ストーリーを教えてもらうスレ part62

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1ゲーム好き名無しさん
【注意事項】
スレの容量が500KBを超えると書き込めなくなります。
480KBを超えたら次スレが立つまで書き込みを控えてください。

自分でやるのが面倒、手に入らない、時間がない、お金がない、などの理由で
ストーリーを知りたいゲームのストーリーを教えてもらうスレです。
発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
新作のネタバレを読みたくない人は ◆l1l6Ur354A をNGワード指定推奨。

またリクの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
まずはまとめWiki↓で既に書かれていないか、既にリクエストされていないか調べてからリクしましょう。

ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki
http://www8.atwiki.jp/storyteller/
携帯電話の場合でもこちらのURLから行けば表示は崩れますが見れます
http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/2.html

・すでにwikiに載っているストーリーでも、より詳しく知りたい場合はリクエストを受け付けています。

・スレに書き込まれたストーリーのまとめWikiへの収録作業や
まとめWiki中の未解決リストの更新作業は、スレ内の有志によって行われています。
手の空いた方がいらっしゃったらご協力をお願いします。
編集方法の説明はこちら。:http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/18.html

・作業を行ってくれた方は、「>>○○まで収録作業したよ」
「>>○○までのリクを未解決リストに反映したよ」などと
スレに書き込んでくれると、次に作業をする者にとって
どこから作業すればいいのかわかりやすくなるため助かります。

前スレ
ストーリーを教えてもらうスレ part61
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1334767239/
2ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:11:00.90 ID:leUjAakh0
ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。

・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
・まとめWikiで既に書かれていないか、既にリクエストされていないか調べてからリクしましょう。
・リク主は依頼したストーリーが書かれたら、書き手に感謝の意を伝えましょう。
・過度のクレクレはスルーや批判の対象になります。気をつけましょう。
・手の空いた方はwiki編集などでスレに貢献しましょう。

ストーリーを書いてくれる方へのお願い。

・外部サイトからの無断転載は禁止です。もし外部サイトの管理人の方から許可を得て転載する場合でも、
 許可を得たという事を証明し、さらにそのサイトからの転載であると言うことを明記してください。
・要望に出ているゲームのストーリーはどんどん書いて下さい。 
 要望に出ていないゲームでも書きたいと思ったら遠慮せずに書いて頂けると読み手が喜びます。
・すでにwikiに載っているストーリーの補足も書いて頂いて結構です。
・この板は一般板なので18禁のゲームのストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
 タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
・勝手ながら、予約から1ヶ月以上経ったものは予約無効とさせて頂きます。
 同じく、最終投稿から3ヶ月経ったものも権利失効とさせて頂きます。
 都合により取り消しが出来ない場合の長期間にわたる放置を防ぐ為です。
3ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:11:53.26 ID:leUjAakh0
関連スレ
(漫画サロン板)
ストーリーを教えてもらうスレ まとめ Wiki*
http://wikiwiki.jp/comic-story/

(ライトノベル板)
ライトノベル@2ch掲示板 ストーリーを教えてもらうスレ まとめWiki
http://www44.atwiki.jp/lightnovelstory

(女向ゲーム一般板)
ストーリーを教えてもらうスレin女向ゲ一般板
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1253686667/l50

(エロゲネタ板)18才以上の方のみ!
エロゲのストーリーを教えてもらうスレまとめwiki Ver.2.0
http://wiki.livedoor.jp/esosmw658/

(女向けゲーム大人板) 18才以上の方のみ!
BL@【やるのが】ストーリーを教えてもらうスレ 3【面倒】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/gboy/1285119403/l50
乙女@【一つ】ストーリーを教えてもらうスレ【よろしく】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/gboy/1157949089/l50

[以下本スレdat落ち]
(ギャルゲー板)
ギャルゲーのストーリーを教えてもらうスレ まとめWiki
http://ponkotsu.r.ribbon.to/
(アニメサロン板)
ストーリーを教えてもらうスレ まとめ
http://cabin.jp/koizumi/story/
4ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:17:50.92 ID:leUjAakh0
ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki - 未解決一覧
http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/14.html

(これまで、ここには未解決リストの内容すべてを転載することになっていましたが、
未解決リストの容量が大きくなってきたためかなりの連続投稿を要してしまいます。
2chの書き込みシステムに「忍法帖」が導入された関係もあり、連続投稿が難しいため
代わりに、上記のようにWikiの未解決リストページへのリンクを貼ることで
代用させていただきます。)
5ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:18:48.81 ID:leUjAakh0
前スレの容量が一杯になって書き込めなくなるまでは、なるべく前スレを優先して使用してください。

前スレ
ストーリーを教えてもらうスレ part61
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1334767239/
6ゲーム好き名無しさん:2012/07/14(土) 21:46:17.71 ID:r0z19boj0
落ちてた?
念のため保守
7ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 03:32:41.56 ID:kPzW/FmB0
前スレ埋まったので解禁〜
8ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 05:30:38.36 ID:iVAFFObx0
未解決一覧にルミナスアーク3アイズがあったので予約
9ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 12:39:28.71 ID:YmTSARgo0
PC同人ゲームの「このまちだいすき」書けたので持ってきました。
黙って10分以上止まってたら連投にひっかかってるので、無視して投稿してください。
10このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 12:44:49.82 ID:YmTSARgo0
「このまちだいすき」は高校生タナカが生まれ育った町で春休みを全力で楽しむRPGです。
マザー2をリスペクトした感じの雰囲気が漂うRPGツクール作品。
新作なのでトリつけます。
11このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 12:46:58.95 ID:YmTSARgo0
「よっしゃああああああああ!!!!」
自宅ベッドで起き抜け一番、主人公タナカは雄叫びをあげた。
「来たよーーーーーーーーーー!!!!!
 春休みだーーーーーーーーーーー!!!!!!」
このうららかな季節、授業も宿題もなくしばらく遊んで過ごせる、
そんな夢のような日々の始まりだ。
ダラダラ寝ていてはもったいないので、タナカは寸暇を惜しんで遊びまくることを決意する。

タナカの住む町は、どうということもない海辺の田舎町だ。
大きい建物といえばタナカも通う学校くらい。
でも、24時間営業のコンビニがちゃんとあるし、浜辺のフリーマーケットは結構人気がある。
住人同士も仲が良く、住みやすくていい町だ、とタナカは自負している。
ただ、港に「トーゾック」と名乗るゴロツキどもが住み着いてしまい、
その区域だけ極端に治安が悪いのが、住人の悩みの種だ。

春休み第一日目の記念すべき朝、町をそぞろ歩いていると、
親友のスズキに会い、しばらく立ち話をした。
春休みだ!遊ぶぞ!とは言っても、この町は遊び場が少ないという話。
「ずーっと住んでる町だから実感ないけどさ、なんかさー、あれなんだよなー。」
「わかるぜ、それなんだよなー。」
スズキがふとニヤニヤ笑いを浮かべ、耳打ちをしてくる
タナカの向かいに住んでるサクライが、何やら困っていたぞ、と。
行動力と人の好さにかけては人後に落ちないタナカは、スズキのからかいを意に介さず
色恋沙汰抜きでサクライの様子を見に行く。

サクライは楚々とした雰囲気の、にこやかな少女だ。
だが今は、泣きそうな顔でマンホールを見つめている。
話を聞くと、母の形見の珊瑚の指輪を、マンホールの隙間から落としてしまったらしい。
ここで行かなきゃ男じゃない!!とタナカは下水道に降りていく。

12このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 12:48:08.37 ID:YmTSARgo0
下水道には、何だかわからないドロドロした生物が蔓延っている。
しかも、結構強い…。フリマで服や武器を買ったりして、なんとか奥へ進んでいく。
途中、更に地下に続いているらしいマンホールを見つけたが、開かなかったのでとりあえず進む。
一番奥まで行くと、そこにはドロドロした生物の親玉みたいな代物が這いずっていた。
臭い。とても臭い。
襲ってきたその臭いドロドロを何とか倒すと、泥の中から小さな何かが這い出てきた。

「ミケーーーーー!!
 お前、最近見ないと思ったらこんなのに捕まってたのか!」
町をよくうろついている野良猫のミケだ。先の割れたしっぽがトレードマーク。
ミケがくわえていたのは、珊瑚玉のついた指輪だった。
走り去ったミケを追って、ちょっと臭い指輪を手に、地上に戻る。
サクライに指輪を渡すと、彼女は頬を染めて喜んでくれた。
「ありがとう…! もうダメだと思ってたから、すごく嬉しい。
 やっぱり、タナカくんはすごいね!…あ、あああ…///
 私何言ってるんだろ…あの、ほんとにありがとう!」

思いがけず人助けをすることができて、充実した一日になった。
体がとても臭いので、タナカはとっとと風呂に入って寝ることにしたのだった…
13このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 12:49:32.28 ID:YmTSARgo0
明けて2日目。
タナカが家を出ると、ミケが待ち構えていた。
昨日は世にも汚い猫だったが、どこかで水浴びをしたのかさっぱりしている。
ついてこい、というように振り返りながら走っていくミケを追いかけると、
町外れの大きな木の前でミケは立ち止った。
この木は「ご神樹様」と呼ばれる、巨大な神木だ。
その幹に、見慣れない大きな穴が空いていて、ミケはその中に入っていった。
不思議に思いつつ、木の洞に潜り込んでみると…そこは広大な空間だった。
というか、森だ。鬱蒼と茂る大きな森が目の前に広がっていた。
「な、な、なんだよこれ!?
 森を隠すなら木の中!?森を見て木を見ず!?
 はっ…まさか、これ神隠し的な何か…?
 変なおばあさんに「ぜいたくな名前だね」とか言われて、「タ」って名前にされるんだ…」
ブツブツ言ってると、前方から悲鳴が聞こえてきた。
とりあえず駆けつけると、少女が化け物に取り囲まれていじめられていた。

「タナカー!助けてよう!!」
「え?なんで俺の名前知ってんの…?」
とにかくゴブリン的なファンタジックな物を蹴散らすと、少女はプリプリと怒りはじめた。
「まったく、とんだ足止め食っちゃった。
 ゴブリンの奴ら、この杜を我が物顔で仕切ってるんだよ。」
完全に知り合いモードで話しかけてくる少女に誰何すると、彼女はキョトンと首をかしげた。
「あ、そうか。この姿で会うのははじめましてだったよね。
 あたしだよ、ミケだよー!」
よく見れば、彼女には猫耳と尻尾があり、更には目の前で猫の姿に変身もして見せた。
なんでも、並はずれて長生きした猫は魔力を得て、化け猫になるんだとか。

唐突にファンタジーな超展開を繰り広げられて、混乱するタナカをミケが急かす。
この森の主であるご神樹様が、最近機嫌が悪くて手が付けられないので、タナカに引き合わせたいのだという。
「タナカは、下水道でも、今も、あたしを助けてくれた。だからご神樹さまのこともきっと…」
訳がわからないが、穴を通って町と森を自由に行き来できることがわかり、
装備を整えながら森の奥を目指していく。
ミケは、町の人の前では猫の姿に戻っているようだが、
一度正体を知ったタナカには少女の姿に見えるし、言葉も理解できる。
なのでタナカは一見、連れてる猫にやたら話しかける電波なさびしんボーイに見えることだろう。
14このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 12:51:35.29 ID:YmTSARgo0
森には、やたらにゴミが落ちている。
「この近くの村の人間が、不法投棄しに来るんだよね…
 だから最近ご神樹様荒んじゃって…」
「村!?村もあんの!?」
「あるよ?私も元はそこ出身だし。
 でも、あんまり一か所に住んでると、あの猫何年生きてんだって話になるから、あっちと行き来してるんだ。」
完全にファンタジーなRPGである。
しかし、本当にゴミが多い。いくつもいくつもゴミ袋を通り過ぎ、タナカはぶちぎれた。
「だーーーーーっ!!もーーーーー!!!
 燃えるゴミは火曜日、燃えないゴミは水曜日!粗大ゴミの日は第3金曜日なんだよっ!
 何やってんだよ自治体はーー!!自然をちゃんと守れよーーーー!!」
何しろタナカは、一人暮らしの高校生ながら、冷蔵庫にゴミ出しの日程表を貼っているほどのしっかり者なのである。
「やっぱりタナカはいい奴だね。ご神樹様に会わせたいって思ったの間違いじゃなかった。」
ミケに連れられて、どんどん森を進むと、ゴミだらけの広場に出た。
中央にそびえる大樹に、ぐったりとした女の人が身を預けていた。

この女性がご神樹様らしい。
「あら、ミケ。そちらの方は?人間のような姿ですが…」
タナカが人間ですと名乗ると、ご神樹様の額に青筋が浮いた。
「ああーーー!?こ の ド腐れゴミ屑人間めがぁ!!
 よくものこのことやって来れたなぁあ!!!」
人間=不法投棄者の図式が既にご神樹様の中に出来上がってしまっているようだ。
逆上して襲い掛かってくるご神樹様に落ち着いてもらうために、ミケと一緒に応戦する。
散々暴れ、しこたま殴り合い、一度ぶちのめすとご神樹様は我に返った。
「あら…私、取り乱してしまって…ごめんなさいね。」
平静を取り戻したご神樹様のために、ミケと二人で目に付くゴミを片付けながら帰ることにした。

二人が去った後、ご神樹様の広場に、RPGの勇者のような恰好をした金髪の美青年が訪れていた。
「乱心した神樹が暴れていると聞いてやって来たが…
 そのような気配はないな……。」
15ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 12:53:51.12 ID:YmTSARgo0
とりあえずここまで。
セリフはちょっとうろ覚え…正確じゃないかもです。
16このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:35:13.23 ID:YmTSARgo0
クタクタになって町に戻ると、もう夜になっていた。
ミケと一緒に夜の町を歩いていると、目の前を燐光を放つ何かが通り過ぎて行った。
少女のように見えたその何かが通り去った先は、普段は閉鎖されている異人館のある方角。
その異人館は、幽霊話の尽きない廃屋で、ホラーが一切ダメなタナカには鬼門なのだ。
すわ怪奇現象!とビビるタナカは、右手の違和感に気づいて手を開いた。
そこには、まったく身に覚えのないイヤリングが…
まさか、先ほどの幽霊みたいなものと関係が……
異人館の方を見ると、普段はガードマンが道を封鎖しているのに、夜だからか誰もいない。
侵入可能だ…。こういうのは24時間安心をお届けしなきゃならないものじゃないのか!?
容量オーバーになってしまったタナカは、ミケと共に家に帰り寝逃げすることにした…。

寝てもリセットはされないわけで、翌朝もイヤリングはそこにある。
ミケは、イヤリングを持ち主に返すことを勧めてくる。
曰くありげな物を持ったままにしていると、よくないことがあるというのだ。
確かに、それはそうなんだけど…。ガードマンも夜はいないし、異人館には入れそうだけど…。
とてもとても嫌だが、タナカは夜異人館に行くことを決意して、昼寝して過ごした。

夜、ミケと共に異人館に臨む。
早速、三階の窓から青白い少女が覗いて消える、というホラーなお出迎え。
一杯一杯のタナカはそれでも、暗い洋館の中に踏み込んだ。
メニュー画面を開くと、いつものRPGツクールのメニューではなく、
どこかで見たようなメニュー画面が…。下部には緑の波形とFineの文字。
玄関広間にはタイプライターがあるが、残念ながらインクリボンを持ってないので使用はできない。

お屋敷の中に残る、古い日記類を読みがら進んでいくうちに、
ここがさる貴族の邸宅であり、主である伯爵には年頃の妹がいたことがわかる。
伯爵は、王都まで所用で出かけ、王に謁見した際に、妹のジョゼットにとてもいい縁談を賜り、
喜び勇んで領地まで帰ってきたことが日記から見て取れた。
しかし、旅支度を解いて油断していたところを、臣下の者に謀反を起こされ…

ここは悲劇の屋敷だったようだ。しかし王都って…ジョゼットって…一体どこの国の話なのやら。
色々謎を解いて、少女の影が見えた三階の部屋までやってきた。
鍵を開けて中に入ると…、青白い少女が机に向かっていた。
豊かな巻き毛を背に散らした、美しく気品のある少女だ。
「まぁ、いらっしゃいませ。嬉しいですわ。
 この屋敷に最後にお客様がいらしたのは、もう400年程も前だったでしょうか…
 わたくしはジョゼットと申します。」
本物の幽霊だ。そしてとても普通だ。怖くは…ない。
イヤリングを返すと、ジョゼットは喜んでくれた。
これは生前のジョゼットの思念のこもった物で、霊としてのジョゼットを形作る物の一つらしい。
そんな大事な物を何故タナカに?と問うと…
わざと渡したわけではなく、イヤリングが勝手にタナカの手に吸い込まれるように飛んで行ってしまったそうだ。
不思議だが、とにかく持ち主に返すことができてよかった。
17このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:36:31.55 ID:YmTSARgo0
しかし、ジョゼットは400年以上も幽霊でいるほど、恨み辛みや未練を抱えているようには見えない。
成仏できない理由を聞いてみると…
「兄は、今もこの屋敷に縛り付けられたまま…
 兄を置いていくことはできません」
その時、バタンと扉が開き、ジョゼットに似た男性が部屋に入ってきた。
「ジョゼット、誰と話しているんだね?」
彼が、家臣に裏切られ、無念のあまり怨霊となったジョゼットの兄、オトラント伯だ。
襲いかかってくる伯爵の目を覚ますため、応戦することになる。
「大丈夫。ジョゼットの話を聞いてわかったんだけど、
 タナカの手は、魔力を操れるよ。」
なんだかわからないが、霊体相手でも今まで通り、高校生にしては異様に重いパンチで攻撃できるらしい。

勝敗が決し、一度倒れた伯爵は、今目覚めたかのように辺りを見、ジョゼットに目を留めた。
「おお、ジョゼット。王様からお前に、とてもいい縁談を賜ったのだ
 ジョゼット、これでお前も…幸せに…」
伯爵は、夜明けの薄闇に溶けるように消え去った。
「お兄様…やっと解き離れたのね。
 長かった…永遠かに思える時間でした。でもどんなに長い夜にも、朝は来るのですね…
 ありがとうございます、タナカ様、ミケ様…」
ジョゼットの体もまた、淡く差し込む朝日に溶けて消えていった。
「タナカ、もう朝だよ…」
ミケと一緒に、早朝の町へと家路についた…。

と思いきや、異人館の敷地から出たところで、出勤してきたガードマンと鉢合わせてしまった。
なんとかお説教で済んだが、このことは町長さんにも報告が行くという。
しょんぼりしながらミケと二人、家に帰って寝床につく。

二人が去った後、異人館の前に、あの勇者然とした金髪の青年が訪れていた。
「屋敷に縛られた貴族の怨霊がいると聞いて調伏に来たが…
 そのような気配はないな…。」

タナカは夢を見た。
石造りの城のバルコニーで、小さな少年が小さな竜に話しかけている。
「お前の父ちゃん、今日も城門まで来たやつらを倒したんだってな!
 やっぱお前の父ちゃん最強だよ。かなう奴なんていねーよな!」
小さな竜は石でできている。命の宿った石像、ガーゴイルだ。
少年は、小さなガーゴイルに語りかける。
「最近さ、考えちゃうんだよ。
 そのうち、代替わりして俺が跡を継いで…
 そんでまた、あいつらがやってきて…でも…」
 …やっぱり、みんなを守りたいな…」
18このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:38:29.56 ID:YmTSARgo0
変な夢から覚めると、昼だった。
外に出ると、古い人形が道を塞ぐように落ちていた。
これはたしか、異人館のジョゼットの部屋にあった人形だ。
「ごきげんよう、タナカ様」
近づくと、人形からジョゼットが姿を現した。
仰天するタナカとミケをよそに、ジョゼットは陽光の中嬉しそうに佇んでいる。
なんでも、夜明けのあの時、イヤリングと同じようにジョゼットの魂もタナカに引き寄せられてしまったらしい。
まるで、取り込まれるような感覚だったが、タナカにそのつもりはなさそうで、
どうしていいか分からずしばらく漂っていたが、憑代になりそうな人形があったのを思い出し、それに取りついて具現しているらしい。
「何故わたくしがタナカ様に引き寄せられたのかはわかりませんが、
 及ばずながら、お二人にご恩返しをしたいと思っております。
 霊体ですので物を触ることはできませんが、念で大抵の物は動かせますので、
 お掃除、お洗濯、お料理くらいならできますのよ。」
「十分すぎだよそれ!」
ジョゼットは、打たれ弱いが強力な魔法が使えるらしく、心強い戦力だ。
しかし、化け猫にゴースト…
「なんとも魔物よりなパーティーだね。」
とミケも苦笑している。

3人で町を歩いていると、親友のスズキに、町長さんが待ってるぞと声をかけられた。
「おいおい、なんかしたのかー?
 まぁ、早めに行って、少しでも心証よくしとけよ。」
予想通り、ジョゼットの姿はタナカ以外には見えていないようだ。

観念して町長さんの家に行く。
町長さんは白いひげを蓄えたおじいさんで、皆に尊敬されてる人格者だ。
「タナカくん、今朝異人館から君が出てきたという報告が来ていますが、本当ですか?」
「はい!間違いなく俺です!」
「そうですか。」
……。……。終わりらしい。お説教も何もなかった。
「異人館に入ったのが君で、そして君が無事ならそれでいいんですよ。
 でもね、私も趣味で異人館を閉鎖してる訳じゃない。
 老朽化が進んで、中に入ると危ないから、ああして立ち入り禁止にしているんです。」
反省し、もう入らないと誓うタナカ。
町長さんはそこで、タナカに本題を切り出す。
タナカに、港におつかいにいってほしいのだという。

港には「トーゾック」というならずものの一党が住み着いていて、
町長は彼らが住人に危害を与えるのを防ぐため、港の権利を彼らに渡し、更には年4回の上納金を納めるという契約を結んでいた。
一方的な搾取だ。しかし、ああいう連中に目をつけられた以上必要な犠牲だ、住人をお金で守れるなら安いのもだと町長は言う。
しかし、町長も高齢なので、港まで出かけるのが堪えるようになった。
だから、タナカに上納金をトーゾックの頭に渡してきてほしいそうだ。
「何を言われても、気にしてはいけませんよ。
 君に危険があってはいけない。穏便に、穏便にね。」
19このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:41:04.09 ID:YmTSARgo0
上納金の入った封筒を懐に、タナカ達は港を目指す。
タナカはこの町で生まれ育ち、この町から出たことがない。
だから他の町と比べることはできないけれど、いい町だと思っている。
その町に、ずっと巣食っているガンのような存在、トーゾック。
だがまさか、これほどまでに一方的な搾取を受けてるとは思わなかった。
こちらは何も悪くないのに、悪くて強い奴には従うしかないのだろうか。

トーゾックの頭は、港の倉庫の中にいるらしい。
だが、そこに行くまでに港に群れているトーゾックの連中が因縁をつけてくる。
奴らは、港に入ってきた一般市民をボコボコにして金品を巻き上げるのを当然の権利のように思っているのだ。
もちろん屈強な野郎どもなので強いは強いのだが、
これまで十分にモンスターを倒して経験を積んでいるタナカ達には大した相手ではない。
一通りトーゾック達をカツアゲしまくって住民の血税を回収し、
それで装備など買わせていただいて、倉庫の中に踏み込んだ。

大きな倉庫の中には、思い思いに寛ぐ野郎どもと、奥に髪の短い女が一人いた。
「おやおや、こんなガキをよこすとは、あのじじいもヤキが回ったようだね。
 とっとと金を持ってきな。」
なんと、トーゾックの頭は女だった。頭は十代目トーゾックと名乗る。
「そういえば、海辺のマーケットがなかなかの人気だそうじゃないか?
 いいことだねぇ、町の収益が上がれば、こっちも潤うってもんだ。
 そういうわけで、次から上納金を3割増額してもらうよ」
なんて勝手な言い草だ。しかしガマンするしかない。
「まだいたのかい!とっとと失せな、目障りだよ!」
十代目トーゾックに腹を蹴られて転がり、見上げれば下衆野郎どもがニヤニヤと笑っている。
ミケとジョゼットに助け起こされて、歩きはじめると、
トーゾック達が罵声を浴びせてきた。
「ブルブル震えるのは、家に帰ってからにしろよ坊主!」
「お前らは俺たちの財布なんだよ、この小銭入れ!」
「弱い奴らはなぁ、黙って俺らの言う事聞いてりゃいいんだよ」

「ガマンだよ、タナカ。穏便にって言われたんだから。」
「そうですわ。悔しいですが、ここは耐えるしかありません。」
歯を食いしばって出口まで歩いてきたが、
ツルツル頭の男に「このハゲ」と言われて、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
「あんたに言われたくねええええええええ!!!!
 町長さんには悪いが、一発殴らなきゃ気が済まねえ!!!!」
「やっちゃおうタナカ!」
「ええ、誇り高い貴族の血にかけて、このような狼藉を許すわけにいきませんわ!!」
猛スピードで十代目トーゾックの所まで駆け戻り、3人で飛びかかった。
「おもしろいねぇ!やれるもんならやってみな!来な、野郎ども!!」
20このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:45:25.57 ID:YmTSARgo0
トーゾック達をボコボコにすると、十代目トーゾックが閃光弾のような物を投げつけてきた。
「くっ…強いね…。リスクのある強請りはしない主義だ。
 ずらかるよ!野郎ども!!」
目が利くようになった時には、倉庫はもぬけの殻。
港にも、あれだけいたゴロツキどもが、人っ子一人いなくなっていた。
「あー…やっちゃったか…」
「やっちゃったねー。」
穏便にとあれだけ言われたのに、ついカッとなってしまった。
でも、町を悩ませていたトーゾックを追い払ったのだから、喜んでもらえるんじゃないだろうか。
とにかく、町長に報告に行こうと倉庫を後にした。

その時、倉庫奥のドアが開き、金髪の青年が歩み出た。
「ここは一体…。岬の古城にトーゾック一味が住み着いていると聞いて、
 討伐に来たが…誰もいないようだな。どうもおかしい。まさか、何者かに先回りされているのか…?」
青年が前方を見ると、出入り口のシャッターをくぐり、今タナカ達が外へ出ていくところだった。

「そこの君、待て。少し話を聞かせてくれ。
 君は一体何者だ?連れているのは、化け猫とゴーストか…?」
タナカ達は、金髪の美青年に呼び止められて足を止めた。
このRPGの勇者みたいなコスプレをした青年には、ミケとジョゼットの姿が見えているようだ。
彼は、アレックスと名乗った。見かけどおり勇者だという。
曰く、魔王を倒すための旅をしている途中、古城に悪名高いトーゾック一味が潜伏していると聞き、
討伐するために立ち寄ったらしい。
魔王って……。何があったのか知らないが、現実見ようよ。魔王なんていないよ…
とタナカが呆れると、ミケとジョゼットまでが不思議そうにタナカを振り向いた。
「何言ってるの、タナカ。現に魔王様はいるよ?」
「そうですわ。魔王は、ずっと昔から存在し、倒せども新たな魔王が現れ人を苦しめ続ける。
 魔王を倒すのは、人の宿命のようなものですわ。」

当然のように言われて、タナカは訳が分からなくなる。
この当たり前の田舎町で、一体こいつらは何を言ってるのか?
「あ、なるほど、観光の方ですね?
 それなら、何かの縁だしこの町をご案内しますよ。
 ただ、ちょっと先に済ませたい用があるので、この先のコンビニで立ち読みでもして待っててくれるかな?」
一気にまくしたて、目を白黒させているアレックスを置いて猛ダッシュでその場を去った。
「ふぅ…振り切ったぜ。」
「ダメだよタナカ!ちゃんと話を聞いてあげないと」
「わかってるよ…。とにかく、町長さんへの報告が先だろ?」
少し整理する時間が欲しい。でないとアレックスの聞きたがっていることを話してやることはできないだろう。
21このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:47:03.27 ID:YmTSARgo0
町長さんの家へ急ぐ道中住人に話を聞けば、既にトーゾック達がいなくなった事は話題になっていた。
「すみません!今回は本当に俺が短気だったというか…」
開口一番頭を下げると、町長さんはタナカに向き直った。
「バッッカモーーン!!!!!!!!穏便にと言うたろうが!!!!!」
勝つことができたからよかったものの、相手が銃や何かを使ってくれば、
今頃殺されていたかもしれないのだ。本当に軽率だった。
町長さんは、厳しくタナカを叱った後、穏やかな表情に戻り礼を言った。
この町は、長年悩まされてきた病巣を切り離すことができたのだ。

町長さんの家を辞したタナカは、ミケとジョゼットを連れて渋々コンビニに戻った。
店内に入ると、アレックスは素直に雑誌を立ち読みしていた。
「なるほど……隙間を利用して、より効率的に収納を…」
「……つっぱり棒?インぺリア帝国の新技術か…?」
主婦向けの雑誌に夢中のようである。しばらく見守っていると、ハッとこちらに気づき慌てて雑誌を閉じた。
「い、いたなら声をかければいいだろう!」
「いやー、夢中になってるところ声をかけるのも忍びないし」
「お待たせしたのはこちらですし、せめてキリのよいところまでは…」
「お心遣い感謝する!」
クールだが真面目で素直な青年のようだ。
とにかく、立ち話するような話題ではないのでタナカの家へ移動することにした。

コンビニを出たところで、スズキに出くわした。
スズキはアレックスに目を留め、知り合いか?と尋ねてくる。
アレックスはやはり、他の人にも認識できる実在の人間のようだ。
彼はあまりにも目立つので、迷子になった観光客という設定で通すことにし、家へ連れ帰る。

「…ってことで、どうしてこうなったのか考える会を始めたいと思います」
「イギなーし」
「意義ありません」
「………まあいい」
アレックスが語るには、彼は魔王討伐の旅をしている勇者であり、
その道中で多少因縁のあるトーゾック一味が岬の古城にいると聞いて踏み込んだらしい。
しかし、古城を探索している最中に、急に雰囲気の違う一室に出た。
城の構造からは考えられないほどの広さ、そして見たことのない建材、
戸惑っていると、ちょうど出ていくタナカ達の後ろ姿が見えたのだという。
つまり、古城とやらと、あの倉庫が繋がっていたということだ
22このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:48:58.82 ID:YmTSARgo0
「おそらく、空間移動の魔法…いや、空間接続といった方が正しいか。
 術の対象を限定せず、通過させる…」
「いや、そういう話はちょっと現実感がないんで…」
「そこなんだよなー、タナカとあたしたちがずれてるところ。」」
そう、魔王はいると言い切るミケやジョゼットと、タナカの常識は相容れないものだ。
「わかったぞ!その魔王とか空間接続とかが全部アリだってんなら、
 そういう異世界とこの町が繋がってるってことなんだろ?」
ミケはご神樹様の杜から、ジョゼットは故オトラント伯の屋敷からやってきた。
旅をしているアレックスによれば、どちらもアレックスのいた世界に存在する場所だという。
「確かに、この町だけが異質だ。しかし、異世界というわけではないだろう。」
アレックスが、懐から虹色に透き通った石を出した。
「これは虹の結晶。魔王がいるという魔界への扉を開くための鍵だ。」
今は、何かに反応するように光を発している。
「僅かながら反応している。ここは、世界で一番魔界に近い場所のはずだ。」
……。
「えええええっ!?逆に!?」

驚くタナカに、アレックスは淡々と説明する。
この町が異質なのは魔王に関することだけではない。
コンビニに行く前にザッと調べたところ、
東と南は海に囲まれ、西は閉鎖され、北は門と壁―学校でおおわれている。
どこにも出ることができない、閉鎖された空間なのだ。
そのことに何故住人が疑問を持たないのか?それは、魔王にそうコントロールされているからだ。
この、魔王などいない世界のとある町、に偽装された閉じた空間をカモフラージュに魔王は身を潜めているのではないか。
どこからも通じておらず、万が一迷い込んだ者がいても、住人の反応がこれでは疑いを抱きようがない。
神樹の杜も、オトラント邸も、岬の古城も、その土地に根差した高等な魔物が住まう場所だ。
それらとの繋がりが隠されていたこの町は、魔族の戦略的重要拠点とみて間違いない。

「…そういわれても、いまいち信じられないんだよな。
 今までそれなりに平和に暮らしてきたわけだし。異世界とつながってるくらいならアリだったけど…」
「……まあいい。魔王については君とこれ以上話し合っても平行線だろう。
 私はこの町を探索する。虹の結晶が反応している事もまた事実なのだから。」
アレックスはタナカに、探索に協力してほしいと頭を下げた。
魔王討伐の大義名分が通用しないこの町では、探索にも支障が出てくる。
魔界への扉が見つかるまでの間だけ、調査に同行してフォローして欲しいのだという。
「……アレックス。…まだ、頭がついていけてないことがいっぱいあるけどさ。
 ここ最近のこと、さすがにおかしいなって思う。俺もこの町のことが知りたい。
 だから、むしろ俺の方こそ、手伝わせてください!」
ミケとジョゼットも喜んで探索に協力するという。
これで方針は決定し、明日からアレックスの探索に同行することになった。
「つーわけで、お疲れ様っした!一時解散!」
アレックスは、教会と宿屋の場所を尋ねてくる。
無いと即答すると、教会で記帳ができないことに心の底から衝撃を受ける勇者殿。
タナカは、快く彼を泊めてやることにした。
23このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:50:44.37 ID:YmTSARgo0
タナカはふと気づくと、薄暗く、落書きのような線で構成された世界にいた。
「…さっきベッドに入って寝たんだよな。やっぱこれって夢か?」
歩いていくと、前方に親友のスズキがいるのを見つけた。
「おーい、スズキー!」
「タナカ!?……お前、なぜこんなところに…?それだけは、起こらないようにしてきたのに…」
「…は?何言ってんだよスズキ!なんか暗いぜお前ー!
 夢の中なんだから、もっと楽しくいこうぜ!まぁ、こんな暗い場所で楽しくも何もないか!」
「…夢か。そうさタナカ、ここは夢の中だ!」
どこか不自然なスズキの態度に気づき、タナカはスズキを問い詰める。
このところの超展開で正直疲れている、友達にウソをつかれたくない。
「…起きたら全部、忘れてるさ。夢の中なんだから、何でもアリだ。」
スズキに何か魔法のようものをかけられ、タナカは倒れた。

目が覚めると、自宅のベッドの上、朝だった。
アレックスは既に起きて、座布団に座っている。
「ずいぶんとうなされていたようだが、大丈夫か?
 …悪い夢なら忘れてしまえばいい。
 虹の水晶が魔界への扉を開けるのは、闇の魔力を打ち消すことができるからだ。
 この水晶のそばにいれば、これ以上の魔王からの干渉を受けることはない。
 …君の心に浮かんだ疑念を消すために、何か手を打ってくる可能性があるからな。」
タナカは、今見た夢を思い出しながら、暗い気持ちで机の上の水晶を眺めた。
「ていうか、その為に出しててくれたんだな、水晶。」
「おおっ、さすが勇者様!やっさしー!」
「人のために為すべき事を為す……
 なんと慈悲深い事でしょう!」
よってたかって褒め殺しにあい、照れてぶっきらぼうに水晶をしまうアレックス。
真面目クールにちょっとツンデレも入っているようだ。

早速、魔界への扉を探す為の会議を始める。
ミケやジョゼットは、伝承として魔界は地下深くに、天界は空高くにあると聞いて育ったらしい。
「教会派と教典派が、唯一共通に持っている教義ですわね。」
「知らない設定来たよ!!」
とにかく、魔界は地下にあるというのが彼らの世界では常識らしい。
この町で地下といえば、下水道くらいしかない。
アレックスを案内して、下水道へ降りることにした。
24このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:51:29.03 ID:YmTSARgo0
外に出ると、今日は雨。そのせいかあまり人気がない。
スズキの家に行ってみると、留守のようで返事がなかった。
気にかかりながらも、下水道を降りて奥へ進んでいく。
ミケを助ける前に見つけた開かないマンホールをアレックスに見せると、
彼ははりきって虹の水晶をかざし、呪文を唱え始めた。
「大地を総べる神よ、常世の口にて主が威光を示されよ!」
特に派手なことは起きなかったが、開かなかったマンホールが開いた。
アレックスは、タナカ達に礼を言い、一人中へ降りて行こうとする。
「ここからは俺の…「勇者」の仕事だ。後は任せてくれ。」
「…いや。俺も行く。…行かない方がいい気がするけど…するけど…
 何か、何かを…」

オモイダシソウナ…

「ボーっとしてるよタナカ、どうしたの?」
「らしくありませんわ、タナカ様。」
思考を中断されて我に返ったタナカに、アレックスは気になることがあるなら行くことを勧める。
真実は時として残酷だ。アレックスも旅の中、知らなければよかったと思う事を沢山知った。
しかし苦しむことはあれ悔いたことはない。経験値とは、新しい知識に伴う喜び、苦しみ、全てのことなのだ。
「そうだよな!行く前からビビってたってしゃーねーもんな!
 逃げるのなんかそれこそ、マジでガチヤバくなってからでもいいし!
 春休み大冒険はまだまだ続くぜ!」
思いきると行動の早いタナカは、一番乗りでマンホールに飛び込む。
慌てて仲間たちも続き、4人は魔界へと降り立った。

そこは、夢で見たあの落書きのような世界だった。
タナカは思わず、スズキの姿を探す。だが、ザコ魔物以外には誰も見当たらない。
魔物を倒しながら、奥へ進んでいく。
アレックスは伊達に勇者をやってるわけではなく、桁違いに強い。
神の加護を受けた体は、生半可な攻撃ではダメージを受けず、剣も魔法も紙のように魔物を切り裂く。

白線で描かれた道を進むうちに、チョークが落ちているのを見つけた。
道が途切れて進めない個所で行き止まり、タナカはそのチョークで虚空に線を描いた。
思った通り、線はそのまま道になり、自由に進んでいける。
しかし、タナカの表情は暗い。

奥へ奥へ進むと、メモが落ちていた。
「・遊び場が少ない→海岸or港 何か?
 ・ショッピングモール案 参考あの町 視察
 ・結界強化←接続魔法にノイズ発生 最優先」
内容から察するに、魔王のものだろう。ノイズとは、まさにミケ達3人のことだ。
「遊び場が少ない…か…」
メモを読むタナカの表情は暗い。
25このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 14:53:49.12 ID:YmTSARgo0
奥の奥へ進み、一つだけ離れて小島のように浮かぶ空間へと、チョークで線を引いて渡った。
「………スズキ、なんでこんなとこにいるんだよ……」
「………。悪かったな、タナカ。
 やっぱり、いつかはこうなるんだよな。」
振り向いたのは、タナカの親友、スズキだった。
アレックスが進み出る。
「なるほど、やはり町民に紛れていたか…
 しかし、この魔界においては、闇の気配を隠しきれないようだな!
 魔王め!王と神の名の下に貴様を討つ!!」
アレックスを止めようとしたタナカを制して、スズキが目を閉じた。
短髪だった青い髪が長くたなびき、その間から二本の長い角が現れる。
再び開いた瞳は、魔性に赤く染まっている。
闇より黒いマントを翻し、ここに当代魔王が顕現した。

「さて、恒例の前口上だが…
 せっかく今日は俺の親友が来てくれていることだし、特別版でお送りしてやろうかね。」
スズキは、すぐにでも闘いを始めようとするアレックスをなだめて、
真実を求めてここまでやってきたタナカの為に、この町の事を語る。
スズキと名乗る以前、先代の魔王が魔界を支配していたころ、スズキはまだ子供だった。
魔王は倒されても復活するわけではない。世襲制で跡継ぎは安全なところに隔離されて育てられる。
それでも戦況は常に把握していた。
歴戦の猛者達を追い返してきた門番のガーゴイルが討ち果たされ、
各扉を守護していた魔族たちも一掃された。
城内の魔族を圧倒するほどの力と神の加護を携えた、真の勇者が現れたのだ。
父はまもなく討ち取られるだろう、スズキはそう確信した。
魔王は勇者に倒される。それが無限にループされてきた歴史だ。
やがてスズキが当代魔王を継ぎ、成長して力をつけ、そのころには力のある魔族も揃う。
そして、無限に続くループに乗っかるわけだ。
「魔王とは、闇の魔力そのものが魔物と化した…高純度の結晶体のようなものだ。
 その存在を許せば、他の魔物たちは力を増し、専横を振るう事だろう。
 討伐の対象になるのは当然のことだ。」
「そりゃそうだよな。でも、魔王がいるからこそ魔力の拡散が抑えられてる。
 大体がこっちに集まってくるからな。これはこれで、必要な役割だ。
 …タナカ、そんな顔すんなよ。俺はいいんだ。これは俺の役割なんだから。
 ただ、そのループに他のヤツをさ…巻き込む必要はあるのかってな。」

スズキはずっとそう思っていた。だから、温めてきた計画を即位と同時に実行した。
城中の魔族を招集し、一か所に集める。
物言いたげなガーゴイルの息子に、スズキは語りかける。
「大丈夫、お前も、みんなも、俺が守るから。
 …セイレーン、皆を眠らせてくれ。爺は魔法の用意を。」
爺と呼ばれた年老いたエルダードラゴン―スズキの後見人の魔法で、城中の魔物たちは皆サナギのような結晶に変じた。
驚くセイレーンも眠らせ、同じようにサナギに変える。
そして、その強大な魔力で、スズキは魔王城を解体し、町を作り上げた。
そこに住む住人は、普通の人間へと姿を変えられ、記憶を封じられた魔族達だ。
26このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 15:08:59.71 ID:YmTSARgo0
「魔族であることを忘れ、人として静かに暮らしていれば…闘いを繰り返さなくて済むんじゃないかと思った。
 俺は、大事な友達を守りたかったんだ。
 …騙してて悪かった。タナカ、お前は前にもここに来たな。
 結局ここは魔界だから、高等魔族の……ガーゴイルであるお前なら簡単に入って来れるんだよ。」
「そっか……俺はやっぱ、そうなんだな。
 ここに来た時にさ…この場所見て、そんでチョーク拾って、ラクガキを見て思い出したんだ。
 ……お前ってさ、昔から絵はヘタだったよな!」
記憶を取り戻した親友同士は、微笑みあう。

「……話は終わったか?長話に興じて、今の状況を忘れたわけではあるまいな。」
アレックスがスズキに剣を向ける。
魔王は、神の加護を得た者の攻撃以外で死に至ることはない。
魔力の飽和した危険な結晶を、放置しておくわけにはいかない。
アレックスにはアレックスの、人々や神から託された使命があるのだ。
「あ、でもまだ子供がいないな…。
 骨のひとかけらでも残しておいてくれたら、あとは爺が…町長さんが何とかしてくれるだろう。
 さあ、長らくお待たせしちゃったな勇者よ!ラストバトルだ!!」

「他の皆には手を出すなよ?」
「…いいだろう。住人に害意は感じられないからな。」
「嬉しいね。俺の計画は大成功というわけだ。」
「スズキーーー!!全然成功じゃねぇよ!それでお前が死んじゃったら意味ないじゃん!!」
「友達を守れたなら、成功さ。………。
 下がってろタナカ!!」
この町を維持する為に膨大な魔力を割いているスズキには、勇者と渡り合うだけの力は残っていない。
抵抗の意思もないらしく、スズキは一方的にアレックスに切りつけられていく。
タナカは我慢できず、二人の間に飛び出した。
「タナカ、君の気持は理解できる。
 だが、俺の前に立ちはだかるというなら、俺は君まで斬らなくてはならない。
 友の想いを無駄にする気か!」
「スズキは俺らのこと守っていいのに、俺はスズキを守っちゃダメなんておかしい!
 俺だって、友達を守る!!」
自分は、先鋒となり皆を守る、ガーゴイル。魔王の親友なのだ。

「お前って、本当に変わってないな。
 …ここまで言われちゃ、引き下がれないよな。俺ももうちょっと、足掻いてみるか。」
「アレックスには悪いけど、あたしもスズキとタナカの味方だよ!
 スズキもタナカも、あたしの友達だもん!」
「友達の友達もまた、友達と申しますわ。
 わたくしはタナカ様をお守りしますし、スズキ様も、もちろんミケ様もです。」
「まあ、手荒なマネはしたくないんだけどな。
 俺は…俺たちは、お前だって友達だと思ってるからさ。」
27このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 15:17:05.60 ID:YmTSARgo0
アレックスは、タナカ達に剣を向けた。
「神は天界において、総てを照覧している。
 私は私に課せられた使命を、蔑ろにすることはできない!」
人には皆立場がある。友達同士とはいえ、避けられない戦いだ。
勇者アレックスと魔王の、最終決戦が始まった。

スズキは、冗談みたいに強い。
これで魔力のほんの一部で戦っているとは、勇者が倒しに来るのも頷ける危険さだ。
それでもアレックスは、信じられないほどの強さでこちらを圧倒してくる。
死闘の末に、膝をついたのはアレックスだった。

「くっ…ここまでか…」
「すまないな。でも…俺ももうちょっと、この町でみんなと生きていたいんだ。」
「……俺はこれまで、一人で旅を続けてきた。…友達がいるというのも、悪くはないな。」
アレックスのそばに、スズキが歩み寄る。
「最後に教会で記帳したのは、どの町だ?」
「……カシマーシだ。」
「そりゃまた、遠いところからわざわざ。」
「…やるなら早くしてくれ。こっちは一刻も早く教会に行きたいんだ。」
28このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 15:18:11.62 ID:YmTSARgo0
「何?何をしようとしてるんだ?」
いぶかるタナカに、アレックスが視線を向ける。
「タナカ、私は何らかの手立てを講じて、またこの町に戻ってきてみせる。
 その時は、今回のようにはいかない。覚悟しておくんだな。」
「…そっちこそ!」
スズキが、アレックスへ手をかざす。
「じゃあな、あと100年は顔を見なくて済むよう祈ってるぜ。」
黒い煙とともに、アレックスの姿が掻き消えた。
その場に跪くスズキに、タナカが声をかける…が…
「おおーー!あいつ、結構貯めこんでたんだなあ。装備は最強っぽかったし、あとはレベル上げて感じか。
 今回はみんなで頑張ったからな!お金は山分けだ!」
魔王様は朗らかに笑い、8000円くれた。

「え、えええーーー!!スズキ、お前カツアゲとかするタイプだったのか!」
「おいおい、人聞きの悪い事言うなよ。」
「そうだよタナカ!相手が誰でも戦闘で負けたら所持金半分取られて教会送り。
 これ冒険の基本だよー!」
「ええ、その通りです。そのようにしてお兄様が得たお金を、屋敷の修繕に宛てておりましたわ。」
ええー…これ常識なんだ…。
「まぁいいや、なんかどっと疲れたよ…
 みんな、帰ろうぜ!!」
「うん!」
「ええ!」
「だな!」

帰る道すがら、タナカはくるりとスズキを振り向いて言った。
「なぁ、スズキ!俺、この町大好きだからな!」
「そう言ってもらえれば、この計画は大成功だよ。」
二人は笑いあい、自分たちの町へと帰路についた。

エンドロールが流れ、最後にENDの文字。
そこに、チョークで力強く打ち消し線が引かれた。
29このまちだいすき ◆l1l6Ur354A :2012/07/16(月) 15:22:02.37 ID:YmTSARgo0
自宅ベッドで起き抜け一番、タナカは雄叫びをあげた。
「言っておくが!!!!
 俺の春休みは!!!!まだ終わってな―――――い!!!!!」
跳ね起きれば、ミケとジョゼットがテーブルを囲んでいる。
「なんていうか、切り替えはやいよね。」
「うふふ、それでこそタナカ様ですわ。」

こんな風に過ごせることは全然いやではない。
この状態をベストとしたスズキの選択を、タナカは信じる。
とにかく、まだまだ春休み。今日も気合を入れて遊ぶのである!
「この春休みが終われば、いよいよ高校21年生だからな!」
「………。魔族の方は寿命が違いますものね。」
「ちなみに、タナカは今いくつなの?」
「俺?今年で171歳。まだ170だけど。」
「……。」
「えっ、何?なんかおかしいのか!?」
「ううん、何かもうかなりどうでもいいや。」
気を取り直して、3人は今日も町へ繰り出すのだった。

港で歌を練習しているサクライに話しかけると、
「遊びに行くなら、私もタナカくんについていっていいかなぁ?」と仲間入り発言。
喜んでつい姿を現してしまったミケとジョゼットに驚くも、
魔王云々や魔族云々は伏せて事情を話すと、かなりゆるい…もとい心の広いサクライは、
化け猫と幽霊、というこの二人の存在を難なく受け入れてくれた。
これ以降、サクライも冒険のメンバーになる。
魔王スズキも一応誘ってみたが、「俺が入ると反則になるからな」とのこと。納得。

以降、フリーで春休みを遊べる。
倉庫からは岬の古城へ行けるようになっており、また古城をねぐらにしているトーゾック達と再会できる。
町と繋がったそれぞれの場所には、強大な魔物が住んでいる。
本当は全ての眷属を町へ集めたかったが、司る場所を離れることができない竜や神魔の為に、
魔王はそれぞれの場所と町を空間接続し、ちょくちょく顔を出しているそうだ。
その魔物らと、手合せすることができる。
いずれも、ガーゴイル、化け猫、ゴースト、セイレーンのパーティではなかなか太刀打ちできる相手ではなくレベル上げ必須。
他にも、色々なおまけストーリーが用意されている。
春休みに終わりがあるのかどうかは、まだおまけを遊びきってないので不明です。
30ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 15:24:02.53 ID:YmTSARgo0
以上です。作りが凝ってて、かなり面白かったです。
31ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 19:39:32.90 ID:fwC892h40
遅くなりましたが「密室のサクリファイス」を続きから最後まで投下します。
32密室のサクリファイス:2012/07/16(月) 19:40:12.10 ID:fwC892h40
各ルートの話の流れから外れてしまった場合、
もしくは他4ルートクリア前に最終ルートの流れで進めてしまうと、以下のバッドエンド。

【バッドエンド】
話は一旦過去、"異変"発生の少し前の時点に戻る。

オレンジは組織を離れたあと、独自に政府関係機関の機密情報を集めていた。、
そして、地上は人が住める環境ではないこと、その環境の再生のために必要なのが
医局の極秘プロジェクトの被検体「イコン」であることを突き止めた。
イコンが持つ能力は、特殊な脳波により「夢という形で平行世界へと移動できる」
「その世界で干渉を行うことにより、元の世界をその世界で置き換える」というもの。
旧政府は地上を再生させるためにイコンを作ったが、最終的に失敗。
現政府がその資料を見つけ、ファウンデーション内の統治に利用するために
資料を基にして新たなイコンを作り出した。それがイトカである。
だがイトカの能力の制御に失敗し、5年前の実験中に発生させた空間の歪みが
偶然高エネルギー炉を突き破ってしまい大惨事となってプロジェクトは凍結。
イトカも無期限でコールドスリープにて眠らされることになった。

オレンジはイトカを見つけ出してコールドスリープを解除し、
地上再生に必要な「再生された地上のイメージ」をイトカに与えようとする。
だが、イメージを直接脳に送るための医療スキャナを見たイトカは、
辛い実験の日々を連想して恐慌状態に陥り、「みんな消えちゃえ」と願ってしまう。
イトカの能力にその思いが作用して現実が書き換えられ、
ファウンデーションから一瞬にして人が消えたうえに、
ファウンデーション自体も崩壊を始める。
これが"異変"の始まりである。
オレンジはネットに繋いで事態を悟ったのち、プリーストがまだ健在であると知る。
地上への導き手、真のクロエとなれるのは自分なのかプリーストなのか。
オレンジは一抹の期待から、自分の足跡を伝えるメモを残しつつ地上を目指した。

そして話は現在に戻る。

数字が残り1となったイトカの前にオレンジが現れ、再度地上のイメージを語った。
だがイトカが夢で見たのは再生された地上の世界などではなく、
平穏な公園でくつろいで穏やかな幸せを感じている情景であった。
それと共に数字が0になり、イトカは幸せな表情で永遠の眠りについた。

一方、イトカの表情から成功を確信したオレンジは、地上への扉を開放。
その先に見たのは再生された地上ではなく、荒廃した灼熱の世界であった。
「一体なぜ?」「何を間違えた?」
それ以上考える暇もなく、オレンジは灼熱の風で焼き尽くされたのだった。

 バッドエンド【ZERO】
33密室のサクリファイス:2012/07/16(月) 19:40:51.83 ID:fwC892h40
【最終ルート】

まず【ルート2】と同様に死亡者なしでフリオウィルスの件が決着したのち、
【ルート4】と同様にクロエがセキュリティにやられて死亡。

次に【ルート2】と同様にオルガの要望で研究ブロックへ行く。
しかしそこで火災が発生し、イトカだけが逃げ遅れてしまう。
4人の安全を確保するにはイトカを見捨てて防火シャッターを閉めなくてはならない。
オルガが悩んでいる間にアスナが飛び出してイトカを救出するが、
代わりに崩れた天井で負傷したアスナは戻ることができず死亡してしまう。
イトカを見捨てようとした自分の判断と、その結果アスナが死亡したことに対し、
オルガは後悔し迷いを深めていくことになる。

その後、【ルート2】と同様にオルガが皆を守って溶岩に焼かれ死亡。
ここで残りはイトカとミキだけになる。

イトカはよく見ている夢の一つ、走行中の列車の中にいる夢を見ていた。
しかしこれまで見た同様の夢はいつも
「列車が事故で大破し、イトカが足に大怪我する」という終わり方だったのに、
今回は隣の車両にミキが乗っており、事故後も誰も怪我しない状態で終わっていた。
この出来事とこれまで起きてきた現象を考え合わせることで、
初めて「私は夢で現実を変えているのかもしれない」と気が付くイトカ。
再度度同じ夢を見ることができた際に、この夢(ミキの過去)を改変しようとする。
だが、緊急停止装置を作動させるのが一歩間に合わず、直後に事故発生。
タイミングが変わったことによりミキは致命傷を負ってしまう。
結果、現実にミキはこの時死亡したことになり、現在までの存在自体が抹消されてしまう。
34密室のサクリファイス:2012/07/16(月) 19:41:33.97 ID:fwC892h40
ついに独りになってしまったイトカは何をするでもなく夢と現実を往復していた。
だが、ついに数字が1となったとき、寂しさから「また皆に会いたい」と強く願う。
そして始まった最後の夢。それは他の4人が登場して再会を喜ぶ夢であった。
ここでイトカは初めて「見る夢の内容はイトカ自身が選べる」ということを知る。

イトカが皆に自分の知る事情を説明すると、
予備知識を持っていたクロエがイトカの話に信憑性を認めた。
さらなる情報を求めてクロエが前人未到の管理局サーバー最深部へハックをかけ、
セキュリティを突破して管理コンピュータ「ディープ・ソート」への接触に成功する。
ディープ・ソートは5人の求めに応じて今回の"異変"に関する情報を語った。

約300年前、太陽が膨張を始めたことで地上は灼熱の世界になっていき、
人々は地下にファウンデーションを作り移住していった。
だが太陽の膨張による破滅は地下に居るからといって免れうるものではないので、
研究の末にファウンデーション全体を量子的なものに変換することで、
それらを物質に縛られない単なる"状態"へと変化させた。
例えるなら、強固な"箱"の中に平行世界全部をデータ化して詰め込んだ状態である。

こうして閉じこもりつつも、科学者たちは物質的存在に戻れる希望も残していた。
"箱"が開かれると量子化(データ化)された世界は物質世界に散逸する。
このときこの量子化世界の"観測者"に理想の世界を強くイメージさせておくことで、
そのイメージで物質世界が上書きされる機構にしておいたのだ。
そしてこの役を担う"観測者"は「イコン」と名付けられた。
副次的な作用として、イコンは量子状態となった世界を外から観測できるが故に、
重なり合った無数の平行世界を時間も空間もランダムに繋がった状態で認識する。
さらに、それらを観測し干渉することで、世界の状態を書き換えることができる。

約250年前、この事実を知る者達によりイコンとなる者の作成が行われた。
だが、地上の再生には「再生された地上」のみを強くイメージせねばならないのに、
どうしても他のイメージが混じって精確にイメージすることができないことが判明。
こうして旧政府でのイコン・プロジェクトは断念することとなった。
一方、現在のイコンであるイトカは、物心つく前に素質が見出されて隔離され
余計なイメージを持つことなく育てられていたが、現政府の目的は地上の再生ではなく
世界の管理であるため、地上のイメージも持つことなく現在に至っていた。

"異変"により崩壊の始まった今の世界で助かる方法はただ一つ。
イトカが初代イコンの持つ「再生された地上のイメージ」を獲得したうえで
量子化世界を開放し、物質世界(地上)をそのイメージで書き換えることである。
35密室のサクリファイス:2012/07/16(月) 19:42:17.49 ID:fwC892h40
ディープ・ソートの情報によりやるべきことは明確となった。
初代イコンからイメージを受け取る必要があるが、初代イコンの所在は不明なので、
イトカの能力で「初代イコンと会える世界」へと移動することになる。

眠りに落ちたイトカの夢に、ディープ・ソートの協力で4人が侵入すると、
4人はそれぞれ自分の過去に関わる夢へと落ちていった。
それらの夢の中で
クロエは地上への鍵を見つけ出したことでオレンジに「真のクロエだ」と認められ、
オルガは父に美味しい紅茶を入れたことでその成長を認められ、
ミキは怪我を克服してまた飛ぶことへの意思と決意をオレンジに認められ、
アスナはホノカに「私はあなたの分まで生きる」と伝えて感謝の言葉を貰い、
それぞれ過去を乗り越えてイトカの夢へと合流する。

4人の声援で自信を付けたイトカは無事に初代イコンと会う夢に辿り着き、
理想の地上のイメージを受け取ることに成功。地上を再構築させる。
代わりに数字が0となってしまったイトカが消滅してしまうが、
初代イコンが自身の能力でイトカを「普通の女の子」として地上へ再構築した。

エピローグ。
再構成され再生した地上。そのうち人々もここへと上がってくるだろう。
そんな地上で一人の少女が仲間の到着を待ちわびている。
その少女、イトカが到着した4人を出迎えて終劇。

 イトカEND【地上】
36ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 19:43:15.46 ID:fwC892h40
以上です。遅くなって済みませんでした。
37ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 19:47:00.24 ID:iv5VoCcR0
38ゲーム好き名無しさん:2012/07/16(月) 23:06:37.53 ID:WGTVcBAK0
前スレの485まで、このスレの>>37までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。
39ゲーム好き名無しさん:2012/07/17(火) 16:54:43.35 ID:HnRJUQfQ0
乙でした。わかり易く面白かったです

PSPの「氷の墓標 一柳和3度目の受難」をリクエストします。
登場人物によって複数エンディングが有りますが、出来れば
BADENDも書いて頂けると嬉しいです
40ゲーム好き名無しさん:2012/07/18(水) 00:50:44.12 ID:nl6G0bkV0
PSPの「ラグナロク〜光と闇の皇女〜」をリクエストします。
全陣営のストーリーを書いて頂けると嬉しいです。
41ゲーム好き名無しさん:2012/07/18(水) 17:51:52.17 ID:2pR3Wg2R0
先日、行方不明になってたPS2を親が発掘&「PROJECT ARMS」を
兄の部屋から発見しました
「PRJECT ARMS」を一応予約しますが、暇を見つけてのプレイになりますので
いつ頃書き込めるか不明です…
42ゲーム好き名無しさん:2012/07/18(水) 18:21:12.19 ID:2nmEvrhDO
いつもお世話になっているのとソフトを見つけたので、メダロットシリーズ(2、3)纏めてきます
リクエスト無くても書いて良いなら、6も
43ゲーム好き名無しさん:2012/07/18(水) 18:22:04.47 ID:auXSEXCB0
予約とか書き込めますとかお待ちくださいとか作品気取り大杉ww
作家ごっこスレwwww
分かりやすく書けないやつに限って自分で書けば?とかww
笑うしかねぇww
44ゲーム好き名無しさん:2012/07/18(水) 18:35:31.38 ID:jnx5rKGE0
夏だねぇ…
45ゲーム好き名無しさん:2012/07/19(木) 02:07:32.21 ID:baFuZ6CT0
>>43
お、IDにSEXが入ってるぞ
46ゲーム好き名無しさん:2012/07/19(木) 19:29:35.08 ID:C8JURaU/0
>>43
au豚顔真っ赤wwwwwwww
47ブシドーブレード弐:2012/07/20(金) 17:53:04.43 ID:tkASomhjO

前スレ>>483訂正。
責任の使命→積年の使命

只今、寒雲のストーリー執筆中。
暫く、お待ちを…。
48ブシドーブレード弐:2012/07/20(金) 19:17:54.76 ID:tkASomhjO
*決戦の間・寒雲*

蛇恍院、何処からか総帥の声が響き渡る。
大納「須恵家が滅ぼされてからの長き戦い、今こそ終結の時を迎えた。
踏みにじられた我々の恨みを晴らすその使命に耐えられるか、どうか…お前の腕、見せてみろ!」
寒雲「何を今更、試す?」
捨陰党の忍が現れた。
5人程、始末すると総帥の声がした。
大納「確かに、お前の腕、認めよう。鳴鏡館へ向かえ! 我々の太刀、夕霧を取り戻すのだ! 師範代の居ない鳴鏡など恐るるに足らん!」
寒雲「仕方ない、私が行くか…。」

船着き場、鳴鏡の刺客を4人程、始末。
墨流が現れた。
寒雲「鳴鏡の者では無いな? 斬られたくなければ…去れ。」
墨流「御門サン、墨流、名前、付ケテクレタ。私、鳴鏡…!」
攻撃をかわしつつ、始末。
寒雲「哀れな…。」

そこにハイウェイマン(以下、ハイ)が来た。
ハイ「寒雲、無事か!?」
寒雲「新参者が…何の用だ?」
ハイ「この先、敵が多い。手伝う!」
寒雲「ハイウェイマン、とか言ったな…お前が私を手伝う…? フッ…。」
ハイ「確かに新参者ではあるが、腕には自信がある!」
寒雲「フン、邪魔なだけだ。」
ハイ「そこまで言うのなら、証拠を見せよう!」

(ここからハイウェイマンにバトンタッチ)
新ジャックビル地下、刺客を5人程、始末。
辰美が現れた。
ハイ「いくぞ!」
辰美「僕がこの先は進ませ無い。 …! まさか!?」
どうにか攻撃をかわし、始末。
ハイ「後は…頼む!」
(ここから寒雲にバトンタッチ)
龍門トンネル跡、ホッキョク・ツバメがいた。
寒雲「斬られたくなければ…去れ。」
ツバメ「ホッキョク・ツバメという名前、聞いた事ある? …アタシの事よ!」
攻撃をかわしつつ、彼女にタックルし、始末。
ツバメ「夕霧で…お前達、捨陰党の怨念を解放しようというのか…?」
寒雲「怨念? 捨陰の心も鳴鏡が語ると、そこまで歪められるのか…。」

続きます。
49ブシドーブレード弐:2012/07/20(金) 19:20:26.58 ID:tkASomhjO
続きです。

鳴鏡館道場、刺客を3人程、始末。
風閂が現れた。
寒雲「…斬る…!」
風閂「青白い顔しやがって、それで剣が振れるのかよ!」
どうにか始末。
寒雲「夕霧…仇討ちの為に作られた、太刀…か…。」

そこにウタマルが息を切らしながら来た。
ウタマル「ハァハァハァ…さすがだな…。ここまで来て、息一つ乱れてねぇな…。」
寒雲「ああ、ウタマルか。」
ウタマル「お、夕霧か! ちっきしょー!! また手柄取られたぜ!」
悔しがるウタマル。
寒雲「フン、この程度の事…。第一、まだ終わりでは無いはずだ。」
ウタマル「(少し息を切らしながら)ああ、確かに。敵の血筋を絶えさなければ、真の目的は果たせない。」
寒雲「積年の恨みを晴らす…か、恨みなど私には関係無いがな…。仕方あるまい…。」
ウタマル「…ようし! 取り敢えずここは、お前を手助けして恩を売っとくか! 先に行くぞ!」

(ここからウタマルにバトンタッチ)
踏鞴神社参道、刺客を5人程、始末。
松虫が現れた。
ウタマル「物足りないと思っていたんだよ!」
松虫「いやぁ、俺は松虫っていう、只の通りすがり…。物足りないかもしれねぇよ…?」
どうにか始末。
ウタマル「後は…宜しくな!」

(ここから寒雲にバトンタッチ)
迷ひ橋、刺客を4人程、始末。
御門が現れた。
寒雲「お前のような女が何をしに来た…?」御門「私は鳴鏡の御門。私は…戦わなければならないの。」
素早い攻撃をかわし、始末。
寒雲「次で最後だ…!」

踏鞴神社境内、神主が待ち構えている。
寒雲「諦めた方が良い…。」
玄鷹「長い間、鳴鏡と共に守り続けてきた鏡家の血筋、終わらせる訳にはいかない!」
ギリギリまで間合いが縮まってから始末。
(かなり省略して書いてますが、実際やると結構大変ですw)
玄鷹「早く…お逃げ下さい…!」
寒雲「そうか、奥か…。」
神社本殿に向かった。

続きます。
50ブシドーブレード弐:2012/07/20(金) 19:21:27.12 ID:tkASomhjO
続きです。

踏鞴神社本殿、死装束を身に纏った女性がいた。(佇むという表現は間違いでした。訂正します。)
寒雲「お前がそうなのか…?」
已綱「来ましたか…。」
寒雲「捨陰の使命により、お前を斬りに来た。」
夕霧を手に迫るが、彼女は全く戦う意思が無い…。
已綱「そう…貴方達の目的は貴方達の夕霧で私を斬り、血を絶やす事…。800年前に私達の先祖、鏡家は同志であった須恵家を裏切り、滅ぼした…。
長い間、積み重ねられた須恵家の恨み、晴らす方法は一つしかないようです…。
さ、鏡家の末裔の…この私をお斬りなさい…。」
彼女は何もして来ない…。
どうする…?

