日本語ってどのくらい難しいの?

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130語学検定ヲタク
>>105
「アイウエオ」の中の「エ、オ」はどこに行ったのかとのお尋ねですが、手元に資料が全くなく、記憶に基づいて書くので正確ではないし、私の思い込みなどが混ざっていると思いますが、ご容赦ください。
もし、私が、「日本語の母音はイアウエオの5つしかない」と書いたら、もっとあるはずだと言われていたことでしょう。いわゆる曖昧母音を含めてかなりの母音が日本語にはあります。「アイウ」は長短、強弱はあるものの、いつでも比較的その通り発音されますが(「ありますか?」の「す」のように母音が消えてしまう場合もありますが)、残りの殆どは「エ」と「オ」のバラェティーです。
「いいえ」の「エ」と「あえぐ」の「エ」とは違う音です。「いいえ」の「エ」は、「イ」を発音するとき緊張させていた舌根を急激に緩めたときに思わず出てしまう音です。「あえぐ」の「エ」は、「ア」の口をややひしゃげて曖昧母音(発音記号でいうと「e」を逆さまにした記号)を発音したときの音です。
実は、日本人の「エ」は、口を横に開いて縦横にも開け声帯の前の部分を緊張させて後の部分を緩める、はっきりとした「e」ではなく、「ア」をやや緩めた口型か「イ」の口のまま声帯も緩んだまま発音されます。「オ」についても口をちゃんと丸めて声帯を大きく広げて発音する「o」ではなく、口型は「ア」と「ウ」の中間のどちらか寄り、声帯もあまり緊張しません。
ちなみに、上記に書いたとおりに「エ」と「オ」をはっきりと発音させてみれば日本語らしくなくなってしまいます。基本的に日本語にはない音で、あってもあまり発音されない音だからです。
一方、曖昧母音は個別の文字は持ちませんが、日本人に頻繁に発音されています。また、日本人には、英語の「アパウト」のように語頭にあれば「ア」に聞こえますし、「エジソン」のように語尾にあれば「オ」に、「オレンジ」のように語中にあれば「エ」に認識されます。
馴染みの深い「a」「i」「u」を各頂点とする三角形の真ん中に、先ほどの「e」を逆さまにした発音記号を置くと分かり易いかもしれません。「a」と「i」と曖昧母音に囲まれるどこかに日本語の様々な「エ」は存在し、「a」と「u」と曖昧母音の間に日本語の「オ」達は居るのです。「i」と「u」と曖昧母音との間にあるのは発音記号で「m」をひっくり返した記号で通常「ウ」に認識されています。
実は、このことは琉球語を研究している学者から言われたことのようです(「琉球語」を一つの言語とみるか日本語の派生語と見るか方言とみるかは別として)。琉球語を発音記号に落としてみると、厳密な意味での「エ」と「オ」が見当たらず、他の音に還元できてしまうのです。振り返って、日本語を見てみると、同じ法則がなりたつのではないかということが考えられたようです。
「基本母音」の対抗概念として「複合母音」とか「派生母音」とか「中間母音」とか呼ばれているようですが、忘れました。三省堂の「言語学大事典」あたりには記載されているのではないでしょうか。
ア〜。2chにマジレス。やってもうた。恥ずかし〜! しばし退散。