世界で一番難しい言語を決めるスレ

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112何語で名無しますか?
>>111
多分それはない。
言語の構造は文字とは無関係に、主にその話し手の言語意識によって変化するもの
だろうから、ペルシャ語の古代から現代にかけての劇的な文法構造の変化は、
サンスクリットから現代インド諸語・ヒンディー語へのそれと大して変わらない
要因によるものだと思われる。
>>90 の  ka ān mard mīrīd uš ruwān ō sar-i Čīnwad puhl mīrīd は
現代語でそのまま読めるだろ。
中世ペルシャ語の「死ぬ」は不定形で murdan だが現代語なら mordan で、
現在形では mī- が付いて mī-mīrad 「彼は死ぬ」になるのが目立つくらい。
前綴りの mī- は中世ペルシャ語の副詞 hamē 「常に」が変化し前綴り化
したもので、hamī を通じて現代語 hamīše に繋がっている。
(古い旧音 mē- はアフガニスタンのダリー語に保存されている)

伊藤義教氏の「古代ペルシャ」によれば、もうクセルクス一世(在位前486−465年)の時代の
碑文には古代ペルシャ語の諸特徴が失われ始め、アルタクセルクス三世(同前359−338年)の時代の
碑文の古代ペルシャ語は、恐らくもうその当時の口語がほとんど中世ペルシャ語
に近くなり、古代ペルシャ語はほぼ完全に古語化していたため、不完全な知識による
誤記・間違いが多く、もはやまともな古代ペルシャ語とは言えないとのことである。
つまり、サンスクリットを思わせる古風な古代ペルシャ語はダレイオス(ダリウス)大王
(即位前522年)の碑文のものだけで、それ以後徐々に文法体系が崩壊し始め、口語的には
かなり簡略化され始めていて、碑文には古風な書き方をしようとしたものの不完全な知識に
より間違いを連発してしまったということだろう。
とすればアレキサンダー大王のペルシャ征服の遥か前、前4世紀頃から中世ペルシャ語の時代
が始まっていることになり、その古風な文法体系の崩壊の早さもさることながら、逆にそれに
比べてそれ以後の変化の遅さ(つまり中世ペルシャ語が現代ペルシャ語の知識だけでも
かなり読めるということ)も特筆ものと言える。