1 :
名無しさん@板分割議論中:
2 :
名無しさん@板分割議論中:2007/02/04(日) 22:04:47
この人自殺したよね
(`Д´(` )<小悪魔な菊さま。おやすみなさい。
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「お兄ちゃんは最低です」三年にわたり妹の下着を盗み続けた兄、実名公表へ
《週間新潮より》
神奈川県警は1月21日川崎市に住む21才男性(無職)を下着窃盗の容疑で書類送検をした。
容疑者の21才無職男性は三年間にわたり、同居の妹(17才女性)の下着を自分の部屋に隠し続けたとのこと。
容疑者が実の兄と発覚するまでの三年間、合計で隠された下着は約40枚。
「何かおかしいと思ったんです。」と被害者の17才の妹は説明する。
「近所で下着を盗まる被害があったのは私の家だけだったんです。三年前から1〜2ヶ月おきに一枚づつなくなっていて、
気味が悪かったので被害届を出したんです。最初は全然取り合ってくれなかったんですけど、ようやく二年目になって
警察の方が真剣に取り組んでくれました。」
21才男性(無職)は1月の中旬に同宅ベランダで下着を物色中の所を、パトロール中の警官に見つかり事情聴取を受けていた。
神奈川県警と被害者の17才女性の両親との話合いの結果、身内上のトラブルということで書類送検だけに留まったが、妹の怒りはおさまらなかった。
「下着を盗んだだけじゃなく私の下着を『戦利品』と言ってインターネット上で公表していたんです。」
県警が押収した21才男性のノート型パーソナルコンピュータより盗まれた下着と、その写真を掲載する大型掲示板の履歴が発見されたのだ。
その掲示板上では21才男性と見られる書き込みと写真の掲載が三年前から続いていた模様。
「兄は大学受験を失敗して浪人生なんですが、勉強もしないで部屋に篭ってばかり。
部屋から出てくるのはご飯の時だけで、部屋に入ろうとすると怒鳴るんです。耐えられません。」
21才の兄との同居を拒む17才の妹は、今回の刑事事件を元に民事訴訟を起こす動きを見せている。
民事訴訟で17才女性が兄である21才男性の同宅からの退去を求めているようだ。
しかし民事訴訟となると刑事訴訟とは違い、訴えを起こせば基本的に原告、被告名が公表される。
この件に対し17才女性は「名前を公表すれば兄はここから出て行ってくれるからむしろ公表して欲しい。お兄ちゃんは最低です。」
と怒りをあらわにした。
問題の21才無職が書き込んでいたスレッド↓
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1170573840/
何の不自由もなく育ったその美しい青年はいつも思っていた。
「ああ、なぜ僕を愛してくれる人、好きになってくれるひとがいないんだろうか?
どこへいけば愛をもらえるんだろう。」
鏡の中に映る自分をみつめながら、青年は想う。
なぜ、自分は生まれたのだろうか?
父と母が出会ったから。ではなぜ二人は出会ったのだろうか・・・。
考えてもきりがないけど、自分は愛する人といつ、どこで出会えるのだろうか?
なんとなくそんな出会いは無いのではないかという不安が青年を襲う。
誰からも好きって言われたことが無い自分。
もちろん自分から女子に告白したこともないけれど・・・。
ここから出て行けば何かが変わるだろうか?
ここにいても希望がもてない、恐らく平凡で地味な暮らしが待っているだけ。
ただでさえ地味でぱっとしない自分を変えたい。いや、変えなければならない。
そうだ、東京へ行こう。そして、漫画家になるんだ。
自分の道を決めた青年は、東京へ行けば人生が開けると信じた。
愛が欲しいと嘆く男が実は自分の知らないうちに愛されて愛されてどうしようもない
という状況になっていくという、痛快ラブコメディー。
題して
「愛され秀規の一生(仮)」
近日、公開予定!
(あんまり期待しないように!)
(`Д´(` )<愛され秀規さま。おやすみなさい。
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つまんなさそうw
確かにw
評判が悪そうなのでお蔵入りさせます。
お騒がせしてすみませんでした。
おやすみなさい。
ええええええ!!!!!!書いてよ!いえ、書いて下さい。ここは何でもありなんだから!
常に声が裏返ってる感じが凄く嫌。
私は作家様の大ファンですw
>>13 つまらなさそうと言う人もいれば、
>>14の言うように楽しみにしている人もいます。
私は出来れば書いてほしいです。
>>15 確かに声は高すぎる気がしますが、こればかりはもうどうしようもないので
どうか嫌がらず、好きになってあげてください。
甲高い声がたまらなく好き!
(`Д´(` )<菊さまの声好きです。おやすみなさい。
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実は私も菊地の声が好き
俺も菊地の声が好き。
(`Д´(` )<菊さまの不安な気持ち取り除いてあげたいです。おやすみなさい。
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過去ログに入ってしまって見れないので、どこで小説終わったか教えてください。
トイレに閉じこもってかみそり負けしたところまで読んだんだけど。
991 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/10(土) 10:42:38
ヤバイ!毛の処理忘れてた!!!
冬だと長袖だからついつい忘れちゃうのよね・・・ってそんな事言ってる場合じゃない!
「やっぱりダメー!!!」
「そんなに恥ずかしがるなよw」
「恥ずかしいんじゃなくて・・・ダメー!!!」
私は菊さまを突き飛ばしトイレに逃げ込んだ。
ドンドンドン!
「○○ー?どうしたんだよ!?開けろよ!」
「ちょ、ちょっと急にオシッコしたくなっちゃった!すぐ済むから向こうで待ってて!」
「分かった。」
ふぅー何とか免れた。でもこれからどうしよう?私は便座に座り考えた。
うーん・・・そうだ!確か洗面所に菊さまの髭剃があるはず!
私はそっとトイレから出て洗面所にある髭剃を取り、またトイレに入った。
これで大丈夫!ショリショリ・・・あれ、こんな所にも無駄毛が・・・ショリショリ・・・。
これで完璧かしら?・・・あっ!シェービングジェルつけなかったから切れて血が出ちゃった!
こっちは剃刀負けして真っ赤だし・・・こんな身体見せられない!
ドンドンドン!
「おーい!まだー?」
「ちょ、ちょっと待って!」
これからどうしよう!どうすればいいのー!
終わり
ドンドンドン!
菊さまがせかしてくる。
「おーい○○、大丈夫?具合悪いのか?」
無駄毛処理に失敗してしまった私は途方にくれておりました。
「おい、お腹痛いのか?大丈夫か?」
「はい、大丈夫です・・・。」
どうしよう。このまま出ないわけにも行かないし。えい、恥ずかしいけど・・・。
私はドアをそっと開けた。
「おお大丈夫か?えらく長いから倒れてるのかと思ったよ。
あれ?剃刀なんで持ってるの?」
「ああ、実は・・・。」
「あれ?お前腕から血が出てるじゃん、足からも。どうしたんだ?」
菊さまは不思議そうに聞いてくる。
「はい、無駄毛を剃ってなかったので、菊さまの髭剃り借りてトイレでこっそりそってました。
でも、なにも塗らずに剃ったので剃刀負けしてしまって・・・。」
私は自分でも情けなくなりながら菊さまに事の顛末を話しました。
「はははは、なーんだ。そんなこと隠さなくても風呂場で堂々とやればいいことじゃない。
正直に言ってくれれば良かったのに。」
「すみません。どうしても菊さまに無駄毛を見られるの恥ずかしくて・・・。」
私は顔も真っ赤、剃刀負けの跡も真っ赤という赤っ恥の連続で立ち尽くしておりました。
「さあ、シャワー浴びてこいよ。それから消毒しよう。ばい菌入ったらいけないから。」
菊さまは優しい言葉をかけてくださいました。
秀規は彼女がシャワーを浴びている間、救急箱を取りにいった。
「まったくびっくりするようなことをする女だ。でもそういうところも可愛いんだけどな。w」
秀規はクスリと笑いながらマキロンと脱脂綿を用意した。
「あっ、バスローブも用意してあげておこう。」
彼女が風呂からあがって来たようだ。
「おい、これ着れよ!」
秀規は彼女にバスローブを着せる。
彼女のセミロングの髪が少し濡れている。そして鎖骨部分に玉のようにはじいた水滴があるのを見て、
秀規は彼女の肌の若さをあらためて感じた。益々彼女に女の色気みたいなものを感じた。
「さあ、消毒しようか。」
「はい。ありがとうございます。」
秀規はマキロンを含ませた脱脂綿を彼女の傷口に塗り始めた。
なんとなく恥ずかしがっていたが、彼女は素直に脇の下を見せていた。
「痛々しいな。シャワー沁みただろう。今度から素直に言ってくれよ。
お前に怪我とかさせたらお前の両親に申し訳ないから。」
「えー!菊さまから私を気遣う言葉がでてくるなんて・・・。熱でもあるんじゃないんですか!?」
彼女は目を丸くしてびっくりしたような表情をしていた。
秀規は顔を赤らめ、自分でもなぜそんな言葉が出たのか不思議だったが、それは本心であることは分かっていた。
「うるさい!あまり喋るな、喋るとお前はブスになる。」
「そんなーひどい!」
彼女はふくれっつらになった。
秀規は彼女の消毒を終えると、エアコンの温度設定を上げた。
「さあ、ソファに寝そべってみてくれ。」
彼女は言われるままに動く。
「そうそう、それじゃあ脱いでみて。」
彼女はゆっくりバスローブを脱いだ。白くて丸みを帯びた体。
何度も抱いた体だけど、とても眩しく思えた。
「じゃあ、その体制で描くから。」
秀規はスケッチブックと鉛筆を持ち、スケッチし始めた。
「菊さま、何十分ぐらいかかりますか?」
「ああ、30分ぐらいかな。」
「えー私この体制無理ですよ〜。」
「我慢しろ、なるべく早く描くから。」
「早くしてくださいよ。」
「もう、あまり喋るな!集中させろ!」
秀規の顔が真剣なのを見て彼女は黙った。
描いていると暑くなってきたので秀規は自分も服を脱ぎ始めた。
下着1枚になってなおも描き続ける秀規を見て、彼女の口が開いた。
「菊さまのそんな真剣な表情初めてです。」
「うるさい!俺はいつでも真剣だ。ていうか喋るな!動くな!」
秀規はヒステリックに怒った。
30分後、どうやら描き終えた秀規はえんぴつを置いた。
「菊さま描けたんですね。見せてください。」
裸のまま、彼女がスケッチブックを覗き込んだ。
「わー、すごい上手。裸を描かれるのって恥ずかしいけど、これだけ上手なら
許せます。ありがとう菊さま。」
そいうと、彼女は秀規に抱きついた。
「まったく、お前は人並みより体型が悪いんだから。どちらかといえば下半身太りぎみ
なんだから、あんまり良いモデルではないな。」
秀規はつい毒を吐いてしまった。
「良いモデルではないかもしれないけど、私うれしいです。」
彼女は秀規の毒にも怒らず、それどころかキスをしてきた。
「そうだ、モデルしたんだから、何かご褒美をくださいよ。」
「なんで?」
「なんでって、裸婦のモデルさんでもバイト代とかもらうものじゃないんですか?」
「まったく強欲な奴だ。」
「強欲って、菊さまこそ欲の固まりみたいじゃないですか。それもエロい欲の固まりですよね。
私の裸描いて本当はどうするつもりなんですか?まさかどこかに売りに行く気じゃないでしょうね?」
「ぷぷぷー!お前のこんなトドみたいな裸だれが買うんだよ。俺ぐらいのもんだぞ、文句言わずに
お前のこと抱けるの。」
「ひどい。じゃあ、今まで我慢して仕方なく私のこと抱いてたってことですか?」
彼女はなみだ目になっていた。
そんなことない。いつだって真剣にお前のこと抱いてるよ。この絵だってお前の若さを
永遠に残しておきたいから描いたんだ。でもこんなこと恥ずかしくて言えない。
秀規は本心と裏腹なことを言ってしまう。
「ああ、そうだよ。だいたいお前から誘ってきたじゃん?」
「そんなー、そんなことないですよ。最初に誘ったのはそっちでしょ。私よく覚えてますよ。」
彼女はもう、泣きそうだった。
「そうだったけ、もうどっちでもいいだろうそんなこと。さあ、服着れよ。」
そういうと、秀規はエアコンの温度をいじりだした。
私は菊さまに言われたことが胸に突き刺さって、とても情けない気持ちになっていました。
今日私一体何しに来たんだろう?剃刀負けして、シャワー浴びて、消毒して、そして菊さまのわけの分からない
写生に付き合って。おまけにトドだって。そして今まで仕方なく抱いたっていうのが腹が立つ。
私やっぱり遊ばれてたのかなあ。愛してくれてるとばかり思っていたのに。
私は素早く着替えると、菊さまに挨拶もせず、玄関に向かっていた。
31 :
名無しさん@板分割議論中:2007/02/12(月) 19:07:21
作家様カワユスage
「おい、すきやきの用意してるから食べようよ。あれっ?」
振り向くと彼女はいなかった。秀規はあわてて玄関に行く。
靴が無い。ドアを開けてみると、エレベーターに向かって歩いていく彼女が見えた。
「おーい、待てよ。夕飯食べていけよ。」
秀規が呼び止めても彼女は知らん顔。そのままエレベーターの中に消えていった。
秀規は階段で降りて追いかけた。
「やばい、さっき言い過ぎたかな。」
ちょっと後悔しつつ、秀規は彼女を追いかけ、下の道路で追いついた。
彼女の腕をつかむ。
「離してください。この人痴漢ですって叫びますよ!」
彼女は冷めた目で秀規を見た。秀規はあわてた。
「ごめん、さっきは言い過ぎたよ。許して!機嫌直して戻ってきてよ。」
「嫌です。もうあなたに抱かれたこととか食事したこととか全部帳消しにしたい気分です。
もう会うことも無いと思いますので。さよなら。」
そういうと彼女はスタスタと歩き出した。
「なんで急にそんなによそよそしいんだよ。さっきはキスしてくれたじゃないか。
なんで今までのこと帳消しなんだよ!俺はぜったいそんなの認めないぞ!」
「うるさいわね。認めたくなければ勝手にどうぞ。私はもう帳消しにしたの。
もう家にも来ないでくださいね。着たら警察よびますから。」
「おい、待てよ、なんで急にストーカー呼ばわりなんだよ。何がそんなに気に入らないんだ。
言ってみろよ。」
「何言ってんのよ、そんなの自分が一番分かってるんでしょ!自分の胸に聞いてみなさいよ。
もう、離してよ、しつこい男大嫌い!」
そういうと彼女は秀規の手を振り払った。ものすごく強く。
しかし、尚もしつこい秀規は彼女を追いかけた。
「おい、しつこいのは俺の特徴だ。それはお前も充分承知してるはずだろ。
なんなんだよ。お前俺のこと愛してるって言ってくれたじゃないか。あれ嘘か?」
「愛してたわよ。誰よりも一番、世界で一番愛してた。でも、あなたは私のこと愛してないじゃない。」
そういうと、彼女の目から大粒の涙が零れ落ちた。
「そんなことない。俺はお前を・・・愛してる。何で分かってくれないんだ。」
「嘘よ、信じないもう、絶対・・・。」
そういうと、彼女は走って暗闇に消えてしまった。
「○○、待ってくれ〜!」
秀規は尚も追いかけた。
私は家に逃げ帰りました。
「おかえり、どうしたの。息が切れてるけど、それにどうしたの涙が出てるけど?
なにかあったの?」
母に問い詰められた私はことの顛末を話しました。
「菊さまにお前はトドみたいだって言われた。お前と付き合えるのは俺ぐらいのもんだとか、
仕方なく付き合ってやってるって言われたの。だからもう別れることにしたの。
家に来ても入れないでね。警察呼ぶって脅してやってね。」
「そんなこと本当に言ったの?あなたたちのことだから売り言葉に買い言葉で心にもないこと
言い合ったんじゃないの?本当に菊地さんそんなこと思ってるのかしらね。」
「もう、どうでもいいよ。すっかり冷めちゃったから。それより早くご飯頂戴。」
私は椅子に座り、ご飯を食べ始めた。
ドンドン、ドンドン
「ごめんください!○○さんいらっしゃいますか。菊地です!」
「うわ、お母さん絶対開けないで。無視して。」
「そんなわけにもいかないでしょ。私が話してみるわ。はーい少々おまちください。」
そういうと母は玄関に向かった。私は菊さまに絶対会いたくないから部屋へ逃げ込んだ。
「こんばんは。○○さんいらっしゃいますか?」
「はい、おりますけど・・・。なにか喧嘩したそうですね?」
「はい、そうなんです。どうも誤解させてしまったらしくて・・・。
僕が悪いんです。○○さんのこと傷つけるようなこと言ってしまったから。」
「○○もさんざん菊地さんにこれまで迷惑かけたんでしょうからね。多分誤解が解けたら
今までどおり仲良くなれると思うんだけど、○○でてらっしゃい。」
お母さんが呼んでる。絶対言ってやるもんか。
「お母さんちょっと上がらせてもらっていいですか?」
「はい、どうぞ。」
「おじゃまします。」
やばい、菊さまがこっちにやってくる。ぜったい部屋のドアあけてやらないからな。
私は鍵をかけ、ベッドに入った。
ドンドンドン
「おい!○○開けろよ。話し合おう。俺が悪かった、許してくれ〜!」
秀規は甲高い声で彼女に懇願した。しかし返事は無い。
「おい!無視か!無視するなんて一番卑怯なやり方だぞ。何とか言ったらどうだ!」
「・・・・・。」
彼女からの返事はやっぱり無い。
「菊地さんごめんなさいね。うちの子意地っ張りだから。○○いい加減出てきなさい!」
彼女のお母さんも彼女の部屋のドアをドンドン叩いた。
しかし返事は無い。
秀規はこのままここにいてもらちが明かないので、帰ることにした。
「お母さんお邪魔しました。今日は帰ります。でもまた来ると思いますけど・・・。」
「ごめんなさいね。また来てね。」
秀規は挨拶をすませると、とぼとぼと暗闇の中に消えていった。
菊さまが帰ったのを見計らって私は部屋から出た。
「あーあお腹減った。あらためていただきます。」
私はご飯を食べ始めた。
「まったく、無視することないじゃない。すごく寂しそうに帰っていかれたわよ。
後で電話してあげなさい。」
「いやなこった。二度としないもん。」
「あれだけ親の反対を押し切って付き合ってきといて、もう別れるって、根気がなさすぎるわ。」
お母さんがぶつぶつ文句言い出したので私はわざとテレビの音量を上げた。
そして早めにご飯をかきこんで、風呂に入った。
風呂に入って考えてみた。
あんなに愛していた菊さま。でも今は許すことができない。
へそ曲がりで強情だといわれても私の気が治まらない。
菊さまが参ってしまうまでこのままで居てやろう。
私はこうやって菊さまへ徹底抗戦することを心に誓った。
部屋に戻った秀規はしばらく真っ暗な部屋の中で、床に座り込んでいた。
どうすればいいんだろう。こんなに愛しているのに、あいつにうまく気持ちを
伝えることができなかった。全然許してくれそうにも無い。無視されるのが
こんなに辛いなんて思わなかった。
秀規は灯りをつけて、テレビをつけた。音が無かったら気が狂いそうだ。
悲しいけど、腹が減ってきたので、すき焼きを食べることにした。
でも、なんだかなあ。一人で食べるすき焼き、あまり美味しくなかった。
あいつと二人で食べれると当たり前のように思っていた自分がとても浅はか
だったことに気がつく。
あまり箸も進まないまま、食事を終え、風呂に入ることにした。
風呂の中で瞑想する秀規であった。
湯船につかりながら考えた。
メールを送ってみようか。でも、無視されるかなあ。それとも電話?
やるだけやってみようか。それで、だめなら、手紙を書いてみようか?
手紙なら、お母さんに渡してもらえるからなんとかなるかもしれない。
よし、まず電話、メール、で、だめなら手紙にしよう。
秀規はそそくさと風呂からあがると、さっそくメールしはじめた。
「愛する○○へ
○○の嫌がることいっぱい言ってしまってごめんなさい。
本心で言ったのではないことを分かってほしい。
どうかもう一度話す機会をください。
秀規より」
送信。
私の携帯が鳴った。
多分あの人からだろうと思った私は知らん顔で雑誌を読んでいた。
でも、すぐに気になってしまって落ち着かないので携帯を開いてみた。
メールが入ってた。
「へーえあの菊さまがごめんなさいだって。本当かしら。」
私はまだ菊さまへのわだかまりが消えていなかったので、信じることができないでいた。
もうしばらくほっておこう。それでも私のこと追って来たらそのとき考えればいいや。
私は、菊さまへの返事を保留にすることにし、その日は眠りについた。
結局一晩中返事を待った秀規であったが、○○からの返事は無かった。
「やっぱり、相当怒ってるんだな。どうしようか。」
秀規は寝不足のまま、その日は仕事へ出かけた。
夕方、秀規の携帯が鳴った。
「もしかして、あいつから?もしもし・・・。」
「あっ、もしもし、俺だけど。」
それは親友のAからの電話だった。
「ああ、お前か、なんか用か?」
秀規はがっかりした声を出した。
「なんか俺からの電話じゃあ、がっかりみたいだけど、機嫌悪いの?」
「別に。」
「あのさー、今から寿司でも食べに行かないかなと思って。」
「ああ、寿司ねー、どうしようかな・・・・。」
「えー、行かないの?お前寿司好きじゃん?」
「うーん、どうしようかな。」
秀規は正直今、寿司どころではなかった。あっ!まてよ、こいつに相談してみようか。
「やっぱ行くわ、7時にいつものところで。」
秀規は電話を切った。
そのころ私は会社から帰宅中だった。
今日はバレンタインデー。本当なら菊さまに何かプレゼントするはずだったんだろうけど、
今とてもそんな気にはなれなかった。でも、地下街を歩いていると、お店からあふれんばかりの
バレンタインデーの商品が見えると、どうしても菊さまを思い出してしまった。
職場の人には同僚達と話し合って小さいチョコレートをプレゼントした。
菊さまにもプレゼントすれば喜んだんだろうか?でも素直になれない私。
とぼとぼと家へ帰った。
「ただいまー。」
「おかえり。きょうバレンタインだけど、菊地さんになにかプレゼント買ってあるんじゃないの?」
お母さんがニコニコしながら聞いてきた。
「何も買ってないよ。別にバレンタインでもないでしょう。もう別れたようなもんだもん。」
「待ってらっしゃるんじゃないの?何もないんなら、おこずかいあげるから買ってらっしゃい。」
お母さんが財布からお金を出そうとした。
「いいよ、余計なことしないで!」
わたしは母にも素直になれないまま、自分の部屋に閉じこもった。
午後7時きっかりに、秀規は行きつけのすし屋に到着した。
友人のAはもう来ていた。
「おっす!」
「ああ、元気?」
秀規は、いつ相談を切り出すか迷っていた。
「じゃあ、とりあえず俺はビール。秀規は?」
「俺、お茶でいいや。」
「じゃあ、適当に握ってください。」
お店にお任せにして、二人は喋り始めた。
「秀規、最近どう?」
「どうって別に。なんで?」
「いや、別に、タダ聞いてみただけ。ていうか聞きたいことあるんだけど・・・。」
Aが言いにくそうに口を開いた。
「何?」
「最近お前に女ができたんじゃないかって言う奴がいてさー。俺はまさかって思ったんだけど、
もしかして本当なのかなと思ったりして、でもお前のことだから内緒にしてるのかなーと思ってさ。」
ドキッとした秀規は、例の相談を切り出してみることにした。
「実は、それ本当なんだよね。」
「・・・。えっ!マジで・・・。」
Aは驚いてあいた口がふさがらない状態になっていた。
「そんなに驚くこと無いじゃん。俺に女がいちゃあ悪いか?」
「いいや、いいけどさあ。お前ってよく女友達とかに難癖つけるタイプだから、
いやー、お前が納得するような女が現れたっていうのが信じられなくて。」
「実は最初はなんとも思ってなかったんだ・・・。」
秀規は○○との出会いから今日までのことを説明しはじめた。
そして、この度秀規の写生が元で彼女を怒らせてしまって絶縁状態になっていることを
話した。
「わー、お前らしいな。つい口が滑ったんだろう?」
「そうなんだ。本心じゃないのに、つい意地悪なこと言ってしまって・・・。」
「分かるよ、毒舌家のお前らしい行動だよな。」
「ねえ、どうすればいいと思う?」
「どうするって言われてもね。その女の人を俺が実際見たことないわけだし。」
秀規はそう言われて、こっそり彼女が寝ているところを撮った携帯の写真を見せた。
「うーん、寝てる顔じゃよくわかんないなあ。それに体が写ってないし・・・。」
「なんか良いアドバイスくれよ。お前だけが頼りなんだよ。」
秀規の今にも泣き出しそうな顔を見て、Aは考えた。
「結局、お前がなんで写生することになったかを正直に話すしかないんじゃないの?」
「やっぱり、そうか。でも話したら気持ち悪がられないかなあ、それに恥ずかしいんだよね。本心を話すの。」
「そんなこといっても、それしかないじゃん。恥ずかしさなんて一時のもんだろう。逆に彼女に惚れ直される
可能性の方が高いと思うけどな。それでだめならいさぎよくあきらめるまでのことだね。」
「えー!あきらめるなんてできない!」
「じゃあ、勇気を出せよ。直接話さなきゃだめだ。なんとか会ってもらえないのか?」
「あいつの母親には優しく接してもらってるんだ。でも取り次いでもらっても、あいつが絶対拒絶してる状態で、
メールの返事もくれないし。」
「じゃあ、手紙を渡したらどう?母親にことずかってもらえよ。」
「見てくれなかったらどうしよう。」
「見てくれるほうに賭けるしかないよ。見てくれなかったらまたそのとき考えよう。」
秀規はたらふく寿司を食べ、友人と別れた。
コンビニに途中寄って、パンを買った。明日の朝食べるために。
今晩のうちに手紙を書いてしまおう。
「○○へ
お前にだまっていたけど、お前をスケッチさせてほしいと頼んだ理由。
それは、お前の眠ってる顔見たとき、一生この愛しい表情を残しておきたい
と思って、おもわずスケッチしたんだ。そしたら、他の表情も書き残したいと
思うようになって。お前と会えないときもそれを見たら元気になれるし、安心できるんだ。
なのに、お前になぜスケッチするのか聞かれたとき正直にこの気持ちいえなくて、
つい毒のある言葉で傷つけてしまってごめん。どうぞ、おれのところに戻ってきてください。
秀規 より。」
そして秀規は事故って死にました。
おわり
秀規はここまで書いて安心して風呂に入った。
次の日、秀規は寝坊してしまった。慌てて仕事への支度をする秀規は、昨日買った
パンを口に詰め込み、なんとかぎりぎりセーフで仕事場へ着いた。
「しまった、あいつの家に手紙届ける時間なかったな。しょうがない帰りに行こう。」
秀規は仕事しながらも手紙が気になってしょうがなかった。
やっと仕事が終わり、夜、秀規はくたくただったが、なんとか彼女の家へ向かっていた。
なんか夕方から妙にだるくなっていた。なんだろう、体が少し熱いきがする。
それになんだか体が痒くなっていた。秀規は地下鉄を降り、トイレに入った。
個室に入り、ズボンを下ろすと、腹に何かぶつぶつができている。
「えっ!どうしたんだろう。じんましんか?」
トイレから出て鏡を見ると、首筋にもなにかできていた。
なんだか急にかゆみが増してきたような気がする。
でもかまっていられないので、彼女の家へと急いだ。
このとき、秀規はまだ、大変なことになるとは思っていなかった。
ピンポーン ピンポーン
秀規は逸る気持ちを抑えながら彼女の家のインターホンを鳴らした。
「はーい、どちら様ですか?」
「あのー菊地ですけど、○○さんいらっしゃいますか?」
「ああ、菊地さん、ちょっとお待ちくださいね。」
秀規はドキドキしながら○○が出てくるのを待った。
そのころ私はご飯を食べていて、母が玄関からもどってきてこう言った。
「菊地さんが来てくれたわよ。出てあげなさい。」
「えー、なんで来るんだろう。来られたって迷惑だって言ってよ!」
私は本当はとても気になっていたけど、わざとそう言った。
「そんなこと言わずに話ししてあげなさい。またきっと仲良くなれるわよ。」
「仲良くなる必要なんかないもん。」
「まったく強情な・・・。誰に似たのかしら。菊地さんずーっと待たせるわけには
いかないから、何て言おうかしら・・・。」
そういうと、母は菊さまの元へ戻った。
すると母の悲鳴が聞こえた。
「ちょっと、○○早く来て〜!」
尋常な状況ではないことはすぐに分かった。
私は箸を置いて、玄関に駆けつけた。
そこには菊さまが倒れていた。
「一体どうしたの?菊さま、しっかりしてください!」
私は久しぶりに目の前に現れた菊さまを見て思わず菊さまをとっても心から心配していた。
菊さまを抱き起こすと、ものすごい顔が真っ赤になっていた。
「わー、熱があるみたい。お母さんどうしよう。」
「なんか、顔や首筋に発疹がすごくあるけど、さっき顔見たときはそうでもなかったのに。」
「うわー、腕にもすごくできてるよ。どうしたんだろう?」
「とにかく病院につれていかなきゃあ。救急病院に連れて行こうか。救急車呼んだほうがいいかしらね?」
「発疹で救急車よんでもいいのかなあ?タクシー呼んで、夜間診療の病院へ連れて行くわ。」
母にタクシーを呼んでもらい、私は玄関に菊さまを寝かせたまま支度を整えました。
「菊さま、しっかりしてください!」
「うーん・・・。なんかすごく苦しい・・・。あ、○○。お前に会えて嬉しい・・・。」
菊さまの消え入りそうな声を聞いて私は、なぜもっと早く菊さまに対して素直になれなかったのかと
とても後悔しました。菊さまがこんな健康状態になっていたとはつゆしらず、強情を張り通していた
ために、早く病気に気づいてあげられていたかもしれないのに・・・。
私は到着したタクシーになんとか菊さまを乗せ、病院へ急ぎました。
タクシーの中でも、菊さまはうなられていました。
「菊さま、大丈夫ですか?菊さま、なぜこんなことになられてしまったんだろう・・・。」
私は半泣き状態でした。
15分ほどして病院に到着しました。
運転手さんにも手伝ってもらって、病院の中に菊さまを運びました。
受付の人に事情を説明しました。少し患者さんがいましたが、なんとかすぐに
診てもらえることになりました。
「発疹がでているそうで、うわーこりゃすごいな。いつからですか?」
先生が言われました。
「菊さま、いつからですか?」
「あー、今日の・・・夕方ぐらいから・・・。」
「熱はかりましょう。」
熱を測ると、39度ありました。
「じゃあ点滴をしますから。1時間はかかりますので。」
「先生大丈夫なんでしょうか?」
「多分何かにあたったんじゃないかと思います。何か思い当たることは?」
「菊さまどうですか?」
「うーん、今朝揚げパン食べて、昼はとんかつ弁当食べて。それだけです・・・。」
「その前の日は?」
「夜寿司を食べました・・・。」
「うーん、魚の油か、揚げパンか、とんかつか、とにかく油と、そのときの体調が悪く重なって
このような状態になられたと考えられます。まあ、とにかく点滴して発疹を抑えましょう。」
菊さまはベッドに寝かされました。
もう発疹だらけの菊さまはそれは哀れでした。
私は菊さまのそばについて一生懸命心の中で早くよくなるように祈りました。
157 :名無しさん@板分割議論中 :2007/02/15(木) 02:52:28
10年くらい前の夜中、私が勤めていた緊急病院に菊地さんが来たことがありました。
夏なのになぜかコートを着ていてダラダラと汗をかいていたので
何があったんだろう?と近づいてみたんですね。
すると、どこからか猫の「ニャー」と鳴く声が
辺りを見回しても猫の姿はありません。
気のせいかなと思って菊地さんの方を向き直るとまた「ニャー」と聞こえてくるんです。
しかも、菊地さんの方から
そこで私思い出したんです、菊地さんが大の猫好きだということを。
優しい菊地さんは家の前で引かれていた猫をコートの下に隠して連れて来たんだと。
夜中だから動物病院も開いてない、
仕方なくコートに隠してウチに来たんだと。
私は感動して、すぐ菊地さんを病室に連れて行きました。
「心配しないでくださいね。私も一緒に先生を説得しますから」と声をかけ、先生を呼びに行きました。
そして先生と共に病室に入ると
そこには下半身裸で股間から猫の生えた菊地さんが・・・
あれ以来病院は辞めました。
私には向いてなかったんだと思います。
1時間ほどたち、点滴がはずれました。
「菊さま、気分はどうですか?」
「ああ、さっきよりはましかな。かゆみもひいたみたい。」
「あーあ良かった。先生、もう帰れますかね?」
「はい、クスリ出しときますから、受け取って帰ってくださいね。それにしても、早く来てもらって
良かった。もうちょっと遅かったら、内臓や、器官に発疹ができて呼吸ができなくなって死ぬという
ケースもありますからね。発疹を甘くみないように。油ものにも気をつけるように。」
「はい、ありがとうございます。」
私は菊さまを待合室の椅子に座らせて、会計を済ませ、タクシーに菊さまを
乗せ、一緒に帰りました。菊さまの家に到着しました。
「あっ、お母さんに一応電話しておこう。」
私は母に菊さまの状態を話しました。母は安心したようでした。
「看病してから帰るから。」
私は母に断りを入れ、ここ数日の罪ほろぼしの為、菊さまが眠るまで看病することにしました。
「菊さま、下着を着替えましょう。あっ、その前に蒸しタオルで体ふきましょうか?」
「ああ、おねがい。」
菊さまは弱弱しく答えられました。
秀規は急な病になったおかげで、○○と仲直りできてよかったと思っていた。
○○に体を拭いてもらって、下着を着替えた。そしてパジャマに着替え、ベッドに入った。
「菊さま、クスリ飲みましょう。なにか胃に入れたほうがいいから、ホットミルク作りますね。」
○○は甲斐甲斐しく動いてくれた。秀規はとても嬉しかった。
こんなに自分のことを心配してくれるのは、やっぱりこいつしかいない。
秀規はうっすらと涙を浮かべていた。
「菊さま、ホットミルクできました。どうぞ、あっ涙が出てますよ。」
私はハンカチで涙をそっと拭いてあげた。
「なぜ泣くんですか?どっか痛いところでもあるんですか?」
「痛くないよ。でも心が痛むんだ。お前のこと傷つけたのにお前は結局俺の
こと許してくれたんだよね。お前が優しさがとても胸に沁みる。」
菊さまは今弱ってるから、感傷的になられているのだろう。
でも、そういわれて悪い気はしない。
「菊さま、わたしこそ意地を張って菊さまを苦しませてしまってごめんなさい。」
そういうと、菊さまは私を抱き寄せた。そしてキスしてくれた。
ミルクの味がほんのりするキスは、私と菊さまをいっそう強く結びつけた。
「さあ、クスリのんで、早く寝ましょう。」
私は菊さまを寝かせて、冷たいタオルを絞っておでこに乗せた。
「ありがとう○○、おやすみ。」
菊さまはしばらくするとクスリのせいか、すやすやと眠りにつかれた。
私は菊さまの安心したような寝顔を確認してから、菊地邸を後にした。
(`Д´(` )<誤字脱字だらけの文章すみません。おやすみなさい。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|
| | ̄ ̄ ̄ ̄| |
| | @ @| |
| |@ @ | |
| |____| |
|__________|
ギャグセンス抜群の作家様は?新スレになってから小説書いてないよね?
>>57 間違えた、前スレのコピーだった。
官能作家さまに繋がるように文章が流れていかない。
話の設定に問題ありか?
家に帰ると、母から菊さまが玄関で落としたと思われる手紙を受け取った。
読んでみた私は、なぜ菊さまが私を写生したか理解することができた。
菊さまが私のこと絵で残しておきたいと思うくらい愛してくれているということが
分かり、私は菊さまを今までで一番いとおしく思った。
次の日私はいつもより1時間早く起きて支度を済ませ、菊さまの家に向かった。
合鍵を使って中に入った。
菊さまはスヤスヤ寝ておられた。
私はおかゆの用意と、水分補給の為のポカリスエットを作り、菊さまの替えの下着や
パジャマを用意した。
私が動く音で目が覚めたらしい。
「あ、おはよう、来てくれたの?」
「はい、おはようございます。今から仕事に行かなければならないので、あまり
長居はできませんけど。」
「ありがとう、なんだかだいぶ熱下がった気がするんだけど。」
「計ってみますか?」
菊さまが熱を測られ、熱が平熱に戻ったようです。
「菊さま、土日はお仕事ですよね?」
「ああ、そうなんだ。」
「なんとか治してお仕事にいけるように今日はゆっくり休んでくださいね。」
「ありがとう。」
私は、菊さまに新しい下着とパジャマに着替えてもらった。
「菊さま食欲のほうはどうですか?」
「うん、少し空いてる。」
「じゃあ、おかゆを食べてください。それとポカリスエット作ってますので、
枕元においておきますね。」
「分かった。」
「じゃあ、私は仕事に行きますので、また、夕方きますね。いってきます。」
「いってらっしゃい。○○、早く帰ってきてね。」
菊さまは私に投げキッスしてくれた。
>>58 菊地様大好き!って言うのが伝わってくる作家様の小説は分かるんだけど、
改行が多いギャグとエロを調和させた作家様の小説はどれの事言ってるの?
>>47はアンチで
>>52は某スレの改変コピペだし。
明日は久々の生菊地様が見れるー!楽しみ!
>>61 官能作家さまはまだ具合がお悪いのかもしれません。
根気よく待てばまた書いてくださると思います。
明日のライブ楽しんできてください。
毎度だらだら小説ですみません。
おやすみなさい。
>>62 ごめん。リロってなかった。体弱いって言ってたから体調悪いのかもね。おやすみなさい。
生菊久しぶり♪興奮して眠れない♪
菊さまは土曜日仕事にでかけられた。
ファンデーションで発疹の後を隠し、万全ではない調子でライブに出演された。
私は夕食を作って待っていた。
油物を控えた食事にした。白身の煮魚にほうれん草の胡麻和え、大根の煮物、味噌汁、ご飯はやわらかめに
炊いた。それと、ベッドのシーツ。菊さまの汗で湿っぽくなっていた。
枕カバーやパジャマと共に洗濯した。そうこうするうちに菊さまが帰ってきた。
「ただいまー。」
「おかえりなさい。体調どうですか?」
「ああ、疲れた〜。」
菊さまは上着を脱がれ、ネクタイをはずしながらソファーに座り込んだ。
顔色の悪さはいつものことだけど、やっぱり元気なさそうだった。
「発疹だいぶひかれましたね。」
「ああ、でも完全じゃないみたい。お腹にも小さく残ってるから。
あっ、ご飯できてるの?たべようかな。」
「食欲ありますか?白身の魚、煮たんですけど大丈夫ですよね?」
「ああ、大丈夫だろう。食べるよ。」
そういうと、菊さまはうがい手洗いを済ませ、食事しはじめた。
「魚、美味しい。煮物も和え物もおいしい!でも味噌汁薄いな。」
しまった、つい家の味付けにしてしまった。菊さまは濃い味付けでないと怒るんだった。
でも菊さまはそれ以上何も言わず黙々と食事をされた。
「うっかりしてました。次は濃い目に作ります。」
「いいよ、完璧な人間なんてこの世にいないから。」
菊さまはいつもだったら火がついたように怒るのに、さすが弱っているだけあって
おとなしい。いっそのことずーっと体調悪いほうが喧嘩とかにならずに済むのかな?
でも元気の無い菊さまはやはり哀れなので、早く元気になって欲しいと思った。
食事を済まされクスリを飲んだ菊さま。
「菊さまお風呂入りますか?」
「ああ、入るよ。でもたいぎー。」
「じゃあ、簡単に済ませて早くあがるようにしたら。」
「そうしようか、一応仕事したもんな。明日も仕事あるし。」
そういうと菊さまは風呂に入った。私はその間に洗濯物を乾燥機にかけたり茶碗を洗ったりした。
しばらくして菊さまが風呂からあがられた。
「菊さま私そろそろ帰りますね。」
「えっ、もう帰るのか。」菊さまは少し残念そうに言われた。
私はかばんの中から小さな箱を取り出した。
「菊さま、遅くなりましたけど、これバレンタインのプレゼントです。」
「わー、ありがとう。」
菊さまはすぐ包みを開けられた。小さなハートのチョコが数粒入っている。
さっそく一粒食べられた。
「うん、美味しい。お前からはもらえないとあきらめてたんだ。だから余計嬉しい。」
「菊さまを病院に運んだ日、帰ってから菊さまのお手紙読みました。私菊さまの本心が分かって
とても嬉しかった。だけど、もっと菊さまのこと分かってあげられたらこんなに喧嘩することも
なかったんだろうと反省しました。」
「もういいじゃん。喧嘩したからこそ俺たち絆が強くなったと思わないか?」
そういうと、菊さまは私を優しくだきしめてくださった。
私もそれに答えるように菊さまの背中に腕を回した。
痩せて頼りなく思える背中。だけど私にとってはとても愛しくて大切な体。
私たちは久しぶり熱く長いキスを交わした。
おわり
↑これ、菊さま小説に各々題名がつけられて、整理されています。
もう落ちて見れないと思っていたから、昨日見つけたときすごく驚いたのと、
嬉しさで、これ作った方にとてもありがとう!って言いたいと思いました。
皆さんもう知ってるかな?ぜひ見られてない方、見てみてください。
作った人、ありがとうございます。
↑ 菊さまの後輩の方が書かれたブログです。
菊さまの日常が伺えて、なかなか面白い内容です。
>>67 そ、そんなの知らなかった!ありがとう!
にくちゃんねる閉鎖されて読めなくなって勿体無いと思ってたけど・・・
ここの住人さんが作ったんだね。管理人さんありがとう!
やっぱりこのスレの人たちみんな大好きだわ!
>>67-70 ありがとう。こんなまとめサイトがあっただなんて!
なんで作ってくれた人ここにURL載せてくれなかったのさ!
67さんが教えてくれなかったら知らないままだったよ。
あの名作股間騒動と東京タワーがまた読めるだなんて嬉しい。
作ってくれた人ありがとう!
>>67 トイレットペーパー読んだらうけた。
ポッドキャスト聞いてなきゃ意味わからないんだろうけど…。
74 :
名無しさん:2007/02/20(火) 21:09:43
>>72 自分もその二作好きだw
こうして見ると意外と沢山作品があったんだね。
作家様、管理人様ありがと!
45回のpodcastで、山田君が菊地君の家に遊びに行って布団にくるまりながら話をした
って一言が忘れられない
さすがゲイコンビ!
菊さまから夕方電話で呼び出しがありましたので、菊地邸へ急ぎました。
ご自宅にお邪魔すると菊さまが台所でなにやら作業をしておられました。
「菊さま、何かお料理されるんですか?」
「ああ、スパゲティー食べたいんだ。手伝ってくれ。」
私は言われるまま、パスタをゆでようとしました。
しかし、ものすごい量です。どうみても2人分の量じゃない。
「菊さま、量が多すぎると思いますが、いいんですか?」
「ああ、いいんだよ。」
いいっていうから私は全部ゆでました。
菊さまは、大きなボールに美味しそうな辛子明太子を入れていました。
「菊さま、それ美味しそうですね。高いんですか?」
「そうでもないよ。よしこれぐらいにして、次は・・・。」
すると、菊さまは業務用と思われるマヨネーズを出して明太子の入ったボールに
入れようとしました。
「ちょっと菊さま、マヨネーズそんなに入れるんですか?まってください。」
私は菊さまを静止しようとしました。
「うるさい!全部入れるんだい!」
「き、菊さま。いくらなんでもものすごいカロリーですよ。体に悪いからやめてください。」
「やかましい!食べたいもの食べて何が悪いんだ!俺の勝手だろ!」
そういうと菊さまは私を突き飛ばしました。
おもいっきり突き飛ばされ吹っ飛んだ私でしたが、頭にきたので、すぐに菊さまに
しかえししました。すると、菊さまはマヨネーズを持ったまましりもちをつき、そこらじゅうに
マヨネーズが飛び散りました。
ヨーロッパ調にコーディネートされている台所がマヨネーズだらけになりました。
もちろん、菊さまの服やら顔にもマヨネーズが飛び散りました。
「おまえ!何してくれるんだ!ぶっ殺す!」
そう言うと、菊さまは立ち上がろうとしましたが、マヨネーズの油で滑って、こけてしまいました。
「菊さま、天罰ですよ。だいたい1キロもあるマヨネーズを全部使おうとするなんて異常です。」
「うるさい!テレビでやってたのをまねしたかったんだ。邪魔するな!今すぐマヨネーズ
買ってこい!」
「それはできません。こんな体に悪いもの、菊さまに食べさせられません。」
「うるさい!食べるって言ったら食べるの!」
まったく、言い出したら聞かない人だから。でも菊さまの体を思って私は菊さまに言い放ちました。
「自分の体を大事にしない人、嫌いです。ものには限度ってものがあります。
食べたいから食べるって、動物じゃないんですよ!人間だったらもっと考えて行動するべきです。
それとも菊さまはそんなことも分からないような馬鹿な人なんですか?だったら私はそんな人とは
一緒に居たくないです。」
菊さまはかんかんになって怒りました。
「だったらもう帰れ!お前なんかもう顔も見たくない!」
そういうと、空になった大きなマヨネーズの容器を私にぶつけました。
わたしのお腹に思いっきりあたりました。痛かったけど私は我慢して、菊地邸をあとにしました。
私は家に帰って、鏡でお腹を見てみました。ものすごく赤くなっていました。
「あーあ痛かった。ちょっと冷やしたほうがいいかな?」
私は台所でアイスノンを探しました。
「あら、なに探してるの?」
「ああ、アイスノンある?」
「あるけどどうしたの?」
「ちょっとね、お腹痛くて。」
「お腹いたいんなら温めなきゃ?」
「いや、打ったんだよね。」
私は母に腹を見せました。
「まあ、どうしたの一体?」
「実は・・・。」
私は事の顛末を母に話しました。
「まあ、菊地さんも乱暴ね。でもなんでそんなにたらこスパゲティーを大量に食べたがるのかね?
あの人痩せてるのにそんなに食べるの?」
「うん、大食いの気があるみたいよ。で、テレビで大食いやっててそれに感化されたみたい。
大量のスパゲティーゆでてたもん。たぶん5袋分ぐらいあったと思う。」
私はアイスノンでとりあえず冷やしてみました。ああやっぱり冷たい。
「お腹は大事なんだから、まったく今度菊地さんが家に来たら一言言わなきゃね!」
母が怒っていいました。
「でもお母さん、もう来ないと思うよ。だってもう絶交したようなもんだもん。」
私はお腹が痛かったけど、もっと痛くなっているところがありました。
心がなんだか痛い、そして菊さまを失った悲しみが襲いました。
そのころ秀規は、パスタをゆで終え、台所のマヨネーズの汚れをふき取っていました。
「くそーあの女め!ぜったい許さない!」
秀規はいらだっていた。せっかくお腹をすかせて大量のたらこスパゲッティーを食べる準備
をしていたのに、あの女が全部邪魔した。秀規はそう思い込んでいた。
片付けて、服についた汚れも落とし、秀規はマヨネーズを買いに行った。
そして、念願の1キロ分のマヨネーズをボールに落とし込み、隠し味にしょうゆも入れて
濃厚な明太子のソースを作った。
そこへ先ほどゆでたパスタ1.5キロ分を入れまぜた。
「ふふふ、美味しそうなパスタができたぞ!いただきまーす。」
ボールに入れたままスパゲッティーにかぶりつく秀規。それはもう、腹をすかせた獣が餌にかぶりつくような
姿であった。くちゃくちゃ音をたて、そこらじゅうに食べかすをこぼし、汚くしていた。
とりつかれた様に貪り食う秀規は、もうそれはそれは浅ましかった。
30分でそれを食べ終えた秀規の腹は膨れ上がっていた。
「あーあ食った食った!食べたら眠くなってきちゃった寝よう!」
秀規は彼女のことも忘れてうとうとと眠りについた。
秀規は満腹感で深く幸せな眠りについたが、暫くして酷い気持ち悪さで目が覚めた。
「おぇっ気持ちわりぃ。おぇー!」
秀規はベッドの上に吐いてしまった。
「・・・ヤベッ腹いてぇ!」
秀規はトイレに駆け込んだ。
秀規は大量のマヨネーズのせいで体調を崩し、吐き気と下痢が止まらなかった。
「おぇー!げぇげぇ・・・はぁはぁ・・・」
吐き過ぎて苦しい・・・こんな事になるならアイツの言う事聞いておけば良かった。
秀規は便器を抱えながら途方に暮れた。
その頃○○はベッドの上にいた。
はぁ・・・もう会う事はないのかなぁ。会いたいよ・・・でもあれは明らかに菊さまが悪い。
もしこれからも付き合っていくとしたら、毎回意見の衝突になると思う。
菊さま変人だからなぁ。でも変人な所が好きなのも事実。
放っておけば良いのかも知れないけど、菊さまの事心配だし。
何とか上手く付き合っていけないだろうか?
あっ!そうだ!私は急いでスーパーに向かった。
・・・あったー!
これは理研のマヨネーズタイプの調味料。今月発売されてたのだ。
これなら油も卵も未使用だし、これを菊さまプレゼントして仲直りしよう!
私はその足で菊さまの家に向かった。
ガチャッ
「菊さまー私ですけどー!」
返事がない。やっぱりまだ怒っているのかしら?私は別に悪くないのに。
でもここは私が大人になって謝ってあげなきゃ。
「菊さまー失礼しますよー!」
私は部屋に入ると酸味のある臭いがした。何この臭い・・・?
菊さまは部屋にいない。
部屋に残されていたものは食いカスと汚い皿。
そして・・・な、何あれ!?
私の目にはベッドの上にある嘔吐物が映った。
臭いの原因はこれか!何でベッドの上にゲ○があるのよ。気持ち悪い。
って事は菊さまが吐いたの?具合が悪いのかしら?
「おぇー!」
菊さまの声だ!
「菊さまーどこにいるんですかー?」
私は捜し回ってトイレのドアを開けた。
「菊さま、大丈夫ですか?」
「・・・げぇげぇ・・・気持ち悪い。」
「何があったんですか?風邪ですか?」
「・・・マヨネーズ食い過ぎた・・・」
「ぷw私の言う事聞かないからですよw自業自得ですね!w」
「お前・・・笑ってんじゃ・・・ねぇよ・・・」
菊さまはかなり衰弱しきっていた。
「もう。本当馬鹿なんだから。」
私は菊さまの背中を擦り菊さまを楽にさせた。
「・・・はぁはぁ。大分マシになってきた。」
「良かったですね。じゃあベッドで休みましょう。立てますか?」
「あぁ。」
私は菊さまを支えながら部屋に入った。
あっ!今ベッド汚れてたんだった!
「菊さま、ベッドの替えのシーツどこにありますか?」
「・・・分からない。」
菊さまは床に寝転がる。
「ちょ、そんな所で寝たら風邪引きますよ!」
私は屈んで菊さまの顔を覗き込むと、
菊さまは私の腰を掴みお尻や太ももの辺りを弄り始めた。
「キャッ!ダメです!!具合悪いんでしょ!」
「おとなしくしろ!」
「イヤー!ダメー!」
「・・・よいしょ・・・ふぅ落ち着く。」
菊さまは私の膝に頭を乗せた。
「へ?菊さまもしかして膝枕してほしかったんですか?」
「うん。」
「それならそうと言って下さいよ。でも菊さま、先に着替えましょうか。
服汚れちゃってますし気持ち悪いでしょう?」
「このままで良い。」
嘔吐物がついた菊さまに膝枕するのは抵抗があったので
着替えさせようとしたが、菊さま激しく抵抗する。
うぇ〜ん、このスカート買ったばかりなのにー!しかも臭いよー!
変態作家様kitrー(゚∀゚)
「○○愛してるよ・・・」
衰弱した菊さまはそんな事を弱々しく言う。
本当困ったさんだけどこういう所が可愛いかったりする。
「私も愛してますよ。」
私は菊さまの髪を優しく撫でた。
「うっ腹いてぇ・・・」
「大丈夫ですか!?」
私は菊さまのお腹を優しく擦る。
「あぁ・・・落ち着いてきた。人の温もりって良いものだな。」
菊さまは私のお腹を擦り始めた。
「痛いっ!!!」
「えっ!?何で!?」
「・・・菊さまさっきマヨネーズの容器を私のお腹に投げたでしょ。
もの凄く赤くなっちゃいましたよ。」
「ごめん・・・本当ごめん。」
「もう良いですよ。でも約束して下さい。もっと自分の体を大事にするって。」
「分かった。約束する。本当ごめんな。」
私は菊さまに水分補給させ、暫くして菊さまは私の膝の上で寝てしまった。
もう!寝ちゃったの?私寝れないじゃない!今夜は徹夜かぁ・・・。
でも菊さまの寝顔や寝息、体温・・・こんなに近くで感じられて幸せ・・・。
翌朝私はそっと菊さまの頭をそっと退かし、シーツの洗濯と朝食のおかゆを作った。
「ん・・・○○おはよう。」
「おはようごさいます。具合どうですか?」
「うん。戻ったみたい。」
「良かった!おかゆ食べますか?」
「うん。」
「モグモグ。米の甘味が感じられるな。マヨネーズなんかよりずっと美味しい。」
「そうでしょう。あっ!でも私、昨日マヨネーズタイプの調味料買ってきたんです。
これは油も卵も未使用なんですよ!マヨネーズが食べたくなったら使って下さい!」
「そんなのいらねぇよ!バカヤロコノヤロオメェ!」
「は?」
「もうマヨネーズは懲り懲りだ。」
菊さまは涙目で言った。
「ぷwあっでも今回の事はネタになるんじゃないですか?
ポッドキャストの下げ株で話して下さいよw」
「んな事言うか!恥ずかしいだろ!」
「恥ずかしいって菊さま普段から恥ずかしい事言ってるじゃないですか。」
「それでもこの話はしない!この事は忘れる!お前も忘れろ!」
菊さまは顔を真っ赤にして怒っていた。
数日後秀規はポッドキャストの収録に行った。
リスナーからのメールをチェックする。
山田さん菊地さんこんばんはーw
私の彼氏は菊地さんにそっくりで凄く細いんですーw
それなのにこの間彼氏が5袋分のスパゲッティーにマヨネーズ1キロと
明太子を掛けて完食してお腹壊して吐いてましたw
そんな馬鹿な彼氏が下げ株でーすw
菊地さんは同じような経験はおありですか?w
何だ?この馬鹿みたいな文章は。しかも俺と同じ事する人がいるんだ。
これは何か縁がある!今日はこれを読もう!
しかし時間の都合で読めなかった。残念だなー。
収録が終わり、帰り道○○に電話を掛けた。
「もしもし。」
「おー!俺だけどさ!今日ポッドキャストの収録で凄いメールがきてさ・・・」
「あー、これからポッドキャスト聴くんでネタバレはやめて下さいよ。」
「いいから聞けって!俺と同じ人がいたんだ!」
「は?」
「リスナーの彼氏が5袋分のスパゲッティーにマヨネーズ1キロと
明太子掛けて食ってお腹壊して吐いたんだって!これって凄くない?」
「ぶはははは!w」
「なぁ、凄いだろ!?」
実はこのメールを送ったのは私なのですw
「ははは!wヒーヒーwそんな馬鹿な人が菊さま以外にいるんですね!w
彼女さん大変ですね!w」
「俺はこのメールに感動したのに、何でそんな笑ってんだ!殺すぞ!」
「ぶはははは!wヒーヒーw」
感動だってwやっぱり菊さま馬鹿だ!w
「・・・まさかこのメール送ったのお前じゃないよな?」
「ギャハハハ!wち、違いますよ!w」
「本当か?もしお前だったらマジで殺すぞ!バカヤロコノヤロオメェ!」
「あはははwち、違いますって!www」
終わり
90 :
名無しさん:2007/02/23(金) 23:28:34
久しぶり、ブラボー!
お帰りなさいませ。
変態作家様は理研の社員だったのか。新商品の宣伝乙w
これは理研のマヨネーズタイプの調味料。今月発売されてたのだ。って言ってんじゃねぇぞ、バカヤロコノヤローメ!
コーノヤローメ、さり気なく宣伝してんじゃねーぞ、バカヤロコノヤローメ!
これは理研のマヨネーズタイプの調味料。今月発売されてたのだ。って言ってんじゃねぇぞ、バカヤロコノヤローメ!
コーノヤローメ、調べたら去年の2月に発売されてるじゃねぇか、バカヤロコノヤローメ!
ワロタw
秀規は体調をほぼいつもどおりに戻していた。
「あいつとこの間食事できなかったから、食事に誘おう。」
秀規は彼女に電話してみた。
「もしもし、俺だけど。」
「ああ菊さまこんばんは。なんか用ですか?」
「この間のスパゲティー騒動のお詫びに食事しないか?」
「いいですけど、いつですか?」
「明日の夜どう?」
「あっ、すみません、明日は用があるから。他の日にしてくれませんか?」
「じゃあ、あさっての夜は?」
「いいですよ。じゃあどこ行きますか?」
「俺のほうで決めとくよ。じゃあ当日のお楽しみということで。
愛してるよ、おやすみ!」
「はい、愛してますよ菊さま、おやすみなさい。」
秀規は電話を切り、ルンルン気分でお店選びを考えていた。
久しぶりのデート、どこにしよう。彼女が喜びそうなところがいいな。
いつも自己中な秀規であったが、愛している彼女のためなら優しくなれる。
自分でも知らぬ間に優しい感情が湧き出ていることに少しとまどっている。
だけどこれが今の本当の気持ちなんだ。これが愛ってことなのかな?
秀規は彼女のことを想いながら心地よい眠りについた。
翌日、私は仕事を終え美術館に向かおうとしていた。
実は用というのはこの美術館。前から行こうと思ってて前売り券は買っていたんだけど、
今日が最終日。すっかり忘れてて、あわてて最終日の今日行くことになった。
会社を出ようとすると、会社の先輩社員に呼び止められた。
「○○さんお疲れさま。」
「××さんお疲れ様です。」
「あれ、帰る方向違うようだけど・・・。」
「ああ、はい、今から美術館に行かないといけないんです。」
「そう、方向途中まで一緒だね。」
私たちは途中まで同じ方向へ歩いていくことになった。
そのころ秀規は昼から家に遊びに来ていた事務所の後輩と一緒に夕方の街へ繰り出していた。
夕飯を食べるためにである。
「確か、ここら辺だって言ってた様な・・・。」
秀規は彼女の勤めている会社がここら辺だったようなことを言っていたのを
思い出していた。でもビルがいっぱいありすぎてどれがどれだか分からなかった。
「菊地さん、焼肉屋さんもうすぐですか?」
「ああ、あと2,3分だと思うんだけど・・・。あれ???」
秀規の視界に愛しい彼女が飛び込んできた。
その隣には背の高い遠目に見て男前の男が一緒に歩いている。
二人は笑顔で楽しそうに喋りながら歩いていた。
「まさか、今日のデート断ったのって・・・・。」
秀規は疑心暗鬼になっていた。
秀規は急に方向転換して二人の後を追うことにした。
「き、菊地さんどこ行くんですか?」
「ごめん、ちょっと知り合いが見えたから、ごめんけどついて来てくれ。」
秀規は後輩を引きつれ、彼女の後を追った。
しかし、信号にひっかかり、二人の姿を見失ってしまった。
「くそー、だめだ。」
秀規はとてもあせっていた。なんだか、あのままもう彼女と会えなくなるのではないかと
思っていた。他の男と一緒にいる姿を見せられたことがとてもショックだった。
「ごめん、見失ったみたい。連れまわしてごめんな。さあ、店に行こうか。」
後輩を連れ、目的の焼肉店へ向かった。
そのころ私は××さんとは別れ、美術館へ入っていきました。
携帯の電源を切り、入場券を出して、楽しみにしていた展覧会場へ入っていきました。
まさか、菊さまが私を疑っているとも知らずに・・・。
秀規は焼肉を注文すると、すぐトイレに行った。
「あいつに電話してみよう。」
いてもたっても居られなかった。電話してみた。
「留守番電話サービスです。・・・・」
「くそー!なんで出ないんだ。ていうか出られない状態なのか?」
ますます疑心暗鬼に陥っていく。もう一回電話してみた。
また留守電。仕方ないからメッセージを入れた。
「話がしたい。すぐ電話くれ。」
秀規は鏡に映る自分を見た。自分でも動揺しているのが分かる。
せっかく気の合う後輩と楽しく食事をしようと思っていたのに。
あの女のせいで気分が台無しだ。でもせっかくついてきてくれた後輩に申し訳ないから、
いつもどおりで居なければならない。秀規は平静を装い、席に戻った。
冷静さを保ちつつ後輩と焼肉をつついていた秀規は、こみ上げる苛立ちを
抑えるために酒をあおった。いつもはゆっくり飲むのにハイピッチである。
「菊地さん、今日ペースはやくないですか?大丈夫ですか?」
「ああ、今日は飲みたい気分なんだ。」
飲みながら彼女のことをしばし忘れるため、大好きな音楽の話や趣味の話をした。
でも頭からあいつのことが離れることはなかった。そんな秀規を様子を察した後輩が
「菊地さんさっき道歩いてた時から様子が変わった気がしますけど、追いかけてた人と
何か関係あるんですか?よかったら話してください。」
「ああ、別になんでもないよ・・・。」
「なんだか水臭いなあ。俺でよかったら相談にのります。年下だけど・・・。」
そういわれて秀規はこのまま黙っているのも苦しいので話すことにした。
「実は・・・、さっきの俺の彼女なんだ。」
「えっ!菊地さんって彼女いるんですかー!いつからですか?」
「うーん、去年の後半ぐらいからかな?」
「へーえ、びっくりしたなー。なんでもっと早く教えてくれなかったんですか?
