関西vs関東若手漫才対決勃発殺人事件前編予告編

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1司会進行:はりけ〜んず
こんな感じの
中川家 VS くりぃむしちゅー
フットボールアワー VS アンタッチャブル
ますだおかだ VS おぎやはぎ
2丁拳銃 VS 品川庄司
笑い飯 VS キングオブコメディ
千鳥 VS ポイズンガールバンド
麒麟 VS スピードワゴン
チュートリアル VS タカアンドトシ
ハリガネロック VS 18KIN
アメリカザリガニ VS 飛石連休
2名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/26 00:06
2丁拳銃&ハリガネロックは関東 千鳥は岡山 
3 :04/03/26 00:06
全部つまんない奴らだね
4NANACY:04/03/26 01:21
チャイルドマシーン VS チョップリン も?
5名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/26 04:15
>>4
どっちも関西人じゃないの?
6名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/26 19:50
チャイルドマシーンは関東芸人
7名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/26 19:53
ウチ麒麟とSPW好きだから
殺し合いは止めて欲しいなあ
8NANACY:04/03/26 23:51
そいえばなんとなく吉本VS松竹ectや
笑いのスタイルみたいなものでカテゴってた。
9名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/27 09:58
どういう意味?
10NANACY:04/03/27 14:37
かんたんに ノリVS雰囲気 とか?
11名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/27 15:50
意味不明
12 :04/03/28 07:53
そういうスレがあったってこと?
13名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/28 08:00
いまいち盛り上がらんスレだな
14名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/29 21:15
勃起殺人事件
15 :04/03/29 21:17
チュートリアルvsタカアンドトシ・・・・・いい線行ってるね
中川家にはまず品庄をヌッ(ry
17名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/29 21:42
  関東          関西
アンジャッシュ VS FUJIWARA(コント対決1)
ラーメンズ   VS バッファロー吾郎(コント対決2)
アンタッチャブルVS ますだおかだ(漫才対決1)
おぎやはぎ   VS フットボールアワー(漫才対決2)
名刀長塚    VS ケンドーコバヤシ(危険ピン芸人対決)
アンガールズ  VS チョップリン(シュール対決)
品川庄司    VS キングコング(ミーハーだらけ対決)
江戸むらさき  VS ヘッドライト(ショートコント対決)
パックンマックンVS ジパング上陸作戦(日本人+外人対決)
シャカ     VS アメリカザリガニ(ハイテンション対決)
劇団ひとり   VS 友近(リアルキャラ対決)
長井秀和    VS ハリガネロック(毒舌対決)
東京03    VS 安田大サーカス(トリオ対決)         
18  :04/03/29 21:51
7-6で東京の勝ち〜。
19名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/29 22:58
>>17です。漫才対決なのにコントとか書いちった 失敬
20名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/30 14:33
ageteyo.iiyone?
21名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/30 14:46
対決はまだいいとして殺人事件って
しかも前編の予告編って
後編できるほど盛り上がると思ってたんだろうな1は
22 :04/03/31 05:54
いや、ただ漢字を羅列したかっただけ
このメンツならバナナマンもいれてほしいなあ…。
あとできればおぎやはぎはコントでお願いしたい。
アンガールズ→キングオブコメディでも面白そうだね
24名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/31 12:28
キンコメか。シュール
じゃあ、
バナナマン×千原兄弟
おぎやはぎ×ジャリズムあたりでどう?
キングオブコメディ×千鳥とか
クワバタオハラ×青空のM-1準決勝に残った女性コンビ対決でも可。
26名無しさん@お腹いっぱい。 :04/03/31 16:19
なんだ、リレー小説系のスレだと思って来たのに違うのか
ほんとだ。早く殺人事件の芸人小説きぼんぬ
芸人名並べてるだけじゃん
え?漫才・コント対決番組やるとしたらのスレだと思ってた。
29名無しさん@お腹いっぱい。 :04/04/01 07:48
余計な言葉を入れたスレタイが悪い
これじゃ間違う
30名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/03 06:49
コント対決
FUJIWARA VS ペナルティ
>>30
見てぇ〜w
32 :04/04/13 12:44
濃いねw
33名無しさん@お腹いっぱい。:04/04/26 23:53
あげ
34 ◆OzawawMuCs :04/05/03 22:00
井戸田は乱れた息を落ち着かせるために軽く深呼吸した。
まだ迫ってくる足音。
その足音の張本人、麒麟の川島が刀を構え笑ったままこちらに近づいているのだ。
川島の体からはぼたぼたと血が垂れているが、そんなことには構わずに川島は歩き続ける。

「嘘だろ!?あいつ本当に人間かよ!」
額を押さえて思わず井戸田は呻くように呟く。
「小沢さん…。」
自分を川島から庇った小沢の姿をもう一度思い浮かべる。
小沢が望んだとはいえ、近くの林に独りで置いてきてしまった事を後悔する。
井戸田は相方の血に濡れた銃を再び強く握り締めた。
「仇は俺がとってやるから…。」

その頃、必死に川島を探していた田村が、出血の為に身動きが取れなかった小沢を発見する。
その時、田村がした行動とは…。


妙にバトロワ風(死)
35名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/03 22:48
>>17
左左右右右右右左左右左右左

6対7で関西の勝ちだな
36 :04/05/12 00:16
気になるのであげ
>>34

続きが気になる
38 ◆OzawawMuCs :04/05/13 23:13
気になってもらって嬉しいのであげ
>>34の続きが読みたい…。
書いては頂けないだろうか?
40 ◆OzawawMuCs :04/05/15 13:05
あんなヘボい物、書いていいのか?
というか、ここは何のスレなんだ?
41名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/15 13:15
関西人だけど素直な感想

1、FUJIWARA
2、バッファロー吾郎
3、アンタッチャブル
4、引き分け(おぎやはぎVSフットボールアワー)
5、ケンドーコバヤシ
6、アンガールズ
7、品川庄司
8、江戸むらさき
9、両方あんまりネタ知らないから判定不能
10、シャク
11、劇団ひとり
12、ハリガネロック
13、引き分け

東6西4引き分け2判定不能1
42 ◆OzawawMuCs :04/05/17 14:51
俺達が番組のロケだと言われて来たのは、小さな島だった。


スタッフの一人が、俺達にナップザックをひとつ抛る。
受け取ったものの、予想外の重さに俺はバランスを崩す。
見てみるとナップザックの中には、ドラマでしか見た事がないような銃器が幾つも入っていた。
「これからスピードワゴンさんには、殺し合いをしていただきます。」
―これはやはり本物なのか…?
俺にスタッフの言葉は届かず、そんなことばかりを考えていた。
「制限時間は無制限。どちらかのコンビが二人とも亡くなった時点で終了です。
 残ったコンビが帰れる、という仕組みです。」
早い話がバトロワです、とスタッフは笑いながら言う。
冗談じゃない、とナップザックを返そうとするがその手に何かが吹き付けられた。
見ると、手の甲にピンク色のペンキのようなものがついていた。
「相手コンビにもその色のペンキが吹き付けられています。目印みたいなものです。
 あぁ、誰かは秘密です。向こうも芸人さん、としか言えませんね。
 途中棄権はできません。ここには船もないので、相手を殺して我々を待つしかないですね。」
抗議の声をあげようとするが、拳銃を鼻先に突きつけられた。

「それでは、良いゲームを。」

俺達はスタッフが乗った船が遠ざかっていくのを呆然と見つめるしかなかった。



「…嘘だろ?」
隣で小沢さんが呟く。
「嘘だったらいいのにな。」
俺も、そんな返事を返すことしかできなかった。

43名無しさん:04/05/17 17:18
バトロワスレなら別にあるからそっちで腕を振るった方がいいと思うよ
44名無しさん:04/05/17 17:21
>>34の小説でも相変わらず川島は基地外かw
45名無しさん:04/05/17 18:06
なんでこういうバトロワものって川島いつもキチガイ設定なんだろ…(´・ω・`)
意外とまともでいい人なんだけどなあ。
あとこの手の小説だと柳原がにぎやかしに騒いで最後メインの奴かばって殺されたり
ラー小林が冷酷な殺人者になろうとして結局良心に目覚めて死んだり
小木が矢作道連れにして自殺したりする設定が多い気がする。
46名無しさん:04/05/17 18:35
小木「ねえ、一行リレー小説にしたいんだけど」
矢作「おまえに言われちゃしょうがないな
    じゃあちょっとやってみるか」
------------------------------------------------------
プロローグ
おぎやはぎが話をしている
小木「最近中川家って見ないね」
矢作「そうだね最近見ないね」
するとそこへ
47名無しさん:04/05/17 20:55
>>45
わかるわかるwwバトロワものとか殺人モノの芸人小説ってだいたい設定とか似てるよね。
日村がキモい殺人者とか中川家弟があっさり死んで兄が復讐したりブサイクキャラの扱いが悪いww
>>46
突然部屋が真っ暗になった。部屋には2人以外に誰も居ない。停電か、ブレーカーが落ちたのか。
49名無しさん:04/05/17 21:33
「灯りドゾー」 小木の手に懐中電灯っぽいものが押し当てられている。
50名無しさん:04/05/17 21:54
矢作「おやおやー?いきなり灯りだなー。」
小木「日ごろの行いがいいせいだね。」
51小木と矢作の奇妙な冒険:04/05/17 21:57
押し当てられた懐中電灯の手首をつかむ。
「だれ?」
「・・・くっ!」
苦痛に喘ぐ小さな声がした。比較的若い男の声だ。小木はそのままその腕を強く引いた。
52名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/17 22:30
そして懐中電灯を取り上げその男を照らした
小木・矢作「あ!お前は!!」
53名無しさん:04/05/17 22:35
小木・矢作は社会的に抹殺された。
54小木と矢作の奇妙な冒険:04/05/17 22:41
と自分たちでもそう思った。懐中電灯に照らされた余りにその男の形相が
「まとも」ではなかったからだ。矢作は「その男」に叫び声を上げた。
「こ、こえーっっ!」
小木もまじまじと見つめる。
「ああー、怖いねえ。顔が。」
「その男」はおもわず叫んだ。
「顔かいっ!」
55名無しさん:04/05/17 22:56
「失礼なやっちゃな」
2人の後ろで関西弁が聞こえた
前では「その男」がニヤリと笑った
後ろを振り返ろうとした2人はピストルで撃たれた

-翌朝、近所の人の通報を受け2人の部屋に警察が押しかけた
「警部、こちらです」
「うむ」
捜査一課の腕利き警部、そいつの名前は
56小木と矢作の奇妙な冒険:04/05/17 22:58
その時だった!矢が矢作の身体を貫く!
「ヒッ!村さ…ん。」
「や!矢作ー!!!!!。」
その瞬間矢が小木の身体も貫き二人は意識を失った。
小木が意識を失う瞬間に見えたのは矢作のそばに、そして自分の側に立つ「なにか」の像のような生命体だった、。
57小木と矢作の奇妙な冒険:04/05/17 23:00
かぶった…スマソ_| ̄|○
58小木と矢作の奇妙な冒険:04/05/17 23:05
小木の意識が戻ると見知らぬ天井があった。
「助かったのか・・・。」
隣にあるベットを見ると矢作はまだ眠っているようだ。
記憶がない。銃で撃たれたのかと思ったが自分に、矢作に突き刺さっていたのは
明らかに「矢」である。
「あの生き物はなんだったんだろう・・・?」
あの生き物が自分と矢作を病院まで運んでくれたのかな?
そう思い、天井を見つめるとさっきの、不思議な生物が空に浮かんでいた。
「おい、気がついたか?」
59名無しさん@お腹いっぱい。:04/05/17 23:10
そもそもおぎやはぎと中川家はロバホでいつも顔合わせてるわけだが
      ∧_∧
  ∧_∧ (´<_` ) いや、あれはベッキーと堀江淳かもしれんぞ
 ( ´_ゝ`)/  ⌒i
 /   \   | |
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(_ニつ/  FMV /| |
 \/____/(uっ
>>58つづき
「だれだ?お前は!人にモノを話すときにはまず礼儀があるだろうが!!!!」
とりあえずキレてみた。普段温厚だとは言われる小木ではあるが礼儀知らずと自分のマターリ空気を邪魔されるのがなによりも腹が立つ。
やがてその「生物」は萎縮したのか敬語でちょっと怯えながら話し始めた!
「わ、私めは貴方様のスタンドでありますっっ!!」
「す、スタンド?」
昔マンガかなにかで見たことがある。たしかスタンドが側にいると特殊能力が使えるようになるというアレだ。まさか自分にその「スタンド」とやらがつくことになろうとは…。
「そうでありますっ!!私の名前は『ハッピーマンデーズ』と申しますっ!!旦那にスタンド能力がつくようになったのはっっ旦那が刺された『矢』のせいでしてっ!!」
「矢?」
「そうでありますっっ!!!旦那に刺した『矢』でスタンド能力が芽生えたのであります!!!一緒に『矢』に刺された矢作様もっっ!!!死んではいない模様!!まもなくスタンド能力が芽生えて目覚めるでしょう!!」
「何のために・・・。誰が・・・?」
「私めにもわかりませんがっっ!何者かが芸人に「矢」をさしてスタンド能力を芽生えさせているのでありますっっ!!!」

小木は、自分が限りなく面倒な事態に巻きこまれているのをしった。だが、自分も矢作も少なくとも今は安全な状態にある。そう思うと小木は一先ずの眠りに付いた。 
「わ、私めは貴方様のスタンドでありますっっ!!」
「す、スタンド?」
昔マンガかなにかで見たことがある。たしかスタンドが側にいると特殊能力が使えるようになるというアレだ。まさか自分にその「スタンド」とやらがつくことになろうとは…。
「そうでありますっ!!私の名前は『ハッピーマンデーズ』と申しますっ!!旦那にスタンド能力がつくようになったのはっっ旦那が刺された『矢』のせいでしてっ!!」
「矢?」
「そうでありますっっ!!!旦那に刺した『矢』でスタンド能力が芽生えたのであります!!!一緒に『矢』に刺された矢作様もっっ!!!死んではいない模様!!まもなくスタンド能力が芽生えて目覚めるでしょう!!」
「何のために・・・。誰が・・・?」
「私めにもわかりませんがっっ!何者かが芸人に「矢」をさしてスタンド能力を芽生えさせているのでありますっっ!!!」

小木は、自分が限りなく面倒な事態に巻きこまれているのをしった。だが、自分も矢作も少なくとも今は安全な状態にある。そう思うと小木は一先ずの眠りに付いた。 
ごめ、カキコミス・・・_| ̄|○
64 ◆OzawawMuCs :04/05/18 00:27
ぶった切りスマソ。
>>34みたいに書いたせいで誤解されたかもしれんが川島キチガイ設定じゃないです。
まぁ、どうせ書かんが。
その時、スピードワゴンの小沢は海岸にいた。
「海の!バカヤロー!!!」・・・そして、潤さんのバカ・・・。つまらない理由で彼らはケンカをしてしまったのであった。その時
「うっ!!」
 何者かが小沢の身体に『矢』を刺した。その瞬間、小沢が意識を失う瞬間、彼の前に「何か」が現れた
「マスター。ご命令を。」
66ジャンクマンク:04/05/18 01:58
「矢」の噂は中川家の耳にも届いていた。
しかし他の芸人達と違うのは、
彼等が噂を聞いたのは「矢」に射られ、スタンド能力に目覚めた後だった事である。
初めて自らのスタンドと対面して以来、それがTVカメラに映り込む事を恐れた2人は
出来るだけTVの仕事を控えるようになっていた。
急にJOJOネタかオモロイ!!職人さん乙!!!!
その時井戸田は小沢を探しに出ていた。
「おーい、おざーさーん。」
元はといえば自分がつまらない理由で怒らせてしまったせいだ。
その時だった!
「うっ!!!!」
矢が彼の身体を貫いた。
その瞬間自分におかしなスタンドが見えた。
「ご命令は?」
「・・・・・・とりあえず病院にはこんでくれない?…アタシこんなの認めない…認めらんないよ・・・小沢さん・・・。」
ジョジョ編乙!とりあえず職人さん達のために。AA長編板より借りてきますた。

● スタンドのアイディアを提供する上で出来れば守ってほしい事

『スタンドの名前は(基本的に)洋ロックバンドの曲名』
『基本性能はA〜E、全く無い場合は-で』
『基本性能はスタンドそのものの性能であって能力の性能ではない』
『能力は(基本的に)一長一短。細かい発動条件や弱点もあると職人さんも使いやすい』
『とりあえず強けりゃいいってモンじゃない』
『最低でもジョジョの奇妙な冒険3部は読んでください』
用語説明
●ヴィジョン
人型 人間に近い形をしているもの。一般的なスタンド。
(例:スタープラチナ ストーン・フリー)
生物型 植物や動物の形をしたもの。元となる生物に近い動きをするものもある。
(例:ストレイ・キャット クラッシュ)
異形 化け物のような姿、よく分からない姿をしたもの。動き方も普通ではなかったりする。
(例:グレイトフル・デッド ノトーリアス・B・I・G)
自然物型 水や砂などの自然に存在するもので構成されたもの。ダメージを受けにくい。
(例:サン ゲブ神)
器物型 剣や飛行機などの道具や器具類の形をしたもの。本体の能力に依存する事が多い。
(例:エンペラー エアロスミス)
補足:道具型で同化発動の場合は装着型と考えても良い
群体型 複数のヴィジョンをもつもの。一体一体の大きさはとても小さい。
(例:ハーヴェスト セックス・ピストルズ)
なし スタンドの姿形が無いもの。何かと一体化しているものが多い。
(例:ラブ・デラックス アース・ウィンド・アンド・ファイヤー)


●発動方法
接触発動 スタンドやスタンドが飛ばした物が触れる事で能力が発動するもの。殴って発動させるタイプが多い。
(例:キラークイーン スティッキー・フィンガー)
条件発動 特定の環境や状況が一致する事により能力が発動するもの。一度発動すれば抵抗できないものが多い。
(例:オシリス神 グリーン・ディ)
無条件発動 発現した瞬間から能力が発動したり、発動時期を自由に選べるもの。特にこれといった能力の無いものも含む。
(例:ティナー・サックス アクトン・ベイビー)
・これらに同化(何かに同化・憑依する必要があるもの)が付く場合がある。
●操作方法
自由操作型 本体の意志で自由に操れるもの。ほとんどこれである。
(例:ハイエロファントグリーン キッス)
自立型・自我所有型意志をもっており喋る事もあるが、基本的には本体に従うもの。ある程度自分で動いてくれる。
(例:スパイス・ガール ドラゴンズ・ドリーム)
・自動操縦型基本的な命令や、ある条件の元で自動的に動くもの。射程がAの自立型はこれになる。
(例:シアー・ハート・アタック ブラック・サバス)
・一人歩き型完全に本体から切り離されて一人歩き状態のもの。射程がEまたはなしの場合はこれになる。
(例:アヌビス神 スーパー・フライ)


●能力の種類
物理変化系 物理的な現象を起こしたり、変化させるもの。応用性が高い。
(例:クレイジー・ダイヤモンド ダイバー・ダウン)
精神変化系 意志をもつ者の心や魂に影響を与えるもの。一度はまると抜け出しにくい。
(例:デス・サーティーン サバイバー)
エネルギー変化系 熱・磁力・重力などの、目に見えない力や化学変化を扱うもの。何が起きたか気付きにくい事が多い。
(例:マジシャンズレッド バステト女神)
肉体変化系 生物の肉体や生理現象に影響を与えるもの。本体にのみ影響を与えるものもある。
(例:セト神 クヌム神)
スタンド変化系 スタンド自身の姿や性質が変化するもの。相手のスタンドを変化させるものも含む。
(例:ハイプリエステス ボーイ・U・マン)
物質操作系 物を移動させたり、間接的に操作するもの。物質を作り出すものもこれに含む。
(例:ゴールド・エクスペリエンス クラッシュ)
空間変化系 特殊な空間や場所を作りだしたり、自分の周りを変化させるもの。逆に空間を削り取るものもある。
(例:クリーム マン・イン・ザ・ミラー)
情報処理系 何かしらの情報を取り扱うもの。サポートにまわるととても便利である。
(例:ハーミットパープル トト神)
技能系 本体やスタンドの行動、技術が他よりも特化してるもの。その分野に置いては敵は無いだろう。
(例:シルバーチャリオッツ ダークブルームーン)
時間・運命操作系 時間や運命などの抽象的なものを扱うもの。基本的に強いが、扱いが難しい。
(例:ザ・ワールド ローリング・ストーン(ズ))
34 スタンドについて(補足) sage New! 03/08/19 08:40 ID:JVGZk+XI
スタンドとは、俗に「超能力」や「守護霊」と呼ばれるものの正体である。
「スタンド」という名称は、「そばに立つ(stand by me)」という意味からきている。
スタンドは、全て「本体(スタンド使い)」を持つ。ただし、後で「一人歩き」を始める事もある。
スタンド使いは、自分のスタンドを原則的に自由自在に操る事ができる。(例外あり)
スタンドの多くは、パワーある生命の像(ヴィジョン)を持つ。
スタンドの像は、スタンド使い以外には見えない。(例外:物質と一体化している場合etc)
スタンド(の像)は、物理的干渉を受け付けず、スタンドでしか倒せない。(例外:同上)
スタンドに起きた事や受けたダメージ等は、程度に応じて本体に影響する。また、逆も真である。(例外あり)
スタンド使いが死ねば、スタンドも消滅する。(例外あり)
スタンドは、程度の差はあるが、本体から離れるほどパワーが弱くなる(例外:遠隔自動操縦型etc)
スタンドの射程距離の長さは、スタンドパワーの強さと反比例する。(例外:同上)
スタンドは、原則として1種類だけ特殊な能力を持つ (「1人1能力」)。
スタンドの特殊能力の効果が及ぶ範囲は、スタンドの像の射程距離とは必ずしも一致しない。
スタンド(の像)同士は会話ができる。また、その声は物理的音声ではないため、水中でも可能である。
スタンドの像は、本体の意志によってミクロサイズまでも縮小できる。(ただしパワーや持続力が低下する)
スタンドには全て「適材適所」があり、厳密な優劣は存在しない。
スタンドは、成長し得るものである。(例:『星の白金』の時間停止能力、『エコーズ』のACT2や3etc)
スタンドの源は本体の精神力であり、性質や能力等にその影響を受ける。
スタンド使い同士は「引き合う」。また、それに理屈は存在しない。
スタンド使いである血縁者同士は、互いにその存在や位置を感知できる事がある。
スタンドの素質や才能は、遺伝し得るものである。また、逆も真である。
スタンドは、ある者に発現した場合、直後にその血縁者にも発現する事が稀にある。
74名無しさん:04/05/18 16:49
各種パラメータ:そのスタンドの基本スペックをA〜Eの5段階で評価したもの。例外として「∞」や「−(なし)」等がある。各項目の意味と、射程距離を含めてのA〜Eの評価の基準は以下の通りである。ただし、これもまた大体の目安である。

破壊力:代表的なスタンド攻撃能力の強さ。代表的な攻撃が単純なパワーによる場合はそれになる。
スピード:スタンド像の機敏さ。ただし、スタンドが武器、道具のみで、本体がそれを使用する場合は攻撃力のスピードを指す。 (例:『皇帝』は拳銃の動きの速さではなく、弾丸のスピード)
持続力:スタンドパワーの消費率や燃費のようなもの。または能力効果の持続性。
精密動作性:スタンド像の動きの正確さ、器用さ、飛び道具の狙いの正確さ。
成長性:スタンド能力がバージョンアップ、進化する可能性。ただし、最終結果ではなくそのスタンドの発現時点からの総合評価。つまり、実際に具体的成長を遂げたスタンドは高い評価になっている。

項目 \ 評価 A B C D E
破壊力etc 極めて高い 高い 人間程度(普通) 低い 極めて低い
射程距離 数百m〜ほぼ∞ 数十m〜100m 10数m〜30m 数m〜10m 0〜2m

75名無しさん:04/05/18 16:53
スタンドについて詳しく知りたい人はここのサイトがわかりやすいと思う。
http://spw.at.infoseek.co.jp/spwtop.htm

ジョジョの奇妙な冒険の本編に出てくるスタンドをまとめたものです。

(引用はここから、ここを見るとわかりやすいと思われ)
2ちゃんのキャラにスタンドを発動させるスレ-第二巻-
http://aa.2ch.net/test/read.cgi/aastory/1061229587/
76書いちゃった奴:04/05/18 17:06
_| ̄|○ ペルソナ ニシトケバ ヨカタ
77名無しさん:04/05/18 17:12
ジョジョのスタンドについてまとめてくれた人乙。
うーんでもマンドクサイっつうかわかりにくすぎて職人さん少ないかも・・・
せっかくバトロワ以外でリレー小説できそうだったんでちょともったいないかも。
自分も参加しようとおもってたし。
ハンターハンターの念能力かペルソナか烈火の炎(知ってるかな?)の魔道具みたいなののほうがわかりやすいかも。
自分も一応スタンドで書いてたけど参加してくれる職人さんが増えてくれるなら念でもペルソナでもいいよ。
79最初に書いた奴:04/05/18 17:39
他板でやってるような馬鹿馬鹿しいのを期待して書いてみたのに
一晩経ったら同人女の巣になってしまったorz
>>79
所詮厨板。>>53みたいなのばっかりになるよりはマシ。
>>79
ジョジョネタ知ってる人って女じゃあんまりいないとおもうけど・・・。
だと思うなら自分で馬鹿馬鹿しくて面白いのを作ればいいのに…。
何もしないで文句ばかり垂れてるのは厨以下。
82名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/18 18:16
まあ1はスレ立て逃げしといて戻ってきて文句ばかりたれてる真性DQNだからなあ・・・。
腐女子、同人女っていえば悪口として成立するとおもってるのかね( ´,_ゝ`)プッ
とりあえず面白い作品書いてから言えよ。
83名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/18 18:19
キモさではジョジョネタの同人女も>>1も同程度だろ。
むしろこんな糞スレ立てた>>1の方が重症
84名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/18 18:19
ねえ>>1=>>79なの?
小説スレッドキタ Y⌒Y⌒(。A。)!!
と思ったのに、ジョジョの奇妙な冒険(かな)がベースなのか。
読んだ事が無いので手出しできん。
残念。
「漫才対決殺人事件」っていうから、M−1かと思ったよ〜。
86名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/18 21:32
M-1殺人事件がいいかスタンド(念?)がいいか
一行リレーがいいか方向性きめない?
ただ現在の所、スタンド能力なり何なりに目覚めているのは全員M-1決勝経験者。
88名無しさん@お腹いっぱい。 :04/05/18 21:40
スタンドとか能力者モノだったら殺人以外にも
能力使って人助けしたりイタズラしたり事件解決したり使い道はあるからなあ。
バトロワスレみたいに「この芸人使いたかったけどすでに死亡」ってこともないんでいいと思うけど。
とりあえずsage進行にしない?
90名無しさん:04/05/18 22:20
「スタンド」が何なのかという知識を身に付けてからじゃないと
このスレの話について行けないのは嫌というか
面倒臭すぎるのでそれ以外のものがいい
じゃあ烈火の炎であった魔道具ってのは?
おぎやはぎだったらメガネとかテツトモだったらジャージ&ギターに特殊能力があるとか
92名無しさん:04/05/19 18:15
何だか、面白そうだ。
頑張って。
メガネに宿る特殊能力か。
透視とか読心とか、ありそうだね。
ギターなら、弦が意思持って動き出すとか?
・・・それじゃ九十九神か。祓ってもらわねば。
オモロいwじゃあジャージで身体能力UPとか
スピワだとラバーソウルとか?ハリガネだとパンクなチョーカーとかw
例えばクロムハーツのダガーチョーカーだったら、
持ち主の意思に応じて本物のダガー、若しくは剣になるとか。
自分が持ってるのは独鈷杵みたいな形状なんで、もし具現化したら、
十分殺傷能力あるもんになるんだろうな。

リングだったら、銃とか。
麻酔針を発射したり、光線を発射したりするの。
ゲームとか漫画で見たことあるんですよ。
テツトモのギターだったら音色を聞いたら「なんでだろう」を踊ってしまうとかw
JOJOのスタンドみたいに再起不能みたいな形にして(ボコッて気絶とかアイテムとられるとか)
バトロワとの違いを出すためにあくまで殺さないほうがいいね。
こっちはもうちょっとライトノベルっぽいかんじがいいかも。
97名無しさん:04/05/23 22:10
でも、特徴がある物を持っていない芸人もいるんじゃないか?
それだと、出る芸人が限られてしまうな。
>>97
まあ何らかのいつもつけてるアクセとか良く着てる服とか特色って結構ありそうだけど。
だったら道具じゃなくてそういう力を持ってるだけとか石かなにかを拾ったとか

持ち物に特色がないなら能力にその芸人の特色
を強化したものを出せばいいんじゃね?
9997:04/05/23 22:27
>>98
そういう設定もアリか。
石を拾ったという設定とかは使えるかもしれん。
石でもいいし、最初から武器とか靴とかアイテムを拾う形でもいいな。
で、それを拾って(呪われてて)操られて戦って戻すみたいな設定でもいいし。

で、メインのストーリを展開して、その芸人を使って別の話が書きたい人間は「番外編」みたいな形にするとか。
101名無しさん:04/05/23 22:34
何だか固まってきたな。このスレ。
いい傾向だ。
じゃあメインのストーリーの傾向決めたいね。
M-1かオールザッツ方式で力を使ってのトーナメントみたいな奴か
それともマターリ暮らしてたら事件が起こって何かの目的のために動いたり反目したり協力したり邪魔したりとか。
それともオムニバスっぽく「力を使う」条件でシリアスとかギャグとかバラバラで書くか。
たしかに殺す殺さないだとバトロワと趣旨が似ちゃうし
正直実在の芸人を殺すのっていくら創作でも苦手・・・だから殺さないで
ぼこって気絶とかに一票。
104名無しさん:04/05/23 22:57
自分はマターリ暮らしててある日事件が起こるって言うのがいいな。
トーナメントだと色々大変そうだからな。

自分も>>103に同意。
バトロワとは違う方向性で進めていきたいからな
105名無しさん:04/05/23 23:25
殺し合いが嫌ならアイテムの石を集めるっていうのは?
ドラゴンボールみたいに集めたら願いが叶うとか。
自分も殺さないのとマターリ生活してて事件に一票。
石(アイテム)はそのまま使ったりもできるしメガネやギターと融合させても使えるとか?

石(アイテム)を持つと性格変わるヤシとか普段弱気キャラなのに力が発動した瞬間強気になるとかでも面白そう。奪うと元の人格に戻るとか。

正義とか悪とかだと使いにくい?
石を集めるのが目的なら各人バラバラの目的で石を集めることにする?
107名無しさん:04/05/23 23:43
>>106
性格変わるのはいい設定だな。面白そうだ。
石にも正義とか悪とか合ったほうが漏れは面白いとオモタ。

バラバラの目的でもいいが
それだと各人の目的を色々考えるのが大変そうな気がする。
まあ悪側になったのもあくまで石のせいとか力を持って調子に乗ったとかで
ぼこったり石をうばったらあくまで元に戻る&改心するって設定なら
前レスにあった「麒麟川島はそんな悪い基地害芸人じゃねえ!」みたいに思う人も
まあOKなんじゃない?
正義の側は悪用されないように石を捨てるために・・・って
ロードオブリングになってしもうた_| ̄|○
110名無しさん:04/05/24 00:09
石で人格チェンジ設定いいかも。前に出て石を奪われた芸人を番外編とかで
再登場させるときも、また石を拾って今度は反省していい風に使おうとか
石のせいで人格が変わって悪事を働くとか操られてて元に戻っても実は調子乗りだったとか
前に書いた人のイメージに合わせる必要がなくなるし番外編も書きやすくなると思う。

あくまでライトな感じなのもいいね。テンプレに死にネタ禁止は入れてほしいかも。
111名無しさん:04/05/24 00:20
ある程度の設定は固まってきたな。石を使うとか。
問題はストーリーだが、とりあえずマターリ暮らしてて
いきなり事件が起こるヤツでいいんだよな?
112名無しさん:04/05/24 00:24
お!職人さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ か?!
とりあえずテンプレには死にネタ禁止とやおい禁止は入れといてくれ。
あとsage必須と職人さんはコテハン(トリップ推奨)とあと・・・なんだろ。
バトロワスレに宣伝しなくてもいい?
宣伝はどうだろ・・・。
ところで石を持ってたらコンビとも能力が使えるようになるのか?
自分が考えたのは「石が持ち主と認識」したらコンビとかトリオとか5人とか人数分石が別れる(割れる)のはどうだろう?
それだと石によって「コンビなりトリオなりが揃わないと力が発動できない」とか「片方が善の心でもう片方が悪の心」とか「バラバラの力が発動して助け合う」とか色々広がりが出そうだけど。

あと、なぜ石が芸人限定で発動するのかは適当に芸能の神様(古代出雲でも西洋でもギリシャでもいいけど)から引っ張るとか。
>>113
だとしたら石を奪うんじゃなくて負けたら消滅する方が面倒臭くならなくてよさそう。
>>113
芸能の神様に限らず神話・伝説・お伽話や小説に出てくる精霊やらマモノやら…ってペルソナだ_| ̄|○

でも『この芸人にはこれが合うかな』ってのはちょっとだけ考えてる。
116名無しさん:04/05/24 13:27
とりあえず、自分の中では話は徐々に固まってきてるが。
でも、職人じゃないのに書いてもいいものか・・・?

とりあえず、禁止事項とかをまとめてみた。

* 死ネタは禁止
* やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
* sage必須でお願いします
* 職人さんはコテハン(トリップ推奨)
* 長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨。
(バトロワスレより引用)

今はこんなものだろうか?
まだありそうな気がするけど指摘があったら教えてください。
>>113
だとしたら果てしなくマンドクサクならない?
ここはジョジョ風に石配ってるヤシがいて(謎の男みたいな)大量に石があるとか。
戦闘不能になったら石消滅はいいかも。
最後に残った石を持ってる人間が世界征服できる・・・って金色のガッシュかよ・・・_| ̄|○
>>116
乙!職人キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
とりあえず「力を使った番外編」の短編で書いて様子を見てみたら?

作品はバトロワ式キャラ固定でFA?一回目とか設定だけ書いて書き逃げされたら微妙だが・・・。
119名無しさん:04/05/24 13:33
戦闘不能になったら石消滅にすると
もうその芸人は出れないんじゃないか?
バトロワの死亡と同じになってしまうとオモタ。
120名無しさん:04/05/24 13:35
芸人はどうするよ?
若手だけにするか、ベテランも出すか。
そこらへんで話は大きく変わるかもだが。
>>119
まあ生きてるから新しく石を拾うとか前に書いた人とは能力を変えて番外編書けるから消滅もアリかなとは思ったが・・・。そうか…その能力で書きたい人もいるもんな…。どうしよ・・・。

能力は石の能力なの?それとも石で本人が潜在的に持ってた能力が開花するの?
122名無しさん:04/05/24 13:41
とりあえずバトロワ式総当り戦じゃないから
書きたい芸人でいいんじゃね?
ベテラン書きたい人も若手書きたい人も。

ベテラン命令でまだ力開花してない(石の価値をわかってない)
若手の石を無理やり奪いまくる先輩芸人とかいそうだなw
>>119
自分も石消滅に反対。
戦闘不能で消滅ってことは失神とかしたら
即消滅だと職人さんにとって見せ場が作りにくくならない?

でも石争奪が目的ならどっちにしても再登場難しくならないか?
操られるのが石の呪いで(奪われたら元に戻る)
力は基本的にはなくならないとか?
誰かが「力を封じる能力」を持ってるとか「記憶消去」をもってるとか・・・苦しいか。

>>123
だとしたら石を奪う理由がなくね?
125名無しさん:04/05/24 16:11
じゃあ石は拾った時点でその基本的な力が
芸人に宿ることにする?
石は力を制御するものとして。
で、石には他にも隠された力とかあったり。
んで、他の芸人に石を奪われると
制御が利かなくなって暴走する芸人を出すとか。

・・・わかりにくいか、スマソ。
126名無しさん:04/05/24 18:34
とりあえず、力の内容だな。
石の力、何か召還とか。そんな感じなのか
炎だとか闇だとか属性なのか
それとも、何かしら出せるとか。

そうじゃないと書きようが無い。
とりあえず、バトロワ風味に短編書こうとしてるんだが・・・
まだ書き出してないのでちょっと先になりそう。
力の内容は属性とか何かしらだせるとかってより
「特殊能力が使える」って曖昧にしといたほうがよくない?できれば芸人の特徴をいかした能力の方が面白いけど。

で、無敵の能力だと面白くないんで石の力が発動させるために必ずなんらかの「条件」が必要とか?
それが「二人じゃないと発動できない」とか「石を常に手元に持っておかないと発動できない」とか「精神の制御が自分でできない(操られる)」とか。
で、職人さんは石の能力と条件を作品の後で書いておくといいかも。

その石なんだけど宝石なの?それとも何か模様のある小石みたいなもの?
石の種類は貴石・半貴石・なんかきれいな石ころなんでもよいかと。

漏れが書こうと思ってる芸人には手っ取り早く誕生石でもあてがう予定。
じゃあ例えばの例(あくまでたとえばなんで適当)

ダンディ坂野・・・・・・石・花崗岩、
能力・・・・・・「ゲッツ!」した瞬間指から衝撃波が出せる。威力は大体目の前でゲッツされた人間が軽く吹っ飛ばされる程度。
条件・・・・・・石の力が発動すると自分の意思でゲッツが止められなくなる。

こういう設定を作品の最後に書いたらわかりやすいかも。

あと、石に模様があってその模様で力が与えられるとか?それが2つに別れたり、能力を封印するにはその石がなきゃいけないから奪うとか・・・どうだろ。
130名無しさん:04/05/24 23:02
>>129
その案、結構いいな。

それは書く前に、書いておくのか
能力が目覚めた後、わかりやすいように設定として書いておくのか
どっちがいいと思う?
>>130
話の展開で能力を内緒にしておきたい職人さんもいるだろうから
能力が目覚めた(はっきりした)後の方がいいんじゃね?
132名無しさん:04/05/24 23:10
>>131
そうだな、そっちのほうがいいかもしれん。
133名無しさん:04/05/24 23:45
特殊能力って何でもあり?
様子見でバトロワ風味短編書こうとしたら設定で詰まった・・・
やっぱり特徴のある芸人ってそんないねぇ・・・_| ̄|○

芸人の特色って、行動とかそういうのだろ?
例えばゲッツとかにするとちょっと笑いが入るんだよな・・・
笑いがあったほうがいいのか?
>>133
まあ制約(条件)があるんなら多少関係ない能力でもいいんじゃね?
ネタとかに絡めたりできるし。
ただし強力な能力はそれだけ発動に条件や弱点が大きくしないと不公平になるね。

まあ話はシリアスでもギャグでもいいけどバトロワよりライトでジャンプとかマガジンとか少年誌っぽい話の方が違いが出て面白いかも。
135名無しさん:04/05/25 00:21
もし書くとしたら一芸人(一コンビ)につき一人の書き手さんがつけばいいのかな?
リレー系になると話がごたごたしそう…。

ちなみに漏れはスピワ書きたいと思ってる…(小声)
無理強いはしないけど
出来る事なら笑いがあるほうがいいなあ、
やはり芸人なんだし。

>>129-132
例えばこういう感じ?スピワ書きたい方、これもあくまで適当。

井戸田潤(スピードワゴン)・・・・・・石/ラピスラズリ
能力・・・・・・自分が納得できないことが起こったとき(例えば仲間が自分をかばって倒れるなど)「アタシ認めないよ!」でそれが起こる前まで時間を戻せる。
条件・・・・・・ものすごくパワーを使うので一日に何度も使えない。自分が本当に納得していない事ではないと力が発動できない。
(例えばトランプで自分の手札が悪くて負ける→敗因を納得しているので発動しない
 こっちが勝ってるはずなのにイカサマで負ける→納得できないので発動して勝負の前に時間が戻せる)
138名無しさん:04/05/25 00:24
>>135
一コンビに一人書き手がつけばいいのかもしれんが
それだとバトロワと大して変わらないような気がする
(死亡するとその芸人はもう書けない状態)
スマソ!リロードしてなかった!スピワ書きたい方がいらっしゃったとは・・・_| ̄|○
すみません!漏れが書きたいのは別の芸人なんで・・・。
設定もあくまで適当に書いただけなんで・・・(ヒラアヤマリ)
>>138
もう既に出てきた芸人を書きたい時は番外編か別の石を拾って違う能力がまた発動したっていう風にしたら?
石が奪われる(能力が封印されたら)今までの石や能力についての記憶がなくなる(人によっては覚えてる人もいる)
って設定なら再登場も出来ると思うけど。まああくまでこっちは死なないんだし。
141名無しさん:04/05/25 00:42
>>140
そうか、それならいい。
死なない限り何度でも再登場は可能だな。

短編バトロワ設定を書いていくうちに
その芸人とまったく違う設定になってきたよ・・・_| ̄|○
それでもいいでつか?
お、初の職人さんカマーン!とりあえずパイロット版で
一話完結の短編書いてみてもらえると嬉しいのだが。
143名無しさん:04/05/25 12:19
>>142
パイロット版って何だ?理解力が無くてスマソ_| ̄|○

出来る限り短くするように努力するが・・・
とりあえず、短編バトロワ、若手5組出します。
特殊能力等、設定は適当。(芸人にあってない能力の場合あり。
今設定を書いているので公開はまだ先です、スマソ。
>>143
おおー!!!!ガムバッテくだちい。パイロット版ってTVとかの試しに放送する番組じゃないかな・・・?
定着したらレギュラーになるっていう。
145名無しさん:04/05/25 12:52
>>144
要するに、試作品と言う事か。頑張ってみる。
バトロワなんで死亡とかありだがそれでもオケ?
>>145
趣旨的にできれば死亡ナシの方が…。
死ネタ嫌いでアクション好きな人がこのスレに来てるみたいなんで・・・。
戦闘不能とか失神あたりでぼかしてくれると嬉しい希ガス。
>>145
自分も「死にそう!」はいいけど死ぬ、殺すのはちょっと・・・。
バトロワも面白そうだったから参加したかったけど好きな芸人さんが死ぬのがどうしても見れなかったんだよママン・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

モウシワケナイ(つД`)
148名無しさん:04/05/25 13:10
>>146 >>147
じゃあ気絶あたりの方向性でガンガル。
まだ書きはじめなくてよかったよ。
149名無しさん:04/05/25 13:18
>>148
期待してます!楽しみだー。で、バトロワスレへの宣伝は結局やらなくていいの?
>>149
自分、余り文章力が無いから期待しない方がいいとオモー_| ̄|○
151135:04/05/25 18:20
どうも。スピワ書きたいとかほざいてた香具師です。

>>137
井戸田はその能力でいいと思う。
スピワは前にラジオで「喋るのが仕事」と言っていたから、「言葉」に何か力をつけたいと思っていたので。

だとしたら小沢は
小沢一敬(スピードワゴン)
石・・・・燐灰石(アパタイト)←宝石言葉が「欺く」
能力・・・・何かを言って指を鳴らすと、相手がその通りになる。
    例えば、「そんなことより、踊らない?」とか言うと死ぬまで踊りだすとか、動けなくなるとか。
条件・・・・井戸田ほどではないがパワーを消費。甘い台詞みたいなのじゃないと力が発動しない?みたいな。
    相手にしか効果は無く、自分にもかけられない。
    
みたいな感じでいいのかな?

漏れが書く文もヘタレなので期待はしないでくれ…。
152名無しさん:04/05/25 18:36
>>151
おおー!!面白そうな能力だ!
条件や弱点とのバランスもよさそうだし。
「甘い言葉」しかきかないのはいいね。

楽しみにしてます!
>>151
おぉ、凄いな
まあ、自分が書くバトロワ短編は
力を使うとどうなるか、とか
暴走するとこうなる、とかそう言うサブの設定をメインにしてみようと
思ってるから、それとはかなり異なるけど。
もはや小沢が小沢じゃなくなってる・・・_| ̄|○オザァガコエェヨ。

あ、出るやつ一組言ってしまった。スマソ。
154名無しさん:04/05/25 19:00
>>151
スピワヲタなんで楽しみでつ。
でも効果は一時的とかの方が面白いかも。5分とか3分とか。
153のSPWも読みたいなー。
怖いおざーさんに興味あり。
どうも135=151です。
>>154さんの言うとおり、時間制限をつけたら面白いかな?と少し変更。
そして、井戸田の能力は137さんのでいいかな?と。


井戸田潤(スピードワゴン)
石・・・・シトリン←宝石言葉が「勇気」や「陽気さ」など太陽っぽい
能力・・・・自分が納得できないことが起こったとき(例えば仲間が自分を庇って倒れるなど)「アタシ認めないよ!」でそれが起こる前まで時間を戻せる。
    体力が満タン状態なら「無かったこと」にもできる(庇って倒れても傷を負っていないとか)くらい強力。
条件・・・・ものすごくパワーを使うので一日に何度も使えない。数回が限度。
    パワーが尽きる(使いすぎる)と発動しない。または戻る時間が極端に短くなる。
    そして自分が本当に納得していない事ではないと力が発動できない。
    (例えばトランプで自分の手札が悪くて負ける→敗因を納得しているので発動しない
     こっちが勝ってるはずなのにイカサマで負ける→納得できないので発動して勝負の前に時間が戻せる)
上の続き

小沢一敬(スピードワゴン)
石・・・・燐灰石(アパタイト)←宝石言葉が「欺く」
能力・・・・何かを言って指を鳴らすと、相手がその通りになる。
    例えば、「そんなことより、踊らない?」とか言うと死ぬまで踊りだすとか、動けなくなるとか。
    いわゆる幻術みたいなものであり、幻覚を見せたりする事もできる。
    小沢の性格的なものなのか、命じない限り肉体的なダメージはほとんど与えない。
    効果は五分ほど。時間を過ぎてもかけ続けると、パワーを大幅に消費する。
条件・・・・井戸田ほどではないがパワーを消費。甘い台詞みたいなのじゃないと力が発動しない?みたいな。
    相手にしか効果は無く、自分にもかけられない。
    同じ人に何度もかけられるが、効果はどんどん落ちていく。
    もちろんパワーが少なくなると、見せられる幻覚の力も時間も減る。
    

とりあえず、二人とも「言葉」に力を持たせました。
でも相手は武器とか使ってきちゃいそうなので、適当に何かを持たせたいと思います。

皆さん人が死ぬのは求めてないようですが、私は他の人がバトロワ書いたら感化されちゃうかも。
…死が絡むとどっと現実味が沸くし。
どうしよう…。
>>157
そうだよな。皆は死ぬのが嫌だと言ってる。
自分、今設定様子見で短編バトロワ書いてるが「死ぬ」ではなく
「強制送還」みたいな形を取ってる。

因みに、短編バトロワ小沢の能力、全く本人と関係ない力がついてるんだが
それでもオケ?
159現在執筆中◇:04/05/25 23:48
自分、皆に聞いてばかりだな、スマソ。
2chに小説書くの初めてだからよくわからないんだよ。
>>158
おもしろそうでつ!是非読みたいです!やっぱり死にネタは・・・なんで。

で、話の展開上、どうしても流血や拷問するシーンを出さなきゃいけない場合には
メル欄にでも注意書きするのはどうでしょう・・・?

やっぱネタバレになっちゃうのはマズイ?
>>160
自分、今テスト期間中だから一応書いてるけど進まない。
だから公開はあとちょい先になりそうです、スマソ。

流血や拷問くらいなら平気じゃない?
バトロワは流血、拷問は必須なんだが…。
>>160-161
自分もメル欄案に賛成かなあ。今回の趣旨が少年誌的ライトノベルなら特に。
ちょっとケガするとか血が流れるとか傷めつけるとかさらっと書くなら大丈夫だけど
結構ひどいケガとか痛そうな拷問とかだったら書いといてくれた方が嬉しいかも・・・

職人様ヘタレでスマソ…。痛いのがダメなんだよ・・・ママン_| ̄|○

163名無しさん:04/05/26 13:28
自分は拷問も流血もOKかな。バトロワスレから来たんで・・・。

でも骨を折って物凄い悲鳴を上げたとか肉をえぐったとか痛そうな描写だと苦手って人も多いので一応注意書きしといたほうがいいと思われ。
>>162 >>163
わかりました。では公開するときは書いときます。
165162:04/05/26 13:47
ごめんなさい・・・注文つけてるみたいで・・・。
覚悟があればいいんだけど急にそういう流血のシーンになるとどうしても怖くて・・・。

現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 さんの作品を期待しておりますのでテストガムバッテくださいね。
ということはケガとかはありなのかな?
死ぬのが駄目なら、魂抜かれるとかそういうのでも認められない?
167名無しさん:04/05/26 16:31
いいなぁ此処 めっちゃ面白い展開になってってる…
早速お気に入りにいれちまったよ
>>166
ケガはありだと思う。魂抜かれるのは皆の意見を聞かないとわからんが
ケガありじゃなかったら作品の書きようが…_| ̄|○

>>165
あまり期待しないほうがいいとオモー。
でも楽しみにしてくれているので、がんがる。
169名無しさん:04/05/26 21:57
魂抜かれるのはアリだけど抜かれっぱなしは死と同じだからなあ…
元に戻るならOKだと思う。ケガはそんなに瀕死じゃなきゃOKってのはヘタレすぎ?
170名無しさん:04/05/28 00:02
死はオッケーにしないか?
戦いがテーマになると書きづらいんじゃないか?
最近は少年誌でも死にネタ増えたし。
171名無しさん:04/05/28 00:13
>>170
うーん、死にネタアリならバトロワの方が腕をふるえると思うんだけど。
どっちかというとこっちはギャグ風味ライトアクションがテーマだしなあ・・・。
 ある日のライブだった。いつも通りダンディ坂野は快い笑いを取り、満足げにエンディングを迎えていた。
「ダンディさん、今日ウケてたじゃないですか!」
 若手がダンディに声をかけるとダンディは自慢げにペンダントを取り出した。
「このお守りのおかげだよ!」
 見ると模様の付いた石を皮ひもに通したペンダントが静かに光っている。宝石やパワーストーンの類ではなく、何の変哲もない石に見えたがよく磨かれた表面はピカピカ光っていた。
「へえー、おまじないかなにかですか?」
「いや、ダンディこないだ家の前で拾ったんだよ。」

「ねえ、潤さん・・あの「石」・・・。」
 楽屋の側にいた小沢が井戸田の袖を引っ張った。
「うーん、まだ力は「発動」してないけど「石」だよな。」

 
二人は魔力を秘めた「石」を封印するために多忙な仕事の合間を縫って活動していた。

芸人の間で何者かがバラ撒いている「石」。悪用すれば世界すら征服するのも可能という恐るべき力を秘めている。しかも、石の力を使う条件として、精神を操られたり、肉体にダメージを食らうなど恐ろしい副作用さえある大変危険きわまりないものだ。

―芸人の仕事をしながら石を封印する。それこそが彼らと、その仲間たちの使命であった。

「ちょっとダンディさん。石を見せてくれませんか?」
 小沢がダンディにそっと近づいた。小沢もポケットから石を出す。それは青みがかった透明で大きさも似ており、同じような模様が書かれているものだった。
「あれ?小沢くん、ダンディと同じような石持ってるんだね。」
「ええ、見せてくださいよー。そっくりですよねえ」
 首から提げたままのダンディの石を手に取ると自分の石を近づけた。

―よし、このまま封印できれば・・・。

その時ダンディの石が眩く輝きだした。井戸田が思わず叫び声を上げた
「あっ!小沢さん!ダメだ!!」
 その時だった。一瞬眩い光が楽屋を包んだかと思うと「ゲッツ!」と「キャーッ!!」という小沢の悲鳴が同時に聞こえた。
「小沢さーんっ!!!」
「イテテテ・・・。潤さん?」
 閃光に目が慣れるとゲッツのポーズを取るダンディと楽屋の端で転がっている小沢の姿が見えた。
「ダンディさん!どうしたんですか?!」
外での物音に気づいて部屋に入ってきた若手ににゲッツのポーズを取る。
「ゲッツ!」
「うわああっ!」
その瞬間、どちらかといえばデブキャラに近い若手の身体がまるでなにかの見えない力に跳ね飛ばされるかのように簡単に転がった。まるで吉本新喜劇でも見ているかのようだ。井戸田が慌ててダンディに駆け寄る。
「ダンディさん!とりあえずゲッツやめて!ゲッツダメだって・・・ってうわぁーっ!!」
 その瞬間井戸田の身体も吹っ飛ばされて小沢のすぐ側まで転がった。そろそろと身を起こす。
「潤さん、平気?」
「ああ・・・力自体は大したことないけど・・・。」

その時、ダンディの悲鳴のような声が聞こえた。
「うわー、ダンディ、ゲッツが止められないんだよー!!!」
「な、なんだってー!!!」

―これじゃうかつに近寄ることさえできないな。二人は思わず顔を見合わせた。

 
とりあえず力とかはこのスレの設定で書いてみたんですが・・・。
こういう雰囲気でいいのかな・・・。
176現在執筆中スランプ気味@ケータイ:04/05/28 01:40
そんな感じでいいと思う。何だか面白そうだ。
ageてしまった…スマソ。
一人が複数の石ないし『力』を持つのはあり?
いつもここからなんだけど、菊池さんが二つ持ってることにして
進めてるんです。
ひとつの石に一つの力が基本っぽいけど複数の石を持ってるのはアリじゃない?
条件とかが大変だけどガムバレ!
テスト終わりますた。
結果がヤバイ気がしてならない。
>>178
複数の石持ってると、>>179と同意見で条件が厳しそうだけど
頑張って書いてください!応援してます。
おぎやはぎ、誰か書いてくれないかな…

矢作兼(おぎやはぎ)
石…ラリマー(ペクトライト)←怒りの感情を鎮め、やさしさと親切心でみたしてくれるらしい。
能力…矛盾したことを矛盾でないようにしてしまう。
    使用された人はまったく疑問に思わず、ぽんとお金を払ってしまったり、死ぬような怪我でも復活したりする。
条件…関西弁でなければ発動しない(君の席ライブみたいな) 
    基本的なパワー消費は少なめだが、矛盾が激しすぎると消費も激しくなる。
    また、自分に対しては発動できない。
    同じ人に続けて使用すると効果が落ちる。

小木博明(おぎやはぎ)
石…トルマリン←宝石言葉『寛容・貞節・豊かな愛・友情』など。マイナスイオンが出るらしい。
能力・条件…不明(思いつかんかった…)

とか、そんな感じので
適当な例なんで、書こうとしている作家さんいたらスルーしてください。
希望だけでスマソ。
おもしろそう!でもスピワと能力がちょっと似てるっぽいので自分ならこうだな


矢作兼(おぎやはぎ)
石…ラリマー(ペクトライト)←怒りの感情を鎮め、やさしさと親切心でみたしてくれるらしい。
能力…矛盾したことを矛盾でないように思い込ませることができる。。
    使用された人はまったく疑問に思わず、ぽんとお金を払ってしまったり、死ぬような怪我で    も自分が怪我してないと思い込んで痛みがなくなる。身体能力を一時的に強化させたりも    できる。催眠術の強力版のような能力。

条件…関西弁でなければ発動しない(君の席ライブみたいな) 
    矛盾が激しすぎるとパワー消費も激しくなる。
    思い込ませるだけで本当にケガが治ったりはしない。(自然治癒力を高めることは出来る)
    催眠術に近い力なので単純な人間ほど消費パワーが少なく頭が良く疑り深い人間には効
    かないこともある。集団催眠にかけることも一応可能(だが消費パワーが激しすぎる)

    また、自分に対しては発動できない。
    同じ人に続けて使用すると効果が落ちる。

おぎやはぎ書こうとしてる作家さんいたらスルーキボン。あと>>182さんスマソ
>>178
いつここの小説は嬉しいが菊池ではなく菊地だよ。
重箱のスミを突付くようで申し訳ないがファンとして譲れない所なんで。
185名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/02 17:40
関東人は日本には必要ありません。朝鮮の血が濃い関東人は
日本からでていけ!!!
関東人の人種的特徴
見えるのか?と言うほど細くてつりあがった一重の目 殴打されたかのように膨れた頬 ホームベースのようなエラ
ダウン症児のようなのっぺりデカ顔水死体のように張れた瞼 目と異様に離れた薄いハの字眉
短すぎる(無い)睫毛 能面のごとき無表情 
=妖怪そのもの

理由は関東人はチョンに人種的に近い「特殊な日本人」である為です。
外国人居住者数(韓国・朝鮮人)総務省調べ

東京特別区 94804
横浜市   24389
大阪市   12527

http://www.cosmoplan.co.jp/study/data/10mantoshi/4.htm
怪物とか人じゃないものが出るのってアリ?
>>186
「人じゃないもの」を呼び出せるとか操れるとかの
力ならOKだとおもうけどなー。
バトルはまだ早い?
暫く失踪してました。スマソ。
短編もうちょっと待ってくれますか?
もう短編じゃ無くなってるが…自分の文章力じゃ
若手5組出して短くするなんて無理だったよママン…_| ̄|○
しかもメンバーも微妙だったよ…。
190オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/03 23:54
>>175タソのにちょっとつなげて良いでつか
中川家なんか出て来ちゃったりしますが。
>>189
おおー!ゆっくりご自分のペースでガムバッテください!

>>190
職人さん降臨!でつか?
自分のは書き逃げ放置みたいな形になってしまったので・・・スマソ_| ̄|○
よかったら繋げて下さい!期待してます!
192オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/04 12:53
じゃー>>174の続きのようなものを。

下の階でそんなことが起きているとは知らずに、
中川家礼二はラジオの控室でミックスサンドイッチをつまんでいた。
「…トマトとチーズはええけどマヨネーズ付け過ぎやなコレ。」
「……」
剛はソファの端っこで激しく貧乏揺すりをしながらタバコをふかしている。
この控室に入ってから30分程しか経っていないが、灰皿は満杯寸前。その殆どは兄の吸い殻が占めている。
いつもラジオ収録の時は非常にリラックスしている剛だが、今日は何故かそわそわしている。
「兄貴も食うか?…全部チーズなしやぞ。」
少しでも兄の緊張を解こうと、礼二が3切れほど残ったサンドイッチの箱を差し出す。
193オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/04 13:02
>>182続き

「せやな...」
礼二の気遣いを察した剛はタバコを消し、差し出されたサンドイッチの箱に手を延ばした。
箱に触れ、目を閉じ、意識を集中させる。ズボンのポケットが一瞬淡く光った。
「真ん中のだけもらうわ」
「全部食うてええぞ」
「ハムの方マヨネーズやのうてクリームチーズ塗ったる こっちのタマゴちょっと傷んどるし」
剛が選んだツナサンドには表からは見えないが、礼二の苦手なピクルスが挟まっていた。
「こんなんに力使わんでもええやないか」
礼二は半ば呆れながらハムサンドを口にした。
「…なんか胸騒ぎがすんねん」
194オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/04 15:46
いきなりレス番間違えた_| ̄|.....○>>193>>192の続きです。

とりあえず兄の能力を。
【中川剛】
持っている石…キャッツアイ(猫好きだから、それだけ。)
能力…いわゆる透視。バッグや財布、ロッカー等の中身を知る事が出来る。ただし、対象物に手を触れていないと発動しない。
   人間が対象の場合、裸身や内臓を見るに留まり(相手の承諾が必要)、心の中など精神的な部分は読めない。
また、中身が食べ物だった場合、なぜかその味まで味わってしまう。
   かなりパワーを要するが、携帯のメモリーやメール(既読のみ)の内容も触れただけで読み出せる。
   あくまで見るだけであり、中身に干渉する事は出来ない。

礼二の能力はもうすこし後に出てきます。実は何の石にするか決めてな(ry
続きはもう少々お待ち下さい。
195名無しさん:04/06/04 16:21
職人さん乙!続きが楽しみでつ(´∀`)
196オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/05 00:49
>>194続き

「失礼しまーす」
「ノックせえ、ノック」
ラジオ番組のAD兼放送作家の太平カンフーが突然控室に飛び込んで来るとその場で土下座した。
「剛さん礼二さんすんません」
「何やいきなり?」
「さんま師匠が、『30分しか喋れんのやったら嫌や』てキャンセルしはって…」
明石家さんまは今日収録するラジオのゲストに、と中川家自らが呼んだのだが、スタッフとの打ち合わせ中に帰ってしまったらしい。
(やっぱり2時間は必要やったんやあの人…)
ダメモトで頼んだのもあり、あっさり諦めた二人に、いつの間にか立ち上がったカンフーは耳を疑うような事を言ってきた。
「で、ですね…代わりにどなたか芸人さんを呼んで来て欲しいんですよ。
若手でもベテランでも誰でもいいですから。」
197オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/05 00:55
>>196続き

「え!俺らが??」
確かにさんま師匠は自分達が呼ぼうと決めたわけだが、
その代役まで自分で探して来い、とは…
「今、下のTVフロアで特番の収録やってるんで、そこからこっそり…」
「何の番組や」
「最近よくあるネタ見せ番組ですよ。司会は久本さんと安住アナで…あ、さっきスピードワゴンさんとダンディ坂野さん見ましたよ。」
「吉本は誰か出とるん?」
「そりゃもちろん…若手が中心みたいですけど、かなりたくさん集まってますね。」
「そっから誰か連れて来い言うんか」
面倒くさ…深夜3時から1時間の番組のゲストで何でここまでやらないといけないのか。
剛の方を見ると、目つきがとろとろし始めている。礼二も思わずあくびを誘われた。
「まぁ、たくさん芸人いますからちょっと連れ出して、ちゃちゃっと収録して、ぴゃっと戻しとけば分かりませんって。
僕等はいつまでも待ちますけど早く行かないと向こうの収録終わっちゃいますよ。そしたらまたアイドルを…」
「!」
さっきまで土下座していた男に尻を叩かれる形で、
年子のおっさん2人はしぶしぶ控室を後にした。
「あ、サンドイッチいらないのかな…もったいないから食べちゃお」
198オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/05 10:32
>>197続き

この局はラジオフロアとTVフロアが同じ建物に入っている。ラジオは9F、TVは主に4Fを使っている。
「しかしホンマこの手のネタ見せ番組多いな」
下りエレベーターを待つ間、礼二が口を開く。これを皮切りに剛もぼやき始める。
「…ネタ見せって言う程…なぁ…モゴモゴ」
「はっきり言わんかい」
「…やから、芸人がネタやる機会が増えるんはええことやけど……な?」
「あー…今の芸人はちやほやされとんのか、逆にこう…なぁ?」
「おまいも最後まで言わんかい」
30年も一緒にいれば、最後まで言わなくともお互い何が言いたいのか分かるつもりだ。
ただ、今のやりとりがまるで漫才そのものだった為に、二人とも苦笑した。
(やっぱ漫才しかないな俺らは…)

そして、エレベーターは4Fに着いた。
199オデンヌ ◆wLquMgP52s :04/06/05 11:06
前の方から読み返してみたらかなーり舞台設定変えまくってますな…(゚д゚ )ドウシマショ
ライブだったのがいつの間にかネタ特番になってるしw

いよいよゲッツ・SPWと合流します。そこで礼二の能力も明らかになる予定です。
200名無しさん:04/06/05 15:20
とうとう合流キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
201名無しさん:04/06/06 02:04
じゃあ小木の能力を考えてみた。

小木博明(おぎやはぎ)
石…トルマリン←宝石言葉『寛容・貞節・豊かな愛・友情』など。マイナスイオンが出るらしい。

能力…あらゆる職業の知識と技術をコピーすることができる。(例えば医者ならケガ人や病人を治療できる、格闘家ならプロレスラーとも互角に闘えるなど)本人の手先の器用さや筋力に左右されない。
ただ、特殊な能力や神業が使えるようになるのではなく、あくまで「その職業のプロフェッショナル」レベル。

条件・・・一回に一つの職業しかコピーできない。力を解除したら知識や技術も忘れてしまう。
     なりたい職業についてのある程度の知識が必要。
     力の発動には「どうしてもその職業になりたい」という意思と「暗示にかけてもらうこと」  
     が条件なので側にいる矢作に「承認」してもらわなければいけない。
     なので矢作がいなかったりパワーが0の状態では全く力を発動させることができない。
     またパワーの消費に伴い職業技術も劣化する。

「本当にどうしてもならなくちゃいけない」場合にだけ矢作がいなくても発動できる。(ただ、パワーを消費しすぎるため、本人にも負担がかかり使ったことはまだない)
>>201
ウホッ!漏れが書いたかと一瞬思ってしまった!
というのは…

【中川礼二】
石…アレキサンドライト(光源によって色を変える。キャッツアイと同じクリソベリルに属する。)
能力…他人の石の能力を受けるとそれをコピーして使うことが出来る。FFの青魔法みたいなもの。
   礼二自身が「石の力を受けた」と認識しないとコピーしない。上にあった矢作の能力なんかちょっと難しいかも。
   また、一つの能力しかコピー・使用出来ず、能力使用中に別の石の力をコピーすると、前の能力は強制的に忘れてしまう。

なんてのを考えてたんだなぁ〜
ま、礼二はあくまで石の力だけ、しかも1回食らわないといけないし、大丈夫ですかな。

登録してたトリップの中身を消してしまった…(´・ω・`)
あー、でも小木はコレ見るかぎりだと「職業」をコピーする能力っぽいし
礼二は「石の力」をコピーする能力だからカブってはないとおもうよ。

楽しみにしてます!
コンビ能力ってあり?
>>113の言ってるみたいな、コンビだったら2人揃わないと発動出来ないとか
まぁ、試作品だからいいよな??入れても?

