ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。
・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
・まとめWikiで既に書かれていないか、既にリクエストされていないか調べてからリクしましょう。
・リク主は依頼したストーリーが書かれたら、書き手に感謝の意を伝えましょう。
・過度のクレクレはスルーや批判の対象になります。気をつけましょう。
・手の空いた方はwiki編集などでスレに貢献しましょう。
ストーリーを書いてくれる方へのお願い。
・外部サイトからの無断転載は禁止です。もし外部サイトの管理人の方から許可を得て転載する場合でも、
許可を得たという事を証明し、さらにそのサイトからの転載であると言うことを明記してください。
・要望に出ているゲームのストーリーはどんどん書いて下さい。
要望に出ていないゲームでも書きたいと思ったら遠慮せずに書いて頂けると読み手が喜びます。
・すでにwikiに載っているストーリーの補足も書いて頂いて結構です。
・この板は一般板なので18禁のゲームのストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
・勝手ながら、予約から1ヶ月以上経ったものは予約無効とさせて頂きます。
同じく、最終投稿から3ヶ月経ったものも権利失効とさせて頂きます。
都合により取り消しが出来ない場合の長期間にわたる放置を防ぐ為です。
毒殺だったとしたら、毒はどうやってあの室内に持ち込まれたのかを日向は議題に上げた。
気化すると危険なので、狛枝は必ず密閉容器に入れて倉庫に毒を持ち込んだはず。
だが、該当するような容器は倉庫内になかったのだ。
「そんなもん、ペットボトルに入れときゃいいんじゃねーのか?
そしたら、俺たちの投げた消火剤のボトルに混じってわかんなくなっちまうだろ。」
終里の言葉に、日向の脳裏を光が駆け抜けていった。
もし、狛枝が消火剤のボトルを持ち帰り、それに毒薬を詰め替えて倉庫に持ち込んだなら、容器が見当たらない謎は解ける。
狛枝が隠し持っていたガスマスクとゴム手袋は、その時に使われたものだろう。
一緒に落ちていた丸い紙切れを見せると、ソニアが反応した。
以前消火器等を点検したとき、簡易消火剤のフタを開けてみると、同じような青い紙蓋で密封されていたというのだ。
ならば、狛枝がこのボトルを容器に使ったことは確定だ。
問題はいつこれが割れて、中身が気化したのか、それは狛枝が死んだ正午頃の事だ。
七海が、「恐ろしい事」を思いついた、と呟いた。
日向も、同じ恐ろしい事に思い当たっていた。狛枝の底知れない悪意に満ちた真意に。
毒入りのボトルは、倉庫に持ち込まれたのではない。
あの時、棚の上に紛れ込ませてあったのだ。
それを手に取った日向達のうちの誰かは、中身が消火剤ではないなんて露知らず、それを炎の中に投げ入れた。
薬は熱で気化し、狛枝はそれを吸い込んで死に至った。そして力の緩んだ手から鞭が抜けて、槍が落ちたのだ。
これは自殺ではない。狛枝は、日向達に自分を殺させたのだ。
そして、日向達はどうやっても誰がそのボトルを投げたのか特定することはできない。
「解けない謎は無い…そう思ってるオマエラを、“解けない謎”で打ちのめす。
それが、狛枝クンの真の狙いだったんだね!」
モノクマは大笑いしている。モノクマは、誰が特定のボトルを投げたのか把握している為、裁判の正解が分かっているのだと言う。
手詰まり。絶望的な展開だった。
「…わかるかもしれないよ。」
七海が、ポツリと呟いた。
「狛枝君は、みんなの事を信じてた。罠にはまってくれるって信じてた。
そして、何よりも自分の『超高校級の幸運』を信じてた。
皆の事を計画に盛り込んで、自分の才能を盛り込まないなんて、おかしいよね?」
狛枝は、妄信的に自分の幸運を信じていた。今までも、肝心の部分を運に任せた行動が目立つ。
超高校級の天才達は、誰でもそうだと答えた。最後に頼るのは自分の才能しかない。
ならば、狛枝が今回自分の幸運に任せた部分とは何だったのか?
それはもちろん、誰が自分を殺すペットボトルを投げるのか、ということだ。
彼には、結局裏切り者が誰なのか分からなかった。だから裏切り者に自分を殺させようとした。
彼は「命に代えても裏切り者を炙り出す」と言っていた。それを有言実行したのだ。
だから、裏切り者を特定すれば、犯人も自ずと決定する。
七海は、そこまで説明して日向を見た。
「裏切り者はね、名乗り出たくても名乗り出られないんだ。
だって、そういう風にできていないから。
だから、言い当てて欲しいんだ。日向君になら、それができるはずだよ。」
「七海…ッ!」
日向自身にも分かっている。この中で日向だけが、裏切り者が誰なのか知っているのだ。
あの、モノミが持っていた日記帳。狛枝はあれを見ても裏切り者が誰か分からなかったのだろう。
だが、日向には分かる。自分がファイナルデッドルームに入ろうとしたのを知っているのは、七海だけなのだ。
「七海…お前が、裏切り者なのか…?」
「…あーあ。正解されちゃった。」
七海はニッコリと微笑んだ。
皆、七海が裏切り者だなんて信じなかった。七海が未来機関の手先だなんて。
「違うんでちゅ!未来機関は、皆さんが思ってるような組織じゃないんでちゅよ!!」
モノミが、悲しそうな顔で叫ぶ。
ソニアは、七海がカードリーダーに真っ先に電子生徒手帳を通したことを指摘した。
だが、七海はきっと爆弾が偽物だという事を知っていて、狛枝の脅しがはったりなのが分かっていたのだろう。
モノミは爆弾が偽物だと知っていた。七海とモノミが繋がっているなら当然七海も爆弾が偽物だと知っている。
「バレちゃったから白状するとね、爆弾が偽物なのは知ってたよ。
それを言えなかったのは、モノミちゃんから聞いたっていう経緯を話さざるを得なくなるから。」
左右田が、皆に問いかけた。
「それが本当だとしても、七海に投票してもいいのかよ?
それって、狛枝の運に乗っかれって事だろ!」
「あんな奴の事、信じられるかよ!」
それを日向が遮った。
「違う!俺たちが信じるのは狛枝じゃない!
俺たちは、七海を信じるんだよ!今まで一緒に過ごしてきた七海の事を!
七海は、命を懸けて俺たちを守りたいって言ってくれてるんだぞ!
だったら、それを信じるしかないだろ!そうじゃなくちゃ、誰も救われないじゃないか!!」
七海は微笑んだ。
「あのね、悲しむ必要はないんだよ。だって…これは今までのとは違うもん。
みんなは今までみたいに、”誰かを疑って”生き残っていくわけじゃない。
みんなは、”私を信じて”生き残っていくんだよ。」
七海は、モノミに向き直って謝った。
「モノミちゃんもごめんね。こんなことになっちゃって、きっと色んな人にすごく怒られるよね。
でもね、私はどうしてもみんなを守りたかったんだ。それに…そうできることが嬉しいんだよね。」
「……正しいか正しくないかは、あたしが決めることじゃありまちぇん。
でも、あなたがそう思えたことは、とってもすごいことだと思いましちゅ。“奇跡”、なんて呼べるかもしれまちぇんね。」
モノミは優しく微笑んだ。
モノクマが二人のやりとりを遮り、投票タイムを始めた。
七海を信じ、七海に投票する。満場一致で犯人は七海に決定し、モノクマは正解と答えた。
「みんな、おめでとう。今まで黙ってて、ごめんね。
みんなは空を飛べないでしょ?水中を自由に泳げないでしょ?
それと同じ。“そういうもの”として存在している私には、未来機関を裏切ることはできない…。」
これ以上の事は、どうしても七海には話すことができないのだと言う。
「七海さんが裏切り者だったとしても、私たちは七海さんに裏切られてなんかいません。
七海さんは、ずっとわたくしたちの仲間です。今だってそうです…
責める気なんてありません。だから、謝らないでください!」
それが、みんなの気持ちだった。
九頭龍が、ふと疑問を口にした。
狛枝がこの展開を望んでいたとしたらおかしいのではないか?自分たちは、今にも負けそうになっていたのに…
「いいところに気づいたね!彼は裏切り者を炙り出すとは言ったけど、殺すとは言ってないんだよ。
コングラッチュレイショーン!!オマエラは見事、狛枝クンの目論みを阻止したのです!
彼の目的は、裏切り者以外を皆殺しにすることだったんだからね!」
一体なぜそんなことを?だが、彼に真意を問いただすことも、二度とできない。
七海は、狛枝のことも許して、微笑んでいた。
「あたしも、千秋ちゃんに負けてられないでちゅ!たとえ勝てない勝負と分かっていても、一矢報いて見せるでちゅ!」
モノミがモノクマに抱きつき、モノクマもろとも自分の機体を自爆させた。
もちろんすぐスペアの機体でモノクマは復活するが、モノミも自分のスペアで抱きつき、また自爆する。
「ちょっと、全滅しちゃうよ!」
「それが狙いでちゅ!さぁ、あと何体いるんでちゅか!」
「まぁ、那由多くらいかな?モノミちゃんはあと何体いるの?知ってるよ、あと10体だったよね。」
モノミが絶句する。那由多はなくとも、無数のスペアがモノクマには存在する。
「オマエも見たでしょ?あの工場で、ボクが作られていくのを…」
あのおもちゃ工場で作られていたのは、ただのぬいぐるみだったはずだ。
「でも、ぬいぐるみにボクという人格を与えられたら、それはもうモノクマだよね?」
「なっ……まさか、アンタ、すでにそこまでの力を!?」
…なんだか、急に話がファンタジーだかSF臭くなってきた。
七海がモノミを止める。「みんなを信じて、後を任せよう」と。
モノクマは話を打ち切り、七海と共にモノミも今回処刑すると宣言した。
二人は抗わず、手を繋いで皆に別れを告げた。
「みんな、騙すような真似して…ごめんね。
最後まで守ってあげられなくて…ごめんね。」
「最後に一言だけ、先生っぽい事を言わせてくだちゃい。
英雄になる必要なんてないんでちゅからね。無理に誰かに認められなくてもいいんだからね。
自分に胸を張れる自分になればいいんでちゅ!だって、自分自身こそが、自分の最大の応援者なんでちゅから!
そうやって自分を好きになれば…その“愛”は、一生自分を応援してくれまちゅよ。らーぶ…らーぶ…」
【七海千秋&モノミ処刑】
全てのモノミスペアと、モノミと七海は並んで床に座らされる。
上からは、石造りのブロックが落ちてくる。これは、巨大テトリスだ。
次々にスペアが押しつぶされていく。七海の傍らにいたモノミも、降ってきたブロックに押しつぶされ見えなくなった。
七海がいる細いスペースだけを残して、次々とブロックが積まれていく。
そして、縦に長い一本の棒ブロックが現れた。それはクレーンで七海の真上に吊り下げられ、落とされた。
押しつぶされた七海は視界から消え、全ての列がそろった下から3段が、跡形も無く爆発して消え去った。
日向は、目をそらさず七海の最期を見届けた。でも、いつのまにか膝から床に崩れ落ちていた。
無力感でいっぱいだった。虚しくて、寂しくて、胸が痛かった。
「ありがとう」と最後に言えたらよかったのに、とうとう言いそびれてしまった…。
モノクマは、殺し合いの終了を宣言し、生き残った5名に卒業の権利を授与した。
だが、タイムリミットはまだ2日ある。モノクマなら2日もあればまた殺人を犯させる動機を作ることができるだろうに。
「この、5名という人数に意味があるんじゃないのか?だからお前は、まだ日数があるのに殺し合いを終わらせるんじゃないのか?」
モノクマは答えなかった。
カウントダウンが終われば、全て終わる。未来機関のしょーもない計画は便所の泡と化し、オマエラはいつもの絶望的な日常に帰るのだと、モノクマは言った。
あと2日はおまけ。好きなように南国を満喫しろと言われて、皆足取り重くコテージへと帰路についた。
日向は翌日一日を、シーツに潜って過ごした。
そして、モノクマの設定した最後の日、朝目覚めたときに、言い表しようのない恐怖を感じた。
まるで、この島に自分以外誰もいなくなってしまったような。
日向は、その恐怖から逃れるように、コテージから飛び出していた。
その恐怖から逃れるように、コテージから飛び出していた。
そその恐怖から逃れれれるようにコテテージを■飛び出していた。
その■のそから恐怖■■の恐怖コテージ逃れるように飛び出し逃れ■ように飛び出し■■
世界が剥がれ落ちていく。モザイクがかかったように歪む。黒い染みが視界いっぱいに広がる。
それが収まった時、目の前には日向をレストランに呼びに来た七海がいた。
レストランには、他の4人も揃っていた。
狛枝が遺したビデオレターが、もう1つあったのが発見されたらしい。
時限ロックがかかっていて、裁判後に再生できるようになっていたそれは、狛枝の遺言だった。
「感謝しろよ!ソニアさんが見つけてくれたんだからな!」
「うふふ、田中さんとハムスターさんの散歩をしている時に見つけたのです。」
視界に黒い染みが広がり、そこには不敵に笑う眼蛇夢が現れた。
早速再生してみると、狛枝の遺言が始まった。
『えーっと、このメッセージを見ているのは誰かな?未来機関の裏切り者さんかな?
だとしたら、おめでとう…ボクの希望通りの結末になったみたいだね。』
やはり、狛枝の狙いは裏切り者以外の処刑だったのだ。
「無駄口はそのへんにしておけ。まだ続きがある様だぞ。」
世界がモザイクがかった次の瞬間、十神がざわつく皆をたしなめた。
狛枝は、生き残ったのが裏切り者以外の皆だった場合にも通じるように話すと前置きして、本題に入った。
『あのね、ボクは散々言っていた事を実行したに過ぎないんだ。
ボクはある事実をファイナルデッドルームのクリア特典で知った…
みんなに知られると面倒になるから、そのページはもう処分しちゃったけど…それにしても驚いたなぁ。
だってまさか、いん●んおbじょtい#%△いcじえおmおpsm、13う4@えk‐あじてrt』
その事実を知った狛枝は、すぐさま行動を起こすことを決心した。
『でも、日向クンを馬鹿にしてられないよね。ボクも本心では主役に憧れてたんだから…
あじmf詳し`+くhはぴん的濫時8rうぇbとかでjがお』
狛枝は淡々と語る。その事実を踏まえると、モノクマの行動の意味も分かるらしい。
事あるごとに島の謎や未来機関の情報を与えて、みんなに希望を抱かせていたのは、それが『最悪の絶望』に繋がるからだ。
しかもモノクマは、それを誰かに見せつけようとしている。その誰かと言うのが世界が歪む世界が剥がれ落ちる黒い染みが視界いっぱいに広がる。
『キミらがモノクマの目論みから逃れるためには、ある場所に行かなければならない。
その為のパスワードが、ネズミー城にあったあのメッセージなんだよ。
本来、その場所に行くにはなんらかの手順を踏む必要があったみたいだけど、それを無視するようなあのメッセージは、ある意味裏ワザみたいなものだったんだろうね。
きっと、あれはモノクマでもモノミでもない、別のヤツが残したものなんじゃないかな?
ボクの計画が終わるまでは隠す必要があったけど、そろそろ発表してもいいころだよね。
パスワードを発表しまーす。『11037』。』
狛枝は、これを使ってある場所に行けば、モノクマの目論みから逃れられると繰り返した。
そして、自分のやったことが、世界の希望の礎になることを信じていると言った。
『そして、もし本当にそうなったら…
ボクを讃えてくれ。
ボクの偉業を伝えてくれ。
ボクの銅像を作ってくれ。
ボクを敬ってくれ。
ボクを…超高校級の希望と呼んでくれ。』
それが、狛枝凪斗の残した遺言だった。
気づくと、日向は遺跡の前に立っていた。
緊張している九頭龍に、ペコが笑いかける。
「冬彦ぼっちゃん、心配せずとも大丈夫ですよ。何があっても、私がぼっちゃんを守りますから。」
「さぁ、扉を開けろ!リーダー命令だ!」
十神と七海に促され、日向はパネルを操作する。
大丈夫だ、16人全員一緒なんだから。どんな事があっても大丈夫。
扉を開けるとそこは、裁判場だった。
何の飾りもなく、古びて褪せているけど、作りは見慣れた裁判場そのものだ。
「……みなさんはどこへ行ってしまったのでしょう?」
ふと見ると、皆どこかに行ってしまい、5人しかいなくなっていた。
おかしいな。………いや、おかしいのは、……この、世界…
その頃、公園ではカウントダウンが0を迎えていた。
世界が、崩れ落ちていく。
<CH■PTER5 終了> 生存者 5名
とりあえずここまでです。明日0話と最終話投稿します。
ロンパ2さん乙です
今夜が楽しみ!
>>1 スレ建て乙
ロンパは2→1の順にやってたから分からなかったけど、
あのパスワードはシャイニングメッセージだったんか
CHAPTER0 『修学旅行へ向かう船の中のような』
ボクは船に揺られていました。不規則な揺れの中倒れまいと踏ん張っていました。
ボクのような才能に愛された人間には、この予想が付かないという感覚は中々興味深いものです。
相部屋になった、白い髪の男が嬉しそうに話しかけてきます。
白い髪の男は、ボクの返事を聞いて笑います。
「ふーん、僕と違って、相当期待されてるんだね。」
このツマラナイ世界。劣った人間たちが、優れた天才を追い詰め、引き摺り落とそうとする世界。
この世界はすでに、自分たちの進化を許そうとしなくなっているのです。
「ボクを利用した彼女を、今度は利用してやるんですよ。」
ボクが、彼女の遺したアレを、この懐に隠し持っていると話すと、白い髪の男は興奮しました。
「えっ?じゃあ、僕はもう一度彼女に会えるのかな?今度こそ、僕は彼女を殺せるのかな?」
この男―『超高校級の幸運』は、彼女―『超高校級の絶望』に複雑な愛憎を抱いています。
彼の袖口から見えている手は、あの女の物です。
それを指摘すると、彼は嬉しそうに笑いました。
「すごいでしょ?これ、未だに腐らないんだ。ボクの一部になれてるってことだよね?
勘違いしないでね。ボクはあいつが大嫌いだ。敵だからこそ、その力を取り込むんだよ。」
死体を漁ったということか。ツマラナイことをするものです。
そろそろ島が近づいてきました。別に興味はありません。この先のゲームには、ボクは参加できないことになっているでしょうから。
それを言うと、白い髪の男は残念そうな顔をしました。彼は、またボクに会いたいと言いました。
だが、ボクは彼に興味がありません。
「だって、あなたはツマラナイ。」
この男の才能も、思想も、行動も、全て底が見える。理解し予測できる。ボクにとってはツマラナイ。何もかもがツマラナイ。
ジャバウォック島が、近づいてくる。
<CHAPTER0 終了>
CHAPTER6 『さよなら絶望学園』
扉が見える。一体はここはどこだ?俺はどこに行くんだ?
日向がその扉の中に入ると、そこは教室の中だった。でも、なんだか様子がおかしい。
異様な教室だった。全ての窓に分厚い鉄板が、巨大なボルトでがっちり固定されている。
武骨で露骨な監視カメラがこちらを向いている。まるで、監獄だ…。
ここはどこなのだろう。遺跡に入ってから、ここに来るまでの経緯が思い出せない。まるで、一番最初の時のように。
そこに、モノクマからの校内放送が始まった。
卒業試験を行うから、体育館まで来いと言うのである。
行ってみると、そこは案外普通の体育館だった。
モノクマは、あの遺跡の扉と、遺跡の間に希望ヶ峰学園を作ったのだ、と訳の分からないことを言う。
「オマエラがこの支配から卒業するのはめでたいけど、学園長としては胸中複雑なんだよね。
オマエラが社会に出てちゃんとやっていけるのか…。
だから、外の世界がどうなってるのかお勉強してから、ジャバウォック島に残るかどうか選ばせてあげるよ。」
モノクマはそう言い、この学園に散らばった手がかりを探すよう日向達に言う。
「どうせ、オマエラなんて、メインキャストが到着するまでのつなぎなんだよ」
と、謎めいたセリフを残して、モノクマは退場した。
体育館を出ると、何故かそこは先ほどとは違う廊下になっていた。
目の前が、チカチカとモザイクのように歪む。見えない壁があるように、進めない個所がある。
それでも、桜の植わった剣道場、冷凍庫の並ぶ生物室、奇怪な植物で溢れた室内庭園、様々な場所を巡ってそこにある文書を読んでいった。
以下にその内容をまとめる。
希望ヶ峰学園は、政府公認の特殊教育機関だ。
生徒はスカウトによってのみ入学を許される。その選考を行うのが、教育者であり才能の研究者でもある職員たちだ。
希望ヶ峰学園は、教育機関でもあり、才能を研究する機関でもあるのだ。
彼らの悲願は、人類の希望となりえる、真の天才を作り上げること。
しかし近年深刻な資金不足に悩まされていた希望ヶ峰学園は、以前から検討していた「予備学科」の導入に踏み切った。
これは資金集めの為だけの、ごく一般的な教育しか行われない学科だったが、希望ヶ峰のブランド力に惹かれ入学希望者は殺到した。
彼らからの異常に高い授業料という、潤沢で恒久的な資金源を得た希望ヶ峰は、更に天才の育成に力を注いだ。
そして完成したのが、カムクライズルという生徒だった。
彼は、ありとあらゆる才能を身につけた、人類史上最も優秀な天才。職員たちは彼を『超高校級の希望』と呼んだ。
そして、彼を守るために職員たちは彼の存在を、他の生徒たちからも世間からも隠した。
しかし、そのカムクライズルが、「希望ヶ峰学園史上最大最悪の絶望的事件」を起こしてしまった。
学園でも最も優秀な生徒13人で構成される生徒会、そのメンバー全員を、彼が突然惨殺してしまったのである。
学園は、カムクラを守るために事件を隠ぺいした。
しかし、それを嗅ぎ付けたある女生徒が、事件を利用して以前から待遇に不満を募らせていた予備学科の生徒を焚き付け、一斉蜂起させた。
そしてその暴動が、人類史上最大最悪の絶望的事件へ繋がっていった。
最初は予備学科生の抗議活動にすぎなかったそれは、ネットのコミュニティを介して膨れ上がった。
社会不安を背景に持つデモだったそれは徐々にエスカレートし、過激な破壊活動に発展していった。
そして目的と手段が入れ替わり、強者が弱者を殺戮し、弱者がさらに弱者を殺し、弱者が徒党を組んで強者を嬲り殺す、そんな事が当たり前になって行った。
世界がその異変に気付いたときは既に遅く、各国は意味のない戦争に突入していた。
もう、誰にもその絶望感は止めることができず、世界は爆発的に崩壊していった。
もちろん、そうなる様に人類を操った集団がいた。最初の蜂起を焚き付けた女生徒を中心とした、『超高校級の絶望』と呼ばれる集団。
彼らは希望ヶ峰学園が認めた才能を、人類の希望の為でなく、人類の絶望の為に使ったのだ。
彼らは既存の価値観を覆し、民衆を洗脳し、殺戮を日常の物とし、絶望で世界を塗り尽くした。
彼ら、『超高校級の絶望』が全滅しない限り、人類史上最大最悪の事件は終わらない。
その超高校級の絶望とはそもそも、とある最強にして最恐にして最凶の女生徒、江ノ島盾子一人を差す言葉だった。
カムクラの起こした事件を利用し、予備学科生を焚き付けたのも彼女だ。
盾子には、人を惹き付け、人の価値観を塗り替える才能があった。歴史上の独裁者の多くがそうであったように。
彼女は、事態を鎮静すべき層すら操り、広大なコネクションを駆使して世界に絶望を広めていった。
彼女の手足となった者達は、彼女という絶望を怖れ敬い、それから逃れる為、あるいは近付く為に、あらゆる絶望を彼女に捧げ続ける。自分たちの命すらも厭わずに。
現に、役目を果たした予備学科生2357人は、彼女の命令に応える為、ただそれだけの為に、たった一人を除いて全員が集団自殺を遂げている。
その彼女も、自らが仕組んだ殺し合い学園生活で、『超高校級の希望』に敗れ自ら命を絶った。
その学園生活を生き残った6人の希望達は、外の世界への脱出に成功している。
日向は、理解不能な情報の洪水に呆然としていた。自分も、江ノ島盾子とやらに心酔していたのだろうか。
2357人のうちの、たった一人の生存者なのだろうか。
校内には、各所にやたら怖い顔のじいさんの肖像画がかかっていて、『希望ヶ峰学園設立者 神座出琉』とプレートが付いている。
この名前、やはりああ読むのだろう。希望ヶ峰きっての天才と、学園設立者の名が一緒なのは何故なのか?
校内に散らばっていたのは、希望ヶ峰の情報だけではない。未来機関のメンバーがやりとりしたと思われるメールが、切れ切れにホログラムとして空間に浮かんでいた。
そこから分かる情報を以下にまとめる。
未来機関とは、人類史上最大最悪の絶望的事件に対抗するべく結成された、希望ヶ峰学園卒業生達による組織である。
彼らが現在急務としているのは、江ノ島盾子を失った「超高校級の絶望」達の残党狩り。
どこに潜んだか杳として知れないが、江ノ島級の次期指導者が準備されている可能性もある。
彼らを発見し、殺処分すること。それが事件を終わらせるための唯一の道だというのが、未来機関の方針だ。
未来機関は、希望ヶ峰学園の生き残りだと名乗る少年少女の、各地で合計15名の保護に成功した。
彼らがどうやって人類史上最大最悪の事件を生き延びたのか不明だが、
怪我を負っている者や飢えている者もいて、過酷な状況を生き延びてきたことが推測される。
彼らへの聞き取り調査は、同年代という事もあり、『コロシアイ学園生活』の生存者たちに任された。
この15人というのが、七海を除いた日向達15人の事なのだろうか。
そう考えていた矢先、日向は被験者リストというデータを見つけた。まさしく日向達15人の名前が列記されている。
その中に十神白夜の名はなく、「超高校級の詐欺師の人」という適当な呼び名が印字されていた。
そこに、新聞記事が添えてあった。それは、超高校級の日本舞踏家西園寺日寄子の活躍を讃える記事だったが…
その、西園寺日寄子と名が添えられた写真には、スラリと背の高い和服美少女が映っていた。
日寄子の面影はあるが、日寄子はもっと子供体型で、それで色々許されていたはずだ。
一体、どういうことなのか?そして、被験者とは一体?
未来機関のメールを読んでいくうちに、気になる一通を見つけた。
「未来機関第14支部 苗木誠へ
君は今、一体どこで何をしているんだ?君がしていることは、重大な規則違反なんだぞ。
何故、絶望の残党を庇うんだ?君は、彼らに騙されているんだ。
彼らを抹殺することが、人類史上最大最悪の事件を終わらせる唯一の道だと、君にも分かっているはずだろう。
いいか、君達6人を救い出し、記憶を取り戻すことに協力したのは未来機関なんだぞ。
全ては希望溢れる未来の為なんだ。すぐに彼らを我々に引き渡しなさい。」
この苗木誠という男は、何故か江ノ島盾子の手下達を庇っているらしい。
それにしても、調べが進むうちにいよいよ学園内の光景は非現実の度を増してきた。
今や、天地はひっくり返り、あらゆる文字は文字化けし、ポリゴンが欠け、物が宙に浮いている。
調べ回るうちに日向は、薄々感じていた予感を決定付ける情報を目にしてしまった。
新世界プログラムという物についての情報だ。
新世界プログラムは、最新サイコセラピー機器と、その管理プログラムで成り立っている。
超高校級のプログラマー、超高校級の神経学者、超高校級のセラピスト等、彼らの研究を活用して作られたこの機器は、
頭部に装着することで、全員に「共感覚仮想世界」を体感させる事ができる。
また、更なる特徴として、仮想世界での記憶情報を、現実世界の記憶情報と置換させることができ、
これによって、仮想世界と現実世界の情報に逆転現象を生じさせることが可能となっている。
ただし、あくまで心理療法の為の装置であり、他の用途での使用は固く禁じられている。
洗脳や人格支配に対する治療に効果的な反面、悪用されれば人格破壊の可能性もある為である。
これを読んだ途端、日向の中に虚無感が広がって行った。
これまでの何もかも、苦しみも喜びも、辛い別れも、何もかもが無為になる予感。
そして日向は、虚空に浮かぶ大きな黒いウィンドウを見つけ覗き込んだ。
そこには、華奢で小柄な少女の映像が浮かび上がっていた。
「新世界プログラムへ、ようこそ」
それは、「アルターエゴ」と名乗った。この新世界プログラムのプログラムマスターだという。
この仮想世界の構築と管理を担当しているが、被験者へ干渉する権限は、大部分が『監視者』の物である為、アルターエゴは手を出せないらしい。
「分かりやすく言うと、ボクはマンションの管理人みたいなものかな。建物を管理する能力はあるけど、部屋の中までは力が及ばない…。
でも今はウィルスが僕の管轄下まで侵入してきて…そのせいで、僕が管理する世界そのものがおかしくなってしまったんだ。」
アルターエゴに、ここは一体どこなのか、と質問した。
アルターエゴ曰く、ここは新世界プログラムが構築した仮想世界。
今回は妙に急な起動で、世界を構築するための情報の収集の時間も取れなかった為、この実験施設があるジャバウォック島のデータを流用したのだという。
だからここは、仮想世界に構築された、ほぼジャバウォック島であると言えるそうだ。
アルターエゴ曰く、新世界プログラムとは、希望の為の装置。
被験者の任意の期間の記憶を消去し、そこにこの仮想世界で得た記憶を書き込む装置だ。
日向達はここで、2名の監視者に見守られ、希望の為のプログラムをこなしていくはずだった。
2名の監視者は、それぞれ教師と生徒という設定で皆に影響を及ぼす。
教師ポジションの監視者には、ルールの設定等の権限が与えられている。
しかし、どこかからウィルスが入り込み、その教師の権限を横取りしてしまった。
新世界プログラムはスタンドアローンで動いている為、ネットからウィルスが入り込む可能性は無い。
おそらく、島外から誰かが外部記憶装置を持ち込み、ウィルスを侵入させたのだろう。
恐ろしく優秀で凶悪なウィルスとアルターエゴは、今日まで激しい攻防を続けてきた。
その結果、深部までの侵略を許してしまってはいるが、アルターエゴはまだプログラムの根幹の防衛は果たしている。
だからそのウィルス―モノクマは、教師役の監視者という権限を乗っ取っている限り、その役割のルールに従わざるを得ないのだ。
そこまで話したところで、モノクマが割り込んできた。
「いくら神様ポジションだからって、それ以上話すと、キミ」
モノクマが突然何重にもブレて固まった。
そして、今までアルターエゴが映っていたウィンドウから、少年の声が聞こえてきた。
「ねぇ、聞こえてる?アルターエゴが、なんとか通信を繋げてくれたんだ。誰か、そこにいるんだよね?」
こちらの声は聞こえていないらしいその声は、始めに謝罪した。
「ボクも、正直言って迷っていた。実験段階のプログラムを君たちに起動してもいいのかって。
だけど、これしか手段がなかった。ボクは君達を救いたかったんだ!」
しかし、危険が無いはずのプログラムの中にウィルスが侵入し、新世界プログラムは暴走した。
外からの命令も、シャットダウンも受け付けず、外にいる彼らは殺し合う日向達の姿をモニタから見せられ続けた。
だが、声の主は監視者の暴走を考慮に入れ、二つ保険を用意しておいた。
それが、プレイヤーにのみ与えられ、教師役に拒否権の無い「強制シャットダウン」の権限と、緊急用パスワード『11037』だ。
「この数字はね、ボクの仲間が、ボクを助けるために残してくれた数字なんだ。
ボクの気持ちも同じだよ。この数字の意味を、忘れないで。」
日向達が強制シャットダウンを望めば、教師役の意思を無視して、終りを選択することができる。それはモノクマに対する強力な武器となる。
ただそれには、参加プレイヤーの過半数の承認が必要だ。
「今はまだ人数が足りない。モノクマは卒業試験を悪用して、君達を絶望に突き落としに来るはずだ。でも、希望を持ち続けて欲しい。
ボクがそっちに行くまで、持ちこたえてくれ!」
砂嵐と共に、ウィンドウにはアルターエゴが戻り、モノクマが再び動き出した。
モノクマは、停止していた間の記憶は無いらしい。アルターエゴの目配せに、今の事をモノクマに悟られないよう口を噤んだ。
そこでチャイムが鳴った。卒業試験が、始まる。
【卒業試験】
指定された赤い扉をくぐると、そこはあの遺跡の中の裁判場だった。
そこに5人で並ぶと、モノクマが試験のルールを説明し始めた。
今まで投票に使っていたタッチパネルに、「卒業」と「留年」の二つのスイッチが表示されている。
卒業を押せば、この島から出て修学旅行は終了。留年を押せば、この南国生活がこのまま続く。
ただし、卒業を選んだとしても、教師役が許可を出さなかった生徒はそのまま留年しなければならない。
ただこれは、教師役の監視者という権限にくっついてくる義務だそうで、形式的なものだとモノクマは言う。
すぐにも卒業を押そうとした一同を押しとどめて、モノクマはいつもの学級裁判形式で試験を始めた。
最初の議題は、「ここは一体どこなのか?」
仮にモノクマがばらまいた情報を信じ、アルターエゴとの接触を考えるに、
ここは、新世界プログラムによって現実のジャバウォック島を元に構築された、仮想現実世界だ。
この島で非現実的な展開が次々起こったのも、モノクマのめちゃくちゃな力も、
「ゲームだから!この一言で全部片付くんだよ!」
モノクマはそう言って高笑いするのだった。
「待てよ!じゃあ、俺らは一体なんなんだよ?まさか、架空の存在とか言わねぇよな!?」
九頭龍の問いにモノクマが答えて曰く、
日向達は、今現実世界で新世界プログラムの機器に繋がれ、ポッドの中で眠り続けている本体の脳内情報から、
希望ヶ峰学園で過ごした数年間の記憶を取り除いて再構築された架空の人格、
ゲーム上における自己の分身、『アバター』なのだという。
そんなバカなことがあるはずがない。
皆そう言って抗うが、手持ちには嫌な材料ばかりが揃っている。
まず、数年間の記憶を奪われているということが事実な否か。
西園寺日寄子についての新聞記事の写真が本人なら、本当の日寄子はその奪われた数年の間に成長し、
自分たちの知っている日寄子が小さいのは、入学前の記憶から作られたアバターだからだと考えると筋は通る。
記憶喪失を認めるなら、仮想世界の可能性も認めざるを得ない。
生身の体であったら、記憶にない急成長を不審に感じるはずだからだ。
「俺とペコは、ほとんど毎日面突き合わせてきたんだ…急に数年記憶が飛んだら、見た目の変化に気づかないはずがねぇ…」
九頭龍は青い顔でそれを認めた。
なら、今感じている自分の鼓動も、床を踏みしめたこの感触も、傍らに感じる仲間の気配も、全て脳の中で作られた幻なのだろうか?
ここでソニアが、ある死刑囚の話を始めた。
彼は拘束され目隠しをされて、足の指に血を抜き取る為の傷を切開された。
しかし、彼がずっと血を抜いている音だといって聞かされていた水音は、ただの水を滴らせていた音。
彼は本当は血を抜かれてなどいなかった。なのに、彼は死んでしまった。
脳がリアルだと感じれば、それがその人のリアルになる、という話だ。
自分達にも、同じ現象が起こっているのだろうか?
「…ていうかよ、ゲームならゲームでいいじゃねぇか。」
九頭龍の表情が急に明るくなった。ここが仮想の世界なら、この中で死んだ皆は現実には生きていることになる。
5人は色めき立つが、モノクマが愉快そうにそれをブチ壊した。
「リアルなウソはリアルになる。オマエラそう言ってたばかりじゃない。」
この世界で死ねば、脳は自己の死を認識する。装置によって生命活動は維持されているが、2度と目覚めることは無いという。
一度期待しただけに、突き落とされた時のショックは大きい。
自分たちにこの苦しみを強いた、未来機関とは一体何者なのか?
皆、怒りに任せ未来機関を敵だと罵るが、そう片付けてしまっていいのだろうか?
そもそも、このゲームは最初平和そのもので始まった。モノミがモノクマにやられたところからおかしくなり始めたのだ。
モノミと七海の正体は、『監視者』―つまりNPCだったのだとモノクマは言う。
七海は生徒として皆に混じり、皆が危険な方向へ流れそうになった時それを止め、
モノミは教師として、ルール作りと違反者を罰する権限を持ち、そのルールによって皆が危険な行為に及ぶのを防いでいた。
そして、そう作られた彼女たちには、どんなに日向達を助けたくても、
ここが仮想現実世界であるという事実に触れる事柄は、一切口にすることはできなかった。
NPC=ノンプレイヤーキャラクター。操作する人間を持たない、プログラム上の存在。
七海がそのNPCだった事に衝撃を受けつつも、それでも日向達の彼女への友情は変わらなかった。
七海は確かに存在していた。自分たちは彼女に命を救われたのだから。
「ゲームキャラへの感情移入はほどほどにね。」
こちらをおちょくるモノクマを睨みつける。そう、こいつこそ一体何者なのか?
そういえば、未来機関が『世界の破壊者』だという情報も、モノクマが一方的に与えてきただけの物だ。
「いやいや、未来機関は世界の破壊者ですよ。少なくともこの場にいるボクらにとってはね。」
うそぶくモノクマを更に問い詰めたが、モノクマは答えなかった。
「ボクの正体を明かす前に…どうやら例のメインキャストが来たようですね。」
「何が世界の破壊者だよ…。未来機関は悪くない。」
裁判場の空席に、突如モザイクの嵐と共に一人の少年が姿を現した。
優しそうな雰囲気の、小柄で目のクリっとした少年だ。
「ボクの名前は苗木誠だ。キミ達と同じように元希望ヶ峰学園の生徒で…今は、未来機関に所属している。」
唐突な未来機関の一員の登場に、5人は驚き戸惑う。
「そうか、俺らを助けに来たんだよな!?だったら早く助けてくれよ!」
左右田の叫びに、苗木誠はすぐには答えずこちらを厳しい目で見つめていた。
「…もちろん助けるのはかまわない。でもその前に、キミたちは自分たちの置かれた状況をキチンと理解しなくちゃダメだ!」
モノクマに提示された手がかりを繋げて考えてみろと苗木は言う。
「ねぇ、君達はどうして新世界プログラムにかけられたんだと思う?
新世界プログラムは、別名『希望更生プログラム』とも呼ばれているんだ。ここまで言えば、自分たちの正体が分かるよね?」
「俺たちは、未来機関に保護された『希望ヶ峰学園の生き残り』じゃないのか…?」
込み上げる不安に青ざめながら、そっと尋ねると、苗木は容赦なく鉄槌を下した。
「『希望ヶ峰学園の生き残り』、『超高校級の絶望の残党』。どちらも、君達を指す言葉だ。」
未来機関は、分かれて行動していた日向達を、希望ヶ峰学園の生き残りとして保護した。
その聞き取り調査を任された苗木とその仲間は、聞き取りが進むうちに、彼らが絶望の残党である事を知り驚愕した。
未来機関に日向達を渡せば、殺処分は免れない。苗木はすぐに15人全員を連れて逃げ出した。
そしてジャバウォック島に渡り、新世界プログラムを使用して日向達を絶望から救い出そうとしたのだ。
そんなバカな。超高校級の絶望といえば、世界を破滅に導いた張本人ではないか。
混乱する一同をよそに、苗木は淡々と日向達の正体を語った。
人間性のかけらも残っていない、人の形をした絶望。
呼吸をするように、いたぶり尽くし、焼き尽くし、破壊し尽くす怪物たち。
「それを知ってしまったからこそ、狛枝クンはあんな事をしてしまったんだろうね。」
モノクマが狛枝に渡したファイルには元々、絶望に堕ちた後の経緯も含め、全員の入学後のデータが揃っていた。
全てを知った狛枝は、彼の信念に基づき、自分を含めた全ての絶望を抹殺しようとしたのだ。
それでも、どうしても自分達とそんな非人間的な怪物が繋がらない。
苗木は、日向達が入学後ある女生徒から強烈な影響を受け、彼女に屈し、絶望へ堕ちてしまったのだと言う。
『超高校級の絶望』江ノ島盾子。彼女から受けた洗脳の記憶を取り除けば、日向達自体は危険人物では無くなるのか、それを見極める為のプログラム実行でもあったという。
苗木の話を信じようとせず、闇雲に否定する一同を、苗木が一喝した。
「目を背けちゃダメだ!!」
その一瞬、日向の脳裏に覚えのないビジョンが浮かび上がった。
薄暗い船室で、こちらに身を乗り出している狛枝の笑顔。狛枝の袖口から覗いているのは、赤い爪の女の左手だった。
「少し思い出せたみたいだね。」
苗木曰く、絶望達は、友人も家族も、自分の体ですら躊躇なく破壊する。
飢えによる絶望を得ようとして骨と皮だけになった者。自分の家族の命を江ノ島に捧げた者。江ノ島の死後、彼女の後追い自殺を強要して一般市民を大量虐殺した者。
自分の中に彼女を生かす為、自分の片手を切り取り彼女の手を移植した者。彼女の見ていた絶望を見ようと、彼女の片目を自分へ移植した者。彼女の子孫を得ようと、彼女の中から…
「もうやめろおおおおお!!!!」
日向は絶叫していた。
嫌でも、脳裏には罪木の姿が蘇っていた。記憶を取り戻した途端、仲間を無意味に殺戮し、誰かへの妄信的な愛を語り、絶望を振り撒いて死んでいった彼女。
あれが、自分達の正体だと言うなら、じゃあ、今ここにいる自分達は一体、どうしたらいい?
「外の世界の自分たちに絶望しちゃったんだね。でも大丈夫、そのために新世界プログラムはあるんだから。」
卒業を選べば、今ここにいる自分達が、本体の人格に上書きされる。
本体の肉体の欠損部分や、もう死んでしまっている仲間たちに関しては状況は変わらないが、この人格のまま、日向達5人は現実世界に戻れるのだ。
5人で、何を選択すべきか話し合った。
外にいる自分達の体は滅茶苦茶な状態かもしれないし、全世界に処刑を望まれている大罪人だ。
それでも、外に出るべきだ。そうでなければ、その座をかけて戦い死んでいった仲間達に顔向けできない。
そう結論が出たが、日向はふいに違和感を感じた。
モノクマが先ほどから何も口出ししてこないのだ。ここで日向達を大人しく卒業させるなら、こいつの目的とは何だったのか?
大体、この苗木誠を信用してもいいのだろうか?日向は彼にも違和感を感じていた。
仲間に、結論を出すのを少し待ってくれと頼むと、その苗木が絡んできた。
「君達なんか、本来見捨てられてしかるべき人間なんだぞ。助けてやるって言ってるんだから、大人しく従えよ。
未来機関に逆らう気なのか?」
アルターエゴを介して話しかけてきた人物と、この苗木誠の人格は決定的に重ならない。
お前は偽物だと糾弾すると、モノクマが割り込んできた。
「どう見ても、可愛いと評判の苗木クンじゃん!偽物だっていうなら、証拠を出してみなよ!」
日向は、パスワード「11037」を突きつけた。本物なら、この数字の意味が分かるはずだ。
「え?えっと……何だったっけ…?おかしいな…むしろ、君達はそれをどこで知ったの…?」
しどろもどろになった苗木は、やがて諦めたように笑い始めた。
「うぷぷぷ…結構いい線いってると思ったんだけどなぁ。」
登場した時と同じく唐突にその姿が掻き消え、モノクマが自作自演を認めて恥らって見せた。
「今のあいつは、俺たちを外に出そうとしていた。
だったら、それがお前の目的か?そこにお前の罠があるのか?」
「あーあ…見透かされちゃった…スケスケになるまで見透かされちゃった…」
頭に来た皆が、モノクマをリンチにかけようとするのを制して、
モノクマはラスボスとして変身の一つや二つしておくと言い出した。
「さて…それではお目にかけちゃおうか…第二形態も第三形態もすっとばした、最終形態を!」
モノクマの周りに光が集まっていく。日向は何故か、頭の中がチリチリと焦げ付くような不安を感じた。
突如、裁判場の壁が轟音と共に崩れた。土煙の中から、巨大な手がバシリと床を叩く。赤く塗られた長い爪。
壁の外は、何もないポップな柄の空間。その下方から、手のサイズに見合った女がぬっと顔を出した。
クマの髪飾りで二つに結われた髪、豊かな谷間を覗かせた派手な改造制服、ギャルメイクが施された美しい顔。
その全てが、規格外にデカかった。床に頬杖を突いた女は、人間一人分くらいはある巨大なデコケータイを、ドカリと空席に突きたてた。
その画面には、ようやく普通の人間サイズの、同じ女が映っている。
「ふーん、LLサイズの女子高生を見ると、人ってそんなリアクションするんだ。」
画面の中の女は、慌てふためく日向達を愉快そうに眺めている。
「俺たちは、こんなのを相手にしねーといけねーのかよ…!?」
「こんなの呼ばわりなんてショックです!酷いですよ、センパーイ!」
女はキャラをコロコロと変え、自分の「死んだ後まで飽きっぽいなんて、絶望的です」と嘆いた。
「もしかして…お前が江ノ島盾子か?」
死んだはずの江ノ島盾子が、何故ここにいるのか?
「アンタらは、人工知能アルターエゴって知ってる?
そうなのじゃ!今の私様は人工知能なのじゃ!人類すら超越したのじゃ!」
あまりにもデタラメな話に、思考が追い付かないが、江ノ島のマシンガントークは待ってくれない。
「ほら、アタシってこんな性格だから、すぐに死にそうじゃん?
だから、生前に予め作っておいたんだよね。自分の人工知能プログラムをさ…
で、そんなアタシを誰かがこの新世界プログラムへと導いてくれて、
こうして江ノ島アルターエゴが、アンタらの前に絶望的に姿を現したってわけよ!」
こいつが、自分達を絶望へ堕とし、世界の終りを企てた、江ノ島盾子…
でも、だからって、どうすればいいのか?それがわかったところで…
「俺たちに何ができるんだ?とか警戒しないで下さいよ、先輩!
同じ超高校級の絶望じゃん!クラス全員に優しい委員長からすら、道端の痰を見るような目を向けられる者同士、仲良くよっ!ね?」
ぜ、絶対に嫌だ!皆のブーイングに、江ノ島は急にガックリ肩を落とした。
「あーあ、嫌われた…せっかく先輩方の為を思って、卒業プログラムを改竄したのに…」
江ノ島は、あのカウントダウンの話を持ち出した。あれは特に意味は無く、あの日付が終わるまでに日向達を卒業試験に送り込めるかという自分ルールだったらしい。絶望的にしょうもない話だ。
そしてその間ずっと、江ノ島はモノクマを演じる傍ら、しこしこ頑張って本家アルターエゴの防衛を掻い潜りプログラムの改竄を続けていた。
「すっげーーぇ大変だったんだぜっ!!卒業プログラムはシステムの根幹を為す存在だから、厳重に暗号化されて守られてやがった!
あやうく、自分の大したことなさに絶望するところだったぜっ!」
努力の甲斐あり、江ノ島は卒業プログラムのデタラメな改造に成功した。
このままではご褒美成分が少ないので、卒業を選んだら、死んだ皆も現実では目を覚ますようにしたというのだ。
そんな都合のいい話があるのだろうか?さっきまでの、リアルなウソがどうたらという理論はどうなったのか?
「死んだあいつらが生き返るなら、理屈なんてどうてもいいだろっ!!」
九頭龍はそう吠えるが、日向はいまいち納得がいかなかった。
「そうすると、お前にどんな得があるんだ?」
そう江ノ島に尋ねるも、江ノ島はすぐに卒業を押さないと留年を選んだとみなすと脅しをかけてきた。
でも、卒業しかないはずだ。皆で揃って帰れるならそれ以上の選択肢はないはず。
日向達は、卒業のボタンに手を伸ばした。
「それは違うよ!!」
鋭い声に遮られ、みんな手を止める。空席に、モザイクの嵐と共に、またも苗木誠が姿を現した。
「押しちゃダメだ!それが、江ノ島の罠なんだ!」
今度こそ本物だ、と江ノ島は嬉しそうに微笑んだ。
「ボクの名前は苗木誠。未来機関の苗木誠だ!」
彼は、すぐに助けに来られなかったことを皆に詫びた。ずっとそうしようとしてきたが、その度にウィルスに阻まれてきたらしい。
「このタイミングで侵入できたことも、お前が仕組んだものなのか?
いや…だとしてもかまうもんか!ボクは絶対にみんなを助けてみせる!そして、お前との因縁にも決着をつけるぞ!」
「雑魚どものピンチというタイミングで、こうして主人公が颯爽と現れましたとさ!
きゃはー!かっこいいーー!ヨダレがブリュブリュ出ちゃうー!」
どんなにかっこよく、そして裏技介入でこの中に来たとしても、江ノ島という教師役に従う生徒役というポジションは変わらない。
彼女が認めなければ卒業が叶わないという事も同じ。だが、それを承知で苗木はこの中に来たという。
「相変わらず捨て身の希望だねー。そんなアンタが、生理的に受け付けないくらい好きよ。」
苗木は江ノ島に取り合わず、江ノ島の真意を皆に話して聞かせた。
アバターが消えるという事態は想定されたことが無く、一度消失してしまったアバターは、二度と蘇ることはない。
江ノ島は、アバターの消えたメンバーに、自分のアルターエゴを上書きするつもりだ。
つまり皆は生き返る訳ではなく、江ノ島に体を乗っ取られた状態で目を覚ますということ。
乗っ取る体を増やすために、江ノ島は日向達に殺し合いをさせていたのだ。
ならば何故直接全員を殺さなかったのか?それは、江ノ島もまたルールに縛られていたから。
「教師は、規則違反があった場合以外、生徒に直接干渉しない」というモノミが作ったルールに、日向達は守られていたのだ。
「でも、全然別人になる訳でもないよ?先輩たちのデータはアタシの中に蓄積されてるから、そのままの人格を演じることも可能です。
九頭龍先輩のデータもたんまりあるから、より九頭龍先輩好みの辺古山ペコさんを演じられちゃったりしてね。」
「ふざけるなあああ!!あいつらの命を、何だと思ってんだよ!?」
「雑魚。」
九頭龍の雄叫びを、江ノ島は冷たく一言で切って捨てた。
絶望は彼女にとって、目的でも理念でも本能でもなく、自分が自分である為の定義付け。何の目的もなく、ただ絶望を求め振り撒くことができる。
彼女は自分を増やして未来機関を制圧、そして新世界プログラムを利用して人類総江ノ島化なんていう絶望的にふざけた計画を練っていた。
それを阻止するためには、自分たちを留年させ、ここに江ノ島ごと留まらなければならない。
「未来機関にとっては都合のいい話だよね。超高校級の絶望をまとめて閉じ込めておけるんだから。」
自分達がやって来たことは何だったんだろう?仮想世界の中で、絶望同士で殺し合っただけだったのか。
自分たちが、生きて帰りたいと思ったこと自体が、そもそも間違いだったのか?
「諦めちゃダメだ!!」
絶望に塞がった思考を、苗木の言葉が弾丸のように切り裂いた。
江ノ島だけをここに閉じこめ、日向達を助け出す方法があるのだという。それが、強制シャットダウンだ。
しかし江ノ島は、それについても承知していた。参加人数15人の過半数が、同時に強制シャットダウンを選ばなければそれは実行されない。
苗木を入れても現在の人数は6人。全然足りてない。
それでも、いやむしろ勝ち目があるからこそ、苗木はプログラムの中にやってきた。
「ボクは彼らを信じてるんだ!彼らなら、きっと来てくれるはずだって信じてる!」
彼ら…?訝しんだ次の瞬間、再びモザイクの嵐が巻き起こった。
「そんな事、わざわざ言われるまでもないわね。」
長い銀髪の少女が、空席に姿を現した。
「何が信じているだ。付き合わされるこちらの身にもなってみろ。」
引き締まった体の、本物の十神白夜が苗木を睨んでいる。
「霧切さんに十神くん!やっぱり来てくれたんだね!」
彼らもまた、未来機関の一員であり、前回のコロシアイ学園生活の生き残りだ。
これで8人、すぐにでも強制シャットダウンを実行しようとする十神に、日向はおそるおそる聞いた。
強制シャットダウンをすると、自分たちは一体どうなるのか?
霧切と苗木が言うには、強制シャットダウンを行えば今回のプログラム内にあった全ての物は消去される。
架空のジャバウォック島も、今回の為に用意されたNPCも、構築されたアバターも。
つまり、今の日向達は跡形もなく消えて超高校級の絶望として目を覚まし、死んだ仲間は死んだままで、プログラムの中にしか存在しなかった七海の存在は完全に消えてなくなる。
「おい、そんな事まで言う必要があるのか?」
と十神は苗木達をたしなめた。という事は、3人は是が非でも強制シャットダウンを選ばせたいのだ。
それもそのはず、卒業に江ノ島の承認が必要な以上、強制シャットダウン以外に3人が現実に帰る手立てはない。
でも、自分たちは?日向達には、今の自分達を失くし絶望に戻るという絶望的な未来しか待っていない。
「それがお前たちの過去だ!過去からは誰も逃げられないんだ。」と十神は責任を追求する。
「君達は洗脳されているだけなんだ!必ず、今みたいな状態に戻れるはずだよ!」と苗木は励ます。
「私たちが精一杯サポートするわ。抹殺なんて、絶対にさせない。」と霧切が請け合う。
「だから、僕たちと一緒に戦ってほしいんだ!」
それでも日向達は即答できなかった。ここで起きたすべての事が、何の意味もなく、記憶ごと消えていくなんて。
江ノ島は、この殺し合いがそもそも何の意味もない事だったと嘲笑う。
日向達の殺し合いは、苗木達希望をこの仮想空間に誘き寄せるためのおとり。
絶望達があえて未来機関に保護されたのは、絶望VS希望の延長戦を用意する為。
要するに、この殺し合いを仕組んだ犯人自体が、日向達本人なのだ。そうなるよう計算し苗木を利用して、ここに江ノ島アルターエゴを持ち込んだ黒幕がいる。
「そう、アンタ達を絶望させるのはアタシじゃなくて、この後登場する黒幕よ。
という訳で、カムクライズルさんの登場でーす。」
神座出琉。希望ヶ峰創立者の名を付けられた、希望ヶ峰の誇る超高校級の希望。
彼は江ノ島に利用され、生徒会メンバーを惨殺してクーデターのきっかけを作った後、姿を消した。
既に江ノ島に殺されているだろうと未来機関は予測していたようだが…
「失礼しちゃうよねー。カムクライズルはちゃんと生きてるよ。ねっ、日向クン!」
突然話を振られて、日向はぽかんとするしかなかった。
「予備学科予備学科とバカにされていた日向クンに朗報でーす!
現実の日向クンには、超高校級の希望と言う才能があったのでーす!」
「な、なんだよそれ!俺たちを騙してたのか!?」
「まさかの叙述トリックなんて嫌ですよ!」
「ちっ違う!俺はやってない!俺は、生まれたときから日向創だって!」
支援
支援
その日向創が、後に希望ヶ峰の誇る天才『神座イズル』になるのだ。
そもそも、希望ヶ峰学園自体が設立された理由こそが、神座イズルを作り出す事であった。
人工的に才能を作る。
その悲願の為に、希望ヶ峰は長年才能を持つ生徒たちを研究してきた。
設立者の名を冠し、カムクライズルプロジェクトと称されたその計画は、とうとう実行段階に移され、
才能の受け皿として、才能を持たない予備学科生が目を付けられた。
「あんたは誰よりも希望や才能に憧れていた。そこを希望ヶ峰学園に付け込まれたんだよ。」
才能を人工的に開花させるなんて、よっぽどの事をしないと無理だ。だから希望ヶ峰学園は、よっぽどのことをした。
外科的措置による脳への直接干渉。そして日向創は、初の成功例としてカムクライズル1号になった。
そこには日向創は残っていない。
才能の獲得に邪魔な、感覚も感情も記憶も思考も嗜好も趣味も、全て意識下へ封印された、才能だけに特化した別人格、それが神座イズルだ。
そして神座は江ノ島によって絶望に堕ち、江ノ島アルターエゴを持ち込んで今回の殺し合いを用意した。
日向創がここにアバターとして再現できたこと自体、江ノ島には驚きだと言う。
新世界プログラムが、脳の奥底から記憶や感情をほじくり返して掻き集め、どうにか再構築されたのが今の日向創。
だから強制シャットダウンを選べば、日向創は消え失せる。
「助かる方法は無いのかって?アンタはもう知ってんじゃん!」
「…そうか…、普通に卒業を選べばいいだけ…か……」
卒業を選べば、神座イズルに自分が上書きされる。この人格のまま現実に帰ることができる。
「それはダメだ!」十神が怒鳴る。
「そりゃそうだよね。そうされると、未来機関の皆がここに取り残されちゃうもんね。
超高校級の絶望なんかの為に、未来機関が犠牲になることはできない。もー、最初からそう言えばいいじゃん!」
「そんなこと言っていないわ。ただ、私たちは…」
「世界を絶望から救わないといけない?はいはい、聞き飽きたって。
そもそも、その世界って、自分の存在を懸けてまで救わなくちゃいけないの?
世界が幸せでも、自分が幸せじゃなきゃ意味ないじゃん。」
自分達の記憶と人格を犠牲にして強制シャットダウンしたところで、苗木たちが力及ばなければ、日向達は未来機関に殺されるのだ。
江ノ島は、画面の中で日向達に向き直った。
「…で、アンタらはそれに堪えられる訳?
ここで起きた事の何もかもが、無意味なただのゲームとして終わって…
ここで感じた感動や友情や愛情や何もかもがセーブデータにも残らないまま消えちゃって…
大好きな彼女は動かないまま衰えていって、大嫌いな彼も眠ったまま痩せ細っていって…
日向クンに至っては、存在そのものが消えてしまう…
そんな絶望に堪えられんのかよ?誰のために堪えるんだよ?
顔も知らない連中の為にか?感謝すらしてくれない連中の為にか?
…それは“希望”なのかよ?」
「惑わされちゃダメだ!それが江ノ島の手なんだよ!」
「そいつの戯言に耳を貸す必要は無い!それよりさっさと強制シャットダウンを!」
未来機関の3人は、強制シャットダウンの必要性を日向達5人に説く。
ようやく混乱から立ち直りつつある世界…そこにまた江ノ島を復活させれば、大勢の犠牲が出るだろうと霧切は言う。
「だから、それを防ぐ為に強制シャットダウンしろと。
で、記憶のすべてを失って超高校級の絶望に逆戻りしろと。中には存在そのものが消える奴もいるけど、ガマンしろと。」
江ノ島の言葉に、3人は歯切れ悪く「それしか方法が無い」と答えるばかり。
方法ならある。卒業すればいいだけだ。未来機関の3人はここに閉じ込められ、世界は混乱に陥るだろうが、自分たちは助かる。
…そのどちらかを選べっていうのか。自分の希望と世界の希望の選択を迫られるなんて。
そんなの選べない。どうして自分がこんなことに巻き込まれなくちゃならない?何の才能もない自分が。もう放っておいてくれ。
「絶望だの希望だの、勝手にやってくれ!俺には関係ない!!」
日向の出した答えに、他の4人も同意する。選べない。こんな責任負えない。
「ひ、日向クン……」
苗木が青白い顔でこちらを見つめている。
「あーあ、また私の予想通りになっちゃった。こうやって何もかもが予想通りってのもさ、絶望的に退屈なのよね。
まぁ未来を望まないっていう未来もありだと思うよ。希望しなければ絶望に襲われなくても済むんだし…
私だってそう、絶望を求めなければ希望なんてしなくて済む。みんなで呪いから解き放たれて、ここで仲良く立ち止まってようよ!
ずっと…この南国生活にどっぷり浸ってようよ…ずっと…ずっとずっとずっとずっとずっと…」
気づけば、最初の砂浜に、16人全員が並んでいた。
皆笑顔だ。もうこれでずっとみんな一緒に居られる。この南国の楽園で永遠に続くゲームを、16人全員で…
「…違うでしょ。みんなはゲームなんかじゃない。」
笑顔の皆の中、七海がこちらを見た。
その途端、砂浜は消え去り、真っ暗な空間に日向と七海だけが残された。
「ゲームなのは私だけ。みんなはそうじゃないでしょ。」
消えたはずの七海が、目の前にいる。彼女は自分の中の記憶にいる七海なのだろうか?
「お前だって嫌だよな?俺たちの記憶が消えれば、お前がいたってことも無くなっちまう。」
日向は、この無茶苦茶な状況を愚痴り、選択なんて出来るわけないと零す。
七海は、例え日向達の記憶が消えても、日向達が自分の未来を生きる限り、七海が生きて戦った証は残っていると答えた。
そして、誰の為でもなく、自分自身の為に選び、その選択に責任を持たなければいけないと。
「でも、選べないなら創っちゃえばいいんじゃないかな?
ここはゲームだけど、みんなはゲームじゃないんだから、選択肢を作ることだってできるはずだよ。
みんなには必殺技があるでしょ?ほら、『やればなんとかなる』ってやつだよ。」
それは、今までどんな窮地に陥っても、やればなんとかなってきたけど…。
「ほらっ、いつまでウジウジしてるんだよ!自分に胸を張りたいんじゃなかったのか?」
七海が突然、珍しく大きな声を出した。
胸を張れる自分になることに、才能なんて本当は関係ない。大事なのは自分を信じられるかどうかだ。
「そろそろ、日向くんのかっこいいところを見せてもらおうかな?私も手伝ってあげるからさ」
気づけば、いつもの裁判場に立っていた。日向と七海の他に、14の空席に並んでいるのは、日向の顔をした男たち。
腰の下まで伸びた長い髪、感情を感じられない表情、暗く翳った瞳の色は、血の様に真っ赤。
これが現在の自分、絶望に堕ちた希望カムクライズルだ。
カムクラ達のネガティブな言葉の洪水に、こちらの言弾は「未来は創れる」この一つきり。
それでも全ての言葉を撃ち落として、日向はカムクラ達を打ち負かした。
「希望も絶望も背負った君達なら、きっと未来だって創れるよ。
都合のいい奇跡だって、やればなんとかなる!
だから、中途半端にウジウジしてないで、全てを捨てる覚悟で本気になってやってやれ!
私も、応援しているからさ。」
七海の声が遠くなっていく。また、言いそびれてしまった…
気づくと、周りではまだあの卒業試験が続いていた。
選択を放棄した皆を、未来機関の3人が必死に説得しようとし、それを見て江ノ島が嘲笑う。
「ぶつかりあうのは、どっちも希望。結論なんて、永遠に出ねーんだよ!!」
「それは違うぞ!!」
日向の声に、裁判場が一瞬静まり返った。
「きっと希望だけじゃない…絶望だって沢山あるだろうな…
どんな未来になるか分からないけど、でも、俺たちの未来は俺たちの物だ!もう、誰にも渡さないぞ!」
「……は?アンタ誰?」
日向の中で堰き止められていた何かが、封印を解かれ動き出した。
収まり切らない才気が日向の身の内から溢れ、火花の様に瞳から迸り光を散らす。その瞳は、真っ赤な火の色に染まっている。
「……カムクラ…!どうなってんのよこれ!マジもんのバグ!?」
江ノ島の表情が初めて険しく歪んだ。
「俺はカムクラじゃない!日向創だ!」
日向は、仲間たちに強制シャットダウンを呼びかけた。
用意された結末なんて知ったことか。そんなもので終わったりしない。みんなが繋いでくれた未来には、もっと大きな可能性があるはずだ。
まずは胸を張ってここを出て、それから未来を作っていけばいい。
「何言ってんの…そんな都合のいい話…。そんな強がったって、ここから出たら、どうせ記憶を失なうだけじゃん…」
江ノ島は、理解不能といった表情で呆れているが、ソニアはパネルに手をかざした。
「卒業と留年を、同時に押せばいいんでしたよね?
…えっと、わたくしにもよくわからないのですが…ただ見えたのです。」
真っ暗な深海を沈んでいくような気分になって、身動きが取れない程体が重くなって…
そんな時、一瞬だがソニアには確かに見えた。暗い海を照らす燈台のような、厳しいけれど暖かい光。
「きっと、あの光を照らしてくれていたのは…そういう事ですよね?日向さん。
私たちがこれから作る未来は、皆さんが作ってくれた未来でもあるんですよね?だったら…立ち止まれる訳ないですよね!」
「だからさ…自殺行為だって…」
江ノ島の言葉を鼻で笑い、九頭龍もパネルに手をかざした。
「自殺行為なのは百も承知だ。俺らのメリットなんて見当たらねーしな。
だけどよ…俺には、あいつの声が聞こえたぜ。そう言や、あいつに怒鳴られたのは初めてだったか…。
へっ、いつまでもガキ扱いされてちゃ、堪ったもんじゃねーよなぁ!」
終里も、めんどくさそうにパネルに手を伸ばす。
「やっぱ、ゴチャゴチャ考えるのはオレの性に合わねーや…
つえー奴がいたら闘うってのが、オレらしいよな?…それが胸を張るって意味なんだよな?
だったら、オレはこっちだろ!!」
左右田も、仕方なさそうに溜息をつき、パネルに手をかけて笑顔を見せた。
「あーあ…またメンドクセーことになっちまったな…
でも、オメーらがやるなら、オレもやらねー訳にはいかねーだろ。
どこにも居場所がねーなら、せめて、この場所だけは絶対に守らねーとダメだろ!」
「なんなのよ、アンタら…どうして、自分から絶望に飛び込んでいくような真似ができるのよ?」
それは、自分たちが未来を信じているからだ。
新しいことも困難なことも、やればできるって信じている。そこが江ノ島とは、決定的に違う。
「そんなの、希望なんかじゃないじゃん…絶望ですらない…
な、なんなのよぉぉぉぉぉぉぉッ!?」
江ノ島が頭を抱えて叫ぶ。
「日向クン…それにみんなも、ありがとう…」
苗木の言葉に、日向は静かに返した。
「それを言う相手は、オレ達じゃないと思うぞ。」
訝る苗木を置いて、日向はパネルに手をかざした。
「じゃあ、始めるか。」
「…こんな簡単に終わっちまうんだな。」
「あ?終りじゃねーだろ。」
「ここから始める為…ですよね?」
「まずはこの閉ざされた世界を終わらせて…そこから先は、俺たちが創っていくんだ。」
全員で、一斉にスイッチを押す。
その途端、江ノ島の目の前の空間がひび割れて、光と共にモノミが―いや、モノクマに敗れる以前のウサミが飛び出した。
モノクマに破壊されたはずのステッキを、江ノ島盾子に振り下ろす。巨大江ノ島は、光と共に崩れ消えて行った。
落ちた携帯の画面に映った江ノ島は、砂嵐の中に呑まれ薄くなっていく。
「あーあ、こりゃ絶望だわ。また絶望に絶望して絶望を絶望しちゃった…あー、楽しい。
あー…でも…これでもう…絶望を…希望しないで済む…そ…んなの…絶望…的……」
ぷつりと画面は暗くなり、それきり沈黙した。
「どういうことだ?ウサミは消失したはずだ…」
十神は訝るが、苗木は嬉しそうに笑っていた。
苗木が用意したはずの結末は、既に苗木の与り知らぬ方向へ転がり出したのだ。
世界が崩れていく。タイムリミットが近づいてくる。
「あの…もしもの話で恐縮ですけど…仮にここを出たとき、ここでの記憶を失っていても、無意味ではなかったのですよね?」
それは、これからの自分たち次第だ。
「…やっぱ、コエーな。」
「俺だって怖い。でも、怖くて当たり前なんだよな?」
「オイッ、オレはオメーらの事も他の連中の事も、ぜってーに忘れねーからな!
オメーらも覚えとけよ!オレの名前は…左右田和一だからな!」
「オメーらみてーに濃い連中を、簡単に忘れれるかってんだ。」
「もし忘れたとしても…意地でも思い出してみせますって。」
「後で日向が訳わかんねー事言い出したら、オレが半殺しにして正気に戻してやるよ!」
「助かるけど、できるだけ手加減はしてくれよ?」
怖いけど、怖くて怖くてたまらないけど…これでいいんだよな、七海。
「ありがとう…。ありがとう、七海。」
やっと言えた言葉と共に世界が白く染まっていく。七海の声が聞こえた気がした。
<CHAPTER6 終>
あとエピローグだけなんだけど、連続投稿ですね!って言われて投稿できません。
とりあえず待ちます。
支援
支援
エピローグ 『未来の前の日』
苗木達は、帰りの船に乗船する為、港へ到着した。
乗り込むのは、苗木、霧切、十神の3人だけだ。
「おい、苗木…本当にこれでよかったのか?
取り調べは僕に任せて!…なんていうからその通りにさせてやったが、あいつらは本当に大丈夫なのか?