何回も飲みに行ってましたよね俺たち。」
「うん、言おうと思ってたんだけど、わざわざ言うほどでもないかと思ったりして・・・。」
「で、さっき追いかけたのって何でなんですか?」
「実は、なんか知らない男と一緒に歩いてたから、すごく気になって・・・。」
「浮気してるってことですか?彼女って一般人ですか?」
「ああ、OLしてる。」
「じゃあ、同僚とか会社の人の可能性ありますよね。電話して確かめたらどうですか?」
「さっき電話したけど留守電なんだ。」
「そうですか・・・。」
「もうしばらくしたら、もう一回かけてみたらどうですかね。もしかしたら
携帯の電源切らないといけないところにいるのかもしれないし。」
「そうだな。そうしてみるよ。ありがとう。」
「いいえ、でも今度紹介してくださいよ。あーあどんな人なんだろう。会って見たいなあ!」
「www会ったらがっかりするぞ!すっげー不細工だもん。」
「えー嘘でしょう。また冗談を。写真とか持ってないんですか?」
「あるよ、ほれ!」
秀規は携帯で撮った彼女の寝顔を見せた。
これには後輩も黙ってしまった。
「うーん、写り悪いですよね。これじゃあよくわかんないな。今度生で会わせて下さいね!」
「そんな、見るほどじゃないって。目が腐るぞ!」
「そんなことないでしょう。菊地さんを惚れさせる女性なんてそうそういないと思うから。
絶対あってみたいです。」
焼肉を一通り食べて満足した秀規たちは店を出ることにした。
会計はもちろん秀規が済ませた。そして、隣町でラーメンを食べることにした。
美味しいしょうゆラーメンのお店。秀規の行きつけのお店だった。
注文して待つ間、秀規はまた電話してみた。だがまだ繋がらない。
「くそー!あのブス、どこで何やってんだか!」
「もしかしたら映画でも見てるのかもしれませんよ。だったらまだまだ時間かかるかも。」
「そうかなあ。」
秀規は後輩の意見のとおりだったらいいのだけど、もしそうでなかったらと考えた。
もし俺を裏切るようなことをしていたら・・・。そう考えると頭がおかしくなりそうだった。
ラーメンが出てきたので、嫌な思いをかき消すかのように貪り食った。
そのころ私は菊さまのことなどすっかり忘れて、美術鑑賞を楽しみ、一通り
絵画を見て回って非常に満足しておりました。
そして、売店でおみやげとして絵葉書を選んでおりました。
「わー、これもあれもほしい。」
こういうの選ぶのとっても好きな私は時間がたつのも忘れて夢中で選んでおりました。
一人だけどすごく充実した楽しい時間。そのうちお腹が空いていることに気づき、美術館の
喫茶室で、サンドイッチと紅茶を頼みました。
夜の美術館の中庭を見ながら紅茶をいただく。植木に青色の電飾が飾ってあって、幻想的な雰囲気です。
昼間見るのとは違う空間を楽しみながら、私はとても癒されていました。
「やっぱりきてよかった。」
私は、とても満足しておりました。
そもそもなぜ美術鑑賞に興味を持ち始めたのか?もっと若い20代前半ごろは
まったく興味ありませんでした。学生時代美術が得意だったわけでもなく、どちらかと
言えば、小学生の図工の時間なんて大嫌いだった私です。どちらかといえば音楽の方が
得意でした。
しかし、大人になって楽器を触ることも無くなり、なにか他に趣味を持たなくては?と考えていた時、
友達から美術鑑賞に誘われました。
最初は適当に見て回るつもりだったけど、とても綺麗な絵や、解説に書いてある作者の思いを読みながら
絵を見ていると、美術鑑賞も悪くないと思い始めたのです。絵を習ったりするのは大変そうで入り込めそうに
ないけど、美術鑑賞なら私でもできると思いました。それに、なんといっても日常から解放されたような気に
なれて、ストレス解消にもなるなって思いました。
それと、菊さまに出会ってからは、菊さまみたいに感性豊かな人間になりたい!菊さまに少しでも近づきたいと
いう思いも働きました。だからますます美術鑑賞にはまるのです。
秀規はその頃、ラーメンを食べ終えていた。
「おい、まだ腹がいっぱいにならないから次すし屋にいくぞ!」
「えー!わ、分かりました。」
一体この人の胃袋どうなってるんだろう?でもおごりだからまあ、いっか。
後輩はもう、いいかげんお腹一杯になっていたが、大好きな先輩についていくことにした。
歩きながらまた彼女の携帯にかけまくる。
「また留守電だ。くそー!あのブタめ!なにやってんだ!」
「菊地さん、もうちょっと待ってみましょうよ。おすし屋につく頃には
もしかしたらかかってくるかもしれませんよ。」
「もしかかってこなかったらどうする?お前責任とるか?」
「そんなー。責任とれませんけど、待ってみましょうよ。」
まったく困った人だ。でもこういうところが面白いんだけどな。
そして二人は、すし屋に着いた。
「とりあえず、日本酒、あとは任せます!」
もう秀規はだいぶ酔っ払っていた。まだ酒をあおるつもりだ。
「くそーあの女まだか!俺をこんなに待たせるなんて100年早い!」
「菊地さん酒癖けっこう悪いなー。いつもはもっとスマートにお酒飲むのに・・・。」
「うるさい!お前俺に説教する気か?」
「いいえ、なんでもありません!」
そのころ私は、喫茶室で会計を済ませ、トイレに行きました。
「あっ携帯が鳴ってる。」
でも用をたしていたので出ることができませんでした。
トイレから出てロビーに座り、携帯を確認しました。
「わー、菊さまから何回もかかってる。おまけに留守電もはいってる。」
聞いてみると、回数が多くなるごとに菊さまの怒ったような声が録音されておりました。
「なんで怒ってるんだろう?とりあえずかけてみよう。」
pipipipi・・・・。
秀規の携帯が鳴った。
「もしもし、お前今どこだ!」
「もしもし、何かあったんですか?私今○×美術館にいます。」
「美術館?それ本当か?お前男と一緒にいるんじゃないのか?」
「は?何わけの分からないこと言ってるんですか?馬鹿じゃないんですか?
私は今日最終日の展覧会があって、それを見にきたんですよ。」
「電話では何とでも言えるよな。お前嘘つきだし。」
「え?なんでですか。私本当のこと言ってるのに、信じられないんですか?」
「お前が男と歩いてるの見たの!証人もいるぞ!」
「私そんなの知りません。」
「夕方お前歩いてただろう。会社の近くだ!」
「それは、多分会社の先輩のこと言ってるんでしょう。私はその人と途中
で方向違うから別れて美術館に入りました。うそだと思うんなら着て下さい!」
「お前誰に向かって言ってんだ!なんで俺がそっちにいかなきゃならないんだ!」
「じゃあ、来なくてけっこうです!もう切りますよ。菊さま酔っ払ってるでしょう。
酒癖わるいんだから。介抱しに来いっていっても行きませんよ!」
「ふん!来なくて結構!お前なんか大嫌いだ!ガチャ!」
まったくなんなんだこの人は。何か勘違いしてるみたいだった。
私は少し気分を害しましたが、いつまでも菊さまの電話にこだわっていてもしょうがないので
家に帰ることにしました。
「菊さまなんで私の会社の近くにきたのかしら?」
そう考えながら私は地下鉄に揺られ、家路につきました。
電話を切った秀規は酒を飲み干し、寿司を食いまくった。
「菊地さん、彼女さんと電話つながったみたいですね。どうでした?」
「あのブス、ぜったい何か隠してる。おい、お前ももっと飲めよ!」
「いいえ、もう、僕はいいです。お腹もいっぱいです。そろそろ帰りませんか。」
「そうか、じゃあ、そろそろ行くか。」
そういうと、立ち上がったが、ふらふらして立っていられない。
後輩に支えられて帰る秀規であった。
なんとか帰った秀規は、また家についても酒をあおっていた。
「あの女、なんで俺をこんなに苦しませるんだろう。くそー。」
泥酔しきった秀規は、床につっぷした。
完全に酔いつぶれて寝てしまった。
1時間後、秀規はついうとうとしてしまったが、なんだか気持ち悪くなって
起きた。
「うえー、すごく気持ち悪い。」
トイレに駆け込むとおもいっきり吐く。今日食べたもの、飲んだもの全部が口から
出ていく。ついこの間もこんな目にあったばかりなのに。ついてないなあ。
脂汗をかきながら秀規は一晩中吐き続けた。
翌朝、目が覚めた秀規は、便器を抱えたままだった。
「あー、ひどい夜だった。」
脱水状態になっているので水を飲み、ベッドに横になった。頭が割れるように
痛い。
「あーあ、なんでこんなことになったんだっけ?」
昨日のことがよく思い出せないでいる秀規であった。
私はその日、会社で仕事をしながら菊さまのことを思い出していました。
昨日はなんか喧嘩みたいになってしまったけど、今日は食事に行く約束をしてたから
きっとそこで仲直りできると思いました。あっ!でもどこで食事するか聞いてなかったから
電話しなければ。
昼休憩、私は菊さまに電話してみました。
pipipipi・・・。
秀規の携帯が鳴った。
「うー、うるさいなあ。誰だ?あっ!あいつ。出てやるもんか!」
秀規はうるさいので携帯を切った。
「あれ?ブチッて切れた。わざと切ったのかしら。もう一回かけてみよう。」
彼女はもう一度かけてみたが、今度は電源がきれているのでかかりませんとなった。
「菊さま、どうして電源きるんだろう。これじゃあ連絡しようがない。」
夕方、彼女はもう一度連絡してみた。でもまたかからない。
「どうしたんだろう。今日仕事なのかな?直接家に行ってみようか。」
彼女は会社を足早に出て、菊地邸へ向かった。
私は菊地邸に着きました。インターホンを押しても菊さまは出てきません。
仕方ないので、合鍵でおじゃますることにしました。
「おじゃましまーす。」
真っ暗なので多分でかけてるんだろう。私はコートとかばんをリビングに置き、
菊さまを待つことにしました。携帯繋がらないんだからここで待つしかないと思いました。
テレビをつけて、台所でお茶を沸かして、私はしばし待つことにしました。
「あっ、トイレいきたくなっちゃった。」
私はトイレを借りるためトイレのドアを開けました。
すると、一瞬心臓が止まるかと思うくらいびっくりしました。
そこには菊さまが床に座り込んでいたのです。
「き、菊さま、いらっしゃったんですか?もーう、びっくりするじゃないですか!」
びっくりしてまくしたてる私に菊さまは苦しそうに返事されました。
「・・・うるさい。すごく苦しんだからあんまり大声だすな。頭に響くじゃないか。はあ、はあ・・・。」
すごく苦しそうで、顔色もものすごく悪くなっている菊さま。
「菊さま一体どうされたんですか?気分悪いんですか?」
「全部お前のせいだ!謝れ!」
「えっ!急になんなんですか?なぜ私のせいなんですか?」
すると菊さまはふらふらと立ち上がられ、リビングまで這うように進まれました。
私は菊さまをなんとか起き上がらせ、支えて、ソファーに寝かせました。
「はあ、水持ってきてくれ・・・。」
菊さまは力なく言われました。
私は急いで水を汲み、菊さまに飲ませました。
「菊さまどうしてこんな状態になられたのか説明してください。」
「うるさい!昨日のお前の行動のせいで、俺の心は・・・。」
菊さまは喋るのをためらわれました。
「はっきり言ってください。分からないじゃないですか!」
「うるさい。あんまり大声だすな!頭が割れるように痛いんだから・・・。」
「すみません・・・。」
私は声のボリュームを落として、菊さまにお願いしました。
「お願いですから、わけを話してください。」
菊さまは苦しそうな表情のまま話されました。
「お前が他の男といるのをたまたま見たせいで、俺はものすごく腹たったの。
自分でも信じられないぐらいお前に嫉妬したんだ。それで酒のみまくって、
焼肉、ラーメン、寿司を次々と食べて、帰ったらこんな状態になったってわけ。
どうせ馬鹿な男だと思ってんだろうけど・・・。全部お前のせいだ!」
力なく吐き捨てられたその言葉。私はとても悲しくなりました。
「菊さまの思い違いです。たまたま会社出る時に会社の先輩も帰られるところで、
二人の行く方向がたまたま一緒だっただけなんです。それにその先輩は結婚されてるし、
私そんなにもてませんから、安心してください、菊さま。」
「なんで美術館に行ったんだ。別に昨日行かなくてもいいじゃないか。」
「前から行きたかった展覧会で、前売り券買ってたの忘れてて、昨日が最終日だから
絶対行かなきゃならなかったんです。」
「ふん、そんなの信じられない。」
菊さまは苦しそうに大きく呼吸されました。
嫉妬深い菊さま。菊さまがこんなにも私に対して執念深く、嫉妬深かったなんて
びっくりしました。私は、菊さまに信じてもらうため、財布から昨日の美術館の半券と、
喫茶室のレシートや売店のレシートを見せました。
「菊さま、絵を見た後、売店で結構長い時間絵葉書選んでたんです。その後喫茶室に入ったから、
大分時間かかってます。携帯見るの忘れてたから余計菊さまを待たせることになったんだと思います。」
「ふん、レシートなんて二人で行っても、1人ずつ出してもらう事だってできるぞ。」
もう!どうしたら分かってもらえるんだろう。私は悲しくなって涙が出てきました。
「女はすぐ泣いてごまかせるからいいよな!だまされないぞこの尻軽女め!」
菊さまは弱弱しく吐き捨てられました。
私は涙が止まらなくなりました。
「うぅ・・・。き、菊さま、何で分かってくれないんですか?」
私はしゃっくりも止まらなくなってきました。
秀規は実はもう彼女への誤解は解けていた。
じゃあなぜ許さない?それは、彼女のこと好きだから、いじめたくなる秀規の中の
悪魔がそうさせたこと。
でも次の彼女の言葉で秀規は目が覚める。
「菊さま、私がなぜ美術に興味があるか分かりますか?昔は興味なんてなかったけど、
友達に誘われて興味持つようになったんです。そして、菊さまに出会う前、菊さまの
悲しい時の絵を見て菊さまに興味もつようになった辺から、美しいものにもっと触れたいって
いう気持ちが沸いてきたんです。菊さまに出会ってからも益々その気持ちは強くなりました。
私は菊さまの豊かな感性に少しでも近づきたかったんです。
だって、菊さまは、たった一人自分と同じ感性を持った人と結婚したいって本に書いてたから・・・。」
彼女の言葉に嘘は無いと思った。秀規は内心とても嬉しかった。
自分の影響で彼女が美しいものに触れたくなったという。
秀規はゆっくり起き上がり、彼女を抱きしめた。
「悪かった、お前のこと本当はもうとっくに信じてた。」
「菊さま、じゃあなぜ私を試すようなことを・・・。」
「それは、おれが人一倍あまのじゃくだから・・・。お前だってそうだろう?
でも今のお前の気持ち聞いて、反省した。ごめん。」
「菊さまー!」
彼女は秀規を力いっぱい抱きしめ返してきた。
秀規は彼女の柔らかい髪を心を込めてなでた。
「ありがとうな。お前が俺と同じ感性になりたいって思ってるって知って
とてもうれしい。泣かしてごめんな。」
秀規は彼女に厚いキスをした。彼女は素直に秀規を受け入れた。
彼女の目から涙が溢れていた。秀規は自分の服の袖で涙を拭いてやった。
「そういえば、菊さま、今日食事に行く約束。どうするんですか?」
「ああ、俺食欲ないわ。それに頭まだ痛いんだ。」
「どうしますか?病院いかれたほうがいいかも。夜間の外来で行きますか?」
「二日酔いで病院いく奴いるのか?今日はおとなしくしてるよ。明日仕事だけど
明日までには治るかな?」
「じゃあ、おもゆでも食べますか?あと、ポカリスエットとか。」
「そうしようか、そういえば風呂にも入ってなかった。下着も着替えてないし。」
「じゃあ、お風呂の支度します。」
私は菊さまと仲直りできたのが嬉しくて、甲斐甲斐しく菊さまのために
動きました。
お風呂を沸かして、おもゆを作って、ポカリスエットも作って、あと、トイレ掃除もしました。
そして菊さまのベッドに湯たんぽをいれ、温めました。
菊さまはおもゆを食べられ、水分補給をされたあと、風呂に入られました。
私も残りのおかゆをいただきました。
しばらくして菊さまが風呂からあがられました。
「菊さま、明日どのスーツ着ていくんですか?」
「ああ、そこのロッカーの中にあるの出してくれ。ネクタイは赤い水玉のやつ。」
私は洋服を用意し、明日履いていかれる靴も磨きました。
菊さまがベッドの中に入られました。
菊さまは石鹸のいい香りがしました。
私は思わず菊さまの頬にキスしました。
「どうしたんだ?」
「どうもしません。ただ菊さまとてもいい香りがするから。」
そういうと私は菊さまに思いっきり抱きつきました。
「ごめん、頭痛いから寝かせてくれないか?また今度、思いっきり抱きついてくれ。」
「すみません。さあ、早く今日は寝てくださいね。」
私は菊さまから離れました。そして菊さまが言いました。
「今日は来てくれてありがとう。お前のこと本当は守ってやらないといけないのに、
困らせるようなことばかりしてごめんな。今度ちゃんと食事に行こうな!」
「菊さま、もう無茶な暴飲暴食しないでくださいね。本当にあなたの体が心配です。
じゃあ、私帰りますから。おやすみなさい。」
「おやすみ、○○。愛してるよ。」
菊さまは私に軽くキスしてくださって、眠りにつかれました。
私は静かに菊地邸をあとにしました。
「今度デートする時は、思いっきりおしゃれして、素直な女の子でいよう。
そして菊さまにおもいっきり甘えるんだ。」
夜空には、綺麗な星が光っておりました。
おわり
>>67のwikiを作った者です。
私は作家様の小説が大好きで、前スレが1000越える前に何とか形に残したいと思い作りました。
初めてのホームページ作りで試行錯誤し、何とか形になった時に、
作家様に許可をとるのを忘れていた事を思い出しました。
作ってしまった後に許可をとるのもおかしい気がして何度も消そうと思いましたが、
作家様の素晴らしい小説を消してしまうのも勿体なくて消せず、報告も出来ずにいました。
作家様、勝手な事をして本当にごめんなさい。もし嫌でしたらすぐに消しますので言って下さい。
一応今日5作品うpしました。
>>118さまへ
あなたが作ってくださったんですね。とてもうれしいです。
許可とるほどのものじゃないので気にせずこれからも載せていってください。
といってもどんどん載せれるほど書けるかわかりませんが・・・。
官能小説家さま、いいですよね?
46回のポッドキャスト、菊様の声がちょっとHぽかったな…。
つい、菊様の声に萌え〜
菊地様のセクシーボイスで(*´д`)ハァハァ
エンタに出演中のたいがーりーを菊地様が代わりにやったら絶対「リンリン♪」しちゃうお(;´Д`)ハァハァ…
>>122 想像してみたけどなーんか違うな。萌えられない。
いや、実際やったら萌えるんだろうけどw
菊地様のセクシーボイスをもっと活かしてほしいですな。
菊地様には甲高くてセクシーな声を活かして
エロゲー声優(小悪魔な美女役)をやってほしい。
「ご主人様あぁぁ!私の・・・お尻にぃぃぃ!だ、あああああ、出してえぇぇぇ、
く、くだああああ、さああいぃぃ!」とか言うの?w
菊地様は甲高い声だけど女の声とはまた違う。
エロゲー声優やるなら声変わりしてない男子中高生役が適役だと思う。
以上勝手な妄想でした。
岩手の金持ち息子の秀規は私立の男子校に通う中学生。
ある日母啓子が家庭教師を雇ってきた。
スポーツ刈りに筋肉質な男性教師。
教師は後ろから秀規の細く骨っぽい肩をネチネチ触ってくる。
秀規は気持ち悪いと思いつつも成績が上がっていってることもあり、我慢していた。
ある日いつものように家庭教師に勉強を見てもらっていると、
横に座っていた教師が秀規の顔に近付いてきた。
「僕の顔に何かついてますか?」
秀規の首筋に教師の鼻息が掛かる。
教師は秀規の後ろから手を回し、ズボンのチャックを下げた。
「せ、先生、何するの!?」
「保健のお勉強だよ。まだ教えてなかったからね。」
「うぅぅ痛いよぉ!お母さん助けてぇ!」
「この事は誰にも言うんじゃないぞ!バレて困るのはお前なんだからな!」
官能作家様のようにうまく書けないorz
以上、妄想でしたw
>「ご主人様あぁぁ!私の・・・お尻にぃぃぃ!だ、あああああ、出してえぇぇぇ、
く、くだああああ、さああいぃぃ!」
想像したらワロタwそれはそれで萌ゆる(*´∀`*)
まぁ絶対売れないし起用もされないだろうがw
>>126 途中まで官能作家様かと思った
でも「うぅぅ痛いよぉ!お母さん助けてぇ!」は凄くイイ!w
128 :
きくちしらこのり:2007/03/02(金) 12:20:55
129 :
名無しさん:2007/03/02(金) 20:33:50
131 :
126:2007/03/02(金) 23:41:36
官能作家様にバトンタッチします(;^ω^)つ続き
菊地様土日笑顔で頑張ってね!
菊地様は笑顔が気持ち悪い、とマネージャーに言われたそうです
>>133 一日中笑顔でいたからじゃなかったっけ?菊地様の笑顔は素敵です。
菊地様の笑顔ってすっごくカワユスで素敵なのは間違いないけど、
ちょっとセクシーというか変態っぽいというか、不思議な笑顔だと思う。
>>135 あのキャラだから可愛い笑顔が怪しく見えるってこと?
>>131バトン受け取りました。
岩手の金持ち息子の秀規は私立の男子校に通う中学生。
ある日の朝
「秀規、今日から家庭教師にお勉強見てもらう事にしたから真直ぐ帰ってきなさいね。」
「家庭教師?嫌だよ、家でも勉強なんて。」
「今の成績のままじゃ良い高校行けないわよ。今年三年生なんだし・・・。」
二言目には成績、学校の話だ。
良い学校に入ったからって何があるんだ?幸せになれるのか?
俺は不機嫌になりながら学校に向かった。
ここには俺の居場所はない。
授業中はボーっと黒板を眺め、 休み時間はノートに絵を描く。
こうして半日が過ぎていくのだ。
今日もつまらない学校が終わった。早く大人になって漫画家になりたい。
はぁ・・・今日から家庭教師か・・・。でも綺麗な女性なら良いな。
漫画みたいにエロイ展開になったりしてw
秀規はまだ見ぬ家庭教師を想像しながら、家庭教師がくるのを部屋で待った。
コンコンッ
「秀規ー!先生がいらしたわよ。」
「はーい!」
秀規はワクワクしながらドアを開けて愕然とした。
「こんにちは!家庭教師の○○です!よろしくね、秀規君!」
秀規が思い描いていた女教師とは程遠い、野太い声。
スポーツ刈りに筋肉質で体育会系の男教師だった。
「こ、こんにちは・・・。よ、よろしくお願いします・・・」
「じゃあ先生よろしくお願いしますね。後でお茶お持ちしますから。」
「はい。お構いなく。」
何でこんな暑苦しい男と勉強しなくちゃいけないんだよ!バカヤロー!
二人は席に着く。
「秀規君は何が苦手なの?」
「はぁ・・・数学です。」
「数学かぁ。じゃあこの問題解いてみようか。」
あー全く分かんね。数学なんて何の役に立つんだ?
あぁ、それよりもこんな男に教わりたくねぇよ。
そう思っていると、男は後ろから秀規の細く骨っぽい肩をネチネチと触ってきた。
「細いねー!女の子みたい。ちょっと力入れたら折れちゃいそうだw」
「ははは・・・そうですね・・・」
「顔も真っ白で女の子みたいだ。パッチリ大きな目、真っ赤な唇・・・。髪、綺麗だね。」
男は右手で秀規の髪を後方へかきあげる。
はっ!?何この人!気持ち悪い!
コンコンッ
「失礼しまーす。お茶をお持ちしました。」
「わざわざすみません。」
母に言うべきか?でも何て説明する?
ちょっと触られただけだし、俺の思い過ごしなのかもしれないし・・・。
「ここ置いておきますね。」
悩んでいるうちに母は部屋から出ていった。
「まだ初日だしちょっと休もうか。」
「・・・。」
「どうしたの?・・・もしかしてさっきの気にしてるの?w」
男は笑いながら言った。
「あれは冗談だよ!w秀規君緊張してるみたいだったからさ。
先生そっちの気は全然ないよ!w」
なーんだ。冗談か。良かった。
その後は何もなく数時間が過ぎ、男は帰っていった。
はぁ・・・何か疲れた。あぁ、これから週4で家庭教師か。
嫌だなぁ。ストレス解消に絵でも描くか。
不満だらけだった秀規だったが、家庭教師をつけたおかげで徐々に成績が上がり、
数ヵ月後のテストでは上位に入る事が出来た。
親にも教師にも褒められ、クラスメートも秀規に話し掛けるようになった。
友達も出来、あんなにつまらなかった学校が楽しくなった。
ある日いつものように家庭教師に勉強を見てもらっていると、
横に座っていた男が秀規の顔に近付いてきた。
「僕の顔に何かついてますか?」
秀規の首筋に男の鼻息が掛かる。
男は秀規の後ろから手を回し、ズボンのチャックを下げた。
「せ、先生、何してるんですか!?」
「保健のお勉強だよ。まだ教えてなかったからね。」
これも冗談なのか?いや、違う。この目は本気だ!!!
「お、お母さーん!!!」
危機を感じた秀規は声を荒げた。
「馬鹿!デカイ声出すな!」
そう言うと男はタンクトップを脱ぎ、秀規の口の中に押し込んだ。
「んんんんっ!!!」
汗臭い味が口の中に染み渡る・・・。
「優しく丁寧に教えてあげるからね。」
「んんっー!」
秀規は男に抱き抱えられ、ベッドの上に落とされた。
「んー!んー!」
秀規は必死に手足を暴れさせたが、男は秀規の腹の上に跨がり両手首を押さえ付けた。
「君がもっと成績が良いか筋力があればこんな事にはならなかったのにねw」
そう言うと秀規のズボンと下着を荒々しく脱がした。
「可愛いオチ○チンだね。」
男は秀規のモノの根元を右手で支え
先端を自分の方へ向け、口の中にスッポリと包み込んだ。
男は首を前後に動かし、秀規には気持ち悪さと同時に快感が押し寄せてきた。
クチュクチュという音とともに、
一気に射精感が押し寄せてくる。このまま出すわけには・・・。
しかし秀規のモノは脈動を開始した。男は首の動きを止め精液を受けとめている。
十回以上も脈動し暫くして男は口を離し、ゴクリと音を立て精液を飲み下した。
秀規はこんな男で射精をしてしまった事に悔しさと情けなさで涙が出た。
「泣く程気持ち良かったのかい?凄い量だったもんなw」
男はカチャカチャと自分のベルトを外し、ズボンと下着を下ろした。
男のモノは完璧なまでに勃起し、下腹部にピタッと貼りつき反り返っていた。
「先生の触ってごらん?」
男は無理矢理自分のモノを握らせ扱かせた。
男のはち切れんばかりのモノの先端からは透明な粘液が漏れていた。
男はやっと秀規の口の中からタンクトップを抜き取った。
「くわえなさい。」
「い、嫌だ・・・。」
「ふ〜ん。馬鹿のくせに逆らう気か。ちょっと待ってろ。」
男は立ち上がるとカバンの中からビデオカメラを取り出した。
カメラの電源ランプが赤く光り、レンズが秀規の方を向いている。
「くわえなさい。早く。」
今がチャンス。思いっきり噛んでしまえば良い。
「歯立てるなよ。少しでも立てたらこのビデオ売るからな!」
どうしよう。母に助けを呼ぶか?しかしこんな事はバレたくない。
恥ずかしさと恐怖で声が出なかった。
「さぁ、早く!」
男は躊躇っている秀規の頭をガッと掴み、口の中に無理矢理押し込んだ。
初めて口にするモノの味は塩っぽく、汗で蒸れた臭いが鼻に通る。
男のモノが喉奥にガンガン突き刺さる。
「んんっ!おえっ!」
苦しい。気持ち悪い。猛烈な吐き気を催す。
「もっと口を窄めて!舌も使うんだ!」
秀規は早く終わってほしいという思いから、涙を流しながら自ら首を激しく振った。
「そう。上手だよ。もう少しだから・・・。」
暫くして男のモノは脈動し始めた。
秀規は寸前で引き抜こうとしたが男はそれを許さなかった。
唇に脈動が響き渡り、何とも言えない臭いと
初めて口にするそれは例えようのない味だった。
秀規は思わず口から吐き出した。
「飲み込めなかったか。」
そう言うと男は秀規を俯せにし、腰を高く上げ膝をつかせた。
秀規はこれから何をされるかが分かった。
「そ、それだけは・・・やめて下さい!」
男は秀規の声を受け入れず尻の肉を掴み穴にモノを押しあてた。
「い、痛いよ!やめてよ!お願いだからぁ!」
肉の輪はピキピキと音を立てるようにゆっくり広がっていく。
「うぅぅ痛いよぉ!お母さん助けてぇ!」
男は根元が埋まるまで腰を沈めた。
「全部入ったよ。」
今まで経験した事のない激痛が襲う。
突き上げられる度に内臓を抉られているようで、口の中から内臓が飛び出そうだ。
早く、早く終われ・・・。
秀規は目をギュッと瞑り、なるべく頭の中を無の状態にした。
男のピストンの速さが増したかと思うと身を大きく震わせ、
自分の中に熱いモノが噴射されたのが分かった。
穴から太もも辺りまでドロっと熱いモノが垂れていく。
薄れていく意識の中
「とても可愛い姿が撮れたよ。この事は誰にも言うんじゃないぞ!
バレて困るのはお前なんだからな!」
そう言って男は服を着て部屋から出ていった。
俺はベッドから起き上がる事が出来なかった。俺の身に何が起きたんだ?
下半身を激しい鈍痛が襲う。
翌朝朝食も喉に通らず学校に向かう。お尻が痛い。
クラスの女子が内緒話している。
「えー!嘘!?本当に!?」
「シー!声デカイって!」
俺の事を噂してるのか!?いや、知ってるはずがないよな。
クラスの男子が雑談している。
「はははっ!マジで!?w」
「マジマジ!ヤバイよな!w」
俺の事か!?知られているはずがないのに
自分の事を言われているような気がして恐い。
休み時間友達が話し掛けてきた。
「ねぇ、菊地くん好きな子いないの?」
「い、いないよ。」
「本当に?」
「本当だよ・・・」
俺はもう普通に恋愛する事なんて出来ない。昨日あんな事があったのだから。
俺は周りの奴らとは違う。俺の身体は汚いんだ!
帰宅中すれ違う人も、俺の事を変な目で見ているような気がする。
気のせいだと思いつつも、周りの視線や声が自分に向けられているような気がして
恐怖でその場から走りだした。何で俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ!
あの時から悪夢は始まった・・・。
秀規は翌日から学校に行かなくなった。外に出る事が恐いのだ。
コンコンッ
「秀規ー!学校休んで今日で三日目だけど、そんなに具合悪いなら病院行こう!」
「行かない!もう放っておいてくれ!」
「学校で何かあったの?いじめられたの?」
「違う、そうじゃない。」
「じゃあどうしたの?」
「家庭教師・・・。ねぇ!あの人辞めさせてよ!お願いだから!」
秀規は声を荒げて言った。
そんな秀規の姿を初めて目にした母はただ事じゃないと感じた。
「先生がどうしたの!?何があったの!?」
「・・・馬鹿とか嫌な事言われたからもう嫌だ。」
「嫌な事言われたの?それだけ?」
「うん・・・。」
「・・・そんなに嫌なら先生替えてもらうわ。それなら良いでしょ?」
「嫌だっ!家庭教師はもう嫌だー!!!」
秀規は狂ったように母に枕や雑誌を投げつけた。
「ちょ、痛い、やめて!分かったから、家庭教師はもうやめるから!」
「・・・本当に?」
「うん。そんなに嫌なら。」
秀規は一歩も部屋から出ず、この日から漫画を描く事に没頭した。
漫画を描いている間は嫌な事なんて忘れられる・・・。
学校には行かずひきこもり、毎日漫画やギター等の趣味をして過ごした。
たまにあのビデオをバラされたらどうしようと不安になったが、
外に出る恐怖よりはマシだった。
やがて春になり秀規は市立高校に入学した。
生まれ変わろう。そう決意した秀規だったが
クラスメートとどう接していいか分からない。
周りの男子は女とヤッタだの下ネタで騒いでいる。
やっぱりここでも俺の居場所はない。俺は周りの奴らとは違うから・・・。
長い暗い高校生活3年間を終え、俺は今日上京する。やっとこの日がきた。
ここが東京か・・・凄いなぁ。電車を降り東京の街を歩く。
今日から俺の名前は「菊地ヒデキ」。俺は生まれ変わったんだ!
ここには過去の俺を知っている奴は誰もいない。悪夢はもう終わったんだ!
秀規には東京の街がキラキラと輝いて見えた。
東京の街には意外にもすぐになれた。
それに上京して暫くして本当に友達だと思える人が初めて出来た。
彼の名前は「山田一成」。年上だけど凄く話が合う。
山田くんと知り合ってから本当に毎日が楽しかった。
バンド活動もそうだし、一日何時間も電話する日もあった。
相手の事を知る度に、互いに大切な大切な存在なっていった。
この日も山田くんと長電話になってしまった。
「あっ!もうこんな時間じゃん!そろそろ切るね!」
「あ、ちょっと待って!昨日さ、凄く良い裏ビデオ見つけたんだ!w」
「えー?どんな!?」
「明日観にこいよ。どうせ暇でしょ?w」
「暇は余計だけど行くよ。」
翌日秀規はコンビニでお菓子とジュースを買い込み、ルンルン気分で山田宅へ向かった。
ピンポーン・・・ガチャッ
「おう。入れよ。」
「お邪魔しまーす!で、どんなビデオなの!?」
まだ生身の女を知らない秀規は、性の事には人一倍興味がある。
「とにかく凄いから観てみ。」
山田はビデオテープをデッキに入れ再生ボタンを押した。
―「い、痛いよ!やめてよ!お願いだからぁ!」
「うぅぅ痛いよぉ!お母さん助けてぇ!」―
聞こえてきた声、画面に映し出されたモノは紛れもなく自分の姿だった。
「なぁ、凄いだろ?」
山田は怪しく笑いながら言った。
何であのビデオを山田くんが持ってるんだ!?!?
「ホ、ホモビデオなんて嫌だよ!それよりCD聴こうよ!」
俺は冷静を装いそう促した。
「・・・この男菊地にそっくりだと思わない?。」
「に、似てねぇよ!や、山田くんホモだったんだね!w気持ち悪い〜!」
「・・・顔はちょっと幼いけど声は変わってねぇな。」
「似てないって言ってるだろっ!!!」
俺はビデオを取出し、テープを引き裂いた。
「顔のホクロの位置も全く同じだったね。」
「違う!あれは俺じゃないっ!大体どこであんなビデオ手に入れたんだよ!」
「新宿の裏ビデオ屋。話のネタになるかと思ってホモビデオ借りたんだけど
ビックリしたよ。菊地が映ってるんだもんw」
人生終わったと思った。どういうルートなのか知らないが
あのビデオは数年かけて岩手から新宿へ・・・そして今は・・・。
俺は頭の中が真っ白になり身体から力が抜けて、その場に倒れこんだ。
山田くんは俺の頬を両手で包み込み、怪しく笑った。山田くんの顔があの男の顔と重なり、あの時の記憶が鮮明にフラッシュバックされた。
山田の手は秀規の頬から下の方に向かい、秀規のズボンのファスナーを下げた。
「や、やめてよ、山田くん。俺たち友達でしょ?」
「そうだよ。大切な友達だよ。」
山田は秀規のズボンと下着に手を掛けた。
「やめろっ!」
秀規の力では山田の力に適うわけもなく、あっという間に脱がされてしまった。
山田は秀規の黒い茂みを掻き分け、露になったモノを手に取った。
「ここもあんまり変わってないねぇな。
でも皮の部分が黒くなったね。カリもちょっと大きくなったかな?」
こうして再び悪夢が始まった・・・
終わり
菊さまには悪いが、なかなかの出来栄えですね。
私は久々に親友の由香に会いました。
彼女とは元職場の同僚。今は彼女が転職して忙しくなり、私も菊さまとの付き合い
で忙しくメールや電話でのやりとりが主で、会うのは久しぶりでした。
「○○〜!」
「由香ちゃん!久しぶり!」
私達はそれぞれ仕事帰りで、由香が探してきた和食のお店で久しぶりの再会を祝いました。
お酒を飲み、ほんのり赤くなった私を見て由香が言いました。
「ねえ、なんか前より色っぽくなった気がするんだけど・・・。彼氏でもできた?」
「えー、変わらないよ。」
「うそー、なんか前より綺麗に見えるもん。何か隠してるでしょ。」
私は親友の彼女や、他の友人にも菊さまのことは内緒にしておりました。
いつかは分かってしまうことなのかもしれないけど、何か言ってはいけないような気がして
彼女にいつも秘密にしているのは正直心苦しかったのです。
彼女に話せば、菊さまとの付き合い方で良いアドバイスがもらえるのではないだろうか?
といつも思っていました。しかし、菊さまの了解なしに他の人に付き合いを喋っていいのだろうか
迷っているままの私でした。
でも、彼女の勘はとても鋭いんです。ああ、隠しきれないだろうなと思った私は
菊さまのことを話すことにしました。
「実はね、彼氏できたんだけど普通の人じゃないんだ。」
「えっ?普通じゃないって仕事が?」
「ううん、仕事もなんだけど・・・なんていうか性格も・・・。」
「何やってる人?」
「芸人。」
「芸人?えー、芸能人ってこと?誰?」
「由香ちゃん、いつもここからって知ってる?」
「えーっと、あまり芸人分かんないんだよね。なにやるコンビ?」
「悲しい時〜とか、アルゴリズム体操とか・・・。」
「ああ!分かった分かった。なんか色がものすごく白い人いるよね。細くて。」
「その人なんだ。」
「えー!ああいうのがいいの?知らなかった。へえー。でもどうやって知り合ったの?」
「家がたまたま近所だったのが分かって道歩いてたら居たから、ファンですって声かけたの。」
「そうなんだ。えー、つきあってどれぐらい?」
「なんか彼女として見てくれだしたのが最近だから、よくわかんないんだけど、4、5ヶ月かな?」
「へえ、うまくいってるんだね。よかったじゃん。」
「でも変人なんだよね。それに怒りっぽいし我がままだし・・・。」
「へえー、振り回されてるの?」
「うん、いつもね。でもお互い様だろバカヤロウコノヤロウメ!って怒られるけどね。」
「へえ、バカヤロウコノヤロウメって言うんだ。おもしろー。」
「でも、なんだか幸せそうね。」
「そうかな?何も変わってないと思うけど。」
「そんなことないよ、綺麗になってるよ。いいなー。」
「由香ちゃん、彼とどうなってるの?」
「ああ、まあなんとかうまくいってるよw」
「ねえ、なんか隠してない?」
「w実はね、この間婚約したんだ!」
「えー!そうなんだ、もうどれぐらいになるっけ?」
「2年かな。」
そういうと由香は鞄から本を取り出しました。
「何それ?」
「これ、恋と結婚のルールズっていう本なんだけど、実は私これで彼とうまく
いったんだ。」
「えー、本のとおりにやったってわけ?」
「そう、これ職場の友達から教えてもらったんだけど私も最初は半信半疑だったんだ。
だって、女の方から声をかけるなとか、デートに誘うな、メール電話もするなって書いてるんだもん。」
「えー、私全部やってるよ。だめなの?」
「そうなの。例えデートに男の人から誘われて、そうねえほら、土曜日暇?って聞かれるじゃない。
それが前日の金曜日に言われたとするじゃない。それだと断らないといけないのよ。」
「なんで?暇でスケジュール空いてたら喜んで行くもんじゃないの?」
「だめなの。そういう時はたとえ暇だとしても忙しいふりをしなきゃいけないの。
だから、その日は用事があるって答えなきゃいけないのよ。」
「えーなんでそんな面倒なことするの?」
「そうすることで、ああこの人は忙しい人なんだってミステリアスな部分を見せて、
男の人がますますデートに誘いたくなるような状態にもっていけるのよ。」
私は納得いかなかったが、由香がそれでうまくいったというのだから一度詳しく
読んでみようと思った。
だって、その本が言ってることと逆のことばかりしてるからとても不安になってきたのだ。
さっそくその夜から本を読み始めた。
読み進んでいくうちに目から鱗がおちるような状態だった。
私が菊さまに最初に声をかけたから、知り合うことができたわけだけど、だから菊さまの心が
しばらくよく分からなかったと今納得した。
菊さまは最初はわたしのこと物扱いだったもんな。
今では少し大切にしてくれてるけど・・・。ああ読めば読むほど自分が男心を無視した行動を
とっていたことが分かってきた。
男のほうから追いかけてもらう状態じゃないと、本当に幸せにはなれないんだ・・・。
私はその夜今までの行動をすごく反省し、眠りに就いた。
翌朝目覚めると菊さまからメールが届いていた。
「今日の夜会いたいんだけど、どう?」
はい、会いましょう!ってメールしようとして慌てて思い直した。
すぐ返事して暇だと思われたらいけないんだった。
すぐなびく女だと軽く見られてしまう。今更遅いのかもしれないけど、
軽く見られないようにしていかなければならない。
そう思い直した私はこのメールをほっておくことにした。
秀規は○○に送ったメールの返事を待っていた。
今日は秀規は休み。だから彼女が仕事終わってから会いたかった。
でもメールの返事が待てど暮らせど送られてこない。
一体どうしたんだろう?いつもならすぐ返事くれるのに・・・。
秀規はおかしいな?とおもいつつも昼には返事くるだろうとふんで、
買い物に出かけた。
「すみません、ひな祭りをイメージした花束ってできますか?」
「おいくらぐらいの予算でしょうか?」
「5000円でお願いします。」
秀規は花屋に来ていた。
もちろん○○に贈る為に買いに来た。
ここ最近あいつには迷惑かけっぱなしだったから、ひな祭りにかこつけて
お礼代わりに花束を贈ろうと思いついたのだ。
うすいオレンジやピンクの花、ところどころに青もちりばめ、沢山のカスミソウをあしらって
かわいいリボンをつけてもらって秀規は満足だった。
「これであいつもきっと喜ぶだろう。」
それにしても返事が来ない。どうしたんだろう?
秀規は家に帰り、読書しながら待った。
近所で犬の鳴く声がする。
ぽかぽか陽気で心地よい昼下がり。
秀規は彼女のことがきにかかりながら、そのうちうとうとし始めた。
私は結局夕方になってもメールの返事をしなかった。
仕事しながらも菊さまに本当は会いたい気持ちがこみ上げてしょうがなかった。
だけどルールズを実践して幸せになりたい。菊さまに心から大切にされるように
なりたい。その一心で心を鬼にした。
家に帰り、私はけっこうぐったり疲れていた。
母がひな祭りだからと言ってちらし寿司を用意してくれていた。
「たくさんできたから、菊地さんにもってってあげたら?」
いつもだったらすぐそうするんだけど、わたしは母に言った。
「いいよ、多分ちらし寿司なんて安っぽいもの食べないよ。
それに私疲れてるから持って行くのたいぎい。」
私はわざと寿司を持っていくことを拒否した。本当は食べさせてあげたくてしょうがないのに。
秀規は夕方昼寝から目が覚めた。
あいつからのメール・・・。まだない。
どうしたんだろうもう送ってから12時間以上たっている。
こんなの初めてだ。どうしたんだろう?なにかあったのか?
秀規は心配になって電話することにした。
pipipipipi・・・・。
私の携帯が鳴っている。もしかして・・・。やっぱり菊さま。
本当は電話とりたくてしかたない。話したい。菊さまの声が聞きたい。
でもぐっと我慢した私はその電話を無視した。
その後も何度も何度も電話がかかってきた。だけど私は出なかった。
菊さまのこと本当は気になってしょうがないから、風呂に入り、上がってからも
音楽を部屋中に鳴らし、気を紛らわせた。
午後8時、秀規は痺れを切らしていた。
「せっかく買った花がしおれてしまう。」
思い立った秀規は直接彼女の家へ行くことにした。
彼女の家の窓を見ると灯りがついていた。
家族はいるけど、本人は居ないのか?
秀規はインターホンを押した。
「はーい、どなたですか?」
彼女のお母さんだ。
「夜分遅くにすみません。菊地です。○○さんいらっしゃいますか?」
するとドアが開いた。
「まあ、菊地さんこんばんは。」
「こんばんは。いらっしゃいますか?」
「ちょっとまってね。」
秀規は○○がでてくるのを待った。
「○○、菊地さんがいらっしゃったわよ。」
お母さんの声がした。
うわー、なんで来たんだろう。居留守してるのが全部ばれるじゃんか。
「ちょっと、○○、出てきなさい。寝たの?」
私は音楽つけっぱなしで寝てるふりをした。
お母さんが部屋に入ってきた。
「まあ、うるさい音楽。こんな時間に寝てるの?」
お母さんが私を揺り起こした。
仕方ないので目を覚ました。
「どうしたの?」
「菊地さんが来てらっしゃるわよ。」
「何しに来たの?」
「わからないけど、あがってもらったら?せっかくきてくれたんだから。
ああ、お寿司食べてもらおうか。どうせ余ってるし。」
おかあさんに口裏をあわせてもらおうかと思ったけど、さっさと玄関の方へ
行ってしまった。
ああ、計画が台無し。なんて言い訳しようか。
そうこうするうちに菊さまが私の前に姿を現した。
「き、菊さま・・・。」
私はなんて言えばいいのか考えが思いつかない。
「お前今日メールしたの見てないの?」
「えーっと、そうでしたっけ?いつですか?」
「朝早くしたんだけど。あとさっき何回も電話したんだけどどうしたんだ?」
「あ、今日すごく疲れてたんで。寝てたんですよね。気がつかなかった・・・。」
「なにかあったのかと思ったよ。いつもすぐ返事くれるのにくれないからどうしたのかと
おもったぜ。まったく心配させやがって、ほら、これ、くれてやるよ!」
吐き捨てるようにまくし立てながら菊さまは私に花束を差し出した。
「うわー、ありがとうございます。きれいな花。どうしたんですか?」
菊さまが花をくれるなんて、いったいどうしてなんだろう?
でも私はすごく嬉しかった。素直にそう思えた。
「いろいろ最近世話になったから。」
菊さまは少し照れてた。かわいいと思った。
私はすぐにでも菊さまに抱きつきたい衝動にかられたけど、ぐっと我慢した。
菊さまが床に座られたので、私は追い返すわけにもいかず、台所からちらし寿司と
お茶を運んだ。
「菊さま、お食事すんでないんだったらどうぞ。」
「ああ、腹へってしょうがなかったんだ。本当はお前とどこか食事に行くか
俺の家で出前でもとろうかと思ってたんだ。いただきまーす。」
寿司にぱくつく秀規は、持ってきた手提げからビデオを取り出した。
「これ一緒にみようぜ。おもしろいから。」
「わかりました。」
私はビデオをセットした。もういい加減眠たかったけど、ビデオ見るってことは
当分まだ帰らないつもりだ。まったく迷惑な人だなと思った。
だけど、あんな豪華な花もらってるし、文句も言えない。
しばらくして映像がでてきたけど、なんか様子がおかしい。
裸の男女がベッドに座っている。まさか?
するとその男女は抱き合い、キスし始めた。
そして男が女の上に重なって、激しく愛撫し始めた。
もちろん女の悩ましい喘ぎ声が聞こえる。
私はアダルトビデオ見るのはじめてだったので、びっくりしてスイッチを消してしまった。
「なにすんだ!つけろよ!」
「菊さま、こんなものわざわざもってきて見せるなんてどういうつもりですか?」
私は眠いのもあってとても不機嫌になった。
「うるさい!たまにはこういうのもいいだろう!」
菊さま、きっと芸株でリスナーの人からのメールで、彼氏と一緒にAV見て、そのまま
流れに乗ります、みたいな話読んだから感化されてるんだ。
自分もそういうのやりたいと思ってるんだ。なんていやらしいんだろう。
「私こういうの、あまり。それに菊さまの家で見るならわかりますけど、うち家族もいるんだから
こういうことしてほしくないんです。」
私は結構強い口調で菊さまに言った。
「なに怒ってんだよ。お前だってこういうの嫌いじゃないだろう?
なんだよ、さんざん俺達エッチしてきたのに。今更そんなこというのか?
家の人には聞こえないように、小さい音で見ればいいじゃん。」
そういうと、菊さまはまたビデオをつけた。
「アン、アン、アァー・・・。」
また女の喘ぎ声が聞こえてきた。
私は母にこの声が聞こえてないか気になってしょうがなかった。
結局このエッチビデオを最後まで見てしまった。
菊さまはそれと同時に食事を終えられ満足そうな顔をしていた。
お茶を飲んで、落ち着かれた菊さまが私を見つめてきた。
「○○、今日はひな祭りだね。あれが雛人形か?」
菊さまが人形を指差した。
「そうです。菊さま男なのに人形に興味あるんですか?」
すると、菊さまが小悪魔のように微笑んだ。
「ふふふ・・・。雛人形に見られて抱き合うのも悪くないと思わないか?」
えっ?まさか・・・。
菊さまは私に近づき、そっと口づけしてきた。
寿司の味がした。私は口づけされて本当はとても嬉しかったのだけど、
菊さまのペースに乗せられていくのが怖かった。
結局菊さまの都合のいい女として扱われているような気がして・・・。
菊さまは尚も私に厚い口づけをしてきた。そして舌を絡めてくる。
私は拒否したい気持ちと、そうでない気持ちの間で揺れ動きながら、
結局菊さまにされるがままになっていた。
>>137 続きありがとうございます!きちんとした話になっていて感激しました!
169 :
118:2007/03/05(月) 20:57:54
>>119 亀レスすみません。そう言っていただけてよかったです。ありがとうございます。
官能作家様も大丈夫ですか?
>>137-149 いつものお笑い路線とは違ってブラックな感じがいい!菊地様には悪いけどw
>>136 うまく言えないけどそんな感じかな?可愛いんだけど色気があるって言うか。
笑顔も可愛くて好きだけど、私は無表情の時の方がセクシーで好きだな。
血が似合う感じがたまらない。包丁とレバーの塊を持ってほしい(ハァハァ
菊地様ってたまに一重瞼を二重にしてニカッて笑うけど、あれはワザとやってるの?
菊さまって一重なんですか?
かわいいから二重かと思ってた。(今更何言ってんだってかんじ?)
>>171 血が似合う雰囲気だよね。犬歯がもっと鋭かったらヴァンパイアみたいで更に
萌だったのにw
>>172 眉上げて目を見開く時の事?力の入れ加減でそうなるんじゃない?分からないけど。
もしかしたらファンサービスでやってるのかもしれないし。
>>173 多分一重だと思うよ。目の幅も黒目も大きいから可愛く見えるけどね。
>>173 ○○!俺たち付き合ってるのに何言ってんだバカヤロコンニャローメイ!
お前にはお仕置きが必要だな!
>>175 菊さま、気がつかなくてすみませんでした。
あなたのこと心から愛しているから、どんなお仕置きでもお受けします。
でも、その後はしっかり愛してくださいね。
>>176 昨日は言いすぎた。ごめん。俺も愛してるよ。おやすみ、○○。
菊さまは私の首筋に唇を這わせ、パジャマのボタンをはずそうとした。
私は正直とても疲れていたからやりたくなかった。菊さまのこと好きだけど
今日はどうしてもそういう気分になれなかった。
私はいつも菊さまに流されるのはいけないと思い、自分の気持ちを主張することにした。
「菊さま、今日はとても私疲れてるからやめてください。」
私は菊さまにキッパリと告げ、ボタンを外そうとするその手を掴んだ。
「なんでだよ。なにが疲れてるだ!たいした仕事もしてない窓際OLのくせに!」
菊さまはそうまくし立てると、私の手を振り払い尚もボタンを外そうとする。
私は乱暴な菊さまの態度にカチンときた。
いくら好きな人でも、そんな言われ方してまで抱き合いたくない。
そんな状態で心から菊さまのこと受け入れることはできない。
そう判断した私は、菊さまに激しく抵抗した。
「イヤ!やめてください。お願いだから!」
私は必死に菊さまに抵抗する。
菊さまは声を荒げた。
「なんでだよ!せっかく気分乗ってるのにぶち壊す気か?バカ!」
菊さまは私のパジャマのズボンに手を入れてきて、ショーツごとずり下ろした。
そして私の秘めた部分をまさぐりだす。
そんなことされても気分がぜんぜん乗らない私は、もういい加減菊さまがうっとうしくなった。
「菊さま!やめて!お願いします。」
私は悪いと思ったけど、菊さまの股間をおもいっきり蹴飛ばした。
「うぅ・・・・。何すんだ・・・。い、イターイ!」
菊さまはなみだ目になっていた。そして私を恨めしそうに見て、股間を押さえていた。
「菊さましつこいんだもん!何度言ってもやめてくれないから。」
「蹴ることないだろう!これで何度目だお前はまったく・・・。」
そういうと、菊さまは私の頬をぶった。それも平手で。
パシン!と鳴ったその音。私はとても痛かったけど、我慢した。
菊さまの性のおもちゃにされるよりはマシだと思ったから。
「今日はもう帰ってください。」
「くそー!言われなくても帰ってやる!」
菊さまは腰を曲げた状態で私の部屋から出て行った。
私は乱れたパジャヤマを着なおし、何事も無かったように食器を片付けた。
片付けている最中、菊さまの手提げが目に留まった。
追いかけるの面倒だから今度持って行こう。今日はもう眠たい。
私は後味の悪い思いで、眠りについた。
翌日、私は目覚めるとすぐに菊さまとのことを思い出していた。
とても後味が悪かった昨日の出来事。菊さまにぶたれた感触が今でも
残っている。
「菊さま、もう私に会ってくれないかもしれない。仕方ないか・・・。」
私はやりすぎたかな?と思ったけど、自分の気持ちを無視してあの時菊さまに
身をまかせることは今考えてもやはりできなかったと思う。
これでもう二人の仲が壊れるなら、それまでの縁だということ。
菊さまのこと、好きで好きでしょうがないのに・・・。
私は菊さまの忘れていったビデオを手提げに入れて家まで届けることにした。
多分レンタルビデオだろうから、延滞料でもとられたら大変だろうから届けることにした。
菊地邸へ着くとインターホンを鳴らす。いくら鳴らしても出てこないから、多分仕事にでかけたんだろう。
私は合鍵で中に入った。
玄関においてすぐ帰ろうと思ったけど、やっぱり中に入った。
リビングには朝食を食べたあとが伺えた。皿や、コップがそのままだった。
寝室をのぞくと、パジャマは脱ぎっぱなし、布団もぐちゃぐちゃ、タンスの引き出しも
ロッカーも開いたままで、菊さまが急いで出かけられた様子が伺えた。
テーブルに手提げを置いた。すぐ帰ろうかと思ったけど、やっぱり気になるから、
できるだけ片付けて帰ろうと思った。
食器を洗い、パジャマを折りたたみ、布団も晴れているので干した。
掃除機をひととおりかけ、床も水ぶきした。
ついでに洗濯もした。
ここまでする必要もなかったのかもしれないけど、菊さまのことやっぱり好きだからやってしまう。
私は全部やり終えたら、疲れたのでリビングでうとうとしてしまった。
夕方、雨の降る音で目が覚めた。
「あっ!どうしよう。布団干してたんだった。」
私は慌てて菊さまの布団をとりこんだ。
でも、手がつけられないほど水を含んでいた。
「どうしよう。タダでさえ怒らせているのに、またぶたれてしまう。」
私は動揺していた。タオルで一生懸命水をふき取ったが、とても乾きそうに無い。
エアコンを強めにつけ、その風で乾かすことにした。でもいつまでかかるだろうか。
菊さまが帰ってきてしまう。どうしよう。
エアコンの風ぐらいじゃあとても乾きそうになかった。
代わりの布団はないのだろうか?あるのかもしれないけど、どこにしまっているのか
分からないし、下手に物を動かして、また物を壊したりしてもいけないし。
私は母にどうしたらいいか電話してみることにした。
「もしもしお母さん、菊さまの布団干したら雨で濡れちゃった、どうしよう。」
「布団って、掛け布団?」
「そうなの。どうしよう。とりあえずエアコンを高めに設定して乾かそうと思うんだけど・・・。」
「エアコンじゃ乾かないわ。何日も天日干ししないと。どうしようもないから、
とりあえずうちにある余った布団を貸してあげなさい。」
「そうしようか。わかった。」
私は家に帰る前に菊さまに電話することにした。
菊地様の鼻の穴にカシューナッツを詰めたい願望があるのは私だけ?
沢山入りそうな鼻だよね。
pipipipipi・・・。
仕事からの帰りの秀規の携帯が鳴った。
「あ、あいつからだ。」
秀規は昨日の事を結構根に持っていたのでムッとしたが、もしかしたら昨日のこと
謝る電話かもしれないと思い、出た。
「もしもし。」
「もしもし、私です。菊さま今いいですか?」
「なんか用か?」
「はい、実は・・・。とても言いにくいことなんですけど・・・。」
「さっさと言え、こっちは疲れてんだからイライラさせるな!」
「す、すみません。実は昨日菊さまがビデオ忘れて帰ってたから昼に菊さまの家に
とどけたんです。そのついでに、掃除したり布団ほしたりしたんです。」
「それで?」
「片付けしたら眠たくなったのでうとうとしてたら、雨降り出して、布団干してたのすっかり
わすれてて・・・。」
「まさか!このヤロウ!濡れたのか!」
「はい、濡れました。」
「もーう、お前って奴は、バ・カ・ヤロー!」
「ごめんなさい。もうびしょぬれでどうしようもないので、私の家から代わりの
布団持ってきますから、どうか許してください。」
「まったく余計なことばかりしやがって!昨日のことだってまだ許してないんだからな!」
「ごめんなさい。昨日はやりすぎました。あそこ大丈夫ですか?」
「もうあれから一晩中痛かったぞ!まったくブスのくせに凶暴で性格悪いし、頭悪いし、
余計なことするし、俺のに悪影響のあることばかりする奴だ!」
私はボロクソ言われたけど、もう返す言葉もなかった。
完全に私の負け、私が悪いと思った。
>>185 そんなに鼻の穴大きいっけ?
でも詰めたらどうなんだろう?
あの人のことだからもうすでにやってたりして・・・。
秀規は○○に言いたいことを全部吐き出した。
吐き出したらスッキリした。少し言い過ぎたかな?とも思った。
でも強情な秀規は意地でも○○に謝りたくなかった。
そして秀規は思いついた。
「おい!お前の使ってる布団持って来い。絶対だぞ!じゃあな。」
ガチャ!
電話を切った。
秀規はなぜ○○の布団を持って来いと言ったのか?
それは秀規が○○の匂いの染み付いた布団を掛けてみたかったから。
毒を吐きまくっても、やっぱり○○のことが好きでしょうがない自分がいる。
この気持ちは変えられない。
秀規は本当は少しでも○○と一緒に居たかった。
愛し合うのを拒まれるのなら、せめてあいつの体をいつも包み込んでいる布団
を自分の肌で感じてみたかったのだ。
菊さまに自分の布団を持ってこいと命令され、私はそれに従うことにした。
家に帰り自分の掛け布団を運び出そうとすると、母にびっくりされた。
「なんで○○の持って行くの?、お客様用あるよ?」
「いいの、私がお客用使うから。菊さまのところには私のを持っていく。」
私は急いで菊地邸へ布団を運び込んだ。
菊さまがいつ帰ってくるか分からなかったから、急いで布団を運び込んだ。
そして濡れた布団は、とりあえず新聞紙を引いて、その上においておくことにした。
明日カラっと晴れてから天日干しすることにしよう。
そうこうしているうちに、菊さまがお帰りになった。
「おかえりなさいませ。」
秀規が帰ると○○が玄関で出迎えた。正直会えて嬉しかった秀規だが、
昨日の事を思い出すと素直になれない。
「ふん!勝手に上がりこみやがって。」
そう吐き捨てるとそそくさと寝室へ直行した。
「布団どうなったんだ?」
「はい、私の布団を持ってまいりました。濡れたのはリビングに新聞紙ひいて
置いてあります。」
「まったく、とんでもないことしてくれたな。」
そういうと秀規はうがいと手を洗いに行った。
さあ、これからどうしよう。せっかくあいつが来てるんだから、食事に行こうか?
でも俺はカンカンに怒っている振りをしなければいけない。
よし、怒ってるふりしてあいつに何でも言うこと聞かせよう。
そうたくらんだ秀規は、寝室に戻った。
「おい、服脱げよ!」
「え?菊さま・・・。」
「いいから脱げよ!」
秀規が急かすと、○○は服を脱ぎ始めた。
シャワーを浴びた二人はベッドの上で向かい合っていた。
「菊さま、昨日はごめんなさい。そして布団のこと、ごめんなさいね。
許してくださいますか?」
「さあね。どうしようかな。」
「どうか、許してください。お願いします。」
「じゃあ、俺の言うことなんでも聞いてもらうぞ!」
「分かりました。」
「約束したからな。」
そういうと、秀規は○○を押し倒し、激しく愛撫し始めた。
私は菊さまがどんな命令を下すのか内心びくついていた。
また手を縛ったりして私を辱めるつもりなのかなあ。
でも、予想に反して菊さまはノーマルに私を抱いた。
私は菊さまの激しい愛撫を髪の毛の先まで感じながら、身をまかせた。
菊さまは昨日のうっぷんを晴らすかのように、私を強く抱いた。
秀規はまず1回彼女の中で果てた。
今日はライブして疲れてるから本当は早く休むはずだった。
だけど昨日の欲求不満を引きずっていて休むきになれなかった。
せっかく家に彼女が来ているのだし、うまい具合に自分の言いなりに
なっている。このチャンスを逃すことはないと思った。
それに昨日喧嘩になったとはいえ、彼女のこと愛したくてたまらなかった。
彼女の髪の毛の先から足の先まで、すべてを愛しつくしたい。
秀規は彼女の隣に横たわり、気持ちよさそうに目を瞑っている彼女の横顔を
見つめていた。
「菊さま、昨日は私疲れてて・・・。拒んでしまってごめんね。」
「分かったよ。お前が疲れてるのに分からずに強引にやろうとした
俺も悪かったよ。ごめんな。」
秀規は彼女の髪を撫でた。彼女が秀規の胸に顔を押し当ててくる。
「菊さま、今日は疲れてるんじゃないの?」
「うん、疲れてる。でもお前の顔みたら元気になったよ。」
「じゃあ、今日はおもいっきり甘えさせてくださいね!」
「いいよ。」
彼女は秀規の乳首をいじくりだした。
そして片方の乳首にキスしだす。
「もっと下の方も・・・。」
秀規が促すと、彼女は腹や、ヘソのあたりもキスしはじめた。
ヘソをなめはじめる。秀規はなんだかとても感じてきた。
秀規は起き上がって、彼女の手をとった。
「ここを掴んでみて。」
彼女は言われるがままに秀規の男の部分を掴んだ。
私は菊さまにうながされるまま菊さまのものを握り締めた。
強くにぎったり弱く握ったりしているうちに菊さまの体液が少し
出てきた。
菊さまに命令されモノを口の中に含ませた。
菊さまはとても感じられたらしく、結局私の口の中で果てられた。
私は体液を飲み込むのに抵抗を感じたので、ティッシュの中に出した。
あまり美味しいあじじゃなかったけど、菊さまのこととても愛しいから
モノに軽くキスした。
ちょっと汚いかなあと思ったけど、後でうがいすればいいと思った。
菊さまは大分満足されたようで、とても優しく穏やかな表情になられていた。
私は菊さまの機嫌をいつも伺う気はないけれど、ひとまずご機嫌になられたので
胸をなでおろした。
行為を終えて二人はしばらくまどろんでいた。
彼女が着替えを始めた。
「菊さま、私そろそろ帰りますね。」
「泊まっていけよ。」
「ごめんなさい、今日はやめときます。明日も菊さま仕事なんでしょ?
早く休んでくださいね。」
「わかった。」
「送らなくていいですから。」
「じゃあ、気をつけてな。」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみ。○○、愛してるよ。」
そういうと秀規は○○に厚いキスをした。
いくら家が近いとはいえ、さよならする時はとても寂しくなる。
その気持ちを押さえ込むように、長く厚いキスをした。
秀規は腹が減ったのでラーメンを作って食べることにした。
湯を沸かしている間、ふと、濡れた布団が気になったので見てみた。
「だいぶ水含んで重たくなってるなあ・・・。えっ?げっ?うわー!」
布団をはぐった秀規は驚いた。
新聞紙のインクがべっとり布団についていたのだ。
「うわー、新聞の印字が全部うつってる。まったくあの女め!」
秀規は布団カバーを慌てて外した。
なんとか、布団本体にはインクは染みてないみたいだった。
重たい布団をベランダに干し、汚れた布団カバーをバケツの水につけた。
「漂白しないとだめかも。まったく、めんどくせー。」
秀規は怒りが徐々にこみ上げてきた。
私は家に帰って風呂に入り、上がってみると菊さまからメールが入っていた。
新聞のインクが布団についていたのでカンカンに怒ってるみたいだった。
「○○へ
お前のせいで洗濯の手間が増えたぞ!まったく忙しいのに手間を増やしやがって!