あぁ、もう期末3週間くらい前だよママン…
いいと思うよー。面白そうだし。制約がキツい分強力な能力も期待できそうだし。

期末って響き自体が懐かしい・・・。
>>204タソ
二人一緒じゃないと発動できないってなんだかプリ(ry みたいだけど(・∀・)イイかも
個人的にアホマイルドやビックスモールンあたりが使いそうなイメージがあるのは気のせい?

テストがんがってほすぃのでちょっと続き投下。まだ会えてないw
>>198続き

エレベーターの扉が開くと、目の前に広がる光景に二人は息を呑んだ。
楽屋への通路は多くの人で溢れかえり、怒号や悲鳴がフロア中に響いている。
「うっわ、何やこれ」
あまりの騒々しさに驚いた剛は咄嗟にエレベーターの[閉]ボタンを押した。
「アホ、何で逃げんねん」
礼二が兄の頭を叩き、慌てて[開]ボタンを押す。
「何の騒ぎか見てくる」
開きかけた扉に体を捩込み、人だかりの方へ駆け出して行った。
「ちょっ、礼二待て……」
既に礼二の姿は人の群れに溶け込んで見えなくなっていた。
剛もひょこひょこと後を追う。しかしあまりのやじ馬の多さに嫌気がさし、奥へ進む事を早々と諦めた。
「この辺やろか」
剛はやじ馬から少し離れ、壁に両手をついて目を閉じた。
楽屋の厚い壁は防音加工が施され、透視するにはかなりの精神集中を要したが、
やがて剛の脳裏に楽屋内の様子がじわじわと広がって来た。
>>205 >>206
まぁ、コンビ能力と言っても、大したもんじゃないが…
兎に角がんがってみる。
今考えてるのに「石」に意思があるという設定があるのだが。
そういうのもありですか?…無しですか?orz
石の能力や設定は結構自由でいいと思う。
ただ、能力と条件のバランスで総合的な力がだいたい同じぐらいになったほうが
個人的には面白い希ガス。

あとは能力は劣るけど使う芸人の機転とか頭の良さで逆転とか面白そうだな。
>>207続き

楽屋にはダンディと小沢、井戸田の3人だけ。
これ以上被害者を出さない為に、誰も楽屋に入れないよう中から鍵を掛けたのだ。
しかし、状況は好転しない。ダンディのゲッツ砲は未だ止まらず、あらゆる方向から何度接近を試みても軽く吹っ飛ばされる。
「…ゲッツ!2人共、ゲッツ!早く逃げて!ゲッツ!」
「んな訳行かないですよ!僕らにしかダンディさん助けられないんですから!」
「じゃーゲッツ!早くなんとかゲッツ!してくれゲッツ!そろそろゲッツ!疲れて来たゲッツ!」
ダンデイ坂野は33才だが坂野賢一は37才。いずれにせよ体力の限界はとうに越えている。
「これじゃ封印なんて無理だよ小沢さん」
「でもこのままじゃダンディさんが…やらなきゃ」
ソファの陰から様子を見ていた小沢がすっくと立ち上がった。
ポケットから石を取り出し、ダンディを見据え、ゆっくりと近づく。石を握り締めた小沢の手から光が漏れた。
「坂野さん。こんな…」
ダンディがこちらに振り向いた瞬間、彼の胸の石がひときわ妖しく輝いた。
「ゲッツ!」
「ぅワっ!!」
「小沢さん!!!!」
小沢の身体は宙を舞い、後ろにあったスチール製のロッカーに叩き付けられた。
>>続き

体を張ったリアクション芸を得意とする者なら、受け身の一つも取れたかもしれない。
しかし自分は…。派手な音を立ててロッカーに叩き付けられた小沢は、崩れ落ちるようにその場に倒れた。
「小沢さん!?大丈夫!!?小 沢 さ ー ん!!」
井戸田がいくら呼んでも反応しない。大きなケガはないようだが、気を失ってしまっている。
ロッカーの扉がへこんでいた。ここに頭をぶつけたのだろう。もしこれが堅い壁やテーブルの角だったら…と思うとぞっとする。
ダンディはもはや喋る間もなくなる程にゲッツ砲のペースが上がっていた。小沢の飛ばされ方を見る限り、威力もかなり上がっている。
「まずい…」
井戸田は自分のラピスラズリを取り出し、小さく「あたし認めない」と呟いた。が、石は僅かな光すらも放たない。
井戸田も石の能力に頼っている以上、石の力によって起きた事は、どんなに理不尽で悲惨な状態でもリセットする事は出来ないのだ。
「クソ…ッ」
こうなったら腕ずくでも石を奪うしか…
井戸田は意識がないままの小沢をソファの陰に寝かせ、武器になりそうなモノを探し始めた。
>>211-212
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!面白い!続きが気になります!
ダンディの能力なんだが、追加入力(?)とか出来たら面白そうだなぁと思った。
例えば、「ゲッツ!」の後に叫ぶ言葉で効果が変わったり。
「&ターン!」で衝撃波が方向転換する。
「&リバース!」で衝撃波のパワーを再吸収して再利用できる(つまりパワーの消費を少しだけ抑えられる)
「&ステップステップ!」で衝撃波が自分の周りに集まって防御壁になる(ただしパワーの消費がものすごい)



あとテツトモの能力考えてみたんだが

石澤智幸(トモ)
石・・・アクアマリン←宝石言葉は「知恵」「勇気」など
能力・・・歌声で人を操る事が出来る。
条件・・・意志の強い人間には効きにくい(パワーの消費も激しい)。
相手が歌声をちゃんと聞いていなくてはいけない。完全に操った状態でも本能として強く拒絶する行為(ビルから飛び降りるなど命に危険が及ぶ行為)は行わせる事が出来ない。

中本哲也(テツ)
石・・・トパーズ←宝石言葉は「友情」「希望」など
能力・・・身体能力を一時的に上げる事が出来る。石の効果が発揮されている時点での身体能力は人間離れしていて、100m7秒台も可能なほど。
条件・・・むりやりに身体能力を上げる為、5分以上連続で使うと身体に負担が掛かりすぎて肉離れや酷い筋肉痛を起こす。

みたいな感じはどうだろうか。
215名無しさん:04/06/09 17:59
>>214
スゲェ…その発想力に参った。
いいんじゃない?それ。
∧_∧
( ・∀・) >>214わくわく
( つ旦O
と_)_)

ダンディの能力、確かにあれだけで終わりはさびすぃかなと思っていたとこ。
しかしいつの間に「&ステップステップ」なんて…
>>213続き

「!!!」
壁の向こうでとんでもない事が起きている。一刻も早く何とかしなければ…!
「兄貴何しとんねん」
目を開けると礼二が隣に立っていた。いつの間にかやじ馬達も散らばり、先程のような混乱はなくなっていた。
「何って…えらい静かになったな」
「やかましゅうてかなわんから『仕事せんと全部まとめてドツき回すぞ!』言うたらみんな掃けたわ」
「……。」
仕事しないといけないのはこちらも一緒なのだが。ましてやドツき回すだなんて…
「ダンディんとこの楽屋が中から鍵掛かっとって入られへん。誰かマスターキー取り行っとるらしいけど戻って来んのや。」
剛は楽屋の中で何が起きているのか、自分が今透視した内容を明かした。するとみるみる内に礼二の顔付きが険しくなっていく。
「何で早よ言わんねん!どエライ事なっとるやないか!!オラ、兄貴もついて来い!」
腕を掴まれ、楽屋の前まで一気に引きずられた。
「んな慌てたって鍵開いとらんかったら意味ないやろ」
確かにドアは閉ざされたままだった。
しかし礼二はやけに自信ありげな表情で兄を見下ろした。
「開けていただくんや」

>>217続き

ダンディと一定の距離を保ちながら、井戸田は武器を探していた。
接近戦はほぼ不可能。長いものか投げるもの。一発で動きを止められて、でも安全なもの。
ロッカーや引き出しを探しながら、ダンデイをチラ見する。
ゲッツ砲の連射は治まっているが、もはやその目に生気はなく、正直な話、石を奪って封印した所で肉体・精神共に助かるかどうか自信がない。
小沢の方も意識が戻らないのか、ピクリとも動かない。こっちも、もしかしたら…最悪の事態が井戸田の胸の底から湧き起こって来る。
でも、やらなくては。ほんの数分前の小沢の姿を思い描き、井戸田は足元の消火器に手を掛けた。
ホースを外し、レバーを握ろうとしたその時

ドンドン!ドンドンドンドン!!ドダンダダダダン!ガチャガチャガチャガチャドンダンダンダダダダンダン!!!!!!
「「オィゴルァ!!開けんかいヴォケ!!!!」」
ノックなんて紳士的なものとは程遠い、まるでヤ●ザかヤ●金融かのような勢いで楽屋のドアが叩き鳴らされた。
>>218続き

あまりの激しさに一瞬怯んだが、確かに聞き覚えのある声だった。しかし、一体何の用があってここへ?今日のネタ番組には出ないはずなのに…
「ヲラ何しとんねん!!」なおも激しくドアが打ちのめされる。迷っている隙は無かった。
「い、今開けます開けます!!ドア壊れちゃうし近所迷惑だから叩くの止めて下さい!」
井戸田はダンディの方に消火器を向けながら、ゆっくりドアに近づき、ついに鍵を開けた。
恐る恐るドアを開けると、顔を真っ赤にして肩で息をしている礼二と、その後ろで手を痛めたのか、手首をブルンブルンさせている剛の姿があった。
「あ…な…中川家さん…、おはようございます」
「おはよう。…何やエライ事なっとるみたいやんか。入るで」
律義に挨拶はしたものの、井戸田の頭の中はさっきまで押さえていた「?」で一杯である。
消火器を構えたまま立ち尽くす井戸田をちょっと押し退けて、2人はずかずかと楽屋に入って来た。
>>219続き

「な、開けてもらえたやろ。」
ダンディの方を見ながら礼二はこそっと剛に囁いた。
「井戸田君びっくりさせて済まんな。後でよう言うとくから、ホンマ」
得意げな顔の礼二とは対照的に剛はただただ低姿勢である。
「…あの、一体何しにここへ?」
井戸田は必死に頭の中を整理し、まず一番の疑問を捻り出した。
「決まっとるやないかい。自分ら助けに来たんやがな」
「助けに来た」…って何でこの部屋がこんな事になってると知っているんだ?
2人に即答されてますます混乱する井戸田をよそに、剛は小沢の元へ歩み寄り、昏倒したまま目を覚まさないその顔を覗き込んで何やらブツブツ呟き始めた。
「…すぐに手当てせなあかんケガはなかったか。しかしえっらい飛ばされたな。値札つきのシャツて言われよんのやったらちょっとは抵抗…」
「剛さんそれ俺っス」
こんな状況でよくボケられるなと呆れたが、そのボケを拾ってしまう自分も自分だと気付き、井戸田は頭を抱えた。
「ゲッツ!」
「ほわー!」
悲鳴の方へ振り返ると、礼二の巨体が井戸田の目の前を横切り、剛と小沢の上に落ちて来た。
>>218-219
乙!これからの展開がたのしみです!あの実は・・・小沢さんのケガの治療とギャラリー(中川家が入ってきてまた集まりだした)の処理をおぎやはぎが片付けたいのですがおkでしょうか?
なるべく話の展開に触れないようにしたいのですが。能力は皆さんが考えて下さったのと同じ能力です。

もし話の展開上まずいのであれば遠慮なくおっしゃっていただけるとうれしいです。
続きがあったとは…スミマソン_| ̄|○
>>220続き

剛がうまく受け流した為に小沢の華奢な体が下敷きになることは免れたが、床に転がる3人のぶざまな姿に井戸田はブチ切れた。
「何 だ コ レ!?あのですね、ダンディさんおかしくなっちゃって相方もずーっとこんなので俺一人で何とかしなきゃけないって時に
チンピラみたいなやり方でドカドカ入って来たと思ったら、『助けに来た』ってヒーロー気取りで結局このザマ…
俺達の事おちょくってるんでしょう。もういいです、出てって下さい!」
かなりの剣幕でまくし立てたが、中川家は黙ってこちらを見ているだけで、まるでこちらの言葉が尽きるのをを待っているかのような余裕さえ感じられる。
井戸田はさらに苛立ち、いよいよダンデイに消火器を向けた。
「今ダンディさん救えるの、俺だけなんスから」
ダンデイも井戸田の方をじっと見ている。あと1歩でも近付けばすかさずゲッツ砲を放ってくるだろう。
あの礼二が軽く飛ばされたのだから、威力はさらに上がっているに違いない。まともに食らえばかなり危険だ。
緊張のあまり身震いする井戸田の耳に、苦しげな声が聞こえて来た。
「うー…ん……じゅ、ん、…さん…待…って…」
>>221タソ
ぜひとも見たいです。おながいします。
実は楽屋突入時か騒動の後にひょっこり現れて何かちょこちょこやってるというのも浮かんだけど
あんまり人大杉になるとアレなのでやめました。

その癖次の芸人の設定考えてたりする訳ですが(あーあ言っちゃったw)
リアタイキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!GJ!!

ところで職人さんは最後に【続く】とか入れてもらったほうがわかりやすいのだが・・・。
>>オデンヌさん
dクスです!では、ギャラリーの管理と小沢さんの応急処置行います。
 小木が楽屋で借りてきたアイロンの蒸気を矢作の紅茶のしみのついたシャツにあてると、普段の茫洋とした雰囲気からはまるで別人のようにテキパキとした手際の良さでシミ抜きを施している。
 スピードワゴンやダンディ、中川家が大変な事になっているのとはまるで別世界のようにそこだけのんびりまったりとした時間が流れていた。
「はい、これで大分落ちたけど、取れなかったシミはクリーニングに出した方がいいよ」
矢作に手渡したシャツは蒸気で濡れてはいるもの応急処置としてはまるで本職同然の腕前であった。
 矢作はシミの部分を手でなでると「ほう・・・」と感心のため息をついた。
「やっぱすげえな。でもこんなことで力使わせちまってわりいな。」
「何いってんだよ。矢作がいねえと俺なんか何の力もねえんだからよ。」
「バカ、何言ってんだよ。おめー超おもしれえよ。」
 矢作のフォローに小木は鼻をフフンと鳴らした。
「そういうことじゃねえよ。」
 矢作もつられてニヤリとした。
「ああ、そういうことな。」 

その時、のんびりとした空気を打ち壊すかのように部屋のノックが鳴り響き、血相を変えた若手が転がり込んできた。
「大変です!下の階でダンディさんとスピードワゴンさんが大喧嘩してるらしくて!」
>>225
さいでしたな。今度からそうしますわ。
あともうちょっとばかし続きます。ちゃんとSPWも活躍しますです。
「大喧嘩?スピードワゴンの二人とダンディさんが?うそだぁ。」
 どちらも当然知っているが温厚で優しい性格をしているだけにまるで似つかわしくない表現にキョトンとした顔で目を見合わせた。しかし後輩の若手の顔を見ると嘘をついている様には見えない。
「ホントなんですって!物凄い物音や悲鳴が飛び交ってて、楽屋のドアにカギかけられてるし。今、中川家さんたちが仲裁にいったんですけど、凄い人だかりで・・・!もう・・・!!!!」
一息にそれだけ言うとまたどこかへ駆け出していった。後にはキョトンとしたままの二人が残された。
「ケンカってなんだろうねえ。あの三人がケンカなんてありえないと思うんだけどねえ。」
 見ると矢作が何かを思い出したように声を上げた。
「アレじゃね?多分、アレが暴走したんじゃね?」
「アレって?」
「バカあれだよ。アレに決まってるだろ!」
 そういうとポケットの中の財布を見せるフリをした。
「ああ、あれね。石の力のことね。」

 小木もそう言うと立ち上がってどこかへ行こうとした。
「おい、小木ぃ。どこいくの?」
小木はくるりと振り向いて言った。
「俺らも行かないとおさまんないでしょ。矢作もおいで。」
「ああ、そうだな。やべえよな。」
そういうと二人は楽屋を後にした。
>>227 >>228
乙!続き楽しみにしてます!!

と、言うかこれって本編?
 石の力の所持者がいる楽屋の前では礼二が一喝した後よりも沢山の人間でゴッタ返していた。 先ほど散った人間が新しいギャラリーをつれてきたせいだろう。なぜか警備員が誰も来ないのが不思議なくらいだった。
 楽屋からなにかの物音や井戸田のものだろうか、怒声のようなものまで漏れ聞こえてきた。
「あー、こりゃまずいねえ。」
「明日のスポーツ新聞の一面飾っちゃうねえ。このまんまじゃ。」
「『人気若手芸人、テレビ局で大喧嘩!!恨みをゲッツ?!』とか?」
 小木がまじめくさった顔で続ける。
「で、悪いイメージついてCMも無理だしスポンサーから仕事おろされて・・・」
 恐ろしいことを淡々と話しながらも、やはり冷静さと芸人としての事を気にする大人ならではの気遣いも多少感じられた。

「しょうがねえ。俺らがいっちょ人肌脱ぐか。」
「ハイハイハイ!ちょっとどいてどいて!」
 ヒョコヒョコと素早いフットワークで楽屋の扉の前まで来るとくるりと振り向いた。そのまま後ポケットの財布を取り出す。
「みんな、ちょっと!コレ見てんか?ヴァレンティノの財布やで!」
 なぜかぎこちなく脱力するような響きの関西弁で叫ぶと一斉に操られたかのように矢作の方を見た。普通の黒い長財布にはまるでキーホルダーのように例の石がぶら下がっていて、淡く光っていた。
「いい、みんな良くきいて!これはケンカなんかじゃないんや!ただのバラエティーの収録なんや!!!」

 甲高いうそ臭い関西弁で叫んだ瞬間、石がまるでカメラのフラッシュのように強く発光した。その瞬間だった。
「ああ、バラエティーの収録ね。」
「そうだよね。ケンカなわけないよね。誰だよ!ケンカなんか言った奴。シャレ通じなさすぎ。」
 皆がまるで魔法にでもかかったかのようにぞろぞろと帰り始めたではないか。何人かは首をかしげてはいるが大半は何事もないかのように散り始めた。

「さすが矢作。」
 離れていた小木が拍手をする。
「ああ、こんだけの人数に力使うのすげえ疲れたけどな。石の光直接見せねえとムリだろ。」
 矢作の能力は「関西弁で叫ぶことによって相手を暗示にかける能力」であった。さすがにあれだけの人数に一度にかけるには体力と精神力が必要であって肩で息をしている。
「大丈夫?まだ力使える?」
 ぜえぜえと苦しそうな顔をしているが無理して笑う。
「ああ・・・、元々みんなヤラセだと思ってたっぽいしな。お前の力程度なら大丈夫だろ。」
 うなずくと楽屋のドアをノックした。
 緊迫している楽屋の、外からまたノックの音が響いた。
「おーい、みんなー、俺達だよー。おぎやはぎですよー。」
 緊張感のない声に脱力しながらも井戸田がおそるおそるドアを開ける。おぎやはぎが能力者だということは知っていたが、二人の能力が今役に立ちそうだとは思えなかった。しかし、今は少しでも戦力がほしい。
「大丈夫?今どんな感じになってるの?」
 剛に小木が尋ねるが「えーと・・・、ダンディさんが・・・で・・・小沢さんが・・・」
全く要領を得ない回答にいらだったのか礼二が剛をグイと押しのけた。
「もう、俺が話すからだまっとれ!要は、ダンディさんの力が暴走して、近づくものみんなふっとばしますのや。で、スピードワゴンが止めようとしたら小沢さんが頭ぶつけて失神してもうて・・・。」
「え?ケガしたの?」
「意識は回復したみたいですけど・・・。」

「やばいな、小木。救急車呼ばねえと・・・。」
「でも救急車呼んだらまた大事だよ。こういう時の仕事ってなんだろうね?」
「やっぱー、レスキュー隊っつうか・・・救急隊員じゃね?」
「じゃあ、救急隊員だね。矢作救急隊員になりたい!どうしてもなりたい!」
「・・・じゃあ、しょうがねえな。お前のなりたい者にはなるべくならせてやりたいからな。」
 中川家の二人がキョトンとして見つめた。「あの二人何の会話してるんやろ?」
 小木の能力を知っている井戸田は何も言わず小沢の方に駆け寄った。

矢作が小木にほとんどパワーを使わない軽い暗示をかけた。
「救急隊員になるんやー!!!」
 小木の石がピカリと光った。その瞬間、まるで別人のような目つきになった。
「剛さん、礼二さん。動ける人で救急箱と水持ってきて。」
 テキパキとした小木の姿に驚きつつも二人は従う。小木は非常灯をとりだすとダンディの姿なども気にせず小沢のほうに駆け寄った。
「小沢さん!小沢さん!」
 小沢の身体を揺らそうとする井戸田を小木が鋭い声で制止した。
「揺らしちゃだめ!」
 まず小沢の身体を仰向けにして平行にすると名前を呼んだり、軽く手足をつねったりした。
「意識はあるみたいだね。名前は?今日の日付は?住所は?年は?」
 意識が混濁していないか確認するため、簡単な質問を何度もする。小沢は時折声が小さくなりながらもゆっくりと正確に答えていった。中川家の二人が救急箱を矢作に手渡す時も、
小木はその間も脈拍を取ったり瞳孔を確認したりと忙しそうに動いていた。
「意識ははっきりしてるし、軽い脳しんとう起こしてるだけみたいだよ。一応軽いケガやねんざがあるから包帯巻いて安静にしてれば大丈夫。念のために脳外科に行った方がいいけどね。」
 
 井戸田はほっと床にへたりこんだ。「小沢さん、大丈夫なのか・・・。よかったあ。」
 テキパキと包帯を巻く小木の姿をあっけにとられたように見つめる二人が矢作に小さな声で尋ねた。
「小木さんって・・・。」
 矢作は平然と答えた。
「ああ、あれね。小木の力。小木って何の職業のプロにでもなれちゃうの。でも俺が暗示かけないとダメなんだけどね」
「へえ、すごいなあ。」
 感心したようにつぶやくとこっちへ力を解除させて別人のようにフラフラと戻ってくる小木をぼんやりとみつめた。
「小木、大丈夫?」
「俺はまだいけるけど、多分ダンディさんの力にはムリみたいよ。それにダンディさんの体の方も心配だし、力温存させといた方がいいんじゃない?」
「そうだな・・・。俺も小木の分に使う力しかねえしな。」
 どういうと二人は中川家のほうを向いた。
「剛さん、礼二さん、井戸田くんを助けて・・・あとはがんばってね。」
「ああ、二人にはあとで活躍してもらわなアカンし、ゆっくり休んどいてな。」

 二人は、強くうなづくと、井戸田と小沢の元に戻った。【おぎやはぎ編、終わり】

長文スマソ・・・_| ̄|○ 多分、話には影響でないとおもうのですが・・・>オデンヌさん

応急処置は一応ネットで調べた程度なんである程度は合ってるとおもうのですが・・・。
>>230
これは本編というかどういう感じになるかお試しで作ってるものなんで・・・。
>235

(=゚ω゚)ノぉっ
だいじょぶっすよ。
おぎやはぎが帰った後の様子を書いていきますわ。
238名無しさん:04/06/11 14:05
職人さん、乙です。おぎやはぎらしくてワロタ。
239名無しさん:04/06/11 16:34
>>236
乙。長文の途中に書き込みしてスマソ。
そうか、ためしか。わかった。
でも、大体そんな感じになるよね?
>>239は自分です。名前入れるの忘れた上にageてしまった…
スマソ。
さっきの笑金で、ダンディとスピワが同じブロックでちょっとドキッとしてしまった…orz
>>241
(`・ω・´)ニヤリ
他の芸人のもちょっくら考えてみたけど、いい案が浮かばないなぁ。


ヒロシ
石・・・・カンラン石
能力・・・・相手の今まで起きた悲しい事を思い出させて、とんでもなく悲しい気持ちにさせる。
    凹ませる程度にも、立ち直れなくなるようなぐらいにもさせられる。
    術をかけられている相手は、眠っているような状態になる。
    極端に楽観的な人だと余り効果はない。
条件・・・・術を発動させる時には薄暗い場所で、物悲しい音楽が必要。
    術がかかる人に、何かしら悲しい事が起きたことがなければ発動しない。
    更に自身の悲しい事も思い起こされるので、ヒロシ自体結構凹むので連発はできない。
    「ヒロシです」が合言葉。

自分も考えているのがあるのだが、見事に石が被った。
能力も全く違うし、こういう場合はこちらが変えた方がいいのかな。

書く前にさんざ調べたのにな〜…。
>>244
ガンガレ!
被った石の芸人が未登場なら、考えた人に交渉してみては?


あと少しややこしくなってきたので纏めてみる。


【登場済み芸人の石】
花崗岩
シトリン
アパタイト
ラリマー
トルマリン
キャッツアイ
アレキサンドライト

【設定のみで未登場芸人の石】
カンラン石
アクアマリン
トパーズ


ついでに石をいくつか…参考までに


アゲート(めのう)…大地に豊作をもたらす石。宝石言葉は『夢の実現』
オニキス(黒めのう)…悪霊から身を護る石。宝石言葉は『輝くあなた』
カーネリアン(紅めのう)…宝石言葉は『思いやり、剛毅(ごうき)、希望に満ちて』
プラチナ…宝石言葉『強い絆』
アンバー(琥珀)…宝石言葉は『誰よりも優しく、家族の繁栄・長寿』
>>245タソ乙
井戸田さんラピスラズリと思って書いちゃったけどシトリンだったのね_| ̄|○>>151タソスマヌ

しかしちょっと繋ぐとか言っときながら長くなっちまったな…
自分で書いてて言うのもなんだが、オンバトのSPコントみたいになってきた。
名前の通りの244ですが、石を変更することにしました。
散々調べといて書き込む直前に気づくって…(´・ω・`)ショボーン。

けど、世の中にはいろんな宝石があるもんですね。
脆くて宝飾品にならないものもありますけど、綺麗だし。
何だか設定固まって来ていい傾向だね。

ここでバトロワやっちまうと設定こんがらがるがオケ?
色んな設定無視してるよママン…orz
能力自体違っちゃってるからなぁ…。
しかも書いてる芸人の中にあばれがいる…。
まぁ、それ相応の理由があるわけだが。

一人事でした。スマソ。
249名無しさん:04/06/14 17:22
ちょっと考えてみたのだが、コンビで色違いの同種の石ってありかね?

柴田英嗣(アンタッチャブル)
石…ファイアオパール←災難・困難を乗り越えると言われる
能力…自分の感情エネルギーを使って、回復や補助ができる。
   怒りながらつっこむことで操られた人を正気に戻したり、
   笑って励ますことで味方の石の力を一時的に上げたり
   消費したパワーを回復させたりできる。
条件…発動時にはテンションが上昇、感情表現も激しくなる。
   パワーが少なくなると回復量も減る。
   自分の状態異常の回復には倍のテンションが必要で、
   パワー消費も激しい。
   また、自分の能力で自分の石の力の回復はできない。      
山崎弘也(アンタッチャブル)
石…シェルオパール←宝石言葉は「和合・合体」
能力…言った言葉に応じたものが召還される。
   例えば「一万円からのおつりです!」で
   多量の小銭&桜エビの山が相手の頭上に出現するなど。   
条件…その場で適当に思いついた言葉でなければ発動しない。
   同じ言葉でも使うたび違うものが出てくる。
   役立つものを出そうと思うほどパワー消費が激しくなる。
   パワーが少なくなると言葉を噛みやすくなり、召還の成功率が下がる。
250名無しさん:04/06/14 17:37
同種の石でも色違いなら別扱いでいいとおもうよ。
ルビーとピジョンブラッド・ルビー(血みたいな色の赤)みたいに特別な名前がついてるものも別種でいいの?
そういえば回復系の能力持った人が未だにいなかったんで柴田のは使える能力っぽいね。
>>247-250
みなさんがんがれー楽しみでごわす。

そして漏れは完結してないけど我慢できずに4レス投下するw
>>234続き

おぎやはぎが去り、楽屋は再び緊張感に包まれる。
井戸田はダンディにじりじりと接近した。
途中、礼二の方を見ると一点を見詰め、何やらぶつぶつ呟いている。今話し掛けたら何をされるか分からない。
「さて、と…」
「だから潤さん、待ってって!」
後方から先ほどよりもしっかりした声が聞こえた。振り返ると、剛に支えられ、小沢が立ち上がっていた。
「無理すんな。今石持って来てやるから、そこで待ってな」
「潤さん、何で全部一人でやろうとするの。」
「何でって、小沢さんその体じゃ満足に力使えないっしょ。」
「井戸田くんかて、今はダメなんちゃう?」
「!?」
沈黙を破った剛の一言に井戸田は動揺した。
ズボンのポケットに左手を突っ込んでもぞもぞさせながら、言葉を続ける。
「自分も石使うとる訳やから、人の石の力も認めなアカン…せやろ?」
再び出したその薬指には、小ぶりながらも蜂蜜色をしたキャッツ・アイの指輪が輝いていた。
「全部やないけど、見して貰たで」
「それってまさか…中川家さんも…」
井戸田は剛の手に煌めく石に目を奪われていた。すると突然、小沢の表情が強張った。

「潤さん後ろ!!!!」

>>252続き

――ヤベぇ――――――!
どんっと肩から背中のあたりに鈍い衝撃を受け、そのまま前につんのめる。
倒れる瞬間、目の前のものがスローモーションになっていった。
小沢さん…井戸田ではなく、その後方を見て驚いている。
剛さん…同じ方を見て何故か笑いをこらえている。
――てめーら俺の事ァどうでもいいのか――――――!!!?
泣きそうな思いで床に突っ伏した井戸田の後ろで一際大きく声が響いた。

「「ゲッツ!」」

「あれ?」
上体だけ起こして後ろを見ると、さっきまで自分が立っていた位置に礼二が陣取り、ダンディと対峙していた。
しかもまるで鏡で映しているかのように指先の高さから膝の角度までダンディと同じ「ゲッツ!」のポーズをとっている。
「礼二さん?」
「痛かったか?警察には言わんでくれや。…ゲッツ!」
どうやら自分が今倒れたのはゲッツのせいではなく、礼二が突き飛ばしたからのようだ。
(警察って…)
「「ゲッツ!」」
ダンディは何度もゲッツを放ったが、同時に礼二も全く同じモーションでゲッツする。その度に2人の間で小さな風が巻き起こった。
何が何だか分からずポカーンとしている井戸田と小沢を尻目に、剛はケタケタ笑い始めた。
>>253続き

「剛さん…?」
シンクロ状態で何度も「ゲッツ!」し続けるダンディと礼二の姿を見てずっと笑い転げている。
「…あいつアホやー!アヒャヒャヒャ」
「剛さーん!?」
井戸田がキレ気味に呼び掛けると笑いをこらえながらようやく説明し始めた。
「あぁ…アイツな、昔からよー誰かのマネして来よったけど、最近はあーいう変な力までマネ出来るようなってん」
「変な力って石…?」
目を丸くする小沢と井戸田に礼二がつけ加える。
「いっぺん食らってみんと分からんけどなゲッツ!ダンディのは衝撃波みたいなもんやからゲッツ!正面から撃ち返せばゲッツ!消せるんちゃうかゲッツ!」
よく見ると礼二のシャツの襟元からチェーンがチラチラと光っている。恐らくペンダントのような形で石を身につけているのだろう。
「こんなよう動く礼二久し振りに見たわ…おもろいからもうちょっと見…」
「アホな事言うな!俺もしんどいねん!!誰か止めえ!今なら近づけるやろ!!!」
今なら近づける。井戸田は小沢の方を見た。剛は小沢を支える手を離し、ちょっと背伸びして囁いた。
「小沢くん、今度は行けるで」
小沢は少し考えて、井戸田に力強く目配せし、ダンディと礼二の方へ歩いた。
>>254続き

もう支え無しで歩く事は出来たが、さっきやられた時に捻った足が少し痛む。
ゲッツ砲を打ち消している礼二の額からは汗が噴き出し、こちらの疲労もピークに達しようとしていた。
確かに何度もゲッツポーズを繰り返すとスクワットに似ている。もしどちらかの気力・体力が尽きたら…
真似ているわけではないが、先ほどの井戸田のようにに最悪の事態が小沢の脳裏を掠め、目が潤んでくる。
礼二がその様子に気付き、すっかり荒くなった息の中から声を掛けた。
「小沢…くんゲッツ!…俺はダンディにゲッツ!合わせ…とるゲッツ!だけやから…ゲッツ!ダンディだけ止めゲッツ!ればええ。ゲッツ!楽に…やれゲッツ!」
「!」
実は2人共止めなければならないと思っていた小沢は深呼吸ひとつして肩の力を抜き、目を閉じ、握り締めた石に意識を集中させた。
〜〜止めないと。こんなこと…こんな……・・・〜〜〜〜〜〜

『も う こ ん な 遊 び 、 終 わ り に し な い ?』

目を開き、甘く、しかし力の込められた声でダンディに囁くと、
それまで小沢の意識に共鳴して淡く光っていたアパタイトは強い光を放ち、
その光を浴びたダンディはガクンとその場に崩れ落ちた。
ようやくダンディ止まりますたが
ある意味仕事すっぽかしてるSPWと中川家の帳尻を合わせなければならんので
もうちょっと続きます。
あと今書いてる皆さんに業務連絡ですが、
長井秀和orジェット(石)使ってる人いらっさいますか?
257名無しさん:04/06/14 21:21
リアルタイムGJ!面白いです!

たしか長井&ジェット石はまだ使われてないとおもいますよー。
258名無しさん:04/06/14 23:00
乙!小沢さんの止め方がらしくて素敵だvv

でも確かに仕事ほったらかしにしてるよなあ・・・
すっかり忘れてたけど。
うーん、皆さんユニークだな。
今考えてるのはユニークさとは程遠いので、載せるのが躊躇われてしまう。
乙!続きが楽しみです。

テスト前になると書きたくなるのは何故なんだろうか。
261214:04/06/14 23:17
この前ダンディの能力の追加入力とテツトモの能力書いてみた者なんだが、
新たに設定考えてみたのでとりあえず投稿。
物語の根本に関わってきちゃうので気に入らない人はスルーで。

・石の中でも、特に価値の高い(宿る力が高い)輝石には、魂が宿っている(ルビーやサファイヤ、ダイヤモンド、エメラルドなど)
 それは、古くは戦前からお笑いの歴史を築いてきた去る芸人達の魂の欠片が集まって作られたかりそめの魂であり、
 石の暴走をなくす為にお笑い芸人達を導く、みたいな。

・石の力は、かつてない程に高まった芸人達の笑いへの追求、情熱が生み出したもの。
 持ち主にしか使えず、持ち主と一生を共にする(子孫まで受け継がれる事はない)。

独り言スマソ。
262名無しさん:04/06/15 00:47
ラーメンズで考えてみますた。おかしいところがあったら修正キボン

片桐仁(ラーメンズ)
石…カオリナイト・別名 滑石(粘土に使われる石、脆い石なので陶器状になっている)
能力…粘土で作ったものを本物ソックリに擬態させることができる。
     力を使えば単純な動作(同じ行動を繰り返したり突撃させる等)をさせることもできる。
    ある程度まで巨大化させることも可能(ただし限界がある) 
条件…粘土である程度何を作っているか判別できる程度まで造作しなければならない。
    粘土で作った物は喋ることはできず、強度は粘土のままなので水に弱く
    感触も粘土のままなので触るとすぐにバレるし、跡がついてしまう。
    攻撃させても粘土をぶつけた程度の攻撃力しかない。
    巨大化はかなり力を必要とするため人間程度の大きさまでしかできず、
    巨大化の比率によって行動が制限される。(人間を作った場合動かすことはできない。)     
小林賢太郎(ラーメンズ)
石…トルコ石(石言葉、成功を保障する・命中)
能力…現状を分析し、その状況から勝利、または回避できる最良のシナリオを
    物凄いスピードで自動筆記することができる。
    この能力を使っている間は他人は干渉することができず、
    例え失神したり仮に本人が死亡しても自動筆記が止まることはない。
    仮に勝利が不可能な状態の場合、自動的に回避や退避、死なないようにするためなど
    目的を自動で変更して書き上げることができる。   
条件…ペンとノートやPCなど筆記できるものがないと発動できない。
    この能力を使用している間、本人は精神集中している状態になっていて
    呼びかけたり話しかけても答えることはできない。
    完成したシナリオは本人しか読むことができない。
    (他人が読んでも記号の羅列にしか見えない)ただしPCの電源を抜いても読める。
    本人の意識がない場合に限りそのシナリオに出ている人物限定で読むことができる。
    ある程度の不確定要素には対応してはいるが例えば未知の人物が乱入してきた場合など
    アクシデントが発生するとシナリオ通りにはいかなくなってしまう。
石を封印するために東奔西走してる芸人の総称があったらどうか。
英語ではシールドなので、それに因んだものがいいと思うんだけど、
いかがだろうか。

それと、
 ・「石」の能力を巡って、芸人同士のストリートファイト的な
小競り合いが頻発しており、NSC・JCA等の元学生(中退者)にも
広がりつつある。

これも独り言。スルー可。
264名無しさん:04/06/15 03:11
書いてみたい・・・でも下手だし・・・
書こうと思うと、意外と素の喋りって分からない。
書き手さんって凄いですね。
265262:04/06/15 04:14
小林賢太郎の能力に追加スマソ。

基本的には本人しかシナリオを読むことは出来ないが
シナリオに「○○に捧ぐ」と書いた場合のみその書かれた人も読むことができる。
>>263
とりあえず芸人集団なんで簡単に隠語っぽく「ユニット」とかどうだろ?簡単すぎ?

自分内設定だと(あくまで勝手に)おぎやはぎやバナナマンは「ユニット」に入ってなくて
あくまで「自分たちのマターリ生活を壊しそうな方に敵対する」って感じなんだけど。 
>>266
たしかにおぎやはぎやバナナマンは
敵になったり味方についたりしそうだなw

今日登校途中に小説どうしようかと考えてたら
車に引かれそうになっちまった。
>>261
中には捻じ曲がった形でお笑いに打ち込んでいる奴の思念とか入ってたら面白いかも。
導く石だけじゃなく、勝手に邪悪な石が芸人を操っちゃうみたいな。
じゃあダンディの石が勝手に動くのは
『相方を信じずに「俺の言うとおりにやってればそれでいい。お前は勝手なことをするな!」という芸人たちの高慢な心(思念)が封じられている』とか?

・・・・・・あ、そしたら封じるんじゃなくて逆に開放になっちゃうのか。

矢作の石は元々関西のマターリを大事にしてきた芸人たち(イメージだといとこい師匠みたいな)
の心が封じられているために関西弁じゃないと発動しないとか?
もともと関西の芸人が持つはずだったのになぜか矢作を主人だと石が認識したとかね。
いつもここからで一つ。

菊地秀則:
 石:ツァボライト(正式にはグリーン・グロッシュラー・ガーネット。
  美しい緑色)
   アイオライト(鮮やかなスミレに似た青紫の石。
  「ウォーターサファイア」の別称を持つ)
 ツァボライト/能力:具現化。大体のイメージが出来れば、
       生き物以外なら何でも出現させられる。
        条件:瞬間移動ではないので、「その場所に存在する可能性が極めて低い物
       (例:テレビ局にロケットランチャー等の大型銃火器)」は出現不可能。
 アイオライト/能力:水操作。水に限らず、液体なら何でも。
      凍結、沸騰、蒸発のほか、多少の傷なら治癒も可能。
      武器にも盾にも転用できるが、使いすぎると高熱が出るというおまけ付。

山田一成:
 石:グリーンフローライト(和名:蛍石。紫外線を当てると蛍光を発することが由来)
 能力:風操作。硬化させて刃として飛ばしたり、
  小さく渦巻かせれば物を運べる(笑)。単独であれば空を飛ぶことも、
  ちょっとした傷の治癒も可能。
  誰かを伴っての飛行だと、集中しなければ高度を保てない。
  故に、その間攻撃などの操作は全く出来なくなる。

〈2人一緒の場合に限って、石保有者のみが存在できる空間を創造出来る。
けど必要な事態に遭遇していないので、やったことはない〉

「掴み所のない2人」ってとこから、不定形なものを従わせてみた。
270だけど、何か改行おかしいな。
読みにくくしてしまってスマソ。
ためしにあばれも考えてみた。

竹内幸輔(あばれヌンチャク)
石・・・・タンザナイト(宝石言葉は空想)
能力・・・・スケッチブックに人物の姿を描くと、スケッチブックの中に閉じ込める事ができる。
条件・・・・閉じ込める相手が自分の視界内にいないと発動しない。
    スケッチブックに描く絵はあんまり似ていなくてもいい(ざっと描く程度)
    スケッチブックには閉じ込められた人間の姿が写真のように鮮明に映る。
    閉じ込めた人を中から出すには、竹内がスケッチブックを振るか、竹内が意識を失ったりすると自動的に出て来る。
    スケッチブックの残り枚数によるが、何人でも閉じ込める事は可能。


斉藤恭央(あばれヌンチャク)
石・・・・ブルーゴールドストーン(人工石で、自己表現の石)
能力・・・・他の人間に姿を変えることができる。
条件・・・・竹内と同様、変身する相手が視界の中にいなければならない。
    一日に変身できるのは一人まで。
    一応変身した相手の能力も使えるが、あくまでも「真似る」だけなのでその力はかなり弱い。


お兄さんが閉じ込めて、やっくんがその人になりきる、と言う感じです。
なんとなくコンビで協力できるようにしてみました。

あと、全芸人共通で、石に力込めたら気功みたいのが出るっつうのはどうだろう?
273名無しさん:04/06/17 02:04
アンジャッシュの能力案

渡部建
石・・・水晶(透明)←宝石言葉は「純粋」
能力・・・他人の視覚、聴覚などと「同調」出来る。
条件・・・「同調」している間は他人の意識に入り込んでいるので全くの無防備。5分以上「同調」すると精神がダメージを受ける為、回復の為に眠り込んでしまう。

児島一哉
石・・・オパール←宝石言葉は「無邪気」
能力・・・ありとあらゆる物と「すれ違う」事が出来る。例えば壁や物をすり抜けたり、攻撃が当たらずに通り過ぎたりなど。
条件・・・「え?(+驚きの表情)」がキーワード。パワーを大量に消費するが、他人を「すれ違う」ようにする事も出来る。

純粋ゆえにすれ違うアンジャッシュのコントをイメージして石を選んだんだが、意見アドがあったら遠慮なくどぞ。
274名無しさん:04/06/17 02:08
>>272
二人の能力を逆にした方がいいかもしれない。実際スケッチブックに絵を描くのはやっくんの役目らしいし。
余計なお世話だったらスマソ。
やっと短編バトロワ書き終えました。

…もう必要ないかなぁ?(苦笑)
276名無しさん:04/06/17 13:16
>>275
読みたいです。投下キボン
277名無しさん:04/06/17 15:04
でも今投下されるとオデンヌタソ達の作品と混ざって訳が分からなくなりそうな予感。
そのためにも早いとこゲッツ編完結させたい所だが
みんなや漏れが考えてるいろんな設定入れたらどんどん長くなりそうな悪寒
お笑いと一緒でちょうどいい所でやめないとw
279名無しさん:04/06/19 01:18
ゲバルト揃ってほしいと呟いてみるテスト。おかしい所あったなら修正キボン。

上田晋也(くりぃむしちゅー)
石…ホワイトカルサイト(方解石)←集中力・記憶力を高める。
能力…生物・無生物問わず、一週間前までの記憶を
   正確に思い出させ、写し取ることができる。サイコメトリー&瞬間記憶能力の様な感じ。
   思い出させた記憶は石に記憶され、いつでも再生できる。
   また、二十分以内のことなら実体そのものを思い出させて
   壊れた物を元通りにすることも可能。
条件…石を発動させるためには対象の「うんちく」を
   1つ言い切らなければならない。
   また、一回発動させるたびに体の各所に激痛が走る。
   (痛みのイメージで記憶することから)
   再現が難しいものほどパワー消費が激しい。
   パワーが少なくなると本来の自分の記憶と
   石に覚えさせた記憶とが混ざり始めて、混乱状態になる。

有田哲平(くりぃむしちゅー)
石…パイライト(黄鉄鉱)←思考の柔軟性をもたらす。別名「愚か者の金」
能力…隠していた相手の弱点を見抜くことができる。
   発動前に弱点が分かっていた場合、三分間
   その弱点を突ける姿に変身することができる。
条件…弱み暴露の場合はその弱点をトランス状態で歌い上げてしまい、
   歌い終わるまで止まらない。(一応歌の内容は覚えている)
   変身の場合、時間内なら制限なしにどんな姿にも化けられるが
   その分パワー消費や体への負担は桁違いであり、二日に一回が限度。
   三分過ぎると変身は強制解除される。
   相手に弱点が無かった場合、石の力がねじれて戻ってきてしまい
   有田自身が極度のネガティブ思考になってしまう。
>>279
これで劇団ひとり&森三中が決まればロバホもいける
と言ってみるテスト
有田さんに歌だの極端なネガティブだの、らしい条件がついてて面白いな(・∀・)。

自分は270なんだけど、ひょっとして攻撃性の強いものって
だめだった?
ご意見キボン。
282名無しさん:04/06/19 13:01
>>281
攻撃性の強いものは条件が厳しければいいと思う。
能力に見合った条件をつければおkだとオモー。
バナナマンの能力を投下してみるテs(ry

日村勇紀
石…スモーキークォーツ(煙水晶)←潜在能力を高める。素直な気持ち、癒し効果を持つ。
能力…「あどでー、ぼぐでー。」をやり、決め顔を作って一秒静止することにより、
     脱力させ一瞬(約3秒)だけその場にいる全ての石の効果をオールリセットできる。
     3秒たてば自動的にすべての効果が戻る。
     「パパみだいだ力士になりだいどー。」と続けて最後まで言うことにより
     見た目はそのままで運動能力と体重が力士並になることができ人間だけではなく
     幽体や実体化された石の能力など目にぼんやりとでも見えるものなら例え普段
     触れないものでも相撲をとる事ができる。(その場合は力ではなく精神力依存)
     オプションとして解除されても一回だけ絶品のちゃんこ鍋を作れるようになるw
条件…「あどでー、ぼぐでー」詠唱中はまったくの無防備になる。リセットさせた場合は解除後
     10分間自分も脱力してしまい何もできなくなる。力士になった場合、
     解除後に身体に大きな負担がかかり2〜3時間は普段の何倍も弱くなってしまう。
     体力と精神力により、3〜5分ほどで強制解除されてしまう。
     リセットは一日2〜3回、相撲力は1日1度が限度。
設楽統(バナナマン)
石…ソーダライト(ソーダ石)←正しい判断力、直観力、理性的な行動。自己意識の強化、
   会話能力の向上
能力…言葉の説得力とカリスマ性を上げることにより説得により相手を味方に引き入れたり、
    かく乱させたりすることができる。説得に気づかせずに結果的に自分の思い通りに
    なるように相手を行動させることも出来る。
    「洗脳」とは違いあくまで「説得」なので第三者が解除させることはできない。
条件…相手が迷いを心に持っていたり、話を聞ける状態ではないと発動できない。
    (心に迷いが全くなかったり、操られて思考を停止していると発動しない。)
    単純な人間か、心の迷いが大きい人間ほど効果が高く、
    複雑で迷いが少ない人間ほどパワーを消費し、効果が少ない。
    説得された人の解除は第三者は基本的にできないが、「さらに上をいく説得力」か
    「説得を超える熱い思い」がある場合には解除させることができる。 
    パワーの消費により説得力が落ちていく。
おかしいところがあったら遠慮なく修正キボンヌ。
個人的設定ではバナナマンとおぎやはぎは正義でも悪でもなく
友情とマターリの為に行動しているのでマターリを乱す方か、仲の良い芸人がいる方につくため、
スピワ達「石の力を封印する派」に協力したり、たまに敵に回ったりするのだが。
でも基本的には二組はあまり敵対しない。
286名無しさん@270:04/06/19 20:07
>282
条件か。
 「少しでも固形分があるもの(例:血液)・
 揮発性の高いものは使役の対象外となる。」
くらいしか今は思いつきませぬ。
あとは、対象となる液体が手近にあることぐらいかな。
幾ら何でも、水を自分で作り出すことは出来ないだろうし。
いつここの能力面白そうだけど強力だなあ。
条件を厳しくしないと強すぎて他能力とのバランスがとれなくなっちゃうかも。
じゃあ、いつここの条件を追加で考えてみるとしたら。(例としてなんで気を悪くしたらスマソ)

ツァボライト・・・具現化するためにその物の絵を描かなくてはいけない。(あばれと似ちゃうけど)
         ある程度細部まで細かく描かなくてはいけない。絵の完成度と性能が比例する。

アイオライト・・・液体を操れるが操る水と同じ量の水を自分が飲まなくてはいけない。
         (コップ一杯の水を操る場合、コップ一杯飲まないといけない)
         ただし、飲んだ水は手から作り出して操ることが出来る。
         なので自然と毒水や血液などは操れない。
         飲む水の限界量は普段と同じなので大量の水を操る場合、
         大量に飲まなくてはいけない。  
         川の水など汚い水はコップに汲めば浄水することができるので飲める。

グリーンフローライト・・・屋外か窓が開いている状態である程度の風が吹いていないと使えない。
              密室や無風状態では使えない。
              その時の風力と力が比例するため、台風の時はある意味最強かもw
              空を飛ぶときはやや滑空(飛行機)に近いのでホバリング
              (空中停止)はできない。滑走路のように助走をつけなくてはいけない。

設定勝手に変えてるみたいでスマソ。(あくまで仮というかこんな感じで考えてみたら?っていう一例なんで・・・)>>270さんの作品楽しみにしています!
288名無しさん@お腹いっぱい。:04/06/20 22:15
落ちそうなのでageます。
オデンヌです…なかなか話が終わらんとです。。。

ほんのちょっとだけですが劇団ひとり又はホリを出そうかと思っとります。
能力は決まってるんだがどちらが使ってもおかしくないものでw
今どっちか使って書いてるよーって方は御一報ください。
290名無しさん:04/06/21 16:21
つか早くゲッツ編が終わらないと他の職人さん困るぞ。
291名無しさん:04/06/21 19:12
オデンヌさん、是非劇団ひとり登場させてください!
丁度読みたいな〜と思っていたところでして・・・。

職人の皆さん、がんばってください!!!
これからも期待してます☆
同時進行じゃダメかね?最初に名前欄に『〜編』ってのを入れて最後に『続く』とか入れれば
混乱しないと思うけど。
293名無しさん:04/06/21 22:13
確かに分けるのは良い案かも。
バトロワスレとかもそうなってるみたいだし。
漏れは能力に力の差があってもいいと思うよ。
使い方で強くも弱くもなるし。
>>294
それこそここはジョジョみたいに
「能力に強い弱いはない。使い方だ!」みたいなほうが面白いと思うけど。
操られて自分の意思をなくしてたり条件がキツいほど能力も強力ならおもしろいかも。
296名無しさん:04/06/23 18:42
スマソ、スレの流れと関係ないけど>>1
千鳥 VS ポイズンガールバンド
の漫才を見比べてワロタ
確かに凄く芸風が似てるw
297名無しさん@270:04/06/23 22:43
>287
色々な提案ありがとうです。遅くなったけど、お礼のお茶。

つ旦~ 旦~

ふと思ったんだけど、もしテレビ局みたいな高層ビルの中にいて1階で何かあったとしても、
助走とちょっとした風さえあれば飛び降りて駆けつけることも出来るかもね。
一緒に空間造ってからじゃないと、一般人巻き込みかねないが。
298名無しさん:04/06/25 19:58
保守
299名無しさん:04/06/26 01:30
あばれヌンチャクと南野やじ書かれてる方いらっしゃいませんか?
居られなかったら使いたいです。
300名無しさん:04/06/26 01:39
>299
あばれは案が出てるぞ?
301名無しさん:04/06/29 04:48
>300
それを使いたいんですけど・・・
あれ?読み違い?
案出した人が書くんだっけ?
>>301
書きたい人が書けばいいんじゃん?暴れは使いたいって人がいたみたいだけど
別に殺したり戦闘不能にさせたりしない限りは重複してもいいんじゃなかったっけ?
>>301
私が考えた案はあくまでも「仮」なのでどうぞ煮るなり焼くなり好きにして下さい。
304名無しさん:04/07/03 12:12
つかそろそろ続きなり早く出せや。
人いなくて沈むぞこのスレ。
305名無しさん:04/07/03 21:49
>304
バトロワみたいにはいかないのかな。
沈没防止。
306名無しさん:04/07/04 15:31
設定書いたら脳内補完で満足した人が多数だったのではw
307名無しさん:04/07/04 20:50
多分みんな本編書くより設定考える方が楽しんだな(ニガワラ
308名無しさん:04/07/04 21:08
結構想像は出来るんだけど、色んな話が浮かんできてしまって
収拾つかねえよ・゚・(ノД`)・゚・ワーン。
そしてage。
テストの為失踪してました…。スマソ。
テストが終わったら、ここにもうバトロワ載せていいですか?
芸人の能力設定とかも自分のオリジナルで決めてしまっているから
これ以上設定が固まっちゃうと訳が分からなくなる人が出ると思うんで…
皆の許可が出たらテスト明け(水曜くらい)に載せたいと思います。
久し振りです…
6月より仕事先の店長になりまして続き書く時間がなくなっちまってますた
誰かウチで働かないですか('A`)

プロットみたいなものは出来てるので…混乱防止の為にも現在執筆中さんの祭までに最後まで上げられればと。
オデンヌさん。店長ですか…さぞかし仕事も大変でしょう…頑張ってください。
混乱防止の為オデンヌさんが書き終えるまでいつまでも待ちますので
ゆっくりと、自分のペースで頑張ってください!
312名無しさん:04/07/08 17:42
オデンヌさん&書き手さん応援age
廃墟・・・もう書き手いなくなった?
314名無しさん:04/07/15 13:40
だからオデンヌ ◆RpN7JISHH. と現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 待ちだって。
315名無しさん:04/07/15 19:16
書き手に名乗り上げたもんですけど、今は載せないほうがいいかなーと。
316名無しさん:04/07/17 11:51
>315
書き手はオデンヌ.さんと現在執筆中さんだけじゃないから、
上げてもいいんじゃないか?
二人が書き上がったら断り入れて載せてくれるだろうし、
邪魔になることはないと思う。
317名無しさん:04/07/17 19:29
別に書き手が途中だからって待たなくてもいいんじゃないかな…それこそバトロワスレのように。>>とか続くとか分かりやすくすればいいだけの事で。じゃないとこのスレ余りにも寂しすぎる…とか思うのは漏れだけ?(ニガワラ
318名無しさん:04/07/19 23:17
>>317
オデンヌと現在執筆中じゃ書いてる話の内容と
芸人が持つ能力があまりにも違うから
こんがらがるらしい。
だから混乱防止の為にオデンヌが書き終えるまで現在執筆中は待つらしい
319名無しさん:04/07/23 18:47
保守
320名無しさん:04/07/25 18:03
でもまともな会社は腐れ銀行や儲からない会社以外では、関東人は雇わないよ。
根性腐れが日本中に分ってしまった今では、関東人は不要なようです。
伸びる会社とは、関東弁を喋る奴のいない会社。関東人は朝鮮人なんだものなー。
関東人はまず人間に成ることが課題だな。
関東人って朝鮮への意識が強いな。やっぱり祖国だから?
321名無しさん:04/07/30 22:52
関東関西でコントがみたい
322名無しさん:04/08/01 22:17
書き手待ちage。誰でもいいからいい加減書いてくれ…
323名無しさん:04/08/03 19:28
実際どのくらい待ってるヤシが居るのか知りたい。
このスレ殆ど人が居ないように見える。
324名無しさん:04/08/03 21:26
待ち人1(・∀・)ノ
325名無しさん:04/08/03 21:50
待ち人2人目
326名無しさん:04/08/03 22:24
待ち人3ノ
327名無しさん:04/08/03 22:54
ノシ
待ち人4人
328名無しさん:04/08/04 00:02
ノシ
待ち人5人
329名無しさん:04/08/04 09:32
ノシ
待ち人6人
330名無しさん:04/08/04 12:28
ヘボ話なら投下してもいいが、スピワを話に出したいんだよな…。
やっぱり被ったらこんがらがるよなorz
331名無しさん:04/08/04 17:35
オデンヌタソがいないみたいだから現在執筆中タソが投下してもいいんじゃ?
332名無しさん:04/08/05 00:12
この状況じゃ被るもんも被らないと思うが…漏れは早く書いて欲しいに一票。
333名無しさん:04/08/05 00:51
じゃあ現在執筆中かオデンヌが一週間以内にあわられ無かったら投下してもらうか?
334名無しさん:04/08/05 09:13
>>330
バトロワスレみたいにコテハンで、おおまかな内容を
前置きして投下するなら大丈夫かと。

ここが廃墟になるのは勿体無い。
335現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/08/05 10:44
久しぶりです…
小説データがぶっ飛んだので暫く失踪してました。
半分程書き直しましたが…
もう少しで書き直しし終わるので。

もし、住民の皆さんの許可があれば載せたいと思います。
336名無しさん:04/08/05 22:10
降臨age
337名無しさん:04/08/05 22:13
余裕勝ち♪
関東レベル低すぎ
くりぃむは関東じゃないらしいで
現在執筆中タン、お帰り。ぜひ投下しちゃってください。その場合にはいついつまでにとか指定つけといた方がいいんでは?
じゃないと他の書き手さんが困るぞ、きっと。
>>338
そうですね。
それじゃあ来週の月曜日ぐらいまでには何とか…。
それ以前に打ち込めればその前に出しますので。
もうすぐ書き終わるので設定だけ投下します。


バトロワ風味 設定

短編(殆ど長編に近いですが)なので出る芸人は若手5組のみ

1、あばれヌンチャク(お兄さん やっくん)
2、おぎやはぎ(小木 矢作)
3、スピードワゴン(井戸田 小沢)
4、ビッキーズ(須知 木部)
5、ダンディ坂野
バトロワ ルール+注意書き

* 他人が持っている石を奪うことが目的
* コンビチーム制。ダンディは特例として一人。
* 石を奪われた芸人はスタート地点に強制的転送(失格)
* 石・設定は全て適当、本編との関係全くなし。
* 結果的に誰も死なないが、残虐・拷問・暴力シーンあり注意。(メル欄注意
* 人物とかなり異なる能力を持つ芸人もいる。

人物能力・ルール設定は全てこの短編BRの為に作者が勝手に設定したものです
本編とは設定がかなり異なります。
342名無しさん:04/08/08 00:50
おー面白そうage。
執筆他の書き手さん含め頑張って下さい。投下する場合は他の書き手さんのためにも一言添えてから。当たり前のマナーだけど。
343名無しさん:04/08/09 00:26
おもしろくなりそうですねー
期待してます。がんばってください!
それでは、お先に投下させて頂きます。他の書き手さん方すいません。
しょうもない駄文となりますが、最期までお付き合いしてくれれば幸いです。
もう長いこと人が踏み入っていない島の森の中
ひたすらに歩き続ける男が二人。
「・・・おざぁさーん。」
井戸田(スピードワゴン)は先を歩く相方を呼ぶ。
「…どした?」
相方の小沢は歩くのを止め、井戸田の方を向いた。
「何で俺らこんな所、歩いてるの?」
井戸田はそう小沢に問いかける。
小沢はため息をつくと
「知らないよ、俺だってまだ頭の中混乱してんだから。」
と、言って、再び歩き出した。
そう、始まりはおよそ1時間前。
二人はお笑いのライブに来ていたはずだった。
ライブが終わり、楽屋に戻った直後
二人は、物凄い眠気に襲われた。
そして、思わず楽屋で寝てしまった
…二人が眼を覚ますと、そこは楽屋では無く、何か教室のような場所で
辺りを見回すと、同じライブをやっていた一部のヤツら
(あばれヌンチャク、ビッキーズ、おぎやはぎ、ダンディ坂野)
も寝ていて
そして首には、冷たい金属のような物がついていた。
「・・・おざぁさん?これ、どうなってんの?」
井戸田はまだ覚めきらない頭で、必死に状況を理解しようとする。
「…俺も、わかんない。」
小沢はゆっくりと、そう答えた。
小沢もかなり混乱していた。楽屋で寝ていたはずだったのに
何でこんな教室みたいな所に来ているんだ?と
自分の首にも、多少の違和感を覚えた。
暫くして再び辺りを見回すと、次々と目覚めた芸人たちが混乱していた。
「お・・小木?ここは・・・何処だ?」
おぎやはぎの矢作が小木に言う。
「わからねぇ・・・それに…なんだこの首輪…。」
小木は首筋に手をあてた。
何か、ひんやりとした感触が手に伝わった。
混乱も収まり、暫しの沈黙の後
突然、ガラリ、と教室の扉が開いてスタッフらしき男とモニターが入ってきた。
男は無言のまま、モニターの電源を入れた
すると「ある男」がモニターに映し出された。
「・・・えーと、お前らには今からゲームをしてもらう!」
モニターに映し出されたのはダウンタウン 浜田雅功だった
「…ゲッ、ゲームぅ!?!?」
後ろのほうに居た斎藤(やっくん あばれヌンチャク)が叫んだ。
「そうや、今日はある物をお前らに取り合ってもらう。」
浜田はそう言うと、アタッシュケースを取り出した。
アタッシュケースを慣れた手つきで開けると
そこには石が入っていた。
「…えー、この石をお前らに取り合ってもらう。」
浜田は石を取り出すと、石をモニターに近づけて、皆に見せた。
石は何だか小汚い、ビー玉より一回り大きい石で、何かの宝石のようだが
石は煌きを失っていた。
「この石を取り合ってもらう
 一人に一個配られるからな、これを守りつつ他の芸人の石を全て奪いつくした奴の勝ちや。
 因みにコンビチーム制やからな。ダンディはちょっと不利やけど頑張れや。
 所持者が他の芸人に石を奪われた時、それか戦闘不能・死亡で失格や。
 石を奪われた場合は自動的にその芸人は失格ゾーンに転送される。
 失格ゾーンっつーのはお前らが居る教室や。勝負が終わるまで、教室で待機、ええな?」
浜田は一通り説明を終えた。
そこに一人、体育座りで蹲り、一言つぶやく男がいた。
「…ダンディ、凄い不利だ・・・。」
ダンディ坂野は人知れず、落ち込んでいた。
「殴る、蹴る、何したってええ。石を奪い取って勝利を掴むんや。
 あ、因みに逃げようとした奴は首についてる首輪が
 無条件で爆発するから、注意せえや。」
浜田は煙草に火を点けながら言った。
「それじゃ、健闘を祈る。」
浜田は最期に笑みを浮かべて
その直後、モニターの電源が、切れた。
「…さっきの石を取りあう?あんな小汚い石を?」
ビッキーズ須知は、馬鹿馬鹿しい、と言った調子で相方に言った。
「あんな石、何の役にたつんやろ?」
相方の木部は、少し困ったような顔をして言った。
男とモニターが出て行った後、教室の外から人数分のバッグと、兵士が入ってきた。
「これより、ゲーム開始です。リュックの中には食料、水、救急箱
 後は石と武器が入っている。それでは、受け取り各自外に行きなさい。」
兵士は皆にリュックを取りに来るように促す。
そして、順番にそれぞれ出て行った。

ゲーム開始。 残り9人
351名無しさん:04/08/09 22:27
リアルで読めた・・・。
あばれがどうなってくのか楽しみ。
兵士が周りに居る基地のような場所。
そこにダウンタウンの浜田は居た。

「…始まりよったか。」
浜田は煙草を吸いながらそれぞれの芸人の様子が映っているモニターを見る。
「これから「石」がどんな能力を発するか…楽しみやな。」
浜田は煙草の煙を吐いて、少し笑った。
「おい、そこの。」
浜田は、近くにいる兵士を呼んだ。
兵士は浜田の呼びかけに気付くと
「はい…なんでしょう?」
と言いながら浜田に近づいていった。
「あれはどうなった?呪われた石。誰に行ったん?」
浜田はモニターを見つめながら言った
「あぁ…あの石なら、この…こっちの方に行った模様です。」
兵士はモニターのある芸人が映っている部分を指差し、言った

「…コイツ…?なんか根性なさそうな芸人やな…。」
浜田は煙草の煙を吐き、言った。
「まぁええ。
 …どんな能力が見れるか楽しみやわ。
 
 呪われし石「ダークブルームーン」の力が。」

浜田の笑い声が、基地内にこだました。
353現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/08/09 22:30
これで始まり編は終了しました。