元の絶望に戻っただけなんじゃないのか?」
「それはない…と思うよ。
だって、そうでなかったら、自分達からこの島に残りたいなんて言いださないでしょ。」
眠ったままの仲間を助けたい。彼らはそう思っているのだろう。
意識的にしろ無意識的にしろ、そういう選択をしたということが、彼らが元の彼らではない証拠だ。
「でも、実際問題、眠っている彼らが目を覚ます可能性はほとんど無いでしょうね。」
「ううん、可能性の問題じゃないんだよ。ほんの少しの可能性しかなくても、その未来を創ろうと懸命に前に進むこと自体が…彼らにとっての未来なんだよ。」
けど苗木には、不思議と彼らならそこにたどり着ける気がしているのだ。
それはそれとして、この島に元絶望達だけを置いて帰って来たなんて、本部のお偉方に知られたらただではすまない。
「隠ぺい工作、頑張らないとね…」
「そういう問題ではないだろう。」
「で、本部にはなんて説明する気なの?」
「それは…これから船の中でじっくり考えようかと…。」
「そう、頑張ってね。そこまでは私たちも手伝えないから。」
泣きつく苗木に、自分の判断を尊重してもらえただけ有難いと思え、と十神が叱りつける。
まだまだ自分達にもやるべきことが残っている。世界は未だに絶望から立ち直ってはいない。
「どうやら、もうしばらくはお前達と行動することになりそうだな…」
「あなたの帰りを待ってる人もいるしね。」
「…おぞましい事を思い出させるな。」
「じゃあ、行こうか…僕らも、僕らの未来を創っていかないとね。」
島を出ていく船を、日向は高台から見送っていた。
短く切った髪を、風が撫でていく。
事件は終わり、ここから、もっと不条理で荒唐無稽で理不尽で、もっと難しい日常が始まっていく。
それは道というよりは、今目の前にしている海に似ている。どこにでも行けるし、どこにも行けないかもしれない。
それでもここで、日向創として生きていく。
俺の未来は、ここにある。
<スーパーダンガンロンパ2 終>
生存者は日向、ソニア、左右田、九頭龍、終里の5人。そしてもしかして将来は15人。
ロンパ2乙です
ざっくりまとめると、、
1.江ノ島盾子が希望に敗れ自殺
2.江ノ島と苗木達の再戦の舞台を用意する為に絶望の残党が苗木達に接触する
3.仮想現実世界の中で自分達を殺し合わせ、それを餌に苗木を仮想現実世界の中に呼び込む計画実行
4.仮想空間内では絶望たちの記憶は消えるので、洗脳前の絶望達は必死で殺し合いを生き抜く←本編
5.苗木くん釣られクマー、仮想現実世界の中に絶望達を助けに来たけど、
江ノ島さんと神座くんの二段構えの絶望に打つ手無くなる
6.主人公日向くん、ヒロイン七海の力を借りて神座を捻じ伏せて覚醒、才能解放
7.未来は創れる!ということで、洗脳前の絶望達が、江ノ島や自分達の用意した結末をブチ壊し、現実世界へ帰還
8.日向達5人は、この島で自給自足生活を送りつつ、
人格を消されて脳死状態になっている仲間達を目覚めさせる手段を模索しながら暮らしていく。
という感じです。
クリア後に、もしモノクマの侵入が失敗していたら、という平行世界アイランドモードをプレイできます。
日向超高校級のフラグ建築士化、一周で5人まで同時クリアOKという修羅場必至の作業療法系ギャルゲーです。
以上でスーパーダンガンロンパ2終了です。支援ありがとうございました。
乙乙乙乙。すげー乙。
ダンガンロンパ2のストーリー読んでPSP買っちゃいそうな俺から乙。
絵見てロンパ欲しくなったけど、このスレのWIKIでストーリー読んで満足してしまった
2も今読んじゃったからもういいやw
おしおきも動画で全部見たし、時間の節約になったわ
やはりストーリーを知ると演出も知りたくなるから買ってしまうな
ついでに言うなら、オマケのギャルゲーが凄く気になるw
仲良くなってパンツをもらうゲームです(本当)
ストーリー書いといて何ですがロンパ2おすすめです。
6段階の親密度イベント×15人、各章の特定アイテム所持スチルイベ、
モノミになって機械の獣を倒すアクションゲーミラクルモノミ、
ボッチだらけの天才達と愛やら重い友情やらを結びまくるアイランドモード、
殺し合い学園生活で幸運と軍人が織りなす奇跡の全員生還劇ダンガンロンパIF
などなど、まだまだお楽しみが盛りだくさんです。
乙です
ストーリーの評判が良いから気になってたんだがソフトが高くて手が出せなかったんだよね
面白そうだしいつか遊ぼうっと
ロンパ2乙です
Ifも気になるけどIfは小説なんだっけか
ロンパさん乙です!
1の人が面白かったので2も同じ人に書いていただいてとてもありがたかった
わかりやすいし小ネタも面白かったです、最後は感動しました
ダンガンロンパゼロもゲーム化したから…ないか
乙です
補足しとくと七海の父は前作の超高校級のプログラマー不二咲千尋で
兄は彼が作ったプログラムアルターエゴのはず
見た目が似てる上に千尋と七海の誕生日が同じ3月14日
仲良くなると起こるイベントでもほのめかされてる
ロンパ2乙。1はベスト発売まで待ったが2は我慢できず発売日に買ったわ……
ストーリーの要点がすっきりきっちりまとめられててファンとしては嬉しい。
ちなみに今回は通信簿の会話から各キャラクターの絶望の理由がほのめかされてるが、
そっちについての補足ってやっていいんだろうか……
(どうしても書き手の主観が多くなるからイラネ、って場合はやめるし、
もちろん本編書き手さん本人が書くつもりならでしゃばる気はないが)
絶望の理由に関してはいまだに議論が分かれるとこもあって、
気になる人は自分で買って見たくなるもんだろうからそこまで必須でも無いとは思う
ストーリーとしてはまとめられているぶんで充分伝わるし、
裏話までやっていくとなるとさすがにキリが無いからね
ロンパさんお疲れ様です。ストーリーを振り返りたかったんですごく助かりました。
>>46 書いてもいいんじゃ無いかな。他の人がどんな風に捉えてるか知りたいし。
ここはストーリースレなんだから解釈はスレ違いでしょ
なんで狛枝は江ノ島が嫌いなのに、腕移植したの?
あのー、スーパーダンガンロンパ2なんですけど、
読み返してみたら、一つ段落抜かして投稿してました…愕然だわ…
しかも最終話に繋がる伏線のところだわ……
3話の、まるで発熱しているように罪木は熱かった。 の後ろに以下の文が入ります…
狛枝は高熱で錯乱してはいたものの、24時間看病をしてくれた罪木の様子は切れ切れに記憶があった。
そしてそこから、狛枝は彼の忌み嫌う絶望の気配を感じ取ったのだった。
同じ病による精神の錯乱から、罪木は絶望を求めるようになってしまったのだと狛枝は言うが、罪木はそれをあっさり否定した。
「私がこんなことをしたのは、私の“あいするひと”の為です」
彼女は、愛する人とやらへの盲目的で献身的な愛を、頬を染めて語る。
愛しいその人だけが、この世でたった一人罪木を許し、罪木を愛してくれるのだという。
「愛って、すばらしいですよ。他のものなんかどうでもよくなっちゃうくらい素晴らしいんです。
絶望とか希望とか、正直どうでもいいです。」
既にこの世の人ではない愛しい君は、生きていたなら罪木のしたことを褒めてくれるだろうと言う。
…まさか、この口ぶりは…
「そうです。私は、ただ思い出しただけです。」
ごめんね…
ドンマイです!
予約していたDS「八つ墓村」を投稿します。
58 :
八つ墓村:2012/09/13(木) 19:29:29.36 ID:KxT5Tkkb0
永禄9年、とある村に尼子氏の落武者たち8人が逃げ延びてきた。
村人は落武者たちが持っていた三千両の黄金に目が眩み、彼らを襲撃して首を刎ねた。しかし、肝心の黄金はどこにも見当たらなかった。
その後、襲撃の主導者だった庄屋の田治見庄左衛門が、突如発狂して暴れ回り、村人7人を殺して自害した。
落ち武者の祟りだと考えた村人たちは、武者たちの墓を立て、彼らを明神として崇めることにした。
そして村は「八つ墓村」と呼ばれるようになった。
昭和二十数年。
天涯孤独の青年・寺田辰弥は、自分が田治見家の跡取りだと知らされる。だが、辰弥の父・要蔵は異常な人物だった。
要蔵は妻子ある身で辰弥の母・鶴子を見初め、彼女を監禁し力づくで妾にした。やがて辰弥が生まれたものの、鶴子に恋人がいた事を知った要蔵は、鶴子と辰弥を虐待するようになった。
耐えかねた鶴子は辰弥を連れ、村から逃げ出した。だがそれに激昂した要蔵は、罪もない村人32人を惨殺してしまった。
八つ墓村の人々は要蔵の事件を忘れられず、辰弥が八つ墓村に来ることに不安を感じていた。
金田一は辰弥の依頼で、彼と共に八つ墓村へ向かう。
59 :
八つ墓村:2012/09/13(木) 19:38:14.75 ID:KxT5Tkkb0
そして辰弥が村に現れた途端、殺人事件が次々と発生。犠牲者たちに何の共通点もない無差別殺人のようだった。
迷信深い村人たちは、要蔵の子である辰弥を疑う。だが、異母姉の春代と従妹の典子は辰弥を信じていた。そして辰弥は母が隠した手紙から、自分が要蔵の子ではないと知る。
犯人の目的がまるで分からず、警察の捜査は行き詰まる。村人たちは疑念と不満を募らせ、ついに辰弥を私刑にかけようと襲撃する。
辰弥は鍾乳洞に逃げ込むが、春代までもが何者かに殺されてしまった。
60 :
八つ墓村:2012/09/13(木) 19:44:35.32 ID:KxT5Tkkb0
真犯人は森美也子。彼女は田治見家と並ぶ村の名家・野村家当主の弟の嫁。
犯行の動機は、典子の兄・慎太郎と結婚する事である。
美也子は慎太郎と相思相愛だったが、美也子が亡き夫の遺産で裕福なのに対し、慎太郎は戦後落ちぶれて一文無し。実直だが気位の高い慎太郎は、美也子に求婚することが出来なかった。
美也子は、慎太郎に田治見家を継がせれば、彼が堂々と自分に求婚してくれるだろうと考えた。
だが春代を除く田治見家の人々は、人格者の慎太郎を疎んじており、彼に跡目を譲りたくないばかりに辰弥を捜し当てる程だった。美也子は邪魔な田治見家を皆殺しにしようと企む。
彼女は目的をカモフラージュする為、無関係な人々まで殺して無差別殺人に見せかけた。そして村人たちの心理を巧みに扇動し、彼らに辰弥を襲わせ抹殺させようとしたのだった。
結局、春代が死に際に噛みついた傷が化膿し、美也子は壮絶な病死を遂げる。
辰弥は田治見家を慎太郎に譲り、鍾乳洞の中で見つけた三千両の黄金を持って村を去る。
慎太郎は田治見家の財産を元手にして村に工場を建て、村人たちの迷信深い思想を近代化し正そうとするのだった。
61 :
八つ墓村:2012/09/13(木) 19:48:35.20 ID:KxT5Tkkb0
辰弥の本当の父は、僧侶の英泉。元は亀井陽一という教師で、鶴子の恋人だった。
彼は要蔵の事件に責任を感じ、村を去って僧になった。よその出身だった上、過酷な修行が彼の容貌をすっかり変えてしまったため、村の人々も彼の正体に気づかなかった。
英泉は一目見て辰弥が自分の子だと気づいたが、辰弥の性格を知らないばかりに、彼が事件の犯人なのではと疑ってしまい、父と名乗れずにいたのだった。
典子は辰弥に一目惚れし、いかなる時も彼の味方だった。辰弥は彼女の愛に応え、二人は結婚する。
慎太郎は三千両を掘り当てて美也子と結婚するつもりだったが、事件の真相を知り、心に傷を負ってしまった。彼は生涯独身を貫くことを決め、いずれ辰弥と典子の間に生まれるであろう子供の二人目を養子に迎えることにした。
しばらくして金田一の元に、典子が妊娠したという吉報が届いた。
(END)
※「三千両を発見する」「辰弥の実父が分かる」「典子と結婚」の三つは、ゲーム中でフラグを立てることにより追加されるイベントです。
発生させなくてもクリア可能ですが、全て見るのが原作と同じエンド。
また、ゲームでは金田一の依頼人は辰弥ですが、原作での依頼人は美也子の義兄です。
62 :
八つ墓村:2012/09/13(木) 19:49:40.24 ID:KxT5Tkkb0
今日はここまで。バッドエンドは後日投稿します。
乙です!
バッドエンドも楽しみに待ってます
八つ墓村の人乙です。
以前煉獄&煉獄弐を書いた者ですが、
改めて内容を見返してみたら見るに絶えない内容なのと
公式サイトが見れなくなってしまったのでもう一度書き直そうと思います。
書き上がったら直接編集するかそれが無理なら差し替えスレッドに投稿する予定です。
極限脱出ADV 善人シボウデスを予約します。
未解決リストでは3DSですが、自分がプレイしたのはVitaの方です。
乙、そして保守
書き手のみなさん乙であります
69 :
ゲーム好き名無しさん:2012/09/17(月) 18:54:40.70 ID:Gld285KF0
八つ墓村の人おつです
昔原作読んだけど、主人公が典子に初めて会った時
「アホやなーこいつ、これで顔が可愛かったら同情心もわくんだけど
ぶっちゃけ醜いから生理的嫌悪感しかわかんわ……って俺も現金な奴だぜ」
みたいなこと考えてたのに、
後半で典子が「お兄様お兄様」とべたべたしてくるようになると
「こいつよく見るとかわいいじゃねーか///」
と真逆の感想になってて、
この主人公いい加減すぎだろ、と呆れた記憶がある
>>64 書いた二作、前に読みました
期待してます
ええええその感想はおかしくね?
懐かれても「不細工うぜー」だったら童貞くさすぎる。
ある程度遺産への下心もあったし、人間味のある奴だと思ったけど
*決戦の間・五十八*
蛇恍院、何処からか総帥の声が響き渡る。
大納「須恵家が滅ぼされてからの長き戦い、今こそ終結の時を迎えた。
踏みにじられた我々の恨みを晴らすその使命に耐えられるか、どうか…お前の腕、見せてみろ!」
五十八「お任せを。」
捨陰党の忍が現れた。
5人程、始末すると総帥の声がした。
大納「確かに、お前の腕、認めよう。鳴鏡館へ向かえ! 我々の太刀、夕霧を取り戻すのだ! 師範代の居ない鳴鏡など恐るるに足らん!」
五十八「皆の者、安心せい。」
船着き場、刺客を4人程、始末。
墨流が現れた。
五十八「捨陰の恨みをワシが晴らす!」
「私、墨流。御門サンガ名前、付ケテクレタ。」
攻撃をかわし、始末。
五十八「フン、この程度か!」
五十八「この辺りで鳴鏡の奴を見かけたような気がしたが…何処へ行きおった!? しかし、ワシの目の黒いうちに積年の恨みを果たす事が出来ようとは…嬉しい事よ…。 !? 誰じゃ!?」
本郷が来た。
本郷「よう、爺様! 引退したんじゃ無かったのかよ。」
五十八「本郷か。何を言っておる! こんな大事な時にこのワシが居なくてどうする!」
本郷「大丈夫かあ? 俺を教えていた時とは訳が違うぜ! 腕は認めるけどよ。」
五十八「何が認めるだ? フン、年寄り扱いしおって! あー、もっと厳しく躾るべきだったかのう。今からでも遅くは無いぞ!」
本郷「いくらでも相手になるぜ…が、どうやらお客さんらしいな…。行くぜ!」
そう言って駆け出す本郷とそれに着いてくる五十八。
(ここから本郷にバトンタッチ)
ジャックビル屋上、刺客を5人程、始末。
御門が現れた。
本郷「行くぜ!」
御門「この御門がお相手です!」
素早い攻撃をかわし、始末。
本郷「後は、任せるぜ…!」
(ここから五十八にバトンタッチ)
産廃処理場予定地、ホッキョク・ツバメが現れた。
五十八「これはまた、随分と薹の立ったおなごじゃのう。」
ツバメ「フン、このツバメが爺様の相手とはねぇ!」
タックルして、始末。
ツバメ「夕霧で…お前達、捨陰党の怨念を解放しようというのか…?」
五十八「怨念? ふざけるな! ご先祖の鎮魂の為じゃ!」
続きます。
続きです。
鳴鏡館道場、刺客を3人程、始末。
風閂が現れた。
五十八「夕霧はワシが頂く。」
風閂「取れるもんなら取ってみな。来なっ!」
攻撃をかわしつつ、始末。
「漸く…漸くじゃ…!」
そこに源五郎が来た。
源五郎「落ち着いてる暇はありませんよ!」
五十八「おお、源五郎! お前も来たか。流石にワシが鍛えた男は違うのう!」
源五郎「そんな呑気な事を…これ以上は五十八殿には危険です。後は私にお任せ下さい。」
五十八「これしきの事、何でも無いわ!」
源五郎「第一、神社に向かってる割りに方向が違いますよ…ん? そんな話をしている場合では無さそうですね…来ますよ。
私が戦う間、夕霧をお願いします!」
五十八「おい! どいつもコイツも年寄り扱いしおって…!」
(ここから源五郎にバトンタッチ)
迷ひ橋、刺客を5人程、始末。
辰美が現れた。
源五郎「ん? お前は…まさか!?」
辰美「悪いけど…夕霧、返して貰うよ!」
どうにか攻撃をかわし、始末。
源五郎「五十八殿…! 行ってしまわれたか、全く…。」
(ここから五十八にバトンタッチ)
踏鞴神社参道、刺客を4人程、始末。
空蝉が現れた。
五十八「空蝉とか言ったな…会ってみたいと思っておったぞ…!」
空蝉「おお、お主、お互いそろそろ最後の戦いにしたいものよの!」
どうにか攻撃をかわし、始末。
五十八「ん!? 神社へ急がねばっ…!」
続きます。
支援〜
続きです。
踏鞴神社境内、神主が待ち構えている。
五十八「我ら捨陰党の願い、遂げさせて貰おう!」
玄鷹「長い間、鳴鏡と共に守り続けてきた鏡家の血筋、終わらせる訳にはいかない!」
ギリギリまで間合いが縮まってから始末。
玄鷹「は、早く…お逃げ下さい…!」
五十八「奥か…!」
神社本殿に向かった。
踏鞴神社本殿、死装束を身に纏った女性がいた。
五十八「お主が、お主がそうなのか?」
已綱「来ましたか…。」
五十八「そうか…ここに来るまで長い時を掛けてしまったのう。覚悟するが良い! 須恵家の恨み、漸く晴らせるぞ!」
夕霧を手に迫るが、彼女は全く戦う意思が無い…。
已綱「そう…貴方達の目的は貴方達の夕霧で私を斬り、血を絶やす事…。800年前に私達の先祖、鏡家は同志であった須恵家を裏切り、滅ぼした…。
長い間、積み重ねられた須恵家の恨み、晴らす方法は一つしかないようです…。さ、鏡家の末裔の…この私をお斬りなさい…。」
彼女は何もして来ない…。
どうする…?
続きます。
*ED・斬る*
五十八は彼女を斬った。
已綱「うっ…!」
断末魔を上げ、倒れる。
已綱「ひたすら…意味も無く、守り続けてきた鏡家の血も…今、私が絶える事で…全て、終わらせる事が…出来る…。」
彼女は息を引き取った。
五十八「そう…か…。随分と昔から覚悟を決めておったようじゃのう…。ワシも随分と昔から、お主を斬る事しか考えておらんかった…。
ワシもそう遠くないうちにお主の所へ逝く事になるじゃろう。その時は、同志として語ろうぞ…!」
*ED・本殿を去る*
五十八は彼女を斬らずに、本殿を出た。
五十八「30年前のワシじゃったら、勢いに任せて斬っておったかも知れんのう…。しかしじゃ、捨陰党たる者、無抵抗の者を斬る等とは言語道断じゃ! これで良い、良かったのじゃあ…!」
以上です。
次はウタマルです。
ブシブレ弐さん乙です
プレステ3のアスラズラースをどなたかお願いします
東京トワイライトバスターズ 〜禁断の生贄帝都地獄変〜 を投下します。
どこを削るべきか迷いましたら長くなってしまいました。スマヌ。何日かに分けて投下します。
背景としては大正十二年の帝都 東京が舞台で魔法やゾンビ等が登場します。
【補足】
・二章以降は基本的に祥と由貴以外の協力者を二人同行させる事ができます。
この投稿では戦闘に有利になりそうなサブキャラクタを重視して同行させています。
・二章以降に聞けるランダムな情報はカット(警視庁で鬼瓦と帝日新聞社で三珠記者から琢磨と由貴に関係のありそうな情報)
・探索、鍵開け等は省略化。
・カナンフィーグの書で由貴が魔法を覚える所もカットしてます。
【序章:邂逅】
暗い地下水路の奥の独房に幽閉された少女由貴は自分の名前や何者で、どうしてここにいるのか忘れてしまっていた。
時折、夢の中で自分の事を励ます声だけが生きる支えになっていた。
ある日、考古学者の草薙琢磨が兵士の隙をついて由貴の独房に侵入して連れ出す事に成功する。
その時、由貴は自分の名前を知る事になる。
琢磨は逃げる途中に由貴を幽閉した組織に奪われた写真と想い出が沢山詰まったロケット(首飾り)を見つけ奪い返す。
一方、気絶させられた兵士が目を覚まし組織の頭領である仮面の男へ侵入者が入ったと報告する。
仮面の男は西洋の魔道士の様なローブをまとった人物。仮面の男は犯人の目星はついているし、
地下には忠実な番犬を放ってあり直に死体として見つかると笑みを浮かべる。
琢磨には一人の協力者の男が居た。琢磨と由貴は物陰に隠れて追っ手から見つからないように合流を目指す。
急に由貴が絶望感で足が進まないと言い出し座り込んでしまうと辺りに獣の咆哮が響き渡る。
そこへ仮面の男が現れる。仮面の男と琢磨は旧知の仲だった。
「私達の大切な巫女は返していただきますよ。」
仮面の男は掌より閃光を放つと少女は倒れ込んでしまう。
琢磨が襲いかかろうとした時、背後にはこの世のものとは思えぬ巨大な化物が大きな口を開けて襲い掛かってきた。
辺りには琢磨と由貴の悲鳴と仮面の男の大きな笑い声が響く。
【オープニング】
西暦1923年 大正十二年―――
私はこの年に起こった出来事を、決して忘れる事はないだろう。
懐かしい思い出と狂気に満ちた記憶が同居した、あの時代の事を…
私は今までこの事を伏して生きてきたがここにその事実を貴方に伝えようと思う。
願わくば、この事実を警告として、後世の人々に語り継いでくれる事を祈って…
―――大正十二年の夏。
私が当時十五歳の少年で、イギリスの叔母に預けられてから三年後のことである。
私の元に考古学者である父、草薙琢磨が行方不明になったと書かれた手紙が届いた。
突然のことに驚いた私は身辺整理もほどほどに、空路経路と航海経路を使用して故郷「帝都」へ帰国を果たす。
「父はどこかで必ず生きている」
そうひたすらに祈りながら―――
大正十二年、帝都では謎の変死が相次ぎ、新聞の一面を飾っていた。
解決の糸口も見えず捜査が暗礁に乗り上げる中、少年とその仲間達が事件の裏で蠢くものに敢然と立ち向かう―――
東京TwilightBusters 〜禁断の生贄帝都地獄変〜
【登場人物】
・草薙 祥(くさなぎ しょう):主人公の少年。イギリスへ留学している。頑固な性格は親譲り。母親とは幼い頃に死別。
・由貴(ゆき):地下施設に捕らえられている記憶を失くした少女。
・草薙 琢磨(くさなぎ たくま):主人公の父親で帝国大学に勤める考古学者。体格も良い。頑固者。
・帯刀 杢念(たてわき もくねん):草薙家に使える執事。老齢ではあるが柔道家で体力には自信がある。
・麻生 沙夜子(あそう さよこ):琢磨の秘書の若い女性。琢磨に淡い思いを抱いている。祖父は琢磨と同じ大学へ勤める教授。
・鬼瓦 権造(おにがわら ごんぞう):警視庁に勤める警部。熱血漢の頑固者で琢磨とは親しい間柄。
・氷室 京一郎(ひむろ きょういちろう):帝国陸軍の少佐。冷静な性格で琢磨とは親しい間柄。
・ヒルデリカ リヒテンシュタイン:ドイツ人の若い女性。見世物一座の座長。口は悪いがお人好しで美男子が好き。
・九条 静(くじょう しずか):祥の幼馴染の少女。父の忠重は警視総監。祥は彼女をお静ちゃんと呼んでいる。
・鈴 麗華(りん れいか):若い女性の中国人。風水法百余派の宗家の鈴家の主。
【第一章:〜父の遺言〜 1】
大正十二年、七月末に草薙祥を乗せた定期船が帝都東京の芝浦港に着いた。
船を降りた祥は、代々草薙家の執事を勤めている帯刀杢念と再会し、車で屋敷へと送ってもらう。
移動中、帯刀はこれまでの経緯を祥に説明する。
草薙琢磨が屋敷を出たのは七月一日の深夜『帰りが遅くなる』と電話があり、それから三日経っても連絡がない。
妙な胸騒ぎを覚えた帯刀は、念の為、警察に捜索願いを出すが、捜索が開始されても琢磨は見つからず、
七月十日を以って捜査を打ち切られてしまったらしい。現在警察は動いていない為、今後頼ることは出来ない。
琢磨の人間関係については詳しくないが、元々よく海外で過ごしていたので、日本での友人は少ないと思う。
ただ、友人ではないが二年ほど前から雇った秘書なら何か知っているかもしれない。
今日は遅いから明日会われてはどうかと祥へ提案する。
草薙邸に到着した二人。祥は今日は休みを取って、明日より捜査を開始する事にした。
八月一日 午前七時。祥は帯刀に起こされた後、昨日話していた秘書の居場所である帝国大学にある
琢磨の研究室の事を聞き出し、帯刀に留守番を頼み帝国大学へと向かう。
帝国大学についた祥は琢磨と同じ考古学教授の麻生教授と出会う。琢磨はこの麻生教授の元で学問を学び、
少し前までは同僚であった事、琢磨の秘書を務めている孫娘の沙夜子も心配している事やその居場所を教えてもらう。
祥は麻生教授に礼を述べて、琢磨の研究室へと向かった。
帝国大学研究室。ここは、祥の父である草薙琢磨の私室兼研究室。祥はこの部屋に居た麻生沙夜子と出会う。
琢磨が失踪した手掛かりは以前掴めていないらしい。
祥は琢磨が失踪する前、何をしていたのか教えてもらう。琢磨は十五年前にチベットの研究旅行中に見つけた
未知の遺品を手にした事をきっかけに、未知の超古代文明が存在していた仮説を唱えていた。
発掘した品の一つは、考古学研究所に居る麻生教授が鑑定中だという事だった。
また、陸軍の将校が面会に来た事があったけど用件は掴めていない。
祥は沙夜子に礼を述べて、考古学研究室へ移動。麻生教授と再開する。
祥は麻生教授から、もう何年も前から琢磨に鑑定を依頼された壷の解析資料を代わりに受け取ってもらいたいと渡される。
壷自体は三ヶ月前に琢磨が必要だからと持って行ったそうで、その壷は何故か年代測定ができない代物であり、
どの文明に属する代物なのか全く検討がつかなかった。壷に施されている紋様…いや、文字かもしれないものも
解読が困難で何年も研究時間を費やしてもわからなかったもの。もしかしたら、琢磨が唱えている仮説の代物かもしれないと言う。
祥は麻生教授から二…三ヶ月前に警察の捜査に協力した話を聞く。
琢磨がなぜ警察に協力していたのかはわからないが、最初に「お」がつく警部と協力していたらしい。
また、実はここだけの話、沙夜子は琢磨君に惚れている事を教えられる。
麻生教授は仲介役として琢磨に再婚を勧めたが、琢磨は堅物でそんなつもりは毛頭ないとの事だ。
琢磨と沙夜子の出会いは二年前で元々、琢磨の授業を聞きに来た事が始まりだと言う。
【第一章:〜父の遺言〜 2】
麻生教授から聞き取りを終えた祥は自宅へと戻る。
執事の帯刀は琢磨の書斎を整理する最中に封が切られていない手紙を見つけたようだ。
祥は手紙を受け取り封を切って読んでみると、六月一日に鬼瓦権造という警察関係者が、予てよりお尋ねの少女に関して
調査結果報告の為、一度警視庁まで来て欲しいという内容だった。
鬼瓦は琢磨の捜査を担当している殺人捜査課の警部で、琢磨とはかなり親しい間柄だった。
「この人なら父さんの行方を掴んでいるかも知れない…」
祥は警視庁で鬼瓦と面会し、父の事について教えて欲しいと話しだす。
警察が捜査を打ち切ってしまったが、自分一人でも父の行方を探し続けようと思い、
以前まで担当していた警部から何かお話を聞ければと思いと伝えると、鬼瓦は激高し祥を留置所へ連れ出す。
留置所へと連れ込んだ鬼瓦は祥と口論する事になった。
「二度とここに来てはいかん。親父さんの事はきれいさっぱり忘れてしまえ…わかったら帰れ…
この件は警察だけでなく特別高等警察や憲兵隊までもが血眼になって探している。
この件は我々に任せて、家でおとなしくしとれ…決して悪い様にはせん。」
祥は、父と親しかった警部は捜査が打ち切られた後も一人で探してくれてると聞いたからきっとわかってくれると信じて来た事、
一人でも探し出してみせる意気込みを見せると鬼瓦も観念して、できるだけの事は協力すると約束してくれた。
祥は父の書斎の手紙に書いていた女の子の話について尋ねる。琢磨は数年前からある女の子を捜していたらしい。
歳は十五歳くらいで色白で背丈は祥と同じくらいで、なぜ琢磨はその女の子を捜していたのかはわからないそうだ。
警視庁より外へ出た祥は他にも情報が欲しいと思い街の人へ聞き込みを開始する。
秋葉原の通りを歩いて行くと通りの奥の雑貨屋で沙夜子と出会い、聞き込みに協力してくれた。
二人は太平町へと足を運ぶ。この辺りは住宅地のようだ。
琢磨が失踪する二日前この辺りで琢磨を見かけた生徒が何人かいたらしい。
通りの奥の工場のような古く錆び付いていた建物はの前に陸軍の兵隊が三人見張っていた。
本所区には陸軍の駐屯地は無いはずだ。一体、なぜここに居るのだろう?
少し離れた場所で鬼瓦警部も祥と同様に兵士達の様子を伺っていた。
鬼瓦は最近、この工場に帝国陸軍の一部の将校達が集結し始めているという情報を受けて見張っていたそうだ。
上司からの命令で明確な目的は不明だという事だ。もしかしたら反乱分子かもしれない。
あと数分で交代要員が来るから、これから草薙教授の捜索をしようと思っていると祥へ伝えると鬼瓦は去ってしまう。
連投の為、続きはまた今度
ほすほす
乙です。これ、やってみたいけどプレミアついてて高いんだよね。
楽しみです。
86 :
ダン戦の人:2012/09/22(土) 21:44:07.37 ID:Y26J5XxT0
まとめるのに時間がかかってしまい、大分間が空いてしまいました。
その間にまとめサイトにまとめてくださった方、次スレ立ててくださった方、
ありがとうございました。
第4章いきます。
■第4章 闇の戦場!アングラビシダス!!
数日後、ミソラ第二中学校にて。クラスは転校生がやってくるとの話題で持ちきりだった。
先生が言うには、転校生の名前は「海道ジン」。ただし少し遅れているようでまだ姿を見せない。
すると突然耳をつんざくような音が。聞いたこともない音にクラスがどよめく。
外からだ!とクラスメートが指差した窓の外を見ると、1機の戦闘機がこちらに向かって
高速で飛んでくる。物珍しさに思わず窓に張り付くクラスメート。
戦闘機は学校にぶつかる直前で急旋回すると、ホバリングしながらバン達のいる教室の前に近づいてきた。
ハッチが開くと、中から姿を見せたのは赤い瞳の少年。彼こそが転校生の海道ジンだった。
度肝を抜かれるクラスメート&先生。バンはジンと目が合ってしまう。
操縦していた執事は「行ってらっしゃいませ、おぼっちゃま」とジンを見送った。
(●赤い瞳の少年=海道ジン:熱血主人公とは正反対の無口、冷静と絵に描いたようなライバルキャラ
黒髪に一部白いメッシュを入れたかのような髪の色だが、全部地毛
●執事:海道家に仕えるのっぽで素敵なおじいちゃん
海道ジンの事を「おぼっちゃま」と呼び、大切にしている)
海道ジンはとにかくクール。ただしちょっと変わっていて、先生に自己紹介を促されても
「話す事はありません」と答えて先生を困らせる始末。
LBXやってるの?と聞いてもさっぱりで、自身の事はあまり詮索されたくないし
周囲にもあまり興味を持たない様子。
放課後の教室にて。バン、アミ、カズはそんな風変わりな転校生の事も気にしつつ、
これからブルーキャッツに行ってアングラビシダスの事を聞こうと言って教室を出る。
「アングラビシダス」の単語に思わず反応するジン。
喫茶店ブルーキャッツにて、檜山からアングラビシダスについて聞くバン達。
アングラビシダスはトーナメント方式の個人戦。ルールは何でもアリ、違法アイテムも違法改造も
破壊もOKの闇の大会。
しかも次の大会では、優勝者はLBX世界大会であるアルテミスへの出場権も与えられるという。
アルテミス出場を巡って何時もよりも激しいバトルが繰り広げられるだろうし、イノベーターから
送り込まれた刺客がバンのLBXを破壊しに来るだろう。それにアングラビシダスで優勝しても
淳一郎が100%解放される保証はない。それでもバンはアンブラビシダスの参加を表明。
アミやカズも参加すると言い出した為、檜山は「参加手続きはこちらでしておく」と承諾する。
次のアングラビシダスは1週間後。早速キタジマ模型店で特訓しようとするバン達に対し、
檜山達は「一度会場を見ておいた方がいい」と勧める。
拓也に連れられ、ブルーキャッツの一角の開かずのドアを開けて地下へ続く階段を下りるバン達。
しばらく進むと、コロッセオのような装飾の広い室内が見えてきた。
アングラビシダスの会場は喫茶店ブルーキャッツの地下にあり、ルール無用と言わんばかりに
下品な言葉の野次が飛んでいた。観客もガラの悪い人が多く、まさに世紀末状態。
会場のフィールドではLBXプレイヤーがフリーバトルを繰り広げており、その中に海道ジンの姿もあった。
ジン1人と彼の黒いLBXジ・エンペラー1体に対し、相手は3人の操る3体のLBX。
あっという間にLBXジ・エンペラーは3体の敵LBXに囲まれてしまった。
と、次の瞬間。目にもとまらぬ速さでジンはCCMの操作をすると、あっという間に3体のLBXを同時破壊。
ジンは一瞬で勝負をつけることから「秒殺の皇帝」という二つ名を持っていた。
呆然とする相手を余所に、ジンは静かに会場を下りていった。
ジンの実力も目の当たりにし、凄い!面白くなってきたと盛り上がるバン。
そんな彼らを、高い位置の観覧席から見下ろす背丈の高い紫髪の少年の姿があった。
(●LBXジ・エンペラー:海道ジンが操る、マントを羽織った厳つい皇帝のような風貌の黒いLBX
バンのLBXアキレスとはカラーリングも対の存在、ちなみに神谷工業製)
それからバン達はキタジマ模型店の店長に頼み込み、アングラビシダスに向けて特訓を始めることに。
練習相手の店長が操るLBXに苦戦するバン達。あれ?そう言えば沙希さんはLBXやらないんですか?と
バン達が聞くと、途端に店長が「その事は聞くな!ダメったらダメだ!」と派手に取り乱す。
何だ?と訳も分からずに顔を見合わせるバン達。
キタジマ模型店のみならず。路上でのフリーバトルでも練習を重ねるバン達。
その様子を、背丈の高い紫髪の少年が興味深そうに見ていた。
ある日、バン達がキタジマ模型店で特訓していると、リコ、テツオ、ギンジの3人がやってくる。
ゲーセンにいる郷田が呼んでいるからついて来いと言われ、リコ達について行くバン。
その途中でエージェントにバトルを吹っかけられたりもしたが、特訓を重ねたバンの相手ではなく
あっさりと下す。負けたなら撤収!とダッシュで逃げるエージェント。
そしてバン達がゲーセンに着くと、そこでは郷田が信じられないような物を見るような顔で膝をついていた。
LBXフィールドの中には無残に破壊されたハカイオーと、1体の不気味な黒いLBXジョーカー。
そして郷田をあざ笑うように見下ろす背丈の高い紫髪の少年。彼がLBXジョーカーを操り、郷田を破ったらしい。
彼の名は仙道ダイキ。ミソラ第一中学の3年生の番長格で、郷田とは性格や信条の食い違いから
しょっちゅう仲違いを起こしているらしい。
郷田の仇を取るために仙道にバトルを挑むバン。承諾した仙道が手元から引いたカードは「死神」。
お前は切り刻まれる、そして俺にひれ伏すのだ!と狂気じみた笑みを浮かべる仙道。
(●背丈の高い紫髪の少年=仙道ダイキ:ミソラ第一中学3年生の少年。
友情や義理を大事にする郷田とは違い、一匹狼で自分が勝つためなら平気で他人を利用する。
使用LBXはジョーカー。LBXの腕も中々のもので「箱の中の魔術師」の二つ名を持つ。
タロットカードも趣味で、事あるごとにカードを引いては預言めいたことを言う。
●LBXジョーカー:道化師のような外見のLBX、非常に癖が強く使いにくいらしい)
仙道&LBXジョーカーとバン&LBXアキレスのバトルが始まる。
仙道が引いたカードは「愚者」。動きが単調、愚の骨頂。お前の動きは見切ったと言わんばかりに
LBXアキレスの攻撃をするりするりとかわしていく。
そして仙道が「魔術師」のカードを引くと、「魔術師の本気を見せてやる!」と叫ぶと同時に
素早く動き回っていたLBXジョーカーが3体に分身した。
分身した3体のLBXジョーカーから集中攻撃を喰らうLBXアキレス。壊される!と思った瞬間、
突如LBXジ・エンペラーが乱入してLBXジョーカーの動きを止めてしまう。
登場したのはジン。君もアングラビシダスに出場するなら、そこで決着をつけた方が
目立つだろと仙道に言い、仙道も納得してその場は引き上げる。
去り際、仙道はジンに向かって「お前も出るなら潰されないように気を付けた方がいい」と言い放つ。
ジンも何も言わないまま、無言で去っていく。
残されたバン達。仙道とジンの乱入ですっかり忘れていたが、郷田はアングラビシダスに出場する
全選手のデータをまとめた情報端末をバンに渡すために呼んだのだった。
情報端末を受け取るバン。郷田によると、バンに渡すようある人物に頼まれたらしい。
アングラビシダス当日。ブルーキャッツの地下会場に到着するバン達と拓也(保護者代わり)。
ざわめく会場の中心にスポットライトが当てられ、主催者と思しき男が開会宣言を叫ぶ。
「俺はレックス!諸君、俺の名の元に試合ができることを光栄に思え!
破壊の祭典アングラビシタスへようこそ!」
しかし服装は違えど、主催のレックスと名乗る男性は檜山そのもの。
何時も喫茶店で見ていた穏やかな立ち振る舞いとは正反対のレックス(=檜山)の様子に
バン達は驚きを隠せない。
トーナメント表も発表され、バン、アミ、カズは全員違うブロックに振られることに。
参加者の中にイノベーターの刺客がいるかもしれないと警戒しつつ、お互いトーナメントを
勝ち抜くことを誓い合う。
バンは順調に勝ち抜進み、次の準決勝の相手は仙道ダイキ。
前回と変わらないLBXジョーカーによる3体分身攻撃に押されてしまう。すると突然Vモードが
発動し、バンのLBXアキレスが金色に輝きながら暴走してしまう。
そして3体に分身していたはずのLBXジョーカーは、3体ともそこに存在したまま立ちすくんでいた。
仙道ダイキの分身トリック。それは仙道自身が3体のLBXを同時に扱っていたというものだった。
最初こそ暴走したLBXアキレスの勢いに圧倒されかけるものの、バンのCCMの操作を受け付けず
自律プログラムで行動しているのだと気づくと、自律行動特有の行動パターンを見抜いて
反撃に出る仙道。LBXアキレスも操作できないしどうしようもない……と思ったその時、
バンのCCMに「これはパンドラからの贈り物だ」というメッセージ付で何かのプログラムが送られてきた。
バンがふと見回すと、観客の中にパンドラを肩に乗せて試合の様子を見守る男性がいた。
帽子を目深に被っている上、サングラスをしているので顔はよく見えないが……。
一か八かと勝負に出て受け取ったプログラムを実行するバン。プログラムをインストールすると
「ですトロイファンクション解除 コントロール可能」と表示され、Vモードが発動したままの
LBXアキレスを操作できるようになっていた。
コントロールできるようになったLBXを操り、LBXジョーカー3体を撃破し勝ち上がるバン。
一方試合の様子を見ていた拓也もバンの様子の異変に気づき、バンが見ているだろう先を見上げてみた。
目が合う拓也とサングラスの男性。驚く拓也、気まずそうに顔をしかめるサングラスの男性。
拓也は慌ててサングラスの男性を追いかけるが、いつの間にかサングラスの男性はいなくなっていた。
一方、バンが勝った会場にて。最後に仙道に「お前がイノベーターの刺客か?」と聞いてみるが、
仙道は「俺が誰かの命令を聞くものか。俺に命令できるのは俺だけだ」と言って立ち去ってしまう。
会場を去る直前、仙道が1枚のタロットカードを落とす。落としたのは「星」のカード。
「友情?……くだらねぇ」カードを拾うと、仙道はそのまま会場を後にした。
(●サングラスの男性:LBXパンドラを連れた、スーツを着こなした中年くらいの男性
サングラスやハットで顔はよく見えないが……?)
そして決勝戦。相手は海道ジン。カズやアミは途中で敗退してしまった。
試合前の会話で、ジンは自身がイノベーターの刺客だと認めた上で、この試合でバンのLBXを破壊し
プラチナカプセルを回収するとバンに宣戦布告。もしバンが勝ったら、バンが望む情報を教えると宣言した。
かくして始まった決勝戦。2人とも善戦し一歩も譲らない。お互いに必殺技を繰り出しては
かわしての繰り返し。ジンは目にもとまらぬ手つきでCCMを操作する。
バトルも白熱してきた頃、突然LBXジ・エンペラーの動きが停止してしまう。
ジンのCCMの入力速度にLBXの方がついていけず、CPUがエラーを起こして停止してしまったらしい。
少し閉まらない終わり方だが、今回のアングラビシダスの優勝者はバンに決定。
去り際、ジンはバンに耳打ちするように「ポイント579−934、君の欲しがっていた情報だ」と呟いた。
夕日が差し込む広い室内。全面ガラス張りの窓からは街並みが見下ろせる。
その室内には外を眺める海道義光が1人。そこへ突然ドアが開く音がして、苺鼻の男性が
畏まった様子で部屋に入ってきた。「海道先生!お孫さんが……」と言いかけた時、
突如鳴り出す義光の携帯電話。苺鼻の男性を一旦控えさせ、義光は電話に出る。
電話相手はジンだった。ジンは義光にアングラビシダスで敗れたことを詫び、
そしてバンに淳一郎の居場所を教えたことを淡々と報告した。
通話が終わると、義光は背後に控えていた苺鼻の男性に「沢村、次のプランに移行する」と声をかけた。
(●苺鼻の男性=沢村宗人:角ばった顔つきに苺鼻、趣味の悪いゴツい指輪が特徴の中年男性
TO社役員でありながらイノベーターの内通者でもあり、第2章序盤のTO社役員会議で
LBXアキレスの設計図をこっそりダウンロードしてたのはこの人)
アングラビシダス終了後、喫茶店ブルーキャッツにて。バン、アミ、カズとレックス、拓也はいた。
バンがジンから聞いた情報を元に檜山と拓也が位置を割り出す。
場所を知り思わず閉口する2人。その場所とは、海道義光の自宅。
先進開発省大臣であり海道財閥の総帥である海道義光こそがイノベーターの黒幕だった。
そして海道ジンが海道義光の孫であることも拓也の口から語られる。。
どうやらここに淳一郎が捕まっているらしい。海道邸は何処よりもセキュリティが厳しいだろう。
綿密に計画を立てなければ淳一郎の救出は難しいと頭を抱える彼らの元に
「私も手伝わせてもらえないかしら?」と女性の声と来店の音がする。
振り返り、その女性を見て驚くバン。彼女はバンにアタッシュケースを預けた人だった。
レックスと拓也も「石森里奈!?無事だったのか!?」と驚く。
「海道邸のデータならここにあるわ」と里奈が見せたのは、データの入ったUSBだった。
(●石森里奈=眼鏡で長髪の女性:バンにAX-00が入ったアタッシュケースを渡した人
レックスや拓也と面識があるらしい)
第4章、終了。
余談。
仙道の持ち歩いているタロットカードですが、絵柄は殆どがLBXモチーフで、
その絵も凝っていてかっこいいです。個人的にこのカードを商品化してほしいくらい。
あと個人的に仙道の声はセクシーだと思う。(CV:勝杏里)
それと檜山蓮=レックスですが、アングラビシダス以降バン含む子供達は「レックス」呼び
しているので以降「レックス」で統一します。(大人達は「檜山」呼びしてますが)
ダンボールの人乙です
仙道さんは一品もののLBXもタロットにしてしまうすごい人
東京トワイライトバスターズの人乙です!
御神楽少女探偵団みたいで面白そう
御神楽少女探偵団の方が後なんだろうけど
>>85 2010年にDS版が出てて、そっちは安いみたい
【第一章:〜父の遺言〜 3】
二人は聞き込みを再開し、麻布十番通り、帝大付属病院、そして乃木邸付近へと足を運ぶ。
琢磨は乃木邸へ来た事があるらしい。聞き込みを行おうとした祥は門前に立っている男性を見つける。
その人は二人の姿を見てやや驚きの表情を見せた後、ゆっくりとした歩調で歩み寄ってきた。
茶色の帝国陸軍の軍服を着込み方には金色の星の階級章…
軍隊の知識の薄い祥でさえ、その男の人が高い地位に居るものだとわかった。
「これは奇遇ですな。麻生沙夜子さん。」
「…そうですわね。ところで、乃木大将の御自宅で何かあったのですか?」
陸軍将校はたまたま立ち寄っただけだと答え、去って行った。
沙夜子は陸軍将校の名前は知らないが以前琢磨の留守中に大学へ訪れた方だと答える。
日が暮れる時間になってしまい二人は研究室へ戻る事にした。沙夜子は琢磨の研究資料を見せたいそうだ。
琢磨の研究室へ入ると麻生教授が出迎える。麻生教授と沙夜子は明日の研究の発表の準備、
琢磨の説いた仮説…超古代文明について失踪する前の資料を元に続きをまとめているらしい。
沙夜子は祥に部屋に置いている本でも読んでおいてと伝えて、
考古学研究室にて麻生教授と二人で研究発表用のレポートの仕上げに取り掛かった。
祥は琢磨の研究室の本棚から目ぼしい本を読みあさる。主な内容として4点あった。
1:ギリシア戦乱記と言う本の古代ギリシア文字の翻訳と、アルカディアの文章の所に印が付いていた。
2:哲学者プラトンが説いたと言われるアトランティス大陸の事について書かれた本。
アトランティス大陸は大西洋にあったとされる幻の大陸だけど幾多の災害や地震で滅亡し大陸は海に没したという…
3:超古代文明追跡録と言う琢磨が超古代文明を追っていた頃の記録。その一節にはこう記されている。
「大正五年、私はついにその先史古代文明の謎を、チベットの古代書物《ラサ記録》から見出す事ができた。
その文明は、私が追い求めてきた先史《超古代文明》の一角に過ぎないが、今後の研究対象として十分役に立つと思われる。」
4:聖書の悪魔と言う書物を発見した。キリスト教やユダヤ教の悪魔に関する資料のようだ。
ひと通り目ぼしい本に目を通した祥の元へレポートの作成が完了した沙夜子が入ってくる。
レポート作成に時間がかかってしまった沙夜子は、今日は一旦帰る事にすると伝える。
明日であれば時間があるから今日と同じように琢磨の捜索を手伝うと約束してくれた。
そこへ麻生教授が血相を変えて入ってくる。
「じ、実はじゃ、先程警視庁から電話があってな…それで…
―――祥君、落ち着いて聞いて欲しい。琢磨君が…亡くなったそうじゃ。」
麻生教授の言葉を聞いた沙夜子はその場で気を失ってしまう。
麻生教授は困惑する祥へ自分達は後から合流するので先に警視庁へ向かって欲しいと伝える。
【第一章:〜父の遺言〜 4】
祥は急いで警視庁へ向った。祥は受付に居た帯刀に本当に琢磨だったのかと尋ねる。
「それが…爺にはわかりかねます。もし、あれが旦那様なら…坊ちゃん、お辛いでしょうが、ご確認くださいませ…」
そこへ麻生教授が沙夜子を連れて現れる。祥はまだ琢磨の遺体の確認は行なっていない事を二人に伝える。
更にそこへ鬼瓦が現れる。
鬼瓦「話の途中すみませんが、祥と麻生沙夜子さんは確認のため、霊安室に来てもらいます。」
祥と沙夜子は鬼瓦に霊安室へ招かれた。
鬼瓦「ここです…事件で人が亡くなった場合、必ず親類による身元確認が行われます。辛いでしょうがお願いします…」
祥は暗い霊安室の奥に安置されていた遺体が本当に琢磨なのか疑っていた。
身体に触れるとまるで氷に触れているかのように冷たかった…勇気を出し、顔に掛けられている白布を取った。
顔は醜く焼け爛れ、そして腐敗していた…
祥は顔をまともに見る事ができなかった。沙夜子からは悲鳴が上げる。
祥は耐え切れず素早く白布を戻し、この遺体は琢磨なのか違う男なのかと葛藤した。
祥「間違いなく…父さんです…」
鬼瓦「そうか……ご苦労だったな祥………これが最後だから、少し側に居るといい。儂は外で待っておるからな。」
沙夜子は祥の頭を抱きしめて二人はしばらくの間、泣き叫んでいた。
―――それから二十分後。
祥は沙夜子に連れられて霊安室から出てきた。
祥は鬼瓦警部の部下に車で家まで送ってもらう事にした。鬼瓦は別れ際に祥へロケットを渡す。
琢磨の内ポケットに隠されていたロケット。ロケットを開けると小さい頃の祥の写真が入っていた。
鬼瓦「本来なら証拠物件として保管される所だが、これだけは持って行くといいだろう。あとは儂がやっておくから心配するな。」
翌日の八月二日、琢磨の葬儀が行われた。親類は、この東京には居なかったが、琢磨に講習を受けていた帝国大生や同僚、
秘書の沙夜子、恩師の麻生教授、鬼瓦警部といった人達が参列し慰霊を弔った。葬儀は夕方の六時で終了した。
葬儀の片付けを終えた帯刀は祥の今後の予定について尋ねる。
祥はイギリスに帰ろうと思っていた事を打ち明ける。学校の方も休学しているし、向こうにいる友達も帰りを待っている。
今からイギリス行きの乗船券と航空券を手配すると明日の定期便に乗ることができる。
帯刀は手続きを行うと伝えた後、祥にこの家の相続を受け継いで貰いたいと切り出すが、
琢磨との思い出に押し潰されそうだから相続したくないと言われてしまう。
帯刀は心苦しく思いながらも祥の意向に従った。
【第一章:〜父の遺言〜 5】
祥は早めの就寝とする事にした。昼間の疲れのためか、ベットに身を委ねた瞬間深い眠りについた。
夢の中で女性らしき声が聞こえてくる。周りは煉瓦造りの暗い部屋には異臭を放つ壷があり、
部屋の奥には異形の神を祀っているのであろう、巨大な像が一体安置されていた。
「ダレ………ソコニイルノハ……ダレナノ…マタ…ワタシヲイジメルノ」
声の主は、異形の神に縛り付けられた少女から発せられていた。
「……タスケテ…ダレカ…ダレカ…ワタシヲコノ地獄カラタスケテ……」
祥は見たことも無い少女と、状況が掴めず君は誰なんだと問いかけるが、再び意識はまどろみに没し始め、視界がぼやけだした。
八月三日、夜の七時を過ぎていた。もうこんな時間か、今日は出港日だったな。
祥は眠りから目覚め部屋を出て執事の帯刀に感謝の言葉をかけて一緒にイギリスに来てくれないかと誘う。
帯刀は勿体無いお言葉ではありますが、代々この家を守って朽ち果てると、そう先代と約束していると断られる。
荷物が揃っている事を確認すると二人は車に乗り込み芝浦港へと向かった。
生まれ育った町、温かい故郷を去る。懐かしい事、辛かった事、そして父さんとの思い出を全て捨てて…
一時間後、二人を乗せた車は芝浦港に着いた。
客船で一旦香港へ渡り、そこからイギリスに向かう旅客機に乗り換える…この国ともしばらくお別れだ。
祥は帯刀から重い旅行鞄を受け取り別れの挨拶を交わした。
その時、祥はふと、誰かが呼んでいるような気がして振り向いた…だが、そこには誰もいない。
急に軽い目眩を感じ、桟橋の手すりに手をついた。軽い頭痛が走っては消え、
ぼやけた視線の中で周りの風景が全て止まって見えた。
そして、目の前に昨日夢で見た少女の姿が浮かび上がった。
祥の声は、少女の耳には届いていないようだ。少女は、ただ哀しい顔をして祥を見つめている。
祥はこの少女を何処かで見たことがあることに気が付いた。
夢ではなく何処かで以前あの少女の哀しげな顔を見た事がある既視感を覚えるがどうしても思い出せない。
遥か昔に、一度だけ会ったような気がする。
「君は一体誰なんだ?なぜ、僕の前に現れるんだ!?君は…僕に何をしろっていうんだ?」
祥が問いかけると後ろから不意に何かがぶつかってきて、よろけて桟橋に倒れそうになった。
小さな女の子が祥にぶつかってきてしまったようだ。祥は夢の中ではなく現実に戻された事を実感する。
祥にぶつかった女の子とその母親は何度も祥へ謝り船へと足を運ぼうとしていた。
女の子は船へ乗る前に、ぶつかった時に祥が落とした物だと祥へロケットを受け渡す。
【第一章:〜父の遺言〜 6】
ロケットの中の硝子が割れていないか確認すると中の写真が少しだけずれて、
その下にはもう一枚写真の様な物がはさまっていた事に気づく。
祥は硝子のカバーを取り出して幼い頃の自分の写真を取り除くと昨日夢と先程の幻覚の中で出会った少女の写真が貼られていた。
「―――!?なぜ、あの少女の写真が!?―――もしかしてこの少女が父さんが探していた少女なのだろうか?」
祥は、なぜかその少女と自分との間の何か不思議な繋がりの様な物を感じていた。
「(もう、イギリスに帰るって決めていたはずなのに…ここにいてももう…父さんは…帰ってこないのに。
だけど……なぜか、あの少女の事が気になる。あの哀しい眼…声…………)」
祥は再びロケットを見た。少女の顔は笑っておらず、ただ…哀しい笑みを浮かべているようだった。
「(…僕は、これからどうすればいいんだろう?
イギリスに戻り、勉強して父さんのように考古学者になって、それで父さんは満足なんだろうか?
―――いや、僕自身本当にそれで満足なのか?今、僕がイギリスに帰るということは父さんの事を忘れるのではなく、
自分から逃げることになるのではないだろうか?それならば…この少女を捜して父さんの死の真相を探ればいいのではないか。
このまま、永遠に後悔し続けるよりも、今全てを解決させた方が…
やってみよう、無駄かもしれないけど後悔しないためにも。)」
乗船を急かす船員に対し、祥は謝りながら乗船を断り桟橋から離れた。
帯刀が祥の姿を見て驚く。祥は帯刀に自分の考えを伝える。
琢磨がなぜ死んだのか、捜していた少女は何者なのか全ての真相を知りたい。
何も知らずこのまま帰ったら、僕は一生後悔する。一週間後にイギリス行きの船が出るから、それまでに掴んでみせる。
帯刀「…………ふぅ…いた仕方ありませんな。わかりました、坊ちゃん。今回の渡英は取り止めに致しましょう。
坊ちゃんの納得がいくまで、爺もお供いたします。それが、執事として当然ですからな。」
祥「じいや、ありがとう、じいや。」
草薙邸へ戻った祥は今後の行動について考える。
鬼瓦の話では、琢磨は何処かで殺された後、芝浦港に流れ着いたそうだ。
せめて当日の行動がわかればと思い、帯刀と共に二階にある琢磨の書斎へと向かった。
【第一章:〜父の遺言〜 7】
書斎の机の中等、未整理の収納物には考古学の書類ばかりが入っているばかりで、失踪に関する情報は得られなかったが、
一枚の開封済みの手紙を見つける。差出人の名前は山神義郎。祥とは面識のない名前だった。
琢磨宛に書かれた手紙の内容は、琢磨の依頼により探していた少女の居場所が判明した為、
詳細を帝日新聞社本部の報道部にて話すといった内容だった。
手紙の発送日は七月一日、琢磨が失踪した日に近いはず。祥は近くにある新聞を取り、帝日新聞社の場所を調べた。
父親の足取りを一刻も早く知りたい祥は応接室に出た所、帯刀と出会い手紙の事や港での幻覚、二日前の夢の事を説明する。
祥は、もしも少女が父さんのように殺されたりしたらと思うと居ても立っても居られなかった。
夜分遅い時間の訪問を宥める帯刀を押しのけようとしたその時、祥は帯刀に投げ飛ばされる。
「申し訳ございませんが、今は休まれた方がよろしいかと思われますぞ?
あの程度の投げをかわせないのは、気力不足だという証拠ですからな。」
主人の健康管理も執事の役目、帯刀は焦らず冷静に行動して欲しいと祥に促す。
祥は帯刀に自室へ連れ戻され布団に入った。祥は帯刀の言っている事は正しい、悪いのは自分だと反省する。
体調を整えて、明日また行動しようと心の中で呟き、まどろみに身を委ねた…
八月四日 祥は帯刀に起こされる。夢も見ずぐっすり眠れたようだ。
祥は一人、帝日新聞社へと向かうが道に迷い彷徨いている所で麻生教授と出くわす。
沙夜子が琢磨の死によって精神的にまいって寝込んで、学会の発表どころではないと言う。
学会の発表も一人では出来ない麻生教授はぶらぶらと東京巡りをしているらしい。
祥なら沙夜子も立ち直らせる事ができるかもしれないから、時間があったら様子を見て欲しいと頼まれる。
麻生教授は帝日新聞社の場所と沙夜子の住所を教え去ってしまう。
祥は帝日新聞社の受付に入り受付の女性に山神さんに用事がある事を伝える。
二階奥の報道部に山神のデスクがあると案内され報道部へ。一番奥に座っていた編集長が祥に経緯を説明してくれた。
山神は考古学者だと言う男の手伝いをしていて…ひと月前のある日、姿を見せなくなってしまった。
連絡も何も無いから不安で、警察には失踪という形で捜してもらったが見つからない。
確か失踪する前に―――数年前に廃棄された睦月精肉工場に行ってその考古学者と二人で少女を捜すと言い出て行き
その日以来、山神君は帰ってきていない。睦月精肉工場は本所区の太平町にあると言う。
父が失踪した時期と同じだと気づいた祥は、考古学者と言うのは琢磨の事ではないかと推測する。
祥は編集長に礼を言い受付へと戻る。
琢磨の足取りについて考えこむ祥に受付の女性が話しかける。編集長から言付けを頼まれたらしい。
『睦月精肉工場跡は帝国陸軍が占拠しているので、侵入するなら気をつけるように。』だそうです。
草薙琢磨はよくこの新聞社を訪ねて山神さんと編集長の門脇さんとは友人だったそうだ。
祥は受付の女性に編集長にも礼を伝えて欲しいと言い新聞社を去る。
【第一章:〜父の遺言〜 8】
陸軍をどうにかしなければならない、祥は考え事をしながら東京駅を横切り警視庁へと足を運んだ。
祥は受付で鬼瓦への面会をお願いするが、警視総監からの呼び出しで今日一日帰ってきそうにないそうだ。
祥は警視庁を出て今後の行動について考えるが、鬼瓦警部不在では睦月精肉工場へ行けそうもないと困り果てる。
鬼瓦以外に協力してくれそうな人と言えば帯刀と沙夜子位しか居ない、とにかく相談してみよう。
沙夜子に相談する為、祥は牛込区(うしごめく)へ足を運んだ。
沙夜子の住まいを見つけた祥は再び麻生教授と再会する。どうやら沙夜子の様子が気になって戻ってきたそうだ。
祥は麻生教授に招かれ応接間へと進み沙夜子と再会する。沙夜子は初めて出逢った時と違い、やつれ果てている様に見えた。
目は赤く充血し、頬もややこけていた。満足に食事も取らず、夜な夜な泣き続けていたのだろう。
祥は麻生教授に沙夜子と二人っきりで話がしたいと願い出る。
麻生教授は了承し話が終わったら声をかけてくれと退室すると沙夜子は祥へ話しかけてきた。
祥や祖父の麻生教授や大学関係者にも迷惑をかけている事はわかっているが、どうしても立ち直れない。
祥は自分も琢磨が死んでから目標を失ったような感覚を覚えた、でもこれ以上泣いたら琢磨に叱られるから泣かない。
いつまでも琢磨との思い出の中に逃げて自分を見失なう訳にはいかないと沙夜子を諭す。
沙夜子は琢磨も慰めてくれる時、祥と同じような事を言ってくれていた事を思い出し自我を取り戻した。
沙夜子は祥の大人みたいな言葉を褒め称えた所で、盗み聞きを立てていた麻生教授が入ってくる。
祥は沙夜子に用件があった事を思い出しこれまでの経過を二人に説明する。信じてくれるかわからないが、事実を素直に伝えた。
全てを話し終えた時、沙夜子の顔が青ざめているのがわかった。
沙夜子も琢磨の死に疑問があり、快く協力してくれる事を約束する。
麻生教授は沙夜子が立ち直った事に安心し研究室に戻る事にする、何かあったら訪ねて来なさいと祥に伝える。
祥と沙夜子は帯刀を説得する為、祥の自宅へと足を運んだ。
祥は帯刀に父の失踪した場所がわかったと伝え協力を依頼する。
帯刀も快く祥に協力すると答える。
三人は本所区太平町にある睦月精肉工場へと向かう。
祥は帝日新聞社の編集長から聞いた工場跡を見渡す。以前、祥や鬼瓦も見た事のある工場跡地だった。
入り口には兵士が見張っていて侵入できそうにもない。中々隙が伺えないまま時間がだけが経過してしまう。
沙夜子は見張りの兵士の様子が何かに操られているようだと言う。確かに何かに怯えているような雰囲気だ。
様子を見続けるも隙ができず、夕方、そして夜を迎えてしまう。このままでは埒があかない。
沙夜子は祥に食べ物を買ってくると言い去ってしまう。
祥と帯刀は何か対策はないか話し合っている所で沙夜子の悲鳴が聞こえてきた。
【第一章:〜父の遺言〜 9】
二人は悲鳴が聞こえた外手町へと急行すると、壁に追い詰められた沙夜子と漆黒の灰色のローブを纏った怪しい集団が居た。
怪奇や幻想小説に登場しそうな魔道士の姿をした者達が僕達の声に反応してこちらを見る。
魔道士達全てが、おぞましく不気味なペルソナ(仮面)を被って僕達を見つめている。
恐怖に押し潰されそうな祥、そこに電撃が走ったような音が鳴ると帯刀が力なく倒れている事に気づく。
魔道士達の内、一人が前へと歩み寄る。その男の頭髪は茶色で、漆黒のマントを羽織っていた。
仮面の男「クククッ、我々の隠れ家を監視していたのが何者かと思えば…こんな子供でしたか。少年、我々に何か用ですかな?」
祥は震え声で父親が死んだ理由を探るためだと答えると背後から衝撃を受け意識が徐々に失われてゆくのを感じる。
なぜ余計な事をしたのか男女のやり取りが聞こえるが、意識が朦朧として姿を見る事ができない。
女は計画通りに進むのであれば指図しないで欲しいと言っていた。そして男女は祥の事を使い道がありそうだと話している。
やがて祥は意識を失う。次の瞬間、一発の銃声が聞こえた。
祥が目を覚ました時、目の前には帯刀と沙夜子の姿があった。どうやら危ない所を少佐が助けてくれたらしい。
辺りを見回すと以前乃木邸で出逢った事のある将校が居た。
その人は帝国陸軍近衛第三連隊連隊長を務めている氷室京一郎少佐だと言う。
帝都内における一部陸軍将校の造反の為、太平町を見張っていた所、部下から不審な集団を目撃したと連絡が入り
駆けつけた所に遭遇したと言う。不審な集団の一人は切り倒したが、残りは睦月精肉工場の中へ逃げこんでしまったそうだ。
祥はあの集団が琢磨を殺した奴等に違いないと直感した。
氷室は琢磨の知り合いで以前共に仕事をした事があり、借りを返す為にもあの者達の処分は任せてくれと祥へ伝える。
祥は氷室に連れて行って欲しいと言うが、死んでしまうぞと拒絶される。
そこへ追い討ちをかけるように帯刀が口を挟む。先程死にかけてしまった祥に命がいくつあっても足りないと涙ながら話しかける。
氷室は祥に冷静になるように促し帯刀、沙夜子にも工場に近づかないよう警告する。
「これより午後十時を期して反乱分子の排除を決行する。近づいて流れ弾に当っても我々は一切関知せん。
また、この事は部外秘である。一般市民を混乱させる訳にはいかないからな。では、失礼。」
八月四日、時計は夜の九時半を回っていた。
祥は少女が殺されてしまうのではないかと居ても立っても居られなかった。
何のために東京に残ったのか一人でも行くと帯刀に言い放つとさすがの帯刀も観念し付いて行く事にした。
表に出た二人の前には、家に帰ったと思われていた沙夜子が待っていた。祥なら工場へ行くに違いないとずっと待っていたそうだ。
今日はここまでにしときます。
このゲーム十章構成ですが、第一章が一番長いです。
第二章から第八章までは短いもの多くて均等じゃなかったります。
未解決一覧にあった「エスプガルーダII〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜」を投下します。
【プロローグ】
前作の戦いである「シンラ大戦」から3年後。
ソーマ国はシンラと大戦を引き起こした聖霊(ガルーダ)の技術を入手。
シンラの技術に自らの技術を加え、人為的にガルーダ能力を手に入れる実験を行っていた。
しかしその実験は多くの人間、特に子供たちを使うものであり中には悲惨な死を遂げる者もいた。
国王は娘のジャノメと息子のツバメも実験体になるが、完全なガルーダにはならなかった。
唯一ガルーダとして覚聖できたのはアサギだけだった。
アサギは自分が生み出されるまでに多くの人間が犠牲になっていることを知り、反乱を企てることにした。
ソーマ国初のガルーダとして称号を受ける授与式の日。アサギは覚聖能力で国王を殺害し逃亡を図る。
同刻、シンラ大戦で戦った兄妹のガルーダ、アゲハとタテハもソーマ国の現状を知り
かつて自分たちが手をかけた義妹のセセリのような被害者を出さない為にソーマ国へ向かうのだった。
【キャラクター】
アサギ:本作品の主人公。ソーマ国唯一のガルーダ。一見明るい少女だがちょっとSっ気がある。
アゲハ:前作の主人公・兄。シンラ国によって生み出されたガルーダの一人。
タテハ:前作の主人公・妹。シンラ国によって生み出されたガルーダの一人。
ジャノメ:ソーマ国の姫。父の手により未完成なガルーダとなる。
ツバメ:ソーマ国の王子。姉と同じく未完成なガルーダ。父亡き後軍隊長として兵を率いる。
マダラ:通称ウェッハ。ソーマ王に忠誠を誓う将校の男。国王殺害時に自らも負傷し、機械と融合した装備で纏う。
セセリ:シンラ国の姫。3年前のシンラ大戦でガルーダ兄妹に四肢をもがれて敗退する。
【Stage1 運命は少女と共に】
ソーマ王を殺害し、逃亡を続けるアサギに軍の手が迫る。
そこへアゲハとタテハの兄妹が合流、バリアを発生させ追っ手の軍を一掃する。
自分と同じガルーダ能力を持ったアサギを見て驚く兄妹。
それをよそにアサギは踵を返し飛び立つ。後を追うアゲハとタテハ。
「見つけたぞアサギィ!」
自分を追い、他国への侵攻をも開始していたソーマ軍をなぎ払うアサギの目の前に王子であるツバメが立ちはだかる。
能力増幅装置であるガルーダローブと呼ばれる偽翼を背負い襲い掛かるツバメ。
アサギの一撃がツバメを薙ぐ。「お姉ちゃぁぁぁん」と叫び、鮮血を撒き散らしツバメは海に墜ちていく。
【Stage2 生命の化身】
ソーマ国の襲撃により軍港となった港町上空を3人のガルーダは飛ぶ。
そこに響く「ウエッハッハッハッハ!」と豪快な笑い声。
かつてアサギによって半身を負傷した将校・マダラが巨大な銃を手に現れる。
アサギはものともせずマダラの腕を銃ごと吹き飛ばし、船上にたたき付ける。
更に襲い来る生体兵器ヨルムンガンドを殲滅し、3人は空中要塞へと向かう。
【Stage3 姉と弟と・・】
廃棄処理場を兼ねた空中要塞。
迎撃の為に飛来する戦闘艇をなぎ払い3人がたどり着いたところは要塞とは不釣合いの空中庭園。
そこに響くすすり泣く声。庭園の中心には傷ついた弟を抱きしめる王女・ジャノメ。
「よくも…私のツバメを…!」
ツバメと同じガルーダローブを纏い、庭園の花をも巻き上げて攻撃を仕掛けるジャノメ。
しかしガルーダの力には敵わず、力尽きたジャノメは花びらが舞う中落下していく。
「ツバメ…ごめんね…」
【Stage4 砂塵浴びる哀】
空中要塞を後にし、渓谷を飛ぶ3人。
彼女に向かう軍隊も増え、綺麗な眺望の渓谷も戦火に包まれている。
渓谷を抜けた平原でアサギは巨大な機械と、搭乗者の声を聞く。
「俺はココだァ!」
それは港町で撃破したマダラだった。
自ら肉体を捨て、首から下を機械化したマダラは巨大戦車として立ちふさがる。
何度も変形を繰り返し攻撃を加えるマダラ。しかしその体もガルーダの攻撃には耐え切れず爆発した。
「王子ぃぃぃ!姫様ぁぁぁぁぁ!」
最期までソーマ国に忠を尽くしたマダラの叫びは爆風の中に消えていった。
【Stage5 ずっとこの時を待っていた】
ソーマの中心都市ビフロンズまでたどり着いた3人。
激戦を繰り広げる中、アゲハとタテハは懐かしい存在を感じ取っていた。
それは都市の広場の中にいた。
「ずっとこの時を待っていた…必ず死なす!」
武器を手に偽翼を広げ飛翔するドレス姿の女性。
それはソーマ国の手によって蘇生し、復讐への一念から兵器化し、憎悪に満ちたセセリの姿だった。
「消し飛べぇぇえぇ!」
機械化した身体から武器を射出し襲い来るセセリ。
ガルーダの力がセセリの身体を打ち抜く。
崩壊していくセセリの身体、顔が割れ、機械の肌が露出していくなか、セセリは涙を流し散っていった。
「お父さま…ごめんなさい…」
【Stage6 完全なるモノへ】
3人はガルーダ研究施設へ強襲をかけた。
飛行艇や戦車をなぎ払い、施設内に突入すると複製されたガルーダの実験体が生身のまま襲い掛かってきた。
3人の力の前に鮮血を噴出し、断末魔をあげて散っていく実験体。
その先には巨大な生体維持装置・ガッデスガルーダがあった。
ガッデスガルーダを破壊する3人。
そこにはひとつの融合装置と互いに手を取り合ったジャノメとツバメの姿があった。
「融合すればガルーダになれるんだ!」
「これからはずっと一緒なの」
「お姉ちゃん行くよ!」
「いつでもいいわ、ツバメ」
「融合してしまったら、人間には戻れないのよ!」
叫ぶアサギの声も空しく、ジャノメとツバメは自ら融合装置の中へ飛び込んでいく。
二人は融合し、真ガルーダ・クジャクとなった。
圧倒的な力で襲い掛かるクジャク。覚聖した力で対抗するガルーダ。
戦いはガルーダの勝利で終わった。クジャクは崩壊し、ジャノメとツバメの融合も解ける。
その身体も轟音をあげて消滅していった。
【エンディング】
・アサギ編
ジャノメとツバメが消滅するのを見たアサギは涙を流す。
「ガルーダの力なんてあったって、何も生み出せないのね…あたしなんて…消えてなくなればいいのよ!」
アサギは残る全ての力を実験施設めがけ打ち込む。
「さぁ行こう…アサギは良くやったよ…」
自分の中に宿る聖霊の言葉にアサギは笑みを浮かべ、爆風の中に消えて行った。
・アゲハ編
「俺は、年端も行かない子供たちを殺してしまった。セセリ…おまえもそれで良かったのか…」
再び義妹を、年端も行かない子供たちを殺してしまったアゲハは自責の念に駆られる。
そんな彼を妹のタテハは抱きしめる。
「お兄ちゃんがそんなんでどうするのよっ!落ち込んでいてもしょうがないわ、築こうよ平和な世界」
タテハの言葉に我に帰るアゲハ。見つめあう二人の頭上にはガルーダの羽根と同じ蝶が舞っていた。
・タテハ編
タテハは実験施設に囚われていた生存者の子供を救出した。
「良かった。みんな無事ね。これからは私が守ってあげるからね」
泣きながら駆け寄ってくる子供たち。
それを見たタテハは涙を流して死んでいったセセリの姿を思い出していた。
「セセリ…私たち、どうしてこんなになっちゃったの?もっと分かり合えたはずなのにね…」
【ブラックレーベル版・セセリ編】
XBOX360に移植されたブラックレーベル版ではセセリもプレイヤーキャラとして選択できる。
設定上はセセリと同等の力と記憶を持つクローン兵器。
身体機能の損傷により父であるソーマ国王・ジャコウが殺されたことまでの記憶がなく。
アゲハ・タテハのガルーダ兄妹と仲良く暮らしていた。
ソーマ国の騒乱を知り、記憶を取り戻さないままセセリは戦地に赴く。
ソーマ国の野望は打ち砕かれ焦土と化した地を見たセセリはオリジナルの記憶を思い出す。
大好きな父王が殺されたこと。殺したのは今まで慕っていた兄と姉だったこと。
そして今回の戦いでオリジナルである自分をも殺してしまったこと。
悲鳴をあげたセセリはそのまま気を失ってしまう。
気がつくとそこはガルーダ兄妹と母親が暮らす家だった。
セセリのお陰でソーマ国の野望は打ち砕かれたと感謝を述べ、目を覚ましたことを母親に報告するために部屋を後にする兄妹。
その姿を見送ったセセリの顔は歪んだ笑みを浮かべていた。
「戦いは…終わってなんか…いないよ!タテハにアゲハ…たった今始まったばかりだよ…必ず死なすっ!!」
全ての記憶を思い出したセセリは兄妹の殺害とシンラ国の復活という野望を新たに抱くのだった。
エスプガルーダIIのストーリーは以上。
予断だが、セセリは製作スタッフ(特に社長)のお気に入りキャラであり、
上級プレイヤーがストーリーを進めるとStage5のセセリが「憎悪に満ちたセセリ」という強化ボスになる。
「お前のようなボスがいるか」といわんばかりの弾幕の吐きっぷりに「この子はいろいろな意味で愛されてるなあ」と思う次第である。
【第一章:〜父の遺言〜 10】
三人は危険を承知の上、再び睦月精肉工場前へと足を運んだ。睦月精肉工場は以前とは様子が違い兵士の姿が無かった。
八月四日 午後十一時に三人は睦月精肉工場内へ侵入した。この場所に何か手掛かりが隠されているに違いない。
三人は互いに協力を誓い合い工場の中へと進む。工場奥の床下にある血の跡がただならぬ雰囲気を醸し出していた。
工場2階の一室で見つけた会計資料からこの工場は表向きは精肉工場であるが、内部では武器を生産している事がわかった。
一方とある一室にて兵士が仮面の男に報告をあげていた。
仮面の男の命令で、約10時間後に起爆する時限装置の配置が完了した内容であった。
仮面の男はこの爆発が起きるのが先か少女が目覚めるのが先か大きな賭けに出ていた。
その後、八月五日 午前0時 仮面の男は地下の祭壇へと訪れ少女へ話しかける。
「父王ケルブデルの子にして高潔なる皇子クルテュアよ…遥かなる時空を超えて現し世に転生した我らの皇子よ…
ククククッ、長かった…ようやく昔年の我が本懐が遂げられる時が来たのだ…
あの時の…あの唯一無二の我が過ちを、決して犯しはしない…二度も逃げられるとは思うなよ……
おまえは既に我が掌中でしか生きられぬのだから…今度こそ…今度こそ骨の髄までしゃぶり尽くしてくれるわ。
ククククッ。アーハッハッッハッハ!!」
探索を続ける祥達、三人は工場内で見つけた工場奥にある倉庫から梯子を降りて地下水路へ。
祥達は巡回する兵士の隙をつき兵隊詰所へ入り込み、居眠りしている軍曹をロープで縛り上げ鍵束を盗み更に奥へ。
気味の悪い大きな髑髏の扉を発見するが、今は開けれそうにないと判断し実験室に訪れる。
その部屋は薬品の刺激臭と血の匂いが充満していた。
奥の実験台の死体を調べてみると死体はゾンビとなり襲いかかってきたが、一行はこれを難なく撃退する。
一体何の実験が行われていたのだろうか?
