煽動者。
彼らの言いつのる国民の利害だの国益だのは、実は個人的な自尊心に
ほかならず、国益を増進するための障害にしかなっていない。
周辺諸国が何を言おうが、言いたいことは言わせておけばよいのだ。
外交の当事者でもなければ、国際関係に義務も責任も負っていない
人間の妄動が周辺諸国の反日感情を煽りたて、これまでどれだけの
国益を損なってきたことか。忠良なる臣民は黙って外貨を稼ぐこと
だけを考えていればよいのだ。
>>597 >アメリカの新保守主義(いわゆるネオコンとは違う)の学者の
>書いた本を読んでいて
因みに誰ですか?
シカゴの人間が自由主義的で、
80年代初頭のレーガノミックス路線下では
新保守主義と位置づけられていましたね。
この時期からアメリカ保守主義の変質が始まっています。
現在の新保守主義者(ネオコン)によると政治的多元主義に起源を持つ
共同体主義者(コミュニタリアン)も共産主義の亜種なのだそうです。
ま、西尾幹二の自由主義にはそこまでの射程はありませんが…。
リバタリアニズム?
601 :
日本@名無史さん:04/03/03 23:25
いつまににやら西尾スレに・・・。
この幅広さが網野さん・・・
なのか?
まあ、歴史と政治が結びつくとろくなことがないということを重々承知していたであろう人間が、
自分の膨大な研究成果をまとめることによって、その主張が政治に帰着してしまうあたりは、
なかなかに皮肉的かな、と。
とりあえず中世史研究者としては、数十年に一人出るか出ないかクラスの人間だったし、
個人的にはそれだけで十分なんだが。
アミノ酸の叙述で印象的だったのは、ある皇族と対話をして「皇室の「終わり方」を
最も真剣に考えているのは当の皇室の人間なのである」と言っていたことだ。
ただこの皇族が誰なのか思い出せない(どっかの著書に書いてあったはずだが)。
たぶん皇太子だと思うのだが。
網野先生、ご冥福をお祈りいたします。
先生とは中世史の学会ではじめてお会いしました。
もう6年も前のことです。
あの頃は先生もお元気で、日本全国精力的に客員研究員として活動されておりました。
網野先生がお亡くなりになられた今、今後の日本中世史研究が気がかりでなりません。
先生の功績を忘れずに、これからも讃えてゆきます。
607 :
日本@名無史さん:04/03/04 02:48
織田信長の
「楽市楽座」は近代的な「営業の自由」に近い政策なのですか?
>>605 それは現代の皇室だけとは限らないのではないかと思う。
まあそういう意味なのかもしれないけど一応。
『無縁・公界・楽』を読んでる。面白いんだけど
資料が多くて読みづらい。あと固有名詞も。
アミノ酸のでもっと読みやすいのはないですかね?
『日本の歴史をよみなおす』なんてどうなんでしょうか。
610 :
日本@名無史さん:04/03/04 05:45
>>605 確かに自分自身のことだから真剣に考えてるだろうけど、
皇太子については、バカの考え休むに似たりという格言も
同時に考えに入れないといけない。 時間をかけ、熱心に
考えてるからといって、それが立派なことだとはならない。
公務とか子孫繁栄に励むとかのほうが、碌でもない思索に
ふけるより、あの立場ではよっぽど誉めるべきこと。
↑こんなバカがいるんだネ
皇族が皇族の行く末を考えて何が悪い
マルクスで天皇制を研究しながら、「私はマルクスが大好きでつ・・・」
知ってるッちゅうねん。
613 :
日本@名無史さん:04/03/04 09:15
614 :
日本@名無史さん:04/03/04 09:25
天皇制っていうのは、天皇そのものより天皇を祭り上げる奴にとってこそ意味あるものだしね。
俺も皇族そのものに恨みはないが天皇制は廃止して欲しいな
天皇制は,安楽死させてやりたいね.おだやかに.
終はり方は大事よ.
617 :
日本@名無史さん:04/03/04 13:38
この後西尾厨ご一行様ご乱入です!!!
天皇の世の次は第六天魔王の世だね。
予言は成就されるのか。
>自分の膨大な研究成果をまとめることによって、
>その主張が政治に帰着してしまうあたりは
それはそれで一つの見識であって、
政治的な主張を出発点に、それに合わせて他人の
研究を取捨選択して物語を作りあげるよりは、
数百倍健全かな、と。
俺は日本史を専攻しているわけではないが、
網野氏の著作は門外漢が読んでいても知的刺激を受けるものだった。
優れた書物は、専門内だけでなくその外部にも知的な刺激を与える
好例なのかな。
「日本」という同一性が実際のところの歴史的にどうであったか、
あるいは同一的なものとして信じられてきたものが、実はそうした
同一的なものに回収されない多様な関係性が形成されていたかもしれない
ことを思考だけでなく資料を丁寧に掘り返しながら積み上げていく作業に
興奮させられもした。
西尾何某が何を言っているのか、知ったことではないけど、
学問という域を超えて、『国民の歴史』よりも網野氏の一連の著作を
読むほうが、「日本」の先人の多様なあり方を知りえてむしろこちら側が
勇気付けられもする。西尾氏の著作からはただひたすら貧しさしか伝わって
こない。
もちろんこれは俺個人の感想。
中世労働組合運動史の先生ね。
>>621 中世をマルクス史観で語るなよ。ミイラ取りがミイラになるってこういうことかな。
西尾は西尾が嫌う朝鮮と同じことしてるよね。
無理にでっち上げなくても日本には素晴らしい歴史があるのに。
歴史はあるがままに受け入れればいいのだ。
現在の価値観で、いいとか悪いとか判断してもしょうがない。
ましてや、恣意的に都合のいい(あくまで今の価値観でだが)
ところだけ取り上げて素晴らしいなどというのは愚の骨頂。
そしてそれこそがこの日本の伝統でもある。
神は善いことをするだけではない。悪いこともする。
しかし善悪は人間の価値観でのものであって、真意などわかるわけもない。
625 :
日本@名無史さん:04/03/04 21:19
>>623 韓国の最も質の悪い層に対応してる、日本側代表のお歴々だからね。
今になって訃報を初めて知りました。御冥福をお祈りします。
浅学非才の若輩者には政治や思想の事は語れませんが、
中学時代に氏の著書を読んで、
それまで好い加減な記載だらけの教科書を頭から信じていた私は
視野を広げる事が出来ました。
教科書って所詮は政治史なんですよね。
個人的には民衆のあり方に、歴史への関わりに惹かれました。
進路もその方向で考えています。
拙い書き込みで場をお借りして申し訳ありません。
重ねて、御冥福をお祈りします。
627 :
日本@名無史さん:04/03/05 00:21
>「日本」の先人の多様なあり方を知りえてむしろ
>こちら側が勇気付けられもする
たしかに。そうしたダイナミックさを持って生きた人間たち脈
脈と生きていたということのほうがよっぽど誇らしい。
そういう意味では、網野氏の日本史こそ、健全な(野郎自大的
でない)ナショナリズムに資するものと私も思う。
628 :
日本@名無史さん:04/03/05 03:52
右でも左でも、読んで感銘を受けるのが、よい学者だ。
ニュース番組とかでは、もののけ姫などに影響を与え〜などと語られて
いましたが、具体的にどんな部分が網野史観的な描写だったんでしょう ?
> もののけ姫
鍛冶職を生業にしていた集団がいた、ってことではないですよね ?
自然崇拝的な部分でもないでしょうし…。
>627
体制が変わる度に全部書き直すのが日本の歴史だったから、
日本にナショナリズムが育たなかったのだろう。
それではいつまでたっても歴史から学ぶ事はできない。
>>630 ん ? ナショナリズムって、一般には 18世紀以降の概念じゃないの ?
西洋中心史観もあれですが…。
体制が変わっても書き直されなかった歴史があるのかw
書き換えられる理由はともあれ、書き換わる可能性があるという点こそが
歴史の面白さだと思うんだがねえ。
義務教育でやる歴史は、ある程度一つの見方に統一されていないと
わけわからんくなるから奇麗事ばっかじゃすまんのだ。自分は西尾の
やろうとしてることも評価してるから、批判を浴びせ掛けてくるのは放置して
他者に攻撃的にならずに、やると決めたことに突き進めばいいのにと思うな。
西尾なんてどうでもいいよ
つーか、西尾厨は別のスレだやってくれ
>>629 鍛冶集団が領主に対抗していた点(領主は別に悪役ではない)や、猟師が目立って
活躍していた点など。あと病者も出ていたあたり。
もっとも私の知っている某先生は「鍛冶集団が自然破壊のはしりととられるような
映画での描写」にお怒りでしたが。
>>634 >鍛冶集団が自然破壊のはしりととられるような
「はしり」かどうかはともかく、「自然破壊」はしていたと思うのですが。
ただ、自然破壊とはいっても、人類の歴史は自然破壊の歴史でもあって、
今の日本に本当の自然などごく一部にしかないわけで、
どんな田舎にいこうとも、そこには人間の手が加えられていますよね。
それを一概にマイナス評価するというのもあれですし、逆に
そうではなかったというのもあれですよね。
まあ、山野さんはそういうことはご承知の上でしょうが。
実際は鍛冶集団は、鉄の精錬に際して膨大な炭を用いる。そのため木材
の安定的な供給は上質の鉄の生産に必要不可欠なものであった。
中世の鋳物師をはじめとして製鉄民はその事にかなり自覚的であり、自
然破壊どころか森林の維持を率先的に行っていたと考えられてます。
実際、古代以来の製鉄が盛んな出雲地方では今でも製鉄に従事する人々
が大規模な森林経営を行っているということが確認されてます。
網野先生はそういうことを指摘したかったんではなかろうか。。。
637 :
結局、こういう基地外に利用されるだけ:04/03/05 16:20
朝日 福島版
苦しむ教師へ網野氏の言葉
無職 島田 晴子(東京都板橋区 61歳)
歴史家の網野善彦さんが亡くなった。反骨精神に貫かれたような生き方に敬意を表する。
網野さんについては、この時期なので特に思い出されることがある。
この時期、というのは、東京都の公立学校の卒業式・入学式で信じられないようなことが
進行しているからである。先生たちに処分をちらつかせながら日の丸に最敬礼し、
君が代を歌うことが強制されている。都議会議員まで動員してその実態を監視させるのだそうだ。
なんという常軌を逸したやり方だろう。
数年前、網野さんが若い頃勤務した都立高校の同窓会が講演会を企画した。
日本海の地図をさかさまに見る網野さんの発想が新鮮だった。そのころ、日の丸・君が代の強制が
少しずつ始まっていたので、当時そこの教員だった私は控室を訪れ、一面識もなかった網野さんに
質問をした。
「もしも網野さんが今この高校にいて、日の丸に敬礼し、君が代を歌え、といわれたら
どうなさいますか」。一瞬の後、言葉をかみしめるように答えてくれた。「僕は、処分を覚悟で
反対するでしょうね」。断固とした信念のこもった答えだった。
処分を受けることを教師たちはためらうだろうか。心ある親たちや生徒は、この事態を
見逃すのだろうか。苦しんでいる教育現場にせめて網野氏の言葉をお伝えしたい。
>日の丸に最敬礼
大げさに考えすぎるんだよ。こういう人達は。
徒党を組むとどうしても
>>637みたいなキチガイに引っぱられて
過激になっちゃんだよね。
利用される側の論説が最初からキチガイなのに較べれば、
まともな論説にはまともな受容者の存在も期待できるだけよほどマシですけどね。
>>637 俺はこういう話には他でもさんざんつっこんでいるのだが、
「国旗の強制」に反対なのか。
「日の丸の強制」に反対で、別のものならばいいのか。
そこをはっきりさせないところにいかがわしさがある。
網野氏は、「日の丸」とは何かについての考察抜きで、
なんとなくそれで当たり前という風潮に反発していたのだと思う。
だからどっちでもないのだが、とりあえず反対に近い立場という
ように受けとられていたってことだろう。
642 :
日本@名無史さん:04/03/05 19:23
>>641 白黒で割り切れる問題ではないが、彼としては考えた上での結
論だったと思われる。
この世代の人間にとっての戦前、戦中の体験の重みを考えると
風潮に反発とかとりあえず反対とかそういうふわふわしたもの
じゃないだろう。
>>642 いや国旗がだめなのか、日の丸がだめなのかは白黒で割り切れる問題なわけで。
俺は網野氏が「とりあえず反対している」とは言ってないわけで、
賛成か反対かというなら反対だろうが、それはこういう大方の反対派の反対
とは全然違っているわけで、網野氏は日の丸が反対なわけではなくて、
日の丸(日本)とは何かがあやふやなままではいけないってことで、現状では
強制することは危険だということでしょう。
日の丸でいいのか、別のものがいいのか、あるいは国旗は必要なのかとかを、
そういうことを踏まえた上で議論していないというのであって、結論は出ていないので
あって、上の投稿ではそのへんのところが抜けていて、「強制」だからだめだという
ようにしか受けとれないのが問題だということです。
日の丸という人の耳目を引き易い問題について論じるあたりが実に宣伝くさい。
日本史に通暁した人間ならばそう易々と日の丸という日本の伝統に属する産物を
現在の価値によって断罪しまい。
> 日の丸という日本の伝統
国家のシンボルとしての使用は幕末までしか遡らないのが通説のはず。
ほかにどんな伝統があったかぜひとも教えてくれ。
ああその通り。はじめは幕末の船印だよ。そもそもは現在のように非難される
要素はない。伝統的な図案である。
「ひのまる」だろうが「へのまる」だろうが
卒業式に国の旗は不要と私は考えているが。
ではそういう学校へ通えばいいだけのこと。
649 :
日本@名無史さん:04/03/05 20:24
>そもそもは現在のように非難される要素はない。
あたりまえだ。その後の歴史的な経過に難癖つけられてるんだから
それに対して
>日本の伝統に属する産物
というような擁護の仕方をすることに対して
アミノ酸は批判を投げかけているのではないのかね
ちなみに私は公立学校で国旗を掲揚することに問題があるとは思わないし
国旗に日の丸が不適当だとも思っていないがね
>>636 私が聞いたのも、仰る通りの内容でした。
>>650 しかし、それは古代以来のことでしょうかね?