これから先、ちょっと性格ひん曲がってしまう芸人多数なので
お気をつけ下さい。
354めぐめぐ:04/08/10 01:05
何だか面白そうですね!
続き期待してます、頑張って下さい!(≧▽≦)ノ★
355名無しさん:04/08/10 11:05
>>354
書き手じゃないコテハンと顔文字はウザがられるのでやめれ。

現在執筆中さん、お疲れ様です。
続編楽しみにしてます。
>>353
乙です。面白そうな序章で続きが楽しみです。
357名無しさん:04/08/11 12:22
面白そうだな
「…こんな石に意味なんてあるのかよ…。」
森の中、井戸田は歩きながら石を見た。
井戸田に渡された石は、何か金色のような石だったが、石は煌きを失っており
見るも無残な汚い色をしていた。
「しかも武器、俺も小沢さんもはずれみたいだし、こんなんじゃ他人の石取れないな…。」
二人はスタートしてすぐ合流し、お互いの武器を見たが
小沢はフォーク 井戸田はナイフだった。
ナイフと言っても、料理を食べるときに使うようなナイフだが。
「これで食事でもしろってか!?」
井戸田は少し自棄になりながらも歩いた。
森はまだ続く、見渡す限り緑の木々が立ち並ぶ。
井戸田はもうその見慣れた景色に心底うんざりしていた。
もうかれこれ、30分は歩いただろう。
「…はぁ〜……疲れた〜…って、小沢さーん?何処に行くんだよ!」
井戸田は叫んだ
先を歩いていた小沢が急に何かを見つけたように走り出したからである。
井戸田はあわてて追いかける。
「潤さん!何か工場みたいな所がある!」
小沢は振り返ってそう叫んだ。
「本当??」
井戸田は小沢の後を追いかけると、確かに工場らしき建物があった。
周りは薄暗い森・古ぼけた工場、何かありそうな予感がした。
「…ここで武器とか手にはいらねーかな?」
井戸田は言う。
「じゃあさ、ちょっと見てみない?」
小沢はそう言うと、工場の入り口まで歩いていきシャッターを警戒しながら開けた。
―ガラガラガラ。
錆び付いたシャッターが、嫌な音をたてる。
警戒しながら中を覗き込む、がそこに他の芸人の姿は無い。
「・・どうやら、安全みたいだね小沢さん。」
井戸田はほっ、と胸を撫で下ろしたように言った。
「うん・・とりあえず、中を見てみようか。」
二人は工場の中に入っていった。
それを、影から見る人物が、二人。

「…最初の獲物は、あいつらだな。石の使い方、まだわかってないようだし。」

能力に目覚めた、危ない二人。
>>354 >>355 >>356 >>357 さん
感想ありがとうございます。

スピードワゴン編はこれで1シーン終了しました。
後々また出番はありますが。

引き続きビッキーズ編を書かせていただきます。
その頃、ビッキーズの木部と須知は広い草原にいてお互いの武器を見ていた。
「…しかし、使えないわ〜…なんで俺の武器は俺の法被(ハッピ)でお前は飴ちゃん 
 入れるざるやねん。漫才でもしろってことか?」
須知はため息をつきながら言った。
須知のバッグに入っていた武器は漫才で着る自分の法被。
木部のバッグに入っていた武器は飴ちゃんを入れるざるだった。
「…本当、使えへんな…。」
木部はそう言って、出るときに貰った石を手に取って見た。
「…この石も、使い道わからへんし。」
木部に渡された石は、赤と茶色が混ざったような色をしている。
「ざるじゃ…相手殴ってもダメージゼロに等しいもんな。」
木部はそう言うと、何気なくざるを手に取った。
すると。突如ざるが光りだした。
ざるは煌き、瞬く間に光を広げていく。
「うわ!何やこれ!!」
須知が驚く。
「何!?何何々!?!?」
木部はざるを持ったまま、慌てふためいている。
「落ち着け!兎に角、ざるを離せや!!」
須知が木部からざるを強引に取ると、ざるを投げた。
クルクルとざるは飛んで、やがて草むらに落ちた。
「…あぁ…ビックリした…。」
木部はほっと胸を撫で下ろした。
ざるは変わらず光っている。
「…どうなってん?あのざる。」
須知はざるを見て言った。
暫く二人は呆気に取られていた。
その間にざるの光は徐々に弱くなり、やがて消えた。
「…ちょっと見て見よか…。」
須知はそう言うと、ざるに近づいていった
恐る恐る、一歩一歩近づいていく。
ざるにビクビクするなんて、須知は思ってもいなかった。
ざるに近づき、恐る恐る中を見ると、そこには―――

「あーーーーー!!!!!!」

須知の叫びが、あたりの静寂を切り裂いた。
「どうした!?何があった??」
木部は急いで、その場に呆然としている須知の元へ走った。
「…飴ちゃんや…。」
須知はそう呟いた。須知は眼を見開いて、かなり驚いている様子だった。
「飴ちゃん?お前なに言って…」
木部はそう言いながらざるの中を見た。
「あぁぁぁぁ!!!!!」
木部の叫びが、再び静寂を切り裂く。
「…ちょっと見て見よか…。」
須知はそう言うと、ざるに近づいていった
恐る恐る、一歩一歩近づいていく。
ざるにビクビクするなんて、須知は思ってもいなかった。
ざるに近づき、恐る恐る中を見ると、そこには―――

「あーーーーー!!!!!!」

須知の叫びが、あたりの静寂を切り裂いた。
「どうした!?何があった??」
木部は急いで、その場に呆然としている須知の元へ走った。
「…飴ちゃんや…。」
須知はそう呟いた。須知は眼を見開いて、かなり驚いている様子だった。
「飴ちゃん?お前なに言って…」
木部はそう言いながらざるの中を見た。
「あぁぁぁぁ!!!!!」
木部の叫びが、再び静寂を切り裂く。
二人は呆然としていた。
さっきまで、何にも無い只のざるだったのに
光がおさまった後のざるにはビッキーズの二人が、漫才で使う
「飴ちゃん」がざるいっぱいにあったのだから。

「お前・・・何したんや!?」
須知が木部に問いかける。
「俺なんもしてへん!わからへんわ!!」
木部は須知に言う。
「…ちょっとさ、もっかいやってみ?」
須知はそう言うと、ざるの中にあった飴ちゃんを自分のバッグの中に入れ
木部にざるを持たせた。
「・・・」
ざるを持たせたが何も起こる様子は無い。
「ほらー、俺じゃないやんか。」
木部はそう言うと、元居た場所に戻る。
木部が二人のバッグが置いてあるところを見ると
落ちている自分の石と須知の石を見つけた。
さっきまでは確かに持っていたが、ざるがいきなり光り出したので驚いて放り出してしまったらしい。
「あ、おい須知〜、こんな所に石置いといたら失くすやろ??失格になるで。」
そう言いながら木部は須知と自分の石を拾った。
すると、自分の石を拾った直後、持っていたざるが再び光り始めた。
ざるが光ると共に、自分の石が紅く輝いている
「!!この石・・・!」
木部は驚いた。
さっきまで、少しも光っていなかった石が、今眩い程の紅い煌きを放っている。
木部は全ての謎が解けた、と言うように須知に叫んだ。
「須知!わかった!!この石や!この石が飴ちゃんつくってるんや!」
再び、光は収まる。
するとまた、ざるいっぱいの飴ちゃんがざるの上に出現していた。
須知は木部に近づいて、ざるの上の飴ちゃんを見た。
「…また飴ちゃん沢山出来てる・・・。」
須知は驚きを隠せない。
「なあ須知?多分、この石が飴ちゃん作ってると思うねんけど。」
木部は須知に言った。
「…何やて?この石が、飴ちゃん作ってるって言いたい??」
須知は疑うような眼で木部を見る。
「何でお前は肝心な所見ない??今さっきまでこの石光っとったやんけ!」
木部は須知に叫んだ。
「あー、ごめんごめん、もっかいやって?」
須知は少しも悪びれない態度で木部に言った。
「はぁ〜…わかった、もっかい見せるわ。」
木部は石を手に取り、ざるを手に取った。
すると、石は紅く煌き、ざるも光り始めた。
「おぉぉぉ〜。」
須知は思わず感心してしまった。
そして、暫くしてまた光は収まった。
またざるいっぱいに、飴ちゃんがその姿を現していた。
「…な?凄いやろ、この石。」
木部は驚いてざるを見たまま動けずにいる須知の顔を覗き込んで言った。
「凄いけど…でもな、お前・・・。」
須知は木部を見上げた。
「何?」
「飴ちゃん出せても、敵の石は取れへんよ?」

「…」

二人の身体を、風が「ひゅう」と駆けていった。
木部 信彦 (ビッキーズ)

石・・・ガーネット
能力・・・ざるみたいな入れ物を持つと「飴ちゃん」を入れ物いっぱいに生産する
     飴は食べることにより、体力、及び力の回復が可能(外傷は治療不可。
条件・・・あまり大量生産し過ぎると、木部の力が無くなり
     飴ちゃんが全て消滅する。
     因みに、他の芸人が食べても体力と力の回復は出来る。
371現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/08/11 18:02
少し長く投下し過ぎてしまいました…。スマソ。
これでビッキーズ編も一旦終了です。
372名無しさん:04/08/11 18:31
現在執筆中さん、おつかれさまです!
これからも楽しみ。
373名無しさん:04/08/11 19:54
乙です。
ざる一杯の飴ちゃんにハゲワラw
力いっぱいぶつければ武器になるかも…
374名無しさん:04/08/11 20:27
飴ちゃんを武器・・・精神的にダメージ受けそうだね。
375名無しさん:04/08/12 13:49
精神的w
現在執筆中さん乙です
ほんとに楽しい展開になってきましたね
>>372 >>373 >>374 >>375 さん
感想ありがとうございます。
最期までお付き合い下されば幸いです。

では>>369からの続きとなります
その頃、ダンディ坂野は…。
「…ダンディ、一人じゃ寂しいよ。」
ダンディ坂野は、一人暗い森の中を歩いていた。
スタスタと歩いていくが一向に出口は見えない
「しかもこの石、何に使うのかわからない!」
石を見てそう叫ぶと、その場に座り込んでしまった。
「…ダンディの武器は、ハリセン。これじゃあ相手の石なんてとれやしない!」
ダンディはハリセンを取り出した。
何に使うのか全くわからない石と、武器のハリセン。
これほど心細い装備はないだろう。
と、其の時、其処に落ち葉を踏みながら歩く、足音が聞こえた。
「・・・!!誰か来た・・・!!」
ダンディはその場から逃げようと、立ち上がった。
―カサッ、カサッ。
足音が聞こえる
「逃げなきゃ・・・!!」
ダンディは走り出そうと、足に力を込めた。
だが、何故だか身動きが取れない。
自分の足が、地面に縫いつけられたように重い。
「…?動かない・・・?」
「…ダンディさん?」
ダンディが不思議に思っていると、不意に背後から声が聞こえた。
ダンディは振り向こうとしたが、身動きが取れない。
「誰だ!?石は渡さないぞ!!」
ダンディはあくまで強気を通すことにした。
「…俺です。おぎやはぎの小木ですよ。」
小木はダンディの前に立った。
「…何が目的だ!?」
ダンディは勢いで押すことにした。
「…その、持っている石ですよ。
 今渡せば、命はまだ助けてあげます。けど――――。」
小木は天に、右手を掲げた。
小木の手に焔が集結する。小木の右手には、焔の塊と、真紅に光る石―――。
小木は、ダンディを見て冷酷な笑みを浮かべていった。
「渡さないと、焼け死にますよ?」
冷酷な笑みを浮かべつつ、小木はダンディにそう言い放った。
だが、ダンディは小木を睨み付けると
「・・・そんな脅しに乗るダンディじゃない!」
と叫び、あくまで石を渡さないつもりらしい。
「…脅しじゃないですよ、本気です。」
小木はそう呟くと、手の中の焔を近くの木に放った
すると木は、ボオッ、と焔を上げて燃え出し
瞬く間に周囲の木にも広がっていった。
「・・・ひぃぃぃ・・・!!」
広がる焔は、近くの木々に燃え移り、更に激しさを増す。
流石のダンディも、これには危ないと思ったらしい。
「どうします?どの道このままでも焼け死にますよ?」
小木は冷酷な笑みを浮かべている。
「わっ、渡します!渡しますから命だけはご勘弁を!!」
ダンディはそう叫ぶと動かない身体を必死に動かし
やっとの思いで、握っていた石を、ポトリ、と地面に落とした。
「…はい、ご苦労様。」
小木はそう言うと、石を拾い上げた。
その瞬間、アナウンスが流れる。

―ダンディ坂野失格 失格ゾーンへ転送します。
アナウンスが流れると同時、ダンディの身体は消えた。
恐らく、あの教室に転送されたのであろう。
「…能力の使い方を早く知らないと、命取り、か。」
小木はそう言うと、右手を天に掲げた。
森を侵食していた焔が一瞬にして消え去った。
小木は右手を下ろすと
「矢作、お疲れ。」
と、さっきとは違う、明るい笑みをたたえて、相方を呼んだ。
「もっと早くしてくれよなー…疲れたよー。」
文句を言いながら相方の矢作が、森の奥から姿を現した。
ダンディの身体をずっと止めていたのは矢作だったのだ。
「あぁ、ごめんごめん。」
小木は両手を顔の前に合わせ、矢作に軽く詫びた。
「まぁ、いいよ。…じゃ、行きますか?」
矢作は小木にそう呼びかけた。
「…うん、行こう…か。」
小木はそれに答えた。
そして二人は薄暗い森の中を歩き出した。

―ダンディ坂野 失格 残り8人
おぎやはぎ 能力。

小木博明

石・・・ルビー
能力・・・焔(ほのお)を操ることが出来る、自分の半径10m以内なら地面や
     岩など、何処からでも焔を出すことが可能。
     焔は小木が願えば幾らでも強くすることは可能だが
     力を多く使うため、あまり使えない。
     焔は小木の右手の動きに忠実に従う。
     例えば右手を握れば焔は対象の中心目掛け集結する
     右手を水平に振るえば焔が巨大な壁となり、小木の目の前に現れる。
条件・・・小木の力が弱まると焔も弱まり、力が使えなくなると焔も消える。
小木の感情が高まると能力が強くなり、制御出来なくなる。
     制御が利かなくなると、自分の身体が燃え出す。
     止める事が出来るのは、小木の高ぶった感情を沈めることが出来る者のみ。

矢作兼

石・・・エメラルド
能力・・・相手の身体の自由を奪うことが出来る。
     自由を奪われた相手は、矢作を倒すか、矢作が力の使用をやめない
     限り開放されない。
     因みに複数の敵を止めることは不可能である。
条件・・・矢作が望めば幾らでも止めることは可能
     だが、力を時間とともに大きく消費してしまう。
     力が持たなくなっても使用を続けると、矢作の身体にも影響が出て
     矢作自身の身体に支障が起き、力を保つことが不可能になる
     そうなると、相手の身体が動くようになってしまう。
ダンディさん、能力が発動せずに終了してしまいました…すいませんorz
>>382のおぎやはぎの能力、一部見にくい所があります。…すいません。

次の話はちょっと長すぎてしまったんで、一部だけ投下致します。
小木と矢作がダンディの石を奪った森の近くにある古ぼけた工場に武器を探す二人がいた。
スピードワゴンの二人である。
その二人を狙う、ある男たちがいることを、二人は未だ知らない…。

「…結局手に入ったのはこれだけか…。」
井戸田は軽く、ため息を吐いた。
あの後、手分けして工場内を探索したものの
殆ど武器らしい武器と言えるものは見つからなかった。
とりあえず、工場にある材料の鉄パイプ等を武器として利用することにした。
「…鉄パイプなら、相手殴って気絶させることぐらいは出来るよね?小沢さん。」
井戸田は、鉄パイプを持って小沢に問いかける。
「うん…まぁね。…とりあえず、この工場は安全そうだし、少し休もうか…。」
小沢はそう言うと、地べたに腰を下ろした、井戸田も、腰を下ろす。
工場内はあまり物が無く、空虚な空間だった。
周りを見渡しても、ドラム缶の塊が少ししかないくらいだ。
「…それはそうと、この石、何のためにあるんだ?」
井戸田は石を取り出して言った。
汚い金色の石、この石が一体何の役にたつのだろうか。と井戸田は思った。
「さぁ…?何か利用出来るのかな?」
小沢も、石を取り出してみる。
小沢に渡された石は、最早何色だかわからないくらいに汚れていた。
「それとも、これを守るだけ、とか?こんな石を守って何の得があるんだろ?」
井戸田はこんな馬鹿げたゲーム、早く終えたい、と思った。
石なんて役にもたたない、無意味じゃないか。と。
「…馬鹿馬鹿しいよね、こんなゲーム。こんな石、意味ないもん。」
小沢はそう言うと、上着のポケットに石を仕舞い込んだ。
「…じゃあその石、俺らに渡してくれないかなぁ…?」

突然、空虚な工場内に、低い声が響いた。
「・・!誰っ!?」
小沢は工場の入り口を見て、立ち上がる。
井戸田も、遅れながら立ち上がった。
その刹那、小沢の右腕に『矢』が突き刺さった。
「――ッ!!」
突如襲い掛かった苦痛に小沢は声にならない悲鳴を上げる。
「小沢さん!!」
井戸田は腕に矢を刺されてよろめく小沢を支えた。
工場の入り口から、二つの黒い影がゆっくりと近づいてくる。
「…このゲームが馬鹿馬鹿しいんでしょ?…だったら、その石。早く渡してよ。」
そう、言いながら影は二人の前に姿を現す。
入ってきたのはあばれヌンチャクの二人だった。
斎藤(やっくん)が手にボウガンとリュックを持っている。
どうやら小沢に矢を放ったのはやっくんのようだ。
「…!ふざけんな、誰がお前らなんかに石を渡すかよ。」
小沢はそう言いながら痛みを堪えて、矢を腕から引き抜くと、二人に投げた。
相当今の不意打ちが気に喰わなかったのだろう、小沢は敵意むき出しの状態である。
「…どうやら、渡す気は無いようだよ?お兄さん。」
斎藤が困ったように竹内(お兄さん)に言う。
「それなら、ここで「殺す」しか無いようだね。やっくん、例の物を。」
竹内がそう呼びかけると、斎藤は持っていたバッグの中から
スケッチブックと、ペンを取り出した。
「これさえあれば、お前らなんて怖くないんだからなー!」
いつものネタでやる子供口調で喋る斎藤。
何をするのかと思えばスケッチブックに絵を描き始めた。
「…そんなモノで、俺たちを殺せると思うのか?」
小沢は、一歩も引かない様子で喋る。
「…そんな事言ってられるのも、これまでさ…。」
竹内は何やら余裕の表情を浮かべて笑った。
「何が可笑しい…!気にいらねぇな…。」
井戸田は言った。
「気に入られなくて結構・・・・さぁ、やっくん書けたかな?」
竹内は斎藤に呼びかける。
「うん!出来たよ!!」
と斎藤は、スケッチブックを見せる。
スケッチブックに描かれていたのは、二丁の拳銃。
「ふん、そんなスケッチブックに書いたって、俺達は殺せないぜ?」
小沢は余裕を装いながら言う。
それに対し、竹内は余裕の笑みを浮かべ言った。
「まだまだ、ショーはこれからさ…。」
斎藤は上着のポケットから石を取り出しスケッチブックの上に石を翳す。
すると、石が淡い、紅い光を放ち始め
スケッチブックに描かれた拳銃が、次第に斎藤の手元に移る。
「…これは…!?」
井戸田は信じられない、と言った様子で眼を見開いた
「これが、石の力さ。」
竹内は言った。
「石の…力…!?」
小沢は一歩、後ずさった。
「石の使い方を知らないキミ達は脱落決定!」
斎藤はそう言うと、拳銃を竹内に手渡す
斎藤から銃を一丁受け取ると、竹内は小沢へ銃を向けた。
斎藤も、井戸田に銃を向ける。
「さぁ、どうする?今、石を渡せば、命は助けてやる。」
竹内は笑みを浮かべながら言う。
「…くっ…。」
小沢は迷った。
死にたくない、殺されたくない。
何よりも、ここで闘うことを選んだら相方の命も危うい。
自分の命よりも、相方の身を案じた。

暫しの沈黙・・・竹内と小沢は睨み合ったまま動かない。
井戸田は斎藤に銃を突きつけられて何も出来ない。
不意に、小沢の背後から沈黙を破る声が響いた
声が聞こえると同時、小沢の背中に激痛が走る。
「―つっ・・・!!」
余りの痛さに、小沢はその場に倒れこんだ
「…!!おざぁさーん!!!」
井戸田の悲痛な叫びが、工場内の空を裂く。
小沢の背中には、鈍い銀色の光を放つナイフが刺さっていた。
ナイフは小沢の真紅の血に染まっていた。
倒れた拍子に、上着のポケットから、石が落ちる。
うつ伏せになった小沢は必死に左手を伸ばし落ちた石を掴み、握り締めた。

刺したのはどうやら斎藤のようだ。
小沢を見下すような笑みを浮かべてナイフを抜き、背中の傷を蹴った。
「…!っ…ぐ…。」
うつ伏せ状態の小沢から苦痛の声が漏れる。
「小沢さんっ!!」
井戸田は近くにあった鉄パイプを手に取り、再び傷を蹴ろうとする斎藤の頭を殴った。
―ガンッ!と言う鈍い音がすると同時、斎藤はよろめいた。
「うぁっ…!ウザいんだよ、お前は!!!」
殴られたことに逆上した斎藤は銃を井戸田に向け、発砲した。
「…うわっ!」
井戸田の頬を銃弾が掠めた。井戸田は思わず唯一の武器である鉄パイプを落とした。
井戸田の頬からたらりと、真紅の血が流れ落ちる。
「…うっ…。」
小沢は立ち上がろうとするが、身体が言う事を利かない。
「…ほら〜、君の相方がピンチだよ?君が黙って石を渡せば
君も彼も助かるよ。もし渡さなかったら、君と彼は地獄行きだね〜。」
竹内がしゃがみ込んで、小沢の顔を覗き込み頭に銃口を突きつけながら言う。
小沢は、もう降伏するしかないと思い、観念したように、竹内の眼を見て言った。

「っ…わかった…石を…「小沢さん!渡しちゃダメだっ!そんな奴らに石を渡すな!!」」

降伏しようとした小沢の言葉を遮って、井戸田が止める。
そして、鉄パイプを再び手に取り、斎藤に殴りかかる
斎藤は井戸田に向けて、再び銃を構え
「五月蝿いんだよ!お前はぁぁ!!!」
と叫びながら再び銃弾を放つ
その銃弾は井戸田の右肩を貫いた。
「ぐぁ…っ…。」
「潤っ!!」
井戸田は右肩を押さえ、少しよろめいた。
右肩からは瞬く間に真紅の血が溢れ出る。
その血は手をすり抜け、流れ落ち、地に痕を残していく。
鉄パイプが再び地に落ち、カラン、と乾いた音をたてた。
あばれヌンチャク 能力

齋藤恭央 (やっくん)

石・・・ローズクォーツ
能力・・・スケッチブックに絵を描くと書いた絵が具現化する。
     例えば拳銃を書くと具現化することで
そのまま使用することが可能である。
条件・・・相方(お兄さん)がいないと絵のコントロールが利かない。
     具現化には大きいものや、強い武器等を出すには
     かなりの力を用いるため、多用は出来ない。
     コントロールが利かないと言うのは、具現化した絵が銃なら暴発する、等。
     尚、絵はある程度時間が経つと消滅してしまう。
絵は大きいければ大きいほど、強ければ強いほどに
     絵が消滅する時間が早まってしまう。

竹内幸輔 (お兄さん)

石・・・黒曜石
能力・・・やっくんが描いた絵の具現化物を自由にコントロール出来る
     それが生物ならば自由自在に操り、相手を攻撃させる事も可能
     お兄さんが一回コントロールすればやっくんも使える。
     因みにコントロールの仕方は、竹内がその具現化した物体に触れる
     事で、自在に操ることが可能である。
条件・・・相方(やっくん)が絵を描いて具現化しないと何の役にもたたない。
     具現化しないと役にたたないが、コントロールするのにはあまり力は使わない
394現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/08/13 21:23
中途半端ではありますが、ちょっと長いため、今日はこの辺で。

…あばれヌンチャクの能力も一部見にくいですね…すいません。
395名無しさん:04/08/14 22:01
age
396名無しさん:04/08/14 22:38
あばれのダークっぷりが素晴らしい。
楽しんでるようで、何か焦りみたいなもんを感じるのは漏れだけじゃないはずだ。
執筆中さん、乙〜!
397名無しさん:04/08/16 03:53
職人さん乙!
めっちゃ面白い!続きが楽しみだ


……ただちょっと呼称が気になったかな
井戸田は「小沢」と呼び捨てに呼ぶことも結構あるので
こういう切羽詰った場面でまでさん付けするかな…と
398名無しさん:04/08/16 16:57
良スレアゲ
399名無しさん:04/08/19 21:31
またちょっと活気ないので書き込み。
執筆中さん乙。短編と言わずに続編も書いて欲しい勢いです。
他の書き手さんも遠慮せずにどんどん書いちゃって欲しいところ。
どうも、遅くなってすいません。現在執筆中です。

>>396->>399 さん
感想ありがとうございます。
中途半端なところで切ってしまい、申し訳ありませんでした。

>>397さん
ご指摘、ありがとうございます。
小沢氏が井戸田氏を「潤」と「潤さん」で呼ぶのは知っていましたが
井戸田氏が小沢氏を「小沢」と呼ぶのは知りませんでした。
勉強不足でしたね…直しておきますので。どうもすいませんでした。
>>392からの続き

「…往生際が悪いなぁ〜。そんな鉄パイプが何の役にたつって言うんだい?
 大人しく、降伏しなよ。」
斎藤は、銃口を井戸田に向けて笑みを浮かべて言う。
正に絶体絶命。
井戸田は銃を突きつけられて何も出来ない、小沢は満身創痍。
「ゲホッ…。」
小沢は咳き込むと、少量の血を吐いた。
意識が、段々と薄れていく感じがする。
背中から流れる血、腕から流れる血は止まらない。
どんどんどんどん流れ出て、床を濡らしていく。
着ている服の右腕部分は既に、血で真っ赤だ。
『…あぁ、俺は、ここで死ぬのか―――?』

どんどん視界はぼやけて、薄暗くなっていく
小沢は、死を覚悟した、己の非力さを呪いながら。

『こんな汚い奴らに、負けるのか…?』

こんな奴らに、負けたくない。
そんな思いとは裏腹に、小沢の意識は薄れていく。
身体に力が入らない。どんどん視界は闇に包まれていく
小沢が、意識が途切れる寸前に抱いた感情は
―憎い・辛い・死にたくない・苦しい

等、様々な負の感情が入り混じっていた。
こんな気持ちを抱いても、どうすることも出来ないのは知っていたけれど
薄れていく意識の中、負の感情が増していくのを、小沢は感じた。
だが、自分の視界は既に闇に堕ちた。後は、眼を閉じるだけ…。

小沢は眼を閉じようとした。
しかしその行動は、淡い蒼い光に遮られた。

目の前に蒼い光を放つ「何か」が小沢に語りかけてくる。
―負ノ感情ハ我ガ糧トナリ、貴様ハ我ガ器トナル。
―貴様ガ望ム「チカラ」ヲ与エヨウ。

「…力?」

―ソウダ。破壊スル「チカラ」ダ。
―貴様ヲ傷付ケ、相方ヲ傷付ケタ、アノ二人ガ憎イダロウ?

「…」

―憎メバ、憎ムホドニ、憎シミガ深ケレバ深イホドニ「チカラ」ハ増ス。
――サァ、我ニ身ヲ任セルガイイ…貴様ニ素晴シイ「チカラ」ヲ与エテヤロウ。

その声を聞いた直後、小沢の身体に異変が起きた。
「!?…く…苦しい…ッ…身体が…熱…ッ!」
突然息苦しくなり、身体は熱を帯び、身体の自由が利かなくなる。

―…安心シロ、スグニ楽ニナルサ……

そして、小沢の意識は闇に沈んだ。
「…あれ?お兄さん、コイツ死んじゃった?」
斎藤がしゃがんで小沢の顔を覗き込む。
小沢は眼を閉じたまま、ピクリともしない。
「あれ、死んじゃった?」
竹内もしゃがみ込み、小沢の顔を覗き込む。
小沢の眼は堅く閉じられ、息もしていない。
竹内は立ち上がると
「…あ〜、こりゃぁ死んだな、ちょっとやりすぎたか〜。」
と竹内は少しも悪びれない様子で言う。
「……嘘だろ…?…小沢…。」
井戸田はその場に力無く、へたり込んだ。
目の前で、相方が死んだ、信じられない、でも現実。
「…ま、殺しちゃったもんはしょうがないかぁ〜…さ、石でも貰うかな。」
竹内は呑気にそう言うと、小沢の固く握り閉ざされた左手を抉じ開け、石を見た。
「さて、一人脱落、と。」
石を取ろうと手を伸ばし小沢の石に触れた瞬間。

小沢の持つ石が眩い程の蒼い光を放ち始めた。
「…!何!?まさか…石が発動する!?」
竹内は手を引っ込め、後ずさった。
小沢の持つ石は光を増していく。
「おい!早くコイツをもう一回撃て!じゃないと石が!!」
斎藤は叫んだ。
「…何!?何これっ!!」
井戸田はへたり込んだまま、叫んだ。
小沢が死んだと思ったら、いきなりあの石が光り始めて…。
何が何だか、わからなくなっていた。
「くっ、銃をっ…!」
竹内は未だ倒れている小沢の頭に照準を合わせて、引き金を引いた。
銃声が空虚な空間に鳴り響く。
「…何…!?いないっ…?」
竹内は驚愕とした。
倒れていたはずの小沢の姿は、其処にはなかった。
銃声を合図にするかのように、血の痕を残して、一瞬で消え去ってしまった。
「…何処に消えた…出て来い!!小沢あぁっぁ!!」
狂ったように叫びながら竹内は銃を打ち鳴らす。
斎藤も、警戒しながら辺りを見回す。

「…お前らだけは、絶対許さねぇよ。」

不意に、声が響いた。
そして、銃を打ち鳴らす竹内の目の前に突如小沢が現れ、竹内の腹部を強く殴りつけた。
「…お前っ!!ぐああぁっ!!!」
ドンッ、と鈍い音がしたと同時、竹内の身体が宙に舞った。
まるで浮いたかのように。
宙に舞った身体はどしゃっ、と地に擦れる様な音を立てて、落ちた。
「…ふん。」
小沢は口元を歪ませて、笑みを浮かべた。
「小沢……?」
井戸田は小沢を呼ぶ。
だが、小沢は何の反応も示さない。
小沢の腕と背中からはまだ、血が溢れ出ていて、地面にポタリ、と痕を残している。
だが、小沢は苦痛も感じないのか、無表情の顔をしている。
「お前…畜生…殺してやる!!」
竹内は立ち上がり体制を整えると、小沢に再び銃口を向ける。
「お前ら、二人とも殺す…。」
小沢はそう呟いた。小沢の握っている石は蒼い光を増す
「ほざくな!死ねぇぇぇぇっ!!!」
竹内は再び引き金を引く。
銃声が鳴る、だが、小沢素早くかわすと竹内の目の前に移動し
少し高く飛び、竹内の顔面に、回し蹴りを喰らわせた。
「がぁぁぁっ…!!」
竹内は銃を落とし、倒れこんだ。
小沢は倒れた竹内の髪を掴み、無理矢理立たせると、ドラム缶目掛けて投げ飛ばした。
―ドカンッ!とドラム缶と竹内が衝突するけたたましい音が響く。
ドラム缶が数個吹っ飛んだ、それを呆然として見つめる斎藤。
「…ヤバイな…ここは俺だけでも逃げるか。」
小沢と竹内の持つ能力の違いを目の当たりし、小沢の圧倒的な強さに驚いた
斎藤は、自分だけでも逃げようと、工場の入り口に向かった。が

「何処行くんだよ、逃がさねぇよ?」
「――な…!!」

声が響くと同時、斎藤の目の前に小沢が現れ
小沢は斎藤の腹部に蹴りを喰らわせる。
「がはっ・・・・・・!!」
斎藤は血を吐いて吹き飛び、竹内のいるドラム缶の塊の中に突っ込んだ
ガシャン!とけたたましい音をたてて、ドラム缶が再び吹き飛ぶ。
「…弱いよな、お前ら。」
小沢はクスリと、冷酷な笑みを浮かべて笑う。
「お前の能力…!!ば…化け物みたいだ…全ての身体能力が尋常じゃない!」
斎藤は、叫んだ。
「さて、じゃあ殺しますか・・・」
そう言いながら二人に小沢は近づいていく。
「…っと…小沢!!」
幾らなんでもやりすぎだ、と井戸田は立ち上がって小沢を止めようと、小沢の前に立つ
だが、小沢は冷たい眼で井戸田を見ると
「…邪魔するの?邪魔すんなら、お前も殺すよ?」

小沢はそう井戸田に言い放った。
「!ど、どうしたんだよ!お前…!」
井戸田は叫んだ。が、その声は小沢には届かない。
―これはいつもの小沢じゃない。
井戸田は、そう確信した。
「…どけよ、まだ決着ついてねぇんだよ。」
小沢は井戸田を突き飛ばすと、二人の方に歩いていく。
ドラム缶に埋もれた二人は余りの恐怖に眼を見開いてしまっている

「…い…石は渡すっ!!だから、殺さないでくれ、な、な?ほら、お前も出せっ。」
竹内は斎藤に呼びかける。
竹内と斎藤はポケットの中から石を取り出すと小沢の目の前に差し出す。
小沢は、竹内の持っている石を見て。
「…石も欲しいけど…お前等の命も、欲しいんだよ。…俺、欲張りだからさ。」
そう言って、小沢は再び冷たい笑みを顔に宿すと
竹内と斎藤の手のひらにある石をパンッ、と払いのけた。
―カランッ、と音をたてて石は地に落ちた。
「…ひぃっ…!!お願いだ!助けてくれっ!!」
竹内の叫びが、工場内にこだまする。
「さ、お前らの命、いただきますか。まずはそこのお前からだなぁ。」
小沢は指をパチン。と鳴らして、竹内を指差す。
「お、俺か!?やめろっ…やめてくれっ!!」
竹内は必死に立ち上がり、逃げようとするが身体が言う事を聞かない。
小沢はゆっくりと、近くに落ちていた鉄パイプを拾った。
あの硬い鉄パイプで、今の小沢に殴られたら即死だろう。
小沢は鉄パイプを握り締めると、竹内に近付く。
「痛くすると可愛そうだからさ〜…一撃であの世に送ってやるよ。」
小沢は相変わらず笑みを浮かべている。
井戸田はそんな光景をただ、呆然として見ていた。
「…どうしよう、このままじゃ…このままじゃ、小沢が…!」
井戸田はどうしたらいいのかわからなくなっていた
暴走する相方、止められない自分。
「何か、何か方法は…。」
井戸田はあたりを見回した。
すると、井戸田から少し離れた所に黒い石と透き通った紅い石があった。
さっき、小沢が払いのけた、やっくんとお兄さんの石だ。
「…石…?…そうだ。あのルール!」
井戸田はゲーム開始前の浜田の言葉を思い出した

―所持者が他の芸人に石を奪われるか、戦闘不能・死亡で失格。
―石を取られた場合、スタート地点…教室に転送。

そう、浜田は言っていた。
なら、小沢があの二人を殺す前に石を取れば―――!!
そう思った井戸田はすぐさま石に向かって駆け出し、石二つともを拾い上げた。
その直後
「地獄に堕ちろぉっ!!!」
と言う小沢の叫びが聞こえた。
振り下ろされる鉄パイプ。
そして、アナウンスが響き渡る。

―あばれヌンチャク 斎藤 竹内 失格。 失格ゾーンに転送します。
小沢の振り下ろした鉄パイプに当たる寸前
竹内と斎藤の身体は姿を消した。
鉄パイプがドラム缶にグシャッ、とめり込む音が空しく響いた。
「……よ、良かった…。」
井戸田はほっと、胸を撫で下ろした
どうやら竹内と斎藤は転送され、無事らしい。
なんとか小沢は人殺しをせずに済んだ、が
小沢の暴走は終わらない。

「…何故…何故、邪魔をしたっ!!」
小沢は鉄パイプを振り下ろした体制のまま、叫んだ。
「まだ…まだそんな事言うのかよ!いい加減、眼を覚ませ!」
井戸田は小沢に叫んだ。
「…じゃあお前の命だけでも…!!」
小沢は井戸田の方を向くと、井戸田にゆっくりと近づく。
「な…?…俺を殺すのか!?」
井戸田は後ずさる、小沢は井戸田に徐々に近づく。
「お前は俺の邪魔をした、だから死ぬ。それだけのこと…。」
そう言いながら、小沢は井戸田の前に立つ。鈍い光を放つ鉄パイプを持ち
自分の邪魔をした『邪魔者』に、止めを刺すために。
そして、小沢は何も言わずに鉄パイプを振り上げる。
井戸田は逃げようとしたが、身体が、言う事を利かなかった。
何故だか、逃げてはいけないような気がしていた
井戸田は、小さな声で呟いた
「どうして…どうしてなんだよ…こんなの…あたし認めないよ…。」
井戸田の眼から、一粒の涙――。
すると、井戸田の石が眩い程の金色の光を放ち始めた。
「!!…俺の…石が…?」
光は徐々に強さを増し、眼も開けない程、光を放つ。
「…!!…コイツ…こんな力が!?ぐ…限界だ…このままじゃ…この身体が…!!」
小沢は持っていた鉄パイプを落とし、苦しみ始めた。

そして井戸田の石は一際煌く金色の光を放って、そして、消えた。
「…何だったんだ…?」
井戸田は眼を開けると、石を見た。
石は金色では無く、ただの石に戻っている。
「…何が起こった…?って…小沢!?」
井戸田は驚いた。
小沢が足元に倒れていたからである。
小沢の手には、あの蒼い光を放っていた石が握られていた。その石は、既に光を失っていた。
「小沢!大丈夫か!?」
井戸田は小沢を抱き起こした、意識は無いが、なんとか息はあるようだ。
「…なんとか生きてる…良かった…。」
井戸田はほっと胸を撫で下ろすと
小沢と自分の傷の応急処置を始めることにした。

「…この石、どうなってるんだ?この石が光ってからの、小沢の変わりよう、あの力…この石は…一体?」
疑問は深まるばかりだった。

あばれヌンチャク 斎藤 竹内 失格。
残り6人
能力 スピードワゴン


井戸田 潤

石・・・トパーズ
能力・・・あたし認めない!のセリフを使用時、井戸田の周り一帯の中にいる
     芸人の力を全て一定時間封じることが可能。
     応用として、あたし○○(芸人の名前)認めない!というと
     その特定した芸人の力を一定時間封じ込める事が出来る。
条件・・・特定する場合は、封じ込められる時間は長いが
     多数の芸人の力を封じる場合、時間が極端に短くなる
     力もかなり使うため、あまり多用は出来ない。

小沢

石・・・ダークブルームーン
能力・・・負の感情を呼び覚ます事により自分の全ての身体能力を
     大幅に上げることが出来る。
     負の感情が強ければ強いほど能力は上昇し
     人間離れした身体能力が宿ることもある。
条件・・・「負」の感情を呼び覚ます事により
     石に封印されていた本来の「悪」の力が目覚め
     石の強大な力に逆らえず、石の「悪」の意志に振り回される。
     石に操られているため、操られている間は
     痛みを全く感じないが、その状態が解除されると
     今までに受けたダメージが自分に降りかかる。
     尚、自分の本来の身体能力の何倍もの力を出すため
     骨や筋肉に相当な負担がかかる。
416現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/08/20 02:14
今日はこの辺で…それでは。
リアタイ乙!いやー、今後の展開が楽しみ!
418名無しさん:04/08/20 13:48
現在執筆中さん、最高です!!
この調子でがんばってください!
419名無しさん:04/08/20 20:52
現在執筆中さん乙です
凄い楽しくて魅入ってしまいました
頑張ってください 
420名無しさん:04/08/20 21:10
あばれ、脱落か〜。
文字通り暴れてくれるかと思ったんだけどなー。
小沢さんのキレっぷりが恐ろしい!
けどカッコいい。
421名無しさん:04/08/23 13:55
執筆中さんの合間に短編投下とか言ったら叩かれる?
422名無しさん:04/08/23 14:08
>>421
別にいいと思うぞ
分かりやすいようにタイトルとアンカー付ければ。
423名無しさん:04/08/23 14:28
>421
いいとオモ
バトロワスレもそんな感じだし
424名無しさん:04/08/23 19:49
>421
おいでおいで〜。
425名無しさん:04/08/23 21:33
投下待ちage.
「かーしま」
人の名前をちゃんと発音をしていない時の彼は、酔っているか困っている時だ。
川島は目を伏せて暫く聞こえていないふりをしたが、再度名前を呼ばれ、観念した。
「何?」
読んでいた新聞から顔を上げることなく、川島は短く答えた。
「俺の財布知らん?」
「知らん。」
切り捨てるような川島の言い方に田村はため息をつくと、楽屋の中をうろうろと歩き出した。
鞄の中を探り、狭い隙間にも手を突っ込み、机の上のものを落としながら探している田村を見て、川島は目を閉じた。

 内ポケットの中の石が、淡く光を放った。


途端に川島の視界が、物凄い速さで移る。
そしてその動きが止まったとき、目の前に見慣れた財布が置いてあった。
辺りに視線を移す。
どうやら、先程まで練習していた舞台のようだ。
きっと田村は、財布をポケットに入れたままだと邪魔だからといって置いたままにしてしまったのだろう。
そのうち、だんだんと視界がぼやけて景色が遠くなっていく。

川島は、目を静かに開いた。
田村は未だ、財布探しに没頭しているらしい。
―あと5分探して、思い出せんようなら教えてやるか。
川島は先程まで読んでいた新聞を投げ出し、胸元の石に手をやった。
この石を手にしたのは、つい最近の事。
川島は黒っぽい石、田村は白っぽい石をそれぞれ持っている。
しかし、田村は、石に隠された力については何も知らない。
少し前に川島だけは石が発動し、今は能力を自由に操ることができる。

川島の力は『影』だった。
石を使えば今のように、自由に影の中を自由に行き来できる。
恐らく田村にも、石のことを告げればこういった力を持てるのかもしれない。
だが、川島には石のことを田村に話す気はない。


川島は石の力を手にした芸人の暴走も見てきたし、醜い争いも見てきた。
―そんな戦いをアイツに見せ付ける必要がどこにある?
―俺らの石を狙っている奴らなら、俺の力だけで充分倒すことができる。
―アイツは今までにも散々辛い目にあってきたんや。


―ほんなら『影』を背負うのは、俺だけでええ。
「かーしま?」
いつの間にか田村の顔が間近にあった。
暇なら一緒に探すの手伝えとぼやきながら、田村はここには無い財布をまた探し始める。
「舞台に置いてきたんとちゃうか?」
「あ!」
やっと思い出したのか、田村はドアへと走る。
その姿を目で追った川島は、ポツリと呟く。
「気をつけぇよ。」
「んぁ?」
そのまま黙り込んだ川島に、田村は首をかしげてそのまま楽屋を出た。


川島明(麒麟)
石・・・・黒水晶
能力・・・・影から影へと移動することができる。
    意識だけを別の影へ飛ばすこともできるし、体共々移動もできる。
    一人位なら一緒に移動させられる。
条件・・・・もちろん目標になる影が無いことには移動はできない。
    また、移動する影が極端に小さくても駄目。
    一度目標を定めたら、そこまで移動するまで無防備。
    主に不意打ち狙い。

短いですかね?
しょぼいですがこんな感じです。
バトロワだと川島イカれたキャラですが、自分の中で川島はいい人です。
ついでに田村の能力も考えてます。
その内二人の話の続きも書いてみたいと思ってたり。
お目汚しすいませんですたorz
麒麟キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
自分の中でも川島さんは結構厳しいけど優しくていい人なので嬉しいです!
433名無しさん:04/08/24 19:18
超短編面白かった!書き手さんスゲェなぁ……。続き読めると嬉しいなぁ、なんて。
無理しない程度に頑張って下さい!

現在執筆中さんのも続き楽しみです!頑張って下さいー!
434名無しさん:04/08/25 19:09
本編(?)、超短編、共にかなり面白いです!!
ちょっと怖かったりするけど、読みふけっちゃぃます。
頑張ってください!!
435名無しさん:04/08/25 20:36
マネージャー(以下マ)  「なぁ、君達にコレ上げるよ。」
井戸田(以下井) 「何ですかいきなり・・・って、それ石じゃないですか!」
小沢(以下小) 「しかも凄い魔力を秘めている・・・これ、一体どうしたんです?」
マ 「いやな、これはバカルディの頃のさまぁ〜ず、つぶやきくん、アリキリが順々に扱っていた石でね。」
井 「・・・ふむ。」
マ 「今度はバナナマンに渡そうかと思ったんだが、イラネって言うから君達にと思って。」
小 「それで、どんな力を秘めた石なんです? そんな使われ方をしてるなら相当の石みたいだけど。」
マ 「聞いた話では、エネルギーによる直接攻撃型の石らしいよ。」
井 「凄ぇ! カッコ良いじゃないですか!」
小 「・・・・・・・・・。」
マ 「君達の石の力はトリッキーだからね。イザって時用に持っていても良いんじゃないかい?」
小 「でも、それだけの力があるって事は・・・やっぱり限定条件や代償も凄いんでしょう?」
マ 「あぁ。どうやら力を使う度に人々の記憶から存在が忘れ去られるらしくてね。」
井 「・・・え?!」
マ 「まぁ大丈夫だよ。一番長い間預けていたつぶやきくんでも死亡説止まりだったから。」

井&小 「・・・僕らも要りません。」


流れd切り&思いついたまま投下スマソ。 そして>>421さんGJ!
ワロタ。今は誰が・・・w
437156=421 ◆SparrowTBE :04/08/27 00:18
>432>433>434>435さん
温かいお言葉ありがとうございます。
…あんなヘタレ文でよければ、またいつか投下させていただきます。
そして現在執筆中さん、頑張ってください。
兄貴…_| ̄|○
439名無しさん:04/08/28 23:01
保守
440名無しさん:04/08/29 01:49
書き手応援&落ち防止age
>>421さん。
乙でした。麒麟短編面白かったです。
この調子で頑張ってください!

>>435さん
乙です。笑わせていただきましたw
また投下して下さい。

>>417 >>418 >>419 >>420 >>433 さん
感想ありがとうございます。
それと、遅くなって申し訳ありません。

それでは>>414からの続きとなります。
見渡す限り緑が続く草原の中、歩く男が二人。
「……俺の石は何時までたっても光らへんなぁ…。」
そう言いながら、須知は歩いていた足を止め、言った。
ビッキーズの二人は草原から森へと、移動する途中だった。
「…そんなん言われても、俺光らせ方わからへんし。」
木部も立ち止まり、須知の石を覗き込む。
「光れや〜この石〜。」
須知は石を見つめたまま言った。
「…それはおいといてな、須知。何でお前法被着とんねん。必要ないやろ?」
木部は先程から抱いていた疑問を須知にぶつける。
須知は草原から、森に移動する時から今までずっと、あのハズレ武器の
自分の法被を着たままでいる。
「ええやん、別に。何か武器に入ってたし、必要かな?って思って。」
須知はポケットに石を仕舞い込むと言った。
「それにしても疲れたな〜、もうダメや…。」
須知はその場に座り込んでしまった。
木部ははぁ、とため息を吐く。
須知はさっきからしょっちゅう疲れた、疲れた。と言っていて木部はうんざりしていた。
「…お前なぁ……さっきから疲れた、疲れたて。全然前に進まないやんか!」
木部は須知に向かっていった。
須知は木部を見上げると。
「何だかさっきから身体が妙にだるいねん…熱があるわけちゃうし…
 何か、腹も減ったしなぁ…。食べるもの無い?」
須知の能天気な一言に木部の堪忍袋の尾が切れた。
「…お前…!じゃあこれでも喰え!!」
木部はそう言うと、バッグの中から大量の「飴ちゃん」を取り出し
須知の口に押し込んだ。
「あぐっ!!…なひすんへん!(何すんねん!)」
須知は大量の飴ちゃんを口に含んだまま叫んだ。
「どや!「木部特製飴ちゃん」の味は!」
木部は自慢げにバッグの中にある大量の飴を須知の目の前に出す。
須知は思わず、含んでいた飴を近くの草むらに吐き出した。
「何で吐くねん!味は飴ちゃんとかわらんやろ!?」
木部が不満そうに叫んだ。
「変わらへんけど…気持ち悪いやん…。」
須知は木部を見上げていった。
「…気持ち悪いて…失礼な。」
木部はため息をついて言った。
「…あ〜…まだ飴ちゃん口の中に一粒残ってる…。」
須知は顔を顰めた。
「それくらい喰え!バッグの中こんないっぱいに飴ちゃんあったら重くてかなわんわ!」
木部に言われ、須知は飴ちゃんを急いで噛み砕き、飲み込んだ。
「うぇ…。」
須知はまた吐きそう、と言う素振りを見せる。
「…もっかい喰わせたろか?」
木部は静かに、そして重く須知に言った。
須知はブンブンと、思いっきり首を大きく振った。
「ほら、飴ちゃん食ったんやから、もう行くぞ。」
と木部が須知に立ち上がるように促す。
「しゃあないなー…って…ん?」
須知は突然奇妙な声をあげた。
「…?どうした?」
その須知の声に疑問を抱いた木部が問いかける。
「いや、何か急に身体が軽くなったような気がする。」
須知は立ち上がり、木部を見て言った。
「休んだからか?」
「…いや、座ってる時も凄くだるかったんやけど…この飴舐めたら、治った。」
須知が木部に向かって言う。
「まさか…この飴ちゃん効果?」
木部はそう言ってバッグの中から数個飴ちゃんを取り出すと、口に放り込んだ。
飴を噛み砕いて飲み込むと、身体がふわりと軽くなり
先ほどまで歩いていて感じていただるさも無くなっていた。
「…うわ…凄い、身体が軽いし、だるさも無くなってる…。」
木部は驚いた。
まさか、自分の作った飴に、こんな効果があったとは…と。
「まぁ、これで体力も回復したから、そろそろ行くか!」
木部は須知を見て、言った。
「そうやな…何時敵に狙われるかわからへんし…行こか。」
須知は立ち上がり、バッグを担いで歩き出した。
「あ…須知、待て…って…あれっ!?」
木部は突然、素っ頓狂な声を上げた。
「どうしたん?」
異変に気付いた須知は、歩くのを止めて、木部に駆け寄る。
木部は少し困ったような顔をして
「…足が、動かへんねんけど…。」
と言った。
「…はぁ!?お前何いっとんねん。大丈夫か?」
須知は木部の肩を掴んでガクガクと揺らした。
「大丈夫じゃ…無いかも、何か、足が凄く重い…まるで地面に縫い付けられたように…。」
木部は困ったような笑いを浮かべて言う。
「あ…足だけじゃない、身体が、動かないんや!!」
木部は叫んだ。
「身体が動かない!?…どういうことや…!!」
須知は何とか木部を動かそうと手を引っ張るが、木部はびくともしない。
今日はこの辺で。

夏休みの宿題が終わらず…投下速度が低下しています…すいません。
明日中には何とか宿題を終わらせたいと思います…。
448名無しさん:04/08/30 15:47
現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 さん、乙!
面白い!続きがめっちゃ気になる!

お互い課題頑張りましょう(ニガワラ
449名無しさん:04/08/31 00:33
あげ
彼を見かけた街は、新宿か、それとも渋谷か。もしかしたら台場だったかも知れないけれど。
ともかく、すれ違い様に感じた視線には、強い嫉妬混じりの敵意が込められていたのを小沢は覚えている。

「調子・・・乗ってンじゃねぇぞ。」
あの時耳元で囁かれた言葉を再び口にする、若い男の手には禍禍しい緋色の光を放つ鉱石が一つ。
「調子に乗っているのは、どちらでしょうね。」
軽く受け流すような調子で小沢は男に応じるけれど、彼が左手に握り込んだ鉱石には
彼に抗うに十分な力はまだ溜まってはいない。
薄く口元に浮かべた笑みは決して余裕からではなく、逆に窮地にいるが故。

「まぁ、とにかくよぉ。いい加減その石をこっちによこせよ。な?」
石を起動させ、秘められた力を引き出し・・・そしてきっちりとそれを制御する。
現実離れした奇蹟を起こす代償として、肉体や精神に掛かる負荷は決して軽くない。
平然を装いながらも、間近から見れば疲弊しているのがありありと感じられる小沢の態度に
井戸田は男へ呼び掛けた。
「石とシンクロしているお前さんならわかる筈だ。そのうち石の攻撃性にお前も呑まれるぞ!」
「・・・うるせぇっ!」
男の怒鳴り声に反応するように鉱石がひときわ眩く輝いたかと思うと、輝きの中心から弾き出されるように
幾筋もの光の帯が生まれ、小沢と井戸田の方へと放たれる。
それぞれのアプローチで襲いかかってくる光の筋は、男の持つ鉱石・・・インカローズが持つ
赤いファンシーな色合いとはまったく異なり、わずかに茶色く濁った色合いをしている。
しかし、まじまじと光に見入っている余裕は彼らにはない。

「・・・くっ!」
「こぉの・・・分からず屋! アタシ認めない、認めないよっ!」
手に握り込んでいる緑がかった蒼い輝きを維持し、更に強めるために動けない小沢に代わり、
ここで動くのはやはり井戸田。
ネタの途中のように声を張り上げると、首からチョーカー状にして下げている鉱石が強い光を発した。
光は瞬時に球形に広がり、井戸田と小沢の姿を包み込む。
山吹色の輝きが二人を覆うのとほぼ同時に、男が発した光の帯が二人の元に達し、貫こうとするけれど。
バリアのように展開された光は、その比喩の通りに光の帯をすべて打ち消し、彼らを守った。
井戸田が持つ石、大粒のシトリンが彼に与えた力は現象の否定。
今のように、攻撃を否定する事で身を守り、時に防ぎきれずに負った傷を否定する事で治癒させる事ができるのだが。

「潤・・・」
強力な力ほど、発動させるのに必要な負荷は重く、代償は大きい。
急に何百mか全力で走らされたかのように汗を滲ませ、呼吸を荒げだす井戸田に不安そうに小沢は呼び掛けた。
「・・・まだ、チャージは終わらねぇんすか?」
「悪い・・・あんなに活発的な石を押さえるにはどうしても・・・」
「そうだよな・・・いや、済まない。 ただ・・・」
チラリと手に握り込んでいる石・・・アパタイトを見やってから、小沢は井戸田に答える。
心底申し訳なさそうな小沢の口調に、井戸田は男を睨み付けながら
それでも小沢を咎める様子はまったく見られない穏やかな声を返した。
「今ので、俺、全部使い果たしちまったみたいなんでね・・・。」
「・・・・・・・・・・・・!」
「大丈夫、多分あと一回ぐらいなら生身で盾になれる。」
その一発で向こうが弾切れになる可能性だってねー訳じゃねーもんな。
男に聞こえないよう小声で井戸田は告げると、ずぃ、と一歩前に踏み出す。
「潤、駄目だ。」
小沢の左手でアパタイトの放つ光がぐらりと揺らいだ。
「そんな分の悪い賭けなんかさせられない。」

「何コソコソやってんだ?」
心底相手を見下すような口振りで男が発する声が聞こえた。
「まさか天下のスピードワゴンが、俺みたいな無名の芸人から逃げようとでもしてんのか? あぁ?」
「ンなわきゃねーだろが! お前なんてボッコンボッコンにしてやるっつってんんだよ!」
拳を固めて言い返す井戸田の必死の虚勢。
相手に力を乱発させ、精神力を削ごうと狙っての事だろうが、
それは挑発と呼ぶには余りにも痛々しすぎるように小沢には思えた。
「じゃあ・・・やってみろよ。ン?」
嘲るように告げながら、俺には出来るぞと男はインカローズに意識を集中させる。
瞬時に濁った緋色の輝きが高まり、さっきと同じようにその中から光の帯が幾筋も放たれた。
どうやら彼の石の力は、緋色の光線という形でエネルギーを放つ物らしい。

「く・・・っ!」
顔を片腕でガードしながら、井戸田は避ける事なく光の帯を受け止める。
この光が回避しても追いかけてくる追尾機能を持つ厄介なブツである事は、最初に確認済みであった。

光が命中した箇所に、思い切り殴られたような鈍い痛みが走る。
それが全身到る箇所で起こる物だから、井戸田は立っていられなくなって吹っ飛ばされ、地面へ叩き付けられた。
その様は、小学生の頃に見た自動車にはねられる少年の人形のよう。

「・・・潤っ!」
叫ぶ小沢の顔色が変わった。アパタイトを握る左手に力を込め、動揺の中でも意識を集中させて。
彼は言霊を口にすると、石の力を発動させる。


「そんな事より・・・パーティ抜け出さない?」


小沢が持つ石の力は、口にした言霊を何らかの形で具現化させる物。
今まで別の言霊を具現化させるためにずっと石に蓄積させていた、力が一気に放出された。
眩い青緑の光が先ほどシトリンの光が二人を包み込んだように二人を覆う。
「・・・・・・なっ!」
男にとって、小沢の行動は予定外だったのだろうか。
驚きの声を上げる、その目前で小沢はパチリと指を鳴らす。

その刹那、その場に男を残して井戸田と小沢の姿はフッとかき消えた。
周囲に静寂が満ちる中、男は二人が居た辺りを呆然と眺める。
それほどまでに、小沢の石の力が高まったと同時に忽然と二人は姿を消したのだ。
「一体何が・・・」
とはいえ、男も二人の辺りにインカローズから一筋の光の帯・・・よく見れば、その帯は
宙を這って飛びかかってくる蛇に見えなくもない・・・を放ち、ただ姿が見えないように
空間に小細工しただけではない事を確認すると、ククッと笑い出す。

「本当に逃げやがったのかよ。あいつらが・・・俺如きに・・・。」
呟く男の手の中で。俺を褒めろとばかりにインカローズがチカチカと瞬く。
「きゃーきゃー言われて・・・調子乗ってるから・・・こんな事になるんだ。馬鹿が。」
石に体力も気力も全部吸い取られそうになり、男の言葉はかすれがすれになるけれど。
このぐらいの代償なら怖れる事はない。寧ろ、言うなれば心地良い疲労だ。

「俺は・・・あぁはならねぇ・・・全部ブッ壊してやるんだ・・・」
今日の勝利も、これから俺達が成り上がっていくための前祝いにちょうど良い。
彼はインカローズと自分を引き合わせた怪しげな男の顔を思い出し、心から感謝した。
一方その頃。二人を覆う青緑の光が弾け、どさりと音を立てて二人は路上に投げ出される。
「痛っ・・・・・・。」
したたかに尻を打ち付け、ぐったりしながらも小沢は呻くけれど。
周囲の光景はどこか見覚えのある物ながらも、今まで彼らが男と共にいて目にしていたそれとは異なる。
そう。所有者が発した言霊により、アパタイトは二人を男の前から緊急離脱させたのだ。

「渋谷のセンター街・・・か。」
二人がいるのはメインの通りを外れた路地の、暗がりの中だったが。それでも何とかそのぐらいは把握できる。
下北沢から随分と跳んだものだと自分のなした事ながらも驚く小沢だったが、
そんな悠長な事を考えている余裕はない。

何とかして井戸田を・・・精神力を使い果たした上に、傷まで負っている彼を落ち着いて休めさせなければ。
この状態では、一般人にも他の石を持っている人間にもあまりにも無防備すぎる。
小沢はゆっくりと立ち上がり、井戸田を抱え上げようとするけれど。
石を使用した事で疲労し、通常よりも体力を削がれた状態ではそれすら上手く出来はしない。

「・・・・・・・・・。」
四苦八苦の末に、何とか井戸田を背負って小沢が歩きだそうとした、その時。

「あぁっ、小沢さんじゃないですか!」
「井戸田さんも、一体どうしたんです!」
次々と、と言うよりも殆ど同時に別々の素っ頓狂な声が上がる。
その声に両方とも心当たりがあり、無視する訳にもいかず、小沢が恐る恐る声がした方へ視線を向けてみると。
いかにも今時の若者ぜんとした格好をした、細身の男と小柄でコロッとした体格の男の二人組が
そこには立っていた。
「お前ら・・・・・・。」
「何があったのかは知りませんけど、とりあえずどこか店に入りましょう。
 ここだと他の人の目にも触れるし・・・監視カメラもありますからね。」
一瞬何があったんだ、と言った驚きの表情を浮かべる二人だったが、そこは慣れという物か。
細身の男は小沢の問いを遮りながら彼の元に近づくと、頼みもしていないのに井戸田の身体に肩を貸して支え、
自分の被っていた帽子をその頭に掛けて井戸田の顔を隠す。

「じゃ、どこにする?」
「向こうのカラオケボックスで良いンじゃね? 俺会員カードあるから安くなるし。」
「・・・決まりだな。」

短い言葉で意思を疎通させ、顔を見合わせる二人の笑顔の頼もしさに、
小沢は相手も石を持っているのではと警戒する事も忘れて、思わず涙ぐみそうになった。
「行きますよ、小沢さん。」
けれど呼び掛けてくる声に、小沢は何とか我を保つと二人に感謝の意を告げる。

「・・・ありがとう、磯。野村くん。」

ただ、この言葉を数時間後の別の場所でまた二人・・・江戸むらさきの磯山と野村へ小沢が呟く事になろうとは、
まだ誰も知りはしなかっただろうけれど。
ちょっと漫画の読み切り風な話を思いついたので、投下させて貰いました。
タイトルの石の使い手っぽい二人が現れたところで、今回はこの辺で。


若い男(???)
石・・・・インカローズ
能力・・・・蛇の形をしたエネルギー弾を目標に向けて放出する。
条件・・・・不明。
    
一応彼は関東系の若手芸人という設定ではありますが、正直やられ役ですので
固有名詞を出すのは忍びないかな、と今回は名称をぼやかした表現にさせてもらいます。

あと、スピードワゴンの石の設定は>>156-157をベースとさせて貰いました。
457名無しさん:04/08/31 21:21
おぉ◆ekt663D/rE さんGJ。
やっと書き手が増えてきたな。
続編楽しみにしてます!!
458名無しさん:04/08/31 21:53
面白いぞ、ekさん。
この調子で書き手さんが増えるといいな。
459名無しさん:04/09/01 10:40
面白いっすねー。>ekさん
ところでどの話とどの設定が繋がっているのか誰かまとまてくれないか?
スピードワゴンの出演率が多いせいか、何が何やら分からなくなってきた
460名無しさん:04/09/01 12:25
カンニングって若手に入る?と呟いてみるテス(ry
461名無しさん:04/09/01 13:25
>>460
個人的には入れてほしい。
462名無しさん:04/09/01 20:37
>>450-456
あぁもう、とても面白い!ekさんすげえっ!
続き気になりますねー。このスレの書き手さんは皆すごいなぁ…。
ekさん、無理しない程度にがんがって下さい。期待してます!
463名無しさん:04/09/02 23:55
細かいツッコミでスマソだけど、
「今時の若者ぜんと」→「今時の若者然と」
って書くつもりだったのかな。
「然り(しかり)」ですよ。
464156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:35
「かーしま」
人の名前をちゃんと発音をしていない時の彼は、酔っているか困っている時だ。

「ええから先行けって。」
「これから仕事っちゅう時に忘れ物って何やねん。」
「悪い悪い。絶対追いつくから先向かってて。」
すまなそうに苦笑いを浮かべる川島に、田村はため息をつくと渋々一人で歩き出した。
そんな田村の背中を見送った後、川島は田村とは逆方向に走り出した。
人通りが少ない、狭い路地に向かって。
465156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:35


「そろそろ現れたらどうや?男二人ストーカーして何が楽しいんねん。」
川島の声が低く響く。
すぐに川島の背後に二人組みの男が現れた。
何処かで見たことはあるが、名前は知らない。恐らくは新人の若手だろう。
二人ともぶつぶつと何かを呟き、その目は焦点を結んでいない。
石や人によるが、時に石に思考を乗っ取られることがあるらしい。
その場合、このように狂人のようになってしまうのだ。
―田村を先行かせて正解だったわ。
川島はほっと息をつき、顔を上げた。
次の瞬間、一斉に襲い掛かる二人組みの姿が目の前にあった。
466156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:37
二人の拳が川島の顔面に当たる瞬間、川島の姿が消えた。
目標を無くした二人の足が、地面から現れた手に不意に引っ張られた。
バランスを崩したせいで、芸人らしく盛大に転ぶ。
その二人を見下ろすように、再び川島の姿が現れた。
「なんやねん。めっちゃ弱いやん。」
尚動こうとする体を足で押さえつけ、石の封印のために自分の石をポケットから取り出す。
その時、隙が生まれた。
押さえつけていた足が突然払われる。
今度は川島がバランスを崩して石が手元から転がり落ちる。
「つっ…!!」
石に手を伸ばす。
途端に無防備になった川島に、二人が笑みを浮かべて向かってきた。