祥達は女性の服、点火棒、アンモニア瓶、水入り瓶、犬の骨を手に入れて、本棚、書架にあった
観察日記、研究報告書に目を通す。
観察日記には、人間の養分だけを吸い取る化け物を番兵として飼っていた事、
性別は分からないが女性と仮定して彼女を「花子」と呼ぶことにした事等が書かれていた。
研究報告書には工場施設、及び地下施設を計画通りすみやかに廃棄せよ。と計八箇所に小型時限式爆薬を設置し、
施設を完全爆破、近隣の民間施設、住宅等に若干の被害が予想されるが、これに関しては一切関与しない。
工場機械の老朽化によって起こった火災事故として扱う事、計画の万全を期すため、爆薬の内1ヶは
完全解除不能型の特殊爆薬を使用する事が書かれていた。
部屋の中の犬の像に犬用の骨を置いてみると仕掛けが動き出し鏡台の鏡が扉のように開いた!
祥達は鏡の奥の秘密の部屋に入り、中の事務机から防毒マスク、テーブルから魔道書を取得する。
魔道書は古い書物の為、所々風化して読めないが、儀式に関する説明が書かれていた。
ページをめくると本の間に「生贄の短剣」が挟まっていた事に気づく。
【第一章:〜父の遺言〜 11】
祥達は髑髏の扉の向こう側へ行く為、地下室の各部屋にある仕掛けを解除する。
点火棒を使い、各部屋にあるろうそくに特定の順番で火をつけると髑髏の扉は開いた。
狭い地下室を抜けると唐突に巨大な空間が広がり一本の細く長い石造りの橋が続いていた。
辺りはねっとりと甘く妖しい不快な霧に包まれて、精神がひきむしられるのを感じた。
祥は防毒マスクを身に着けて必要だと思われる物を持ち出し奥へ進んだ。
奥へ進むとそこには禍々しい石像が並んだ異様な光景が広がり祭壇へと続いていた。
祭壇の中央には邪神をモチーフにした石像があり、その左手に持つ十字架には少女が縛り付けられていた。
少女の肉体は醜悪な像と融合し分離は不可能のように見える。この少女もこの部屋の像も夢で見た光景だ。
祭壇の床には大きな魔法陣が書かれ怪しく光り輝いている。
祥は石像の右手に持つように置かれている香炉をに水を撒き煙を消した。
続いて生贄のナイフで自分の左手を切り、魔方陣に血を垂らす。
魔法陣は光輝き、祥の全身を包み込み大量の血を流した左手は何事も無かったように元に戻っていた。
魔法陣の光に反応して縛り付けられていた少女が突然目の前に現れる。
「お、おい!大丈夫か!?しっかりしろ!!」
祥は邪神像に捕らえられていた少女を抱きかかえると、その頬を軽く叩くと少女は目を覚ました。
「ここ…は…私……どうして……?」
祥は自分の名前を名乗り、少女の事を尋ねる。少女は由貴という名前のようで、名前以外の記憶を無くしてしまったらしい。
我に返った少女は自分が裸である事に気づき、祥は照れながら探索時に見つけた女性用の服を渡す。
服を着込んだ由貴は祥に連れられ工場へと戻ろうと祭壇を後にする。
由貴は祭壇への橋で立ち止まり祥に改めて自分を助けだしてくれた事に対して礼を述べる。
祥はどうして私なんかを助けてくれたのか、おかしな格好をした人に周りを取り囲まれて
暗くて辛くて凄く嫌でやめてって何度も叫んだのに誰も助けてくれなかったと過去を振り返る。
過去を思い出すと頭がおかしくなりそうだけど、喋らないと頭がおかしくなりそうだとも言う。
由貴は一度も会ったことがないのに前から祥の事を知っている気がすると言う。
祥の事を何度も何度も夢で見た。いつか私を助けだしてくれるんだってわかっていたから辛いことも耐えることができた。
祥も由貴を夢で見たと話す。
由貴はぼんやりとしか思い出せないが夢の中で祥に似た優しい人が居たような気がすると言う。
祥は琢磨の事ではないかと取り乱して由貴に詳しい状況を聞き出そうとするが、由貴は思い出せない。
祥は琢磨を殺した奴等を絶対に許せない。見つけ出して罪を償わせてやりたいというが、
由貴はあんな奴等に関わっては駄目だと祥を止めようとする。
由貴は琢磨と暗くて湿った長い長いトンネルみたいな所を走ったと言う。
祥は地下水道の事を言っているのかと推測する。
由貴は、黒くて凄い恐い物に凄い速さで追いかけられて、すぐに追いつかれた。
生き物じゃない、ぬるぬした臭い、薄汚い憎しみのカタマリ…そいつがあの人を襲ったんだと言う。
祥は琢磨が実際に死んでしまっている事を改めて実感し泣き叫んでしまう。
祥と由貴はお互い慰め合い早くここから脱出しようと誓い合う。
【第一章:〜父の遺言〜 12】
由貴は多分出口を知っている。駄目かもしれないけど多分こっちと祥を導く。
そこへ仮面の男が現れ由貴を捕まえる。
「聖なる祭壇を汚した罪と、我らが偉大な神への冒涜行為は見逃すことができない。
武器を捨てなければ由貴がどんな目にあうかわからないぞ。」
由貴は構わず逃げてというが、祥は逃げ出す訳にはいかないと武器を捨てて捕らえられてしまう。
祥は独房へと連れだされた。帯刀、沙夜子も同様に独房に閉じ込められてしまっていた。
仮面の男は祥の名前を言い当てる。今は亡き草薙琢磨教授にそっくりだと言う。
仮面の男はあの一件以来少女が心を閉ざしてしまった事に困っていたそうだ。
そのお礼と言ってはなんですがひとつゲームをしようじゃありませんかと提案してきた。
この地下及び、工場施設は本日廃棄処分する手はずになっている。時限爆破装置が作動して木っ端微塵になる前に
見事ここから脱出する事が出来れば今回だけは見逃して差し上げましょう。
由貴を返せと詰め寄る祥は兵士に殴り倒され仮面の男と兵士達は独房から出ていった。
祥は倒れ込んでいる帯刀と沙夜子を起こし一部始終を二人に話した。
一方仮面の男はもうこの施設を警備する必要はないと巡回している兵たちに退去命令を出す。
由貴を連れ出そうとすると由貴が覚醒してしまい兵士共々魔法を受けてしまう。
祥達三人は独房の扉を破壊して通路へと脱出すると目の前には床下にメモが落ちていた。
メモには仮面の男からのメッセージが書かれていた。
先程言っていたゲームについての情報で、この廃工場の地上と地下に小型爆弾が七個、大型爆弾が一個あるそうだ。
小型爆弾は簡易で運が良ければ解除できるが、大型爆弾は僕達では解除できない特殊なものらしい。
簡易爆弾を一つ解除する毎に大型爆弾の爆破時間を三十分延長する仕組みを組み込んであるそうだ。
祥は以前工場の二階で見つけたダウジング読本を読み、ダウジングロッドを持ち爆弾を探す。
簡易爆弾を見つける一行。簡易爆弾は単純な構造で赤と青の2本のリード線のどちらかを切れば装置が解除される仕組みのようだ。
以前工場内で見つけた紙切れには『赤、青、青、青、赤、青、赤』と走り書きがされていたのは、
この簡易爆弾の事だったのであろう。各所に設置されていた簡易爆弾7個を紙切れの情報を元に解除する事ができた。
爆弾を解除して回る途中、工場の入口の様子を見たが封鎖されて、残された逃げ道は地下水路以外になかった。
更に一行は由貴を助けた祭壇の奥深くへと進む。
奥の部屋はごみの集積地だったのだろうか。部屋には異様な臭気が充満し気分が悪くなりそうだ。
ここはどうやら牢獄として使用されていた…いや現在も使われているようだ。
死体が壊れたおもちゃのように床に放置されていた…
原型を留めないくらいぐずぐずに崩れ、干からびた血と肉の塊と化していたが、確かにそれは人間の死体だった。
もう一方の死体は巨大な爪で引き裂かれたように見える…
【第一章:〜父の遺言〜 13】
更に奥へと進む一行。祥は倒れている由貴を見つけ話しかける。息はあるが意識が戻らない。
祥は以前手に入れたアンモニア水を振りかけ目覚めさせる。
由貴は仮面の男に捕まった後、何処かへ連れていかれそうになり、急な頭痛に襲われ、それ以降の記憶が無いらしい。
祥達四人は更に奥へと進む。水路の床に日記帳が落ちている事に気づく。
日付のない日記帳には自分の臆病さによって大切な友人である琢磨を見捨てて逃げてしまった事を懺悔していた。
見殺しにした琢磨と妻の千恵子に申し訳ない気持ちで一杯になっている事、
一目だけでいい、声だけでもいいから、妻に会いたいと書かれていた。
一行は更に奥へと進む。通路には明かりを灯せば道は開かれると血のメッセージが書かれていた。
開けることが出来ない扉の近くには燈台があり、オイルを流し点火棒で火を灯すと扉が開く。
どうやら、この事を言っているのだろう。行き止まりの通路で写真機を拾う。写真機は錆つき壊れている。
よく見ると名札には『帝日新聞記者 山神義郎』と書いてあった。ケースの中には数枚の写真があった。
殆どが何を写しているのかわからなかったが、その中の一枚だけまともな写真があった。
その写真には、こちらをむいて微笑んでいる若い女性の姿が写っていた。祥達の知らない女性だ。
更に奥へ進む一行。ふと壁を見ると血痕が残っていた。
『失くした思い出を探し出してほしい…』
近くの壊れかけた壁を壊し、壁を抜けると別の空間が拡がっていた。
そこには降りてきた梯子とは別の梯子が架かっている。その手前には男が一人倒れていた。
よく見ると無残に切り刻まれた死体であったが、その表情は穏やかでこの苦しみから開放される、
この世の地獄から逃げ出せる…やっと死ねる…救われた顔だったのだろう…
死体の手には大切そうに紙切れが握りしめられていた。
紙切れには疲れて歩く力も残っていないので最期の力を振り絞ってこれをしたためると書いていた。
自分が帝日新聞の記者の山神である事、巷を騒がす猟奇的事件を追っている内、裏で暗躍している集団の存在を知った事、
陸軍にも絡んでいるようで、兵士達は奴らの言いなりになっているようにも見えた事、
考古学者である友人と共に工場の地下に潜入したが、一介の新聞屋風情が興味本位に首をつっこむ事件ではなかった、
自分の考えが甘かった事。
漆黒のローブを纏い、仮面をつけた得体の知れない連中が、人知れず帝都の地下で行う怪しげな儀式…
人間の身体を使った非人道的な事件の数々…ここに書いてみたところで誰も信じてくれないだろう。
ひと月、下水の暗闇に潜み、奴らの影に脅え暮らしながら、泥水をすする惨めな生活を送って来た。
もはや二度と明るい太陽の下を歩けるとは思っていない…ここで惨めに野垂れ死ぬ運命なのだろう。
ただひとつ心残りは、友人である草薙琢磨君から別れ際に託された手紙を、彼の息子に届けられなかった事だ…
私が血で残したメッセージに導かれ、私の亡骸を見つけた人がいたら、
この手紙をどうか草薙祥君の元へ届けてほしい…それが、せめてもの私の罪滅ぼしなのだ…
千恵子…すまない。今頃、必死に私を探しているのだろうか?こんな所で力尽きる私を、妻は許してくれるだろうか?
あいつが…あの醜い生物が、もう私のすぐそばまで来ている…神よ…愚かなこの私の魂を救いたまえ……
【第一章:〜父の遺言〜 14】
祥はこんな恐ろしい事件が、皆の暮らしているすぐ足元で平然と行われているのに誰も気付かない事に憤りを感じる。
その時、死体がピクリと動き出す。山神記者がゾンビとなって祥達に襲いかかる。
山神と戦いたくない祥達は写真機に入っていた女性の写真を見せる。
「ち……え…こ……」
山神であった男の屍骸は乗っ取られた意識とかつての記憶との激しい葛藤にもがき苦しみ、狂ったように暴れまわる。
やがて、愛妻、千恵子と暮らしていた頃の清浄な魂を取り戻したのか、醜い怪物の顔は人間のそれへと変化していった。
「…あり…が…とう…」
山神は忌まわしい呪力から開放された山神の体は死体へと戻り、その場へぼろぼろと崩れ落ちる…
やがてそこには、カサカサに干からびて腐臭を放つ、打ち捨てられた哀しい男の屍骸だけが残された。
山神の屍骸には草薙教授の遺書が隠されていた。
遺書には、祥と沙夜子、そして杢念(もくねん)の名前と住所がそれぞれ記されている、三通の手紙が入っていた。
その裏面には草薙琢磨よりと記載されている。三通の手紙をそれぞれ読む三人。
祥宛の手紙―我が親愛なる息子、祥へ
琢磨からの遺言として、今一人の少女を追ってこの地下に潜っている事、
その少女は、ある場所から帝都東京へ連れて来た少女で、事情があり匿っていたが、
ある集団に捕らえられてそれ以降、少女を探して帝都中を駆け回ってきた事、
七月一日の今日、新聞記者の山神と共に少女を救出する為に地下に潜ったが
力不足で少女を助ける事ができず、自分自身が不覚にも不気味な何者かに襲われてしまい出血が止まらず、死を覚悟している事、
最期の頼みとして、祥に身寄りも、頼るべき者も居ないその少女を助けて欲しい事、
その少女を助け出しイギリスへ連れ帰って欲しい事が書かれていた。
杢念宛の手紙―我が親愛なる友、帯刀へ
琢磨からの遺言書として自分が死別すると祥には肉親と呼べる者が帝都から居なくなり、
祥はイギリスでしばらくの間、辛い生活となるだろうから、私と私の祖先が残した遺産を全て祥に相続するよう
手続きを行なって欲しい事、祥は相続を嫌がるだろうが、君の力で納得させて欲しい、
そしてこれからも祥の事を宜しく頼むと書かれていた。
沙夜子宛の手紙―沙夜子へ
琢磨の教え子だった時から数えると、もう六年。その後、私の秘書となってくれたおかげで、この2年間、
十分楽しい人生を送ることができたが、その楽しい日々も今日で終わりのようだ…
前から君の気持ちに気付いてはいたが、亡き妻と祥の事もあって、その気持ちに応えることが出来なかった事を詫びたい。
死を目の前に控えた遅すぎる告白だが…私も君を心から愛していると書かれていた。
沙夜子は手紙に添えられていた下水道の鍵を見つける。
上へと続く梯子のマンホールの蓋に付いている頑丈な鍵が付いていたが、その鍵を使い一行は上へと進む事ができた。
【第一章:〜父の遺言〜 15】
祥「やった!ついに脱出できたぞ!」
地上へと脱出した一行は山神の手引きに感謝し厚く弔う事を誓う。
また、得体の知れない集団とどう立ち向かうかが今後の課題だ。
鬼瓦警部であれば一連の出来事を信じてくれるだろうか…
工場の爆発から一行は逃れる事ができた。
マンホールの出口は工場からそう遠くない路地裏へと繋がっていた。
四人は、路地裏を一気に駆け抜けると、転がり込むように車に乗り急発進させると、
後方で爆発が起こった。爆発は、閃光と轟音を発しつつ辺りに破壊を撒き散らす。
巨大な火柱は工場ばかりか、周囲の民家をも呑み込んでゆく…家屋は焼け落ち、逃げ惑う人々の悲鳴や怒号が響く。
その凄惨な光景の前に、祥達は為す術もなく、黙してその惨禍を傍観するだけだった。
野次馬と共に警察、消防、憲兵が騒ぎを聞きつけて集まってきた。
悪夢のような太平町から逃げるように車で脱出した祥達だが車中には重苦しい空気さえ漂っていた。
皆、事件の重大さと想像を超える異常さに、喋る気力さえ失っているようだった。
一片の会話もなく、誰もが終始無言のまま俯いている。
一行は草薙邸に辿り着くと屋敷の中へ入った。
祥は由貴を助け出す事ができたが琢磨が関わっていた秘密には何も迫る事が出来ず
工場は爆破され手懸かりを失い、周辺住民を巻き込んでしまった自分の無力さを感じる。
由貴は祥に一人で抱え込もうとするのではなく皆で解決していこうと励ます。
一行は草薙邸の応接間で今後について話し合う。
祥は由貴をしばらくはこの家に置いてあげたいと帯刀に相談する。渡英の件は取り止め、琢磨の死について真相を究明したい。
それが成し得るまでは日本にいる事にすると決意を改めた。
「私達よりも専門の精神科医に診てもらう方が記憶の回復も早いと思うわ。」
沙夜子は記憶喪失した由貴は病院で診てもらう方が良いと提案するが、由貴は病院だけは行きたくないと拒絶する。
それでは仕方がないと沙夜子はあきらめて、明日からも研究室にいるからよろしくねと伝え帰っていった。
祥は客間を由貴の部屋として割り当て家の説明をひと通り行う。
今日はとりあえず休んで、今後の事は明日考えよう。祥は一人、自室で眠ろうとした所にノックの音が聞こえる。
部屋を訪れたのは由貴だった。由貴は今まで一人でずっと居たから一人でいるのが恐い。
「今夜だけでいいから、一緒に居て…お願い。」
祥は戸惑いながらベットを由貴に譲り、自分は床の上に寝る事にした。
由貴は地下施設での捕らえられた生活がトラウマとなり苦しんでいた。
祥は僕に出来ることなら何でもしてあげると由貴を安心させて寝静まるまで見守っていた。
今日はここまで。って書こうとしたら連投詰め込みすぎてさるさん食らってしまったw
第一章はこれで終わりです。
これで文章全体の約3割が投稿された事になります。文章長くてゴメソ(´・ω:;.:...
続きはまた今度
乙。
FalloutNewVegasの項目ってまだ無いみたいだね。
もう寝るけど、無いならメインクエスト部分を書いても良いかな?
いいか、書きたくなったら書けばいいんだ
ただ書き切る気がなくなったら報告して欲しいんだ
【舞台背景】
核戦争によって荒廃したアメリカ、ラスベガスを中心とした場所が舞台。
モハビ・ウェイストランドと呼ばれているそこは、現在フーバーダムの電力施設を巡り、
三つの勢力によるにらみ合いが続いていた。
荒廃したアメリカの中でも最大の勢力である新カリフォルニア共和国(NCR)、
古代ローマを彷彿させる部族集団シーザーリージョン(リージョン)、
ラスベガスを復興させ、巨大歓楽街ニューベガスを作り上げた謎の人物Mr.ハウス(ハウス)。
3つの派閥がにらみ合いを続ける中、主人公である「運び屋」は、荷物を運んでいる最中に何者かによって荷物を奪われ、
自身も頭を銃で撃たれてしまう。一命を取り留めた運び屋は、奪われた荷物と自身を撃った者を追って、
広いモハビ・ウェイストランドを旅することになる。
【人物・組織について】
・運び屋
信頼有るモハビの運送業、モハビ・エクスプレスにて働いていた主人公。
開幕早々銃で頭をぶち抜かれるも、近くに住んでいたロボットと医者によって一命を取り留めた。
主人公の行動によって、モハビは様々な運命をたどることになる。ルーレットの「珠」。
DLCの内容から、過去に凄まじい所行を行ったことが示唆されている。
・新カリフォルニア共和国
初代Falloutから続く組織。人工70万を越える国と呼ぶに相応しい集団である。
勢力を拡大し続け、モハビにも進出してきた。
秩序だった組織だが、モハビでは無理な人員展開と、リージョンやMr.ハウスによって、慢性的な物資不足(人員含む)に陥っている。
「不満はかなりあるが、リージョンよりはマシ」というのが大多数の現地民の意見。ルーレットのプレイヤー1。
・シーザーリージョン
古代ローマを彷彿とさせる思想を持つ部族集団。
近代的な思想を嫌い、選民思想と奴隷制を敷くことで多くの部族を従えている。
時代錯誤な思想をもっているが、破壊工作を含めた諜報活動はかなりのもの。
「男尊女卑で時代錯誤な蛮族」というのが大多数の現地民の意見。ルーレットのプレイヤー2。
・Mr.ハウス
巨大歓楽街ニューベガスの支配者にして、多数のロボットを従える謎の人物。
核戦争の際モハビウェイストランドの核汚染を防ぎ、その後現地の部族をまとめ上げラスベガスを復興させた。
上記が真実なら、彼の年齢は200を優に超えているがその正体とは…。
自身の王国であるニューベガス以外はどうでも良いと思っている。ルーレットのディーラー。
細かい分岐が多いのですが、大体はこんな話になります。
【共通ルート】
グッドスプリングス郊外で頭を撃たれた運び屋は、その地に住むロボット「ヴィクター」と、
医者のドックミッチェルによって一命を取り留める。運び屋は運んでいた荷物と、自身を撃った人間を追う。
旅をしていくうちに、運び屋が運んでいた荷物がMr.ハウスが依頼したプラチナチップと呼ばれる代物で、
それを奪い運び屋を撃ったのがハウス傘下のカジノ「ザ・トップス」のリーダーであるベニーであることを知る。
ニューベガスのストリップ地区に行くと、そこにはグッドスプリングにいたヴィクターの姿が。
ヴィクターは運び屋を監視するためにハウスが使わしたロボットであった。ハウスの元に運び屋を案内するヴィクター。
カジノ「ラッキー38」にて、巨大モニターを通してハウスと会う運び屋。
プラチナチップは、彼が長年探し求めてきた者なのだという。ベニーがどうやってそれを知り、
ハウスを出し抜こうとしたのかは解らないが、ハウスにとって予想外であったのは確かだという。
ハウスは改めてプラチナチップを自分の元に持ってくるように依頼する。
ラッキー38を出ると、NCRの使いの者が運び屋に接触してくる。大使館にてNCRのクロッカー大使から話があるという。
NCRは、今まで誰とも会おうとしなかったハウスに会うことを許された運び屋に注目していた。
とはいえ、まずはベニーの一件を片付けるのが先決であろう。
ザ・トップスにてベニーと対峙する運び屋。殺したと思っていた運び屋が目の前に現れ動揺するベニー。
殺す、逃げられるなど色々あるのだが、兎に角彼の目的が明らかになる。
ベニーはハウスのロボットであるセキュリトロンを改造し、イエスマンと名付けた。
ベニーはイエスマンを通してプラチナチップを知り、ハウスを出し抜こうと計画したのだ。
イエスマンは運び屋に、「望むのならばモハビを貴方のものにすることも出来る」と持ちかけてくる。
プラチナチップを取り戻し、ザ・トップスを出ると、今度はシーザーリージョンの使者が接触してくる。
使者は指導者であるシーザーに会いに行くように言い去っていった。リージョンもまた運び屋に興味を持ったのだ。
こうして運び屋は、NCR、リージョン、ハウスの三大勢力に注目されることとなった。
どの勢力に肩入れするか、もしくはイエスマンと共謀し、自身がニューベガスの支配者に取って代わるかで分岐する。
【NCRルート】
クロッカー大使の元に行くと、彼からNCRの害になりそうな組織を対処するように依頼される。
依頼をこなしていくと、今度はフーバーダムに行き、ムーア大佐の元で依頼を受けるように言われる。
ムーア大佐の依頼もまた、NCRの害になりそうな組織を対処するというものであった。
それに加えて、今までの実績を買われ、NCRのトップであるキンバル大統領の護衛任務にも就くことも。
運び屋の活躍により、リージョンとの決戦に向けて足固めが終わり、いよいよ決戦の時!
フーバーダムにてNCRとリージョンの決戦の火ぶたが切って落とされた。
――激闘の末リージョンの指揮官リガタス・ラニウスを無力化したNCRは勝利を宣言。
こうしてNCRは、フーバーダムとニューベガス、ひいてはモハビウェイストランドを手に入れたのであった。
尽力した運び屋には、NCRの最高市民勲章であるゴールデン・ブランチが与えられた。
【リージョンルート】
シーザーの元へ行くと、彼からMr.ハウスを始めとしたリージョンに仇なす者や、
害を加えそうな組織を対処するよう指示を受ける。
徐々にシーザーの信頼を得ていった運び屋は、彼の持病の治療や、キンバル大統領の暗殺任務にも就くようになる。
運び屋の活躍により、ダム進行の準備が整った。いよいよ決戦の時!
――激闘の末NCRレンジャー部隊と、指揮官であるリー・オリバー将軍を無力化したリージョンは勝利を宣言。
NCRをモハビから撤退させ、現地民を隷属させ、NCRとは違った意味でウェイストランドを支配することとなった。
功績を認められた運び屋は、リージョンの金貨が貢献を讃えて鋳造された。
【ハウスルート】
プラチナチップをハウスの元に持っていくと、プラチナチップの真の使い道が明らかになった。
それは戦前ハウスが作り出したもので、チップに内蔵されたマイクロフィルムによって、
彼のロボット軍団が強化されるという代物であった。
アップデートに協力した運び屋は、次にハウスの驚異となりそうな組織の対処を依頼される。
その後、NCRを利用すべく運び屋を暗躍させる。
運び屋によって、全ての準備が終わったハウスは、遂にロボット軍団をフーバーダムに進行させた。
NCRとリージョン、その決戦を漁夫の利を狙う形でハウスは勝利を手にした。
双方が撤退し、モハビはMr.ハウスが支配する土地となった。
もっとも彼はニューベガス以外に興味はなく、それ以外の大半の地域は無視か放置された。
運び屋はハウスの元で働くこととなり、ハウスは感謝と畏怖の念を示し、運び屋にあらゆる贅沢を受けられるようにした。
【イエスマンルート】
イエスマンに、ラッキー38のメインコンピュータを乗っ取らせることで、ロボット軍団を乗っ取ることが可能であった。
ハウスを無力化しイエスマンをメインコンピュータに移した後、プラチナチップを使いロボット軍団を強化もしくは破壊する。
次にイエスマンは、各地に散らばる組織についての扱いを運び屋に訪ねてくる。
「対処するにせよ、無視するにせよ、貴方の思い通りにやってください!貴方に間違いなど無いのですから!」
イエスマンはあっけらかんと運び屋に言う。各組織の対応が終わったらダムの決戦へ。
運び屋はロボット軍団と共にフーバーダムへ乗り込む。NCR、リージョン両方に対処し、勝利を収める。
双方は撤退し、ニューベガスは運び屋のものとなった。
3大勢力すべての影響をモハビから取り去った運び屋は、ニューベガスをモハビの独立勢力として続くこととなる。
そして、運び屋の旅は終わった…。今のところは。
新しくなったモハビ・ウェイストランドでは戦闘が続き、血が流れ、
生き残る者もいれば死ぬ者もいた。そしてそれは、旧世界と同じだった。
戦争だけは、決して変わることはないのだ。
おしまいです。余談ですが、FONVはFalloutシリーズのスタッフが作った正史のようなもので、
前作に値するFO3は、シリーズ好きなメーカーによる外伝のような扱いであったりします。
またDLCでは、もう一人の運び屋ユリシーズの軌跡と、モハビ全土の裏話的なシナリオが展開されています。
もし私のつたない文章で、興味が湧いたのでしたら是非手に取ってみてください。
乙
【第二章:〜見世物小屋の恐怖〜 1】
八月六日 午前七時 祥はもう少し寝過ごしたい思いを抑え起床する。
応接間へと足を運ぶと帯刀、由貴が居た。帯刀は帝都での生活の為、由貴を祥の妹として手続きを行ってくれていた。
祥は今日から再び琢磨の知己をくまなく当たってみようと思っている事を帯刀に伝える。
帯刀に留守番を頼み、出かけようとする祥に由貴もついてくると言う。
浅草区の仲見世(なかみせ)を通る二人。二人の前にピエロの呼び込みが目に入る。
「いらっしゃい、いらっしゃい。異国渡来の万国びっくり人間が集まってる、世にも奇妙な見世物だよ。」
万国びっくり博覧会の宣伝に由貴は興味を示す。面白そうなので二人は立ち寄る事にしたが、
ピエロは準備を行う為、夕方六時頃にもう一度来て欲しいと断られてしまう。
二人は諦めて別の場所を捜査する事にする。神田区を通ると祥は幼馴染の九条 静(くじょう しずか)と再会する。
静は用事があるため挨拶を交わすと過ぎ去ってしまう。
麻布区では鈴 麗華(りん れいか)を見かける。二人は話しかけた訳ではなく遠くから見つめるだけだった。
東洋人だけど日本人ではないみたいだというのが祥の感想で、何かを抱え込んでいるような雰囲気だというのが由貴の感想だった。
祥は帝国大学へ足を運び、琢磨の研究室に居る沙夜子を一行に加える。
警視庁・殺人課に入ると鬼瓦が待ち構えていた。
「…………聞いたぞ、祥。随分と危ない事をやらかしてくれたようだな…あれほど控えろと言ったのに…」
琢磨も相談してくれれば、この命に代えても死なせやしなかったものを…と心相を明かす鬼瓦。
祥は警部がそこまで琢磨の事を思っていてくれていたとは思っていなかった。
鬼瓦は由貴に対する捜索願いが過去出ていないか調べておく事を約束してもらい、一行に加えた。
午後6時になろうとしていた頃、見世物小屋の準備が整う時間になる事を思い出した祥達は浅草区の仲見世へと戻る。
「あれ?変だな、準備中の看板が出てるよ。」
祥が異変に気づいたその時、祥の後ろから突然馬のいななきが聞こえたかと思うと、
見世物小屋の隣の屋敷に停めてあった馬車の馬が興奮して暴走し始め祥達の方へと突進してくる。
祥は馬車に跳ね飛ばされ軽い怪我を負ってしまう。
「あらあら、ごめんあそばせ。」
馬車の中からヒルダ、本名はヒルデリカ・リヒテンシュタインと言う妖艶な女性が現れる。
見世物一座の座長を務めていると言う。美少年好きのヒルダは怪我を治す為、祥を一人自分の屋敷へと連れて行く。
祥を心配する由貴であったが、沙夜子にきっと大丈夫よと声をかけられ、
由貴と沙夜子は祥を信じて見世物を楽しませてもらう事にする。
祥が連れ去られたヒルダ邸は西洋風の美しい装飾が施された素晴らしい屋敷だ。
ヒルダは祥の怪我の手当を行う。妖艶に祥の傷口へカサーナという魔女狩りに使われた媚薬を塗りつける。
自分の事を魔女の数少ない生き残りの末裔で気に入った子を虜にしていると言う。
「坊やは私。あなたのガールフレンドはある人が御所望なのよ。」
薬の効果で祥は意識が朦朧としてその場で眠り込んでしまう。
【第二章:〜見世物小屋の恐怖〜 2】
一方、祥と別れた由貴達は見世物小屋で観劇することになった。
暗い通路をピエロに導かれる。劇場に入ると多くの観客の待つ大ホールが拡がっていた。
今日は特別に由貴達だけの貸切公演だという。ピエロが舞台へあがると見世物の説明を行う。
「まず最初は、驚天動地、仰天うけあい間違いなしの、びっくり残酷ショーで〜す。
お客様の目の前で、見るも無残な血の雨を降らせてご覧に入れましょう。」
趣味の悪い説明を延々と続けるピエロに由貴は帰ると呟くとピエロは豹変し由貴へ話しかける。
「馬鹿め、まだ分からんのか。お前らは罠にはまったんだよ。」
ピエロは笑い出すとライフルを持った兵士達が現れ、由貴達は身動きを取ることができなかった。
「マインドブラストォ〜!」
由貴達はピエロの放った魔法を受け床に倒れてしまう。ピエロは兵士達にVIPルームへと連れて行くよう指示を出す。
暗い部屋で目を覚ます由貴。見世物小屋の楽屋のようだ。
由貴は近くに倒れていた沙夜子と鬼瓦を起こしだし脱出をはかる。
奥の入口から外へ抜け出せそうではあるが、祥の行方が気になり探索を続ける事にした。
劇場倉庫の仕掛けを外し、梯子を降りて地下水路を奥へ進むと銃声と共に男の悲鳴が響く。
その先は体中に無数の傷をつけた兵士が倒れ死んでいた。兵士は魔法生物大典を所有していた。
魔法生物大典にはダーラの水で魔法植物を分解する事ができると書いてある。
奥へ進むと緑色の植物のような化け物、餓鬼玉に襲われるが、一行はこれを撃退する。
更に奥へ進むと上へと続く梯子があり、これを上ると先程とは違った別の部屋に出た。
一方ヒルダの寝室ではヒルダのベッドで寝ていた祥が目を覚ます。
部屋の椅子にはヒルダが座っていた。ヒルダは祥に施した魔法と薬が効いている事を確認し、祥を自分好みの下僕へと躾ける。
お茶を持ってくるように命令された祥は朦朧としながら部屋を出て行く。
祥は屋敷のキッチンの流し台からティーポットとポットを手にして、屋敷の奥の番兵に酒を差し出し眠らせると
隠し部屋を開ける。中には由貴達三人が居た。祥の顔を見た鬼瓦は祥の表情の異変に気づく。
祥は鬼瓦の事を知らないと呟く。
「儂じゃ鬼瓦じゃ!しっかりせんか!!」
鬼瓦の怒鳴り声に我に返った祥は、頭痛にうなされながらヒルダ様にお茶をお持ちしなければと再び朦朧とする。
とりあえず一行は行動を共に屋敷を探索する事にした。
バルコニーのゾンビを倒し、丸いテーブルからティーカップを手に入れる。
祥はティーポット、ポット、ティーカップを持ち、由貴達と一旦離れヒルダ待つ寝室へ入る。
「最後は紅茶缶ね。確かどこかの実験室にあったはずよ。鍵はこれね。」
祥はヒルダから実験室の鍵を受け取り寝室を出て再び由貴達と合流する。
実験室の鍵を使って第一実験室へ入ると足に根が人間のような者、「姿を似せし者」が襲い掛かる。
一行は魔法生物大典に書かれていた事を思い出し「姿を似せし者」にダーラの水をぶちまける。
「姿を似せし者」は一瞬で分解される。
化学実験を行う机から紅茶缶を見つける。
【第二章:〜見世物小屋の恐怖〜 3】
祥はティーセットを組み合わせ紅茶を作りその中に由貴達が屋敷内で拾った睡眠薬を入れる。
ヒルダの寝室には仮面の男とヒルダが話し合っていた。
「それで、籠の中の小鳥は、いつお渡し頂けるのですか?」
「さあ、どうしましょう。」
仮面の男はヒルダの気まぐれな態度に苛立ちを覚えていたが、ヒルダは指図される事を嫌っている。
仮面の男は今はヒルダと争うつもりは無いと身を引き何処かへ消えた。
それと入れ替わるように祥が一人ヒルダの寝室へ入る。
祥は睡眠薬の入った紅茶をヒルダへ差し出すと、ヒルダは紅茶を飲み干すと眠り伏せてしまう。
その瞬間、玄関の扉の封印が解かれたようだ。
祥が上手くやったのを見計らい由貴達も寝室へ入ってくる。由貴は倒れているヒルダから魅惑のナイフを盗み出す。
祥達は入口へ向かい扉を開けると何故か勝手に扉が閉まってしまう。
そこへ背後から仮面の男とヒルダが現れ祥へ傀儡の呪文を放つ。
自力で呪文の力を解くことはできないらしい。
白目をむきながら祥が由貴達に襲いかかってくる。
由貴はヒルダから盗んだ魅惑のナイフを使うとナイフの魔力が祥の精神と肉体を蝕んでゆき祥はその場へ倒れ込んでしまう。
「祥、お願い……眼をあけて……。」
泣き崩れる由貴。その姿を見かねてかヒルダが祥に回復魔法をかける。
「あれ?僕はいったい……。今まで何をしていたんだ?」
正気を取り戻した祥にヒルダは由貴に定められた運命の重さに耐えられるかと意味深な言葉を投げかける。
祥は由貴を救うと固い決心を誓うと、ヒルダは祥を自分のものにしたいという思いが改めて強くなったと呟く。
仮面の男がヒルダに心変わり、我々との約束を反故するつもりかと言い出すと、
ヒルダは約束は無かった事にしてあげるからさっさとどこへでも消えてちょうだい。
約束は、私に祥をくれる。代わりに、由貴を引き渡す内容だったけど、
現時点では何も貰っていなのに何で不公平な約束を履行する必要があると言うの?と言い返す。
「裏切りに対する我らの掟を知らぬとは言わせぬぞ。」
「もちろん知っていてよ。なんなら、今ここで相手してあげたってかまわないのよ!」
ヒルダの力を知っている仮面の男は渋々引き上げる事にした。
ヒルダは祥に戦えば恐らく自分は負けるが、傷つく事を恐れていた、
また目的の由貴が巻き込まれて死んでしまっては困るから今回は引き下がったのだと説明する。
体調の悪いヒルダは祥に付き添うのは明日以降にしてあげると言いふらつきながら去ってしまう。
由貴は祥を救い出す為、ヒルダは精神力を使い果たしてしまったのではないかと説明する。
ヒルダの事が嫌いだけど悪い人ではないと憎めない由貴。
本当は良い人なのになぜ悪ぶっているのだろうかと思う祥。
とにかく今日は帰ろう。祥達はヒルダ邸を後にした。
【第三章 〜久遠〜 1】
八月七日 午前七時過ぎ 祥は自室で目覚めの良い朝を迎えた。
迎えに来た由貴と今日も一日がんばろうとお互い誓い合う。
麻布区で二人は中国人の女性である鈴 麗華に話しかけられる。彼女は自分が見つめられている事に気付いて気になったそうだ。
麗華は祥の眼を優しい眼をしている、行方不明になった自分の妹によく似ていると言う。
風水術を会得している麗華はこの辺りは怪しい気配がするのであまり近づかない方が良いと忠告する。
去ろうとする麗華に祥は名前を聞かせて欲しいと要望すると風水法百余派の宗家の鈴家の主「麗華」と答えてくれた。
祥達はヒルダ邸でヒルダを一行に加え捜査を続けた。
午後五時を過ぎ麻布区を訪れる一行は突然の悲鳴を聞く事になる。
祥達は悲鳴が聞こえた場所へ向かうと麗華の後ろ姿を見つけ後を追う。
日付が八月八日へと変わり時刻は0時を過ぎていた。
祥達は麗華が入ったと思われる研究所へ侵入する。鬼瓦はここは帝国陸軍の敷地だと言う。
「北区帝国陸軍研究所。確か生物学の研究施設だと聞いておる。」
ここでは五年前、憲兵隊の間で人体実験が行われているという情報が流れたものの陸軍省によって証拠を潰されたらしい。
不法侵入者になるが、このまま麗華を行かせる訳にもいかない。
鬼瓦は祥に慎重に行動するように忠告する。
一行は各部屋の扉の施錠を拾った鍵で開けながら次々探索を続ける。
一室の机から研究調書が見つかり読んでみると、大正五年十一月十日に
D生命因子による細胞結合により陸軍一個小隊にも勝る生物兵器を作り上げる事ができる
人体実験を行なっていた事、異邦人が犬嶋主任の補佐役に付いた事が書かれていた。
続けて二階へ上がり各部屋を探索すると日記帳とメモを見つけ読んでみた。
日記帳は犬嶋という人の研究日誌だった。
犬嶋は帝国大学で密かに進めていた生物因子Dの研究が陸軍省に認められ研究所長に任命されたらしい。
帝国は生物兵器を欲していた事や研究所を尋ねてきた科学者の異邦人が西洋の童話で出てくる妖術士のような
服装で知識は確かだった事や異邦人に自分の地位を奪われそうになった事、
生物因子Dが暴走して今にも襲われそうになっている事が書かれていた。
メモには大正六年八月に、憲兵隊の調査が予定されている。
全資料を本日七月末日までに地下研究施設へ運ぶ事。
運びきれないものがあれば陸軍省、碌元宗平少佐の指示に従うようにと書かれていた。
二階通路から一階通路へ降り、奥の物置の鉄板の錠を解錠すると下へ続く梯子を見つた。
梯子を降り地下通路を進む祥達の目の前には銃を構えた数十人もの兵士達が現れた。
後方の降りてきた梯子からも兵士が現れ包囲されると一行は頭を殴られ気絶。留置場へと運ばれる。
【第三章 〜久遠〜 2】
牢獄の中、祥は眼を覚ますと目の前に知らない少女が居る事に気づく。
少女は喋れないが不思議な力で祥の頭の中へ話しかける事ができるようだ。
少女は幼い頃から使える事ができた不思議な力に目をつけられてここへさらわれて声帯を奪われたらしい。
少女名前は芳蘭(ほうらん)と言い、中国南京の出身で、風水法百余派の宗家の出、つまり華族の娘だという。
今から三年前、謎の男達により、中国から日本に連れてこられたようだ。
はじめは巫女として丁重に扱われていたが巫女の資格が無いとわかると
不思議な力を調べる為の実験が繰り返されるようになったらしい。
祥は由貴と同じような境遇の彼女に涙を流し、芳蘭を連れてみんなと麗華を探し脱出しようと心に誓う。
祥は芳蘭にこの施設について尋ねる。
芳蘭はここの留置場以外に祭壇のような場所があると答えると仮面の男が扉を開けて現れる。
「楽しそうですね、芳蘭。久しぶりですね、草薙祥君。」
「なぜ…なぜ、お前がここに!?」
ここの研究所は仮面の男のアジトとして使っているそうだ。
仮面の男はどうやってこの場所を知ったのかと感心する。
仮面の男は芳蘭の為にパーティを用意したと言うと、嫌がる芳蘭は周りに衝撃波を発して自身は気を失ってしまう。
驚く祥に仮面の男は魔導の力だと教える。
仮面の男は芳蘭を抱きかかえ兵士に引き渡す。
「芳蘭は巫女の資質があっても、我々が必要とする魂はこの娘には宿っていなかった。
芳蘭は祭壇で行う今回のパーティの主賓、祭壇に眠りし我ら魔道士の守護獣、
大いなる獣復活の為のね。それではごきげんよう。」
仮面の男は去ってから祥は牢獄から出る為、鉄格子を壊そうとする。
鉄格子は壊れそうにないが、この音で見張りの兵士が来るはずだ。その時、うまく鍵を盗むしかない。
やがて兵士がやってきた。祥は鍵を盗もうと手を伸ばすが手が宙を描いてしまう。
兵士は祥を脱獄未遂と言い射殺する為、銃を構える。死を覚悟した祥。
銃声が響くと祥には当たらず、背後の壁にめり込んだ事がわかった。
兵士と祥の間に割って入る人の姿があった。素手で兵士を気絶させるとこちらを振り返る。その人は鈴麗華だった。
麗華は祥の鉄格子の鍵を開け解放する。
祥は麗華の行動が気になった事、魔道士達のアジトだと知ったからには捜査が必要だと心中を明かす。
魔道士達の事を知っていそうな麗華に祥は今までの出来事を包み隠さず話した。
脱出を促す麗華に祥は芳蘭を助けるまで出ていく訳には行かないと答える。
驚く麗華、芳蘭は自分の妹で自分が来た理由は魔道士にさらわれた妹を捜し出す為に来たと説明する。
祥は仮面の男に祭壇へ連れられたと教えると麗華は、この研究所はもうじき壊滅から早く逃げ出すようにと言葉を返す。
獣を封じている帝都地下の大地の気流、地脈の力が崩壊されれば研究所は壊滅する。
それでも死を覚悟してついて行くという祥に麗華は理解し協力を依頼する。
祭壇への扉を開ける方法を見つけ、捕らわれた子供を助けて欲しい。麗華はそういうと部屋から出ていった。
支援〜
【第三章 〜久遠〜 3】
麗華と入れ違うように仲間達が入ってきた。鬼瓦達も麗華に助けられたそうだ。
鬼瓦も麗華の事を知っていて以前妹の捜索願いを受けたことがあるらしい。
祥達は地下牢獄から十数人もの子供達救い出し、地下通路にて麗華と再会する。
魔道士が張った封印結界は解いたが、祭壇への扉の仕組みはまだ解除できていない。鍵が合わなかったそうだ。
祥はその鍵で開く部屋に何かあるかもしれないと思い、麗華から鍵を受け取り別室を探索する事にした。
梯子で一階に上り二階通路の奥の扉を受け取った鍵で解錠して中へ。
部屋の中の寝台には白布で覆い被され、上から頑丈な紐で括り付けられたものがあった。
それを調べようと紐を解くと白布を引き裂き化け物が姿を現した!
襲い掛かってきた姿を似せし者を倒すと化け物は溶け崩れる。
化け物がいた寝台は重さが無くなり何かの装置が作動したようだ。
祥達が再び地下に戻ると先ほどまで居た麗華が居ない、一人で先へ進んだのだろうか?
奥へ進むと祭壇が現れた。祭壇には麗華と仮面の男と魔道士達に囲まれて巨大なま繭に縛り付けられている芳蘭がいた。
仮面の男は麗華の事を知っているようだ。
「我々の拠点である聖域を次々と潰して回っている、退魔風水術士…」
少しでも魔道士達から麗華への注意をそらす為、対峙している二人に祥は入り込む。
麗華は封魔真言符と遁甲符を使い魔道士達を混乱させる。
祥は襲いかかってきた魔導士を倒すと、麗華隙を突いて芳蘭と接触する。
麗華はそこで芳蘭の声が出なくなった事に気づく。
仮面の男「リカード・シュトラウス!今すぐ大いなる獣を目覚めさせろ!」
リカード「し、しかし…そのような事をなさいますと!」
どっちにしろ失敗と悟った仮面の男は未完成の複製品でもあの娘の中にいる獣を覚醒させて
奴らを葬り研究所を放棄するのだと方針を示した。
リカードは呪文を唱えると芳蘭の身体が変貌し巨大な化け物へと変わる。
だが、大いなる獣は祥達に襲いかかるのではなく、近くにいた魔道士達に大きな鉤爪を振り下ろし引きちぎってゆく。
仮面の男「くっ……やはり生成期間が短すぎたか!まぁいい、そいつはお前達にくれてやる。せいぜい楽しむのだな!」
仮面の男はその場から姿を消した。
襲うべき対象者を失った大いなる獣は、祥達の方へ襲い掛かってくる!!
祥達は襲いかかる大いなる獣に攻撃する訳にはいかず、防御し続けた。
麗華は芳蘭の名前を呟き、自我を失っていた。
戦いの中、芳蘭の心の声が聞こえる。
(おねえ…ちゃん…たすけ…て…)
芳蘭はこの身体から抜けだせれないから殺して欲しいと麗華へ語りかける。
「わかったわ芳蘭…今…助けてあげる。だから…もう……苦しまないで…」
麗華は五業封神を使うので祥に四、五分時間を稼いでほしいと言う。
【第三章 〜久遠〜 4】
麗華は芳蘭の姿を見ては術を使う事ができない葛藤から断ち切るために自分の目を指で潰してしまう。
祥達が時間を稼ぐと麗華は術を放ち芳蘭は人の姿へと戻る。
「芳蘭…ごめんなさい…助けて……あげられなくて…ごめんなさい…」
(ううん…ありがとう…おねえちゃん…)
何度も謝る麗華に芳蘭は苦しみから解放してくれた姉に感謝を伝える。
芳蘭は今まで自分の為に辛い思いをしてきたのだろうから、これからは自分自身の為に生きて欲しいと伝える。
(今度は私が…おねえちゃんをずっと…見守ってるから…死んじゃ…駄目だよ……やくそく…よ)
芳蘭は天に召されてしまう。
その時、地震のような揺れが発生する。天井にヒビが入る。
「麗華さん!早く逃げましょう!」
「私は…もう何処にも行かない。芳蘭と共に…ここに残る。」
戦う事に疲れたと言う麗華。必死に説得を繰り返す祥の言葉は届かない。
そこへヒルダが歩み寄り麗華の頬を叩く。
「みっともないわね。あなたはそれでも芳蘭の姉なの?」
ヒルダは麗華を罵ると麗華は怒りを表す。
「そうやって私のような魔術士をあなたの大切な妹を奪った仇だと思って生きなさい、
あなたにはまだやるべきことがある、奴らへの報復が、今以上多くの子供達を犠牲にしてしまうわよ。」
「今回は礼を言うが、もし奴らの仲間に戻ったら、貴様から息の根を止めてやる!」
一行は、芳蘭の亡骸を抱え、急いで研究所を後にした…
八月某日―麻布区で中規模の地震が観測された。
地震の影響で十数世帯が倒壊し、陸軍省管轄であった北区帝国軍研究所もまた火災に見舞われた。
新聞の発表では、地震により研究所内の薬品に引火と書かれていたが、真相は僕達だけしか知らない。
翌日、僕達は麗華さんと共に芳蘭の葬儀を行なった。
そして葬儀を終えた僕達は今、青山墓地に来ている。
麗華は芳蘭の遺骨を中国へ帰さないそうだ。
やるべき事を成し遂げるまではこの墓におさめておきたいと言う。
祥と麗華はお互い今までの礼を述べる。
祥はこれからの予定を尋ね、もし良ければ自分の家へと誘うが、麗華は今までも一人でやってきたので心配は不要だと断る。
麗華はこれからも単独で行動しようと思っているが、
もし自分の力が必要になったら日比谷公園に来て欲しいと祥への協力を誓った。
【第四章 〜禁断のアトリエ〜 1】
八月九日 午前七時 祥と由貴は再び情報収集の為、自宅を離れる。
祥は警視庁で鬼瓦、ヒルダ邸でヒルダを仲間に加える。
有力な情報を掴めないまま一日が終わろうとしていた。
祥達は草薙邸へ戻ると電話がかかってくる。
九条静の父、九条忠重と名乗る男からだ。琢磨とは旧知の仲だったらしい。
忠重は娘の静がそちらにお邪魔していないか確認して欲しいと連絡してきたようだ。
「青年画家のアトリエに行くと言って家を出たまま戻らない。心当たりのある人の所へ電話を掛けてるが、皆知らない様子。
もしかしたら幼馴染の君のもとへと思ってたんだが…」
電話を終えた祥は静の事が心配になり、帯刀に忠重の住所を聞き出す。
祥達は早速、忠重の家のある神田区の神保町へと向かう。
祥と同行していた鬼瓦警部も静の事で元々警視総監の忠重に呼ばれていたらしい。
青年画家のアトリエは小石川区の植物園の側にある。
帰りの遅い静が誘拐されたのではと心配し鬼瓦を呼んでいたという事だった。
祥達も鬼瓦に同行し目的のアトリエがある小石川区の植物園へと向かった。
レンガ造りの洋館には木彫の表札に「東雲」(シノノメ)という文字が刻まれている。
直接聞いてみようと一行は扉を開け中に入る。辺りは絵の具特有の匂いが充満していた。
「ごめん下さい!もし、どなたかいらっしゃいませんか?」
大きな声を出してしまった祥は自分の声の大きさに驚くが、何処からも返事は返ってこなかった。
ほどなくして執事と思わしき初老の男性が現れた。
祥は執事に東雲画伯に用事があると伝える。しばらくして主人の確認を取った執事が現れる。
「こちらへどうぞ。旦那様がお会いになられるそうです。」
祥はアトリエに招かれ東雲画伯と出会う。
辺りの絵画、中でも女性の肖像画が異彩を放っており、つい目を奪われてしまう。
巷でも『まるでモデルの魂が封じ込められているようだ』と大変評判の肖像画だ。
東雲「私が当家の主人東雲達也です。」
祥「夜分遅くにお許し下さい。私は草薙祥といいます。行方不明の九条静さんの件でお聞きしたい事が……」
東雲は静は随分前にお帰りになりましたと言うが、何か知っているのではと祥は食いついて話がこじれた。
そこへ扉が開き何かあったのかと東雲の母親、東雲夫人が入ってくる。
画伯の年齢から推測すると、すでに齢五、六十に達しているはずだったが、
驚くほど若く美しく見える。20代といっても十分通用する容姿だ。
屋敷中に香る薔薇の匂いは彼女の趣味によるものだと推測できた。
達也は母に経緯を説明すると、東雲夫人は失礼ですがお帰りくださいと祥を説得し、
このまま居続けるのであれば知り合いの憲兵を呼ぶと半ば強引に追い出す。
【第四章 〜禁断のアトリエ〜 2】
祥は玄関で待っていた鬼瓦達と合流する。捜査令状の無い鬼瓦もこの状況では入り込む事はできないと困り果てていた。
このまま帰るかと問う鬼瓦に祥は返って東雲家の人々への疑惑が深まったと答える。
「あの態度、対応はおかしい何か隠している。お静ちゃんの身に何かがあってからでは遅すぎる。
庭の生け垣から無理矢理、屋敷に入り込む」
強気の祥に鬼瓦も渋々ついて行く事にした。
八月九日 午後八時前 中庭入口
屋敷と中庭をつなぐ扉の側には二階のテラスへと繋がる階段があった。
階段を上るとテラスに鍵束が落ちていたので拾い、階段を降りて鍵束を使い屋敷へ潜入する。
一方東雲達、この辺りで停電がよく起きていると心配する東雲夫人。
執事はこの屋敷は中庭から電気を引いているので大丈夫だと夫人を安心させる。
修理道具は倉庫にあり何か起きたら執事が直す事になっている。
祥達は浴室に入り、金属製の洗面器には絵画用の油が残っていた。
棚にあったガラス瓶で回収し、洗面台からは棚にあったガラス瓶で水を手に入れる。
厨房の流し台からは解毒薬を入手する。
アトリエに入ると東雲達也が一人だけ部屋の中に居た。
一方屋敷の何処かでは東雲夫人が捕らわれた少女の生き血を啜る行為を楽しむ為、少女に語りかけていた。
「美しい黒髪、白い肌、真っ赤な血、全てが自分のものになって永遠に生き続ける」
少女は恐怖に怯え逃げ出そうとすると東雲夫人は少女に手を掛ける。
悲鳴が響き渡り、東雲夫人は新鮮な血に満足する。
東雲夫人の前に仮面の男が現れる。他人の生き血から永遠の若さを手に入れる方法を授けたのはこの仮面の男である。
仮面の男はその見返りとして若い娘を東雲夫人から斡旋してもらう約束を交わしていた。
仮面の男は我が神への生贄の数が足りない。東雲夫人が地下に隠している九条静であれば若く血統も申し分ない。
だが、東雲夫人も九条静を気に入っている為、話は膠着する。
「今日の所は引き下がってやろう。だが忘れるな、我が神の加護がなければ、
貴様とて単なる老いさらばえた婆だという事を!それから気をつけるがいい。貴様の身近を嗅ぎ回っている奴らがいるぞ?」
仮面の男は脅しの言葉をかけて消え去るが、東雲夫人は捨て台詞だと余裕を見せていた。
祥達はアトリエに居た東雲達也に話しかける。達也は今度は強盗の真似事かと再び追い返す。
祥は立ち去ろうとした時、達也は絵の具が無くなったと呟く。
さっと絵の具と水を差し出す祥達に達也はキャンバスに描いた絵の出来に酔いしれて、祥にも見て欲しいと話しかけてきた。
キャンバスを見た祥はやはりこの肖像画は九条静だと確信する。
再び達也へ九条静さんについて何か知っているはずだと迫る祥。
「この少女は数多いモデルの一人にすぎない、一々覚えていない。
彼女は最高のモデルで、まさに私が描こうとしている可憐で純真無垢な少女のイメージそのままの女性
私だって彼女の事は心配している!」
心相を明かした達也は祥に銀の鍵を渡して屋敷内を好きに調べればいい、
母親には見つからないように気をつける事だと祥達を陰ながら協力した。
【第四章 〜禁断のアトリエ〜 3】
祥達は屋敷内の各部屋より扉を開ける鍵や特製ドライバー、万年筆、のこぎりを手に入れる。
万年筆にインクを補充し、中庭ではのこぎりで電線を切断して停電を引き起こす。
東雲家の3人は停電に気づくと、執事は修繕の為に倉庫の鍵をあける。
執事は道具を持って現場へ移動するのを確認し、祥達は入れ替わる形で倉庫の中へ。
大きな西洋タンスから防毒マスク、スコップを手に入れる。スコップには土がついていた。
執事は停電の原因が断線だと気づくと修繕不可だと判断し東雲夫人へ報告する。
東雲婦人は執事に憲兵を呼ぶように指示を出す。
祥達は中庭でスコップを使い何も植えられていない花壇を掘り返す。
まだ新しい死体、ボロボロに崩れたかなり昔の死体様々な死体が無数埋められている事がわかった。
そのうち、一体の死体がゾンビとして襲い掛かるがこれを撃退する。
ゾンビよりトークンと呼ばれるコインのようなものを拾う。
祥達は再度、屋敷に入り展示場に入り、飾られている風景画を特製ドライバーで外すと
後ろの壁に3センチ程のスリットにトークンを入れると物音を立てて暖炉に秘密の通路が現れた。
通路の奥は秘密の浴室でありアンモニア臭と血の匂いで充満していた。
恐らくここで連れ去られた人達が餌食になっていたのであろう。突然襲いかかった餓鬼玉を倒し辺りを探索する。
薬桶からガラス瓶でアンモニア水を拾う。
鉄の処女と呼ばれる鋼鉄製の巨大な箱を壊すと無数の血で染まった針が現れる。内部よりワイヤーカッターを手に入れる。
回らない鉄製のハンドルに油入り瓶で油を差すと開かなかった冷凍貯蔵庫が開いた。
冷凍貯蔵庫には怪しい葉っぱと死体が入っていた。
怪しい葉っぱを拾うと死体はゾンビへと変化し襲い掛かってくる。
ソンビを撃退した一行は二階へ移動。
二階の寝室を覗くと東雲夫人が居る事が確認できた。
一行は怪しい葉っぱを香炉に詰め込みドアの隙間から煙を炊き、催眠ガスを発生させて東雲夫人を眠らせた。
防毒マスクを身につけた祥は単独で部屋に入り、西洋風の鏡台から地下室の鍵を奪った。
一方玄関では陸軍の氷室京一郎が複数の兵士を連れて現れた。
氷室は執事に暴漢一味の特徴を聞く。
執事は恐らく夕方に訪れた『草薙祥』と名乗る少年で、目的は人探しではないかと推測していると言う。
草薙祥の名前に氷室は驚き、執事は疑いの目で氷室を見るが、
氷室は相手が知り合いだとしても法を犯せし者の処罰に手心はないと執事を安心させる。
【第四章 〜禁断のアトリエ〜 4】
祥達は一階倉庫に戻り、地下室の鍵を使い地下へ降りて地下水路を進む。
扉には止め板が2枚打ち付けられて更にワイヤーが貼られていた。
止め板を壊し、ワイヤーカッターでワイヤーを切って扉の中へ入る。
扉の中の独房でベット上に男の死体と幽霊らしきものが見えた。
ベット上に男の死体は白紙の日記帳を持っていた。
明かりを消すと幽霊らしき青白く光る男の姿が見える。
幽霊は何かを訴えたいような表情だが、その幽霊は言葉を発する事はできないようだ。
祥達は機転を利かせてインクを補充した万年筆と白紙の日記帳を幽霊に渡す。
幽霊は取り付かれたようにメッセージを書き込んでいった。
この幽霊の名は東雲英雄子爵で、東雲達也の父親であり、東雲政子の夫であった男。
屋敷の主だった東雲英雄は妻、政子を20年近くも昔に娶った。
彼女は公爵家出身で昔から美貌に異常な執念を持っていた。
私生活はいつ頃からか執事六郎と大勢のメイド達が行うようになった。
メイド達が相次いで失踪し、不快な異臭、真夜中に悲鳴が聞こえる日々が続き、
英雄は妻の後を追って、暖炉裏に隠された部屋で数々の血肉や拷問道具、犠牲者達の屍骸を見てしまい、
妻に脅え暗い牢獄でじっと震えているしかなかった。すでに息子も妻の手の内にあるのかもしれない……
この地下にはもう一つ牢獄があり、そこに一人の少女が捕らえられている。
厳重な扉だが、私の最期の力で鍵を開けよう。どうか助けだしてやってくれ。
そして1枚の呪符を渡す。これで魔物と化した妻の命を断ち切れる事ができるかもしれない。
身勝手な願いだがどうか妻を楽にしてやってくれ。私は今でも妻を心から愛しているのだ……
日記帳を読み終えると東雲英雄から封印の護符を受け取った。
祥達は東雲英雄の独房から出て、もう一つの独房へ向かった。
独房の中には静が気絶して倒れていた。祥はアンモニア瓶を静に使い目覚めさせた。
気が付いた静は捕らえられた時の記憶がフラッシュバックし錯乱してしまう。また体内に毒が回っているようだ。
暴れる静を押さえつけ、強引に口の中に解毒剤を注ぎ込むと解毒が効いたのか、静は正気を取り戻し祥を認識できた。
これまでの出来事に恐怖と安堵を交差する静は涙を流す。
一方、寝室では東雲夫人が眠りから目を覚ます。
同時に仮面の男が現れる。
「どうやら、してやられたようだな。」
逃げられるぞと急かす仮面の男に東雲の母は言われなくても分かっていると返答し祥達の元へ走り出した。
【第四章 〜禁断のアトリエ〜 5】
祥達は地下水路から梯子を登り倉庫へと戻ると目の前に達也が居た。
「よかった……。無事だったのか……。」
静の姿を見た達也に対して、祥は何人もの若い女性を犠牲にしてきた東雲夫人と達也の事が許せなかった。
達也は母親のいいなりになっていた。静にはそれがわかっていたようだ。
達也と静はお互い惹かれ合ったが、達也は一連の犯行をただ見ているしかできなかった。
そこへ東雲夫人が現れる。
自分の事をバケモノ扱いした夫と同じように見るのかと逆上した東雲夫人は達也をナイフで突き刺す。
達也は床へ倒れ、東雲夫人は祥達に襲い掛かる。
祥は封印の御符を東雲夫人に叩きつけた!