明日もぜったい家に来い!俺が仕事行ってる間に洗濯しろ!
しなかったらぶっ殺すぞ! 秀規 より」
私は返事をした。
「菊さまへ
菊さまごめんなさい。明日は予定があるので、用が終わりしだいうかがいます。
遅くなるかもしれないけど必ず洗濯は私がしますので、安心して仕事に行ってね。
どうか許してくださいね。愛してます。おやすみなさい。 ○○より」
秀規は○○からのメールを受信した。
さっきまでカンカンだったが、すぐ熱は冷めた。大好きなラーメンを食べたら落ち着いたのだ。
また明日も彼女に会える。そう思うと明日の仕事も頑張れる。
彼女を描いたスケッチブックを開き、おやすみのキスをした。
そして彼女の持ってきた布団に包まった。
なんだか、彼女との楽しい夢が見れそうな予感がする夜だった。
安心した少年のような表情で秀規はスヤスヤと眠りについた。
おわり
200 :
名無しさん:2007/03/13(火) 20:55:54
菊地様の鼻の穴に梅しば入れたい
ナッツは理解出来たけど梅しばって・・・普通に考えて入らなくない?
痛がる姿が見たいの?
鼻の穴話してる奴なんなの?w新手のアンチ?そんなに鼻の穴でかくないだろ!w
ここ自分も含め変態ばかりだから。
今回のポドキャ、いつもよりダラダラでつまらなかった。調子悪かったのかしら
腰クネクネさせてたら腰痛めたorz
夕方仕事が終わると菊さまから電話があった。
「もしもし、どうかしましたか?」
「もしもし、俺だけど、今からお前の家に行ってもいいか?」
「えっ?今からですか?私まだ会社の中なんですけど・・・。」
「あと3,40分後には帰ってるだろ?そのころ行くから、じゃあな!」
ブチッ!ツーツー・・・。
菊さまは一方的に電話を切られた。
私はOKしてないのに、強引な方だ。
まあ、それが菊さまの特徴なんだけど・・・。
私は暇人に思われたくないから用があるって言おうとしたんだけど、
それを言う暇もなかった。
仕方ない、今日はまっすぐ帰って菊さまを待つことにしよう。
私は会社を出た。
30分後、帰宅した私は楽な服に着替えていた。
「菊さまもうそろそろ来るかしら?」
着替えながら思い出した。そうか今日はホワイトデーだ。
もしかして、何かプレゼントくれるのかもしれない。
ああ、そうだ、きっとそうだ。
私はちょっと嬉しくなってきた。
でも、違ってたりして。菊さまってこういうことに鈍感っぽいもんな。
あまり期待してたらがっかりしそうだから、普通にしておこう。
そうこうすると、インターホンが鳴った。
「ごめんください、菊地です。」
菊さまだ!
私は思わず笑みがこぼれた。
「はーい!今あけます。」
そこにはいつもどおりスマートにお洒落に着飾った菊さまが立っておられた。
あがって貰って、私の部屋に招いた。
「はい、これ、こないだのバレンタインのお返し。」
菊さまはかわいいバスケットをくれた。
「わー、菊さまがホワイトデー覚えててくれたなんて嬉しいです!」
私は嬉しくて思わず菊さまに抱きついた。
菊さまは優しく私を抱きしめてくれた。
「早く中あけてごらん。」
私はバスケットの中を開けてみた。
キャンディーやチョコレート、マシュマロ、クッキー、どれも私の好きなお菓子
が可愛い包みに入っていた。たっぷり入ったお菓子たち。こんなに食べたら太って
しまいそうだ。
「ずいぶん沢山はいってますね?なんか気を使わせてしまってごめんなさい。」
すると、菊さまは薄ら気持ち悪い笑みを浮かべた
「ひひひひ・・・。お前が今よりもっと豚になるの見たいから、お菓子屋で沢山詰めてもらったんだ。
どうだ、太りそうなカロリーの高いのをチョイスしたんだぞ。お前のことだから2日ぐらいで
たいらげるだろ?そして醜い体になったところを俺様がまたスケッチするのよ。
醜い女の資料としてね。」
私は照れ隠しにそう言ったのかなあと思ったけど、なんか表情を見ていると本気そうだったので
怖くなってきた。そういわれてしまうと、なんだかありがたく食べる気をなくしてしまった。
菊さまが私に対して意地悪なところがあるのは前から分かっている。
だけど、せっかくのホワイトデーなのに。なんでこんなこと言うんだろう?
私は言い返す気もなくなってしまった。
しばらく二人の間に沈黙が流れた。
秀規は少し言い過ぎたかな?と思った。
二人の間に重い空気が流れたような気がした。
つい彼女に毒を吐いてしまう。本当は、彼女が喜びそうなお菓子を一つ一つ
選んでみただけなのに・・・。
彼女を目の前にするとつい傷つけるようなことを言ってしまう。
秀規は罪悪感を感じたので、自分の予定通り食事に誘うことにした。
「なあ、ちょっと今から外でないか?食事でもしない?」
彼女はあまり乗り気ではなさそうだったが、秀規はしつこく誘った。
「ねえ、美味しいラーメン屋があるんだ。お前と一緒に行ってみたいんだよ。」
「ラーメン食べさせて、また私を豚にしようとおもってるんでしょ!
一人で行けば!私誘わなくても沢山ガールフレンドいるでしょ?」
彼女は機嫌を損ねていた。まずい、どうしよう。
「俺がおごってやるんだから文句言うなよ!絶対美味しいから、なあ、一緒に
行こうよ!」
秀規は彼女の手をひっぱった。
「じゃあ、着替えますから、ちょっと部屋から出てください。」
「いいよ、今更隠すような関係じゃないだろう?」
「いいから出てってよ!見られたくないの。」
そういうと秀規は家から追い出された。
大分怒らせてしまったけど、なんとか持ち前のしつこさで誘うことができた。
5分後彼女は着替えを済ませ、秀規について歩き出した。
ラーメン屋に着いた。10人ほど人が並んでいた。
寒いのに並ぶの嫌だなあと思ったけど、菊さまは楽しみにしてるみたいだった。
それに菊さまのおごりだから文句言えない。
30分程待った。待っている間菊さまに寄り添うことができてそれはそれで
私にとっては嬉しい時間だったのだけど。
店に入ると強面の主人が出迎えてくれた。
「醤油とんこつ2つお願いします。」
「はい、醤油とんこつ2つ!」
ここは美味しいらしい。壁を見渡すと結構有名人のサインが貼ってあった。
菊さまもここにサインを飾ることになるのかしら?
私はけっこうワクワクしながらラーメンを待っていた。
10分ほどでラーメンが来た。
とても美味しそうな熱々の醤油とんこつ。器が黒いから余計美味しそうに見える。
「いただきまーす。」
私達が食べようとした時、主人が声をかけてきた。
私はてっきりサインを頼まれるのかと少し期待したのだけど、全然違った。
「ちょっとお兄さん、食べる時は帽子脱いでもらえますか?」
はっきりものを言うおじさんだなあと思った。だけど、食事中に帽子をかぶるのは
確かにおかしいことだ。私は納得した。
しかし、当の菊さまを見てみるとムッとした表情をしていた。
だけど何も言い返さなかった菊さま。きっと恐そうだから言い返せなかったんだと思う。
私は帽子を脱ぐと店にいる人達が菊さまに気がついてしまうのではないかと心配した。
サイン書いてくれ、握手してくれってせがまれるのではないだろうか?
ところが、皆ラーメンに集中していて気づくどころか見向きもしなかった。
私は正直、少しおかしくなった。案外菊さまって有名でないのかもしれない。
知らない人は知らないだろうし、知ってても興味なかったら声かけないもんな。
もちろん、ここのご主人も知らないようだった。
私はラーメンを食べてみた。とても美味しいラーメンだった。
濃厚なスープ、チャーシューの味付けも濃く、大好きなシナチクも入ってて私は
大満足だった。菊さまは静かに食べておられた。
ラーメンを食べ終わると、菊さまは静かに席を立たれ、勘定を払われた。
「ありがとうございました。」
「ごちそうさまでした。」
私はお店のマッチをもらって帰った。帰ったら母に教えなきゃ。それに友達とも
一緒に行ってみたいと思った。
私は菊さまに
「菊さま、ご馳走様でした。美味しかったですね!」
と声をかけた。ところが菊さまは無視してスタスタ歩かれた。
どうしたんだろう?機嫌わるいのかな?もしかしてさっきの帽子のこと?
私は菊さまを追いかけ、尚も話しかけた。
「菊さま、どうかされたんですか?帽子脱げって言われたの怒ってるんですか?」
すると菊さまは立ち止まられた。
「そうだ!なんでいちいち帽子ぐらいのことで文句いわれなきゃいけないんだ!
こっちは客だぞ!バカヤロウコノヤロウメ!」
じゃあ、そう言えばいいじゃない。あの強面のご主人に。
「まあまあ、そんなに怒らなくても・・・。美味しかったんだからいいじゃないですか!」
「うるさい!美味しいとかの問題じゃない。客に対しての態度が気に入らないんだ!」
「でも菊さま、家で食事中に帽子かぶりますか?」
「家は家、外は外だ!」
「私はマナーよく帽子は脱ぐべきだと思いますけど・・・。」
「なんだと!俺が悪いって言うのかよ。まったくお前とは意見が合わないよな。
俺のこと全然わかってないじゃん。お前みたいなやつは彼女じゃない!帰れ!」
菊さまはとても興奮しておられた。例のごとく岩手なまりでカミカミ状態なので
とても私は笑いそうだった。笑いをこらえるので必死だった。
でもとうとう吹き出してしまった。
「ぷぷぷー!菊さまw結局あれでしょ?芸能人だから顔隠すために帽子かぶって
たけど、怒られてぬいでも結局だれも気がつかなかったからw」
すると火がついたように菊さまが怒られた。
「なんだとー、お前俺を侮辱する気か?お前みたいなブスにわざわざ付き合って
やっているのに。なんだその態度、お前なんかにラーメン食わせるんじゃなかった。」
菊さまはそういうと私の頬っぺたをおもいっきりつねられました。
「痛い!菊さまひどいじゃないですか!ブスって言われるのはかまいませんけど、
つねること無いでしょ?何よこんなことでカンカンに怒るなんて器の小さい男だ。」
私は思いっきり思ったことを言ってしまった。ちょっとしまった!と思ったけど、もう
後の祭りだった。
秀規はタコのようにふくれっつらになった。
もう、今日はせっかくホワイトデーデート。楽しいデートになるはずだったのに。
あのラーメン屋のおやじとこの女のせいで全部ぶち壊しだ!
秀規はもう何も言わず、歩き始めた。
私は早歩きの菊さまに必死でついていった。なんとか機嫌を直してもらいたい。
だけど、どうすればいいんだろう。
10分ほど歩いていると、公園が目に入った。
「菊さま、ちょっと寒いけど公園で座りませんか?」
私は菊さまを強引にひっぱり、ベンチに座らせた。
そこには丁度梅の花が咲いており、街灯の明かりで花がほんのりライトアップ
されている状態だった。
私は花の匂いを借りて、菊さまをどうにか冷静にさせたかった。
「なんなんだ寒いから早く帰らせろ!」
立ち上がろうとする菊さまをなんとかなだめ座らせた。
「菊さま、どうか冷静になってください。」
「うるさいぞ!お前が俺をおこらせてるんだろうが!」
「菊さま、ああ菊さま。私は菊さまの事とても好きです。」
「何が好きだ!口ではなんとでも言えるよな!」
「好きだからこそ言うんです。どうかもっと優しい穏やかな心で毎日
過ごして欲しいんです。」
「お前ごときにそんなこと言われる筋合いはない!」
「帽子脱ぎたくなかったのは分かりますが、あの場合は脱がれた方がマナーが
良いと思います。菊さま、堂々と顔みせて食べてもいいじゃないですか。
菊さまの事大好きだから、菊さまにはどうかいつも穏やかに皆から愛される人で
あって欲しいんです。私の心からの願いです。」
「全く、口の減らない奴だ・・・。」
そういうと、菊さまは私に口づけしてきた。
さっきまでカンカンに怒ってたけど、その怒りを静めるかのように私に厚い口づけを
してきた。さっきのラーメンの味がする。
私は菊さまが穏やかになるためならと思い、口づけされるがままになっていた。
菊さまは情熱的に舌も絡めてきた。
梅の花の下で私達は熱い時間を過ごした。
秀規は徐々に怒りが自分の中で治まって行くのが感じられていた。
こんなに自分の事思ってくれている、心配してくれている女は初めてだ。
○○にはっきり言われたことで、秀規は彼女が心から自分の事を心配してくれて
いることに正直嬉しさがこみ上げてきた。
長い口づけを終えると、秀規は彼女を強く抱きしめた。
「さっきはブスって言ってごめん。本当はそんなこと思ってないから。」
「いいですよ。私かわいくないですから。」
「そんなこと無いよ。とても可愛い。それに、お前はとても優しい。
俺ももっと優しい人間になれるように努力するよ。」
「菊さま!菊さまは本当はとても優しい人だって私は分かっていますよ。
菊さまは思いやりもあるし、ただ少し頑固なところがたまに傷だけど・・・。」
「なんだと!俺のどこが頑固なんだ!バカヤロウコノヤロウメ!」
あーあせっかく機嫌直せたとおもったのに、また怒らせてしまった。
こんな感じで私は菊さまをなだめ、菊さまはバカヤロウコノヤロウメ!を連発
しながら家路に着きました。
私の家の前で、菊さまは私を抱きしめてくれました。
「さんざん言い合いになったけど、またデートしような!」
私はとても嬉しくて菊さまの腕の中でいつまでも抱かれていたかったけど
さすがに寒くなってきたので、菊さまに軽くキスして別れました。
「おやすみなさい!」
「おやすみ!○○!」
私は帰ると、菊さまの今日くれたプレゼントをもう一回見ようとバスケットを
探しましたが、ありません。
リビングに行くと母の目の前にそのバスケットが置いてあります。
「ああ、これいただいてるわよ。美味しいわね。」
見ると、半分はなくなっておりました。あーあ、ゆっくり少しずつお菓子を
食べるつもりだったのに。母にほとんど食べられてしまいました。
私はトホホな気分で風呂に入り、ベッドに入りました。
お菓子は無くなっても、菊さまの愛はなくならない。多分きっと・・・・。
おわり
ここで質問しても分からないかもしれないけど・・・。
芸株は4月からも続くんでしょうか?
何も言わないし、続くよね?
菊さまの調子が毎週チェックできるのはこの番組しかないから
無くなったら寂しいです。
222 :
名無しさん:2007/03/19(月) 18:50:05
あげ
223 :
名無しさん:2007/03/20(火) 22:37:45
普通のラジオ番組なら続行ありかもしれないけど、「芸能株式市場」
とテーマが限られているかぎり続行は難しそう。
トークがウマイ芸人なら他にいるしね。
正直つまらないから早く終わってほしい。
四月から菊地様の単独番組になれば良いのに・・・無理な話だけど。
もう馴れ合いは飽きた。本当、来週で終わらないかなぁ。
お子ちゃま番組にだけ出てれば良いよ。
芸株が月内で終わりますように☆彡
ポドキャ嫌いな人結構いるんだね。元々引き出しが少ない
芸人だから毎週だと聴いていられないのかしら。
厳しいご意見ですね。
あまり聞いてはいけないことなのかもしれないんですけど。
菊さまに数百万の借金があるというのは本当ですか?
だったらどうなんだ?って話なんですけど・・・。
嘘だと信じたいんですが・・・。
菊さまのこととても心配です。
ただの会社員生活を送っている私だが、今月は結構忙しい。
「今日も残業になりそう・・・。」
私は夕方ローッカールームで化粧直しをして、携帯をチェックした。
菊さまから留守電が入っていた。
「もしもし俺だけど。今日夜会えないか?仕事何時に終わるのか
連絡くださーい!」
甲高い元気の良い菊さまの声。なんだかご機嫌な様子が伺えた。
私はすぐ電話してみた。
「もしもし私です。」
「もしもし、もう仕事終わったか?」
「まだなんです。いまから1時間ぐらい残業になりそうです。」
「あっそう。それでもいいから食事行かないか?」
私は正直たいぎいなあと思った。
「今日じゃないとだめですか?」
「俺と食事するのが嫌なのか?」
「そういうわけじゃないですけど・・・。」
「いいじゃん!行こうよ!お前の好きなものなんでもご馳走するから。な!」
おごりならいこうかな・・・。でも疲れてるし・・・。
「すみません。たいぎいんですよね。」
「なんだよ!どうせ家帰って飯食うんだろ?だったら外で食べて帰っても
一緒だべ!な!一緒に行こうよ。会社まで迎えに行くから。」
しつこい菊さまのこと。断ったら何されるか分からないから承知することにした。
1時間と数十分後、私は会社を出た。
出ると菊さまが笑顔で立っていた。
「お疲れ!さあ行こう!」
「菊さま、どこ行くんですか?できれば家に帰る方角がいいです。」
「うん、もう決めてるから。心配するな。」
言われるがまま菊さまについて地下鉄に乗る。
菊さまはあまり喋らなかったが、なんかいつもよりにこやかだった。
どうしたんだろう?なんか逆に気持ち悪い。
地下鉄を降りしばらく歩くとファミレスの看板が見えた。
「ここだべ。もう席予約してあるから。」
私は正直がっかりした。もっとお洒落なお店に連れてってくれるのかと
思ってたのに。でもおごりだから文句言えない。
店に入り席へ案内されると、誰かが座っていた。
「おっす!」
「おお!待たせてごめん。」
どうも菊さまの知り合いらしい。
「こちら俺の親友のA君。こちら俺の彼女の○○さん。」
菊さまが紹介してくれた。
「はじめましてAです。○○さん。前から会いたいと思ってたんですよ。」
よく見るとこの人芸人だ。私は目が疲れてたからすぐに気がつかなかった。
「あっ、ははじめまして。」
私は妙に緊張してしまった。
なぜ菊さまは私をこの人と会わせるんだろうか?
私は何を話したらいいか分からないから静かにしていた。
「とてもおとなしい方なんですね?」
Aが話しかけてきた。私は愛想笑いするしかなかった。
「さあ、何食べよう。腹減ったべ!俺ステーキにするよ。
○○はどうする?」
なんだか菊さまが猫かぶってるような気がした。
いつもは名前でほとんど呼ばないくせに。
私はあまり重たいものを食べたくなかった。だけど合わせないといけないかな?
私が迷ってる間に菊さまは店員を呼んだ。
「ステーキセットをえーっと、お前一緒でいいよな?じゃあ○○もいっしょで
いいな!3人前ください。」
菊さまに勝手に決められてしまった。おごりだから仕方ないか・・・。
秀規は上機嫌だった。だって初めて友達に彼女を紹介するんだもの。
特に親友のAには会わせておきたかった。
いつも秀規のことを気にかけてくれているから一番にあわせたかった。
秀規は彼女が本当はステーキを食べたくないことなどお構いなしに、
Aに彼女の仕事のことや、彼女が今まで作ってくれた手料理のことなど
話はじめた。
「なんかすごくお前幸せそうだな。よかったな。」
「そうか?俺はいつもどおりだよ。な?○○!」
彼女は首をかしげるだけだった。
彼女が緊張しているのもお構いなしで秀規は喋り続ける。
「いつも俺が具合悪い時そばにいてくれるんだ。俺のこと本当に大切に
してくれるんだ。」
「あっそう。もうお前べた惚れじゃん。お前がそんなになるなんて夢にも
思わなかった。○○さん、秀規のことなんで好きになったの?」
Aが彼女に質問した。
私は正直に答えた。
「美しいのに変人なところです。」
あっ!つい口に出してしまった。
「はははは、面白いな。確かにこいつ変人だからw」
Aは笑っていたけど、菊さまは私をおもいっきり睨んでいた。
菊さまに殴られる!と思ったけど、菊さまは顔を引きつらせながら
「他にもあるだろう?言ってごらん?」
と優しく噛んで言い含めるように私を促した。
「えーっと、なんかありましたっけ?」
私はわざと悪乗りしてみた。
菊さまはテーブルの下で私の足を蹴飛ばした。
痛かったけど私はわざと気がつかないふりをした。
「秀規は○○さんのどんなところが気に入ってるの?」
Aが聞いてきた。
「ブスで素直じゃなくて、頭わるいけど、なんだか憎めないところ。」
菊さまはわざと意地悪く答えた。本気かもしれないけど、私は少しカチン
ときた。
「ブスだなんて失礼なこというなよ、可愛いじゃん。」
Aがかばってくれたけど、菊さまは尚もこう続けた。
「好きっていうより、こいつに言い寄られて仕方なく付き合いだしたんだから。
美人は3日で飽きるっていうけど、こいつの場合飽きないからブスなんだよ。
だけどそれを十分承知してつきあってやってるんだ。多分俺ぐらいだろうな。
こんなのと付き合えるのは。俺って心広い!」
しまった、ちょっと言い過ぎたかな?
秀規は少し後悔した。彼女を見ると、とても不機嫌そうだ。
Aが気を使ってきた。
「○○さんみたいな真面目そうな可愛い女の子がそばにいてくれれば
安心ですよ。秀規はとても女に対して厳しいけど、あなたはそれを
クリアできてるんだから、自信持って彼女でいてやってくださいね。」
○○を見ると、少し嬉しそうだった。でも秀規のほうに目を合わせなかった。
そうこうすると、ステーキセットが運ばれてきた。
秀規はステーキにかぶりついた。腹が減ってしょうがなかったから。
彼女の方は、ゆっくり少しずつ肉を切っていた。
秀規は彼女の箸が進まないことなどお構いなしに、食べ続けた。
あっという間の秀規の肉は無くなった。
彼女の皿を見ると、まだ肉が残っている。
「○○、少し食べてやるよ。」
秀規が○○の肉をとろうとした。
私は菊さまに肉をとられる前にさっと皿を持ち上げ、
Aに言った。
「Aさん、お肉少したべてください。私あまりお腹減ってないから。」
「えーいいの?じゃあいただくよ。」
Aが○○の肉を半分取る。私は菊さまには言わなかった。
菊さまが不満そうに見ている。だけど私は知らん顔で残りの肉を食べた。
菊さまの先ほどの言動に腹を立てていた私は、今日は菊さまに優しくなんか
するものか!と心に誓った。
Aが席を立った。その隙に、秀規はAの肉を少し横取りした。
「菊さま!行儀がわるいですよ!」
「うるさい!お前が俺によこさないからだ!バカヤロウメ!」
「当たり前でしょ!ブスブス言われていい気分なわけないじゃない。
友達に紹介するのに普通彼女のこと悪くいわないでしょ?
菊さまって本当変わってますよね!」
「うるさい!じゃあ、俺の彼女は美人です!って言えっていうのか?
自分の身内褒めて紹介するなんていやらしいことできるかってんだ!」
「そこまで言えとは言ってないじゃないですか!
本当あなたとは意見があわないわ。たいぎいのに無理やりつきあって
あげてるのに、すごく不愉快!もう私帰る!」
そういうと、彼女は財布から3000円出して、秀規の前に叩きつけるように
置いた。
「これだけあれば足りるでしょ。じゃあ。」
「こんな金いらねえよ!持って帰れ!」
「うるさいわね。あんたなんかにおごってもらいたくないの!」
「ふん!今からもうお前なんか彼女じゃない!二度と顔見せるな!」
「言われなくてもそうします!」
彼女は足早に店を出て行った。
秀規は腹が立ってフォークとナイフを叩きつけるように置いた。
そこへAが帰ってきた。
「あれ?○○さんは?」
「帰った。っていうかもうあいつの話は禁句。もう彼女でもないから。」
「は?なにがあったんだ?さっき彼女だってうれしそうに紹介してたじゃん。」
秀規はさきほどのやり取りを話した。
「そりゃあ、彼女が怒るだろう。絶対謝ったほうがいいよ。今から追いかけろよ。」
「やなこった。なんで俺が謝らなきゃならないんだ。それに追いかけるほどの女でもないし。」
「そんなこと言って後悔してもしらないぞ。彼女は俺達とは違う世界で働いてるんだから。
お前の知らない人間関係もあるわけだし。会社なんて男いっぱいいるんだろ?彼女のこと
手放したら絶対他の奴に持ってかれるぞ。」
「そこまでもてる女じゃないよ。あんな性格悪い奴。それに持ってかれたって惜しくもなんとも無い。」
「そんなこと言うなよ。間違いなく後悔するって。後で電話しろよ、なあ。」
店を出てから20分ぐらいたって、私は家に帰っていた。
「食事は何食べたの?」
母が聞いてくる。
「ステーキのセット。だけど残したから。なんかご飯残ってない?」
「なによしっかり食べてくればいいのに。」
「軽いものでいいから。煮物とかお味噌汁がほしい。重たいものはいらないから。」
母が今晩の残りの大根の煮物とお味噌汁、きゅうりの酢の物を出してくれた。
ご飯も軽くついでもらって、私はそれらを食した。
「あー、家で食べるのが一番落ち着く。」
「菊地さんのおごりだったんじゃないの?」
「途中ケンカになったからお金置いて店でちゃったんだ。」
「またケンカ?なんで?」
「だって・・・。」
私は事の顛末を母に話した。
「友達に紹介してくれようとするってことはあなたのこと大事な存在だと思ってる
んだと思うけど。口が悪いのはあの人の特徴なんでしょ?あなた良く言ってるじゃない。」
「うん。だけど、こっちは残業して疲れてるのに!」
「売り言葉に買い言葉みたいになってるから、後で電話で謝りなさいよ。あなたから謝ったら
きっとゆるしてくれるわよ。あの人本当は優しい人じゃない。」
私はとてもじゃないが今謝る気にはなれなかった。
午後0時秀規はチドリ足で家にたどり着いた。
あれからAとバーに繰り出し酒を飲んだ。
風呂に入るのもたいぎいからそのままベッドに横になった。
「あー、ちょっと飲みすぎたか。でももう眠い・・・。」
秀規はそのままいびきをかき始めた。
私はそのころ眠りにつこうとしていた。
すると、下腹から子宮の入り口あたりがじわりと痛みだした。
生理前になるといつもこうなる。そして女としての欲求が増してくる。
「ああ、菊さまに抱かれたい・・・。」
こういうときこそ、優しく、そして強く激しく抱きしめてほしい。
でももう絶交されてしまった。本当売り言葉に買い言葉だった。
私はやっぱり、どんなに毒吐かれても菊さまのこと愛しくてしょうがないんだ。
今頃菊さまどうされてるかしら?
私は火照る体をもてあましながら、疲れもあって、深い眠りについた。
「○○〜!待ってくれ〜!」
秀規はここで目が覚めた。
彼女がどこか遠くへ行ってしまう夢だった。
昨日はもう顔も見たくないって言ってしまったが、それは本心ではない。
冷や汗を服の袖で拭い、台所へ行って水を飲んだ。
時計を見ると午前6時。まだ寝不足ぎみなので、寝ることにした。
服のままで寝ていたのでパジャマに着替える。
再びベッドに入り、秀規は考えていた。
「ああ、あいつ怒ってるだろうな。本当に別れることになるのかなあ・・・。」
秀規は掛け布団におもいっきりしがみついた。
彼女から借りっぱなしにしてる掛け布団。
毎日これに包まれて幸せに眠っていたけど、これも返さなければならないか・・・。
秀規は彼女との仲の修復について一人考えをめぐらせるのであった。
午前8時、私はベッドから起きた。
昨日のこと、とても後悔している自分がいる。菊さまは本気で別れる気なんだろうか?
それならそれでも仕方ない。でも、もう一度だけ菊さまに会いたい。
会って私の本心を伝えたい。
そう思った私は菊さまへメールした。
「菊さまへ
おはようございます。昨日はせっかく食事に誘ってくれて、友達も紹介してくれたのに
あんなことになってしまってごめんなさい。
今日はお仕事ですか?夜でもいいので会えませんか?最後にもう一度だけお話したいです。
どうか最後のチャンスをください。
○○より」
pipipi・・・・。
2度寝していた秀規は、メール受信の音で目覚めた。
「あいつからだ。」
秀規はメールを読んで、彼女の方から謝ってきたことに少し感激した。
だけど、あいつを目の前にするときっと意地を張ってしまいそうだ。
でも今すぐ会いたいから、秀規は返信した。
「○○へ
おはよう。最後にもう一度話してもいいよ。今日は休みだから今からでも
来てくれ。
秀規より」
私は朝食を済ませ、素早く支度を済ませ菊地邸へ向かいました。
到着し、インターホンを鳴らすと髪がぼさぼさで目やにだらけの菊さまが
出てきました。
「菊さまおはようございます。まだ眠られてたんですか?」
「ああ、昨日遅くまで飲んでたから。」
そう言われればなんだか酒臭い。でも私は臭くてもいいから菊さまに触れたかった。
リビングに通された私は、床に正座した。
「コーヒー入れるから待ってて。」
「菊さま、お構いなく。」
私は菊さまに今の気持ちを伝えようと心の準備をしていた。
秀規は台所で湯を沸かしながら、彼女にどういう態度で臨むのがベストか
考えていた。素直にこっちも謝ろうか。でもそれじゃあなんかあいつになめられそう。
でも、強気な態度に出すぎて彼女を失ってしまうことになったら・・・。
今朝見たあの夢、ああはなりたくない。彼女を失うことは、自分の身を引き千切られる
ようなものだ。きっとものすごいショックを受けてしまうだろう。
そうこうする内に湯が沸いた。コーヒーを入れて、彼女の前に運ぶ。
彼女の正面に座った秀規は、とりあえずコーヒーを飲み落ち着くことにした。
私もとりあえずコーヒーを飲み、落ち着いた。
「菊さま、昨日は本当に気を悪くさせてしまいました。
せっかく菊さまがご馳走してくださると言われたのに、Aさんにも悪いことしました。
どうか昨日のこと許してください。ごめんなさい。」
私は床に手を着いて謝った。
「分かったよ。もういいから、頭上げろよ。」
菊さまが許してくれた。良かった。でもこれからのことはどうなんだろう?
「これ、お前が昨日置いていった3000円、返しとくから。」
菊さまが私にお金を返された。
私は素直に受け取った。
私は菊さまがなんとなく私に対して冷めておられる感じがしたので覚悟を決めた。
「菊さま、私の最後のお願い聞いてくれますか?」
「なんだ、最後って・・・。」
秀規はドキっとした。最後のつもりでここに来たってことは俺と別れるつもりなのか?
「私みたいな可愛くない性格の女なんてもう嫌かもしれないけど、どうか最後にもう一度だけ
抱きしめて欲しいんです。お願いします。」
彼女がまた土下座してきた。
秀規は彼女のことが愛しくてたまらなくなった。と同時に、秀規のなかの小悪魔が顔をのぞかせる。
わざとここで強気な態度に出てみたら面白いかもしれない。
「抱きしめればいいんだな!いいよ、こっちにおいで。」
秀規は彼女を抱き寄せた。
私は菊さまに抱きしめられてとても嬉しかった。
少し酒臭いけど、菊さまの白い頬にそっと触れてみた。
体はガリガリだけど、顔は健康的で程よく肉がついてる。いつまでもこのままで
いたい。菊さまにいつまでも触れていたい。そう願う私は菊さまに尚もお願いした。
「菊さま、ずうずうしいかもしれないけど・・・・。」
「なんだ?言ってみろよ。」
「・・・、抱いてくれませんか?」
私は泣きそうになるのを必死でこらえ、最後のお願いをした。
秀規は彼女の目が潤んでるのを見てぎゅっと力を入れて抱きしめた。
「いいよ、お前がそこまで言うなら抱いてやるよ。」
そう言うと彼女を寝室に連れて行き、服を一枚一枚脱がせた。
セーターを脱がせて、スカートを脱がせ、スリップの肩紐をずらし、ブラジャー
のホックをそっと外した。
彼女の丸みを帯びた白い裸体があらわになった。
秀規は自分も裸になり、彼女を優しく押し倒した。
彼女は目を瞑り、秀規を静かに受け入れた。
秀規は彼女に厚いキスをした。舌も絡めて、長いキスになった。
彼女の感じやすい、首筋にもキスしていき、乳房に顔を持っていく。
秀規が乳房にキスするたびに秀規の高い鼻の先が当たっていく。
彼女の綺麗な乳房ををやさしく揉みながら丁寧にキスした。
彼女が感じているのがよく分かる。
「菊さま・・・、もっと強くして・・・。」
「いいよ。」
秀規は彼女の希望通り今度は強く揉みだした。
彼女の息遣いが少しずつ荒くなる。
秀規はだんだん彼女の下の部分に移動して、自分の長い指を彼女の蜜壷に入れた。
何度も奥まで中指を入れたり出したりして彼女を感じさせる。
そして同時に親指で栗の部分をこする。
そして空いたほうの手で胸を強弱をつけながら揉んだ。
「ううん・・・。あぁ・・・。あ・・・あぁ・・・。」
彼女は腰をくねらせ、愛液を沢山だしていた。
秀規もだんだん興奮してきた。
私はやっぱり菊さまに愛されている時が一番感じられる。
女に生まれてきて良かったと思える。そう強く感じながら、菊さまのステキな愛撫を
しっかり体に記憶させた。
多分もうこれで最後だと思ったから。
私はもう絶頂に達しそうになったから、菊さまにお願いして入れてもらうことにした。
菊さまは素早く、ゴムを装着された。そして私の中にモノを押し当てられ、奥深くゆっくり入る。
私は又を広げられるだけ広げ、菊さまが入りやすいようにした。
そして菊さまがピストン運動され始めると、私は奥深くでとても快感を感じ取ることができた。
「あぁ・・・、菊さま〜!」
私は絶頂を感じることができた。
秀規は彼女の中で果てた。
そして、ゴムを取り、彼女の蜜壷から溢れ出した愛液をティッシュでふき取った。
彼女がいつもよりとても性欲があるような気がした。
秀規は後戯として、また彼女の感じやすい部分にキスしたり、やさしく触れたりした。
抱き合い疲れた二人は横に並んで、天井を見ていた。
「お前今日はとても感じてたな。今までとなんか違う気がした。」
「そうなんです。生理前だととても性欲が強いんです。恥ずかしいんですけど。」
そうだったのか。全然知らなかった。彼女の体の周期なんてほとんど考えもしなかったこと。
秀規はあらためて女の体の不思議さを知った。
「菊さま、あと5分だけでいいから甘えさせてください・・・。」
そう言うと彼女は秀規の胸に顔を寄せてきた。そして秀規の喉仏を触った。
「菊さま、喉仏大きい。とても男らしい。」
秀規はくすぐったかったが、男らしいと言われてまんざらでもなかった。
彼女の髪を優しく撫でる。彼女をこのまま帰したくない。そんな気持ちで一杯になった。
「菊さま今日はありがとう。それじゃあそろそろ帰りますね。」
彼女がベッドから降りようとした。
「待って・・・。」
秀規は彼女の手を引っ張った。
「菊さま・・・。」
「行かないでくれ、まだ昼だぞ。帰ること無いだろう。」
「でも、私達別れるんですよね?昨日菊さまが・・・。」
「嫌いな女のことこんなに丁寧に抱くと思うか?」
「じゃあ、菊さま・・・。」
「ああ、お前と別れる気なんてない。」
「本当?」
「ああ、ごめんなお前のこと苦しめたみたいで。」
そういうと秀規は彼女をおもいっきり抱きしめた。
「ありがとう!菊さま、大好きです!」
「俺もだよ、○○!」
こうして二人はまた抱き合った。
昼間だというのに、2回3回と身体を重ねた。
若い二人はこうしてお互いの愛を確かめ合ったのだった。
「菊さま、お昼なにか作りますね。あと夕飯も。」
彼女はシャワーを浴び終えて買い物に出かけていった。
秀規もシャワーを浴び、髪を乾かしていた。
いつもケンカになるけど、元の鞘に戻ることができた。
秀規は自分の難しい性格を十分承知している。だけど、それを治すことは
今更できそうにも無い。彼女もあまのじゃくなところがある。
「俺達ってこの先どうなるんだろう・・・。」
考えても答えなんて見つからない。
でも、「一緒にいたい」と思えることがまだ見ぬ未来へとつながっているのでは?
と思う秀規だった。きっとそうだ。そう信じたい。
お わ り
菊さまの後輩が書かれてるブログ読んだら、先週の日曜日の時点で菊さまは
風邪をひかれていたそうです。後輩を引き連れて風邪を治すため、スーパー銭湯の
サウナに入りに行かれたそうです。
風邪はやっぱり、山田さんにうつされたのかなあ?
でも先週の芸株、声元気そうだったからもう治ったんでしょうね。
菊さまが体調悪いって分かってとても心配になりました。
身体が資本だから、気をつけてほしいと思います。
山田のクソ野郎、人の足ばっかり引っ張りやがって
ピタゴラ週3回放送になっちゃうんだね。
一瞬残念と思ったけど、使い回しばかりだから別にいいやw
266 :
名無しさん:2007/03/28(水) 13:08:19
age
週3とは、寂しいね〜w
山田が音痴過ぎて教育に悪いと苦情があったからだな。きっと
菊さまに身も心も愛され、女として満たされた私は精神的にとても安定していた。
菊さまは男にしては貧弱な体型だけども、私を抱く時はとても男らしくて素敵だった。
首が長くて、白いでく人形みたいな菊さまだけども、大きな喉仏をさわらせてもらって
改めて菊さまが男だったことを再認識できた。
いつも毒を吐かれている菊さまだが、私を女としてちゃんと扱ってくれて、私はとても
嬉しかった。
生理前で女としての欲求が高まっていたが、菊さまに満たしてもらうことができた私は、
予定通りに生理が来た。
いつもだったら精神的に安定しない、イライラ感があったりするのに、今回はそういうのが
無かった。いつもどおり過ごすことができている。
これも菊さまの愛の力なのかしら。
月末ということもあり、忙しい日々を送っていた。
だけど、芸能株式市場はちゃんと聞いた。だって菊さまの唯一まともな仕事。
こういっちゃあ悪いけど、菊さまたいしてお仕事ないんだもん。
ピタゴラは使いまわしだし、エンタにはさっぱり出なくなったし。
「ああお仕事してらっしゃるんだなあ。」って確認できるのは芸株だけ。
だから貴重な芸株を私は必ず聴く。
菊さまが大勝軒のカップラーメンについてまた熱く語っておられた。
だけど、一平ちゃんの方がダントツに美味いとまくし立てておられた。
菊さまの言っていること、なんかつじつまがあってるんだかあってないんだか?
時々変わった国語の使い方されるなあと感じることがある。
多分山田さんが居て、解説してくれなかったらこの人の言ってること理解できない
だろうなってことがある。
今のところ私と菊さまの間ではあまりそういうこと無いけど。まだ、それほど根を詰めた
話をしてないから。
あと、気になったことがあった。
サザエさんに荒川静香さんが出られた時、菊さまは台所で洗い物をされていたらしい。
サザエさんつけっぱなしにしていて、荒川さんの声がしてきたから急いで見に行ったら、
なんかあの中に素人が入ると異質な感じがしたとのこと。
私は荒川さんがサザエさんに出たことより、菊さまが一人寂しく洗い物をされていたという
ことが気になった。
寂しいことはないのかもしれない。この人変人だから、多分孤独に人一倍強いと思う。
私がもっと通ってあげて何でもしてあげたらいいんだろうけど、そうそう菊地邸へ通うことも
できない。菊さまって私の中では結構ずぼらな感じがしてたんだけど、本当はキチンとされてる
人なんだと感心した。
ごめんね、菊さま。もっと尽くしてあげたけど・・・。
いっそのこと私のこと嫁として迎えてくれたらいいのに。
でもそんなこと決して私の方からは口にできない。
菊さまの人生設計の中に果たして私は入っているのだろうか?
入ってないかもしれない。菊さまは自由に生きていくのがとても似合うタイプだと思う。
独身でおられるほうが大勢のファンの方々も内心喜ばれることだろう。
しかし、大の男が洗い物をしてるなんて・・・。
私の考えが古臭いのかもしれないけど、なんだか菊さまが不憫に思えてしまった。
菊さまに言ったらきっと「大きなお世話だ!バカヤロウコノヤロウメ!」と罵倒されることだろう。
とはいえ、菊さまが元気で仕事されていることにホットしながら私は眠りについた。
週末、会社での歓送迎会があった。
先輩のA子さんが寿退社され、あと、大阪支店、仙台支店から1人ずつ営業が異動してきた。
今週から営業が異動してきたわけだけど、特に大阪支店から異動されてきた横山さん。
私は大阪弁をあまり聞いたことがなかった。テレビでタレントさんや芸人さんが喋られてるのは
あまりなんとも思わないんだけど、仕事場で大阪弁を生で聞くというのは初体験だったから、
最初とても違和感を覚えた。
「○○さん、おおきに。」とか、「ほな、これでええですわ。」
なんか、すごく珍しい言葉に思えた。
横山さんはその大阪弁に似合わないといったら大阪の人に失礼なんだけど、とても
かわいらしい顔をしておられる。
かわいいのに、大阪弁。このギャップに私は少し興味を持ち始めていた。
飲み会は居酒屋だった。私は末席に座っていた。
上司の挨拶が終わり、乾杯をした。新入りの営業2人はそれぞれビール片手に
挨拶まわりしていた。
私のところに例の横山さんが来た。
「○○さん、今週はけっこうお世話になりっぱなしで・・・。」
「いいえ、お互い様ですから。これからも宜しくお願いしますね。」
「迷惑かけることもあるとおもいますんで、宜しくお願いしますわぁ。」
そう言って横山さんは自分の席にもどっていかれた。
1時間ぐらいして、宴も佳境に入ってきたところ、私がトイレから戻ると、
横山さんが私の隣の席に座っていた。
「おかえんなさい。○○さん、他になにか飲まれないんですか?」
関西独特のイントネーションで話しかけられた。なんかこそばゆい感じがした。
「ああ、何かのもうかなあ。」
私はライムのチューハイを頼むことにした。
横山さんも同じものを頼んだ。
「○○さん、何歳ですか?あっあまり女性に歳聞くのは失礼ですかね?」
「今年で30になります。」
「へー、そうですか。僕は35です。」
私は普通に対応していた。だけど、話していくうちに、いやいや、私の考えすぎなのかも
しれないけど、なんかこの人私のこと根掘り葉掘り聞きたがっているような感じがした。
プライベートのことまで聞き出してきた。
休日何してるかとか、もちろん自分のことも話されるわけだけど。
まさか、休日は菊さまにご飯作りにいってまーす!なんて言えるわけもなく。
適当に、「友達と遊んでます。」って答えといた。
二次会まで行き、私は皆と別れ一人地下鉄の駅へ向かっていた。
「○○さーん!」
振り向くと、横山さんだった。
「どうしたんですか?」
「あの、実は、明日一緒に買い物に付き合ってくれまへんか?」
「え?」
「だめですか?」
「いいえ、どこへ?」
「東急ハンズとか、ロフト行きたいんですけど、道がようわからへんので。」
「分かりました。いいですよ。」
「じゃあ、明日何時にしますかね。」
「12時でどうですか?」
「じゃあ12時に渋谷駅で。」
「あ、じゃあメール交換しときますか?」
「そうですね。」
私達はメールの交換をした。
私はこの時大して何も考えてなかった。だけどこれを皮切りに私と菊さまとの
仲がしだいにおかしくなっていくことにまだ気づくはずもなかった。
そのころ秀規は、ニュースで花見の中継を見ていた。
「ああ、○○と花見しに行きたいなあ・・・。」
秀規はさっそく○○にメールしてみた。
「○○へ
明日かあさって夜でもいいから花見しに行かないか?
返事まってます! 秀規 より 」
地下鉄の中でメールを受信した私は、返事に迷っていた。
「明日の横山さんとの買い物の後にしようか?」
「菊さまへ
明日多分夜いけると思いますので。無理だったらまた連絡します。
○○より」
pipipip・・・
秀規は○○からのメールを受信し、一応明日約束を取り付けたので、満足
していた。
さあ、お弁当買っていこうか?それとも花だけ見て、その後レストランで食事?
秀規はワクワクする気持ちをかかえながら心地よい眠りについた。
次の日私は横山さんと待ち合わせ、買い物に付き合った。
東京の街がよく分からない彼を気遣いながら歩いていく。
菊さまだと、いつも先にスタスタと歩かれるから私が追いかけていく感じだけど、
今日は私が先頭に立って歩かなければならなかった。
でも、私は彼の買い物に付き合うことが苦にならないことに不思議な感じを覚えていた。
彼は仮にも私の上司になる人。それなりに気を使わなければならないと思ったけど、
なんだか、前からの知り合いのように馬があった。
遅めのお昼をカフェで取ることにした。
どこも多いから、コーヒーとパンだけの昼食。
だけど、彼という目新しい男性との食事は、私を別の新しい世界へ招待してくれているような
気がした。菊さまのことなど、とうに忘れていた。
私は彼の大阪時代の話や、プライベートのことを聞いた。
彼女は居たけど、大阪から離れたくないからという理由で最近別れたばかりらしい。
「転勤あると、そういうことってありますよね。女の人は地元から離れたくない人
けっこういらっしゃるから・・・・。」
「○○さんだったらどうしますか?」
「私、一人っ子だから、結構悩むと思います。だけど、最終的にその人のこと好きだったら
転勤ある人でも付いていくかな?」
私は結構マジで答えていた。自分でもなんでこんなに真剣に答えているのかおかしい気がした。
そのころ秀規は営業で関東の近辺で一生懸命いつものワンパターンねたを
やっていた。一元の客がほとんど。前の方にいつも見に来てくれている熱狂的な
客はいるけど、ほとんどの客が冷やかし、珍しさで秀規たちを見ているのだった。
30分ほどのライブ。今日も余裕で客を笑わせることができた。
ワンパターンな悲しいとき、どけどけ、アルゴリズム体操、行進、そして極めつけが
超駄作とファンの中でも定評のある、かわいいね。
後は、二人の嘘話を適当に話しとけばいいのだ。
そして最後にサインをプレゼント。
これでたっぷりのギャラがもらえるんだから、ちょろいもんだ。
寒さ暑さを我慢すれば、こんなに美味しい仕事は無いと思う。
秀規はつくづく自分はこの仕事についてよかったと思っている。
サラリーマンなんてかったるくてやってられるか!
秀規はもうこの芸人の世界にどっぷりはまっていた。
相方の山田が結構才能あるやつだから、奴にネタのことはまかしておけば
楽にやっていけると思っている。後は、役者の仕事を少ししてみたり、自分の好きな音楽の活動をしてみたり、
自分の好きなことを仕事にしていくことがきでるこの状態を永遠に保っていける妙な自信があった。
夢破れて消えていく芸人は星の数ほどいるが、俺様はきっと大丈夫に違いない。
秀規は今日の花見のプランを練っていた。
「そうだ!○○に桜の下でなにかプレゼントをあげようか・・・。」
何かロマンチックなものがいいなあ。
そうだ!指輪。彼女なのに指輪もあげてなかった。
帰りに早速ジュエリーショップへ行ってみよう。
その頃私達は買い物を終え、荷物が結構多いので、彼の家へ持って帰ることにした。
「どうもすみませんね。つき合わせてしまって。」
「いいえ、一人じゃ大変だから。」
私は快く彼の荷物を少しもってあげた。
30分ぐらいして、彼の家に着いた。
ワンルームの小さな部屋。まだあまり片付いてなかった。
仕事も忙しいし、なかなか男の一人暮らしって片付けが進まないものなのかもしれない。
私は上がらせてもらった。まだ4時だったので、お茶でも飲んでってといわれた。
お言葉に甘えてそうさせてもらうことにした。
部屋に開きかけたダンボールと棚があった。
「これ、もしかして本を入れるんですか?」
「ああ、そうなんです。なかなか暇が無くて、でも明日やろうと思ってますから。」
「じゃあ、入れるだけなら私しますよ。」
私はお茶が入るまでの間、少しでも手伝ってあげることにした。
文学小説や、辞書、営業に役立ちそうな指南本など、沢山あった。
結構本を読まれる方なんだなあ。私は彼がとても賢そうな男性のような気がしてきた。
そういえばあの人もよく本を読まれてたなあ。でもほとんど自己啓発本だったような・・・。
あれは自信のなさのあらわれだろうなあ、と今更ながら思った。
途中お茶を飲みながら、1時間かけて本を入れ終わった。
「助かりました。ありがとう。」
「いいえ、早く誰か手伝いに来てくれる方ができたらいいですね!」
すると、彼は恥ずかしそうに言った。
「できたらあなたみたいな人が来てくれたらいいんだけど・・・。」
私はびっくりしたけど、そういわれて悪い気はしなかった。
彼の今日の買い物の仕方とか、部屋の様子をみて、とても質素で堅実な感じがした。
私は菊さまのゴージャスな部屋を見慣れていたせいもあり、彼の部屋を見て、これが
本来の人の生活なんだと思い直すことができた。
菊さまは金使いも結構荒い。お金を平気で何十万も落としたり、自分が欲しいと思ったものは
絶対に買う。そのくせ、妙なところでケチだったりする。
菊さまはつくづく極端な人だと改めて思った。
私は菊さまとの花見の約束があることを思い出し、彼の家を後にした。
彼は駅まで見送ってくれた。
「じゃあ、また月曜日に会社で。」
「はい、来週も宜しくお願いします。」
「じゃあ、さよなら・・・。」
彼は私の両手をぎゅっと握り締めてきた。
びっくりしたけど、私は彼の目が真剣なのをしっかり見た。
ああ、私この人のこと好きになるかもしれない。
漠然とした思いだったが、確かにそのとき、私の心に彼が住み着きだしたのは
間違いなかった。
秀規は仕事帰りにジュエリーショップに寄り指輪を買った。
きっと彼女が喜ぶに違いない!秀規は自信があった。自分は彼女に
愛されている。絶対の自信。
帰りに道に小さなレストランを発見した。
試しに見せの人に予約取れるか聞いてみた。
空いていると言われ、さっそく彼女に電話してみた。
「もしもし俺だけど。」
「もしもし、何ですか?」
「レストランの予約とれそうなんだけど、6時でいいか?」
「はい、分かりました。」
秀規はとりあえずレストランの予約を取った。
後は家に急いで帰って、お洒落な服に着替えよう。
その前にシャワー浴びて、埃を落とさなければ。
秀規は彼女の笑顔に会いたくてもうたまらなくなっていた。
私は菊さまに指定されたレストランへ急いでいた。
ここかなあ?けっこうお洒落っぽい店。こないだのファミレスみたいに
ケンカにならないようにしなければ。
でも、私の中でさきほどの彼のことが頭をかすめた。
気になってしょうがない。ああ、私二股かけることになるんだろうか・・・。
いいや、そんな勇気はない。しかし・・・。
菊さまにこんなことうちあけられるわけもなし。
私はなるべく平静を装い、菊さまの待つレストランへ入っていった。
「○○〜!」
秀規は満面の笑みを浮かべ彼女を迎えた。
「菊さま、よくこんなお洒落な店みつけましたね。」
「俺ってセンスいいだろ?」
「センスはともかく、運が良かったですよね。」
「運てなんだよ。まあ、いっけど。コース料理にしたから。」
「高いんじゃないんですか?私あまりお金もってないから・・・。」
「大丈夫、俺のおごりだから心配するな。」
「でも菊さまっておごるって言って、お財布なかったりするから・・・。」
「大丈夫、ほらこれ見てみろ。」
秀規は分厚い財布を彼女に見せた。
彼女は安心した。しかし、同時にその分厚い財布を見て秀規と自分の間にある
見えない距離を感じていた。
秀規はそんなことに気がつくわけもなく、彼女を見つめていた。
ああ、こいつと出会ってそろそろ半年ぐらいかな?
最初はケンカ友達ぐらいにしか思ってなかったけど、いつの間にか彼女の魅力に
取り付かれている自分がいた。
彼女のこと、今ではとても愛しい。秀規は彼女に会うために自分は生まれてきたんだ、
今まであまりもてなかったのは彼女と出会いなさいっていう神さまの導きだったんだ。
秀規は自分でも顔がほころんでいるのが分かっていた。
今はもう彼女のことしか見えない。秀規の頭の中は彼女のことでいっぱいだった。
私は今日の上司の横山さんとの出来事を思い出していた。
あの人は普通のサラリーマン。仕事ぶりも大阪時代から社内で評判だったし、
話してみてとても誠実で頼りがいもありそう。
それになんと言っても経済観念みたいなものが私に似てる。
目の前にいるこの男。なんなんだろう。分厚い財布を見せられ前だったらとても
お金持ってて頼もしいって思ってた。
だけど今日は違う。何かが違う。目の前のこの男。職業は芸人。それもいつも詐欺みたいな
ワンパターン芸で高いギャラ稼いで、贅沢な生活を楽しんでいる。
毎日仕事してるわけじゃないのに、稼いでる額はきっとそこら辺のサラリーマンより多いだろう。
私や横山さんは毎日あくせく働いてわずかなものしかない。若いからっているのもあるけど、
目の前のこの男には分からない、きっと一生分からない苦労やしんどさがある。
ああ、きっとこの目の前の男はこういう苦労とかわからずに死ぬまで面白楽しく暮らしていくんだろうな。
私はそう思い出すと、この目の前にいる男に魅力を感じなくなっていく自分に気がついた。
私は確かにこの男のことがとても好きだったはず。
しかし、これから私も現実的に将来のことを考えていかなければならない。
そのとき、この男と一緒にこれからも居ることはいいことなのだろうか?
私は多分、これから先もこの人と一緒にいる自信は無いという確信がじわじわと心のそこから
上がってくるのが分かった。
秀規たちのテーブルに料理が運ばれてくる。美味しいそうなイタリア料理。
「こういうのお前好きだろ?」
「ああ、ええ・・・。」
「やっぱり。お前のこと考えてここにしたんだ!いただきまーす!
もぐもぐ。うん、やっぱり美味しい。どう?」
「もぐもぐ、はい、美味しいです。」
秀規は彼女の笑顔を見て満足だった。
彼女を喜ばせることがこんなに自分にとって嬉しいことだったなんて。
これからも彼女をたくさん喜ばせていきたい。そう誓う秀規だった。
私は確かに美味しい料理だと思った。だけど・・・。
この男の笑みを見ても今日は何とも思わない自分が居る。
この人、一体何考えてるんだろう?将来のこととかどう思ってるんだろう?
そろそろ、二人の将来のこととか話してくれてもいいはずなのに。
まだ早すぎるんだろうか?私はもう30になるからあまりゆっくりしてられない。
女は20代後半ともなるとこういう将来のことは誰でも一度は考えるはず。
子供を産む年齢だって考えていかなければならない。
だけど、この男。そういう配慮があるとは思えない。
一生一人でいても平気そうなこの男。私なんか居なくてもやっていけそうだ。
それに第一子供があまり好きじゃないって前言ってたようなきがする。
それじゃあ、結婚も遠いきがする。自分で好き勝手に生きていくだろう。きっと。
私は菊さまが何か喋っていたけど、適当に相槌を打つだけだった。あまり無関心で
いると変に思われると思って、時々微笑んだりした。
確かに美味しい料理。だけど、私は一緒に食べる相手を間違えたような気がしていた。
1時間ほどして料理を食べ終えた二人は店を後にした。
秀規は彼女を桜のある公園へ誘った。
ほぼ満開に咲いた桜は、秀規にとっては二人の愛を祝福しているかのように
思えた。さあ、今日は彼女にとっておきのプレゼントを渡さなきゃ。
秀規は空いているベンチを見つけ、彼女と座った。
「○○、目瞑ってごらん。」
「なんでですか?」
「いいから、つむれったら瞑れよ!」
彼女は促されるまま目を瞑った。
秀規は指輪を箱から出し、そっと彼女の左手を握り、クスリ指にはめた。
「さあ、目あけてごらん!」
「あー、指輪!」
私はびっくりした。この男が今頃になってこんなものくれるなんて。
「高かったんじゃないの?こんな綺麗な指輪私には似合わない。」
私はとても恐縮した。指輪の豪華さにもびびったけど、同時にもうこの男に
こんなことしてもらう理由もないような気がしていたから。
「そんなことない。お前にはいろいろ迷惑かけたし、俺のこといつも心配してくれてるし、
今までのお礼だよ。これからもずっと一緒にいてくれよな!」
そういうとこの男は、私を抱きしめてキスしてきた。
私はされるがままになっていた。いつもならキスされるだけで全身熱くなる感じがあるのに、
今日の私は冷めていた。
この男にキスされてるときも、あの彼のことが頭をかすめる。
「なあ、今から家に寄らないか?」
誘ってきた。きっと行ったらベッドに誘われるだろう。
私はそんな気分になれなかったので、
「すみません、明日早くでかけなければならないので、今日は帰ります。」
「お茶飲むだけでもいいから。な?いいだろう?」
この男の特徴。しつこい尋問がはじまった。
「すみません、本当きょうは疲れてるから・・・。」
「いいじゃないか、お前とまだ一緒にいたいんだよ。」
「私今週疲れてるんです。それに今日も一日中でかけてたし。
明日もいそがしいから、本当ごめんなさい。また今度にしてください。」
「ふん!せっかくお前と居たかったのに・・・。」
タコのようにふくれっつらになっている。前だとかわいいと思ったけど、
今はもうどうでもよくなっていた。
「指輪ありがとうございます。大切にします。おやすみなさい。」
私はこの男に早くさよならしたかったので、足早に家路へと急いだ。
帰ると彼からメールが入っていた。
「○○さんへ
今日はありがとうございました。とても助かりました。
明日もまた片付けの日々になりそうです。
それではおやすみなさい。 横山 より」
私もおやすみなさいのメール返信をした。
私は菊さまからの指輪を外した。
彼のことが頭から離れなくなっている。ああ、もう好きになってるんだ。
私は無性に彼に明日も会いたくなっていた。
なんとか理由を作って会いに行きたい。
私は次の日用事を済ませ昼すぎ、思い切って彼にメールしてみた。
「横山さんへ
今あなたの家の近所まで来てるんですけど、片付けのお手伝いしに
行ってもいいですか?迷惑でなければ・・・。
○○より」
返事を待っていると、メールが来た。
来てもいいけど、いいの?って入ったからもちろんOKですと返信して
私は彼の家へ向かった。
途中ケーキを買って。
ピンポーン!
「はーい。」
「○○です。」
「あ!どうぞ。ごめんね手伝いに来てもらって。」
「いいえ、ちょうどここら辺で用事があったから。あなたのこと気になって。」
私はとてもドキドキしていた。
彼の笑顔に会えてこんなに嬉しいなんて。
私はさっそく掃除やら、引越し荷物の整理を手伝った。
2時間ぐらい手伝ったところで、休憩した。
「持ってきたケーキ食べましょう!」
彼がお茶を入れてくれて、二人でケーキを食べた。
彼と話してるととても楽しい。新鮮。
大阪弁だから面白いし。
ケーキを食べた後も片付けを1時間ほどしていたら、夕方5時。
そろそろ帰らなければ。
「私もうそろそろ帰ります。」
「あっこんなに手伝わせてしまってごめんね。どう?よかったら夕飯たべて
行かない?僕なんか作るから。」
「えー料理されるんですか?」
「そうなんだ。どう?」
どうしようか。でも食べてみたい。
「はい!じゃあ夕飯食べて帰ります!」
彼が冷蔵庫に残ってるもので適当に料理を作ってくれた。
肉野菜炒め、玉子焼き、味噌汁、ご飯。
質素だけど、私は男の人に料理作ってもらうの初めてだったのでとても
感激していた。
「すごく美味しいです。」
「そう?照れるなあ・・・。」
照れた顔もまた可愛い。
夕食後食器を洗い、そろそろ帰ろうとした。
すると彼が私を見つめてきた。
私も彼を真剣に見つめる。
どちらからともなく近づいた。
私は目を瞑った。
彼はそっと私に優しくキスしてくれた。
私は嬉しさが全身からこみ上げてくるのが分かった。
「ごめん。びっくりさせたかな。」
「いいえ。」
私は彼の胸に抱きついた。
彼は優しく抱きしめてくれた。
そのとき私は思った。
「早くあの人と別れなきゃ!」
私は彼との別れを惜しみつつ、家路へと急いだ。
そして家に着くと急いで自分の部屋に戻り、菊さまからもらった指輪を
探した。
それと、護身用にカッターナイフを持って・・・。
ピンポーン
「はい?どなた?」
「○○です。」
ガチャ!
「おお、どうしたんだ?」
「ちょっと今いいですか?」
「いいよ、どうぞあがって!」
私はリビングに通されるとさっそく話を切り出した。
「あの、私の掛け布団返してください。」
「ああ、あれ?なんで?」
「必要だから、返してください。」
「でも、お客用あるんだろう?」
「もう、お客用使えなくなるから。」
「そうなの?じゃあ、分かったよ。」
菊さまは渋々承知してくれた。
まあ、承知しなくても無理やり私は持って帰る気でいたのだけど。
私は掛け布団を玄関まで運び、またリビングに戻った。
さあ、落ち着いて言わなければ。
「菊さま、この指輪返しますね。」
「は?な、なんで?」
「もういらないから。」
「デザイン気に入らなかったのか?じゃあ、新しいの買ってくるから。」
「そうじゃないんです。もう必要ないから。」
すると、菊さまの表情が曇っていくのが分かった。
「まさか、もしかして・・・。そういうことなのか?」
菊さまが悲しそうな目をされた。
「はい、私達しばらく会わない方がいいと思います。ていうか、私はそうしたい。」
「なんで?なぜなんだ!理由を言えよ!」
私は暫く黙っていた。本当のこと言うべきか。それとも適当に濁して
この場は逃げるべきか?
私が黙っていると、菊さまは、はっ!と気がつかれたような表情になり、
私を見てニカーっと笑った。
「ははは!そういえば今日はエイプリルフールだったな!
お前演技へたくそ!バカヤロウコノヤロウメ!w」
菊さまはおなかを抱えて笑われた。
私は意を決して正直に話すことにした。
「演技じゃありません。他に好きに人ができたんです。」
「ふふふふ、お前、もういいよ!俺を驚かそうとしたんだろうけどw」
「驚かそうとしてんじゃありません。好きな人ができて、その人と付き合うことに
なると思うから。もう、菊さまとは今までのように付き合えません。」
すると菊さまは笑うのをやめられた。
「好きな人できたって、お前のことそいつが好きじゃなきゃ、付き合いは
成立しないぞ!」
「はい、分かってます。」
「分かってて言ってるのか!」
「はい、その人だったら私の事大切にしてくれそうなんです。」
「おい!お前、俺だってお前のこと大切にしてきたぞ!」
「はい、それはもう本当に感謝してます。」
「感謝しててこの仕打ちか!お前馬鹿か!」
「なんと言われても結構です。でももう決めましたから。」
「俺は絶対許さないぞ!なあ、嘘だろ?冗談で言ってんだろう?」
菊さまは懇願するような目で私を見つめた。
いくら見つめられても私の腹は決まっている。
「冗談じゃないです。分かってください。」
「分かれってお前分かるわけ無いじゃんか!相手は誰なんだ!」
「菊さまの知らない人です。会社の上司です。」
「上司って・・・。何歳だ?」
「35です。」
「なんだ、おっさんじゃないか。俺のほうが若いぞ!」
「若いとか歳とかそういう問題じゃないんです。」
「じゃあ、そいつのどこがいいんだよ!」
「全部です。」
「ぜ、全部?」
菊さまは絶句された。
秀規は返す言葉が無かった。全部好きって、じゃあ俺は全否定か?
