銀行についてはこちらをどうぞ。
斎藤毅『明治のことば』(講談社学術文庫)
http://www.amazon.co.jp/dp/4061597329 文明開化により急激に流入した欧米文化は、それまでの日本に存在しなかった
思想、制度等をもたらした。明治の先人たちはこれらに伴う概念をいかに吸収
し、自国語として表現したか。「社会」「個人」「保険」「銀行」「主義」
「自由」等々、その後欠くべからざる語となる新しいことばを中心に、それら
の誕生、定着の過程を豊富な資料をもとに精細に分析する。
32 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/02/27(月) 23:52:58.84 0
使用者(労働法でいう雇用主)と使用人(会社法でいう従業員)という一見まぎらわしい法律用語ができたのはなぜなのだろう。 いまだったら後見人と被後見人みたいに「使用者」と「被使用者」にしていたのではないかと。
33 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/03/16(金) 20:21:48.80 0
34 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/03/20(火) 07:29:27.96 0
skyscraper の訳語である「摩天楼」てのは屈指の名訳だな。 殆んど逐語訳なのに、伝統漢語のような上品な字並びと響きがある。 「摩天閣」という訳語もあるらしいが、こっちは流行らなかったようだ。
35 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/03/20(火) 14:26:20.06 0
Hypersomnia
36 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/03/23(金) 00:12:37.70 0
(a bolt) out of the blueと青天の霹靂の関係も気になる。どっちも青空に雷、つまりは予期しないことだけど、 どっちかが元なのかな(多分後者が先?)、それとも世界的によくある表現なのか
39 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/03/29(木) 11:12:15.15 0
bookkeepingが簿記になったのって、やっぱり漢字の意味よりも音を似せたかったということなのかな?
40 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/04/07(土) 21:16:06.87 0
外国人が 日本国籍を とることは 帰化よりも 同化のほうが わかりやすかったのではないかと おもう。
>>39 簿≒book(s) 、記≒keeping (ex. keep the books 帳簿をつける)
だよ。意味も音もだいたいあってる。
42 :
41 :2012/04/08(日) 00:10:25.12 0
ああ、ひょっとして語順のことを言ってるのかな。 この場合はともに記す事(keeping)が主体だから、語順もあってるよ。 書記(=書を記すもの)や雑記(=雑事を記したもの)などと同様に 簿記(=帳簿を記すこと)と解釈できる。
>>40 「帰化」はもともと『徳に感「化」されて君主に「帰」順する』こと。
そこから『自発的に他国の国籍を得て国民となる』意味になった。
「自発的に」というのがミソで、この点が通常の「帰順」とは異なる。
「同化」は『異なる性質や思想などに感「化」されて「同」じになる』、
あるいは『異なる性質や思想などで感「化」して「同」じにする』ことで、
主に同化する側の意思が強く働いていて、同化される側の自発性などは
顧みられない場合が多い。例えば「明治政府によるアイヌ・琉球の同化政策」など。
44 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/04/08(日) 13:57:52.01 0
>>43 「帰」という漢字はもとのところにもどるというニュアンスがつよくて
国籍をとるというニュアンスが感じられないのだよ。
どうして日本国籍をとるという表現をわざわざむずかしい2文字漢語
であらわそうとするのか。
なーるほどね。
でもま、「帰」という字の本義は「娘が他家に嫁ぐ」であって、そこから
「嫁いだ娘が実家にもど(って両親の世話をす)る」という意味に転じ、
更に「帰る」「あるべき場所に落ち着く」という意味になったもの。
http://www.zdic.net/zd/zi/ZdicE5ZdicBDZdic92.htm 後者の意味では帰化、帰順の他に帰趨、帰着、帰属など多数あって、
しかもいずれも他の語ではなかなか言い換え辛い。
まあ後漢書にもある由緒ある用字であるし、「徳に感化されて自発的に」
というニュアンスが実にエラそ、もとい好ましいからというのもあるだろう。
まあどうしてもイヤってなら「国籍取得」で十分じゃないかな。実際に
左寄りな一部マスコミはそっちを好んでつかってるようだし。
46 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/04/08(日) 16:02:32.31 0