あんまりくわしくないけど、それは森林資源を自由に使えなくなってきた結果では
ないのでしょうか?俺が言いたかったのは、
森林を伐採する、砂鉄を採集する→跡地を田畑に利用する。
という種類のものですけどね。網野氏も言っているように、律令体制当初は
耕作地が圧倒的に足りなかった。水田を開発するためにも鍛冶集団は
役に立ったと思います。どこでだったか、「はた」という地名は元々、
秦氏の製鉄民のいた場所で、跡地が畑になったなんてことも聞いたような気がします。
製鉄民が耕しているので一石二鳥というわけです。
bait. さん、話が飛躍してやしませんか?
もののけ姫の描写の話をしてるわけですから、時代はおそらく室町あたりのことでしょう。
その時代の製鉄民の自然破壊の有無を話題にしてる。
>>651さんの疑問にも網野さんも答えてくれてますよ。
各地から朝廷に運上される年貢の中には米のかわりに年貢で納入される
という事実があったことを網野さんは述べています。たぶん岩波の新書
の『中世の民衆像』とかいうタイトル。黄色版の。
つまり必ずしも、製鉄民は耕作というものに拘束されたわけではなかっ
たのではないでしょうか?つまり水田開発に従事しないところでは
それ相当のもので租・調などの諸税を納入していたのではないでしょうか?
近世までは山間地が農業の中心で
平野部に移ったのは干拓技術や
治水灌漑技術の進歩した江戸期以降だと
網野は言ってなかったかな?
砂鉄の精錬は中洲や沿岸部といった臨海地域だから
どうして森林伐採に繋がるんだろう?
鋳物師がわざわざ山間地まで切り出しに行っていたのかな?
まぁ、ネットワークはあったと思いますが。
>>654 森林伐採は鋳造のための燃料である薪の確保のためでしょ。
土地の開拓が目的じゃ無くて。
>>634 う〜ん、あの映画では領主はしっかり悪役に見えたと思いますが…。
テーマ的にはエボシ御前が悪役になるべきなんでしょうが、感情移入して
悪役にできなくなっちゃったのかな。
それはともかく、鍛冶職人ではなく、「鍛冶集団」としてまとまっていた
というのが網野色だと思えばいいんでしょうか。武家社会ならば当然、それ
なりの規模で鍛冶職人はいたはずでしょうから。
それにしても室町時代の頃なのに鉄砲が出てきたのは、絵造り優先の結果
なんでしょうかね…。
>>656 う〜ん、あの映画はそもそも史実をもとにしたものではない。
といっても歴史小説が史実ではないというような意味ではなくて、
ファンタジーという意味。「ロード・オブ・ザ・リング」のようなもの。
そこに網野史観が取り入れられているし、日本というものを考える
ヒントのようなものもあるということでしょう。
>>655 だから、沿岸部の人間がわざわざ
燃料の確保のために山地まで赴きますか?
海民/山民という立場にたつのなら、
海(鋳物師はこちら側)と山との間に交易があったと
考えるのが妥当じゃありませんか?
網野は寺社のネットワークとかも言ってませんでしたか?
それと出雲族というのは基本的に海人系ですよ。
>>656 宮崎監督自身が「(領主陣のやっていることは正当な権利の行使であり)悪い
ことでもなんでもない」と言っています。
>>658 よくご存知のようなので、教えてください。
鋳物師は製鉄もおこなってたんですか?
それから、砂鉄の精錬は臨海地域なんですか?
少なくとも中国地方の製鉄遺跡でいえば
臨海地域にあるものの方が少ないような気がするのですが。
それに原料がほとんど砂鉄になったのは近世たたらの話で、
中世・古代には砂鉄のみでなく、鉄鉱石も利用されていたはずですが。
>>660 ここで「もものけ論」をやるのも何ですが… 映画単体では領主の行為の
背景描写は 0 だったので、私には「エボシ御前が留守の間に製鉄技術を奪い
取りに来た悪役」にしか見えませんでした。
当日買ったパンフには、製鉄作業は周囲の田畑に被害を与えるので、農民
との諍いが多かった、というような背景説明をしたインタビューが載って
いましたが、そんなこと映画の中で描写してくれなきゃ分からないですよ。
室町時代に鉄砲が出てきたり、獣の姿をした神々が出てきたりする時点で
フィクションな訳ですから、農民と製鉄集団の関係が史実と同じという推察
が妥当かどうかもわからなくなっちゃいますし。
656 にも書いたとおり、エボシ御前の悪役面を描けなくなってしまった
弊害 (他に悪役的役回りが必要になった) なのかなぁ、と個人的には思って
ますけど。
>>663 リンク先は八岐大蛇と関係があるようには見えないが。
室町時代に鉄砲が無いと思ってる人多いみたいね。
鎌倉で手榴弾は登場してるし(元寇)あれ位の鉄砲は当時中国では出来てた。劇中ほどの威力は無いだろうけど。
それこそ網野式にフネと貿易の役割を重視すれば、出てきてもおかしくない道具だと思うがな。
>>665 それは知りませんでした。基本的に西洋由来かとばかり > 鉄砲
朝鮮の役での明軍戦でも、鉄砲の豊臣軍、大砲の明軍という評判を聞くので。
単独品としては存在したけど、軍での量産・装備には到らなかった、という
ことでしょうか。
667 :
日本@名無史さん:04/03/07 00:30
アニメの話しはこのスレではどうでもいいことに属すると思います。
それよりもアミノ氏の論敵である西尾氏について論じることで、アミノ氏の
性格はより明らかになると思います。
>あれ位の鉄砲は当時中国では出来てた。
いやー、それは初耳ですね。
根拠となる史料をご教示願えませんか?
669 :
山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :04/03/07 00:34
>>662 まあその辺は監督の責任ということで(w)。
>>668 エボシ御前が使用していた「改良型」ではなくて単なる筒状のものの事では。
鉄砲史研究の最新の研究成果は佐々木稔『火縄銃の伝来と技術 』に
詳しいよ。材料工学的なスタンスの研究も網羅されてるので、非常に
新鮮らしい。まだよんでないけど。
アニメに史実を求めるのはどうかと…。宮崎さんは網野さんの著作を
アニメ化したわけじゃないのだから…
全然関係ないけど、網野氏って仏教についてはどう思われてたんでしょう ?
というのも、日本の仏教の扱いって「何か良く分からないけど有難いもの」
そのものでしょ ? こういうものを嫌いそうなイメージがあるんで。
お坊さんにはお経や念仏の意味は分かっているんだろうな、とは思うの
だけど、一般人には意味不明ですよね。
これって、かなり特殊な状況なんじゃないかと思うんですが。
>671
だから元々仏教徒は支配者階級のみだった。
後年、頭の良い人が「念仏唱えれば誰でも救われる」という布教方法を思い付いて
一般に広まった。
>>672 そういう言い方は語弊があると思います。
別に支配者階級のためにあったわけではないでしょう。
仏教は鎮護国家のためにあった。国を護ることが、すなわち民を護ること。
個人の救済のためになったのは後のことでしょう。
674 :
山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :04/03/07 09:55
>>671 円仁が五会念仏を持ち帰ったのが観想念仏に対する称名念仏のはしりで、これ
は簡単な方法であったために早くから庶民にも受け入れられていました。
『日本往生極楽記』では空也が庶民に布教を行った例が有名ですが、教信も有名で
すね。また永観は『往生拾因』の中で在家沙弥でも称名念仏の末に往生した教信の
方が無言の行を行っていた勝如よりも優れていたと論じている。
庶民向けといえば千観の「阿弥陀の和賛」をつくって「都鄙老少」を極楽に結縁させ
たという話も有名です。
六字ぐらいであれば庶民でも理解出来たでしょうが、口にすれば意味の分かっていな
い子供でも往生出来るという発想は院政期にはあった様です(題目も同じ)。
氏族を離れた個人意識が芽生え、それにふさわしい信仰も出て来るようになったのは
10世紀頃からではないかといいます。
『続日本紀』には諸国の老若男女に般若波羅密を唱えさせて疫病を払おうとした話が
ありますが、これは個人の意志で行ったものではない。
朝日福島版
苦しむ教師へ網野氏の言葉
無職島田晴子(東京都板橋区61歳)
歴史家の網野善彦さんが亡くなった。反骨精神に貫かれたような生き方に敬意を表する。
網野さんについては、この時期なので特に思い出されることがある。
この時期、というのは、東京都の公立学校の卒業式・入学式で信じられないようなことが
進行しているからである。先生たちに処分をちらつかせながら日の丸に最敬礼し、
君が代を歌うことが強制されている。都議会議員まで動員してその実態を監視させるのだそうだ。
なんという常軌を逸したやり方だろう。
数年前、網野さんが若い頃勤務した都立高校の同窓会が講演会を企画した。
日本海の地図をさかさまに見る網野さんの発想が新鮮だった。そのころ、日の丸・君が代の強制が
少しずつ始まっていたので、当時そこの教員だった私は控室を訪れ、一面識もなかった網野さんに
質問をした。
「もしも網野さんが今この高校にいて、日の丸に敬礼し、君が代を歌え、といわれたら
どうなさいますか」。一瞬の後、言葉をかみしめるように答えてくれた。
「僕は、処分を覚悟で反対するでしょうね」。断固とした信念のこもった答えだった。
処分を受けることを教師たちはためらうだろうか。心ある親たちや生徒は、この事態を
見逃すのだろうか。苦しんでいる教育現場にせめて網野氏の言葉をお伝えしたい。
676 :
日本@名無史さん:04/03/10 10:19
「日の丸」「君が代」を強制化しようとする人は、なんでこの二つに拘るんだ?
こんな、江戸期から明治期になって始まったような習慣を、なんで伝統とかいって有難がるんだ?
けっきょく、心が貧しいから、こういう形でしか「愛国心」をあらわせないんだろう?
そういうやつらが教育を牛耳ってる間は、生徒も自然な愛国心などもてるわけがない。
俺は真の「愛国者」とは、網野さんのような人だと思ってる。
「国家」や、「国家の象徴」を愛するのではなく、「日本列島」(この言い方は便宜的に用いるが)そのものを愛する。
この島での人々の営みすべてを、愛しく思い、研究する。
そこには「国家」などというつまらない概念はもはや存在しない。
「愛国心」とは、「国家」を愛することではない。
「日本」(これまた便宜的に使う)を一人の人間にたとえると、長い人生の間に良いこともしてきたし、悪いこともしてきた。
この全てを限定することなく、隠蔽することなく、「日本」まるまるを愛する。
そういう「愛国心」をもてない浅薄なやつらは、過去の過ちを隠して日本民族の素晴らしさだけを誇張するのだ。
そんな風がふいたら飛んでいってしまうような、この不景気行き詰まり感に便乗したような「愛国心」など滅びるが良い。
俺は若いから網野なんか当り前って思ってたけど、そうじゃない人もいるんだねぇ。
愛国だかなんだか知らんが、史学の体裁をなしていない物ははなから対象外なんだが。
「愛国」といっても,その中身が問題なのですよね.ある軍人は,小学校の修身教科書に
「シンデモラッパヲハナシマセンデシタ」のやうなことばかりが書かれてゐるのをみて
こんなので本当に愛国心が育つのかを心配した.戦時の愛国ばかりを強調すると平時に国を
愛せなくなるだらうといふのです.
昭和初期に,「修身教育の効果について」といふ調査が東京の成城小学校でありました.
当時,大正デモクラシーの自由な雰囲気の中で,成城小学校では型通りの修身教育をやめて
しまってゐた.その代はり,自由に教材を選んで,愛国心とはなにか,国の名誉とはなにか
といふことを子供たちに教へた.そのあとで子供たちに,兵隊になるのをいやがってはいけ
ないと思ふかどうか?とか,外国に商品を輸出するときに相手をだましてはいけないと思ふ
かどうか?といふやうな判断を求めるいろいろな質問をして,教育効果を調査してゐます.
その調査結果を集計してみると,型通りの修身教育は受けてゐない成城の子供のほうが,
そうでない学校の子供よりも,はるかに国を大切に思ふ気持ちが強いことがわかった.
ただし,兵隊になるのをいやがってはいけないと思ふかという質問では,成城小の生徒は
あまり好成績はあげてゐません.しかし,外国を相手に嘘をついてはいけないか,とか,
欠陥のある商品を輸出してはいけないか,とかの,広い意味での国の名誉をとらへ,それを
守るためにはどうしたらよいかに関する質問では,非常な好成績をあげてゐたのでした.
