ロマンティスト・柊あおい

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12花と名無しさん
>>11
私の主観バリバリモードですが、いちおうお応えしておきましょう。
結論から言うと、原作と映画はまるっきり別物と考えたほうがよいでしょう。
映画は原作の設定をラフに仮借したにすぎず、私はよく原作からあそこまで構想をふくらませ、
まったく別路線で成功させてしまったなあと、しきりに感心してしまいます。
原作はほんの短い、他愛もない話なんで、あの大物宮崎駿氏が原作のどこに目をつけ、
どこに惹かれ、どうインスピレーションを感じたのか、いまだに謎ですらあります。
映画の言葉を借りれば、「粗々しい原石」すらもちょっと感じ取りにくいような気もするんですが、
まあともかくスタッフの鋭意で「原石」は光り輝く結晶へと磨き抜かれ、
ちょっと意地悪に言えば、原石の原形をまったくとどめていない別物へと転化してしまったように思います。

ただ、私は原作の柊氏にしてはギャグっぽい話もそれなりに楽しめたんで、
映画とは別物だと割り切って読むのはいいと思います。
それから、映画化で話題になったことから、原作から数年を経て
「その後」(もちろん原作版の)のストーリーも描かれ、こちらも単行本化されていますが、
こっちは完全に「蛇足」と切り捨ててしまってよいでしょう。
人気にあやかってエピローグを書いたはいいが、
はたして柊氏本人は乗り気だったのかと疑わせるような、薄っぺらい作品でした。