○○が表情一つ変えずにさっきから話すのを見て、秀規はどんどん事の
重大さに気づき始めていた。
「全部って意味わかんねー。」
「とにかく、菊さまとは私生きる世界が違いすぎるって、その彼と出会って
今更ながら気がついたんです。菊さまのこと本当に好きでした。
でも、私達お金の使い方とか、仕事とか、生活のリズムとか、あまりにも
違いすぎると思いませんか?」
「そんなこと、今更・・・。そんなの最初から分かってたことじゃないか!」
「そうなんですけど・・・。」
「だいたい、お前から俺に声かけてきよな!
そんなことしといて、飽きたからハイサヨナラって勝手すぎやしないか?」
「勝手なのは分かってます。どうか許してください。いえ、許してくれなくても
いいです。どうぞ、こんな私、ぶってください。そして振ってください。」
秀規はものすごい怒りと悔しさがこみ上げてきた。
こんな仕打ちをされるとは思ってもみなかったこと。
彼女の首を絞めたい衝動にかられた。
衝動をなんとか押さえることができた秀規は冷静になることにした。
台所に水を飲みに行った秀規は、落ち着いて考えることにした。
多分あの彼女の表情からして、彼女は別れたがってることは間違いないようだ。
でも俺は・・・・。別れたくない。これが本心。
でも向こうには好きな人がいる。それも多分両思い。
急に別れろっていわれてもこっちは何の心の準備もできてない。
秀規はリビングに戻った。
「なあ、今すぐ別れるのは俺は無理だ。考える時間をくれ。」
「わかりました。じゃあ、1週間後に返事ください。じゃあ、帰りますから。」
「なあ、お前先週俺に抱いてくれって頼んだの、あれなんだったの?」
「あの時は菊さまのことしか見てなかったから。彼と会ったのはその翌日からなんです。」
「えっ?なんだって!」
「彼は先週の月曜日に転勤してきたんです。」
「おい!お前大丈夫か?そんな1週間で人のこと分かるわけ無いだろう?」
「はい、自分でも不思議なんです。でもなんていうかビビビってきたんです。」
「は?お前頭おかしくなったか?」
「おかしいっていわれても仕方ありません。でも私多分その人と結婚することに
なると思うんです。」
「そんな、お前だまされてるんじゃないのか?」
「いいえ、たとえ結婚できなかったとしても、多分あなたといるよりはマシだと思うから。」
「な、なんだと!俺よりマシって・・・。俺ってそんなに下に見られてたのか。」
秀規はショックを受けた。
「すみません、今のは言い過ぎました。でも菊さま私と結婚する気ないでしょ?
私はもう自分の年考えて結婚や子供産むことかんがえなきゃならないんです。
でも、菊さまはそういうこと考えてくれないから。」
「だってお前、結婚したいとか言わなかったじゃないか!」
「だって菊さまって自由に暮らしておられるから、結婚なんて持ち出したら
嫌われると思って言い出せなかったんです。」
「言ってくれれば俺だって真剣に考えた。今からだって考えるよ。」
「いいえ、もうあなたとは価値観とか違うと思うから。」
「そんなことない。俺はお前のこと愛してるし、俺のこと分かってくれるのは
お前しかいないんだ!今から真剣にお前との将来考えるから。な!」
「いいえ、もう私はかんがえられないから。じゃあさよなら。」
彼女は布団を抱えて出て行った。
秀規は持っていたコップを思いっきり床にたたきつけた。
そしてその場にへたりこんでしまった。
「なんで、なんでなんだ・・・。神様、なぜこんな仕打ちを・・・。」
秀規は涙が溢れてきたけど、もう拭う元気もなった。
もうだめだ。彼女はもう戻ってきそうにも無い。
先週はあんなに愛し合ったのに。
女心と秋の空っていうけれど、こんな1週間で心って変わるものなのか?
もう、誰のことも信じられない。
秀規はその晩涙で枕を濡らす夜となった。
朝まで涙が止まらなかった。
つ づ く
自分の過去の恋愛と被って泣いた。すごい泣いた。
309 :
名無しさん:2007/04/01(日) 23:33:59
同じ事繰り返すだけでギャラ貰えてええな
暴力男の元彼を思い出して吐いた。すごい吐いた。
菊さまがあまりネタ提供してくれないから、こんな変な展開になってしまいました。
(おまけに誤字脱字だらけ。)
どうぞ
>>308、
>>310さまお許しを。
菊池はハゲだよ
真性ハゲとうすらハゲ、どちらが深刻だろ?
【ワタナベイビー】復活・ホフディラン3【BANK$】 [邦楽グループ]
誰?
>>315 どっちも深刻だろw
特に菊地様は多毛だったし、ちょっとは気にしているに違いない。
前髪ヤバスw
来月は菊地様の誕生日!育毛剤をプレゼントしましょう!
>>318 マジで皆で送ってみる?
菊さまがどんな反応示すか?結構私意地悪だから菊さまを試してみたい。
自分も試してみたいwワカメも一緒に。
反応してくれたら祭りだけど、
見事にスルーだったら金の無駄w
本当は綺麗なお花のアレンジメントでも贈ろうかなと思ったりしたんだけど。
菊さまのことだから、贈ったところで喜びそうにもないし。
何あげたら喜ぶのか見当がつかない。
あげたもの全部捨ててそうだし。(投げつけてふんづけてそう)
バースデーカードなんてあげても破り捨てそうだし・・・・。
育毛剤って何円ぐらいするんだろうか?
皆さん意地悪だねw
>>321 本気で喜ばそうとしたら高級食材じゃない?中途半端なモノならいらないと思う。
育毛剤はピンキリ。
悪戯心で送るなら頭髪関係、制汗剤とかがよろしいかと。
余談だけど、某芸人が制汗剤貰って口臭スプレーだと勘違いして
使ってて喉痛めた、俺って臭いのかってネタにしてたよ。
100均で売ってる造花なんてどう?w
324 :
名無しさん:2007/04/07(土) 13:45:39
育毛剤、制汗剤、ワカメ、造花、インクが出ないペン、クッキー、焼売、ストーリー性のあるAV
○○から別れを切り出された夜、泣くだけ泣いてもう体中の水分全部抜け切った
ぐらい涙が出たひでのりだったが、翌日もその翌日も夜になると涙がジワリと出てきた。
仕事をしているときは忘れているのだけど、家に戻ると悲しみが襲ってくる。
何度も何度も自問自答した。
なぜ彼女の心が離れてしまったのだろうか?たまたま他に好きな人が現れたからか?
そうでなくとも離れる運命だったのだろうか?
彼女の言った言葉が今でも胸に突き刺さっていた。
「お金の使い方、仕事、生活のリズム、結婚・・・・。」
彼女が秀規に対してこんなにいろいろ違和感を持っていたとはつゆ知らず。
彼女は自分のこと愛してくれてるとみじんも疑わず。
俺は結局彼女の考えてること、思ってること何も分かってなかった。
彼女が結婚のことで悩んでたなんて。
秀規は自分でも少し我ままで自由奔放なのは分かっていた。
でも、愛する彼女と一生一緒に居るためなら、それなりの覚悟はできたはず。
秀規はなぜ少しでも将来について彼女と話し合う機会を持たなかったのか、
悔やんでも悔やみきれなかった。
少しでも話していれば、彼女の心を繋ぎとめることができたのかもしれない。
指輪を返された今、もう彼女を説得させるだけの力は自分には無い気がした。
1週間後の約束でもう1回会うことになっている。
なんて気持ちを伝えればいいのだろうか。
もう伝えたところでだめなのかもしれない。
でも最後に伝えなければ。
秀規は意を決して、彼女に本音でぶつかることに決めた。
菊さまに別れを切り出してから、私は胸のつかえがおりたような感じで
これで思う存分彼との交際を楽しめると期待していた。
母にも菊さまとの別れを報告した。
母はさすがにびっくりしていた。
「本当なの?」
「うん。まあ、向こうがまだ納得してなくて、この日曜日にまた話し合うんだけど。」
「そりゃあ、納得しないでしょう。ちょっとあなた勝手すぎない?」
「それはもう、私が悪いと思ってる。だけどどうしようもないの。
もう、横山さんのこと好きで好きでしょうがないから・・・。」
「その横山さんって、あなたと本当に付き合ってくれるって言ったの?」
「いいや、まだ。だけど、私のこと好きなのは間違いないみたいなの。」
「そんな、あいまいな。」
母はあまり菊さまとの別れ、横山さんとの新しい交際を快く思ってくれなかった。
仕方ない。少しずつ分かってもらうようにするしかない。
私はそれから、横山さんと平日の夜もお食事しに行ったりした。
同じ会社だからお互い何時に仕事が終わるか分かるし、なんと言っても休みも
同じだから付き合いやすい。
菊さまだとこうはいかないもんな。
彼とのデートは私にとってかけがえの無いものになった。
彼の笑顔に会えるのがとても嬉しい。社内では二人とも平静を装っていたけど、
一歩会社から出ると、もう二人だけの愛の世界。
とはいってもさすがにまだ身体の関係は無かった。
私は菊さまのこと完全に決着がつくまではそういう関係にはなれないと思っていた。
それにもう少しデートを重ねて彼のこともっと知りたかった。
でも、デートの終わりには必ず彼は私を抱きしめてくれて、キスしてくれた。
秀規はライブを終え、足早に○○との待ち合わせ場所である公園へ
向かっていた。
途中、○○と初詣した思い出の神社へ立ち寄った。
「どうか神様、○○と別れたくありません。でもどうしようもないのでしょうか?
なんとかしてください。その為なら命を懸けます。」
秀規は一生懸命神頼みした。気休めにしかならないかもしれないけれど、もうなんでも
いいからすがりたい気持ちだった。
桜が満開にさく公園。ついこの間彼女と眺めたこの桜。この桜の下で口づけを交わしたのに。
もうその時すでに彼女の心は秀規からは離れていたんだろうか?
少し冷たい風が秀規の頬をかすめる。
彼女が来るのをひたすら待つ秀規だった。
その頃私は菊さまとの待ち合わせ場所へゆっくり向かっていた。
今日、必ず決着をつけなければならない。そうでないと幸せになれない。
私は意を決して、菊さまと刺し違えてもいい覚悟で今日は子刀と防犯ブザーを
鞄にしのばせた。
そして母に、1時間たっても戻らなかったら見に来てくれと頼んだ。
「菊さま。」
彼女が来た。
「ああ、元気だったか。」
「はい。菊さまも。」
二人の間に気まずい雰囲気が漂う。
「まあ、そこに座ろうか。」
秀規は彼女を促し、ベンチに座った。
いつまでも黙っていてもしょうがないので、秀規から話を切り出すことにした。
「さっそくだけど、お前の気持ちは先週と変わってないの?」
「はい。変わりません。」
やっぱり、だめか・・・。
でもしょうがない。自分の気持ちだけははっきり伝えなければ・・・。
「俺の気持ち聞いてくれ。
俺は、お前のこと今でも愛してる。お前を嫌いになることもあきらめることも
多分できないと思う。時が経てばあきらめて忘れられるのかもしれないけど、
相当時間がかかると思う。だから俺は無理にお前のこと嫌いになろうと思わない。
付き合うのはあきらめるけど、お前に代わる誰かが現れるまで、俺はずーっとお前の
事を想って行こうと思う。
これが俺の答え。」
「分かりました。私の事好きで居てくれるのは菊さまの自由ですから。どうぞ勝手にしてください。
でも私はもう菊さまのこと好きではないから。それはちゃんと分かってくださいね。」
「分かってる。」
秀規は自分の本心を伝えることができて少しスッキリした。
だけど、彼女とはもうお別れ。寂しさが募る。
「菊さま、合鍵返しますね。それと、菊さま、私の裸スケッチしたのまだ持ってるんですかね?」
「ああ、持ってるよ。」
「あれ、処分してもらえませんか?それか、私に返してください。タダとはいいませんから。」
「そんな、何心配してんのか知らないけど、アレは俺のものだから。お前には渡せない。」
「でも、何に使われるかわからないから。」
「心配しなくてもいいよ。絶対誰にも見せないし、家から持ち出すことも無い。
どこかに流すこともしないから。約束する。」
「本当ですか?じゃあ絶対ですよ。」
アレだけはなんと言われても渡せない。
だって秀規にとって大事な大事な宝物。
「じゃあ、菊さま私そろそろ帰りますね。」
「ああ。お前、その彼と本当に結婚できそうなのか?」
「わかりません。だけど順調に交際してますから。多分そうなると思うんです。」
「そうか・・・。じゃあ幸せになれよ。」
「ありがとうございます。菊さま、今まで本当に愛してくれてありがとう。
菊さまのこと一生忘れません。それにこれからもいつここのファンでいますから。」
「分かった。俺こそありがとう。お前と会えて本当に幸せだったよ。」
秀規は自分でも涙がこぼれそうになっているのが分かった。
だけど男だから我慢しなければ。
「じゃあ、菊さまさようなら・・・。」
彼女がゆっくり去っていく。
私は自分から菊さまに別れを切り出したことを少し酷だったかなあと感じていた。
菊さまをとても傷つけたと思う。だけど自分の幸せを掴む為には仕方ないこと。
自己中だと言われても仕方ない。
そう思いながら私は菊さまに背を向け、去ろうとした。
すると駆け寄る足音がした。
そして私を背後から菊さまが抱きしめた。
「き、菊さま・・・。」
「ごめん。どうしても最後だと思うと、悲しくて、寂しくて・・・。」
私は背中越しだけど、菊さまの悲しみが伝わってきた。
「菊さま、ごめんなさい。本当ごめんなんさい。」
「謝らなくていいよ。益々悲しくなる。それより、最後のお願い聞いてくれないか?」
「何ですか?」
「嫌かもしれないけど・・・。最後にお前のこと抱きしめたいんだ。」
「・・・。分かりました。」
私は菊さまに言われるがまま菊さまと向かい合った。
菊さまは私を強く抱きしめた。
私はこれで最後だから、されるがままになっていた。
秀規は強く強く彼女を抱きしめた。
今までで一番愛した女性。心から好きだった彼女。
秀規はその想いを伝えるかのように、抱きしめた。
そして、最後の口づけをした。
彼女の柔らかい唇。もう二度と触れることもできない頬。
秀規は一筋の涙を流しながら、彼女に厚い口づけをした。
涙を拭い、彼女と反対方向へ歩き出した。
もう振り返ることも無い。
秀規の唇に桜の花びらが優しく引っ付いてきた。
まるで、秀規を慰めるかのように。彼女との甘酸っぱい思い出。
これらの思い出は無駄ではなかったはず。
きっと自分は強くなれるはず。そして人に対して優しくなれるはず・・・。
秀規はいろいろな想いを胸に、家へ帰るのだった。
つづく
結局誰も菊さまの誕生日プレゼント買わないんだろうねw。
難しいよね。何プレゼントしてもかんしゃくおこしそうだもん。
猫の糞と思わせておいて、カリントウっていうのはどうだろう?ありがちか・・・。
クール宅急便で蟹を送る。
菊地様は「おっ!蟹だ!」と思い持ち上げると、
蟹は蟹だが殻だけ・・・みたいな本格ドッキリ
>>341 中身はかにかまぼこを詰める!w
今日気がついたんだけど、6月に隣の県に菊さまがライブに来られます。
あー、酒祭り以来8ヶ月ぶりに生菊を拝見できるチャンス。
チケット代や交通費を工面せねばならないので、やっぱり誕生日の贈り物は
できそうにもありません。
ああ、菊さまどうぞお許しください。
>>342 確か広島に住んでるんだよね?そっち方面にはあまり来ないから大変だね。
楽しんできてね。
芸株の最後のスケベメールすごく受けた。
菊さまの激怒ぶりも面白かった。
でもメールの内容、同じ女だから気持ち分かりましたよ。
>>345 貴方はオナニーして遅刻するタイプ?我慢するタイプ?
>>346 朝に欲求が高まるということはあまりありません。
あっても、チョンっと触る程度で気が済みます。
あなたはどうですか?
それにしても菊さま超能力にうつつを抜かす前に、女体の研究や、女性心理
を勉強してそれをコーナーにした方が面白いと思う。(だめかしら?)
1年たってもイマイチトークの腕があがってない菊さまを情けないと思う反面、
バカな子ほど可愛いという親心的な心情です。
芸人としてイマイチだなあと思うけども、あまり長生きしたくないっていう菊さま。
「そんなこと言わないで長生きしてほしい。」と思いました。
やっぱり、菊さまのことなんだかんだ言っても心配です。
菊さまにサヨナラした私は、これで新しい恋を思う存分楽しめると意気込んでいた。
新しい彼、横山さんとはとても気が合う。
彼は毎日、夜必ず電話をくれる。
10分程度しか話さないが、私にとってはとても楽しい時間。
それと、平日の仕事が早めに終わる日は必ずデートに誘ってくれた。
すっかり彼との甘い時間に浸る私ではあったが、時折菊さまのことが
頭をかすめた。
私の方が最初はお熱をあげて、菊さまに近づき、ずうずうしくもお付き合いする
ようになったわけだが、プライドの高い菊さまを結局振るような形にしてしまった。
私はあれから菊さまがどうなっているか気になっていた。
気になるが、あれだけ強く別れを切り出した手前、メールや電話をすることは
はばかられる気がした。
アドレスや番号を消すのは忍びない気がして、まだ消せずにいる。
新しい彼ができたとは言え、やはりあんなに心から愛してくれた人。
私にとって菊さまは過去ではあるが、特別な存在だ。
菊さまの様子が知りたくて、芸株を聞いてみた。
番組1周年だというのに、相変わらずの内容ではあったが、菊さまの元気な声が聞けて、
正直安心した。
超能力に凝るのはいいけども、もっと女のこのこと分かって欲しい気がした。
そうすれば、私達もしかしたら別れて無かったかもしれない。
まあ、今更言ってもしょうがないことだけども・・・。
秀規は○○と別れてから自分が正直どんな精神状態になるのか不安だった。
しかし、別れた状態に少しずつ慣れてきているのが分かる。
仕事をしているときは忘れているし、友人と飲みに行ったり、遊んだりしていれば
もう彼女のことを思い出すこともなかった。
ただ、夜寝る時には必ず思い出す。
「ああ、あいつ今頃どうしてるんだろう。元気なんだろうか。」
付き合っているときは対して彼女の心配なんかしてなかったのに、別れてからの方が
彼女の健康とか仕事のこととか気にしている。
彼女とは家が近いから少し気まずい。
彼女の母親にもしかしたらバッタリ会うこともあるだろう。
どんな顔して会えばいいんだろうか?
「あのお母さんの料理ももう一生食べれないんだな・・・。」
秀規は彼女の家へ泊まった時のことを懐かしく思い出していた。
彼女とのことを忘れたいが為、秀規は毎夜毎夜ビデオや雑誌、あるいは
小説を読み、自分の欲求を満たしていた。
かつて彼女と別れさせられた時、行きずりの女に走ったことがあったが、
今はもうそんなバカなことをする気は無い。
自分の心、身体を大事にしたい。
長生きする気は無いけれども、純粋な心で、なるべく清い体でいたかった。
どうなるか分からないけれども、いつかまた彼女がそうしてくれたように、
心から秀規を愛してくれる人が現れるかもしれないから。
そのまだ見ぬ人のために、秀規は自分を大切にする決心をしていた。
週末、横山さんが私を面白いバーに連れて行ってくれた。
そこは缶詰バーと言って、さまざまな種類の缶詰を置いている。
好きな缶詰を買って酒の肴やデザートの代わりにする。
私はものめずらしさもあって、とても面白いなと思った。
「大阪でも行ったことあったから調べたらやっぱり東京でもあってんなあ。」
彼は私のためにわざわざ調べてくれていた。
私は菊さまと違っていろんなところへ連れてってくれる彼を頼もしく思っていた。
菊さまとは休みが違ったり、生活のリズムが違ったからどうしてもデートがあまり
できなかった。
つくづく菊さまとは縁が無かったのかなあと思いしらされた。
彼と楽しくお酒を飲んで、お手洗いに立つ私。
すると、私に声をかけてくる人がいた。
「○○さんじゃないですか?」
「はい・・・。あっ、こんばんは。」
それは、菊さまの友人のAだった。
「今日はお友達と飲んでるんですか?」
「ええ、まあ・・・。」
なんて言えばいいのか、返答に困った。
菊さまと別れたこと知ってるんだろうか?
「また3人で食事行けたらいいですね。ぜひ!」
ああ、まだ何も知らないんだ。
私はその場は笑ってごまかすことにした。
「そうですね。じゃあ。」
私はトイレに入った。
ああ、出て、横山さんの隣に座るの見られたら絶対おかしいと思われる
だろうな。
でも、まあいいか。
気にしてたらきりがないもん。
Aは別のブースで飲んでいたが、先ほどの秀規の彼女の様子がどことなく
よそよそしかったのを見逃さなかった。
「何か様子がおかしいなあ。」
そう思ったAは彼女がトイレから出てくるのを目で追った。
すると、明らかにサラリーマンらしき男の隣に座っているではないか。
「ああ、会社の飲み会かなんかかなあ。」
そう思ったが、二人だけがいつまでも話しているのを見て、とても親密なのを
察知した。
まさか、えっ、浮気?
これは秀規に報告せねば・・・。
Aはおせっかいかとおもいつつ秀規に電話してみることにした。
「もしもし、Aだけど・・・。」
「ああ、もしもし、どうしたの?」
「あのさあ、今飲んでんだけど、お前の彼女の○○さんが同じ店の中に
いるんだよ。」
秀規はドキッとしたが、平静をよそおうことにした。
「ああ、そうなの、ふーん。」
「なんか、男の人と一緒に飲んでるみたいだけど、あれ友達なのかなあ。」
「そんなこと俺に言われても知らねえ。もう関係ないし。」
「えっ?なんで関係ないの?」
「もうあいつとは別れたから。」
「はっ?こないだ紹介してくれたばっかりじゃん!
いくらなんでも早くないか、別れるの。」
「そんなこと関係ない。別れたもんは別れたんだ。これが事実!
もうようないんなら切るぞ!」
「おい、お前別れたって、本当にいいのか?」
「良いも悪いもないだろう。」
「理由はなんなんだよ。あれだけ好き好き言ってたじゃん。」
秀規はもう面倒臭くなったので本当のことを言うことにした。
「向こうから別れて欲しいって言われたんだよ。
多分今一緒に居る奴が新しい彼だよ。じゃあな。おやすみ!」
秀規は携帯を一方的に切った。
Aに相当ショックを受けていることを悟られたかもしれないけど、もうどうでも
良かった。
全くおせっかいな奴だ。
そう思いつつ、Aが心配して電話してくれたことは分かった。
だけど今は腹を割って詳しい話をする気になれなかった。
いずれは話を聞いてもらうことになるだろう。
その時までそっとして欲しいと思う秀規だった。
私はAと菊さまの間でそんな会話がなされているとも知らず、
彼との楽しい時間を過ごしていた。
そろそろ帰ることになった。
Aが居る席を横切らなければならなかったが、私は知らない顔で通り過ぎた。
もう関係ない人だし、二度と会うこともないだろう。
私は新しい道を進んでいるんだから。
でも、菊さま今ごろどうされているんだろうか?
別れたとはいえ、少し気になる。
しかし、いつまでも気にしていたのでは前に進めない。
私は新しい彼と、菊さまの見えない呪縛の間で揺れていた。
つ づ く
菊さまがプレゼントした靴って結局無駄になったってことですよね?
359 :
名無しさん:2007/04/15(日) 21:27:31
また菊地が履けば良いじゃん
それもそうだね。
平日の夜、彼に誘われ彼の家へ向かった。
給料前ということで外食は高くつくから家で料理しようということになり、
私は彼と一緒にスーパーで食材を買った。
家に到着後、料理に取り掛かった。
40分ほどかかって料理ができた。
彼が好物だというタラコスパゲティー、水菜のサラダ、ほうれん草の卵炒め、オニオンスープ。
スパゲティーをゆでている時、ふとあの人のことを思い出した。
そう、菊さまのこと。
スパゲティーを大量に茹でようとして私と大喧嘩になり、結局それを全部食べて腹を壊した菊さま。
あの時私が結局看病に行ったけど、相変わらず今でも好きなものを好きなだけ食べてらっしゃるんだろうか?
もう菊さまに会うこともないはずなのに、やはり思い出してしまうのはなぜなんだろう?
ええい!もう菊さまのことは置いといて、彼との時間を大切にせねば・・・。
私は菊さまの呪縛を振り払うように、勤めて彼に対して笑顔でいることを心がけた。
「うん!おいしいなあ。嬉しいなこんなに美味しい料理食べれて。」
彼がとても褒めてくれた。
「本当ですか?いつも横山さんにおごってもらってばかりで
気が引けてたんですよね。喜んでもらえて良かった。」
私は彼の美味しいそうに食べる表情を見て、ああ、一生この人の為に料理が
作れたらいいのにと心から思った。
食後番茶を飲みながら、彼が私をじっと見つめてきた。
なんかまともに見つめられるとこそばゆい感じがした。
私は気づかない振りをしてテレビを見ていた。
でもテレビの内容なんてほとんど頭に入ってない。
横山さんがどういう行動に出るか、それだけが気になっていた。
「ねえ、○○さん、こっちにおいでよ。」
彼が隣に座るように促してきた。
「はい。」
私は言われるがまま彼の隣に座る。
「あっ、タラコのソースが少しついてんなあ。」
と言うと、彼は私の頬を触り、隙をついたように唇を奪ってきた。
私はびっくりしてしまったけど、彼の真剣な口づけを受け入れた。
彼はねっとりと舌も絡ませてきた。
どうしたんだろう?こんなこと初めて。いつもフレンチなキスばかりなのに。
今夜は違う。
長い口づけで、私の反応を確かめたのだろうか?
今度は耳や首にもキスしてきた。
私は首が感じやすいから、つい声を出してしまった。
「ああん・・・あぁ・・・。」
初めて彼に首を攻められどんどん感じてくる。
やばい、徐々に身体が熱くなってくる。
彼が私を求めているのがはっきり分かった。
私は拒むつもりはなかったので、彼のしたいように身をまかせることにした。
彼は私に服を脱ぐよう促した。
ブラジャー1枚になった私の肩紐をゆっくりはずし、ホックに手を伸ばした。
「ねえ、シャワー浴びさせて。」
「ああ、そうやな。風呂わかしてあるから・・・。」
私達はシャワーを浴びた後、生まれたままの姿となり、ベッドの上にいた。
「愛してるよ、○○さん・・・。」
「私も・・・。」
私達はお互いに愛を囁きあい、抱き合った。
彼は私を強く抱きしめた。
抱きしめられただけなのにとても嬉しかった。
大好きな彼に抱かれる日が来たことを私は心から喜んだ。
彼は私の感じやすい部分を満遍なく愛撫してくれた。
そして、秘められた部分を攻めてきた。
完全に彼のペースに乗せられ、私は見る見るうちに絶頂に達してきた。
「あぁん・・・あぁん・・・」
私は彼の前で恥ずかしいけど、どんどん大きな喘ぎ声を出していた。
そして彼が私の中に入ってきた。
奥深くゆっくりと彼のものが入ってくる。
入れられるだけでもとても感じた。
彼が腰を前後に動かす。
始めはゆっくりだったが、徐々にスピードを上げ、強く動かした。
彼のものに突き動かされ、私の体の中心は熱を帯び、絶頂に達した。
「あーん・・・。」
数秒後、私は完全に絶頂に達した。
そして彼も私の中で果てた。
彼はしばらく私の中に入れたままだったけど、ものを外し、ゴムをはずして
ティッシュで私の恥部を優しく拭いてくれた。
私は激しい交渉で少し疲れたので横向きで寝ていた。
彼も私の横に寝そべり、背後から私を優しく抱きしめた。
「痛くなかった?俺力入れすぎたかな?」
「大丈夫です。」
私は彼の方に向き直り、彼の厚い胸に甘えた。
頼もしいくらいの男らしい身体に顔をうずめてみた。
彼の心臓の音がする。
ああ、この身体も彼の心も一生私のものにしたい。
私はこの時強くそう思った。
「なあ、まだ早いかもしれへんけど、俺達の将来のこと考えへんか?」
「えっ?将来?」
「そうや、どう?嫌かな?」
私はとても嬉しかった。確かにまだ付き合って少しだけど、彼がそう言ってくれたことに
とても感謝した。
「本当に?私と一緒に生活するの大丈夫?」
「大丈夫や。君ならきっといい嫁さんになってくれる。」
「うれしい!」
私達は将来の約束をし、また抱きしめあった。
夜の9時を過ぎたころ私は帰る支度をしていた。
「駅まで送るよ。」
彼はもよりの駅まで送ってくれた。
彼と改札口で別れる時、寂しさが募った。
ああ、いつも一緒の家で生活できる日が早くくればいいのに・・・。
私は後ろ髪ひかれる思いで地下鉄に乗った。
駅から家までの帰り道、私は寂しいけど彼との将来に心躍らせながら歩いていた。
途中コンビにに寄り、いつも使っている化粧品を買った。
店から出ようとした時私の目に飛び込んできた人物がいた。
菊さまだった。
菊さまは今から買い物される様子だった。
「き、菊さま・・・。」
「あっ・・・。○○・・・。」
私はすぐに帰ろうかとも思ったけど、久しぶりの菊さまを見てなんだか懐かしくなった。
「菊さまお元気ですか?」
「ああ、お前元気か?」
「はい、おかげさまで。今日は何買われるんですか?」
「ラーメン買いにきたんだ。」
「相変わらず好きですね。」
そういうと、菊さまは奥の棚に行かれ、ラーメンを買われた。
私は入り口で待っていた。
そして二人で外へ出て、並んで歩いた。
「菊さま、ラーメンばかり食べずに、栄養のこと考えてくださいよ。」
「うるさい!お前に言われる筋合いはない!」
「筋合いはないかもしれないけど、菊さまのこと心配です。」
「なんだよ、もうお前俺の彼女じゃないじゃん!」
「彼女じゃないけど、ファンとしてじゃだめですか?」
そう言うと菊さまはおとなしくなられた。
しばらく二人の間に沈黙が流れた。
「お前、新しい彼とはうまくいってんのか?」
秀規は気になっていたことを聞いてみた。
「はい、おかげさまで。」
「大丈夫か?遊ばれてんじゃないのか?」
「彼とても真面目な人なんです。それに将来のことも考えてくれてて・・・。」
「そうか、じゃあ大丈夫か。俺が心配することじゃなかったな。ごめん。」
「いいえ、心配してくれて嬉しいです。菊さまは私にとって兄みたいな存在ですから。」
兄か・・・。秀規はとても寂しかった。
まだ秀規の中では決着がついていない彼女への思い。
彼女がもしかしてうまくいってないのではないかと淡い期待を抱いていたが、だめだった。
彼女は順調に新しい彼と交際している。
もう俺の出る幕は完全にないわけか・・・。
「じゃあ、俺こっちだから。」
「はい、おやすみなさい。あっ、菊さまたまにはメールくださいね。
お互い近況報告しあいましょうね。私達いつまでも友達ですよ!」
「ああ、わかったよ、じゃあな!」
秀規は力なく答えた。
彼女の後ろ姿を見送り自分も歩き出した。
最近変態作家様いないよね?生きてるか!?
私は歩き出して少しして後ろを振り返った。
遠くに見える菊さまの背中。
とても小さく見えた。
近況報告しあいましょうねと言ったものの、多分菊さまはメールしてこない
だろう。
相変わらずラーメンばかり食べてるみたいだ。
人の忠告なんか聞かない人だからきっといずれ病気になるだろう。
私はつくづく菊さまと別れて正解だと思った。
絶対菊さまより幸せになるんだ。
菊さまみたいな甘い人間、楽してる人間なんかより絶対幸せになってみせる。
私はこの時、菊さまの優しさや愛情など忘れ、それどころか菊さまを軽蔑する
思いが宿っていた。
真っ暗な家にたどり着いた秀規は、灯りをつけ、台所へ行った。
湯を沸かしラーメンの蓋を開け、調味料を入れる。
黙々と作業をする秀規は彼女のことを想っていた。
まだ忘れられないでいる秀規は、今夜バッタリ会った彼女を見て胸がキュンと
なるのを確かに感じた。
「やっぱりあいつのこと好きでしょうがない・・・。」
彼女が今の彼とうまくいっているみたいだから幸せなんだろう。
彼女の幸せは嬉しいことだ。だけど、なぜ俺とじゃないんだ?
誰に文句をぶつけることもできない。
神様、この仕打ちは俺が何か悪いことしたからですか?
彼女と初めて会った時からこうなる運命だったんですか?
秀規は出来上がったラーメンをすすりながら、涙が溢れてくるのが分かった。
こんな寂しい悲しい気持ち、一体いつまで続くんだろうか・・・。
休日、私は昼前ぐらいから彼の家へ遊びに行った。
お昼の食材を買って訪ねた。
彼は洗濯をしていた。
毎日はしないから休日にまとめてやるらしい。
私はお風呂、トイレ、玄関を掃除することにした。
家でもあまりお手伝いしないのに、愛する人の為なら掃除も苦にならない。
彼に気に入られたいという気持ちも有るし、いずれ家事を毎日しなければ
ならない日がくる。
もちろん彼との生活の為に。
掃除が終わる頃、丁度お昼になったので昼食の支度をする。
焼きそばの材料を買ってきたのでその準備をした。
15分ぐらいでさっさと作りあげ、彼と一緒に食した。
「おいしいよ。」
「うん、おいしいね。」
私達は微笑みあった。
本当に彼と一緒にいるのが私にとってとても幸せな時間だった。
満腹になった私達二人は少し眠くなっていた。
彼は横になっていた。
私は洗い物を済ませ、彼の横に一緒に寝転がった。
お互い向き合った状態で寝転がっていると、彼の顔が私に近づいてくる。
そっと私に口づけしてきた。
焼きそばの味がした。
彼の気持ちが分かった私は自ら服を脱ぎ、下着1枚になった。
彼も下着1枚になり、私を抱きしめる。
私達は昼間だというのに、激しく抱き合うことになった。
激しい愛撫を受け、私は腰をくねらせていた。
彼の指が私の恥部に何度も入っていき、かきだすように動いた。
栗の部分も刺激を受け、私は体全体が熱くなっていた。
「はぁ、あぁぁん・・・。」
つい悩ましい声を上げてしまう。
私は彼の愛撫で、絶頂に達した。
でも彼の方がまだ達してなかったので、私が今度は上になり、彼のモノを口に
含んだ。
しばらく舌でモノを転がしていると、彼がいきそうになるのが分かった。
私はまた下になり、彼を受け入れる。
股を大きく広げ、彼が入りやすいようにした。
彼は素早くゴムを着け、私の中にゆっくり入り込む。
そして激しく腰を動かした。
私もそれに合わせるように腰を動かした。
「あぁ、あぁん・・・。」
私は自然と出てくる喘ぎ声を抑えることができない。
彼も興奮している。
そして数十秒後、彼は私の中でフィニッシュした。
その後も二人の性欲に火がついたようで、今度は私が上になり、騎上位状態で
彼と合体し腰を動かした。
「はぁん、はぁん、・・・。」
私は腰を動かすのと同時に声を漏らした。
たいして豊かでない乳房もものすごく揺れているのが自分でも分かる。
私は自分でものすごく今恥ずかしい姿でいることは分かっていたが、
この快感に溺れていたかった。
彼と毎日でも抱き合いたい。
そのくらい彼のことを愛している自信はあった。
2度目の合体を終え、私達は裸のままベッドに入った。
そして昼寝を少しとることにした。
午前中掃除して、昼食を作り、そして2ラウンドの行為を終えた私は
疲れきっていた。
でも、心地よい疲れだった。
快感の余韻が残るまま、私は深い眠りについた。
目が覚めると午後4時を過ぎていた。
起きると、彼はもう服を着ていた。
「シャワー先浴びたよ。君もどう?」
私もシャワーを浴びた。浴びながら、彼に抱かれた余韻に浸っていた。
彼の男らしい体、SEXのテクニックに私はとりこになっっていた。
ああ、早く彼と毎日生活できたらいいのに。
絶対私は彼に尽くす自信がある。
そして私自信彼によって幸せになれる。
私は彼との近い将来やってくるであろう輝かしい未来に期待していた。
紅茶を彼が入れてくれた。
「なあ、具体的に結婚の話進めへんか?」
「いいけど、本当に私と結婚してくるの?」
「もちろんや。いいんやろ?あっ、ちゃんとプロポーズした方がええか。」
「別にいいけど・・・。」
「いや、ちゃんとしとこう。
じゃあ、言います。
○○さん、僕と結婚してください。
そして、僕の子供を産んでください。」
私はとても嬉しくて、涙が溢れそうになった。
「はい。宜しくお願いします。」
私は彼の胸に飛び込んだ。
厚い頼もしい胸。この胸に一生抱かれていたい。
もう少しでそうなる日が来るんだ!やったあ!
私はとても幸せな気持ちで、彼とこの後具体的な結婚の準備について
話し合った。
その頃秀規はライブに出ていた。
「どけどけ、どけどけ、ブンブンブン、どけどけ、どけどけ・・・。」
例の滑舌の悪さは相変わらずだった。
「何言ってるのか分からないね。」
「うん、だけど教育テレビ出てる一応有名人だから見ておこうよ。」
客席ではそんな会話がなされていた。
そんなことを言われているとも知らず、今日も秀規たちいつもここからは、
ワンパターンな芸を世の中に撒き散らすのであった。
翌日休みだった秀規は友人のAと昼食にでかけた。
「○○さんとのこと残念だったな。」
「ああ、もうなんとも思ってないよ。」
秀規は平静を装った。
「そうなの?それならいいけど・・・。」
「ふん、俺が落ち込んでるとでも思ったのか?おあいにく様!」
「じゃあ、これから合コンや飲み会あったらすぐ誘うようにするからな。」
「おお、頼むよ。」
秀規は○○のことを早く忘れたかった。
そのためには新しい出会いを求めなければならない。
Aは顔が広いから、出会いのチャンスを提供してくれるだろう。
そうでもしなければ、秀規は寂しさで押しつぶされそうだったのだ。
秀規達の席を大きなケーキを持った店員が通り過ぎた。
暫くすると「ハッピーバースデー・・・・」
と、歌が聞こえだした。
奥の席の客が誕生日会をしているらしい。
拍手の音が聞こえた。
その時、隣の席のモデル風の女が秀規の視界に入った。
彼女は誕生日会の方を振り向き、申し訳程度に拍手しているように見えた。
「誰かしらないけど、私もお祝いさせてもらいますね!」
っていう態度見え見えで、秀規はカーっと頭に血が上る思いがした。
秀規は澄ました女優や、モデルが大嫌いなのだ。
秀規はその女の方がカッ!っと睨みつけた。
「ああいう女俺大嫌い。大体他人のお祝い事に首つっこんで偽善者ぶるのが
腹が立つよ。本当はものすごく擦れてるくせに。いい人ぶりやがって!」
Aにこっそり自分の思いをぶちまけた。
「ああ、そういう女っているよね。でもいいじゃん、別に俺らの知り合いじゃ
ないんだし。ほっとけよ。」
「視界に入ってくるから気になるの!」
「うるさいなあ。ほら料理運ばれてきたよ。食べようよ。」
ここで一旦この話は終わった。
この時、秀規はまだ自分の運命を知らずにいた。
新しい衝撃的な出会いがあることを・・・。
つ づ く
昨日ナベプロの人生ゲームが千円で売ってたから買っちゃった!w
菊地様この頃は髪の毛フサフサなのねw
給料日前なのに自分バカw
次売る時は何円になるのかね?
300円ぐらいかねw
皆菊さまの髪の毛が少ないって言ってるけど本当?
帽子かぶりすぎだからかなあ?
>>383 買ってどうしたの?wプレイするの?
>>384 本当も何も前髪薄いじゃん。数年前は全体的にモッサリしてたのに。
梳いているのかどうかは謎w
今度質問してみようかな。
まあスルーされるだろうけど。
今日のアメトークにボウイ熱唱って書いてあったけど、
まさか菊さま出ないよね?
スケジュールにも書いてなかったし。
それにしてもあのスケジュール、エンタ毎週出てることになってるのは
詐欺じゃないかね?
>>387 少ーーーしだけ期待してたけど出てないね
知名度的に無理なのか
389 :
名無しさん:2007/04/27(金) 03:26:35
アメトーーク予想
ハゲロック芸人
ワッキー
カンニング竹山
アンガ山根
アンガ田中
いつここ菊地
Aと会って数日経ったある日、彼から電話があった。
「今度飲み会があるんだけど、もちろん行くだろう?」
秀規は断る理由などなかったのでもちろんOKした。
週末の夜、居酒屋で集合することになった。
秀規はこの集まりがきっかけで○○のことを吹っ切れたらどんなに楽だろうか
と考えていた。
でもそううまくはいかないだろうな。そんなに甘くないだろうと分かっていた。
だけど、敢えて、自分のこの悪い運の流れを変えたい気持ちが強くあった。
飲み会当日、Aに言われた場所へ着いた。
そこには総勢10名ほどおり、内、女の子は5人いた。
皆それなりのお洒落な格好で来ていた。
秀規より若そうな子ばかりなような気がした。
Aに促され、皆店に入った。
掘りごたつ式なので靴を脱がなければならなかった。
皆適当に脱いで上がった。
すると、1人髪の長い女の子が皆の靴を揃えていた。
秀規はそれを見て、
「ああやって点数稼ごうとしてるんだろうなぁ・・・。」
と、心の中で思った。
その女の顔を一目見てやろうと思い、彼女が顔をあげるのを待った。
彼女の顔を見て秀規はハッとした。
なんか1週間ほど前に見たことがあるような・・・。
そうだ!あのレストランに居たモデルみたいな女。
秀規が大嫌いなタイプのあの女だった。
彼女と目が思いっきり合った秀規はすぐにその視線をそらし、そそくさと席に
ついた。
こんな偶然ってあるんだろうか。秀規はAの方を見た。
Aは気づいてないんだろうか?
とりあえず適当に座ったが、Aが一応幹事なので席をくじ引きで決めようと
言い出した。
割り箸で作ったくじを皆が引いた。
秀規はどうぞあの女とは近くになりませんように!と心の中で念じた。
しかし、結果は秀規の願いとは裏腹になった。
彼女と隣どうしになってしまった。
秀規は彼女にどう接したらいいのか分からなくなってしまった。
無視するのは失礼だ。だけどとても仲良くなれそうにはない気がした。
Aに助けを求めたい気分だったが、Aは気づいてくれそうにも無いし皆をまとめるのに
必死だ。
秀規は心臓がドキドキしているのが自分でも分かった。
彼女が秀規の隣に座ってきた。
彼女はにこやかな表情で秀規の方に顔を向けている。
目を合わせるべきか、どうしよう、秀規は幹事であるAの方ばかり向いていた。
「それじゃあ、とりあえず自己紹介しましょうか、じゃああなたから。」
時計周りに1人ずつ自己紹介することになった。
秀規の番が来た。
「菊地秀規、30歳、職業芸人です。宜しくお願いします。」
パチパチパチパチ・・・。
次は例の彼女の番。
「山本リカコ、25歳、職業モデルです。宜しくお願いします。」
パチパチパチ・・・。
やっぱりモデルか!秀規の予想は当たっていた。
その後も自己紹介が続いたが、隣の彼女が気になって人の名前が耳に入らない。
秀規は冷や汗が出ていることに気づき、ハンカチを取り出して汗を拭った。
「暑いですか?」
彼女が話しかけてきた。
「え、ええ、まあ。」
動揺している秀規はなんと答えていいか分からなかった。
彼女は皆の自己紹介を聞きつつも、常に秀規のことを気にしているようだった。
これはもう話をしないわけにはいかないだろう。
秀規は最低限のことだけ話して次の席替えまでの辛抱だと思うことにした。
とりあえず生ビールが運ばれてきた。
「それでは乾杯!」
「乾杯!」
秀規は周りの人とグラスを合わせ、最後に隣の彼女とグラスを合わせた。
彼女はとてもいい笑顔で秀規を見つめていた。
秀規は照れを隠すかのようにビールを一揆に飲んだ。
「お酒強いんですか?」
「いいえ、そうでもないんだけど・・・。」
秀規は適当に答えた。
「芸人さんですよね?教育テレビに出てらっしゃいますよね。」
「ええ、ほんの数分ですけど。」
「でも毎日だからすごいですよね。私あの体操とても好きですよ。」
「ああ、そうですか。ありがとう。」
彼女に褒められて悪い気はしなかった。
ここで秀規は彼女の顔をまともに見てみた。
とても目鼻立ちの整ったなかなかの美人だ。
まつげがとても長かった。
さすがモデルだけある。
黒いストレートヘアー。とても艶のある髪の毛。
指先は綺麗にピンク色のマニキュアが塗ってある。
胸も女らしく、それなりの膨らみがあった。
外見は申し分ない。
ただ中身がどうなのかが分からない。
秀規は自分の中にあるモデルへの偏見が頭をもたげていて、どうしても素直に
彼女をいい人だと思うことはできなかった。
「菊地さん、ご趣味はなんですか?」
「えっと、プラモデル集めたり、古いメダル集めたりしてます。
あと、音楽や絵です。」
「そういえば、絵がものすごく上手ですよね。悲しい時〜っていうやつ、
私、絵が上手な人とても尊敬しちゃいます。」
「ははは・・・。それぐらいしかとりえないから。」
「絵がうまいのって努力だけじゃどうにもならないじゃないですか。
生まれ持ってそういう才能があるのってとてもうらやましいです。」
「ありがとう。君はどんな趣味もってんの?」
「私はピアノかな。っていっても家狭いから置けなくて、実家にはあるんですけどね。」
「ああ、一人暮らしなんだ。」
「ワンルームで狭いから持ってこれなくて、でも時々どうしてもひきたくなるから、
知ってますかね?ハンドロールピアノっていうの、あれ使ってるんです。」
「ああ、折りたためる奴ね。あるよね。へえー。」
「菊地さん一人暮らし?」
「うん、そうだよ。」
「プラモデルとか置いたら場所とりませんか?」
「ああ、そうだね。家物だらけだよ。2LDKあるけど、そんなに広くは感じないな。」
「えっ?2LDK?そんな広い所に住んでるんですか?
いいなあ。家賃高くないですか?」
「賃貸じゃなくて、買ってるんだ。」
「えっ!その若さでマンション持ってるんですか?」
「買ったといっても、親に買ってもらったの。」
「ああ、そうんなだ。お金もちなんですね。」
「そういうわけじゃないんだけど、俺長男じゃないしもう実家には戻らないから、
財産分けって形で買ってもらったんだ。その代わり兄は実家を自動的にもらうことに
なってるから。俺もう岩手に帰る場所ないんだよね。」
「ああ、そういう事情があるんだ。」
あれだけ警戒していたのになぜか秀規は彼女に対して饒舌になっていた。
「あ、お料理来た。菊地さんこれ取って上げますね。」
彼女が秀規の前に置かれた大皿の料理を取ってくれた。
取る時、彼女の身体が少し秀規に触れた。
彼女の髪の毛からふわっといい匂いがした。
秀規はドキドキ感が止まらなくなっていた。
なぜかもっと彼女と話してみたい。そう思った。
料理をつまみながら彼女に質問してみた。
「山本さんは、モデルさんらしいけど雑誌とか出てるの?」
「ええ、あまり大きな雑誌ではないんですけど。一応ファッション雑誌中心に。
後は、通販のモデルとか、コマーシャルに少し出させてもらったりしてます。
そんなに有名ではないので小さなお仕事が多いです。」
「へえ、そうなんだ。一人暮らしできるってことはそこそこの給料もらってるってことだから
立派なものじゃない。」
「でも最初は本当給料少なくて。とても自立できないから他にアルバイトしてました。
もちろん一人暮らしはできなくて、実家に住んでました。
一人暮らしできるようになったのここ2年ぐらいですもん。」
「そうなんだ。結構苦労してるんだね。」
「菊地さんは芸人になられてどれぐらいですか?」
「もう10年かな。」
「長いですね。」
「そうかなあ、地味に続けてます。」
「でもNHKに毎日出てるのって結構すごいと思いますよ。
子供がいる人はたいがい知ってると思うし、そうじゃない人でもビデオ
とって見る人もいるって聞いたことあるし。」
「だといいんだけどね。あれ以外テレビでないから時々知らないっていわれる
ことあるんだよね。」
「ライブとかでてるんですよね?」
「うん、それが中心かな。あと週1ラジオ出てる。」
「えっ?ラジオ?いつですか?」
「水曜日。あっでもインターネットでしか聞けないから。」
「えー!ネットしてるのに知らなかった。
なんていう番組?」
「芸能株式市場。」
「それで検索したら出るんですよね?じゃあ絶対聞いてみよう。
ああ楽しみ。でも私知るの遅いですよね。どれぐらいされてるんですか?」
「今年で2年目。」
こうして彼女との会話は弾むのであった。
トイレへ行った秀規は用をたしていた。
隣にAが来る。
「おい、秀規、彼女と話弾んでたな。どう?口説けそう?」
「まだそんなに仲良くなってないから・・・。」
「なに躊躇してるんだよ。ガンガン攻めていけよ!」
「いや、向こうがどう思ってるか分からないし。」
「そんなの大丈夫だよ、俺が仲立ちするから。メール交換ぐらいは最低でも
しろよ!」
「お前気がつかなかったか?」
「何が?」
「あの子こないだ俺らが行ったレストランにいたんだよね。」
「えっ?俺知らないよ。」
「ほら、俺がモデルは嫌いだって話したじゃん。」
「ああ、あの時の?えー俺顔覚えてないや。お前よく覚えてたなあ。
それにしてもすごい偶然じゃん。なんか運命感じないか?」
「そうかな。俺、偏見持ってたの撤回するよ。そんなに悪い子じゃないみたいだし。」
「おお、そうかそうか。じゃあ気に入ったんなら試しにデートに誘ってみろよ。
多分お前達の様子見てたら、大丈夫だと思うから。」
「うん、そうしてみようかな。」
何回か席替えをして、そのつど女の子と喋ったが、やはり山本リカコが一番
秀規の心の中に入ってきたと思った。
秀規は自分の勘を頼りに彼女にアタックしてみることにした。
帰り際、各々が自分の気に入った相手にメールや携帯番号を交換していた。
秀規は勇気を振り絞り、リカコへメール交換しないか聞いてみた。
「はい。いいですよ。」
彼女は快く応じてくれた。満面の笑みで。
秀規は皆と別れ家路に着いた。
家に帰ると早速リカコにメールした。
「リカコさんへ
今日は楽しかったです。君ともっと話ししたいから、今度良かったら
お食事しませんか?
秀規より」
送信・・・。
暫くすると彼女からメールが来た。
「菊地さんへ
こんばんは。お食事いいですね。ぜひ行きましょう。
いつにしましょうか?
リカコより」
秀規は彼女とのデートの約束をとりつけることができた。
これで新しい恋に踏み込める。
秀規は自分の未来に一筋の光が射しているような気がした。
今日はリカコとデートだった。
秀規達は3時ごろカフェで待ち合わせした。
甘いものが少し食べたくなったのでコーヒーとケーキを頼んだ。
「菊地さんから食事に誘ってくれるなんてとても嬉しいです。」
「俺こそ、リカコさんが来てくれて嬉しいよ。」
秀規は素直なリカコの性格が自分にもうつっているような気がした。
彼女といれば、素直な自分で居られる気がした。
「今日は写真持ってきました。」
リカコが差し出してくれた写真を見る。
モデルの仕事風景や、リカコがモデルとなっている雑誌の切り抜きがあった。
「へえ、すごいね。あれ?これは?」
「あっ、それは私がモデルを本格的にやる前のものです。」
「もしかして保育園?えっ!保母さんだったの?」
「はい、実はそうなんです。」
「へー、そうなんだ。保母もにあってるね。」
「そうですか?でも1年ぐらいしかやってないんですよね。
私学生の時からモデルのバイトはやってたんです。
でも、学校は保育士の資格取る所だったし、保母になる夢も捨て切れなくて。」
「なるほど。それで一応は資格取ったから就職したんだね。」
「欲張りなんですよね。一つ夢かなったら、次はモデルとして本格的に活動してみたいって
思って。保母のままだったら安定したお給料もらえてたんだけど。夢追いかけるのも苦労
しますよね。でも後悔してないですけどね!」
彼女の身の上話を聞き、秀規は思った。
とてもポジティブな性格、それに自分に対して厳しいが他人に対しては優しく接することができる
彼女。秀規は見習わなければならないと思った。
自分はこれから先どうなるんだろうか?
秀規は特にここ最近このことについて考えていた。
○○に別れを切り出されたときにはっきり分かった。
やっぱりこの仕事だと普通の女性とは結婚は難しいのかもしれない。
同じ業界の子だと分かってもらえるのかもしれないが、それでも安定
しない身分。
結婚するとなると、それなりの覚悟もいる。女一人養えない状態で、
子供を育てていくのは厳しいものがある。
秀規は東京に出てきた時、自分は一生結婚しないかもしれないと漠然と思っていた。
世界でたった一人自分と同じ感性を持った人と結婚したい。
その願望はあるものの、そんな人に果たして巡り合えるか自信がなかった。
でも、リカコと巡り合ってみてもっと自分は頑張らなければならないと思った。
まだ気が早いのかもしれないけれど彼女なら自分と一生を共にしてくれるかも
しれない。自信はまだないけど、そうなりたい。
秀規は彼女との時間を大切にしていこうと思った。
ゆっくりだけど、確実に、二人の仲を親密にさせたい。
そう願いながら、リカコとのデートを楽しんだ。
食事を済ませた二人は、夜の街を歩いていた。
まだずーっと一緒にいたい。
だけどいつまでも彼女を引き止めるわけにも行かない。
最寄の駅のホームに着いた。
「ねえ、菊地さんの誕生日私の家でお祝いしませんか?
たいしたもてなしはできないけれど、お忙しいですか?」
「多分仕事が入ってたような気がする。芸人にとっては稼ぎ時だからね。
でも夜には戻ってこれると思うんだけど。」
「じゃあ、夜私の家に来てくださいね。あっ、地図簡単に書いときますね。」
彼女は自分の手帳に地図を書き出した。
それを契って、秀規に渡す。
「分からなかったら電話してくれればいいですから。多分たどり着けると思います。」
「ありがとう。誕生日のお祝いなんて久しくやってもらってないからとても嬉しい。」
「じゃあ、頑張ってお料理作らなきゃ!楽しみ!」
そういうと、彼女は秀規のほっぺにキスしてきた。
突然のキスに驚く秀規だったが、満面の笑みがこぼれる。
なんて幸せなんだろう。
手を振って地下鉄に乗り込む彼女を見送りながら思った。
自分は確実に新しい道に進んでいる。
ああ、俺って幸せになれるんだろうか?
秀規は心地よい気持ちで家路についた。
つづく
あと3日で菊さま誕生の日。
菊さまに思いをはせつつ、明日から帰省してまいります。
それでは皆様おやすみなさいませ。
秀規はその日ライブがあった。
いつもどおりの仕事。だけど、朝からなんだか浮き足だっていた。
今日は誕生日。それも生まれて初めて女の人に誕生日祝いしてもらえる。
それも二人っきりで。
仕事が終わった。
さあ、彼女の家へ急ごう。
彼女がくれた地図を頼りに行くわけだが、途中酒屋へ寄った。
何も持たずに行くのも悪い気がしたので、ワインを持っていくことにした。
秀規はなんとか地図のとおりに彼女の家へたどり着く。
彼女の家のインターホンを鳴らす。
ピンポーン・・・。
「はい、どちら様ですか?」
「菊地です。」
「すぐ開けます。」
ドアが開いた。
1週間ぶりに見る彼女はいつもどおりの美しさをかもし出していた。
「さあ、どうぞ。」
「おじゃまします。」
秀規は1人暮らしの女性の部屋へ入るのは初めてだったので、少し緊張していた。
部屋は1ルームで、ベッドと、テーブルとタンスなどの家具が置いてあるので、
あまり広くはなかった。
小さなテーブルに料理が用意してあった。
「赤ワイン買ってきたから、一緒に飲もう。」
「ワイングラスないからコップでいい?」
「なんでもいいよ。」
秀規は洗面所で手を洗わせてもらった。
ついトイレやお風呂を見てしまう。
掃除は行き届いているようだ。
女の子らしいピンク色で小物やカバーが統一してあった。
部屋に戻り、床に座る。
「じゃあ、はじめましょうか。菊地さん誕生日お・め・で・とう・ございまーす!」
ここで二人はワインで乾杯した。
小さな丸いケーキがあった。
「あっ、ロウソクつけないとね。年齢分の本数は立てれないけどいいよね?」
すると、彼女は歌を歌い始める。
「・・・ハッピバースデー、ディア、菊地さん、
ハッピバースデートゥーユー!」
秀規が3本しかないロウソクを吹き消した。
はるか遠い子供の時以来だなあ。
秀規はとても感激していた。
鳥のから揚げ、サラダ、里芋の煮物などが並んでいた。
「あまり美味しくないかもしれないけど、どうぞ食べて。」
「いただきまーす。もぐもぐ、・・・・うわあ美味しい!」
彼女の料理はどれも秀規の好きな味付けだった。
から揚げも煮物も濃い味付けにしてある。
「良かった、こんなの食べれないっていわれるかと思った。」
「そんなこと言わないよ。誰が食べても美味しいって言うよ。」
「そうかしら、でもあなたに美味しいって言われてとても嬉しい。」
彼女は秀規の目をじっと見つめて言った。
まともに目を見つめられてドキドキする秀規。
赤ワインも手伝って秀規の頬は真っ赤になっていた。
「そういえば芸能株式市場この間聞きました。」
「そう、どうだった?」
「面白かったですよ。去年から聞いてればもっと面白かったんだろうけど・・・。」
「そう、じゃあこれからも毎週聞いてくれる?」
「ええ、あなたの声が聞けるから来週も楽しみにしてます。」
秀規は彼女がお世辞を言ってくれていると分かっていた。
なぜなら番組宛に面白くないというメールが結構きているのを知っていたから。
ファンの中でも最近イマイチという噂が流れていると言うことも知っていた。
俺のことを傷つけまいとして言ってくれてるんだ、彼女の優しい気持ちに感謝した。
お腹が空いていた秀規は彼女の出してくれた料理をあっという間に
たいらげていた。
「じゃあ、紅茶いれるね。」
彼女が台所へ行き支度をする。
包丁を持ってきて小さなケーキを皿へ取り分ける。
「このケーキ作ったの?」
「ちがうよ。買ってきたの。本当は作りたかったんだけど、失敗しそうだし、
何回も作り直す時間もなさそうだから今回は買っちゃった。
今度もし作る機会があれば挑戦してみるから。」
「ああ、別にいいよ。買ったものでもぜんぜん。君が選んでくれたものだから嬉しい。」
秀規は彼女に結構お金と使わせてしまったのではないかと心配になった。
質素とはいえ、2人分の料理にケーキ、ぎりぎりのお給料で生活していると言っていたから
今日は散財だったのではないか?
秀規は会ってあまり日がたってないのに彼女にすまないことをさせてしまったと少し思った。
彼女が台所へ行って紅茶を運んでくれた。
そしてお盆を戻しに行ったついでに何かを持ってきた。
「これ、はい、プレゼント!」
秀規はびっくりした。ご馳走してくれた上に、プレゼントまであるとは・・・。
「えー、なんだろう。」
秀規は早速包みを開けた。
赤い色のネクタイが出てきた。
「あ、ありがとう。ここまでしてくれてなんていって言いか・・・。」
秀規は感激で涙が溢れてきた。
ここ最近劇的に恋の変化があって正直毒の多い秀規でも参っていた。
でも今日こんなにリカコに優しくされて、もてなされ誕生日を祝ってもらえて、
なんて自分は幸せなんだろう?こないだまでの地獄のような夜はなんだったんだろう?
と考えた。
「あまり高価なものは買えなかったの。ごめんね。あなたは明るい色が似合うと思ったから
その色にしたんだけど・・・。」
「とても嬉しいよ。絶対仕事で使わせてもらうよ。」
秀規は涙が一粒落ちるのを感じた。
「どうしたの?菊地さん。」
「ううん、ちょっと最近嫌なことあったりしてとても落ち込んだことあって・・・。
でも君に会ってからどんどん自分が元気になってるのが分かるんだ。
本当にありがとう。これからも俺のこと元気づけてくれるかな?」
「私たいした事してないよ。料理だってたいしてお金かかってないし、プレゼントも
質素なものだし。あなたの満足のいく様にはとてもできないかもしれないけど、あなた
のこと好きっていう気持ちだけは誰にもまけないから。」
「本当?本当に俺のこと好きでいてくれるの?」
「うん、会ってちょっとしか経ってないけど、あなたのことこれからも好きでいさせてほしい。」
秀規は彼女に抱きついた。
彼女も秀規をしっかり受け止めた。
秀規は次から次へと涙が溢れてきたけど拭うこともせず、彼女にそっと口づけした。
口づけの後、彼女がティッシュで秀規の涙を優しく拭いてくれた。
「私男の人が泣きながらキスするの初めて見たよ。
よほど嫌なことあったんだね?」
「うん、失恋したんだ。」
「そうなんだ、菊地さん純粋そうだから傷つきやすいのかな。
そういう私も失恋して泣いたこと何度もあるけどね。」
「君を悲しませるなんてひどい奴もいたもんだね。」
「ふふふ、じゃあ、あなたは私をいつも笑顔で居させてね!」
「うん、約束するよ。」
秀規はまた彼女を抱きしめた。
絶対彼女を手放したくない。もう二度と○○の時のような過ちを繰り返したくない。
秀規はそう心に誓った。
その日私は婚約者の横山さんと一緒にデパートへ婚約指輪を買いに行った。
私にこんな幸せな時間が来るなんて夢にも思っていなかったが、現実に指輪を
選んでいると、結婚する実感がすこしずつ沸いてきた。
同時に二人で生活していく責任も感じていた。
その日は夕食を二人で食べた。
「君のご両親に挨拶行かんといけんなあ。」
「あなたのご実家にも行かないといけないよね。
家は日曜だったらだいたい大丈夫だと思う。」
「そう?どうしよう来週か再来週どうかなあ?」
「じゃあ、聞いてみて連絡するわ。あなたの方はどうする?」
「そうやな、来月早々どうかな?親に聞いてみとくわ。」
「そうね。」
私達はお互いの親への挨拶の日程について話し、その日は帰った。
私は帰って両親に横山さんが挨拶に来たいといっていることを話した。
両親は私が順調に交際しているようだからということで少しでも早く
彼に会いたいから来週でも良いと言ってくれた。
私は彼に早速電話し報告した。
私は順調に事が運んでいる喜びからか、なかなかこの日寝付けなかった。
なんだか興奮している。
カレンダーを改めて見てみる。
あっ!そういえば今日って菊さまの誕生日だ。
私は今更ながら思い出した。
彼と出会うという運命の悪戯が無ければ今頃菊さまの誕生日祝いをしていたのかもしれない。
私は運命の不思議さを感じながら、ちょっとした悪戯心がわいてきた。
pipipipi・・・・。
秀規の携帯が鳴った。
「もしもし。」
「もしもし、私です。お元気ですか?」
「あっ、○○?」
「はい、こんばんは。」
「どうしたの?」
「今日菊さまの誕生日だったなあと思って、それで電話してみたんです。」
「ああそう。それはありがとう。」
「菊さまの声聞きたくなって。菊さま31歳の誕生日おめでとうございます。」
「ああ、ありがとう。」
「菊さま、今日は誰かとお食事に行かれたりしたんですか?」
「ああ、したよ。プレゼントももらったりして。」
「ああ、そうなんだ。良かったですね。」
秀規は○○が自分の様子を探っているような感じを受けた。
「実は彼女っていうか、そういう仲の人が祝ってくれたんだ。」
ここまで詳しく言うこともないかもしれない。でも俺はもうお前がいなくても
幸せにやってるよって知らせてやりたかった。
彼女?私は少しびっくりした。
もう彼女できたんだ。まあその方が安心だけど。
「そうですか、さぞかし優しくて可愛い彼女なんでしょうね。」
「ああ、お前に負けないくらい良い子だよ。」
「そうですか、良かった。菊さま幸せになってくださいね。」
「お前の方はどうなの?」
「実は婚約しました。来年の春には結婚する予定です。」
「そうなんだ。じゃあもう人妻になるんだな。」
「ええ、こんな私が結婚なんて信じられないんですけどね。」
「そんなことないよ、良いお嫁さんになれるよ。」
「ありがとう、菊さまはやっぱり私にとって兄みたいな存在だから、
これからも時々声きかせてくださいね。」
「ああ、分かったよ。じゃあ。」
「はい、おやすみなさい。お元気で。」
「おやすみ。」
へーえー、あの毒男に新しい彼女か。
相手はどんな女なんだろう?