その時、突風が吹いた。
467156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:38
もの凄い勢いの風に、思わず川島は身を伏せる。
次に川島が目を開いた時には、既に二人組の姿は無く、川島は身を起こした。
少し離れた壁に二人組がもたれかかっている。どうやら先ほどの風に吹き飛ばされたらしい。
その二人組の石を、誰かが封印している。
思わず身構えて川島は叫んだ。
「誰や!!」
叫ばれた二人は、ゆっくりと振り返った。
その姿は見慣れたもので、川島は目を見開いた。
「あぁ、巻き込まれてなかったね。」
「よかったね、さっきの風強かったもんね。」

驚く川島を無視して話す二人は、いつもここからの二人だった。
468156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:39
「じゃあさっきの風は…。」
「あぁ、僕がやったんだけどね。」
特徴的な声の菊地が答える。
「そうだねえ、僕等も能力者だものね。」
同じ調子で山田が答える。
いつもの話し方との違いに、川島は怪訝そうな顔をする。
「麒麟の川島君だよね?相方はどうしたの?」
「相方も石を持ってるんでしょ?」
川島はいつここの顔をじっと見た。
二人が、信用できるかはまだわからない。
もし二人が石を集める側の人間なら弱点を教えることになる。

黙ったままの川島に、慌てて山田が口を開いた。
「安心して。僕達は石を封印するためだけに力を使うから。」
「田村君を襲おうなんてしてないから。」
川島は安心したように短く息を吐いた。
「アイツは…田村は石の力のことは知りません。」
山田がぽかんと口を開ける。
「知らない?」
「えぇ。教えてません。」
「何故?」
「戦うんは俺だけでええ。…こんな戦いにアイツを巻き込みたくない。」
川島は俯いて己の拳を固く握り締める。
いつここの二人が弾かれたように顔を見合わせる。
469156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:40

「独りで戦ってたんだって。」
「強いねぇ。」「強いねぇ。」
「石を集めないで封印してるって。」
「偉いねぇ。」「偉いねぇ。」
「しかも相方を巻き込まないようにしてるんだって。」
「優しいねぇ。」「優しいねぇ。」

延々と続くおかしな話し方に、川島は少し恐怖感を覚える。
しばらく顔を見合わせたまま話していた二人は、突然川島の方へ向き直った。


「石について色々と教えてあげるよ。」「役立つ情報とは限らないけど。」
「ほんまですか?」
いつここの言葉に川島は目を輝かせる。
独りで戦う川島は、何かしら石の情報が必要だった。
「僕等が知ってる限り石を封印しようとしてるコンビは、
スピードワゴンとか、アンジャッシュとか、アメリカザリガニとか…。」
「そうだよね、結構いるよね。」
「すんません。」
川島が口を挟む。
「その封印する側のコンビに、相方の石を封印してもらうん事は」
「できないねぇ。」「できないねぇ。」
いつここの二人が困ったような表情になる。
「暴走したり、悪意に満ちたような石じゃないと、僕等は封印できないんだよねぇ。」
―やっぱりか。
川島は溜め息をつく。
川島も何度も田村の石を封印しようとしていたのだが、全く力を押さえ込むことができなかったのだ。
470156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:41
「アンジャッシュの渡部君ならもっと石について詳しいかもね。」
川島が顔を上げる。
「は?」
「彼の能力上、石が何処にあるのかわかるらしいよ。」「あとスピードワゴンの小沢君もね。」
菊地が付け足す。
「彼は元々の体質上らしいけどね。」
「便利だよね。」「便利だよね。」
「僕らもそんなのがほしいよね。」
「そうだね。」

また二人で話し出したのを見て、慌てて川島が間に入る。
「あ、そろそろ仕事なんで。今日はほんまにどうもありがとうございました。」
山田がやっと気が付いたように川島の方へ向き直る。
「とりあえず、困ったことがあったら相談してよ。」
「ありがとうございます。」
再び川島は深く頭を下げる。
そして踵を返し、歩きだした。
471156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:44
振り返ると、菊地と山田は、まださっきの調子で話している。
時間的に間に合いそうだが、急いだ方がいいなと川島は思い、石を手に握る。
「川島君」
ふと呼び止められて川島は振り返る。
先程までとの声のトーンの違いに、川島は思わず身を固くした。
「大きな力にはそれなりのリスクを伴うから。」
聞こえるか聞こえないかの小さな声で、菊地が呟く。
川島を見つめるその目の光は何処か強く、そして哀しい色をしていた。
川島はその目を真っ直ぐに見つめた後、影の中へと消えていった。
472156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:46
菊地は、川島が消えていったのを見た後、何も言わずに歩きだした。
山田が後に続く。
「菊地」
「何?」
「なんで言わなかった。」
「言っただろ、最後に。」
「違う。」
山田が菊地の腕を掴む。
「なんで麒麟の石が危険だってことを言わなかったんだ!?」
山田が声を荒げる。
菊地は振り向くことなく言った。
「彼等なら大丈夫だよ。彼等なら、きっと。」
山田からは菊地の表情は見えない。
仕方なく山田は菊地の腕を離した。




前を歩く菊地は、うっすらと笑みを浮かべていた。
―麒麟とやらの石はまだ主を操ってはいないらしい。
彼の石も又、どす黒い光に覆われていた。
473156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 00:46
大量に連投スマソ。
そしていつここ菊池を悪い人にしてしまいました…ファンノヒトゴメンネ_| ̄|○
何か中身のうすーい話ですが多少は考えている話の繋がりになってます。
ちなみに中に出てきた名前は出そうと思ってる芸人だったりします。
またまたお目汚し失礼しました。
474名無しさん:04/09/03 02:08
>>156=421 ◆SparrowTBE氏
乙です!
いつここの口調がいいなぁw
菊地悪い人ってのもアリですね 面白い!
続き楽しみにしてます
475名無しさん:04/09/03 20:02
うわ、菊池さん怖!これからどうなってくんでしょうか〜。

いつここの能力は、以前上がった設定に則ってるんでしょうか?
476156=421 ◆SparrowTBE :04/09/03 20:58
書き忘れてました。すいません。
>475さんの言うように、いつここは>270さんの設定を基にしています。

あと、もう一つ気がついたんですが、
風を使うのは山田さんでしたね…マチガエマシタorz
477名無しさん:04/09/03 22:19
フットボールは出演ないですか?悪でも善でもイイんですがw
スンマセン。フットヲタですm(_ _)m
478名無しさん:04/09/04 21:14
凄い…凄いめちゃくちゃ楽しみだ…!!
麒麟オタなのでこれから麒麟がどうなるのかが凄い楽しみです
書き手の皆さん頑張ってください
479名無しさん:04/09/04 23:59
本当に書き手さん増えてますねvvv
どの作品も面白いのです!この調子で続きがんばってください。
これからも応援していきます!
書き手様方、お疲れ様です。

書き手さんが増えてきたのでこの話も終わらないとまずいですね。
もう少し、投稿を早めたいのですが…文化祭が…orz

そんな愚痴はさておき、>>446からの続きとなります。
「…動かないのは当然だよ。」

声が、草原内に響き渡った。
「…!誰や…!!木部を動けんようにしたのは!!」
須知は辺りを見回す。
すると、近くの木陰から、小木と矢作が姿を現した。
「おぎやはぎ…?!」
須知は身構える。
「お前らが、こいつを止めてるんか!?」
木部の肩を叩きながら須知が叫ぶ。
「…そうだよ。この「石」の力でね。」
矢作が石を取り出して言う。
矢作の石は、美しい緑色の光を放っている。
「…!俺と同じ、石が光ってる…!」
木部は驚き、眼を見開いた。
「俺の石は光らへんのに…。」
須知は石を取り出してみるが、何の反応も無い。
「くそっ!お前たち、何が目的なんや!!」
木部が叫んだ。
「動けるようになりたかったらその石を渡してよ。渡さないと―――――。」
そう言った小木の手から、焔の塊が姿を現した。小木は手に真紅に光る石を持っている。
そして小木は何も言わず、須知と木部の周りに焔を放つ。
すると、草原の草が、勢いよく燃え始めてた。
焔は瞬く間に木部と須知を囲み、追い詰める。
「ここで、燃えて、焼け死ぬよ?」
小木は冷笑を浮かべて言った。

「…う…どうする!?須知!」
木部は須知に問いかける。
「俺だけ逃げるっちゅーのも、アカンやろ…!」
須知は燃え盛る焔を見たまま言う。
暫くビッキーズの二人は意見を交わすが結論には辿り着けない。
渡すか、渡さないか。その議論が、延々と繰り返される
「…どうするの〜?渡すの?渡さないの??」
小木は残酷にも、選択を迫る。
「…くぅ…」
二人は黙り込んでしまった
そのまま、時だけが静かに流れる…。
「…あー!!ハッキリしろよ!もういい!!時間切れだ!!」
痺れを切らした小木は右手を焔に向けて出すと、右手を握った。
すると焔はビッキーズの二人目掛けて容赦なく襲い掛かる。
「うあぁぁぁあ!!時間切れってなんやねん!!!!」
二人の絶叫がこだまする中、焔はあっという間に二人を包んだ…。
「…ったく…あんまり殺したくないんだけど…。」
ビッキーズの二人を包み込み、燃え盛る焔を見ながら小木はふぅ、とため息を吐いた。
ふと、矢作を見ると、矢作は草むらに倒れこんでいた。
矢作の石も、光を失っていた。
「――!!?おい!矢作!大丈夫か!?」
すぐさま小木は矢作の下に駆け寄り、矢作を抱き起こした。
「何とか…でも、もう止められそうに無いや…ゴメン、役立たずで…。」
矢作は小木に申し訳なさそうに言った。
「…いや!お前はよくやったよ…。だから、ちょっと休んでろ。」
小木はそう言って、矢作を近くの岩に座らせると
燃え盛る焔を見た。あの二人の声は、もう聞こえない。
「…これで二人は燃えただろう…。」
小木はそう思って、焔を消そうとしたが、何かの気配を感じて、消すのをやめた。
「…!?何だ、あの光は??」
小木が燃え盛る焔の中を眼を凝らして見ると、何やら水色の光が見えた。
「…まさか!?あの石が…?」
小木は不安を感じて、右手を焔に向けて、焔を強めた。
焔は一層強く燃え上がり始める…。
短いですが、今日はこの辺で。
それでは。
>>450-455 の続き

店員にカラオケボックスの一室に案内され、まずは井戸田をソファに横たえる。
唇は切れ、皮膚にも地上に叩き付けられた際に出来た擦り傷から血が滲んでいて痛々しい。
「あ、俺・・・受付まで飲み物注文しに行って来っから。何かリクエストとか、ある?」
「さすがにビールって気分じゃねーからな、そこら辺は任せるわ。」
さっそく部屋を出ようとしつつ問いかけてくる磯山に、野村はテーブルの上に並んでいる
紙のお手ふきの封を手早く破りながら答えた。

本来、こういった1ドリンク制を採る店の場合は、部屋に備え付けのインターフォンで注文したり、
部屋へ店員が注文を受けに来るのが一般的であるけれど。
今は怪我人を抱えている状況の上、しかもそれがTVでも顔を見かける人気若手芸人とあっては
あまり店員が頻繁に出入りするようなシチュエーションは避けたいところである。
それ故、磯山が注文と品物の受け取りを一手に引き受けようと言う考えなのだろう。
「了ー解。」
磯山は野村の言葉に頷き、ぽてぽてと部屋を出ていった。
その野村はお手ふきで消毒も兼ねながら井戸田の傷から流れる血を拭き取っており、
小沢は随分と手慣れた江戸むらさきのコンビネーションに驚くばかりである。

「御免…何か迷惑かけちゃって。」
「別に、こんぐらい。構わねぇって。」
間もなく血で赤く染まってしまった紙のお手ふきをくずかごに投げ入れ、野村は小沢に応じた。
「しっかし、幾ら喧嘩にしてもこのやられっぷりは尋常じゃねーっすよ。誰と闘ったんです?」
そのまま次のお手ふきを取り出すべくビニールをこじ開けようとしつつ、野村は言葉を続ける。
「とはいえ、酔い潰れてんじゃねー限り、井戸田さんが闇雲に喧嘩売るなんて考えにくいし・・・
 ストレス溜まってるなら、俺らにでも愚痴ってくれればいいのに。」
「・・・・・・・・・。」
何か俺らの事避けてるみてーだから、迂闊にこっちから誘う事もできねーし。
袋から取り出されたお手ふきで、額にこしらえた井戸田の擦り傷を拭く野村の呟きに、
まさかお前らを巻き込みたくないから遠ざけてたんだとは言えず、小沢はただ口をつぐんで床に視線を落とした。
芸人達の間に石を持つ者が現れだしたのは、一体いつ頃からだったのだろうか。
世間一般にパワーストーンブームが起こってからだいぶ経つにも関わらず、それはつい最近の事のように小沢は覚えている。
ただ所有しているだけで、所有者にささやかな幸福をもたらす大粒の鉱石。
それだけなら、何も問題はなかった筈なのだけれど。

「坂コロさんも号泣も何かここんとこ俺らを避けてるみてーでさ。
 何か俺らみんなから嫌われるよーな事やったかって、さっきも磯山と悩んでた所なんですよ。実は。」
結局思い当たる節が山ほど出てきて、凹むばっかりだったですけどね。
自嘲気味に笑う野村の言葉が、隣の部屋で誰かが歌う流行歌をBGMに淡々と響いた。
決して冗談混じりではない事が伺える野村の様子に、小沢も安易に言葉を返して良いようには思えず、口を閉ざす。

「何でも良いから・・・ちょっとで良いから・・・力になれないんですか? 俺らは。」
せっかく親しくなれたって思ってたのは、俺らの・・・俺の自惚れだったんですか?
内心を吐き出すかのようにさらに言葉を紡ぐ野村の沈痛げな横顔を照らすかのように、
ふと彼のボトムのポケットから、淡い光が漏れだした。

「・・・・・・っ!」
同時に小沢のポケットの中に押し込まれていたアパタイトが光に共鳴するかのように力を発する。
ピリッと電流が身体を走ったような感覚を覚え、小沢の表情が変わった。
「野村くん、それは・・・。」
明らかに今までとは様子の異なる小沢の表情に、弾かれるように野村はポケットを漁って小箱を取り出した。
淡い光はその内側から漏れているように思え、野村が蓋を開けてみると。
中には下品にならない程度に粒の大きい紫色の宝石があしらわれたペアリングが納められている。

「その石を、どこで手に入れた?」
「いや、これはさっき磯山とラーメン屋出た時に知らねぇばーちゃんとぶつかって
 ・・・そのばーちゃんが落としてった奴。」
慌てて俺達ばーちゃんを追いかけて探したんだけど見失っちまってさ。
じゃー、とりあえず交番まで持ってこうかって途中で井戸田さん達見かけて・・・それで。
小沢の真剣な問いにしどろもどろに説明する野村の言葉が不意に止まった。
片方のリングの宝石が発するひときわ眩い輝きに魅入られたかのように、野村はジッとその石を見つめている。

「野村くんっ!」
厭な予感を覚え、小沢は青緑の輝きを発しているアパタイトを取り出して左手に握り込んだ。

秘めたる力を発現しだした石の中には、深層心理に働きかけて所有者を取り込もうとするモノもあり、
逆に石の力に心奪われて正常な判断を失う者も現れたりで。
何とか小沢達のような芸人達がそれらの芸人を食い止めているからこそ、表面化はしてこないけれど
若手芸人達の間ではこの石をめぐってじわりじわりと混乱が生じつつあるのだった。

小沢の直感が正しければ・・・と言うまでもなく、このリングにあしらわれた石は、力を持つ石。
野村が言うように老婆がリングを二人の前に落としたのではなく、石が老婆に落とさせたのだろう。
己の所有者たる二人と巡り会うために。

「その石から、離れてっ!」
「石よ、俺の願いに応じよ!」

小沢と野村、二人の口から声が放たれたのは殆ど同時だった。
しかし、ただでさえ疲労している小沢のアパタイトが発する青緑の輝きは、小箱の中で放たれる活発な輝きに比べれば脆弱で。
すぐさま紫色の光に押され、呑まれてかき消される。

「・・・・・・なっ!」
部屋中に一気に満ち満ちた光が、今度は収束するように野村の細身の身体を覆っていった。
凝縮された紫色の輝きに、あぁ、江戸むらさきだけに・・・と呟く小沢の目前で、急に光は弾けて消える。
激しい輝きが一瞬にしてかき消え、目が明るさの変化に追いつかずにしばし視界がくらんだ。
しかし、元のカラオケボックスの個室特有の薄暗さに目が慣れるに従い、小沢は慌てて身構えた、けれど。
彼の目前にいる野村からは、特に敵意を見出す事は出来なかった。

「野村・・・くん?」
それよりも。
さっきまでの格好の上に白衣を纏い、首に聴診器を掛けているその姿に視線が向いてしまう。
イメクラのコスプレか、はたまたこれから医者コントでも始ようかといった様子の野村に恐る恐る小沢は声を掛けてみた。
「それは・・・一体?」

「コイツが貸してくれたんです。」
いつの間にか小箱から野村の手の平に移動していた紫の宝石・・・バイオレット・サファイアがあしらわれたリングを
ちらっと目で示し、野村は答える。
「医者の知識と技術・・・井戸田さんの怪我を治療するための・・・何か凄くねーっすか?」
早速白衣のポケットからどういう原理なのか消毒液や包帯、ガーゼと言った物を次々と取り出して
テーブルに並べるその口調からも、野村に石に呑まれ掛かっているような危うさは感じらない。

「・・・・・・・・・。」
「ま、信じられる筈がねーのはわかってるけどさ、とにかくちょっとだけ俺を信じて下さい。」
疲労のために、言霊を具現化できるほど石にそそぎ込める力が戻っていない事も相まって、
呆気にとられたように見つめるしかない小沢に対し、ニッと悪童めいた笑みを浮かべて告げた野村の言葉の通り。


「遅くなったけど・・・おまっとさーん。」
本来なら店員が持ってくる筈のコーラなどのドリンクをお盆に載せ、磯山が部屋に戻ってきた頃には。
井戸田の身体の負傷した箇所には、もれなく本物の医者さながらの処置が施されていて。
その一方でどんな激しい曲を熱唱してたのだと言わんばかりに、ぐったりとソファーに沈み込んでいる野村の姿があったという。
とりあえず執筆中さんに続いて今回はこの辺まで。
あと、>>463さん、指摘ありがとうございました。


野村浩二(江戸むらさき)
石・・・・バイオレット・サファイア(甲) ←宝石言葉は『華麗なる変身』
能力・・・・何らかの衣装(&力の追加消費で必要な道具)を呼び出し、身にまとう事でその職業の技能と知識を一時的に習得する。
条件・・・・あくまで制服もしくはイメージ衣装のある職業でないと技能と知識を得る事は出来ない。
また、石の力によって得た技能と知識は、能力を解除した瞬間に忘れてしまう。
衣装も能力を解除した瞬間に消失し、再利用は出来ない。(もう一回衣装を呼び出さなければいけない)
能力の性質上、2倍掛け(例えば医者をやりつつ演歌歌手)はもちろん不可。


どうやら野村さんはコスプレ好きだそうなので、能力もそんな感じのイメージで。
情報収集に適していそうだけれど、4人中3人が後方支援型でどうやって戦闘型能力者と闘うのでしょうかw
490名無しさん:04/09/05 13:35
結構更新されましたね。
現在執筆中さん、156=421さん、Violet Sapphireさん、全員凄いです。
頑張ってください!!
491名無しさん:04/09/06 23:24
ふと思いついた。稽古中のスピワゴ。
 _. ._ 
( ´A`)ノシ<おざーさん!アタシ認めないよ!  (´^` )<潤さん、そういえばさっきから石持ちっぱなしじゃ…

 _. ._ 
( ;´A`)_。<あ。 (´^` ;)<あ…

 _. ._ 
(;;´A`)つ。<おざーさん!     三三三ズザザザザザッ⊂(´^`;;⊂<うわぁぁぁっ!!
       
   _. ._ 
Σ(;;´A`)。<ごごごごめんっ!                 ⊂(´^`;⊂⌒~つ<酷いよ潤…
492 ◆8uJZWGzz3U :04/09/07 14:48
あばれを書いてる者ですが、トリップ付けてみました。
もうすぐ完成なんですけど、投下はしばらく待ったほうがいいですよね?
これ以上あると話がこんがらがりそう。
493 ◆8uJZWGzz3U :04/09/07 15:39
…完成しちゃいました。
494名無しさん:04/09/07 21:52
投下しちゃえば?色んな人が書いてくれるのは良い事だと思いますが…。
何番から続いてるかきちんと書いておけば、ある程度は分かると思うし。

というわけで、賛成1人
ノシ
495名無しさん:04/09/07 22:05
あばれは今現在の時点で登場させている作者さんは居ないから大丈夫かと。

と言うわけで賛成1人追加
ノシ
496名無しさん:04/09/07 22:17
どんどん投下してくださいな。
そして>491の小沢AA、可愛い。
497名無しさん:04/09/08 00:38
同じく投下希望!ノシ
498 ◆8uJZWGzz3U :04/09/08 13:22
考えてみれば完結してるんだから混乱しないじゃん。
では投下させていただきます。
「ごめんねぇ!」
とあるライブの楽屋で放たれた声。
その声の主、あばれヌンチャクのやっくんこと斎藤恭央は終始ニヤついていた。
「スケッチブックネタすんの俺らだけになったらぴっぱりだこじゃん。その為には君達、邪魔なんだよねぇ。」
彼が話しているのはスケッチブック。
そこには写真のように鮮明ないつもここからが描かれていた。
「斎藤…」
そこに話し掛けるお兄さんこと竹内幸輔。
心配そうだ。
「何ビビってんの?石の力なんて芸人しか知らないんだぜ。捕まる心配なんて無いんだ。さぁおいら達はこのライブ出ないんだから、さっさとズラかろう!そうだ!ここまで来たら、全芸人閉じ込めて俺らの天下にしよう!うん、そうしよう!!」
「斎藤、お前…」
「やっぱり…いけないと思うんだ。」
とある喫茶店。
奥の方に座ってる男が2人。
口火を切ったのは竹内幸輔だった。
「いつか気づいてくれると思ってた。でも無理だった。ごめんなさい。忠告してくれてたのに。俺一人の力じゃ駄目なんだ。今更だけど、協力してくれませんか?」
二人の間を流れる静寂。
「…そんなの当たり前だよ。決心してくれて嬉しい。そもそも、吉本に入ったのは石の力の乱用を防ぐため。そんな俺が見捨てるはずないだろ。」
この男の名は南野やじ。
昨年フリーから吉本に入ったピン芸人だ。
「一刻も早い解決に向けて早速作戦を練ろう。」

こうしてこの男達は、コーヒー1杯で6時間粘った…
ある日。
あばれヌンチャクの2人はルミネtheよしもとの近くにいた。
吉本芸人をスケッチブックに閉じ込めるためである。
ニヤついてる顔の斎藤と浮かない顔の竹内。
「やっぱり、やめたほうが…」
「あ?今更何言ってんだよ。」
竹内を睨み付ける斎藤。

しばらくするとペナルティのヒデが目の前を通り過ぎた!
「よし、行くぞ!って、え?」

竹内の姿が見えない。

「何だよ逃げたのか?まあいい、今はこっちが先決だ。」
ヒデを尾行する斎藤。
「あいつには恥かかされたからな。その仕返しだ。」
しかし斎藤は気づいていなかった。
その後ろにもう一人ヒデがいたことを…
「ラッキー!人気の無いほうに向かってる。」
ヒデを尾行しながら呟く。
「ん?立ち止まったぞ。誰かと待ち合わせでもしてるのか?まあいいや。今のうちに描いちゃお!」
と、スケッチブックを取り出したその時。

ポクポク…

何か聴こえる。

気が付いた時はもう遅かった。
体が動かないのだ。

「斎藤恭央 直立不動」

お経のリズムに乗って繰り返し聴こえて来る声。
見なくても分かる。
南野やじが現れた。
でも、何で?
斎藤。」
え?え?え?
何でヒデが声かけてくるわけ?
見つかっちゃった?
「俺だよ。」
次の瞬間目の前に現れたのは相方の竹内だった。

何だよ。
石で変身してたのかよ!
つーかこいつら何の真似だよ!

やじと相方がうなずきあった。
「斎藤、もうやめよう。このまま全芸人を閉じ込めても意味無いよ。」
意味無い?何言ってるんだお笑い界は俺らの天下じゃん。
「お前力を使いすぎたんだよ。休もう。ゆっくり考えればどんなに馬鹿げた事か分かるから。」
俺は元気だ。石ごときで力を消費したりしねぇ。
「思い出せよ。何でお前がお笑いを目指したか。確かに有名になりたかったのもあるけど、ジャリズムさんに憧れたからだろ。ジャリズムさんが一からやってるのに何で俺らがズルするんだよ。そんなのおかしい。」
「2人だけ残って何をする?みんなで面白くなろう!みんなで売れようよ…」

……

「もうお経止めていいよ。」
手を止めるやじ。
「っはぁはぁはぁ…」
汗はダラダラ。
「…丁度良かった。そろそろ危なかったよ。」

一方、斎藤は複雑な顔で立ち尽くしていた。
「さあ、スケッチブックを振ってみんなを出して。」
「う、うん…」

バサバサッ!

次々と閉じ込められてた芸人が出てくる。
いつもここから・鉄拳・きくりん・ブラザースetc...
「ってめぇ!」
殴りかかろうとするブラザース石割。

「ごめんなさい!」
竹内が土下座を!?
「もう二度とこんなことしません。させません。だからこの場は許してください!」
「僕からもお願いします。」
何とやじまでが!?

「ちょっ…そんなに言われると何も出来ないやん。しかも何か知らないけど無関係なやじくんまで!分かったよ、おとなしく帰るからホントにもうするな!」
「すみません。ありがとうございます。」
去っていく芸人達。

フラッ
バタッ!
「斎藤!」
斎藤が倒れた!やっぱり疲れてたんだ!
「やじさんすいません。手伝ってもらえます?」
「もう、疲れてるのになぁ。」
と笑って答えた。

アハハ…久しぶりに笑った気がする。
「…ハイ!やっくん列車一回百円!安いよ安いよ〜!」
あ〜、待って待って!乗ります!
「何?お前も?助手席に乗りゃいいのに。」
誰かに譲るよ…と言う。
相方のこんなさわやかな笑顔、久しぶりに見る。
「また疲れてぶっ倒れるなよ。」
南野やじ
石:クリソプレース(信じる心)
能力:木魚を叩きながら四字熟語のお経を唱えることにより、言ってることが本当になる。
条件:言うことが大きいほど、時間が長いほど体力を使う。鈴があれば効力アップ。

あばれヌンチャクの能力は>>272をそれぞれ逆にしています。

以上で終了です。
カキコしてから気づいたんですけど、お兄さんがやじさんにタメ口になってるセリフがあります。
脳内修正して読んで下さい。
508名無しさん:04/09/08 14:55
◆8uJZWGzz3Uさん乙!
やじの能力面白いなあ…
509名無しさん:04/09/08 20:25
◆8uJZWGzz3Uさん乙!やじの能力良いですねー!面白いw
やっくんが腹黒くてナイスですな。とっても面白かったです!!
510 ◆8uJZWGzz3U :04/09/09 14:30
やじさんに反響があるのは意外でした。
やっくん嫌いじゃないのよ、むしろ好きです。

もう次書いてます。
435さんっぽい感じです。
ジュケンセイナノニナニヤッテンダカ
511156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:43
がらんとした舞台。
二人の人間がぽつりと舞台上に立っている。
突如巨大な光の塊が、一人の男に襲いかかる。
その男はそれをひらりと避けると、姿を消した。
目標を失った光がしばらく彷徨った後、主の元へと戻る。
その瞬間、足元から黒い光の様なものが伸び、立ち尽くしていたその体を貫いた。
先程消えた男が再び現れる。
満足そうに笑みを浮かべるその男…川島はよろけながらも己を襲った人間の元へと歩み寄った。
「なんやコイツも石持ってたんか…。」
川島を襲った人間…友近が意識を失って倒れている。
多量に力を使ったことで、川島の額には汗が浮かんで、端正な顔には疲労の色がありありと見てとれる。
それでも川島は友近が手に握っていた石を封印した後、友近の体をなんとか運んで壁にもたれかからせた。
「…もうすぐ目も覚めるやろ。」
そして川島は友近をその場に残し、その場を後にした。
512156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:45
「かーしま」
人の名前をちゃんと発音していない時の彼は、酔っているか困っている時だ。

ぼんやりと天井を眺めながら、川島はそう思った。
「川島、お前ほんまに大丈夫か?」
心配そうな田村の顔を押し退けて、川島はソファから身を起こす。
ネタの打ち合わせ中に突然出て行った川島は、酷く青ざめた顔で帰ってきたのであった。
「大丈夫やて。少し疲れただけや。」
最近寝てなかったから、とわざとらしい嘘を付け足したが、どうやら田村は納得したらしい。
「体調管理くらいきちんとしろや。」
「すんまへん。」
おどけた様な川島の謝り方に、田村は川島をどつく。
「そんなに元気ならええわ。でもとりあえず、なんか飲み物でも買ってくるか?」
「頼むわ。」
そう言ってまたソファに倒れ込む川島に、本当に大丈夫なのかと田村は首を傾げながら楽屋のドアを開けた。



飲み物を買って戻ろうとした田村のすぐ前に、突然人影が現れた。
びっくりして思わず缶を落としそうになった田村を、目の前に来た人物が笑う。

「…もぅ何してんのよ田村さん。」
513156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:46



「川島ー。」
田村の声で、眠りに落ちかけていた川島の意識が浮上する。
「疲れてる川島の為にとびきりの美女が看病しに来てくれたでー。」
田村の笑いが混じった声が聞こえてくる。
川島は冗談を言っていると思い、田村を相手にしないように眠っている振りをした。
ドアが開かれた。

「あらぁ川島君具合が悪いの?」

人を馬鹿にしたような聞き覚えのある声に、川島はがばりと身を起こした。
川島の思ったとおり、田村の隣には友近が立っている。
「そりゃあそうよね?さっきまで随分力使ってたんだものねぇ。」
石を封印した場合、石を使っていた間の主の記憶は消えるはずである。
つまり…
「今度は逃がさないわよ!!」
「田村!伏せぇ!」
友近と川島は同時に叫んだ。
514156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:47
「は?」
状況が飲み込めずに疑問の声をあげる田村に覆い被さるようにして、友近から放たれた光を避ける。
勢い余った光は、壁へとぶつかる。
その光はばらけて、沢山の蝶へと変わった。
「なっなんや!?なんやあの蝶は!?」
混乱する田村を引っ張って川島は叫んだ。
「ええから逃げるぞ!死にたいんか!?」
「はぁ!?」
開かれたままのドアから急いで逃げ出す二人を友近はゆっくりとした動きで追い始めた。
「だから逃がさないって言っているじゃない?」
友近の手からまた蝶の軍団が放たれた。
515156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:49
友近
石・・・・レッドベリル
能力・・・・光の蝶を大量に生み出すことができる。また、自由に操れる。
    蝶といっても、巨大な塊になって行動するので体当たり攻撃が物凄く協力。
    また、燐粉にも多少毒がある。   
条件・・・・長く蝶を出していると、蝶の燐粉で自分もやられてしまう。
    同じ理由で、出している時はあまり移動できない。
    石が生み出したとはいえ蝶は蝶なので、蝶が苦手なものがあると蝶は消える。
    ちなみに、ピン芸人なので石の力が結構強力になってます。
516156=421 ◆SparrowTBE :04/09/09 23:50
読んでくださってる方々、感想書いてくれた方々、ありがとうございました。
恐れ多くも友近編、スタートです。
話し方がおかしいのには目を瞑ってやってください。
何かだらだらと長くなる予感ですのでいくつかに切ってから投下します。
517名無しさん:04/09/10 18:28:43
>>516さん乙!すごく面白いですー!
これからも無理しないように頑張って下さい!
続き楽しみにしていますw
518名無しさん:04/09/10 22:36:17
さくらんぼブービーとくりぃむしちゅーの話書き終えたんですが、
今投下するのはさすがに避けた方がいいですかね?
思いのほか長い話になってしまったので…。
519名無しさん:04/09/10 22:56:55
>>518さん、投下しても大丈夫じゃないですか?
個人的にさくらんぼブービーが大好きなので、気になってます。
520名無しさん:04/09/11 01:50:55
誰かまとめサイト作ってホスィかも…
521名無しさん:04/09/11 02:58:24
作ってみてもいいですか?
522名無しさん:04/09/11 03:20:25
なんて面白いスレなんだ…           156=421◆SparrowTBEさんがアメザリとアンジャを会話に出しているので、とても期待しています。

全体を通すと、いわゆる“ユニット”は今の所 麒麟・スピワ・アメザリ・アンジャ(未登場含む)となるのでしょうか。

なんて素敵なメンバーだ…
523名無しさん:04/09/11 08:48:11
>>518
投下キボン。あんまり接点なさそうな二組だから楽しみ。どうなるんだろう
524名無しさん:04/09/11 09:21:18
>>521
頼みます!
525名無しさん:04/09/11 12:17:02
518>
521>
ぜひともお願いします!!
526名無しさん:04/09/11 19:01:01
>>273さんのアンジャ能力案を基にして、ショートショートを書いたんですが、投下してよろしいでしょうか?
本筋とほぼ関係ない、エピソード的な物なんですが…
527518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:12:48
518です。
では、少し長いのでまずは前半だけ投下させて頂きます。



「何だこれ」
木村が手に取った石は表面が磨かれた様に凹凸がなく、黒々とした輝きを放っていた。
「鍛冶、これお前の?」
「ああ、うん」
頷いて木村の手からその石を受け取ると、鍛冶はいつもの笑顔で顔の横にそれをかざして見せる。
「こないだ道端で拾ったんだ。なんか珍しいし綺麗だから持って帰ってきた」
ふうん、と気のない返事をして、その黒い石をじっと見つめる木村。
そんな様子を怪訝に思った鍛冶は、咄嗟に石を握りしめた。
「これは俺が拾ったやつだからな!絶対やらないからな!」
「いやいや、欲しいとかじゃないって別に」
「じゃあ何だよ?」
笑いながら否定してもいまだに訝しげに見つめてくる鍛冶に、木村はポケットから何かを取り出し、
鍛冶の眼前につき出す。
目の前に何かをつき付けられた事に一瞬驚きつつも、それを正視して鍛冶は「あ」と声を発した。
「石だ」
鍛冶の目の前に木村が示したのは、やや平べったく丸みを帯びている、透き通った綺麗な紅色の石。
「な?俺もこないだ拾ったんだよ。何かお互い似た様なモン拾ってんなーと思っただけ」
そう説明すると木村は手を引っ込めて、角度を変えて光に当てる様に指先で石を転がす。
鍛冶はしきりに感動を覚えた様子で互いの石を見比べていた。
528518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:14:17
「本番までまだ時間あるし、一応ネタ合わせしとくか」
ポケットに石を仕舞いながら木村が腰を上げると、鍛冶もそれに続いて立ち上がる。
余程大切にしているのか、石は手に握り締めたままだ。
「じゃ、一回通すぞ」
木村の言葉で、今回の収録でやるコントの練習が楽屋の片隅で始まる。
最初はさくらんぼブービーお決まりのネタ、『鍛冶くんじゃない?』。
流石に場数は踏んでいるだけあり、間の取り方も慣れたものなので、特に問題もなくネタは進む。
そしてコントの見せ場(?)とも言えるやりとり。

「あれ?鍛冶くんじゃない?」
「うん!」
529518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:15:48
オチがつき、次のコントへ切り替えようとした時、木村は異変に気付いた。
鍛冶が自分の隣に立たず、やや俯いたまま何か唸っている。
「鍛冶?おい、何だよネタ中に」
仕方なく中断して訊ねるが、鍛冶には木村の言葉がまるで聞こえていないようだった。
それどころか唸り声は段々と荒々しいものに変わり、顔つきも普段とは別物、
それこそまるでコント中のようになっていく。
「鍛冶…?」
「があぁーーーー!!」
木村が呟いた瞬間、鍛冶は両腕を振り上げ、獣の様な雄叫びを上げた。
咄嗟に後ろへ飛び退いたおかげで拳が直撃するのは免れたが、あまりに突然の事に
木村は足元のバランスを崩して床に倒れ込んでしまう。
その拍子にポケットに仕舞っていた石が床の上を転がったが
そんな事は今の木村にとってはどうでもいい事だったため、気にも留めなかった。
「痛ってぇ…」
思いきり床に打ちつけてしまった腕をさすりながら、豹変した鍛冶を見上げる。
その目は焦点があっておらず、完全におかしくなっているとしか言い様がなかった。
「何だこれ…」
木村は立ち上がる事も忘れて、しばらくの間呆然としながら鍛冶を見ていた。
鍛冶は、まるで理性を失ったかの様に暴れまくり、室内にある荷物、飲み物、弁当など
色々な物が次々と散乱していく。
気が付けば周りにいたごく数人の若手芸人たちが、何事かと言わんばかりにこちらの様子を伺っていた。
くそ、止めようとか思わねえのかよ、と心中で毒吐いてみるものの、今はそんな事に気をとられている時でもな

い。
鍛冶をどうにかしないと、多分後々面倒臭い事になる。
そう思って木村が口を開きかけた時。
530518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:17:23
「おい、お前ら何してんだ!」
背後から突然響いた声に驚いて振り返ると、番組で何度か一緒になった事もある先輩たちの姿が目に入った。
「上田さん、それに有田さん…」
「何か若手の奴が、さくらんぼブービーが大変な事になってるって
言うから来てみたんだけどさー、結局これはどういう状況なワケ?」
どうやらこの事態をスタッフか誰かに報告しに行った芸人が
途中で会ったくりぃむしちゅーの二人にこの事を告げたらしく、
事態を大体把握した有田が別段焦った様子も見せずに木村に問い掛ける。
木村はその軽さに拍子抜けしつつも、何とか説明する言葉を探した。
「鍛冶の奴がいきなりおかしくなって、暴れ出して」
「いきなり暴れ出した?」
「はい、ネタ合わせ中、何か唸り出したと思ったら急に」
それを訊くと、上田は一層厳しい顔つきになって鍛冶を凝視する。
普段あまり見ない目線の鋭さに、事態は思っていたより深刻なのかもしれないと木村は初めて感じた。
そして、鍛冶を注意深く観察していた上田の視線が、ある一点で止まる。
「……あれだ」
ぽつりと上田が呟き、有田も静かに頷く。
木村は何の事だかさっぱり分からずに、二人同様鍛冶の方を見やる。
すると、ふとある事に気付いた。
鍛冶の右手、握られている拳の奥から何か淡い光が洩れている。
確かあそこには、先程見たあの黒々とした石が握られている筈。
531518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:18:33
「え?まさかあの石…?」
「やっぱり石、持ってたんだな」
木村の言葉尻をさらって、上田が確信を得た様な声音で言う。
「上田さん石の事知ってるんですか?あれ何なんですか?どういう物なんですか?」
「まあ、ちょっと落ち着け」
一気に問う木村を制し、上田が首に下げていたチョーカーを引っ張り出す。
わずかに揺れているそのチャームは、紛れもなく何かの石だった。
しかし、木村や鍛冶のそれとは違って水晶の様に透明度があり、形もいくらか角ばっている。
「これが俺の石だ。少し前に拾った」
その言葉に、石を見つめていた木村が弾かれた様に顔を上げる。
こんな短期間に同じ様に石を拾った芸人が何人もいるなんて、ただの偶然にしては出来過ぎている。
もしかしたら鍛冶がおかしくなったのも──
532518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:21:38
ガシャン!!

いきなり大きな音を立てて何かが落ちる音がする。
思わず音のした方を見ると、鍛冶がいまだに猛獣の如く暴れ、
挙句に果てには500mlペットボトルを食い千切っている姿が目に入る。
人間の歯や顎の力では有り得ない壮絶な場面を目の当たりにした木村は愕然とし、
鍛冶に対して言い様のない悪寒を感じた。
先程の音はどうやら彼がぶつかったのか何かで机の上の灰皿が落ちたらしく、
鍛冶の足元には吸殻と灰が散乱している。
「詳しい説明は後でする。とりあえず今はアイツを止めるのが先だ。
お前ら、ここは俺たちで片付けるから一旦外出とけ!」
まだ楽屋内にいた他の芸人たちに上田が叫ぶ。
全員が困惑しつつも出て行ったのを確認し、楽屋の扉を閉めると、
上田は有田の方を振り返って何か目で合図する。
有田は「任しとけ」と力強く頷いて、ズボンのポケットから一見すると質の悪い金の様な石を取り出した。
そしてそれを強く握り込むと、精神を集中させるかの様に大きく深呼吸して鍛冶をじっと見つめる。
一種異様な光景に畏怖感を感じつつも、木村はその様子を固唾を飲んで見守っていた。
すると、有田の拳の奥から鍛冶同様小さく光が洩れ始め、それは次第に強まっていく。
光は更に強くなり、もはや目を開けていられないくらいのそれに木村と上田は反射的に目を閉じた。
瞼越しにも光が弱まってきた事を確認し、恐る恐る目を開くと。
533518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:23:47
「………は?」
眼前に現れた光景に、木村は思わず間抜けな声を上げる。
今まで有田が立っていた筈の場所には、何故か見慣れた…ただ、今まで実物を見た事はない人物がいたのだ。
「あの上田さん……何でここにムツゴロウがいるんすか」
そう、目の前に現れたのはお茶の間でもお馴染みの動物王国の主"ムツゴロウさん"。
こんなところにいる筈のない人物の出現に木村が戸惑って上田を見ると、
肩をがっくりと落としている姿が目に入る。
「あの野郎……いや、ある意味正解なのかもしれねえけどよ…何でそっちに行くか……」
「上田さん!?どうしたんですか!?」
「…いや、何でも。しかしあれじゃあ今の鍛冶は抑えられねえな…」
ため息の様な声で上田が呟く。
木村は混乱しかけている思考を何とか整理して再び問いかけた。
「あのすみません、あれ何なんですか?何で急にムツゴロウが…」
「ああ、あれは有田だ」
534518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:25:01
「…………はぁ!?」
上田の予期せぬ言葉。
数秒間の思考停止の後に、先程より大きな声を上げて目を見開く。
「だから、あれは有田。あいつ、相手の弱点を探り当ててその対象となる物に変身出来んだよ。
何かこの石には持ち主に妙な力を与える作用があるらしくてな。鍛冶がおかしくなったのも多分そのせいだ」
上田の説明を聞きながら、木村はどこか作り話を聞かされている感覚に陥り
もう一度鍛冶と有田(ムツゴロウにしか見えない)の方を向く。
「かわいいですね〜。おーほらほらほら」
気味が悪い程の笑顔で鍛冶の頭を撫でる有田を、鍛冶が引っ掻いたり圧し掛かったりしている。
その画は正直、自分たちのコントより余程シュールで不条理な物に見えた。
「おーおー、これがこの子なりのじゃれ方なんですよ〜、かわいいでしょう?」
ね?と笑いかけられた木村の背を、ぞわぞわと虫の這う様な感覚が走る。
攻撃としか言い様がない事をされながらも有田本人は至って楽しそうであるが、
こちらとしては気持ち悪い以外の何者でもないし、野獣化している筈の鍛冶ですらやや引いている。
今目の前で起こっている事を見る限りでは上田の話を嘘だと否定する気にはなれず、
木村は大きくため息を吐いた。
「じゃあ俺の石も…」
「ああ、お前の石にも何か能力があると思って間違いねえな。
ごく稀に対で本来の力を発揮する石もあるらしいし、お前らの石がそうかもしれない。
…ところで、お前の石は?」
言われて、ポケットから石を出して上田に見せようとする。
が、どれだけ探っても指先に石の感触はない。
「あれ…ない?何で…」
535518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:27:50
木村が呆然として呟いた言葉に、上田の表情が険しいものになる。
「ない?お前、まさか失くしたのか!?」
「いや、さっき間違いなくポケットに入れました!くそっ、何でだ!?」
焦る木村を緊迫した表情で見守っていた上田は、気が付いた様に自分の石を見た。
「そうだ、これで何とかなるかも…」
もし何も分からなかったら無駄にパワーを消費する事にはなる。
が、可能性が0ではない以上、これに賭けてみるべきだ。
石を失くしたのなら、と、それに関する記憶を必死に手繰り寄せる。

「えー、石と一言で言っても色々な種類がありますね」
何を思ったか、上田が突然「石のうんちく」を語り始める。
木村はその行動の意図がまったく読めず、石を探る手を止めてそれを聞いていた。
ふと気付くと、上田の石が淡く光り始めている。
まさかこれも石の力を引き出すためなのだろうか?
「その中でもうちの相方・有田の誕生月にあたる二月の誕生石、紫水晶の事をアメジストと呼びますが、
これはギリシャ神話の酒の神バッカスが純白の石に葡萄酒を注いで生まれた物だと言われており、
古代ローマの美食家たちは、酒酔い防止として食事時には必ずアメジストを身につけていたそうです。
また、このアメジスト、ギリシャ語では"酔わない"という意味であり、
この石は人生における悪酔いを回避してくれるとも言われております。
因みに日本の国石はこのアメジストと同じ水晶、クリスタルだそうです」
言い終え最後のポーズまで完璧に決めると、上田の石が強く光を放つ。
536518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:29:50
「っ…!」
光が弱くなると、上田は何故か右腕を押さえてうずくまってしまった。
「上田さん!?」
突然苦痛に顔を歪めた上田に木村が驚いて呼びかける。
上田はあまり心配をかけまいと、右手に走る激痛に耐えて何とか笑みを浮かべた。
「や、何でもねえ…それより、お前さっき石落としたんじゃねえか…?」
「え?…あ!」
そういえばさっき鍛冶を避けようとして転倒した際、石がポケットから転がり落ちたのだ。
あの時はそれどころではないと、すっかりと忘れていた記憶が徐々に鮮明になっていく。
しゃがんで床を探すと、机の脚の影に木村の石は転がっていた。
「あった……でも、何で上田さん分かったんすか?」
木村は石を拾い上げ、いまだに腕を押さえたままの上田に訊ねる。
「ああ、これが俺の力。何か、関係のあるうんちく言うとサイコメトリーみたく
相手の記憶を思い出させて写し取れるらしい。
ただ、使うだけでめちゃくちゃ痛い思いするから実はあんま使いたくねえんだけどな」
「…スミマセン」
「いや、お前責めてるわけじゃないからいいって。それより早く鍛冶の奴止めねえと。
有田の能力もそろそろ切れる頃だ」
上田が言うと同時に、有田の石がまた強く光を放った。
見ると、有田の体を光が包み、その姿はみるみるうちに普段の彼に戻っていく。
「いってえ!痛い、痛い痛い!鍛冶、離せって!」
"ムツゴロウ"の時は許容出来ていた痛みも"有田"の状態では我慢出来ないらしく
圧し掛かってくる鍛冶の体をどうにか引き剥がし、這うようにして逃げ出す。
鍛冶は唸りながら意味なく暴れ、机の上の物がまたいくつか落ちた。
「おう、有田…ご苦労さん」
「ああ、うん…。うっわー痛ってぇ…あいつマジで容赦ねえじゃん」
「そりゃそうだろ。自分の意思で動いてんじゃないんだろうし」
お互いだいぶ力を使ったためか、疲れた口調で会話を交わす。
537518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:30:50
一方木村は、石はあるものの自分の能力が分からないため、どうしていいか分からず困惑した。
そんな様子に気付き、上田が声を掛ける。
「後はお前に任せるしかないから」
「いや、でも俺自分の石にどんな力があるかとか全然知らないんですよ。
どうすれば鍛冶を元に戻せるかも分かんねえし」
「お前がそんな弱気でどうすんだよ。他にもう出来る事なんて…」
真剣な表情でこの場を託され、らしくない弱気な発言をする木村を上田が諭し始めた時。


「あのー、ちょっといいですか?」

四人しかいない筈の部屋に、その中の誰の物でもない声が響いた。
538518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/11 19:35:18
とりあえず今日はここまで。


鍛冶輝光(さくらんぼブービー)

石・・・・オニキス【和名:黒瑪瑙】(眠っている本能を覚醒させる石。運動能力を向上させる。)
能力・・・・数分(長くて十分程度)の間、野獣並の身体能力を手に入れることができる。
条件・・・・相方・木村の「あれ、鍛冶くんじゃない?」に対する「うん!」という言葉が覚醒のキーワード。
一度力が発動すると、体力の限界に達するまで自分では力を制御できなくなる。
また、理性をほとんど失うため、他人の言葉も聞こえないと言うか理解できなくなり、説得などは出来ない。
それに敵味方の区別もつかなくなる。

(残りの条件は最後の方のシーンに関わるため、後程表記します)

くりぃむの力は>>279さんの設定をお借りしました。
539名無しさん:04/09/11 19:45:34
>>538
乙!ムツゴロウ有田にワラタ。後半も期待してます。
540名無しさん:04/09/11 23:18:46
518さん乙!面白い!
541名無しさん:04/09/12 05:41:32
http://risus.ifdef.jp/index.htm
まとめサイトできました。

設定がまとめきれない…orz
542名無しさん:04/09/12 09:52:59
>>541
乙!超乙!
543名無しさん:04/09/12 14:47:04
>>538
>>541
乙。イイヨイイヨー
544名無しさん:04/09/12 16:45:57
>>541
乙です。
よく出来てると思いますよ。
545名無しさん:04/09/12 17:33:26
>>541さん乙です!
546518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 17:56:21
>>541さん乙です。
タイトル決めかねていたので、ピッタリのをつけてもらえて良かった。


では>>538の続き投下させて頂きます。


気の抜ける声に呼ばれて三人が振り返ると、そこには178センチの木村でも見上げる程の長身と
まるでマッチ棒の様な細い体を持つ二人組──アンガールズがいつの間にか立っていた。
「あれ…お前らいつの間に」
突然現れた予期せぬ訪問者に上田が目を丸くする。
背の高い方─田中は、へらりと笑って答えた。
「ああ、ちょっと前からいました。有田さんが引っ掻かれてたあたり」
「でも何で入ってこれた?鍵閉めた筈なのに」
上田が不審に思って訊くと、田中は不思議そうに何度か瞬く。
「え、鍵開いてましたよ?ちゃんと閉めないと危ないですよー。もう僕が閉めましたけど」
「え…?閉めて、なかった…っけ?」
「おーいしっかりしてくれよー。そんなんで何がうんちく王だよ!」
曖昧な記憶に首を傾げる上田に、有田が非難めいた言葉を浴びせる。
「うるせえな!つか今うんちく関係あるか!」
「あるに決まってるじゃん記憶力がものを言うんだから!それより今はアンガールズの話が優先!」
自ら振った話題を自ら潰す有田に、上田は呆れて続く言葉を見失った。
その様子を黙って見ていた木村は、今の数十秒間の会話で、本当にこの二人を信用していいものかと
疑心暗鬼に陥りかけていた。
一方田中は、そんな会話の内容など一切気にする様な素振りもなく再び話し始める。
「あ、話していいですか?あのー、何か大変そうなんで、僕たちにも出来る事ないかなあって」
「いや…気持ちは有難いけど、お前らじゃ無理だって」
上田が申し訳なさそうに断るが、二人は何故か余裕のある笑みを浮かべている。
547518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 17:57:38
「えー?そうでもないと思いますよお。なあ山根」
「ああ、うん、そうだねえ」
この状況にそぐわないのんびりとした会話に三人が脱力していると、
山根がおもむろに鍛冶の方へ歩み寄って行く。
「え!?おい止めとけ危ないって!今のそいつ何言っても聞かねえぞ!」
有田が止めようとするが、山根はそれを聞く事もなく一歩ずつゆっくりと鍛冶に近付く。
「おい聞いてんのか!?」
「大丈夫ですよ」
緊迫した表情の三人に、田中が相変わらずゆっくりした口調で言う。
「何言ってんだ!今の鍛冶がどれだけ危険か分かってんのか!?」
「でも大丈夫なんですよ、山根なら」
自身たっぷりに言ってみせる田中に、上田が眉を顰め「まさか」と呟いた。
「あ、先輩先輩」
2メートル程近付いたところで、山根がアンガールズのコントで頻繁に使う台詞を口にした。
その瞬間彼のポケットの中から白っぽい光が射す。

田中を除く三人は目の前の光景を疑った。
あれだけ暴れていた鍛冶が急におとなしくなり、何故か山根と一緒にコントをし始めたのだ。
しかも何故か、アンガールズのお馴染みのショートコントを。
「何お前は人のネタを喜々としてやってんだよ……」
にこやかにショートコントをする鍛冶を見て、木村は思わず小さくツッコんだ。
「…まさかお前らも石を持ってたとはな」
驚いた表情を隠す事もなく上田が田中を見上げて言う。
田中はにっと笑って見せ、薄いピンクの石を取り出した。
「僕たちもこの石にこんな不思議な力があるなんて気付いたの、つい最近なんですけどね。
山根の力はなんか、相手を強制的にコントに引き込めるみたいです。
しかもコントが終わると、怒ってたりした相手も落ち着いてて、説得しやすくなるんですよ。便利ですよねえ」
548518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 17:59:40
相変わらずまったく危機感のない言い方ではあったが、田中の何気ない一言は
今の状況に置いてはまさに朗報であった。
「相手が落ち着く!?それマジか田中!」
「ええ、ほんとうですよ。でも一時的なものなんで、時間経つと元に戻っちゃいますけど。
あ、あとそろそろ山根も体力の限界っぽいんで、止めさせてあげていいですか?」
田中の指差した方を向くと、よろよろとしながらもコントを続ける山根の姿が上田たちの目に入る。
その姿はまるで萎れたもやしか何かの様で、流石に哀れになった上田は何も言わず静かに頷いた。
「よかったー。山根ー!もう止めていいって!」
相方が大きな仕草で異様に長い手を振って叫ぶと、山根は力なく首をこくこくと縦に振る。
そしてこれまたお馴染みのおかしな曲でオチをつけ、力を解いた。
直後、山根はふらふらしながらも田中に近寄り、側に来てやっとぺたんとへたり込む。
「お疲れー。大丈夫だった?」
「うん…何とか…どうにかがんばった……」
そうは言うが、山根の様子はどう贔屓目に見たってとても大丈夫とは思えない程憔悴しきっていた。
木村は、このままポックリ逝ってしまうのではないか?と縁起でもない事を考える。
そして一方の鍛冶はと言うと、先程とは打って変わっておとなしくなり、ただ楽屋内を歩き回るだけだった。
549518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:00:53
「後頼れるのは本当にお前だけだぞ」
有田が、いつになく真面目な表情で木村に語りかける。
その珍しいとも言える様子に木村が緊張すると、肩に優しく手を置かれた。
「大丈夫だって!お前の相方だろーが!な?」
普段のお調子者の顔を覗かせながら有田が言って力強く微笑み、その後ろで上田もしっかりとした動作で頷く。
「何でもいいから、お前の思う様にやってみろ。それで駄目だったら仕方ねえ」
上田の言葉に、木村の中で何かが吹っ切れた様に曇りが晴れていく。

自分の石をぐっと握り締めると、鍛冶の方を向き一歩ずつ歩み寄る。
「おい」
木村は凛とした声で、はっきりと鍛冶を呼ぶ。
鍛冶はそこで初めてぴたりと動きを止め、木村の方をゆっくり振り返った。
二人の目がかち合う。
木村は鍛冶の光の灯っていない様な目をじっと見据え、口を開く。
「もう止めろ。元戻れ」
その言葉は鍛冶にも聞こえていた筈だが、反応はない。
木村は少しむっとしたが、根気強くもう一度言う。
「お前その石のせいでどうかしてんだよ。もう充分暴れただろ。戻れって」
鍛冶は、まるで聞こえていないかの様にそっぽを向いたまま、木村を見ようともしなかった。
その反発的な態度に、元々気の長くない木村の堪忍袋の尾が切れる。
「いい加減にしろっつってんだよテメェ……おい、鍛冶!さっさと元戻んねえと殴るぞ!!」
楽屋内に木村の怒声が響き渡る。
疲労した心身に応えるのか、山根の体が春風に吹かれたなずなの様にゆらゆら揺れた。
550518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:02:32
瞬間、鍛冶の石が煌めき、辺り一帯を光が包み込む。
「うわっ…!」
思わずその場にいた全員が目を覆う。
徐々に光は治まり、木村は目を指先で庇いながらうっすらと開いた。
部屋を見渡せば目に映ったのは先程と同じ散らかった部屋、
いまだに目を閉じているくりぃむしちゅーとアンガールズ、
そして不思議そうな顔でこちらを見ている鍛冶。
「あれ?木村、何でこんなに散らかってんの?」
いつもと変わらない口調で訊ねてくる鍛冶に、木村の内側から安堵と共に猛烈な怒りがこみ上げてくる。
ずかずかと鍛冶に歩み寄ると、きょとんとしている彼の頭を手加減なく殴り付けた。
「いってー!何!何で俺殴られたの!?」
「うるせぇ!テメェ人に散々迷惑かけといて何が『こんなに散らかってんのー?』だ!」
「はっ!?迷惑って何!?」
ぎゃあぎゃあと言い争っている二人を見つめながら、上田は大きくため息を吐いた。
551518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:04:08
「何とか片付いたみたいだな…」
「でも、何であれだけで元に戻ったんだ?」
今まで何をしても聞かなかった鍛冶が、木村の言葉だけで元に戻った事に有田が首を捻る。
「多分あいつらの石、対になってんだろうな。鍛冶の石が暴走しない様食い止めるのが木村の石なんだろ」
「でも最初は効かなかったじゃん」
「ほら、鍛冶が元に戻る前あいつ鍛冶の名前呼んだろ。多分それが力を発動させる鍵になってるんだと思う」
よくそこまで観察していたなと思わせる上田の的確な説明に、有田だけでなくアンガールズの二人もしきりに感心する。
木村はいまだ鍛冶にぶつくさ文句を言いながら、上田たちの方を向いて軽く頭を下げた。
「本当すみませんでした。おら、お前も謝んだよ!」
「えーっ、えーっ?何でよ?」
「いいから頭下げろっつってんだよ!」
木村は再び切れて、鍛冶の頭をおもむろに掴むと思い切り下に押し下げる。
鍛冶は「ぐえ」と潰された蛙の様に呻いて、木村のされるがままになっていた。
その様子に四人が困った様に笑むと、楽屋の扉を叩く音がした。
552518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:05:59
「上田さん!有田さん!大丈夫なんですか!?」
先程この事をくりぃむしちゅーの二人に伝えたのと同じ声が、扉の向こうから聞こえてくる。
「ああ、もう片付いたから心配ねえ!」
上田が声を張り上げて言うと、「よかった」という言葉がざわめきの間を縫って届いた。
どうやら外にはだいぶ野次馬が集まっているらしい。
「外の奴らにどうやって説明する?あ、言っとくけど俺パスね」
有田が肘で上田の背を小突きながら言うと、上田は面倒くさそうに頭をかいて入り口に向かう。
扉を開いた先にはどこから聞きつけたのか、集まっていた十数人の若手芸人やスタッフが一斉に上田の方を見た。
「上田さん、あいつらどうしたんですか!?」
「何でいきなり鍛冶キレたんですか!?」
「上田さん!」
洪水の様に浴びせられる質問に、上田はまるで自分が何かしでかした様な気になってくる。
何でこういう面倒な事はいつも自分の役割なのだろう。
上田はもうこの場を投げ出したい気持ちに駆られながらも、ぱんぱんと手を叩いてその喧騒を静める。
「あー、鍛冶は何か役に入りすぎてちょっとやりすぎちまっただけだ。
喧嘩とかそういうんじゃないから!もう治まったし、後の片付けは俺らでやるから自分の持ち場とか楽屋戻れ!」
鶴の一声、とでも言うべきか、上田の説明である者は安心した様に、
またある者はつまらなそうにしながらもぞろぞろと散っていく。
だが、まだ納得の言っていない顔をした2,3人は、更に説明を求め上田に詰め寄った。
「上田さん、本当にただのやりすぎなんですか?」
「鍛冶の様子、尋常じゃなかったっすよ!」
「それにさっき、木村のすげー怒った声聞こえたし!」
先程の鍛冶を見ていた数人は、とてもではないが上田の言葉が信じ難いと言った様子で食い下がってくる。
(まあ、無理もねえか…)
心の中で目の前の若手たちの心中を察しつつも、上田が対処に困っていると。
553518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:06:55
「まあまあまあまあまあ」

一度も息継ぎをしないでそう言うと、田中がその芸人たちの肩をぽんぽんと叩いていく。
上田は予想外の人物の手助けに意外そうな表情を浮かべた。
「原因なんていいじゃないですかこの際。誰も怪我しなかったんだし」
そう言ってにこやかに田中が笑うと、今まで怪訝な色を浮かべていた彼らの顔が妙に清々しいものへと変わっていく。
「それもそうだな」
「第一、理由聞いたとこで何にもなんねえしなー」
「上田さんスミマセンでした!」
あっと言う間に意見をすり変えて去っていく若手芸人たちの後姿を、上田だけでなく有田も呆然と見送る。
一方、田中は山根と顔を見合わせて、傍から見たら気味の悪い様子でふふふ、と笑い合っていた。

「……田中?お前何した?」
上田がようやく沈黙を破って訊ねると、田中は胸を張ってさっきの石を見せた。
「この石ですよ。僕がまあまあって言うとなんか皆どうでもよくなっちゃうみたいです」
だいぶアバウトな説明ではあるが、それでも上田の頭で田中の能力を理解するには充分だった。
「…なるほど。何か、結局はお前らの世話になっちまって、悪いな」
先輩に礼を言われても、二人は変に恐縮する事もなく相変わらず笑顔で。
「いえいえ〜そんなの気にしないでくださいよー。あ、じゃあ僕たちはこれで失礼しますんで」
「失礼しまーす」
そう言うと二人は頭を下げて、ひょろりとした頼りない足取りで、何かを話しながら廊下を歩いていく。
「…変な奴ら」
そう呟いて上田と有田は顔を見合わせ、苦笑いをしながら今まで隠していた疲れを吐き出す様に深くため息を吐いた。
554518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:08:20
上田たちが再び楽屋に入ると、疲れきった顔で椅子にもたれ掛かる木村と、何故か立ちっぱなしの鍛冶の姿があった。
「鍛冶、今までの事全然覚えてねえのか?」
上田の問いかけに、鍛冶が首を縦に振る。
「木村とネタ合わせしてたとこまでは覚えてるんですけど、そっから先が全然思い出せなくて。
俺何したんですか?」
困った様な表情になる鍛冶に、上田は木村にしてみせたのと同じく、自分の石を示す。
「あっ!石!上田さんも持ってるんですか!?」
「ああ、この石には妙な力が宿ってる。お前が急に暴れ出したのも石のせいだ」
上田の言葉に、鍛冶は目を見開いて顔いっぱいに焦りと驚きの色を滲ませた。
「…石の、力…」
半ば混乱気味に呟く鍛冶を横目に、上田の視線はふと木村の方へ向けられた。
「木村」
「あ…はい?」
急に名前を呼ばれ、木村は驚いた様に顔を上げる。
それを確認すると、上田の口がゆっくり動いた。
「鍛冶の石はかなり危険だ。それをうまく調整出来るのがお前しかいないってのは分かるな?」
555518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:11:46
上田の真摯な面持ちに、室内の空気がピリピリするのを感じたのか、木村は無言で頷く。
「鍛冶の石は邪悪な物じゃなくて、有田が変身した物を考えると、多分野生の獣か何かの魂が宿ってる物だと思う。
石には魂が宿ってる物もあるって聞いた事あるし。俺たちが今ここでその力を封印する事も出来なくはない。
ただ、他の石が悪意に満ちた人間に渡らない様にするためには、これから先お前らの力が必要になるかもしれない。
…お前らからしたら勝手な言い分かもしれないけど、そういう訳で鍛冶の石はここでは封印しない。いいか?」
良く言えば"頼りにされる"、悪く言えば"利用される"という事を理解し、それでも鍛冶は大きく頷いた。
「分かりました。木村がいれば俺が暴走する様な事はないんですよね?」
「ああ、木村がお前に力を抑える様に命じればな。それに、おそらく木村が側にいないと力が発動する事もない。
それで、これも勝手だけど約束してくれ。石の力を絶対に悪用しねえって。
もしお前らが力使って他人を傷つけたりしたら」
上田の言葉が、そこで一旦途切れる。
木村と鍛冶は緊張した様子で次の言葉を待っている。
有田はもう次の言葉が分かっている様な、落ち着き払った表情をしていた。