「そ、それはぁ……馬鹿な!あの人は私が殺した筈!」
一方、一階通路では仮面の男がまずい雲行きになったと呟き兵士達共々撤収していった。
ナイフに刺されただけの達也は命に別条はなかったが、東雲夫人は若さと美貌を支えていた邪悪な魔力が消滅した為、
絶命し亡骸はたちまち干からびて風化していった。
その直後、屋敷中から爆発が発生する。執事が一行の元へ駆けつける。
「若旦那様、皆様方。急いで、お逃げなされ!」
執事の六郎が屋敷中にガソリンを撒き火をつけたと言う。
「奥様の悪魔の諸行、旦那様の呪詛、殺されたもののうらみつらみ全てを燃やし灰にしてしまうのが一番良い。」
執事は達也に今までの行いを謝罪し、自分も同罪である為、一緒に地獄に堕ちると打ち明けた。
達也も執事と同じ考えであり死を覚悟していた。静と祥は達也を説得するが、達也の意志は固かった。
崩れかけた屋敷に時間は残っていない。一行は渋々走り去り屋敷を後にする。
屋敷を出た時、静は祥に折角帰国したのに何で遊びに来てくれないのかと問いかけた。
祥は詳しい事は説明できないけど、危険な事件に巻き込ませたくなかったと答える。
もうすっかり危険な事件に巻き込まれていると笑う静。
静は達也と自分はいつまでも親のいいなりで自分の殻に閉じこもってしまっていた、
これからは勇気を出して自分の道を歩んでゆくと決意した。
九条邸で静は父と再開する。
「心配掛けて、ごめんなさい……」
「いいんだ、帰ってきてさえくれれば……」
静の父は祥に礼を述べ、何でもするし欲しい物ならなんでも差し上げようと言うが、
祥は幼馴染として当然の事をしたまでと答える。
別れ際に静は、祥にお礼として生命の水晶球※を渡す。 ※ゲーム上探索等で役立つアイテム
今日はここまでにしときます。
ご支援ありがとうございました。
【第五章 消えた少女 1】
八月十日〜八月十二日
警視庁・殺人課や帝日新聞社で聞きこみを行うが、特に有用な情報は掴めず、本日の捜査は終了
八月十三日 午前七時
警視庁・殺人課や帝日新聞社で聞きこみを行うが特に有用な情報は掴めず、時間は午後五時を過ぎた。
由貴は疲れが出てしまったと祥に打ち明けると、祥はゆっくり家で休もうと提案し帰宅する。
ぐっすり寝ついている由貴を見て安心した祥も自分の部屋で早めの就寝を取る事にする。
八月十四日 午前八時前 まだ眠たい祥を由貴が起こす。
祥は由貴を家で休ますべきか考えたが、由貴も出かけたいと言うので同行してもらう事にした。
今日は雨降りのようだ。とりあえず永田町を歩く二人。由貴は浅草十二階 凌雲閣に行きたいと言ってきた。
行き先を決めていなかった祥は了承し、二人は凌雲閣へ向かった。
由貴は途中でヤクザ風の男に身体をぶつけられてしまう。
男は骨を折ってしまったと言いがかりをつけてきた。
祥はぶつかっただけで骨が折れるものかと間に入るが、ヤクザ風の男に殴り飛ばされてしまう。
ヤクザ風の男は由貴を連れ去ろうとする時、陸軍の氷室京一郎が現れてヤクザ風の男を気絶させる。
氷室は負傷した祥を帝大附属病院に連れて治療を受けさせる。
治療を終えた祥は氷室と話し込んでいると偶然沙夜子が現れる。
それと入れ替わるように氷室は公務の為、病院から出ていった。
沙夜子は病院に居る親友に会っていたそうだ。用件を済ませた沙夜子も去ってゆく。
ろくな事が起きていない祥は散歩でもしたい気分だった。
治療を終えた祥と由貴は病院を出て帝都東京をうろついた。
午後一時半を過ぎた時、由貴は急に体調が悪くなったと祥へ訴える。
頭が割れそうだと言ってすごい熱を発している。
祥は意識のない由貴を抱え自宅へと戻った。由貴の顔は血の気が引いて土色だった。
祥は帯刀に医者を呼んでもらい寝室へ由貴を運んだ。
赤坂赤十字病院から医者が往診に駆けつけてくれた。
「看護が必要であるが命に別条はない。ただ疲れ方が尋常ではない、
疲労が溜まりすぎて高熱を発したと思われる、ゆっくり休ませ栄養を取るように。」
祥と帯刀は由貴の安静を考え外出は控えた。祥は早い就寝につく事にした。
【第五章 消えた少女 2】
八月十五日 午前0時 祥はどこからともなく聞こえるすすり泣く声に目を覚ます。
応接室に出ると誰もいないし帯刀の所から声は聞こえない。
由貴の部屋へ入ると由貴が床下に座り込みすすり泣いていた。
由貴はすごく怖い夢を見た、何人もの人が私を殺す夢だったと言う。
大丈夫だよと励ます祥は由貴の体が大量の汗で冷えきっている事に気づく。
風呂を沸かすから服を着替えていた方が良い。
祥は風呂を沸かすと由貴について一人考えこんでいた。
「服が雨の中を歩いていたように濡れていた。間違いなく由貴の身に何かが起きている。
多分、由貴自身も気がついていないんだ。」
何をブツブツ言っているの?と祥の様子を見て話しかける由貴。風呂で全身の疲れが取れたと言う。
二人は安心してそれぞれ眠る事にした。
八月十五日 午前七時過ぎ
起床した祥は応接室へ向かうと沙夜子から電話が入る。
琢磨が持っていた壷の事がわかったから研究室へ来て欲しいという内容だった。
祥は大学へ向かう事を由貴と帯刀に伝えると由貴も一緒に行きたいと言い出す。
祥は由貴は疲れが溜まっているから家で休んでいて欲しいと説得すると由貴も渋々了承する。
祥は帯刀に身の回りの世話を頼み帝国大学へ向かう。
大学前で偶然ヒルダと出会った祥は半ば強引に同行する事になった。
研究所では沙夜子が待っていた。沙夜子は一枚のメモを祥へ渡す。分析内容が書かれたメモだ。
「この壷は、チベットのラサ記録にある「彷徨える魂の祈り壷」と言うらしいわ。
信じられないことに、紀元前から存在しているものみたいね。」
更に壷に書かれている文字は今まで解き明かされた文明に何れも該当しないと言う。
その時、ヒルダが口を開く。
「この文字はエルランカ文字だと思う」
イースター島近くで発見された古代ポリネシア語を基とされる象形文字に類似するもの
ドイツの考古学会で発見したもので、軍隊がこれに関するものを全て持っていったらしい。
ヒルダはこの情報を盗んで知ったそうだ。
この壷に書かれている文字は「魂を喰らいて、我が仇なすものを封じん」という意味が書かれているそうだ。
祭儀用か祈願用で使われていたと推測される。
祥は引き続き大学で分析を依頼する。
沙夜子はヒルダにエルランカ文字とその翻訳を教わる事を約束してもらった。
祥は眠りが浅かった為、一度帰宅する事にすると、ヒルダは用事があると言い、去ってゆく。
応接間では由貴と帯刀が祥を待っていた。
由貴は祥がそばに居ないと安心して寝れないと言う。
祥は由貴を安心させ眠りにつかせて、帯刀に大学での分析に関する情報を伝えた。
その後、祥も自室へ入り眠りについた。
【第五章 消えた少女 3】
早めに眠りについた祥は夜中に目覚めてしまいと応接間で帯刀と出会う。時間は23時40分だと言う。
そこへ玄関よりノックの音が聞こえる。
帯刀に案内されてやってきたのは氷室京一郎だった。
この辺りに凶悪な連続殺人事件が発生しているそうだ。
外出は明日の七時まで控えるように厳戒令が敷かれているので、
出歩いた場合、射殺される恐れがると注意を促し氷室は去ってゆく。
祥は帯刀に今日はもう休んでよと伝え自分の部屋に入る。
つい先程まで眠っていた祥はすぐには眠れないので本を読み出す。
読み始めてしばらくした後、帯刀が血相を変えて祥の部屋に入ってきた。
屋敷の中に由貴の姿が見当たらない。
てっきり寝ているものだとばかり思っていた祥は帯刀に留守番を頼み外へ出た。
つい先程まで由貴が寝ているのを帯刀が確認していたのだからそう遠くへは行っていないはずだ。
乃木坂から青山一丁目へ。道を通り過ぎようとした時に女性の悲鳴が聞こえる。
悲鳴が聞こえた建物へ向かうと殺人犯に襲われたと思われる血を流した女性の死体が横たわっていた。
殺人犯が近くにいる。祥は背後から襲われるような感覚に気づき、身を退けて振り返る。
目の前には焼けただれた皮膚を持つ血に染まったような全身真っ赤な老婆のような女性が立っていた。
祥は何故かこの人物を由貴と確信していた。
姿が変わっても由貴を間違えるはずがない。何らかの力が原因で姿が変わってしまったんだと。
そんな祥の思いとは裏腹に、祥は由貴に首を締め上げられてしまう。
祥は死を覚悟し、由貴を守れなかった事を謝り、好きだったと涙を流す。
その直後、由貴は祥を空に放り出し、のたうち回ってもがき苦しみだす。
みるみるうちに、由貴の顔が若々しい瑞々しさを取り戻してゆく。
元の姿に戻った由貴は祥に怖い、助けてと呟き意識を失う。
そこへ仮面の男が姿を現す。
「ちぃっ!あと少しというところで…」
祥は仮面の男に由貴に何をしたのか問うが、仮面の男は何もしていない、むしろ何かしたのは君だと答える。
「これでこそ、この娘を君に預けておいた甲斐があったというものだ!
その娘には我らの主となるべき方が封印されているのだ。まあ、人間ごときが知る必要はないがね。」
仮面の瞳が怪しく光、掌から衝撃波を放つ。苦しまずに殺してあげようと迫る仮面の男。
その直後、仮面の男に火炎瓶が投げ込まれる。
帯刀「坊ちゃん今のうちです。由貴様と一緒に!」
祥は由貴を抱え帯刀と一緒にその場を逃げてゆく。
仮面の男は思わぬ伏兵に驚き、由貴をもうしばらく預けておく事にすると言い残し消え去る。
【第五章 消えた少女 4】
家に帰り由貴を応接間の長椅子休ませる祥。
由貴は全身返り血で汚れていたので、祥は血を少しずつ拭っていた。その時、由貴が目を覚ます。
多分由貴は自室で寝た時から後の記憶はないのだろうと祥は思っていたが、由貴には断片的に記憶が残っていた。
「祥…私…あなたを殺そうとしたのよね?…それだけじゃない。
私…何人もの人を殺したんでしょ…何人も…何人も…」
祥は由貴に悪い夢を見ただけだと安心させようとするが由貴は夢じゃなかったと言い返す。
「そうよ!私さえ…居なかったら…」
由貴は祥の腕を振り払い、家を飛び出してしまった。
祥はすぐさま追いかけ由貴の腕を捕まえる。
私なんか死んでしまったらいいと言う由貴に祥は頬を強くはたき、強く抱きしめた。
「僕が由貴を守ってみせるから。僕を信じて…信じてくれるよね。」
由貴は落ち着きを取り戻し、二人は家に帰った。
由貴の部屋に戻った二人。
由貴は眠ってしまうともう一人の自分に身体を支配されてしまいそうでとても怖いから一人にしないでと言う。
由貴は祥に同情してくれてるだけかと問うが、祥は生涯を賭けて由貴を守る、君を一人にはしないよと答える。
祥は一晩中、由貴に付きそう事にした。
八月十六日 七時過ぎ
応接間では帯刀が昨夜の事件について、事情聴取の協力依頼の電話が警視庁よりあった事を伝える。
祥は帯刀に由貴についてどうすべきか相談すると沙夜子に相談するのが良いのではないか助言を貰う。
祥は帯刀に留守番を任せ帝国大学へ向かう。祥はこれまでの出来事を沙夜子に全て話した。
沙夜子は多分、夢遊病に似た症状だから精神科医の診察を受けるべきだと助言する。
「帝大病院に深層心理学を専門としている知り合いの精神科医が居るんだけど、一度診てもらったらどうかしら?」
沙夜子は成滝という医者に話を通しておくから由貴と一緒に帝大病院へ行って欲しいと言う。
また、話は変わるけど、琢磨の書類から地図のようなものが出てきたと祥へ見せる。
祥は自分では分からないだろうから麻生教授に鑑識して欲しいと答える。
祥は改めて沙夜子に礼を述べ、警視庁へ向かう。
警視庁では鬼瓦が待っていた。
「殺人事件の重要参考人として少し話を聞かせてくれ。」
鬼瓦は昨夜の一連の事件について、何も知っていないと思って証言して欲しい。証言内容は調書として残ると祥に伝える。
祥は正直に答えたいが、由貴が容疑者になってしまうかもしれないと悩んだ末、鬼瓦を信じて正直に全てを話した。
証言を終えた後、今日は帰って良いと言われ、不安を感じつつ祥は帰宅する。
帰宅した祥は草薙邸・応接間で由貴に精神科の医師に診断してもらう事を勧めた。
由貴は精神科に対して不安に感じながらも祥を信じて診断してもらう事にした。
祥と由貴は帝大附属病院の精神病棟へ足を運ぶ。
受付でやっぱり帰ろうと言い出す由貴の元へ沙夜子が現れる。
今、精神科の成滝先生に話をしてきたばかりだと言う。
祥は沙夜子に嫌がる由貴を説得してもらい、一行は精神病棟へ足を運ぶ。
【第五章 消えた少女 5】
由貴は成滝医師へ説明を行うと成滝医師は精神状態の分析をしてみるので少し時間を欲しいと言う。
しばらく時間が経過した後、成滝医師は祥を自分の部屋に呼ぶ。
成滝医師の部屋で成滝医師は由貴さんにはしばらく入院していただきたいと祥へ事態を説明する。
「危険という訳ではないが、二重人格の可能性がある、由貴の場合は自分の意志ではない波長が増幅してしまっている。
過去このような患者は多くの場合、精神障害や精神崩壊を引き起こし廃人同然になってしまった事があり、
精神治療に専念する為には入院が必要だ。」
祥は納得し入院の手続きをお願いする。
外に出た祥は帰宅し少し休むことにした。
八月十七日 午前七時過ぎ
帯刀より警視庁から電話が入っていると起こされる。電話に出た祥は鬼瓦より緊急の用件だと伝えられる。
「落ち着いて聞いてくれ。由貴ちゃんが病院から誘拐された!」
鬼瓦は至急、帝大病院へ来てくれと伝えると荒々しく受話器を戻す。
とにかくすぐ病院に行かなくては!うろたえながらも祥と帯刀は病院へ急行すると受付には鬼瓦が待っていた。
鬼瓦は誘拐されたのは草薙由貴十四歳、君の妹で間違いないな、身代金要求などの電話や手紙等は無かったなと確認する。
「目撃者の証言では犯人は複数、主犯人の一人は仮面を被り、他の者はフード付きのマントで顔を隠していたという。
そしてもう一つ。誘拐された被害者のベッドに君宛の手紙が残されていた。
私は職務権限を行使してこれを見ることができるが、できることなら君の同意のもとに手紙の内容が見たい…」
「わかりました。どうぞ御覧下さい。」
封を切り、手紙の内容を確認する
「娘をかえして欲しくば赤坂区にある青山墓地に、貴様の父親の隠した壷を持ってこい。」
鬼瓦は犯人の犯行目的を知り納得する。
祥は琢磨が何らかの目的で壷を隠しているはずだと思い、
その目的を知るまでの間は事件の捜査を控えて欲しいと鬼瓦へお願いする。
できるだけ協力する。鬼瓦より了承を得た祥は病院を出て手がかりを探す為、帰宅する。
自宅に着くと電話のベルが鳴る。仮面の男かと思いきや、沙夜子からの電話であった。
鑑識に回していたメモが壷のある場所を示しているかもしれないという内容であった。
祥は大学の琢磨の研究室へ向かう。
琢磨の研究室で祥は沙夜子よりメモを受け取る。
帝都に張り巡らされた地下水道の地図だと思われるという事だった。
「建設省が明治二十三年から起工した帝都上下水道完備計画の完成予定図面の一部である可能性が高いわ。」
祥は早速、建設省へ向かい確認する事にした。
祥は麹町区にある建設省に着くと、事情を説明し帝都地下水道の資料を見せて欲しいとお願いする。
しかし、それらはすべて軍事機密として陸軍省の管轄になっており、何の情報も得ることができなかった。
渋々引き下がった祥は、自分の足で壷を探す事を決意する。
祥は帯刀、ヒルダ、鬼瓦を引き連れ探索を続けた。
【第五章 消えた少女 6】
午後七時を過ぎた頃、青山一丁目で氷室と出会う。今日は非番らしい。
何か知っているかもしれないと思った祥は思い切って事情を説明し地図を見せた。
「これは帝都改造計画に基いて計画された、秘密の地下道だ。帝国陸軍の機密事項でも、極秘事項に類する物だぞ。」
氷室は必要が無くなればこの地図を破棄する事を祥へ要求し、
約束を交わすと本郷区の駒込動坂付近に行ってみると良いと助言する。
駒込動坂付近に到着した祥は足元のマンホールに違和感を覚える。
マンホールに入ると広大な地下洞窟が広がっていた…
祥「ここに「彷徨える魂の祈り壷」があるのだろうか…」
祥達は道に迷いそうになりながら奥深くへと進み「彷徨える魂の祈り壷」を発見する。
帰ろうとする一行が振り返ると恐ろしい咆哮を上げてゾンビが襲いかかってきた。
ゾンビを倒すと更に別のゾンビ、鎧武者が次々襲いかかってきた。
無事退けた祥達は一度自宅へと戻り体制を整える事にした。
すぐにでも出発しようとする祥に帯刀は体力の回復を勧める。
八月十八日 午前七時過ぎ
祥と帯刀はヒルダ、鬼瓦を加え青山墓地へと向かった。雨が降る青山墓地は一層不気味さが増していた。
仮面の男「クククク…待ってましたよ。」
祥「約束の壷は持ってきた!早く由貴を返せ!」
仮面の男は祥に壷を置いて去る事を要求するが、祥は由貴を返さなければ壷を壊すと要求を跳ね除ける。
仮面の男は赤の魔道士ケフェウスを呼び出し祥達の命を奪うように命令する。
祥達は魔道士ケフェウスを倒すと遠くから眺めていた仮面の男が目を疑っていた。
「し、信じられん。我らの魔力は人間ごときに敗れるものではない…」
「祥――っ!!」
「由貴っ!待ってろ!今行く!」
「な、何!娘には強力な傀儡の術を掛けていたはず…私の魔力までもが弱まっていると言うのか?ムゥ…なぜだ…」
またも仮面の男の予想は覆り様子を伺っていると突如、祥の持つ壷が光り始め、中から謎の石が姿を現した。
「ま、まさかっ!行方知れずとなっていたオーキルスマークが壷と一緒にあったとは…
止むを得ん…今回限りは見逃してやる…次はこうは行かん…覚悟しておくがよい…」
捨て台詞を残し、仮面の男は闇の中に消えた。
「祥っ!恐かった…」
「由貴…無事でよかった…さあ、家に帰ろう…」
由貴は祥達に暖かく迎えられ草薙邸へと帰っていった。
【第六章 天衣無縫 1】 ※このシナリオでは最短ルートと遠回りルートの二つのルートが存在します※
八月十九日 午前七時
祥と由貴は眠りから目覚め応接室へ向かうとノックの音が聞こえる。来客者は九条静だった。
今日は相談したい事があって来たらしい。外で歩きながら相談したいと言う静。
祥は留守番を帯刀に任せて外出する。由貴も留守番をしておくそうだ。由貴は早めに帰ってきてと祥へ話しかける。
静は小石川区の植物園に行ってみようと提案する。
静は祥と二人で歩くのは久しぶりだと嬉しそうに微笑み色々な場所に寄り道しようと提案する。
※最短ルート※
永田町から麹町公園へと移動する二人。このような小さな公園も良いものだと二人は語り合う。
神楽坂、飯田橋、小石川町を経由し植物園へと着いた。
※遠回りルート※
乃木坂の急な勾配に普段運動しない静は困惑しつつ、二人は楽しく喋りながら青山一丁目から赤坂離宮へ。
近代洋風建物の見本のような建物の美しさに二人は目を奪われ、少し休憩する事にした。
静はこんな綺麗な場所でお姫様のように過ごしたいと言うと、祥は今でも十分お姫様だと答える。
静は綺麗な衣装と宮殿は諦めるとして私を大切にしてくれる素敵な男の子が居てくれたらいいのになと呟く。
「僕では役者不足かい?」「ん〜、そうね。合格かな?」
かなっていうのが引っ掛かる祥に静は微笑み、二人は先へと向かう事にした。
青山一丁目に戻り青山墓地へ。昼間でも人が少なく薄気味悪かった場所へなぜ来たのかと静は尋ねる。
静は子供の頃から霊感が強くて霊が見える事があるらしい。祥は昔から怖がりだった事を思い出し笑い出す。
何かあったら助けてねと言う静に祥は勿論だと答える。
二人は乃木神社に寄りお詣りをして行く事にした。祥は静との恋愛成就を祈る。
静に何をお祈りしたのかと尋ねられるが、祥は願いが叶ったら教えるからと教えてくれなかった。
乃木坂から氷川町へ。祥は街並みを見て、イギリスに行く前はもっと閑散としていたが活気が出てきている事に感動する。
静も最近の帝都の発展ぶりは目を見張るものがあると同意する。
六本木から盛岡町へ。目の前には教会が見える。祥は子供の頃、芝区にある芝公園のすぐ近くの小さな教会に
大きな木があって一緒に遊んでいた事を覚えているかと静へ質問を投げる。
静はサンツーナ・カトリック教会の事でしょうと覚えている事を答える。
幼少の頃に二人は大きな木の根元で将来について話し合っていた。静はそこへ向かおうと提案する。
【第六章 天衣無縫 2】
麻布十番通りを通る二人。静は下町は独特の風情があって自分の好みにあっていた。
祥は下町が国の生活水準を表して日本は欧米に比べ高い生活水準である事を誇りに思うと共に、
国が豊かになれば貧富差が激しくなるって言われている事を静へ教える。
静は貧しくても肩肘張らなくていい社会になってほしいと願う。社交界のお付き合いは大変なようだ。
芝公園に着いた二人はサン・ツーナ教会を探す。二人は聖サン・ツーナ教会を見つけるが建物からは物音一つしない。
門は閉ざされ中庭は放置され荒れ栃の巨木だけが時の流れから取り残されたように立っていた。
二人は神父の行方等を気になるけど今回は調べるのは止めて、今日の目的である植物園へ向かう事にする。
夕方六時までに帰らなければいけないと言う静。時間は十二時を回っていた。
道に迷ってか植物園とは正反対の芝浦港へ移動する二人。静は海の風、潮の香りが心地よかった。
大海原を見ていると心が晴れ晴れする。静は今度機会があったら一緒に旅行に行こうと誘う。
どこでもいいからのんびりと紀行なんかを記しながら全てを忘れるような旅がしたいと言う。
祥はそうだね、いつの日か必ず連れて行ってあげる、船で世界一周の旅をするのが夢で
その時は静も連れて行ってあげるからその日まで待ってて欲しいと静と約束する。
静は喜びいつも約束を守ってくれる祥に今度も守って欲しいと願いを託す。
愛宕町、銀座四丁目、銀座三丁目、金座通り、東京駅を通り小川町に着くと三時を回っていた。
二人は急ぎ足で神保町、小石川町を通りようやく植物園へと着く。
※共通内容※
今日は天気が良く木の陰へと座る二人。
静は無理に誘いだした事を詫びるが、祥は気晴らしに出かけたかったから気にしないでと答える。
静は祥に幼馴染の枠を越えた特別な存在だと言う。
相談したい事は何かと尋ねる祥に静はもじもじと話しづらそうに喋り出す。
由貴の事について妹になっているけど本当は違うのではと質問する静に祥は正直に答える。
静は正直に答えてくれた祥に感心する。
静はイギリスでの生活で女の子から言い寄られたりしなかったかと尋ねる。
祥はロンドン周辺は紳士と淑女の礼儀に厳しい所だから言い寄られたりはしなかったけど
男女問わず友達はできたよ、英語が流暢に話せたら違ったかもしれないけどと答える。
「よかった」静は祥に聞こえない位の声の大きさで呟く。
※最短ルート※
二人は三年の空白期間を埋める様に喋々喃々(ちょうちょうなんなん)と語り合った。
【第六章 天衣無縫 3】
※共通内容※
日が沈み、辺りはすっかり暗くなっていた。
静は祥がイギリスに行って、人が変わっていたらどうしようと思っていたが、全然変わっていなかった事に安堵する。
人はそんなに変わらないよと答える祥。そろそろ相談の内容について話して欲しいと言う。
静は今度お見合いをする事になった。祥の事が好きだった静は急にイギリスに行った後、泣き明かした事もあった。
でも私と祥クンは違う世界の人間だから私がどんなに好きになっても二人は一緒になれない。
わかっていても祥クンなら何とかしてくれるんじゃないかって勝手な妄想を抱いていたと打ち明ける。
悔しいけど、祥クンの心は由貴さんの事ばかりで私の方には向いていないみたいと気づいた。
謝って説明をし始める祥に静は十分わかっているから、由貴さんの事を大切にしてあげてと言うと
涙が溢れて抑えきれなくなってしまう。
祥もできることなら、二人で何の悩みもなく笑って過ごしていた、あの日に帰りたいよと胸の内を明かした。
「祥クン、今日はありがとう。ここからなら、私一人で帰れるわ。」
午後九時前になってしまい祥は今日は遅いから家に泊まったらどうかと誘う。
静は帯刀にも迷惑がかかるからと遠慮するが世話になる事にした。
草薙邸へと向かう途中、雨脚が強くなる。
草薙邸に着くと祥は客間が一室開いているはずだからその部屋に休んでよと静へ伝える。
応接間へと進むと由貴が無言で出迎える。
祥が遅くなった事を詫びて話しかけるや否や、ふくれっ面の由貴は無言でフライパンを投げてきた。
「こんな時間まで何やってんのよ!祥のバカ〜!!」
由貴は怒って部屋へ閉じこもってしまう。
静は怪我をしていないかと祥を気遣う。祥は自分は大丈夫だけど由貴は一体どうしたのかと理解できなかった。
静は由貴は私と同じで祥の事が本当に好きなんだけど、その表し方が不慣れで激情に流されてしまったんだと思う。
早く仲直りしよう。自分が招いた誤解でケンカしちゃったら耐えられない。と説明し、二人は由貴の部屋の前まで詰め寄った。
祥は由貴の部屋に入り事態を説明しようとするが、話を聞いてくれない。
静は由貴へ祥とは幼馴染で今日は相談にのってもらって連れ回しちゃったけど特別な関係は一切ないと伝える。
由貴は納得し早とちりをしてしまった事を祥に詫びる。
二人が仲直りをした事を確認した静は色んな意味でお邪魔しました、じゃあまたねと言い帰ってしまう。
祥は静に仲直りを取り持ってくれた事に礼を述べる。
由貴は祥が居なくて寂しくて早く帰ってきて欲しかった事を正直に伝える。
祥は心配かけてしまった事を何度も謝ると、今日は少し休もうと安心して眠りにつく事ができた。
【第七章 黒女の憂鬱】
八月二十日 午前七時
由貴「おはよう…私、祥のこと大好きだよ…」 祥「僕も由貴のこと好きだよ…」
由貴「よかった…」 祥「(仲直りできて良かった…)」
二人は東京を散策し家へと帰る。午後五時を過ぎていた。
中には麗華が居た。たまたま近くを通った所を帯刀に呼び止められお茶を御馳走になっていたらしい。
その時、二階の由貴の部屋から地震のような揺れを感じた。
由貴の部屋へ向かうと誰も居なかったが、綺麗な花が届けられていた事に気づく。花と一緒に手紙が添えられていた。
「お父様の件について、お話したい事があります。至急私の屋敷へ来て下さい。親愛なる坊やへ。
ヒルデリカ・リヒテンシュタイン」
祥はヒルダ邸へ向かおうとすると麗華にまた騙されるかもしれないと呼び止められる。
それでも行くと言う祥に麗華は心配なので一緒に付いて行く事にした。
祥、由貴、帯刀、麗華はヒルダ邸玄関へ訪れた。玄関から人を呼んでも出迎えがない違和感を覚える一行。
ヒルダの寝室へ入る一行。中にはヒルダが下着姿で立っていた。
たじろぎ謝り早く服を着て下さいと言う祥にヒルダは別に恥ずかしがる事はないと平然と振る舞う。
ヒルダが服を着ると祥は琢磨に関する物について尋ねる。
ヒルダはその前に祥達に手伝って欲しい事があると言って屋敷の部屋に連れて行く。
そこは第二実験室で異様な匂いが漂っていた。得体の知れない怪物に驚き、一行は部屋を逃げ出す。
廊下で待っていたヒルダにあれは一体何かと尋ねるとモンスターだと答える。
これは罠で、琢磨の手がかりは嘘だったのかと一行は疑うが、その話は本当でその手がかりがあの部屋にあると言う。
ヒルダはあのモンスター、ガンジョビナーラ・トロスヤナみたいにグチャグチャドロドロして
臭くて汚い物を見ると呪文を唱えるところじゃ無くなってしまうらしい。と嘘を付き、祥達の反応を楽しむ。
本当は見かけによらず結構強いから魔力で部屋から出られないようにするのが精一杯だと言う。
ガンジョビナーラ・トロスヤナは”ガルガチェバル”の花を作ろうとして間違って出てきてしまったらしい。
ヒルダの部屋にある『魔法生物大典』と言う本に詳しい情報が載っているはずだと言う。
祥達は魔法生物大典を探しにヒルダの寝室へ向かい、寝室の本棚より魔法生物大全を見つけ出し読んでみた。
ガンジョビナーラ・トロスヤナは魔法調合より作られる古典的魔法生物、特徴として黒い液状の物質で構成され常に悪臭を放つ。
聴覚器官が大きく敏感で巨大な音にさらされると神経崩壊を引き起こしてしまう危険性を持っている
ガルガチェバルの花は『ガルガチェバルの種』『ゴメス石』『ダーラ水』を用いて特定の魔法序列により精製できる。
ガルガチェバルの花弁はごくわずかな衝撃により巨大な音を発して炸裂するので注意と書いてある。
祥達はヒルダの家を駆けずり回り、ゴメス石のかけら、ガルガチェバルの種、ダーラの水を見つける。
通路で待つヒルダに材料を渡してガルガチェバルの花を魔法で作ってもらうと
早速、第二実験室へ移動してガンジョビナーラ・トロスヤナにガルガチェバルの花を使った。
化け物は雄叫びを発し怪物は溶け崩れていった。
感謝の言葉とともにヒルダが現れる。祥は早速、琢磨に関する情報について尋ねるとヒルダは祥へ一冊の古びた手帳を渡す。
手帳の筆跡は間違いなく琢磨のものであり、考古学に関する内容がびっしりと書かれていた。
手帳の内容は古いもので一連の事件とは無関係のようだが貰っていく事にした。
ヒルダは神田の古物屋で見つけて購入したもののしばらく置いていたようで、
ガルガチェバルの花を作っている時に偶然見つけたと言う。
一行は解散する事にした。家についた祥、由貴、帯刀はそれぞれ休みをとる事にした。
支援も兼ねて、ダン戦の人です。
訂正ヶ所をいくつか見つけたので、Wikiの説明を以下の通りに修正していただけないでしょうか?
★62-288の「■LBX」の項目を以下の通りに書き換え。(コアボックスについての追記アリ)
■LBX
Little Battler eXperience(小さな戦士達の経験)の略で、手の平に乗る程度の
大きさの人型のホビー用ロボット。
コアスケルトン(骨組み)とアーマーパーツ(外装)からなり、全てのパーツは
互換性があり差し替えて使うことが可能。
武器も剣、槍、銃等様々なタイプがあり、ミニチュアだが性能は侮れない。
また全てのコアスケルトンは胸部に「コアボックス」と呼ばれる四角形の空間が存在し、
そこにCPUやモーター、バッテリー、コアメモリと言ったコアパーツを入れることで
稼働するようになる。
基本的にCCM(携帯電話のような外見)という無線端末で操作し、操作可能範囲は半径約100m。
携帯電話のように通常の電話やメールのやり取りもできるので、操作端末兼携帯電話と言った方が近い。
2042年にタイニーオービット社(以下TO社)が発売したが、余りにも性能が良すぎて
遊んでいる最中に人や物を壊す事故が多発したため、一度は発売中止に追い込まれた。
しかし後に強化ダンボールが発明され、遊ぶなら強化ダンボールで囲んだ専用フィールド
(ジオラマみたいなもの)の中でという条件付きでLBXは再び発売されるようになった。
現在(2050年)はTO社のみならず様々なメーカーがLBXのパーツを売り出している。
★62-346のラストを以下の通りに書き換え。(眼鏡に関する描写を追加)
何処か研究室にて。窓はなく外の様子は見えない。
テーブルに向かったまま物思いにふける白衣の博士……こと山野淳一郎。
彼がかける眼鏡、ただの眼鏡に見えるが、コナンの高性能眼鏡のように
情報端末としても機能しているようだ。
眼鏡のフレームについたスイッチをいじって情報を調整しながら、
淳一郎は「バン……」と一言だけ呟いた。
(●博士=山野淳一郎:バンのパパでLBX発明を発明した人
バンに似ているが、バンよりも顔が縦長で角ばっている。眼鏡がかっこいい)
第2章、終了。
★63-90の冒頭に以下の記述を追加
一方、ジンも「秒殺の皇帝」の通り名の通りに一瞬で決着をつけて順調に勝ち上がっていた。
試合を終えたジンが舞台から降り、控えブースに戻ろうと人気の少ない通路を歩いていると
「見事な腕前ですね」と手を叩きながら褒める声が。
ジンが見上げると、そこにはスーツを着た黒髪オールバックの男性が立っていた。
そんなの必要ないと言われそうですが、読み手をワクワクさせたいため、後で読み返した時に
「あーっ!」っと言っていただけるようにに文章内にもばっちり伏線をばら蒔きたいタチなので
追加の方、よろしくお願いします。
またさるさん食らってしまった。
度々すみません
次の第八章から物語的に伏線回収の終盤に入ります
続きはまた今度
149 :
ゲーム好き名無しさん:2012/09/28(金) 14:16:16.85 ID:lQ7fojPo0
>>147 責めてるんじゃなくて単純に疑問なんだが、
誰かに頼むよりも自分でやったほうが、早いし確かなんじゃね?
【第八章 破滅の序曲 1】
八月二十一日 午前七時
祥と由貴はいつものように捜査を開始する。
特に有用な情報は掴めず、午後八時を過ぎた頃、雨が降りそうだという事もあって帰宅する。
祥は由貴の体調の異変に気づき早く休ませる事にした。
寒気に身を震わす由貴が眠りにつこうとした時、目の前に突如、仮面の男が現れる。
仮面の男は由貴に自分達の目的を説明する。
予想通り、祥が由貴の心の封印を解いて第一段階が過ぎた事、以前は恐怖による刺激で封印を解こうとしていたが、
時期に本来の姿に戻れそうである事、今の苦しみから解放されるには全てを受け我が弟として目覚める事。
由貴の悲鳴は祥達には届かなかった。
八月二十二日 午前五時
由貴の異変に気づいた帯刀は祥を起こすと発作を診てもらう為、帝国大学附属病院に手配した事を伝える。
祥は異変に苦しむ由貴を抱えて急いで帯刀の待つ車へ向かった。
病院の受付で成滝医師が出迎える。
成滝医師は精神安定剤と解熱鎮痛剤、強心剤を手配し他の医師にも人命に関わるので協力を要請した。
容体はつかめていないが、今までにない発作を起こしている事は間違いない、急がないと心臓に負担がかかる
祥に必ず助けると約束を交わし、しばらくここで待っていて欲しいと伝えると
成滝先生はベットに乗せた由貴と集中治療室へ入っていった。
祥は治療室の前の長椅子で二時間待ち続けた。
治療室より成滝先生が出てくると経過を説明してくれた。
精神安定剤と鎮痛剤を投与して発作を押さえているので、明日にはよくなるようだ。
由貴に会うなら四階にある精神病棟第四病室に行けば良い。
通常は面会謝絶であるが、彼女の場合、祥が安定剤代わりになっている可能性があるので例外として扱ってくれた。
まだ不可解な点が多く早急に解決しないと何が起こるかわからないので明日精神検査の立ち会ってをお願いされた。
成滝先生が帰っていくのと入れ替わって、心配して訪れた帯刀に祥はとりあえずは大丈夫だと言っていたと伝え、
今日はしばらくここに残り夕方には戻る事を伝える。
由貴の病室に入り祥は眠っている由貴を無言で見つめる。
時間の経過と共に鎮痛剤が効いてきたか表情は和らいでいく事がわかる。
何故発作が起きたのか、ここ数日前触れは無かった、ただの発作なのか、成滝先生の言っていた
『気になることがある』とは何なのか、祥は思考をめぐらしつつ由貴が早く元気になる事を祈り
由貴が目覚めるまで側で待ち続けた。
日が沈んだ午後七時となっても目覚める気配すら感じられなかった。
ノックの音と共に入ってきたのは成滝先生ではなく、沙夜子だった。
別件で用事があった所を成滝先生に聞いて心配して見舞いに来てくれた。
祥より沙夜子に由貴の容体について説明を行うと、沙夜子は祥の顔色が悪い事に気づく。
沙夜子は自分が代わりに由貴の様子を見てあげるから一度帰った方が良い気遣ってくれた。
祥は沙夜子の言葉に甘えて一度、帰宅する事にした。
【第八章 破滅の序曲 2】
草薙邸・応接間では祥の帰りを待っていた帯刀に由貴の体調があまり思わしくない事を伝える。
由貴の看護は沙夜子にお願いしていると言いつつ、祥は目の前にあった帯刀宛の電報の存在に気づく。
『ハハキトクレンラクコウ』
帯刀の娘から母が危篤であるという電報だった。祥はすぐに見舞いに行かなければだめだと言うが、
帯刀としては由貴の事もあり屋敷を空ける訳にはいかないと執事としての道筋を通していた。
祥は沙夜子が手伝ってくれているし、自分で何とかするから早く行ってあげてほしいと帯刀に言うと、
帯刀は深々と礼を述べて出立の準備を取り掛かった。
祥は戻ってこれるようになればすぐに戻ってきて欲しいと帯刀に伝え、不安を感じつつ今日は身体を休める事にした。
八月二十三日 午前七時過ぎ
沙夜子からの電話のベルで目を覚ます。由貴の容体がおかしい。今は安静にしているけどまた悪くなるかもしれないから
一度、祥に来てもらった方が良いかと思って電話してきたと言う。
祥は急いで病院に向かおうと支度を整えていると鬼瓦から電話が入る。
由貴の事で時間があれば今日警視庁に二人で来て欲しいと言う内容であったが、
由貴は体調を崩して病院に居るので無理だと祥は答えると、鬼瓦は重要な話があるから祥だけでも来て欲しいと言う。
嫌な予感がした祥は先に警視庁へ寄ることにした。
鬼瓦は祥に来てもらった内容について説明する。
以前、祥が赤坂区の連続惨殺事件の犯人は由貴だと言っていた事が誰かに漏れたらしく、
再調査依頼が出て殺人課が身柄を拘束すると言っていると言う。
祥は入院している由貴を投獄したら命が持たないのではないかと落胆する。
鬼瓦は今回の捜査から外されて一ヶ月の謹慎処分をくらったらしい。
祥は鬼瓦に迷惑をかけてしまった事を実感して言葉を詰まらせてしまう。
鬼瓦は懲戒免職をくらったわけではないから心配するなと励ます。
鬼瓦は今回の拘束の件は帝国陸軍が関係している為で何かしらの圧力が掛かっている。
指示を出しているのは近衛歩兵第三連隊連隊長の氷室京一郎少佐だと言う。
今まで何度も助けられた祥には信じられなかったが、この情報は警視庁及び知り合いの情報屋を使って集めた確かな情報だと言う。
鬼瓦は氷室には幼少の頃に義父母を日本刀で惨殺した罰歴がある異常性を持ち合わせている事を話し、
彼の言葉に惑わされるなと忠告してくれた。
由貴の拘束は恐らく今日から三日後。出来るだけ警視庁の動きを抑えておくと祥へ伝える。
祥は由貴の居る病院へ急いだ。精神病棟には成滝医師が居た。
どういう事が起きたのか興奮する祥に成滝医師は本当は昨日の内に話しておくべきだったかも知れないと呟く。
成滝医師「実は昨日も治療中に由貴君が錯乱したんだよ。昨日は鎮静剤を投与して寝かせていたんだが…
今朝、由貴君の部屋に来るともの凄い荒れ様だった。幸い沙夜子君は外出して巻き込まれなかったが。数人が怪我をした。
とりあえず警察への通報は控えておいたのだが…どちらにしても、こうする処置しかなかった…
今回は不注意だった…私達の責任だ。精神患者では、こう言うケースが多々あるという事を忘れていた。」
成滝医師は彼女を起こさない事を祥に約束し病室へ連れて行く。
【第八章 破滅の序曲 3】
由貴の病室には沙夜子が待っていた。今の所、容体は大丈夫だと言う。
祥は寝ている由貴の右手をそっと握ると祥の名前を呟く。由貴は祥の夢を見ているのだろうか。
祥は成滝医師に呼ばれ受付へと足を運んだ。精神鑑定の結果、由貴は紛れもなく二重人格者だと言う。
今日の測定結果ではもはや治せる段階ではなくなってしまい、今朝暴れたのはもう一人の人格であるらしい。
ただ由貴は元に戻らない訳ではなく治療可能な糸口を必ず見つけてみせると医師は意気込みを見せてくれた。
祥は成滝医師にお願いするしかなかった。
丁度話が終わった頃に沙夜子が由貴が目覚めて祥の事を呼んでいると伝えに来る。
病室に入ると、由貴はどうしてここに居るのか理解できていないようだがいつもの由貴であった。
祥は昨日熱を出して倒れたから病院に連れて来たと経緯を説明する。
成滝医師は今日明日は病院で精密検査を受けた方が良いと判断し祥の予定を伺う。
祥は時間の許す限り立ち会う事を約束する。
沙夜子は由貴の様子が良くなったので退出する事にした。
由貴は祥に迷惑をかけたことを謝る。祥は由貴を安心させ眠らせる事にした。
精密検査の準備が整ったのは夜になってからだった。
今夜も沙夜子が立ち会ってくれるらしいので、祥は成滝医師達に由貴の事をお願いし、帰宅する事にした。
雨の中、帰宅する祥。草薙邸の前には氷室が待っていた。
祥は鬼瓦から幼少の頃の彼の行動を聞かされたせいもあって氷室の姿に驚き、言葉をどもらせてしまう。
由貴の姿が見当たらないなと言う氷室に対し、祥は鬼瓦警部の言うとおり少佐が信用できるかどうかわからない
と判断して、由貴は風邪をひき家で寝込んでいると嘘をついた。
氷室は早く元気になる事を祈っていると伝えておいてくれと言うと去って行った。
祥は氷室が本当に悪い人なのか疑問に思いつつ、家に入り疲れを癒すため眠りについた。
八月二十四日 午前一時
祥は何かの物音がした気がして目を覚ます。帯刀は居ないし強盗だろうか。
由貴の部屋に入ると冷たい風が吹いている事に気づく。
倒れたタンス、破壊された鏡、切り刻まれたベッド、部屋は無残に荒らされていた。
祥はまだ家に誰かが居るかもしれないと感じ慎重に足を運ばせた。
一階の執事の部屋と通路は荒らされた形跡は無かったが、
倉庫は一部破壊され紛失していた。ただし、重要な品物への被害は無いようだ。
由貴の部屋と同様に鋭利な物で切り刻まれているようだ。
強盗であれば僕自身を人質にするだろう。犯人の目的は何だ?
二階の父の書斎と父の研究資料室では由貴の部屋と同様に荒らされていた。
考古学資料や数多くの古代文明の遺物等が傷つき破壊されている。
物置には特に変化が無いが犯人から身を護るものがないと危険だと思い鉄パイプを手にする。
二階通路には特に変化は無い。
【第八章 破滅の序曲 4】
最後に残ったのは琢磨から入るなと言われていた二階の考古学室だったが、今は緊急時だから仕方がないと思い部屋へ入った。
暗闇に目が慣れてきて荒らされていない事がわかったが他の部屋と違いこの部屋は何か不気味な雰囲気が漂っていた。
王族か貴族の一族の肖像画が置いてある。この絵は鮮明且つ現代風で描かれ考古学とは無関係に思える。
国王、王妃、息子二人と思われる四人が描かれている。
絵の人物が今まで祥が出逢ったある人物と重なって見える。最も身近な存在の人物。
その絵が良く見える位置まで近づこうとした…その時、目の前に刃物で切るような残像が見え、祥は咄嗟に身をかわした。
見たこともない褐色の肌の男が血の着いた日本刀を握り乱入してきた。
「ヴェギルドルフ…ヴェダーラ!」
錯乱した男は呪文のような言葉を呟き、日本刀を振りかざし奇声を上げて襲ってくるが、逃げるだけで精一杯だった。
このままでは事態が改善しないと判断した祥は書斎へ逃げ込み扉を閉めると同時に鍵を掛ける。
その直後、扉には日本刀がつき刺してくると、祥は机を扉に押し付けて時間を稼ぐ事にした。
このままでは、いつか扉が破られてしまうと判断した祥は、部屋に武器となるものがないか探し出し
書棚の隅で、鋭く光る銀色の短剣「ヴァルギース短剣」を見つけ握り締める。
それと同時に扉が砕かれ男が侵入してきた。
短剣を鞘から抜くと刀身から白銀の光が放たれやがて太陽のような炎の輝きへと変わっていった。
祥は渾身の力を振り絞って男の腹部にヴァルギース短剣を突き刺した。
それと同時に、先程の光が辺りを覆い尽くす…男の絶叫は短剣の輝きにかき消されていた。
そして光がおさまったとき、男の姿は消滅していた。ただ、床に残る黒い影のような形を残して…
その時、不意に不気味な声が僕の耳に届く。声の主は仮面の男であった。
「まさか、ヴァルギースの短剣がそこにあったとは…これは計算違いでした。まぁいいでしょう。
目的の物がここに無かった以上ここは引きましょう。どちらにしろ、巫女は連れ戻しますがね…フフフッ……」
祥はヴァルギースの短剣を仮面の男へ投げるがかわされてしまう。
仮面の男は壁に刺さった短剣を抜き取り姿を消した。
なぜ仮面の男が現れたのか、あの短剣は何なのかわからない事が多すぎた。
部屋に戻ろうとした祥は頭痛と身体の異変に気づく。
短剣を使ったせいなのだろうか?痛みに耐え切れず気絶してしまう。
祥が気づいた頃は朝を迎えていた。あの短剣は所有者の力を吸い取るのか?疑問に思う祥に電話のベルが鳴り響く。
麻生教授から以前、祥に頼まれていた《彷徨える魂の祈り壷》の解析が終わったから来て欲しいという電話だった。
帝国大学の構内に入り声をかけるが、返事が帰ってこない。
突然、何かが壊れたような音と麻生教授の悲鳴が研究室の中から聞こえてきた。
考古学研究室の中に入ると《彷徨える魂の祈り壷》を抱えた魔道士が消え去っていく姿を目撃する。
部屋には胸を槍で貫かれて大量に血を流している麻生教授が居た。
麻生教授は最後の力を振り絞り、部屋にある時計について指をさして何か伝えようとするが力尽きてしまう。
この騒動に学生が気づき数十分後、警官達がやって来て祥は第一発見者として事情聴取される事になった。
三十分程で事情聴取から解放され、その間、教授の遺体は警視庁へ運ばれていた。
鬼瓦が祥に釈放された理由を説明する。
今回の件は学生達が祥は犯人ではないと証言してくれたし、凶器に使われた槍から誰の指紋も検出されなかったらしい。
鬼瓦は由貴が今日の午後三時に軍の意向により警視庁の留置所へ護送される事になった事を伝える。
三時以降に由貴に会いたい場合は警視庁へ来いと祥に伝えると鬼瓦は本庁へ戻った。
【第八章 破滅の序曲 5】
祥は麻生教授が言っていた時計について気掛かりになり、辺りを見渡すが部屋に時計は無いように思える。
部屋の机、書庫、戸棚、考古学倉庫を調べるが《時計》は見つからない。
再度、机を調べてみる。机の上にある写真には大きな石柱が円形に並んで建っている姿、ストーン・ヘンジが写っていた。
祥は昔、琢磨より時計代わりになると聞いたことがあった。
写真立ての後ろを開けると手紙が出てきた。
手紙は祥宛のもので自分の犯した罪を償う行為と祥への今後の道標を示す事を兼ねた遺書であった。
麻生教授は嫌々ながら仮面の男の間者となって祥を騙していた事、
命令を無視した場合は沙夜子の命を奪うと脅されていた事について祥へ謝罪していた。
《壷》と《文様》の事について記述ので、沙夜子を守って欲しいと書かれていた。
・《彷徨える魂の祈り壷》は元々、祭儀用に使われていた物の一つで、《魂》の封印に使われるもの。
いかなる生物の魂をも吸い込んでしまうらしい。使用方法は壷の口を対象者に向けてある呪文を唱える。
但し、《蓋》がないと完全に魂を封じる事はできない。おそらく蓋は一緒に発見された《円形の石》の事だろう。
呪文については現在は不明である。
・《円形の石》には古代の文様とされる《オーキルスマーク》と呼ばれるものが刻まれている。
この石には《この世のものでないもの》《不浄な魂を持つもの》に対して絶大な力を有しているらしい。
仮面の男自身、この石に対してかなりの恐怖心を持っている。
《彷徨える魂の祈り壷》の蓋として使った場合、開ける事になれば封じていた魂が解き放たれるそうだ。
・文様についてはヒルデリカ殿が提示してくれた《エルランカ文字》で解読できるようになった。
解読の結果、やはりこの壷は《魂を封じ込める容器》だという事がわかったものの、
特殊な配列のようなものの意味が掴めていない。
祥は手紙を読み終えると麻生教授へ深い感謝を込めて黙祷を捧げた。
午後一時に祥が病院にたどり着いた時、大勢の人だかりが入り口を囲んでいた。
大衆の視線の先には病院から由貴が連れだされようとしていた。由貴の腕には何か銀色の物が光っている。
祥は必死で近づこうとするが護衛の男や氷室に阻まれる。氷室の判断で護送を早めたと言う。
祥は惨殺事件の犯人は《魔道士》達の仕業だと説明するが、氷室は祥に対して狂言を言っていると言い聞く耳を持たなかった。
氷室は何者かかが由貴を狙っていると情報を掴んだ為、警視庁の留置所へ護送する事にしたと説明し、
祥へ退くように要求する。何としてでも由貴を救い出したい祥は気絶さられてしまう。
祥は目を覚ますと病院内に連れ込まれていた事に気づく。
目の前には沙夜子が居た。多分、由貴は氷室達に警視庁へ連れ込まれたと説明する。
祥は沙夜子に麻生教授が今朝、胸を貫かれて大量出血で亡くなった事を伝えると遺書である手紙を受渡した。
手紙を読んだ沙夜子は泣き崩れてしまい、祥は付き添うくらいしかできなかった。
しばらく時間が経過して祥は眠ってしまっていた。今日の出来事は衝撃が大きすぎて疲れてしまっていたようだ。
目覚めると沙夜子の姿は無かった。
【第八章 破滅の序曲 6】
祥は病院を出て警視庁へ向かった。受付で鬼瓦と出会い、留置所にいる由貴へ面会の手続きを行なってもらった。
鬼瓦は監視員に面会を要求すると申し訳ないが、氷室少佐から囚人には誰も近づけるなと命令を受けていると言われる。
鬼瓦は一通の礼状を見せると警官は態度を改め面会の許可を下した。
祥は礼状を見せてもらう。この礼状を持っているものは他の全ての公務より優先する警視総監直筆のものであり、
今回の件を知った静が父親の警視総監へ頼んで書いてもらったものだった。
鬼瓦は牢屋の前で待機し、祥は一人由貴の前に立つ。由貴は眠っていた。手ひどく尋問されたに違いない。
「由貴、必ず…必ず助けるよ。そして、いつか……」
祥の言葉に由貴は目覚めると、祥は震えている由貴を抱きしめた。
祥は泣いている由貴を見て生涯を賭けて守ると心に誓った。
厳しい尋問を受けたが体罰は氷室が禁じてくれていたので怪我はないと言う。
由貴は疲れて眠っていたら不思議な夢を見たとらしい。
黒髪の少年と洋風造りの家の前の花壇で《いつかまた会おうね》って約束を交わした夢。
祥は過去の記憶ではないかと尋ねるが由貴には判断がつかなかった。
祥は由貴に事態を説明し鬼瓦に協力してもらったと説明する。
祥は鬼瓦に由貴を連れ出せれないかと尋ねるが、特別礼状とは言え軍部の圧力を和らげる位にしか効果は
期待できないし警視総監にも迷惑をかける事になるので無理だと言われる。
祥は由貴にお守りとして大事に持っていたロケットを渡す。
必ず助けに来るからもう少し辛抱して欲しいと伝え外へ向かった。
祥は受付で氷室と出会う。特別礼状を持って留置所に入った者がいると聞いて来たと言う。
中に入れたのは自分だと鬼瓦は前に出る。
氷室は、今回は目をつぶるが次は容赦しないと鬼瓦へ釘を刺すと外へ戻っていった。
鬼瓦は祥に氷室は何か隠しているので後をつけると言う。
疲労が溜まっていた祥は家に戻り、部屋で休みを取ることにした。
【第八章 破滅の序曲 7】
八月二十五日 午前七時過ぎ
電話のベルが鳴り響く。沙夜子が電話では言えない大事な話があるから今から琢磨の研究室に来て欲しい、
ここも危ないかもしれないと言うと一方的に電話を切られてしまう。
祥は急いで大学の琢磨の研究室へ向かうとイシューという魔道士が椅子に座っていた。
イシューは名を名乗り、沙夜子は残念ながら逃がしてしまったが部下がもうすぐ見つけるだろうと言う。
本来は自分で相手をしたいところだが女性の捕獲を優先するように言われているので
兵士に襲わせる事にした、兵士には術をかけて爆弾をセットしている、祥には死んでもらうと言い霞の如く姿を消す。
逃げられそうに無い祥は兵士と戦い倒した後に即、帝国大学から外へ走り去ると後ろから大爆発が起きた事がわかった。
旧校舎だから人は居なかったと思いたい、しばらくすると警察、救急車、消防団が駆けつけて消火作業に入った。
祥はそれを見届けると急いで警視庁へ向かった。
受付で鬼瓦に出会う。お互い大変な事になったと言う。まず祥は沙夜子が行方不明になった事を伝える。
鬼瓦は由貴が逃亡を計ったった言う。留置所で何らかの手段で警備員二人に重症を負わせた。今から探しに出ようとしてると言う。
祥はどちらを追うべきか悩んだ末、沙夜子を追う事にした。鬼瓦は部下の一人を祥と同様に沙夜子を探すよう手配してくれた。
由貴の事は鬼瓦に頼み祥は沙夜子を探す為、大学に近い植物園から駒込動坂へ向かった。
そこに魔道士に包囲された沙夜子が居た。祥の声に反応した魔道士が襲いかかる。
祥は何とか魔道士を倒し沙夜子を救い出すと道に倒れてしまう。
八月二十五日 午後七時
警視庁に運び込まれた祥は目を覚ますと目の前に鬼瓦と沙夜子がいた。
由貴は残念ながら逃げられたらしい。由貴の居場所は鬼瓦の読み通り、小石川区の大塚町にある大塚精神病院に入ったと言う。
鬼瓦は氷室を追跡したら、その病院に結びついたと言う。どうも最近の氷室の行動には不審な点が目立つ。
祥、沙夜子、鬼瓦の三人は大塚精神病院へ向かった。
この病院は第一次世界大戦の前まで軍の精神操作に関する研究所として使われていたが、戦後に民間に払い下げられた。
設備はそのまま現在では精神病院として利用されていると言う。
施錠してあったはずの鍵は破壊され扉は開いていた。
【第八章 破滅の序曲 8】
祥達は受付に入り、病室、診察室、治療室、調剤室で武器や回復アイテム、霊安室の鍵を手に入れる。
受付をよく調べるとカウンターに霊安室へ繋がる扉がある事に気づく。
霊安室の鍵を使い霊安室へ入り、襲い掛かってきたゾンビを倒し、一行は奥にあった梯子を降りる。
奥に進むと仮面の男と漆黒の法衣をまとった魔道士達が由貴を連れていた。
「巫女の覚醒が始まった今、存在価値すらありません。早々にこの場で消えていただきましょう。」
仮面の男は魔道士デュトア、魔道士イシューに祥達を倒すよう命令を下すが、祥達はこれを退ける。
今までになく手強い二人の魔道士を三人は倒すとさすがに仮面の男も同様を隠せない。
仮面の男は祥になぜ由貴にこだわるのかと問う。
祥は由貴は自分の妹だから必ず助けだすと答える。
仮面の男は我々の仲間にならないか、由貴には手荒な真似はしない良い取引だと思うがと言い出す。
無論、祥は取引に応じないと答えると仮面の男はマントの裾を払い魔道士達が一斉に詠唱を始める。
絶体絶命の祥の前に沙夜子が庇いでて呪文を受け悲鳴を上げる。
仮面の男「ちぃ、愚かな事を…この期に及んで我々を裏切るような真似をするとは…どう言う事だイリスフィアよ!
草薙琢磨に心奪われ、我らの悲願を忘れるとは。所詮、貴様も琢磨と同じくただの人ということか。
まぁいい。貴様は我々にとって使い捨ての駒に過ぎん。我らの魔力なしで生きていけぬ人形風情が…
せいぜい琢磨の…貴様が愛した男の忘れ形見の最後を見届けるが良いわ!!今度こそ、冥府へ旅立て!草薙祥!!」
そこに帯刀が乱入して詠唱の邪魔をする。帯刀は警視庁で話を聞いて飛んできたと言う。
仮面の男は日本刀を構え帯刀を襲うが、帯刀はその太刀をかわし拳を仮面に叩きこむ。
仮面は剥がれ落ち、氷室の顔が現れた。
「何者だ、死体の数が足りないと思っていたら貴様は琢磨か」
帯刀と思っていた男は死んだと思っていた琢磨だった。
琢磨は帯刀の姿から元の姿へと戻る。
この状況では退くしかないと感じた琢磨は沙夜子を抱え祥を説得し逃げ出した。
逃げる一行に氷室が呪文を詠唱する。
その時、琢磨が火炎瓶を投げ込み周囲に飛散し呪文を防いでくれた。
氷室「まあ良い、巫女は我が手にあるのだ…」
大塚精神病院を脱出した一行。
外に出ると沙夜子が琢磨と祥に裏切っていた事を謝る。
琢磨は裏切っている事も内心悩んでいる事もわかっていた。
二人はお互い自分の不徳を詫びる。
琢磨は祥に沙夜子を恨まないでやってくれと言う。
祥は沙夜子は大切な人で恨むなんてとんでもないと言う。
八月二十五日 十九時四十五分
沙夜子は琢磨の腕の中で息を引き取った。沙夜子にとって今まで求められなかった最後の幸せだったのだろう。
祥は死なせたくない人が死んでいく現実に深く傷つき自分の無力さと氷室を憎んみ、沙夜子の亡骸に由貴は必ず護ると誓った。
沙夜子の亡骸は近くの社まで運び、大樹の根元に埋葬した。
悲しみに包まれつつ祥は父と家に帰った。
今日はここまでにしときます。
次回分で終わる予定です。m(_ _)m
【第九章 滅びし帝都 1】
家に帰ると帯刀が戻っていた。疲れていた祥と琢磨はとりあえず休む事にした。
八月二十六日 午前0時半
祥はしばらく休んだものの気持ちが高まって目覚めてしまった。応接間から琢磨と帯刀の声が聞こえる。
琢磨は帯刀に最後の頼みを聞き届けてほしいと言っているが、何の内容なのかはわからなかった。
琢磨は祥の存在に気づくと丁度話をする機会だからと屋根の上へと誘う。
夜空には美しい三日月が出ていた。祥は三年前同じようにここで話をしたのを覚えていた。
琢磨は祥に由貴の事をどう思っているのか尋ねる。
祥は好きだと答えると琢磨は優しくしてやるんだぞと二人の関係を認めてくれた。
祥は琢磨の様子がおかしい事を気にしながらも、由貴を含めて皆で過ごせれるよねと琢磨へ問いかける。
琢磨は全てが終わったらきっと過ごせれるはずだと答え二人は自分達の部屋に戻った。
祥は起床後の体調を考え眠りにつく事にした。
八月二十六日 午前七時
応接間には鬼瓦、麗華、ヒルダ、静が訪ねてきていた。
皆の前で琢磨は今回の事件の全てについて説明を行う。
「皆が気づいているように今回の事件は由貴が中心になっている事、多発する少女誘拐事件、帝都周辺で起こる様々な怪事件は
全て由貴の覚醒の為に魔道士達が恣意的(しいてき)に引き起こしたものである。
全てを知るには由貴の誕生から話さなければならない。
今から十五年前、イギリス考古学会に所属して多くの文明調査を行なっていた頃に
偶然にも超古代文明に関する手掛かりを得ることができた。
生まれて間もない祥を残してチベットのラサへ向かい、超古代文明の記述を記した石碑を見つけだし、
その石碑を調べて魔道士達の正体は超古代文明の末裔である事を知った。
由貴は生贄ではなく、生まれながら魔道士達の崇拝する神の巫女としての器を持っていた故に執拗に追われていたようだ。」
「何年も前にも由貴を救出した事があり、十年近く監視を逃れながら遺跡を発掘していたが、三年前に由貴の居所が
魔道士達に知れてしまい、由貴を守っていた友人は殺され誘拐されてしまった。由貴は帝都東京へ連れ去られた。
祥をイギリスに留学させたのは魔道士から守るためでもあった。
帝日新聞の山神義郎や鬼瓦警部と手を組み情報を収集し捜査しやすいように努力を重ねたが、そんな時、魔道士達が
帝都の陸軍を掌握し政治的な行動に出始めてしまった。
帝都を一つの巨大な制御装置として魔道士達が住んでいた大陸を浮上させるという計画。
帝都改造計画は表向きは陸軍が提示した富国強兵に伴い、帝都を要塞都市へと改造する計画だが、
本当の目的は魔道士達の環境に合わせた地下大都市建設と消失した大陸浮上であり、その為の魔法陣を地下に建設している。
祥が以前、由貴を救い出した睦月精肉工場から続く地下設備も帝都改造計画の一環だった。」
【第九章 滅びし帝都 2】
更に琢磨の話が続く。内容をまとめると次のような経緯であった。
琢磨は計画を止める為、あえて氷室の策に乗った。沙夜子が魔道士達の仲間である事も知っていた。
氷室は遺跡内での事故を装いながら琢磨を殺害しようとしていた。
由貴の居場所がわかった琢磨は山神と共に睦月精肉工場へ向かったが、山神は凶悪な怪物に襲われ死なせてしまった。
琢磨は捜査を容易に行えるようにする為、背丈の似た別の男の死体に愛用のジャンパーを着せて自分の死を偽装したが、
氷室が機転を利かし、祥に帰国するように手紙を出してしまい計算が狂ってしまった。
氷室は由貴の覚醒を促す役目を祥に与える為、あえて祥に由貴を救出させる事が目的だったようだ。
祥は由貴を儀式の前に救出したと思っているだろうが、実際には儀式が終わっている。
既に奴らが望むものは由貴の身体に宿っている超古代文明の王族の魂。
由貴は自制心と孤独によって二つの魂を安定させていたが、祥と出逢ってバランスが崩れてしまった。
氷室はそうなる事を計算して接触させたのだろう。
由貴のもう一つの魂が覚醒する事により魔道士達、いや、人類発祥の大陸が浮上すれば、
帝都はおろか太平洋周辺の国に被害が及ぶ。場合によっては数百万か数千万の人間が死ぬかもしれん。
超古代文明は太古の昔に太平洋に沈んだ大陸故に浮上すれば海に面している国は津波によって大被害を受ける。
もし由貴が覚醒して暴走してしまうのであれば殺してしまうか、この地で果てるか、その時は祥が判断するんだ。
琢磨が帯刀と入れ替わっていたのは自分が死んだことにしつつ祥の行動の援助を行う為であった。
魔道士達は不老型と転生型がいる。不老型は各地方で神や悪魔と呼ばれ知恵と力を授けてきた者。
転生型は氷室がそうである。超古代文明崩壊で死を迎え、時を越えて現世にたどり着き人の子に宿った
外見は普通の人間だが知識や記憶は古代人のままだ。強力な力を操ることができるが不老ではない為、寿命により死を迎える。
不老型は魔力は協力だが、それを支える肉体を持っていない。転生型はその弱点は無いので戦うには厄介だ。
氷室は元々戦災孤児で乃木大将に拾われ育てられたが、恐ろしい程に凶悪な精神を持っている。
おそらく前世からの転生に失敗している為なのだろう。
氷室達は四方結界という遥か前に考案された帝都守護封陣の一つにより護られている。
東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武を設置し霊的に帝都を守護している。魔法の威力が半分以下に落ちているのはその為。
由貴を探すにはこの結界が霊的、肉体的に邪魔になる。
東の青龍は日本橋、西の白虎は乃木神社、南の朱雀は芝公園、北の玄武は上野公園だ。
琢磨は知っている事を全て語り、改めて皆に由貴救出の協力を要請する。
琢磨は祥を書斎へ連れ出し用事を済ますまで、皆に少し待っていて欲しいと伝える。
二人は書斎に入ると琢磨は書棚の奥に隠された扉を開け地下水路へとしばらく無言で歩き続けた。
琢磨が案内した場所は約二十年前に起工した帝都改造計画の予定区画の一画。
琢磨は帝都の地図を取り出し、地下水道と改造計画の区画を線で結んでいく。
すると帝都東京に巨大な六芒星の魔法陣が出来上がっている事がわかる。
琢磨「召喚を行うには魔力と供物が必要だ。地図にマークした所は連続殺人事件が起きている場所で今も殺人事件は続いている。
全ての殺人事件を阻止する事は無理だが、我々は奴らの陰謀を阻止しなければならない。
召喚の儀式の準備が整うのは恐らく月末、魔道士達が一斉に何時間もかけて詠唱を行うはずだ。」
【第九章 滅びし帝都 3】
二人は更に奥へ進み祭壇に訪れた。そこに一冊の書物が安置されていた。
琢磨「この本はカナンフィーグの書という滅び去った古代帝国における禁断の書物。
人知を越えた闇の知識を得る禁書。常人が読むと膨大な知識の濁流に呑まれ死に至る。
これを克服する事ができれば悪魔や魔王を自在に操ることができる。」
琢磨は祥に試練を受ける覚悟があるか確認すると書物を開いた。
祥は意識が肉体を離れていくような感覚にとらわれる。
やがて目の前には異世界の光景が広がっていった。太平洋の古代文明の遺跡ような建物。
祥の意識は人々のざわめきに呼応してコロシアムのアリーナへ向かう。
アリーナの中心には巨大な石像がそびえ立ち、多くの生け贄が現れて殺されていった。
人が殺される度に観客は諸手を上げて歓喜の声を挙げる。
「こんなのはおかしい」祥の声に反応して琢磨の声が聞こえる。
「彼らは精神的霊的に現代人よりも進化している為、万物の平衡が保たれるのであれば喜んで命を捧げているのだ。
現在でも誰かの為に命を投げ出しても良いと感じるのはこの風習の名残だ。」
琢磨は祥にとある四人の人物が描かれた絵を見せて説明する。 ※第八章 破滅の序曲で錯乱した男に襲われた時の絵
中年の男は現世の琢磨で、前世では魔道士達を統べる国王、青年の男は現世の氷室で、前世では皇太子、
中年の女は現世の沙夜子で、前世では皇妃、少年は現世の由貴で、前世では第二皇子。
四人は輪廻転生により現世に生まれ変わった。琢磨がそう説明すると今まで見えていた光景が崩れ暗闇に包まれる。
古代帝国の王宮の様な光景が広がる。その光景の中、先程描かれていた皇太子と第二皇子が口論していた。
第二皇子は大切な友人の命を神に生贄として捧げる事の必要性に疑問を感じ、
皇太子へこの風習を考えなおして欲しいと要求していた。
帝国の強大な力、富も多くの生け贄によって支えられているが、それは本当の力や富では無い幻影に過ぎないというのが
第二皇子の主張だった。皇太子は第二皇子の意見は一切聞く耳を持たず、この場を去れと追い返そうとしていた。
確かに第二皇子の言う事は正しいかもしれないが、公人としての責務を全うするのみというのが皇太子の主張だった。
皇太子「信仰を捨てれば今の儀式とは比較にならない程血が流れる帝国は滅ぶだろう。」
第二皇子「だからといってこのまま衰退を続けるのは嫌だ。私は戦って力は無くとも慎ましくも幸のある生活を望む。」
口論は続くが二人は分かり合う事は無かった。第二皇子は帝国、父、兄に対して剣を向ける事になっても
構わない覚悟だと言いその場を去って行く。
やがて時は流れ、帝国は戦乱の時代を迎える。帝国辺境に武力蜂起した第二皇子率いる義勇軍は、皇太子を総帥とする
正規軍とやむなき戦いを強いられる。折しも兄弟の戦いが苛烈を極める頃、病床にあった父王は失意の内に永遠の眠りについた。
王の死と共に義勇軍への加勢は勢いを増していった。戦いは三年続き両軍は疲弊し戦線は膠着した。
この戦争は国土の大部分が戦禍に呑まれ焦土と化し、総人口の半数を死に至らしめた。
両軍の首脳会談によって戦争を終わらそうとしていた。
支援
【第九章 滅びし帝都 4】
二人は五年前に行った生贄の是非に関する口論を同じように繰り返す。
今回もわかってもらえそうにないと悟った第二皇子は剣を抜き皇太子と剣を交え火花を散らすが、
皇太子には敵わず、第二皇子は殺されてしまう。本当は殺したくなかった皇太子は弟の死に男泣きに泣いた。
その時、笑い声と共に邪神の思念が現れる。愛する者通しの殺し合いに愉快で大いに満足した褒美として更なる力を与える故、
弟の魂を我に捧げよと言い残し邪神の思念は消えていった。
皇太子は側近の魔道士コーディアスに我が弟の魂を救ってくれ、邪神から守ってくれと頼んだ。
「我が魂は邪神に弄ばれむさぼられようともよいが、弟の魂は神の意志に反しても守ってくれ。」
コーディアスはノルディスの丘に国王、二人の皇子、コーディアスを除いた帝国十支柱の魔道士の六人を待機させていた。
第二皇子の亡骸を丘の魔法陣へ移し、六人は輪廻転生の呪文詠唱を始めると第二皇子の魂は時空を越え、
人知れぬ遥か未来へと飛び去る。
その異変に気づいた邪神は、我が与えし力をもって意に反する行為を行う皇太子や魔道士達へ永遠の呪縛の中で
無限の闇を彷徨う呪いをかける。
帝国は二日を経たずして魔力均衡が崩壊し、膨大な魔力が一気に放たれ、山のような津波が押し寄せ全ての火山が噴火し
大陸と共に深い海底へ沈没した。
祥の意識は大正の日本へ戻ってきた。琢磨は祥へその後の事の成り行きについて説明してくれた。
皇太子より転生した氷室は邪神の呪いに蝕まれ邪悪な精神を持つに至った。
大陸の沈没を乗り越えた者も邪神の呪いを受けた者ばかりで、この帝都に暗躍する魔道士はコーディアスを中心とした
古代帝国の亡霊である。古代帝国の復活の為、第二皇子を目覚めさせ沈んだ大陸を浮上させようとしているが、
彼らの行いは過去の過ちを繰り返そうとしている行為であり、止めなければならない。
琢磨自身、息子たちを苦しめさせてしまった前世の償いをしなければならなかった。
「祥には由貴を守って欲しい、現世ではお前の手で幸せに導いてやってほしい。」
祥と琢磨は草薙邸・応接間へ戻ると仲間達が待っていた。琢磨が作戦の説明を行う。
四方結界を破壊する必要があるが、結界は四聖獣を象った像の中に封じられているので像を破壊すれば良い。
鬼瓦には日本橋にある青龍の像、麗華には乃木神社にある白虎の像、ヒルダには上野公園にある玄武の像、
静と帯刀は祥に同行し力になってあげて欲しい、琢磨は芝公園の朱雀の像を破壊する、
祥達三人は各方面を回って欲しいと伝え解散した。
上野公園で玄武像を守っていた魔道士メネラオス、日本橋で青龍像を守っていた魔道士アガメムノン、
乃木神社で白虎像を守っていた魔道士パラメデス、芝公園で朱雀像を守っていた魔道士オイアクスを倒しそれぞれの像を破壊する。
琢磨や祥達は全て破壊した事を確認し一度家に戻った。一行は一旦解散し体力を回復させる。
祥は一刻でも由貴を助けたいが、はやる気持ちを理性で押さえつけ明日へ備え眠りについた。
【第九章 滅びし帝都 5】
夢の中、古代帝国に由貴の姿が見える。「祥…寂しいよ…」
祥は夢の中で由貴に居場所を尋ねる。場所は分からないけど何か高い塔のような所に閉じ込められているみたいだと言う。
祥は早く行くから待っていてと由貴に語りかけた所で目を覚ます。
手には何故か由貴に渡した筈のロケットが握りしめられていた。
その日から祥と琢磨、そしてその仲間達は由貴の所在を求めて帝都東京をさまようように歩き続けた。
由貴の中に眠る第二皇子の意思を覚醒させるには相応の儀式と生贄が必要であった。
由貴がそれを望むにせよ望まないにせよ一定の儀式にはそれなりの時間が必要であり、
そのときは満ちてはいないようであったが確実に時は迫りつつある。
祥たちの心に焦燥感が漂い始めるころになっても由貴がいずこかに監禁されているのか見当さえ知ることができなかった。
焦るほどに空回りする由貴の捜索に絶望しかけたその時、祥の胸中に閃くように思い出された由貴の言葉があった…
『とても寂しいところ…何か高い塔のような所に閉じ込められているみたい…』
塔のような高い建物…そのような構造物は広い帝都東京にも数えるほどしかない。
夢の中で聞いた不確かな言葉ではあったが今は些細な情報でもいいから欲しかった。
祥はこの事を皆にうちあける事にした。
魔道士の隠れ家たる邪神の神殿は、これまでの例から地下に存在すると思い込んでいた仲間は驚きを隠せない様子であったが
座して手をこまねいていることはできないという共通した意識の一致から手分けしてそれらしい建物を探索することになる。
…すでに時は八月も晦日に近づいた三十一日であった…
八月三十一日 午前七時
祥は帯刀に起こされ応接間に皆が待っている事を伝える。
琢磨は皆に協力してもらった事に礼を述べ由貴の居場所がわかったと言う。
由貴は浅草にある凌雲閣の最上階に幽閉されている。
仲間達は各々の家や居場所へ戻るので力が必要なら寄って欲しいと祥へ伝え去って行く。
琢磨は別行動をとるので準備を行うよう凌雲閣で午後六時頃に会おうと祥へ伝え去って行く。
祥は帯刀、ヒルダ、鬼瓦を仲間に加えた。
午後六時 祥達は凌雲閣に突入すると待っていた琢磨と合流する。
琢磨はやるべき事があると言い一人凌雲閣へ入っていった。
凌雲閣の中央にはエレベートル(エレベータ)が存在し、それを囲うように通路や小部屋が存在していた。
通路にはエレベートルの技師がいた。公にはエレベートルは安全に問題があった為、使用禁止と言われていたが、
技師の話によると軍の規制と停電による為に使えないという話であり、直るまでは階段を登っていくしか無いようだ。
祥達は逃げ遅れた観光客達を導き避難させながら、上へ上へと進んでいった。
琢磨に工具を渡して階段を修理してもらい、魔道士、錯乱した男、化け物等を倒し、毒ガスや精神攻撃を切り抜けて上を目指した。
戦いの中で鬼瓦は、異形なる者の触手にやられてしまい肋骨を数本折られてしまう。
鬼瓦は自分の事はいいから、先へ進むんだと祥へ頼みを託す。
【第九章 滅びし帝都 6】
九階に上ると辺りが急に物々しい異次元回廊に変わっている事に気づいた。
生あるもののごとく蠢き、ねばねばとした粘液を分泌しながら脈動する床や壁。
部屋全体をつつみこんだ、あまりにも異質で堪え難い程の狂気…これはまるで生物の体内だ。
異次元回廊では祥達の精神力が徐々に削られていった。
祥達は奥へ進むと壁と融合している少女を見つけると少女が話しかけてきた。
「あなたは誰、私は來琳、数年前に中国から連れてこられ魔物に捧げられたもの、この先の魔物の維持の為に存在している。」
助けだそうと意気込む祥に少女は感謝するが半分融合して離れられないから殺して欲しいと言う。
下の階にいる魔道士達が持っている邪神の像を使ってこの先の結界を破り奥にいる魔物を倒して欲しい。
魔法陣の上に邪神の像を置いて、この短剣を使って像を血で染めれば結界は破られる。
祥達は祭壇短剣を受け取り異次元回廊の奥へと進んでいった。
一方、氷室はもはや陸軍の将校ではなく、皇太子ヨルドとなっていた。
リカードは何者かが侵入してきた事を報告するとヨルドは指示を出す。
「子供は魔物が始末するので放っておいても良い。リカードは頂上で他の侵入者を見張り、危険と思われるものが来たら殺せ。」
四方結界、巫女の結界で対策は万全、ヨルドは弟の目覚めを確信する。
異次元回廊の通路奥の二箇所にはそれぞれ床に魔法陣が描かれていた。
祥はそれぞれ邪神像『陰』、邪神像『陽』を魔法陣に置き、掌を祭壇短剣で切り裂き像を血で染めると
二つの像の力により今まで結界が解かれて奥へ進めるようになった。
祥達はその奥へ通り抜けようとした時、ヒルダが精神に限界を感じてこれ以上先へ進めないと突然の別れを告げる。
別れ際に祥はヒルダから選別として雷炎の指輪※を貰う。 ※攻撃用アイテム
祥が先へ進んだ直後、裏切り者を抹殺すべくヒルダの元へ魔道士が現れる。
魔道士は暗黒の加護を受けた我々の魔力は古代の魔女であるヒルダを遥かに超えていると自負する。
魔道士とヒルダはお互い魔法を打ち合う。
祥達は睦月精肉工場等で飼われていた化け物のパーフェクト花子を倒し、更に奥へ進むと辺りは凌雲閣の空間が広がっていた。
祥達は凌雲閣十一階の螺旋階段を上がっていった。
一方、仮面の男ヨルドは化け物パーフェクト花子が倒された報告を受ける。
草薙祥の力は侮りがたいが仲間達は傷つき、戦力は激減している事が手に取るようにわかっていた。
凌雲閣十二階である最上階には魔道士リカードが祥達を待ち構えていた。
地下聖域で巫女の覚醒の儀式が行われている。覚醒するまで私が相手をすると言い襲いかかってくる。
魔道士リカードを倒すとリカードは邪神の生贄として自分の肉体が消えていく事を確信する。
リカードは死に際に祥を道連れにすべく魔法を放つ。そこへ帯刀が庇い前へ出る。
帯刀は命に別条はないが負傷して動けないと言う。祥は由貴を連れて必ず戻ると誓い別れる事にした。
支援
【第九章 滅びし帝都 7】
祥は事務室から出てくる琢磨と再会する。
琢磨は祥が一人でいる事に気づき問いかけると祥は自分を庇い助けてくれたと答えた。
展望台には由貴は居ないが凌雲閣には何かが隠されているはずだ。琢磨は祥を励まし再び一人何処かへ消えていった。
祥は何か手掛かりを掴む為、事務室を探しエレベートルの配電室に関する道具類を手に入れる。
偶然見つけた迷子の母親である錠前屋夫人に配電室の鍵を複製してもらうと、一階の配電室を開ける事ができた。
修理を行うべくエレベートル技師が中へ入って行くと中からピエロが出てきて祥を突き倒し去って行く。
祥はピエロを追いかけるが足が早く追いつきそうにない。
祥は拾ったバナナを食べてバナナの皮を床へ置き、再度ピエロを追いかける。
追いかけ続けぐるっと廊下を一周した所でピエロはバナナの皮に足を滑らせ倒れてしまう。
祥はピエロを調べようとすると襲い掛かってくるが、これを倒し配電盤の鍵を手に入れる。
配電室の中ではエレベートル技師が修理をしていた。
配電盤の鍵で配電盤の蓋を開けるとエレベートルは落雷で停電したわけではなく、
配電盤を壊されていた事で動かなかった事がわかった。
エレベートル技師も祥もエレベートルに何かが隠されているに違いないと確信する。
配電盤に銅線を2セット使用し修復を終えると館内に電気が灯された。
エレベートル技師に様子を聞いてみるとエレベートルはシャフトが抜かれているので
地下室から予備を取ってくる必要があると言われ地下室の鍵を手渡される。
祥は一階通路で一部が扉になっている床に地下室の鍵を使い梯子を下った。
地下室を奥へ進み倉庫のコンテナからシャフト、ダンボールから点火棒を手に入れる。
祥は戻ろうときた道を引き返す途中、閉まっていたはずの通路の鉄格子が開いていた。誰かが通ったのだろうか?