続きます。
51ブシドーブレード弐:2012/07/20(金) 19:26:33.93 ID:tkASomhjO
*ED・斬る*
寒雲は彼女を斬った。
已綱「うっ…!」
断末魔を上げ、倒れる。
已綱「ひたすら…意味も無く、守り続けてきた鏡家の血も…今、私が絶える事で…全て、終わらせる事が…出来る…。」
彼女は息を引き取った。
寒雲「鏡家の者は、鏡家の為に戦った。須恵の者は須恵家の為に戦った…それだけの事だったはずだ…。それが例え、相手を裏切る形となったとしても、恥じる事も、悔いる事も無いというのに…。
お前の運命(さだめ)は鏡家として、戦う事ではなかったのか? 何かを守る為に戦う…。その方が人として救われたかもしれないのに…。哀れだな…。」

*ED・本殿を去る*
寒雲は彼女を斬らずに、本殿を出た。
寒雲「妖刀・夕霧…か…。素晴らしい太刀ではあるが、只の太刀だ…。それが、大袈裟な呼び名を貰ったものだな…。
…妖刀か…。この寒雲が敵に情けをかけるとは、夕霧…お前に惑わされたのかもしれないな…フッ…。」

以上です。
次は嬢です。
次からは一部の台詞を省略します。
52ゲーム好き名無しさん:2012/07/21(土) 20:46:30.47 ID:3kojyrZc0
乙です
省略しない方がありがたいが事情があるならしょうがない
著作権的にまずいのかな
53ゲーム好き名無しさん:2012/07/21(土) 21:07:21.02 ID:6cF+pKGv0
>>52
そういえば文章の半分以上が引用だとまずいんだっけ?
54ゲーム好き名無しさん:2012/07/21(土) 21:28:02.54 ID:ltozZFQx0
じゃあもしかして、武器や操作方法にまで言及していたのは著作権法違反を回避するため?
55BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 05:39:40.46 ID:BQJJWlKT0
BIOHAZARD Operation:RaccoonCity

1998年9月末。
アメリカの大都市ラクーン・シティにて、未曾有のバイオハザードが発生。
【アンブレラ社】の生物兵器【t-ウィルス】が流出、街中に蔓延。市民は生ける屍と化し、互いをむさぼり食っていた。
アンブレラ社は、この不祥事をもみ消すため、生存者の殲滅を図って、私設部隊と生物兵器を投入。街はさらなる地獄と化す。
その後、米国政府は、ウィルスと生物兵器の脅威を防ぐため、核を投下しラクーンを地上から抹消するという強硬手段を取る。
この事件による死者は数十万人にも上る一方、無事生還できたものは百にも満たないと言われる。

この物語は、その事件に関わった二つの特殊部隊……

U.S.S.(Umbrella Security Service=アンブレラ私設保安部隊)デルタチーム、通称『Wolfpack』(狼の群れ)、
SPEC OPS(Special Operations=米軍特殊作戦部隊)特別選抜チーム『Echo 6』、

……そのメンバーたちの戦いの記録である。
56BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 05:40:32.52 ID:BQJJWlKT0
Wolfpack編

1st mission : CONTAINMENT(封鎖)

1998年9月中旬。アンブレラ生物化学研究部門の主任研究者【ウィリアム・バーキン】が、アンブレラを離反したとの情報が入る。
米国政府に独自に接触、自身の能力と生産物とを売り込み、さらにアンブレラの機密事項をも持ち出すつもりらしい。
ラクーン市の下水道施設に偽装された極秘研究所に、U.S.S.アルファチームおよびデルタチームが派遣される。
その任務は、『ウィリアム・バーキンの抹殺』『証拠隠滅』そして『新型ウィルス【G】の回収』である。

U.S.S.デルタチーム【Wolfpack】は、アルファチーム・リーダー【HUNK】と合流。
施設を警備するU.B.C.S.(Umbrella BioHazard Countermeasure Service=アンブレラ私設バイオハザード対策部隊)と交戦する。
同じアンブレラ社の私設軍隊同士とはいえ、U.B.C.S.は傭兵やら亡命者・犯罪者やらを寄せ集めた「使い捨て部隊」に過ぎない。
U.S.S.には彼らを排除する許可が下りている。HUNKとWolfpackは彼らを容赦なく殲滅、順調に侵入していく。

研究室の手前まで進んだところで、施設の警報システムが作動した。U.S.S.が引っかかるはずはないので、別の侵入者だろう。
おそらくはバーキンが呼んだ米国【SPEC OPS】。一行はアルファチームとも合流、急いで研究室に向かう。

HUNKとアルファ隊員1名が踏み込み、Wolfpackは入り口で警護に当たる。漏れ聞こえる研究所内の音。銃声、バーキンの叫び声。
……不意に爆音。SPEC OPSの急襲だ。交戦し、撃退するWolfpack。サンプルを回収したHUNKらも合流し、脱出を開始する。
SPEC OPSは追ってこない。脱出ルートを確保している別働隊へと無線連絡すると、問題なし、との返答。万事、順調だ。

しかしアルファチームのメンバーに、怪物が襲い掛かる。自らにG-ウィルスを投与し変貌を遂げた【G−バーキン】だ。
鉄パイプで打たれ、隊員は紙切れのように吹っ飛んで絶命した。ケースが落下し、ウィルスサンプルの入った容器が割れた。

銃弾は通じない。肩の目玉が弱点だが、いくら撃っても足止めにしかならない。HUNKとWolfpackはほうほうの体で逃げ延びる。
しかしHUNKは「サンプルを失った。回収に戻る。」と一言だけ言い残し、再び研究所へと消えていった……。
57BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 05:41:14.20 ID:BQJJWlKT0
2nd mission : CORRUPTION(堕落)

数日後、9月下旬。ラクーンシティは、地獄と化していた。
研究所襲撃の際に漏出したウィルスが、下水道を介してラクーンシティに蔓延してしまったのだ。

Wolfpackは再びラクーンシティへと投入される。今回の任務は、徹底的な「証拠隠滅」である。
ラクーンシティとアンブレラの関連を示す証拠をすべて消去し、今回の事件の証人となりえる生存者をすべて始末する。
上層部はこの惨劇を、バーキン襲撃任務の「失敗」が原因だと見ている。その責任を押し付け、尻拭いをさせるつもりらしい。
その理不尽な判断に、Wolfpackは憤慨し不信を抱くが、任務は任務である。命令どおり、市庁舎を目指す。

ゾンビと化した市民を蹴散らしつつ進むと、途中、U.B.C.S.の【ニコライ・ブレジネフ】と遭遇する。
アンブレラ本社は「市民の救出」の名目でU.B.C.S.も大量に投入している。が、前述通りU.B.C.S.はあくまで使い捨て部隊だ。
U.S.S.の精鋭であるWolfpackの任務は極秘。こちらの目的は教えず、一方的に情報だけを求めることにする。

市庁舎からやってきたというニコライに現地の状況を聞くが、予想通りの悲惨なもので、U.B.C.S.は壊滅状態だという。
しかも「謎の特殊部隊」も派遣され、市庁舎で「なにか」を探しているらしい。
「お前たちの目的も、同じものかな?」
不敵に笑うニコライ。Wolfpackメンバーは不快感を示し、ニコライの殺害まで提案するが、この場はとりあえず放置し、別れた。

市庁舎に辿り着く。そこにはSPEC OPSの影があった。ニコライの言っていた謎の特殊部隊とは彼らのことだった。
大災害発生を察知した米国政府は、大規模にSPEC OPSを投入している。
彼らの任務もまた「市民の救出」だが、それは言い換えれば「アンブレラを告発するための証人保護」である。
そしてそれと同時に、ラクーンシティ内の各所を探索し、アンブレラの犯罪行為の証拠を収集する任務も平行して行なっている。
アンブレラと米国政府は癒着関係にある。しかし決して蜜月関係ではない。政府はこれを機にアンブレラを潰すつもりであった。
SPEC OPSはアンブレラの人間を敵とみなし、排除してくる。もちろん、こちらも同様だ。遭遇は即交戦を意味する。

Wolfpack、SPEC OPS、ゾンビ。三つ巴の戦いになりながらも、Wolfpackは市庁舎のセキリュティルームへと侵入する。
サーバールームのロック解除のために入った部屋だったが、そこで偶然、とあるものを目撃する。
それは、数時間前の防犯カメラの映像。部隊の仲間の足を撃ち、閉じ込め、ゾンビに食わせて一人で逃げるニコライが映っていた。

サーバールームでサーバーを破壊、記録室で各種資料を焼却。市庁舎にある証拠はすべて消去が完了した。あとは脱出するのみ。
……しかしその行く手に、ニコライが立ちふさがった。
なぜ自分の部隊の仲間を殺したのか問い詰めるWolfpack。ニコライは高笑いで答える。
「ハハハ! ヤツらはすばらしい結果を残してくれたぜ! そしてお前たちもな!」
ニコライはWolfpackへと発砲、さらにこの街で突然変異で誕生した新たなクリーチャー「リッカー」を誘き寄せてけしかける。

ニコライの仕掛けた罠で、市庁舎は炎上するも、Wolfpackの面々は辛くも脱出に成功する。
しかし、報告に対するU.S.S.司令部の反応は冷たい。
「脱出したいなら、うまくやることだ。すべてを引き起こしたのは、お前らなのだからな……」
58BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 05:42:59.03 ID:BQJJWlKT0
3rd mission : LIGHT OUT(遮断)

次なる任務は、発電所の破壊。これで生存者の連絡や脱出は極めて困難になり、「殲滅」も容易になるはずだ。
発電機の破壊に使う電磁パルス発生装置【EMP】を送るとのことなので、ヘリとの合流地点となる病院の屋上まで移動を開始する。

病院内部に侵入。しかし、またしてもニコライの仕掛けた罠が行く手を阻んだ。
「私のクライアントは君たちに計画を邪魔されることを望んではいない。ちょっとしたオモチャを用意した、存分に楽しんでもらいたい」
どうやって用意したのか、大量のゾンビがわらわらと出現する。中には、頭部に爆弾を仕込まれたゾンビも混じっていた。
さらに進むと、リッカーも登場。またいたるところにレーザー感知式の地雷も仕掛けられていた。

なんだかんだで突破して、病院の屋上にようやく到達。U.S.S.のヘリコプターがまっすぐにこちらに飛んでくるのが見えた。
しかしヘリはパイロットを狙撃され、墜落。屋上ヘリポートも、爆弾によって崩落した。またしてもニコライの妨害だ。
病院は瞬く間に炎に包まれ、表玄関からは出られない。病院の「裏口」、霊安室の搬出口から脱出を試みるWolfpack。
その道中にはゾンビだけでなく、なんとB.O.W.MA-121、通称「ハンター」まで放たれていた。周到かつ豪華な罠に苦戦しつつ、脱出する。

外に出たが、一息つく間もなく、任務は続行である。Wolfpackはそのまま、ヘリが墜ちた公園に向かう。
道中でSPEC OPSがゾンビの群れと交戦しているので両方とも蹴散らし、公園内部へ侵入、調査を行なう。

散らばったEMPを回収してまわるが、公園内のゾンビは今までと違い、異常な強暴さと素早さで行動するものばかりだ。
これは、ゾンビが一定のダメージと時間とで活性化されて変化した状態で、特徴的な体色から「クリムゾンヘッド」と呼ばれている。
(余談だが、バイオ1リメイクでは「死体を高温に晒すことでクリムゾン化を防げる」という設定だったはずだが、
 今作では燃えてダメージを受けたゾンビがクリムゾン化することが多々あり、設定厨としてはアンニュイな気分になる。)

3つあるはずのEMPのうち、2つを回収したところで、無線連絡が入った。その発信主は、なんと、ニコライ。
残り1つのEMPは彼が既に回収しているらしい。任務達成のためには、ニコライを追って罠の中に飛び込むしかない。
時計塔へと向かい、狙撃銃を構えて待ち構えていたニコライと直接戦闘を行なった。
59BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 05:43:55.39 ID:BQJJWlKT0
「愚かなお前たちは、まだ何も分かってないようだな!? 俺が一人でこれだけのことをシテいると思っていたのか!?」
「どうやって先回りしていたと思う? 俺のクライアントがお前たちの通信チャンネルを教えてくれたよ!」
「俺は『監視員』としてお前たちの戦闘データを収集していた。よく手伝ってくれた、最高のデータだ!」

(バイオ3では無口でシブい男だったはずだが)饒舌にまくしたてるニコライ。
Wolfpackの面々は知る由もないが、U.B.C.S.の中でもごく少数の者たちは、「監視員」という特殊な役割を与えられている。
彼らの任務は、この街での出来事を「大規模な生体実験」として観測し、記録することである。
その中でニコライは、部下のU.B.C.S.兵を積極的に生け贄とすることで、より特殊かつ貴重なデータを収集していたのだ。

相応に手ごわく苦戦を強いられたが、戦況不利と見てかニコライは撤退した。
それと同時に、司令部からも、任務はニコライ殺害ではない、と念を押されてしまった。
追跡は諦めることにして、ニコライが残していった罠の中からEMPを回収。道中SPEC OPSを蹴散らしつつ、発電所に向かう。

発電所で、発電機の出力をあえて上昇させたところでEMPを動作させて吹っ飛ばす作業を開始する。
ひとつずつ作業を進めていく最中、そのたびにSPEC OPSの増援が湧いたり、ニコライがちょっかいを出してきたり、
隙間からゾンビが這い出てきたりするが、なんとか振り切って設置を完了、作動させる。
街中にわずかに残っていた明かりが消えていく。暗闇に乗じて、Wolfpackは離脱した。
60BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 07:31:25.57 ID:BQJJWlKT0
4th mission : GONE ROGUE(凶化)

間をおかずに指令が下った。ラクーンシティに実験的に投下されたB.O.W.「ネメシス」が、損傷を受けて制御不能になったらしい。
ネメシスとは、B.O.W.「タイラント」に「Ne-αパラサイト」を寄生させることで、強化しつつ安定性を向上させた試作品である。
幸い、付近の研究所にネメシス失敗作が1体存在する。その個体からNe-αパラサイトを回収し、ネメシスを発見して投与すればよい。
非常に危険な任務だが、Wolfpackは誰も恐れを見せなかった。それどころか、狂気の生体実験に興奮を覚えた者さえもいた。

例のごとくSPEC OPSやゾンビと交戦しつつ、市街地から墓地へと抜け、アンブレラの倉庫を通り抜け、廃工場内へ潜入。
工場内で暴走したネメシスを発見。片腕にくくりつけたガトリングガンを振り回し、SPEC OPSを圧倒していた。
Wolfpack一行は今のところはそれを無視して、セキュリティコードを解除し、工場地下に隠されたアンブレラ研究施設へと進んでいく。

この施設は、完成したB.O.W.にパラサイトを注入、簡単な指令をプログラミングするための施設であるらしい。
そのためパラサイト関連のサンプルが大量に保管されていたようで、計画が破棄されたはずの「Ne-β」がワラワラと存在していた。
このパラサイトは単体での活動も可能で、またゾンビの後頭部にしがみつくような形で寄生して性能を全般に高める能力を持っている。
ゾンビだけを倒しても、虫だけで襲ってくるし、また他にゾンビがいればそちらへと移る。対処が非常に面倒な、危険なB.O.W.だ。

それらをかきわけて最下層へ。スタンバイ状態のタイラントが、レーザー檻の中に閉じ込められているのが見えた。
ブレーカーを落としてレーザーを解除し、タイラントに注射針を突き刺してパラサイトを回収。次はとりあえずこの施設からの脱出だ。
しかし案の定というか、脱出に手間取っているうちにタイラントが目覚め、追いかけてきた。
不意を衝かれたメンバーの一人が、頭を掴まれ持ち上げられる。握り潰されそうになるが、タイラントの顔を撃って何とか難を逃れた。
戦ってタイラントを排除すべきか、それともひたすら逃げの一手か? Wolfpackの面々は決断を迫られる。

何とか施設から脱出し、廃工場へ戻ったWolfpack。ネメシスが元気にガトリングガンをぶっぱなしているのが見える。
「S.T.A.R.S.メンバーの殺害」が唯一の命令であったはずだが、SPEC OPS相手に油を売っているのは、制御を失っているせいだろう。
Wolfpackにもかまわず発砲してくる。とりあえず多少ダメージを与えて弱らせて、それからパラサイトを注入する必要があるようだ。

ゾンビやらSPEC OPSやらが乱入してくる中、手強い相手であったが、なんとか弱らせて注入に成功。
倒れこんだネメシスはしばらくして起き上がり、傍にあったロケットランチャーを拾い上げ「すたぁぁぁず!!」と呻き、闇に消えた。
61BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 07:32:00.30 ID:BQJJWlKT0
5th mission : EXPENDABLE(消耗品)

Wolfpackの暗躍により、この地獄の街から、それを生み出した巨悪の証拠が、少しずつ確実に消えていく。
万事は順調に進んでいた。上層部は作戦完遂を認め、Wolfpackを脱出させるヘリの派遣を決定した。
U.S.S.司令部から最後のミッションが下される。「警察署に潜入し、証拠を抹消せよ」。

アンブレラがラクーンシティで違法な陰謀をやりたい放題できたのは、R.P.D.(ラクーン市警察)を抱き込んでいたからである。
ワンマン署長のブライアン・アイアンズは、アンブレラ関連の事件を握り潰すのと引き換えに、さまざまな特権を得ていた。
だが署長は腐ってはいるが賢い男だ。アンブレラの悪行に関して、いざと言うときのために情報を集めてあるらしい。
それで強請りをかけてくるかもしれないし、司法の裁きの場がくれば、罪を逃れるためにすべて吐き出す可能性もある。
署長の集めていた情報の抹消と、それに接触した可能性のある生き残り警官の殲滅。それで警察署の証拠隠滅は完了だ。

屋上から警察署に潜入、署長室にある書類を焼き捨て、ホールへと抜け、非常ハシゴで降りて、正面玄関から堂々と出て行く。
警察署内には、生存者の気配がまるでない。Wolfpackがやるまでもなく、署長や警官はゾンビらに皆殺しにされたのだろう。
すべての任務は終わった。ようやくこの地獄の街から出られる。迎えのヘリのライトがまぶしい……。

……しかし、静寂を破って一台のパトカーがやってきて、大事故を起こすことで、すべては暗転する。

運転手は、就任初日だというのに見事に遅刻した新人警官――レオン・S・ケネディ。
同乗者は、連絡がつかなくなった兄を探しに来た女子大生――クレア・レッドフィールド。

ヘリはWolfpackを乗せることなく、空へと去った。司令部から連絡が入る。「生存者の始末が最優先だ」。
新人警官を追いかけるWolfpack。しかし途中、リッカーの群れに邪魔され、見失ってしまった。

「警官を見失った!? ふざけるな!! ……上層部はもう我慢の限界だ。“プランB”に進む」
U.S.S.司令部は激昂して言い放ち、通信を無慈悲に切った。その言葉に悪い予感を覚えるWolfpackだが、任務を続行する。

先に進もうとすると、アンブレラのヘリコプター部隊が見えた。ぶらさげていた円筒形のものを、次々と投下する。
地面に突き立った金属カプセルがゆっくりと開くと、中から出てきたのは……B.O.W.「ハンター」。
ハンターは無差別殺戮兵器である。これを投下したということは、上層部はWolfpackごとすべてを殲滅するつもりか!

生き延びるため、アンブレラがラクーンシティに用意したセーフハウスを目指す一行。
SPEC OPS、ゾンビとクリムゾンヘッド、そしてハンター。まさに地獄の底のような様相だが、なんとか切り抜ける。
しかし、セーフハウス目前で、もっとも危険なB.O.W.に遭遇してしまう。……タイラントだ。
逃げ道はない。戦うしか、生き延びる道はない……。
62BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 07:32:48.78 ID:BQJJWlKT0
6th mission : REDEMPTION(償い)

……最後の通信が切れてから、10時間。Wolfpackの面々は、絶望的な状況をなんとか生き延びていた。
変わり果てた市民たちとアンブレラの投入したB.O.W.を次々と返り討ちにしてはいるが、疲労は溜まり、弾も乏しくなる一方。

Wolfpackリーダーの【ルポ】は、何度も繰り返し通信を試みる。時には脅迫めいたような言葉さえ使った。
「背に腹は代えられない我々は、御社のB.O.W.を何体も葬っている。我々を早急に避難させたほうが身のためだ。」
実際、彼らが撃破したクリーチャーの数は既に1000体を超え、増える一方であった。

……ついに、司令部から連絡が入った。
「お前たちの運命を決め付けたのは、早すぎたようだ……」
司令部は、脱出と引き換えに、ひとつ任務を提案した。「ウィリアム・バーキンの研究所に忍び込んだスパイを排除せよ」。
命令に従い研究所へ向かうWolfpack一同。しかし既に一度裏切られ、司令部への不信が広まっていた。

研究所内で、アジア系らしき女――エイダ・ウォンと遭遇。交戦するも逃走されたため、ひたすら追跡。
道中、侵入していたSPEC OPSとも遭遇し、ハンターとも出くわすが、すべて排除して進む。
以前のバーキン襲撃任務で殺害したU.B.C.S.兵がゾンビと化して待ち構えていたが、それも排除して進んでいく。

突然、警備システムから警告音声が流れ出す。
「……自爆シーケンスが作動しました。総員、速やかに退避してください。……繰り返します。自爆シーケンスが……」
なにが起こったのか、確認するためにセキュリティセンターへ向かい、監視モニターを操作した。

 ……警官がタイラントと戦い、溶鉱炉の下へと落下させる……
  ……警官が倒れた女を抱き寄せるが、女は力尽きたように崩れ落ちる……
   ……警官は女を残して――少しだけ立ち止まり、振り向いて――走り去っていく……
(どういう場面か気になる方は、バイオ2のレオン裏シナリオをプレイ推奨のこと)

「あの警官の身元が分かった。レオン・S・ケネディだ。ヤツは機密エリアに侵入、秘匿情報を手に入れた可能性が高い……」
「なんでこんな状況になる!? お前らがあの警官を逃がしたせいで、ヤツは我々の施設で暴れまわっている!」
「あいつらを殺せ! 殺せ!! ヤツらはパワールームにいる、行け!!」

司令部が激昂して叫ぶ。理不尽な怒りだが、命令には従うWolfpack。しかしパワールームには、レオンの姿もエイダの死体もない。
自爆の時間が迫っている。しかも、レオンが溶鉱炉に落としたタイラントが突然変異を遂げて復活し、よじ登ってきた。
どう考えても限界だ。撤退を提案するWolfpackに、司令部は許可を出した。整備用プラットフォーム(リフト)で脱出を開始する。

しかし、スーパータイラントは完全に暴走、破壊衝動の赴くままWolfpackを襲う。なんと斜面をよじ登り、リフトに追いついてきた。
弱点らしき右胸の心臓を狙い撃ち、落とすが、再びよじ登ってくる。2度リフトから落とし、なんとか逃げ切ることに成功する。

Wolfpackは、レオンの追跡続行を申し出る。そのための支援が欲しいと願い出た。
司令部はそれに許可を与えた。しかし、最後に冷たく一言付け足すことを忘れない。
「……お前たちにとっては、これが最後の望みだと知れ……」
63BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 07:33:28.84 ID:BQJJWlKT0
Final mission : END OF THE LINE(終着点)

最優先ターゲット、レオン・S・ケネディの居場所が分かった。
他の生存者2名(クレアとシェリー)と共に、貨物列車の集積所におり、政府関係者に救難信号を発信している。

機密情報に接触したレオンおよびクレアは、確実に抹殺する必要がある。
また、シェリー・バーキンはG-ウィルスに感染し、さらにワクチンを投与されたそうだ。
Gのサンプルは研究所と共に消失してしまった。シェリーは極めて重要な生体サンプルである。なんとしても確保したい。

指令を了解するWolfpack。しかし、彼らももうアンブレラを信じてはいない。指令に従いはするが、裏をかくプランが必要だ。

ゾンビを掻き分け、突破する。レオンとクレアを見つけた。しかし彼らは、準備万端整えて待ち構えていた。
いたるところに地雷。レオンはスナイパーライフル、クレアはグレネードランチャーで完全武装していた。
「お前らアンブレラの手の者か? それなら心おきなく戦えるな! これがアンブレラへのメッセージだ!」

しかし、ゾンビやSPEC OPSも入り乱れた戦闘を制したのは、Wolfpackだった。
レオンを殴り倒し、銃を突きつけ、シェリーを連れてくるように脅す。

「クレア! シェリーを連れて逃げろ!」
「ダメよレオン、できない! やめて! 従うから、危害を加えないで!」
「……なぜこんなことをする? アンブレラのため? 金? ……お前たちのためになるのか?」

レオンがもらした一言は、図らずも本質を言い当てていた。
自分たちのため、生き延びるためにはどうすればいいのか。

アンブレラの命令に従うべきなのか。
アンブレラに歯向かい、戦うべきなのか。

隊の意見は、二つに割れた。命を預けあった仲間同士での、最後の殺し合いが始まる。
64BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 07:34:07.10 ID:BQJJWlKT0
【レオンを処刑する】

アンブレラの命令に従うこと。それが生き延びるために最も必要なことだ。レオンを殺し、バーキンの娘を確保する。
何を血迷ったのか、レオンを守ると言い出したメンバーもいたが、裏切り者も同罪だ。同時に始末する。

レオンの死体を見下ろしながら、司令部に連絡を入れる。
「よろしい。ミッションを完了し、娘を連れて来い」
司令部が満足そうに言う。メンバーのひとりが、クレアに銃口を突きつけた。
「クレア、行きたくない!」
「おねがい、やめて!」
懇願の言葉。耳には入るが、心には通じない。一発、銃声が響いた。……任務、完了。




【レオンを守る】

アンブレラはもはや信用できない。レオンやシェリーは、裏を返せば切り札となりえる存在だ。始末するのは惜しい。
賛同を得られないメンバーと戦うことになってしまったが、生き延びるためには仕方ない。躊躇せず、殺す。

ターゲットを確保したことを司令部に告げる。しかし、簡単には命令に従わない。交渉だ。3倍の報酬、即刻かつ確実な救出。
案の定、司令部は交渉などありえないと突っぱねてきた。やはり、我々のことも消すつもりだったのだろう。
ならば、契約は解消だ。命令に従う義理はない。警官も女も殺さない。娘も、彼らに預けたままにする。せいぜい困るがいい。

司令部は最後に捨て台詞を残した。「ならば、ラクーンシティごと息絶えろ」と。
街ごと消すつもりなのだろう。ならば、我々がすべきことはひとつ。自らの力で、この街を脱出することだ。
そしてその後は…… アンブレラに、思い知らせてやる必要がある。狼を裏切った代償は、高くつくということを。
65BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 08:32:46.73 ID:BQJJWlKT0
Echo6編

1st mission : EYE OF THE STORM(厄災の始点)

1998年9月下旬。ラクーンシティにて大規模な伝染病が発生。隔離のため、政府直属の特別部隊【SPEC OPS】が大量に配備された。
しかし、街の惨状は悪化の一途。政府に入る報告も混乱するばかりで、現在の状況がまるで掴めず、対処も遅れる一方であった。
事態を重く見た政府は、SPEC OPS特別選抜チーム【Echo 6】の派遣を決定する。

なによりまずは状況を把握する必要がある。現地の責任者と合流するため、警察署を目指して行動を開始するEcho 6。
荒れ果てた街を抜けていく道中、民間人に出会った。……しかし、様子がおかしい。生気のない顔。おぼつかない足取り。
心配して近づくと、急に襲い掛かってきた。身を守るため、やむなく発砲するEcho 6。
気づくと、似たような状態と化した市民に包囲されている。ゾンビと化した彼らは、Echo 6へと次々襲い掛かってきた。

いくら非常事態とはいえ民間人を射殺するのは本来許されない行為ではあるが、今回の事件はそんな常識が通じる次元ではない。
本部からも、作戦行動上いかなる対象に対しても発砲・射殺を行なう許可が与えられている、と繰り返し確認された。
自衛のため、および先へ進むため、ゾンビの群れを蹴散らすEcho 6。

先へと進み、放送局とおぼしき建物に差し掛かる。すると、こちらめがけて銃弾が飛んできた。
黒づくめの装備で身を固めた部隊が発砲してきているようだ。何者かは分からないが、敵とみなし、交戦を開始、鎮圧する。

本部に連絡を取り、援軍を要請する。位置を知らせるために施設の電源を入れるが、既に壊れているらしく、ライトが点かない。
やむなく代案として、ちょうど見つけた閃光弾を屋上で発射し、援軍を待つことに。
それを見たからか、戦闘で流れた血のにおいにひきつけられてか、クリムゾンヘッドが大量に襲来するも、援軍と共に撃退。
この施設の確保は援軍に任せることにして、Echo 6は再び警察署への移動を開始する。

警察署前に到着……すると、そこに逃げる一人の女性、それを追う異形の怪物が登場した。
怪物は「すたぁぁぁず!」とうめく。女性はEcho 6に逃げるように促し、自らも軽やかに逃走を開始した。

Echo 6の任務には生存者の保護も含まれる。女性を援護し、共に走るが、怪物に追いつかれ、袋小路に追いやられた。
すると女性は、近くのビルに組まれていた工事用の足場へ発砲、うまく壊し、屋上への道を作った。かなり戦い慣れている様子だ。
66BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 08:33:18.48 ID:BQJJWlKT0
ひとまずビルに逃げ込むことに成功。少し落ち着いたところで女性に素性を尋ねると、【ジル・バレンタイン】と名乗った。
彼女はラクーン市警察の精鋭部隊【S.T.A.R.S.】の一員であるという。
S.T.A.R.S.は約2ヶ月前に起こった、俗に「洋館事件」と言われる惨劇で、メンバーのほとんどを失ってしまった。
しかし生き残った者たちは、その事件の際に知ったアンブレラの裏の顔を告発すべく、精力的に調査を行なっている。
始末しそこなった邪魔者S.T.A.R.S.を今度こそ確実に排除すべく、アンブレラはあの怪物を作成、派遣したのであろう。

ジルによれば、生存者の発見は絶望的であるらしい。彼女とて警官としての正義感はあるが、もはやそういう状況ではない。
彼女は無事脱出することだけに目的を絞っていた。実際のところ、彼女には他人を助ける余裕はないのであろう。
Echo 6に、市庁舎にアンブレラ関連の証拠が残っているかもしれない、と告げると、さっさと一人で逃走してしまった。

先へ進むと、SPEC OPS部隊を発見。ゾンビの群れ、例の黒尽くめ部隊、そして先ほどの怪物……【ネメシス】と交戦している。
非常に不利な状況のようだ。見過ごせないので、屋上から援護し、ゾンビと黒尽くめ部隊を殲滅、ネメシスも追い払う。

……と思いきや、先に進むと、ガソリンスタンド前でネメシス(と黒尽くめ部隊とゾンビ)が待ち構えていた。
しかも、さきほどまでは素手だったのに、どこから調達したのか、巨大なガトリングガンを装備している。
非常に生命力が高く、しかも火力まで備えた凶悪な相手だが、なんとか沈黙させることには成功した。

本部に連絡を取る。謎の黒尽くめ部隊が、アンブレラの派遣した私設軍隊【U.S.S.】であることが確認された。
疑惑は確信へと変わる。今回のこの街の惨状の裏には、間違いなく、アンブレラの黒い陰謀が関わっている。
その証拠を掴むため、Echo 6は市庁舎へと向かうことにする。
67BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 08:33:52.25 ID:BQJJWlKT0
2nd mission : BY THE TRAIL OF OUR DEAD(全ての爪跡)

SPEC OPS各部隊の報告で、アンブレラがラクーンシティ各所で生物兵器を製造していたことが確認された。
しかし情報は断片的なものばかりである。アンブレラを叩くには、それらすべてを繋ぐ、根源的で決定的な情報が必要だった。
製造施設建設には、都市開発計画との関連が不可欠である。とすれば、市庁舎に情報があるだろう。Echo 6に探索命令が下る。

とはいえとりあえず、行動の前にまずはセーフゾーンを建設する必要がある。他のSPEC OPS部隊と協力してバリケードを設置。
今後、ここがSPEC OPS各隊の活動拠点になると同時に、発見した生存者を誘導するキャンプにもなることだろう。

そのとき、近くで銃声が響いた。生存者がいるらしい。貴重な情報源だ。Echo 6はゾンビを蹴散らし、彼を保護する。
彼は【カルロス】と名乗った。市民の救助に来た部隊の一員だが、市庁舎で仲間とはぐれてしまったらしい。
彼が言うには、彼の部隊は、謎の武装集団が市庁舎に爆弾を仕掛けていたという情報をキャッチし、そこに向かったという。
おそらくその集団は、証拠隠滅を図るU.S.S.だろう。やらせるわけにはいかない。Echo 6は、市庁舎へと向かった。

市庁舎に到着。案の定、黒尽くめのU.S.S.が展開していた。防衛線を突破し、市庁舎へと侵入、記録室へ向かう。
既にいくつかの書類が燃やされた後だった。だが始末しきれていない証拠が残っているはず。市庁舎爆破は阻止せねば。
待ち伏せているU.S.S.兵と交戦しつつ、爆弾を解除して回る。
(にしても、爆弾にアンブレラのロゴがついており、証拠隠滅したのが誰かバレバレなのはどうなのか。)

すると、U.S.S.兵の中に、装備の色が違う兵士が登場した。おそらくは隊長クラスの特別な兵士なのだろう。
事実、一般兵より高い身体能力を持っている。交戦したが、トドメをさす前に撤退されてしまった。

3つ目の爆弾を発見したところで、新種のクリーチャー(リッカー)に襲われる。なんとか撃破し、爆弾を解除。

市庁舎の爆破は阻止した。次は記録室へ戻り、始末されそこなった証拠を見つける作業だ。
記録室にはU.S.S.兵がいた。証拠を処理される前にすばやく蹴散らすと、ひとつの図面を見つける。
どうやら未知のアンブレラ施設のようだ。……次に向かうべき場所が、決まった。
68BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 08:34:42.78 ID:BQJJWlKT0
3rd mission : I NOW KNOW WHY YOU CRY(追う者)

アンブレラの地下施設へ進入するには、下水道を通る必要があるらしい。
ラクーンシティの公共施設とアンブレラの違法な秘密施設とが繋がっているという事実が、この街の実体を物語っている。
より確かな証拠を掴むため、Echo 6は地下施設を目指す。

例のごとく、ゾンビを蹴散らしながら路地を進む。すると、ヘリコプターのローター音が聞こえてきた。
時計塔の近くにヘリコプターがホバリングしており、その近くに二人の男女……ジルとカルロスがいるのが見える。
……そこに、ロケットランチャーが打ち込まれ、ヘリは墜落、時計塔のまさに時計の部分へと突っ込み、塔ごと爆発炎上した。
ロケットランチャーの射手は、ネメシスだった。ジルとカルロスを始末すべく、塔から飛び降り、二人へと向かっていく。

現在のEcho 6の任務は、生存者の救出ではない。しかし、見知った顔を見捨てるのは仁義に反する。
Echo 6は迂回して救出に向かうことを要請。司令部も、一度は反対するが、再度要請すると許可をくれた。

到着すると、既にネメシスは倒れていた。だが、ジルもまた怪我を負い、意識を失っていた。
ネメシスが再び動き出す。ジルの介抱はカルロスに任せ、Echo 6はネメシスと交戦を開始した。
だがネメシスは不死身なのか、いくら撃っても弱るそぶりを見せない。こうなると、さすがのEcho 6も逃げるしか手がない。
ネメシスのロケットランチャーが、偶然障害物を破壊した。そこを通って、墓地を抜け、なんとか下水道へと逃げ込んだ。

だが、下水道も既にクリーチャーの温床。ゾンビやリッカーがうようよいる。さらにネメシスも追って入ってきた。
とにかく進んでいき、なんとか下水施設に偽装したアンブレラの施設らしきところに到着。
警備していたのか、証拠隠滅の最中か、U.S.S.が展開している。当然、即交戦である。

とにかく進んでいくと、とうとうネメシスに追いつかれた。どうやら今Echo 6がいるところは、鋳造所らしい。
銃弾では倒せない不死身の怪物とはいえ、ドロドロに溶けた鉄を浴びせればさすがにひとたまりもないだろう。
……しかし、溶鉄を浴びせても、ロケットランチャーこそ破壊できたが、ネメシスはまだ活動停止しない。恐ろしい生命力だ。
だが、繰り返すことで、なんとか倒した。殺せた気はしないが、少なくとも今はピクリとも動かない。

長い寄り道になってしまった。Echo 6は本来の任務である、地下施設への潜入を再開した。
69BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 09:12:21.42 ID:BQJJWlKT0
4th mission : NOTHING IS AS IT SEEMS(闇へ)

下水道へと侵入すると、U.S.S.部隊と遭遇。交戦しつつ進む。下水道内は非常に暗いので、U.S.S.から奪った照明弾が役立つ。
市民のゾンビだけでなく、黒尽くめのU.S.S.部隊のゾンビもうようよしている。この先の施設で、なにかがあったらしい。

恐ろしい鳴き声が響く。下水の奥に、なんとなく人型ではあるが、明らかに人間ではない異形の怪物がいるのが見えた。

警戒しつつ先に進むと、生存者と遭遇した。
彼女は【クレア・レッドフィールド】と名乗り、【シェリー・バーキン】という女の子を捜している、と言った。
Echo 6の目先の任務は生存者の救出ではないが、大きく見ればアンブレラの陰謀を暴く証拠を集めることが作戦目的である。
バーキンといえば、一週間前に政府に接触してきたきり音信不通となったアンブレラ社幹部の名が、【ウィリアム・バーキン】。
シェリーは彼の娘である。彼の居場所など、様々な貴重な情報を知っているかも。司令部は、彼女たちの保護も命令に加えた。

クレアと共に、研究施設へと向かうことになった。シェリー救出に焦るクレアがやたらと先行するので、護衛に苦労する。
下水道には、初見の生物兵器(Ne-βパラサイト)も出没している。やはりこの先に研究施設があるのは確実なようだ。

「シェリー!?」 なにかの気配に気づいて、クレアが呼んだ。
「しぃぃえぇぇ……りぃぃぃぃ!」 同じセリフを、低くうなる声が繰り返す。
「……誰の声?」 疑問に思い、声のほうへ向かったクレアは、下水の壁を破って飛び出してきた怪物に吹っ飛ばされた。
右腕が醜く肥大化し、右肩には巨大な眼球がついた怪物が、鉄パイプ(というより鉄柱か)を振り回し、暴れまわっている。
襲われているクレアを救出し、共に逃走。逃げ切って、なんとか研究施設へと辿り着いた。

研究所内で、クレアは出口の確保、Echo 6はシェリーの捜索と、二手に分かれて行動をとることにした。
リッカーの群れなどをかき分けて進むと、シェリーを発見。暗闇の中で立ち往生し、泣きべそをかいていた。
クレアの頼みで保護しにきたことを伝えるEcho 6。暗闇が怖いというシェリーのために、照明弾で道を作って誘導してやる。

あと少しで合流できそう、というところで、体表の色が独特な新種のハンター、「エリートハンター」が出現した。
シェリーは今のところ密室におり、安全だ。ハンターを一匹残らず殲滅し、安全を確保してから、合流する。
70BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 09:12:55.65 ID:BQJJWlKT0
ロックして先に進めないことを話すと、シェリーは「私、どうすればいいか知ってる」と言った。
彼女は研究所内を自由に歩き回れるカードキーを持っていた。どうやら、「お母さんからもらった」らしい。
(バイオ2クレア編で語られることだが、母親のアネットもアンブレラの研究員で、ウィリアムのパートナーである。
 娘に対して、カードキーを渡すと同時に「街は危険だから、研究所に避難しろ」と伝えていた。)
父親の所在を知っているか尋ねると、「知らないよ。知りたくない。……もう、前のお父さんじゃないから……」と答える。

先に進むが、まだ幼いシェリーの安全のため、確実な護衛が必要だ。
Echo 6はフォーメーションを組み、ゾンビの群れが襲ってきたら一匹残らず確実に殲滅してから進むことにする。

時間はかかったが、下水道へと戻ってきた。そこへ、また例の怪物が、壁を破って登場した。
タイミングよく、近くのドアからクレアが登場する。「出口を見つけたわ、急いで!」
しかし、この怪物を放っておいたらまた追いつかれるだけだ。二人に逃げるよう促し、Echo 6は残って交戦することにする。

礼をいい、クレアはシェリーの手を引っ張る。シェリーはそれに従いつつも、Echo 6に向かって叫んだ。
「お父さんを、傷つけないで!」
そう、この怪物こそ、一週間前、瀕死となったバーキンが自身にG-ウィルスを投与して変異を遂げた【G−バーキン】である。
その事実を踏まえ、司令部は決断を下す。
「Echo 6、バーキンを殺せ! 彼は既に人間ではない!」

だが、銃弾が通じる相手ではない。例のごとく偶然にも焼却施設だったので、作動させ、火炎で焼き尽くすことにする。
焼かれたバーキンは、怒り狂ったのか、冷静に逃走を企てたのか、鉄柱を何度も足場に叩き付ける。足場が壊れ、落下した。

Echo 6は司令部に確認を取る。Gに関しては、現状は放置。クレアとシェリーの保護には、別の部隊を派遣するとのこと。
またも長い寄り道になってしまったが、Echo 6は再び研究施設へと向かい、証拠を集める任務を再開することになった。
71BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 09:13:27.54 ID:BQJJWlKT0
5th misson : ROOT OF ALL EVIL(悪の源)

さきほどバーキンと戦った焼却施設から研究施設までは意外と近かった。
突入し、コントロール・ルームへと向かう。例のごとく、暗闇を照明弾で照らして、ゾンビを蹴散らしていく。

メインルームでは、新入社員向けのガイダンスと思しき音声が再生されていた。
「アンブレラにようこそ! あなたがたの仕事は、我が社が誇る【T-ウィルス】を広範囲に渡って研究することです」
「この革命的なウィルスにより、クライアントが望むままの生物兵器の開発が可能となりました」
「さらには次世代ウイルス【G-ウィルス】も開発中です。抗生物質や原子爆弾を超える、科学的発展を社会にもたらすでしょう」
「G-ウィルスは人類を進化させるからです。私たちが人類をベストな形にカスタマイズすることも不可能ではありません!」

狂気的な音声を無視して、コンピューターを操作し、研究施設の全容を表示、司令部に送信する。

アンブレラと街との繋がりを示す証拠は入手した。任務は完了だが、ついでなのでこの施設でもう少し情報を探る。
今現在ラクーン・シティに流出しているのは、T-ウィルスであろう。より凶悪なG-ウィルスが蔓延すれば、今以上の地獄と化す。
最悪を超えた最悪が出現するのを防ぐためにも、G-ウィルスのサンプルを確保する必要がある。Echo 6は探索を開始した。

しかしアンブレラも黙ってはいない。U.S.S.部隊が登場、さらに施設防衛用銃撃システム【タレット】が作動した。
(タレットとは、中世の城などによくある、城壁に設置された小さい塔。戦争の際には、そこから援護射撃して城壁を防衛する。
 転じて、現代の戦車や戦艦などの回転砲台などのこともタレットと表現する。まあ要するに、自動で撃ってくる砲台のこと。)
タレットの回りについている装置をすべて破壊するか、もしくは離れたところにある制御装置を探して停止させ、先へ進む。

先に進んでいくと、B.O.W.開発の中枢っぽいところに到着。コートを来た青白い肌の大男……タイラントが横たわっている。
そこのモニターには、今現在このタイラントにプログラミングされている命令の内容が映っていた。
なんと、その命令とは、「シェリー・バーキンを追跡・殺害し、G-ウィルスを回収せよ」。
シェリーが身に着けていたペンダントの中には、G-ウィルスのサンプルが隠されていたのである。
これで最優先事項は、シェリーの保護に決まった。他の部隊の援護を待たず、最も近くにいるEcho 6が急いで合流すべきだろう。

とはいえ、とりあえずこの研究施設とこのタイラントは放置しておくわけにはいかない。
まず、シェリーを追跡させるわけにはいかないので、タイラントへのプログラミングを強引に中断させる。
お約束通りというか、タイラントが起き上がる。が、攻撃目標は近くにいるEcho 6になっているようだ。まあ、成功と言っていい。

タイラントをあしらいつつ、基地のベースコンピューターをいじり、自爆装置を起動させる。研究所は炎に包まれていく。
湧き出るハンターやパラサイトを掻き分けて、Echo 6は脱出した。タイラントは始末しきれなかったが、爆発で消し飛ぶだろう。

……だが、その見込みは甘かった。炎に巻かれたパラサイトが、生き残るためタイラントへの寄生を試みたのだ。
タイラントの濃厚なT-ウィルスにより、パラサイトは瞬時に変異し、巨大化する。炎の中、新たな生命体が、産声を上げた……。
72BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 09:14:40.14 ID:BQJJWlKT0
6th mission : THE PLACES WE'RE MEANT TO DIE(死に場所)

SPEC OPSとU.S.S.の激闘は続いているが、地元の利と強力なB.O.W.の存在により、戦況はアンブレラ側有利へと傾いていた。
シェリーの保護に急ぎたいのはやまやまだが、この状況を打破し、ある程度の安全を確保せねばならない。
司令部は、アンブレラの前線基地となっている廃工場への突入作戦を立案。Echo 6をその中核と位置づけた。

病院から出発し、墓地を抜け、廃工場へと急ぐEcho 6。しかし道中、アンブレラのヘリが、B.O.W.「ハンター」を続々と投入する。
生存者の保護も主要任務である以上、ハンターを放置するわけにはいかない。遭遇ししだい、確実に始末する必要がある。

廃工場目前で、U.S.S.の構築した防衛線に遭遇。バリケードにタレットまで配備されていたが、SPEC OPS先発隊と協力して突破。

廃工場に侵入すると、U.S.S.の一員と思しき人物が録音した音声に出迎えられた。
ここは廃工場に偽装したアンブレラの施設であり、B.O.W.の再利用を行なう場所らしい。つまり、罠におびき寄せられた。
予想通り、待ち伏せていたタイラントに襲われる。それも1体や2体ではない。いくらEcho 6でも、この戦いは厳しい。

本部に応援を要請すると、開発段階の秘密兵器を空輸・投下してくれた。電磁誘導砲【パラケルススの魔剣】だ。
不死身の耐久力と再生力を持つB.O.W.であろうとも、粉々にできる威力を誇る。
自動でエネルギーをチャージし、タイラントめがけてどんどんぶっ放してくれる。心強い援護だ。

なんとか戦いを続けるEcho 6。だが、状況はさらに悪化した。どこから現れたのか、スーパータイラントも乱入してきたのだ。
さらには魔剣の砲撃で受けたダメージでリミッターが解除され、その場でスーパー化するタイラントまで現れる始末である。
しかし、Echo 6の奮戦と魔剣の威力のおかげで、なんとかすべてのタイラントを始末できた。

罠にハメられはしたものの、アンブレラ側にある程度以上の打撃を与えつつ、生還はできた。
前線基地を叩くという作戦そのものは失敗と言えるだろうが、怪我の功名でアンブレラの戦力をかなり削ることはできたであろう。

だが、休んでもいられない。現状、最優先で確保すべき人物……シェリーたちの居場所がつかめたのだ。
73BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 11:40:47.35 ID:BQJJWlKT0
Final mission : LONGEST YARD(残された希望)

レオン・ケネディと名乗る人物から救難信号を受信。クレアとシェリーと共に脱出を目指しているが、U.S.S.に包囲されたという。

U.S.S.部隊が、レオンらを包囲している。多勢に無勢、もはや絶体絶命か。
しかし、どこからか弾丸が飛来し、U.S.S.兵たちをなぎ倒していく。Echo 6の到着である。ギリギリ、間に合った。
遠距離から援護射撃し、U.S.S.を散らす。その隙に、レオンらは逃げることができた。

危機は脱出したが、合流できなければ安全とはいえない。レオンらのいる位置までは、U.S.S.の陣中を突破せねばならない。
一方、U.S.S.も必死だ。シェリーはアンブレラにとっても最優先目標である。続々と援軍が集まっており、総力戦の様相を呈してきた。

だが、ある地点を通過したところから、周囲が急激に静かになった。U.S.S.の気配がまるでしない。イヤな予感がする。

レオンの元に向かうが、合流目前の空き地にて、不穏な気配を感じる。地面から何かが這い出してきた。
それは、タイラントとパラサイトが融合して生まれた怪物だった。研究所から抜け出してここまで追いかけてきたらしい。

タイラントの上半身右半分がパラサイトに覆われるような形で融合し、さらに変異によって異常な巨大化を遂げていた。
パラサイト部分が巨大すぎて、タイラントの巨体が小さく思えるほどである。またタイラント左腕部分も異様な膨張をしている。
最初のうちこそタイラント部分が主導権を握っていたようで、足で歩いて行動し、パラサイトの節足は攻撃にのみ使っていたが、
攻撃を加えるうちに変異が進み、パラサイトがタイラントをどんどん侵食していき、節足動物のように行動しはじめる。
ついには、あの巨体ながら、地面を掘って瞬時に土中に潜り込むなどの離れ業まで披露しはじめた。
変異の最中であるせいか、B.O.W.にはたいてい存在する弱点のコア部分も、何度もさまざまな箇所に移動する。最大の強敵である。

長い戦いの末、ようやく変異体は沈黙した。救助のヘリが到着する。
しかし、そのヘリに乗ることになったのは、レオン、クレア、シェリーの3名だけであった。

ラクーンシティの地獄は、まだ終わってはいない。Echo 6の戦いは、まだ終わってはいないのだ……!
74BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/07/22(日) 11:42:26.08 ID:BQJJWlKT0
ポイント
・当然ながら、パラレルワールドだと思っておくのが吉
(WolfpackシナリオとEcho6シナリオでも矛盾バリバリであり多重パラレルなので、深く考えないほうがいい)
・バイオ2とかバイオ3とかで見覚えのある光景がちらほら出てきて胸熱
・クリムゾンヘッド再登場で胸熱だが、大安売り感は否めない
・近年安売りされてたハンターが、速い・強い・硬いの三拍子そろった強敵になっていて胸熱
・ネメシスがガトリングガン装備(実写映画準拠)からロケットランチャー装備(バイオ3準拠)に変わるところが胸熱
・バーキン研究所(2終盤の舞台)のステージで、ハンターが出てきてイビーが出てこないのに少し泣く
・BOW投入方法がバイオ3当時の設定と矛盾アリ(ハンターは空輸でなく陸路)だけどカッコイイから許す

・署長の資料廃棄は命じたのに署長自身の暗殺を命じない司令部だけど、レオンを逃がしただけでブチ切れます(仕様です)

・バイオ3までの設定だと、アンブレラの最大の顧客は政府なので、政府軍も証拠隠滅を図ってた、という話だったはずだが、
 Echo 6シナリオだとアンブレラの悪事を今回初めて知った純粋な正義の味方的口ぶりだったりして正直よくわからない
・核投下で街ごと37564にされる前にEcho 6はちゃんと脱出させてもらえたのかすごく心配



ネメシスの変遷

・投下、ジルを追跡(3序盤)(この時点で素手)
・道中でEcho 6とも遭遇(Echo1st)(ガトリングガン装備)
・やられて制御不能になり暴走するも修復される(Wolf4th)(ロケラン装備)
・ヘリを撃ち落として再びジルを襲撃(3中盤、Echo3rd)
・Echo 6へターゲット変更、襲撃も返り討ち(Echo3rd)
・ダメージにて暴走、変異開始(3終盤)
75ゲーム好き名無しさん:2012/07/23(月) 01:48:42.50 ID:fgANs4hC0
>>74
乙です。
ラクーンに投下されたけど、2とかに登場しなかったタイラントは
アンブレラや政府軍の仲間割れの所為で倒された事だけが今後の設定に
反映されるんでしょうね。
76ゲーム好き名無しさん:2012/07/24(火) 18:53:01.49 ID:15dtnGL10
PS3またはXbox360の『アリス マッドネス リターンズ』をリクエストします。
77ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 01:10:18.43 ID:LLFsEYvu0
ほしゅ
78ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 13:13:34.34 ID:+3I0gJB70
PROJECT ARMSクリアして現在執筆中ですが、知らない人の為に用語説明とか
人物紹介を書いた方が良いですか?
79ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 15:08:53.47 ID:iAv8pLIC0
書き手の自由だと思うけど、専門用語だらけになるなら書いた方が良いんじゃない?
俺はある程度知ってるから書かなくてもわかるけどさ。
何だったら試しに最初の方だけここに投稿してみて
ARMS知らない人に判断してもらうのも手かと。
80ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 15:19:16.77 ID:+3I0gJB70
>>79
そうですか
ではストーリーを最初に書き、用語説明や人物紹介が欲しいという要望があれば、
後から追加で書きます
81ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 16:00:19.03 ID:+3I0gJB70
PROJECT ARMSの執筆完了しました
今から書きます
82PROJECT ARMS:2012/07/27(金) 16:02:54.42 ID:+3I0gJB70
「●VS」と書かれた敵は、完全体での戦闘で、
それ以外は一部アームズ化しての戦闘になります

【Stage1 Aisora City】
1ー1 高槻達が住む藍空市を舞台に、エグリゴリとの市街地戦が行われる。
道をふさぐトラックと戦車を破壊して進むと、片腕がマシンガンの兵士と遭遇する。
○中ボス マシンガンを移植されたサイボーグ兵士、ガシュレー

1ー2 藍空市から移動し山道へと入ると、武装ヘリが飛び去るのを目撃。
途中にある通行止めのゲートを破壊し、すぐにヘリに追いついた。
○中ボス 武装ヘリ3機

道を進むと、燃え盛る教会に到着する。その屋根にいたキース・レッドがそこから飛び降り、
彼はARMS「グリフォン」の完全体へと姿を変えた。
●VS 超振動で空気を武器にするARMS「グリフォン」
83PROJECT ARMS:2012/07/27(金) 16:07:50.19 ID:+3I0gJB70
【Stage2 Gallows Bell】
2ー1アメリカの広野に存在する町、ギャロウズベル。忍者のような身のこなしを見せる
強化人間の集団と戦う。
町の中央部へと進むと、彼らのリーダー格であるスティンガーが待ちかまえていた。
○中ボス 薬物投与により身体能力が強化された兵士、スティンガー

スティンガー撃破後、スティンガー達と高槻達を狙いギャロウズベルに来たキース・シルバーが、
ARMSの力で荷電粒子砲を撃ち町を火の海にする。
燃え盛るギャロウズベルにて、ARMS「マッドハッター」に変身したキース・シルバーとの戦闘になる
●VS 荷電粒子砲を武器にするARMS「マッドハッター」


【Stage3 Blue Mem' Safe House】
3ー1 ブルーメンの拠点の一つである屋敷が、エグリゴリの襲撃にあい、高槻達が応戦。
道を塞ぐ扉のセキュリティを破壊し、今回の襲撃の指揮を取るジェームズ・ホワンと遭遇する。
○中ボス 量産型ARMSを片手に移植した男、ジェームズ・ホワン

ホワンを倒した後、何かの気配を察知した高槻達は、屋敷の窓から外に出ると
正面ゲート前に立つキースグリーンと対面する。
雨が降る中の庭園で、キース・グリーンは珍しい四つ足のARMS「チェシャキャット」になる。
●VS 空間を自在に移動し、さらに切り裂く能力を持つARMS「チェシャキャット」
84PROJECT ARMS:2012/07/27(金) 16:11:28.40 ID:+3I0gJB70
【Stage4 Carillon Corporation】
4ー1 エグリゴリの本拠地であるカリオンタワーに正面から堂々と侵入。
そこで人の背丈よりも一回り大きい移動兵器に乗るボビーが門番として立ちふさがる。
○中ボス ARMSの実験により機械による制御無しでは生きられないボビー

4ー2 エレベーターに乗り別の階へと移動し次の部屋へ進むと、
全身超振動兵器である兵士達が襲いかかる。その先の一室にて、彼らの指揮を取る
一人の兵士、ヒューイが対ARMS用のレーザーを装備し待ち受けていた。
○中ボス 脳をもサイボーグ化した兵士、ヒューイ

次の部屋へ通じる扉を開けると、タワー内部にも関わらず平原と森のある風景が広がっていた。
目の前にある木の下に、この幻を生み出した張本人、キース・ヴァイオレットが佇む。
彼女はARMS「マーチヘア」へと変身し、戦闘になる。
●VS 光を操り自身の姿を消したり光を集めビームを放つARMS「マーチヘア」


【Stage5 Egrigori】
5ー1 地下に到着し、その通路で過去に倒したガシュレー、スティンガーが現れる。
○中ボス 何故か3人になったボビー

5ー2 エレベーターでさらに地下へと降りると、今度はヒューイと戦う。
更に進んだ部屋で、キース・ブラックに守備を任されたジェームズ・ホアンとの再戦となる。
○中ボス 以前よりも強化されたジェームズ・ホアン

5ー3 カリオンタワー最深部。複数の巨大モニターが壁に設置され、
奥にはそれよりも大きなアザゼルが置かれた無機質な部屋であった。
そのアザゼルの前に、キース・ブラックが待ちかまえていた。
○中ボス キースシリーズが持つARMSの能力を使うキース・ブラック
(補足…彼のARMS「ハンプティダンプティ」は、他のARMSをコピーできる能力を持つ)

キース・ブラック撃破後、倒れた彼の身に異変が起きる。
むくりと起きあがり、その背中に、羽根の骨格を連想させるARMSの一部が生える。
かつてブラックに殺された際、偶然彼の中に吸収されていたキース・ホワイトが
ブラックの肉体と精神を乗っ取り復活したのだ。
●VS ブラック以上にARMSの攻撃を繰り出すキース・ホワイト
85PROJECT ARMS:2012/07/27(金) 16:17:34.47 ID:+3I0gJB70
【Stage6 Black Alice' World】
巨大アザゼルの中から出現した同じく巨大なアリスの上半身に包み込まれるように、
高槻は内部へ取り込まれてしまう。
荒れた空が広がる黒のアリスの精神世界で、高槻は柱に縛り付けれられていたが、すぐ脱出。
それを見た黒のアリスは、「ハンプティダンプティ」を除くキース達のARMSを召喚する。
1戦目 グリフォン&マッドハッター
2戦目 チェシャキャット&マーチヘア
(1戦目と2戦目は共にARMS化しないで戦闘しなければならない)

2戦目が終了すると、黒のアリスは通常の倍以上の背丈となったジャバウォックを召喚する。
●VS 黒いアリスと、彼女が生み出した巨大ジャバウォック

ようやく巨大ジャバウォックと黒いアリスを倒すと、巨大ジャバウォックは爆発。
気がつくと精神世界は穏やかな青空となり、高槻の右腕は人のそれに戻っていた。
黒いアリスに取り込まれた際に行方不明になった3人と合流し、全員の右手を重ねる。

【エンディング】
画面下でスタッフロールが流れ、町をバックに4人の走る姿が画面上に同時に写され、そのまま終了。


クリア後は条件を満たせば中ボスやキースシリーズのARMS、何故かアリスが可能になる。
しかし展開は全員同じで、全くの変化はない。

以上でPROJET ARMSのゲーム内容は終了です。

ゲーム中では原作の内容を全く語られない為、1回のクリアが最短1時間以内に収まります。
86ゲーム好き名無しさん:2012/07/27(金) 22:26:26.18 ID:0QU/4BP10
未解決リストにあった
GBA「真・女神転生デビルチルドレン闇の書」を予約したい
87ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 00:39:02.44 ID:bq6dzjM10
スーパーダンガンロンパ2をお願いします
文章バレはセーフ?アウトならスルーしてください
88ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 01:41:40.07 ID:LassXcy50
>2 :ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:11:00.90 ID:leUjAakh0
>ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。

>・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
89ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 02:06:34.58 ID:bvG2KNEPO
書き手さん乙です
ダンガンロンパは1の時点で全部詳しく書いてくれてるしな
また1の人が書いてくれないかしら
90ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 10:12:17.02 ID:r5upUQny0
1書いた者なんですが、スーパーダンガンロンパ2書きたいですが、
発売直後に書いていいのだろうか?
(PSP)スーパーダンガンロンパ2とりあえず予約します。
91ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 10:23:15.79 ID:bq6dzjM10
>>90
ぜひお願いします
(PSP)スーパーダンガンロンパ2
92ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 12:12:36.58 ID:bvG2KNEPO
ロンパ1さんきたこれ
お陰でダンガンロンパが好きになりました
2は新作トリをつければいいと思います
93ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 20:57:01.17 ID:5olaP+rj0
wikiでパワプロクンポケット14まで一気読みしました
面白かったです書いた人乙です
次のが出たら買ってみようかな
でも、ここまでシリーズのこれまでの展開を受け継いだストーリーしてると、
これまでのシリーズファンしか愉しめなくなってるんじゃないかと心配
94ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 21:05:57.31 ID:+pMfNmA10
>>93
残念ながら14は完結編なんだ…
95ゲーム好き名無しさん:2012/07/28(土) 22:37:57.23 ID:lsR74E2pO
まとめに無かったようなので、式神の城2リクエストします
96ゲーム好き名無しさん:2012/07/29(日) 00:19:01.40 ID:K7lCJ+w/0
>2 :ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:11:00.90 ID:leUjAakh0
>ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。

>・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
97幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:20:35.94 ID:z7IcRXwr0
「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」簡易まとめだけ持って来ました
詳細版も書いてるけどもうちょっと時間かかると思う
ギリギリ半年経ってないはずなのでトリつけます
あと名前長すぎるって言われたから題名は省略

【2行】
「百年目の怪物」ってのが怖いねって言ってたら実はとっくに自然消滅してた。
怪物を盾にして人間を管理したがってる国の親玉の存在に気付いたのでぶちのめした。
98幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:22:05.61 ID:z7IcRXwr0
【まとめの前に】
幻想水滸伝1〜5・ティアクライスとは別の世界
紋章とか一切出てこないし、魔法を使う際は魔石という触媒を使用する

【用語】
・百年目の怪物
100年に一度必ずどこからともなく大量に出現し、全てを喰らい尽くして増殖する怪物。
どこから何故現れるのかなどは知られていない。
テラスファルマとも呼ばれる。

・アイオニア聖皇国
最も力を持つ巨大な国。
百年目の怪物へ対抗するために周辺の地方都市に従属を求めている。
その過剰なほどの重圧に反対する都市も多く、軋轢が生まれている。

・朱キ斧
アイオニア聖皇国打倒を掲げるテロリスト集団。
アイオニアとの衝突で家族を失った人々が多く所属する。
単なるテロ集団とは思えないほどの技術力と、テラスファルマを使役する力を持つ。

・時代樹
宝珠を持って触れることで時代を渡ることが可能な巨木。
しかし渡った先の時代では樹の周辺でしか行動出来ず、一定範囲外に出ると
強制的に元の時代に戻されてしまう。
また、過去の人間や物を現代へ連れて行くことは不可能。
苗を植えることで時代樹を増やしていくことが可能で、主人公達が時代樹を
様々な場所に植えることで過去での行動範囲が広がっていく。
また何故かテラスファルマは時代樹に近寄れない。

・宿星
歴史を動かす力を持つとされる運命の星を宿した人を指す。
108人存在し、宿星が揃えばその時代の国を転覆させてしまうだけの力が生まれる。
今回は宿星が同じ時代に揃うことがなく、108人も集まらない訳だが……?

・百万世界
世界には複数の平行世界が存在するとされる考え方。
99幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:23:36.80 ID:z7IcRXwr0
【主要人物】

・主人公
アイオニア聖皇国からは少し離れたところの集落「テルベの里」の青年剣士。
蒼閃流と呼ばれる特殊な流派の剣術を用いる。
先祖は100年前に「百年目の怪物」退治に貢献した英雄・トルワドで、
英雄の子孫として何かと話題にされる。
穏やかだが芯のしっかりとした若者。よく喋るよ!正直怖いくらいにできた人。

・トルワド・アルブレク
主人公の先祖。蒼閃流の剣士。
100年前の「百年目の怪物」迎撃の際に戦果を挙げ、英雄として現代に伝えられている。

・ゼフォン
人を小馬鹿にしてムカつかせる才能に溢れまくっている謎の魔術師の少年。
時代樹やテラスファルマ等の知識が豊富だがめったに教えてくれない。
しかし度々主人公を助け導くような言動を繰り返す。

・レネフェリアス13世
アイオニア聖皇国の聖皇。若干人間離れした風貌を持つ男性。
思慮深く穏やかで、かつ底が知れない雰囲気を持つ。

・アーロン
地方都市シュラートの市長。
かつてアイオニア聖皇国によって滅ぼされた街マルティリオンの出身。
妻と子供を当時の衝突で亡くしており、その復讐の為に朱キ斧をつくりあげた。

・アストリッド
200年前、聖皇歴100年のアイオニア聖皇国の皇妃。
「百年目の怪物」との戦いで最前線で指揮を取り自ら戦った英雄。


・その他敵数名と味方108人も説明なんてできません。
100幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:25:56.30 ID:z7IcRXwr0

100年に一度どこからともなく大量に出現し、全てを喰らい尽くすという怪物。
それは「百年目の怪物」テラスファルマと呼ばれ、人々の間に影を落とす存在であった。
アイオニア聖皇国は怪物撃退を名目として周辺の地方都市に従属を求め、
独立維持を望む都市群との軋轢を生んでいた。
主人公は聖皇歴300年に生きる戦士。今年はテラスファルマの出現する「100年目」だ。

しかしその中「朱キ斧」と名乗る集団が、アイオニア聖皇国打倒を掲げて各地でテロ行為を行うようになる。
アイオニア打倒の為に身内をも傷つける行為に主人公は彼らを止めることを決意。
賛同者を着実に増やしながら、朱キ斧の後を追っていく。
そこで主人公は謎の少年、ゼフォンの導きにより過去へ渡る力を持つ時代樹の力を使えるようになる。
時代樹の力で過去の事象を改変したり、過去の人物から技術を教えてもらったりしながら
各地の戦いを切り抜けていく。
そうして過去へと渡るうち、現在の歴史は禁書狩りなどのせいで断絶し、
過去の歴史が消し去られていることに気付いた。
主人公は100年前の英雄にして先祖のトルワド、200年前の英雄アストリッド皇妃の力を借りながら過去の歴史を辿っていく。
目の前に現れたのは衝撃の事実だった。
世界は既にテラスファルマの大量発生によって崩壊しており、アイオニアとその周辺の地方都市だけが
結界によって生き残っているだけに過ぎないのだという。
結界の外はテラスファルマが溢れかえる死の世界。
そしてその結界を維持する力を持つのは、アイオニア聖皇国だけであると。
(100年に一度テラスファルマが現れるのは、100年に一度の周期で結界が緩み、
 その隙間から侵入してくるせい。一定期間耐えれば結界は持ち直す)
そうであるならアイオニアを倒すという朱キ斧の行為は世界を壊す愚行に他ならない。
主人公は地方都市やアイオニアに拘らず様々な勢力を取り込みながら、朱キ斧を止めるため戦い続ける。

だが主人公はアイオニアの動きに違和感を抱く。
そこで現代の結界の様子を調べてみると、結界の外にはテラスファルマが全くいない状態になっていた。
つまり結界を維持しなくても世界は崩壊しないし、狭い世界に閉じこもっている必要も無い。
ところがアイオニアは結界を維持して狭い世界の中で管理することを望んでいた。
朱キ斧も、アイオニアと地方都市の民衆の心をひとつにする共通の敵として
仕立て上げるため、アイオニア自身が油を注いだ末に出来たものだった。
101幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:27:46.24 ID:z7IcRXwr0
全ては狭い世界の中で民衆を管理し、過ちを犯さぬように正すため。
アイオニア聖皇国の聖皇レネフェリアスは自らの体を不死にして300年の時を生き続けていた。
そもそもテラスファルマは人の手によって作られた怪物だった。
その怪物は世界を滅ぼし、結界によって僅かながらの人だけが生き延びた。
レネフェリアスはかつての人の過ちを二度と繰り返させないために、民衆を箱庭で管理することにしたのだ。
そしてこの箱庭世界を維持するために、不安要素を排除することに心血を注いだ。
そのひとつとして「宿星」の存在。
宿星が集まればその時代の国家が転覆させられることを知っていた聖皇は
時代樹を作って宿星が様々な時代に散るようにした。
しかし主人公はゼフォンの導きによって時代樹へと導かれ、その力を使って
様々な時代に散っていた宿星の力を現代に集めてしまったのだった。
全てを知った主人公は結界を破壊して広い世界へと出るためにアイオニアと戦うことを決める。
主人公に賛同して付いてきた勢力も皆協力し、アイオニアの首都を攻め落とす。
100年前のトルワド、200年前のアストリッドもまた主人公の話を聞いて聖皇レネフェリアスに反旗を翻した。
3つの時代で全ての時代に生きるレネフェリアスと対決する。


【通常END】
聖皇レネフェリアスを100年前、200年前で止めを刺してしまえば主人公の現代が改変されて影響が出てしまう。
そう判断した過去の英雄達は、決着は主人公がつけるべき事だとして聖皇を生かした。
そして主人公の時代にうまく繋がるように、今後のアイオニアの動きには目を光らせていくと決意する。
主人公の時代ではレネフェリアスを打倒し、結界は破壊された。
結界の外へと飛び出した主人公達は広い世界を旅していく。

【108星END】
3つの時代で聖皇レネフェリアスを撃破した瞬間、3つの時代の英雄達は不思議な空間で一堂に会する。
ゼフォンが現れて説明するに、
「108の星を繋げたことで、3つの世界は時代樹から解放された」のだという。
過去の時代が未来の時代に影響を及ぼすことなく、3つの時代は結界から開放されたのだ。
そして英雄達が各々の時代へと戻っていくと、100年前、200年前、そして現代の全てで結界は消えていた。
それによって現代が改変された気配もない代わりに、時代樹は跡形も無く消えていた。
3つの時代はそれぞれの歴史を歩み始めたのだ。
主人公、そして各時代の英雄達は結界の外へ出て広い世界を進んでいく。
102幻想水滸伝 紡時  ◆l1l6Ur354A :2012/07/29(日) 01:32:33.19 ID:z7IcRXwr0
簡易まとめは以上です。大体こんな感じ
分断された歴史のどんでん返しが面白い作品だから
こうまとめてしまうとちょっとつまらないかも
詳細版は大分先になるかもしれません
103ゲーム好き名無しさん:2012/07/29(日) 05:53:35.61 ID:ZD7nE9zX0
乙です。2行の納得感がたまらん
104ゲーム好き名無しさん:2012/07/29(日) 08:05:59.04 ID:4+CSJ3xb0
乙です
過去の宿星で顔すら出ない名前だけキャラがいたのには吹いたな
10595:2012/07/29(日) 09:07:58.78 ID:NANJgH9w0
>>96
あ、これは申し訳ない。では改めて

式神の城2をリクエストします。
ハードは…いろんなので出たので、とりあえずゲームキューブ版で
106ゲーム好き名無しさん:2012/07/29(日) 17:44:14.63 ID:TfUzV2DL0
深夜レス自治厨ここにも涌いてるのか
107真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:23:41.46 ID:ADPmirXv0
先日予約した GBA「真・女神転生デビルチルドレン 闇の書」 を投下
まずは登場人物&舞台の簡単な説明。

<登場人物>
アキラ(名前変更可能)
原宿小学校に通う6年生。闇の書の主人公。
ジン
原宿小学校に通う6年生。対になる「光の書」の主人公。
レナ
原宿小学校に通う6年生。アキラやジンの幼馴染。3人で「不思議クラブ」と言う部活をやっている。
亜美(ゲーム中表記は「アミ」)
アキラのクラスに転校してきた女の子。苗字は「カシハラ」(漢字は不明)
ゲイル(名前変更可能)
アキラのパートナー。ヘイロンと言うドラゴンみたいなデビル。闇属性。

<地名>
地上(原宿)
アキラ達人間が住む世界。

魔界
大魔王ルシファーが治めるデビルの世界。

ヴァルハラ
時空を越えた場所に存在する世界。人間とデビルが共存している。
108真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:25:18.13 ID:ADPmirXv0
場所は魔界ダークパレス。
魔王ルシファーが部下のフォロウから「時のユガミ」について報告を受けている。
この「時のユガミ」が消えないとこの世界の時の流れが止まり、世界が滅びるらしい。
魔界に伝わる伝説として「時のユガミと共に世界を救おうとする子供達が現れるだろう」と言うものがあるそうだが・・・

場所は変わり、いきなり「ノルン」と名乗る女神が現れる。
名前を聞かれ(ここで主人公の名前を入力、ここでは「アキラ」にしたことにする)、答えるとノルンの後ろの扉から転生の旅が始まる・・・

またまた場所は変わり、200X年の10月、東京原宿小学校6年生の教室。
転校生が紹介されている。名は「カシハラ アミ」
授業が終了し、廊下に出るとジンとレナがアキラを待っていた。
どうやらレナが「デビル図鑑」とやらを図書室で発見したらしい。しかもデビルを呼び出す契約の言葉まで書いてあるんだとか。
デビルが大好きなジンは早速呼び出そうぜ!と張り切っているが、そこに亜美が現れ話に入ってくる。
何故デビルを呼び出そうとするのか?と問う亜美に「自分達は不思議クラブだから」と説得するレナ。
少し考えた後、亜美も同行することに。
図書室に行くと、「デビル図鑑が無い!」と騒いでいるジンやレナ。
司書のお姉さんが「見慣れない本だから」と回収していたのを受け取ると、ジンとアキラは契約の呪文を唱えようと意気揚々。
それを見た亜美が「本当にデビルを呼び出すつもりなの?」「デビルを呼び出すには特別な力が必要なのよ」など意味深な発言。
そんな亜美を尻目に、アキラとジンは呪文を唱えだす。

ケヤガ・カ・リカヒ レフ・アチミ・ミヤ
イニシエの ケイヤクにしたがい 姿を あらわせ
・・・コーーーーール!
109真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:27:43.64 ID:ADPmirXv0
すると本当にデビル・ガーゴイルが現れてしまう。
「ヴァルハラ」と言う場所から来たというガーゴイルを見てデビル好きのジンは大興奮。
このガーゴイルはヴァルハラを支配しようとする帝国軍のデビルで、ヴァルハラから姿を消した亜美を探してやってきたらしい。
レナは果敢(無謀?)にもガーゴイルに突っかかり、案の定捕まる。
すると亜美がデビライザーとヴェネコンアキラとジンに渡す。
渡されたデビライザーをガーゴイルに向けると、デビライザーから激しい光と共に1体のデビルが現れる。
そのデビルはアキラのことを「デビルチルドレン」と呼んだ。
デビルの名は「ゲイル」(変更可能)。アキラのパートナーとなるデビルである。
戦闘の末、ガーゴイルを撃退することに成功する。
ガーゴイルは「この世界に未来はない!時のユガミに閉じ込められた世界は滅ぶしかないのだからな」と言い残して姿を消す。
図書室を飛び出した亜美を追って学校の下駄箱の近くに行くと、中央に謎の渦。これがガーゴイルの言っていた「時のユガミ」らしい。
触ればどんなものか分かるだろう、と4人で時のユガミに触れる。
・・・と、下駄箱から少し離れたところに戻っている。ユガミに触れたことで時間が戻ったらしい。
亜美は自分が「ヴァルハラ」と言う異世界から来たことを告げると、時間が無いからヴァルハラへのゲートがある屋上の小部屋に来てくれと言い走り去ってしまう。
後を追うアキラだが、2階に上がった時にデビル・ピクシーに行く手を阻まれる。
どうにか退けたものの、今の戦闘の間にヴァルハラへのゲートは閉じ、お前はこの世界に取り残されたんだと告げられる。
確かめるためにも屋上の小部屋に入るが、そこには何も無い。
迷子にでもなったような顔(ゲイル談)をしているアキラはとりあえず小部屋を出ようとする・・・
とその時、突如魔界ゲートとフォロウが現れる。
フォロウはルシファーの命令で時のユガミが現れた地上(アキラ達の世界)の様子を探りに着たらしい。
時のユガミは魔界にも現れ始めている、とフォロウ。
とにかく時のユガミをどうにかする方法をフォロウに問うと、
大魔王ルシファーなら時のユガミのことや、時のユガミ消す方法を知っているとのこと。
魔界に行けばルシファーに会えるらしいので、フォロウが開いた魔界ゲートから魔界へ向かうことに。
110真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:29:50.25 ID:ADPmirXv0
辿り着いたのは風の魔界。ここから南に行けばルシファーの居るセントラルランドに辿り着けるらしいのだが、
セントラルランドに繋がる「風の門」にも時のユガミが。
そこにフォロウが現れ、風の魔界の王、テュポンならどうにかできるかもしれないと言うのでテュポンが居ると言う「突風の祠」へ。
ちょっとした手違いからテュポンと戦闘することになるが、戦いが終わるとこちらの事情を聞いて「突風の風車」を渡してくれる。
これを使えば時のユガミを「吹き飛ばして移動させる」ことはできる。ユガミを消すわけではない。
急いで風の門へ戻るアキラの前に森の女神・カイポラが現れ、何かあったら力を貸すと言われる。

突風の風車を使い、風の門のユガミを移動させることに成功したアキラは無事にセントラルランドに辿り着く。
やっとの思いでダークパレスに到着し大魔王ルシファーに会うと、ルシファーは「光の御子」と「闇の貴公子」の話を始める。
この2人がヴァルハラをつくり、そしてそのヴァルハラが時のユガミと関係しているそうな。
時のユガミを消すために必要な「時の鎖」についても話してくれたルシファーはアキラにデビライザーのパワーアップ版「キングライザー」を渡し、
時の女神達の待つオルゴールルームへの道を開いてくれる。
オルゴールルームでアキラは時の女神・ウルド、ヴェルザンディ、スクルドから光の御子と闇の貴公子が残した時の鎖を受け取る。
しかし、時の鎖を使って時のユガミを消すだけでは事態は解決しない。
やはりヴァルハラに行ってみるしかないようだ。

セントラルランドから西にある氷の魔界にヴァルハラへと繋がるゲートがあるらしいので、氷の魔界を目指すことに。
すると、前からレナが見知らぬ少年と一緒に現れた。
少年の名は「シュン」ヴァルハラ出身のデビルチルドレンで、帝国軍と戦う反乱軍のメンバーだそうだ。
2人はルシファーに話を聞くために魔界にやってきたらしい。ヴァルハラでジンや亜美とも一緒に居たそうで、色々教えてくれる。
時の鎖を手に入れたことを報告したりして、2人とはお別れ。

氷の魔界の王であるキングフロストに会うため氷の神殿へ向かう道中、
キングフロストがヴァルハラからやってきたデビルに捕まったとの情報を得る。
神殿ではヴァルハラ帝国軍の1人、ハボリムが待ち構えていた。
ハボリムを撃退すると、ゲイルがランクアップ(この時の対応によって魔法型かパワー型に分岐)
キングフロストの話では地下からヴァルハラのデビルが現れたらしい。
つまりヴァルハラへのゲートはそこにあるはず。
神殿の中を進んでいくと思ったとおり、ヴァルハラへのゲートが。
そこにシュンとレナが現れ、ヴァルハラを救うには「光と闇の力」が必要と教えてくれる。
111真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:31:16.44 ID:ADPmirXv0
そのままヴァルハラへのゲートに入ると、そこは「時の塔」と言う場所にある「時の最果て」に繋がっていた。
時の最果ては様々な時間に通じる扉がある狭間の空間。
最果てを出るとレナはハイドラと言う町に来て欲しいと告げて去っていってしまう。
塔を出て道なりに進んでいくと、ハーミットと言う町に到着。
そこで反乱軍のジュディとミノタウルスのブルに会い、やはりハイドラに来て欲しいと言われる。

辿り着いたハイドラの町。
情報を得るために入った酒場に居た反乱軍のメンバー、ナオミから亜美の所在を聞き、
会いに行くと何とレナが帝国軍に捕まり、助けに行ったジンも行方不明になってしまったとの知らせが!
アキラは反乱軍が掘り進めていた鉱山から帝国軍の収容所、「炎の煉獄」に2人を助けに行くことに。
アキラが煉獄に辿り着くと、待ち構えていた帝国軍の将軍・クロセルと戦闘に。
この戦闘に勝利するとゲイルがランクアップ(この時の対応で魔法型、万能型、パワー型に分岐)
煉獄の中を探し回ってみたものの、ジンもレナも見当たらない。無事脱出したのだろうか。

報告のためにハイドラの町に戻ると、町は帝国軍に占領されていた。
ナオミから皆は反乱軍のアジトに居ると言う情報を得、急いで後を追うことに。
アジトで亜美に再会するも、レナは帝国軍に捕まったままらしい・・・
今のままでは帝国軍皇帝に勝てない、ヴァルハラを救う「光と闇の力」を探すためにもアキラは時の塔から1度地上(原宿)へ戻ることに。

小学校の下駄箱に出現していたユガミを消して学校の外に出ると、校庭に見知らぬおじいさんの姿が。
おじいさんは「未来の原宿を救ってくれ」と言っているが・・・?