戦前の修身教育は,戦時にいさぎよく死んでくれさうな人を育てる,といふ目的からいへば
たいへんに効果的だったといへます.これも,ひとつの「愛国心」でせう.しかし,本当の意味で
日本を良い国にするために有為な人材を育てる教育といへるかどうかといふ視点で考へると
どうもさうではなかったやうだといふことになります.
「日の丸」「君が代l」教育についても,おなじ反省が必要でせう.
680 :
日本@名無史さん:04/03/10 11:58
将軍様マンセー的愛国心ですな
>>676 「オリンピックの金メダリストが表彰台で
国旗掲揚国家吹奏のあいだ帽子をかぶったまま」
なんて無礼をやったのは日本人しかみたことないよ。
あがったのは日本の旗だけじゃないんだから、
それらに対して無礼千万。世界に恥をさらしたわけだが。
「国旗・国歌への尊重」を教えられていない彼女は責められない。
教育しなかった日本人全体が恥じ入るべき。
そんな恥をさらさないように、「国旗・国家は尊重する」という
「国際常識」を小学校から教える、ただそれだけじゃない。
>>676 ここで愛国心の話をするのもなんだが、あなたのいう「愛国心」とは、
全ての「日本人」に共通の「愛国心」ではない。
まさに網野氏の批判した日本人単一民族という幻想の下での「愛国心」です。
多人種・多民族・多宗教の国家ではそんな「愛国心」は通用しない。
例えばユダヤ人は自分達と同じ国民ではないなどと考えたりしたらとんでもないことになる。
愛国心は人それぞれでいいのであろうか?
「個人的な国家への愛」と「愛国心」は区別すべきものではなかろうか。
そういうことに日本人は鈍感なのです。これは「右翼」の人間が、というわけでなく「左翼」も同じ。
「日本人」は朝鮮半島で行なったことを反省しなければならないという。
では、戦後帰化した半島出身者も「日本人」であるならば反省しなければならないのか?
そもそも、そういうことを考えることさえ思い当らない人が多いのではないだろうか。
日本人とは何かについて深く考えないで、なんとなくで済ましているからである。
それに、
>そこには「国家」などというつまらない概念はもはや存在しない。
というが、未来のことはいざ知らず、現代の人間は必ずどこかの国家に所属している。
そういう現実を無視してはどうしようもない。網野氏はそれを否定しているわけではない。
批判しているのは、過去からずっとそういう国家が存在し、現代に続いているかのような
考え方についてです。
>681
元々アマ、貴族の大会だったオリンピックではありえない状況ですが、
プロスポーツ選手は無礼というか剣闘士と同じようなものですからね。
闘犬が粗相をしたくらいで目くじら立てるのは大人げない。
>>681 どうでも良いことだが
メキシコオリンピックの陸上200mの表彰式のことはご存じないのだろうか。
ここは歴史系の板だから
それくらいの知識は持っておいていただきたいのだが。
>>683 本気でそう思ってる?
>>684 黒人選手が「人種差別に抗議して」
こぶしを突き上げたまま国旗掲揚・国歌吹奏に望んだ話だよね。
最近のサヨクはこれを「国旗への無礼」と評価してるわけ?
ずいぶん時代はかわったねぇ。
それにしても、無教養と抗議行動の区別もつかんとは・・・
いい、どっちも「無礼」なことは同じだけど、よりバカなのは
どっちかわかる?
「無教養」のほうなんだよ。わかった?
「ことの本質」を見極めることもできなくて、「事実に反する」とは恐れ入る。
こんな論法しか使えないとは、サヨクもおちぶれたもんだ。
>>686 見たことがないって言ってんだからさ、事実に反するも何もないだろう。
>>681は見たことがないんだろうから。
689 :
日本@名無史さん:04/03/10 19:10
>>687 礼を失する行為だからこそ、抗議としての意味を持つ。
見ている人に「とんでもないことだ」と思わせた点では同じ。
ここまでは意見の一致を見たようだ。
だが抗議行動より無教養のなせる業の方が駄目だというのはよくわからん。
オリンピックの表彰式で国旗に対して確信犯として無礼な行為をしても良いと教育することの方が
「国旗・国歌への尊重」を教えられていないことよりマシだと言うのか?
>>689 そもそも国旗に対する抗議は「国旗・国歌への尊重」が前提になければ
成立しないのでは?
国旗に対して無知な人間には、国旗に対する抗議は意味を持たない。
過失犯と故意犯では、故意犯の方が罪が重い。
>>687は国旗に関する故意犯が生み出されるような社会にせよと主張しているわけだ。
はい、ここで「議論のすりかえ」のよい例を皆さんにご紹介します。
>>687を見てください。
>いい、どっちも「無礼」なことは同じだけど、よりバカなのは
>どっちかわかる?
>「無教養」のほうなんだよ。わかった?
ここでは、どちらも悪いが、
「無教養」のほうが「抗議行動」よりも「バカ」、
つまり「愚かである。能力が低い」といってるわけですね。
ところが、
>>689をよむと
>オリンピックの表彰式で国旗に対して確信犯として無礼な行為をしても良いと教育することの方が
>「国旗・国歌への尊重」を教えられていないことよりマシだと言うのか?
と、いつのまにか、
>>687が「無礼な行為をしてもよい、と教育せよ」って
書いたことになってます。
おかしいですねぇ〜。
本気でそう思ってるなら、笑い種ですし、
わざとすりかえてるなら、もっと悪質ですね。
これで「ここは歴史系の板」だと人にいえちゃうんですから、面白いですね。
>>693 ま、あれだ。
「恥知らず」につけるクスリはないんだから、
あんたもそうムキになるな。読んでる人間はみんなわかってるよ。
>「国旗・国歌への尊重」を教えられていない彼女は責められない。
>教育しなかった日本人全体が恥じ入るべき。
>
>そんな恥をさらさないように、「国旗・国家は尊重する」という
>「国際常識」を小学校から教える、ただそれだけじゃない。
そもそもは教育の問題として提起されているのではないのかね。
698 :
日本@名無史さん:04/03/10 22:20
先週だけど東京新聞は横井清・山折哲雄が文章寄せてたよ。
すげー腹が立ってるんは俺だけか?
馬鹿はスルー汁といわれてもな。
旗や歌はもういいよ。
702 :
日本@名無史さん:04/03/10 23:27
アミノ酸って地元(山梨県東八代郡御坂町)のこと嫌ってたな〜。
ねえ、もういいと言われるけど書くよ。
世界の常識を教える為にというのなら、
国旗国家そのものを尊重することを教えなくても
国旗国家の意味や歴史を教えればすむことでしょう?
その上で各自の判断をあおげばいいことでしょう?
反対するにしても、議論を取り違えてしまうと
相手の論理に途端に絡めとられちゃうと思うよ。
>>702 地元のことを嫌っていたのかは知らないけれど
本当に地元を嫌っていたのなら、山梨県史の編纂に
関わったりするだろうか?講演もやっていたよね。
707 :
日本@名無史さん:04/03/11 01:00
>>705 現実主義か空想主義かの違い。派兵、出征ともにほぼ同じことを指している。
空襲、空爆がほぼ同じ語であるのと似ている。
時代によって同じことをいうのでも使用する語が異なってくる。
708 :
日本@名無史さん:04/03/11 01:04
政府は名目上「派兵」ではなく「派遣」にしたい、それは防衛庁も同じ事。
Nステなんかは皮肉を込めて「派兵」って言ってるけど
政府与党の側に立つ人たちが「派兵」なんていっちゃ不味いんじゃないかな。
709 :
ななまるひと:04/03/11 01:09
くのいちさんとは気持ちはおんなじなんだけど
はたうたフェチが依ってきて、このスレ壊しそうで・・・
自分の故郷の批評をできない人は、他郷の批判も自郷の擁護もできようがないです
と思います。
>>704 >国旗国家そのものを尊重することを教えなくても
>国旗国家の意味や歴史を教えればすむことでしょう?
>その上で各自の判断をあおげばいいことでしょう?
一見まともな意見のようだけど、その意味や歴史というのは、
立場を異にする人々によって違ってくるわけですよね。
さらに自分の頭で国家というものを考えた上で判断するなんて、
そうそう誰もができるということではない。
だから、とりあえず国旗国家を尊重することを教えることが必要。
その上で自分の頭で判断できる人は好きにすれば良い。
711 :
日本@名無史さん:04/03/11 01:17
710の意見のまる反対もそれなりに見える。
本質を学んでから、枝葉に入るのもよし
みたいな。
国旗・国歌論争するなら他でやれば?網野氏に絡めるならまだしも。
そんなんここでやっても決着つくわけないじゃん。
>自分の頭で国家というものを考えた上で判断するなんて、
>そうそう誰もができるということではない
だからこそ先に「国旗国家を尊重しろ」が来るのはおかしいと考える。
なぜ多様な価値観を認識し、尊重しあうということで収まらないのだろう。
だいいち、現在のように国旗国家の意味を学校教育で教えて
もらわなくても(そうなんだよね?)日本にはたくさんウヨ
ウヨがいらっしゃる。逆もまたしかり。
現在でもそのような状況であるのに、「意味や歴史を教えれば」
を飛び越えてあえて「尊重を」にいく意味が理解しがたい。
国旗国家論争でスレを汚すつもりはないが、網野スレだからこそ
やってみたい気もして書いています。
網野を読んでいる人たちがこれを書いているのだろう?
くのいっつぁんが平均的な感覚であるでいいがな。
はたうたは余所でやろまい。
715 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:14
現実主義の西尾対空想主義のアミノ、この対決が見たかった。
やっぱり歴史は立場により解釈が異なる。
もうちょっと長生きして公の場で論争してほしかった。残念。
>>713 近代国家というものをいくら相対化したところで、われわれが近代国家に
生きているということは変わりない。
まずはそこからスタートすべきで、網野の業績を踏まえて近代を超克していく
のは各人の課題でしょう。
>現在でもそのような状況であるのに、「意味や歴史を教えれば」
>を飛び越えてあえて「尊重を」にいく意味が理解しがたい。
「尊重を」というのは近代国家に生きる最低のルール、「意味や歴史」を考えるのは
それを超克していくための作業と考えます。
少なくとも「意味や歴史」は国家に教えられるものではないと私は考えます。
西尾が現実主義?
つーか、なんで西尾が網野さんのライバルなの?
718 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:19
すまんが、歴史家でもない西尾などの名を持ち出すのはよしておくれ。
戦前の蓑田胸喜や難波田春夫みたいなゴロツキ連中の再版だ、あれは。
史料にも基づいていないから、議論も出来やしないぞ。
719 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:22
近代の彫刻とか、現実論の西尾とか
もはやここもこれまでか
720 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:28
>>719 なぜ永原さんが網野さんの論理を危険視しているのか、シンパはもとより、
当の西尾もまったく想像が付かないんだろうなぁ…というのはよくわかりまし
たよ。それだけは収穫だったかもね。
>>713 それは違うだろ。網野氏は多様な価値観なんてこと言ってはいないと思うが。
日本人は多様だった。ってことを言っているのではないだろうか。
日本に限らないが、現代の国民国家は国と個人が直接に結びついている。
そして、国家と対峙するとき、個人は平等だ。
とりあえず、それを否定しようとする人間は右翼・左翼問わずいないだろう。
それは明治維新以前の日本では常識ではなかった。
だから、「日の丸・君が代」というものも見た目は古風ではあるが、
それは近代以降の「国家」を反映したものだ。
そして、それが国家の象徴であるならば、国民国家としての「日本」を認める以上は、
それに敬意を払うべきだと俺は考える。
批判すべきは、それがあたかも過去からの継続であるかのような歴史観で
「国旗・国歌」を捉えようとする考え方だと思う。
たかが「国旗・国歌」ごときで、民主主義や平和が崩壊するようなことがあるとすれば、
それは「国旗・国歌」というものが、あいまいなままだからだ。
しっかりとした考えがあれば、そんなことには絶対にならない。
むしろ「国旗・国歌」に罪をなすりつけて、本当に大切なことを置き去りにしているように思う。
722 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:34
史料といっても色々あるぞ。江戸時代の儒者の史料は漢文だから専門家でなく
ても読める。
>>716 あなたの「近代国家」そしてそこに生きる「最低のルール」の全貌が
私にはどのようなものかはわかりませんが、国旗国家を尊重すること
がその「近代国家に生きる最低のルール」であり、それを素直に受け
入れるべしとすることは、私には奇妙に思えます。
ポストモダンのような使い古した戯言と勘違いされても困りますが、
少なくとも「現代」に生きている私達には、常に過去のそれを見つめ
なおす機会を与えられています。私はその機会を十分に生かそうとせ
ずにそのルールを良しとするべし、というのは、特定の価値観を強制
されることなく(とりあえずは)自由に歴史を振り返ることができる
この時代のこの国で、いささかもったいないような気がしてなりませ
ん。
まあこれは知識の足りない私個人の考えです。お聞き流しください。
724 :
日本@名無史さん:04/03/11 02:40
西尾にくずし字が読めるか解らないが、漢文は読めるだろうと思う。
んーとですね
私は網野さんが多様な価値観と言った(すみません、この
意味がよくわからない)
とは書いてるつもりはないのですよー
>日本人は多様だった。ってことを言っているのではないだろうか。
というのは同じなのですよー
>敬意を払うべきだと俺は考える
このへんに関しては、私の考えは723に書いたとおりです。
725は
>>721へのレスです。
>>714 やっぱそうですよね〜。
んなわけで退散します。スレ汚し失礼しました!