少し興味あるなあ。
私は菊さまのことを少し心配してたのがバカらしくなった。
だけどこれからも時々電話してやろう。
あの我まま男、どれだけ新しい彼女ともつだろうか。
あんな中途半端な仕事しかできない男に一生ついてくる女なんているのかしら?
私は自分が今幸せなので優越感に浸っていた。
あんなにかつては心から愛していた菊さまなのに、今は悪魔のような思いしか沸かない。
私はこうやってどんどん嫌な考えを持つ女になっていたのだった。
秀規はその夜ベッドの中で考えていた。
○○からの電話に正直驚いたが、もう自分にも正式な彼女がいるのであまり
動揺はなかった。
「あいつ結婚かあ。もしあの時別れてなかったら今頃は○○が誕生日いわってくれて
いたのかなあ。」
○○はいつも秀規のことをからかったり悪戯をしかけてきたけども、本心はとても秀規を
心配しくれたし愛してくれていた。
今でも特別な存在の○○。でもさっきの電話、なんだか意地悪な感じを受けた。
でもこれからも時々彼女の声を聞くのも悪くないだろう。
秀規はリカコという存在があるからこそ、自分に心の余裕ができてきたことを
実感していた。
菊地様、遅くなったけど誕生日おめでとう!
これからもワンパターンネタで頑張ってね☆彡
↑菊さまのお写真。
ブッサイクすぎてビックリした
2006年06月02日(金) 楽しい会。
いつここ菊地さん、イーグルさん、金井丸とかで飲みました。
ツッコミさんが多いと僕もボケやすくて楽しいです。菊地さんはキムタクに似てるって言われたことがあると言い張ってました、冗談に見えませんでした。面白い先輩です。また飲みたいです。
↑菊さまの後輩の書かれた日記です。
そんな時代もあったんですね。菊さま。
くさなぎっょしの間違ぇぢゃなくて??
つよぽんにも似てるけど菊地様はジミーちゃんを病弱にした感じ。
ジミーて昔、天才てれびくんワイドにウエンツと出てたジミー?
>>429 誰だよそれ。普通に考えてジミー大西だろ
>>430 ジミーMackeyの事だと思うよ。
日本で有名なジミーと言えばジミー大西かも知れないが、全然似てないでしょw
かと言ってジミーMackeyにも似てないけど。
428の言うジミーとは一体誰?
435 :
名無しさん:2007/05/08(火) 15:13:06
ジミー大西のアンチが菊地様スレに何の用なの?
>>435 >>434の答えはジミー大西のアンチじゃなくて、菊地様アンチが
「菊地はジミー大西に似てる」と言ってるという事でしょう・・・
普通に考えて
ふ
つ
う
に
か
ん
が
え
て
で、あいうえお作文をどうぞ
↓
298 名前:名無しさん :2006/03/29(水) 23:57:50
いつもここから
パンクバンドをしていた頃、革ジャン革パンで山に分け入りクワガタを採っていた山田
悪魔を見たことがあると言い張ったり、わさびやからし【のみ】でご飯をたべる菊地
どっちもどっち
303 名前:名無しさん :2006/03/30(木) 00:13:19
>>298 あんな宇宙人な相方で山田カワイソスと思っていたが
…やるな、山田
304 名前:名無しさん :2006/03/30(木) 00:13:32
変人でも奇人と変態のどっちかに別れるね。芸人は変態の方が多い
305 名前:名無しさん :2006/03/30(木) 00:14:41
ピコルピコルー
306 名前:名無しさん :2006/03/30(木) 00:17:21
いつここ山田はクワガタを127匹飼っている(飼っていた?)
307 名前:名無しさん :2006/03/30(木) 00:21:48
>>304 中田や板尾、菊地あたりが奇人かな
今日暇だったので「いつここ 菊地 パーティー」で検索してみました。
芸株聞いてて菊さまが素直に誕生日を喜べないと言ってたけど、菊さまは
交友関係が結構ある方だと思いました。
人生とても楽しんでる感じなのに、なぜ自分の誕生日を祝ってもらうの
嫌なのかしら?もっと素直になられたらいいのに・・・。
882 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/07/24 12:50 ID:???
「いつもここから」は、テレビ朝日の深夜番組「笑わせろ!」に出ているのを
見たのが最初です。夜中の3時とかそんな時間にやっていた番組で、後に、
1時台へちょっとだけ出世したけどすぐなくなりました。
海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)とU-turnとX-GUNがコントやるもの。いつ
ここは、エンディングで毎週「かなしいとき〜」をやっていました。
あれってもう五年くらい前じゃないのかなあ。
それからしばらくしてから、「がぶのみしたいとき〜」のCMが始まったと思い
ます。
883 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/07/24 13:08 ID:i8Buz0UH
>880
やってたよね〜
451 :
名無しさん:2007/05/10(木) 20:55:19
891 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/07/26 12:21 ID:Az/L+rU3
>>882 私も見てたー!その頃からいつここめっちゃスキ。
リアルラッパー登場した時もあったよね。
「菊地さん、コンパで話がとぎれるとすぐ絵を描く」とかね。
いやぁ、懐かしい。
892 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/07/26 19:31 ID:???
白背景バージョンのアルゴリズム体操をよく見てみると、
きくちが「パッチンパッチン」で横を向いた時に
小さく口を動かして「パッチンパッチン」と口ずさんでいるのが分かります。
う〜ん、キュート。
898 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/07/27 21:28 ID:UF5Rfkmr
いつここのお二人さんは、
酒、タバコ、ギャンブルはやらないんだそうな。
尊敬しますた。
986 名前: かずなり萌え ◆jezW8.96 投稿日: 02/08/21 20:30 ID:1JPLMOU6
(;´Д`)ハァハァ
987 名前: 名無しさんといっしょ 投稿日: 02/08/21 20:33 ID:A4qb05qi
>>986 菊地もヨロシク。
>>452 糞田さんは犬放置してパチンコしてんじゃん。
つーかブログは有り難いけど、2ちゃんレスは貼らなくて良いよ。
>>455 煙草も吸うしね。山田は菊地様を副流煙で○そうとしている
>>455 餌はあげているので問題ないですよ。もし死んでもまた買えば良いですし。
瞬く間に日にちは流れて行き、秀規と○○が別れてそれぞれの道を歩み始めて
から1年経とうとしていた。
秀規は春のある日○○からのメールを受け取った。
「菊さまへ
こんばんは。私明日結婚式します。入籍はもう済ませました。
菊さまどうぞこれからもお元気で。応援してますよ。
○○より」
秀規はそれを読んで返信した。
「○○へ
結婚おめでとう。幸せになれよ!
俺もお前のこと応援してるから。
秀規より」
送信・・・・。
メールを送信して思った。
もうこれで○○のことは胸の奥深くにしまいこむことができるだろう。
リカコとの交際は順調だった。
彼女との交際期間中でも、やっぱり時々○○のことを思い出していた。
だけど、それも徐々に、氷がゆっくりじわじわ溶けるように薄れていった。
今日のメールで多分最後。
秀規はスケッチブックを取り出して開いてみた。
○○の思い出のスケッチ。
彼女の横顔や寝顔、ヌードまで描いてある。
これを捨てる気はない。これはこれで思い出として取っておきたい。
秀規はスケッチブックを押入れにしまった。
秀規はもうこれからはリカコと生きていこうと決意を新たにしていた。
2008年5月、新緑の季節がまたやってきた。
秀規は相変わらずライブ中心の仕事をしていた。
そして私生活では、業界関係の友人達、そして愛するリカコに支えられ
充実した日々を過ごしていた。
32歳の誕生日も迎え、新しく小さな役者の仕事も入ってきた。
これにはリカコがとても喜んでくれた。
「どんなに小さな役でもいいじゃない。あなたの可能性が広がるなら!」
秀規は意欲的に仕事に取り組み、それなりの成果をあげることができた。
秀規はリカコの支えに感謝していた。
昔は人に感謝することなんてほとんど無かったのに。
リカコと居ることで毒の強い秀規は心が柔らかくなっていくのを自分でも
感じていた。
秀規は久しぶりに岩手の母に電話した。
「もしもし、母さん元気?」
「ああ、秀規かい。元気だよ。そっちはどう?」
「うん元気。実は今度テレビドラマに少し出ることになったから。
見てもらおうと思って電話したんだ。」
「そうなの。それは楽しみだべ。仕事は順調にいってるの?」
「うん、順調だよ。」
「ちゃんとご飯食べてるかね?」
「大丈夫だよ。」
大好きな優しい母。秀規は母にリカコのことを話したかった。
だけど今はただ付き合ってるだけだし、結婚の話が出ているわけではなかった。
だから喉まででかかっていたが話さなかった。
「じゃあ母さん元気でね。」
「秀規や。身体に気をつけるんだべ。分かったな。じゃあね。」
母さん、俺今とても幸せに暮らせてるよ。
秀規は母にプレゼントする習慣は無かった。
だけど、5月は自分を産んでくれた母に感謝の気持ちで一杯になる。
母さん、産んでくれてありがとう。
秀規は心からそう思えた。
そのころ私は横山さんとの新婚生活を楽しんでいた。
4月に結婚式新婚旅行も済ませた。
皆に祝福された私達は幸せの絶頂に達していた。
彼と同じ職場にはいられないので、私は会社を退職し、扶養の範囲内で
アルバイトすることになった。
私は住み慣れた町から離れ、彼と新しい町で暮らしていた。
2DKの狭いアパートだけど、彼の会社から家賃の補助が出るのでなんとか
厳しい東京暮らしをすることができていた。
私はアルバイトで生活を少し支えながら、家事をこなしていた。
彼が安らげるように、頑張って仕事できるようにといつも考えていた。
私は朝は彼の支度のために独楽鼠のように動いていた。
しかし夜になり夕食の片付けが終わる頃になると彼に甘えていた。
彼はそんな私を嫌がりもせず、可愛がってくれたし、甘えさせてくれた。
私達は子供は1年は作らずに、二人だけの生活を楽しもうと決めていた。
それまでになるべくお金をためておきたかった。
私は節約に励んだ。苦にはならなかった。
彼との生活のためならそれぐらいのことは逆に楽しみに変わっていた。
私は何の疑いもせず、もちろん彼もそうだと思う。
このまま幸せな生活が続くであろうと信じきっていた。
この先運命を変える出来事が起こるとも知らずに・・・。
ある日菊地邸にリカコが訪ねてきた。
週に1度は必ず来て掃除をしたり食事を作ってくれる。
「今日は天気がいいからシーツとか大きいもの洗おうと思うの。
シーツの替えある?」
「ああ、押入れの中にあるBOXの3段目にあるよ。」
「分かった。秀則さんごめんけど買い物行ってきてくれる?
午前中の方が新鮮なものがあると思うから。メモはこれ。」
「分かった。じゃあ行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
1人になったリカコは洗濯にとりかかる。
洗濯物を洗濯機に放り込んで、布団を干した。
そして秀規が言ったとおり、押入れの中にある予備のシーツを探す。
「たしか、ここら辺かな?」
ふとBOXの横にあるスケッチブックが目にとまる。
「なんでここにあるのかしら?だいたい本棚とか机の棚にあるのに。
あっ!新品の予備かしら?でもなんか古そう。」
リカコは秀規が描くものや資料に興味があったのでそれを手に取った。
1ページ目、女性の寝ている顔が描いてある。
2ページ目、同じ女性の笑顔や、ちょっとしたしぐさ。
3ページ目はヌードで横たわっている姿。
「うわー、すごい。これってモデルがいたってことよね?
それとも写真見て書いたのかしら?
でも裸を見せれるなんて、普通の関係じゃないよね。
・・・もしかして・・・これって前の彼女? 」
3ページしか使ってないスケッチブック。
何か特別にとってある感じを受けたリカコは元の場所にそれを置いた。
この約1年、お互いの過去の異性関係には触れずに来た。
ただ、秀規が初めてリカコの家に来て誕生日を祝った日のことが忘れられない。
秀規の泣きながらのキス。
リカコは嬉しかったけど同時に秀規の過去の女性が気になっていた。
でも聞いてはいけないような気がして。
失恋して参っていたということだけは知っていたが、その彼女との間でどんな
やりとりがあったかまでは分からない。
リカコはとりあえずまた掃除にとりかかる。
頭から離れない先ほどのスケッチ。
私にもモデルになってほしいって言ってくれるのかしら?
なんとなくそのモデルに少し嫉妬を感じているリカコだった。
月日は流れ数ヶ月たったある日のこと、私はいつも通り幸せな新婚生活
を送っていた。
その日は日曜日。
私達はゆっくり昼ねしたり身体を休めていた。
しばらくして私は夕方になったので夕食の支度を始める。
「今日はアキラさんの好きな肉巻き作るね!」
「おおありがとう。あっ!俺ビデオ帰しに行ってくるわ。」
「気をつけていってらっしゃい!」
「行ってきます。」
私は彼のほっぺにキスして見送った。
1時間過ぎた頃、私は彼の帰りが遅いことを気にしていた。
「返しに行くだけなのに遅いなあ。
気が変わってやっぱり借りてるのかなあ?」
私はなんとなく嫌な感じの胸騒ぎがしていた。
彼は原付で出かけていったはず。
私は原付に乗るのはあまり賛成ではなかった。
だけど便利だからということで、通勤には使わず、休みの日だけということで
彼は使っていた。
リーンリーンリーン!
自宅の電話が鳴る。
「もしもし横山です。」
「もしもしこちら警察ですが、横山さんのお宅で間違いないですか?」
「はい。何か・・・。」
「実は先ほどお宅のアキラさんが事故にあわれました。
救急車で○○病院へ運ばれておりますので、ご家族の方に来ていただきたい
ので連絡差し上げました。」
「え!しゅ、主人はどうなったんですか?」
「大型トラックと接触されて、とにかく今の時点では重体ということですので、
一刻も早く病院の方へ・・・。」
「わ、分かりました。」
私は頭の中が真っ白になった。
どうしよう、やっぱり嫌なことが的中した。
あれだけ心配していた原付の運転。
こういうことになる可能性があるよと彼には散々諭していたのだけど、
大丈夫だって言うから・・・。
私は財布や健康保険証などを慌てて鞄に詰め込み、タクシーに乗って病院へ
駆けつけた。
タクシーの中で私は母に連絡した。
私一人じゃ不安だから母にも駆けつけてもらうことにした。
病院へ着いた私は集中治療室の前でまたされた。
手術中のランプがついている。
30分後、母が来た。
「○○!」
「お母さん!どうしよう。私どうしたらいいの?」
「とりあえず落ち着きなさい。私達はここでアキラさんが回復するのを
祈るしかないわ。」
「アキラさんの実家には電話したほうがいいかな?どうしよう。」
「じゃあ、お母さんがしとくわ。あんたここに居なさい。」
母は公衆電話のある場所へ向かった。
ああ、神様・・・。
どうか助けてください。
私はただただ、彼の命が助かることを願うばかりだった。
2時間ほど経った。
もう夜の9時になろうとしていた。
手術中のランプが消えた。
「ご家族の方は・・・。」
先生らしき人が出てこられた。
「はい、私です。」
「奥様ですか・・・。手は尽くしたんですが意識が戻りません。
ここ2,3日ぐらいが山かと思われます。
身内の方を呼ばれることをおすすめします。 」
「ああ・・・。もう助からないんですか?」
「今の医療ではこれが限界です。奇跡でも起これば助かるかもしれませんが・・・。」
私は青ざめるのが自分でも分かった。
そうなったところでどうなるわけでもなかったが、もう自分でも立っているのが
不思議なくらい、力が抜けていくのが分かった。
彼がICUへ運ばれていく。
私達も着いていった。
その頃私の父も駆けつけてくれていた。
私達親子3人、彼のそばで呆然としていた。
「アキラさん・・・。」
私が呼びかけてもなんの返事もあるわけもなく。
口に通された太い管。
頭も手も足も包帯だらけ。
痛々しい、とても痛かっただろう。
こんなことになるなんて、私が昼間自転車で返却しにいけばよかった。
彼に行かせなければこんなことには・・・。
悔やんでも悔やみきれない。
母がまた彼の実家に電話しにいってくれた。
明日の朝1番の新幹線でこちらに駆けつけるとのことだった。
どうかご両親が到着するまではもってほしい。
そして奇跡が起こってもう一度声を聞かせて欲しい。
そう願う私だった。
一晩中彼のそばにいた私はいつの間にかうとうとしていた。
気がつくと朝の7時。
彼は今だ眠ったままだった。
愛を信じて彼の広い心に甘えてきた私には今回の事態は荷が重すぎる。
両親に支えてもらわないと泣きわめいてしまいそうだった。
奇跡を信じて彼の回復を待つしかないわけだが、気が狂いそうだった。
午前9時過ぎ、彼のご両親が到着した。
彼の哀れな姿を見て義母は泣き出してしまった。
私はしばらく皆と一緒にいたが、ラウンジに行って少しお茶を飲むことにした。
食欲は無かった。パンを一口かじっただけ。
眠気を覚ますためにコーヒーを飲んだ。
熱いコーヒーを半分ほど飲んでまた病室に戻った。
その日彼の状態は同じだった。
3日目の朝を迎えた。
うとうとしている私は看護士さんに起された。
見回りに来られた彼女が彼の様態がおかしいのに気がついた。
「先生よんできますから。」
彼の呼吸が弱くなっているのが私にも分かった。
私はラウンジに居る両親達を呼びに行った。
先生の処置が始まった。
懸命に処置をしてくださる。
しかしどんどん心拍数が減っていく。
「アキラさん!聞こえる!目を覚まして、お願い・・・。」
そのうちに彼の心拍数がまたたくまに0になった。
電気ショックを何度か与えたり、心臓マッサージをした。
私は必死で祈った。
しかし無残にも彼の心音が再び鳴ることは無かった。
「死亡時刻午前9時33分。」
「アー・・・・、アキラさん・・・。」
私は溢れる涙を抑えることができなかった。
もう2度と彼の声を聞くことも笑顔を見ることもできない。
私は彼の胸の上で突っ伏して泣いた。
彼と暮らし始めて約半年、私はこんな形で彼と永遠の別れを迎えるとは
考えてもみなかった。
神も仏もないのだろうか?
私は自分の運命を呪った。
でもどうにもならないこの現実に、私は身動き取れない、放心状態になっていたのだった。
・゚・(つД`)・゚・
480 :
名無しさん:2007/05/17(木) 19:48:16
キクティ
官能作家様はこのスレにはもういないのかな・・・?
官能作家様の書くエロとギャグが好きだったのに・・・
暴走キクティ
悲しみにくれながらも私は喪主として通夜、葬儀を取りはからった。
大勢の彼の友人や会社関係の方が参列してくださった。
皆突然のことで驚きを隠せない様子だった。
私に向けられた哀れみの視線は、私を更に辛く深い闇の中へ引き落とすようだった。
私は通夜が終わり身内も寝静まった夜中も彼の遺体に付き添っていた。
棺の蓋を開け、彼の冷たくなった頬に触れてみた。
声をかけたら起きだして私を力いっぱい抱きしめてくれるのではないかという錯覚を
起しそうだった。
いや、そうなってほしかった。
でもかなわない夢。
なぜこんなことになったんだろうか・・・・。
私は泣きながら、冷たい彼の唇に最後のキスをした。
翌日葬儀終了後、焼き場へ行き骨を拾った。
小さな骨壷に骨を入れた。
あんなに身体が大きかった彼。
こんな小さな骨になるとは。
焼き場で昼食をとることになったが、私はあまり食が進まなかった。
彼が事故にあった日からもうずっと食欲は無かった。
親戚はまだ私が若いから、いくらでもやり直せるからと励ましてくれた。
でも義父や義母の手前もあるが、なにより私の気持ちが先のことを考える
気にならなかった。
これからどうやって暮らせばいいんだろうか?
もう自分の脳みそで考える気力が無かった。
私は部屋の隅で寝転がった。
ずっと寝不足、食欲不足で身体が正直参っていた。
私は焼き場から自宅に帰ってもぐったりしていた。
母に布団を敷いてもらい床に就いた。
翌日、彼の両親、兄弟達が帰っていった。
私は駅まで見送りたかったが起きることができなかった。
携帯で義母と話した。
「○○さん、私も頭の中整理できてへん。あんたもそうやろうけど、今後のことは
ゆっくり考えてな。」
「お義母さん、ありがとうございます。ゆっくり考えますので・・・。
どうぞお元気で、また大阪へ参りますので・・・。」
私は携帯を切り、また布団に入った。
ああ、今までの人生で今が一番不幸なのかもしれない。
今までだって嫌なこと辛いことあったけど、今回は本当に参った。
こんなに愛する人との別れが辛いなんて・・・。
私は彼と出会った頃を回想しながら、考えた。
交際があまりにも早くて順調すぎたような気が今思えばする。
なにもかも上手く行き過ぎた感もある。
>>481 前に作家様が体が弱いって言ってなかった?記憶違いかな?
もしかしたら難病で・・・((;゚д゚))ガクガクブルブル
上手く行き過ぎると、そのバランスを取るかのように神様が試練を与えられる
のかもしれない。
私は彼と出会ってすぐに菊さまと強引に別れた。
案外その罰があたったのだろうか?
人を傷つけた上で掴み取った幸せはもろくも自分が最高に傷つくという形で崩れ去った。
私はもう涙も枯れて、眠りにつきたかったが目が冴えまくっている。
頭も少し痛い。
>>486 言ってたよね。
でもお忙しいだけなのかもしれないし。
飽きたって可能性もあるし。
初七日が過ぎても私はあまり眠ることができず、食欲も相変わらず無かった。
しばらく実家に帰ることにした。
彼の遺骨も持って実家に帰り過ごしていたが、なにもすることが無いので身体は
だるいのだけどお使いに行くことにした。
母にメモしてもらってスーパーと薬局へ向かう。
私は時々めまいをおこしそうになるのを感じていたが気のせいだと思い買い物を続けた。
スーパーで買い物を終え、薬局へ行く。
季節は9月中旬、まだ残暑が厳しかった。
私は照りつける太陽の下を歩いているとどんどん気分が悪くなってきた。
そして薬局の入り口で目の前が真っ白になった。
「お客様大丈夫ですか・・・・。」
私は店員の声を最後に記憶を無くし、気を失ってしまった。
薬局の入り口には人だかりができている。
「誰か倒れたみたい。」
秀規はリカコと買い物に来ていた。
人だかりを見に行くと秀規は驚いた。
そこには○○が倒れていた。
「ああ、○○・・・。」
思わず口に出してしまった。
「えっ?今何か言った?」
リカコが聞き返すが秀規は目の前の○○に気をとられ返事しない。
店員や客が、動かさないほうがいいんじゃないかとか口々に言っていた。
秀規は思わず駆け寄りたかったが自分が行ったところでどうすることもできない。
そうこうする内に救急車が到着し、○○は運ばれていった。
秀規は一部始終を見届けてしまった。
リカコはその間買い物を済ませ、秀規のところへ戻ってきた。
「ねえ、運ばれていった人知り合い?」
「えっと、う、うん。まあね。」
「どういう関係?」
「どうって・・・。友達の彼女だよ。」
秀規は適当にごまかした。
「じゃあ、友達に電話しなくていいの?」
「あ、そ、そうだなあ。どうしよう。」
「早くしたら?」
秀規は適当にごまかした為演技する羽目になった。
「じゃあ、ちょっと外行ってかけてくる。」
秀規はあわてて外へ出て電話をかける振りをした。
それにしてもなぜ○○は倒れたんだろうか・・・。
なんだかしばらく見なかったせいか痩せてたような気がした。
顔色の悪い彼女の青白い表情が瞼に焼き付いて離れない。
秀規は電話をする振りを済ませ、リカコのもとに戻った。
「じゃあ、帰ろうか。」
秀規は平静を装った。
しかし、リカコは何かおかしいと感づいていた。
どれぐらい眠っていただろうか。
私が覚醒したのは倒れてからしばらくたっていた。
看護士さんが話しかけてきた。
「気がつかれましたか?今点滴をしてますから。」
「私どうなったんでしょうか?」
「お店で倒れられたんですよ。」
「家に電話しなければ・・・。」
「それでは私がしておきましょう。」
私は電話番号を伝え母を呼んでもらうことにした。
先生らしき人が来た。
「目が覚めたかね。どうやら貧血のようです。
いつも貧血の気があるのかな?どうですか?」
「いいえ、貧血になったことはないんですが・・・。」
「最近体調の変化や環境の変化がありましたか?」
「ああ、はい。実は・・・・。」
私は先生にここ最近の悲しい出来事や食欲不足睡眠不足のことを話した。
過労と神経が不安定ということで結局2、3日入院してみましょうということになった。
私は今夜から睡眠薬と安定剤を処方してもらうことになった。
「ああ、アキラさんがこういう時にいてくれたら・・・・。
きっと優しく抱きしめてくれるだろうに・・・。」
私はゆっくり落ちる点滴を見ながら涙がにじんできた。
健康だけには自信があったのに。
精神的ダメージにこんなにも弱かったとは、自分でも情けない気持ちになった。
もう私には両親しか頼る人がいないのかと思うと、また悲しくなった。
その頃秀規はリカコの作った昼食を食べ終わりくつろいでいた。
だが、ずーっと○○がどうなったか気になっていた。
でもリカコの手前どうすることもできないでいた。
お茶を飲んで転がっていた秀規の隣にリカコが寝転がり、秀規に覆いかぶさる。
「ねえ、キスしてもいい?」
「うん、いいけど・・・。どうしたの?」
「だってあなた何か他の事考えてるみたいだから。」
「ちょっと考え事してただけ。何でもないよ。」
そういうと秀規はリカコのキスを静かに受け入れた。
二人はそれからしばらく抱き合った。
激しく抱きしめあった後、秀規はリカコと一緒にホラー映画を鑑賞していた。
だが、抱き合った疲れと眠気があいまって、秀規は睡魔に襲われ途中で眠って
しまった。
気がつくと夜の7時。
「秀規さん!まだ寝るの?」
リカコに揺り起こされて目を覚ました。
すっかり眠ってしまった。
「夕飯作ったよ。食べようよ。」
秀規は促されるまま食事をとることにした。
ボーっとした頭のまま夕食をとる秀規は、また○○のことを思い出していた。
思い出したところでどうすることもできないが気になっていた。
夕食を食べ終えリカコが洗い物をしに台所へ行っている隙に秀規は寝室へ行き、
携帯を手に取った。
○○の番号もメールもまだ保存してあるはずだった。
秀規は少しためらう気持ちもあったが思い切って電話してみることにした。
「ただいま電話に出ることができません・・・。」
2回ほどかけてみたが留守電になる。
やっぱりあのまま入院してるのだろうか?
それとも寝込んで電話にでられないのか?
ますます気になる秀規は○○の家まで様子を見に行ってみたくなった。
「リカコ、ちょっとジュース買いに行ってくるから。」
「え?ジュースなら冷蔵庫にあるよ?」
「ああ、それじゃないの飲みたいから。」
「じゃあ私が行ってくる。」
「いいよいいよリカコはお風呂の支度しててよ。じゃあ行ってきます。」
なんとかごまかして自宅をあとにした秀規は足早に○○の家へ向かった。
○○の家の前に着く。
灯りがついてないようだった。
留守なんだろうか?
秀規は勇気を出してインターホンの前に立つ。
ピンポーン・・・。
誰も出てこなかった。
やはり留守みたいだ。
仕方ない少しコンビにで時間をつぶしてみよう。
秀規は近所のコンビにに行き、立ち読みしながら時間が過ぎるのを待った。
なんとか粘りに粘って40分ほど時間をつぶしてみた。
リカコには不審に思われるかもしれないけど、つい立ち読みしてたと言っておこう。
再度○○の家へ向かってみると、今度は部屋の灯りが見えた。
秀規は階段を駆け上がり早速インターホンを鳴らした。
ピンポーン・・・。
「はい、どちら様ですか?」
「あのう、菊地と申しますが・・・。」
「ああ、菊地さん?」
「はい、夜分遅くすみません。」
「どうかされましたか?」
「ああ、あのう、今日の昼頃○○さんに似た人が救急車で運ばれるの見かけたもので
ちょっと心配になりまして・・・。」
するとドアが開いた。
○○の母が出てきた。
「菊地さん、お久しぶりね、元気でしたか?」
「はい、お母さんもお元気そうで、あっでもなんか疲れてらっしゃるようですが・・・。」
「ええ、そうなんです。実は○○が倒れてしまって。まああまりたいしたことは
ないんでよかったんですけどね。
ここ最近いろいろありまして・・・。」
「やっぱり○○さんだったんですね。どれくらい治療にかかりそうなんですか?」
「2,3日入院することになったんですけど、まあ当分精神的な部分に時間がかかりそうなんです。」
「なにがあったんですか?僕と別れてから幸せにやってるって時々電話やメールをもらってたから
心配はしてなかったんですが・・・。」
「もう、その節は本当にあなたにご迷惑かけたと思います。本当ごめんなさいね。
まあ今更言ってもしょうがないのかもしれないけれど・・・。」
「そのことはもう、大丈夫です。」
「そうですか。それなら少し安心しました。
実は、先週○○の夫が亡くなったんです。」
秀規はその言葉を聞いてものすごくビックリしてしまった。
てっきり幸せにやっているとばかり思っていたが、○○にそんな衝撃的な
ことが起こっていたなんて・・・。
秀規はなんと言っていいのか言葉を捜していた。
「そ、そうなんですか・・・。
ご愁傷さまです。○○さん大丈夫なんでしょうか?」
「もう、突然のことで。交通事故だったんです。
なんせ半年しか生活してないのにこんなことになってしまって・・・。
本人が一番ショックを受けてると思います。
私達もどうしたらいいか分からなくて・・・。」
○○の倒れている様子が鮮明に思い出された。
相当な心労が重なっていたんだろう。かわいそうに・・・。
お母さんも昔会った時よりも痩せてる気がした。
「今更ご迷惑かもしれないですけど、自宅に戻られたら○○さんと
少しお話したいんですけど・・・・。無理ですかね?」
「いいえ、でもお忙しいでしょうに。」
「いいえ、僕になにかできるわけでもないんですが、とても心配なので・・・。
会うのが嫌ならメールか電話すると伝えてもらえますか?」
「はい、分かりました。ありがとうね菊地さん。」
「じゃあ、遅くにすみませんでした。失礼します。」
秀規は○○の家をあとにした。
ゆっくり自宅に向かいながら秀規は○○を心配し続けた。
自分には何もできないのかもしれないし、出る幕ではないのかもしれない。
だけど・・・。
少しでも励ませるなら、何か力になれるなら、なんだってしてやりたい。
秀規はもうリカコにする言い訳などとうに忘れて、かつての愛しい彼女の身の上を
ひたすら案じるのだった。
何の文才もない自分が言うのもなんですが、小説書くのウマくなりましたね。
以前より深みが出たと思います。
いつも読んでくださってるんですね。
ありがとう。
先週の芸株でマイクテストで菊さまが読んだメール。
多分私が送ったものなんです。
靴を大切にする人は土台がしっかりしていて成功者が多いと本に書いてあったので、
そのことを菊さまを褒めるつもりでお便りしました。
しかし菊さまは「地味」という言葉に結構ショックを受けられたようで・・・。
尊敬申し上げるつもりでお便りしたのに逆に大好きな人を傷つける結果になってしまいました。
言葉って難しいですね。
このくだらない小説も書き続けても一銭の得にもならないと分かっているけど、
書くことで、菊さまへの叶わぬ想いを紛らわせているのです。
菊さまの目にふれることがあった時、もしかしたら傷つかれるかもしれない。
激怒されるかもしれない。
だけど、私は当分書き続けると思う。
自分が納得するまで。
>>502 読まれて良かったですね。
私は一ヵ月くらい前からラジオ聴いてません。益々つまらなくなってしまって。
>>502さんの菊さまを想う気持ちは凄いですよね。
菊さまのどこが好きなんですか?
>>503 ブサイクでハゲてて骸骨みたいでネタとトークがワンパターンで性格悪いところが好きです。
>>503 地味なで素朴で変人で可愛いところが好き。
>>503さまのいつここ熱はいつぐらいの時期がピークでしたか?
自分もいつか、飽きてしまうのではないかと少し感じています。
菊さまが舞台前に吐き気をもよおされると告白されてました。
とても心配です。
治す方法はないのでしょうか?
>>507 芸人向いてないんじゃん?精神的なものは治すの難しいと思うよ。転職が一番!
治らないのかなあ。
治ってほしい。
菊さまが苦しむなんて可哀想。
でもどうしてあげることもできない。
510 :
名無しさん:2007/05/26(土) 22:33:56
吐けば多少楽になるよ
>>506 いつここ全盛期の時とU.N.O.BANDの時と
ポッドキャスト初期がピークだったと思います。
飽きっぽいので波が激しいですw
必死にメール送って集めた番組カードも
思い切って一昨日捨ててしまいました。
>>506さんのピークはいつ頃ですか?
ウンコバンド懐かしい!
菊地様と同じデザインのTシャツ買ったし、抽選ライブにも行ったし、
お宝DVD欲しさに買ったウーノのミニワックス、まだ家に使いきれず残ってるw
今となってはゴミですけど
>>511 私今が多分ピークだと思う。
皆さんより大分遅いですよね。
好きになったのが去年だから。
それにしても番組カード捨てられたとは・・・。
薄っぺらな神なんだからどこかへ取っておけばよいのに。
そんなに邪魔にはならないと思いますが・・・。
私は手帳にはせてます。
>>512 抽選ライブとかすごいですね!
私そのころはまだいつここファンじゃなかったです。
菊さまのこと寝るときも、朝起きる時も必ず考えるほど好きなんです。
もう、自分でもどうしちゃったのかと思うぐらいすごく好きです。
そのうち急激に熱が冷めていくかと思うと、ちょっと恐いです。
うんこばんどの菊地様はなすびみたいで気持ち悪かった。
垢抜けてない頃の菊地様が一番面白くて格好良かったな。
それにしてもここも前スレより勢いがなくなったし、そろそろいつここも終わりか・・・
一時期色んな人がいて楽しかったのに。
キクティまた茶髪にしてくれ・・・何で茶髪やめちゃたんだよorz
昔は良かった〜って話ばっかりだね。
確かに今のいつここは魅力がなくなってしまった。
>>513 そこまで人を愛せるなんて幸せだね。
何がきっかけで菊地様を好きになったのか知りたい。
>>515 ハゲたからだよ。でも先々週生菊見たら髪の毛増えてて安心した。
あれは増毛?育毛?
>>516 私が菊地様を好きになったきっかけは、昔の話になるんだけど
海水浴に行った時に溺れて「もう死ぬ・・・」と思った時に
誰かが助けてくれて、その人が私を背負って、水位が低いところまで行くと
「この辺で立てますか?」と聞かれ下りると、私は溺れてパニックになっただけで命に別状はなく・・・。
お礼を言うと「無事で良かったです。」と言われて
相手の顔をよく見ると、悲しいときーの顔色悪い人だ!と気付いて(当時名前知らなかった)
握手してもらおうと思ったんだけど、助けてもらっといて図々しいかな?と
思ってしてもらわなかったw
好きになった今思えば、溺れたフリして人工呼吸してもらえば良かったかもw
それからもうずっと好き。多分一生好きだと思う。
人は恐怖を感じた時に異性に優しくされると、恋と錯覚するって言うし・・・。
菊地様の水着が黄色の派手なブーメランパンツ(?)だったのが印象的でした。
>>517 マジで菊地様が助けてくれたの?
おんぶしてくれたなんて握手するよりラッキーじゃん!
お礼にご馳走させて下さいとか言って食事にでも誘えば良かったのに!
それにしても黄色のブーメランパンツってwww
プライベートだったの?何かの罰ゲームだと信じたいw
>>517を助けた後菊地様が泳いでいると、お気に入りの
ブーメランパンツが波にさらわれ焦るキクティ(*´д`)ハァハァ
それにしても裏山すぃ・・・
菊地様は優しいエピソード沢山あるよね。
ファンの人が派手に転んで誰も助けてくれなかったところを、
菊地様だけが駆け付けて「大丈夫?」て手を貸してくれたとか。
そういう話聞くと益々好きになっちゃうお。
>>517 ブーメランパンツって事はモッコリしてた?大きかった?背中の感触は?体臭はした?
>ブーメランパンツって事はモッコリしてた?
勃起はしてなかったと思う。
>大きかった?
小さい。
>背中の感触は?
ザラザラ。
>体臭はした?
凄く臭かった。
522 :
517:2007/05/30(水) 00:14:36
>>518 男女数人でプライベートで遊んでるっぽかったよ。
あの瞬間は別に好きじゃなかったから誘ったりしなかった。
当時高校生で子供でお金もなかったし、誘ってたとしても断られてたと思うけどw
水着は罰ゲームだったかどうかは分かりませんw
>>520 ピチっとした水着だったからモッコリしてました。
大きいとは感じなかった。
それよりも水着の派手さと体の細さと白さに目がいってしまいましたw
背中の感触は残念ながらあんまり憶えてないです。
当時まだ処女だったから、裸みたいな格好で男の人とくっつくのは初めてで
心臓バクバクだった記憶しかない。
体臭は海だったし嗅いでないから分からない。
>>522 貴重な体験だね。そんなに間近に菊地さまを感じられるなんて。
で、今日の陣内の結婚式に菊地さまは招待されてるのかな?
>>523 微妙なメンツばっかりだから仕事がないなら出てるんじゃない?
>>522 その水着の黄色は蛍光色?淡色?
蛍光色ならセンスのなさにちょっとショック・・・
珍助が呼ばれてるんだから出てないでしょ
キクティのモッコリパンツ見たい〜w黄色ってところがまた菊地様らしくてイイ!
菊ちゃん写真集出してくれないかな。無理か
527 :
名無しさん:2007/05/31(木) 21:32:10
写真集なんて誰が買うんだよwww
>>524 レモンイエローって感じでした。
写真集良いね。モデル体型だから何でも着こなせそう。
菊地様はハゲなんじゃなくて髪型が問題なんだと思う・・・
写真集1発目はコスプレで!
859:名無しさん :2007/06/01(金) 08:11:16
この前FMでたまたまこいつの番組を聴いたら、「漢字って必要?」何ていう基地外発言しててマジで引いた。
秀規の帰りが遅いのでリカコは風呂に先に入っていた。
今日はお泊りの日ということではりきっていたリカコだったが、
昼間薬局で遭遇した出来事が引っかかっていた。
秀規の呆然とした表情。
話しかけても返事をしなかった様子。
倒れていた相手が女性だったということ。
あの時は友達の彼女だとか言ってたけど本当は・・・。
リカコは秀規の過去の女性なのではないかと疑い始めていた。
でも証拠は無い。
顔をあまりはっきり見なかったのであのスケッチブックに描いてある女性かどうか思い出すことはできないだろう。
体を丁寧に洗いながらリカコの胸の中はざわついていた。
もし秀規の中に他の女性が住み着いているのであれば、自分は
いずれ捨てられるのではないか?
1年以上付き合ってきたけれど、付き合いの長さだけでは繋ぎとめることはできないかもしれない。
秀規のこと愛しくてたまらないのに・・・。
今まで通り秀規に優しく、愛情を持って接していけば繋ぎとめられるのではないか?
絶対そうであってほしい。
リカコは秀規に今晩激しく求められることを期待しつつ湯船に浸かった。
秀規は○○の家からの帰り道、彼女のことを思いつつ歩いていた。
「やっぱり入院してたか・・・。
それにしてもお母さんもやつれてたぐらいだから、あいつはも っと心労が重なってたんだろうなあ。」
秀規は思った。
もし、あの時○○を繋ぎとめることができていたのなら・・・。
彼女がこんな悲しい出来事に遭遇することはなかったはず。
自分なら現にあの頃と変わらず健康で過ごしている。
彼女を悲しませることなんて多分起こらなかっただろう。
「これからあいつどうするんだろうか?
当分ご主人のことは忘れられないだろうなあ。
俺はどうすればいいんだろう?」
秀規は自宅の前まで来てハッと思い出した。
そういえばジュースを買うと言ってでたんだった。
慌てて自動販売機で適当にジュースを2本買った。
リカコにおかしいと思われないように取り繕わなければ・・・。
今日はリカコが泊まっていく日。
秀規は足早にマンションへ帰っていった。
自宅に戻るとリカコは風呂に入っているようだった。
喉が渇いたので先ほど買ったジュースを飲み始めた秀規は、
テレビをつけた。
だけど、やはり○○の事が頭をもたげる。
そうこうするとリカコが風呂からあがってきた。
「あら、お帰りなさい。遅かったね。」
「ああ、うん、ちょっとコンビにで立ち読みしてたから。」
「ああそうなの。ジュースそれ買ったんだあ。それならスーパー で買ったほうが安いのに。」
「ああ、そ、そうだね。うっかりしてたよ。」
「私ももらっていいの?」
「うん、これ君の分。」
そういうと秀規はジュースをリカコに手渡す。
リカコと会話してると自分の心の中を見透かされてしまいそうだったので、すぐ風呂に入ることにした。
湯船に浸かり瞑想タイムに入る秀規は○○を想っていた。
運命の悪戯か、神の悪戯か?
あの時、別れた時からこうなることは決まっていたのだろうか?
俺がしっかり繋ぎとめておけば、いや、今更言ってもしょうがないことだ。しかし・・・。
まだ○○が結婚する前、たまたまコンビにで出会った時、彼女はとても幸せそうだった。
だから、結婚式前日にメールをもらった時も秀規は心から彼女が幸せになることを祈っていた。
あの時から心の奥に彼女のことをしまいこみ、しっかり鍵をかけたはず。
だけど今その鍵が外れて、彼女への想いがまた湧き出そうとしているのを秀規は確かに感じていた。
秀規は風呂から上がり、パジャマを着る。
リカコと抱き合うことになることは分かっていたが、あえてパジャマを着た。
残っていたジュースを飲み干し、歯磨きをする。
さあ、今はリカコと付き合ってるんだから○○のことは頭から消さなければならない。
風呂に入りスッキリした秀規は更に歯磨きをすることで清らかな心でリカコを抱こうと思った。
秀規は数分後ベッドに入っていた。
リカコも隣に入ってきた。
一応ベッドの下に布団も敷いてあるが、抱き合う時はだいたいベッドに二人とも入っていた。
「今日薬局で救急車で運ばれてた人、どうなったかしら?」
「ああ、そうだね。」
「友達の彼女なんでしょ?」
秀規はまたあせってきた。
「う、うん。」
「どうなったか、あれから連絡あったの?」
「いや、ないよ。」
「だいじょうぶだといいけどね。」
「そうだね。」
すると秀規の胸にリカコが顔を寄せてきた。
優しくリカコの洗い立ての髪を撫でたひでのりは、○○のことを
隠すかのように、リカコの上にまたがり、激しい愛撫を始めた。
リカコの感じる部分をまんべんなく愛撫し続ける秀規は、○○のことで揺れ動きながら、目の前にいるリカコを抱き続けるのだった。
リカコは激しい愛撫を受け、喘ぎ声を出していたが、頭の中では別のことを考えていた。
先ほど秀規が風呂に入っている間に彼の携帯をこっそり見てみた。
悪いとは思いつつ、気になってしょうがないリカコは発信履歴を見てみた。
○;○○分 ○○
「この○○って誰なんだろう?2回もかけてる。」
リカコはこの女性がどんな声をしてるのか知りたくなったのでかけてみる事にした。
向こうが出たらすぐ切ればいい。
自分の携帯に○○の番号を入れてかけてみた。
しかし留守電で相手が出ることはなかった。
「やっぱり今日倒れてた人だとしたら・・・。
入院とかしてるんだったら出れないよね。
ああ、私何やってんだろう・・・。」
罪悪感を感じつつ、先ほどの秀規の慌てぶりと照らし合わせてみてやはり○○という女が過去の女なのでは?という勘がはたらいた。だからといって秀規に詰め寄る気はない。
秀規は現に自分を愛してくれている。
私はこの人のこと信じてるしかない。
リカコは自分に自信を持つことに決めた。
秀規の愛撫はリカコの下の部分に移動していた。
益々声を出してしまうリカコは快感の海に溺れていた。
ああ、このまま永遠に秀規と愛し合っていたい。
この人のこと信じていこう。
リカコはそう思いながら秀規と愛の時間を過ごすのだった。
結局2日で退院した私は母と一緒にタクシーで自宅へ戻った。
「そういえば菊地さんが家に来てくれたわよ。」
「えっ?菊さまが?なんで?」
「なんかあなたが救急車で運ばれていくところをたまたま見たら しいわよ。それで心配になったからって夜いらっしゃったの。
だから説明しといたわよ。」
「アキラさんのことも話したの?」
「話のいきがかり上しょうがないから話したわよ。」
「そんな、話さなくてもいいのに。
菊さまどう思ったんだろう?」
「あなたのことすごく心配してくれてたわよ。
落ち着いたらあなたと話したいって。
会いたくなかったら電話でもいいからっておっしゃてたわよ。
連絡してみたら?」
「でも向こうはもう彼女いるんだし、私のことかまってる暇なん かないよ。菊さまに迷惑かけられない。」
「まあ、あなたの好きなようにしなさい。」
私は強引に菊さまと別れた行きがかり上、菊さまと今話す気になれなかった。
あれだけ菊さまより絶対幸せになってやると心に決めていた私だったが、その目標はもろくも崩れ去った。
あれだけ菊さまのことを悪く思うようになっていた私は、結局菊さまが私と分かれて幸せになっていることに不快感を覚えていた。
菊さまは相変わらず同じ生活を続けているようだし、彼女もできたと言っていた。
私は菊さまに結局敵わないんだ。
いくら頑張っても菊さまと私では運の強さが違うんだ。
菊さまは生まれもって生活にも困らず、仕事にも困らず、自分の自由きままに生活を送れるようになってるんだ。
それに比べて私は・・・。
私は自宅に着くと、すぐにアキラさんの位牌に線香をあげた。
「アキラさんただいま。
退院はできたけど、これからどうすればいいんだろう。
ねえ、どうすればいいの?」
私は涙が溢れてきた。
病院でも何度も涙が出ていた。
病院の先生には泣きたいときにはガマンせず泣きなさいと言われていた。
だから私は泣くことにした。
涙が1滴もなくなるまでこうなったら泣いてやる!
私は静かに部屋で泣きながら、結婚式の時の写真を眺めていた。
あの時が今思えば一番幸せだった。
しばらくぼーっとアルバムをめくっていると、携帯が鳴った。
画面を見てみると菊さまからだった。
私は携帯に出ることを少しためらったが、出ないわけにもいかないだろうと考え通話ボタンを押した。
「もしもし。」
「もしもし、菊地ですけど。」
「ああ、菊さま、お久しぶりです。」
「久しぶり、元気かなあ、っていうか元気じゃないか。
お母さんから聞いたかな?」
「はい、家に来てくれたんですよね?心配してくれてありがとう
ございます。」
「体の具合はどう?」
「おかげさまで、大分よくなりました。
でも薬は当分飲み続けなければならないみたいです。」
「そう。でも退院できてよかったな。
今日俺休みなんだけど、お前家に居るんなら旦那さんに線香あ
げさせてもらおうかと思って・・・・。」
「ああ、ありがとうございます。
家にいますから。でも菊さまお忙しいんじゃ・・・。」
「今日暇だから。それにお前の顔も見たいし。
じゃあ今から行くから。」
私は本当は断りたかったが、無下に断るのも悪い気がした。
菊さまに今の自分の哀れな姿を見せるのは嫌だったが、菊さまの厚意を受け入れることにした。
数十分後、秀規は○○の自宅を訪れていた。
途中花屋に寄って仏壇用の菊の花を買っていった。
「菊さま、どうぞ。」
「おじゃまします。」
1年半以上になるだろうか。
久しぶりに○○の部屋に入った秀規は懐かしく思ったが、同時に
小さな祭壇を目にして聞いていたとはいえ、ショックを受けた。
遺骨の前に○○の旦那らしき人の写真があった。
はじめてみるその顔を見て、秀規はなぜ○○が自分の元を去ったか納得した。
○○が好きになるのも当然であろう姿だった。
頼りがいのありそうな、健康そうなその姿。
だがもうこの世には居ないその男の写真をただ呆然と見つめる秀規は、○○になんと励ませばいいのか分からなくなってしまった。
「線香あげさせてもらうよ。」
「はい、ありがとうございます。」
秀規は線香をあげ、手を合わせた。
「菊さまお花ありがとうございます。
主人も喜ぶと思います。」
○○の声ってこんなんだったけ?
秀規は力のあまりない彼女の声を聞いて悲しくなってきた。
「体調悪いのどんな症状が出てるんだ?」
「彼が交通事故に遭って亡くなるまでほとんど寝ずの看病だったんですが、お葬式済んでも疲れてるはずなのに眠れなくなってしまって。それに食欲もずっとなくて。
それで先日買い物途中で貧血で倒れてしまったんです。」
「そうだったのか。
ところで旦那さんの事故って車か何か?」
「原付に乗っててトラックに撥ねられたんです。」
「そ、そうだったの・・・。本当なんて言っていいか・・・。
嫌なこと思い出させてごめん。」
「いいえ、本当のことですから。」
秀規は退院したとはいえヤツレ気味の○○と話していて、彼女を
抱き寄せて包み込みたくなっていた。
でも恋人でもないのにそんなことはできない。
お互い目の前に居るのに、時の流れが秀規と○○の間に溝を作っている感じだった。
だけど、たとえ距離があるにしても秀規は彼女を支えたいと心から思った。
テーブルの上にアルバムらしきものが置いてあるのが目に
とまった秀規はそれを見せてもらった。
「お前の結婚式の時の写真か?」
「そうです。さっき懐かしくて見てたんです。
もう写真でしか彼に会えないから。」
秀規は1ページずつゆっくり写真を見た。
神社での式の様子。
○○の緊張気味の表情が写っている。
披露宴での白いウエディング姿の彼女はとても美しく、愛らしく
見えた。
幸せそうな彼女の結婚生活。
それを一瞬の内に奪ってしまった事故。
秀規は彼女を励ましに来たはずなのに、自分の方が参ってしまっていた。
トントン!
「そろそろお昼になるから一緒にお食事したら?」
彼女の母が部屋に入ってきて言った。
「いいえ、僕もう失礼しますから。」
「まあ、そんなこと言わず、私達親子だけで寂しいんですよ。
菊地さんが久しぶりに来てくれて結構嬉しいんだけど・・・。」
「菊さま、良かったらついでに食べてってください。
お花持ってきてくれてお礼に。」
「じゃあ、お言葉に甘えます。」
ダイニングに通された秀規は席に着いた。
マグロの刺身に筑前煮、大根の酢の物、味噌汁、ご飯。
「私久しぶりに食欲沸いてきた。」
「よかったな。じゃあ、いただきます。」
秀規は久しぶりに彼女の母が作った食事を食べる。
食べながら彼女の部屋でマグロの刺身で女体盛したことを思い出した。
今思えばなんてバカで恥ずかしいことをしたんだろう?
でもそれだけ彼女と仲が良かったという証拠。
「菊さま、そういえば彼女が居るんですよね?
どんな人なんですか?」
「ああ、モデルなんだ。」
「えー!そうなんだ!じゃあとても美人でスタイルもいいんだろうなあ。」
「まあ、モデルだからな。でもお前知らないと思うよ。
そんなに有名ではないから。」
「でも雑誌とかでてるんでしょ?」
「ああ、そうらしいけど。
俺もそうだけど、明日どうなるか分からない商売だからな。
華やかな世界だけど結構厳しいよ。」
「そうなんですか。
もうその彼女と長いですよね?」
「うん、1年半ぐらいになるのかな?」
「じゃあ、順調ですね!菊さまその人のこと大事にしてあげてね!」
「ああ、そうするよ。」
返事したものの、○○のことが心配な秀規は彼女がこれからどうするつもりなのか気になっていた。
女体盛りフイタ!www
「お前、しばらく家にいるのか?」
「そうですね。まだ49日も終わってないし。
その後納骨で大阪行ったりしないといけないし・・・。
行ってたアルバイトも辞めたから、いずれまた職探しして
働こうと思ってます。でも未定って感じですね。
体調も万全じゃないし。」
「そうだよな。ゆっくり休めよ。仕事もゆっくり探したらいい。」
秀規は食事を終え、もうそろそろ帰ることにした。
「お母さんご馳走様でした。美味しかったです。」
「たいしたものじゃなくてごめんなさいね。
長く引き止めてしまったみたいで。」
「いいえ、○○さんの顔見れただけでも嬉しいです。
どうぞお二人とも元気だしてくださいね。」
「ありがとう、菊さま。」
「じゃあ、また時々電話してこいよな。
俺はいつでも相談にのるから。」
「はい。菊さまありがとう。」
「じゃあ、お邪魔しました。」
秀規は○○家を後にした。
帰りに秀規は神社に寄った。
「どうぞ神様、○○が元気になれますように。
悲しみから立ち直れますように・・・。」
秀規は彼女が前みたいに笑顔で一杯の生活に戻ってほしいと心から願った。
自分はもうこうして願ったり祈ったりすることしかできないのだろうか?彼女の力になんとかなりたい。
でも何をしたらいいのか?
具体的な考えは無かった。
ああ、完全に○○への想いが復活してしまったようだ。
かけたはずの心の鍵は完全に開いてしまった。
私はその後49日の法要を済ませた。
大阪から彼のご両親、兄弟も駆けつけ、形見分けもした。
私は彼に結納返しの時に渡した腕時計をもらうことにした。
彼は事故に遭った時その腕時計をしてなかったので、時計は
無事に家に残っていたのだった。
次の日、私と両親は彼の家族と一緒に大阪へ納骨へ行った。
大阪郊外の墓苑。
彼のご両親が早めに立てておられた墓。
結局最初に長男である彼が入る羽目になるとは本人も思ってなかっただろう。
私はこれで彼のことを断ち切れるとは思えなかった。
心の中のもやもやした霧は当分晴れることはないだろう。
だけどこの日は一つの区切りになった。
帰りに彼の実家に寄った。
お茶を飲みながら彼の子供の頃のアルバムを見せてもらった。
あどけない笑顔。
私はアルバムを見ながら、彼との間に子供が居たらきっと彼にに
似た可愛い子が生まれていただろうと考えた。
自然に涙が溢れてくる。
「○○さん、これからのことだけど・・・。」
「はい。お義母さん。」
「あなたはまだ若いし人生長いから新しい出会いを求めて強く生きていってな。私は○○さんがあの子の嫁さんになってくれて、
とても感謝してる。だから○○さんにはこれから幸せになるためにやり直してほしいんや。」
「分かりました。でも当分私一人で居ると思います。
3回忌ぐらいまではとてもそんな気分になれないような気がします。」
「そんな、いつ新しい縁があるかわからへんのんやから。
いい話があったら乗るようにしてな。
法要なら私らだけで十分できるし、いつまでもあなたを縛り付けることはできへん。な、よう考えてな。」
私達親子はその日東京へ戻った。
駅まで見送りに来てくれた彼のご両親に手を振っていると、また
涙が出てきた。
ご両親に結局たいした親孝行もできず、孫の顔も見せれず、中途半端に終わってしまった結婚生活。
不慮の事故とはいえ、なんてあっけなかったんだろうと思うと、
新幹線の中で私はまた涙を流していた。
私が東京に戻った翌日。
菊さまから電話があった。
「もしもし俺だけど。」
「はい、菊さまどうされたんですか?」
「その後どう?」
「はい、先日納骨を済ませました。」
「ああそうなの。」
「借りてた家も引き払うことにしました。
形見分けも済ませましたし。」
「じゃあ実家に完全に戻るんだね。」
「はい。また親のすねかじる事になります。
出戻りです。」
「そんなこと気にするな。仕方が無く戻るんだから。
なあ、お前の気晴らしにどこか出かけないか?」
「出かけるって、どこへ?」
「お前の行きたいところどこでもいいよ。」
「別にこれといってないんですけど。」
「じゃあ、食事でもいこうよ。」
「ええ、でも、彼女がいらっしゃるのに・・・。」
「友達として行くんだから。
じゃあ明日はどうかな?」
「はい、別にいいですけど。本当にいいんですか?」
「いいよ、お前が少しでも元気になってくれればいいんだから。」
「分かりました。」
「じゃあ、俺が店予約しておくから。またメール入れるから、
じゃあな!」
翌日秀規は○○を迎えに行き、ホテルの中の見晴らしのいい
レストランへ彼女を招待した。
「菊さま、なんだか高そうなお店だけど大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、俺がおごるから。」
「菊さま財布落としてないでしょうねw」
「そういえばそういうことあったよな昔。
東京タワーだったけ?
まったくお前は嫌なこと思い出させるなあ。」
でも○○の笑顔が少し見れて秀規は安心した。
テーブルに着き、ワインを少し飲む。
夜景がとても綺麗だった。
「夜景見るのすごく久しぶりだなあ。
菊さまありがとうございます。」
「どう?気に入った?
少しでもお前が楽しい気分で居てくれたら俺は嬉しいよ。」
「菊さまってなんだか私と付き合ってたときより優しくなられましたね?」
「そう?変わらないと思うけど・・・。」
「いいや、絶対優しくなったと思う。
付き合ってる人がきっと優しい方なんでしょうね。
だから菊さま少し性格が丸くなられた感じがしますもん。」
「じゃあ昔は尖ってたっていうのか!」
「私達付き合ってるときしょっちゅうケンカしたり悪戯したりしてましたもんね。」
「まあ、そうだな。俺達子供だったのかなあ?」
「そうかもですね。でもそんなに昔でも無いような気がしますが・・・。」
盛 り 上 が っ て ま い り ま し た
「なあ、お前もう仕事始めたりするのか?」
「ええ、そのつもりなんですけど。
まあ、とりあえずアルバイトになると思います。」
「そうか。それでいいんじゃないのか?
なあ、お前がよければ、連れて行きたいところがあるんだけど。」
「どこですか?」
「・・・。岩手に行ってみないか?」
「い岩手?・・・。」
「嫌か?」
「嫌じゃないですけど・・・。
菊さまとですか?」
「他に誰と行くんだよ!もちろん二人で。」
「菊さま、もう私達恋人じゃないんですよ。
菊さまの彼女に申し訳立たないじゃないですか。
私が彼女だったら絶対嫌ですもん。」
「そんなの・・・。
関係ねえぞ!俺はお前を絶対岩手へ連れて行く!」
「そんな強引な。第一彼女になんて説明する気ですか?」
「そんなの友達と旅行に行くと言えばいいよ。」
「そんなの絶対ばれると思う。」
「バレタって構わない。
俺はお前をもっと元気にさせたいんだ。
俺達友達だろ?
友達を元気付けて何が悪いんだ?な?いいだろう?」
「なぜ岩手に行く必要があるんですか?」
「そりゃあ、東京より空気いいし、美味しいものもあるし。
岩手の大自然を見ればお前が元気になれると思ったんだ。
お前の体調が悪いのって精神的ものだろう?
なら、旅行や温泉入って気分転換しろよ。」
「そんなの菊さまにしてもらわなくても、自分で勝手にどこかに
行きます。」
「そりゃあお前自身でもどこかへ旅行へ行けばいいよ。
ただ俺はお前の力になりたいんだ。
だったら俺の地元の岩手がいいんじゃないのかとおもったんだよ。」
「お気持ちはありがたいです。
だけど、やっぱり私の気持ちの中にはまだ彼が住んでいるし、
菊さまの彼女に悪いから・・・。」
「そんなこと言ってたら前に進めないよ。
絶対気晴らしになるよ。
お前がこれから力強く生きていくように応援したいんだ。」
「菊さま、連れて行く相手が違うと思います。
まず彼女を連れて行ってあげなきゃ。
そしてご両親に紹介してあげたらいいのよ。」
「俺と彼女のことはお前には関係ない!」
「じゃあ、どうぞご勝手に。
でも私は行かれないよ。」
菊地様〜岩手で何なさるつもり〜(*´д`)ハァハァ
「いや、俺は絶対お前を連れて行くぞ!」
「そんな・・・。困ります。」
「困ることなんかないよ。
お金も全部出してあげるし、何も心配するな。」
「そんな、お金だしてもらう筋合いないし。」
「いいじゃないか。
俺にとってお前は妹みたいな存在だ。
妹に金出してやって何が悪い!」
「菊さま、お願いです。そこまでしてもらわなくても私ちゃんと
生きていきます。菊さまは時々私の話し相手になってくだされ
ば良いですから。
それだけでとても有り難いですから。」
二人はその後も押し問答を続けた。
1時間半後、押し問答を続けながら食事を済ませた二人は
ホテルを後にした。
帰りの地下鉄の中でもまだしつこく秀規は岩手行きを勧めていた。
「なあ、いいだろう。
彼女のことは気にするな。
お前に迷惑かけることはしないから。」
「それは、できないって言ってるでしょう?
絶対無理です。」
「もう、どうしたらいいんだよ。」
「菊さま、岩手、菊さまと一度行ったことありましたよね。
あの時は日帰りだったからまたいつかゆっくり行ってみたい
って思ってました。
菊さまの故郷だから多分すばらしい所だと思います。
岩手に行ってみろって言うなら私行きます。」
「おおそうか。じゃあいつにする?」
「一人で行きますから。」
「はあ?なんでそうなるんだよ!」
「私も子供じゃないんだから、それぐらい一人で行けます。
どこか旅行に行きたいとは思ってたんです。
そんなに菊さまがすすめるなら、私一人旅してこようと思います。
「一人じゃ危ないよ。俺が着いて行く。」
「大丈夫。菊さま、本当にありがとう。
菊さまやっぱり私にとって兄みたいな存在です。
心から心配してくれてありがとうございます。
必ず岩手に旅行しに行きます。
その頃には私も大分元気になれる気がします。」
秀規はもう何も言わなかった。
彼女への想いが溢れてきて止まらなくなっている自分が居る。
どうにも止まらないあふれ出る想いをどうすることもできない。
地下鉄を降り、二人は自分達の町を歩いていく。
途中公園に入り、二人はベンチに座った。
「なあ、本当に一人で大丈夫か?」
「はい、大丈夫。
すぐには行けないと思うけど。必ず一人旅してみせますから。」
秀規は思わず彼女の頬を触った。
「菊さま、どうされたの?」
次の瞬間、秀規は彼女をおもいっきり抱き寄せた。
「き、菊さま・・・。だめ。だめよ。私達・・・。」
彼女の言葉を遮るように秀規は口づけをした。
彼女のことやっぱりずっと愛してたんだ。
この想いはとめられない。
私は突然の菊さまからの口づけに戸惑ったが、菊さまのものすごい力によって拒むことができずにいた。
なぜ?菊さまどうして?