時の最果てに入ると、今まで入れなかった扉が通れるようになっていた。
早速中へ入ってみると、何と崩壊した未来の原宿に繋がっていた。
崩壊原宿を彷徨うアキラの前に、デビル・アグニが現れる。
アグニを倒すと、アグニは「この世界に緑を取り戻して欲しい」と言って消滅。
現代で木を植えれば、未来を変えられるかも知れない!ってことで現代の原宿に戻り、町を歩いていると
何とここにも帝国軍のデビルが。ケンヌンノスと名乗るデビルを倒すと、時のユガミは皇帝が作り出していること、レナが皇帝によって処刑されたことを聞かされる。
ケンヌンノスが居た場所の向こうは公園。そこに木を植えている少女が。
彼女に話しかけると、風の魔界で会った森の女神・カイポラが現れ、この木を立派に育ててくれることに。
早速時の最果てから未来の原宿へ行くと、そこは緑溢れる豊かな世界になっていた。
現代で植えた木の傍に居たカイポラに話を聞くと、今のアキラにならルシファーも力を貸してくれるはずだと言うことで、
魔界に戻ってルシファーの元へ。
ルシファーはルシファーに宛てた手紙を持ってきたものだけに伝えられることがある、その手紙はアキラが持ってくる、と予言めいたことを告げる。
時間を越えた場所にその手紙はあるらしいのだが・・・?
112真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:34:20.95 ID:ADPmirXv0
時間を越える場所、と言えば時の最果て。
また通れなかった扉が通れるようになっているので入ってみるとそこは過去の闇の神殿。
神殿の奥でルシファーがヴァルハラを創るために旅立とうとしている闇の貴公子と何か話していた。
2人が去った後、神殿にある宝箱を開けるとそこには闇の貴公子からの手紙と「時の鍵」が入っていた。
今まで時のユガミを消すために使っていた時の鎖は1度使うと無くなってしまったのだが、
時の鍵は何度でも使える上、時の鎖では消すことの出来なかった大きなユガミも消すことが出来る。
だが、ユガミをいくら消しても意味は無い。やはり帝国軍をどうにかしなければ。

時の最果てに戻ると、そこにはシュンの姿が。
皇帝を倒すためには光と闇の力が必要。
しかし反乱軍は壊滅し、亜美までも帝国軍によって処刑されてしまったと聞かされる。
自分達の負けだと嘆くシュンに喝を入れ、レナや亜美のためにも皇帝を倒す力を得るためルシファーの元へ急ぐ。
過去の世界で手に入れた手紙をルシファーに渡すと、アキラこそ闇の力を受け継ぐに相応しいことを認めてくれる。
そして闇の力がある闇の神殿への道を教えてくれる。

闇の神殿で宝箱を開けると、そこには闇の貴公子からのメッセージと「血脈の証」が入っていた。
光の御子と闇の貴公子は自分達が創ったヴァルハラが原因で今回の事件が起こることを知っていたのだ。
そこへ帝国軍の将軍・ビフロンスが現れ戦闘に。
ビフロンスを倒すと、血脈の証が輝きだしその力がゲイルに宿りゲイルが最終形態へ(この時の対応によって魔法型・魔法寄り万能型・パワー寄り万能型・パワー型に分岐)
闇の力を手に入れたことをルシファーに報告すると、ジンがヴァルハラのエリュシオンと言う町に居ることを教えてくれる。

エリュシオンの中央の塔の中で、同じように光の力を手に入れたジンと再会。
皇帝を倒すと言う約束を確認した2人はアヴァロンと言う町の先にある皇帝の居城、ティルナノーグへ向かう。
ティルナノーグの皇帝の部屋の目前でジンと合流。
光属性の兄と闇属性の弟、2人の皇帝に対してアキラとジンはそれぞれ自分の力を反対の力を持つ皇帝と戦うことに。
苦戦の末皇帝を倒した2人だが、皇帝達はそれぞれ「光の狭間」「闇の狭間」に逃げてしまう。
アキラとジンはそれぞれ後を追い、アキラは光の狭間の最奥に辿り着く。
そこにはこの世界が生まれた時に生まれた魔物、「セイファート」が眠っていた。
セイファートは皇帝を取り込むと、ヴァルハラを創った力が自分を生み出したこと、時間と空間が生み出す全てを破壊することが望みであること、自分が全ての黒幕であったことをアキラに話し始める。
世界の運命を任されたデビルチルドレンとして、アキラはセイファートと戦い、勝利する。

すると闇の貴公子に連れられて、エリュシオンの塔の内部のような場所へ。
光の御子と闇の貴公子はレナと亜美を蘇らせた上、1つ願いを叶えてくれると言う。
「新たな転生を」→パートナーが初期ランクに戻った状態でストーリーを1からやり直せる。
つまりパートナーの違うランクアップ姿を見ることができる。アキラのレベルや仲魔はそのままなのでクリア自体は凄く簡単。
「更なる冒険を」→クリア後専用ダンジョンへ行けるようになる。
「しばしの休息を」→選んだこと無いから分からない・・・
ちなみに「新たな転生を」は1回しか選べないので結局パートナーの全ての形態を見ることはできない。

Q.前作のキャラクターは出ないの?
A.前作の主人公である刹那や未来、将来達はストーリー上には出てこないけどゲーム内での対戦ゲーム施設(バトルネット)で戦える。

Q.光の御子と闇の貴公子ってなんだったの?
A.未来が見えたり色々凄い人間だったっぽい。
ジンは光の御子、アキラは闇の貴公子の生まれ変わり。
OPのノルンのシーンで転生したってこと。
上記のバトルネットではっきり生まれ変わりだと明言されている。
113真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20:37:03.95 ID:ADPmirXv0
以上で終わり。
部屋の掃除してたらソフトと攻略本が出てきて懐かしくなったから書いてみた
他のシリーズも持ってたはずだから、見つけてプレイしたらまた書きに来るかもしれん
すっごくあっさり流されてるし描写もないけどヒロインが2人とも処刑されるとか流石アトラス
114ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 02:50:20.14 ID:/zTwG6eq0
まあまあ生き返ってるみたいだしギリセーフだよ!
115ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 03:03:53.38 ID:SDndqblk0
ところが、光の書と闇の書で明らかに矛盾する展開があったりして、パラレルワールドっぽい
つまり生き返ったのではなく、ジンやアキラが死んだ他の世界から連れてこられた、厳密な意味では別人である可能性も…
116ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 13:44:30.27 ID:Y4av3nl/0
>>90
おkおk
むしろ早く頼む
117ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 14:04:42.41 ID:Y4av3nl/0
デビチル懐かしいな
黒の書はやったことある
なぜか本家だと顔面オバケのアバドンが忍者なんだよなw
118ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 17:29:18.79 ID:wQJJTDw10
新作なら新作トリップ付けとけば良いしな
ネタバレ警戒してる人を考えるなら、本編の前に「これから書きます」って書き込みを入れればもっと良いだろうし


そういうことを何も言わずにコピペ貼るだけの奴を自治厨と呼ぶのは、自治厨としては非常に困る
119ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 18:34:03.02 ID:29nQ7iE+0
前スレ終盤で未解決リストの●途中から消えた魔装機神2だけど、予約していいかな。
120ゲーム好き名無しさん:2012/07/30(月) 21:04:38.62 ID:D/R57irv0
>>119
うむ、大歓迎だ
121ゲーム好き名無しさん:2012/07/31(火) 00:00:39.55 ID:stRS0UoU0
じゃあ自分は未解決リストより
PSP「勇者30second」を予約します
122ゲーム好き名無しさん:2012/07/31(火) 17:30:52.66 ID:+z3ePcs+0
未解決一覧にあるDS「犬神家の一族」を予約します
123ゲーム好き名無しさん:2012/08/03(金) 18:49:52.62 ID:4OM5Yn8dO
リクエスト失礼します
未解決リストにあるPSP『戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校』の続きをどなたか書いて頂けないでしょうか

このスレに来るのは初めてなので、テンプレは読みましたが、リクエストの仕方等間違っていたら申し訳ありません
124ゲーム好き名無しさん:2012/08/04(土) 03:17:51.09 ID:QbFrmdKg0
リクエストはそれでOKだけど書いてくれる人が現れるまで気長に待ってね。
125ブシドーブレード弐:2012/08/04(土) 03:24:34.56 ID:dBsWVLMPO
*決戦の間・嬢*

蛇恍院、何処からか総帥の声が響き渡る。
大納「須恵家が滅ぼされてからの長き戦い、今こそ終結の時を迎えた。
踏みにじられた我々の恨みを晴らすその使命に耐えられるか、どうか…お前の腕、見せてみろ!」
嬢「任せて!」
捨陰党の忍が現れた。
5人程、始末すると総帥の声がした。
大納「確かに、お前の腕、認めよう。鳴鏡館へ向かえ! 我々の太刀、夕霧を取り戻すのだ! 師範代の居ない鳴鏡など恐るるに足らん!」
嬢「行くわよ!」

船着き場、刺客を4人程、始末。
蛍火が現れた。
嬢「さぁ、行くわよ!」
蛍火「私は蛍火。鳴鏡の命の元、貴方を斬る…。」
素早い攻撃をかわし、始末。
嬢「あっさりしたモンね…。」

そこにトニー・梅田(以下トニー)が来た。
トニー「ハァ〜イ! お手伝いに来たよん♪」
嬢「ア、アンタ、誰? 敵!?」
トニー「つれないねぇ、同じ仲間なのに…。」
嬢「本当にぃ〜? お店が忙しくって、あんまり道場には行ってないけど…いつの間に入ったのよ?」
トニー「俺もあまり行かないからね。ノリが合わないからねぇ〜。」
嬢「怪しいなぁ…。それに、あんまり稽古してない人に手伝って貰ってもねぇ…。」
トニー「安心して。腕は確かだからさ。信用して無いね〜? 先に行って俺の腕、見せてあげるよ。」

(ここからトニー・梅田にバトンタッチ)
蛇喰鼻、刺客を5人程、始末。
辰美が現れた。
トニー「Hey、リズムが悪いと俺には勝って無いよ♪」
辰美「残念だね。僕がいる以上、先には進めないよ…。」
どうにか攻撃をかわし、始末。
トニー「俺の腕、信じてくれた?」

(ここから嬢にバトンタッチ)
鳴鏡館前、ホッキョク・ツバメが現れた。
嬢「さぁ、お次は誰?」
ツバメ「ホッキョク・ツバメという名前、聞いた事ある? …アタシの事よ!」
タックルして、始末。
ツバメ「夕霧で…お前達、捨陰党の怨念を解放しようというのか…?」
嬢「怨念…? 何言ってんのよ! ご先祖様の願いを叶えて、アンタ達、悪人を退治するだけよ!」

続きます。
126ブシドーブレード弐:2012/08/04(土) 03:27:04.75 ID:dBsWVLMPO
続きです。

鳴鏡館道場、刺客を3人程、始末。
御門が現れた。
嬢「私がお相手よ! 夕霧は、私が貰うからね!」
御門「調子の良い娘ね…。この戦いの意味、知らないのなら、消えなさい!」
素早い攻撃をかわし、始末。
嬢「これで、OK…!」

そこに本郷が来た。
本郷「夕霧、手に入れたか。そんなに喜んでる場合じゃないぞ、まだ、終わってない!」
嬢「え? まだ、帰れないの?」
本郷「そうだ。先祖と同志の魂を悲しみから救ってくる事…!」
嬢「それが、次の仕事…? どうすればいいの?」
本郷「その夕霧、鏡家の末裔を倒す為に作られた物なんだ。
だから、その夕霧で鏡家の末裔を斬る…! それが、須恵家と捨陰党の望みだ、長い間のな…。」
嬢「末裔、か…。鳴鏡はその人を守っていたのね? 黒幕がいたって事か…何かよくありそうな話ね。」
本郷「本当に分かってんのか!? 全く頼りねぇなあ。俺が先に行ってやるよ。こっから先は今までみたいにいかないぜ!」

(ここから本郷にバトンタッチ)
紫翠窟、刺客を5人程、始末。
サザンカが現れた。
本郷「殺るかい?」
サザンカ「このサザンカが相手だ。しっかり戦えよ。」
どうにか攻撃をかわし、始末。
本郷「後は、宜しくな…!」

(ここから嬢にバトンタッチ)
迷ひ橋下、刺客を4人程、始末。
風閂が現れた。
嬢「ふ〜ん…。強そうじゃん…! でも、負けないわよ!」
風閂「元気な女だな…。だか、それもここまでだ! この風閂が大人しくさせてやるぜ!」
どうにか攻撃をかわし、始末。
嬢「さ、次で最後ね!」

踏鞴神社境内、神主が待ち構えている。
嬢「さすがに今までとは違うわね…!」
玄鷹「長い間、鳴鏡と共に守り続けてきた鏡家の血筋、終わらせる訳にはいかない!」
ギリギリまで間合いが縮まってから始末。
玄鷹「は、早く…お逃げ下さい…!」
嬢「奥ね…!」
神社本殿に向かった。

続きます。
127ブシドーブレード弐:2012/08/04(土) 03:28:32.23 ID:dBsWVLMPO
続きです。

踏鞴神社本殿、死装束を身に纏った女性がいた。
嬢「えっ…!? 貴方がそうなの!?」
已綱「来ましたか…。」
嬢「貴方…なの…? そ、そ、そうよ! 捨陰の同志と先祖の魂を悲しみから救う、その為に私は来たわ! さぁ、武器を取りなさいよ!」
夕霧を手に迫るが、彼女は全く戦う意思が無い…。
已綱「そう…貴方達の目的は貴方達の夕霧で私を斬り、血を絶やす事…。800年前に私達の先祖、鏡家は同志であった須恵家を裏切り、滅ぼした…。
長い間、積み重ねられた須恵家の恨み、晴らす方法は一つしかないようです…。さ、鏡家の末裔の…この私をお斬りなさい…。」
彼女は何もして来ない…。
どうする…?

続きます。
128ブシドーブレード弐:2012/08/04(土) 03:32:35.18 ID:dBsWVLMPO
続きです。

*ED・斬る*
嬢は彼女を斬った。
已綱「うっ…!」
断末魔を上げ、倒れる。
已綱「ひたすら…意味も無く、守り続けてきた鏡家の血も…今、私が絶える事で…全て、終わらせる事が…出来る…。」
彼女は息を引き取った。
嬢「本当に、斬られてしまうなんて…。私…ただの…悪人の親玉だと思ってた…。悪人だった事には違いないのね? 少なくとも、昔の鏡家は…。
でも…貴方はそれを謝りたかったんだね…! でも貴方…、単純に謝る事の出来る立場じゃ無かった…それは私にも分かるの!
…辛かったんだよね…。斬られる事を望んだ貴方の気持ち…少し、分かる気がするよ…。」

*ED・本殿を去る*
嬢は彼女を斬らずに、本殿を出た。
嬢「武器を持たない人を斬るのは、武士道じゃ無いわよ! うん、絶対!
う〜ん…でも、ちょっとヤバかったかな〜…。どうしよう…怒られるかな…? カッコ良く戦って、斬っちゃった事にしとこうかな〜? あ〜…。」

以上です。
次は千尋です。
129ゲーム好き名無しさん:2012/08/04(土) 03:54:27.62 ID:8gK37wyt0
ブシドーブレード弐の人乙です
130ゲーム好き名無しさん:2012/08/04(土) 04:39:28.69 ID:8gK37wyt0
Wikiでアイドルマスター ディアリースターズ読みました
特に水谷絵理のストーリーが百合っぽくてよかったです
買ってみようかな
何年も前に書かれたみたいだからもう居ないだろうけど書いた人乙です
131ゲーム好き名無しさん:2012/08/04(土) 11:19:34.89 ID:uUgG7Et80
リクエストします
DQ10のオフラインモードの部分だけでいいのでネタバレお願いします
132ゲーム好き名無しさん:2012/08/04(土) 12:56:06.58 ID:bMHvvX/a0
>2 :ゲーム好き名無しさん:2012/07/13(金) 23:11:00.90 ID:leUjAakh0
>ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。

>・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
133ゲーム好き名無しさん:2012/08/05(日) 01:12:12.78 ID:wKlZ8xQl0
宣伝失礼します
Youtube板(Youtubeだけじゃなくニコニコ動画など動画サイト全般)にパクリスレを立ててみました

需要がないならひっそり沈んでいくだけですが
もし需要のある人が居たらよろしくお願いします
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1344096407/l50
134ゲーム好き名無しさん:2012/08/06(月) 18:49:31.15 ID:WK6KpcwP0
リクエストです。

ペルソナ4 ジ・アルティメットインマヨナカアリーナ
ハードはアーケードとPS3とXBOX360の3つです。

ストーリーモードの動画が禁止されているので・・・
135ゲーム好き名無しさん:2012/08/06(月) 21:52:10.60 ID:kLoIn8zJ0
>>134
アケ版だけならもうwikiにあるよ
136ゲーム好き名無しさん:2012/08/06(月) 22:39:05.53 ID:X8T57Hxz0
>>135
PS3版何人分かクリアしたけど、クソ長えラノベみたいなの読まされるし
なんか一人ずつ展開違うみたいだから
別モンなんじゃないの?
それともはしょって要約したらアレになるとかなのかな…
137ゲーム好き名無しさん:2012/08/06(月) 22:42:55.24 ID:SoqQp4JZ0
家庭用はかなり追加されてて別物
>>134が良く知らないで書いてるだけでしょ
脳味噌腐ってる動画厨なんぞ相手にしなくておk
138ゲーム好き名無しさん:2012/08/07(火) 02:09:20.72 ID:v+AamCSy0
>>136
まあ家庭用も大胆にまとめればあんなものとその続きちょっと、その続きもあれだしって程度だけど
つまるところwiki内検索くらいはして欲しかったなって暗に言ってみただけなんだすまない
139ゲーム好き名無しさん:2012/08/07(火) 14:32:31.16 ID:tqenkREZ0
リクエストで揉めてるとこにアレかもですが……。

XBOX360、PS3用ソフト「バットマン:アーカム・アサイラム」と
「バットマン:アーカム・シティ」をリクエストさせてください。

バットマン大好きだし、アーカム・シティではアズラエルも出てくると聞いたのですが、
さすがにプレイする為だけにハードまで買うお金もなくて……。
宜しくお願いします。
140犬神家の一族:2012/08/07(火) 21:47:49.77 ID:j53/V0tK0
信州一の大富豪・犬神佐兵衛が他界。彼は親族と大変仲が悪く、恩人の孫である野々宮珠世に全財産を譲るという遺言状を残した。ただし、それには「珠世が、佐兵衛の三人の男孫のうち一人と結婚する」という条件がついていた。
また、もしも珠世が死んだ場合は、佐兵衛が妾に産ませた子である青沼静馬に遺産が譲られることに。
犬神家の人々は遺言状の内容に激怒。そして佐兵衛の孫たちが次々と殺されていく。

犯人は佐兵衛の長女・松子。動機は息子の佐清と珠世を結婚させ、遺産を継がせること。
珠世は以前から佐清に惚れており、松子もそれを知っていた。だが佐清が戦争で負傷し二目と見られない顔で帰って来ると、珠世は一転して彼に冷たくなった。だから松子は甥たちを殺せば、珠世は佐清を選ぶしかなくなると考えたのだ。
だが、戦争から帰って来た「佐清」は本物ではなく、青沼静馬がなりすましたもの。静馬は母が松子たちに苛められた復讐を果たすため、戦争で顔に重傷を負ったことを利用し、ゴムマスクをつけて佐清のふりをしていた。
偶然にも松子が人を殺すところを目撃した静馬は、人知れず帰って来ていた本物の佐清を脅迫し、彼を利用して松子の殺人を外部の犯行に見せかける。そして彼は佐清になりかわって珠世と結婚し、犬神家を乗っ取ろうと企んでいた。
だが、松子が甥たちを全て殺した後で、珠世が実は佐兵衛の実の孫であることが発覚。姪と結婚するわけにもいかず、進退窮まった静馬は松子に自分の正体を明かす。逆上した松子は静馬をも殺してしまった。
佐清は母を庇うために自分が犯人だと言い張るが、金田一の推理と松子の説得によって真相を告白する。

珠世は佐清に結婚を申し込む。彼女は最初から佐清が偽物ではないかと疑っており、だからこそ偽佐清に冷たかったのだ。
佐清は事後共犯の罪で逮捕されることになったが、情状酌量の余地があると聞いた松子は、ほっと安堵の息をついた。

(以下エンディング分岐)
141犬神家の一族:2012/08/07(火) 21:49:59.72 ID:j53/V0tK0
END01
松子はせめてもの償いとして、自分が佐清から受ける財産分与を妹たちに譲ると宣言。
そして、毒煙草を吸って自殺してしまった。

END02(※原作と同じエンディング)
佐兵衛の孫の佐智は、従妹の小夜子を妊娠させていた。だが佐智は松子に殺され、小夜子はそのショックで発狂。
松子は珠世に小夜子のことを頼むと、毒煙草を吸って自殺した。

END03
松子は珠世に、小夜子のことを頼む(※END02と同じ)。
佐清と静馬がビルマにいた頃、静馬は
「生みの母には感謝してもし足りない。いつか昔のことなんて忘れるくらい、いい思いをさせなくては」
と語っていた。その頃の彼はきっと、こんな恐ろしい復讐など考えていなかったのだろう。負傷して顔に深い傷を負ったとき、彼の中で何かが変わってしまったのだ。
松子は静馬の母に詫びの言葉を述べると、毒煙草を吸って自殺した。
142犬神家の一族:2012/08/07(火) 21:54:00.87 ID:j53/V0tK0
(各バッドエンド)

BADEND01
的外れな推理を繰り返した結果、推理に行き詰まった金田一は失意のうちに事件から手を引く。

BADEND02
物語序盤で佐清が偽物であると分かり、逮捕される。
やがて本物の佐清が帰ってくるが、肝心の殺人事件の犯人は不明なまま。

BADEND03
静馬と佐清の入れ替わりが発覚。佐清は、母を庇っていた事を自白する。
計画に失敗した静馬は、犬神家の人々を惨殺して復讐を遂げた。

BADEND04
佐智は遺産目当てに珠世を犯して結婚しようとする。
佐智の不実を知った小夜子は、嫉妬に狂って珠世を刺し殺してしまった。

BADEND05
息子を殺され、逆上した松子の妹たちが松子を殺害し逮捕される。
事件後、珠世は佐清(※偽物)と結婚したが、金田一の胸中はなぜか晴れなかった。

BADEND06
警察に追い詰められた佐清は、自ら犯人と名乗って自殺。その三日後、松子は湖に身を投げて死んだ。
珠世は遺産を全て寄付し、消息を断つ。

BADEND07・BADEND08
佐清から自白を引き出せないまま、彼は舌を噛んで自殺する。

BADEND09
あくまで口を割らない佐清を見かねた松子は、自分が犯人だと自白して自殺。
真犯人の死で事件は終わったものの、謎は残されたままだった。
143犬神家の一族:2012/08/07(火) 22:02:15.69 ID:j53/V0tK0
以上です。
だいたい原作通りですが映画版の影響を受けているところもあるので、比べてみると面白いかも。
144ゲーム好き名無しさん:2012/08/07(火) 22:05:33.98 ID:j53/V0tK0
連投(´・ω・)スマソ
ついでに未解決一覧にないのですが、DS「八つ墓村」も予約します
145ゲーム好き名無しさん:2012/08/08(水) 01:32:05.25 ID:7ynFoaKoP
>>144
おつ、簡潔でいいね!八つ墓村も楽しみにしてるよ。
146ゲーム好き名無しさん:2012/08/08(水) 03:23:22.18 ID:3c2NsMvV0
おつですー
水の中に逆さまに突っ込まれた死体とゴム仮面かぶったスケキヨの印象しかなかったけど、こういう話だったのね
147ゲーム好き名無しさん:2012/08/08(水) 08:20:01.86 ID:an0ePUlP0
犬神家おつ
146と一緒でスケキヨとさかさま死体しか知らんかったからスケキヨがいつさかさまで死ぬんだと
思いつつ読んでしまったw
148ゲーム好き名無しさん:2012/08/08(水) 08:45:37.32 ID:FLnj3SHPO
犬神家では「ヨキ」(クワみたいな道具)「琴」「菊」が家宝みたいに扱われてて、
一連の殺人はそれに見立てた殺人(菊人形の首を本人の生首に変えるとか)なんだ

ところがスケキヨ(偽)だけ、乱雑というかコジツケめいた犯行で、
スケキヨを逆さにしてヨキケス
上半身を湖に沈めて消して「ヨキ」
……これだけなんかテキトーじゃね?となって金田一先生の推理がはじまる
149ゲーム好き名無しさん:2012/08/08(水) 09:32:18.08 ID:lyiwQ7bUP
犬神家の人乙!

以前から真相だけ知りたかった
150BIOHAZARD ORC ◆l1l6Ur354A :2012/08/09(木) 21:22:39.08 ID:Vxn1IvrL0
「よき」は斧(おの)のこと
「斧」「琴」「菊」で「よき」「こと」「きく」=「善き事聞く」っていう語呂合わせ
これは犬神家オリジナルじゃなくて江戸の昔からあった言葉遊びの一種

映画版では斧の見立て殺人が、単に斧で頭をカチ割って湖に捨てる、で
見立てにしてはテキトーじゃね?っていう方向になってるはず
151ゲーム好き名無しさん:2012/08/09(木) 21:23:15.13 ID:Vxn1IvrL0
いやん名前ミスった
152ゲーム好き名無しさん:2012/08/09(木) 22:51:03.61 ID:+haCk/4J0
名前と内容で混乱したw
153ゲーム好き名無しさん:2012/08/10(金) 15:53:01.76 ID:NIiK48/x0
同じくw
ともかく詳しい解説乙
154ゲーム好き名無しさん:2012/08/11(土) 01:30:08.38 ID:sUygqaeN0
シャドウ・ザ・ヘッジホッグのストーリーお願いします。
まとめでは途中までしか書かれていないのでより気になります。
過去ログにあるようでしたら、ペーストしていただけるとありがたいです。
155ゲーム好き名無しさん:2012/08/11(土) 05:29:43.46 ID:BiUyqpL20
で、そのゲームのハードは何かね
156超操縦メカMG:2012/08/11(土) 19:55:32.25 ID:8RC3xBXQ0
主要キャラクター
主人公 ・クロノタウンの学校に通う13歳の人形使い見習の少年
    ・ガロイ工房で見習いとして働いている

ケイ  ・主人公の親友 13歳で人形技師を目指している  
    ・ガロイ工房で見習いとして働いている

ガロイ ・主人公とケイの師匠
    ・若いころに世界を旅してまわったため見聞が広い

メリッサ ・ガロイの一人娘で男勝りな性格
     ・MG運搬車両「オメガ・カーゴ」の免許を持つ

アンマリー ・人形遣いの名門ダンクール家の出身
      ・幼少時から厳しい訓練を受けてきた
      ・主人公たちと同じ13歳
157超操縦メカMG:2012/08/11(土) 20:21:10.32 ID:8RC3xBXQ0
第一幕 〜近代人形を求めて〜
主人公はこの日初めてMGに乗ることを許された
とはいえ、期待していた新型ではなく旧式の「ゴッドフリードG4」だったが。
そして難なく起動させ、ガロイ親方から命じられた鉄くず回収の任務を手早く終えた主人公の目の前に
突如としてオートマンが現れる。
万事休すかと思われたが、ケイがG4に施していたミサイルと電撃発生機の隠し改造によって、
オートマンを倒すことができた。
ガロイ親方は隠し改造を施したケイと(なぜか)主人公に1か月間の掃除の罰を言いつける。

それと同時にこのような行為をしたのは、主人公たちが世界を知らな過ぎるためと考えた親方は、
2人をレトログラードにあるMG博物館に連れて行くことにした。

MG博物館の館長エドゥアールは2人にMGの歴史をたっぷりと語った後、主人公を展示品に乗せてやるが、
2体目のMGに乗っているときにオートマンが現れる。
しかし、主人公は30年近く前のMGであっさり撃退してしまうのだった。

2人はMGの歴史について学んだものの、やはり最新型にあこがれている様子。
そこで、親方はこの世界の最大都市アイゼンベルグに2人を連れていくことにした。
アイゼンベルクにてその街並みと輪工房、重工房、木工房のMGに感動した2人は一層最新型への思いを強めるのだった。

2人はさらに、パーツ工房を訪れ、いくつかの資金稼ぎをした後、道路を封鎖しているオートマンに出くわす。
一応撃破したものの、世界の異変に気付いた親方は情報収集を開始するのだった。




158超操縦メカMG:2012/08/11(土) 20:31:23.67 ID:8RC3xBXQ0
用語説明

オートマン:・闇工房によって作られた全自動人形
      ・普通はただ暴走するだけで道路封鎖のような戦略観はないはずなのだが…

輪工房:・車型変形が可能かつ剣装備MGを得意とする工房
    ・工房主のオーギュストはビジネス戦略に長けている。

重工房:・作業用かつ肉弾戦用のMGを得意とする工房
    ・工房主のドランは職人肌な優しい男でガロイ親方の旧友である。

木工房:・昆虫型MGを得意とする工房
    ・工房主のモクヨウは変人で少年フェチだが腕は一流である。

パーツ工房:ランバートが経営する店
     
159超操縦メカMG:2012/08/11(土) 20:55:40.55 ID:8RC3xBXQ0
第二幕 〜人形戦争〜
そうこうしているうちに街には遠距離攻撃のできるオートガンナーが現れ、
主人公は遠距離攻撃に対抗できるMGを求めて突然入ってきた新人アンマリーの勧めで弓工房を訪れた。
弓工房では工房主のバルフォーが長弓人形の販売を渋るものの、弓工房専属の人形使い巫女川エリーとの模擬戦に勝った主人公を見て、
その才能を知り、MGの優先購入権を与えた。

その後、大掃除の最中のケンカで、2人は態度の悪い新人アンマリー・ダンクールとMGで勝負をすることになる。
2回のレース、2回の模擬試合で主人公はアンマリーを打倒すが負けたショックで、
アンマリーは失踪してしまう。

アンマリーの心配をする間もなく、クロノタウンにオートフィッシュが現れ、町に被害を与えるが、
主人公によって撃退される。
挙句の果てには弓工房のあるアーストンにもオートフィッシュが現れ、巫女川エリーを追い詰めていたが、
間一髪で主人公が割って入りアーストンは守られた。
(この時エリーは主人公に恋をした)

主人公たちはMG教会のフィン・ディーの勧めで、トゥールビオンにある円工房を訪れ、工房主のコフーから、
長話の果てに伝統の大切さを学んだw。

事態は突然急展開を迎えた
今まで集団戦なぞしていなかったオートマンが軍団となって各地の街を襲撃した。
主人公はクロノタウンの爆弾処理やアイゼンベルグの防衛に尽力するがオートマンに包囲されてしまう。
その時、アンマリーが最新のMGダルタニアに乗って主人公を救いだし、2人の協力でアイゼンベルク街道の敵を追い払った。
しかし、その隙に別ルートからオートマンがアイゼンベルグを攻撃し、町を半壊に追いやった。
その1軍を討伐するうちに主人公とアンマリーはオートマンを指揮する「人形王」と遭遇し、苦戦のはてに撃破した。
160超操縦メカMG:2012/08/11(土) 21:04:07.66 ID:8RC3xBXQ0
用語解説
フィン・ディー:マリオネーションギア協会の職員で古今東西の情報に精通している。

弓工房:・弓やブーメランによる遠距離攻撃を得意とするMGを作る工房
    ・車型変形のMGも中盤に出てくる
    ・工房主のバルフォーは新進気鋭と称されている。

巫女川エリー:・弓工房専属の人形使いで13歳 
       ・名門巫女川家の出身で負けず嫌い

円工房:・電気を動力に用いないMGを作る工房
    ・伝統にこだわってしまうため値段が高いMGが多い
    ・工房主のコフーは文字どうり古い人間

人形王:・突然現れたオートマンの新型
    ・理論上ありえない思考能力を有し、オートマンを指揮する。


    
161超操縦メカMG:2012/08/11(土) 21:10:57.91 ID:8RC3xBXQ0
後半部はまた後日記入いたします
162ゲーム好き名無しさん:2012/08/11(土) 21:40:10.22 ID:SBLskKZB0
FF13を9章くらい(うろ憶え。なんか強いボスがいて勝てなかった)までやって
投げてしまったんだが続きのストーリーと最後のオチが気になるので誰かお願いします
163ゲーム好き名無しさん:2012/08/11(土) 22:23:41.62 ID:zX19Xti50
FF13はwikiにあるよ
164ゲーム好き名無しさん:2012/08/12(日) 22:59:03.15 ID:viFmh/330
いつの間にか、暫定wiki更新しているな


そして何故かPROJECT ARMSが無視されているな
165ゲーム好き名無しさん:2012/08/13(月) 16:25:59.66 ID:PNUIY6F00
バットマン アーカム・シティのストーリーを書いていこうと思います。
クオリティには期待しないでね
166バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:32:52.48 ID:PNUIY6F00
一応登場人物紹介

・バットマン
 言わずと知れたゴッサムシティのヒーロー。近作ではバットマンの力だけではアーカムシティを閉鎖できないと悟り
 ブルース・ウェインとしての影響力を使って政治的圧力を加えていたが、ストレンジの部下により捕まってしまう。

・ジョーカー
 バットマンの宿敵。ピエロの姿をした狂人。前作に登場した薬物の影響か、死にかけているらしい。

・ドクターストレンジ
 バットマンの正体を知る悪役。アーカムシティの所長。元精神科医でバットマンを越えるヒーローになろうとしている。

・ラーズ・アル・グール
 数百年の年月を生き続ける不死身の怪人。ラザラス・ピットという泉を使い死んだり生き返ったりを繰り返している。
 ラーズの目的は悪人を殺し、世界を浄化すること。これだけ聞くと正義の味方のようだが、彼の思想はかなりゆがんでしまっている。
 娘のタリアはバットマンの恋人だったことがある。
167バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:33:52.85 ID:PNUIY6F00
アーカム・アサイラム(精神病院)での暴動の後、ドクターストレンジの協力でゴッサム・シティの市長となった
元アーカム・アサイラム所長クインシー・シャープはゴッサムシティの中心部を犯罪者収容のための監獄都市、
「アーカム・シティ」へと改造し、アーカム・アサイラムとブラックゲート刑務所から全ての犯罪者たちを移送した。
その中には当然バットマンと何度も戦った怪人、狂人たちの姿があった。

ブルース・ウェインはこの危険な監獄都市を閉鎖し、ドクターストレンジの謎の企み「プロトコル10」を阻止するため
政治的圧力により、アーカム・シティの閉鎖を試みたが、演説の最中にストレンジの部下たちに襲撃され、自分自身が
政治犯としてアーカム・シティへと収容されることになってしまった。

アーカム・シティに入れられた直後、ペンギンがけしかけたチンピラどもを片付け、アルフレッドにバットスーツの降下を
要請し、バットマンとしてアーカム・シティで起きていることの調査を始めた。ストレンジの通信を傍受したところ、
トゥーフェイスがキャットウーマンを捕らえ、処刑しようとしていることが分かったので、裁判所でトゥーフェイスを倒し、
キャットウーマンを救出した。
その直後何者かがキャットウーマンを狙撃した。間一髪で助けることができた。バットマンは弾が打ち込まれた角度から
狙撃地点を教会の鐘楼だと特定し、犯人のもとへと向かった。

教会にはジョーカーの恋人ハーレークインがいた。彼女はジョーカーは体調が悪く、バットマンと合わせられる状態ではないと
語った後、銃を持った部下たちに後を任せて教会を去った。その後バットマンは敵を倒し、人質を救出し、教会の鐘楼へと向かった。
鐘楼にはジョーカーの姿はなく、遠隔操作を可能にする装置がつけられたスナイパーライフルだけが見つかった。
その後、ジョーカーの仕掛けた爆薬で鐘楼は爆破されるが、バットマンは間一髪で脱出に成功した。
そして遠隔操作に使われた電波を探知し、ジョーカーのアジトが製鋼所だと特定し、煙突の中から内部へと侵入した。

ジョーカーは体調が悪く治療のために医者を誘拐してきたらしかった。バットマンは誘拐された医者を救出し、ジョーカーの部下を
蹴散らし、ついにジョーカーのもとへと辿り着いた。ジョーカーは車椅子に座っていた。ハーレークインはその隣で泣きわめいていた。
バットコンピュータで分析したところジョーカーはすでに死んでいた―――――かのように見えた。
「サプラーイズ!」実は死体はフェイクで、後ろから本物のジョーカーがバットマンに襲いかかり、バットマンは意識を失った。
168バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:34:53.78 ID:PNUIY6F00
意識を取り戻すとバットマンは自分が先ほどの偽ジョーカーの死体のように車椅子に縛りつけられていたことが分かった。
ジョーカーが死に掛けているというのは嘘だったのか?いや、本物のジョーカーも自らを蝕む病に苦しんでいた。
彼の血液は汚染され、このままではそう長くない未来ジョーカーは死んでしまうだろう。
ジョーカーは解毒剤の作成をミスターフリーズに依頼したが、彼はどこかに消えてしまったらしい。そこでジョーカーは一計を案じ
数週間前からゴッサムシティ中の病院の集中治療室に自分自身の血液を送り、駄目押しにバットマンの体の中にも自分の血液を注入した。
バットマンはゴッサムシティの患者たちのため、自分のため、そしてジョーカーのためにミスターフリーズの解毒薬を探さなければいけなかった。

バットマンは「アーカムシティ一番寒い場所」である元警察署に侵入したが、そこにはフリーズの姿はなく、すでにペンギンの兵に占領された
後だった。
バットマンはペンギンの部下の一人を尋問し、フリーズは博物館でペンギンに捕らえられていることが分かった。バットマンはペンギンの仕掛けた
電波妨害装置を破壊し、セキュリティをハッキングすることで博物館に潜入した。そこでアーカム・シティに潜入していた覆面警官たちと
フリーズを救出し、フリーズの冷凍銃を持ったペンギンの攻撃をフリーズの冷凍スーツから取り出したチップを使い無力化し、ペンギンを殴り飛ばした。
その後ペンギンの罠で博物館の地下に封印されていた怪人ソロモン・グランディと戦うことになったが、エネルギー原となる電気を絶つことで倒した。

その後バットマンはペンギンを捕まえ、スーツを取り戻したフリーズに解毒剤を渡すように言った。だが、解毒剤の作成にはとある酵素が必要となることがわかった。
その酵素は「リーグ・オブ・アサシン」のリーダー、ラーズ・アル・グールの体内にあるものだった。
バットマンは博物館に捕らえられていたリーグ・オブ・アサシンのアサシンをわざと逃がし、彼女の後を追跡してラーズのもとへ向かった。
途中発信機を取り付けるためにアサシンと戦っていた時、ロビンが助太刀に来てくれた。バットマンはロビンにジョーカーの血液を分析し
ゴッサム・シティの患者たちを助けるように命令した。
169バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:35:55.69 ID:PNUIY6F00
バットマンはアサシンを追跡しアーカム・シティの地下でかつての恋人タリア・アル・グールと再会した。
彼女はラーズと会うためにはリーグ・オブ・アサシンの後継者となるための試練を受けなくてはならないと語った。
バットマンは試練をクリアし、ついにラーズとの面会を許された。ラーズはバットマンが後継者となるためにラーズを自分の手で殺せと要求した。
だがバットマンはそれを受け入れなかった。初めから後継者になるつもりはなかったのか?と憤慨するタリア。ラーズはバットマンに襲い掛かった。

バットマンはラーズの繰り出す幻惑攻撃を退けたが、ラーズは最後にタリアを人質にとり、バットマンに後継者となることを強要した。
バットマンはリモートコントロールバットラングを使い後方からラーズを攻撃し、隙をついてタリアを救出した。

その後バットマンは警察署のフリーズにラーズから抽出した血液を渡した。フリーズはすぐに解毒薬を2つ作り、片方を金庫にしまった。
フリーズはバットマンに解毒薬を渡そうとはしなかった。妻のノラがジョーカーに捕まっており、彼女を助けない限り解毒薬は渡さないという。
フリーズは手に持っていた解毒薬を握りつぶした。これで残る解毒薬は一本分だけとなった。
もはや残された時間がわずかとなったバットマンはフリーズを倒し、解毒薬を奪うことにした。バットコンピュータでフリーズのスーツの弱点を
分析し、それに合わせた戦術をとることで、フリーズを倒した。すぐに金庫を開けて解毒薬を入手しようとしたが、金庫の反対側の壁に穴が開けられ、
解毒薬はどこにもなかった。代わりにジョーカーのカードが置かれていた。
バットマンはすぐにジョーカーのもとへ向かわなくてはならなかった。フリーズはバットマンに冷凍爆弾を託した。ノラを救いジョーカーを倒せるようにと。

バットマンはすぐに製鋼所へ向かい、ジョーカーと再び相対した。ジョーカーはまだ解毒薬を受け取っていないようだった。
ジョーカーは部下たちとともにバットマンへと襲いかかった。バットマンは彼らを全員倒し、ジョーカーを追い詰めたが、不運にも天井が崩れ
バットマンは瓦礫の下敷きになった。ジョーカーはバットマンにとどめを刺そうとした。そこに現れたのはタリアだった。
彼女は不死になる方法を教える代わりにバットマンを助けるように要求する。ジョーカーはその話に乗りタリアと共に去っていった。
その後現れたキャットウーマンに瓦礫をどけてもらいなんとか動けるようになった。だが、事態は最悪の状況になっていた。

ドクターストレンジのプロトコル10がついに発動したのだ。プロトコル10とはアーカム・シティに集められた犯罪者たちに一斉に攻撃を加え
悪の芽を一掃するというものだった。
170バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:37:04.41 ID:PNUIY6F00
バットマンはヘリコプターのひとつからマスタープログラムを奪い、アーカム・シティ中心のタワーへと向かった。
厳重な警備を潜り抜け、最上部でついにストレンジと相対し、彼を倒した。彼はバットマンに語った。
「これは始まりにすぎない。私を止めることなど不可能だ。もうすぐ私は君の想像もつかないような大軍を率いることになる」
「偉大なバットマンもできなかったことを達成したのだ。ゴッサムは感謝するだろう。ヒューゴ・ストレンジに!」
そのとき、ストレンジは背中から何者かに刺された。そこにいたのはラーズ・アル・グールだった。ヒューゴ・ストレンジを影から操っていたのは彼だった。
ラーズはストレンジがリーグ・オブ・アサシンのリーダーに相応しいかテストするために、ストレンジに無限の資金を提供していた。
テストは不合格だった。ラーズは再びバットマンに跡継ぎとなりともに戦うことを求めた。

そのとき、ストレンジは残された生命で自爆装置を作動させた。タワーは爆破され、ラーズとバットマンは落下していった。
バットマンはマントのおかげで着地に成功したが、ラーズは柵に突き刺さり死亡した。司令部を失った攻撃ヘリは基地へと引き返していった。
こうしてストレンジのプロトコル10は阻止された。だが、バットマンの体は未だにジョーカーの血で蝕まれている。
直後、正面の大画面にジョーカーの姿が映った。タリアを人質にとっている。バットマンが劇場に来なければタリアを殺すという。
バットマンは劇場へと向かった。

劇場ではジョーカーがタリアに銃を突きつけていた。ジョーカーは言った。「解毒薬をよこせ!」ジョーカーはどういうわけか解毒薬を手に入れていないらしい。
次の瞬間タリアが剣でジョーカーの胴体を突き刺した。ジョーカーは死んだ。「何も殺す必要は」「あなたがやらないから代わりにやったのよ」
タリアは自分のポケットから解毒薬を取り出した。彼女はフリーズから解毒薬を盗み出したハーレークインを捕らえ、解毒薬を奪っていたのだ。
171バットマン アーカム・シティ:2012/08/13(月) 16:39:37.79 ID:PNUIY6F00
そのときバットマンは過去のことを思い返していた。アーカム・シティで始めてジョーカーと会ったときのことを。彼はバットマンを偽の死体で騙した。
そしてそのときこう口走っていた。「ジョーカーのいつもの手に引っかかったな!」

「タリア!避けろ!」
銃声が響き、タリアは崩れ落ちた。ジョーカーの死体はまたしてもフェイクだった。本物のジョーカーが後方からタリアを銃撃したのだ。
偽ジョーカーの死体は泥の塊となり、異形のモンスターとなった。それは元役者の怪物、クレイフェイスだった。彼は自分の体内にタリアが落としたワクチンを取り込んだ。

「なぜこんなところにいるんだカルロ、なぜジョーカーと契約した?」「決まっているだろう。一世一代の大役だからだ!」

バットマンはフリーズからもらった冷凍爆弾でクレイフェイスの体を凍らせ、タリアの剣で引き裂いた。そして体内から解毒薬を取り出し、
半分だけ飲んだ。その後、ジョーカーはバットマンから解毒薬を奪うために襲いかかった。そのときバットマンは腕を刺され解毒薬を落としてしまう。
解毒薬の入った容器は割れてしまった。ジョーカーの体は限界だった。彼はその場に倒れた。
バットマンはジョーカーに言った。

「面白いことを教えてやろうか。お前がどれだけの悪行を働こうと俺はお前を救う」
「そいつはなかなか……笑えるね」

ジョーカーはしばらく高笑いしたが、やがて動かなくなった。

バットマンはジョーカーの死体を抱えて劇場を出た。外で待ち構えていた悪党たちはバットマンとジョーカーの死体を見て動けなかった。
バットマンはアーカム・シティの外で待ち構えていた警官隊のパトカーの上にジョーカーの死体を横たえた。
警察官のゴードンはバットマンに尋ねた。「中で何があったんだ?」
バットマンは答えなかった。宿敵の死体を残し、バットマンは去っていった。

終わり
172パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:44:09.47 ID:zjaos2940
続きを投下します
173パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:44:50.09 ID:zjaos2940
クリスマスの夜、ピンクに呼び出された主人公は一緒にパトロールをしていた。
二人はビルの屋上から街の様子を監視し、街を巡回している和那とブラックに異変を知らせる役目である。
和那からホンフーを目撃したとの連絡が入り、ピンクはホンフーの姿を注視した。
しかしその途中、ピンクの彼氏が他の女と一緒の姿を発見し、嫉妬に駆られている間にホンフーを見失う。
その直後、瞬間移動したホンフーに背後を襲われ、ピンクは瀕死の重傷を負ってしまう。
危機を察知した和那とブラックが駆けつけるが、コピー能力に加え世界最強の殺し屋であるホンフー相手に分が悪い。
最悪な状況下に主人公はホンフーに、白瀬からもらったタイムマシンの情報が入った
メモリーチップと引き換えに見逃してくれるよう、取引きを持ちかける。
さらに主人公は、ホンフーがこれまで超能力者を増やしてきたのは
強くなることではなく、ある「超能力」をコピーするためだったのではと指摘した。
ホンフーは、普段の彼からは考えられない激情を露わにする。
時間を巻き戻す能力をコピーすれば、あの日に戻って彼女を助けられる。
今の自分なら二十五人など一瞬で殺せる。恋人を救い出せる。
――なのに、何故誰も時を操れない! 何で誰も時を巻き戻せない!
タイムマシンでは未来の人間に知られてしまう危険性がある。
そもそもタイムマシンが作られる前に歴史が書き換えられてしまう可能性もあり得る。
メモリーチップ程度では何の取引きにもならない。
ホンフーは戦う気分じゃなくなったと興を削がれ、去っていった。


年の暮れ、商店街を歩いていた主人公は久しぶりにレッドに会った。
どうもレッドの出で立ちが変身した姿のブラックとそっくりと思った主人公は
彼女の名前を出してみると、レッドは驚きの反応を見せた。
ブラックとは古い知り合いのようだ。
数日後レッドは路地裏でマーカスというジオットの関係者からジオットに関する情報を手に入れ、
その翌日、レッドは主人公にヒーローとして動かなければならなくなったと別れを告げて、商店街から姿を消した。
174パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:47:20.92 ID:zjaos2940
新年を迎え、ジャジメントがよからぬ動きを見せたりレッドが何らかの行動を起こすなか、
主人公達は再び裏山に出現した、黒い球体を対峙していた。
紗矢香は超能力で大気を凍らせ球体の動きを封じる。
もはや可能性の範疇を超えつつある紗矢香の力に戦慄しながらも主人公は魔球を投じ、球体を消失することに成功した。
ついに黒い球体を倒したと喜ぶ主人公だったが、紗矢香は浮かない顔である事実を打ち明けた。
以前シズヤから、自分が願えば敵が出てくるかもしれないと教えられていた。
これまで出現した虫の群れと黒い球体はすべて紗矢香の願いによって生まれたのだという。
シズヤは外国でゴブリンが現れたように、紗矢香が願わずとも具現化の力は日増しに強くなり、
いずれこの街にも被害が出たのかもしれないと推測する。
そしてシズヤはこの具現化の力を利用し、もし主人公達が事態の収束を願えば
具現化の根本的な原因が明らかになるかもしれない、と提案してきた。
だが、命を落としかねない危険な選択となり得る。
しかし、主人公はそんな選択に苦悩するまでもなかった。
具現化の原因も真実なんてどうでもいい。
――紗矢香を守ることが自分にとっての大事なことだ。
主人公の結論に紗矢香も同意し、シズヤもこれに満足した。
もうこれ以上危険なことをやめて、主人公は自分達の街を守ることを決意した。
175パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:48:04.31 ID:zjaos2940
世界大会の数日前、主人公は山田に母親のことを尋ねてみた。
十一年前、赤子の主人公を抱きかかえていた女性は特に目立った格好はしていなかったという。
その頃ミーナは主人公の身元を洗ったところ、母親の身分証が偽造であることが分かった。
さらに主人公をメガネ達に託したその同時期に、あるプロ野球選手が失踪していた。
ミーナは、身分を偽らざるを得ない立場にあった女性と突如姿を消したプロ野球選手との関係性を睨んだが、
「カタストロフ」の到来に備え、一旦調査を打ち切ることにした。

昼下がりのグラウンド、外藤は主人公の父親達の話のなか、高校の後輩で
彼らによく似たメガネ(亀田光夫。1・3の相棒)の話題になった途端、
改めて主人公の顔を見て、言葉を失う。
愕然とする外藤に主人公は不思議そうに見つめていたが、なんでもないと言われ練習に戻った。
しばし主人公の姿を眺め、外藤はある思いを抱いた。

主人公の顔つきが『あいつ』によく似ている。
野球に対する姿勢も『あいつ』そのままだ。


――しかし『あいつ』は、主人公の生まれるずっと前に死んでいたはずだ。
176パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:50:53.77 ID:zjaos2940
練習から帰った主人公は、居間でメガネ達が珍しく神妙な雰囲気で話し合っているのを見かけた。
何か大事な話かもしれないと思いながら自室へ向かい、寝ることにした。
翌日、主人公はメガネ達に行き先を知らされないまま車へ乗せられた。
主人公はどこへ連れていくのかと訊ねると、湯田から主人公の本当の両親が分かったと告げられる。
ある喫茶店に着くと店内にはジャジメントの日本支社長の大神博之が待っていた。
山田の高校時代の後輩で湯田のプロ時代の先輩でもある大神に主人公の両親の調査を依頼したところ、
すでに二人は死んでいることが分かった。
両親についてまとめた書類を受け取った主人公は今は野球に集中したいと
湯田に押しつけて店を飛び出した。
主人公は満天に輝く星空を見上げ、涙ぐんだ。
――自分の知らないところで死んでいたなんて。
夜空の下、主人公は顔も知らぬ両親に向けて
怒りとも悲しみとも取れる叫びを上げた。
177パワプロクンポケット14:2012/08/14(火) 00:51:39.22 ID:zjaos2940
今回はここまで
次回は諸事情で少し遅れます
178ゲーム好き名無しさん:2012/08/15(水) 12:54:37.38 ID:vYW1IHb/0
アーカムシティお疲れ様です
あれ、ジョーカー死んだのか……
179ゲーム好き名無しさん:2012/08/15(水) 13:04:34.34 ID:WJKAmrH70
>>178
ゲームのストーリーでは普通に死んだ
まぁ、死人を蘇らせる泉とかあるから
復活しない可能性もないわけじゃないけどwww
180ゲーム好き名無しさん:2012/08/15(水) 22:39:26.67 ID:z5ukk3cn0
VP 咎を背負う者のストーリーの補足としてB、C、Dエンドを投下します。
181ゲーム好き名無しさん:2012/08/15(水) 22:41:17.46 ID:z5ukk3cn0
Bエンド
仲間達と行動していくうちに心の何処かで復讐を成し遂げても何も解決しないと悟りつつも、
復讐の道から降りる事が出来ずにいるウィルフレドは流されるままにヘルが定めた契約期間が終わる間際に咎人の剣(紛い物)を完成させる。
そして、戦乙女レナスに戦いを挑むが、その途中でエインフェリアになった父と再会。
父はウィルに、選定の際に自分が余計な事をした所為で苦しめてしまった事を謝罪し、復讐の道を降りて生きるよう諭す。
父の言葉を聞いてウィルの迷いが極限まで強まり、戦意を喪失する。
だが、エーリスが姿を現し、戦乙女を倒せなかったとしてウィルを冥界に送ろうとする。
そこに父がウィルを助けようとエーリスに立ち向かうが敗北し、冥界に葬られてしまう。
結局、咎人の剣(紛い物)をエーリスに渡す事で冥界との契約は解消され、ウィルは現実と自らの罪と向かい合って生きる事になった。
その後、天界にいるオーディンとフレイによると、
今回のヘルの狙いは人間の魂で咎人の剣を作れるか否かの殆ど遊びの実験であり、ウィルが選ばれたのはヘルの気まぐれ。
そして、この事件をレナスは自らの余計な行動と力不足が招いたと考え、いたく気にしているらしい。
そこでオーディンはレナスを一時的に任務から外して休ませ、アーリィに任務を引き継がせる事にした。

Cエンド
復讐の為に女神の羽を積極的に使い、咎人の剣(紛い物)を完成させる。
そして、戦乙女レナスに戦いを挑む。
レナスは復讐の為に屍を増やしてきた彼の行動を非難し、冥界の力を捨てるよう命じるがウィルは聞く耳を持たない。
むしろ、それも元を辿れば貴様の所為だと言い出して斬りかかってきた。
戦いの末にウィルはレナスを倒したかに思えたが、そこにフレアが現れてレナスの魂を回収されてしまう。
そして、戦乙女を倒せなかったとしてエーリスによってウィルは冥界に送られる。
この事件を機にアルトリアは衰退の一途を辿り、滅亡する事になる。
天界ではレナスが人に敗れた事が話題になっていた。
選定しようとした時からは想像できない程に歪んでしまったウィルを見てレナス自身が罪の意識を持ってしまったのが原因らしい。
それを聞いたオーディンはレナスの記憶を封印する事にした。

Dエンド
ウィルフレドは復讐の為に女神の羽を積極的に使い、咎人の剣(紛い物)を完成させる。
危機感を持ったフレアは自らウィルフレドを抹殺し、咎人の剣(紛い物)を破壊する。
182VP 咎を背負う者:2012/08/15(水) 22:45:25.67 ID:z5ukk3cn0
以上です。
正史はCエンドになります。
補足するべき点がありましたら、補足をお願いします。
183ゲーム好き名無しさん:2012/08/16(木) 08:10:48.49 ID:MbC79ae80

正史がCとか、なんて救いのない話なんだ…
184ゲーム好き名無しさん:2012/08/16(木) 15:48:41.03 ID:3a1uOHAC0
VP咎乙
フレアって誰かと思ったがフレイかフレイヤの誤字?
185『AGAIN FBI超心理捜査官』:2012/08/16(木) 23:21:53.79 ID:0//7UHbk0
DSのアドベンチャーゲーム『AGAIN FBI超心理捜査官』行きます。
大まかな流れしか覚えてないので2レスでサクっと。

FBIに所属する主人公は、
アメリカで19年前に起きた未解決の連続殺人事件『プロヴィデンス事件』の再調査を命令された。
この事件の概要は、立て続けに人が殺され、その全ての犯行現場にプロヴィデンスの目(1ドル札等に書かれた目)が
切り取られて置かれていた事から話題になったが、犯人に結びつく証拠は出ずに迷宮入りしたというもの。
最近発生した連続殺人事件の現場にもプロヴィデンスの目が置かれていたので、その事件との関連性を考慮し
19年前の殺人事件を調べることで今回の事件の手がかりも掴もうという狙いがあるようだ。

主人公はこの事件に使命感を燃やしていた。
というのも、主人公の父親も以前プロヴィデンス事件を調査しており、
しかも、そのせいかは分からないが家族が住んでいた家が放火され両親は死に、弟も行方不明になっていたのだ。

捜査を始めた主人公に、いきなり奇妙な出来事が起こった。
事件現場に入ると、現在の目の前の状況と、事件当時の過去の状況を同時に『見る』事ができるようになった。
しかも、現在の場所の状況を、物を動かしたり、既に修理された場所を壊したりして事件当時の状況と同じにすると、
殺人の瞬間を『目撃』する事もできるのだ。
どうしてこんな能力が手に入ったのかは分からないが、とりあえずこの能力を活かして捜査をすることにした。


この能力で最初の殺人事件の犯行を『目撃』した主人公は、なんとその犯人が2番目の被害者だと知る。
捜査を進めていくと以後も同様に、2番目の被害者を殺したのは3番目の被害者、3番目を殺したのは4番目の被害者、
といった風に、殺した者が後に殺されるという奇妙な事になっていたと知る。

それと平行して、大学時代の後輩である新聞記者から、
プロヴィデンス事件のさらに十数年前に強盗事件があり、犯人グループによって警官が一人殺されていた事を知る。
プロヴィデンス事件と強盗事件の関係性を調べると、プロヴィデンス事件の被害者4人が強盗犯であることと、
殺された警官は実はその4人を裏で操っていたが分け前を巡るトラブルで殺された事が分かった。
そしてその警官は、主人公の大学時代の恩師である教授の、父親だったのだ。

結論から言うと、その教授が19年前のプロヴィデンス事件の真犯人だった。
父が死んでから施設送りにされて悲惨な子供時代を過ごした事と、
父が強盗犯たちのボスだったと知らなかった事から強盗犯たち4人を激しく憎んでいたのだ。
心理学に長けた教授は、強盗犯の4人へいくつかのメッセージを書いた手紙や物などを送ることで
強盗と殺人の罪の発覚を恐れる4人の恐怖心を刺激して思考を巧みに操り、殺し合わせる事で父の敵を取ろうとしたのだ。
現場に残されたプロヴィデンスの目もそのための仕掛けの一つ。
1ドル札、つまりお金を意味するプロヴィデンスの目は元強盗犯の精神に強力に働きかけると考え、
元強盗犯たちに直接送りつけたり、殺人現場に残るようにして残った強盗犯達への揺さぶりとしたのだ。
そして主人公の家に放火をして両親を殺害したのも教授の仕業。
プロヴィデンス事件の真相に近づいたからと父親を家族ごと殺したのだ。
教授いわく、
「悲惨な子供時代を過ごした者は心が壊れるとお前に教えたことがあったが、その通りに私の心は壊れた」
捜査員までも手にかけるのはそういった理由があるのかも知れない。
186『AGAIN FBI超心理捜査官:2012/08/16(木) 23:22:25.04 ID:0//7UHbk0
ちなみに今回のプロヴィデンス事件再調査のきっかけになった現在の連続殺人事件の犯人は、なんと主人公の上司。
上司の親が当時のプロヴィデンス事件の捜査に加わったが成果を上げられずそれがきっかけで信用を失ったことで
プロヴィデンス事件に対して狂気じみた執念を持ち、
癌で余命僅かな事もあり、生きてる間に事件を解決させるためだけに同様の事件を起こして犯人を炙り出そうとしたのだ。
結局、その上司は癌によってとうとう事件解決前に病死してしまった。

最終的に主人公に追い詰められた教授は拳銃で自殺しようとする前に、
自身が死んだ後で、複数の人間にプロヴィデンス事件の時同様に手紙や物をいくつか届くようにしてあり、
送られた人間がそれらの中身を見る事でプロヴィデンス事件の偽りの事実が世間に広められ、
主人公の言うことは誰にも信じてもらえなくなると語った。
信じがたい話だが、実際に4人の強盗犯に殺し合いをさせることに成功した教授の手腕なら本当にできるのだろう。
「私は死ぬが、プロヴィデンス事件の真相を暴いた英雄として名が残るなら本望だ」
そう言ってこめかみに銃口をあて引き金を引こうとするが、主人公の相棒がその拳銃を撃ち飛ばし、無事に教授を確保した。

こうして、現在の連続殺人・プロヴィデンス事件・40年近く前の強盗事件の3つの事件が解決したわけだが、
主人公にはまだ調べる事があった。住んでいた家の放火についての真実と、弟がどうなったかを調べる事だ。
今となっては瓦礫の山となった家の跡地で過去視の能力を使って調査していくと、
教授の手によって放火された事と、弟は家が完全に焼け崩れる前に教授の手によって家から連れ出されていた事が分かった。

弟があの事件では死なず、今もまだ生きているかも知れないと安堵した主人公は、
捜査に協力してくれた市警の警部や新聞記者の後輩、そして相棒と共にバーで楽しく飲んでいた。
弟の事は気がかりだが、長年の心のつかえが消えた事を実感しながら楽しいひと時を過ごす。
そしてバーから出て帰宅する途中で携帯電話が鳴ったので主人公は電話に出た。
「やあ、兄さん。プロヴィデンスの目の活動はまだまだ止まらないよ」
「なんだって?…もしもし、もしもし!?」
心が壊れた犯罪者である教授に育てられたのだ、弟もまた…

END

以上です。ちなみに、主人公が過去視の能力を得た理由などは最後まで明かされません。
187ゲーム好き名無しさん:2012/08/17(金) 00:02:59.87 ID:XHE9DLxc0
>>184
フレイの誤字です。
すいません。
Wikiには誤字を修正して反映して下さると嬉しいです。
188ゲーム好き名無しさん:2012/08/17(金) 01:49:33.45 ID:4o/Fnmuq0
>>185-186
乙。

なんだっけ?
宮部みゆきの小説思い出した。
189シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:33:34.02 ID:gDcJBiDP0
続きが書かれていないようなので書いてみます。以前からストーリーを書きたくて、数か月前にソフトを入手できたので。

補足:ステージ2cのLETHAL HIGHWAYのヒーローミッションは時間制限があり、ゴールまで行き着いてしまうと失敗。
ソニックが「オレはアイツらを追いかけるぜ! じゃあな!」と言い、去ってしまう。
また、このステージをクリアした後、ブラックブルと戦う事になる。
「カオスエメラルドを渡してもらおう」とドゥームズアイに言い放つシャドウ。
逆らうつもりも、従うつもりもなく、自分自身の答えを見つける為に集めるだけなのだ。
それを聞いたドゥームズアイはブラックブルを召喚し、ソニックは「ようやくマシな遊び相手が出てきた」とやる気満々だ。
弱点を攻撃して倒し、カオスエメラルドを手に入れたのであった。


ステージ3a CRYPTIC CASTLE
シャドウが辿り着いた先は古城であった。どうもエッグマンが改造した所らしい。
エッグマンを見かけ、「ドクターなら何かを知っている」と思い、古城を探索する事になる。
進んでいく途中でエミーからクリームとチーズを探すように頼まれたり、エッグマンに城の防衛を頼まれたり。
既にブラックドゥームの手先もあちこちにおり、オバケも勝手に住み着いているんだとか。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:ステージ内にいるクリームとチーズを探す→ステージ4c SKY TROOPSへ
ノーマル:不思議な古城から脱出する→ステージ4b THE DOOMへ
ダーク:ステージ内にある5つの巨大ランタンに火をつける→ステージ4a CENTRAL CITYへ

このステージをクリアすると、エッグブレイカーと戦う事になる。
カオスエメラルドを前にシャドウは「ドクターと争うつもりはない」と言う。
だが、エッグマンは「カオスエメラルドはみんなワシの物」と言う。
仕方がないので戦って倒し(この時エミーも加勢する)、カオスエメラルドを手に入れたのであった。
190シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:34:43.67 ID:gDcJBiDP0
ステージ3b PRISON ISLAND
シャドウは見覚えのある場所に辿り着いた。そう、ここはかつて自分が封印されていた島・プリズンアイランドなのだ。
ここでもGUNとブラックアームズが戦っており、毒が含まれている川も流れている。
チャーミーと出会ったり、ドゥームズアイに命令されたり。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:政府の極秘ディスクを5つ探す→ステージ4d MAD MATRIXへ
ノーマル:カオスエメラルドを手に入れる→ステージ4c SKY TROOPSへ
ダーク:GUNのメカを倒す→ステージ4b THE DOOMへ


ステージ3c CIRCUS PARK
シャドウが辿り着いた先は、エッグマンが世界中のリングを集めて建設したテーマパークだった。
ふと上空を見てみると、トルネード号に乗ったテイルスが墜落中。そこにカオスエメラルドもある。
カオスエメラルドを手に入れる為、シャドウは行くのであった。
テイルスはエッグマンからリングを取り戻そうとしており、エッグマンはGUNが自分のテーマパークを取り壊そうとしているらしい。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:400枚以上リングを集める→ステージ4e DEATH RUINSへ
ノーマル:カオスエメラルドを手に入れる→ステージ4d MAD MATRIXへ
ダーク:GUNのメカを倒す→ステージ4c SKY TROOPSへ
191シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:36:18.98 ID:gDcJBiDP0
ステージ4a CENTRAL CITY
大統領は秘書からの連絡を聞いて驚く。黒い奴らが沈黙したと思ったら、いつの間にかセントラルシティが包囲されていたのだ。
既にセントラルシティにはブラックアームズによってたくさんの爆弾が仕掛けられており、このままでは壊滅してしまう運命にあった。
ナックルズやGUNが一生懸命に小型爆弾の処理をしている中、ブラックアームズが邪魔をする。
その頃、シャドウはブラックドゥームから過去を聞かされる。忌々しい人間共によって記憶を消されたのだと。人類に復讐する為に生まれてきたのだと。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:小型爆弾を20個回収する→ステージ5b AIR FLEETへ
ダーク:都市殲滅爆弾と呼ばれる巨大な爆弾を5つ起爆させる→ステージ5a THE ARKへ

ちなみに制限時間があり、時間切れになると「うわー、もうダメだー!」とナックルズのセリフが入って1ミス(初回のみ?)
恐らく爆弾が爆発して都市が壊滅したのだろう。それと同時に巨大爆弾も消滅するらしい(ドゥームズ・アイのセリフより)。


ステージ4b THE DOOM
草原を歩いているシャドウは悩む。自分自身の過去に一体何があったのかを。
そこへブラックドゥームが現れ、50年前の過去を見せられる。
それは軍がアーク制圧を実行した日のアーク内部であり、シャドウとマリアはひたすら逃げ続けていた。
「人間とはいかに愚かな生き物」と唱えるブラックドゥーム。シャドウはどんな気持ちを抱いたのだろうか。
過去の中でマリアは研究員を放っておけないと言い出し、ドゥームズ・アイはGUNを始末しろと命令する。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:10人の研究員にヒールユニットを与える→ステージ5c IRON JUNGLEへ
ノーマル:GUNの侵略から逃げ切る→ステージ5b AIR FLEETへ
ダーク:GUNの兵隊・メカを倒す→ステージ5a THE ARKへ

このステージをクリアすると、ヘビードッグと戦う事になる。
逃げようとするシャドウとマリアの前に立ちはだかるGUNのヘビードッグ。
シャドウは「マリアを傷付ける者は容赦しない」と決意し、撃墜したのであった。
192シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:37:53.21 ID:gDcJBiDP0
ステージ4c SKY TROOPS
その頃、エッグマンはブラックアームズの侵略をモニターで見ていた。
「これでは征服できる場所がなくなってしまう」と言い出し、エッグマン艦隊を出撃させたのであった。
一方ブラックドゥームとシャドウは、2000年ほど前に送り込んだ飛行神殿に乗っていた。
そこへやって来たエッグマン艦隊にシャドウは動揺する。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:動力源である5つの宝玉を破壊する→ステージ5d SPACE GADGETへ
ノーマル:エッグマンの艦隊を目指す→ステージ5c IRON JUNGLE へ
ダーク:エッグマン艦隊を5艦破壊する→ステージ5b AIR FLEETへ


ステージ4d MAD MATRIX
ベクターはエスピオにコンピューターの事を任せていた。しかしエスピオは機械仕事が苦手であり、うまくいかない。
チャーミーもやろうとするが、止められる。と、そこへシャドウがやって来た。
どちらもエッグマンの情報が目的なので意見が一致し、シャドウは機械を叩いてコンピューターを起動させる。
瞬く間にエッグマンの電子世界へ入っていくシャドウ。エスピオも続いて入っていった。
何故かドゥームズアイもおり、「回路上にある爆弾を起爆させろ」と命令してきた。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:4つの端末にアクセスする→ステージ5e LOST IMPACTへ
ノーマル:電子世界から脱出する→ステージ5d SPACE GADGETへ
ダーク:回路上にある30個の爆弾を起爆させる→ステージ5c IRON JUNGLEへ

このステージをクリアすると、エッグブレイカーと戦う事になる。
侵入がバレたシャドウとエスピオ。シャドウはエッグマンに自身の記憶を問うが、エッグマンは「貴様が取り戻す過去なんて何もない」と言う。
動揺するシャドウに対し、エスピオは「所詮お主を欺く為の戯言」と言った。
遠距離攻撃などに苦戦しつつも、倒して電子世界から脱出したのであった。