史料を読むというのは、ただ字面が判読できるかどうかというレベルではなく、
厳密な史料批判等その他学術的な読み込みができるかどうかということだと思いますが。
「史料(くずし字)」と「漢文」とを分けるあたり、実際の史料がどんなものかをご存じ
なように見受けられないわけですが。
喧嘩はやめれ〜
二人とも馬鹿なのは分かったからさ!
しかしまあ、百姓=農民っていう「常識」はいまだに存在しているね。
学者でさえそうだからね。
731 :
日本@名無史さん:04/03/11 20:22
>>727 それだけでは良くわからん。もっと具体的にその「厳密な史料批判等その他学
術的な読み込みができるかどうかということ」について述べてくれ。
>>728 「『史料(くずし字)』と『漢文』とを分けるあたり、実際の史料がどんな
ものかをご存じなように見受けられないわけ」だと? よく分からん日本語
だ。もっとちゃんと説明してくださいよ。
>>731 佐藤進一『古文書学入門』(法政大学出版局)をお読みなさい。
史料ってのは、書いてある事を額面通りに受け止めるだけでは理解が深まらな
い。発給された経緯や発給者の意図を深く考察することが基本的な作業として
必要ってこと。
それと、前近代の史料はほとんどが漢文調(完全な漢文ではないが)なんだよ。
儒者が書こうが武士が書こうが。
733 :
日本@名無史さん:04/03/11 21:08
>>732 「発給された経緯や発給者の意図を深く考察することが基本的な作業として
必要」とのことだが、これは文面を厳密に読み典拠や出典を探るということ
であろう。で、書いた背景とか文脈とかそうしたものから意図や経緯を探る
ということだろう。
しかしこれらは結局文面を厳密に読むことが基本で、それに伴うものだ。
西尾にそうした視点がないとでも?
734 :
日本@名無史さん:04/03/11 21:23
視点も何も、そもそも原史料が読めるんかいな。
735 :
日本@名無史さん:04/03/11 21:24
日本史学者でも全時代にわたって文献が読めるわけではないだろ。
要するに、興味関心があって、読む努力や修行をすれば読めるようになるわけ
よ。
736 :
日本@名無史さん:04/03/11 21:26
全時代を読める必要はないでしょ。
西尾氏は自分がコミットする時代の原史料を読めるのかと。
>>733 そういうことではない。史料の内容に入る前に、いくらもすることがあ
るんだよ。発給者の社会的位置。それからどういう形式で発給された文
書か。花押や朱印、黒印の位置や形体などなど、日記や日次記の形式な
らばどのような観点で書かれたものか。
内容に入る前に文書群として該当文書がどこに位置するかあるていど相
対的に評価してから、やっと内容に入る。そして内容を読んだ上で、
さらに立ち返って、史料の相対的な位置を確定することもあるし。
網野さんの史料批判の厳密性は歴史学者の中でも抜きにでてると思う。
瀬田勝哉との菅浦文書の蔵人所牒をめぐる論争がそれを物語っていると
思う。
>>736の訂正
読める必要はない→読める能力は必要ない
つーかだからなんで西尾の話が出てくるの?
740 :
日本@名無史さん:04/03/11 22:06
>>737 「史料の内容に入る前に、いくらもすることがあ
るんだよ。発給者の社会的位置。それからどういう形式で発給された文
書か。花押や朱印、黒印の位置や形体などなど、日記や日次記の形式な
らばどのような観点で書かれたものか。
内容に入る前に文書群として該当文書がどこに位置するかあるていど相
対的に評価してから、やっと内容に入る。そして内容を読んだ上で、
さらに立ち返って、史料の相対的な位置を確定することもあるし」との
ことだが、西尾氏も文献学者であることからしてそんなこと百も承知だろう。
人文学の中でなら、一道に長じればおおよその文献の扱いには通じている。
ましてや一家言成した人間がそのことを知らぬはずがない。
専門外だからというだけで、史料批判もできないなどと誰が断じ得ようか。
むしろ世界も知らずに日本だけやっている者は、井の中の蛙同様、視野がせま
くて考えることも固陋そのものだ。
学問は万人に開かれているのであって、考えの違うものを謗るのはよくない。
よき批判者があってこそ真の学問が育つと思うのである。
741 :
日本@名無史さん:04/03/11 22:22
>>740 史料の扱いに通じた文献学者として観点から
西尾氏が行っている網野批判の一例を挙げていただけませんか。
>740
>専門外だからというだけで、史料批判もできないなどと誰が断じ得ようか。
できた結果が「あれ」だとしたら、相当お粗末な脳味噌の持ち主だと言わざるを
得なくなりますがね。
まあ、
>よき批判者があってこそ真の学問が育つと思うのである。
はその通りだろうね。「良き批判者」ならね。
○尾って、ドイツ軍の歴史本を出したけど、
それが外書の丸写しだと秦に暴露されて、
秦に、「素人が歴史に興味を持つのはいいが、発言には責任が欲しい」
と言われたあの人?
網野氏と同じスレに名前出しちゃまずいよ。
○尾はドイツ哲学なんだから、歴史家に失礼だよw。
渡○、中○、藤○、は、評論家に英語学に教育学。
興味持つのは自由だけど、歴史家のふりしちゃいけないよ。
744 :
日本@名無史さん:04/03/11 22:30
西尾某はどうでもいいが、瀬田さんとアミノさん
どっちが史料が読めるか、となれば、すこし中世史を
かじっている者には答えは火を見るよりも明らかである。
>>718 ゴロ付きは藤岡、渡部。
西尾はちょっと違う。
747 :
日本@名無史さん:04/03/11 22:44
>>740 『ニーチェ』第一部、第二部を読めばわかるが西尾は一応若き日のニーチェが
やっていた古典文献学研究にして大枠をなぞることはしている。
しかし自分で文献学研究をやったわけではないので所詮は「よく知っている
アマチュア」の域は出ない。
なお網野がやったことはニーチェとうり二つと言っていいのが皮肉なことろ。
ニーチェは近代実証主義的な古典文献学から出発して、キリスト教とプラト
ニズム、その成れの果てである近代自由主義、民主主義、社会主義を
全否定し、ソクラテス以前のギリシアの混沌に自己の夢を託した。
網野も実証史家としてそれなりの地位を築いたのに、近代国民国家を
全否定し中世の無縁の世界に自己の夢を託した。
ニーチェがナチの先駆者と謗られ、網野が皇国史観の再来と批判される
のも決して故なしとしない。
本来なら西尾は網野を最大限評価しなければならない立場のはずなのだが
頭の老化が進んでそれだけの知的エネルギーがなくなってしまったのだろう。
それから網野史観は本質的に反近代国民国家なので
ニーチェの思想がナチスと親和性があるとは言えても、
網野が皇国史観とはね・・・
>>747 >それから網野史観は本質的に反近代国民国家なので
↑推敲ミスで一行残ってしまった。スマソ。
>>748 本人が何度も冗談めかして自認していたと思うが。
もれはそういう網野史観のアブナイ側面がたまらなく好きだ。
>>747 >近代国民国家を全否定し
否定してないですよ。どっからそういう結論になるんだろう?
むしろ、国民国家としての自覚が足りないってことを主張してるのでは?
多様だった過去の日本列島の社会と、現代を簡単に結びつけることの
危険性を指摘してるのでしょう。
752 :
日本@名無史さん:04/03/11 23:06
「(増補)無縁・公界・楽」を読み直してみたが、
平泉の若き日の中世学を引用はしてるが評価は全否定だな。
だから、後に皇国史観に呑み込まれたみたいな表現してる。
てことは、皇国史観は全否定してるってことだな。
王=天皇との徹底的な戦いを日本の近代は行わなかったと批判してるし。
一応マルクス主義者だしな。
中世の評価が近代の否定に見えるし、明治はすべてがだめとも言ってるが、
よくよく読むと、「自由・平等・博愛」の日本版として「無縁・公界・楽」を
出してる面も大きい。
つことは、内心には進歩史観もやはり消し去っていないような・・・。
もう一つの近代、あるべき近現代があったのではって言ってるんでないかな。
>>751 確かにそう読めないこともなくはないが、そうすると網野氏は単に抽象的な
近代国民国家理念の純化のためにあれだけの仕事をしたということになってしまう。
彼の著作に表現されているのはその近代以前の多様な社会(それは近代的な
自由・人権の見地からは忌わしいとされるものも含まれる)の"存在"それ
自体への賛歌であろう。
754 :
日本@名無史さん:04/03/11 23:08
現代も多様であって、単一幻想に騙されるなということでは?
瀬田さんと網野さんと史料をどっちが読めるか…
っていうのは比較にならないんじゃないか?強いていうならどっちも
読める。確かに、菅浦文書の論争では網野さんに分があると思うけど、
瀬田さんの論文読んでても、かなり細部にまでわたって厳密性を重視し
ているように思う。洛中洛外図をめぐる一連の著述でもそれが
伺えるし。
756 :
日本@名無史さん:04/03/11 23:41
>>747 >『ニーチェ』第一部、第二部を読めばわかるが西尾は一応若き日のニーチェが
>やっていた古典文献学研究にして大枠をなぞることはしている。
>しかし自分で文献学研究をやったわけではないので所詮は「よく知っている
>アマチュア」の域は出ない。
彼はニーチェの作品を日本語に翻訳しており、それは代表的な業績として
受け入れられている。翻訳者ほど実証的で文献学的なものはいないと思うが。
>>752 まあ網野氏は少年時代は軍国教育、青年時代は共産党(本気で暴力革命をやろうと
していた頃の真正共産党)だから理論的な枠組みを語ろうとするときの語彙が
その二つの系列に限られるという問題はある。つーかそれが戦後長らく日本
の歴史学では「理論」といえばマルクス主義のことを指していたわけで。
『無縁・公界・楽』は言葉や概念はマルクス主義を借りているーたとえば
売春を含む性的放縦を好意的に語るときでもエンゲルスを権威付けに使うー
ところが残っているけど、そこで語られていることはマルクス主義からも
進歩史観からも離れてしまっていると思う。
原始の自由への復帰の希求という永劫回帰がそこで語られている。
最初に書かれている高校生の二つ質問への答えのうち鎌倉新仏教の
方は本の終わりの方で「原始の自由への復帰」ではなかろうとかと一
応の回答らしきものが与えられているけど、もう一つの問い「天皇」
についてははっきりとは答えは書いていない。網野氏が考えていたのは
おそらく「天皇」も「原始の自由への復帰(の幻想)」によって生きながらえた
ということになるのだろうけどそれを書いてしまうと皇国史観と誤解されかねない
いや誤解ではなくて正解かもしれない・・・てなことを気にして暗示にとどめたん
だろうなあ。
758 :
日本@名無史さん:04/03/11 23:57
極端な批判者について、それを憎みたい気分も解るが、極端なほどこちらの
弱点をあからさまに突いてくるものだ。西尾の言にも耳を傾けてみる必要は
ある。
>>756 まあ「文献学的」というのをどのレベルにとるかでかわってくるが。
西尾自身が『ニーチェ』を書いたときには、それまでの日本人のニーチェ
研究が単なる翻訳か主観的な読書感想文の域をでないでいることを克服
してニーチェの生きた環境を実証的に復元しようと気負っていたと思う。
しかしそれもヨーロッパの学者による精緻な実証研究あってのことで
西尾の功績はそれらを丹念にまとめたことにある。それはそれで物凄く
有益なことだけど、日本人の日本史研究や中国古典研究、ヨーロッパ人
のギリシア・ローマ古典研究の精密さに比べれば、同じ「文献学的研究」
の言葉で語ることは出来ないと思う。
これは価値の上下ではなくて、日本人にとって西洋は所詮異文化であり
日本人の西洋研究者の社会的使命は「向こうの人たちの研究を日本人に
わかりやすく伝えること」であって「向こうの人の仲間になって重箱の隅を
つつくような"実証的な研究"をすること」ではない、という役割分担の問題。
西尾はそういうことに非常に自覚的だったと思う。
>>758 西尾のニーチェ研究は網野史観を理解する上で有益だが、西尾が網野
ついていっていることは無内容だと思う。
網野を評価するなんてちゃんちゃらおかしい。史料といっても所詮は
主観を通してしかみえないんだから、西尾や西洋史家たちの理論の前で
は空虚にしか響かないよ。
>>757 エンゲルスの「家族・私有財産・国家の起源」の女性像は
今となってはトンデモだぞ。まあ、当時でもトンデモ
だった訳だが。
理論は何から構築するの? とか尋ねてみたい気もするが、まあいいや。
763 :
日本@名無史さん:04/03/12 01:49
>>756 >翻訳者ほど実証的で文献学的なものはいないと思うが
西尾がニーチェの翻訳をするにあたって、
1. ニーチェの行ったギリシア思想の文献学的作業をトレースして
何か新しい知見を得た、あるいは
2. ニーチェの文について草稿など一次資料に遡るテクストクリテ
ィークを独自に行い、これまで示されていなかった新しいテクスト
確定をおこなった。
のどちらかであれば文献学的に何かをやったといえるが、そうでない
限りニーチェ研究における西尾の文献学的な仕事はゼロ。
>>763 実証や文献学の意味を知らない素人をいじめるなって
>>764 はっきりとした教育的指導もたまにはしないといつまでもぐずぐずひっぱられも困るから。
この件終了。西尾賛も終了にしてほしいよまったく。
>>752 >平泉の若き日の中世学を引用はしてるが評価は全否定だな
こういうことは言ってるね。
「皇国史観を主唱する以前の平泉さんが目をつけたところは、例
えばアジールだとか寺社の勢力だとか、座の性格のような問題で、
いわばアカデミズム主流からずれた問題をとり上げています。こ
れはいわば「東大アカデミズム」の実証主義、その主流に対する
反撥の平泉氏一流の表現で、「皇国史観」もその延長上にでてく
るところがあるわけです。」
ちょっとしたニュアンスがある。
767 :
日本@名無史さん:04/03/12 07:07
>>755 えっ?オレは勿論、瀬田さんの圧勝だと
言っておるのだが。
網野さんの物量作戦はすごいと思うが、
一つ一つの資料の読解はたいしたことないだろ。
768 :
日本@名無史さん:04/03/12 09:09
>>766 ということは、平泉は、主流派でないので出世できなかった東大の中で、
「皇国史観」を出世の方便として利用して、日本破滅に一役買ったということかな?