鉄格子をくぐり抜け、仕掛けのある部屋を抜け奥の部屋に足を踏みれると琢磨が異形なる者と戦っていた。
祥は単独で異形なる者に打ち勝つと、琢磨は見せたいものがあると祥を更に奥へと連れていく。
琢磨は部屋の中央にある棺桶らしきもの精神増幅装置を祥に見せて説明する。
この機械は恐らく仮面の男、前世の息子ヨルド皇子が使用していた物。
琢磨は自分も由貴も前世の記憶はあったとしてもただの人間に過ぎない。由貴もクルテュア皇子の能力はないはずだ。
ヨルドとその眷属の魔道士は転生することにより失われるはずの魔力を取り戻す方法を見つけ出した。
その魔力で何百年もかけてクルテュア皇子の魂を探し続けてきた。
この塔の十二階は祭儀場にあたるこの塔を破壊すれば、残すは南の孤島にある本拠地しかなくなる。
孤島は奴らが目覚めた場所であり、古代遺跡が残っている。そこで邪神復活の最後の仕上げを行うつもりだろう。
「祥と自分のどちらか生き残った方が必ず本拠地へ乗り込み野望を打ち砕き由貴を助け出すんだと誓って欲しい。
お互い地下の祭壇室で会おう。」
祥は一階の配電室に戻りエレベートル技師にシャフトを取り付けてもらう。
修理中二階から女性の悲鳴が聞こえるが、祥は配電室から離れなかった。
しばらく待つとピエロが入ってきた。
ピエロは祥が悲鳴に釣られて出ていったと思い込んでいたが、出くわした祥に倒されてしまう。
エレベートルの修理が終わったと思われたので祥は技師に話を伺う。
修理は終わったが、応急処置で何度も使用すると思わぬ事故が発生するかもしれない状態だと言う。
修理を終えた技師はその場から去っていった。
【第九章 滅びし帝都 8】
一方ヨルドは部下の魔道士よりコーディアスからの連絡があったと伝達を受ける。
大陸側の儀式の準備は完了したが、クルテュアの儀式は止めて欲しいという内容だった。
ヨルドは予定通り続けると伝えておけと伝達係の魔道士へ命令する。大陸を蘇らせるにはクルテュアの命が必要なのだ。
このような態度を示すコーディアスに神は許さないだろう、惜しい人物だが消えてもらうしか無いと心に誓う。
祥はエレベートルに秘密が隠されていないか、実際に乗って確かめてみた所、落雷のせいか箱ごと地下へ落下してしまう。
エレベートルを降りた地下は血の池が広がり奥にはレンガ造りの祭壇が続いていた。
祭壇の入り口には邪神門固く閉ざされ、門の手前の鎧兜が宙へ浮かび上がり声を発っした。
「我は、須賀沢道孝なり。我、汝と手合わせを願う。」
鎧武者を倒し、背徳の十字架を手に入れる。邪神門のレリーフに背徳の十字架をはめ込むと門が開いた。
奥へ進むと邪神祭壇に辿り着く。邪神像の前に魔法陣が描かれ由貴が倒れこんでいた。
祥と由貴はお互い名前を呼び合うとヨルドが現れた。
ヨルドは由貴をここまで覚醒させてくれた褒美として一思いに殺してやろうと詰め寄る。
そこへ光が差し込み、ヨルドの右手の甲へ突き刺さる。複雑な紋様が描かれた白銀のナイフ、ヴァルギース短剣だった。
短剣を投げたのは琢磨であった。他の地下聖域を守っていた化け物をヴァルギース短剣で倒し、この場所へ辿ってきたと言う。
琢磨が見つけたヴァルギース短剣は一本だけでは無かった。
祥は琢磨からヴァルギース短剣を受け取り仮面の男であるヨルドへ斬りかかる。
斬りつけられたヨルドは不敵な笑いを浮かべると周りの魔道士共々黒い霧へと包まれていく。
その時、由貴が悲鳴をあげ覚醒してしまうと同時に何処かへ消えいった。
ヨルドはコーディアスが由貴を助けたに違いないと確信する。やがて地震のような揺れが発生する。
琢磨は由貴は上にいるに違いない、黄金の門が開かれる前に連れ戻すんだと祥へ頼みを託す。
ヨルドは琢磨へ行ってもどうせ間に合わんと話しかける。
琢磨はこの帝都は救われないかもしれないが、他の地域はこの祭壇を破壊すれば防げるはずだと
身にまとっていた上着を開く。琢磨は腹の回りに大量のダイナマイトを巻いていた。
「前世でお前と由貴を苦しめたのは私だ。その責任は取らねばならん。」
祥はエレベートルを使って十二階へ移動する。
エレベートルを降りると目の前の上空には覚醒した由貴が浮かんでいた。
由貴に話しかけた祥に返事を返したのは由貴ではなく第二皇子クルテュアだった。
クルテュアは由貴の心を通じて祥の事を知っていると言う。
祥はクルテュアに由貴を返して欲しいと頼むが、由貴の魂は邪神を現世に降臨させる鍵だからそれはできないと答える。
闇と現世をつなぐ門が開かれたので、クルテュアは同胞が犯した過ちをこの由貴の身体を使って修正する。
由貴は滅びることになるが、由貴も望んでいると言う。
祥は由貴との約束の為にも自分も連れて行って欲しいと懇願する。
由貴の身体から一瞬由貴の声が聞こえ、祥への感謝の言葉を伝えると上空に浮かんでいた由貴の身体が消える。
やがて祥も光に包まれる。祥は上空へ導かれていく際、凌雲閣が爆発と共に崩れていく様を見届け意識を失ってしまう。
【最終章 そして黄昏へ 1】
祥は森の中に転送された。意識を取り戻すと由貴を探して古代の森を一人さまよう。
一方、クルテュアは祥より先行して森を抜け遺跡の奥、棺の間の棺より地下遺跡へと降り、
魔法の力で次々仕掛けを解除し進んでいく。やがて魔道士コーディアスと再会する。
コーディアスは邪神に従っていたが、同時にクルテュアにも敬意を払っていた。
クルテュアには生贄として奥へ進んでもらわなければならない。
また、クルテュアを転送する際に誤って一人の少年を連れて来たのでどう対応すべきか判断を仰ぐ。
クルテュアは私の元に送り届けてほしいと答える。
コーディアスはクルテュアの前から消え、クルテュアは更に奥へ進んでいく。
祥は道中、毒煙の発生源を塞ぎ、草むらから木の棒を拾い、森の奥へ進んでいった。
森を抜けると遺跡へと続いていた。琢磨が見せてくれた幻覚で見たことがある光景。
ここは仮面の男が言っていた消失大陸の遺跡なのだろうか。
遺跡の奥にある棺の間に設置されている棺に対して、木の棒を使いこじ開け、襲いかかってきた闇に吼えるものを倒し、
祥は棺の中の梯子を下る。由貴はこの中にいると直感した。
梯子の下の風景は一転して現代文明による建物の地下室が広がっていた。
祥は遺跡地下通路を鍵や指輪を手に入れ仕掛けを解除しながら奥に進んだ。
途中見つけた部屋の一室で魔道士のペルソナを手に入れる。魔道士のペルソナは仮面の男が着けていたような形をしていた。
魔道士のペルソナを身につけ魔道士コーディアスの日記を読んでみると魔道士のペルソナを通してエルランカ文字が解読できた。
琢磨に見せてもらったヨルドとクルテュアの王位継承の争いについて書かれていた。
クルテュアはヨルドへ王位を譲った事にコーディアスは敬意を払っていたようだ。
ヨルドもクルテュアも人々の多くの血を求める神への疑念を抱いているように見えるという内容が書かれていた。
祥は更に奥へ進み遺跡地下二階へ降りる。
祥は道中で得た情報を元にレバーを操作して複数の鉄格子や罠等を解除して進んで行く。
祭壇通路で魔道士コーディアスに出会う。戦いを挑んできた魔道士コーディアスを倒すとオーキルスマークを手に入れる。
コーディアスは祥ならばクルテュア様を救ってくれるかもしれないと信じてみたくなったと言い、
死に際に見える黒い霧は邪神の呪詛である事、邪神を封じるには時限爆弾をしかけるしかない事、
地下一階の火薬庫内部に取り付けて爆発させればガスチェンバーが爆発を引き起こしこの島は永遠に海中に没する事になる事、
クルテュア様を救ったら森の魔法陣でクルテュア様の力を使い門を開ければ元の世界に戻れる事を伝え息を引き取る。
祥は更に奥へと進む中、一室でコーディアスの日記を見つける。
クルテュアの挙兵とヨルドやコーディアスが崇めていた神が邪神である事に気づいた事、
邪神を倒す術が見つからないヨルドはクルテュアの魂を未来へ逃したのかもしれないと書き綴られていた。
祥は本棚から欠損した頁を見つけ、引き裂かれた書と欠損した頁3セット分を組み合わせて聖なる霊感の書を手に入れる。
聖なる霊感の書には、壷に呪文を唱えると力を与えると書いてある。
壷とは彷徨える魂の祈り壷の事ではないだろうかと祥は直感した。
更に奥へと進み梯子を降りて地下三階へ。
祥は更に奥へと進み仕掛けを解除、レバーを操作して複数の鉄格子や罠等を解除して進んで行く。
倉庫の木箱からは時限式爆弾を見つける。
【最終章 そして黄昏へ 2】
遺跡地下通路にある色の違う壁を壊し、姿を現したボタンを四ヶ所押した時、通路の奥の床下より
玄武岩でできた奇妙な石碑であるモノリスが姿を現す。
祥はモノリスへ手を伸ばすと身体が吸い込まれ遺跡最深部へと転移された。
遺跡最深部の奥に進む為、古代人の証であるオーキルスマークを掲げると道が現れた。
遺跡最深部・奥の部屋には中央にある台座の上に壷が保管されていた。
祥はその壷「彷徨える魂の祈り壷」を道中で手に入れた古代の壷と入れ替えて罠を回避した。
彷徨える魂の祈り壷を手に入れた祥はモノリスで転移し遺跡地下へと戻る。
遺跡地下の火薬庫に立ち寄ると、手に入れた鍵で扉を開けて、時限式爆弾を見つからないような場所に設置し、
二時間後に作動するように設定した。
地下三階の奥に進み邪神聖殿に辿り着く。剣を持った巨大な邪神像の左右にはそれぞれ入り口が見える。
祥は邪神像手前側より中へ入る。邪神像胎内は凌雲閣の九階から十一階を歩いた時のような空間が広がっていた。
邪神像胎内で女神の守りを手に入れ、魔法陣による転移を繰り返し奥へと進んだ。
部屋の中、邪神祭壇ではクルテュアと邪神が対峙していた。
クルテュア「神とは言え二万年も人の力を吸収していなければ力は衰えている」
邪神「人は弱く我を崇めることで心が安定する。人々が我を必要とする時、再び覚醒の時は訪れる。
例え汝が我を封じ込めたとしても人は支配者という神を崇める。」
クルテュアは邪神を封印しようとした時、祥が現れ隙ができてしまう。
邪神の攻撃をクルテュアは庇い封印する事はできなくなった。
邪神は祥へとどめを刺そうとした時、火薬庫の爆弾が爆発を起こす。
邪神はまたしても野望を実現できない悔しさに祥達を道連れにしようと下僕「闇を覆いし影」へ襲いかからせる。
クルテュアはヘキサグラムの力を解放する為に時間を稼いで欲しいと祥へ頼みを託す。
女神の守りの力により闇を覆いし影の攻撃を全て跳ね除け続けるとクルテュアが体制を整え祥へ退いてくれと言ってきた。
クルテュアは邪神を封印する。邪神は必ず後悔する時が来るぞと言い残し断末魔の雄叫びを上げる。
祥が気がつくと側にはクルテュアではなく由貴が居た。
由貴はクルテュアと同化したと思うと言う。クルテュアだった前世の記憶が今はあると言う。
二人は外へ向かおうと歩き出した直後、邪神は貴様等も道連れだと言い黒い霧を撒き散らす。
封印の力が弱かったようだが、今は逃げるしかない。
黒い霧から逃れつつ邪神像胎内から遺跡、地上へと戻り、古代の森の祥が転送されてきた所まで戻る。
地面の魔法陣へ二人は歩み寄り、由貴は門を開く魔法を唱える途中に邪神に隙をつかれて乗っ取られてしまう。
祥はクルテュアの姿の邪神へ戦いを挑んだ。
【最終章 そして黄昏へ 3】
※BAD END※ 武器等でクルテュアを倒した場合
クルテュアとなった邪神を祥は力で封じる。
クルテュアは由貴の姿に戻るが血が流れて眼が見えなくなっていた。傷薬がまるで効かない。
「私はもう駄目みたいでもいいの祥といままで一緒に居れたから」
二人で東京へ帰ると言い続ける祥に由貴は強引に結界を仕掛けて転送を始める。
「私達いつかまた逢える。必ず。ごめんね…祥…でも…私…楽しかったよ。
祥に出逢えて…皆と会って…優しくしてもらった事を…私…忘れない…ありがとう…祥…祥…………」
やがて大陸は連続地震により沈下を繰り返す。全ては黄昏へと消えていったのだ…
祥は長い時間気を失っていたようだ。気がつくと黄昏時を迎えようとしていた。
祥は帰ってきた安堵感より由貴を救う事ができなかった事を思うと涙が出ていた。
そして違和感のようなものを感じ帝都を見るとそこには
一九二三年 九月一日 午前十一時五十八分
この日局地的大地震が帝都東京を襲った。後に伝えられる関東大震災である。
関東大震災から一年後、帝都東京が復興の活気に沸く夏の日、祥は一人芝浦港へ向かっていた。
由貴を失ったという深い心の傷は今だ癒えておらず帝都で過ごした由貴との懐かしい記憶が私を苦しめていたからだ。
あの事件で共に戦った多くの仲間は傷つき、道半ばにして斃れた。
そして愛する父も由貴も還らぬ人となった。この傷がいつか癒える時が来ても、私にはもう帝都に残る勇気はないだろう。
だから私は帝都を離れる事にした。
今までの出来事を忘れるため、そして狂気に満ちた記憶を拭い去るために。だが、私は全てに絶望した訳ではない。
いつの日か出会う由貴のために、由貴と交わした最後の約束を守るために。
私はその約束が果たされるまで、これからも生き続けるだろう。
記 一九八三年八月一日 草薙 祥
支援
【最終章 そして黄昏へ 4】
※NOMAL END、GOOD END共通※ 彷徨える魂の祈り壷を使った場合
彷徨える魂の祈り壷の力を引き出すには呪文を唱えなければならない
「我に集え、数多の力よ!天に精神、地に力を!彼の者よ、この壷に集え!
魔の刻、来たり滅魔の力!彼の者を封じん事を願う!封滅せよ、邪悪な魂よ!!」
壷に邪神の力は吸い取られクルテュアの姿から由貴の姿へ戻る。
意識を取り戻した由貴は邪神とクルテュアの魂は壷へ吸い取られた事を祥へ説明する。
クルテュアは祥に今まで一緒に戦ってくれた事を感謝し私の片割れを頼むと言っていったと言う。
暗闇から逃れるべく二人は魔法陣へ。由貴は黄金の門を開く。
やがて大陸は連続地震により沈下を繰り返す。全ては黄昏へと消えていったのだ…
祥は長い時間気を失っていた中で由貴が呼ぶ声に呼応するように目を覚ます。
目の前には涙を浮かべた由貴の姿があった。気がつくと黄昏時を迎えようとしていた。
祥は自分たちの世界に戻ってきた事を由貴と分かち合う。
そして違和感のようなものを感じ帝都を見るとそこには
一九二三年 九月一日 午前十一時五十八分
この日局地的大地震が帝都東京を襲った。後に伝えられる関東大震災である。
関東大震災から一年後、帝都東京が復興の活気に沸く夏の日、由貴の罪が明るみに出てしまった私達は、
果てのない逃亡の日々を送っていた。赤坂連続殺人事件。帝都を崩壊へと導いた魔道士達によって引き起こされた悲劇。
無意識とはいえ由貴が人を殺めた事実は消せない。
私は自分を攻め続ける由貴を必死に勇気づけた。「由貴、君は何も悪くないんだ。」
後に鬼瓦警部の部下達に保護された私達は、彼らの協力により、なんとか国外へ脱出する事ができた。
日本を後にした私達はイギリスの叔母を頼り、今は一緒に暮らしている。
帝都での辛い思い出、失ってしまった仲間達への想い、そして狂気に満ちたあの出来事は、
いまだに私達の心に大きな傷跡として残っている。だがいつの日にかその傷も癒されるだろう。
なぜなら私達は今幸せに暮らしているのだから。
※NOMAL END※ クリア時間が一定時間より超過した場合
スタッフロール 終劇
※GOOD END※
そしてイギリスに渡ってから二年の歳月が流れ、私が十七歳、由貴が十六歳を迎えた秋、私達二人は結ばれた。
母方の親類縁者と、イギリスの学生仲間達が私達の門出を祝ってくれた。
チャペルを出た私達は多くの人々に迎えられ、由貴は深紅のバラのブーケを、青空高く投げた。
ふと私は人波の中に見知った男の人がいる事に気が付いた。
「どうしたの祥?」「・・・・・」由貴がそう尋ねた時、すでに男の姿はなかった。
「いや、なんでもない。」私はそう告げると新妻の手をとり、ゆっくりと車に乗り込んだ。
「ありがとう、父さん。」私は万感の想いを込め、そう心の中で呟く。
そして私と由貴を乗せた車は新しい人生へと向って走り出した。
それから数年後、私は父の遺志を継いでイギリス考古学会の一員となり、由貴と共に世界中の遺跡調査をしている。
そんな旅の途中で私は、アメリカの自称トレジャーハンターの青年と出逢い、友情を深め、危険な冒険を共にする事もあった。
目まぐるしく過ぎる生活の中で、もうすぐ私達にも子供が生まれる。
この子が成人した時、私はこの物語を聞かせようと思っている。全ては私の父が導いてくれたのだという事を。
記 一九二九年八月一日 草薙 祥
スタッフロール 終劇
以上で東京トワイライトバスターズは終了です。長文連投失礼しました。
申し訳ございませんが、誤字脱字が含まれていると思われます。
【補足】
・エンディングの文章は若干中略したもののほぼ引用です。
・仲間の後日談は作中では触れられていません。
・GOOD ENDで出てくるアメリカの自称トレジャーハンターの青年というのは、同社(ウルフチーム)の
アーネストエバンス(1991年に発売したメガCDのアクションゲーム)の事を指す演出でしょうね。
ご支援いただきありがとうございました。
>>174 乙でした
終わった直後にまた投下いきます
パワプロクンポケット3(多分正史)です
既にパワポケ3は詳しい解説が載っていますが
2008年に発売されたパワポケ11で正史と思われるルートがほぼ確定したので、改めてそれを書いてみたいと思います。
公式で「正史は存在はするが、明確にはしてない。ゲーム中起きえないことでも正史になり得る」と述べられているように
これが完全に正史と確定しているわけではありません。
ですが、wikiに載っている智美BADルートよりは遥かに可能性が高くなっております。
何分プレイしたのも随分前のため、情報をかき集めながら解説しております。
本編の本筋の内容はwikiに載っている部分と同じなので、詳しくはそちらを見ていただければわかると思います。
自分の文章より、よっぽどわかりやすくまとまっておりますので。
以下、主人公の名前はパワポケ、で統一していきます。
亀田と唐沢博士によりサイボーグとして復活したパワポケだが、最初は戸惑うことばかり。
とりあえずネオプロペラ団として、サイボーグとして生活の仕方を詳しく教えてもらった。
「充電で動くサイボーグには食事は不要だが、サイボーグとて人間。
食事を行わなかった旧式のサイボーグはよく精神崩壊を起こしていたのだが…」
などと恐ろしい事をのたまう唐沢博士だが、詳しいことがまとめてあるファイルを家に忘れてしまったらしい。
その直後、ノックの音が響き、見知らぬ女の子が部屋に入ってきた。
「お父さん、忘れ物よ」
「おお、すまんな。」
その女の子の名は唐沢ヒナコ。唐沢博士の娘だという。
(娘…ムスメ?孫じゃないのか?)
軽く見積もっても確実に初老は超えている唐沢博士の娘というには、ヒナコはあまりにも若い。
普通に十代の少女にしか見えない。
何やら不自然に思えるが、とりあえず変にツッコむようなこともせず、適当にスルー。
「えっと主人公さんでしたよね。唐沢ヒナコです。よろしくね。」
「よ、よろしく。」
パワポケがサイボーグ生活にも慣れてきた頃、ネオプロペラ団のアジト(アパートの一室)で過ごしていたパワポケの元にヒナコがやってくる。
「いつも働いていて大変そうだから、そのうち暇なとき、一緒にどこかに行かないか」とデートの誘いをかけてきた。
「本当に、本当にいいの?」とパワポケは喜んで誘いに乗った。
以後、パワポケは金策に走り回りながらも、合間合間を見つけてはヒナコと過ごすようになり、互いに少しずつ引かれ会うようになる。
そしてヒナコと仲良くなり始めてしばらく経ったある日、博士はパワポケにヒナコはどこにいるか、と尋ねてきた。
ここにはいない、と答えると「ジャマしたな」とのみ告げて博士は立ち去った。
しかし博士が立ち去ろうとしたとき、何かを落としたのを発見する。
拾い上げてみると、それは数十年前のものと思われる白黒写真。
移っているのはまだ黒髪だった頃の唐沢博士、そしてヒナコによく似た博士の奥さんと思われる女性である。どうやら家族写真のようだ。
微笑ましく写真を眺めていると、いきなり博士に写真を奪われてしまった。
「今のは見なかったことにしろ」と、パワポケに迫る博士。
元々常識人とは言いがたい人間ではあったが、ここまで取り乱すのは初めて見る。
とりあえず適当に「はい」と答えてその場を凌いだものの、またあることに気が付いてしまう。
「さっきの写真…服装は違ったけど、真ん中に移っていたのはヒナコちゃんだったぞ?
なんで、なんで今と同じ姿なんだ?」
しばらく経ってある日、ヒナコとのデートの後、例の写真について博士に話を聞いてみることにした。
「おお、あれのことか。だが真ん中の娘はヒナコではないぞ。ヒナコの姉のハナコだ。
もうとっくに結婚して、最近はちっとも顔を見せんでな。」
ナルホド、と納得したそぶりを見せるパワポケ。
「そもそも30年も前の写真だ。普通の人間が歳もとらずにいるわけがなかろう。」
ハッハッハと談笑する二人。話は解決と言うことでその場を後にする。
「絶対ウソだな。何か隠してる」と、パワポケは感づいている。
博士は博士で誤魔化し切れていないことに気付いているようだ。
その後、パワポケはヒナコに向かって年齢を聞いてみると、やや面食らいながら18と答えた。少しではあるが動揺してるようにも見える。
やっぱり何かがおかしい。ヒナコには何か秘密がある、とパワポケは確信する。
ある日、博士はサイボーグの身体の点検がある、呼び出される。
素直に言うことを聞くパワポケだが、なんと手足をロックされて身動きがとれなくなってしまった。
「これ以上ヒナコの事を詮索するな。」と脅迫する博士。このままでは何をされるかわかった物ではない。
しかしパワポケにとってヒナコはもはや他人ではない。事情くらい説明して欲しいと言い返す。
「はっ。まさか博士、ヒナコちゃんに何かしたんじゃ?!」
「だったらどうする?」
「あ、あんた悪魔か?!」
元々そこらへんの野良犬を「おもしろそうだから」などといってサイボーグに仕上げようと追いかけ回したり
それ以前に元プロペラ団所属の科学者という時点で善人とは言いがたい人物ではあったが、まさか実の娘に手を掛けているとは…
「人間をなんだと思っているんだ!」と激しい怒りをぶつけるパワポケだが、博士は少しもひるむ様子はない。
「…お前さんは、自分の立場がわかっていないようだな。」
そういって博士は懐からリモコンを取り出す。
「お前さんに組み込んである自爆装置のスイッチじゃよ。ワシの作ったマシンには全て付けてある。
外部制御不能な機械などナンセンスというのがワシのポリシーだからな。」
そう言って、有無を言わさずパワポケを爆破してしまう。
幸い大破することはなかったが、黒焦げになってそのまま倒れ込んでしまうパワポケ。
このままだと流石に問題だからか、一応パワポケを修理し復活させる博士。
「よし、点検が終わったぞ。」
「はっ…あれっ?う〜ん。えっと、なんだっけ。なにか大切なことを忘れているような?」
爆発のショックのせいか、それとも気絶してる間に頭をいじられたのか、パワポケはヒナコに対する疑惑を忘れ去ってしまう。
そんなことがあってヒナコのことを詮索することはなくなったが、彼女との関係は続いている。
そして夕日の輝くある日、パワポケは買い物帰りのヒナコを見つけ、荷物持ちをしてあげた。
綺麗な夕日に照らされながら帰る二人。
「………ねぇ、パワポケさん…。」
「なあに?」
「私のこと、好き?」
「……うん!」
「私が…、私が何者でも、好きでいてくれる?」
「えっ?!」
「クスクス、なんでもない…。なんでもないの。」
微笑みながらそう答えるヒナコ。
何はともあれ、この日から、パワポケはヒナコと正式な恋仲になった。
恋仲となったからといって特に様子が変わることもなく、これまで通りのお付き合いをする二人。
だがその別の日、町中で主人公は目の前で、ヒナコがプロペラ団の工作員に車に連れ込まれるのを目撃する。
パワポケは慌てて車に飛びつき必死に奮闘。
なんとか彼女を助けることに成功するも、助け出した彼女はぐったりしており、すぐに病院に彼女を担ぎ込む。
博士に電話でそのことを話すと「急いで病院からヒナコを連れ出せ」となぜか怒られてしまう。
「な、なんなんだ!ケガ人を連れて帰れなんて!」と憤るパワポケ。
幸いにも彼女は軽い脳震盪で命に別状はないらしく、一人で帰宅した模様。
「それよりもあの子いったい何者?普通の医者ならともかく、あたしの目はごまかせないわよ。」
とパワポケに問いかけるのは本家パワプロシリーズでおなじみの加藤女医。
ダイジョーブ博士の助手として鍛え上げられた彼女にはヒナコの秘密がバレてしまったようだ。
しかし博士によって記憶が吹き飛んでしまったパワポケには、何のことやらさっぱりだった。
そのまま博士の研究所に帰ってみると、ヒナコも無事に帰ってきているようで一安心。
父親にうるさく言われたので一人で帰ってきてしまって申し訳ない、と謝るヒナコ。
白昼堂々プロペラ団が動くとは珍しい、と驚く亀田。
博士が言うには、今回の件でプロペラ団も無闇に行動できなくなるはずなので、今まで通りに過ごしても問題ないとのこと。
「ただし、尾行を捲くときは今までより念入りにな。」
「うん」
(今までもそうしていたのか…)
自分の知らないヒナコの一面をしってパワポケは少し驚く。
そんなことがあってしばらく経ち、今度はヒナコのほうからパワポケに話があるといって呼び出した。
「前に私のこと好きだって言ってくれたでしょ?今でも気持ち変わらない?」
うん、と頷くパワポケ。彼の想いを確認したヒナコは全てを打ち明けてくれた。
やはりヒナコもパワポケと同じ、博士によって改造されたサイボーグなのだという。
高価な生体部品で作られたため、安価な金属部品で作られたパワポケと違って極めて人間に近い身体を持ち
パワポケのようにサイボーグの身体をもてあますことは殆ど無い。
今は無きヒナコの母は、夫と同様研究者で、ある実験を行っていた。
しかし30年前、母親の実験事故により、母親はその場から消滅、ヒナコは身体の半分以上を失ってしまう。
博士はヒナコを生命維持装置で眠らせ、いつか医学が進歩して娘を助けられる日まで待っていた。
しかしその日が来る前にヒナコの身体が崩壊し始めてしまう。
そこで博士はプロペラ団に加入、プロペラ団の最新設備と莫大な予算をつぎ込み
誰にもわからないように、一人でヒナコをサイボーグに改造して蘇らせる事に成功した。
なぜ黙っていたのか、とパワポケに聞かれるも
「自分が受け入れられるかどうか怖かった。もうあんな化け物扱いされる哀しい思いはゴメンだった。」と答えた。哀しい過去があったことを覗かせる。
既に日の沈んだ帰り道、ヒナコはパワポケに胸の内を告げる。
「もし、生まれ変わりがあるなら、私、今度は普通に生きたい。
普通に恋をして、普通に結婚をして、普通に家庭を持つの。
変な組織から逃げ回ったり、好きな人に自分の正体がバレないかとか、心配しなくて済むような。
……あ、でも普通じゃなかったから、こうしてパワポケさんとも出会えたのよね。
普通じゃない運命に感謝しないといけないのかな?クスクス。」
そしてヒナコはパワポケに一つだけお願いをする。今度の大会に自分を連れて行って欲しいと。
以前の誘拐騒ぎもあったので、プロペラ団主催の大会に彼女が行くのは危険じゃないのか、と思うパワポケだったが
亀田と博士曰く、大会中はお偉いさんが来て、プロペラ団支部はその対応に追われるはずなので自分たちなど眼中にないはず。
火星オクトパスの皆と一緒にいれば何ら問題は無いとか。
ヒナコをマネージャー登録してあげれば、大会中でもずっと一緒にいられるし、オクトパスの連中の士気もあがる、と珍しく優しい亀田。
それなら問題ない、だったら格好いいところを見せてやる、とパワポケは意気込んで彼女を大会に連れて行くことを約束する。
大会で火星オクトパスは順調に勝ち抜いていき、見事優勝を果たす。
そしてプロペラ島の財宝を狙う亀田、勘違いした(?)パワポケの手によりプロペラ島の自爆装置が作動。島全体がパニックになる。
財宝を得られなくなり、ショックでうろえている亀田の腕を引っ張りながら、パワポケは自爆する前になんとか島を脱出しようとする。
その頃、活動資金を狙いにプロペラ島に来ていたプロペラ団のビッグボスが、パニックの中
逃げ惑う人々とは逆にプロペラ団基地の内部に入り込み、財宝を探し始めていた。
パワポケが基地の中を迷っていると、胸騒ぎを感じて向かえに来たヒナコと出会った。
彼女に道案内を頼み、脱出を試みるもなんとそこでビッグボスと鉢合わせてしまう。
ビッグボスは事を起こしたのが目の前にいる男だと悟り、逆上して発泡。
何発か命中し、パワポケはケガ(故障)をしながらも、サイボーグの身体のおかげで大事には至っていない。
パワポケがサイボーグであることに気付いたビッグボスは、動けなくなったパワポケの頭部を狙う。
「だめええええええ!」
パン!パン!
パワポケを庇い被弾するヒナコ。生体部品が仇となり、パワポケと違って致命傷を負ってしまったらしい。
怒り狂ったビッグボスは彼女に銃を向ける。
「やめろぉ!」
パン!
決死でビッグボスの凶弾からヒナコを救い、故障した身体を無理矢理動かしてその場をくぐり抜けるパワポケ。
ビッグボスは金と共に沈んでいき、パワポケ達は火星オクトパスと共になんとか島から脱出する。
しかしまだ死んでこそいないが、ヒナコは重体のまま。
博士が修理にかかるが、博士でさえも修理が難しいほどの様態だという。
その後記憶を取り戻し、亀田との決着を付けたパワポケは博士の下に向かう。
もはや博士自身にもヒナコのサイボーグの身体を修理することは不可能。
そこでヒナコのクローンの体を再生させ、そこに記憶を流し入れて人間として復活させることになった。
つまりヒナコはもはやサイボーグではなく、普通の人間の身体で復活するのである。
喜びかけるパワポケだが、話はそう上手くはいかない。
同じサイボーグでも、パワポケの場合、脳だけが保管されていたので
機械だろうがクローン体だろうが、とにかく身体だけ用意し、そこに脳を入れれば復活できた。
しかし、脳から身体まで全てクローン体でまかなおうとするヒナコの場合、そうは行かなかった。
例えクローンを用意しても、クローンの体には記憶が無く、ヒナコの頭は白紙のままなのだ。
苦肉の策として、プロペラ団の研究所で実験的にバックアップしていたヒナコの記憶データを流し込むことにしたが
このデータはヒナコをサイボーグとして復活させる前のデータでしかない。
つまり自分がサイボーグになったこと、プロペラ団との因縁のことも全く覚えていないのである。
「お前さんにとって一番重要なことは、『3年間のお前さんとの思い出はなかったことになる』という事だ。」
「そんな…
でも、それでヒナコちゃんが目を覚ますなら…。
ヒナコちゃんが望んでいた普通の生き方ができるなら…。」
記憶データを流し込み、晴れて人間として復活したヒナコ。まだ目を覚ます様子はない。
博士は昔、彼女が使っていた目覚まし時計を用意した。何気ない目覚めを演出するには一番とのこと。
そしてパワポケが初めて見るような優しい顔で自分の娘の目を覚まさせる。
「あ、お父さん。おはよう。」
「ああ、おはよう。ぐっすり眠っていたな。」
「うん、なんだかすごく長い夢を見ていたみたい。あら、お客様?」
そういってヒナコは不思議そうにパワポケを見つめる。
「ああ、ワシの友人だ。」
やっぱりもう自分のことは覚えてないのか…落胆するも、それを隠しなんとか元気を取り繕って「はじめまして」とだけ述べるパワポケ。
「…?
……?
…パワポケ…さん?」
「!! はじめまして。えっと、ヒナコさん…でしたよね。
パワポケです。よろしく。」
「…よろしく。」
―…つまり、お前さん達はもう一度「出会い」からやり直すということだ。ただし、目を覚ましたヒナコが、またお前さんの事を好きになるとは限らん。
―イヤなこと言いますねえ。
―なぁに、父親のヤキモチじゃよ。
―…大丈夫です。やり直せます。そして今度は俺がヒナコちゃんを守ります。
数年後、博士は自分の家に戻り一休みしている。
「やれやれ、教会のイスがあんなにカタいものだとは思わなかった。腰が痛いわい。
ヒナコの奴、あんな野球バカのどこがいいんだか…。」
愚痴を言いつつも、どこか嬉しげな唐沢博士。
これで肩の荷が下りた、後はのんびりしようとする博士だったが、突如謎の男が目の前に現れる。
「むっ!お前達はプロペラ団の残党か!?いや…ちがうな!?」
「探しましたよ唐沢博士。30年前のツケ、今ここで払ってもらおう」
「30年前?そうかお前達は…!」
バン!バン!
あれから唐沢博士は姿を消してしまった。
主人公はそのうちひょっこり戻ってくると思っているが、ヒナコは「二度と戻ってこない気がする」と言っている。
謎を残したままパワプロクンポケット3は幕を閉じる。
補足説明
ここから先は他のパワプロクンポケットシリーズ全体のネタバレになるため、そちらのネタバレが嫌な方はご注意ください。
・なんでこれが正史の可能性が高いの?
パワポケ11の回想シーン(というか種明かしシーン)で実際に博士が「やれやれ、教会のイスが〜」と言っているシーンがあるからです。
そこで同様に博士が暗殺されていることが正史だとわかっているため、ヒナコルートが正史の可能性はかなり高いです。
・最後に博士を襲った男達はなんだったの?
この時点では名前も出てきませんが、パワポケ9当たりから本格的に登場し始めるジャジメントと言われる組織の工作員です。
パワポケ11で主人公が所属しているジャジメントナマーズの親会社でもあります。
全スポーツ統一というまだ可愛げのあるプロペラ団と違って
ガチで世界征服に王手をかけている、裏でヤバいことやりまくってる危ない組織です。
・30年前のツケってなんだったの?
詳しいことはわかりませんが、唐沢博士は奥さんの実験のためにジャジメントを利用していたようで、色々と恨みを買われていたみたいです。プロペラ団には単純に裏切り者として追われているようです。
・奥さんの実験事故ってなんだったの?
これもまた詳しいことはわかりませんし、完結作の14でも明らかになっていませんが
博士がその事故を調査した結果、なんとタイムマシンの基礎理論を発見したのです。
なので恐らく奥さんはどこかの過去に飛ばされてしまった可能性が高いです。
スタッフもこの辺の話をどうしてもゲーム中に組み込みたかったようですが
流石に話が脇道に逸れすぎるためか、直接触れられることはありませんでした。
・その後、ヒナコと主人公はどうなったの?
わかりません。基本的に前作の主人公が再登場することはないので、触れられることはありませんでした。
しかし何の手がかりも無いのかと言うとそうでもなく
パワポケ14で、道で倒れている瀕死の女性が、近くを通りかかったメガネ達(山田・落田・湯田の歴代の相方三人)に赤ん坊を託す場面がありました。
その赤ん坊が成長して14の主人公となるのですが
彼の所属するフィンチーズの監督、元極亜久高校野球部の外藤が言うに「死んだ後輩によく似ている」らしいのです。
さらに彼の父親は「数奇な運命を辿った野球選手」であることが作中で明かされ
母親の方も公式で「詳しくは明けられないが、過去に登場したヒロインのいずれか」と述べられており
彼らの両親はこの二人の可能性があります。
もしそうだとしたら、彼らは「普通の生活」を遅れなかったのかも…
といっても該当するキャラクターは他にもいるため、一概にそうだとは決めつけられません。
個人的には幸せな生活を送っていると信じたいです。
・ヒナコが正史だというなら、他の彼女候補達は何にも関わっていないの?
そこは明らかにされていませんし、そういうわけでもありません。
ちなみに公式で「1・3の主人公は正史で唐沢ヒナコ、四路智美、寺岡薫の三人と交流があった」と述べられており
そのうち寺岡薫は自分から身を引いた事が明らかになっているため、確実な選択肢は既に2択に絞られています。
ちなみに彼女が主人公の身体を調べ、サイボーグ技術を学んだことによって
世界は大きく動いていくのですが、その辺はパワポケ12で詳しく描かれているいます。
四路智美はパワポケ5の時点で行方をくらませている描写がある程度で、詳しいことは何もわかっておりません。
ひょっとしたら高校時代からの片思いを成就させ、彼女が主人公とくっついている可能性もゼロとは言い切れません。
・博士、博士言われてるけど、唐沢博士の本名ってなんなの?
唐沢博士(からさわひろし)です。
以上でパワプロクンポケット3(多分正史)の投下を終えます。
長文連続投稿失礼しました
乙でしたー
面白そうだが本数が多すぎて手を出しづらい
シリーズ通して一本にまとめてくれないかな
乙です
思わずほろりとしてしまった
3の時点で野球ゲーじゃなくなってたのか
186 :
ゲーム好き名無しさん:2012/10/02(火) 14:58:10.28 ID:PW6QLCKN0
博士に脅されたところは有無を言わさず爆破じゃなくてちゃんと選択肢は出てくるし、博士もテレビのリモコンと間違えて自爆ボタンを押したはずだよ
なんか揚げ足取ってるみたいで悪いけど気になったから
>>186 正確に言うと「詮索をやめろ」という選択肢に「イヤだ」と答えると爆破されるが正しいですね
選択肢に関しては話をわかりやすくするために色々と省いていますが
「さてTVのリモコンはどこかな?」
「それはTVのじゃなくて爆弾の…」
「ハッハッハ、すまん手が滑ってしまった」
という理不尽な話だったので「有無を言わさず」という表現を使いました
他にも加藤先生から名刺をもらう場面や、ヒナコと主人公を見守る亀田と博士などの場面もありましたが
説明が少しややこしくなりそうなのでカットしてあります
もしよろしければフリPCのホラーフリーゲームの
"3rooms"のストーリーを教えていただけないでしょうか
よろしくお願いします
360/PCのルートダブル誰かお願いします。
PS2のやるドラシリーズ、スキャンダルをお願いします
191 :
ゲーム好き名無しさん:2012/10/03(水) 14:46:11.13 ID:XxiQ6Lb10
ナナシノゲエムお願いします
>>191 一作目のやつなら、すでに暫定Wikiにあるが?
メガCDのアイル・ロードお願いします。
機装ルーガのEDはリンナが死んでしまうという悲劇的な展開だな。
東京トワバの人とパワプロの人乙でしたー
読み応えあった
>>194 いきなりオチだけ言われても…
せめて3行くらい書いてくれないか
書かなくて良いよ、マニアックすぎて知りたい人が居ると思えん
しかしまあ、あの時代のゲームの物語は悲劇とか哀愁漂うものが凄く多かったな
同じハードではCF2とか天詩とかかなり衝撃的だったし
当時の最メジャータイトルと言っていいDQ4でもロザピサの顛末は悲劇
天外IIあたりからか、PCエンジンオリジナルソフトは人がやたらと死にまくる展開が多かったような
例:マジクール 雑魚に囲まれる主人公→味方NPC「危ない!」主人公をかばって死ぬ→雑魚と戦闘
例:オーレリア 主人公の外出中に故郷の村が滅ぼされる→中盤でも街が2つほど瓦礫と死体の山に
主人公の村を皆殺しにしておいて、女一人殺されただけで発狂するピサロは滑稽
女一人、ではない
貴重な女エルフ一人、だ
DSのthe爆弾処理班を書こうと思うんだが続きじゃなくて1話から書いちゃっていいかな?
いいんでない
*決戦の間・ウタマル*
蛇恍院、何処からか総帥の声が響き渡る。
大納「須恵家が滅ぼされてからの長き戦い、今こそ終結の時を迎えた。
踏みにじられた我々の恨みを晴らすその使命に耐えられるか、どうか…お前の腕、見せてみろ!」
ウタマル「おう! 見せてやるぜ!」
捨陰党の忍が現れた。
5人程、始末すると総帥の声がした。
大納「確かに、お前の腕、認めよう。鳴鏡館へ向かえ! 我々の太刀、夕霧を取り戻すのだ! 師範代の居ない鳴鏡など恐るるに足らん!」
ウタマル「俺様に任せな!」
新ジャックビル屋上、刺客を4人程、始末。
ナイトストーカーが現れた。
ウタマル「お前なんかに用は無いぜ!」
ナイトストーカー「私にはある…!」
素早い攻撃をかわし、始末。
ウタマル「冗談じゃねぇぜ、俺に敵う訳無いだろうが!」
造船所跡、刺客を5人程、始末。
蛍火が現れた。
ウタマル「ふ〜ん…。イイ女じゃねぇか…。」
蛍火「私は蛍火…。女は捨てております。」
素早い攻撃をかわし、始末。
ウタマル「捨陰党にもこのくらいの美人が居りゃなぁ…。」
安志田川鉄橋下、ホッキョク・ツバメが現れた。
ウタマル「俺を倒すなら、刀で頼むぜ。」
ツバメ「フン、このツバメ、お前ごときに刀は使わないよ!」
タックルして、始末。
ツバメ「夕霧で…お前達、捨陰党の怨念を解放しようというのか…?」
ウタマル「ば、馬鹿野郎! な、何が怨念だあ!?」
鳴鏡館道場、刺客を3人程、始末。
御門が現れた。
ウタマル「なぁ、鳴鏡ってよぉ…結構、女居るんだな…。」
御門「ふざけている暇があるなら、武器を構えなさい!」
素早い攻撃をかわしつつ、始末。
ウタマル「これで手柄は俺のモンだ…!」
続きます。
続きです。
そこに寒雲が来た。
寒雲「命令を伝えてに来た…。」
ウタマル「よう、寒雲、悪かったな。夕霧はこの俺が手に入れたぜ。いつもお前に出し抜かれてばかりだからよ、たまには俺の力を見せてやらないとな!
大体、この俺がちょっと本気を出しゃ、このくらい朝飯前って事よ! 何と言ってもこの俺は…!」
寒雲「聞けっ!」
話を遮る寒雲。
ウタマル「ん?」
寒雲「その夕霧で踏鞴神社に居る鏡家の末裔を斬り、敵の血を絶やす事…それが命令だ。まだ、浮かれるな、お前の悪い癖だ…行くぞ。」
そう言って出ていく寒雲。
ウタマル「何だよ、格好付けやがって! ちぇっ!」
(ここから寒雲にバトンタッチ)
踏鞴神社参道、刺客を5人程、始末。
松虫が現れた。
寒雲「…斬る…!」
松虫「こりゃ…本気でいくしか無さそうだな…。」
上手く攻撃をかわし、始末。
寒雲「ウタマル…行ったようだな…。」
(ここからウタマルにバトンタッチ)
紫翠窟、刺客を4人程、始末。
風閂が現れた。
ウタマル「鳴鏡の風閂か。お前を倒せば更に株が上がるぜ!」
風閂「思い上がるなよ、夕霧は返して貰うぜ。」
どうにか攻撃をかわし、始末。
ウタマル「へっ、最後まで突っ走るか!」
踏鞴神社境内、神主が待ち構えている。
ウタマル「アンタで最後か!」
玄鷹「長い間、鳴鏡と共に守り続けてきた鏡家の血筋、終わらせる訳にはいかない!」
ギリギリまで間合いが縮まってから始末。
玄鷹「は、早く…お逃げ下さい…!」
ウタマル「奥だな…。」
神社本殿に向かった。
踏鞴神社本殿、死装束を身に纏った女性がいた。
ウタマル「へぇ〜、アンタがそうなのかよ?」
已綱「来ましたか…。」
ウタマル「アンタを斬りに来たぜ。取られた夕霧を取り返すだけじゃ、話は着かないんでね。」
夕霧を手に迫るが、彼女は全く戦う意思が無い…。
已綱「そう…貴方達の目的は貴方達の夕霧で私を斬り、血を絶やす事…。800年前に私達の先祖、鏡家は同志であった須恵家を裏切り、滅ぼした…。
長い間、積み重ねられた須恵家の恨み、晴らす方法は一つしかないようです…。さ、鏡家の末裔の…この私をお斬りなさい…。」
彼女は何もして来ない…。
どうする…?
続きます。
*ED・斬る*
ウタマルは彼女を斬った。
已綱「うっ…!」
断末魔を上げ、倒れる。
已綱「ひたすら…意味も無く、守り続けてきた鏡家の血も…今、私が絶える事で…全て、終わらせる事が…出来る…。」
彼女は息を引き取った。
「どうやらこれで終わったらしいな…。でも、何だかよ…後味良いのか、悪いのか分かんねぇけど…。
ま、多分、こんな思いをする奴ももう居ねぇって事だし…こんな大仕事は、この俺くらいしか背負えねぇだろうしよ…!」
*ED・本殿を去る*
ウタマルは彼女を斬らずに、本殿を出た。
ウタマル「せっかく手柄だと思ったんだけどなあ…。戦いもしない奴、斬ったってよぉ、誉められたもんじゃねぇぜ…。
まあ、寒雲なら斬ったかも知れねぇが…って事は俺様がここまで来て良かったって事かあ! 万事OK、OK、OK、It's all right!」
以上です。
次は本郷です。
魅杏ハッピーエンド
人肉屋の娘でツンデレっこの魅杏は人見知りの性格を直したいので
家業の手伝いをしながらドリームクラブで働いている。
そんなある日、
主人公が勝手に読者モデルの雑誌を見て魅杏を応募してしまう。
魅杏「ふん、どうせう受かりっこないわ!」
後日合格のメールが来たと携帯を見せる主人公。
魅杏「なに勝手なことしてくれてるのよ!どうすんのよ!」
「これも人見知り克服と思ってやってみれば?」
魅杏「しょ、しょうがないわね・・・」
失敗もするがモデルの仕事もうまくいってるようだった。
ある日のモデルの仕事で機材に足を引っかけて壊すという
大失態を演じてしまって落ち込むが、主人公からもらったエプロン
を身につけて立ち直ったと言う。
エンディング
夜景の元で主人公と魅杏はお互いの想いを告げる。
数ヶ月後、高円寺ひかる(魅杏の本名)師匠の傍らで
おそろいのエプロンでコロッケを揚げる主人公。
これからも師匠と二人でずっとがんばるぞ!
終わり
魅杏(本名:高円寺ひかる)
家族構成:両親、弟、妹
秘密の趣味:深夜アニメ鑑賞
支援
人肉屋だと本気で信じて戦慄してしまったではないか
おっかない間違いだなぁww
リクエストしたいゲームが大量にあるのですがクレクレばっかりでも申し訳ないので
執筆中:ムーンライトオワタ
うまく纏められるよう頑張ってみます。規制されたらWikiの掲示板にひっそり投稿しとくよー
>>209 「にく」を「人肉」で辞書登録してるの?
人見知りの〜って書き出そうとしたのを止めて消し忘れが出たのかと思ったけどどうなんだろう
ともあれ乙
215 :
ゲーム好き名無しさん:2012/10/08(月) 18:52:53.53 ID:Cd+utT7d0
PS2のSRPG エルヴァンディアストーリーを投下します
初投稿なので至らないところがあるかもしれませんが
よろしくお願いします
プロローグ
古の時代 世界は二人の髪によって作られた
一人は光の神 グヴィン 一人は闇の神 ギアラン
二人の神は互いの領域を守り互いを尊重しあっていた
その下で暮らす人々も同じ考えだった
216 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 18:58:35.61 ID:Cd+utT7d0
ある日、ささいなことで二人の神は言い争いになり、
やがて憎しみに代わり、互いを敵視するようになった
人々は二人の神が争うことを恐れた
しかし人々の恐れはやがて現実となる
グヴィンとギアランの争いは壮絶を極め、世界は破滅の道へと向かった
死闘の末、二人の神は相討ちとなり
それぞれの肉体は四方八方へと飛び散り、大地へと還っていった
それから長い年月が経ち人々は幾度かの争いを経て
平和への道を歩みつつあった
217 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:09:39.05 ID:Cd+utT7d0
用語解説
・エルヴァンディア
ルーメン、カストール、イーティアの三国で構成された都市国家
ゲームのタイトルになっているが物語の舞台はエルヴァンディアだけではない
・アシュレイ
主人公 カストールの大公モルデンの息子で、9歳の時からルーメンに滞在し
皇太子シャルルの小姓をつとめていた
物語開始時にカストールに帰還したが・・・
218 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:18:28.41 ID:Cd+utT7d0
第一章 全ての始まり
アシュレイは父モルデン、剣の師ワイツ、親友スタンリー、
家来のランバントらから歓迎されていたが、そこにルーメンがゲネス帝国の侵攻を受けたとの報が入った
国王グッドウッド三世、皇太子シャルルの安否も不明だという
様子を見るべきと言う父の決定を受け入れられないアシュレイは単身ルーメンに向かおうとする
侍従のサックスもその意を汲み共に向かう
その途中カストールに眠る秘宝を奪いに来たという
ゲネスのオズワルト率いる部隊と出会い戦うも
スタンリー、ランバント、ワイツの加勢により退ける
彼らはアシュレイの意を汲んだモルデンの命と自分達の意志で
アシュレイに同行することを決めたのだ
219 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:23:31.34 ID:Cd+utT7d0
第2章 王都陥落
ルーメンに到着したアシュレイ達
しかしルーメンの町は既に壊滅していた
護衛隊長ヴァルモンと合流し
グッドウッド三世はゲネスの刺客に殺されたと知らされる
シャルルも隠れていたところをゲネスの部隊に追い詰められていたが
一行が駆けつけ事無きを得る
しかし、ゲネスの援軍が到着
ルーメンを捨てカストールへ逃亡することを
苦渋しつつも決断するアシュレイ達であった
220 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:35:55.38 ID:Cd+utT7d0
第3章 友との出会い
行きにオズワルトと遭遇したこともあり別ルートで帰還することにした一行
しかし単独行動していたゲネス部隊を発見する
通りかかったアシュレイの旧友で元山賊のブランと再会し
彼を加えた一行はゲネスの部隊を撃破した
第4章 カストール帰還
カストールに帰還した一行 モルデン公は隣国ラーバスの援助を要請することにした
その使者として再びカストールを経つシャルルとアシュレイ達
道中修道院で休息をとるもそこを山賊に襲撃される
修道女テスの助力もあり撃退
本人の意志とスタンリーの下心もありテスも仲間に加え出発するのであった
221 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:44:41.09 ID:Cd+utT7d0
第5章 ラーバスでの嘆願
一行はラーバスに到着 その町中で行き倒れになっていた旧友フロロに再会
彼はルーメンの陥落を知り魔法学校を飛び出してきたのだ
彼を加えた一行は領主ブルーマントルに謁見、
しかし彼は話をはぐらかし退室する
怪しむ一行はブランに聞き耳を立ててもらうことにする
そこでブルーマントルの娘エミリアがゲネスの者に捕らえられ
その命を代償にゲネスへの降伏を迫られていたと知る
苦悩しつつもラーバスを優先させることを決めたブルーマントル
アシュレイ達は待ち合わせ場所に先回りし
敵の手からエミリアを救出
彼女も加えた一行は敵を退けるが敗れた指揮官を謎の男が殺害する
一行はブルーマントルの元に戻ることにするが・・・
222 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/08(月) 19:47:41.60 ID:Cd+utT7d0
今回はここまでです
書き方に改善すべき点があったら指摘をお願いします
後、この先は条件によって3つのルートに分岐しますが
それぞれのルートを最初から最後まで書くか
章ごとにルート別に書くかどちらが良いと思いますか?
意見もお願いします
エルバンディア乙です
続けて読めるからルートを最初から最後までの方がわかりやすいかな
途中だが乙!
都市国家なのに3国に分かれてんのか
どんだけ狭いんだ
エルヴァンディア乙です。
光ルートしかやってないから3ルート書いてくれるの嬉しいです。
把握しやすいから、ルートを最初から最後まで希望。
ブルーマントルさんがブルーのマントを着てる感じがエルヴァンディア全体を表現していると思う…
226 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/09(火) 22:39:50.40 ID:6USE8rp90
では光ルート→闇ルート→真ルートの順に投稿していきます
6章 運命の時
一刻も早くエミリアをブルーマントルに合わせるために崖道から帰るアシュレイ達
その前に前回現れた謎の男 トリンガー率いる暗殺集団モルセーゴが現れた
奴らはシャルル、更にアシュレイの命を狙っていると言う
隊長格ロデリックを倒すも彼は最後に崩落を起こす。
それによりシャルルと二人の仲間が命を落としてしまう・・・
*イベント発生時にワイツ、ヴァルモン、ランバントの3名の内
シャルルから最も離れたキャラが生存し、それによりルートが決定する
227 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/09(火) 22:48:01.36 ID:6USE8rp90
光ルート
ランバントとヴァルモンが犠牲になってしまう
失意の一行はトリンガーに逃げられてしまう、
そんな中カイと言う少年が姿を現す
彼は自分の身も顧みずアシュレイ達を探していたのだ
カイの治療のためにもラーバスに戻った一行
そこでアシュレイはブルーマントルから自身の出生の秘密を知らされる
アシュレイはグッドウッド三世の実の子であり掟により命を奪われかけたが
母マチルダらの計らいでモルデンの子として育てられたのだ
シャルル無き今アシュレイがエルヴァンディアの王として立ち上がらねばならない
さらに回復したカイはゲネスを操る黒幕マグダフを倒して欲しいと訴えた
決意を固めた一行はマグダフの秘密を知るという大賢者エルパランスの元へ向かう
228 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/09(火) 23:03:56.63 ID:6USE8rp90
第7章 エルパランス
アポイナ山にたどり着いた一行
パウルスという謎の騎士の一団から「手荒い歓迎」(byブラン)を受ける
倒しても倒しても沸いてくる騎士だったがカイの魔法で消滅させた
そしてエルパランスに会いカイの説得もあり彼は語り出す
マグダフは自分の一番弟子だったがあることをきっかけに秘宝ギアランの杖を奪い
エルパランスの元を去ったという
黒き神ギアランの身体の欠片、闇のグラセウムから作られたギアランの杖を
大魔術師マグダフが振るえば国一つなど簡単に奪える
その力に対抗するためには白き神グヴィンの身体の欠片、光のグラセウムをかき集め
合成させる必要がある
アシュレイは自分達の力でグラセウムを集めてみせると宣言し
更なるグラセウムの情報を得るためその研究者がいるイーティアへ向かう
8章 レジスタンス
一行がたどり着いたイーティアはゲネスとレジスタンスの戦場になっていた
一行はレジスタンスに加勢しゲネス軍を退ける
レジスタンスのリーダーでスタンリーの旧友ルシッドから
ニコラスという学者がゲネスから逃げ出したと知らされ
ルシッドの協力で彼の隠れ家に向かう
229 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/09(火) 23:17:50.14 ID:6USE8rp90
9章 謎の遺跡
一行はニコラスに会おうとするも拒絶される
しかし、ゲネスを撃退したことを教えると態度を改め一行に自分の知識を語る
そして彼から数年の発掘の成果である光のグラセウムを渡される
またカイが持つ古文書を読み解き近くの遺跡にグラセウムがあると知らされ
アシュレイ達はニコラスとルシッドと共にそこへ向かう
しかし、そこにはトルボラ率いる盗賊達がいた
敗北し降伏したトルボラはトリンガーから依頼されたと話す
彼が手に入れていた光のグラセウムを貰うも必要量には届かない
一行は遺跡の奥へ進む
10章 伝説のグラセウム
アシュレイ達は遺跡の最深部でトリンガーと闘い打ち倒した
トリンガー「こ、こんなところでやられるとは・・・モルセーゴ万歳!」
そして一行は封じられていた光のグラセウムを手に入れる
が、その直後に崩壊してしまう
長い年月を経るとグラセウムの力は衰えていくのだ
アシュレイ達は一旦カストールに戻ることにする
ニコラスはグラセウムの謎を知るために、
ルシッドはニコラスの面倒を見るために一行に合流することになった
230 :
ゲーム好き名無しさん:2012/10/09(火) 23:25:08.23 ID:dUNcfhEy0
だいだい思いっきり抱きしめてメキメキ死体んだけどどうしたら・・・・・
231 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/09(火) 23:28:42.34 ID:6USE8rp90
人物紹介
・ルシッド 弓の使い手でスタンリーとは武術大会で知り合った
このゲームはルートによってキャラの設定自体が変わることもあるが
彼は全ルートでイーティアでレジスタンスをしている
・ニコラス グラセウムの研究者という設定は全ルート共通だが
9章の様な他人を拒絶するような態度は光ルートでしか見せない
彼が仲間になるとグラセウムに関する裏設定を聞いたり
戦闘で手に入るグラセウムを使いアイテムの合成が出来るようになる
(ただし自分はプレイ動画からまとめているのでこの機能の詳細は知りません)
・トルボラ
ルシッドとも面識があり彼が認める程の弓の腕を持ちながらも盗賊に成り果ててしまった男
降伏したため命は助かったが、
これはこのゲームにおいてはかなり貴重なことだったりする
今回はここまでなのかな?