ステージ4e DEATH RUINS
GUNは黒の軍団を密林地帯に追い込む事に成功し、それを司令官に報告する。
密林地帯の中に黒いハリネズミもいる事が判明し、司令官は始末を命令した。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:ブラックアームズを倒す→ステージ5e LOST IMPACTへ
ダーク:森から脱出する→ステージ5d SPACE GADGETへ

このステージをクリアすると、ブラックブルと戦う事になる。
苦戦しているドゥームズアイに対し、挑発気味な言葉を言うシャドウ。
しかし、ドゥームズアイは余裕を見せ(これにはルージュもビックリ)、ブラックブルを召喚する。
レールの上に乗って弱点を攻撃し、倒したのであった。
193シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:39:59.82 ID:gDcJBiDP0
ステージ5a THE ARK
シャドウとブラックドゥームはスペースコロニー・アークへとやって来た。
星を穿つ威力のあるエクリプスキャノンを100%の威力で発射するには、7つのカオスエメラルドが必要だという。
GUNのメカの攻撃をかいくぐりながら、シャドウはアークへと侵入する事になった。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ノーマル:アークに侵入する→ステージ6b BLACK COMETへ
ダーク:アークの防御装置を4つ破壊する→ステージ6a GUN FORTRESSへ

このステージをクリアすると、ブルーファルコンと戦う事になる。間違っても某マシンではない。
侵入してきたシャドウを追い払おうとするが、頑張りも空しく破壊されてしまうのであった。


ステージ5b AIR FLEET
大統領の元に司令官とGUNの兵士2人が来た。脱出艇の準備が整ったとの事。
大統領は自身の力の無さを責めるも、司令官は「復興の事をお考え下さい」と言った。
司令官以外がが去った後、司令官は写真を見て「必ずや血祭りに上げてみせる」と言ったのであった。
脱出艇を見ているブラックドゥームは、シャドウに「あれを破壊せよ」と命令した。
空中要塞ではブラックアームズがGUN要塞へと避難する大統領を狙っており、GUNのメカも応戦している。
テイルスもブラックアームズを倒す為に戦っている真っ最中だ。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:ブラックアームズを倒す→ステージ6c LAVA SHELTERへ
ノーマル:カオスエメラルドを手に入れる→ステージ6b BLACK COMETへ
ダーク:大統領の乗っている脱出艇を破壊する→ステージ6a GUN FORTRESSへ

尚、ダークミッションは時間制限があり、ゴールまで行き着いてしまうと失敗となる。
そうなると「やはり貴様に任せるべきではなかった」という、ドゥームズ・アイのお叱りを受ける羽目になる。
194シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:41:22.68 ID:gDcJBiDP0
ステージ5c IRON JUNGLE
シャドウはジャングルの奥深くにある、エッグマンの基地の一つに辿り着いた。
そこで見た物は自分とそっくりのアンドロイド達であり、シャドウは自分自身をアンドロイドだと疑い始める。
エッグマンがシャドウ・アンドロイド達に「GUNのメカを始末せよ」と命令する中、オメガがエッグマンのメカを排除している。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:エッグマンが乗っている飛行船「エッグバルーン」を破壊する→ステージ6d COSMIC FALLへ
ノーマル:エッグマンの基地の入り口を目指す→ステージ6c LAVA SHELTERへ
ダーク:GUNのメカを倒す→ステージ6b BLACK COMETへ

このステージをクリアすると、エッグブレイカーと戦う事になる。
シャドウはエッグマンに「僕はアンドロイドなのか」と問い、エッグマンは「その通りじゃ」と言ってきた。
これを聞いてシャドウは動揺するが、オメガは「騙サレルナ」と助言する。
高台にいるエッグブレイカーを攻撃して同じ足場へと引きずり出し、どうにか倒したのであった。


ステージ5d SPACE GADGET
シャドウはジャングルの奥深くにある、エッグマンの基地の一つに辿り着いた。
と、そこへ乗り物に乗ったソニックがやって来て、「一緒にアークに来ないか」と言ってきた。
アークに行けば記憶の手がかりをつかめるかもしれないと考えたシャドウは、アークに向かう事に。
そしてアークの内部および周辺の宇宙空間で、ソニックとの競争が始まった(ソニアド2の時の再現)。
ここでシャドウが取れる行動は3通り。
ヒーロー:ソニックより早くカオスエメラルドを目指す→ステージ6e FINAL HAUNTへ
ノーマル:カオスエメラルドを目指す(ヒーローミッションを失敗させないとダメ)→ステージ6d COSMIC FALLへ
ダーク:防御装置を6つ破壊する→ステージ6c LAVA SHELTERへ

尚、ヒーローミッションを失敗すると、ソニックが「カオスエメラルドに到着!」と言う。
姿がどこにも見当たらない事に突っ込んではいけない。


ステージ5e LOST IMPACT
シャドウはジャングルの奥深くにある、エッグマンの基地の一つに辿り着いた。
と、そこへ乗り物に乗ったソニックがやって来て、「一緒にアークに来ないか」と言ってきた。
アークに行けば記憶の手がかりをつかめるかもしれないと考えたシャドウは、アークに向かう事に。
船内でシャドウはガラスを壊してその中に置かれてあったカオスエメラルドを手に入れるが、同時に警報が鳴る。
そして舞台は50年前のアークになり、マリアがシャドウに助けを求めてきた。
その日はアークでジェラルドの生み出した人工カオスが暴走した、惨劇の始まりの日でもあった。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:人工カオスを倒す→ステージ6e FINAL HAUNTへ
ノーマル:ジェラルドの研究室を目指す→ステージ6d COSMIC FALLへ

尚、このステージはシャドウの記憶内となっている。余談だが、ジェラルドの研究室の位置が分かりにくい。
195シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:54:53.03 ID:gDcJBiDP0
ステージ6a GUN FORTRESS
(THE ARKのダークミッションクリア時のみ)ブラックドゥームは人類に宣言する。
もうすぐこの星はブラックアームズの手に落ちるという事を。
まずは邪魔な指導者である大統領から消えてもらう、という事でエクリプスキャノンを使い、セントラルシティが壊滅した。

(共通)GUNのおかげでどうにか脱出でき、巨大要塞に到着した大統領は街の皆を心配する。
司令官曰く、全員が避難したので大丈夫だとの事。と、そこへGUNの1人が報告に来た。
黒の軍団がこちらに攻めてきており、指導者はなんとシャドウだという。絶望する大統領、怒りを露わにする司令官。
司令官はまだ未完成であるディアブロンを出撃させ、自ら搭乗した。
侵略してきたブラックアームズとGUNが交戦する中、ルージュはカオスエメラルドを護る任務をやっているようだ。
どうもブラックアームズの狙いはカオスエメラルドらしい。果たして地球は、人類はどうなってしまうのだろうか。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:カオスエメラルドを目指す→ブラックドゥームと戦う
ダーク:要塞の心臓部ともいえる3つのマザーコンピュータを破壊する→ソニック&ディアブロンと戦う

ヒーロークリア時:シャドウは「自らの手で真実を探す」という方針を元にブラックドゥームを裏切った。
そこへ「主を裏切った」としてシャドウを始末しようとブラックドゥームが襲いかかる。
ダーククリア時:「邪魔だ、そこをどけ」 シャドウは人類を裁こうとし、ソニックとGUNの司令官がそれを阻止しようと戦う。
司令官は家族、そしてマリアの恨みを晴らそうとし、ソニックはシャドウにこれ以上好きにはさせない。そんな感じである。


ステージ6b BLACK COMET
5つのカオスエメラルドが集まった。しかし、後2つで本当に答えが見つかるのだろうか。
そこへブラックドゥームから連絡が入った。どうもアジトに侵入者が入り込んだらしい。
命令の元、ブラック彗星へシャドウは行く事になったのだが……。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:彗星の中心部へ辿り着く→エッグディーラー
ダーク:GUNのメカを全て倒す→ソニック&ディアブロン

ヒーロークリア時:エッグマンが現れ、「6つのエメラルドを渡してもらおう」と言ってきた。
シャドウは当然断り(真実を探す唯一の手がかりなので)、戦いが始まった。なんだかオーソドックスな展開である。
しかもナックルズはエッグマンのメカを見て「な、なんだありゃ!?」と思わず叫んだ。そりゃそうだ。
ダーククリア時:ほとんどGUN FORTRESSのダーククリア時と同じ。ソニックとGUNの司令官がブラック彗星に侵入していたくらい。
196シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:57:17.59 ID:gDcJBiDP0
ステージ6c LAVA SHELTER
シャドウは不敵な笑いを浮かべながら思い出した。
かつての究極のハリネズミ、シャドウ・ザ・ヘッジホッグは死んだという事実。そして自分はエッグマンによって造り出されたアンドロイドだと。
向かうべき場所はただ1つ、エッグマンの基地。下らん兵器を作った事を、あの世で後悔させる為に。
そこではオメガがエッグマンの捜索をしており、一方のエッグマンはGUNの侵入対策をしているらしい。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:基地の中心部を目指す→エッグディーラー
ダーク:5つの溶岩防御装置を起動させる→エッグディーラー

ヒーロークリア時:シャドウとオメガが派手に暴れまわったおかげでエッグマンはかんかん。
「ロボットの分際でこのワシで敵うと思っとるのか?」と言うエッグマンに対し、最強を証明しようとするオメガ。
シャドウもオメガと共にエッグマンをあの世に葬る事を改めて決意し、戦いが始まった。
ダーククリア時:エッグマンはシャドウを誉めたが、「エメラルドを渡してもらおうかの」と言ってきた。
当然シャドウは断った。エッグマンをつぶす為に集めてきたのだから。こうして戦いが始まった。
……いつの間にかオメガもその場にいるが。


ステージ6d COSMIC FALL
シャドウはアークに辿り着いたが、自分の記憶とエッグマン、ブラックドゥームの言動が矛盾しており、悩む。
そして待ち伏せしていたGUNの司令官に「お前のせいでアークの皆は死んだ」 と言われ、
シャドウは「もしそれが真実であるならば、その罪を償おう。しかし、今は真実を探す時間をくれ」と静かに言った。
その言い分に戸惑ったGUNの司令官は、力をなくしたかのようにその場にへたれこんだ。
ブラックアームズによって崩壊していくアークを突き進む中、シャドウが歩む運命とは。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:コンピュータールームに辿り着く→ブラックドゥーム
ダーク:カオスエメラルドを手に入れる→ エッグディーラー

ちなみに時間制限がある。

ヒーロークリア時:ブラックドゥームが現れ、シャドウは問う。自分は本当に、キサマとプロフェッサーの邪念によって生み出されたのかどうかを。
実際その通りだとブラックドゥームが言った為、シャドウは改めて罪を償う事を決意……これにはベクターも心配した。
ブラックドゥームは「愚かな人間どもに洗脳された」として、シャドウをあの世へ送ろうと襲いかかる。
ダーククリア時:エッグマンが突然現れ、「カオスエメラルドを渡してもらおう」と言い出した。
シャドウはジェラルドが生み出した忘れ形見であり、エメラルドさえ渡せば命は見逃してくれるという。
しかし、シャドウは自分のせいで犠牲となったアークの人たちの為に真実を探さなければならない。
こうして戦いが始まった。何故かベクターも加勢しているが。
197シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/17(金) 20:58:06.90 ID:gDcJBiDP0
ステージ6e FINAL HAUNT
「みんなの願いを、叶えてあげて……」マリアとの別れを思い出したシャドウ。思いにふけっている内に何かが飛来する。
ソニックによると、これは50年に1度、この星に急接近するというブラック彗星らしい。
シャドウはブラックアームズの気配を感じ、ソニックと共にそこへ行くのであった。
ここでシャドウが取れる行動は2通り。
ヒーロー:ブラックドゥームのもとへ辿り着く→ブラックドゥーム
ダーク:4つのシールドスイッチを作動させる→ソニック&ディアブロン

ヒーロークリア時:シャドウはマリアの願いを叶える為、ソニックと共にブラックドゥームへ挑む。
ダーククリア時:ソニックは「何故黒い奴らの味方をする」とシャドウに問うが、シャドウはただソニックが気にくわないだけであった。
今ここに2匹のハリネズミの音速対決が幕を開けた(その都合上、GUNの司令官が空気状態)。


エンディング
ステージ6a GUN FORTRESS ダーク:愚かな人類を裁く為にやって来た天よりの使者となり、悪い世界を滅亡へと導く事を決意する。
ステージ6a GUN FORTRESS ヒーロー:万物の上に立つ究極生命体となり、全世界を制す事を決意する。

ステージ6b BLACK COMET ダーク:ブラックドゥームに選ばれし最強の戦士となり、彼らと共にこの世界を暗黒に染める事を決意する。
ステージ6b BLACK COMET ヒーロー:己のみを信じ、己の為に生き、誰にも従わない事を決意する。
「さらばだ、ドクター。」「ぬおおおおお!!」

ステージ6c LAVA SHELTER ダーク:アンドロイドとして、オリジナルを超える事を決意する。
「さらばだ、ドクター。」「ぬおおおおお!!」
ステージ6c LAVA SHELTER ヒーロー:アンドロイドとして、オメガと共にロボット帝国を築き上げる事を決意する。
「さらばだ、ドクター。」「ぬおおおおお!!」

ステージ6d COSMIC FALL ダーク:アークと共に生きる事を決め、エッグマンに「即刻その地から立ち去れ!!」と命令する。
ステージ6d COSMIC FALL ヒーロー:過ちによって生まれた危険分子であり、この世にいてはならない存在と思い込み、どこかへ立ち去ろうとする。
ベクターが止めようとするも、無視してどこかへ行ってしまった。そんな鬱エンド。

ステージ6e FINAL HAUNT ダーク:ソニックといい勝負を繰り広げ、無二のハリネズミとなる。
ステージ6e FINAL HAUNT ヒーロー:この星を守る者として悪を裁く事を決意する。

ラストエピソード等については明日書き込みます。とりあえず、今日はここまで。
198ゲーム好き名無しさん:2012/08/18(土) 15:41:29.36 ID:714PXGRlO
書き手さん乙です
ロンパ2さんは構想中かしら?
199ゲーム好き名無しさん:2012/08/18(土) 19:43:38.17 ID:bbtoqjy00
催促イクナイ
とりあえずFF7のミニゲーム遊園地に出てきた奴みたいなスノボレースで詰まってない事を祈りつつ
粛々と待とう


あれ落下有りアクション苦手がやると最後詰むわマジで…
200シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/18(土) 21:27:28.77 ID:HjuhQcoD0
ラストエピソード
全てのエンディングを見ると出現する。真のエンディングにして様々な真相が明かされる。

ステージ開始まで:新聞が風で飛ばされている。記事の内容は『50年に1度のブラック彗星! いよいよ今夜大接近!!』というものであった。
その頃、ブラック彗星でついに全てのカオスエメラルドを手に入れたシャドウ。
そこへブラックドゥームが現れ、カオスエメラルドを渡すようにと言われるが、同時にソニック達もやって来る。
一体どちらにカオスエメラルドを渡せば良いのか。そんな中、ブラックドゥームがこんな事を語った。
この星の人類は競い合いで滅亡へと向かおうとしており、ブラックアームズが支配する事によって真の繁栄がもたらされると。
そして、人類はエネルギー供給の目的でブラックアームズの家畜として生きるという事を。
これに一同は困惑し、その隙にブラックアームズがカオスエメラルドを奪い、儀式を始めてしまう。
カオスコントロールでブラック彗星は瞬時に地上へとワープした。その計画に協力してくれたのがなんとジェラルドだという。
ジェラルドはブラックアームズの優れた生命力と引き換えに、50年後、7つのカオスエメラルドを差し出すことを約束した。
その取り引きによって誕生したのがシャドウだという。その事実が判明し、シャドウは絶望した。
ナックルズはブラックドゥームをぶっつぶそうとするが、突然体が動かなくなってしまう。もちろん、ソニック達もだ。
どうも彗星から放出されるガスが地球の大気と接触して化学反応を起こし、猛毒ガスとなって神経細胞を麻痺させるようだ。
シャドウは様々な出来事を頭に思い浮かべながら決心した。ブラックアームズの幼体を踏み潰しながら(ブラックアームズの血を引いている為、シャドウには猛毒ガスが効かない)。
一切の過去を捨て、誰の為でもなく何に囚われるでもない。自らの意思でブラックアームズを消すと。それが答えだ。
ブラックアームズは面白がり、「その実力を見せてもらおう」と言い、彗星の奥へ姿を消した。
すぐさま追いかけるシャドウ。その場には動けなくなっているソニック達が残った。
201シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/18(土) 21:28:03.23 ID:HjuhQcoD0
THE LAST WAYクリア後:シャドウはブラックドゥームの言い分を戯言と切り捨てて近付くが、脳をコントロールをされてしまう。
ブラックドゥームにとって、同じ血を引いているシャドウの脳をコントロールする事など容易く、シャドウは動けなくなってしまった。
その頃、アークにはカオティクスがおり、またエスピオが機械仕事をしていた。
相変わらず動かない機械を前にチャーミーが体当たりをした所、なんと動いた。内容はジェラルドの残したメッセージであった。
それはブラック彗星やGUNの基地など様々な場所へと届き……(これにはブラックドゥームも予想外だったようで困惑した)。

ブラック彗星奥地 『我が息子、シャドウよ…いつかお前に、この声が届くことを信じ、真実を語ろう。
この研究所は政府の手によって封鎖されるであろう…』

GUNの基地 『研究資料はもちろん、ワシや研究所の仲間たちも、幽閉されてしまうやもしれん。
ワシが犯してしまった過ちによって…あの彗星の悪魔と、接触してしまったばっかりに…』
司令官「ジェラルド……?」(尚、この時は大統領も司令官と一緒にいる)
『だが、聞いてくれ…』

ブラック彗星(ソニック達がいる場所) 『奴らは50年後、間違いなく再びこの星を訪れる…この星を我が物とするために!
奴らの脅威に抵抗するためには、奴らの力を利用するしかなかったのじゃ…』
エッグマン「んな! そういうことか!」

ブラック彗星奥地 『シャドウ、お前の体には、唯一奴らに抵抗できる能力が宿っておる。
奴らの彗星を砕くための光学兵器、エクリプスキャノンも容易した…。
お前らはワシら人類におっての希望の光として生まれたのじゃ。この星の未来を、頼む…』
マリア『大丈夫よ、おじいさま。あの星は、私とシャドウが守るから。ね、シャドウ?』
ここでメッセージが途切れ、シャドウはマインドコントロールを克服した。
これがシャドウの真実。何も探す必要なんてなかったのだ。最後にジェラルドの思いを果たし、過去と決別する事を決意した。
これに対しブラックドゥームは「そんなに消したければ過去も未来も消してやろう」と言い、カオスエメラルドを残してどこかへと姿を消した。
シャドウは7つのカオスエメラルドの力でスーパー化を果たし、最後の戦いへと赴くのであった。
真の力と姿を示したブラックドゥーム、いや、デビルドゥームとの壮絶な戦い。
エッグマン達はなんとか彗星からの脱出に成功したらしく、応援とアドバイスを送る。
その中でもデビルドゥームは「絶対的な力による秩序」を主張している。
時間が経つ内にエッグマン達が避難した場所にも彗星のガスが襲ってきて、また体が動かなくなってしまった。
そんな中、エッグマンは全てを語る。エッグマンがシャドウを作ったというのは全て作り話であった。
ソニアド2のラストの時に、メカにシャドウ救出を命令し、それでシャドウは一命をとりとめたという。
後遺症で記憶こそ消えてしまったが、シャドウは正真正銘の、ジェラルドが生み出した究極生命体であると。
長期戦が続いた中、ついにシャドウはデビルドゥームの撃破に成功したのであった。
202シャドウ・ザ・ヘッジホッグ:2012/08/18(土) 21:29:20.24 ID:HjuhQcoD0
デビルドゥーム撃破後:シャドウはカオスコントロールでブラック彗星を宇宙へと瞬間移動させた。
ブラック彗星はエクリプスキャノンの力で粉々になり、脅威は去ったのだ。
ソニックサイドではエッグマンが「カオスエメラルドを返してもらおうかの」と言ったせいでナックルズに追われる羽目になり、笑いが溢れた。
その頃、GUNの基地では歓声が上がる中、大統領が司令官の肩に手を置いた。
「皮肉なものだな。我々人類が犯した過ちによって、最も苦しめられた彼に…人類が救われるとは。
彼とアークの犠牲者達に償うためにも、過ちのない未来を築いてゆこうではないか。協力してくれるね?」
「はいっ もちろんです、閣下!」
そして、アーク内部ではシャドウがただ1匹佇んでいた。
「アディオス、シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」と呟き、マリアとジェラルドの写真をその手から放し、アークを去っていった……。
さよなら、昔の自分。過去との決別と共に、この物語は幕を閉じた。


おまけ(ハードモード編)
どうもハードモードは試練らしく、シャドウはそれに挑戦しているという設定。各キャラがアドバイスをしてくれる。
クリームからはお礼を言われ、チーズからは「シャドウさんがんばって(翻訳)」と言われた。
オメガはルージュから「あんた、エッグマンを倒す以外にやるコトないんでしょ」と言われ、「ウッ……」と戸惑った。
カオティクスサイドではベクターがチャーミーのプリンを勝手に食べた事が発覚し、チャーミーにぼこぼこにされた。
大統領は街の復興に忙しいらしいが、秘書から「ゴルフの時間です」やら「カラオケの時間です」やら告げられている……。
GUNの司令官はシャドウに「申し訳ない」と謝る。初孫が生まれ、ぜひシャドウに見せたいと言う。
人工カオス暴走の原因は、ジェラルドがプラス極とマイナス極を間違えたからである。
そして最後のステージでは全員がシャドウを応援する。まさか大統領の秘書まで応援するとは誰もが思ってもいなかっただろう。
最後はマリアの言葉で締めくくられる辺り、スタッフはよく考えていらっしゃる。

とにかく、ストーリーはこれで終わりです。個人的には色んな意味で心に響いた作品でした。
203THE 裁判員〜1つの真実、6つの答え〜:2012/08/20(月) 00:56:53.85 ID:s2BuPBnU0
かつて自分を殺した少年、勝呂真(すぐろまこと)
その相手が裁判員として誠司と共に裁判へ参加し
しかも誠司が憑依している人物にとても懐いている。
その様子を見る限り、影は薄いが大人しい少年にしか見えず
自分が死の間際に垣間見た、昏く冷たい眼とのギャップに戸惑う誠司
しかし、勝呂の話を聞いていく内に彼の内面が徐々に明らかになっていく。

幼い頃に尊敬していた人物(祖父の弟)が失くなった事
それ以来『命』という物がわからなくなった事
『命』を理解するために毎年その命日に動物を殺してきた事
それでも『命』は理解出来ず、最終的に人の命を奪った事

勝呂の話を聞き、その一端を垣間見た誠司だったが
幽霊となった自分にはどうすることも出来なかった
そして今年もやって来たその命日、雨が降る中で8歳の子供が無惨にも刺し殺され
子供の近くに立っていた人物を警察は容疑者として連行した。
容疑者の名前は―――『勝呂真』
204THE 裁判員〜1つの真実、6つの答え〜:2012/08/20(月) 00:57:45.80 ID:s2BuPBnU0
因縁の相手である勝呂の裁判に今までと同様に参加する誠司
しかし勝呂は核心に迫る部分は黙秘を続ける。
勝呂にとって裁判など意味など無く、無駄な事でしかない
誰も自分の疑問に答えてくれず、理解すらしようとしない
以前、無罪になった裁判もそうだったのだから。

しかし今回は違った。
裁判員の言葉が彼の言葉を引き出し、遺族の想いが彼の心を引きずり出す。
そして、経験者が語る死者の無念を聞いた勝呂はそこで誠司の存在に気付く
死んで手が届かなくなったはずの者が語る嘘偽りのない言葉が突き刺さる。
ずっと探してきた『命』の答えが見つかった勝呂は
その時、初めて命の価値とそれを奪った自分の罪の重さを理解する。

裁判の結果は懲役15年の有罪、しかしその終わり際に
勝呂は誠司を殺した前年に、もう一人殺していた事を告白する。
人が変わったように取り調べに応じるようになった勝呂の様子
数ヶ月後にそれらの裁判が開かれる事を知り
誠司の無念は完全に消失、魂は天国へと向かうのであった。


後に勝呂の裁判が開かれ、裁判長が被告に言葉をかける
「何か言いたいことはあるか?」

一瞬の沈黙の後、被告は口を開く
「ありがとうございます…………そして―――ごめんなさい」

それは自分の為に手を尽くしてくれた人達への感謝の言葉と
そして自分の犯した罪で苦しむ人達へ向けた、心の底からの謝罪の言葉であった。
205ゲーム好き名無しさん:2012/08/20(月) 01:03:44.53 ID:s2BuPBnU0
以上でTHE裁判員は終わりです。
で、ちょっと聞きたいんだけど自分の書いた物って
Wikiに載った後、補足とか修正してもOKなの?
206ゲーム好き名無しさん:2012/08/20(月) 09:48:32.57 ID:LtHJqK8x0
誤字修正や、てにをはなんかの細かい表現の変更はいいんじゃね
だけど補足したり大きく修正するなら、こっちのスレかwiki掲示板の差し替え・追加スレッドに書いた方が親切かも?
207ゲーム好き名無しさん:2012/08/20(月) 10:03:43.97 ID:yzEuWVL60
「後でこの辺修正しておくよー」とここで先に宣言してても良いかもね
208ゲーム好き名無しさん:2012/08/20(月) 10:51:40.90 ID:s2BuPBnU0
レスサンクス。
脱字を見付けたから直すついでにキャラの補足とか入れようと考えたが
いちいち更新履歴が上がっちゃうと目障りになるかと思ったんで。
THE裁判員がWikiに載ったら誤字脱字の修正と一緒に補足も書いときます。
209ゲーム好き名無しさん:2012/08/22(水) 16:27:19.94 ID:QC2JeVou0
タイムトラベラーズお願いします。
自分でプレイしたけど、いまいちよくわからない部分がありますので。
210ゲーム好き名無しさん:2012/08/22(水) 23:06:53.91 ID:CsAkJYRB0
211 ◆l1l6Ur354A :2012/08/25(土) 03:23:27.49 ID:+XjdmLXO0
PS3の「デッドアイランド」のストーリーをお願いできますでしょうか
212 ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:04:10.87 ID:RGd60neR0
スーパーダンガンロンパ2できました。
1をクリアしてることを大前提にしたストーリーなので、1の内容を知らないとチンプンカンプンだと思います。
213スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:07:42.63 ID:RGd60neR0
プロローグ『だんがん☆アイランドへようこそっ!どきどき修学旅行で大パニック?』

主人公日向創は、晴れがましい思いで私立希望ヶ峰学園を前にしていた。
今日から、日向はこの学校の一員になるのだ。
ここは、全国から天才達を集め、日本を担う希望に育てるための、政府公認の超特権的教育機関。
卒業すれば成功は約束されているとさえ言われ、実際に、第一線で活躍する要人は希望ヶ峰の卒業生である事が多い。
生徒の募集は行わず、入学方法はスカウトのみ。
条件は、現役高校生であること、各々の分野の天才であることだ。

野球少年が代表チームに憧れるように、日向は幼い頃からこの学園に憧れを抱いてきた。
そして…そして…おかしい、眩暈がする…扉が見える…
この扉に入らなければならない…入るべきだ…

ふと気が付くと、日向は扉を開けて教室の中に入っていた。
周囲には、同じく新入生だという少年少女が集まっていた。
全員が日向と同じ様に、この教室までどうやって辿り着いたか思い出せないという。
そして、今日向が入ってきたはずの扉がビクともしない。
完全に閉じ込められた形になり、生徒たちは焦りはじめる。

「安心してくだちゃい。皆さんはただ、修学旅行に来ただけでちゅよ。」
突然可愛らしい声が聞こえてきた。
振り向くと、教卓からピンク色の丸っこいウサギの様な物が飛び出してきた。
彼女?は、日向達の担任教師、ウサミだと名乗った。
入学式も済んでいない内に修学旅行?旅行といっても、一体どこに?
「どこって、ここでちゅ!」
モノミの声に合わせて、四辺の壁がコントのようにばっくりと割れた。
ハリボテの壁が倒れて現れたのは…

燦々と降り注ぐ太陽、白い砂浜を洗う青い波。
ヤシの木が立ち並んだ足元には、咲き乱れる真っ赤な花々。
そこは、テンプレ通りの、まさに南の島だった。
「おかしいだろ!今、希望ヶ峰学園に入学したところだっていうのに!」
日向が詰め寄ると、ウサミは優しく諭すように彼をなだめた。
「やっぱり、希望ヶ峰学園が気になっちゃうんでちゅね…。
 希望ヶ峰学園のことは忘れて、修学旅行を楽しんでくだちゃい。その為の、修学旅行なんでちゅから…」
214スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:10:23.96 ID:RGd60neR0
柔らかな声に呼ばれて、ふっと日向の意識が浮上した。
「大丈夫?無理もないよね、突然こんなことに巻き込まれて…」
覗きこんでいたのは、新入生の一人、狛枝凪斗だった。
肌も髪も抜けるように白い、にこやかな少年だ。
どうやら日向は、ショックのあまり思考停止状態でうずくまっていたらしい。
他の皆はもう、互いに自己紹介を終えてそれぞれ島の探索に散っていた。
狛枝は改めて、自己紹介をしてくれる。
彼の能力は【超高校級の幸運】。「運」の研究のために、全国の新高校生から抽選で選ばれる枠らしい。
要するに、ただラッキーなだけの凡人だと狛枝は自嘲する。
日向も自分のことを話そうとして、愕然とした。
自分の才能が何なのか、靄がかかったように思い出せないのだ。
混乱するのも無理はない、と狛枝に励まされ、一緒に島の探索に出かける。
道中で、同級生達を探して改めて自己紹介を交わす。

【日向創/ヒナタハジメ】超高校級の???
 主人公。cv:コナン。でもショタではない。むしろ179cm。
 他の皆より記憶の混乱が深く、自分が何者だったのか思い出せない。
 自分の頭で考えて判断する性格。空気を悪くしそうでも納得できないことははっきり主張する。
 人はいいが、けっこう辛辣で流されにくい。そしてムッツリスケベ。
 
【狛枝凪斗/コマエダナギト】超高校級の幸運
 全国の高校生から抽選で選ばれただけ…にしてはやけに肝が据わった少年。
 超高校級の天才達を心から賛美していて、誰かが揉めたり困ったりしているといつもフォローに入る。
 反対に自分を極端に卑下する癖がある。爽やかに自分の事ゴミ虫とか言うタイプ。
 思わせぶりで意味深な言動が過剰に多く、ここまで来ると逆に黒幕じゃねーな感を醸し出している。

【終里赤音/オワリアカネ】超高校級の体操部
 まさに野生児、といった感じのがさつな脳筋少女。強い奴と闘うのが大好き。
 基礎やルールを無視するものの、圧倒的身体能力で高得点を叩きだす体操選手。
 危機感に乏しく、規則を守るという概念が無いので、この修学旅行でもしょっちゅう皆の肝を冷やすトラブルメーカー。

【澪田唯吹/ミオダイブキ】超高校級の軽音部
 超人気ガールズバンドの元メンバー。「放課後ボヨヨンアワー」はミリオンヒットを記録した。
 やたらにノリが軽く常にハイテンション。考えてることがダダ漏れな、裏表のない明るい性格。
 自他ともに認めるおバカだが、音楽の才能はまさしく超高校級。

【田中眼蛇夢/タナカガンダム】超高校級の飼育委員
 自称「制圧せし氷の覇王」。末期の邪気眼。
 絶滅危惧種の繁殖にも成功した凄腕の飼育委員だが、人との関わりを避け、動物達と共に世界征服を志すよく分からない奴。
 最強の獣、破壊神暗黒四天王との盟約を語る彼のマフラーからは、4匹の可愛いハムスターが顔を覗かせている…

【罪木蜜柑/ツミキミカン】超高校級の保健委員
 いつも誰かの顔色を窺っている、挙動不審で卑屈な美少女。
 壮絶な虐待の中生き延びてきた生粋のいじめられっ子で、誰かに相手にしてもらう為ならどんな命令でも聞く。
 根深い精神の歪みを抱えているが、健気で一生懸命な医療のスペシャリスト。
215スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:14:10.09 ID:RGd60neR0
【辺古山ペコ/ペコヤマペコ】超高校級の剣道家
 変な名前だが、本人はクールでストイックな女武芸者。
 生真面目で潔癖な性格で、よこしまな輩は背の竹刀で叩き斬る。
 剣道家だが段位を持っていない。競い合う為ではなく、ある大切な物を守る為に剣を取っているかららしい。

【西園寺日寄子/サイオンジヒヨコ】超高校級の日本舞踏家
 今回のロリ担当。性格の悪さも超高校級。ブリっ子口調で常に人の悪口を垂れ流している。
 他人の心を踏みにじるのが大好き。反対に自分は打たれ弱く、何か言い返されると泣き喚く。
 和の文化以外を馬鹿にしていて、この常夏の島でも常に和服を着込んでいる。

【ソニア・ネヴァーマインド】超高校級の王女
 ヨーロッパの小国から留学に来ている、超ハイスペックな王女様。
 透き通るような美貌と、柔和ながら無意識に相手を従わせてしまうカリスマ性の持ち主。
 日本語ペラペラだが、ドラマフリーク、特にバブル期のF1層向けドラマのファンなので、かなりの死語使い。ぶっとび〜。
 民を導く指導者としての自覚を持ち、この修学旅行でも、常に優しく毅然とした態度を保ち続けている。

【花村輝々/ハナムラテルテル】超高校級の料理人
 今回のブサイク担当。だが本人は性欲の塊。
 欲望丸出しのセクハラ発言を連発し、隙あらばフェ●やセッ●●に持ち込もうとする。
 しかもストライクゾーンが異常に広く、女の子たちはもちろん、日向や弐大も余裕で性欲の対象。
 自称都会派で、青山や麻布がホームグラウンドだと常々口にしている。

【小泉真昼/コイズミマヒル】超高校級の写真家
 珍奇なキャラの多い今作では、いたって地味な普通の少女。
 「男子、ちゃんとしなさいよ!」系女子で、男にはいつもガミガミ口うるさい。

【左右田和一/ソウダカズイチ】超高校級のメカニック
 見た目はチャラいDQNだが、機械をいじらせれば右に出る者はいない天才メカニック。
 小心者の常識人で、変人奇人の集まりの中ツッコミ役として奮闘している。
 ソニアにゾッコンで勝手にしもべ化しているが、全く報われていない。

【弐大猫丸/ニダイネコマル】超高校級のマネージャー
 彼が手がけた選手は必ず成功する超一流マネージャー。選手をやれよと思うほどのガチムチボディ。
 応援団気質の豪快な大男で、見かけ通りかなりの戦闘力を誇る。
 素晴らしい素質を持ちながら基礎が疎かな終里を、選手として鍛え上げるつもりのようだ。

【七海千秋/ナナミチアキ】超高校級のゲーマー
 見た目はおっとりした美少女だが、超ディープな天才ゲーマー。
 ゲームには凄まじい集中力を発揮するが、平常時は立ったまま居眠りしていることも間々ある。
 常にぽかんと無表情、あっぱれな程マイペースで、目の前の出来事や周囲の感情に引きずられない。
216スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:18:09.94 ID:RGd60neR0
【七海千秋/ナナミチアキ】超高校級のゲーマー
 見た目はおっとりした美少女だが、超ディープな天才ゲーマー。
 ゲームには凄まじい集中力を発揮するが、平常時は立ったまま居眠りしていることも間々ある。
 常にぽかんと無表情、あっぱれな程マイペースで、目の前の出来事や周囲の感情に引きずられない。

【九頭龍冬彦/クズリュウフユヒコ】超高校級の極道
 構成員3万人を超える最大級の指定暴力団「九頭龍組」のお世継ぎ。
 可愛い美ショタだが、外見のことは禁句。童顔なんて言おうものなら指が何本あっても足りないらしい。
 刺々しく、馴れ合いを嫌う一匹狼で、徹底して皆の輪に加わらない。
 
【十神白夜/トガミビャクヤ】超高校級の御曹司
 日本を牛耳る超名家の御曹司。完全無欠の天才エリート。前作にも出演。
 尊大な俺様ぶりはそのままだが、前作とは別人のように丸くなっている。色んな意味で。……というよりは…。
 霧切系が今回いないので、頭脳派として先導役を務める。

【モノミ】担任教師
 何故かCV:タラちゃん。心優しいウサギ型ロボだが、ウザさはモノクマ以上。
 序盤はウサミと名乗っていたが、モノクマに改名させられる。←こういう類の茶番は割愛します。
 生徒達を仲良くさせようと画策し、「希望」を育むことを提唱しているが、生徒達には冷たくあしらわれている。
 
島をざっと探索した所、以下の場所が見つかったが、全て無人だった。
・ホテル
 幾つものコテージの連なりからなる、南国の高級リゾートといった趣の宿泊施設。
 一人に一つずつコテージが割り振られ、そこで寝起きする。
 各コテージの郵便受けにドット似顔絵付きのネームプレートが嵌っていて、誰のコテージなのか一目でわかるようになっている。
 コテージ群を抜けたところに、大きなプールもあり、リゾート感はいや増している。
 レストラン脇に、ホテル旧館と表示された木造のロッジがあるが、老朽化の為閉鎖中。
・レストラン
 ホテルの敷地内に建っているレストラン。
 南国らしい解放感のある作りでありながら、高級感と快適性も併せ持っている。エロコック輝々も大絶賛。
・ロビー
 レストランの1F部分は、くつろげるラウンジになっている。
 温泉旅館にあるようなチープなゲーム箇体があり、七海が夢中。
・牧場
 何故か唐突に牧場。牛が呑気に草を食み、南国らしい極彩色の鳥が出迎えてくれる。
・空港
 文字通り空港。だが、並んでいる飛行機からはエンジン部が丸ごと抜き取られている。
・スーパー
 アメリカンな雰囲気の大型スーパー。食料品や雑貨衣類品はもちろん、サーフボードから暗視ゴーグルなんて物まで揃っている。
 やはり無人なので、全品無料で持ち出しOK。
・島の各所に監視カメラが設置され、同じくモニタも備え付けられている。
 モニタには何も映らないが、これだけあちこちにあるということは何か意味があるのだろう。
217スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:20:15.32 ID:RGd60neR0
この島は歩いて回れるほどの大きさしかないが、橋で「中央の島」に繋がっている。
中央の島からは他にも幾つかの島に橋が伸びているが、今は封鎖されていて渡れないようだ。
中央の島は「ジャバウォック公園」なる庭園になっており、巨大な石像が聳えている。
蛇、鳥、獅子に馬、その馬には人間の兵士が跨っている像だ。

道すがら、日向がフリーズしていた間に説明されていたことを狛枝が教えてくれる。
・電子生徒手帳
 前作と同じカード型の端末。見た目は皆同じで、起動すると各々の名前が表示される。
 地図、修学旅行のしおり、通信簿等が見られる他、今回はたまごっちのような電子ペットが育てられる。
・修学旅行の目的
 生徒たちが友情を深め、希望を育むことがこの旅行の目的。
 同級生達それぞれが友情が深めるたびに、「希望のかけら」なる物が手に入る。
 全員が固い絆を結び合い、全ての希望のかけらを集め「希望の結晶」を手に入れたとき、修学旅行は終わり島から帰れるらしい。
・島での生活
 危険なことは一切なく、ルールを守る限り生徒の安全は保証されている。
 ルールとは、この島の自然を壊さず、お互いに仲良く暮らしていくということだけ。
 例えば、いかだを作って脱出しようとするのは、島の木を切って環境破壊をしているのでNG。
・担任教師ウサミ
 ウサミは、この旅行を引率する先生らしい。
 生徒がルールを守っている限り、教師側が生徒に干渉することはない。 

島全体は、普通の修学旅行で来ていたなら万々歳だろう美しいリゾート地だ。
しかし、自分たち以外には徹底的に無人、空港の飛行機からはエンジン部が抜かれている。
これで警戒するなという方が無理だ。あちらの提示したルールだって信じられない。
日向はそう思うのだが、他の生徒たちは既に旅行気分で状況を受け入れ始めている。

集合して話し合ったところ、十神がこの島に心当たりがあるという。
5つの島の連なりからなる、風光明媚な常夏の楽園「ジャバウォック島」。
太平洋に浮かぶこの5つの島は、5体の「神聖な動物」をその象徴としているらしい。
しかし、十神が聞いたところによれば、既にこの島は……
そこまで言いかけたところで、十神はもったいぶって話を打ち切った。
「わめくな…。もう少し調べて確証を得たら、この俺から話してやるさ。」

そこにモノミが、皆が仲良くなる「動機」プレゼントとしてスクール水着を持ってやってきた。
これをあげるから、海で楽しく遊んで友情を深めてね、ということらしい。
冗談じゃない。こんな状況で、呑気に遊んでいられるか。
日向はそう激昂するのだが、同級生達に逆になだめられてしまう。
差しあたって危険もないし、言う事を聞く以外選択肢がないのだから、希望のかけらを集めればいいじゃないかというのである。
もちろん一部の生徒は警戒を解いていないようだが、ほとんどの生徒はホテルで水着に着替え、嬉々として海で遊び始めた。

なんだろう、この言い表しようのない疎外感。自分の方が間違ってるんだろうか?
呑気に海で騒ぐ同級生を見てるうちに、日向は自分ばかり気を回して心配させられているのに腹が立ってきた。
もう知るか!俺だってやってやる!のほほーんと楽しんでやるんだからなっ!
「おーい皆!俺を忘れてんじゃないだろうな!俺も混ぜてくれよ!」
日向が水着に着替え浜を走り出した途端、急激に空が曇り薄闇が押し寄せてきた。
「な、なんなんだよ!こんな急に天気変わるなんておかしいだろ!今度は何したんだよっ!」
腹立ちまぎれにモノミに詰め寄るが、彼女は空を見てブルブルと震えていた。
「こんな…こんなことある訳ないでちゅ…あるはずがないんでちゅ…あぁ、なんでこんなことに…!」
218スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:23:03.60 ID:RGd60neR0
ブツ、と音を立て、今まで沈黙を守っていたモニタが突如砂嵐を映し出した。
「あー、あー、マイクチェック、マイクチェック。オマエら聞こえてるー?
 退屈な茶番は飽きちゃったでしょ。真打の登場です!ジャバウォック公園にお集まりください。」
底抜けに陽気で能天気な中に、底知れぬ悪意が潜んでいるのを感じる…そんな声だった。
走るモノミに続いて、中央の島に辿り着くと、中央の石像の影から、妙な物が飛び出した。
「あーっはっはっは!オマエラ、ごきげんよう!そして、おひさしぶりです!」
それは、縦半分で白と黒に分かれた、ドラえもんくらいのサイズのクマ型ロボットだった。
そのクマは、モノクマと名乗った。希望ヶ峰学園の学園長だと言う。
【モノクマ】
白と黒の、ちょうどドラえもんくらいのクマ型ロボ(Cv.大山のぶ代)
神出鬼没、冷酷非道の愉快犯だが、言動は陽気でひょうきん。
ドラえもんの声で、ドラえもんが絶対言わない事ばかり言う。

「なーにがドッキドキ修学旅行だよ!そんなもの誰も見たくないっての!
 もっと世間のニーズを考えろよ!皆が見たいのは、絶望、他人の不幸だけだっつーの!
 そういう訳で、ただいまよりコロシアイ修学旅行を始めます!」
・同級生の中の誰かを殺しましょう。殺し方は問いません。
・自分が犯人だということを隠し通しましょう。殺人発見後、一定時間後に行われる学級裁判を切り抜けましょう。
・学級裁判で誰が犯人なのかを議論し、結論が出たら全員で投票を始めます。
・皆に犯行を見破られ、投票の結果犯人に過半数の票が集まっていたら、その犯人だけが処刑、修学旅行は続行されます。
 皆が間違えて無実の生徒に過半数の票を投じていたら、見事犯人は島外へ脱出。
 他の生徒は全員処刑、修学旅行は終了します。

シンプルで、ハイリスクハイリターンな、絶望のゲームの幕開けだった。
モノクマはウサミをボコボコに負かし、彼女をモノミと改名させて、彼女の持っていたステッキを折ってしまう。
剣士ペコ、武闘派終里、巨漢弐大を擁する生徒一同はモノクマに刃向おうとするが、
モノクマは抑止力として、石像に擬態させていた大型ロボット達を起動させる。
モノクマは5体の動物のうち、鳥に内蔵されていたガトリングガンをモノミに掃射した。
モノミは一瞬で、焦げた綿くずと化した。

「別に、やりたくないならやらなくたってかまわないんだよ。
 でも、青春は短いんだからね。40代になってからコロシアイ始めたって遅いんだからねー。」
モノクマが捨て台詞を残して去って行った後も、日向たちは呆然と立ち尽くしていた。
圧倒的に経験値の足りない、未知の出来事の奔流に、恐怖すらまだうまく感じることができない。
「気をつけろよ。俺たちの本当の敵は、モノクマでも、あの機械でもない。俺たち自身だ。」
十神は、傲然とそう言い放つ。
そう、お互いだけではなく、自分自身すら信じられない。
突然放り込まれた絶望の中で、他人を犠牲にすることで自分だけ助かりたいという衝動を抑えられるのか、確証はない。
だからこそ、絶望的だった。

<プロローグ終> 生存者16名
219スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:24:36.98 ID:RGd60neR0
CHAPTER1『絶望トロピカル』

・一度に1人が殺していいのは2人までです。
・生徒内で殺人が起きた場合、3人以上が死体を発見した時点で、死体発見アナウンスが放送されます。
・アナウンスから一定時間後、全員参加が義務付けられる学級裁判が始まります。
・学級裁判で正しい犯人を指摘できた場合、犯人だけが処刑されます。
 正しい犯人を指摘できなかった場合、校則違反として全員を処刑。
 犯人だけが罪を免除され、島外に帰還することができます。
・監視カメラやモニターを始め、島内の設置物を許可なく破壊することを禁じます。
・島内を調べるのは自由です。特に制限は課せられません。
・修学旅行のルールは順次増えていきます。チェックを怠らないようにしましょう。

プールサイドのデッキチェアで、電子生徒手帳をチェックしていた日向は、暗い気持ちで顔を上げた。
やはり、新しいルールがアップロードされている。これを守らねばならないのは、昼間目にした通りだ。
見慣れない満天の星空を見上げながら、とぼとぼと自分のコテージへ帰った。
綺麗で快適な木造のコテージには、バスルームとトイレも作りつけてあった。
寝支度を終えてベッドに転がると、微かに波の音が聞こえてくる。
全て夢だったら…と淡い期待を抱きながら眠りについた。

翌朝、モノクマの陽気な時報で、憂鬱な目覚めを迎えた。
十神が全員にレストランに集合するよう招集をかけていると聞き、身支度を終えて出かける。
皆同じような暗い顔をしているが、通常運転なのも何名かいる。
終里は完全に朝食の事しか考えていないし、七海は朝から階下のゲーム機に夢中。
エロコックの輝々は、現実を放棄することにしたらしく、
「ボクはこんなこと信じてないから大丈夫。もっと素敵なお話をしようよ」と序盤のギャルゲーモードを引きずっている。
皆を呼び出した十神も、いつもと変わらぬ不遜な態度だ。彼は全員集合を確認して、皆に宣言した。
曰く、自分たちが生き残るのに必要な物は何か?
絆か?確かに一致団結は必要だ。だからこそ敵は我々を分断するために疑心暗鬼を煽るようなルールを提示してくる。
しかし、集団が団結するためには、絆という不確かな繋がりでは生ぬるい。
明確なリーダーがもたらす統率こそ、今必要とされているものだと。
「そのリーダーを、俺が引き受けてやろう。
 安心しろ。この俺が統率するからには、お前ら誰一人死なせはしない。」
実に強引だ。でもこれこそがリーダーシップ?
口煩い真昼がお約束の様に噛みつくが、他には誰も異論はなく、十神の仕切りに従うことになった。

十神はまず、一同をジャバウォック公園へ連れて行った。
そこには、動き出した銅像の代わりに、巨大な球体とタイマーが設置されていた。
タイマーは、心当たりのない設定時間をカウントダウンしている。残り時間は、あと21日と4時間弱。
たった一晩で誰がこれを設置したのか?この設定時間の意味とは?
他にもまだまだ疑問はある。リゾート地として有名なジャバウォック島をどうやって無人にしたのか?
高度な技術力を必要とするモノクマやモノミ、機械の獣たち等のロボットを開発、操作しているのは誰なのか?
その誰かは、どこからその操作を行っているのか?
そして、これは潤沢な資金を持った巨大な組織にしか為しえない所業だ。
これだけの細工をしているのだから、島内にその組織の手掛かりは残っているはず。
「死にもの狂いで探せ!」
十神の檄と共に、皆解散し、それぞれ自由に過ごしながら島内を探索することになる。
220スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:26:42.59 ID:RGd60neR0
その日は、島内を探索したり、誰かと親交を深めたりしている間に夜になった。
コテージで休んでいると、突然モニタからモノクマの声で招集がかかった。
言いつけ通りジャバウォック公園へ向かうと、皆もすでに集まっていた。昨日の脅しが利いているのだろう。
モノクマを待つ間に、九頭龍の態度の悪さが発端で、言い争いが始まってしまう。
「ちょっとあんたら、やめなさいよ!仲間割れなんてよくないって!」
「あぁ!?仲間だぁ!?俺がいつお前らなんかの仲間になるって言ったかよ。
 この際だからはっきりさせておくけどなぁ、俺は殺れるぜ?」

九頭龍の言葉に場が凍りついた。九頭龍は、仲良しごっこなどより殺し合いの方がよほどわかりやすいとせせら笑う。
なおも挑発を続ける九頭龍を、十神が厳しい口調で諌めた。
「九頭龍よ…お前の考え方は分かった。それ自体は否定しない。かつて、俺にもそういう時期はあったからな。
 だが、むやみに殺してどうなる?逃げ延びなければお前も殺されるんだぞ。
 いいか、この島にいる限り誰も死なせんぞ!
 一切の犠牲者は俺が許さん。それは九頭龍、お前もだ。俺はお前を死なせん。」
「なんだそりゃ、キレイごとばっか言いやがって…」
「確かに一般人が言えばただのキレイごとだろうな。
 だが、俺は十神白夜だ。そのキレイごとを可能にする選ばれた男だ。
 お前は好きにするがいい。
 決して犠牲者は出させない。それは、俺が俺自身に課した義務だ。」
「くひーっ!白夜ちゃん、シビれるくらいかっこいいっすーー!!」
唯吹が身悶えている。確かに、ふくよかな背から後光が見えるようだ。

「あのー…」
その時、モノクマがタイミングを掴み損ねて地味に登場した。
「動機」をプレゼントしに来たのだ。スペアの機体で動いているモノミも一緒にいる。
「モノミってすぐそうやって怖い顔するんだから。気を付けてね、こいつは悪い奴なんだよ。
 その証拠に、モノミはみんなの記憶を勝手に奪っちゃったんだからね。
 しかも、どうやって島まで来たかなんて生ぬるいもんじゃないよ!
 オマエラの学園生活数年間の記憶、まるごと奪っちゃってるんだから。
 オマエラほんとは新入生なんかじゃないんだよ。今何年生だったかなー?」
入学直後の眩暈、そして開かない教室で我に返った時、その二つが記憶の結合点。
その間には、数年間の年月が失われているのだという。
「こんな古臭い丸パクリのネタ、最後の最後までひっぱるなんて卑怯者のすることだよねー!
 だから、ボクがオマエラに記憶を返してあげます!そのかわり…」
コロシアイを始めること。
殺人が起これば、皆に記憶が返却される。それがモノクマの動機プレゼントだった。

記憶喪失なんてありえない、信じられないと反論する皆に、モノクマは首をかしげる。
「信じられないんじゃなくて、信じたくないだけでしょ?
 証拠に、オマエラ裏切り者が一人入り込んでるのに気付いてないじゃん。
 修学旅行予定者は15人だったのに、なんでオマエラ16人いるの?
 記憶を無くして、お互いの素性がわからないから、裏切り者が誰かもわからないんだよね。
 クラスメイトのふりして皆を騙すなんて、殺されても仕方ないかもね。殺られる前に殺れだからね!」
モノクマは意気揚々と去っていき、モノミは狼狽えて逃げ去ってしまった。
生徒たちは、再び呆然と立ち尽くす。
221スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 11:28:32.74 ID:RGd60neR0
「ぼぼボクは信じないよ。何も信じない信じない。そんなことより皆、そろそろディナーにしない?」
エロコックの輝々は、いつも通り現実逃避を始めている。
輝々の言う通りかもしれない、16人だの裏切り者だのも全てモノクマがそう言っただけの事だ。根拠はない。
しかし、皆口々にデマカセだと言いながらも、絶望に飲まれ始めていた…。

十神の発案で、毎朝一緒に朝食を取りながら話し合う朝食会の習慣が、明日から始まることになった。
モノクマのモーニング時報コールに合わせて起床しレストランに集合する、という取り決めをして、各自コテージに戻る。
日向は、ベッドに座ってうなだれていた。
裏切り者…。それは例えば、未だに自分が何の才能を持っているのか思い出せないような奴…?
くだらない考えを追い払う為、ベッドに入って目を閉じた…。

翌朝、約束通りレストランに集合した。ペコが朝食会の事は伝えたそうだが、予想通り九頭龍だけは不参加だ。
朝食を取りながら、十神が今夜全員強制参加オールナイトパーティーを開くことを宣言した。
今夜は、モノクマに干渉されない閉鎖空間で、全員が一晩中一緒にいることが重要だと十神は言い張る。
親睦を深める為にもパーティーは中々よさそうなので皆賛成し、
正面扉からしか中に入れない、閉鎖中の旧館ロッジがモノクマの介入を防ぎやすそうだという結論になる。
モノミ曰く、旧館内は埃まみれで掃除が必要らしい。

「こんなこともあるかと思って、作っておいたんだよ。
 赤い印がついていた人が掃除当番。これで公平でしょ?」
どんなことがあると思っていたのか、狛枝が嬉々として割り箸のクジを差し出した。
皆で引いた結果…掃除当番は言いだしっぺの狛枝になった。
「超高校級の幸運のくせに、クジ運の悪い奴だな。」
日向が茶化すも、気のいい狛枝は快く一人で全ての掃除を引き受ける。
掃除を始めた狛枝と、料理の準備で厨房にこもる輝々に旧館を任せて、日向は夜まで自由に過ごした。

夜、開放された旧館に足を踏み入れると、玄関には十神が仁王立ちしていた。
ここで十神のボディーチェックを受けなければ中には入れないらしい。
彼はスーパーから、危険物を入れるためのジュラルミンケースまで調達してきている。本気だ。
お許しが出て中に入ると、皆大体集まっていた。九頭龍にも伝えたそうだが、やはり彼は来ていない。
十神は、不参加が九頭龍だけならそれは容認するらしい。一人きりでは何も事件は起こせないからだ。
他の皆も容赦なくボディチェックを受けたらしく、十神の徹底ぶりに半ば呆れ半ば感心している。
基準も厳しく、左右田はつなぎのポケットに入れていたレンチを取り上げられたそうだ。

狛枝が奮闘したらしく、会場のホールは綺麗になっていた。
幾つもあるテーブルは、床まで届く白いテーブルクロスで飾られ、ゴージャス感を演出している。
その上には、豪華絢爛な料理が所狭しと乗せられ、期待感は増しに増すばかり。
だがよくよく見れば、閉鎖されていただけに綻びもちらほら見える。
例えば床は、老朽化で板が縮んだのか、床板の間が隙間だらけだ。
一応、狛枝がスーパーから絨毯を運んで敷いてくれたため、壁際の方に行かなければ床は露出していない。
それより目を引くのは、旧館内の全ての窓に、分厚い鉄板が巨大なボルトで止め付けてあることだ。
やけに厳重に閉鎖していたものである。
222ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 11:37:46.35 ID:AWCll2CdP
支援
223ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 11:44:17.44 ID:DWShwDzI0
しえん
224ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 12:49:15.13 ID:vSCiDswy0
ついにロンパ2きたかー。
個人的にはプレイ済みなだけに
他の人がどう解釈しているかが気になってた
225スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 12:54:15.47 ID:RGd60neR0
十神は、シュラスコに使われていた鉄串まで神経質に回収し、日向に手伝わせて厨房の刃物類もジュラルミンケースの中に放り込み始めた。
「なぁ、本当にここまでする必要あるのかよ?」
「あるからやっているんだ。」
十神の慎重さを日向が訝しむと、十神は自嘲するように少し笑った。
十神には、ここまで疑い深くならざるを得ない、人に言えない過去があるのだという。
人を疑い続け、人に疑われ続ける、生き地獄のような生活。
それが十神を変えた。しかし、今はまだ詳細を語る気はないらしい。

厨房には、スタンバイ中の料理もまだまだある。
一際目を惹く巨大な骨付き肉は、弐大が牧場の牛を仕留めたものを捌いて炙った一品だそうで、
もう、今から涎が止まらない程ゴージャスでおいしそうだ。
十神は、それらの料理にも串や刃物が飾られていないかチェックし、輝々がまだ料理中にも関わらず、調理器具も危ないものは没収していく。
BBQ用の鉄板や卓上ガスコンロまで考慮に入りかけたが…流石に置いておくことになった。
二人で厨房を調べまわるうちに、備品リストを見つけた。
それと照らし合わせると、鉄串が一本足りない。
輝々によると、最初から見当たらなかったらしい。
「…まぁいい。あれほど長い串を隠しておける場所もなさそうだからな。
 要は、俺が目を光らせていればいい話だ。」

会場に戻り、十神は危険物を入れて施錠したジュラルミンケースの保管場所にしばし悩む。
鍵がかけてはあるが、なるべく人の触れない場所に置いておきたいそうだ。
「なら、事務室はどうかな?倉庫もあるけど、あそこは掃除の手が回らなくって…」
狛枝によれば、掃除ができている個室は他にはそこだけらしい。
よって、ホールから離れた事務室にケースを保管することになり、その見張りをペコが買って出た。
「気にするな。元から人が集まる場所は得意ではないんだ。
 だが、せっかくの料理だからな。少し取り分けて持って行っていいか?」
ペコは、ジュラルミンケースを提げ、料理を盛った皿を手に事務室へ去って行った。
事務室にはブレーカーもあるので、剣士のペコが見張ってくれるのは心強い。
ジュラルミンケースはもう一つあるが、これにはあのケースの鍵等が入っているそうで、
十神が手元に置いたままになった。

後は、モノクマの干渉をなるべく避けるために、モノミをけしかけてモノクマを煩わせておこうという事になった。
ゲーマーの七海がモノミに事情を話しに行き、帰りを待たずにパーティーは始まった。
食いまくる終里、写真を撮り歩く真昼、興奮してはしゃぎ回る唯吹。
眼蛇夢はイヤリングを落としたと騒ぎ出し、弐大はトイレが空いていないと苦しみ悶える。
輝々が厨房に籠っているので下ネタが飛び交うことはないが、それでも十分すぎるほどの大騒ぎだった。
十神の手に負えない程の喧騒の中、真昼のシャッター音が響く。
その中に微かに、「ピピッ」という耳慣れない電子音を聞いた気がした。
その瞬間、バチンと音をたてて照明が消え、会場は暗闇に包まれた。
ブレーカーが落ちたのだろうか?窓が鉄板で塞がれてるだけに、灯りを失えば真の闇になる。
パニックに陥った皆の悲鳴が交差する。
「おい、やめろ!」と怒鳴ったのは十神の声か。
「どうしたの!?停電、厨房だけじゃないの!?」輝々の叫ぶ声が聞こえる。
「待ってろ!壁伝いに…俺が何とかしてくっから!」
左右田らしき声が出口方面へ消えていき、しばらく待った後、突然照明が灯った。
光に照らされ現れたのは、超高校級の保健委員罪木蜜柑の、変わり果てた姿だった。
226スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 12:55:22.69 ID:RGd60neR0
「う、うゆぅ〜〜っ!こ、転んでしまいましたぁ!た、助けてくださぁい…!」
何をどうしたらそうなったのか、罪木は色んなものに絡まってド開脚ですっ転んでいたのだ。
スカートは完全にめくれあがり、両ももの付け根やその間にある素敵な部分まで露わになっている。
股間にテーブルから落ちた料理がぶちまかれ、パンツが見えるよりも更にエロティックな有様だ。
繋がった腸詰が手に絡まり立ち上がれないらしく、罪木は泣きながらもがいている。
見ないで下さぁいと言われても……ごめん、見る。正直ガン見だ。

なんとか罪木が立ち上がり、左右田がホールに戻ってきた。
流石は超高校級のメカニック!と労うも、左右田は「暗くて事務室まで辿り着けなかった」と頭をかく。
電源は一人でに復旧したという事だろうか?
そして…最初に口火を切り皆を仕切るべき人物が見当たらない。
十神が、忽然と姿を消していた。こんな時にこの場を離れるような奴ではないはずだが?

手分けして、十神の捜索とペコの安否確認を行う。
十神はどこにもおらず、事務室には何故かペコもいない。
外に出てみると、玄関先で七海がまだモノミと一緒にモノクマを待っているところだった。
二人に聞いてみたが、誰も旧館から出てきていないという。
廊下に戻ると、弐大がまだトイレが空いていないとぼやいている。パーティー開始直後から、ずっとトイレに鍵がかかっているらしいのだ。
ノブを回してみると、確かに開かない。便意と戦っている弐大を心の中で励まし、会場に戻った。

一体二人はどこに消えてしまったのか?首をかしげていると、ふいに終里が鼻をひくつかせ始めた。
「…これ、血の臭いだぞ。」
終里が振り向いた先には、壁際に寄せられた長机。そこにも床まで届くテーブルクロスがかけられている。
日向は一気に駆け寄り…躊躇してしまった自分を叱咤するように雄叫びを上げ、テーブルクロスを掻き上げた。
純白のクロスの中は、深紅に染まっていた。
中心には、小山のような男がうつ伏せに横たわり、周りには血溜りが広がっている。
皆の悲鳴を背に浴びながら、日向はかつて十神白夜だった物を見つめていた。

悲鳴を聞きつけて、七海と、行方不明だったペコが駆け込んできた。
同時にモノクマが登場し、大はしゃぎでコロシアイの開幕を言祝ぐ。
「この場にいないのは九頭龍クンだけだね!では彼へのお知らせも兼ねて、あれいっちゃいましょう!」
”死体が発見されました。一定時間後に学級裁判が始まります”
頭上を、死体発見のアナウンスが流れていく。
学級裁判までに、十神が誰に殺されたのか、手がかりを掻き集めなければならない。
「ボクらの中の誰かが、十神君を殺したなんて…そんな絶望的なこと、あるわけないんだ!」
狛枝は拒絶反応を示すが、腹黒さならモノクマ級の日寄子は全く動じてないようだ。
「でもさぁ、豚足ちゃんが死んだのは事実だよねぇ?誰が殺したのかわからなければ、みーんな殺されちゃうんでしょ?
 だったらやるしかないんじゃーん?」
いつもはブリっ子発言か嫌味あてこすりしか言わない日寄子だが、今の言葉は正しい。
この中の誰かを犯人として暴く、そんな事だけが、自分たちに残された希望なのだ。
「…僕には、やっぱり仲間のうちの誰かが十神君を殺したなんて信じられない。
 だから、それを証明するために、事件のことを調べるよ。」
狛枝は青い顔をしながらも、謎を解明することを決意した。
227スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 12:59:02.11 ID:RGd60neR0
「ちょっといいかな?クローズドサークル物の推理ゲーだと、
 犯人が証拠隠滅なんかを図らないように、現場を見張る人とかを決めておくんだけど…私たちはどうしよっか?」
大抵の出来事に動じないゲーマーの七海は、冷静にそう提言する。
「…現場には、アタシが残るよ。死体を調べる自信なんてないし、頭がいいわけでもないし…。
 せめて十神のそばにいてあげるよ。それが見張りってことでいいんでしょ?」
「こ、小泉さぁん…!…あ、あのっ私もっ私もがんばりますぅ!
 す、少しなら検死だってできますし…医療に携わる人間の務めとしてやらせてくださぁい!」
カメラマンの真昼と、保健委員の罪木が現場に残ることになった。

モノクマが、タブレット型の端末を残して退場していく。
これはモノクマファイル。死体についての情報をまとめたデータだ。
ウソが書かれることは無いが、モノクマが教えたくない情報は入っていない。
・十神白夜の死亡時刻は午後11時30分
・死因は刺殺。腹部から喉にかけての十数か所をメッタ刺しにされている。
 それ以外に外傷はなく、薬品類を摂取した痕跡もない。

日向は意を決し、テーブルの下を覗き込んだ。
【大広間】
・テーブルクロスの内側には夥しい血飛沫が散っている。
 うつぶせになった十神の下にも、大きな血だまりが。
 しかし、クロスの外側には一切の血痕はなく、血だまりに引きずったような跡はない。
・十神の手元には暗視ゴーグルが落ちている。犯人はこれを使って停電中に犯行に及んだのか?
・血溜りの中、十神の脇あたりに、ナイフが落ちている。柄の一部に何か塗料が塗ってあり、薄暗いテーブルの下で淡く光を帯びている。
 このナイフは、厨房の備品リストには載っていない。旧館の外から持ち込まれたものだ。
・テーブルの裏にガムテープが貼られ、片方の端がはがれ垂れ下がっている。
 ガムテープには夜光塗料が塗りつけられていて、テーブル下の薄闇に淡く光っている。
 ナイフについている塗料も、同じ夜光塗料だと推測される。
・不要で壁際に寄せたテーブルだった為、上に乗っているのはテーブルランプが一つだけ。
 これはコード式で、壁のコンセントから電源をとっている。停電時は役に立たなかっただろう。
・十神が携帯していたジュラルミンケースが、いつの間にか開けられていた。
 中には、警棒、催涙スプレー等の防犯グッズが詰まっている。一つ、望遠鏡のケースのような物の中身が入っていなかった。
 事務室に保管したケースの鍵は入ったままだったので、あちらのケースにあった刃物類は使われてないという事になる。
 それにしても、何故十神はここまで警戒していたのか?何かを知っていたのかもしれない。
・壁に作りつけられたエアコンのスイッチを見ると、入タイマーがセットされていた。
 11:30。十神の死亡時刻と同じだ。あの停電直前の「ピピッ」という音は、エアコンの起動音だったかもしれない。
・真昼が停電前にデジカメで撮っていた写真を見せてもらう。
 特に不自然なものは映っていなかったが、十神が立っていた位置が気になる。
 十神が立っていた壁際は、長机から対角線上に離れた位置にあり、かなり距離があるのだ。
 皆の立ち位置はヒントになるかもしれない。真昼に、写真から皆の立ち位置を割り出し、図にしておくように頼む。
228スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:01:44.70 ID:RGd60neR0
そろそろ違う場所に移動しようとしてふと見ると、
眼蛇夢が捜査そっちのけで停電前に失くしたイヤリングを探し回っていた。
そんなに探して無いなら、端の方の絨毯が無い所から、床板の隙間を通って床下に落ちたんじゃないか?
そう示唆してやると、眼蛇夢は床板の隙間に目をこらし…
「あったぞ!ふはは、やはり神は俺の為に存在したようだな!
 ……だが、どうやって取ればいいのだ?
 この隙間からでは手は入らんし…道具を使ったところで届きそうにない…」
「諦めるしかないんじゃないか?」
「世界をか!?」
「イヤリングをだよ。」
あのイヤリングを人類が失うのは世界の終焉と同じだとかなんとか眼蛇夢は喚いているが、付き合いきれないのでホールを後にする。
狛枝が、一緒に行動しようと言ってついてきた。
「君には、ボクと同じ匂いを感じるんだ。君もボクも、希望ヶ峰学園に特別な思いを抱いている。そうだよね?」
よく分からないが、狛枝が希望ヶ峰やその生徒達に強い愛着を抱いてるのは分かる。
彼は仲間をとても大事にしていて、その一人が欠けてしまったこと、
そして仲間を疑わなければならないことに、強い苦痛を感じているようだ。

【倉庫】
倉庫の中は、狛枝の言葉通り掃除されておらず埃まみれで雑然としていた。
蜘蛛の巣が無数にかかり、体に悪そうな饐えた空気が立ち込めている。
とても長居できる状態じゃない。この状態から広間を綺麗にしたなら、狛枝の根性は大したものだ。
・大量の荷物が乱雑に積まれていて、急ぎの探索ではとても中身を検めてる暇はない。
 手をつけずに放っておくことにした。
・アイロン台の上に、何故か3台もアイロンが並んでいる。
 ついさっき狛枝がコードを抜くまで、3台とも電源はONになっていたらしい。作為的なものを感じる。
・棚には予備のテーブルクロスが積まれているが、
 1枚、血飛沫の散ったテーブルクロスがランドリーボックスの中に突っ込まれていた。
 日向は発見に興奮するが、何故か狛枝の反応は薄い。

【廊下】
ソニアが、不思議そうに壁の一部を見ている。
「この、壁の色が変わっているところは何ですか?」
それは防火扉だった。用途を教えてやると、ソニアはカルチャーショックに感激していた。
ヨーロッパに防火扉ってないんだろうか?
・未だにトイレの鍵が閉まっている。旧館のトイレは男女共用で個室は一つだけ。
・唯吹に、停電時の様子を聞いてみた。天才的な音感を持つ彼女なら、停電時の混乱した皆の声を聞き分けられたのではないか?
 予想通り、唯吹は誰が誰の声か完璧に聞き分けていた。彼女の覚えている限りの発言を挙げて行ってもらうと、気になることが一つ。
 「おい、やめろ!お前、何をしている!」という十神の怒鳴り声。「何をしている」?
229スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:02:58.48 ID:RGd60neR0
【事務室】
・ペコは、自分が疑われていることを自覚していた。
 しかしペコは、停電が起きた時この場にいなかったのだという。
 話している間にも、ペコは脂汗を浮かべ、ヨロヨロと事務室から出て行った。
 …お腹を壊しているらしい。旧館のトイレは今閉まっているので、自分のコテージまで歩くことになる。
 険しい道のりだろうが、健闘を祈る。
・ブレーカーは、天井近くの非常に高いところにあった。
 脚立でも持ってこないと届きそうにない。
 電力を復旧したのは、モノクマだという。生徒たちがブレーカーを上げられる見込みが薄かったため介入したんだとか。
 なら、犯人はブレーカーに触れずにブレーカーを落としたのだろう。
・事務室のエアコンも、11:30にスイッチが入るようタイマーがセットされていた。

十神のコテージを調べるために旧館を出ると、眼蛇夢と七海が外から旧館の床下を覗き込んでいた。
七海は、床下にもぐりこめるなら事件の様相はは全く変わってくると判断した為。
眼蛇夢は、イヤリングを諦めきれないからだ。
だが、外からは頑丈な柵で囲ってあり、とても床下には入れないようだ。
「これで、九頭龍君の容疑は晴れるね。」
停電前に七海がモノミと旧館前に立っていた時、九頭龍と出くわしたのだという。
九頭龍は、散歩だとうそぶいていたが、本当はパーティーに参加したかったんじゃないかと七海は推測している。
「本当は皆の輪に入りたいけど、自分は他人とは違う人間だって思ってるから、素直になれないでいる…て感じのキャラが主人公のRPGってなんだっけ?」
それはともかく、九頭龍が外にいたことが確認されているのだから、彼に犯行は不可能だ。

【十神のコテージ】
・特に変わった様子はなかったが、机の上に差出人の名前がない封筒があった。
 中の文面は、「今夜、必ず最初の殺人が起きる。警戒せよ」と、定規をあててかいたような文字で記されていた。
 十神は、この手紙を読んだから、今夜を警戒せざるを得なかったのだろう。