それを網野が見抜いていたならたいしたものだ。
網野は資料分析はアバウトで、論調も思いつきですすめるところがある。
しかし、多くのバックアップがあるので、気がついたら中世史の一つの主流になっていた。
わりとマスコミうけもいいので、本も売れるし、人気者となった。
晩年は、肉体的に無理と断ったら、口述筆記ででもと頼まれた仕事に、
無理して推敲のペンを入れてた。
ペン入れで真っ黒なゲラ刷りが帰ってきたと口述筆記した担当者が泣いていた。
「学問的情熱や真摯な誠実さでは書き表せないそれ以上のものを感じた」
と担当者は書いていた。
それ以上のものって何だろう?
未来のことはわからんが、歴史学を一変させたことは言える感じ。
思わぬ多くのところで、主流派を作ってる。
いろいろなシリーズ物や通史類、さらには百科事典まで。
精力的なのかね。
私自身は、天皇はなくてもいいと思っている人間の一人ですが、実は
その天皇の制度の問題もこの時期まで遡って考えなくては、決定的な
解答は出しえないと思います。
日本列島に最初にできた本格的な国家が「日本」という国名を名乗り、
「天皇」という天に通ずる称号を使ったことの意味は、もっともっと
徹底的に考えぬく必要があるでしょう。 「列島のたような地域」
言葉はやさしいけど、マルクスの伝道師だよね。
770 :
日本@名無史さん:04/03/12 11:51
>>769 天皇に否定的だとなんでも「主義者」ってことになるのな。
発想が単純で楽だよな。
、と
遊手浮食の輩・向礫の兇徒、が申しております。
網野は自分の市販本の中ででマルクスが大好きだと言ってるよ。
マルクスが君主制の是非や国号の由来を論じたなんて初耳
とりあえずマルクスだといっておけば何でも批判できる思ってないか?
773 :
日本@名無史さん:04/03/12 14:21
インターネットは人の心を豊かにします、とゲーテも言っています
とかいう詭弁に通じるな
>「列島のたような地域」
>言葉はやさしいけど、マルクスの伝道師だよね。
マルクスってどこのマルクスさん?
大体、西尾幹二氏の敬愛する林健太郎氏もマルクス主義者じゃん。
過去形だけどね。
776 :
日本@名無史さん:04/03/12 15:34
マルクス主義の応用ということでしょう。
マルクス主義の応用?なんじゃそりゃ?
ともかくも、マルクスとかマルクス主義とかいう言葉が独り歩きしているようですな。
おつかれさま
780 :
日本@名無史さん:04/03/12 21:26
経済哲学草稿、フランス3部作、経済学序論、そして資本論。
マルクスは、いいど。
アメリカでは学校では教えないらしいが、ガルブレイズなんかはきちんと位置づけてる。
マルクスを一度も通らないで人文科学や社会科学を極めた人っているの?
で、網野だけど、最高傑作は何?
俺は「無縁・公界・楽」かなぁ。
歴史学って本当に旧態依然としてるな。。。
人間国宝の名人芸とどこが違うの?
『東と西の語る日本の歴史』 野口 実 - 2004/02/27(Fri) 20:27 No.1388
小生が、千葉→京都→鹿児島と渡り歩いて、いろいろな事態に遭遇していたとき、網野先生の標題のタイトルの本によって、カルチャーショックの理屈付けをはかることができました。
『武家の棟梁の条件』に書いた東西比較の武士論や鹿児島論も網野先生の研究から受けた大きなインパクトに基づくものです。
前任の大学で教えた学生には、網野先生の追っかけのようなことをやっていた人がいましたが、なんか、学問という枠を越えてファンのできる稀有の魅力ある歴史学者だったと思います。
20年ほど前に千葉大学で講演をされたときに、そのテープ起こしを担当したことがありますが、お声が素晴らしかったこと、それから、録音を文字に起こすと、それがそのまま論文になってしまうことに魅了されたり、驚かされたりした経験があります。
信念に基づいて勇気ある発言の出来る、情熱に満ちた魅力ある日本中世史の支え手が、また一人失われてしまいました。
学恩に感謝して合掌
Re: 網野先生のこと 山田邦和(花園大学・考古学) - 2004/02/27(Fri) 21:56 No.1393
網野先生がお亡くなりになったこと、まさに「巨星墜つ」だと思います。
しばらく前から体調を崩されており、最近はまたお悪いということを聞いていました。
数年前の研究会で壇上に立ち、自らの病気のことを語り、「命ある限り学問を追究する」と淡々と語っておられたのに強い感銘を受けた覚えがあります。
もちろん学問である以上、「網野史学」には批判もあります。しかし、あれほど強烈な吸引力をもった歴史学を展開できる学者がめったにいない、ということを否定する人はいないでしょう。
私たちに与えられた使命は、網野史学を正しく評価し、継承するべきところは正しく継承した上で、いかにそれを乗り越えるか、というところにあるのだと思います。
合掌・・・
Re: 網野先生のこと 美川圭 - 2004/02/27(Fri) 22:52 No.1399
もう、先週に意識がない、という話を聞いておりました。
再発したということでしたので、来るべき日が来たか、という感想です。私は、京大での集中講義をうけたので、まさに「先生」でもあります。10年以上前、名古屋の中世史研究会で、丁重なごあいさつをうけたのも、記憶にのこります。
いろいろな意味で、歴史学に大きなインパクトをあたえつづけた歴史家でした。石井先生がなくなり、網野先生で、やはり一つの時代が終わりましたね。個々の論点では、いろいろ批判すべき点は多かったのですが、全体として網野学説は魅力的でした。
ここのところ、ずっと一回生の入門の授業は、網野説を使っているのです。ご冥福をお祈りいたします。でもやっぱり寂しいなあ。
本文が長すぎると出たので美川氏のレスは適宜改行しました。
785 :
日本@名無史さん:04/03/12 22:50
どうもアミノ教信者がいるようだな。もはや宗教だ。
他の信者も出没しているようだがw
一人の人間を崇めているところ。
歴史家によって編み出される歴史が全然違うこと。
科学とは言えん罠
今、問題は、歴史的神話からの解放だ。
神話に拘泥する者よ、目覚めよ。
>>788 上に挙がっている追悼文にもあるように、先達として敬愛することと、
業績に対する評価とは別だという分別は一応ついていると思うけど。
実際、網野さんの業績に対する批判は少なくないわけで。
二行目はやや大枠すぎてどう答えたら良いのか悩むけど、歴史家に
よって歴史像が異なっているという面は、確かにあるね。
これまでは曲がりなりにも歴史の法則性に対するグランドセオリーと
して共有していたのがマルクス主義だったわけだが、それを乗り越え
ねばならないという趨勢にありつつも今は混沌としている…という状況
にあるゆえでもあるのでしょう。
マルクスを一度も通らないで人文科学や社会科学を極めた人っているの?
などと書く奴がいるが、大学で歴史学んだ奴で、歴史やるにあたってマルクス
主義叩き込まれた奴っているのか? そんなのいたら、ちょっと異常だよ。
マルクスなら、一度通るだろう。
違うか?
793 :
日本@名無史さん:04/03/13 00:02
>>791 叩き込まれたかどうかはさておき
70年代までは、マルクス、エンゲルス、レーニンを引用することはまだ行われていたので
ざっと目を通しておこうかという雰囲気はあったよ。
ウクラードなんて今は使わなくなっちゃったしねえ。
>マルクスなら、一度通るだろう。
違うか?
いまどきだれが通るかよ
歴史観は人それぞれだろうが、「百姓=農民」でないというのは、
そういう問題ではないだろう。
織田信長は実在したか、しなかったかという問題と同じ。
思想とは何の関係もなし。
いまだに認められているとはいえないが、それは左翼・右翼という
ことではなかろう。
つか、マルクス知らなくても別にいいだろ。
しかし厨は、アメリカ独立宣言ですら、
マルキストが書いたと言いかねないね。
>>796 学者になりたいなら、そうも行かないよ。
798 :
日本@名無史さん:04/03/13 00:09
>>791 近年では歴史哲学の講義をやってる大学はほとんど無いから、マルクス
を読んだことがない学生がほとんどでしょうね。
理論構築のためのバックグラウンド養成を軽視して、史料購読等の技術
養成一辺倒で果たして問題はないのかという気もするけど。
読売と朝日のサイト廻って追悼文ないか検索したけど全然ダメだ。
毎日はコピってくれた人いたけど、読売と朝日は追悼文の寄稿なし?
革命理論を歴史学に応用しようってのは実に変だ。
>>800 マルクスは革命の歴史的必然を言おうとしたわけだが。
>>798 マルクス主義的な歴史理解を克服するためにはマルクスとマルクス主義についての知識は必要だわな
ただ、それらの最低限の知識は教養課程(今はないのかな)でクリアしてもらいたいとも思う
理論構築のためのバックグラウンドって結局は「教養」でしょ?
世間で紹介されている網野氏の像と、日本中世史を専門にしている者から見た氏の像とは、少しズレがあると思う。
いわゆる「網野史学」と言われている内容のうち、非農業民については網野氏の独壇場だが、
公界と無縁については勝俣鎮夫・笠松宏至氏、東国独立国家論については石井進氏、
「もののけ姫」に出て来る柿色の衣の非人研究については細川涼一氏、
「日本」の領域の相対化については村井章介氏らの研究を氏なりに消化したものだろう。
一方で網野氏は、寺院組織を視野に入れた荘園研究の開拓者でもあるのだが
(『中世荘園の様相』・『中世東寺と東寺領荘園』)、この面が一般に紹介されることはない。
某所からのコピペ。これが正統な中世史研究者の網野氏に対する評価だと思う。
「荘園公領制」という言葉を初めて使ったのは網野氏ではなかったかと。
>>802 理論が前面に出るのも良し悪しとはいえ、最近では理論無き実証が
さも当然のように横行しているのも現状ですからねぇ。
2時間近くも報告聞かされて、「こういう事実が明らかになりました」
だけ…なんてなのも結構多いし。年表を作るのが歴史学ではないと
思うんだが。
>>805 実証なき理論が横行していた時代もあるので、その反動かと。
あと一世代後に期待するしかないかと思ってます。
私はその頃にはこの世にいない可能性が高いけれど。
理論無き実証も、実証無き理論も、両方ともあるわけないでしょ。
そもそも論文というものは両方を含んでいる。マルクス主義だけが理論では
ない。
>>805 帝大アカデミズムの正統派は理論なき実証研究が本領の人が多かったように思うけど
例えば、土田直鎮、早川庄八、竹内理三、佐藤進一…
もっともこの種のストイックな研究者が何かの間違いで概説を書いて大化けしたのも事実
理論なき実証に飽き足らないのであれば、それはあなたにとってのチャンスだと思う
彼らの実証の成果をうまく利用する方法を考えたら?
網野さんの話に戻れば、理論なき実証に筋道をつける方向での活躍が晩年には目立ったね
>>802 まあ最低限の知識は必要だとは思うよ。
ただマルキストを論破するほどの知識はもはや必要ないとも思う。
もうそういう段階は終わっているだろう。
むしろ、あんまりはまりすぎると、ここによく登場する「保守派」の論客のように、
同じ土俵から抜け出ることができなくなってしまう危険があるのではないかと思う。
810 :
日本@名無史さん:04/03/13 02:45
>>808 逆に東大の実証なき理論の人々を考えてみた
平泉澄、井上光貞あたり?
811 :
日本@名無史さん:04/03/13 02:48
>ここによく登場する「保守派」の論客のように
彼らにこそ言いたい。マルクスをちゃんと読め、と。
き奴ら読みもしないで、自分の意見に反するものは全部「マルクス」で通そうとする。
>>811いや、ちゃんと読めというのは・・・
資本論読まなきゃマルクス史観を批判できないのだろうか?
