モンゴロイドとコーカソイドの境界線は?

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●その1
>>34
いやはや、難しい問題に足を踏み込まなければいけないようです。てことで、暇なので
少しばかり(いや、かなり長い)語ってしまいます。

さて、まず、おさえておかなければならないのは、人種の分化とはどのように発生する
かという問題です。一番大きな原因は、人類の移動により生じた地理的隔離、その結果、
隔離グループ毎に発生する自然淘汰と遺伝子浮動による表現形の変化です。しかしなが
ら、人類においては、完全な地理的隔離が行われるのはまれであり、隣り合うグループ
との遺伝子交流はすくなからず、発生していることが多いのです。そして、ここ1万年
は、特に人種間の混血が進んでいる時代でありその境界線はますます曖昧になっている
と考えられます。よって、今現在の人類においては、生物学的な意味において明確な
人種が存在するとは言い難いというのが本当だと思います。
(注:あくまで生物学的な意味においてです。)

↓(以下私見、思いこみが多々含まれていますが・・・)
しかしながら、人類史上においては、大きな枠で人種分化が促進されたと思われる時代、
および地域があり、この分類から、人種を語ることは人類学的に大きな意味があります。

まずは、現世人類のアウトオブアメリカを果たした約10万年前から約5万年前の時代で
す。アフリカからアウトオブアフリカを果たした人類は、中近東から、中央アジア、
そして東南アジア、そしてオーストラリアまで、亜熱帯の海岸づたいに一気に進みます。
そして、地理的隔離により、大まかに分けて、中東・中央アジアおよび東南アジアさら
にオーストラリアにおいて人種分化が進行したと思われます。そして、中近東・中央
アジアにおいては、高緯度地方への進出による寒冷対応や高地対応による淘汰や遺伝的
浮動により、原コーカソイドとも呼ぶべき人種形質が形成され、その影響は、アフリカ
北部にも影響が及んだと考えられます一方、東南アジア(南方モンゴロイド)や
オーストラリア(オーストロイド)においては、アフリカ進出時とあまり変わらない
環境が維持されたため、外見の形質は比較的保たれたままであったようです。
3724=31:02/09/07 12:38 ID:xdhlp+le
●その2

で、前記のような状況の中、中東・中央アジアで分化した原コーカソイドは大型動物の
狩猟技術および暖房技術を手に入れヨーロッパ、およびシベリア、チベットなどの
広大なエリアに進出しそれとともに形質分化が少しずつ進行していったと思われます。
そして、約2万年前前後の氷河期(最寒冷期)による気候変動が人口の減少とともに
人種分化は一気に促進され、原コーカソイドはいくつかのグループに分かれたと
思われます。大まかに地理的に分けると(実際の所は不明)、西ヨーロッパ人、
北欧ヨーロッパ人、中近東人、中央アジア人、チベット高原人、シベリア人、
北方中国人、そして氷河期中にアメリカ大陸に進出した原アメリカ人、てな感じです。
※北方中国人については、前記の東南アジア(南方モンゴロイド)が北に進出し形質を
変化させたものかもしれません。

そして、氷河期が開けた後、約1万年前に農業・牧畜が発明され耕地や牧草を求めた、
人口増加を伴う人類移動により、ヨーロッパ・中近東エリアとアジアエリアにおいて
人類のシャッフル(混血)が促進されます。

ヨーロッパエリアにおいては、西ヨーロッパ人、北欧ヨーロッパ人、中近東人、
中央アジア人が、混じりあった(一部北アフリカ人)と思われます。
(それらの人々をひっくるめて現在は、コーカソイドと呼んでいることが多い)
一方、アジアエリアにおいては、氷河期開けと共に、シベリア人の南下、
チベット高原人の拡散が起こり、(チベット高原人は後に大きな移動を伴う遊牧を
確立しヨーロッパにも影響を与えた。)
また、農業の発明と共に、北方中国人が南下及び拡散したと思われます。しかしながら、
北方中国人の南下はヨーロッパに比べ緩やかなもので、大きな影響を与えたのは
ベトナムあたりまでであった思われます。また、しかしながら、北方中国人の一派は
約5000年くらい前に太平洋の島々に進出、その過程で形質を大幅に替え、
ポリネシア人の遺伝子的基層をなしていると考えられています。
(これらの人々と、前記の東南アジア人、原アメリカ人をひっくるめてかつて
モンゴロイドと呼んでいた。そして近年では、チベット高原人、シベリア人、
北方中国人を新モンゴロイドと呼んで区別している。)
3824=31:02/09/07 12:40 ID:xdhlp+le
●その3

そして、有史時代を迎えると、地域集団(民族)としての分化が起こりさらに、
その一貫としての国家の成立に伴う分化が生まれはじめます。しかしながら、国家は
その権力構造ゆえに、その構成は、地域集団という枠を超え、離合集散を繰り返すこと
になり、人種の境界線をより、曖昧なものにし、今という時代を迎えています。

以上、人種の分化という観点から人類史を概観してみました。

さて、これでやっと、>>34さんの問いに答えられます
>それでは適切な人種の区分とはどのようなものになるのでしょうか?
>これまでに論じられてきたモ/コ50%線に変更点は生じるのでしょうか?

はい、それは人類学的な視点から人種差を語る場合、前記のような人類史的な背景
(時代考証)を理解したうえで、人種という概念を使い分ける必要があるかも知れません。
今回のテーマでしたら
「国家成立以前のヨーロッパ人種(コーカソイド)とアジア人種(新モンゴロイドおよび
南方モンゴロイド)がその歴史過程において混血。その結果生まれた現在の境界線」
とでも理解すれば、今までの論議を活かしながらより適切な解答が得られるように思います。

さて、現在、人種論議が紛糾する原因として、人類学的人種用語がうまく分類、
整理されていないのが大きな理由だと思われます。今回の私の論においても、
私的な造語や地名および時代特定などを駆使してどうにかこうにか説明しているのが
現状です。近年、遺伝学の進展などにより、分化の過程が明らかになりつつあります。
それに、伴って成立年代を配慮した各地域の人種名の定義が行われれば、
よりわかりやすく、混乱も排除できるのではないかと思われます。
(そんなこと、誰が決めるのだ・・・と自己ツッコミ)

ながながとスマソ・・・以上です。