旧館に帰る途中、一人になりたいと言い出した狛枝と別れた。
仲間思いの彼は、今回の件でかなり消耗しているようだ。

【再びホテル旧館】
・弐大は、ようやく便意を解消できたらしく晴れやかな顔をしている。
 先ほどトイレに入っていたのは、弐大だったようだ。
・罪木の検死が終り報告を受けた。
 十神は、直径5mm程の鋭利な物で喉から胸にかけて十数か所も刺されているらしい。
・七海はホテル内部を調べまわったが、中からも床下に降りる方法は見つけられなかったらしい。
・真昼が見取り図を完成させていた。人の位置だけでなく、物の位置も可能な限り正確に書き込んでくれている。
 長机から伸びる斜めの線は何かと思ったら、これはテーブルランプから壁のコンセントに繋がっているコードらしい。

そこで裁判開始を告げるチャイムが鳴り、一同はモノクマの指示に従って中央の島へ向かった。
その道中で日向は、眼蛇夢の耳にイヤリングが戻っているのに気付く。
島の地下には、裁判所が作られていた。でたらめに大がかりな仕掛けに、十神の示唆した巨大な組織の存在が改めて感じられる。
彼の知識は、絶対に自分たちに必要だった。
口が悪くて、自信過剰で、いつも人を見下してて…でも、責任感の強い奴だった。
リーダーとして、混乱するみんなを必死でまとめようとしてくれていた。そんな彼にしてやれることは、もう犯人を暴くことだけだ。
学級裁判が開廷する。
この中の誰かが十神白夜を殺した。それを暴かなければ、犯人以外全員死ぬ。
230スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:07:38.53 ID:RGd60neR0
【学級裁判】
全員が思い思いに仮説や証言を出し合い、その中に矛盾や糸口を見つけて、
ふさわしい言弾(ことだま・捜査で分かったトピック)を装填しそれを撃ち抜く=論破する。弾丸論破だけでなく、選択肢や文字入力もある。
今回は反論を言刃(ことのは)で斬り捨てたり、賛成したい意見に言弾を援護射撃できたりと忙しい。
そうやって、矛盾を正し糸口を見つけ、仮説を修正していき、真相に近づいていく。
今回は故・十神以外頭脳系の天才はおらず、ある一人を除いて皆の賢さも五十歩百歩。それだけに裁判は紛糾する。

まず、何故十神の死体がテーブルの下にあったのか?という議題をとっかかりに裁判は始まった。
犯人が十神を殺した後に隠したのではないかという左右田の仮説を、血痕に引き摺られた跡がないことから却下する。
血飛沫はテーブルクロスの中に散っていた。ということは、彼はあのテーブルの下で殺されたのだ。
彼は一体何故そんなところに入ったのか?
「隠れて皆を驚かせよーとしたんじゃねーのか?あいつっておちゃめなとこあったからな。」
「ねーーよ!!お前はあいつのキャラすら把握してなかったのかよ!?」
終里のノーテンキな発言を左右田が却下し、皆で真剣に知恵を絞る。

日向は、暗視スコープとジュラルミンケース内の空ケースを根拠に、十神が何かを目撃してテーブルの下に入ったのだと主張する。
停電が起きてすぐ、十神はこんな時の為に準備していた防犯グッズから暗視スコープを取り出し、視界を取り戻した。
そしておそらく、誰かがテーブル裏からナイフを取り出そうとするのを見て、それを止めに入ったのだ。
テーブルの下に潜り込んだのは、ナイフをはがして回収する為だろう。
犯人が暗闇の中ナイフを取り出せたはずがないという反論には、ナイフとガムテープに塗布された蛍光塗料を根拠に論破した。

十神のボディーチェックは容赦なく徹底的に行われた。
だからあのナイフは、もっと以前に、パーティーの準備段階で机の裏に仕込まれたものだろう。
ならば、ナイフと蛍光塗料をスーパーから調達した時点で、犯人は停電ありきの計画を練っていたことになる。
「つまり、停電を起こしたのが犯人って事だろ?
 それはお前だ!辺古山ペコォ!!」
左右田が得意げに吠える。確かにブレーカーの一番近くにいたのはペコだ。
しかし、ペコは歯切れ悪く、実は見張りを放棄して事務室を空けていたことを打ち明けた。
主人公は、ペコの発言を裏付けるために、弐大がトイレが空いてないと零していたことを証言する。
ペコ以外は全員その時点の所在がはっきりしている。停電前からずっとトイレにこもっていたのは、お腹を下したペコだったのだ。
公衆の面前でウンコしていたとは言い出せなかったのだろう。すまない…と赤い顔でペコは恥じ入っている。

「誰かがその女に下剤を盛って、ブレーカーに近づいたってことはねーのかよ?」
九頭龍も議論に参加してくる。しかし、料理は終里もモリモリ食べていたし、無作為に料理を取ったペコだけに下剤を盛るのは無理だ。
それに、停電はブレーカーの操作で起こったのではない。
倉庫でONになっていた3台のアイロンに、11:30にセットされたタイマー。あれが仕掛けだ。
犯人は大方モノクマにでも聞いて旧館の電力供給量を把握し、アイロンを使ってギリギリの電力使用量を保ち、エアコンをタイマーでONにして任意の時間にブレーカーを落としたのだ。

停電も十神の想定の範囲に入っていた。それほどに十神が警戒していたのは、脅迫状が彼宛てに届いていたから。
それで十神は、互いに見張りあう状況を作り出し、犯人が身動きの取れない状況を作ろうとしたのだろう。
一人も犠牲を出すまいと決意した以上、手紙をいたずらだとは見過ごせない。そんな彼の強い責任感が、彼の死を招いてしまった。
231ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 13:08:17.81 ID:DWOZ2N1F0
支援。1も秀逸な文だったが今回もいい感じだな
232スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:10:30.97 ID:RGd60neR0
それにしても、容疑者の輪はせばまってこない。どの細工も、昼の内に誰もができたことだ…
主人公がそう思った時、狛枝が憑かれたように喋りはじめた。
「大丈夫だよ。たかが人殺しじゃない。そんなもの希望の象徴である君たちの敵ではないよ。絶対突き止められるさ。
 だからボクは確信してるんだよね。最後には希望である君たちが勝つって!」
「どうしたんだよ狛枝?お前、あんなに仲間が十神を殺したなんて信じられないって言ってたじゃないか…」
「えー、そうだっけ?それよりもさ、皆気づいてる?これだけ議論しても、犯人に繋がる証拠は一つも見つかってないってこと。
 無理なんだよ。犯人を見つけるなんて。だってこの中に犯人なんかいないんだからさ。」
言っていることが一瞬で180度変わっている。
「やっぱり、お前どうかしてるぞ、狛枝…!?」
「あはっ…僕をどうかしてると思うのは、みんなの方こそどうかしてるからだよ。
 こんな風に仲間内で糾弾しあうなんて、正気の沙汰とは思えないって…
 もうやめようよ!犯人なんて見つけなくたっていいじゃん!ボクはもう嫌なんだ!」
急に笑い、急に激昂する狛枝の不気味な姿に、皆の間に不安が感染し始める。
「私だって、私だってこんなの、嫌だよ…」
「こんなのもう嫌ですぅ…!おうちに帰してくださあい!」
急激に議論のムードは薄れていき、皆忘れていた死の恐怖に呑まれていく。
皆を落ち着かせようとする日向の努力もむなしく、パニックが広がっていく。
狛枝がゆらめきながら呪詛の言葉を撒き散らす。
「もうどうだっていいじゃないか…。どうせ、犯人に繋がる手がかりなんて、一つもないんだし…」

「それは違う!」
決壊しそうになっていた場の空気の流れが、ピタリと止まった。
普段と変わらぬぽかんとした無表情で言い放ったのは、ゲーマーの七海だった。
彼女は常に同じく、周囲の感情の激流にまるで流されていない。
「…と、思うよ。
 だって、犯人に繋がる手がかりなら、もう見つかってるじゃんか。」
「お、お前、犯人わかってんのか!?」
色めき立つ皆に、七海は補足、という感じで付け加えた。
「犯人…なのかなぁ?でも、怪しい人の手がかりならある…と思うよ。」

「へぇ…だったら、試しに言ってみてもらえる?」
狛枝は、見たことのないきつい顔で七海をにらんでいる。
「うん。まず、犯人がどうやってあの停電の中でナイフを手にしたのか考えてみよっか。」
「その話ならさっきしたよね?蛍光塗料を使って…」
「ううん、その前だよ。」
ナイフが光っていたとしても、テーブルクロスをめくるまでは自力で闇の中を進まねばならない。
犯人は、どうやってテーブルまで移動することができたのか?
真昼に描いてもらった見取り図で、日向はもう一度状況を確認する。
この中で、問題のテーブルに闇の中辿り着ける目印は…。
233スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:13:29.72 ID:RGd60neR0
テーブルランプのコードだ。壁を伝いコードを掴めれば、あとはたぐっていけばテーブルまで辿り着ける。
そして、停電前そのコードのすぐ傍にいたのは、狛枝凪斗だった。
「狛枝…まさか、お前がやったのか?」
「やだなぁ、日向くん、そんなの偶然だよ!」
しかし、掃除を一人で行った狛枝には、ナイフやアイロンを仕込む時間はいくらでもあった。
更に言えば、倉庫の掃除をしないでおくことで、仕掛けたアイロンに人を寄せ付けないでいることもできた。
そもそも、掃除当番を決めたクジを作ったのも狛枝だ。何かイカサマをした可能性が十分にある。
さきほどの演説も、皆に議論を止めさせる為の作戦だったんじゃないか。
そう皆に詰め寄られて、狛枝が唸りはじめる。
「狛枝…違うなら違うと言ってくれ。俺だって信じたくないんだ。
 一緒に捜査したお前が…、あんなに優しいお前が、犯人だなんて…」

「…あはっ。」
俯いて苦悶していた狛枝が、小さく笑った。
再び顔を上げたその目は、ゾッとするような混濁した闇を湛えていた。
「あははははははははははははははははははは!!
 超高校級の才能を持つみんなが、力を合わせて仲間の死という絶望に立ち向かう!
 あぁ!なんてすばらしくて美しいんだろうねぇ!
 結論から言うと大正解!すべてボクの仕業だったんだよ!」
狛枝は、今までの議論で出た仮説を認め、脅迫状を出したのも自分だと認めた。
ただし、掃除当番のクジは、何の仕掛けもないただのクジだったという。
彼は単に、自分の望む外れくじを引くことができると信じただけ。
「そりゃ、みんなに比べたらゴミのような能力かもしれないけどさ、
『超高校級の幸運』は、ボクの唯一の才能だからね。」
日向は運が悪いと茶化したが、あの時狛枝は確率16分の1の運試しに勝利していたのだ。

「でも、十神君が暗視スコープまで用意してたとは思わなかったなぁ。
 おかげで、テーブルの下でもみ合いになって…その結果がアレだよ。
 でも、だからこそこんなに面白い謎に仕上がったともいえるよね。あはっ、十神君のファインプレーだね!」
完全にキャラが崩壊している。マジで病んでる。
「まさか…それがアンタの本性なの?今までずっとアタシたちをだましてたの?」
「まさか!ボクなんかがみんなを騙せるわけないじゃん!
 自分が大したことない人間だってことくらいは、ボク自身が誰よりも理解してるつもりだよ。
 夢や希望を持つのもおこがましいほど…努力をするのも図々しいほど…ボクは決定的に最低で最悪で愚かで劣悪で、
 何をやってもダメな人間なんだ。」
「ヤバイ!この人って絶対に、子供のころに近所の動物とか殺してたタイプだ!」
目がイっちゃってる狛枝の独白に、隣の席の唯吹が震えあがっている。

狛枝は、決して自分が生き残ろうとして犯行を計画したのではないという。
「君達をさしおいてボクごときが助かろうなんて、そんな大それたこと考えてないよ。
 ボクはただ、殺し合いが始まってほしかったんだ。
 希望がより強く輝くには、絶望が必要だからさ。
 ほら、自分のひいきのボクサーには、より強い相手と闘って勝ってほしいでしょ?」
仲間の死という絶望に打ち勝って、希望を掴む姿を見せてほしい。
その為の生贄になれるなら、こんなに光栄なことはない。
「ボクはね、君たちを、本当に愛してるんだ。
 さしずめ、超高校級の超高校級マニアってところかな。」
234スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:16:39.97 ID:RGd60neR0
言葉も出ない。口を開いたら反吐が出そうだ。
皆、言葉少なに投票へ移ろうとしたその時、罪木がおどおどしながらそれを制止した。
「あ、あの…狛枝さんは、犯人じゃないと思うんですぅ…!」
罪木の検死では、凶器は直径5mm程の鋭利な物だ。絶対にあのナイフは凶器じゃないと彼女は主張する。
「あの、それに…狛枝さん、犯人にしてはきれいだと思うんですぅ…」
「容姿をほめられたのは初めてだよ!母親にすらほめられたことはないからね。」
「うゆぅ…そ、そうじゃなくてぇ…」
返り血のことだ。あのテーブルクロスの中の様子では、犯人は相当の返り血を浴びてなけれなおかしい。
日向は、倉庫に捨てられていた血まみれのテーブルクロスの事を思い出した。
だが、停電が終わった時、狛枝がそんな物を持っていなかったのは皆見ている。
それに、かなりかさばる物なので、隠し持っておくのは無理だろう。

そこで七海が、新しい可能性を提唱した。
殺人が起こったのは、テーブルクロス内部ではないのではないか?
机が壁際に寄せられていた為、その下には絨毯がなく、床が露出していた。
直径5mmの長い凶器なら、床板の隙間から十神を刺すことができたはずだ。
探索時、床下に入る方法は見つからずじまいだったが…、日向は眼蛇夢に問いかけた。
「田中、そのイヤリング…」
「魔犬のイヤリングの事か?」
「そのイヤリングが、探していたやつでいいんだよな?」
「魔犬のイヤリングの事だな?」
「…魔犬のイヤリングを拾うことができたってことは、床下に入る方法を見つけたってことだよな?」
眼蛇夢が得意げに話すには、破壊神暗黒四天王が一角、蜃気楼の金鷹チャンP(ハムスター)が倉庫で入口を嗅ぎ当てたらしい。
乱雑に積まれた荷物の山をどかすと、そこには床下に降りる床ハッチがあった。
床下を這ってイヤリングを探した際、床板に淡く光っている部分を見かけた、と眼蛇夢は証言した。
真犯人は、狛枝がナイフを仕掛けるところを目撃して彼の計画を知ったのだろう。
床下からナイフの真下の床板に夜光塗料を塗っておいて、停電時そこを目印に床下を進む。
そしてシーツを被って、ナイフに塗られた夜光塗料が動くのを待ち、凶器を突き上げたのだ。

犯人が床下で待ち伏せていたのだとしたら、パーティーの時所在がはっきりしていない人物ということになるが、
ペコはずっとトイレにいたのが弐大に確認されているし、厨房に籠っていた花村も、料理を運びにしょっちゅう広間に顔を出していた。
七海はモノミと一緒にいたし、九頭龍はその七海に目撃されている。
ということは、犯人は停電時に倉庫まで移動したという事になる。
倉庫からホールは、壁がない床下での移動距離はごく短いが、
地上では、廊下を回り込んでいかねばならないので、灯りなしでは短時間の移動はできそうにない。
犯人は、暗闇の中どうやって倉庫まで移動したのか?
皆知恵を絞るが、中々いいアイディアが浮かんでこない。
「めんどくせぇから勘で言うぜ。普通に灯りを使ったんじゃねぇのか?」
終里の適当な発言に、日向は記憶を刺激された。
厨房の棚にあった、卓上ガスコンロ。
あれを点灯させれば、十分な灯りになるだろう。

そこで狛枝が反論をしかけてきた。
廊下で火を灯していたなら、事務室を探して彷徨っていた左右田に発見されているというのだ。
その反論を、広間と厨房の間の廊下に防火扉があったことを根拠に斬り捨てた。
あれを閉めてしまえば灯りは洩れないだろう。
235スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:21:07.05 ID:RGd60neR0
今までの仮説を実行可能な人物は一人しかいない。
日向は、厨房にこもっていた料理人、花村輝々を名指しした。
「もちろん、これはただの推理だ。違うなら反論してくれ。」
輝々は取り乱すばかりで、ろくな反論が出てこないが、自分は停電時に大広間にいたと主張し始めた。
そういえば、輝々の声を唯吹が聞いているのだが…、日向は床の隙間の事を根拠に、床下から声を張り上げれば同じ効果を得られることを指摘した。
一同はざわつき、急速に花村輝々犯人説に場が傾いていく。
「ちょっと待てちゅーとるやろがあああああ!!!!
 きさんら、さっきからなにおぅ抜かしとるかぁ!ぼかぁ停電ん時は広間にいたゆーとるやろがっ!」
「…あんた、どこ出身だっけ?」
「南麻布生まれの南青山育ちっちゃが!!」
「みんなー、こいつウソついてるよー!」

輝々は頑なに停電中から自分は大広間にいたと主張して譲らない。
皆の記憶もあいまいで、いたともいないとも言い切れずにいたが…、日向はふいに閃いた。
「いや、証明できるかもしれない。
 花村、お前が停電中から広間にいたなら、停電が終わった時、罪木がどんな恰好になっていたかわかるはずだよな?」
「な、なぬ!?」
「ふゆぅっ、思い出させないで下さいよぉ…!」
あんなに凄いポーズだったのだ、あれを凝視しなかった男子などあの場に居得たはずがない。
しかし、輝々はしどろもどろに言葉を濁し、ド忘れしたと言い出した。
「あんたみたいなエロキャラが忘れるわけないでしょっ!!」
日頃の性欲丸出し最低発言が、ブーメランのようにとどめを刺しに来た瞬間だった。
しかし輝々は往生際が悪く、先ほどまで輝々側を援護していた狛枝に縋る。
しかし、狛枝は冷たく輝々を突き放した。
彼は常に、どんな絶望にも負けない『絶対的な希望』を追い求めている。
犯人となり脱出する唯一の勝者も、犯人を見抜き生き残っていく勝者も、彼には等しく執着と献身の対象だ。
だが、無様を晒し、逆転の見込みもない敗残者は、もはや彼の興味を惹くことはないのだった。

「らー!ぼっきにんばはんだらゆげっちゃ、めんずきんきだばなんぞゆげったれでぱれや!!」
追い詰められ通訳がいないと意思疎通ができないほどなまり始めた輝々だが、どうやら凶器が特定されていないと言っているらしい。
それはやはり、一本欠けていた鉄串が最も可能性が高いだろう。それを、輝々がどこに隠していたのか?
そこで日向は、モノクマに厨房に会った巨大骨付き肉をこの場に持ってくるように頼んだ。
予め真相を監視カメラで把握しているモノクマは、既に骨付き肉を用意していた。
その骨を引くと、ずるりと鉄串が現れた。
鉄串の柄に骨を被せて接着し、それを元のように肉に刺して偽装してあったのだ。
「肉が鞘となり骨が柄となる破滅の剣!それで十神にカタストロフィをもたらしたのか!」
眼蛇夢がうるさいが、そういうことである。

論破された輝々は号泣し始め、皆は投票を行った。
満場一致で、十神白夜を殺したのは、花村輝々だと決定し、モノクマもそれに正解と答えた。
どうして十神を、と問い詰められた輝々は、泣きながらあらましを語る。
「そんなつもりじゃなかったんだ、ボクは、みんなを守ろうとして…」
昼間、旧館厨房で料理を担当していた輝々は、妙な笑い声を聞きつけ広間に顔を出した。
すると、狛枝がナイフを仕掛けている現場に出くわしてしまったのだ。
問い詰めると、狛枝は悪びれずに笑顔で答えた。今夜停電を起こして誰かを殺すつもりだと。
殺人が始まってほしい。だから今止められても、明日も明後日も絶対に誰かを殺すまで諦めないと。
恐怖した輝々は、この仕掛けを逆手にとって、狛枝を始末する決意をした。
しかし、彼の予想に反して、幕が明けてみると死んでいたのは十神だった…。
236スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:23:11.20 ID:RGd60neR0
七海は、狛枝はわざと輝々にナイフを仕込む所を見せたのだと指摘する。
狛枝もそれを認めた。更に言えば、予め床下への入り口の存在を輝々に教えていたのも彼だった。
狛枝は、自分の死を厭わずに伏線を張り巡らせ、今夜一体どのような結果になるのかを楽しみにしていた。
そして、彼は偶然生き残り、中々に面白い謎ができあがったのだった。
「花村くん、こんな結果になってボクも残念だよ。
 でも、胸を張っていいんだよ!君は、皆がより強い希望になるための、人柱になるんだ!」
狛枝は笑顔で輝々をはげまし、十神の死も皆の糧となると言い祝福した。
「おいおい、こんなイカれた奴を野放しにしといていいのかよ…ブッ殺ししまった方がいいんじゃねーのか?」
「キャー!ぶっ殺すですって!最近の高校生って過激!
 でも、ぶっ殺されるのは花村クンの方ですからね。」
モノクマは容赦なく輝々の処刑を宣言する。

「待ってよ…あれは正当防衛っていうか、過失っていうか……せめて、抒情酌量とか、執行猶予とか…
 ねぇみんな、助けてよ!ボクは、ただみんなを助けようとして…!」
「本当は、狛枝クンの計画を聞いたとき、これを使って彼を殺せば誰にもバレないって思ったんでしょ?
 狛枝クンを殺して、みんなを犠牲にして、自分だけ生き残ろうって必死だったんでしょ?
 素直になりなさいよ、最後くらいは。」
モノクマに諭され、皆にも狛枝を殺そうとした真意を問われて、輝々は泣き崩れた。
「みんな、ごめん…でもボクは、帰りたかったんだよおおお!帰らなくっちゃいけなかったんだよおおおお!!!
 だって、田舎で母ちゃんがボクを待ってるんだ…たった一人で待ってるんだよ…」
輝々は、実家の花村食堂を母に任せて、希望ヶ峰学園に入学する為に上京した。
別れの時、次に帰る時は青山支店や麻布支店の話を持ってくると言うと、母はまたそんな事を言ってと苦笑した。
でも輝々は本気だった。だって、卒業すれば成功を約束される学校なんだから。
病気がちな母を一人残していくのは心配だったが、母は「じゃあそれまで花村食堂を守らないとね」と笑って見送ってくれた。
「なのに、記憶を奪われたとか、あれから何年もたってるとか言われて…
 そしたら、花村食堂は、母ちゃんはどうなっちゃったんだよぉ!!」

「信じてしまったのか、あの話を…!」
「なんでだよ…お前、そんなの信じないって、だから大丈夫だって、あんなに言ってたじゃねーか…!」
輝々は、他の誰よりも信じてしまっていたのだ。
だから怖くて怖くて、否定して現実逃避するしかなかった。
そのことに、もっと早く気づいてやれていれば…
涙する皆を意に介さず、モノクマは輝々を処刑場に曳いていこうとする。
「待ってよ、せめて、母ちゃんがどうなったのかだけでも教えてよ!」
モノクマはそれをすげなく断り、処刑を開始した。
237スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 13:24:32.70 ID:RGd60neR0
【花村輝々処刑】
 花村は浜辺で杭に縛り付けられ、ヘリによって空中から卵とパン粉をまぶされる。
 そのままヘリに吊り下げられて海上を渡り、近海の島にある火山口へ投入された。
 マグマの中に落ち、トンカツになる花村輝々…

大喜びするモノクマを、皆で責めつけた。
殺し合いが始まれば、記憶を返すという約束だ。輝々には、母がどうなったのか知る権利があったはずだ。
モノクマはそれを、”すぐ返すとは言っていない”という小学生のような反論で片付けて去っていった。
狛枝は笑顔で輝々の死を受け入れ、皆の神経を逆撫でする。
「気色悪い事抜かしてんじゃねえよ!お前、ブッ殺すぞ!」
「うん、どうぞ。ボクが嫌いならいつでも殺していいよ。
 踏み台になる覚悟はできてるからさ!でも、一つだけお願いがあるんだ。ボクを殺すなら、予め教えてくれないかな?
 ほら、そうしたら、犯人になる人に協力してあげられるからさ。」
腹が立つが、こんな奴の相手をしている場合ではない。
ソニアは、皆にはやるべきことがあると言う。
「それは、頑張ることです。」
何を、と問われれば具体的にはわからない。でも、次の殺し合いが始まらないよう、自分にできることをやるしかない。
中身のない薄っぺらな言葉だと分かっていても、皆、合言葉のように「頑張ろう」と連呼し合い、裁判場を後にした。

<CHAPTER1終> 生存者14名
238ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 13:28:16.97 ID:RGd60neR0
途中でさるさん喰らってしまいました。支援ありがとうございます。
多分今後も喰らうので、一回に1話ずつで、ちびちび投稿します。全6話です。
また夜投稿しに来ます。
239ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 14:15:29.08 ID:vSCiDswy0
おつです。
的確に見どころだけ残して簡略化していて、
読んでいて楽しかったよ。
240ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 16:08:48.56 ID:aKHfFJFh0
ポイントだけ残して簡略化してる上手い書き方だな〜
241ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 16:57:55.01 ID:z+oOYZbxO
ロンパ2さんついにきた、乙です!
描写がありがたすぎます
242 ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:17:37.43 ID:RGd60neR0
ダンガンロンパ1投稿したのも自分なので、気軽にコピペしてたのですが、
よく考えたら言っておかないとダメですよね。証拠ないし…。
時々1の文章を流用しています。ご了承ください。

2話目を投稿します。今日中に3話までいくつもりです。
243スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:19:34.14 ID:RGd60neR0
CHAPTER2『罪と罰。 海とココナッツ』

裁判の夜が明け、重苦しい朝がやってきた。
レストランには暗い顔ながら皆揃っていたが、その中に九頭龍と狛枝の姿はなかった。
朝食を取っていると、終里が何か臭うと言い出した。
まさか、また血の臭いが!?と皆一瞬慌てたが、
「本当だ…。何かが腐ったような、生ゴミのような…」
「あー!わかった!きっと弐大おにぃの口臭だよぉ!」
「がっはっは!こりゃあ一本とられたわい!」
日寄子が笑顔で弐大を罵るが、終里があっさり彼女に宣告した。
「いや、この臭い、お前だぞ西園寺。」
「むぅ…この不快な臭い…魔蝕の始まりか…!?」
「お前、ちゃんと風呂入ってんのか?」
口々に言われ、日寄子は顔面蒼白になり…顔をぐしゃぐしゃにして大泣きし始めてしまった。
「ちょっと!あんた達、デリカシーが無さすぎる、って言ってるでしょ!」
女尊男卑のうるさ型、真昼が一同を叱りつける。
和の文化以外を馬鹿にしている日寄子は、この常夏の島でもきっちり着物を着続けていたのだが、
実は一人では帯が結べないので、一度も着物を脱がず、風呂にも入っていないらしい。
「ほら、泣かないで西園寺さん。簡単な結び方でよかったら、私やってあげられるから。」
真昼が慰めると、日寄子は顔を輝かせ大喜びした。
「わーい!小泉おねぇとお風呂で洗いっこだー!」
「…えっ!?私も入るの?それはちょっと…」
押し切られ、真昼は日寄子に引き摺られていく。
これ以降、日寄子は真昼にベッタリ懐いてしまい、唯一彼女だけは攻撃しなくなる。

モノミが機械の獣を一頭仕留め、第2の島への橋を解禁してくれた。
新しい場所で仲良く遊んで、今度こそ友情を深めましょう、らーぶ、らーぶ…という事らしい。
お風呂に入った二人を置いて、一同は第2の島に足を踏み入れた。
そこは、アメリカンかつ高級感のある建造物の並ぶ、花咲き乱れる島だった。
ダイナー、大型ドラッグストア、図書館、チャンドラービーチ、少し離れたところに巨大な遺跡が見えている。
ダイナーの中では、九頭龍がハンバーガーを食べていた。ペコが、最初に引き受けて以来なんとなく九頭龍への連絡係のようになっているので、彼女が情報を教えているのだろう。
九頭龍は相変わらず刺々しいが、日向は何とか彼とコミュニケーションを取ろうと試みる。
彼は、九頭龍組の力に安易に頼るのを嫌い、独り立ちするつもりだと話した。組なんか関係ない、自分の力で自分を認めさせてやる、と。
「それに、跡目なら妹が喜んで継ぐだろうしな…。」
とりあえず彼に妹がいることは分かったが、また怒り始めた彼に追い出されてしまった。
そのダイナーの駐車場を抜けた先には、プライベートビーチ風の浜辺チャンドラービーチがある。
モノミ曰く、風紀が乱れるのでビーチハウスでの着替えは禁止とのこと。
規則を破ると何をされるかわからないので、不便だが言いつけは守っておく。
244スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:20:54.72 ID:RGd60neR0
大きな図書館には、物凄い数の蔵書があったが、外国語ばかりでまるで読めない。
ソニアは何か国語も操れるので、好みの雑誌を見つけて夢中で読んでいる。
何でも最近の殺人鬼を特集したものらしい。多趣味な王女様である。
「この本は中々ですわ。今若手ホープとして売り出し中の、『ジェノサイダー翔』のことも書いてありますしね。
 わたくしのイチオシは、『キラキラちゃん』です。キラキラちゃんは、古今東西のヒーロー物のお面をかぶり、犯罪者をブチ殺す、正義の殺人鬼なのです!」
ソニアはジェノサイダー翔とキラキラちゃんの事を熱く語り、ペコと日向をドン引きさせる。
殺人鬼トークを聞き続ける気力はないので、ジャバウォック島の観光案内を見つけて、和訳してもらった。
それによればジャバウォック島は、中央の島に行政機関の建物が集まり、周囲の4つの島が観光地となっているらしい。
しかし今中央の島には、大きな公園と、岩山に隠された裁判所以外には何もない。
更にジャバウォック島は、各島を繋ぐ交通が船しかなく、生態系への影響に配慮して橋が架かっていないらしい。
そして、今いるこの島は、中央の島から各島へ全て橋が架かっている。
この大きな食い違いは何なのか?まさかこの島は、本物のジャバウォック島ではないのだろうか?

そこで七海から、発見があったので至急集まってほしいと通達が来た。
言われた通り遺跡の前に皆集まる。砂塵の層を被り、木々が蔦の様に絡んだ、威容を誇る大きな遺跡だ。
…この建物を、どこかで見たことがある。それもこの島に来る直前に。
希望ヶ峰学園と、この遺跡のシルエットがよく似ていることに気づき、皆も訝しみ始める。
七海の発見とは、その遺跡の中央下、建物ならば正面入り口にあたる部分だった。
遺跡には、似つかわしくない何か。こびりついた砂を皆でこそげ落とすと、違和感の正体がはっきりと姿を現した。
それは、まるで軍事施設のシェルターのような、物々しい円形の機械扉だった。

そこに現れたモノミとモノクマは、口数少なく、歯切れも悪く、遺跡の事を語る。
この遺跡は、本質的に入ることのできない場所。モノクマすらこの中に入ることはできないらしい。
「だからこそオマエラには期待してるんだよ。この謎を解き明かしてくれることをね。」
機械扉には、「未来」という字が刻印されている。横に液晶パネルがあり、ここにパスワードを打ち込めば開くようだ。
しかしその入力装置の真横に、どう見ても機銃のようなものが設置されてあり、でたらめに試してみる勇気はとても出ない。

「オマエらは、世界の破壊者って呼ばれる組織の事、聞いたことある?」
モノクマは唐突に、聞き覚えのない組織の事を語り始めた。
中学生が考えたような名前だが、それ以外に呼びようのない組織。
何故なら彼らは、本当に世界を破壊してしまうのだから。
「コラーッ!あんた、いいかげんにしなちゃいよっ!!」
珍しく激昂するモノミをぶん殴り、モノクマは更に続けた。
日向達の中に一人潜む裏切り者の正体こそ、その組織の手先だと…。

訳のわからない情報が多すぎて、疲れ果てた日向達はその日はすぐ休んだ。
翌朝になっても、狛枝は姿を見せなかった。それはそれで有難いが、一体どこにいるのだろう?
朝食会で裏切り者の話題になった時、弐大が自信ありげに裏切り者のことはもう心配ないと言い切った。
「何しろ、そいつは今身動き取れん状態じゃからのう!」
…そんなことだろうとは思ったが、狛枝をどうにかしてしまったようだ。
「苦ッ!しまった、喋ってしもうたぞ!どうする左右田よォ!」
「だぁぁっ!そこで俺に振んじゃねーよ!!」
弐大と左右田は、狛枝を捕まえてふん縛り、旧館大広間に監禁していた。
先生として頼られると弱いモノミにつけこんで、面倒を見させているようだ。
確かに、狛枝が一番裏切り者として怪しいし、奴を野放しにしておくのは危険すぎるが…
死なない程度に世話をしないとややこしいことになりそうだ。
245スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:22:28.06 ID:RGd60neR0
思い思いに南国の一日を過ごしたその夜、2回目の動機プレゼントが開催された。
モノクマがジャバウォック公園に用意したのは、一台のゲーム箇体。
ゲーセンにあるようなその箇体の画面には、いかにも90年代なロゴで、「トワイライトシンドローム殺人事件」と表示されていた。
このモノクマ製作の謎のアドベンチャーゲームこそ、今回の動機だという。
プレイするもしないも自由だが、これをプレイした者は動機を抱くことになる。
機先を逃せば、自分が狙われる者となるかもしれない、とモノクマは皆の不安を煽る。
「もう、殺人なんて起きないよ。私がそんなこと許さない。」
七海がきっぱりと宣言した。そういう熱い所のある奴だとは思わなかったから意外だ。
結局、全員プレイしなければどうということは無い、という結論に至った。
しかし皆、誰かが抜け駆けをするのでは?という不安を完全に拭うことはできないまま、散り散りに去った。

翌朝、日向はコテージを出たところで、九頭龍に出くわした。
九頭龍は顔色が悪く、手に大判の封筒を持って難しい顔をしている。
もしかして、あのゲームをプレイしたのでは?そう思って問いかけると、九頭龍は突然怒り出し、
二度とかまうな、と言い捨てて自分のコテージに帰ってしまった…。
レストランに入ってみると、皆朝食を済ませてしまったのか人気がない。
真昼だけが、パンや牛乳の乗ったトレイを持って日向に寄ってきた。
「ちょうどよかった!こんな時に限って誰もいないから、待ってたのよ。」
面倒見のいい真昼は、監禁中の狛枝に朝食を運んでやったらしい。
だが、「ボク、ご飯苦手だから、トーストにしてくれるかな?」とほざかれ、怒り心頭で戻ってきて支度をし直したそうだ。
「私、この後用事できちゃって急ぐからさ、後はよろしく!」
トレイを押し付けられ、渋々旧館大広間まで赴く。
恐る恐る扉を開けると、そいつは微笑んでいた。

縄で手足を縛られ、鎖で拘束されて、一日中ここで転がっているしかないというのに、彼は変わらずにこやかだった。
「やぁ、嬉しいな。日向君が来てくれるなんて。
 小泉さんはどうしたの?もしかして、急用ができたって言って、急いでどこかに行っちゃった?」
「…何でそれを知ってる?」
やはりこいつは不気味だ。狛枝から漏れ出た毒が、辺りを汚していくように感じた。
「ねぇ、日向君、ご飯食べさせてくれる?」
思わず身を引いたが、よく考えると狛枝は手が使えないので、口に運んでやらないと物が食べられない。
…普通に嫌だ。輝々にも批判されたが、自分にはBL属性は一切ない。
「そうそう、聞いたよ。トワイライトシンドローム殺人事件だって?
 ちょっと残念だな。立ち向かわずに逃げているだけなんて、希望である君達にはふさわしくないよ」
またも身勝手な希望信仰を聞かされ、気分が悪くなった日向は介護を放棄して立ち上がった。
「あれ?日向君?食べさせてくれるんじゃなかったの?」
「…もう2度と、お前に騙されるのはごめんなんだよ」
やはり会わなければよかった、と思いながら日向は旧館を後にした。
246スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:23:24.23 ID:RGd60neR0
その夜、日向はこっそりとホテルを抜け出し、あのゲームをプレイしに行った。
危なそうな内容なら途中でやめたらいいし、誰が誰に殺意を抱きそうな内容なのか掴んでおいた方がいい、という判断だ。
要するに、不安に負けた…と言えなくもない。
「トワイライトシンドローム殺人事件 探索編」と書かれたスタート画面でボタンを押し、プレイを始める。
いきなり「2日目」、と表示されて唐突に始まったのは、横スクロール型のアドベンチャーとでも言ったらいいのか、不思議な味わいのゲームだった。
A子という名の女子高生を動かして校内を歩き回る。
1−Aの教室に入ると、A子のクラスメイトの少女達が彼女を待っていた。
A子「お、遅れてごめんなさいぃ!何でもしますから、怒らないでください!」
D子「何言ってんの。そんなことで怒るわけないでしょ。」
C子「集まったのって、やっぱあの事件の事っすか?」
彼女たちは、この高校で起きた殺人事件の事を話し合い始める。
女生徒が音楽室で頭を割られて死んでいた事件。窓が開いており、警察は外部からの侵入者が犯人だとみている。
スクール水着が盗まれていたのも、その見方に拍車をかけているようだ。
A子「で、でもぉ…よかったんですかねぇ?私たちが死体を見つけたの、警察に黙ってるなんて…」
B子「あんたはマゾだからいいかもしれないけどさー、あんな事件に関わりたくないっての。」
E子「死体を発見したのが誰かなんて、関係ないわよ。
  せっかくこの学校に入ったんだから、こんなことで失敗したくないの。」
E子という少女が、強硬に押し通して死体発見を黙っていたようだ。
いきなり画面が暗転し、「4日目」と表示されてまた始まった。
弓道部の部活で遅くまで残っていたE子が、暗い廊下を一人足早に歩いていた時、どこからか声が聞こえてきた。
E子は悲鳴を上げ、一目散に走りだす。
「いやっ!許してぇーーー!!!」
「許さない」という赤い文字が画面を覆いつくし、画面が赤く染まった。
E子の死に様が実写で映し出される…頭を割られ、壁に背を預けて絶命しているE子。傍らに血の付いた金属バットが転がっている。
C子「やっぱ、呪いっすよ!同じ様に頭を割られてたなんて…」
そこで画面は暗転し「GAMEOVER」の文字が表示された。その下には「ごかいした」という謎のひらがなが。

意味不明すぎて不気味な内容だった。何故いきなり2日目で始まり4日目に飛ぶのか?
分岐もないのに何故GAMEOVER?その下の「ごかいした」とは?何かを誤解したのか?
それにわざとなのかどうか、少女達のセリフの中には、耳に覚えのある喋り方が含まれていた。
何にせよ、これが一体どんな動機になるのか、全くわからない。
モヤモヤした気持ちのまま自分のコテージに帰り、寝ることにした…。

翌朝起きても、あの意味不明なゲームが頭を離れなかった。
もういっそ正直に話して、ゲームの内容を皆に相談してみようか?
そう思いながら朝食会に出てみると、皆勤賞だった真昼の姿がなかった。
「一人になりたい」と言って、朝食会には出ずどこかに行ってしまったらしい。
そういえば、昨日「用事ができた」といって出かけて行って以降、元気がなかったようだ。
罪木が、顔を曇らせて呟いた。
「もしかして小泉さん、あのゲームを…」
「黙れゲロブタ!!そこの鈍臭いオタク女ならともかく、小泉おねぇがゲームなんてやる訳ないだろ!」
すかさず、日寄子が口汚く人を罵る。
「……。あ、もしかしてオタク女って私の事?」
「ひうぅ…ゲロブタは私の事ですよねぇ…」
どうしてこいつはこんなに性根が腐っているのか…
日寄子は、朝から大量に食べる終里にも嫌味をぶつけていたが、終里はまるで意に介さなかった。
「おめぇこそ、菓子ばっかりじゃねぇか。」
「いいんだもーん。これは4種類のフルーツ味のグミだから、色んなビタミンがたっぷり入ってるはずなんだもん。」
247スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:24:27.13 ID:RGd60neR0
しかし、とてもじゃないがゲームをやったなんて言い出せる雰囲気じゃない…
日向がそう思案に暮れていると、目の前に左右田が座って顔を寄せてきた。
「よぉ、おめーに頼みてぇ事があるんだ。14:30にスーパーまで来てくれ。
 …あ、あと、体力は温存しとけよな。」
不審に思ったが、ビビってる時以外はソニアの事くらいしか考えてない左右田のことなので、警戒せずスーパーまで行ってみた。
案の定、左右田の頼み事とは、ソニア絡みの事。
何でも、左右田が小耳に挟んだところ、ソニア発案で女子一同は海水浴に行くらしい。
そこに、是が非でも、偶然を装って合流したい!!だから付いてきてくれというのである。
「一人ってのは不自然すぎんだろ?偶然俺とお前が海水浴に行ったところで、女子たちと出くわすって筋書よ。
 …あっ!何だよ!断る気か!?俺はお前の分の水着ももう用意してやってんだぞ!」
断ったら一生ネチネチ言ってやるからな!と喚く左右田に負け、このくだらない作戦に乗ることになった。
ご機嫌の左右田に連れられ、第2の島のダイナーで女子達を待つ。
ビーチに行くには、必ずここの駐車場を通り抜けることになるので、格好の待ち伏せ場所なのだ。
ダイナーに着いたのが15時で、女子たちの待ち合わせ時間は16時!1時間もある。慎重を期しすぎだ。
ガラス越しに駐車場を睨みながら、浮かれた左右田のビキニ談義を聞かされ続けるという不毛な時間を30分近く過ごした時、
九頭龍が駐車場を歩いているのを見つけて、二人はダイナーを飛び出した。

「なっ、なんだてめーら!?」
「隠すんじゃねぇよ、お前、俺達の計画を聞いてやがったな?お前も合流したいんだろ!」
噛み合わない口論をしている二人を眺めていると、罪木と唯吹がそこに通りかかった。
「や、やぁ、偶然だね、二人はこんなところで何を?
 オレらは海水浴に来てね…あっ君たちもそう?それは偶然だ!むしろ運命だ!合流しましょう!」
……演技が下手すぎて見ていられない。しどろもどろでボロを出しまくる左右田から目を逸らすと、いつの間にか九頭龍がいなくなっていた。
唯吹は呆れながらも、発案者のソニアがOKを出すなら一緒に海水浴に来ることを許してくれた。
女子たちの待ち合わせ場所は偶然にもダイナー。
唯吹と罪木は、腹ごしらえの為に早めに来たということで、4人でダイナーに引き返して他の女子たちを待つ。
ビーチハウスは着替え禁止なので、日向以外の3人はもう服の下に水着を着こんでいるらしい。
「あ、お前はまだだったな。じゃあ、トイレで履いてこねーとな。」
左右田が差し出したのは、迷彩柄のビキニパンツ…
「あのぅ…差し出がましいようですが、その水着は大胆すぎます…!」
罪木に言われるまでもなく、難色を示す日向に、左右田が涙目でキレる。
「なんでだよっ!俺とお揃いなのが嫌だとか言うんじゃねーだろーな!?」
「お揃いなのかよ!?じゃあ絶対に嫌だ!!」
ギャアギャア騒いでいると、ガラスの向こうを何かが駆けていくのが見えた。

西園寺日寄子だ。何故か泣きながら、着物の裾をからげて全速力で走っていく。
唯吹曰く、日寄子は泳げないからと言って海水浴を断ったらしい。
だが、日寄子は今ビーチ側から走ってきたが…。
「まぁ、女は意外性に満ちているもんっすからね。絶対来そうな真昼ちゃんにも断られたっすから」
確かに、真昼が来ないのは意外だ。むしろ、あいつこそこういうことを発案しそうなのに。
その時、ダイナーの扉が開いた。
「あらら、残念。早めに来たから、一番乗りかと思ったのに。」
248スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:25:55.41 ID:RGd60neR0
正直、眼が釘付けになった。
そこに立っていたのは、白いビキニを着た七海千秋だった。
ガーリーなテイストだが大胆なラインが、色白な肌と相まって…
「なんつーか…これがギャップ萌えってやつか!普段おとなしい奴が大胆な水着着ると、なんか高ぶるよな…
 な、日向!しかしあいつがあーんな巨乳だったとはなぁー…」
「…いや、まぁ、どうだろうな…」
なんて言いつつ、日向は鼓動が早まるのを感じていた。
「ちょっとサイズが小さかったかな?でも、この水着しか合うのがなかったんだよね。
 ……似合ってないかな?」
「え?いや…似合ってるんじゃないかな…」
七海に首を傾げられ、日向はどぎまぎと答える。七海も微笑み、いい感じになったところで…
「おう、待たせたな。」
扉が開き終里が入ってきた。
期待通りのダイナマイトボディにボーダービキニはいいのだが、頭が割れてて血まみれだ。
ここに来る途中弐大に会い、トレーニングと称した肉弾戦に興じていたらしい。
終里は初めて適わない相手に出会ったらしく、大喜びでしょっちゅう弐大に勝負を挑んでいるのだ。
罪木が手当の為に終里をトイレに引き摺って行った所に、ペコが入ってきた。
ペコは第1の島から、反対側の島に泳いで行けないか試していたそうで、既にずぶ濡れだった。
黒のビキニ、濡れ髪のオールバックが艶めかしいが、こんな時にも背に竹刀袋はしょっている。
巨乳3人衆のサービススチル3連発が終わったところで、ソニアが元気よく入ってきた。
「そ、ソニアさんが来ただぁー―――!!ど、どんな水着をぉ!
 ぎゃあ!ウェットスーツだ!」
左右田が慌てて立ち上がったが…、ソニアが着用していたのは全身を覆うウェットスーツだった。
「日焼けすると肌がダメージを負ってしまいますからね!でも、ウェットスーツを着たのは初めてなので手間取って遅れてしまいました。
 本当にめんごですわ。」
左右田は流石の立ち直りの早さで、ソニアの美麗なボディラインに興奮している。
ソニアに、男子が紛れこんでいることを訝しまれると…
「それなんですよソニアさん…率直に言うと、海に行くならどうかオレ達にもお供させてください!!」
もうド正面から行くことにしたようだ…。ソニアは困りながらも了承してくれて、左右田はテンションぶっちぎりでビーチにすっ飛んで行く。
パラソル、シート、ドリンクなど、女子の方々をおもてなしする為準備に行くそうな…
水着の女子に囲まれているのも気まずいので、日向も後を追いかけた。

日向が駐車場奥のトンネルを抜け、ビーチハウスの前まで来た時、
ピンポンパンポーンと、聞き覚えのあるアナウンスが聞こえてきた。まさか…
「死体が発見されました。一定時間後に学級裁判が始まります」
それに被る様に、「誰か来てくれぇ!!」という左右田の絶叫が聞こえてきた。
目の前の道路側の扉からビーチハウスに入ろうとすると、何故か開かない。
砂浜側のドアまで回り込んで飛び込むと、そこには…頭を割られた小泉真昼が、血の海の中、道路側の扉に背を預けていた。
既に息はなく、傍らに血の付いた金属バットが転がっている。
249スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:26:30.97 ID:RGd60neR0
正直、眼が釘付けになった。
そこに立っていたのは、白いビキニを着た七海千秋だった。
ガーリーなテイストだが大胆なラインが、色白な肌と相まって…
「なんつーか…これがギャップ萌えってやつか!普段おとなしい奴が大胆な水着着ると、なんか高ぶるよな…
 な、日向!しかしあいつがあーんな巨乳だったとはなぁー…」
「…いや、まぁ、どうだろうな…」
なんて言いつつ、日向は鼓動が早まるのを感じていた。
「ちょっとサイズが小さかったかな?でも、この水着しか合うのがなかったんだよね。
 ……似合ってないかな?」
「え?いや…似合ってるんじゃないかな…」
七海に首を傾げられ、日向はどぎまぎと答える。七海も微笑み、いい感じになったところで…
「おう、待たせたな。」
扉が開き終里が入ってきた。
期待通りのダイナマイトボディにボーダービキニはいいのだが、頭が割れてて血まみれだ。
ここに来る途中弐大に会い、トレーニングと称した肉弾戦に興じていたらしい。
終里は初めて適わない相手に出会ったらしく、大喜びでしょっちゅう弐大に勝負を挑んでいるのだ。
罪木が手当の為に終里をトイレに引き摺って行った所に、ペコが入ってきた。
ペコは第1の島から、反対側の島に泳いで行けないか試していたそうで、既にずぶ濡れだった。
黒のビキニ、濡れ髪のオールバックが艶めかしいが、こんな時にも背に竹刀袋はしょっている。
巨乳3人衆のサービススチル3連発が終わったところで、ソニアが元気よく入ってきた。
「そ、ソニアさんが来ただぁー―――!!ど、どんな水着をぉ!
 ぎゃあ!ウェットスーツだ!」
左右田が慌てて立ち上がったが…、ソニアが着用していたのは全身を覆うウェットスーツだった。
「日焼けすると肌がダメージを負ってしまいますからね!でも、ウェットスーツを着たのは初めてなので手間取って遅れてしまいました。
 本当にめんごですわ。」
左右田は流石の立ち直りの早さで、ソニアの美麗なボディラインに興奮している。
ソニアに、男子が紛れこんでいることを訝しまれると…
「それなんですよソニアさん…率直に言うと、海に行くならどうかオレ達にもお供させてください!!」
もうド正面から行くことにしたようだ…。ソニアは困りながらも了承してくれて、左右田はテンションぶっちぎりでビーチにすっ飛んで行く。
パラソル、シート、ドリンクなど、女子の方々をおもてなしする為準備に行くそうな…
水着の女子に囲まれているのも気まずいので、日向も後を追いかけた。

日向が駐車場奥のトンネルを抜け、ビーチハウスの前まで来た時、
ピンポンパンポーンと、聞き覚えのあるアナウンスが聞こえてきた。まさか…
「死体が発見されました。一定時間後に学級裁判が始まります」
それに被る様に、「誰か来てくれぇ!!」という左右田の絶叫が聞こえてきた。
目の前の道路側の扉からビーチハウスに入ろうとすると、何故か開かない。
砂浜側のドアまで回り込んで飛び込むと、そこには…頭を割られた小泉真昼が、血の海の中、道路側の扉に背を預けていた。
既に息はなく、傍らに血の付いた金属バットが転がっている。
250スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 18:27:42.67 ID:RGd60neR0
視界がブラックアウトしそうになり、思わず壁に手を突いた。
左右田も、半泣きでウロウロと歩き回っている。
「なぁ…日向よォ…俺ら、さっきまでいい感じだったよな?
 海水浴だって、はしゃいでよォ…それが、どうしてこんなことになっちまってんだよ!誰か、教えてくれよォ!」
それを、今から自分たちが突き止めなければならないのだ。
集まってきた女子たちが、青い顔でフラフラとビーチハウスに入ってくる。
それを、冷静な七海が止めた。出入り口に足跡が残っている、それを消さないよう注意を呼びかけたのだ。
皆は尻込みしているが、七海は学級裁判で真犯人を引きずりだす為に全力を尽くすつもりでいる。
「ふゆぅぅ…また、あんな残酷なことをしなくちゃいけないんですかぁ…!」
「…コロシアイなんて、絶対許しちゃダメなんだよ。犯人に事情があるのもわかってる。本当に悪いのはモノクマだってこともわかりきってる。
 でもね、コロシアイなんて、絶対に許しちゃダメ。」
七海の言う通りだ。何故小泉真昼が死ななくてはならなかったのかを突き止め、今度こそこの殺し合いに終止符を打つ。その為には…
「俺がやるしかないんだ!」
日向は決意を新たに、小泉の死体に向き直った。

罪木が他のメンバーに死体の場所を教えに行き、モノクマがモノクマファイルを置いて去って行った。
モノミは、また死人が出たことに涙している。
彼女は、モノクマに監視カメラのモニタを奪われてしまい、この島で何が起きているのかを把握することができなくなっているらしい。
役立たずのウサギは放っておいて、捜査を開始する。

【モノクマファイル】
・小泉真昼の死亡推定時刻は15時頃。
・死因は、鈍器で頭部を殴打されたこと。その一撃で死亡し、他に外傷、薬品の摂取などの痕跡は見られない。

【ビーチハウス内部】
・真昼は、道路側の出入り口のドアに背を預けている。
 そこまで這ったのか、血痕は部屋の中央から扉まで擦ったように続いている。
・左右田が、ビーチハウス備え付けの冷蔵庫を見て首を傾げている。ドリンクの種類が減っているらしい。
 確かに、色のきつい甘そうなドリンクばかりが残っている。
・冷蔵庫横のゴミ箱に、水系のドリンクの空ペットボトルが大量に捨てられていた。
・サーフボード等がしまってあるウォークインクローゼットの中に、グミが一つ落ちていた。誰かが入ったようだ。
 それにしてもクロゼット内の整頓が悪い。サーフボードが散乱し、空のボードケースが棚に並んでいる。
・道路側の出入り口に真昼がもたれている為、砂浜側の出入り口しか利用できない。
 砂浜には、ビーチハウスに向かう皆の足跡のほかに、一筋だけビーチハウスから出ていく足跡があった。
 足跡は、ダイナーの駐車場に抜けるトンネルへと続いている。これが、犯人の足跡なのだろうか。
・シャワールームは元々故障していて水が出ない。一応調べたが特に何の痕跡もない。
 ただ、出入りができそうな大きさの窓があるが…シャワールームなので風紀上、窓は天井近くにある。
 終里を肩車して調べてもらうというラッキー調査の結果、窓は簡単に開け閉めでき、上りさえすれば外に出られることが分かった。
 だが高さが3m程の位置にあるので、ジャンプしたくらいでは登れそうにない。終里が「忍者なら登れる」と言い出したのは黙殺した。
・死体の横に、魔法少女物のアニメのお面が落ちていた。ソニアはそれを見て、調べ物があると言い残し駆け出して行った。
251ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 19:04:39.14 ID:DWOZ2N1F0
支援
252ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 19:05:29.38 ID:npLQPMLx0
しえん!
253ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 19:33:17.85 ID:ZnX7uFCF0
支援
254スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 19:55:46.38 ID:RGd60neR0
現場の様子は、トワイライトシンドローム殺人事件のE子の死に様と気味の悪いほど合致している。
七海もあのゲームをプレイ済らしく、あのゲームが今回の事件と深くかかわっていると確信している。
あのゲームの訳の分からなさを話題にしようとしたが、なんと七海は真エンドをクリア済らしい。
「クリアもしてないゲームを語るほど、浅い女じゃないよ。」
七海に連れられ、あのゲームを攻略する為にジャバウォック公園に赴く。
そこには思いがけず、モノミによって縛めを解かれた狛枝がいた。
狛枝は今、ゲームの真エンドを見たところらしく、他の場所の調査へ去っていく。
気を取り直して、七海に手解きを受けてゲームをスタートする。
キーワードは「ごかいした」。あれは誤解したではなく5回下と解釈すればいいらしく、スタート画面で5回↓を入力すると、裏面が始まった。

【トワイライトシンドローム殺人事件・真相編】
・1日目、同じようにA子が友人たちの元へ向かうところから始まった。
 また遅刻を謝り、B子に罵られ、D子がそれを窘めて皆の写真を撮り、C子が横で茶化す…
 やはり口調に覚えがある。A子は罪木、B子は日寄子、C子は唯吹、D子が真昼だ。
 4人はE子を待っている。スクール水着が鞄に入っていなかったので、探しに戻ったらしい。
 最近噂の変質者に盗まれたんじゃないか、とB子が言ったところで、2階からガラスの割れるような音が聞こえた。
 急いで階段を上ると、E子が音楽室の前で息を切らしていた。この中から音が聞こえたが、鍵がかかっているらしい。
 D子が、放課後遅くて人気のない職員室から鍵を盗み、音楽室を開けた。
 中では、少女が一人壁に背を預けて事切れていた。頭から血を流している。
 その背後の窓ガラスが割れていた。近くで水槽が割れ、砂利が散乱している。
 皆が聞いた音は、このガラスが割れる音だったのだろう。
 状況から鑑みて、犯人は少女を音楽室に連れ込み、鍵をかけて、少女を何かで殴り殺し、窓を割って出て行った…とB子が推理する。
 でも、窓を割る必要はないはずだし、凶器らしいものは見当たらない…。
 「…きっと犯人は変質者だよ!だって、私のスク水、見つからなかったんだよ?
  私の水着を盗んだ奴が、この子を乱暴しようとして連れ込んで、殺して逃げたんだよ!」
 E子はそう主張し、第一発見者だというだけで疑われるかもしれないから、知らなかったふりをして帰ろうと言う。
 皆も賛同し、音楽室から立ち去った。D子だけが考え込んでいる。
 3日目、D子はE子を人気の無い所に呼び出した。
 「なぁに?まさか愛の告白?」
 「E子、これ、見てほしいんだ。」
 D子が差し出したのは、割れた花瓶の写真。死体を発見した日、他の教室で割れているのを見つけ、写真に撮っておいたのだ。
 あの時4人が聞いたのは、ガラスではなく、この花瓶が割れる音…
 「これが見つかると、E子、まずいんでしょ?処分しておいたから…
 ゆするとかそういうんじゃないよ。ただ、私には話してほしいの。私たち、親友でしょ?」
 「…D子だって、話してくれなかったじゃない。あいつ、D子に嫌がらせしてたんでしょ?」
 死んだ少女は、D子に過激な嫌がらせを繰り返していた。同じ中学の写真部の後輩だった彼女は、D子の才能に嫉妬していたのだ。
 親に権力があるのをいいことにやりたい放題、嫌がらせの件を諌めたE子にも彼女は牙をむき、E子も虐めの標的にすると宣言したらしい。
 カっとなったE子は、その少女の首を絞めてしまった。気絶した彼女を見てE子は、このまま大事になるならいっそ、と彼女を殴り殺してしまったのだ。
 E子はD子の元から走り去り、学校のゴミ捨て場に、花瓶の写真を投げ捨てた。
 それを見ていた少年、F男がその写真を拾い上げる。彼はその写真で事件の真相を見抜いたようだ。
 「あいつ、あの日妹と一緒にいたって噂の…E子とかいったな。あの女、妹に何をしやがった?…ぜってー許さねぇからな…。」
・そこでゲームは終わった。モノクマで埋め尽くされたスタッフロールが流れ、最後に出演者の一覧が表示された。
 ツミキ サイオンジ ミオダ コイズミ サトウ クズリュウ クズリュウ
255スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 19:56:16.04 ID:RGd60neR0
予想通りのキャスティングに、知らない名前が一人と、もう一人の九頭龍。
現れたモノクマ曰く、これは完全ノンフィクション、記憶から奪われた学園生活の中での一コマだという。
「それでは、真エンディングをクリアした人へのクリア特典ですが…一つしかないので、最初にクリアした人にあげちゃいました!」
七海も、二人を呼びに来た狛枝も、クリア特典とやらはもらっていなかった。
狛枝は、あのゲームに出演していたメンバーを空港に集めておいたので、話を聞こうと誘ってくる。
胸糞が悪いが、手掛かりは欲しいので誘いに乗り、3人で空港に向かった。
空港にいたのは、唯吹、罪木、日寄子の3人。九頭龍はコテージに籠っていて出てこなかったらしい。
唯吹と罪木に真昼の事を聞くと、二人は真昼の事を、特に親しくはない相手と認識していた。しかし、二人とも今日真昼から誘いを受けていた。
真昼は、二人に海水浴の予定があると聞いてガッカリし、日を改めると言っていたらしい。
日寄子にも、真昼から誘いがあったかどうか聞いてみると、彼女はそんな誘いはなかったと答えて逃げ去っていった。

真昼は、やはりトワイライトシンドローム殺人事件をクリアしていたのだろう。
だからこのメンバーに召集をかけて話し合おうとしたのだ。
狛枝と別れて、七海と日向は真昼のコテージにクリア特典が無いか探しに行く。
果たしてそれはそこにあった。ベッドの上に、大判の封筒が置いてあり、中には写真が数枚入っていた。
玄関ホールのような場所で、揃いの茶色いブレザーを着て映っている、罪木、唯吹、日寄子。
これは、D子=真昼が1日目の最初に撮った写真なのではないだろうか?
2枚目は、ゲーム中にも出てきた、割れた花瓶の写真だった。
3枚目は、見知らぬ少女が、頭から血を流し絶命している写真だった。ピアノが映り込んでいるということは、これが音楽室で死んでいたあの少女か。
4枚目は、E子の死体の写真だった。黒いザンバラ髪が乱れて顔は見えない。傍らに金属バットが転がっている。
この殺人事件が実在したという事は、自分たちの奪われた学園生活も実在することになる…。
そう考えていると、封筒からさらにメモが1枚出てきた。
「あのゲームをプレイしろ。ゲームオーバーになったら、始めの画面で5回下を押すと違う面が出てくる。
 それをやれば、お前らが妹に何をしたか思い出すはずだ。話は、それからだ。」
この見覚えのある封筒…やはり、ゲームを最初にクリアしたのは彼の様だ。
クリア特典を調べ終り、コテージを出たところでまた狛枝にぶつかった。
捜査に進展があったから教えに来たらしい。九頭龍に話を聞きに行く七海と別れ、狛枝と共にビーチハウスに戻った。

【再びビーチハウス】
・狛枝の発見とは、ビーチハウスから去っている足跡を特定できたこと。
 モノクマに頼んで鍵を開け、本人が中にいた九頭龍以外全員のコテージに入り込み、靴型を取って回ったのだという。
 その結果、唯一このハウスから去っている足跡は、西園寺日寄子の物だった。
・日寄子の靴型を取った際、彼女の部屋に大量にあったグミの袋を一つ狛枝はくすねていた。
 日寄子はこの銘柄がお気に入りで、こればかり食べている。マスカット、オレンジ、グレープ、ストロベリーの4つの味が入った商品だ。
・罪木が検死を終えていた。それによれば、真昼は即死。苦しむ間もなく息を引き取っただろうと言う。
・小泉のポケットからメモが発見された。
 「さっきの事だけど時間を変更していいかな?14:30にビーチハウスでお願い。誰かが私たちが会うのを邪魔しようとしてるみたい。
 だからこの事は内緒ね。それまで会わないようにしよう。」
 末尾には、西園寺日寄子と署名されていた。
・ソニアが、調べ物を終えていた。ソニアが主張するには、この事件は『キラキラちゃん』の仕業らしい。
 ヒーロー物の仮面が落ちていたからというだけのことが根拠だ。ソニアは、殺人者が仲間の中にいるのではなく、島内に殺人鬼が元から潜伏していたと考えたいらしい。
 ソニアは、キラキラちゃんの恥ずかしい上に長い決め台詞をポーズ付きで熱演して見せた。雑誌に原文が載っていたので、わざわざ訳して覚えてきたらしい。
 「正体不明の殺人鬼に決め台詞があるのか…?」と突っ込むペコに、ソニアはキラキラちゃんに遭遇した記者が書いた記事の事を熱く語る。

そこでチャイムが鳴り、一同は裁判所へ向かった。
皆真昼の事を思い出し、口数が少ない。勝気だが面倒見がよく、誰に対しても真っ直ぐにぶつかっていく奴だった。
その小泉真昼を、この中の誰かが殺した。それを暴かなければ、犯人以外全員死ぬ。
256スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 19:57:31.76 ID:RGd60neR0
【第2回学級裁判】
モノクマの要望により、まずトワイライトシンドローム殺人事件の真相を解くことを議題にする。
大抵のメンバーがゲームをプレイしていないので、ざっと内容をまとめた。
オドオドしたA子が罪木、性格の悪いB子が日寄子、ハイテンションなC子が唯吹、カメラを持ったD子が真昼。最後に登場したF男が九頭龍だ。
九頭龍に妹がいるのは日向が聞き知っている。その九頭龍の妹が、最初に死んでいた女子高生だ。
スタッフロールの余りからするに、女子高生を殺し、自分も殺されたE子がサトウだろう。

罪木と唯吹は、その内容にまるで心当たりがないようだった。記憶を奪われているなら当然だろう。
九頭龍は、ゲームの内容など現実に関係ないと決めつけ、ゲームをプレイしたことも否定している。
「大体、殺して死ぬような妹なら俺が殺してるっつーんだよ。あいつ、俺が希望ヶ峰に入る時も、憎まれ口叩いて…
 ついこの前の事だぞ!!」
自分たちの感覚も同じようなものだ。でも、モノクマの言葉が真実なら、その間には数年の月日が存在している。

九頭龍の妹をE子が殺した時の真相をまず解いておく。
E子は、音楽室で彼女を殺して鍵を閉めた後、鍵を職員室に戻しておき、皆が昇降口で待ち合わせをした時間にまた戻ってきて、隣の教室で花瓶を割り皆を招きよせたのだ。
なので、九頭龍妹が死んだのも、ガラスが割れたのも、もっとずっと前の事だったのである。
凶器がなんだったのかで行き詰まり、皆が適当に室内にあったものを列挙していく。
唯吹の「逆に砂利」という言葉に、日向は閃いた。
スク水を縛って砂利を詰めぶん回せば、相当の威力が出るのではないだろうか?スク水を始末してしまえば変質者に罪も着せられるし一石二鳥だ。
その後真昼が花瓶を始末して証拠隠滅し、E子はその写真をゴミ捨て場に捨てた。
妹が死んだ日にE子と妹が話していたという噂を聞いていた九頭龍は、その写真を見てE子が犯人であることを見抜いた。
そのことだけから判断すれば、E子を殺したのは九頭龍である可能性が高い。

そして、現実の真昼が殺された事件だが、金属バットや真昼の死因からして、犯人はあのゲームを意識している可能性が高い。
日寄子は、低能な九頭龍がゲームの内容を信じ込んで、復讐のために真昼を殺したんだと主張しているが…
「それが真犯人の罠かもしれない。ゲームを利用して、九頭龍を犯人に仕立てる為のな。
 実際そうなんだろう?西園寺。」
ペコは、日寄子こそ真昼を殺した犯人だと主張した。
彼女はビーチハウスに来ていた。足跡がそれを証明している。
砂浜には日寄子の足跡は出ていく時の物しかない。つまり彼女は道路側のドアからビーチハウスに入ったはずだ。
真昼の死体が、そこにもたれかかる前に。

日寄子は泣きわめいていたが、通用しないと分かると、朝のお散歩の時にビーチハウスに入ったとうそぶき始めた。
「嘘だと思うなら証明してみてよ。きゃははははははは!あんた達みたいな低能に、できるわけないよねー!」
急に元気になったので、真昼の持っていたメモでぶった斬っておく。
日寄子と真昼が14時30分にビーチハウスで待ち合わせをしていた証拠だ。
「えっ…何?そのメモ…私、そんなの書いてない!本当に知らないよ!」
「おっ、そうだ!俺ら西園寺を目撃してんじゃねーか!
 俺と日向は、海水浴の待ち合わせで15:00にはダイナーにいた。
 それから30分ちょっとで西園寺が走ってきたから、15:30過ぎだったはずだ!」
257スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 19:58:30.37 ID:RGd60neR0
ペコと九頭龍が、左右田の証言を受けて日寄子を糾弾する。
日寄子は先に道路側からビーチハウスに入り、ウォークインクローゼットの中に隠れていた。
そして真昼が来たら、彼女の隙を突いて殴り殺し、死体がドアを塞いでしまったので、仕方なく砂浜側から逃げ出したのだろうと二人は主張する。
落ちていたグミがその証拠だと突きつけられて、日寄子は言い返せない。
大多数のメンバーは、日寄子犯人説一色で、彼女の犯行の証拠固めを議論している。
ソニアだけが、これは殺人鬼キラキラちゃんの仕業だと主張しているが、皆に黙殺されている。
しかし日向は、違和感を感じていた。なんだか、うまく誘導されているような気がする。
主人公は、クローゼットの中にあったグミが黄色かった事を理由に、これは真犯人の罠だと主張した。
日寄子が普段食べてたグミには、黄色い色の物は入っていないのだ。

「グミごときで容疑が晴れたと思ってんじゃねぇぞ!?俺の追い込みはこんなもんじゃねーからな!」
九頭龍は、強硬に日寄子犯人説を押し通そうとする。
あの砂浜の足跡は、動かしがたい証拠だというのだ。
確かにそうなのだが…、日寄子が足跡を残さざるを得なかった理由を先に議題に上げる。

皆は、真昼の死体がドアを塞いでいたことを、彼女が瀕死の状態でそこまで這ったからだと思っていたが、
罪木と主人公が、検死の結果からそれを否定した。真昼は即死だった。
犯人が、真昼の死体を引きずってドアを塞いだのだ。
血まみれの真昼に触れたなら、犯人もかなり血で汚れたはずだ。
15:30頃に左右田と日向が目撃した時、日寄子の着物は綺麗だった。
「そ、そんなもん、一回裸になってから、後でシャワーで血を落としゃ済むだろうが!」
しかし、それは日寄子には不可能だった。
朝食会に来ない九頭龍は知らないだろうが、日寄子は一人で着つけができないばかりに、
南国で3日も着物を脱がず風呂にも入らないという無茶をしたのだ。
更に言うなら、ビーチハウスのシャワールームは壊れていて水が出ないし、
ビーチハウスでの着替えは、モノクマによって厳禁されている。
九頭龍は言葉に詰まり、渋々訴えを取り下げた。
何故そこまで日寄子を犯人にしたいのか聞いても、怒るだけで彼は答えない。
そういえば、九頭龍の事も左右田と日向は見かけているのだが…
九頭龍は、ビーチハウスなど行ってないし、二人と出くわした後はすぐ自分のコテージに帰り、その間に誰にも会ってないと証言した。

容疑が晴れて急に強気になった日寄子に、本当は何があったのかを聞き出す。
日寄子は、ポストに入っていた真昼からの手紙を見て、14時頃ビーチハウスに行ったらしい。
その手紙は、真昼が持っていた日寄子からの手紙とほぼ同じ内容、同じ筆跡だった。
ただ時間だけが、日寄子宛てには14時、真昼宛てには14時30分になっている。
この2通の手紙は、犯人が二人を操るためにねつ造したものだったようだ。
日寄子はビーチハウスに着いた直後に何者かに眠らされてしまい、気づくとウォークインクローゼットの中に倒れていたらしい。
慌てて飛び出すと、目の前に真昼の死体があり、怖くてそのまま逃げ出してしまったのだそうだ。
罪木が、日寄子が眠らされたのはドラッグストアにあった薬だろうと証言した。
医師の処方が必要な薬が幾つも陳列されていたのを、彼女は事前に確認している。
258スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 19:59:02.41 ID:RGd60neR0
そうなると、犯人はどこかに隠れていたということになる。
グミ等の偽装工作は、日寄子が逃げた後に施さなくては、彼女に回収されてしまうかもしれないからだ。
しかし日寄子は逃げる前に犯人がいないか確認する為シャワールームを覗いたらしい。
そうなると、犯人はどこに潜んでいたのだろうか。
そこで、七海と日向はウォークインクローゼットの棚の乱雑さを思い出した。
棚のサーフボードケースが空だったのは、あの中に犯人が潜り込んでいたからではないだろうか?
犯人は日寄子を陥れる為、真昼の死体を使って道路側のドアを塞いでおき、クローゼットに隠れ、日寄子が逃げてから偽装工作を施したのだ。

そこで狛枝が、ふいにモノクマにむかって証言を求めた。
死体発見アナウンスは、3人が死体を発見すると放送される。その3人には犯人自身も含まれるのか?
モノクマは、そこの基準を今まで曖昧に扱っていたらしく答えを渋るが、
今回に限っては、犯人以外の3人が死体を発見したと渋々証言した。
狛枝はそこで発言を打ち切り、思わせぶりに議論から引き下がる。

シャワーが壊れていたなら犯人だって血を洗い流せない事が論点になった。
しかし、シャワー以外の物を使えばいいだけだという七海の発言に日向も同意する。
水系のドリンクが無くなっていた冷蔵庫と、大量の空きペットボトル。
犯人は冷蔵庫の中の水を使って、血を洗い落としたのだ。
そこまで仮説を出して、主人公はふいに思い当たった。
ペコは、一人だけずぶ濡れの水着姿で待ち合わせ場所に現れた。
ビーチハウスにタオルの類はないし、いくら南国でもそんなにすぐには乾かない。
泳いできたなどと言っていたが、あれは血を水で洗い落とした後の姿だったのではないか?