「その時はどんな手使ってでも、俺たちがお前らの事潰しに行くから」
556518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:12:35
上田は自分がどれだけ勝手な事を言っているのかは分かっていた。
しかし、石の力による被害を広めないためには優しさや格好良さになんてこだわっていられない。
頼れるものなら何だって頼る。邪魔する人間には全力でかかって石の力を封じる。
それは相手が後輩だろうが女性だろうが親しい友人だろうが関係ない。
手段を選ばない覚悟を決めていたからこそ、今の上田はどんなに勝手な事だって言えた。
今まで聞いた事がないくらい低い声で言う上田の目は底が見えなくて、二人は背筋に冷たい物が伝うのを感じた。
上田のその目に、自分たちの持つ力がどれだけ強大で危険な物なのかと言う事を思い知らされる。
「分かったか」
念を押すかの様に訊く上田に、少し間を置いて木村が頷き、鍛冶も小さく返事をした。
「…そっか」
二人の返答に安心した様に上田の表情が和らぐ。
しかし当の二人は、いまだに表情を固くしたまま黙り込んでいた。
「だーいじょーぶだって!お前らが何にもしなきゃ俺らだって何もしないから!つーか上田!お前恐ぇよ?」
やや淀んでしまった空気を変えるために、有田が明るい声で場を盛り上げる。
「あー、そうだな…悪りぃな二人とも。ちょっと脅かしすぎたか」
上田も一瞬何か言い返しそうな顔をしたものの、二人の様子に気付いて話を合わせた。
その気遣いにようやく二人の表情が緩むと、上田と有田もそこでやっと満足げに笑う。
557518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:13:31
「ほら、鍛冶。んなとこ突っ立ってねえで、さっさとここ片付けろよ」
緊張感の漂う雰囲気からやっと解放され、
木村が先程からずっと同じ位置に立ったままの鍛冶にそう促す。
しかし鍛冶は、散らかり放題の部屋に困った風に視線を彷徨わせるだけで動こうとしない。
「鍛冶?何してんだよ」
「うん、いや……」
怪訝に思った木村が訊ねるが、鍛冶は何故か言葉を濁してばかり。
上田たちも不思議そうにそのやりとりを眺めていた。
そして鍛冶が、言い辛そうに口を開く。

「あのさ……何か、動けないんだよ、ね…」
558518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:14:47
「「「はあっ?」」」

鍛冶の言葉に、三人の声が見事に重なる。
「動けない、って……全然?一歩も?」
有田がポカンとしながら訊くと、鍛冶は勢いよく何度も頷く。
「何か足が全然言う事きかなくて…体中の運動神経全部抜かれたみたいな感じです」
「多分、石の力使った影響で体に異常きたしたんだろうな…だいぶ強力な石みたいだったし」
冷静になった上田の言葉に、鍛冶は明らかに顔色を曇らせた。
「そんなあ!じゃあ俺ずっとこのままですか!?」
「いや、それはない。早くて1,2時間、」
「1,2時間!?」
「遅くても一日程度で元には戻る」
「一日ぃ!!?」
動けないと言う事を考えれば途方もない時間に、鍛冶だけでなく木村も動揺を露にする。
「じゃあこの後の収録は…?」
不安そうな顔で鍛冶が呟く。
上田と有田は、一度顔を見合わせて、それぞれ一言。

「まあ、早く動ける様になる事を祈るしかねえな」
「よっしゃ、頑張れよ鍛冶!」
559518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:15:35
二人の無慈悲な言葉が鍛冶を一蹴する。
鍛冶は崩れ落ちそうになったが、今の自分の力ではそれすら出来ない。
「上田、俺めちゃめちゃ疲れたんだけど。今日の収録お前一人で出てくんない?」
「お前馬鹿言ってんじゃねえよ。俺だって疲れてんだよ」
「鍛冶、さっさと動けよ!もし上の人に色々言われたら罰として一週間晩飯奢ってもらうからな」
既にこちらを気にも留めていない、疲労が色濃い先輩二人の姿。
更に、相方木村からの気遣いの欠片も見えない言葉に、鍛冶はどうする事も出来ないまま何となく泣きたい気分になる。
これが散々迷惑をかけた代償というやつなのか。そうなのか。
そう思って自分を納得させようとしたが、その部分の記憶がない鍛冶にとっては到底無理な話だった。


そして、結局鍛冶が動ける様になったのは収録開始予定時刻から30分後。
鍛冶と木村は番組ディレクターに散々怒られたが、事情を知る上田たちの助け船により何とかその場を凌いだ。

しかし、一方的に約束を突き付けられていた鍛冶の財布はそれから一週間、羽根の様に軽かったと言う。
560518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:23:42
木村圭太(さくらんぼブービー)

石・・・・カーネリアン【紅瑪瑙】(裏宝石言葉は「この石を携える者は願いが叶えられる」。)
能力・・・・野獣化した鍛冶を唯一思い通りに操縦できる。
条件・・・・命令の前に「鍛冶」という言葉を入れないと聞き入れられない。
鍛冶の体力が切れても命令し続けると、その反動で自身のパワーを大きく消費させられる。
「鍛冶」を敵の名前に変えることで相手を操ることもできなくはないが、
相手が余程不安定な精神状態、もしくは洗脳状態ではない限りうまくいくことは少ない。
また、鍛冶以外の人間を操ろうとするとより大きな力が必要となるため、使える回数は一日1回が限度。

>>538の鍛冶の能力条件追加。
力を使った後は2、3時間は自分の力ではほとんど動けない状態になる。
561518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:27:07
山根良顕(アンガールズ)
石・・・・アベンチュリン(精神のバランスが保たれ、心の乱れが静められる。)
能力・・・・相手をコントに強制的に引きずり込むことができる。
コントの内容を相手が知らなくても、引き込む事さえ出来れば勝手に合わせてくれるので問題ない。
コントを無事に終えると、相手の昂ぶっている感情を一時的に静めることも可能。
条件・・・・「先輩先輩」と言いながら相手に近づき、半径2メートル以内に入ると力が発動。
あまり長くコントが続けばその分パワーを使うため、普通のコントでは途中で力尽き、
反動で相手の感情を余計に昂ぶらせる可能性もある。
結構な力を使うため、一日にせいぜいショートコント5,6本が限度。


田中卓志(アンガールズ)
石・・・・ローズクオーツ(慈愛・やさしさ・和やかさを表す。持つ人をやわらかな波動で包む。)
能力・・・・相手の気力や疑問を奪い、「まあいいか」という気持ちにさせる。
条件・・・・「まあまあ」と言いながら相手の体の一部に触れないといけない。
(髪・爪などは可だが服やアクセサリーは不可)
相手の気力の度合いによってパワーの消費量も異なる。
戦意や疑問を抱く感情が田中の「相手を止めたい」という気持ちを上回っていたら効き目がない。
その場合、石のパワーがはね返ってきてしまい、田中自身が気力を喪失してしまう。

何となく、さくらんぼブービーには猛獣と猛獣使いみたいなイメージ、
アンガールズには攻撃性のあるものじゃなく、その場を出来るだけ平和に解決させる力が合う気がしたので。


とりあえず、さくらんぼブービー・くりぃむしちゅー編完結です。
予告外のアンガールズまで出してすみません。
では、お目汚し失礼しました。
562名無しさん:04/09/12 18:49:50
>>518さん乙。
アンガールズが普通に部屋の中に居たのがワロタ。やっぱり番組の収録ってのは笑金なんだろうな。
563518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/12 18:52:23
すみません。田中の石になってるローズクォーツはあばれヌンチャクのやっくんが
既に使っていましたね。
ハウライト(白いトルコ石みたいな石。心を穏やかにさせる。)に変更させて下さい。
チェックしとけよ自分…。
564526:04/09/12 22:01:33
あのー526なんですけれども……もしかして…言わなくても投下してもよいということだったでしょうか……オーイオーイ ノシ
乙です!GJ!
>>526
大丈夫だと思いますよ!アンジャヲタなので期待してます!
566名無しさん:04/09/12 22:29:21
>>518
>>541
乙です!!素晴らしいです。実際ありえそうなとこが(笑)

>>526
大丈夫ですよ〜。楽しみにしてます〜。
567名無しさん:04/09/12 23:52:45
>>518さんおつかれさまです!
自分は萎れたもやし山根に爆笑
てかみなさん面白いな〜。会話が目に浮かぶようだ…

ところで、芸人と能力だけ置いてゆくってのはまずいでしょうか?
設定は考えたものの話が思い付かないので…
568名無しさん:04/09/12 23:58:48
>>567
大丈夫だと思いますよ。
そうしてる方はいらっしゃいますし。
569156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 15:55:46
「かーしま!!なんなんや!何で友近があんなんなってんねん!」
田村が息を切らしながら悲鳴の様な声で叫ぶ。
川島は答えずに、近くにあった部屋に入り込んだ。
田村も後に続く。
蝶の軍団はそのままドアの前を通りすぎていった。

二人が入り込んだ楽屋は空き部屋なのか、誰も中にはおらず、二人の荒い息のみが響いていた。
「っは…なんなんやっ…なんで追われなあかんねん…。」
「俺が持ってる石を狙ってるんや…。」
川島は苦しそうに息を吐きながら田村に答えた。
「…石?」
暫し田村は考えて、そして突然思い出したようにポケットをあさりだした。
「この石か!?」
ポケットから引っ張り出された石は、僅かな光を発していた。
570156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 15:56:26
「せやったら…この石を友近に渡せば…「絶対渡すな!!」
田村の言葉を川島は強い口調で遮る。
「絶対渡したらあかん。渡したら、アイツは間違いなくその石で俺等を狙ってくる…。」
信じられないといった顔で田村は言葉を失う。
川島は力無く壁に身を預ける。
―体が言うことを聞かない。
川島は小さく舌打ちをした。


その時、ドアが破られた。

一気に蝶が部屋の中になだれ込んでくる。
「あかん!もう気付かれた!!」
焦る田村を、川島が後ろから羽交い締めにする。
「川島!お前まで俺を殺す気なんか!?」
「ええから動くなっ!!」
川島は精神を集中させると、田村を掴んだまま影の中へと入り込んだ。
571156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 15:57:22
視界が暗くなったのは一瞬だった。

田村は影から弾き出され、勢いよく壁にぶつかった。
「うおっ!!」
強打した腰をさすりながら田村は身を起こす。
辺りは真っ暗だったが、先ほどまナ稽古をしていた舞台の袖にある大道具置き場だと分かった。

「田村…無事か?」
暗がりの中から川島の姿が現れる。
田村は川島の襟首を掴んで引き寄せた。
「今のお前がやったんか…!?」
田村の声には驚きと、僅かな怒りが込められている。
川島は掴まれた姿勢のままで答えた。
「…そや。今のが俺の石の力や。」
田村は石を握り締める。
「…俺の石にも、あんな力があるんか?」
「封印を解けば…ってお前、石を使う気か!?」
「使えば何とかなるんちゃうか!?」
「それなりの負担が伴うんや!お前は絶対石を使ったらあかん!!」
572156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 15:58:52
二人の言葉が段々と荒くなる。
「じゃあ何でお前は力使っとんねん!」
「俺の石だっていつかは俺を操るかもしれん。でもお前の石はまだ解放されてないんだから使うな!!」
「けど!!お前だけあんな奴らと戦って…!!」
「そのままにしてれば石はお前を操ったりせぇへん…か…ら…」
言葉尻がぼやける。
不意に、田村の手にかかる重みが増した。
川島の体が、ずるずるとへたり込んだのだ。
「川島っ!?」
田村は川島の体を揺さぶる。
川島は苦しそうな声で「大丈夫や」と呟いた。
「石の負担…なのか?」
「…。」
「何でお前だけが…そんなん背負ってんねん!!」

川島は無言のまま田村の体を強く押し退けた。
勢い余って田村はまた壁に叩きつけられる。
「えぇか!絶対ここから出るんやないぞ!!」
「川島っ?」
「絶対石使うなよ!」
田村が手を伸ばした瞬間に、川島は影の中に消えた。
田村は焦ってドアへと走るが、反対側が何かで塞がれているようで開けることができない。
「くそっ!!開けっ!!」
ドアを叩きながら、田村は何度も叫んだ。
573156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 15:59:42
「来ると思ってたわ。」

蝶に囲まれた友近が妖しく笑う。
皮肉にも先ほどの舞台の上で、川島と友近は睨み合った。
「相方はどうしたの?怖気付いて逃げたのかしら?」
ケラケラと笑う友近の指先に、指輪が光っている。
「川島君、てっきり封印したと思ってたでしょ?でも残念。この前の石はフェイクで、これが本物。」
指輪のある指を弾くと、更に大量の蝶が現れた。
その指先が、まっすぐ川島に向けられる。
「…方法は何でも良いわ。とにかく石を奪ってそして…好きにして。」
―俺を殺すつもりだ。
川島の体を、嫌な汗が伝った。
574156=421 ◆SparrowTBE :04/09/13 16:00:33
>>518さん乙です!

そしてダラダラと続きをぶっ込みました。
>>541さんのサイトに「麒麟短編」とありましたが、なんか既に短編じゃないっすね。
タイトル考えるのもアレなんで、短編じゃないけど短編で通します。

あと、これから先ずっと結構暴力シーンとか痛いのも出てくるのも多いので、
苦手な人はご注意を。
575名無しさん:04/09/13 21:03:16
>>156=421 ◆SparrowTBE  さん

いやあ、面白いっす。

>あと、これから先ずっと結構暴力シーンとか痛いのも出てくるのも多いので、
>苦手な人はご注意を。

望む所です。楽しみにしています!
576名無しさん:04/09/13 21:05:01
今度TBSでドラゴン&ボールアワーという番組が始まって
東西の若手芸人軍団が対決するらしいよ。
>>483からの続き。

「……おい、須知!何で焔に囲まれてるのに、熱くないねん!」
燃え盛る焔の中、木部は須知に問いかける。
「知らんがな!!…って…俺の石や!!」
須知は自分の石を手に取ると、叫んだ。
須知の持つ石は、眩しいほどの水色の光を放つ。
「…お前の能力…焔を防げるんか?…凄いなぁ〜…俺なんて何にも役にたたへん…「飴ちゃん」て…地味やな」
木部ははぁ、とため息を吐く。
「まぁ、人間地味な人もいますからね〜。」
須知がおどけた様に言う。
「誰が地味やねん!!」
木部がそう言いながら須知の肩を叩いた。
須知はワザと痛そうに演技をするが、その後、ある事に気付く。
「いった〜…!…って、お前!手が動いたで?!今!!」
須知は叫んだ。
木部は少し戸惑って
「手が動くって…当たり前やんって…!あ・・・。」
木部は手足をバタつかせてみる。
手足は自分の意の赴くままに動き、軽い。さっきまでの重さは消えていた。
「…動ける!!俺動ける!!」
木部は驚き、須知の顔を見た。
「動ける!?じゃあこんなとこさっさと出よ!!」
須知は木部の手を掴むと、焔の外に向けて走り出した。
「く…熱い…。何だか…段々焔の勢いが増してる…。」
須知はだらだらと流れる汗を拭いながら走る
木部も須知に手をひかれるままに走る
そして、木部はある事に気付いた。
「おい…須知、お前の石…光が弱まってる…?」
木部が須知の握る石を指差す。
須知は立ち止まり、石を見る
先ほどまで発していた美しい水色の光が、消えかかっている。
「…ホンマや!!もしかして…この石の光が無くなったら…俺ら…」
二人は自分たちが焼かれる姿を想像し、身震いした。
「と…兎に角急がな!!はよ行こ!!」
二人は全速力で走った、真紅に燃える焔の中を、そして―――――。
「…!!出口や!!」
須知が叫んだ。焔の奥に、微かに見える、外の草原。
二人は草原を目指して走った…が。
焔が突然勢いを増し、二人を外に出そうとしない。
外は完全に焔に閉ざされてしまった。
二人は焔に体当たりするが、石の力が弱まってしまっているせいか
焔の奥にある外界に出れない。
「…!畜生!!俺はこんなところで焼け死ぬのはゴメンや!!外に出せ!!」
須知は焔に何回も突進するが、焔は勢いを増すばかり
焔が見る見るうちに、熱さを増し、二人の水分を奪う。
「須知…俺たち…こんな所で死ぬんか…?」
木部が、突然弱気になり、須知に尋ねる。
「アホか!?弱気になるな!必ずどっかに突破口はあるはずや!お前のバッグに何が入ってる!?」
須知は、木部の持つバッグの中身を尋ねた。

「…俺の作った飴ちゃんしかない…。」
木部は苦笑を浮かべるとそう言った。
「飴ちゃんだけ!?そんなバカなこと…貸せ!!」
須知は木部からバッグを奪い取ると、バッグを開け、中身を見た。
バッグの中には、木部の言った通り「飴ちゃん」しか入っていなかった。
「…飴ちゃん…だけか…俺ら…まだ死にたくないのに…」
須知の石の光は今にも消えそうだ、この焔に自分達は焼かれ、死ぬのか。
心の奥から湧き上がる絶望と悔しさに、たまらず須知は飴ちゃんを大量に掴むと、叫び、そして
「ちきしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
飴を思い切り焔に投げつけた。
すると、二人の石が眩い程の光を放ち始めた
「!?!!?何や…!?」
二人は思わず眼を瞑る。
そして、焔に当たった飴が、パァン!と音を放って破裂し、物凄い風が起き
眩い程の光を放つ、風は焔を切り裂き、二人を蒼い空の下へと導く。
風で草木が舞い、ハラハラと堕ちた。
「…何やったんや…今の…」
光が収まり眼を開けると、其処には焔など何処にもなかった。
只、草の焼けた跡が残っているだけで。
「…焔が無い…?」
「…須知…お前一体…何を?」
木部が呆然として、須知を見た。
「知らん…飴ちゃん投げただけや……。」
須知もただ呆然とするしかなかった。
「飴ちゃん投げたら…急に俺とお前の石が光ったんや…。で、この有様や。」
須知は周りを見渡した。
焼け跡が、周りの草原一帯を埋め尽くしている。
そして、須知は呆然としている小木を見つけた。
「…!!お前たち…一体何を…?」
小木は立ち尽くしたまま須知を見て言った。
小木はかなり混乱していた。
水色の石の光を見て、その石の光が弱まり、無くなるのを見たと思ったら
急に視界が真っ白に包まれて…
気付けば、自分の放った焔は何処にもなかった。
小木は身の危険を案じたのか、再び攻撃を仕掛けることにした。
「…お前たちは危険だ…!俺たちがやられる前に…消えてもらう!」
小木は再び二人の周りに焔を放つ。
須知と木部の周りから焔が噴き出した
しかし、草は殆ど燃えてしまっているため、あまり焔の勢いは強くならない。
小木の体力も底をついたのか、焔はあっという間に消えてしまい
小木の真紅の光を放っていた石も、光を失った。
「…貴方の、負けです…。」
木部は静かに呟いた。
小木は眼を見開いて何かを呟いている。
「俺は…まだ負けてねぇ…それに、矢作を…矢作を守らなくちゃいけねぇんだ!!!」
小木がそう叫んだ瞬間、小木の石が真紅の輝きを取り戻す。
そして、再び焔が、二人を取り囲む。
焔は勢いを増し、あっという間にビッキーズの二人を包んだ。
「…はぁっ…はぁっ…。」
小木は息を切らしながら、必死に二人を追い詰める。
だが、再び須知は「飴ちゃん」を焔に投げる。
焔は再び眩い閃光にかき消され、焔は消えた。
「…畜生…俺は…俺は…負けるわけには!いかねぇんだ!!!」
小木がそう叫んだ瞬間
小木の右腕が、焔を上げて燃え始める。
「!!小木!お前…やめろ!」
矢作は、ふら付く身体で何とか立ち上がると、小木に叫んだ。
「…喰らえっ!!」
小木は燃え盛る右腕を二人に向かって振ると
真紅の焔が、先程とは比べ物にならないくらいの勢いをあげて二人に迫る。
「…燃えろ…!燃えて、無くなれっ!!」
小木は狂ったように叫びながら右腕を振るい続ける。
「…小木…くそっ!小木を止めなきゃ!お願いだ、光ってくれ!!」
矢作は自分の相方の動きを止めようと
石に念を込めるが、石は光る様子はない。
「光ってくれ…お願いだっ!!このままじゃ、小木が燃えて…。」
矢作は石に願った。このままでは、小木が燃えて無くなってしまうかもしれない。
長い間、一緒だった相方、誰よりも信用していた相方。
自分の、相方が消えてしまうなんて…矢作はそれを拒んだ。
「小木を、止めてくれ!光れっ!俺の石!!」
矢作は石を強く握り締め、願った
すると、石が眩いほどの緑色の光を放った。
そして・・・
「!?身体が…動かない…。」
小木の動きが、ピタリと止まった。
そして、矢作はふらつく身体で、ゆっくりと小木に近づく。
「…小木、負けたくないのはわかる…でも、俺…お前が居なくなったら
 何も出来なくなっちゃうじゃんか!」
矢作は小木の目の前に立つと、叫んだ。
「…矢作…。」
小木は静かに言った。
その途端、小木の燃え盛っていた右腕の焔が瞬時に消えた。
右腕は煙をあげていたが、すぐに煙は消えた。
「今は逃げよう。勝つには、それしかない。」
そう言うと、矢作は小木の左手を引いて走り出した。
「…矢作…ゴメンな…俺が不甲斐無いばかりに…。」
走り出してすぐ、小木が矢作に言った。
「…良いって、小木が死ぬより、逃げた方がずっと良いんだ!
 今は喋るより、逃げないと・・・。」
矢作はそう言うと走るスピードを上げ、森の方へ駆け出した。
「須知!あの二人が逃げる!」
木部が須知に向かって叫んだ。
「わかっとる!追いかけるぞ!」
須知は飴を数個手に取ると、走り出した。
木部も急いでバッグを抱えながら追いかける。

向かうは目の前に広がる薄暗い森。
585現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/09/13 22:50:44
書き手さん方、及び>>541さん乙です。

次回あたりから終盤なので、もう暫くお付き合いくださいませ。
586524/564:04/09/13 23:33:59
>>565,566さん、どうもありがとうございます。
ちょっとさみしかったもので・・・w

では、アンジャショートショート投下いたします。能力は>>273さんの案を使わせて頂きました。
拙いお話で恐縮です。
587名無しさん:04/09/13 23:34:28
現在執筆中さん、乙です。
そろそろ終盤ですか〜。もう残り3組ですもんね。
楽しみにしてます!!頑張ってください!!
「菊地君が、俺らのことずっと見てた」
閉じていた目をふっと開け、渡部がつぶやいた。
「・・・・・・・・・やめろよ、それ。すげぇ疲れんだろ」
児嶋が煙草の煙を吐きながら言うと、渡部はくつくつ笑った。
「大丈夫だよ、ちょっとだけだから・・・・・・それにコレ、すげぇ面白いぜ?」
シャツの中から、細身のペンダントに仕立てた石を引っ張り出した。シルバーの台座にはめ込まれたそれは、澄んだ光を放つ。
「明らかにこの石の力だよな・・・・・・うわ、山崎はやめとこ。柴田の声めちゃめちゃうるさいわ」

人力舎の悪魔が、本当のアクマになっちゃったな、と児嶋は密かに思った。

それにしても・・・・・・と、ゴツめのシルバーチェーンブレスレットにさりげなく埋め込まれた自分の石を見つめる。
石は、白く鈍い光を放ちながら、それでいて何色もの色を隠し持っていた。自分には似合わないかもな、と児嶋は苦笑を漏らした。
2人の元に同時期に転がり込んできた石。そしてほどなく、渡部にはあの能力が宿った。そして自分の石は・・・・・・
未だに沈黙したままだ。児嶋は、畏れと希望とを混じらせながら、待っていた。

       この石はいつ、どんな形で、自分に力を宿らせるのか。

「・・・・・・わっかんねぇな」ため息混じりの煙が舞い上がる。
「だーいじょうぶだって、近いうちになんか強力な能力が身につくかもしんないぜ?児嶋だったら、麻雀が強くなるとか」
「なんだよその能力は・・・・・・って言うか渡部、お前今力使っただろ!?」
「使ってねぇよ。それより児嶋、煙草一本くれよ。お前の、結構イケんじゃん」
「やっぱ使ってんじゃねぇか!!」

自分の五感を探られるのがイヤだから怒ってるんじゃない。以前力に目覚めたばかりの渡部が、限界以上の力を使い切ってしまい、倒れたまま10時間以上も眠りこけたことがある。
その時、自分がどれほど心配したか、渡部は知らないだろう。

わりぃわりぃ、と悪びれた様子も無く、渡部はカバンから小さなつつみをいくつか取り出して、ひとつを口に放り込んだ。
「何・・・・・・アメ?」
「うん。こないだ須知さんに貰ったんだ。疲れが取れるって。本当に効くよコレ。児嶋も食えよ」
アメをもごもごさせながら渡部が答える。
「・・・アメで疲れが取れるって・・・なんか怪しいモンでも入ってんじゃねぇの?」
「さぁ?よくわかんないけど、木部さんの自家製だって須知さん言ってた」
「自家製!?・・・俺絶対いらねー・・・・・・」
「そんなこというなよ・・・・・・ほら」

児嶋の掌を上に向けさせて、少しうつむいて渡部は呟いた。

「俺だって心配なんだよ・・・・・・・・・・・・お前のことが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

渡部の手から放たれたアメ玉は、児嶋の掌を通り抜け、ことりと落ちた。



                              end

     
渡部建
石・・・水晶(透明)←宝石言葉は「純粋」
能力・・・他人の視覚、聴覚などと「同調」出来る。
条件・・・「同調」している間は他人の意識に入り込んでいるので全くの無防備。5分以上「同調」すると精神がダメージを受ける為、回復の為に眠り込んでしまう。

児島一哉
石・・・オパール←宝石言葉は「無邪気」
能力・・・ありとあらゆる物と「すれ違う」事が出来る。例えば壁や物をすり抜けたり、攻撃が当たらずに通り過ぎたりなど。
条件・・・「え?(+驚きの表情)」がキーワード。パワーを大量に消費するが、他人を「すれ違う」ようにする事も出来る。

>>273さんからの引用)
「不思議なアメ」は現在執筆中◆n28WRDMeV2さんのストーリーから、「見ている菊地君」は156=462◆SparrouTBEさんのストーリーから引用させていただきました。
他のお話と微妙にリンクさせたかったので・・・・・・。

「ユニット」となる大分前の時点での話です。
お目汚し致しました。
592518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/14 00:13:28
執筆者さん方乙です。
それと、温かいコメント下さった方々有難うございました。

>>586さん乙です!
何か自分がタイミング考えず長々と投下してしまったせいで、
586さんのコメントを流してしまって…申し訳ありませんでした_| ̄|○
593586@携帯:04/09/14 00:34:06
いえいえ全然大丈夫ですよ〜。お話いつもドキドキで読ませて頂いてます。乙です!
594名無しさん:04/09/14 00:38:22
>>576
ゴメンヨ 最初見た時嘘だと決めて掛かってたよ…

ttp://www.tbs.co.jp/program/dragonandballhour.html
楽しみかもしれない
595名無しさん:04/09/14 18:52:22
しばらく来てなかったのですが、話がだいぶ増えましたね!
書き手の皆さま、本当に乙でございます。
>>586さん、アンジャのショート面白かったです!
他の話とのリンクのさせ方とか、児嶋さんの能力の現れ方とか本当にすごいと思います!
ちょっと感動しました!乙です!
596名無しさん:04/09/14 21:38:53
記念してドラドラ・フットの話キボン。
597現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/09/15 00:08:54
>>584の、須知さんの能力とか書き忘れてしまいました…

石・・・アクアマリン
能力・・・自分の漫才で使うハッピを着ればあらゆる攻撃を全て防ぐことが出来る。
     自分の近くに相方がいる場合は、相方も守ることが可能。
条件・・・ハッピを着ていないと発動しない。
     相方も守れるが、相方も守る場合、発動時間が極端に短くなる。
     須知の石が光っている間しか守れない。
     石が光を失ってから、5分程度、使用不可になる。

コンビ能力。ビッキーズ

能力・・・飴ちゃん光弾
木部の生産した「飴ちゃん」を須知が投げると発動
     須知が投げた飴が、相手に当たると飴が破裂し
風と光が起こると共に、相手が吹き飛ぶ。
     一個だと少し風が起きる程度だが、大量に当たると物凄い風と破壊力が生じる
条件・・・木部の生産した「飴ちゃん」じゃないと使用不可。
     須知が投げないと使用不可。(木部は使用できない
     大量に投げる場合、須知の手に相当の負担が掛かり
     投げすぎると須知の手が使い物にならなくなる。
     木部がその場に居なくとも二つの石が近くにあり、飴があれば発動させる事が可能である
>>597の最初の能力は須知さんのです。
色々間違ってしまいすいません…。

>>584続き。


暗い暗い闇の中、小沢は夢を見ていた。
蒼い光が、自分を包んで語りかけてくる。
その語りかけてくる声は、酷く、冷たい声だった。

―モウスグ貴様ハ我ノ物。
―力ト引キ換エニ、一生我ノ物トシテ過ゴスノダ―!
―逃ゲキレナイヨ、我ハ常ニ貴様ト共ニ在ル。

―タトエ、離レヨウトモ『封印』サレナイ限リナ―――

「…お…わ…小…沢さ……小沢さんってば!」
「…ん…?」
薄暗い工場の中、小沢は目を覚ました。
眼を開けると、自分の身体を必死に揺らして、顔を覗き込んでくる相方の姿。
小沢が眼を開けたのを確認すると
「…良かった…凄いうなされてたからどうしたのかと…。…このまま死んじゃうのかと思ったよ。」
と井戸田はほっと胸を撫で下ろして言った。
「…。」
小沢は無言のまま、上体を起そうとした
その途端、小沢の身体の節々に、鋭い痛みが走った。
「―ッ。」
小沢は小さく呻いた。背中と右腕が、異常に痛い。
痛みに耐え、何とか上体を起こすと、井戸田を見た。
「…小沢…大丈夫か?凄いうなされてたけど。」
井戸田は小沢を心配そうに見返しリュックからペットボトルの水を取り出すと
キャップを外して、小沢の目の前に差し出した。
「飲みなよ、小沢…凄く汗かいてるもん。」
小沢は水を受け取ると、コクリ、と一口口に含み、飲んだ。
ふぅ、と小沢は息を吐き出すと、工場の周りを見渡した。
そこには、夥しい量の血の跡や、ドラム缶の吹き飛んだ跡などの凄まじい光景が小沢の眼に飛び込んできた。
「…潤?」
小沢は井戸田を呼んだ。
「ん?」
井戸田は心配そうに、小沢を見る。
「…なんで…あばれの二人は居ない?俺は死んだんじゃなかったの?」
「・・・は?」
小沢の発言に、井戸田は眉を顰めた。
「…お前…もしかして…何も、覚えてない?」
井戸田は小沢に問いかけた。
「…倒れて、何か…声が聞こえて…苦しくなって…熱くなって…
 それから何も覚えてないや…。」
小沢は井戸田を心配そうに見ながら言った。
井戸田はふぅ、とため息を吐くと、少しずつ小沢に説明を始めた。

石が光ってからの小沢の変わりよう、人間離れした力。
あばれの二人を小沢が殺そうとしたこと。
そして、井戸田も殺しそうになったこと。
「…俺が…?」
小沢は信じられないと言った眼で井戸田を見た。
「信じられないかもしれないけど、本当なんだ。」
井戸田は小沢の眼を見返して言う。
「…この石が光ってから、お前は可笑しくなった。
 なんか…もう人じゃないみたいだった。」
井戸田は小沢が持つ石を指差す。
「…この石のせい…?」
小沢は自分が持っていた石を見る。
石は汚い色をしていたが、キラリ、と石が一瞬光って…。

―負ノ力ガ足リナイ…

「…ッ!?」
小沢は持っていた石を思わず手放し、地面に落とした。
石が、突然小沢に語りかけてきたのだ。
「……どうした?」
井戸田が心配そうに小沢を見る。
「…いや…なんでもない。」
小沢は井戸田にこれ以上心配させまいと、平然を装いながら石を拾った。
確かに、今石は言った「負の力が足りない。」と。
「……。」
小沢は石を見てみたが、さっきのようには喋らなかった。
「…気のせい…か…?」
そう呟いて、小沢は石をポケットに収めた。
「兎に角今は休んでろ。…お前に死なれたら、俺が困るんだから。」
そう言って二人とも黙り込んでしまった…
だが、暫くすると

―ドォォォーン…

と、すぐ近くで爆発音が聞こえた。
そして、叫び声
「逃げるなー!出て来いっ!!」
と言う、甲高い声が響いた。

「!?敵?」
小沢は立ち上がると、工場の出口に駆け出した。
「あ!お前っ…危ないって、戻れよ!」
井戸田も急いで追いかける。
外へ出ると、工場の周りに在ったはずの木は殆ど倒れていた
小沢が呆然としていると…
「あ…獲物見つけたでぇ!!」
と、再び甲高い声。小沢が声の方向に振り向くと
そこには須知と木部が居た。
「…スピードワゴンの二人…!須知、あいつらも石持ってるはずやから
 能力何使ってくるかわからん!気ぃつけや!」
木部が叫んだ。
「…ビッキーズ!?…この木も全部あいつらが倒した…?」
井戸田は眼を見開いた。

「能力使わせなければええんやろ?先手必勝!覚悟はええな!?」
須知は飴ちゃんを数個手に取ると、いきなり小沢と井戸田目掛け投げつけた。
飴玉は鋭い光弾となって二人に襲い掛かる
「!?飴が!?」
小沢が叫んだ。

―ドンッ!

地面を抉る、光の弾。
それをなんとか避けきった二人、だが飛び道具など持っていないため避けているだけだった。
「な…飴玉が…!?畜生…どうすんだよ!小沢っ!」
井戸田が逃げながら小沢に尋ねる。
「知らないよッ!とりあえず…逃げなきゃ…。」
小沢はまだ木が残っている森の方向へ駆け出した。
井戸田もそれに続く。
「…おっと、逃がすわけにはいかへん!」
須知がそう叫ぶと、飴玉を木目掛け投げた。
「…!!潤!下がってっ!」
小沢は井戸田に叫んだ。
須知が放った光弾は木に命中し、木はバキバキバキ…と音を立てて二人の目の前に倒れこんできた。
砂埃が舞い、二人の視界を遮った。
「…万事休す、やろ?」
須知はニヤケながら二人の下に近づいてくる。
後方は木に遮られている、前方には飴を持つ須知の姿が…
「…ちっきしょお…。」
井戸田が悔しそうに言った。
「…く…。」
小沢は顔を顰めた。もう、どうすることも出来ないのか、と。
ふと、石を見ると、石が再び煌き、声がした。

―サァ、我ノ「チカラ」ガ必要ダロウ?
―負ノ感情コソ、貴様ヲ満タシ、我ヲ潤ス

その言葉を聞くと同時、小沢の頭が突然痛み出した
「…つっ…!?」
あまりの痛さに小沢は頭を抱えていた。
「…小沢…?」
井戸田が小沢を心配そうに見る
小沢は強く頭を振り、声を拒んだ。
自分が自分じゃ無くなる気がした。
それでも徐々に頭の痛みは痛さを増す
「今や…喰らえっ!」
それを見ていた須知は小沢に狙いを定め、小沢目掛けて飴を投げた。
飴が光弾となって、小沢に襲い掛かる。
「…!!」
小沢は飴に気付き避けようとするが、身体が言う事を利かない。
「…ダメだ…避けられない…。」
そう思った小沢は死を覚悟し、眼を閉じた…その時。

―ボウッ!

と、飴は突然燃え出し、燃え尽きた。
「!?!飴ちゃんが燃えたっ…?」
「…?」
小沢は恐る恐る眼を開けてみる。
すると其処には…
「…早く逃げろ、小沢。」
「小木さん…?」
おぎやはぎの小木の姿が、小沢の目の前にあった。
先ほど、小沢に飴が命中する直前
小木は小沢の前に立ち、右手を前に出し、焔を放ったのである。

「小沢!こっちだ!!」
その隙を突いた井戸田が工場の入り口まで駆け出し、小沢を呼ぶ。
「あ…うん…。」
小沢は小木に少しお辞儀をすると、井戸田の方へ駆け出した。
「…まず、工場に隠れよう…お前、なんかしんどそうな顔してるし。」
井戸田はそう言うと、工場の中に入っていった。
小沢も後に続く。
605現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/09/15 00:28:12
書き手さん方、乙かれ様です。
524/564さん
私のストーリーとリンクさせてもらい、どうも有難う御座います。
と、言う事はビッキーズ木部さんの能力はアレで決定でいいんでしょうか?

次回あたりからちょっと痛々しい表現があるかもしれません。
それでは。
606名無しさん:04/09/15 15:25:20
書き手の皆様GJ!
ちょっといい話あり、これからの展開が気になる話ありで
何かというとこのスレを覗いてしまう。

出てくる芸人も増えてきたね。
今の所ユニット寄りの芸人が主役の話が多いけど
悪人側も気になる(>>156=421さんが友近)
これからどういう奴がでてくるのかな。

607名無しさん:04/09/15 15:26:57
文が変だ。
×(>>156=421さんが友近)
○(>>156=421さんの友近みたいに)
>>485-488 の続き

「まさか、この石が、なぁ・・・。」
分厚い手の平に載せたバイオレット・サファイアのリングを見やり、磯山はぼんやりと呟いた。
「そんな漫画みたいな事、ある訳ないって・・・言えりゃ楽なんだけどね。」
渋々とではあるけれど、自分達と石と現状の説明を長々とする羽目になったためか、
渇いた口を烏龍茶で湿らせ小沢は呟くとアパタイトをカラオケボックスの照明の中で翳す。
そのまま軽く意識を集中させれば青緑の鉱石は淡い光を放ち、部屋の色合いをすぐさま変えてみせた。

「実際にこうして存在するから・・・そして、そのお陰で余り良い気分のしない出来事も起こるから・・・」
だから、石と無関係な芸人達と接する機会を減らしてこうしてやってきたって訳で。
呟きつつ小沢がギュッと手の平で石を握り込めば、輝きも薄れて元通りの薄暗さが戻ってくる。
「それで・・・何か付き合い悪くなっちゃってたって、事ですか?」
「・・・うん。」
「酷いですよ、それ。」
野村からの問いに小沢が頷くと、磯山が不満そうに声を上げた。
「僕達にも言ってくれれば・・・僕達なりに何か出来たかも知れないのに。」
そんなの水くさいじゃないですか。告げる磯山の若さに小沢の表情は曇る。

「そこの潤を見ても、まだそう言えるの?」
チラリと視線を向けた先には、ソファーに横たわっている痛々しげな彼の相方の姿があった。
怪我の手当てこそ野村によって適切に施されているが、石の使いすぎによる精神力の疲弊は
医者には癒やす事など出来はしない。
どれだけ時間が掛かるかわからないけれど、井戸田が回復するのを待つしかないだろう。
「それに・・・たとえ石を得ても・・・石に呑まれては意味がないでしょ。」
君子危うきにってことわざじゃないけど、やっぱり近づくべきじゃない物には近づかない方が良い。
小沢は言葉を続けて磯山達の表情を見やるけれど、彼らはまだ納得がいっている様子ではなかった。
「そりゃそうかも知れねぇけどさ。俺も小沢さんも・・・現に石に呑まれてないじゃないですか。」
「・・・そうかな。」
野村のどこか気楽な言葉を小沢は遮り、小さく苦笑する。
「もしかしたら、僕はとっくに呑まれてるのかも知れないけどね。」
他の石を封じたいという、このアパタイトの願望に・・・・・・口に出さずに小沢は呟き、軽く首を横に振った。

「とにかく、磯にも野村くんにもこうして助けてもらった事には感謝してるけど・・・
 これ以上この件で僕らとは関わらないで欲しい。いや、もう関わらせない!」

そう強い口調で言いきる小沢の手の中で、アパタイトが再び輝きを発する。
本気の眼差しで自分達を睨み付ける小沢の様子に、野村は小さく舌打ちをした。
「俺達の石を封印する・・・つもりっスか?」
「・・・悪いけど。」
何かがあってからじゃ、遅いんだ。
そう小沢の口から返答が漏れた瞬間、野村の指に収まっていたリングの石も負けじと輝きを放つ。

「・・・・・・・・・。」
封じに掛かる青緑の光とそれに抵抗しようとする青みがかった紫の光。
個室中に広がる透き通った眩さの拮抗は、どこか互いの主張にも似ているように磯山には思えた。
しかし、この石をめぐる危険な争いから、相手を遠ざけるべきなのか、それとも共に闘うべきなのか。
そのどちらの主張も元を辿れば同一の・・・相手の為を想っての物であるのだけれど。

「どーせなら、あんまり俺らの事ガキ扱いして欲しく・・・ないんですけどね。」
肩を竦めて呟く磯山の手の平で、彼のリングにあしらわれた石も輝きを発しだした。
せめて井戸田のシトリンの援護があれば・・・そう小沢が思う間もなく、
2つのバイオレット・サファイアが放つ光は溶け合い、すぐさまアパタイトの青緑の輝きを覆い尽くす。

『小沢さんは、すぐそーやって全部自分だけで抱え込もうとする!』

シトリンを手にしたばかりの井戸田に今にも泣きそうな顔で怒鳴られたのも、
確かこんなシチェーションの時だっただろうか。
ふと脳裏を過ぎった声に、仕方無しにアパタイトに意識を集中させるのを止め、小沢は深く溜息を付いた。
「・・・馬鹿だよ、お前ら。」

石を持ちながらもそれに意識を呑まれていない芸人の中では、積極的に他の石を封じに掛かっている
小沢達は異端の部類に入るようだった。
大抵は自分とその周辺でささやかに遊ぶ程度に石の力を使う者ばかりであるし、
戦うにしても、石に意識を呑まれた芸人、もしくは石を悪用する芸人によって
自分達に被害が及んだ時点でようやく反撃に転ずるぐらいであろう。
別にそれが間違いだとは決して小沢も思ってはいない。
石の使い手と石の使い手の戦いは、普通の喧嘩とは違う。戦うまで何が起こるか本当に解らないのだ。
万が一の事を思えば、戦いは最小限に留めておこうとするのも当然の考えだろうし。
そもそも小沢は他の芸人が戦い、傷付くという自体に陥って欲しくはなかったのだ。

それ故に小沢は一人・・・いや、井戸田が協力してくれるようになってからは二人で戦い続けてきた。
その姿勢はこれからも変わらない・・・そう彼も思っていたのだろうけれど。

「だって、ここまで来て二人の事放っておけねーし?」
「そんでそっちに何かあったら、俺らマネージャーとかに半殺しに遭うもんな。」
何も知らない故の無邪気さか。それともそれ相応の何かがあるのか。
石から光を発するのを止め、幾分冗談も混じりながらだったがそれぞれ告げてくる
磯山と野村の笑顔の頼もしさに、小沢はソファーに沈み込みながらつられてぎこちなく笑った。
「本当に・・・お前ら・・・」
馬鹿だよな、と続けようとした小沢の言葉に被さるように、不意に小沢の携帯が
ガガガッと激しい音を発してテーブルの上で跳ね始める。
そういやマナーモードにしていたんだっけと小沢が素早く腕を伸ばして携帯を拾い上げ、
液晶を覗き込んでみれば発信元の携帯番号は見知らぬモノ。

とはいえ変な番号の電話に敢えて出る事もない。そのまま小沢がパチリと携帯を閉じようとした、その時。
『よぉ、逃げ足だけは早い小沢ちゃん?』
留守電に切り替わった携帯のスピーカーから男の声が響き、小沢の心臓が音を立て、背には冷や汗が滲む。

「どこで、この番号を・・・」
『・・・別に。まぁ、案外簡単だったよ、お前の番号聞き出すの。』
「・・・・・・で、何の用です?」
それは小沢には聞き覚えのある・・・先ほど下北沢の町外れで仕留め損ねたあの男の声。
さすがにそうわかれば無視できず、通話ボタンを押して小沢は相手へ呼び掛ける。
小沢の強張った口調と表情に、ただごとではないと野村と磯山もその表情から笑みを消した。

『何の用もこうも・・・俺は今すぐさっきの続きを殺りてぇだけさ。』
「できればそんな誘いは遠慮したい所ですが。」
『てめぇらにそんな事言える権利はねぇと思うけどな?』
「・・・まぁ、確かにそうかも知れませんね。」

井戸田は昏倒したまま、そして小沢自身も石をさっき手にしたばかりの江戸むら二人に
押さえ込まれてしまうぐらいに精神力が疲弊してしまっている現状で、
あのインカローズの男と戦えるはずはないのだけれど。
かといって、ここで逃げたら向こうが家やいろんな場所へ押しかけてくる可能性もあるし、
その過程で関係ない人を巻き込む確率も高まるだろう。それだけはやはり避けなければならない。

・・・逃げられなければ、戦うしかない。たとえそれが望みと違っていても。
小沢はふぅと息を吐き、男に問いかけた。
「で、あなたはどこで闘りたいんです?」
短いですが、今回はこの辺にて。
ようやく次からバトルに入れそうです。

>>541 さん
まとめサイト本当に乙です。
そして、自分の我が侭に応じていただけてありがとうございました。
613524/564:04/09/16 13:20:44
>>605さん
こちらこそ勝手に使わせて頂いてすみません。木部ちゃんの能力に関してはいいんではないでしょうか?
個人的にはどの話を読んでも、芸人の能力は共通な方が読みやすいと思います。

>>595 誉めて頂いてすごく嬉しいです!小説なんて初めて書いたもので…。

あと、今後アンジャを書かれる方は、私の話の中に書きにくい設定があれば無視してください。
一応序章みたいに、本筋には関わらないように書きましたので。
614名無しさん:04/09/18 01:04:17
こんなスレが沈没してたら駄目でし
615名無しさん:04/09/18 01:34:31
あげ
616名無しさん:04/09/18 20:59:04
誰かますおかの石と能力書いてもらえません?自分それは苦手なんで…。閉店ガラガラで相手をシャットアウトとかギャグで吹雪とか…


あ、岡田ばっかだ…
617名無しさん:04/09/18 22:35:00
「いらんことを言うな」
メモを取る
ミルフィーユ

増田でパッと思いついた事柄…
618名無しさん:04/09/19 01:14:25
岡田→寒・氷・冷etc
増田→熱・火・温etc
みたいに対比させると面白いかもですね。漫才に熱い男というイメージがあるんで。岡田は…まあ。
619名無しさん:04/09/19 10:30:55
「シャッターガラガラ」でバリアというか防御壁みたいなものが
出てくるとか、「いらんこと言うな」で相手方の能力を無効化・・・
て潤さんか。
620名無しさん:04/09/19 14:14:50
「いらんことを言うな」は相手がしばらく喋られなくなる能力でも良いかも。
何かキーワードを口にする事で石を使うタイプには厄介な相手になるかと。
621名無しさん:04/09/19 15:12:09
ある意味スピワやおぎやはぎ、南野やじらにとってはかなりの強敵になりそうな。
622名無しさん:04/09/19 15:56:02
小木は緊急時に限り矢作がいなくても変身できるんじゃなかったっけ?
623156=421 ◆SparrowTBE :04/09/20 23:13:10
「どうしたの?さっきより随分動きが鈍いわね。」
友近はのんびりと川島を見つめている。

その川島は必死に蝶の攻撃を避けている所であった。
「くそっ…!」
クラクラとする頭を押さえて、川島は精神を集中させ、影の中へ入る。
友近は笑みを浮かべた。
「そんな能力はもう通用しないのよ!!」
友近が手を振りかざす。
その合図を受け、蝶は辺り一面にばらけた。
蝶から発される光が、周りにある全ての影を消す。
「影から入ったからには、影から出なきゃいけないんでしょ?こうしたら…」
川島が影から姿を現す。
「私の影から出るしかないわよね?」
「しまっ…」
影から出たばかりで無防備な川島に、蝶が一斉に襲いかかった。
624156=421 ◆SparrowTBE :04/09/20 23:14:22
まともに蝶の攻撃を受け、川島は倒れ込んだ。
すぐに身を起こそうとした時、川島は体の異変に気付いた。
「美しい薔薇の花に刺があるように、とっても美しいアタシの蝶にも毒があるの。貴方はもう動けない…。」
「なっ…!!!」
意識が朦朧としてきた川島に、友近は笑いながら近づいた。
「残念ね、貴方みたいな強い人が封印側にいるなんて。」
友近は膝をついて、川島の顎を自分の方へと向けた。
「綺麗な顔してるねぇ。どう?アタシの仲間にならない?そしたら命は助けてあげるわよ?」


川島は荒い息をしながらも、にやりと笑った。

「うるさいわ…年増。」

友近の表情が一変する。
川島はその表情を見て更に笑みを浮かべたが、次の瞬間には蝶によって壁に叩きつけられていた。
625156=421 ◆SparrowTBE :04/09/20 23:15:13
ガッッ
遠くから響いてきた鈍い音に、田村はドアを叩く手を止めた。
―まさか、川島が…。
最悪の事態が頭に浮かんだ田村は、再びドアを叩いた。

「くそっ!開けっ!!」
―出たいのか?
突然頭の中に、何者かの声が響いた。
「誰や!?」
その時、手に握りっぱなしだった石が強く光りだした。
―もう一度聞こう。力が必要か?
「…まさか、お前かっ!?」
田村は乱れた息を抑えて、強い口調で答えた。
「ええから早く力を貸してくれっ!!」
石の光が強まる。
石を握る手が、震えた。
―大きな力には大きな犠牲がつくものだ。
石の言葉に、田村は言葉を失う。
が、強い眼差しのまま頷いた。

「アイツばかり、戦わせてられへん。」

田村の体を、眩い光が包み込んだ。
626156=421 ◆SparrowTBE :04/09/20 23:17:03
「ぐあっ…。」
まともに体を打ちつけ、川島は低く呻いた。
しかし続けざまに、蝶の塊が川島を襲う。
友近の顔は、怒りに満ちていた。
「そんなに死にたいなら…お前達!やってしまいなさい!!」
ばらけていた蝶が一つに集まる。
はっきりとしない意識の中で、「死ぬんやろうなぁ」とどこか人事のように川島は思っていた。

「田村…。」

こんな時に相方の心配なんて、と苦笑を浮かべて川島は目を閉じた。

光の蝶は、まっすぐに川島へ向かってきていた。
627156=421 ◆SparrowTBE :04/09/20 23:18:20
なんか短いですが続きを。
まとめサイトの方がいつの間にか格好良いタイトルになっててびっくりしました。
次にはあっさりと田村の石が開放しちゃいます。

オンバトに麒麟が出ているのを見て、なんか物凄く申し訳ない気持ちになった…orz
エンタに友近姉さんが(ry
628名無しさん:04/09/20 23:38:52
水と風、バトロワ限定ですが火が登場してますね。
四大元素として、最後に地の石が出たりして。
重力なら設定だけ考え中ですが。
629518 ◆IpnDfUNcJo :04/09/20 23:45:44
>>156=421さん、乙です。いよいよ田村さんの力解放ですね!


ところで、ドラドラの話書いたんですが投下しても大丈夫でしょうか?
前と違ってかなり短いですが。
630名無しさん:04/09/21 09:25:40
>>629
ドラドラいいね。鈴木の能力が気になる。投下希望。
631名無しさん:04/09/21 15:17:49
>>156=421さん乙です
展開にゾクゾクさせられました
田村さん力開放か…楽しみだ
632名無しさん:04/09/21 21:14:10
投下がんがんお願いします!!
>>608-611 の続き

淡い街灯の光の下で小沢は一人、その場にたたずんでいた。
夜の闇の中に浮かび上がるように、東京タワーの淡い光が辺りを照らしている。
その東京タワーの足元、芝公園の一角…それが、男が小沢に指定した決戦の場所だった。

下北沢、そして小沢達が居た渋谷からすれば、芝公園は山手線を半周しないと辿り着けない場所である。
確かに新宿など人気の多い街中よりは人目に付きにくいし、近くにスタジオがある関係で
別にそこに彼らが居たとしても決して違和感もない。
しかし、そんな移動時間が掛かる場所を選ぶという事は、やはり男もそれなりに疲弊しているのだろうか。

「何にせよ、負ける訳には行かないんだ…。」
小さく呟き、小沢はアパタイトを手に握り込んだ。
淡い光が周囲へと広がっていき、不完全ながらも無関係の人間に被害を及ぼさないための結界を形作る。

そして、その力は男に対して自分の居場所を伝えるための手段も兼ねていた。
数分と経たずに濁った気配を肌に感じ、小沢は表情を引きしめる。
「来たね。」
「片方がいないみたいだが…良く逃げなかったな。そこだけは褒めてやるよ。」
インカローズの禍禍しい赤い輝きを身に纏う、男の口から嘲るような言葉が漏れた。

「…いつまで、その傲慢な口がきけるかな。」
眉をピクリと歪め、小沢は不快感を露わにして男に告げる。
先ほど自分達を追い詰めたという自負、そして石の過度の使用による石の本能との意識の混濁。
それらが男を一層強気にしているようで、小沢にしては面白くない。
「こっちだって二度も同じ相手に屈するつもりはないよ。それに…」

  「そんな事より、踊らない?」

とはいえ、井戸田が居ないという事は、その分相手の攻撃を防ぐ術がないという事でもある。
それならば先に攻めるのみ。すかさず小沢は言霊を口にすると指をパチリと鳴らしてみせた。
「ン・・・んんっ・・・・・・」

渋谷駅の近くにあるカラオケボックスの個室にて、井戸田が目を覚ましたのは
どこか悲壮ですらある決意を胸に小沢と磯山がそこを出て行って数分と経たないうちの事だった。

「あ・・・潤、さん?」
ずっと閉ざされていた井戸田の瞼が痙攣するように震え、ゆっくりと見開かれる様に気付いて
野村はそっと呼び掛けてみる。
己の石・・・バイオレット・サファイアの扱い方を理解したとはいえ、明らかに戦闘向きではない野村は
井戸田を守るため、そして最悪の事態に備えるために、ここ渋谷に残されていた。

・・・もしも、僕らにあの男が押さえきれなかったなら。
  その時は潤と一緒に他の芸人に連絡をし、出来るならば協力して封じて欲しい。

まさかそんな事態が起こるとは野村も信じたくはなかったけれど。
小沢は本調子ではないし、彼に志願して同行していった相棒、磯山も
ついさっき石に触れ、同調してその使い方を理解したばかり。不安要素が多いのは、確かである。

「野村・・・? 何で・・・お前が、ここに?」
痛む身体と相談しつつ、ゆっくりと身を起こす井戸田の目が野村の姿を捉えたらしい。
徐々に意識もはっきりしてきたようで、はっと何かに気付くなり井戸田はけたたましく野村に問いかける。
「・・・小沢は? おい、あいつは何処だ?」
「ち・・・ちょっ、落ち着いて下さい! 今・・・説明しますから!」
横たえられていたソファーから立ち上がり、くってかかってくる井戸田に
そんなに急に動いたら身体が・・・野村はそう言い掛けるけれど、構わず更に彼は吼えた。
「知ってるんだな。じゃあ・・・行くぞ、案内しろ! 説明はその途中で良い!」
井戸田の記憶はインカローズが放ったエネルギー弾を受け止め、地面に叩き付けられた瞬間で途切れている。
何故自分が今ここにいるのか、何故野村もいるのか、何故自分の身体に包帯が巻かれていたりしているのか。
その辺りも確かに気になる所ではあろうが、やはり井戸田にとってはもっと気になる事柄・・・いや、
気にしなければならない事柄が存在しているのだ。

「・・・・・・・・・・・・。」
井戸田の胸元で揺れるシトリンには、煌々と力強い輝きが満ちている。
野村は一度深く溜息を付き、それからニヤリと笑みを浮かべて見せた。

所詮俺達は若手芸人なのであって。
余力を残し、後々に備えるなんて中堅めいた高等手段を採るにはまだまだ早い。
いつだって全力でぶつかって、その後はその時に考えれば良いんじゃないか。

「・・・じゃ、付いてきて下さい。案内します。」
ただ、俺も相棒の事が気になるし、ジョー・ブラドリーみたいに優しい運転は出来ないんで
そこは覚悟しておいて下さい。
力強い言葉に付け加えるように野村が口にした呟きの意味を、井戸田は一瞬把握できなかったけれど。
まもなく野村の後ろで身をもって理解する事となる。


渋谷でそんなやり取りがあったとは知る由もなく、一方の芝公園では。
小沢の言霊に応じるようにアパタイトが放つ青緑の輝きが周囲に満ち、一瞬だけであるが男の視界を覆う。

光が収まり、男の目も周囲の明るさに慣れて。
一体何が起こったのか状況を判断しようと素早く周囲を見回してみる、男の表情が固まった。
「・・・・・・っ!」

男の周囲には、十数人ほどの小沢の姿があった。
同じ格好をした同じ顔。それがぐるりと男を取り囲んでいるのだ。

「本当はこういう事はしたくないんだけど。今更四の五の言ってられないですからね。」
同時に口を開き、同じ言葉を発すると幾人かの小沢達が一斉に男へと飛びかかった。
まさかよりによって肉弾戦で来るとは予想できなかったらしく、男は一瞬反応が遅れるけれど。
インカローズが濁った赤い輝きを発し、正面から体当たりをしようとする小沢を一筋の光が貫いた。

その瞬間、パシュッという乾いた音が上がって小沢の姿はかき消える。
「これは・・・虚像・・・?」
結局そういう事か、笑わせやがって。呟く男の背後に、鈍い衝撃が与えられた。
小沢の一人がドロップキックを放ったようで、男はぐらりと体勢を崩す。
「隙だらけ、ですよ。」
着地し、姿勢を整えながら小沢はクスッと笑ってみせると、向き直ろうとする男へ
すかさず回し蹴りを放った。
狙いは男がインカローズを握る右手。
衝撃で男が石を取り落としてくれれば幸いなのだけれども、さすがに非力な小沢の蹴りでは
そこまでの威力は期待できない。

「・・・お前かっ!」
逆に足蹴にされたインカローズが憤怒の輝きを放った。
狙いを定めて男はエネルギー弾を放出するが、小沢は素早く男から飛び退くと
大勢の他の小沢の中へ紛れ込む。
追尾しようにも相手が多く、迷走したエネルギー弾は一人の小沢の腹部を貫いて小沢共々消滅した。
「・・・・・・・・・・・・。」
思わず舌打ちをする男を中心にして、取り囲む小沢達はゆっくりと回る。
「・・・その調子。もっと踊って下さいよ?」
挑発の言葉が小沢達の口から同時に発せられ、その光景の気味悪さに男はインカローズの力を開放した。
インカローズから複数の光の帯・・・蛇の姿をしたエネルギー弾が放たれ、小沢達を貫く。
しかし、手応えは余りにも薄い。
かき消されるように小沢達は姿を消し、男は石の力の代償に精神力を削がれていくだけである。

しかし、精神力を削がれているのは男のみではなかった。
虚像の中に身を隠しつつ、それらを自在に操りながら、小沢はひたすら焦りに似た感情を覚える。
井戸田不在という状況の中で、自分が何とかしなければ・・・小沢のその思いが
石の力を増幅させ、さらに制御する助けとなっているけれど。
こんな無茶な力の使い方は、そうそう長い間維持できる物ではない。
こうなったら後は意地の勝負。
「頼むよ・・・。」
声に出さずに呟いた、小沢の思いは虚像達に伝わる。幾人もの小沢がまた男へと攻撃を仕掛けだした。

ハイキックを見舞おうとする小沢、渾身の力で殴ろうとする小沢、指相撲で勝負を付けようとする小沢。
「・・・単調なんだよ、攻撃がっ!」
男の咆吼と共に濁った赤い光が閃き、それらの小沢は瞬く間に姿を消す。

しかし。
「単調なのは、どっちだよっ!」
一人の小沢が消えゆく小沢達の死角から男に飛びつき、右腕を掴みながらその長い脚を男の頸に絡めた。
男の首とその右腕を両足で挟み、何とか頸動脈を締め上げようとするその様は。
いわゆるプロレスの技でいう所のシャイニング・トライアングル。

「ん・・・ぐっ・・・!」
「クソっ、墜ちろよぉぉっ!」
声質は明らかに小沢なのだが、どうにも小沢らしからぬ気迫のこもった声を発しながら
男に組み付いた小沢は体重も利用して男をオトしに掛かる。
肉体強化系の石を相手にしているのならともかく、石を持っていても人間は人間。
頸動脈を締め上げられて、失神しない者はいない。
あと何秒このままこらえればいい? 五秒? 十秒? それとも?
どこか男からぶら下がっているようにも見えなくない格好で、小沢は男の頸を締め続けるけれど。

  「君を手に入れる事によって一生分の運を使ってしまったんだから!」

別の箇所から小沢の声と指を鳴らす音が鳴り響いたかと思うと、男の頸を締めている方の小沢の姿が
青緑色の輝きに包まれ、瞬時にしてかき消えた。

「・・・・・・・・・っ!」
それとほぼ同時に、頸を締めていた小沢が今まで掴んでいた男の右腕に
インカローズの輝きから生まれた赤い蛇の姿をした光の帯がまとわりつく。
石が小沢の視界の外にあったため、男の切れ切れの意識で発動された輝きに気付かなかったようで。
もしも、あと数秒小沢が消えるのが遅かったら、腕にしがみ付いていた小沢に
インカローズのエネルギー弾が容赦なく襲いかかっていた事だろう。

「そう言う仕掛けだったのか・・・なかなか・・・舐めた真似してくれんじゃねぇか。」
今まで用いていた言霊と別の言霊を用いたためか、小沢の虚像達はいつの間にか姿を消していた。
その場に存在しているのは、男と、小沢と、小沢が言霊で呼び寄せたもう一人の小沢。

ゼェゼェと呼吸を整えながら、呻く男の腕を這っていた紅の蛇が
自分の本来襲うべき対象を見つけたようで。追尾機能を働かせて男の腕から飛び立った。
目指すは、急に呼び寄せられて地面に座り込んだまま、何が起こったのか理解し切れていない小沢。

「・・・おいっ!」
傍らの小沢へ、小沢は鋭く呼び掛ける。
呼び掛けられた方の小沢がはっと我に返っても、もうエネルギー弾は目前に迫っていて。
ドン、という鈍い音が響くと共に、小沢の周辺にエネルギー弾がはじける衝撃と土煙が広がった。
「・・・まずは一人。」
喉を絞められていた際に滲んだ汗もそのままに、男はニタリとカウントする。
そしてこの土煙が晴れる前にもう一人も沈めてしまえば、もう遊びはお終い。
インカローズに意識を集中させ、男は生まれた黒ずんだ赤い輝きの中からエネルギーを練る。
もちろん、土煙が晴れる前でもその中から姿が見えたなら、その時点で撃ち抜くつもりではあるが。

それも、小沢としては察しているのだろう。

  「君はもともと大空にいたんだろ・・・飛ぶ事を忘れた僕の天使!」

土煙のさなかで祈るように発せられる声と、指を鳴らす音が上がって。
小沢なりの攻撃の言霊なのかと男が一瞬身構えた、その時。

「・・・おうよっ!」
小沢の声とも、井戸田の声とも異なる威勢の良い声が響いたかと思うと、
淡い紫の輝きを纏った大きな影が土煙の中から飛び出て、男の頭上を通り抜けて背後へと着地した。

「何・・・っ?」
まさしく天使が羽ばたいたかのようなゆったりとした高度の高い跳躍に、
まさか頭上を悠々と通られるとは思わず、エネルギー弾を放ち損ねた男が素早く後ろを振り向くと。
小沢の身体を抱えた小柄で肉付きのいい男の姿が目に留まる。

「やっぱり結局こっちの身体の方がしっくりくるって訳か。残念だけど。」
さよーなら、視界が10cm高い世界。そんな事を冗談混じりに呟いてみせた小柄な男は、磯山。

もう一人の小沢の代わりに彼が現れたのは、決して小沢の言霊による物ではない。
これが、磯山が持つバイオレット・サファイアの片割れが持つ力だった。
相棒の野村の力が知識や技術面の変身なら、磯山の変身は肉体的な物。
己の筋肉や神経を強化する事もできれば、条件はあるけれどもこうして他人の姿を真似る事もできるのだ。
「貴様ら・・・。」
歯ぎしりせんばかりの形相で、男は苦々しげに呻く。
彼の持つ石による紫色の輝きを身に纏う磯山の身体に、ダメージを負ったような痕跡はなかった。
男の発したエネルギー弾は、すんでの所で変身を解いた磯山を攻撃目標と認識できず、
そのまま小沢の体格と磯山の体格の差によって生じた空間を通過して地面に直撃して
土煙を発させたのだった。

「・・・ゴメンね、俺、喧嘩向きの身体じゃなくて。」
「良いですよ。それより俺こそ、あいつの石を奪えなくて済みませんでした。」
本来の姿を取り戻した磯山と、小沢は互いに言葉を交わす。
今までの作戦は、自身の石の力を把握した磯山の発案による物だった。
『小沢が己の虚像を大量に呼び出して相手の目をくらましている間に、
 小沢の姿に変身した磯山が虚像に紛れて相手を叩き、石を奪う。』
けれど、もはやその作戦が叶わないのなら。

小沢を護るかのように、磯山は男に向かって一歩前へと踏み出した。
そのまま、後ろは振り向かずに、磯山は告げる。
「じゃ、小沢さん、例の言霊お願いします。」
「・・・ん。わかった。」
請われた小沢もアパタイトに意識を集中させる。

