昔の地図は古い

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77,コンドルの裁き

http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1160100092/411

 私はサーモンの説明を聞きながら、BBCの番組を見た。

1979年に「わがエルドラド探求」が出ると、取るものもとりあえず一冊買い求めた。だが
これを読んだ私は驚き、当惑した。ワクチュの話がまったく別物になっていたのだ。

1979年に「わがエルドラド探求」が出ると、取るものもとりあえず一冊買い求めた。だが
これを読んだ私は驚き、当惑した。ワクチュの話がまったく別物になっていたのだ。

 サーモンによれば、ワクチュは「人身御供」として選ばれたのだという-―何に対するものかにつ
いては一言もない-―そして、サーモンの助手であるケチュア族のヘラルドによれば、神官たちが撮
影のためにコンドルの儀式を演じてくれるという。

 ワクチュの不倫には一言も触れられていない。もちろん「この女は自ら死を選ばねばならぬ」
という叫びについてもだ。そしてコンドルが飛んでいき、話は唐突に終わる。ワクチュの自殺の話
もない。ワクチュが人身御供になったということに関して、それ以外にいっさいの言及がない
ために、話全体がなんだか要領を得ないものになっている。

サーモンは言う、「カラワヤ族に何の魔術的な力もなく、野生のコンドルを彼等の足元に着陸させ
ることなどできそうにないとすれば、それ以外の理由を探さねばならない」−-暗に、それ
が飼いならされたコンドルであるとほのめかしているのだ。

 プリマスのBBCでたまたまサーモンにあった私は、一体全体何がどうなっているんだ、と訪ね
た。話によれば、彼の番組を見た「専門家」が、彼は担がれたのだと述べたという――た
ぶん、カラワヤ族はカネをもらって彼を騙したのだ、と。そんんあことあるはずないじゃない
か、と私は言った。
 サーモンは恥じ入った様子で、私に同意した、、、、。
彼が専門家とやらの意見を鵜呑みにしたのは悲しむべきことだ。
彼のフィルムを見れば、コンドルとアマウタの間に何らかのテレパシー的な関係が生じていたのは明らかなのだ。