そう糾弾されてもペコは、静かに瞑目しているだけだった。
その代わりに何故か、九頭龍が日向に猛反発を返す。
ペコがその姿で、ビーチ側ではなく橋の方から歩いてくるのとすれ違った、だからペコは本当に第一の島で泳いでいたというのである。
しかし九頭龍は、誰にも会わなかったと証言したばかりだ。
そう諭すと、九頭龍はとにかくペコが犯人ではないと主張し、彼女がどうやってビーチハウスから出ることができたのか答えてみろと突っかかってくる。
足跡を残さずに砂浜から出ることはできない。考えられるのは、シャワールームの窓から道路へ降りることくらいだ。
しかし、九頭龍が主張するように、窓までは3m程あり、とても登れそうにはない。
「…待てよ。辺古山なら、登れたかもしれない。」
主人公は、ダイナーに現れたペコの姿を思い出して閃いた。
彼女は、水着姿でも竹刀を背に背負っていた。あの竹刀を使えば…
「ほーらな!だから忍者って言ったろ?忍者は、刀を壁に立てかけて、鍔を踏み台にして跳ぶんだ!」
終里が得意げに豆知識を披露する。

「待てよ!そうしたら、竹刀がシャワールームに残っちまうだろうが!」
またしても、九頭龍が反論をしかけてくる。
「どうしたんだよ、九頭龍…何故、お前がそんなに必死に…」
九頭龍は答えず、ひたすらペコを庇い続ける。仕方なく日向は、竹刀袋の紐を結んでおけば、竹刀も回収できることを指摘した。
「まだだ!お前ら、全部憶測でモノを言ってるだけじゃねぇか!証拠がねぇなら俺は認めねぇぞ!!」
「もういい。これ以上は悪あがきにしかなるまい。」
沈黙を守っていたペコが、足掻く九頭龍を制して罪を認めた。
259スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 20:01:10.34 ID:RGd60neR0
投票に移ろうとするペコを止めて、七海が動機を尋ねた。
「…それは私の大義のためだ。この世の中の正義を守るためのな。」
ペコは突然、ポーズをとって高らかに正義について語り始めた。
あのゲームをプレイしたことによって、下劣な殺人者の共犯が潜んでいることに気づいたペコは、
正義を持って真昼を粛清したのだという。
「もういい…もうやめろ!!」
苦しげな九頭龍にかまわず、更にペコは取り出した美少女物の仮面をつけて声を張り上げた。
「輝く正義を仮面に浴びて、醜き悪の五臓六腑をブチ晒す…正・義・完・了!!
 正義で貫く正義のど真ん中!闇夜に輝く正義の一番星!
 人呼んで、『キラキラちゃん』とは私の事だ!( `⌒´)」
…恥ずかしい!!その異様に語呂の悪い文句は、ソニアの言っていたキラキラちゃんの決め台詞そのものだった。
皆赤面しつつ、このサイコパスを投票で葬り去ろうとスイッチを押した。
満場一致でペコが犯人に決まったのだが…
「待ってください!お願いです、もう少しだけ議論を続けさせてください!」
ソニアが必死の面持ちで処刑を止める。
「ソニアさんが気にしているのは…本当に辺古山さんがキラキラちゃんなのか…だよね?」
七海の言う通り、ソニアはそこをもう少し掘り下げたいと言う。日向も気になることを思い出した。
ソニアはキラキラちゃんの決め台詞を演じて見せたとき、「原文があったので訳してきた」と言った。
つまり…オリジナルのセリフは、日本語ではないのだ。
「そうなんです!原文はスペイン語…キラキラちゃんも記者も、スペイン国籍のはずなのです!」
日向は勘違いしていた。最初に、セーラー服を着た殺人鬼ジェノサイダー翔だとかの話の延長で聞いたため、キラキラちゃんも日本の物だと思い込んでいたのだ。
そしてそれは、その場にいたペコも同じだったのだろう。

「…ふっ、この仮面がはがれる時が来たようだな。しかしこの仮面はもう用済みだ。私と同じようにな。」
ペコは、静かに仮面を取った。その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいる。
「今頃気づいても、お前達にとってはもう手遅れだ。投票は終了してしまったのだからな。」

謎めいた言葉に不安に陥る一同に、狛枝が死体発見アナウンスの事を蒸し返した。
ペコが犯人なら、死体発見者は日寄子と左右田と、あともう一人いるはずだ。
それがペコの共犯者だったとしたら…
「共犯者などではない。お前達は根本的に勘違いをしている。
 私はただの道具だ。冬彦ぼっちゃんに使われるためだけに存在している。」
あのゲームによって真昼に殺意を抱く可能性があった唯一の人間、九頭龍冬彦。
クリア特典として写真を受け取った彼は、妹の亡骸の写真を目の当たりにして、ゲームの内容が現実にあったことと認識せざるを得なくなった。そして…
「ぼっちゃんが、私という「凶器」を使って小泉真昼を殺したのだ。つまり、ぼっちゃんこそが真犯人だ。」
無茶苦茶な主張だ。しかし、これが通れば、この投票は不正解。つまり生き残るのは…
「…俺、だけ……」
九頭龍は、青い顔で呆然としている。
260スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 20:01:59.07 ID:RGd60neR0
「ど、どう考えても辺古山が犯人だろーが!だって、お前は人間だろ!」
「人間だからどうだというのだ。人間なら道具ではないというなら、お前は間違っているぞ。
 道具として生きるより他のない人間の存在を知らないだけだ。」
ペコは、生まれてすぐに親を亡くし九頭龍組に拾われた。
そして、九頭龍冬彦と共に育ち、共に生きてきた。それは幼馴染などという関係ではない。九頭龍冬彦の刀としてのみ、ペコは存在を許された。
九頭龍冬彦が狙われればその身を守り、九頭龍冬彦が殺意を抱けばその人間を殺す。それがペコの役目だ。
「そんな…じゃあ、私たちと過ごした時間は一体なんだったんですか…!?」
「なんでもない。私は、ぼっちゃんに命じられた通りに振る舞い、お前たちに接していただけだ。」
 ”この島では俺とお前の関係はチャラだ。普通の高校生として振る舞え”そう九頭龍に言われたのだという。
「この島に来てからだけではない…。冬彦ぼっちゃんは組に頼ることを嫌う。組から与えられた私を嫌う。
 だが私は、ぼっちゃんの道具だ。」
だから、九頭龍の命じるままに、小泉真昼を殺害した。

「どうなんだよっ九頭龍!」
問われて、九頭龍は苦しそうに語り始めた。
「だって…しょうがないだろ!いきなり、いきなり妹の死に顔なんか見せられて…
 それなのになんで俺は、妹が本当に殺されたのかどうかも、わからないんだよ!」
記憶は蘇らず、悩んだ九頭龍は小泉真昼に写真を送りつけて話を聞こうとした。
しかし、真昼は九頭龍を避けるようになり、業を煮やした彼は、立ち聞きした日寄子との約束を利用して真昼を誘き出すことにした。
「殺られたら殺り返す。それが俺の生きてきた世界だ…。
 もし本当に妹が殺されてて、この島に妹が殺される理由を作ったやつがいるなら、殺るしかないだろ…。
 妹が撲殺されたなら、そうした相手も撲殺する。それが復讐ってもんだからな…。
 でも俺は、ギリギリまで信じてたんだぜ!あんなゲーム、フィクションだって…なのにあの女!」

真昼は九頭龍に妹の事件の事を詰問された時、逆に問い返してきたのだという。
「じゃあ、E子の事を殺したのはアンタなの?」と。
妹が殺されたのは気の毒だが、E子を殺す必要なんてないじゃない、復讐したり人を裁いたりする権利なんて誰にもない!と、
口うるさい真昼らしく、正義感のままに、逆に九頭龍を責めつけた。
「正直に言ってやろうか…。俺はビビってたんだ。最後まで、踏み止まる理由を探してた…。
 だけど、あの女の言い草を聞いて、そんなもの頭から吹っ飛んじまった…!俺はカっとなって、隠してあった金属バットで…
 けど、そん時だった…」
「ぼっちゃんは待ち構えていた私を呼び寄せて、小泉を殺させた。」
九頭龍が、ぽかんとペコを見上げる。ペコはかまわず、九頭龍が予め待機させていた自分に殺害を命じたと繰り返した。

「なるほどね、辺古山さんにとっては、九頭龍君こそが希望なんだ。
 だから、自分を犠牲にして、僕ら全員も犠牲にして、彼を生き残らせようとする。そうでしょ?」
希望マニアの狛枝が、嬉々としてしゃしゃり出てきた。
「じゃあ、九頭龍君の希望は何なのかな?
 どちらにしても辺古山さんを失うのに変わりはないけど、僕らを犠牲に生き残るか、
 辺古山さんの願いを断って、もう一度僕らと一緒に絶望と闘うか…どっちが君の希望なのか、聞かせてよ。」
九頭龍は、歯を食いしばって苦悩している。日向は、彼に語りかけた。
九頭龍は常々、自分が生き残るためには他人を犠牲にできる、俺はお前らなんか平気で殺せると言い続けてきた。
「でも、お前は本当は、そんな奴じゃないんだよ。だって、そうじゃなきゃ、今お前がこんなに迷うはずないもんな。」
ペコは焦り、九頭龍に自分の証言を裏付けるように促す。
だが、九頭龍はふと苦笑して、彼女に謝った。
「悪いな、ペコ…でも、俺には無理だ。こんな風に生き残ったって、自分が情けなくなるだけだろ。
 それに、俺が認めたら、お前は本当にただの道具だって事になっちまうじゃねーか。
 俺は何度も言っただろ…?九頭龍組から与えられた道具なんていらねーって…」
261スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 20:03:21.20 ID:RGd60neR0
カっとなった九頭龍がベンチの下に隠しておいたバットを取り出そうとした時、
走り出たペコがバットを奪い、小泉真昼を殴り殺した。
後は自分に任せて逃げろと言うペコに、九頭龍は詰め寄った
「何でだよ…この島では今までの関係はチャラだって…お前はただの高校生だって言ったじゃねーかよ!
 俺の命令が聞けねーのか!?」
ペコはそれでも、九頭龍を生かして帰すために主張を曲げなかった。クロゼットの日寄子が目覚める前に早く道路側のドアを出ろと言い張った。
「くそっ…お前も逃げろよ!俺の事や、組の事なんか忘れて、お前も逃げろよ!」
念を押して九頭龍は逃げ、しかしペコは彼を守るために自分の計画をやり通した。

「ぼっちゃん……そんな気はしておりました。ぼっちゃんは極道として生きるには心の優しすぎるお方…。
 だからいつも自分の在り方に迷い続けていらっしゃる。そんなぼっちゃんが、他人を犠牲にして自分だけ助かるなんて、頷くはずがないと思っていました。
 子供のころから一緒にいるのです。そのくらいわかりますよ。でも……私はあなたに生き残って欲しかった。」
ペコは初めてニッコリと笑い、優しい顔で九頭龍に別れを告げた。
「それと皆、迷惑をかけたな。虫のいい願いだが、どうかぼっちゃんを許してやってくれ…。
 もういいぞモノクマ。始めたらどうだ?だが私は絶望などせんぞ。道具として生きる以上、死は覚悟の上だ。」
「うぷぷ、どうかな?そうやって強がってるやつほど、最後は絶望の涙を流すって決まってるんだよ!」

ペコが曳かれていこうとした時、突然九頭龍が叫んだ。
「ガキの頃から一緒にいたのに、何でお前にはわかんねぇんだよ!!
 俺は道具なんかいらないって、何度も言ったじゃねぇか!!
 お前は道具なんかにならなくていい!俺は、そのままのお前がいてくれたらそれでよかったんだ!
 俺にはお前が必要なんだ!ペコぉ!!俺を置いていかないでくれよぉ!!!」
九頭龍は、恥も外聞もなく号泣している。ペコは一瞬立ち尽くし…顔を歪め涙を流しながら引き摺られていった。

【辺古山ペコ処刑】
ペコが曳かれていった先は合戦場。機械仕掛けの武者たちが、無数にペコを取り囲む。
ペコは渡された真剣で、力尽きるまで武者たちと切り結びあう。
その合戦場に、九頭龍が乱入してきた。武者達の大軍を掻き分け、ペコを探して走り回る。
やがて、ペコが斬り捨てた武者越しに、二人は出会った。
ペコは刀を捨て九頭龍を掻き抱き、抱き合う二人を無数の武者が刀を振り上げ取り囲む。
そして、血飛沫が上がった。
262スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 20:04:13.68 ID:RGd60neR0
皆、泣いていた。結局は九頭龍までも処刑に巻き込まれてしまった。
狛枝だけが、違うベクトルでこの裁判を嘆いている。
「あぁ、残念だよ。人を殺すときはボクに相談してってあれほどお願いしたのに…。
 せっかくの裁判がこんな消化不良な形で終わるなんて…」
狛枝は、どんな絶望にも打ち勝つ絶対的な希望を追い求めている。この場合、この学園生活の最終的な勝者がそうだ。
その希望は、踏み台となる絶望が深ければ深いほど、より輝くと狛枝は信じている。
だから、事件が難解を極めるほど、仲間がより残酷に、やりきれない死を迎えるほど、彼はそれを喜ぶのだ。
「ふーん、ボクを踏み台と言うか。中々面白い考え方するね、キミ。
 ちょっと”彼”に似てるかもね、その歪みきった希望の捉え方とかね。」
モノクマは、謎めいたことを呟く。

その時、モノミが叫んだ。
「九頭龍君はまだ生きてるでち!!」
駆けよれば、九頭龍には確かに息があった。
しかし、罪木が手を尽くしても、器具も何もないこの状況では、九頭龍の体から命が流れ出ていくのを止めることができない。
モノミがいつになく厳しい口調でモノクマに詰め寄り、犯人だけが処刑されるというルールの徹底を求める。
言われるまでもなく、モノクマは既に手配を済ませていたらしく、救急車が駆けつけ、何処かへ九頭龍を運び去って行った。
モノクマに彼を任せていいのか、皆不安に想いながらも、彼の無事を祈る。
「なんであんな奴の帰りを待つの?小泉おねぇが死ぬ原因を作ったやつなんだよ?」
日寄子はそう憤るが、それはペコの死で手打ちとし、前に進まねばならない。
結束し、殺し合いを阻んでいこうと誓い合って、裁判は終了した。

<CHAPTER2 終了> 生存者12名

モノミは、ジャバウォック公園カウントダウン装置の前に佇んでいた。
パネルに表示された残り時間は、あと15日と20時間程。
「みなさんには、見えてるんでちゅよね。
 わたちたちのことが全部、見えてるんでちゅよね。
 もう、4人も欠けてしまいまちた。希望のかけらも、もう全部集めることはできまちぇん。
 このままあいつの好きにさせれば、待っているのは『超高校級の絶望』の復活。
 そして始まるのは『人類史上最大最悪の絶望的事件』の続き…。
 それだけは、絶対に阻止してみせまちゅ。例え、それなりの犠牲を出すことになったとちても…」
263ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 20:07:28.19 ID:RGd60neR0
思ったより早くバイさるを喰らう!というか文が長杉ですね…
止まってたら、無視してストーリー投稿してください。
264ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 20:16:18.74 ID:npLQPMLx0
しえんしえん!
読みやすいしわかりやすいので楽しみです!
265ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 20:51:21.36 ID:z+oOYZbxO
むしろ長い方がありがたいです!
266ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 20:57:58.46 ID:vSCiDswy0
支援しえーん
ほんとに読みやすい
267スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:00:34.55 ID:RGd60neR0
CHAPTER3『磯の香りのデッドエンド』

モノミによって解禁された、第3の島を一同はそれぞれ探索した。
今までの島と違い、この島はお世辞にもリゾート地らしくなかった。
どこかメキシコの田舎町に似た、乾いた土地に低い建物がゴチャゴチャと並ぶ治安の悪そうな島だ。
ライブハウス、映画館といった娯楽施設の他に、病院やモーテル、電気街もある。

映画館に入ってみると、モノクマがしきりに映画を見ていくように強要してきた。
モノクマ自主製作の映画を上映しているようだが…全然見たくない。
見ないならモノクマステッカーを150万で買えと言われ、島から出たら払うと言い放ちステッカーを購入した。
モノクマを言い負かせたのは気分がいいが、この安っぽいステッカーに150万は無謀だったか…
と思ったが、ちょうど上映が終り出てきた狛枝が、あまりのつまらなさに絶望しているのを見て思い直す。

日向が電気街を見つけて立ち寄ると、そこには年代遅れな雰囲気を漂わせたジャンク屋やPCショップが並んでいた。
念の為、日向は適当なPCを起ち上げてみたが、やはりネットには繋がっていなかった。
ただ、モノミの顔のアイコンの文書ファイルがデスクトップにぽつんと置かれている。
ファイルを開くと、タイトルには、『人類史上最大最悪の絶望的事件について』とあった。
・後に世界を巻き込んだ畏怖すべき事件の発端は、希望ヶ峰学園の一部の生徒による蜂起だった。
 予備学科の生徒が、本科の生徒との待遇格差に不満を持ち、学園側を相手取って武装闘争を始めたのがその始まり。
 最初はただの学園紛争と楽観視されていたが、その裏には巨大な権力が加担していたらしく、暴動は世界中へ伝染していった。
 その定義できない純粋な破壊活動は、一見無秩序ながら何者かの悪意によって計算されており、だからこそ絶望的だった。
 やがて、発端となった希望ヶ峰学園も、大■殺□によってその長い歴史に終止符を打つことになり、
 生き残◎■生徒た●も『絶望の見せしめ』とし□殺し■いを強▼られ…

これ以上は文字化けして読めず諦めると、モノクマが登場し日向のリアクションの薄さにダメ出しをしてくる。
これはモノクマが作ったファイルだと日向は決めつける。各地の暴動や、希望ヶ峰の廃校など、モノクマの考えそうな話だ。
「大体、希望ヶ峰学園の予備学科って何だよ。そんなのあるって、聞いたこともないぞ!」
「あれー?他の皆はともかく、キミだけは確実に知ってるはずなんだけどなぁ…」
謎めいた発言だけを残して、モノクマは退場してしまう。

病院を調べていた罪木が何か発見をしたと通達が回ってきて、日向も病院に急ぐ。
病院内は、驚いたことに無人ではなかった。モノクマのマスクを被ったスタッフ達が、ガラスで隔てられた向こうで立ち働いているのが見える。
報せの通り、1F奥に駆けつけるとそこには…
「へっ、何だよ。幽霊でも見たような顔しやがって。」
包帯だらけではあるが、予想外に元気そうな九頭龍冬彦がベッドに横たわっていた。
カルテを見た罪木によれば、出血量は多かったが、内臓に達するような傷が一つもなかったのが幸いしたのだという。
それは、ペコがあの刃の嵐の中、全生命を賭して九頭龍を守り抜いた証だった。
だからこそ、「このくらいで死ねる訳ねーだろ…」
九頭龍は絞り出すように呟いて、皆から顔を隠して寝に入ってしまう。
九頭龍の無事を喜ぶ笑顔が並ぶ中、日寄子は九頭龍を睨みつけていた。
慕っていた真昼の死の原因を作り、更に自分にその咎を被せようとした男だ。許せない気持ちも分かる。
罪木が看病を引き受けると申し出たので、天才保健委員に後を任せて、皆コテージに戻り休むことになった。
268スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:02:55.47 ID:RGd60neR0
翌日の朝食会に集まった皆の顔は、どこか晴れ晴れとしていた。みんな九頭龍の無事が嬉しいのだろう。
罪木によれば、経過は非常に良好なので1週間ほどで退院できる見通しだという。
「ただですねぇ…あの右目はもう、見えないかもしれません…」
「ふんっ、自業自得じゃん。」
日寄子は未だに怒りさめやらず、蛇蝎のごとく九頭龍を嫌っているが、全体の雰囲気は上々だった。

次の朝、自室のベッドで目が覚めると、目の前に唯吹がいた。
寝起きドッキリは誰にされてもキツいが、寝起きで相手にするには唯吹のハイテンションが一番辛いかもしれない。
要点をまとめると、レストランに早く来いと伝えに来たらしいが、鍵をブっ壊して忍び込んでまで伝えることだろうか。
というか、このサバイバルな状況で鍵を壊すとか、マジでやめてほしいんですけど…等色々文句はあったが、レストランに向かう。
そこでは、皆席に着かず輪になって何かを囲んでいた。
「お控えなすって!!」
聞き覚えのある声に驚き、輪に加わってみると、予想通り輪の中心には九頭龍がいた。
「これよりあげます言葉の後先…間違えましたら、ごめんなすって!
 手前、姓は九頭龍!名は冬彦と発します!
 家業未熟の駆け出し者でございます!
 以後、面体お見知りおきの上、よろしくお願い申し上げます!!」
腰を落とし、腹から声を出して、怪我人とは思えない迫力のある挨拶だった。
もう島に来て幾日もたつが、九頭龍から挨拶されたのはこれが初めてかもしれない。
彼の右目は、眼帯に覆われていた。もうこの目は完全に見えないのだそうだ。

日寄子は依然態度を軟化させず、九頭龍を面と向かって罵倒した。
「あんた、自分が許されると思ってる訳!?小泉おねぇが死んだのはあんたのせいなんだよ!
 辺古山だってあんたのせいで死んだんだ!あんたが何もかも悪いんだ!こんな人殺し、仲間なんかじゃない!!」
九頭龍は、そのことで、けじめをつけにきたのだという。
突然その場に伏し、土下座をしたのかと思いきや、彼を中心に血が広がり始めた。
「はひぃぃぃぃぃ!!九頭龍さん、自分のお腹を切ってますよぉ!」
彼は自分で立ち上がり、改めて詫びを入れてその場を去ろうとする。
それを罪木と弐大が支え、大慌てで病院へ駆け去って行った。

日寄子は、呆然とその場に突っ立っていた。
七海が優しく声をかける。こんな時、真昼だったらなんて言っただろうか?と
日寄子は考え込んでいる。簡単に答えが出ることではないだろう。
そういえば、これだけの騒ぎなのに、終里の顔が見えない。
あの大食漢が朝食を食べに来ないなんて、かなりの異常事態だ。
終里は最近、あれほど嫌っていたトレーニングに精を出したりして、様子がおかしい。
彼女はいまいちこの修学旅行のルールを理解しておらず、何かしでかさないか心配だった。
269スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:04:04.64 ID:RGd60neR0
その晩、唯吹が皆に招待状を届けて回り、皆ライブハウスに集まった。
「九頭龍冬彦復帰記念パーティー」とのことだ。当の本人が今朝腹をかっさばいたタイミングで強行とは、唯吹らしい強引さである。
ライブハウスには、罪木と弐大に付き添われて九頭龍も来ていた。
容態を心配すると、九頭龍は不敵に笑って大丈夫だと答えたが、
「大丈夫な訳ないじゃないですかぁ!余裕で重傷ですよぉ!」
罪木の悶絶具合からすると相当無茶しているようだ。
それを押して今まで出たことのないパーティーに駆けつけたということは、彼は変わろうとして努力しているのだろう。
「…いざという時、真っ先に切り捨てられるのはあんたなんだからね。」
日寄子も、憎まれ口を叩きながらも、彼を仲間に迎え入れることを容認した。
彼女もまた努力している。今までの日寄子なら、決して九頭龍を許すことはなかっただろう。
明るい兆しを感じた矢先、モノミが物凄い剣幕で転がり込んできた。
「大変でち!!終里さんが、モノクマに決闘を挑んでるでち!!」

学園長への暴力は校則で禁じられている。
強い奴を倒すのが大好きだとかいう戦闘民族みたいな性格は知っているが、
この期に及んであのバカは、敵の規模もこの状況の危機感も理解してないのだ。
「儂の責任じゃあ!マネージャーたるもの、選手のプライベートまで把握しておくべきじゃった!」
以前から何度も、機械の獣へ挑もうとする終里を諌めていた弐大は、険しい顔で現場の砂浜へすっ飛んで行く。
駆けつけた先では、勝敗は既に決し、終里は膝をついていた。
モノクマは違反者には微塵も容赦しない。バズーカを取り出して、彼女を撃ち殺そうとする。
そこに弐大が飛び込んでいくのが見えた次の瞬間、視界が白く染まった。
視力が戻った時には、へたりこんだ終里の前に、ズタズタになった弐大が倒れていた。

弐大は虫の息だが、微かに脈がある。
違反者ではない者を撃った事で、終里の違反はチャラという判定になり、弐大はモノクマの手配した救急車で運ばれていった。
「みんなの気が緩んでるからこんなことになるんだよ!
 みんなで仲良くとか言って…私たちがどんな状況に置かれてるか誤魔化してるだけだったんだよ!」
日寄子が終里を睨みつけながら叫んだ。
「友情とか団結とか協力とか、関係ないんだよ…。
 劣ってる奴から、次から次へ殺されていく…誰も信じられない。それが私たちの現実なんだ。
 ねぇ、あんたもわかったでしょ?
 劣ってる奴が勝手な行動をすると、みんなに迷惑がかかるんだからね。
 巻き込まないでくれるかな?私、無駄死なんて絶対に嫌なんだよね。」
厳しい意見だが、日寄子の言葉に一理あるのも、確かな現実だ。
しかし、本当に自分たちが協力し合うことに、意味はないのだろうか?殺し合いを防ぐことはできないのだろうか?

翌朝、気が重いながらレストランへ行くと、中から女の泣き声が聞こえてきた。
ドアを開ければ、柱に隠れるようにして、終里がすすり泣いている。
昨晩は気丈に振る舞い、弐大の帰りを待って謝ると言っていたのに、一体どうしたのか?
終里を慌てて励ましていると、普段の3割増しのウザさで狛枝が話しかけてきた。
十神は実は生きていて彼が裏切り者だの、日向は人肉を食べるだの、訳の分からないことをまくし立てている。
そこへ唯吹がやってきたので、顛末を話そうとすると、彼女は敬礼しながら狛枝の話を真に受け始めた。
唖然としていると、そこに半泣きの罪木が駆けてきた。
唯吹は物凄い高熱を出しているのだという。慌てて狛枝と終里の額にも手を当ててみると、驚くほど熱かった。
270スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:05:14.05 ID:RGd60neR0
モノクマが愉快そうに登場し、それはこの島の土着病だと話す。
虫が媒介するこの病は、高熱とともに錯乱状態をもたらし、人格の混乱を招く。
人から人へも伝染するこの病が、モノクマの今回の動機プレゼントだという。
狛枝が泡を吹いてぶっ倒れたので、彼を担いで、他の二人を引きずって病院に急ぐことになった。
罪木が3人に処置している間、待合室で今後の事を話し合う。
日寄子は、感染者を殺すわけにもいかないから、隔離しようと言い出した。
この病気が広まり皆が理性を失くせば、殺し合いはより容易に始まるだろう。
自分たちを仲違いをさせようとするモノクマの思惑に乗ってはならないが、隔離は必要な事かもしれない。
日寄子は、既に病人に触っている罪木と日向が病院に残って、病人の世話をしろと主張する。
「お前は、俺が真っ先に切り捨てられるべきだと言ったな?今がその時だ」
そう言って、九頭龍も病院に残ることを引き受けてくれた。
そういう訳で二手に分かれ、眼蛇夢、日寄子、左右田、ソニア、七海の5人は、この騒ぎが解決するまでこの島のモーテルで寝泊まりし、
罪木、日向、九頭龍は、病院に残って唯吹、終里、狛枝の看病をすることになった。

その夕方、仮眠をとっていた日向は、息苦しくて目が覚めた。
何か、あたたかで柔らかで重い物が自分の上に乗っている。
目を開けると、サービススチル要員の罪木が、日向に抱きつくようにして寝息をたてていた。
ぎょっとして寝ぼけた罪木と揉みあっていると、駆け込んできた純情坊ちゃんの九頭龍にどやされた。
「つーか、そんな場合じゃねぇぞ!ヤベーんだって!
 さっき狛枝の病室覗いたら、あいつ息してねーみてーだったぞ!」
罪木は飛び起きて病室に走って行った。
「日向、前屈みになってる場合じゃねー!俺らも急ぐぞ!」
可能な限り急いで向かうと、病室の狛枝は青白い顔で横たわっていた。
「まさか、死んだわけじゃねーよな?死体発見アナウンスも鳴ってないし…」
ちらりと部屋の隅を見ると、モノクマがソワソワと狛枝の様子を伺っていた。待ちわびている!や、やばい…
結局、罪木の処置でなんとか狛枝の呼吸は戻ったが、予断は許さない容態らしい。

これ以上ここにいても専門知識のない二人ができることはなく、日向は九頭龍に連れられてロビーへ出た。
日向の仮眠中に、左右田が連絡手段を運んできたそうだ。
それは、一組のカメラとモニタだった。モニタのランプが点滅し始めたのでボタンを押してみると、モニタには左右田の顔が映し出された。
「よぉ!日向かー?」
ようやくメカニックの本領発揮、ということで、電気街から適当な物を探し出して改良したらしい。
これはご家庭用の監視カメラと監視モニタ。よく、幼児がいる家庭で、リビングや両親の部屋から子供部屋の様子をチェックするのに使うあれだ。
2組のセットを用意し、カメラを交換して、互いがいる場所の映像が相手のモニタに映るようにしたという単純な仕掛けだが、
家庭用なので遠距離の通信ができず、それを左右田が改良して通信範囲を広げてくれた。
それでも、病院からモーテルまでは届かなかったので、間にあるライブハウスからモーテル組は通信してくる。
なので、こちらからはモーテル組に連絡を取ることができない。
それを考慮して、案外段取りがいい九頭龍が、毎日朝と夜に1度ずつある時報アナウンスの30分後に定時連絡を取り合う約束を取り付けていた。
病院組とモーテル組が接触しては隔離の意味がないので、連絡は全てこのモニタとカメラを介して行われる。
271スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:06:28.14 ID:RGd60neR0
22時を報せる夜のアナウンスが始まり、仮眠をしていない九頭龍が2F休憩室に向かおうとすると、モノクマが現れた。
ルールに異常に細かいモノクマは、付添人以外の病院での宿泊はお断りだと難癖をつけてきた。
確かに、狛枝の事は罪木に任せるしかない二人だが…、追い出されても行くあてがない。
モーテルに行くわけにもいかないし、ホテルまで戻ることにした。
翌朝、7時を告げる朝アナウンスと共に、日向はホテルを飛び出して病院に急いだ。
九頭龍も一足先に出勤していて、朝の通信までの間に二人で狛枝と罪木の様子を見に行くことにした。
罪木の必死の看病にもかかわらず、狛枝の病状は悪くなるばかりで、今夜辺りが峠というのが罪木の見立てだった。
朝の通信で、狛枝が生死の境を彷徨っている事をモーテル組に伝え、日寄子が他のモーテル組すら警戒して部屋に閉じこもっている事を聞いた。
それが終わると、ぶっちゃけた話日向と九頭龍にはやる事が残っていなかった。
唯吹と終里は、ルーチンの世話をした後は放っておくしかなく、狛枝程症状が重いと、罪木に任せるしかないのだ。
結局二人は、事態が好転するのを待ちながら、じりじりと夜の通信までの時間を過ごした。

外で病気の治療法等を探っているモーテル組も、今日は何の進展もなかったらしく、定時連絡はすぐ終わった。
休む暇もない罪木一人に患者を任せて、今日もホテルに帰らねばならない。九頭龍と日向は、背中にどんよりと重い空気を背負って帰路に着いた。
その晩、重苦しい気持ちで床に就いた日向は、重苦しい夢を見た。
どこかの教室に、自分が座っている。耳に雑音が入ってくる。聞きたくない…耳を塞いでしまいたい…
「あいつ、希望ヶ峰学園に行くんだって!すげーよな。
 でも、あいつ、そんなすげー奴だっけ?」
「あれ?お前知らねーの?入るだけだったら、そんな難しいもんでもねーんだよ。
 ………が…………………だぜ。でも、金出す親も大変だよな。」
「あいつが特殊な才能とか持ってるわけねーよ。どこにでもいる普通の奴さ。」
放っといてくれ。俺はただ、自分が胸を張れる場所に行きたいだけ。それは、ここじゃない…

翌日早朝、日向は息苦しくて目が覚めた。
何か、あたたかくて柔らかで重い物が自分の上に乗っている。あたたかというより、熱いくらいだ…。
目を開けると、サービススチル要員の罪木が、日向に抱きつくようにして寝息をたてていたリターンズ。
ぎょっとして寝ぼけた罪木と揉みあう内に、彼女が我に返った。
狛枝の容態が安定したので、二人に報告に来たが、疲労の限界だった罪木はつい日向のベッドに潜り込んでしまったらしい。
どうやって勝手に中に…と思ったが、そういえば日向のコテージは唯吹が鍵を壊したままだった。
九頭龍はまだ寝ているらしくコテージの鍵も閉まっていたので、罪木と二人で病院に急ぐ。

狛枝はベッドから起き上がれるまでに回復していたが、それでも病状はかなり悪く、罪木が二人いるだのなんだの呟いている。
徹夜の続いた罪木はふらついていて、日向は彼女に2F休憩室で仮眠をとるように勧めた。
「はいぃ、ちょっと寝てきます。日向さんもお疲れでしょうから、朝の通信まで、ロビーで休まれた方がいいですよぉ」
日向がロビーに入ってふと見ると、朝のアナウンスもまだなのに、モニタの受信ランプが光っていた。
緊急の通信かと、急いでスイッチを押すと、訳の分からない物が映し出された。
奥に黒いカーテンが引かれた薄暗い空間で、ぼんやりとした灯りが脚立を照らしている、その真上に首を吊るようなロープの輪が垂れ下がっている。
まるで、処刑台のような…そう思った次の瞬間、画面端から入院着姿の人影が現れた。
頭に麻袋を被せられていて、誰なのかはっきり分からないそいつは、ゆっくりと脚立を登りはじめた。
その手がロープを掴もうとした所で突然映像は途切れ、焦った日向は病院を飛び出した。
272 ◆l1l6Ur354A :2012/08/26(日) 22:15:37.39 ID:RGd60neR0
裁判パートに修正したい箇所を見つけたので、今日はここまでにします。
書き直してまた来ます。
支援助かりました。ありがとうございます。 

今回の日向君は超高校級のフラグ建築士なのですが、
親密度MAXになると各々のパンツが手に入るのはやり手すぎだと思いました。
273ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 22:23:02.30 ID:DWOZ2N1F0
>>272
ここまでお疲れ様です。過不足ない描写で読んでいて臨場感があります。続きも楽しみにしてます。
274ゲーム好き名無しさん:2012/08/26(日) 23:07:09.85 ID:ZnX7uFCF0
支援
275ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 00:31:31.10 ID:/13qrllH0
本日はおつでした。
男女ともにパンツを渡してくるあの世界観はなんなんでしょうねw
276ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 17:37:47.73 ID:TpdKv9fk0
おつです
新着チェックしたら爆増えててわろた
>>275
スキル予想して目星つけてた奴コンプして「…?(何故パンツ?)」
二人目コンプしたらまたパンツもろて「…!?!?」なったわ二人とも男だったから
女だったらまた別の意味で「!?!?」だったんだろうなw

日向以外とでかかったんだな 初めて知った
低めと思いこんでた コナン君効果か
277ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 18:45:03.78 ID:7IU+RzIj0
>>272
続きまだですか?
278ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 21:26:00.13 ID:q/9xZZdhP
催促イクナイ
楽しみに待ってようぜ
279ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 21:31:31.46 ID:GjcsRg3C0
ダンガンロンパの人乙です。プレイ済みだけど読むのが楽しみだ

メダロット2&3の投下予告に便乗して、メダロット1予約してみます
280ゲーム好き名無しさん:2012/08/27(月) 22:25:46.10 ID:KI89SMu+O
>>277
楽しみなのはわかるけど、そんな言い方はやめようぜ
書き手さん達は無償で書いてくれてるのだから
281ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 10:01:29.60 ID:n9Z2wk6zO
ダンガンロンパ前作からおもしろそうだけど、何かゲーム機の別売り付属物が複雑で、
どれを買えば快適にプレイできるのかいまいちわからん
VITAっちゅう新型の本体とゲームソフトだけ買えば大丈夫なん?
PS3でできるならそっち買いたいけど
282ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 10:47:10.02 ID:1OrmOaWa0
ここよりも詳しい人がいるだろうし本スレで聞いたら?
283ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 10:56:12.64 ID:Fo6OnlbA0
>>281
一応言っとくがVITAでPSPのソフトは動かんぞ
DLならいけるが
284ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 15:53:37.21 ID:SVQbEfuv0
ダンボール戦機予約します
PSP版は2011年発売で3DSの移植?版は2012年7月発売だけど、新作トリなくて大丈夫か?
285ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 18:57:22.51 ID:7Yq/lhE20
3DSで追加された要素に触れなければ新作トリップ付けなくても別にいいんじゃね
286ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 19:54:18.81 ID:M440ZloE0
心配だったらつけといた方が安心だろう
287ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 20:15:40.33 ID:E+AqPOwv0
変更点なしの移植だったらトリいらないんじゃね?
変更点が合ったり、気になるならトリつけといたらいいよ
288ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:26:30.46 ID:SVQbEfuv0
予約していたダンボール戦機、第1章いきます。
10分以上投稿がなかったら規制に引っ掛かっているので、無視して投稿してください。
前提として、世界観のあれこれ。

■LBX
Little Battler eXperience(小さな戦士達の経験)の略で、手の平に乗る程度の
大きさの人型のホビー用ロボット。
コアスケルトン(骨組み)とアーマーパーツ(外装)からなり、全てのパーツは
互換性があり差し替えて使うことが可能。
武器も剣、槍、銃等様々なタイプがあり、ミニチュアだが性能は侮れない。
基本的にCCM(携帯電話のような外見)という無線端末で操作し、操作可能範囲は半径約100m。
携帯電話のように通常の電話やメールのやり取りもできるので、操作端末兼携帯電話と言った方が近い。

2042年にタイニーオービット社(以下TO社)が発売したが、余りにも性能が良すぎて
遊んでいる最中に人や物を壊す事故が多発したため、一度は発売中止に追い込まれた。
しかし後に強化ダンボールが発明され、遊ぶなら強化ダンボールで囲んだ専用フィールド
(ジオラマみたいなもの)の中でという条件付きでLBXは再び発売されるようになった。
現在(2050年)はTO社のみならず様々なメーカーがLBXのパーツを売り出している。

■LBXのバトルルール
基本的にLBXは専用のジオラマフィールドの中で戦わせて遊ばせる。
基本的にはLBXの体力を削りきって行動不能にしたら勝ち。
このルールでは基本的に修理不可までに破壊することは認められない。
だが公的機関の目が届かない場所や破壊可のルールが設定される等、
場合によっては相手のLBXを物理的に破壊することも許可される。

■強化ダンボール
2046年にアスカ工業の霧島平治が開発した、外からの衝撃を80%吸収するという梱包材。
その性能は精密機器を詰めた強化ダンボールの箱を空高く飛んだヘリコプターから
地上に落としても中身が無事なくらい。
289ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:29:43.16 ID:SVQbEfuv0
■登場人物
山野バン:主人公のLBXが大好きな少年(中学1年生)
ただし母親にLBXを禁止されている為、最初は自分のLBXを持っていない

山野淳一郎:バンのパパで、LBXを開発した人。
その後飛行機事故に巻き込まれ行方不明に。死亡したと思われる

川村アミ:バンの友人の女の子(中学1年生)
成績の良い優等生だが強気な一面も。所持LBXは女性忍者のような外見のクノイチ

青島カズヤ:バンの友人の少年(中学1年生)
不良のような見た目だが人付き合いはよく仲間想い。アミと並ぶとヘタレに拍車がかかる。
所持LBXは闘剣士のような外見のウォーリアー。作中では「カズ」と呼ばれることが多いので「カズ」表記。

北島小次郎・北島沙希:「キタジマ模型店」を営む夫婦
イメージとしては地域の小さな模型店。旦那の小次郎は「店長」と
呼ばれているので「店長」表記。奥さんの沙希はうっかりや。

※登場人物は増える都度ざっくりと紹介します

■オープニング
何処かの研究施設でアラームが鳴り響く。
白衣を着た眼鏡で長髪の女性がアタッシュケースを大事そうに抱えながら逃げている。
背後からは女性と同じ白衣を着た人が「逃亡者だ!捕まえろ!」と叫びながら追いかけてくる。
逃げる女性の目の前のシャッターが下りはじめるが、間一髪滑り込んで女性は逃亡に成功。
追いかけていた研究員はシャッターの前で途方に暮れる。背後からやってきた
上司らしき男性(八神英二)に気付き、申し訳ないと頭を下げる。
「あのケースの中には例の物が……」「公になると大変なことになる」等の
会話の後、八神は「エージェントを総動員して何としても回収しろ!」と叫ぶ。

一方、逃げ出した女性はダムの見える山道を走っていた。
アタッシュケースを大事そうに抱えながら「博士、これは必ずあの子に届けます」と呟いた。

(●上司の男性=八神英二:何かの組織を率いる赤い髪のつり目の男性)
290ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:32:14.66 ID:SVQbEfuv0
■第1章 小さなマシンとの出会い

2050年、トキオシティのミソラタウン。
商店街の中のキタジマ模型店にバンがやってくる。
店内には既に北島夫婦とアミ、カズがいた。バンはLマガ(LBX専門雑誌)の
今週号を買いに行っていた為少し遅れたらしい。
バン、アミ、カズの3人が揃ったところで、北島夫婦が「面白いものがある」と
言って、1つの箱を見せる。LBXアキレスのアーマーパーツのパッケージだった。
(※LBXアキレス:ギリシャの闘剣士のような外見の白いLBX)
箱の隅にはTO社のロゴが印刷されていたが、バンはLマガの新製品情報に
載ってなかったと首をかしげる。店長も問屋から「新製品だ」と言われて
回ってきたものの、どのカタログにも載っていないという。
「超レア物!?ほしいー!」と盛り上がるバンだが、カズに「お前そもそも
LBX持ってないだろ、しかも母さんに禁止されてるんだろ?」と突っ込まれしょんぼり。
気を取り直して、借り物のLBXとカズのLBXウォーリアーを戦わせて遊ぶバン。
バンはキタジマ模型店で店のLBXを借り、それでこっそり遊ぶ日々を繰り返していた。

日が傾き、思いっきり遊んだ後にそれぞれ家路につくバン、アミ、カズ。
夕日の見える河川敷でバンは芝生に寝っころがって1人物思いにふけていた。
それは8年前(2042年)、パパ淳一郎が何かを作っているところを覗き込むチビバンの回想。
LBXの試作品を作りながら「これを完成させて商品化する。君が大きくなる頃には
皆でこれで遊べるようになるから、それまで待っててくれよ」と語る淳一郎を
きらきらした目で見上げるチビバン。
シーンは変わり、5年前(2045年)の回想。TVのニュースをじっと見入るチビバンとバンの母親。
テクノロジーサミットに向かっていた飛行機が消息を絶ち、行方不明になったと
淡々と放送していた。この飛行機にはサミットに参加する為様々な科学者が乗っており、
淳一郎も乗っていた。ニュースキャスターの「生存は絶望的」の一言で泣き崩れる母親。
ここでバンの回想は終わる。

「母さんは父さんを奪ったLBXが憎いから、俺にLBXを禁止したんだろう。
でも俺、LBXで遊んでると父さんと繋がっていられる気がするんだ」と思うバン。
そこに「あなたが山野バンね」と突然声をかけられる。
振り返ると白衣を着た眼鏡の女性(オープニングで逃げていた人)が立っていた。
土手の方から声がして、慌てて女性に手を引かれて橋の陰に隠れるバン。
改めてそっと窺うと、奇妙な仮面をした3人組が誰か人を探していた。
女性は「この中には人類の希望と絶望、両方が詰まっている。決して使い方を
誤ってはならない。これをあなたに託すわ」とアタッシュケースをバンに渡す。
その直後、女性は3人組の気を引くように囮となって飛び出して走っていく。
女性を追跡する3人組。その隙にバンはアタッシュケースを抱えて1人自宅へ走っていった。
だが、この時3人組の1人はアタッシュケースを持って逃げる少年(バン)の存在に
気付いていた。

(●奇妙な仮面をした3人組=エージェント:リーダー格の女性、ひょろっとした男性、
ずんぐりした男性の3人からなる。ノリとしてはベタな悪役トリオ)
291ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:34:14.95 ID:SVQbEfuv0
場面は変わってとある喫茶店にて。カウンターではマスターの男性(檜山蓮)が
何者からか電話で連絡を受けていた。
客は金髪オールバックの男性(宇崎拓也)のみ。
電話を切る檜山。檜山が「組織に潜らせていた人からの情報だ。新型LBXが
持ち出されたらしい」と話すと、驚く拓也。
「もし手に入れることができれば、イノベーターを追い詰める切り札に
なるかもしれない」「何とかしてそのLBXを手に入れられないものか」と2人で話し込む。

(●檜山蓮:とある喫茶店の男性マスター、声の渋いオッサン
●宇崎拓也:檜山の経営する喫茶店によく来ている金髪オールバックの男性、
檜山と比べると外見も声も若い)

夜、バンの自宅にて。ただいまと声をかけても返事はなく、母親は出かけているらしい。
リビングに腰を下ろし、改めてアタッシュケースをしげしげと眺めるバン。
……その様子をそっと覗き込むエージェント。
エージェントによると、アタッシュケースの中身は知らないが、許可されていない者が
開けると毒の矢が飛び出して死に至るというデスロックが仕掛けられているらしい。
何も知らないバンはアタッシュケースを開けてみることに。入っていたのはLBXの
コアスケルトンと操作端末のCCM。箱には「AX-00」と刻まれていた。
バンがLBXを手に取ると、LBXは突然バンの顔をスキャンした。
「ユーザー認証確認中……認証完了、使用を許可します」と告げるLBXの機械音声。
その様子を戦々恐々と見ていたエージェント。しかしデスロックは発動せず、しかも
中身はLBXと知り唖然。命令されていた通り強奪することに。
エージェントはそれぞれのLBXをトイレの窓から侵入させ、バンの元に向かわせる。
一方、LBXを手に入れてテンションが上がるバン。そこにエージェントの操るLBX3体が
乗り込んできてバンに向けて発砲する。
敵LBXの目的がAX-00だと気づき、咄嗟にCCMを手に取ってAX-00で応戦するバン。
キタジマ模型店で操作に慣れていることもあり、3体を物理的に撃破。
LBXを破壊され、ひとまず引き上げるエージェント。
(●AX-00:現時点ではコアスケルトンと、それを保護する程度の簡素な
カバーパッドという紙装甲。ただしバン曰く「反応速度が早い」で、かなり性能がいい)

一方リビングのバン。敵を全て撃破できたことに安堵するが、改めて室内を
見回すと部屋の中で銃撃戦でもしたのかと言わんばかりの荒れ模様。
どうしよう……とうろたえていると、そのタイミングで帰ってくる母親。
部屋の惨状見て絶句する母親。バンが持っていたCCMとAX-00を見て
バンがLBXを手に入れたことを察してしまう。
事情を話そうとしたバンを制止し、「もういいわ、ちゃんと片付けておくのよ」と
だけ言って部屋を出る母親。怒られないことに戸惑うバン。
一方別室にて。母親は「あなた……ついにこの日が来たのね」と深刻な顔をしていた。
292ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:37:17.85 ID:SVQbEfuv0
オープニングの研究施設のオペレーション室にて。AX-00が正規のユーザ認証により
起動されたことが確認されていた。
正規のユーザ名が「山野バン」と知り、納得する八神。
そして後ろに控えていた白衣の男性(博士)に叫ぶ。
「この事件の首謀者は貴方のようですね。どうしてこんな事をした?
あなたは世界を破滅に導くつもりか、博士!?」
高い志を実現するためには力が必要だと語る八神。
その中でAX-00にはプラチナカプセルが内包されており、それにデスロックが
仕掛けられていることが博士の口から語られる。
プラチナカプセルには重要なデータが入っており、無理矢理にでも認定ユーザ以外が
取り出そうとすると内部のデータが消えてしまう仕掛けになっていた。
そのデータは人々の希望であるが、もしそれが絶望になるのならば消すことも
躊躇わない、と言う博士。
しかしLBXがバトル中に破壊された場合デスロックは発動しないのでは?という
八神の指摘に黙ってしまう。
目的のためには手段を選ばない、LBXバトル中にAX-00を破壊できれば問題ないと
言う八神に、バンは簡単には負けないという博士。ひとまず博士は連行される。

翌朝、バンの自宅にて。気まずそうなバンに、母親はLBXをやってもいいと許可する。
ただしやるのなら誰にも負けないくらい強くなりなさいと言う母親。大喜びするバン。
早速AX-00の装甲を買いにキタジマ模型店に直行するバン。その途中
「あんなにうまくいくとは思わなかった」等と語り合う4人組とすれ違う。

キタジマ模型店にて。店内には北島夫婦、アミ、バン。
バンがLBXを手に入れられた事を祝う沙希とアミ。しかし店長はメーカーも分からない
LBXに「こんなコアスケルトンは見た事がない」と首をかしげる。
昨日起きたことを説明するバン。このAX-00をどうしようかと悩むバンに、
アミと店長は預かっているつもりで持っていればいいと背中を押す。
晴れてバンのLBXとなったAX-00。バンのLBX解禁祝いにLBXアキレスの
アーマーパーツをプレゼントしようと言い出す店長だが、それなら
朝イチで売れたよ、と沙希。落胆するバンと宥める店長だが、
支払いに使われたカードを見た沙希が突然「これ偽物だー!」と取り乱す。
沙希が見せたのは、手作り感溢れる偽物オーラ全開のプリペイドカード。
こんな偽物見間違うかよ……と呆れられるが、沙希の証言により
LBXアキレスのアーマーパーツを持って行ったのは4人組、しかもその1人は
「郷田君」と呼ばれていたことを知る。
「郷田」という名前に心当たりのあるアミ。バン、アミ、カズ達の通う
ミソラ第二中学校の3年で「番長」と呼ばれているらしい。
LBXアキレスのアーマーパーツを取り返しに行くから、もしうまく行ったら
俺にそのパーツをプレゼントしてくれ、というバンの要求を快諾する店長。
293ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:40:11.07 ID:SVQbEfuv0
その後ミソラ第ニ中学校にて。バンがLBXを手に入れたことをカズは祝うが、郷田の
事を聞くと途端に顔を曇らせる。
郷田はミソラ四天王のリーダーでLBXの腕も立ち、戦った相手のLBXを必ず
破壊することから「地獄の破壊神」と恐れられているらしい。
郷田を探しに行こうとバンが言うと、カズは「相手が悪すぎる」と逃げてしまう。
放課後、郷田を探しに行こうとするバンとアミにクラスメートの
リュウが声をかける。アミとLBXとバトルしようという話を無理矢理流し、
リュウも郷田探しにつき合わさせることに。
郷田の居場所や詳細を聞くため上級生に聞き込みをするが、郷田の名前を
聞くだけで怯えたり逃げ出したりする人が多くて中々情報が集まらない。
かなりの数の人が郷田にLBXを破壊されているらしい。
そんな中、バン達のクラスメートのミカが「郷田は体育館裏のスラムにいる」と情報をくれる。
礼を言ってミカと別れるバン達。その様子を遠くから窺うゾンビのような外見の男性が……。

(●リュウ=大口寺リュウ:バン達のクラスメートでブーデーの重機マニア。
アミ大好きだがアミには軽くあしらわれている。気弱で下手するとカズ以上のヘタレ。
使用LBXはキャタピラの脚を持つ重機っぽい雰囲気のブルド
●ミカ=三影ミカ:バン達のクラスメートの口数の少ない不思議ちゃん
郷田LOVE。隠し撮りしてCCMの待ち受けにしちゃうくらい大好き。
使用LBXは戦う女性のような勇ましい雰囲気を持つアマゾネス)

体育館裏にやってきたバン、アミ、リュウ。
体育館裏のスラムへはフェンスで仕切られており、その先は薄汚くごみごみしたスラム街。
3人はフェンスの扉を開け、奥に入っていく。その様子を遠くから眺めるカズの姿が……。

タチの悪い不良に絡まれながらも奥へと進んでいくと、行く手を3人に塞がれる。
ここはお前達優等生の来る場所じゃない、さっさと帰りなという3人に対し
郷田という人を探している、そいつは泥棒だと啖呵を切るバンとアミ。
すると「こいつらか……」と笑う3人。3人の正体は四天王の残り3人の「郷田三人衆」
リコ・テツオ・ギンジで、早速LBXバトルを仕掛けてくる。
まだカバーパッドのままのAX-00をリコ達に笑われるバン。リュウも大丈夫か?と
弱気だが、俺達が勝ったら郷田の居場所を教えてもらう!とバンは引き下がらない。
試合のルールは何でもアリ=相手のLBXを物理的に破壊しちゃってもOK。
勇敢に戦うバン&LBXAX-00ととアミ&LBXクノイチだが、1人逃げ腰のリュウ&LBXブルド。
リコ達にターゲットにされ、徹底的に攻撃されLBXブルドを破壊されてしまう。
泣き顔で逃げ出すリュウ。
残ったバンとアミも苦戦。バンがやられる!と思った瞬間、何処からか飛び込んで
相手に斬りかかるLBXウォーリアー。こっそり後をつけていたカズが援護にやってきたのだ。
何とかリコ達に勝つことができたバン達。引き上げて逃げ出すリコ達は端から約束を
守る気などなく、「地獄の破壊神にやられちゃえばいいんだ!」と捨て台詞を残す。
バン、アミ、カズの3人でさらにスラムの奥へと踏み込む。
294ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:41:42.43 ID:SVQbEfuv0
(●リコ=矢沢リコ:背丈の低いスケバン風の女の子。郷田三人衆の1人。
使用LBXはホバー装備を持つクイーン。ドレス状ホバーの内側からミサイルが飛び出す。
●テツオ=亀山テツオ:トトロのように背丈が高く、何処か抜けた雰囲気の少年。郷田三人衆の1人。
使用LBXは水陸両用のナズー。ズゴッグやアッガイに似ていると言われる。
●ギンジ=鹿野ギンジ:肌の色も悪く、ひょろりとしたゾンビのような外見の少年。郷田三人衆の1人。
郷田の事を聞きまわるバン達の様子を窺っていたのもコイツ。
使用LBXはカメレオンのような外見で迷彩能力も持つマッドドッグ)

スラムの最奥地、倉庫のような場所で郷田とリコ達は待っていた。
LBXアキレスを返せと迫るバンだが、郷田はLBXアキレスを守ったのだという。
というのも、郷田はレックスという人物からLBXアキレスが悪い大人やそこらのガキの
手に渡らないうちに回収するよう命じられていたらしい。
ちなみにレックスとはカズ曰く「ネットの世界では有名な伝説のLBXプレイヤー」。
店長との約束を理由にLBXアキレスの返却を迫るバン。郷田はバンのAX-00を見て、
コイツは面白そうだとバンにLBXアキレスのパーツの箱を投げ渡す。
バンのAX-00にLBXアキレスのパーツを装備させ、それで俺のLBXハカイオーと戦えと
勝負を挑む郷田。
バン、アミ、カズvs郷田の3体1でよい。ルールは破壊アリ。
バン達が勝ったらLBXアキレスはバンのもの、ただし郷田が勝ったらバンの
AX-00コアスケルトンごと頂くという郷田の条件をバンは承諾し、バトルへ。
(パーツを装備する時間はちゃんとくれる、これを以てバンのLBXはAX-00からアキレスに)
バトルの最中にカズのLBXウォーリアーがバンのLBXをかばい、それがきっかけで
LBXハカイオーの破壊ショーの犠牲となりバラバラに破壊されてしまう。
何とかバンとアミで郷田に勝利する。郷田は潔く負けを認め、アキレスパーツは
バンの物だと言う。そしてレックスに頭を下げに行くぞとリコ達を率いて去っていく。
カズは破壊されたLBXウォーリアーについては気にするなと言いつつも、何処か
沈んだ表情で1人去っていく。

(●郷田=郷田ハンゾウ:ミソラ第二中学3年で、四天王の1人の男性。
「番長」とも呼ばれており、見た目がアニメ店長によく似ている。
使用LBXは獅子頭でゴツい体格のハカイオー)
295ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:43:14.72 ID:SVQbEfuv0
場面は変わり、国会議事堂にて。
新しく総理大臣に就任した財前宗助の所信表明演説が行われていた。
その中で「"新たなテクノロジーに関わる者こそ、人間の良心を忘れてはならない"
私の尊敬する人の1人である科学者の口癖だ」と言った上で、不必要な軍事拡大は
しないと言い切る。拍手が沸き起こる議場。
が、それをよく思わない人もいるわけで……。
その1人、海道義光。義光はマスコミのインタビューに対し「財前総理は
若いからこそあんなことが言えるのだ。ここは大目に見てやろう」と言い、
マスコミを押しのけて自分のリムジンに乗って行ってしまう。
リムジン内にて1人、義光は「財前総理は邪魔だな、消えてもらわねばならない」と呟く。

(●財前宗助:圧倒的な支持を得て新しく就任した総理大臣
イナズマイレブンにも同名の人物が登場しているが、イナズマイレブンの
10年前がダンボール戦機とする説も
●海道義光:先進開発省大臣のおじいさん
髪型がバッハ等クラシック音楽家みたいなくるんとした白髪)

場面は変わり、研究施設にて。背後では何かの生産ラインが稼働している。
何処かに電話をかける八神。博士の様子を聞かれているらしく、博士は
大人しくしていると答える。
「"新たなテクノロジーに関わる者こそ、人間の良心を忘れてはならない"と
言うばかりでまだ我々の思想には賛同してもらえそうにない」と八神。
そしてAX-00についても私に任せろと答え、電話を切る。
「バトル中に破壊すればよいのだ」と呟きながら八神が眺める先では、
生産ラインとは別のスペースで黄色と水色の不気味なLBXが製作されていた……。

第1章、終了。
296ダンボール戦機  ◆l1l6Ur354A :2012/08/28(火) 21:45:46.48 ID:SVQbEfuv0
全部で12章ありますが、1章ずつ間を開けつつ投稿予定
文章まとめるのでしばらくお待ちください

やったのはPSP版。追加要素アリのPSP版と更に追加要素+移植の3DS版は
やってないのでそれらの要素については触れない予定です
ただしアニメ(2011年3月〜2012年1月)ではゲーム作中で明かされなかった
あれこれが明らかになっているので、トリをつけた上で一緒に載せています
297ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 22:53:33.35 ID:iIi1ddljO
ダン戦さん丁寧な仕事乙です
298ゲーム好き名無しさん:2012/08/28(火) 23:38:01.54 ID:E+AqPOwv0
ダンボールおつ!
番外的な情報もつけていただけるとはありがたい
299ゲーム好き名無しさん:2012/08/29(水) 23:23:37.65 ID:a0Lk6q7p0
リクエストお願いします。
【PS3】ゴッドオブウォー3
300ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 01:04:29.15 ID:Ac1yvfW70
リクエストお願いします
【PS3】デッドアイランド
301ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 13:59:27.87 ID:EAdcANmm0
このスレの>>300までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。

・下記作品は他のページと同じの構成に変更
 ・BIOHAZARD Operation:RaccoonCity
 ・犬神家の一族
 ・超操縦メカMG

・「犬神家の一族」に補足説明を追加

・VP 咎を背負う者の「フレア」を「フレイ」に修正

・「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」の過去の投稿におきまして、
 スレッドのパート数が不明なのでわかる人は更新お願いします

>>208 にありますように
 「THE 裁判員〜1つの真実、6つの答え〜」の投稿者の方が
 誤字脱字の修正と補足の追記を希望されています

・「スーパーダンガンロンパ2」について新規にページを追加した後に
 サブタイトル付きで同じ内容を追加しています。
 サブタイトル無しのパージを削除したいのですが、
 アカウントを登録していないので削除できません。
 申し訳ございませんが、どなたかご対応お願いします。

・リクエストについて
 ・「タイムトラベラーズ」はハード指定が無かったのでpspで追加
 ・下記作品はPS3で追加
  ・ペルソナ4 ジ・アルティメットインマヨナカアリーナ
  ・アリス マッドネス リターンズ
  ・バットマン アーカム・アサイラム
302ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 15:48:32.28 ID:iQ5v3FQvO
まとめさん乙です
303ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 18:00:42.29 ID:Qwg6C86U0
乙〜
だが、ハード書いてないリクは無効として再リクさせるべきだと思う
あとシャドウ・ザ・ヘッジホッグの昔の投稿はwikiの過去ログ置き場のファイルによるとpart20のようだ
304ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 20:51:06.04 ID:1Aauh6MY0
まとめさん乙です。すいません、名前欄にサブタイ無いせいですよね。
新作トリ入れると入りきらなくて…

スーパーダンガンロンパ2第三話続き投稿します。
305スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 20:53:32.08 ID:1Aauh6MY0
祈るような気持ちでライブハウスの扉を開けると…ステージの照明バトンから、あの入院着姿の誰かが吊り下がっていた。
ステージの中央に、まるでオブジェのように、首吊り死体は静止している。
頭部の麻袋からは、見覚えのあるメッシュの筋の入った黒髪がはみ出していた。
ここはひどく暑い。どうしてこんなに暑いんだ?いや、そんなこと今はいい、
どうして、誰も来ないんだ。そうか、まだ死体発見アナウンスが…
足をもつれさせながら、隣のモーテルまで走った日向は、大声で皆を呼んだ。
出てきた眼蛇夢と七海に事情をまくし立て、後の連絡を眼蛇夢に任せて、七海と共にライブハウスへ走る。
道路へ出ると、別方向から同時に罪木と九頭龍が駆け寄ってきた。
二人は、病室に唯吹がいないことに気づいて探し回っているらしい。
説明は後回しにして、日向はとにかく3人をライブハウスまで連れて行った。
急いで入ろうとすると、ライブハウスには鍵がかかっていた。さっきは普通に入れたのに何故?
4人で体当たりをして扉を突破し、中に転がりこむと…
ステージには、入院着姿の首吊り死体がスポットを浴び…その脇の柱に、西園寺日寄子が磔にされていた。

「死体が発見されました。一定時間後学級裁判が行われます。」「死体が発見されました。一定時間後学級裁判が行われます。」
2回連続で鳴ったアナウンスが意味するのは、目の前の二人が死んでいるという事。
「だけど、さっきは西園寺はいなかったのに!ステージの首吊り死体だけだったのに!
 あれから10分もたってないのに、どういうことだよ!?」
とにかく、照明バトンを操作して死体を下ろし、麻袋を取ってみると、現れたのはやはり澪田唯吹の顔だった。
モノクマは、しれっとした顔で病院にいた患者二人を連れてやってきた。
狛枝も終里もほぼ回復していて、熱も下がっている。やはり伝染病云々はモノクマの出鱈目で、3人には何かを投与し変調させていただけのようだ。
そんな馬鹿馬鹿しい小細工に踊らされて、二人も犠牲者を出してしまった。
モノクマは皆の憎悪の視線も物ともせず、モノクマファイルを置いて去って行く。

【モノクマファイル】
・澪田唯吹の死因は首を絞められたことによる頸部圧迫。外傷は無し。
・西園寺日寄子の死因は、首を鋭利な刃物で切られたことによる失血性ショック。ほぼ即死。

【ライブハウスフロア】
・左右田が暑がって捜査を放棄して出ていった。確かにライブハウスの中は何故か異常に暑い。
 空調パネルを見ると、設定温度30℃で暖房が入っていた。
・九頭龍が扉の近くで折れたドラムスティックを見つけた。
 ライブハウスには鍵が無いようなので、これを取っ手に噛ませて扉を開かなくしていたのだろう。
 道理で、非体育会系+怪我人+女子2人のタックルで扉が開いた訳だ。
・このライブハウスは裏口も窓も無いため、扉を内から閉じたなら犯人は中にいたはずだ。
 どこかに隠れ、皆が駆けつけたどさくさに紛れて出てきたのかもしれない。
・七海が、両開きの扉の合わせ目に半透明の塊が付着しているのを発見した。
 彼女が口に入れてみたところ、図工室の味がするという。接着剤の類だろうか?
・家庭用監視カメラとモニタが粉々に壊されていた。
 日向に現場中継を見せるくらいなら、何故その後犯人はこれを壊したのか?
306スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 20:54:03.82 ID:1Aauh6MY0
【ライブハウスステージ上】
・ステージ上の一部に、血を拭き残したような跡があった。
 首を切られた日寄子の死体がすぐ傍にあるのに、何故犯人は血を掃除しなければならなかったのか?
・唯吹が使ったらしき脚立の左側面にも、血飛沫が飛んでいた。
・ステージ手前の端に、大きなロウソクが立っていた。日向が見た映像のぼんやりした灯りは、このロウソクだったのだろう。
 何故、ステージの照明ではなくロウソクを使ったのだろう?
・照明バトンを調べると、黒い厚紙の切れ端が引っかかっていた。
・ステージ奥に引かれている黒いカーテンは、横幅が足りずステージ端まで覆えていない。
 裏に見覚えのある仮止めテープがついているので、これは第一の島のスーパーから持ち込まれたものだ。

【ライブハウス倉庫】
・照明バトンに引っかかっていた黒い切れ端の、本体らしき壁紙の束があった。
 何故かこのライブハウスのステッカーがベタベタと貼りつけてある。
 以前見た時、山ほど余っていたステッカーが少し減っているので、犯人がこの厚紙にステッカーを貼ったのだろう。
 このステッカーは、ステージ脇の柱にも同じようにベタベタと貼られている。

【西園寺日寄子】
・ステージ脇の太い柱に、ガムテープをぐるぐると巻き付けて磔にされている。
 日寄子の首にも、傷を隠すようにガムテープが巻かれていて、これが止血帯代わりになり着物の汚れが少ないようだ。
・その着物が妙なことになっている。何故か帯が前で結ばれているのだ。
・着物の一部が膨らんでいるので、女子に手を突っ込んでもらうと、モーテルの日寄子の部屋の鍵が出てきた。
 懐に仕舞い込まれていて、取り出すのに苦労したので、これは犯人の小細工ではなく、日寄子が実際に鍵を仕舞ったのだと思われる。

【澪田唯吹】
・彼女がかぶっていた麻袋は、よく見るとエコバッグだった。
 この島の映画館で、モノクマがステッカーと共にグッズ販売していた麻製モノミエコバッグだ。
・入院着を着て、足には病院のスリッパを履いたままだ。
 そのスリッパの裏に、血痕を踏んだような跡が残っていた。
・罪木の検死では、ロープによる首吊りが死因で間違いない。

七海が、犯人が二人も殺した意図を訝しんでいる。
複数殺せば、より手がかりが多くなってしまう上に、何のメリットもない。
二人殺さなければならない理由があったのだろうか?
七海はモノクマに、犯人が同時に複数存在した場合の投票の事を問い詰める。
モノクマは渋々、殺人犯が同時に2名以上誕生するとややこしくなるので、殺人が同時発生しないよう監視している事、
共犯者がいたとしても、処刑されるのも脱出できるのも主犯だけだという事を説明した。
今回も、少なくとも主犯は一人だということだ。

罪木の検死は難航している。暖房の熱気のせいで、正確な死亡時刻が割り出せないのだ。
二人が死んだ順序も正確には分からないという事だが、日向がライブハウスに駆けつけた時、日寄子の死体はなく、唯吹らしき首吊り死体はあったのだから、唯吹の方が先に死んだはずだ。
ただ、日向がモーテルから皆を呼んでくるまでの間は10分もなかった。
日寄子を殺して柱にガムテープで貼り付けるなんて芸当が、そんな短時間で済むだろうか?
日向が見た映像のすぐ後、そのまま首を吊ったなら唯吹は自殺だ。
そんなことがあり得るだろうか?
他の皆は、他の理由でも唯吹が先に死んだはずという印象を持っていて、しきりに映画の「見立て殺人」だと囁き合っている。
最初はちんぷんかんぷんで疎外感を感じていたが、ようやく呑み込めた。日向以外は、素直にモノクマの自主製作映画を見ているのだ。
仕方なく映画館へ行き、後で150万払うにもかかわらず、モノクマ作の映画を見てみることにした。
307スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 20:55:12.70 ID:1Aauh6MY0
【映画館】
・カウンターで売られていたモノミエコバッグが無くなっている。
 モノクマはあれをジョークで二つほど作り、一名様限定で販売、一つ買えばもう一つおまけという謎の売り方をしていた。
・映画を見ると申し出ると、モノクマから招待券を渡された。
 これには見た日の日付スタンプが入っていて、2回は使えないようにしてあるとモノクマは言う。
・映画のタイトルは『モノミの魔法使い』
 出生率より死亡率の方が高い老人ばかりの村に生まれたモノクマは、軍用ヘリAH64通称アパッチの作る竜巻に巻き込まれてしまい、モノミの国に飛ばされた。
 モノクマは、元の老人たちから小銭をせびる生活に戻るため、魔法使いモノミを探して旅を始める。
 道中、脳ミソのないかかしと出会ったので、自殺を勧めるとかかしは首を吊って死んだ。
 次に、勇気のないライオンと出会ったので、弓矢で木に磔にしてやった。
 そして、心のないブリキの木こりと出会ったので、バラバラの鉄くずにしてやった。
 何だかんだの末に魔法使いモノミと会えたモノクマは彼女を殺して魔法の国を乗っ取り、故郷に帰って老人から年金を巻き上げ優雅に暮らしたとさ…
 …というような内容だった。
 絶望的につまらなかったが、事件の内容に確かに似ている。
 脳ミソが無いとまでは言わないが、まぁそういう感じの唯吹が首を吊り、誰よりも死を怖がって、脅えた小型犬のように吠えついていた日寄子は磔にされた。

【モーテル】
・モーテル前で、九頭龍と出くわしてアリバイの話になる。
 九頭龍は朝のアナウンスと共に病院に出かけ、入り口で罪木と出くわして以来、一緒に唯吹を探していた。たまに別行動もしたが、たかだか数分以内の事だという。
・死体発見後モーテルに応援を呼びに来たとき、姿を見せたのは七海と眼蛇夢だけ。左右田とソニアは顔を出さなかった。
・日寄子が持っていた鍵で、やはり彼女の部屋が開いた。
 中は殺風景で一般的な部屋で、鏡が小さくて錆びついており、あまり女性に考慮しているとは言えない雰囲気だ。
・ソニアが、日寄子が死んだことは、自分にも責任の一端があるかもしれないと言い出した。
 日寄子は閉じこもっていたのは伝染病に脅えていたのも理由の一つだが、どうやら着付けができず着物が着られなかったようなのだ。
 たまたま鍵が開いていた時に部屋を訪ねて、日寄子が半泣きで帯と格闘しているのを目撃したらしい。
 真昼にせっかく教えてもらったのにと落ち込む日寄子に、ソニアは鏡を見ながら帯を結ぶことを勧めた。
 ライブハウスの倉庫にある大きな姿見を見ながらなら、きっと着付けがしやすいだろうと。
 日寄子が自分で部屋に施錠したのはほぼ確実なので、彼女は自分でライブハウスに向かった可能性が高い。
 だが、ソニアは自分たちの会話を誰かが聞いていたとは思えないと言うので、犯人がどうやって日寄子がライブハウスに行くことを知ったかはわからない。

【病院】
・終里が、入院着の着心地を気に入ってまた貰いに来たらしいが、各部屋一つ常備されているはずの入院着が一つ足りなかった。
・七海が2Fにある会議室を調べていた。
 プロジェクター等を使う為か、窓側の壁一面を黒い遮光カーテンで覆えるようになっており、カーテンを引けば真っ暗闇になる。