だいぶ遅くなりましたがWii『パンドラの塔』の続きを投下します。
久々にやったら謎解きで詰まった(´・ω・`)
【湧水の塔】
湧水の塔はその名の通り無限の水が湧き出す塔。荒野の果てにこんなものがあるとは皮肉なものである。
水面をかたどった装飾を背負ったエオス教の男神像が手にした鎖は2本。
塔には水路が巡らせてあり、重い鎧を着たエンデは泳ぐことが出来ない。鎖を上に引っ掛け、ターザンして乗り越える。
サブウェポンの双小剣を見つけた。大剣では出来ない素早い動きが可能だ。
魚人型の外僕が水面からロケットダイブしてきたり、鎧を着込んで槍を装備した重装型がいたりする。どちらも強力。
仕掛けを作動させると中央にある大きな水車が動き出し、それに掴まって上がっていく。
封印鎖を解放した時、エンデはセレスのことを思いやる。
その頃、セレスはエンデが塔で見つけてきた古代エオス文字で書かれた紙片を解読していた。
2本目も解放し、主に挑む。
水をビーム状に放ってくる上に体力が減ってくるとタコ足(のようなもの)で叩いてくるが、何とか主肉を引きぬいて帰ってきた。
何だか肉に対する抵抗がなくなってきたっぽいが、相変わらず気絶してしまう。
今度の夢はこれまでとは打って変わって幸せなもの。
兵隊のおもちゃをねだる子供。やんちゃぶりに呆れながらも嬉しそうな父親。笑う母親。どうやら父親と息子は金髪らしい。
そして幸せを噛み締めながら“エオスの誓い”をする指先が見えた。
グライアイの話によると、主や外僕たちは50年前にエリュシオン公国が造った生物兵器らしい。
セレスが見た夢はそれに関係する記憶ではないか、と。
塔に落ちているものは軍の落とし物か、爪痕の底に存在する異世界のものではないかとも。
そしてもうひとつ教えてくれた。
収穫祭の事件の主犯とされたセレスとエンデが追われているのはこれまでに教えてくれたが、公国はこれをエンデの母国であるアテナイの陰謀であるとし、両国間の緊張が高まっているという。
また戦争が始まるのか、と震える二人。
だが、十三訃塔から離れたりすれば間違いなく二人は軍に捕まってしまう。
二人に出来ることは、二度とあんな事件が起きないようにセレスの呪いを解くことだけだ。
紅蓮の塔に向かおうとするエンデにセレスが声をかける。
「はじめて出会った時のこと、覚えてる?」
――3年前。傷を負ってアテナイ軍から逃げ出し、行き倒れになったエンデを助けたのがセレスだった。
弱った頭で「ここはヴァルハラか」と口走ったりもした。セレスが女神にでも見えたのかもしれない。
今は逆に、セレスがエンデに助けてもらっている。
そして迷惑をかけていることを気に病んでいるようだ。
「大丈夫、行ってくるよ」
【紅蓮の塔】
火炎をかたどった装飾を背負ったエオス教の男神像が手にした鎖は2本。
塔の内部は暗く、燭台から燭台へと火を灯していかなければ進めない。
塔の外僕たちは総じて火を恐れることがないが、ここにいる外僕にいたっては火を吐き火を食らう。
エンデが一本目の封印鎖を解放した頃、セレスは地下でエオス文字の本を取ろうとして尻もちをついていた。
そして塔を登っていくと様子が一変する。
広がる灼熱の溶岩。張り巡らされた管から飛び出すガス。紅蓮の塔そのものが巨大な溶鉱炉なのだ。
2本目の封印鎖を解き放ち、主に挑む。
紅蓮の塔の主は頭と肩、腕を縛り壊すと主肉をさらけ出す。何度かそれを繰り返し引き抜くことに成功した。
微笑を浮かべながら主肉を食べる。気絶するのには変わりはないが。
今度の夢に出てくるのも前の夢に出てきた家族のようだが空気が重い。
近隣の戦争のせいで食料が手に入らなくなり、野菜くずのスープくらいしか作れないのだ。
「お父さんはお腹が減っていないんだ」
「お母さんもよ」
「大人はお腹が減らないの?」
「ええ、そうよ」
「変なのー。僕、お腹ペコペコだよ」
「ふふ、ルチル、いっぱい食べなさい」
息子――ルチルが寝ている間に夫婦はぼやく。いつまで続くのだろうか。
せめて、ルチルが大きくなるまでは――――
そしてセレスは別の夢を見る。
収穫祭で暴れる“獣”それは紛れもなく――
悪夢から飛び起きると、セレスの布団がズタズタになっていた。
普段のセレスにはとうてい出来ないことだが、犯人は紛れもなくセレスだ。
隣で寝息を立てるエンデを見て安堵する。
「あなたを傷つけなくて、良かった」
そして寝たふりをしていただけのエンデは、自分の無力さに打ちのめされるのだった。
【鍛鉄の塔】
金属をかたどった装飾を背負ったエオス教の男神像が手にした鎖は3本。
つまり少し難しくなるということだ。
塔の内部は静かだが、鎧を装備した外僕が更に装備を強化している。
そしてエンデがスイッチを入れた途端、状況は一転した。
塔の中央の仕掛けが動き、金属のピストンが動き始めた。
ここは巨大な製鉄所であり武器工場。
岸壁の塔で取れた鉱石が紅蓮の塔で溶かされ、そしてここで加工されるという一連の流れがあるようだ。
とはいえ長く動いていなかったせいか油のようなものが固まって一部の機械の動きを妨げている。
エンデはその塊を破壊し次々と機能を回復させていく。
それが同時に封印鎖への、そして主へのルートになると確信して。
1本目の封印鎖を解き放ち、いつものようにセレスを思いやる。
その頃セレスは監視塔の入り口でエンデを待ち続けていた。
だんだん沈んでくるセレスの気持ち。もし何かあったら――
「ダメ! しっかりしなきゃ、私!」
エンデが帰ってくる場所を少しでも気持ちのいい所にするために、セレスは監視塔の中へ入っていった。
そして2本目、3本目の鎖を解き放ち、エンデは主に挑む。
鍛鉄の塔の主は金属の固まりのような人馬だった。
勿論その攻撃は強烈にして重厚。
エンデが攻撃し続けると熱くなり耐え切れずに排熱モードになる。その時が主肉を攻撃するチャンスだ。
そして、引きぬいて帰った。
やはり微笑みながら美味しそうに肉を食べるセレス。
今度の夢は、誰か(女性?)の怨嗟の声だった。
「こんなことを繰り返すなんて、私たちの犠牲は何だったの……!」
セレスは何故だかそれを“50年前の記憶”と感じた。
そして深夜、また夢を見る。
エンデの髪を切ろうとするセレス。
その風景を見た村人がヒソヒソ話をしているのが聞こえる。
エンデ(アテナイ人)の金髪はやはり目立つ。
しかしセレスはその髪を綺麗だという。
「エンデの故郷の人は皆そんな綺麗な色の髪なの?」
「僕の故郷……」
エンデの表情が曇る。
傭兵となったが守りきれなかったのだろう。そして彼自身も脱走兵となった。
そこで目が覚める。今度の夢を見ていたのはエンデだった。
セレスが隣で寝息を立てている。
「……嫌だ」
そして一気に5つの塔の入り口が開く。
【大樹の塔】と対になる【深緑の塔】
【岩壁の塔】と対になる【隆岩の塔】
【湧水の塔】と対になる【湍流の塔】
【紅蓮の塔】と対になる【豪火の塔】
【鍛鉄の塔】と対になる【精金の塔】
後から出てきた方の塔は全て女神像がエントランスに祀られている。
木、土、水、火、金それぞれの陰陽。
ただ、エオスの理は『光』とその陰陽もあるはずだ。
その2つの塔、そして未知なる13番目の塔は未だエンデを拒んでいる。
しかしこの5つの主を倒し肉を持ち帰れば自ずと開かれるだろう。
連投規制に引っ掛かったし今回はこれで終わりです。次回終了……出来ないんだろうなあw
イース2がまとめに無いんだけど消えたのか?
イース1の部分書いた後で失踪だったはず
今セルセタプレイ中で終わったらイース1・2やるつもりだから
よかったら書くよー
このスレ(板全体?)の場合、連投規制(さるさんバイバイ)は10分位感覚をあけると大丈夫だね。
5分位だと引っ掛かるかも。
おおよろしく!
大分前にやって忘れてたのをセルセタプレイ後に思い出そうと思ったとこなんだ
チラ裏ごめん
誰にも頼まれてないがスナイパーエリートV2投下しますぜ
【あらすじ】
ドイツ敗戦直前、アメリカとソ連は第2次大戦後を見越して優れた技術を持つドイツの科学者たちの確保に尽力していた。
アメリカはドイツの様々な場所を占領し、そして多数の科学者や技術者を確保していた。しかし当時ドイツ第3帝国の首都たるベルリンはソ連軍に包囲されていた。このままソ連軍によりベルリンが陥落されれば、ベルリンにいる科学者たちはソ連により確保されることとなる。
それを阻止するのが主人公 カール・フェアバーンの任務であった。
【登場人物】
【アメリカ】
主人公 カール・フェアバーン
ソ連へのドイツ人科学者・技術者の流出を防ぐために陥落直前のベルリンに送り込まれた。
凄腕のスナイパーであり、その他潜入などさまざまな訓練をしている。
【ドイツ】
この5人が主人公の暗殺対象。5人ともV2ロケットに関わっていたようである。
・ハンス・フォン・アイゼンベルク ドイツ軍少将。最初のターゲット。顔に大きな傷跡がある。
・ギュンター・クレイドル ロケットエンジンの専門家。禿げた中年の男。
・シュヴァイガー ドイツ人の科学者もしくは技術者。若い眼鏡の男。
・ミュラー ドイツ軍将校。スキンヘッド。ちなみにタグをつけると大佐であることがわかる。
・ヴォルフ 化学兵器のスペシャリスト。モノクルをかけた老人。
その他モブ兵士・士官多数
【ソ連】
モブ兵士・将校多数。名前付きのキャラクターは出てこない。
彼らも主人公とは敵対関係にある。
【プロローグ】
ベルリンのブランデンブルク門にハンス・フォン・アイゼンベルク少将という男がやってくる。
その目的はV2ロケット計画に関与していた彼を含む5人のソ連への亡命についてロシア人の仲介者と打ち合わせることだった。
主人公の標的はその5人の科学者と軍人たち。さしあたり第1の標的がアイゼンベルクだった。
石を投げるなどし、ドイツ兵たちの注意をそらすなどして警備をすり抜け、彼は狙撃地点へと向かう。
狙撃地点についたちょうどそのとき、右頬に傷跡のあるドイツ軍将校、すなわちアイゼンベルクは到着した。
黒い帽子に黒い背広を着こんだロシア人の仲介者も…
主人公は仲介者と話すアイゼンベルクを狙撃し、ドイツ軍の戦車や攻撃から逃げ去った。
標的はあと4人。
【シェーネベルク市街】
残る4人の1人で、ロケットエンジンの専門家であるギュンター・クレイドル博士が車列に護衛されつつ市街を通っている、という情報を主人公はつかんだ。
ドイツ軍の検問を攻略しつつ、爆弾を手に入れ、車列が通るであろう場所に停めてあったトラックや砂嚢に爆弾を設置し狙撃地点へ向かう。
狙撃地点に到着したその時、爆弾を設置したあたりを車列が通っていく。
軽装甲車に先導され、そのあとをついてくる3台のトラック。
そしてその2台目に兵士たちに挟まれ茶色いスーツを着た、禿げた中年の男が乗っている。
彼こそが標的の1人・ギュンター・クレイドルだ。
彼を始末するためには車列を足止めしなくてはならない。
トラックに仕掛けてある爆薬を狙撃し、車列を足止めしてクレイドルを始末した。
トラックに乗っていた兵士や戦車がやってきたりもするが、それらを避けたり撃退したりしつつクレイドルの死体を調べ、V2ロケット製造施設の情報を入手する。
そして主人公はシェーネベルク市街をあとにした。
【ミッテルベルクV2製造工場】
クレイドルの死体から手に入れた情報をもとに、主人公はV2製造施設のありかを突き止めることに成功した。
残る3人の標的もそこにいるはずだ。
主人公は敵の連絡か何かの放送やエンジンテストの爆音、施設の機械を動かす轟音に紛れつつ敵を始末し、工場に潜入、そして時限爆弾を3か所に設置することに成功した。
爆弾を設置してから主人公は3人を始末するためオフィスへ向かうが、そこには誰もいなかった。
しかし、そこの通信機に偶然標的の1人・ヴォルフから通信があった。
その内容は驚くべきものだった。
3人のうち1人・シュヴァイガーが彼らを裏切り、アメリカへの亡命を企図したというのだ。
結局それは失敗し、彼はオペルンプラッツに囚われ、明日にも処刑されるという。
重要な情報を入手した主人公。が、間の悪いことに敵兵に見つかってしまう。
オフィスに立てこもり敵の攻撃を退ける主人公。
しばらくすると時限爆弾が作動し、施設のあちこちから爆炎があがる。
敵兵も施設から逃げ出し始め、主人公も施設から脱出する。
トラックで駆けつけてくる敵の増援を撃退し、主人公は爆発炎上する施設を尻目に去っていった。
【カイザーフリードリヒ博物館】
シュヴァイガーが本当に裏切ったのならば、彼を保護する必要がある。
問題は彼のいる方向にソ連軍が迫りつつあった事である。
カイザーフリードリヒ博物館には多数のドイツ兵が立てこもっているからだ。
ドイツ兵どもはそのままソ連軍の餌食にしてしまおうと考えていたが、主人公は大胆な計画を思いつく。
ソ連軍が渡る橋を吹き飛ばし、戦車を立ち往生させ、ドイツ軍と白兵戦になるよう仕向け、その隙にシュヴァイガーを救出するというものだった。
このステージからソ連軍とも戦う事になる。
ソ連軍のパトロールを抜け、主人公はソ連製のスナイパーライフル・モシンナガンを手に入れた。
ソ連兵達を倒し、橋の橋脚へ向かい爆薬を設置する。
爆薬を設置した後、それを狙撃するのに最適な地点へ向かうためドイツ軍の占拠している博物館に潜入する。
博物館の屋上まで進むと、ちょうどソ連兵や戦車数台が橋を渡るところだった。
爆薬を狙撃すると大爆発を起こし、橋とソ連軍の部隊は見事に吹っ飛んだ。
その後別のソ連軍戦車やソ連兵、ドイツ軍残存兵達を退け博物館を去った。
【オペルンプラッツ】
広場へ向かい、敵兵を掃討した後狙撃地点である図書館まで向かう。
到着したとき、シュヴァイガーはまさに処刑されるところであった。
ひざまずかされるシュヴァイガー。その後ろには警備兵と死刑執行人のドイツ軍将校が。
「ひと思いに頼む」「そのつもりだ。」
主人公はシュヴァイガーが処刑される寸前にルガー拳銃を構えた将校を狙撃で仕留めた。
それから将校の死体から拾ったルガー拳銃を手に図書館へ向かうシュヴァイガーを狙撃で援護し、入り口で彼と落ち合う。
どうにかシュヴァイガーはドイツ兵達から逃げ切ったが、深手を負っているようだ。
「撃たれたのか、見せてみろ」
「時間がない、ソ連軍が迫っているんだ。」
「聞きたい事がある」
「敵を食い止めてくれ、でないと2人ともあの世行きだ!」
トラックなどで駆けつけてくるソ連兵。まずは彼らを撃退しなくては。
狙撃や罠などを駆使し、ドイツ兵のそれより命中精度や威力の大きい小銃や短機関銃を持って襲撃してくるソ連兵をなんとか撃退した主人公。
だが、もはやシュヴァイガーは虫の息だった。
結局彼はヴォルフがV2ロケットの設計図などを持ち出した事と「タブン」という謎の言葉を遺し、肝心な事を聞き出す前に死んでしまった。
ヴォルフは何を企んでいるのか?
そしてタブンとは何なのか?少なくとも地名ではないらしいが…
情報が少なすぎた。
【聖オリバルトゥス教会】
主人公、そしてアメリカ軍のもとにある情報が入った。
それは標的の1人・ミュラーが現場指揮のためにティーアガルテンの高射砲塔に配置された、というものだった。
そのためアメリカ軍は主人公の予測狙撃位置を割り出し、武器を投下した。
…が、それを輸送したパイロットがしくじり、よりにもよって教会のてっぺんに武器を投下してしまった。
そのせいで敵が主人公の存在に気づいているのは間違いないだろう。
教会周辺にはドイツ軍が展開しており、教会の鐘の音に紛れ、彼らや戦車などを撃退しつつ教会に潜入する。
教会に潜入したあとは内部のドイツ兵たちを退けつつ、教会の尖塔を目指す。
尖塔にはアメリカ軍により支給された新しいスナイパーライフル・Gewehr43があった。
ライフルを手に入れたはいいが、試し撃ちの余裕などなかった。
ドイツ軍の増援部隊が教会へ接近してきたからだ。
3度にわたる軽装甲車や戦車、機関銃など敵の攻撃を撃退し、主人公はなんとか教会を脱出する。
【ティーアガルテンの高射砲塔】
標的2人の片割れのミュラーは戦いの指揮をとるためティーアガルテンの指揮塔に赴いていた。
彼を始末するにはドイツ軍の要塞・高射砲塔に潜入しそこから狙撃する他ない。
ソ連軍とドイツ軍の小競り合いや高射砲塔前のドイツ軍警備兵たちをくぐり抜け、高射砲塔に潜入し、さらに屋上を兵士達が歩きまわっているのを連合軍の飛行機が落ちていくのを見つつすり抜けウィンチ室(機械室?)へ向かい、
壁に開いた大きな穴から300m以上離れた指揮塔屋上にいるドイツ軍将校・ミュラーを狙撃・殺害する。
警報の鳴り響く中、敵の攻撃を退けつつ高射砲塔を脱出する。
【カールスホルスト指揮所】
残る標的はもはやヴォルフ1人のみ。
が、彼の所在は今だつかめていない。
もしかすると彼はすでにソ連軍と接触し、彼らの保護下にあるのではないか…?
そう考えた主人公は東ベルリンにあるソ連軍指揮所へ向かう事にした。
危険ではあるが、他に方法はない。
廃墟となった町並みや撃墜されたアメリカ軍の爆撃機の横を通り過ぎ、指揮所の守備兵や
戦車を撃退し指揮所に侵入する。
ソ連軍残存兵を撃破し、指揮官らしき将校を抹殺し主人公は機密書類を手に入れた。
機密書類には簡潔だが十分な情報が書かれていた。
「タブン」の正体は危険極まりない、触れただけで人を殺す猛毒の神経ガスだった。
それを開発した人物こそが化学兵器のスペシャリスト・ヴォルフ。
ヴォルフはソ連軍に協力し、V2ロケットにタブンを積んでいた。
そしてそのロケットが狙う場所は…イギリスの首都・ロンドン。
ソ連軍はドイツ軍の最後の悪あがきに見せかけロンドンを死の街にしようとしていたのだ。
なんとしてもその計画を阻止しなくてはならない。ヴォルフの始末はこの際あと回しだ。
指揮所を全滅させられたのを察知したのか、ソ連軍のスナイパー部隊がやってきたが主人公は彼らを返り討ちにして指揮所を後にした。
【クロイツベルク戦略本部】
結局指揮所ではヴォルフの居場所や発射地点はわからなかった。
そこで主人公は手がかりを得るためベルリンの中心街にあるヴォルフのオフィスへ行く事にした。
ベルリンではソ連軍とドイツ軍が激しい戦闘を繰り広げていた。
そしてドイツ軍は連合軍の手に渡るのを防ぐため少しでも多くの情報を闇に葬ろうと文書という文書を焼却処分しようとしていた。
手がかりが焼き捨てられる前に手に入れるため、急がねばならなかった。
ソ連軍とドイツ軍の小競り合いやドイツ軍のパトロールをくぐり抜け、地下道などを通り、焼かれる書類を横目に主人公はヴォルフのオフィスへと向かった。
しかし遅かった。オフィスはもぬけの殻で、すでに書類は何もかも持ち出されていたのだ。
だが幸運な事にヴォルフは筆圧の強い人物だったらしく、残されていたメモ帳を鉛筆で塗りつぶし彼がソ連へ行くための飛行機に乗る時間と場所を知る事ができた。
18時45分、ティーアガルテン。だが、ロケット発射場はまだわからない。
そこで今度はすぐ近くの庁舎へ向かった。
ドイツ兵達を撃退しつつ庁舎の最上階へ向かうと、暖炉でなにかの書類が焼かれようとしていた。
主人公はそれにかけより、書類を救出した。
なんとそれはベルリン近郊の発射場が書かれた地図だった。
ソ連の占領地域で稼働しているものは1ヶ所のみ。ケーペニックだ。
タブンが搭載されたV2が発射されるのはここに間違いない。
が、主人公をソ連軍のスナイパー部隊が襲撃した。
庁舎の下の方は炎上している。屋根をつたって逃げるほかなかった。
主人公はソ連軍のスナイパー部隊を撃退し、他の建物に侵入し、脱出に成功した。
【ケーペニック発射場】
手に入れた地図をもとに、ソ連軍がタブンを積んだV2ロケットを発射する発射場に主人公は潜入した。
そこではソ連兵たちが機密保持のためか「死体を調べろ、1人も生かしておくな」などと物騒なことを言いつつドイツ兵の死体を調べ、生存者を射殺していた。
ソ連軍の警備兵や4つの機銃陣地からの銃撃をかいくぐり、塹壕を抜け、ロケット発射場がよく見える建物まで向かう。
タブンを残さず焼き尽くすにはロケットの給油が終わり発射寸前のごく短い時間にロケットの給油口を狙撃しなくてはならない。
打ち上げ責任者のソ連軍将校を抹殺し、主人公はソ連軍に抗戦しながらタイミングを待つ。
そしてカウントダウンが始まったそのとき主人公は給油口を狙撃した。
結果ロケットは大爆発を起こし、周りのトラックやらソ連兵やらもなにもかも吹っ飛ばし、先頭に搭載されたタブンも焼き尽くされた。
大炎上する発射場を後ろに主人公は悠々と去っていった。
あとはヴォルフを始末するだけだ。
【ブランデンブルク門】
最終ミッションの場所は何の因果か最初の場所と同じブランデンブルク門だった。
18時45分、ヴォルフはティーアガルテンからV2ロケットの全貌を抱えてソ連へと高飛びする。
それを阻止できるのは主人公のみだった。
ブランデンブルク門周辺にはもはやドイツ兵の姿は見えず、代わってソ連兵が展開していた。
ソ連兵の攻撃や戦車などを撃退しつつ、主人公はブランデンブルク門に侵入する。
ちょうどその時、危険を察知したのかヴォルフはひとりキューベルワーゲンに乗り込もうとしていた。
ブランデンブルク門の上にのぼる主人公。そこからキューベルワーゲンに乗って逃走を図るヴォルフが見える。
車に乗っているため高速で移動するヴォルフ。しかし、主人公は見事に命中させる。
銃弾はヴォルフの胸を貫いた。
運転手を失った車はめちゃくちゃな動きをし、横転し大破した。
ヴォルフも地面にたたきつけられ死亡する。
…任務は完了した。
その数日後、ドイツ軍ベルリン防衛軍司令官ヴァイドリングはソ連軍のチュイコフ大将に降伏し、欧州戦線は終わった。
しかし、新しい戦いがすでに始まりつつあった。
その戦いとは「冷戦」である。
結果として、主人公カール・フェアバーンはその最初の兵士となったのだ…
249 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/10(水) 23:18:35.65 ID:mA1LSMD10
スナイパーエリートV2 執筆乙です
こちらも誰にも頼まれてないエルヴァンディアの続きを投稿します
11章 カイの理由
カストールへ向かう一行は道中盗賊に襲われる旅人の一団を見つける
盗賊を倒した一行、旅人達はゲネスから逃げ出したという
ゲネスは今圧政により支配されているという
旅人の長のタウンゼンはカイを見つけるなり喜びの声をあげる
彼はカイの秘密を語る
カイはマグダフの息子でありながらその非道を止めるため出奔したという
マグダフに対抗できる者達を探し出すために・・・
アシュレイ達はカイの意を汲み取り変わらず仲間として受け入れることにする
タウンゼンも仲間達をカストールへ送った後一行に同行することにした
人物紹介
・カイ 紹介された通りマグダフの息子だが光ルート限定のキャラ
他のルートでは名前すら出ない・・・
・タウンゼン カイ同様光ルート限定のキャラ
一村人に過ぎないはずだがカイの事を知っていたり後に魔術の弟子が出たりと、
何か凄いキャラである
250 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/10(水) 23:35:41.86 ID:mA1LSMD10
12章 カストールの危機
カストールに帰ってきた一行
しかしアシュレイの旧友ジェシカからケラソスが中立を破棄し
ゲネスと同盟し攻め込もうとしていると知らされる
(ちなみにジェシカは旅に出てた所をエルパランスから危機を知らされ戻ってきた)
ケラソスの王ロイシュナーは宣戦布告等を済ませてから攻撃を仕掛けようとしたが
ゲネス勢はこれを不服に思い自分達だけで攻撃を仕掛け
アシュレイらの二面作戦で返り討ちにあった
しかしアシュレイ達はゲネス本隊の力に恐れを抱き
またタウンゼンからその頂点とも言える四天王の存在を知らされる
そこにケラソス軍から脱走したというセドリックが現れる
彼が言うにはロイシュナーはゲネスの送り込んだ刺客にだぶらかされ
この凶行を起こしたとのこと
13章 兄妹の再会
ケラソスを解放するために出発するアシュレイ達
セドリックはロイシュナーを操るのは二人の女ドーラとドリーと言った
その名に反応を示すサックス
そこに現るドリー、彼女はセドリック達を待ち伏せしていたのだ
ドリーを返り討ちにする一行 しかしサックスは慟哭する
サックス、ドーラとドリーは幼い頃に洪水で生き別れになった実の兄妹だと語る
アシュレイは不幸な運命を悲しみドーラだけでも救おうと意気込む
251 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/10(水) 23:48:45.25 ID:mA1LSMD10
14章 もう一人の妹
一行はケラソスへ到着した
ロイシュナーの説得に向かうも全く聞き入れてもらえない
タウンゼンの手で駆けられていた洗脳を解除してもらう
次にドーラの寝室へ向かうも既にもぬけの殻で
逆にドーラ率いるケラソスの兵に囲まれてしまう
ゲーリングは失敗したドーラを殺そうとする
サックス「ドーラを・・・妹を殺らせはしない」
その一撃を身を挺して庇ったのはサックスだった
戦い終わりドーラは自身の行いを悔やむ
アシュレイは全てはマグダフの仕業と慰める
療養のためにサックスとドーラを残し
一行はルシッドの頼みでイーティアに向かうことにする
15章 四天王、現る
マグダフは四天王の一人 地獄の強力王タイロンを呼び寄せる
そのころ一行は情報収集のためブランとルシッドをゲネスへ潜行させていたが
そこを盗賊に強襲される
退けるもアシュレイは自分達の行動が読まれていることに恐れを抱く
252 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 00:07:28.61 ID:oWPAhFue0
用語紹介
・ケラソス 戦乱の中でも中立を保っていた国
だがゲネスによって戦乱に引きずり込まれることに・・・
・四天王 ゲネス軍最強を誇る4人の将軍
地位は流動的なものなのか、
ゲーリングが将軍に功績と引き替えに四天王の座が約束した描写がある
人物紹介
・ドーラ、ドリー 妖艶な服装をした魔術師の姉妹
このルートにおいてゲネスに協力していたのは
ゲネスの力で兄を捜し出してもらうためだった。
サックスとの兄妹設定はこのルート限定のもの
なおドリーはどのルートにおいても・・・
・サックス アシュレイの従者
出撃前に彼から攻略に関する意見がもらえる
(光15章の様にもらえないマップもある)
誠実だが奥ゆかしい性分のため
今回の様な事態を除いてしゃしゃり出てくることはまず無い
・ゲーリング マグダフの側近で彼に取り立ててもらいゲネス軍での地位を得た
四天王と並ぶ敵方の主要キャラであるがその最後はルートによって大きく変わる
・ロイシュナー ケラソスの王
賢明な君主だがゲネスの策略によって翻弄されてしまう
闇ルートにおいては自分の意志で凶行を働くことに・・・
253 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 00:23:01.77 ID:oWPAhFue0
16章 四天王の力
ルシッドとブランが合流し彼らから敵の大軍が迫っていると知らされるも
アシュレイは進軍を優先する
しかしタイロンの軍勢に囲まれサックスとドーラの復帰により何とか逃亡する
17章 エルパランスの祈り
イーティアに到着した一行
そこでルシッドの部下オーランドとルネからゲネスの軍勢をエルパランスが撃退したと知らされる
一行と再会したエルパランスはカイと共に光のグラセウムの合成を行おうとしたが
そこにタイロンが襲撃してきた
合成の時間を稼ぐために闘うアシュレイ達しかしタイロンには全く攻撃が通用しない
そんな中合成が完了しそのグラセウムをアシュレイの武器に合体させる
こうして完成した武器・グヴィンの剣
その一撃がタイロンを打ち破った
タイロン「な、なぜだ、四天王のオレがあんな小僧に・・・」
一行は次なる目的地として神々の争った地ジュメ島を目指す
エルパランス、ルネ、オーランドも仲間に加わった
人物紹介
・タイロン どのルートでも四天王で最初に決着を着けることになる
(最初に闘うのは彼かドロイセンのどちらか)
宴を愛するが「闘わず飲んだくれている」と他の四天王に皮肉られたことがある(真15章)
・ルネ ルシッドから弓を教えられた少女、闇ルートには登場しない
なお光17章でスタンリーから「こんな子供が」と言われるが正直彼と同い年か年上にしか見えない
なお
254 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 00:24:17.72 ID:oWPAhFue0
今回はここまでです
ご意見、要望などがありましたら遠慮無く書き込んでください
エルヴァはたしか未解決にあっただろ……と思ったらほんとになかった!
乙!
メモリーズオフ ゆびきりの記憶を予約します。
レッドデッドリデンプションの予約をさせてもらいます。
258 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 22:54:08.95 ID:oWPAhFue0
18章 大空からの敵
ブランのツテでフェイキンという船乗りにジュメ島に乗せていってもらう
グラセウムのある祠を目指すも
四天王ハーキュリー率いるカイト部隊が待ち受けていた
空からの攻撃に苦しみつつも何とか倒す
ハーキュリー「まさか、ここまでとは・・・
タイロンを打ち倒したのはまぐれではなかったのか
デスティーア、ドロイセンこの者達侮るべからず・・・」
一行は祠から光のグラセウムを手に入れた
しかしその直後に大波に襲われてしまう
19章 嵐の後の攻防
アシュレイ達は何とか大波を切り抜けたがグラセウムは紛失してしまう
さらにそこをゲネスの部隊に襲われる
皆疲労困憊だが(HPが半減している)勇気と根性で乗り切る
一行はゲネスの船を奪いハイタイドへ戻る
用語紹介
・カイト部隊 ハーキュリーが指揮する凧で飛行する兵で構成された部隊
移動不可能だが近接攻撃は無効で
魔法か弓、槍といった2マス以上の射程を持つ武器でしか攻撃できない
人物紹介
・ハーキュリー 別名死をも恐れぬ美しき軍人
ルートによって登場場所も設定も左右されるこのゲームにおいて
全ルートで「ジュメ島でカイト部隊を率いている」という変わらぬ設定を持つ貴重なキャラ
259 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 23:03:15.36 ID:oWPAhFue0
20章 輸送部隊を狙え
フェイキンと分かれハイタイドから陸路でゲネスへ侵入した一行
そこで輸送部隊を発見する
エミリアは一般人も含む部隊を攻撃することに反対するも
アシュレイは戦乱を起こした悪者は元から断たねばならぬと断言し
ワイツも一理あると認め攻撃を決行する
攻撃した馬車から出てきたハイタワーとゼノという二人も手伝い
逃げる補給部隊を追い撃破する
ハイタワーとゼノは元ゲネス兵で今のやり方に反発し捕まってしまったのだ
アシュレイはより詳しい情報を得るためにも二人を仲間にする
そしてマグダフは力をつけてきたアシュレイに機甲旅団を差し向ける
21章 ゲネス機甲旅団
マグダフ直属の謎の部隊機甲旅団
四天王と同等以上の力を持ち風のごとく現れ一撃の元敵を殲滅させるという
そんな彼らがアシュレイ達の前に現れた
ハイタワー達は撤退を進言するもアシュレイは聞きいれず戦いを挑む
しかし、機甲旅団の力に圧倒されひとまず退却することにする
シエン
261 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 23:13:24.66 ID:oWPAhFue0
22章 最大の危機
鉱山に逃げ込んだ一行は前回判断ミスを犯したアシュレイの消耗を考慮し合議制をとることにした
その頃機甲旅団の長エルグランは四天王デスティーアと共に攻撃を計画していた
しかしデスティーアはエルグランを快く思わず自分だけでアシュレイを倒そうとする
グラセウムを狙っている様に見せかけ一行を坑道に誘導し襲いかかる
アシュレイを欠いた一行は苦戦しつつもデスティーアを退ける
敗北後、デスティーアはエルグランに助けを求めるも・・・
デスティーア「た・・・助けてエルグラン・・・」
エルグラン「嫌だね、命令に背いた罰だ!」
デスティーア「そ、そんな・・・」
エルグランは坑道を爆破し一行を生き埋めにしようとする
そこにアシュレイが復帰しその指揮で皆を脱出させる
仲間達はやはりアシュレイでなければ迅速で的確な指示は出せないという結論に達し
再びアシュレイに指揮を託す
人物紹介
・エルグラン 機甲旅団の長で四天王と違い戦いにおいて我を出しはしない
・デスティーア 魔術師軍団を率いる四天王
光ルートでは味方に見捨てられるという悲惨な最期を遂げたが
実はどのルートにおいても最後は悲惨だったりする
262 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/11(木) 23:14:07.30 ID:oWPAhFue0
今回はここまでです
明日で光ルートを完結させるつもりです
書き手さん方乙です
バイオハザード6のストーリーを教えてください
>>264 おっしゃ引き受けた
ただし当方テレビ遅延のためかQTE成功が何でか非常に困難です
一週間たっても帰ってこなかったらQTE に負けたということで
その時は誰か他の人にお願いします…
PSPのエルミナージュ3のストーリーを教えてほしいです。
神様関係の話が気になるんだけどやる時間がない・・・
268 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/12(金) 21:38:31.50 ID:7QaqZ5Lv0
23章 師と弟子
ある町を見つけそこで休息を取る一行
しかし、ハイタワーとゼノはこの町の記憶が無いという
エミリアも人を見かけないことを怪しんでいた
その疑問に答えるかのようにガスコネイドという男がゲネス軍を引き連れ現れ
この町はアシュレイ達をおびき寄せ葬るために創ったと言い放つ
タウンゼンはガスコネイドの魔術の師であったがガスコネイドを才に溺れた愚か者と言う
逆上し襲いかかるガスコネイドを返り討ちにする
最後にエルパランスとタウンゼンから優しい性格と身体の弱さの為に闇の魔法を教えなかったことを言われ
それも知らずにマグダフの元へ走ったことを悔やみつつガスコネイドは倒れた
24章 最後の四天王
マバロへ向かう一行の前に最後の四天王ドロイゼンが立ちはばかる
かってルーメンを攻め落とした彼に怒りを燃やすアシュレイ達
(書き忘れていたが2章でのゲネスの援軍を率いていたのはドロイゼン)
エルパランスによりドロイゼンの鎧にかけられていた闇の魔法が解かれ
その隙を突きドロイゼンを倒した
破れたドロイゼンは最後に自身を倒したアシュレイを讃えた
彼は重い病に冒されつつもマグダフの魔力により戦い続けてきたのだ
そんな彼の亡骸を容赦なく切り刻むアシュレイ
その様子に怯えるエミリア
エルパランスはある兆候を見出す
人物紹介
・ドロイゼン 騎士道精神を持つ最後の四天王
どのルートにおいても優遇されていると個人的に思う
(実際にはどうなのかはこれからの投稿を見た皆様が自身で判断してください)
269 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/12(金) 21:47:58.16 ID:7QaqZ5Lv0
25章 大検者の最後
ゼノの情報によりこの近くのベンガル峠に光のグラセウムがあると知りそこへ向かう一行
エルパランスはカイにアシュレイから目を離さぬようにと忠告する
そして彼らの前にマグダフ自身が現れた
差し向けた親衛隊は撃破したがマグダフの魔力に圧倒されてしまう
そこにエルパランスが単身マグダフに挑む
戦いの末マグダフは傷つき退く
しかしエルパランスは・・・
エルパランス「す、すまぬ マグダフはわしの力をはるかに上回っておった」
「おそらくは遺跡のグラセウムも奴の手に落ちたであろう・・・」
「奴がこれを使えばより強力な力を得てしまう・・・」
「グラセウムの合成はカイに託した」
「後はアシュレイ、そなたが身を投じてグラセウムを使えば道は開けるはず・・・
「無念だ、アシュレイ、後を頼む・・・」
人物紹介
・エルパランス 180年以上生きた大賢者
全ルートで登場するも、仲間になるのはこの光ルートのみで
闇ルートでは最後にある意味重要な役割を演じ
真ルートでは最初の登場から先出番自体が・・・・
270 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/12(金) 21:55:53.09 ID:7QaqZ5Lv0
26章 頼れる援軍
アシュレイ達はエルパランスを失った悲しみとグラセウムの不足への絶望に沈んでいた
そこに差し向けられる機甲旅団、追い詰められる一行
そこに現れたのは・・・
モルデン「間に合ったか!」
ブルーマントル「マグダフの息の根を止めるのは今しかないと思い遠路はるばるやってきたぞ!」
援軍を得た一行はエルグランを打ち倒した
更に二人は国の守り神として祀られていた光のグラセウムを持ち出していた
27章 蘇る亡霊
ついにアシュレイ達はマバロのマグダフの宮殿に突入した
その前に現れたのは倒してきたはずの四天王であった
攻撃しても倒れない四天王
タウンゼンが言うには四天王は魔法で蘇った亡霊であり
蘇らせた誰かを倒せば消えるとのこと
隠れていたゲーリングを倒したらその通り四天王は消滅した
ゲーリング「ば、ばかな、蘇りの秘宝が敗れるとは・・・」
ゲーリングは欲をかき光のグラセウムを持ち出していたがそれが魔術の効力を押さえたのだ
そのグラセウムも含めマグダフに対抗しうるだけの量にはなったが・・・
271 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/12(金) 22:41:42.76 ID:7QaqZ5Lv0
28章 人の心
光のグラセウムの合成は難航していた、焦るカイ
そんな中アシュレイは変わり果てた姿になったゲネス国王を見つける
マグダフは自分に逆らったからこうなったと言いつつ現れた
マグダフは言う 人間が元来持つ欲こそが怒りと悲しみ、そして争いを産む
真の平和のためには欲を排除しなければならない
その為の力としてギアランの杖を得たと
アシュレイは返す 善い心を持っている人間を信じれば世の中は良くなる
マグダフはそんな甘い考えでは隙が出来ると一笑し戦いを挑む
やはりマグダフの力は圧倒的で追い詰められる
そこにカイが光のグラセウムを持ちマグダフへ特攻する
・・・・しかし、通用しない
マグダフが言うにはグラセウムは使いこなせる資格を持って初めて効力を成すとのこと
呆然とするカイ、そこにマグダフの攻撃を受け殺されてしまう
怒るアシュレイ、その怒りを乗せたグウィンの剣の一撃がマグダフを貫く
マグダフ「見事だ・・これでワシも肩の荷が下りた・・
息子と共に天国で楽しい日々を過ごすとしよう・・・」
別人のような安からな様でマグダフは息を引き取った
次元が歪み全てを吸い込まんとする
アシュレイはエミリアの手をつかみ・・・とれなかった
半年後 アシュレイは発見された
瀕死の肉体は回復したが全ての記憶を失い子供の様に成り果て回復する見込みも無い
グラセウムは大きければ大きいほど人間の体や精神に影響を及ばす
そんなグラセウムを使い続ける人間の浅はかさを嘆くブルーマントル
しかしモルデンは言う
「見てみろ、アシュレイのあの笑顔」
「あれこそ、われらは求めていた全ての憎しみや悲しみを忘れた無邪気な笑顔じゃないか・・・」
「アシュレイの無邪気な笑顔を・・・」
最後にアシュレイの満面の笑みの一枚絵が写され物語は幕を閉じた
光ルート 完
次回からは闇ルートを投稿していきます
272 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/14(日) 09:43:49.78 ID:UB6Qc8g20
闇ルート ワイツとランバントが崩落に巻き込まれる
怒りトリンガーに挑むアシュレイだがお前の命などいらぬと歯牙にもかけてもらえず
部下ステラを差し向けたがそこにブルーマントルの軍勢が駆けつけステラと共に撤退する
ラーパスに帰還するも失意のアシュレイとヴァルモン
しかしゲネス軍がカストールを襲撃しようとしていると知らされ
気を取り直しカストールへ向かう
7章 敵国からの逃亡者
カストールへの道を急ぐアシュレイ達
その途中盗賊に襲われる二人の女を見て助けに入る
盗賊はゲネス軍の遊撃隊を名乗り本隊は既にカストールに到着していると告げる
遊撃隊を倒し襲われていた二人、 怪しげな仮面を付けたサイーデ、その従者ドリーから事情を聞き出す
ドリーが言うには彼女らはある密命によりゲネスから出奔したが
その途中でサイーデは事故にあい記憶を失ってしまった
その以前にはカストールへ行こうとしていた
二人もカストールへ送ることにし先を急ぐアシュレイ達
273 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/14(日) 09:49:29.08 ID:UB6Qc8g20
8章 カストールの攻防
一行はドロイゼン率いるゲネスの大軍勢に立ち向かう
モルデンの軍勢と協力しサイーデが記憶を一部取り戻し加勢したこともあり
何とかドロイゼンを撤退させる
その後サイーデから大賢者エルパランスから戦争の真相を教わることが戦争を終わらせる術と言われた
アシュレイはエルパランスが居るアポイナ山へ向かう
人物紹介
・サイーデ 仮面とボイスチェンジャーで正体を隠した謎の女
仮面の下についてはドリー達も知らないらしい
闇ルート限定のキャラだがその正体は・・・
>>264 ネタバレにならない程度にザっと説明すると、
エイダが物語の真相にせまる話。
レオンやクリス、新入りとは話の途中で共闘したり一方的に恨まれたりする。
>>239-240 というわけでイース1・2、イース2部分の投下です
一応まとめサイトのイース1同様にPS2版準拠にしときますが、ストーリーはどの機種も同じです。
で、始める前にちょっと解説すると、イースシリーズのストーリーって基本一話完結で、
毎回まったく違う冒険が題材になってるんですけど、このイース1・2だけは前後編と言うべき構成になっていて、
イース1の冒険は「失われし古代王国・序章」イース2は「失われし古代王国・最終章」と題されております
イース2導入部も完全にイース1の続きからになっており、固有名詞も含めイース1を知らないと最初っから話についていけない可能性あり
では、イース2OPから書いていきます
暗闇の中に大きな紋章が浮かぶどこかの部屋、黒衣の魔導士が何者かに向かって問いかけます
「ダームの塔が沈黙しました……。いかがいたしましょうか?」
「おもしろい……。アドルとやらがどこまでやるか、見てみるとしようぞ」
「承知いたしました」
場面は移り、ダームの塔の最上階。
ダルク=ファクトを倒し、六冊のイースの本を全て手に入れたアドルは、
イースの本から放たれた目映い光に包まれ、遥か天空へと飛ばされてしまう。
フィーナとレアが地上から光を見つめる中、アドルは空に浮かぶ大陸へと運ばれていく。
気を失ったアドルが目を覚ますと、どこかの草原だった。見知らぬ少女が自分の顔を覗き込んでいる。
「大丈夫?」と問いかける少女に対し、アドルがここはどこなのかと訪ねると、
ここはイースという国で、少女はランスの村のリリアだと教えられる。
「突然、あたりが光に包まれて……、あなたが空から……」
リリアの言葉を最後まで聞く事無く、アドルは再び気を失ってしまう。
アドルが再び目を覚ますと、リリアの家のベッドの中。
体力が戻るまで休ませてもらい、歩けるまで回復したアドルは、リリアの母バノアから、改めてこの土地について教えてもらう
ここはイースの国にあるランスの村。アドルは村のそばにあるムーンドリアの廃墟で倒れていたという。
アドルが外を調べようとすると、バノアから、出かけるなら医者のフレア先生への手紙を届けてほしいと頼まれる。
実は、本人は知らないがリリアは重い病気を患っており、フレアに相談しようとしたのだが、ここ数日、村に戻ってきていないという。
フレアを探し、手紙を届ける事を承諾するアドル。まずはフレアの診療所をたずねる事に。
診療所をたずねると、なにやら随分と騒がしい。
話を聞くと、フレアからの伝書鳩が小屋に戻ってきており、
その手紙によるとフレアは薬草を取りにラスティーニの廃坑へ行き、落盤にあって閉じ込められてしまっていたようだ。
フレアの救助を引き受けるアドル。廃坑には半年ほど前から魔物が出現するため、入るには長老の許可が必要らしい。
長老に会いに行き、ラスティーニ廃坑へ入る許可をもらうアドル。
アドルが倒れていたムーンドリアの廃墟の中に廃坑への入り口があるらしい。
長老の話では、先ほど、廃墟を二人連れで歩く少女を見かけたが見失ってしまったという。
その横顔はイースの伝説の女神にそっくりだったというが……
長老はさらに、アドルの持つイースの本にも興味を示す。
かつてこの本を書いた六神官の導きにより、アドルはイースの地へ運ばれたという。
長老の許可を得たことをラスティーニ廃坑の門番に伝え、廃坑内部へ
廃坑内部は所々で廃墟の地下区画である聖域トールへと繋がっており、
アドルはその部屋で六神官の一人、大地の神官ハダルの石像を発見する。
石像に近づくと、アドルの持つイースの本の一冊、ハダルの章が反応し石像に吸い込まれていく
ハダルの石像がアドルに語りかける。イースに災いが蘇る。地上での魔物の出現に反応し、
天空のイースの魔物が再び活動を始めた。魔の元凶はイースの最高峰、サルモンの神殿に存在する。
六冊のイースの本を神官たちに全て返還した時、閉ざされたサルモンの神殿への道が開かれるという。
廃坑を進むアドルは、閉じ込められたフレアを発見。
幸い、閉じ込められた場所の岩は小さく、拾ったマトックでどかす事が出来た。
バノアの手紙をフレアに渡し、リリアの病気の事を伝えるアドル。
リリアの病気を治す薬にはとても珍しい材料が必要であり、材料の一つであるセルセタの花は、
この廃坑の奥深く、日の射さない水辺にしか咲いていないという。魔物を切り抜け、廃坑の奥へ行くのはフレアには難しそうだ。
アドルはフレアに代わり、セルセタの花を入手する事を約束する。
廃坑を進むアドルは道を塞ぐ巨大な魔物、ベラガンダーと遭遇する
アドルの剣では歯が立たないベラガンダーを前に、やむを得ず引き返す事になる
廃墟に戻ると、双子の女神像のそばで、レグスという老人と出会う
レグスは毎日女神像を拝んでいる老人でイースの歴史にも詳しい
アドルが地下の魔物の事を話すと、廃墟のどこかにはかつて、イースの指導者の証とされた神界の杖が眠っており
その杖を持つ者だけに、六神官たちが使っていた魔法の力が与えられるという
廃墟の魔物が守る宝箱から神界の杖を入手したアドルは、女神像に触れる事で魔法を扱う力を得る
力の神官トバの魔法、ファイヤーでベラガンダーを焼き払ったアドルは、廃坑最奥でセルセタの花を入手
落ちていた不気味な鈴もついでに拾い、廃坑を出る
リリアの薬を作るために必要なもう一つの材料、ロダの実を廃墟で入手したアドルは、
早速フレアの診療所へと向かい、薬を調合してもらう。
リリアの家へ向かったアドルが薬をバノアに渡し、家を出ると、そこにはリリアが立っていた。
自分を助けるためにアドルが命がけで廃坑へ向かったことを知り、感謝の気持ちを表すリリア。
リリアは、自分の命が長くないかもしれない事を感じていたらしい。
「それでも、明るく生きていこうって決めていたんです。
暗い顔をしていたら、お母さんは私の暗い顔ばかり思い出してしまうから……」
あの薬があれば、リリアは助かるだろう。
アドルは、残り五冊のイースの本を返還するため、聖域トールを巡る事にした。
力の神官トバ、光の神官ダビー、時の神官メサ、知恵の神官ジェンマ……、
「魔物とは、魔法から生まれた生き物。破壊を続ける事しかできない悲しい存在。
魔法の力の源である魔の元凶を封じなければ、魔物は永遠に生まれ続ける。
魔の元凶を封じるには女神の助けが必要だ。女神を探さなければならない」
4体の石像にイースの本を返還し、神官の導きを受けるアドル。
だが、神官ファクトの石像を安置した部屋だけが見つからない。
どうやら大きな落盤で通れなくなっている場所があちこちにあるらしい。
神官ファクトの部屋へ行くための手がかりを求め、アドルがランスの村で情報収集していると、
不思議な話を耳にする。地面から時々聞こえていた鈴の音が聞こえなくなり、
今度は不気味な物音や叫び声が聞こえるようになったという。
村で唯一地下室のある家に住んでいる若者ジラは、地下室の物音に悩まされており、
アドルに地下室の調査を依頼する。
地下室に入るアドル。一見なんともない部屋だが、壁の向こうから凄まじい殺気が漂ってくる。
廃坑で拾った不気味な鈴を鳴らすと、壁を突き破って無数の魔物がアドルに襲い掛かってきた。
うぉぉぉ連投規制ががが
とりあえず今回は地下室無双まで
ほ
DSのラジアントヒストリアの予約します
ただし、クリアしたのが結構前なので細かいところは抜けているかもしれません
その場合は後々にでも補足ヨロです
基本的にはよくある剣と魔法、機械が混在する洋風の世界が舞台のゲームです。
【舞台】
砂漠化が進行している大陸で、人間と二種類の獣人が暮らしている。
人間は主にアリステルとグランオルグの二大国に分かれ、
緑のある土地をめぐって戦争を続けている。
また、人間と獣人の交流はほぼない。
【マナ】
自然の中にある何か不思議な力。
これが無くなった生物・非生物は砂になる。
【アリステル】
教祖ノアを頂点とした宗教国家で、ノア人気が高いため統率がとれている。
マナの研究が盛んで、生活面・軍事面で利用している。
【グランオルグ】
女王プロテアを頂点とした帝国だが、圧政により色々と荒れている。
大昔に滅んだ別の帝国の神官が興した。
【サテュロス】
獣人その一。魔法が得意で、マナを扱うことができる。
パッと見は人間の様だが、耳が獣耳で角が生えている。
なお、下半身は毛におおわれているため、裸。
【プルート】
獣人そのニ。武術が得意で力持ち。
パッと見はゴリラ。
なお、下半身はやはり裸。
本作の主人公で、アリステル諜報部随一の実力を持つ青年ストックは
上司のハイスから新たな任務を告げられる。その際に「お守り代わり」として
謎の書物 白示録を渡されるとともに、部下としてレイニーとマルコをあてがわれる。
最初ストックは「危険な任務だから部下がいると邪魔」と拒否するが、ハイスによって
強引に承諾させられてしまう。
ストック達は任務の途中に敵対するグランオルグ軍に発見されてしまい、レイニーとマルコが
足止めに留まるが、その先でも敵軍と交戦することになってしまう。敵は謎の黒い力で強化されており
足止めの二人は殺されてしまい、ストックも重傷を負いながら逃走しようとするも川に落下してしまう。
川に落ちたはずのストックは気が付くと不思議な空間にいた。ストックは不思議な空間の管理人である
双子の姉弟から、白示録には過去に戻り過去を変える力があること(※白示録を受け取る前は無理)と、
このまま進めば近いうちに大陸全体が砂漠化して滅んでしまうことを告げられる。ストックは
砂漠化の件にはそれほど関心を示さなかったものの、部下が死亡する歴史を変えるべく現実世界に戻ろうと
する。その際に双子から白示録の存在を秘密にするように忠告される。
過去に戻ったストックは敵軍に接触しないルートを通ることで任務を全員無事で達成する。
任務達成の報告をハイスに行なうと「白示録は役に立ったか?」と尋ねられるが、
ストックは双子の言葉に従い、しらをきる。
この後、このままハイスの部下として諜報部で働くルート(正伝)と、親友でアリステル軍の隊長でもある
ロッシュとともに正規軍で戦うルート(異伝)に分岐します。ストックは白示録を使って二つの並行世界を
行き来し、問題を解決していきます。この二つの世界は互いに影響し合っているため、片方で問題を解決したり、
人と仲良くなっていたりすると、何故かもう片方の世界でも同じような状況になることがあります。
ストック達を含むロッシュ隊は敵に占拠されていた重要な砦の奪還に成功するが、その途中でストックは
自分以外にも白示録に似た力を持つ者がおり、自分達を妨害していることに気付く。そんな中で敵の大軍が
砦に侵攻してきたため、迎撃に出るストック達だがあえなく敗北してしまい、ロッシュは多くの部下を失い
ストックも足止め役になったレイニー・マルコと離ればなれとなってしまう。どうにかストックとロッシュは
アリステルに戻ることができたが、敵軍のスパイとしての疑いをかけられる。(これはロッシュの上司である
ラウル将軍と敵対するヒューゴ将軍の派閥争いに巻き込まれた結果)二人は命からがら街から逃げ出したものの
森の中で倒れてしまう。
ストック達が意識を取り戻した場所はサテュロス族の隠れ里だった。サテュロス族から最近のアリステルが
キナ臭いことを聞き、ストックは単身アリステルに忍び込む。アリステルにてストックはヒューゴ将軍こそが
敵軍と通じていることを示す証拠を見つけるが、不意にハイスに襲われてしまう。ハイスは諜報部の人間らしく
隠密術を駆使して襲ってくるが、ストックは戦闘中にその隠密術を体得し、ハイスからの逃走に成功する。
逃走の途中に、国内で不利な立場になったラウル将軍や将軍を保護していたレイニー・マルコと合流し、
サテュロス族の隠れ里に戻る。そこでラウル元将軍からサテュロス族のマナを軍事利用するべくアリステル軍が
隠れ里に侵攻しようとしていることを知らされる。
ストックはハイスから敵国の王女エルーカの暗殺を命じられ、グランオルグに旅立つ。
道中にて出会ったサテュロス族の少女アトはストックに何かを感じたようで懐いてしまうが
ストック達は暗殺道中なので分かれる。
グランオルグに到着したストック達はグランオルグでは圧政により女王プロテアに対する不満がつのっており
レジスタンスまで存在することを知る。レジスタンスから聞いた地下通路を使って城内に侵入したストック達は
隠密術を駆使してエルーカ王女の部屋までたどり着くが、部屋にエルーカはおらず、兵に発見され、城下町まで
逃走することになってしまう。城下町にてレジスタンスのリーダーと会うことになるが、そのリーダーこそが
王女エルーカだった。
エルーカがレジスタンスを結成した理由は女王プロテアの圧政を終わらせることと、その上である儀式を
行うことだった。その儀式とはかつて滅んだ帝国の頃から王族によって続けられていた世界のマナを
制御するための儀式であり、近年の急激な砂漠化の原因は儀式の未実施による大陸のマナ減少でした。
本来ならば一定間隔で儀式を行わなくてはならないのだが、プロテアは王族の血をひいていないために儀式を
行なうことができず、その上に儀式の重要性も理解せず、エルーカによる儀式にも反対していました。
ちなみに、王族の血をひいていたエルーカの父親は儀式を行う前に亡くなっている。なお、エルーカは
ストックが数年前に死別したエルンスト王子そっくりなため、初対面で「エルンストお兄様」などとのたまった上
ストックのことが気になる素振りを時折見せます。
エルーカの説明を聞いている途中に城下町で大火事が発生します。プロテアが先の暗殺未遂事件の実行犯を
レジスタンスと考え、レジスタンスが潜む城下町に火を放ったのです。ストック達は城下町に来ていたアトとも
合流し、危険な城下町から脱出します。
ストックは今後の行動についてレイニー・マルコと相談します。ストックは砂漠化のことを前もって双子の
姉弟から聞いていたため、エルーカの話を信じ、暗殺を中止してエルーカに同行しようとします。しかし、
レイニー・マルコとしては砂漠化の件は半信半疑の状態である上、暗殺の中止はハイスへの裏切りでもあるため
反対します(二人は以前に所属していた傭兵団が怪物たちによって壊滅させられた際にハイスに拾われたため、
ハイスに恩義を強く感じている)。そこでストック達は砂漠化と儀式に本当に関係があるのかを調べたところ
グランオルグ内の村で関係を示すような記録を発見する。さらに二つの並行世界での経験から三人の信頼関係が
深まっていたため、レイニー・マルコもストックと共にエルーカに同行し、儀式の遂行を目指すことになります。
ラジアントを書く人が出てきたか
複雑で大変だろうけど頑張ってー
>>288 おっしゃる通りラジアントを真面目に書くと、ストックが何度も過去や平行世界に
行ったり来たりするため、めちゃくちゃ複雑になるので、今回はそこら辺の要素を省いてます
っていうか、ちゃんと時間移動系を含めて書けるほどの文章力が無いもんで
ですので、今回のあらすじを読んでも、ラジアントヒストリアの物語の良さは半分も表現できてないかもです
特に頼まれてはいないムーンライトオワタを執筆中の者です…が。
最序盤のマップで迷子になってゾンビじいさんがどこかわからず、動画サイトのプレイ動画に頼る羽目になりそうですorz
それはそれとしてリクエストしたいゲームを一つ。
サターンのポリゴン格闘ゲーム、D-XHIRD(ディサード)をどなたかお願いします。
昔ラジオドラマで聴いたのを思い出して気になったのですが、検索してもよくわからず。
291 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/17(水) 22:48:46.33 ID:nNNTVfnf0
闇ルートの続きを投稿します
9章 大賢者の告白
アポイナ山に着いたアシュレイ達
しかしエルパランスはゲネスの刺客ガスコネイドに襲われていた
ガスコネイドはマグダフ直伝の守りの魔法でエルパランスを追い詰める
助けに入るアシュレイ達
サイーデの黒魔法は防げずガスコネイドは撤退した
エルパランスはアシュレイ達を迎えようとしたがそこをガスコネイドに襲われ
秘宝ギアランの杖を奪われてしまったのだ
世界の支配を巡って争い共に砕けた二人の神の欠片、グラセウム
その中でもギアランの心臓の欠片、闇のグラセウムを埋め込んだギアランの杖
その力で世界を手中に収めようとしているのがこの戦争の黒幕・マグダフ
ギアランの杖を手に入れたマグダフに対抗する手段として闇のグラセウムを集めろと
エルパランスは言う
まずアシュレイはグラセウムについて印された古文書を求めルーメンへ向かうことにする
10章 王都解放
ルーメンに到着した一行
ヴァルモンが知るルートから地下の宝物庫へ向かおうとするが
ヴァルモンがステラに鍵を奪われてしまう
ステラから鍵を受け取ったトリンガーは地上に火を付け宝物庫へ向かう
その火を追いアシュレイ達も宝物庫へ向かう
ゲネスの現地指揮官コランタンも自分の財宝を守るために向かったが
一行に一蹴され、その責を取れとトリンガーに殺されてしまう
古文書はモルセーゴの者に奪われてしまった
しかしブランがモルセーゴのアジトの所在をつかんでいた
・人物紹介 コランタン 統治者でありながら私腹を肥やすことに執着したテンプレ的な腐敗役人
光ルートでは8章でイーティアを攻めていたがここでも最後に金をちらつかせ命乞いをする見苦しさを見せた
292 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/17(水) 23:02:56.60 ID:nNNTVfnf0
11章 アジト急襲
イーティア郊外のルインの森
そこにモルセーゴのアジトはあった
そのアジトを強襲するアシュレイ達
追い詰められたトリンガーはステラを残し逃亡する
見捨てられ尚無言のステラ
彼女は失敗を体で償うというモルセーゴの掟により声を奪われているのだ
倒されサイーデにより魔法が解かれステラは最後の言葉を紡ぐ
ステラ「ボ、ボク・・・ふ、普通の女の子に生まれたかった・・・」
モルセーゴの非道に嘆き憤る一行
彼らは次の手がかりとして学者の集まる町イーティアへ向かう
12章 イーティアはゲネスに併合されていた
その現地指揮官アルガントはゲネスに抵抗するレジスタンスの討伐をもくろんでいた
彼の功績への焦りを見たマグダフの側近ゲーリングは仲間をはね除けてでも上へ向かおうとする
自身も含めた軍人の功名心を嘆かわしく思う
アルガントはレジスタンスのリーダールシッドと身元不明の女を捕らえた
その頃ドリーは知人の息子ティトーと会いルシッドのことを知らされる
ティトーも加えルシッド達罪人の救出へ向かうアシュレイ達
地下牢へ忍び込むも警備兵に見つかり力づくで解放することにする
解放したルシッドの力もあり警備兵達を退けるもアルガントは例の女と共に逃げ出す
一行はゲネスの収容所である郊外の洞窟へすぐさま向かう
293 :
ゲーム好き名無しさん:2012/10/18(木) 00:18:54.63 ID:RHfDH5R80
名無しのおっちゃんは格ゲーやっても
パンチボタンとキックボタン連打するのが精一杯らしいな?