私の中に疑問が走る。
ようやく菊さまが唇を離してくれた。
でも私を強く抱きしめたままだった。
「菊さま、離して。人に見られたら嫌だから。」
「ごめん。俺今日どうかしてるわ。」
「私帰りますね。今日はご馳走様でした。
菊さま心配してくれてありがとう。嬉しかったよ。」
「じゃあな、いつでも電話してこいよ。
また俺もメールするから。おやすみ。」
私は帰りながら、菊さまの想いにうすうす気づく自分に戸惑いを
覚えていた。
私達の関係がまた今までと違う方向に向かうのだろうか?
私は戸惑ったままの心で家にたどり着くのであった。
つ づ く
ブーメランパンツのエピソード楽しく読ませてもらいました。
とてもうらやましいです。
私が菊さまを好きになったきっかけは、今思えばある芸人さんの
ことを調べててそのつながりでいつここを知ることになったことが、きっかけだと思います。
その芸人さんは山田さんと親友。
いつここの公式を覗くようになり、ananのインタビュー記事
で、菊さまの強烈な毒にすっかりしびれてしまいました。
それからピタゴラをビデオにとって見るようになり、エンタを見て、そうこうする内にラジオが始まって、益々菊さま熱が高まり
ました。
もう今では寝ても覚めても菊さま命状態です。
自分でもどうすればいいんだろうと思います。
一生好きなんだろうか?
でもそういうわけにはいかない。
現実を見つめなければならないのに。
早く現実の世界で愛する人を見つけなければ・・・。
菊さまへの苦しい想いは一体いつまで続くんだろうか・・・。
それぐらい菊さまのことが大好きです。
がぶのみミルクコーヒーのCMはおぼろげながら覚えてます。
でもそのときはずいぶん年上の人だと思ってましたし、お笑い
にあまり興味なかったです。
菊さまがいいともに出演されたりしてた時は私は仕事が忙しく、
いいともを見る機会もなく、増刊号も見てなかったと思います。
インターネットもしてなかったし、お笑いに興味があまりないから、オンバトも見てなかった。
今思えば、菊さまの全盛時代を全然知らないわけで。
皆様と比べるとずいぶん遅れてます。
だけどこれからも菊さま、活躍されることを私は期待してます。
菊さまのこと心から愛してるから、いつまでも芸人として生きて
いってほしいです。
私は
>>566さんの事が好きです。
会った事もないしネットの世界の人だけど大好きです。
>>568さん、ありがとうございます。
好きと言ってくれて嬉しいです。
皆様に質問。
菊さまが先日のエンタでつけておられた黄色い蝶のブローチ。
あれは金でできているんでしょうか?
それともプラスチックでしょうか?
プラのブローチなんてあるのか?金メッキじゃない?
純金なら幾らくらいするんだろう・・・?
骨董品好きなくらいだから本物に拘って純金なのかなぁ(゚д゚)ポカーン
菊地様はこだわるところはこだわるけど、
アクセサリーはわりとチープな物をゴチャゴチャとつけてる印象。
去年、両指全部に安そうな指輪をハメてたのにはドン引きしたw
指輪を全部の指にはめるとは・・・。
さすが菊さま、やることがわからん。
アパホテルの女社長かよ!
名古屋の方にも指輪いっぱいしてる女社長
いたよね?
いずれは菊さまも指輪お化けになるのかしらw。
指輪お化けワロタw
菊地様は両腕に腕時計もつけるし、ピンバッチつけすぎだし・・・。
でも菊地様だから様になるよね。
菊地様が爺さんになったらどんな風になるんだろ?想像つかないな。
歳を取ってもお洒落さんかな?
白髪が生えたり皺々になったり・・・。
あの足腰だと杖は必需品だろう。
>>576 どっちが杖だか見た感じ区別がつかないのでは?
>>577 ワロタw
菊さまが聞いたら激怒しそうですねw
>>577 ワロタw
「菊さま、杖お持ちしますね!」
「あぁ、ありがとうって・・・それは俺の×××だっ!」
「え?キャー!ごめんなさい!」
菊地様ヲタって下ネタ好きだよねw私も好きだけどw
菊さまとキスをしてからの私は、菊さまの私に対する愛情に
とまどいながら過ごしていた。
とまどいつつも、旦那を失った私の寂しい心を支えてくれる菊さ
まに私は感謝していた。
ただ、やはり住む世界の違う人だということを思い知っているのと、モデルの彼女の存在が頭をかすめ、どうしても菊さまを遠ざけようとする自分が居た。
菊さまは何かと理由をつけてはメールや電話をよこしてきた。
私は無視するのも悪いと思い、メールの返事や電話の応対をした。
私のことを励まそうとしてくれているのがとても分かるのだが、
あのキス以来、菊さまと食事したり遊びに行くことを私は断り
続けていた。
「ねえ、明日俺寿司食べに行きたいんだけど一緒にどう?」
「すみません、明日はちょっと・・・。」
「こないだもお前断ったよな?
そんなに俺と食事行くの嫌か?」
「別にそういうわけじゃなくて・・・。
明日は職場の友達と飲みに行く約束してるから。」
「ふん、前も職場の人と約束あるからって断ったよな?
そんなにしょっちゅう飲み会のある職場っておかしくないか?」
「そんなこといってもそうなんだからしょうがないでしょ?
別に私と食事しなくても彼女もいるし、友達も多いんだから
大丈夫でしょ?」
私は毎度毎度こんな調子で菊さまからの誘いを断り続けた。
断っても、いつも話し相手にはなるから菊さまもしつこいぐらい
連絡してくる。
私は11月ごろからアルバイトを再開していた。
家にずっと居ても悲しみにくれているだけだし、両親にも心配
をかけるだけなので働くことにした。
体調はまだ時々不安定になることもあったが、お医者さんから
も、働きに出たほうがこれからのために良いだろうと言われた。
仕事自体は簡単な事務で、責任も軽く、毎日定時で帰れるので
体力的にも精神的にも安心できるものだった。
それに職場には同年代友達もでき、日々充実していた。
昔からの友人達も私のことを気遣って連絡してきてくれて、食事
に誘ってくれたり自宅に招いてくれたりした。
だから菊さまに本当はいつまでも頼る必要はないのだけれど、
つい菊さまの厚意に甘えている自分が居た。
その年の年末に入った頃、菊さまからまた連絡があった。
「もしもし、俺だけど。」
「こんばんは、どうされたんですか?」
「実は今度俺の友達の友達がレストラン開いたのよ。
そのオープン記念パーティーに呼ばれてるんだけど、
お前と一緒に行きたいなあと思って・・・。」
「なんで私となんですか?」
私は菊さまの心が分かっていたが、わざと聞いてみた。
「友達や彼女同伴で来てほしいって言われてんだよ。
なるべく沢山の人に来てほしいらしいんだ。」
「じゃあ、彼女と行けばいいじゃないですか。」
「彼女最近忙しいんだ。
なんか仕事が増えてるみたいで・・・。
俺最近あまり彼女と会ってないんだよね。」
「そんなこと私に関係ありませんから。
それに世界が違う人達と会って何喋ればいいか分からないし。」
「大丈夫、俺とずっと一緒にいればいいだけだし、美味しいもの
たくさん食べれるよ。
お前世界が違うから嫌だとか了見の狭いこと言ってると成長
しないぞ!もっと視野を広くしろよ。社交的になれ!」
「でも、私そんなパーティー出たことないし。
いつも居酒屋ぐらいしか友達と行ったことないし。
第一着ていくものに困りそうな感じで気が重いです。
会費とかいるんでしょう?」
「そんなもん、俺が出してやるよ。
一緒に来てくれるんなら服だって買ってやるよ。
なんなら明日でも一緒に服買いに行こうか?
ついでに夕飯も食べにいこうよ!」
「うーん・・・。
そこまでしてもらう筋合いないし・・・。
やっぱり面倒臭いので行けません。
ごめんなさい、私明日早いんで、もう切りますね。
おやすみなさい。」
「お、おい、まて・・・」
ブチ!
私は強引に携帯を切った。
菊さまに丸め込まれそうになる前に話を強引にでも終わらせなければ
菊さまペースに巻き込まれてしまうのでこうした。
菊さま、ああ、ごめんなさい。
菊さまの心は分かっています。
だけど、彼女の居る菊さまと気軽に出かける勇気はありません。
でも声は聞きたい。
あの甲高い可愛い声。
完全に悲しみから立ち直れてない私にとっては実はとても癒し
になっているのです。
菊さまには内緒だけど・・・。
それから数日後の日曜日。
私が夕飯を済ませくつろいでいると、誰かが訪ねてきた。
母が対応する。
「○○、菊地さんがいらっしゃったわよ。」
え?なんで来たんだろう?
「菊地さん、どうぞ上がってください。」
「お邪魔します。お母さん、これ今日大阪に仕事で行ったので、
お土産です。」
「まあ、ありがとうございます。
今お茶いれますからね。」
菊さまは私のリビングに顔を出し、父に笑顔で挨拶してきた。
「おお、菊地君元気かね。」
「はい、いつも○○さんにはお世話になってます。」
「うちの娘こそお世話になって、まあ、ゆっくりしてって。」
「はい、ではお邪魔します。」
菊さまは私よりも先に私の部屋へと入っていく。
相変わらずのずうずうしさに閉口しながらも、菊さまが何をしに
来たのか気になっていた。
私は部屋のドアを開けっ放しにした。
菊さまにまた何をされるか分からないし、そういうことがおこる
のが恐かった。
「線香あげさせてもらうね。」
菊さまは小さな仏壇に手を合わせてくれた。
「ありがとう。菊さま。」
「なあ、もし旦那さんが生きてたら、もしかしたら俺友達になれ
てたかもしれないって思うんだ。」
「そうですかね?私の旦那は菊さまのペースについていけない
と思いますけどねw」
「なんだと!それじゃあ俺がまるで変人みたいじゃないか!」
「だって変人じゃないですか。何を今更www」
「バカヤロウコノヤロウメ!バカにするのもいい加減にしろ!」
「ふふふ!菊さま一体全体何しに来たんですか?」
「こないだのパーティーの件。誘いに来たの!」
「もうその件はこないだ断ったはずですよ。」
「それがさあ、どうしてもなるべく女性同伴で来てほしいって
頼まれてさあ。リカコが行けないっていうんだよ。」
「リカコって誰?あっ、彼女の名前かあ。
じゃあ、他の女友達誘えばいいじゃないですか。」
「女友達なんていないよ。お前しか・・・。」
「嘘ばっかり。」
「嘘じゃない。本当だよ。」
「本当だとしても、菊さまならいろんな人のつながりで誰か
彼女の代わりしてくれる人探せるでしょう。
私は行けないよ。そういうところ苦手だし、行く理由もない。」
「理由なんて関係ねえ。なあ行こうよ。」
「無理です。」
言い合いしていると母が部屋に入ってきた。
「さあ、紅茶どうぞ。これ菊地さんからいただいたお饅頭よ。」
「菊さまありがとうございます。」
「仏壇にもお供えしなきゃね。」
母が饅頭を供えた。
「お母さん、お願いがあるんですけど・・・。」
「なんでしょうか?」
「○○さんをお借りしたいんです。
どうしても女性同伴でパーティーに行かなければならなくて。」
「あら、彼女がいらっしゃるんでしょう?」
「仕事の都合で行けないって言われてしまって。
他に仲の良い子居ないし。
結構世話になってる人なんで、どうしても出席しなければ
ならないんです。どうしようか困ってまして・・・。」
「まあ、そういうことなら○○行ってみたら?
菊地さんが送り迎えしてくれるんでしょう?」
「はい、もちろん。責任持ってなるべく遅くならないように
きちんと家には送りますから。
会費とか交通費も全部僕が出しますし。」
「お母さん勝手に決めないでよ。
私そんなところ行きたくない。」
「でも菊地さんにはいつも心配してもらってるんだから、
こういうときに恩返ししなきゃ。
あんたの気晴らしにもなるかもしれないし。」
「気晴らしになんかなるわけないじゃん!
私人の多いところ行きたくない。
知らない人に愛想笑いするのも大嫌い。
菊さま私の事心配するとか言って、本当は私のことなんて
一つも考えてくれてないよね。
いつも自分の都合ばかり。
私を慰めるつもりで優しい振りしてるだけでしょ?
本当は私のこと哀れだと思ってるんでしょ?」
「そんなことないよ。
そりゃあお前の悲しみを代わってあげることはできないけど。
だからこそ少しでもお前が元気になれることがあるなら、気晴らし
になったり、悲しい気持ちが紛れるように食事に誘ったりして
るんだよ。」
「そんなの大きなお世話!
彼女の居る人にそんなことしてもらいたくない!」
「お前のこと大切な友達だから。
とてもお前のこと心配なんだよ。」
「私達もう友達でいる必要ないと思います。」
「えっ?」
「だって・・・。
だいたい男と女が友達でいるのって不可能じゃないですか?」
「そ、そんな。
お前今まで一回もそんなこと言わなかったじゃないか。
どうしたんだよ急に。」
「もう、菊さまとは連絡とらないようにしたほうが・・・。」
「そんなの、俺は嫌だ。」
「彼女の居る人と遊んだりしたら、私がふしだらな女に見える
じゃないですか。
それに彼女に恨まれたりしたらややこしいし。
菊さまごときで、ややこしいことに巻き込まれたくないんです。」
「○○、菊地さんに失礼よ。
こんなに心配してくださってるのに。」
「それが大体大きなお世話よ。
菊さま、この際はっきり言っておきますね。
私があなたとの付き合いやめてアキラさんと付き合い始めた
本当の理由。」
「な、なんなんだよ。」
「あれ、アキラさんに一目ぼれしたのもあるけど、一番の理由は
あなたのその自分勝手な性格にうんざりしたからよ。」
「そ、そんな。
俺は確かに自分勝手かもしれないよ。
だけど、お前のこととても大切に思ってたよ。
誰にも負けないくらいにね。」
「大切に思ってるって、大切にしてくれたことなんてありましたか?いつも自己中で、それにあなたの将来性にも私疑問持ってたから。」
「そりゃあ、芸人だからしょうがないだろう。
でも現にこうして今でも仕事はちゃんと続いてるよ。」
「私あなたの全然苦労してないところがいやになったんですよ。」
「苦労してないって、そんなことないよ。
おれだって一生懸命頑張ってるんだよ。
営業だっていろんなところに移動しなきゃいけないし、
人を笑わせるっていうのは大変な仕事だぞ。」
「ふん、あなたは子供のころから何も苦労してないでしょ。
私達一般人が一生かかっても追いつかないぐらいお金稼げるんでしょ?私はどうやっても菊さまには敵わない。
そういうのが嫌になったの。」
「なんで?仕事の種類が違うだろう?それに俺は男。お前は女だ。
そもそも比べること自体おかしくないか?
それに俺は別に楽して金稼いでるわけじゃないぞ!」
「絶対楽よ!
だっていつもワンパターンなこと繰り返してるだけじゃない!」
「そんなことないよ。
ネタは少しずつ変えてるよ。
それにフリートークも各地で少しずつ変えてるし。」
「いいご身分ですよね?
少しずつ変えれば済むんだから。
どうせ来てる客のレベルが低いからって思ってるんでしょ?
まあ、どちらにしろ私にはもう関係ないし。
もう、帰ってください。
あなたの顔なんかもう見たくない。
世界が違う人とは友達なんかなれないんですよ。
私達会うべきじゃなかったですね。」
秀規は○○から仕事や自分の性格に対する侮辱や嫌味を言われて
とても悲しくなった。
なぜなんだろう?
好きな子に優しくしたい、心に傷を負ってる彼女を慰めて元気
づけていきたいだけなのに。
秀規は仕事のことをけなされて怒りが沸いてくるのが自分でも
分かった。
男にとって仕事は命みたいなもの。
一番の生きがいだ。
仕事で男そのものの人生が決まる。
大切にしている今の仕事。
秀規にとっての大切な生活の糧になっている仕事。
大好きでとても大切な相方と協力して頑張ってるのに・・・。
この仕事に誇りを持ってやってきた。
なのに、大好きな○○に侮辱されるとは・・・。
それも別れたあの時からそんなことを思っていたなんて・・・。
「○○!謝りなさい。
菊地さんはあなたのこと大事にしてくれてるのに。
立派に仕事してらっしゃるじゃない。」
「なによおかあさん。
あんたさんざん私達の交際反対してたくせに。
あんただって菊さまの仕事なんてろくなもんじゃないって
思ってたんでしょう?」
「そんな・・・。それはその時はどういうお仕事なのかよく
分からなかったから・・・。」
「菊さま、私達家族皆、菊さまのこと侮辱してたってことですよ。
もうここまで言ったら分かりますよね?」
秀規はもう悲しくて言いかえす力もなかった。
「お邪魔しました。」
うなだれて○○の家を後にした。
数分後家に到着する。
玄関に入るなり、涙が溢れてきた。
鼻水も止まらなくなった。
秀規はものすごく侮辱された怒りで、押入れの隅にかくして
あったスケッチブックを取り出し、ビリビリに破いた。
あんなに愛しい○○。
もうあんなやつ・・・。
彼女の可愛らしい表情のスケッチももう捨ててしまおう。
力いっぱい破いた紙が床に散らばる。
その上に覆いかぶさるように秀規は突っ伏して泣いた。
もう、二度とあいつに会うこともないだろう。
怒りと悲しみと、もう二度と○○に会えないと言う寂しさが
入り混じり、とても苦しくなっていた。
涙が止まらない。
もう立ち上がれないほど、秀規は参っているのだった。
私の服もビリビリ破いてぇ〜(;´Д`)ハァハァ…
菊さまを散々けなした私はその後、父や母にものすごく
怒られた。
「何よ!二人とも菊さまみたいな芸人とは結婚させないって
さんざん反対したくせに!」
「今はそんなこと言ってるんじゃない。
男はなんだかんだ言って仕事に愛着を持っているもんだ!
それを分かった風なことを言って、菊地君を傷つけるとは。
そんな考えを持ってたなんて情けないぞ!」
「ふん!本当のこと言わなければあの人いつまでたっても
私に付きまとうのよ。
彼女がちゃんといるのに、未亡人に付きまとうなんて
おかしいじゃない?
旦那が死んだらすぐ新しい男ができたって噂がたったら
どうするのよ!お父さん責任とってくれんの?」
パチン!
父が私の頬をぶった。
私は涙を浮かべ、部屋に逃げ、鍵をかけた。
父にぶたれるなんてもう子供の時以来。
久しぶりのその痛さに私は自分でも嫌悪感に陥っていた。
菊さまが私の事心配なんてしなければ良かったのよ。
そっと私の前から姿消してくれてたら、私の状況をたとえ
知っていたとしても、知らん顔してくれてたら良かったのに。
私は寂しさと情けなさと自己嫌悪で泣き続けた。
しゃっくりが止まらない。
なんでこんな思いをしなければならないんだろう?
私は素直に菊さまに謝る気は無かった。
もうこんな私を心配したり励ましてくれる人は誰もいなくなった
わけだ。
ああ、なぜ私の旦那は死んでしまったんだろう。
あの人が生きていてくれたらこんな思いすることなかったのに。
その後、菊さまからの連絡はパタリとやんだ。
多分もう話す事も会うこともないだろう。
これで私を心配してくれる男の人は誰もいなくなった。
かえってスッキリした反面、もう一人で生きていくという覚悟を
決めなければならなかった。
私は年末から就職活動を始め、何社か面接に行った。
そして1月から契約社員としてある会社に働きに行くことが
決まった。
私は新しい仕事に没頭した。
OLの経験を生かすこともでき仕事は充実していた。
職場は大勢の人間がいるので毎日いろんな人と出会う。
私は新しい出会いを期待しつつ、毎日を過ごした。
600 :
名無しさん:2007/06/10(日) 12:15:07
何年か前大河ドラマ出てたっけ?
佐藤浩市にぼこぼこにされたうえ殺されてた
それは初耳。
役者としてのお仕事は今まで2回しかないと思ってました。
秀規は暫く○○から言われたことを引きずっていた。
笑顔がうまく出せなくなっていた。
営業でも引きつった不自然な笑顔しか出せない。
マネージャーに指摘されたが、どうすることもできなかった。
秀規はビリビリに破った○○のスケッチを結局捨てることが
できないでいた。
途中までセロテープで張り合わせて未完成のまま机の上に置き
っぱなしにしてあった。
久しぶりにリカコが訪ねてきた。
リカコは海外ロケから帰ってきたばかりだった。
お土産を持って菊地邸を訪れたリカコは、対応した秀規の表情に
元気がないのを心配した。
「ねえ、病気でもしたの?」
「べつに、いつもと変わらないけど。」
久しぶりにきた菊地邸は少しちらかっていた。
さっそくシーツなどを洗濯したり、料理の支度、掃除をせっせと
リカコはやることにした。
その間秀規はリビングでボーっとテレビを見ていた。
リカコが秀規の机の上を拭こうとしたとき、スケッチブックが
目に留まる。
「あ!これって前押入れにあったスケッチ。」
リカコはこっそりそれを開いた。
そこにはビリビリしわくちゃになった絵がセロテープで修復され
て居る状態だ。
なぜこんなことになってるんだろうか?
暫く会っていない間に秀規にどんな心境の変化があったのか?
リカコは気になってしょうがなくなった。
「ねえ、これどうしたの?」
「な、何?」
「このスケッチブックごみ?捨てるんだったら明日ごみの日だか
ら捨てておこうか?」
「それは捨てないで!置いといてくれよ。」
「ねえ、なんで破いた跡があるの?」
「べつに、なんかの拍子にやぶれてしまったんだよ。」
「あなたが資料を粗末に扱うなんて珍しいわね。
何かあったんじゃないの?」
「何もないよ。お前にはそのスケッチブック関係ないだろう。
しまっといてくれよ。」
二人の間にしばらく沈黙が流れる。
リカコは意を決して質問することにした。
秀規は黙っていた。
「ねえ、前から聞きたかったんだけど、これって前の彼女じゃ
ないの?ねえ、別に責めないから答えてよ。」
「別に、ただの資料だよ。」
「タダの資料って感じがしないのよね。
愛してる人の表情とか、可愛らしさを描いて残してる、
なんか他人には分からない思い出の品に見えるよ。」
「別にいいじゃん。だったら何だって言うんだよ!」
「怒らなくてもいいじゃない。ただ、あなた元気がなさそうだから、何かあったのかと思ったのよ。」
「もう、いいだろう。ほっといてくれ。」
そういうと、秀規はスケッチブックを持って自分の寝室に
閉じこもってしまった。
「ねえ、どうしてしまったのよ!出てきてよ!」
リカコが呼びかけるが秀規は部屋に閉じこもってしまったきり、
しばらく出てこなかった。
「もう、せっかく久しぶりのお泊りなのに・・・。」
リカコはがっかりしながら、夕飯を作った。
さすがに腹が減ったのか?夕飯の匂いにつられて秀規は部屋から
出てきた。
「さあ、食べましょう。」
「ああ、さっきはごめん。」
「いいよ。久しぶりにあなたと食事できてうれしいよ。」
リカコは笑顔で秀規に夕食を出した。
しばらく黙って食べていた秀規だったが、口を開いた。
「実はさっきお前が見たスケッチブック。
あれ、前の彼女をスケッチしたものなんだ。」
「そうなの。じゃあ、あなたの大切なものなのね。
男の人って別れても思い出の品はとっておくものなんでしょ?
でもなんでやぶったりしたの?」
「・・・。
先日彼女に会ったんだ。」
「なんで?」
「その彼女、結婚してたんだけど最近旦那さん亡くしてすごく
落ち込んでたんだ。
俺達別れた後も時々メールしてたんだ。
もちろん、友達としてだけどね。」
「ああ、そうなの。
気の毒な方ね。」
「こないだ仏壇に供えてもらおうと思って饅頭持ってったんだ。
そこで話してたら、ケンカになってしまって・・・。」
「俺そのときものすごく仕事のことや性格のことけなされて。
まさか彼女からそんなこと言われるとはおもってなかった
から。もう頭の中真っ白になったんだ。
家に帰って気づいたらスケッチブック破ってた。
なあ、俺ってそんなに駄目な男なのかなあ?
そんなに芸人って駄目な仕事に見えるのかなあ?」
秀規の悲しそうな表情を見てリカコは彼が哀れでしょうがなく
見えた。
「そんなことないよ。
あなたは一生懸命やってるじゃない。
今まで仕事を続けてこられたのは運だけじゃない。
努力もしてるからでしょ。
それにあなたは駄目なんかじゃない。
もっと自信持ってよ。」
「ありがとう。
でも俺、この仕事選んだの間違えだったんじゃないかって
思い始めてるんだ。」
「そんな悲しいこと言わないでよ。
自分で選んだ道じゃない。
人に言われたからって迷ってるようじゃだめよ。
あなたの信じたとおりの道を進めばいいじゃない。」
リカコは励まし続けた。
時は流れて2009年5月。
秀規は33歳になっていた。
相変わらずの生活を送っていたが、秀規は○○から言われた
言葉を今だ引きずっていた。
リカコは励まし続けてくれたが、彼女は今では売れっ子モデル
になっていた。
CMやドラマの脇役、新しい雑誌の創刊で引っ張りだこだった。
秀規はリカコの仕事の様子を知るたびに軽い嫉妬を覚えていた。
確実に自分より忙しく、収入だって上がっているはず。
前は少ない給料で生活してるから可哀想に思って何でもおごって
やっていたが、それもばかばかしくなっていた。
リカコの事を嫌いになったわけではないが、なにか違和感を感じている
秀規だった。
も し や こ の 後 リ カ コ を 絞 殺 ! ?
秀規の誕生日から数日、リカコが忙しい合間を縫って、
菊地邸を訪ねてきた。
秀規にプレゼントを渡しに来た。
「はい、これ誕生日プレゼント。」
「ありがとう。早速あけるね。」
小さな包み。
開けてみると、高そうな時計だった。
「わー、こんなのもらっていいの?」
「あなたに似合うと思ったの。」
秀規は正直嬉しさより、彼女が高級時計を惜しげもなく買える
身分になっていることに嫉妬を覚えていた。
なんだか自分が惨めに思えてくる。
だって秀規が去年リカコにプレゼントしたのはスカーフ1枚。
リカコはとても喜んでくれたが、その値段と比べると・・・。
秀規はリカコとの間にじわじわと距離ができていることを感じて
いた。
リカコは言った。
「ねえ、私今度化粧品のCMとれたの。
それと映画にも出れることになったの。」
自慢してるつもりは毛頭ないんだろうが、今の秀規にはあまり
聞きたくない話だった。
自分には今だ映画出演の話はない。
昔から出てみたいと思っている映画の仕事。
しかし、秀規に仕事の依頼はなかった。
夕食を済ませた後、リカコは秀規に甘えてきた。
「ねえ、今夜は久しぶりに会えたんだから・・・。」
リカコは秀規の腕に絡み付いてくる。
秀規はとりあえずリカコを抱いた。
リカコは仕事のストレスを発散するかのように、秀規を激しく
求めてきた。
彼女の体は魅力的で美しかった。
だけど、秀規は自分が彼女のストレスのはけ口にされている
ような気がしてならなかった。
情事の最中何度も秀規の名前を呼ぶリカコ。
「あぁん・・・、ひでのりさん、ひでのりぃ・・・。」
秀規は彼女を一通り満足させて、自分も彼女の中で果てた。
だが、前のように彼女をあまり愛しく思わなくなっている。
翌朝リカコは帰っていった。
仕事が詰まっているらしい。
その日も休日だった秀規はリカコとの情事で少ししみのついた
シーツを洗うことにした。
以前なら彼女がやってくれていたのに。
秀規はこのままだといつかリカコの紐になってしまうのでは?
と不安を募らせていた。
そんな惨めな思いはしたくない。
そうまでしてリカコと付き合わなければならないのだろうか?
もうリカコは一人でも立派にやっていける。
いや、彼女は元々強い女。
秀規はリカコとの別れを決意し始めていた。
その頃私は実家を出て、他所の町で一人暮らしを始めていた。
自分の給料と亡き夫のわずかな遺族年金で自活することに決めた。
事故の保険金や生命保険も入っていたが、これは彼の法要や、彼の実家へ出向く時の費用にしたかったので、手をつけたくなかった。ただ、アパートを借りる費用として数十万ほどそこから捻出することにした。
私はなるべく古くて安いアパートを探した。
引越しシーズンを過ぎていることも有り、最初の値段より家賃を値引きしてもらえた。
これでなんとか毎月ぎりぎりだが生活できるだろう。
菊さまを侮辱して以来、両親と私はぎくしゃくしていた。
特に父と喋りづらくなっていた。
私はもう両親に頼る年でもないし、菊さまのことで謝る気も
無かったので、親元から離れることにしたのだった。
両親は最初驚いていたが、すんなりと一人暮らしを認めてくれた。
私は結婚生活をしていたこともあるんだから一人暮らしなんて
平気だと思っていた。
だが、実際1日目からなんとなく不安で、家に電話したくなった。
そこをじっと我慢し、何とか眠りにつくことができたが、翌朝自分で全部支度して仕事に出かけることが結構大変だということを
改めて思い知らされていた。
実家に戻ってからの私は母に頼りっきりだったので、ついそのくせがついていたのだ。
とりあえず私は1日1日を精一杯生きていくだけだった。
ある日秀規はリカコに電話した。
「もしもし俺だけど、今いい?」
「いいよ、何?」
「・・・。話があるから今から会えないか?」
「話なら電話でいいじゃん。」
「ちゃんと向き合って直接話したいんだ。」
「分かった。じゃあどこで会う?」
「君の家行っていいかな?」
「分かった。待ってる。」
数十分後、秀規がリカコの家に到着する。
「いらっしゃい。話って何?まあ、とりあえずお茶どうぞ。」
秀規はお茶を出されたが、口をつけようとしない。
「さっそくだけど・・・。
俺達別れないか?」
「・・・。えっ?何?」
「もう俺は君とは会わない方がいいと思うんだ。」
「何?何でなの?理由は?」
「君はこれからもどんどんテレビに露出すると思う。
そしたら俺なんかと一緒にいたら駄目だと思う。」
「何で?そんなことない。 私はあなたが愛してくれてるから毎日生きる張り合いが あるのに。 ずっと今まで通りつきあいたいよ。」
「いいや、俺はもうそのつもりないから。」
リカコの目がどんどん潤んでくる。
「嫌よ。私はあなたの事が好き。 本当に大切よ。とても愛してる。 あなたも愛してくれてたんじゃないの?」
「俺達もうバランス悪くなってると思わないか?
正直言うよ。俺君より仕事少ないし、収入だって・・・。
そういうの男として耐えれないんだよね。」
「そんなあ。今ちょっと私が売れ出しただけじゃない。 ずっと順調かどうか分からないわ。 そんな、収入だって不安定なんだし。 そんなこと気にしなくていいのに。」
「気にするなっていっても気になるの! そういうところ全然君、分かってないよね。」
秀規はわざと冷たく言い放った。
もうリカコとの仲を完全に終わらせたかった。
「ねえ、他に誰か好きな人できたの?」
「そんなのいないよ。」
「じゃあ、私と一緒にいてよ。」
「それはできないって言ってるだろ! 何度言えば分かるんだ。
まあ、そういうことだから。」
秀規は立ち上がり帰ろうとした。
リカコが追いかけて秀規に抱きつく。
「いやよ!待って。」
「離してくれ!もう会わないから。 電話もしないでくれ。じゃあ。」
秀規はリカコを強引に突き放した。
リカコはその場に泣き崩れた。
彼女のすすり泣く声が聞こえたが、秀規はもう振り返らなかった。
リカコと強引に別れた秀規。
かつて自分も○○に強引に別れを切り出された。
結局自分も同じ事をしたわけか・・・。
自分がされてすごく傷ついたことをリカコにしてしまった。
自己嫌悪に陥った秀規は、もう二度と恋などしないと思った。
一人で生きていこう。
自分と感性の合う人と結婚する。
そんな甘いこと考えてたのがバカみたいだ。
そんな人いやしない。
秀規は自宅に到着すると机に座った。
例のスケッチブックを開く。
今でも愛しい○○。
でも彼女とももう二度と会うこともあるまい。
秀規は自然と涙が出てきた。
もう誰も愛してくれる人はいない。
そしてもう誰のことも愛さないのだろうと思うと、
自分は一体どんな最期を遂げるのか恐ろしくなってきた。
寂しい老後を送るのだろうか?
でもしょうがない。
自分で選んだ道。
すべては芸人という道を選んだことから始まったのだろうか?
一晩中泣き明かす秀規だった。
6月初旬、秀規は毎日孤独感を感じながらも仕事をこなしていた。体調は崩し気味、精神的にも疲れを感じていた。
今日もライブの前に緊張の吐き気をもよおした。
そしてライブ後も体がだるく、気分が優れない。
なんとか最寄の駅まで到着した秀規は、頭がくらくらしていた。
ベンチに座り込み、そのまま動けなくなってしまった。
うつむいたままでいると、吐き気を催してきた。
ガマンできずその場に吐いてしまった秀規は、途方にくれていた。
すると誰かが声をかけてきた。
「菊地さんじゃないの?」
顔を上げると○○の母だった。
秀規の隣に座り、背中をさすってくれた。
「すみません。
もう、大丈夫ですから。」
秀規が立ち上がろうとするが、すぐによろけてしまった。
「大丈夫じゃないじゃない。
まだ気分悪い?まあ、熱がものすごくあるじゃない。」
○○の母が秀規のおでこを触った。
「タクシー乗れるかしら?
ガマンできる?
家にいらっしゃい。」
「でも、ご迷惑じゃ。○○さんが嫌がられるでしょう。」
「○○ならいませんから。
もうあの子とは暮らしてないから。
あの子の部屋空いてるから、そこで休んだらいいから。」
秀規はもうふらふらで考える気力がうせていたので○○の母の
言うとおりにした。
タクシーで5分で○○の家に到着する。
かかえられるようにして部屋に通された秀規は、○○が使っていたベッドに横にならせてもらった。
部屋を見回すと、ほとんどの家具が持ち出されていて、このベッドと机しか置かれたなかった。
秀規は○○の父の寝巻きを借りて、寝かされていた。
まさかこの家にまた来ることになろうとは・・・。
意識がもうろうとする秀規は疲れもあって眠りについた。
夕食を食べていた私の所に電話があった。
「もしもしお母さんだけど。」
「ああ、久しぶり何?」
「実は今菊地さんが来てるのよ。」
「えっ?なんで?」
私は母から菊さまとのいきさつを聞いた。
「あなたのベッドに寝かせてるけどいいわよね?」
「別にいいよ。菊さまの具合よくなりそうなの?」
「分からない。もしまだひどいようだったら病院に運んだ方が
いいかどうしようか迷ってるのよ。
ねえ、どうしたらいいかね?」
「そんなお母さん自分で助けたんでしょう?」
「そうなんだけどね。だってほって置けなくて。」
「分かった、じゃあ今から私そっちに行くよ。」
「そう、じゃあ待ってるから。」
私は数十分後実家に到着した。
部屋に入ると菊さまが静かに寝ておられた。
菊さまがだいぶやつれたように見えた。
私は菊さまにそっと近づき、おでこに乗せてあるタオルを変えた。少年のように眠るその寝顔。
ああ、かつて菊さまと付き合ってた頃・・・。
菊さまはよく具合を悪くされそのたびに私が看病してたっけ。
私も具合悪くした時、菊さまがお見舞いをくれたことがあったな。それがとても嬉しくて菊さまのこともっと好きになったんだった。
でもそれも昔の話。
もうあれからいろいろありすぎて・・・。
私は菊さまが哀れに見えてきた。
あんな酷いことを菊さまに言ってしまったけど、菊さま無理して
仕事に出られたんだろう。
仕事休むわけにはいかないものね。
「菊さま、ごめんね。本当ごめん・・・。」
私は菊さまの左手をそっと握り締めた。
早く良くなってほしい。
私は心からそう思った。
も り あ が っ て く る の か ! ?
秀規はかすかに「菊さま」と聞こえたような気がして目を覚ました。「あっ!○○・・・。」
「菊さま、お目覚めですか。お久しぶりです。」
まさか、○○がいるとは思わなかったので驚く。
「なんでいるの?」
「菊さまの具合が悪いって聞いて心配になって・・・。」
「俺のために来てくれたのか?」
「はい、そうです。」
「そうか、ありがとう。」
「菊さま、ずっと前私酷いこと言ってしまって。 あれからずっと気になってたけど、素直になれなくて・・・。」
「いいよ、本当のことだもの。」
「いいえ、私菊さまのこと侮辱してしまいました。 本当ごめんなさい。 菊さまいつも体調悪くても休まず頑張ってるのに。
菊さまのこと私分かってるつもりでいて何も分かってなかった。」
「もういいよ。本当、こうしてお前がそばにいてくれるなんて
夢のようだよ。ああ、夢なのかなあ。」
「いいえ、私はここに居ますよ。夢じゃないですよ。」
「○○、ありがとう。 お前のお母さんにもものすごく世話になったよ。やっぱりこの家、いいなあ。おれ実家が恋しくなったよ。」
「菊さま、今具合悪いから弱気になられてるんですよ。
菊さまはこれからも東京で立派に生活される人なんですから。
実家には時々帰ればいいじゃないですか。」
「そうだな。 なあ、お前の顔もっと近くで見たい。」
「どうぞ。」
秀規は○○の頬に優しく触れた。
ずっと触れたかったその頬。
懐かしいその頬に触れることができて涙が溢れてくる。
俺はずっとこいつのことが好きだったんだ。
初めて会った時からこいつが俺の心に住み着いてた。
「○○愛してるよ。お前のこと、今でも好きだよ。」
「き、菊さま・・・。ありがとう。 なのに私ったら・・・。いっぱい傷つけてしまったね。 あなたがこんなに愛してくれてたのに。」
○○の目から大粒の涙が零れ落ちる。
○○は秀規の胸に突っ伏して、泣きじゃくった。
秀規は優しく彼女を抱きしめてなだめた。
「菊さま、私を許してくれるの?」
「ああ、もちろん。
お前は俺の可愛い妹みたいなものだから。」
「ありがとう菊さま。
さあ、菊さま何か食べますか?おなか空いてない?」
「あまり食べたくない。」
「じゃあ、ポカリスエットもってきますね。」
秀規にジュースを飲ませ、下着やパジャマも着替えさせた。
秀規はまた眠気が襲ってきたので目を瞑った。
「菊さまおやすみなさい。
また明日も看病しに来ますから。」
「ああ、ありがとう。おやすみ。愛してるよ。」
こうして秀規はスヤスヤと子供のように眠るのだった。
次の日の夜にはすっかり元気になっていた菊さまは、私の家を
後にした。私は仕事帰りに駆けつけて菊さまを家まで送った。
「菊さま、じゃあまたお仕事頑張ってね。」
「ああお前もな。」
二人は笑顔で別れた。
私はそれから菊さまのことが気になりだし、菊さまのスケジュールを調べた。菊さまはこの週末仙台に行かれることになっていた。
「大丈夫かしら?体調崩しやすい人だから。
よし、思い切って私も仙台にライブ見に言ってみようかしら。」
私は週末仙台へ乗り込むことに決めた
日曜日、東北新幹線に乗りこんだ私は車窓から景色を眺めながら、これからのことを考えていた。
「アキラさんの1周忌もまだなのに他の男の人のことを考えるの
はいけないことなのかしら・・・。」
私は菊さまのことを考えていた。
菊さまは私のことをずっと好きでいてくれたのがわかった。
私は菊さまの愛情にとても救われたような気がした。
私は旦那が亡くなって気が張っていたのもあり、もう1人で生きていかねばならないと思い込んでいた。
しかし、もし菊さまがまだ私を思ってくれているのなら・・・。
菊さまさえよければ、私、菊さまに頼ってみようかしら。
でも彼女とはどうなったんだろう?
それを聞いて確かめなければならない。
ホールに着いた私は菊さまの美しいお姿が写されたポスターを
確認し、当日券を買い求めた。
2階席の後ろの方だったが、オペラグラスを持ってきたので
なんとか見ることはできるだろう。
しばらくすると開演した。
いつここの出番はいつだろうか?
なんだかドキドキする。
私は数年ぶりに見る菊さまのライブに緊張していた。
数組の芸人の出番が終わり、暗い照明の舞台からカノンが流れてきた。
私はとてもその曲が懐かしく思えた。
そしていつここの登場。
菊さまはスケッチブックを持っておられた。
客席から盛大な拍手が鳴り響き、悲しいときが始まった。
私は菊さまに焦点をあわせ、菊さまを見つめ続けた。
菊さまの一言一句をもらさず聞いた。
あの滑舌の悪い菊さまとは思えないほどはっきりとネタを言えていた。
そりゃそうだよね。何十回、何百回ってやってるんだから。
菊さまはきっちり仕事をされていた。
菊さまの甲高いはっきりした声を聞けて私は嬉しくなった。
その後フリートーク、体操、かわいいね、どけどけをやって
菊さまは静かに舞台の袖へ引かれた。
数十分後、ライブは終わった。
私はロビーに出て、菊さまにメールした。
「菊さまへ
ライブお疲れ様です。
実は今さっきの午後の部拝見しました。
元気そうな声で安心しました。
菊さま、これからも仕事頑張ってね。
じゃあ、さようなら。
○○より 」
送信。
私は仙台駅に向かって歩き始めた。
杜の都仙台の町並みを眺めながら、菊さまに想いをはせて歩いた。
しばらく歩いていると携帯が鳴った。
菊さまからだった。
「もしもし。」
「もしもし、俺だけど。お前今どこだ!」
「今仙台駅に向かって歩いているところです。」
「もう帰るのか?」
「はい、日帰りの予定でもう帰ります。」
「頼む!ちょっと待ってくれないか?」
「はい。」
「俺今から仙台駅に向かうから。そこで会おう。
また電話するから。」
菊さまは電話を切られた。
先に到着した私は駅の前で菊さまを待った。
だがどこから現れるか分からないので、同じ場所に立つことにした。しばらくすると菊さまから電話がきた。
「もしもし。」
「もしもし、今着いた。どこにいるんだ!」
「菊さまこそどこですか?」
「俺今タクシー降りたところ。」
「じゃあ、私がそっちに行きます。」
私はタクシー乗り場に向かった。すると菊さまらしき細くて白い人をすぐ見つけることができた。
「菊さま!」
「○○〜!」
菊さまが走って駆け寄ってくる。
「良かった。お前、なんで今日来るって事前に言ってくれなかったの?」
「すみません。行くって決めたのおとといだから。」
「すぐ行ってくれればいいのに。」
「今度からそうしますね。」
「さっそくだけど、俺にお前の時間をくれないか?」
「どういうことですか?」
「今から岩手に行かないか?」
「えっ!い、岩手?」
「もちろん今から行ったらもう東京には今日中に戻れないから、
一泊することになる。だから月曜日仕事休めないか?」
「まあ、有給あるから休めないことも無いですが・・・。」
「俺の実家で泊まればいいから。」
「え?菊さまの実家へ行くの?」
「親に紹介したいんだ。なあ、いいだろう?駄目か?」
「私なんか紹介していいんですか? 第一リカコさんはどうなったの?」
「ああ、もうとっくに別れたよ。」
「そうだったんですか・・・。 ・・・。菊さまがそうおっしゃるんなら・・・。 私、行きます。」
「やったー!じゃあ、今すぐ切符買うから。」
菊さまは急いで二人分の切符を買われた。私たちは新幹線に飛び乗り、岩手へと向かった。菊さまは私を先に座らせ、自分は携帯をかけに行かれた。
「もしもし秀規だけど。」
「もしもし、秀規かい。どうしたの?」
「母さん、今からそっち行くから。
多分19時ごろ着くと思うから。」
「ああ、帰ってくるのかい。」
「うん、それと俺一人じゃなくて、紹介したい人連れてくるから、その人も泊まるから宜しく。」
「え?友達が来るの?」
「ああ、女の子だから。」
「まあ、そうなの。分かった待ってるから。」
秀規は携帯を切った。
いよいよ両親に○○を紹介することができる。
秀規は嬉しくてたまらなかった。
絶対○○を二度と手放したくない。
その強い想いを胸に秀規は○○の待つ席へ戻るのだった。
つづく
今日初めてお金を出してみるお笑いライブを見ました。
菊さまを生で見るのは実に8ヶ月ぶり。
相変わらずズボンの丈が妙に短く、茶色のブーツみたいな靴は
ピカピカに光っておりました。
とても白くて美しく、唇は真っ赤。
もう、ため息がでるほど愛しく思いました。
唇のバッチをつけていました。
悲しい時やっぱりいいね。
あれが一番似合ってる。
菊さま噛まずに言えてましたよ。
どけどけはよく分からない部分もあったけど、体操もみれたし、
いつもの作り話も聞けたし。
菊さまが出てこられたとき思わず「菊さま!」と叫んでしまった。多分聞こえてないだろうけどね。
最近体調が優れなかったので、行けないかと思ってました。
まだ体調万全じゃないから、もう今回のライブが見納めかもしれません。菊さまへの想いに一区切りつけられるのではないかと思いましたが、益々好きになってしまった。
当分苦しい想いは続きそうです。
お泊りなんてイヤーン(≧∇≦)
>>632 愛しい作家様、体調大丈夫ですか?
あんまり無理せず良くなってくださいね。
お休みなさいませ。
>>632 菊様の事が本気で好きなら、ちゃんと体を治して再び会いに池!
そのほうが菊様も喜ぶと思う。
体調が良くなるように祈ってるからさ、諦めるなよ
私も大好きな作家様の具合がよくなる事を祈っています。
千羽鶴折って送りたい程貴方の事を想っています。
神様、お願いします。作家様が超〜健康になりますように!
>>636様のレスを見て作家様の健康を願い、鶴を折りました。
トイレットペーパーで。
「会社の部品で遊ぶな!」と店長に叱られました。
>>637 会社のトイペで遊ぶなんて・・・w
前から思ってたけど菊地様ヲタって変人が多い気がする。
類は友を呼ぶって事かしら?
トイレットペーパーで鶴を折ろうとしました。しかし折り方を忘れました。
つーか作家様大丈夫かな?官能作家様も消えちゃったし・・・
皆様ありがとうございます。
菊さまのことを好きにならなければ、こうして皆様に励まされる
ことも無かったわけで・・・。
ありがたいお言葉を勇気に変えて、もう少し強くなろうと思います。本当にありがとう。
新幹線の車内は少し冷房がきつかった。
私は疲れと、今から菊さまの実家へいくという緊張感から、
頭が痛くなっていた。
頭を抑える私を見て菊さまが心配した。
「大丈夫か?ちょっと寒いもんな。」
「ええ。」
「もうちょっとで着くから。」
「はい、着いたら薬局に寄らせてください。」
「分かった。」
菊さまは私に自分のスーツの上着をかけてくれた。
菊さまのぬくもりを感じながら私は目を瞑って岩手へ到着するの
を待った。
盛岡に到着した私はすぐに薬局を探した。頭痛薬を買い求めた。ついでに下着やストッキングをかごに入れた。
そして菊さまが見てない隙にゴムを買った。
菊さまとそういうことにならないかもしれないけれど、
実家に連れて行かれる以上、もう何をされても文句言えないと
思った。私は菊さまを受け入れようと心に決めていた。
タクシーに乗り、数十分、菊池家に到着した。
「さあ、ここだよ。」
「大きなお家ですね。」
「田舎だから。」
「盛岡市内だから町じゃないですか。 いいな、こんな立派な家で育たれたんですね。 なのになんでそんなにひねくれたんですかw?」
「なんだと?」
「冗談ですよ。ああ、緊張するなあ。」
「何が緊張するだ!相変わらず口の悪い女だ。」
「その口の悪いのに惚れた馬鹿な人は誰でしたっけ?」
菊さまはタコのようにふくれっ面になり、私をにらみつけた。
だが、すぐに私の手を取り、玄関を開けた。
「ただいま!秀規だけど。」
すると奥から女の人が出てきた。
「ああ、よく帰ってきたね。 まあ、初めまして。秀規がお世話になっております。」
「は、は、初めまして。○○と申します。 秀規さんにはとてもお世話になってます。 今日は突然お邪魔しまして、申し訳ありません。」
「いいえ、どうぞあがってください。」
菊地家に通された私たちは、居間に座った。
「母さん、○○さんにお水あげて。薬飲むから。」
「まあ、どこか悪いの?」
「ちょっと頭が痛くて。」
「じゃあ、何か食べてからの方がいいんじゃない?
ご飯できてるから、食べましょうよ。」
お言葉に甘えて夕食をご馳走になった。
菊さまのお母さんの味。
しっかり舌に覚えこませなければならないと思い、ゆっくりおかずをかみ締めた。
菊さまにまた料理を作ったりすることになるんだろうなあ。
もう昔みたいにお遊び気分ではいけない。
真剣に菊さまに尽くさなければならない。
私は頭の痛みと戦いながら、ご飯をかみ締めた。
私たちが夕食を食べていると、菊さまのお兄さんが帰ってこられた。
「お帰りなさい。ああ、こちら秀規のお友達だそうよ。
○○さん。」
「はじめまして、兄です。」
「は、初めまして。」
私は唖然とした。そこには菊さまにそっくりな白いでく人形が
立っていたから。
菊さまは東京暮らしと芸人という仕事で少し垢抜けているが、
そこに立っているお兄さんはとても地味なサラリーマンという
感じだった。
お兄さんは私をしばらく見つめておられたが、すぐに自分の部屋
へと2階へ上がって行かれた。
「菊さまとそっくりですね。」
「ああ、双子だからね。」
「え?ふ、双子?そんな話初めて聞いた。
菊さまそんな話してくれなかったから・・・。」
「別にお前聞かなかったじゃん。」
私は緊張の上に驚きが重なり益々頭痛が激しくなった。
食事を全部平らげることができなかったが、もう頭痛がひどいの
で水をもらって薬を飲んだ。
私は客間にお布団を敷いてもらって、そこへ寝転がった。
寝転がりながら、今日何も旅行の用意をしてきてないので、
どういう格好で寝ようか悩んだ。
今来ている服のままで寝るのもなあ・・・。
寝る寸前に下着一枚でいようか。
でも、お父さんもお兄さんもいらっしゃるし・・・。
そうこう考えていると菊さまが部屋に入ってこられた。
「菊さま、近くに遅くまでやってる洋服屋さんありますか?」
「どうしたの?買いに行くのか?」
「はい、寝巻きがないので。」
「そんなの兄貴のジャージか、母さんのパジャマでも借りれば
いいよ。」
「そんな、ただでさえ急に泊めてもらって迷惑かけてるのに。」
「気にするな。そんなこと心配しなくていいから寝てろ!」
そういうと、菊さまは部屋から去られた。
私はそのうちに薬が効いてきて眠ってしまった。
646 :
名無しさん:2007/06/23(土) 05:33:05
この後の展開予想
熟睡中の○○に菊さまが襲い掛かる
↓
「菊さまダメよ」と言いつつ感じてしまう
↓
フィニッシュ
↓
菊さまに寄り添う。しかし何かが可笑しい気がする
↓
菊さまの顔をよーく見る○○。「ニヤッ」と笑う菊さま
そう、今さっき抱かれた相手は菊さまではなく、何と菊さまの兄上様だったのである・・・
居間には両親と兄がお茶を飲んでいた。
「ねえ、あの子のことどう思った?」
秀規がたずねる。
「ああ、感じの良い子なんじゃないか?」
「そうね。あなたあの子と結婚するの?」
「うん、俺はそのつもり。」
「あら、○○さんに言ってないの?」
「うん、あいつまだ亡くなった旦那さんのこと忘れられない
みたいだから・・・。」
「えっ?結婚してたの?」
秀規は○○との出会いと別れ、そして○○の結婚、最近旦那と
死別したことなどを簡単に説明した。
「そうだったの。まあ、あなたの好きにしなさい。
私たちは反対はしないから。」
「分かった。じゃあ菊地家は賛成ってことでいいんだね。」
「もし結婚が本決まりになったら○○さんのご両親に挨拶に
行かなければならないね。
向こうは賛成してくれそうなのかい?」
「わからない。俺の誠意を見せるしかないよね。」
「反対されたらこちらはどうしようもないよ。
お前は堅気の職業じゃないんだから。
お嫁さんをもらうってことは責任があることなんだよ。」
「分かってるよ。俺子供じゃないんだから。」
秀規は母の気持ちが分かっていた。
母はいつまでも心配してくれている。
私は1時間ほどして目が覚めた。菊地家の人々とあまり話してない。今回菊さまが強引に連れてきたということは、私との結婚を真剣に考えているということだと思う。ならば、家族に私のことをどんな女か見せたいんだろうと思う。なのに具合が悪くて寝てしまった。
菊地家が家族会議しているとも知らず、私は菊さまの家族に気に
入ってもらえているのか、何を話せばいいのか悩んだ。
頭の痛みは消えていた。私は布団から出て、部屋を出てみた。
居間に行ってみると、菊さま一人が座っていたのでそばに寄ってみた。
「菊さま、すみません寝てしまって。 のど乾いたのでお水もらえますか?」
「ああ、冷蔵庫にジュースあるよ。」
菊さまはテレビを見たまま振り返りもせず答える。私は冷蔵庫のジュースをいただいた。菊さまのそばに座る。洗い立ての髪からシャンプーのいい匂いがする菊さま。私はなんとなく寄りかかりたくなったから、菊さまの肩に寄り添った。
「ねえ、菊さま。ご両親私のこと何か言われてましたか?」
「ああ、いい子だって。」
「本当ですか?私が結婚してたことも言ってくれましたか?」
「ああ、聞いたよ。」
「そうですか。ねえ、菊さま・・・。」
私は菊さまの耳たぶにそっとキスした。
すると菊さまはとても感じたらしく、びっくりしたように身を
そらした。
「なんで逃げるの?」
「ごめん。俺秀規じゃないんだけど。」
「え?あ、ああ、す、すみません!」
私は今までずーっと菊さまだと思って話していたが、お兄様だったのだ。どうしよう、変なことしてしまった。私は顔から火が出る思いだった。
「秀規は今お風呂入ってるから。
頭痛治ってよかったね。」
「は、はい、ありがとうございます。」
「ところで、何で秀規のこと好きになったの?」
「ああ、えーっと、優しいところかな。」
「へえー。あいつと喧嘩したりしないの?」
「よく喧嘩しました。私兄弟いないからつい兄のように思って
しまって。たくさん秀規さんのこと怒らせてしまって。
でも、秀規さん必ず私のこと許してくれました。」
「そうなんだ。
君は秀規と結婚する気あるんだよね?」
「ええ、正式にプロポーズされてないのでまだわからないです。
私が結婚してたことは聞かれましたか?」
「ああ、聞いたよ。旦那さん亡くなったんだってね?」
「はい。私まだ心の整理がついてなくて。
だから今すぐ結婚っていうわけにはいかないと思うんです。
でも、秀規さんさえよければ、あの人についていきたいと
思ってます。」
「そう、良かった。秀規のことよろしく頼むね。
秀規が君の事好きになったのなんとなく分かるんだ。」
「そうですか?」
「双子だから。俺が秀規だとしても多分○○さんのことを好きに
なるんだろうなって、なんとなくだけど思った。」
「嬉しいです。そんなこといってもらって。
お兄さんは彼女いらっしゃるんですか?」
「うん、いるよ。」
「どんな人か見てみたい。
いずれ結婚されるんですよね?」
「ああ、でも見たいんなら絶対秀規と結婚してもらわないとね。」
「あっ、そうですね。w」
私たちが笑っていると菊さまの声がした。
「おーい、○○風呂入れよ!」
菊さまが居間に入ってこられた。
私はキスのことは内緒で、そそくさと風呂場へ行った。
「さっきのキスの事バラされたくないだろ?w」
「え?あの・・・」
「おとなしくしろ!」
「イヤーン、ダメーン!」
「ははは、冗談だよ!」
「えっ?」
「はい、これ俺のジャージ、パジャマ代わりに着てよ。」
「はい。ありがとうございます。」
「じゃあ。さっきのことは内緒ってことで!w」
お兄様は脱衣所から出て行かれた。
私は服を脱ぎ、シャワーを浴びて汗を流した。
偏頭痛になったから風呂は早めに済ませることにした。
でも新幹線やライブ会場で座りっぱなしだったので足が疲れていた。湯船で足を伸ばすととても気持ちが良かった。
菊地家の人々と同じ石鹸、シャンプーを使って私は体を清めた。
「私、本当に菊地一族に加えてもらえるのかしら・・・。」
私はあまり自信がもてなかった。
だけど、菊さまを信じるしかない。
私は今夜菊さまに触れられるのか少し期待しながら風呂から
あがった。
私がお風呂からあがるとお母様がいらっしゃった。
「お風呂お先にもらいました。」
「はい、タオルどうぞ。」
「ああ、すみません。」
「髪の毛ドライヤーで乾かすわよね?」
「は、はい。」
「はい、これだから。」
「すみません。」
私はドライヤーで髪を乾かした。
乾かしながら、お風呂の湯船汚してなかったか気になってきた。
でももうお母様が入ってるからどうしようもない。
ああ、もしかしたら髪の毛一杯浮かしてたかもしれない。
「まったくお風呂の使い方が汚い!」
って思われてるかも。
私は早々に髪を乾かし、居間に客間に戻った。
部屋に戻ると菊さまが私の横に布団をひいて寝転がっていた。
「おう、あがったか。」
「はい、気持ちよかったです。」
「さっき兄貴と笑ってたけど、何話してたの?」
「ああ、お兄さんの彼女に会ってみたいって。
だけど会うには秀規と結婚してくれなきゃって言われて。」
「なんで笑うんだよ!俺とのことそんな軽く思ってるのか!」
「違いますよ。そんな、とても嬉しいです。」
「ごめん、大きい声出してしまって。」
「私こそごめんなさい。」
そう言うと私は菊さまの横に寝転がった。
菊さまは私を見つめられた。
こうして寝転がって見詰め合うのはもう何年ぶりだろうか?
当たり前のように見詰め合ってたけど、二人は離れ離れになっ
て、そしてまた近づいて。
菊さまの顔が近づいてきた。
私は目を瞑り、菊さまの唇を受け入れた。
久しぶりの菊さまとの口づけ。
とても懐かしい気持ちになった。
やっぱり私菊さまのこと好きなんだ。
私は涙が溢れてきた。
私の中で閉ざしていた扉が菊さまの力で開きだしたような気が
する。
菊さまは私を強く抱きしめた。
秀規はとても嬉しかった。
○○をこうして抱きしめることがまたできるようになるなんて。
夢に描いていたことが現実になってとても気分が良かった。
家族にも祝福してもらえそうだし、なによりも彼女が実家まで
ついて来てくれたことが嬉しかった。
「お前のことずっと好きだった。
これからも好きだから。」
「ありがとう、菊さま。」
「明日少し観光しないか?」
「どこへ行くの?」
「海見たくないか?」
「あー、見てみたいかも。綺麗なんでしょうね。」
「お前と一緒に海見たことないものな。」
「楽しみです。あっ、何時に起きますか?」
「どうしようか、6時に起きれるか?」
「はいわかりました。あっ、ご両親におやすみのご挨拶
しないと。」
「じゃあ、いこうか。」
二人は両親の部屋へ行き、挨拶した。
「本当今日はご迷惑おかけしました。
すっかり頭痛もなおりましたので。」
「それは良かった。ゆっくり休んでね。」
「はい、おやすみなさい。」
「おやすみ。」
二人は部屋に戻ると灯りを消し、抱きしめあった。
「菊さま今日お仕事だったんだから疲れてない?」
「疲れてるよ。だけどお前のこと離したくないから・・・。」
秀規は○○の唇を奪った。
もう絶対離れたくない。
彼女の代わりはどこにもいないんだから。
秀規は彼女の寝巻きを剥ぎ取り、胸に顔をうずめた。
久しぶりに触れるその体は、少し痩せたような感じがした。
彼女のご主人との死別は秀規には計り知れないほど深い悲しみ
だったに違いない。
その悲しみを少しずつでも癒していきたい。
秀規は彼女を優しく愛撫し抱き続けた。
二人は途切れていた愛をまた繋ぎ、確かめ合うように愛し合った。
静かに夜は更けていった。
二人は翌朝気持ちよく目覚めた。
彼女と幸せな朝を迎えることができ、とても嬉しかった。
秀規は彼女を優しく起した。
「○○、おはよう。」
「菊さま、おはようございます。」
「お前相変わらず腐ったみかんみたいな顔してんなw。」
「もう、朝から悪口ですか?