そこでチャイムが鳴り、一同は裁判所へ向かった。
狛枝は相変わらず既に事件の真相をほぼ掴んでいるようだが、珍しく今回の犯人に嫌悪感を示している。
弐大の姿はなく、モノクマは彼の生死を明言しないまま、弐大の欠席を申し渡した。
皆、彼の身を案じるが、今は裁判に集中しなくてはならない。
澪田唯吹、彼女は皆のムードメーカーだった。唯吹がいれば、辛い気持ちも重い空気もまとめて吹っ飛んだ。
西園寺日寄子、皆の気分を害してばかりの問題児だったが、彼女は変わろうと努力していた。
その二人をこの中の誰かが殺した。それを暴かなければ、犯人以外全員死ぬ。
308スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 20:56:50.45 ID:1Aauh6MY0
【第3回学級裁判】
寝込んでいた狛枝と終里の為に、病気発症から死体発見までのあらましを説明する。
するとしょっぱなから、狛枝が日向の証言の信憑性を追求してきた。
麻袋の人物が首を吊ろうとした映像も、最初の首吊り死体発見も、日向しか見ていないのだから、日向が犯人なら幾らでもウソをつけるのだ。
映画の半券の日付スタンプを根拠に、自分が見立て殺人をできなかった事を主張すると、狛枝は笑顔であっさりそれを認めた。
「君が犯人じゃないのは分かってるよ。でも、今回は君の目撃証言が要になってくるみたいだから、そこの地盤を固めておこうと思ってさ。」
腹が立つが、狛枝の発言によって、日向の証言を信用する方向で裁判の方針が固まった。

九頭龍がまず議題に上げたのが、日向が首吊りを最初に発見して助けを呼んでくるまでの10分足らずの間に、日寄子を殺害できたのは誰かという事だ。
それはアリバイのないソニアと左右田しかいないと九頭龍は追い込みをかける。
ライブハウスの扉が内側からドラムスティックで封鎖されていたなら、犯人も死体発見まで中に隠れていたはずだというのが九頭龍の主張する根拠だ。
だが、日向は扉の間に残っていた半透明の塊を根拠に、扉が外から封鎖された可能性を提示する。
折れたドラムスティックは、犯人が屋内に留まっていたと誤認させるためのダミーで、本当は扉の合わせ目に接着剤を塗布したと考えられる。

照明バトンに引っかかっていた黒い切れ端は、倉庫の壁紙の欠けた部分と一致した。
常識的に考えて、犯人は日寄子の死体を隠す為、この壁紙を柱に巻きつけ、一回り大きな偽の柱を作ったのだろう。
照明バトンの端は柱をぐるりと囲むように円になっているので、バトン内径に厚紙をくっつけていけば円筒形になる。
こうしおけば、日向が首吊り死体を見て駆け出して行った後、壁紙を剥がして倉庫に放り込むだけで、そこに日寄子の死体が現れるという寸法だ。
これなら、日向が戻ってくるまでの10分足らずで実行可能だ。しかし流石に急いでいた犯人は、切れ端をバトンに残したことに気づかなかったのだろう。

ならば、日寄子と唯吹、本当はどちらが先に死んだのだろうか?
議論の末、日向は日寄子が先に殺されていたと断定した。
唯吹のスリッパの裏に、血痕を踏んだ跡があった事が根拠だ。
映画のかかしとライオンの死に方をなぞったのも、暖房が入っていたのも、二人の死んだ順序を誤認させる為の物だろう。
しかし、その見立ての甘さが気になる。
ライオンは弓矢で磔になったのに、日寄子は首を切られてガムテープで貼り付けられていた。
このやっつけ感は何を意味するのか。

七海は、日寄子が不幸な偶然で命を落としたのだと主張した。
日寄子は着付けの為にライブハウスへやってきた。そこで唯吹殺害の準備段階を目撃してしまったのだろう。
犯人は躊躇なく彼女をその場で始末し、突発的な殺人を映画の見立てという形で計画に組み込んだ。
ならば、最初に犯人が組み立てていた唯吹殺害のトリックはどういう骨組みになっていたのか?
やはり、日向だけが見ているあの映像が鍵になってくる。
皆に乞われて、あの映像を頭の中で反芻していた日向は、映像の中で脚立が左側面をこちらに向けていたことを思い出した。
そこに血飛沫が飛んでいたなら、印象に残るはずだ。そんな物があった記憶はない。
日寄子が死んだのが唯吹殺害より後なら、あの映像の脚立と、ライブハウスの脚立は別物だった可能性が高い。
つまり、ライブハウスではない別の場所で、唯吹以外の誰かが麻袋をかぶって首を吊る唯吹を演じて見せただけ。
本当の殺人は、もっと以前、夜の間にでも済まされていたのだろう。
モニタの電波が届く範囲で撮影場所の条件に合致するのは、病院の会議室くらいだ。
床の色が似ているし、会議室の遮光カーテンに似た物をライブハウスステージにも用意すれば、ろうそくの頼りない光ではとっさに見極めがつかない。
犯人は、ライブハウスのカメラだけを持ち出して会議室で撮影したのだろう。
持ち出す際に、日向がライブハウスに駆けつけた時カメラが無い事に気づかないよう、モニタをバラバラに破壊しておいた。
そして後で、カメラを粉々にしたものをそこに足しておいたのだろう。
家庭用カメラとモニタには録画機能などはついていない。犯人は、リアルタイムで撮影を行ったはずだ。
それができ、それによって利益を被るのは一人しかいない。
朝、日向と一緒に病院にいて、日向がロビーに行くタイミングも知っていた、罪木蜜柑だ。
309スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 20:57:38.76 ID:1Aauh6MY0
「わ、わたし、やってませぇん!人を殺すなんて無理ですぅ…!」
罪木は半泣きで脅えている。確かに罪木が殺人を犯すなんて、想像もつかないのだが…。
そこで狛枝が、冷ややかな態度で罪木にロープを突きつけた。
唯吹が首を吊っていたロープ。見覚えが無いので、恐らく犯人はこれをスーパーで調達してきたのだろう。
ならば新品のはずなのに、吊り輪のもっと上の部分が、何故かひどくささくれている。
狛枝はこのささくれを、ロープを交差させ人の首を絞めたとき擦れた跡だと主張した。
唯吹の首には、後ろ側にも索状痕が残っていた。彼女は首を吊ったのではなく、絞め殺されたのだ。
皆が唯吹が縊死したと確信していたのは、罪木がそう証言したのを信じていたからに過ぎない、と狛枝は罪木のウソを糾弾する。
「で、でもぉ、検死とか、専門外なんですぅ…!こんな状況だから一生懸命やってただけでぇ…1回くらい間違えても、許してほしいですぅ…」
罪木はおどおどとそう答えた。
「信じてくださぁい!もう、許してくださいよぉ…!」

終里や左右田等、雰囲気に流されやすい者や人のいい者は、すでに罪木を庇うモードに入っている。
鈍臭いけど一生懸命で、いつも皆の健康に気を配って、今回の病気も寝ずの看病をしてくれた罪木。
そんな彼女が仲間を殺すはずない。彼女を信じようというのだ。
「…俺だって、信じたい。信じるために、疑うんだ。」
日向はそう言って、罪木犯人説検証の続行を皆に促した。
罪木がやっていないなら、反論してくれればいい。そうやって議論を続ければ、事件の謎は解きほぐされ、彼女の無実が明らかになるだろう。
「私もそう思う。疑うことを放棄した信じるなんて、うそっぱちだよ。」
七海も同意し、裁判が再開されようとした時だった。
「……は?何ですかそれ。結局、そうやって私をいじめるんですね。」
静かで冷たい声だった。発した罪木は、見たことのない冷めた顔をしていた。

「そうやって、自分たちのすることを正当化して、自分たちは悪くないみたいな顔をして。
 私にどんなことをしても、それは私の方に問題があるからだって、私が悪いんだってことにして。
 もう、そんなのうんざり!うんざりなんですよぉ!
 どうして私を許してくれないんですか!?自分たちのすることは、簡単に許しちゃうくせに!!」
罪木は、こちらの話に何の証拠もないことを糾弾してくる。
科学捜査の介入が望むべくもないこの状況では、手持ちの手がかりから罪木が二人を殺したことを照明するのは不可能だ。
よって、罪木があの映像を撮影したのかどうか、日向が見た麻袋の人物が罪木だったかどうかを争点とする。
しかし、日向の記憶だけが頼りの雲を掴むような議論に、中々事態は進展しない。
「罪木と澪田じゃ、体格がずいぶん違うはずだ」
という九頭龍の主張にも、罪木は冷たく反論した。澪田も麻袋の人物もフリーサイズの入院着を着ていたのだ。
「あんなカメラアングルで?ロウソクの灯りだけで?正確な体型なんてわかるはずないじゃないですか。」
日向はその言葉尻を捉えて、攻めの糸口を掴んだ。
「俺はカメラアングルについては、一度も証言していないぞ」と。

一度崩れると、罪木は一気に崩壊し、冷淡と憤怒の間を行きつ戻りつし始めた。
口から迸り出るのは「許して」という強要だ。
自分たちは、決して殺し合いを許す訳にはいかない。皆投票し、罪木が犯人に決定した。
「うふ。うふふふふふふふ…足元が粉々に砕けて、宙に落ちていくようなこの感覚…
 知っていますよ、この絶望を……」
罪木は、恍惚の表情で忍び笑いを漏らしている。信じられない。今まで共に戦ってきた罪木は、一体なんだったのか?
「それはね、君達が知っている罪木さんは、もういないからだよ。」
狛枝が、罪木に嫌悪の視線を向けながら、そう答えた。
「罪木さんも、かかっていたんじゃないかな。あの病気にね…。」
日向は、今日の明け方、罪木に抱きつかれ暑くて目覚めたことを思い出した。そうだ、まるで発熱しているように罪木は熱かった。
310スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 21:03:30.13 ID:1Aauh6MY0
各々で効果の違った今回のモノクマの介入。罪木に加えられた精神への干渉は、故意か偶然か彼女の記憶の扉をこじ開けた。
それだけで、罪木は日向達の知っていた罪木ではなくなってしまった。
「一部であれ、記憶を奪われるっていうのは、自分を失うことだと思いませんかぁ?
 だって、その人を作ってるのは、その人の記憶なんですから…」
罪木の目には、もはや仲間たちへの友情も信頼も全く残っていない。そこにあるのは軽蔑と無関心だけだった。
「記憶を取り戻した証拠に、少し話をしてあげましょうか?」
皆をここに拉致したのは、「未来機関」と名乗る組織。
「そうですよねぇ?モノミさん。」モノミもまた、未来機関の一員なのだという。
その未来機関は、この世界の破壊者でもある。この中に紛れ込んでいる裏切り者も未来機関の手先であり、それが誰なのかも、罪木にはわかっている。
「まぁ、どうでもいいですね。ゆっくり思い出したらどうですか?
 あのカウントダウンが終わるころには、嫌でも分かると思いますよ」
あと10日程に迫った、公園のカウントダウンの意味も、罪木にはわかっているらしい。
罪木は興味なさそうに皆に背を向け、モノクマに処刑を始めるよう要求した。
「やっと、あのお方の元に行ける…。あなたに会えるという希望を抱いて死ぬ私を許してください!」
罪木は、頬を染め笑みを浮かべて、死出の道を曳かれていった。

【罪木蜜柑処刑】
 あの人の元に行きたい罪木蜜柑。
 彼女を人の腕の形のロケットに跨らせ、空へ向かって発射した。
 衝撃波で粉々になってなければ、大気圏を突破して天国へ行けたかもしれない。

中途半端で呆気ない裁判の幕が降りた。
信頼していた仲間が、最後に自分達に敵意を向けて死んでいったこと、それにみんな打ちのめされていた。
ここにいる自分達は、学園生活の記憶を封印されて生まれた仮の自分達でしかないのかもしれない。
これで最後と願いながら、裁判ももう3度目。誰もが疲れ切っていた。

ばかばかしいので詳細は省くが、弐大がここで戻ってくる。
あの後やはり助からなかったらしく、似せる努力が感じられない外見のメカ弐大としての再登場。
どういう技術か知らないが、人格は弐大そのもの。ゴーストがあるのか分からないが、義体のような物と思われる。
モノクマの悪乗りで、2種類のドリンクが出るドリンクバー機能や、胸部に内蔵された電波時計による正確な時報など、お役立ち機能を搭載している。
機械の体により更に頑丈に、更に怪力になったが、首の後ろのスイッチを押されるとスリープモードに入り、
タイマーセットされた時間になるか、再びスイッチオンされるまで起動しなくなる。
こういう萎える非現実的な演出が今回はやたら多い。
モノクマ曰く、メカ弐大を起動不可状態まで破壊すると、「殺人」としてカウントされる。

<CHAPTER3終了> 生存者9名
311 ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 21:08:54.84 ID:1Aauh6MY0
1時間くらい空けて4話投稿します。

注釈し忘れてましたが、セリフは要約したり説明を入れたりしているので、
原文と言い回しとか違うことが多々あります。
特に3話は記憶で書いたのでひどいかもしれない…。
312ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 21:51:55.13 ID:c4B6KV6z0
ろんぱ2乙ですー&支援!
313ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 22:23:51.54 ID:aoWsJPTy0
>>310
罪木の処刑ってよくわからない演出でぼかしてあるけど
ようするに腕に薬注射されてラリって死んだんだよな
腕型ロケットに注射されたあと表情がいろいろやばいことになってるし
314ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 22:26:16.31 ID:iQ5v3FQvO
しえんしえん!
315ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 23:00:45.59 ID:J4+PBzdH0
ダンガンロンパ乙ですー
3章は被害者加害者どっちも好きなキャラでかなり堪えた…
316スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:02:56.97 ID:1Aauh6MY0
CHAPTER4『超高校級のロボは時計仕掛けの夢を見るか?』

強烈な非現実感と共に、ロボットとして戻ってきた弐大猫丸。
他にどうしようもないので、一同は彼を弐大として受け入れた。
彼は、自分の体のことを大らかに受け止めていた。
「どんな形であれ、生きていると言うだけでめっけものだとは思わんか?」と彼は笑う。
見かけはギャグっぽいが、本当に強い男だ。

モノミによって第4の島が解禁されたが、皆探索には気乗り薄だった。
どうせ、モノクマがこちらに見せたい情報しかないのだし、新しい島に行くたびに殺人のきっかけが見つかっている気がする。
しかしモノクマは皆を焚き付ける為、「未来機関の手がかり」、「皆の希望ヶ峰時代のプロフィール」を新たな島に隠したと発表した。
しかたなく皆腰を上げ、探索に出かける。

第4の島は、島全体が派手派手な遊園地になっていた。
ごく当たり前の遊具が並ぶ中、一際目を惹くのが、豪華壮麗にしてどこかで見たことのあるネズミー城。
しかし、入り口に鉄格子が嵌っていて、中に入ることはできなかった。
モノクマとモノミも、「ネズミ嫌い」という設定を課されている為、この中には入ったことが無いらしい。
ジェットコースターに乗ると、モノクマから新たな手がかりを渡された。
未来機関とロゴの入ったファイルを開いてみると、見覚えのある顔写真が目に入った。
別人のように痩せているが、これは確かに十神白夜だ。
それは、希望ヶ峰学園の15人の生徒が過去に強いられた殺し合い学園生活の簡易な概要だった。
十神は、この殺し合い生活の経験者だったのか?
皆ざわめくが、十神と割に親しくしていた主人公は、もう一つの懸念を持っていた。
雑談をしている時に、十神家の跡継ぎの選び方という話になった時の事。
十神家の当主は、決まった相手を持たず世界中の優れた女たちに種を撒く。
そして生まれた跡継ぎ候補達を、母親の格や成育環境によって青銅から白金までのランクに分けて競わせる。
見事頂点を勝ち取った一人だけが、十神家次期当主を名乗ることを許される。
十神白夜は、最下層の青銅のランクを付けられながら、次々と上のランクの候補達を打ち負かし、
白金のトップまで登りつめ次期当主の座を勝ち取った。
「十神白夜、今まで見た誰よりも確かな存在だ!」
語るうちに熱くなった十神は、そう口走った。
自画自賛の言葉としてもおかしい訳ではないが、日向はそこに、憧憬のようなニュアンスを感じ取ったのだった。
今はもう、あの言葉の真意も、殺し合い学園生活の事も聞くことはできない。
返す返すも、惜しまれる死だった。

お化け屋敷に行ってみると、メルヘンな建物を無理やりおどろおどろしく改造したような小屋の扉に、「クソミ」と殴り書かれていた。
ここがモノミの拠点らしい。元は少女趣味なピンク色の小屋が、モノクマに好き放題嫌がらせされ、見るも無残な有様になっている。
一応入ろうとしてみたが、扉には厳重なセキュリティロックがかかっていた。
ドッキリハウスへは、汽車に乗ってトンネルを抜けないと着かないようだ。
モノクマに、全員一緒に汽車の乗りこむよう厳命されて、嫌な予感がしつつも皆乗り込むと…
トンネルに入ったところで催眠ガスを浴びせられ、全員意識を失ってしまった。
317スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:07:49.38 ID:1Aauh6MY0
気が付くと、日向は気の狂いそうなほど一面イチゴ模様の部屋に倒れていた。
他の皆も全員、その場で目を覚まし、辺りを見回している。
モノクマはここを、ドッキリハウスの一部「ストロベリーハウス」だと説明した。
確かに、何もかもがイチゴ模様だ。赤と白以外の物は無いんじゃないかというくらいである。
探索してみると、ここは長方形の2階建ての建物で、
2階にはグレードが3段階に分かれた客室とラウンジが、
1階にはエレベーターと、何処かへ繋がる「イチゴ回廊」、不気味なピエロの描かれた扉「ファイナルデッドルーム」があった。
2階ラウンジには、ソファや電話、時計等がある。電話はボタンが一つしかなく、何故かマスカットの絵がそのボタンに描かれている。
1階に降りて、回廊と言う割に真っ直ぐなイチゴ回廊を進むと、大きな両開きの扉があった。
傍らのイチゴ模様のスイッチを置くと、自動で開く仕組みだ。
その先にあったのは、円形の部屋「ストロベリータワー」。
タワーというだけあって、ずっと上まで吹き抜けているようだが、上部には照明が無いため、上の方は見えない。
そこも、壁一面イチゴを思わせる赤と白の模様に染まっていたが、
どうもこれはただの白い壁に赤い照明で模様をつけているようだ。洒落たことをするものである。
だだっ広いだけで特に何がある訳では無いが、入ってきた扉の正面の壁に、マスカットの模様が描かれた扉があった。
レバー式のハンドルを下げ、扉を開けようとしてみたが、ビクともしない。
メカ弐大の怪力でも、ドアはビクともしなかった。ドアノブが壊れそうなので止めさせ、タワーから出る。

一度ストロベリーハウス1階に戻り、エレベーターに全員で乗ってみる。
他の階にはエレベーターの扉がないのに、このエレベーターはどこに繋がっているのか?
上下移動しているのか、平行移動しているのか、体感で分からない程エレベーターは静かで振動が無い。
扉が開いた先は、一面黄緑色のブドウ模様の部屋だった。
モノクマ曰く、ここは「マスカットハウス」。何もかもが黄緑色と白で構成されている。
探索してみると、ここは六角形の3階建ての建物で、
3階にはモノクマ資料館なる世にもくだらない施設が、2回にはストロベリーハウスと同じく3段階にグレードの分かれた客室とラウンジが、
1階にはマスカット回廊とエレベーターがあった。ファイナルデッドルームはこちらにはないようだ。
2階ラウンジには、同じように電話があり、ボタンにイチゴが描かれている。どうやら互いのハウスの電話にのみかけられるようだ。
1階の真ん中には、筋骨隆々で蓬髪の人物の銅像が建っていた。
プレートに「Ogre」とあるが、何故この鬼はセーラー服を着ているのだろう?

ブドウ回廊の先には、イチゴ回廊と同じく大きな扉とマスカット模様のスイッチがある。
スイッチを押そうとする日向を制し、眼蛇夢が「駆け抜けろッ!“滅星者たる銀狐”サンDよ!」とスイッチを指し示した。
マフラーの中からハムスターが這い出してきて、素早い動きで壁を駆け上り、スイッチを押した。
ソニアがサンDの芸に惜しみない賞賛を送り、眼蛇夢が照れる。変な奴だが、破壊神暗黒四天王との絆は本物だ。

イチゴ回廊の時と違って随分と待たされ、ようやく扉が開いた。
そこは、ストロベリータワーと色しか違わないマスカットタワーだった。
正面に、イチゴの絵が描かれた扉が見えている。
仮説だが、このタワーはストロベリータワーでもマスカットタワーでもあるのではないだろうか?
照明で色を変えているだけで、Sハウス=○=Mハウス、と言う風にこのタワーを挟んで二つの建物が繋がっているのではなかろうか。
しかし、このイチゴの絵のドアもこちらからは開かない。
この仮説を証明する為、七海がタワーの床に電子生徒手帳を置き、一度エレベーターから向こうへ移動しストロベリータワーに入ってみた。
またしばらく待たされた後にタワーの扉が開くと、そこには電子生徒手帳がポツンと落ちていた。
やはり、2つのタワーは同一の建物で、スイッチを押した後しばらく待たされるのは、あちら側の扉をロックしたり中に人がいないか確認したりしているための様だ。
モノクマ曰く、タワー内にはセンサーが張り巡らされ、動く物を感知するとその時の照明と反対のハウスからは入れないようロックがかかるらしい。
つまり、マスカットハウスから入ってきた者が中にいる間はそこはマスカットタワーなので、その間ストロベリーハウスからはタワーに入れないという事だ。
318スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:11:44.67 ID:1Aauh6MY0
ファイナルデッドルーム以外の全ての場所を調べたが、外への扉はおろか、窓すらも見当たらない。出入り口はどこなのか?
モノクマは、無いと答えた。出入り口は皆を運び込んだ後塞がれている。
これが今回の動機プレゼント。人が死に学級裁判が終わるまで、皆このドッキリハウスからは出られない。
そして、コロシアイが始まるまで、食べ物が供給されることは無い。そう言ってモノクマは哄笑した。
なんて無粋で直接的な動機作りだろう。皆悔しさに歯ぎしりしながら、とにかく出口を探すことにした。

この固い結束が必要となる展開で、探索の班分け中に嫌なムードが勃発してしまう。
遊園地探索時に話題に上った、裏切り者が誰なのかという議論で、狛枝が「本命は日向クンかな」と発言したせいだ。
日向は自分の素性を思い出せないと言ってはいるが、それが本当なのかは他人には分からない。プロフィールが不明なのは裏切り者として一番怪しい。
狛枝は、頻繁にこういう事を言っては皆を不安にさせて引っ掻き回す奴なのだが、ビビり屋の左右田がこれをガッチリ真に受けてしまったのだ。
左右田は日向を露骨に避け、今まで割に親しくしていた左右田の変節に、自分の素性に自信の無い日向も口を噤むしかない。
左右田はソニアにゾッコンで、踏んだ地面を拝みかねないほどの崇拝ぶりなのだが、
「裏切り者なんかいません!」というスタンスを貫き仲間を大切にしているソニアには、左右田の腰抜けぶりは脈のあるなし以前の問題。
それに加えて、最近ソニアと眼蛇夢はいい雰囲気だ。ソニア風に言うと、ホの字…かもしれない。
不思議と波長が合うらしく中々微笑ましい二人で、このハウスに入ってからもずっと一緒に行動している。
当然左右田の機嫌は地を這い、彼を中心にピリピリムードが広がっているのだった。

結局、どこからも外への出口は見つからず、調べていないのはファイナルデッドルーム内部だけになった。
このハウス内に、殺人の凶器になりそうな物は見当たらないが、
モノクマ曰く「ファイナルデッドルーム」に入ると、命がけのゲームが始まり、それに勝たなくては部屋から出ることはできない。
ただし、そのゲームに勝てば、『極上の凶器』が手に入る。
入ったら、出るのに命がけとあっては、迂闊に中を調べることはできない。しかも手に入るのが人を殺す凶器なんて割に合わない。
皆、どうしていいか分からないままその日は休むことにした。
男女でハウスを分けることにし、女子がマスカットハウスで、男子がストロベリーハウスを使う取り決めになった。
寝室はそれぞれのハウスに、防音性や耐震性にまで優れた「豪華な客室」2つ、ごく一般的な洋間「普通の客室」1つ、侘しい四畳半「粗末な客室」2つの計5部屋ずつある。
女子は七海ソニア終里の3人しかいないので、話し合いで和やかに部屋決めが終わったようだが、
日向、狛枝、左右田、九頭龍、眼蛇夢、メカ弐大と6人いる男子は部屋が一つ足らない。
じゃんけん大会で当然のように一抜けで勝利した超高校級の幸運狛枝が豪華な客室に、続いて眼蛇夢も高笑いで豪華、左右田が普通で、メカ弐大と九頭龍が粗末。
ビリッケツの日向は、「風邪ひかないでね」とロビーのソファをあてがわれた。
踏んだり蹴ったりの結果にしょげていると、「こっちは部屋が余ってるから使ってよ」という女神たちからの救いの声が。
左右田の怨嗟の声を聞きながら、日向は女子の花園マスカットハウスにお邪魔することになったのだった。

女子は、七海とソニアが豪華、育ちの貧しい終里はこの方が落ち着くからと粗末な客室を選んでいた。
終里を差し置いて自分が普通の客室で寝るのも悪いので、日向も粗末な客室で眠りについた。
翌日は、することもなく体力を温存して過ごした。
既に空腹はかなり激しくなっている。このままでは、全員餓死を待つばかりだが…
「そうだとしても、仲間同士で殺し合うより、マシだ…!」という日向の独白に、狛枝がキョトンと首をかしげた。
「え?それって死んだ方がマシってこと?」
そういう訳じゃないが、じゃあどういう訳なんだろう。わからない。ただじりじりと時間が過ぎていく。
319スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:14:16.85 ID:1Aauh6MY0
ここでは朝晩のアナウンスが無く、時間を知るには、各ハウスのロビーの時計か、メカ弐大の胸部ハッチ内の電波時計を見るしかない。
空腹とやることのなさで時間の感覚も怪しくなり、日向がグッタリしているうちに一日が終わっていった。
翌朝、モノクマの声で起こされた一同は、指示通りマスカットタワーに向かった。
そこで毎朝7時に、「モノクマ太極拳」なる習慣を開始することを告げられた。
アナウンスが無いので自力で起きねばならないうえ、一人でも遅刻したら連帯責任で全員処罰という厳しいルール。
ただでさえ空腹なのに、起き抜けに一運動させられるという完全な嫌がらせだ。

翌日、なんとか7時寸前に起きられた日向は、とぼとぼとマスカットタワーに向かった。
女子と日向はただ階下に行くだけでいいが、男子はエレベーターで一度こちらに来ないと、「マスカット」タワーには入れない。
そうぼやく左右田は空腹もあり不機嫌で、日向に「お前は未来機関にこっそり飯をもらってんだろ」と八つ当たりしてくる。
太極拳を終え、へとへとになって部屋に戻り、また空腹に耐える。このままじゃだめだ…このままではみんな死んでしまう…。
日向は虚ろな頭で、出口を探す為に部屋を彷徨い出た。
そうだ、ファイナルデッドルームだ。きっと、あそこに出口がある。早く探そう。早くみんなでここを出よう…
ストロベリーハウスまで移動し、ピエロの扉を開けようとしたところで、肩に手がかけられた。
「ダメだよ、日向君。」
七海が、優しく、しかしきっぱりと日向を扉から引き離した。
「その中に日向くんが探している物は無いよ。命がけのゲームをやらされて、手に入るのは人を殺す凶器だけ。そんなもの必要ないでしょ?」
思いつめた顔で歩いていく日向が気になって、七海は後をついてきてくれたらしい。
「ね、帰ろ?」七海に促され、一緒にマスカットハウスへ帰る。
それならどうしたらいいのだろう?ここで死ぬしかないのか?もう考える気力もなく、日向は部屋に帰るなり意識を失った。

ズズズ…ンと響いてきた大きな音と地響きに、日向は目を覚ました。
窓が無いので、夜なのか朝なのかわからない。
しばらく耳を澄ませたが、特に何も物音がしないので、また日向は眠りの中に落ちて行った。
翌朝、日向は鉛のように重い体を無理やり床から引きはがした。
太極拳に行かなくては。自分の遅刻のせいで、皆を危険な目に合わせるわけにはいかない。
通りすがりにラウンジの時計を確認すると、7時数分前。
フラフラと階下に降り、女子たちと合流してマスカットタワーの扉を開けると…
タワーの中央には、バラバラに壊れ、頭部がひしゃげたメカ弐大が動かなくなっていた。
立ち竦む日向達の頭上を、死体発見アナウンスが無情に流れて行く。

太極拳の時間なのに男子たちが来ていないことを訝しむと、現れたモノクマが呆れたように言った。
「全くけしからんですなぁ。まさか全員がモノクマ太極拳をサボるなんて、正直言って予想外でしたが…こんなことになっちゃったんだし仕方ないか!」
そしてモノクマは、差し入れと称して皆に牛乳とアンパンを配って回った。
「このままほっとくと、裁判までもちそうにないしね!」
男子たちにも配りに行くのか、モノクマはモノクマファイルを置いて立ち去って行った。
牛乳を流し込み、あんぱんにかぶりつく。おいしい。体に血が巡り始めるのが分かる。
この裁判を生き残り、外に出る。今はそれに専念しよう。ゴミを丸めて日向は立ち上がった。
320スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:15:40.44 ID:1Aauh6MY0
【モノクマファイル】
・メカ弐大は、頭部の破損で再起動不可となっている。
 強い衝撃を受け、全身の各関節が外れてバラバラになった模様。

【マスカットタワー内部】
・メカ弐大は、頭頂部がひしゃげ、手足は関節から外れてバラバラになっている。
・内部から、まるで血のようにオイルが流れ出し、床にオイル溜りを作っている。
・メカ弐大の傍らに、凶器はこれでございといった風情ででかいハンマーが落ちている。
 だが、このハンマーはどう見ても新品で、傷一つついていないため、これで弐大を殴ったとは思えない。
・タワー内部には、神殿のような太い柱が飾りで4本立てられているのだが、それが一本折れて倒れていた。
 先端にオイルの染みがついているので、これが凶器かと思われたが、終里の力をもってしても、短い破片すら持ち上げることができない。
 この柱を持ち上げられたのは、当のメカ弐大くらいだろう。
・メカ弐大の体の下には、柱の細かな破片が沢山落ちていた。
・ストロベリーハウスへ繋がる扉は、鎖で取っ手がグルグル巻きにされていた。
 これでは、あちら側からは開かないだろう。
・弐大の胴体と左足は、ワイヤーで縛られていた。左足に巻きついているワイヤーの先端は、小さな輪の形になっていた。

もう2度と罪木が検死をしてくれることは無いが、今回の死者はロボだ。
是非メカニックの左右田に見せたいところなのだが、一向にストロベリータワーチームが現場に来ない。
終里が、何か甲高い音がずっと鳴っていると言い出し、タワーを出てみると、日向達の耳にもうっすら電話のベルが聞こえてきた。
2階ラウンジで受話器を取ってみると、案の定左右田達からの連絡だった。
エレベーターのスイッチが壊されていてマスカットハウスへ移動できない上、
ストロベリータワーの扉のスイッチも壊されていて、とりあえずタワー内に入るということすらできないらしい。
男子チームは今のままでは完全に捜査に加わることはできないという事だ。
左右田がエレベーターを修理してくれるのを待つしかない。

タワー内にあった、ハンマーもワイヤーも、これまで見たことが無い。
きっと犯人は、ファイナルデッドルームでゲームをクリアし、凶器を手に入れたのだろう。
だから、私がそのゲームに挑戦する、と七海は言う。
日向は止めるが、とにかく左右田がエレベーターを修理してくれなければストロベリーハウスに行くことすらできない。
日向と七海は、二人でラウンジに座り、事件の情報をまとめ始めた。

一方その頃、ストロベリーハウスの2階ラウンジにて。
さて、どうしようかな。狛枝は思案しながら男子チームの顔ぶれを見回していた。
あんぱんを食べながら、狛枝は男子たちに聞き出して、起床から今までの流れをまとめた。
・明け方5時頃、九頭龍は目が覚めて部屋の外に出た。
 すると、階段を下りていく弐大の後ろ姿が見えた。
・そのままラウンジに行き、そこでぼんやりしていると、突然時計のアラームが鳴り出し、
 慌てて止めようとしていると、左右田と眼蛇夢がアラームの音で起き出してラウンジにやってきた。
・アラームを止めて一息つくと、ズズズー…ンという大きな地響きが聞こえてきた。
 その時の時間が5時半頃。
・それから特に何も起こらなかったので音の事は忘れていたが、
 太極拳の時間になって移動しようとするとエレベーターが動かなかった。
 左右田が調べたところによると、何者かがマスカットハウス側から操作パネルをいじり、安全装置を誤作動させたのが原因らしい。
・ダメ元でストロベリータワーからタワー内に入ってみようとしたが、スイッチが壊されていて入れない。
 左右田によれば、これはスイッチカバーがこじ開けられ内部の部品が壊されているので、替えの部品がないと修理できないらしい。
・実は狛枝は、7時前まで寝ていたので5時前後の騒ぎを全く知らない。
 皆が起き出したアラームも大きな音も、全く気付かなかった。
321スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:17:19.26 ID:1Aauh6MY0
エレベーターを修理するのに工具が無いと零している左右田に、狛枝は持ち歩いていた万能ナイフを渡した。
ドライバーややすり等がついているので、ちょっとした修理には使えるだろう。
その変わり、狛枝は左右田に一つ頼みごとをした。エレベーターが直ったら、向こうのハウスに移動するとき、ナイフの柄についている方位磁石の針がどういう動きをするか見ておいてくれと頼んだのだ。
狛枝は、九頭龍にも調査を頼んだ。あちらに移動できるようになったら、両方のラウンジの時計の時刻を調べてほしいという依頼だ。
「別にかまわねーが、何で自分で調べないんだ?」
「エレベーターが動くころには、ボクがいなくなっている可能性があるから…ね。」
首をかしげている九頭龍を置いて、狛枝は1階へ向かう。
愛しい希望達。彼らの為に自分ができるのは、体を張ることくらいだから…
狛枝は、ファイナルデッドルームの扉をくぐった。

内部には、モノミがいて目を丸くしていた。
そういえば、初日から見かけなかったが、どうやらここに入り込んでずっと閉じ込められていたようだ。
コンクリート壁の簡素な部屋で始まったのは、ごく一般的な脱出ゲームだった。
狛枝は難なく謎を解き、アイテムを集め暗証番号を割り出しゲームをクリアする。
すると、床から台が現れた。その上に、6発装填可能なリボルバー1丁と、5つの銃弾が乗っている。
モノクマから、このロシアンルーレットが、命がけのゲームの正体だとアナウンスがあった。
難易度は、自己責任で決めること。難易度に応じて特典がある。
そんなアナウンスを聞き流しながら、狛枝は躊躇なく5つ全ての弾を弾倉に込めた。
生存率6分の1。超高校級の幸運である狛枝とって、大した数字ではない。
シリンダーを回し引き金を引くと、こめかみからカチリと気の抜けた音が伝わってくる。
銃を下ろした狛枝の前に、武器庫「オクタゴン」への扉が姿を現した。

そこは、細長く曲がりくねった通路のような部屋だった。
古今東西、あらゆる武器が雑多に並べられている。
極上の武器らしき物はないけど、犯人がもう持ち出したのだろうか?
そう考えながら奥へ進むと、ポツンと小さな覗き窓が壁際にあるのを見つけた。
久しく外を見ていない。こんなところにだけ窓があるという事は、これも武器としての意味があるのだろう。
覗き込んだ狛枝は、しばし言葉を失い…そして笑った。
一目見ただけで全てがひっくり返り、事件の全容が目の前に現れる、そういう手がかりはたまにあるものだ。
もう一つ、床にあるハッチに狛枝は目を留めた。狛枝の予想が正しければこれは…。
そこでモノクマが現れ、最高難易度でゲームをクリアしたことを褒め称えられて、その特典として二つのファイルを手渡された。
一つは未来機関のロゴが入ったファイル。十神が参加していたコロシアイ学園生活の全行程の詳細なレポートのようだ。
狛枝は先に、もう一つのファイル、希望ヶ峰時代のみんなのプロフィールの方を開いた。
これを見れば、日向君の才能が何なのかわかるぞ。日向君ずいぶん気にしていたし、喜ぶだろうなぁ。
「…え?」
狛枝はページをめくる手を止めた。

一方その頃、日向と七海はマスカットタワーのラウンジで、じりじりした時間を過ごしていた。
このまま裁判が始まってしまえば手がかりが足りない。
何とかエレベーターが復旧して欲しいのだが…
そこに、ごく何気なく、狛枝が現れた。
「…狛枝!?お前、どうやってここに!?」
「…来ちゃった。」
彼はニコっと微笑んだ。来ちゃったじゃない。どこまで不気味な奴なのか。
つっかかる日向を冷たくいなして、狛枝はファイナルデッドルームのゲームをクリアし、自由に両ハウスを行き来できる手段を与えられたと説明した。
そして、特典でもらったという二つのファイルをかざして見せた。
「みんなのプロフィールはなかったんだ。あったのは日向君のだけ。」
そう言って、狛枝は固唾をのむ日向に彼の才能を発表した。
322ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 23:19:01.23 ID:J4+PBzdH0
支援
323スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:19:42.67 ID:1Aauh6MY0
「君はね、予備学科の生徒なんだ。つまり、何の才能もない一般の人間ってこと。
 自分の才能を忘れていたんじゃなくて、本当に何も才能を持っていなかったんだよ。」
予備学科は、才能の無い生徒にも開かれている道で、受験に合格することで入学できる学科だ。
「でもそれは建前で、予備学科は希望ヶ峰学園の資金集めの為にあるんだ。」
やたら高い入学金と授業料を納めれば、一般人でも希望ヶ峰学園に入ることができる。
そして学園はそのお金で、本学科の天才達の為により良い環境を整え、研究費を投資し、希望を育てていくのだ。
「それはそれで素晴らしい事なんだよ。希望の踏み台になれるんだからね!
 あれ?もしかして日向君にはそこまでの覚悟はなかった?ミーハー的な憧れで入学しちゃった?」
そうじゃない、自分は、自分に胸を張れるようになりたくて…
「自分が希望になりたかった…なんてバカげたことをいうのはやめてくれよ。
 いいか…希望になれるのは、素晴らしい才能と強い意志を持つ人間だけなんだ…
 そして、それらは、生まれついた時点で、すでに与えられているものなんだ。」
でもかえってよかったかもね。何の能力もない一般人が未来機関のスパイな訳ないんだから、キミのスパイ疑惑は晴れるよね。
狛枝は馬鹿にしたように言い捨てて、捜査の為に去って行った。
うなだれる日向を、七海がそっと励ましてくれる。
「予備学科とか、関係ないじゃん。私たちも、調査に行こう。」
関係なくない。でも、今は裁判を切り抜けることが先だ。

エレベーターが復旧し、男子チームもこちらに合流した。
狛枝を含めた全メンバーでもう一度マスカットタワー内を調べてみることになる。
狛枝は、予備学科生だと分かった日向だけでなく、他の生徒たちにも辛辣な態度をとるようになっていた。
「最低だよ。こんな重要な手がかりを見落とすなんて、やっぱり君達には任せておけないね。」
狛枝が倒れた柱の傍から拾い上げたのは、レバー式のドアノブ。
だが、目の前のノブは鎖でグルグル巻きになってはいるがちゃんとついている。
取れたドアノブのレバー先端には、こすれた様な跡がついていた。

左右田が弐大を簡単に分解し、情報をまとめてくれた。
・弐大胸部ハッチ内の電波時計が壊れて止まっていた。針が差していたのは7時30分。
・スリープモードを解除する為のアラームタイマーがセットされており、その時刻も7時30分だった。
・弐大は完全に機能停止していて、とても左右田に修理できる状態ではない。

狛枝が、弐大の部品を流用してストロベリータワー入り口のスイッチを修理するよう要請し、皆をイチゴ回廊に連れて行く。
スイッチはすぐに直ったが、押したところで、この扉は中のノブが鎖で巻かれているのだから、開かないはずだ。
「そんなことは気にしなくていいよ。とにかく、開けてみて。」
狛枝に急かされてスイッチを押すと、しばらく待たされて、問題なく扉が開いた。
中には、もちろん弐大が倒れている。しかし、違和感に日向は足を止めた。
さっきと寸分たがわぬ光景だ。何故?自分たちは今、さっきと反対側の扉から入ろうとしているのに。
目を上げると、正面のマスカット模様の扉のドアノブが、片方無くなっていた。

チャイムが鳴り、学級裁判が始まる。
モノクマが開いた入り口から地下へエレベーターで下り、裁判場へ向かう。
「このエレベーターに揺られてっとよぉ、あのエレベーターの高性能さが分かるよなぁ。」
左右田の言う通り、あのエレベーターはGすら感じさせない程、滑らかに無音で動いていた。
狛枝に促されて、左右田はエレベーターに乗った時の方位磁石の動きを証言した。
グルッと180度針が回転した、と左右田は答えた。
九頭龍も、時計を調べた結果を証言した。どちらのラウンジの時計も同じ時刻を示していたという。
324スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:22:15.82 ID:1Aauh6MY0
【第4回学級裁判】
まずは、一番わかりやすい凶器の話からにしようと左右田が提案した。
「は?」
狛枝が冷ややかに、一音で左右田の勢いを止める。
「いや…だから…一目瞭然だろ、今回の凶器なんて…」
「は?」
たじたじとなっている左右田に、日向はハンマーが新品だったことを指摘した。
柱にオイルの染みがついていたのだから、柱が凶器と考えられるのだが、あれで殴るには重すぎる。
「持ち上げる必要はありません!柱を弐大さんの上に倒せばいいのですわ!」
とソニアが言うが、それだと弐大の体の下に柱の破片があることに説明がつかない。
「柱が凶器になる方法は他にもあるよ。君たちが考え付かないだけでね。」
狛枝の呟きに、その方法を問い詰めると、狛枝はため息をついた。
「君たちは本当に相変わらずだね。未来を自分たちで切り開くこともできず、ただ立ち止ってうろたえているだけ…
 才能の無駄遣いだよ!それで未来機関に立ち向かおうなんて、笑わせるね!」
今までストーカー然として皆に執着していた狛枝の突然の変化に、一同は戸惑う。
狛枝はこれまでずっと、この殺し合い修学旅行の勝者こそ、絶対的な希望だと主張し続けてきたが、
「無知は恥だね。素直に発言を撤回させてもらうよ。」
この殺し合いには意味なんてない。これはただの余興、前座だ。
狛枝は、そう知ってしまったのだという。もはや裁判なんてどうでもいい、退屈なだけだと狛枝は言う。
「とはいえ、君たちの道連れになるのはゴメンだし…仕方ないから手を貸してあげよう。」
狛枝は、柱だけではなく、もう一つの物を組み合わせることでこの犯行は可能になると言った。
それにはまず、ドッキリハウスの構造から考え直していく必要があると。
「希望の象徴であるキミ達に解けないはずはないよ。あ、日向君は除いて、だったね。」
狛枝の言葉に訝る皆に、日向は「あとで俺から話す」と言い添えた。

日向も、ドッキリハウスの構造に違和感を抱き始めていた。
自分達が立てていた仮説の通りなら、タワーに入った時同じ方向から弐大の死体が見えるのはおかしいのだ。
オイルの漏れ出た形まで一緒なのだから、完全に同じ場所からタワーに入っていることになる。
議論を重ねてみたが、そもそも議論の材料になる手掛かりが足りない。日向は恐る恐る狛枝に声をかけてみた。
狛枝も、そろそろ助け舟が必要と思っていたらしく、こちらにデジカメを差し出してきた。
これは狛枝がファイナルデッドルームの脱出ゲームの時に使った物で、ちょうどいいからその手がかりを写真に写してきたらしい。
覗き込んでみるとそこには、久しく見ていない外の風景が映っていた。
狛枝はこれを、ストロベリールーム1階にあるファイナルデッドルームの奥、武器庫「オクタゴン」の窓から撮った。
その写真は決定的に変だった。
まず、1階の窓から撮ったはずなのに、明らかに高所からの風景になっている。
タワーと思しき円筒形の建物と、それと繋がった回廊と思しき真っ直ぐな建物が見えているが、
2階分見えているその下に、杉のような背の高い針葉樹林が広がっているのだ。
木に隠れて見えないが、この下に更に下の階があるのは間違いない。
それに、タワーの先には何もない。自分たちの仮説なら、そこにはマスカットハウスがあるはずなのに。
日向は、この写真から狛枝も辿り着いた結論に達した。
マスカットハウスと、ストロベリーハウスは、同じ建物の上下階なのだ。
下から三階分が六角形のマスカットハウスになっていて、その上に長方形のストロベリーハウスが乗っている。
オクタゴンとは、八角形のこと。、六角形の上に長方形が乗ることで余った床部分は、角が八つになる。
武器庫オクタゴンは、その余り部分に位置している。そこの床ハッチを開けると、マスカットハウス3階のモノクマ資料館に繋がっているらしい。
325スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:23:36.23 ID:1Aauh6MY0
エレベーターが180度回転しているという事は、エレベーターは建物外周を周り込むようにして斜めに移動しているのだろう。
それに気づかせないように、ごく高性能なエレベーターが使われていた。
タワーの向かいの扉が開かないのは当然だったのだ。あの向こうには何もなく、扉も飾りだったのだろう。
それなら、タワーに入った時の向きの問題は解消されるが、今度は床からの高低差が問題になる。
ということは、タワーもエレベーター式になっていたのだと日向は推論した。
ボタンを押すと床面だけ上下するようになっている、と考えれば様々な矛盾が解決する。

このタワーの構造こそ、「極上の凶器」だと狛枝は言った。
日向はふと、タワーの高低差を使って弐大を墜落死させることができるのではないかと思いついた。
床面が1階ストロベリータワーにある時に、4階マスカットタワーから弐大を落とすことができれば…。
でも、床面がストロベリータワーにある時には、マスカットタワーの扉は開かない。
「弐大君がマスカットタワーの中にいる時に、床をストロベリータワーまで下げちゃったらどうかな?」
センサーにひっかかるだろうという左右田のツッコミに、日向は弐大のスリープモードのことを指摘した。
弐大の首の後ろのスイッチを押してスリープモードにさせておけば、弐大は動かなくなりセンサーが反応しない。
「だが、そのまま床面を下降させても、弐大も共に降りてくるだけだぞ。」
弐大だけを上階に取り残せばいいのだ。落ちたドアノブに、先端が輪になったワイヤー。
きっと犯人は、弐大の足を縛ったワイヤーをドアノブにひっかけておいたのだろう。
「そう、犯人は弐大君を宙吊りにしたんだよ。」
七海の言葉に、左右田が反論する。宙吊りにしたって、ドアノブが取れるとは限らないじゃないかと。
そもそも、ドアノブが取れたのも犯人の想定外だったのではないか。
あのドアノブが取れたのはおそらく、初日に弐大が力任せに開けようとした時壊れそうになっていたのが原因だろう。
ドアノブが傷んでいたので、弐大が暴れた際ノブが外れてしまい、予期しなかった証拠が残ってしまった。
途中で柱にぶつかったのも、特に狙ったわけではないだろう。
結果的に、柱が倒れたことで落下音の大きさは増し、室内で寝ている人間も起こすほどの地響きになった。

本来は、犯人は弐大があとで再起動するようにアラームタイマーを設定しておき、
その時間になって起動した弐大は宙吊りになっていることに驚いて身動ぎし、ノブ先端にひっかかっているワイヤーがずり落ちて弐大も落ちる。
という筋書きだったはずだ。
現に、弐大は7時30分にアラームタイマーをセットされていた。
「おい、今7時30分って言ったか?」
終里がピクリと反応した。自分たちが弐大の死体を発見したのは7時前だ。それより後にタイマーがセットされていたはずがない。
ならば、どちらかの時計が間違っているはず。
弐大の電波時計は、狂わせたところで自動で修正されてしまうのだから意味が無い。
ならば、自分達の見ていたラウンジの時計の時間がずらされているのだろう。
明け方5時30分に地響きが聞こえたことを考えると、ちょうど2時間遅らせてあったということになる。
「俺たちはかなり衰弱した状態だったからな。気づけるわけねーぜ。」

「どうした、メス猫?」
眼蛇夢がソニアに声をかけた。何やら彼女はもじもじしているのだ。
「あの、皆さんが聞いているその音なのですけど、わたくしは全く気づきませんでした。」
ソニアは空腹で一睡もできなかったそうだが、地響きに気付かなかったという。
とりあえずその問題は置いておいて、犯人が時間をずらした理由を論点にした。
「それはね、ある物を理由にして、弐大君だけを誘き出すためだよ。」
狛枝が言う通り、モノクマ太極拳を利用すれば、弐大だけを7時前にタワーへ誘き出すことができる。
彼には電波時計が内臓されていて、常に正しい時間を体感している。
九頭龍が5時頃見た弐大は、朝7時前に太極拳に赴く弐大だったのだ。
あの時九頭龍が声をかけ、時間のずれに気づかれたとしても問題は無い。他の者もタワーに現れたなら、殺人を延期すればいいだけの話だ。
326スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/30(木) 23:27:05.16 ID:1Aauh6MY0
狛枝は、もう容疑者を絞るのは簡単な段階に来ている、と皆に発破をかける。
犯人は、弐大より先にタワーにいたはずだ。そして弐大を吊るした後に、偽の凶器を置くなどの細工を行った。
だからこちらの時計で5時前後にアリバイが無い者が怪しい。
そこで左右田が、ロビーの時計のクソでかいアラーム音にも部屋から出てこなかった、狛枝の事を思い出した。
彼は、地響きの時も結局部屋から出てきていない。もしかして部屋にいなかったのではないか?
「ボクはね、正確に言うと部屋から出てこれなかったんだ。そのアラーム音にも、地響きにもまるで気づかなかったからね。」
「それは、わたくしもいっしょです。そちらのロビーのアラーム音は気づかなくて当然として、タワーの地響きに気づかなかったのはおかしいですよね?」
「……実は、私もその地響き、気づかなかったんだよね…。」
七海もそう言いはじめた。
日向は、この3人の共通点に気づいた。
3人は、防音性の高い豪華な客室で寝起きしていた。だからアラームも地響きも3人の安眠を妨げることは無かったのだ。
「やるね、日向クン。それなら、犯人が誰かももうわかるよね。」
狛枝の言葉に、日向は重い口を開いた。
「田中…何でお前は、アラームの音を聞くことができたんだ?」

眼蛇夢も、豪華な客室に泊まっていた。彼にはアラームが聞こえたはずがない。
なのに彼はアラームの音と共にラウンジに駆けつけている。
「お前は、部屋にはいなかったんじゃないか?だからラウンジに来ることができた。」
弐大の死は自動殺人だが、その準備を行う必要がある。
犯人はラウンジの時計で5時、実際には7時より以前にタワーで弐大を待ち伏せていたはずだ。
「田中君はきっと、九頭龍君のせいで部屋に帰れなかったんだよ。」
と狛枝が言う。階段から客室へ行くには、ラウンジの前を通らねばならず、たまたま九頭龍が5時からそこにいた。
仕方なく犯人は、九頭龍が部屋に帰るのを階段前あたりの死角で待っていた。
だが九頭龍が部屋に戻らないまま、皆を起こして弐大の落下音を聞かせるためにしかけておいたアラームが鳴ってしまった。
眼蛇夢は、このタイミングでラウンジに駆けつける以外方法がなかった。
階下に隠れたりすれば、部屋を開けられると自分の不在がバレてしまうからだ。
そもそもの計画なら、起き出してこない事を訝られて部屋まで見に来てもらうことがベストのはずだった。
殺人が起きたはずの時間、部屋で寝ている姿を見せることができたら、アリバイの印象を皆に植え付けることができるからだ。
皮肉なことにそれが仇になり、眼蛇夢に嫌疑がかかることになった。

眼蛇夢は、たまたまトイレに起きて廊下に出たところでアラームを聞いた、という反論を試みてきた。
狛枝は、面倒くさそうにそれを無視して、どうせ多数決で決まるのだからもう投票に入ろうと言い出した。
「待ってください!まだ田中さんの反論を聞いていません!」
ソニアは半泣きで眼蛇夢に反論を促している。
「あのね、こんな学級裁判もコロシアイも、ただの前座に過ぎないんだよ。
 むしろ、茶番と言うべきかな。退屈すぎて胃に穴が空きそうだよ。ボクが健康を害する前に、早く終わらせてしまおうよ。」
いつもは日向が事件の流れをここで確認するのだが、狛枝が手短にまとめ始めた。
曰く、眼蛇夢はまずマスカットハウス側からエレベーターを誤作動させ停止させておいた。
7時前にマスカットハウスへ移動しようとした弐大はそれに気づき、仕方ないのでとりあえずストロベリーハウス側からタワーの中に入った。
ここで弐大がそうしなくても問題は無い。殺人の機会を見送ればいいだけだ。
果たして弐大はストロベリーハウスに現れ、そこで待ち伏せていた眼蛇夢は、ある物を使ってスリープモードのスイッチを押し、戦わずして弐大を無力化させた。
「―ッ!」
眼蛇夢が、狛枝の言葉に突然反応し、目を吊り上げた。
「戦わずして…だと!?……わかっていない。
 お前達は、この期に及んで何もわかっていない!俺様は、いずれ地獄に落ちるべき人間だろう。
 だが、まだ終われんようだ。終われんぞおおおおぉ!!!」
327ゲーム好き名無しさん:2012/08/30(木) 23:58:06.07 ID:iQ5v3FQvO
しえんしえん?
328スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 00:05:31.91 ID:dMzFkNIF0
急に激昂した眼蛇夢は、スリープモードに入るスイッチが弐大の首後ろ側にあったことを指摘した。
「あの弐大の背後だぞ!やすやすと取れると思うか!」と。
日向は、背後を取る必要が無かった事を指摘した。
破壊神暗黒四天王。あの芸達者なハムスターたちになら、弐大の体を駆け上らせスイッチを押させることが可能だ。
「………クッ!ククッ…フハハハハハハハッ!
 俺自身の事であればともかく…配下の者どもの優秀さを引き合いに出されては……フッ、認めるしかあるまい。」
「み、認める…?認めると、そうおっしゃったのですか…!?」
ソニアは、今にも倒れそうなほど蒼白な顔で眼蛇夢を見つめている。
「どうやら、俺様が手にしていたのは、地獄巡りの切符だったようだ…
 いいだろうッ!ならば踏み越えていけ!!
 勝利は屍の上にしか築かれぬ!犠牲なき平和などどこにも存在せんぞ!
 さぁ、この命を踏み越えてみせろ!!」

終里は、生還した弐大をむざむざ殺されてしまったことに失意と怒りを感じている。
ソニアは、眼蛇夢が弐大を殺したという事実を受け入れきれずにいる。
「…許せぬか?悔しいか?ならば、終わらせてみせよ!
 愛しき怨敵どもよ!さぁ、投票タイムを始めるぞッ!!」
投票が開始され、満場一致で眼蛇夢が犯人に決定した。

眼蛇夢は足掻くことはしなかった。ただ一つだけ訂正しておくことがあると言った。
「貴様らは、弐大は闘わずして死んだと言ったな?それは違う。奴は闘って、そして敗れて死んだんだ。」
ストロベリータワーで対峙した時、眼蛇夢の僅かな殺気を感じた弐大は、すぐさま状況を理解した。
そこですぐに逃げることも、助けを呼ぶことも容易だったはずだ。
だが弐大は、どちらも選ばず、眼蛇夢との生死をかけた闘いを望んだ。
弐大も本気で眼蛇夢を殺しに来ていた。死んだのが眼蛇夢だったなら、この事件はより混迷を深めていただろう。
「ど、どうしてそんな、仲間同士で争うようなことを…
 いくら、お互いに承知の上だろうと、そんなことは間違ってます!!」
涙するソニアに、眼蛇夢は薄く笑って答えた。
「反論はすまい。俺様の価値観を押し付けるつもりなど毛頭ないからな…。
 だが、あえて言わせてもらうとすれば…、ただ死を待つだけの生など、そこに一体何の意味がある?
 そんなものが、勇気であるはずがない!それは諦めだ!ただの諦観だ!」
日向は、自分の言葉を思い出していた。“仲間同士で殺し合うよりずっとマシだ”…
「生を諦めるなど、そんなものは“生に対する侮辱”でしかない。」
多くの生物がライフサイクルのどこかで、共食いに関与している。それが生きるという事実だ。
生きるために殺す行為を悪と呼ぶなら、生を諦める行為を何と呼べばいい?
「それは生物としての歪みだッ!人間の驕りだ!」

その信念が、彼を殺人に走らせた。弐大も、それに命を懸けて応えた。
「あの男は、死ぬべき時に死ぬ勇気を持っていた。
 だからこそ、俺様に戦いを挑んできた。」
眼蛇夢は、この価値観を押し付ける気は無いと再度言った。彼が日向達を裏切ったことは事実なのだからと。
そして、静かに問いかけた。
「だが…それでも…
 ここで全員が緩やかに滅びゆくよりは、ずっとマシだとは思わんか…」
329スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 00:06:15.97 ID:dMzFkNIF0
今の日向には、わからない。考えてもわからないだろう。
でも、眼蛇夢と弐大によって残りの皆の命が救われたのは事実だ。
眼蛇夢は、策を弄することもなくあっさりと犯行を認めた。それは、もしかしたら…
しかし彼は、あくまで悪役に徹し“制圧せし氷の覇王”として、高笑いしながら処刑へと臨んだ。
「待ってください!お願いです、モノクマさん、田中さんを助けてください!
 お願いです!お願いします!!」
ソニアは泣きながらモノクマに縋り、眼蛇夢の処刑を止めようとする。
「ソニアよ…。死にゆく男を止める無粋な行為…貴様のような高貴な者に相応しくないな。」
「た、田中さん…っ!」
泣きじゃくるソニアに見送られ、眼蛇夢は最後まで彼らしく、傲岸不遜に刑場へ曳かれていった。

【田中眼蛇夢処刑】
眼蛇夢を砂浜に立たせモノクマが放ったのは、無数の大型動物の群れ。
彼らは吊り下げられた食物に釣られ全速力で突進してくる。
眼蛇夢は、震えている暗黒四天王を近くの木の上に下ろし、砂浜の上に傲然と立つ。
そして彼は動物たちに跳ね飛ばされ、どさりと鈍い音を立てて砂浜に落ちた。
駆け寄ってきたハムスター達に優しく微笑みかけ…目を閉じて動かなくなった。
地獄に落ちると常日頃うそぶいていた彼を迎えに来たのは、彼が看取ってきた動物たち。
彼らに連れられて、眼蛇夢の魂は天に昇って行った。

辛い。ものすごく辛い。けど少し悲しんだ後は、また頑張らなくてはいけない。
「だって、そうじゃないと、田中さんが地獄から蘇ってきて、ものすごく怒られてしまいますもんね!」
笑顔でそう言ったソニアの目からは、涙が溢れ続けている。
そうだ、今度こそこれを終わらせなければならない。田中が遺したメッセージを、日向は自分に言い聞かせた。
立ち止るな。立って歩け。前へ進め。生きろ。
そうだ。そうじゃないと、戦って死んだみんなの死が無駄になる。
決意を新たに、生き残った仲間たちはドッキリハウスを後にした。

<Chapter4終> 生存者7名
330 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 00:19:23.40 ID:dMzFkNIF0
支援ありがとうございました。
今日はここまでです。6話を手直しするので間が空くかもしれません。

狛枝凪斗→ナエギマコトダのアナグラムにも、同CVにも数日前までマジ気づかなかったので、
1話のドッキリにひっかかれませんでした。
なのでキャラ紹介からネタバレしまくり、未プレイの方を道連れにしたことをお詫びいたします。

狛枝の、ウザ気持ち悪いけど何故か気になるアンチクショウ感は、緒方ボイス抜きには伝わらないと思います。
前作に引き続き、ほんとに全員声優さんがバッチリはまってて最高です。
331ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 00:30:47.02 ID:/015tjw40
>>330
ありがとう
狛枝の凶悪っぷりはマジでやらないとわからないよな
ぶっちゃけあいつともう一人がインパクトでかすぎて
他キャラがかすんでしまってる気がする
332ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 03:05:42.93 ID:fA/A3U4b0
おっつおつー
この話の直前犯人コンプしてちょっと気に入ってたからショックだったなー
カーチャンネタとか……
しかも最後なんかちょっといいこと言うし……
ネタバレ?↓





実は出ずっぱりなんだなあの人
何か違うような気がしてくるから演技ってすごい
333ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 03:19:00.50 ID:fA/A3U4b0
なんか誤解招く書き方したごめん
上と下は違う人の事な
334ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 03:52:09.99 ID:lteG9aAD0
乙です そう言えば前作のベスト版 シナリオに追加要素があるとか聞いたんだがマジ?
335ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 04:26:37.46 ID:kchHanso0
田中は・・・漢だったのか・・・
336ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 07:48:06.48 ID:tFB1kCM70
乙です〜
緒方さんの演じ分けは凄かったな、あとキャストコメントのテンションが面白いw

>>334
前作は通常とBest両方プレイしたけど、シナリオ追加はなかったはずだよ。
一部の仕様やバグの修正と、ギャラリーに追加イラストがあった。
337ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 20:15:39.22 ID:3aOw7If00
狛枝ファイナルデッドルーム最後の数字入力で詰まって総当たりしてたら答え言うのな
「もう○○○○って入れれば?」って凄い呆れ&バカにした口調で…
くそう言うなよ!でもありがとうwと思った
教えてもらえなかったらあと一時間はかかってただろうから…w
338ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 22:16:35.04 ID:Av75vWCf0
公式が「ネタバレが致命的な作品」って言ってるのに発売から一月も経たないでもう詳細なストーリーを丸々書いちゃうんだね
このスレ的には新作トリップもつけてるしまったく問題はないんだけどさ
339 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:22:52.02 ID:ldrhuCdT0
少し日数が開いてしまいましたがダンボール戦機第2章いきます
340ゲーム好き名無しさん:2012/08/31(金) 22:22:55.02 ID:Znpkp7/J0
はあ、そうですか
341ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:26:54.28 ID:ldrhuCdT0
■第2章 動き出す陰謀

TO社のビル、役員会にて。会議を終わらせようとした時、1人の役員が待ったをかける。
社長に対し、先日突然送られてきた正体不明のLBXの設計図を元にアーマーパーツを
無断で作ったこと、それを同封されていた手紙の指示通りに出荷したことを問いただす。
素人の書いた設計図を元にLBXを作るなんて、トップブランドでもある我が社の社長が
こんな軽率な事を……と役員は責めるが、社長はそれを認め、設計図のデータを見せる。
コードネーム:アキレスと名付けられたそれは綿密に3Dでデータが書き起こされており、
しかも廃熱問題に対する処理や回路構成も文句なしというシロモノ。
役員達もその出来の素晴らしさに絶句するほど。
その設計図は「J」と名乗る人物から送られ、その謎の人物の正体を突き止めるために
一連の行動を起こしたという。
そんな中、役員に紛れてアキレスのデータをこっそりダウンロードする苺鼻の男性の姿が。
会議終了後、社長室に戻る社長と秘書の元に、開発部の結城が「また新しい設計図が
届いた」と報告する。
コードネーム:ハンターと名付けられた設計図と一緒に手紙も送付されており、
今回も設計図通りにLBXの製作と出荷をお願いする内容だった。
設計図のLBXは遠距離射撃を得意とするタイプ。
最後に「J」と書き添えられており、面白いと社長は微笑む。

(●社長=宇崎悠介:TO社の社長、ドレッドヘアをまとめた独特の髪型と
逆ナイロールの眼鏡が似合うオッサン
言ってしまうとイナズマイレブンの鬼道有人に髪型がそっくり
●秘書=霧野紗枝:目元のほくろが色っぽい美人女性秘書
●結城研介:イケメンではないが、愛嬌のある顔をしたTO社開発部の男性社員)

翌日、ミソラ第二中学校でカズと会うバンとアミ。
カズは朝来ていなかったし、口には出さないもののかなり落ち込んでいる様子。
キタジマ模型店に行こうと誘うバンだが、カズは気が乗らず1人で行動することに。
一方リュウはLBXブルド改(ブルドを改良した感じ)を買い直したらしく、
早速試運転がしたくてアミやバン、カズにバトルを吹っかける始末。

ゲーセンに行ったり、本屋で雑誌を立ち読みしたり、ゲーム屋に行ったりと
あちこち行ってみるものの、どうしても気分が晴れないカズ。
駅高架下を歩いていると、ずんぐりした男性の露天商に声をかけられる。
LBXを見ていきなよ、安くするからと言われ、見るだけならと一通り見てみることに。
しかしどのLBXを見てもピンと来ないカズ。すると露天商はこんなのはどうだい?と
裏側から黄色と水色のLBXエジプト(第1章最後で製造されていたLBX)を取り出す。
カタログでも見た事がない、一点物だというLBXエジプトに見入るカズ。
カズがLBXエジプトを手に取ってじっくり見ていると、だんだんカズの様子がおかしくなり……
LBXエジプトを持ったままふらりと歩き出すカズ。「まいどあり!」と響く露天商の声。
誰もいなくなると露天商が変身を解く。その正体は、エージェントの1人。
(●LBXエジプト:黄色と水色のカラーリングがいかにもエジプトという雰囲気のLBX
頭部のシルエットはKKKの頭巾に見えなくもない、相手を催眠状態にする機能付き)
342ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:29:16.92 ID:ldrhuCdT0
一方、キタジマ模型店にて。カズの事を報告し、心配になるバンとアミ。
しかし北島夫婦は「カズなら必ず立ち直れる」と2人をはげます。
ところで店長、そのLBXどうするんですか?と訊ねるアミ。テーブルの上には
チューンナップ中の店長のLBXが1体。あぁ、これは……と顔を見合わせる北島夫婦。
そこへリュウが泣きながら飛び込んでくる。話を聞くと、カズのLBXにLBXブルド改を破壊されたという。
カズがそんなことをするはずがない、と驚くバンとアミ。
カズは河川敷にいると聞き、河川敷に直行するバンとアミ。河川敷ではカズが2人を待っていた。
LBXエジプトを見せながら俺と戦え、とバンに迫るカズ。バンは見た事もないLBXに興奮し、
出所や詳細を聞こうとするが、カズはただ戦えと一点張り。
専用フィールドを展開し、バトルを始めるバンとカズ。バンが劣勢になる度にだんだんカズの様子が
おかしくなり、ついには「壊れてしまえ!」と笑いながらバンのLBXアキレスをいたぶるカズ。
さすがにバンとアミもカズの異変に気付くが、カズは聞く耳を持たない。その様子を遠くから見守るエージェント3人。
また別の場所では、喫茶店のマスター檜山が1人で見守っていた。
LBXアキレスが破壊される!と思った瞬間、突然バンのCCMが展開し様々な画面が表示される。
画面の片隅には「Vモード」「自律攻撃行動」の表記が。
それと同時にLBXアキレスが金色に輝きだして起き上がり、自律行動を開始する。
CCMのコントロールも受け付けず、圧倒的なパワーでLBXエジプトを追い詰め破壊してしまう。
LBXエジプトが破壊された途端倒れるカズ。
LBXアキレスもまた元の色に戻り、展開していたバンのCCMも元に戻ってしまった。
同士討ちによりLBXアキレスの破壊を目論んでいたエージェントの作戦は失敗し、
その場から撤退するエージェント3人。檜山も「あのLBXにあんな力があったとは……」と
興味深そうに一部始終を見届けていた。

研究施設のオペレーション室にて。AX-00のVモード起動が確認されたと報告を聞く八神。
一刻も早くプラチナカプセルを回収しなければ……と焦る八神に、余所の3つの部門から遠回しに
非難の通信が入る。
彼らはイノベーターという組織の人達で、八神はその中でも黒の部隊(諜報活動)のリーダー。
他にも青の部隊(政治工作、リーダー:藤堂三良)、白の部隊(研究開発、リーダー:加納義一)、
赤の部隊(実力行使部隊、リーダー:貞松四郎)がおり、3人からLBXエジプトの件を責められていた。
一刻も早くイノベーターの名を知らしめたいと口々に言うリーダー達に対し、八神は
「我々はテロ組織ではない。理想を実現するのにテロ活動をしては、あの方の考えを
傷つけることになる」と反論する。ぐうの音も出ない3人。
「その通りだ」と登場する海道義光。「未来の宝である子供達を傷つけるわけにはいかない。
お前のそう考えるところを私は買っているのだ」と八神に声をかける。
義光に対し「海道先生」と呼び敬う部隊のリーダー達。

場面は変わり、キタジマ模型店。カズの話を聞くバン、アミ、北島夫婦。
カズは駅の裏で露天商に会ってLBXエジプトを手に取ったことまでは覚えていたが、
そこから先は覚えていないという。そしてその露天商は、改めてバン達が行ってみるともういなくなっていたという。
北島夫婦はLBXエジプトに催眠をかけられ、それでバンのLBXを破壊するよう
暗示をかけられたのではないかと推理する。しかし誰がそんな事を……と考えても、今は思いつかない。
催眠状態にかかっていたとはいえ、バンのLBXを本気で破壊しようとしてしまったことを
詫びるカズ。バンはそれを許し、それよりもカズが元に戻ったことを喜ぶ。
それじゃあこれを、と北島夫婦は1体のLBXをカズに渡す。それはバンとアミが店を
飛び出す前はチューンナップの最中だった機体で、カズが次のLBXを手に入れるまでに
貸し出すカズ用にチューンナップされたLBXだった。
LBXウォーリアーの事について吹っ切れたカズ。小遣いをためて、新しいLBXを手に入れることを誓うのだった。
早速アミのLBXクノイチとバトルするカズ。盛り上がる2人を余所目に、バンは1人だけVモードの事を考えていた。
343ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:32:07.32 ID:ldrhuCdT0
何処かの荒地にて。崖の下には無人の車が1台停められている。
突然爆発する車。爆発した車を見下ろせる崖の上には1体の不気味な黒いLBXが。
LBXが構えているのは、機体に似合わないほど大きいライフル。
その様子を眺める海道義光と青の部隊のリーダー、藤堂。
これなら上手くいくでしょう、とごまをする藤堂と、ほくそ笑む海道義光。

喫茶店にて。「総理大臣の暗殺!?」と驚く拓也。
檜山が忍び込ませた仲間からの情報によると、総理大臣就任パレードでLBXを使い
総理大臣を暗殺するという。
暗殺に使用されるLBXはコードネーム:アサシン。相当高性能なLBXらしい。
そこでこんなものがある、と檜山がカウンターの裏からLBXのパッケージを取り出す。
それはLBXハンターの箱だった。隅にはTO社のロゴ。
何者かが檜山にこれを送りつけてきたらしい。添えられた手紙には「白いLBXを持つ
少年達の力を借りろ」と書いてあった。白いLBXを持つ少年達に心当たりのある檜山。
そしてそこに「俺も知ってるぜ」と郷田もやってきた。

次の日の放課後、ミソラ第二中学校にて。カタログを眺めながら頭を抱えるカズ。
どのタイプのコアスケルトンを買おうか迷っているらしい。
(※コアスケルトンには様々な形があり、普通の人型に近いナイトフレーム、
細身で軽い身のこなしが得意なストライダーフレーム、どっしりした骨格で
一撃が大きいブロウラーフレーム等)
バン、アミ、リュウ、ミカに様々なコアスケルトンを勧められるが、
ここで悩むよりは実物を見に行こう!とバンとアミをキタジマ模型店に誘う。
キタジマ模型店でLBXを眺めながらやっぱり悩むカズ。そこへ檜山が現れ
「LBXを探しているならいいものがある」と3人に声をかける。
檜山蓮は喫茶店ブルーキャッツのマスター。ブルーキャッツはキタジマ模型店と
同じ商店街に入っており、つい最近できた……とは店長談。
檜山の誘いに乗るカズ、そしてバンとアミ。3人は喫茶店ブルーキャッツに向かう。

喫茶店ブルーキャッツにて。そこには檜山と拓也がいた。軽く自己紹介をする拓也。
バンのLBXを見せてもらえないかと頼む檜山。バンが見せたLBXアキレスを見て、
パーツのバランスもよく手入れもしっかりされた、素晴らしい機体だと褒める。
LBXは好きか?という檜山の問いに対し、好きだと答えるバン。だって父さんと
繋がっていられるから……という続きは心の中で呟く。
本題はこれだ、と檜山はバン達にLBXハンターのパッケージを見せる。見た事もない
新型LBXに興奮するバン達。組み立ててみろと檜山達に言われ、ちょうどLBXを
持ってなかったカズが組み立ててみることに。
344ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:35:28.22 ID:ldrhuCdT0
完成したLBXハンターを眺めながら、檜山達はこれから話す事は他言無用だと真面目な顔になる。
檜山達は、明日の就任パレードで財前総理の暗殺計画が秘密裏に進められているということ、
その暗殺にLBXが用いられること、LBXが相手では厳重な警備体制も潜り抜けられて
しまう可能性があり、警察でも手が打てない可能性があるということ、そして暗殺を
阻止したいということを3人に話す。LBXが暗殺の道具に使われると聞き激昂するバン。
そこでLBXにはLBXで対抗したいと、優秀なLBXプレイヤーであるバン達に声がかけられたのだった。
危険な任務だから降りても構わないと念を押す拓也に対し、バンは「LBXで悪いことをする人は
許せない」と参加を表明。アミも「バン1人で行かせるわけにはいかない」と参加表明。
カズは自分のLBXを持っていないことに断ろうとするが、参加してくれるというのなら
LBXハンターをあげようという檜山の交換条件を飲み、参加することに。
明日の朝パレードが行われるパレードストリートに集合せよ。またこの事は家族にも
言うなよと念を押され、バン達は解散。
(●LBXハンター:狼モチーフでライフルを構えた遠距離射撃に向いたLBX、しっぽもふもふ
なお、ハンターは「ワイルドフレーム」というコアスケルトンが骨格であり、
この骨格は極端な猫背、獣っぽい脚部等と完全人型というよりは獣人と言った方が近い)

バンの回想。8年前、河川敷で淳一郎と話すチビバン。
完成したLBXの試作品を見せながら「これを社長に見せたらいたく気に入ったとのことで、
商品化が決定したんだ」と嬉しそうに話す淳一郎。
「もうすぐこれが皆の手に渡る。LBXは子供達のいい友達になってくれるだろう」と夢を語る淳一郎。
ここで回想は終わる。

自宅のバンの自室にて、LBXのチューンナップに余念がないバン。
「父さんは悪事の為にLBXを作ったんじゃないよね?」と思いながら、
女性にAX-00(今のLBXアキレス)を渡された日の事を思い出す。
「あの時"これは人類の希望であり絶望、世界を救う鍵だ"と言われたけど、
世界を救う鍵ってこういう意味だったのかな」……と思っていると、
夜遅くまで起きていることを心配した母親がやってくる。
アミと喧嘩したから何時もと様子がおかしいんだ、そう思って声をかける母親。
本当のことが言えず「母さん、ごめん……」と心の内で謝りながら、バンは最後の調整を続ける。

アミはLBXクノイチの駆動のチェック、そして現場周囲の地図のチェック。
カズも新しく手に入れたLBXハンターの調整に苦心していた。

翌朝、パレードストリートで待機するバン、アミ、カズ。
ストリートは総理を一目見ようと駆けつけた人々で溢れかえっていた。
カズは一晩かけたにも関わらず遠距離射撃の命中率が思うように上がらなかったことが
理由ですっかり弱腰。「俺には荷が重すぎた……」と愚痴るカズを「やると決めたらやるのよ!」と
勝気なアミが発破をかける。
そこへ拓也からバンのCCMに連絡が入る。檜山の掴んだ情報によると、暗殺者はバン達のいる
近くのビルにいるらしい。
早速ビルに潜入するバン達。警備LBXに邪魔されながら階段を登っていくと、
ストリートに面した部屋でエージェント3人とばったり出くわしてしまう。
エージェントに総理暗殺の事を問いただすが、3人は「暗殺?」と首をかしげる。
逆切れしたエージェント3人にバトルを吹っかけられるバン達。
345ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:36:53.08 ID:ldrhuCdT0
エージェントが見せたLBXはバンがアタッシュケースを受け取った日、リビングで
AX-00を襲撃したLBXと同型だった。
バンを襲撃したのがエージェントだと知り「部屋を片付けるの大変だったんだぞ!」と
ちょっと別な方向でキレるバン。バトルに突入するが、あっさりとエージェントを打ち負かす。
「こうなったら最後の手段……撤退だよ!」と一目散に逃げ出すエージェント。
暗殺阻止できたんだ……と喜んだのもつかの間、バンのCCMに拓也から連絡が入る。
どうやらバン達は偽物の情報を掴まされてしまったようで、本物の暗殺者は
パレードの道路を挟んだ向こう側のビルにいるとの事。
外を見ると人々の歓声も徐々に大きくなっており、遠くに徐行運転の車も見える。
もうすぐ総理を乗せた車がここを通るらしい。
ここで拓也からの指示で、遠距離射撃できるLBXハンターとカズがビルに残り、
バンとアミが暗殺者のいるビルに乗り込むことに。カズはまだ弱気だが、バンとアミに
「お前を信じてる」と言われ、「ならやってやろうじゃねぇか!」と元気を取り戻す。
LBXハンターのスコープで暗殺者を探すカズ。

ビルを出たバンとアミは向かいのビルに向かおうとするが、ちょうど総理大臣が通過する
タイミングだったためにガードマンに行く手を塞がれる。
何も知らずに笑顔で周囲に手を振る財前総理。「総理!」と呼ばれた気がして彼が振り向くと、
バンとアミが総理に向かって何かを叫んでいる。
周囲の歓声で2人の声は聞こえないが、だんだん表情が険しくなる総理。
直後、鳴り響く銃声。一瞬の静寂。
車の上では伏せた財前総理に折り重なるようにガードマンが覆いかぶさっていた。
路上の警備をしていたガードマンが駆けつけると、財前総理と彼に覆いかぶさっていた
ガードマンは恐る恐る起き上がった。
「財前総理は撃たれてない……無事だ!」顔を見合わせて喜び合うバンとアミ。

先ほどの銃声は、カズのLBXハンターが向かいのビルの暗殺者に向けて発砲した声だった。
その狙撃により、暗殺者のライフルを破壊することに成功した。
そしてカズは暗殺者がいる部屋を教え、バンとアミはそこに向かう。
暗殺者のいる部屋に入るとそこには人がおらず、黒いLBXアサシンが1体いるだけ。
遠隔操作されているようで、スペアのライフルを手に取ってバン達に襲い掛かる。
バン達はこれを撃破、破壊。暗殺は阻止され、騒ぎが大きくならないうちに
バン達はストリートを離れることに。
(●LBXアサシン:暗殺用に遠距離射撃に特化したLBX
このLBXはイノベーターの青の部隊が送り込んだもので、操作者は青の部隊に
依頼されて暗殺を実行しようとした)

パレードが終わった後、戻ってきた喫茶店ブルーキャッツにて。
暗殺が阻止できたことを褒める檜山と拓也。喜ぶバン達だが「相手は暗殺用LBX、
下手したら死と隣り合わせだったんじゃ……」と思い出し、思い出した恐怖で
思わず黙り込んでしまう。
そしてついにバン達はどうして俺達じゃなきゃいけなかったのか、何故
俺達につき合わさせたのかと檜山達に問う。
意を決したように拓也が語る。バンの父親について。
飛行機事故に巻き込まれて死んだ淳一郎は生きていると。驚くバン達。
346ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:38:30.96 ID:ldrhuCdT0
何処か研究室にて。窓はなく外の様子は見えない。
テーブルに向かったまま物思いにふける白衣の博士……こと山野淳一郎。
「バン……」と一言だけ呟いた。

(●博士=山野淳一郎:バンのパパでLBX発明を発明した人
バンに似ているが、バンよりも顔が縦長で角ばっている。眼鏡がかっこいい)

第2章、終了。
347 ◆l1l6Ur354A :2012/08/31(金) 22:39:51.99 ID:ldrhuCdT0
Wikiまとめてくださった方、そして前回乙してくださった方、ありがとうございました
これからまた文章まとめるのに数日かかります、しばらくお待ちください

アニメでは総理暗殺阻止のイベントに大幅な手直しが加えられており、
道路沿いのビルではなくもっと遠く離れた高層ビルの屋上から総理を狙撃しようとしていました。
LBXハンターとLBXアサシンの狙撃合戦、LBXアサシンを直接叩きに町を奔走する
バンやアミも見どころです。
あと警備の敵LBXを挑発するLBXアキレスの動きが面白おかしくて、笑ったことを覚えているw

財前総理はイナズマイレブンからのゲストキャラですが、総理就任パレードでは
イナズマイレブンで総理のボディガード兼サッカーチームとして登場していた人達が
今作のガードマンとして登場してたりします。
イナズマイレブンはゲームやっておらず、アニメ見ただけなので詳しい説明は誰か頼む
348ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 06:33:43.56 ID:tSYQGijTP
>>338
大丈夫だ
ダンガンロンパなんてネタバレ見なくたってやる気は全く無いから
349ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 07:58:26.31 ID:r2SLSzNU0
私は読んでプレイしてみる気になったけどな
350ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 08:08:18.50 ID:cuQiU1cQO
(誰も>>348のことなんて聞いてないんだけどなぁ………)
351ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 09:00:59.29 ID:2xRjSTkD0
>>338
既に「作品名 ネタバレ」でググればもうバレバレですよ
発売されたらそんなもんさ
352ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 11:51:09.23 ID:4UatANF70
ちゃんとトリ付けてネタバレ回避できるなら問題ない
そもそもここはネタバレ必須のスレだろうに何文句付けてんだか
353ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 17:09:56.90 ID:03F6tTF30
ダンガンロンパは話の投下以後にスレ違いな話が多すぎ
あとどーでもいいモラルの話がしたいならどっか他所でやれや>>338
354ゲーム好き名無しさん:2012/09/01(土) 18:46:38.26 ID:1Ki/uFFm0
投下された作品に関する雑談はスレ違いじゃないでしょ。
特に既プレイ者の「○○だったよな」会話はこのスレに付き物。
書き手読み手の楽しみだろう。
レス数も皆一言ずつで多いわけじゃないし。
355ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 01:44:58.91 ID:qpa6/j4vO
>>353
ブーメラン刺さってますよ
356ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 01:47:43.42 ID:33IAdjmc0
他人がやってればいいとかいう発想なのが、マジコン蔓延の元だよな
357ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 02:24:16.35 ID:5cDUIidoO
同意求めても誰も味方しねーよ
涙ふけよ
358ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 02:55:22.20 ID:XZ0ywNdjO
スレタイと>>1を読も
359ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 03:40:58.28 ID:+lM77lki0
まあ、

このスレを読んで
このゲームおもしろそう!
とおもった人、プレイすればもっとおもしろいよ!
おもしろいゲームつくった会社を応援するためにも、
ぜひ買ってプレイしてみてね!