いきなり、そこまでいったら極端だろう。
最低限の知識で充分。それさえない人間もいるけどね。
「保守派の論客」というのは西尾氏のこと。
もちろんマルクスは理解してるだろう。ちゃんと読めというか逆に読みすぎ。
反マルクス主義が生きがいみたいなものだから、かえってそれに縛られる。
マルクスか反マルクスかという視点でしか物事が見えない。
まあこの世代では仕方のないことだし、無駄だったというわけではないが、
俺らまでそうする必要なし。
813 :
日本@名無史さん:04/03/13 09:24
>>808 バカいっちゃいけない。早川の「律令制虚構論」は理論ではないのか。
佐藤進一の「東国国家論」とか「将軍権力の二元論」とかは理論ではないのか。
(オレ中世なんで、早川は間違ってたらごめんね)
佐藤をタダのクソ実証というなら、今の中世史は全否定だね(笑)。
814 :
日本@名無史さん:04/03/13 09:58
>>799 特色のある追悼文ではないが、毛色のかわったとこ
ろでフランスの「ル・モンド」紙(2004年3月4日付け)に
掲載された訃報を訳出しておきます。
紹介文としては型通りですが、このくらいの扱いは受けて
いるということで。記事の署名はPierre F. Souyri(た
しか日仏会館前館長)。
網野善彦
中世日本史の専門家
日本の最も名高い歴史学者の一人網野善彦氏が2月27日、
肺癌のため死去。享年76歳。
網野氏は過去四半世紀にわたり日本列島の歴史像に変化を
もたらした新しい日本の社会史の牽引役であった。日本中
世の専門家で東京大学の出身。長年高校で教鞭をとった後、
名古屋のついで神奈川の大学で教授となった。
中世の社会の多元的性に興味を持ち、氏は過去の社会での
漁民、商人、職人らの役割、また女性や被差別民などの役
割を復権させた。儒教的なルーツのために過去に影響され
た図示を際限なく再生産し、支配層の研究や領主と農民の
関係の研究などの枠を出るのを嫌った歴史記述の一部のあ
りかたに氏は批判的態度をとっていた。
1/2
815 :
日本@名無史さん:04/03/13 09:59
816 :
日本@名無史さん:04/03/13 10:00
つづき 2/2
農業が必ずしもその中心的活動でなかったような民衆層を
復権させることで網野氏は歴史学を刷新し、独創的に把握
された地域領域における一種の歴史的人類学を創始し、
日本では「網野史学」(histoire "aminoiste")という言
い方がされはじめるほどになっていた。この世代の日本の
知識人の多くの例にもれず網野氏は若いころにはマルクス
主義の影響を受け、しかし、考古学の成果、文学・芸術批
評、さらには民族・民俗学あるいは人類学などの成果の吸
収につとめる学際的歴史学を精力的に擁護することで自ら
の思索を新しいものにしていくことに成功した。また、網
野氏はフランスのアナール派の研究成果にも注意を払って
いた。
蒙古襲来の時期の日本、中世社会における縁と自由、日本
史における西部地域と東部地域、天皇と非耕作民等々のテ
ーマについて数多い著作を発表し、多くの共同著作物の監
修者を勤める氏は、一般公衆にまで名の知れた数少ない歴
史家の一人でり、その影響は専門家のサークルを飛び出し
ている。例えば、映画監督の宮崎氏は自作のアニメ「モノ
ノケ姫」の架空世界を生み出すにあたって網野氏の研究に
ヒントを得ている。
網野氏の業績のほとんどは西欧語に訳されていない。フラ
ンス語では1995年に「アナール」誌によせた"Les japonais
et la mer"(「日本人と海」)と題する論文が代表的なもの
として読める。
(終り)
左翼は、昔から貧農史観を述べてきた。しかし、左翼が言うほど、本当に
貧しかったら、庶民は生物学的に生存できない。「ヒエやアワを上食とし・・」
なら、普段は何を食っていたか?という疑問が生じる。
そこで、網野氏が言った。「民衆自身のしたたかさで、それなりに生活できた。」
これで左翼も、生物学的に無茶苦茶な貧農史観から卒業できる。
網野氏の功績の一つ。
貧しかったら生存できないなら
この世の中に貧しいものは一人もいないことになるが。
近世史だと「農民のしたたかさ」なんてのは
この20年ほどは当たり前になっているんだけど。
どうもここいらには階級闘争史観全盛期のイメージを引きずっている人々が多くないか?
820 :
日本@名無史さん:04/03/13 11:49
おまいらも「したたか」に生きろw
>>813 佐藤や早川の「理論」とは一連の実証研究の落とし所というか到達点のようなもので
あって、どちらかというと個別実証主義的な論証の果ての結論という性格をもつのでは
あるまいか。漏れの感覚ではそういうものは理論ではなく実証の範疇だ。
特に佐藤が理論的な枠組を整理された形で述べるのは叢書中の単著や講座、講演などで
概括的な主題を要求されたときに限られるように思う。むしろ彼の本領は訴訟制度や
守護制度の研究で示されたような「これこれの事柄が明らかとなった」的な実証に
あったのではないか。
もちろんこれは批判ではなく、そういうスタイルの研究者だというだけの話だし、
佐藤の研究を「タダのクソ実証」などと貶めたつもりはない。
>>821 というよりも実証が基本にあるのは当たり前で、それを積み重ねるうちに理論
めいたものが見えてくるのは当然であって、ことさらに強調することもない。
>>806がいう
ような「実証なき理論」なんてものは歴史学にはそもそも存在しない。
823 :
日本@名無史さん:04/03/13 15:47
田中マルクス闘莉王
>>819 キミのいってる「農民のしたたかさ」と
網野氏のいってる民衆のしたたかさは違うだろ。
てか「農民」って言ってる時点で違うだろ。
825 :
日本@名無史さん:04/03/13 19:27
826 :
日本@名無史さん:04/03/13 20:52
よくわかりませんが
鳥インフルエンザ置いておきますね。
, - 、, - 、
, - 、i'・e・ ヽ,,・ァ, - 、
4 ・ ゝ - 、i'e・ ヽ、・ァ
ゝ i e・ ヽ、 ,,.-''´|
|`"''-,,_i ,,.-''´ |
| "'''i" ,,.-'"
`"''-,,_. | ,,.-''"
"'''--
>よくわかりませんが
なるほど、よくわかっていない、ということが
あなたの書き込みからはよくわかります。
>>804 「荘園公領制」は石井進。
網野さんは、こういった概念を一般化するのが上手だった
829 :
日本@名無史さん:04/03/13 21:21
>>828 「荘園公領制」という概念は網野善彦が「荘園公領制の形成と構造」(『体系日本史叢書6土地制度史I』(1973、山川出版社))ではじめて使用した言葉である。
『日本歴史大系』普及版3「貴族政治と武士」137頁注(42)には、このように書かれている。(執筆者は義江彰夫)
また『日本中世史研究事典』にも同様の記述がある。(執筆者は榎原雅治)
767。そうか一致してよかった。網野スレだから叩かれないように
と変な気をまわしてしまったよ。すまぬ…
>>829 誤解を生んだようなので、訂正。
「荘園公領制」という用語自体は、
網野氏の」『体系日本史叢書6土地制度史I』が初出だが、
その概念のオリジナルは、石井進『日本中世国家史の研究』(岩波書店、1970)
における国衙領・大田文研究。
詳しくは、木村 茂光 ・井原 今朝男編『荘園公領制 展望 日本歴史8』(東京堂出版、2000)第1章
における研究史の整理を参照。
さらに訂正。
用語自体も、「庄園公領」という形で石井氏が使用。
それを一般化したのが、網野氏の『土地制度史』所収論文。
833 :
日本@名無史さん:04/03/14 16:34
>>803 貼るなら貼るで全文。中途半端な引用はいくないんじゃない?
伊藤俊一氏
網野善彦氏の訃報に接する。4年前、氏は方々の仕事を自分の病名を明らかにして断ったため、業界では氏の闘病は周知だったのだが、その間にも『「日本」とは何か』(講談社)を書き下ろすなどの旺盛な活動に、戦慄たる思いをしていたものだった。
世間で紹介されている網野氏の像と、日本中世史を専門にしている者から見た氏の像とは、少しズレがあると思う。いわゆる「網野史学」と言われている内容のうち、非農業民については網野氏の独壇場だが、
公界と無縁については勝俣鎮夫・笠松宏至氏、東国独立国家論については石井進氏、「もののけ姫」に出て来る柿色の衣の非人研究については細川涼一氏、「日本」の領域の相対化については村井章介氏らの研究を氏なりに消化したものだろう。
一方で網野氏は、寺院組織を視野に入れた荘園研究の開拓者でもあるのだが(『中世荘園の様相』・『中世東寺と東寺領荘園』)、この面が一般に紹介されることはない。
だから、「網野さんの後継者は誰?」と聞かれた場合、「どの網野さん?」と聞き返すことになるのだが、これらの研究を総合しつつ、自らの戦争・戦後体験に基づいた「志」を持って、学界を遥かに超えて発信したという意味では、空前絶後の人だった。
「網野史学」が扱った内容は、戦後歴史学が作り上げた「歴史のシナリオ」から欠落していた世界に光を当てたもので、登場時には学界の中で反発もあり、「四人組」(網野・勝俣・笠松・石井)と揶揄されたりして、ご本人は「傍流」と意識されていたかもしれない。
でも、世代によって主流・傍流の見方は違うわけで(←問題発言)、少なくとも私の世代の大部分からはそうは映っていないと思う。
ただ、今の日本中世史学はむしろ、「網野史学」をふまえた上で、氏が対抗した「歴史のシナリオ」自体を見直す段階に入っていると思う。
>>833 不要な指摘かも知れないが、引用と引用者の注は区別するべきだと思う。
>(←問題発言)
これは原文にあったのか、それとも引用者が追加したのか。
()内は全部引用者の注なのか、それとも一部は原文にあったものなのか。
読んでいて気になった。
835 :
日本@名無史さん:04/03/14 16:50
ちなみに
>世代によって主流・傍流の見方は違う
これは問題発言でも何でもないと思う。
今日の毎日新聞書評欄に五味文彦(1946年生まれ)が書いている文章を全文引用してみる。
歴史学以外にも大きな影響をあたえたということからこの3冊を選んだ。
最初の『無縁・公界・楽』は網野の存在を世に広く知らしめるようになった
著作で、ここで網野は、歴史上で使われていた無縁・公界・楽といった用
語から自由の問題を提起している。
それぞれに文脈が違うなかで使われた語であるが、それらを串刺しにし、
自由の問題を捉え、原始的自由と関連させて説いたところから大きな影
響をあたえることになった。歴史学の手続きからすればやや飛躍がある
のは否めないが、それだけ迫力のある論議を生んだ。
『異形の王権』は、後醍醐天皇とその周辺に存在する異端的な人びとの
動きを通じて、王権が歴史の深層に関わっていたことを明らかにしたもの
である。その前提には非農業民と天皇との関係を探った『日本中世の非
農業民と天皇』(岩波書店)があり、鎌倉末期の政治史の研究があるが、
それを踏まえ、差別され、蔑視された人びとがどうして王権と結びつくの
かという問題を提起している。
網野はこれまでの日本の歴史のなかで常識と考えられたり、定説と見ら
れたりしていることに強く再考を迫り、繰り返し問い直しをはかってきた。
陸に対して海を、定住に対して遍歴を、農業民に対して非農業民を、所有
に対して無所有を位置づけることで、大きな成果をもたらしてきた。それら
の作業は、どの本を読んでも繰り返し語られているのだが、とりあえず『日
本の歴史をよみなおす』や『「日本」とは何か』(講談社「日本の歴史」第00
巻)をあげておこう。
しかし意外と歴史学からの網野史学の評価がなされていない。自分に都
合が良いところを受けいれてよしとするか、忌避してしまうかの、いずれか
で済まされてきたように思う。網野の問題提起を受け止めつつも、これか
ら本格的な問い直しを行う必要があろう。
>>835 THX.
蛇足な指摘だったようで申し訳ない。
838 :
日本@名無史さん:04/03/16 08:23
>「農民のしたたかさ」
したたかにも生きれなくなる、抜き差しならない状態になるから闘争やら革命やら
が起こるんだろうさ。
今のフリーターも「したたか」に生きている部類だろうしね。
研究史の丸写ししている思考力ゼロの馬鹿が一人いるな。
しかも、自分の論理がない。ただのコピー機。モノにはならんわな。
皮肉よね。国の誇りがサヨクの作った映画(もののけ姫)だなんて。
皮肉よね。勇ましいウヨクの旗手が戦役逃れの臆病者だなんて。
皮肉よね。弱腰を指弾されているサヨクの旗手が戦地を生延びた英雄だなんて。
皮肉よね。
841 :
日本@名無史さん:04/03/21 12:07
今日の読売新聞の追悼抄に、網野さんが出てた。
>>838 フリーターってそういうような意味でしたたかかな?
以前、教科書であさぴーに抗議のTELをいれて
歴史話になった時に係員が、網野はお好きですかと
聞いてきたから、わしゃ知らんと答えた。
>>843 たとえ知っていても、Yesとは答えないような。
それより、もう少し句読点の付け方を勉強しましょう。
845 :
日本@名無史さん:04/03/21 15:57
∧ ∧ ∧ ? ?