子供以下だ(笑)
…と、子供がはしゃいでいる
古いゲームは今は探してもどこにも売ってない・フリーソフトでもダウンロード終了だから腕前以前の問題
そう言えば未解決にあったタイトルに手元にあるソフトがちらほら。
今からやり直すんじゃ何ヶ月もかかると思うけど、できるだけ協力させていただくつもり。
296 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/18(木) 21:37:02.89 ID:35c/hWJ40
13章 運命の再会
洞窟に着いた一行
アルガントが連れ出した女は共にゲネスを出たが別れてしまった姉ドーラだとドリーから知らされる
出世のためにグラセウムを集めようとするアルガントだが一行に敗れる
アルガント「チ、チクショー、おまえたちさえいなければオレの出世はおもいのままだったのに・・・」
捕まっていた人々も解放されグラセウムの研究者ニコラスからケラソスのロイシュナー公が
まとまった量のグラセウムを持っていると教えられる
一行はルシッドとニコラス、ドーラを加えケラソスへ向かう
その頃マグダフはアルガントの敗北を知らされても何ら動じることなくドロイゼンを呼び寄せる
しかし、第二の四天王タイロンの抗議を受け彼にアシュレイの討伐を命じる
14章 四天王・タイロン登場
アシュレイの前にタイロンの軍勢が立ちはばかる
激闘の末打ち破りケラソスへの道を急ぐ
タイロン「オレ様がやられるだと・・・なぜだ?!」
「お前たちのどこにそんな力が!!」
297 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/18(木) 21:53:05.51 ID:35c/hWJ40
15章 刺客の最期
タイロンを破った一行にモルセーゴの復権をかけトリンガーは最後の戦いを挑むが・・・
トリンガー「モルセーゴの復権はもう目の前だったのに・・・」
「おまえのような奴らがいたおかげですべては灰と化した・・・無念だ・・・」
シャルルの敵を取ったことを喜ぶスタンリーとヴァルモン
アシュレイはマグダフを倒すことこそ一番の弔いとケラソスへの道を急ぐ
16章 懐かしい再会
一行はケラソスへ到着した そこでアシュレイは旧友ジェシカに再会する
ケラソスで勤める彼女の紹介でロイシュナーに謁見する
しかしケラソスはゲネスと同盟を結んだと知らされ怒りと落胆を見せつつ城から去る
だが一行は市街地でヴァンサン率いるゲネスの部隊に囲まれる
町の被害を顧みないやり方に憤りつつも退ける
その後ジェシカからロイシュナーから託された古文書をもらい
そこに印された神の闘った地ジュメ島を目指す
17章 救いの手
ジュメ島に向かう一行
そんな中ゲネスのデミアンに追われるシーワードという男を見かけ助けに入る
シーワードはゲネス軍だったがデミアンが気にくわなくて辞めたという
助けてもらった例として村に案内して貰う
そこでケラソス軍だったがゲネスとの同盟を不服に思い辞めてきたセドリックと会う
そこにデミアンが仕掛けて来るもアシュレイ達の敵では無かった
シーワードとセドリックも加えシーワードの仲間のフェイキンの手を借りることにする
今回はここまでです
エルバンディア乙です
セドリックはロイシュナー公には失望したとか言ってやめてるけど、
アシュレイ達を気に掛けるロイシュナー公に、
ケラソスのためにはこれでいいんです、と
アシュレイ達に協力させなかったのは奴なんだよなw
>>265氏の書き込みから一週間経ったのでバイオ6引きついで投下
【プロローグ】 レオン編CHAPTER 5より
2013年6月30日。中国。急速な産業発展を遂げた大国の、最先端モデルの近代都市にて、それは起こった。
一瞬で、街は死で溢れかえった。高層ビルやハイウェイは主を失った文明の営みの抜け殻にすぎない。
合衆国エージェント【レオン・S・ケネディ】は、【ヘレナ・ハーパー】に肩を貸して歩いていた。
エレナは、トラックの爆発で吹き飛ばされた衝撃で負傷し、手当てが必要な状態だった。
近くの建物に避難し、【B.S.A.A.】の補給トラックを発見。隊員は死亡していたが、応急処置用の「グリーンハーブ」を発見。
ハーブから応急処置タブレットを作って手当てをすると、レオンはオペレーターの【ハニガン】を呼び出した。
「クアッドタワーに向かう」
レオンはそう提案した。B.S.A.A.の残存部隊がそこで立てこもっているらしい、という情報を得たからだ。
ハニガンにルートを確認してもらう。大通りを、ゾンビの群れを突っ切って進むことになった。
戦闘機の残骸が落ちてきて街中が火の海になったり、乗ったヘリが墜落したり。死の危機に何度も直面しつつ、彼らは進む。
そして、辿り着いたタワー。彼らを出迎えたのは、B.S.A.A.隊員たちの死体と、とある【B.O.W.】だった。
「……懲りないヤツだ」
レオンは、その男の顔を見て呟いた。そして、銃を構える。-
夜はまだ明けない……。
【レオン編】 CHAPTER 1
合衆国大統領直属のエージェント組織【DSO】の一員、【レオン・S・ケネディ】は、震える手を押さえながら銃を構えた。
「それ以上近づかないでください」
通じないことはわかっていた。“感染者”は、もはや人間ではないのだから。しかしそれでも、レオンは呼びかけ続けていた。
「近づかないでください…… お願いです、大統領…… ……アダム!」
届かないとわかっていても、彼は叫んだ。しかし、合衆国大統領アダム・ペンフォード“だったもの”は、
殺戮本能の赴くまま、シークレット・サービスの女性へと襲い掛かろうとしていた。
次の瞬間、彼は心を氷に閉ざして、引き金を引いた。
……時は2013年6月29日。場所は合衆国の地方都市トールオークス、アイヴィー大学の一室。
この大学で、大統領はパーティを開催し、そしてその壇上で、ある重大な発表を行なう予定であった。
しかし、それはもうもはや叶わない。彼は、動く死体を経て、いまや物言わぬ死体へと変わり果てていた。
ショック冷めやらぬなか、シークレット・サービスの女性は、意を決したようにレオンにある衝撃的なことを告白した。
「私がやったの…… 私が、この事態を引き起こした」
突然の展開に驚くレオン。女性の正体と話の内容とを尋ねる。だが、女性はそれに答えず、目的地だけを告げた。
「トールオークス教会の大聖堂。そこですべてを話すわ」
ちょうどそのとき、オペレーターの【イングリッド・ハニガン】から通信が入った。
ハニガンはDSOをサポートする組織【FOS】の一員で、レオンとは9年前の事件で組んで以来の長い付き合いである。
ハニガンによれば、この女性は【ヘレナ・ハーパー】。現在シークレット・サービスに出向しているが、所属はDSOらしい。
「二人とも無事でよかったわ。状況を報告して」
「……大統領を射殺した」 ハニガンの指示に対して、沈痛な表情で答えるレオン。
さすがのハニガンも驚き絶句したが、しかしある程度周辺状況を把握しているだけに、事情はすぐに飲み込んだようだ。
「大学を中心に半径3マイル四方が感染。状況は悪化する一方よ。今すぐ脱出して」と、ハニガンは言った。
平和だった街は、瞬く間にバイオテロの餌食となり、ゾンビが溢れる地獄へと変貌したのである。大統領も犠牲となった。
「トールオークス教会に向かうわ。レオンが犯人の情報を掴んだらしいの」
ヘレナが素早くウソをついた。レオンも、少し考えて、それに調子を合わせることにした。
騙されてくれたかどうかはわからないが、ハニガンは教会行きを許可し、サポートしてくれることになった。
「……やけに教会にこだわるな? 懺悔したいことでもあるのか?」
「そこじゃないと話を信じてもらえないからよ」
軽口を混ぜながらもレオンが質問するが、ヘレナはそれに簡潔にしか答えない。すべての説明は、教会に着いてからだという。
大学の木造校舎を進む。木の床を革靴で踏む足音が、人の気配のまるでない廊下に響いた。……15年前の記憶(トラウマ)が蘇る。
「もしこの事態を引き起こしたのが本当にお前だったら……覚悟してもらう」
レオンはヘレナに対して、冷たく言い放った。
ふと、人影が見えた。生存者か。素早く追跡する二人。
追いつくと、大学職員の男性であった。どうやら構内にいるはずの娘を探しているらしい。
いったい何があったのか、状況を把握しきっていないレオンは彼に尋ねてみた。
「霧… 突然、霧のようなものが!」
と、彼はやや曖昧な表現で答えた。パニックや不安もあるし、実際、正確なところはわからないのだろう。
リズ、という名前の彼の娘を一緒に探すことになった。
ヘレナは先を急ぎたい様子だったが、レオンは無視した。真相解明も大事だが、生存者保護のほうがもっと大事だ。
進んでいくと、意外とあっさりリズを発見できた。だが、血にまみれており、足元もおぼつかない様子である。
父親が彼女に肩を貸して歩いた。大学から出るには、地下の駐車場に行けばいい、と彼は教えてくれた。
四人でエレベーターに乗り込む。だが、エレベーターが地下に着く前に、リズは力尽きて動かなくなった。
父親は泣いた。感染したのか、咳き込みながらも泣いた。
そのとき、急に停電が起こった。暗闇に包まれる。
「グァァァァ……!」 うめき声。肉に何かが突き刺さる音。血が噴出す音。何かを噛むような音。
電気が戻った。……父親は死んでいた。娘は、父の喉を食いちぎり、その肉に食らいついていた。
次の獲物のレオンに襲い掛かるリズ。不意を突かれて対応が遅れたレオン。ヘレナに「撃て!」と叫んだ。
ヘレナはためらったが、しかし、レオンを助けるために発砲した。リズの頭に銃を突きつけ、撃ち抜いた。
「撃たなければ俺が死んでた。……それに、あれはもう……人じゃない」
ショックを受けた様子のヘレナを、レオンはそっと慰めた。
地下駐車場に着いた。しかし、ここももうゾンビに侵食されつつある。シャッターには、何十体もへばりついている。
シャッターを開けて外に出ることは不可能だろう。他の出口を探す必要がある。
悪夢のような状況の中、二人は脱出に向けて歩き出した。目指すは教会。大学構内を抜けて、徒歩で向かうことにする。
中庭に出た。そこのセキュリティ・ゲートを潜れば、外に出られる。職員棟に行って鍵を取り、ゲートを通りぬける。
裏通りに出て、ちょうどそこに停まっていたパトカーを拝借する。予備の鍵は、サンバイザーに挟んであった。
車を走らせ、このまま一気に教会へ……は、辿り着けなかった。事故車にぶつかり、車は横転。二人は何とか這い出る。
地上は、事故車と漏れたガソリンの火の海で、まともに進めない。ハニガンは下水経由で地下鉄の線路に入るルートを提案する。
それに従い、マンホールを降りる二人。深い縦穴の奥は、漆黒の暗闇であった。
ふと、レオンの脳裏に、アダム・ペンフォードと交わした会話が思い出された。
彼は、レオンにとっては上司であり、同時に、旧友であり同志であった。DSOは、彼がレオンを招いて設立したものだった。
昨今のバイオテロの横行する現実は、すべて【アンブレラ】が元凶とされている。しかしさらなる元凶は、合衆国政府だった。
アンブレラに生物兵器の開発を依頼したのは合衆国なのだ。だが、政府は15年前、アンブレラにすべての責任を押し付けた。
「だが、B.O.W.はいまや全世界の脅威だ。そうなった責任は我々にある。すべてを明らかにする、それが我々の務めだ」
アダム・ペンフォード大統領は、レオンにそう打ち明けていた。今日、行なわれるはずだった演説とは、それだったのだ。
その勇気ある決断をした彼は、今はもう動かない。レオンにできる弔いは、彼の意志を邪魔したこのテロの真相を解明することだろう。
地下鉄に出た。電車が猛スピードで走り抜けていく。轢かれそうになったところを、危なく避けた。
「なんで電車が?」「たぶん暴走だ。中身はゾンビで一杯だろう(That's a Zonbie Express)。」
ヘレナの疑問に、レオンは軽口で答えた。(エクスプレスには、急行電車という意味と、宅配便という意味がある)
まだ先は長いのに、ライトの調子が悪くなってきた。暗闇の中、ゾンビと戦いつつ、二人は進む。
暴走電車を避けたり、停止した列車の中を通りぬけたりして、ようやく、教会に最寄の地下鉄の駅へと着いた。
地下に入ったことで一時的に途切れていたハニガンとの通信が回復した。周辺の様子を尋ねた。
「事態は悪くなる一方。……一言で言うなら“地獄”よ」と、ハニガンは端的に答えた。
街中いたるところで車両事故が起き、そこらじゅうが火の海だった。この光景もまた、15年前を思い出させるものだ。
ゾンビの中には、鎮圧に来ていた特殊部隊員らしき格好の者もいた。装甲が分厚く、銃弾を弾かれてしまう。厄介だ。
また、喉が驚異的に発達し、「鳴き声」によって攻撃とゾンビ召集を行なう変異体にも遭遇した。
状況に応じて、民家を通り抜けたり、工事中の足場を使ったりして、着実に進んでいく二人。
すると、生存者を見つけた。カップルと、警察官だ。横暴な男、ヒスる女。ゾンビ映画の典型のようなカップルだった。
警察官曰く、近所のガンショップにも生存者がいるという。豊富な武器と強力な防犯設備で、拠点になっているらしい。
レオンは彼らと合流してそこに向かうことを提案。ヘレナは半ばあきらめたようにそれに合意した。
ガンショップについたが、店主のオヤジはちょうどゾンビも押し寄せてきているという理由で入れてくれない。
とりあえず周辺のゾンビを片付けろ、というオヤジ。「害虫駆除じゃないんだぞ……」とちょっとあきれるレオン。
カップルの男が「付合ってられるか、俺は逃げる!」と一人で出て行った。そして、お約束のように死んだ。
レオンは、ゾンビの中に「ダメージによって変異する固体」がいることに気づいた。
脱皮というか、表面のヒフがズルリと脱げて、筋肉剥き出しの姿になると、身体能力が驚異的に向上しているのである。
【t-ウィルス】によるゾンビとは、性質が違う。おそらくは、新型のウィルスなのだろうと想像できた。
ガンショップ周辺のゾンビを一通り片付けて、次の連中が押し寄せてくる前に、急いで二階へと上がって合流した。
(生存者の中に日本人がいて、日本語で「まかせとけ!」「やったぞ!」とか言う。ドラマ『HEROS』を意識してるのかな)
ショップ店長のオヤジ曰く、友人がバスでこちらに向かっているという。合流したら、避難所の教会に行くつもりらしい。
寄り道かと思いきや、結果的に教会への最短ルートとなった。二人は、このまま生存者たちと行動を共にすることにした。
ゾンビがまたぞろぞろと押し寄せてくる。すると、極めて異常な巨体のゾンビが登場した。巨漢というより、肥満体である。
「XLサイズもいたのか」とレオンは軽口を叩いたが、そのパワーと重量は尋常ではない。相当の苦戦を強いられる。
生存者で力を合わせたものの、無尽蔵のゾンビたちにじりじりと押されていく。部屋から部屋へ、ベランダまで追い詰められた。
と、そこへ爆音をあげてバスが到着。助かった。全員バスに乗り込んで、いざ教会へ向けて出発……できなかった。
まだ生きていた肥満ゾンビが、バスを持ち上げている。タイヤが空回りして走れない。
ガンショップのオヤジが転落した。助けようとして、日本人も一緒に落ちた。オヤジは奥の手の手榴弾でゾンビごと自爆した。
あとちょっとのところで犠牲となった二人を悔やみつつ、レオンは肥満ゾンビに銃弾を浴びせる。
ゾンビが手を放した。バスが走り出し、ゾンビを轢き殺しながら進んでいく。
……夜は、まだ始まったばかりだ。
バイオ6レオン編乙です。
バイオハザードダークサイドクロニクルズのストーリーを投下します。
個人的には6の話を知る前に知っておいた方が良いと思います。
時系列的にはバイオ2と4の間の話で、バイオ4の2年前です。
登場人物
ジャック・クラウザー:本編の主人公。
アメリカ特殊作戦軍に所属しており、数々の戦場で武勲を立ててきた優秀な軍人でもある。
大統領直属のエージェントであるレオン・S・ケネディ(後述)のパートナーとして派遣される。
優れた軍人ではあるがB.O.W.との戦闘経験は無い。
レオン・S・ケネディ:本編の準主人公&収録シナリオの一つバイオハザード2の主人公。
元々はラクーンシティの新米警察官だったが、ラクーンシティ消滅事件(バイオハザード2)を経て大統領直属のエージェントになっている。
ハヴィエ・ヒルダゴ:南米のアムパロという地域を実質的に支配する犯罪組織「聖なる蛇達」のボス。
「麻薬王」と称され、暴力や暗殺など手段を問わず、政治力・財力などあらゆる権力を我が物にしてきた。
敵や裏切り者には容赦なく制裁を下す残忍な性格であるが、自身が身内と認めた者には手厚い加護を与える(身内からは英雄視されることも)。
ラクーンシティ消滅事件からしばらく月日が流れたある日、アンブレラの元研究員が
南米のアムパロという地域を支配する犯罪組織「聖なる蛇達」のボスであるハヴィエ・ヒルダゴと接触したというニュースがもたらされる。
アメリカ政府は元アンブレラ研究員を逮捕するべく、南米にレオンとクラウザーの二人を派遣する。
ミックスコアトル村に辿り着いた二人は現地にいるアムロパへ案内してくれるという協力者を探す。
レオンには一つの懸念があった。
クラウザーが政府からB.O.W(生物兵器)に関する情報を殆ど開示して貰えなかった事だ。
その所為でクラウザーはB.O.Wを未確認生物の類としか認識していない。
この事は任務を遂行するうえで落とし穴になりかねない。
二人はミックスコアトル村を移動するが人の姿が全く見当たらない。
不意にラジオから十代後半の少女が拉致されているというニュースが流れる。
ニュースを聞いたクラウザーは村が平和とは程遠い状態になっていると看破する。
直後、挙動不審な村人を見つけるが村人は二人に襲い掛かる。
仕方なくゾンビ化した村人を倒す二人。
その騒ぎを聞きつけたのか、ゾンビ化した村人達が次々と襲い掛かってきた。
二人はゾンビを蹴散らしながら協力者を探し出すが彼は瀕死の重傷を負っていた。
彼はハヴィエの拠城から逃げてきたという少女を保護したのだが、ハヴィエの差し向けた追手に襲われたらしい。
息を引き取った協力者からミックスコアトル村の惨劇と少女拉致事件の犯人が聖なる蛇達だという情報を入手した二人は
ハヴィエの拠城から逃げてきたという少女を探すことにした。
しばらく、移動していると教会で一人の少女を発見するが巨大なB.O.Wを遭遇し、戦闘になる。
B.O.Wヒルダを追い払った二人はハヴィエの拠城から逃げてきた少女マヌエラを保護する。
巨大なB.O.Wを目の当りにしたクラウザーは驚愕し、レオンにB.O.Wに関して問い詰める。
それを受けたレオンはB.O.Wについてラクーンシティ消滅事件の真実を絡めて語り始める。
(ここで本編は一時中断され、収録シナリオの一つバイオハザード2の話に入ります。詳しい事はWiki参照)
用語解説
ラクーンシティ消滅事件:巨大製薬会社アンブレラの企業城下町ラクーンシティでバイオハザードが発生。
住人の殆どがゾンビになってしまう。
アンブレラ研究員のウィリアム・バーキンはGウィルスの開発に成功するが、これを巡って本社と対立。
送り込まれたGウィルス回収部隊(U.S.S.)に瀕死の重傷を負わされる。
その後、生き延びる術として自らにGウィルスを投与してクリーチャー「G」と化し、U.S.S.を皆殺しにする。
その際にTウィルスが下水へ流出した事が発端。
そして、当時の大統領をはじめとする合衆国政府高官の中でアンブレラと癒着していた者達が
アンブレラと自らの犯罪の証拠隠滅の為、核ミサイルをラクーンシティに撃ち込んだのが真相。
Gウィルス:ラクーンシティ消滅事件の発端となったウィルス。
投与された生命体に無限の進化をもたらすと開発者のウィリアムは思っていたが、
実際は無限に進化するウィルスであり、人が制御しようとしてもGは感染者を支配しよう
と進化するので完全適合率0%という致命的な欠陥が存在する。
クラウザー達はマヌエラに事情を説明して彼女の協力を取り付ける事に成功。
彼女の案内で聖なる蛇達の拠点の一つであるハヴィエが造らせた巨大ダムに辿り着く。
早速、ダムを警備していた敵の歓迎を受ける。
敵の警備を見てクラウザーはマヌエラにどんな方法で抜け出したのか尋ねるが、
彼女は自分が逃げようとしたときは、警備は手薄だったとしか答えない。
とにかく、3人はハヴィエと元アンブレラ研究員を探すべく先に進む。
あと少しでダムを突破できそうな所まで進むと、3人は遂にハヴィエと遭遇する。
ハヴィエはマヌエラの姿を確認するなり、全てはお前の為だと言い、戻ってくるよう促すが彼女は拒否。
それでもハヴィエはお前を救えるのは父親である自分だけだと説得を続けるがマヌエラも拒否を続ける。
仕方なく手下に命じて無理矢理連れ戻させ、クラウザーとレオンをダムの水で押し流そうとする。
クラウザーとレオンは押し流されてしまうが、マヌエラは父の手下を振り切ってダムの水の中に飛び込む。
娘の予想外の行動にハヴィエは驚きを隠せない。
ダムの入り口近くに押し流されたクラウザーとレオンは
ハヴィエが差し向けたB.O.Wとゾンビを蹴散らしながら、再びダムの中を突き進んでいく。
そして、マヌエラと合流する。
レオンがマヌエラにダム内部でのハヴィエとの会話の内容について尋ねると
マヌエラは自分が父によってベロニカ・ウィルスに感染させられた事を語る。
自分が15の時に母と同じく不治の病に侵され、それに対して父に治療と称してベロニカ・ウィルスに感染させられたそうだ。
(再び本編は一時中断され、収録シナリオの一つバイオハザード・コードベロニカの話に入ります。詳しい事はWiki参照)
用語解説
ベロニカ・ウィルス:女王アリと植物の遺伝子などを掛け合わせて作られたウィルスで、
アンブレラ創設メンバーの一族であるアレクシア・アッシュフォードが開発。
当時、存在しているウィルスの中では完全適合率が最も高く、
更に15年間程、コールドスリープすれば誰でも超人になれる。
だが、完全適合に失敗した場合は攻撃本能の塊になってしまうだけでなく、
場合によってはベロニカ・ウィルスに完全適合した人間の操り人形にされてしまう。
(筆者としてはB.O.Wという使い方が唯一、有効なウィルスだと思います)
マヌエラの話を聞いてダムを抜けた後、クラウザーはレオンにマヌエラが化物になる前に彼女を殺す事を提案する。
しかし、レオンはマヌエラが未だ怪物になっていない事からハヴィエがベロニカ・ウィルスによる変異を防ぐ方法を知っていると判断。
マヌエラを使ってハヴィエから、その方法を突き止めるべきだと言う。
それを聞いたクラウザーは心中で毒づくが、その直後にレオンが甘い事を言いながらも目に見える結果を出してきた事に気づく。
大統領直属は伊達ではない、という事か。
この時にクラウザーの中で、ある種の劣等感が芽生える。
結局、マヌエラを連れてハヴィエと元アンブレラ研究員がいる聖なる蛇達の本拠地に乗り込む事になった。
3人が本拠地に乗り込んできたのを確認したハヴィエはクラウザー達を抹殺し、マヌエラを連れ戻すべく、
組織の構成員やゾンビ達、B.O.Wをけしかける。
クラウザー達は襲い掛かる敵を返り討ちにしつつ、ハヴィエと元アンブレラ研究員を探す。
B.O.Wの力を目の当たりにしてきたクラウザーはこの頃、B.O.Wに関する情報を殆ど開示しなかった政府に対して強い不信感を覚える。
聖なる蛇達の本拠地を移動していると、温室で巨大なベロニカ植物と元アンブレラ研究員の死体を見つける。
用済みになったので処分されたのだろう。
元アンブレラ研究員の死体を見てクラウザーは思う。
用が済めば捨てられる。なら、生き残るには強くあり続けるしかない。と・・・
3人はある部屋に辿り着く。
調べてみると、行方不明になっていた十代後半の少女達の死体と臓器が保存されていた。
そこにハヴィエが姿を現し、語り始める。
コールドスリープ以外でベロニカ・ウィルスを人間へ適応させる方法は、対象の臓器を定期的に交換する事。
臓器を調達する為にアムパロ近辺でマヌエラと同世代の少女を連れ去ったのだ。
だが、自分の為に罪の無い人々が殺されている事実を知ったマヌエラは罪の意識から父の元から逃げ出した。
だが、臓器交換も15年で終わるとハヴィエは言う。
ハヴィエの行動に怒りを露わにするレオン。
だが、話は終わりとばかりにハヴィエは二人にヒルダを差し向けてきた。
ヒルダの予想外の力に二人は苦戦を強いられる。
だが、マヌエラがヒルダに歌を歌い、二人を殺さないように命じた事でヒルダが困惑する。
そんなヒルダの様子を見てクラウザーはヒルダが人間だった事に気づく。
二人はヒルダを倒すが、ヒルダの悪足掻きの一撃でクラウザーは左腕に深い傷を負ってしてしまう。
マヌエラはヒルダの正体が自分の母だった事に気づき、娘に看取られてヒルダは息絶えた。
一方、ハヴィエは温室に逃げていた。
彼は巨大ベロニカ植物を使って最後の手段に打って出る。
ハヴィエが居なくなった事に気づき、3人はあとを追う事にする。
この時、クラウザーはヒルダとの戦いのせいで左腕が使えなくなり、内心、弱気になっていた。
左腕が使えなくなった自分を合衆国政府が今後も軍人として雇い続けるわけがない。
何よりも片腕に深い傷を負っただけで満足に戦えなくなった事実に、自身が井の中の蛙だと思い知らされたからだ。
3人がハヴィエを追い掛けようとした時、1体のB.O.Wらしき怪物が天井を突き破ってクラウザーとレオンに襲い掛かってきた。
なんとか、怪物を追い払うが安心は出来ない。
一度、撤退して態勢を立て直そうと地上に出るが、
そこには、これまでのB.O.Wとは比べてものにならない程の巨体を持つB.O.Wが待ち受けていた。
先ほどの怪物は、このB.O.Wの一部に過ぎなかったのだ。
超巨大B.O.Wベロニカ・コンプレックスからハヴィエの声が聞こえてくる。
ハヴィエは温室で巨大ベロニカ植物と合体したのだ。
自身の身体もベロニカ・ウィルスに馴染ませていたらしく、
ハヴィエはベロニカ・コンプレックスになっても自我をはっきりと残していた。
ベロニカ・コンプレックスの前に圧倒されるクラウザーとレオン。
圧倒的力を前にクラウザーが諦めかけた時、マヌエラがある決意をする。
自我を失う事無く、ベロニカ・ウィルスの力を覚醒させたマヌエラはその力でレオンとクラウザーを窮地から救う。
一方、ハヴィエはベロニカを次第に制御できなくなり、意識を飲み込まれてしまう。
それからはベロニカに完全適合して超人になったマヌエラがベロニカ・コンプレックスを圧倒していく。
その光景を見てクラウザーはマヌエラに対して一種の憧れを抱く。
そして、マヌエラの活躍もあって遂にベロニカ・コンプレックスを倒す。
任務が完了し、3人は迎えのヘリに乗る。
マヌエラは人ならざる力を得てなお、生き残った事を後悔していた。
そんな彼女に人として生き続けることを諭すレオン。
レオンの言葉を聞いて人として生き続ける事を決めるマヌエラ。
だが、クラウザーは余計な事をしたレオンに対して、
マヌエラには新しい生命体としての誇りを与えるべきだ。と心の中で強く訴える。
その後、マヌエラの身柄は合衆国政府に重要な研究対象として保護されることとなり、
レオンは引き続き、合衆国大統領直属のエージェントとしての任務をこなす日々を送る。
そして、クラウザーは完治しなかった左腕の傷を理由に軍を除隊し、多くのウィルスを持つH.C.Fとの接触を図る。
バイオハザード4に続く。
以上です。
修正あるいは補足するべき点がありましたら、修正および補足をお願いします。
以下、補足。
真相:ハヴィエは妻ヒルダと娘マヌエラが患っており、不治の風土病を完治させるための治療法を探していた。
そこで接触してきた元アンブレラ研究員に自我を失う事無く、風土病を完治できるTウィルスの改良品の作成を依頼。
そして、元アンブレラ研究員が作ったTウィルスの改良品を妻に投与するが、妻は理性のない怪物になってしまう。
こうして治療に失敗した元アンブレラ研究員はハヴィエの怒りを買い、殺害される。
その後、H.C.F(アンブレラのライバル企業で、2とコードベロニカや4で第3勢力として暗躍した企業)からベロニカ・ウィルスを購入。
この時、ベロニカ購入の窓口になったのはシリーズ御馴染みのアルバート・ウェスカー。
ちなみにウェスカーからは5のT社や4で名前が挙がっていたS社と同じく、
自身がH.C.Fから離れる事なった際の潜伏先候補として目を付けられていた模様。
バイオ4の「コインの裏と表」:レオンは最初に制御不能のGウィルスと遭遇した為にウィルスを根絶しなければならないという結論に至ったが、
クラウザー自身は最初に制御可能なベロニカ・ウィルスと遭遇した為にウィルスの力を以て世界を変えるという野望に目覚めた。
この正反対ともいえる自分とレオンの違いをクラウザーは「コインの裏と表」のように思えた。
314 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/20(土) 16:32:00.77 ID:5xQASXWT0
18章 ジュメ島の闘い
フェイキンの船でジュメ島にたどり着いた一行はグラセウムが祀られている祠を目指す
その前に四天王ハーキュリーのカイト部隊が立ちはばかる
アシュレイ達はその攻撃に苦しみつつもハーキュリーを破った
ハーキュリーは祠のグラセウムを奪おうとしたがルシッドに射抜かれ断末魔をあげる間も無く転げ落ちていった
一行は祠にあった闇のグラセウムを手に入れる、しかしその直後に嵐と高波に襲われ・・・
19章 ハイタイドの地下牢
地震と津波でちりぢりになってしまった一行
アシュレイが気付いたときにはフロロ、ドーラ、シーワードと共にハイタイドの地下牢に閉じこめられていた
その時隣の牢から声がかけられた
商人のダンカンというその人は逃げるときは一緒に連れて行って欲しいと頼んできた
ゲネス兵に変装し潜り込んでいたスタンリーの手引きで脱走しようとするも
ダンカンともめていたところを牢番のカドリッスとケラソスで闘ったヴァンサンに見つかってしまい
ブランの手引きでダンカンも連れて脱出する
フェイキンに助けられていた他の仲間とも合流しゲネス本土へ出航しようとしたところを
ヴァンサン達に襲われたが勢揃いした一行の敵ではなかった
ヴァンサン「何度も何度もお前達に敗れるとは・・・」
ダンカンも物資の調達役として仲間に加え一行はいよいよゲネス本国へ出発する
人物紹介 ダンカン 武器商人でありながら戦闘もこなす、初期防具は「センスの悪い服」
光ルートではゲネス軍の補給部隊、真ルートでは一介の商人
このルートではアシュレイ達の仲間とルートによってかなり設定が異なってくる
315 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/20(土) 16:39:19.08 ID:5xQASXWT0
20章 罠
ゲネス領に侵入した一行は襲撃を受けることなく進軍する
そんな中ダンカンからモスカの鉱山がグラセウムを産出していると言われ
一部の仲間からは疑われるもアシュレイはそこを目指す
しかしそこにはガスコネイドらゲネス軍が待ちかまえていた
グラセウムのことはゲーリングが流した偽情報だったのだ
セドリックとシーワードの奮闘でアシュレイ達は何とか離脱する
しかし合流しようとした二人はガスコネイドの手にかかり殺されてしまう・・・
21章 罠その2
一行は逃亡するも今度はゲーリングの部隊に囲まれてしまう
そこにサイーデの家臣ハイタワーとゼノが駆けつける
二人の参入で作戦は失敗したとゲーリングは撤退
一行は置き去りにされたガスコネイドを倒し窮地を脱した
今回はここまでです
【解説】『ある男の失墜とその影響』
研究者だった彼はある研究が実を結んだと発表した。
それが本当ならばノーベル賞は確実、人類にも大きな恩恵をもたらすというすごい出来事。
彼の祖国の人々は彼をもてはやし、彼のもとには国や大企業、果ては海外からも多額の支援が寄せられ、名誉市民の称号や多くの大学や政府の役職なども与えられた。
彼は研究者として栄華を極めた。
しかしその後それは捏造だったことが発覚。彼の名声は地に落ちた。
結局支援の多くも取りやめられ、称号も役職もほとんどが剥奪された。
彼は一部の熱狂的支持者以外には相手にされなくなった。
それで終わりならまだしも、彼のしでかしたことのせいでその研究分野自体が胡散臭いものとして扱われ、誠実な科学者たちは大きな迷惑をこうむったのだった。
元ネタが誰かはあえて伏せときましょ
すまん誤爆した
無限のフロンティア、既出部分から投下いきます
龍寓島のクロスゲートを通り、エルフェテイルへと向かうハーケン一行。
途中キュアモス樹の南にある、ハウゼン公の治める『エスピナ城』で情報収集をする事に。
そんな中、ハーケンは嫌な予感がするのだった。
エスピナ城へと向かうハーケン一行は城の変わり果てた姿を見る。
アシェンの分析では、滅鬼城にもあった朽ちたミルトカイル石と同じものとの事。とりあえずエスピナ城へと入って調べる事に。
エスピナ城には人一人すらいなかった。
今度はコードDTDを使ったアシェンの分析によると、街の破壊状況と朽ちたミルトカイル石を見る限り1年から2年は経過しているようだ。
生存者は確認できなかった。
誰も気づかなかった事に違和感を覚えるハーケン。
エルフェテイル北部はロストエレンシアとは関わり合いが薄く、南部から北部にはここ数年行けなくなっていた。
神夜は南北は陸続きになってたのに、どうしてなのか?と質問。
ハーケン達は前大戦の爪痕だ、と告げた。
南北を繋ぐ黄色い煉瓦造りの街道・ツィーゲル通りに、フォルミッドヘイムの建造物の一部が戦時中に落下し道を塞いだのだ。
撤去はまだ進んでないみたいで、ハーケンは神夜達に神楽天原はすぐ隣で気づかなかったのか?と聞く。
神夜達は戦時中に国を閉ざした“篭国”もありエルフェテイルとの関わりが薄く、神楽天原から出向く事はほとんど無かった筈だと語った。
一度も出向く事はない筈、アシェンの一言に錫華は3年前に篭国を解いてから楠舞皇はハウゼン公に会っている筈だと語る。
ハーケンは、それを考えると城の姿が変わったのはそのもう少し後だと推測。
エスピナ城がこうなってしまっているのだから、滅鬼城も危ない。
錫華はすぐに戻る事を進言する。
と、その時。
突如としてハーケン一行の来た道を出来たばかりのミルトカイル石に塞がれてしまう。
ハーケン一行はミルトカイル石がこのエルフェテイルから来ている事を推測する。
敵のホームグラウンドに入り込んでしまったハーケン一行の前に、琥魔が現れる。
琥魔はハーケン一行を追いかけてきたのだ。
ミルトカイル石が道を塞ごうとしたその時、咄嗟の判断でこちら側に滑り込んだと言う。
何で追いかけてきたのか聞くと、守天の依頼で錫華の力になるようにと言われたそうだ。
守天は錫華の事を心配していた。
これから大きいことをするから戻ってきてほしい、と。
ミルトカイル石を使い、何かをしでかそうとしている守天に怒りを見せる錫華。
とにかくここから出る必要があるので、行商人である琥魔から情報を聞くハーケン一行。
琥魔はエスピナ城の裏門から出て、北西にある『ミラビリス城』に行ってみたらどうかと言う。
戦時中にフォルミッドヘイムから兵を送り込むのに使った城だそうで、今は城主が死に妖物や生き残った番兵の巣窟になっているとの事だ。
戦時中にフォルミッドヘイムから兵を送り込むのに使っていた、つまりクロスゲートやシュラーフェン・セレストにあるような転移装置があるかもしれない。
ここにいても何も出来ないのでミラビリス城に赴く事に。
琥魔は何かあるか分からない場所には行きたくないそうだ。
そんな態度を見せる琥魔に神夜はやっつけようとするが、琥魔はついていかない変わりに出張商店『猫騒堂』を営業してくれる。
準備を終え、ハーケン一行はミラビリス城に。
楽しそうな城だとワクワクする神夜。
アシェンがデータを調べてくれた。
城主はハーム・ダーム。妖精族とフォルミッドヘイムの魔族のハーフと推測する。
その見た目から何かを企んでいたのだろう。
どうやら、入口にある卵のような像がハームの様だ。
戦時中、フォルミッドヘイムの内通者になっていたようだ。
しかし、当の本人は終戦直前フォルミッドヘイムの特殊任務実行部隊『オルケストル・アーミー』に処断されていた。
しかしフォルミッドヘイムの部隊が関わっているのはおかしい。
ミラビリス城はエルフェテイルに侵攻するために使った場所だからだ。
ハームを処断した後のデータは残っていない、アシェンはそう告げた。
それにその戦争もおかしい戦争だった。
開戦はフォルミッド側からの一方的な宣戦布告から始まり、10年ドンパチを繰り返し、終戦はこれもフォルミッド側からの一方的な和平の申し込みだったそうだ。
ハウゼン公はそれを受け入れて終戦。
その後、フォルミッド側は自分達の世界に繋がるクロスゲートを封鎖した。
まるで神楽天原の“篭国”のようだ、そう言う神夜。錫華も連中の真意が分からないと言う。
ワクワク感が無くなった神夜。そこにアシェンはこの城が生きていると告げた。
ハームは自分の城に様々な“仕掛け”を作ることを好んでいたそうで、罠もありそうだ。
罠などに注意しながら進む事に。
仕掛けを一つずつクリアするハーケン一行。
チェス盤のような場所にある石像を壊していくと、やっと出れたと言う一人の魔女っ子少女が現れた。
何者かを聞くが、少女は秘密任務中だからキュオンの名前は教えられないと勝手に名乗る。
どうみても自爆です、本当に(ry
ここは遊び場にするには危ない、と言うハーケン。
子供扱いするなと怒るキュオンは秘密確認任務で来たと言う。
それを確認していたキュオンに人間ではないな、何者だ?と詰め寄る錫華。
神夜も教えてほしいとキュオンに言う。
そしてキュオンは自ら『オルケストル・アーミー』の砲機使いであると名乗った。
キュオンがオルケストル・アーミーの一員である事に驚くハーケン。
それを聞き、色々聞こうとするアシェンや神夜や錫華。
ミルトカイル石を越え元の世界に戻りたいだけで、無駄にやり合うつもりはないハーケンなのだが、キュオンはうるさいと任務や色々機密を守るべくハーケン一行に戦いを挑んでくる。
キュオンを退けたハーケン一行。
しかしキュオンは汚乳だのなんだのハーケン一行の悪口を言って逃げたのだった。
オルケストル・アーミーまでもが関わっているのを見ると、恐らくファントムが関係しているのだろう。
戦時中に現れたファントムと同じパーソナルトルーパー“ナハト”“アーベント”を率いていたのはオルケストル・アーミーだったと言うデータがあると言うアシェン。
錫華はミルトカイル石だけではなく問題が山積みな事に呆れ、神夜はこの城に全ての問題が集まってる様に思えてきたと言う。
ハーケンは上手く行けばファントムとの対面もあり得ると告げた。
とりあえずキュオンがいた床を調べると、地面が崩れ地下に落ちてしまう。
リフトの様なものに乗っていくと、一人の女性に出会うハーケン一行。
女性は沙夜、と名乗り“ゆらぎ”の影響でこちら側の世界に来てしまったそうだ。
沙夜が言うには“ゆらぎ”とは、次元を転移して異世界へ行ける入口と言う事だ。
クロスゲートではないのかと聞くハーケンの問いにこちらではそう言うのかと聞く沙夜。
その沙夜はここにいた理由を仕事…と言いかけはぐらかす。
錫華は沙夜が獣人であると一目で見分けた。
一応ハーケン一行は沙夜から話を聞く事に。
沙夜は『物質界』と呼ばれる世界から来たと告げる。
この先に転移装置がある事を知るハーケン一行。
しかし沙夜はそこに行くのはちょっと苦労するかもしれないと告げた。
赤と黒の服で身を固めた少々面倒臭いコ達も、自分を追ってこっちに来ていると言うのだ。
その二人も自分と同じく物質界から来た、と言おうとする沙夜の発言に、彼らがオルケストル・アーミーのキュオンと同じではないかと推測するハーケン一行。
異界の人間である沙夜を追いかけていた事で、何かを企んでいるのではないのかと推測する。
勝手に話が進んでいるので、沙夜はそれを利用する事にし、ある事ない事を言ってハーケン一行に倒してもらおうとしたのだ。
それを簡単に引き受けるハーケンは二人の特徴を聞く事に。
沙夜は男女のペアで、男が『有栖零児』女が『小牟』と名前を告げる。
名前を聞き、ハーケン一行はそこに赴く事に。
沙夜にはエスピナ城の琥魔がいるから合流して待つといい、クロスゲートを確保したらそれを教えるとも告げた。
沙夜は強い力を持った狐の変化だ、これでいいのかと聞く錫華。
悪口を言うだけ言って逃げたキュオンと違いいい情報が貰えたと言うハーケン。神夜は沙夜が怪しい感じがすると言う。
アシェンも、敵対の意志がないから味方たと言うのは単純と。
どのみちオルケストルとはやり合わなければならない、と言うハーケン。
奥へと進む事に。
奥に進むと二人組の男女がいた。
女の方は台座みたいなのを落としたのはお前らかと怒る。
もしかして当たったかと聞く神夜に、あんなん命中したらここにはおらん。二人まとめて2500点とかだと言う女。
何者だと聞くアシェンに、男は自分が有栖零児で女は小牟と名乗る。
それを聞き、沙夜の話していたオルケストル・アーミーだと推測するハーケン一行。
また狐の変化か、と言う錫華の一言にまた?と疑問を浮かべる零児。
それなりに力があるか、と錫華を見、自分は700歳を越える“仙狐”だと言う小牟。
「おばあちゃんご飯食べたでしょ?」
「ぬ、そうだったかのぅ? って違ーう!」
小牟とアシェン、錫華のやり取りにコントはいいから状況を説明してほしいと言う零児。
これも人助けの為だから恨むな、と言うハーケン。
こちらも簡単にはやられる訳にいかない、と言う零児。
一方神夜は彼らがオルケストルなら赤い服に黒い上着ではないかと言う。
何やらすれ違いがある様だが、やり合うしかない様だ。
錫華もこの二人がオルケストル・アーミーじゃないのではと言うが、ぶっ飛ばしてから話をした方が安全だと言うアシェン。
零児・小牟と戦う事に。
二人を退けたハーケン一行。
オルケストル・アーミーである二人から何を企んでいるのか聞き出そうとする。
零児達は、自分達はオルケストル・アーミーではなく特務機関『森羅』のエージェントで、『物質界』からこの世界に次元転移して来たと告げた。
物質界と言えば沙夜が言っていた場所だ、と言う神夜の一言にどういう事かと聞く小牟。
錫華も、沙夜が自分を追い回している悪党が二人だと語った。
その話を聞いた零児はお前達は沙夜に騙されている、と言うのだがハーケンは悪党の話は信用出来ないな、と。
更に零児は沙夜が嘘をついてないと言う証明がお前に出来るのか?と質問してきた。
その発言にはお手上げのハーケン。
神夜達に話を振るがジャンケンで決める?とか適当に話をしていた。
こいつらに聞いてる暇はないし、沙夜の足取りなら逢魔の妖物達である天狗やカマイタチの出てくる場所を探せばいいと言う小牟の一言に錫華が反応する。
天狗やカマイタチは最近神楽天原に現れているからだ。
仮面を付けた天狗やカマイタチは沙夜がリーダーである『逢魔』のメンバーであると告げる零児。
それを聞き態度を変え謝り出すハーケン一行。
それにしても現金な連中である。
誤解を解く為にも一旦話し合いをする必要がある、と言う零児の発言で互いに話し合いをする事に。
ハーケン一行の目的地でもある転移装置から、零児達は来たとの話を聞く。
その場所を知る零児達は、帰りの足を確認するのもあり一度同行する事になったのだった。
とりあえず一旦ここまで。
補足しますが、
零児・小牟・沙夜はナムコ×カプコンのキャラ。
クロスゲート:簡単に説明するなら転移装置。
このエンドレス・フロンティアでは移動手段の一つで、神楽天原の人間は「交鬼門」と呼んでいる
ミルトカイル石:謎の物質で出来た水晶のようなもの。
赤と水色の二色があり、力を失ったものは紫になっている。
普通には破壊出来ない。
神楽天原の人間は「楔石」と呼んでいる
物質界:零児・小牟・沙夜がいた世界。
現代の日本
他にもスーパーロボット大戦OGやナムコ×カプコンをやっていないと分からない設定なんかもあるので、補足出来たら補足をしていくつもりです。
326 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/21(日) 12:22:14.00 ID:Wufr8V/z0
22章 機甲旅団登場
マグダフは残る四天王デスティーアとドロイゼン、そして前回逃亡したゲーリングを呼び寄せ
緊急会議を開く
ゲーリング「マグダフ様、もう一度チャンスを・・・マ・・・」
ゲーリングはマグダフに処刑された
そしてマグダフはアシュレイ軍にエルグラン率いる機甲旅団を差し向ける
機甲旅団と遭遇した一行、アシュレイはヴァルモンらの提案で
フロロ、ジェシカ、ルシッド、そしてヴァルモンの4人を別働隊としてぶつけ敵の虚を突くという策を取る
別働隊は奮闘しつつも囲まれてしまう
スタンリーは救援すべきと言うもアシュレイは拒否する
そして・・・
フロロ「アシュレイ、もうダメだ・・・」
ルシッド「ここまでか、無念・・・」
ジェシカ「ごめん、アシュレイ・・・」
ヴァルモン「アシュレイ様ーーー!!」
本隊は機甲旅団を打ち倒した
しかしスタンリー達は悲しみに暮れアシュレイは敵の力に仲間を犠牲にせざるを得なかったことを悔やむ
23章 襲撃の一夜
一行はダンカンの屋敷で一夜の休息を取る
エミリア達はサイーデのことについて話し合っていた
ゲーリングがマグダフの側近だと知りハイタワー、ゼノら直属の部下を持つ彼女の謎は深まる
そんな中キャストル率いるゲネス軍の部隊が急襲、何とか応戦するアシュレイ達だがキャストルは屋敷に火を放つ
さらに破れたキャストルは自爆
アシュレイ達は逃げ切れたがサイーデ、ダンカンらを置き去りにしてしまう
悲しむエミリアだがアシュレイは前に進むしかないと檄を飛ばす
327 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/21(日) 12:35:28.08 ID:Wufr8V/z0
24章 衝撃の事実
悲しみに暮れつつもマバロを目指す一行
ひとまず空き城で休息を取る
しかし、その前にマグダフが姿を現す
マグダフは「死」のむなしさを十数年前に知りその解決策として、
闇のグラセウムで世界に一つの秩序を造りだそうとしている
自分は古い考えを持つ者を一掃する役割を担っていると語る
アシュレイはその考えを傲慢と切り捨てるもマグダフはその平等主義は世界を滅ぼすと返し
デスティーアを差し向ける
デスティーアはテスとティトーの魔法をものともせず二人を瞬殺してしまう
そんな中、生きていたサイーデ達が現れた
マグダフがそちらに向かった間にテスティーアを下すアシュレイ
テスティーア「マグダフ様、も、申し訳ございません・・・」
マグダフはアシュレイ目がけて魔術を放つ
それをかばったのはサイーデだった
仮面が外れあらわになった正体は・・・アシュレイの母マチルダだった
マチルダは隠し持っていた退魔の剣でマグダフを貫く
マグダフは致命傷を負いつつも退いた
マチルダはゲネス国王の娘でゲネスとエルヴァンディアの関係が悪化したため
夫、エルヴァンディア国王グッドウッド三世と生まれたばかりの二人の息子、アシュレイとシャルルから別れざるを得なかった
マグダフの侵略に伴い自身の愛情を仮面で封じサイーデとして動いたのだ
最後にアシュレイにある短剣を渡しマチルダは息絶えた
アシュレイの慟哭が響く・・・
今回はここまでです
アシュレイの行き着く先はどこなのか・・・・
執筆者の皆様おつですー
見切り発車ながら、ムーンライトラビリンスの改造バージョン「Moonlight Labyrinth \(^o^)/」、通称ムーンライトオワタ行きます。
本家ムーンライトラビリンス(以下、原作)については既にWikiにありますのでまずはそちらを
→
http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/1601.html 原作同様、魔物と危険なトラップがリリアを襲う…のだけど。
こちらのリリアは「魔物が近づいているようですが、時間制限はないので待ってても問題なさそうです。」等メタ発言はするわ、
「音楽が暗い」とBGMを明るい感じのものに変えるわ、モンスター・即死トラップと詰みフラグの数々を力技や超人的なジャンプ力で回避するわ、
犠牲者の手記やNPCの台詞等に対する反応が酷いわ、ぶるらじの杉田智和ばりに漫画・ゲームネタを連発しまくるわと凄い事に。
そしてチート級の強さを誇るリリアは快進撃を続け、原作には無いハッピーエンドをも力づくでもぎ取る…?
なお話の流れは大体真ENDルート準拠の模様。また、マップ・障害物の配置も少々異なるようです。
強さランキングは多分こんな感じ
オワタリリア>ガレス>>>クリス・レオン他≧魔物>>>バン>>原作リリア
次からは詳細版。主に原作との差異をメインに書いていこうと思います…
が、ネタが多すぎてどこをピックアップしてどこを削ればいいやら。
・オープニング
リリアの18歳の誕生日パーティーに突然ガレスが現れ、護衛の兵士を殺しリリアを誘拐する。
大体原作と一緒だけど、ところどころリリアの台詞がおかしい(クリスを兄様ではなく「脳筋」呼ばわりする等)、
またBGMも時折コミカルな物に差し替えられている。以後、大体そんなノリでゲームは進行。
「この時は、まだガレスには、これから数多くの災厄が己の身に降り注ぐことなど、知る由もなかった…
え?ガレスじゃなくてリリアじゃないかって?
………」
・西の塔
原作なら見つかると逃げられないほどの猛スピードでカッ飛んでくるミノタウロスを「リリアパンチ!」で一方的に葬りつつ、魔法陣や鍵など色々な物を見つける。
その際、犠牲者の手記に対する反応が酷かったり(例:「なんという負け犬フラグ。書いたのはまさしくヤムチャ。」←この程度ではまだ序の口です)、
オークは話し終わるとリリアの胃袋行きにされたり…
しかし、原作同様ゾンビじいさんの助言に従って狼男が戻ってこないうちに縄張りを抜けるはずが、時間内に間に合う・間に合わないに関わらず狼男に見つかってしまう。
王家の証について聞かれ、落としてしまったと正直に説明しても、今持っていないからという理由でリリアの話を信用してくれない。
(間に合ってもリリアの台詞に「あのゾンビじじい、あとでどうしてくれようかしら」と愚痴が入るだけ。リリアの台詞以外、原作で間に合わずゲームオーバーになる時の展開とほぼ一緒)
だがリリアも黙ってはいない。RPGツクールの戦闘画面形式で襲い掛かってくる狼男を、新技「リリアナックォ(巻き舌)!!」(リリアパンチ連打しただけ)でねじ伏せ、強引に突破。
王家の証を拾って来てようやく狼男−その正体はリリアの伯父レオン−にこちらの話を信じてもらえた。
なお、この事から後に「王家の証落とす人多いですよね、うっかり何人か本物の王族殺してるんじゃ?」とリリアにツッ込まれ、レオンの称号が「うっかり獣人」に…。
友好的なモンスター達のアジトにて、レオンから現在の状況を聞く。リリアからも質問を出来るが、選択肢がおかしい(流行のファッションは?とか)
にも関わらず、この塔は時間の進みが遅い、ガレスが何故かミスティーズ王国に恨みを持っている等の重要事項は把握済み。
そして次の目的は北の塔の探索、リリアには携帯食料もといミニドラゴンのバンがついて行く事に。
・北の塔
しばらく進むまで魔物は出ないが、通路の陰に隠れていたミノタウロスが襲い掛かり、バンが炎を吐いて応戦するも全く効かない。
バンはリリアと分断されてしまう…というか、ミノタウロスがリリアに気を取られている隙に一人で逃げた形に…。
仕方なく一人で探索。小部屋のスイッチで隠し階段を発見。階段を降り、水路の向こうにクリスの剣が落ちているのを発見、水路をヒョイと飛び越えて剣ゲット。
(本来ここで水路の向こうへ行くのに使うハートの鍵を使うと、大爆発が起きてゲームオーバー…「ウソウソ。」というドッキリが入ります)
その先の階段を下りると階段が崩れてしまう。先には正しい火だけを消せという張り紙と数個のスイッチ付き灯火。
リリアは張り紙&プレイヤーの操作ガン無視で全てのスイッチを切るという暴挙に出る。当然トラップ発動、通路の天井まで水が!
その時、出口が無いなら作ればいいとばかりに新技「リリアのキワミ」発動、天井をブチ破って辛くも脱出。
何やら矛盾がどうのという注意書きのある部屋にたどり着くと、5つ並んだ魔法陣の中央にバンが囚われている。
原作ではややこしい謎解きが有ったらしいが、リリアはそれを無視、力づくでバンを引っ張り出す。バン血まみれ。
スイッチのとは別の小部屋で「ティア=ミスティーズ」と書かれた王家の証を拾う。
なお、北の塔は大量の魔物に行く手を塞がれている場所がいくつかあるが、リリアパンチで強行突破しようとはしない。一度に大群を相手にするのは不向き?
十分探索し終わったら西の塔へ戻り、レオンと合流することに。しかしアジトは血の海、ガレスから身を隠すため一行は南の塔へ。
とりあえず今日はここまでです。
予約していた「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」を投下します。
舞台は神奈川県藤川市のローカル線「シカ電」沿いの芦鹿島周辺と藤林高等学校。
主人公の芹澤直樹は、将来芹澤家の後継者となり、いとこの天川ちなつは許嫁となることが決まっていた。
しかし十年前、許嫁の関係は本家によっていつの間にか解消され、直樹は後継者の資格も失った。
それと同時に実の親に捨てられた直樹は、ちなつとその両親とともに育った。
しかし、将来芹澤家の後継者になるちなつと、資格を失った直樹が一緒にいるのは本家にとって都合が悪いようで、
本家の決定で直樹はアパートで一人暮らしを始めることになった。
【キャラクター紹介】
芹澤直樹(せりざわ なおき)
主人公。十年前に事故に遭ったようで、それ以前の記憶がない。腕に矢尻のような形のアザがある。
昔から、大事な約束の際にはちなつから教えてもらったゆびきりをしてきた。
天川ちなつ(あまかわ ちなつ)
直樹の幼馴染で世話焼き。「ちなつはなおくんの嫁なのです」と公言してはばからない。
行動原理も明快で、「なおくんがいいなら」である。
直樹もそれをはっきりと拒絶できないでいる。
南雲霞(なぐも かすみ)
突然押しかけて同居を始めた謎の女の子。頭の回転が速いが、冷淡でどこか素直でない性格。要はクーデレ。
星月織姫(ほしつき おりひめ)
直樹のクラスの担任代理を務める新米教師。担当は数学。
外見も言動も幼いため、生徒や先生からは「姫ちゃん先生」と呼ばれて親しまれている。
過去のメモオフの舞台であった澄空学園卒である。
リサ・ケイシー・フォスター
風流庵でアルバイトをしているアメリカ人の留学生。江戸文化が好きだが、たまに間違った言葉使いをすることも。
いつも笑顔を絶やさない。過去のメモオフの舞台であった浜咲学園に留学している。
鼓堂詩名(こどう しいな)
直樹とちなつとは中学時代から付き合いがある、1つ下の後輩。噂好きでおしゃべりで写真撮影が趣味。
佐賀亨(さが とおる)
メモオフ6から引き続き登場。三枚目のお調子者。大学受験に失敗し、予備校に通う資金を稼ぐため風流庵で働く。
澄空学園卒である。
稲穂信(いなほ しん)
メモオフシリーズではおなじみのキャラクター。今作では、前作まで勤めていたルサックの系列店である風流庵の店長代理。
直樹に要所要所でアドバイスを授ける。
信は織姫のひとつ後輩にあたる。
【共通パート】
一人暮らしの初日の夜、見知らぬ女の子がアパートの前にいた。
彼女が直樹を『だいすけ』と呼んだとたん、直樹の意識はぷつっと途切れた。
目が覚めると、直樹はアパートの中にいた。
南雲霞と名乗った彼女は、直樹が霞を押し倒しているような写真をでっち上げていて、
それを盾になし崩し的に同居を始めてしまう。
霞は、親に自分を金持ちの男に売られそうになったため、逃げてきたのだという。
直樹とちなつは、織姫によって強制的に文芸部に入部させられる。織姫は文芸部の顧問だった。
それまでは部員は詩名だけであったが、以後文芸部の雑用を手伝わせられるようになる。
ある時、直樹は亨の乗ったバイクにぶつかってしまう。
そこで亨に「大輔か?」と声をかけられ否定すると
「じゃあ直樹か、お前のグループには男は2人しかいなかったもんな」と言われる。
直樹には亨の記憶も『大輔』の記憶もないものの、亨は過去に直樹たちと遊んだ記憶があるようだ。
また、霞に財布の金を勝手に使い込まれ、当座の金が必要になった直樹は
風流庵でちなつと一緒にアルバイトを始める。
リサや亨や信たちとともに、直樹はアルバイトに精を出していく。
ちなつの働く姿を父親が見に来るが、ちなつは冷淡な態度をとる。
直樹を家から追い出した形になっているため、親とケンカしている様子である。
一方、リサもアメリカにいる父からの電話に荒い語気で返事をしたり、出なかったりする。
織姫・リサ・詩名ルートでの霞は、住む場所が見つかったと言って直樹のアパートを離れる。
ちなつ・霞ルートでは、そのまま居続ける。
※本作では、一般的な選択肢の他に「ゆびきり分岐」が存在する。
特定の場面で相手とゆびきりをするかどうかで、展開は異なってくる。
※最初に織姫・リサ・詩名の3人を攻略することで、ちなつ・霞を攻略できるようになる。
【星月織姫】
直樹は、織姫が子供向けのアニメである「レッツゴー☆ペタペタ」や遊園地が好きなことを偶然知り、
趣味を知られたくなかった織姫と直樹は、秘密を共有する形で仲を深めていく。
織姫が「レッツゴー☆ペタペタ」にはまった理由は過去にさかのぼる。
織姫はバスケ部のレギュラーだったが、中学生の時に足を怪我し、結果レギュラー復帰はできないと分かり捨て鉢になっていたところ、
公園で会った少年から「勇気の石」と名付けられたちょっときれいな石を渡される。
「レッツゴー☆ペタペタ」とは主人公のぎんじろーさんというペンギンが勇気の石を求めて旅をする話であり、
織姫は改めて作品に触れて元気をもらった。それ以降、「勇気の石」は織姫の宝物となった。
ある日、文芸部で織姫が寝ていた時に、寝言で「純也」という人に対し安心しきったような態度をとる。
織姫はすぐ目覚め、直樹に忘れるよう言ったが、もやもやした気持ちを抱えることになる。
同じころ、風流庵に山岸いずみという興信所の人が現れ、織姫の普段の様子を聞かれる。
織姫には縁談が持ち上がっているようだった。
「貴次純也」という人に心当たりがないかとも聞かれるが、直樹は知らないふりをした。ちなつも知らないようだった。
直樹は織姫の趣味に付き合ううちに、マンションにも行き来するようになる。そしてある夜、直樹は織姫に告白する。
しかし、織姫は先生と生徒だからという理由で拒絶する。
直樹は、「自分は先生の好きな人の代わりなのか」などと冷たい言葉をかけてしまった結果、ケンカ別れになってしまう。
駅に戻ると、ちなつが直樹を待っていた。ちなつが言うには、直樹は織姫に騙されているのだという。
いずみからもらった週刊誌記事によると、織姫は高校生のときに恋愛関係のもつれから殺傷事件を起こしたのだという。
また、いずみから直樹と織姫が仲良くしている写真ももらっていた。ちなつは半狂乱になって直樹を問い詰める。
興信所の人がここまで……?その時、織姫からのメールが。そこには「たすけて」とだけ。
ちなつを駅まで引っ張った後に織姫の部屋に駆け付けると、やつれた様子の織姫がそこにいた。
織姫宛てにも、直樹と織姫が二人でいる写真がいずみから送られてきていた。いずみは、二人とも学校にいられなくするという。
好きな人の過去を知りたい。直樹の求めで、織姫は自身のことを話し始める。
織姫は高校生の時、バスケ部の顧問で数学教師の「高次純也」と付き合っていた。
しかし同じ部員であったいずみが、純也に告白して恋人になったという話を織姫にする。
織姫は純也を問い詰めたが、否定する純也を信じられなかった。織姫は純也に会わなくなり、バスケ部も辞めてしまった。
その後純也は織姫を呼び出し再度否定していたところに、いずみが現れる。
いずみが純也からもらったというメールの画面には、何も表示されていなかった。
いずみは狂っていたのだ。純也と織姫を刺し、自身も自殺を図った。
純也は重傷を負って教職を追われ、もはや連絡は取れなくなった。織姫も腹部に傷が残った。
山岸いずみの本名は、雛岸いずみである。事件を起こしたことで偽名を使ったと思われる。
織姫は友達も家族も失い、高校にもいられなくなって、澄空学園に転入してきたのだ。
自身も先生と生徒という関係の恋愛で辛い経験をしていたからこそ、直樹にはそのような経験をさせたくなかったのだ。
直樹は、自分の事を信じてほしい、幸せにしてみせると改めて自分の気持ちを伝え、二人の心は一つになる。
その時、部屋にちなつといずみが入ってきた。
真逆のことをいずみに吹き込まれていたちなつは直樹を織姫から救おうとするが、
狂ったいずみは鬼の形相で純也の居場所を織姫に問いただし、止めようとした直樹と揉み合いになる。
寝返ったちなつが偶然いずみの携帯をキャッチし、部屋の外に走っていく。いずみも、純也の写真が入っている携帯を追って外に出る。
直樹と織姫は、橋の上で自殺しようとするちなつを見つける。
直樹が自分から離れていくのを知り、死のうとするちなつを二人で思いとどまらせたとき、直樹は後ろからいずみに刺される。
激痛に倒れる直樹を織姫はかばい、ちなつに早く逃げるよう言うが、
ちなつは携帯を囮にしていずみを引き寄せ、携帯を川に投げ捨てた。
いずみが携帯を探そうと川に飛び込んだところで、直樹の意識は途切れた――。
直樹は一命を取り留め、退院する。
いずみは溺死体で発見され、携帯電話も壊れていた。
遅くまで織姫の部屋にいたことについては、文芸部の活動だと皆で証言してお咎めなしになった。
病院で織姫は直樹の左腕のアザを見て、直樹こそが過去に勇気の石をくれた少年なのだと思いだした。
二人は、付き合い始めるのを、高校を卒業する二年後にしようと決めた。
そして二年後、直樹は遊園地で織姫に自分の想いを伝え、二人は結ばれる。
(織姫ハッピーエンド)
【織姫グッドエンド】
直樹は一命を取り留め、退院する。
風流庵では、先生や生徒を交えて織姫の誕生日パーティーが開かれていた。
プレゼントは「レッツゴー☆ペタペタ」のものばかりだった。皆に趣味はバレバレだったのだ。
「二年後に……」という約束を交わした直樹は、織姫に新しい勇気の石となる宝石を贈った。
織姫とは一年後の七夕だけ、晴れたらデートをしようという約束を結んだのだが
肝心のその日は記録的な悪天候であった。
【織姫ノーマルエンド】
直樹は一命を取り留め、退院する。
しかし、いずみの携帯電話が見つかり、画像が学校の知れ渡ることになった結果、
二人は高校を辞めることになってしまい、織姫は直樹のアパートに住む。
二人は共にアルバイトで生計を立て、苦しい生活が続いている。
織姫の心に不安がよぎるものの、直樹は織姫に笑顔を取り戻させる。
これから先、どんなことがあっても乗り越えていけるよね。いつまでも、こんな幸せが続くといいね。
【織姫バッドエンド1】
直樹の葬式。織姫は、直樹の顔さえ見せてもらえなかった。
織姫は高校に辞表を出し、悲しみを胸にずっとひとりで生きていくと決めた。
【織姫バッドエンド2】
直樹は一命を取り留め、退院する。
それから二年後。
事件の後すぐに直樹は織姫と付き合い始め、甘い生活を続けていた。
しかし直樹は、事件の翌年のクリスマスにちなつに告白されて断ることができなかった。
ちなつの前では、直樹と織姫は別れたということになっている。
直樹は、お互いの関係を隠しながら生活を続けていく……。
【リサ・ケイシー・フォスター】
ちなつは風流庵の客に告白されるが、ちなつの父親が激怒して風流庵を辞めさせてしまう。
それでも未練がましく風流庵に通うちなつだが、直樹はちなつの気持ちには応えられないと告げる。
ちなつはリサに笑顔の秘訣を聞く。
リサの母親は幼いころに亡くなってしまい、ベビーシッターの千代子に育てられた。
千代子は、リサが悲しんでいると天国のお母さんも悲しむから、いつも笑っているようにと教えた。
大切な人には笑っていてほしいから、リサは笑顔でいられるのだ。
ちなつは、直樹の笑顔のために身を引く。
直樹は江戸文化を勉強してリサと大江戸ミュージアムでデートをする。
リサは、直樹の努力が嬉しかった。二人の仲は親密になっていく。
ある日、リサの父親が風流庵に来て、リサにアメリカに帰るように言う。
口論の末リサは風流庵を飛び出し、直樹はリサを大江戸ミュージアム近くで発見する。
直樹はリサに、口論の理由を聞く。
リサの父親には再婚相手が見つかり、連れ子もいた。
父親にも笑顔が戻ったが、リサは新しい家族の前では笑えないでいた。
新しい家族を認めると、本当の母親や千代子のことを忘れてしまうのではないかと不安だったのだ。
直樹はリサに、リサの父親はリサの母親を忘れていないからこそ、
その「絆」であるリサを心配しているんだと伝える。
風流庵に戻り、リサと父親は仲直りする。
リサの父親は、再婚相手ともうすぐ結婚式を挙げる予定だから、少しの間だけでも帰ってきてほしいという。
リサは、交換条件として千代子に会いたいと告げる。
リサの父親は千代子の居場所を知っていたが、千代子は病気にかかりアメリカにいた頃の記憶を失ってしまったという。
それでも、リサは会いに行くことを決める。
千代子の家に着き、リサが裏口からこっそり覗くと、千代子が子供をリサと弟のトムの名前で呼ぶ姿が見えた。
「絆」はしっかりと残っていた。リサは、気持ちの整理がつき、家をそっと離れる。
その後風流庵で、出発のパーティーを行う。
実は、新しい生命がもうすぐ誕生し、リサに兄弟ができるのだという。
惜しまれつつも、リサはアメリカに帰国した。
それからしばらく後、リサは日本に戻ってきた。
そして、自分を家族と向き合わせてくれた直樹に、リサは自分の想いを伝え、二人は結ばれる。
(リサハッピーエンド)
【リサグッドエンド】
リサはアメリカに戻ってから新しい家族が増えて忙しく、なかなか日本に帰ることができないでいる。
それでもエアメールや電話で、必ず日本に戻ってくるという事を聞く。
リサがいつか日本に来たときにいい男になっていようと直樹は誓う。
【鼓堂詩名】
詩名は、直樹とちなつをくっつけさせようとする。
しかし直樹はちなつを妹としか見れず、逆に詩名の好きな人を聞くことで話題をそらそうとする。
詩名にも好きな人がいるらしいことが分かった直樹は、詩名の恋を手助けしようと考える。
そして、詩名が趣味で作詞作曲もしていると知る。
直樹は詩名に、音楽に気持ちを乗せて好きな人に伝えようと提案する。
放課後に文芸部室で作詞作曲を進める中で、相手の事を聞くうちに、直樹は好きな人が亨ではないかと言って、詩名も明確には否定しなかった。
曲が完成して詩名は直樹の前で歌ってみたが、好きな人が亨だと思っている直樹は詩名の気持ちに気付かない。
直樹は詩名に亨を会わせた結果、詩名と亨は付き合うことになった。
直樹はその後、自分が嫉妬しているのを感じて、今更ながら詩名を好きだということに気付いてしまった。
詩名が直樹とちなつをくっつけさせようとした理由は過去に遡る。
詩名が駅前で歌っていた時、足を止めて褒めたのはちなつだけだった。
そのおかげで、詩名は今でも作詞作曲を続けていられた。
(ちなみに「レッツゴー☆ペタペタ」の歌詞のコンテストで優秀賞をもらい、採用されているようである)
その後直樹と出会って好きになったものの、ちなつが直樹を好きなことは一目瞭然だった。
しかし直樹に自分から告白すると、恩義のあるちなつから好きな人を奪って、傷つけてしまうことになる。
直樹が自分のことを好きになってくれれば、奪ったことにはならない。
が、いっそのこと直樹とちなつが付き合ってくれればまだ諦めもつくし、恩も返せる。
その後、亨とリサが駅前でデートをしているのを見る。
そのことを亨に問いただすと、リサは浮気相手なのだという。
リサは亨が詩名と付き合っているのを知って、自分も亨が好きなことに気付いて、
愛人でもいいからということで付き合い始めたのだという。
心ここにあらずで風流庵の仕事をする直樹に、信は亨と詩名のところに行くように言う。
遊園地に行くと、亨と詩名がデート中だった。
直樹は亨を殴り飛ばし、気持ちに気付いてなかった自分も殴ってほしいと頼み、殴られる。
そして、亨があっさり身を引いた。
亨は初めから、詩名が自分のことを好きではないと気付いていた。
風流庵の皆と画策して、直樹に自分の気持ちに気付かせるように一芝居打ったのだ。
直樹は詩名に自分の想いを伝え、二人は結ばれる。
(詩名ハッピーエンド)
【詩名バッドエンド】
直樹は、亨と詩名の所に行くことができなかった。直樹は風流庵をやめてしまった。
直樹は現実から目を背け、誰かのせいにすることしかできなかった。
【ちなつ・霞共通ルート】
霞は、探し物があると言って街を歩く。直樹もそれに協力を申し出る。
ある日、霞がちなつと風流庵で出会う。二人は知り合いのようだった。
霞も、風流庵で働くことになった。
直樹は記憶を失う前から、「レッツゴー☆ペタペタ」のぎんじろーさんのストラップを持っていて、それが大切なものだと分かっていた。
そして、幼いころにちなつ、霞、直樹、『大輔』の4人で遊んでいた光景を思い出すようになる。
霞は、その思い出がある場所をたどっていたのだ。
しかし、過去に触れるたびに激痛と不快感が直樹を襲う。
それでも、ストラップを一度失くしたのをきっかけとして、直樹は自分の過去に向き合っていく。
ある日、霞と直樹が同じアパートの部屋に住んでいるのがちなつにばれる。
ちなつはカッとなって父親に電話をするが、霞が住むことは父親も了承済みだったという。
ちなつは荷物を持ってきて、三人で同居を始めることになる。
またある日、資料探しを頼まれていた詩名が過去のPTAの文書を見つける。
近くの洞窟に「レッツゴー☆ペタペタ」の勇気の石があると言って探検するのをやめさせるようにという文書だった。
『鷹見大輔』は、芹澤直樹に頼まれて石を取りに行き、死亡したという。
芹澤直樹も、その後大けがを負ったという。
(洞窟にある勇気の石とは単にちょっときれいな天然石というだけである。織姫ルートに登場するのも同じ)
直樹は、タイムカプセルを埋めたことを思い出し、記憶の光景を頼りに公園の大樹のそばからタイムカプセルを掘り出す。
しかし、「思い出すなんて、許さない」とちなつが直樹を妨害する。
そこに霞が助けに来て、ちなつと霞は平手打ちの応酬をする。
そんな中タイムカプセルを開けると、中には勇気の石が3つ、ミニレコーダー、ぎんじろーさんのストラップ、
大輔とちなつと霞への「埋めなおしてごめん。でもこれで僕のことを認めてくれるよね」という手紙、
そしてちなつが入れた「ちなつとなおくんとの写真」が入っていた。
その写真を見ると、「なおくん」には腕にアザがなかった。では、自分は誰なのか……。
そこで、直樹の意識が途切れた。
以下簡単にまとめ。
主人公の本名は『鷹見大輔』である。(以下、主人公の名前は大輔で表記する)
大輔と直樹とちなつと霞はいとこ同士で、よく4人で遊んでいた。
ぎんじろーさんのストラップは4人で色違いのものを1つずつ持っていた。
大輔もちなつも霞も、それをずっと持っていたのだ。
ある日亨からタイムカプセルについて教えてもらって、4人で埋めることになった。
大輔と霞は勇気の石。ちなつと直樹は一番大事なもの。
直樹は大人しい少年だった。勇気の石をなかなか取りに行けなかった。
それを霞が煽った結果、奮起した直樹は勇気の石を一度取り、再度タイムカプセルを埋めた。
直樹は霞の事が好きだったからである。
友達に見せようとして二度目に取りに行くときに、直樹は死亡した。
大輔は大人たちから責められる。
大輔はちなつと一緒にいられるように大輔としての記憶を封じ、直樹として振る舞うようになった。
記憶について治療の手立てもなかったため、戸籍上でも本家が手を回して、大輔が死亡したようにした。
【天川ちなつ】
大輔は病院で目覚める。それに気付かないちなつはそばで独白する。
ちなつは大輔のことが直樹でないことは当然分かっていた。
直樹の死後、許嫁ならば仇を取らなければいけないと教えられた。
ちなつは「なおくん」が好きだったため、命を奪う原因となった大輔のことを許せなかった。
大輔が本来の記憶を取り戻さないことが復讐だと思っていた。
一緒にいる生活は楽しかったが、それは「なおくん」に向けた好意だと思っていた。
しかし本当は、大輔のそばにいるために「なおくん」を利用していただけと気付いてしまった。
大輔は、病院でちなつに自分の気持ちを伝える。
大輔は過去にちなつと、「ずっといっしょにいる」というゆびきりの約束をしていた。
それは今でも変わらないこと。二人は再びゆびきりをし、結ばれる。
霞は風流庵の二階に住むことになり、ちなつとアパートで同棲することになる。
ちなつは今までにないくらい好意を露わにする。しかし、ちなつの呼び名はいつまでたっても「なおくん」のままである。
大輔が強く否定したとたん、ちなつは倒れた。
ちなつが入院している間、大輔はちなつの父親から話を聞くことになった。
ちなつが旧家で教え込まれたのは、夫への完全な依存であった。
直樹の死をきっかけにちなつは敵意を持って大輔を見るようになったが、
大輔が直樹として振る舞うことでちなつの心は安定した。
ちなつが倒れてしまったのは、大輔が元に戻ったことで、ちなつとの元許嫁という関係がなくなり
「なおくん」との関係を失い、心が不安定になってしまったからであった。
ちなつは常に、大輔への敵意と「なおくん」に対する依存とで、心を病んでいた。
ちなつの父親は、距離を離すことで「なおくん」への好意を風化させようとした。
ちなつの父親は、直樹にちなつの事を託す。
病室でちなつは、ずっと傷つけてきた相手である「なおくん」が、自分のことを許してくれないと思った。
「なおくん」に償い、許しを得なければならないと思った。
ちなつの「なおくん」に対する好意と大輔に対する好意は混同していく。
ちなつは病院から戻り再度同棲生活を始めるが、呼び方は「なおくん」のまま。
しかしそれを否定してはちなつの心が壊れるため、大輔はそのまま過ごす。
ちなつは極度にスキンシップをとってくるが、大輔はなんとか平静を保つ。
その後、風流庵の二階で霞と作戦会議をする。
肉体関係を持ったら、おそらくちなつの心は過去に固定されてしまう。
つまり、もう大輔を「なおくん」としてしか見れなくなってしまうだろう。
二人で出した結論は、直樹としての自分をきちんと死なせ、大輔に戻すことだった。
それはちなつとの関係を清算することでもある。「指を解く」必要があったのだ。
大輔はちなつの家に行き、ちなつの父親にも相談する。
ちなつを過去の呪縛から解放するためには避けては通れないということで、ちなつの父親も了承した。
しかし、その事をちなつが聞いていた。ちなつは家を飛び出していく。
あわてて追いかけていたところ転んでしまい、そのはずみでもう一つの記憶がよみがえってきた。
幼いちなつは、直樹が転落死した石段で大輔を突き落とし、怪我を負わせたのだ。
そのことから、ちなつは大輔が許してくれないとずっと思っていた。
大輔はその石段でちなつを見つける。
ちなつは自分が大輔を殺そうとしたことや、自分が嫁と言うと他に好意を持っていた子は諦めていくということを告白する。
そうして幸せを奪っていった自分と他人になりたいんだろうと突き放すが、大輔はちなつを抱きしめてキスをする。
過去のゆびきりの時も、記憶が戻った際に病院でのゆびきりの時も、大輔の意識の時だった。
だから、大輔が元に戻ったところで何も変わらないのだ。ちなつの心は晴れていく。
本家が手を回し、大輔の戸籍も戻った。
ちなつは「なおくんの嫁」ではなく「大輔の恋人」として改めて付き合い始める。そんな中、同じクラスに霞も転校してくる。
失われた十年間を取り戻し、これから楽しい思い出をたくさん作っていこうと、大輔とちなつはゆびきりを改めてするのだった。
(ちなつハッピーエンド)
【ちなつバッドエンド1】
大輔は去っていくちなつの指を離してしまった。ちなつは遠くに引っ越し、霞はアパートを出ていく。
大輔は、風流庵に住み込みであわただしく働くのであった。
【ちなつバッドエンド2】
ちなつは石段から落下。命はとりとめたが、意識が戻った彼女は「南雲霞」の人格になっていた。
十年前、大輔がちなつのそばにいるため、そうしたように……。
【南雲霞】
霞は幼い頃、父親から直樹と仲良くするようにと言われた。でも、霞は大輔のことが好きだった。
そしてタイムカプセルを埋めるというときに、霞は直樹の事を勇気の石を取りに行けない弱虫だと煽った。
その結果直樹が死亡し、責任を感じていた霞に大輔は「助けてあげる」とゆびきりの約束をした。
霞の罪をかぶり、大人たちに大輔は責められ続けた。
そして直樹の死亡の責任があると知った霞の父親は、霞を連れて遠くへ引っ越した。
霞の父親は、霞をお金儲けの道具としてしか考えていない人間だった。母親には早々に愛想をつかされ、別居していた。
直樹と仲良くするようにというのも、芹澤家の跡取りと結婚できれば……という考えだった。
霞は大輔に見捨ててしまったことを謝りたいと思いながら、年月が過ぎて行った。
霞は「レッツゴー☆ペタペタ」のアニメをきっかけとして大輔に会いたいと思うようになる。
そんな中、芹澤家ではちなつが死んだ直樹に対し依存していることが問題となり、霞が跡目取りの候補として再浮上してきた。
跡目取りとは、婿養子を家に迎える役目である。
そこで父親は、成金の中年と無理やり性行為をさせて既成事実を作り、
中年への借金返済をすると共に、跡目取りにさせて芹澤家を継がせ、さらに財産を得ようとした。
その事実を知った霞は逃げ出し、大輔の住む芦鹿島にやってきたところ、ちなつの父と会う。
大輔の事情を聞き、アパートに行ったときに大輔と会い、「だいすけ」と呼びかけた時に大輔は倒れてしまった。(これが共通パート最初の部分)
霞はちなつの父と電話で相談し、アパートに一緒に住むことにした。
しかし大輔としての記憶を取り戻せば大輔の精神は不安定になる。
だから霞は直樹の記憶を固定させるため、そして見捨てた自分に愛される資格はないため、他人の演技をしていたのだ。
(織姫・リサ・詩名ルートでは霞はアパートを出ていくが、その時に初めて「直樹」と呼ぶ。
霞は大輔の記憶が「直樹」で固定されたのを見届けて出て行ったのだ)
霞は、大輔を見捨てて逃げ出した自分をずっと許せないでいた。しかし大輔は、霞が頼ってくれたことが嬉しかったのだ。
二人はアパートに同棲することになる。ちなつは、アパートから去っていく。
(このルートではちなつの大輔に対する呼び方は普通に「だいちゃん」である)
二人はデート中、大木のそばでタイムカプセルに入っていたテープレコーダーを再生する。
そこには、直樹の埋めなおしたことによる謝罪と、霞に見せる分をもう一度取ってくるとのメッセージが入っていた。
直樹は霞が好きだったから、許嫁の関係へのせめてもの反抗なのだと霞は推測する。
霞は直樹への謝罪と、もし状況が違っていても大輔のことが好きだという気持ちを伝える。
そして二人は恋人同士になるが、次の日アパートに帰ると「さよなら。霞」との手紙があった。
霞は、なぜ手紙を置いて出て行ったのか。
霞は、勇気の石がある洞窟に花を捧げようと行ったが、そこには霞の父親がいた。
霞の父親は、戻らなければちなつや直樹に10年前と同じように何かするという。
10年前、ちなつに仇を取れと吹き込んだのは霞の父親だった。
そして、大輔を責めるように大人たちを誘導したのも霞の父親だった。
この男のせいでちなつと大輔は10年も苦しみ、今また苦しもうとしている。
霞は2人が大好きだった。苦しむ姿を見たくなかった霞は、自分から「指を解く」ことにしたのだ。
大輔はちなつの父から、霞が芹澤本家の屋敷にいると聞き向かおうとするが、ちなつが壊れることになると止められる。
そもそも今回の事件の発端は、跡目取りであるちなつに縁談が持ち上がった時、ちなつが狼狽したことによる。
ちなつは、まだ「直樹」との関係に囚われている。そこで、霞を後継者として格上げするという話が持ち上がったのだ。
ちなつの父も、ちなつの呪縛をなんとか断とうとし、ちなつと大輔の距離を物理的に離すことにしたのだった。
そして今、霞の父親から、娘に手を出せばちなつと大輔の時間を10年巻き戻すという知らせが入った。それは親族から再び責められることを意味した。
霞を助ければ、大輔は大丈夫でもちなつは親族から責められて壊れるだろう。
ちなつを助ければ、霞は芹澤家の跡目取りとして見知らぬ人と結婚しなければならないだろう。
土砂降りの雨の中、3人が濡れていて、自分とあと1人しか入れない傘があるとすれば。
大輔は、霞を選んだ。
大輔は霞に、以前から使っていた暗号で霞の携帯にメールを送った。携帯はもちろん霞の父親が持っていたが壊れたと勘違いし、
金にうるさい父親は修理代を払いたくないため、霞に携帯を渡した。
2人はちなつが教えてくれたプランに従い、夜中に人目のない河原で落ち合った。
そこに事態を察していた霞の父親が現れ、大輔を蹴り飛ばす。
くずおれる大輔に対し、霞の父親は優越感たっぷりに過去の事を話す。
全ては、霞の父親が原因だった。
霞とちなつを10年もの間苦しめていたのは、霞の父親だったのだ。
怒りに打ち震えた大輔は、霞の父親を殴り飛ばす。
これで全てを失ったかという直樹に、貴方がいるところが私の寝床だものと言う霞。
結局、過去の事実がすべて明らかになり、霞の父親は全責任を押し付けられ、放逐された。
ちなつの父親の尽力で、大輔と霞が同棲していたことも美談扱いになり、大輔は将来芹澤家を継ぐことになりそうだ。
そしてちなつも、家族と言ってくれたことが嬉しかった。高校卒業までは、ちなつの面倒を見ることになりそうだ。
霞は家の問題を解決するため、一度故郷に戻るという。
大輔とちなつは、一緒に駅で見送る。
(霞ハッピーエンド)
【霞バッドエンド】
大輔は、ちなつを選んだ。
ちなつのせいで霞が囚われたということに耐えられず、ちなつの心は壊れてしまった。
ちなつは「なおくん」と、「なおくん」のアパートで一緒に暮らし始める。
大輔、いや「なおくん」も、その甘美なぬかるみにゆっくりと沈んでいくのであった……。
以下、共通ルートバッドエンド。
【バッドエンド1】
霞がアパートを出て行ってから数日後、亨が親とケンカしたという理由で直樹のアパートに居候する。
それから半年、亨はまだ直樹のアパートにいた。誰か助けてくれー!!