っていうかんじで、、、ねっ


このスレ見て「ゼノギアス」とか
「歪みの国のアリス」とか
「スカイガンナー」とか
「メタルギアソリッドピースウォーカー」とか
「ICO」とか
「パワプロクンポケット12」とか買ったけど
どれもサイコーにおもしろかったよ

夢魔の天蓋、夢幻狂詩ネクロノミコン、夢幻舞葬モンストラバルツ
ってシリーズもの3作品もやってみたいと思ったけど
スマホ版がないみたいなんだよなぁ
360ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 05:56:18.20 ID:9qWDf+Dc0
そういえば以前ナイツインザナイトメアをグラは軟派だから敬遠してたら
このスレで、100名ぐらいいる登場人物全員死亡の怒涛の鬱展開ゲーというのを知って
そこからスティングの鬱設定かつシビアな話・戦闘にハマっていったなあ
361ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 11:49:20.60 ID:BBosvDR30
俺もここでエースコンバット4を知ってそこからシリーズ全部買うぐらい嵌ったわ
362ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 12:01:37.43 ID:XRWgLPB30
>>359
そんな君に銀星シリーズ
ガントレットロード、ギミカルハート、デスメンディナーは出てたはず
もしくはエレメンタルヴァルドでもいいぞ!
363ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 12:05:18.56 ID:q1/hjqIl0
中古屋で投売りしてるからつまらないのかと思ってたRPGが、
ここに投下されたストーリーみたら個人的に神ゲーレベルで買ったことがあったわ
埋もれちゃってる名作が発掘されるようなことがあるからこのスレ好きだ
364ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 14:41:15.30 ID:pIQZQjT40
見た目やジャンルで敬遠してたり、タイトルすら聞いた事も無いゲームに触れ合う機会があるのは大きいよね。
ゴーストトリックはすぐに買ったな、丁度廉価版が出るタイミングで値段以上楽しめた。

あと大奥記も買ったよ。新品500円。
ストーリーは確かに良かった、ストーリーは。
365ゲーム好き名無しさん:2012/09/02(日) 16:14:43.48 ID:pJSQXp0Z0
>>364
ふすまと語り合うだけのゲームじゃないんだな…
今度ストーリー見てみようかな
366ゲーム好き名無しさん:2012/09/03(月) 01:39:05.86 ID:gnyPTU+Q0
議論になってしまったからか、今週末はストーリー投稿がなかった…
367ゲーム好き名無しさん:2012/09/03(月) 02:13:20.65 ID:++b1DPsrO
夏休み明けはどこも大変だから仕方ない
俺は毎日が夏休みだけど
368ゲーム好き名無しさん:2012/09/03(月) 02:58:18.74 ID:6GjX0jANO
>>367
手持ちのゲームで書き手にジョブチェンジだ
369ゲーム好き名無しさん:2012/09/03(月) 19:30:27.13 ID:4nSMq6NV0
東京TwilightBusters 〜禁断の生贄帝都地獄変〜
を予約します。ADV文章多すぎワロエナイ
370ゲーム好き名無しさん:2012/09/04(火) 14:38:33.38 ID:5r/zo04h0
漫画原作のゲームのストーリーを書く場合って
原作の設定とか登場人物の説明とかも書いた方がいいのかな
それともゲームオリジナルの部分だけでもおk?
371ゲーム好き名無しさん:2012/09/04(火) 15:43:29.10 ID:ZtKEVWii0
>>370
私も漫画原作のゲームのストーリーを書きましたが、どちらでもいいのではないでしょうか。
原作の設定は簡単な説明にして、ゲームオリジナルの部分は少し詳しく位が丁寧だと思います。
372ゲーム好き名無しさん:2012/09/04(火) 17:26:46.79 ID:5r/zo04h0
>>371
ありがd

というわけでGBの仙界異聞録 準提大戦~TVアニメーション「仙界伝封神演義」より~を予約します。
373ゲーム好き名無しさん:2012/09/04(火) 20:54:39.30 ID:UFtab7CQ0
未解決リスト更新
・X68000の「38万キロの虚空」はPC98とWindows(プロジェクトEGG)でも発売されているのでPCゲーへ移動。
・WS&WSCにある「仙界伝 弐 ?TVアニメーション仙界伝封神演義より?」は
 「仙界伝 ?TVアニメーション仙界伝封神演義より?」に1,2まとめられているので削除。

更新しようとしてしなかったもの
・「戦極姫2・炎〜百華、戦乱辰風の如く〜」がPS2とPSPに重複の為、PS2から削除。
 した後にサブタイトル違う事に気づき追記して元に戻しました(´・ω・`) 違いって何だろう…
374ゲーム好き名無しさん:2012/09/05(水) 01:19:55.28 ID:UBzNYnnF0
あれ、仙界伝弐の方はまだ書かれてないんじゃなかったっけ
確かに仙界伝のページの冒頭では両方書くって言ってるけど仙界伝だけで終わってるし


まぁ俺も大体のストーリーしか覚えてないから偉そうなことは言えないけど
375ブシドーブレード弐:2012/09/05(水) 02:17:44.33 ID:XmwmfvTkO
随分間が空いてしまってスミマセンm(__)m

*決戦の間・千尋*

蛇恍院、何処からか総帥の声が響き渡る。
大納「須恵家が滅ぼされてからの長き戦い、今こそ終結の時を迎えた。
踏みにじられた我々の恨みを晴らすその使命に耐えられるか、どうか…お前の腕、見せてみろ!」
千尋「わざわざ、腕を試すの?」
捨陰党の忍が現れた。
5人程、始末すると総帥の声がした。
大納「確かに、お前の腕、認めよう。鳴鏡館へ向かえ! 我々の太刀、夕霧を取り戻すのだ! 師範代の居ない鳴鏡など恐るるに足らん!」
千尋「すぐに帰って来るからね…フフッ。」
君ヶ浦、刺客を4人程、始末。
蛍火が現れた。
千尋「ご苦労様。ここまで出向くなんてね…。」
蛍火「私は蛍火…。フフッ、跡継ぎ自ら登場ですか。」
素早い攻撃をかわし、始末。
千尋「子供だと思って、腕を見誤ったね…。」

蛇喰鼻、刺客を5人程、始末。
サザンカが現れた。
千尋「ねぇ、鳴鏡心当流って強いの?」
サザンカ「このサザンカにそれを聞くか。フッ、俺が教えてやろう!」
攻撃をかわしつつ、始末。
千尋「変な人。」

産廃処理場予定地、ホッキョク・ツバメが現れた。
千尋「おばさんも鳴鏡の人?」
ツバメ「このツバメが相手をする程では無いわね。お子様は帰んな!」
タックルして、始末。
ツバメ「夕霧で…お前達、捨陰党の怨念を解放しようというのか…?」
千尋「怨念?(倒れてるツバメを蹴りながら) …そっか、怨念が封印されてるって思ってるんだ…。」

鳴鏡館道場、刺客を3人程、始末。
風閂が現れた。
千尋「探し物してるんだけど、知らない?」風閂「さあな…。子供のオモチャにしては物騒な物を持ってんな!」
どうにか攻撃をかわし、始末。
千尋「これが、夕霧…。でも、探してるのはこれだけじゃないんだ。」

そこに源五郎がやって来た。

続きます。
376ブシドーブレード弐:2012/09/05(水) 02:19:19.65 ID:XmwmfvTkO
続きです。

源五郎「千尋様! ご無事ですか! 跡継ぎ自ら、こんな所まで…。もし、貴方様の身に何かあっては捨陰党は…。」
千尋「フフッ…嘘だね。私の事なんて心配しなくても良いはずだよ。本当の跡継ぎは…見つかったんでしょう? お前は、お父様に言われてお兄様を探しに来た…違うかい?」
源五郎「ご存じでしたか…。」
千尋「隠す必要無いのに…。お陰で私は自由だから。」
源五郎「千尋様…。千尋様も大切な血を引くお方です。十分ご用心下さい。…ん? 敵が参りましたね…。下がっていて下さい!」
千尋「兄さん、必ず戻って貰います…!」

(ここから源五郎にバトンタッチ)
迷ひ橋、刺客を5人程、始末。
御門が現れた。
源五郎「御門か…。相手に不足は無いな…。」
御門「夕霧…お返し願いましょう!」
素早い攻撃をかわし、始末。
源五郎「千尋様…行ってしまわれたか…。」

(ここから千尋にバトンタッチ)
踏鞴神社参道、刺客を4人程、始末。
辰美が現れた。
千尋「辰美さん…でしょ? こっちに来ない? 鳴鏡にいるより強くなれるよ。」
辰美「何を言ってる! 僕に勝ってから言え!」
攻撃をかわしつつ、始末。
千尋「兄さん、貴方は殺さない…! 強くなりたい貴方には、捨陰党が似合うよ。」

踏鞴神社境内、神主が仁王立ちで待ち構えている。
千尋「貴方で最後だね。」
玄鷹「長い間、鳴鏡と共に守り続けてきた鏡家の血筋、終わらせる訳にはいかない!」
ギリギリまで間合いが縮まってから始末。
玄鷹「は、早く…お逃げ下さい…!」
千尋「奥なんだね。」
神社本殿に向かった。

踏鞴神社本殿、死装束を身に纏った女性がいた。
千尋「貴女がそうなの…?」
已綱「来ましたか…。」
千尋「長い間、戦い続けてきた…。時を掛け過ぎたものは、やり遂げ無いと決して終わらない。だから、ここまで来たよ…。」
しかし、彼女は全く戦う意思が無いようだ…。
已綱「そう…貴方達の目的は貴方達の夕霧で私を斬り、血を絶やす事…。800年前に私達の先祖、鏡家は同志であった須恵家を裏切り、滅ぼした…。
長い間、積み重ねられた須恵家の恨み、晴らす方法は一つしかないようです…。さ、鏡家の末裔の…この私をお斬りなさい…。」
彼女は何もして来ない…。
どうする…?

続きます。
377ブシドーブレード弐:2012/09/05(水) 02:23:30.06 ID:XmwmfvTkO
続きです。

*ED・斬る*
千尋は彼女を斬った。
已綱「うっ…!」
断末魔を上げ、倒れる。
已綱「ひたすら…意味も無く、守り続けてきた鏡家の血も…今、私が絶える事で…全て、終わらせる事が…出来る…。」
彼女は息を引き取った。
千尋「貴女も自由になりたかったんだ…。僕も自由になる為にここまで来た。貴女は、自分の手を汚さなかったけれど、僕は沢山の人を傷付けてきた…。
でも、僕は間違っていたとは思わない。だって、これが精一杯だったから…。けれど、僕は貴女を斬った事を決して忘れない…。もう、誰も傷付け無いよ…!」

*ED・本殿を去る*
千尋は彼女を斬らずに、本殿を出た。
千尋「アハッ…、僕には斬れなかったよ…。鏡家の末裔を斬らなくては、捨陰党は運命から放たれる事は無い…そう信じてた…。でも、そんな事、関係無い気がするよ、今は…。
僕は兄さんを取り戻せただけで、十分だったんだよ。それだけで…十分、自由なんだ僕は…。」

以上です。
次は五十八です。
378ゲーム好き名無しさん:2012/09/05(水) 07:27:06.85 ID:J/8QiS/Z0
>>374
よく読んだら弐 なかったねスマソ
追記して元に戻したよ
379 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:43:45.25 ID:n05KVOjJ0
またまとめるのに時間がかかってしまいました
ダンボール戦機第3章、行きます
380ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:45:26.09 ID:n05KVOjJ0
■第3章 父さんを救い出せ!

バンの回想。5年前、河川敷で淳一郎と話をするチビバン。
淳一郎はテクノロジーサミットに出席し、LBXの基礎理論を発表するという。
そしてその為に、また明日からしばらく出かけるということも。
世界的な会議であるテクノロジーサミットで発表すれば、それは世界中に認められる。
そうして世界中の子供達にLBXを届けたい、それが淳一郎の夢だった。
この頃LBXは危険な玩具と認識され禁止されていた為、母親や学校の先生から
LBXで遊ぶなと言いつけられていた。
LBXを禁止されていることにしょげるチビバンだが、LBXで使われている技術は
確実に未来に繋がっている。だからまたいつか必ずLBXで遊べるようになる日が来ると
淳一郎は元気づける。ここで回想は終わる。

5年前の光景、テクノロジーサミットに向かう機内にて。
淳一郎が本を読んでいると、スチュワーデスが機内の人達に向かって
「窓の外をご覧ください」と言う。外を見ると、飛行機と並行して飛ぶ黒い飛行機が。
何事だとざわめく人々に対し、スチュワーデスは「貴方達には理想の世界へ導くための
協力をしていただく」と言う。見る見るうちに顔が奇妙な仮面に変わるスチュワーデス。
彼女の正体はエージェント。また飛行機の操縦席もいつの間にかエージェントにすり替わっていた。
そして眼鏡の長髪の女性(アタッシュケースをバンに渡した人)も「さぁ淳一郎博士、
協力していただきますよ」と迫る。驚いた顔で彼女を見上げる淳一郎。
雲の影が引いたとき、飛んでいたはずの飛行機は忽然と消えていた……。

場面は変わって現在、喫茶店ブルーキャッツにて。檜山と拓也は事の真相を語り出す。
総理暗殺を企てたのはイノベーターというテロ組織だということ、
5年前の飛行機事故はイノベーターによって仕組まれ、その時に淳一郎含む科学者や技術者が
イノベーターにさらわれたこと。そしてイノベーターは「エターナルサイクラー」を開発したくて、
それで淳一郎の頭脳が必要になってさらったということ。
エターナルサイクラ―とは、無尽蔵にエネルギーを生み出すことができるエネルギーの永久機関。
世界中のエネルギー問題を解決できる素晴らしいものだが、使い方を誤れば戦争兵器にもなるし、
世界を破滅に追い込むことだってできる。
淳一郎は最初はイノベーターの掲げる理想に賛同し、エターナルサイクラ―の開発に協力したものの、
イノベーターの真の目的……それが世界征服だという事に気付いた。
そしてデータだけでも何とか外部に持ち出せないかと考え、エターナルサイクラ―の
設計図やデータをプラチナカプセルに詰め込み、さらにそのプラチナカプセルを
AX-00のコアスケルトンの中に隠し、助手に持たせて助手を脱走させた。(OPと第1章の河川敷での出来事)
そしてデスロックの仕組みも説明され、バン達がイノベーターに狙われるのは
LBXアキレスのコアスケルトンAX-00の中に隠されたプラチナカプセルの為であり、
バトル中にはデスロックが発動しないためにバトルによって破壊を目論んでいることだと聞かされる。
また、パーツLBXアキレスはバンにプラチナカプセルを守ってもらうための外装として
淳一郎が設計したものだということ、LBXハンターもまたLBXアキレスをサポートするために
淳一郎が設計したという事も明かされる。
バンにプラチナカプセルが預けられたのは、淳一郎にとってバンが一番信頼できる人だったから。
381ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:46:12.10 ID:n05KVOjJ0
淳一郎は、父さんは何処にいるの?という問いに檜山達は「そこまでは……」と口を濁す。
檜山達大人は何かあったら俺達がお前を守る、だから何かあったらすぐ連絡してくれ。
またイノベーターはあまりにも巨大な組織で何処に潜んでいるか分からないので
軽率な行動は慎むようにとバン達に釘を刺し、バン達は解散。
が、アミは違和感を覚えていたようで……。

日没後、バンの自宅にて。帰宅が遅くなったことを母親に怒られるバン。
バンは淳一郎の事を母親に聞こうとするが、母親に「ご飯出来てるから
さっさと食べて風呂入って寝なさい」とまくしたてられ、聞くことができなかった。

喫茶店ブルーキャッツにて。店内は檜山と拓也の2人っきり。
大人達だけで何かを話していた。突入するための下調べが粗方できているということ、
そして淳一郎は「天使の星」にいて、「神谷」が絡んでいるという事も。
……その様子を物陰から窺うLBXクノイチ。LBXクノイチは店を出てアミと合流すると、
アミはクノイチを回収し改めて帰路に着いた。

研究施設にて、八神は海道義光にLBXアサシンの写真を見せながら、総理暗殺を
仕組んだのは貴方の指示ではなかったのか?と問い詰める。
知らないと白を切る義光に、人を殺して世界を変革するのが我々イノベーターなのか、
これではただの野蛮なテロ組織ではないかと怒りをあらわにする八神。
義光はひたすら暗殺の件は知らないといい、八神もその言葉を信じようと大人しくなる。
そしてプラチナカプセル奪還の準備をするといい、八神は去っていった。
1人きりになった義光。「八神、あの男も扱いにくくなってきたな……」と一言。

翌日、ミソラ第二中学校にて。拡張工事をするらしく、校庭に重機がやってきていた。
アミはバンとカズを連れ、校庭の植木の茂みに隠れるとCCMを取り出した。
アミのCCMから再生されたのは昨日の喫茶店ブルーキャッツでLBXクノイチに盗み聞きさせた
檜山と拓也の会話。2人が何か隠していると感じたアミはLBXクノイチを忍び込ませたのだ。
そして出てきた「天使の星」と「神谷」のキーワード。
子供達だけで助けに行こうと決意し、バン達は2つのキーワードについて調べてみることに。
放課後、教室のパソコンで様々な情報を検索してみるが、これといったものは見つからない。
「天使の星」を他の言語に翻訳するとどうなる?英語ならエンジェルスター、独逸語だと
シュテルンダスエンゲルス、中国語だとティァンスィーデーズィン……やっぱり
ダメか……と思ってると、エンジェルスターに興味あるの?と背後からリュウが。
詳しくリュウから話を聞いてみると、エンジェルスターというのは今校庭にやってきている
神谷重工製の重機の名前。
神谷重工は国内最大手の重機メーカーで、エンジェルスターは神谷重工の重機ブランドの1つ。
性能がー云々かんぬんの話の中で、神谷重工の工場兼保管庫の1つには壁面に
シンボルマークの天使の羽が描かれており、それ故「エンジェルスター」と呼ばれることも。
このエンジェルスター、重機マニアにとっては聖地ではあるが、最近セキュリティが厳しくなり
中々見学させてもらえないらしい。
しかも地下で兵器を作っているという根も葉もない噂が流れたこともあるらしい。
すっかりマシンガントークのリュウはほっといて、バン、アミ、カズは電車で
エンジェルスターへ向かう。
382ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:47:43.19 ID:n05KVOjJ0
日の暮れたエンジェルスター。巨大な工業地帯で、建物が不気味にライトアップされている。
正門には警備員が立っていて入らせてもらえそうにない為、裏の通用口から侵入することに。
しかし通用口は開かない。そこで近くのダクトからLBXを侵入させ、LBXに内側から
ロックを解除してもらうという作戦を思いつく。
ダクト内部で待ち構えていた敵LBXを撃破し、通用口を突破。バンは、ダクトで戦った
LBXデクーはリビングを襲ったLBXに系統がよく似ているという。
ここはイノベーターの基地?そんな不安を胸に抱きつつ、3人は潜入を続ける。
一方、エンジェルスターのオペレーション室にて。侵入者がいるという報告を八神と神谷藤吾郎が聞いていた。
監視カメラの映像を見て侵入者がバン達だと気付いた八神と神谷。
探す手間が省けたとほくそ笑む神谷は、子供達をどうする気だと問う八神には答えず
不気味な笑みを浮かべながら部屋を出ていった。

(●LBXデクー:ずんぐりしたボディのLBX、敵の雑魚役でザクポジション、実を言うと神谷重工製
監視型だったり改良型だったりバリエーションが多い
●神谷藤吾郎:神谷重工グループの会長のオッサン、福田○夫元総理の顔をもっと悪くしたような感じ
●霧島平治:強化ダンボールを開発した背丈の低いメタボ男性、カズ曰く「何か冴えないオッサン」)

バン達はダクトにLBXを侵入させる→ドアの向こう側に回り込ませてロック解除を繰り返し、
更に奥へと進んでいく。
LBXをダクトの中へ侵入させている途中、とある部屋に人がいることに気付いてLBXを介して
偵察を試みる。通気口から様子を窺うと、そこには八神、神谷、霧島の姿が。
神谷はひたすら霧島をねぎらうような言葉を繰り返す。霧島は神谷を「神谷会長」と呼び
怯えているようだが、神谷は「その呼び方はやめてください、私は技術者であるあなたを
尊敬しているのですから」と穏やかに返す。
霧島はアスカ工業の元社長で、強化ダンボールを開発した本人。だがその後、TO社に
強化ダンボールの利権を奪われアスカ工業は倒産。その後神谷重工に拾われて身を
寄せていたために神谷重工には頭が上がらず、またTO社を恨んでいた。
これは本当なのかと戸惑うバン達。すると神谷は通気口にいたLBXの存在に気付く。
その場で声を荒げずに、山野淳一郎はまだエンジェルスターの最深部に?と八神に訪ねる神谷。
八神は一瞬戸惑うが、神谷の演技だと気づきはいと答える。
その後、神谷は霧島に「アスカ工業再建にとっても悪い話ではない」と言いながら、
3人は部屋を後にする。
誰もいなくなったところで、神谷達がいた部屋に侵入するバン達。
そこは生産ラインの監視室で、そこでは兵器が作られていた。
兵器が作られているという噂は本当だったんだ!と知るバン達。
情報端末から最深部の部屋を検索し、そこへ走り出す。

一方、喫茶店のブルーキャッツにて。モニターしていたバン達のLBXの駆動状況と位置情報から
バン達が子供達だけでエンジェルスターに乗り込んでしまったことに気付く。
急いで救出に向かう檜山と拓也。

エンジェルスター、最深部の部屋。そこはだだっ広い倉庫のようで、コンテナが大量に積み上げられている。
父さーん!と叫んでみるが、返事は聞こえない。
すると突然、シャッターを突き破って巨大な重機が乗り込んでくる。バン達とLBXアキレスを
見つけるや否やアームを振り翳して潰そうとするので、バン達は高所に避難してLBXで戦うことに。
383ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:48:26.83 ID:n05KVOjJ0
重機に乗っているのは霧島。実は監視室を出た後、神谷は霧島に「今ここにTO社のスパイが
潜り込んでいる、白いLBXを連れたスパイを退治したらアスカ工業再建に協力する」と焚きつけていたのだ。
スパイが子供達だと気づいて一瞬戸惑うが、TO社はこんな子供もスパイにするのか!と
TO社に対して怒りをあらわにして襲い掛かってくる。
ちなみにこの重機、普段運転席の窓ガラスはシャッターで閉じられており、
外側に取り付けられたカメラアイを介して外の状況を確認している。
そこでバン達はLBXを使ってちょこまかと翻弄し、カメラアイを破壊。
しかしカメラアイがダメになっても目視すればよい、と霧島は窓ガラスのシャッターを開き
再び襲いかかってくる。
LBXアキレスの身動きが取れなくなり絶体絶命と思われた時、突然投げつけられる煙幕弾。
煙幕弾を投げ込んだのはLBXアキレスとも違う白いLBX。誰も見た事がないLBXで、
解析してみても「UNKNOWN」と出るだけ。
敵か味方か分からないLBXに全員が警戒するが、直後バンのCCMに「コンテナを落とせ パンドラ」と
メッセージが届く。白いLBXはパンドラという名前らしい。
LBXパンドラはLBXアキレスを抱えて上高く放り投げると、LBXクノイチ以上の機動力で重機を翻弄していく。
一方、放り投げられたLBXアキレスは上からクレーンで吊り下げられたコンテナの上にいた。
重機が真下を通り過ぎるタイミングを見計らってLBXアキレスでクレーンのロックを破壊。
コンテナは重機の運転席に直撃。運転席は押し潰されはしなかったものの、乗っていた霧島は
頭を強打して意識を失う。
重機も止まり、静寂に包まれる倉庫。気がつくとパンドラはいなくなっていた。
突然館内放送でバンに呼びかける声が。山野淳一郎はもうここにはいない。淳一郎博士を
取り返したいのならばアングラビシダスに出場し、優勝しろと。
アングラビシダスはカズ曰く、裏の世界で行われているという幻の大会。
詳細は不明で、何処でやっているのかも分かっていない。
直後、背後からバン達を呼ぶ声。振り返ると私服らしいパーカを来た檜山の姿が。
地下通路を利用してエンジェルスターに忍び込んで助けに来たらしい。
その後檜山に連れられてバン達は脱出。

(●LBXパンドラ:インディアンの羽飾りのような飾りパーツのついた細身のLBX
雰囲気はモンハンのキリン女性装備に似ている)

とっぷり日が暮れた後の帰りの自動車の中にて。檜山、拓也、バン、アミ、カズ。
檜山達は最初からエンジェルスターに淳一郎がいることを知っており、万全に準備を
整えてから突撃する予定だったことを明かす。
そして最初にバン達に教えなかったのは、もし知ってしまったらバン達は危険な行動に
出るだろうからと予測していた為だとも。(ただし今回はそれが完全に裏目に出てしまった)
そしてイノベーターと神谷重工は繋がりがあったから、淳一郎はここにいたのだろうとバン達に教える。
バンは館内放送で聞いた「アングラビシダスに出場しろ」の件を檜山達に話す。驚く檜山と拓也。

場面は切り替わり、シャンデリアのある天井の高い部屋にて。
床は赤絨毯が敷かれ、カーテンは深い赤色。海道義光の肖像画も奥の壁に飾られている。
何処かの豪邸の食堂らしく、だだっ広いホールの長テーブルで食事をしているのは2人だけ。
上座に座っているのは義光。執事が淹れた紅茶に口をつけていた。
義光の向かい側ではバンと同い年くらいの赤い瞳の少年が食事をとっていた。
「明日から新しい学校だが、心配か?」と問う義光に対し、少年は
「心配いりません、おじいさま。目的は必ずやり遂げます」と淡々と答えた。

第3章、終了。
384 ◆l1l6Ur354A :2012/09/05(水) 18:49:27.71 ID:n05KVOjJ0
ダクト内に警備用LBXを配置する資金があるなら人件費に回して警備を強化し、
バン達が侵入した時点でバン達の方を取り押さえればいいんじゃないかとか
子供向けホビー物ゲームに突っ込んではいけません

ダンボール戦機はアニメやゲームだけでなく、劇中で登場するLBXがプラモデルとして
商業展開されています(コアスケルトンやCCMはないので手でガシガシ動かすしかない)
組み立て+付属シールだけでも充分カッコいいですが、本格的に改修して塗装するモデラーもちらほら
ちなみにモデラー曰く、組み立てるだけなら1時間程度と簡単なのに、
本格的に改修してエアブラシで塗装するとなるとパーツの形や塗装の問題の関係で
急に難易度が上がるとの事
385ゲーム好き名無しさん:2012/09/05(水) 21:38:55.40 ID:Pzjm/vvIO
ブシブレ弐さん、ダン戦さん乙です
386ゲーム好き名無しさん:2012/09/05(水) 22:46:41.75 ID:w4E7blJ+0
おつでーす
387ゲーム好き名無しさん:2012/09/05(水) 23:26:36.33 ID:8Vs52d0n0
>>374
ごめん、それ自分。セーブデータとんだんだ
途中までなら書いてあるんだけど、それ投稿してもなって思って……(・ω・`)
まとめてくれた人もややこしくてごめんよ
388ゲーム好き名無しさん:2012/09/06(木) 11:55:13.88 ID:4V7YXRX5O
未解決にあるWiiの「CALLING〜黒き着信〜」
予約しておきます。
389クリミナルガールズ エクストラダンジョン:2012/09/07(金) 22:22:39.35 ID:wHxc0Egn0
「終わったーーー!!!」
「今度こそ本当にクリア…よね?」
「もうクリミナルの気配はないから…きっとそのはずよ。」
「はぁ…さすがに骨が折れたけど…やっぱりスッキリするわぁ!」
「現世に帰っちまったらこんな大暴れできないもんな!」
「たまにはじごくにあそびにきてバトルできたらいーんだけどな〜」
「初めて地獄に来たときはそんなこと全然思わなかったけど…地獄もけっこう楽しかったね♪」
「思い出…たくさんできたの……」
「あっ!!そーだ、写真!!」
「???」
「みんなで一枚も取ってなくない?あーん、携帯壊さなきゃ写メできたのに〜!!」
「そういえば!うっかりしとったねえ…」
「じゃ、帰ったらみんな集合して記念写真撮ろうぜ!」
「おう!それいーな!!」
「教官、撮影は任せたわよ。」
「あの…わたしも混ざって……」
「いいに決まってるでしょ!」
「みんなで一緒に帰って…みんなで一緒に撮るの…」
「よし、それじゃ行くわよ!」
以降会話しながらフェードアウトしてスタッフロールへ。
集合写真の1枚絵で終了。
OPに戻るとGALLERYに9ページ目が追加されて、集合写真とヒメカミのおしおき絵が追加。
390ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 13:26:26.85 ID:Km48M8OW0
クリミナルガールズ裏面乙です!
もう諦めてたから嬉しい。
391ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 17:09:27.61 ID:Km48M8OW0
スーパーダンガンロンパ2の者ですが、荒れてたみたいで申し訳ないです。
しれっと投稿していいのかわからないんですけど、どうするのがベストですかね?
表現を削るとか、投稿自粛とか…?
392ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 17:29:23.78 ID:NS4+pSkkO
>>391
今まで通りでいいと思うよ
少なくとも俺は1のストーリーを読んで、面白かったから1を買ったんだし
393ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 17:48:20.61 ID:oGmXGXIO0
>>391
気にしなくておっけー。
ここだけじゃなくネタバレ上等のスレではよくあることだよ。
大抵騒いでるのは一人だけだし。
しれっと今まで通り投稿してくれた方が後腐れも荒れも無いよー。
394ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 18:17:55.57 ID:RizXf+WIO
マジレスよろ。
バイオ『4』しかやったコト無いんだが、
1〜5可能なら6までのストーリーを教えてくれ。
いや大まかな流れは判ってるつもりだから、メインキャラごとの子細な個人ストーリーを教えて欲しい。
395ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 18:24:01.32 ID:PNDi1Jb40
>>391
続きが気になって待ってたんだ!
気にせずガンガン投下してください
396ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 18:27:30.86 ID:TF83EDpnP
>>394
マジレスすると『テンプレ読め』
397ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 18:46:34.92 ID:Km48M8OW0
>>392、393、395
ご意見ありがとうございます。不快感持つ方いて当然だと思いますが、
今更ベビーぶらず投稿してしまう方針でいきます。

30KBくらい吹っ飛ぶと思うので、先に次スレ立ててきます。
398ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 19:09:45.46 ID:o6FGoizv0
では、支援〜
399ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 19:22:32.88 ID:Km48M8OW0
次スレ立てました。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1347097891/
ついでに>>397までをWikiに収録、未解決リストに反映しました。

連投回避に時間おいてから投稿しますので、ストーリー投下する方ご遠慮なくお願いします。
400ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 19:58:21.14 ID:l36NTmfDO
不快感て、嫌ならわざわざそういうスレに来なければいい話なんだけどね
このスレ的には書いてもらえたらありがたいです
401ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 21:26:09.80 ID:pGvtxMONO
どなたかレイマンオリジンのストーリーの解説をお願いします

3DSでプレイしましたが、全くストーリーが理解できませんでした
402 ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:06:50.33 ID:Km48M8OW0
ダンガンロンパ5話投稿します。
403スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:07:48.82 ID:Km48M8OW0
CHAPTER5『君は絶望という名の希望に微笑む』

狛枝は、ジャバウォック公園の謎のカウントダウン装置の前に立っていた。
いよいよカウントダウンの期限は、あと数日に迫っている。
狛枝が手にした皆のプロフィールは、もちろん日向だけではなく全員分揃っていた。
だが、モノクマが裏切り者のプロフィールをねつ造したらしく、これを見ても裏切り者の正体は分からなかった。
だから狛枝は、モノクマに取引を持ちかけた。
皆を絶望に突き落とす手伝いをしてあげるから、裏切り者の名前を教えて、という申し出をモノクマは一蹴した。
当然だ。狛枝の行動はすべて、最後に現れる絶対的な希望の為の物だから。
でも、あのレポートを読んでから、彼の目的は少し違ってきている。
「この島の絶望を全て取り払うことができたら…、ボクもなれるのかな?
 『超高校級の希望』に…。」

裁判が終わって、日向達はひさしぶりの食事を皆で和やかに楽しんだ。
そこにも、翌日の朝食会にも狛枝は姿を見せなかったが、かえってその方が気が楽だ。
日向は、「日向だけ希望の象徴ではない」という狛枝の言葉の意味を、仲間たちに説明した。
「俺だけ、予備学科ってところの人間で……つまり、皆と違って、特別な才能がある訳じゃない、普通の一般人なんだってさ…」
日向の絞り出すような告白に、皆拍子抜けしたようだった。
「…それだけか?別に関係ねーじゃねーか。」「そーだよ、驚かすなよな!なんか深刻な話かと思ったじゃねーか!」
皆はそういうが、日向にとっては関係なくなんかない。
自分にも何か才能があって、憧れの希望ヶ峰学園に選んでもらえたんだって、信じていたのに…。
落ち込む日向を、七海がまたそっと励ましてくれる。

モノミによって最後の島が解禁され、皆で探索に臨んだ。
最後の島は、今までと打って変わって高層ビルの立ち並ぶ近未来的な島だった。
工場が立ち並び、軍事施設や企業ビルの他、屋台街等もあった。

ワタツミインダストリアル、という企業の工場に入ってみると、
そこは目を疑うほどハイテクノロジーなロボット生産施設になっていた。
階下で、モノクマが操っていたような機械の獣が作られているのが見える。他方では、アンドロイドらしき物の起動実験が繰り返されている。
きっと、メカ弐大もここで作られたのだろう。
ただ、このワタツミインダストリアルは、企業パンフによればただの機械製品の会社だ。モノクマがここを乗っ取って作り替えたのだろうか。
ここも無人だったが、左右田が社員のPCに気になるメールを見つけていた。
“世界は今、同時多発テロで滅び行こうとしている。
 最初は誰もが、単なる学生の抗議活動だと思っていたものが、世界中の人々の格差社会への憤り、不景気への不満を巻き込んで拡大していき、
絶望の連鎖はもはや誰にも止めることができない。”
といった内容だ。電気街で見た文書の内容と整合性はあるが…こんなことがありえるだろうか?

おもちゃ工場に入ってみると、そこではモノクマの等身大ぬいぐるみが大量生産されていた。
グッズ展開を狙ってるらしいが、売れてたまるか、こんな物。
脇にある倉庫には、様々なモノクマグッズが大量に保管された在庫の墓場になっており、
モノクマ同人誌とCDを抱き合わせで買わされそうになった日向と七海はダッシュでその場を逃げ出した。

軍事施設は、小規模な軍事基地のようだった。
軍用トラックが並び、輝々を処刑したヘリの姿もある。遠くに見えるのは戦車のようだ。
軍事国家で英才教育を受けて育ったソニアには使いこなせるものばかりのようだが、日向達にはまるで馴染がない場所だ
404スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:08:29.98 ID:Km48M8OW0
屋台街で集まってミーティングをしていると、そこに狛枝がやってきた。
裏切り者がこの中にいるはずがないと言うソニアを、狛枝は「弱すぎる」と非難した。
「皆は安心していていいよ。裏切り者の正体は、ボクが命に代えてもあぶり出して見せるからさ。
 モノクマに会ったら言っておいてよ。動機はもう必要ないって。言われなくても派手にやるつもりだよ。」
狛枝の言動に不安に陥った左右田は、もう一度狛枝を捕まえてふん縛っておこうと言い出した。
彼をレストランロビーに誘い出して、終里と九頭龍が捕まえて、また旧館に閉じ込めておこうという計画だ。

その計画に直接加担しなかった日向とソニアは、遺跡へ赴いた。
ソニアが最後の島で見つけた文書から、ジャバウォック島は所有していた旅行会社の倒産で無人島になっていたこと、
それが幸いして人類史上最大最悪の事件の影響を免れ、未来機関が手を加えて拠点の一つとしたことが分かったのだ。
未来機関の計画では、中央の島の行政機関施設を流用することになっていたようだが、それは見当たらない。
もし、計画が変更になったのなら、この遺跡の中に未来機関の施設があるのではないか?
調べまわってみたが、やはりパスワードがなければ遺跡には入れないようだった。

賛否両論あった狛枝捕獲計画は、結局翌日の晩実行に移された。
狛枝は作戦の事を既に知っている様子で、あえて指定されたホテルロビーにやってきた。
入った途端終里に羽交い絞めにされた狛枝は、心底呆れたように呟いた。
「キミ達には本当にがっかりさせられるよ…。まだこんなみみっちいことをやっているなんて。
 どうして、大局的に物を見られないのかな?」
狛枝の言葉と共に、ロビーの片隅が突如爆発した。
皆吹き転ばされ、爆炎を避け床に這いつくばる。
「あはははははははははは!ジャバウォック諸島の、終わりの始まりだよ!!
 いつ刃を向けてくるか分からない他人に脅え、弱者を縛め、正義を語る。そんなくだらないゲームはもう終わりだ!」
狛枝は哄笑し、皆に新たなゲームの始まりを宣告した。
曰く、5つの島のどこかに、全ての島を吹き飛ばせるほどの時限式爆弾をしかけた。
タイムリミットは、明後日の正午。それまでに、未来機関の手先である裏切り者が狛枝に名乗り出れば、爆弾は解除される。
「大丈夫、必ず裏切り者は名乗り出るさ。ボクは一緒に過ごしてきたキミ達を信じてるんだ。
 何より、ボクの『超高校級の幸運』を信じているんだよ。」

モノクマは、この騒ぎを大いに喜んでいるようだった。
何もしなくても盛り上げてくれるから狛枝は頼もしいとまで言っている。
モノミも、いざとなれば彼女が裏切り者の名前を告げることはできるはずなのに、そうしようとはしない。
結局自分たちの力で何とかするしかなく、翌日みんなで本格的に爆弾を探し始めた。
狛枝が爆弾を所持しているというのは、昨日証明されている。あれからずっと止まない耳鳴りも証拠の一つだ。
狛枝は、裏切り者を待つと言ってレストランに常駐している。彼曰く、「爆弾は、キミ達がまだ一度も言ったことのない場所にあるよ」とのことだ。
それは、第2の島の遺跡か、第4の島のネズミー城くらいしかない。
遺跡はパスワードが分からないので後回しにし、ネズミー城へ全員で行ってみた。
城は、入り口が爆破されてぽっかりと穴が空いていた。狛枝が強引に中に入ったのだろう。
大きな城だが、入れるのは吹き抜けの広間だけのようだった。
壁に、不思議な形の槍だ掛けられていた。短めの槍の尻から鞭が伸びていて、鞭の先端が分銅になっている。
モノクマはこの槍を、「グングニルの槍」と呼んでいるらしい。
ステンドグラスの光に照らされた床面の中央に、不似合いなごく普通のフォントの文字が印刷されていた。
『被験者のみなさんへ 君たちを未来に導くパスワードは』
そのパスワードがあったと思しきスペースは、床面が乱暴に削り取られ、真っ白になっていた。
狛枝の仕業だ。ここに入ってパスワードを知り、遺跡に入って中に爆弾を仕掛けたに違いない。
こうやってパスワードを消せばもう日向達は遺跡には入れない。どのみち、裏切り者が名乗り出る以外ないのだ。
405スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:09:26.42 ID:Km48M8OW0
左右田は脅えて疑心暗鬼になり、終里は頭に血が上って、狛枝を拷問して爆弾を解除させようと言い出している。
その日はもう遅く、他にできることもないので、皆解散してコテージに帰った。
裏切り者が名乗り出ることを願いながらも、日向は裏切り者が自分が裏切り者であることを忘れているという可能性を案じていた。
そのくらいは、狛枝も想定していると思うのだが…。

翌日、レストランに向かおうとして日向は嫌な予感を感じた。
昨夜の様子からして、終里と狛枝を会わせてはまずい。
急いでレストランに入ると、終里は狛枝に馬乗りになり、首を絞めつけていた。
「だめだよ、終里さん……このくらいじゃ、ボクの希望を砕くことはできない…」
「そうかよ。なら、お前は死んどけ。」
手に力を込めた終里を、歩み出た七海が平手打ちした。
「終里さん、あなたはこんなことするような人じゃない。そうでしょ?」
終里は憑き物が落ちたように、冷や汗を流しながら立ち上がった。
狛枝は苦笑しながら七海に礼を言い、パスワードを教えてというソニアの願いに目を丸くした。
「パスワード?なんで?あぁ、爆弾はもうあそこにはないよ。
 あの中には、うんざりするほど見飽きた風景しかなかったからね。飽きちゃったから、爆弾は移動させておいたよ。
 今度はね、キミ達が一度は行ったことのあるところにあるよ。」
そんなの範囲が広すぎだ。もう今日の正午に爆弾は爆発してしまうのに。

一人一つの島を担当して駆けずり回る。
日向の担当は第4の島で、遊園地を爆弾を探して回った。
結局爆弾はなかったが、気になる出来事が一つあった。
モノミが、「宝箱が盗まれた」と言ってそこいら中を探し回っているのに出くわした後、
モノミの家を通りかかると、彼女の家の扉があいていた。
ここも一度も入ったことが無いな…と思い入ってみると、中はモノミらしくメルヘンな内装になっていた。
壁面にモニタが幾つもある。ここで当初は自分たちのことを監視カメラを通して見張っていたのだろうが、今は何も映らなかった。
「ほわわっ!何故日向さんがあたちの家に!?」
モノミはあたふたと扉を調べ、セキュリティロックが破壊されていることに気づき愕然とする。
どうも、泥棒が入ってモノミの宝箱を盗んでいったようだ。

昼前に爆弾が見つかった。最後の島のおもちゃ工場だ。
皆を呼び集めながら工場へ移動したが、ソニアだけが軍事施設を調べてから行きたいと言って別行動になった。
おもちゃ工場の中には、一台の軍用トラックがアイドリング状態で止められていた。
荷台に、爆弾らしき物が山盛りに積まれている。島全てを消し飛ばせるかは分からないが、かなりの量なのは確かだ。
ボンネットが開けられ、エンジン部に幾つもコードが接続されている。そのコードの先は、素人臭く溶接された鉄の箱の中に続いていた。
左右田が調べたところ、エンジンが止まると爆発する仕組みになっていて、ガソリン残量がタイムリミットになっているらしい。
メカニックの左右田は、中でもエンジンは得意分野だ。だが、肝心の起爆装置部分が溶接された鉄箱に覆われていて、これを灼き切る道具を探してくるだけでも正午までに間に合うか分からない。
ガソリンを継ぎ足したいところだが、抜かりなく給油口も溶接されていた。
トラックの横に、カードリーダーらしき物があり、傍らにノートPCが一台置かれている。
触ってみると、すぐに動画が再生され始めた。狛枝からのビデオレターだ。
裏切り者が電子生徒手帳をそのカードリーダーに読み込ませれば、爆破はストップされるという。
406スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:10:01.68 ID:Km48M8OW0
パニックになりかける一同を制して、七海が電子生徒手帳をカードリーダーに読み込ませた。
ブブッと音がした以外、何も変化は起こらない。
こうやって全員試せばいいと七海は言うが、もし違う手帳を読み込ませたら爆破する仕組みだったらどうするつもりだったのか…恐ろしい奴だ。
その時、左右田の顔が真っ青になった。
彼の耳には、エンジン音はエンジンの語る言葉だ。その音は、あと数分でガソリンが切れると彼に囁いていた。
まだ正午まで少し余裕があるのに、計算ミスだ。やはり狛枝も素人だということだろう。
焦って逃げ出そうとした皆を、ようやくやって来たソニアが制止した。
「静まりなさい!大丈夫です、それは爆弾ではありません!」
振り返った皆の目に、色とりどりの狂ったような火花の連発が飛び込んできた。あれは全て花火らしい。
呆然と花火を見つめていると、狛枝からの二つ目のビデオレターが始まった。起爆装置と無線で連動していたようだ。
「ビックリした?島ごと吹き飛ばせるような爆弾なんて、ボクなんかに扱えるわけないでしょ。
 昨日みんなの様子を見てて、裏切り者が誰かボクには分かっちゃったんだよね。
 でも、それだとボクが負けたみたいで悔しいからさ、あくまで名乗り出てもらおうと思ったんだけど…。どうだった?名乗り出た?たぶん名乗り出てないだろうね。
 ボクは隣の倉庫にいるから、結果を教えにきてよ。そこで、僕から裏切り者の発表を行うね。」

ソニアは、軍事施設に爆弾らしき物が大量に保管されているのを知っていた。
それが爆弾ではないことも知っていた。
ソニアはそれを見つけた時、一つを持ち帰って、遺跡の扉を爆破して開けようと試みたからだ。
起爆させたら花火だったので大変悔しく、「ガッデム!ドチクショウが!!」ということで記憶に残っていた為、
軍事施設にそれを探しに行くと、やはりあの大量の花火が無くなっていた、という訳だ。
ちなみに、遺跡を爆破しようとしたときモノミもその場に居たため、彼女も爆弾が偽物だという事を知っている。
ソニアが警戒していたのは、狛枝が実際に爆破して見せた最初の爆弾。
しかしあれは、思えば武器庫「オクタゴン」から持ち帰ったものだったのだろう。まだストックはあるかもしれないが、もちろん島を吹き飛ばせる程の量は無い。
最初に派手に爆破を行ってみせることで、残りの爆弾も本物だと思い込ませる作戦だったのだ。
モノクマも、この島に大量の爆弾など無い事をあらかじめ知っていたが、事を面白くするため黙っていたらしい。

気が抜けたら、ムラムラと怒りが込み上げてきた。
狛枝をぶん殴ってやるべく、工場敷地内の倉庫に駆けつけると、倉庫の扉が何故か開かなかった。
ほんの少しだけ開くのだが、何かが中でつっかかってそれ以上開かない。
狛枝のことだから何か仕掛けてるかもしれない、と用心する皆を無視して、終里が扉を蹴り開けた。
倉庫の中は照明が消されていて、目が慣れていないこともありよく見えない。暗闇の中、大音量で賛美歌が流れている。
その時突然、一番奥にかけられていたカーテンが燃え上がった。
このままでは火事になってしまう。工場給湯室に消火器があったことをソニアが思い出して皆駆け戻った。
何故か消火器はなくなっていたが、ボトルに入った簡易消火剤が沢山あったので、皆ありったけ抱えて戻る。
これは、投げることでボトルが割れて液体の消火剤が出てくる消火具だ。
煙を吸わないように入り口からボトルを投げ入れたのだが、あまり効果は見えない。
その内に炎はカーテンを焼き尽くして天井を舐め始めて…そこで火災報知器が反応しスプリンクラーが起動した。
みるみる火は鎮火されていき、あとには水浸しになった在庫の山が残った。

最初、カーテンは奥の壁にかかっているとばかり思っていたが、その奥にもスペースがあったようだ。
カーテンが燃えたことで現れたその暗がりを入り口から覗き見ながら、日向は言い様のない恐怖が背を這い上ってくるのを感じていた。
しばらく換気し、照明をつけて、倉庫奥に踏み込んだ日向達は、その恐怖の正体を発見した。
血まみれの狛枝凪斗が、床に大の字に磔にされ、腹で槍を刺し貫かれていた。
凄惨な光景に立ち竦む皆の耳に、死体発見アナウンスが流れ込んできた。
407スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:11:57.22 ID:Km48M8OW0
狛枝は、四隅から伸びたロープで、大の字の形に縛められていた。
体中に刺し傷があり、口にはガムテープが貼られている。そのガムテープ越しにもはっきり分かるほど、狛枝の口は絶叫の形に開かれていた。
こんな残酷なことをした犯人が、自分達6人の中にいるというのか?
モノクマは、これが最後の学級裁判だと言い、モノクマファイルを配って去って行った。
公園の謎の装置のカウントダウンはあと2日。カウントダウンが終了した時、この修学旅行は終わるのだという。
だからといって、素直に家に帰してもらえるとは考えにくいが、とにかく今はこの裁判に集中しようと皆決めた。
この裁判を生き残らなければ、その先はないのだから…。

【モノクマファイル】
・狛枝凪斗の死亡時刻は今日の正午。
 槍で腹部を貫かれている他、両ももに無数の刺し傷があり、左腕には切りつけられた傷がある。
 さらに、右手の平にはナイフが貫通している。
・今回は死亡時刻が明記されていたが、死因が書かれていない。

【倉庫内部】
・倉庫内は水浸しだが、カーテン奥のスペースには火も水もいかなかったらしく、狛枝の死体は綺麗に保たれていた。
・燃えたカーテンの下に、オイルライターが落ちていた。オイルライターは人の手を離れても燃え続けることができる。
・燃えたカーテンの近くに、モノクマの等身大ぬいぐるみが落ちていた。
 腹部に貫かれたような穴が空いていて、狛枝の物らしき血が穴周辺についている。
・倉庫天井の梁に、一か所薄らと血痕があった。
 床から垂直になった面に、縦一直線に血の筋がついている。
・MP3プレイヤーとセットのスピーカーが置かれていた。消火前はここから大音量で音楽が流れていた。
 以前は無かったので、犯人が持ち込んだと思われる。
・モノクマの等身大パネルが床一面に散らかっているが、よく見るとその中に、整然と一列に倒れた一筋が見える。
 そのパネルの列はドアからカーテンまで一直線に続いていて、ドミノ倒しのように見える。

【狛枝凪斗死体】
・ファイルの通り、全身に傷がある。まるで拷問されたようだ。
・手足は四隅からのロープに引っ張られて大の字になっているが、右手だけロープが途中で焼き切れていて、
 アーミーナイフで手の平を床に縫い止められている。
 ロープは手のすぐ近くまで燃えてなくなっているが、その割に狛枝の服に焦げ跡などは無い。
・向きからして左腕の傷からと思われる血飛沫が、狛枝の顔に飛んでいた。
 厳重に口を塞いでいるガムテープを剥がしてみると、ガムテープの形に血痕は途切れていて、その下には血が付いていなかった。
・左手は血まみれなのだが、手のひら中央で血痕が不自然に途切れている。
 手の裏は、第二関節から下だけに血がついていた。
・狛枝の腹部を貫いている槍は、ネズミー城の壁に架かっていた物だ。
 槍の尻から長い鞭が伸びていて、鞭の先端に分銅がついている。鞭も全体的に血まみれになっているが、分銅近くの一部分だけ血が途切れた部分がある。
408スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:12:49.40 ID:Km48M8OW0
日向と七海は、狛枝のコテージをモノクマに開けさせて内部を調べておいた。
机の上にピンク色の宝箱が置かれていた。モノミの宝箱を盗んだのは狛枝だったようだ。
中には、モノミのイラストが描かれた絵日記帳が入っていた。
開くと、中にはモノミらしい稚拙な絵と文章で、今までの島内生活の日記が綴られていた。
一体なぜ、こんな物を狛枝は欲しがったのだろうか…。
ペラペラめくっているうちに、あるページで日向は手を止めた。
「みんな空腹でピリピリしています。
 日向君は、みんなに疑われてあせったのか、ファイナルデッドルームに入ろうとしました。」
ドッキリハウスで、衰弱した日向が暴走しかけた時の記述だ。
日向は、七海には何も言わず、そのまま日記帳を閉じた。
モノミがそこに駆けつけてきて、日向の手の日記帳を見て慌てる。
モノクマも現れて、愉快そうにそれはモノミが描いた物ではないと言い出した。
これは裏切り者が、日向達の動向をモノミに報告するために書いた物だ。
「あんた…本気であたちを潰しにくる気でちゅね。だったらこっちにも、考えがありまちゅ。」
珍しくモノミは激昂し、日記帳を奪って立ち去ってしまう。
【狛枝コテージ】
・冷蔵庫の中に、毒薬の大きなビンが保管されていた。
 ラベルの注意書きを読んでみると、これは毒殺用にブレンドされた即効性の毒薬で、
 数分で分解され、加水分解もされやすいので、証拠を残さずに毒殺を行うことができる。
 揮発性は高くないが、気化すると空気より重くなって下方に溜まる。とのことだ。
 これは、狛枝がオクタゴンから持ち帰った物だろう。中身は3分の1ほどに減っている。
 もしかしたら、狛枝はこれを使って既に何か仕掛けを作ってるのかもしれない。死んでも自分達を苦しめるのか…。
・それを裏付けるように、ベッドの下からゴム手袋とガスマスクが見つかった。
 これはおそらく、軍事施設から持ち帰ったものだろう。
・同じくベッドの下に、丸くて薄いアルミの青みがかった紙切れが落ちていた。
 よくマヨネーズなんかの絞り口の中に貼ってある、ペリっと剥がすフタに見える。
409スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 22:13:19.28 ID:Km48M8OW0
本棚を全て調べる時間はなかったが、ここにある本はほとんど図書館から持ってきた本の様だ。
その中の一つを抜き出すと、その本には希望ヶ峰の校章が印刷されていた。
これが、狛枝がオクタゴンで渡された皆のプロフィールだ。案の定、日向のプロフィールだけというのは嘘で、全員分揃っている。
一抹の期待を込めて自分のページを見てみたが、やはりそこには予備学科の文字が記されていた。
これは、パーソナルデータを列記しただけのもので、希望ヶ峰での活躍等のエピソードは書かれていない。
他の皆のデータも見たが、今知っている以上の情報はあまり無かった。
しかし、16人全員分のページをチェックしても、一つだけ見当たらない名前がある。
十神白夜。彼の名があるべきはずのページは、全ての項目が「???」で埋め尽くされ、
能力の欄に一言だけ、『超高校級の詐欺師』と書かれていた。
モノクマがでてきて補足する。その詐欺師の情報は、本当にそれが全てらしい。
本名も、戸籍も、決まった素顔も持たず、常に他人に成りすまして生きる生まれついての天才詐欺師。
それが、皆が十神白夜だと思い込んでいた人物の正体だった。
「すごいよね!体型の差も物ともせずに騙しちゃうんだからさ!」
日向は愕然としながらも、十神の漏らした言葉の諸々に合点がいくのを感じていた。
「特別な才能は、ある意味その人を縛る鎖になるんだよ。才能に頼らざるを得なくさせ、その人の生き方を決めてしまう。」
七海がそう呟いた。
「そういう意味では、日向クンの方が、ずっと自由なのかもね。」
モノクマはそう言って、タイムオーバー、学級裁判の開始を告げた。

今回は、今までと違い事件の輪郭がまるで見えていない。
何だかんだで裁判では頼りになった狛枝ももういない。
だが、自分たちは一人じゃない。皆で議論を重ねれば、きっと真実が明らかになるだろう。
狛枝凪斗、日向がこの島で初めて言葉を交わした人物だった。
皆を引っ掻き回し、苦しめながらも、常に一歩先を行って真実を掴み、時に皆を助けてくれた。
その彼を、この中の誰かが殺した。それを暴かなければ、犯人以外全員死ぬ。
410ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 22:37:48.93 ID:lboG1WFcP
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411ゲーム好き名無しさん:2012/09/08(土) 22:57:36.14 ID:o6FGoizv0
支援〜
412スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A :2012/09/08(土) 23:03:37.21 ID:Km48M8OW0
【第5回学級裁判】

まず、狛枝を殺したのは一体どちらなのかで口論になった。
裏切り者が口封じを目論んだのか、爆弾のありかを聞き出そうとして拷問したのか。
日向は、狛枝の口がガムテープで塞がれていたことを理由に、拷問の線は薄いと主張した。
血痕が途切れていたことからして、ガムテープは狛枝痛めつけられていた最中にも口に張り付いていたはずだ。
ガムテープにできた皺も、狛枝が口を塞がれながら叫んでいたことを物語っている。
だからといって、ただの口封じにしては、あまりにも手口が残忍すぎるが…。

それを一度おいて、火事を起こした方法を考える。
火事は皆の目の前で始まったのだから、この中の誰かが火をつけたなら何か仕掛けを使ったはずだ。
ソニアの、オイルライターをつけたまま放置して、何かでそれを倒したという案に日向も賛成した。
乱雑に放り出されたように見せて、一筋だけ綺麗に折り重なって倒れていたモノクマのパネル。
犯人はあれを、ドミノ倒しのように配置して、ドアを開けたら倒れるようにしておいたのだ。
倉庫内が暗かったのは、ドミノ倒しが見えないようにするため、音楽がかかっていたのは、パネルが倒れる音に気付かせないためだ。
「そうすると、一つ問題があるね。」
七海がそう言いだした。最初に終里がドアを開けようとしてパネルに突っかかった時、ドアは本当に少ししか開かなかった。
それならば、ドミノ倒しを作った犯人も外に出られなかったはずだ。
悩む皆に、七海は狛枝ならば中からドミノ倒しを作れたと主張した。
「彼は、被害者であったと同時に、加害者でもあったんじゃないかな?」

七海はそう言うが、あんな壮絶な自殺なんて、できるものだろうか?
そもそも、狛枝は両手両足を縛られていたはずだ。そう主張する九頭龍に、日向はふと思いついて反論した。
狛枝の右手のロープは焼き切れていた。だが、袖は全く焦げていなかった。
あのロープは火事で焼き切れたように偽装されていただけで、最初からあの短さだったなら、狛枝は右手がフリーだったことになる。
なら、両足と左手のロープは自分で縛れたはずだ。

一瞬皆納得しかけたが、九頭龍が右手に刺さっていたナイフの事で逆襲してくる。
思いつきで反論しただけだったのだが、なんだか狛枝の自殺を日向が証明しなければいけないような流れになってしまった…。
だが、狛枝が自分の手にナイフを刺した方法なら、分からなくもない。
落ちていた、血の付いた穴あきぬいぐるみ。あれの穴にナイフの柄を固定しておいて、そこに自分の右手を振り下ろす。
しっかりと刺さったら、ぬいぐるみをカーテンの方に弾き飛ばし、床にナイフ先端を打ち付けて固定する。
あとは、どうやってその状態で腹部に槍を刺したか、なのだが…。
413スーパーダンガンロンパ2  ◆l1l6Ur354A
終里が何でもなさそうに言う。
「先に腹に刺しときゃいいんじゃねぇのか?そんでちょっと我慢して、右手にナイフを刺しゃいいんだ。」
「我慢にも程がありますよ!あんな太くて大きい物を刺されたら、すぐに逝ってしまいます!」
「えっ!?そ、ソニアさん今よく聞こえなかったのでもう一回…」
録音する勢いで興奮している左右田を叱り飛ばして、九頭龍が反論してくる。
両手が既に塞がっている以上、槍を刺す方法は無い、というが…
日向は、不自然に途切れていた狛枝の左手の血痕を思い出した。
七海に促されて、手がどういう形になっていればああいう風に血痕が途切れてるのか考えてみる。
それは、何かを握っている時だ。
もしも、狛枝が槍を握っていたなら…。
そこで閃いた。狛枝は、槍の尻から伸びる長い鞭を握っていたのだ。
真上にある梁に鞭をひっかけて、槍が自分の腹の上にぶら下がるようにしておく。
そしてそのまま、自由な右手で全身に傷をつけていった。左手だけが刺し傷ではなく表面を切りつけた傷だったのは、鞭を握る握力を残しておく為の物だったのだろう。
ガムテープは、痛みに声を上げて誰かに聞きつけられるのを防ぐため。
そして手を離せば、槍が自分の腹に突き立って絶命できる。
…だが、何故そんなことができる?一体何の為に?

普通に考えれば、これは自分が自殺だという事を隠し、日向達に間違った人物に投票させて、皆殺しにする為だ。
皆も、そう考えてもう投票に移ろうとしている。
でも、裁判が始まって幾らもたたない内に、日向達はここまで辿り着いた。
日向にはどうしても、狛枝が命と引き替えに仕組んだ謎が、この程度で解けるとは信じられない。
狛枝の狂気と悪意の深さを知っているからこそ。
「待ってくれ…。もう少し、議論を続けさせてくれ。」

自殺説の言いだしっぺである七海も、議論を続ける事に賛成だった。
七海には当初から、モノクマファイルの記述を気にしていた。今まで書かれていた死因が書かれていないのだ。
モノクマがあえて書かなかった情報は、今までの裁判では全て事件を解く重要なカギになっていた。
だから、今回も狛枝の死因を特定することが大事なのではないかという説だ。
見た目のインパクトから、腹部の槍が致命傷と思い込んでいたが、実際は他に死因があるのではないだろうか?

ももの傷?出血多量?色々な推論が出たが、見た目にはわからない死因というソニアの言葉に日向は思い出すことがあった。
狛枝のコテージに会った毒薬、あれで狛枝が死んだとは考えられないだろうか?
即効性の毒だから、ガムテープを貼る前に狛枝が服用していたとは考えられない。
ならば、気化させた薬を鼻から吸ったのではないだろうか?
あの薬の注意書きによれば、あの薬は気化すれば空気より重くなり下方に溜まる。
立っていた日向達は無事でも、床に寝ていた狛枝はガスを吸うことになるだろう。
その後、スプリンクラーの水によって毒は加水分解され、日向達に影響を及ぼすことは無かった。

「…で?だから何だってんだよ?どっちみち、あいつの自殺じゃねーか。」
「そうです。この中の誰かが、あんな残酷な犯行を犯すなんて、信じられません。」
日向だって仲間を信じたい。この中の誰も犠牲にしたくない。狛枝の自殺だと片付けてしまいたい。
だが、そんな気持ちを、きっと狛枝は見透かしていたと日向は思う。
「面白いね。日向クンは、狛枝クンの悪意を信じているから、狛枝クンを疑う。
 これも、新しい友情の形なのかもね。」
モノクマの戯言に取り合うわけではないが、日向は今の自分達を見て狛枝が何と言うのか分かっていた。
誰も犠牲にしたくないから、一番楽な「狛枝の自殺」という説に飛びつく自分達を見て、彼はきっと嘲笑う。
“キミ達の希望は、しょせんその程度だったんだね”とあざける。絶対にそうだ。
だから、納得がいくまでとことんこの事件を調べたい。