〜/ (゚- ゚三゚ o゚)
ヽつ U"U
>>774 田中マルクス闘莉王を崇め松本莉緒を恋い慕います。
847 :
日本@名無史さん:04/03/25 14:55
学者→網野善彦
芸人→いかりや長介
また一つの時代が終りつつある。
これで野球→長島茂雄となったらいよいよヤバイ。
宮内庁も陛下の健康に気を遣ったほうがよろし。
昭和が終った年は
先帝、美空ひばり、手塚治虫が逝ったやうな。
849 :
日本@名無史さん:04/04/04 23:41
ageておきますね
850 :
日本@名無史さん:04/04/04 23:47
花の慶次をはじめとする某作家の元ネタといえば網野氏の著作なんだろうなぁ。
某作家の方が10年も前になくなったけどね。
851 :
日本@名無史さん:04/04/04 23:50
網野氏は従軍慰安婦関連でまちがった認識をしていると思われ。
女人、老人、子供と題したイパーン向けでなにかもうごっついサヨ臭いのが
タマに傷。
852 :
日本@名無史さん:04/04/05 00:53
サヨっぽいのは今の時代実に痛い。何かこう、一方的に偏ってると思われちゃう。
やっぱ、歴史家は中立であるべきだ。そうでないと自由な研究はできないし、
色眼鏡で見られちゃう。
853 :
日本@名無史さん:04/04/05 02:04
中立な歴史家なんて、この世にいるかよ
中立な歴史学なんて、ありえるかよ
脳味噌洗っておいで
>>852
854 :
日本@名無史さん:04/04/05 12:36
んでも、あの本で強制連行された在日の人らとかもう香ばしいのだが。
中世の権威である事はたしかだが、なんで現代史で一次史料に当らないのか
それが不思議。
やはり先入観で日本や日本軍が悪いときめつけてしまうと目が曇るのかな。
まさか
>>854は、為政者の発給である事が確認された一次史料であれば
その記述内容は客観的事実と見なして問題ない、とか思ってないだろうな……
"855"の指摘どおり、文書の評価なしに歴史を語れないということだ
857 :
日本@名無史さん:04/04/05 21:19
>>855 そもそも史料になっていないのになぜ
強制連行があるという前提で話しする
ンだろうと言う事。
中世が専門で自説を主張する際に
赦免状などを見て読み取っていくけど
現代史でそう言う事した事あります?
ないでしょ。女人、老人、子供では
日本軍云々に関してそういう事抜きで
語っているでしょ。
史料も何も無く現代史を語るのは吃驚
したなあ。
858 :
日本@名無史さん:04/04/05 22:08
論文じゃなくって、単なる評論ならありじゃないの。
医者が政治語ったり、ダイオードの研究者が教育を論じてる。
専門以外に何も発言しちゃいけないって発想がキモい。
859 :
日本@名無史さん:04/04/05 22:29
いや論じてもかまわないけど
網野さんは仮にも歴史学者
でしょ?
専門とされる中世で何の根拠も
なく妙な仮説をたてられる御仁
ではないのに、現代史になると
急に評論になってしまう。
他の時代だとそんな事しない人
なのに戦前、戦中の話になると
まったく別人になってしまう。
非常に残念だなと感じたんですよ。
860 :
日本@名無史さん:04/04/05 22:42
そこまでして戦前、戦中の日本を擁護する2ちゃんねらーがキモイ。
861 :
日本@名無史さん:04/04/05 23:44
>他の時代だとそんな事しない人
>なのに戦前、戦中の話になると
>まったく別人になってしまう。
ようなことがあったんでしょう、その素晴らしい時代に。
>そもそも史料になっていないのに
そこでオーラル・ヒストリーですよ、というのはまぁ半分くらいは冗談だがw
しかし、
「朝鮮人や中国人が日本を論難するのはある種の政治的意図による欺瞞的主張か
さもなくば単なる無知による誤解のなせるわざであるかのどちらかだが、
日本人が朝鮮や中国を論難するのは純粋な愛国心に基づく真実の発露に他ならない」
なんてダブルスタンダードを平然と言動に表わしている
自称愛国者の頭の中というのは一体どうなっているんだろうか。
>>862 あなたの頭の中は一体どうなっているんだろうか。
864 :
日本@名無史さん:04/04/07 15:55
「東と西の語る日本の歴史」より引用
<もし日本が分割されていたら>
「もちろん、朝鮮の場合と同様に、日本列島においても、統一を回復する
ための必死の努力と運動がおこったに違いない。しかしそのときに、おそらく
まず間違いなしに多くの血を流して、あらためてみずからのものとした日本人像、
日本民族の意識は、現在のような、ぼんやりとした薄っぺらなものとは、
はるかに違ったものになっているに相違ない、と私は思う。少なくとも、次代の
世代を育てる教科書のなかで、天皇の死を「没」に変えてみたり、また中国・朝鮮
に対する侵略を「進入」としたり、朝鮮人民の蜂起を「暴動」といいかえ、中国人・
朝鮮人、さらには沖縄人に対する虐殺を隠蔽するような恥知らずなことは、絶対に
おこり得なかったであろう。」
これを読んだときは腹をかかえて笑った。
私が網野善彦できらいなのはこのような「薄っぺらな」一面である。
865 :
日本@名無史さん:04/04/07 19:06
網野氏が電波出した所で中世における論文、著作が輝きを失うモノではないが、イタイ発言は叩かれて当然。
徒に貶めはしないが、盲信も愚劣なり。
つかそんなこと言ってたら、読むものが極端に限定されてしまう。
867 :
日本@名無史さん:04/04/07 21:16
そんな事はない。
主義信条や思想で頭ごなしに拒否はしない。
865で主張しているようにイタイ発言と
中世社会の実像を紡ぎ出した功績はまた別に
考えているわけで。
>>864はまぎれもなく氏の著作内の主張で
あるわけで世に出れば論評されるのはしごく
当然の話であるわけで。
戦後日本を作った世代と戦後日本に作られた世代の感覚の違いだろうね、
その辺は。
869 :
日本@名無史さん:04/04/07 22:53
感覚の違いで説明するのは?がつくような。
網野さんの世代でも極端すぎるように感じるが。
中沢新一さんが、雑誌で網野善彦さんについての連載やりだしたね。
早いというかなんというか、ニントモカントモ
被差別民誕生に関する網野氏の説はどうしても納得出来ない。寺院・神社を管理運営する
神人、長史、職人や芸能人階層が何故差別されることになるのか。その辺りの説明が曖昧である。もともと
差別される存在があってそれらが生活のためにそういった職業・技術を身につけて行った
と考えた方が自然である。なお浅草弾左右衛門は解放史観では何か被差別民の英雄のように
思われているようだが、この一族の本質は幕府の権威をバックにした利権支配者であり、被差別民
の搾取者である。本質を見誤らないように。
872 :
日本@名無史さん:04/04/08 18:51
そろそろマルクス史観と網野説と部落解放同盟について
タブー抜きでかたってくれや。
>>871 逆じゃねえの?そういう階層の人たちは、一般人よりも、神と身近に接する
必要があって、人でも、神でもない存在と自他共に認めてたのが、時代とともに、
被差別民となっていったんじゃないのかなあ?
と、ろくな知識もなく書いとく。
874 :
日本@名無史さん:04/04/09 09:05
1990年代に歴史学を専攻した者だけど・・・。
講義は比較的にまともだったけれども、教授・助教授・講師と飲み会やったら、
天皇家に批判的な言辞がバンバン飛び交っていて、ビックリしたことがあったよ。
「学会」自体が、天皇家に冷笑的なんだなって初めて気がついた。
網野氏の業績が認められて、注目されるのも、こういう「雰囲気」があればこそ
なんだよね。僕みたいなノンポリの学生には、ちょっと理解し難い雰囲気だった・・・。
875 :
日本@名無史さん:04/04/09 09:07
>天皇家に批判的な言辞がバンバン飛び交っていて、ビックリしたことがあったよ。
という時点で「ノンポリ」ではあるまい
神に近い存在が何故差別されるのかね。通常は逆でしょ。解放史観は常に常識
の逆を行く。神や仏に反逆したモノが、神や仏に隷属される。これの方が被差別
部落の東西分布の違いなんかをずっとすっきり説明出来る。東日本と西日本とで
「穢れ」に対する認識が違っていたとする網野説は全く理解も納得も出来ない。
何か頭堅い人が住み着いてるな
>>876 本来神であったものが、江戸時代には妖怪になってしまったという例もある。
全く理解出来ないというのが理解できない。
879 :
日本@名無史さん:04/04/09 13:03
聖=穢っていう現象はよくあるでしょ。
まあ天皇=ウンコって感じかな。
880 :
日本@名無史さん:04/04/09 13:17
網野=サヨク
>>879 天皇は別格だろ。天皇が穢れだとは聞いたことないな。死後は別にして。
個人の思想信条は勝手だけど、ソース示してくれ。
古事記に「皇子のオシが穢れてる物を清めたら治った」って記述があるけど、
その穢れてる物として「動物の皮を扱ってる者」って出てくるじゃん。
だったら差別はずっと昔からあったことになる。私はそう思っている。おそらく天皇制
の発生から。しかし、解放史観では差別は近世、特に江戸時代から始まったことになっている。
884 :
日本@名無史さん:04/04/09 18:47
解放史観が何を指しているのかよくわからないが
非人はさておき
穢多(かわた)に対する差別が強まるのは
近世中期以降というのが学界の通説ではないのか。
そりゃ差別は昔からあっただろう。
天皇を頂点としてるのだから、あらゆる日本人が必然的に差別の対象では?
被差別民に限らず、武士・農民等みな差別されていることになるわな。
それを制度化したのが近世からってことでは?
ただ、江戸時代の「差別」を、現代の感覚の「差別」と同義で扱ってよいものかは
多少疑問に思ってる。あんまり詳しくないけどね。学界の考え方も激しく変化して
きているような気がする。
886 :
日本@名無史さん:04/04/09 20:26
>制度化したのが近世からってことでは
制度的に言うと、
穢多(かわた)の所持高は大工の所持多高と同様に百姓に賦課される国役を免除されているから
役の体系においては穢多(かわた)は大工などの職人と同列に扱われている。
また藩の法令等による規制・差別の事例のほとんどは
近世中期以降のものであり
穢多(かわた)の土地所有を前提として、その現実を否定しようとしてなされたものだ。
887 :
日本@名無史さん:04/04/09 23:49
ああ、ようやくこのスレに相応しい議論が・・・。
888 :
日本@名無史さん:04/04/10 02:47
888!
アミノ酸は重要!!
889 :
日本@名無史さん:04/04/19 00:11
網野善彦、いかりや長介ときて、横山光輝が急逝。
各界の大物が次々と倒れていっています。
890 :
日本@名無史さん:04/04/19 00:32
アミノ式
891 :
日本@名無史さん:04/04/19 12:51
ホ蒙古襲来
蹉跌雌伏後大成の苦労人はやはりさすがでした。
894 :
日本@名無史さん:04/04/23 22:43
____,....
,. ‐';ニ"´ニイ:i!:、ヽ:.:`ヽ、_
/.:///:.イ:.|:|:|i:.:ヽ:.、ヽ:、ヽ、
:.:/:/./://:|:.:|:!:|:|i:.:.:゙,:.:.:.リ:.ヽ\
./:.:/:/:.:.//ハ:.:i:.:l:.:.i:.:.:i:.ヽ`:|:!:.:ヽヽ
:.:/.:/:.:./:.l!::.:.ハ:.V:.;、:i:.:.|:.:.ヽ|:.i:.i:.:.',:.゙:,
/l!:/.:.:/|!.|:.:./ハ:',:|:ヽ:、|!:.:.:.ハ:.||:.',:.i:、:',
!|l,:!:.:.:.:|.| |レ/∧:l:メ!:.ヽ:.:|:.|/:.i:.リ:、',:|:.i:.i
:|l.|:.:.:.:|!.:|:.//¬i:.{‐、.:|.ト、:l:|、:.!:.:.i:ヽ|:.|:|
i:.:| |:.:.|l:.:.l/ィ示ヽミ !.メ| 〉ヽ!:|_!:.|:i.:N:.|
:.:.l!:l、.:.:l、:l`ヽ::ノ_, ' リ |i |.,.ィl、.|::!||:.メ:リ
、:.l!.N、:い!. !く:::ソ } |:.:|/:/
!:i、.i!リ ヽ! , `~ /|:ノ:/
:.i|:iN ` .: ノ /:!レ/′
:、l:|ハ 、____ /::i/'′
小| ヽ `''ー‐`'' /|/l
:.:トヽ \ / .r‐-、r‐-、r‐-、r‐-、
N|`ヽ ヽ、 , '´ ┌──────────┤ || || ||_..._|‐────
``'''‐- ..,_ iT"´ | ー─────────‐ |_...._|| ||_...._|ヽ_,ノ. ────
、_ ``''‐N、 | 網野善彦 いかりや長介ヽ_,.ノ|.-‐.|ヽ_,ノ ガン
`ヽ、 i | ────────────. `ー' ――────
、 `ヽ、 | | 横山光輝 : ヤケド
、`ヽ、 \ | | ─────────────‐ :. ─────
\ \ ヽ.|ヽ | 竹内均 :
ヽ ヽ | \ | ─────────────‐ :. ───
日本社会の歴史(岩波新書)を借りてきたよ。
896 :
日本@名無史さん:04/05/05 01:29
「歴史としての戦後史学」、読み始めました。
897 :
日本@名無史さん:04/05/05 02:32
息子のほうはセクハラや女性に関してウヨの週刊誌みたいな偏った発言ばかりでアブナイ人らしい。
父親の知名度に騙されないように。
age説くぞ。
899 :
日本@名無史さん :04/05/06 23:25
>>897 まあそれ言ったら、あの甥っ子はオウムの問題でよく中大クビにならなかったと思うよ。
元・日本女子大の島田裕巳に較べたらうまく世渡りしてるな。
900 :
日本@名無史さん:04/05/07 10:30
>>899 面の差かと・・・。
方やニューアカ、方やムーミン?