社員は法律では出資者や社団の構成員という意味でつかわれているのだが 純粋に文字だけをみれば「会社にいるひと」程度の意味しかないのだよね。 明治のころは法人というものは事業をやるために出資したり社団の社員があつまったりして それから労働者(使用人)をやとうというかたちだからそれでもよかったのかもしれないが。
47 :
46 :2012/04/08(日) 16:04:28.84 0
したり→金をあつめたり
48 :
46 :2012/04/08(日) 16:15:48.82 0
かたち→感じ
49 :
39 :2012/04/10(火) 22:03:53.74 0
>>42 いや、何かが間違ってるって言っているわけじゃないよ。
当然、漢字の語義的にも問題はない。
ただ、その語義以上に、音にポイントを置いているんじゃないか?ってこと。
>>49 ああ、そーゆーことか。
「埃及(アイキフ/アイヂー)」=『アイギュプトス/エジプト』みたいに
音についてはかなり重視して字が選ばれた気はするね、確かに。
「簿記」も音と意味を可能な限り両立させた屈指の名訳と言っていいかもしれない。
51 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/04/29(日) 21:53:15.07 0
>>32 英語でもemployerとemployeeで一文字違い。
って、無関係か。
53 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/05/03(木) 21:51:57.95 0
dutyを義務と訳したのは誰? obligationを義務と訳したのは箕作麟祥らしいけど。
54 :
nl :2012/05/04(金) 02:24:14.18 0
democracy wa minsyu-seitai, minsyu-seizi ga tadasii. Nanoni minsyu-syugi to [ism] ni sita nowa dare da?
55 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/05/04(金) 15:35:42.29 0
アニメや 漫画だと 記号って ことばを よく つかうよね。 アイコンや シンボルのほうが わかりやすいのだが。 記号だと 文字の 記号を 連想してしまう。
56 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/05/04(金) 15:42:36.89 0
>>52 -eeというのは「されるひと」という意味があるのだよね。
それをかんがえると「被使用者」のほうがただしいはずなのだが。
57 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/05/05(土) 15:16:53.08 0
「ねじ」は翻訳語?近代以前の例がないようだが。
ねじ ねじり ひねじり? 捻錐 尾栓
59 :
46 :2012/05/08(火) 14:49:26.08 0
自己レスだが、たしか明治のことばという本にかかれていたとおもうのだが、 明治時代は「〜社」という結社をつくることが流行していたそうで、それから 「社員」ということばがうまれたのだとおもう。
今の社員は、正規雇用程度の意味だろうな。 赤十字の社員なんかは賃金貰えずに逆に支払う方だから不思議。 これがNHKなんかであれば、払い込んだ金が映像として還元されるのであれば 結社として理解できるんだけど、受信料を何年払った所で協会員になる訳じゃなく 一視聴者のままで、民間の有料放送となんら差別化できてなかったりするな。
61 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/05/09(水) 21:32:29.99 0
今で言う結社員が、昔は社員という言葉だったんだろうな。
62 :
-- :2012/05/20(日) 04:25:00.10 0
井口 耕二 <--- ロボット翻訳機になりっきって、やってる感じですかね? 以下の例を見ても、全体を見回す 「目配り」 が 出来ないのが分ります。 『インターネットが死ぬ日』 ( ハヤカワ新書 juice ) ● 目次(抜粋) -- 章題の訳文のマズイところが分かりますか? ヒント: 小失敗2件、 大失態1件 Introduction Part I: The Rise and Stall of the Generative Net Chapter 3: Cybersecurity and the Generative Dilemma Chapter 4: The Generative Pattern Chapter 7: Stopping the Future of the Internet: Stability on a Generative Net Chapter 8: Strategies for a Generative Future Chapter 9: Meeting the Risks of Generativity: Privacy 2.0 Conclusion イントロダクション パート1 肥沃なネットの興亡 第三章 サイバーセキュリティと生みだす力のジレンマ 第四章 生みだす力のパターン 第七章 インターネットを死なせない -- 肥沃なインターネットの安定 第八章 肥沃な未来を実現する戦略 第九章 生みだす力のリスクに対応する -- プライバシー2.0 まとめ
トランスレーション・スタディーズスレってここでつか?