  「君のキッスくらい・・・とびきり熱いやつ頼むぜっ!」

言霊を告げて、小沢が指を鳴らした瞬間。
磯山の内側で血が熱く沸騰し、心に気合いの炎が燃え上がった。

「でも・・・無茶はするんじゃないよ。」
「いま無茶しなくていつ無茶するんですか。」
石を使用した事による疲労とも相まって、心配そうに告げられる小沢の呟きに
苦笑混じりに磯山は答え、大地を蹴れば。
紫色の輝きと小沢が付与した青緑の輝きを身にまとった彼の身体は
弾むような勢いで男へと突き進んでいく。

「さぁ、どっちが先に潰れるか・・・勝負といこうじゃねーかっ!」
ふてぶてしげに言い放つ磯山の背中を、小沢はまるで眩い物を見るかのような眼差しで見送ると
手に握り込んだアパタイトに呼び掛けた。
「・・・そろそろあなたも辛いと思いますけど、もう少しだけ・・・僕の我が侭を聞いてくれませんか?」
か細い小沢の言葉に、もちろんとでも言いたげにアパタイトは青緑の輝きを放って応じる。
手の中から伝わる力強い脈動に、小沢は真剣な面持ちながらも僅かに表情を綻ばせた。
今回はここまで。小沢さんの甘い言葉を乱発の回でした。


磯山良司(江戸むらさき)
石・・・・バイオレット・サファイア(乙)
能力・・・・己の肉体を変容させる事ができる。自分の筋力や神経を強化したり、
     条件さえ満たせば他人に変身してなりすます事もできる。
条件・・・・他人に変身する場合は、良く見知った相手か写真などの資料が用意できる相手に限る。
     また、変身時に野村に「まさに○○」「まるで○○みたいだ」とキーワードを発して貰い
     そのキーワードに「貴様、よくも見破ったな」などと返す必要がある。
     ただ、キーワードは別に直接でなく電話越しでも構わない。
     (ショートコント・「小悪魔」を参照)


野村さんが技術・知識面の変身でしたので、磯山さんはショートコントのイメージで肉体面の変身を。
643名無しさん:04/09/22 20:07:40
ageますよ
644名無しさん:04/09/22 20:15:54
誰も読んでないのに
645名無しさん:04/09/22 22:13:35
とても面白かったです!続きが気になりますが・・・
頑張ってください!
646名無しさん:04/09/24 02:07:37
ハイキックやパンチを繰り出そうとする分身小沢達の中にさりげなく混じった「指相撲で勝負を付けようとする小沢」に禿しくワラタ
647名無しさん:04/09/24 02:37:08
突然ですまんが、カンニング書いてもおk?
といっても、まだ最初しか書けてないんだが。
648名無しさん:04/09/24 09:25:51
>>647
是非見たい。お願いします。
649名無しさん:04/09/24 15:28:25
>>646
そのレスで初めてその事に気づいてバカウケ。
>>647
見たい。楽しみにしてます。
650河さん:04/09/24 15:39:11
あのー、私も皆さんと一緒に書いてもいいですか?
651河さん:04/09/24 15:59:07
私、麒麟の大ファン何です。私にも麒麟の短編書かせてください。
156=421さん、お願いします。
652河さん:04/09/24 16:00:32
私、麒麟の大ファン何です。私にも麒麟の短編書かせてください。
156=421さん、お願いします。
653名無しさん:04/09/24 16:03:59
まずsageてからお願いします。
654ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:39:39
自分におかしな力が宿ったという事実に気付いたのは、つい最近だった。

自宅の鍵にキーホルダーとして括り付けている、黒く重い石を目の前で揺らしながら見つめる。
これを手にした時から、自分の、多忙ながらも平穏な日々は崩れ去っていった。
石を手に入れようと自分に襲い掛かってくる芸人たちと対峙しては倒し、の繰り返しは
体力だけでなく精神力をも大幅に消耗させられる。
それだって一度や二度なら、まだ大目に見ようという気にもなれなくはないのだが、
そういった輩があまりにも多い事に、塚地は心底うんざりしていた。

──血気盛んなのは多いに結構やけど、その気力を何で笑いの方に持っていこうとせんのや。

勿論石をいい方向に使おうとしている芸人も何人もいる。
同じ事務所で言えばアンジャッシュ。
どうやら彼らは悪意に満ちた石を封印するため、あちこちを奔走しているらしい。
他の事務所でも、スピードワゴンやくりぃむしちゅーなどがその類に入るだろう。
塚地は彼らを立派だと思うし必要とあれば手助けだってするが、
正直自らを奮い立たせてまで同じ事をする気にはとてもなれなかった。
そして、石を持つ芸人の中でもおぎやはぎだけは何を考えているのか掴めない。
しかし塚地が知るあの二人の性格上、彼らは己自身や大事なものの安全を脅かされるような事がなければ
然して善悪や敵味方など──いや、むしろ石の存在自体も気に留めない様な気がした。

とにかく、だ。
そんな厄介な石のせいで被る迷惑だけでも苛々しているというのに、それに加えて。
655ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:40:34
「おい鈴木!お前人目につくとこで力使うなって何回言うたら分かんねん!」

鍵をポケットに仕舞うと、思いきり机を叩いて相方の名前を呼ぶ。
手のひらがじんじん痺れる感覚がしたが知ったこっちゃない。
「えー、何だよ塚っちゃんケチケチすんなよー」

不満そうに言う鈴木の様子は、傍目から見るとかなり異様なものだった。
その細身な体は地に足を付けておらず、まるで宇宙空間に存在しているかの様に宙を漂っている。

「ケチとか言う問題とちゃうやろ。誰かに見られたらお前どないすんの?」
「あー、まあ大丈夫でしょ」
危機感の欠片もない事を言いながら、鈴木は部屋の中をふわふわと移動する。
鈴木が通った箇所に置いてある物が彼の『領域』に入った瞬間ふわりと浮き上がり、
彼が離れると音を立てて床に落ちていった。
656ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:42:13
「お前な…もし石を狙ってる奴らに見つかったらまた襲われんねんで」
塚地が過去の経験を思い出させる様に言うと、鈴木は顔を顰めたりするでもなく至って普通に答える。
「うわーそれはやだなー、めんどくせえし」
「せやろ。それに関係ない人らまで巻き込んだらどないすんねん。石の力が闘り合えばただじゃ済まんで」
「うーん。あ、でもさあこの力でビックリ人間とか言って特番組めるんじゃねえ?」
人の話をほぼしっかり聞いていないであろう鈴木の言葉に、塚地は頭の奥に鈍い痛みを覚える。
どうして普通に会話するだけで話がおかしな方向へ逸れるのかと、彼には不思議でならなかった。
「……お前人の話聞いとったんかい…」
「なーんだよ聞いてるじゃんかよ」
言いながらも鈴木は力を解く事なく、通常の重力では出来得ない様な事を色々試していた。
水の入った紙コップをひっくり返し、自分と同様に宙を漂う水を見ては驚き、
身体を地面と水平にして壁を歩くふりをしてはそれを塚地に見る様に促す。
塚地は心底疲れた風に机に片肘をついて、擡げた頭を重たそうに支えていた。
「ほら見て見て塚っちゃん!俺ドアノブの上立ってる!塚っちゃん出来ないっしょ!」
「アホか!さっさと力解けや!!」
657ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:43:37
扉の細長い取っ手に両足を乗せている鈴木に塚地はそう叫ぶ。
もはや塚地の中では力の存在が知られたら厄介だという考えより、
このどこか不毛な会話を一刻も早く終わらせたいという思いの方が強く、そして切実なものになっていた。
「もー怒んなって。わーったよやめるよ」
鈴木は呟き、石を取り出して、あろうことかその体勢のまま力を解こうとした。
「あ、おい!お前そっから…!」
塚地が急いで鈴木を止めようとするが、その声は一足遅く。

──バキッ
カラン。

何かが折れ、そして落ちる音がして、直後に鈴木の体が床に降り立つ。
塚地はこめかみを押さえて、深くため息を吐いた。
「あっ」
鈴木が足元に視線をやり、素っ頓狂な声を上げる。
床には、先程鈴木が上に立つふりをしていたドアノブが無残な姿で転がっていた。
「…あのなあ、そのまんま力解いたらお前の全体重かかって折れるっちゅうねん…」
「そんな事ねえよ!塚っちゃんが乗るならともかく俺で折れるなんてこれが古かったんだって!」
「うっさいわ!てかそういう事言うの少しは躊躇えや!」
何気に失礼な事を言い放った鈴木を怒鳴りつけると、塚地はドアノブ『だった』金属を拾い上げた。
658ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:44:45
「うーわ…見事に折れとんな」
「塚っちゃん頼む!直して!」
顔の前で手を合わせて懇願する鈴木を見て、塚地は大袈裟に肩を竦めてみせる。
「ったく…こんなんで力消耗させられるとはなぁ…」
ぶつぶつと文句を言いながらも扉の前へ向かう。
しゃがみ込んで元あった場所に手にしたそれを合わせ、片手で支えながらポケットの石を漁った。
見つけ出した石を指先で摘むと、スッと目を閉じて意識を集中させる。

すると、折れていた金属部分は形をぐにゃりと変え、元あった位置にするすると巻き付いていく。
形が整ったところで表面は液体の様な状態から徐々に凝固していき、暫くすると完全に元通りになった。
「よっしゃ。これで完璧や」
「おー!おー!やっぱすっげえなー塚っちゃんの力!」
そう言って息を吐く塚地の隣で、鈴木が感嘆の声を漏らす。
塚地は満足げに笑んで、確認のために何度かがちゃがちゃとドアノブを回した。
「おっし直っとる。お前もう少し気ぃ付けえや」
「ごめんって。今度からはドアノブには立たないから」
「いや、そういう問題とちゃうて」
ビシ、と鈴木の胸に突っ込みを入れながら、これ本来なら逆とちゃうんか?と塚地は頭の片隅で考えた。
659ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:47:19
「あ、塚っちゃん塚っちゃん」
石を財布に仕舞いながら喋りかけてくる鈴木に、塚地は目線だけを寄越す。
目が合ったその顔は普段とは違う真剣な面持ちで、思わず塚地も顔を強張らせた。
そのまま、鈴木が次の言葉を紡ぐのを待っていると。

「結局さあビックリ人間の特番どうする?あ、誰かに提案してみよっか?」

珍しく真面目になったと思えば、あまりにも能天気な台詞に塚地の体が固まる。
あれだけ石の力が及ぼす危険性を説明された上でのその発言は、
それらすべてを全く理解していない、もしくは真面目に捉えていないとしか思えなかった。
「聞いてんの塚っちゃん?」
黙り込んだ塚地に、鈴木が不可解そうに首を捻ってみせる。
しかし塚地は何も答えず、そのまま二人の間に白々とした沈黙が数秒続いた後。

「お前アホかーーーーー!!!」

大きな体の隅々まで響かせた様な塚地の声が、辺り一帯の空気を震わせた。



そして少し遡り、鈴木がドアノブに立つ振りをしていた頃。

「ええー?何これ何これ!?俺?俺の力!?」
「え、え??多分そうじゃないの?うわー浮けるんだー、すごいじゃん」
ドアの向こうをたまたま通りかかったアンガールズ・田中が鈴木の力の影響で浮き上がり、
山根と二人で石の知られざる力ではないかとうろたえていた事を、塚地たちは知る由もなかった。
660ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:51:38
塚地武雅(ドランクドラゴン)

石・・・・ヘマタイト(鉄の酸化物で、黒ダイヤとも呼ばれる。自身と勇気を与える石。)
能力・・・・金属の形状変化。頭の中でイメージすると金属をその形に変える事が出来る。
物を壊した場合、内部まで元通りに直せる。
条件・・・・金属の質量自体を変える事は不可能。
そのため武器などを作ろうと思ったら、それなりの量の金属が必要になる。
また、錬金術ではないので銅やすずなどの卑金属を金などの貴金属に変えたりは出来ない。


鈴木拓(ドランクドラゴン)

石・・・・ジャスパー(太陽エネルギーと共鳴し、大きな力が得られる。)
能力・・・・重力操作。力の放出量によって重力を変えられる範囲も変わる。
条件・・・・力は本人にも影響するため、鈴木の体が耐え切れない程の重力変化は不可能。
あまり長時間使い続けると空間に歪みが生じ、半径1km以内のどこか別の場所へはじき飛ばされる。


器用そうと言うか芸達者な感じの塚地と、何となく地に足が付いてない様な鈴木、って事で。
661ドラドラ短編 ◆IpnDfUNcJo :04/09/24 19:55:04
>>660修正です。

>あまり長時間使い続けると
正しくは「あまり長時間使い続ける、もしくは広範囲に渡って使用すると」
662647:04/09/24 21:27:16
カンニング編を申し出た者です(口調違いますが、自分の作品を読んでくれる人が出来るかもしれないのにタメ口はどうかと思っただけなんで気になさらずに)。
一応導入部(?)は書けたんですが、2人に割り当てた石が競争率高そうなもの(ルビー&サファイア)なんで一応確認を・・・・・・
もしルビーとサファイアを使う予定の人が居たら名乗り出てもらえますか?
663名無しさん:04/09/24 21:43:07
あれ?ルビー・サファイア・ダイア・エメラルドは本編では使わない設定じゃなかったっけ?
競争率高いのと、4つの石は強い力を秘めてるから後のちの伏線になるとかって話があったような・・・。

できれば他の石がいいのかも・・・。
664名無しさん:04/09/24 22:07:12
>4つの石は強い力を秘めてるから後のちの伏線になる
初めて聞きました・・・。
665名無しさん:04/09/24 22:30:14
導入部…長編になるのか?
頼むから156=421さんの話をぶっ壊すようなものを投下するなよ。
書き手さんにも書き手さんの考えてる続きあるんだからな。
666名無しさん:04/09/24 22:34:50
>>664
261さんが言ってます。

>・石の中でも、特に価値の高い(宿る力が高い)輝石には、魂が宿っている(ルビーやサファイヤ、ダイヤモンド、エメラルドなど)
> それは、古くは戦前からお笑いの歴史を築いてきた去る芸人達の魂の欠片が集まって作られたかりそめの魂であり、
> 石の暴走をなくす為にお笑い芸人達を導く、みたいな。

気に入らなければ、スルー可能だそうです。
667647:04/09/24 22:53:46
>>665
長編って程ではない予定です。
恐らく3〜4話でまとまると思うので。

>>666
こんな事言っても信じてもらえれないかもしれないけど、それ書いたの私です(ニガワラ
自分で言い出した設定自分でぶっ壊してどうするって話ですが、スルーさせてください_| ̄|○
668名無しさん:04/09/24 23:53:46
でも、現在執筆中さんのでルビーとエメラルドは出てこなかったっけ?
669名無しさん:04/09/25 00:31:16
>>668
あれは番外だからねえ。でも>>647さんが決めた設定ならいいんじゃない?番外っぽいし。
楽しみにしてます!
670名無しさん:04/09/25 06:40:56
ドラドラ編乙!アンガールズの二人にワロタ。
キングや東京03や北陽、CUBE・・・人力のほかの面々はどういう石を持ってるのかな・・・。
671名無しさん:04/09/25 10:52:15
キングのボケ…奇面フラッシュ
672名無しさん:04/09/25 11:05:17
ドラドラ編おつです!
やっぱり何も考えてない鈴木と苦労性の塚地がらしくて良かった。

エレキコミック使ってる人、出そうとしてる人いますか?
ちょっと話を考えているのだけども
673名無しさん:04/09/25 17:59:33
書き手の皆さま乙ですー。
なんだか人が増えてきたようで、活気が出てきましたね。
私は文才無いんで見てるだけなんですが、本当に楽しく覗かせてもらってます。

>>670さん
東京03・角田…声で衝撃波が出るなんつって
>>672さん
エレキ読みたいです!賛成1人ノシ
674名無しさん:04/09/25 19:13:16
カンニング書く人頑張って。
わざわざ自分で作った設定をスルーしてそれを指摘されてもルビーとサファイア使うぐらいだからさぞかしいい出来なんだろうな。
楽しみにしてるよ。
675名無しさん:04/09/25 19:25:04
>>670
東京03、設定だけならちょっと考えてた。

飯塚悟志(東京03)
石/アウイナイト
能力/声を衝撃波にする。大きな声であればあるほど威力は大きくなる。
条件/喉に障害がある場合(風邪で声が出ないなど)威力が極端に落ちる。
また、万全の状態であっても声を出し過ぎるとパワーの消費が激しくなり、
無理に使い続けると声が出なくなってしまう。


豊本明長(東京03)
石/ブルータイガーアイ
能力/相手に度のきつい眼鏡をかけさせる。
一度かけたら豊本が力を解くまで外れない。
条件/一つ眼鏡をかける度に豊本の眼鏡の度数が落ちる。(力を解除すれば元に戻る)


角田晃広(東京03)
石/ラピスラズリ(瑠璃)
能力/物凄くポジティブになる。精神的な攻撃は一切受け付けない。
条件/常にハイテンションでいるため、体力の消耗が激しい。
また、身体能力は通常の状態と全く変化がないので肉弾戦には不向き。

あくまでも一例なんで、他に03考えてる方いたらスルーして下さい。
676名無しさん:04/09/25 20:47:14
>>675
乙です。とよもっちゃんの能力にウケた。
677名無しさん:04/09/25 21:17:04
カンニングもエレキも読みたいです!投下希望ノシ
678名無しさん:04/09/25 21:32:40
いきなり投下。三拍子の一例です。

高倉 稜(三拍子)
 石:アポフィライト(和名:魚眼石。柔らかいので加工品はあまりないそうです)
 能力:過去を見ることができる。
 条件:辿る過去に制限は無いが、自身の目で過去の風景や事象を見るので
術者の体力に左右される。1度に長時間を遡ったり、短時間でも何度も遡ったりすると、
集中するのでとっても疲れる。
そして使用の際には、実際の時間との対比としてアナログの時計が必要。
なくても使えるけど、目安として。

高倉さんといえばあの大きな目が特徴なので、「見る」ことに関連した
能力を置いてみました。
679名無しさん:04/09/26 00:41:09
>>674
カンニング、ルビーとサファイア売っちゃいそうだなw
680名無しさん:04/09/26 13:38:56
カンニングって番外編?それとも本編?本編なら伏線に使う人いなきゃいいけど・・・。
681名無しさん:04/09/26 17:48:40
まとめサイトに自分の書いた物が載ってて嬉しかった…。管理してくださってる方ありがとうございます。
682河さん:04/09/27 17:26:01
キングコングの短編でも書いてみましょうか
683名無しさん:04/09/27 17:40:01
>682
いいかげん痛いぞお前
684名無しさん:04/09/27 21:15:14
書いたらどんどん投下お願いします!
685672 ◆1En86u0G2k :04/09/28 10:20:04

−某地方にて行われる『お笑い芸人大集合ライブ』まであと数時間。
簡単なリハーサルも終え、出演するほとんどの芸人が暇つぶしと観光に外へと繰り出していく。
仲の良い芸人達と真っ先にその場を飛び出していたはずのエレキコミック・谷井は、
会場から数えて2つめの交差点で「ごめんおれキャンセル!」と言うなり唐突に踵を返していた。
それは特に自分たちの別行動を憂いたわけではなく、楽屋を出る間際、
周囲の誘いの声を断って携帯ゲーム機を取り出す相方・今立に親しげに話しかけていた一人の共演者が
やけに気になっていたからだった。

自分たちの周りは最近やたらと浮き足立っている。
楽屋の片隅でひそひそと話し合う者が増えたし、芸人の不自然で唐突な交友関係も目立つようになった。
そして仕事仕事の合間には誰々が喧嘩した、怪我をした、体調を崩した、と
今までにない発生率で芸人の様々なトラブルが耳に飛び込んでくる。
686672 ◆1En86u0G2k :04/09/28 10:21:04
確信はなかったけれど、自分の直感にはなぜか自信が持てた。
「…絶対あれの話だ」
無意識に押さえた左手のリストバンド。その裏には小さな石が縫い止められていた。
その男とそれほど親しくはなかったが、石を手にした芸人であることは互いに知っていたし、
なにより男は石の力を利用して良からぬことを画策する、いわば危険人物としてひそかに注目されていた。
最近では今まで交流が浅かったはずの芸人たちと接触していることが多いらしい。
それが仲間を得るためなのか、逆に邪魔者を排除するための行動なのかまではわからないが、
今立もまた彼との接点は薄かったし、また石に関して男と友好関係を結べそうな思想の持ち主でもなかった。
だとすれば、この不安もそう見当違いではないだろう。

問題は谷井も今立もまだ自分の石に込められた力を知らない、ということで、
それはたとえ今相方が石の力によって危機にさらされていたとしても成す術がないし、
自分が助けようとしたところで、まとめて叩きのめされる可能性の方が大きいことを示していた。
石を使いこなせ、信用もできる共演者が何組かいたのを思い出して、彼等の力を借りるべきだったかと
後悔したが、今からでは手遅れになってしまうかもしれない。
…やはりここは、自分が行くしかない。
背中を流れたいやな汗を極力気にしないようにして、足早に会場への道を戻る。
(身を守れるもんとか、あった方がいいのかな…)
きょろきょろと左右を見回しながら歩く谷井の姿は胸に秘めた決意に反して、
面白い以外のなにものでもなかった。
687672 ◆1En86u0G2k :04/09/28 10:22:48
楽屋前の廊下の奥にはひっそりと階段がある。それを2階分昇り、さらにその奥の奥。
埃の積もった機材や段ボール箱が乱雑に積まれたそこは物置き代わりにされているらしく、
通るものはおろか階下で忙しく行き来しているスタッフの声も聞こえない。
そんな場所で今立はひとりの芸人と対峙していた。先程楽屋で声をかけてきた、例の男だ。
自分の石をちらちらとかざしながら、男はゆっくりと噛んで含めるように言葉を放つ。
「悪い話じゃないだろ?これ使ってちょっと頑張るだけで思い通りだ、」
自分に酔ったような声色とその石を今立は首を傾けたまま無表情に見つめていたが、やがて答えた。

「…さっきも言ったろ。俺は乗らない」
「なんでだよ?悪いようにはしないって、」
「乗らないっつってんの」
言葉を遮り、語気を強めた今立の回答に相手は露骨に残念そうな、そして不機嫌な表情を作ってみせた。
「…もうちょっと、頭いいと思ってたんだけどなあ、お前」
今立はひとつ息を吐くと、咎めるような視線を真っ向から睨み返す。
「俺はエレキやってんだよ、言っとくけど。バカで結構」
決裂を示す居心地の悪い沈黙がほんのわずかの間、流れた。
「…話ってそれだけ?」
なら俺もう行くわ、と楽屋へ戻りかけた肩が阻まれる。
なにすんだ、と抗議しようとした今立の視界は、急に放たれた緑の閃光に奪われた。
「しょうがないか。じゃあ邪魔な奴は消す、ってことで」
男のどこか楽しげな声を合図に、殴られたような強い衝撃が彼の身体を襲った。
688672 ◆1En86u0G2k :04/09/28 10:26:24
谷井が楽屋奥の薄暗い廊下の先に目をとめたのは、楽屋に戻ったものの2人を発見できず、
思い付く限りの場所を散々探した10分ほど後のことだ。
「階段…」
そういえば誰かがふざけて探検してみようぜ、とか言ってなかったっけ。
走り回ってすっかり切れ切れの息を整えようと試みつつ、今まで忘れていた自分自身に舌打ちが出る。
探検するぐらいの所なら、秘密の話にこれほど適した場所もない。
…あいつも今立も多分、この上にいるはずだ。
意を決して一段目に足をかけた途端、上から堅いものが落ちたように高く弾ける音と、それに続いて
複数の物が倒れる低い音がかすかに響いてきた。
「っ!」
まさか、もうはじまっちゃってるのか!
つんのめりながら階段を駆け上がる谷井のその左腕はいつのまにかぼんやりと淡く光っていたが、
必死に走る彼に石のはじめての変化に気づけるだけの余裕はまだ、なかった。
689672 ◆1En86u0G2k :04/09/28 10:33:41
そんなわけでエレキ話いってみました
短くさくっといくつもりがなんだか予定より長くなってしまいました

拙い部分も多いかと思いますが
どうか笑って許してやってください
あと何回か、続きます。
690名無しさん:04/09/28 11:41:37
エレキの能力はどんなのだろう?楽しみだなぁ。

芸人個々のストーリーが、スピワ:麒麟あたりの大本の話に繋がって、西と東がどういう風に出会って、ユニットがどう出揃うか…と楽しみに想像しています。
書き手の皆様お疲れ様です。
691sage:04/09/28 20:45:19
少し品庄話を考えているのですが、
書いても良いですか?
692名無しさん:04/09/28 22:08:57
良いと思われます。品庄好きなので楽しみです!

ピン芸人の話も有りですか?
長井秀和・劇団ひとり・波田陽区の話を考えています。
(番外編みたいな感じで、本編とはあんまり関係ない話です。)
完成したら投下したいと思っているのですが、
今どなたかこの三人で話を考えている方いらっしゃいますか?
693名無しさん:04/09/29 00:02:13
オデンヌさんが長井使いたいって言ってなかったっけ?
降臨待ったほうがいいかも・・・。
694名無しさん:04/09/29 02:05:03
>>693
番外編なら問題ないのでは。オデンヌさんお忙しいようだし。
番外編ならいいんじゃない?あの・・・自分もおぎやはぎで
ちょっと短編かきたいんですけどOK?
696名無しさん:04/09/29 02:18:05
うお、久しぶりです。楽しみにしてますんで・・・。氏のおぎやはぎネタ好きですよ
「悪いな〜、いつも。小木が作ったお弁当超うまいからよ〜。」
「いいんだって、矢作の力のおかげなんだしさ。」

 相変わらずのんびりまったりとした時間が流れている。楽屋で二人、仲良さげに広げている弁当は
小木の手作りのもので、家庭料理風の玉子焼きや、おにぎりが並んでいた。
「うわ、この玉子焼き、お母さんが作ったのとおんなじ味じゃん。」
 矢作が玉子焼きをうまそうに頬張るのを小木がにこにこと眺めていた。
「あれ、矢作、ちゃんと野菜も食べなきゃダメだよ〜。それに口にご飯粒ついてるよ。」
「ん?」
 そう言って小木は矢作の口の端についている飯粒を指で拾うと口にそのまま運んだ。
「あ・・・すまねえな。小木。」
「いや、いいんだよ。それよりパセリもちゃんと食べてね」

 まるで母親のようにかいがいしく世話をする小木に矢作は何も言わずにただ、世話をうけている。
小木の能力はただ「どんな職業の能力もコピーできる」といったものだったが、何故か性格までトレースしてしまうらしい。ただ、それは石の能力によるものか、本人がただなりきっているだけかは矢作にもわからなかった。

今はちょうど「料理好きの主婦」の能力をコピーしているために、まるでお母さんのような性格になりきってしまったらしく、かいがいしく矢作に世話を焼いているわけだ。

「ほんと小木の力さまさまだな。こんなにうまい弁当が食えるなんてよ。」
「何言ってるんだよ。矢作が電話で暗示かけてくれたからでしょ。」

 また、のんびりまったりとした時間が流れようとした、その時だった。
「おぎやはぎさんですよね。石を渡してもらいましょうか?」
多分コンビであろう、怪しい陰が二人に忍び寄ってきた。
 怪しい闖入者に思わず矢作の眼光が鋭くなる・・・。
「そうだけど・・・。誰?」
 見たところ二人の知らない芸人のようであった。きっと「石を手に入れれば有名になれる」
だとか思い込んでいる若手か、まだ養成所に通っている芸人見習いか・・・。

「そんな事、どうでもいいじゃないですか。多分貴方が知らない芸人です。・・・・いや、芸人にもまだなっていないかな。ただ、貴方達が石を渡してくれれば危害を加えたりはしませんよ。」

二人の男たちは、おぎやはぎに少しづつ詰め寄っていった。いつの間にか小木は能力を解除したらしく
眠たげに男達を、そして矢作を見ていた。矢作と目が合う。うなづき合う。そして覚悟を決めた。

「ねえ、君たち・・・。」
「良かったら矢作と二人分の石あげるよ。ほら。」

 そういうと、あっさりと男達に石を渡した。
「はあ?!」
余りにもあっさりと大切なはずの石を渡したもので、男達は石を手にしたまま呆然と立ちすくんでいた。
「いいんですか?大事な石なんですよ?!」
 ツッコミらしい茶髪の男が思わず声を上げた。多少抵抗はするかと思っていたが、まさかこんなにあっさりと大切な石を渡すとは思わなかったからだ。おぎやはぎは平然と男達を見据えていた。

「だってなあ・・・。別に石を悪い事とかに使わないしなあ・・・。」
「そうだよね。別にあげちゃっても大丈夫だもんね。」
「あ、でもよー・・・。」

矢作が何かに気づいた様に小木の方を向いた。
「石渡しちゃったら、あの人らに怒られるんじゃねーの?」
「あの人って、スピードワゴン?くりぃむしちゅー?」
「いや・・・なんかさ、俺らに石大事に持っとけっつったじゃん。どうする?」
「う〜ん、確かに言ってたような・・・でもさ、石渡しちゃって、この人達とか、他の奴らとか俺達に攻撃したらヤダね。」

 まるで石を持っている二人など目に入らないように話を進めている。おぎやはぎの石を持っている二人の芸人(いや、この場合は見習いといったほうがふさわしいだろうか?)は
二人を呆然と見詰める事しかできなかった。
「でもさ、もし渡しちゃったら矢作のこと、守れなくなっちゃうよね。」
「バカ。何言ってるんだよ〜。俺が小木守るんだって。」
「いやいや、矢作のおかげで石の能力使えてたんだから。お前がいなきゃ何にもできないんだからよ〜」

「何言ってるんだよ。お前の能力のおかげでオレだって助けられてるんだから…。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」

余りにも緊張感のない場面でボケであろう黒髪の男が叫び声をあげた。
「いつまでやってるんですか?!とりあえず石を手に入れたらこっちのもんだ。あんたたちには当分
再起不能になってもらいますよ!」

おぎやはぎの二人は誉めあいをやめてこちらの方を見た。
「あら、どうする?ほんとに敵みたいだね。」
「そうだなあ・・・。とりあえず石を返してもらわなきゃね。」

矢作がチョコチョコと自分の石を手にしている男達に近づく。
「ごめんね。やっぱり石返してもらうかんね。」
「はあ?あんた、何言ってるんですか?そんな事できるわけないでしょう。」
 石を手にしているツッコミらしき男がバカにしたような笑みを浮かべた瞬間だった。
矢作が男が手にしている石に向かって叫ぶ。

「その二つの石を渡すんや〜!!」
「・・・・・!!!」

間の抜けた関西弁で矢作が叫んだ瞬間、男の手のひらの石がまるでカメラのフラッシュの様に強烈に発光した。
「はい・・・どうぞ・・・。」
石を手にしていた男はふらふらと操られたように矢作に石を手渡した。
「どうもありがとうね。」
一つを小木に向かって投げ、自分のポケットにしまう。

「お前、何渡してんだよ!!」
「え?!オレ、今何したの?」
 やっと我に返ったツッコみらしき男にボケらしき男が声を荒げた。矢作の能力によって暗示にかかり、
無意識に石を渡してしまったようだ。

 矢作は先ほどの暗示でかなりの力を使ったらしく、今にも倒れこみそうに肩で息をしていた。
「矢作・・・?、平気?」
「ぜぇぜぇ・・・。ん・・・何とか・・・。」

「石を寄こせ!」
「うわぁっ!!!」
 ボケらしき男が弱っている矢作を突き飛ばす。
「矢作ぃっ!!!!」
 そのまま矢作の上に馬乗りになり、ポケットを漁ろうとする。そのままツッコミらしき男に向かって叫ぶ。
「早く・・・早く石をよこせ!!!おい、押さえつけろ!」
「とりあえず、矢作さんをさらってからにしよう!小木さんは何もできないって。」
「・・・うわぁ・・・小木ぃ・・・!!!」

矢作の悲痛な叫び声を聞いた瞬間、温厚な小木の中で何かが弾けるような音がした。

おろおろと事態の進行を見守っている顔から一瞬にして何の表情も伺えないような、冷酷ともいえる無機質な顔つきになった。

「あんたたち・・・いい加減にしなよ・・・。本気で殺しちゃうかもね。」
 小木のまるで底の見えない湖のような暗い眼差しと、その表情から男達はゾクリと背筋の凍るのを感じた。
 得体のしれない恐怖を振り払うように叫ぶが、ツッコミの男には恐怖がにじんでいるせいか、うまく声を荒らげる自信がない。ツッコミの男が矢作の首を掴んで立ち上がりと叫んだ。

「あ、あんたねー、矢作さんがどうなってもいいんですか?こっちはナイフ持ってるんだ!石を渡さないと・・・!」

矢作を無理やり引き起こすとナイフを首筋に構えた。
「・・・・・・お・・・ぎ。にげ・・・ろ。」
 矢作はぐったりと目を閉じたまま、小さな声で小木の名前を呼んだ。さっき、男に押し倒された時に頭を打ったんだろうか?

「矢作・・・、ただうなづくだけでいいから。」
「・・・・・・?」
「オレ、特殊部隊の傭兵になりたい。すげえ強い暗殺者にどうしてもなりたい!」

 矢作が完全に気を失う瞬間だったのか、それとも頷いたせいだったのか首をガクリと落とした。

承認だね・・・。

その瞬間、小木の石がまばゆいばかりに発光し、目つきが一瞬で変化したように見えた刹那。矢作の首筋にナイフを構えるツッコミ風の男に音もなく近づくと手刀をナイフと首筋にたたきつけた。
「うわぁあっ!!!」
ガクリと気絶する瞬間、崩れ落ちる矢作の身体を打って変わったように優しく抱きとめると、ゆっくり床に寝かせる。
「え?あ・・・?嘘だ・・・?」
 小木の能力による変貌ぶりと、崩れ落ちる相方に男が呆然とした瞬間だった。
「ぐわっ!!!」
 首に巻きつく小木の腕の存在を感じた。
「ねえ・・・本気で折っちゃうからね。で、どっからこの石のこと知ったの?」
「ぐ・・・、ぐぅ・・・っ。」
「ねえ・・・教えないと本当に首折っちゃうよ。矢作をあんな目に合わせてこっちは気が立ってるんだからね。」
 気が立ってるとは思えない小木の無機質な声と、ギリギリと締め付けられる小木の腕から逃れようとしても、ビクともしない。けして体力に差があるとも思えないのに・・・。

 これが石の力のせい?このままじゃ、本当に殺される・・・。

 男が苦悶の表情を浮かべながら口を開いた。
「それは・・・彼らが・・・『黒いユニット』・・・・・・。」

 その瞬間、男の身体が発光した。バシッ!!!という砕けるような音がした。
「うわぁっ!」
 特殊部隊になりきっている小木は光から目をつぶる。視線を男に戻すと、気絶していたはずのツッコミの方の男が
さっきの凶悪な様子からは別人のようにキョトンとした顔で小木を見つめていた。
「小木さん?何やってるんですか?」
「・・・・・・?」

首を絞められているボケの方も驚いて手足をバタつかせている。
「小木さん・・・!苦しいっすよ!何してるんすか?!」
「あ、ごめんね。」

 力を解除させ、締め上げている首から腕を放した。さっきまでの男達とは別人のようだ。
「ねえ?どうしたの?」
「そんな事、こっちが知りたいですよ!ぼうっとしてたら矢作さんも相方もぶっ倒れてるし、小木さん首絞めてるし。」

 すっとんきょうな二人のやりとりに気が付いたのか矢作がうっすらと目を開けた。
「矢作!大丈夫なの?」
「小木・・・こいつら・・・・何も覚えて・・・ないんじゃねえの?」
「え?」

「覚えて・・・ないの?矢作襲ったり、石を・・・。」
 二人の見習いの男達は不思議そうに小木を見つめていた。

「え?石ってなんですか?俺ら養成所の稽古場に行ってたらなあ?」
「うん。気が付いたらここにいるし・・・、矢作さん倒れてるし、ナイフ落ちてて・・・小木さん、相方の首絞めてて・・・????」

混乱する若手達に小木と矢作は二人で思わず顔を見合わせた。
「これって・・・。」
「ああ、まずいよな。よし、何もかも、忘れるんや〜!!!!」
 すぐそばで石の能力の強い波動を感じ、スピードワゴンの二人がおぎやはぎの楽屋に急いでいた。
「大丈夫かな?あの二人!なんかヤバいことに巻き込まれてないといいけど!!」
「ああ・・・、最悪の事態を覚悟しといたほうがいいな!」
 石を握り締め、楽屋のドアを開けた。

「小木さん!矢作さん!」
「あれ〜?君たちどしたの〜?」
「・・・・・・え?」

ドアを開けるとそこには、のんびりと昼寝する矢作と手作り風のお弁当を囲む、小木と見知らぬ若手の姿があった。
「いや・・・「アレ」の強い力の波動というか・・・」
外部者がいるため、声が小さくなる。

「ん?気のせいじゃない?ずっと俺ら弁当食ってたよ。食う?」
「あ!スピードワゴンさんだ〜。」
「小木さんの手作り弁当最高っすよ!」

矢作は疲れたようにぐったりと眠っていた。すやすやと安らかな寝息を立てている。 

「・・・あれ?気のせいかな?」
「え・・・?だって・・・?」

「いいから食べなって。ロケ弁じゃ栄養偏っちゃうでしょ?」
 そういうと、小木は井戸田の口にミートボールを放り込んだ。
「はあ・・・。んぐっ、うまい!おざーさん!これバカウマだよ!」
 死語を叫びながら小木の弁当を頬張る井戸田を尻目に小木は小沢に近づくと耳元でそっとささやいた。

「『黒いユニット』に気をつけてね。」そういって黒いガラスのような小さな破片のようなものを渡した。
「小木さん、これ・・・?」
「さっき、あの子たちのポケットに入ってたの。何にも覚えてないみたいだけどね。人を操る力とかさ、あるんじゃない?わかんないけど。」
「・・・・・・。」

「おざーさん!弁当なくなっちゃうよ!うまいよ!」
「ホラ、小沢君、早く行きな。」
「あ、すぐいく〜!」 

 何かの前兆のような予感がした。この黒い破片のほとんど力は失ってはいるが未だ禍々しさを湛えている光には。

悪い事が起きませんように。みんなをお守り下さい・・・。

小沢はポケットの中の自分の石を握り締めると、黒い破片を鞄にしまい、井戸田の方へ向かった。

(終わり)
すいません・・短編のつもりが結構ダラダラした長編になってしまってすいません_| ̄|○

勝手に作った「黒いユニット」ですが全然スルーしてかまいませんので・・・。
ユニットと逆の考え方か、悪の集団があったほうがわかりやすいかなあ・・・と。
709名無しさん:04/09/29 06:53:57
面白かったです。弁当作る小木想像したらワロタ。
710名無しさん:04/09/29 16:42:46
じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ さん乙です!
黒いユニット良いですねー。本編とうまい事絡んでくれると面白そうですね!
でも、悪人って事になると難しいんだろうなー…。

672 ◆1En86u0G2k さんも乙です!エレキの能力気になりますねぇ。楽しみにしてます!
無理しない程度にがんがって下さい!
711156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:25:40

突如、強い光が辺りを照らした。

「いやっ!!もう何よ!?」
余りの強さに、友近は目を押さえて蹲る。
「川島っ!!」
光の先から聞こえてきた声に、川島は目を見開いた。
「…たむ…らっ?」
川島は伏せていたお陰で平気だが、友近はまだ目を押さえて蹲っていた。
そしてすぐに光の中から田村の姿が現れ、川島の体を抱き起こした。
「石の…力を…?」
川島は力無く田村を見上げる。
そんな川島に、田村は泣きそうな顔で答えた。
「当たり前やろ!!お前一人置いていけるかっ!!」
「田村…。」
田村は、川島を再び横にさせて友近の方へと向き直った。
「…川島、お前はいつも一人で背負い込みすぎるけどな…俺等二人で麒麟やないか。」
友近が怒りの形相のまま身を起こす。
田村は石を強く握り締めた。


「俺かて、戦える。」

その手はもう震えていない。
712156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:26:37

「もうっ!肌荒れちゃうじゃない!!アイツもやっちゃって!!」
ヒステリックに友近が叫ぶ。
しかし蝶はふらふらと見当違いの方向に飛び回る。
「な…何…あなた達、どうしちゃったのよ!?」
「なんかの漫画で読んだんやけどな…」
田村は不敵な笑みを浮かべながら石を構える。
「蝶っつうのは強い光があると方向感覚失うんやで!!」
田村の石が光を放った。

「おらぁっ!!」
田村は力強く腕を振り上げ、石の光によって次々と蝶を倒していく。
地面に落ちた蝶は、僅かに光を発しながら消滅していった。
大量にいた蝶も、少しずつ数を減らしていく。
田村は視界を蝶に邪魔されながらも、段々と友近の方へ歩み寄っていった。


その時だった。

「ぐあっ…!!」
後ろから聞こえた声に田村が振り向くと、いつの間に移動したのか友近が川島の腕をねじりあげていた。
「田村さん、そんなに相方が大事なら側に置いておかなきゃ。」
友近はまた妖しい笑みを浮かべている。
713156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:27:17

「川島っ…」「動かないでっ!!」
鋭い声をあげ、友近は石を川島の口元へ持っていった。
「ただでさえ弱ってるのに…更に毒を吸い込んだらどうなると思う?」
川島はなんとか抜け出そうと身を捻る。
しかし、石の力なのか、もしくは追い詰められたからこその力なのか、女とは思えないほどの力が川島を押さえ付けた。
「石を捨てなさい。そうしたら川島君を放してあげるから。」
石を手放す…つまり、蝶の攻撃をまともに浴びろということだ。
田村はぎり、と奥歯を噛み締めた。
―どうすればいい?
どうしようもなく、石を持った手を下ろした。

「田村ッ!!」

川島の声が響く。
田村は弾かれるように顔を上げた。
押さえつけられている川島の、その燃えるような目が田村を見つめていた。
その目を見た田村は、ぐっと唇をかみ締める。
そして、石を構えた。
714156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:27:57

田村裕(麒麟)
石・・・・白水晶(正式名:クオーツ)
能力・・・・光を発する。目を眩ませることにも使えるし、衝撃波とすることもできる。
    光には熱も伴うので、力を収束させるとかなりの高温になる。
条件・・・・使いすぎると体力を消耗する。
    自ら放つ光なので周りが暗い場所の方が力は強くなる。

何か少ないですが田村の能力です。
これから追加とか出てくるかもしれません。
715156=421 ◆SparrowTBE :04/09/29 17:28:39
またも短いですが続きです。
田村の石を開放させてしまいました。
コンビで対になるようにしたのですが、まとめサイトさんのタイトルがぴったりでビビリましたw

気が早すぎますが、次に書きたい麒麟の話。
白ユニット(仮名)話を書きたいと思っています。
前に次はアメリカザリガニを出すといっていましたが、考えてた能力が違う芸人さんの案で出てた…_| ̄|○
予定は未定であり決定ではないので、次には誰が来るか判りません。
716名無しさん:04/09/29 17:46:38
156=421 さん乙です
たむちゃんがカコ良くてビビりましたw
続き、次の麒麟の話楽しみにさせて頂きます
がんがってください
717名無しさん:04/09/29 17:47:25
>前に次はアメリカザリガニを出すといっていましたが、考えてた能力が違う芸人さんの案で出てた…_| ̄|○

角田と見た!
でもまだ案の時点だから、いいんじゃないすかね?
718716:04/09/29 17:47:53
すいません 次の話まだ決定してないんですね
先走りしすぎた…_| ̄|○モチツケジブン
719619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:00:06

「いいもん拾っちゃった」
庄司は道端で拾った石を品川に見せた。
一見ガラス玉の様なそれは、日光に反射してやわらかな光をちらつかせている。
「なんていうんだろ、これ。知ってる?」
綺麗だよなぁと言いながらそれをコロコロと転がした。
品川は庄司の石をじっと見た。
色、形は違うものの、それは自分の持っている石と同じような感覚がする。
数日前、石が「解放」した品川は、その日からよく襲われるようになっていた。
原因はやはり同じように拾った石だった。
人並み外れた力を手に入れようとする奴が多いのだ。
その中に能力つきの人間も少なくない。結構な人数が所持しているという噂も流れている。
さらに「能力」を使った後のダメージも大きく、損ばかりだ。
幸い、庄司の口ぶりではまだそれは「解放」していないらしい。
出来るなら、何も知らない方がいい。
「ただのビー玉なんじゃねぇの?」そう言って品川は立ち上がり、部屋から出た。
庄司はまだコロコロとビー玉のようなものを転がしていた。
720619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:00:55
缶ジュースを飲みながら、胸元の石を品川は取り出した。
割と大きめのその石は、自分に何か語りかけているようにも見えた。
「やっぱりアイツも持ってたのか・・・」


「何を持ってるって?」

物陰から突然、数人の男の声がした。
顔を見てもよく思い出せない。ここ最近襲ってくる奴がリーダー格のようだ。
手にはナイフのようなものを持っている。

「何か用か。」
「すぐに済みます。大人しく石を渡せば何もしません。」
「いい加減覚えろ。俺には勝てねぇって。」
「今日は人数が違いますよ。」
リーダー格は笑った。男たちが臨戦態勢に入る。

「何人来ても一緒だ」
一斉に男たちが品川に襲い掛かかった。
品川は掌に握り締めている石に力を込めた。石が内側から輝く。そして目を瞑った。

右から3人、刃物を持って突っ込んで来た。左からは4人。
そして品川の体をナイフが刺した。
721619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:01:37

男たちは笑った。品川は動かない。
しかし品川が目を開けると、その形勢は逆転した。
右の3人の男たちのナイフは3人の男たちを貫いていた。
そしてもう一人の男は、品川に殴られて床に落ちた。ナイフは品川の手にあった。
品川の周りに、気絶している男が一人、腕を押さえているもの6人が倒れた。
その光景に、男たちは血の気が引いていき、やがて逃げていった。

そして3分が過ぎた頃には、そこにはリーダー格しか残っていなかった。
「言っただろ。何人来ても一緒だ。」
そう言うと、またリーダー格は笑った。目が少し血走っている。
「そうですね。でも、今日は石を渡してもらいますよ」
「だから無理だって言ってんだろ。」
「いや、今日はあんたの石を奪います。
 俺も石を貰ったんでね!」
男は小さな欠片をポケットから取り出し、握り締めた。
するとみるみる男の腕が膨れ上がり、身長と同じ位までに膨張した。
「行きますよ!」

男の腕が振り下ろされる。品川は後方に下がった。
再び石を握りしめ、その場に立つ。そしてゆっくりと目を閉じる。

722619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:02:16

「どれだけ殴ろうとしても、俺には当たらない。」
男の腕は、品川の頭に振り下ろされた。

床に、男の腕の作った大きな穴と、倒れた男がいた。
「こんなんじゃ俺は倒せねぇ。」
黒い欠片は、品川に踏まれて粉々になっていた。

723619 ◆QiI3kW9CIA :04/09/29 20:07:39
品庄話、書いてみました。
黒い欠片の辺りはじゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ さんの
「黒いユニット」を借りました。ダメだったらすみません。
言葉使いが難しい_| ̄|○
724名無しさん:04/09/29 23:41:43
カンニング編を申し出た者です。
少し迷ったのですが、意を決して投下する事にしました。
もし不都合があれば番外編扱いにしてもらって構わないです。



『Blaze&Freeze』

1話・ささやかな変化〜或いは予兆〜

もう充分深夜と呼べる時間帯。
繁華街から少し外れた人通りの少ない路地を帰路に着く男が居た。
「暑・・・・・・」
少し神経質そうな仕草でずり下がった眼鏡を上げるその男は、カンニングの竹山である。
薄暗く細い路地を慣れた足取りで歩きながら、竹山はチラリと腕時計を見て眉を寄せた。
深夜の収録の翌日に朝からアルバイトの予定が入っていた事だけでも充分不運だったのだが、予定より押した収録のせいで更に睡眠時間を削らなければいけなくなったのだ。
現在の時刻と明日の起床時間を考え、思わず小さく溜息をつく。
その姿はひたすら怒鳴り散らすネタ中の彼とは正反対だが、本来それ程荒い気性では無い竹山にとってはこちらの方が“素の自分”なのだ。
それ以前に、もし竹山が常にネタ中と同じテンションだったならアルバイトなど出来るはずも無いのだが。
「?」
家に帰ってからの予定を思い浮かべ、少しでも長く睡眠時間を確保するにはどうしたらいいかを考えながら歩いていた竹山は、コツンと何かが足元にぶつかった感触に、ふと視線を下に向けた。
薄暗い路地のアスファルトの上、何かがキラリと光っている。
「・・・・・・石?」
屈んで拾い上げてみると、それは少し小粒の透明な紅い石だった。
澄んだ紅い色から考えると、ルビーなのだろうか。
専門知識の無い竹山にはそれが本物かどうか確かめる術は無いが、その石は地面に転がっていたにも関わらず汚れ1つ無く、美しい輝きを放っている。
「・・・・・・」
一瞬の逡巡の後、何かに引き寄せられるように竹山はその石を上着のポケット入れた。
725カンニング編 ◆XfMC.NGhQw :04/09/29 23:43:29

――――同時刻。別の街の、とある並木道。

竹山の相方である中島は、ゆっくりとした足取りで自宅へ向かっていた。
いつも通っている路地が工事中で、ここ数日は普段滅多に通らない少し奥まった並木道を利用しているのだ。妻はもう寝ているだろうし急ぐ必要は無いが、少し面倒だと感じるのも事実である。
所々にある街灯は電球が切れて役割を果たしていないものもあって道は薄暗く、両脇に植えられた木が影を落としている。
これで柳なんかが植わってたら怪談話の舞台にはぴったりだな、などと思いながら歩いていた中島は、視界の端に何か光るものを見つけ、立ち止まった。
無視して通り過ぎる事も出来たのだが、なんとなく気になって光が見えた方に歩み寄る。
「何だこれ・・・・・・石?」
道端にしゃがみ込んでそこに転がっているものを見てみると、それは小さく透明な蒼い石だった。
先程光っていたのはどうやらこれのようだ。少し黒ずんではいるが、色合いからするとサファイアのように見える。
ふと好奇心にかられてその石を拾い上げた――――その瞬間。
『――――!』
「・・・・・・?」
一瞬の間、吸い寄せられるように石の深い蒼に見入っていた中島は、微かに聞こえてきた声に立ち上がって辺りを見渡した。
だが、薄暗い深夜の並木道には人影は全く無い。
中島は首を傾げながらも、無意識の内にまるで当たり前のようにポケットに石を入れていた。
「・・・・・・」
今の声は何だったのだろうか。内容は聞き取れなかったが、怒りとも悲しみともつかない激情が込められた声だった。
そして、その声には確かに聞き覚えがあるような気がしたのだが。
――――そう、とても身近な。

再び歩き出した中島は気付かなかった。
石を拾い上げた瞬間に渦巻いた、先程までと明らかに違う冷たい空気。
そして、彼のすぐ傍の街路樹――――その幹に、鋭い何かにえぐられたような細かい傷がいくつも刻み込まれていた事に。



すいません、うっかりageてしまいました・・・・・・次からは気をつけます。
726名無しさん:04/09/30 13:10:57
書き手の皆様方、乙です。

チャブ話書いているのですが、出来たら投下してよいですか?
>>633-641 の続き

余りの身体の動きの軽さに、意識が置いていかれそうになる錯覚。
未体験の速度で流れる視界、そして、全身に感じる躍動感。
「・・・ゃっほぉ!」
ただ走っているだけなのに、思わず声を上げてしまうほどにまで磯山の意識は高揚する。

「させるかっ!」
もちろん、男も自分の間合いに安易に磯山を飛び込ませるつもりはない。
インカローズに意識を集中させ、光の帯を磯山へと放つ。

けれど磯山は臆する事なく固めた右の拳を振り上げ、飛来する光の帯を逆にカウンターとばかりに殴りつけた。
ただでさえ磯山は肉体強化の石を持ちながら、さらに小沢から肉体強化の言霊を貰っているのだ。
青みがかった紫色の光に覆われた拳は易々と光の帯を破壊し、濁った緋色は眩く四散して消える。
「この程度で・・・足止めできると思ったのかよっ!」
高らかに響く磯山の声。
思わず男は身構えたけれど、その視界に磯山の丸々とした姿はない。
「・・・・・・・・・・・・っ!」
まさか。
男が前方に飛び退きつつ背後を振り返った、その瞬間。
ハンマーで殴られたのかと錯覚するぐらいの、重く威力のある中段の突きが男の腹部に命中した。

「・・・・・・ぐぅっ」
どうやら光の帯が破裂した時に生じた緋色の輝きに無自覚ながらも男の意識が向けられていた間に、
磯山に素早く背後に回り込まれたらしい。
「・・・わかったろ? 今の俺に、お前の石は通用しねぇよ?」
何とか倒れないようにこらえ、男は腹を押さえながら呼び掛けてくる磯山を睨み付けた。
バイオレット・サファイアから沸き上がる紫の輝きに包まれたその姿はどこか漫画のヒーローめいていて。
男の内側で怒りが燃える。
「・・・・・・嘘だっ!」
「真実、だ。」
男の叫びと共に、すかさず深紅の光のヘビが磯山に向かって放たれるけれど。
今度も磯山にダメージを与えるには到らなかった。
しっかりと男を見据えながら、磯山は光の帯を裏拳で軽く払い落としたのだ。

いくら今まで石を使い続けたために男も精神的にも疲弊して、本来の威力に及ばなかったとはいえ。
よりによって・・・裏拳で。
・・・馬鹿にされている。
そう感じると同時に、男の持つインカローズから、ジワジワと幾筋もの光の帯が漏れ出だした。
それは今までのシマヘビのような下手すれば手にも乗りかねない小ぶりな帯ではない。
「知らねぇぞ・・・俺がちょっと本気を出したら・・・貴様らなんて・・・!」
呻く男の眼差しは、今まで以上の濁りを帯びていた。
石と男の負の感情が共鳴して、やがてインカローズの発する輝きの中から九本の帯・・・
いや、九つの鎌首を持つ大蛇が喚び出される。
いずれもその口から舌を出し、シャーシャーと威嚇する音が聞こえてきそうなほど。

「磯・・・気を付けて。」
今まで何発も光の帯を放ち、男も消耗している筈なのに。
まだこうした大技を隠し持ち、そしてそれを放とうとするだけの余力が彼にはあった・・・・・・
それだけでも充分に脅威である。小沢の言葉のどこにも冗談めいた調子は見られない。
「・・・はい。」
小沢の方は向かず、ただ短く磯山はそう返す。
「でもさ、何か今の俺・・・かめはめ波だって撃てそうな気がするんだよね。」
その表情に怖れはない。無謀や慢心に憑かれていないと言えば嘘になるけれども
ただ、凛として揺るぎのない自信が磯山の顔には満ちていた。
ギュッと拳を握り直せば、青紫の輝きが拳を守るように・・・そしてその威力を増すように表面を覆っていく。
「死ねよぉっ!」
「よっし、バッチ来ーいっ!」
男と磯山、上がった咆吼の方向性は真逆にも思えるが、ともあれ深紅の大蛇は磯山に動き出した。
拡散して放たれた大蛇の頭部が、同一の目標目掛けて一斉に襲いかかる様は
不気味でありつつどこか美しくもあるけれど。

それでも、磯山は屈さなかった。
意志で石の力を引き出し、渾身の一撃で大蛇の頭部を一匹、また一匹と潰していく。
体躯の割には運動神経が優れている方ではあるが、決して格闘技を習っていた訳ではなく、
芸人仲間とプロレスを嗜む程度。
地表を蹴り、跳躍して空中の大蛇の頭部を殴り倒そうとする磯山の姿を
いつもここからの山田などが見たら、アドバイスの一つもしたくなるだろう我流のスタイルである。
けれど蛇の頭部が弾けた時に生じた衝撃にも退かず、磯山は襲いくる大蛇の頭部に立ち向かっていく。
その様はギリシャ神話に伝えられるヒドラと闘うヘラクレスのよう。


・・・彼の小さい背中が、どうしてこんなにも頼もしげに見えるのだろう。
また一匹の大蛇の頭部が潰れ、放たれた衝撃波に蹌踉めきながらも小沢はそんな事をふと思う。
彼はついさっき、己の石を手にしてその扱い方を身に付けたばかりなのに。
こうして戦う事が、怖くはないのだろうか。これが、若さというモノなのだろうか。

「違う・・・。」
小沢のアパタイトが有する石を封じる力。
磯山や野村のバイオレット・サファイアには無いこの力が澱み暴れるインカローズを封じ、
この戦いを終結させてくれる事を願っているから、信じているから。
だから、彼は全力で戦えるのだろうか。
相方や他の芸人からのツッコミやフォローがある事を信じているから、
アドリブでボケられるのと同じように。

ならば、その期待にはきちんと小沢も応えなければならない。
チラッと男を見やれば、彼の意識は磯山と大蛇の制御にのみ向けられているようだった。
・・・今なら、封印できる。

  「もうこんな遊び、終わりにしない?」

封印の言霊を口にして、小沢は指を鳴らそうとする。
言霊の発動の瞬間を待ちわびるかのように、アパタイトから青緑の輝きが漏れる。

しかし。
「・・・・・・・・・っ?」
男の方に向けた手の、指が、小沢の意志に反してピクリともしなかった。
肘から先だけが金縛りにあったかのように、小沢の思う通りに動かす事が出来ない。

「・・・小沢さんっ?」
小沢が違う言霊を放とうとしたために、磯山を覆う青緑の輝きは薄れている。
しかし、男のインカローズを封印できた様子は目の前の大蛇が健在な事からも伺えず、
磯山は小沢に呼び掛けた。

「おかしいんだ、指が鳴らせない・・・封印が・・・出来ない・・・。」
「え・・・っ?」
大蛇から意識を逸らしたつもりはなかった。
けれど小沢からの返答に、一瞬だけ磯山に隙が生じたのは事実だろう。

「そこだぁっ!」
男の咆吼が磯山に伝わった瞬間。
一匹の大蛇が磯山の腹部に喰らいついていた。
今回はこの辺で。
書き手の皆さんが増えてきてるお陰で、
ちょっと目を離した間にスレが伸びててビックリしました。

>>646さん
気付いて下さってありがとうございましたw
「………ってえ…」
崩れた段ボール箱の中に茶色い頭が沈んでいる。
箱で衝撃はいくらか和らいだが、それでも直撃した腹はずきずきと痛んだ。
「なーんだ、まだ使えないのかよ、石」
反撃の気配がないことを悟った男が優越感に満ちた言葉を降らせてくる。
こいつが成そうとしていることもそのやり方も、これで十分理解した。いっそ十分すぎる程だ。
「もう一回だけ聞いてやろうか。俺に協力する?」
痛みで途切れてしまいそうな言葉の代わりに、冗談じゃないっての!という目線を力一杯ぶつけてやる。
顔をしかめながらも見上げてくる今立のその鋭い眼差しを、男はふん、と鼻で笑って受け流した。
「…いい気になってんじゃねえよ」
男の苛立ちを代弁するように石が鋭く瞬き、再び衝撃。
咄嗟に腕を交差させガードを試みたが、どん、と鈍い音がしてそのまま身体は叩き付けられる。
本当に消したら大騒ぎになるから駄目か、と物騒なことを呟いて、
「代わりに石でももらっとくかな。どうせ大した力もないだろうけど?」
もはや自分に興味はないと言わんばかりの声。
こういう考えを持った奴に複数の石が集まれば、事態はさらに深刻になる。
吹き飛ばされたはずみでポケットから転がり出た石を、今立は咄嗟に強く握り締めた。

ふらふらと上半身を起こした今立の頭上で、男が唇を歪ませて笑う。
「抵抗しないほうが身のためだと思うけどね」
「………っ」
自信たっぷりってわけかよ、くそ。今時警察でもそんな台詞言わねえぞ。
咳き込みつつ心の中で飛ばしたツッコミと、それはほぼ同時に。
「−なにやってんだよ、おい!」
男のものでも今立のものでもない声が、その廊下に響き渡った。
今立は目を見開いた。
髪型が作る独創的なシルエット、いや、そんなものがなくても見間違うはずのないー
(谷井…!?)
なんでお前がここにいるんだ、その手に構えてるもんはなんなんだ、と
(ちなみにそれは廊下にあった灰皿スタンドだった)疑問はいくつも湧いてきたが、
「…バカ、来んなって!」
慎重に間合いを計りながらもこちらに近付こうとする相方に、まず叫んだ言葉はそれだった。
「何やってんだよ!危ねえだろ、」
「危ねえから来たんだっつうの!」
谷井が負けずに怒鳴り返す。少々腰は引けているものの、まっすぐに男を睨みつけたまま。
その姿に今立は再度言おうとした「来るな」を飲み込んでしまった。
石を持った相手にほぼ丸腰で挑もうなんてどう考えても無謀だ。バカだ。けれど。
それなのに彼は来てしまった。危機に陥った自分を助けようと。

男は2人を交互に見比べ、へえ、と意外そうな声を出した。
「こりゃ感動的だ」
すごいすごい、とおざなりな拍手をするその態度は完全に彼等を見下しきっていて、
2対1になろうと自分の優位は揺らがないという確固たる自信が見て取れた。
(…腹立つけどその通りなんだよな)
あんなものを武器にしているのなら、やはり谷井の石も沈黙したままなのだろう。
2人掛かりならば無理矢理押さえつけて石を奪えるだろうか?とも思ったが、
度重なる攻撃のおかげで情けないことに自分は満足に動けそうもない。
それならどうやって、この場を切り抜けるー?
必死に回転させていた今立の思考は、ある光景のために一時停止を余儀無くされた。
「……うらぁっ!!」
目の前には、灰皿スタンドを大きく振りかぶり、男めがけて突進する谷井の姿があった。
この後はライブだとか、もうすぐ皆が帰ってくるとか、そもそも男の石の力はどれほどかとか、
そういった様々かつ重要な事柄はここに来るまでにいつの間にかこぼれ落ちていたらしい。

一目みて想像以上にまずい展開だと察した谷井が反射的に選んだのは、特攻だった。
さすがに相手が生身の人間だということは承知して、あくまで威嚇のつもりではあったが
頭から振りおろしたスタンドは予想以上に重く、スピードが乗る。
(やば…っ、止まんねえ!)
焦る思いは幸運にも、そして不幸にも裏切られた。
ガキン!と金属が軋む音は男の頭蓋骨ではなく、その10cmほど手前の空間から鳴ったのだ。
まるでそこに見えない壁があるかのように。

危ないな、という抗議の言葉とは裏腹に、表情には不安の欠片もない。
男はスタンドの襲撃から自分を守った薄緑色の壁をちらりと見やり、満足げな表情を浮かべる。
「便利だろ?急に襲われても平気だし、こういうこともできる…!」
右手を小さく、しかし勢いよく払うと、光の壁が谷井を受け止めたままぐん、と前進した。
「うわっ…!」
弾かれたスタンドが廊下の先へ吹っ飛び派手な音を響かせる。
急に逆方向にかかった力にバランスを崩され押し戻された谷井はその場に転倒しかけたものの、
後頭部の痛みと引き換えに壁がなんとか身体を支えてくれた。
「谷井っ!」
(……あちゃー…なんか俺、逆に心配されてる…)
あー俺カッコ悪い!と心中で嘆いた自分はまだ妙に余裕があるな、と谷井は苦笑したが、
それでもすでに悪いはずの状況にまだ悪くなる余裕があったのも確かだった。
ここで男の能力を

???(コンビの芸人らしい)
石……モルダバイト(隕石が衝突した際に生成された深い緑色の石。自然の理念に基づいた思考を導く)
能力…ごく薄い光の「壁」を作ることができる。
   ある程度大きさや堅さ、スピードを調節できるので、攻撃を防御するだけでなく
   小さいものを素早く飛ばして相手にぶつけるなど攻撃用にも使える。
条件…詳細は不明だが、精神力を使い過ぎると
   自由に操れなくなったり、壁そのものを出せなくなったりするらしい。

相手を誰にするか悩んだ挙句匿名のままになりました
次回分でエレキ2人の能力解放します
楽しみにしてくれてる方がいてとてもうれしい反面ちょっとおそろしい
期待に答えられるとよいのですが
736名無しさん:04/10/01 17:06:58
>>726さん

チャブ話是非読みたいです。人力かなり出揃いますね。
737名無しさん:04/10/01 18:32:23
大量投下、読んでる方にとっては嬉しいんだけども
まとめサイトにまとめんの大変そうだな…
738カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw :04/10/01 19:32:29
一気に書き手さんが増えましたね(そういう自分もその内に入るわけですが)
みなさん頑張ってください(そして私も頑張ります)
バトロワ並の盛り上がりになってくれるのでしょうか、ちょっと期待してます。
739カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw :04/10/01 19:33:17
スマソ、うっかり自分で付けたトリップを忘れてしまったので新しく付けました。
これからはこれでよろしくお願いします。
740ピン芸人@692:04/10/01 20:17:23
書き手の皆さん、お疲れ様です。

一昨日、ピン芸人の話を書きたいと申し出た692です。
長井秀和を先頭に名前を上げたのですが、実際の主役は劇団ひとりと波田陽区になりそうです。
長井さんの能力は出てきません。あくまで、二人を主役にと考えています。
番外編という事で好き勝手やっていますがお許しください。

読み応えのある作品の中、恐縮ですが投下させて頂きたいと思います。
オデンヌさん、みなさん、お手を煩わせてすみませんでした;
少し長めになりそうなのですがしばらくお付き合いください。
741ピン芸人@692:04/10/01 20:18:18


長井秀和はぐったりと楽屋の壁にもたれていた。
――― 一体いつまでこの生活が続くんだ…。
目の前の石は、そんな長井を嘲笑うかのようにギラギラと桃色の光を発している。
ゴツゴツとした形状。赤と白のマーブル模様。
常人の目から見れば美しいそれは、長井にしてみれば不気味な悪魔の石でしか無かった。

―――畜生!!
長井は乱暴に石を掴むと、その手を床にたたきつけた。
「…こんなもんに…ッ洗脳されてたまるか…!!」
振り絞るような声でそう叫ぶ。気がおかしくなりそうだった。
桃色の光はもはや熱気のように立ち上り、長井を飲み込まんばかりの勢いで渦を巻く。
長井の耳を、目を、五感の全てを光が奪っていった。
「…畜生…ッ!」
僅かに動く唇から漏れた言葉も掻き消されていく。
視界が真っ赤に染まっていく。やがて光も途切れ、長井も意識を手放した。

742ピン芸人@692:04/10/01 20:19:17


「劇団ひとり」こと川島省吾は大きくため息をついた。
今日は長井秀和と二人での収録の日だ。そのため長井と川島は、リハーサルの事も考慮して2時間前に
楽屋で落ち合う約束をしていたのだが、時間になってもまだ姿を表さない長井に川島は気を揉んでいた。
「…おっそいよー。何やってんだよあの人―。」
すねたような口調でそう言っても、ピン芸人である彼の言葉に答えてくれるような相方はいない。
寂しくもう一度ため息をつき、川島は横になっていた体を起こして携帯に手を伸ばす。
しかし電源が入っていないのか長井の携帯は留守電に切り替わっていた。
プツ。川島は携帯を放り出すと、畳の床にだらしなく転がった。
「なーんででねぇんだよー…」
長井が来るまで寝て待っていようかと目を閉じた瞬間、

コン、コンコン
ドアがノックされた。
「来た来た来た。」
何の警戒心も抱かずドアを開けると、なんだか寝起きのような表情の長井がそこに立っていた。
「おそいですよ長井さーん!…なんか顔色悪いじゃないですか。大丈夫ですか?」
「……」
低すぎるテンションで長井は小さく頷く。顔色が悪く、見た限り大丈夫そうには見えない。
とりあえずドアを閉めようと長井を部屋に促し、背を向けた。その刹那、ガァンッ、という音とともに壁から僅かな振動が川島に伝わる。
慌てて振り返った川島の目に飛び込んで来たのは信じられない光景だった。

743ピン芸人@692:04/10/01 20:20:09


長井の腕が、深々と壁に突き刺さっていたのだ。
昔のアクション映画のセットのように壁はひび割れ、川島は一瞬これは夢なのかと思ってしまった。
だらりと上半身を垂れ、俯いているため顔色はうかがえないが
長井は笑っているらしい、独特の笑い声が漏れ、小刻みに肩が揺れていた。
「………長井…さん?」
呆然として長井に見入る川島。
だるそうにトロンと開いた目で川島を見据える長井。
「ひゃっはっはっははぁ!!」
突然体を大きく痙攣させると、長井は大口を開けて笑い始めた。大袈裟な音を立てて壁から長井の腕が外される。
哀れ壁には大きな穴が開いていたのだが、それを確認する余裕など川島には無かった。
次の瞬間には、手枷が外れた長井が猛スピードで体当たりを食らわしてきたからだ。
「…うッぇ…!!」
ガァンッ、と鉄製のドアが派手な音を立てる。思い切り叩きつけられ、川島は苦しそうにむせこんだ。
激しい痛みに体を震わせながら、川島は長井を見上げる。焦点の合わない虚ろな目が異様な光を発していた。
「なん…ッで…」
周りの状況が飲み込めない。
ただ、いつもとは明らかに違う長井の姿に川島は恐怖感を抱いた。

744ピン芸人@692:04/10/01 20:26:09
とりあえず、ここまで書かせていただきました。中途半端ですみません_| ̄|○
口調や人格がおかしい所がありましたら指摘してもらえると嬉しいです。
>>604続き

「さて、第二回戦を始めようよ…。」
小沢と井戸田が工場内に入っていったのを確認すると
小木は須知に言った。
「ったく…出てきて欲しくない時に出てきて…嫌な奴らやな、お前らは。
 それに、その黒焦げの右腕で、焔を放つなんて、自殺行為やな。」
須知は小木を睨み付けると、そう言った。
小木の右腕は、先ほどの暴走で黒く変色していた。
先程、小沢を助けるために能力を使用したせいなのか、右腕から煙が立ち上っている。
「…何とでも言えよ、右腕なんて、お前らに勝つ為ならくれてやる。矢作…行くぞ!」
小木は矢作を呼んだ。
「任せといてよ、こっちの奴はもう止めといたから!」
矢作が近くの木の陰から現れた。
矢作の右手に、光る緑色の石…
「…!?何や…既に止められてたやと!?」
須知は動こうとするが、身動きが取れない。
「須知!」
木部が叫んだ。
「…俺はいい!木部!お前は逃げろっ!」
須知が木部に言う。
「何言って…お前を置いて俺が逃げるわけないやろ!
 俺がなんとかする、見てろ!」
木部はそう言うと何を思ったのか、飴を数個掴み矢作に向かって走り出す
「木部!!逃げろって!」
須知は叫んだ。
攻撃手段を持たない木部が、敵に飛び込むなんて、自殺行為だ…
が、木部は走りながら須知を見て「ニッ」と笑うと
「…俺は須知に助けられてばかりや…だからな。
 たまには、俺が助けたってええやん。」
と言った。
その時の木部の笑みは、何故だか少し寂しそうな笑みだった。
「覚悟せぇや…!俺にはこの飴を光らせる事は出来んけど!
 須知を助けることぐらい…出来るはずや!」
木部は矢作に向かって走り、掴みかかった。
矢作の石を奪おうとするが、矢作は必死に抵抗する。
「うあッ…!…こいつ止めなきゃ…!」
矢作は須知を止めるために使っていた力をを一回止め、木部を止めることにした。
「させるかっ!!」
すると木部は持っていた飴を矢作の右手に思い切り投げつけた。

―ピシッ。

飴は須知が投げたように光りはしないものの
矢作の右手に鋭い痛みが走った。
「痛ッ…!!」
矢作は思わず石を地面に落とした。
「今や!石を…。」
木部が石に手を伸ばした瞬間。
「矢作の石は渡さねぇぞ!」
と小木の声がした…その時
―ボウッ!