息子は関係ないじゃん。。。そういう書込みみると悲しくなるよ。
902 :
日本@名無史さん:04/05/14 19:51
日本社会の歴史を読んでるけど面白いね。
>>902 この人の入門者向けの最高傑作は、「続・日本の歴史をよみなおす」(ちくまプリマーブックス)だと思う。
NHK人間講座のテキストも良かった(↑と重複だが)が、今でも手に入るのかな…?
KKKは西日本の人間か東日本の人間かで説得力が違ってくるな。
ともかく観察が足りないことは事実だ。
著作集は出るんだろうか?
大石慎三郎も。
907 :
日本@名無史さん:04/05/17 21:38
908 :
日本@名無史さん:04/05/27 12:16
「日本の歴史をよみなおす」を読んでいるけど面白いですね。
909 :
日本@名無史さん:04/05/29 00:05
それにしても今年は死にまくってるね。
網野、いかりや、横山、竹内、大石、金田一、他にも国書総目録だっけ、あれの編纂者も逝ったらしい。
910 :
日本@名無史さん:04/05/29 00:06
逝ってよし
911 :
日本@名無史さん:04/06/14 23:06
続・日本の歴史をよみなおすを読んでます。
912 :
日本@名無史さん:04/06/21 23:37
しかし今年はホントによく逝くなー
そのくせナベツネみたいな奴は全然逝かねーし
お名前は歴史を学ぶものとして存じ上げていましたが、
恥ずかしながら実際に著作を読んだのは氏がお亡くなりになってからでした。
現在5冊ほど読みましたが着眼点が非常に面白い。
今更ながらはまってしまいました。
著作集が岩波から出るわけだけど、平凡社じゃなくて結構意外だった。
どういうことがあって、岩波になったのかな〜。。。
916 :
日本@名無史さん:04/07/11 23:46
917 :
日本@名無史さん:04/07/12 08:35
合掌age
石井、網野、永原亡き後、中世史の権威というと誰?
918 :
日本@名無史さん:04/07/12 09:42
>917
佐藤進一先生がご存命なのでは…
919 :
日本@名無史さん:04/07/12 09:58
絵巻物の人かな、「権威」といえば
920 :
日本@名無史さん:04/07/12 14:40
>>917 佐藤進一(1916年生まれ)、田中健夫(1923年生まれ)
近世だと遠山茂樹(1914年生まれ)が健在
>>919 黒田先生ですか?村山先生や角田先生も御高齢。
しかし河音先生も亡くなられて・・・世紀が変った途端にこれですか。
922 :
日本@名無史さん:04/07/12 20:02
雅タンきら〜い
分野が違うが、今度は森嶋通夫か。
今年になってこれほど大物が続々と幽明境を異にしているのは、
やはり癌治療中の某やんごとなき筋の露払いか?
石井・網野・永原先生は封神されちゃったね。奥富さんは無理かな。
封神→安田・龍・三浦(周)・佐藤(博)・峰岸・下山・黒田(基)・藤木
ギリギリ封神されて諸人を驚かす→小和田・今谷
非封神→
一昨日くらい、神奈川大学で二神島のビデオ上映があって、それにいっ
てきたんだけど、『日本社会の歴史』(岩波新書)のことを考えてた
よ。一応通史のような形で書かれているが近世の冒頭の部分で記述が
終わってる。あれは禁海政策についてうまく記述できなかったこと
が理由じゃないだろうか。それを克服するために常民にいってから能登
だとか二神だとかに行って、幕府政策ではすくいきれない諸国廻船する
百姓像を打ち出したんじゃないのかなって思いました。
928 :
日本@名無史さん:04/07/23 00:19
脳内妄想も歴史学者が唱えれば◯◯史観ってかw
929 :
日本@名無史さん:04/07/23 01:38
>>928 網野さんの学説のどの部分が「脳内妄想」なのか、ぜひとも具体的にご披瀝ください。
すごく知りたいです。
930 :
日本@名無史さん:04/07/23 02:36
網野は糞野郎
こいつの説は百害あって一利なし
↑は西尾カンジ
教科書的な進歩主義歴史観(この点では右も左も同質)に飽き飽きしていた自分にとっては、
歴史学の面白さを教えてくれた貴重な一人だった。
933 :
日本@名無史さん:04/07/23 15:40
私は彼は針小棒大だと思う
なんか田舎の方の例外探してきて
こんなのがいる。だから定説が間違っているというだけ
網野の例えは例外を定説にすり替えようとする
貴族院議員 網野善右衛門 ってアミノ酸の祖父?曽祖父??
935 :
日本@名無史さん:04/07/23 19:50
936 :
日本@名無史さん:04/07/24 04:20
>>933 そういうのは斬新だから最初は実質以上にもてはやされるが時間が経つと適当な位置におさまっていく。
アミノ酸の評価も今がピークであとは落ちていくだけだろう。
君らの期待に反して網野さんの説はこれから花開いてゆくのだよ。
今はまだ始まりの始まりにすぎない。
網野説は「例外」ではなく「スタンダード」だよ。
938 :
日本@名無史さん:04/07/24 10:13
えっと、断然安良城盛昭だと思うんですけど
939 :
日本@名無史さん:04/07/24 12:49
網野が死んで害虫一匹いなくなった
次は荒俣宏の番だ
940 :
日本@名無史さん:04/07/24 19:31
夏休みはあっという間だぞ。
落書き帳に夢中になって
日記帳の宿題貯めるなよ夏厨。
941 :
日本@名無史さん:04/07/25 01:14
>>939 荒俣はアカデミズムの人間じゃないし、
書いていることも網野とはほとんど接点は無いと思うが。
私が荒俣・網野嫌いなんです
なんで知ったかぶりするんだとね
>>941 先日、荒俣さんは、忠臣蔵の英雄大石倉之助を扱き下ろす
番組(テレビ東京系)に歴史博士的な役で出演していたからな。
あの番組を見てぶち切れた右派系の人は多かったと思う。
網野の目で李朝の両班・常民・奴婢を
見たらどうなるんかね。あぁ日本史だったね
945 :
日本@名無史さん:04/07/25 10:27
946 :
日本@名無史さん:04/07/25 11:36
網野は専門外での言動が酷すぎた。
なんで学者って無い物ねだりし始めるんだろうね。
>>943 俺は右の人間だと自覚しているし、それを誇りに思っているが、
大石などは、テロリストで最低のクズと認識している。
っていうか俺荒俣さん結構好きだったりする。帝都物語が好きだったからかもね。
あ、勿論網野は嫌いだ。近代での発言は学非と言われても問題ない。
竹内好のアジア論は、極右であり、60年安保では対立関係にあったはずの岸信介も
一目おいていたという。
左右の枠を超えて注目される学者は出ないものか。
>>947 学「匪」だよ
教養がにじみ出てますネ
同じ「右の人間」として迷惑してますヨ!!
お、匪って変換で出るのか。>949
俺も辞書登録しとくよ。
いずれにしろ綱野さんが右側からひどく嫌われていることは確かなようだ。
右側つうか、昭和初期に過大な妄想を持つ夢想主義者だろ。
953 :
日本@名無史さん:04/07/25 18:58
右側よりも、まず教条主義的マルクス主義者に嫌われてるよ。
例の「無縁・公界・楽」論はマルクスの著作の変な解釈に基づいているからね。
954 :
日本@名無史さん:04/07/25 19:53
>>948 >竹内好のアジア論は、極右であり
極右という言い方はあんまり関心しないな。
右とか左とかいう問題じゃなくってさ。
>>954 句読点の付け方間違えたかな、ごめん。
極右と言うのは岸のこと。
網野氏に関しては、地域・民衆・被差別からの視点を歴史学に加えた点は
評価したいが、後に専門以外の言動でその地域主義を
「東北・関東人による、近畿・西日本出身者への根拠を欠いた賤視」
へと歪めてしまった罪は大きいと思う。
友達が悪かったのかもしれない。特に梅原猛と井上ひさしの罪は大きい。
実生活で他人を中傷してばかりいたため、多くの人は彼から離れ、たちの悪い連中だけが残った。
三人を中心に関東・東北人の優越性が語られ、
関東・東北人による他地域への差別は無批判に肯定された。
「弱者」の視点が強調され、
「自分の先祖が抑圧されてさえいれば、目の前の他者を傷つけてもかまわない」
という風潮が生まれた。
要するに亜流マルクス主義、平等を謳いながら差別を重ねて喜んでいた。
他地域差別なしの地域主義は可能だったのか、聞いてみたかった。
もし網野史学が生き残るとしたら、周辺の有象無象(+本人)が積み上げた
他地域差別を取り除ける必要があると思う。
弱者の視点つうか、現在弱者だと認識されているものが実は弱者で
なかったつうことだろ。理解できない奴には永久に理解できないんだろうなあ。
「東北・関東人による、近畿・西日本出身者への根拠を欠いた賤視」
ってすごい勘違いだよな。
っていうか、著書をほとんど読まずに発言しているとしか思えん。
かわいそうな奴。
根拠はあるけど賤視・・・と言うより蔑視はしていたんじゃないかなとおも
とりあえず講談社『日本の歴史』00巻とか。
今思うが蔑視と言うよりも単に「関西が嫌い」なだけだったのかも知れない>AMINO酸
とりあえず956のカキコは恥ずかしい。イタイ。
>961
具体的に、何ページのどういう記述か挙げてくれ。
950を越えて俄然盛り上がってきましたなw
965 :
日本@名無史さん:04/07/28 17:23
次スレを立てるべきかな?
966 :
日本@名無史さん:04/07/28 17:33
ここでウヨサヨ論議に「リバース」
ナベツネの旧制高校での一年後輩だったとはビックリ。
話をしたことはあるのだろうか?
ナベツネは若い頃、学生運動とかやっていたらしいので、
面識があった可能性は結構高いと思う。
先日亡くなった永原慶二氏は、
その頃のナベツネをよく知っていたらしい。
969 :
日本@名無史さん:04/07/30 02:40
ナベツネが先に死ねばよかったのに
970 :
日本@名無史さん:04/07/30 16:19
荒俣宏死ね
荒俣が死ぬ時、それは鼻の横のホクロが落ちる時
972 :
日本@名無史さん:04/08/01 20:11
「古文書の読解が進むに従って、歴史の主役が一握りの英雄から名もなき民衆へ移ろうとしている。
歴史学者・網野善彦氏が切り開いた歴史の豊饒が、時代小説にも反映しようとしている。(略)」
『日本経済新聞』8/1書評欄『天下城(上下)』紹介より
そういえばyahooニュースでもエンターテイメント欄での扱いだったし
ここの住人の評価はともかく
世間さまの認識は「宮崎アニメと時代小説に貢献した学者」と言うところに落ち着いちゃうんでしょうか
修正
>そういえばyahooニュースでもエンターテイメント欄での扱いだったし
→そういえば死亡記事はyahooニュースでもエンターテイメント欄での扱いだったし
974 :
日本@名無史さん:04/08/01 20:18
>死亡記事はyahooニュースでもエンターテイメント欄での扱いだったし
それは、ある意味すごいことだ。
普通なら、学者の死はたいしたニュースにならない。
976 :
日本@名無史さん:04/08/01 20:52
エンタ欄に載せたネームバリューが立派。
関心が高いってこと。
977 :
日本@名無史さん:04/08/01 23:41
網野先生も漂白の民の一つである芸人と同じジャンルで扱われて草葉の陰でお喜びであろう
古文書返却の旅、泣けてくる。
人間的な魅力も作用して、心酔してしまう。
いま森浩一氏との共著読んでます。
そうか?
俺は古文書返却の旅には学者のエゴしか感じられなかったが…
城民にいる研究者はそれぞれエゴの固まりだな。
昔も今も。アミノさんはそれでもましな方じゃなかった?
うっちゃってあった古文書をかえしにいったんだからさ。
友達から聞いたはなしだと、あそこは学者先生絶対意識があって
院生は労働力としかみられてないみたいだよ。バイトと称して
数百円の時給で拘束されて、マイクロをとらせるらしい。
それがあまりにひどいと、院生は論文をかけなくなるそうだ。おっかない
981 :
日本@名無史さん:04/08/03 17:05
>古文書の読解が進むに従って、歴史の主役が一握りの英雄から名もなき民衆へ移ろうとしている。
豚に歴史がありますか? 百姓に歴史がありますか?
982 :
日本@名無史さん:04/08/03 18:01
>>980 馬鹿だねあんた
そいつらがえらくなるとまた同じことをやる
983 :
日本@名無史さん:04/08/03 18:13
>>980 透明度の低い文系はどこもそんなもんでしょ。
985 :
日本@名無史さん:04/08/03 18:18
>981は史学史を知った気になって、うれしくてしかたないんだろうな…
中世の研究から”日本”という存在を否定し、歴史学者としては異例の知名度を得たアミノ酸
しかし、中世という時代は海外に目を転じると
朝鮮半島では今でも「英雄」とマンセーされる世宗が朝鮮王国を建国し
中国大陸では漢民族による最後の帝国・明が隆盛を極めてた時代
昨今の妙な冬ソナブームとかアジアサッカーの様子を見てると、時代が持ち上げた学者のような気がするよ、アミノ酸。。。
989 :
日本@名無史さん:04/08/04 13:05
自作自演君の特徴が出まくりw。。。