そんなこと言うならもう私東京に帰りますよ!」
「嘘だよ、愛してるよ、○○ちゃん。チュッ!」
秀規は彼女をからかいながら軽くキスした。
彼女のことが可愛くて仕方ない。
いつまでもいちゃついていたいが、今日は出かけたいところが
あるので二人とも起きることにした。
台所へ行くと母が朝食の支度をしていた。
「あら、もう起きたのかい?」
「うん、今日は宮古へ行こうと思って。」
「そうなの?じゃあ、すぐ支度するね。」
「お母さん私も手伝います。」
「じゃあ、ご飯よそってもらえる?」
○○が甲斐甲斐しく支度を手伝うのを見て、秀規は思わず
彼女との生活を想像した。
毎朝彼女のこういう姿を見れたら幸せだろうな。
仕事だって頑張れる気がする。
早くそうなりたいと思う秀規だった。
私は盛岡駅から高速バスに乗ろうとしていた。
私は会社に急遽1日休むことを連絡した。
「菊さまどれぐらい宮古までかかるんですか?」
「約2時間ぐらい。」
「夕方には東京行きの新幹線乗れますかね?」
「大丈夫だろう。さあ、バスが来たよ乗るよ!」
私たちはバスに乗り込んだ。
バスはひたすら海に向かって国道を走っていく。
菊さまとこうしてバス旅行するなんて初めて。
空は晴れ渡り、見る景色どれもが新鮮で美しく思えた。
どこまでも広がる水田。畑。そして深い緑。
仙台も綺麗な緑が多かったけど、岩手はそれにも増して緑が多い
気がした。
こんな美しい県で育ったんだね。
菊さまのこと私、本当はまだまだ何もわかってなかったかも。
私はこの美しい風景を目に焼きつけていたかったのでおきていた。菊さまはいつの間にか隣で寝ておられた。
約2時間後宮古駅に到着した。
「菊さま、ここからどうするの?」
「ここから浄土ヶ浜行きのバスに乗るよ。」
私は菊さまに言われるがままそのバスに乗り込んだ。20分ほど
バスに揺られて、浄土ヶ浜に着く。私は気持ちよい風に吹かれながら海を見渡した。
「わー、綺麗!」
そこにはコバルトブルーの海が広がっていた。そして白い砂浜。
そこへ浮かぶ白い岩の塊。まるでその情景は浄土のようだからと
いうことで、ある寺の和尚さんが名づけたらしい。その名のとおりだと私は思った。
「菊さま、こんな綺麗な海見れるなんて嬉しい。連れて来てくれてありがとう。」
私は菊さまの腕に寄り添った。ああ、アキラさんもきっとこんな
綺麗な極楽浄土へ行けてるのではないだろうか?きっとそうに違
いない。だってあの人はとても良い人だったもの。空を眺めてたら涙が溢れてきた。
アキラさん私のこと愛してくれてありがとう。ずっと天国から見ててね。私のこと見守っててね。私きっと強く生きて行きます。それと、菊さまとのこと見守ってほしい。
菊さまに支えられるなら私、きっと強くなれると思います。
私は少しだけど、アキラさんの死を受け入れられたような気がし
た。でも彼を忘れることは永遠にないだろう。
「どうしたの?涙がでてるよ?」
「こんな綺麗な海見たら感動したの。」
菊さまが優しくハンカチで涙を拭いてくれた。
私たちは向かいあい、見つめあった。
「なあ、旦那さんのこと忘れられないと思うけど、それでも
いいから俺と一緒にいてくれないか?」
「菊さま・・・。」
「俺お前と一緒にいたいんだ。ずーっと一緒に。
俺はお前を一人にして死んだりしないから。
約束するから。」
「菊さま一体何歳まで生きられるつもりですか?」
「分からない。でも、お前のこと守るから。」
「菊さま。ありがとう。嬉しいよ。」
「俺と結婚してください。お願いします。」
私はうなずいた。
菊さまは満面の笑みで私を抱きしめてくれた。
私たちはその後、遊覧船に乗って観光を楽しんだ。
そしてお昼ご飯に宮古の海の幸たっぷりの海鮮どんぶりを
いただいた。
あまり長居もできないので、そうそうにまた高速バスで盛岡に
戻った。
菊地家へ戻る途中、菊さまのお祖母さんの家にも寄って挨拶を
済ませた。
そして、また実家に戻った。
「お母さん昨日からお世話になりました。
またお会いできる日までどうぞお元気で。」
「○○さん、また来てね。待ってるから。
東京でもいつかお会いしたいわね。」
「母さん、いずれそうなると思うから。」
「楽しみにしてるよ。じゃあ二人とも気をつけてね。」
「はい、お父様とお兄様にもよろしくお伝えください。」
私たちは菊地家を後にして、盛岡を後にした。
私たちは夜東京に着いた。私は駅で別れようとおもったけど、菊さまが送ってくれるというので送ってもらった。
私の家に到着した。
「お茶でも飲んでいく?」
「うん。」
「私の家ここよ。」
「えっ?ここ?」
菊さまは驚いていた。そうだろう、私のオンボロ木造アパートに菊さまは驚きを隠せないようだった。
「古いでしょ。でも家賃安いから。私にはここの家賃払うので
精一杯なの。」
「別に古いからって気にすることないよ。」
菊さまは部屋を見回していた。6畳と台所だけの狭い部屋。
菊さまの部屋に比べればとてもちっぽけなもの。
私たちはお茶を飲みながら将来のことを話し合った。
「どうしよう、いつ頃結婚する?」
「お前の気持ちしだいだよ。俺はいつでもいい。」
「そんなあ。ちゃんと決めてよ。」
「そんなこと言ってもお前まだ旦那さんのこと・・・。」
「1周忌が来たら元の姓に戻そうかと思ってる。 結婚は来年でもいい?」
「いいよ。とりあえず婚約はしとこう。」
「分かった。うちの両親にはどうする?」
「もう早々に挨拶行こうか?っていうか追い返されないよな?」
「大丈夫だと思うよ。っていうか菊さましだいじゃない?」
「どういうことだよ。俺がまるで悪者みたいじゃないか?」
「だって、芸人だもん。家の親本当は嫌だと思うよ。www」
「じゃあ、お前はどうなんだよ。」
「私?私は出戻りみたいなもんだから、もらってもらえるなら
文句言えませんから。www」
「ふん、俺は絶対お前の両親に許しをもらうぞ!」
菊さまは一人意気込んでいた。
私はその後両親に菊さまの実家に言ったことを話した。
手土産も持たずに急に訪ねたことを母が気にして、お菓子をお礼
に送ることにした。
そしてしばらくして菊さまは私に婚約指輪をくださった。
そう、あの時の指輪。
私が1日でつき返したいわくつきの指輪である。
「もう二度と俺に返却しないでくれよ!」
「わかりませんよ。菊さまの行いしだいでは・・・。」
「もー、意地悪!」
「www嘘ですよ!ありがとう菊さま
ずーっと大事にしますね。」
そして、菊さまが私の実家に挨拶しにくることになった。
何度も訪ねてる家なのに、今日はとても緊張する秀規だった。
鏡の前で何度もネクタイを直したり髪の毛をといてみたり。
ちゃんと挨拶できるだろうか?
前の晩母に電話した。
「明日○○さんの家へ挨拶いくから。」
「大丈夫なんだろうね?
ちゃんとお嬢さんをくださいって練習何回もしなさい。」
「大丈夫だよ俺喋る仕事してるのに。」
「お前は早口だからゆっくり喋るんだよ。」
「うん、分かった。」
「ご先祖さまにうまくいきますように祈っておくからね。」
「ありがとう。じゃあね。」
そして数時間後、秀規は○○の実家の両親と向かい合っていた。
「お父様、お母様お久しぶりです。」
「まあ、そんなあらたまらなくても。
知らない仲ではないんだから。」
「いいえ、今日は結婚のご了承の挨拶に参りましたので。」
「そうでしたね。」
○○から両親に結婚のこと話したら賛成だと言ってくれてると
聞いていたものの、秀規は心臓がバクバク音を立てていた。
「お、お父様、○○さんを私にいただけますでしょうか?
一生大事にしますので。」
「はい、ふつつかな娘ですが宜しくお願いします。
さあ、母さんビール持ってきてくれ。
頭上げてくださいよ。さあ○○お寿司を持ってきなさい。」
私は注文していたお寿司を並べ、母はビール瓶を何本も持ってきた。そして我が家だけのささやかな宴が始まった。
菊地様ってファッションに拘る割りには頭ボサボサだよね。
菊さまは私の父に勧められるがままビールを何杯も飲んでいた。
「お父さん、菊さまはお酒あまり強くないんだからそんなに飲ませない
でよ!」
「いいじゃないか、今日はめでたい日だ。
それに本当の息子ができたようで嬉しいんだから。」
2時間後、菊さまはくだを巻いてグーグーイビキをかいて寝ておられた。
「ほらこんなに酔っ払ってしまって・・・。
お父さんのせいよ!」
「ふん!娘を取られるんだから、これぐらいやってやったって
おあいこだろ!」
父は酒が強いので顔色一つ変えずにいた。
本当は私がまた嫁に行くの寂しいんだ・・・。
いつまでも父のそばにいてあげたいけど・・・。
「お父さん、菊さまのこと可愛がってあげてね。」
私は父のそばに寄り添った。
父は何も言わなかったけど、分かってくれてるみたいだった。
私は菊さまを起した。
「菊さま、まだ眠るんですか?」
揺り起こすとようやく目を覚ました。
「あ?ここはどこ?」
「何言ってるんですか?私の実家ですよ。
今日私の両親に挨拶に・・・。」
「ああ、そうだったな。
すっかり寝てしまったよ。」
「菊さま送って行きますから。」
「うん、じゃあお父さんお母さんお邪魔しました。」
「気をつけてね。○○の事よろしくおねがいしますね。」
「はい。」
私はよろける菊さまの腕をしっかり掴んで実家をあとにした。
月日は流れ、菊さま33歳、私32歳の年。
その年の9月、私はアキラさんの実家へ行き1周忌の法要をした。
そしてご両親に籍を戻すこと、再婚することを伝えた。
ご両親は私が再婚すると聞いてとても安心してくださった。
私はまた法要がある時は呼んでほしいと約束し、大阪をあとにした。
菊さまの仕事が落ち着く正月明けに私たちは結婚式を挙げることにした。
秀規と○○は神社で挙式した。
親族だけが集まって、挙式後は料亭で食事会をした。
秀規はとても晴れやかな気持ちだった。
30歳で彼女と出会って3年、この間いろんなことがあった。
何度涙を流したことだろうか。
悲しいこともお互い一杯あったけど、こうして縁あって結ばれることに
なった。
数時間後、
食事会が終わって菊地邸へ帰る途中秀規は近所の神社へ寄った。
「何お願いするの?」
「内緒!」
神様お礼参りに参りました。
○○と復縁させていただきましてありがとうございます。
命を懸けると言ったとおり、彼女を命をかけて大切にします。
これからも宜しくお守りください・・・。
この二人に関わった人々はそれぞれどうなったのだろうか?
アキラは天に召され帰らぬ人となったが、○○の心の中でいつまでも
生き続けることであろう。
リカコは?
彼女はしばらくは秀規のことを引きずっていたが前向きな性格ゆえ、
今ではすっかり立ち直り、仕事に一層身が入り、今ではCMの女王となった。
秀規は度々目にする彼女の活躍を心の中で喜んでいた。
良かった、多分これでよかったんだろう。
リカコ、がんばれよ・・・。
秀規は自分も頑張らなければと思うのだった。
秀規と○○の新婚生活は順調だった。
時々喧嘩になることもあるけど、すぐにお互い折れるようになっていた。
秀規は毎朝彼女に囁く。
「おはよう。今日も生きててくれてありがとう。」
「菊さま・・・。毎日それ言うつもりですか?」
「お前いつまで菊さまって呼ぶつもりだよ?」
「あっ、ごめんなさい。秀規さん!」
「お前が生きててくれて嬉しいの!」
「だからって毎日毎日よく飽きませんねw」
「俺の性格知ってるだろ?ふふふ、これからも一生言い続けるからw」
「あーあ、なんかこわーい!」
と言いながらも彼女は秀規に抱きついてくる。
うざがられてもいいんだ。
毎日彼女のこと愛していたい。
彼女が俺のそばで生きてくれていることに感謝したい。
ただそれだけのこと。
秀規は彼女を抱きしめながら、幸せをかみ締めていた。
どんな困難が待ち受けているか分からない。
だけどそれを恐れていても始まらない。
秀規はタダ一つの大切な愛をこれからも守っていこうと
心に誓っていた。
完
えぇー!!!終わりー???
・゚・(つД`)・゚・
>>666 ファッションに懲りすぎて頭に神経がいかないんじゃないの?
今日のアルゴリズム体操は地下鉄工事現場でヘルメットかぶって
やってました。
これってはじめて見たような気がするんですが前からやってったっけ?
674 :
名無しさん:2007/06/26(火) 19:16:33
これで終わっちゃうのー?! 納得はいくしわかるんだけど、さみしいよーーー 続けてください!! 作家様大好きです 毎日更新楽しみにしてます
>>674 禿同!!!!!
官能作家様もどこ行ったんだ!いるならレスしてくれ!
私も作家様大好きです。
作家様、具合どうですか?無理しないで下さいね!
良かったらまた小説書いて下さい。
おやすみなさい。
菊さまと海水浴に行く事になった。
菊さまに水着姿を見られるのは初めてなので電車の中でも緊張しっ放し。
「○○、どんな水着買ったの?」
「な、内緒ですよ!向こうに着くまでお楽しみ!」
「お楽しみねぇwでもお前Aカップだからなぁw」
「何ですかその反応は!それにAカップじゃないですよ!Bはあります!」
「AもBも変わんねぇよw」
「もう酷い!菊さまだってそんなに大きくないくせに〜w」
私は菊さまの股間を見て言うと、菊さまの表情は凍り付き無言になった。
「・・・じょ、冗談ですよ!そんなに怒らないで下さい!」
「・・・・・・」
「ねぇ!本当に冗談だってば!何か言って下さい!」
「・・・次下りるぞ。」
「は、はい・・・。」
気まずい雰囲気のまま海水浴場に着いた。
「じゃあ、着替えてくるから・・・」
「・・・はい。」
あぁ、私ってば何でいつも人を傷付ける事を言ってしまうのだろう・・・。
私は着替えを終え砂浜に行くと、黄色のブーメランパンツを履いたド派手な菊さまが待っていた。
何あの水着・・・恥ずかしくないのかな?
「お待たせしました。」
「ぷっw」
菊さまは私を見るなり吹き出した。
「何笑ってるんですか!?」
「wwwお前パッド入れてるだろ!w」
「へ?・・・い、良いじゃないですか!別に!」
「普段そんなにデカくないもんなwビックリしたよw」
菊さまは私がパッドで誤魔化している事を大きな声で言うものだから、
周りの人は私の胸をチラっと見て笑いを堪えながら過ぎ去っていく。
私は恥ずかしくなり顔が真っ赤になった。
「もーう!そんな事大きな声で言うなんて菊さまのバカ!嫌い!帰る!」
「ま、待てよw悪かったってw」
「笑ってるし悪いなんて思ってないでしょ!
普通は「水着可愛いね」って嘘でも誉めるものでしょ!」
「ごめん、許してよw何すれば良い?」
「・・・じゃあアイス食べたい。」
「アイス?買ってくるよ。何味が良い?」
「私が食べたそうな味買ってきて!」
「んなの分かんねーよ!」
「じゃあ帰ろうかな〜。」
「分かったよ、買ってくるからここで待ってて!」
「買ってきたよ!」
「ありがとう!・・・バニラ味。無難なものを選んできましたね。」
「あ?文句あるのか?」
「いいえ。」
「全く、相変わらず可愛くないな!」
「そんな私を好きになったのは菊さまでしょ!」
「べ、別に好きなわけじゃないからな!今日だって暇だからお前を誘っただけだから!」
菊さまは顔を真っ赤にして言った。
「はいはい、そうですね!」
「・・・可愛いよ。」
「へ?」
「可愛いよ、水着はw」
「水着はって酷い!」
「だって水着可愛いねって誉めろって言ったじゃん。」
「確かに言いましたけど・・・菊さまの為に何十着も試着してこれに決めたのに。」
「無駄な努力だったな!w」
「ふーんだ!菊さまだって何ですかその変な水着!
それに股間に詰め物した方が良かったんじゃないですか?w生地が余ってますよw」
「余ってねぇよ!俺のは小さいって言いたいのか!!!」
「さぁねw」
「もう勝手にしろ!俺は帰るからな!」
「どうぞどうぞ。」
あぁ、また喧嘩しちゃった。菊さま本当に帰っちゃったのかな?
不安になり辺りを探しても携帯に連絡しても繋がらなかった。
今日はもう仕方ない。一人でちょっと泳いでから帰るか。
・・・そういえば水着と一緒に浮き輪を買ったんだった。
菊さまと一緒に入って密着出来るように買った特大サイズの浮き輪。
喧嘩していなければ今頃この浮き輪でイチャついてたのに。
そう思いながら大きな浮き輪に空気を入れ膨らます。
「・・・はぁはぁ。疲れた。」
なかなか膨らまない。私一人で何やってるんだろう。涙が出そうだ。
すると浮き輪を何者かに奪われた。
「何ですか!?・・・菊さま!?帰ったんじゃなかったんですか?」
「帰った方が良かったの?」
「いいえ。戻ってきてくれて嬉しいです。あの、さっきはごめんなさい。
あんなの本心じゃないですから。」
「もういいよ、いつもの事だし。」
「ふふ。菊さま優しいですね!あ、この浮き輪二人用なんです。菊さま膨らまして下さい!」
「分かったよ。」
そう言って浮き輪を膨らます菊さま。見る見る内に真っ白い顔が真っ赤になっていく。
「あはは!菊さま顔真っ赤!可愛い!」
「はぁはぁ、何が可愛いだ。もう限界。」
残りは私が膨らまし二人は海に浸かった。
「さぁ、早速浮き輪使いましょう!」
二人は浮き輪に身体を通し向かい合った。
菊さまと目が合い、脚と手が触れ合ってドキドキする。
「もっと深いところまで行こう!」
「はい!」
手足をバタつかせ沖に向かうと、溺れている女性が目に入った。
「き、菊さま!あれ見て下さい!」
「!!!助けないと!」
菊さまは泳ぎが下手なりに必死に泳ぎ、私も後を追い掛ける。
菊さまは女性を抱き抱え女性に声を掛けた。
「大丈夫ですか!?お前浮き輪貸せ!」
「はい!」
「この浮き輪に掴まって下さい!」
菊さまと私は浮き輪を引っ張る。暫くすると足が着く場所まできた。
「この辺で立てますか?」
「あ、あのちょっと苦しいです・・・。」
「じゃあ僕、浜までおんぶします!」
「す、すみません・・・」
彼女を背負い、浜まで運ぶ菊さまの姿を後ろからじっと見ていた。
おんぶなんて私にはしてくれないのに・・・。裸同然の姿で他の女と密着してる。
私は何考えてるんだろう。今は彼女を心配しなくてはいけないのに。
浜まで運ぶと彼女は意外と元気そうだった。
「大丈夫ですか?」
「はい。ちょっと足がつってパニックになっちゃって。
本当にありがとうございました。」
そう笑顔で答える彼女の全身を眺めてみると、巨乳で細くて綺麗な女だった。
「あの、お礼にお食事でもいかがですか?
私の友達もいるんですけどご馳走させて下さい。」
「いや、でも彼女が一緒なんで・・・」
菊さまはそう言いつつも彼女の胸を見てデレデレしていた。
「もちろん彼女さんも一緒に。」
「いや、でも・・・」
「行ってくればっ!」
「え?」
「行ってくればいいじゃないですか!私は結構ですから!」
私は沖に向かって歩きだした。
「あ、あのお礼なんて結構ですから。失礼します!」
秀規はそう言って○○の後を追い掛けた。
「ちょ、待てよ!何だよあの態度!失礼だろ!どうしたんだよ!」
「早くあの女のところに戻れば!」
「何怒ってんだよ。食事は断ったから。二人で飯食いにいこう!」
「行かない!」
「何で怒ってんだよ!言ってくれなきゃ分からないだろう!」
「あの女の胸見てデレデレしてた!」
「し、してねぇよ!」
「してたもん!おんぶだって私にはしてくれた事ないのに!」
「はぁ?溺れてたのを助けただけだろう!」
「本音はおっぱいが背中に当たってラッキーとか思ってたんでしょ!このドスケベ!」
「んな事思ってねぇよ!」
「嘘つき!あんな女あのまま溺れて死んじゃえば良かったんだ!」
パシーンッ!!!
「いい加減にしろっ!」
秀規は○○を思いっきりビンタした。
「イッターイ!!!」
「・・・最低だな。お前が死ねば良いよ。別れよう。」
秀規は○○の元から立ち去った。
菊さまはただ女性を助けただけなのに。何で嫉妬なんかしてしまったんだろう。
おまけに死んじゃえば良かっただなんて・・・。
どうしてこんなにも私は身も心も醜いんだろう。振られて当然だ。
菊さまの言う通り私が死ねば良いんだ。こんな醜い私が死んだって誰も悲しまない。
今週の芸株のホームページ、菊さまの写真が
1枚もないですね。ちょっと寂しいです。
ラジオグダグダすぎてあまり面白くなかった。
もっと発音練習とか発声練習すればいいのに。
大好きなのに、面白くないと感じるのは飽きてきているってことかなあ?
>
>>685 すごいわかる
大好きなんだけどイマイチ笑えないんだよね
前はお腹痛いぐらい笑ってたときあったんだけどなーー
トークの中身が散在してる感じがする
ばらばらという感じかな?
新鮮なネタがほしー
マイネームイズ・悲しいとき―!
私の菊さまを愛してるっていう気持ちって錯覚だったのかなあ?
この不安定な世の中で、下々のものは仕事や日々の生活、将来の生活に
不安を覚えつつ、または苦しみながらなんとか生きているんだと思う。
私もその一人。
この人の声を聞けば癒されるって思ってた。
だけど、トーク力のなさ、国語力のなさ、そして微妙な芸のレベル。
お笑いのことをえらそうに語れる立場では無いことは十分承知している。
でもなんだかバカバカしくなってきた。
こんな人が自分より何倍も稼いで贅沢なもの身につけて、欲しい物はなんでも
買えて。
お金だけの問題でもないのかもしれない。
だけどついお金の部分を考えてしまう。
私が卑しいからなのか?
私ってとても嫌な性格なのかもしれない。
この人のこと今でもとても好き。
だけど、好きなのは顔が可愛いからとか、ちょっと変わってるからとか、
この人の中身が好きなのではないのかもしれない。
ただこの人の成功に嫉妬してる駄目な人間なのかもしれない。
私の心が疲れてるからこんなこと考えるのかもしれないけど・・・。
しばらく菊さまから離れたほうがいいのかもしれない。
後輩のネタを見てやって、3時間も駄目だしをくらわしたらしい。
自分のレベル棚に上げてよくやるわっと思った。
>>689 そうしてストレス解消してるんじゃないの?
でもナベ芸人のネタって糞だからな。
ダメだしもグダグタなのかな?w
菊地様が訳分からん事言って、山田が大爆笑を延々3時間。
後輩「(゚д゚)ポカーン」
みたいな。
いつここって人を見下している感じがするから、駄目出しもダラダラ嫌味っぽいんだろうな・・・
山田「何そのネタ?面白いと思ってんの?」
後輩「・・・自分なりに面白いと思ったんですけど・・・。」
山田「自分なりにねw」
後輩「・・・具体的に何処が悪かったですか?」
山田「全体的にw」
後輩「・・・そうですか。」
山田「プッ。そんなネタじゃ売れないよ。」
後輩「・・・一人でも多くのお客さんに笑ってもらえれば良いんで・・・。」
山田「売れない芸人の考え方だなw」
後輩「・・・・・。」
山田「そんなんで食っていけると思ってんの?w将来どうすんの?」
後輩「・・・頑張ります・・・。」
山田「頑張るとかじゃねーんだよ。この業界は才能なきゃやっていけねーんだよ。」
後輩「・・・はい。」
山田「小梅日記って言うネタ、面白いと思ってやってんの?」
小梅「思ってませんけど。」
山田「そうだろうねw」
小梅「それが何か?」
山田「別にw」
小梅「そうですか。」
山田「プッ。そんなネタじゃ来年まで保たないよw」
小梅「分かってますよ。」
山田「危機感とかないのかよ?w」
小梅「はい。営業も印税も貯金ありますし。」
山田「そんなんで食っていけると思ってんの?w将来どうすんの?」
小梅「いつここさんみたいになりたいです。」
山田「はぁ?」
小梅「僕もいつここさんも一発屋なのは一緒なんで、あとは
いつここさんを見習ってテレビ露出を控えて、デビュー当時から
変わってないネタでどさ回りして、いずれは本も出したいと思ってます。」
山田「お前馬鹿にしてんの?」
小梅「はい。」
ネタ書いてないのに駄目だしって凄いねw
でも菊地様にネタ見せする方もどうかと思う。
昨日あんなこと書いたけど・・・。
一晩寝てみて朝目覚めてみたら、やっぱりまだ好きなんだよね。
ラジオ、面白いことを沢山言うのって難しいんだろうけど、ならばせめて
面白くなくても良いから菊さまの思いやメッセージを放送を通して伝えて
欲しい。
魂のこもってないただのだらだらした会話なんて聞きたくない。
今まであの可愛い声だけ聞ければいいと思ってたけど、やっぱり好きだから
こそ、菊さまの気持ちや考えをもっと知りたい。
菊さまの影響受けて、今日からBOOWY聞きながら
寝ます。
おやすみなさい。
700 :
名無しさん:2007/07/02(月) 07:00:38
700
ハリキリホ―リナィッッ♪
菊さま愛してます。
おやすみなさい。
いつもの半額でレンタルすることができたので、
WEL21のDVDを見てみました。
かわいいね、しつこいぐらい長くてびっくりしました。
おまけにクスリとも笑えない自分。
菊さまのネクタイの柄や、スイカのバッジやお顔の表情ばかり
見ていました。
ネタは右から聞いて左へ受け流す感じでした。
次の島田夫妻の方がお客の笑いが多かったような感じがしました。
菊さまに危機感ってないのかしら。
まあいいか。おもしろくなくても営業の仕事はあるんだろうから。
菊さまが幸せに暮らせるなら、面白くなくてもOKか・・・。
ネタ作ってるのは山田だから、菊地様だけを攻めるのはどうかと。
個人的に酷いのは山田の方だと思う。
山田は「わざと」怠そうにネタやって、「わざと」怠そうに退場するよね?
まるで中高生の反抗期のガキみたいな態度。
>>704 確かに菊地様だけを悪く言うのはイクナイ!菊地様のスレだから仕方ないかもしれないけど・・・。
糞田さん、怠そうに振る舞ったり、わざと無表情作ったりするよねw
糞田さん本人は格好つけてるつもりなのかな?w
それとも本気でやる気ないのかしら?そうなら早く引退すればいいのにw
山田さんのこと嫌いじゃないんだけど・・・。
人と違う視点で物事考えれる人だと思うし、いろいろ才能ある人だと
思う。だけど、かわいいねは笑えないにもほどがある。
もう他に新しい形のネタをつくれないのかしら。
山田さんならできると思うけどね。
菊さまには無理だろうけど。
皆、そんなに山田さんを責めるなよ・・・。
わざわざ埼玉から山口まで宿泊してまで会いに行くファンだって居るんだから。
>>707 もしや、防府でのライブで「埼玉から来ました!」と言われたお客さんですか?
あなたはいつここのファンだったんですね!
なんかそういう熱心なファンがいらっしゃると思ったら嬉しいです。
菊さまへの大好きな想いと批判する想いが私の中で交差しております。
菊さまにはいつまでも山田さんと協力して芸人として舞台に立ち続けて
ほしいです。
ずっと菊さまのこと好きでいたい。
だから菊さまいつまでも元気でいてね。
そして芸人としてもっと力をつけてほしいです!
遠征してるファンだけ満足させてれば良いよ。
いつここだってあれで満足なんでしょ。
遠征させる位、人気があるんだ!
・・・・・と、自惚れていたらイタイな。
遠征するごくわずかなファンだけで満足するなよ。
ギャラが貰えればあとはどうでも良いニダー!<`∀´>
今週も菊さまの元気はつらつした声を聞けてうれしいです。
これからもラジオ頑張ってほしいです。
WELのDVD今日リラックスした状態でもう一回見たら、
この間よりはマシだと思えた。
そのときの気分によってもネタの感じ方って違うね。
菊さまって山田さんのダイエット失敗責めてたけど、
自分の失敗は棚に上げてるよね。
本当性格悪い人だなあとあらためて思いました。
>>713 性格悪いかもしれないけど、ダイエット失敗は責めないと面白くないでしょ。
性格良い人が芸能界なんてやっていけないって言うし。
○○の元から去った秀規はしばらく浜辺をあてもなく歩いていた。
「どうしていつも喧嘩してしまうんだろう・・・。」
秀規はそう呟きながら悲しくなっていた。
彼女のこととても好きなのに。
確かにさっき助けた女性を魅力的だと感じてしまった。
それは男なら誰でも思うものだと思う。
だからと言って彼女のこと大事じゃないってことじゃない。
今日のこの海水浴を何日も前からワクワクドキドキして心待ちにしていたのに。
こんなことになってしまった。
「グググー」
秀規の腹時計が鳴った。
なにか食べようか。
秀規は目に留まった海の家へ入り、食事をとることにした。
その頃私はいつまでも浜辺に立ち尽くしていてもしょうがないので、
お腹も空いてきたことだし、近くの海の家で一人寂しく食事をとることにした。
自分の性格の悪さ、菊さまに対していつまでも素直になれずすぐに嫉妬して
しまう愚かさに、正直悲しくなっていた。
悲しさを紛らわすかのように、私は食事をした。
大盛の焼きそばに食いつく。
食べることでこの悲しみを消し去りたい。
私は行き着く暇もなく早食いしていた。
「あーあ、お腹いっぱい。」
私は焼きそばを食べ終わった。
すると急に咳が出てきた。
「コンコンコン、ゴホン!
どうしたんだろう、何かひっかっかったのかしら?」
コンコンコン・・・。
咳がとめどなく続く。
焼きそばのカスが器官に入ったのかしら?
私は咳をしながら勘定を払い、浜辺のシートに戻った。
もうここにいてもしょうがないので片付けて帰ろう。
私は荷物をまとめていた。
だが、あいかわらず咳はしつこく続く。
「ゴホンゴホン!・・・なんで止まらないんだろう?」
あっ!もしかして・・・。
治まってた喘息が再発したのだろうか?
そうだ、多分そうだろう。
ご飯を腹12分目ぐらい食べてしまった私の体は、体温が上がり、
副交感神経を活発にさせてしまったのだ。
病院の先生にご飯はいつも8分目にすること!と釘をさされていたのに。
調子が良いとすっかり忘れてしまっていた。
私はクスリも持ってないし途方にくれる。
しばらく咳が止まるまで横になっていようか。
私は一人寂しく寝転がっていた。
持ってきていたバスタオルをかけて私は寝ていた。相変わらず咳は止まらなかった。
すると誰かが声をかけてきた。
「大丈夫ですか?」
知らない男の人が私に近づいてきた。
「ああ、はい、ちょっと咳がとまらなくて。」
「背中さすってあげましょう。」
「え?別に結構です。」
「でも苦しそうだから。」
そういうと彼は優しく私を横向きにさせて背中をさすってくれた。
「横向きの方が咳が楽になるから。」
「どうもすみません。」
しばらくすると咳が大分治まってきた。
「ありがとうございます。もう多分大丈夫だと思います。」
「お一人ですか?」
「ええ、友達と喧嘩してしまって・・・。 でも、もう帰りますから。」
「良かったら送って行きますよ。」
「いいえ、そんな悪いです。 あなた連れの方いらっしゃるんでしょ?」
「友達数人で来てますけど、俺一人いなくなったところで大丈夫ですから。
それよりあなたのことが心配だから。」
「そんな、お友達とせっかく遊びに来てるのに悪いですから・・・。」
「あなたがまた咳が止まらなくなってしまったら心配だから。」
なぜこの人はこんなに優しくしてくれるんだろうか?なんだか少し気持ち悪くなってきた。
だけどすっかり弱気になっていた私は彼に強引におされて彼の厚意に
甘えることにした。なにかおかしなことされたら逃げればいいや・・・。
でも私は彼に優しくされたことがとても心に残っていた。
「お名前はなんとおっしゃるんですか?」
「田中ひろしと申します。 職業は看護士です。」
「まあ、看護士さん。 私は○○と申します。 会社員です。」
私は着替えた後、彼の車に乗せてもらった。
「ご自宅はどこですか?」
「○○町です。」
「え?それなら僕の住んでるところの隣町ですね。
僕は××町だから。」
車はまだ昼過ぎということもあり、渋滞になることもなくスムーズに走って
いた。
私は少し菊さまのことが気になりつつも、この田中さんという男性と会話
し続けていた。
「○○さんは何歳ですか?」
「○才です。」
「あれ?僕と同い年かなあ?何年生まれですか?」
「昭和○○年です。」
「じゃあ、同じだ。もしかして中学校って△△中学校でした?」
「はい、そうです。」
「ってことは、同級生だったのかなあ?クラスは?」
「1組でした。」
「僕は6組でした。同じクラスになったことないし、学年全部の人覚えれる
わけもないから、本当は同じ空間にいたのにずっと知らなかったってわけ
ですね。」
「すごい奇遇ですね。なんだか不思議です。」
車は1時間ほどで私の家に到着した。
不思議な縁を彼に感じながら私はお礼を言った。
「本当ありがとうございます。
なにかお礼させてください。」
「お礼なんて別に気にしないで。
それより、メールアドレス交換しませんか?」
「はい。」
私は彼とアドレスの交換をして別れた。
お礼はいいって言ってたけど私は何かしなければと考えていた。
家に帰り、母に事の顛末を話した。
「じゃあ、お食事にさそってみたら?」
「そうしようか。それにしても同級生だったなんて知らなかった。
さっそく卒業アルバム見てみようっと。」
私は押入れからアルバムを取り出し見てみた。
確かに3年6組田中ひろし・・・。
あった。
ああ、この顔だ。
私は1組。
約15年ぶりの再会。
といっても当時は二人とも知らなかったわけだから再会ではないのかもしれ
ない。だけどなんか縁を感じる。
私はなんだか知らず知らず胸がときめいていた。
秀規は○○を探していた。
「まったくどこへ行ったんだろう?
やっぱりぶったのがいけなかったのかなあ・・・。」
最初シートを敷いていた所にはもう荷物はなかった。
○○らしき女の子を探すにも人が多すぎてわけが分からない。
「ああ、疲れた。俺結局今日何しに来たんだろう・・・。」
自分でも情けなくなってくる。
もう帰ろう。
秀規は力なく砂浜を後にした。
帰りの電車に揺られながら秀規は○○にメールしようかどうか
迷っていた。
「お前が死ねばいいよ・・・。」
あんなこと言ってしまった。
おまけに一人残してしまったわけだし、きっと傷ついて怒って、泣いてる
かもしれない。
そのうちに秀規は眠くなり、うとうとしていた。
1時間後、もよりの駅に到着した。
「帰りにあいつの家に寄ってみようか。」
だけどあわせる顔がない。
仕方なく秀規は自宅へ戻った。
それから数日、あいかわらず私と菊さまは音信不通状態だった。
私はなんどか電話しようと試みたが、なんと言えばいいのか言葉が
みつからなかった。
素直に謝ったところで菊さまが許してくれるかどうか分からないし。
あんな醜い態度をとってしまった恥ずかしさから、私はもう菊さまには
会わない方がいいだろうと自分の中で納得していた。
菊さまからも連絡はないわけだし、もう私たち会わない方がいいだろう。
私は悲しかったけど、仕方ないとあきらめることにした。
それより、先日助けてくれた田中さんのことが気になり始めていた。
彼を食事に誘いたい。
でもどこへ行こうか。
遠慮深そうな人だから断られるかもしれない。
私は躊躇していたが、意を決して彼にメールしてみることにした。
「田中さんへ
こんばんは。先日はありがとうございました。
お礼にお食事にさそいたいのですがどうでしょうか?
○○より。 」
送信。
しばらくすると彼からメールが届いた。
「○○さんへ
誘ってくれてありがとうございます。
○曜日なら空いてますので、その日どうでしょうか?」
私はその後も彼と連絡をとり、食事へ行く日を決めた。
田中ひろしって名前にワロタw
どうしてもウーチャカの顔が浮かんじゃってwww
ある日の夕方私達は待ち合わせしてレストランへ向かった。
今日は奮発してお洒落なイタリアンレストランへ彼を招待した。
料理が運ばれてきた。
「いただきます。」
「美味しい。○○さん店選びのセンスありますね。」
私は褒められてまんざらでもなかった。
私たちはお互いの仕事の話をしたり、中学時代のそれぞれの思い出話を
したりして楽しい時間を過ごした。
2時間ほどゆっくりとお店ですごし、私は約束どおり彼におごった。
「それじゃあご馳走さま。」
「はい、どういたしまして。」
それから私たちは夜の街を歩いた。
手こそ繋がなかったものの、私は少しドキドキしていた。
このドキドキ感は恋なのだろうか?
でもこんなに早く好きになってはいけない気がしていた。
なぜなら、菊さまのことまだ私は好きだったから。
あれからうんともすんとも連絡は無い。
だけど私は淡い期待を抱いていた。
きっと連絡してきてくれるはず。
田中さんとはただのお友達。同窓生。浜辺で助けてくれた恩人。
ただそれだけだ。
でもつい彼を意識してしまう。
私の心は揺れていた。
「お茶飲んで帰りませんか?」
「はい。そうですね。」
私たちは途中カフェに入った。
二人とも紅茶を頼み、今度はそれぞれの趣味の話や誕生日の話になった。
「○○さんはいつ誕生日?」
「実は来週の○日なんです。」
「えーもうすぐじゃない。」
「田中さんは?」
「僕は来月の○日。」
ふとあの人のことを思い出す。
菊さまは私の誕生日覚えてくれているんだろうか?
きっと覚えてないだろうな。
もう私のことなんか考えてないんだろうか・・・。
寂しい想いがそっと私の心をよぎる。
だけど今は田中さんとの会話を楽しまなければ。
自分でもよく分からない。
菊さまにかまってもらえない寂しさを彼で紛らわせているのだろうか?
それとも・・・。
私はもやもやした気持ちで紅茶をすすった。
その頃秀規は自宅で大好きなラーメンをすすっていた。
でもいくら好きなものを食べても、好きなドラマを見ても、
好きな音楽を聴いても寂しい心は埋まらない。
彼女に連絡できないでいるままだ。
仲直りのきっかけを掴めないでいた。
彼女から連絡が来るのを期待していたがまったく来ない。
いつも喧嘩してもすぐ元の鞘に納まっていた二人だったが、
今回ばかりは勝手が違っていた。
「そうだ!あいつの家に押しかけてみようか。」
勢いつけて彼女に直接会ってしまえば仲良くなれるかもしれない。
自然とお互いに謝る気持ちにもなれるだろう。
秀規は食事を終えるとコンビにへ向かった。
彼女の大好きなアイスクリームを買って、彼女の自宅へ向かう。
彼女の笑顔に会いたい。
会って抱きしめたい。
秀規は心からそう思っていた。
秀規が○○の自宅へ向かっている頃、○○は田中に送ってもらっている
最中だった。
「今日は楽しかった。それにご馳走になってしまって
なんだか悪かったね。」
「いいえ、こんな形でしかお返しできないから。」
二人はゆっくりと歩いていた。
○○の自宅の前まで来た。
「送ってくれてありがとうございます。
気をつけて帰ってくださいね。」
すると彼がじっと○○の瞳を見つめた。
ドキドキする○○。
「また、連絡してもいいかなあ?」
「は、はい。」
「じゃあ、おやすみなさい。」
彼が○○を優しく抱きしめる。
びっくりした○○だったが、彼の大きな体に包まれるとなんだか自分が
とても優しくなれたような錯覚に陥った。
「じゃあ、さよなら。」
田中は○○から離れ去っていく。
○○はうっとりとした目で彼を見送っていた。
その時、ガサッと何かが落ちる音がした。
振り返るとそこには秀規が立っていた。
「菊さま・・・。どうしてそこにいるの?」
「お前、さっきの男誰だよ。」
「友達です。中学生の時の同級生なんです。」
「友達なのに抱き合うのか?
ふん、俺に連絡してこないと思ったらもう他の男と
付き合ってんのか。」
「違います!付き合ってはいません。
今日は助けてもらったお礼に食事に言っただけです。」
「そんなこと信じられない。
現にお前はあの男のこと好きなんだろ!」
「違います。ただの友達。」
「男と女が友達でいるなんてありえんのか?
俺は無いと思う。」
「分かってください。私ずっとあなたからの連絡待ってました。
だけど何も連絡くれなかったじゃない。
なんで今日になって私の前に現れるのよ!」
「お前こそ連絡してこなかったじゃないか!
俺はずっと待ってた。お前の声聞きたくて聞きたくてしょうがなかった。
だけどこんな仕打ちされたんじゃなあ。
俺もみくびられたもんだ。
じゃあな!」
秀規が去る。
○○は秀規が落としたビニール袋を拾う。
中には自分の大好きなアイスクリームが入っていた。
「菊さま待って!私のためにアイス買ってきてくれたんでしょ!」
秀規は振り返らない。
それどころか足早に暗闇に消えていく。
○○は秀規を追いかけた。
どうにかして誤解を解きたい。
あせる気持ちが彼女を走らせた。
次の瞬間、交差点で彼女は車のライトで目がくらむ。
「キャー!」
ドンっと鈍い音がした。
秀規が振り返って戻ってみると、そこには頭から血を流した○○が
倒れていた。
732 :
名無しさん:2007/07/08(日) 16:26:31
保守
ワタナベプロライブ2000のビデオを借りてみました。
もてたいと思うんだけど?だったけ?
けっこう長いコントで面白かった。
二人とも若いし、山田さん細くてかっこよかった。
菊さまの訛りが存分に生かされてて、とても良かった。
ああいうコントまた作ればいいのに。
山田さん細くてかっこよかった。
山田さん細くてかっこよかった。
山田さん細くてかっこよかった。
(゚Д゚)ハァ?
>>734 確かに山田はブサイクだけどそんな言い方ないじゃん。マターリいこうや。
>>735 細かった頃はゾンビみたいで見れたものじゃない。
デブはデブで見苦しいけど
熊が出る!気を付けろ!
742 :
名無しさん:2007/07/11(水) 01:14:48
菊地様、熊田曜子とお付き合いなさっているんですか? ショックです。
菊さまって1階に住んでらっしゃるんですね。
猫におしっこされて困ってるらしい。
菊さまには悪いけど笑ってしまいました。
立ちションが趣味なくせに自分の家にされるのは嫌なんだね。
本当に自己中な人。芸人じゃなかったら居場所がなかっただろう。
>>菊さまって立ちションされるんですか?
初めて知りました。
そんなことするようには見えないから。
芸人じゃなかったら居場所がないというのはどうかと・・・。
きっとその猫とは縁があるんだと思います。
いっそのこと飼ってしまえばいいのに。
菊さまならきっと愛情をたっぷり注がれることと思います。
○○が事故に遭ってからというものの秀規は眠ったままの彼女に
できるだけ付き添っていた。
彼女の母に何度も秀規は事情を話した。
母は許してくれたけど、彼女がこんなことになってしまった責任を秀規は
痛感していた。
痛々しい彼女の姿。
頭や腕には包帯が巻かれていた。
足も片方骨折し、ギプスがはめられていた。
秀規は彼女の左手を軽く握り締めていた。
「○○、目を覚ましておくれよ・・・。」
秀規の願いも虚しく彼女の意識は戻らなかった。
3日目、今日も朝早く秀規は病院を訪れた。
「菊地さん毎日来てくれてありがとうね。
お仕事は大丈夫なの?」
「はい、今日はラジオの収録があるのであまり長いはできないんですけど、
どうしても○○さんに会いたくて・・・。」
相変わらず少女のように眠っている○○。
秀規は彼女が事故に遭ってから食事も喉を通らないでいた。
こうなったのも自業自得。
彼女はもっと痛い目にあってるのだから。
秀規はしばらく彼女のそばにいた。
しかし仕事へ行く時間となり、後ろ髪ひかれる思いで病院をあとにした。
どれだけ眠り続けただろうか。
私はうっすらと目が覚めるのが自分でもわかった。
「○○!」
母の声がする。
「あ・・・・。お母さん・・・。」
「よかった!分かる?あなた事故に遭ったのよ?」
事故?
そういえば・・・。
走馬灯のように記憶がめぐる。
アイスクリームを持って菊さまを追いかけてそこで何かにぶつかって・・・。
そこで記憶は途切れている。
「菊地さんがさっきまで居てくれたのよ。
責任感じちゃってね。あなたのそばに毎日付き添ってくれて・・・。」
そうか、菊さまが看病してくれたんだ。
私は菊さまの愛を感じずにはいられなかった。
覚醒した私はお医者さんから説明を受け、当分入院することになるだろう
とのことだった。
脳波もはかり、今のところ異常はないということであった。
もしかしたら死ぬところだったのかもしれないと思うと身震いしたが、生きてる
ことに私は感謝した。
そういえば今日は・・・。
カレンダーを見ると水曜日。
そうか菊さまは芸株の収録日だ。
暇だからふとある考えがよぎる。
収録後菊さまのことだからここにまた寄るだろう。
私は菊さまへのいつもの悪戯心が芽生えていた。
ふふふ。私が芝居したら菊さまどうなるだろう?
私はこれからの長い入院生活を考えると多分暇をもてあますだろう。
菊さまを試して楽しむことを考え付いた。
昼過ぎ私は病院食をとってお腹も膨れ、うとうとしていた。
すると、菊さまがやってこられた。
さあ、芝居モード突入。
「○○・・・。」
私はゆっくり目を開ける。
菊さまの目が輝いた。
「○○!良かった、目が覚めたんだね!本当に良かった。」
菊さまは寝ている私のそばで涙を流し始めた。
「痛かっただろう?こんな姿になってしまって・・・。
全部俺のせいだ。俺のこと恨んでるよな?」
私は菊さまの目を見つめたまま何も答えなかった。
「どうしたんだ?喋れないのか?」
菊さまが身を乗り出して問い詰める。
菊さまの白い大きな顔が私の顔に近づく。
私は噴出しそうになるのをガマンした。
「喋れるよ。でも、あなた、誰?」
すると菊さまの表情が一変した。
「どうしたの?俺だよ。菊地だよ。」
「き・く・ち?」
「いつも菊さま、菊さまって呼んでくれてたじゃないか。
忘れたわけじゃないんだろう?w」
私は尚も分からないふりをした。
「私あなたのこと知りません。
何なんですか、ずかずか人の病室に入ってきて。」
「どうしたんだよ。お前が救急車で運ばれた時からずっと付き添って
お前のこと看病したのに・・・。」
「そうなんですか?でも私あなたのこと知りませんから。」
冷たく言い放った。
ちょっときつい言い方だった。
するとそこへ母が入ってきた。
「まあ、菊地さん。おかげでこの子目を覚ましたんですよ。」
「はあ、良かったですよね。でも僕のこと・・・。」
「どうしたの?」
母は状況が飲み込めてなかった。
「お母さん、この男の人誰?」
私は母にも菊さまのことを覚えてないふりで通すことに決めた。
「誰って、菊地さんよ。あなたの大好きな菊地さんじゃない。」
「私知らない。」
この一連の芝居で私はまた精密検査を受ける羽目になった。
そして事故のショックによる健忘症だろうということになった。
菊さまのことだけ忘れているというちょっと胡散臭い状況だが、
皆私が本当に彼のことを覚えてないと信じて疑わなかった。
菊さまはもちろん肩を落として帰っていかれた。
さあ、菊さまこれからどうでるだろうか?
私はこれからの暇で退屈な入院生活にスリルを与えるべく、嘘をついた。
その嘘で大好きな人がとても傷ついているとも分からずに・・・。
面白い展開になってきました!
秀規はすごくショックだった。
なぜ自分のことを覚えてないんだろうか・・・。
彼女のこと愛してるのに、心の奥底から想ってるのに・・・。
思えば海水浴の出来事から何かが狂い始めていたのかもしれない。
あの時彼女をぶってしまった。
そして再会したときも彼女の話もろくに聞かず、突き放した。
それらのことが彼女の中で秀規の記憶を消し去ってしまっているのかもしれない。
彼女がものすごくショックを受けていたとしたらこうなったのも仕方ないのかも。
秀規は泣きながらシャワーを浴びた。
嗚咽はシャワーの音でかき消されていたが、秀規の悲しみが消えることはなかった。
翌朝目を腫らした顔見て情けなくなった。
同時に自分で噴出してしまった。
「俺ってなんて変な顔してんだろう・・・。」
こんなことしてる場合じゃない、彼女のこと好きなんなら少しでもそばに
いたいと思うなら、彼女に毎日会いに行こう。
そうすれば少しずつ記憶が戻るかもしれない。
秀規は自分の愛情で彼女の記憶を取り戻させる決心をした。
それからの秀規は時間が許す限り毎日のように○○の病室を訪れた。
相変わらずよそよそしい彼女の態度。
寂しさを感じたが、それも時が解決してくれるだろう。
秀規は信じていた。
きっと彼女は自分を思い出してくれる。
そして自分の胸に飛び込んできてくれる。
右手が思うように使えない彼女に代わって秀規は身の回りの世話をした。
「はい、○○ちゃん、あーん。」
彼女は最初恥ずかしがって遠慮していたが、徐々に慣れて秀規の手から
食事を摂るようになっていた。
秀規も彼女の世話をすることで幸せを感じていた。
「○○、もっと君に優しくしていれば・・・。
これからは今までできなかった分尽くしていくから。」
秀規は彼女の瞳を見つめて言った。
毎日のように時間を割いて見舞いに来てくれる菊さまを見ていて私は
嘘をついているのが心苦しくなっていた。
今までの中で一番優しく接してくれている菊さま。
菊さまってこんなに優しくて思いやりのある人だったんだ・・・。
私は菊さまのこんな一面を知ることができて嬉しく思っていた。
菊さまにバレないように演技しながら過ごしていた。
「なあ、お前花火大会行きたいって言ってたろ。」
「えー?そうなんですか?」
「言ってたんだよ。外出許可出たら花火見えるところまで連れてって やるよ。」
「ありがとう。菊地さん。 毎日来てくれて本当に感謝してます。
でも無理しないでね。お忙しいんでしょ?」
「大丈夫。お前のそばに居たいんだよ。」
私はとても嬉しかった。
まだ首のギプスが取れないし、肩も脱臼したり右手も骨折したりして菊
さまに抱きつくことはできなかった。
私は今すぐ菊さまの胸に飛び込みたい心境だった。
だけどガマンしてかろうじて無事だった左手で菊さまの手を握った。
「嬉しいよ。菊地さん。」
菊さまは身を乗り出して私の唇にキスをした。
久しぶりのキスに私は体の奥から熱くなるのを感じた。
長いキスの後菊さまは私の頬に触れられた。
「お前のことこの前ぶってしまってごめんな。」
「そうなの?覚えてない。」
覚えてますよ。あの時は本当痛かった〜!
「これからはお前のこと守っていくから。 絶対お前のこと離さないから。」
私は嬉しかった。菊さまがそういう風に私のこと想っていてくれたんだ。
「ありがとう。菊地さん。」
「また菊さまって呼んでおくれ。」
「うん、菊さま!」
私たちは微笑みあった。
その日菊さまは夕方帰って行かれた。
次の日朝早く仕事があるとこのことだった。
私は母に夕食を食べさせてもらっていた。
すると誰かが入ってきた。
「ごめんください。」
「はい。」
「田中と申します。」
「まあ、どうも。」
田中さんが来た。でもなぜ?ここに入院していることは知らないはず。
「そうそう、先日田中さんが家に訪ねてこられたのよ。
あなたの携帯とぜんぜん繋がらないから心配されてね。」
「そうだったんですか。ご心配かけました。」
「僕嫌われたのかなあと思ってたんですよ。
そしたら事故に遭われたって聞いて、びっくりして。」
「そうなんですよ。私の不注意なんですけど。」
「でも良かったあなたが生きててくれて。」
田中さんは花束と小さな包みをくれた。
「ありがとうございます。気を使わせてしまって。」
「花はお見舞いですが、その包みは君の誕生日プレゼントです。」
「あ!そういえば明日私の誕生日だった。」
「1日早いけど誕生日おめでとう。」
包みを開けると、綺麗な髪留めだった。
「ありがとう。大切にします。」
私はさっそく髪を束ねてみた。
「お母さんどう?似合う?」
「ええ、似合ってるよ。」
私たちは楽しく談笑した。
するとそこへ帰ったはずの菊さまが入ってきた。
「菊さま・・・。どうされたんですか?」
「ああ、ちょっと忘れ物しちゃって。」
実は秀規は玄関を出るとき見覚えのある男とすれ違った。
あ!アレはこの前彼女を抱き寄せてた男だ。
それで秀規は後をつけてきた。
そして一連の会話をドアの外で聞いていた。
なんかおかしい。
なぜ俺のことは記憶が無いのに、奴のことは覚えてるんだ?
秀規は彼女に対して疑いの目を向けていた。
彼女がもしかして演技してるのではないか?
そうならそうと正直に言ってほしい。
なぜ嘘をつくのか?
秀規は懇願するような目で彼女を見つめた。
私はなんとなく菊さまに嘘がバレているような気がしていた。
だけどここまで来たからには嘘を突き通してしらばっくれてやろう。
私は菊さまの目をなるべく見ないようにした。
「何忘れたんですか?」
「お前俺に言い忘れてることない?」
「別に・・・。何もないですけど。」
「ふーん。お前本当に記憶喪失なの?」
「何言ってるんですか?」
私は確信を突かれてどぎまぎしてきた。
「おかしいじゃないか。付き合いの長い俺のことは忘れて、その男のことは
覚えてる。何かおかしくないか?正直に言え!今なら許してやる!」
「は?な、何おっしゃってるのかよく意味がわからない。」
「そうですよ菊地さん、うちの子が嘘言ってるって言うんですか?」
「だっておかしいじゃないか!なんか変だと思ってたんだよ。
お前ってよく俺を陥れたりからかったりするの好きだもんな!
どうせ俺を試そうとか、この前喧嘩したときの仕返しとか言って
嘘言ってんだろ?」
私はあせってきた。全部ばれてる。
私は苦し紛れに頭が痛いふりをした。
「ああ、頭痛くなってきた。ごめんけど菊さまも田中さんも今日は
帰ってくれますか?」
「ふん!それも演技だろ?お前って都合悪くなるとすぐごまかすもんな!」
そういうと菊さまは帰って行かれた。
「それじゃあ、また○○さんお元気で。」
田中さんも帰って行かれた。
「○○、まさか嘘ついてたんじゃないよね?」
母が問い詰めてきた。
どうしよう。
秀規は病院から出て帰り道田中ひろしに呼び止められた。
「すみません!」
「はい?」
「あの、○○さんとはどういうご関係ですか?」
「何あんた誰?」
「失礼しました。僕は田中ひろしと申します。」
「○○とは何なの?」
「友達です。中学校の同級生なんです。」
「ふーん。」
秀規は彼の頭の先から足の先までなめるように見た。
自分より背は高く体格もがっちりしている。
それになかなかの男前だ。
秀規はふと、彼女は本当はこういうタイプが好きなのか?と自信が無くなった。
「あなたのお名前は?」
「菊地です。」
「菊地さんは○○さんとは・・・。」
秀規は彼です!と言おうとしたが、一連の彼女の仕打ちに腹を立てていたのも
手伝って、ついこう答えてしまった。
「ただの友達です。他に何か?」
「ああそうですか。じゃあ僕が○○さんにアタックしてもいいってことですよね?」
「どうぞご勝手に。それじゃあ。」
秀規はスタスタと早歩きでその場から去った。
頭の中で言葉がめぐる。
「ただの友達。ただの友達・・・。」
今の秀規に○○を許すほどの度量は無かった。
私はその頃母に詰め寄られていた。
「○○!本当のこと言いなさい!」
私は観念した。
「ごめんなさい。菊さまのこと覚えてないっていうのは嘘。
菊さまのこと試して面白がってただけなの。」
「まったくなんてことを・・・。
あなたの嘘のせいで余計な検査代はかかるし、第一菊地さんが一番
傷ついてるわ。明日もし来られたらちゃんと謝りなさい。」
「もう来ないよ。」
「そうかもしれないわね。もうあなた嫌われてるわ。
でも電話でもいいからちゃんと謝ることはしなさい。」
「わかりました。」
「先生には私から謝っておくわ。あなたもあとで謝りなさい!」
母はその日は帰っていった。
私は6人部屋なので他の人に聞こえないようにその夜静かに泣いた。
涙が次から次へと溢れてくる。
次の日泣きはらした顔で私は食事を取っていた。
先生からも少し怒られたけど、ちゃんと記憶があるなら良かったと安心された。
母は車椅子に私を乗せて電話ボックスへ連れてってくれた。
菊さまへ電話するために。
出てくれるだろうか?もう仕事にでかけてるかなあ?
私は祈るような気持ちでプッシュボタンを押した。
「もしもし。」
「もしもし、○○です。」
沈黙が流れる。
どうか菊さま切らないで!
「もしもし、今いいですか?」
「ああ、何?」
「あの、嘘ついてたこと謝ります。本当にごめんなさい。」
「やっぱり嘘か!バカヤロウコノヤロウメ!
お前みたいな女最低だ!人の心をもてあそびやがって!
お前なんか、お前なんか、大嫌いだ!」
ああやっぱり嫌われた。
私はもうあきらめモードに入った。後悔しまくりだけど・・・。
「ごめんなさい。嫌われて当然です。
じゃあ、今までありがとうございます。
菊さまに優しくされてとても嬉しかったです。
一生このことは忘れませんから。
どうぞお元気で。」
私は電話を切った。
涙で目がかすむ。
私の様子を見て母がハンカチを差し出してきた。
私たち親子は病室に静かに戻った。
「もしもし、あっ!切れた。畜生!勝手に切りやがって!」
秀規は地下鉄に飛び乗った。
今日はライブがあるから早く空港へ行かなければならない。
あいつと本当はもっと話したかった。
だけどつい罵ってしまった。
かけなおしたいけど、よく考えたら携帯は病室には繋がらないはず。
メールしてみようか?
でもあいつは車椅子がないと動けないから見ないかもしれない。
本当は昨日眠りながらあいつのこと考えてて腹は立てたけれども、
やっぱり好きだという気持ちは変わらなかった。
今回の嘘には正直傷ついた。
だけどあいつが素直になれないのはいつものこと。
自分だって素直じゃない部分はある。
それでも俺達分かり合ってきたはず。
秀規は彼女のことを手放したくなかった。
でも素直に彼女を許すことができるだろうか?
あ!今日は彼女の誕生日だったはず。
今日は日帰りだから、何か現地でプレゼントを調達して帰りの足で病室へ
行ってみようか?
そうすれば仲直りできるはず。
秀規は彼女を許そうと心に決めた。
今日お仕事には行けたのかしら?
ライブの第1部が終わり休憩時間、秀規はその町の繁華街へ足を運んだ。
あまり時間は無い。あせって何か良いプレゼントは無いか探した。
だけど田舎町のその繁華街ではこれといったものは見つからなかった。
「仕方ない東京に戻ってから探すか。」
秀規は楽屋へ戻った。
ライブが終わり帰り道、雨の影響で道が混んでいた。
なかなか車が進まない。
「ああ、早く東京に帰りたい。」
あせる秀規だがあせるほどに車は進まず時間だけが過ぎていった。
東京に戻ったら8時を過ぎていた。
「今から病院行ってももう面会時間過ぎてるよな・・・。」
でも夜遅くまで開いてる店でなんとかプレゼントを買った。
小さな猫のぬいぐるみがついた携帯ストラップ。
あまり高価なものではないが、彼女が猫好きだから喜ぶと思った。
秀規はその足で病院へ行ってみることにした。
正面玄関の一部が開いていた。
「よっかった入れる。」
秀規は逸る気持ちを抑えながらエレベーターに乗り込んだ。
○○のいる階に着き、彼女の病室の前まで来た。
皆静かに各々テレビを見たり本を読んでいるようだった。
○○の所はカーテンがしてあった。
なんだか顔をあわせるのは気まずい。
それとは裏腹に遭いたくて仕方ない。
意を決して、秀規はカーテンの前に行き声をかけた。
「こんばんは、菊地ですけど、○○さんいますか?」
「はい。」
カーテンを開けると彼女がびっくりした顔でこちらを見ていた。
「菊さま、どうされたんですか?」
「今日お前の誕生日だから・・・。
はい、これ。」
先ほど買ったプレゼントを渡す。彼女が包みを開け、中身を取り出した。
「わー、可愛い猫。菊さま今日忙しかったんじゃないの?
わざわざ買いにいってくれてありがとうございます。 大切にします。」
彼女は一応喜んでくれたみたいだ。だけどいつもより元気がなかった。
「いつもより元気ないな。どうしたんだ?」
「どうしたんだって、今日私たち別れたじゃないですか。」
「えっ?そうだったけ?俺は別れたつもりは無いぞ!」
「だってわたしのこと大嫌い!って言われたじゃないですか。」
「それは・・・・。そのときの言葉のあやで・・・。
お前勝手に電話切っただろ。だから話ができなかったんだよ。」
「それじゃあ菊さま・・・。」
「ああ、別れる気なんて無いよ。」
「私を許してくれるんですか?」
「今までだって許してきたんだ。今回も許すよ。 ただし、もうこんなややこしい嘘つかないでくれ。
俺のこと試さなくてもいいから。 俺はお前のこと愛してるから。」
そういうと秀規は彼女にキスした。
菊さまメイド服似合いそう
「おかえりなさいませご主人さま♪」
なんて言われてみたい
○○と仲直りして愛を確かめ合った秀規は翌朝気分よく目覚めた。
「これからも彼女のこと守っていこう。」
秀規はそう思っていた。
今日もライブで地方へいかなければならないので朝早く出かけた。
だが外は台風。
強い雨と強風に襲われながら秀規はもよりの駅まで歩いていた。
「服がびしょぬれだ。」
そう思いながら歩いているとふと電柱のそばに出してあるごみが目に留まった。
「あっ!前からほしいと思っていたあれじゃないか?」
駆け寄ってみるとそれは秀規がほしいと思っていたシューズキーパーだった。
びしょぬれになっているが乾かせばまだ使えそうだ。
「もったいないなあ。でもこれを持ち歩くわけにはいかないから、
すぐ家に持って帰ろう。まだ時間は大丈夫だろう。」
秀規はそれを拾った。
さあ、すぐ自宅に戻って置いてこなければ。
秀規がもとの道を歩こうとしたその瞬間、秀規の顔に何かが飛んできた。
「ぎゃー!」
一瞬の衝撃だった。
秀規は飛んできた看板にぶつかり、転げてしまった。
「痛いよー!」
おでこにぶち当たった衝撃で後ろへ転げた。
手をついたものの、洋服はびしょぬれ泥だらけ。
おでこに手をやると血がついていた。
「わあ、出血してる!あぁ・・・。」
秀規はショックで失神してしまった。
ピーポーピーポー・・・。
その頃私は菊さまがそんなことになっているとも知らず過ごしていた。
朝食を済ませ、昨日のお礼に菊さまへメールを打とうと思った。
母に病院のロビーまで車椅子で連れて行ってもらい、メールを打った。
「菊さま へ
おはようございます。昨日は来てくれてありがとう。
プレゼントさっそく携帯につけてます。
菊さままた会いに来てね。愛してます。
○○より」
送信。
私は菊さまからの返事を待つことにした。
ところが待てど暮らせど返事は来ない。
売店で時間をつぶしたりしたんだけど駄目だったので仕方なく病室に戻った。
そのころ秀規は○○の居る病院へ救急搬送されていた。
失神していた秀規だが、医者の手当てでようやく目を覚ます。
「あ?ここは?」
「病院です。これから怪我の手あてをします。
縫いますので。麻酔をします。」
「えー縫うんですか?あ!仕事があるんですけど。どうしよう。」
「仕事先に看護婦が代わりに電話しましょう。」
「マネジャーの携帯に電話を・・・。」
そして秀規は局部麻酔をして無事額を縫われた。
「念のため頭部CTとりましょう。」
CTの部屋へ連れて行かれる。
1時間後、異常なしと診断され秀規は開放された。
すぐマネージャーに連絡する。
「もしもし、今日は台風で交通機関が動かないから中止になりました。」
「ああそうですか。」
「怪我はどう?」
「はい、額を縫いましたが異常なしで帰ることができました。」
「そう、お大事にね。じゃあまた明日。」
「はいお疲れ様です。」
秀規は帰ろうとして、ふと気がついた。
「そういえばあいつのいる病院だった。」
私は菊さまは忙しいのかなあと思いながらテレビを見ていた。
外は激しい台風。ニュースでも各地の被害状況がながれていた。
「菊さま今日はどこでお仕事なのかしら?」
すると声がした。
「○○!おはよう!」
「き、菊さま!どうされたんですか?それにその包帯は?」
「実は・・・。」
秀規は事の顛末を話した。
「菊さま、粗大ごみなんて拾わないでくださいよ。」
「べつにいいじゃないか。」
「なにもこんな天気の日に拾うこと無いじゃない。
だから怪我するんですよ。
菊さま、もっと自分の体大事にしてください。
菊さまだけの体じゃないんだから。」
「俺だけの体じゃないって・・・。え?どういこと?まさか・・・」
「いいえ、違いますよ。
別に妊娠してるとかじゃなくて、私にとっても大事な人なんだし、
お仕事のこともあるんだから。菊さま体が資本なんだから、気をつけてね。」
「ああ、分かったよ。」
「でもよかった。その程度で済んで。
メールの返事が無いから心配したんですよ。」
「ごめん。そうだ、町内の掲示板にはってあったんだけど、来週花火大会が
あるらしい。お前見たいよな?」
「はい。でもここから見えるかなあ?」
「外出許可もらえないのか?」
「わからない。まだ腕も治らないし。」
「そうか、でもここの窓から見えるかもしれないし。」
二人はその後も楽しく歓談した。
花火大会の日が来た。
同じ病室の人の話によるとこの病院からも見えるらしい。
私は菊さまにそのことを話した。
「じゃあ、おれそっちに行くよ。」
菊さまが病院に来てくれることになった。
その晩私は菊さまを待った。
病室を訪れた菊さまを見てびっくりした。
なんと甚平を着ておられた。
「菊さまの甚平姿初めて見ました。素敵です。」
「そうか?似合ってるか?」
「はい。日本男児って感じで。惚れ直しました。」
まんざらでもなさそうな菊さま。頬がすこし赤みをさす。
私たちは病院の廊下から花火を眺めた。
ドーン、ドーン
花火の音を聞いていると夏だなあって思う。
今年は菊さまとこの花火を見れる。
私は初めての花火デートに胸をときめかせていた。
「わー、綺麗だなあ。」
菊さまの目が輝いているように見えた。
少年のように喜ぶ菊さまの横顔を見て、私は一層菊さまを愛しく感じた。
その後私は腕の骨折が治り、退院できることになった。
仕事にも復帰することになった。
松葉杖をついての出勤は大変だったが、父が車で送ってくれることになり、
なんとか仕事復帰できた。
そして、菊さまから菊地邸へ遊びに来ないかとお誘いがあった。
「お前の退院祝いするから。」
私は仕事から家に一旦帰り荷物を置いて、菊地邸へ行った。
ピンポーン。
「はい。」
「○○です。」
「今あけるよ。」
ドアが開く、するといつもと違う菊さまが目に飛び込んできた。
「ご主人様、お帰りなさいませ!」
なんとそこにはメイド服に身を包んだ菊さまがにっこり微笑んで立っていた。
「菊さま!どうされたんですか?」
「どうもこうも、今日はメイドになったんですのよ、ご主人様!」
私はあいた口がふさがらなかった。
菊さま頭ぶつけてから少しおかしくなられたのかしら?
