異常心理スレ

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コンドルの裁き、、、

サーモンの著書「わかエルドラド探求」(1979年)の中で一番奇妙な話は、ワクチュという名の少
女に関するものだ。彼女はティティカカ湖北方のカラワヤ族の一員だ。彼女の夫はシャーマンだが、部族の
ために金を稼ごうと都に行ってしまい、ワクチュに不倫の疑いがかかった。老女たちと村の女
たちの集会では結論が出ず、神官たちは問題解決のために「コンドルを呼ぶ」ことになった。
カfラワヤの信仰では、人間は生まれ変わってコンドルとなる。特に、大コンドルは、かつてこのあた
りを征服した偉大なインカの主張の生まれ変わりだ。

 サーモンはこの儀式を撮影するために呼ばれていた。彼が見ている前でワクチュは腰巻一枚の裸になり、
崖の上の杭に縛り付けられた。儀式が始まり、笛や太古の不協和音が鳴り響いた。
その音は周囲の山々を震わせた。

 サーモンは何も起こるはずがないと確信していた。彼はそのあたりで一羽のコンドルすら見たこ
とがなかったのだ。しばらくすると詠唱が静まった。サーモンは、もはや自分がここにいるの
が凶兆だと感じているのではないか、と考え始めた。

突如、勝利の叫びが上がり、向こうの山の上に3羽のコンドルの黒い影が現れた。翼長』
12フィート(約3・6メートル)。まっすぐカラワヤ族の方へ飛んでくる。2羽の黒いメスと、
それを率いるおおきな黒いオス。白い陽光に、白い首を輝かせている。音楽が再開され、
縛られたワクチュは身を捩らせた。押すコンドルが着陸すると、再び静寂が訪れた。サーモンは息
を飲んで、ほんの数フィートのところにいる巨大な鳥を見つめた。それは剣闘士のように威風
堂々と歩き回った。それから、翼を広げ、ワクチュに向かって走り出した。そのくちばしは彼
女ののどを狙っている。サーモンの部下が駆け出し、鳥を追い払った。それは斜面を駆け下が
り、空中に飛翔した。長老たちは叫んだ、「有罪だ-―この女は自ら死を選ばねばならぬ」。

 10日後、ワクチュはそれに従った。崖からみずからのみを躍らせたのだ。