と木部の周りに、突然焔の壁が出現した。
焔が出現すると同時、木部の視界が
「…しまった…!!」
木部は顔を顰めた。
真紅の焔が、木部を取り囲み、燃え盛る。
「もうここまで…か…須知…上手く逃げろよ…。」
木部は目の前の焔を見て、言った。
焔は木部に徐々に迫っていく…。

「木部―!!!」
木部を取り囲む焔の外側で、須知は叫んだ。
「死なせない…死なせて…たまるかー!!」
須知は大量の飴を掴むと、木部を取り囲む焔目掛け、思いっきり投げようとした。

―ピキッ。

その時、須知の右手に、鋭い痛みが走った。
思わず須知は握っていた飴を地面にボタッ、と落とす
「痛ッ…何や…この痛み…でも、こんな痛みに負けてられへん!」
須知は自分にもう一度気合を入れると
飴を大量に掴み、思いっきり投げた。
―ピキッッ。

「―――――!!」
口では言い表せないような激痛に襲われ、須知は顔を顰めた。
だが、飴は放たれた。
後は…飴が直撃して焔が消えれば――。
飴は光弾となって、焔に向かって一直線に進む。
「!飴が…燃やすッ!!」
小木が飴に気付き、焔を放った。
しかし、飴は小木の放った焔を切り裂き、木部を取り囲む焔へ…。

―ビュオオオオオオッ・・・。

凄まじい風が巻き起こり、木々が揺れ、葉が舞った。
そして、燃え盛る焔は光に掻き消された。
「…須知…!」
焔から脱出した木部が、須知に駆け寄る。
「木部!無事やったか…」
須知は木部を見て、安堵した表情を浮かべる。が…

「…矢作を危険に晒した罰だ、受けろ!!」
「!!」
と小木の叫びが、木部の背後から聞こえた瞬間
「―――…ッ!!」
木部の背中に、燃え盛る焔―――。
木部は背中に焔を受け、その場に倒れこんだ。
パチパチと焔をあげて、木部の背中が燃え出す。
木部は倒れた拍子に、石を地面に落とした…。
「…木部!!」
須知の叫びが、空を裂いた。
「…須知…逃げ…。」
木部は、必死に須知に訴える、「逃げろ」と。
「逃げへん!お前置いて俺が逃げるわけないやろ!!待ってろ!今焔を消す…。」
須知は叫んだ。
そして、木部に駆け寄り、必死に火を消そうと努力しようとするが…。
「身体が…動かへん…。」
須知の身体は、ピクリとも動かなかった。
目の前に燃えて苦しむ相方がいるのに。身体が、言う事を利かないのだ。
「動かへん…動け!動けや!!」
必死にもがくが、身体は1ミリも動かなかった。
涙が、溢れてきて、須知の視界を滲ませた。

「…はい、失格―。」
「―――!!」
いつの間にか、木部の石は矢作に拾い上げられていた…。

―――ビッキーズ 木部 失格。
と、アナウンスが流れた。

「き、木部――!!」
須知の叫びは、木部に届くことはなく、木部は姿を消した。
木部の服が燃えた跡だけを残して。
「…木部…。」
須知の小さな身体が、怒りに震えた。
拳を握り締め、唇を噛み締めた。
自分は、何て弱いのだろうか。
こんな能力を持っていながら、木部を助けられなかった。
須知は、自分自身に腹が立つのと、木部に苦しい思いをさせたおぎやはぎの二人への怒り
その二つが合わさって、須知の怒りは頂点に達した。
「殺さなかっただけ、感謝しろよなー…。」
そう言って、小木は須知の目の前に立つ。
「さて、お前の石、渡してもらおうか!」
小木はそう言って右手を天に翳し、焔の塊を創る。
「お前ら…!!」
鋭い目つきで、須知は小木を睨み付け、叫んだ
「…許さへん…絶対に許して…たまるか!!」
怒りに震えた須知の身体が、徐々に動き始めた。
そして、飴を掴み、思い切り小木に投げつけた。
「!!」
その飴は小木の頬を掠めた。思わず小木は焔を消し後ずさる
「木部の恨み…晴らしたる!覚悟せぇ!」
そういうと、須知は飴を手当たり次第に掴み
四方八方に投げ始めた。
「!?おい、矢作??動きを…。」
飛び回る飴を避けながら、小木が矢作に呼びかけた。
「!石が…石の光が…もう力が持たない!」
石の光がもう消え失せている事を確認し
矢作が、小木に叫んだ。
「何だと!?…くそ…。」
工場の入り口付近で、小木は立ち止まり、須知を見た。
怒りで我を忘れていて、手が付けられない状態である。
「…このまま逃げてるだけじゃ…!―――ぐふ…ッ…。」
そう言いかけた刹那…須知の投げた飴が、小木の腹部に直撃し破裂した。
腹部に拳を叩きつけられたような衝撃を受け、小木は工場内へ吹き飛んだ。
751現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 :04/10/01 23:56:28
書き手の皆様方、乙です。

もっと投下スピードを上げてさっさとこの話を終わらせたいと思います。

すいません、メル欄に痛い表現アリって書き忘れてしまいました
気分を害された方、すいませんでした。
752名無しさん:04/10/02 10:04:35
このスレまだ容量大丈夫?投下のペースが早くなってきたからちょっと不安なんだけど。
753名無しさん:04/10/02 23:00:28
>>752もう1〜2週間か位したら、次スレ立てたほうが良いかも。
大体書き手さんは1回の投稿で5〜7レス位使ってるし、プラス感想等もあるし。
容量あと100だし。
754619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 19:53:35

「ただのビー玉なんじゃねぇの?」
品川の言葉を思い出して、庄司は口元を吊り上げた。
品川、なんにも知らないんだ。
目の前には傷だらけの男が倒れている。

石を手に入れたのは数週間前の事。
淡い光を放っていたそれに、庄司は引き込まれた。
力が、自分の中に入ってくる感じ。それも強く。
庄司は石を拾い上げ、胸のポケットにしまった。
自分が、とても強くなった気がした。

755619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 19:54:37
そして今に至っている。
あの日から襲われる事が多くなった庄司は、襲ってくる人間を片っ端から潰していった。
欲望を叶えたい。力が欲しい。それらの多くは石を持たない弱者だ。
中には能力者もいたし、石を封じようとする人間もいた。
そういう奴も、潰していった。石は奪った。
力を使って、相手を倒す。
いつしかそれが、彼の楽しみになっていた。

傷だらけの男の頭を踏みつけながら考える。
どうして自分はこんな事をして楽しいのだろうか。
本当にこんな事がしたい思うのか。
呻き声に耳を塞ぎながら、目を閉じた。
誰か、止めてくれないかな。
相方の顔が浮かびそうになったが、何処からか怒号が叫ばれた。
石が、眩しく輝く。体中に力が沸き起こる。
唇が吊り上る。
もう相方の顔なんて浮かばなかった。
756619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/04 20:15:43
品川 裕(品川庄司)

石 ラブラドライト
能力 目を閉じれば、どんな攻撃でも「見切る」事が出来る。
    また、相手の隙を知ることも可能。

条件 瞬間的に使用(振り下ろされる瞬間にだけ使う等)すれば限度なく連続して使えるが、30秒以上見切り続けると強制終了する。
    また、「避ける」ことが目的の石なので、隙がわかっていても、
    その隙をついて相手にダメージを与えられるかは持ち主本人の力次第になる。


庄司 智春(品川庄司)

石 モルダヴァイド

能力 一時的に強い闘争心が沸き、高い戦闘能力が体に備わる。

条件 自力で制御できないほどの力が出るので、自由意志で戦闘を止める事はできない。
   闘争心は相手が倒れるまで消えることはない。
   また、闘争心をコントロールすることは難しく、操られているような状態になる。
757名無しさん:04/10/05 09:17:29
>>756
品川は「祐」じゃないの?
758619 ◆QiI3kW9CIA :04/10/05 16:21:40
≫757
間違えました。指摘ありがとうございます。
759名無しさん:04/10/05 22:16:28
書き手さんガンバage
どれも続きが楽しみだyo!!
760156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:44:49
田村は石を構え、襲ってきた蝶を薙ぎ払った。
その姿を見て、友近は高らかに笑う。
「やっぱり自分の命が大切なのね!?バカね!結局コンビなんてそんなものなのよ!!」
友近が石に力を込める。

「…馬鹿はどっちやろうな。」

川島が低く呟いた。
川島は渾身の力で友近の腕を掴み返すと、石の力を作動させた。
「たぁっ!!」
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」
勢い良く川島の体が影へと沈んでいく。
しかし友近だけは別で、勢い良く体を床に打ち付けた。
「な…なんでっ!?影は消えたはずじゃ…」
床で呻く友近の影の中から、川島が答えた。
「田村の力は『光』やで?それに照らされたら新しく影ができるに決まってんやろ?」
「でもっ…いつ…!?」
周りの蝶がいなくなったのを見て、友近から田村は急いで石を取る。
掠れた声で、しかし笑みを浮かべながら田村は答えた。
「俺らコンビやで?相方の考えてることくらい、目見れば判る。」
友近は田村を軽く睨みつけた後、気を失った。
力が抜けて、田村はその場にしゃがみ込んだ。
761156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:45:42

「川島っ!!かーしまっ!!」
田村が辺りを見回すと、その後ろの影から川島が現れた。
田村の表情が綻ぶ。
「川島っ!!これどうしたらええんや!!俺持っても暴走するんか!?蝶もう出てこんよな!?」
「煩い。」
川島はだるそうに答え、田村が握っている友近の石を見た。
―もう封印されている?
石は既に先程までの黒味が掛かった赤さから、ルビーのような透き通った色に変わっていた。
川島は軽く首をひねる。
「なぁ川島っ!!どうしたら…」
パニックを起こしている田村の頭をぺしりと叩いて、川島は友近の上に石を放り投げた。
「もう平気や。ええから帰るぞ。」
「は!?」
ふらつく足で進みだす川島を、田村が慌てて横から支えた。
762156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:47:53

「怒ってるか?勝手に石使おて。」
「…別に。」
答える川島の声は漫才前の「麒麟です」の時の声よりも低い。
これは怒ってるな、と田村は溜息をつく。
「俺はな、川島が心配やったから…」
「分かってる。」
「何があっても二人で背負っていこうってコンビ組む時に約束…」
「分かってる。」
「あのなぁ…」
田村は呆れて川島の顔を見る。
川島は正面を向いたまま口を開いた。
「今までの分、これからはお前に大量に背負わすから。」
「なんやそれ。」
田村と川島は顔を見合わせる。そして、お互いにニヤリと笑った。
「コンビに言葉は要らんのやろ?」
「単純だから田村の考えてることぐらいすぐ分かるんや。」
川島は照れたように顔を背けた。


「田村…早速背負って欲しいもんがある。」

「…は?」
同時に、がくんと川島の体が沈んだ。
支えていた田村の体も一緒に倒れこむ。
「川島っ!?」
「眠い…」
田村は慌てて川島を揺さぶるが、川島はすやすやと寝息を立てていた。
「どないせえちゅうねん!!」
意識を失っている友近、手の中にある輝く石、そして起きる気配のない川島。
それらに囲まれて、田村の悲痛な叫びだけが舞台に響き渡った。
763156=421 ◆SparrowTBE :04/10/05 23:48:55
いつもいつも感想有難うございます。
この辺で友近編は一応終わりになります。
ですが次に考えてる話には一応話的に続いてます。

容量尽きたらどうなるんだろなぁこのスレ。
764名無しさん:04/10/06 18:12:05
麒麟編の書き手さん乙です!いつもいつも楽しませて頂いてます。
友近さんの石は封印されたのかなーそれとも伏(ry
続き楽しみにしてるので、無理なさらずにがんがって下さい!
765名無しさん:04/10/06 19:16:13
麒麟書き手さん乙です
麒麟の仲の良さにほのぼのさせて頂きました
これからも無理せずマイペースにがんがってください
766名無しさん:04/10/06 20:30:29
次スレはタイトルどうするんでしょうか?
767名無しさん:04/10/06 20:59:20
>>766
【石の力】関西vs関東若手漫才対決勃発殺人事件前編予告編 2章【開放】
とか?
・・・長いですね_| ̄|○
768名無しさん:04/10/06 21:21:02
関西vs関東若手(中略)前編予告編の続き

769名無しさん:04/10/06 23:02:26
芸人板は、スレタイの字数制限が24文字までだそうです。
関西vs関東〜だと、スレの趣旨を表せてないと思うのですが
どうしたものでしょうか…。
770767:04/10/06 23:28:47
>>769
【不思議な力の】芸人と石 2章【宿る石】
こんな感じですか?多分趣旨も表せているし、字数も制限内ですが…ジシンナイナ
771名無しさん:04/10/06 23:47:24
【石の力】もし芸人に不思議な力があったら【開放】
772名無しさん:04/10/07 00:03:43
>>771
なんかワラタ
俺は好きだ、ぞれ
773名無しさん:04/10/07 01:54:07
「若手」はいれたほうがいいのかも。若手縛りが無くなるならいいけど。
>>727-730 の続き

「………っ!!」
頭部が相手に触れると同時に破裂し、至近距離からダメージを与える今までの蛇と異なり、
大蛇は磯山をその顎で捕らえてもその姿を保ったままである。
Tシャツや身を覆う肉をまったく無視した圧迫感が胴体に掛かり、
磯山は呼吸する事もしばし忘れてただ目を見開くばかり。

「な……磯っ!」
小柄ながらも重心が低く、安定しているかのように見える磯山の体躯が、
大蛇がもたらす圧力からズズ…と音を立てて後方へと押されていく。
小沢は叫ぶように磯山に呼び掛けると、アパタイトを磯山の方へ向けて指を鳴らそうとした。
しかし、相変わらず肘から先が石像にでもなってしまったかのように小沢の指は動こうとしない。

「あハ…はハは、まずは貴様からダ!」
手に握り込んでいるインカローズと同様に爛々と輝く目で男は二人を睨み付けながら、叫ぶ。
その声が変に裏返っているのは、戦いがもたらす興奮故か、それとも石の作用なのか。
ともかく、その指示を受けて大蛇は磯山と正面から力比べをするのを止め、その鎌首の向きを上へ変える。
何とかして大蛇の顎から逃れようと藻掻く磯山の足が、ふわりと大地から離れた。
「うぉっ…!」
「地面に叩キ付けられて…死ネっ!」
踏ん張り所を失って、思わず磯山の口からこぼれた音と、男の怒声が同時に響く。
僅かに生き残っている大蛇達も、磯山を咥える大蛇に協力してその身体を1m、2m、と持ち上げていく。
「クソっ…何で…この指…厭だ、厭だ、厭だぁっ!」
自由にならない腕をブンブンと振り回しながら、小沢が今にも泣きそうな声を上げた。
今まで、石を使っていた事で小沢の手足に痺れや感覚が通じなくなった事などは一度もない。
確かに今日は石の力を必要以上に使っているけれど、指が鳴らせないのはアパタイトのせいではないはず。
だとすれば、やはりこれはインカローズか、それとも他の石の力によるモノなのだろうか。
いや、今はそんな事を冷静に判断している場合ではない。磯山の身がとにかく危険なのだ。

「・・・・・・頼む、磯山を離せ! 先に俺を殺してくれよっ!」
「遅イよ。」
数時間前に彼と同じように小沢の前に立って、インカローズの攻撃を受けた相方の姿と磯山が重なり
口をついて出る小沢の叫びを、男は鼻で笑って退ける。

「・・・殺レ!」
放たれる、短い命令。
下から上へ、磯山を持ち上げようと群がっていた大蛇達が一斉に彼から離れると、
当然のように重力に引かれて落下を始めた磯山を今度は上から下へ押しつけるように襲いかかる。
世の中には20数mもの高さから落下して生存してみせる人間も決して居なくもないが、
恋に落ちる時の落下速度もかくやという加速で地面に叩き付けられたら、さすがの磯山でもどうだろうか。

緋色のエネルギーの奔流が大地と衝突して破裂し、ドォンと鈍く重い響きと共に土煙が上がるのを
全身から血の気が引く感覚を覚えながら、小沢には見ている事しかできない。
「磯山ぁあっ!!」
ただ、悲鳴じみた叫び声が小沢の口から発せられた。

まだ彼のアパタイトを握る手の方は指先まで動くようで。
ギュッと力一杯拳を握りしめたら、アパタイトの発する力で皮膚が灼けるような痛みを感じる。

・・・そうだ。自分が痛い分には、いくらでも何とか耐えられる。
けれど、他人が痛いのにはどうしても耐えられない。
だから、戦う時は一人が良かった。戦う時は一人で良かった。
それなのに。
「磯・・・・・・っ」
こうなってしまったら一体どうやって野村の前にツラを出せば良い?
呻くように呟きを洩らした小沢の耳に。

「お・・・小沢さん、ちょっ、そこ、避けてっ!」
頭上からそんな声が降り注いでくるのが届いた。
ハッとして見上げれば、そこには何故か紫色の輝きを身に纏った磯山の体躯。
咄嗟に小沢が一歩後ろに飛び退けば、バタバタと両手を振り回して何とかバランスを取りつつ
磯山はドスンと地面に着地した。

・・・どういう事?
まだ土煙は晴れきっておらず、確かに大蛇達が小爆発を起こした事を示している。
しかし目の前の磯山は衣服こそボロボロになっているが、その動きに異常はないようで。
何があったのか理解できず、小沢は思わず目を擦ってみた。

「キ様・・・あレでくたバらないなんテ・・・何者なんダ・・・?」
驚いたのは男も一緒らしい。手応え自体はあったのに、とそんな言葉が彼の口から漏れている。

「へへ、ぶっつけ本番だったけど・・・何とかイメージ通りに上手くいったみてぇだな。」
照れたように小さく笑みを浮かべ、磯山は小沢に告げる。
右の手で何かを持ち、それを勢い良く地面に叩き付ける・・・そんな仕草をしてみせながら。
「・・・・・・・・・!」
そう言えば、江戸むらさきのショートコントの中で、そういった仕草をするネタが幾つかあったはず。
気付いた小沢は目の前の磯山を見た。そして同時に言葉が放たれた。
「・・・スゥーパーボォール!」

そう。
磯山は大地に叩き付けられる直前、バイオレット・サファイアの力で己の肉体に強い弾力性を持たせて
大蛇達のエネルギーが破裂する寸前に地面から跳ね返り、上空へ逃れる事で直撃を避けたのだ。

「お気にのTシャツは破れるし・・・身体も無傷って訳じゃねーけどさ。」
・・・まだこれでリタイアするには早いってもんでしょ。大丈夫。
涙目の小沢を気遣い、落ち着かせるためか磯山はそう告げて。
今度は一転して小憎たらしいほどの自信に満ちた笑みを浮かべ、男の方を向く。

「さぁて・・・折角の奥の手みたいだったけど、もう同じ技は喰らわねぇぜ?」
そう言い切ってみせる磯山の姿は小沢には頼もしくあるけれど。
彼の露わになった肌に尋常ではない量の汗が滲んでいるのも見え、やはり石を扱っている事での負担が
じわじわと磯山に忍び寄っている事は確かのようだった。

とは言え、男も最初に小沢達と戦った時とそして今の戦いとで十二分に消耗はしているはず。
特に二度目の今の戦いでは小沢の作った虚像を消すためにエネルギー弾を乱発したり、
九つの鎌首を持つ大蛇という大技を出してきているのだ。
これ以上男が石を使おうとするならば、いつ精神力や体力が途切れて気絶してもおかしくはない。
そうなれば小沢が指が鳴らせない今の状況でも、石だけ失敬して後でゆっくり封印する事も可能なのだが。


「・・・・・・・・・・・・。」

それでも、男の手にあるインカローズは輝きを失おうとはしない。
むしろ、この状況になっても尚どす黒い赤みを帯びた光が鉱石から湧き出して男の周囲を照らしている。

「・・・磯、気を付けて。厭な予感がする。」
戦い始めの頃は、インカローズはまだそれほどどす黒い輝きを発してはいなかった筈。
これは、もしや。小声で小沢が磯山に囁こうとした、その直後。
男を・・・いや、インカローズを中心にして、ドクンという鼓動が音というよりも衝撃波の形で
空気を伝わり、二人に届く。
「何だ・・・っ?」
「やはりあの男・・・石に呑まれたか。」

脈動を重ねながらインカローズから湧き出す輝きが男を飲み込み、なおも膨れ上がって
大蛇が可愛く思えるほどの、今までで一番巨大な蛇の姿を形作りだした。
全長が十数mもあるその蛇は体躯に見合った翼を持ち、広げられようとしたそれは
小沢の張った結界に遮られ、中途半端に開くのみに留まる。
それでもそれは並の迫力ではなく、これはハリウッド映画の一シーンかと現実逃避しそうになるぐらいで。

「こいつは・・・ケツァルコアトル・・・?」
所有者を呑み込む事で、所有者の精神力や体力を考慮する事なく本能のまま己の力を発揮し始めた
インカローズが形作る姿に、磯山がポツリと呟きをこぼした。
「何、そのケツアルなんとかって・・・。」
「ケツァルコアトル・・・アステカの神サマだ。漫画やゲームで、たまに出てくる。」
「『インカ』と『アステカ』は微妙に違う気もするけど・・・って、そんな事言ってる場合でもないか。」
インドア派らしい磯山の注釈に、小沢が納得する間も与えずに。
赤い翼蛇・・・ケツァルコアトルが吼え、空気が震える。

『・・・シギャァアアアアア!』
「・・・・・・・・・くっ!」
頭から突進してくる、それをまずは二人はそれぞれ跳び退いて避けた。
ここまで未知数の相手に、いきなりがっぷり四つに組もうとするほど、磯山も無謀ではない。

ケツァルコアトルの頭部が地面に激突した衝撃で、大地が揺れる。
やはり蛇や大蛇とは比べモノにならない威力はよほど封じられたくないらしい、インカローズの本気。
逆に言えば、これを凌げば小沢達の勝利なのだろうけれど。
どうやったら、こんな化物を押さえ込む事が出来る?
小沢の片腕はまだ指先まで力が届かず、アパタイトの力を発動させる事もできないのに。
「小沢さん! 次、来ますよっ!」
「あ・・・あぁっ!」
鎌首をもたげ、すぐに次の動作に入るケツァルコアトルにはゆっくり策を練る時間すら貰えない。
磯山の呼びかけに応じ、小沢は開いている空間に逃げ込もうと走る、けれど。

アパタイトを乱用したお陰で疲弊している小沢に、そもそも普段通りの動きは期待できなかった。
急ぐ想いとは裏腹に足がもつれ、よりによって躓いてしまう。

「小沢さぁんっ!!」
磯山が叫ぶ声は、ケツァルコアトルが発する空気を震わす音でかき消される。
敢えて振り向いて見るまでもなく、近づいてくるのがわかる、禍禍しい気配。

・・・あぁ、俺、ここで死ぬのかな。
声にならない想いが脳裏を過ぎる小沢の目の前で。
太陽を思わせる光の矢が、今にも小沢を呑み込もうとしていたケツァルコアトルの胴体を貫いた。
エネルギーの流れに乱れが生じ、風が巻き起こって小沢の髪や衣服を煽る。

「・・・・・・・・・っ?!」
その山吹色の輝きに、小沢は見覚えがあった。いや、見覚えがあるなんてモノではない。
思わず目を見張る小沢をケツァルコアトルから庇うかのように、2ケツする男達を積んだ
一台のバイクが飛び込んでくると、ブレーキ音を立てて止まった。

「・・・こんなバカみたいなデカブツ、アタシ認めない、認めないよぉっ!」
すかさずバイクの後部にまたがる男が声を張り上げた瞬間、男を中心として山吹色の輝きが障壁を作り、
再度小沢に喰らい付こうとしたケツァルコアトルの顎は無惨にも形が見事に歪み、
そのまま頭部ごと焼け溶けるように消滅していく。

「たとえ仕事に遅刻はしても、格好良いトコには決して遅れない。それが井戸田流・・・なんてな。」
紫色の粒子となって消滅していくバイクから飛び降り、ヘルメットを脱ぎ去った男・・・井戸田は
冗談めかして笑ってみせると、小沢に手を差しのべた。

「ったく、小沢さんはすぐそーやって全部自分だけで抱え込もうとする!」
「ゴメン。でも・・・あともう一押しだから。」
告げられる言葉が何故か嬉しくて。井戸田の手を借りて立ち上がり、答える小沢の目には
また涙がうっすらと滲もうとしていた。
次スレのタイトル決めてる最中に豚切りスマソ。

個人的には>>771のもしもシリーズ感が何か好きだw
782名無しさん:04/10/07 13:00:42
>>773
若手しばり要らなくね?若手と中堅の線引きだって微妙なんだしさ。
783名無しさん:04/10/07 17:14:30
うん、別にいらないと思う<若手しばり
んで、私も>>771の案好き(・∀・)なにげにわかりやすくもあるし。
784773:04/10/07 23:18:57
>>782
いらないな確かに。微妙だし。ということで>>771案に賛成。
785名無しさん:04/10/08 00:24:08
>>774-780
続き乙でーす
ROM専ですがいつも楽しみに見てます!
786名無しさん:04/10/09 13:01:07
捕手
787ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:47:21
早く逃げ出さなくては。わかっているのに、腹から響く激痛がそれをさせてくれなかった。
そうこうしている間に、詰め寄ってきた長井の手が首に伸びてくる。
「…かわし…ま…」
不意に長井が口を開いた。

「川島…逃げ…」

しかしその言葉は最後まで聞き取られる事は無かった。
その声に覆いかぶさるようにして発せられた言葉が、川島の背筋を凍らせた。

「お前の石はどこだ?」

まるで地の底から響くような低くドスのきいた声。
突然の豹変に川島は悲鳴を上げそうになったが、首を強く絞められ大声が出ない。
ギラギラと光る目が川島を睨みつける。
「…い、石…っ……?」
「…とぼけるな。」
頭が霞み、耳鳴りがする。長井の指は、力も衰えず川島の首に巻きついているため逃げる事は不可能だ。
―――ああ、もうダメだ。
川島が死を覚悟して目を閉じた時、

「失礼致します。」

突然後ろから良く通る声が聞こえた。
788ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:48:06

「拙者、さすらいのギター侍・波田陽区と申します。長井秀和殿、お手合わせ願いたい。」

妙に堅苦しいその物言い、和服にギターという特徴的な出で立ちの小柄な体つき。
その男こそ、巷で話題のピン芸人、波田陽区その人であった。
ボロロン、ギターが小さく音を奏でる。
なぜ波田陽区がこんな所にいるのか。そんな事より、どう見ても頼りないこの男に今の長井が倒せるはずがない。
「逃げろ」と叫びたかった川島だが、キレた長井によって壁に叩きつけられ、それすらも出来なかった。
「ぐッ、ぅ…」
ゲホゲホゲホッ、首が解放された事により、急に送り込まれた大量の酸素に喉が詰まる。
「川島殿、下がられよ!」
突然そう叫ばれ、川島は反射的に身を引いた。見ると、波田がその小さな体で長井に挑もうとする所だった。
波田に向かって一直線に飛びかかってくる長井。それに対して波田はギターを盾にして身構えている。
まさかギターで戦うってのか?そんな馬鹿な。
しかしそのまさか。波田は「だぁッ!!」と叫ぶと、ギターを振り上げ長井の胸に強烈な一撃をお見舞いした。
もともと加速づいてしまった上、ヘッド部分が突き刺さったのだ。
長井の痛みは計り知れない。ダンッ、と床に倒れ込むと、胸を押さえてうずくまってしまった。
「今のうちに逃げまするぞ川島殿。」
789ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:49:55

ぐいっ、と腕を引っ張られて廊下へ引きずり出される。
「奥に使われていない部屋がありますのでそこへ…」
言われるままその楽屋へ飛び込み、しっかり鍵をかける。
途端に力が抜けて床にへたり込む川島。改めて、自分を助けてくれた目の前の男に深々と頭を下げた。
「…波田さん、ありがとうございます。」
波田は首を横に振り「気にしないでください。」とそう言って笑った。
その顔は控え室などで良くみかける、普段の波田の表情だった。口調も普段の口調に戻っている。
「俺、楽屋川島さんのいた部屋の隣だったんですよ。突然壁に穴が開いたから焦りましたよ。」
眉間にしわを刻み、波田は苦笑いを浮かべる。
「…何があったんだか…、長井さんがなんかおかしくなって…」
混乱し、そう問う川島に、波田は意外にあっさりとこう答えた。
「長井さん、拒否反応起こしてんですよ」
「…拒否反応?」
そう尋ねると、波田はちらりと川島を一瞥し、
「川島さんはまだ知らないんでしょうね。」とそう言った。
「石って、ご存知ですか?」
「石…」
「最近芸人の間で何者かによってバラまかれている、すごい魔力を秘めた石の事です。」
波田は、扉に寄り添うようにして座ると、ぽつりぽつりと話し出した。
790ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:50:58

「石を手にした人間は、石と共鳴することで特殊な能力を身につける事が出来ます。
 …しかし長井さんはそれを拒んだ。人格が失われてるのはその影響です。
 今、長井さんはあの体の中で必死で石に抵抗してるんですよ。」

長井はあの時、確かに「逃げろ」と言った。
あれは本物の長井の人格が自分の身を案じて必死に発した言葉だったのだ。
石に侵食されながらも、ただ自分のために。

「信じがたい話ですけど…」
波田は気を使っているのか、おずおずとそう言ったが、
「いや、信じますよ。…信じます。」
川島は力強い口調でそう返した。

「長井さんを助けることは出来ませんか?まさか、もうずっとあのままじゃ…」
その問いに対して、波田は懐から小さな石を取り出し川島の前にかざして見せる。
細い麻紐で括られ、ペンダントのように加工されたその石は、うっすらミルク色で、薄暗い部屋の中でも独特の光沢を放っていた。
「これは俺の石です。俺の能力はちょっと変わってるんで…もしかしたら長井さんを助けられるかもしれない。」
波田はそう言うと、自分の首にそれをかけ、ギターをぐっと持ち直した。

「川島殿、扉を開けて頂けますか。長井殿が扉の向こうにおられる。」
「え…!」
791ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI :04/10/09 20:55:57
次スレのタイトル検討中失礼します。

生意気ながらもトリップつけさせて頂きました。
長くなってすみません、もう少し続きます。
792名無しさん:04/10/10 01:16:50
そろそろ投下控えようよ。まずは次スレの話し合いじゃないの?
793名無しさん:04/10/10 01:39:32
今更だが>>1はこのスレが創作小説投下スレになってこんなに続くとは思っても居なかっただろうな
794名無しさん:04/10/10 01:52:37
ピン芸人書きさん乙!ピン好きなので楽しみにしてます。

とりあえずスレ名は>>771に決定?
まとめサイトが
http://risus.ifdef.jp/index.htm
設定まとめられん…
795名無しさん:04/10/10 01:59:40
>>787-790
乙です!いつも楽しく読まさしてもらってます!
波田が口調がなんか丁寧なんですねw能力も気になるなぁ

スレタイはもう>>771でケテーイで、若手しばりは無し、あとsage進行か。
テンプレはあと何が必要かな。
796名無しさん:04/10/10 02:00:45
>>794
被った…スマソ
797名無しさん:04/10/10 02:20:08
ピン芸人書きさん乙です!
続き楽しみに待っています。

>>795
テンプレはまとめサイトに書いてあるやつは必要と思う。
・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨
これと、
・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
(書き手さん用)
・石や能力はなるべく被らない様に(番外編ならば多少被ってもOK
・文中で新たな能力が出た場合は、必ず最後に記すこと
・文の最初にレス番号をつけて、何処からの続きなのか明記すること

バトロワスレから拝借いたしました。
あと、スレ名は>>771で決定しますか。
798名無しさん:04/10/10 23:42:09
>>797
テンプレ(・∀・)イイ!!んじゃないかな
あと一応本編=「舞台は日常、芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話」で
番外=(今のところ)「バトロワ風味」で良いのかな?
799名無しさん:04/10/11 15:47:18
いいんじゃないですか?少なくとも私はこれでいいと思いますよ。
800名無しさん:04/10/11 15:51:15
自分もこれでいいと思います〜。

>>799
>>797にあるけどsage必須でお願いします。
801名無しさん:04/10/11 18:34:34
スレタイ
【石の力】もし芸人に不思議な力があったら【開放】

・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨
・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・一応本編は「芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話(@日常)」ということになってます
・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
(書き手さん用)
・石や能力はなるべく被らない様に(番外編ならば多少被ってもOK
・文中で新たな能力が出た場合は、必ず最後に記すこと
・文の最初にレス番号をつけて、何処からの続きなのか明記すること

こんな感じでオケ?
802名無しさん:04/10/11 18:45:15
オケ。
さて残り90KBあるわけだが。
803名無しさん:04/10/11 18:54:08
容量どのくらいになったら新スレ立てるべき?よく知らなくてスマソ
804名無しさん:04/10/11 19:31:03
>>801
ルールとかもう少しきっちりしなくても大丈夫だろうか。
これから初めて投下する職人さんにはまとめサイトとか参考にしてもらいたいね。
805名無しさん:04/10/11 20:44:44
ちょっと細かく足してみたよ

・微妙な表現(痛々しい場面など)が出る場合は、前もって表記してください

・設定だけを書きたい人も、文章だけ書きたい人もщ(゚Д゚щ)カモォン!!

・設定は強すぎたりとかは無しで。条件などを付けてバランス良く

・初投下の人はまとめサイトなど参考にして雰囲気とか掴んでみたらいいかも

・これどうよ?とか思ったりしたら、聞いてみたりしてください
(書きたい芸人さんや力などが既出かとか。)

・設定の形式は↓な感じで
例)
井戸田潤(スピードワゴン)
石・・・・シトリン←宝石言葉が「勇気」や「陽気さ」など太陽っぽい
能力・・・・自分が納得できないことが起こったとき(例えば仲間が自分を庇って倒れるなど)「アタシ認めないよ!」でそれが起こる前まで時間を戻せる。
    体力が満タン状態なら「無かったこと」にもできる(庇って倒れても傷を負っていないとか)くらい強力。
条件・・・・ものすごくパワーを使うので一日に何度も使えない。数回が限度。
    パワーが尽きる(使いすぎる)と発動しない。または戻る時間が極端に短くなる。
    そして自分が本当に納得していない事ではないと力が発動できない。
    (例えばトランプで自分の手札が悪くて負ける→敗因を納得しているので発動しない
     こっちが勝ってるはずなのにイカサマで負ける→納得できないので発動して勝負の前に時間が戻せる)

適当に叩き台にしてちょ
806名無しさん:04/10/12 07:04:49
ちょっと考えてみたんだが、一度封印された石でも本人の(悪意の無い)強い意志があれば能力復活可能とかはどうだろう。
暴走する「汚れた石」は黒っぽい色になっていて、拾った持ち主の悪意を増幅する。そして封印されると元の色に戻って(「汚れ」が消えて)使っても暴走しなくなる。
で、どっかに石を汚れさせる本体があって、最終目標はそこ、とか。

個人的な妄想なんで気に入らなかったらスルーしてください。
807名無しさん:04/10/12 09:24:39
>>806
分かりやすくていいね。あとはまとめサイトのURLを入れれば完璧だと思う。

ところでオデンヌタソは戻ってこないのだろうか…続きが読みたい
808名無しさん:04/10/12 17:21:42
とりあえず、今までのまとめてみた

スレタイ
【石の力】もし芸人に不思議な力があったら【開放】

テンプレ
前スレ
http://tv6.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1080226867/

まとめサイト
http://risus.ifdef.jp/index.htm

・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・設定だけを書きたい人も、文章だけ書きたい人もщ(゚Д゚щ)カモォン!!
・一応本編は「芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話(@日常)」ということになってます
・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨
809名無しさん:04/10/12 17:22:27
>>808続き
(書き手さん用)
・石や能力はなるべく被らない様に(番外編ならば多少被ってもOK)
・文中で新たな能力が出た場合は、必ず最後に記すこと
・文の最初にレス番号をつけて、何処からの続きなのか明記すること
・微妙な表現(痛々しい場面など)が出る場合は、前もって表記してください
・初投下の人はまとめサイトなど参考にして雰囲気とか掴んでみたらいいかも
・設定は強すぎたりとかは無しで。条件などを付けてバランス良く
・これどうよ?とか思ったりしたら、聞いてみたりしてください
(書きたい芸人さんや力などが既出かとか。)
・設定の形式は↓な感じで
例)
井戸田潤(スピードワゴン)
石・・・・シトリン←宝石言葉が「勇気」や「陽気さ」など太陽っぽい
能力・・・・自分が納得できないことが起こったとき(例えば仲間が自分を庇って倒れるなど)「アタシ認めないよ!」でそれが起こる前まで時間を戻せる。
    体力が満タン状態なら「無かったこと」にもできる(庇って倒れても傷を負っていないとか)くらい強力。
条件・・・・ものすごくパワーを使うので一日に何度も使えない。数回が限度。
    パワーが尽きる(使いすぎる)と発動しない。または戻る時間が極端に短くなる。
    そして自分が本当に納得していない事ではないと力が発動できない。
    (例えばトランプで自分の手札が悪くて負ける→敗因を納得しているので発動しない
     こっちが勝ってるはずなのにイカサマで負ける→納得できないので発動して勝負の前に時間が戻せる)
810名無しさん:04/10/12 17:23:32
>>809続き
以下はスルーしても構わない設定です。
・一度封印された石でも本人の(悪意の無い)強い意志があれば能力復活可能
 暴走する「汚れた石」は黒っぽい色になっていて、拾った持ち主の悪意を増幅する。
 封印されると元の色に戻って(「汚れ」が消えて)使っても暴走しなくなる。
 どっかに石を汚れさせる本体があって、最終目標はそこ。
・石の中でも、特に価値の高い(宿る力が高い)輝石には、魂が宿っている(ルビーやサファイヤ、ダイヤモンド、エメラルドなど)
 それは、古くは戦前からお笑いの歴史を築いてきた去る芸人達の魂の欠片が集まって作られたかりそめの魂であり、
 石の暴走をなくす為にお笑い芸人達を導く。
・石の力は、かつてない程に高まった芸人達の笑いへの追求、情熱が生み出したもの。
 持ち主にしか使えず、持ち主と一生を共にする(子孫まで受け継がれる事はない)。
・石の暴走を食い止め、封印しようとする芸人たちを「ユニット」と呼ぶ。
 逆に、奇妙な黒い欠片に操られて暴走している芸人たちを「黒いユニット」と呼ぶ。
 (黒い欠片が破壊されると正気に戻る。操られている時の記憶はなし。) 


現在の書き手さん  ()内は出演中の芸人、?は名前未登場芸人、「」は登場予定
本編
オデンヌ ◆RpN7JISHH. さん(ダンディ坂野、スピードワゴン、中川家、「長井秀和」、「劇団ひとり」)
"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE さん(スピードワゴン、江戸むらさき、?)
619 ◆QiI3kW9CIA さん(品川庄司)
カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw さん(カンニング)
672 ◆1En86u0G2k さん(エレキコミック、?)

番外編
現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 さん(ビッキーズ、スピードワゴン、おぎやはぎ)
ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI さん(長井秀和、劇団ひとり、波田陽区)
811名無しさん:04/10/12 17:25:25
>>810続き
登場芸人  番外編登場芸人、本編の芸人の能力等の詳細はまとめサイトで
()内は石
本編
・アンガールズ 田中(ハウライト)/山根(アベンチュリン)
・アンジャッシュ 児島(オパール)/渡部(水晶(透明))
・いつもここから 山田(グリーンフローライト)/菊地(ツァボライト、アイオライト)
・江戸むらさき 野村(バイオレット・サファイア(甲))/磯山(バイオレット・サファイア(乙))
・エレキコミック 今立(?)/谷井(?)
・おぎやはぎ 小木(トルマリン)/矢作(ラリマー)
・カンニング 竹山(ルビー)/中島(サファイヤ) 
・麒麟 川島(黒水晶)/田村(白水晶)
・くりぃむしちゅー 有田(パイライト)/上田(ホワイトカルサイト)
・さくらんぼブービー 鍛冶(オキニス)/木村(カーネリアン)
・品川庄司 品川(ラブラドライト)/庄司(モルダヴァイド)
・スピードワゴン 井戸田(シトリン)/小沢(アパタイト)
・ダンディ坂野(花崗岩)
・友近(レッドベリル)
・中川家 剛(キャッツアイ)/礼二(アレキサンドライト)
・ドランクドラゴン 塚地(ヘマタイト)/鈴木(ジャスパー) 
・?("Violet Sapphire")(インカローズ)
・?(エレキ短編)(モルダバイト)

設定のみ投下済みの芸人、石(スルー可)
()内は石
・アンタッチャブル 山崎(シェルオパール)/柴田(ファイアオパール)
・三拍子 高倉(アポフィライト)
・テツandトモ テツ(トパーズ)/トモ(アクアマリン)
・東京03 飯塚(アウイナイト)/豊本(ブルータイガーアイ)/角田(ラピスラズリ)
・バナナマン 設楽(ソーダライト)/日村(スモーキークォーツ)
・ヒロシ(カンラン石)
・ラーメンズ 片桐(カオリナイト)/小林(トルコ石)
812808-811:04/10/12 17:26:36
長々とすみません。
こんな感じでしょうか?
813名無しさん:04/10/13 00:02:49
>>810
おいおい…麒麟編の書き手さんがいないぞ…。
814名無しさん:04/10/13 01:03:11
>>812
テンプレお疲れさーん。修正もヨロ。こうやって見ると壮観だね
あと80KBくらいか。早く落ち着きたいね。
(小声だけどもう続きが楽しみで楽しみで…)
815808-811:04/10/13 01:31:19
>>813
ご指摘ありがとうございます。
そして156=421 ◆SparrowTBE さんすみません・・・orz

>>810修正
現在の書き手さん  ()内は出演中の芸人、?は名前未登場芸人、「」は登場予定
本編
オデンヌ ◆RpN7JISHH. さん(ダンディ坂野、スピードワゴン、中川家、「長井秀和」、「劇団ひとり」)
"Violet Sapphire"  ◆ekt663D/rE さん(スピードワゴン、江戸むらさき、?)
619 ◆QiI3kW9CIA さん(品川庄司)
カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw さん(カンニング)
672 ◆1En86u0G2k さん(エレキコミック、?)
156=421 ◆SparrowTBE さん(麒麟、いつもここから、友近)

番外編
現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 さん(ビッキーズ、スピードワゴン、おぎやはぎ)
ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI さん(長井秀和、劇団ひとり、波田陽区)

これで・・大丈夫ですかね?
816名無しさん:04/10/13 13:12:25
ピン芸人編は本編じゃないか?
817808-811:04/10/13 23:05:18
>>816
>>740
>番外編という事で好き勝手やっていますがお許しください。
と言われていたので番外編にしました・・・コレデOkスカ?
818名無しさん:04/10/13 23:30:35
>>817
スマソよく見てなかった…。じゃあ815でイイんじゃないか?
テンプレもイイと思うよノシ
819名無しさん:04/10/13 23:54:31
私もいいと思いま〜す
820名無しさん:04/10/14 12:55:45
皆様乙です。良いと思います〜。
821名無しさん:04/10/14 17:47:38
もう完璧じゃない?容量はまだ余裕あるね…
822名無しさん:04/10/14 18:39:30
かなりある。続き投下待ってます。
>>774-780 の続き

「井戸田さん! それと・・・野村っ!?」
石を持たない人間を戦いから遠ざける為の小沢の結界。
それをぶち破って乱入してきた二人に磯山は声を張り上げ、駆け寄った。

その格好・・・シャツは破れ、腕や膝などに所々擦り傷も見られる磯山の姿に井戸田は一瞬言葉を失うけれど。
小さく微笑んで労いの意図を込めてぽふぽふと彼の砂まみれの頭を軽く叩いてやる。
「悪かったな。大変だったろ。」
「まだ・・・終わってませんよ。」
ムスッとして磯山が言い返すように、今は井戸田の張った山吹色の輝きを放つ防御壁によって
ケツァルコアトルの攻撃を防いではいるけれど。
まだ、本体を倒してはいないし、石だってまだ野放しのまま。
闘争心を失わない凛とした磯山の目に、野村は苦笑を浮かべ、井戸田は小さく肩を竦めた。

「・・・そうだよな。じゃ、とっとと蛇退治と行きますか!」
互いの相方が揃えば百人力。怖れる物などどこにもない。
四人が軽く視線を合わせ、タイミングを揃えると。井戸田がまず叫んで防御壁に意識を集中させた。
壁のように展開していた障壁が、ケツァルコアトルのノドを貫く楔形に姿を変えていく。

「真っ二つに、なりやがれぇっ!」
相手の存在を否定する山吹色の光の楔を井戸田がケツァルコアトルに打ち込むと。
毒々しい黒みを帯びた緋色の蛇の胴体が、光に焼かれ溶けていくかのようにドロドロと崩れていく。
さすがに一刀両断とまでは行かなかったが、胴体の大半をぶった斬られて、
ケツァルコアトルの全身から悲鳴に似たエネルギーの流れが周囲へ迸った。
「凄ぇ! さすが潤さん!」
思わず歓声を上げる野村に、軽くウィンクなどして見せたりして。
気を失っている間に精神面での休養が取れたのか。
それとも、この状況で脳内アドレナリンが出まくっているのか。
さっきの戦いの際に精神力切れを起こし負傷した人間とは思えない、井戸田の頼もしい石さばきを
彼の背中越しに見やりながら、小沢は思わず目元を擦る。

・・・・・・こういうのを目にしちゃうと、やっぱり一人で戦うとか言えなくなっちゃうんだよな。

自分の代わりに他人が傷付くのは怖いし、辛いけれど。
誰かが居るお陰で、いつも以上の力が発揮できる事は、多々ある話で。
自分も負けていられない。その想いが小沢のアパタイトを輝かせる。

「・・・・・・・・・っ!」
インカローズとシトリンが互いに発したエネルギーが衝突し、周囲の砂を激しく巻き上げた。
仮に結界で封じていない、普通の街中で戦った場合ならばとっくに辺りの建物のガラスは
全部ぶち破られている事だろう。
アパタイトを握る手で砂が顔に直撃しないよう防ぎながら、小沢は言霊を口にした。

  「もうこんな遊び、終わりにしない?」

無我夢中で指を鳴らし、パチリと小さく音が上がって。
小沢はそこで初めて指先の痺れが取れ、元のように意のままに動くようになっていた事に気付いた。
「あ・・・・・・。」
思わず指先に目をやり、それから言霊が無事に発動したのかを見定めるように
小沢は粉塵の中心へ目を凝らす。

シトリンによる一撃でその姿を維持するのも難しいぐらいのダメージを負ったケツァルコアトルに
アパタイトの青緑の鎖が絡みついていた。

・・・封印の言霊は、発動している。

「お願い、アパタイト・・・もう少しだけ、力をっ!」
「頼むぜ、シトリン・・・小沢さんを助けてやってくれ。」
二人の祈るような想いに応じてか、じわりじわりと鎖はケツァルコアトルを押さえ込もうとしていたが、
やはり所有者の意識を呑み込み、これだけにも肥大した暴走するエネルギーを
元の通りに封印するのは容易ではないらしい。
ケツァルコアトルも、鎖を引きちぎろうとその胴体を揺すって藻掻き、はいずり回る。

「・・・・・・なっ!」
これが野生の闘争本能なのだろうか。それとも最後の足掻きなのか。
砂煙の中からヌッと鎖に繋がれたケツァルコアトルのおぞましいほどの姿が覗いたかと思うと、
四人の方へ倒れ込むように襲いかかってきた。


インカローズの封印に掛かりきりになっている小沢と井戸田の石は使えない。
ならば、と野村の持つバイオレット・サファイアが磯山の持つそれと共鳴するかのように輝きを放つ。
「やっぱヘビガミサマに対抗できるのは・・・『あの御方』しかないっしょ。行くぞ、磯山!」
「ちょっ・・・・・・えぇぇっ!」

その口振りに厭な予感を覚える磯山を一旦放っておきつつ、野村は滑らかな口調で言葉を連ねだした。
「その力は偉大にして、その姿は見目麗しく、雄々しく、恐ろしく、気高く・・・
 ・・・まさに、芸能界のゴッドねぇちゃん、元祖クィーン・オブ・リズム&ブルースっ!」
どこか呪文のように響くそれは、磯山の石が持つもう一つの力、変身の能力を起動するキーワード。

「やっぱりかっ! ・・・よ、よくも見破ったなぁっ!」
厭な予感がまるっきり的中し、思わず磯山は悲鳴じみた叫び声を上げる。
それを無視するという手も彼にある事はあるが、ここで揉めている余裕などない。
渋々というよりもどこかやけっぱちになりながらも磯山はバイオレット・サファイアに想いを込め、
全身の筋力を最大限にまで強化し、跳ぶ。
意思の能力が開放され、磯山の全身を包み込む紫色の輝きが、彼の肉体を変容させていく。
小柄な磯山の体躯が見る見るうちに長身のそれへと変わり、体格に見合った眩い紫色のドレスすら
その身に纏って。

「・・・・・・・・・・・・えーと。」
磯山の変身後の姿に思わず揃って地上で絶句する小沢と井戸田はさておいて。
地面に全身を叩き付けるケツァルコアトルよりも上に躍り出た磯山・・・というか『あの御方』は身を翻すと
落下エネルギーと、バイオレット・サファイアが生み出すエネルギーとをきらめく右の拳に込めた。
「神の・・・鉄槌っ!」
叩き付ける渾身の打撃に。
まさしく神の雷のような紫の輝きがケツァルコアトルのどす黒い身体を駆けめぐっていく。

『・・・・・・・・・・・・・・・!!』
翼を懸命に広げ、苦痛に悶えるように何とか天を仰ごうとしたケツァルコアトルだったが、
それがインカローズの限界だったらしい。
しばし全身を硬直させたかと思うと、風船から空気が抜けていくように、ゆっくりと縮んでいく。
相手の抵抗がなくなった事で、アパタイトの鎖もしっかりとケツァルコアトルを戒めていって。

数分も経たない内に、辺りには四人と男の姿だけが残されるまでとなった。






「・・・・・・・・・・・・。」
コロリと地面に転がるインカローズと、その傍らに倒れている男。
どちらも今までの騒ぎが嘘のように静かで、ピクリともしない。
結界の外からは、何も知らずに道路を走る車のエンジン音が微かに聞こえている。

「磯、野村くん。今のが・・・これが、石に呑まれた芸人の姿。」
変身を解いた磯山とその傍らの野村に対し、小沢は穏やかな口調で告げた。
「今ならまだ、二人の石も封印して・・・明日からは何事もなかったかのように過ごす事もできるけど。」
・・・どうする?