【バッドエンド2】
霞が探し物をすると言って出て行ったあと、直樹は追いかけなかった。霞はそのまま戻ってこなかった。
直樹は霞が帰ってくるかもしれないと思いながら、今日も部屋に鍵をかけないで出ていく。
【バッドエンド3】
もやもやした気分の中、遊園地に亨を誘う。男同士で遊ぶのも、たまにはいいもんだなぁ。
あれ、なんか変なのに目覚めてしまいそう?
【バッドエンド4】
真実から目を背けようとした結果、ちなつは遠くに引っ越し、霞はアパートを出ていく。
直樹は、風流庵に住み込みであわただしく働くのであった。
【バッドエンド5】
真実から目を背けようとした結果、階段から落ち、直樹は全ての記憶を失ってしまう……。
「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」はこれで終わりです。
前回は友好モンスターのアジトが壊滅した所まででしたね。
リリア達の会話は「全滅か、頼りないなあ」「人の心があるなら少しは悼んで下さい」という内容になってました。
・南の塔
そこはバンの事前説明どおり暗い場所だった。「どこかにランプが有る筈です」「いや、音楽が。」→BGM変更
途中、壁から杭や刃が飛び出て犠牲者を襲うトラップが有るが、リリアはそれを飛び越えて回避。スライムは兄の剣で「リリアスラッシュ!」
小部屋のスイッチを押すかどうかの選択肢が出る前に「ポチッとな」…といった調子で探索を進める。
しばらく進むとハーフキャットを発見。彼女を見てリリアは「重要人物っぽい」と感じたので追いかける事に。
うっすらと床の色が違う魔法地雷は原作では踏むとミンチになるが、アホみたいに激強なこちらのリリアは平気で突き進む。
やっと捕まえたと思ったら引っかかれて逃げられるが、彼女は十字型の鍵を落としていった。
が、何故かリリアはそれを「使ったら負けかなと思って。」と破壊してしまう。
その後再び追いつくと彼女はリリアの王家の証に反応、ミミと名乗る。
ミミに案内された部屋には、リリア同様ガレスに拉致された被害者の一人、ミスティーズ15代目の幼j…王女ティアが居た。
リリアはミミやティアの話から様々な情報を得る。多くの拉致被害者がティアを守って死んだ、ガレスは東の塔にいる、王家の証について等。
相変わらず変な反応ばかりでバンに呆れられるのもいつもの事。(例:話題にのぼる「紫のドレスの女性」からリリアが連想する「紫のバラの人」は、
そもそもこのゲームには登場しない)
だがミミがティアを守るのは何故かというリリアの問いには「それが役目」と曖昧な答えしか返されないままに、もうその役目も終わりとリリアに後を託されてしまう。
拾っておいたティアの証を返し、ミミと別れてリリア・バン・ティアの3人で行動する事に。
・脱出経路を探る…の前に
部屋から出るとティアの証の効果でスライムが居ない。リリアは「これなら北の塔の隠しアイテムが手に入りそう」と自動でそこへ向かってしまう。
そこには髪飾りが。調べると(無視して戻ろうとしてもリリアに止められます)、紫のドレスの女性、ミスティーズ王家2代目のルナの思念が現れた。
いわく、本来2代目になる筈の兄は即位するなり失踪したので代わりに自分が即位、ここに来たのはガレスに拉致されたのではなく自ら足を運んでの事、
ガレスはルナと同じ時代の者、初代ミスティーズ王の過ちにより復讐の権化となり、何百年(この城の中では30年程度だが)も生きながらえ、
心身ともに悪魔同然の彼に力で対抗するのは難しく、彼を鎮めるには言葉によって心の闇を取り除くしかないと思い来てみたはいいが、
この城は危険すぎて髪飾りに精神を封じ込めるしかなくなり、結果、邪悪な者つまり肝心のガレスにはルナの声や姿は感知出来ず…。
「行き当たりばったりすぎやしませんか」というリリアのド辛辣なダメ出しにルナは何も言い返せず…聞かなかった事にして話を続けるしかなかった。
精神と切り離された肉体が独自に行動しており、その者に髪飾りをつける事で元に戻れるので手伝ってほしいと頼まれ、引き受ける。
そして自動で塔の中間地点へ戻り、東の塔へ。
・鏡の迷宮
東の塔へ来たが、入り口の階段が瓦礫で塞がれている。しかしバンが瓦礫をどかそうとすると西の塔から瘴気が!
という訳で、トラップが危険すぎて魔物すら近づかないという鏡の迷宮行き決定。
一度通ると割れる消耗品の鏡が何故今まで残っているのか疑問に思いつつもBGM変更(オープニングのパーティーの曲)
少し行くとすぐ移動レーザー砲台の鏡が有るが、匍匐前進、通称たれリリアで突破。
鏡の中には、一方通行の先に何も無い小部屋(唯一出来る事は、死ぬとわかって割れた鏡に飛び込む事だけ。原作における詰みの一つ)も。
こんな鬼畜な城を作ったガレスの性格の悪さを恨みつつ、リリアは王家の証の力を解放すると言い出し…「リリアバイツァダスト!」
何故か夢オチ扱いにして脱出成功(技の説明に「本編リリアも使う」とあるけど、これってつまりリセットとかセーブ&ロード?)
レーザー越しに脳き…クリスを発見、鍵と剣を交換。
投げつけた剣が見事にグッサリ!でも回復魔法っぽいのを使って一命を取り留めるので一安心。
剣落としてる間にレオンに見つからなくて良かったと安堵しつつクリスと別れ、この鍵で開く扉を探しに戻る。
その先にある鏡に映ったリリアの姿が話しかけてきた。オワタでは鏡のリリアも性格・口調が面白い事に。
たまに鏡の中から抜け出した奴が猛スピードでウロチョロしている中を通り抜け、たくさんの鏡達から断片的な情報を聞き出す。
3人目の鏡リリアは偽者だが、偽者の情報入手より先に攻撃して来る(ので原作でやられた人も多いとか)が「バンシールド!」
その先の部屋を進む為のヒント…というかモロネタバレ&「罵倒ワープ」なる謎救済措置の助けを得て進む。
今回はここまでです。
【レオン編】 CHAPTER 2
バスの車内にて、ハニガンと連絡をとる二人。彼女曰く、トールオークスの9割、約7万人が感染しているという。そして……
「“ネオアンブレラ”を名乗る集団から犯行声明が出ているわ」
「アンブレラ!? ……ラクーン・シティの再来というわけか」
思い出したくなかった名前を聞かされ、表情が曇るレオン。
「ところで、あなたは何を掴んでいるの、レオン? あなたから情報を引き出せと“外部”がうるさいの」
とハニガンは言った。外部とは、FOSオフィスに乗り込んできた大統領補佐官の【ディレック・C・シモンズ】のことだ。
DSOおよびFOSはあくまで大統領直属。政府内での大統領の側近であろうが、ここでは権限を持たないヨソ者である。
とはいえ、大統領が死亡した現在、その原則にも矛盾が生じ始めている。シモンズの介入を防げる状況にはない。
説明しろと言われてもできないし、ウソでしたとはいえない。口ごもるレオン。
だがそのときうまい具合に(というと語弊があるが)、バスが事故を起こした。動けなくなったところを、ゾンビに囲まれる。
さらには、暴走トラックに突っ込こまれて、バスは崖から落下した。レオンとヘレナは外に放り出され、泥の上を転がった。
彼ら以外の生存者は、バス落下の衝撃で押しつぶされたか、その後の爆発炎上で焼け死んだ。
「嘆いてるヒマはないわ」とヘレナは言った。そのとおりだった。教会はもうすぐ、墓地を抜ければ辿り付ける。
墓地の中では、肉がかなり腐れ落ちているゾンビと頻繁に遭遇した。おそらく、埋められた死体が蘇っているのだろう。
今回のウィルスは、t-ウィルスをはるかに上回る、強力な感染力を持つということだろう。
鍵を探したり、ゾンビに襲われた弾みでヘレナとはぐれたり、いろいろしつつも墓地を抜け、ついに教会に到着した。
分厚いドアを叩き、開けるように頼む。しかしまたもやちょうどゾンビが押し寄せてきて、殲滅するまで入れてもらえない。
「お前を信じてここまで来たんだぞ? それに値する情報なんだろうな?」
「そう思えなければ遠慮なく私を撃てばいい」
ゾンビと奮闘しながら、レオンは念を押して尋ねる。ヘレナはそれに淡々と答えた。
ようやく中に入ることができた。生存者たちは喜びを見せるが、レオンが「救助隊じゃない」と言うととたんに落胆した。
所在なげにうろうろとしている生存者たちをよそに、ヘレナはまっすぐに教会の祭壇へと向かい、そして顔色を変えた。
「前に来たときは、確かに階段があったのに……。仕掛けがどこかにあるはずよ」
そういうことなら、レオンは慣れたものだ。そこらじゅうを探索し、聖母像をつかった仕掛けを解読。ドアが開いたので、
その先にある石像の罠や、レーザー光に反応するドア、鐘を撃って鳴らす仕掛けなどを次々と解読していく。
そして、鍵となる像を手に入れて、再び聖堂に戻ってきた。それを使って、祭壇に隠れた階段を開く。
……すると、その階段から、ぶよぶよと膨れた体の怪物が登場した。体中に、乳房にも似た袋状の器官をぶら下げている。
怪物は、その器官から紫色のガスを噴出した。ガスに触れた生存者は、あっと言う間にゾンビに変わってしまった。
大学で出会った生存者の「霧」という言葉を思い出すレオン。……今回の事件の元凶は、どうやらコイツらしい。
その怪物、【レポティッツァ】を撃破した二人は、階段を降りていく。すると、薄汚い牢獄のような場所に出た。
番号を入力するだけで鍵が開く、非常に簡素なセキュリティ・ロックがかかっているので、入力して進んでいく。
椅子がひとつ置いてあるだけの、少し広い監房に着いた。ヘレナが椅子の感触を確かめるように触って、言う。
「……この場所覚えてる。デボラがまだいるはずだわ」
言うと、ヘレナはどんどん先行してしまう。デボラという名前を呼び続け、部屋を手当たり次第に調べていく。
とある部屋に着いた。牢獄から一転、ハイテク機器が充実した、いかにもバイオ研究所という感じの部屋だ。
そこの培養カプセルには、人の形をした、全身かさぶたに覆われているような、【サナギ】のようななにかがあった。
「3日前にはこんなものなかった」とヘレナは驚く。どうにも説明が要領を得ないが、ヘレナは説明は後だと言い続けた。
その研究室で、レオンはVHSビデオテープを見つけた。……2013年のいまどき、VHS? と思いつつ、手にとると……
ラベルには『Happy Birthday Ada Wong』の文字。……【エイダ・ウォン】!? 驚き、ビデオを再生するレオン。
培養層の中にあるのと同じ、人間型のサナギ。その背中が割れて、粘液の糸を引きながら、人間が這い出してきた。
それは、アジア人らしき髪色と肌色の女性だ。その女性が顔を上げる。それは……まさしくエイダ。
「……これがお前の言う“真実”か」 レオンがいらだたしげに尋ねる。が、ヘレナは知らないと答えた。
「あんなの人間の生まれ方じゃない あなた“あれ”の知り合いなの?」 怯えたような疑いの声で、ヘレナが言う。
「……まあな。……お前が全部話すなら、引き換えに教えてやってもいい」 レオンは少し面倒そうに答えた。
研究施設の中もゾンビがうようよいた。白衣を着たゾンビが目立つ。研究員も被害に遭ったようだ。
そして、ところどころ、さきほどのサナギがぽつぽつと存在していた。これもまた研究員のなれの果てだろうか。
そのサナギの背中が割れて、中からオゾましいクリーチャーが誕生し、襲い掛かってくる。まさに、地獄だ。
レバー操作で足場を操作しながら進むエリアを抜ける。ゾンビに囲まれたのでダストシュートで脱出した。
いいかげん、あてのない探索にいらだったレオンが、ヘレナに情報を明かすよう言うが、ヘレナの答えは同じだ。
「言ってもあなたは信じてくれない……でもあの子さえいれば…… “あいつ”の企みを立証できるの」
そしてついに、ある部屋にて、横たわる女性を見つけた。ヘレナは喜び、駆け寄る。
「デボラ! デボラ、しっかりして!」「……ヘレナ?」
彼女は生きていた。すこし虚ろではあるが、意識もあるようだ。三人で、脱出をめざし移動開始する。
だが、少し進むと、デボラが苦しみ始める。とつぜんの発火、そして変異。デボラもまた、サナギと化した。
そしてそのまますぐ、背中が割れて、再誕した。……もちろん、怪物として、だ。
狂乱し、泣き叫ぶヘレナ。デボラがもはや人間ではないことを、すぐには受け入れられない。
駆け寄り、抱きしめる。デボラの背中から生えた触手が、ヘレナの背中に突き刺さろうとしていることに気づかない。
突如、ボウガンが飛んできた。デボラに直撃し、吹っ飛ばす。驚いて振り返る二人。そこにいたのは……エイダ。
「まるでバケモノでも見るようね」 エイダは、いつもの微笑と口調を見せた。
ヘレナは彼女に銃を向けた。それをそっと抑えるレオン。そして、エイダに説明を求めた。だが、やはりはぐらかされる。
お約束通り、地下施設が崩れ始めた。長居はできない。
「どうする? まだ話を続ける?」 エイダに皮肉っぽく言われるまでもなく、脱出を優先するしかなかった。
だが、変異を続けるデボラに襲われる。脱出しつつも、ところどころでは戦いながらの行動になった。
広間っぽいところでは戦闘し、そこが崩れて落ちたら今度は脱出優先だ。エイダを加えた即席チームで進んでいく。
ヘレナから少し離れたときを見計らったように、エイダはレオンに指輪をそっと渡した。
「勘違いしないでね? 意味はあとでわかるわ」「そうかい」 相変わらずエイダは秘密主義だ。レオンも質問しなかった。
トロッコを見つけた。おそらくは、外に通じているはずだ。それの発車と同時に、再びデボラが襲来。走りながら戦う。
無駄だと分かっていても、デボラに対し呼びかけ続けるヘレナ。彼女に対して、エイダが冷たく聞こえる声で言った。
「殺してあげなさい…… 妹さんが可哀想だと思うのならね。でないと、あなたが殺されるわよ」
トロッコが脱線した。足場に片手でつかまり、今にも落下しそうなエイダ。そして今にもデボラに襲われそうなヘレナ。
レオンは片方に手を貸し、片方に射撃援護してそれぞれを救い出す。
デボラが落下していく。ヘレナが伸ばされた手を掴んだ。……だが、彼女にももう分かっていた。もうこれは、妹ではない。
「……もう泣かないわ、あなたの仇をとるまでは ……だから……許して」
ヘレナは、手を緩めた。デボラの手がすり抜けていく。長い竪穴の底知れぬ闇へと、デボラは墜ちていった。
ついに、ヘレナは重い口を開いた。
今回のテロ事件は、すべて大統領補佐官のシモンズが絵図を描いたものである、と。
シモンズは、ヘレナとデボラの姉妹を拉致。デボラを人質にして、ヘレナを脅迫する。「大統領の警備に隙を作れ」と。
今回のテロの最大の標的は、大統領だったのだ。トールオークスの7万人は、それの巻き添えのようなものだった。
仕方ないとはいえ、ヘレナはテロの実行および大統領の暗殺の実行犯も同然。彼女の台詞は、そういう意味だったのだ。
ヘレナの情報を聞き終えたレオンは、次にエイダへと質問の矛先を変える。
だがエイダは、またしても「話せば長いわ」とはぐらかした。こうなると絶対に聞き出せない、とレオンは知っている。
「相手はこの国を作った連中よ。うまく立ち回らないと、自分たちが死ぬことになるわ」
エイダは、二人に対してそうアドバイスを残して、さっさと一人で立ち去ってしまった。
残された二人は、テロの首謀者にして、大統領の、妹の仇であるシモンズに、怒りをあらわにする。
そのとき、本部から通信が入った。
その声は、ハニガンではなかった。
「私がどうしたって?」
「……シモンズ!」
書き手の皆様ありがとうございます。
前回の補足。罵倒ワープとは、面倒な謎解きをパスして一気に正解ルートの先へ行ける便利機能ですが、その効果が発動する前に
「こんな簡単な問題が出来ないのか、人間として最低だな」とか何画面も延々とプレイヤーをなじるもの。…便利…?
・迷宮突破〜東の塔
鏡の迷宮を抜け、塔の頂上に出る。その先にはクリスが居た。
(話の進行には関係無いが、隠し通路が有るので通ろうとするとファンファーレと共に「隠し死亡ポイント発見!」
その名の通り原作だとそこではリリアが転落死。オワタ作者も最初気づかず、初期Verだと普通にゲームオーバーになったとか)
改めて現状等を説明するリリア、そこへガレスが登場。言いたいことだけ言って彼は消えてしまう。
厄介な事になった、と困っていると髪飾りからルナが出現。分離した体であるミミも意外とすぐ近くに居た。
同化を求めるルナに対し、ガレスは説得出来る相手じゃないとミミは拒否、やり残した事があるからと一行と別れる。
東の塔に入るなり、リリアが用意した能天気なBGMにクリスが面食らう。
瘴気と血の沼が一行の行く手を阻…めなかった。
リ「変なにおいがしますね」バ「それ瘴気なんですけど」テ「お姉ちゃん、なんで平気なの」ク「それで済むお前の方が変だ」
だが転移魔法陣のある部屋の扉が開かない。落胆するクリスを珍しく原作通りに励ますリリア。
試練の魔法陣へ進むが、ガレスの意向により謎解きが 完 全 ノ ー ヒ ン ト に変更。
リリアの足元に強酸液がどんどん迫る!血の沼を高速で抜けた「リリア月歩」でも酸はさすがに…。
その時、頭上の鉄格子から顔を出すクリスを見て、リリアはそこの段差へ乗る事を思いつき、ジャンプで兄の手を取った。
リ「ファイトォー!」ク「イッパァーッツ!」←オワタ唯一、他のキャラがリリアのネタに乗るシーン
しらみつぶしで謎を解いて脱出、先へ進めるように。
途中、赤いスイッチを(例によって押すかどうかの選択肢が出るより早く)押すと何かの仕掛けが動く。
・大広間
そこではレオンとガレスが対峙していた。リリアらはガレスの目的を問う。
自分によって永遠に苦しめられ続ける事がお前達の責務だから、というガレスの一方的な敵意…をあざ笑うかのように聞き流すリリア。
キレたガレスがティアを狙うが、ミミが颯爽と救出。名前欄がティアだけど多分ミミは「彼のうちにある真実の門を開いた」と告げる。
ミミはリリアから髪飾りを「そぉい!(ズビシ)」と叩きつけられ、ルナと同化。
ガレスは酷く動揺し、逃げるように消える。
ルナはガレスとの過去を語る。
わずかな期間だけ彼と夫婦だったが、2人は子を授かる暇も無く引き裂かれたという。今のミスティーズ王家はルナの弟の子孫。
大昔、この地にはレクイエム王国と、バーサーク症でいずれ魔物になる運命に苦しむ獣人達の村が有った。
だがバーサーク症に耐性を持つ獣人、後のミスティーズ家の祖先が現れる。
ミスティーズ家という希望のもとに結束した獣人達は勢力を広げ、これに反発したレクイエム王家は戦争を起こすも陥落。
双方の被害は甚大、講和の印としてルナとレクイエムの王子ガレスを結婚させ、ようやく戦争が終わろうとした。
だがミスティーズ家に再びバーサーク症の脅威が襲い掛かり、ルナの父・初代国王までも暴君と化す。
王はレクイエムに連なる者を弾圧し、やがてルナは軟禁、ガレスらは追放された。
その後ガレスらレクイエムの者は忽然と姿を消し、さらに数年後、王が惨殺され次期国王の兄も失踪。
ルナはガレスに会いたい一心でここまで来たものの…その後の顛末は、北の塔で髪飾りを拾った時に聞いた通り。
ガレスは東の塔の頂上に居るという。だが、そこへ向かう前に、リリアらは最近開いたばかりの意味深な扉の先へ。ルナと別れる。
・地下牢
扉の先は大量のトラップがてんこもりだが、パンチやジャンプ、匍匐前進で難なく突破。スライムを弾き飛ばしつつ進み、穴に飛び込み続け…。
何かの暗示らしい胡散臭い夢の後、リリアは水瓶の水をかぶっていたことに気付く。目が赤い。
ティアは「王家の人だけかかる病気を治す薬が悪者に盗まれ、逆に病気にする薬に変えられた」という話をどこかで見たらしいが…。
ひとまず先へ。他の人がスイッチを踏んでないと通れない剣山トラップで、クリス・レオンが先行。だが待つ3人を殺人蟲の大群が襲う!
こんな事もあろうかと、と何故か虫除けスプレーを持ってきていたリリア。代わりに殺虫剤を置いてきたらしい。寄生ジョーカー…
分断される一行。リリアは蟲をスプレーで蹴散らしつつ…って、虫除けってそういう使い方する物だったっけ?
途中でバンと会うが、口調が違いすぎる。思わず撲殺しちゃうと、死体は消滅。偽者だった。
次のティアもあからさまに怪しいが、無視して進もうとしても引き止められ、明らかに罠な血の滲み出た扉へ入る羽目に。
そこは拷問部屋、原作では開かない扉の向こうからリリアの断末魔が響き続け、やがてゲームオーバー画面になるというもの。
だがこっそり扉にストッパーを仕掛けていたリリアは、偽ティアを引きずり込んで「大人のお仕置き」…
偽ティアが塞いでいた部屋には、ここにある物は全て人の心を惑わす為のまやかし、という手記が。
クリスとティアと合流。このクリスからも先の手記の事を聞く。果たして2人は本物か偽者か?
しばらく進むと、いきなりレオンが一行を偽者呼ばわりして襲い掛かって来た。クリスが応戦。
その後も仲間達と会う。見事見破ったのか偶然か、偽者に対し容赦の無いリリア。
(例:偽レオンについて行くかティアと残るかの選択肢が、ついて行かない・ティアと残る・一人で逝け・幼女最高)
途中いくつかの手記を見つけるが、やたらミスティーズ側だけを悪者扱いするものばかり。
それを何の疑問もショックも無く「これこそがミミの言っていた真実」と主張するクリス(実は偽者)とリリアが口論。ティアにたしなめられる。
その後、魔法陣で偽者を消し去ろうとしたその時、リリア除く4人がどんどん現れ…リリアがキレる。
片っ端からリリアパンチの餌食にし、消えずに残った4人が本物なのだが、ティア以外血まみれ、特にレオンはほぼミンチ…でも生きてます。
まやかしの一行を消し去った後、手記の内容も書き換わっていた。
それらはガレスに歪んだ復讐心を植え付け、心身ともに人間やめさせ、ひたすらミスティーズへの復讐を続けさせるための、
言わば壮大な自作自演だったのだ。
今回はひとまずここまでです。
361 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/28(日) 10:17:49.99 ID:gzM9j04q0
かなり間があいてしまいましたが闇ルートの最終章までを投稿します
25章 アシュレイの覚醒
尚マバロを目指す一行の前にドロイゼンの部隊が立ちはばかる
しかし、最愛の母の死によりアシュレイは完全に正気を失っていた
仲間の配置も遅れ無防備なまま孤立するアシュレイ
彼を守ろうとするハイタワーとゼノだったがドロイゼンに切り捨てられてしまう
ハイタワー「アシュレイ様、おさらばです・・・」
ゼノ「サイーデ様、アシュレイ様を守れず、申し訳ありません・・・」
アシュレイに止めを差そうとするドロイゼン、しかしアシュレイはその一撃をはねのけた
マチルダが残した短剣、ギアランの短剣の力がドロイゼンを倒した
ドロイゼン「クッ、オレの一撃がきかないなどと、ま、まさか、これも闇の・・・」
戦い終わりアシュレイは駆けつけた仲間達に短剣のグラセウムの力があればマグダフを必ず倒せると意気込んでいるが・・・
362 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/28(日) 10:32:53.01 ID:gzM9j04q0
26章 思いの連鎖
いよいよマバロに到着したアシュレイ達
そこにロイシュナー率いるケラソスの軍勢も現れた
ロイシュナーはマグダフ討伐は自分の仕事だと言う
手柄の横取りととれる行動に難色を示すスタンリー
アシュレイは自分の邪魔をするならばロイシュナー公であっても倒すと言い放つ
そこに現れるマグダフ
奴はロイシュナーもまた闇のグラセウムに魅せられたという
その言葉を裏付けるかの様にロイシュナーはアシュレイ達に兵を差し向ける
その相手をするために突貫するドリーとドーラ
しかし、集中攻撃を受け命を落としてしまう
ドーラ「アシュレイ様、申し訳ありません・・」
ドリー「どうか、サイーデ様の・・・マチルダ様の想いを・・・」
怒るアシュレイはケラソス兵を一掃しロイシュナーを討つ
ロイシュナー「く、クソッ、ここまできたのに・・・」
その様を愚かと切り捨てマグダフは下がった
スタンリーはロイシュナーを殺したことを責めるが
アシュレイは一国を背負う者の、両親を失いながら悲しみに暮れる間も無い者の気持ちはお前には分からないと退ける
その言葉にショックを受けたスタンリーは去ってしまう・・・
その様を見てもアシュレイはマグダフを倒さねば全ては終わらないと言う
27章 マグダフ
ゲネス王の間に着いたアシュレイ達
待ちかまえていたマグダフとの決戦が始まる
ギアランの杖もグヴインの短剣には通じない
アシュレイの一撃がマグダフを貫いた
マグダフはギアランの力に執着を見せつつも敗北を認め
アシュレイにギアランの力を持つ者の心は孤独からは逃れられないと言い残し息絶えた
これでようやく平和が訪れると喜ぶエミリア達
アシュレイ「い、いや、まだ一人残っている」
363 :
エルヴァンディアストーリー:2012/10/28(日) 10:52:17.39 ID:gzM9j04q0
28章 真の正義とは・・・
アシュレイ一行はカストールへ凱旋帰国しようとしていた
しかしアシュレイは一人ある場所へ向かう・・・
エルパランスの居るアポイナ山へ
出会うアシュレイとエルパランス
エルパランスはアシュレイを第二のマグダフと称す
アシュレイは母マチルダが魔法を教えられマグダフの刺客に仕立て上げられ命を失ったことを始め
エルパランスの掲げる正義によって大勢の人間が死んでいったと断言する
アシュレイは更に言う 傍観を決め込む者
闘わずして自らの手を汚すことなく平和を手に入れようとする者は決して許せない
エルパランスは自分は傍観していたつもりは無いと言うがアシュレイは聞き入れない
アシュレイ「だから、お前を倒して私がこの世界を治めてみせる!」
スタンリー「それは許さないぞ!」
スタンリー、そして生き残った仲間達が駆けつけてきた
エミリアからブルーマントルとモルデンをアシュレイが殺したと告げられる
驚くエルパランスを尻目にアシュレイは自分の理想を邪魔する者は断じて許さない
自分の使命は親よりも重いと断言する
スタンリー「その意味がおれ達にはわからない、だからおまえを許すわけにはいかない!」
アシュレイ「私の邪魔をするならば仲間とて容赦はしないぞ!行くぞ!」
アシュレイは 仲間達を その手で 撃ち倒した
エミリア「アシュレイ、どうして・・・」
サックス「アシュレイ様、私は悲しいです・・・」
スタンリー「おまえを・・・恨むぞ・・・」
闘いを傍観していたエルパランスは真の友すら手にかけるアシュレイの惨状を見て自ら立ち向かう
しかし大賢者も今のアシュレイの力には敵わなかった・・・
エルパランス「ギアランの杖とギアランの短剣には勝てぬ・・・」
「わしの力・・・及ばなかったか」
「ワシも老いたようじゃ・・・いささか、長く生きすぎたかもしれぬ・・・」
「のちの行方を知るのは・・・ギアランのみかもしれぬ・・・」
アシュレイ「・・終わった・・・・」
こうしてエルヴァンディアの新しい時代が始まった
アシュレイはエルヴァンディアの王となり神の名を懐き自らをギアラン王と名乗った
その後、エルヴァンディアの興亡は誰も知らない・・・
364 :
無限のフロンティア:2012/10/28(日) 11:38:33.66 ID:Ie/0neqdO
間が開いたが続き行きます
ガラスのテーブルを使い滑る床の仕掛けを攻略、最深部へと到着したハーケン一行。
壁の時計のような転移装置から来た、と言う零児。
そこにはアシェンに似たアンドロイドがいた。
最初に会った戦艦・マイティエーラで見たアンドロイドに似ていると言う神夜。
突如喋り出すアンドロイドはカルディア・バシリッサ、コードナンバーW06と名乗った。
それに聞き覚えのあるアシェンに、あの“墜落”でメモリーを破損したのではないかと告げるカルディア。
その一言にマイティエーラの事を言っているのか?と聞くハーケンに、神夜は自分が眠っていた場所か?と聞く。
小牟や錫華はそれに興味津々だったが零児がツッコミを入れる。
ハーケンはアシェンにカルディアに心当たりはあるか?と聞くが、アシェンは知らない様。
しかし、自分のメモリーの中にはカルディアの言っていたW06と言うのが開発コードナンバーであり、自分のコードナンバーがW07というのは残っていたようだ。
カルディアは自分に与えられた任務を実行するだけだ、と構える。
任務とは何だ、と聞くアシェンにそれは話す許可は受けていないと戦いを挑んできた。
カルディアを退けたハーケン一行。
再び任務とは何だ、と聞くアシェンに話す許可も必要もないと告げるカルディア。
カルディアは23年間待っていた、全ては任務を遂行するために。
そう告げたカルディアは逃走。ハーケンは、カルディアが恐らく自分達のいるロストエレンシアから来た奴だと告げる。
まだ少しは混乱しているが、零児は当初の目的を果たそうとハーケンに言う。
壁にある転移装置を調べたが、完全に機能は止まっているようだ。
神夜はこの転移装置は魔力で発動するものみたいだが、もう力を感じないと告げた。
元の世界には帰れないのかと落胆する零児達。
神夜はそれは分からないが少なくてもミラビリス城の装置はもう使えなくなっていると言う。
子供は何人がいいかとここで暮らすことを言い出す小牟にツッコミを入れる零児は、沙夜が去った事を考えると彼女には他にアテがある可能性があると語った。
この世界にはクロスゲートがある。良かったら一緒に行かないか?と誘うハーケン一行。
神夜は帰れる方法も見つかるかもしれないし、誤って攻撃したお詫びもしたいと。
零児達はそれを快く了承し、改めて零児と小牟が仲間に加わった。
と、アシェンはマイティエーラのLv.2カードキーを見つけた。
カルディアと戦った付近に落ちていた、そう告げるアシェンではあったが恐らくわざと落としていったのだろうと推測。
カードキーを見つけたはいいが、ミラビリス城の装置は使えない。
一度エスピナ城に戻ることに。
365 :
無限のフロンティア:2012/10/28(日) 11:41:58.82 ID:Ie/0neqdO
エスピナ城に戻った一行を出迎える琥魔。
ミラビリス城の装置は使えなくなっていた事を告げるが、新しい仲間が増えた事も告げる神夜。
琥魔はそれに、どこの誰かも分からない筋肉スケベと痛々しい駄狐を仲間にして喜んでる場合じゃねぇよと腹黒炸裂。
さりげなく痛いところを付くなと言う錫華に、さりげなくないし初対面の相手を普通には罵倒するなと冷静に言う零児。
琥魔の一言に怒っていた小牟だったが、こっちに沙夜が行った事を思い出す。
琥魔が言うには、沙夜お姉さまならもう帰ったそうだ。
沙夜の事を突然お姉さまと呼ぶ彼女に、何があったのかとアシェンが聞く。
太っ腹に色々買ってくれたそうで、更にツィーゲル通りの方へモンローウォークで艶やかに歩き去ったそうだ。
こっちの世界にもモンローウォークはあるのかとまたも冷静に把握した零児。
しかしツィーゲル通りは塞がっているはずだ。
上手くいけば沙夜に追い付ける。
やたらノリノリなハーケン達に、これでいいのかとぼやく小牟。
零児は例え悪の組織に身を落としてでも元の世界に戻るためだ、と言うが勝手にダークサイドにすんなとツッコミを入れるハーケン。
その一方でアシェンは琥魔に自分と同じタイプのアンドロイドがミラビリス城からここに来てなかったか?と聞くが、沙夜以外は見かけてないそうだ。
ハーケンはいずれ会える気がする、そう告げたのだった。
一行はツィーゲル通りへ向かう。
ツィーゲル通りへ向かった一行は、落下した搭が開通している事に気付く。
正確には、入り口の扉がぶっ壊されていたが。
まさか沙夜がやったのか?
しかし、壊され具合を見る限りエネルギー放出系武器―ビームソードのようなものを使ったようだ。
琥魔が沙夜にそんな武器を売り付けてでもない限り、別の誰かがやったのだろう。
もしかしたら、カルディアがやったのかもしれない可能性もある。
沙夜はそれをちゃっかりくぐって行ったのだ。
ハーケン一行もその壊された塔…サウス・オリトリアを行く事に。
366 :
無限のフロンティア:2012/10/28(日) 11:46:11.31 ID:Ie/0neqdO
サウス・オリトリアは3年前に終戦してから、荒れ放題だった。
神夜が2年台所を放置した話をしようとするがそんな話はいいとアシェンは即却下。
更に、多数の熱源を感知したそうだ。
とにかく進むしかない。
と、そんな一行の前に通行止めと言って立ちはだかる者がいた。
体の上半身が人間で下半身が魚の女性だ。
錫華は海の国である『ヴァルナカナイ』の者ではないかと言う。
彼女の格好にわらわ的に挑まんでもないと妙に気合を入れる錫華。
錫華じゃ20人分はいるが、最近パワーアップした自分なら8人分で行けると言う小牟。
まだフルパワーではない、と告げた女性。
「ッ…バカな…!?」
「なん…じゃと…!?」
「…フルパワーの意味が分からん」
錫華と小牟、女性のやり取りに冷静にツッコミを入れる零児。
やり取りがどうみてもBLEACHです本当に(ry
女性を船長と呼び、手前のザコ二人(恐らく錫華と小牟)はいいが神夜のフルパワーは危険かと、と告げる魚人の男。
その二人が『シレーナ海賊団』の団長であるアン・シレーナと副長のボニー・マクシマドだというのに気づくハーケン。
ハーケン達バウンティーハンターはアンの首にいつ懸賞金がかかるか待っていたからだ。
“彼ら”には関係がないようだ、と言うボニーにその彼らとは何者かと聞くアシェン。
アンは彼らとは、“アイツ”を追いかけて行った“ピンク色のアンドロイド”の事だと告げた。
更に“アイツ”とは何者か聞く錫華、黒い狐の耳を付けた女は通らなかったかと零児が聞く。
ハーケンもアン達はここで何をしているのか、入口を壊したのはあんた達なのかと質問責めにする。
それにアンは何もかも面倒くさくなってきた、全部吹っ飛ばすか?とボニーに言い出す。
ボニーの方も船長がそう望むのなら。と言う。
物騒な一言に驚く神夜。ボニーが言うには、アンは面倒くさくなってくると何もかも吹き飛ばす豪快な人物だそうだ。
豪快と言うよりか物騒なのは気のせいだろうか。
何だかんだで話を聞くにはアン達と戦わなければならないようだ。
アン達を倒したハーケン一行。
戦ってすっきりしたのか、アンはピンク色のアンドロイドはこの先に行った“ファントム”を追いかけて行ったそうだ。
もしかしたら、ここの入口を壊して入り込んだのはファントムかと推理する錫華。
それを聞いて…亡霊?無頼?と分からない人にしか分からんボケをかます小牟にファントムの事を説明するハーケン。
カルディアがファントムを追いかけていた事で、下手をすればカルディアがあの戦争に関わっている事に―そして自分達も関わっている可能性があるとアシェンに告げるハーケン。
ハーケン一行はカルディアとファントムを追いかける事に、
アン達は奴らの足取りがどうとか言い出す。
奴らが誰なのか聞こうとする零児だが、その一言にまた面倒くさくなるがいいか?と言い出すアンに、やんわりと帰るように告げる神夜。
アン達は去っていった。
みなさんおつです
PCのフリーゲーム、「魔女の家」のストーリーをお願いします。
第三のEDというのが見られないです。
>>368 どんなゲームだろうと思って調べてみたら、第三のEDのネタバレって
動画及びテキストでも公開禁止らしいね
公開禁止ならやめといたら?
漫画のあらすじ教えてスレの方、作者が公開しないでって言ってきてまとめサイトが閉鎖されたことあったし
こっちもwikiに載せてそんなことになったら困る
禁止されてないノーマルエンドとトゥルーエンドまででよければ書くよ
>>368はこの2つはもう見てるみたいだけど、他に読みたい方がいるなら
携帯から失礼、
>>371です
>>372、了解しましたー
というわけで、「魔女の家」予約させていただきます。
お待たせしてすみません
エピローグまで投下します
三月、日本を出発したフィンチーズは世界大会の開催地のアメリカに足を踏み入れた。
大会が始まる数日前、主人公はヒカルとキャッチボールをしていたところ、突如やってきたアメリカの特殊部隊に
どこかへ連れてかれる。
連れてかれたアジトにて、ウルフェンという狼男の風貌をした隊長から
ジャジメントの「カタストロフ」の阻止に協力してほしいと頼まれる。
これまで世間を騒がせた具現化の正体は、ジャジメントが極秘裏に開発した「ドリームマシン」という機械が起こしたらしく、
アメリカ政府は「カタストロフ」の発生による被害は何十億人にも上るという。
ヒカルは少し待ってほしいと返答を先延ばし、一旦アジトを後にした。
それから数日が経ち、表面上はこれといった出来事がないまま世界大会は開催された。
フィンチーズは他国チームの魔球に苦しめられながらも撃破しつつ、決勝戦に駒を進めていく。
そして決勝戦の前夜、主人公はホテルから抜け出そうとするヒカルに声をかけた。
やはりウルフェンたちのもとへ行き、「カタストロフ」の阻止作戦に参加する決意を固めたようだ。
ヒカル一人では行かせないと主人公も作戦に同行した。
召集された荒地には世界各地の特殊部隊や超能力者などが集っていた。
そのなかからブラックや和那たちの姿を発見すると、主人公のもとに変身した姿のピンクがやってくる。
男のような体格からして例のピンクの彼氏らしく、ピンク本人はスーツになって自分を取り込んでいるなどと妙な発言をする。
クリスマスの夜にピンクがホンフーに不意打ちされたことを受け、その代わりとして参戦したらしい。
周囲を見渡していたウルフェンは、ここの連中は誰も手を組もうと考えていないにもかかわらず
ここに集結されている状況に疑問を抱くと、ルチアというジャジメント側の超能力者が
人食いゴキブリやドラゴンなどの生物兵器を従え、現れた。
和那によるとルチアは人の心を書き換える超能力を持ち、これまでジャジメントに反感を抱いた者を次々と破滅させたという。
始めに和那とブラックは先行し、敵の集団を切り抜けつつジャジメントの拠点地に潜入した。
中に入るとエアレイドが姿を現し、空気を操る能力で和那を苦しめる。
ブラックはエアレイド相手に分が悪いと和那を先に行かせ、エアレイドとの戦闘を開始する。
和那はドリームマシンのある部屋を目指す途中、運悪くホンフーと出くわしてしまう。
その頃、外では味方側が突如仲間割れを起こした。
おそらくルチアの能力に操られ、同士討ちさせて戦力を減らす目論見のようだ。
しかしヒカルの従えるTX-110には効かず、敵の集団を蹴散らしていくが、
突然TX-110に酷似したジェノサイトというロボット集団に襲撃され、
TX-110のシステムであるヒカルはルチアの超能力を受けてしまう。
ルチアの超能力とは人間の持つ性格のひとつを強化し、心のバランスを崩壊させるもので、
ヒカルの中で抱える「繊細さ」が強化され、これまで男であることを隠し続けたことを懺悔し始める。
これまで男のふりをしてきたことに苦悩し、ハンナと同じ女の子でいたかったと思いを吐露するヒカル。
そんな彼に主人公は「一緒に甲子園に行こう!」と一喝し、立ち直らせる。
一年間ともに野球をしてきた仲間の信頼が超能力を打ち破ったと説く主人公に、激怒するルチアは主人公にも超能力をかけた。
だが、主人公に何の変化も見られない。
おかしいと思ったルチアは主人公の心を覗いてみると、主人公の意外な精神構造に驚いてしまう。
矢部一族から野球漬けの日々を強いられてきた主人公の『野球』という単純かつシンプルな思考に
ルチアの能力はまったく効かなかったのだ。
追いつめられたルチアは不死身のドラゴンを呼び出し、盾としてヒカルたちの攻撃を防ぐが、
ヒカルたちの猛攻にドラゴンの体勢が崩れてしまいルチアは下敷きとなってしまう。
ルチアが倒され敵勢力が浮き足立っている隙に、主人公は外をヒカル達に任せ、ウルフェンらとともに敵の基地へ潜り込んだ。
先に基地に潜入したウルフェンの部下がブラックとエアレイドの戦闘に巻き込まれたことを受け、
主人公はウルフェンとは別のルートを目指した。
エアレイドとの戦闘中、ブラックは切り札のある装置を取り出した。
具現化で生まれた者を消失させるという装置のスイッチを入れるや、エアレイドから力が抜けていく。
さらにレッドとピンクが応援に駆けつけ、二人のポケレンジャーの参戦で戦局が有利に傾くかと思いきや、
エアレイドが大気を操って爆発を起こし、攻撃する隙がない。
だが戦闘が長期化するにつれ、エアレイドは謎の浮遊感を覚えた。
ブラックが起動させた装置で、人々の願いで生まれたポケレンジャーやエアレイドの力がなくなり、
やがてその存在が消えてしまうのである。
エアレイドが弱体化しているその隙に倒し、ドリームマシンを破壊するという目論見であったが、
突然やってきた主人公がエアレイドの人質にされてしまう。
主人公の命が惜しいのならその装置をよこせと迫るエアレイドだったが、レッドはオーバースローから装置を投じ、
キャッチした主人公によって間近で装置を起動させられた。
エアレイドが主人公を手放した隙に、レッド達はとどめのキックを浴びせ弱体化したエアレイドを撃破した。
残る敵はホンフー一人。
ブラックらは和那を助けに向かおうとするが、先ほどの装置の影響で衰弱し倒れてしまう。
力が出てこないと実感するレッドは代わりに主人公を先に行かせることにした。
一方、和那はホンフーに攻撃を叩き込むもまったく通用せず、倒れこむ。
そこにウルフェンたち特殊部隊が駆けつけ、ESPジャマー(超能力の無効化装置)を起動させるが、
ホンフーの超能力によってすべての機械や銃火器が使えなくなってしまう。
その間に和那が立ち上がり、ホンフーがウルフェンに気をとられている内に襲いかかった。
戦闘は和那が優位であるが攻撃が当たらない。
しかもホンフーにESPジャマーを破壊され、全ての超能力が使えるようになったホンフーに圧倒される。
絶体絶命の危機に陥ったそのとき、主人公が現れた。
ホンフーはこの状況にちっとも怯えない主人公に理由を尋ねると、ルチアの超能力を受けてから何故か勇気が湧いてくると返した。
どうやらルチアに主人公の「勇気」を強化されていたようだ。
そんなやりとりの後に再び和那が復活し、重力を切り替える超能力を使った必殺技の無限回転アタックで正面から突撃をしかけた。
ホンフーは冷静に回避しようとするが、主人公の「必殺技は避けちゃダメ」というお約束に付き合わされ、
攻撃を跳ね返す超能力で攻撃をそのまま返し、とどめを刺すことにした。
だが和那の一撃がヒットし、ホンフーは倒れる。
和那は隠し持っていたESPジャマーをホンフーの足元に置き、ホンフーが超能力を行使した途端に起動し、
能力を無効化させたことで攻撃が当たったのだ。
ジャマーが起動しそれぞれの超能力が使えなくなった以上、和那とホンフーは肉弾戦で最後の決着をつける。
和那は、目にも留まらぬ攻撃速度を誇るホンフーの動きに順応していく。
応援してくれる人間がいるかいないか、たったそれだけの差が決め手となり、凄惨な死闘の末ホンフーを倒した。
そしていつの間にか姿を消していたウルフェン率いる特殊部隊がドリームマシンを破壊し、
ジャジメントの「カタストロフ」計画の阻止に成功した。
主人公たちは喜びを分かち合い、明日の決勝戦に向け、ヒカルとともにホテルへ戻った。
その頃、紗矢香とシズヤはドリームマシンが破壊され、主人公が無事に生き残ったことを察知した。
紗矢香は自身の願いのため、ある行動に出ようとしていた。
翌日、日本代表・ビクトリーフィンチーズ対アメリカ代表・ホワイトファルコンズの世界大会決勝戦の試合が始まった。
その頃レッドは単独でジオットの隠し部屋に辿り着いた。
「カタストロフ」を止めろと迫るレッドに対し、ジオットはもう止められないとモニターに映る野球の試合を眺めていた。
ドリームマシンが破壊されたが「マナ」は十分に溜まった。
この先、自分が何もせずとも「カタストロフ」は起こる。
間もなく変革の時がやってくる。
一方のフィンチーズ対ファルコンズの試合。
デリックのトルネード投法から繰り出される光属性の魔球と高速スライダーに翻弄され、
さらに中杉元キャプテンに投球パターンを把握されてしまい、フィンチーズの打線はゼロに抑えられてしまう。
試合は最終回を迎え、フィンチーズ一点ビハインドで一打サヨナラの場面。
バッターボックスには主人公。
デリックの魔球に対し、主人公は魔打法で真っ向勝負をしかけた。
拮抗し合う光属性同士の対決は主人公に軍配が上がり、ボールははるか上空に消え、逆転サヨナラホームランとなった。
フィンチーズは悲願の世界制覇を成し遂げた、ナインの誰もが喜びを分かち合おうとした。
――そのとき、世界にヒビが生じた。
その音は、世界中の人間が耳にした。
グラウンドの上から突如空間が歪み、発生したブラックホールからユニフォームを纏った謎の集団が現れた。
そいつらは、これまで人々が描き、目にしてきた野球漫画の登場人物の姿をしていた。
この現象はアメリカの球場以外にも世界各地に異変が発生していた。
巨大トカゲ、吸血鬼、果ては宇宙人が出現し、人々の描いた想像上の存在が現実を侵食し始めた。
怪物や魔物が跋扈し、人間は対抗する術もなく蹂躙されていく。
これがジオットの望んだ、空想と狂気に彩られた混沌の世界である。
レッドは危険にさらされている弱者を守るために最後の戦いを挑む。
対するジオットは極秘裏に開発していた装備を付けて変身した。
その姿は、かつて「ブルー」と呼ばれたヒーローの姿をしていた。
その頃、フィンチーズの面々は異常とも言えるこの状況下に臆せず、
未知への好奇心と闘争心の赴くまま、謎の集団――ブラックホールズとの試合を望んだ。
すると試合開始の直前、紗矢香が観客席から飛び出し、主人公にこの試合を負けてほしいと懇願してきた。
突然の紗矢香の言葉に理解が追いつかない主人公にシズヤが代わって状況を説明する。
これまで世界中に発生した具現化は、主人公が魔球を投げたことがきっかけであった。
その原因たる主人公が具現化の『核』であるブラックホールズに勝利すれば、
具現化の現象がすべて消失するという。
しかし、それは主人公たちの魔球が失われることを意味していた。
紗矢香は魔球と超能力という異能を持つ主人公と自分との接点が失われ、
一緒にいられなくなってしまうという幼心から、わざと試合に負けてくれるよう哀訴する。
悩んだ末、主人公はある答えを出した。
(ここでED分岐。トゥルーEDはある複数の条件を満たさなければバッドEDになってしまう)
すみません、規制でした
続きはまた後で
381 :
ゲーム好き名無しさん:2012/11/01(木) 02:07:06.03 ID:8/AxOAFNO
パワポケさん乙
>【注意事項】
>スレの容量が500KBを超えると書き込めなくなります。
>480KBを超えたら次スレが立つまで書き込みを控えてください。
というわけなんで次スレ立つまで書き込みは待機されたし
俺はスレ立て無理でした
誰か頼む
【レオン編】 CHAPTER 3
「君のことは大統領から聞いているよ、レオン・スコット・ケネディ君」
「こっちもアンタのことは聞いている。30年来の盟友だそうだな」
シモンズからの連絡は、遠回りな社交辞令から始まった。
シモンズは言う。
「君たちにテロ首謀者の嫌疑がかかっていてね。特にヘレナ・ハーパー、君は大事なときに警護をおろそかにした」
脅迫によって絵図を描いておきながら、いけしゃあしゃあと、シモンズは言ってのけた。
「ふざけないで! このテロを仕組んだのはあなたたちよ!」
「告発のつもりかね? なんの証拠があって言っている?」
シモンズは自信たっぷりに言う。実際、その通りだった。最重要容疑者である二人の証言に効力はないし、物的証拠はない。
「国家の安定を保つこと それが私たちの任務だ」
シモンズは言う。「国家の安定」と彼は強調した。レオンは、そこに陰謀の壮大さを嗅ぎ取る。これは容易ではない事態だ。
「……本当の地獄は、ここからのようだな」
余裕綽々のシモンズが通信を一方的に切ったあとで、レオンはヘレナにそう打ち明けた。
「俺たちは同じボートの上のようだな、嫌が応にもパートナーというわけだ」
今いる場所は、教会の地下。カタコンペ(地下墓地)に繋がっているので、そこを通って脱出することにする。
教会の地下がまるごとバイオ研究施設 兼 実験生物収容所だったことを考えると、ここもシモンズの息がかかっているだろう。
案の定、趣味のいい仕掛けが山盛りの、インディ・ジョーンズの映画に出てきそうな遺跡に仕上がっていた。
ほとんどミイラ化した死体のゾンビがうようよと出てきた。教会に収められた死体か、あるいは長年の生体実験の廃棄物か。
「やれやれ、教会で暴れまわった罰か?」 こんな状況でも、レオンは軽口を忘れない。
先に進むと、「一族の証を示せ」と刻まれた頑丈なドアに辿りつく。あいにく二人ともシモンズの一族とはつながりがない。
もしや、と思って、エイダからもらった指輪を使ってみると、ドアが開いた。
その先は、水の満ちたエリア。そこには、サメ状の怪物がいた。できるだけ相手をしたくないものだ。避けて進む。
クランクで交互に鉄格子を開きながら進んでいく。
厳重な警備に辟易するが、しかしこういう仕掛けがあるということは、研究室を守るために人の手が加えられた道である証。
要するに、どこか出口と繋がっているというわけで、つまりこの道を進めば脱出できると考えてよいだろう。
ようやく大きな門に到着。これで出られそう、と思ったら、また落とし穴に落ち、再び地下遺跡へ逆戻りした。
崩れまくる道とゾンビたちに苦労しながらも、またひたすら進む。
そのうち、地下水流に出た。水の中を歩き、時にはもぐって泳ぎ、どんどん進んでいく。
先ほどのサメのB.O.W.に襲われるも、戦ったり逃げたりを繰り返すこと数度。
最後は、天然の岩肌ウォータースライダーを滑り降りながら銃撃し、サメを撃破することに成功した。
ひたすら水に流される二人。なんとか水面に浮き上がると、気がつけば市街を脱出し、湖まで抜け出ていた
そんな二人の上空を、爆撃機が通り抜けていく。……ふと街の方向を見ると……キノコ雲が浮かんでいた。
かつてラクーンでも行なわれた、核ミサイルによる「滅菌作戦」であった。
トールオークスの街は、地図から姿を消した。もはや、テロの証拠は微塵も残っていないに違いない。
これもシモンズの差し金に違いない。歯噛みする二人。
そこに、ハニガンが連絡を入れてくる。彼女はまだ二人を信じて協力してくれるようだ。とても心強い。
シモンズは何者かと電話で会話し、慌てて出て行き、プライベート・ジェットで中国へ向かったらしい。
B.S.A.A.によれば、中国で新しいテロが起きているという。なにか想定外のトラブルのようだ。
「中国では、半年前に東欧で発見された、新型の【C−ウィルス】が使用されたらしいの」
とハニガン。新たな恐るべき脅威に、二人にも緊張が走る。
ハニガンいわく、DSOおよびFOS上層部からも、二人はテロ犯人だと疑われはじめているらしい。
レオンは一計を案じ、ハニガンに「俺たちはここで死んだことにしてくれ」と頼んだ。
時間を稼いでいる間に、中国へ乗り込み、シモンズと直接決着をつける。
【レオン編】 CHAPTER 4
……2013年6月30日、中国、蘭祥(ランシャン)上空。
トールオークス消失から、まだ一晩も経っていないが、レオンらは次なる戦場へと向かっていた。
移動手段は飛行機。ハニガンに無理を言って用意してもらったもので、ほかにも乗客は何人かいる。
ヘレナは、なぜ当局に引き渡さなかったのか、尋ねる。ヘレナを突き出せば、少なくともレオンの疑いは晴れたはず。
だが、レオンはそうしなかった。そのことについて、レオンはまた得意の冗談を混ぜて答えた。
「君ひとりを悪者にして解決する事件じゃない。……それに、女に振り回されるのは慣れてる」
ことこういう事態において、こういう移動が平穏に終わったためしがない。案の定、飛行機が揺れた。
急いでコクピットへ向かうと、パイロットが感染し、あのレポティッツァへと変異していた。
紫色のガスを吐かれたら、乗客たちがゾンビと化してしまう! 急いで攻撃する二人。
しかしトドメを刺しきることができず、逃走を許してしまう。レポティッツァは天井裏へと逃げた。
飛行機の異常は止まらない。ハニガンの分析によれば、圧力隔壁に原因不明の異常とのこと。
後部へと向かい、バルブを閉める二人。そこに、レポティッツァ再登場。紫色のガスを盛大にぶちまけられた。
非常にマズい事態だ。すぐさま、ガスを外に放出させるために、後部ハッチを開いた。
ガス以外にも後部格納庫内のものが気圧差で吸い出される。レポティッツァも落ちていった。
レオンとへレナの二人も落下しそうになったが、なんとかハッチにしがみついて耐えて、飛行機内に戻った。
パイロット不在では飛行機は堕ちる。急いでコクピットへ戻る二人。
しかし、機内は既にガスで充満、乗客は全員ゾンビとなっていた。だが、手遅れを悲しむ暇はない。
コクピットに到着、今度は左の主翼に異常。墜落はほぼ確定事項だった。
「なけるな…… どこまでひどくなるんだ? この状況は……」
やむなく、レオンが操縦。せめて不時着は成功させようと、必死でレバーを引いた。
ランシャンの街が近づいてくるのが見えた。
ふとそのとき、レオンは、街を走る列車の上にエイダが立っているのを見かけた。
なんとか街に降り立った二人。少し進んだところで、思わぬ二人組と遭遇した。
その片方はレオンもよく知っている少女……いや、15年も経てばもう立派な大人か……【シェリー・バーキン】だ。
「シェリー、どうしてここに? エージェントになったとは聞いていたが」
レオンの問いに、シェリーは傍らの男……【ジェイク・ミューラー】を示し、「彼を保護し、連れてきた」と答えた。
レオンに同じ事を尋ねるシェリー。レオンは正直かつ端的に答える。
「俺たちは、大統領補佐官のシモンズを追ってきた。ヤツはテロの首謀者だ」
「えっ!? そんなはずない…… シモンズは私の直属の上司よ」
レオンの言葉に驚くシェリー。だが、レオンがそういうことで偽りや出鱈目を言う男ではないと、彼女は知っている。
互いにいろいろと情報交換したいところだったが、来訪者がそれを阻んだ。
シェリーらを追ってきたと思われる強靭な体躯を持つB.O.W.、【ウスタナク】が、攻撃を仕掛けてきたのだ。
巨大な鉄塊が投げつけられる。レオンはシェリーを救おうとするが、少し遠い。しかし間一髪、ジェイクがシェリーを守った。
「またあいつかよ!?」 起き上がり、敵を確認した男が叫ぶ。
「知り合いか?」「元カノみたいなもんさ、どうにも引き際がわかってねぇんだよな!」「わかるよ、そのうち慣れるさ」
皮肉屋同士が、軽口を叩き合った。銃を構える。四人で共闘だ。
「ラクーンに比べれば朝飯前さ、そうだろシェリー?」
ウスタナクは持ち前の強靭さに加え、右腕パーツを付け替えながら戦う。その頑強さにてこずる四人。
だが、燃え盛る鉄塔が倒れてきて、ウスタナクは下敷きになった。死んだかは怪しいが、少なくともしばらくは動けまい。
レオン・ヘレナ組とシェリー・ジェイク組は分断されてしまったが、とりあえずは逃げられる。
鉄塔越しに、シェリーが無事か確かめるレオン。
シェリーは、クーチェンのクンルンビルでシモンズと落ち合う手はずになっている、という情報をくれた。
折りよくハニガンとの通信も回復した。ナビをしてもらいながら進む。
そばには、いかにも中国らしい、雑多なマーケット街がある。そこを抜ければ、クンルンビルへの近道となる。
マーケットに足を踏み入れる二人。彼らを出迎えてくれたのは、住民と思われる男の断末魔の悲鳴だった。
「今のは何!?」「……トラブル、だな」
イヤな予感をひしひしと感じつつ、マーケットを通り抜ける道を探す二人。
鍵がみっつもかかった扉を抜ける必要があり、その鍵を探さねばならないようだ。またいつものパターンである。
そんな折、積んであった豚の死骸から、形容しがたい奇妙な怪物が這い出てくる。
いちおう人型ながら、各部位ごとに分離しながら生存が可能。攻撃して千切れても、またすぐに元に戻る。まるで不死身だ。
動きはのろいが、どんな狭い隙間でも通り抜けるし、触手状の器官で壁でも屋根でもよじ登って追跡してくる。
あしらいつつ、鍵を3つ揃えたレオン。精肉所らしき建物に侵入し、怪物をミンチマシーンにぶちこんだ。
まだ活きているかもしれないが、さすがに細切れになっては、少なくとも今すぐには行動できないだろう。今のうちに逃げよう。
ようやく辿り着いた。ビルはもうすぐそこだ。しかし、目当ての扉に先に入っていく先客の影が見えた。……あれは、エイダ?
急いで追跡するレオン。追いつき、声をかけた。やはり、エイダだった。……どこか違和感があるが、しかし確かにエイダだ。
だが、そのときアサルトライフルの連続した銃声が響いた。エイダは話もせずにすばやく逃げ出した。
銃撃したのは誰だ? ソイツらも、エイダを追っているのか?
新たな勢力の介入に疑問は深まりつつも、レオンはエイダをひたすら追跡することを選ぶ。
エイダを追っていくと、そこはまたも恒例の、研究施設だった。罠や仕掛けが侵入者を阻むようにできている。
そんな折、エイダを追跡していた何者かの影がちらりと見えた。どうやら武装している軍人らしい。
彼らとほぼ平行して進んでいく。すると、奇妙な部屋に閉じ込められた。
ガラス越しに隣を見ると、そちらでもエイダを追う二人組が閉じ込められているのが見える。
「何、この部屋?」「わからないが…… 嫌な感じだけは伝わってくるな」
『ロック完了しました。試作品のテストを開始します』
彼らの言葉に答えるように、アナウンスが響いた。
エイダが、試作品の兵器、自動運転で敵に向かっていく爆弾を起動したのだ。
爆弾は次から次へと湧き出てくる。いくら銃撃してもきりがない。ロックを解除して部屋から抜けるしかない。
さすがのハニガンでもハッキングで解除するのは不可能らしいので、内部からの手動操作も交えてロック突破を狙う。
なんとか解除に成功。だがエイダは一足早くさっさと逃げていた。レオンはさらにエイダを追跡していく。
ついでに向こうにいる男たちも部屋を抜け出したようだ。ヤツらより先にエイダに追いつかなければ。
「待て、エイダ! 話がある!」「悪いわね。そんな気分じゃないの」 エイダはひたすら逃げる。
「逃がすな!」「わかってます!」 男たちの叫びも響いた。彼らは周りこんでエイダを角に追い詰め、銃を突きつける。
レオンは、そのうちの一人に乱闘を挑んだ。エイダを殺させるわけにはいかない。
乱闘の末、銃を突きつけあう二人。お互いの顔を見つめあい……そして、気づく。
「……クリス?」「……レオンか!」
そう、彼らはB.S.A.A.の【クリス・レッドフィールド】と、その部下の【ピアーズ・ニヴァンス】だった。
「彼女を殺させるわけにはいかない、彼女はテロの重要証人だ」 レオンが言った。
「証人? 彼女はテロの首謀者だ!」 クリスが反論し、「違う、首謀者はシモンズだ!」 またレオンが言い返す。
「俺たちは、部下を皆殺しにされた!」「俺たちは、アメリカ大統領と市民7万人を失った!」 お互い、一歩も譲らない。
「ネオアンブレラだぞ? この名前が俺たちにどういう意味を持つのか……!」
「わかってる!」
「どうあってもこの女を信じるというのか?」
「……信じる」
クリスの問いに、レオンは明確に答えた。
そうこうしている隙に、エイダは閃光手榴弾を投げて、すばやく逃走した。
追跡を妨害され、少し苛立つクリスだったが、しかし、戦うべき敵、目指す目的は同じだというレオンの説得に折れる。
「……エイダはB.S.A.A.が追う、お前たちはシモンズを追ってくれ」
「……クリス、お前を信じるぞ」
レオンは別れ際に、クリスにそう呼びかけた。クリスは、少し曖昧に頷いた。
「レオン、本当によかったの? 後悔しない? 彼女を追わなくて……」
「俺たちのターゲットは、あくまでシモンズだ。エイダの心配なら、あとでするさ」
ヘレナの問いに、レオンは静かに答えた。そう、憎い敵はほかにもいる。狙いはそいつ……シモンズだ。
二人は、黒服に護衛されたシモンズを、ついに発見した。そこに、シェリーとジェイクのコンビも到着する。
「エージェント・バーキン! 彼らにこの場所を教えたのは君か?」
「あなたがテロの首謀者だというのは本当ですか!?」 シモンズの問いに答えず、シェリーは叫んだ。
「余計なことまで吹き込まれたか? アメリカのため、ひいては世界のためだ」 自白も同然に、シモンズは答えた。
「それが大統領を殺した理由か!」「なにを言っている? 殺したのはキミだろ」
レオンの叫びに、シモンズは答える。そして、黒服に発砲を命じた。黒服たちはマシンガンを乱射する。
知らなくていいことを知ったシェリーらは消し、レオンとヘレナは捕らえてテロリストとして処刑。それが彼のシナリオだ。
レオンは、ジェイクにシェリーを任せて、自分たちはシモンズを追うと言った。全員がそれに合意した。
シェリーは別れる前に、シモンズに渡すはずだったデータをレオンへと手渡す。
C−ウィルスから世界を守るために必要な情報が、すべて入っている、とのことだった。
一方、シモンズ。立ち去ろうとしたところに、謎の暗殺者に襲われた。喉元に、麻酔弾を撃ち込まれる。
だが、その麻酔針弾に入っていたのは、麻酔液ではない。C−ウィルスだ。
「……あの女、考えることは一緒だったか!」 シモンズは低くうなって、ふらふらと落下。電車の上に降り立った。
レオンとヘレナの二人は、それを追って電車へと飛び乗った。
電車の中を通り抜け、屋根へと上った二人。シモンズが電話で誰かと話している様子を目撃する。
「あなたが私にくれたもの、そっくりお返しするわ、シモンズ。最初は不安や恐怖に襲われるでしょうけど、安心して。
あなたはただ人間でなくなるだけよ、全人類と共に、ね」
謎の女の勝利宣言に、シモンズは怒りで携帯電話を握り潰した。すでに変異は着実に進みつつある。
「シモンズ! とうとう追い詰めたぞ!」 叫ぶレオン。
「私を追ってどうする? あの女を追え。エイダ・ウォンをな。あの女は私を裏切った、何かを企んでいる」
シモンズは言った。言い訳ではなく、本心なようだった。だが、二人の最大の標的はシモンズだ。
「大統領の仇か、バカめ! あのまま発表させていたらどうなった!? アメリカの権威は失墜、世界は破滅していた!
まだわからんか! この国も大統領も、世界を破滅に導く…、立派な…… 罪人だ……ッ!
言い分を言い終わる前に、シモンズの体はウィルスによって変異し、四速歩行の獣状の怪物となった。
「無知で無価値な虫ケラがぁぁ! ばらバらにヒキさいテやる!!」
シモンズと戦う二人。電車内を立体的に使うシモンズを銃撃して、外に落とした。
しかしシモンズは、電車と同じ速度で平行して走って追ってくる。なんという身体能力だ。
「C−ウィルスの叫びが聞こえる!! もはや私の意志ではどうにもならん!!」
シモンズに、反対車線の電車が突っ込んでくる。だがシモンズは、正面衝突した電車を逆に弾き返して見せた。
そして全速力でレオンらの乗る電車の前に回り込むと、そのまま突っ込んできた。
万全の状態で衝突されたら電車が吹っ飛ばされる。だが二人の銃撃で態勢を崩したシモンズは逆に電車に轢かれた。
人間形態に戻るシモンズ。
「わかってるのか貴様ら… この世界から私が消えることの意味が!」 しぶとく自己を正当化し続ける。
「世界に再び安定が訪れるってことだ!」 レオンが力強く答えた。
そして、ヘレナの弾丸が、ついにシモンズの額を貫いた。決定的なダメージを負い、崩れていくシモンズの体。
いつの間にか電車と平行して飛んでいたヘリが、それを見届けたように離れていく。
それを見て、シモンズは絶望したように叫ぶ。
「バカな! ファミリーが私を見捨てるはずがない!!」
電車は制御を失いつつある。河をまたぐ大橋の上で、レオンらは電車から河へと飛び降りた。
そして電車は脱線、シモンズごと河へと落下していった。
河から上がる二人。……シモンズにトドメは刺せたのだろうか? これで勝利なのか?
「……どうだろうな。俺たちのやれることはやった」 レオンは、自分に言い聞かせるように言った。