私は戸惑いながらもリビングに通された。
「菊さまその服はどこで調達されたんですか?」
「アキバで揃えましたぁ!」
あくまでもぶりっ子系で押し通すつもりらしい。
まあいつもと違う菊さまも趣向が変わってて楽しい。
するとメニューらしきものを出してきた。
そこには「オムライス」と書いてあった。
オムライスしかないらしい。
「オムライスください。」
「はい、ご主人様!オムライスにはなんとお書きしたらよいでしょうか?」
「じゅあ、大好き○○ちゃん!でお願いします。」
「はいご主人様!」
菊さまが台所へ行かれた、私はこっそり台所をのぞく。
菊さまがオムライスらしきものを電子レンジに入れていた。
そして温め終わるとケチャップで文字を書いている。
私はすぐ席に戻り、菊さまが来るのを待った。
「おまたせしましたぁ。オムライスです!」
「ありがとう。」
私は食べてみた。
冷凍ものかと思ったけど、なんか手作りっぽい味がした。
ちゃんと「大好き○○ちゃん!」とケチャップで書かれていた。
「これは手作りですか?」
「はい、先に作って待ってたんです。
冷めたのでレンジにかけました。ご主人様!」
「とても美味しいよ。ありがとう。」
「ご主人様、この他に写真撮影のサービスもあります。」
「じゃあ、お願いします。」
すると菊さまはカメラを持ってこられた。
セルフタイマーをかけ、私はメイド姿の菊さまと写真を撮った。
「ご主人様、本当ならポラドイロでとるんですけど、今日は普通のカメラしか
無いので、後日現像してお渡しします。」
「はい分かりました。」
ちょっとどんな写真か楽しみだ。
食べ終わった私にお茶を出してくれた。
菊さまもいいかげんメイド言葉に疲れてきたようだった。
「菊さまもういいですよ。普通に喋ってください。」
「ああ、そうさせてもらうよ。今日のもてなしはどうだった?」
「はい、とても嬉しかったし楽しかったです。」
「そう、良かった。でも他の人には秘密にしてくれよ。」
「はい、二人だけの秘密ですねwww」
「どうせ変態だと思ってんだろうけど・・・。」
「そんなことないですよ。変なのは前から分かってますから。」
「なんだと?このやろうめ!」
そういうと菊さまは私をソファーに押し倒しくすぐってきた。
「きゃー、菊さま!くすぐったい、やめて!」
「ご主人様!これもサービスですわ。」
菊さまはしばらく私をくすぐり続けた。
私は久しぶりのスキンシップに笑いながらも嬉しさを感じた。
菊さまと触れ合うとやっぱり癒される。
そのうちに菊さまの目が真剣になってきた。
くすぐるのを止めて菊さまは私の目を見つめてきた。
「○○、愛してるよ。
お前が事故に遭った時俺、お前が死んだらもう生きていけないって思った。
だけどここにお前はこうして生きてる。
お前が生きてることに感謝するよ。
だからこれからも俺のために生きていってくれ。」
「はい、菊さま。
菊さまも私のために生きてください。」
私たちは抱き合った。
菊さまはメイド服を脱ぎ捨て、裸になられた。
久しぶりに見るその美しい裸体。
菊さまは私の足を気遣いながら優しく抱きしめてくれた。
ああ、やっぱり愛しい人に抱かれると気持ちいい。
私は菊さまの愛を一身に受け、身も心も癒され続けた。
二人はその後も抱きしめあい、愛を確かめ続けた。
おわり
田中ひろしは出オチですかw
779 :
田中ひろし:2007/07/17(火) 06:00:42
・・・・・・・・・。
祝800菊
2スレ目すぐ落ちるかと思ったら3スレ目行きそうだね。
まだラジオ聴いてないから詳しいことはわからないけど、
菊さまが体調不良のようです。
とても心配です。
御冥福を祈ります。チーン…
菊さまの風邪が早く治りますように。
おやすみなさい。
私は菊さまと仲直りして幸せだった。
足の方は相変わらずだったが、杖をつく不便さも気にならなかった。
なぜなら毎日菊さまから励ましのメールが来ていたから。
ただ、もう一人私を励ましてくれる人がいた。
それは田中ひろしさん。
彼が私に好意的なのは嬉しいことなのだが、彼とどう関わっていけばいいのか
私は悩んでいた。
まだ何も言われてないのに考えすぎなのかもしれない。
私は気になりつつも、日々菊さまと心通わせていることに喜びを感じていた。
ある日一通のはがきが来た。
往復はがきで、内容は中学校の同窓会の通知だった。
「同窓会かあ、行ってみようかしら。」
同窓会といっても学年全体で集まるというものらしい。
某ホテルの大広間で会費5000円と書いてあった。
ちょっと高い気もしたが、卒業して15年。
他のクラスの友達、クラブで友達だった子にも会ってみたい。
私はさっそく出席の返事を出した。
そのころ秀規は体の具合が悪く、休みの日は寝込んでいた。
「ああ、せっかく治りかけてたと思ったのに・・・。」
先週から風邪を引き気味。
でも今日はラジオの収録に行かねばならない。
朝早く出かけていった秀規はなんとか収録を終え家に帰ってきた。
すると○○からメールが入る。
「菊さまへ
今日夜お食事行きませんか?
へんじください。
○○より」
今日は体調悪いから断ろう。
「○○へ
ごめん。俺風邪ひいてだるいから行けないわ。
またの機会にしてくれる?
秀規より」
送信。
秀規はベッドに入り、昼ねすることにした。
私は仕事帰りに菊地邸を訪ねた。
ピンポーン。
しばらくすると菊さまが青白い顔で出てこられた。
「菊さま具合悪そうですね。病院へは行かれたんですか?」
「いいや寝てたから行ってない。」
私は菊さまのおでこを触らせてもらった。
「なんか熱がありそうですね。」
「ああとても体がだるい。ゴホっゴホッ!」
菊さまにベッドへ戻ってもらって私は看病することにした。
「菊さま食欲はありますか?」
「あまり無いよ。でも薬飲むんだったら何か食べようか。」
「じゃあ、おかゆ作ります。」
私は菊さまに新しい濡れタオルを乗せて台所へ立った。
おかゆを作り、菊さまのもとへ運ぶ。
菊さまがだるそうなので布団の上にお盆を載せて食べてもらうことにした。
私はその間に菊さまのパジャマや下着を出していた。
すると、机の上に一通のはがきがあるのが目に留まった。
「××中学校同窓会・・・。」
菊さまの卒業された中学校の同窓会の通知だった。
出欠の欄は空白になっていた。
菊さまは出席されるのだろうか?
「菊さま同窓会行かれるんですか?」
「ゴホッ。多分行かれないと思うよ。それ日曜だろ?」
「はい。そうですね。」
菊さまの中学生時代ってどんなだったんだろうか?私はとても興味があった。
だけど今まで菊さまはそういう学生時代のお話をされることは無かった。
あまりいい思いではないのだろうか?私は菊さまがどんな恋をされていたのか興味があった。
どんな女子が好きだったんだろうか。菊さまの卒業アルバム見たこと無いなあ。
見せてもらいたい。私は聞いてみた。
「菊さま、中学校の卒業アルバムあるんですか?」
「ああ、あるよ。」
「見せてもらえませんか?」
「見てどうするの?」
「どうもしないけど、15歳の菊さまを見てみたくて・・・。」
「押入れの中にあるから探してみて。」
私は押入れを開けさせてもらって言われたとおりの所を探してみた。
紺色のアルバムが出てきた。けっこう大きいアルバム。私はそれをそっと出し、ゆっくり開いてみた。
「菊さま何組?」
「○組。」
菊さまの組を見る。すぐに分かった。今より少し幼く頼りない感じ。
肌の色はとても白い。それは今と変わらない。でも全体的に変わってない。
「菊さま変わってないですね。」
「そうか?」
「菊さま、どの人がお友達だったの?」
「○○と××、△△。」
「ああこの人ね・・・。好きな女の子はいたの?」
聞いてはいけない気もしたけど気になった。
「別にいないよ。」
「へえ、そうなんだ。でも菊さまモテたんじゃないの?」
「ぜんぜん。っていうかお前からかってるだろう?」
「そんなつもりじゃないです。だってこんなに可愛いのに、ファンがいないわけ
ないと思ったから。」
「ハハッ。そんなことあるわけないじゃん。」
菊さまは力なく笑われた。
本当にしんどそうなので私は菊さまに服を脱いでもらい、蒸しタオルで
菊さまの体を拭いた。
そして下着を着替えさせ、水色のパジャマに身を包んだ菊さまは薬を飲まれた。
「ゴホッゴホッ、今日はありがとう。お前に風邪うつったらいけないから、
もう帰れよ。」
「はい、分かりました。菊さまそれじゃあしっかり寝てくださいね。」
「ああ、ありがとう。○○。」
私は菊さまの頬に優しくキスして菊地邸をあとにした。
○○が帰ってすっかり静まり返った部屋。
秀規は薬の力で徐々に眠気をもよおしていた。
体のあちこちの筋肉が痛む。
熱がだいぶ出てるようだ。
まどろみながら秀規は中学時代を思い出していた。
さっき彼女にしらを切ったけど、本当は好きな子がいた。
もちろん告白などできるはずもなく。
秀規の一方的な片思い。
「ああ、あの子どうしてるだろうか・・・。」
今でも覚えてる彼女の美しい横顔。
本当は同窓会に行ってみたい気もある。
でも無理だろうなあ・・・。
考えあぐねるうちに秀規は眠りについていた。
氷室さんのマネかっこよかったよ!菊さま!
途中噛んだのもご愛嬌。これからも菊さまのお話
いっぱい聞きたいです。おやすみなさい。
それから数週間たったある日私は同窓会へ出かけた。
ホテルの会場には同級生達が集まっており、懐かしさで一杯になっていた。
「○○ちゃん?」
「恵子ちゃん?」
「久しぶり、なんか大人になったね。」
「あなたこそ、綺麗になってるね。元気だった?」
私は部活で一緒だった友達と再会し、会話を楽しんでいた。
同窓会長の挨拶やら、各組の先生方の近況報告が報告された。
立食パーティー方式だったので各自好きなものを食べたり飲んだりしていた。
私は無意識のうちに田中さんの姿を探していた。
すると私の肩を叩く人がいた。
「やあ、○○さん、お久しぶり。」
見ると田中さんだった。
「こんばんは。」
「足の方はどう?」
「はい、まだ杖ついてますけど大分よくなりました。
その節はどうもお見舞いありがとうございます。
あの時はみっともないところお見せしてしまって・・・。」
「別に気にしないで。それより君が元気そうで良かった。
仕事にも行ってるんだよね?」
「はい。なんとか通勤してます。」
「今日は君にまた会えると思って楽しみにしてたんだ。」
その言葉にどんな意味があるんだろうか?
私は彼の気持ちをどう受け止めればいいのか分からなかった。
彼はまだ私と話したい感じだったが、それぞれクラスごとに集まりましょう
ということになり、私は自分のクラスの方へ行った。
先生や、同級生に会い私は同窓会を楽しんだ。
密かに好きだった男子にも会って話しができて、私は一気に青春時代へ
引き戻された感覚に陥った。
2時間ほどで会は終了となった。
それぞれ2次会にちらばったりしたが、私は足のこともあるので家へ帰る
ことにした。
私が友人達と別れタクシー乗り場へ行こうとしていたそのとき、
「○○さん!」
振り返ると田中さんだった。
「ちょっと待ってくれませんか?」
「はい、なんですか?」
「少し時間をくれませんか?お茶でも飲みながらお話したいんですが・・・。」
私は時計を見た。
まだ九時だし、まあいいか。
「はい。いいですよ。」
私たちはホテルの1階の喫茶ルームでお茶を飲むことになった。
「今日は沢山の同級生に会えて楽しかったですね?」
「ええ、田中さんは好きだった子に会えた?」
「ああ、彼女は来てなかったようで・・・。」
「そうですか。私は会えました。」
「それは良かった。」
しばらく沈黙が流れ、二人の元にアイスティーが運ばれてきた。
一口飲んで田中さんが口を開いた。
「○○さん。今日はお話したいことが・・・。」
「何ですか?」
私はドキドキした。でももしこれからの私たちのことだったら・・・。
「あなたに初めて会った時からあなたのこととても気になって。
気がついたらあなたのこと好きになってました。」
私は好きと言われてとても胸の奥から何かが湧き上がるような感覚を覚えた。
「あなたにもし今お付き合いしてる人がいらっしゃらないなら・・・。
僕と付き合ってもらえませんか?」
私は少し嬉しかった。
こんな風に正式にお付き合いを申し込んでくれる人なんて今までいなかったから。
でも嬉しがってばかりもいられない。
本当のことを話さなければ・・・。
私は彼の真剣な目を見て、正直に今の状況を話すことにした。
「実は、私にはお付き合いしてる人がいます。」
「え?そうなんですか?」
「ええ、田中さんも一度見かけたと思いますけど、田中さんがお見舞いに
来てくれた時のあの人なんです。」
「ああ、あの彼。でも僕はあの人に帰り道で出くわして、聞いたんです。
『○○さんとは付き合ってるんですか?』って。
そしたら彼は付き合ってないって。だから僕はてっきりただの友達だと
思ってしまった。なぜあの時あんなことを彼は言ったんだろう?」
「あの人怒ったらすぐそういう風に言うから。
本当誤解させてごめんなさい。
私あの人といっぱい今までも喧嘩してきました。
だけどどんなに喧嘩してもあの人のこと結局好きなんです。
この気持ちは多分これからも変えられないと思います。だから・・・。」
「そうですか。残念です。
でもあなたに気持ち伝えられてスッキリしました。」
「ありがとう。あなたみたいにストレートに告白されたの初めてだったから。
とてもあなたの気持ち嬉しかったです。」
「これからもメール友達でいてくれますか?」
「はい、宜しくお願いします。」
私たちはそれから笑顔で別れた。
とても良い人。だけど私は今菊さまのことしか考えられない。
この気持ちは変えられない。多分きっと。
秀規はその日久しぶりに事務所に寄った。
何通かファンレターが来ていた。
全盛期に比べるとファンレターの通数もかなり減った。
でも今月は多いほうか。
一抹の寂しさを感じながらもずっとファンでいてくれる人や新規のファンも
いるから、秀規は大切に手紙を読んでいた。
その中に一通はがきがあった。
よく見るとそれはファンレターではなかった。
「菊地秀規さまへ
お久しぶりです。××中学校○組の鈴木太郎です。
菊地君が先日の同窓会に来なかったので気になってました。
今度××中学校同窓会の東京支部でも同窓会を開くことになっています。
小さな会になると思います。
場所は○○レストランを貸切となっております。
日時は○月○日午後19:00〜です。
会費は5000円。
ぜひ菊地君にも来てもらいたいです。
返事待ってます。 」
秀規はそのはがきを持って帰った。
何度も何度も読み返す。
「どうしようか?」
スケジュールを確認する。
その日は空いてる。
行けそうだ。
鈴木に電話してみようか。
秀規はさっそく電話して出席すると伝えた。
今のところ15人ほど集まっているらしい。
そんなに東京に出て来ている同級生が居るとは・・・。
秀規は全然同級生達の近況とか知らなかったから驚いた。
地元の岩手だと地味だった秀規は多分誰にも覚えてもらってないような
気がして、行くのがおっくうだった。
だけど少人数で東京であるなら、なんとなく行きやすい気がした。
嫌ならすぐ抜け出せばいいし。
秀規は軽い気持ちで考えていた。
衝撃的な出会いがあるとも知らずに。
菊様は風邪ひいた方が面白いな
801 :
名無しさん:2007/07/22(日) 11:04:36
鼻かぜなら菊地様の大きな鼻の穴を、梅しばで蓋してみたい。
「痛いよ・・・苦しいよ・・・ゴッホゴッホ」って涙目で言ってほしい。
>>801 梅しば好きですねえ。
菊さまには悪いけどそれ面白そう。
でもあとが恐いよね。
その日はあっという間に来た。
秀規は同窓会の会場へ到着した。
ざっと見て20人ぐらい人が集まっていた。
受付で5000円払って名前を書いた。
「菊地さんですね。どうぞこちらへ。」
秀規は席に案内された。
幹事の鈴木が言うには一応クラス順に座るようになっているとのことだった。
自分と同じクラスの子って誰が来るんだろう?
秀規はドキドキしていた。
すると、誰かが話しかけてきた。
「菊地君ですか?」
振り向くと女性が立っている。
「はい。えーっともしかして佐々木さん?」
秀規は自分でも驚くほどさらっと彼女の名前が口から出ていた。
それはまぎれもなく秀規の大好きだった佐々木道子だった。
「はい。そうです。覚えてる?」
「も、もちろん。元気そうだね。」
「菊地君が芸能界で活躍してるの聞いてとても驚いてる。
でももうデビューしてだいぶたつよね。」
「う、うん。10年かな。」
「そう。すごいじゃない。」
「君は東京で暮らしてるの?」
「ええ、大学から東京でもう12年ぐらい住んでる。
会社員してます。」
「そうなの。」
秀規は彼女の左手を見た。
指輪ははめてない。独身か?でもはめない主義なのかもしれない。
彼女が独身かどうか確かめたかった。
確かめたところでどうなるわけでもないけれど・・・。
「えーそれでは同窓会を始めます。」
幹事の声で彼女は自分の席に着いた。
秀規の斜め前。
ビールが運ばれてきた。
「それでは乾杯!」
「乾杯!」
彼女の方を見る。
彼女も秀規を見ていた。
すぐ秀規は目をそらした。恥ずかしいので。
そして隣や前の同級生に話しかけた。
今日の秀規はなぜか女性に囲まれていた。
皆秀規のことを変わってないと口々に言う。
「僕のことなんて覚えてなかったでしょ?」
「そんなことないよ。覚えてるよ。」
秀規は嬉しかった。ここにいる同級生は秀規を覚えてくれている。
「ねえ、道子ちゃん今一人?」
「ええ。」
「学生時代からもててたよね。高嶺の花だったもんね。」
「そんなことないよ。今は仕事が恋人。当分結婚も無いと思う。」
秀規は黙って聞いていた。
そうか、独身かぁ。
あっ俺何を期待しているんだろうか?
俺には○○がいるんだから。
秀規はそう自分に言い聞かせた。
だけど、一層美しくなっていた道子を見て秀規は一気に青春時代へ
引き戻されたようだった。
もし、タイムリープできてあの頃に戻れて、彼女に打ち明けてたらどうなって
いたんだろうか?
どうせあっさり振られていただろうか?
彼女はもててはいたけど特定の彼氏とかは居なかったようだった。
好きな人はいたのかもしれないけれど、彼女はとても真面目な学生だった。
秀規は今でも眩しい存在の道子をしっかり瞼に焼き付けておきたいと
思い、彼女を見つめていた。
「菊地君最近テレビで見かけないけどどうしてるの?」
「ああ、舞台中心だから。」
「そうなの。じゃあ地方まわり?」
「そうだね。土日は営業だから皆とは逆だね。」
「そうなんだ。東京でもやることあるよね?」
「うん、あるよ。」
「教育テレビは時々見るから、あの体操もう長いよね?
私あの体操好きよ。」
体操好きよ・・・。
あなたのこと好きよ・・・じゃないのか。
おっと何を期待してるんだろうか?
秀規はこんなに道子を含め女子と学生時代話したことがなかった。
だけど今日は学生時代に話せなかった分沢山会話している。
なんだか夢見心地だった。
2時間という時間はあっという間だった。
これほど時間が経つのが早いとは・・・。
秀規はもっと皆と喋っていたかったけど会も終了。
道子がデジカメを持ってきたから写真を撮らせてと言ってきた。
憧れの彼女と写れるなんて、とても照れる秀規。
「現像したら送るから、住所教えて?」
「うん。」
住所を渡す。
皆秀規と写真を撮りたがった。
こんなに皆にちやほやされるなんて、まあ今宵限りのことだろうけども。
気分が良かった。
そして三々五々別れ、道子は帰り際秀規にそっと囁いた。
「菊地くん、彼女いるの?」
「え?う、うん。」
「そう、やっぱりね。菊地君って昔から可愛かったもんね。
あなたとても地味に振舞ってたけどあなたのこと好きだった子いたもんね。」
「えー嘘だろ。」
「いいや居たわよ。その子菊地君にバレンタインのチョコレート渡そうか
悩んでたんだけどね。結局恥ずかしくて渡せずじまいだったの。」
「へーえ、知らなかった。」
「気がつかなかった?」
「っていうかそれ誰なの?同じクラスの子?」
「同じクラスよ。」
「うーん、分かんないよ。俺なんか好きになってくれる子なんて信じられない。」
「けっこう鈍感なんだねw。まあそういうことだから。」
「え?誰か教えてくれないの?」
>>作家様
いつも楽しい小説ありがとうございます。お疲れさまです。
>>67のサイトに「誤解」更新しました。
彼女はいたずらっぽく微笑んだ。
「まあ、これは宿題ってことで。次また会えたら教えてあげるw」
「えー、教えてよ、誰なのさ!」
「ふふふ。まあ宿題って事で。今日はお開き!」
「えー!気になるよ。今日眠れないじゃん。」
「菊地君。」
彼女が急に真剣な表情になった。
「あなたは普通の会社員になると思ってたけど、自分の才能生かした
普通の人がなかなかできない道を歩いてるんだと思う。
私あなたが芸人やってるって聞いて最初びっくりした。
だけどあなたは真面目な人だから、きっと自分の道を切り開いていける
人だと思う。だからこれからも頑張ってね。
私あなたが東京で頑張ってるって思うと自分も頑張れる気がするから。」
秀規は彼女からそんな言葉を聞けるなんて思ってなかったので驚いた。
「ありがとう。君も頑張ってね。」
「じゃあね。」
「さよなら。」
彼女は夜の人ごみの中へ歩いていった。
彼女の姿が見えなくなるまで秀規は見送った。
この広くごみごみした東京の中で秀規の好きだった彼女は生きていた。
秀規は切なくなるのを感じながらそっとつぶやいた。
「道子ちゃんさよなら。」
秀規は反対方向へ歩き出した。
また何年後かに会える時自分はどうなっているんだろうか?
そして彼女もどうなっているんだろう。
考えても分からないけどまだ分からない未来を秀規は楽しみに待つことにした。
道子はしばらく歩いて振り返った。
秀規の去っていく姿が見えた。
彼女は立ち止まった。
彼の後姿を目に焼き付けるため。
涙があふれそうになってくるのが自分でも分かる。結構涙もろいのだ。
「菊地君・・・、答えは私よ。」
彼女はそっとつぶやいた。
あの時チョコレートを渡してたらどうなってたんだろう?
あの頃に戻れたら・・・。
でも今日再会して思った。
もうあの頃の菊地君ではない。
もう遠く手の届かない世界に彼は行ってしまった気がした。
沢山話せたけど、まだ学生時代の頃の方が彼を常に近くに感じていられた。
中学時代に好きになった人が人生の中で一番好きな人だって誰かから聞いたこと
があった。
今日彼に会えた時それが分かった。
あの頃のどうしようもない切ない想いがよみがえって来たもの。
だけどやっぱり15年の月日は長かった。
彼は変わってしまっていた。
私の大事な青春時代の君。
道子は溢れる涙をハンカチで押さえながらまた歩き出した。
「菊地君、幸せでいてね。」
彼女は地下鉄のホームへ消えていった。
後日秀規の元に道子から写真が送られてきた。
○○がその写真を見て秀規をからかう。
「どうしたん?菊さまハーレム状態じゃん!」
「うるさい!これは同窓会!」
「何よ。私のことなんて忘れてたんでしょ、鼻の下が伸びてますよwww」
「お前だって同窓会行ったんだろ?」
「あっ!これツーショットじゃないですか。
もしかして・・・この人じゃないのかな?あこがれのキ・ミ!」
「ち、違うよ。俺は好きな人なんて居なかったもん。」
「菊さま慌てぶりが怪しいですよ。」
「もう、この話は終わり!」
「えーもっと見たい。それと菊さまの恋のお話聞きたい!」
秀規と○○はその後も押し問答を続けていた。
やっぱり今はこいつ居るのが一番楽しい。
秀規は宿題の答えを出せずにいた。
分からないままでいいのかもしれない。
俺はこいつのことが今一番好きだから。
秀規は道子の想い出は過去のアルバムと一緒に閉じることにした。
「○○好きだよ。」
「急に何ですか?話そらさないでくださいよ。」
「うるさい、好きだっていってるんだから返事しろ!」
「もう、菊さまったら。」
いつまでもこうしてじゃれあっていたい。秀規は心からそう思った。
おわり
菊さままだ風邪ひかれてるようですね。
早く病院へ行けばいいのに。
心配です。
「おい、まだかよ?」
俺は、女房の背中に向かって言った。どうして女という奴は支度に時間が掛かるのだろう。
「もうすぐ済むわ。そんなに急ぐことないでしょ。…ほら翔ちゃん、バタバタしないの!」
確かに女房の言うとおりだが、せっかちは俺の性分だから仕方がない。
今年もあとわずか。世間は慌しさに包まれていた。
俺は背広のポケットからタバコを取り出し、火をつけた。
「いきなりでお義父さんとお義母さんビックリしないかしら?」
「なあに、孫の顔を見た途端ニコニコ顔になるさ」
俺は傍らで横になっている息子を眺めて言った。
「お待たせ。いいわよ。…あら?」
「ん、どうした?」
「あなた、ここ、ここ」女房が俺の首元を指差すので、触ってみた。
「あっ、忘れてた」
「あなたったら、せっかちな上にそそっかしいんだから。こっち向いて」
「あなた…愛してるわ」女房は俺の首周りを整えながら、独り言のように言った。
「何だよ、いきなり」
「いいじゃない、夫婦なんだから」
女房は下を向いたままだったが、照れているようだ。
「そうか…、俺も愛してるよ」こんなにはっきり言ったのは何年ぶりだろう。
少し気恥ずかしかったが、気分は悪くない。俺は、女房の手を握った。
「じゃ、行くか」「ええ」
俺は、足下の台を蹴った。
816 :
名無しさん:2007/07/28(土) 00:41:21
817 :
名無しさん:2007/07/28(土) 01:01:48
何?オナニー?
464:おさかなくわえた名無しさん :2007/07/15(日) 23:55:59 ID:I+8qMM32 [sage]
中学生の時、隣の席のいつもここからの菊地くんが、HR中に制服の上からチンコの部分を触って、その手を鼻へ持って行きました。
恍惚とした表情とも、うすら笑いともとれるような微妙な表情を浮かべて、幸せそうでした。
菊さまの眉が細くなったような気がした。
前の海苔のように太い眉が好きだったのに。
剛毛だからすぐ生えるよ
821 :
名無しさん:2007/08/02(木) 06:32:18
ふがしっ!
822 :
名無しさん:2007/08/02(木) 08:09:48
すごいね
>>822 何が凄いの?「ふがしっ!」が?
つーか
>>818の話は本当なの?かなりドン引きなんだけど。
美容板で菊地様の話してる人って菊地様ヲタなの?
菊地様は美しいけど、美容板だとなんだか浮いていて恥ずかしいのだが・・・。
>>824 何っていうスレッドですか?
見てみたい。
菊さまとの結婚生活も1年を迎えようとしていた。
私はここ数ヶ月子供がほしくてたまらなくなっていた。
排卵日をチェックしては子作りに励んでみたが結果は駄目だった。
「まだできなくてもいいよ。
二人だけの時間を大切にしようよ。」
菊さまはそう言ってくれるけど、周りの結婚している友達は次々と
子供が生まれている状況から私は一人あせりを感じていた。
「でも私あなたの子供がほしいよ。
あなたのこと愛してるから・・・。」
なみだ目で私はそう答えた。
菊さまは私を抱きしめてくれた。
「あせるなよ。必ずいつかできるから。」
私は優しい菊さまの言葉に癒され毎日眠りにつくのであった。
それから数ヶ月のこと。
相変わらず毎月排卵日をチェックしては子作りに挑戦していた。
だけど最近菊さまは私をそれほど相手にしなくなっていた。
「今日は疲れてるから・・・。」
菊さまはあまり真剣にしてくれない。
「菊さまもっと頑張ってよ。」
私は相変わらずあせっていた。
先延ばしでもいいことは分かっているのだが心の片隅にいつも引っかかっている。
そしてある日事件はおこった。
その日私は排卵チェックでOKと朝出たので仕事へ出かける菊さまに言った。
「あなた今日は早く帰って来てね。あの日だから。」
「ああ、分かった。」
菊さまは仕事へ出かけて行かれた。
そして夕方、私は美味しいご飯を作り待っていた。
だが7時頃電話がかかってきた。
「もしもし、急に友達と飲みに行くことになったから。」
「えー!早く帰るって言ったじゃない。」
「しょうがないだろう、付き合いがあるんだ!」
「お酒飲んじゃ駄目よ。
子作りに影響があるじゃない!」
「うるさい!少ししか飲まないよ。主人の言うことを信用できないのか!
バカヤロウコノヤロウメ!」
「もう、なるべく早く帰ってよ!」
電話を切った。
ああ、なんでこんな日に。
私はご飯を先に食べることにした。
結局その夜菊さまは夜中にべろべろになって帰ってきた。
「もう、こんなんい飲んで駄目じゃない!」
「うるさい!今日は飲みたい気分だったの!ヒック!」
そういうと玄関で寝転がってしまった。
こうなるともう動かないから仕方ないので廊下に寝かせた。
私の中でその日を境に何かが変わった。
次の日から私は夕方食事の支度をしているとビールを飲みたくなった。
「一缶ぐらいいいか・・・。」
私はぐびぐびビールを飲み干す。
子供ができないストレス、菊さまの態度、どうすることもできない自分。
なぜ私は妊娠できないんだろう?
その答えが出ない。
どうどう巡りの末、アルコールに依存するようになっていった。
次の月、またその日がやってきた。
だが約束したのに菊さまはなかなか帰ってこなかった。
私は夕方から酒を口にしていた。もう毎晩飲まないとやってられない。
そして菊さまが帰ってきた。
「ただいま。」
「ちょっと、早く帰って来てって約束したじゃない! どうなってんのよ!」
「いいだろ、帰ってきたんだから文句言うな! それより飯!」
私ははぶてながらご飯をついだ。
「どうしたんだその酒。」
「ああ、飲みたいから飲んでるの。」
「お前アルコールはあまりよくないんじゃないのか?」
「あなただって飲んでるじゃない。」
「お前子供ほしいほしいとか言いながら結局酒飲みすぎて 駄目なんじゃないのか?」
私はだまってしまった。
「まったく、人に早く帰れとか言う前に自分の行動を正せよ!」
その言葉で私は切れた。
残りの酒を一気に飲み干し、次の瞬間菊さまをおもいっきり殴っていた。
私の右手握りこぶしは菊さまの左頬をとても強くパンチした。
「うぅ、痛い、な、何すんだよ!」
その後も私は菊さまを殴り続けた。
倒れた菊さまの上に乗っかり、菊さまの両頬を何十回と殴った。
菊さまの高い鼻もおもいっきり殴り、両方の穴からは真っ赤な血がドバドバ
と流れてきた。
「やめてくれー!」
足をばたばたさせ、私の腹をたたいたり、つねったりした。
私はその手もおもいっきり掴み、隙をついて菊さまの胸や腹もぼこぼこに殴った。
しだいに菊さまが声を出さなくなりぐったりしてきた。
そこで私は我に帰り、とても大変なことをしてしまったことに気がついた。
私は恐くなってそのまま家から走って逃げた。
とりあえず公園まで走り、ベンチに座り込んだ。
「どうしよう。大切な人なのに・・・。」
私は菊さまを殺してしまったのではないかと思いパニックになってきた。
そして私は実家に駆け込んだ。
実家の母がびっくりして私に尋ねた。
「○○どうしたの?こんな時間に。」
「お母さん、どうしよう。」
「どうしたの?」
「秀規さんのこと私殺したかもしれない。」
「え?」
私は事の顛末を話した。
話を聞いた両親が菊さまの様子を見に行くことになった。
私には実家に居ろと両親は言った。
最悪の場合私は逮捕されてしまうのだろうか?
ああ、なんてことをしてしまったんだろうか・・・。
私はおもいっきり実家で泣き崩れてしまった。
そのころ秀規は気絶から目が覚め、ゆっくり起き上がっていた。
「痛いよー。」
秀規は洗面所に行って鏡を見た。
顔中あざだらけ、得に右目なんてお岩のように膨れて青くなっていた。
おまけに大量の鼻血。
リビングに戻り、ティッシュを鼻に詰める。
ソファに寝転んだ。
「ああ、あいつなんでこんなことを・・・。」
鼻血が喉に入っていくのが分かる。
気持ち悪い。
すると誰かが入ってきた。
「秀規さん大丈夫?」
○○の両親だった。
「ああ、ごらんの通りです。」
「あの子がこんな酷いことをするとは・・・。」
○○の父は絶句していた。
「とりあえず冷やして、病院へいきましょう。」
「いいえ、そんな大袈裟な。大丈夫ですから。」
「でも、あとで大変なことになってもいけないから。」
秀規は冷やしながら車で救急病院へ連れて行かれた。
どれぐらい時間がたったろうか。
私は実家のソファに寝転がって目を瞑っていた。
両親からの連絡を待っていた。
待っている間私は自責の念にかられていた。
菊さまへの暴力への責任を何らかの形でとらねばならないだろう。
警察に突き出されてもしかたないだろう。
そしてもう一緒に暮らすことはできないような気がした。
たとえ許してもらえたとしてももう主人に対してこれだけのことをしてしまった。
一生守る、愛していくって約束してくれた菊さま。
なのに私はひどい仕打ちをしてしまった。
電話のベルが鳴った。
「もしもし。」
「もしもし、○○?秀規さん今病院で手当て済んだから。
命に別状は無いわよ。でも鼻が折れたみたい。
今から家へ送り届けるからあんたも来なさい。」
「良かった死んでなかったんだね。本当に良かった。
でももう家には帰れないから・・・。」
「何言ってるの?ちゃんと謝ったら許してくれるわよ。」
「いいや、もう秀規さんに会わす顔がないから。
じゃあお母さんさよなら。」
「え?何言ってるの?もしもし、もしもし!」
私は電話を切った。
そして靴を履いて外へ出る。
実家のアパートの屋上へと階段を登る。
屋上は一応鍵がかかっているが、ガラスを私は叩き割った。
そして屋上へ入り込んだ。
靴を脱ぎそろえ、柵を乗り越える。
もう迷うことも無かった。
生きてたってしょうがない。
もう人間なんてやめたい。
菊さまのことは好きだけど、もうあの人に愛してもらう資格が無いもの。
だったら生きてても何の意味も無い。
子供ほしかったなあ。
だけどもう菊さまの子供を産むことも許されないだろう。
私は目を瞑りダイブした。
835 :
名無しさん:2007/08/09(木) 22:03:03
保守
数時間後、秀規は病院のベッドの上で痛々しく眠っている
○○を見つめていた。
○○の母親が、彼女の電話での様子がおかしいことを秀規に告げた。
急いで皆で彼女の実家へ戻った。
すると通行人らしき人やアパートの住人がアパートの垣根のところへ
集まっていた。
垣根は低い植え込みで作られていた。
秀規が駆けつけるとそこには彼女が横たわっていた。
「○○!」
秀規が呼んでも返事をしない。
「変な音がしたからベランダに出たら○○ちゃんがそこに横たわっていたのよ。」
1階の住人が秀規達に言った。
まもなく救急車が到着する。
救急車のサイレンで信じられない現実をいやおうなしに受け入れることになる。
運び込まれる○○と一緒に秀規も救急車に乗り込んだ。
「○○・・・。なぜこんなことを・・・。」
秀規はとても悲しくて涙がボロボロ出てきた。
病院へ到着して集中治療室へ運ばれていく。
結局命に別状は無かった。
垣根のおかげで助かったらしい。
病室で警察官に事情聴取を受けた。
「自殺する動機に心あたりは?」
「はい、実は・・・。」
秀規は今日会った出来事を話した。
自分に暴力を振るうほど彼女が子供のことで思いつめていたのだと思うと
秀規は自分の至らなさを痛感した。
秀規は彼女の手を握り締めた。
そして頬を撫でてみた。
温かい。
良かった。
生きててほしい。ずっと自分のそばにいて欲しいから。
これからはもっとお前のこと支えていくから。
お前の気持ちをもっと考えるよ。
「ここは・・・。」
彼女が目を覚ました。
「○○、病院だよ。」
「私死ねなかったんだね。」
彼女は天井を見つめたままつぶやいた。
「死ぬなんてバカなこと考えるな! 俺より先に死ぬなんて絶対許さない。」
「でも、私あなたに酷いことしたから。 もう生きてく資格なんてない。」
「そんなことない。お前に殴られたことなんて・・・。
確かに痛かったけど、お前の心はもっと傷ついていたって分かったから。」
すると彼女が起き上がろうとした。
「痛い・・・。」
腰を打撲してるから痛みが走るらしい。
「無理して起きるなよ。」
「嫌、起きる・・・。」
「今日は寝てろよ。」
「嫌だ、離してよ。もう一回死にに行くんだから。 もう生きていくの耐えられない。」
「バカ!」
秀規は彼女の右頬をおもいっきり平手打ちした。
「痛い!」
「お前、飛び降りたらこんな痛さじゃ済まないぞ! 死ぬなんて簡単に口にするな!絶対許さない。」
「だって、あなたの子供産めないなら生きてても仕方ないもの。」
「子供の居ない夫婦なんてこの世にいくらでもいるよ。 どうしても欲しかったらこれから治療すればいいじゃないか。
それでもだめだったら養子をもらえばいいし。 俺は子供が絶対ほしくてお前と結婚したんじゃない。
そりゃ、できれば欲しいけど・・・。
でもお前と一緒に生きて生きたいから。 お前を一生守りたいから結婚したんだよ。分かってくれよ。」
秀規は懇願するように彼女を見つめた。
だが、彼女はうわの空だった。
両親が説得しても尚のこと死にたいと連呼する○○。
秀規は当直の医師を呼び、薬を処方してもらった。
なんとか安定剤を彼女に飲ませ、眠らせた。
「ああ、なんてことだ。これからどうなるんだろう。」
秀規はとても不安になった。
「秀規さん、あなた明日仕事あるんじゃないの?」
「はい、でも○○さんのことが気になるから。」
「でも休むわけにはいかないでしょ。
顔に怪我させるようなことして本当ごめんなさいね。」
「明日はラジオだから顔はあまり関係ないですから。」
「でもライブ、今週もあるでしょうに。」
「ええ、まあなんとかメイクでごまかしますから。」
「今日はもう帰って、私がついてますから。」
「いいえ、僕もいますから。」
秀規は彼女がまた暴れだすのではないか、どこかへ飛び出してしまうのでは
ないかと気がかりだったのでその晩は病室に泊まることにした。
翌朝、秀規は彼女が目を覚まして診察を受けるのを見届けてから
仕事へ向かった。
放送局へ着くと相方に会った。
「おはよう。」
「お、おはよう。菊地さんその顔どうしたの?」
「ああ、ちょっと転んじゃって。」
「そうなの?大丈夫?」
「うん。」
なんとか取り繕う秀規。
スタッフも皆秀規のあざだらけの顔を見て驚きを隠せないようだった。
だがまさか妻に殴られたとは言えない。
収録中、ずっと相方がいつもより自分の顔を見ているような気がしたが
秀規は平静を装った。
そして収録が終わると足早に帰った。
それから数週間たった。
彼女の精神状態は徐々に落ち着いていった。
怪我の方も大分良くなっていた。
そろそろ退院してもいいということになった。
「私、実家に帰ろうと思うんだけど・・・。」
「ああ、しばらくその方がいいかもな。
毎日俺がお前の所に通うから。」
「・・・。そのことなんだけど・・・。」
「どうしたの?」
「来なくていいから。」
「え?」
「ねえ、ずっと考えてたんだけど私たち・・・。」
「なんだよ?」
「別れない?」
「何だって?」
秀規はなぜそういう方向に話が向かうのかよく分からなかった。
「あなたに迷惑かかるから。」
「そんなことない。夫婦なんだから。もっと俺のこと頼っていいんだよ。」
「私あなたの重荷になりたくないから。」
「重荷なんて思ってない。
なんでそんなこと言うんだよ?」
その後も話し合ったが平行線をたどるだけだった。
842 :
名無しさん:2007/08/16(木) 18:22:39
保守
それからしばらく、○○は実家に戻っていた。
秀規は彼女と別れるつもりは無かったし、彼女を支えていきたいと思っていた。
毎日電話したり、家を訪ねて彼女を励ました。
最初はあまり元気の無い声で何の話題をふっても気の無い返事しかしない彼女
だったが、しだいに秀規の気持ちが伝わり、大分元の元気な彼女に戻ってきた。
ある日仕事が終わった秀規は彼女の家を訪問した。
彼女の部屋に入ると大きなバッグが置いてあり、タンスの引き出しが開いていた。
秀規は彼女が帰ってきたくれるのかと思い、話しかけた。
「戻って来てくれるのか?」
「ああ、これ?ちょっと出かけようと思って。」
「どこへ?」
「広島。東京じゃ一人になれないから。」
「そんな遠くへ行かなくてもいいじゃないか!」
「大丈夫よ、親戚の家に泊まるから。」
秀規は彼女と離れたくなかった。
だが彼女自身が決めたことなので仕方なく送り出した。
私は新幹線に乗り広島県の尾道へ向かっていた。
私はこれからどうすればいいのかずっと考えていた。
菊さまとの結婚生活は続けるべきなのか?
菊さまは毎日私のことを気にかけてくれている。
とても助けられているのは事実。
だが、彼の負担になっているのではないか気がかりだった。
駅に到着すると、叔母夫婦が迎えに来てくれていた。
「○○ちゃん!疲れたでしょう?」
「いいえ、お久しぶりです。しばらくお世話になります。」
約20年ぶりの広島への里帰り。
でも昔とあまり変わっていない気がした。
多少近代的な建物は増えているけれども、なぜかほっとできる感じだった。
○○が東京から居なくなって数日、秀規は毎晩彼女の声を聞きたくて電話した。
彼女は元気そうな声をしていたが、彼女が何を考えているのか不安だった。
もしかしてまだ離婚のことを考えているのか?
口に出してしまうと現実に話がその方向に進んでしまいそうで恐かった。
毎日とりとめのない話をして、おやすみを言って電話を切る。
そのうちに秀規は彼女の顔を見たくてしょうがなくなっていた。
彼女に触れたい。強く抱きしめたい。
どうにかして彼女のもとへ行きたかった。
「そうだ!この日にしよう。」
スケジュールを確認したら数日後山口県へ仕事に行くことになっている。
その帰りに彼女を訪ねてみよう。
さっそく彼女に電話する。
「もしもし、俺だけど。」
「何ですか?」
「あのさあ、今度の日曜日そっちへ行くから。駅まで迎えにきてよ。」
「えっ?こっちへ来るの?」
「ああ。嫌か?」
「なぜ来るの?」
「お前の顔見たいから。」
「顔見たいなら写メール送りますよ。」
「そんなんじゃ嫌なの!何だよ!旦那にさんざん心配かけやがって!
会いたいから会いに行くんだよ!文句あるのか!」
しばらく彼女が黙った。
「・・・。分かりました。来てください。」
「じゃあ、また当日電話するから。」
「おやすみなさい。」
菊さまが私を訪ねようとしているとは思わなかったので少しうろたえてしまったが、
拒む理由も無いと思った。
私は散歩に出た。
近所のお寺の階段を登る。
途中、いつも会う黒猫に出くわした。
「ニャー。」
猫の方から挨拶してきた。
私は近くにあったベンチに座り、猫を膝の上に乗せた。
猫をさすりながら私は考えていた。
私はなぜ菊さまを好きになったんだっけ?
数年前、私はたまたま近所に住んでいると知った菊さまに握手してもらった。
それから何度もみかけるようになって、いつの間にか仲良くなって。
私の方がものすごく彼のことを好きになっていた。
けんか友達みたいな関係だったけど、そのうちに菊さまも私のことを好きに
なってくれて・・・。
その後別れて私は別の人と結婚したけど、旦那に先立たれた。
それを知った菊さまは私を慰めてくれた。
そしてまた付き合うようになって結婚した。
私は菊さまの我ままなところ、毒の強いところ、本当はとても優しいところ、
自分の意見をしっかり持っているところなど、今まで見てきた。
ここ数日間尾道に滞在して町の中を歩き回った。
尾道には25ほど寺がある。
それに神社も含めると行き先はたくさんあった。
坂道を上ったり下ったり、狭い路地を通ったり、途中犬や猫に会ったり。
そして、山の上から尾道水道を眺めて風に吹かれていると、必ず菊さまを
思い出した。
一人になりたくてこうして歩き回っていても、結局毎日あの人のことを
考えない日は無い。
でもいくら好きでも、夫の事を支えていけなければ結婚生活は成り立たない。
これから私は菊さまを充分支えていけるのだろうか?
まだあまり自信が無かった。
しかし、離婚して一人で生きていくのも自信が無い。
そうこうする内に、日曜日が来た。
叔母に菊さまが泊まることを話して了解をもらい、私は彼を迎えに駅へ向かった。
もう夜の9時前だった。
新幹線はもうすぐ到着するはず。
私は改札口で待つ。
すると見覚えのある白くて細い男が出てきた。
「菊さま!!」
「○○!!」
私は菊さまに駆け寄った。
私は人目があるのも忘れて、菊さまに抱きついた。
すると菊さまがへなへなっと地べたに座り込んだ。
「どうしたの?」
「ものすごくさっきからしんどくて・・・。」
私は菊さまの顔色がいつもより悪いことにようやく気がついた。
おでこを触ってみるととても熱い。
そういえばこの前から咳してたような気がする。
「菊さま、病院へ行きましょう。」
「ごめん。せっかくお前に会えたのに・・・。」
私はタクシーを拾い、救急病院へ向かった。
病院へ到着し、菊さまは診察を受けて点滴をすることになった。
1時間ほど菊さまは点滴により眠りにつかれた。
私はその間、菊さまの寝顔を見つめていた。
ものすごく疲れていたのだろう。
ああ、私は何してるんだろう。
彼のそばに本当はずっと居なければならなかったはず。
自分のことしか考えていなかったから彼の健康状態も把握できずにいた。
私は菊さまの手を握り締めた。
けっして頑丈ではないその体でいつも頑張っている菊さま。
すると、菊さまが目を醒まされた。
「菊さま・・・。」
「すっかり眠っちゃったな。」
「菊さま、私、東京に帰ります。」
「そうか。」
「菊さま、また私と一緒に暮らしてくれますか?」
「もちろん。俺達夫婦じゃないか!」
「ありがとう。菊さま、私もっと強くなるように努力するから。」
「あせらなくていいんだよ。俺のそばに居てくれるだけで嬉しいんだから。」
菊さまは私の手を強く握り返してくれた。
ずっとこの手を握っていたい。そう強く思った。
852 :
名無しさん:2007/08/23(木) 00:40:22
age
菊さまが一生じゃないかもしれないけれど結婚するつもりが無いと
言われてましたが、人並みに家庭のぬくもりを味わってほしいです。
菊さまみたいな可愛い人女がほっとかないと思うんだけどな。
午後11時過ぎ、私は菊さまを連れて叔母の家に戻った。
部屋には布団を敷いてくれていたので、そこへ菊さまを寝かせることにした。
菊さまはクーラーに弱いので窓を開け風を入れた。
熱が完全に下がっていない菊さまを氷枕で冷やしてあげた。
「菊さまゆっくり寝てくださいね。」
「うん。ありがとう。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
私たちは久しぶりに夫婦並んで寝た。
次の日私が目を醒ましてみると、まだ菊さまは寝ておられた。
きっと疲れているのと薬が効いているのだろう。
ゆっくり眠らせてあげることにした。
叔母にはせっかく菊さまも来たんだからゆっくり泊まっていけば良いと
言われたが、菊さまの仕事の都合もあることだし、菊さまのことが心配で
たまらないので翌日帰ることにしようと思った。
しばらくすると菊さまが起きてこられた。
「おはよう、○○。」
「おはようございます。具合はどうですか?」
「だいぶ良くなったような気がする。」
熱を測ってみると平熱に戻っていた。
すると「グー!」っと菊さまのお腹が鳴った。
軽い朝食を摂りながら菊さまが言われた。
「後で散歩してみたい。」
「大丈夫ですか?まだ疲れ取れてないんじゃないの?」
「いつまでも寝てても仕方ないし、気分がだいぶいいから。」
「分かりました。じゃあ千光寺へ行って見ましょうか。」
秀規はロープウェイから尾道の町並み、海を眺めた。
広島には何度も仕事で来ているはずだったが、こうして観光するのは初めて
だった。彼女とこうして旅をするのみ久しぶりだった。
寺に着いてお参りを済ませ、景色を眺める。綺麗な海を眺めていると泳ぎたくなる。
「今年はもう海水浴行けないな。」
「また来年きっと行きましょうよ。」
「そうだな。」
「菊さまのセクシーな水着姿また見たいですよ。w」
「何がセクシーだ!バカヤロウメ!」
「だってあの黄色のブーメランパンツ、よく似合ってらっしゃったから。」
秀規は少し怒ったけど、こうして彼女と和気藹々と会話できるようになって
嬉しかった。
電話だけよりやっぱり彼女の顔を見て話せるって幸せだと思った。
彼女の横顔を優しい風に吹かれながら見つめていた。
「どうしたの菊さま?私の顔に何かついてる?」
「いいや、別に。」
顔を赤らめ、秀規は彼女を自分の方へ抱き寄せた。
「菊さま・・・。」
「お前、また菊さまに戻ってるけど、俺のこと「ひでのり」って呼んで くれないのか?」
「ごめんなさい。つい癖がついてしまって。」
「菊さまでもいいけど、たまには「ひでのり」って呼んで欲しい。」
「分かりました。ひでのりさん!」
「○○・・・。」
秀規は彼女を強く抱きしめた。秀規にとってかけがえのないとっても大切な体。
愛しいその体を抱いて秀規は涙が溢れてきた。彼女をいつまでも大切にしたい。
二度と自分の元を離れないようにしっかり繋ぎとめて守ってやりたい。
心の中でそうつぶやくのであった。
857 :
名無しさん:2007/08/28(火) 05:18:34
あげ
858 :
名無しさん:2007/09/01(土) 16:17:39
↑妊娠の展開きぼう↑
そして啓子ママにいじめられて流産キボン!
東京に戻った私たちはまた元の結婚生活を送ることになった。
久しぶりに菊さまとの愛の巣に戻ってみて、とても懐かしく思った。
私がいない間でも菊さまはたいして不自由はしてなかったようだ。
でも、お前がいなくてすごく寂しかったよと菊さまに言われた時、とても
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
台所に立った私は、食欲のあまりない菊さまの為にソーメンをゆがいた。
正直暑くてしょうがなかったけど今までサボった分菊さまに償いをしなければ
ならない。
ゆがいたソーメンにトマト、しそ、なすびと梅肉をのせ、つゆをぶっかけた。
あとは、玉子焼きとかぼちゃの煮物を作った。
風呂からあがった菊さまと夕食をとる。
「お前の料理食べるの久しぶりだな。おいしい。」
「菊さま、無理しないで残していいから。」
「そういえば、今度花火大会があるらしいんだけど、どう?夏の最期の思い出
に行ってみないか?」
「花火かあ。いいですね。」
「人ごみ大丈夫か?」
「菊さまと一緒なら多分大丈夫。」
「じゃあ行こうか。」
数日後、都内で盛大な花火大会が行われた。
テレビでも中継されるけど、やはり夏の思い出、いや、菊さまと出かけることに
意義があると思った。
私は夕方実家に寄って浴衣を着付けてもらった。
浴衣なんて子供の時以来。
そして菊さまと一緒に地下鉄に乗って出かけた。
会場に着くと人で一杯。
座るところなんてどこにも無かった。
仕方ないから立って見ることになったけど、人や建物が邪魔で花火の大輪を
全て見ることは叶わなかった。
だけど菊さまがはぐれないように手をしっかり握ってくれてて、私はとても
嬉しかった。
菊さまと一緒に夏を感じることができる。
菊さまの花火を見る目は少年のように輝いていた。
1時間ほど見て終了したので人ごみにまぎれて帰宅した。
帰りの地下鉄もごった返していた。
けっこうへとへとになって自宅に到着する。
「アー疲れた!」
私は浴衣の帯を外そうとした。
「ちょっと待った。俺に外させろ!」
そういうと菊さまは私の帯をひっぱり、くるくる回しながら浴衣を剥ぎ取った。
「イヤーン菊さま。」
そして菊さまに強く抱き寄せられた。
いつになく真剣な顔で菊さまが迫ってきた。
「菊さま・・・。汗臭いからお風呂に入ってから・・・。」
「別にいいよ。お前の匂い好きだから。」
「でも・・・。」
菊さまが厚いキスをしてくる。
キスしあったまま二人はベッドに倒れこんだ。
長いキスを受けた後、菊さまが私の下着に手をかけてきた。
「菊さま、やっぱりお風呂入りたい。」
「そうか、分かったじゃあ一緒に入ろう。」
私たちは久しぶりに一緒にお風呂に入り体を洗いっこした。
そして風呂から上がり、髪も乾かさぬまままた裸でベッドの上で抱き合った。
菊さまは私の感じやすい耳から順に舌で責めてきた。
丁寧に時間をかけて愛撫され、私は身も心も菊さまの愛情をたっぷり受けて
女としての喜びをかみしめていた。
花火を見た感動と、久しぶりの夫婦の営みの興奮で私たちは長く熱い夜を
すごすことになった。
864 :
名無しさん:2007/09/04(火) 18:14:12
♂×♀
865 :
名無しさん:2007/09/09(日) 00:21:05
あげ
心も体も愛で満たされ、気分良く目覚めることができた。
愛されてるって実感できると何でも頑張れる気がする。
いつもより家事もてきぱきできるようなきがする。
午前中、菊さまと一緒に近所のスーパーへ買い物に出かけた。
菊さまは冷凍食品売り場へ直行された。
「菊さま、何が欲しいの?」
「そばが食べたい。」
「そんなにそばが好きでしたっけ?」
「あまり食欲ないから。それに友達の家で食べさせてもらって美味しかった
から。」
「そば食べたいなら乾麺買ってゆがきましょうか?」
「いいよ、面倒くさいだろう?これなら電子レンジで温めればいいから。」
そういえば朝食のパンも半分残してたなあ。
痩せてるわりには大食いの菊さまだったが、今年の暑さにはすっかりまいって
いるようだった。
私は別の売り場へ行き、菊さまが元気になれるような食べ物が無いか
探した。
ステーキでも食べさせて元気をつけてもらいたいけれど、肉は欲しくないと
言ってたからだめだ。
いろいろ探していると、そういえばネバネバしたものだったら精がつくし、
食べやすいのではないかと思った。
オクラ、納豆、山芋を買った。
それと、スープ売り場にスッポンのスープの缶があったのでそれも買った。
スープなら飲めるだろう。
夕食時にさっそくざるそばと一緒にスープを出した。
「これ何?」
「スッポンのスープだって。菊さまが元気になればと思って買ったの。」
菊さまはスープをたいらげた。
夜、洗い物を片付けてお風呂に入り終わった私は寝室へ行く。
部屋に入るとベッドの上で菊さまが座っていた。
「菊さま明日仕事なんだから早く寝なきゃ。」
「それがさあ、なんだか目が冴えちゃって眠れないんだよ。」
もしや、あのスープのせいかしら?
「菊さま、体の具合はどう?」
「ああ、そういえば・・・。」
菊さまがパジャマのズボンの中を覗く。
「ものすごく元気になってる。」
抱き合って疲れれば眠れるのではないだろうか?ということになり、
私たちは夫婦の営みをすることにした。
菊さまは精力的に私を愛してくれた。
本当に夏ばてしてたのか?というほど。
翌朝、昨晩の営みで私はけっこう疲れていたが、菊さまが朝早く出かけられる
ので眠気をガマンしながら朝食を作った。
「なあ、あのスープまだあるの?」
「はい。もう一本ありますよ。」
「今日は朝飲んでみようか。そうしたら一日中元気でいられるだろうから。」
「まだ暑いからその方がいいかも。
それで仕事するのが楽になるなら飲んでください。」
菊さまはスープを飲み干した。
夜遅く、日帰りで京都から菊さまがお帰りになった。
「菊さまおかえりなさい。暑かったでしょ?」
「ああ、でもなんだかスープが効いたみたい。
いつもより疲れが少ない気がする。」
「よかった。またあのスープ何本か買っておきましたから。」
「ああ、これから当分毎日飲んでみようかな?」
菊さまがこれで夏バテから開放されればいいなあと私は純粋にそう思っていた。
それから1週間、毎朝スッポンのスープを秀規は飲み続けた。
これさえ飲んでれば大丈夫だ。純粋にそう思っていた。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
毎朝○○に軽くキスしてもらって出かける。
まだまだ新婚気分が抜け切れてない二人だが、ここ毎晩体を重ねあって、
とても夫婦としての関係が良好だ。
昔はしょっちゅう喧嘩していた二人だが、あの頃よりは年もとったし、お互い
の性格が丸くなったのもあるのだと思う。
悲しいことや苦しいことも二人で乗り越えてきた。
これからもそういうことがあるかもしれないけれど、あいつとだったら強く
生きていける。
秀規はそう確信していた。今とても結婚してみて幸せだ。
一生結婚しないって決めてた時期もあったけど、パートナーがいるってとても
心が満たされて、自分も優しくなれて・・・。
本当生まれてきて良かったと思った。
今日は都内でライブだった。
楽屋に着く。
「おはよう菊地さん、あれ?なんか鼻から血が出てるよ?」
「え?うそ?」
相方に言われてはじめて鏡を見る。
右の鼻の穴から鼻血が出ていた。
急いでティッシュでおさえる。
鮮やかな真っ赤な血がみるみるうちにティッシュを染める。
「どうしよう、もうすぐ本番なのに。」
「冷やしたらどうかなあ?」
相方が冷やしたタオルを持ってきてくれた。
鼻にティッシュをつめ、鼻の上の方を冷やしてみる。
寝転んでいると、どんどん喉に血が入っていく。
あと本番まで30分。なんとか止まるように祈った。
本番5分前、ティッシュを取ってみたが、まだ止まらなかった。
仕方ない、小さく丸めたティッシュを鼻の奥に詰めた。
スーツのポケットに沢山ティッシュを詰め込み、舞台へ出た。
「悲しい時〜!」
血の味がする口、気持ち悪いけど叫ばなければならない。
全く、なんでこんなことになったんだ!
もしやスッポンスープのせい?
秀規の体にはスッポンの成分はきつ過ぎたのだろうか?
元はといえば、○○が買ってきて俺に飲ませたのが原因だ!
秀規はだんだん腹がたってきた。
ひ弱な秀規鼻血が出ただけで、貧血になっていくような気がして倒れそうに
なっていた。
なんとか気力で持ち直し、その日のライブは終わった。
私は菊さまのただいま好物のそばを用意し、山芋や卵豆腐を用意して
待っていた。
菊さま大分食欲が回復されてるけど、まだご飯はうけつけないらしい。
そのわりには夜の営みはものすごいけど。
「ただいま。」
「おかえりなさい。今日はどうでした?あれ?どうしたのその鼻?」
「どうもこうもない!今日は大変だったんだぞ!」
「どうされたの?鼻血?」
「全部お前のせいだ!」
そういうと、菊さまは私をおもいっきり突き飛ばした。
「痛い!何するんですか?」
「お前が余計なもの飲ませるから血が止まらなくなったんだよ!」
「そんな!自分でも気に入って飲んでたじゃないですか?」
「うるさい!大体お前が最初に買ってきたんだろうが!」
「私はあなたの体が心配だからよかれと思って・・・。
ごめんなさい。そんな大変なことになってたなんて・・・。」
「ふん!お前なんか嫁失格だ!主人の健康管理もできないタダ飯食いの
豚め!」
そういうと、菊さまは寝室に閉じこもってしまわれました。
ああ、こんなことになるなんて。
せっかくここ最近菊さまの機嫌が良くて、私たちこのままいい夫婦で居られる
って確信してたところなのに・・・。
体が資本なのに、主人の健康管理に失敗してしまった。
何度も話しかけたけど、菊さまは出てきませんでした。
ああどうしよう。
874 :
名無しさん:2007/09/12(水) 19:11:10
↑ヤリマン嫁↑
875 :
名無しさん:2007/09/17(月) 19:25:30
age
876 :
名無しさん:2007/09/24(月) 07:54:31
元祖小島よしお
地味におもれーw
続きが気になるよ!
878 :
名無しさん:
その夜菊さまはドアを開けてくれず、私はソファーで夜を過ごし、翌朝お粥を用意した。
菊さまが起きてきた。
「菊さま、具合大丈夫ですか?お粥を用意しました。」
「・・・。」
「食べられますか?」
「・・・。」
「無視しないで下さい!」
秀規は無言でお粥を台所に捨てた。
「何してるんですか!?」
「お前の飯なんか二度と食わねぇ!何が入ってるか分からないからな!
俺を殺そうとしてるんだろ!」
「は?そんな訳ないじゃないですか!今後はしっかり健康管理しますから許して下さい!」
「そんなの信じられるか!バカヤロコノヤローメ!」
秀規は○○を突き飛ばし、仕事に出掛けた。
何でこんな事に・・・。今度の喧嘩はいつまで長引くだろうか。
もしかしたら今度は離婚かも知れない。
○○は悲しさで泣き崩れ、昨晩ソファーで寝た疲れからベッドで深い眠りについた。
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「ん・・・げっ!もう11時!?ヤバい夕飯作らなきゃ!」
ガチャッバタンッ
「ヤバい!菊さま帰ってきちゃった!」