そっと投げかけられた問いに、江戸むらさきの二人は一度顔を見合わせて、答える。
「封印する必要はねーよ。」
即答ついでに意図せずハモる二人の言葉に、小沢は肩を竦めて苦笑した。

「そういや、潤さんも封印して欲しくないってダダこねてましたよね。」
「・・・当然だろ?」
呼び掛けられて、井戸田もフッと笑う。
「それよりさ、さっさと石を回収して帰ろーぜ。緊張が解けたせいで・・・ちょっと傷が痛い。」
そんなに痛いなら、自分の石の力で怪我を否定すればいいのだけれど、
治療してくれた野村の目の前だからか、それともやはり精神力が残り少ないのか。
井戸田はその笑みに苦笑いの色を含ませて、一同に提案する。
「みんなで日村さんトコ押しかけてさ、ちゃんこ鍋作って貰お! 決めた!」

「そうだな・・・・・・でも。」
井戸田の提案に一応は同意しつつも、小沢はにわかに表情を曇らせて、呟いた。


「その前に・・・まだ、居るんでしょう? だったら、出てきてくれませんか?」
小沢の声色は低く、鋭い。
「人の腕を金縛ったお礼を、まだしていませんからね。」
小沢の突然の言葉に、三人は何が起こったのかとそれぞれ口を閉ざす。
不意に沈黙が拡がる中、公園の道路に面した箇所でふわりと空気が揺らいだ。


「・・・参りましたね、気付いていたんですか。僕らの事。」

聞き覚えのある声に、一同が声の上がった箇所を向けば。そこには黒髪の長身の男がたたずんでいる。

「な・・・お前・・・何で・・・何でお前がここに居るンだよ。」
磯山の口から狼狽した声がこぼれた。
「赤岡!」


「・・・赤岡だけじゃないよ。僕だって。」

今度は長身の男・・・赤岡の居る箇所とは四人を挟んで逆の方・・・インカローズと男の方から声が上がった。
振り向くまでもない。カツゼツの悪いこの声が誰の物か、彼らに間違えようのあるはずがないのだから。
「島秀・・・・・・。」
小さく呟いて、野村は信じられないと言わんばかりに眉をしかめた。

確かに、彼らの江戸むらさきとの付き合いもスピードワゴンの付き合いが悪くなったのと同じように
一時期に比べればすっかり悪くなってしまっていたが。
そう。四人を挟んで立つのは号泣の赤岡と島田。
彼らからすればしょっちゅう顔を合わせている間柄の筈なのに、今の彼らからはいつもは感じられない
強い意志と自信に満ちた気配をひしひしと感じる事ができた。
それは、彼らもまた自信の根拠となるモノ・・・石を持っている事にほかならず。
小沢は軽く眉を寄せ、目前の赤岡を睨み付けながら、問うた。

「赤岡くん。何のつもりでこんな真似を・・・まさか、君達は『黒のユニット』の芸人なのか。」
警戒しつつ発せられる小沢の言葉に、赤岡はフンと鼻で笑って応える。
「別に・・・僕らは『白』でも『黒』でもどちらでもないですよ。」
「そう、僕らはただ・・・強い石とその使い手を捜しているだけ。」
そもそも、『白』と『黒』なんて興味すらありません。
面白くなさそうにそう言い放つ赤岡の言葉を継ぐように、島田も小沢に告げた。

「ただ、僕らの邪魔をするようであれば、『白』であろうと『黒』だろうと容赦はしませんが。」

穏やかに告げる赤岡の目に宿る不穏な輝きは、
その言葉が本気で発せられている事を暗に示しているように思えて。
小沢は無意識の内にアパタイトを握り込む手に力を込めていた。
今回はここまで。
ダラダラ長くて申し訳ないですが、多分次かその次ぐらいで終わるかと。

ちなみに「日村さんのちゃんこ鍋」は>>283の設定より。

あと、テンプレ制作乙でした!
831名無しさん:04/10/15 13:04:31
>>823-830
キタワァ゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!
手が動かなくなったのも伏線でちゃんとあったんですね。かなりワクワクしながら読みました。
しかも出てきた号泣も気になる…。能力とか立場?とかも…
乙かれさんです!
832名無しさん:04/10/15 15:13:25
テポドンが落ちるなら正確に東京を狙ってほしいなぁ、同士討ちになるけど。
こんな糞東京人と一緒に「日本人」でくくられりゃい迷惑だよ。
NAVERで韓国人が動画や画像ファイル貼り付けるんだけど、時々表示されないことがある。
ソースを見てみるとファイル名にハングル文字。
日韓交流掲示板であることなんてお構いなし。
東京人が関西での生活で、もしくはチャットや掲示板で関東弁を使うのと似たものを感じる。
東京民国がどうなろうが知ったことではないが、売国行為で日本の他地域を
巻き込むのはやめてほしいなあ。
レンホウが当選したら、東京人はどうにかして日本人辞めろよな。独立でもいいから。
独立が無理なら、人間辞めてでも日本人辞めろ。
売国奴・レンホウが当選するって事は、東京人全てが売国奴である証だ
関東顔=チョソ顔
833名無しさん:04/10/15 21:00:14
>>823-830
ゴッドねぇちゃんに惚れたw
834726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:28:39
「あ、いた!おーい、柴田ー」
楽屋に戻る途中で、山崎が手を振りながら廊下を走ってくる。
「あれ、どうしたよオマエ!」
「いやね、中華まん用意したから」
なるほど、確かに彼の手には中華まんが一つある。
「はい」
山崎は中華まんを二つに割って、肉のあんが詰まったそれを相方の手に持たせる。
「それでわざわざ急いで来たってか?オレ、トイレに行ってただけなのに」
半分の肉まんを渡され不審げな顔をする柴田に、山崎はニッコリと笑顔になって。
「まだ楽屋に置いてあるんだ。冷めないうちに二人で食べたいなって」
そう言いながら背中を押して楽屋へと急がせる。
「サンキュ山崎。でもちょっと急がせすぎじゃねえ?」
内心相方の心遣いが嬉しい柴田は微笑みながら山崎に応える。
835726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:30:09
しかし楽屋の扉を開けた瞬間彼は唖然とし、数秒後に山崎が迎えに来た意味も察する。
「……山崎……」
確かにほこほこと湯気の出た中華まんが楽屋に置いてあった。──天井までびっしりと楽屋を埋め尽くして。
山崎は中華まんの大群に楽屋を追い出されたらしい。
「さ、どうぞ。全部食べてもいいよ」
「どうぞじゃねぇよ!こんなもん一人で食ったらもれなくオレの腹破裂するね!」
柴田は山崎の頭をはたいてツッコミを入れる。
他の中華まんの下敷きになっていても全く潰れず丸いままの、物理法則を無視したそれを5秒ほどじっと見て。
「一応聞いておくけど、これはどうしたの?普通一人でテイクアウトできる量じゃないよね」
頭を抱えながら尋ねる柴田に、山崎は飄々としながら応える。
「あー、小腹が空いたんだけど何もないし、でも買いにいくのちょっと面倒かなあって」
これでちょっとね、と白地に虹色の光が遊ぶ二枚貝のような形の石を柴田に見せる。
「やっぱりか!一手間を惜しむんじゃねぇ!余計面倒なことになってんだろうが!」
オレの喜びを返せと迫る柴田の勢いにたじたじとなる山崎であった。
836726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:31:45

「大体オマエ、石使ってまともに物出したためしねぇだろ」
「いやいや、今頼んだらちゃんと出てきたよ」
「どう頼んだ?」
「あんまん二人分」
「ずいぶんサービス過剰だねえ。量多いし、さっきのは肉まんだったぞ」
つっこみながらも、相方が自分の分も用意する気はあったことに嬉しさを覚えてしまう。
そのことに苦笑いを浮かべるものの、目の前の事態は表情を真剣にさせる。
「とにかく、楽屋に一杯はいらねえよ。どうにかできねえのか?」
でも今までに何度もキャンセル効かないことで苦労させられたしなとため息をつく。
「呼び出したものを返す方法ならあるよ。最近できるようになったんだ」
「何だ、じゃあそれやってくんない?山崎さん」
即答する山崎に、柴田はホッとして中華まんを戻すよう頼む。
「でもちょっと勿体なくない?」
「食いきれなくて固くなる方がよっぽど勿体ねえって」
「冷めたらもう一度レンジで」
「チンとかいいから、いい加減オレを楽屋に入れてくれ!!」
「はいはい。『あーざいますっ!』」
いいかげん柴田がキレ始めたのを見て、山崎は元気のいいお礼の挨拶──呼んだ物を戻すためのゲートを開けるキーワードを口にする。
その声に応えて手のひらの石が光り、白い輪が山崎の目の前に出現する。
そして中華まんが──ピクリとも動かない。
「…自分でもどってくれるといいんだけどねえ」
石をポケットにしまい、中華まんを両手いっぱいに抱えて輪の中に放り込み始める山崎。
「手作業!?うわ、大変だなあ」
それを見た柴田も中華まんを抱え、ゲートに入れるのを手伝い始めた。
837726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:36:12
しばし二人は黙々と片付け作業を続ける。が。
「終わらないな」
「楽屋一杯だしね」
未だ大量に残る中華まんに途方に暮れ、沈む二人。
「誰かに助けを求めないとまずいかな」
「片付けるの得意な人って、今日いたか?」
「あー、ゲートが手動じゃなかったらなあ」
「そもそもこうなったのはテメエが大量発注した…」
せいじゃないのか、と言いかけた柴田はあることに気が付き、山崎に背を向けると自分の首から下げていたものを手に取った。

柴田の胸でオレンジの光が瞬き、彼は笑って相方に向き合う。
「おう、いけるぞ山崎!出来る!」
「えっ、柴田?」
「悪い、オレ自分のこと完っ璧に忘れてたわ!ごめんね」
「柴田さん?」
先ほどまでの沈んだ様子からは考えられないほどの柴田のテンションの高さと笑顔に戸惑う山崎。
「ほら、コイツコイツ」
柴田は上機嫌で橙色に炎のような紅い光が浮かぶ石を山崎に見せた。
「……あー、そっかー!」
「そうなんだよー!」
山崎も笑顔になって柴田とはしゃぎ始める。
「じゃあ、頼むわ山崎!」
「オッケー、そっちの方もよろしく!」
満面の笑顔と共に、柴田の石が強く光り鮮やかな橙の光が相方に降り注ぐ。光を浴びた山崎の石も共鳴し、明るく強い光を放つ。
それと共に白いゲートが虹色に輝き始め、中華まんも揺れ始める。
「いっせーの、せっ」
「『あーざいまーすっっ!!』」
二人同時にキーワードを叫んだ瞬間、ゲートがひときわ強く輝いたかと思うと淡く発光した中華まんが浮き上がり、一斉にゲートに向かって飛んでいく。
楽屋を埋めていた中華まんは、またたく間に異空間の向こうへと去っていった。
838726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:37:30
最後の中華まんが帰ったのを見届け、山崎は力を解除する。
「はあー、疲れたー」
連続して石を使った反動が今来たようで、山崎はその場に座り込んだ。
「きっついなー、さすが」
こちらも力を解除し、柴田は肩で息をして壁にもたれた。テンションは通常に戻っている。
「やー、柴田が魔力アップの呪文使えて助かった」
「呪文っていうのかな、これ」
ようやく空いた楽屋に入り、二人は大量の中華まんの下になっていた自分たちの荷物を確かめ、多量の物の下敷きになっていたのが嘘のように何事もない荷物にほっとする。

「あー。お腹空いたー」
楽屋の床に倒れ込む山崎。
「結局肉まん半きれしか口にしてないよ」
「オレは当分中華まんはいいわ…あ」
柴田はふと思ったことを尋ねてみる。
「もしかして、あんまんは食べてない?」
「……あー、失敗したー」
結局食べたかったものを食べ損ねたことに気が付いて、へこんだ山崎は改めて床に潰れる。
そんな相方を見て、本当にしょうがねえなと苦笑する柴田。

そんな能力者コンビのささやかな日常の一コマ。

839726 ◆B0ZJs1mt1. :04/10/16 06:38:36
お目汚しではありますが、チャブ話、書いてみました。

アンタッチャブルの能力は>>249を元にしてますが、山崎さんの条件に

   石の力で呼び出したものは返さない限り消えずに留まる。
   返すための門を開くキーワードは「ありがとうございます」。
   基本的には手動で返すことになる。

を付け加えさせて下さい。
840名無しさん:04/10/16 10:51:37
726◆B0ZJs1mt1さん乙です!腹抱えて笑いました。手動なんだw
二人のかけあいとか柴田さんの台詞まわしが本当に言いそうですね。
841名無しさん:04/10/16 21:23:45
読みました!面白かったです!
「自分でもどってくれるといいんだけどねえ」
「手作業!?」   
のくだりが特にw
楽しませていただきました!ありがとうございます!
842名無しさん:04/10/16 22:45:27
>>834-838
面白かった!2人のやり取りが目に浮かぶようです
自分で蒔いた種なのに何故か達成感アリアリなチャブ何か良い
843名無しさん:04/10/17 08:40:24
726◆B0ZJs1mt1さん乙っす!面白かったです!なんかほのぼのしてて良い感じw
2人の会話が目に浮かぶようでした。自分も、手作業なのにワロタw

>自分で蒔いた種なのに何故か達成感アリアリなチャブ何か良い
844名無しさん:04/10/17 14:23:17
>823-830
ああ続きが!いつも楽しみにしてます。
色々新しい事が出てきて展開がスゴイ気になりますね!
何気にゴッドなねぇちゃんとか出てくるし、戸惑うスピワもw

>834−838
大笑いしました!個人的に最初のほのぼのした感じから
>「どうぞじゃねぇよ!こんなもん一人で食ったらもれなくオレの腹破裂するね!」
の流れ笑いました。あと手作業…w
チャブ良いコンビですね〜。

お疲れさまです!
845672 jet:04/10/18 00:25:46
>>732-735 の続きです

「いやあ、感動的だったけど意味のない助っ人だ」
笑いを噛み殺しつつの台詞は的を得ていたが、自分でわかっている失敗ほど指摘されたくはないものだ。
鬼をも殺せそうなほど睨みつけてくる谷井の視線を愉快そうに男は見下ろし、
それから腕時計を確認して、「ああ、もうあんまり時間もないし」とさらりと言った。
自由時間になってまだ1時間も経っていなかったが、早々と戻ってくる者もいるだろうし
そうなればここでの騒ぎを誰かに気付かれる可能性も増えてくる。
男はほんのすこし思案し、やがて宣言した。
「…意味ないついでにお前の使えない石ももらってやるよ、」

今にして思えば流れはそこから変わったのかもしれない。
男が当初の予定を変えて、今立ではなく谷井の石から先に奪おうとしたこと、
無力な相手に気をよくして能力を少々使いすぎていたこと、
そしてなにより、ピンチの時にこそ石はその力を発揮しやすいという原則を忘れていたこと。

「渡すかよっ!」
痛みをこらえて、伸びてきた男の手を谷井が払い除ける。
予想外の抵抗に男はさっと右手をかざしかけたが、なぜか能力は使わずにそのまま掴み合いになった。
体力を削られているために防戦一方の展開を強いられ、
リストバンドをもぎ取られまいとじたばた暴れる姿は格好の良い姿ではなかったけれど、
男がそう動いた理由を、一瞬だけまたたいた石の光の変化を、谷井は見逃していなかった。
846672 jet:04/10/18 00:29:04
「…今立!こいつ、疲れてる!!」
相方の鋭い叫びが彼に今成すべきことを悟らせた。
今立は渾身の力で駆け出すと、男の背中に向かって身体ごと体当たりをかける。
ぶつかった勢いで谷井までがぐえ、と潰れた声を上げたがそれに気をつかう余裕はない。
男は石を使わないのではなく使えないのだ。
それなら精神力が回復する前に意地でも石を取る!
初めて巡ってきた反撃のチャンスを逃すまいと必死で男の身体を掴み、動きを封じる。
「この…!おとなしくしてやがれっ!!」
両側に挟まれる形はさすがに不利とみたか、男が気力を振り絞り再び力を解放させようとした。
いくらか明度は衰えながらも、緑色の光は主の要求に応えて広がりはじめる。

(…これ以上好き勝手させてたまるか!絶対こいつ止める!!)
男と激しく揉み合いながら、2人が同時にそれを強く念じた瞬間。
谷井の左腕が、今立の握られたままの右手が、強く輝いた。

「なっ…!!?」
驚きの声は3人分。
桃色と霞のような白色。2つのまばゆい光が、勢いの失せた緑色のそれを圧倒する。
「ちっ!」
しかし一番最初に発動したのは男の石だった。例の衝撃波が今立に襲い掛かる。
羽交い締めようとした腕が解けて後方へ飛ばされたが、その威力は今までと比べ格段に弱まっていた。
(…ほんとに疲れてんだ、こいつ!)
一回転して素早く体勢を整え、前方を見据えようとしたものの、桃色の光の柱に目を開けていられない。
目を細めて状況をなんとか把握しようと試みる視界の中、緑の光がバチっと音を立てるように瞬いた。
相手の石は弱まったとはいえ、人を振り払える位のエネルギーをまだ残しているのだ。
ここで逃げられでもしたら…!
阻止しようと走り寄りかけた今立だったが、ポン!という間抜けな音につられて視線が上がり、
そしてその口がぽかんと開いた。
「………は?」
847672 jet:04/10/18 00:31:34
ピンク色の光がある程度安定し、ドーム状に展開する中。
ぴょん、ぴょん、と緑色に輝く小さなカード状のものが男の石から次々と飛び上がっては落ちていく。
落ちたカードは数枚で行進したりじゃれあったり、まるで意志を持っているかのように
好き勝手に周囲を動き回っている。
ユニークでどこか脳天気なその動きは、先程まで散々苦しめられた男の能力とはあまりにかけ離れていた。
「何だあれ…」
ちょろちょろと走り回る不思議なものたちを呆然と見つめ、今立は呟く。
光の中の2人も表情は同じで、取っ組み合ったままの姿勢で固まっていた。
「…な、なんだよ、これっ!?おいっ、やめろ!止まれ…!」
一拍置いて我にかえった男の必死の呼び掛けもむなしく、石はおかしな手品を全くやめようとしない。
男の制御をよそにまたぴょん、と陽気に跳ねたカードの軌道を追った時、谷井と目線がぴたりとかち合った。
(…よくわかんねえけど、今だ!)
そう言いたげな谷井の表情にはっとした今立は、強く頷いた。

右手の白光は静かに瞬き、自分の指示を待っている。
(あいつを大人しくさせる力…なんでもいいから、来い…!)
目を堅くつぶり、拳をぎゅっと握りしめて再び念じる。
手のひらに伝わる石の感触と、ひときわ強い輝き。

すると今立の中に突然、そのための言葉が浮かび上がってきた。まるで昔から知っていたもののように。
頭の中は泉のように澄み渡っていた。
息を吸い、神経を集中させて、依然としてカードを生み続ける男に、その4文字を、放つ。
848672 ◆1En86u0G2k :04/10/18 00:33:44
第一発見者に言わせるとその光景は奇妙の一言に尽きるものだったという。
廊下の端で崩れてへこんだ段ボールの山と、ひしゃげて転がる灰皿スタンド、
なぜか廊下の真ん中で深々と眠りこける某芸人と、心身ともに使い切った感の漂うエレキコミックの2人。
それが石を持った人物でなかったら、2人は事情を説明するのに相当手間取ったに違いない。

「はあ…何、じゃあ君らも石使えるようになったの?」
(今立の補足入りの)谷井の説明をあっさり信じてくれたらしい東京03・豊本は最初にそう尋ねた。
「そうね…多分…つーかどういう力なのかよくわかんないけど」
はあ、とため息をつきながら頭をかく谷井に、「俺も」と今立が肩をすくめる。
「なんか変な能力っぽいもんね、2人して」
らしいっちゃらしい、と納得して頷く豊本はこの状況を面白がっているようでもあった。
「笑いごとじゃないっての…」
「でも面白いじゃん」
ラリホーってドラクエでしょ?ありえない!
けらけら笑う声を聞きながら、当の今立も事実を信じきれない気持ちでいた。

あの時自分が咄嗟に男に向けたのは、あるRPGでお馴染みの催眠呪文だった。
相手を眠らせて無抵抗にし、戦いを有利に進められる…といってもそれはあくまでゲームの中での話。
現実世界でそんなもの使えるわけがない!と放った途端急に我に返ったのに、
指先から薄紫色のもやが男めがけて飛んでいったのはどうも目の錯覚ではなかったらしい。
もやに包まれた男は驚いた表情をこちらに向け何か言おうとしたが、
両目が急にとろんとしたかと思うと、その場にばたりと倒れこんでしまった。
カードもそれきり飛び出すのをやめ、やがて主人と同じようにパタパタと倒れて消えていく。
最後の一枚が回転しながら消えた時、2人の石の輝きもふつりとかき消えた。

「…なんだったんだ………」
疲労を封じ込めていた緊張感がなくなると、急に身体のあちこちが軋んで悲鳴をあげる。
能力を使ったせいなのか脳すらもそれ以上の活動を拒否しているようで、
こちらに近付いてくる足音を耳にしても2人はただ座りこんでいることしかできなかったのだ。
849672 ◆1En86u0G2k :04/10/18 00:34:42
(これが石の力か…)
谷井と豊本のやりとりをどこか遠くに聞きながら、今立は手の中の石をじっと見つめる。
こんなちっぽけな石ひとつで自分が大の大人を眠らせてしまえたと思うと
使い方次第でどんなことでもできてしまえそうな、裏打ちのない漠然とした全能感が
自分の奥底から一瞬、沸き上がってきたような気がした。
(…ああ、そうか、だからみんなこんなに騒いでるんだ)
決して安定しているとは言えない自分達の立ち位置。数年先を覗いてもなにも映らないかもしれない不安。
そんな時に未知の力をほいと渡されたなら、それに縋る者も頼る者も
それを使って人を押しのけていこうとする者も、存在して当然ではないかとすら感じられた。
だからと言って他人を傷つけることが許されるわけではないけれども、
その当たり前の感覚を壊してしまえるだけの魅力が今、多くの芸人の手の内に握られている。
(しかし、なんでまた…)
そんなおそろしい状況を誰が何の為に作ったというのだろう。

「さて、これをなんとか片付けなきゃ」
豊本の声に意識が引き戻された。今立のやや青ざめた顔には気付かない様子で、
ポケットから携帯を取り出すと数回電話をかけ、それぞれの相手にてきぱきと事情を説明している。
どうやら、この状態を修復できる能力を持った共演者たちに救援を要請しているらしかった。

「今日のライブ、いいメンツ揃ってて助かったよねえ」
うまくいきそう、とにっこり笑って携帯を閉じると、先に楽屋に戻るように2人をうながす。
眠りから一向に覚めない男をつついていた谷井が途端に不安そうな声を出した。
「え、でもこいつどうすんの」
「…石で起きた揉め事は石で解決しちゃえ、ってね」
寝てるうちに封印してもらえば、こいつも全部忘れちゃうだろうし。
こともなげに言って、まだ戸惑いを残したままのエレキコミック両名の背中をポン、と叩いた。
「はい行って行って。少しでも休んだ方がいいよ」
850672 ◆1En86u0G2k :04/10/18 00:36:58
惰性のように歩きながら、今立はぼんやりと考える。
自分達は力を持ってしまった。あとはもう、心の問題なのだろう。
この先また巻き込まれるかもしれないトラブルを思えば気分のいいものではなかったし、
納得していないこともわからないことも数多かったが、
とにかく(こんなちっぽけな物の為に)、同業者を傷つける側には回りたくない。

それはお笑い芸人として、一番やってはいけないことのような気もしていた。
それをぼそぼそと隣に告げると、谷井は「だな、」と短い返事で肯定する。
「そんなの面白くねえもんな」

タン、タン、と階段を下りる2人は顔こそ合わせなかったし、ひどく疲弊していたけれども。
「…なんだよ」
「…なんでもないっすよ」
「ひっどい顔してんなー、人前に出る顔じゃない…」
「!あんたにだけは言われたくない!」
若干の気恥ずかしさを抱えつつ、互いになにかを確認しながら楽屋へと戻っていった。

定刻通り無事に開催されたライブは開始直後から盛り上がり、大成功を収めた。
あるコンビの片割れが『体調不良』で急に出られなくなったことと、
アンケート用紙の多くに『エレキコミックの2人も具合いが悪そうだったが大丈夫なのか』
と心配するコメントが記されていたことを除けば、
舞台裏での慌ただしさを最後まで観客が知ることはなかった。
851672 ◆1En86u0G2k :04/10/18 00:44:56
谷井一郎(エレキコミック)

石……ピンクトルマリン(電気石。全てを活性化し、理解力や感受性を高める)
能力…周囲にある石の効果を本来とは違う「おバカ」な作用に変えてしまう。
  (役に立つはずの動きが逆に事態を悪化させたり、全く関係ない動きになったりする)
条件…発動のきっかけは「念じて頭を振る(髪が揺れる)」こと。
   有効範囲は自分を中心に最大で半径3メートル程度。
   極端に消耗すると反動で自分自身がコント内のキャラ並にバカになってしまう。
   敵味方の判別なく範囲内にある全ての石に作用するので注意が必要。
   ふわふわさせた激しさに変化のバカ度合いは比例する。

今立進(エレキコミック)

石……ウレクサイト(石の下にある字や絵が浮かび上がる「テレビ石」。明晰な思考や予想、適応を説く)
能力…「あるゲーム内のキャラクター」が持つ能力を自分で使うことができる。
条件…一般的な能力から離れるほど精神力を多く消費する(マリオのダッシュ<ドラクエの魔法)。
   使うエネルギーが大きいため有効時間は短め。
   相手への直接攻撃となる能力やキャラの重ねがけは使用不可能。
   自分がプレイ済みのゲームにしか適用できない。
   使った後、十分な精神エネルギーが貯まるまでの数時間〜数日は、ゲームが一切できなくなる。


というわけでエレキ話完了です。
東京03の能力案が出ていたのでちらっと豊本さんをお借りしました。
もっとはじけた話にしたかったのにうまくいかなかったり
付け慣れないトリップで大失敗したりとひどいありさまですいません。

書き手のみなさん本当におつかれさまです!
(自分で書いてみて偉大さをあらためて思い知った感じです)
これからもお話楽しみにしてます!
852名無しさん:04/10/19 01:41:48
>>845-851
エレキキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
面白かったです!2人の能力もなんからしくて良い…w
672 ◆1En86u0G2kさんお疲れ様です!ありがとう!
853名無しさん:04/10/20 13:36:57
捕手
>>823-829 の続き

僅かに身を屈め、島田はインカローズを拾い上げる。
「・・・可哀想に。」
細い・・・と言うよりも骨張った彼の指で挟まれるそれは、本来の明るい朱色からは程遠い
黒色の石と化してしまっていた。
「この石は確かに強い力を秘めているけれど・・・
 やっぱり秘めた情熱を解放する石だけあって、持ち主の秘めた負の色に染まりやすいみたいだね。」
本当に可哀想に。小さく、心から哀れむように島田は重ねて石に呟きを漏らすと、
左手をボトムのポケットに突っ込んでそこから淡い乳白色の光を放つ球状の石を取り出した。

「島田、お前・・・何する気だよ?」
まさか、ようやく封印したばかりの石を開放する気じゃないだろうな?
僅かに動揺を帯びた野村の声に、島田は静かにフルフルと首を横に振った。
その手元では乳白色の輝きが力を増し、彼の右手のインカローズにその光を降り注がせていく。

「・・・・・・・・・・・・。」
赤岡に警戒するしないの差はあれど、一同が島田を見やるその中で。
島田の持つ石の光を浴びたインカローズは、徐々に失われていた赤みを取り戻していく。
まるで男から吸い上げ、蓄えた負の感情を全て洗い流していくのように。
かといって、石からは先ほどまでの活発な気配は感じられない。封印はまだ効果を保っている。

間もなく本来の赤い輝きを取り戻したインカローズに、島田は安心したように優しげな眼差しを向けて。
「それじゃ、これはお返ししますよ。」
これほどに危険な石なら、僕らには不要なモノのようですから。
そう付け加えると、インカローズを揺るやかなアンダースローで四人の方へと投げた。

「・・・うわっ!」
キラキラと緋色の軌跡を描きながらインカローズは野村の手に収まる。
しっかりと野村の両手で受け止められた赤い鉱石をちらっと見やり、小沢は島田に呼び掛けた。
「石の浄化・・・それが君の石の・・・能力?」
「えぇ。これが僕の白珊瑚の力。」
ただ、対象は石に限りませんけれど。そう軽く付け加えて島田は小沢の目をじっと見返す。

「・・・白珊瑚か。確かに宝石言葉は『清め』・・・だったっけ。」
「その通りです。良く御存知ですね。」
「まぁ、ね。」
互いに向き合いながら、淡々と言葉だけが行き交っていく中で。小沢は島田の言葉に軽く肩を竦めた。
石が持ち主の気質を反映するのか。それとも似た気質の人間を石が持ち主に選ぶ為なのか。
力を持つ石とその所有者の間には何らかの共通点がある事が多い。
島田と白珊瑚の場合は、彼の人の良さと号泣というコンビ名から連想される『涙』。
目の中の不純物を取り去るのはもちろん、心の中の不純物をも流し去るそれのイメージが
どこかで結びついたのだろうか。
「じゃあ・・・僕の腕を金縛ったのは・・・赤岡くん、の方って事か。」

「まぁ、普通に考えればそうなりますよね。」
島田に向けられていた視線が一つ、また一つと自分の方に向けられる感覚に、
赤岡は表情を変えず、しかしどこかおどけるような口調で応じてみせた。
ネタの時のような適度に力の抜けたその立ち姿は、まだ自分達が優位であると感じてのモノだろうか。
「何か良くわかんねぇけど・・・・・・何でそんな真似をする必要が」
「・・・インカローズの力を試し、見定めるためですよ。」
あるンだよ。そう問おうとする野村の言葉を遮って、先に赤岡が穏やかに返答した。
「あの石の本当の力を見る前に封じられてしまっては、せっかく人にあげた意味もないですから。」
だから、ちょっとの間だけ小沢さんの腕を僕の石で縛らせて貰いました。

「試す・・・? それに・・・あげた・・・?」
「その石が・・・僕らの求めている力のある石かどうかを。まぁ、どうやらハズレのようでしたが。」
やはりガツガツしている駆け出し始めは石の力を引き出すのも早いけれど・・・呑まれるのも早くて大変です。
そう付け加えて答える赤岡の表情は平然としており、己の行動に対しての罪悪感などを見出す事は難しい。

「・・・認められないね。」
不意に、井戸田の苛立った銅鑼声が辺りに響き渡った。
「一見どことも無関係な我が道を行ってるよーに見せかけて・・・
 お前らのやってる事は、『黒』の連中と大して変わりねーじゃねーか。」
「・・・かも、知れませんね。」
「かもじゃねーんだよ。そうなんだよ!」
一文字一文字を強調するように告げる井戸田の周囲に、感情と石が同調しているのだろうか。
シトリンの山吹色の光がぱっと滲む。
「お前らのせいで小沢さんや磯山がもっと酷い怪我を・・・いや、
 最悪死ンじまったりした場合は、一体どうするつもりだったんだよ!」

「出られなくなった仕事や営業の穴埋めに僕らが駆り出されて・・・
 そこで僕らが笑いを取ってメデタシメデタシなんじゃないですか?」
「赤岡・・・貴様ぁ・・・っ!」
答えてヘラッと笑う赤岡に対し、怒声を上げたのは、井戸田ではない。
今までずっと激しく戦っていて、精神力も体力も大幅に減少しているだろうに。
全身に紫色の輝きを纏った磯山が吼えながら走って赤岡との間合いを詰め、殴り飛ばす。
それは走りだしからの速度の余りの早さに、赤岡には不意に磯山が目前に出現したようにしか見えない。
「・・・・・・っ!」
相手も人前に出る同業とわかりながらも容赦なく顔面を襲う磯山の拳は、身長差のお陰で
ジャストミートとまではいかなかったけれど。
こらえきれずに赤岡を地面にダウンさせるだけの威力は充分に帯びている。
「・・・磯山!」
「磯?!」
「磯山くん!」
まさか自分よりも先に磯山が手を出すとは思わなかったらしく、呆気に取られる井戸田を始めにして
口々に驚きの声が漏れるが、磯山にとっては別に驚かれるほどの行動でもない。

インカローズとの戦いの中で、磯山も小沢も本当に命の危険と隣り合わせの目に遭ったから。
そして、赤岡が自分にとって親友と称して良いだろう間柄の人間だったから。
それだからこそ、赤岡の態度や言葉が信じられなくて。ただ許せなくて。
唇を切ったのか口元に赤い血を滲ませつつ、身を起こす赤岡のその顔面を狙って
磯山はなおもローキックを浴びせようとするが。さすがに赤岡も両手で磯山の足を掴んでガードする。

「そういう所でしょう? ゲーノーカイってのは。 それより・・・少し、落ち着いた方が良いですよ。」
磯山の足を掴んだまま目線を上げ、冷ややかな言葉を投げかける赤岡の姿が磯山と共にゆらりと揺らいだ。
いや、彼と磯山を覆うように漆黒の輝き・・・という表現もアレであるが・・・が広がり、二人を呑み込んだのだ。

夜の闇と混じって見え隠れする、磯山の表情が急に強張っていく。
表情が固まったのは磯山だけではない。井戸田も、野村も、そして小沢も。

「・・・潤!?」
「だ・・・大丈夫。ただ、今凄ぇ悪寒が急に・・・何なんだ、一体・・・。」
慌てて呼び掛ける、小沢の問いに井戸田は歯をガタガタ言わせながらもちゃんと応じた。
鳥肌が立った腕を暖めるようにさする小沢が感じたモノも、井戸田が口にした症状と同じ強烈な悪寒。
野村の症状も同じようで、改めて赤岡の方を見やるけれど、もう彼を覆う黒い光は消えてしまっている。
やはり、今の四人の感情を一気に冷ますほどの悪寒は、彼の石の能力によるモノらしい。

ゆっくりと立ち上がる赤岡の胸元で、街灯の淡い光を受けてチカッと小さな石が光る。
ネックレスのヘッドに組み込まれたそれは、島田が持つそれと対になるような黒い珊瑚。
しかし。石は負の気配に満ちている物の、インカローズが先ほどまで放っていた黒い光ほど
毒々しい不快な印象は黒珊瑚からは感じない。
寧ろ、負を帯びていながらも、どこか清らかにすら感じられて。

口元の血を指で拭う赤岡の側で、磯山はローキックを放とうとした体勢のままピクリともしない。
ただその表情から察すれば、先ほど小沢が金縛りにあったように磯山も金縛りにあっているのだろう。

「確かに、僕らは褒められるような事をしているつもりはないですよ。
 ・・・あなた達の立場や言動の方がよっぽど正しいと、僕は思います。」
チラと一度赤岡を咎めるような視線を送って。島田は四人に語りかけた。
「でも、あなた達には関係のない事です。 どうせ、今日会った事も忘れてしまうんだから。」
赤岡よりはまだ話の分かる相手・・・そんな期待からか、また島田の方に視線が集まる中。
島田は先ほどの白珊瑚とは異なる石をその手に握ったまま、サラリと四人に告げた。
その石の輝きの色は、井戸田のシトリンと似ているけれど、その山吹色よりは赤みを帯びている。
放たれる強い魔力に、感じ覚えがあって小沢は目を見開いた。

「島田くん、その石は・・・!」
「・・・・・・ゴメンなさいっ!」
確認しようと問いかける小沢の言葉に被さるように、島田が石を翳して叫ぶ。
その声に呼応して、石は眩い光をまとったエネルギー波を放出した。

「くそっ・・・アタシ認めないっ!」
勢い良く水が流れ出す、そんな情景を連想させる琥珀色の輝きを、
井戸田は残り少ない精神力をかき集め、すかさずシトリンで防御壁を張って防ぐ。
「・・・・・・・・・!」
眩い光と光が激しく衝突し、弾ける輝きによって辺り一面はただ白一色に染まった。



やがて四人の目が、辺りの暗さに慣れて物をはっきりと認識できるようになった頃には
赤岡と島田、そしてインカローズに操られていた男の姿は辺りからは消えていた。
「くそっ・・・あの男逃げやがったか。」
結局何も金縛りにされたお礼は出来ずじまいか・・・そんな事を思いながら、
悔しげに野村が漏らす言葉を聞き流していた小沢は、ふと野村の指す対象が単数である事に気付く。

「えぇっと・・・潤さん、それと磯。」
さすがにここまで石を使った事で、また気絶してしまいそうにフラフラと頼りない井戸田と
去り際に金縛りも解かれたのか、近づいてくる磯山に小沢はさり気なく問いかけてみた。
「今度・・・いや、明日にでも事務所で号泣の二人に会ったら、どうする?」
投げかけられる問いに一瞬井戸田はは怪訝そうな表情を浮かべ、んーとうなり声を漏らす。
その顔に、先刻までの怒りの色は見る事は出来ない。
「まぁ、せっかくだしこっそりと石を使って・・・驚かせてやろうかな。」
こちらもほんのちょっと前に赤岡を殴った人間とは思えない微笑み混じりの磯山のリアクションに、
小沢は自分の予想が正しいらしい事を確信した。


・・・とはいえ、別に冷静に考えればおかしい話では何もない。
その石が今まで誰の手を伝わって小沢達の前に現れたのか。
そして彼らが拒んだその石が、誰の元へ巡っていくのかを。

しかし、と小沢は思う。
自身の記憶を忘却させるという、芸人にとって最大のデメリットとなる代償を持つ
あの石、虫入り琥珀を手にしてまで、赤岡と島田は・・・一体何を望んでいるのだろう。

「・・・・・・・・・・・・。」
そこまで考えて、小沢は肩を竦めた。
どうせなら、自分の記憶も周りの者と同じように書き換えられていれば、
こんな事で色々考えたりしなくて済んだのに、と。

とにかく二人も男も去っていった。インカローズも封印された。
・・・今夜はそれで良い。 仕方なく、代わりにそう思う事にした。
島田 秀平(号泣)

石・・・・白珊瑚 (宝石言葉は「清め」)
能力・・・石から発される光を当てる事で、対象を浄化する。
     負の感情を吸って濁った石から、ちょっと臭う部屋の換気まで対象は幅広く。
条件・・・発動の条件として、対象を心配する必要がある。
     また、浄化に用いる力が強いほど、反動として持ち主が体調を崩す。


赤岡 典明(号泣)

石・・・・黒珊瑚 (宝石言葉は「冷静な機知」)
能力・・・金縛り・悪寒・ラップ音・幽霊出現・心霊写真などの心霊現象を起こす事ができる。
     (古代の日本では、泣く事で死者を蘇らせる事ができると考えられていた、という折口氏の説より。)
条件・・・石を使う場に威力が左右され、普通の街中では金縛りや悪寒がせいぜい。
     死者を操ったりするなど派手にやりたければ、有名な心霊スポットで石を使う必要がある。
     また、石を使った後にちゃんと身を清めないと、変な霊に憑かれる事も。

思わせぶりに出てきつつ、号泣の能力はこんな感じ。
両方ともコンビ名から連想される涙をイメージして。
あと、>>435の設定の石を

石・・・・虫入り琥珀 (文字通り、樹脂が固まる過程の中でその中に虫が入ってしまった琥珀。宝石言葉は「静と動」)
能力・・・エネルギー波の放出。
     (持ち手が転々とする石の性質上、エネルギー波の形状も所有者によって変わるか?)
条件・・・石を用いる毎に、所有者の記憶が人々から薄れていく。
     逆に、それを意識して石を使う事で、記憶抹消マッスィーンとしても使える。

こんな感じとして使わせて貰いました。
862名無しさん:04/10/21 21:09:24
面白かったです!!号泣の二人の石がすごくあってて良かったです。
863名無しさん:04/10/22 04:38:30
一発ネタだった>>435の石が本編に出てくるとはw
「スゥーパーボォール!」でピンチ脱出する磯山といい、
毎回そう来るかって感じの展開が凄いです。
864河さん:04/10/22 15:21:11
こんにちは。麒麟編とてもおもしろかったですよ。
黒ユニット側でCUBE石川ネタ書いていいですか?
866名無しさん:04/10/22 21:52:24
CUBE石川ですか、黒ユニット似合いそうなんで是非。
867名無しさん:04/10/23 01:03:03
>>◆ekt663D/rE
いつもありがとう。面白かった!
号泣ミステリアスですね。彼らが何をしたいのか気になる。
小沢さんの記憶は元のままなんですよね。あーワクワクするよースゴイよー。

>>865
щ(゚Д゚щ)カモォン!!
868名無しさん:04/10/23 01:07:45
和田はでないの?
 なんで自分はこんな事になってしまったんだろう…。もう戻れないとわかっていつつも石川は、一人苦悩していた。
しかし、背に腹は変えられない事態、彼にとっては文字通り死活問題であったとしても。

「いしかわ〜!ねえねえ、アレ知らない?アレ。」
 事務所の傍らでノートを広げ、ネタを書きつつ苦悩する石川は、相方である和田の能天気な声に、まるで不快なノイズを聞いたかのように顔をしかめた。
「アレでわかると思うの?何がどこにあるかの前に、アレが何か教えてくれるかなあ〜?」
 一応、無駄と知りつつも嫌味を込めて石川が吐いた言葉に和田は何も気付かないかのように、―実際気付いてはいないのだろう。無邪気に応える。
「ホラ、今日のライブで使う小道具だよ。ヘアクリップ。」
「はあ?そんなもん誰かに借りればいいでしょ?」
 石川が、想像以上に下らない和田の探し物にため息をつくと、和田はムッとしたように応えた。
「バカ、あのクリップじゃなきゃダメなんだって・・・え〜っと、ここにあったんだけどなあ。」
 何がダメなのかは本人にもきっとわからないハズだが、和田は必死になってカバンをかき回している。
「忘れたんじゃないの・・・?」
「いや…。絶対持ってきてるんだよ。あれ〜?ここかな〜?」

和田の必死の形相に呆れ返った石川は、軽く覚悟を決めると和田に見つからないようにポケットの中の石を握り締めた。−本当にしょうがない奴だなあ・・・。その瞬間。グリーンとピンクの混じったようなまだら模様の光が走った。
「和田、ヘアクリップってポケットの中にあるんじゃない?」

「え?そんなわけ・・・。あっ!」
 おそるおそるポケットの中を探った和田は驚きの声をあげた。上着のポケットを引っ張り出すとたしかに赤いヘアクリップが転げ落ちた。
「な、なんでわかった?」

「バカじゃないの?カンだよ。ただの勘。」

 −あ、そろそろ来るな。そう思った瞬間、石川に激しい頭痛が走った。思わず頭を押さえながら言う。
「それより見つかったんならとっとと行ったら?邪魔なんだけど。」
 和田は石川の形相にムッとしつつも、さっきまでとの様子の変化と青ざめた表情にを見て、心配そうに声をかける。
「行くけどさー、大丈夫?顔青いよ。」
「大丈夫だから!とっとと行きなよ。それともネタ書いてくれるの?」
 わざと意地悪に笑いかけた石川の顔色の悪さに、少々目を奪われたものの和田は何も言わずに部屋を出て行った。
ドアの閉まった音を聴いて石川は、安堵のため息をつく。

 −こんな下らないことのためにリスクを犯して何なんだろうな・・・。石川はピルケースから黒いガラスの欠片のような物質を取り出すと、水もなしに飲み込んだ。一気に痛みが引く・・・。
と同時に体の中でもやもやと、黒い影がうごめくのを感じた。しかしそれも一瞬で消える。彼の石の力、「精神力と第六感を高める能力」が黒い欠片の魔力を押さえているのだろう。
 
こんな忌まわしい石の欠片を、わざわざ自分から飲み込まなくてはいけないくらいに、副作用が激しい能力だったとしても。

そして石川自身にとっては、まだ他の「黒いユニット」に属する人間の多くのように(石川のように自分の意思で参加している人間も多くはいるが)、あっさりと洗脳された方が楽だったのかもしれないとしても。

 その時、電話が鳴った。電話の主を見て石川はまた深いため息をつく。躊躇したが逆らうわけにはいかない。石川は電話に出ることにした。
「はい。・・・ええ。集会ですね。わかりました。じゃあ、〜に7時ですね。はい。それでは。」
 簡潔に電話に出ると、石川は事務所を後にした。ライブでは黒いユニット側の人間は幸運にもいないようだった。
スタッフに石川を監視している黒いユニット側の人間がいるのかもしれないが・・・。石川にはまだ洗脳されているフリがばれていない自信があった。それは能力ではない。ただの石川自身の予感にしか過ぎなかったが。

(続く)
 
石川明(CUBE)

石・・・・ウォーターメロン・トルマリン(スイカのように緑とピンクの斑の石・石言葉はひらめき、第六感を高めると言われている)
能力・・・精神力を高め、カンを鋭くさせる効果がある。石の能力が最高潮に達すると、予言・予知に近い能力にまで発展する。
条件・・・精神力を高める能力のせいか、使った力に応じて肉体(特に内臓)に激しく負担がかかり、頭痛や嘔吐、吐血や鼻血などさまざまな障害が現れる。あまり使いすぎると命に関わる場合すらある。精神的に追い詰められる場合もたまにある。


CUBE石川の発想力と体が著しく弱いイメージから。和田の能力はまだ目覚めていない設定で。
873名無しさん:04/10/23 13:55:23
なんか黒ユニットらしく暗い雰囲気がしてイイね。
874名無しさん:04/10/23 20:33:33
確かに雰囲気がすごくいいです。
続き楽しみにしています!!
875名無しさん:04/10/24 00:02:58
おもろい
876名無しさん:04/10/24 20:39:41
>「アレでわかると思うの?何がどこにあるかの前に、アレが何か教えてくれるかなあ〜?」

(∴´ー`)<最高♥
877名無しさん:04/10/26 14:42:55
捕手
878名無しさん:04/10/27 00:47:27
一旦age
>>854-859 の続き

完全に平穏を取り戻した夜の公園。
井戸田に手当てを施したように、医者のコスチュームをまとった野村・・・白衣ではなくナース服を
呼び出そうとした彼をみんなで止める一幕もあったが・・・によって磯山の怪我はひとまず処置が施され。
小沢が結界を解けば、間近の東京タワーの淡い輝きが鮮明となる。

「今度こそ・・・もう、大丈夫かな。」
周囲にはもう他の石やそれを持つ芸人の気配は感じられない。
口に出さずに小沢は呟いて、ふぅと息を洩らした。
それから井戸田達の方を振り向けば、そこには石を使い続けたために、どんなにハードなネタをやっても
こうはならないだろうといった様子で地面に座り込む三人の姿。
特に井戸田は大の字になって寝そべってしまっていて、それだけでも今回の戦いのキツさが
伺えるといった話であろう。
・・・もっとも、赤岡が小沢の腕を金縛らなければ、もう少し早く決着したかも知れないけれど。

石との繋がりの深さの差か、それともアパタイトが他者を欺く石ゆえに、
逆に他の石が人を欺こうとする力に対しての耐性が強いのか。
何度それとなく三人に話を振ってみても、この四人の中で号泣の二人と遭遇した事を覚えていたのは
小沢だけであった。
あまりの彼らの忘却ぶりに、もしかしたらあの二人と出会ったのは小沢だけが見た幻なのか。
そんな事もふと脳裏を掠めるほど。

けれど、去り際に島田が放ったエネルギー波が地面に作った痕はしっかりと残っていて。
これは決して幻なんかではない。小沢にはそう断言できる。
とはいえ、今は三人に号泣の二人に出会った事を説明して納得させる必要はない。
今度、もっと万全な状態の時に探りを入れて、そこで彼らの石を封じるかどうか判断すればいいだけで。

「でも、本当に今回は・・・磯達がいて助かった。」
だから。小沢は小さく微笑んで素直な思いを口にする。
「・・・ありがとう、磯。野村くん。」
「どーいたしまして。」
数時間前にこぼした感謝の言葉を再び発する小沢に、せっかく巻いた包帯が湿ってしまいそうな勢いで
汗だくとなった磯山がへらっと笑って応じた。
「つーか、野村はそれほど役に立ってなくねぇ?」

「そんな事ねーよ!」
幾分冗談混じりの口調ではあったのだけど、磯山の言葉に野村がすかさず反応した。
確かに磯山や井戸田ほど疲労困憊といった様子ではないけれど、地面に座り込んだその姿からは
しっかりと石を用いた反動を感じている事が察せられる。
「俺だって大変だったんだからな? 井戸田さん乗っけて爆走したし。今だってお前の手当てしたし。」
それで役に立ってないと言われたらたまったモノではない。
ねぇ、と同意を求めるような仕草を井戸田に向かってみせつつ、野村は磯山に反論する。
バイク便のドライバーのコスチュームを身にまとった野村は井戸田を荷物に、宛先は小沢に。
渋谷の駅前からここまでかっ飛ばしてきたお陰で、いざという瞬間に二人が間に合ったのだから。

「・・・お前のは、爆走しすぎ。」
ま、結果オーライだけど。地面に寝そべったままハハと笑って井戸田が野村に言った。
もしも小沢が野村の後ろに乗るとして。そこで井戸田の後ろに乗っている時のように
ウトウトなどした日には、即振り落とされてしまう事だろう。
しっかり目を見開いて掴まっていた井戸田でも、何度か危ないと思う瞬間があったのだから。
そういう経験をしてしまえば、いつぞやかに聞いた、磯山がカーブで振り落とされたという話も
信憑性があるというモノである。

「それよりさ、これからどーする? 俺ホントばらく動けねぇ・・・。」
「さっき潤が言った・・・日村さんちに行く、で良いんじゃないかな。」
ちゃんこ鍋は無理でも、もしかしたら例の飴ちゃんを分けて貰えるかも知れないし。
そう付け加えながら小沢は井戸田に・・・そして江戸むらさきの二人に告げる。
「でも、アシはどーするんスか?」
野村も磯山も井戸田と小沢の提案に異論はないようだったが、
ただ、「タクシーでも呼びつけます?」そんな事を言いながら野村が小沢に問いかければ。
小沢は無言のまま、指先を野村の方へ突き付けた。

「・・・・・・・・・・・・まさかぁ?」
半疑問形で訊ねつつ自らの顔を指さす野村に、小沢はニヤッと笑ってゆっくりと首を縦に振る。
すかさず野村は磯山と井戸田の顔を見るけれど、二人も小沢とほぼ同じような表情を浮かべていて。
これはもう逃れようがない、と野村はガックリと項垂れた。




問答無用に交通手段にされたせめてもの嫌がらせのつもりか、コスチュームと共に
白い軽トラックを呼び出した野村が荷台に三人を乗せて日村の家を目指し、走り出してから間もなく。
JR浜松町駅の近くの路地で、一人の男・・・若い芸人が目を覚ました。
「・・・・・・・・・・・・。」
まだ意識がぼんやりしているのか、焦点の合わない目が揺らめいて。
やがて捉えるのは、彼を覗き込む人物の顔。その奥にはそっぽを向いた人影も見えるようで。

「あ、気が付いた?」
茶色の髪のその人物が表情を綻ばせて呼び掛けてくる。
一瞬の間を置いてそれが誰であるか気付いた男は、バッと身を起こした。

「え・・・あ、あっ、おはようございます!」
彼の口調が慌て上擦ってしまうのも仕方がないだろう。目の前にいる二人は事務所が違う上に
芸歴的にも幾らか差のある先輩。そう馴れ馴れしくできるような相手ではない。
「大丈夫? どんだけ酔っぱらってたのかはわからないけど・・・こんな所で寝ていたら、風邪引くよ?」
そんな彼に茶髪の男は更に声を掛ける。
「いえ・・・その・・・もう大丈夫、だと思います。」
心配そうなその響きに、男は思考が明瞭にならないままに言葉を返した。
その回答に、茶髪の男・・・島田は傍らの赤岡と共に安堵の笑みを漏らす。
一度同調した石が封じられれば、同時にその所有者は石とそれにまつわる記憶をも封じられる。
そして島田の白珊瑚による浄化も手伝って、先ほどまでインカローズを操り、そして呑み込まれていた男は
インカローズを手にする前のようなおとなしく礼儀正しい若者に逆戻りしたようであった。
たとえまた、その内側で激しく狂暴的な嫉妬心が燻っても、今まで通りに理性で押さえつけられるぐらいに。

「良かった。どこかで見覚えのある顔が倒れてたから・・・心配で。」
この様子なら、重ねて虫入り琥珀で記憶を消さなくても大丈夫なようだ。
その事に改めて安堵し、けれど表では嘘を重ねる島田に男は心底申し訳なさそうな表情を浮かべた。

・・・そんな顔をされたら、辛くなるのはこっちだよ。
口に出しかける、言葉を呑み込んで。島田はニコリと微笑むと男の手を取って立ち上がらせてやった。
石による疲労からか蹌踉めきはしたけれど、ちゃんと男は両脚で立てているようである。

「また今度・・・ライブのゲストに呼んでくださいって、何なら誰かに伝えといてくださいね。」
図々しくも、どこか冗談混じりに告げる赤岡の言葉に男は頷くと、一言二言、二人と会話を交わした後に
お礼の言葉を残して駅の方へと歩き出していった。



「・・・・・・・・・・・・。」
ネオンの明かりが差し込む角から男の背中が見えなくなった途端。
赤岡と島田のどちらからともなく溜息が漏れた。

男はすっかり忘れてくれているようだけど、そもそも彼にインカローズを渡したのは赤岡。
石と同調し、扱い方を覚えた男にスピードワゴンの二人を襲うようそそのかしたのは、島田。
罪悪感を全く感じない、といえば嘘になる。
「・・・あの石も、駄目だったね。」
それでもアスファルトに一度視線を落とし、島田が呟いた。
「あぁ。」
赤岡は気のない返事を返し、そっと左の頬に触れる。
「今日はあの人達にも気付かれるし・・・野村達も力ある石を手にしたみたいだし・・・最悪だな。」
磯山に殴られたその箇所は強い熱をもっていて、指で触れただけでもズキッと痛みが走り、
赤岡は思わず顔を顰めた。
「痛・・・っ。」
「もっと良く冷やしておいた方が良いと思うけど・・・自業自得だよ。」
まぁ、野村達が『黒のユニット』側に身を置く事を思えば、まだスピードワゴンの二人も付いてるし、
『白のユニット』に近い立ち位置を取れて良かった方だと思うけど。
肩を竦めて島田は言い、赤岡の顔を見やる。
殴られた時に口の中も切ったのか、唇の端に滲む赤が痛々しいけれど。
それだけで済んで良かった・・・そう思わないとならないほど、二人の歩む道は裏通りに伸びていて。

「確かにそうだけど・・・あそこをお前に任せたら、絶対ボロが出ると思ったから。」
「・・・まぁ、ね。」
力無く赤岡の言葉に頷いて、島田は彼のネックレスから下がる黒珊瑚に視線を移動させる。
彼の持つ白珊瑚と対になる石。
虫入り琥珀を除けばあまりにもそれは微弱なモノであったが、二人にとって唯一石を巡る戦いから
自分達の身を守るために行使できる力であろう。

「僕の石も、こんなクズ石じゃなくてもっと強い石だったら。」
良かったのに、と祈るように呟く島田の言葉に抗議するように、白珊瑚がシャツの胸ポケットの中で瞬く。
「だから・・・見つけだすんだろ。」
シャツの生地を透けて見える輝きに、僅かに苦笑を浮かべて赤岡は島田に告げた。
ライブの楽屋や稽古場、友人からのメールや電話から日々届けられる、芸人の持つ石を巡る戦いの情報。
表向きは急病やバイク事故などと報じられつつ、実は・・・という芸人がちらほら見受けられる中で。
石を巡る戦いに怯えず、漫才に専念するためにも、彼らに必要なのは戦いに耐えられる強い石。
戦いから逃れるために戦いを引き起こす・・・他人を傷付けてまで本末転倒な行動を取らざるを得ない弱さを
人よ、笑いたくば笑えばいい。

「じゃ、そろそろ僕達も帰ろうか。」
「・・・そうだね。」
またお互いに溜息を付くと、そんな会話を最後に残し、二つの背の高い影は闇の中へと消えていった。




やがて東京タワーを照らすライトが薄れ、夜も明ければ。
きっと、何事もなかったかのように一日が始まるのだろう。
一見いつも通りに見える、その裏にそれぞれの想いと願いと期待を秘めたまま。


                                          ――― fin
以上にて「読み切りみたいな」と言いつつ長々と続いた話は終了です。
何げに投下が週一ペースになっていたぐらい、書いている方は楽しかったのですが、
読む方でも少しでも暇つぶしになっていれば幸いです。
>>885
乙です!本当にハラハラして読み応えがあって、面白かったです。
次回作も楽しみにしています!
887名無しさん:04/10/28 23:13:33
乙です!面白かったです!
888名無しさん:04/10/29 14:57:20
ぐいぐい引き込まれて読みました。面白い!終ってしまうのがもったいないですね。

例の飴ちゃんってもしや、このスレでアンジャも持っていた例の飴ちゃんでしょうか?出回ってるな〜w
これからは大本のストーリーにガイシュツの短編が統合されて進んでいくのかな?楽しみだなー。
889名無しさん:04/10/31 00:58:01
>>885
いつもありがとさんでした!
暇つぶしどころか毎回内心はキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!の嵐でした
書きたくなったらまたいつでもいらして下さい!乙です!
890名無しさん:04/10/31 02:06:21
あと残り20kbだね。そろそろ次スレ立てた方良いかな。
891名無しさん:04/10/31 21:38:17
age
892名無しさん:04/11/01 13:59:53
900くらいでいいんじゃない?
893名無しさん:04/11/03 00:48:46
ほす
894名無しさん:04/11/03 08:34:34
テンプレは >808-811 >815。
895名無しさん:04/11/03 12:18:49
スレ立てチャレンジしてみてみます
896名無しさん:04/11/03 13:03:30
テンプレ作ったものですが、ちょっと修正してもかまいませんか?
(登場芸人とか書き手さんとかの部分)
897名無しさん:04/11/03 13:56:39
ドゾー
898896:04/11/03 15:23:12
それでは、修正したやつを・・。
>>810、815修正
以下はスルーしても構わない設定です。
・一度封印された石でも本人の(悪意の無い)強い意志があれば能力復活可能。
 暴走する「汚れた石」は黒っぽい色になっていて、拾った持ち主の悪意を増幅する。
 封印されると元の色に戻って(「汚れ」が消えて)使っても暴走しなくなる。
 どっかに石を汚れさせる本体があって、最終目標はそこ。
・石の中でも、特に価値の高い(宿る力が高い)輝石には、魂が宿っている(ルビーやサファイヤ、ダイヤモンド、エメラルドなど)
 それは、古くは戦前からお笑いの歴史を築いてきた去る芸人達の魂の欠片が集まって作られたかりそめの魂であり、
 石の暴走をなくす為にお笑い芸人達を導く。
・石の力は、かつてない程に高まった芸人達の笑いへの追求、情熱が生み出したもの。
 持ち主にしか使えず、持ち主と一生を共にする(子孫まで受け継がれる事はない)。
・石の暴走を食い止め、封印しようとする芸人たちを「白いユニット」と呼ぶ。
 逆に、奇妙な黒い欠片に操られて暴走している芸人たちを「黒いユニット」と呼ぶ。
 (黒い欠片が破壊されると正気に戻る。操られている時の記憶はなし。) 

現在の書き手さん  ()内は出演中の芸人、?は名前未登場芸人、「」は登場予定
本編
オデンヌ ◆RpN7JISHH. さん(ダンディ坂野、スピードワゴン、中川家、「長井秀和」、「劇団ひとり」)
じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQ さん(CUBE)
619 ◆QiI3kW9CIA さん(品川庄司)
カンニング編 ◆8Y4t9xw7Nw さん(カンニング)
156=421 ◆SparrowTBE さん(麒麟、いつもここから、友近)

番外編
現在執筆中 ◆n28wRDMeV2 さん(ダンディ坂野、あばれヌンチャク、ビッキーズ、スピードワゴン、おぎやはぎ、ダウンタウン浜田)
ピン芸人@692 ◆LlJv4hNCJI さん(長井秀和、劇団ひとり、波田陽区)
899896:04/11/03 15:26:04
>>898続き
>>811修正
登場芸人  番外編登場芸人、本編の芸人の能力等の詳細はまとめサイトで
()内は石
本編
・あばれヌンチャク 斉藤(タンザナイト)/竹内(ブルーゴールドストーン)
・アンガールズ 田中(ハウライト)/山根(アベンチュリン)
・アンジャッシュ 児島(オパール)/渡部(水晶(透明))
・アンタッチャブル 山崎(シェルオパール)/柴田(ファイアオパール)
・いつもここから 山田(グリーンフローライト)/菊地(ツァボライト、アイオライト)
・江戸むらさき 野村(バイオレット・サファイア(甲))/磯山(バイオレット・サファイア(乙))
・エレキコミック 今立(ウレクサイト)/谷井(ピンクトルマリン)
・おぎやはぎ 小木(トルマリン)/矢作(ラリマー)
・カンニング 竹山(ルビー)/中島(サファイヤ) 
・CUBE 石川(ウォーターメロン・トルマリン)/和田(?)
・麒麟 川島(黒水晶)/田村(白水晶)
・くりぃむしちゅー 有田(パイライト)/上田(ホワイトカルサイト)
・号泣 赤岡(黒珊瑚)/島田(白珊瑚、虫入り琥珀)
・さくらんぼブービー 鍛冶(オキニス)/木村(カーネリアン)
・品川庄司 品川(ラブラドライト)/庄司(モルダヴァイド)
・スピードワゴン 井戸田(シトリン)/小沢(アパタイト)
・ダンディ坂野(花崗岩)
・友近(レッドベリル)
・中川家 剛(キャッツアイ)/礼二(アレキサンドライト)
・ドランクドラゴン 塚地(ヘマタイト)/鈴木(ジャスパー) 
・南野やじ(クリソプレース)
・?("Violet Sapphire")(インカローズ)
・?(エレキ短編)(モルダバイト)
900896:04/11/03 15:27:02
>>899続き
設定のみ投下済みの芸人、石(スルー可)
()内は石
・三拍子 高倉(アポフィライト)
・テツandトモ テツ(トパーズ)/トモ(アクアマリン)
・東京03 飯塚(アウイナイト)/豊本(ブルータイガーアイ)/角田(ラピスラズリ)
・バナナマン 設楽(ソーダライト)/日村(スモーキークォーツ)
・ヒロシ(カンラン石)
・ラーメンズ 片桐(カオリナイト)/小林(トルコ石)

以上です。これら以外は以前の(<<808、809)で。
ちなみにあばれヌンチャクと南野やじは「やっくんを止めろ!」より、です。
901名無しさん:04/11/03 20:42:07
テンプレ修正乙です
つか新スレ立てられませんでした。誰かよろしくお願いします○| ̄|_
902名無しさん:04/11/03 20:56:19
号泣の浜松駅での件読んでて泣いてしまったよ・・・。
「忘れられる」という代償を追ってでも芸人でありたいって、すごい矛盾。
矛盾と罪悪感を背負ってる号泣が悲しい。
903名無しさん:04/11/04 02:21:47
テンプレ自分なりに整理できたら、ちょっと新スレ立ててみます。
904名無しさん:04/11/04 02:48:13
新スレ立て終了。
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1099502933/l50

…テンプレ一箇所ミスって二重投稿しちゃった(´・ω・`)ゴメンナサイ
905名無しさん:04/11/04 04:05:34
乙です!スレ立てthx
906設定だけ…:04/11/04 19:10:48
オパールの種類について調べたら思いついた設定を。

・元々は幸運の石とされていが、一時期人々の信仰により不幸の石として忌み嫌われた。
しかし、その後再び幸運の石として持て囃される様になった。
(人々の思想に振り回されたことで『人間への不満、反発新』を連想…)
・様々な種類があり、それぞれ違う意味を持っている。
(オパール同士で何か繋がりがあったら面白いかも…)

普段力を正しいことに使われている石でも、何かの拍子で一斉に悪い効果を表す。
例)持ち主の心を操り他人に対する不信感を持たせ、仲間を裏切らせたり、陥れさせたりする。

何かの拍子というのを敵の能力者の所為にしてみたり、
喧嘩した所為だったり、と色々考えてみたのですが…如何でしょうか。
つまらなかったらスルーして下さい;

参考程度に↓    宝石言葉    今までに出てる持ち主
ボルダーオパール 「希望・無邪気」 アンジャッシュ児嶋
ファイアオパール  「勇気・行動力」 アンタッチャブル柴田
シェルオパール   「和合・合体」  アンタッチャブル山崎
ホワイトオパール  「愛・神の守護」
ブラックオパール  「威嚇・幸福」
イエローオパール  「隠された本能」
ウォーターオパール 「内面に秘められた強い情熱」
アイアンオパール  「思いやりのある行動」
907名無しさん:04/11/04 22:05:49
バナナマン設楽さんには是非黒ユニットになってほしい。
(日村さんには秘密で)
設楽に説得された人々vs白ユニット、
その影で、設楽vsおぎやはぎ、とか見てみたいな。

希望だけスマソ
908名無しさん:04/11/05 00:27:08
>>906
すごく興味深いです。あまり知らずにその中の一人を書いてしまったもので…勉強になりました。

>>907
ハゲド!彼は間違い無く黒な気が。
今の所白ユニットは誰だっけ…スピワ・アンジャ・麒麟・江戸むら位かな?一堂に会するのはいつの日か…
スレ立て乙です!今、CUBEとか黒ユニット編を書いているのですが
設楽さん黒ユニットって面白いなーと。

じゃあ、人を操る矢作の能力が欲しくて、味方に引き込もうとする設楽VS矢作を守りたい小木とかどうでしょう?
事情がわからなくてオロオロする日村とかw

勿論スルー可能なんですが・・・。自分でも書いてみたいけど、他の方が書いた物も読みたいです!
910名無しさん:04/11/05 02:39:34
>>じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQさん

それいい!是非お願いします。
911名無しさん:04/11/05 03:30:39
>>906
>普段力を正しいことに使われている石でも、何かの拍子で一斉に悪い効果を表す。
持ち主が人間ですから、石も影響されてそうなることもあるかもしれませんね。
私は面白いと思いますよ〜。
912906:04/11/05 16:51:49
>>じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQさん
面白そうですね。イメージに合いそうで楽しみです。

あと意見どうもでした。オパールの設定について
リチャホメンバーと人力あたりでお話思いついたのですが…
◆dRwnnMDWyQさんが書かれているのや今までのお話とは全く別物にするべきでしょうか。
それとも時間の設定をずらして書いちゃったりしても大丈夫ですか?
能力は今までの設定のままで使わせてもらっているのですが。
>>906
いえ、全然すべてスルーして頂いて結構ですよ。
どっちかと言えば自分が書いている方が番外編に近そうですし・・・。
自分を書いてる方を番外編扱いで、>>906さんの方を本編として進められても結構だと思います。

楽しみにしています!
914906:04/11/05 17:02:55
>>◆dRwnnMDWyQさん
即レス有難う御座います。
ちょっと話しがぶっ飛んだことになるかもしれないので、
上げてから皆さんに本編かどうか判断していただけばいいですかね;

書き手としてはまだまだ未熟者ですので、
なんとか読んでいただけるものを書ける様努力します!
◆dRwnnMDWyQさんも頑張って下さい。実はコッソリ尊敬してます++
もしかしたら使うかもしれないので、とりあえず設定だけ…

渡辺 隆浩(インスタントジョンソン)
石…アマゾナイト←意志力・精神力を強化させ、活性化させる。
  創造性を高め、情緒を豊かにする。緑色
能力…想像したものを創造することが出来る。
   もともと想像するのが趣味な渡辺がこの石を使うと、
   生物、無生物以外に現象までも作り出すことが出来る。
条件…集中して想像するだけである程度のものは作り出せる。
   具現化されたものは本人の意識が消えるまでは無くならない。
   勿論自分の意思で消すことも可能。
   他の石同様、消費したパワーに比例して体力が削られる。

杉山 貢一(インスタントジョンソン)
石…アゲート←持久力や体力をもたらす。紅色
能力…体力を上げて肉弾戦向きの能力。
   発動することによって長時間動き続けることが出来る。
   肉体もある程度強化される。(殴られても痛くない程度
条件…発動後は自分の意思一つで筋力や体力を操れるが、
   人間の域を超えた動きは出来ない。(例、素手でナイフを掴む等
   その為、戦闘時は渡辺の能力で出した武器を使用することが多い。
   使用後の反動はあまり無く、あっても殴られたところが痣になったり、
   運動不足なときに筋肉痛になるくらい。
佐藤 祐造(インスタントジョンソン)
石…ジルコン←エネルギーを吸収し、放出する石。又、癒しの効果もある。青色
能力…「おつかれちゃ〜ん」の一言で仲間の体力を回復する。
   「ありがとちゃ〜ん」の一言で相手の放出したエネルギーを吸収、反射して
   青いレーザーを発する等武器にもなる。
条件…決められた言葉を発しない限り発動しない。
   吸収したパワーを使うため、攻撃時はあまり本人への負担は無い。
   仲間の体力回復に使うときは本人の体力も消費される為
   使用後に休養が必要。
917お試し期間中。:04/11/05 23:10:19
ちょっと反応見てみたいので書き出しだけ投下します。

男は先程から楽屋の前で聞き耳を立て、室内の様子を窺っていた。
中からは撮影本番前の緊張感の中、最後のネタ合わせをしている芸人達の声が聞こえてくる。
スタッフとしてこのスタジオに送り込まれた男の使命は、ある石に眠る悪意を目覚めさせる切欠を作る事。
事前に黒い欠片の影響を受けた石を持たせた芸人は、既に楽屋に潜り込ませてある。
後は自分がいつ合図を送るか、それだけだ…


本番前の騒々しい楽屋のあちこちで芸人達はネタ合わせをしている。
「…いい加減にしろっ!」「「ありがとう御座いましたー…」」
「よっし。時間はピッタリだから、これで本番もいけるだろ」
「此処もう少し直した方が良いんじゃね?」
まだ駆け出しの若手芸人達が最後の最後まで念入りに打ち合わせをしている中、
部屋の隅のほうに腰掛けて室内をじっと観察しているトリオが居た。
普段は社交的なイメージの芸人なだけに、彼らを知っている者は少なからず違和を覚えていたが、
もしかしたら腹の調子が悪いだけかもしれないと、特に声を掛ける様な事もしなかった。
918名無しさん:04/11/06 05:04:42
>>915-917
乙です。面白そうですね!
でもちょっと強すぎるかな…とか。条件がもうちょっとあった方がいいかも。
919名無しさん:04/11/06 13:17:48
>>915-917
乙。面白そう!
ところで提案なのですが、能力が強すぎては面白くないので
↓のような条件はいかがでしょうか?
もちろんスルー可能です。


渡辺 隆浩(インスタントジョンソン)
条件…具体的に想像しなければ作り出せない。
   具体的に想像できなかった場合、その物質の威力は落ちる。
   (ナイフならグニャグニャだったり)
   複雑なものを作るには長時間の集中を要し、パワーも多く消費する。
   具現化されたものは本人の意識が消えるまでは無くならない。
   勿論自分の意思で消すことも可能。

杉山 貢一(インスタントジョンソン)
条件…発動後は自分の意思一つで筋力や体力を操れるが、
   人間の域を超えた動きは出来ない。(例、素手でナイフを掴む等
   使用後の反動は、操った筋肉部分が筋肉痛を起こす。
   (痛みの程度は能力使用時間に比例)

佐藤 祐造(インスタントジョンソン)
能力…「おつかれちゃ〜ん」の一言で仲間の体力を回復する。
   「ありがとちゃ〜ん」の一言で相手の放出したエネルギーを吸収し、
   自分の体力にできる。
条件…決められた言葉を発しない限り発動しない。
   仲間の体力回復に使うときは、本人の体力が仲間のダメージに伴い消費される。
920お試し期間中。:04/11/06 13:39:19
>>918 >>919
有難う御座います。
時間が無くて急いで作った設定だったんで、確かに今読み返すと相当無敵ですね;(笑
訂正後のインジョン、使わせていただきます。

本文投下しようかと思ったのですが、新スレとこっちどちらにしたほうが良いでしょうか?
こっちだと直ぐ埋まってしまいそうで心配なのですが…
921名無しさん:04/11/06 17:59:41
>>じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQさん

ちょっと遅レスですが「設楽VS矢作を守りたい小木」、是非とも読みたいです!
こっそりファンなので応援しております。頑張ってください!
922名無しさん:04/11/07 02:05:46
落ちそうなので一旦age
923名無しさん:04/11/07 02:27:48
>>じゃあちょっとためしに ◆dRwnnMDWyQさん

設楽VS小木!!ものすごく興味深いです!
想像するだけでわくわくしております…

インジョンもなにやら面白そうなことになりそう
みなさんの作品楽しみに待ってます!
924お試し期間中。
無駄に長くなったんで新スレの方に上げておきました。
よかったら読んでやって下さい。