>>210 そういうのはそもそも言語学板の守備範囲だと思うんですが……
それはさておき、北方言はラドガ湖からノブゴロドを通ってヤロスラブリ、
コストロマあたりへと延びる線の北側の地域、南方言は現在のラトビア・
ベラルーシ国境あたりからモスクワとリャザンの中間あたりを通る線の
南側の地域、そしてその間が中部方言ということになっているようです。
南北の違いとしては、音声的なものでは、
・アクセントのない音節の a と o が北では区別され、南では区別されない。
・g が北では閉鎖音、南では摩擦音として発音される。
・母音間の j が北では脱落するが、南では保たれる。
・bm という子音結合が北では mm になる。
・st という子音結合が語末にきたとき、北では t が脱落する。
形態論的な違いとしては、
・北では名詞・形容詞の複数与格と造格が同じ語尾になるのに対し、
南では異なる語尾をとる。
・動詞の現在三人称の語尾が北では口蓋化しないのに対し、南では
口蓋化する。
・1人称単数、2人称単数、および再帰代名詞の生格、対格形が
南北で異なる。
さらに語彙的にも違いがありますが、省略。
ロシア語の標準語は中部方言の一つであるモスクワの方言に基づいて
いるため、北的な特徴と南的な特徴が混在しています。
ウラル以東の言葉は、比較的新しい時代にヨーロッパ地域から移住した
人たちの言葉なので、どの地域から移住したかによって違うとされている
ようです。