64 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/06/23(土) 10:12:00.68 0
慶応義塾大学の岸由二さんは、インタビューの中で、いわゆる弱肉強食と 進化論を同一視する考えを「とんでもない誤用」と断じ、そもそも、「弱肉強食」 という言葉自体、ダーウィンの原典にある「Struggle for existence」を訳した言葉で、 この訳は、「生存のための努力」と訳しても良かったはずだと言っている。
65 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/06/25(月) 11:35:42.62 0
厳密には「弱肉強食」は韓愈が仏僧・文暢に送った文章の序文『送浮屠文暢師序』より。
>夫鳥俛而啄、仰而四顧。夫獸深居而簡出。(それ鳥は俛(ふ)して啄み、仰ぎて四顧す。それ獣は深居し簡出す)
>懼物之為己害也、猶且不脫焉。弱之肉、強之食、(物の己に害を為すを懼るるなるも、なおかつ脱せず。弱の肉は強の食なり、)
「ほら、鳥は頭を下げて餌をつついたかと想えば頭を上げて四方を伺うではないか。
ほら、獣は他者の危害を恐れて山奥に住み、里に下りてくるのはほんの時折ではないか。
他者からの危害を恐れるが故だが、それでも弱者は強者に食べられるという理からは逃れられない。」
https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%80%81%E6%B5%AE%E5%B1%A0%E6%96%87%E6%9A%A2%E5%B8%AB%E5%BA%8F ダーウィン理論の「弱肉強食」はたぶん「自然淘汰(natural selection)」の概念を
漢語のレッテルでまとめたものだろう。意味はズレてるが、新しい語義としてはアリ。
struggle for existance の方は普通は「生存競争」とほぼ直訳されるはずだが、
あいにく会員じゃないのでソース記事の方は読んでない。
ちなみにダーウィン自身は「進化」(evolution)とは言わず、寧ろそうした考え方には否定的だったらしい。
www.lizard-tail.com/h2gs/index.php?%A5%C0%A1%BC%A5%A6%A5%A3%A5%F3%A4%CE%B8%C0%A4%C3%A4%BF%A4%B3%A4%C8%A1%A2%B8%C0%A4%EF%A4%CA%A4%AB%A4%C3%A4%BF%A4%B3%A4%C8
遺伝的アルゴリズム
President, CEO は「頭取」と訳されていたのだが、「社長」と呼ぶ会社が増えた。 他方、鉄道の conductor, guard は「車長」と訳されていた。 音が同じになって紛らわしいので、後者を「車掌」と言うようになった。 銀行は伝統的な「頭取」を変えないね。
69 :
-- :2012/08/13(月) 06:40:51.79 0
>>62 誤訳ヘボ訳が2千個 ? ! ? ! ? ! ? … と言われている Jobs伝記 「スティーブ・ジョブズ」 (ボッタクリ価格)
( 上巻、 p.340 )
ジョブズは ...
「自分自身や他人になにかを証明する変なチップなんて、僕の肩には埋め込まれていないよ」
とニューズウィーク誌にコメントした。
Q. ------- なぜ急に 「認証チップを肩に埋め込む」 話になるん?
A. ------- 答は ・・・・・・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
uni.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1342839305/l5
ジョブズ 伝記 3【翻訳、Generative 誤訳】
>>> 「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」の冒頭に
I think it's clear that Steve always had a kind of chip on his shoulder.
---- と書いてあるが、ちゃんと訳せてるか気になる。
70 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/09/22(土) 23:15:53.73 0
あげ
さげ
72 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2012/11/14(水) 10:18:49.27 0
なんでカボチャの訳語として、pumpkinを当ててしまったんだろうな。 日本のカボチャはsquashなのに。
73 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2013/01/10(木) 21:40:50.16 0
74 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2013/03/06(水) 21:02:27.10 0
75 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2013/12/29(日) 13:56:37.16 P
76 :
名無し象は鼻がウナギだ! :2014/02/06(木) 10:53:50.77 0
スマートフォンを高機能携帯電話と訳すのは特徴をよく表していないと思う。 「アプリケーションを自由に入れ替えできる携帯電話」の方が適切だった。
小型多機能端末でいいじゃん
「注意を払う」や「最も〜の一つ」という表現も、英語の表現を訳する過程で生まれたものなの?
「より・・・な」「機会を持つ」
80 :
名無し象は鼻がウナギだ! :
2015/01/15(木) 11:36:33.70 0 良スレあげ